第091回国会 エネルギー対策特別委員会 第2号
昭和五十五年二月二十二日(金曜日)
   午前十時三分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 二月二十二日
    辞任         補欠選任
     対馬 孝且君     吉田 正雄君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         吉田  実君
    理 事
                高橋 圭三君
                竹内  潔君
                小柳  勇君
                馬場  富君
                市川 正一君
                向井 長年君
    委 員
                岩動 道行君
                河本嘉久蔵君
                古賀雷四郎君
                野呂田芳成君
                林  寛子君
                福岡日出麿君
                真鍋 賢二君
                阿具根 登君
                浜本 万三君
                丸谷 金保君
                吉田 正雄君
                中尾 辰義君
                下田 京子君
                秦   豊君
   国務大臣
       通商産業大臣   佐々木義武君
       国 務 大 臣
       (科学技術庁長
       官)       長田 裕二君
   政府委員
       経済企画庁物価
       局長       藤井 直樹君
       経済企画庁総合
       計画局審議官兼
       物価局審議官   戸田 博愛君
       科学技術庁長官
       官房長      下邨 昭三君
       科学技術庁計画
       局長       園山 重道君
       科学技術庁研究
       調整局長     勝谷  保君
       科学技術庁原子
       力局長      石渡 鷹雄君
       工業技術院長   石坂 誠一君
       資源エネルギー
       庁次長      古田 徳昌君
       資源エネルギー
       庁石油部長    志賀  学君
       資源エネルギー
       庁公益事業部長  安田 佳三君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        町田 正利君
   説明員
       大蔵省国際金融
       局調査課長    大橋 宗夫君
       文部省学術国際
       局研究助成課長  大門  隆君
       農林水産大臣官
       房参事官     森  隆禧君
       運輸大臣官房審
       議官       西村 康雄君
       運輸省海運局監
       督課長      大塚 秀夫君
       建設大臣官房政
       策企画官     越智 福夫君
       会計検査院事務
       総局第五局審議
       官        竹尾  勉君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○エネルギー対策樹立に関する調査
 (エネルギー対策の基本施策に関する件)
 (昭和五十五年度エネルギー対策関係予算に関
 する件)
 (エネルギー対策樹立に関する件)
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○委員長(吉田実君) ただいまからエネルギー対策特別委員会を開会いたします。
 エネルギー対策樹立に関する調査を議題といたします。
 まず、エネルギー対策の基本施策について、関係大臣から所信を聴取いたします。佐々木通商産業大臣。
○国務大臣(佐々木義武君) 第九十一回国会におけるエネルギー対策特別委員会の御審議に先立ちまして、エネルギー対策に対する所信を申し述べさせていただきます。
 わが国経済は、一九七三年秋に発生した石油危機の試練を官民一体となった努力により克服し、着実な景気の回復過程を歩んでまいりました。自由世界第二位の経済大国となったわが国は、同時に世界第二位のエネルギー消費国ともなったのでございます。
 石油危機後しばらくの間比較的平穏裏に推移してきたエネルギー需給は、一九七八年末以来のイランを中心とする政治的緊張により、一九八〇年代においてはきわめて不安定化する様相を呈しております。
 このような状況のもとで国民生活の安定と経済の着実な成長を達成するためには、その基盤となるエネルギーの安定供給の確保が不可欠の条件となっております。
 私は、この条件を満たすためのエネルギー対策の重点は、第一に、石油代替エネルギー対策の強力な推進、第二に、エネルギー総需要抑制のための省エネルギー対策の推進、第三に、今後ともエネルギー供給の大宗を占めると予想される石油の安定供給の確保であると考えます。
 昭和五十五年度においては、これらの施策を以下に述べるように積極的に推進してまいる所存であります。
 わが国は、石油にエネルギー供給の約七五%を依存し、きわめて脆弱なエネルギー供給構造を有しております。
 これを抜本的に改め、昭和六十五年までの間に石油依存度を五〇%程度に引き下げることを目標とし、昭和五十五年度を石油代替エネルギー元年と位置づけます。
 このため、所要財源の確保、特別会計の整備を図るとともに、新エネルギー総合開発機構を設立し、あわせて石油代替エネルギーの開発及び導入の促進に関する法律案を国会に提出したところであります。
 これらの諸対策を講ずることにより、海外炭や水力、地熱の開発、産業部門における石油代替エネルギーの導入、ソーラーシステムの普及、サンシャイン計画を初めとする石油代替エネルギー関係技術開発を積極的に推進することといたしております。
 また、石油代替エネルギーを使用する電源の立地を円滑に進めるとともに、特に原子力については、安全性の確保に万全を期しつつ、その開発利用を進めてまいる所存でございます。なお、貴重な国産資源である国内炭につきましても、引き続き所要の対策を講じていくこととしております。
 わが国が今後とも安定的な経済成長を維持しつつ、東京サミットやIEAにおいて合意した石油輸入上限などの国際的責務を果たしていくためには、実効的な省エネルギー対策が必要であります。
 このため、エネルギーの使用の合理化に関する法律を積極的に運用することといたします。さきの総合エネルギー対策推進閣僚会議においては、昨年の約五%を上回る七%の石油消費節減対策を決定し、その推進を図っているところであります。
 また、中長期的には、先導的省エネルギー技術開発のためのムーンライト計画の推進、さらには国民の生活様式や産業構造の省エネルギー化を進めることといたしております。
 省エネルギーは、国民一人一人の心がけにその成果を負うところが大きいことから、政府といたしましても、国民の理解と協力が得られるよう今後とも努力を続ける所存であります。
 わが国エネルギー供給の約七五%を占め、また、そのほとんどを輸入に依存している石油は、今後ともエネルギーの大宗であることに変わりはございません。
 石油の安定供給確保は、エネルギー対策の最重要課題の一つであると考えます。
 イラン政変以来の世界の原油流通構造の変化、OPECの高価格政策、産油国を中心とする国際政治情勢の変動と、国際石油情勢は流動的であります。
 今後とも安定的な石油の輸入を確保するためには、産油国との幅広い交流を進め、自主開発原油等の政策原油の確保を図り、同時に輸入源の多角化を進めることが必要であります。
 また、石油備蓄についても、国家備蓄の増強などその一層の推進を図ることといたしております。
 八〇年代は、エネルギー問題がかつてないほどに大きくわれわれの前途に立ちはだかってくるものと予想されます。
 この問題に対しては、これまでわが国が幾多の困難を克服してきた場合と同様に、官民挙げて強い意志と協力をもって対処せねばなりません。
 戦後三十余年、われわれの先達が築き上げたこの繁栄をわれわれの手で守り、そしてわれわれの子孫に継承していくために、政府といたしましても、最大限の努力と熱意を傾注する決意をここに表明する次第であります。
 最後になりましたが、このような時期に国会内にエネルギー問題を専門的に御審議いただくエネルギー対策特別委員会が設置されましたことは、まことに時宜を得たものであります。委員各位におかれましても、一層の御理解と御協力を賜りますようお願い申し上げまして、私の所信表明といたします。
○委員長(吉田実君) 次に、長田科学技術庁長官。
○国務大臣(長田裕二君) 第九十一回国会に当たり、科学技術庁長官といたしまして、所信を申し述べさせていただきます。
 わが国は、石油を初めとするエネルギー資源に乏しく、その制約を克服することは、わが国が将来にわたり経済の安定成長と国民生活の向上を図っていく上で不可欠の条件であります。
 このため、わが国としては石油をめぐる緊迫した国際情勢にかんがみ、今後とも石油にかわる多様なエネルギー源の開発利用を促進するとともに、エネルギーの一層有効な利用を図ることが必要であります。
 エネルギーの安定的確保のためには、研究開発の果たすべき役割りはきわめて大きいものがあり、政府といたしましては、従来より、石油代替エネルギーの中心的役割りを担う原子力の研究開発、原子力と並ぶ石油代替エネルギーとしてその利用が予想される石炭の利用技術等の研究開発、太陽熱、地熱等の自然エネルギーの研究開発、省エネルギー技術開発等エネルギーの有効利用に資する研究開発等を推進してまいったところでありますが、今後、より一層強力にその推進に努めてまいる所存であります。
 特に、政府は昭和五十三年以来、毎年、エネルギー研究開発を総合的に進めるため、エネルギー研究開発基本計画を定め、政府が中心となって推進するエネルギー研究開発の基本を明らかにしているところであり、この基本計画に沿って各省庁が協力して研究開発の推進を図ってまいることとしております。
 以上のエネルギー研究開発に関連する昭和五十五年度予算といたしまして、政府全体で一般会計千八百八十三億円及び特別会計千百四十五億円を計上いたしております。
 昭和五十五年度における科学技術庁の施策といたしましては、まず、原子力の研究開発利用につきまして、これを強力に推進するため、安全の確保に万全を期し、原子力に対する国民の理解と協力を得つつ原子力発電の拡大に努めるとともに、ウラン濃縮技術、再処理技術の開発等原子力発電の拡大に見合った自主的な核燃料サイクルの確立を図ります。また、ウラン資源の有効利用を図るため、高速増殖炉原型炉の建設に着手する等新型動力炉の開発を強力に進めるとともに、人類空極のエネルギーとして期待される核融合の研究開発等を推進してまいります。
 このような原子力の研究開発利用に必要な資金を確保するため、昭和五十五年度におきましては、従来からの一般会計予算千六百七十四億円に加え、電源開発促進対策特別会計を拡充して四百八十三億円を計上しております。
 原子力以外のエネルギー研究開発の推進につきましては、太陽光エネルギー転換技術、波力発電システムの開発等新エネルギー分野の研究開発、極低温材料技術等省エネルギー分野の研究開発等の積極的推進を図ることとして所要の経費を計上いたしております。
 経済の安定成長と国民生活の向上に不可欠なエネルギーを安定的に確保するため、エネルギー研究開発の果たすべき役割りがきわめて重大であることにかんがみ、私は科学技術行政に責任を有するものとして、各省庁の協力のもとにエネルギー研究開発の積極的推進に全力を尽くす所存でございます。
 委員各位の絶大な御支援をお願い申し上げますとともに、国民の皆様の御理解、御協力を衷心よりお願い申し上げる次第でございます。
○委員長(吉田実君) 次に、昭和五十五年度エネルギー対策関係予算につきまして、関係政府当局から概要の説明を聴取いたします。まず、資源エネルギー庁古田次長。
○政府委員(古田徳昌君) それでは、昭和五十五年度通商産業省所管エネルギー対策予算につきまして概要の御説明をさせていただきます。
 お手元に、「昭和五十五年度通商産業省所管エネルギー対策予算重要事項表」という資料をお配りしてございますので、それを参照していただきながら御説明をさせていただきます。
 エネルギー対策予算につきましては、最近の厳しい国際石油情勢等にかんがみまして、エネルギーの安定供給を確保し、経済の安定的成長、国民生活の向上を図る観点から、特にその充実を図っているわけでございます。すなわち、長期的なエネルギー需給見通しを踏まえつつ、石油の探鉱開発、備蓄の増強等の石油対策の推進、省エネルギー対策の強化、さらに石油代替エネルギーの開発導入の促進――この最後の石油代替エネルギーの開発導入の促進につきましては特に重点的に配慮することいたしております。これらの施策を実施するため、電源開発促進税の使途の拡大及び税率の引き上げ、石油税の使途拡大によりまして大幅な拡充を行うこととしております。
 エネルギー対策関係予算の概要は、資料の一ページに総表という形でまとめてございます。
 これをごらんいただきますと、まず第一に、石炭並びに石油及び石油代替エネルギー対策特別会計、これは仮称でございますが、これにつきましては、五十五年度予算額としまして四千百四十一億九千七百万円を計上しておりまして、前年度に比べまして八百七十九億三千二百万円、二七%の増加ということになっております。その中に勘定が二つございますが、まず石炭勘定につきましては五十五年度千三百八億六千二百万円、前年度に対しましての伸び率が一・二%。さらに石油及び石油代替エネルギー勘定、これは仮称でございますが、五十五年度予算額としまして二千八百三十三億三千五百万円、前年度に対しましての伸び率が四三・九%という形になっております。
 それから次に、電源開発促進対策特別会計につきましては、五十五年度予算額としまして千四百二十五億八千三百万円、前年度に対しまして八百五十億八千六百万円の増加となりまして一四八%の伸び率となっております。その中の勘定としまして、第一に電源多様化勘定、これは仮称でございますが、これにつきましては八百二十七億一千万円を予定しております。それから電源立地勘定、これも仮称でございますが、五百九十八億七千三百万円、これは前年度に対しまして四・一%の増加ということになっております。
 なお、これら特別会計のほかに、一般会計におきましてもエネルギー対策予算を計上しておりまして、五十五年度につきましては百二十三億八千四百万円、前年度に対しましての伸び率は〇・三%ということになっております。
 以上、特別会計及び一般会計を合計いたしますと、表には計上しておりませんが、五十五年度の総額が五千六百九十二億円ということになっておりまして、これは前年度に対しまして四三・七%の増加ということになっております。
 先ほど御説明いたしましたように、五十五年度の対策予算の重点は石油代替エネルギー対策の充実でございますが、わが国のエネルギーの安定供給の確保を図るため、計画的かつ実効的な石油代替エネルギー対策を推進するために、まず第一に、先ほども申し上げましたが、電源開発促進税の税率引き上げと使途拡大、及び石油税の使途拡大によりましての財源措置の確保。それから第二に、特別会計を改組しまして、石炭及び石油対策特別会計を石炭並びに石油及び石油代替エネルギー対策特別会計に改めまして、従来の石油勘定を石油及び石油代替エネルギー勘定とし、また電源開発促進対策特別会計に電源多様化勘定を新設いたします。それから第三としまして、中核的推進母体として新エネルギー総合開発機構の設立等の施策を講ずることとしているわけでございます。
 以上の二つの特別会計で実施することとしております石油代替エネルギー対策費は、石油及び石油代替エネルギー勘定の中で三百四十九億円、電源多様化勘定で八百二十七億円、合わせまして千百七十六億円を予定しております。なお、中核的推進母体としまして設立を予定しております新エネルギー総合開発機構につきましては、その主要業務としまして、第一に、石炭、地熱・太陽エネルギー関係の大型技術開発、第二に、地熱開発促進のための調査、債務保証、第三に、海外炭の探鉱開発のための融資、債務保証等であります。また、新機構の発足は本年の十月一日を予定しておりまして、関係法律案を国会に提出させていただいたところでございますが、新エネルギー総合開発機構の設立とともに石炭鉱業合理化事業団を廃止し、その業務は新機構に引き継ぐことといたしております。
 それでは、それぞれの特別会計及び一般会計の内容について御説明をさせていただきますが、二ページに、まず石炭並びに石油及び石油代替エネルギー対策特別会計について取りまとめてございます。
 まず第一に、石炭勘定についてでございますが、これにつきましては従来どおり原重油関税収入を財源としまして施策を講じてまいりますが、国内炭の生産維持を図るため、引き続き国内石炭鉱業の経理基盤の健全化、保安の確保等に努めるとともに、産炭地域振興対策及び鉱害復旧対策を推進することとしております。国内石炭は国内に残された貴重なエネルギー資源であるという認識のものに、今後とも引き続きこれら施策を講じ、かつ充実するとともに、二千万トンの生産体制の維持を図りまして、石炭対策に遺漏なきを期してまいりたいと考えているわけでございます。
 この勘定全体の金額は、四ページに歳出合計という形で書かれてございますが、五十五年度の予算額としましては千三百八億六千二百万円でございまして、これは前年度に対しまして、その右側の備考欄にございますように一・二%の上昇ということになっておりますが、実は従来この勘定の中で実施しておりました海外炭の開発の促進、石炭利用技術、石炭ガス化技術の開発の促進等につきましては、代替エネルギー対策の一環といたしまして他の勘定に振りかえておりますので、その点を考慮いたしますと実質的な伸び率は四・八%という形になっているわけでございます。
 それでは、五ページに移りまして、石油及び石油代替エネルギー勘定について御説明させていただきます。
 この勘定につきましては、原重油関税及び石油税収入を財源としまして施策を講じていくわけでございますが、歳出としまして、まず第一に石油対策として取りまとめてございます。
 石油対策は、五十四年度に対し約五百十五億円増の二千四百八十四億円を計上し、わが国の石油の安定供給を確保するため、石油開発、石油備蓄、技術開発の三つを柱としまして施策の拡充を図ることといたしております。
 第一の石油開発についてでございますが、これにつきましては石油公団の探鉱投融資規模を七百十億円から八百二十億円に拡充するということを基本の柱といたしまして必要な施策を講じております。さらに、国内につきまして、国による基礎試錐の実施を積極的に推進する形にしております。
 それから、第二の石油備蓄についてでございますが、これにつきましては、民間備蓄九十日体制の達成のために備蓄石油購入資金融資につきましての利子補給幅を引き上げるほか、国家備蓄につきましては二千万キロリットル備蓄に必要な土地の取得費と事業費を公団出資金として計上するとともに、備蓄規模をさらに三千万キロリットルに拡大することとしまして、そのために必要な安全調査費を計上しております。また、五十四年度に引き続きまして五百万キロリットルのタンカー備蓄を継続し実施することといたしておりますが、同時に五十五年度におきましては二百五十万キロリットルのタンカー備蓄の積み増しを予定しております。
 それから第三が、六ページの技術開発でございますが、これにつきましては中期的な石油対策としまして、天然ガスからの合成アルコールの燃料油としての利用、オイルサンド油、オイルシェール油、石炭液化の有効利用、バイオマスエネルギーの利用技術開発を内容としました新燃料油技術開発としまして必要額を計上してございます。また、重質油対策技術開発につきましても、前年度に引き続きまして必要資金額を計上しているところでございます。
 以上、合計しまして、石油対策としましては五十五年度二千四百八十三億九千四百万円となっておりまして、前年度に対しまして五百十四億六千四百万円という大幅増額になっております。
 それから、その次に石油代替エネルギー対策でございますが、まずこの内容としまして、第一が供給確保対策でございます。これにつきましては、海外炭の積極的な開発導入のための探鉱融資あるいは債務保証等に必要な施策を講ずることとしております。
 それから第二に、代替エネルギーの導入促進対策でございますが、第一に一般産業におきます代替エネルギーの積極的な導入促進のために、開発銀行におきます特別の金融施策を講ずるために必要な貸付金を計上してございます。
 それから、その次にソーラーシステムの普及促進を積極的に図ることとしておりまして、備考欄にございますように、ソーラーシステム普及促進対策費補助金としまして、公的施設に対しましては補助をいたしますし、さらに民間住宅あるいは事業用の建築物につきましては特別の低利融資を実施するというふうな施策を予定しているわけでございます。
 それから三番目の柱としまして、技術開発でございますが、これにつきましては、第一に石炭利用技術開発、これはCOMとかあるいは流動床燃焼技術の開発ということが内容となりますが、それを取り上げております。
 それから二番目に、石炭液化・ガス化技術の開発を取り上げてございます。
 それから三番目は、民間で実施しております技術実用化事業につきまして技術実用化補助を実施していくということで施策を検討しております。
 以上で石油代替エネルギー対策の合計が三百四十九億四千百万円という形になっております。
 石油対策及び石油代替エネルギー対策を合計いたしますと、七ページの一番下の歳出合計の欄にございますように、二千八百三十三億三千五百万円を五十五年度の予算として予定しておりまして、前年度に対しまして八百六十四億五百万円の増加となっております。これは四三・九%の増加率ということでございます。
 なお、石油代替エネルギー対策は、代替エネルギーの発電のための利用、すなわち、電源多様化に係る対策と一般的な石油代替エネルギーの開発利用の促進対策とに大別されるわけでございますが、ただいま御説明しました石油代替エネルギー対策は後者の一般的な石油代替エネルギー対策の部分でございます。
 八ページに移っていただきまして、電源開発促進対策特別会計について御説明させていただきます。
 まず第一が、電源多様化勘定でございますが、この勘定におきましては、先ほど言いました代替エネルギーの発電のための利用、すなわち電源多様化に係る対策を取りまとめているものでございます。
 具体的内容としましては、まず歳出の第一としまして供給確保対策がございます。この内容としましては、中小水力発電開発促進のための補助を中心としましての水力開発、それから第二に地熱開発を積極的に推進するための地熱開発促進調査、あるいは地熱調査井掘削の補助、あるいは大規模深部地熱環境保全調査といったふうな施策を掲げてございます。
 それから、その次の対策としまして、代替エネルギーの導入促進対策がございますが、これにつきましては、まず第一に代替エネルギーの利用の促進がございまして、内容としましては、石炭火力の建設補助といったものが中心になっております。そのほかに、導入促進対策としましては、基盤整備促進あるいは未利用エネルギー利用促進といったことも施策として掲げてございます。
 それから、その次は技術開発の促進でございますが、これにつきましては、内容としまして石炭低カロリーガス化の促進、それから地熱エネルギーの探査技術の開発、さらに太陽エネルギー、これは内容としましては太陽光発電あるいは太陽熱発電といったことになるわけでございますが、この太陽エネルギーの利用開発の促進といったものを対象として取り上げているわけでございます。
 それから、その次は原子力対策でございますが、これにつきましては、まず化学法濃縮技術の確立、第二再処理工場関係の技術確証のための施策を講じてございます。それから三番目としましては、これは予算的には科学技術庁関係ということになりますが、FBRの建設のために必要な資金額を計上してございます。そのほかに、安全対策の強化のために安全解析コードの改良あるいは原子力発電支援システムといったものを内容としました措置も講ずるということとしております。
 以上、電源多様化勘定につきましては、合計いたしますと八百二十七億一千万円ということになるわけでございます。
 それから十ページに移りまして、電源立地勘定について御説明いたします。
 この電源立地勘定におきましては、電源開発促進税の収入をもって施策を実施していくわけでございますが、まず第一に、立地交付金制度につきまして、交付限度額の引き上げあるいは交付対象範囲の拡大、交付金の交付期間の弾力化等によりまして地元福祉対策の積極的な拡充を図ることといたしております。
 それから原子力発電安全対策の充実につきましては、地元住民に対しましての安全対策を抜本的に拡充するため、原子力発電施設等の緊急時におきます防災体制の確立に必要な施策を整備いたします。そのため、交付金制度の創設、広報対策、交付金制度の改組、拡充によります交付対象及び交付内容の拡大、放射線監視交付金制度の拡大等を行いまして、地方自治体の要請にこたえることといたしております。さらに、環境対策の強化といたしまして、電源立地に伴います環境保全に万全を期すため、都道府県が実施いたします大気関係の環境調査に対します助成制度を設けるなど、助成制度の改善を積極的に実施することといたしているわけでございます。
 以上の諸施策のための歳出合計としまして、十二ページに計上してございますが、五十五年度予算額は五百九十八億七千三百万円となっておりまして、前年度に対しまして二十三億七千六百万円の増加ということになっております。
 以上が特別会計の御説明でございますが、十三ページに一般会計の項目を計上してございます。
 この一般会計におきましては、総額は百二十三億八千四百万円でございまして、前年度に対しまして四千三百万円の増加ということで、ほぼ前年度並みの金額を計上しているわけでございますが、内容としましては、原子力発電安全対策として運転管理専門官の各原子力発電所への常駐等検査監督体制の強化を図るほかに、原子力発電の安全性、信頼性のより一層の向上を図るため、軽水炉の改良標準化を推進するとともに、原子力発電にかかわります高性能燃料実用化についての調査等を実施することとしております。
 また、ウラン資源の安定供給の確保を図る観点から、海水からのウラン回収モデルプラントの建設を推進することとしております。
 さらに、サンシャイン計画の加速的推進、省エネルギー対策の推進といったことのために必要な施策もここで計上することとしております。
 以上で特別会計及び一般会計の概要を御説明いたしましたが、参考としまして十四ページ、十五ページに、サンシャイン計画とムーンライト計画に関係します予算につきまして取りまとめてございます。これらの計画につきましては、先ほど来の御説明の中でも、特別会計あるいは一般会計の中でそれぞれ必要金額が計上されていることを指摘させていただきましたけれども、それらを取りまとめまして、この計画として全体どういう姿になるかということを御参考までに整理したものでございます。
 まず第一は、サンシャイン計画でございますが、これは五十五年度予算額としましては二百八十六億四千八百万円ということになっておりまして、前年度の百十九億三千五百万円に比べますと百六十七億一千三百万円の増加ということで大幅な拡充を予定しているわけでございます。
 このサンシャイン計画の内容としましては、そこに掲げてございますように、まず第一に太陽エネルギーの積極的な利用、第二が地熱エネルギーの開発利用、それから第三が石炭エネルギーの開発利用、それから第四が水素エネルギーの開発利用、それから第五に総合的な研究という形になっているわけでございます。このそれぞれの技術開発の内容につきましては、その右側の説明の欄に書いてございますように、それぞれのエネルギーの積極的利用のための技術開発を具体的に展開していくということになっているわけでございます。
 それから十五ページ、最後のページでございますが、省エネルギー技術の開発を中心としますいわゆるムーンライト計画についてでございます。五十五年度予算案としまして八十億七千七百万円を計上しておりまして、五十四年度予算額二十九億七千六百万円に対しまして五十一億百万円の増加ということで、これもまた大幅な増強を計画しているわけでございます。
 内容としましては、第一に大型省エネルギー技術研究開発、第二が先導的基盤的省エネルギー技術研究開発、第三が民間の省エネルギー技術研究開発の助成ということになっております。それぞれにつきましても、サンシャイン計画の場合と同様、それぞれの技術開発につきまして具体的な内容を積極的に研究開発していくということになっているわけでございます。なお、その他としまして、大型プロジェクト関係予算でございますが、海底石油生産システムにつきましても、前年度に引き続きまして施策を講ずることとしてございます。
 以上で昭和五十五年度の通商産業省所管のエネルギー対策予算の重要事項につきまして御説明したわけでございます。
 なお、別紙としまして一枚紙をお配りしてございますが、これは昭和五十五年度通商産業省所管エネルギー対策関連予算でございます。
 先ほど来御説明いたしましたエネルギー対策費のほかに、それに関連いたします予算としまして、そこに掲げているようなものが別途ございますので、御参考までに取りまとめたものでございます。
 以上で通商産業省所管のエネルギー対策関連予算につきましての御説明を終わらせていただきます。
○委員長(吉田実君) 次に、科学技術庁下邨官房長。
○政府委員(下邨昭三君) 科学技術庁の昭和五十五年度エネルギー対策関連経費につきまして、お手元に資料をお配りしてございますが、その資料に基づきまして御説明をさせていただきたいと思います。
 科学技術庁予算のうちエネルギー対策関連予算につきましては、一般会計のエネルギー対策費として計上されているもののほかに、その他のエネルギー関連予算と電源開発促進対策特別会計に計上されているものとがございますが、エネルギー対策の重要性にかんがみまして、原子力の研究開発利用対策を中心にいたしまして、それぞれその拡充を図っているところでございます。
 まず、エネルギー対策費といたしまして、一般会計歳出予算額千五百七十八億八千八百万円を計上いたしております。また、総理府、大蔵省及び通商産業省の共管によります電源開発促進対策特別会計におきましては、科学技術庁分といたしまして歳出予算額四百八十三億二千四百万円を計上いたしておりますが、このうち、従来の電源立地促進対策に関する経理を行うための電源立地勘定に六十九億六千九百万円を、また新たに石油に代替するエネルギーの発電のための利用を促進するための施策を講ずることといたしまして、これに関する経理を行うための電源多様化勘定に四百十三億五千五百万円を計上いたしております。
 次に、これらエネルギー対策費のほか、新エネルギー及び省エネルギー研究開発関連予算といたしまして、予算実行上の配分予定額を含めまして二十億五千百万円を計上いたしております。また、原子力開発関連予算といたしまして九十四億六千六百万円を一般会計予算において計上いたしております。
 以上を加えますと、科学技術庁のエネルギー対策関連予算の総額は、歳出予算額で二千百七十七億二千九百万円となりまして、これを前年度の当初歳出予算額に比較いたしますと四百四十六億三千三百万円の増額となっております。その増加率は二五・八%となっております。
 次に、参考資料につきまして御説明を申し上げます。
 表1でございますが、エネルギー対策関連予算のうち石油代替エネルギーの中心的役割りを担います原子力関係の歳出予算額につきましては表1と表2に記載してございますが、その大略について御説明を申し上げます。
 まず、表1でございますが、一般会計におきましては、原子力研究開発利用の推進といたしまして千六百七十三億五千四百万円を計上いたしました。これは総表の1の(1)と2の(2)を合わせたものでございます。
 まず、原子力安全規制行政の充実につきましては、原子力安全委員会の機能の充実、放射線障害防止対策の強化などに必要な経費といたしまして二十一億千二百万円を計上いたしました。なお、前年度予算に比較いたしますと、千七百万円の減額となっておりますが、これは放射能測定調査のための分析施設の整備の二億五百万円が五十四年度限りで終了したことなどによるものでございます。
 次に、動力炉・核燃料開発事業団に必要な経費といたしまして八百十四億六千五百万円を計上いたしておりますが、これは前年度予算に比較いたしまして百十六億三千七百万円の減額となっております。これは後で御説明申し上げます高速増殖炉原型炉「もんじゅ」の建設等事業の一部を電源開発促進対策特別会計において実施いたすことといたしておりますので、特別会計への計上分を加えました同事業団の予算規模は千二百十一億五千三百万円となりまして、前年度予算に対しまして三〇・一%の増となっております。内容といたしましては、同事業団におきます高速増殖炉等新型動力炉の開発な行いますとともに、核燃料サイクルの確立を図るためにウラン資源の海外調査探鉱、ウラン濃縮パイロットプラントの建設及び使用済み燃料の再処理などを実施するためのものでございます。
 また、日本原子力研究所におきましては、原子炉施設の安全性及び環境安全に関する試験研究、臨界プラズマ試験装置の建設など、核融合の研究開発並びに多目的高温ガス炉に関する研究開発等を行うため必要な経費といたしまして六百九十五億四千四百万円を計上いたしましたが、これは前年度予算に比較いたしまして一七・三%の増となっております。
 さらに、日本原子力船開発事業団におきましては、原子力船「むつ」の総点検及び遮蔽改修等を行うための経費として六十四億五千百万円を計上いたしております。
 また、放射線医学総合研究所におきます試験研究及び関連研究施設の整備等に必要な経費として四十四億七千五百万円を計上いたしましたほか、国立試験研究機関の試験研究費として十六億三千四百万円を、理化学研究所におきます原子力研究のための経費として九億千百万円をそれぞれ計上いたしております。
 表2に移らせていただきます。
 電源開発促進対策特別会計におきましては、エネルギー対策関連予算といたしまして、歳入歳出予算額とも他省庁の分を含めまして千四百二十五億八千三百万円が計上されておりますが、このうち科学技術庁分といたしましては、右下に書いてございますように歳出予算額で四百八十三億二千四百万円を計上いたしております。内容につきましては表2−2、表2−3に記載してございます。
 まず、表2−2でございますが、電源立地勘定におきましては六十九億六千九百万円を計上いたしておりますが、これは高速増殖炉原型炉「もんじゅ」等の建設に関連いたしまして、原子力施設の立地対策といたしまして関係地方公共団体の公共用施設の整備事業に必要な交付金十四億四千万円のほか、原子力発電安全対策実証試験として、備考欄にございますような各種の試験を原子力研究所などに委託いたしまして実施いたしますとともに、県や市町村に対します安全対策事業の交付金といたしまして、放射線監視交付金の制度を改政しその増額を行いましたほか、新たに原子力防災対策の充実を図りますため原子力発電施設等緊急時安全対策交付金を創設するなど、原子力発電安全対策事業等の拡充を図るため必要な経費といたしまして五十五億千五百万円を計上いたしております。
 次のページに表の2−3がございます。表2−3は、電源多様化勘定のうちで科学技術庁所管分をまとめてございます。
 新たに設けます電源多様化勘定におきましては、石油代替エネルギーの中心的役割りを担います原子力の発電のための利用を促進するため、基礎的段階を終えまして実用化の見通しの得られる可能性の高い原子力の研究開発プロジェクトを推進することといたしまして四百十三億五千五百万円を計上いたしました。これは動力炉・核燃料開発事業団におきます高速増殖炉原型炉の建設着手等新型動力炉の開発、使用済み燃料再処理技術の開発及びウラン濃縮技術の開発を行うため必要な経費といたしまして同事業団に対する出資金等三百九十六億八千八百万円などであります。
 以上、原子力関係予算の歳出予算額につきまして、その重点項目を御説明申し上げました。
 次に、原子力以外のエネルギー研究開発の推進につきましては表3にまとめてございます。表の中ほどの合計欄にございますように、五十五年度の原子力以外のエネルギー研究開発の予算は六億三千百万円を計上いたしております。
 この内容といたしましては、まず新エネルギー研究開発の推進に三億千五百万円を計上いたしましたが、これは理化学研究所におきます太陽光エネルギーの転換技術等バイオマス研究開発、及び海洋科学技術センターにおきます波力発電システムの研究開発等海洋エネルギー利用研究開発を実施するためのものであります。
 なお、この新エネルギー研究開発の予算は、前年度予算に比較いたしますと一億八千六百万円の減額となっておりますが、その主な要因は、海洋科学技術センターにおきます波力発電に関する研究開発で五十四年度に実施されました海上実験の終了に伴う減などによるものでございます。波力発電につきましては、五十五年度におきましてはその実験結果の評価等を行うことにしております。
 次に、省エネルギー等研究開発の推進に三億千六百万円を計上いたしましたが、これは金属材料技術研究所におきます超電導材料の研究、無機材質研究所におきます超高温耐熱セラミックス材料の研究等エネルギー関連材料の研究開発を実施するためのものであります。
 以上御説明申し上げました経費のほか、エネルギー関連研究開発の実用化の促進といたしまして、新技術開発事業団の予算におきましてアモルファス材料の総合的開発等を実施するための経費として十四億二千万円の配分を予定いたしております。それとともにエネルギー関連の試験研究につきまして特別研究促進調整費の配分も予定しておりまして、その推進を図ることといたしております。
 以上、簡単でございますが、昭和五十五年度の科学技術庁のエネルギー対策関連予算につきまして、その大略を御説明申し上げました。
○委員長(吉田実君) 次に、文部省大門研究助成課長。
○説明員(大門隆君) 昭和五十五年度の文部省所管予算案におきますエネルギー関連経費について御説明申し上げます。
 大学における新エネルギーの開発、エネルギーの有効利用を目指す独創的、先駆的な基礎研究を推進するため、研究体制の整備と科学研究費等の充実を図ることといたしまして、国立学校特別会計及び一般会計に総額約百三十四億円を計上いたしております。
 まず、国立学校特別会計のエネルギー関連経費は百十八億四千九百万円でございますが、その内容は、核融合を初め、原子力、石炭液化など各種のエネルギー研究の基盤を確立する、それから長期的観点から着実に研究を進めていく上で必要な国立大学の研究組織の充実と実験設備等の整備を図るためのものでございます。
 まず第一に、核融合関係でございますが、これは長期的、総合的に進める課題でございまして、その推進の中から当面早急に解決を図るべき基礎的、技術的課題に焦点をしぼりまして、従来から進めてきております総額数十億円の大型実験装置の建設、それと、それによる実験を行ってきております名古屋大学プラズマ研究所のプラズマ実験計画、それから京都大学のヘリオトロン実験計画、大阪大学のレーザーによりますレーザー核融合実験計画、及び筑波大学の複合ミラー実験計画をそれぞれ推進いたしますとともに、新しく富山大学トリチウム科学センターの設置など幾つかの研究組織の整備を図ることにいたしまして、八十二億四千万円を計上いたしております。
 第二の原子力関係につきましては、原子力利用は実用化の段階に達しておりますが、なお種々の基礎的な研究、これを進める必要がございます。このため、東大の原子力施設の研究組織の整備や、そのほか関係研究機関の実験設備の整備等を図ることにいたしまして、三十三億円を計上いたしております。
 第三の新エネルギー・省エネルギーに関する研究につきましては、従来から大学におきましても石炭の液化・ガス化、地熱・太陽エネルギーの利用、直接発電、エネルギーの有効利用等に関する基礎研究が進められておりますが、昭和五十五年度におきましては従来の研究をさらに一段進めるとともに、新しく東北大学、大阪大学、九州大学等に太陽エネルギーの利用あるいは超電導等の研究を行わせるため実験施設を新設し、また実験設備の整備を図ることにいたしまして、三億円を計上いたしております。
 一方、一般会計におきましては、国公私立大学における広範なエネルギー分野の研究者の創意を十分に生かしまして、しかも計画的、組織的に研究を進めるために、科学研究費補助金の中に新しくエネルギー特別研究、これを新設いたしまして、このための経費を十四億円計上いたしております。これによりまして、いろいろなエネルギーの各種の研究を総合的、組織的に進めてまいりたいと、このように考えております。
 それから、昨年から開始されました新エネルギー研究開発等のための日米科学技術協力事業の実施のための交流経費といたしまして、一億四千万円を計上いたしております。
 以上、御説明申し上げました。
○委員長(吉田実君) 次に、農林水産省森参事官。
○説明員(森隆禧君) 農林水産省におきます昭和五十五年度エネルギー対策関連予算につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 厳しい石油・エネルギー情勢に対処しまして、農林水産省におきましても、農林水産業の振興及び農林水産業経営の安定という見地から、省エネルギーの推進、代替エネルギーの活用促進につきまして各種の施策を講ずることといたしております。その内容につきまして、すでに配付してございます資料に沿って御説明申し上げます。
 まず、項目欄の一は、農林水産業全般にわたりますエネルギー対策を行うための予算でございます。また、2から4は施設園芸や水産養殖における省エネルギー対策関連の事業費、5から9は自然エネルギーや生物資源などの石油代替エネルギーの開発利用に関します研究費や調査費でございます。さらに次のページの10及び11は省エネルギー技術の導入に際しての資金の貸し付けでございます。
 それでは、資料の順序に従いまして予算の内容につきまして御説明申し上げます。
 最初の農林水産業エネルギー対策は二つの部分から成っております。農林水産業及び関連産業におけるエネルギー消費の実態調査を実施し、これに基づきまして中長期にわたるエネルギー消費の動向や省エネルギー技術の普及の可能性等の検討、さらにはエネルギー制約下における今後の農林水産業のあり方の検討を行うものでございます。もう一つは、太陽熱、風力等の自然エネルギーや家畜排せつ物等を活用した加温技術、あるいは漁船の省燃油機器の開発による低燃費化技術など、実用化の段階に至っていない省エネルギー技術の実用化の促進を行うものでございます。予算額としては、これらを合わせて二億一千九百万円を計上しております。
 次に、施設野菜省エネルギーモデル団地設置事業として、五十四年度と同額の十億円を計上しております。これは資料の説明の欄にございますように、施設内の温度や湿度、さらには炭酸ガス濃度等を複合的に制御することによってエネルギーの効率的使用を図るとともに、野菜の生育を適正に管理する方式、あるいは日中施設内で得られた太陽熱を地中に蓄熱し夜間にこれを取り出して利用する方式等の導入を図ることにより、施設野菜の生産における省エネルギーの推進を図る事業でございます。
 三番目の高能率施設花卉振興対策事業は、ただいまの施設野菜とほぼ同様の内容でございますが、施設内の温度、湿度等を複合的に制御するとともに、石油にかわる暖房として温泉熱利用等の導入を図ることにより施設による花卉栽培の省エネルギーの推進を図ることとし、約一億円の予算を計上しております。
 次に、省資源養殖パイロット事業は、五十四年度と同額の三億円としております。五十五年度におきましては、この事業によりまして石油による加温を行っているウナギ養殖等への太陽熱の積極的利用を図る施設等の導入を行い、水産養殖における省エネルギーを推進することとしております。
 次にございます農林水産業における自然エネルギーの効率的利用技術に関する総合研究、いわゆるグリーンエナジー計画でございますが、これは植物の光合成機能や窒素固定機能等の物質生産能力を飛躍的に高めるための技術を開発することによってエネルギーの消費効率を増大させるとともに、作物の生育に好適で、かつ省エネルギー的な環境をつくり出す技術の開発、さらには太陽熱や地熱等の自然エネルギーの利用技術の開発等を行う総合的なプロジェクト研究で、五十三年度から十カ年の計画で実施しております。五十五年度は、これまで行っておりますエネルギー資源の分布や利用に関する研究、光合成や窒素固定機能に関する研究に加え、物質生産能力の高い作物の育成に関する研究、風力の利用に関する研究等を新たに行うこととし、九億六千四百万円の予算を計上しております。
 さらに、次の生物資源の効率的利用技術の開発に関する調査研究、いわゆるバイオマス変換計画でございますが、再生可能であること等の特徴を有している生物資源につきまして、エネルギーとしての利用を含めました新しい分野への利用を図る技術の開発を行うものでございます。五十五年度はこのための検討を行うこととしておりまして、五百万円の予算を計上しております。
 また、これと関連しまして、七番目にございます木質系エネルギー活用促進調査事業におきましては、木材工場の廃材や伐採後の残材などのいわゆる木質系エネルギーにつきまして生活様式等に見合った形での活用の促進を図ることをねらいとして、その利用可能量や既存の活用技術の評価等の基礎的な調査をいたしますとともに、集積、流通、加工、燃焼に至る活用のための基本的なシステムの設計を行うこととし、五十五年度新規に二千六百万円の予算を計上しております。
 さらに、次にございます農業用地下水調査・新技術開発調査を新たに実施することとし、一千五百万円を計上いたしております。この調査は、地熱水を施設園芸等の農業用に活用するため、火山地帯を中心に地熱水開発の技術手法を確立するための調査でございますが、五十五年度は地熱水の開発可能地を明らかにする調査を中心に行うこととしております。
 九番目にございます液化天然ガス冷熱利用推進調査につきましては、六百万円の予算を計上しておりますが、これはLNGの冷熱を食品産業に利用し、食品産業のコスト低減と省エネルギーを図るための調査でございます。この調査は、すでに五十二年度からLNG冷熱を利用した食品工業団地を形成する場合の諸問題について調査してまいっておりますが、五十五年度はこの結果を踏まえまして、LNG冷熱を利用した食品工業団地の建設のためのマスタープランの作成を行うことといたしております。
 次のページに参りますと、まず農業改良資金がございます。農業改良資金は、御承知のとおり国と都道府県とで造成いたしました資金を農業者や農業者団体が能率的な農業技術を導入する場合等におきまして必要な資金を無利子で貸し付けするものでございます。この農業改良資金について、五十五年度から新たに、温室等の生産施設、家畜の飼養施設及び穀類の乾燥施設等に太陽熱やもみがら等の農業副産物の燃焼熱を利用する等の省エネルギー技術を導入する場合においても貸し付けの対象とすることといたしております。貸付枠は二十億円を計上いたしております。
 最後に、沿岸漁業改善資金におきましても、新たに、省エネルギー技術の導入に必要な資金の貸し付けを行うことといたしております。この沿岸漁業改善資金も、農業改良資金と同様、国と都道府県とで造成いたしました無利子の資金でございますが、沿岸漁業従事者やその団体が低燃費機関を漁船へ導入することによって省エネルギーを図る場合について貸し付けの対象とすることとし、この場合の貸付枠は一億二千八百万円を予定いたしております。
 以上で農林水産省におきます昭和五十五年度エネルギー関連予算の概要の御説明を終わります。
○委員長(吉田実君) 次に、運輸省西村審議官。
○説明員(西村康雄君) 運輸省所管の昭和五十五年度のエネルギー対策関係予算について御説明申し上げます。
 お手元にお配りしてございます「エネルギー対策関連経費運輸省」とした資料に基づきまして御説明させていただきます。
 この資料は、エネルギー対策を主要な目的とする経費について御説明させていただくためのものでございますが、このほか間接的にエネルギー対策に資すると考えられます経費もございますので、これにつきましては、参考としまして、三枚目に項目とその内容を概説してございます。
 運輸省関係のエネルギー対策関連経費の合計額は八十三億三千三百万円でございます。この額は、五十四年度に比べまして十四億九千三百万円、二一・八%の増となっております。
 これらの内訳につきまして簡単に御説明いたします。
 最初に、Tの省エネルギー対策の推進といたしまして、五千百万円を計上しております。
 (1)の省エネルギー技術の開発でございますが、このうち(1)から(3)は船舶における省エネルギー技術の研究開発に関するものでございます。この内容といたしましては、熱効率のよいスターリング機関、それから船舶の推進効率を改善するための低回転大直径プロペラ、それからディーゼル機関の排熱の有効利用等につきましての研究開発を行います。さらに、船型、エンジン、推進装置などについて最適の省エネルギーシステムを備えた省エネルギー船に関する総合的な調査研究を推進しようとするものであります。
 それから(4)は、自動車の省エネルギー技術に関するものでございまして、使用過程車の省エネルギーを推進するため、使用燃料の多様化、これに伴いますエンジンの改善のほか、燃費節減のための適正な運転操作等実施可能な対策を種々の側面から検討しようとするものでございます。
 それから、(2)のエネルギーの使用の合理化に関する法律の施行関係の経費でございますが、これは昨年六月に成立しましたエネルギーの使用の合理化に関する法律に基づきまして、運輸省所管の造船所なり鉄道車両製造工場などにおきますエネルギーの使用の合理化を推進する、あるいは自動車の燃費の表示等を適確に実施させるというために関係事業者を指導、監督するための経費でございます。
 それから、Uのエネルギーの安定輸送及び保管対策の推進といたしまして、八十二億三千二百万円を計上しております。
 (1)のエネルギー港湾の整備は、各種エネルギー資源の輸入基地あるいは備蓄基地となり、また石炭火力等が立地するためのエネルギー資源関係の専用の大型港湾におきます航路、防波堤等の整備を行うための予算を掲げたものでございまして、五十五年度におきましては三港において整備を行うこととしております。なお、このほか、ここには計上しておりませんが、その他多数の港湾におきましても、エネルギー資源の輸入、備蓄の基地となり、あるいは発電施設の立地等のための港湾の整備が行われております。
 次のページに参ります。
 (2)の外航船舶の緊急整備につきましては、LNG船、原油タンカー等わが国へのエネルギー資源の輸送を担っております外航船舶の建造を促進するため利子補給を行うものでございます。なお、外航船舶の緊急整備のこの予算額には、コンテナ船等エネルギー輸送にかかわる船舶以外の船舶も含んでおります。
 それから最後に、Vのエネルギー対策推進のための基礎調査等といたしまして、五千万円を計上しております。
 まず、(1)の内航海運における燃料油消費節減対策の策定は、旅客船を含めました内航海運におきます燃料油の使用実態を把握するとともに、運航効率の改善や船体の形状あるいはプロペラ等を改善した省エネルギー船を導入するということにつきまして調査を行うための経費でございます。
 (2)の自動車燃費評価手法の研究につきましては、現在ガソリン乗用車の走行燃費につきましては測定・方法が確立されておりますが、トラック、バス、それからその他のディーゼル車につきましては測定手法が確立されていないというのが現状でございます。このため、これらの車につきまして総合的な燃費の評価手法を確立しようとするものであります。
 (3)及び(4)は、エネルギー緊急事態に際しまして運輸部門においてどのような対策を講じたらよいかということを検討するとともに、エネルギー需要が増大しあるいは多様化していくことに対処して、エネルギーの安定的な輸送、保管のための方策を検討するための経費でございます。
 (5)につきましては、運輸部門における省エネルギーのための資料の作成、配布、講演会の開催等を行うための経費でございます。
 以上が運輸省におきますエネルギー対策を主たる目的とする経費でございます。
 なお、先ほど申し上げましたように、三枚目に参考としてございます資料は、運輸省におきます各種施策のうちエネルギー対策にも資するものとしてどんなものがあるか、これを参考までに事項を掲げたものでございます。
 簡単に御説明いたしますと、(1)のエネルギー効率のよい大量公共輸送機関への輸送需要の転換のための諸対策でありますが、これは各輸送機関につきましてそのエネルギーの効率を比較してみますと、旅客輸送の分野では、鉄道、バスといった大量公共輸送機関の方がマイカーに比べましてエネルギー効率がよい、特に乗車密度の高い都市におきましてはきわめて効率がよいということが言えます。そしてまた貨物輸送の分野におきましても、船舶等の大量公共輸送機関のエネルギー効率がよいわけでございます。したがいまして、エネルギー効率のよい公共輸送機関の輸送サービスを質的にも量的にも整備することによりまして、公共輸送機関の利用を促進していくということが省エネルギーの面からきわめて有効な手段であると考えております。
 このような観点から、都市におきます鉄道の整備、それからバスサービスの改善、さらには海上輸送の利用の促進のための港湾の整備といったものの経費を、ここにございますように、(1)都市における鉄道の整備、(イ)地下高速鉄道及びニュータウン鉄道の整備、(ロ)大都市交通施設の整備等、そしてさらに(2)といたしまして、都市におけるバス輸送サービス改善、(イ)バス・ロケーションシステムの整備、(ロ)新住宅地バス路線の整備、(ハ)バス乗継ターミナルの整備、さらに(3)船舶の利用促進といたしまして、(イ)流通拠点港湾の整備ということを掲げたものであります。
 次に、(2)におきましては、省エネルギーに資するものとしてトラック輸送の合理化を図るためのトラックターミナルの整備のための助成費を掲げております。
 以上が昭和五十五年度予算案におきます運輸省関係のエネルギー対策関係予算の概要でございます。
○委員長(吉田実君) 次に、建設省越智政策企画官。
○説明員(越智福夫君) 建設省関係の御説明をさせていただきます。
 お手元に資料が二枚ございますが、一枚目の第一の住宅金融公庫の省エネルギー割増貸付でございますが、これは従来から壁、天井、床などの住宅の躯体部分を断熱工事をしていただきます場合に戸当たり十万円の割り増しをいたしましたり、あるいは寒冷地で断熱工事に加えまして窓等の開口部につきましても断熱効果のいいものをつくっていただきます場合には戸当たり三十万円の割り増し貸し付けをしてまいったわけでございますが、五十五年度から新たに省エネルギー型の設備の割り増し貸し付けについても行ってまいりたいと考えておる次第でございます。その一つは、太陽熱温水器をつけていただきました場合には戸当たり十万円の割り増しをしてまいりたい。あるいは効率的な給湯、暖房設備、こういったものをつくっていただきますものにつきましては、それぞれ戸当たり二十万円あるいは五十万円の割り増しの貸し付けをさせていただきたい。こう考えておりますのが住宅関係の、住宅金融公庫におきます省エネルギー割増貸付の内容でございます。
 第二番目に、建築物につきまして省エネルギー率のいい、一定規模以上の石油節約の期待できますようなそういう設備をつくっていただきます場合には、これに対しまして日本開発銀行等から融資をしてまいりたい、こう考えておりまして、これも五十五年度からの新規の施策でございます。
 第三、第四、第五、第六につきましては、いずれも技術の開発でございますとかあるいは調査のものでございますが、第三、第四は、住宅に関しまして壁、屋根等を集熱装置として活用いたしまして太陽熱を利用する、こういうふうなことを考えます省エネルギー・パッシブシステムの開発を五十五年度から新規に行いますほか、第四にございますように総合技術開発プロジェクトの一環といたしまして、いままで引き続き研究開発をしてまいりました省エネルギー住宅の構造、設備等についての研究開発を引き続いて行ってまいりたい、と考えております。
 このほか、第五、第六にございますように、都市のいろいろな問題につきましてもそれぞれ調査を行いまして、省エネルギー型の都市のつくり方、こういったものを調査研究してまいりたいと考えておる次第でございます。
 二枚目に移りまして、建設省では、これら直接的な省エネルギー対策のほかに、所管をいたしておりますいろいろな事業を省エネルギー型に変え、あるいはそれに重点を置いて実施していきたいと考えておりまして、その第一は輸送部門の効率化対策でございます。
 これは新交通システムあるいはモノレール、こういったものを建設いたしまして、道路の効率的な整備とともに省エネルギーに資そうとするものが第一でございます。
 第二番目に、踏み切りの除去等によりまして交通流を円滑にいたしまして、これによってエネルギーの節約を図ってまいりたい。
 第三に、交通渋滞あるいは急な坂、屈曲の多い峠越えの幹線道路についてのトンネル建設、こういったような道路建設の推進によりましてエネルギーの消費の節減を図ってまいりたい。
 そのほか、特にバス路線がございますけれども、バスの運行の円滑化を図りますために、すれ違えない区間の解消でございますとか、待避所を設けるとか、こういうふうな事柄の事業の推進、あるいはバス専用レーンの設置、あるいは乗り継ぎ施設の整備を行います事業、こういったものも推進してまいりたいと思います。
 第五番目に、貨物輸送におきます省力化、省エネルギー化等のために新物流システムの技術開発も進めてまいりたいと考えております。
 そのほか、調査といたしまして、総合交通計画調査、あるいは新交通システムの導入計画に関する調査、あるいは自動車交通の総合管制を円滑に行うための調査研究、こういったものも進めてまいりたいと考えております。
 第二番目に、資源利用上の省エネルギー化・効率化等に関してでございますが、従来から行ってまいりました都市廃棄物処理新システムの開発を引き続き推進してまいりますとともに、建築物の耐久性を向上いたしますことによって建築物に使われておりますエネルギーを有効活用していこうという研究開発も五十五年度から新規に行ってまいりたいと考えております。
 第三番目に、建設省ではダムを多くつくっておりますけれども、その中で水力発電の加わっております多目的ダムの建設を今後とも推進してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○委員長(吉田実君) 以上をもちまして、関係大臣の所信及び関係省庁の説明聴取を終わります。
 午後一時再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時二十三分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時九分開会
○委員長(吉田実君) ただいまからエネルギー対策特別委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、対馬孝且君が委員を辞任され、その補欠として吉田正雄君が選任されました。
    ―――――――――――――
○委員長(吉田実君) エネルギー対策樹立に関する調査を議題として質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
○丸谷金保君 初めての委員会でございますから、本来総括的なものを前段御質疑申し上げたいと思っておりましたが、通産大臣がおられませんので、具体的な問題に入って科学技術庁長官にお伺いいたしたいと思います。
 昨年の三月に閣議に出された水素エネルギーの実用化促進に関する請願、閣議の中の了解事項といたしましては、水素エネルギーに関する研究開発は国立の試験・研究所、大学、民間研究機関等の研究機関で十分これを活用して推進している、こういうふうなことが処理意見として出ております。しかし、一方、国会請願の中では、できるだけこれは国の立場で非常に無尽蔵であり無公害と言われておるこの研究については人類の福祉を増進するというふうな立場からも大きく国家目的としてとらえて研究を進めるべきだということが採択されております。きょう御説明を受けた予算の中身を見ますと、どうも国会決議の方はほとんど無視されて、内閣の処理意見として研究所だとか大学だとか民間研究機関にやらせるということが定着しつつあるような感じがいたします。これでは大変だと思いますが、この点についての長官の御所見を承りたいと思います。
○国務大臣(長田裕二君) ただいまの水素の開発の問題につきまして、話がかなり細かな具体的なことになりますので、担当局長から御説明をさせていただきたいと存じます。
○政府委員(園山重道君) お答え申し上げます。
 水素エネルギーの利用につきましては、先生御指摘のようにこれは非常にクリーンなエネルギーである、したがってその活用を考えるべしということは私どももひとしく痛感しているところでございます。ただ、先生御承知のように、水素エネルギーはいわゆる二次エネルギーでございますので、これはやはり一次エネルギー、石油、原子力その他の一次エネルギーで出されましたエネルギーを貯蔵する、あるいは使いやすい形にするということで使っていくものかと考えておるわけでございます。政府におきましては、エネルギーの研究開発の重要性にかんがみまして、昭和五十三年の八月にエネルギー研究開発基本計画を策定したところでございますが、その中におきまして二十七のプロジェクトを掲げてございますが、その中の一つといたしまして、水素エネルギーの研究をうたっておるところでございます。
 具体的には、研究開発の内容といたしまして、「二次エネルギー利用の多様化に資するため、経済的かつ大容量の水素の製造、輸送、貯蔵及び利用技術並びに安全取扱い技術を開発する。」という内容を掲げまして、これに基づく製造技術、輸送技術、利用技術、保安対策技術、それから水素エネルギー全体システムの開発ということを掲げておるところでございます。ただ、これの実用化の時期につきましては、まだ非常に研究開発要素が多いわけでございますので、相当大規模に実用される時期というのは、この計画におきましてはおおむね二千年代ではなかろうかという見通しを持っております。ただ、こういうプロジェクトとして大型の開発をいたしますほかに、それぞれ研究機関等におきまして水素エネルギーの活用のための有効な方策の研究を進めておるところでございまして、先生御指摘のように非常に多額の予算をつけておるという段階にまだ至っておりませんが、それぞれ基礎的な研究が着実に進められておる、このように考えておるところでございます。
○丸谷金保君 水素エネルギーに対する予算はまだ余りついていないといういまの答弁でございますけれども、おおよそどの程度五十五年度では見込んでおりますか。
○政府委員(石坂誠一君) 九億五千万円でございます。
○丸谷金保君 これは非常に大きな、それから大変むずかしい問題も抱えておりますが、これらについての外国における研究開発の現状、それから請願でも述べておりますように、それに対するわが国の国際協力の状況、こういう点について御説明をいただきたいと思います。
○政府委員(石坂誠一君) ただいまの水素エネルギー技術開発につきましては、欧米におきましても盛んにやっておるわけでございますが、中でも西独が電気分解法、これは余り高温を使っておりませんで、九十度ぐらいのものだと思いますが、これを使った電気分解法で七百五十立方メーター・パー・アワー、毎時七百五十立方メーターのものを運転中でございますし、また、アメリカにおきましても毎時百立方メーターのプラントを計画中でございます。また、いろいろな水素の製造法がございますが、熱を使いまして、しかもいろいろな化学反応の組み合わせによって水を水素と酸素に分解するという、私どもは熱化学法と言っておりますが、こういう方法もございますが、そういう方法につきましては、ヨーロッパ共同体、ECのイスプラ研究所というところがかなり前から手がけてやっておるわけでございます。
 先ほどから話も出ましたのですが、わが国といたしましては、従来からその将来性に着目いたしまして独自の研究を積み重ねておるわけでございますが、さらにそういう研究を効率化するために国際エネルギー機関、IEAとも研究協力を行っておるわけでございます。具体的に申しますと、熱化学法による水素の製造技術というのが一つ、それから二番目に将来の水素の需要予測、需要想定というタスク、それから三番目に高温高圧水電解法による水素製造技術、この三つのタスクに参加して積極的に協力活動を行っておるのでございます。ただ、これらはまだわが国から相当額のお金を出してやるという段階にはなっておりませんが、基礎研究をそれぞれ分担し合う、あるいは情報を交換するというようなことで進められておるわけでございます。
○丸谷金保君 どうも、この種の研究について、非常に研究費の出し惜しみといいますか、外国の研究に乗っかっていくというふうな傾向が強いのじゃないかと思って心配しておるわけなんです。たとえば、石炭液化の問題にいたしましても、わが国の研究というのはアメリカとの共同研究で、エクソンだとかいろいろなところが大半やっておって、それに乗っかって一緒にやるというようなきらいがあるのですが、この水素エネルギーについては、具体的にアメリカとの間で研究協力しているという事実はございますか。
○政府委員(石坂誠一君) ただいまのところ、アメリカと具体的な研究協力はございません。ただ、アメリカの学者が日本に来られたときにいろいろ議論をする、あるいはこちらから向こうへ行ったときに議論するというような程度でございます。
○丸谷金保君 それで、いま西独やアメリカで計画が進んでおる。たとえば西独の場合の費用といいますか、予算規模はどの程度で進めておるのでしょうか。日本のやつが九億五千万円というのはいま聞きましたが、アメリカや西独のこれに対する対応の仕方……。
○政府委員(石坂誠一君) 五十五年度のものは持っておりません。ちょっと古くなりますが、七八年度におきまして日本は六億円でございましたが、アメリカは四十五億円でございます。それから西独は、これはちょっと表が多年度にわたっておりますが、七四年から七七年の四年間、この間に三十五億円。それからフランスでございますが、これは一九七五年度十億円でございます。
○丸谷金保君 その一九七五年度当時、日本はどれくらいでございますか。
○政府委員(石坂誠一君) 四億五千万円でございます。
○丸谷金保君 年度をずらしての数字ですと、うっかりするとそこら辺で錯覚を起こします。しかし、いまのお話を聞きますと、日本の五十五年度における九億五千万円というのはきわめて少ない。ほかははるかに早くからどんどんやっておるというような気がするのですが、いろいろな計画の中で一つくらいは日本が世界に先駈けて思い切ったプロジェクトを組んで進めるというふうなものがあってもいいのじゃなかろうか、幸い国会決議も済んでおることですし。長官どうですか。水素エネルギーについて思い切った、アメリカ以上の研究の規模で取り組むというふうなことがあっていいのじゃないか、特にこれは広い海を持っているのですし。ひとつ御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(長田裕二君) 水素エネルギーにつきましては、ただいま関係局長あるいは院長がお答え申し上げたとおりでございますが、エネルギーの多様化という面につきましては、日本も相当広範囲にわたりまして研究開発を進めているところでございまして、これは別の問題でございますけれども、たとえば波力発電などにおきましては日本が先鞭をつけ、各国がこれに協力をして、あるいはIEAなども協力してやっている。そういう面もございまして、できるだけ御趣旨のような方向で進んでいるつもりでもございますし、今後さらに力を入れてまいりたい、そのように思っております。
○丸谷金保君 波力が進んでいるというお話がいま出ましたので、ちょっとその波力の問題にも入ってみたいと思うのですが、実はいま天然の海水からタワー式という方法で塩をつくっているグループがございます。これは省エネルギーだということで大蔵省も試験研究を認めたのです。ここの現場へ私は行ってみました。大島でやっておりまして、非常につましい生活で、玄米に塩をかけても大丈夫、三年や五年は心配ないというふうな若い者が取り組んでいるのです。これは無重力ポンプを使いまして波の力で上へ上げて――後で長官にひとつ見ていただきたいと思いますが、こういうタワーをつくってやっておるのです。(資料を示す)ところが、こういうところへは全然国の方では援助もしてくれなければ見向きもしないのですよ。ずいぶん先ほどから予算の説明を聞きましたし、民間に対するあれもあるけれども、大体において、いまのわが国における代替エネルギー開発の進め方というのは、それぞれの省庁がセクト的にそれぞれの持ち分でそれぞれの関係する学者を使ってというふうなことでやっておって、こういう具体的に民間で取り組んでおるようなものに見向きもしない、どうもそういう気がするのですが、いかがですか。
○国務大臣(長田裕二君) エネルギー問題もございますし、それ以外の新しい技術の開発等につきましては、民間もそれぞれ推進しておりましょうし、科学技術庁の関連におきましても、たとえば新技術開発事業団等におきまして、新しい考え方、新しい研究等の中からしみるべきものを選んでこれを企業化していくための力をかしているとか、そういうようないろいろな面もあるわけでございます。たまたま、先だいま御指摘の点につきまして十分な措置がとられていないというお話でございますが、なるべく広く適切なものを選びながらこれから積極的に取り組んでまいるようなそういう体制で進ませたい、そのように思っている次第でございます。
○丸谷金保君 長官は思っても、なかなかお役所仕事というのはそういうふうに進まない点が非常に多いのです。それから権威に弱くて、民間のこつこつと苦労しながら新しい技術の開発をやろうという人たちについては、おまえたちには何ぼか出してやるぞというふうな調子で、野に遺賢なからしむというふうなていで拾い上げていくという考え方が非常に少ない。たとえば風力においても、昨年までフートピア計画というのがあって一応の研究が進められたというふうに言っております。しかし、南方へ行ってみますと、日本でも昔ありました山田風車なんというのが結構まだ実用化されております。もう日本では影も形もなくなって、それらも昨年までの研究対象では取り上げたというように聞いておりますけれども、ある程度進むとこれは終わりだというふうなことで終わってしまっているのです。そういうことにつきまして、たとえばこのフートピア計画、これはもう研究が済んだのですか。済んで段落をつけたのですか。
○政府委員(勝谷保君) お答え申し上げます。
 フートピア計画は、五十三年から五十四年にかけまして風エネルギー利用の実証調査についてという計画を進めたわけでございますが、この結果を踏まえまして、五十五年度からは新たに約五年間で風力エネルギーシステムに関する総合研究ということで新たな研究を開始する予定でございます。フートピア計画では容量が一、二キロワット級でございましたが、このたびは二十キロワット級のものでこのエネルギーを農業施設の冷暖房、道路、公共施設等の融雪に使うところまで実験を進めてみたいと、かように考えておるのでございます。
○丸谷金保君 五十五年度から風力エネルギーというふうな形にして進められるということなんですが、そうすると、これらは実際に、実験的に五十五年度からは何カ所か設定して取り組むというふうに理解してよろしゅうございますか。
○政府委員(勝谷保君) 予算を御審議いただいておりますが、この予算が成立いたしますれば、何カ所でやるか等々も含めまして関係者相集いまして計画を立てるということでございます。われわれの案では五年計画で実験を進めたいと考えております。
○丸谷金保君 計画、研究ですから、時間のかかるのもやむを得ないというふうには思いますけれども、非常にそういう点のテンポがゆっくりゆっくりなんです。それはテンポがゆっくりゆっくりでやっていけるような状態のわが国のエネルギー事情であればそれはそれでもいいのですけれども、非常に厳しい事情だということはだれしも認識を一にしているところだと思います。そういう中で、いまの話を聞いても五カ年、大体そういうテンポなんです。非常に水素エネルギーなんかも時間がかかるものですけれども、しかし、その点で大変心配なのは、そういう方に対する重点を置くのを忘れて、ともすれば、とにかくいまさしあたっていますぐ間に合う原子力ですか、そういう方向に安易にいま日本のエネルギー対策というのが走り過ぎないかという点が非常に心配なんですが、いかがでしまうか。
○国務大臣(長田裕二君) 私ども、考え方といたしまして、特に原子力だけに集中するとか、そういうつもりはございませんが、いろいろと広く展開されております代替エネルギーの問題の中で、石油の量的な確保の困難あるいは価格の高騰などに対処いたしますためには相当量のエネルギーを新たに開発しなければならない。そういうような観点からしますと、いろいろ考えられ、研究開発が進められております中で、それにすぐに即応できるというようなものはそうたくさんはないわけでございまして、従来からも非常に力を入れております原子力発電を推進することとか、あるいは石炭の液化・ガス化とか、そういうところに自然重点が注がれざるを得ないようなのもただいまの当面の姿でもございます。考え方といたしましては、仰せのとおり非常に広く手を広げまして、それぞれの特徴を十分に生かす多彩な展開をしなければならない、そのようには思っているところでございます。
○丸谷金保君 私は、実はいまの長官の御答弁を聞きながら非常に心配になってくるのです。これは当面すぐ間に合うものに手をつけなければならないということで、原子力、石炭液化、これらに手をつけるということで計画が進められていった結果どうなるだろうか。ここにエネルギー調査会、いわゆるエネ調の想定数字を持っております。大体政府もこういう考え方で進めるという基本的な姿勢のようでございますので、特にこの点について言及しておきたいと思います。
 これは経済成長率をエネルギー調査会では五・七%というふうに見込んだ場合に、五十二年の実態を踏まえて六十年、六十五年というふうな予測を立てております。こういう計画のもとに政策が進められるとこれは大変だなと思っております。たとえば六十年、ただいま御答弁のありました石炭液化に重点を置いていくということで、エネ調では石油換算で五百二十万キロリットルの開発を計画しております。昭和六十年です。これはそちらの方から出ている数字ですから間違いないと思うのです。それから六十五年になると三千八百五十万キロリットル、これは石炭の液化のほかにその他も入れてです。その他も入れてですが、大半はいま長官が言われた石炭液化がこの数字の主力をなしている。しかし、実際には、たとえば五年後にいまの石炭液化の研究の成果――アメリカと共同開発しているといいましても設備費がかかります。それらに対する時間も必要です。一体、いまの状態から言って、六十年に五百二十万キロリットル、エネルギー消費量の中において〇・九%なんという数字が実現できますか。これはとても無理な数字だと思うのです。そうすると経済成長率というふうなものも変わってくるわけなんです。原子力の方は同じ時期に三千万キロワット、六・七%をこれで賄っていく。重点はほとんどこっちにいっている。石炭液化なんかは〇・九と言ったってこれはできっこない。いまの設備の状況から言っても、工事の状況から言ったってできっこない数字なんですから、勢い原子力の方に重点が実際は移るのではないか。一番安全でないものに重点を置くようなエネルギー政策、こういうものをこそこの委員会は十分論議をして政策の方向転換をさせていかなければならないと思うのですが、いかがですか。
○国務大臣(長田裕二君) 石炭液化等の問題につきましては、関係の方から御説明申し上げます。
 原子力発電につきましては、先ほどお答え申し上げましたように、二十年来相当日本でも力を入れてきているところでございますし、現在すでに二十一基、千五百万キロワットの能力まで展開されてきたわけでございます。なお、ただいま建設中あるいは計画中のものなどが十五基ございますし、私ども六十年度に三千万キロワットのところまでは持っていきたいというふうに念願しているわけでございますが、ただいま御指摘のとおり、原子力発電につきましては安全確保の問題が非常に重要だと考えておりますし、従来からわが国におきましての安全確保体制は相当周到に厳密になされてきておったと思いますが、特に昨年のアメリカのスリーマイルアイランドの事故以来は、現実に動いている発電所に対する再点検とか、あるいは原子力安全委員会によります五十二項目にわたる安全基準等の検討とか、非常にその面に力を注いでいるところでございまして、私どもは、今後原子力発電に依存する度合いが大きければ大きいだけ安全の問題がまず第一に、それら今後の原子力発電の展開、発展の前提条件だ、そのように考えながら現実に危害が人間に日本の国土の中で起こることのないように精力的に取り組んでまいる所存でございます。
○丸谷金保君 六十年で三千万キロワット、六十五年で五千三百万キロワットというような膨大な計画を進める。非常に私はこれについては問題があると思います、危険の度合いその他について。あるいはできた廃棄物の処理の問題なども解決しておらない状態です。ですから、われわれは、この委員会でこういうエネ調の計画自体を基本的に検討の俎上に上げて検討していきたい、かように思ったので実はいま関連して申し上げましたが、この問題はさらに論議を深めなきゃならないと思いますので、そういう点だけを注意を喚起しておいて前へ進ませていただきたいと思います。
 水素エネルギーの問題につきましては、製造方法は電気分解法と熱化学処理、それから高温の直接熱分解法というふうな三つの方法がいま言われております。わが国の研究対象としておるのは、このうちの一体どれにいま重点を置いて進めようとしておるのですか。
○政府委員(石坂誠一君) 私どもとしましては、現在最もプラントの開発が進展しているものは高温高圧水電解法というように考えておりまして、現在四立方メートル・パー・アワーというプラントがほぼ完成の状態にございまして、近く運転に入るというようになっております。
 しかし、それと同時に、将来エネルギー効率がよりよいという意味、あるいは電気を使わないでも水素をつくる方法というようなことで熱化学法にも力を入れておるわけでございますが、これはまだ大きなパイロットプラントをつくる段階にはなっておりません。
 なお、高温で水を分解する、これは二千五百度というふうな非常に高温で分解する方法もいま検討しておりますのですが、これは非常な高温である、超高温であるというようなことで材料その他いろいろ問題がございまして、まだ探索中というような段階でございます。
○丸谷金保君 そこで、どうもお役所の人たちが考えるというのは一つのカテゴリーの中で物を考えるのです。提言いたしますが、これはこの請願書の中にも書いてありますが、人類全体の問題として解決すべき水素エネルギー開発だということなんです。非常に高温処理、高温というふうなことの処理が大変むずかしいのと、それから水素を分解するために逆にまたエネルギーを必要とするというところがいまネックになって値段が大変高くつくということが各国とも共通の悩みのようです。ひとつ思い切って日本が大きな予算をつけて、各国に呼びかけて、南の大陸、ああいうところに世界の衆知を集めた大プロジェクトでもつくる、こういうような思い切った発想の転換と、それから日本のエネルギーも大事だけども人類ということを踏まえた、日本としても一つくらい提言があっていいのじゃないですか。また、思い切ってそういう金を――ずいぶんたくさん細々ときょう午前中説明を受けましたけれども、それぞれの省庁のセクショナリズムでやっております。新聞の評によりますと、ここにもその新聞を一つ持ってきておるのですが、こういう批判もあるのですよ。「大盤振る舞い」という見出しがつきまして、「「エネルギーと名が付けば、なんでも要求が通る」とささやかれた五十五年度の政府予算案づくり。」、これは前の新聞なんですが、きょう私は説明を聞いてみてこの記事を思い出したので、この切り抜きを持ってきたのです。なるほど、ずいぶんあります。細々と説明を受けました。ああ、このことを新聞はこういうふうに論評したのだなと思ったのです、午前中の説明を聞いていて。それで急いでこれを外してきて持ってきたのです。そういうことも必要でしょうけれども、たくさん細かく……。それからまた民間の衆知を集める。しかし、やっぱり国家の総力を挙げていまどんどんと落ち込んでいくエネルギー問題に、長官、ひとつ壮大なロマンのあるようなものを打ち上げるというふうな覚悟を持っていただけませんか。いかがですか。
○国務大臣(長田裕二君) ただいま丸谷委員の仰せのようなことにつきましては、私も考え方として同感でございます。実は、まだ委員会で御披露申し上げるようなところまで達しおりませんですが、少し軽いお気持ちでお聞き取りを願えればと思います。
 実は、きょうの午前中なども、科学技術庁で関係者といろいろ話をしておりますときに、たとえば波力発電なり風力発電なりいろいろなアイデアなどが取り進められておりますが、この間、東北電力の送電網の中に織り込んでもらった波力発電などの一つの欠点は、そのときどきによって、波の出方によって発生電力が大きくなったり小さくなったり、ある意味では送電網にとっては私は大変迷惑なことではなかろうかと素人ながら考えているわけでございます。この波力発電の問題につきましては五十五年度に正確な解析がなされるはずですから、いまから余り予断をして勝手なことを申すのはちょっとはばかられますけれども、あえて申し上げますならば、そういういまの電力の供給の形としてはなかなか向かないものなどを、もしもその波の力が多いとき少ないときによっていろいろ幅のある電力が出てくる、これをどう使うかということになりますと、一つは蓄電池のりっぱなものができれば蓄積できますが、そういうものができない場合などは、たとえばそういうことで水素なり何なりをつくっていく、その水素を液化するなり何なりして利用の道をつくっていく、そういうことを、いま水素をつくるということだけの研究じゃなしに、使われる使われ方と結び合わせまして、たとえば僻村だとか離島だとか、あるいは高いところにあります問題だとか、そういうようなことなども、今後どうなりますか、一方の解析と並行ですが、五十六年度予算要求あたりまでにこれは関係官庁とも連絡をとりながら構想をつくっていくことなども一つの行き方ではなかろうか。そんなことなども話し合ったことでございますし、さらに衆知を集めまして広くそういう面の展開を図りたい、そのように思っておるわけでございます。
○丸谷金保君 それで、水素エネルギーの場合にはそういう蓄積がきくのではないかということが大きな魅力の一つで、これは非常に重要なことだと思うのです。実は、昨年の五月の決算上程の本会議で、私が大平総理と当時の通産大臣に質問申し上げた具体的な提言があるのです。これは記録を持ってきておりますので、官報に載っている記録のまま読みます。五月三十日です。鳴門や関門の潮の流れ、こういうものを取り上げて、これらのエネルギー開発というふうなことにすぐ取り組んだらどうだ、予算の関係もありますから、そのために、四国に三つも一遍に橋をかける必要はないからあの予算を一つ削って二つにすれば一兆円くらい浮くわけなんで、それくらいかけるつもりで取り組んだらどうだと、こういうふうに提言したのです。大平総理は、御提言は承って検討するけれども、いま直ちにそのことが四国の橋を、三本を二本にするということとはつながらない。こういうふうなことで当時は、本会議ですからすれ違いであったのですが、少なくとも今度の予算にこういうことの研究が大きなプロジェクトとして出てくるかと思って期待しておったのです。江崎通産大臣も大変それは貴重な御意見だというふうなことで答弁をしていただいているのですが、いまの長官の御答弁もそうなんです、五十六年度くらいにと。しかし、それだけのお考えを持っているならば、まだ予算案は審議中ですから、思い切って予算の組み替えをして、この委員会の初めての発足を機に、いま長官の言われたようなことだけでも、五十六年度でなく五十五年度予算の中にもう少し組み込まさせることはできませんか。どうですか。
○国務大臣(長田裕二君) まだ着任して日も浅うございまして、私も、雑駁な提案でこれを予算要求するまでの自信はございませんので、いまそういうあれはございませんので、これからその時期まで関係者とよく検討をいたしましてのことにさせていただきたい、そのように思っております。
○丸谷金保君 非常にそういう点で慎重に慎重にということがこのエネルギー、特に代替エネルギーの問題についてはついて回るのです。これは確かに金を使ってもうまくいかないというふうなことはあると思います。そこをやはり乗り越える。これは行政でなくてやはり政治だと思うのです。政治が行政をそういう点で支えてあげないとおっかなくてできないのですよ。
 ちょっと例にはそぐいませんけれども、たとえば私のところでブドウの品種の改良をやっております。一年に一万本くらいずつの新しい品種をつくって一本もいい品種ができないのです。これは一生のうちに一人の研究家が一本のいい品種ができるかどうかわからないような仕事なんです。それでもいま池田の町では三人から四人そのことだけにかかって取り組んでおります。ある県の研究所へ行きました。それから国の研究機関にも行きました。非常にうらやましがるのです、私たちにはそういうことができないと。一生かけてゼロかもしれないような研究をやっていたら上からにらまれてすぐどこかへ追われちゃう、だから、どうしても三年か五年で結果の出るようなことしかやれないのだと。これがいまの行政のシステムなんです。それはやっぱり政治がカバーしなきゃならぬわけですよ。だから、長官は、着任早々でなんて言わないで、着任したからには任しておけというくらいな腹を持たないと、この特別委員会をつくってエネルギー問題と取り組もうという意義がなくなっちゃうのです。どうですか、もう一回、ひとつもっとぱりっとしたところを答弁してくださいよ。
○国務大臣(長田裕二君) 私が先ほど当委員会で御披露するのは若干はばかられるがと申したのが本心のところでございまして、もっと詳しくそれに関連するいろいろなことを、少なくとも手の届く範囲内でもさらにやるべきことがたくさんあるわけでございまして、そういう段階を踏まえまして、ある程度自信のあるものとして予算要求をするのが至当だと思うわけでございます。仰せのように、トライ・アンド・エラー、試行錯誤、そういうようなものが科学技術の推進に相当必要だということも十分承知しながら、みんな関係者が積極的に前向きに進んでまいっておる状態でございます。
○丸谷金保君 どうもやっぱりかみ合わないですね。自信が持ててから予算を提案する、それだったら民間に任してもいいのですよ。たとえば電力開発なんかでも、四国で太陽熱の五十五年度で完成するというようなものをつくっていますでしょう、ある程度これはいけそうだというふうになったら。いけるかどうかわからないというふうなところにこそ国が取り組まなきゃならないものではないでしょうか。どうもそこら辺の基本的な姿勢が非常に慎重過ぎているのではないかという気がするのです。それからそういう点で、また学者もりっぱな人がおりますし、学者の意見、学問を大事にしなきゃなりません。しかし、非常に知恵を働かして、知識でなく知恵を働かせて非常に貴重な民間でいろんな発明がどんどんできております。こういうものをもっと柔軟に取り入れるようなエネルギー開発の予算になっていない。午前中の説明を聞いていますときわめてきちっとしているのです、起承転結が。それは予算というのは本来そういうものだと思いますけれども、この予算は違うと思うのですよ。
 たとえばこういうことがあります。この次からは余り町長時代のことを言いませんから、いまのところ初めてなので経験を話しするよりないのですが、私が町長時代に、町の真ん中に四百メートルの橋があるのです。そっちへ渡すのに水道管を入れなきゃならないのです。少し人口がふえたり消防のことを考えると百五十ミリ管が要る。ところが、その橋をつくるときには百ミリ管の設計をしちゃったのです。道道です。ですから、町村道でないから一々許可をとらなきゃならぬのです。百ミリ管のところへ百五十ミリ管を入れるということになると、御承知のように北海道は零下三十度まで下がりますから百五十ミリの被覆をするのです。そうすると四百五十ミリないと百五十ミリ管は入らないのです。百ミリ管だと三百ミリでいいわけですから三百ミリの穴だけあけてあったのです。どうしようもないのです。そのときに高等小学校を出てこつこつと水道課で仕事をしていた、そして独学で勉強していた鈴木君というのがひょっと考えついて、その水をバックすることを考えたのです、ちっちゃなビニールパイプで。町長、動いていれば凍らないよと、二十ミリくらいの小さなのでバックさせて。幸い取水池が川のそばにありましたから、そこへ戻してやったのです。百五十ミリの管にあと七十五ミリずつの百五十ミリ、三百ミリの管にして水が凍らないようにすることができたのです。これは道から国まで持ち込んでどんなに相談しても、りっぱな技術屋さんではこういう発想にならないのです。だめだということになるのですよ。構造計算でやってみれば四百五十ミリでなければ絶対だめだ、許可できないと、こういうようなことになっちゃうのです。そういうふうな経験でたたき上げてきた知恵、これらももう少し、これからのこの委員会を中心にした論議の中で行政側も考えていただけるようなそういう運営なりシステム、それをひとつお考えいただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(長田裕二君) 大変参考になる貴重なお話を伺いまして、関係者もそういう心組みで新しい科学技術の研究開発に取り組んでいると思いますし、さらにただいまのお話でそういう気持ちを一層そそられたことだろうというふうに存じております。
○岩動道行君 最初に、私は、まず参議院にエネルギー特別委員会ができましたことを心から歓迎し、また、この委員会が日本はもちろんのこと、世界的にも大きな役割りを果たしていく、そういう委員会の姿になっていただきたいということを願望いたしております。また、そういう観点からも、委員長、理事、そして委員の皆さんにおかれましても、どうか、いたずらに議論だけではなくて、いかにして日本のエネルギーを十分に確保し、日本の国民の生活を安定させ、あるいは日本の国際的な役割りを十分に果たしていくためのエネルギー政策の確立、そしてその推進に十分な役割りを果たしていただくように特段の御配慮、そして運営をお願いいたしたい、かように思う次第でございます。
 したがいまして、ただいま丸谷委員の御質問に対する政府側の御答弁なども伺っておりますと、政府側にはこのエネルギー問題に対しての本当の気魄があるのかどうかという点については、いささか疑問に思わざるを得ないような点もございます。政府も謙虚にできるものはできる、できないものはできない、そうして客観的にこの問題を処理するための対応をしていただきたいと、かように思うわけでございます。いわば政治的に玉虫色の答弁をしたり、その場を糊塗すれば足りるということでは日本民族は生きていけない、世界に対するわれわれの日本の役割りも果たしていけない、こういうことであると思いますので、どうかこの機会に覚悟を新たにして、そうして真剣にお互いに理解し合い、そして意見をぶつけ合って、その中から新しい道を発見してこれを強力に推進していく、こういう心構えを政府におかれても持っていただきたい、かように思う次第でございます。いずれ通産大臣もお見えになると思いますので、改めて、この点については政府の御決意を後ほど伺いたいと思うのでございます。
 さて、私は、質問を始める前に資料を委員長にお願いいたしたいと思います。
 それは、昨年の八月三十一日に出されました「長期エネルギー需給暫定見通し 中間報告」、これは先ほど丸谷委員も触れられて、この見通しについてはさらに十分な検討が必要であるという御意見が出ましたが、私もまさにここからスタートしなければいけないのではないか、かように考えておりますので、この資料をお願いいたしたい。
 それから当面、石油事情がきわめて困難な事態にあることは御案内のとおりでございますので、それに対応していろいろな施策が必要でございまするが、先般、五十五年の一月十一日に、「石油消費節減対策の強化について」、これは昨年五%節約でありましたが、本年に入りまして七%節約というターゲットを設けられたのでありますが、これについての資料、「閣僚会議決定」というのがございますので、この二つの資料をできれば直ちに配付をしていただいて、これらをもとにしながら質問をさせていただきたいと思います。
○委員長(吉田実君) ただいまのを配ってください。
   〔資料配付〕
○岩動道行君 そこで、時間もございませんので続けてまいりますが、まず、この中身についていろいろ議論をしてまいりますと大変な時間が必要でありますが、その中身に入る前に、この長期エネルギー需給暫定見通しなるものの性格について伺っておきたいと思います。改めて、後で通産大臣が見えますれば大臣からも伺いたいと思いまするが、これは見通しということになっております。見通しというのは一体どういうことなのか、その性格を明らかにしていただきたいと思うのであります。
 つまり見通しということになりますと、われわれの常識から言えば、これはこうなるであろう、こういう予測みたいなものであって、そこには政策も計画も目標もないというような印象を受けるのでございます。しかしながら、日本のエネルギー問題をこのような見通しに基づいて行っていくということになるならばまことに恐るべきことではないだろうか、まことに寒心にたえない、こういうように私は感じるのでございます。なぜ計画にされなかったのか、私はその点について政府のお考えをまず伺っておきたいと思います。計画にして、そして政府としてはこういうふうにするのだ、こうしたいのだ、こうすべきだ、それだけの意気込みを持って日本のエネルギー政策を推進しなければ、私は国民に対する責務を果たし得ないのではないか、かように考えるのでございまするが、どういうふうなお考えであるのか、この点を伺いたい。
 大体目標というような考え方もあるわけでございまするが、目標ということになるならばどういうことなのか、この辺をあわせて、この見通しについての基本的な性格をまず政府側から伺いたいと思います。
○国務大臣(長田裕二君) ただいまの見通しの問題につきましては通産省側から御答弁申し上げたいと思いますが、最初に、後ほど通産大臣からも申し上げるかもわかりませんが、エネルギー問題についての心構えについて厳しい御批判がございましたが、私ども日本のエネルギーの七五%を占めております石油が長期的な見通しからも先行き必ずしも明るくない、当面の問題としては量の入手並びに価格の問題で非常に厳しい情勢にある、そういう認識を背景にいたしまして、先ほどもお答えしておりますように多彩のエネルギー開発の問題を進めておりますし、あるいはまたその中の最も中心となるというふうに考えております原子力の開発につきましても取り組んでおりますが、あえてことさらに玉虫色的なような中腰で臨んでいるということではなくて、安全の問題等についての十分の留意は払いながら、しかしこの安全という問題は原子力開発の推進に及び腰ということではなくて、原子力開発をしっかり進める上においての大事な前提条件だ、そのような意味合いにおきまして安全の問題をきわめて重視しておるわけでございます。全体としては関係当局を通じましてしっかりした腹構えで取り進めている、そのように思う次第でございます。
 なお、これにつきましては後ほど通産大臣からもお答えがあろうかと思います。
 見通しにつきましては関係当局から御説明申し上げます。
○政府委員(古田徳昌君) 長期エネルギー需給暫定見通しは昨年の八月末に通産省の総合エネルギー調査会で出された報告でございまして、これにつきましては、昨年初めのイラン政変後の急変しました石油情勢を踏まえ、かつ東京サミットにおきます合意等も前提としまして国際的な責務を遂行する、さらに中長期にわたりますエネルギーの安定供給を確保することを目指したものでございますが、その性格は、官民挙げての最大の努力と協力を前提としたものであるということで、一つの努力目標ということではないかというふうに私どもは現在考えております。なお、現在、石油代替エネルギーの開発及び導入の促進に関する法律案を国会に提出させていただいておりますが、この法律案を可決していただきましたならば、この法律に基づきまして長期的な代替エネルギーの供給目標を通商産業大臣が公表するということで、それも閣議の決定を経て公表するという形をとりたいと考えております。
○岩動道行君 国際的なサミットによるいろいろなターゲットが出てきたりしておりますから、そういうことを踏まえての努力目標とおっしゃいますが、一体努力目標ということで国民を引っ張っていくことができるでしょうか。七カ年経済計画というものがございますね。それとの関連からこれは生まれてきてもいると思うのです。したがって、国民総生産、GNPをどういうふうにするかということでは、たとえば、ここに七カ年計画に関連した「需給見通しの概要」というあなたの方でつくられたものがあるのですが、経済成長率は、五十二年から六十年までは六%弱、六十年度から六十五年度までは年率五%程度、六十五年度から七十年度までは年率四%程度で推移する。そういう場合に昭和六十年度においては六億六千万キロリットル程度の石油換算エネルギーが要る、六十五年度においては八億二千万キロリットル、そして昭和七十年度においては九億七千万キロリットル程度のエネルギーが要るのですと。そしてあと節約やなんか入ってきますから、この数字はこの表でも若干別の数字が二段構えで出ております。しかし、そういう大きな国民経済がこのような一つの目標を持って、あるいはそういう計画で、人口の増、国民生活の向上、そして産業の発展、こういうようなことを達成しなければならない日本の立場というものがあるならば、これに向かって、単なる努力目標ということでよろしいのかどうか、見通しということではもちろんいけないと思います。私は計画にしていただきたいと思います。そして、その計画に向かって、具体的に年次別に原子力はどうやるのか、水力はどうなるのか、石炭はどうするのか等々を、具体的に年次別の計画をし、しかし、それは国際情勢の変化、いろいろございましょうから、年々見直すということは結構であります。そういったような、もう少しきめの細かい具体的な計画を持ってお進めになっていくのが国民の合意を得る上にも大事ではないだろうか、かように考えますが、この点について……。次長から伺っても同じような答弁しか出ないと思うから、これは後で大臣に伺いましょう。私の考えだけを申し上げておきます。
 時間もありませんので、答弁の方も簡潔にお願いしたいと思いますが、そこでこの中身、項目を一々やっていると大変なんですが、まず水力についても六十年度で二千二百万キロワット、六十五年度二千六百万キロワットというふうな数字が出ておりますが、果たしてこれが実現可能であるのかどうか。いろいろ疑問が起こっており、かつまた九電力等を中心とした電気業界においても首をかしげているような数字であることは政府側も十分に承知のところだと思います。ことに、小水力にかなりウエートを置いて考えており、またそのようなことを推進する議員のグループもおることは私も承知いたしております。しかし、五千キロワットぐらいのものを全国でどれだけ、何百おつくりになるかわかりませんが、これだって水資源を活用する意味においてはもちろんやらなければいけませんけれども、果たしてそれだけの水が確保できるのかどうか、安定的なそういう供給源になり得るのかどうかという点においても非常に問題があるし、あるいはまた、いま百万キロワット単位で発電所が建設されなければ投資の効果も上がってこない。そういうときにこのような小水力、経済性を無視してももちろんやらなければいけない面も出てくるでしょうが、そこにも大きな問題が存在する。したがって計画どおりいくかどうかということについての疑問があるということを申し上げておきます。答弁は要りません。
 地熱についても同様であります。いま、ここには五十二年度の数字しか出ておりませんが、現在地熱については何万キロワットのあれになっておりますか、ちょっとそのままでいいから出してください。
○政府委員(安田佳三君) ただいまの段階におきましては、地熱発電は六カ所で十五万キロワット程度でございます。
○岩動道行君 いま十五万キロワットというと、表には五十二年度の実績で十五万キロワットとありますね。六十年度との間に、八年間に地熱発電は全くふえないということになりますか。
○政府委員(安田佳三君) 長期エネルギー需給暫定見通しにおきましては十五万キロリットルになっておりますが、そのうち地熱発電分が六カ所でおおむね十五万キロワットということでございます。最近そんなにふえてはおりません。
○岩動道行君 今度新エネルギー総合開発機構ができて、そこでは地熱開発については大変な力を入れようということになっておるわけでございますが、そしてまた新しく地熱開発に参加をしようという企業もふえてきていることは大変喜ばしいことだと思います。しかしながら、これもいろいろな問題があることは御案内のとおりであります。開発をする人と、そのでき上がった電力を使用するといいますか、供給する側との関係は必ずしもうまくいっているとは思いません。立地の問題もございましょう。そして、先ほど言ったようにせいぜい地熱発電でいま最大のものが岩手県の葛根田の地熱発電所でありますが、これが五万キロ程度です。今後、大きく見ても十万キロワット程度のものができれば上々ではないだろうか。そうなってまいりますると、これは先ほど申したように何百万キロワットというものがふえていかなければいけないということを考えますと、この地熱発電に力を入れるなとは申しません、どんどんやって、そしてローカルな需要にこたえていく。あるいはその熱水を利用するとか、多目的な活用というものは当然やっていかなければなりませんが、電力の供給源として考えた場合には、これに余り国民の期待をかけさせるような、幻想を抱かせることは私は避けなければいけないのではないか、この点についての政府の十分な配慮が必要ではないだろうか。そしてまた、探査の方法等も、今後新しい技術を導入してやりますが、まだまだ日本の場合は未熟でございます。
 かつて、私は日本の最初の地熱発電所であった岩手県松川の発電所の開発に協力いたしたことがございます。そのときに、新技術開発事業団でしたか、そこから融資をしてもらう話を科学技術庁に持ち込んだのでありますが、当時は地熱発電のそういう探査というものは何も新技術ではないのだ、銅山や金山を掘るのと同じことなんだろうから、そんなものは新技術ではないから金を出すわけにはいかない、こういうことでにべもなく断られた経験がございます。そこで、私はいろいろな技術者と話をいたしまして、とりあえず、イタリーであるとかニュージーランドであるとか、その他の地熱発電をやっておるところにさらに研究にやらせて、そうしてこれはそのマグマにある熱源というものをどのようにして探して、どのようにしてこれを間断なく恒常的な熱源として利用できるのかということについては非常にいろいろな技術が必要である、研究も必要であるということで、ようやく新技術開発事業団の資金が出て、そうして松川の地熱発電所ができ上がったという経過がございます。
 そのようなことを考えてみまするならば、まだまだ日本で地熱発電に対する認識も不十分であれば、また技術的にも未熟な点が多々あるわけでございます。これらについては今後新機構において十分な対策を講じていくことは期待できるわけでございまするが、かといって、これが日本のエネルギーを救う救世主であるというような考え方でいくならば、これもまた国民の考え方を誤らせてしまうものである。もっともっと大きな、大事なエネルギーというものの根源を確保しなければならないということで、私は、地熱発電を進めることは結構でございまするが、それだけに国民の目を奪わせるようなことのないような配慮をしながら進めていただきたいということ、この点についても申し上げておきたい。
 それから石炭でございますが、石炭につきましても、燃料用の一般炭というのが六十年度には二千二百万トン、六十五年度、十年先には五千三百五十万トンを予定いたしております。これだけの石炭を海外から持ってこなければいけないということになりますと、一体これの輸送の手段はどのように配慮されて十年後にはこのような数字が確実に実現されるのか。あるいは埠頭施設の問題、コールセンターの計画もあります。それの予算もつけられております。私どももそれには積極的にそのような国の対応策をお願いしてまいってきておりますが、果たしてそういう船の手当て、あるいは埠頭設備の問題、あるいは石炭輸出国における対応が十分にできているのかどうか、この辺についても非常に疑問がたくさん残っているのであります。そこで、この点については運輸省に伺っておきたいのですが、船舶の手当て、埠頭に対する設備計画等は現在どこまで具体的な計画をお持ちになってこの数字に合わせられるような対応策が講じられているのか、簡単にお答えいただきたい。
○説明員(大塚秀夫君) 船舶の手当てでございますが、いま外航海運の整備に関しましては、開銀融資を中心とする計画造船制度というものを対象に私ども整備に努めておるわけでございます。
 現在、石炭につきましては、石炭専用船の他、鉱石と石炭を兼用で運ぶ船、あるいは一般のバルクキャリアといったもの、いろいろな船種の貨物船で運送しておりますが、今後とも石炭需要の増大に対しましては計画造船制度の充実強化ということで対処していきたいと考えております。
○岩動道行君 あたりまえの役人答弁だから承っておきます。それではとてもこの計画は実行できない、だから見通し程度になっているのだ、こういうふうに逆に解釈せざるを得ない。これは政府・与党の立場で私は考えているのじゃない。日本国民の立場で真剣に考えなければいけない。これは野党の委員の皆様方も私は同感だろうと思うのです。政府を責めるだけでなくて一体となってやらなければいけない。こんないいかげんな答弁でこれができると思いますか。問題だけを申し上げておきます。
 それから「新燃料油、新エネルギー、その他」というところで、これは丸谷委員も指摘されたところでありますが、六十年度で石油換算五百二十万キロリットル程度、その程度の新エネルギーができますよと。見通しがそのとおりになるならばまことに結構。しかし、これは非常に困難というよりも不可能とすら私は言わざるを得ない。ましてや六十五年度五・五%、こんなことは思い上がりというか、余りにもでたらめだと言いたい。世界的に見ましても、その点では非常に日本は過大な数字をここに盛っているのですよ。
 ある権威ある外国の調査、見通しによりましても、一九九〇年、つまり昭和六十五年、これは共産圏を除いていますが、そのときの世界のエネルギーの供給予測が出ております。ひとつ参考として申し上げますと、石油が一九九〇年、大体そのときの世界のエネルギーの需要量はどれくらいかという予測がまず最初にあるわけでありますが、おおむね一億三千万バレル・パー・デー。それの内訳を予測いたしておるのが、一九九〇年、六十五年で石油が四五%、ガスが一八%、石炭が二〇%、原子力七%、水力その他八%、そうしていわゆる新石油、つまり新エネルギー、石炭液化であるとかタールサンドとかオイルシェールとか、そんなもの、それが二%です。二〇〇〇年に至って一体どうなっているのか。二〇〇〇年に至ってもこの新エネルギーの占める割合は四%です。しかも、それを供給し得る国はどこかと言えば、アメリカ、カナダ、ベネズエラ、ブラジル、その他、こうなっております。大きなところはアメリカ、カナダ、そういったようなところなんです。ですから、紀元二〇〇〇年のときでも四%程度しか国際的な権威のある調査機関では見ていない。これは正しいということは言えないかもしれないけれども、一つの参考の数字として私どもは注目してもいいと思うのです。そうしますと、四%のうちでその大部分がアメリカで――つまり、これは石炭の液化とかなんか、そういうことなんですよ。石炭の液化についても後で触れますけれども、これはほとんどアメリカとか、あるいは石炭のあるオーストラリアであるとか、あるいは近くで言えば中国であるとか、やがてはドイツも相当の石炭資源を持っていますから、そういうところがそういうものを分担してやることになるでしょう。日本は残念ながら石炭がないのですよ。あるとすれば、何千メートルも深いところへ入って掘らなければいけない。そこに働く人は少なくなって、どんどん減っている。炭鉱災害は絶対に今後起こしませんと言いながら次々と爆発事故で大きな被害を与えている。日本の場合には石炭に重点を置いてやっていきたい、あるものは活用したい。自前のエネルギー資源だから活用するのは当然であります。しかし、これも国内炭は二千万トンぐらいしかどんなにがんばっても供給できない、活用できない、そういう実態なんです。したがって、石炭液化の問題も日本は技術的にはある程度進んでいる。そして、それは国際協力によってやろうということで、アメリカにその点では協力をしている。アメリカでは先般新しいプラントをつくった。それには日本も参加してやっています。しかし、このアメリカの石炭液化の事業も一九九五年くらいにならなければ本当の生産が始まらないのです。日本が石炭液化、石炭液化といっていま騒いでいるけれども、果たしてこれが日本のエネルギーに直接役に立つ事態があり得るのか、あるいはよその国でつくったものをどうやって活用できるのか、そこら辺の考え方が国民にはわかっていない。政府ではわかっているかもしれない。石炭液化、石炭液化といって相当の金を出している。そういうところに、私は長期計画についての国民に対する幻想を与え過ぎはしないか。われわれ国会議員も石炭液化というのはなるほどいいことだなと思って大いにやれやれと言っているけれども、一体日本にとっては具体的にどういうふうにそれが国益につながり日本のエネルギーの供給につながりてくるのか、そこら辺が余りはっきりしていない。遠いところでつくった石炭液化の燃料がまた船で日本に運んでこられるということになったら、一体コストはどうなるのか。いろいろ問題がある。向こうでつくって、それで向こうの国で使ってくれれば、それだけその他のエネルギーは日本に輸出してくれる余力ができるから、そういう意味での間接的な利益はありますよということなら話はある程度わかる。直接利用するということになるとなかなか問題がある。それならば石炭を日本に持ってきてそれを液化するということになったら、一体どれだけの石炭が要るのか。私は技術者でもないからよくわからないけれども、日産五千バレル程度の石炭の液化燃料を得るために石炭はどれだけ要るのですか。工業技術院長はおわかりだろうと思うけれども、何か九百万トンぐらい要るという話も聞いているのです。たった五千バレルの石油換算のものをつくるために何百万トンもの石炭が要るということならば、これは大変なことです。そこら辺は、われわれ技術的にもよくわかっていないけれども、どうなんでしょう。それだけでも伺わしていただきたい。
○政府委員(石坂誠一君) 手元にはっきりしたデータをいま持っておりませんけれども、いま五千バレルとおっしゃいましたけれども、五千バレル・パー・デーというのは大体八百トンぐらいの石油の量ですから、それの三倍ぐらいがかかるかと思います。――ただいま手元に資料が参りました。石炭処理量三万トン・パー・デーで液化油の生産量は大体十万バレル・パー・デーになります。
○岩動道行君 いまのはパー・デーでしょう。
○政府委員(石坂誠一君) そうです。
○岩動道行君 それでは年間に直したらどうなりますか。
○政府委員(石坂誠一君) 石炭の処理量といたしまして年間一千万トンを超える量でございます。
○岩動道行君 ですから、わずかそれだけの液化燃料をとるために一千万トンの石炭が必要だ。これは一体現実性があると思いますか。私は水をかけるつもりはない。石炭のあるところではおやりになったらいいと思う。しかし、日本の場合を考えたときに、いま日本では石炭を掘って使うというのは二千万トンが精いっぱいなんでしょう。それだけの液化燃料をつくるために外国からどれだけ要ると思いますか。これは答弁要らぬ、もうわかり切ったことなので。
 それほど非現実的なことがこの見通しの中に入っているのですよ。これでわれわれが安心して、政府の考え方でやれやれと言って、金を出してやって何だということになったら、国民に対して申しわけないと思う。税金の使い方を間違えているのじゃないかと思う。だから、国際協力は結構ですよ。それの見返りは一体どうやるのか。石炭を現実によそから買ってきて日本で液化をするなんといったらこれは大変なことだよ。石炭の火力発電をつくるだけでも、さっき言ったように政府側の体制はほとんどできていない。まして液化という問題を考えてみたならば、この狭い日本の国土でどうしてこれはやり切れますか。だから、そこら辺を誤りのないように国民にも理解をさせ、あなた方もわかっているとは思うけれども、わかっているけれども何かやっぱり新しいことをやらなければいけない、そして新エネルギーに力を入れなければいけない、それもわかる。わかるけれども限度というものがある。そこら辺は考えていただきたい。答弁は要らぬ。
 そういうようなことで、この見通しについては委員長初め委員の皆様方もある程度具体的に御理解がいただけたと思いますが、もっともっと私は深く各項目について、批判をする、だめだだめだと言うだけでなくて、どうすればそれならばこの数字を実現できるのか、実現できないならば実現できるものにこれを訂正させていくという、そういう努力を、私はこの委員会でひとつ皆様方と一緒に検討して、日本の誤りなきエネルギー政策を確立する、推進していく、こういうことにお願いいたしたいと思うのでございます。
 そこで、残ったのは原子力と石油の問題。何といっても紀元二〇〇〇年までは日本のエネルギーの大宗は石油であり、そしてあとは原子力以外にはない、その他のものは大きな増加を期待できない、こういう姿が私は浮き彫りにされてきたのではないかと思います。もっと議論すればもっとはっきりしますが、一応、時間もないから大ざっぱに申し上げますと、そういうことだろうと思います。
 そこで、問題だけを提起したいと思いますが、石油の輸入については価格がどんどん上がってきております。そこで、これは一バレル当たり一ドル原油価格が上がった場合には、これはFOBでの一ドルでしょうから、CIF価格でどれだけになるのか。そして年間、一ドルで外貨支払いがどれだけ追加支払いとしていかなければいけないのか。そして最近の数字において、年間、原油並びに製品の輸入、さらにLNGを加えて総額で幾らの輸入を日本はしているのか。そしていまのように価格が仮に一ドル上がった場合には幾らの追加支払いが必要になってくるのか。それによって日本の貿易収支、経常収支、国際収支はどのように影響を受けるのか。過去一年で三百億ドルを超える外貨準備が二百億ドルそこそこに減ってしまっております。それは円安の原因もありましょうが、大部分は原油の価格高騰によるものであったと思います。
 そこで、外貨準備がそのように減ったこと、これはいろいろな観点から外貨準備は考えなければなりませんが、果たして日本は、今後こういう高い油を従来どおりの輸入計画に基づいて支払いができるのかどうか、そこに不安なきや否や、この点をひとつこの機会に政府に伺っておきたい。
 そしてまた、あわせて質問しますが、そのようなことから大体七カ年経済計画というものが逆にエネルギーの面から崩れてこないのかどうか。いまのところは何とか保っているけれども、今後、経済計画自体もエネルギーを基本としてつくられたと言っても過言でない中期計画でありまするから、そこら辺との関連について、時間もありませんから簡潔にひとつ……。
○政府委員(志賀学君) それでは、私から、まず石油の価格がバレル当たり一ドル上がったときにどうなるか、そういった石油の関係の数字についてお答え申し上げます。
 昨年のわが国の原油を含む石油の輸入量というのは大体五百四十万バレル・パー・デーでございます。これは年間に直しますと大体二十億バレルということになるわけでございます。したがいまして、これが一ドル上がりますと、石油の関係でおおむね二十億ドルの増加になるということでございます。
 それからLNGの価格をどう見るかということはなかなか換算の関係でむずかしいわけでございますけれども、仮に熱量換算でスライドする、原油が一ドル上がったときに、それに熱量換算でスライドするというふうに考えますと、大体一・一億ドルの追加支払いということになるわけでございます。したがいまして、両方合わせますと、原油が一ドル上がることに伴いまして年間約二十一億ドルの追加支払いになるということでございます。
 それから昨年の石油関係、それからLNGの輸入金額でございますけれども、石油の輸入金額は三百八十億ドル、LNGで約二十億ドル程度ということでございます。現在の石油のCIF価格は、本年の一月におきまして二十九ドル二十という程度でございますけれども、恐らく現段階におきましては三十ドルをやや上回る程度というふうに考えるわけでございますけれども、これを仮に三十ドルというふうに置きますと、石油関係で約六百億ドルの支払い。したがいまして、昨年の実績三百八十億ドルに比べますと約二百二十億ドルの追加増ということになるわけでございます。その場合にLNGの支払いがどうなるかということでございますけれども、これもやや目の子でございますけれども、恐らく輸入量を同じというふうに考えますと、追加支払いとしては大体十億ドル程度ではなかろうかというふうに思います。したがって、三十億ドル程度になるのではないかというふうに思います。
○岩動道行君 簡単にやってください。時間がないから数字だけでいい。
○政府委員(戸田博愛君) 経済企画庁でございますが、先生も御案内のように、新経済社会七カ年計画は、完全雇用の達成あるいは国民生活の充実を図るためにある程度の安定した経済成長を確保するという、そういう中身のものでございますが、ちょうど作成しております過程に東京サミットがございまして、日本の六十年度の輸入目標が六百三十万バレル・パー・デーから六百九十万バレル・パー・デーというふうに決められたわけでございます。当時作業をしております段階でわれわれは六百九十万バレル・パー・デーということを想定いたしておったわけでございますが、東京サミットの結果そういうことでございますので、経済審議会の中で急遽特別の委員会をつくりまして、六百三十万バレル・パー・デーでも当初想定したような経済成長が可能かどうかという検討を行ったわけでございます。先生も先ほど御指摘のように、非常に困難な、非常にむずかしい問題ではございますけれども、官民挙げての努力があるならばそれは可能であろうというのが経済審議会の専門家の先生方の結論だったわけで、そういうことで新経済社会七カ年計画ができたわけでございます。現在六百三十万バレル・パー・デーの輸入量が努力目標ということになっておりますので、現時点において石油情勢から計画を見直していかなければならぬ、あるいは改定しなければならぬという状況にはないというふうには判断しておりますが、先行きは非常に不透明でございますし、かつまた不確実な状況もございますので、十分そういう情勢の変化に対応して弾力的な計画の実施ということを考えていきたいというふうに考えている次第でございます。
○説明員(大橋宗夫君) 先生御指摘のように、石油価格の上昇によりましてわが国の国際収支が赤字を続けておることはそのとおりでございますが、このような赤字につきましては、そのまま外貨準備の減少につながるということではございませんで、基本的には輸入ユーザンスの増加、その他民間部門の借り入れ増加を通じてファイナンスされていくものというふうに考えております。
○岩動道行君 適当な場でないし、時間がないからその程度にしておきます。
 時間もありませんので一方的な話になってしまいますが、石油の確保についてはいろいろむずかしい問題があるので、また大臣が見えたらお話をいたしますが、すでにクウェートは減産宣言をしてしまった。二五%減産。年間にすると恐らく一日当たり三十万バレルくらいの減産。このように産油国の原油生産に対するいろいろな考え方が大きくどんどん変わってきているわけで、いわゆる資源の温存、そして工業化の方も余り急速にはやらないといったようなそういうビヘービアが出てきている。そういう中でありまするから、石油の数量確保ということは価格の面と同様に非常にむずかしい事態になってきている。したがって資源外交を大いに展開しなければならない。この点については後ほど大臣が見えてから申し上げたいと思います。
 そこで、石油は、何といっても、この見通しによっても十年先五〇%は必要である。とてもそれだけに抑えることができるかどうかも疑問である。したがって、新しいエネルギーといって血道を上げるのも大事だけれども、石油の確保ということについてはもっともっと政府は一体となり国民外交も展開していく。そのためには中東問題についても日本の役割りを十分に果たしていく、こういう姿勢が必要だろうと思うのであります。
 さて、石油に次ぐエネルギー供給源は原子力である。これはまた大臣が来たときに、通産大臣とあわせて伺いますから省略いたします。ただ、原子力エネルギーというものは非常に大事なものであって、これは強力に進めなければいけない。大臣の先ほどの御答弁にもありました。所信にもありましたが、一生懸命これはやらなければいけない非常に大事なエネルギー源であるということを申し上げるだけにとどめておきます。
 そして次に、具体的に積極的にエネルギー源を確保するということとあわせて節約ということが逆の意味においてエネルギーを確保することにもなる。それで七%の節約、二千万キロリットル、これは大きいと思います。そのための施策、そしてさらに見通しでいくならば、七十年には一七%ぐらいを節約しよう、こういう考えのようですが、相当の努力をしなければならないし、これは民生用にも相当のウエートをかけなければならぬけれども、産業の分野においてはそれぞれが経営努力をやって成果を上げておりますが、さらにボイラーであるとかその他のいろいろな機器の開発改善、これに対しては政府はもっともっと助成をしながらやっていかなければいけない。住宅の問題あるいはビルの問題等もございますが、やはり大きいのは産業用である。その産業用に対しては熱効率を上げるためのいろいろな工夫が必要である。これに対しての政府の助成、これは補助金を出すということも考えられますが、税制上の特別措置というものはやはり考えなければいけない。五十五年度の予算編成に当たって、私どもは税制改正の面において、租税特別措置はいろいろな面においてその対策を講じて不要なものをできるだけ削ることにいたしましたが、エネルギーに関する部分は従来の減税、特別措置はこれを堅持する、あるいは新しい項目を加えるというような対策を講じてまいりましたが、今後とも私どもはこういうことについてはこの委員会においても十分に将来を考えたそういう財政上の助成措置というものを考えていかなければならない。このことを政府側にも申し上げておきたいと思います。
 そしてまた、たとえば長距離のトラック輸送を鉄道輸送に切りかえる。いろいろむずかしい問題がありましょう。あるいは国鉄自体に受け入れの能力があるかどうかという問題もあるかもしらぬけれども、これらについても真剣に検討していただきたい。いま答弁をいただく時間がありませんから、また別の機会にそのような問題についても議論を展開させていただきたいと思います。
 そして最後に、時間もありませんから終わりますが、備蓄の問題について申し上げておきたい。
 現在、IEAの申し合わせによって九十日が一つの目安になっておりますが、日本の場合には、国家備蓄を入れて百十日から百二十日ぐらいのものがあるようでございますが、これをどう考えるのか。政府は西欧並みの備蓄で考えていきたいという考えのようでございまするが、西欧並みということはなるほど常識的にうなづけるような言葉ではございまするが、西欧並みということは日本には通用しないと思います。ヨーロッパの場合には石油供給基地が近いのです、アフリカであるとか。あるいはイギリスにおいてはみずから石油を持っており、さらに輸出国にもなろうとしておる。アメリカも近い。いろいろな意味においてヨーロッパと日本とは地政学的に大きな差異がございます。したがって、私は、日本の場合の備蓄ということは、東南アジア、インドネシアあるいは中国という近いところのものは十分に確保しなければならないけれども、やはり大部分を中東に依存している。そういう場合に備蓄は私はもっとふやさなければいけない。言うならば、私は百八十日、それぐらいのものを持って、いざというときにも三カ月や四カ月は混乱なしにしのいで、日本国民の経済、国民生活を混乱に陥れないでやっていく。それだけの準備を私は日本としてはやらなければいけない、かように考えておるわけであります。
 そしてまた、その備蓄の中にはユーザー備蓄ということもぜひ積極的に取り入れていただきたい。いろいろな利害関係があるようでありまするが、それらを乗り越えて国家的な課題としてこの問題にも取り組んでいただきたい。大きな電力会社、鉄鋼会社等は相当の土地を持っているから、新しく石油基地をつくるよりははるかに企業内の土地において備蓄の可能性が出てくる。トラブルなしに行い得る、そういう利点もございまするから、ぜひユーザー備蓄ということも考えていただきたい。
 さらにまた、灯油等の民生用の油については、自治体備蓄というようなことも検討に値するのではないか、かようにも考えておりますので、これらの点についても政府において十分にお考えいただきたい。
 まだいろいろ、エネルギー問題でありまするから申し上げたい点は多々ございまするが、とりあえず、きょうは総括論として以上で終わらせていただきます。
○中尾辰義君 私は、三十分しかありませんので、主として電力問題につきましてお伺いしたいと思います。
 その前に、いま御質問がございました長期エネルギー需給暫定見通しにつきましては、全く私も同感でございまして、政府の答弁を聞いておりますと、まさしくこれは昭和六十五年の石油依存率を五〇%に引き下げることを内容として、しかも東京サミットでわが国の石油輸入量を抑えられたために無理してつくったような見通しの案じゃないか、こういうふうに思うのですが、そういうことを政府に答弁せよと言っても無理でございますので、大体そういうところで理解しておきますが、電力に関係のある石油の問題だけ一点お伺いしておきますが、これは見通しですけれども、輸入石油は、五十二年度は三億七百万キロリットル、六十年度は三億六千六百万キロリットル、六十五年度、七十年度はそれぞれ三億六千六百万キロリットルになっておりますが、この見通しはイラン政変の前につくった、こういう答弁でしたが、現実にいまの時点で考えられて、しかもことしの輸入目標が大体二億八千万キロリットル、こういうようなことから考えてどうお考えか、その辺をまずお伺いしたいと思います。
○政府委員(志賀学君) この暫定見通しに書いてございます六十年度以降の三億六千六百万キロリットルと申しますのは、東京サミットで合意ができました一九八五年の輸入目標六百三十万バレル・パー・デー、これを年間に引き直した数字でございます。先生おっしゃいますように、この三億六千六百万キロリットルが確保できるかということは、非常に今後の世界の原油の生産状況を考えます場合に、確保いたしますために相当な努力が要るというふうに存じております。そのために、私どもといたしましては、産油国との経済協力関係を含めまして、外交関係を密接化していくとか、あるいは現在八割近くを中近東に依存しておるわけでございますけれども、これをアジア地域を中心といたしまして、供給先の分散化を図っていくとか、あるいはメジャーからの供給が落ちてきておりますけれども、そういう点につきましてDDあるいはGGといった面での拡大を図っていく。さらには自主開発原油の拡大というものに努力していく。非常にいろいろな多方面におきます努力が必要であるというふう思っております。
 ただ、一九八〇年、ことしでございますけれども、IEAにおきまして、一九八〇年、それから八五年、九〇年、こういった各年につきまして石油の供給見通しというものをやっております。ことしにつきまして申しますと、IEAの見通しでは五千百三十万バレル・パー・デーという数字を一応の供給見通しとして出しておりますけれども、これに対しまして、日本の輸入量といたしましては、これは一九八〇年の輸入のシーリングということで五百四十万バレル・パー・デー、これが日本の輸入量というふうに承知しておりますけれども、これのシェアが大体一〇%強でございます。これに対しまして、一九八五年につきましては、IEAの供給量の見通しというのが五千八百六十万バレル・パー・デーということになっておりまして、その場合に、日本の輸入目標といたしまして六百三十万バレル・パー・デーというのがございます。これも大体一〇%程度ということで、そういう単純なシェアでもって議論するというのはややいかがかというふうに思いますけれども、そういう面では一応努力次第では確保できるというふうに私どもとしては考えております。
○中尾辰義君 それじゃ、電力の値上げの問題につきましてお伺いしたいと思うのですが、まず、時間がないので要点をちょっとお伺いしたいと思います。
 関西電力の料金の値上げ申請、これが五九・八%、これは電力八社の平均が六四・四でありますから、かなり下回っておるわけです。これは御存じのように、原子力への依存度が高いからと考えられるわけですが、火力燃料について見れば、平均消費価格は、原油の場合をとると一キロリットルが七万千二百八十六円、一バレル当たり四十七ドル、こういう数字になっておりまして、八社の中で最も高くなっておるわけですが、どういうわけで関電の方は高い石油を買うことになっているのか。その辺いかがでしょう。
○政府委員(安田佳三君) 原油の消費価格につきましては、産油国のFOB価格、そのほかにフレート、保険、国内諸経費などによって構成されているわけでございますが、FOB価格につきましては、これは各社によって先行きどのくらいの値段になるだろうかという見通しが若干違っておるようでございます。また原油そのものにつきましても、その原油の品質によりまして、たとえば硫黄分の高い低い等の品質によりまして格差がございます。また輸送費につきましても地域差がございますので、そういうことで各社の申請消費単価というものは差異が生じているように思われます。関西電力の消費価格が一番高くなっているというふうになっておりますのは以上のような要因によると考えられますけれども、ただ、関西電力にありましては、原油FOB価格の先行きの見通しにつきまして他社より相当上昇するという上昇幅、これを高く見積もっているというような事情によるものではないかというふうに考えております。
○中尾辰義君 そうしますと、バレル単価が各社がばらばらになっているのは、各社ごとに今後の石油の値上がりがどういうふうになるのか、その見通し自体もちぐはぐである、こういうふうに理解していいのですか。
○政府委員(安田佳三君) この申請は、各社がそれぞれ自社の立場から使用する油の種類その他の状況を勘案いたしまして先行きの見通しを立てたものでございますので、必ずしも同一の予想とはなっておりません。
○中尾辰義君 そうしますと、最近の原油の輸入価格ですが、CIF価格で一バレル三十ドル程度、こういうように聞いておるわけですが、今後石油の輸入価格はどういうような推移をたどっていくだろうか、政府のその辺の見通し、これはむずかしい点ですが、いかがですか。また、この席上で、電力の料金にも関係もあるのであるいは答弁しにくい点もあろうかと思いますが、参考までにお伺いしておきます。
○政府委員(志賀学君) お答え申し上げます。
 昨年の十二月のOPEC総会の前後から、御案内のように各産油国におきましてGSPの値上げが相次いでおるわけでございます。現在のそういった公式販売価格などを織り込んで考えますと、恐らく現時点におきまして大体CIF、バレル当たり三十ドルを若干超える程度ではないかというように考えられるわけでございます。これがことしどうなるかということは、先生もおっしゃいましたようにはなはだむずかしい問題でございます。ただ、IEAの見通しによりますと、一九八〇年の世界の石油の需給につきましては、若干供給が需要をオーバーしておるということで、一応ことしの世界的な石油需給というのはバランスを保つであろうという見通しがございます。そういうことなどを考えますと、非常にむずかしい問題でございますけれども、ことしの石油の価格につきましては少なくとも昨年のような値上がりというものはないだろうというふうに考えております。
○中尾辰義君 そうしますと、この原油の価格の査定に当たりましては、査定時にすでに確定している値上げ分については積算に入れるが、これから先の未確定の将来の値上げの見通しにつきましては料金算定に入れることを認めないというふうに聞いておりますが、通産省の見解はいかがですか。
○政府委員(安田佳三君) 今月一日に認可いたしました北海道電力の燃料費の査定に当たりましては、査定時点において判然といたしております価格をベースといたしまして、その後の石油の値上がりはないであろうという想定のもとに認可をいたしたところでございます。
 現在申請が出ております電力八社の燃料費につきましては、今後査定の時期までにその後の油の状況等につきまして十分検討の上定めてまいりたいというふうに考えております。
○中尾辰義君 そうしますと、いま関電の油の購入価格が一番高いじゃないかと私は言ったのですが、これなんか多少ちぐはぐになっておりますけれども、先高の見通しも入っておるわけですから、当然それはかなり削られる、こういうふうに理解してよろしいですか。
○政府委員(安田佳三君) 現在時点におきます将来の燃料の価格の見通しについては、ただいま石油部長が答弁したとおりでございますが、この電力八社の、特に関西電力等の燃料費の見方につきましては、そういう見方も含めまして査定時点まで検討いたしたいというふうに考えております。
○中尾辰義君 次に、関西電力は重油の価格、五十五年度購入につきましては一キロリットルが七万一千六百七十五円を計上しておるわけですが、現在の重油の価格、これは石油製品相場の新聞もありますけれども、これを見ましてもかなり安いようですね。一キロが四万六千円というのもあるわけです、これはハイサルC重油ですけれども。もちろんローサルの方は若干高いでしょうけれども。こういう相場から見ましてもかなり高く計算をしてあるように思うのですが、その辺いかがですか。
○政府委員(安田佳三君) 重油価格につきましても、その重油を製造するもととなります石油につきましていろいろな値段の見通しの問題があろうかと思います。したがいまして、この申請値につきましては、原油の価格と同様な観点から精査いたしてまいりたいというふうに考えております。
○中尾辰義君 いま重油は元売り渡しで一キロどのくらいしていますか。あるいは卸、小売でどのくらいになっていますか。
○政府委員(志賀学君) ちょっといま手元に資料がございませんので、はなはだ申しわけございませんが……。
○中尾辰義君 それじゃ、後で資料を出してください。
○政府委員(志賀学君) はい。
○中尾辰義君 次に、減価償却費の件につきましてお伺いしますけれども、中国電力と関西電力、まず、この二つを例にとりまして、定額法から定率法へ改めよう、こういうふうな申請ですけれども、すべての設備につきまして定額法で算定をした場合には幾らぐらいになるか、定率法にした場合には幾らになるか、五十五年度の場合です。両者の計算による差は幾らぐらいになるのか。その辺、具体的にひとつ説明してください。
○政府委員(安田佳三君) 関西電力につきましては、全部定率にいたしますと二千四十億円の償却費がかかるということでございます。これが定額でございますと千三百八十四億円でございまして、その定率、定額の差額は六百五十六億円になります。
 中国電力の場合におきましては、全部定率の場合におきましては六百九十八億円、定額の場合は四百二十五億円でございますので、その定率、定額の両者間の差額は二百七十三億円ということになります。
○中尾辰義君 ただいま数字をお伺いしたわけですが、かなりの差額があるわけです。その差額だけでも、定額法にすれば原価がかなり安くなるわけですが、通産省はどうお考えになっているか、その辺のところを伺いたい。これは、こういう物価高のときにあえて定率に切りかえる必要はないのじゃないか、こういうふうに考えるのですが。
○政府委員(安田佳三君) この償却方法につきましては、昨年三月に、電気事業審議会の料金制度部会におきまして各電力会社の実質的な償却不足をながめますときに定率償却を導入すべきであるという答申をいただいております。ただ、その審議会におきましても、定率制を一挙に導入いたしますと料金面における影響がきわめて大きいということを考慮いたしまして、段階的に導入したらどうかという中間報告をいただいているところでございます。しかしながら、この定率制の導入につきましては各方面からいろんな御意見をいただいておるところでございます。そういう御意見も含めながら、これはどういうふうに取り扱っていくかということを今後慎重に検討させていただきたいというふうに考えております。
○中尾辰義君 あなたには答弁できないでしょう。また、後で大臣にお伺いします。
 それから次に、電力会社の事業報酬、これは有効資産の八%というふうになっておるわけであります。この中には株式の配当もございますし、支払い利息、こういうものにも充てられておるわけですが、これは有効資産の八%でありますから、有効資産のとり方によってこの八%が多くもなれば少なくもなる、こういう勘定になるわけですが、そこで電力会社は、資産の建設中の発電所――まだ稼働をしていないのですよ、これは。いま建設の最中にあるものあるいは稼働してない設備についてもその二分の一を有効資産に算定しておる。こういうふうになっておりますが、これなんかは当然、稼働していない施設ですから事業報酬の資産の対象から外すべきじゃないかと思うのですが、いかがですか。
○政府委員(安田佳三君) 建設中で使われていない資産を事業報酬の対象とすることにつきましては、これらの資産は需要に見合って建設されているものでございまして、将来の供給力といたしまして電気の安定供給の確保に不可欠のものでございます。したがいまして、これにつきましては事業報酬の対象とすることが妥当だというふうに考えているところでございます。ただし、建設中資産の査定に当たりましては、それが本当に真実かつ有効な資産であるかどうかという点につきましては、特別監査を行うとか、その他各方面から十分に精査いたしまして、厳正かつ慎重に審査してまいりたいというふうに考えております。
○中尾辰義君 理屈になるかしれませんけれども、今度の申請はこれから向こう一年間の分でしょう。一年の間にこれはできないですよ。先あと何年かかるかね。先は先のことで、一年分の値上げ申請でありますから、当然、私はこういうものは事業報酬の資産の対象から外すべきだと思うのですが、いかがですか。
○政府委員(安田佳三君) やはり電力会社といたしましては、電気の安定供給の責任を持っております関係上、将来の需要に対して現在時点においても手当てをすることが必須でございます。そういう観点から、やはり現在時点において使われていない資産でありましても事業報酬の対象とすることが妥当だと考えておりますが、ただ通常の、すでにでき上がっている資産と違いまして、先生御指摘のように現在稼働しておりません。したがいまして、その点を勘案いたしまして、建設中の資産につきましては、その半分を事業報酬の対象とするということで取り扱っているところでございます。
○中尾辰義君 次に、電力会社の株式配当、これも問題になっておるのですが、一〇%計上しておるわけでありますが、これなんかも八%程度でいいのじゃないか、こういう議論もあるのですが、これを仮に二%減らした場合にどのぐらい原価が安くなるのか、法人税はどうなるのか、その辺はわかりませんか。また八%という議論に対して通産省はどういうふうなお考えを持っていらっしゃいますか。
○政府委員(安田佳三君) 配当率を現在出ております一〇%から八%にした場合どの程度下がるかという点につきましては、計算をした結果を手元に持っておりませんので、これにつきましては、後ほど先生に何%になるかを御連絡させていただきたいと思います。
 それから一〇%でなくて配当率を下げたらどうかというような御意見につきましては、電気事業者はやはり電気の安定供給の責任を負っております関係上、どうしてもその資産を建設する必要がございます。さらに、電気事業は非常に資産をたくさん持っている業種でございます。そういうことを考えますと、やはりその設備を増強するための投資をいたさなければなりませんし、その投資を行うための資金を確保する必要があるわけでございます。そして、その資金は、現在最も大きなものといたしまして社債に頼っておるわけでございますが、その社債を発行することのためにはやはり増資する必要があるというふうな関係がございます。そういうことを考えますとき、やはり電力会社が増資を行うことを可能にするためにはやはり一〇%以上の配当を行うことが必要ではないだろうかというふうに考えられますので、一般的に申しますと、特段の事情がない限り一〇%とすることが妥当ではないだろうかというふうに考えております。
○中尾辰義君 電力会社にかかわった御意見のようですが、この際、今度の電力料金約六割の値上げは相当物価に響くわけでありますし、四十八年の狂乱物価の再来ということがあってはならぬ。そうなりますと財政再建もこれはむずかしいわけでありますので、当然こういう問題も、ただ増資がしにくい、それは多少あるでしょうけれども、痛み分けというような点で消費者の方も電力会社の方もお互いに、これは悪性インフレ等になると困るわけですから、その辺のところを考慮して、この際にこういうような大幅な値上げは私は相当削るべきだと思います。これも大臣に聞きませんと、あなたやりにくいでしょう。
 最後に、経企庁は見えていますか。――せっかくおいでになったのですから一、二問。
 今度の電力の値上げ申請は六四%程度ですが、これが幾らになるかわかりませんけれども、物価対策上どういう方針で臨むのか。また、これが実現した場合に、値上、の率が六四%になった場合にどの程度物価指数を押し上げるのか、その辺をお伺いして終わります。
○政府委員(藤井直樹君) 電力料金につきましては、私どもの立場は通産省から協議を受けてこれに対する最終的な処理をしていくということになるわけでございますが、その過程では物価安定政策会議の御意見も伺いながら、そして物価、国民生活への影響も十分考えて厳正に取り扱っていきたいと思っております。
 それで、この電気料金値上げの影響でございますが、そういう現在審査段階のものでございますので、私どもとしては、仮に電気料金が一〇%上がった場合にどのくらい消費者物価へ影響するかという数字でお答えさせていただきたいのでございますが、〇・一八%になります。電気料金が一〇%上がった場合の消費者物価への影響は〇・一八%ということになっております。
○中尾辰義君 〇・一八。
○政府委員(藤井直樹君) はい。
 それから全体の消費者物価の見通しとの関連でございますが、私どもとしては五十五年度に六・四%という見通しを立てているわけでございます。こういう消費者物価の見通しを達成するためにも、そういうことが十分実現できるような形で電気料金の方の処理もいたしてまいりたいと思っております。
○中尾辰義君 予定どおり上がったらどのくらい上がりますか。
○政府委員(藤井直樹君) 申請ベースによります数字につきまして出しますと、消費者物価に対する影響は〇・九%です。
○中尾辰義君 約一%。結構です。終わります。
○市川正一君 私は、両大臣、特に通産大臣の所信表明に即してエネルギー政策の基本点、そのあり方について質問を準備いたしたのでありますが、遺憾ながら通産大臣への質問時間がこの後に、しかもごく短時間ということに相なりましたので、急遽論点を変えて具体的な事実を素材としながら質問を進めたいと考えるものであります。
 政府は、昨年八月、長期エネルギー需給暫定見通しを、先ほど与党の岩動委員からも問題提起がございましたが、発表いたしました。私はこれについて、従来の実績を見ると、その計画のずさんさあるいは見通しの甘さ、こういうためにエネルギー政策において効率的でない投資、いわば多大な浪費というものが招かれている例が決して少なくない。
 その一例でありますが、たとえば電源開発株式会社が東京電力の電源として進めておりました新潟県の奥清津揚水発電所の場合、百万キロワットの規模で建設が開始されましたが、東電の需給計画が変更されたために、発電機が一号機から四号機まで完成しているのに実際に動いているのは一号機と二号機だけ、三号機と四号機は五十二年に完成して以降今日まで、さらに再来年の五十七年まで未使用のまま放置されているという事態を招いております。その結果約三百四十億円の投資が寝たままになり、そしてそのツケが結局電力料金にはね返ってきているということになっているわけでありますが、会計検査院にお伺いしたい。こうしたことは会計検査院の立場から見て好ましいことと言えるのかどうか、まずお伺いしたいと思います。
○説明員(竹尾勉君) 御指摘の三、四号機が未使用のままの状態でこのまま推移いたしまするとメンテナンスや保守管理の費用並びに金利もかさむこととなりまして、またもともと投資効果が発現していない事態でございますので、本院といたしましては、関係者がこのような事態を早急に解消するための努力を重ねまして投資効果を速やかに発現するよう注意いたしております次第でございます。
 以上でございます。
○市川正一君 続けてお伺いしますが、さらに問題なのは、いま会計検査院の方からも指摘されたような事態、そして運転が開始されていないというだけでなしに、三号、四号機を保管するという名目で全く必要のない仮囲い、これを電源開発がつくっておる。まさに二重の浪費むだ遣いであります。ここに私はその写真も持ってまいりました。これであります。(写真を示す)ここに明白なように、これは仮囲いといいましても鉄骨で組まれたりっぱなものなんです。そして何ら常識的に言っても必要でないものなんです。そういうものがつくられている。一体これはどういうものなんですか。会計検査院に重ねて伺いますが、こういう仮囲いをつくったことによってどれだけいわば工事費がむだになったのか、お伺いしたいと思います。
○説明員(竹尾勉君) 本件の工事につきましては二千百万ほどかけておるわけでございますが、もともと発電機は発電所本館内に設置されておりまして仮囲いを行う事由は見当たりませんし、また主要変圧器はもともと屋外に設置する構造となっているものでございますので、現に並列設置されて運転中の一、二号機の主要変圧器には囲いがないことから見ても保安上特別に仮囲いを行う必要はないと認められまして、不当事項として指摘したわけでございます。
○市川正一君 まさにそうだと思います。ですから、私が全く不可解に思うのは、こういう不必要なものが、いわば電発と言えば発電所のプロであります。それがこういうことをあえてやっているというのは、なぜそういうことをやるのか重大な疑惑を私は持たざるを得ぬのでありますが、この点については会計検査院はどうお考えになっておられるのか、重ねてお伺いしたい。
○説明員(竹尾勉君) 私どもも電源開発がこのようなむだな仮囲いをした意図につきましてはなかなか承知しかねますのでありますが、あるいは目隠しをしたというふうな考え方もございますので、まこと不経済な事態を生じたということで不当事項として御報告申し上げた次第でございます。
○市川正一君 私は、不経済ということにとどまらずに、まさに常識外れのこと、そして大いに疑惑を持たざるを得ぬのでありますが、私はメーカーの口車に乗せられたのだというようなことも責任ある関係者から聞いております。さらに言うならば、メーカーの接待などを受けていたのではないかという疑惑さえ持たれるのであります。
 そこで、私は通産省にお伺いしたいのでありますが、この問題について通産省としては御承知なのか、またどういう措置をとられたのか、お伺いしたい。
○政府委員(安田佳三君) 会計検査院からの指摘をいただきまして、これは大変私どもとして申しわけないことと思っております。ただ、本件工事を電源開発株式会社が施工いたしましたのは、まだ使っておりません機械であります三、四号機の保管対策という観点から、また作業の安全とかあるいは運転中機器との区分とか、そういう観点でやったものというふうに考えるところでございますが、確かに必要欠くべからざるものと認められないものをいたしましたのは大変遺憾でございまして、今後そういうことのないように電源開発株式会社に対しては厳重に注意をいたしたところでございます。
○市川正一君 私は、いま電力料金の値上げ問題が大きく国民的な関心の的になっている、そしていわばその原価の問題やいろいろの点で国民が注目している、そういうときにこの問題をあいまいにしておくことはできぬと思うのです。なぜこういうばかげた工事をすることに相なったのか。私は、いま通産省のお答えがありましたけれども、突っ込んだ、いわばメーカーの接待の有無も含めて改めて調査して、その報告を提出されるように求めたいのであります。委員長、御確認をお願いします。
○政府委員(安田佳三君) 検査院の御指摘をいただきまして私どもといたしましても調べたわけでございますが、保安上の観点とか、そういうものを重視する余り過剰と思われる投資をしたという、そういう調査結果でございます。
○市川正一君 私はそういう疑問を提起しているわけですから、ひとつお調べ願って聞かせていただきたい。いいですね。疑問を出しているわけですから、もう一度調べていただきたい。
○政府委員(安田佳三君) 市川先生の御指摘でございますので、そういう事実の有無については調査いたします。
○市川正一君 私があえてこの問題を出したのは、結局いろいろの見通しという問題、これは先ほど与党の岩動委員からも問題の指摘と提起がありました。私は、そういう点について本来ならば大臣を含めて私の立場からもいろいろ伺いたいのでありますが、しかし、いま指摘したようなことが随所に起こる点では、この中間報告なるもの、これについてやはり正確な見通しというものを提起されるべきだということに相なるのでありますが、これは後にいたしまして、これによって見ましてもエネルギー供給の約五割を石油が占める。けさほどの通産大臣の所信表明でも「エネルギー供給の大宗を占める」というふうにおっしゃっています。そこで、私は、石油を自主的にかつ安定的に供給を確保する上でわが国の輸入石油の半分前後を占めているメジャーに対してどういう態度をとるのか。すなわち、メジャーの言いなりになるのか、それとも国際的に認められている基準にのっとって自主的な立場に立つのか、この問題がいまも問われているし、これから一層問われていく、そう考えるのであります。
 その一つが、私はメジャーの不当な供給カットの問題だと思うのです。メジャーは御承知のように、産油国からの原油の入手量が減っても、母国であるアメリカには他国の分をカットしてでも供給いたしております。この点では、たとえば大堀共同石油社長も米系メジャーは米国への優先的な原油供給を行っているというふうに指摘しておりますが、一方、わが国に対してはいわゆる民族系各社に供給拒否を通告するなど、産油国におけるカットよりも厳しいカットを押しつけている。このために石油製品の品不足と価格の高騰で国民生活に大きな困難をもたらしていることは改めて多言を要しません。そこで、通産省はこのようなメジャーの一方的な供給カットを妥当なものとして考えておられるのか、まず伺いたい。
○政府委員(志賀学君) お答え申し上げます。
 メジャーの世界におきます取扱原油量、これは一九七四年以降逐年落ちてきておりまして、当時は世界の七〇%弱を取り扱っていたというふうに承知しておりますが、七八年になりますとそれが五〇%程度に落ちてまいっております。そういったような状況を反映いたしまして、わが国の原油輸入に占めますメジャーのウエートというのは逐年落ちてまいっております。四十九年当時は七割程度がメジャーから輸入されておったということでございますけれども、昨年の十−十二月期におきましては五〇%程度ということで、特に十二月におきましては五〇%を割ったというような状況でございます。特にイランの政変以来メジャーの原油取扱量の減少というのが急激のようでございまして、それに伴って、先生御指摘のようなわが国の石油企業に対する供給の削減ないし供給の打ち切りというようなことが起こっているわけでございます。私どもといたしましては、メジャーに対しましては、できるだけ安定した供給というものを続けてもらいたいということで、こういった供給削減等の話が起こりましたときには、その理由あるいは背景といったようなものをよく説明を求めまして、できるだけわが国に対する安定供給というものを続けてもらうように、そういう要請をしているところでございます。
○市川正一君 私がお聞きしたのは、妥当と思うのかどうかということなんですが、いまおっしゃった答弁からうかがい知るところは、いわば妥当とは言えないという立場でお答えになっているというふうに理解するのですが、時間がないので具体論として進めたいのですが、これはわが国の石油連盟の資料に基づいてみましても、七大メジャーの原油入手量を見ると、一昨年の十四億二千二百万キロリットルから昨年の十三億六千五百万キロリットル、わずか四%しか減っていないのですね。にもかかわらず、わが国に対しては一三%カットになっている。いわば三倍以上のカット率ということに相なっているわけであります。言いかえれば、七大メジャーが昨年入手減少分の四〇%以上をわが国に追しつけてきている。だから、きょう私はここに、これは日刊燃料油脂新聞、きょうの新聞です。ここでアジア石油の長谷川会長が、アメリカ政府に対してメジャーが日本に原油を供給するよう指導する義務があることを日本政府として指摘してほしいということを総理に進言するということをあえて言っているのですね。私はこのこと一つをとってみても、これはまさに国民的な意思、国民的な合意と言っていいと私はあえて言いたいのでありますが、しかも、私は、この量の問題だけでなしに、メジャーが今日ダミーを使って、そしてスポット市場に介入して価格操作を行って不当な利益を上げていることはもはや世界の常識であります。こういう悪質なやり方でメジャーは昨年史上空前の利益を上げている。
 ここに私は読売新聞のコピーを持ってまいりましたが、一月二十六日、「米系メジャー空前の荒稼ぎ」と言っています。朝日新聞は「空前の大もうけ」だ、こう言っているわけですね。しかも、この利益は海外で上げた、日欧、日本から、ヨーロッパから上げたと言っている。これはエクソンの例でありますけれども、エクソンは年間利益のうちアメリカの国内からの分は前年度比横ばいだ。にもかかわらず海外からの利益は六三%もふえた。また、モービルは利益の八五%は海外からだと言っている。わが国も当然このぼろもうけの対象になっているわけでありますが、通産省はこういう不当なもうけに対してメスを入れる必要があると思うのですが、どのように分析されておられるのか、お伺いしたい。
○政府委員(志賀学君) 先生いま御指摘のように、エクソンその他米系のメジャーが昨年におきまして非常に大幅な利益を上げたということは承知しております。このメジャーの大幅な増益の問題につきまして、私どもの立場として特にコメントするのはなかなかむずかしいわけでございますけれども、いずれにいたしましても、先ほども申し上げましたように、メジャーに対しては、これはメジャーの本部の人あるいは東京にいるメジャーの人たちに私どもとしてもよく会う機会がございます。そういった機会をとらえまして、私どもとしては従来から価格の問題を含めて安定的な供給を行うように要請してまいっているところでございます。ただ、私どもの承知しているところでは、メジャーのわが国に対する原油の供給の価格については、GSPをベースにした合理的な価格というふうに承知しております。
○市川正一君 私、通産省からいただいた資料を基礎にしていろいろ試算をしてみたのでありますが、七大メジャーが昨年一年間に少なくともその原油を軸にしていわばもうけた利益というのは三千七百八十八億。これは非常に少な目に見た額でありますが、しかも、それに加えて、去る五日の衆議院の予算委員会でわが党委員が指摘いたしましたが、わが国の石油会社がその上にさらに上乗せして、一年間でいわば四千八百五十六億円の便乗値上げを行っている。つまり日本の国民は、往復びんたをいかれているのですよ。一年間だけで、メジャー、そして他方ではわが国の石油会社から少なく見積もっても八千六百四十四億円の二重のいわばしぼり上げを受けている。ですから、アメリカでもこういうメジャーの荒かせぎに対して問題になって、賃金物価安定審議会、御承知だと思いますが、これが主要石油会社二十社の利益データを抜き打ち調査しているというふうに報道されております。私は日本政府としてもこういう点で少なくとも実態をやっぱり調べるべきである。
 お伺いしますが、大平総理は一月二十九日の衆議院の本会議でわが党の村上弘議員の質問に答えて、メジャーに対し「安定的な供給確保をするよう適時機会をとらえて要請し続けておる」、また、OECDの多国籍企業行動指針の遵守方を指導している、こう答弁されておりますが、通産省はこの答弁を御存じでしょうね。確認いたしたい。
○政府委員(志賀学君) 一月二十九日の衆議院本会議での大平総理の答弁は承知しております。
○市川正一君 ここにもあります。だとすれば、この大平総理の答弁のように、先ほどメジャーにいろいろ要請をしているというふうにおっしゃた。その中身を私ははっきりさせたいのですが、大平総理の答弁では、多国籍企業の行動基準を遵守させるということを言っておられる。多国籍企業の行動基準、ここにありますが、どんなことを言っているか。時間がありませんから私の方から指摘いたしますが、たとえば企業全体の資金の源泉及び使途の計算書、また企業構成体間の価格設定に関する方針などの情報公開を明記しております。あるいは不当な取引拒否、差別的な価格設定などの行為を慎むこと、これをやっぱり言っているのですよ。こういう視点、こういう角度から積極的にメジャーに要求してこそ、私は、国民の期待にこたえる、また、大平総理の国会での確約を政府としても責任を持って遂行するゆえんだと思うのですが、その点について責任ある御答弁を伺いたいと思う。
○政府委員(志賀学君) 一九七六年の六月にOECDが多国籍企業に関する宣言ということで行動指針を採択したわけでございます。その後、私どもといたしましては、メジャーを含めまして多国籍企業に対して、こういう行動指針が採択されたということをよく周知徹底するように努めてまいっております。ただ、御案内のように、この行動指針と申しますのは、その遵守については自発的に守ってもらう、法的な強制を加えるものではないということが、これまたやはり宣言の中に書いてあるわけでございますけれども、いずれにいたしましても、私どもとしては、こういう行動指針につきまして、各メジャーを含む多国籍企業に対しまして、その周知徹底というものに従来も努めてまいりましたし、今後も努めてまいりたいというふうに思っております。
○市川正一君 最後です。
 私は、そういう態度では大平総理が国会で答えられた態度を裏切るものである、忠実に大平総理のこの答弁を遂行しないものだと言わざるを得ぬのです。大臣が見えていないので、この問題については留保しつつ、私は、だからこそ、アジア石油の長谷川会長、共石グループの会長でもありますけれども、こういう人たちまでがもっと日本の政府がしゃんとせいと進言するということを言われている根拠があると思うのです。私は、以下の問題を大臣が見えたときに譲りまして、時間が参りましたので一応質問を終わらせていただきます。
○向井長年君 私も両大臣に質問をしたい、こういうつもりでおったのですが、通産大臣はまだ見えておりません。
 これは俗に、一般的に言われている問題、これは石油関係湾なると思いますが、世界の石油が現状のままで推移するならばあと三十年あるいは三十数年で世界から石油が消える、こういうことが一般論として言われています。これは事実ですか。大体わが国はどういうようにつかんでいるのか、この点、まずお聞きしたいと思う。
○政府委員(志賀学君) 世界の石油資源がいつまでもつか、何年もつか、いわゆるRPということがよく言われるわけでございます。この問題と申しますのは、結局、探鉱の結果どの程度、今後どういうテンポで発見されていくかということに大きくかかわってまいります。同時に、もちろん世界の油の使用量がどうなるかということにもかかってまいります。したがいまして、なかなか三十年たつと本当になくなるのかどうかというところは、専門家の間では三十年たつとなくなるというふうにはもちろん考えておりません。ただ、一応、大体RP三十年ぐらいというのがよく言われておるということはそうだと思っております。
○向井長年君 OPEC初め産油国が昨年から輸出規制してきております。この原因は何ですか。生産ができないから輸出規制しているのか、あるいはまたそういうことも含めた感じから輸出規制をしてきたのか、どっちなんですか。
○政府委員(志賀学君) OPEC諸国の生産に対する政策でございますけれども、やはり基本的には産油国といたしまして資源をできるだけ温存しておきたいという気持ちが非常に強いのだろうと思っております。そういう気持ちの強弱という点につきまして、その賦存埋蔵量、これはやはり採掘に伴いましてだんだん減ってまいります。いわゆるあと何年もつかというところが、一般的に比較的あと少ないのじゃなかろうかというような国ほど大体そういう傾向が強いということじゃないかと思っております。
○向井長年君 一応、俗に言われるあと三十年程度、こういう中から埋蔵量が薄くなっているからその国々はやはり細く長くもたしたい、そういう気持ちが大きくあるのじゃないか、これはわれわれ常識的に考えるのですね。それと同時に、生産の中で、やはり昔だったらガスでぐっと噴き上がるのが、それが緩くなっている。そして人工的に水かなんか入れてこれを噴き上がらせる技術をやっておるようですが、これはもともとやはりこの埋蔵量が減ってきている、こういうことが言えるのでしょう。そういうことから考えて、やはりいま言われるような世界の石油の推移というものが非常にこれから少なくなっていく、こうわが国は考えて代替エネルギーという問題を中心に考えてきている、こう解釈していいのでしょう。そうですね。――わかりました。
 そこで、両大臣に聞きたいのですけれども、きょう所信表明を伺いましたけれども、なるほどこれは多岐にわたって総花的に今後の長期も含めた形で考えておりますが、これはやっぱりいまそういう事態で、石油の不安定というか、今後の入手等にも努力しなきゃならぬけれども、しかし、それにかわる問題として代替エネルギーの開発という問題、これを取り上げておるのでしょう。そうすればその代替エネルギーというものは、きょうのここには余り書いてないけれども、所信表明の中でも言われている何で、今国会で総理なんかも言われておりましたが、政府は、科学技術庁長官も含めてですが、太陽熱とか、地熱とか、それから風力とか、いろんなことを言われますけれども、これが実用化されるのは――研究開発としてはこれはよろしい。長期にわたってやらなきゃならぬでしょう。しかし、いまやはり中期的にやらなきゃならぬものと、そして長期的に研究開発をやらなきゃならぬものとこれは分けて政府がやらないと――みそもくそも一緒にして、国民はわからぬからいかにも太陽熱が直ちに実用化できるような感じを持ちます。風力しかりです。こんなことができますか。恐らく私はできないと思う。何十年かかってもそう簡単にできません。そうすれば、いまこの石油の不安定の中から代替エネルギーをどう確立するかという問題は重点的に考えなきゃだめだ。そういう中で私はここで長官に聞きたいのだが、原子力発電というものについての位置づけをどう考えておるのか。原子力発電重点だと思いますが、この位置づけはどう考えるのか、ちょっとお聞きします。
○国務大臣(長田裕二君) 石油が大変量の面からも価格の面からも厳しい情勢になっていることは御存じのとおりでございまして、第一次石油ショック以後日本におきましても多彩なエネルギー開発、石油代替エネルギーと総称しておりますけれども、そういうものの開発に手をつけていることも、これまた御承知のとおりでございます。ただ、それら数多くあります中で、大量に、早急にエネルギーを発生し得るというものは第一に原子力発電でございます。石油代替という言葉が適当かどうかということもちょっと問題になるぐらい、二十年前から原子力発電の開発には力を入れているところでございますし、現在すでに千五百万キロワットになり、また計画中、建設中のものを込めますと三千キロワット近くにも設備がなっている。そういうような事情から考えましても原子力発電が非常に重要な地位を占めている、そのことはもう仰せのとおりでございます。
○向井長年君 いま、経済七カ年計画の中で計画を持っておるでしょう。そこで、私は石油にかわるエネルギーというならば、当面する問題はやはり石油にかわる電力開発をしなきゃならぬ、こういうかっこうになってくるのじゃないか。将来は別ですよ。いま言う地熱の問題とか、これはまた別として、研究していくこともいいけれども、一つにはいま電力がかわらざるを得ない。その場合に、過去においてはこれは御承知のように水力が主体だったのでしょう。それから石炭火力にかわりました。それから油の火力ですよ。いまや油の火力は七〇%でしょう。原子力開発はいま何ぼですか。大体千百十七万キロぐらいじゃないですか。まあ若干これから伸びている点もあるだろうけれども。そうなってくると、まず原子力開発推進、続いてやはり石炭の見直しもしなきゃならぬ。しかし、石炭といってもわが国にはないでしょう。外国炭、外炭輸入ですよ。これは経済性の問題もありますけれども、そうだ。LNGでしょう。そしてまた水力の見直し。これから揚水になってきますよ。そういう問題が中心の石油にかわるエネルギーだと私は見ているわけだ。それに対して、ただ政府は、そういうことは口には言うけれども、実際面においては国民に迷わすようなことを言っている。これは通産大臣も来ましたからちょうど幸いですけれども、石油量を迷わすようなことを言っている。それはなぜかというと、いや太陽熱がある、太陽熱は無尽である、あるいは地熱があるじゃないかと。こんなもの直ちにできますか。大量にそんなものがかわるような形でいま技術的にできるかと言えば、そういうものじゃないですね。それから風力しかりですよ。そういう中でこの七カ年計画を見ましても、皆それぞれ違うのだ。原子力の場合においては、特にエネルギー庁においては、これは七カ年計画で二千八百万、そういうことを言っておるでしょう。それから五十四年度から、これは電力調査会ですか、これは三千三百万キロ、こういうことを言っている。また専門家の生田さんなんかは、二千万キロしかできないであろう、こう言っておりますよ。計画は立てておるが、なぜこれは計画どおりいかないか。このネックは何か知っておりますか。政府はつかんでおりますか。計画を立てたら計画どおりになぜいけないか、その点。
○国務大臣(長田裕二君) 先ほどもお答え申し上げましたように、現在が全発電設備の発電能力の一二%、千五百万キロワットまでまいっておりまして、建設中、計画中のものを合わせますと、二千八百万キロワットに近づいております。五年後が三千万キロの計画でございまして、今後立地等が順調にまいりますならば、ほぼ若干の増減はございますけれども、当面ほぼそれに近づき得るような状況、それが実現され得るような状況にもある、そのように考える次第でございます。
○向井長年君 やっぱり相当これはまだ国民からもアレルギーといいますか、安全性の問題で不安もありましょう。これは私は素朴にあることはわかるのですよ。ところが、やはり私の心配することは、言うならば総合エネルギーとして、しかも電調審というのがあるでしょう。電源開発調整審議会、この法律根拠はどこにあるのですか。法律根拠は何ですか。
○政府委員(古田徳昌君) 根拠となります法律は電源開発促進法でございます。
○向井長年君 電源開発促進法に基づいて電調審が生まれている。電調審の会長というのは総理大臣でしょう。総理ですね。各省の関係大臣は全部それの委員になっています。そうでしょう。外の人もおりますけれども、大体各省の関係大臣が全部委員になっている。電調審の委員でしょう。そこで決められたのが計画なんです。そしてこれは促進しなければならぬ計画ですよ。その電調審で決められた計画の促進を各省の大臣が委員でありながら今日までしてきておりますか。私はしていない実態をよくつかんでいますよ。出せと言えばうちの方で出すけれども。そういうことがやっぱりネックじゃありませんか、これが進まないというのは。国民の不安が一つありますよ。イデオロギー的反対もあります。これは現にある。しかし、やはり調整審議会が促進法に基づく問題であるとするならば促進しなければならぬのは政府の役目である。通産省は一生懸命になっている。科学技術庁もどうやらこうやらやっている。そこで、他の各省はどうなんですか。農林省にしても、自治省にしても、運輸省にしても、建設省にしても、みんな関係しますよ、立地の問題については。これについて協力体制がその電調審に基づいてあるかどうかという問題ですよ。その点どうですか。ありますか。
○政府委員(古田徳昌君) 電調審の場で各省の御了解も十分得ながら計画を立てていくわけでございまして、その後の実施につきましても、そのときどきに応じまして十分協議をしながら進めている次第でございます。
○向井長年君 協議はわかりますが、実態論として、それが非常に現地では足の引っ張り合いをやっていると私は何回か言った。これは事実あるのです。建設省がどうしてもうんと言わぬ、通産省は努力されている、エネ庁も努力されている、こういう問題を言った。だから、総理大臣が、それが電源開発促進法に基づくものだったらなぜもう少し横の連携をとってそれぞれの省がそのために――エネルギー問題はいまや国家的問題でしょう。国家的な大きなこれはいわゆる一つの政治課題ですよね。これを推進するためにそういう形がとれなければ今後もやはり困難を生ずるのじゃないか、こういう感じから私はこの問題を言っておるので、これ以上言いませんけれども、この点は、両大臣もおられますから、十分ひとつ検討いただきたいと、こう思います。
 そこで、もう一つ、長田長官にも認識していただきたいことは、いま原子力に対する位置づけの問題を私は言いましたが、いま言いましたように、石油にかわる代替エネルギー、まず重点的にその問題を取り上げざるを得ないであろう、現実の問題として。そういう中でいまウラン、これは十カ年契約済みですね。したがって安定している。しかも、その国々もこれは安定した国々ですね。石油のような非常に不安定な状態ではない。そうなれば、そういう問題が重点的に考えられますけれども、熱カロリーから言って、濃縮ウランは一グラムと言うのですよ。それに比較して石油が二トン、石炭が三トンと言われている。これは技術的に出ていますよ。それから見ても当然ですね。そして経済性一つ見ましてもそうでしょう。そうなれば、これからのエネルギーの問題はそこに重点を持っていかなきゃならぬのじゃないか。他の石炭の見直しも、水力の見直しもやらなきゃならぬけれども、まずそれが一番重点としてわが国の政治課題のエネルギー確立に必要ではないか、こう私は思うわけです。その点どうですか。
○国務大臣(長田裕二君) 仰せのように、一グラム当たりあるいは一定単位当たりのエネルギー発生量というものは実に巨大であります。安全性という問題を絶えず考慮しながら、その特性を生かしながらエネルギー問題の解決に進んでいかなければならない、そのように考えている次第でございます。
○向井長年君 これは通産でしょうか、エネ庁でしょうか。――大臣答えてください、私、大臣のあとの質問はやめますから。いいですか、委員長。
○委員長(吉田実君) はい。
○向井長年君 いま省エネルギーという立場から国民に非常に強く呼びかけておりますね、七%とか。これは非常に結構なことだと思う。それで石油の備蓄問題も取り上げております。それも結構でございますが、いま特に原子力発電所の定検というのがあるでしょう、定期検査。これがなぜ百二十日もかかるのですか。稼働率が悪いというのはそれですよ、問題は、事故じゃありませんよ。一年のうちに四カ月もとめて試験しなきゃならぬということです。これにかわった石油どれだけ使うのですか。これこそ省エネルギーのうち最たるものですよ。それを何で百二十日もこれにとっているのか。ドイツでは六十日、二月です。ドイツの技術に日本の技術は決して劣っておりません。それになぜ四カ月も定検でかかるのですか。この理由は何ですか。
○政府委員(古田徳昌君) 先生御指摘のとおり、原子力発電につきましては稼働率の向上が最大の重要課題でございまして、その際に定期検査期間の問題は常に議論されているわけでございます。これにつきましては、私どもとしましても、原子力の発電安全対策の強化に努めまして、たとえば改良標準化を促進するというふうな形で定期検査期間の短縮のために努力を続けていきたいというふうに考えているわけでございます。
○向井長年君 大臣、これは率直に言って、古田次長さん苦しい答弁をされておりますけれども、実際は検査員が足らぬのでしょう、恐らくそういう技術者が。ぼくはそういうような感じがするのですよ、学者というか。そういうところの拡充こそ早くやって、そしてやはりこれを早める。ドイツが二月ですから、これくらいまで早めていけば、そのかわりのいわゆる油が貯蓄できるのじゃないですか。これはどれくらい油との対比があるか計算したらわかると思うが、相当のものです。これこそ大きなエネルギーだ。いわゆる石油の備蓄ですよ。そういうことを総合的に考えぬといかぬ。こっちはむだなことをやり、百二十日間もとめておく。運転すればそれだけいけるやつを油を使わなきゃならぬ。こんなことをやっておるのがいまの政府の行政なんです。大臣、どうですか。その点はやっぱり拡充して、直ちに二月にいかなくとも、九十日にするとか、あるいはまた七十日にするとか、これは早急にやらなきゃならぬ問題じゃないですか。その点、大臣から……。
○国務大臣(佐々木義武君) 日本の軽水炉の輸入過程等を考えてみますとよくわかるのでございますけれども、たとえばドイツ等では同じ軽水炉でも、輸入してそれを初期においてとことんまで壊して、そうして安全性に対しては自分の力で築き上げていっているわけですから、アメリカで何か起きても平気で運転しているというような状況でもございますし、また、いまお話しの検査官なども、故障が起きても運転したまま故障を直すといったような、そういう日本と非常に違ったやり方をやっております。日本はそれに比しまして、安全性の研究をみずからやったのじゃなくて、輸入したそのままでやっているわけですから、故障が起きますと、その故障の原因等も丹念に調べなければいけませんし、あるいは私の聞くところでは、一部故障しているその部分だけを修理するというのじゃなくて、物によっては入れかえる、やりかえるというふうな、そういう根本からやり直しているような現状でございますので、どうしても時間がかかる。しかし、だんだん、お話しのように、原子力研究所等でも原子工学的にその安全性を一生懸命やって長い間研究もしておりますし、また現在動いている実用炉に関しましては、お話しのように故障が多かったわけですから、それに対する資料等も非常に集積されつつはございますので、それこれあわせまして日本独自の標準型的なものをつくってこれからやったらどうだというふうなこと、並びにいまの故障を信頼度を増す程度まで直すような、あるいは定期検査等のやり方もそういうふうになりますと大分簡便になってまいりますから、そういう点もかみ合わせまして、この操業度をいかに高めるかという問題が大変重要な問題になっておりまして、私の感じでは、やはりこれはいままでの資料等せっかく集積されているときでございますから、根本的に一遍洗い直してみたらどうだろうというふうに考えております。
○向井長年君 大臣、故障があってとめてという問題を私は言っていないのですよ。これは当然いま大臣が言われたとおりです。故障じゃなくて、きょうまで安全に運転している、定期検査の日時が来た、そして定期検査を始めますよ、それで四カ月とめちゃうのですよ。これを言っておるのであって、このことはドイツでも一緒ですよ。したがって、その問題については、その検査の日時を短縮しなさい。だから、一年の間に四カ月もとめたら、三分の一とまっておるのじゃないですか。これを他の油で回転させざるを得ないでしょう、油の発電所で。だから、これはむだですよと。これを短縮すれば油が貯蓄できるでしょう。だから、それをなぜドイツ並みにやれないか。日本の技術が劣っておるのですか。劣っていないはずだと私は思っているのです。故障の問題じゃないのですよ。
○国務大臣(佐々木義武君) いや、私の申し上げたのも同じことでございまして、それは、たとえばパイプの構成要素が悪くて漏れたといったような場合には、そこの部分だけを直すのじゃなくて、パイプ全部をかえるといったような丹念な安全性を考えてのやり方をしておるものですから、いままでは言うなれば大変時間がかかったのですけれども、しかし順次そういうものはわかってきましたので、今後は定期検査の日数もだんだん縮められていくのじゃないか。また縮めるように指導もしておりますし、これからするつもりで勉強しておりますので、大分縮まるようになるとは思います。
○向井長年君 大分縮まるというよりも、一応指導としてはそういう形でしょうが、ただ、その原因が検査員が足らぬのじゃないか、人がやりくりできぬのじゃないか、こういう感じがあるのですが、そういうことはありませんか。
○国務大臣(佐々木義武君) あるいはその点もあるかも存じませんけれども、それが大きい理由ではないと私は承知しています。
○向井長年君 ちょっと次長から、あるかも存じませんと言っておるが、存じておることを言ってください。
○政府委員(古田徳昌君) 先ほども申し上げましたように、原子力発電所の検査、監督体制の強化のために五十五年度も予算の充実を図っておりまして、検査官の増員を予定しております。本省十名、通産局四名ということで十四名の増員を図っておりまして、各発電サイトにおきましての常駐体制を強化していきたい、そういうふうにいま検討しております。
○向井長年君 それで、今後の見通しはどうですか。いま言うように、短縮する見通しはどうですか。大体そういう方向をたどっておるということを聞いておりますが。
○政府委員(古田徳昌君) 五十五年度の稼働率を五五%程度まで引き上げたいということで一応の目標を立てておりまして、さらにこれは、五十六年度につきましては五六%程度まで引き上げていくということで考えております。
○丸谷金保君 通産大臣の所信表明の中で、「自由世界第二位の経済大国となった我が国は、同時に世界第二位のエネルギー消費国ともなった」、こういうくだりがございます。ですから、経済成長とエネルギーの消費というのは正比例していくというふうなことになるのではないかと思いますが、そういう意味でこれは申したのでございますか。
○国務大臣(佐々木義武君) もちろん経済成長するためにはエネルギーが必要であることはお話しのとおりでございまして、ただ、その弾性値と称するものがそれではパラレルに上がれば上がっていくというものかと申しますと必ずしもそうじゃないのでありまして、節約あるいはエネルギーの転換などによりまして弾性値は変わってまいります。
○丸谷金保君 それでは、ただいまエネ庁の資料を、先ほど私は別に引用いたしましたけれども、拝見しておりますと、たとえば昭和六十年度におけるエネルギーの消費量、これらが出ております。しかし、一番下の数字を見ますと、これは東京サミットでの合意のエネルギーの消費量にぴたっと合っている。そして上の方で考えてみますと、これは経済の成長率は五・七%、ですから、年間成長率を五・七%ということにして東京サミットの合意事項の下限をとって中を埋めていくとこういうふうになるのでないか、こう思うのです。要するに、そういう意味での見通しであって、頭と下との答えを出しておいて真ん中へずっと数字を埋めていったという感じが強いのです。と申しますのは、たとえば同じ長期の見通しについても、日本エネルギー経済研究所の見通しはややこれと違うものです。そして、その場合の経済成長率は四・七%ないし四・三%ぐらいじゃないか、こういうことが言われております。ですから、いろいろな見方があるわけです。そうすると、これらが国民的な合意のもとに計画として、先ほども他の委員がなぜこれを見通しでなくて計画としなかったかというのは、そこいら辺で、この成長率、経済の目標値というものに対して一体それにはエネルギーが幾ら要るのだという計算方法というか、方程式がまだはっきりしてないのじゃないかという気がするのですが、この点はいかがでしょうか。
○政府委員(古田徳昌君) 先生御指摘のとおり、昭和六十年度までは五・七%の成長を続けていく、その後逐次成長率が落ちていきますが、その成長を達成するためにはどれぐらいのエネルギー需要が出てくるかということでございますが、これは産業あるいは民生、輸送、各部門につきまして積み上げ的に計算をいたしまして一つの数字を出したわけでございます。それに対しまして、さらに生産部門、家庭、業務部門、輸送部門等々につきましてのできる限りの省エネルギー率というものを計算いたしまして、その結果、省エネルギー後の需要量というものが、たとえば昭和六十年度につきますと五・八億キロリットル、昭和六十五年度につきましては七億キロリットルというふうな姿になってきたわけでございます。それに対しまして、輸入石油につきましては昨年の東京サミットで六百三十万バレル・パー・デーという一つの努力目標を与えられておりますので、それを前提としまして、その輸入石油で不足する分につきまして輸入石油以外のいわゆる代替エネルギーのどの分野で確保していくかということで、この数表ができ上がっているわけでございまして、これは名前は暫定見通しという形になっておりますけれども、そういう意味ではあくまで官民挙げての協力を前提としました努力目標というふうな性格のものでございます。
○丸谷金保君 そうしますと、結局きちんとした方程式というふうなものはいまのところ立たないというふうに理解していいですね。
○政府委員(古田徳昌君) 一つの方程式で数字をつくっていくという形にはなかなかなりませんので、各部門別の積み上げ、あるいはたとえば弾性値につきましては欧米主要諸国が一昨年のボンサミットで将来の弾性値を〇・八に置くのが妥当だというふうな見解も出しておりますが、その辺のことも考慮しながらつくり上げたものでございます。
○丸谷金保君 この数字の問題は、先ほども申し上げましたように、これから時間をかけてこの努力目標なりこういう数字というものを十分当委員会は論議していかなきゃならぬと思いますので、別な問題に移りたいと思います。
 この計画の中で、やはり何と言っても目玉は原子力ということが強く出ております。しかし、これにつきましては、ただいまも向井委員から国民的なアレルギーがあるというふうな意味の御意見もございました。それから長官から安全性を考慮しながら進めなきゃならぬというふうなお話もありました。原子力発電に反対するというのにもいろいろございましょうけれども、国民的アレルギーの一番大きなもの、またわれわれが一番心配しているのは安全性の確認がまだ完全でないということなんです。ですから、きょうはここでひとつ大臣に提言いたします。安全だ、安全だと皆が言っているのです、東電でも何でも。それほど安全だと言い切れる自信を皆さんがお持ちだったら、僻陬のところに発電所を建てなきゃならないのか。東京の沖にどんどんいま土地ができているのですから、ああいうところへ持ってきてどんとつくれば国民は本当に安全だということで安心するのですよ。その方がロスも少ないのですから、放電も。本当に安全なら自信を持ってそれができるはずでしょう。それができないところに国民がアレルギーを起こすのです。人口の少ないところだから被害が起きてもいいなんということにはならないのです。自信を持って、大臣、東京とか大阪の人口密集地の近くにどんと絶対安全だからここへつくるのだ、そうしないととてもこの計画は達成できませんよ、こんな数字の。そういう発想の転換をひとつお考えいただけませんか。どうです。
○国務大臣(佐々木義武君) 確かに日本にはアレルギーと申しますか、あることは事実だと思います。ただ、同じ軽水炉で――私、去年の十二月十日にIEAの会議でパリへ行きました際、各国のエネルギー大臣が、閣僚会議ですから全部集まりましたけれども、二十カ国ばかり集まりました。その際、いろいろ話がありましたが、たとえばフランスでは、日本とは非常にエネルギー事情が似ています。ですから、油も何もありません。向こうは五年後に大体全発電量の半分は原子力発電でやりまして、軽水炉で日本と同じ炉です。十年後には三分の二は原子力発電でやります、残りは石炭でやります、油は使いませんと言う。それはそのまま実行しているようですね。反対運動もほとんどございません。
 それから、英国のハウエルというエネルギー相が昼御飯のときに私のそばにおりまして、英国もいよいよ軽水炉の原子力発電に踏み切りましたと言うものですから、あなたのところは北海で大変いい海底油田を発見してむしろ輸出するなどと言っていたじゃないですか、何で原子力発電をやらなければいかぬのですかと言ったところが、いやいや十五年ぐらいたちますと北海油田もだんだん枯渇してきます、いまからこれに備えなければいかぬというので、自分の方も軽水炉――いままで御承知のように向こうはガスクーリングでございますけれども、今度は軽水炉に踏み切りましてやるのですと。
 帰りにモスクワへ寄りまして、貿易省の次長のような方が迎えに来ておりましたので聞きましたら、ソ連はエネルギーの消費が毎年四%ぐらいの率で増加していっていますけれども、しかし、原子力発電に関しては四〇%の率で伸びているのだと。去年、ソ連の原子力発電の調査に行って帰ってきた皆さんに聞きますとそのとおりだ、毎年倍倍というふうな率でどんどんやっていますと。
 米国自体も、例のスリーマイルアイランドの問題以来、いままでとめておったのですけれども、しかし、先般カーター大統領みずから宣言を発しまして、半年以内に再開しろ、こういうことで米国も始めます。
 ですから、なるほどおっしゃるように、それじゃ外国の発電所は全部パリの真ん中にあるかというと、そんなことはございません。それはやっぱり水が必要だということで、大量に水を使うとなりますと、どうしてもそれは海岸べりがいいわけで、海岸べりの中でもやはり人のおらぬところが一番よろしいわけでございますから、原子力発電を立地する場合の条件というのはほぼ各国に共通したものがございまして、そういう条件に従いまして立地を選定するわけでございますから、日本ばかり原子方発電をやっているのでありますればあるいは各国に責任ないと思いますけれども、しかし、各国とも大変な勢いでただいま原子力発電に踏み切って進んでいるときでございますから、やはり日本の一つの特殊性、全部ではもちろんございませんけれども、アレルギー的なものは相当やっぱり立地問題に関しては阻害をしてくるのじゃなかろうかと私も思います。
○丸谷金保君 日本のアレルギーは外国とまた違った意味がございますわね。世界でただ一つ原爆被災国なんです。ですから、ほかの国がやっていると同じようなことでは国民的アレルギーの解消はできないのです。それで絶対安全だというならなぜやらないか。それくらいまでの考え方を持って、しかもそれくらい安全なものでなければ、なかなかいま国民的アレルギーを直ちに消し去ることはできないし、そういう意味ではまだ絶対安全だということを言い切れないところに原子力発電の問題点があると思います。これもこれから論議をしていくことだと存じますので……。
 最後にもう一つ。非常に最近不愉快な新聞記事が続いて出ております。アメリカからフレーザーという人がやってきて、日本の自動車の輸入が非常にふえて、これではアメリカの自動車産業に働く人たちが失業すると困るから工場を向こうへ移してくれということです。
 御承知のように、いまのこの石油事情、これで言いますと、どうしても五十五年度でも石油輸出国機構との間の貿易赤字は四百億ドルに上るのじゃないかというふうに推定されております。そうしますと、どうしてもわが国としては対米貿易で百億ドル近く、あるいはその他でも二百億ドル近くのそれぞれ黒字を出さなければならないことは火を見るより明らかです。そのときにアメリカは、アメリカ自動車産業に働く人のために日本に工場進出せよ。しかし、アメリカの失業がこれだけふえてきた理由は、先ほどもどなたかが質問しておりましたけれども、多国籍企業でアメリカの企業がどんどん外へ出ていって、そしてアメリカの国内で人を使わなくなったことから起こったのです。しかも、アメリカの場合は、世界じゅうどこへ行ってもドルを通貨として使えますから、利益はどんどんそのまま利益だけ還元する。使う労働力はほかへ求めるという形の中でアメリカの資本が外へ出ていったのが多国籍企業です。いいですか。このしりを何で日本の企業なり日本の労働者がしょわなきゃならぬのか。どんどん出ていったら日本で失業がふえるのですよ、その結果は。そうですわね。アメリカから出ていって失業がふえた分の穴埋めを、いまの石油事情のこういう非常に苦しい中で、そしてまたそういう点での赤字が日本はふえてくる中で、他国へ出ていくから、帳じりの赤字がよけい出るようなアメリカのしりぬぐいを何でここでしなきゃならぬか。きのうも大平総理は政治問題にしない、その前に決着をつけるというようなことを言っていますけれども、おまえさん自分の責任でないかとなぜ言えないのです。そしてそのことは、石油問題全体についてのやっぱり日本の姿勢にも関連してきますので、そこら辺、ひとつ所管の通産大臣としてしゃっきりした御答弁をお願いします。
○国務大臣(佐々木義武君) 最近になりまして、日本の小型車が米国に大変出るようになったその根本的な原因は、やはりイラン問題以来燃料の余り食わない低燃費の日本の自動車がアメリカで大変需要が旺盛だという、それを基礎にいたしまして日本車がシェアをふやしておるというふうに私は考えます。ただ、それにいたしましても、やはり集中豪雨的な輸出というものは避けまして、そして秩序ある、節度のある輸出をすべきだ。そうでなければ自動車一つのために、そう言っては少し言い過ぎかもしれませんけれども、全貿易あるいは日米の欠くことのできない親善度に対して障害を及ぼすようでは困りますよという指導を従来ともしてきたことは御承知のとおりだと思います。
 そこで、貿易問題に入るわけですけれども、それはなかなかむずかしい問題でございまして、アメリカの空気も、自由貿易というだけで今後ともやれるかというと、これまたいろいろな動きがあるわけでございますから、それこれあわせまして、あくまでもやはり自由経済を基調にして自由な貿易下で両方とも伸びていくということになりますと、企業の投資という問題も出てくるのはあるいはやむを得ないことかとも存じます。
 そこで、私もフレーザー氏にはお会いしました。お会いしまして、向こうの第一順位といたしましては、まず投資をひとつしてもらえないかという強い気持ちでございまして、そのこと自体には、私どもも別に投資そのものは政府が最終的に決めるものじゃなくて、最終的な決定権はあくまでもこれは企業にあるわけでございますから、企業としていろいろ事情を勘案した上決心するのであれば投資してくださいというお勧めをしているわけですけれども、その際におきましても、お話しのように日本国内の下請あるいは雇用問題等おろそかにしてはいけませんよ、そういう点を十分配慮した上で決心するのであればしてください、こういうお願いをしているわけでございまして、お話しのように日本の下請あるいは雇用等を全然考慮なしに米国へ出ていくということではなかろう、また、そうあってはいかぬというふうに考えておるわけでございます。
○丸谷金保君 大臣、そうおっしゃいますけれども、たとえば日本の新聞論調を見ましても、議会と手を組んでトヨタ、日産及び日本政府にいろいろなおどかしをかけたことには強い反発を感じるというようなことが地方紙の新聞論調に出ているのです。いいですか。このことを十分踏まえて、企業だけでやれなんというふうなことではないことはみんな知っているのですよ。時間があれですから、この点だけ指摘して終わりにいたします。
○岩動道行君 大臣のおられない間に、いろいろ基本的な暫定見通しについての性格論からその中身について問題点を指摘しておいたのでございますが、いま大臣からこれらの個々の問題について御答弁をいただこうとは思いません。しかし、十分に事務当局から指摘された問題については御検討いただいて、後日またこの委員会において、これらに対する政府の御見解なりあるいは今後の方針といったようなものを伺わせていただきたい、かように思います。
 そこで、まず大臣に伺いたいのですが、やはりこの見通しの性格については、先ほど来政府の方は努力目標だというふうな表現になっておりますが、やはり国民を引っ張っていくためには、努力目標ということではなしに、計画として具体的に政府が責任を持ってこれこれでこういうふうになります、こうやりますというような強い意思表示で指導体制をつくっていただきたい。そして、もしその計画が達成できなかったときには、国民に向かって、どういうところでこれができなかったのかということをむしろ国民に明らかにして、そうしてお互いにこの問題は国家の大事な問題であるからどうしてできなかったかということをお互いに検討して、そして次のステップに入っていく。こういう真剣な、そしてリーダーシップをとった政策の実行をやっていただきたいということをお願いしておきたいと思います。
 そこで、石油に依存する時代はまだまだ続くわけでございまするから、この石油の確保についてはいろいろな問題がございます。とうてい短時間で論議をお互いに交わすわけにまいりませんけれども、確保のためのいろいろな施策、特に資源外交、これについては国を挙げてやらなければいけません。政府を挙げてやらなければいけません。これは単に外務大臣の所管事項ではないと思う。むしろ通産大臣みずからが産油国等に積極的に何回も出向いて、わざわざ行くというのではなくて、絶えず接触を保って、そうしてただ油を請うというだけではなくて、経済協力、何を欲しい、どういう体制でお互いの国同士の利益を図っていくか、こういう資源外交を展開していただきたい。そしてまた、メジャーズが次第に撤退をする情勢の中において、DDあるいはGG原油というものがさらに重きをなしてまいります。そういう観点からも価格は上がってまいりまするから、積極的に産油国と接触を大臣みずからが持たれるようにお願いしたい。先般インドネシア等に行かれたことは大変結構でございます。今度は中東諸国等にもできるだけ早い機会においでになることを私は期待いたしたいと思います。そして、中東からの石油というものは依然として大きな割合を占めておりますから、中東問題の和平、そしてその中核はパレスチナ問題でございまするから、パレスチナとの関係については、外務大臣のサイドだけでなくて、政府を挙げて、そしてまた通産大臣もこの点については積極的な接触を保っていかれることが大変私は日本の国益にもかなうことだろう、かように思いますので、アメリカであるとか、あるいはイスラエルとか、そういうところにだけ気がねをすることなく、日本独自の外交、資源外交を展開していただきたい、このことを申し上げておきたいと思います。
 なお、科学技術協力協定。これは長田長官にも関係があることでございまするが、先般、私もインドネシアに参りました際に強い要請を受けてまいりました。これについては、実は通産省等、外務省は積極的でございまするが関係省庁が必ずしも乗り気でないという事態でございましたが、その後、政府においては積極的に早急に科学技術協力協定を結ぶということを進めておられると思いますが、これらもぜひ早急に実現できるようにお願いしたい。
 中国の関係で、五月か六月には華国鋒主席がおいでになって、そのときには中国との科学技術協力協定が予定されておりますが、それよりも前に、少なくともインドネシアはもっと前から話が出ておりまするし、また地熱あるいはソーラーシステムといったような技術を日本が移転してやることができまするならば、インドネシアもまたそういう代替エネルギーを開発することによって原油等あるいはLNG等の輸出にある程度のゆとりができる、これが日本のエネルギー確保に大きなつながりを持っておりますので、ぜひ科学技術協力協定は急いでおやりになることをこの機会にお願いいたし、またその経過もできるならば伺いたい。
 なお、電力料金に関連して、この機会に一言だけお願いをしておきたいのですが、私は原価主義は貫くべきである。日本の重大な第二次エネルギーを供給する電力会社の経営がうまくいかない、企業が成り立たなければエネルギーの供給もできません。そういう意味において原価主義は原則としてこれを貫いていく、その結果エネルギーが高くなる、これは国民にも理解を求めていかなければならない。しかしながら、できるだけ料金は低くあるべきであることは申すまでもございません。そういう意味においていろいろな御工夫は要ると思いまするが、原子力とか石炭のウエートの大きい電力会社は料金値上げ率も低くなっております。そういうことを考えまするならば、私は原子力、石炭発電をやっているところには何らかの配慮をしていくべきではないか、少なくとも定率法をその部分については検討してよろしいのではないか、こういうことも御検討いただきたいと思うのでございます。
 科学技術庁長官に伺っておきますが、INFCE、これは原子力の平和利用、そうして原子力エネルギーを促進する上においては非常に大事な欠くことのできない問題でございまするが、近々これらの結論が出るように伺っておりますが、これはどうなっているのか、日本に不利なことにはなっていないのか、この点国益を踏まえた結論が出るように御努力いただきたい。経過も伺っておきたいと思うのでございます。
 なお、最近、電源立地についてはいろいろな問題があってなかなかうまくまいりません。非常に時間がかかって計画どおりにいっていない。二年も三年もおくれる。こういうことでは日本のエネルギー、国民生活というものは非常に脅かされてまいりますが、これについては適切な環境問題を、私はエネルギーとそして環境の調和を十分に図った体制の中において国民生活を向上させるためのエネルギー政策を推進していただきたい。こういう問題について政府のお考えもこの機会に伺っておきたいと思います。
 そして、いろいろ問題が飛びますが、原子力は石油に次ぐ重要なエネルギー源でございまするから、強力にこれを進めていただきたい。安全はもちろん大事であります。と同時に、たとえば、CANDU炉を導入することについては、政府の中においていろいろな意見があって、一応いまは見送るかっこうになっておりますが、今後とも長期的な視点から、私はCANDUを再検討していただきたいということも考えておりますので、これらの点についてお答えをいただきたいと思います。簡単で結構ですから、それぞれ大臣から直接伺いたいと思います。
○国務大臣(佐々木義武君) 私の方にお話しでございました分だけお答えします。
 まず、資源外交、エネルギー外交でございますけれども、これはおっしゃるとおりだと思います。何といっても人的な交流が一番もとだと思います。あわせて、経済協力等を復活いたしまして両国の親善を増していくというのが一番根本かと思います。そういうことで、私どももできるだけ中近東のみならず油の出るところには出向きたいと思っておりますけれども、御承知のような事情でございましてなかなか出かけるわけにいきませんので、国会でも済みましたら何はおいてもそういう地帯に参りたいと思っております。
 東京におりましても、ゆうべもアラブ諸国のかつて大臣だった皆さんが見えまして、これは電力関係で来たのですけれども、通産省首脳部と一緒に晩御飯を食べながら話をして親密の度を加えるといいますか、おとといの日もオーマンの王室の顧問の方が見えましていろいろお話しいたしました。これは要するに、しょっちゅう見えますので、こっちで出かけられないときは向こうから来た人をお迎えして、そして外交といいますか、人事の交流を深めたいというふうに心がけております。
 それから、科学協定の問題ですけれども、お話しのように、中国もインドネシアも非常にこれは望んでいるところでありまして、ぜひひとつ進めたいと思っております。また進めつつございます。
 それから、電力料金の原価主義の中で、特に石炭とか原子力を進めている会社に対しては思い切ってその分だけは定率法にしたらどうだというお話でございまして、その点も考慮してただいま査定に入ってございます。
 それから立地問題でアセスメントの関係を十分ひとつ考慮してやってもらいたいというお話は、ただいま新聞紙上等をにぎわしている当面の問題でございますが、私どもも環境庁と一緒になりまして、ひとつ具体的に法律のどの部分がどうしたらいいのか詰めてごらんということで積極的にいま詰めつつある状況でございます。
 CANDU炉の問題でございますが、原子力委員会でああいう決定をなさったものですからそれに従っておりますけれども、といって、研究くらいはしてもいいのじゃなかろうかというので、ことしも予算をつけまして研究費で細々ながら研究を進めておるところでございます。
○国務大臣(長田裕二君) 科学技術協力協定のことにつきましては、通産大臣のお答えになったとおりでございます。
 INFCEの問題でございますが、来る二月二十五日から開かれる最終総会におきまして報告書が取りまとめられることになっておりますが、現在までの下部機関の技術調整委員会及び各作業部会で取りまとめられました結果を見る限りでは、原子力平和利用と核拡散の防止とは両立させ得る、そういう考え方が支配的でございますから、わが国の基本的な立場が取り入れられるもの、そのように考えております。INFCEの結論によって日本の原子力開発が阻害されることはない、そのように考えているところでございます。
 CANDU炉の問題につきましては、御承知のように昨年八月にああいうことになっておりまして、当面ということでございまして、今後の状況の推移あるいは通産大臣がお答えになりましたようなそういう情勢等を勘案しましてどうしていくかということは、これから原子力委員会がまたどう対応していくかということにかかるというふうに存じます。
○中尾辰義君 通産大臣にお伺いしますが、全般的には事務当局にお伺いしたわけですけれども、二点だけ結論的にお伺いします。
 きょうからこの参議院エネルギー特別委員会が開かれたわけですけれども、その最初に問題になったのが、先ほどからお話がありますように長期エネルギー需給暫定見通し、これもるる御説明は聞きましたけれども、たとえこれは見通しでありましても、非常に現実にそぐわないですよ。この数字は東京サミットの結果、無理してつくったような感じがあるわけです。こういうものをもとにしてわれわれはこのエネルギー委員会で議論できない。ですから、大臣いかがですか。これをもう少し現実にそぐう計算方法に見直し作業をする必要はありませんか。それが一点。
○国務大臣(佐々木義武君) これは御承知のように、大変学界、民間の達識の士あるいは各関連官庁等集まりまして、十分長い時間もかけつくり上げたものでございまして、簡単にすぐ手直しというわけにはもちろんいきませんけれども、ただ、先ほど岩動さんもお話しございましたが、資本主義下の計画でございますから、ゴスプランといったような、そういうものとは違いまして、ある程度努力目標的な色彩があるということは、これはやむを得ぬのじゃなかろうかと思います。
 そこで、いまお話しのように、どこがそれほど大きく変わっていくのかという点に私もまだ、たとえばことしの油にいたしましても五百四十万バレル・パー・デーというのはこのものずばりでございますし、節約量等も別に狂っておりません。前提条件に余り狂いがないという感じがいたしておりますので、もし、お話がございますれば、むしろ新エネルギー等に対して少し見通しが甘過ぎはせぬかというような御批判はあるかもしれませんけれども、この点に関しましては後々皆さんの御審議を煩わさなければいかぬと思いますけれども、新しい機構をつくる、あるいは財源を調えたりいたしまして今年度から思い切ったひとつ発足をしようということで、この目標を目指して真剣に取り組む態勢も心構えもできました。そういうことでしばらく見守っていただければ大変ありがたいと存じます。
○中尾辰義君 大臣、これは先ほどから議論があったのですよ。石油の輸入の見通しにしても、六十年度が三億六千六百万キロリットルです。ことしでも二億八千万キロリットルがむずかしい段階なんですから、これからだんだん石油は減っていくのですから、だからこれで議論せいと言っても無理なんです。原子力にしたって、六十五年度五千三百万キロワット、それに七十年度で七千八百万キロワットですけれども、これは安全性等考慮して、立地条件とか、またいろいろ住民運動等も考慮して、これはちょっと無理な感じです、たとえ努力目標にしても。それで議論されておるわけで、これは議論にならないです。議論をするといって質問をしますと、政府側は答弁に困っちゃうのです。いかがですか。
○国務大臣(佐々木義武君) 六十年、五年後でございますけれども、これは御承知のように去年のサミットで六百三十万バレル・パー・デーというのが決まりまして、去年の暮れのIEAの閣僚会議でもそれは一応努力目標として認められております。まだその修正等に至っておりませんし、わが方としては最低限これくらいはどうしても確保しなければならぬという数字で抑えていますので、国際的にそういうものが大きく変化してまいりますれば当然計画の変更ということも考えなければいけませんけれども、いまの段階ではまだそういうところまでいっておりませんので、このままでしばらく努力してみたいと考えております。
○中尾辰義君 それじゃ、最後にもう一点。
 例の電力料金の値上げの問題ですが、予算委員会初め各委員会でずいぶんこれは問題になっておる。これは当然のことでありまして、ことしの物価対策上どうなるか。電力料金の値上げは非常にウエートが大きいわけです。もう大臣御承知のとおり。ですから、これを先ほどから私は議論しておったのですけれども、減価償却の面でも定率法と定額法の問題、あるいは石油の買い入れ価格の問題とか事業報酬の問題、株式配当の問題等非常に問題が多いし、かなり水増しがあるように感じているわけであります。それで、結論だけ聞きますけれども、大臣はこれを一挙に値上げするのか、あるいは物価対策上二回ぐらいに分けてというような考慮もあるのか、一遍に上げるとすればどの程度まで削減されるのか、いま結論を出せと言っても無理かもしれませんが、大体どうですか、大臣の腹の内は。その辺をお伺いします。
○国務大臣(佐々木義武君) これは原価主義でございますので、各ファクターをこれからヒヤリングをしたり、あるいは実地の検査に参りましたり、公聴会がやがて開かれますので、そういう各般の意向を踏まえまして査定に入るわけでございますけれども、その原価の各ファクターを煮詰めまして、そうしてその積み上げたのが結論になるわけでございますから、いまの段階で大体このくらいという見通しを言える段階ではございません。ただ、一回で改定するのか、二回、三回と分けていくのかという御質問でございますけれども、ただいまの申請は一年ということで申請してございますので、現段階では一年で査定したいというふうに考えております。
○中尾辰義君 それじゃ、一つだけ聞きましょう。いま平均六四%の値上げが来ているのですが、これをこのまま認めるというようなことはございませんですな。
○国務大臣(佐々木義武君) 厳格に査定してまいるわけでございまして、そのままの数字ということはあり得ないと思います。
○市川正一君 先ほど大臣が御不在でありましたので、急遽具体的な問題に質問を切りかえたのでありますが、そこで明らかにいたしましたのは、電源開発のむだ遣い、浪費と関連しての問題であります。
 そこで、大臣がお見えになりましたので、私、政府の、先ほど来問題になっておりますこの暫定見通し、この問題に戻して伺いたいと思うのでありますが、この見通しについては努力目標だと政府は言われるし、また、その作成に参加した研究者も、これは輸入石油量が制限されているために、その残りを代替エネルギーで間に合わせるためのいわば政策的指標あるいは数字合わせ的なものだというふうに言う人までいるわけです。そして達成は不可能だという試算も公表されております。われわれも、新しいエネルギーあるいはまた国内エネルギーの開発それ自体当然必要であり、また緊急な課題だ、こう考えております。しかし、そのためには、たとえば立地、環境問題なども含めて、そういう諸問題も加味した着実で正確な見通しの作成、利潤追求を旨とするような民間任せでなく国が直接やはり責任を持って進めていく、こういうような体制も含めて必要であると私考えます。
 そこで、私は通産大臣にこの際要望いたしたいのですが、先ほど来再検討、再提出の問題もありましたけれども、本委員会としてこの問題は重要でありますので、この見通し作成の根拠、すなわち、それぞれのエネルギーについてどういう計算方式で見通しの数値となったのか、また見通し達成のためには、各年度ごとにどのようなテンポでの新エネルギーをふやしていくのかという年次計画、さらには技術上、資金上の問題、立地環境上の問題をどのような困難、制約があってそれをどう解決しようとしているのか、こういう諸点について、エネルギー問題を長期的かつ総合的に審議する当委員会に早急に資料として提出せられるようにお願いしたい。これは本委員会としても今後の審議に重要であると思いますので、通産大臣、よろしくお願いしたいと思うのであります。これが第一問であります。
○国務大臣(佐々木義武君) 出せる限りの資料を出したいと思います。
○市川正一君 それじゃ、委員長としてもよろしくお願いいたしたいと思います。
○委員長(吉田実君) さよう取り計らいます。
○市川正一君 時間が参りましたので、もう一問でありますが、私、大臣が御不在の間に、メジャーがわが国での不当な供給制限、いわゆるカット、それに荒かせぎの実態を指摘いたしました。そうして、去る一月二十九日の衆議院の本会議で大平総理が、大臣も記憶されていると思いますが、村上弘議員の質問に対してはっきりと答弁なさいました。すなわち、メジャーに対してOECDの多国籍企業の行動指針を遵守するよう具体的な内容も示して指導する。ここに議事録もございますけれども、これを私、先ほど質問で求めました。それは石油部長がお答えになりましたけれども、ただ、方針を知らせるとかアンケートで調査するというふうなことだけではなしに、大平総理がお答えになったように、メジャーの供給カットとかあるいは荒かせぎ、そういうものの実態を明らかにして、私は繰り返しませんけれども、先ほども紹介し、また大平総理もお答えになったこういう多国籍企業の行動指針、これに基づいてメジャーの企業行動の改善を要求するという具体的な行動をとるということ、大平総理の答弁のいわのば忠実な実行を求めたのでありますが、大臣のこの点についての決意を伺いたいと思うのであります。
○国務大臣(佐々木義武君) 原油は、御承知のように産油国がメジャーに対する油の割り当てをどんどん減らしておるわけですから、メジャー自体も従来のように自分の意思だけで売り買いしてというわけにはまいらぬわけでございまして、自分の手持ちがだんだん不足になってくるわけでありますから、そういうところから、何も日本だけを削っているというのでなくて、だんだんメジャーのシェアが減ってきているという点をまず御了解いただきたいと思います。したがいまして、非系列系統に対してただいま供給を切っているのでございまして、系列の会社にはいまのところは別にそういうことはございません。
 そこで、メジャー自体から油をさらに、たとえば非系列でありましても手に入れたいということになりますと、やはり取引条件といいますか、そういうものが非常に左右するわけでございまして、向こうはやっぱり商売でございますから、そういう点も考えていかなければならぬという感じもいたします。むしろ日本といたしましては、産油国の方針に沿いまして、DDとか、あるいはガバメント・ツー・ガバメント、GGとか、あるいは原油をみずから採掘するというふうな自主開発の線を進めるとかいったようなことをやはりこれから進めていかなければならぬと思います。だんだん日本におけるシェアも、従来はメジャーが七〇%ぐらいだったのがいま五〇%を切るような状況になってまいりまして、反面それを何で埋めているかと申しますと、いま申しましたDDとか、GGとか、あるいは供給先を変えるとか、たとえば中国とか、あるいはメキシコとか、新しい供給源を開拓するとかいったような時代にいま入っておりますので、メジャーそのものに対してどうという、外国の会社でございますから私ども強制するわけにもいかず、また強制したことももちろんございません。そういう関係でございますので、いま申しました方針といたしましては、そういう新しい一つの油の流通体系の世界的な大変革の最中でございますので、新しい流れにおくれないようにということでせっかく努力中でございます。
○市川正一君 大平総理のこの答弁の立場で対処されることは間違いないわけですね。
○国務大臣(佐々木義武君) 私、恐縮でございますけれども、予算委員会がございまして……。
○市川正一君 じゃ、古田さんからしっかりお答えいただければ結構ですから……。
○政府委員(古田徳昌君) 御指摘の多国籍企業の行動につきましてのOECDにおきます多国籍企業行動指針が採択されているわけでございますが、これにつきましては、私どもとしましても各国政府と協調しながらこの指針の遵守方を必要に応じ指導していくこととしております。また、この行動指針自体につきましては、指針の中におきましてこれは強制する性格のものではないということが指摘されているわけでございまして、これは先生御存じのとおりでございます。
○市川正一君 後に残しながら質問としては終わります。
○委員長(吉田実君) 本日の調査はこの程度にとどめまして、これにて散会いたします。
   午後五時十二分散会