第091回国会 決算委員会 第1号
昭和五十五年一月二十二日(火曜日)
   午前十一時六分開会
    ―――――――――――――
   委員氏名
    委員長         志苫  裕君
    理 事         岩崎 純三君
    理 事         寺下 岩蔵君
    理 事         原 文兵衛君
    理 事         降矢 敬雄君
    理 事         穐山  篤君
    理 事         和泉 照雄君
                伊江 朝雄君
                石本  茂君
                河本嘉久蔵君
                北  修二君
                坂元 親男君
                世耕 政隆君
                永野 嚴雄君
                長谷川 信君
                藤井 裕久君
                藤川 一秋君
                降矢 敬義君
                増岡 康治君
                佐藤 三吾君
                野口 忠夫君
                丸谷 金保君
                安永 英雄君
                黒柳  明君
                田代富士男君
                沓脱タケ子君
                安武 洋子君
                三治 重信君
                喜屋武眞榮君
                秦   豊君
    ―――――――――――――
   委員の異動
 十二月二十一日
    辞任         補欠選任
     長谷川 信君     野末 陳平君
     秦   豊君     円山 雅也君
 十二月二十二日
    辞任         補欠選任
     安永 英雄君     和田 静夫君
     野口 忠夫君     坂倉 藤吾君
    ―――――――――――――
 出席者は左のとおり。
   委員長          志苫  裕君
   理 事
                岩崎 純三君
                寺下 岩蔵君
                原 文兵衛君
                降矢 敬雄君
                穐山  篤君
                和泉 照雄君
   委 員
                伊江 朝雄君
                永野 嚴雄君
                藤井 裕久君
                降矢 敬義君
                増岡 康治君
                佐藤 三吾君
                和田 静夫君
                田代富士男君
                沓脱タケ子君
                円山 雅也君
   国務大臣
       国務大臣
       (内閣官房長官) 伊東 正義君
       国 務 大 臣
       (総理府総務長
       官)
       (沖繩開発庁長
       官)       小渕 恵三君
       国務 大 臣
       (行政管理庁長
       官)       宇野 宗佑君
       国務大臣
       (防衛庁長官)  久保田円次君
   政府委員
       内閣法制局長官  角田禮次郎君
       国防会議事務局
       長        伊藤 圭一君
       人事院総裁    藤井 貞夫君
       内閣総理大臣官
       房会計課長兼内
       閣参事官     京須  実君
       内閣総理大臣官
       房管理室長    関  通彰君
       青少年対策本部
       次長       松浦泰次郎君
       日本学術会議事
       務局長      大濱 忠志君
       公正取引委員会
       委員長      橋口  收君
       公正取引委員会
       事務局長     渡辺 豊樹君
       公正取引委員会
       事務局取引部長  劒持 浩裕君
       警察庁警備局長  鈴木 貞敏君
       公害等調整委員
       会事務局長    永山 貞則君
       宮内庁次長    山本  悟君
       皇室経済主管   中野  晟君
       行政管理庁長官
       官房会計課長   田代 文俊君
       行政管理庁行政
       管理局長     加地 夏雄君
       行政管理庁行政
       監察局長     佐倉  尚君
       防衛庁長官官房
       長        塩田  章君
       防衛庁防衛局長  原   徹君
       防衛庁人事教育
       局長       夏目 晴雄君
       沖繩開発政務次
       官        伊江 朝雄君
       沖繩開発庁総務
       局長       美野輪俊三君
       沖繩開発庁総務
       局会計課長    宮島  茂君
       法務省刑事局長  前田  宏君
       外務大臣官房長  柳谷 謙介君
       外務省欧亜局長  武藤 利昭君
       大蔵省主計局次
       長        禿河 徹映君
       自治省行政局長  砂子田 隆君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        丸山 利雄君
   説明員
       内閣総理大臣官
       房総務審議官   和田 善一君
       北方対策本部審
       議官      小宮山五十二君
       大蔵省主計局給
       与課長      日吉  章君
       通商産業省産業
       政策局消費経済
       課長       野口 昌吾君
       自治省行政局選
       挙部長      大林 勝臣君
       会計検査院事務
       総局第一局長   岩井  毅君
       会計検査院事務
       総局第二局長   藤井健太郎君
       会計検査院事務
       総局第三局長   肥後 昭一君
   参考人
       沖繩振興開発金
       融公庫理事長   岩尾  一君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○調査承認要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○昭和五十一年度一般会計歳入歳出決算、昭和五
 十一年度特別会計歳入歳出決算、昭和五十一年
 度国税収納金整理資金受払計算書、昭和五十一
 年度政府関係機関決算書(第八十四回国会内閣
 提出)(継続案件)
○昭和五十一年度国有財産増減及び現在額総計算
 書(第八十四回国会内閣提出)(継続案件)
○昭和五十一年度国有財産無償貸付状況総計算書
 (第八十四回国会内閣提出)(継続案件)
    ―――――――――――――
○委員長(志苫裕君) ただいまから決算委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 昨年十二月二十日、柳澤錬造君が委員を辞任され、その補欠として三治重信君が選任されました。
 また、十二月二十一日、秦豊君及び長谷川信君が委員を辞任され、その補欠として円山雅也君及び野末陳平君が選任されました。
 また、十二月二十二日、安永英雄君及び野口忠夫君が委員を辞任され、その補欠として和田静夫君及び坂倉藤吾君が選任されました。
    ―――――――――――――
○委員長(志苫裕君) 次に、調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。
 本委員会は、国家財政の経理及び国有財産の管理に関する調査を行うこととし、その旨の調査承認要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(志苫裕君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、要求書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(志苫裕君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
○委員長(志苫裕君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 昭和五十一年度決算外二件の審査及び国家財政の経理及び国有財産の管理に関する調査に資するため、必要に応じ、政府関係機関等の役職員を参考人として出席を求めることにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(志苫裕君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、日時及び人選等につきましては、これをあらかじめ委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(志苫裕君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
○委員長(志苫裕君) 次に、昭和五十一年度決算外二件を議題といたします。
 本日は、内閣、総理府本府、行政管理庁、沖繩開発庁及び沖繩振興開発金融公庫の決算について審査を行います。
    ―――――――――――――
○委員長(志苫裕君) この際、お諮りいたします。
 議事の都合により、これらの決算の概要説明及び決算検査の概要説明は、いずれもこれを省略して、本日の会議録の末尾に掲載いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(志苫裕君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
○委員長(志苫裕君) 質疑通告のない角田内閣法制局長官、伊藤国防会議事務局長、松浦青少年対策本部次長、小宮山北方対策本部審議官、大濱日本学術会議事務局長、渡辺公正取引委員会事務局長、永山公害等調整委員会事務局長、山本宮内庁次長及び岩尾沖繩振興開発金融公庫理事長は退席していただいて結構です。
 なお、小渕総理府総務長官、宇野行政管理庁長官及び藤井人事院総裁は、後刻再び出席していただくこととし、一時退席していただいて結構であります。
 それでは、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
○穐山篤君 自衛隊の機密漏洩事件についてまずお伺いをしたいと思います。
 今回の現職の自衛官を含めて三名の自衛隊員によります機密漏洩事件というのは、非常に大きなショックを国民に与えたというふうに思います。特に、直接の担当者が長期にわたって、なおかつ、それが組織的に防衛情報を提供していたという事実が発覚したわけであります。また、機密の保全が全くずさんであったということについても明瞭になったわけであります。自衛隊の存在について国民の間には必ずしも一本化した気持ちはされてはいないと思いますが、国民が受けました衝撃は非常に大きいものと思います。
 そこで、今日まで明瞭になっておりますのは、三名の自衛隊員が逮捕された、それから三名の自衛隊員の家宅が捜索をされ、防衛庁内の施設も家宅捜査を受けた、さらに勾留の十日間が認められたという事実については明らかにされておりますが、それ以外のものについては新聞情報以上には出ていないわけであります。
 この際、政府として、今事件がどういう背景で行われたのか、あるいは捜査の現状がどういうところまできているのか、さらには捜査の状況から考えてみて、これ以上大きく発展をする可能性がありや否や、そういう問題に非常に関心があるわけです。当の主管であります官房長官からこれらに対します政府の公式な態度、まずその点について見解を求めたいと思います。
○国務大臣(伊東正義君) ただいま御質問のありました自衛隊員の機密漏洩事件というのは、もうはなはだ遺憾なことでございまして、まさに起こり得べからざることが起きたというような感じを持っておるわけでございます。最も規律が厳正、秘密の保全ということに最高の関心を持ってもらわなければならぬ自衛隊の中からこういう事件が出ましたということは、いま先生のおっしゃいました自衛隊に対します国民の感情というものがございます。こうした国民が自衛隊に対して信頼感を失うんじゃないか、あるいは国の防衛ということにつきまして責任を持つ自衛隊に対して、内外の信用を失うおそれがあるというような事件でございまして、この点は国民の皆様に本当に何と申しわけをしておわびをしたらいいかというような感じを持っておるところでございます。本当に遺憾なことだと国民の皆さんにおわびを申し上げる次第でございます。
 なお、いま捜査は進展している段階でございますので、いま政府では捜査が厳正に行われることを見守っておるということでございまして、防衛庁の長官も訓示をしまして、秘密保全を厳正にやる、規律を厳正にし、秘密の保全に厳正な態度をとるように十分注意するように、再発を防止するようにというような指示をいましているところでございます。
 なお、いま先生のおっしゃいました事件の内容の問題でございますが、これはきょうも閣議で大臣から報告があったわけでございますが、これがいつごろから始まっているのか、あるいはどういう動機でこれが行われたのか、どういう資料が外部へ出たのかということにつきましては、いま捜査の途中でございますので、今後わかり次第――まだ判明しておらぬので、わかり次第また報告をするという、閣議でただいま報告があったわけでございまして、いま私どもは動機の問題、あるいはいつごろから始まったか、あるいはどの程度に広がる可能性があるのかないのかということについては、詳細は捜査の段階で、それを私どもは見守っているというのがきょう現在の状態でございます。
○穐山篤君 逐次聞いていきますけれども、その前に明らかにしてもらいたいと思いますのは、まあ、あり得べからざる事件が起きたわけです。これは、防衛庁あるいは自衛隊以外の一般の市民がこの種の活動を行った、あるいは行為を行ったというものでなくて、OBを含む中枢の現職が行ったというところに特別な問題点があるわけです。
 で、捜査が逐次進むとは思いますが、この種事件で警視庁が確信を持って逮捕したということは、他の例あるいは他の事件と違うまた意味合いを持っております。確証がなければこういう逮捕、捜査ということはあり得ないと思うんです。その立場から考えてみまして、今回の不祥事といいますのは、まあ日本の国あるいは国民全体にとってみても、単なるショッキングという事件を超えて、見方によれば裏切りという、そういう判定も下さなければならない重大事件だと思うんです。そういう意味から言うならば、政府の責任、あるいは防衛庁の責任というのは非常に重大だと私は考えるわけですが、その点、官房長官いかがですか。
○国務大臣(伊東正義君) 先生のおっしゃるとおり、事件が一般市民というようなことでなくて、事防衛に関する自衛隊の中で起きた、現役の自衛官もそれに関係している、場合によってはいろいろ内外の問題もあるかもしらぬ非常に重要な問題だとおっしゃることは、私もそのとおりだと思います。政府もこの問題につきましては、捜査の進展を見守りながら、非常に重大なことだと思って注視をしているわけでございます。
 いま先生のおっしゃいました責任の問題でございますが、これは捜査の内容がいままだ範囲その他判明しない問題がございますので、いま私がここで軽々に具体的な責任論は申し上げませんが、責任があるということはよくわかります。この問題につきましては捜査の進展を見守って判断をしたいというふうに思っております。
○穐山篤君 具体的な責任のとり方の問題については、捜査が進むに従って、直接関与をした者に対する責任もあるだろうし、あるいは秘密保全なり機密保持の管理の立場から、どういう責任をとらせるかというのは、おのずから今後出てくると思うんです。しかし、今回の重大な事件が起きたその責任については、単なる事務的な責任でなくて政治的な責任と言わなきゃならぬと思うんです。その意味では、改めて捜査の進展を見ないまでも、ほぼ事件の概要というのは明瞭になってきたわけでありますので、この際、責任を明らかにする、このことが政治家にとって、あるいは政府にとって、何よりも今後の安全保障体制を考えた場合に一番大切なことではないだろうかというふうに考えますが、もう一度その点官房長官にお伺いします。
○国務大臣(伊東正義君) おっしゃるように、この問題が発生したことにつきましては、先生の言われる具体的な責任のほかに、こういうことが起きたという政治的責任もあるということは、おっしゃることは私はわかります。それをどういう形であらわすかということはまたおのずから別な問題でございますので、私どもとしましてはもう少し事態の推移を見て、その点をはっきり申し上げたいというふうに思うわけでございます。
○穐山篤君 次に、捜査当局――警察庁にお伺いをしますが、先ほど私が申し上げましたように、これは単なるうわさ程度では逮捕したり捜査を行うしろものではないと思います。相当の確証というものがきちっと整備をされていて逮捕に踏み切った、あるいは捜査に入った、なおそれを十分固めるために十日間の勾留請求を行った、こういうふうに見るのが正しいと思うんです。
 さてそこで、捜査の現状について、言える点もあるだろうし言えない点もあろうと思いますが、捜査の概況、まずその点からお伺いいたします。
○政府委員(鈴木貞敏君) お答えいたします。
 この事件は、警視庁の公安部が、一月十八日の夕方でございますが、元陸将補の宮永幸久それから現職の自衛官の二等陸尉の香椎英一、同じく准陸尉でありまする大島経利、この三人を自衛隊法違反及び窃盗の容疑で逮捕いたしまして、十九日の夕方、身柄つきで東京地検に送致した、その上勾留されまして、現在はこの事件の全貌を解明するために全力を警視庁では尽くしておるというふうな段階でございます。したがって、先ほど官房長官の御答弁にもありましたように、まさにいま本格捜査の緒についたという段階でございますので、こういった行為をいつごろからやっておったか、あるいは背景が何であるか、あるいは将来の進展はどうなのかというふうな面については、まさにこれからの捜査にかかっておる、こういうふうな現況でございます。
○穐山篤君 十八日の日に、警視庁公安部が宮永と大島が接触をしているところを現認をして逮捕した、こういうふうに聞いていますが、その点いかがですか。
○政府委員(鈴木貞敏君) 仰せのとおりでございまして、宮永と大島が接触する、物の授受があるという現場、これを捜査員が確認いたしまして、その結果逮捕に至った、こういう経緯でございます。
○穐山篤君 その宮永と大島が接触した場面では何らかの機密の情報、あるいはどの程度の情報かわかりませんが、一定のものを持っていたわけですね。それを逮捕したときにあわせてその資料も押収をしたわけですね。その押収した資料の中から、宮永が長で、現役の香椎なり大島がその材料の提供を宮永に行っていた、こういう確たる証拠はあったんですか。
○政府委員(鈴木貞敏君) 仰せのとおり、現場の職質をしたのは十七日の夕方でございまして、その際二人を署に任意同行いたしましていろいろ事情を聞く、あわせまして授受された書類、書面、これにつきましていかなる性格、性質の書類であるかということにつきまして、防衛庁の協力を得ましてその書類のいわゆる性格、そういったものを判断した上で逮捕令状を請求いたしまして、その上十八日に逮捕した、こういうかっこうでございまして、令状を執行して逮捕したと、こういうかっこうに、慎重な手続になっておるということでございます。
○穐山篤君 そこで、防衛庁にお伺いをしますが、宮永が現職でおったときに収集できる範囲の情報、それから退職後の宮永が持ち得る情報の範囲というものはお調べになっていたと思いますが、ここの点。
 それから、陸幕の香椎英一がいままで担当をしておった専門的な作業、同じく調査部二課の大島経利が担当しておった仕事の中身あるいは情報が収集できるであろうと思われる範囲というもの、言える部分、言えない部分もあるだろうと思いますが、概略どういう状況にあったか、あらかじめ説明をいただきたいと思うんです。
○政府委員(原徹君) 宮永は防衛庁におきまして情報系統の仕事をずっとやっておりまして、四十四年の七月には調査学校の情教課長、それから四十六年の七月に副校長をいたしておりますし、それから中央資料隊付ということもやっておりますので、いわゆる情報と申しますのは、主としては外国の事情についての情報についてかなりの範囲のものは知り得る立場にはあったとは思います。
 それから大島准尉でありますが、これは陸上幕僚監部の調査部の調査第二課というところでございまして、その仕事は文書の授受、保管等庶務的な事務でございます。したがって、普通のことから申しますと、そういう庶務でございますから情報の中身に直接触れる立場ではございませんが、しかし、場所が場所でございますから、その範囲では知ることができたような状況にあると思います。
 それからもう一つの香椎でございますが、香椎は中央資料隊本部で、これは中央資料隊の業務計画とか、要するにどういうことをこれからやっていくという業務計画とかあるいは予算、そういう運用、そういう立場でございますので、直接またこれも資料の中身を知り得る立場にはございません。直接的にはそうでございますが、これも場所が場所でございますから、どういう手段かで知り得たかもしれない、そういう状況でございます。
○穐山篤君 先ほど警察庁の説明によりますと、自衛隊法違反の容疑と窃盗罪の容疑があるということですが、まあ窃盗の方はともかくとして、自衛隊法の違反の容疑ということになりますと、自衛隊法第五十九条に該当するわけですか。
○政府委員(鈴木貞敏君) 仰せのとおりでございます。
○穐山篤君 さてそこで、報道では、宮永らが持ち出した情報、機密というものはソ連大使館員でありますコズロフ大佐に渡された、これも定期的に提供されていたというふうに報道されているわけですが、この確証はおありなんですか。
○政府委員(鈴木貞敏君) コズロフ大佐はすでに帰国をいたしておりますけれども、いままでの取り調べ状況その他から見まして、ソ連大使館員のコズロフ武官に渡しておったということが本人の供述等を通じまして一応確認されておるということでございます。
○穐山篤君 いまちょっと聞き取れなかったんですが、コズロフ大佐の単数ですか、それとも大使館員あるいはその他のソビエト人複数とかかわっていたんですか。コズロフ大佐一人だけが本事件に直接かかわっていたのか、あるいはそうでなくて、大使館員を含みます複数の者が直接これに関与しておったのかどうか、その点いかがですか。
○政府委員(鈴木貞敏君) その点につきましては現在鋭意捜査中でございます。
 なお、コズロフ大佐につきましては、一月の十九日の段階におきまして、外務省を通じて事情聴取をしたいという申し入れをいたしましたが、その日に帰国したというふうな状況がございます。
○穐山篤君 さて、自衛隊法第五十九条容疑ということになるわけですが、「隊員は、職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならない。その職を離れた後も、同様とする。」とごう規定をされているわけです。
 さてそこで、お伺いをしますのは、職務上知り得た秘密というものは、縦から見た場合と横から見た場合では違いがあろうと思いますが、以下私が申し上げることについて、イエスとかノーということは言えないにいたしましても、できれば感触を示してもらいたいと思います。
 それは、どこの国でも自国の安全保障のためには情報を収集するというのは当然のことでありまして、日本といえども例外ではないと思います。そういう立場からいろいろ考えてみますと、ソビエトの情報が日本の防衛庁なりあるいは日本にどの程度まで正確に収集されているかということを再確認する意味で情報を確認するというやり方もあるわけですね。今回の捜査の中ではその点についての印象はいかがですか。
○政府委員(鈴木貞敏君) 当初申し上げましたように、押収した資料につきましては、現在警視庁公安部におきまして鋭意整理、分析というふうな段階であるわけでございまして、その間その文書の性格、機密の度合い等につきましても防衛庁の協力を得てこれからやっていくというふうな段階でございますので、いまの御質疑については、私感触すら申し上げる段階でないという段階でございます。
○穐山篤君 ずいぶん慎重に答弁されているのはよくわかります。しかし、私は冒頭に指摘をしましたように非常に重要な問題でありまして、一九四五年以前、言いかえてみれば、戦時中ならばこれはほとんど公にもならなかったことだろうと思いますが、やはり議会制民主主義の立場から言うならば、国民はどうなっているんだろうと関心を示すことは当然だし、また一刻も早く疑惑を解明する、真相を明確にするというのもこれは国の責任ではないか、そういうふうに考えるわけです。確かにそれは分析をしなければならぬということはわかると思いますが、大体どういう範囲のものであるかぐらいのことは、これだけ新聞報道に出ておりますと、頭から否定をするという態度は少し問題があるんじゃないかと思うんです。
 そこで、くどいようでありますが、二つ目にお伺いしますのは、日本の自衛隊の配備状況だとか装備だとか、そういうものが――秘密の程度の度合いは別ですよ、極秘であるのか、あるいは秘であるのか、何であるかは別にいたしましても、日本の自衛隊に関する事項が資料として情報として提供されていたのではないかというふうに新聞報道からうかがえるわけですが、その点の感触はいかがですか。
○政府委員(鈴木貞敏君) いろいろのことが新聞に日々報じられておるわけでございますが、当初申し上げましたように、本回の事件につきましてはまさに緒についたということでございまして、警視庁公安部としましては全力を挙げてこの真相を究明するということで現在努力中でございます。したがいまして、押収資料につきましても現在慎重に分析しておる、こういう段階でございまして――これらの押収された分だけでございますね、渡してしまったということはそこまで全然わからない。要すれば、手元にあったその分についていま鋭意分析中、こういうふうなことであるわけでございまして、主として一応中国軍関係の情報が主体ではないかというふうなことがうかがわれる程度でございまして、それ以上確たるものはいまのところございませんし、いまおっしゃいました自衛隊の配備でございますか、そういうものがどうだということについては私は承知いたしておりません。聞いておりません。そういう段階でございます。
○穐山篤君 元自衛隊員あるいは現職の自衛隊員あるいは防衛庁関係の方が、直接在日米軍から連絡があって、本問題について協議をしたりあるいは参考人として呼ばれたりしているような事実はございませんか。
○政府委員(鈴木貞敏君) 資料関係につきましては、押収された資料につきましては先ほど言いましたようなことで、中国に関するものが主なようだということ、さらにまたアメリカが作成したというふうな資料もいまのところは押収資料の中に確認されておらない、こういうふうな報告を受けておるわけでございます。
○穐山篤君 そうしますと、いまいみじくも中国関係の資料らしきものというふうな話があるわけですが、日本が持っております中国の情報というのは、日本独自でお調べになった中国の情報もあるだろうと思いますし、それから米国があらゆる角度からお調べになって友好国であります日本に提供されている情報も含まれているというふうに思うのは当然であります。さらに、中国関係という話が出てくるならば、当然のことながら朝鮮半島におきます軍事情報あるいは相互安全対策上の情報も全くないというふうに言い切ることはできないと思うわけですが、その辺の感触はいかがですか。
○政府委員(鈴木貞敏君) いまの段階ではっきり言えますことは、現在鋭意分析中である、努力しておるということでございまして、そういう個々具体的なことについてはわからないと申し上げるより仕方がないという段階でございます。
○穐山篤君 鋭意分析中ということですが、先ほど、容疑というのは二つである、で、捜査をしていきますと必然的に、いまお話の出たような向きでいきますと日米安保条約なり日米安保協定にかかわる部分も発生してくるのではないかと推定をされるわけですが、その点の感触はいかがですか。
○政府委員(鈴木貞敏君) ともかく、現在慎重に分析中でございまして、私から推測的なことを申し上げることはできないということでございます。
○穐山篤君 さて、防衛庁にお伺いをしますが、通常、資料隊であるとかあるいは調査課というところは機密の事項を取り扱う、あるいは情報収集の最先端の部署だというふうに思うわけです。いままでこの種の事件が起きていなかったということも背景にはあるんだろうと思いますが、今度事件が発生してみて、防衛庁の情報管理、機密保全の機能というのが全くゼロでないか、そういう気持ちを抱いたわけですが、通常、この機密の保全、そういう点についての管理はどういう体制になっておったんですか。
○政府委員(原徹君) 防衛庁では秘密保全に関する訓令というのがございまして、まずその秘密の重要度を「機密」、「極秘」、「秘」という三段階に分けまして、それぞれにつきましてだれがそれを指定するかというようなこと、あるいはその取り扱う者の範囲を限定いたしておりますし、それから課ごとに保全の責任者というのも決めております。それを登録するというようなことで、まあ制度的にはかなりきちんとしてやっておったつもりでございます。しかしながら今回こういう不祥事ができまして、大変申しわけないと思っております。
 そこで、私どもも、どうしてこういうことが起こり得たかということを全体として管理体制、資料の管理体制あるいは人事の管理体制を含めまして、全庁的にこれを総点検しようということで、事務次官を長とする委員会をもう早急に、きょうにもあしたにも発足をさせまして、いかにしてこれが起きたかということを検討し、そうして二度と再びこういう事件が起こらないように厳重な管理体制をしこうと、そういうふうに考えているわけでございます。
○穐山篤君 秘密保全については訓令が二つあるわけですね。それは、自衛隊そのものについての秘密保全に関する訓令というのがありますし、日米安保関係に関しますのはまた別の訓令があるわけです。
 さてそこで、警視庁に個人が持っておりますメモその他のものは一切押収がされているし、それから資料隊あるいは調査課の二人のテーブルないしはロッカーから出てきました資料というものも押収をされているという状況だと思うので、防衛庁自身としては、その押収されたものがどの範囲のものであるとか、どの程度のものであるとか、あるいはどの程度影響力を持つものであるのかというのは、なかなかむずかしいと思いますけれども、従来のその秘密の区分でいけば「機密」になるのか、「極秘」になるのか、あるいは「秘」という程度のものであるのか、その点の印象はいかがですか。
○政府委員(原徹君) お説のように、私ども一体どういうものがなくなっているのかという点からいま調べておるのでございますが、何がなくなっているかということが判然といたしません、率直に申しまして。非常にそういうものは数がかなりございますので、あるいはコピーでとられたのかもしれないなというような感じもいたしますが、何がとられたのかということはいま調べ中でございますが、現在の段階でははっきりいたしません。
 そこで、「極秘」なもの、「機密」あるいは「秘」、どれかというような点につきましては、これから警視庁の方と、あるいはこれから連絡があって、これはどういうものであるかという御照会があろうかと思いますが、それを見て判断をいたしたいというふうに思いまして、現在の段階ではどういうものかということは定かにはわからないわけでございます。
○穐山篤君 警察庁に伺いますが、逮捕した三人、宮永、大島それから香椎は、警察庁の方では確たる資料を持っていま調べているということでありますが、御本人たちは黙秘を続けておりますか、それとも黙秘でなくて、警視庁の捜査に対してある程度素直に供述をしているのか、その点いかがですか。
○政府委員(鈴木貞敏君) 黙秘という言葉も非常にいろいろの程度があろうかと思いますし、非常にあれでございます。しゃべっていても本当のことをしゃべらぬという場合もあろうと思いますし、いろいろであろうかと思いますが、いま常識的なあれでいけば完全黙秘といいますか、そういう状況ではないというふうに聞いております。
○穐山篤君 防衛庁、いままで逮捕されてから数日たっているわけですが、宮永、香椎、大島から、警視庁において述べる口述の内容について照会があったりあるいは許可を求めてきたような事柄はありましたか。
○政府委員(原徹君) ただいまの段階までは若干のものについて照会はございましたことはございますけれども、これからいろいろ御照会があろうかと存じます。ただいまの段階ではごく一部について照会があったというだけでございます。
○穐山篤君 そうしますと、黙秘はしていない、ある程度のものは言っている。防衛庁に対して御本人たちから許可を求めたりしていることも少ないということになりますと、別の面から言いまして、三人が警視庁公安部の追及に遭って職務上知り得たそれ以外の情報なり何なりというものをしゃべっている、述べているということも想定にかたくないわけですね。
 そうしますと、三名について言うならば、新たに自衛隊法五十九条違反を公安部の誘導にかかってどんどんやっている可能性もあるし、今後も行う可能性というのはあるわけですね。その点いかがですか。
○政府委員(鈴木貞敏君) 本件事件につきましては、捜査的な面から申しますれば法の手続に従って厳正に全貌解明のために努力するということでございまして、そこにおきまして、おっしゃるような趣旨がよく理解できませんでしたが、何か誘導というふうなことでございますが、とにかく真実究明のために捜査として万全の努力を尽くしていく、こういうことでございます。そういう捜査的な過程で令状で逮捕し、そしてその後取り調べる、さらにまた、それに関連いたしまして、関係個所の捜索もし、そういった資料を慎重に分析してそれぞれの段階に応じて防衛庁とも協力しながら事件の全容の解明に努める、こういうふうな手続になろうかと思います。
○穐山篤君 私の質問の要旨が明瞭でなかったかもしれませんが、三名の者から防衛庁に、「こういう点について述べなければならないのかどうか」とか、「私はこの程度の情報を持っているんだけれども取り調べに対して許可をもらえますか」というふうに、三人から防衛庁側に特別の事項について請求がないというお話があるわけですね。
 警視庁公安部が持っております資料を固める立場からいってみて、いろんな角度の供述を要請するわけですね。言いかえてみれば、三名が知り得た職務上の秘密というものも、時と場合には言わざるを得なくなっているんじゃないかと思うんです。もしそれを言わないですらすら言っているということになれば、当然新たな自衛隊法違反という問題を惹起することになるわけですね。完全黙秘で何にもしゃべっていなければこれはわからないわけですけれども、ある程度素直に調査に対して協力しているということになりますと、知り得た情報をかなりの分野で述べているんじゃないか、こういうふうに私どもは考えますので、その点をお伺いをしたわけです。
○政府委員(鈴木貞敏君) 十八日逮捕しまして、ようやく勾留がついた、その緒についたということでございまして、本格的な捜査はこれからである、こういう段階でございます。したがって、資料の分析あるいは本人たちの供述というふうな進展に応じまして防衛庁とも緊密な連絡をとりながら捜査を進めていく、こういうふうになろうかと思います。
○穐山篤君 防衛庁、その点もう一度お伺いをしますが、三名の者から、具体的に知り得た情報、秘密というものについて取り調べを受けているんだけれども、新しい機密なり情報というものを少なくとも口述する場合、あるいは警視庁が持っております情報以外にもし述べようとする場合には、自衛隊法によって少なくとも上司の許可を得なければならぬことになっているわけですね。上司の許可を十分求めていないということは、考えようによればそういう事例はないというふうに判断を一つはできますが、もう一つは、先ほどもお話がありましたように、ある程度すらすら協力をしているということですから、新たな情報を警視庁公安部の方に提供しているということも説としては成り立つわけですが、その点は防衛庁はどういうふうに考えていますか。
○政府委員(夏目晴雄君) 御指摘のように、自衛隊法五十九条には、自衛隊員は職務上知り得た秘密を漏らしてはならないという条項と同時に、第二項におきまして、証人、鑑定人等になった場合に、そういった職務上知り得た秘密を発表する場合には防衛庁長官の許可を得なければならないというふうなことがございます。しかし、本件被疑者二人が果たしてこの証人、鑑定人に当たるかということになりますけれども、私どもはそういうものには当たらないというように考えておりますことが一つ。それからもう一つは、現在、事実関係といたしまして被疑者の方からそういったことを供述するについての許可を求めてきているというふうな事実はいままでございません。
○穐山篤君 さて、もう一度復習をしますが、官房長官も言っておりますように、再発の防止に当たりたい、秘密の保全の体制はしっかりやりたい、こう言っているわけですが、これは一片の通牒でできる筋合いのものではないわけですね。現に自衛隊にはたくさんのOBもおります、それから技術研究所にもおりますし、さらには軍需産業と言われておりますところにかなりの人たちが天下っているわけです。そういう人たちは防衛庁からいろんな資料を収集しやすい立場にもありますし、現にその資料を握っている者もあるわけです。そして技術開発に当たっている人もあるわけでありまして、そう簡単に一片の通知で再発防止ができるとはだれも信じないんです。現に資料隊なり調査部の担当官が資料を持ち出しているわけですから、周りでがたがた騒いでみても、その当の責任者あるいは当の担当者のところがきちっと管理が行われていなければならぬわけです。その点について、どうやれば保全ができるのか、機密の保持ができるのか、いかがですか。
○政府委員(原徹君) 確かに、おっしゃいますように、これは一片の通達を出したからできるという問題ではないように思います。したがいまして、私ども、特別の対策委員会をつくりましてその中身の実態を深く究明し、そうして、それに応じて対策を立てなければならないことである。そこの点は秘密の一番重要なところにいるところからこれが出たということでございますから、まさにおっしゃいますように、事柄の性質を見きわめて適切な対策を立てて、二度と再びこういうことが起こらないようにしたいというふうに考えております。
○穐山篤君 防衛庁側には具体的に調査特別委員会なるものが設置をされて真相の究明と今後の対策を行うというふうになっていますけれども、まだ得心のいくようなものが出されているとは思わないんです。きょうはその点、時間がありませんので別な機会に管理の部分については譲りたいと思います。
 先ほど防衛庁側では、持っていかれた資料その他は防衛庁側で確認することができないのでどの範囲でどの程度の機密であるのか見当がつかない、こう言っているわけですが、警察庁側の判断といいますか印象として、どのウエート程度のものになりそうかどうか。前の海原さんが、現在の日本には軍事機密はないというふうなことを一般論として言っていることがあるわけですが、それはそれとして見ても、一応の訓令があるわけですね。自衛隊には秘密保持のための訓令があって、おおむねABC、甲乙丙という程度の三段階の区切りをしているわけです。その区切りから考えてみまして、取り調べ側の印象としてはどのくらいのウエートのものであるのか、その点の印象はいかがですか。
○政府委員(鈴木貞敏君) 資料につきましては現在鋭意分析中ということで、これからいわゆる専門的な立場にある防衛庁の御協力も得ましてそういう点を解明していく、こういうことでございまして、いま印象としても私は申し上げられる段階、立場にはないということでございます。
○穐山篤君 なかなかすっきりしないようですが、中国の情報にしろ在日米軍の機密にしろ、自衛隊の秘密であろうが、現にコズロフ大佐を通して一定のものが過去行っているわけですね。当然考えなければなりませんのは、真相を徹底的に究明するというのは当然でありますが、この情報が提供されたことによって日本の安全保障にいかなる影響が発生したのか、あるいは発生する可能性があるかということは当然考えなければならない問題だと思うのです。その分野から考えてみて防衛庁の御感想はいかがですか。
○政府委員(原徹君) それはとられた情報の性質、内容等によりまして変わることでございますが、そのとられた情報の中身につきまして現在捜査当局でお調べになっておる段階でございますので、それを十分分析いたしませんとその点についてのお答えはまだできないわけでございます。
○穐山篤君 防衛庁長官にお伺いをしますが、本事件は、繰り返して述べますように、大変ショッキングな事件であったわけです。それと同時に、新聞報道あるいは先ほどの警察庁の説明によりましても、かなり長期にわたって行われておった可能性が強いわけです。だから、現長官のみならず、その前あるいはそれ以前の政府並びに防衛庁長官にかかわる問題とは思いますけれども、国の生存と安全に関する重要な問題点を考えてみて、防衛庁長官の責任というものは非常に私は大きいと思うのです。その点について防衛庁長官いかがですか。
○国務大臣(久保田円次君) まず第一番に、防衛庁長官といたしましては、今回の不祥事件につきましては本当に申しわけないと、ただその一言に尽きるわけでございます。国民に対しまして深くおわびを申し上げる次第でございます。
 御質問に対しましての、防衛庁長官といたしましての責任の問題でございますけれども、防衛庁長官といたしましては全責任を持っております。そこで、この事件にどう対処するかという問題でございますが、私といたしましては、この責任は、できましたこのいろいろの時点を考えましたときには、いまの制度の中でもって非常に、たとえば管理というような問題を考えましたときにも、そこにも大きな欠陥があるだろう。したがいまして、これを解明するためには、防衛局長もすでに答弁しておりますけれども、私といたしましては、直ちに防衛庁内におきまして事務次官を長といたしまして、現実的に行動に移すということがこれが一番大切であると考えまして、委員会をつくりましていま準備中でございます。かような点から推しまして、再びこの事件が起きないようにする。再びこの事件が起きないようにするためにはどうするか、こういうふうな問題を厳しく取り上げまして今後の対策に進みたい。これが防衛庁の長官といたしましては現時点におきまして責任を果たすところの唯一の道であると痛切に考えましてその処置をとっておるわけでございます。
○穐山篤君 長官、一般の市民が情報を提供したというふうなケースと全く違うわけです。自衛隊の資料を持っております一番中枢のところでその情報、資料、機密というものを提供したわけです。この三人は、金額のことは別にいたしましても、相手側から金を受けているわけです。平たい言葉で言えば、軍事機密を売ってアルバイトでかせいでいる、と言っては失礼かもしれませんけれども、一番やりやすい立場にある者がやったわけです。現にそれが起きたわけです。起きた責任について、防衛庁長官としてまず態度を鮮明にすべきだと思うのです。その次に、今後再発しないように、あるいは機密の保全をするためにどういう責任をとっていくかということも次善の、次の対策としては考えなければならない責任だと思うんですけれども、これは起きた事件についての防衛庁長官としての責任をいまや明瞭にしなければ国民は納得しないという状況にあろうと思うんです。その点いかがですか。
○国務大臣(久保田円次君) 御指摘のとおりでございますが、まず私の責任といたしましては、ただいま申し上げたとおり、この問題を再び繰り返さないように、これをとにかく検討するということが私の全責任だろうと、かように存ずる次第でございます。
○穐山篤君 もう一度お伺いしますが、新聞報道を見ておりますといろんな意見が出ています。機密を漏洩させないために新しい法律をつくったらどうかとか、あるいは現にある法律の改正をしたらどうかという意見があります。まあ今後にまつわけですが、今回の事件を考えてみますと当の自衛隊員がやっているわけです、一般の市民がやっているわけではないわけでありまして、また一般の市民が知り得る情報というのはささいなものだと思うんです。防衛庁を含む自衛隊全体の管理が問題であるわけでして、機密保護法をつくらなければ取り締まりができない、機密の保全ができないという事柄ではないと思うわけです。その点、防衛庁長官いかがですか。
○国務大臣(久保田円次君) 御指摘のとおりでございまして、いまの私の考えといたしましては、御指摘の秘密保護法というようなものまでもつくって秘密を守ろうという、こういうふうな考え方はございません。いまの制度の中でとにかく何か欠陥があるだろう。その欠陥を一つ一つ拾い出しまして、いまの制度の中でもって秘密が守れるような体制をつくりたい、かように存ずる次第でございます。
○穐山篤君 その点についての官房長官の御意見はいかがですか。
○国務大臣(伊東正義君) 防衛庁長官と同意見でございまして、本件を契機にして新しい立法というようなことは現段階では考えておりません。自衛隊内部のことでございますので、内部の情報管理とか守秘義務の徹底とかいうことをまずやるべきだというふうに考えております。
○佐藤三吾君 いま防衛庁長官の答弁を聞きながら驚いたんですが、さっきあなたが来る前に、官房長官は、事務的な責任者ももちろん今度厳重に処分しなけりゃならぬけれども、しかしこの問題は政治に、政治責任の問題もかかわる、したがって、そこらの態度についても明確にしなきゃならぬ、こういう答弁をいただいたところが、いまあなたはその問題になりますと全然その感じが出てまいりませんね。
 この問題は後で追及してまいりますが、その前に警察庁にお伺いしますけれども、いまなかなかあなたはガードが固くて、緒についた緒についたで終わっているんですけれども、この問題を調べた中で、新聞等の報道によりますと、警察庁はもう一年前から、四月ごろからこの問題を探知をして追及しておった、こういう報道がなされておる。それからもう一つは、ソビエトの記者で何て言うんですか、ノーボエ・ブレーミャの記者のレフチェンコ氏ですか、この人のアメリカにおける亡命の証言録の中から確信を持って逮捕に踏み切ったと、こういう報道が出ておるんですが、この点はいかがですか。
○政府委員(鈴木貞敏君) 仰せのとおり、本件につきましては昨年の春、情報を入手いたしまして捜査を開始しております。したがって、一、二部新聞で、おっしゃいました昨年十月でございますか、十月下旬に亡命いたしましたレフチェンコからの情報であるという報道、こういったものは全然関係ないということでございます。
○佐藤三吾君 長官、いま警察庁も言っているとおり、昨年の春からこの問題は警察庁の方で探知しておる、それを防衛庁はいつつかんだんですか。
○政府委員(原徹君) そういう段階では知りませんで、逮捕される若干前に御連絡を受けたわけでございます。
○佐藤三吾君 それは十七日のことですか。
○政府委員(原徹君) その時期でございます。
○佐藤三吾君 防衛庁に警務隊というのがおるんですよ、どういう体制になっているんですか。
○政府委員(夏目晴雄君) 警務隊というのは現在陸上、海上、航空の各自衛隊にそれぞれ置かれまして、これは部内の秩序維持を任務としております。
 規模といたしましては陸上自衛隊の警務隊が約八百人、海空がそれぞれ百数十人、合計して千百人程度の勢力を持っております。
 警務隊の任務はいま申し上げたとおり自衛隊内の秩序維持が任務でございまして、たとえば犯罪捜査につきましては、自衛隊員の犯した罪あるいは自衛隊の施設内で犯した犯罪あるいは自衛隊の物あるいは施設に対する犯罪等について行うことが認められているというふうなことがこの自衛隊の任務でございます。
○佐藤三吾君 そうすると今度の場合は警務隊の範囲外、こういうことですか。
○政府委員(夏目晴雄君) 確かに現職の自衛官を含みまして自衛隊の施設内でいろいろなことが行われたというふうなことからすれば、当然警務隊が事前に察知すべきでなかったかというふうなことが考えられます。その点につきまして事前にこういった徴候も察知できなかったことに対しては私ども深く反省いたしますし、今後こういうことのないように、先ほど来申し上げている秘密保全の徹底というふうなことの中にいま申し上げたような点も含めて検討してまいりたいというふうに考えております。
○佐藤三吾君 今後の再発防止なり秘密保護の徹底ということを盛んに強調なさいますが、いままで警務隊を置いてやってきたということは、そのことが一番大事としてやってきたんじゃないんですか。なおかついまそれができない。できないでこういう事態になって、自衛隊の現職自衛官が、しかも元将官補を含めて事件を起こして、警察がこの問題に立ち入るまでは全然わからなかった、こういう実態というのは恐らく今度初めてじゃないですか。いかがですか。
○政府委員(夏目晴雄君) 御指摘をまつまでもなく、こういうことが二度とあってはならない、事件があってはならぬと同時に、こういうことが事前に察知できなかったというふうなことのないようにしなければならないというふうに考えております。
○佐藤三吾君 長官、いま言ったような内容ですよね、あなたは、さっきの答弁を聞いていると、全然みずからの責任も感じてない、とろうとしない。しかし、それで済まされる問題じゃないんじゃないですか、自衛隊の長官として。自衛隊の現職の隊員が起こし、元陸将補が起こし、そこに約千百という警務隊もおりながら、それが全然知らなかった――このずさんな状態というものについて責任を感じないですか。まさにこれは防衛庁のカラ出張事件と同じような感覚に問題があるんじゃないですか。いかがですか。
○国務大臣(久保田円次君) 先ほど申し上げましたとおりに、私の責任は重大でございます。その重大な観点から、いまの制度の中で何か欠けておるところからこういうふうな問題が出てきておる。したがいまして、私の責任においてこの問題を究明するということが当面とにかく私の責任である、こういうふうに考えておりまするので、先ほども申し上げたとおりでございます。
○佐藤三吾君 私は、あなたが当面これを究明するということについて責任の一端でないとは言ってないんですよ。それはわかる。あたりまえのことです。だから、あなた自身は一体どう考えるのかと聞いておるんです。
○国務大臣(久保田円次君) この問題が再びとにかく再発しては絶対にならないところであります。その観点から、私といたしましても、先ほど申し上げましたとおりに、この問題につきましては徹底的に究明をして、うみを出るところは全部出しちゃって、そこまでとにかくこの問題を追跡してみなければなりません。そのためには、やはり行動に移すことでございまして、先ほど申し上げましたとおりに、防衛庁内におきまして事務次官を中心といたしまして各局長も交え、それぞれの立場から秘密保持に対しましての万全の対策を講じたい、かように存ずる次第でございます。
○佐藤三吾君 これはさっきあなたも答弁したように、何も現在の自衛隊法の中で守れない、こういう事件が起こらないような防衛措置がないわけじゃないんです。したがって、秘密保護法であるとかそういうことについては考えないというのはあたりまえのことです。問題のすりかえです。問題は綱紀に緩みがある。その綱紀の緩みの長があなたなんです。そうじゃないですか。その問題をあなたがすりかえて、そして再発防止であるとか今後そこら辺の徹底究明であるとか――徹底究明の前にあなた自身がみずからをきちっと整理をして、その上で究明をするのがあたりまえじゃないですか。少なくとも責任をとる問題は、当然あなた自身がこの問題については明確にして初めて責任体制がとれるんじゃないですか。いかがですか。
○国務大臣(久保田円次君) 再三繰り返して言うわけではございませんけれども、とにかく二度と繰り返してこの問題が発生するようなことをやってはなりません。私の責任におきましては、もう二度と発生できない、そういうふうなとにかく体制をつくりたいというのが私が責任を果たす唯一の道だろう、かように存じておるわけでございます。
○佐藤三吾君 あなたは同じことを繰り返しておるけれども、やっぱり責任をとるというのは大事なことで、みずからが責任をとって、その上でこの問題について軍律を期するとかきちっとさすというものがスタートできるんであって、おれは一切責任はとらないんだ、むしろやったやつが悪いんだからそこをぴしっとさすんだ、こういう議論というのは私は長官としてとるべき態度じゃないし許さるべきじゃないと思う。官房長官いかがですか。
○国務大臣(伊東正義君) いま防衛庁長官が全責任を持って再発防止、こういうことが起こらぬようにやるということを答弁されたわけでございます。いま捜査の段階でございますので、私はいまいろんな責任論には触れる段階でないということをさっき申し上げたわけでございまして、私は防衛庁長官のやられることを信用して見守っていくということでございます。
○佐藤三吾君 官房長官、しかし政府としての責任は免れぬと思うんですよ、防衛庁長官の処理を含めて。これはさっきあなたがおっしゃったとおりだと私は思うんだが、そこら辺については一体どういう御見解ですか。
○国務大臣(伊東正義君) いまの御質問の点は、捜査がもう少し進みまして全貌がわかってきた場合にどういう責任だということをその段階で考えるべきことじゃないか。いまは捜査の途中でございますし、防衛庁長官は全責任を持ってこの再発防止に取り組むと言われるのでございますので、それを私は信じて見守っていくというのがいまの私のお答えでございます。
○佐藤三吾君 不満だ。やはりこういった問題は、いままでの一連の綱紀粛正の問題と関連するけれども、私は先般の大蔵省の責任のとり方の問題についても官房長官にくぎを刺した。やはり乱れないように上がきちっと、長官がきちっとしないで、どうして全体の体制ができますか。そこら辺をひとつ十分内閣の中で議論をしていただいて、明確にひとつ国民にわかるような責任のとり方をしてもらいたいと思います。その点ひとつ申し入れて、きょうは時間がございませんから次に移りたいと思います。
 防衛庁いいです。
 そこで、政府が昨年十二月の十八日、二十八日、二十九日、それぞれ行政改革の閣議決定を行ったわけでありますが、これは今国会に提案する準備を進めておるということですが、まず行管庁長官、官房長官、その決意と内容をお聞きしたいと思うんです。
○国務大臣(宇野宗佑君) 旧臘二十八、二十九日の両日にわたりまして、予算決定と同時に昭和五十五年行政改革計画というものを閣議決定いたしました。
 内容といたしましては、昨年佐藤委員にも私から詳しく申し上げましたが、特殊法人の整理、地方機関の整理、補助金の整理、許可認可の整理の四本柱と、そしてすでに決定いたされておりました本年を初年度とする第五次定員削減計画、これらの五つのものが主たる内容でございます。
 特に特殊法人におきましては、現在百十一でございますが、この計画に従いまして、一、二の例外はございますが、三年以内におおむね十八法人の純減ということを決定いたした次第でございます。今日まではあの法人もこの法人も統廃合せよという幾たびか閣議決定がございましたが、率直に申し上げますとその期日が示されておりません。したがいまして、今回はさような過去の経緯等々をも十分に考慮いたしまして、十八法人の統廃合に関しましては昭和何年何月、そうした意味合いのことをきちっとしていきたいと考えて、そうした期日を入れた次第でございます。
 なお、補助金に関しましては、すでに五十五年度予算におきましてその初年度分が具体化されておるわけでございますが、私と竹下大蔵大臣並びに伊東官房長官の三名より成る行政改革閣僚会議におきましては、少なくとも四分の一を下らない補助金の整理をしようということでございます。これも今回の行革におきまして決定をいたした次第でございます。
 なお、許可認可の面に関しましては、特に今回は報告に重点を置きまして、おおむね千五百に近い数の報告の整理を断行いたしました。具体的に申しますと、三枚の紙を二枚にするとか、あるいは毎月出したものを二月に一回にするとか、あるいは廃止をするとか、そういう内容でございますが、それで千四百七十七件ばかりを整理をいたした次第でございます。
 次に、地方支分部局及び付属機関でございますが、従来より問題になっておりました生糸検査所は今回をもちまして廃止をいたしました。したがいまして、そうしたものを含めましておおむね二百三十機関の廃止を決定いたしたわけでございます。しかし、中央官庁の出先機関であるブロックごとの機関に関しましては、実は昨年の暮れの間にせよという自由民主党からの厳命がございましたが、御承知のとおり予算編成の最中でもございましたし、またすでに各省が協力をして出してくれました特殊法人のいろんな整理をすること等々からしまして、いわば物理的にそれを処理する時間がなかったものでございますので、私といたしましては三月三十一日までに具体的な計画を練るということを決定をいたした次第でございます。もう一つ府県単位の出先機関もございますが、これはひとつブロックを終えた後に六月三十日までに具体的な計画を出そう。特にこの問題に関しましてはいろいろ議論もございますから、監理委員会にそのことをお諮りをいたしまして答申を得るようにいたした次第でございます。
 非常に大ざっぱでございますが、大体以上でございます。
○佐藤三吾君 官房長官の時間の関係がありますが、いま行管長官に内容について聞いたわけですが、先にそれを先行させてもらいたいと思うんです。
 一つは、確かにいまおっしゃったような内容が閣議決定の中でなされたことは読んだのですが、四十二、三年ごろから御存じのとおりに特殊法人問題が国会でずいぶん議論になりました。そして臨時行政調査会の方でも整理統合の答申をして非常に厳しい議論になった。ところが、それにかわって、その辺ごろから急速に認可法人であるとか公益法人であるとかいうのが乱造され始めて、去年の調査によると約四千七百、五千近い公益法人、認可法人ができている。ところが、これは政府に聞きましても、行管庁は私の所管でございません、総理府に聞くと、総理府というのは各省に関係のないところは総理府と思ったところが、これもなかなかこころないということで実情を明らかにしない。調査室を通じて各省にその実態の報告を求めると、これはなかなか出さない。私は今回十二月の末にその要請をした。出てきたのはわずかに自治省と警察庁だけ。なかなか抵抗して出さない、各省を回ってみても見せない、こういうような実態があるんでありますが、これは今度の行革の中には全然出ていない。行管庁長官はこの際ひとつ認可法人も含めて検討しなきゃならぬということをたしか昨年の国会の中では明らかにしておったんですが、ふたをあけてみると何もない。私はむしろ、ここは天下りやいろいろな意味での隠れみのになってきていると見ているわけです。そこをきちっと表に出して、国民の前に明らかにしながらこの処理をどうするかということを出さなければ、行政改革はもう率直に言って形だけで、中身の方は全然出てきてないと言うしかないと思うんですが、どうですか。この点について行管庁長官の見解を聞きたいし、同時に官房長官、出さぬ問題についてこの決算委員会委員長にもお願いしたいと思うんですが、全部ひとつ実態を出してもらいたい、この中に。この点について要求したいと思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(宇野宗佑君) 認可法人に関しましては、去る委員会におきましても私から御説明申し上げましたが、それぞれ主管は、主務大臣の許可によってなされるわけでございます。だから、行管庁長官の使命ではないが、これは内閣全体の姿勢として議会の御趣旨に沿うようにしなければならないというので、先ほど申し上げました三閣僚会議でこの問題に関しまして議論いたしました。
 御承知のとおり認可法人は今日九十四ございます。ちょうど半分の四十七が共済に関する法人でございます。したがいまして、新しくつくる場合には極力これは抑制しなくちゃならぬし、また不要なものは廃止をしなくちゃならぬ、そういうことで、どういうふうにしたらよいかといろいろ議論いたしましたが、たとえば、薬害によりますあのスモン病等でその薬害基金がつくられました。これは認可法人によってつくられておるというふうな例もございますから、時と場合には、緊急の場合にそういうものもあるのか、じゃ今後ひとついろいろな面からさらに検討しようということになりましたので、とりあえず認可法人の設置、新設に関しましては、法律案提出のときであるとか、あるいは予算編成のときであるとか、そういうときにきちっとやはり抑制をしなくちゃならない、こんなことでございまして、実は明昭和五十五年度におきましても二つばかりの省から二つの認可法人の要請がなされておったわけでございますが、これはいま申し上げましたような趣旨におきましてそれぞれの大臣が新設を放棄した、こういうことでございますので、なお一層この面におきましては議会側の御趣旨に沿うべくわれわれ内閣といたしましても検討を続けていきたいと考えておる次第でございます。
 なお、一般公益法人に関しましては、御承知のとおり、これは純粋民間機関でございますので、私たちの方からどうのこうのとなかなか言いにくい面があるわけでございます。もちろん、財団法人でございましても特殊法人というふうな特異な例もございます。したがいまして、そういうもののいろいろの検討も今後なされるであろうと思いますが、いま直ちに公益法人もひとつ政府が取り締まりしてはどうかということに関しましてもいろいろ御議論があろうと思いますが、御趣旨の点を十二分に考えまして、不要なものは極力抑えるという方針でまいらなければならない、かように存じております。
○国務大臣(伊東正義君) 認可法人と公益法人の資料を出さないというお話でございますが、いま私初めてこれを聞きました。認可法人は数がそう多くないのでございますから、これはもう早急に出すようにいま各省に私はこれから指示を出そうと思っております。
 それから、公益法人は数が相当、民法の法人だと思うのでございますが、社団法人、財団法人、数がたくさんあると思いますので、この民間法人と一緒に出されるかどうかはわかりませんが、これもわかっている範囲でなるべく早く出すように指示をします。
○佐藤三吾君 私が昨年調べた内容を見ると、二千六百ほど集まってきた。ところが、昨年四月の衆議院の法務委員会の報告によると四千六百七十六ある。一説によると一万を超えておるのじゃないかというのもある。非常にさまざまだけれども、その集まった内容を調べてみると、ほとんどいまあなたがおっしゃったように政府は関係ないと言うけれども、最近この五年間ぐらいにできた公益法人の社団法人であるとか財団法人の内容を見ると、法人によっては政府補助金が半額出ておったり、そういう内容のものがありますし、そこには天下りがほとんど入っている。しかも、天下りの給与、退職金を見ると特殊法人に準ずるという仕組みになっておる。ですから、言うなら特殊法人の給与や退職金がたたかれ始めたものだから、そこにすり抜けておるという以外に言いようのない実態なんです、だからなかなか出さない。
 これは官房長官ですか、総理府長官どっちですか、約束してくれますのは。何日ごろまでに出してくれますか。
○国務大臣(伊東正義君) いま初めて伺いましたので、日にちを何日までということは私いまここでお約束できませんが、このうちで、認可法人は数が少ないんですから、これはまずなるべく早く出すようにいたします。公益法人の方は、いま二千六百とか四千六百という数字をおっしゃったのでございますが、これは相当膨大になっておりますので、これから相談しまして、どのぐらいまでにこれを出せるか相談して御連絡申し上げます。
○佐藤三吾君 これは衆議院の予算委員会の終わるごろまでにひとつ責任を持ってもらいたいと思います。いいですね。
 それからもう一つ、官房長官がおる間に聞いておきたい点は、特殊法人の問題ですが、今度のこの閣議決定を見ますと、特殊法人の常勤役員の削減をやる。これは中身はさっき行管長官は言わなかったけれども、三年計画で一割減すというんですか、内容が。少なくともその中では天下りについては半数以下に抑える、こういうのが閣議決定の趣旨になっておるようでございます。現在の内容は、千四十五名の常勤役員の中で天下りが六百四十八名、六二%、こういう報告を聞いておるわけです。そのうち三十五法人は天下りが一〇〇%、しかも総裁、理事長の八六%、九十五名が天下り、こういう実態になっておる。これはいま言う削減をするということと、その中で天下りを半数以下に落とすということはどういう内容にするということですか。これは官房長官でしょう。
○国務大臣(伊東正義君) 今度決めました特殊法人の常勤役員の問題では、まず原則として民間の人材登用と公務員をやった人との比率を大体半々ぐらいに考えたらどうだろうということで、実は今週も民間の専門家とわれわれ関係四人、総務長官も入れまして相談をして、民間から入ってこられる人も、もう会社をやめて、後は会社へ戻らぬのだというような人でなくて、なるべくここへ来ていろんな知識、経験を得てまた会社へ帰って働けるような、そういう人材をひとつ出してもらえぬかという相談を民間と今週やることに実はしております。極力、まあ大体半々ぐらいの比率で考えたらいいんではなかろうかというふうに思っております。ただ、特殊法人でも事柄の性質上、全部そうとはなかなかいかぬ問題もあるかもしれませんし、民間の人の方が多い場合も適当かもしらぬというようなことが考えられますが、原則としては半々ぐらいにしたらどうだろうか。それから常勤役員は三年間で一割を減らしてもらう。特殊法人でやめる人もございますから、たしか百二十名ぐらいだったと思うのでございますが、これは実は各省に削減の計画を出してもらうということで、三年間でどの公団はどういうふうにして役員を減らしていきますという計画を実は出してもらって、単に通牒だけで終わらせない、そういうことで実現をしたいということでいまやっておるわけでございまして、削減された後でも大体民間の人と公務員をやった人の比率は半々ぐらいを保てるように、最後までそれは原則として考えるつもりでございます。
○佐藤三吾君 問題は、何でこんなにいみったかと言えば、各省のなわ張りです。ですから三十五法人が全員を天下りだけで占めておるわけです。そういうところがいわゆるなわ張りの言うなら結果なっておるわけですが、こういうところは半分にするということは、逆に言えば大変なこれは決意がなきゃできぬことですね。そうでしょう。この辺については、いまあなたがおっしゃるのは総数の半数という意味なのか、それともそういう三十五法人、約百、今度減せば半分近い法人が民間を一人も入れていないという実態の中で、ここら辺にやっぱりメスを加えるというのか、そこら辺は一体どういう決意ですか。
○国務大臣(伊東正義君) いまおっしゃったことはちょっと例外的なことで、民間の人が非常に多い方が適当なところもあるだろうし、官庁にいた人が多い方が仕事の性質上はやっぱり適当だというところも例外としてはあるかもしれませんということを私いま申し上げたのでございますが、そこは仕事の性質によりまして考えていくべきだと私は思いますし、全体として大体半々は保てる、また大部分のものもできれば半々ぐらいの比率を保てることが望ましい、しかしものによってはどっちかがよけいだということもあり得るということを私申し上げたわけでございます。
○佐藤三吾君 恐らくあなたの答弁というのは大体そういう範囲内だと思うのだけれども、しかし、なわ張りをどうなくしていくか、ここがやっぱり基本だと思うので、それをやっぱり前提にやらないと、この問題は片づかないと思うのです。そこら辺はひとつぜひ厳重に、それこそきちっといくような、そういう体制をつくっていかなきゃならぬと思いますが、同時に、特殊法人ができて直ちに仕事を軌道に乗せるために、本省から出向職員というのが出ていますね、それはたとえば五年間なり三年間なりという軌道に乗るまでは出てもいいと思うのですけれども、しかし実態はそれがずっと渡り鳥して歩くというかっこうにもなっておるんですね。さらに今度は役付の職員の中に、もう一つランクの下がった天下りも行っておる、何々部長とかいう。こういった問題についてはどういう考えを持っていますか。どう処理をするんですか。
○国務大臣(伊東正義君) いま御指摘の点は二つあったと思うのですが、一つは渡って歩くということはいけないじゃないかということと、そういう出向職員が相当来ておるということでございますが、まず今度決めましたのは、役員でも渡ってという言葉なんでございますが、法人間を歩くということはもうよほどの例がない限り一回でやめよ、こういうことを言っておるわけでございますので、いま先生のおっしゃるような例は、これはそういうことはだめだ、やめなさいということでやっていくつもりでございます。
 それから事柄の性質上、ある期間役所から出向してきて、その公団のことを手伝うということは、これは仕事の性質上あり得ることでございますが、これはもう必要がなくなれば当然帰ってもらう、そして本来の役所の業務をやってもらう、そうするか、これはどっちか、役所の方をやめて、そっちに専念するか、そこははっきりしなけりゃいかぬと思っております。
○佐藤三吾君 もう一つ官房長官に聞いておきたいと思うのですが、昨年の十二月の際に私があなたに質問して、五十二年の十二月の閣議決定に反する役員は一体何名かということで、あなたの方から発表された数字を見ますと、たらい回しが三十人、それから長期が八十五名、老齢役員が六十二名おるという発表数字が出されておりますね。今度の閣議決定を見ると、真にやむを得ないものについては一回と、こういうふうになってますね。これは閣議決定で一つの基準を定めて、原則だという言葉はございますけれども、そうしてやるということは、それでいかなきゃならぬという前提でスタートを私は切ったと思うんですよ。ところが今度は「真に止むを得ない」という表現がついて、原則のかわりに、また残すような発想になっておるようにうかがうんですが、閣議決定の内容が。これはどういう意味を持つのか。「真に止むを得ない」という基準というのは何をもって置こうとしておるんですか。なぜすぱっとここら辺を切りをつけないんですか。
○国務大臣(伊東正義君) 今度はもう絶対そういうことで、それはやめてしまうということも考えたんでございますが、中には、非常にこの人は仕事その他から考えて、もう一回やっぱり残ってもらわないとほかに適当な人がいないということもあるんじゃないか、そういう本当のごくごく例外として、そういうことはやっぱりあるかもしらぬからということで「真に止むを得ない」ということでやったわけでございますが、原則、例外というようなそういう考え方でなくて、これは本当に厳格に運用していくという意味で、何かやっぱりそういう機会もあるんじゃないかということで入れたわけでございまして、私どもとしましては原則だ、あるいは例外があるんだというような安易な考えは毛頭ないというつもりでございます。
○佐藤三吾君 それはひとつぜひ毛頭ないというところを守っていただきたいと私思います。
 官房長官、結構です。
 総理府長官急いでおるようでございますので、二、三聞きたいと思っておったんですが、いま認可法人、公益法人については官房長官に責任を持ってもらったので、あなたにちょっと聞きたいと思うのは、沖繩返還協定の放棄請求権というののいま補償が要求されておると思うんです、約一千億。この問題について特に私も聞きたいと思いますのは、人身に対する補償ですね、一億三千万程度ございますが、これらについては一体どういうふうな状況になっておるのか、その点をまずお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(小渕恵三君) 先生御指摘の人身被害関係事案につきましては、今回の措置は、対米請求権事案の処理の先例でございます講和前人身被害関係事案、漁業関係事案と同様の損害賠償のような法律上の責任に基づくものでございませんが、沖繩県民が二十七年間の長期にわたる米国の支配下にあったことに起因する特殊事情を考慮いたしまして、救済の必要が認められる被害者等に対し特別支出金を支給しようといたしておるものでございまして、この支出金の支給基準につきましては、先例であります講和前人身被害に対する措置との均衡を考慮いたしまして、これに準ずるものといたしておるわけでございますが、講和発効前につきまして、昭和四十七年ないし八年の間に処置をいたしておりますことにかんがみまして、その後における問題の処理につきましてはできるだけ幅広く救済をいたしたい、こういう趣旨で現在措置をいたしたいと考えておる次第でございます。
○佐藤三吾君 それはどういうめどですか、時期的なめどをひとつ。
○政府委員(美野輪俊三君) 時期的な問題といたしましては、可能ならば来年度五十五年度におきましてこの全体の処理をいたしたい、このように考えておるのでございます。
○佐藤三吾君 そうすると、復帰後のこういった事件がございますね、この問題についてはどういうふうに考えますか。
○政府委員(美野輪俊三君) 沖繩の復帰後におきましては本土法の規定が完全に適用されておるわけでございまして、この種の事案がございますと主として防衛施設庁において問題を処理しておるという状況にございます。
○佐藤三吾君 長官、結構です。
 そこで行管庁に戻りますが、いま長官の話を聞きますと、特殊法人、さらに許認可、地方、ブロック、府県、こういったそれぞれの日程をきちっと決めてやるんだと、こういう点があったんですが、
   〔委員長退席、理事穐山篤君着席〕
確かによく調べてみますと、特殊法人の整理統合を見ると、五十五年から六十一年までに段階的にそういう期日を入れておるのもございます。ところが期日を入れてないのもございますね。とりわけ許認可の問題とかそういった問題については内容がだんだんぼやけてきておる。補助金の整理については、昨年の十二月の長官の答弁では、これなくして行政改革はできないとまで言ったのが、なかなかそうはいっていない。そこら辺のいわゆる期日をつけたのとつけぬのと、それからそういうあいまいなのというのはどういう尺度で置いていったのか、閣議決定の内容、それをひとつ説明してください。
○国務大臣(宇野宗佑君) 特殊法人に関しましては、三つばかりの基準を設けました。一つは、社会経済情勢の推移によってもはや御用済みであるのかないのか。また、同じような機能を持っておる、これらは統合した方がよいのではないか。また、民間に移行した方がいいのではないか。さらには民力をもっと活用した方がいいのではないか。大体こういう三つに分けまして、すでにもう数次にわたる行革のたびにいろんな機関、また政府も閣議で決定いたしておりまするし、また各政党もそれぞれ御意見を出しておられまするから、各省庁においては十二分に問題法人の存在は御承知のはずである、特に今回は、組閣に際しまして総理大臣から各大臣に、行革に協力してほしいということを言っておられますから、そうした意味で私は、わずか五十日ではございましたが、とりあえずそうした基準に基づきまして統廃合を決めたような次第でございます。
 いま先生おっしゃいましたが、六十一年は東北開発株式会社がちょうど法律の期限ですが、これもやはり莫大な借財を抱えておりますから、できたならば民間移行ですが、その借財を財政当局がしりふきをするという態勢を早めるのならば、私はその以前にもこれは民間移行ができると、こういうふうに書いてございますし、
   〔理事穐山篤君退席、委員長着席〕
ほとんどの法人に関しましては、月日までは無理でございますが、大体年次までは示したということでございますので、御了解賜りたいと思います。
○佐藤三吾君 整理統合ということになると当然そこに働いておる職員、労働者の生活権にかかわる問題になってくるわけですが、関係労働組合との間のそこら辺の問題については、当然交渉なり納得をする努力を続けて、それらの上でこの法案が提案されると思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(宇野宗佑君) 特殊法人に関しましては、いまおっしゃる点も非常に重大な点でございます。したがいまして、主務官庁におきまして統廃合の時期を定めてございますので、それを中心としていろいろと当然労働者団体側の話も聞かれると、こういうふうに思っております。
○佐藤三吾君 これは私よく調べてみますと、特殊法人の場合は、言うならば、たとえば鉄建なら鉄建公団、国際電電なら国際電電と、いろいろこうございますが、そこにおける職員の身分というのはその公社と直接つながって、したがってその公社をたとえばつぶす、統合する、こういう場合には職員が身分を失うという仕組みになっているわけですね、これは特殊法人の歴史を見ればわかりますように、行政需要に基づいてつくったり廃止をしたりしていかなきゃならないしろものですね、こういう特殊法人というのは。ですからあなたもおっしゃっているように、もう必要のなくなったものはこの際ひとつ廃止する、必要によって新たに生まれるものはやっぱりこれはつくっていかなきゃならぬ、今度の場合はエネルギー公団がそうだと思うんです。そのためにそこに働いておるプロパーの職員というのは、たとえばあなたが去年おっしゃったように、青函トンネルなどの場合、大変な優秀な技能を集めて、プロパーの職員を集めてやっておるんだと、誇りを持って言ってましたが、そういう職員が、つぶれれば生活権を失う、また新設すればできる、こういうかっこうになると、おちおち身を入れて働くというのも危なくてしょうがない。政府の風向きいかんではそういう傾向が出てくると私は思うんですが、こういう問題について、いわゆる特殊法人間における異動体制というんですか、これができないものなのかどうなのか、ここら辺の問題についてはどういうふうにお考えになっているのか。よく調べてみると、渡り鳥という、役員は転々と異動しておるわけです、つぶれるかつぶれぬか別にしまして。上手にそれを生かしている。しかも出るときにその都度退職金をがっぽりもらっていってるわけです、役員は。それから、出向職員はその時点になれば本省に帰ってくるわけですから、これはもう何ということはない。それから今度、役付職員で各省から天下りで行っておる部長であるとか、そういうところはちゃんとやっぱり保障で次々にこうかわってきておる。プロパーの職員だけが取り残されてそのたびに整理されたりする事態が起こっているというのが中身を掘り下げてみると現状のようにあるんですけれども、ここら辺の問題について、特殊法人という性格から言えば、これはやっぱり行政需要との関連の中で廃止をしたりつくっていかなきゃならないしろものですから、そうすればそこら辺の保障体制というものをどういうふうに考えておるのか、ここら辺をひとつ明確にしていただきたいと思うんです。
○国務大臣(宇野宗佑君) 非常に大切な御指摘だろうと私は考えます。御承知のとおり特殊法人はそれぞれ主務官庁がございますから、通産なら通産、農林なら農林といううちにおきましてスクラップ・アンド・ビルドがつくられて、そしておのずからその間において職員の異動もなされておるというのが今日までの体制でございます。したがいまして、そうした面の管理におきましても、私はやはり各省庁におきまして十二分に今後も留意をしていただきながらやってもらわなくちゃならない、かように存じております。
 特に、常勤役員に関しましては、やはりいままで公費天国、役員の天下りと言われるような非難に対しまして当然政府もこたえなくちゃなりませんので、官房長官が答えましたような非常に厳しい基準を置いた次第でございますが、統廃合の場合には、今回は一挙に十八もやったわけでございまして、これはもう純減でございますから、したがいましてその面におきましては、今後一般職に関しましてどういうふうにしていくか、これもやはり慎重な配慮が必要であろうとは考えております。
 しかし、また一部の議論といたしましては、今日私は決して特殊法人に関しましても、いわゆる首切りというものはしないという方針のもとにやっておりまして、したがって、さしたる効果がないではないかというおしかりの声もあるわけでありますが、今日は一応器減らしにわれわれといたしましては全力を挙げる、そして二つの器が一つになればやがてはそれは自然の形において人減らしにつながるであろう、こういうふうな思想でやっておりますので、その間におきますところの一般職員の問題も、そうした考え方で今後もやはり波風の立たないようにしていかなければならないと考えておる次第であります。
○佐藤三吾君 そうしますと、これは私も政労協の皆さんともちょっと話し合って聞いてみると、そこら辺がきちんとできるのなら特殊法人をどんどん整理するということについて問題はない、そこら辺がプロパーの職員だけ異動できない仕組みになっておる、こういうお話ですから、そこら辺はひとつぜひ行政改革に当たっては、ほかの役員や役付職員その他が異動体制ができるのに、プロパーの職員だけができないというところについての隘路が一体何なのか、問題解決は慎重にひとつ検討してもらいたいと思うんです。
 同時にもう一つ不思議なのは、たとえば本会議で問題になった――名前を挙げては失礼ですけれども秋草さん、二十三年間役員に置いておくことで本会議で問題になりましたけれども、この人の場合は同じこのプロパーから出ながら、職員をやめて理事になったときに退職金をもらうのはいいと思うんですけれども、退職金を三回もらっておるわけです、同じところに勤めて総裁までに。今度総裁をやめれば四回退職金をもらうという仕組みになっている。こういう仕組みというのは、これは官房長官が所管だろうけれども、官房長官はいま帰したものだから、行管長官、どういうふうに改革しようとしておるんですか。
○国務大臣(宇野宗佑君) この問題も個人的なケースでありますが、三閣僚会議におきましては当然話題となりました、特に議会で正式に御指摘を受けたものでございますから。われわれといたしましては、プロパーの方でございます、したがいまして、プロパーの方が総裁までいかれたんですから、総裁に御就任になった期間そのものは守っていきたいと思いますが、その間の退職金はやはり問題だろうというふうに考えます。しかしながら、なかなかむずかしいこともございますので、基本問題として今後もこの問題は検討していきたい、かように存じておるものであります。
○佐藤三吾君 ちょうどたまたま人事院総裁も来ておるけれども、人事院総裁としては、いま言った事例は一体どういうふうにお考えですか。
○政府委員(藤井貞夫君) 大変形式的なことを申して恐縮でございますが、これは人事院の所管ではございませんので、いろいろ意見にわたることの発言は差し控えた方が適当ではないかと思っておりますが、ただ私個人的に申して、世の中でいろいろ論議をされておることは事実でございますし、退職金のあり方その他につきましては、確かに問題点はあるという点の見解ははっきりと持っておるということだけは申し上げておきたいと思います。
○佐藤三吾君 藤井さんは人事院の事務総長から総裁になったと。総裁に事務総長をやめてなったときに退職金をもらうわけじゃないわけですね。宇野長官、これは秋草さんだけではないです。各省の内容を調べてみると、理事から副総裁になったときに退職金をもらっておる。そうして副総裁から総裁になったときにまた退職金をもらっておる、同じ特殊法人で。こういう事例もあるようですから、これはあなたに言ってもしようがないんだけれども、ぜひ官房長官と協議をして、三大臣協議ですから、ここら辺ひとつこの際きちっとしてもらうということでよろしゅうございますか。
○国務大臣(宇野宗佑君) 非常に大切な問題だと思いますから、今後三大臣の間におきまして十二分に協議をしていきたいと思っております。
○佐藤三吾君 時間がなくなって大変申しわけないんですが、特殊法人の給与、退職金の問題でどうしてもわからない点があるので大蔵省にお聞きしたいと思うんですが、今度の閣議決定の内容を見ると、特殊法人の役員の給与は非常に議論が多かったものですから、したがってこれについては「国家公務員の指定職と同一の算定方式による」と、こういうふうな文面になっていますね。それをざっと私の方で計算してみますと、報酬そのものが高いものだから、それにこの八%の調整給がついて、さらに二五%の傾斜配分がつくと年間総収入は上回ってくるという結果になっていますね。これは国民の皆さんから見ると、国の指定職と同様にするという中身で厳正に適正なものが置かれたんだなという閣議決定の文面から見るけれども、中身を一皮めくってみると何のことはない、八%、二五%を上乗せされて結果的にはいままでよりもよけいやる、こういう仕組みになる。それから退職金を見ると、五十二年の閣議決定をそのまま履行する、こうなっていますね。したがって、最終俸給の三十六掛けの勤務月数と、こういうことになっておるのですが、いままでの四十五をそうするんだということでしていますが、退職者の実態を調べてみますと、四十五年二月までの期間はやはり百分の六十五で計算している。そうして四十五年の二月から五十三年の三月までは四十五で計算して、それ以降の期間だけ三十六を適用しておる。だから閣議決定の文面を見ると、特殊法人の退職金は問題になっておったけれども今度は三十六になったんだなあと、こう思うけれども、そうじゃない。実際いま勤めておる人の退職金の支払い状況を見ると、四十五年以前は六十五であり、そうして四十五年以後は五十三年の三月までは四十五であり、そうして四月以降初めて三十六にすると、こういう仕組みになっておるんです。これはこの閣議決定の趣旨から見てもおかしいんじゃないかと思うんですが、いかがですか。
○説明員(日吉章君) 二つお尋ねがあったかと思いますが、御質問の順番に従いましてお答え申し上げたいと思います。
 一つは、本年度役員の給与及び賞与の算定方式を国家公務員の指定職に改定いたしましたけれども、実際には年収で給与が上がるような形になりまして決して節減合理化に役立っていないのではないかという御指摘であったかと思います。この点につきましては、実は特殊法人の役員の給与は大体国家公務員の中で位置づけをいたしますと上は国務大臣、下は指定職の国家公務員、といいましても特殊法人の役員の中にも場合によりますと指定職の方よりも低い方がいらっしゃいますけれども、大体その中間に位するような形になってございます。しかも、特殊法人は公共性がございますので、広い意味の公務部内をとりますとそういう意味で国務大臣と本省の局長等の指定職との中間に位するというようなことでございますので、やはり給与なり賞与を決めます場合にもそれとのバランスで従来も決めてきておりますが、たまたま特殊法人につきましてはその算定方法が異なっておりますので、種々比較考量いたしますときにも不便等が生じますので、今回給与賞与につきましていろいろ根本的な御検討をいただきました機会に同一に改めたということでございます。ただ、そういう形で算定方式を変えましたものでございますから、どういたしましても摩擦的にそこには差が生じてまいります。そういう関係で、いま先生が御指摘のように平年度化いたしますと年収で一%程度の増になろうかと思います。しかしながら、現在のこういうふうな厳しい状況でございますので、その際にこれが増という形になってはいけませんものですから、国家公務員の指定職の方につきましては十月以降三・七%の給与改定がございましたわけでございますが、今回特殊法人の役員の方につきましては昨年度に引き続きまして二年続きで据え置いて給与改定を見送っていただいております。したがいまして、指定職の方につきましては本年度では十月実施ということで年収で二%の増になってございますが、特殊法人の役員の方は〇・三%の減というような形になっております。かつ来年五十五年度になりますと、指定職の方は一年間フルに三・七%の給与改定が効いてまいりますけれども、特殊法人の役員の方は算定方式を変えたことに伴う摩擦的な増の一%の増にとどまるということで、二・七%のやはり相対的な減少というようなことになってございまして、そういう点では算定方式は単純に機械的に変えただけでございまして、内容的には特殊法人の役員の方の給与賞与につきましては厳しい取り扱いをとったというような形になっているかと思います。
 二番目は経過措置の点でございますが、これにつきましては先生が御指摘のように、経過期間によりまして百分の四十五、百分の三十六というふうになっておりますのは事実でございます。ただ、これらの職員あるいは役員の処遇、ことに給与に関します処遇につきましては、これは法理論としてそこまで確定しているかどうかは別といたしまして、やはり期待権というものはこれは侵すべからざる一つの権利として存在するのではないかというふうに考えられます。退職金につきましてはこれはあくまでも勤続期間に対する報償であるというふうな考え方をとっておりますので、それだけの勤続期間を経過した期間におきまして、その間の規定では百分の四十五というふうに定められておりますとしますと、現実にその時点で退職金を受け取るわけでないとしましても、百分の四十五という制度が動いている間に勤続している間に見合うところの退職金はやはり百分の四十五で計算せざるを得ないのではないかと、そういうふうな経過措置の法理論と言うと大げさであるかと思いますが、そんな考え方で措置をしたものでございます。
○委員長(志苫裕君) 時間が過ぎていますから。
○佐藤三吾君 もう時間が過ぎていますから一つだけ最後に聞いておきたいと思いますが、同時にまたこれは官房長官がおられれば官房長官にただすことだったんですが、これは私いま大蔵省から説明を受けましたけれどもどうしても納得できない。人事院の方にも時間があれば聞きたいと思うんですけれども、これを聞いてみますと、人事院の方も、特殊法人の役員の退職金は従業員五百人以上の事業体二千事業体を基礎にして決めておると、こういうことですね。そういう内容になっておる。そこら辺にも問題がある。
 いろいろあるんですが、四十四年だったと思うんですが、衆議院の方で、決算委員会で特殊法人の役員の給与、退職金の規制に関する法律案というのが与野党一致で出された。それが途中で廃案になっておる。これは内容を見ると、言うなら国公基準においてきちっとしなきゃならぬということと、同時にまた、民間学識経験者の方で特別な方については特別な報酬制度をつくるべきだ、さらに三つ目には、これらの特殊法人の役員の給与、退職金の問題については毎年一回必ず政府と国会に報告すべきだと、こういう内容の法律案が準備されながら廃案になっておるということがございますけれども、ここら辺の問題について、この行政改革の中では、とりわけ厳しい世論の中にあるわけですし、行管長官としてそこら辺の問題というか考え方、取り上げるかどうかを含めて考え方をひとつ聞いて私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(宇野宗佑君) 一般公務員と特殊法人の役員との関係はいま大蔵省が説明いたしましたが、今度一般公務員に関しましてもやはり定員縮減等々の問題もこれあり、さらには高齢化社会の問題もこれあり、いろいろな観点から定年制の問題が議論されておりまして、実はきょうも関係閣僚懇談会を開いたんでございますが、定年制に関する改正案をこの国会に出すということを決定いたしました。で、それともやはり特殊法人との絡みはいろいろございます。特に本年の人事院勧告を完全実施するかしないかという問題に関しましても、いろいろ私たちの間では議論いたしまして、そして指定職は十月一日以降というふうに決めた経緯もございますので、その間の議論の中でやはり退職金制度というものも非常に大きな今後の改正点ではなかろうか。民間との較差を是正するということも今回の行革の一つの目的でなければならぬ、こういうことで退職金制度に関しましてもこの国会に法案提出の準備が総務長官のもとにおいてなされております。したがいまして、今回の五十五年行革におきましては、いろんな問題を含めまして、やはり特殊法人の特殊なる点はわかるが、さりとて、経営原理を無視したような姿とか、あるいはまた官民較差が余りにもひどいとかいうような問題は是正すべきだというのが私たちの共通した認識でございますので、今後一般公務員との関係におきましていろいろと検討を進めてまいりたいと、かように存じております。
○委員長(志苫裕君) 午前の審査はこの程度といたします。
    ―――――――――――――
○委員長(志苫裕君) この際、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 昭和五十一年度決算外二件の審査のため、一月二十四日の委員会に日本自転車振興会会長柳井孟士君の出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(志苫裕君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 午後二時十分まで休憩いたします。
   午後一時二十一分休憩
     ―――――・―――――
   午後二時十三分開会
○委員長(志苫裕君) ただいまから決算委員会を再開いたします。
 午前に引き続き、昭和五十一年度決算外二件を議題とし、内閣、総理府本府、行政管理庁、沖繩開発庁及び沖繩振興開発金融公庫の決算について審査を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○降矢敬義君 私は、行政改革について宇野長官並びに関係各省に御質問をいたしたいと思っております。
 十二月の初めに組閣、第二次大平内閣が発足して間もない短い期間に、宇野長官に精力的に行政改革の案をおまとめになっていただいたということについては、私は心から敬意を表しております。いままで非常にいろんな経緯があってなかなかまとまりにくい特殊公団の整理統合問題を初めとして、いろんなものに五十九年までの筋道をおつくりいただいたことについて、われわれは非常に喜んでおるのであります。
 長官は、ことしは行政改革元年である、あるいは非常に行政改革の絶好のチャンスであるということをいろんなところで言っておられます。今度の衆議院選挙の問題を通して、やはり増税よりも行政改革をという選択ではなかったかと思います。もとより、その間に鉄建公団の不正経理問題を初めとして、カラ出張あるいはヤミ給与、いろんな問題が一緒に噴出したわけであります。それだけに国民の関心は行政改革に当然集中したことは言うまでもないわけであります。
 長官は、いろんなところでおっしゃっている中に、行政改革の一つの哲学として例の戒石銘の言葉を引用されて、やっぱり国民の血税というものを大事に、大切に使うということがこの原点であるということをしばしば言っておられます。私は、これは行政改革だけでなしに政治の原点だと思っております。ここをスタート台にして今度の行政改革をどういうふうに長官はとらえておられるのか。もう少しくだいた言葉で言えば、私は、これから進められる五年間のスケジュールの中で、行政改革というものの本当のねらいは何だろうということを考えておる一人であります。
 行政改革が昭和三十九年の臨時行政調査会、臨調以来何回かいろんな審議会で案が出されまして、それがつぶれてまいりました。そのつぶれた原因をつぶさに考えてみると、そこに今度の行政改革の本当のねらいが出てくるのじゃないか。私は率直に言って、高度成長時代の中において一方ではあらゆるサービスにこたえ、一方では同時に減税もやれるというようなパイの大きい時代の中で、役人もそうであります、あるいは政治家もそうでありましょう、あるいは労働組合もそうであったかもしれません、あるいはいわゆる圧力団体というようなものも一緒になって、要するに言葉は余り適当かどうかわかりませんけれども、わかりやすく言えばむだの構造あるいは甘えの構造、たかりの構造というものをつくり上げてきたんじゃないか。これが選挙の最中に公務員の綱紀粛正問題として私は噴き出したのだと、こう理解しております。
 そういう意味において、私は今度の行政改革の本当のねらいというものは、そうした長い間たまった政治行政のあるいはかすといいますか、むだといいますか、そういうものを打破していくんだ、新しいものをつくっていくんだ、そういうところに実は本当の意味合いを置かなければ、将来私たちの社会経済の状況を考えてみましても、このことに本当になっていなければ、余り大きな成果が期待できないのじゃないか、行政改革元年というのはそういうふうに理解すべきじゃないかと私は思っておりますが、長官の率直なお気持ちをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(宇野宗佑君) 行革に対しまして格別の御理解を示していただきまして、心から感謝申し上げる次第でございます。
 一九八〇年代は、世界的にもまた国内的にも当然予測もせざる問題がどんどんと出てくると思います。ただ言い得ることは、わが国の置かれた環境はきわめて厳しく、したがいまして政治の面では過大な歳入を求めることもできなければ、また過大な歳出を計画することもできないということは事実であろうと思うんであります。そうした中において、やはり時代の移り変わり、国民のニーズにこたえていかなければなりませんから、当然政府といたしましては、簡素にしてそして効率的な政治、政府というものを常に志さなければならないと、私はかように考えております。したがいまして、高度経済成長期のぜい肉を切ることはもちろんでございますが、さらにはその当時のパターンを変えて新しい政治に臨むことも必要であろうと、かように私は考えます。
 そうした中において、行政改革はまさに大きなウエートを占め、重大な使命を担っておるわけでございますが、従来の経緯から申し上げますと、いわばわが国の官僚組織の根強い反対と申しましょうか、そうしたものがいろんな意味において行革を阻んでまいったという歴史を私たちは否定するわけにはまいりません。したがいまして、私はいま降矢委員御指摘のとおり、二本松藩の石に刻まれた戒めの言葉をやはりわれわれは心しなければならないというので、「爾俸爾禄、民膏民脂」なり、公務員を初めわれわれの俸禄はすべて民の汗とあぶらであると、あの士農工商の厳しい時代においてすら、上に立つ者はそういう心で下臣を戒めたと承っておりますから、ましてや民主主義の今日、私はそういう心でわれわれもまた官僚諸公も国民に奉仕をしなければならない、こう思いますので、まず官僚諸公がそれぞれの省庁の官吏ではなく、公務員ではなく、国家の公務員だという気持ちになっていただきたい。そしてあらゆる時代の変遷に機敏に対応し得るような体制をとってもらいたい。その間においては極力やはり国家のためにわれわれは過剰な民間への介入を戒め、むしろ民力の培養に努めたい、それが一九八〇年代の行政改革の一つの大きな指針であり、またそれを志す者の哲学でなければならない、かように存じております。
○降矢敬義君 いま長官の御答弁の中に、行革の問題としていみじくも指摘された問題があります。それは、やはり従来の行政のパターンを変えていくということ、それから同時に、行政に対する過剰な介入を避けていくということを指摘されました。私はこれまでの行政改革の流れを見まして、旧来のように、いうなれば対症療法的な行革の進め方ではやはり同じようなつまずきをするんじゃないかということを懸念しております。
 そこで、いま長官が御答弁になりましたように、新しい視点かりやっぱり取り組む必要があると私は考えております。それは行政のやっぱり守備範囲をどこまでするかという見直しの問題であります。それはまさに民間活動に対する過剰な介入というものもこの際そういう意味から見直しをし、撤退をする、そういうものの見方、もう少し言葉を変えればいろんなものにおいて既得権というようなことで保障されてきたそういう権益に対する切り込み方、こういうことがどうしても避けて通ることのできない新しい視点として大きくひとつ踏まえていかなきゃならぬのじゃないかと、私は思っております。
 それからもう一つは、大平総理も言っておられますが、地方の時代という視点をこれまで以上に行政改革の中で私は重視しなきゃいかぬと思っております。これは後でも触れたいと思いますけれども、国と地方の機能分担ということを通して許認可事務、補助金の整理、出先機関の問題、こういう問題を地方の時代という面から新しく見直していく、そういう意味で私は従来にも増してこれから進められる行政改革の視点として、以上二つを私は強調しなきゃならぬと思っておるんであります。その結果、長官が指摘されたように安い政府ができ上がると私は思っておりますし、また住民に身近なところで能率の上がる行政ができるんじゃないか、こういうふうに思いますし、同時に民力の培養、民間の力を活用するということもできるんじゃないかと、こういうふうに思っておりますが、この点についての長官の所見を承りたいのであります。
 また同時に、この点に関連いたしまして、これは行政管理局長、お見えですね、お伺いしたいんですが、昭和五十四年の七月に行政管理庁長官の私的諮問機関として、行政管理基本問題研究会というのが報告書を出しております。この報告書を私はずっと読ませていただきますと、やっぱり公共部門のあり方というものを行政改革の視点に大きく取り上げなきゃならぬということをるる指摘しております。詳細なことはもうここで申し上げる余裕はありません。私は本当に適切な報告だと思っております。こういうことを踏まえて管理庁の事務当局として、この報告を受けて今後どういうような処理の仕方をやっていこうとしておるのか。たとえば、すでに大蔵省を中心として、あるいは補助金制度についてサンセット方式を導入するというようなことも言われておりますし、あるいは行政監察のための第三者機関オンブズマン制度を導入するというようなことも言われております。いろいろな意味で基本としてはやっぱり行政の守備範囲を見直していくという視点からこの報告書が出ているものと、私は非常に適切な報告書だと思いますが、事務的な今後の進め方、これを受けた行政管理庁としての今後の仕事のやり方というものについて、管理局長からお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(宇野宗佑君) 既得権の洗い直しをせよという御趣旨で、私も旧来の陋習にとらわれずパターンを変えるということは、まさにその御指摘にお答えする行革の大切な部面ではないかと考えております。特殊法人に関しましても、昭和三十八年以来いろいろと案が示されておりますが、ながめてみますると中にはまだ従来のパターンどおりのアドバイスもございますが、これらなんかは私は新しい観点からさらにその統廃合に関しまして研究を推し進めていきたい、もう十八は決定いたしましたが、これだけで私は決して終わりだとは申し上げておりません。さらに幾つかの機関あるいは政党が御指摘の特殊法人に関しましては、従来のパターンを改めるという意味におきまして時代のニーズあるいは地方のニーズに合うような姿を求めていきたいと、かように考えておる面も多々あるわけでございます。
 さらには許可、認可あるいは報告、補助金、すべて既得権というそういう概念のもとに整理をしようと思いましても、これは至難でございますので、やはり将来を見通した新しいパターンの上に立っての整理でなければならないと、私はかように考えております。今回、特に報告という面も千四百件ばかり整理をいたしましたが、意外とこれは目立っておりませんけれども、実は私、行管庁の幹部に言いまして、数字だけで申すと千四百七十七だが、その紙を積み上げればどれだけの高さになるかと試算をいたしましたところ二百メーターになります。すると全国においていままで政府が民間から報告を求め、自治体から報告を求めておった、そういうものが今回の整理におきまして言うならば二百メーターの整理ができる。これは五十五年行革においてできたわけでございますから、今後も既得権等との問題に関しましては引き続いて五十六年にも五十七年にも行革はなければならない、私はかように存じますので、やはりこの面が一番大きな視点を変える問題ではなかろうかと存じております。
 そうした関係におきまして、やはり国と地方との間におきましても、同じ平仄に基づいて行革が推し進められなければならないし、かような観点に立ちまして、今後政府といたしましても、地方に対しましてもやはりそうした意味合いの行革に呼応していただくように、やはりみずからの姿勢を正して、そしてお互いの連携を密にしていきたいと、かように存じておる次第であります。
○政府委員(加地夏雄君) ただいまお話のございました行政管理基本問題研究会の報告書の問題でございますが、先生御承知のように、実は一昨々年でございましたか、五十二年に東大の第一線の行政学あるいは行政法学、経済学、財政学、そういった方々の十二名の先生方の御研究をいただきまして、実は二年間ほどの研究成果を昨年の七月に報告書の形でちょうだいをいたしたわけであります。そのテーマは、「今後における政府・公共部門の在り方と行政改革」と、こういうことでございまして、先ほどの先生のお話によりますと内容は十分ごらんいただいたようでございますが、確かに八〇年代におきますわが国の社会、経済を展望いたしまして、その中で今後における政府あるいは公共部門の果たすべき役割りと申しますか、いわゆるその行政の守備範囲というふうな問題を相当深く御検討をいただきまして、今後のあり方というものを示唆されたわけでございます。
 私どもといたしましては、その報告書の内容は、実は中長期の課題といたしまして八〇年代をにらんだ問題提起でございまして、一般的にはその行政改革の哲学でございますとか、そういった具体的な内容には乏しい部分もございますけれども、この報告書が非常に強調しておられましたいわゆる行政の守備範囲の問題、先ほどもお話ございましたように、行政が免許、許認可等を通じましていわゆる規制行政もやっておりますし、また別な観点から保護、助成といういろんな行政施策をやっておりますが、そういった行政の過剰介入を排除することによって民間の活力を増大すべきであると、こういう御意見がございます。この御意見につきましては、今回の五十五年の行政改革計画の中にその趣旨を受け入れまして、行政事務につきましてそういった規制行政あるいは保護行政につきまして見直しを行うということを、具体的な計画の中に取り入れているわけでございます。今後、たとえば行政監理委員会等にお諮りをいただきまして具体的な施策として実現をしてまいりたいと、こういうふうに考えているわけでございます。
 その他、非常にいろいろの示唆に富んだ御提言でございますが、そういった事項につきましては、ただいま大臣が申し上げましたように、今後引き続いて行政全体の見直し、改革を進める中で、具体的にその趣旨を取り入れていきたいと、こういうふうに考えているわけでございます。
○降矢敬義君 次は、行政改革の進め方について少しお伺いしたいと思います。
 長官は、今度の改革案がまとまると、その後を受けまして、実はこれは最終案じゃないんだと、八〇年代の行政改革を進めていく上において、まあ言うなればオープニングプランといいますか、そういうものであるということをおっしゃっておられる。総理も初閣議でさらに第二次以降の行政改革というものを進めていくんだと、こういうことを言っておられるわけであります。
 私が端的にお聞きしたいのは、今後行政改革のスケジュールというものをどういうふうに考えておるのか。その中にたとえば今度触れられておらない中央各省の機構問題、あるいはたとえば昭和四十五年四月の物価安定政策会議におきまして、物価と行政介入というような提言もされているわけでありますが、そういういろんな問題を踏まえて今後の行政改革のスケジュールというものをどういうふうに考えておられるのか、率直な御見解を承りたいと思います。
○国務大臣(宇野宗佑君) 先ほどもお答えいたしましたとおりに、旧臘、年末に作成いたし、閣議決定いたしました計画は、昭和五十五年行革でございます。それがパートワンだと、こういうふうにお考え賜るならば、当然私はパートツーも考えていかなければならないと、かように存じております。また必要なときにはパートスリーというものがあるかもしれません。いずれにいたしましても、五十五年行革、五十六年行革というふうなことで、やはりチープガバメントを志すことは歴代政府の使命であると、かように存じております。
 そこで、まず御承知のとおりに、旧臘の計画におきましては、定員削減計画をまず取り上げまして、引き続いて四本の柱を取り上げたわけでございますが、その中の地方ブロック機関の整理及び府県単位の機関の整理、これに関しましては、党からは厳重に年内にやれというお話もあったんですが、午前中にも佐藤委員にお答えいたしましたとおりに、やはり物理的な制約もございましたので、万やむなく年を越しましたが、これは従来の政府が手を染めなかったところでございます。それだけに、私はやはり一九八〇年代という新しい時代を迎えたわけですから、その道づけのためにも重厚な改革がなされなければならない、こういうふうに考えておりますので、慎重に着実に事を運びたいと、こういうことで、まず三月三十一日をめどに、その計画立案に鋭意ただいま努力をいたしておりますし、また府県単位は六月三十日と、御承知のとおり計画を定めておるわけでございます。
 だから、行革はこれ以外にもいっぱいあるわけでありまして、あれもやりたい、これもやりたいと、国民の要望はもっともっと大きなものであるというふうに私はみずから心得ておりますが、やはりあれもやりたい、これもやりたいでは中心を失ったり、混乱を来すだけであっていけませんので、そのようなことでまず五十五年行革のパートワンにおきましても、二つ重要な仕事が残っておるわけでございます。だから、その重要な仕事をまだ手を染めたばかりであるにもかかわらず、次はこうだというふうなことが、果たしてタイミングな話なり効果を上げるであろうか等々を考えつつも、やはり第二段は当然われわれは考えなくちゃならぬということで、ただいまその面に関しましても行革関係三閣僚会議におきましても、いろいろとフリートーキングをいたしまして、間もなく視点をしぼっていきたいと、かように存じておるところであります。
○降矢敬義君 せっかく長官が、なかなかできないことに道をつけられたんでありますから、今後のスケジュール、ある程度やっぱり長官の手元で問題点を整理されて、ぜひ進められることを私は心から期待を申し上げております。
 そこでもう一つ、この問題に関して私は三点ばかり申し上げたいと思います。
 総理は、行政改革は天の声だというようなことも言っておられます。あるいは肉を切って骨まで達するというようなことも言っておられますが、結局それは比喩でありまして、私冒頭に申し上げましたように、やっぱり行政の守備範囲をある程度見直すということになれば、役所の権限に、縮小にもつながる問題であります。これはもう長官が一番よく知っている。あるいは特殊法人の問題にしてもそういう問題があるわけでありまして、やはり私は総理のリーダーシップといいますか、そういうものを一番必要とするのはこれからじゃないかという気がいたしておるのであります。この点についても、宇野長官は非常に補佐されましてまとめられたと思いますけれども、特殊法人や補助金の整理について、各省から出てきたんだ、各省の自主的な判断に任せたんだということを聞きました。つかさ、つかさの責任でやるんだ――それもいいと思います。しかし、もう少し血を流すようなことがこれからあるわけでありますし、これをやらなければ、私たちは総選挙の中で示された国民の期待というものにもこたえにくい。いま宇野さんもいみじくも言われましたように、まだまだ国民の声から見れば、やるべきことは多いんだ、恐らくそうだと思います。そういう意味でも、私は長官とともに、この総理のリーダーシップというものをぜひ期待したいし、そうしていかなきゃやれぬのじゃないか。
 第二番目には、財政再建との関連を何か非常にぼけているな……、もとより人員を、たとえば、今度も三万七千五百人ぐらい減らす、そうすれば、一人四百万にして一千五百億ぐらい減る、あるいはそういう計算はできると思います。ただ、私たち率直なところ、宇野長官もお感じかと思いますが、選挙区を回ってみまして、行政改革の話がなりますと、幾ら減るんだ、幾ら金が浮くんだ、そういう話があるわけでありまして、やはり総選挙の過程において、増税よりも行革をというのは、財政再建という問題とやっぱり結びついた国民の率直な声でなかったのかと私は受けとめておりますが、この点のワサビの効き方がなかなかぴりっとしない。私たちいま、今度の予算を通して、この五十五年度の予算が終わる五十六年の三月には国、地方を通じて、国民、赤ちゃんも含めて一人百万円の借金を持っている。百兆円の借金の残高を残している。こういうような時代でありますから、片っ方で財政元年、片っ方で行政改革元年、それがうまく結びつくようなことで、国民に理解を深めていかなきゃならぬと思っております。
 というのは、何としても補助金を切るということは、もらっている団体については、いやだという反応になることは、今度の予算編成を見ましてもわかるわけでありまして、そのところをやっぱり乗り越えていかなければ、この行政改革というのは進められない。従来、そこがなかなか乗り切りにくかったところに挫折感があったのでありまして、そこのところをもう少し政府としてもわかりやすい知識の中で理解してもらう。五十六年にはこれまででもいい、要するに、いまはいかなくても、五十六年までの行革ではこれだけはいくんだというようなことをもう少しPRする必要があるんじゃないのか。その点が私の選挙区を歩いてみて、選挙民の方々と接しても、どうもワサビが効いてないなというのが率直な私の気持ちであります。
 それからもう一つは、これは先ほどのスケジュールのところでもちょっと触れていただきましたので、別に私は詳しく申し上げませんが、やはり長期の行政のあり方、長期のビジョンというものと行政改革の結びつきというものを、何かもう少しフォーマルなものにできないだろうか、また宇野さんもおっしゃったように、むずかしいのであります。たとえば、新経済社会七カ年計画というものがありまして、あれにはある程度将来のことがフォーマルに書いてあります。そういうものと財政元年あるいは行政改革元年における一つのビジョンというものが結びついてこないだろうか。この辺が私があえて宇野長官に御期待を申し上げるところでありますけれども、所見の一端を承りたいと思います。
○国務大臣(宇野宗佑君) 総理のリーダーシップのお話がございましたが、今回の第二次大平内閣誕生の経緯を考えますと、組閣の日にそれぞれ大臣の呼び込みがあったわけですが、一人一人に総理みずからが綱紀粛正と行革の必要性を説き、協力せよと、こういう強い言葉がございました。そんなことで、私も各省大臣に、ひとつ大臣みずからも今後は各省庁においてリーダーシップを発揮していただきたいというので、問題特殊法人の基準を示して御協力を仰いだという次第でございますので、総理も非常にこのことに関しましては熱意を持って臨んでおられるということは、直接行革の仕事に携わっております私が一番よく知っているところでございまして、だから、これではまだまだ五十日の作業であったからやむを得ないであろうが、さらにひとつ第二弾をぶち込んでほしいと、こういう熱意も示しておられるわけで、各大臣もそういう熱意にこたえて、今後も協力をしてくれるものであると私は確信いたしております。
 その次には、新経済社会七カ年計画と、そして行革との関連でございますが、やはり一つのビジョンを持って臨まなければならないことは当然でございますので、その点に関しましては、先ほど私からお答え申し上げましたような観点において今後も考えていきたいと存じますが、そのためには、やはり今日国家財政の苦しいときですから、個人の世帯に比べましたときに、とにもかくにも別荘を持ったりあるいは支店をたくさん持っておる身分じゃないじゃないか。だから、それをまず整理統合せよというのが今回の行革の私の気持ちでございますので、さような意味で別荘とは何かと申し上げれば、各省庁はこれは本家で、そして地方の出先機関であるとかあるいは特殊法人がいわゆる個人の別荘に当たるのではなかろうか、そういうところで安眠をむさぼってもらっちゃ困る、こういうことでございますので、とりあえず、私はさような意味で徹底してその方面の統廃合、整理統合というものを今後も続けていかなければならないと、かように考えておるような次第でございます。
○降矢敬義君 財政再建の……
○国務大臣(宇野宗佑君) 財政再建に関しましては、非常に即効的な面は五十五年行革からは出てまいっておりません。私はいまも申し上げましたとおり、入れ物を整理することが将来は人減らしにつながるもとであるから、そうした意味合いにおいて財政再建に資する行革でなければならないということで進めておりますが、では、それがすぐに目をむくような、大きな財政再建に貢献があるかということになりますると、まだ詳細はただいま、いろいろと補助金から、さらには特殊法人から、さらには単年度から、三年ないし五年にわたる中長期の観点から計算をさしておりまするが、何兆円というふうな数字は、私はなかなかむずかしいんじゃないかと思うのでございます。
 時と場合によりますと、あの消費税が何兆円という歳入をはかったがために、それにかわる行革だと、だから行革において何兆円という答えを出せというのが一部にありまして、一部の論評から申し上げますると特殊法人だけでも二兆円ぐらい出るのだと、こういうふうな話も往々にして伝わっておりますが、私はよく申し上げますが、今回ははっきり申し上げまして人減らしにつながる行政改革はするが、直接人減らしということは非常に今日の経済情勢、社会情勢から申し上げてもむずかしい面がある、こう考えまして、たとえばそれに着手をしたと、たとえば、国家公務員が九十万人おられるからその九十万人の方々はあしたやめてもらったと、こういう仮に計算をした場合に、一人頭四百万円としてちょうど四、九、三兆六千億、したがって、九十万人あしたからやめてもらって三兆六千億という財政再建に資するだけのものがあるかもしれぬが、それが果たして現実的かどうか、こういうふうに考えていただきますと、いわゆる何兆円という効果をもたらす行革というものは、なかなか私といたしましてはすぐにできるものではない、かように考えております。
 しかしながら、今次も国鉄の再建計画を中心といたしまして、また、定員の問題におきましても、苦しい中ではございましょうが、定員削減計画を着実に実施をし、さらには、新規需要も極力今度は抑えたのでございます。昨年は三千八百人ばかりの差し引き増になってしまいましたが、ことしは七百七十人の純減である、ここまで努力等々もいたしておりますので、したがいまして、一般の方々からも財政再建どうしたと、こうおっしゃいますが、私といたしましては、ひとつ長い目で見ていただいた場合には、それを方向づけながら行革は努力すべきものであるが、昭和五十五年だけ見ていただいたり、あるいはここ一両年だけでさあ勝負かとこうおっしゃいますと、非常にむずかしい問題があるということも御理解賜りたいと存じます。
○降矢敬義君 財政再建の問題は、やはり国民にどう理解していただくか、私は長官の言うとおり、すぐに行革が結びついてこれだけの効果をどんどん上げていくとは思っておりません一ただ、そういう理解をどういうふうにしてやるのか。やっぱりむだを省いていっている姿をどう理解させるかということについては、もう少しPRをし理解を深める努力を期待しているものであります。
 時間がだんだん迫ってまいりましたので少し各論に入らせていただきたいと思います。
 一つは、特殊法人の整理合理化の問題であります。今度の案についていろいろな批判があります。しかし、私はよくやったなあという率直な気持ちを持っております。そこで、この特殊法人の問題について宇野長官も言っているとおり、民間の経営原理というものを導入する、あるいは民間の活力をやっぱりこれに導入するんだということを強く言われております。そこで、私は特殊法人が機能をもう少し弾力的に発揮できるにはどうするかということをぜひ考えていただきたいのでありまして、それに関して私は二、三の所見を申し上げて御意見を承りたいと思っています。
 一つは、もう時間がありませんので非常に簡単にお願いしたいんですが、実際見てみますと理事という職の下に部長というのがあり、ところによっては部の次長というのがおる、要するにそういう姿でいいのか。理事が現場をやっぱり持つ、理事兼部長というようなかっこうで、何かやっぱり理事の人が現場を持つということが必要でないのかと思っております。というのは、さらに今度民間人を五割以上役員に入れるとして民間人が入ってきた場合に、現場も知らないで単に部長の上に理事ということで、果たして活力ある能力を発揮できるんだろうかと私は疑問を持っています。やっぱり、現場と密着するようなかっこうでこれを運営していくことが、現在見ておっても私は公団、公社の運営についてはそういう感じを深くいたしております。その点についての長官の御意見を承りたい。
 それからもう一つは、民間人を入れるんだというんですが、民間人でやっぱり五十前後の本当に働き盛りの人が来るときに、一体具体的に、非常に変な話で恐縮ではありますが、給与問題というものが、給与水準というものがどういうふうに一体なるんだろうか。ボーナスを含めて――民間のそんな有能な人が果たして来るんだろうか。定年でやめられた方が来るのは別でありますけれども、そうでない、恐らく長官が五割以上の民間人を登用するような形で活力を与えたいと言っているならば、その点をどういうふうに具体的にお考えになるのか、これは老婆心ながら申し上げておきたいんであります。
 それからもう一つは、大蔵省の主計局の次長がお見えになっておりますが、公団の実際の運営を見まして、公団がもう少し機能を発揮し機動的に運営できるために、予算統制というものを各省とは違うようなかっこうで弾力的にもう少しやれないんだろうか。つまり、公団の場合には、各省に監督官がおって大蔵省と接触をし、その監督官がまた公団を見る。各省の場合には大蔵省と各省が直結する、間に一つ入ってまあ主務大臣というものが監督するわけでありますが、私は給与あるいは交際費というようなものは、これは徹底的に主務大臣なり大蔵省が統制すべきであると思いますけれども、事業費についてはかなり弾力的な運営というものをもう少し考えてはどうか。私はこの点についてはもう少し具体の例を申し上げればよかったんでありますが、もう時間もありませんので、これは大蔵省の主計局次長の方から御答弁を願いたい。
 それからもう一つこれに関連して、認可法人というのがあります。今度の改革案については認可法人、準特殊法人については触れられておりません。これは恐らく行政管理庁の権限の外にある問題であり、各省それぞれおつくりになるわけでありますが、御案内のとおり四十二年に特殊法人の設立抑制、それ以来百十一の特殊法人があるわけでありますが、そのとき二十五の認可法人が私の調べでは五十四年現在では四十一になっています。特に四十八年以降設立したものが十九あります。これはどこも見るところがなくて各省が見ているわけでありますが、実はこれは予算査定の段階で決まるんじゃないのか。たとえば総合研究開発機構というのは要求するときには特殊法人で出しましたが、それがだめになって認可法人になっている。ほかにも例がございます。要するに特殊法人というものが認可法人という形式に変わっていくんじゃないのか、それが特殊法人の整理問題とどういうふうに結びつけて考えたらいいのか、その辺が私にはよく理解できません。
 ここで禿河さんにお聞きしたいのは、この認可法人を予算を査定して補助金なり交付金なりそういうものをやるんでありますが、予算査定のときにどういう方針で、あるいは行政管理庁あたり何かこう連絡をとりながらやっていくのか。今後のこの認可法人の設立の方針というようなものがかなり確立したものがあるのかどうか。
 それからついででありますが、ことしの予算でやはり認可法人というものが幾つできているのか、そんなものをあわせてお答え願いたいと思います。
○国務大臣(宇野宗佑君) 事務的な面は局長からお答えを願いますが、民間人登用でございます。これは伊東官房長官と私と竹下大蔵大臣の三閣僚の間において十二月に決めた方針がございまして、官房長官が主としてその方針の検討に当たられたわけでありますが、一応五〇%以上、現在四分六でございますから、五割以上は民間人を登用したいと、これはもう御承知のとおり特殊法人の本来の使命が、政府にかわって仕事をやる、そして民間の力を得ようと、こういうふうになっておりますから、本来の姿に返していって、天下りの場所はそれだけ少なくしていくと、こういう方針でございますが、確かにどれぐらいの方を登用するのか、また給与は果たして喜んで来てもらえるのか、あるいはまた、いや、とてもそれじゃ間に合わぬとおっしゃるのかと、いろんな問題ございますから、実は来る二十五日に給与担当の総務長官を交えましてわれわれ四名が、一応経済四団体の代表の方々とこの問題を具体的に話し合おうと、そして、極力やはり議会の方からも民間人の登用を怠ってはいけないと、こういう御指摘がございますので、その線を実現したいと、かように思っておる次第でございます。したがいまして、給与等々に関しましてもそのときに十二分にやはり検討しなければならない重大な問題であろうと。またキャリア等も非常に大切なことでございますが、従来は民間から来る方もあるいは官界から出る人も、功成り名を遂げた人が多い、それもいいことがございましょうけれども、できたならばそれ以前の方が、やはり若い力で交流をしていただいて、出向また帰ってきたと、そういうふうな自然の姿の方が特殊法人の本来の姿が生きるんじゃないだろうかと、かように思っておる次第でございます。
 認可法人は午前中も社会党の佐藤さんからも御指摘がございましたが、本年度の予算査定の際には二つばかり認可法人の要請がございましたが、われわれの趣旨を了解をしていただきました主務大臣が、この認可法人の認可には踏み切らなかったという経緯がございます。しかしながら、昨年あたりはスモン病患者の基金は認可法人で何とかやったというような経緯もございますので、今後そういう問題どういうふうに扱うか、今後ひとつ検討課題といたしたいと存じております。
○政府委員(加地夏雄君) ただいまの特殊法人の役員に民間活力を活用するという問題も含めまして、現在の特殊法人の業務執行体制の問題についての御提言があったわけであります。特殊法人内部の業務体制の問題は先生御案内のように、それぞれの特殊法人の理事長が決める問題ではございますが、御指摘のように理事が部長を兼ねておると、こういう、つまり理事が先頭に立って業務の責任を負うという体制と、それから総括的な形で理事として、より高い立場から物を見ていくと、こういう二つの類型がございまして、御指摘のような例は現に各省の中の特殊法人の中にもございます。まさに業務執行体制の問題でございますけれども、やはり積極的に特殊法人のあり方という問題から考えれば、御提案の趣旨を含めて検討していくべき問題ではなかろうかと、こういうふうに考えておるわけでございます。
○政府委員(禿河徹映君) 公団、事業団等の特殊法人の予算の関係でございますが、先ほど御指摘がございましたとおり、こういう特殊法人は、企業経営という事業の性格を持っております。そういう性格あるいはその設立の趣旨と申しますか、そういうものにかんがみまして、その予算につきましては、それぞれの法律におきまして、国会の議決に係ることなく主務大臣の認可を受ける、こういう仕組みに相なっておるわけでございます。
 その予算の認可に当たりましては、私ども関係省庁からも協議を受けるわけでございますけれども、一面におきまして、やはり特殊法人というものは公共的な性格を持っております。したがいまして、予算の認可に当たりましては、厳正なることも求められるわけでございますけれども、他方、その仕組みにおきまして、その事業経営の能率的な運営を図る、こういう見地から、国の予算とは異なります弾力的な運用が図られております。たとえて申しますと、公団、事業団等の特殊法人の予算につきましては、その予算の実施上、適当かつ必要であるときは原則として公団等の責任において予算の流用ができる、こういう仕組みにもなっております。
 ただ、先ほどもお話がございましたとおり、給与費だとか交際費とかあるいは報償費というものにつきましては、それぞれの予算総則におきまして、これは主務大臣の認可がなければそれは流用はできない、こういう規定が設けられておりますけれども、そういうものを除きました事業予算等につきましては流用ができる、こういう仕組みに相なっておるわけでございます。あるいはまた、予備費につきましても同様に、公団等の責任におきましてそれを使うことができる、こういうふうなことになっております。
 あるいはまた、財政投融資の面におきましては、やはり予見しがたい経済事情の変動に備える、そこで弾力的に事業を執行する、こういう観点から、いわゆる弾力条項というものが設けられてございまして、百分の五十というものを限度といたしましてそういうものを増額することができる、こういう規定も設けられておるわけでございまして、それぞれ経済情勢等に応じまして弾力的な運用が図られる、こういう仕組みに相なっておるわけでございます。私ども、その予算の認可あるいはその御協議を受けます際にも、常に、公団等がその本来の目的に沿って、しかも弾力的に行えるように配慮はしてまいりたいと思うわけでございますが、仕組みの上でもそういうふうなことに相なっておるわけでございます。
 それから認可法人の件でございますが、最近の設立の例は、五十四年度で二つございまして、それから五十五年度におきまして、先ほど行管長官から御答弁がございましたとおり、二つほどの設立の要求がございましたけれども、やはり行政の簡素効率化を図っていくということが最優先である、こういう観点から、それぞれこれを取り下げられたと申しますか、最終段階におきましてその設置は行わないということに相なったわけでございます。今後、認可法人についてどういうふうにそれを取り扱っていくかということにつきましては、行管長官の方から御答弁がございましたとおり、私どもも十分検討を進めてまいりたいと、かように考えております。
○降矢敬義君 特殊法人のいろんな問題の見直しの機会でありまして、私は、いま大蔵省の次長の御答弁で大要は承知しましたが、やっぱり弾力的に、機動的に運営していくというところと同時に、民間の活力を入れるところにこの特殊法人の効用があるわけでありますから、その血液である予算のところをさらに御検討していただいて、本当に弾力的に使えるような方向で新しい方向を見出していただきたい、これは私の希望であります。
 もう時間があとわずかしかありませんので、補助金のところは飛ばしていただきまして、政府委員の人にはまことに申しわけありませんが、最後にまとめて……。
 私は行政改革の問題で、新しい視点として、地方自治の時代あるいは地方の時代、こういうことをどうしてもこれから踏まえてやらないと、地についた実効のあるものにならないということを申し上げました。変な言い方でありますが、やはり補助金その他ががんじがらめになっておって、最近、自治省の「五十四年度都道府県及び指定都市における地域政策の動向」という膨大な報告書が出ておりますが、それを見ましても、やはり国との関連で自分の政策を決めて独自の政策をなかなか立てにくい、こういうようなことが補助金や許認可を通じてまだまだあるわけであります。
 特に定住構想を自治体が進めていこうという場合にも、いろんな国の施策との関連、それが法律なりあるいは許認可なり、あるいは補助金なりと結びついていることが非常に明らかになっております。行革の中に、補助金整理の問題も二十九日には決めていただいておりますし、大方、新設のもの、既設のものについての方針は、私はあれでいいんじゃないかと思っておるわけでありますが、そういう中で、国と地方が一緒になって行革を進めていくときの姿勢として、自治省からも最近通達が出ております。
 私が自治省の行政局長にお伺いしたいのは、今後、国の行革とともに、地方団体の行革を進めていくときの指導する考え方、と同時に、私は行革本部の中においてぜひ注意をしていただきたい。これは、私のかつての府県における勤務の経験を踏まえながら申し上げますと、いろんな行革の進め方、あるいは簡素合理化、機構、人員、手続、いろんなことに関して、国との結びつきがかなりあります。そういうことで、各省の方から、あれがいけない、あれはこうしろ、まあ、言うなれば、地方団体から見れば、よけいなおせっかい口がいままでも入ってきております。
 今度は、やはり全体として、国、地方を通じて行政の守備範囲を見直して、やはり身軽になって、新しい需要にこたえていくためのそういう行革の一面を担っておるわけでありまして、それを平たく言えば、財政の再建であります。そういうことで、自治団体を指導し、また国との調整役である自治省として、行政管理庁ともども、あるいは大蔵省ともどもこの行革の中で、地方自治団体の行革が一層推進できるような体制をぜひ国の中につくっていただきたい。
 これについての所見をお聞きいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
○政府委員(砂子田隆君) 地方公共団体に関します行政改革の問題につきましてのお話でございますが、公共団体におきます事務、事業の見直しなり、あるいは行政機構の簡素合理化なり、あるいは定員の管理などにつきましては、公共団体それ自身も実は従前からそれぞれやってまいっておるところでもあります。しかしながら、お話もございましたように、最近の地方公共団体を取り巻きます社会、経済状況というのは大変厳しうございまして、地方行財政の簡素効率化のために、より一層の努力をする必要があると思います。
 ただいまお話がございましたが、さきに第十七次の地方制度調査会がございまして、そのときにもただいまお話がありましたような国、地方を通ずる行政体制の整備をするための推進体制を早急につくるべきだという御提言がございました。私たちといたしましても、そういう意味で行革本部の中でそういうものができますようにお願いをいたしているところでもあります。
 いずれにいたしましても、国、地方を通じます行政改革というのは、ともどもに相携えてやらなければその実効が薄いことは事実でありますが、現にこの地方制度の合理化を行いますためにも、法令なり制度なり財源なり、あるいは人員等の大宗をつかさどっております国におきまして、二重行政なりあるいは煩瑣な事務処理につきましての改革を断行しない限りは、なかなか公共団体自身としての改革も思うようにならないのも実情でございます。
 そういうことにかんがみまして、今後とも国、地方を通じます行政体制の簡素、効率化のために努力をいたしたい、そういうことのために、本年の一月になりまして各地方公共団体の行財政の簡素化に関する通達を出したわけであります。もちろん、先ほど申し上げましたように国の改革も必要でありますが、地方公共団体独自でやはり行うことも必要でもございますので、私どもの方といたしましても、現在公共団体におきますそういう観点からの調査をいたしておりまして、その点をまた把握をしながら、国にもそういう部分の改善を申し入れ、ともに簡素、効率化に努めていきたいというふうに考えております。
○降矢敬義君 終わります。
○田代富士男君 午前中も質問が行われましたが、今回の防衛庁の機密漏洩事件につきまして質問をしたいと思います。
 今回のこの機密漏洩事件は、最も特異なケースではないかと思われます。それは、御承知のとおりに自衛隊の中枢の中からこのような機密が漏れたということでございます。また、現在の社会情勢はどうであるかと言えば、北海道とは目と鼻の先にあります北方三島へのソ連地上軍の増強やあるいは太平洋艦隊の活発な動きに加えまして、ソ連のアフガニスタン侵攻など、このような国際緊張感の高まった中に行われていたことでございます。そういうところから、今回のスパイ事件の国民に与える衝撃というものは非常に大きいし、こういうことから、まして自衛官の中枢部の中から機密が筒抜けになったということは重大な責任があると思います。
 こういう点から、防衛長官としましてもこの責任は免れるわけにはいきません。それよりも増して自衛隊法五十九条違反の疑いで警察の捜索を受けたということは、防衛庁創立以来初めてのことではないでしょうか。
 私たち公明党は、自衛隊に対する一つの見解を持っております。しかし、外国の例で考えるならば、外国から今回の機密漏洩事件を見たらどう思うでしょう。自分の国の安全保障のために、その国を守るべきその国の軍隊に対して警察の介入を受けたという、こういう事実が外国に例があるでしょうか。私は、今回の警察のこのような捜索がなされたということは国際的な恥であるし、重大な責任があると思います。
 こういう立場から、官房長官、防衛庁長官から、この責任をどうとるのか、また国民がこのような衝撃を受けていることに対してどのようにこたえるのか、お答え願いたいと思います。
○国務大臣(伊東正義君) いま先生の御指摘のとおり、まことに思いもよらざる、起こり得べからざることが起こった、そして本件が自衛隊、国防に対する国民の信頼を失うことにつながりはせぬか、あるいは内外から不信を買うような結果になりはせぬかということで、政府としましても非常に事態を重視いたしておるところでございます。
 捜査の始まったばかりの段階でございますが、厳重に早く捜査をしてくれという総理の指示がございましたし、私どもとしましては、先生御指摘のとおり、この事件が自衛隊の内部でわからぬで外部からいろんな摘発を受けたということは、これは自衛隊の中でこういうことがわからなければならぬわけでございますので、こうしたことに対する体制あるいはこうした事件が二度と起こらぬようにということを万全の責任を持って防衛庁長官にやっていただく、長官も全責任を持ってそれをやるということを言っておられますので、私どもとしましてはいま捜査、事態の推移を見守っておるというのが現状でございます。
○国務大臣(久保田円次君) まず第一に、防衛庁長官といたしまして、今回の自衛隊内におきましてのスパイ事件、まことに申しわけないと私は心からおわび申し上げる次第でございます。
 そこで、先生から御指摘がございましたが、まず第一点といたしまして、防衛庁内におきましても警務隊がある、それにもかかわらず警察の捜査ということになったことについては、一体何をしておるんだと、ごもっともな意見でございます。私もかような点から考えまして、いまの自衛隊の任務というものが、わが国の平和と安全を守るために国防の第一線に働いておるところの隊員の士気が、非常に阻喪するのではないかという点もまず考えてみたいと思うわけでございます。かような点から申しましたときに、防衛庁長官としての責任は一体どうかと、こういう御質問でございますが、私はそのとおりでございまして、防衛庁長官といたしましては一身にその責任を感じております。
 かような点を考えましたときに、まず防衛庁の長官といたしまして今後やらなければならない仕事は一体何だろう、いまの時点で私が考えましたときには、いまの制度の中でもってやればやれるものがやれなかったということ、こういうふうな点を考えましたときには、この対策といたしましては、直ちに防衛庁内におきまして、事務次官を中心といたしまして現在それぞれの局長を交えまして、秘密保持に対しましての委員会が今週に出発することに相なっておるわけでございます。私はこういうふうなことを考えながら、やはり長官といたしましての責務というものは、まず第一番に再びこの事件が起きないような施策を講ずるということが私に課せられた責任と私は考えます。
 かような点から申しまして、いま申し上げましたとおりに当面、自衛隊の中におきましてのいろいろの管理の問題がどうであるか、探って見ますとたくさんありますけれども、これらの問題を一つ一つ掘り起こしまして、国民から信頼をされるところの自衛隊をつくらなければならない、かように考えましていま申し上げたような次第でございます。
○田代富士男君 今回の事件の特徴の一つは、将官クラスのスパイ行為という国際的に類例のない事態ではないかと思うんです。そこで、現実にこういう問題が起きた、それに対していま防衛庁長官は、やれるものがやれなかったんだ、それをいまからやるんだとおっしゃった。だから、やれるものをやれなかったということに対して、防衛庁長官として現時点においてつかんでいらっしゃるものを具体的に述べてください。落ち度があったんだから、やれるものをやれなかったといういま答弁をされたんだから、具体的に内容を長官からお願いします。
○国務大臣(久保田円次君) たとえば人事管理の面でどうであるか、それからそのほかの管理面におきまして一体どうなっておるか、こういうふうな問題も直ちに手をつけなくちゃなるまいと思います。
○田代富士男君 いまのはこれは答弁になりませんよ。やれるものがやれなかったんだとおっしゃるんだから、人事管理あるいは管理面がどうなっていたかと、これは当然のことです。やっていることだ、やれるものがやれなかったと――もうちょっと内容を。これじゃ答弁になりませんよ。こういういいかげんな答弁ではしようがないですよ。あなたがいまやれるものをやれなかったとおっしゃった。具体的に長官からお願いします。
○国務大臣(久保田円次君) 具体的な問題につきましては、防衛局長から答弁をいたさせます。
○政府委員(原徹君) 現在の防衛庁の秘密保全の体制でございますが、これは秘密保全に関する訓令というのがございまして、それではまず秘密を、「機密」、「極秘」、「秘」と三分類にいたしまして、それぞれにつきましてその指定権者あるいはその保管のやり方等々詳しく、かなり厳しく規定されているわけでございまして、制度面として見るとかなり厳しいものになっていたというふうに私は考えております。
 しかしながら、ともかく現実にこういう問題が起きたという大変国民に対して申しわけない事態が生じたわけでございますから、一体どうしてこういうことが起こり得たのかということを謙虚に、もう全く白紙の立場でいままでのことをすべて総点検をする、そういう立場に立ちまして、大臣からも御答弁がございましたように、早速事務次官を長とする特別委員会をつくりまして、これによって本当にどうしてこういうことが起こったのかということを一つ一つ検討し、そして二度と再びこういう事件が起こらないようにするということに努力したいと、こういうふうに考えておる次第でございます。
○田代富士男君 いま局長の御答弁がありましたけれども、もう一度、日米相互防衛援助協定等に伴う秘密保護法施行令第一条について御説明を願いたいと思います。あわせて指定件数も一緒に御報告願いたいと思います。
○政府委員(原徹君) 第一条には秘密の指定区分がございまして、最高度のものは「機密」、それから「極秘」、「秘」というふうに分かれておるわけでございます。で、その件数でございますが、この日米相互防衛援助協定に伴います秘密は防衛秘密ということでございまして、その件数は、極秘で約九十件、秘で約三千五百件でございます。
○田代富士男君 機密は。
○政府委員(原徹君) この防衛秘密については、機密というのはございません。
○田代富士男君 件数はなしですか。
 そういたしますと、防衛秘密に関しての法令や、今度は防衛庁の中におけるそういうような訓令によってのこの三段階があるかと思いますけれども、そうすると、単純に言いますと六段階のものがある、六つに分けられている。そう見た場合に、宮永、香椎、大島、三人の逮捕者の経歴から見まして、どのような内容の情報を、機密を知り得る立場にあったのかお答え願いたいと思います。
○政府委員(原徹君) これは捜査の状況をまだつぶさに警察から御連絡がございませんので、確たることは申し上げられませんが、本人の置かれた状況等から考えますと、まず防衛秘密につきましては、これは相互防衛援助協定に基づくものでございますから、わが国に供与される、現在で申しますとFMSとか、そういうことでいろいろ装備等につきます機密になるわけでございます、大部分が。で、それは今度のケースの場合、調査系統に属する問題ではございません、仕事の性質から申しまして。何をどういうふうに取ったかということは申し上げられませんが、立場は違うということは申し上げられるだろうと思います。
 それから、庁秘につきましても、立場から申しますとそれぞれ三人とも調査系統の人物でございます。調査系統と申しますのは、主として外国の情報を中心に調査するところでございます。しかし、そういう立場にありますれば、通常の業務の話とはこれは違うわけで犯罪行為が行われたわけでありますから、一体どういうものをどういうふうに取ったかということは捜査の結果を待たなければわからないということでございます。
○田代富士男君 午前中の委員会におきましても答弁がありましたが、宮永はOBであるけれども、いわゆる外国の関係する情報についてはかなり知り得る立場にあった、また香椎、大島両人に対しましても、いま調査系統の仕事の立場であると言いながら、そういうような資料の中身を知り得る立場にあったと、こういう御答弁がされておりますけれども、これは今回の問題が自衛隊の内部から機密が漏れたということに対して、一月十九日のサンケイ新聞に栗栖元統幕議長のお話が載っております。このお話によりますれば、この宮永、大島、香椎の三名がかなりのものを知り得て流したということが説明されているんです。アメリカを含めた各国の情報を知り得る立場にある大島を通じて宮永に渡った防衛秘密が漏れたと考えられると。これは皆様の先輩です。統幕議長です。おやめになりましてもまだそう長い時間たってない人です。この人がこれだけの発言をなさっていらっしゃるのをどう受けとめられますか。
○政府委員(原徹君) どれだけのものがどれだけ流れたかということにつきましては、私どもまだ捜査当局から状況を全部知らされておりませんので、どれだけのものがどれだけ流れているかはわかりません。
 しかし、確かにそういう場所としては、調査部というところは外国の事情を調査するところでございまして、ただし、香椎あるいは大島という者は本当は自分でその中身を知る立場ではないのであります。文書の受付のようなことをしておった。片っ方の方は資料隊におきまして、予算とか業務計画をつくる立場でございまして、自分で資料を見る立場ではないわけでございますが、しかし、そういう場所におったわけでございますから、何らかの手段を使えば知り得たかもしれない。それがどうして知り得たかというところを、私どもも非常に重大な関心を持って、そこにどこか抜け道があったのではなかろうかと、そういうところを中心に今後調べてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○田代富士男君 そうすると、一応先輩に当たられる栗栖元統幕議長のお話ということは、なるほどこういうことがあったというふうに認めてよろしいわけなんですね。そういうことから言いますと、一月二十一日に山本警察庁長官が、今度は記者団との会談での質問に答えていらっしゃいますが、これまでに差し押さえた証拠で見る限り米軍関係の防衛資料がソ連に流された形跡はないと、このような内容の趣旨の発言をされていらっしゃいます。だから、これはすでに手渡された、残っていた、その中にはそういうことがあったか知らないけれども、いま栗栖元統幕議長の発言と考えあわせてみますと、これは山本警察庁長官の発言というものは、私は理解ができません。これは多分にアメリカに対する配慮した政治的な発言ではないかと思うんですが、この点警察庁の局長いかがでございましょうか。
○政府委員(鈴木貞敏君) お答えいたします。
 いま先生のおっしゃる山本長官の記者の質問に対する答えということですが、私の承知している限りでは、いわゆる押収資料について言ったと、こういうふうに理解しております。押収された、すなわち捜索でございますが、その結果出てまいって警察の手元に入ってきたいわゆる資料、これについて、一応見たところは米国作成の資料はないということを聞いておると、こういう趣旨で言ったと思うわけでございまして、押収以外、すでに過去ある期間続いているわけでございますから、その期間にどういうものが渡ったというのは全然白紙であるという前提であると理解しております。
○田代富士男君 いま鈴木局長のお話をお聞きいたしまして、長官の発言は、押収された範囲というその立場に立っての発言であると、こう理解をいたします。長官もそうだし局長もそのように理解していらっしゃいます。私も理解いたしますと、押収されない長期間の間には、現職であった栗栖元統幕議長が――いまはOBでございますけれども――おっしゃるとおりに、流れていたと見るのが正しい理解の仕方ではないかと思うわけでございますが、防衛庁長官いかがでございましょうか。
○国務大臣(久保田円次君) 私は、何を基準にするかということになりますれば、やはり国民が信頼しておるところの警察庁長官の御意見が最も正しいと判断をいたします。
○田代富士男君 いや、私が防衛庁長官に聞いているのは、押収をされたその資料の中からはと限定されているんです。だから、すでに渡った中ではそういうものが流れているだろうと明確に言っているんです。栗栖元統幕議長は流れているということを、まだ現職からおやめになって長くないお方が言ってらっしゃる。だから流れてるんじゃないんでしょうか。長官としてどうお考えですか。警察庁長官の言葉を信用するというのでなくして。
○国務大臣(久保田円次君) もしそういうふうなことがあるといたしますれば、これから私どもは、この問題についてどうなっておるか、これをひとつ調整してみたいと、こういうふうに考えます。
○田代富士男君 もしあるとするならばと、こう言っていらっしゃるけれども、元統幕議長は流れていると言っているわけなんです。それにも対して一月十八日の夜には、これは永野陸幕長でございましょうか、記者会見で、渡った機密というものは四十年代の陳腐な情報であるというような趣旨の発言をしていらっしゃいますけれども、これは事実でございましょうか。
○政府委員(塩田章君) 一月十八日夜の記者会見で永野陸幕長が発言されましたことは、宮永の北部方面総監部第二部長時代、四十二年から四十四年にかけてでございますが、当時、北部方面総監部の情報担当の部長でございまして、情報を知る立場にございまして、そのときの情報が流れたのではないかという記者団の質問に対しまして、当時のものはそういうことは考えられる、つまり流れたことが考えられると、しかし内容については詳しいことは言えないということを申しましたときに、つけ加えて、いずれにしましても、当時のものは防衛計画としては陳腐なものでありますということを言ったわけでございまして、流れたとか流れないとかいうことを申したわけではなくて、当時のものが流れたことも考えられるとは言いまして、流れたとしましても古いものであると、こういうことを発言されたわけでございます。
○田代富士男君 じゃ、この永野陸幕長も、四十二年−四十四年の約十年前のそういうときのことだから流れたと考えられるけれども、それは陳腐であると、これも限定されたものですね、限定された発言。そうすると、当時の、栗栖元統幕議長が流れているとおっしゃることは、これはそのように受けとめていかねばならないのじゃないかと思うのです。その証拠に、ソ連の情報部の立場としましても、金をかけてスパイ活動をする以上は、それだけのものがなければ金を使いません。そうしますと、ソ連の情報部員は宮永から受け取った秘密情報の価値を当然判断していたはず。そのことに対してけさの委員会においても、金銭の授受があったことがこの委員会においても明らかになっている。だから、宮永が自供したその中から報酬の額を推定いたしますと、相当高度な価値のある情報が流れたと見るべきではないかと思うわけなんです。
 そういう意味で、防衛庁長官、これだけ明らかになっておりますが、いまさっき警察庁の立場を信ずる以外にないとおっしゃるけれども、栗栖元統幕議長もそう言っていらっしゃるし、永野陸幕長も流れたと考えられると言われるわけなんです。これに対してあなたのお考えはいかがでございましょうか、明確にすべきですよ。
○国務大臣(久保田円次君) 捜査の資料の結果を私どもは見まして、これによりまして私どもがやるべきところの問題はひとつ解明いたしたいと、こういうふうに考えます。
○田代富士男君 長官、いまあなたは、捜査の資料の結果を見てやるべきところの問題をやるとおっしゃる。いま警察庁の鈴木局長は、押収された資料の中においてと限定されまして、その中には米軍関係の資料は見当たってない、しかし長い間のことだから、そこまでないということは言っていらっしゃらないんですよ。あなたは捜査の資料の結果を見てとおっしゃるけれども、事防衛庁の最高責任者ですよ。元統幕議長がこのように言っているし、陸幕長もこのように言っている。この点いいかげんですよ、あなた。重大な責任を持っているとおっしゃるけれども、ここらあたり責任を感じていらっしゃらない。ここを明確にしてください、長官。
○国務大臣(久保田円次君) 先生の御質問に対しましては、防衛局長から答弁をいたさせます。
○政府委員(原徹君) 確かに捜査資料の一部についての警備局長の御発言でございます。警察といたしましてはその資料をもとにして事件の全貌をこれから解明するように努力されるものと私どもは承知をいたしております。もしそういうことになりますれば、当然私どもにも警察の見た事件の全貌というものがわかるわけでございます。それに基づいて今度は防衛庁といたしましてどういうふうに判断するかという問題になってくるわけでございまして、いまの段階では私どももどれだけのものがどれだけ流れたかということは十分承知をいたしていない、それを警察の捜査の結果が出れば、その捜索した、押収したものだけでなく、全体の事件の解明が進むだろうと、そういう意味で考えているわけでございます。
○田代富士男君 そうしますと、いまのお話を聞いておりますと、警察の捜査、それによってとおっしゃいました。いまさっきの、今後どのようにやっていくかということ、独自の調査をやる、こういうことをおっしゃいますけれども、独自の調査においてこれを明確にする意思は防衛庁としてないんですか。長官どうですか。
○国務大臣(久保田円次君) 政府委員をして答弁をいたさせます。
○政府委員(原徹君) そういうことでございますので、私どもはこれからの対策を考えるにつきましても、どのくらいのものがどのくらい流れたろうということは、その捜査の結果が出ましたら私ども独自の判断をやはりしなければならないだろうと思います。そうして、そういうことをもとにこれからの保全対策ということも考えなければいけない、そういうふうに考えております。
○田代富士男君 防衛庁長官、私が一番最初の質問をした折に言っておりますが、外国の立場で言うならば、外国のその国民の平和と安全を守るための軍隊がおります、外国には。その軍隊が警察によって捜索を受けたという事例があるんですかと私は聞きました。これに対する答弁はなかったわけなんです。
 改めて聞きますけれども、こういうことは外国には例はないですよ、だから重大問題だと言っているのに対して、あなたがこうするということに対して、政府委員に答弁させます――これじゃ責任を痛感しておりませんよ。この点どうですか、長官。
○国務大臣(久保田円次君) これは先生のおっしゃるとおり外国にもない。日本でも初めてでございます。
○田代富士男君 そうです。そのとおりです。
○国務大臣(久保田円次君) そこで私といたしましては、初めての例でございますから、この問題を究明するためにはいまの制度の中でやはりどこか抜けているところがあるのではないか、こういうふうな問題が考えられるわけです。したがいまして、先生が申されましたところの、具体的においてはどういうふうな問題を取り上げるかということでございますが、これは先ほど申し上げました事務次官を長といたしました組織づくりをしましてこの問題に取りかかりたい、こういうふうに存じておるわけでございます。
○田代富士男君 じゃ、まあこれはこの程度にいたしておきますけれども、新聞報道等によりますと、宮永ら三名は確信犯という見方がありますけれども、まあ現在は捜査中ということでございましょうから、一応明確にはできない点もあるかわからないけれども、現時点において防衛庁、警察庁は確信犯であるのかないのか、そこらあたりのそういう見解をお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(鈴木貞敏君) 午前の御質疑にもお答えいたしましたが、この事件の始期あるいは背景あるいはその報酬の額、そういった点につきましては、まさに緒についた段階であり、申し上げるような具体的な固まりの状況に至っておらないという趣旨のお答えをしたわけでございますが、いま御質疑の動機の点につきまして、宮永の動機でございますが、果たしてこれが金銭的なものか、あるいはまた先生の言われる確信犯という思想的背景によるものであるか、それともその他ほかの事情によるものであるか、そういった点につきましては現在のところ不確定でございまして、その点について糾明中であるということでございます。また、大島、香椎の両名につきましては、勤務地におきまして宮永と上司、部下の関係にあったというふうな関係があったようでございまして、そういうことが本件にかかわり合ってきた一つの契機になっておるのじゃなかろうか。この程度しか申し上げられないということでございます。
○政府委員(原徹君) 私も、何しろ将官と申せば自衛隊の幹部であった者でございますから、そういった者がどうしてこういう不祥事件を引き起こしたかということについては大変不思議に思います。その辺警察の解明を待ちたいと考えております。
○田代富士男君 それで一度御確認しますが、警察庁は、この事件の糸口はどこにあったのか、いま捜査の段階でございましょうけれども、いま発表できる範囲内で、またいつごろから内偵なさっていたのか、お願いをいたします。
○政府委員(鈴木貞敏君) この事件につきましては、昨年の春ごろでございますが、一応情報を端緒にいたしまして警視庁公安部外事第一課が内偵に入ったわけでございます。したがって、昨年の春ごろと、こういうふうに申し上げておきます。
○田代富士男君 防衛庁はこの問題をいつごろお知りになられたのですか。
○政府委員(原徹君) 先ほど一年前から内偵なさっていらっしゃったということでございますが、私どもは逮捕されるちょっと前に連絡を受けて初めて知ったわけでございます。
○田代富士男君 いま防衛局長は、警察庁からお話があった一年前でなくして逮捕された直前である、このように申されました。私もきょう質問するに当たりまして、いろいろ情報を集めました、情報問題のときですから。そのときに私がつかんだ情報によりますと、宮永がおかしいというのは防衛庁内では四年前からマークされていた。そのことを私の情報として私は確認をいたしました。いま逮捕されてからそのように知りましたと言う。防衛庁の中においてもある程度の人は宮永がマークされていたということは知っておりますよ。私のつかんだ情報によると、四年前、恐らく防衛庁、局長もここで答弁できないでしょうけれども、私はつかんでおります。この事実はどうなんですか。これは長官から聞きたいのです。
○政府委員(原徹君) 新聞等にそういう記事が出ておりましたが、私はまだその点について確認をいたしておりません。しかし、もし新聞に出ているようなことが事実だとするならば、それはまさにわれわれが反省をしなければならない非常に大きなポイントであろうと思いますので、今後鋭意調査をいたします。
○田代富士男君 長官どうですか。
○国務大臣(久保田円次君) 長官といたしましても、いつごろと言われましても私も存じません。ただこういうふうな中に立ちまして、その事実の解明というものも今後残るわけでございますが、これらの問題も挙げて今度用意しておりますところの委員会におきまして十分究明いたしたい、かように存ずる次第です。
○田代富士男君 そこで防衛局長、これを調査するとおっしゃった。くしくもけさのこれは朝日新聞です。朝日新聞にも五十一年にすでに疑惑があったという記事が出されております。ここに掲載してある内容は、宮永がこの調査第二部を訪れまして、自分が講演を頼まれたためにということで秘密文書のコピーを頼んだ。そこで、宮永の要求が内規に触れるために不審に思ったその係官が上司に相談をしたところ、おかしいのではないか、悪かったと謝った経過がある。そして上司は宮永から多少事情を聞いただけで深く追及をせずにそのままにして第二部長どまりで、話を陸幕長にも報告されずに終わった。もし、この段階で正式に陸幕当局に報告されていたならば、その時点で宮永に対する捜査が行われ、事件の発展を食いとめたかわからない。これだけ明確に出ているんです。私が聞いたのも四年前にはこういう――こういうところから、だからこれを調査するとおっしゃったから調査した結果の報告を正式な報告として出していただけますか。それが一つ。
 それと問題は、どうして四年前からマークしていたこの問題が、いまのこの時期にどうしてこれが出てきたかという事件の背景になるものは何かあると私は思うんですが、この点いかがでございますか。
○政府委員(原徹君) 調査をいたして御報告はいたします。
 それから、その背景というところになりますと、やはり私どももそういう点について調査をいたしますが、やはり警察の捜査の結果もあわせて考えなければならないので、それを待ちたいと考えます。
○田代富士男君 じゃ正式な報告をしていただくということで了解してよろしゅうございますね。
 そこで、これもいま取り調べを受けている三人が、ソ連から情報を得るために接触を続けるうちに、こちらからも何らかの情報を流す必要に迫られてやむを得ず自衛隊の配備状況などの資料を流したと言っております。こういうことになりますと、いま私、四年前からマークされていた――私の情報ですよ。そうしますと、日ごろから防衛対象国としてのソ連の脅威を強調している防衛庁庁内で、しかもソ連関係の情報担当であるその担当者が機密を渡しているということにだれも気がつかないということはあり得るわけがない、防衛庁においては薄らそれを知っていたのではないんでしょうか、関係者の中では。そうすると他に共犯者がいたのではないかと言われてもこれは仕方がないと思います、これだけのものが。この点に対してどうですか。
○政府委員(原徹君) 私どもいまただいまの段階は現職二名が逮捕されたということでございまして、それ以上どうであるかというところまではわからないというのが実態でございます。
○田代富士男君 そうすると、私がいま提起した問題も、あわせていろいろ調査されるとおっしゃるならば、これもあわせて調査されますか、長官どうですか。あなたは徹底的調査をするとおっしゃった。いかがですか。
○国務大臣(久保田円次君) 現在はその捜査が進められている段階でありますから、この結果を待ちまして私は処置をいたしたい。その間におきましてのどうなっておるかということは私からはひとつ差し控えさしていただきたい、こう思います。
○委員長(志苫裕君) ちょっと議事整理をするために……。
 同じことばっかりあれしていますが、防衛庁自体でもいろんな委員会のようなものを設けられて調査をなさるんでしょう。そういう答弁を先ほどからされているんじゃないんですか。真相究明の方は警察庁にお任せであって、今後起きないようにどうするかということだけを防衛庁は考えるんですか。そこのところがごちゃごちゃになって同じことをやりとりされていますが、その点をお答えください。
○国務大臣(久保田円次君) 両々相まちまして行います。
○田代富士男君 いま委員長からも話があったとおりに、一番最初は防衛庁庁内に委員会をつくって徹底的に――もう繰り返すわけではないですけれども、やれるものがやれなかったとかいろいろおっしゃったわけなんでしょう。それでいろいろ指摘しているわけなんです。それを警察庁待ちでなかったらできないという、これは長官として責任を重大に感ずると言うけれども重大に感じてないじゃないですか。ここを明確にしてくださいよ、長官。やらないのかやるのかどちらでもいいんです、やるのかやらないのか。
○政府委員(原徹君) 私どものいまのこれから保全をどうするかということにつきまして、その特別の委員会を設けて検討しようということでございますけれども、そういうことの中に私どものそういう保全体制ということを当然考えなければならないわけでございます。で、保全体制ということになれば、いまの調査隊とか警務隊とかそういうことの活動の仕方はどうかというのが当然その論議の対象にもなり得ることでございまして、私ども要するにそういう不心得な者が自衛隊の中にいては困るということはもう明々白々なことでございますから、もちろん調べを一生懸命やるのはあたりまえのことであり、そして、もしそういう不心得な者がおればそれをやはり排除するということをしなければならないこともこれはあたりまえなことでございますから、さらに一生懸命それぞれの立場に立って、それぞれの者が秘密保全の見地に立って仕事を一生懸命しなければならない、そういうことに尽きるのではないかというふうに思います。
○田代富士男君 じゃ時間の制限もありますから、聞きたいことがありますが、また今後この問題は長く続くと思いますから次の問題に移りますが、いまさっき永野陸幕長が記者会見された折の話をお聞きしまして、四十二年から四十四年ごろまで北部方面の情報担当部長であったときの話をされたわけなんですが、そういうような防衛機密が流されたということに対して、宮永が流したということは宮永自身が調査学校の情報教育課長をやっていたことは御承知のとおりでございます。その学校は陸海空の三自衛隊から人選をして情報や調査の教育をしておりまして、まあ国会においても野党の側から、現代版の中野学校ではないかというような声も出されたくらいでございまして、四十六年の七月から副校長になっている。そして最後は四十八年から六本木の中央資料隊に戻っておる、こういう経歴があるわけなんです。
 そうしますと、この調査学校において教育している内容は何か。一つは自衛隊の情報教育の内容、それから組織、それから能力の限界、こういうことは教育をしているし、そしてそういうことを自分自身が当事者でやっていた本人です。またソ連側が一番知りたいのもこのことです。自衛隊の情報教育の内容、組織、能力の限界を知りたいと思っていた。こういう内容は宮永を通じてもうとっくの昔に渡されてしまっていると思うんです。
 また中央資料隊へ戻った。中央資料隊というのは国外情報の対策をやるところだと、いまさきるるこの委員会において説明をされた。そうしますと、米軍関係の情報教育の内容、組織、能力の限界、こういうものも掌握をしていたために流されていることは間違いない。栗栖元統幕議長の説明もありましたとおりに、流されている、このように見なくてはならないと思います。また、いまさきの、この防衛機密に対しまして最初お聞きしたときに、「機密」、「極秘」、「秘」と、この三段階に分かれて六種類の内容のものがある。件数にして約七十万点から八十万点のそういう資料があるということを聞いております。その中から流れているはずです。こういう問題に対して、この問題をどのように受けとめていくのか、これは重大なことではないかと思うんです。いま警察庁としては、押収したその中から答弁されましたけれども、防衛庁としてはこのような過去の経過から、また皆さんの先輩であります栗栖元統幕議長の説明からも大変なことであると思いますが、この問題に対して防衛庁長官は、重大な責任を持つと言っておりますけれども、いかがでございましょうか。
○国務大臣(久保田円次君) この問題につきましては、さらに防衛局長から御説明いたさせます。
○政府委員(原徹君) 確かに現在の段階で申しますと、どれだけのものが流れたと決めてかかることも、流れなかったと決めてかかることも、これはまだ早計であると存じます。警察の方でその捜査資料をもとにして全体の背景等もお調べになるのではないかと思っておりますし、私どももいずれこの警務隊――本人はいずれ懲戒処分の対象になり得るものと思いますが、そういったときには本人を警務隊が調べるというチャンスもあろうかと思いますので、そういうことを通じて全体がどのぐらいであるかということを私どもとしても判断をしなければならないと思います。現在の段階ではまだどのくらい流れたかということをちょっと判断するのには時期が早いのではないかというふうに考えております。
○田代富士男君 しかし、局長、いま言った経歴から、当然そういうことは――自衛隊の情報教育の内容あるいは組織、能力の限界、また中央資料隊のときにおいては米軍の同じ情報教育の内容、組織あるいは能力の限界等を、これは栗栖元統幕議長が言っているじゃありませんか。まして、いま一番の問題のコズロフ大佐はその問題が起きた翌日帰ってしまっているじゃないですか。この事実をどのように受けとめられますか、防衛庁として。
○政府委員(原徹君) でございますから、非常に私どもも、とにかく防衛庁の中からソ連に情報が渡ったということは非常に大変重く見て、大変これは申しわけないことであるということはもうるる申し述べておるとおりでございまして、それは非常に重大に受けとめておるわけでございます。
○田代富士男君 そうしますと、防衛庁、今回の自衛隊の内部で行われましたスパイ事件だけに、友好国の対日信頼を損なうことは避けられないと思うんです。そういう立場から、日米相互防衛援助協定等に伴います秘密保護法、これは二十九年度にできたと私は理解しておりますが、その協定に基づいて米国から供与をされた軍用機、武器、弾薬やそれに関する文書、図面などが防衛機密と指定されておりまして、その漏洩を厳しく禁止してあることは御承知のとおりでございますが、そういう立場から、わが国の安全を害する目的で、不当な方法でそれらの機密を探知したり、収集した場合あるいは他人に漏らしたときなどは十年以下の懲役を規定している。この宮永らのスパイ活動の影響は大きいわけなんですが、そういう立場から、宮永らによって防衛庁からソ連情報部に漏らされた資料のうち、この秘密保護法によって指定された米軍提供の資料はすべて刑特法の対象になると考えてよろしいんでしょうか、どうでしょうか。
○政府委員(原徹君) 防衛秘密、日米相互防衛援助協定に基づく装備等に関する秘密に関する法律は、日米相互防衛援助協定等に伴う秘密保護法という名前でございまして、いわゆる刑特法と申しますのは、安保条約に基づく在日米軍の秘密に関する刑事特別法でございます。したがいまして、もし宮永らの秘密がいわゆる防衛秘密、相互防衛援助協定に基づく秘密でございますれば、この日米相互防衛援助協定等に伴う秘密保護法の適用になると、そういうふうに考えております。
○田代富士男君 そうしますと、いまさっきから、まだ捜査の段階であるとおっしゃいますけれども、今後この問題に対しては、やはり防衛庁としても断固とした処置をおとりになる決意でしょうか、これは防衛庁長官、どうですか。
○国務大臣(久保田円次君) この問題につきましては、先生のおっしゃるとおり、断固として追及いたしたいと思うわけでございます。
○田代富士男君 ここでちょっと、官房長官の退席時間があるからということでございますから、途中で順番を変えましてちょっと官房長官にお尋ねいたしますけれども、今回このような不正事件が起きておりますけれども、こういう不正事件を防ぐということは、やはり上に立つ人がみずから厳しく姿勢を正すということではないかと思うんです。それと同時に、情報、資料の管理体制を見直し、効果的な防止策を講ずべきではないかと思うわけなんです。スパイ事件や機密漏洩問題が起きると、それに便乗しまして国民に新たな義務を負わせたり拘束したりするような機密保護法や防護法などの立法化を策動しようとする動きもあるかわかりませんが、こういうことをしたならばとんでもないことだと思うんです。やはり国民の知る権利から情報公開法の立法化の検討をされるときである。きょう私は、このスパイ事件がなければ情報公開法の質問を主体にする予定で準備をしておりましたが、このスパイ事件でできなかったわけなんですが、そういう動きもあります、立法化の検討をされるときであります、正しい対応をすべきであると思いますが、官房長官の御見解をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(伊東正義君) 現段階におきまして、いま先生がおっしゃった機密保護法でございますとか、そういう新しい立法を考えるということはいま私どもは考えておりません。今度の事件は自衛隊の内部で起きた事件でございますので、自衛隊内部の情報管理体制でございますとか、そういうものをしっかりしてもらう、あるいは公務員の守秘義務の問題でございますが、それを厳格に守っていけば防げる事件だと私は思っております。でございますので、そういうことがあるから情報公開法の検討はしないとかいうことじゃなくて、情報公開法の問題はこれは外国にも例があり、いまいろいろ勉強しているところでございますので、行政手続法とかむずかしい問題が――これは情報の管理について、あるいは各省の文書の取り扱い、むずかしい問題がございますので、それはそれとして別途検討を進めていくという考え方でございます。
○田代富士男君 長官どうぞ、結構でございます。
 じゃ、もとに戻りまして防衛庁にお尋ねいたしますが、宮永は四十二年三月から二年半の間、北海道において、外国軍が侵攻した際の防衛計画センターとも言うべき北部方面総監部の第二部長を務めていた、こういう経歴があることは御承知のとおりだと思います。まあ、有事の際のわが国の防衛戦略をそのセンターで立てていた中の一人でございます。まあ、長い間のこのスパイ活動の中でこれも漏れていることは間違いない。そういたしますと、防衛計画、配備計画のその計画がそのままであったならば、日本の国民の安全保障というものは守られません。こういうところから防衛計画、配備計画の変更をせざるを得ないのではないかと思いますが、自衛隊としてはどのようにお考えでございましょうか。
○政府委員(原徹君) 確かに、北部方面総監の第二部長をいたしていたことは事実でございます。この第二部長というのは、先ほども申しましたが調査の系統でございますから、外国の事情を調べることが主たる職務でございまして、どういうふうに配備をするかということは、まあ防衛部の問題でございます。しかし、同じところにいたんだからわかっているかもしれないということはあるかもしれないとは思っておりますが、しかし、その辺のところはもう少しその捜査の結果等を待ってからでないと、本当にそういうことが流れたのかどうかということをもうちょっと調べてみないとわかりませんし、それからまた、四十二年のときといまとではやはり大分違うという面もございますから、そういうことを総合的に判断してその問題は検討してみたいと考えております。
○田代富士男君 局長、これは警察の調べがなくちゃわからないと、このようにいま申されましたけれども、事日本の安全保障に関する問題ですよ。だから、もしも流れていたならば――こういう不幸なことはないと思いますけれども、あった場合にはどうなりますか。やはり、これこそ機密とか極秘とか秘とか言っていますけれども、局長はここでそういう答弁をしながら、こういう防衛計画、配備計画をやるでしょう。これが本当の機密ですと言わないけれども、私は当然、これが警察の調査とおっしゃるけれども、捜査の段階で明らかになった場合にはやるべきだと思うんですが、どうなんでしょうか。もう一度確認いたします、安全保障の立場から。
○政府委員(原徹君) どれだけのものが流れたかということにもよると思います。そういうことも考えて、捜査の結果と、私どもの何と申しますか、流れたことによる損害の評価と申しますか、そういうことをやった上で考えてみたいと思います。
○田代富士男君 宮永はこれまで月一度、在日ソ連大使館付武官のコズロフ大佐と会いまして、入手をしました防衛に関する秘密事項をコズロフ大佐に渡して多額の報酬を受け取っていた、これは午前中の委員会においても明らかにされておりますけれども、このコズロフ大佐が、このようなことをやっている好ましからざる人物といたしまして外務省から日本退去を求められる前に、事件発生の翌日にモスコーへ飛び立ってしまっている。このようなコズロフ大佐に対する事情聴取に対しまして、外務省といたしまして協力要請をされるんでしょうか。外務省、いらっしゃいますか。――
○政府委員(武藤利昭君) 外務省といたしましては、一月十九日、先週の土曜日でございますが、在京ソ連大使館に対しまして、コズロフ武官から事情聴取を行いたいので協力するようにという要請を行ったわけでございますが、その時点におきましてはすでにコズロフ武官は日本を離れていたということはただいま御指摘のとおりでございます。
 それで、このような申し入れを行いました際、外務省に参りました先方の館員は、日本側のその要請は受け入れられないとその場で回答いたしたわけでございますけれども、わが方から、ともかくこれは日本の正式の要請であるから在京のソ連大使にも伝達するようにと申しまして、先方も承知しましたと帰ったわけでございますので、わが方といたしましては、コズロフ武官に対する事情聴取の要請は現在なお生きていると考えております。
○田代富士男君 かつてソ連の外交官の行動に今回のこういうスパイ活動に類するものがあったことは御承知のとおりだと思います。そして、一度ソ連大使館に政府として抗議された、そういうことがあると私は承知しておりますけれども、その抗議の内容は何であったのか、また、そのときの事件と今回の事件とを比べた場合には比較にならないほど今回は重大でございます。国民もこれを注目しておりますし、国民が納得し安心できるような措置をとるべきではないかと思いますけれども、ソ連に対して抗議等の強い措置をとるのかどうか、そこらあたりも明確にしていただきたい。
○政府委員(武藤利昭君) 戦後、日ソ間の国交が回復いたしましてから、在京ソ連大使館員が関連いたしましたスパイ事件は一件でございます。これは昭和四十六年の事件でございまして、当時の在日ソ連大使館武官補佐官コノノフという人物でございますが、これが関連したスパイ事件があったわけでございます。それで、このコノノフ事件の際も今回の事件と同様、わが方から事情聴取につき協力を要請いたしましたのに対し、先方はこの要請を受けないままコノノフ本人は離日したわけでございますが、その後、わが方からソ連側に対し、このようなソ連の外交官による日本の法律違反の行為というものは遺憾であるということで、このような行為が今後繰り返されることがないようにという申し入れを行った経緯がございます。
 今回の事件につきましても、なお現在警察におきまして調査を行っておられる段階でございますので、その調査の進行状況も勘案しながら、しかるべき時点でしかるべき申し入れをソ連に対して行う必要があるかどうかということにつき検討することとなろうと考えております。
○田代富士男君 それと同時に、けさからの委員会でも明らかにされておりますとおりに、中国関係の情報ということが問題になっておりますけれども、ソ連情報機関のスパイの目的が、ソ連と対立関係にあります中国だったことも一つは明らかになっております。もしこのような機密の資料が渡っていたとするならば、日本と友好関係を結んでいる中国との外交関係に微妙な影響を与えるのではないかと思うんです。それと同時に、いまさきからるる述べております栗栖元統幕議長のお話にもありますとおりに、このようなアメリカを含めた各国の情報を知り得る立場にあった宮永ら三名から防衛機密が流されているということは明らかでございますが、そういう立場から、米国に対する、またそれらの外国に対する外交、防衛上の影響についてどのように処置をしていかれるのか、あわせて御答弁いただきたいと思います。
○政府委員(柳谷謙介君) 海外関係を扱っております外務省といたしましても、当然この事態を非常に重大な問題としてとらえまして、事態を憂慮している次第でございますが、現在私どもは捜査当局に対しまして、捜査の進展状況、どのような事情が判明したかということを随時知らせてほしいということを要請しているわけでございますが、現在までのところ、捜査中の段階であるということで、事実関係については具体的な連絡を受けていない状況でございます。したがいまして、これらのことが今後捜査当局の方からいろいろ明らかにされました段階におきまして、いま御指摘の米国、中国、その他に対する外交上の措置を検討したいと考えております。
○田代富士男君 そこで、防衛庁にお尋ねいたしますけれども、今回のこういうような防衛庁の中枢からこういう機密が漏洩したということに対しまして、これは重大な問題であるということは認識を持っていらっしゃると思いますが、こういうことがなぜ規制できなかったのか。いまさきもちょっと述べたかと思いますけれども、やはり綱紀の緩みという根本的な問題があったのではないかと思われるわけです。
 この決算委員会においてもいままでに、先日来鉄建公団の問題、KDDの問題等、官庁や特殊法人のカラ出張やあるいはヤミ給与など問題になっておりまして、これは官庁全体に蔓延している綱紀の緩み、乱れがこのようなスパイ事件を生む土壌になったのではないか、私はこういう見方をしておりますが、防衛庁、自衛隊の直属の上司あるいは監督者である長官などの責任は重大であります。
 前の鉄建公団等のカラ出張の場合には国家公務員法上の処分を含む厳しい処置がとられました。そういう立場から、今回の事件は単に責任者の処分で済まされるわけにいかない重大な問題でございます。そういう意味から、防衛庁、自衛隊は最高度の綱紀が求められる組織であるにもかかわらず、このような乱れがあったということに対し、防衛庁として委員会等をつくって対処するとおっしゃるけれども、いまの委員会は私の質問の内容からしましたならば、理解できない面が多々あります。
 この問題に対しまして、私はもう時間が来てしまいましたから、最後にこの責任をどう感ずるのか、防衛庁長官の今後の決意を……。鉄建公団等の場合には全部責任をとって処置されております。これも含めて長官から御答弁いただきたいと思います。
○国務大臣(久保田円次君) 御指摘のとおり、今回のスパイ事件につきましては、特に防衛庁の中枢部におきまして大変な御迷惑をかけたわけでございます。今後再びこういうことがあってはならない。そのために長官といたしましては、前回申し上げましたとおりに、二度と繰り返さないために委員会をつくりまして、いま今週はこれを発足することになっておるわけでございます。
 これに対しまして、防衛庁の長官の責任という言葉が出ましたけれども、まさしくそのとおりでございます。その責任をとるために、私は再びこの問題を繰り返さないように、とにかくこの究明に対し、また秘密保護に対しまして全力を尽くしてまいりたいと思うわけでございます。
○沓脱タケ子君 それでは、質問に入る前にちょっと委員長にお願いをしておきたいと思いますが、きょうは休会中の決算委員会でございますけれども、関係大臣の委員会での御出席というのが、出たり入ったりで非常に審議のしにくい状況が続いているわけでございます。特に朝の理事会の中でもいろいろと御意見が出た点につきましては協議をして、国会側としても協力をするという立場をとってまいったわけでございますけれども、そういう理事会での協議の中に出ていなかったにもかかわらず、その当該の決算対象である官房長官がまた途中で御退席になる、こういうことになりますと、これは国会における決算審議というのがまともにできない。こういう不見識なやり方というのは厳に改めなければならない点だと思うんです。かつて十月三日の本決算委員会におきまして、総理以下全関係大臣が出席を拒否したというふうな前例もございます。
 そういった点で、今後の本委員会の運営について国会の、国民の立場に立って決算審議をしておるという立場を明確にして、政府関係者に対するもっと積極的な対応を迫るべきだと思いますので、これは冒頭に委員長にお願いを申し上げておきたい、そういうふうに思う次第です。
 私は、冒頭に官房長官にお尋ねをしたいと思っていたのですけれども、御退席になって、しばらくおいでにならないようでございますので、やむなく順序を変更せざるを得ない、こういうことになるわけです。
 この点については次の理事会ででもこれはぜひ厳密に、厳格に国会の権威を立てる立場からも、本決算委員会の権威を明確に確立をする立場からも明らかにしていただくことを最初にお願いを申し上げておきたいと思います。よろしいですか。
○委員長(志苫裕君) ちょっと記録をとめてください。
   〔速記中止〕
○委員長(志苫裕君) 速記を始めてください。
○沓脱タケ子君 それでは、最初にちょっと通産省にお聞きをしたいんですが、おいでになっておりますか。――
 コミュニケーション・アンド・スタディーズ・インターナショナル・リミテッド日本支社ですか、C&Sと言われているこの会社に対して改善要望その他を何回やられましたか、どういうふうに指導してこられたか、ちょっとそれを聞きたい。
○説明員(野口昌吾君) 御説明いたします。
 C&S社に対しましては、実は昭和五十二年ごろ非常に多い苦情がまいっておるわけでございます。
 行政指導の回数等でございますが、五十二年の六月に一度私どもから、所管団体でございます日本割賦協会というのがございます、これはC&Sも参加いたしておりますが、そこに対して英会話教材等の販売の仕方、クレームの処理の仕方等につきまして一度改善方の行政指導をさしていただいております。それからその後、C&S社、これは他の企業に比べまして苦情が多いものですから、特にこの会社だけを呼びまして、五十三年の七月に直接私どもの方からこの企業に対して改善方を細かく指導をいたしたときがございます。その後、今年度でございますが、五十四年度、いろいろ全業界の苦情も調べまして、やはりこのC&S社が多うございますので、C&Sを含めた二十二社の社長を全部お呼びいたしまして行政指導をいたしております。
 なお、C&Sにつきましては、五十三年度に個別に指導した結果も踏まえまして、毎月その苦情処理の実施状況を報告をいたさしておりましてチェックいたしております。
○沓脱タケ子君 このC&Sという会社は英会話教材の押し売り商法をやっているわけです。で、通産省はいま簡潔にお述べになったんですが、あなたの方からいただいた資料を見ますと、いわゆる関係団体である日本割賦協会に対しては五十二年六月一日に改善方の要請をしていますね。C&Sという会社に対しては三回やっているんですね。五十一年八月十一日と五十三年四月十八日、五十三年七月五日、事情聴取をして注意をしたというのが。これを見ますと、五十三年の四月十八日に呼んで注意をして、さらに七月五日に注意をしてきている。まあ非常に日が短いわけです。これは改善をされていないという証拠なんだと思いますが、現在は改善されていると思いますか。
○説明員(野口昌吾君) 先生のおっしゃいましたような指導を私どもいたしておりますけれども、毎月の報告を見ておりますと、解約の申し込み件数等は全般的に減少いたしております。そのうちセールスマン等の不当な説明の仕方などによってクレームが生じているものにつきましても、社の報告では減少をいたしてきております。ですから、そういう意味では改善をしておりますんでございますけれども、相対的に他の企業から比べますと少し多いものでございますので、依然として頻繁にこういう行政指導をさしていただいておるというのが実態でございます。
○沓脱タケ子君 それで、あなたの方の改善要望の内容というのは、セールスのときに見本のテープを持っていって必ず聞かせよとか、あるいはそのセールスの際には必ず英会話教材の販売が目的であるという旨を明らかにして、不公正な説明による販売行為は絶対に行わないこと。またアポイントを取るときにもその目的を明確に相手に告げること。かなり具体的なんですね、その他。
 ところが、それがいまだに解決をされていないという実例が幾つかあるんです。これは実にひどい手口なんですが、これはまあたくさんあるんですけれども、どういう手口をやっているかというのを参考に一つ、三重県のYという、これはC&Sの会社ですが、これの勧誘された手口というのを見てみますとこういうことなんです。注意しても直っていないと思うのですがね。
 一九七九年十二月十四日午後七時ごろ自宅へ電話がかかってきた。ALEという海外旅行が格安に行ける会があるんだけれども知っていますか、一度話を聞くだけでも、あすの午後六時に会ってからにしませんかというような、知らない人から電話がかかってきた。そして、これは一年も前にそんな誘いがあったので、もう一遍かかってきたんだからというので一遍会おうと思って、伊勢のグリーンホテルのロビーで会うたというのですね。会うたら――翌日会うているのですが、うちの会社はインターナショナルホライゾンズという中学校の英語の教科書をつくっている会社なんですよ、カーター大統領はうちの会社の顧問ですというようなことを言うて、ALEという会の会員になったらこういう特典がありますと。その一つは、海外ツアーなどには格安で参加ができて大体半額ぐらいの経費で行けます。このような特典をあなたの子供の時代まで利用できるんだ。レンタカーは三〇%割引きになります。今度伊勢にできる英会話教室は全部無料です。毎年その年にヒットしたポピュラー音楽テープを毎年送ってあげるから買わなくてもいいんですと。こんなもの送ってこないそうですけど。で、いま入会するとスペシャルメンバーというのでこういう状況ですけれども、今後はそういう特別な扱いにはなかなかならないんですと。そして最後に、いつもは英会話のテープを聞いていただくんだけれども、きょうは電池を忘れてきたので聞いていただけませんと。会員になるのに幾ら金がかかるのかと言うと、ローンで月々一万円ぐらい、ボーナス時に四万円。それで一日考えて、とにかく契約をするということになって、契約書を見たら、エール会員という会員証と英会話のカセットテープの契約が主なものであったが、実際は英会話テープを売るのにこういう持って回ったやり方をしているわけですね。それで、そのカセットテープもずいぶん粗悪なものだということを本人は言っているわけです。
 もう一つは、東京を中心にいまやられているヘイム・インターナショナルという会社があるんですが、これはある女の人から、おめでとうございます、杉並地区からあなたが選ばれましたと言うて電話がかかってきた。何に選ばれたのかようわからぬかったら、実はヘイム――いろんな特典を挙げて、一遍お話をしましょうと。で、新宿の野村ビルまでおいでくださいというようなことで、この特典というのは、これはまたおもしろいのですけれども、ヘイムという会社は、メヴィウス企画というようなことを言うて、会員募集の形でこれをやっぱり契約をさせているわけですが、特典は情報の提供とレジャーと英会話というようなことなんです。それから施設の割引。実際は、これはみんないざ契約すると契約書はカセットテープの販売契約書なんです。こういうやり方になっているわけですね。
 実際、ヘイムの会社を見てみましても、五十二年度の売り上げを調べたら十六、七億あるんです。十六億から七億ですからね。働いている職員の数も大体倍くらいにその後なっていますから、一社だけ見ても三十億ぐらいになるんですね。これは、こういう苦情が来ているので、私はやはり通産省としては、一つは調査をするべきだと思うのです。特にこの点はどうですか。早速調査なさいますか。いま申し上げたのはC&S、それからヘイムですが、それ以外にPFカリアー、ILS、タイムライフ、日本パイディア大信販、バーニングコーポレーション、まあエトセトラです。ずいぶんたくさんあるのですが、こういうものを調査するべきだと思うのですが、いかがですか。
○説明員(野口昌吾君) 先生御指摘のように、C&Sとそれからヘイム社は、この種業界のどちらかと言えば大手でございます。それで、先ほどちょっと触れましたように、昨年も十一月の末から十二月の初旬にかけまして、二十二社のうち特にクレームの多い十二社につきまして個々に社長等の責任者にお越しいただきまして実態調査をすでにいたしております。それで現実に口頭で指導をさせていただいております。
 その辺につきましてはいろいろ問題があるのでございますけれども、企業に対しましては、先ほど先生がおっしゃいました説明の仕方とか、テープを試聴したかどうかということにつきましては、契約を、企業が確認を後でさせるような確認書のようなものをつけてセールスマンが――実はこれは俗に言います歩合制で業務委託契約をしているものですから、必ずしも優秀なセールスマンばかりじゃないわけでございますので、そういうところをチェックするために確認書をわざわざつけさせまして、消費者も十分納得して御契約いただいているかどうかという事柄につきまして確認した上で契約をいたしておるわけでございます。そんなことも指導しましてやっているわけでございます。
○沓脱タケ子君 この種の問題というのは、いま訪問販売の問題とかあるいは割賦販売という問題で消費者の中に非常に広範な問題が続出しているときなんです。特に私は、この英会話教材の問題を取り上げましたのも、比較的向学心を持っているまじめな青年が被害者になってひっかかっている。特に日本人というのは英会話コンプレックスというのがあるんですか、そういうこともあって、大学生とか若いサラリーマンというのがひっかかっている大部分です。そういう点で放置できないと思いますので、消費者保護の立場から対策を強化するべきだと思うのですが、その場合に通産省、この種の押し売りとか悪徳商法、こういうものにひっかからないようにというPR、これは国民の中に一つ要ると思うんです。
 それからもう一つは、被害者の苦情の窓口を行政としてもきちんと確立をして被害者の相談に応じて処理を手伝っていくということ、これをやるべきだと思うのですが、どうですか。
○説明員(野口昌吾君) 先生御指摘のとおりでございまして、やはり一番問題は、消費者がこういう悪質なセールスマンにひっかからないようにすることが一番大事だと思います。ですから、私ども、経済企画庁もそうでございますけれども、通産省としていろいろパンフレットをつくりまして、消費者団体、それから都道府県等にございます苦情処理センター、そういうところにしおりを配って啓蒙に努めておりますし、それからテレビ等につきましてもこの種のクレームを実際に御説明しながら啓蒙を図っている次第でございます。
 それから苦情の窓口につきましても、私ども通産省の中にも消費者相談室というのを設けておりますし、都道府県、市町村、大分このごろ普及いたしまして苦情処理センターができていると思います。それは出てきた場合におきましてもクイックに処理して消費者に不利にならないような形で、それは日本割賦協会初め業界とも連絡をとりながら処理をしておるつもりでございます。
○沓脱タケ子君 これはちょっと公取にも聞きたいのですが、この手口がそういう手口であると同時に、誇大広告、不当表示というのはもう平気で横行しているんですね。こんなものですけれども、(資料を示す)これはヘイム・インターナショナルのパンフレットなんです。たとえばこれには「SONYLLと国際教育産業のリーダーHEIMが共同開発した画期的な新英会話自習教材です。」と書いてある。ところがソニーLLというのは全然関係がないんです。ソニーLLからはたびたびヘイムに対して抗議をしているわけです。抗議をされても今日もなおこれがそのまま使われている。
 それからこの裏には國弘正雄先生監修と書いてある。これは英会話カセットです。ところが國弘先生は、これは御本人に確かめたら、ヘイムという会社とは何にも関係がない、と言っておられるんですね。しかしこれは公然とこういうふうなことになっておる。
 それから誇大宣伝ですね。アフターサービスで海外留学の紹介とかあるいはテレフォン英会話だとか、海外旅行だとかいろいろあるんですわ。「外人教師によるテレフォン英会話」、それから「声の通信添削」とかなんとかいっぱい書いてあるんですけれども、それ以外のたとえば会員の特典というものも、これはおっしゃっているような内容とは全然違う。もう時間がありませんから細かく申し上げませんが、そういうことになっておる。
 それから、粗悪品の問題は通産ではちょっと関心を持ってもらわなければいかぬのですが、たまたまヘイムのカセットテープを外大の学生さんに聞いてもらったのですけれども、これはまさに欠陥商品だという状況になっております。
 こういうことなんで、これは通産省としても法律的になかなかこれを排除することができないために、注意をしたときにはちょっと撤退をするか、あるいは若干変わっても、まさに俗に言う御飯の上のハエを追うようなものでさっぱり片がついておらないのですが、これは法律的に現行ではどうにもならない。したがって、行政指導を強めていくと同時に、特に不当表示とか誇大広告ですね、しかも内容が粗悪品だというようなことになってまいりますと、特に公取あたりでも深く関心を持っていただいて、こういう不当表示、誇大広告の排除命令を調査をして出していただく、こういうことが必要ではなかろうかと思いますが、公取の御意見はいかがでしょう。
○政府委員(劒持浩裕君) ただいま先生が御指摘になりました契約でございますけれども、これは英会話の教材用のカセットの販売契約と、特定の会の会員になります契約が組み合わされているようなかっこうで行われているように考えます。その契約自体を景品表示法によりまして規制することは困難かと思いますけれども、会員の募集広告とか英会話の教材用カセットの販売につきまして、その内容が実際のものより著しく優良であると一般消費者に誤認されるような表示がありますれば、景品表示法上の規定によりまして規制することは可能であるというふうに考えられます。
 それから、もう一つ先生が御指摘になりました、著名な人が監修者として名前を出しているけれども、それは実際には事実に反しているというような場合も同様でございまして、さらに会員の特典が表示されているものとは実際が違っている、実際にはそのとおり与えられていないというようなことであれば、景品表示法上の不当表示になるというふうに考えられます。
○沓脱タケ子君 その不当表示、誇大広告の点は調査をして対処してもらいたいんですが、その会員と英会話カセットと二つの商品を契約しているようにという御理解のようですが、違うんです。契約書は商品名モダンイングリッシュ・セルフラーニング、カセットATセット三十巻というような、契約の内容というのはまさに商品名、英会話教材だけなんです。そういうことになっているんです。それ以外の契約はだれもしていない。だから、英会話教材を売るためにわざわざエール会員だとかメヴィウス会員だとかというものを持って回って宣伝をしている。これ買うてくれませんかいう宣伝じゃないんです。非常に知能犯的な、実に巧妙なやり方です。だって若い人に海外旅行だとか情報提供するとか英語がしゃべれるようになりますよ、レジャーの世話もしますよと言われたらそれはみんな欲しいと思いますがな。そうして、そうは言うけれども契約の中身というのは商品名、契約ですからね、商品名ははっきりしていますわ。それ以外ないんです。だから、はっきりと調査をして対処してもらいたいと、こういうことを申し上げている。いかがですか。
○政府委員(劒持浩裕君) 私ども承知しておりました事例は二つの契約がございましたけれども、先生御指摘のような契約がございますれば、実際の内容を見た上で十分検討させていただきたいというふうに思います。
○沓脱タケ子君 それじゃ次の問題に行きますが、最初に伊東官房長官にお聞きをしたいんですが、昨年の十二月十日の参議院内閣委員会で、小渕長官に関する日税連の献金問題についての質疑の中で、官房長官はその時点では新聞報道だけなので詳しいことはよくわからない、よく調べて検討して、その上でお答えを申し上げたいという御答弁をなさっておられます。その後、御調査の結果はどうなのか、最初にちょっとその御見解を承っておきたい。
○国務大臣(伊東正義君) 先生から御質問があった十二月十日に山崎昇先生の御質問に答えまして、いま先生がおっしゃったように、急なことでございますし、当時新聞を見ただけでございましたので、検討してからお答え申し上げますと言ったそのとおりでございます。
 で、当時問題になっていた日税連の献金問題は、私こういうことを申し上げましたのは、ここにも言っておりますが、政治資金規正法の問題とかあるいは公職選挙法とか、場合によっては刑法とかいろんな微妙な問題がございますのでお答えもできなかったのでございますが、その後、法律の適用問題につきましてはいろいろ調べたのでございますが、政治資金規正法の場合は、いまとなれば昨年中行われました政治献金につきましては、行った政治団体が十二月末の現在で法定の所定の届け出を本年の三月末までに行うということにされておりますので、本件につきましてそのような届け出があれば、これは規定に従って、法律に従って行われておれば問題は生じないということだと思っております。それから公職選挙法のことも、これも公職の候補者の選挙運動に関しなされた寄付は所定の届け出がなされていればそれでいいということでございます。刑法上の問題でございますが、この問題は刑事罰に関する問題でございますので司法当局の判断にまつべきものと思うわけでございますし、なお本件については告発もあることでございますので、司法当局の独自の公正な判断に基づいて必要な捜査が行われると思うわけでございますので、その推移を見守っておりたいというふうに考えております。
○沓脱タケ子君 それじゃ小渕長官、昨年の十二月に長官はこの日税連の政治部――税政連ですか日税政と言うんですか――から五百万を受け取ったけれども政治資金なのでやましいことは何もないと、こうずっと言ってきておられるようでございます。ところが、十二月の十日、衆議院の大蔵委員会におきまして法務省見解が出ているんですが、そのときに一般論として、政治献金の場合であっても贈収賄罪が成立することもあり得るという一般論でございますけれども、限定はしておりますけれども、そういう答弁をしておりますが、長官はこのことを御承知ですか。
○国務大臣(小渕恵三君) 衆議院大蔵委員会における質疑の模様につきましては、新聞報道を通じまして理解をいたしております。
○沓脱タケ子君 だから、政治献金の場合であっても贈収賄罪が成立することもあり得ると、一般論だけれども、そういうことが法務省見解として出されたということは御承知なんですね。
○国務大臣(小渕恵三君) 新聞にたしかそのように書かれておったと存じます。
○沓脱タケ子君 小渕長官に具体的にお聞きをしたいんですが、あなたは五百万円の献金と同時に、昨年の秋の総選挙では日税連や税政連からどんな御支持を、支援をしていただいたのですか。大分積極的な御支援を受けておられるようですが、どうですか。
○国務大臣(小渕恵三君) いま御指摘の政治資金のことのほかには、地元選挙区におきまして私を後援する税理士の皆さんが積極的な選挙活動に御協力をいただいたものと私は感謝いたしております。
○沓脱タケ子君 大分積極的な御支援をいただいておられるようですが、選挙活動ですから金と票と後援会ですよね。金の面でいきますと、これは日税連あるいは税政連関係のものに限ってみますが、小渕長官は今度の総選挙の選挙運動収支報告書によりますと、東京税理士政治連盟から二十万円、東京税理士会王子支部から二万円寄付を受けたという報告がなされているようですが、これは自治省、そのとおりでしょうか。おいでになっていますか。――
○説明員(大林勝臣君) 御通告がございましたので、群馬県の選挙管理委員会に照会いたしましたところ、そのとおりの御報告をされておるということが確認されております。
○沓脱タケ子君 それで、これは東京税理士政治連盟、東京税理士会王子支部なんですね。それで同じ選挙区の福田赳夫氏、中曽根康弘氏は群馬県税理士政治連盟からそれぞれ十万円を受け取っておられるようなことになっております。
 それで小渕長官、この五百万円は、昨年の十二月十日、参議院の内閣委員会では、陣中見舞いにかかわる政治献金だと、政治資金だというふうにおっしゃっておられたんだけれども、この総選挙の選挙運動収支報告書にはこの五百万円は届け出をしておられませんね。それはなぜですか。
○国務大臣(小渕恵三君) 前回、貴党の山中委員であったかと存じますが、御質疑をいただきました段階で御答弁申し上げたところは、選挙の時期にかかわるところの応援は、おしなべて私は陣中見舞いという理解を実はいたしておったわけでございます。したがいまして、その陣中見舞いという一般的呼称の中で私は理解をしておったのでございますが、その後専門家の皆さんからのお話なども聞いてみますると――党内にも公選法等の専門的な議員の各位もおられますので、御指摘をいただきまして、いわゆる陣中見舞いとして協力をいただきましたものにつきましては、公選法の規定におきまして、これは限られた期間の中で届け出をいたすべきものである、なお、政治献金としての取り扱いとして公選法上の届け出以外に政治献金としての理解を示したものについては、これは政治資金規正法による届け出によってこれを行い得るのである、こういうような見解を示される方もありまして、私この件について、私の政治にかかわる資金を取り扱っていただいております担当の者に聞きましたところ、御指摘の残余の件については政治資金規正法の規定に基づきまして領収書を発行し、かつその届け出につきましては、ただいま官房長官からも御説明のありました政治資金規正法に基づく期間の中に届け出をいたす処置を行う予定に相なっておると、こういうことのようでございました。
○沓脱タケ子君 それは当然選挙のときに報告してないんだから、政治資金規正法で改めて報告をなさるでしょうね。そのはずでしょう。どこかで報告しないと、もらったとはっきりおっしゃっているんだからぐあいが悪いでしょう。そういうことですね。だから、総選挙のいわゆる収支報告書には報告してないんだから、別のところで報告しますということでしょう、端的に言えば。
○国務大臣(小渕恵三君) お説のとおりでございます。
○沓脱タケ子君 選挙の積極的支援を受けたということで、金にかかわるところはそういうところ――後援会もなかなか非常に熱心にやっていただいておりますね。これは私よく知りませんけれども、税政連の機関紙だとか日税連の機関紙を拝見してみますと、五十三年十二月の一日号によると、税政連の法改正決起集会で先生が、長官がいらっしゃって、七千人の後援会名簿を会長からもらわれたとか、五十四年五月一日号を見ますと、群馬の税政連の税理士による後援会を結成をされて、後援会名簿八千人を組織をされた、そして、税理士法の問題点のかさ上げと内容の後退を食いとめるために一層の活躍を期待すると、こういうごあいさつ、あるいは東京地区ですね、これは選挙区以外ですが、東京地区後援会というものもつくってもらわれたというふうな報道がなされています。
 まあこんなに熱心に支援をされているんですが、なぜこんなに異例なほど力を入れられるんだろうか、いわゆる日税連では税理士法の改正をめぐっての熱意からだと思うんですね。しかも、小渕長官は自民党税理士問題小委員長でもあり、また自民党の国対副委員長という税理士法改正に密接な関係を持つ職権を持っておられたということだと思うんですが、そうでしょう。いかがですか。
○国務大臣(小渕恵三君) 私自身、自分に与えられた職責に対しては誠心誠意その任に当たってきたという自信がございます。まことに微力にして若輩ではございまするけれども、心を込めて与えられた職責は全うしてきたつもりでございます。その件に関して税政連あるいはいまお読みをいただきましたそれぞれの集会、その他で私を御評価いただいておることに関しましては、私自身も、まことに非力な私に対してかような御評価をいただいておるということはまことにありがたいきわみでありますが、その件に関しては税政連の独自のお考え方であろうかと思いますので、私、そのことに対して特別のコメントをすることはない次第でございます。
○沓脱タケ子君 この機関紙を拝見するとおもしろいことがたくさん出てくるんですが、五十四年三月一日号、これは税政連の機関紙ですが、おもしろいことを書いている。「超短波」というところに、「「猿は木から落ちても猿だが、代議士は落ちたらただの人」議員活動の背後には絶えず次の選挙がある。この世は「ギブ・アンド・テーク」だ。税理士による後援会活動を更に強化すべきだ。小渕恵三後援会の活動をもって範とし早急に全国に波及さすべきだ。」というような、全国的に範とされるような非常に積極的な応援、支援を受けておられたようでございます。
 ところで、「ギブ・アンド・テークだ」という言い方をしているんですね、税政連が。ギブ・アンド・テークといったら非常にはっきりしているわけですが、税理士法改正案の成立を願って、それを受け取るためにギブの後援会活動をやるんだと、こうなっているわけでしょう。その選挙活動というたら、さっきも申し上げましたけれども、お金と票と後援会ですね、これはもう明確です。さっきも御自身がおっしゃったように、非常に積極的な支援をしてもらっている、そのことはありがたいとおっしゃっておられるんです。ところが、その五百万の金だけが全然その選挙活動とは切り離されているんですか。小渕長官が政治家として育てていただくための政治資金だという言葉もあるんですが、選挙活動というたら大体票と金と後援会でしょう。お金だけ切り離すというのは大変理解に苦しむんです。しかもその金が、税政連の機関紙を詳細に拝見しますと、あなた方がもらったお金というのは、いわゆる税理士法改正のための特別募金なんですね。特別募金として集めているんだということを再三にわたって言っている。だから、法改正を明確に期待し要求して渡した金だということも、これは税政連の機関紙を拝見してみたら明確ですよ。どうですか。しかし私がもらった五百万だけは関係ありません、政治資金ですと、こうおっしゃられても、ちょっと一般的に国民の立場から言いましたら理解に苦しむんですね。選挙活動はようやってもらいました、ありがたいほどやってもらいましたと。しかも二十万や二万という現地でもらって報告済みの金はともかく、問題になった五百万だけは別なんですと言われてもちょっとわからぬですよ、理解できない。その点、どうですか。
○国務大臣(小渕恵三君) 先生がお読みをいただきました資料は、税政連で発行しておる新聞かと存じますが、先方の御認識はあるいはそのとおりであるのかもしれませんが、私は選挙につきましては、御指摘にありましたように、「猿は木から落ちても猿だが」云々のことは深くかみしめて私も選挙活動に臨んでおる次第でございますが、他の点については税政連側の御認識として、記事としては私も拝見をいたしましたが、私の関することではなかろうかと思います。
 で、私自身は、先日山中委員にもお答えいたしましたように、まことに非力ではありますけれども、私自身が政治家としてよって立つのに必要な政治資金として税政連が強く期待をしながら御協力をいただきましたものと確信をし、そのような取り扱いをさしていただいておるということでございます。
○沓脱タケ子君 もう時間がありませんので、端的に申し上げますが、五十四年六月二十五日の「税理士界」という、これは日税連の、政治団体でない方の機関紙ですね。これの六月二十五日号を拝見しますと、「臨時国会に再提出を」ということで、小渕長官の一問一答が載っておるんです。長官いわく「次の国会では、是非とも成立させたいと願っています。しかし、国会解散という事態にもなり兼ねませんので、その方面の対策も十分に行って欲しいと思います。万一解散となっても、法改正を推進する議員が一人でも多く当選することを願っております。」云々ですが、「国会解散という事態にもなり兼ねませんので、その方面の対策も十分に行って欲しいと思います。」こう言われているんです、あなたの言葉です、そのまま書いてある。これは、「その方面の対策」、解散も近いので、「解散という事態にもなり兼ねませんので、その方面の対策も十分に行って欲しい」と言われたら、選挙対策を要求しているということになります。その前段が、「次の国会では、是非とも」税理士法の改正は「成立させたいと願っています。」でしょう。そない言われたら、もうかんかんになって要求している要求団体は当然これは金も票も後援会もかんかんになりますよ。そういうことにならないですか。そういうくだりがある。
 時間がありませんので法務省にちょっと聞きますが、時間が足らなくて不十分ですが、質疑で明らかにいたしましたように、またすでに明らかになっておりますように、税理士法の改正を強く希望し、与野党の一部の議員に対して非常に積極的に働きかけていたという団体ですね。これはもう既定事実です。それから、そのお金も貢献度によって特級からC級まで五階級で、五百万から五十万までのランク分けをしている。その金自身は法対策特別基金ということで、特別会費という形でちゃんと目的を持って会員から集めている金だということなんですが、小渕長官がもらわれた五百万の献金というのはそういう点から見ますと、賄賂性の疑惑というのは非常に濃厚だと思うんです。法務省はこういった事実に、私ども先ほどからごく若干指摘をいたしました事情について関心を寄せて調査をしていらっしゃるかどうか、これをちょっと聞きたい。
○政府委員(前田宏君) お尋ねの問題につきましては、先ほど来も出ておりますように、昨年末、東京地検にこの関係が贈収賄に当たる疑いがあるという趣旨の告発もなされておりますし、また一方、その告発が謹告であるというような趣旨の告訴もなされているわけでございます。
 そこで東京地検といたしましては、ただいまの委員のお尋ねも含む国会での御論議等も十分踏まえながら、いまの告発あるいは告訴事件につきまして捜査を進めている段階でございまして、そういう段階にございますので、この時点で犯罪の成否にかかわるようなことについて、私から結論めいたことを申し上げるのはいささか適当でないのではないかと、かように考えております。
○沓脱タケ子君 これらの事情に関心を寄せて調査をしておられるかということを申し上げたんですから、そういうふうにやっておられるというんでしょう。
○政府委員(前田宏君) ただいまもちょっと申し上げたことでございますが、いろいろと御指摘もありますし、新聞報道等もありますので、その点は十分踏まえておるものと思います。
○委員長(志苫裕君) 沓脱君、時間です。
○沓脱タケ子君 最後に官房長官、これは先ほど官房長官もおっしゃった。いま法務省当局もそれらの事情については十分関心を寄せて捜査をしておられるという状況なんです。そういうときに、ことしの一月の十二日の報道によりますと、日税連の賀詞交歓会でこういう疑惑のいまだ晴れていないというか、捜査中の非常に賄賂性の強い金を受け取っている小渕長官が、その賀詞交歓会へ行って堂々と献金のお礼を言うて、堂々と開き直って献金のお礼を言うというようなやり方をなさるという姿勢は、大臣としては私はきわめて不見識だと思うんですが、長官、こういう総務長官の態度というのは不見識だと思われませんか。その点、はっきりしてください。
○国務大臣(伊東正義君) やり取りでも伺っておったのでございますが、総務長官の考え方はこれは政治資金規正法による献金で、これを届け出るということで堂々とこれは行っておることだという認識でございますので、そういう認識のもとで恐らく交歓会にも出られていることだと思います。一方で司法当局は独自な見解で調査をするということは、これはまたそれはそれとして事実でございますが、政治家小渕長官としては、先ほどの考え方で出られてごあいさつされたと思いますので、私はそれはそれで小渕さんの見識だと、こういうふうに思っております。
○委員長(志苫裕君) 他に御発言がないようでございますから、内閣、総理府本府、行政管理庁、沖繩開発庁及び沖繩振興開発金融公庫の決算については、この程度といたします。
 次回の委員会は、一月二十四日午前十時に開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後五時二十分散会
     ―――――・―――――