第093回国会 決算委員会 第3号
昭和五十五年十月二十九日(水曜日)
   午後零時三十二分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 十月二十八日
    辞任         補欠選任
     安武 洋子君     近藤 忠孝君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         野田  哲君
    理 事
                井上  孝君
                高橋 圭三君
                降矢 敬雄君
                円山 雅也君
                小山 一平君
    委 員
                石本  茂君
               大河原太一郎君
                河本嘉久蔵君
                坂元 親男君
                塚田十一郎君
                内藤  健君
                仲川 幸男君
                成相 善十君
                福田 宏一君
                穐山  篤君
                鶴岡  洋君
                近藤 忠孝君
                柄谷 道一君
                森田 重郎君
   国務大臣
       通商産業大臣   田中 六助君
       国 務 大 臣
       (経済企画庁長
       官)       河本 敏夫君
   政府委員
       公正取引委員会
       事務局経済部長  伊従  寛君
       経済企画庁長官
       官房長      禿河 徹映君
       経済企画庁国民
       生活局長     小金 芳弘君
       経済企画庁総合
       計画局長     白井 和徳君
       外務大臣官房外
       務参事官     渡辺 幸治君
       通商産業政務次
       官        山本 富雄君
       通商産業大臣官
       房審議官     神谷 和男君
       通商産業省通商
       政策局次長    真野  温君
       通商産業省貿易
       局長       古田 徳昌君
       通商産業省産業
       政策局長     宮本 四郎君
       通商産業省立地
       公害局長     松村 克之君
       通商産業省機械
       情報産業局長   栗原 昭平君
       通商産業省生活
       産業局長     若杉 和夫君
       資源エネルギー
       庁長官      森山 信吾君
       資源エネルギー
       庁長官官房審議
       官        児玉 勝臣君
       資源エネルギー
       庁石油部長    志賀  学君
       資源エネルギー
       庁公益事業部長  石井 賢吾君
       中小企業庁長官  児玉 清隆君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        丸山 利雄君
   説明員
       環境庁大気保全
       局大気規制課長  卯木  稔君
       法務省刑事局刑
       事課長      井嶋 一友君
       会計検査院事務
       総局第四局長   高橋  良君
   参考人
       中小企業金融公
       庫総裁      船後 正道君
       中小企業信用保
       険公庫総裁    小山 雄二君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○昭和五十二年度一般会計歳入歳出決算、昭和五
 十二年度特別会計歳入歳出決算、昭和五十二年
 度国税収納金整理資金受払計算書、昭和五十二
 年度政府関係機関決算書(第八十七回国会内閣
 提出)(継続案件)
○昭和五十二年度国有財産増減及び現在額総計算
 書(第八十七回国会内閣提出)(継続案件)
○昭和五十二年度国有財産無償貸付状況総計算書
 (第八十七回国会内閣提出)(継続案件)
    ―――――――――――――
○委員長(野田哲君) ただいまから決算委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 昨日二十八日、安武洋子君が委員を辞任され、その補欠として近藤忠孝君が選任されました。
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○委員長(野田哲君) 次に、昭和五十二年度決算外二件を議題といたします。
 本日は、通商産業省、経済企画庁、中小企業金融公庫及び中小企業信用保険公庫の決算について審査を行います。
    ―――――――――――――
○委員長(野田哲君) この際お諮りいたします。
 議事の都合により、これらの決算の概要説明及び決算検査の概要説明は、いずれもこれを省略して、本日の会議録の末尾に掲載いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(野田哲君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
○委員長(野田哲君) 質疑通告のない船後中小企業金融公庫総裁及び小山中小企業信用保険公庫総裁は、退席していただいて結構です。
 それでは、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○穐山篤君 最初に、日本消費者協会の問題についてお伺いします。
 きょうから通産大臣、資源外交で海外にお出かけの矢先に、この種問題を取り上げるのはどうかと思いますが、これは国の財産にかかわる問題、あるいはこれからの消費行政の健全な発展という見地から考えてみましても、ゆゆしい問題でありますので、正確にひとつ問題を受けとめていただきたいと思うんです。
 日本消費者協会のある庶務室長が、多額の金銭を銀行から融資を受け、それを着服していた疑いが非常に強いわけでありまして、現在は告発に基づいて、関係当局で調べている事件であります。
 そこで、通産省は監督官庁としてこの事件をどういうふうに掌握をされたのか、現在時点におきます実情をまずお伺いをしたいと思うんです。
○政府委員(神谷和男君) 御説明いたします。
 財団法人日本消費者協会につきましては、当省といたしましては、本年の初めごろより経営経理内容の健全化策の一環といたしまして、財務内容の検討を指示してまいったところでございますが、七月初めごろ、協会より決算書類等に不整合がある旨が判明したという趣旨の連絡がございましたので、このため、私どもといたしましては、さらに詳細調査を行うよう指示したところでございますが、本年八月四日庶務室長高田が、不正流用の事実を認めましたので、同協会といたしましては、九月一日同人を懲戒免職処分にするとともに、九月五日東京地方検察庁に業務上横領の疑いで告訴したわけでございます。十月二日同人が逮捕され、十月二十二日起訴され、今後裁判の審理の過程を通じて、さらに真相が明らかになるものと考えております。
○穐山篤君 告訴した代表人はどなたになってますか。
○政府委員(神谷和男君) 同協会の会長宇野政雄氏でございます。
○穐山篤君 いま概要が説明をされたわけですが、関係当局の調べもありますけれども、この事件は今年度まで続いていたわけですね。本省が掌握しております総額ですね、捜査当局には後ほどお伺いしますが、おおむねどういう程度に掌握をしてますか。
○政府委員(神谷和男君) 昭和五十一年度より五十五年度の告訴の時点までの間、一億二千百万円の使途不明金が存在することが、外部の会計事務所に委託をいたしました調査の結果判明をいたしており、このほとんどのものが業務上横領の対象になっておるものと考えております。
○穐山篤君 さてそこで、監督官庁であります通産省として、補助金が有効、かつ適切に使われているかどうか、あるいは協会の運営が消費者のニーズに合わせて、十分機能しているかという、そういう面からの指導が必要だろうと思うんですね。しかし、この協会も主体性があるわけですから、金は出すけれども口は出してもらいたくないという、そのことは一般論としてはわかります。しかし、五十一年度の決算、五十二、五十三、五十四年度とも協会内部に監事もおりますし、それから会長なり、専務理事、あるいは次長という者も現実にいるわけですね。通常いかなる場合でも貸借対照表なり、資産表なり、すべからく一定のものが出されて、それで検査を完了して理事会の承認を得ると、こういう手続になっているわけですが、そういうものを全然監査をしないで今日まできたんですか。それとも監査はしたけれども、十分それが発見できなかったというふうに掌握をしているんですか。その点いかがですか。
○政府委員(神谷和男君) 刑事事件の責任問題とは別といたしまして、今回の不正事件に関連して、おのおの監督あるいは当該業務に携わる者が、どのような組織内としての責任を持っており、またどの程度それに欠けたところがあるかというところにつきましては、協会内部においても、さらに引き続き真実を突き詰めていくよう、われわれの方といたしまして指示をいたしておるところでございますので、その全貌を待って、私どもとしてもさらに今後のことを考えてまいりたいと存じておりますが、ただいま御質問の点につきましては、具体的に、細かくは申し上げられませんが、やはり内部の相互チェック体制といったものに不備があったと。したがいまして、その体制そのものに対しての改善がなければ、なかなかいわゆる理事会その他の段階においては発見できない部類の不正と、さらに詳細に調査をしてまいれば、あるいは発見できたのではないかと思われる事項と、両者が存在すると考えております。
○穐山篤君 住友信託銀行にほとんど基金を預託をしておりまして、それからその都度融資を受ける場合にも当銀行から借用を受けていたわけですね。通常であるならば、保証人であるとか、あるいは担保物件というものが必要でありますが、実績でいきますと、そういうものが一切なくて融資を受けていた。現在までのところ、当銀行からこの高田貢が融資として引き出しをしておりました金額は、どの程度に押さえておりますか。その点いかがですか。
○政府委員(神谷和男君) 具体的に私どもといたしましては、現時点では高田貢がどのように借り入れを行ってきたかどうかという点につきましては、まだ十分の全貌の把握はできておりません。しかしながら、現在昭和五十五年三月末においての短期借入金が一億五千六百万円強という数字になっております。
○穐山篤君 会計検査院にお伺いしますが、昨年の六月、検査院としては、この協会の主として補助金を対象にして検査をされていたわけですが、その当時、言いかえてみれば昭和五十三年度の補助金の決算について、あるいは補助金の決算に関連をして、当協会の経理をどういうふうに検証をされたのか、その点お伺いします。
○説明員(高橋良君) 御答弁申し上げます。
 この消費者協会に対しましては、国から補助金の交付を受けているということで、院法二十三条による指定を行いまして、検査を実施しておるわけでございますが、先生御指摘のように、五十四年の六月二十一日と二十二日の二日間、人員二名をもって検査を実施いたしております。検査につきましては、検査指定の趣旨というようなところから補助金にかかわる会計、つまり補助金に見合う仕事がなされているかどうかというような点を中心に見ておりまして、この補助事業に関しましては、補助事業に関する帳簿を別につくっておくようにということが条件になっておりますので、その帳簿を中心に検査をいたしたわけでございまして、証拠書類などによりまして、補助事業の実績報告書の内容が適正かどうか、あるいは補助事業として実施した商品テストの結果の公表が、消費生活の合理化に役立つよう適正に行われているかどうかというような点について見てまいったわけでございます。何分、先ほど申しましたように、人員あるいは日数等の制約もありまして、検査の対象を商品テスト事業の補助事業にしぼってやりましたわけでございまして、本件の場合、財務諸表の調査につきまして、そこまでやっていなかったというのが実情でございます。しかしながら、本件のような補助事業につきましては、やはり協会全体の経費などにつきましても、留意してまいる必要があると思われますので、今後は財務諸表につきましても、補助事業との関連において十分注意して検査してまいりたいと、かように考えております。
○穐山篤君 少なくとも協会の運営の資金はもっぱら国の補助費、それから自転車振興会からの補助金、あるいは基金の運用益からなっているわけですね。そうしますと、検査院が検査をする場合に、当然のことですが、流動資産なり、あるいは銀行の預貯金の残高証明というものを一応とって検証するのがごく常識的だと思うのです。と言いますのは、補助金が年度の初めに全部ぼんと一本でくるわけじゃないのですよ。四半期ごとに分かれ、あるいは自転車振興会の場合でも分割をして実績を見ながら補助するわけですね。そうしますと必然的に銀行からの借り入れ、短期の融資ということはあり得るわけです。そうしますと、補助金の使途について適切に使われているかどうかということは、当然検査院の機能としてやらなければなりませんけれども、それに付帯するものとして、いま私が申し上げましたような財務諸表を検証しなかったというのは手落ちではないかと私は考えますけれども、その点はいかがなんですか。
○説明員(高橋良君) お答え申し上げます。
 これは私どもの検査指定というのが補助金にかかわる会計、こういうことでありまして、人数あるいは日数等の制約の範囲内において、効率的な検査を実施しなければならないわけでございますが、その限りにおきましてやはり制約がある、こういったことでございます。手落ちというふうなお話がございましたが、たとえば農林関係の補助金なんかが農業協同組合にいっている場合でも、農業協同組合そのものの会計、経理というような点についてやっているというようなことになりますと、これは大変なことになります。ただ、先生御指摘のように、本件補助金につきましては、きわめて、何といいますか、協会の経費と、こういったものとの関連がございますので、先ほど申しましたように、やはりそういう補助事業との関連におきまして、十分注意してまいる必要がある、かように考えております。
○穐山篤君 従来、補助金の検査の場合には、補助金を主たる調査検査対象にしていたわけですが、いまお答えがありましたように、これはすべてにわたります補助金の検査について同様なこれからの姿勢については、すべての補助金についてそういう広範なといいますか、関連をして検査をするというふうに再確認してよろしゅうございますか。
○説明員(高橋良君) 先ほど申しましたように、すべての補助金というわけにはまいらないと思います。たとえば、先ほども申しましたように、農業協同組合に対して間接補助金が出ましてトラクターを導入している、そのトラクターがいわば農民のために利用されているかどうか、こういった問題についてわれわれ検査をいたします場合に、一々農業協同組合の会計経理が適当であるかどうか、そういったところまで追及するということは、実際上不可能でございます。したがいまして、補助金の性質によりまして、やはり先生御指摘のようなことをやってまいる必要があるかと、かように考えます。
○穐山篤君 それは私も機械的に言うつもりはありませんが、前回私は当決算委員会で、畜産組合あるいは農業協同組合に対します助成金の不正の問題について追及をしてあります。したがって、そういうことも踏まえて、今後適正なひとつ検査をお願いするように要望しておきます。
 それから、五十一年から五十五年まで一億五千万円近い金が、まあ告訴のときには一億二千百万円というお話でありますが、これが無断で銀行から融資を自分でやっていた。仄聞するところによりますと、去年も、ことし早々も、協会の専務理事あるいは次長が、どうも金の出し入れ、あるいは会計の処理について不審があるというふうに見て、再三この高田に注意を与えると同時に、具体的に証拠を出しなさいというふうに詰めているはずですね。そのことはもう本省の皆さんもお知りになっていると思うんですが、昨年この高田の銀行からの借り入れに不審を抱いて指摘をしておった当時、きっちり問題を整理をすれば、これほどまでに不正使用額がふえなくて済んだと思うし、また協会の運営も早く軌道に戻ったのではないかというふうに思うわけです。
 そこで私はお伺いするわけですが、専務理事にしろ、あるいは監事にいたしましても、この種経理の処理、あるいは財務諸表の処理などについて、全く素人と言っては語弊がありますけれども、それに近いのではないか、言いかえてみますと、この経営に対しまして適切な人たちではなかったというふうに言わざるを得ないと思うんです。あえて私が勘ぐって申し上げるならば、高田が金を引き出していた時分に、不審があるけれども君どうかという程度の忠告を与えただけで、真剣に問題を掘り出して問題の処理、整理に当たるという気概に乏しかったのではないかというふうに思うわけです。もっと客観的に悪い言葉を使うならば、しばらくの間暗黙の了解を与えていたのではないだろうか、こんなふうにも受けとれる節があるわけですが、その点通産省でお調べになった点はいかがですか。
○政府委員(神谷和男君) 昨年の時点におきましては、私どもこの不正事件に関しての十分といいますか、情報というものを得ておりませんので、私ども不正事件の情報を得ましてからは、鋭意調査をせしめたわけでございます。ただ、問題は監督者にある者、あるいは監査する立場にある者が、十分の能力を有していたか否かにつきましては、その十分という程度にも問題はあろうかと思いますが、監事の中にはその方面の専門の学者の方もおられますし、専務理事に関しましても、特に経理のエキスパートと言うことはできないと思いますが、私どもといたしましては、当該財団というものの管理というものを本腰を据えてやれば、私ども少なくとも事態がこのようなところまで至る前に発見し、改善できるだけの能力は有しておるのではないかというふうに考えております。これらの責任問題あるいは具体的事実関係については、今後の調査を待ちませんと、先生御指摘のような疑いがあるのかないのかというのを、公の場で軽々しく申すわけにはまいりませんが、私どもといたしましては、御指摘になりました人以外にも、いろいろな形での管理、監督、あるいは業務上の責任を持っておられる方がおられますので、このあたりについて、やはり協会として、自主的に問題の所在を洗い直して、その改善策を打ち立てていくべきものと、こういう観点から指導をいたしております。
○穐山篤君 それで警察の方にお伺いしますが、先ほども言われておりますように、九月五日告訴が行われ、十月二日に逮捕され、十月二十二日に起訴された、こういう状況の中でありますが、この事件については目下進行中ですから、すべて細かくは当委員会で明らかにするのはむずかしいと思いますけれども、これをほとんど高田一人の個人的な行為が濃厚であるのか、あるいはその他若干の者がこれにかんでいるかどうかというふうな点の印象はいかがでしょう。
○説明員(井嶋一友君) 先ほど警察というお話がございましたので御説明申し上げておきますが、先ほど通産御当局から御説明がございましたように、本件は本年の九月九日に東京地検に告発がなされましたので、東京地検の特捜部におきまして捜査を行いまして、本年十月二十二日に業務上横領罪ということで、高田貢を東京地方裁判所に起訴しておる事件でございます。
 それで、ただいま御質問のございました金の使途という問題でございますが、先生御指摘のように、現在裁判が進行中の事件でございますので、詳細を申し上げることは差し控えさしていただきたいと、こう思うわけでございますが、御質問のように、抽象的にというお話でございますので、その限度で、裁判所の予断を抱かせない限度で申し上げるならば、ほとんど個人的に費消されておるというふうに聞いております。
○穐山篤君 さてそこで、高田個人が遊興費その他に充てたということのようでありますが、通常使途不明金という場合には、領収書が全くないし、またそれを明らかにする裏づけとなる他の証拠もない場合には、使途不明金という一般論で処理されているわけですが、この一億何千万円の着服の中で、これもおおむねの見当で結構でありますが、領収書のあるものとないものとの割合ですね、どんな感じになっているか、感じで結構ですから明らかにしてもらいたい。
○説明員(井嶋一友君) ただいまも申し上げましたとおり、横領金の使途につきましては、今後公判の推移に応じまして、検察官が立証をしていくものでございます。そういった意味におきまして、いまの領収書の有無も含めまして、具体的に御説明することは差し控えさしていただきたいと思うわけでございますが、先ほど申しましたように、ほとんど遊興、飲食、それから新聞にも言われておったことでございますが、ホステス等に対する金品の贈与といったようなものに使われておるというふうに説明されております。
○穐山篤君 大臣、いままでやりとりの中でおわかりになったと思いますが、当協会には会長を初め専務理事、理事なんかはほとんど有名な方々ですね。それから監事にいたしましても、これまた世間からは高く評価されている方々の団体でありますよね。それが一億数千万円の金を、個人といえども無断で着服したということは、そのこと自身が全くけしからない事件であることは当然でありますが、協会全体の経営の責任と運営について、この会長以下役員の方々の熱意も私は疑いたくならざるを得ないというふうに思います。その意味では、今回の不祥事の責任は挙げて協会の幹部にあるというふうにまず第一に指摘をせざるを得ないと思うんです。それから二つ目は、この協会というのは補助金、自転車振興会の補助金、寄付金の運用ということで、通産省とするならば、できるだけ金は出すが口は出さないようにしたい、自主性は尊重するという多分気持ちだろうと思いますけれども、しかしここ数年の間補助金に対します国民の意見、あるいは注文というのは非常に強いわけですから、通産省当局としての監督の責任、あるいは指導の責任も免れないと思うんです。そういう意味では強く責任を感じていただかなければ、問題の解決をすることはなかなかむずかしいと思うんです。その点で大臣のお考え方をこの辺でひとつ明らかにしてもらいたい。
○国務大臣(田中六助君) この種の協会の責任、監督の不行き届き、これは挙げて通産省並びに私にございまして、消費者の皆さん、国民の皆様に深くおわび申し上げます。もちろん小切手を含めまして一億二千百万程度の金を長きにわたって、まあ数人でやっているような証拠、そういうことはいま司直の手に任せられておりますので、その糾明を待っていくしかしようがございませんけれども、個々の理事長、役員の人々のもちろん責任もございますが、冒頭に申し上げましたように、監督官庁としての責任を強く感じて、消費者並びに国民の皆様に深くおわび申し上げたいというふうに思います。
○穐山篤君 そこで、私は再三指摘をしているわけですが、当協会の幹部の責任は道義的にも十分に感じてもらわなければ困ると思うんです。事件は個人が起こした問題だから、あれは個人で処理しろというふうなぐあいにはいかないと思うんです。
 そこで問題は二つに分かれると思うんですが、一つは、協会の幹部が責任を非常に痛感をして、すぐおやめになるということも責任のとり方の一つだろうというふうに思います。それから現実に一億数千万円の金が銀行から引き出しをされていまして、個人といえども当然日本消費者協会の看板が前にあるはずです。したがって、協会の立場から言うならば、事件の処理の方とは別に、銀行に対しまして返済をしなければならぬ、そういう問題があるわけです。現実に返済もといいますか、返済の方途について研究をされてもいるようでありますが、そういう事後処理を十分行った上で、責任の所在を明らかにしてもらうというやり方もあるだろう。それから問題は、この消費者協会を将来にわたってどういうふうに位置づけていくのか、その位置づけの中で再建方策をどうするのかと、こういうふうに問題が逐次発展をしていくものと思います。
 そこで通産省にお伺いをしますが、この消費者協会の位置づけのところをいまどんなふうにお考えになっているのか、事件の最中でありますので、なかなか厳しいものがあろうとは思いますけれども、協会の位置づけ、評価というものをどういうふうにまず行うか、それによって事後措置もいろいろな方法が考えられると思うんです。いかがですか。
○政府委員(神谷和男君) 協会につきましては、先生御承知のように、事業といたしまして、消費者からの苦情処理事業、あるいは消費者向け、あるいは企業向け等の教育事業、さらにはかなりのウエートを占めております商品テスト事業、あるいはこれらの成果を普及するための出版事業等を行っておるわけでございまして、この発足の経緯から見ましても、日本の中におきますもろもろの消費者利益の保護、あるいはその権益の拡大、さらには全般的な問題のレベルアップということを目的としておる団体でございますので、私どもといたしましては、この協会の行っておる事業というものは、高田個人の不正事件とはかかわりなく、やはり従来どおりきわめて意義のあるものというふうに考えております。したがいまして、協会がこれらの事業を遂行をしていく母体という意味で、その位置づけはその面からは変わらないと思いますが、しかし、いずれにいたしましても、財団法人という一つの公益法人としての組織体でございますし、このような事件が起きましたために、財務上のいろいろな問題点を必然的に抱えざるを得なくなっておるわけでございますし、さらには、世の中からは、各方面から非常に厳しい目で今後見られることになろうかと思いますので、こういう重要な事業を今後とも遂行し得るような健全な体質に改善し得るのだということを示して初めて、行う事業と、それの受ける母体ともども、従来どおり評価し得ることになるのではないかと考えております。したがいまして、基本的な位置づけは変わりませんが、今後非常に難問を抱えたポジションに現在あると、このように考えております。
○穐山篤君 まだ考え方が十分明確に出されていないんですが、この事業は基本的に継続をしたい、そのためには健全な体質にしていかなければならぬ。そのお気持ちは十分にわかるわけですが、ただ問題は、この協会の運営に必要な財源というのは、国の八千万円ないしは九千万円の補助金と、それから自転車振興会が出しております一億円以上の補助金その他の金から成っているわけですね。国以外の補助団体としては、自転車振興会があるわけですが、この団体が、消費者協会の運営は好ましくない、あるいは補助の対象にするには問題があるということで、補助金の交付について手を引くようなことがありますと、これは協会が財政の分野から質的にもう変わってしまわざるを得ない、こういうことも考えられるわけです。したがって、直接自転車振興会と協議をする必要がないとは思いますけれども、この辺のことも十分に参酌をしませんと、気持ちの上では十分に継承して、消費者行政のために当たりたいという気持ちはあったにしましても、具体的に事業が進展をしない、こういう問題があるわけです。すでに自転車振興会には、今月中に来年度の予算要求をおやりになったようでありますが、きめの細かい内容を付して自転車振興会に申請をお願いをしたわけでもありません。自転車振興会の方の態度も伺ってみますと、十分に検討しなければ将来の補助金の交付についても問題が残るのではないかという指摘も一、二聞いているわけです。そういうやさきにあるだけに、通産省の基本的な態度がある意味では問題をどちらの方向に発展をさせるかということになるわけでありまして、これは政策的な問題でありますので、大臣の考え方を改めてお伺いをしておきます。
○国務大臣(田中六助君) 消費者並びに国民の皆様を中心として、そういう考えのもとに、この協会は情報の収集、あるいは消費者並びにそれに連なる企業者の有益な処置の仕方をしなければならない目的を持っておるわけでございますので、しかも自転車振興会などからの金も悪い方向に使われるというようなことになりますと、まさしく大問題でございますし、私どもはこれらを中心としてダブルチェック、通産省ももちろんそうですが、自転車振興会並びに審議会、協議会、そういうところのチェックを怠りなく、これから努めてまいりたいという、つまりウォッチをすることに重点を置いて、万遺漏のないような責任をとってまいりたいというように考えます。
○穐山篤君 そうしますと、消費者協会の事業運営については、いろいろな困難もあるけれども、体質改善を図りながら十分に再建を図っていきたい、そういう決意であることは大臣答弁で明確になったわけです。
 さて、そうしますと、次に問題は、どうやって再建をするかという再建策がなければならぬと思うんです。
 この不祥事は個人が行ったものであったといえども、その責任は協会全体が、特に幹部役員が負わなければならない。経営の衝に当たっております役員が当たるということになると思うんですが、その再建方策について、協会と本省との間には、どういう角度で話が進められているのか、この基本的な再建策について明らかにしてもらいたい。
○政府委員(神谷和男君) まず第一に、私どもといたしましては、大事な仕事をやってまいります組織体でございますので、先ほどの大臣の答弁にもございますように、できるだけ健全なものに立て直していきたい、そうあってほしい、こう考えておるわけでございますが、基本的にはやはり、この団体がみずからどのように再建していこうとするのか、あるいはどういう具体的プランで再建していこうと考えるのかということを、自分たちで決めていただくことが一番大事であろうというふうに考えております。したがいまして、まず第一に、財政面で大きな穴があいたこの協会を、将来にわたってその面でどう改善していくつもりであるか、あるいはどういうふうな計画を考えていくかという点が第一。第二に、再度このような事件を起こさないような内部管理体制というものをどういうふうに打ち立てていくか、あるいは現状を改善していくか。この二点について、協会として案をつくりまして、私どもの方にお示しいただくよう現在指示しておるところでございます。
○穐山篤君 きょう協会の役員を参考人に呼んではおりませんが、協会の態度は、いまどういうふうな印象でございますか。
○政府委員(神谷和男君) まず財政面につきましては、全般的に経費の削減、一部事業努力による収入増といったようなものを考えながら、案を検討をしつつあるというふうに承知いたしておりますが、やはり多くの人間の働いております組織体でございますので、協会の中にもそれらの再建案をめぐって、いろいろ議論が行われておるものと了知をいたしております。
 第二の、ダブルチェックシステム等を内容といたします経理面での体制整備につきましては、まだ私ども十分この方向でと考えられるような案と申しますか、考え方の方向についての報告を十分受けておりません。これらにつきましては、世帯が小さいものでございますから、大規模な組織が考えるようなりっぱなものはつくれませんが、しかしその世帯なりの十分有効なチェックシステムというようなものについてもへ担当課を通じてアドバイスしてまいりたいと考えております。
○穐山篤君 協会の幹部、経営陣が、本当に性根を据えて再建をする、この事業を継続をするために献身的な努力をする、再建のためにあらゆる障害を乗り切って再建努力をする、その自助努力にかかるのだというふうにお話があるわけですが、しかし、ここの協会の運営を見てみますと、会長以下顧問までのいわゆる役員の数と、それから非常勤も含めてですが、職員の数とほぼ同じくらいですね。そこで指摘をしておかなければなりませんのは、この職員全体もその再建のために努力をする、貢献を果たさなければならぬというのは、一般論としてはそのとおりでありますが、その職員が再建のために財政的な、あるいは金銭的な労働条件の分野で多大な犠牲を受けて再建をするような再建案とするならば、これは主客転倒だと思うんです。会長初め監事、顧問に至るまで、二十数名の経営陣が、まず第一義的には責任を痛感をして、再建のために物心両面の負担を負うというその姿勢がなければ、言うところの自助努力には当たらないと思いますが、その点いかがですか。
○政府委員(神谷和男君) 会長を初め理事、監事の方々には、いわゆる管理の立場にある方といたしまして、私ども従来以上に真剣にこの協会の将来を考えていただきたいと考えており、強く要請をいたしておるところでございます。しかし、具体的に再建策をいかなる形で行っていくかということについては、私どもが特に物的面でどこがどのようにしょっていくべきであるというようなことを直接指示する立場にはないというふうに考えております。独立した組織体でございますので、理事側あるいは職員皆様でお考えいただくべきものと考えております。
○穐山篤君 理屈の上では全くそのとおりだと思うんです。仮定の話を私が出しますとね、たとえば会長以下役員の人たちが、もうこれはたまったものじゃないということで、もし辞表を全部がお出しになったらどうなりますか。あれはよその財団法人だからおれらは知らねえぞという調子には監督官庁としていかないと思うんですね。だから余り木に竹を接いだような話ではとても国民の前に親切な答弁にならぬと思うんです。私のいま出しました例も、全くこれは例にならない例かもしれませんけれども、じゃ責任をとってやめさせてもらいますと言えば、またある意味じゃそれまでのことになってしまうおそれがあるわけです。ですから、もう少し温かみのある将来展望ということを本省も人知れず考えてやらなければ問題にならぬと思うんです。もう一度お願いします。
○政府委員(神谷和男君) 御承知のように、公益法人の役員につきまして、私ども罷免権もございませんし、任命権もございません。しかしながら、先ほど先生が御指摘のように、この再建を考えていく上で理事の方々は直ちに責任をとってどんどんいまもうやめてもらうのか、あるいは将来の再建について真剣に考えた上で、その上で責任の問題を考えるのかというような問題につきましては、私ども、たとえばやはりこういう事態に陥った以上、その将来についての再建策というものを真剣に現在の役員の方々にお考えいただいた上で、すべての責任問題その他は処理すべきであると、こういう趣旨の指導を行っておるところでございまして、その具体的な再建の細かなところまで、御相談には大いに乗らせていただきたいと思いますし、御助力もさせていただきたいと思いますが、私どもがすべての部分にわたってまで、こうせいああせいというような形で指示することは、適当でもございませんし、また、そういうような形で将来存続するような団体というものは、りっぱな業務を遂行し得るような団体にはならぬと考えておりますので、私ども役員、職員を含めて、できるだけ自主的にこの問題に取り組んでいただきたいと、こういうふうに考えておるわけでございます。もちろん御指摘のわれわれの御助力、あるいはできるだけのアドバイス、御援助、これは先ほど大臣がお答えさせていただきましたその方向で考えていきたいと思っておりますが、そのように立ち直れるかどうかという問題については、やはりこの協会が考えるべきものと考えております。
○穐山篤君 まだ再建策が完全なものができた段階でもありませんので、きょうのところはその程度で終えておきますが、再建策を考えるに当たりましても、やっぱり世間から非難をされないような再建策にしなければなりませんし、それから先ほども指摘をしましたように、職員のみが過大なその犠牲を負ってまで再建をしなければならないのかということになりますと、将来の協会の運営にも重大な障害が出てくるわけです。したがって十分その辺を考えていただいて、再建策が出ました段階でまた改めて指摘をしておきたいというふうに思います。
   〔委員長退席、理事小山一平君着席〕
 さて、それらに関連をして問題を明らかにしておきたいと思いますのは、消費者のためにいろんな事業がいろんな個所で行われているわけですが、たとえばこのいわゆる商品テストの問題につきまして、日本消費者協会が行っておりますね。それから、同様なものが国民生活センターで行われております。それから、これは法律が背景にあるわけですが、通産省の工業品検査所でも同様なものが行われておりますね。それから通産省関係の電気用品取締法に基づきまして、財団法人日本電気用品試験所も、テストの面で言えば同様なテスト事業が行われている。さらに通産省には、認可法人で製品安全協会というものがあって、これまた同じようなものがあります。さらに、前回の国会で行政改革に関連をして、議論になりました、農林省の農林規格検査所というものが、横浜、大阪にもあると。いろいろ調べてみますと、たとえば日本消費者協会で電気もちつき機の商品テストを行っている。それから国民生活センターでも同じく電気もちつき機のテストが行われる、あるいは全自動の洗たく機も同様に両協会、センターで行われている。それから国民生活センターで行っております布団の乾燥機につきましても、通産省の工業品検査所におきましても、同様な検査を行っている。言ってみますと、六つか七つのそれぞれの協会、団体あるいは国の機関が、ラップしてテスト事業を行っているわけです。角度が変われば変わった検査ができるというお話もあろうと思いますが、これが独自にみずからの力で行われているならば問題は少ないわけですが、ときによりますと、日本消費者協会が委託をして検査するところと、国民生活センターが委託をしてテストをしてもらっているところがたまたま同じである、そういうものがかなりラップしている。それから、同じ検査を行いましても、協会とセンター、あるいはその他の団体、試験所のテストの結果の発表が違っている。そこで消費者は、どれを最優先をしてみずからの生活に当てはめていくかということについて苦慮していることも再三再四指摘がされているわけですね。
   〔理事小山一平君退席、委員長着席〕
 そこで、経企庁の方の国民生活センターは、最近要員もふえ、あるいはテスト品目もふえ、あるいは財産もかなりあちこちにふえているようでありますが、この生活センターと協会との検査のあり方という問題について、どんなふうにそれぞれがお考えになっておりますか。その点ひとつ見解を明らかにしてもらいたいと思います。
○政府委員(小金芳弘君) お尋ねの商品テストの問題につきましては、国民生活センターと日本消費者協会との間では、消費者のニーズの高いものについて重複しないように、お互いに相互補完的にテストするという原則に基づきまして、年度の初めに両者でその候補の商品につきまして話し合いを行いまして、そこで調整の結果、それぞれその年度につきましてテストをする、そういうふうにやっております。たとえば商品名におきまして同じようなものをやります場合も、消費者協会と生活センターの方では、同じカメラでありましても、片一方は一眼レフをやり、片一方はオートフォーカスをやるというようなことで、テストの境界が重複しないように、両方話し合いの上で、なるべく広範囲に情報を提供するというようなことでやっております。
○穐山篤君 消費者協会の方は、いまのセンターに関連をして、経企庁の方からはラップしないように年度当初に十分相談をして行うと、こういうお話ですが、最近国民生活センターの方は、後発の事業団体ではありますけれども、相当の規模のものをテストしているような感じを受けるわけです。
 そこで、両者を比較をしてどうこうという意味でなくて、こういう商品テストについてのベターなあり方ですね、これはフランクにひとつ、こういうふうにやればもっと消費者のニーズに合うし、あるいは発表の仕方も前広に、あるいは広範にするためには、こういう方法もあるじゃないかというふうなことも、かなり前から関係方面から指摘をされているわけですね。そういうものにおこたえをするという立場から、いまの問題についてもう一度御返事をいただきたいと思うんです。
○政府委員(小金芳弘君) お尋ねの問題につきましては二つの問題がございまして、このセンターにいたしましても、消費者協会にいたしましても、テストするということは一つのサービスの提供でもあるわけでございまして、いわゆる行政的な行為とは異なりまして、いわゆるサービスを提供するという点では、なるべく多様なものがあった方がいいという面もございますわけでございます。これは行政機関でございますと、一つのものを重複してあちらこちらでやるということは問題が出るわけなんでございますが、このテストサービスのようなものにつきましては、なるべく広範に多様なテストサービスというものの選択が消費者にとってできるということが重要であると思います。
 したがいまして、われわれといたしましても、テストはなるべく多様に行われるということが望ましいのではないか。ただ、その場合非常に似たようなものが出まして、消費者が混乱するという面がございますので、それにつきましては、ラジオ、テレビ、あるいは出版物等によって、国民に情報を提供する場合、消費者を混乱させないように適正な情報を与えるということが必要かと思いまして、そのように努力をしているところであるというふうに考えております。
○穐山篤君 通産省と経企庁両方に最後にお尋ねしますが、国の予算で一般会計で決まる場合の予算額と、実際に実行予算を組む段階では、一〇%前後開きがあるわけですね。そのことがそれぞれの事業活動にいささか影響を与えていると思うんですけれども、この補助金のあり方ですね、それについて、それぞれの省はどんなふうにこれから改善をしていった方がいいのか、あるいはあくまでも予算で見積もったように、実行予算段階でも削減をしないでやらなければ、事業に重大な影響があるというふうにお考えになって、これからの予算要求、折衝に当たるのかですね、その点、それぞれからお伺いをしておきたいと思うんです。
○政府委員(小金芳弘君) 現在のところ、消費者の消費生活というものは非常に多様化しておりまして、新しい製品その他のものも、非常に年々大量に出ておるような状態でございまして、この場合消費者が適正な選択が自力でできるようになるということが最も必要かと考えます。そういう意味におきましては、消費者が自分で適正な選択をできるためのテストその他の情報を、できるだけ豊富かつ多様に供給するということがわれわれの仕事であるというふうに思っておりますので、できるだけ消費者のニーズに応じまして、そういうテストサービスその他のものを提供していきたいというふうに考えております。
○政府委員(神谷和男君) 私どもも基本的に経済企画庁と同じ立場でございます。
○穐山篤君 以上で協会に関する、あるいは関連をする問題は終わりますが、先ほど指摘をしましたように、再建方策というものを十分に明らかにしていただきまして、その上でまた改めて問題にしたいと思います。
 さて、その次にエネルギーの問題につきまして、基本的なことをお伺いをいたします。
 昨年の八月の二十八日に、政府は長期エネルギーの需給暫定見通しというものを発表をいたしました。なおかつ、ことしの四月、通産省が昭和五十五年から五十九年度までの石油供給計画というものを発表をされました。一応文書では見ているわけですが、さて現実の問題についてお伺いをいたします。
 一つは石油の輸入の問題であります。年々輸入石油につきましては、全体の割合を下げて、その他の代替エネルギー、あるいは省エネルギーというもので補強していこうという計画になっているわけですが、しかし、現実の問題は、備蓄を含めて相当の御努力をいただいていると思うんです。ところが、にもかかわらず、イラン・イラク紛争のために、わが国の石油輸入にもいささか影響が起きております。それから、石油のみならず、わが国が他の国を通してから、たとえば工業用のアルコールを輸入をするというふうな問題につきましても、間接的に影響を受けているという状況にあるわけですね。そうしますと、昨年発表しましたもの、あるいはこの五十五年四月に発表しました通産省の基本的な供給計画というものについて、改めて変更をしなければならないというふうな情勢に現時点ではあるのかないのか、その点概況的な態度で結構ですが、明らかにしていただきたいと思います。
○国務大臣(田中六助君) 穐山委員御承知のように、私ども備蓄が民間、政府合わせまして百十一日分ございますし、当面IEA諸国も平均百四十日分と。それからイラン・イラクの紛争があっておりましても、ホルムズ海峡が閉鎖というようなこともございませんし、幸いに私どもの提唱しております石油の安定供給、それから省エネルギー、石油代替エネルギー、そういう三本柱の方針が、国民の皆様の御協力を得まして非常にうまくいっております。現実に灯油の価格なども、私どもが予定しておりました需給見通し、九月末で六百五十万キロリットルの保存というものが、九月末で六百八十万キロリットル、十月、いまの計算によりますと七百万キロリットルをオーバーしておるような状態でございまして、その他の燃料油の販売量も、ことしの六−八を見ましても、前年同期よりも減っておりますし、非常に落ちついた需給状況を展開しておりまして、これに便乗値上げ、あるいは売り惜しみ、買いだめという動きもございませず、安定しておるわけでございます。
 いま穐山委員御指摘のような長期需給見通し、暫定見通しというものの改定を昨年やったわけでございますけれども、これにつきましても、私ども十年後には石油依存率を半分にしようと、五〇%までにしようという政策目標を掲げておりまして、いまの段階ではこれを変えると、見直すというような考えはございません。
○穐山篤君 そこで、毎年毎年の需給見通し、あるいはエネ審の答申を見まして、少し奇異に感ずる点があるんですが、それは自主開発原油について、できるだけ量を多くしていく、それから、出るものは重質油ではありますけれども、生産したものはもうほとんど可能な限りわが国に持ち込んでいくと、こういうことが審議会の答申でも、あるいは通産省の計画でも言われているわけですね。歴史的に見ますと、この十五年の間に、私の記憶に間違いがなければ、最初の段階では自主開発原油を総体の三割ぐらいまでに押し上げようじゃないか、そういう答申が出た。ところが現実の問題としては、せいぜい一一ないし一二%ぐらいの割合ですね。それからその次の段階の答申は、自主開発原油をおおむね二〇%ぐらいに押し上げようじゃないか、努力しようじゃないかというお話がありますが、これまた一〇%ないし一一%、最近の模様を見ましても一〇%前後ですね。これは日本の近海及び出先におきますものを含めて、努力されていることはわかるわけですけれども、常に自主開発原油のあり方が過大に見積もられている、こういうきらいがあるわけですが、これは政策的にそういう見通しをつけて、まあ押し上げておけば何とかなるというふうな数字のものであるのか、それとも現実に開発をしていってみて、二割程度まで確保することが可能だというふうに考えて、そういう計画が出ているのか、非常にその点が不思議でしようがないんですが、その点いかがですか。
○政府委員(森山信吾君) 御指摘のとおり自主開発原油は、わが国へ持ってまいります油のうちで、最も安定的な油でございますから、私どもはできるだけこの量をふやしたいという基本的な願望を持っているわけでございます。そこで、先ほど御指摘の、十数年前に三割ぐらいの自主開発原油をとったらどうかと、こういう御意見確かにございましたし、まあそういうことを考えた時期もございますけれども、現実の問題として考えた場合に、開発すべき地点とのバランスからいいますと、大体いま二割ぐらいの基本的な目標を立てるのが妥当ではないかということでございまして、昭和六十五年までに自主開発の原油を二割にしよう、こういう計画を持っております。
 それから、まさに穐山先生御指摘のとおり、このところずっと一〇%内外で推移したわけでございますけれども、御高承のとおり、この数年産油国のいわゆる資源温存政策と申しましょうか、そういったものが大変変わった形であらわれておりまして、自主開発原油として開発されたものが産油国の方へ納入をさせられるというような事態も盛んにふえてまいっておりますから、若干わが国の思惑どおりにいかないという面もございますけれども、いま申し上げましたとおり、昭和六十五年までには二割の確保を図りたい、こういう基本的な計画をつくっておる次第でございます。
○穐山篤君 先ほど大臣の答弁によりますと、この需給見通しというものは変えない、変えなくてもよろしいんだというお話がありまして、考え方につきましてはよくわかりました。
 さて、そこでこれに関連をして、価格の問題もある意味では問題にしなければならぬと思うわけですが、最近日本の備蓄のあり方について、中東諸国、全部ではありませんけれども、一部の国からも指摘をされておりますし、あるいはEC諸国からも日本の備蓄がどうも過大になる可能性があるというふうな指摘が出されています。きょうはその備蓄の点は除外をいたしますが、いずれはこれも問題にせざるを得なくなるだろうというふうに思うわけですが、そこでいまそれぞれ政府の備蓄にしろ、あるいは民間の輸入にいたしましても、一バレル当たり国によって多少の値段の違いがあるわけですね。価格の相違があるわけです。標準価格バレル三十二ドルというふうに言われているわけですけれども、もし日本がサウジアラビアあたりからなお増量のために輸入をふやしていくということになりますと、仄聞するところでは、その標準価格では売れない、プレミアなり、割り増しをつけなければ、その要請にはこたえられない、こういうふうな話がしばしば散見をされるわけです。そういたしますと、それが今後日本の石油の輸入、ないしは備蓄にも若干の影響を及ぼすであろうし、また製品になった場合に、もっともっと物価にも影響を与えるというのは当然の帰結だと思うんです。
 そこで、価格につきましての最近の動向、あるいはこれからの見通しについては、どんなふうにお考えになっているんでしょうか。
○政府委員(森山信吾君) 九月の日本に入ってまいりました油の価格、これ平均して申し上げますと三十四ドル六十セントでございます。この数カ月間余り大きな変動はなかったわけでございまして、八月にはむしろ七月より若干落ち込んだようなときもございましたけれども、おおむね三十三ドルから三十四ドルの間で推移してきたわけでございます。
 そこで、今後どうなるかという問題でございますが、いま御指摘のサウジアラビアの油の価格がどういう動きを示すかによりまして変わってくるんではないかと思います。ことしの九月にアルジェ総会で、サウジアラビアのアラビアンライトを若干値上げをいたしまして、そのほかの国々は追従をしないという決定を見たわけでございます。現実にサウジアラビアが八月から二ドル上げまして、三十ドルにいたしました。しかしながら、イラン・イラクの紛争がございましたので、どうもほかの国が値上げをしないという約束がやや乱れたのかなという感じがいたしまして、現実にアラブ首長国連邦が九月一日から二ドル上げたわけでございます。その後、ほかの国々がこれに追従するという動きはいまのところ出ておりませんので、やや楽観的な見方をしますと、十二月のOPEC総会、これは十二月はインドネシアのバリ島で行われる予定でございますけれども、これまではほかの国の値上げはないということになりますれば、いま申し上げました九月の三十四ドル六十セントに若干プラスいたしました程度、つまり三十五ドルをやや上回ったところで年内は推移するんじゃあるまいか、こういう感じがいたしております。しかしながら、これは何といいましても、サウジアラビアが二ドル上げ、アラブ首長国連邦が二ドル上げた、それだけにとどまってほかの国の追従がないということの前提でございますので、その他の国の動きを厳重にウォッチをしておく必要があろうかというふうに考えております。
○穐山篤君 大体見通しはわかりました。
 次に、日韓大陸棚の掘削の問題についてお尋ねをしますが、昭和五十三年、参議院の商工委員会で、御案内のとおり強行採決で大陸棚協定は成立をしたわけです。当時、私は参議院の商工委員であったわけですが、この大陸棚の協定の審議にはかなり時間を費やしてまいりました。幾つか問題点はあるわけですが、果たして日韓の南の大陸棚に、いうところの石油があるであろうかどうであろうか、大いに推論を含めて議論もされたわけです。
 さてそこで、その後日本と韓国との間に所要の取り決めが行われまして、すでに採掘も始められているわけですが、その採掘の現状について概況お知らせをいただきたいと思うんです。
○政府委員(志賀学君) お答え申し上げます。
 先生いま御指摘のように、すでに探鉱作業に入っているわけでございますが、現状を申し上げますと、まず昨年でございますけれども、第五小区域と第七小区域、それから第八小区域につきまして、日韓両国の開発権者によりまして、昨年の十月以降物理探査が行われたわけでございます。この物理探査の結果を踏まえまして、ことしに入りましてから第五小区域におきましては五月初旬から、それから第七小区域につきましては七月初旬から、それぞれ試掘が行われたところでございます。その試掘の結果でございますけれども、これは残念ながら商業化可能の石油あるいは天然ガスを発見するに至らなかったという状況でございます。なお第八小区域につきましては、現在なお昨年やりました物理探査の結果を解析中という状況でございます。
○穐山篤君 第五の採掘権者は、これは日本側ですか。
○政府委員(志賀学君) 第五小区域は日本側が操業管理者になっております。それから第七小区域の方は韓国側でございます。
○穐山篤君 そこで、第五、第七ともボーリングをした結果、いまお話しがありますように、有望だというふうにはならなかったと。そこで、第五でも第七でも、この区域内ではまだなお探査なり、採掘をする方向にあるのか、それとももう第五と第七は全部あの区域はあきらめて、その他の鉱区のボーリングを始めたというふうにこれ判断していいんでしょうか。
○政府委員(志賀学君) 石油の探鉱と申しますと非常に息の長い仕事でございます。現在、ただいまお答え申し上げましたように、二本試掘を打って二本とも当たらなかったわけでございますけれども、今後の段取りといたしましては、いままでの物理探査の結果、あるいは二本打ちました試掘の分析に結果、これを踏まえまして次の試掘地点をどうする、どこに試掘をするかというのを決定していくということになろうかと思っております。いずれにいたしましても、この第五、第七の二本の試掘は一つの構造、これは小区域としては違っておりますけれども、構造的には一つの構造について二本の試掘を打ったということでございます。こういう試掘をしながら、次々に次の試掘地点を考えて、慎重に検討しながら作業を進めていくということになろうかと思います。
○穐山篤君 大陸棚の協定の審議の際にはここの、南の共同区域は相当有望だ、何万バレルというふうな話がしばしば出され、ときにはその数字も修正になったわけですが、なお通産省としては、第一から第九まで鉱区が指定をされているわけですが、商工委員会で明らかにしたように、息の長い作業ではあるけれども、間違いなく大量の資源がある、こういうふうにまだ信じてこの掘削作業を見守っているというふうにお考えなんですか。
○政府委員(志賀学君) 昭和四十三年にエカフェがスパーカーによる物理探査をこの地域について実施したわけでございます。その結果非常に有望であるという判断が出たわけでございますけれども、その後わが国側の企業も物理探査を実施してまいっております。そういった物理探査の結果から見ますと、堆積層の厚さ、その他から申しまして、やはり有望であるというふうに私どもとしては思っております。
○穐山篤君 この大陸棚の協定の審議の際に、当時の通産大臣は、あるいは外務大臣もそうでありましたが、中国なり、あるいは北朝鮮なり、それぞれから抗議が出ている間は、石油公団からの融資は見合わしたい、こういうことになっているわけですね。いまのところボーリングにいたしましても、何百億というふうにかかるわけじゃなく、取りあえずは三十億とか四十億程度のものであろうと思うわけですが、これが逐次掘削が発展をしていきますと、相当膨大な資金を必要とするわけですね。たとえば、西日本開発にしろ、あるいは日本石油開発にいたしましても、一応広く信用のあるところですから、そういう問題はわりあいに少ないと思いますけれども、しかし国会の、政府の統一見解としては、紛争といいますか、抗議がある間は融資はできないんだと、やりたくないんだというふうに明らかにしているわけですけれども、将来膨大な資金が必要になってきた場合に、そのことについてもある程度考え直さなければならぬではないかという点はどんなふうにお考えなんですか。
○国務大臣(田中六助君) 穐山議員御指摘のように、国会で附帯決議がついておりまして、その四項目目に、国際紛争地域についての融資についての制約が石油公団に課されておるわけでございます。将来いろいろコストがかかっていくというような場合、民間のそういう関連の企業から、石油公団に資金の要請があった場合に、これにひっかかるわけでございます。したがって、私ども国会の方で、そういう客観情勢を判断していただいて、またこの問題について御相談なり、また国会の自主的な御判断によって善処していただければいいというふうに考えております。
○穐山篤君 大陸棚の問題については、まだ掘削が始まったばかりでありますので、何とも評価はできませんけれども、私どもが指摘をしたようなトラブルが起きないように、十分配慮をしておいていただきたいというふうに思います。
 さて、外務省の方がおいでになっていると思いますが、この日韓大陸棚の問題の審議の際に、言うところの竹島の領有権の問題と、安全操業の問題が指摘をされました。当時福田総理大臣並びに園田外務大臣の発言は、日韓大陸棚協定批准の節目に思いを新たにして、竹島の領有権問題で韓国と交渉したいと、こういうふうに公には態度の表明をしているわけです。
 この竹島問題といいますのは、もう長年の懸案事項でありますし、日本の主権にかかわる問題でありますので、当然毅然たる態度をもって折衝に当たられていると思いますが、この協定が批准されましたのは五十三年でありますが、その後外交ルートを通しまして、竹島の領有権の問題について、具体的などういう協議の場を通して交渉をしてきたのか、あるいはその進展ぐあいはどうなっているのか、その点を明らかにしてもらいたい。
○政府委員(渡辺幸治君) お答えいたします。
 竹島がわが国にとって固有の領土であることは、国際法上からも明らかでございまして、かかる見地から韓国政府と交渉を続けているわけでございます。遺憾ながら、竹島は現在韓国側により各種の施設を設けられていて、不法占拠の状態が続いているということでございます。
 お尋ねのございました、過去一年間どういうような交渉を政府としてしてきたかという点でございますが、一つは昨年の十二月の末に、韓国政府に対して口上書で抗議を申し入れました。これは昨年十月に行われました海上保安庁による巡視の結果に基づき、韓国側による竹島の不法占拠が続けられているということを確認して、抗議の口上書を送付したということでございます。本年に入りまして、二月に大来外務大臣から金正濂駐日韓国大使に、やはり竹島問題について遺憾の意を表明し、抗議を申し入れた。さらに、ことしの四月の中旬に、日韓外相会談が東京で行われまして、大来外務大臣から朴東鎮、当時の外務部長官に対して申し入れをしたということでございます。
 ちなみに、本年についても、外務省の要請により、海上保安庁で竹島の巡視を去る九月の二十七日に行いました。外務省としては、海上保安庁からの竹島巡視に関する正式報告書をいただいた上で、昨年同様、韓国側に申し入れを行うという予定でございます。
○穐山篤君 いずれも文書なり、口頭なり、会談の席上で、領有権についてのわが国の態度を表明した。そのことについては当然のことでありまして、領有権はあくまでも日本にある。現実の問題としてそう簡単にいかないという事情はありますけれども、毅然たる態度を常に持ち続けておりませんと、ひいてはそれが操業の安全確保の問題にまで強く影響を及ぼすわけですから、あくまでも強い態度で当たっていただきたいと思うのです。ただ、この場合に、抗議はしたということになっているわけですが、相手側であります韓国側からどういう理論的な、あるいは実践的な反論があったのか、その点がまだ具体的に明らかにされていないんですが、これからのこともありますので、韓国側の意思表明をどういうふうに理解をしているのか、明らかにしてもらいたいと思うのです。
○政府委員(渡辺幸治君) 韓国側は、竹島は韓国の固有の領土であるという立場でございまして、これについて歴史的にそうであるということを種々説明しているということでございます。したがいまして、遺憾ながら竹島の領有権については、日韓間に意見の相違があると、いわば紛争地域であるということかと存じます。
○穐山篤君 いよいよ竹島周辺はイカ釣り漁の最盛期に入るわけでありまして、安全操業確保について、外務省なり、あるいは水産庁の格段の努力をこの機会に要請をしておきたいと思うのです。
 次に、尖閣列島――諸島と言った方がいいんでしょうか、尖閣の北部諸島の油田開発と言った方がいいんでしょうか、この問題についてお伺いをします。
 外務省も、それから当の通産省も、毎日新聞はごらんになっていると思うのですが、ことしの初めから幾つかの新聞紙上を通しまして、尖閣の油田開発について一連の発表が行われているわけです。これはそれぞれの報道機関が独自に入手をいたしました情報に基づいて書いているわけですから、それを別段非難をすることはないと思うのです。ただ私があるときに中国の友人にお会いをしましたときに、この尖閣の帰属の問題と、それから油田の開発の問題について、中国人としての苦情があったわけです。帰属の問題につきましては、当時の田中総理大臣あるいは園田外務大臣の答弁がありますから、それはそれでいいと思います。幾つかの新聞を読んでみますと、日本政府、外務省なり、あるいは通産省は、近々のうちに尖閣の北の諸島付近におきまして、日中共同の開発について打診を始めたい、始める、あるいは始める可能性が強いという情報にわれわれは接しているわけですが、その中国の友人からのお話でいきますと、事態はそういうふうに回っていないと判断をするけれども、日本のマスコミの根拠は何かということを指摘をされたことが一、二あったわけです。これは日中間の問題ですから、正しく問題を掌握しておかなければ、日中友好のために大変だというふうに思いますので、尖閣諸島近辺の日中間におきます油田の開発という問題につきまして、政府の統一見解というものはあるんでしょうか、ないんでしょうか、その点をお伺いします。
○国務大臣(田中六助君) 尖閣列島を含む大陸棚の油田の開発問題は、私もたびたび新聞で報道しているのを読んでおりますけれども、政府の中あるいは通産省の中でも、この開発を具体的にいま進めていこうという考えもございませんし、そういうものを検討中の段階でもないわけでございます。と申しますのは、やはりこの領有問題がペンディングになっているような形、私どもはそう思っておりませんけれども、中国の方でいろいろ問題もありますし、いずれにしても中国で問題があるということは、わが国でもこの領有問題をめぐっての問題があるわけでございます。したがって、この問題が微妙な段階で、しかも解決してないさなかに、これを中心とする大陸棚の油田の開発というものは考えておりませんし、また中国からもそういうものについての打診というものは何らあっておりません。
○穐山篤君 そうしますと、田中元総理あるいは園田外務大臣の国会の中で明らかにしました領有権問題というのは、それはそれなりにわかりますが、日本側の態度としては、あくまでも尖閣諸島は日本の領有権内の諸島である、その考え方は変えていないというふうに私どもは確認をしたいと思いますが、その点はいかがですか。
○国務大臣(田中六助君) そのとおりでよろしいと思います。
○穐山篤君 そうしますと、将来のためにももう一つ明らかにしていただきたいと思いますのは、棚に対します物の考え方ですね、日韓大陸棚でも同様に、棚をどういうふうに見るかと、どういうふうに認識をするかということが常に日本と韓国、あるいは日本と中国でも同様な議論がとめどもなく発展をするんじゃないかというふうに考えますが、日韓大陸棚では、内閣の統一見解としては、日本側の主張というのはあくまでも中間線論をとっているんだ、それでずっと通してきたわけですが、これも何も日韓間の問題にかかわらず、その他の海域についてもその態度は堅持をしているのかどうか、その点いかがですか。
○政府委員(渡辺幸治君) 大陸棚の境界確定の問題でございますけれども、日本と中国の間の東シナ海の大陸棚についても、境界確定という問題が当然出てくるわけでございます。日本側の態度といたしましては、先生御指摘のとおり、やはり中間線というものが最も妥当な原則であるという態度でございまして、この態度については現在も変えておりません。
○穐山篤君 東シナ海の海図を見てみますと、御案内のとおり、この棚がかなりなだらかに流れているわけですね。そこで中国側の主張は、自然延長論で棚の判断をしているわけですね。これについて反発できる根拠ですね、これはどういうふうにお考えですか。
○政府委員(渡辺幸治君) 中国側の大陸棚に関する境界確定の原則が、自然延長論であるという点は、先生御指摘のとおりでございます。私ども日本政府の立場としては、相対する二国間における大陸棚の境界確定というのは、中間線原則によることが最も妥当であるということでございまして、その点中国側と意見の隔たりがあるわけでございます。この点については将来の問題といたしまして、中国側と十分意見交換をしていかなきゃならない問題であろうというように考えております。
○穐山篤君 そうしますと、通産大臣のお話がありますように、境界、帰属の問題がネックになっているということがありまして、日本独自ではその近辺の油田の開発というものについていまのところ考えていない、あるいは中国と共同で油田の開発をする構想もない、こういうふうに先ほどお伺いをしたわけですが、仮に中国側から帰属の問題はともかくとしても、現実的な対応という意味で、共同開発なり、あるいはそれに類似をするような提案があったとするならば、それに対します政府側としての態度はいかがでしょう。
○国務大臣(田中六助君) 領土の問題でございますし、この問題をペンディングにして共同開発など問題を進めますと、やはり大きな禍根を残すような気持ちが私個人としてはしておりますし、先ほども申しましたように、政府でこの開発をいま現実に進めようという考えもございませんし、向こうからも正式な提案はございません。先ほど申しましたように、私としては領土の問題を、帰属の問題をペンディングにして先に進むことは、非常に問題ではあるまいかというふうに考えます。
○穐山篤君 それじゃ、尖閣のところはよくわかりましたが、その同じような意味で、竹島の周辺の共同開発といいますか、共同規制といいますか、そういうものもしばしば新聞紙上をにぎわしているわけですが、同様な見地から、帰属の問題がきちっとしなければ、竹島近辺の問題についてもその種の行動は起こさない、あるいは起こせないといいますか、そういう態度にとってよろしゅうございますか。
○国務大臣(田中六助君) そのようにとってよろしいと思います。
○穐山篤君 私の質問は以上で終わりますけれども、冒頭に私は補助金の問題のあり方について指摘をしました。ぜひ御理解をいただきたいと思いますのは、前回の農林水産省関係におきましても、補助金の問題を取り上げました。私どもといたしましては、補助金の問題が常に国民の関心を呼んでおりますし、それから十三兆円という膨大な補助金を予算補助、法律補助で行っているわけです。これを機械的に削減をするということは不可能に近いわけですが、やはり国民の目から見まして、冗費は節約をしなさいと、その期待にはこたえなければいけないと思うわけです。
 そこで、最後に通産大臣にお願いをしておきますが、この日本消費者協会のみならず、他の特殊法人、公益法人、財団法人、いろんなところに補助金が交付をされているわけですが、今回の事件にかんがみまして、十分なチェックと同時に、指導、監督をお願いをしたいと思うわけであります。そうしませんと十分な成果が上がらないと思いますので、最後にその点についての大臣の御所見をお伺いをして、終わりたいと思います。
○国務大臣(田中六助君) 穐山委員御指摘のように、補助金の性格から考えまして、私どもは十分管理監督の責めがございますし、これから先も十分そういう点を考慮に入れて対処してまいりたいと思います。
○鶴岡洋君 大臣お出かけの前の忙しいところ大変恐縮でございますが、私は、きょう日米間の自動車の摩擦の問題と、それから灯油の問題と、それからできれば地域振興整備公団の問題でお伺いしたいと思います。
 最初に、日米自動車問題でございますが、日米間の自動車輸出入の摩擦の問題は、これは米国にとっては大きな社会問題とされておりますし、また日本にとっては自動車業界、また輸出産業界として、これまた大変な問題でございます。米国で御存じのとおり、十月の八日から十月の十一日までの四日間にわたって公聴会が開かれました。その米国で問題になったのは、輸入日本車を中心とする、それによって被害はなかったかどうか、また将来被害を与えるおそれがあるかどうかという、いわゆる全米自動車労組――UAWが、米国貿易委員会――ITCに提訴をしたことによって、これは開かれたわけでございますけれども、この公聴会ですが、百人を超す証人が呼ばれ、ITC始まって以来のマンモス公聴会であったと、このように報道されております。したがって、日米政府、業界関係者数百人と言われるものでございました。
 さらにこの問題を通して、いま大統領選挙が行われているわけですけれども、この大統領選挙にまで影響を及ぼすだろうと、このようにも言われております。もちろん貿易立国である日本でありますから、輸出振興は大いにやらなければならないと、こう思いますし、私はこれに対して規制せよとか、またそのままほっておけとか、こういうつもりは全然ございませんが、監督官庁である通産大臣に率直にお答え願いたいんですが、なぜこうした問題がここまで発展してきたのか、率直な意見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(田中六助君) この自動車の対米経済摩擦の問題は、歴史的に見ますと、繊維の問題、それからカラーテレビ、電気機器、それから自動車と、将来どういう問題に発展するかもしれないけれども、私ども日本は貿易立国と、輸出に大きく依存しております関係上、特に日米貿易のうち四分の一から三分の一近くまで対米貿易だということになりますと、どうしても経済摩擦が起こるのは歴史的なことでございまして、その品目が次々に変わっておるだけだと思うんです。
 自動車摩擦につきましては、イラン革命が起こりまして、燃料の問題、ガソリンの問題が非常に全世界的にクローズアップいたしまして、幸か不幸かアメリカは大型車、しかも、彼らの住民の理想は、あの大きな車に乗ることがやはりライフ計画の一つとしての、生涯の一つの理想であるとも言われておるような状態、その中で日本は中・小型車をずっとつくってきておりまして、しかも、非常に研究されておる、燃費の節約になるというようなことが、私はたまたまこういうことになったと思いますし、販売努力と申しますか、そういう点につきましても、日本は別にダンピングをしているわけではございませんが、非常にコストが安い、そういうようなことが重なりまして、結局自動車の対米輸出が非常にふえてくる。私マンスフィールド大使にもたびたび申し上げたんですけれども、安くて、よくて、米国の国民が望んでおるのを、政府や業界がいろいろ言うのはおかしいじゃないかということは、私は正しいと思うことは言ってきましたけれども、冒頭に申し上げましたように、対米の貿易、日本の輸出の依存度というものが非常にアメリカに多うございますし、そのほか日米関係というものは経済問題だけじゃなくて、大きなかかわりがございますし、アメリカが失業の輸出だと、自動車産業でレイオフが二十万も三十万もあるというふうに言われているさなかで、ちょうど病人のまくら元で、げたをカランコンカランコン言わして、頭痛をさらにさせるというようなことにもなりかねないような事態になりましたので、そういうことはできるだけ考えなければならないという観点から、私ども日本の業界に対しまして、個別に自粛の行政指導というようなものを行ってきておるわけで、幸いに各日本のメーカーとも、私どもの意向をのみ込むと同時に、やはり自分たちのそれぞれの企業の将来の発展というようなものを考えて、自粛をしておる段階でございまして、先ほど鶴岡議員御指摘のように、全米自動車労組がアメリカの貿易委員会に訴えておる、そういうこともございますし、それぞれの日本のメーカーが自粛の段階、あるいは日米自動車の共同の合弁事業、そういうものについて話し合いをそれぞれ進めているような状況で、歴史的な事実も加味して、現状はそういうことではないかというふうに思います。
○鶴岡洋君 いま大臣がおっしゃったように、この自動車問題だけではなくて、かつては繊維の問題であるとか、また農産物、今度は自動車の問題と、これはいろいろな事情でこういうふうになるわけですけども、私が申し上げたいのは、いま申しましたように、わが国は貿易立国でございますから、輸出の振興は当然これはしていかなきゃならない、また輸入もしなければならない。それはよくわかるわけですけれども、ただ単に短期的な、売ればいいと言って、そこで利益を上げればいいと、こういう短期的な利益追求ということだけではなくて、日本自動車業界が将来にわたって摩擦のない、いわゆる秩序のある、いま言ったように売ればよい、買えばよいと、こういう姿勢であってはならないと、このように私は心配をするわけです。
 そこで、いまの状況で近い将来に、そういうことからいって、たとえば何かの大きなリアクションがあったとしたならば、将来ずっとの問題として、トータルして日本にとって大きなマイナス面が出てくるんじゃないか、支障が出てくるんじゃないか、こういう心配をするわけでございます。そういうことで今回のこの自動車の摩擦の問題がそういう引き金にならないように、また自動車業界としてもこれからの問題として、息の長い、摩擦のない、いわゆる貿易立国としてのあり方、こういうことについて、大臣として長期的な展望はどういうふうに考えておられるか、この点をお伺いしたい。
○国務大臣(田中六助君) 鶴岡委員御指摘のように、日本は貿易立国、貿易の拡大、自分の市場を開放する、相手の市場も開放してもらわなければなりません。相手の市場が日本が無理をすることによって、保護主義貿易を展開することは、日本にとってはとらざるところでございますし、また対米関係は、特に先ほども申しましたように、経済問題だけではなくて、政治問題にもこれが発展するようなことになりますと、やはり日米関係に大きなひびを入れるようなことにもなりかねませんので、私どもも保護主義貿易の解消、自由市場の開放、そういうようなことも含めまして、細くとも長くやらなければならない日本の状態でございますので、将来ともそういうことは十分気をつけて、これらの摩擦が日米経済摩擦だけではなくて、EC諸国にもまた問題を生じておるような傾向もございますので、そういうものも含めまして、十分気をつけた政策を遂行していきたいというふうに考えます。
○鶴岡洋君 その点はよろしくお願いいたします。
 この点に関連してお伺いしますが、総理府の設置法で、通産省に貿易会議という調査審議機関が設けられておりますけれども、これは依然最高輸出会議として、内閣総理大臣を議長に現在も生きていると聞いておりますけれども、ところが、品目別の会議は年一回程度あるようですが、貿易会議そのものは四十五、六年ごろからずっと開かれていない、こういうふうに聞いております。自動車問題に限らず、先ほどからいろいろお話ありましたけれども、貿易全般にわたって多くの難問を抱えている現在でございます。いまお話しした自動車の問題にしても当然でございますけれども、この会議を有効的に活用し、そこで議論されるべきである、このように私は思いますけれども、こういうときこそそういう会議の開催が必要ではないか、もしそれが必要でなければ、形骸化しているものであれば廃止すべきではないか、事の重要性から考えれば、政府として早急な対策をその会議についてなすべきではないかと思いますけれども、大臣どうですか、そのお考えは。
○国務大臣(田中六助君) 貿易局長が来ておりますので貿易局長からお答えさせます。
○政府委員(古田徳昌君) 先生御指摘のとおり、貿易会議自体は昭和四十六年度を最後にして開かれておりませんが、この貿易会議のもとに設けられました総合部会において、総合部会意見というものが毎年取りまとめられているわけでございます。本年につきましても、各産業別の輸出会議、それから製品輸入対策会議、それから輸入会議、さらに貿易外の取引会議というふうな各種の会議の場におきまして、審議が十分尽くされまして、政府関係機関の参加もこれに対して得たわけでございますが、九月十八日に本年度につきましての総合部会の意見として、総合的な取りまとめを行っていただいております。この総合部会の意見におきましては、現在の世界貿易の環境のもとで、摩擦のない輸出の拡大、あるいは適切な輸入政策の推進といったものを提言しているわけでございます。
 私どもとしましても、今後ともこの貿易会議の有効な活用、これは、貿易会議自体は先ほど御説明いたしましたように開かれておりませんが、この総合部会の場で、全体としての意見も取りまとめていただきまして、政府全体での議論を尽くし、これを具体的な貿易政策の面に反映させるように努力していきたいというふうに考えております。
○鶴岡洋君 私がきょう問題にしているのは、自動車の問題であって、その自動車の問題については、それでは最近はこの会議で話は出なかったんですか。それとも、いま一番問題になっている日米間の自動車の問題ですから、当然ここでなされるべきではなかろうか、またなすべきではなかろうか、こういうふうに私は思うんですけれども、その点はどうですか。
○政府委員(古田徳昌君) わが国貿易政策のあり方につきましては、先生御指摘の自動車の問題も当然重要な課題の一つとなってくるわけでございます。ただ、この自動車の問題につきましての具体的な措置、施策をどういう形で展開するかということにつきましては、貿易会議としてはそれに焦点を合わした形の議論が行われているわけではございませんでして、それらも含めまして、今後のわが国の貿易政策のあり方として、たとえば摩擦なき輸出の拡大というのが一つの大きな柱になっております。その摩擦なき輸出の拡大の中で、具体的には輸出構造の高度化、これはたとえばプラント輸出の促進、あるいはソフト面での技術輸出の促進といったふうなものが内容になってくるわけでございます。
 それから、さらには市場の多角化という問題も取り上げられております。これはたとえば産油国に対します輸出の拡大、あるいはアフリカ地域とか、南アメリカ地域とかいうふうな地域への輸出の拡大といったものが、一つの重点地域として指摘されているわけでございます。
 そういう形で、具体的な特定の問題について、そのときどきの施策を議論するという形ではございませんけれども、貿易政策全体の方向につきましての重点の置きどころといいますか、そういうことにつきましての貴重な提言をいただいているわけでございます。
○鶴岡洋君 わかりましたけれども、ただ私は、日米の自動車問題がこれだけ大きな問題になって、米国側としてはそれなりに公聴会――またこちらからもちろん行っておりますけれども、いろいろやっているわけです。監督官庁として、私の感じとしては、いま向こうでやっているんだからと、何かこう静観しているような感じがしてならないわけです。こういうときこそそういう会議を利用して、何も政治的にアメリカに圧力をかけろとか、それから動けとか、アクションを起こせとかという、そういうことを私は言っているわけじゃない。こちらの問題としてやはり討議はすべきではないか、こういうふうに私は思っていま申し上げたわけです。そういう点をよろしくお願いしたいと思います。
 もう一点お伺いしますが、先ほど言いましたように、米国では公聴会が開かれて、ITCの判定は十一月十日に下される、こういう予定になっております。そしてその後、十一月二十四日に大統領にそれが提出されて、六十日以内に大統領が決定を下す、こういうことになっておるわけでございますけれども、けさの新聞にも、ここに出ておりますが、「ITCの判定は、来月十日に下されるが、米通商代表部をまとめ役とする米政府自動車問題特別作業班は、〃クロ〃の判定が出た場合に備えて、すでに日本車規制の具体的内容を検討している。」、こういう報道がされております。
 そこで、事は先ほど言ったように重要な問題であります。こうなった場合に、判定が下されたその時点において、通産大臣もしくはそれにかわる人なりが、いま言ったように、ITC報告が出された後に、直ちに訪米して何らかの話し合いをして、摩擦を少しでも少なくする必要があると私は思うわけでございますけれども、この点、大臣のお考えはいかがでございましょうか。
○国務大臣(田中六助君) 私どももITCの結論が変にならないように期待しておるわけでございまして、その間手をこまねいているわけでもなく、東京パッケージの問題で私どもも誠意を示しておりますし、また輸入ミッションも九月に派遣いたしまして、かなりの、自動車の部分品関係の輸入についても成果を上げ、また向こうも非常に評価をしてくれております。
 大統領選挙というようなものもかなり加味されておるような情勢があるかもしれないという情報も聞いておりますけれども、総体的に見て、私どもも誠意を示しておりますし、わが方のメーカーの各会社もジョイントベンチャーの問題、あるいは土地の決定、そういうものについても話し合いを進めて誠意を示している段階でございます。しかし、判定でございますので、私どもの希望どおりいかないこともあるでしょう。そういうようなときは、そのときに私どもは対処をすべきで、いま鶴岡委員のおっしゃることも含めまして、考えてみなければならないというふうには思っております。
○鶴岡洋君 シロと出るかクロと出るか、これはわかりませんけれども、事と次第によっては大臣が向こうへ行って話を進めると、こういう考えもあるということですか。
○国務大臣(田中六助君) いまそれを断定しろということかもしれませんけれども、私が、それがクロになったから直ちにぱっと行くというようなことを、いま頭の中にはありましても、それを行きましょうという断定ができないことをおわび申し上げたいと思いますけれども、先ほども申しましたように、鶴岡委員のそういう御配慮、御考慮も頭に入れて善処していかなければならないというふうに考えます。
○鶴岡洋君 わかりました。
 それでは、次に灯油の問題に移ります。
 ことしの冷害、これは大変な冷害でございました。当然食糧の供給というのは少なくなるわけでございます。さらに、イランとイラク紛争、これも御存じのとおり、これによって石油のいわゆる輸入も恐らく多少ではおりますけれども少なくなってくると、こう考え合わせると、今後の物価の動向がどうなるか非常に私は心配をしているわけでございます。
 その物価問題のうち、特に石油、その中でも灯油についてお伺いをしたいと思いますけれども、まず、イラン・イラク紛争に関連し、現在そのどちらもが輸出できない状況にあると、こういうように聞いておりますけれども、紛争前、イランでは一日五百から六百万バレル、イラクでは三百五十万バレルの生産があり、これがほとんど壊滅的な状態になると。そうすると少なからず影響をわが国は受けると思いますけれども、大臣、この点についてはどうお考えになっておられますか。
○国務大臣(田中六助君) イラン・イラクの紛争の結果、イランからの日本への油の輸入はすでに七月にとまっております。イラクの分は御承知のように三十九万バレル・パー・デーあったわけでありますけれども、これも九月二十三日以降とまっているわけでございますが、幸いにホルムズ海峡を通過する油のタンカーの出入は何ら支障がございませんので、それから将来ともイラク、イラン両国ともそれを保証しておりますし、世界の注視の的のところでございますし、そういうことはないと思っております。
 それで、現実に私どものいまの灯油の状況でございますが、これはたびたび当委員会でも指摘しておりますけれども、本当は九月末に、受給見通しで、灯油のストック、それを六百五十万キロリットル・デーを予定しておりましたけれども、それが八月中にすでに六百八十万キロリットルというストックができておりまして、最近の状況を見ますと、七百十万キロリットルまでいっておるわけでございまして、したがって、価格の方も非常に落ちつきを示しております。東京都の区部の値段でございますけれども、十八リットルのあのかんが、運搬料を含めまして、六月が千六百六円、七月が千六百五円、八月がさらに下がりまして千五百九十四円、九月が千五百八十一円というふうに下がっておりますし、札幌などの状況を見ましても、値段はすごく落ちついて千四百円台を示しておるような状況でございますし、そういうものも加味しますときに、国民の皆様が非常に落ちついて、そして売り惜しみ、買いだめというものもなければ、便乗値上げもないという状態でございまして、ついせんだっても、私どもエネルギー閣僚会議でそういう点で総理からも十二月一日に消費宣言と申しますか、そういうものもしていただこうというようなことで、量質とも万全の措置をとって、要は、国民の皆様が落ちついておってくだされば――ただ落ちついてもらうだけが能じゃございませんので、そういう量に万全を期するような態勢もとっていく状況でございまして、いまのところそういう関係についての心配はないと断言できると思います。
○鶴岡洋君 それに関連して、在庫、備蓄量についてでありますけれども、国際エネルギー機関、IEAによる石油需給見通しでも、供給量が需要に追いつかない、こういう状態が年ごとに大きくなるであろう、こういう報告がされておりますけれども、特に、灯油を中心に、石油全般にわたって、短期と長期、それぞれの世界の供給見通しについてどうなっておられるか、お伺いしたいと思います。
○政府委員(志賀学君) 当面の石油の見通しでございますけれども、これは、イラン・イラク紛争に関連いたしまして、最近IEAでいろいろ現状認識について議論されたわけでございますが、そのときのIEAにおきます現状認識と申しますのは、先進各国の需要が非常に落ちついておるということ、それからそれを背景にいたしまして、IEAの備蓄レベル、これが七月一日現在で百四十日でございますけれども、備蓄水準が非常に高い。それから、この四月ぐらいからOPEC各国が減産に入っているわけでございますけれども、それにもかかわらず、紛争直前におきまして、大体、世界で二百ないし三百万バレル・パー・デー余剰があるというふうに言われておるわけでありますけれども、その裏といたしまして、したがって、OPEC各国の増産余力というものがあるということでございます。そういったいろいろなファクターを総合した結果、IEAといたしまして、当面、世界の原油の需給というのはバランスをとることが可能であるという現状認識をしたわけでございます。わが国におきましても、先ほど大臣からお答え申し上げましたように、日本の現在の石油備蓄というのは非常に高い水準にございます。九月末におきまして、民間備蓄が約百四日、それから国家備蓄が七日ということで、合計いたしますと百十一日ぐらいの備蓄があるということでございます。それで、特に灯油につきましては、先ほど大臣が申し上げましたように、非常に高い在庫を持っておるわけでございます。そういうことから申しまして、当面の世界及び日本の原油需給、あるいは日本の灯油の需給というのは、特段の問題はないというふうに思っておるわけでございます。
 長期的に見ますと、確かに、IEAにおきましても、長期的な世界の石油需給につきましては、OPEC各国におきます資源温存政策の問題、あるいは非OPEC地域におきます増産の状況、そういったことを考慮いたしますと、長期的に見ますと供給が不足してくる、こういうような見通しがあるわけでございます。したがいまして、わが国といたしましては、その中で産油国との関係を深めていく、そういったことなどを通じまして、原油の安定供給の確保を図っていくことが必要だというふうに存じておるわけでございます。
 また、灯油について申し上げますと、御案内のように、日本に入ってまいります油というのが重質化の傾向をたどっております。それから、一方におきまして需要面では軽質化の傾向をたどるということで、将来そういった中で、灯油を初めといたしますいわゆる中間三品というのをどうやって確保していくかというのが、これは重要な問題になってまいります。そういう面から、私どもといたしましては、たとえば製品規格の見直しであるとか、あるいは重質油の分解技術――中間留分をたくさん取れるような重質油分解技術の開発といったことを進めていくということが基本的には必要だろうというふうに思っております。
○鶴岡洋君 そうすると、結論的に言うと、まあ現状でも、長期的にも、各国も落ちついている、それから日本も大丈夫だと、こういうことのようでございますけども。
 そこでお伺いしますが、これから冬を迎えて、ことしのそれこそ冷害で被害に遭った東北、北海道の農家などでは、暖房用の灯油の値上がりはこれは大きな問題でございます。一般家庭も含めて、価格安定は政府の最も重要な対策であると私は思います。冷害地域への特別な配慮の考えはあるかないか。もう一つは、価格面で現状と今後についてどう推移していくだろうか、その点をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(田中六助君) これは将来の問題ではなくて、もうすぐ私どもが当面考えなければいけない問題だと思いますけれども、私どもといたしましては、市場のマーケットの自然な形で需要と供給のバランスで価格が決まっていくということが一番望ましいことでございまして、それがまた国民の要望でもあろうかと思いますし、事態をまずそういうふうなながめ方、あるいはそういうようなアプローチの仕方をしていきたいと思います。そうして、便乗値上げあるいは売り惜しみ、買いだめというようなものがどこかで見られれば、もちろんそれに直ちに対処いたしますが、そういうことのないように、本省はもちろん中心となって、それぞれの地方の通産局、各県、そういうところにも十分ウオッチをする体制をすでに整えておりますし、これからも私どものそういう一つの市場の自主的な価格に任せるということを中心にいたしまして、それを取り巻く環境に私どもが十分対処していくという方針をまずとっていって、国民の皆様の冷静な態度、そして、私どもはそれに対する環境づくりという基本方針を貫いていきたいというふうに考えます。
○鶴岡洋君 もう一回念を押しますけども、この石油関係資料、資源エネルギー庁の石油部で出したこの表でございますけども、この二十四ページは東京都区部のいわゆる価格調査ですか、五十三年の一月では一かん十八リッター灯油が七百七十八円。それが五十四年の六月になると八百円台になって八百八十七円。それから、五十四年の八月にこれ千円台になって千四十円。それから、五十五年に入って四月に千五百三十八円と、このようにだんだん、途中でちょっと安くなったときもありますけども、こういうふうに価格は上がってきているわけです。九月では、この表からいくと千五百八十一円と、こうなっておりますけども、先ほどからの話ですと、備蓄量は大丈夫だ、それから、各国の状況も大丈夫だと、こういうお話でございますけども、もちろん突発事故もなきにしもあらず、そういうことで、現状でいけば千五百八十一円という数字をことしの冬は何とか保っていただきたいと、こう私は思うわけで、まあ高値安定ですけれども、保っていただきたいと、こういうふうに願望するわけですけども、この数字を保つことが通産省、監督官庁として何とかこの線で抑えていきたいと、こういうふうに考えておられるかどうか、その点どうですか。
○国務大臣(田中六助君) 鶴岡委員の御心配も私どもも痛いほど痛感しておりますし、私どもも責任ある政府といたしまして、先ほどから申し上げますように、万遺憾なきよう、一生懸命この対策により一層の熱意を示してまいりたいというふうに考えております。
○鶴岡洋君 それでは、この灯油の問題に関連して最後にもう一点だけお聞きします。
 石油の需給で問題なのは、灯油の増産に関連してC重油の問題でございます。C重油は現在過剰ぎみである。そして冬場を迎えて灯油がもちろん増産されなければならない。石油製品は連産品でありますから、灯油だけというわけにはこれは当然いかないわけです。そこで必然的にC重油はさらにだぶつくことになるわけでございます。すなわち、灯油の生産増加に伴ってC重油が生産される。得率で見ると、灯油は一〇・四七%、C重油は三六・九七%、これは御存じのとおりでございます。例を挙げれば、昨年の灯油の冬場の実績を見ても、五十四年の十一月は二百五十五万キロリッター、十二月は二百七十万、一月が二百七十六万、こういうふうに生産されてるわけです。まあ寒くなると生産量は当然ふえるわけです。そこで、C重油も三・五倍ですから、ますますその割合でふえ続けてくるということにこれは計算上はなってくるわけです。まして現在、鉄鋼、電力などC重油利用が、代替エネルギーが叫ばれている昨今でございますので、需要が減ると、このように思われます。こうしたことから、C重油に対する対策、まあ灯油の場合にはこれがネックになるわけでございますけれども、この点はどういう対策を立てられるか、考えておられるか、お答え願いたいと思います。
○政府委員(志賀学君) ただいま先生から御指摘がございましたように、C重油の需要というのが、エネルギー節約であるとか、景気の停滞、あるいは産業におきます石炭への燃料転換、こういったようないろいろなファクター、あるいはさらに言いますと、冷夏の影響、そういったこともございます。そういったいろいろなファクターによりまして、この上期について見ますと、前年度に比べまして八五・六%ということで、非常に落ち込んだわけでございます。このために九月末のC重油の在庫は五百三十万キロリットルということで、かなりの高水準にございます。
 先生御指摘のように、石油製品というのは連産品でございます。したがいまして、このC重油の問題が灯油の供給確保の面でネックにならないかと、こういう問題が実はあるわけでございます。ただ、この点につきましては、このC重油の上期の需要減と、この中にはかなり特殊な要因がございます。したがいまして、下期もこのような傾向が続くかどうか必ずしも明らかではないわけでございますが、いずれにいたしましても、私どもといたしまして、灯油について、灯油の供給確保を図っていくというのは、これは国民生活を守るという観点からきわめて重要であるというふうに思っておるわけでございまして、まあ在庫は確かに先ほど申し上げましたように非常にたくさんあるわけでございますけれども、こういったC重油との関連において、この灯油の生産というものをやはり確保していくことが必要だと、そういう面から、私どもといたしまして、たとえば設備の運転条件を、灯油がたくさん取れるように変えていくといったようなこと、そういったこともあわせて灯油の安定供給のために現在その努力をしているところでございます。
○鶴岡洋君 話が変わって大変恐縮ですが、次は、工業再配置についてお伺いいたします。
 この工業再配置については、昭和四十七年の工業再配置促進法の施行以来、公害、過密・過疎対策等の意義も踏まえ、政府が全力で取り組んでこられたものと聞いております。
 まずお伺いいたしますが、この工場誘致及び工業再配置を実施しているところがどのような機関、または団体で行われているのか、通産省の所管外もございますけども、概要をお伺いいたしたいと思います。
○政府委員(松村克之君) お答えいたします。
 いま先生からお話ございましたように、工業団地の造成につきましては、通産省以外に各種の機関がそれぞれの目的で造成を行っているわけでございます。
 概略を申し上げますと、各地方自治体が行っております。また、地方自治体が出資した法人が行っているケースもあるわけでございます。また、地域振興整備公団、日本住宅公団、宅地開発公団あるいは中小企業振興事業団等も土地の造成を行っております。
 地方自治体の行っております造成事業は、主としましてその地方の地域振興を目的としているわけでございますが、住宅公団及び宅地開発公団につきましては、首都圏及び近畿圏等の近郊整備区域及び都市開発区域の工業団地造成事業、あるいは住宅団地と一体になった工業団地の造成等を目的としております。また、中小企業振興事業団は、中小企業高度化事業の一環としての団地づくりを行っているわけでございます。一方、地域振興整備公団のいわゆる中核工業団地につきましては、これは工業の再配置を促進するための工業再配置促進法の誘導地域におきまして、工業開発の中核としての団地造成、これを行うことを特色としているわけでございます。
○鶴岡洋君 いまお話あったように、工業再配置促進法に従って、地域振興整備公団、また、農村地域工業導入促進法に従って自治体でいろいろやっている。また、首都圏の近郊整備地帯及び都市開発区域の整備に関する法律、これに従って建設省がいろいろやっている、これはそれぞれの目的があって、またそれなりの効果を上げていると私は思いますけども、通産省と国土庁も関係をしているこの地域振興整備公団は、いま申しました自治体とか、建設省とかがやっているものと、特にどこが特徴があるのか、違うのか、その点はいかがですか。
○政府委員(松村克之君) 地域振興整備公団が行っております工業団地の造成につきましては三種類ございまして、一つは産炭地域における造成でございます。それから第二は、地方都市の開発整備と開運した工業団地の造成がございます。第三番目には、いま申し上げました工業再配置政策の促進を目的とした、いわゆる中核工業団地というものの造成がございます。
 この中核工業団地の特徴という点について簡単に申し上げますと、これは原則としてその面積が百ヘクタール以上ということで、いわゆる工業団地として、地方としては相当大規模なものを目指しているということでございます。
○鶴岡洋君 それでは地域振興整備公団による造成事業についてお伺いします。
 まず、当公団の財政投融資計画について、当初計画と実績はどうなっているのか、できれば四十九年度から、特に実績の当初計画に対する比率も含めてお伺いしたいと思います。
○政府委員(松村克之君) お答えいたします。
 地域公団によります中核工業団地の造成事業は、昭和四十七年度に発足いたしまして、現在までのところ十二工業団地の採択を行って、そのうち五団地についてはすでに分譲を開始しているわけでございます。
 これまでの団地造成予算についての御質問でございますが、四十九年について申しますと、予算規模が百二十六億五千万円でございます。これに対しまして実績が七十六億四千五百万となっておりまして、それ以外が翌年への繰り越しになっているわけでございます。五十年には予算額が百三十七億八千五百万円でございまして、消化実績としては八十七億三千三百万ということになっております。
○鶴岡洋君 そうじゃない。地域振興整備公団の財投計画全部。四十九年は八百三十億でしょう。
○政府委員(松村克之君) 私ども立地公害局で所管しておりますのは、この地域振興公団の事業のうち、先ほど申し上げました三つの産炭地域事業及び地方都市の開発整備事業を除きました、いわゆる工配政策によります中核工業団地の造成事業だけでございますので、私どもが準備してきております数字はその数字でございます。
○鶴岡洋君 そうじゃないんだよ。国土庁と、それから通産省で、両方にかかわるけれども、通産省が全部きょう答弁されると、こういうことできのう私が申し上げておいたんです。
 それで、地域振興整備公団の財投計画と実績はどうなっているのかときのう申し上げましたところが、四十九年は八百三十億、五十年が九百二十四億と、こういうふうに出ている。これはあるでしょう、そちらに。
○政府委員(松村克之君) お答えいたします。
 四十九年につきましては、予算額が七百七十一億円でございます。それに対しまして実績が六百三十八億九千三百万ということになっております。それから五十年につきましては、予算額が九百二十四億、これに対しまして、実績額が六百六十五億九千万ということになっております。次に五十一年でございますが、九百六十五億の予算額に対しまして、実績額が四百三十五億となっております。五十二年度が予算額の七百八十五億円に対しまして、実績額が四百十六億円、五十三年が予算額の六百二十億円に対しまして、実績額が百二十億円ということになっております。
 以上でございます。
○鶴岡洋君 いまお聞きしましたけれども、これは大分数字が違いますね。これはおたくの方でいただいたんですよ。四十九年度は八百三十億、そして実績が六百八億、五十年はそちらの言った九百二十四億、それに対して七百七十四億、それから五十一年が九百六十五億、実績が五百一億、もう一度これ後ではっきりした数字を出していただきたいと思いますけれども、私がお伺いしたいのは、このどれを見ても、この計画に占める実績の割合ですけれども、全体から見ますと、五十三年度までですけれども、二五%程度になっておる。それからこれに関連して、地域振興整備公団補給金予算・決算額の調べ、ここに表を私持っておりますけれども、それを見ても、結論としては実績はどんどん減っている、予算現額に対する不用額がこの決算ではふえている、こういうことでございますけれども、これでは、言うならば事業そのものを洗い直しをしなきゃならないんじゃないか、私はそういうふうに思うわけです。なぜ減ったのか、いろいろな理由はあると思います。また、これだけの計画を立てて、これだけしかできない、それには期間もございますから、いろいろな問題は含まれていると思いますけれども、現実の問題として、二五%程度しか実績がなされてない、それから決算の方でいきますと、毎年毎年実績が下がっておる、こういうことになりますと、この事業自体に洗い直しをしなきゃならないんじゃないか、こういうふうに思うわけですけれども、いかがですか、これは。
○政府委員(松村克之君) ただいま数字を申し上げましたものは、これは何遍も申し上げて恐縮でございますけれども、全体としての数字でございまして、この中には当省が所管していない部分が相当あるわけでございます。当省所管分、特に中核工業団地の造成事業に限って申し上げますと、先生御指摘のように、五十一年度から五十三年度におきましては、確かにかなりの不用額を計上せざるを得なかったわけでございますが、その理由といたしましては、やはり何と申しましても、用地の取得が当初の予定より非常に大幅におくれたということと、一部の地権者の要求しております代替地の取得ということに非常に時間がかかったということが主な原因ではないかと思います。
 なお、昭和五十四年度におきましては、これらの経験を参考にいたしまして努力いたしました結果、まだ未確定ではございますけれども、見通しとしては不用額は非常に少なくなりまして、ほぼ五億円程度に減少するのではないかというふうに考えております。
○鶴岡洋君 それでは、時間がないから、通産省が所管というのは中核工業団地ですからそれにしぼってお伺いします。
 分譲済みについての割合を教えてください。
○政府委員(松村克之君) ちょっと御質問のあれがわからないんでございますが。
○鶴岡洋君 中核工業団地についてはおたくが担当なんでしょう。ですから、その中核工業団地というのは山形県、岡山県、何カ所かありますね。それのいわゆる分譲済みがどうなっているのか、また分譲残面積がどうなっているのか、それを教えてください。
○政府委員(松村克之君) 現在、中核工業団地につきましては、五つの団地について分譲を行っているわけでございます。この中で最初に五十三年度に分譲開始いたしましたのが三団地でございます。これは佐賀東部、それから岡山県の勝央、それから山形県の米沢八幡原でございますが、この三団地につきましては平均四〇%強が分譲を終わっておりまして、おおむね順調に分譲が進展していると思います。その以外の二つの団地、江刺工業団地と能登団地につきましては、公募を始めましたのが五十四年度の十一月及び五十五年度の二月ということでございまして、まだ分譲については五%ないしそれ以下といったような状況でございます。
○鶴岡洋君 江刺はいつですか。もう一回確認しておきます。
○政府委員(松村克之君) 江刺の分譲を開始いたしましたのは五十五年の二月でございます。
○鶴岡洋君 分譲が始まったのは、いまやっているのは五カ所ということですね。それで、山形県の米沢、それから岡山県の勝央、それから石川県の能登、こういうふうになっておりますけれども、大体四〇%以上、こういういまお話でございました。それで、順調に進んでいる、こういうことでございますけれども、この数字から見ると、私計算しますと、たとえば岡山県の勝央は、用地の取得完了が五十三年の三月二十三日、そして分譲開始が五十三年の十月三十日、それから今日まで約二年、売れているのは約五〇%、それから佐賀県の佐賀東部、これは五十三年の三月九日に用地の取得完了、そして五十三年の七月十日、今日まで二年三カ月、六五・五%。山形県の場合は二二・五%、先ほどお話あった江刺、これは確かに五十五年の二月に分譲開始したと言いますけれども、一・一%、こういうことになっているわけです。全体を通して見ると、売れている分が三四・〇%、こういう数字が出ているわけでございます。これを早期に分譲する見通しがあるのかどうなのか、またどうしてこういう結果になったのか。
 私が疑問に思うのは、これもおたくが出したやつでしょう。このごあいさつの中に、一番先にこういうふうに書いてあります。「当公団は、地元代表の方々を始め学識経験豊かな専門家の方々の御意見を十分に取り入れ、地域の自然環境を重視しつつ、地元の方々や企業の御要望に沿った団地を仕上げることに特に配慮いたしました。」と、こういうことなんです。土地を取得して造成して、つくり上がって、はいそこで売れますと、そういうことには私は当然ならないと思いますけれども、こういうふうにあなたたちは言って、それでいろいろ勘案してつくられた、しかも二年半たっても約半分、それから二年三カ月たっても六〇%、悪いところはこの米沢の場合は一年半たって二二・五%、こういうことになると、これはむだ使いじゃないか、やはりこの点にも何か配慮が必要じゃないか。この江刺の分については、分譲が始まったのがことしですから、それはそれとして、また私の方で私の方なりに調べて後でお伺いしたいと思いますけれども、全体的に見て先ほど言ったように三四・〇%、こういうことになっているわけですけれども、この分譲が早急にできる、もちろん財投のお金も入っているわけでございますから、見通しがあるのかどうなのか、ただ努力しますじゃ困りますけれども、具体的にはどうなのか、その辺いかがですか。
○政府委員(松村克之君) いま先生から御指摘がございましたように、こういった工業団地に対する企業の進出という点については、確かにここ数年非常にテンポが遅かったわけでございます。ただ最近、私どもの調査によりますと、五十五年の上期における工場立地の動向を、工場立地法に基づく調査から見てみますと、昨年の上期に比べまして、本年の上期は立地の件数にいたしまして二八%増、それから敷地面積にいたしまして七六%増という、相当大幅な伸びを見せているわけでございます。これは全体の立地でございまして、必ずしもこのことが、いわゆる中核工業団地の販売の促進と申しますか、分譲の促進に直接に関係するわけではございませんけれども、やはりこういった工場と申しますか、企業の進出意欲が増大してまいりますと、これらの工場への進出も多くなるんじゃないかというふうに考えているわけでございます。たとえて申しますと、五十四年以降の工場立地の動向を見ますと、ほぼその七割がいわゆる誘導地域に立地しているというようなことから考えましても、これらの地方立地がこれからは一層進展していくのではないかというふうに考えているわけでございます。また一方、地域振興公団の中核工業団地に限って考えてみますると、非常に工業立地に有利なところというのも、当然これは勘案する必要がございますけれども、やはり一方ではその地方の産業の産業誘致の何と申しますか、刺激剤と申しますか、起爆剤と申しますか、そういったこともわれわれとして考える必要があろうかと思います。そういうことで、私ども中核工業団地の造成につきましては、種々努力をしているわけでございますが、今後とも公団による企業誘致努力を一層強めるように指導してまいりたいと、かように考えております。
○鶴岡洋君 時間ですけれども最後に一問。
 まだ、収支支出決算書等を見ても、数字の上から見ても、私の方で疑問と思われる点が幾つかあるんで、お尋ねしたいわけでございますけれども、時間が来ましたので、最後に大臣にお伺いしたいんですが、工業団地がそちこちでつくられておりますけれども、たとえば、自治体の場合には優遇措置が非常に手厚くされておると、そういうこともあり、また最近海外へのいわゆる進出企業が非常に多くなったと、そういう影響もあるかもしれません。いろんな影響で先ほど言ったように中核団地の分譲がおくれていると、このようにも一つは思われるわけでございますけれども、そうかといって、この中核団地に対して優遇措置をもっととれと、そうして過当競争をあおるようなことをしろと、こういうふうな私は考えはございませんけれども、自治体の方がそういう優遇措置をして、税金の面もあるでしょうし、固定資産税の面もあるでしょうし、地元の自治体としていろいろ考えておられるから、私から考えれば、自治体自体がこの工業団地の造成についてはより真剣であると、こういうふうに私は考えるわけでございます。この現実に即したいわゆる工業再配置のすなわち円滑な進展性、それから整合性ある促進に、通産省としてもう一度見直しをしていかなければならないんじゃないか、そして、対応策を立てなきゃいけないんじゃないか。きょうはこの一つだけ取り上げましたけれども、そういうふうに感じるわけですけれども、大臣の所見はいかがでございましょう。
○国務大臣(田中六助君) この工業団地につきましては、いま御指摘あるいは答弁したとおりで、なかなかうまくいっていない部分もございます。しかし、地方の時代ということも大切でございますし、地方自治体が固定資産税、あるいは工場誘致によって雇用の拡大、そういうことができなければなりませんし、そういう点も十分配慮して、私どもは工業再配置ということを含めまして、投資減税というようなものも来年度は考えておりますし、そこら辺は余りそれがまた過当競争になっても御指摘のようなことにもなりますけれども、十分そういう投資促進税なども含めまして、地方の雇用の拡大、固定資産税等それぞれの地方の人人が潤うようなことは、十分考えて対処してまいりたいというふうに考えます。
○柄谷道一君 本日は国際繊維取り決め、すなわちMFAに基づく二国間協定の締結など、繊維産業対策を中心として御質問いたしたいと思います。
 私は、日本の繊維産業が明治以来日本の近代化発展に寄与してきた功績や、戦後荒廃した日本の復興に尽くしてきたその貢献というものにつきましては、いまさら述べる気持ちはございません。しかし、その繊維産業が現在深刻な不況に苦しんでいることは大臣もよく御承知のところであろうと思います。繊維産業は国際的に見ましても、国内的に見ましても、きわめて成熟した産業でございます。しかも、生産から流通に至るまで多くの部門に分化されており、さらに、それが素材別に組み合わされた複雑な絡み合いを持つ産業構造でございます。また、これに携わる企業も、大企業から中小・零細企業まで、非常に規模の大小が混在した、併在した、しかも、利益対立のきわめて多い業界でございます。しかも、産業の力量は商社など流通業界に対して、相体的に脆弱であると言わなければなりません。そのような体質を持つ産業である半面、繊維産業の従業者は、流通部門を含めて二百五十万ないし三百万といわれております。その家族を含めますと、国民の約一割に相当する一千万ないし千二百万の生計を維持しておる産業でございます。また、産地などによりましては、地域の住民の大部分が繊維産業で働き、また、その家族であるという地域も多うございます。したがって、私はこのような繊維産業の長期的な不況と雇用の不安は、単に産業問題ばかりではなくて、社会問題、さらには地域社会問題に発展する大きな問題と言わねばならぬと認識するのでございます。
 そこで、私はまず大臣に繊維産業に対する基本的な認識というものについて、どのようなお考えをお持ちなのか、お伺いをいたします。
○国務大臣(田中六助君) 日本の産業史あるいは経済、そういうものを過去を振り返って現在に至りますときに、御指摘のように繊維産業の果たした役割りというものは偉大でございます。現在でも御指摘のように、事業所数で十五万、流通を含めまして三十五万といわれておりますし、従業員も御指摘のように、流通部門を含めまして二百六十万、そういうような状態でございますし、現状でも非常に事業所数あるいは関連従業員あるいは家族を含めますと膨大な関連がございますし、私どもは過去の御苦労も含めまして、これが対策には十分な措置をとっていかなければならないというふうに考えておりまして、現実でも私どもこの問題の重大さを考えまして、繊維工業構造改善臨時措置法を初め、この不況業種の大きな企業として、これの臨時措置法、あるいは中小企業事業団、そういうものも含めまして、構造改善を含めて、あるいは金融、税制、法制万般の措置はとっておりますけれども、やはり国際環境、あるいは後進国と申しますか、発展途上国の追い上げなど、歴史的な必然性と申しますか、日本もかつてはイギリスにそういう非難をされたこともありますけれども、今度日本がそういう目に遭っているようなことでございますけれども、いろいろな御努力で品質の改善、あるいは高級品化、そういうようなことで、これらを乗り切っておるわけでございますけれども、それでも済まされない部分がございますので、ただいま申しました法制、金融、財政、税制、そういう面でも、これからも政府の責任として、皆さんの自主努力もございますけれども、一生懸命そういう穴埋めをしていく政策を推進しなければならないというふうに考えております。
○柄谷道一君 政府が今日までもいろいろな施策を講じられてきた、このことは評価いたしております。また、今後も大臣としてそのような姿勢で対処したいと、大いに期待いたしたいと思います。
 しかし、現実を見ますと、第一次オイルショックの昭和四十九年以来、経営と採算の悪化が続きまして、繊維産業に働く労働者は、この六年間に二八・五%減少いたしております。特に、紡績業では四八・一%、織物業では二九・一%減少して、成長業種だと言われております衣服縫製業におきましてもその例外でなく、年々雇用の場が狭まっているというのが実態でございます。
 最もその原因の激しい綿紡績部門をとりますと、一九六八年に九万八千五百二十九人いました従業員は、一九八〇年七月には五万五百六十六人と激減いたしております。さらに、この紡績九社の資料しかないんでございますが、紡績九社が一九七三年以来売却処分いたしました資産は、三千五百四億七千四百万円に達しております。これは決算諸表から取り出した数字でございます。したがって、全産業的に見れば、私は恐らく五千億を超える資産処分を行っているのではないかと推定するわけでございます。したがって、私は、繊維産業は極度の減量経営と、資産売却で辛うじて第一次オイルショック以来息をつないできたと言っても過言ではないと、こう思うんでございます。
 この実態に対する大臣の御所感をお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(田中六助君) いま御指摘のように、非常に過酷な強いられた問題を抱えて推移した歴史でございますし、その間政府がこれを無視しておったか、膨大な資産の処理、あるいは雇用の縮小、そういうものにつきましても、私どもは中小企業身体保全と申しますか、そういうものの諸法律に基づく助成の確立、それから中小企業金融政府三機関のいろんな条件の整備と、あるいはまた機器、機械の処分につきましても、政府としてのできる限りの援助、補助もやってきておりますし、あるいは職業転換、そういうものについての助成もやってまいりました。しかし、それとてもいろいろ足りない面もございますし、ある程度の私企業ということと、政府の助成ということの相矛盾する点もございますし、非常にこれがすべて円満に解決するということが一番いいんでしょうけれども、自主的な努力というものも私企業ということの範囲でありますし、私どもも頭を痛めていることでございますけれども、と言って、これを放置するという体制は少しもとっておりませず、これからもあらゆる面で、先ほども指摘しましたように、税の面でも、あるいは財政、金融その他法制の面で、できることを一生懸命やって、この財産、資産の処分の問題、これはひいては機械の処分というようなことに結びついておるわけでございますけれども、そういう点についても、将来十分見ると同時に、対外的には外国の発展途上国の追い上げ、こういうものにつきましても、相手国側に対して自主的な措置、まあ日本だけの行政指導ではなくて、相手側との交渉、そういうものにつきましても、一生懸命努力していかなければならないというふうに考えます。
○柄谷道一君 政府の施策、そして自主努力としての減量経営、これには労働組合として本当に可能な限りの協力をしております。タケノコ生活と言われるように資産売却をやっております。政府の施策があってなおこのような状態に推移したという現実は、大臣もお認めになるところだろうと思うんでございます。
 そこで、一九七三年の下期から一九七七年までは、深刻な不況に苦しんだわけでございますけれども、七八年と七九年は小康を保つことができました。しかし、最近また再び需給の失調によりまして、採算の悪化が顕著になりつつございます。
 たとえば、紡績業の場合を取り上げましても、綿製品の需給バランスは、一昨年後半から韓国綿糸及び中国綿布を中心とした輸入の急増によりまして、綿製品の総在庫量は、昨年十二月、一月、二月と、危機ラインと思われます八十万こりを突破いたしました。その後も大体七十八ないし七十九万こりの線を推移いたしております。しかも紡績、織布段階、いわゆるメーカー在庫というものはますます増大いたしておりますほかに、今後、需給のバランスはさらに悪化するのではないかと憂慮されているわけでございます。しかも、これに対しまして、製品コストというものは、電力料金の大幅引き上げ、原綿代の高騰、重油の値上げ、物価上昇による諸経費のアップ、金利負担の増加、労務費の上昇等によりまして上昇いたしております。
 一方、たとえば綿糸価格は六月中旬から急落をいたしまして、四十番手綿糸の三品取引所の当限価格は三百十円、これは七月下旬にそういうことになりました。三月の三百八十円に対しまして、実に一八%以上下落いたしております。八月には若干回復したというものの、その後も三百二十円台で推移いたしておるわけでございます。
 したがって、いま綿紡績の採算状態は、営業採算で見ますと、一こり生産するたびに約三万円の赤字である。いま三品相場が仮に十三万五千円前後でございますから、原綿代ほぼ九万円ですね、加工直接コストだけで大体五万円です。これに営業経費というものを加えますと、生産すればするほど赤字が累積する、これが最近の現状であるわけでございます。
 これは綿紡績はその一例でございまして、業界全体がそのような状態であり、特に繊維の付加価値を高める重要な業種である染色加工業をながめてみますと、本年に入りまして、たとえば愛媛の阿部株式会社、滋賀の竹仁染工、埼玉のハマノ工業、いわば染色業界の中では中核とも言えるべき企業が続々と倒産ないしは工場閉鎖を続けております。
 私は、このような現状というものを考えますと、今日まで確かに昭和四十年代から構造改善事業に取り組みまして、設備の近代化、企業規模の適正化、過剰設備の処理等を実施し、さらに四十九年以降は、紡績、織編、染色加工などの異業種間の垂直的連携統合を推進いたしまして、実需直結の製品の生産と高付加価値製品の開発を促進してまいりました。一方、綿紡績の場合、百五十万錘の設備破棄など、各業種ごとに設備の適正化も図ってまいりました。生産性向上も、労使の涙ぐましい努力によりまして、たとえば二十番手こり当たり人員についても、一九六八年の四・三七人が、現在では二・一七人、もう生産性向上の限界とも言えるべき努力を傾注いたしておるわけでございます。
 私は、このような現状を考えますと、今日までのような産業対策では、この問題の解決はできない、自助努力だけでもこの局面の打開はできない、こう思います。
 そこで、この問題の解決のために、私は幾つかの施策を抜本的に講ずる必要があるんではないか。御質問の第一は、価格形成のあり方を検討するという問題でございます。大臣御承知のように紡績業は中間素材供給の役割りを担なっております。いわゆる典型的な市況産業でございます。その製品である綿糸の販売価格は、原価や生産業者の意思で決定されるのではなくて、産品取引所の相場が売り値になる仕組みでございます。しかも、他の工業製品には類を見ない先物取引が主体になっております。このため、採算面とは全くかかわりのない市場相場での売買が行われるという市場のメカニズムになっております。私はこうした問題、この市場メカニズムが現存する限り、繊維産業の安定はとうてい期待できないのではないか。率直に言うならば、三品取引所を廃止して、コスト、原価を据えた価格形成の新しい市場メカニズムを確立する必要があるのではないかと、こう信ずるのでございますが、大臣のお考えをお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(田中六助君) 非常にむずかしい問題の提起でございまして、商品というものの市場、マーケットをなくしたがいいというようなことでございますけれども、いま繊維の問題において、商社というもの、あるいはその商品取引所があって、初めてそういうことができて、可能になっているわけでございまして、これを直ちになくすというようなことがどうなのかと、むしろ現状を肯定して、そういうスペキュレーションの過剰なものの排除、あるいは不正な取引、そういうものの警戒、ウオッチ、そういうものをしていって、その間これを長期的にどうしていくかということに取り上げなければ、この市場を廃止するということも考えられますけれども、やはり私どもとしては、むしろ市場を何とか今日まで育成してきて、将来ともそういう一つの取り決め方、シフトの仕方というようなことの温存の方がいいということでやってきたんですが、いま御指摘のように、長い歴史を見て、それがどうもおかしい、そうすることによって、生産するものと全然違った形で価格が形成されるというようなこと、これもまた自由主義経済にとっても必ずしもいいことではないことも考えられます。しかし、いま私がマーケットの閉鎖とか、あるいはこれを廃止するというようなお答えはどうも断定できませんし、現状を認めてこれを改善していくという方向、しかし、長期的に見た場合に、やはりこれが根本的解決が必要ということも十分認識できますので、そういう点も配慮してこれから対処していかなければならないんじゃないかと思います。
○柄谷道一君 私のただいまの提言は、これは非常に重大な提言でございます。大臣がいまの立場で、直ちに廃止するとも、またこれをあくまでも存続するともこれはなかなかお答えにくい問題であろうと思いますけれども、私は産業安定のための一つの大きなこれはポイントであるということは事実だと思うんですね。したがって、これ引き続きまして関係労使の意見を十分に聴取されまして、この市場メカニズムをどのようにして改革すべきか、このことに対して引き続き大臣として真剣な前向きの検討をお願いしたいと思うんですが、そのお約束は賜れますか。
○国務大臣(田中六助君) 労使の方々、特にまあ私は、日本の経済というものが非常に安定して、インフレーションあるいはデフレーションにならないのは、使もさることながら、労働者の人々が非常に、何というのか、生産性の枠内で非常に苦労なさっておるということが、日本経済全体に大きな公益を与えておると、世界的に見てもそう見ざるを得ませんし、そういう点も十分配慮して、私もしみじみ考えさせられることもございますし、繊維産業の根本的な改革、問題のメスの入れ方、そういうことも考えますときに、委員のおっしゃることも十分わかりますので、その点も配慮して対処してまいりたいと思います。
○柄谷道一君 大臣の御都合がありますので、質問通告の順序を若干変更いたしまして質問を続けたいと思います。
 そこで、いま大臣おっしゃったように、この市場メカニズムを直ちに改めることは困難が伴うということになりますと、適正な利潤を生む根源である繊維の需給のバランスを図るということが、次の問題として重要になってくるわけです。しかし、わが国の繊維消費量は年間百五十五万トン程度と推定されますけれども、昨年の輸入量は四十万トンを超えております。国内消費の約三割が輸入品で占められたというのが昨年の実態でございます。通産省は繊維需給協議会で五十五年度の需給見通しを立てまして、輸入目標の設定を行っておられます。一時鎮静化いたしておりましたこの輸入が、またいま変化をあらわしつつあるわけです。特に、韓国からの綿糸、中国からの綿布の輸入が急増しつつございますし、また今後さらにこの急増が続くのではなかろうかと懸念されている現状でございます。とすれば、私は当然この際、MFAに基づく二国間協定の締結問題が爼上に浮かび上がってくると、こう思われます。
 そこで、以下数点についてこの二国間協定問題について御質問をいたしたい。
 第一に、現行のMFAは来年末に期限切れを迎えます。このため、十二月ごろからガット繊維委員会で更新に関する検討が始まると承知いたしております。これに対して政府といたしましてはどのような考え方でこの委員会に臨まれるおつもりであるのかお伺いします。
○国務大臣(田中六助君) 局長に答えさせます。
○政府委員(若杉和夫君) 先生おっしゃいますとおり、来年末で協定が効力を失いますので、現在検討をいたしております。国際的な場では、年末から来年にかけていろんな会合も予想されるわけでございます。御承知のように、MFAは基本的精神としては輸入国、輸出国双方の利益になって、秩序ある繊維貿易ができるようにという精神でつくられておるわけです。日本の場合は、御承知のように、輸出と輸入というバランスが比較的よくとれていまして、現在では輸出の方が、ドルで言えば約五十億ドル、輸入の方が三十五億ドルぐらい、まあ年々少し変化しますが、しかも、最近は非常に輸出が伸びておる、輸入の方はやや鎮静化しているというような状況です。したがいまして、輸出もにらまなきゃならぬ、輸入もにらまなきゃならぬということで、その辺の調和ある立場から、どのように考えるかということは、現在よりより業界その他の意見も打診しながら検討しておる、かような段階でございまして、まだ結論は出しておりません。
○柄谷道一君 更新問題につきましては、欧米各国では政労使が協議いたしまして、かなり明確な方向が打ち出されつつあると私は承知しております。ここに資料は持っておりますけれども、時間の関係で各国の事情を言うのは省略しましょう。しかし、わが国のこの姿勢を決定するに当たっては、やはり政労使三者の協議というものが事前にあってしかるべきではないか。ただ業界だけの意見を聞いて臨むというんではなくて、やはりこの三者が十分協議し、政府はその考えを伝え、お互いにその合意のもとに繊維委員会に臨んでいくと、これがあるべき政府の姿勢ではないかと、こう思うんでございます。そこで、大臣、そのような御配慮いただけますでしょうか。
○国務大臣(田中六助君) 日本の経済の安定というのは、働く人、つまり労の関係のない、それを抜きにした問題は、今後ともあり得ないと思います。したがって、パーティシペーション、つまり参加ということが非常に将来とも重要で、複合産業、将来の競争力、国際競争力、技術の開発、そういうものを含めまして、私はますます政労使この三者が一体になることが、貿易立国としての日本の将来のあり方として浮き彫りにされると思います。したがって、その政策を推進することこそ、政府の大きな役目でございますので、これからとも私は、この繊維産業だけではなく、全部の産業を含めまして、政労使の関係を密にして、将来の展望に向かってばく進しなければ、日本の将来はあり得ないと確信しておりますので、その政策をあくまで推進していこうという考えでございます。
○柄谷道一君 私は最後まで通産大臣に御質問したいのでございますけれども、大来さんとのお打ち合わせがあるということで、きょう出発を控えての重要な打ち合わせであるという通産省からの御連絡もいただきましたので、以下は政務次官に御質問いたします。後ほど政務次官から私の質問の意のあるところを大臣十分にお聞きいただきまして対応願いたいと思います。
○国務大臣(田中六助君) 委員長、どうも失礼します。
○委員長(野田哲君) どうぞ。
○柄谷道一君 そこで、わが国の繊維産業はさきに申し上げましたように、非常にむずかしい状態にあり、しかも適切な施策がなければ、集中豪雨的な輸入によって引き起こされた四十九年同様に、再び深刻な状態に陥るという懸念がいま関係労使から言われておるわけでございます。アメリカ、EC、カナダ、オーストラリア等、先進繊維産業国は、いずれもMFAによる二国間協定を締結しております。アメリカのごときは、このMFAに加盟参加いたしておりません中国とも締結をいたしておると承知いたしております。私はいまの状態を考えますと、少なくとも中国、韓国、台湾とは、二国間協定締結を目指して、定期会談を開くべき時期ではないかと、このように思うのでございますが、それをちゅうちょされております理由は一体何でございますか。
○政府委員(若杉和夫君) MFA問題は、発動という問題になりますと、非常に国際的な微妙な問題になってまいります。したがって、当然慎重な態度が望まれるわけでございますが、特に御承知のように、日本は微妙な立場でございまして、アジアの先進国という立場もありますし、それから繊維だけに限っても、輸出入バランスというものを考えますと、かなりの繊維の輸出の出超国になっているという問題もございます。したがって、なかなかむずかしい判断が要請されるわけでございます。しかし、片や日本の繊維産業、そこに働く人を守っていかなきゃならないという当然な立場もわれわれよく自覚しておるわけでございます。したがいまして、絶えずわれわれとしては状況をウオッチし、現実を把握し、それから必要に応じまして業界会談、あるいは政府間でも必要に応じまして随時自粛を求める等のいろんなことをやっております。ただ、現状のごく最近時点のことを申し上げますと、先ほど申しましたように、輸入の方はかなり鎮静化しておりまして、ことしの一−八月では前年の約二割減、一方輸出の方はかなり伸びておるという事情もございます。そういうことで、現在MFAを直ちに発動するというのは、現在は時期ではないのではなかろうかと、かように考えておるわけですが、いたずらにちゅうちょして何かに遠慮しているというわけではございません。
○柄谷道一君 それではさらにお伺いいたしますが、本年二月一日、わが党の塚本三郎書記長が、予算委員会の代表質問でこの問題について質問いたしております。これに対して当時の佐々木通産大臣は、初めは、慎重に検討したいと、こうお答えになっておりましたけれども、さらに追及した質問を通じまして、相手国の事情もあるけれども、準備を進めていきたいと思います、こう明確に御答弁されているわけですね。もうそれから十カ月近くたっております。それではこの十カ月、二国間協定締結のためにどのような準備を進められたんですか。まだ検討が続いておるんですか。
○政府委員(若杉和夫君) そういう答弁、われわれよく承知しております。したがいまして、先ほど申し上げましたように、われわれとしては、随時と言うと語弊があります、もっと常時と言った方がいいかもしれません。常時、この輸入問題というのは、国内の市況問題、景気問題、値段の問題に重大な影響がありますので、極端な言い方をすれば、常時考え、検討しておるわけでございます、MFAを含めまして。もちろん、先ほど申しましたように、いまその時期ではないということも、いま現在そう思っておりますけれども、常時、きょうも、あしたも、あさっても、いつも考えておるということが、われわれ率直に言いましてそういうことでございます。したがいまして、輸出入の数字も毎月真剣にフォローしていますし、需給もフォローしていますし、ダンピング問題、あるいはいろいろな行政指導の問題も含めまして、毎日これが、はっきり言えばこういう問題を中心にして考えているのが、われわれ事務局の日常だと言っても過言ではないと思います。そういう意味では常時真剣に取り組んでおります。
○柄谷道一君 代表質問ですからね、これはテレビを通じて全国民が聞いておるんですよ。しかも、国民の一割を超える人が繊維産業で生活をしておるわけですから、非常にあの佐々木大臣の答弁というものに対しては関心を深めたわけです。いまの局長の御答弁は、大臣の前段の御答弁ですよ。そして、さらに深く質問しましたら、協定の準備を進めると明確に言われたわけですね。これは検討の段階から一歩前へ進もうという通産大臣の積極的姿勢が表明されたと受け取るのが、これは素直な受けとめ方ではないかと、こう思うんですね。
 しかも、一九七六年十二月の繊工審の答申を見ましても、確かに自由貿易の原則というのは第一にうたっておりますけれども、その中には、事態の進展に応じ、輸入業者だけの指導だけではなくて、一歩進んだ二国間協定の締結も考えるべきだという趣旨が入っております。その条件もちゃんと二項目の条件を挙げておるわけです。私はもうこの繊工審の条件というものに合致するようないま事態があらわれておる。繊維全体でないにしても、少なくとも、綿糸綿布にはこのような事態があらわれていると、こう思うんです。
 政府は、実損を企業採算の面からだけながめているのではないか。私は、その背後にある倒産、工場閉鎖、資産売却、そして激しい合理化による労働者の犠牲、こういうものに支えられた広範な調整によって、いま辛うじて繊維産業は生きているんですよ。これをもって実損がないと私は言えないと思うんですね。しかも、韓国、中国からの輸入が急増するというそのおそれが多分にある。繊工審の答申の中には、そのおそれがある場合も含めて、その対応策を提言しておるわけです。いつまでも私はそのような姿勢でいることは許されない。
 かつて政府は糸を売ってなわを買いました。いま糸を売って何を買おうとしているんですか。日本の通産省ですよ。大臣が認識されたように、きわめて重要な産業であるということを、大臣は冒頭申し述べられた。とすれば、これだけ深刻な労働者の不安、この前に政府が本腰を入れて、二国間協定の締結のための準備を進める、当然の私は行政姿勢ではないかと思うんです。この点に関してはひとつ政務次官からお答えをいただきたいと思います。
○政府委員(山本富雄君) いま先生から御指摘の趣旨については私どもよく理解ができるところでございます。また、塚本書記長の御発言、あるいは佐々木大臣の答弁等についても、通産としては十分承知をしておるわけでございます。ただ、先ほど来局長から御答弁申し上げたとおり、MFAのこの対策の発動というのは、国際的な大問題でもございますから、取り扱いにはきわめて慎重を要すると、こういう姿勢で従来ともに参りました。しかし、御指摘等もしばしばございましたし、また、いま先生のおっしゃっているようなこと等も、大臣も私どももよく承知をしております。しかし、一方では五十四年の秋以降は、数字的に見て若干鎮静化しているというふうなことでございまして、まあ先生御承知だと思いますが、一−八月を見ますと、前年対比で、数量ベースでございますけれども、八〇%ぐらいになっておるというふうな数字等もございます。
 そこで、じゃ準備はしているのかということでございますが、準備はしております。そして万一事情の変化でもできた場合には、機動的に対応できるように、MFAの発動可能なように、事務当局に対しましては、今後とも輸入の動向、あるいは国内の需要動向に十分注意するなど、準備を怠らないようにせよと、こういう内々の指示をしてまいっております。ひとつ御理解を賜りたいと思っております。
○柄谷道一君 私、時間の規制がございますので、そのほかにも韓国、台湾、シンガポールなどの繊維中進国に対する繊維の特恵関税を廃止すべきではないかと、私はそういうふうに考えます。また、いま韓国からの綿糸輸入につきましては、一部ダンピングのおそれが持たれているわけでございますけれども、現行制度上スムーズな手続の進行はなかなかこれはむずかしいんではなかろうかとも思います。したがって、私はそういう特恵問題、ダンピング対応の問題、さらに二国間協定の締結の問題、時間があれば具体的に指摘したいんですけれども、繊維工業審議会の需給貿易部会か、もしそれが不適当であれば、政労使、学識経験者の四者構成による、たとえばこれは仮称でございますけれども、輸入問題特別検討会などを通産省が設置して、この問題について関係者の意見を十分に聴取しつつその対応策を早急に固めるというぐらいの姿勢は、ひとつお聞かせをいただきたい。
 なお、公正取引委員会も呼んでおりますので、私は最後に申し上げたいんですが、一つはこの繊維産業の川中ですね、いわゆる織布、染色加工、縫製、撚糸、これは全部加工賃産業なんですね。しかし、川上が強い、川下が強い、したがって、現在の実態は加工コスト以下の加工賃しか与えられていない、これが実態なんです。これは、私は繊維産業付加価値の適正配分の問題であり、中小企業対策の問題であろうと思うんです。一社一社が対応できる問題ではない。そこで、合議して、せめて生存のため最低限の加工賃を確保しようとしても、独禁法のたてまえで公正取引委員会からチェックを受ける、これが実態ですね。このままの状態を続けておれば、私は川中の中小企業は衰退か滅亡の方向をとるしかないと思うんです。やはり繊維産業のそういう実態を考えれば、当然この独禁法の実態に即した弾力的運用というものがあってしかるべきではないかと、こう思います。
 もっと質問をしたいんですが、準備、通告をしたところは多いんですけれども、時間を守りたいと思います。この二点に対する明確な御答弁を要求して私の質問を終わりたいと思います。
○政府委員(山本富雄君) いま柄谷先生御指摘の問題でございますが、まあ政労使一体で、欧米などではやっているじゃないかというふうな御指摘でございます。通産省といたしましては、広く関係者の意見を伺って、従来もやってまいりました。これからもやっていこうという姿勢に変わりはございません。それから、いま申し上げたとおり、対応についての機敏な準備だけは怠らないようにという指示もしておるわけでございます。
 そこで、先生御承知でございましょうが、協議をする場合に、繊維工業審議会というふうなものもございますので、これらも活用しながら、広く意見を徴し、そしてこの実態に即して対応してまいりたい、こういう考え方でございます。
○政府委員(伊従寛君) 独占禁止法では一定の不況状態がある場合には、不況カルテルの制度を設けておりまして、不況カルテルの制度によりまして、カルテルをつくりましても、これは独禁法の適用除外になっております。繊維業界の中でも、染色、綿布、縫製等の加工産業と言われる業界においては、業界におきまして、現在中小企業団体法に基づきまして、これも一種の不況カルテルになろうかと思いますが、この法律に基づきまして、調整規程が実施されております。これは現在やっておりますのは設備の新・増設の禁止等の制限でございますが、加工賃につきましても法定の要件が満たされれば、その面で調整規程を設定することが可能だと思いますので、この点につきましては主務官庁の方と十分協議さしていただきたいと思っております。
○近藤忠孝君 最初に大臣にお伺いしますが、エネルギーの石油から石炭への転換が問題になってまいっておりますが、それのこれからの見通しについて、大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思うんです。
○国務大臣(田中六助君) 御承知のような世界の石油情勢でございますし、わが国は石油の輸入は九九・八%まで対外に依存しておりまして、これを何とかなくすということが、将来のエネルギーの展望を考えましても、当然の帰結でございますし、私どもエネルギー需給見通しで、十年後には石油依存率を五〇%に下げようと。したがって、その間のパーセンテージ二十数%でございますが、これを代替エネルギー、あるいは省エネルギーでもっていかなければいけない。そこにクローズアップされるのが原子力発電所、あるいは石炭でございます。石炭も御承知のように、日本は第五次答申以来、二千万トン体制を敷いておりますけれども、現実には千八百万トンを切っておりまして、千七百七十万トンぐらいだと思いますけれども、海外に依存する、これも原料炭、一般炭を含めまして、一億トン以上の石炭を依存しているわけでございまして、といって、直ちにこれが火力発電に石炭が使えるかといいますと、いろいろ思いはありましても、貯炭場とか、あるいは灰捨て場、そういう問題で問題がございますし、公害等の問題もございますので、頭を痛めておりますけれども、少なくとも石炭火力ということにつきまして、これからも代替エネルギーの大きな中枢要素として、原子力そしてLNG、石炭、そういうものを含めて三つのことは、太陽熱あるいは地熱もございますけれども、石炭は、私どもが大きな関心事として持っていかなければいけない問題だと思います。
○近藤忠孝君 そこで、石炭火力発電の問題を中心にお伺いしますが、いまもお話しのとおり、石油代替電源のうちでかなり長期的電源として位置づけられていると、私はこう思います。
 そこで環境庁にお伺いしますが、この石炭使用に伴う影響の問題です。特に大気汚染について、これは石油火力と比べまして、硫黄酸化物で二倍以上、それから窒素酸化物で三倍以上、ばいじんで十倍の排出量になると、このように言われておりますが、そのとおり間違いないでしょうか。
○説明員(卯木稔君) 御説明申し上げます。
 先生のおっしゃったとおりでございます。
○近藤忠孝君 私はその中でばいじん、粉じん中の重金属が特に問題だと思うんです。石炭の燃焼によりまして、水銀、砒素、カドミウム、鉛、ニッケルなどが出てくるんですが、特に問題なのは水銀だと言われています。これは外国の文献ですが、「環境理解のための基礎化学」という文献の九十七ページに、百万キロワット級の石炭火力発電所では水銀が年間五トン出てくると言われておりますが、この数字も間違いないでしょうか。
○説明員(卯木稔君) ただいまお話のございました数字でございますが、私どもそのような資料は拝見したことはあるわけでございますが、直接それまでの調査を十分やっているわけではございませんので、今後火力発電所においての石炭が大幅に使用されると、大気環境へ及ぼす影響は大きいものと考えられるところから、調査を進めてまいりたいと思っておるわけでございます。
○近藤忠孝君 この資料はイリノイ州のアルゴンヌ国立研究所、単なる大学じゃなくて、国立研究所の推定の数字ですが、かなり信用してしかるべきものと、こう思うんです。そこで問題は、これだけの水銀が出てくるんですが、水銀の除去方法があるんだろうか、大気中に出ていく水銀の除去方法ですね。
○説明員(卯木稔君) 現在までの私どもの方で承知しているところでは、一般のばいじんの処理ということで処理は可能だとは思うんでございますが、果たしてそのばいじんの中に含まれておるか、燃焼された中にあります水銀が、その処理装置で十分取れるかどうかということにつきましては、まだ私どもの方ではそこまでの調査資料もございませんので、その点も含めまして、今後調査して、また必要があれば所要の措置ということで進めてまいりたいと思っておるわけでございます。
○近藤忠孝君 大臣、いまのお聞きのとおり五トンという大変な大量の水銀が出てくるんですが、その実態も、それからまたその除去方法の技術開発、これもきわめて不十分な段階なんです。
 そこで環境庁もう一つお伺いしたいんですが、この電気集じん装置などで除じんができるかどうかという問題なんですね。まあこの除じん率は大変高くなって、特に温度が高くなりますと、たとえば三百五十度の高温の場合には九九・二%から八%、ほとんど除去できるということは、これは環境庁の文書に書いてあります。ただ、私が指摘したいのは、三百五十度というと、これは水銀が気化してしまう温度なんです。だから、この電気集じん装置では除じんの効果は発揮しないんじゃないかと、こう思うんですが、どうですか。
○説明員(卯木稔君) 先ほども少し御説明申し上げましたが、その点につきましても含めまして、どのような処理効果があるだろうかということも含めて、調査してまいりたいと考えておるわけでございます。
○近藤忠孝君 そうしますと、現在のところは確実に除去できるという結果は出ていないと、こう聞いていいわけですな。
○説明員(卯木稔君) 私どもの方で承知しているところでは、水銀というものをそれに当てた処理効果というものについての情報というものは得てないというところでございます。
○近藤忠孝君 これ環境庁御存じだと思いますが、これも外国の文献で、リンドバーグという人の書いた「発電所排煙中の水銀区分と大気移動メカニズムに対するその影響」、こういう論文でも、石炭燃焼中に原料石炭が排出する水銀のうち、九〇から九七%は水銀蒸気として放出されるということ、しかもそのことはよく知られているということがこの文献に書いてあります。そこで私はその事実、要するに蒸気になってしまって、きわめて除じんがむずかしいということは、むしろ世界的な学者の間ではある意味では常識になっているのじゃないかと、こう思うんですが。
○説明員(卯木稔君) 先ほども申し上げましたけれども、そこの点につきまして、私どもの方でもまだ十分承知してございませんので、調査をしたいと思いますので、時間をいただきたいと思います。
○近藤忠孝君 じゃ、環境庁にもう一点だけお伺いいたしますが、これは環境庁もよく委嘱されておる喜田村正次教授などが書かれた「水銀」という本ですが、それの二百三十八ページによりますと、水銀の人体中における変遷が出ているのです。それによりますと、一九〇〇年の初めのころは、人体中たとえば脳には三四ppmと、大変高い濃度が蓄積されておったんですが、その後だんだん減っておって、たとえば六〇年代になりますと、一・三ppmと大変少なくなっているのですね。これは、この世代というのはだんだん石炭を使わなくなって、石油に燃料が変わってきた、このことと無関係ではないと、こう聞いてよろしいのかな。
○説明員(卯木稔君) その報告書があるということは承知しておるわけなんでございますが、また大変申しわけございませんが、私どもの方の少し組織の問題でございますが、私どもの方の課の仕事でないと言ったら大変申しわけない言い方でございますが、そういうふうなことでございますので、その蓄積メカニズムにつきましては、保健部の方で調査をしておりますので、先生の御趣旨を十分伝えたいと思いますので、私の方からのお答えは少し御容赦していただきたいと思うのでございます。
○近藤忠孝君 そこで、この後は通産省ですが、いまのを前提にしてひとつお答えいただきたいと思うんです。
 これは新潟東港臨海工業地帯に電源開発株式会社が出力二百万キロワット、これはわが国最大規模の石炭火力発電所を建設する計画が出されています。新潟県がその検討を始めたと、こういう事実がありますが、二百万キロワットと申しますと、その前がせいぜい石炭火力では五十万ですから、その四倍もの大変規模の大きいものであります。これについてのアセスメントなどについてどうお考えでしょうか。
○政府委員(石井賢吾君) お答えいたします。
 電源開発株式会社が広域運営の観点から、新潟東港地区に石炭火力百万キロワットを二基建設するという計画があることは聞いておりますが、五十五年三月末時点におきまして、同社の施設計画として提出されたものには、まだ掲上されておりませんので、私どもとしては具体的な内容についてはまだ承知しておらない段階でございます。
○近藤忠孝君 では、今後の問題としてお伺いしたいと思いますし、また、これは一般的なアセスメントの問題でもありますので、大臣にお伺いしたいと思うんですが、二百万キロワットと申しますと、先ほどのこの外国文献資料でも百万キロワットで年間五トンの水銀が大気中に排出されると、そうしますと、二百万キロワットと申しますと、これは年間十トンなんです。この十トンというのはこれは大変な数字なんです。これは御承知のとおり、この地域は新潟水俣病が発生した地域であります。昭和電工が大気中に排出した水銀の量は三十トンです。これは三十年間かかって三十トン。ということは、恐るべき数字が、たった三年間で同じ量を排出してしまうという、そういう大変な発電所が計画されているという、こういう問題であります。しかも、先ほど申し上げたリンドバーグの論文によりましても、大気中に出ました水銀というのは、相当遠くまでずっと大気中に存在するんです。約二十二キロぐらいまで行きましてもまだあると、そしてやがて下へおりていくという、こういうことが、これは先ほどの論文の中で、ヘリコプターの調査によって判明していると、こういう問題であります。しかも、先ほどのお話のように、そいつを除去する方法がまだわかっていないとなりますと、これはゆゆしき事態であります。
 そこで環境庁にお伺いしたいのは、大気汚染防止法第二条には、水銀が規制対象になっておりません。となると、これからこれを調査し、そしてその対象にするかどうか決めると思うんですが、そういう調査を始めておるか、そして始めておるとなれば、それが大体何年ぐらいかかってその結論が出るんだろうか、この点どうでしょうか。
○説明員(卯木稔君) この石炭火力にかかわる大気関係の調査を現在やっておるわけでございますが、本年五十五年からその調査を進めております。そして、四年間で一応調査、検討を終えたいという予定になってございます。その後所要の措置等必要があれば講じていかなきゃならぬというような計画になっておるわけでございます。
○近藤忠孝君 大臣、いまのお話を聞いてもおわかりのとおり、これからも大変膨大な水銀が出てくる。それについての調査に四年かかるというんですね、調査だけで。私は決してこの石炭の火力発電について反対するわけじゃありませんし、これは御理解得ていると思うんですが、われわれの党の場合には、むしろ石炭をつぶしたことがいけないと、大いに見直しをすべきだということを主張してまいったんです。ただ問題は、従前はせいぜい十万キロワット台だったんですが、今度は百万キロあるいは二百万キロワットという、大変なものなんですね。ということは、私はいままでとは全く対処の方法を変えなきゃいかぬと思うんです。
 そこで、これはけさの新聞に出ておりましたが、アセス法案の問題について、急浮上をしておりますが、しかし難航必至と、そしてその中で、いま言った電発、要するに電力発電所、これを除外しろという産業界の意見があると、こう出ております。これについて大臣どうお考えか。しかもこの新聞記事の中では、産業界だけじゃなくて、閣内にも二人の閣僚が加わって環境庁が出している法案つぶしに加わっていると、こういう記事がございます。まさか私は田中通産大臣その人がその二人の一人であるとは思いませんけれども、この問題について大臣いかがお考えでしょうか。
○国務大臣(田中六助君) いまアセスメントの法案の内容は、私もその関係閣僚の一員として、その内容は知っておりますが、いま党の預かりということになっておりまして、党側の検討を待っておるところでございます。
○近藤忠孝君 これは大臣としてお伺いしたいんですが、いま私が一つ水銀の問題で問題提起したんですが、これから出てくる巨大な石炭による発電所の場合大変な問題があるということ。だから、この事実は私は事前に十分に調査をし、評価をするという、まさにアセスメントが必要なことが逆に明らかになっているんじゃなかろうか。この事実をひとつ、恐らく大臣初めてお聞きになったと思うんですが、この事実を前にしての大臣のお考え、と申しますよりも、私どもは現在の政府のアセスメント法案そのものでも、その実効性の問題とか、住民参加の問題とか、その他本当に客観的に評価できるんだろうかという、こういう問題なども含めて、大変疑問に思っており、むしろ批判をしておるんですけれども、問題はそれさえ後退させようとしていること。そういう中で、私はむしろこれからこういう新たな問題が出てくる中で、所管大臣としては、これはもう断固後退させないと、そういう御意見があってしかるべきだと思いますし、いま申し上げたような水銀が全く除去されない、しかも新潟水俣病のあの地域に、それをもうはるかに上回るものが空に存在する、降ってくると、こういう事態を前にして、大臣いかがお考えでしょうか。
○政府委員(石井賢吾君) 大臣がお答えする前に、水銀にかかわるわが国の石炭火力関係で、外国と必ずしも同一の論議ができるかどうか、違いがあるんではなかろうかという点だけ一言申し上げさせていただきたいと思います。
 外国の石炭火力の場合にはほとんどが電気集じん機のみでございます。その意味におきまして、先生先ほど御指摘のように、水銀が本当に捕らえられるのという疑問が当然あるわけでございますが、わが国の石炭火力につきましては、湿式脱硫装置及び排煙脱硝装置、これらを必ず併設をいたしておるわけでございます。そういう意味で考えますと、特に湿式脱硫装置によって相当程度の効果があり得るんではなかろうかという推察をいたしておるわけでございますが、現段階ではまだ排ガス中の水銀の挙動につきまして、最終的に把握できるという状態になっておらないということから、一つ問題はあろうかと思いますが、御指摘のように、現在の石炭火力の状況はわずか四百万キロワットでございますが、四十年代半ばには千五百万キロワットに近いものを発電しておった実績もあるわけでございまして、その間に特段の問題があるというふうには聞いておりませんので、私どもとしては、さらに環境庁の調査結果を踏まえて、今後の対応策を考えていきたいと、こういうふうに考えております。
○近藤忠孝君 そういうお答えがあったので、もう一言言わなきゃいけませんが、いままで特段の問題がなかったというのは、それは個々のところの発電所が小さかったからです。いままで一カ所で百万なんていうのは全然なかったわけですから、これからは次元が違うということ。むしろいままでは小さな発電所から、石油になって大きな発電所ができている、それで公害が出たという、そういう事実があるということはひとつ十分にお考えいただきたいと、こう思います。
 それで、大臣にお答えいただくことでもう一言つけ加えますと、そういう先ほどの環境庁の答弁でも、外国と違うということでありながらも、日本の場合でも、どう除去するかについて実はまだ環境庁としては何ら手がついていないという、こういう状況でありますし、環境庁がその問題について規制対象にするかどうかということの判断でも、四年かかるということなんです。となりますと、私は、場合によりますと、いま新潟で現実に計画が進んでいく、これはやっぱりストップをしなきゃいかぬ問題だと思いますし、そういう問題も含めて、ひとつ大臣の決意をお伺いしたいと思うのです。
○国務大臣(田中六助君) いま御指摘の点を十分考えて私どもも対処していきたいというふうに思います。
○森田重郎君 私は前回、前々回、エネルギー対策特別委員会におきまして、石油備蓄の問題について、通産大臣並びに資源エネルギー庁長官にお尋ねをいたしたわけでございますが、その折に大臣そしてまた長官、御両者の御答弁の中で、この年末備蓄が九十日、これは大体そういう線でいけるであろうというような御答弁をちょうだいしたかと思っております。同時にまた、来年三月ぐらいまでは、これは平穏無事にいけるというような意味の御答弁もあったかと思います。同時にまた、大臣の方からは、量が確保されておるのであるからして、言うなれば価格の値上がりの心配はないというふうなお考えを伺ったつもりでございますが、このお考えは現在でもお変わりございませんか。
○国務大臣(田中六助君) 森田委員にせんだってもお答えいたしましたけれども、あのときの考えは現在も変わっておりません。
○森田重郎君 ただいまの御答弁で、そういった不安はないというようなお話でございますけれども、昨日のこれは読売新聞を見ておりますと、IEAが来春にも高級事務レベルの理事会を開いて、現在のIEAの八五年輸入目標二千六百二十万バレル、日量でございますね。これを見直す方針を決めた、これを明らかにしたと、こういうふうな記事がございます。したがって、こういう考え方から下方修正というふうなものが実現する気配があるんじゃないかと、こういう観点からしますと、中・長期のエネルギー政策というふうなものを、全面的に見直しをしなくてはならない、見直しを迫られるであろう。まさにIEAの全体の輸入量の四分の一を占めるというふうなわが国でございますので、その辺の見通しにつきまして、もう一度ひとつお考えを伺いたい、かように思います。
○政府委員(森山信吾君) 現在IEAの事務局におきまして中・長期の展望の作業をやっていることは事実でございまして、恐らく世の中に喧伝されております数字等は、いま申し上げました事務局の案ということではなかろうかと思います。
 そこで、IEAの閣僚理事会というのが年末に行われる予定でございまして、その際に事務局の案が提出されるかどうかは、いまのところ全く予断を許さないということでございます。閣僚理事会に先立ちまして、先般一般の理事会が行われたわけでございまして、資源エネルギー庁からも次長が出席いたしたわけでございまして、その際には来年度の、つまり一九八一年あるいは一九八五年の両方につきまして、目標の引き下げという議論は全く出ておりません。したがいまして、これは冒頭に申し上げました事務局が、いろいろな作業のデータといたしまして、そういう数字を、各種の数字をつくっておるということはございますけれども、いまのところそういうことが正式の議題になっているという事実は全くないということでございます。
○森田重郎君 わかりました。
 それでは、ちょっと視点を変えまして、原子力政策の問題につきまして、ちょっとお尋ねを申し上げたいんです。
 これは日経紙の社説、二十六日の社説の中の一文でございますけれども、原子力行政は八方ふさがりのままである。現在着工および建設準備中の原子力発電所は十四基、合計千二百九十二万九千キロワットしかない。計画決定から完成までの期間が延びているので、その最新のものは六十一年三月運転開始の予定である。立地難、計画遅延、目標削減の悪循環を断ち切らなければならぬと、こういうようなことが書いてございますが、これは何回かの委員会の席上で、いろいろとその辺ショートする量を、稼働率の向上というふうなことによって、十分賄い得るというようなことで、数字をも示して御説明をいただいたわけでございます。これはそれなりに大変結構であろうかと思いますが、この原子力の立地問題、この問題につきまして、基本的にこれをどう解決していくかという、その辺の大きな筋書きが、どうしても私どもには若干理解できない点があろうかと思うんです。今回、大臣が資源外交というような問題をも含めまして、いろいろ御苦労をなさっておられるということは、大変結構なことでございますし、田中ドクトリン四項目というのは、大変高く評価されておる、こういうお話も伺っておりますので、それなりに大変結構なことでございますけれども、アメリカあたりでは、原子力問題というものが非常に深刻になって、代替エネルギーの登場というようなこともあわせて、この規制緩和の問題が多少緩められて、むしろ原子力問題が、むしろ規制緩和の問題よりも優先をしておるというような現状のようでございますけれども、この辺につきまして、大臣、いかがお考えでございましょうか。
○国務大臣(田中六助君) 石油代替エネルギーということから、先ほどもお答えしているわけでございますけれども、日本の場合、原子力発電所、石炭火力、LNG、太陽熱、地熱、そういう問題を頭にどうしても描いておるわけでございまして、その中でも原子力発電所というものが、他の火力、石炭、石油含めまして、水力、そういうものよりもコストが約半分で済むわけでございます。外国の例を見ましても、アメリカの場合も現在七十二基が稼働しております。これが日本がちょうど二十一基稼働しておって、いま御指摘のように将来七基、七基と三十五になるときに、アメリカは百九十二になるんです。それから、ソ連でも現在二十四稼働しておりますが、ちょうどわが国のそういう立場に合った結論といたしまして、ソ連も五十三ぐらいになる予定です。フランスが現在十六でございますけれども、これも七十ぐらいになるんでしょう。それから、西ドイツは十一基稼働しておりますけれども、これが四十四基。イギリスは三十三稼働しておりますが、これが四十五ぐらいになる予定です。そのように共産圏も含めまして、自由社会も含めまして、みんな原子力発電所へ向かってばく進しておるのは事実でございますが、わが国は御承知のような特殊な事情もございまして、非常に将来の展望も含めまして、現在二十一基稼働している割りには三十五基、せいぜい三十五基。それも非常に停滞しております。しかし、国民感情として私はしようのないことだと思っておりますが、やはり、何よりも原子力発電所の安全保障、あるいはそれの技術開発を万全にして、安全でなければならないことが前提でございます。アメリカもついせんだって、いま森田委員がどういうことで御指摘になったかわかりませんけれども、カーター大統領はアセスメント法案をやり過ぎたと、ついせんだってそれの解除の方向をうたっておるわけでございまして、全体的にはやはり脱石油というようなことも含めまして、みんなそれぞれの国が考えておるわけでございますけれども、先ほどから申しますように、わが国の特殊事情もございますし、アセスメント、つまり環境保全というようなことも十分頭に置いておかなければいけませんので、非常に困難な面もございますが、何とかそういう電源立地につきましては、考えていかなければならない。したがって、来年度の具体的な予算といたしましては、電源立地、つまり助成・補助金の交付金というようなものに対しまして配慮しなければならないということから、私どもは多少増税という気味もございますけれども、電気料金のそういう電源立地におる人々の、住民並びに企業、そういう人々に対しましてはいまの八銭五厘、つまり三十銭の電源立地促進税と申しますか、そういうものを四銭プラスいたしまして、その分だけを各戸個別に、それぞれ百キロワット以下から七段階に分けまして、企業と戸別と別々にしまして、段階を設けて補助をするというような考えで、電源立地の促進、それからまた水力の面におきましても、十五年間やっておるところは、そこからまたいろんな問題が生じておりますので、そういう面の補助、それから、いままで原子力発電所関係の公共物だけに金を出しておったのを、メンテナンス――維持、管理という面で非常に困っておられるところもございますので、そういう面も含めまして補助、助成をしようと、交付金の助成をふやそうというような考えを持って、電源関係の問題の解決に安全保障の研究開発、それからそれに万全を期すという方向とともに、物の面でもできるだけのことはやっていきたいというふうに考えております。
○森田重郎君 エネルギーと環境の政策調和の問題というのは、これは大変大事な問題であろうと思います。もとよりエネルギーそのものは、たとえそれが在来のエネルギーであるにしても、また新エネルギーであるにしても、あるいはまた輸入、国産エネルギーであるにしましても、広く国民大衆の方々がこれを利用するというようなことでございますので、そういう意味からいたしますと、あくまでもエネルギーそのものはクリーンでなくちゃならぬ、このことは大変よくわかりますけれども、もちろん性急な二者択一というふうなことは、私はこれは非常にむずかしい、また危険な考え方、発想であるかと思いますけれども、現在のような電源開発の立地が非常に遅延していると、計画が非常におくれていると、それを稼働率でカバーしていくと。結果、量的に心配ないんだというふうな、その辺がどうも非常にちょっとはっきりしない面があるような感じがするわけでございます。
 そういう意味から、現在大変いろいろ問題になっておりますアセスメント法案につきまして、先ほど大臣の御答弁の中で、ニュアンス的には若干わかるような感じがするんでございますが、いかがでございましょうか、経済閣僚のお一人として、河本大臣のお考え等をちょっとお聞かせいただければ大変ありがたい、かように思います。
○国務大臣(河本敏夫君) エネルギー政策を進めます場合に、やはり一番大きな課題が安全性を確保することと、環境の保全を図っていくということ、この二つだと思いますが、その環境保全という意味におきまして、アセスメント法をいま政府と自民党との間で相談をいたしておりますが、そういう意味におきまして、これは非常に大切な法律であると、このように考えております。
○森田重郎君 来月の経済報告会議で総合経済対策を点検されるというふうなことを私たち承知をいたしておるわけでございますが、これは昨日の新聞でございますけれども、「企画庁を中心に十一月中旬から産業別の景気動向を詳細に実態調査したうえ、同月末にまとまる景気、物価の各指標をみて経済情勢を判断していきたい」と、かような趣旨のことを長官お述べになられたようでございますが、第二次の総合経済対策は、これはどうなんでございましょうか、やはり十二月ぐらいに打ち出されるということになるんでございましょうか。いかがなものでございましょう。
○国務大臣(河本敏夫君) 毎月月例経済報告会というのをやっておりますが、来月十一日に十一月の報告会を予定しておりますので、その際、若干時間をとっていただきまして、九月初めに決めました、経済対策八項目を決めておりますが、それがその後どのように動いておるのか、効果を上げておるのか上げてないのか、そういう中間報告をしようと、こう思っております。それから、それとは別に、十一月の末にはいろんな経済指標がまとまりますので、それと並行いたしまして、十一月の中旬、先ほどお述べになりましたような、最近の経済の動きがどうなっておるのか、うまく行っておるかどうかと、こういうことにつきまして、総合的な調査をいたしまして、十一月の末に集まってまいりますいろいろな経済指標とあわせまして、総合的な判断をしたいと、こう思っております。
○森田重郎君 ただいまの長官のお話で、大体の今後の進め方等についての、全貌とまではあえて申しませんけれども、様子はわかったんでございますけれども、経済社会七カ年計画との絡みの中で、計画のフォローアップというものは、現在どのような形で進められておるのか、その辺をあわせて御答弁ちょうだいしたいと思います。
○国務大臣(河本敏夫君) 昨年の八月に決まりました新七カ年計画は、毎年見直しながらこれを具体的に進めることになっておりますが、五十五年度の分もこの一月に見直しておりますが、五十五年度の経済情勢、よく調べまして、具体的にどのようにこれを運用したらいいか、十二月ないし一月にはこれを決めたいと、こう思いまして、いま経済審議会でいろいろ検討していただいておるところでございます。多分十二月ごろにはおよその見当がつくのではないかと、こう思っております。
○森田重郎君 時間がございませんので、簡単に一言だけで結構でございます。
 実は、この七カ年計画の「計画の実施」、これは一項目、二項目に分かれておりますが、この2の方に「計画のフォローアップ」という項がございます、この七カ年計画でございますが。この最後の方の項に、こういうことが書いてございますね。前段いろいろありますが、「内外情勢の大幅な変動、政策理念の変更等により、この計画に示す目標もしくは政策運営の方向を維持することが困難又は望ましくないと認められる場合には、適時に計画の改訂を行う。」と。このことは、当然フォローアップそのものとは違う計画の改訂というふうに私は理解したんでございますけれども、いかがなものでございましょうか、今後の中・長期的なエネルギーというふうな問題をも踏まえまして、この計画自体に大きく筆を入れるような事態があるかないか、その辺の感覚を重ねて長官にお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(河本敏夫君) 十二月には経済審議会での検討が終わりますので、その報告を受けまして、最終的にかつ総合的に判断をしたいと、こう思っております。
○委員長(野田哲君) 他に発言がないようですから、通商産業省、経済企画庁、中小企業金融公庫及び中小企業信用保険公庫の決算についてはこの程度といたします。
 次回の委員会は十一月七日に開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後四時四十九分散会
     ―――――・―――――