第094回国会 大蔵委員会 第18号
昭和五十六年五月七日(木曜日)
   午前十時三分開会
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   委員の異動
 五月六日
    辞任         補欠選任
     岩動 道行君     関口 恵造君
     江藤  智君     安孫子藤吉君
     対馬 孝且君     吉田 正雄君
 五月七日
    辞任         補欠選任
     安孫子藤吉君     板垣  正君
     塚田十一郎君     戸塚 進也君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         中村 太郎君
    理 事
                衛藤征士郎君
                嶋崎  均君
                藤井 裕久君
                穐山  篤君
                塩出 啓典君
    委 員
                板垣  正君
                岩本 政光君
               大河原太一郎君
                梶木 又三君
                片山 正英君
                河本嘉久蔵君
                古賀雷四郎君
                関口 恵造君
                戸塚 進也君
                藤井 孝男君
                大木 正吾君
                鈴木 和美君
                吉田 正雄君
                和田 静夫君
                多田 省吾君
                矢追 秀彦君
                近藤 忠孝君
                三治 重信君
                野末 陳平君
   国務大臣
       大 蔵 大 臣  渡辺美智雄君
   政府委員
       内閣法制局第三
       部長       前田 正道君
       大蔵大臣官房長  山口 光秀君
       大蔵大臣官房審
       議官       矢澤富太郎君
       大蔵大臣官房審
       議官       吉田 正輝君
       大蔵省主計局次
       長        西垣  昭君
       大蔵省理財局長  渡辺 喜一君
       大蔵省国際金融
       局次長      大場 智満君
       国税庁間税部長  小泉 忠之君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        伊藤  保君
   説明員
       公正取引委員会
       事務局審査部審
       査統括官     相場 照美君
       行政管理庁行政
       管理局管理官   八木 俊道君
       行政管理庁行政
       管理局管理官   坂本 佶三君
       行政管理庁行政
       監察局監察官   塩路 耕次君
       経済企画庁調整
       局経済協力第二
       課長       西谷 浩明君
       外務省経済協力
       局外務参事官   中村 順一君
       外務省国際連合
       局経済課長    内田 富夫君
       文化庁文化部著
       作権課長     吉田  茂君
       厚生省医務局医
       事課長      斎藤 治美君
       社会保険庁年金
       保険部国民年金
       課長       阿藤 正男君
       農林水産省畜産
       局衛生課長    小山 國治君
       通商産業省通商
       政策局経済協力
       部企画官     細田 博之君
       通商産業省立地
       公害局保安課長  竹沢 正格君
       通商産業省生活
       産業局窯業建材
       課長       岩田 誠二君
       資源エネルギー
       庁公益事業部原
       子力発電安全審
       査課長      逢坂 国一君
       資源エネルギー
       庁公益事業部原
       子力発電安全管
       理課長      平田辰一郎君
       特許庁総務部総
       務課長      守屋 一彦君
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  本日の会議に付した案件
○財政運営に必要な財源の確保を図るための特別
 措置に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○アフリカ開発銀行への加盟に伴う措置に関する
 法律案(内閣提出、衆議院送付)
○一次産品のための共通基金への加盟に伴う措置
 に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○臨時通貨法の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
○各種手数料等の改定に関する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
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○委員長(中村太郎君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨五月六日、岩動道行君、対馬孝且君及び江藤智君が委員を辞任され、その補欠として関口恵造君、吉田正雄君及び安孫子藤吉君がそれぞれ委員に選任されました。
 また本日、安孫子藤吉君及び塚田十一郎君が委員を辞任され、その補欠として板垣正君及び戸塚進也君が選任されました。
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○委員長(中村太郎君) 財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律案を議題といたします。
 本案に対する質疑は前回終局しておりますので、これより直ちに討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○穐山篤君 私は、日本社会党を代表して、ただいま議題となりました財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律案に対し、反対の討論を行います。
 第一の理由は、政府の志向する財政再建は国民本位の財政再建に逆行するからであります。政府は本年度予算によって財政再建元年に大きく踏み出したものと自己評価しているようでありますが、二兆円の国債減額は歳出構造の見直しによる不要不急経費の削減によって実現し得たものでなく、一兆四千億円に及ぶ増税と、所得税減税の見送りによる実質増税、さらに受益者負担の名のもとに公共料金の相次ぐ引き上げによってなし得られたものであることは否定できない事実であります。これらの措置は、低所得層ほど負担増加割合が大きく、所得再分配の面から見て財政の機能を大きく阻害する何物でもありません。真の意味の財政再建とは、財政の硬直化を是正し、財政の機能を十分に発揮できるようにすることにあるのであって、政府の今回の措置は断じて容認できないものであります。
 第二の理由は、財政再建審議の参考として提出されました財政収支試算、中期展望は、その場しのぎの資料にすぎなかったという点であります。中期展望は五十六年度における制度と施策を前提として試算されているとはいいながら、経常部門の経費である防衛関係費には五六中業にかかる経費が算出されていない一方で、特例公債は明確な削減計画が織り込まれ、また投資部門では公共投資が五十七年度以降大幅な伸びで支出される一方で、その財源である四条公債は五十六年度水準で据え置かれるなど、その算出方法に整合性が全く見られないのであります。整合性のない展望のもとでの、財政再建の一施策としての本案に賛成することはできません。
 第三の理由は、特例公債の発行と特殊法人の納付金の特例という全く異質の事案を一括して本案に盛り込んでいることであります。本委員会の質疑を通じても明らかなように、両者は相互に何一つ関連性がなく、別個の法案を一括して審議したかの観を呈したのは紛れもない事実であったではありませんか。特殊法人の納付金問題を抱き合わせることによって、特例公債発行の重大さを隠蔽しようと図ったと言われても言い逃れはできないところであります。財政法で禁止しております赤字公債発行についての政府の安易な姿勢が、ここにも歴然たる事実としてあらわれていると言わざるを得ません。
 第四は、特殊法人の納付金問題が、単に財源集めの観点から処理されていることであります。特に独立採算制をとる電電公社は、その余剰が生じたときは料金引き下げやサービスの向上を図るべきであり、本案による納付金の特別措置は、公企体の独立採算制を根底から否定することになります。また今回の措置は、長期にわたる電気通信事業の発展を抑え、かつ従業員の協力体制についてもすでに悪い影響が発生しております。いまこそ特殊法人全般について、そのあり方や経営について抜本的に見直すときであるにもかかわらず、これを放置したまま、余裕のある特殊法人をねらい打ちするがごとき措置に対し、断固として反対せざるを得ません。
 以上、反対理由を述べてまいりましたが、本委員会の質疑を通じて明らかになったことは、財政再建に対する政府の姿勢は今後においても依然として安易かつ消極的なまま終始するのであろうということであります。このまま推移するならば、国民の負担のみが過重となるだけでなく、真の意味の財政再建は画餅に帰してしまうことを指摘をしまして、本案に対する反対討論を終わります。
○藤井裕久君 私は、自由民主党・自由国民会議を代表して、ただいま議題となっております財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律案に対し、賛成の意を表明いたします。
 わが国は、第一次石油危機以降の重大な局面に対処するため、あえて大量の公債発行により経済の活力を創出する政策を選択し、経済面では世界に類例を見ない成果を挙げてまいりましたが、その間における財政への大幅な依存は、わが国財政の社会経済情勢の変化に対応する適応力を失わせつつあり、さらに経済金融政策の円滑な運営のためにも、その影響が懸念されるに至っております。したがって、今後、経済の着実な発展と国民生活の安定、向上を図るためには、わが国財政の公債依存体質を改善し、財政再建を促進することが当面緊急の課題であると言わなければなりません。
 このような状況に対処するため、政府は本年度予算において、歳入、歳出両面の徹底した見直しによって、公債発行額を二兆円減額することといたしているのであり、私は、政府のこの財政再建の強い決意を高く評価するものであります。
 しかしながら、本年度予算におけるこのような全般的見直しにもかかわらず、国民福祉を初め国民生活全般にわたって適切な行政水準を維持するためには、なお必要な財源が不足することも事実であります。本案は、このために必要な臨時特例的な財源確保措置を講じようとするものであり、本年度予算を執行していくためには必要不可欠な法律案であります。
 本案の内容について見ますと、まず昭和五十六年度の特例公債の発行につきましては、現下の財政状況から見て、引き続き必要やむを得ない措置であると考えます。今後とも中長期的な展望に立って、財政再建に一層の努力を傾注し、早期に特例公債依存の財政から脱却できるよう、特に要望いたしたいと存じます。
 次に、電電公社、中央競馬会、開発銀行等の国庫納付金の特例措置についてでありますが、これらの措置は、特殊法人の中で比較的財務状況の良好なものに国の財政への財源面での協力を求めるものであります。それぞれの法人の立場はあるといたしましても、国民的課題である財政再建のための各般の施策が講ぜられていることに思いをいたせば、まことにやむを得ない措置であると考えます。
 なお、本案におきまして、各法人の経営に影響が及ばないよう配慮されているところでありますが、各法人においては国庫納付等による負担が利用者へのサービス低下や料金引き上げ等につながることのないよう、より一層の経営努力を尽くされることを要請いたしますとともに、政府においても適切な指導を期待するものであります。
 以上、本案は、現在の財政状況のもとでは必要にしてやむを得ないものであると考えますとともに、今後とも財政再建の実現のために、政府に粗いてはより一層の努力を傾注されることを要請いたしまして、私の賛成討論を終わります。(拍手)
○塩出啓典君 私は、公明党・国民会議を代表いたしまして、ただいま議題となりました財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律案に対し、反対の態度を表明し、討論を行うものであります。
 反対理由の第一は、政府が赤字国債の発行を減額するに当たって、その財源を増税のみに頼っているという点であります。
 すなわち、政府は、昭和五十六年度予算において赤字国債を五兆四千八百五十億円発行しようとしており、その発行額は前年度予算に比べて約二兆円の減額となっております。われわれも国債減額に異議を唱えるつもりはありません。しかし、五十六年度予算及び税制改正等で示されたように、政府の国債減額は、所得税減税見送りによる二兆七千億円の実質増税を初め、一兆三千九百億円にも及ぶ法人税、酒税、物品税、印紙税などの引き上げによる史上最高の増税によるものなのであります。しかもこの増税は、その前提である行財政改革の断行や不公平税制の是正に何ら見るべき成果がなく、とうてい国民の理解を得られるものではありません。
 また、わが国の国民生活、特に勤労者は、所得税減税四年連続見送りによる大幅実質増税、物価高騰、低いベースアップにより、昭和五十五年度の実質所得はマイナス一・一%になるなど、最悪の状態に陥っております。また、中小企業の倒産も、現状のままで推移するならば、五十六年度は史上最悪になることが予想されます。こうした国民生活の状態を知りながら、財政再建という名のもとに増税により国債減額を行うという政府の安易な姿勢は、容認できないのであります。
 反対理由の第二は、赤字国債からの脱却に明確な方途が示されていないということであります。
 われわれは、かねてより財政再建を国民合意のもとで計画的に進めるため、財政計画の策定、提出を要求してまいりました。財政当局も従来の財政収支試算から、本年度は「財政の中期展望」に変えるなど、その努力には一応評価はいたします。しかし、その内容は、一般歳出が五十七年度以降一〇%前後ふえ、また投資部門の歳出が毎年一〇%程度ふえても、四条公債の発行額は一定とするなど、要調整額を必要以上に大きく見せかける意図とも思われるもので、政府の財政再建策に疑問を抱かざるを得ないのであります。したがって、政府が財政再建に明確な展望や計画を示さないまま赤字国債を発行し続けることには賛成しかねるのであります。
 また、日本電信電話公社等の納付金制度の今回の措置は、電信電話料等の値上げにつながる危険性が十分に考えられ、反対せざるを得ません。今後十分な措置を講じられることを要求いたします。
 以上、本法案に反対の意思を表明し、私の討論を終わります。(拍手)
○近藤忠孝君 私は、日本共産党を代表し、財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置法案について反対の討論を行います。
 その理由の第一は、本法案が財政再建の理念が全くない、単なる財源かき集め策であることであります。
 今日の深刻な財政危機を打開するためには、その元凶となった政府・自民党の経済、財政政策についての反省と、その根本的な見直しが求められております。ところが、今年度予算においても、国民には大増税と福祉の切り捨てが押しつけられた反面、軍事予算、エネルギー予算、海外援助予算などがアメリカの要求や財界の戦略に沿って大幅に増額されております。本法案による確保財源は、結局この反国民的な予算に充てられるにほかならないのであります。
 また、この法案による特例公債五兆四千八百五十億円を含む十二兆二千七百億円もの公債発行はさらに計画的な縮減を図るべきであり、非営利事業体である電電公社からの四年間四千八百億円の国庫納付も、不当に高い料金を押しつけられてきた利用者国民に還元すべきものであり、ともにとうてい認めることができないのであります。これでは緊急の課題である財政再建をかえって困難にし、財政の体質を一層ゆがめてしまうことは明らかであります。
 第二に、当然なすべき行財政の見直しがほとんど行われていない点であります。今年度予算では、不要不急経費も、軍事費が増大されたように依然野放しであり、大企業、大資産家優遇税制の是正や政府関係諸機関のあり方の国民的見直しも行われておりません。
 日本中央競馬会からの納付金は、その売り上げや内部留保が激増し、経営にもゆとりがある実態から見て、さらに増額し、今後とも国庫納付ができるよう政令を定めるべきであります。日本開発銀行等からの産業投資特別会計への繰り入れと、産投特会から一般会計への繰り入れについては、融資面での大企業優遇機構となっている輸開銀や産投特会、さらには財政投融資のあり方を国民生活安定に資する方向で改革することとし、納付額はさらに引き上げるべきでありました。
 私は、本法案審議の中で、補助貨幣回収準備資金や外国為替管理特別会計に留保されている余裕資金を取り崩せば、優に三兆円余の財源が確保できることを指摘し、政府のおざなりの財源確保策を批判いたしましたが、いまこそ安易な国民への犠牲の転嫁を厳しく排し、国民生活の防衛と財政、経済の建て直しのために、財政そのものを役立たせる立場から行財政の改革に真剣に取り組むべきであります。
 第三に、憲法、財政法の恒久平和の精神を踏みにじるものであるということであります。
 財政法第四条か憲法の戦争放棄の規定を裏書き保証するものとして、国債の発行を禁じたことはっとに知られているところであります。軍備拡張のための予算を増額しながら、依然として赤字公債の大量発行を進めることは断じて認められません。国債とともに軍事予算についても大幅な縮減を図るべきであります。
 最後に、本法案には財源を確保するという共通の内容があるとはいえ、全く異なったものが一つにされている点であります。このことによって国会での審議が事実上不十分にしかできなかったことは、議会の審議権を規制し、財政民主主義に反するものであることを指摘せざるを得ません。
 以上をもって、私の反対討論を終わります。
○三治重信君 私は、民社党・国民連合を代表し、ただいま議題となりました財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律案について反対の意思を表明し、討論を行います。
 わが国の財政は、昭和五十年以降、第一次石油ショックによる深刻な不況対策として、その景気回復のため大量の公債発行に依存せざるを得なかったが、その後の景気の変化に機敏な財政の対応がなく、今日の財政悪化をもたらしました。財政政策による景気回復を公共事業一本で対応したため、景気回復をおくらしたこと、公共事業は一度拡大すれば直ちに減量、減額することは困難であることに原因があります。短期の景気回復には公共事業より所得税減税が効果があるということが通説であります。わが党は、財政再建を税の自然増収と行財政改革によって進めるべきであると主張し、具体的提言をも行ってきましたが、予算の硬直化による景気対策への影響の薄れや行財政改革の実効の上がらない状況から、今後に不安を覚えるものであります。法律案の個々の内容について主な反対の理由を申し上げます。
 特例公債発行二兆円減額が実行に移されたことを大いに評価いたします。しかし、これがため、四兆五千億もの自然増収がある上に、一兆四千億円もの大増税という国民負担を強いるという裏づけがあるから反対であります。この二兆円の赤字国債の減額は、歳出の削減によって賄われるべきであります。幸い、鈴木内閣は、昭和五十七年度には赤字国債の減額二兆円を行財政改革によって行う決意を早々と表明されました。これが筋であります。
 日本中央競馬会の納付金については、ギャンブル収益の中から臨時に国家財政の困窮を救済するための対応策として時宜に適したことと思いますが、従来国庫に納付していないとはいえ、同じギャンブル収益のある競艇、競輪事業にも国庫または地方財政に臨時の納付金増加が図られるべきで片手落ちであると考えます。負担は平等にかけられるべきであります。
 日本電信電話公社の納付金については、電話利用税につながるおそれがあります。現在の電電公社の運営方法を変えない限り、収益圧迫がサービス低下、料金値上がりに結びつきます。電電公社職員の合理化努力の評価の方法が明確になっていない等、いろいろ問題点が指摘され、明確な保障が行われておりません。黒字だから納付金として取り上げるだけでは反対せざるを得ません。
 開発銀行、輸出入銀行の準備積立金の臨時納付金は、適切な措置かと思われます。
 以上、今回の財源確保法案は、従来の赤字公債以外、あちこち取れるところから税外収入として納付金を得るという安易な手段に頼っていることであります。このような異例の歳入財源は、再検討され、統一的理念のもとに負担の公平を図るよう措置されることを要望いたしまして、反対の討論を終わります。
○委員長(中村太郎君) 他に御意見もないようですから、これより採決に入ります。
 財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律案に賛成の方は挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(中村太郎君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 藤井君から発言を求められておりますので、これを許します。藤井君。
○藤井裕久君 私は、ただいま可決されました財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律案に対し、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党・国民会議、民社党・国民連合、新政クラブの各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
   財政運営に必要な財源の確保を図るため
   の特別措置に関する法律案に対する附帯決議(案)
 政府は、本法施行に当たり、次の事項について十分配慮すべきである。
 一、健全財政確立のため、財政収支の改善に全力を尽くし、昭和五十九年度に特例公債依存の財政からの脱却を図るとともに、建設公債についても可能な限り抑制し、公債依存度を低下させるよう努めること。
 一、国債の償還財源については、長期的な展望を踏まえて、その確保に努め、償還に支障のないようにすること。
 一、今後、建設公債の借換えも本格化することに備え、金融・資本市場の動向を踏まえた発行条件の適正化等、適切な国債管理政策に関する方針を確立するよう努めること。
 一、財政支出のうち、不要不急の経費を削減するとともに、補助金行政の洗直し、特殊法人の経営の見直しを行うなど、抜本的な行財政改革を行うこと。
 一、財源対策としては、負担の公平化に一層努力し、中長期にわたる基本的展望に基づいて見直しを行うこと。
 一、公衆電気通信事業の公共性にかんがみ、日本電信電話公社の臨時国庫納付金が料金値上げ等利用者の負担を増大することのないよう、職員の積極的な協力を得つつ能率的な公社経営を可能にする諸般の改善を行い、経営基盤の強化に努めるとともに、政府においても公社設立の趣旨に基づき、経営の主体性が十分発揮されるよう努めること。
 一、日本中央競馬会については、政府の指導監督と自主的な経営努力を通じ、業務の適正な執行を図るとともに、競馬従事者の地位の安定に努め、競馬の健全な発展に資すること。
  右決議する。
 以上であります。
 委員各位の御賛同をお願いいたします。
○委員長(中村太郎君) ただいま藤井君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方は挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(中村太郎君) 全会一致と認めます。よって、本附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、渡辺大蔵大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。渡辺大蔵大臣。
○国務大臣(渡辺美智雄君) ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても御趣旨に沿って配意したいと存じます。
○委員長(中村太郎君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(中村太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
○委員長(中村太郎君) 次に、アフリカ開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律案、一次産品のための共通基金への加盟に伴う措置に関する法律案、臨時通貨法の一部を改正する法律案、以上三案を便宜一括議題とし、前回に引き続き質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○大木正吾君 最初に渡辺大蔵大臣にお伺いいたしますが、ハワイでアジア開銀の総会が持たれた模様でございまして、御出席大変御苦労さんでございましたけれども、その際の問題としまして、新聞報道ですと、順調に開銀の貸し付けあるいはそれによって途上国の経済成長その他いっているような報告が新聞には出ておりましたし、同時にまた、一部の新聞には、渡辺大蔵大臣のりっぱなお話が報道されておりまして、大変関心を持って拝聴いたしました。
 伺いたいことは、これらの問題につきましての大臣の所感といいましょうか、これの中での開銀が果たしているアジアの途上国に対しましての役割りなり、今後の言えば展望といいましょうか、そういったものについての所感がございましたら、冒頭にお伺いいたしたいのであります。
○国務大臣(渡辺美智雄君) アジア諸国も、インドネシアを除き大部分の国が非産油国というようなこともありまして、やはり国際収支の赤字それからインフレ、こういうことについては同じ共通な悩みを持っておるわけでございます。したがいまして、ぜひとも先進国がこれらの経済の停滞に対してより積極的に、いろいろな商品援助とかあるいはプロジェクトとか、そういう面で協力してもらいたいと、なおアジア開発銀行に対する出資等も予定どおりやってもらいたいというような点が強く印象づけられたわけでございます。
 日本といたしましても、これらの国は隣の国であると同時に、やはり貿易上非常に重要な国でございますから、それらの国が経済の破綻をするというようなことは困ることであります。したがって、先ほど申し上げましたように、厳しい財政事情ではございますが、日本としては今後五ヵ年間の政府開発援助について、国の予算総額をこれまでの五年間の総額の倍にするということを目標にがんばりたいということも申し上げました。それと同時に、私が申し上げたのは、ただ援助をしてもそれがむだ金になってしまったんでは国民の方から、大変、増税もしたりあるいは歳出カットをして補助金を切ろう、生活も切り詰めてもらおうというところで、海外経済協力は倍増していこうということですから、それは日本の財政事情は非常に厳しい中にあって、なお四分の一程度の国債依存度の中にある。インフレとの戦いもある。そういう中で出すのでありますから、これは協力を受ける国の方も貴重な金だというように考えてもらわなきゃ困りますと、当然それについては自助努力といいますか、自分たちもただもらえぱいいというんじゃなくて、やはり努力をしてそれらの先進国の協力を有効に生かしていくというための自助努力というものもやっていただきたい、これが両方が絡み合って初めて経済協力援助というのが車の両輪のごとく進められるものでありますというようなことを公式、非公式両面において申し上げてきたところであります。かなり御理解は得たと思いますが、日本などに対する非常な期待が過剰になっては困りますので、期待過剰にならないように注射を打ったと言っちゃちょっと語弊がありますが、そういう意味ですね、あらかじめ申し上げておいたわけであります。にもかかわらず、やっぱりかなり期待はどうも大きそうだという印象を受けたのも事実でございます。
○大木正吾君 アメリカのマクナマー副長官とのお話し合いの中で、アメリカはレーガン政権になってから、こういうような国際機関よりも二国間もしくは多国間という問題につきまして、二国間にウエートを置くということで、恐らく第三次の基金出資についてはしないんじゃないか、こういうふうに感じるんですが、その辺の感想はいかがでございますか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) アメリカは約束したことを出さないとは言ってないんですね。それは出します。出しますが、ことし幾ら出すか来年幾ら出すかと、こう言われてもまだそう固まっていない、額は。言うなら総額は出すが、後ろ送りにしてもらいたいというニュアンスが強かったということです。
○大木正吾君 アメリカの問題については後ほども伺いますが、フィリピン、例としてこれは挙げるんでございますけれども、最近大統領選挙があるわけでございますけれども、大統領選挙について反対派のアキノさんあるいはラウレルさん等がボイコットしたと、こういうことがありまして、これはどうですかね、大統領選挙が、一方がボイコットし、一方は自分が信頼といいますか自分の派に立つ最高裁長官等は定年延長をしてまでもたせるとか、たくさん問題あるようですけれども、こういう国々が相当大きなウエートを占めている日本あるいはこういったアジア開銀の利用国なんですが、政情の不安定問題等について、あるいはこういう資金がフィリピン等では国民なりその国の勤労者のために使われているかどうか若干疑問があるんですけれども、フィリピンの政情不安定とこういった要するに日本からの協力あるいは援助等との関係についてどういう御感想ですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) この政情の問題も常にわれわれが気をつけなければならないことだと思っております。しかし、この政情不安定というのはフィリピンだけでなくて、その他の大国においてもいろいろみんな、必ずしも安定している――日本のように安定している国はむしろ少ないと私は思っております。しかし、それがデモンストレーションだけに使われて、その結果、本当に民衆のためにあんまりならなかったというようなことは困るわけでございまして、過去にインドネシアの賠償援助等には、これはスカルノ政権時代のことでございますが、かなりひどいものがあったことも事実でございます。したがってその二の舞いをするようなことは困るということから、なるべく農業部門というような部門とか、本当に地についた部門に優先的にやっていく必要があると。でかいプロジェクトつくっても、電気の使い道もないところにでかい発電所なんかつくったりした例もなきにしもあらずですから、ですからそういう点は、今後の援助については十分に配意してまいりたいと。国柄がいろいろございましてね、フィリピンにはフィリピンの行き方があるんだろうし、日本とは全く同じにするといってもできない話でもございますから、それぞれの主権があってやっていることなんで、干渉がましいことはわれわれは言えない。言えないけれども、常にそういうような政情等については重大な関心を持ちながら、頭のどこかすみっこにそういうことを入れておきながら援助問題はやっぱり進めるべきものであると、かように考えております。
○大木正吾君 例としてフィリピンを挙げたわけですけれども、大統領選挙でもってこれをボイコットする。宗教的な対立もある。同時にいま大臣がおっしゃったとおり、あそこはたしか二回か三回ぐらい稲の収穫がある、できるんですね。農業の開発等していきますとできるわけですから、ぜひこういった国において、依然としてアジアは共通して貧富の差が激しいですからね。そういった問題について、日本が内政干渉がましいことはできませんけれども、やっぱり開銀等を通じてどう使われているかについては十分にこれからも関係の向きでは、総裁が日本人ということもございますし、大臣の関係の方々が多いわけですから、そういった面で生かせるように私はぜひ希望して、たまたま大臣が四月月末行ったようですから、このことと関連して、法案に関係なかったけれどもちょっと伺ったわけです。
 さて問題は、この法案の問題についてでございますけれども、最初にこの二つの法案につきまして、アフリカ開発銀行ですね、同時に一次産品共通基金両法案についての目的について、書いてあるから読めとおっしゃればそのとおりなんですけれども、書いたことを中心にしながら少し説明していただけませんか。
○政府委員(大場智満君) ただいまの二つの機関につきましての目標についての御質問でございますが、まずアフリカ開発銀行でございますが、アフリカ開発銀行は主として域内諸国、アフリカ諸国大体いま五十一ヵ国ございまして、そのうち五十ヵ国がこのアフリカ開銀に加盟しております。それで一ヵ国と申しますのは南アフリカ共和国でございますが、この五十ヵ国の域内におけるプロジェクト開発、これにつきましてアフリカ開発銀行が融資することによりこれらの国の発展並びに国民生活の安定に寄与している、この機関に私どもが今度加盟することになりますのは、やはり域内諸国五十ヵ国だけでは資金面における対応が十分でないということがあったのだろうと思います。そこはアフリカ諸国の自主性を保ちながら、同時に資金的な補強も図るというのが、今回日本を初め域外諸国を加えまして、この銀行の資金規模の安定を図ることに至った理由かと思っております。したがいまして、わが国といたしましても、新たに加盟する他の域外先進諸国とともに、この銀行の円滑な発展に寄与していきたいというふうに考えているわけでございます。
 それから、共通基金でございますが、共通基金の目標は、私はやはり一次産品の価格の安定並びに開発にあると思います。もともと共通基金は、もう先生御承知のことでございますが、商品協定、いろんな商品協定がございます、すずとか天然ゴムとか砂糖とか。その中には緩衝在庫と申しまして、価格が下落するときにはその産。品を買い、価格が上昇するときにその産品を売るという緩衝在庫機能を持っている商品協定があるわけでございますが、こういった商品協定の中央機関といいますか、中央銀行みたいな役割りということで設立が図られたわけでございます。ですから、商品協定が資金不足している場合には、この共通基金が資金を供与してやる。また将来、仮に各商品協定がお金持ちになったような場合にはその資金を預かるというような機能も考えられてしかるべきだと思うんですが、そういうところにこの共通基金の目標があると思います。ですから、当初、むしろ開発途上国としては、この共通基金をできるだけ大きな機関にして、それからまたソフトな金をできるだけ出すような機関にしてもらえば、この共通基金があることによってむしろ商品協定の設立が促進されるということを考えたようでございまして、その辺、資金面での先進諸国の協力の可能性と、こういった開発途上国の要望とを調和させた形で現在の共通基金が設立されているということでございまして、以上がこの共通基金の目標になっているわけでございます。
○大木正吾君 アフリカといいますと大変遠い国だという感じがあり、同時にまた、もったいないといいますかね、そういった感じもなきにしもあらずだと思うんですが、ただ、国連加盟の百六十五ヵ国前後の国の中でも三分の一ぐらいを占めているわけですね。しかもこの中で、言えば石油の出ない途上国ですから、後発的な開発途上国、こういうふうになるでしょうが、そういう国々がアフリカにほとんど占めていると、こういう状態ですわね。結局、やはりいま大臣もおっしゃったんですけれども、アジアが一番大事なことはそのとおりなんですが、もう少しやっぱりこの法案の提出する中身について、文章づらのことはとやかく言いませんが、われわれ自身が中近東なりあるいはそういったところに関心を持つ、同時に、日本は工業国ですから、どうしても原材料が欲しいわけですから、そういったことと関連しまして、また人道的な援助も必要でしょうし、しますから、要するに、この種の開発銀行に対する投資あるいは一次産品共通基金ですね、こういったものに対する日本的な認識ですね、こういったものをもっと高めておきませんと、アメリカとソ連が大変な大きな国で、確かに軍事大国ですわね。軍事大国だけれども、政治的にはやっぱりあんた三百万の国でも一票持っているわけですからね、国連ではもう三分の二以上の力をすぐ持ってしまう、第三世界というもので。そういったことがありますから、やはりこういった法案を出す際にはそういったことの意味合いがもう少し日本の国会的に理解ができるようにもっとこういった地域を重視をする立場ということが私は法案の中身あるいは特に説明の中で結構ですから欲しかった、こういう感じがするんですが、そういったことについての所感と、なぜアメリカがこの第二の窓に対して出資の見送りをしているかですね。この辺はむしろ日本がこれにひっついていきますと第三世界を敵に回すこと、アメリカはそういう傾向を持っていますけれども、非常に危険な道に入り込む心配を感じるんですね。ですから、特にアメリカの第二の窓に対する出資見送りについてどういう理由から来ているか、それについて聞かしていただけませんか。
○政府委員(大場智満君) まず、アフリカを重視する必要があるという先生の御指摘、そのとおりだと思っております。
 で、まあ今回はアフリカ開発銀行を通じての協力ということでこの法案をお出ししているわけでございますが、二国間におきましてアフリカ諸国の、つまりわが国の援助に占めるアフリカ諸国のウエートでございますけれども、やはり徐々に上がってきておりまして、最近時点ではおおむね一〇%ぐらい、まあ東南アジア諸国が七〇%を占めておるわけでございますが、あと中近東諸国それから中南米諸国それからアフリカ諸国がおおむね最近では一〇%ぐらいのシェアになっておりまして、私どもとしてはアフリカ諸国の重要性を認識しているつもりでございます。
 それから御質問の第二、共通基金の第二の窓といいますか、第二勘定に対して米国が拠出しなかったのはなぜかという御質問でございますが、米国は御指摘のように、第二勘定の設置は支持するけれども拠出はしないという立場でございます。で、これはまあ幾つか理由があるかと思いますが、やはり最大の理由は国際機関の資金の流れがいろいろな機関からの流れによって重複される可能性がないか、特に世銀等の既存の機関がやはり一次産品を対象とする資金供与を行っているわけでございます。そういったことで既存の機関との重複と、あるいは屋上屋を重ねるというようなことに対して若干批判的であったのではないかと、そういうことがこの第二勘定の設置は支持するけれども任意拠出は行わないという米国政府の決定になったのではないかというふうに見ております。
○大木正吾君 いまのアメリカの出資見送り、見送りですからしないとは言ってないんですけれども、じゃ将来はこれを出資をする可能性ありと、こういうふうに御判断されていますか。
○政府委員(大場智満君) 出資、第一勘定の方はアメリカも協力していくと思うわけでございますが、この共通基金の第二勘定に対する任意の拠出は私はアメリカは行わない可能性の方が強いのではないかと、もちろん私どもは米国の任意拠出を期待するものでございますけれども、行わない可能性の方が強いのではないかというふうに考えております。ただ、任意拠出の予定額は、まあ目標額といいますか、二億八千万ドルに対しまして現在までの予定額が大体二億二千五百万ドルぐらい、約八〇%ぐらいに達しておりますので、まあ本基金協定の発効要件の一つには該当するものですから、この第二勘定の方も動き出して、それから当面運営に支障はないというふうに見ているわけでございます。
○大木正吾君 まあ結果的にはその十八品目の中に小麦なんかが抜けていることとか、それから同時に、政治的な援助にだんだんだんだん傾斜していく問題などの背景というものがやっぱりこのことに関係しているというような私たちは感じを持つんですがね。だから純粋にあっちこっちのいろんな基金があるから云々と言うだけでは――だったら日本も同じ立場でいいわけですから、だからそういう意味合いで、やっぱりアメリカがこの第二の窓と言われますところの部分に対して出資をしないことは、外務省としてはむしろこれはやっぱりアメリカに対しても、いまちょうど鈴木さんと伊東さんが行っているわけですけどね、今後継続的に出資をしなさいということを言うお気持ちはないですか。
○説明員(内田富夫君) 御説明申し上げます。
 御指摘のように、アメリカのコモンファンドに対します考え方は、わが国の考え方と少しく違っているところがございまして、この点に関しましては、わが方の立場を十分説明し、かつアメリカが積極的な方針をとることを検討するようにたびたび接触をしてきておるところでございまして、こういった方向でアメリカ側との対話を重ねてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○大木正吾君 この問題、余りしつこくやりませんが、とにかく中国とかカナダ――カナダはもちろんですが、非常に経済的に厳しい中国なんかでもこれに出資して、拠出しているわけですね。そういうふうに考えていきますと、アメリカ自身がだんだんだんだんこう何か、こういうもので、これはもう二国間援助じゃありませんからね、共通基金ですからね。こういうものについては、日本が少し、言えば立場上アメリカさん悪くなりますよということぐらい大胆にやはり言って、そうして調子合わしてもらう方が私はアメリカのためにいいと、こういう判断ですから、ぜひいまの考え方を持ちながら今後も話を継続してもらいたい、特にこれは外務省に対してお願いをいたしておきます。
 次に、日本のこれは開発援助なり協力の実態なり展望についてでございますけれども、〇・七%というのは国際的な合意になっているはずでありますと同時に、本年の一月二十三日のこれは閣議ですか、企画庁が提起しました、さっき大臣がおっしゃられた五年間倍増問題、これについての言えば見通しですか、年次計画、そういったものがありましたら説明してください。
○説明員(西谷浩明君) 御説明申し上げます。
 政府開発援助の中期目標でございますが、本年の一月二十三日、外務省、大蔵省、通産省並びに経済企画庁の間で、四省庁におきまして相互の意見を調整いたしまして、新しい中期目標を定めたところでございます。
 その骨子でございますが、一つは、ODA――政府開発援助を積極的に拡充いたしまして、引き続きGNP比の改善に努めるということでございますし、もう一つは、一九八〇年代前半五ヵ年の政府開発援助の実績総額をこれまで五ヵ年間の総額の倍以上とするということが骨子でございまして、これに基づきまして政府開発援助に関連します国の予算等々について所要の措置を行うということでございます。
○大木正吾君 具体的な数字をひとつ言ってください。これは中期展望の中の数字で結構なんですけれどね。
○政府委員(大場智満君) 中期目標の中でODAに関連する経費でございますけれども、五十七年度以降おおむね一一%ぐらい伸ばすことにして考えております。と申しますのは、五十一−五十五年度のODA関連一般会計予算の累計は一兆二千四百四十四億円でございまして、したがいまして、中期目標による五十六年度からの五年度、五十六年度から六十年度のODA関連一般会計予算の累計はこの二倍でございますので二兆四千八百八十八億円になるわけでございまして、単純に五ヵ年間の伸びで見ますと、一一・四%ということになるわけでございます。
○大木正吾君 これは予算委員会に出た大蔵省の資料、きょう参考に持ってきましたけれども、五十六年が四千二百五十四億円で一一・三%ですか、二%ですか、それから五十七年が四千七百三十億円、五十八年が五千二百七十億円ですね、その次は五千八百六十億円、こういう数字が出ていまして、若干数字に変動あるかもしれませんが、大まかに額的には五年間を加えていきますと大体倍ぐらいの額になるという感じは持ちますね。ただ問題は、国際的に合意されているという〇・七%の水準との関係では、GNP比について大体何%ぐらいになるというめどなり見通しですか。
○政府委員(大場智満君) ODAのGNPに占める比率でございますが、最近時点で、七九年で〇・二六%でございまして、恐らく、次の年度といいますか、昨年度はまだ計数整理ができておりませんが、〇・三三%近くまで上がっていくのではないかという感触を持っております。私どもとしましても、これはGNPの大きさとかその他諸要因によってなかなかむずかしい問題でございますが、できるだけこの比率を高めていきたいというふうに考えております。
○大木正吾君 大臣にこれはちょっとお願いしておきたいんですけれども、財政が苦しいことはお互いに認識し合っているわけですが、〇・二六とか〇・二七とか〇・三〇ということでは、少しくやっぱり日本が軍事問題よりも経済問題でもって世界の経済に協力しようという立場をとるからには、これはGNPとの比較論が常に出てくるわけですけれども、この比較論はやっぱり国際的には抜け切れない、これからは別の比較論はないと思いますからね。そうしますと、〇・七%をめどにしようという国際合意、目標とは言いながらも、これが結局〇・三から四ぐらいにまでいくかどうかということでは少しく問題が残る、こういう感じなんですが、こういった問題についてもう少し額をふやすというようなお気持ちはありませんか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 国際経済協力援助の問題は、よその国との問題ももちろんございますから、アメリカなども経済規模は非常に大きい、そのためにアメリカもGNP対比ではヨーロッパなどよりも少ない、比較的少ないわけでございます、日本も額としてはそう遜色がない。ただ、GNP対比で足りないじゃないか、もっとふやせという議論のあることも事実でございます。しかし一方、国内で財政再建というようなことをやっておるという状況の中で、国際的に宣言をしてしまって、後実行しなかったということでは、これはもっと不評を買うという問題もございますので、実行可能な数字を出して、着実にそれを実行していくということの方が信用されるんじゃないか、そう思っております。今後の経済事情や国際事情等を見た上でどうするかということは、上乗せするかどうかということは今後の問題として、とりあえず現在は実行できそうなところだけを公にしてあるということであります。
○大木正吾君 それでは、経済援助の増額について今後ともに御努力をいただきたいということを申し上げておきます。
 さて、経済協力の理念でございますけれども、これについて最近少しく変化してきている、こういうふうに感じておるわけでありますが、外務省等ではこれについては特段の、かつてのピアソン報告とかあるいは八〇年のブラントの委員会の報告等々関連しまして、日本の最近の考え方に態度は変化があるかないか、それについてまず答えてください。
○説明員(中村順一君) 御説明いたします。
 先生御指摘のピアソン報告、これは一九六九年に作成されたわけでございますけれども、なぜ援助を行うかという点につきまして、これを道徳的な義務というのと、多少訳語で日本語としてはお聞き取りにくいかもしれませんけれども、啓蒙された建設的な国益の観念という二つの点を挙げております。ここに言います啓蒙された建設的な国益というのは、言いかえますと広い意味での国益というふうに理解ができるかと思いますけれども、そういう広い意味での国益ということも一つの経済援助の理念として掲げられております。その十年後にブラント報告というものが発表されたわけでございますけれども、そのブラント報告におきまして、ピアソン報告に言いますところの広い意味での国益の考え方を相互利益という概念でとらえております。また同時に、人道的な考慮ということもヒューマンソリダリティー、人間的な結びつきという形でブラント報告に言われております。そういったピアソン報告それからブラント報告等に挙げられております相互依存あるいは人道的な考慮という二つの観点等につきましては、わが国の経済協力の基本的な考え方として、日本の場合にも当てはまるものと考えております。すなわち、私どもの理解といたしましては、経済協力の目的というのは開発途上国の経済社会開発を支援し民生の安定、福祉の向上というものに貢献するところにありますというふうに理解をいたしております。
○大木正吾君 そういう考え方につきまして、これは経済協力の理念と言いましょうか、そういう意味合いにおいてそのことを確実に守っていくというふうに、きょう大臣おらないんですけれども、外務省当局の今後変わらざる理念だということを再確認してよろしゅうございますか。
○説明員(中村順一君) 先ほど御説明申し上げました相互依存と人道的な考慮というものは、世界各国、現在共通いたしました経済協力の理念というふうに言えるかと思います。私、日本の場合にも、したがいまして経済協力を考える場合の二つの基本的な考え方ということで、今後ともこの考えに基づいて経済協力を考えていくということになろうかと思います。
○大木正吾君 実際問題といたしまして、そのお考え方はわかりましたけれども、やっぱり援助は、これはもう日本文なり英文という文章だけではないわけですから、この理念に基づいて具体的なやっぱり数字が登場してくるわけですが、ここに七五年以降七九年までのわが国の経済協力の実績というものがございます。この中におきまして二国間援助と国際機関に対する援助の、言えば金額の変化が出てきているわけでございまして、二国間援助と国際機関を通じての援助についてはどういうふうにお考えですか。
○説明員(中村順一君) 私ども、二国間援助と国際機関を通じます援助というものは相互補完的に考えていかなければならないと思いますし、双方を進めていく必要があろうかと思います。一般的に二国間援助の方が機動的に運営ができ、外交上も効果的であるという面はございますと思いますけれども、他方、国際機関を通ずる援助の長所といたしましては、第一に、多数の国から広く融資財源を募りまして多数の国に対して資金協力を行うことができるわけでございます。そういう意味で資金の効率的な活用を図ることができるということ。第二に、国際機関の専門的技術的能力を基礎といたしまして広い視野からプロジェクトの選定及び実施を行うということができること等の長所がございますわけでございまして、私どもといたしましても、こういう長所を持っております多数国間援助もあわせて推進していく必要があろうかと考えております。現在、わが国の二国間援助と多数国間援助の割合は大体七対三の割合になっておるわけでございますが、これは先進国の二国間援助と多数国間援助の割合とほぼ同程度でございまして、この七対三という割合はおおむね妥当ではないかと、かように考えておる次第でございます。
○大木正吾君 さっきのピアソン報告はもっと理念がはっきりしておりまして、お答えがさっきあったとおり、まさしく人道的、道義的ということが相当優先され、そして政治的な同盟とか政治的な援助ということはわりあいに排除するような報告のニュアンスを持っておりますね。同時にブラント委員会の場合でも同じような趣旨がありまして、南北問題の、やっぱり生き残り問題などの言葉も相当激しく使っておりまして、やっぱり先進国の頂上会談も結構だけれども南北サミットもやったらどうだと、こういう提起もあるわけですね。そうしますと、具体的にどこの言葉がどういうふうに違うかということの指摘はちょっとできませんが、いまのお話で、七対三ぐらいで先進国もそうなっているという話との関係では、二国間援助というのはどうしても政治的な政策的な意味合い、もっと言えば軍事的な面を持ってきますから、そういう意味でも私たちはやっぱり国際機関を通じての援助が一番望ましい、こういうふうに考えておるわけでして、いまのお話の中でも、たとえば七対三というのはアメリカとかあるいはフランスとか、そういった例かもしれませんが、西ドイツはどういうふうになっていますか。
○説明員(中村順一君) 私の手元に正確な数字がございませんが、大体各国とも七対三ぐらいの割合で二国間援助と多数国間援助の割合を考えているようでございます。西ドイツにつきましては、七九年の割合でございますけれども、三五・五%ということで、三割よりも少し多くなっている現状でございます。
○大木正吾君 日本の場合の例をちょっとパーセンテージで示してみたんですけれども、七五年が二国間援助の方が八に対して国際機関が三ですね、大まかな数字ですけれども。七六年が七・五に対して三・五、七七年がちょっとこれは非常にいい傾向を持ってきたんですね、九に対して五ですからね、大体二分の一強ぐらいに国際機関に対する援助が大体ふえてきているわけですね。七八年から七九年にかけまして、アメリカの政策が少しく変わってきましてからまた逆転してきているわけですよね。こういう数字について外務省は、どういう原因でもってこうなったかについては説明できますか。
○説明員(中村順一君) 先生が御指摘のとおり、年度によりまして多少二国間の援助の割合と多数国間、国際機関を通じます援助の割合が上下いたしておりますけれども、一つ一つについての原因というものがあろうかと思いますが、おおむねある年に、国際機関の出資金の払い込みの時期というものが集中する年あるいは比較的少ない年等がございまして、これが年度によって数字が変動する一つの大きな原因であろうと理解しております。
○大木正吾君 ちょっとわからない、もうちょっと具体的に話をしてくれませんか。これはもう七八、七九年、済んだ年のことですから、非常に極端に七七年がバランスがとれてきて、要するに八億九千万ドルですか、それに対して五億二千万ドルぐらいで、だんだんだんだん七六年、七七年と二国間が減りまして、国際機関を通じる援助がふえてきてウエートを増してきているわけですよ。ところが七八年、前大統領と大平さんとの話し合いがあったかなかったかのころからまた逆にこれが一五・三対六・八とか、三分の一ぐらいから、七九年に至りましてはもっとひどく、一九・二に対して七・一とか、大分減ってきている。この傾向値がずっといくのかどうかということがこっちは心配なんです。単なる年度ごとの数字の計算の仕方が違ったからということじゃちょっと納得できぬでして、今後一体どうなるんですかということを含めて説明してもらいたいんです。
○説明員(中村順一君) 私どもといたしましては、先ほど御説明申し上げましたように、二国間援助と多数国間援助の割合というものが大体七対三というものがおおむね妥当であるという認識でございまして、これからも引き続きその割合というものが一つのめどになっていくだろうというふうに考えております。
○大木正吾君 それでは、伊東さんがおられないし、外務委員会でもありませんからあんまりこのことをしつこくやっていても仕方がないんですけれども、渡辺大臣はおられたから御記憶のはずでございますけれども、予算委員会におきまして、わが党というわけではないんですけれども、予算委員会の中での議論で、たとえば中東のオマーンに対する援助とか、それから中南米といいますか、カリブ海に面するジャマイカの問題とか、これについて実は予算委員会で質問があったんですね。当時の伊東さんのお答えではそういった話は聞いておりませんとか、非常に外務省側の説明というものは冷たかったんですよ。そんな気ぶりもないという話がありました。
 けさの日経の切り抜きですとジャマイカ、そしてサンケイ新聞の四月三十日にオマーンが出てきていますね。どうですか、情報公害の世の中だからこんな下話があったらあったらしく、予算委員会で三月に質問したんですからそのときに答えがあればよかったけれども、国会の方は適当にごまかしておいて勝手に向こうへ行ったら話に乗っかるということでは、ちょっとやっぱり私たち委員としまして納得ができないわけなんですよね。その辺の経過について少し詳しく話をしてください。
○説明員(中村順一君) 先生御指摘のとおり、三月の十一日にジャマイカのキングストンで世銀主催のジャマイカ援助国会議が開催されたわけでございますけれども、この会議におきまして、日本政府といたしましては二十一億円までの円借款というものを供与するよう意図表明をしたわけでございます。これはジャマイカが現在非常に経済困難に直面しておりまして、そういう経済困難を踏まえてジャマイカの政府首脳からもぜひ日本からも協力をしてほしいという要請がございまして、それに基づいて協力をしたわけでございますが、私ども政府部内におきまして、世銀主催の会議の開催直前までいろいろ部内で検討をしておりまして、直前に方針を決定いたしまして意図表明を行ったという事情であったと理解しております。
○大木正吾君 オマーンはどうなのかね。
○説明員(中村順一君) オマーンにつきましては、現在日本といたしましてはオマーンの民生の安定、福祉の向上に貢献するという観点から水資源あるいは農業開発の調査等の技術協力を行っているわけでございますけれども、今後の協力の進め方につきましては伊東外務大臣からも御発言がありましたようにいまだ具体的な結論を見るに至っておりませんで、ただ同国の重要性にかんがみましてさらに検討を進めたいと考えておる状況でございます。
○大木正吾君 大臣がいないもんですから質問もあんまり気力が乗らないんですけれども、きょうあたりまたアメリカでもって、ワシントンで総理とレーガン、あるいは外務大臣と関係者の話が進んでいるかもしれませんが、予算委員会の開催中にはいまの話についてきわめてあいまいに、言えばごまかしてといいましょうか、あいまいな答弁がありまして、その後の今度は総理の訪米等の関係の中でこういった問題がどんどん出てくるということは、私たち政治に関与する者にとってきわめて国民に対して説明のつかないものなんです。そういったことでありますが、これは外務委員会等でもってまたやっていただきますけれども、そこでこれは非常に心配なことなんで確認をしてどうしてもおきたいのでございますけれども、アメリカのいまのレーガン政権の、言えば国際的な軍事政策、軍事力の展開政策なり、あわせて経済援助政策がきわめて政府関係あるいは国際関係機関を通じての援助から二国間援助に変わっている。同時に、二国間援助はきわめて政治的な援助に、言えばめり込んでいっているわけですね。それについては外務省はどういうふうにお考えですか。
○説明員(中村順一君) 先生御指摘のとおり、確かにアメリカは戦略的に重要な地域に対する援助を強化しようという意向のようでございますけれども、日本といたしましては、やはり南北問題解決への貢献という見地から、先ほど申し上げましたような相互依存と人道的な考慮という二つの観点に基づきまして経済協力を進めていきたいと考えております。
○大木正吾君 しかし現実には、そうおっしゃられましてもさっきの、言えば二国間援助とそれから国際機関を通じての援助のウエートがだんだんまたまた七対三だから結構だと言いながらも、七六年、七七年には相当接近してきたものがまた開き始めているという傾向、この傾向は七対三でもってずっと持続できるかどうかということもあり、同時に、七の方の中のウエートがさらにアメリカの要求によって政治的な援助を、言えば軍事援助を前提といいましょうか、そういったことを前提とした中での経済二国間援助、こういうふうに政治的な援助にだんだん鮮明になっていく、こういうふうに私は感じるんですが、そういうことはありませんか。
○説明員(中村順一君) わが国が軍事面での経済協力をいたさないということは当初よりの確立した方針でございまして、それを踏まえましてかつ経済協力の理念といたしまして、相互依存と人道的な考慮という二つの観点を私ども認識しているわけでございまして、その二つの大きな理念に基づきましてこれからの経済協力も進めていくというふうに考えておるわけでございますので、先生の御指摘のような懸念はないものと考えております。
○大木正吾君 オマーンに対する援助とジャマイカに対する援助は、一体いまおっしゃられた理念と合致をするんですか。
○説明員(中村順一君) ジャマイカに対する援助につきましても、先ほど御説明申し上げましたように、ジャマイカの大変な経済困難に対しまして日本として協力の手を差し伸べようということでございます。オマーンに対しましても、やはり先ほど御説明申し上げましたように、オマーンの民生の安定と福祉の向上に貢献するということで、これまで水資源の開発とかあるいは農業開発のための調査とか、そういった技術協力を行ってまいってきたわけでございますので、私どもの考えでおります相互依存と人道的な考慮という経済協力の理念に合致しているものと考えております。
○大木正吾君 こういった国には、将来アメリカの軍事基地ができる心配はないんですか。
○説明員(中村順一君) 私どもといたしましてはあくまで民生の安定、福祉の向上という観点から経済協力を進めておるものでございますので、経済協力というのはその国の住民の生活水準の向上、経済的な力の増加ということを目的としておるわけで、そういうことを通じて一つの経済的な安定、政治的な安定というものにつながることを希望しておるわけでございます。
○大木正吾君 レーガン政権が登場しましてから、ものすごい勢いでもって途上国に対する「「戦略的援助」に重点 日本に同調求める」、これは二月の新聞ですけれども、こういう記事があって、日本側とすれば余りこっぴどくやられるよりも、もう少しアメリカに反省を求める、こういった意見も若干出ていないこともないんですがね。私自身が見ていると、オマーンとかジャマイカは代表的な例でしてね、恐らく日本のこれからの援助のあり方はアメリカに相当影響をされるといいましょうか、完全追随とは極端に申し上げませんけれども、西側という枠の中での問題として軍事的な意味合いを前提としての経済的な援助ですね、そういったウエートをどうしても持ってきてしまうだろうと、こういうふうに見るんですが、外務省はあくまでもそのことについては、そういったことの心配はないというふうに確信持って答えられますね。
○説明員(中村順一君) 先ほど来御説明申し上げますように、私どもといたしましては経済協力の理念といたしまして相互依存と人道的な考慮という二つを掲げて、そのもとで経済協力を推進してまいるつもりでございますし、日本の援助政策というものは、そういったわが国の独自の判断で実施してまいるわけでございますので、この基本的な考え方というのは今後とも変わりがないというふうに確信しております。
○大木正吾君 大変確信を持った御答弁で結構な話なんですが、私が一番心配しますことは、たとえば皆さん外務省なり――アメリカのレーガン政権が仮に国連なりあるいはいろんなUNCTAD会議とかサミットその他の問題の国際会議の席上で、いわば少数派から孤立ですね、そういったこともあえて辞せずという気持ちでもってこれからの外交政策を展開されるという、そのことが翻って日本の国益とはあえて申し上げません、国家のために、国民のためになるという、孤立してもいいんだと、こういうお気持ちで、いわゆる日本の技術革新なりあるいは経済政策そのもの自身が、資源小国でもって、とにかく製造業を中心とした輸出でもって生きている国ですからね、アメリカとは違うと思って日本という国を見なくちゃいけないと思うんですよ。アメリカの援助と外交政策と明らかに違っていかなくちゃいかぬはずですね。しかし、だんだんだんだん引っ張り込まれていっているわけでしょう。そういったことを心配するから申し上げているわけですよ。
 たとえば百六十何ヵ国の中で、アフリカ関係でもって五十何ヵ国ですね。そしてこれに上手に、言えば東のグループが乗っかれば七十ヵ国ですよね。アジア、ラテンの幾つかの国が乗っかれば百ヵ国ですよね。そして日本に対してあるいは先進国に対して、アメリカに対して非難が始まりますれば、これは明らかに採決では少数派、三分の一以下になってしまうんですよね。そのときでも、日本は結果的にはそういった声に余り耳をかさなくなりますと、今度はいわば中近東とアフリカとは非常に近い国ですからね、これは。同時にアフリカにはいろんな鉱物資源もありましょうし、中近東には油があるわけですから、だからそういったこととの関係をじっくり考えているかどうか、私は外務大臣じゃないから、それは自分でもって自分が日本の外交政策を展開することはできませんけれども、非常に心配なんですよ。だからしつこく聞いているんですが、もう少しそういったことについてアメリカに追随をしないと、日本は日本として日本の立場を貫いて外交政策を展開する、こういったことについて外務省の所見も聞きたいし、渡辺大蔵大臣お疲れでもってお休みでございますけれども、ひとつ大臣にも、これはどうしても一言やっぱり確信ある……ひとつ隣の方からちょっとメモでも入れていただきまして、そして話を聞かしてもらっておきたいんですが。
○説明員(中村順一君) 日本の基本的な認識でございます相互依存と人道的な考慮という二つの点は、日本だけでなくて世界の各国の共通する経済協力の理念というふうに言えるんだろうと思います。そういう意味で、日本の考えております経済協力というものの考え方というものは決して各国と乖離したものではなくて、また開発途上国からもそういった相互依存と人道的な考慮に基づく経済協力というものはこれまでも非常に評価されておりますし、今後ともそういった理念に基づく経済協力というものは開発途上国からも引き続き理解され、感謝されるというふうに考えております。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 最近、確かに大木委員のおっしゃるような傾向が出てきていることを否定はなかなかできないと、そう思っておりますが、日本は日本でございますから、何もアメリカと全く同じにやる必要はないのでございまして、特に先ほども私が言ったように、経済援助をするときその国の政治姿勢なり経済の効率的な運営がないとむだになることもあります。そういうときに二国間では言いづらい問題もございますので、むしろ多国間とかあるいはこういうようないろんな国際機関を通して援助をすれば、その国を通してその中の経済運営について助言を――ある程度大っぴらで助言もできますので、そういう点ではプラスになることが多いわけです。したがって、どれぐらいがいいのか、まあまあ多国間援助だけをふやすということも、これも二国間の友好問題もございますしむずかしいんです、これはなかなか。だけれども、要するに多国間援助を減らさないようにしながら、しかも有効に資金が使われるようにいろいろな工夫をしていかなきゃならぬだろうと、そう思っております。
○大木正吾君 外務省からもう一遍聞きたいんですが、私が聞いたことに対して答えられていないんで、もう一遍、時間の関係もございますが、聞きますが、要するに日本という国は、これはあくまでも資源小国で、経済問題が強い、同時に生産力、技術、そういったものなどが総合した中ででき上がった国ですからね。ただ、国際外交という問題ではやっぱり資源というものを大事にして、こちらに言えば輸入ができる状態を常につくっておかなきゃだめでしょう。渡辺さんもたしか前回の委員会でおっしゃったはずなんですが、これは要するに資源を輸入して生産をして、そして石油買ったりしなければならないし、日本はOPECと違いますけれども、やっぱり経済的に強い力でもって援助をしていく、こういうことをおっしゃっているわけですね。そうすると一番心配なことは、アメリカとソ連と、どっちにひっついていてもこれは困るんですよ。最近の卑近な例ですと、たとえばアフガン問題でもって、あなたアメリカがもう日本に何の断りなしにばかっと小麦のソ連への輸出解禁やったじゃないですか。ああいったことがどんどんどんどん起こるし、中国の承認のときもそういうことなんですよね。私やっぱり申し上げたいことは、非常にこの法案自身私は賛成でもって、こういう法案はぜひしてもらいたい、もっと、一〇%ふやしてもらいたい、こういう気持ちもいたしますが、とにかくこういった途上国を敵に回すという国際会議の雰囲気の中に日本が巻き込まれては日本の外交政策は誤る、こういうふうに考えるものですから、その辺のことについて――アメリカは盛んに、自分の国は資源があるからいいんですよ、これはある意味では。しかし、日本は違うんだから、そこのところをわきまえて日本は独自のやっぱり外交政策をとりながら、アメリカに引っ張り回されることはやめてもらいたいということを特に外務省の方々に私は念を押しておきたいし、大蔵大臣の方でもぜひそういったことを踏まえまして、援助のあり方については考えてもらいたい、このことを申し上げて、終わります。
○矢追秀彦君 最初に、この前の委員会でも発展途上国の援助に対するあり方について質問をいたしましたが、先ほども大木委員の方からも質問が出ておりました、先日ホノルルに行かれたときの大蔵大臣のいろいろなコメントの中でお伺いをしておきたいと思いますが、この経済援助については、五十七年度予算の概算要求の枠とは別枠でいくと、これは防衛費とともに別枠にするんだと、こういう方針ですが、これはこのとおり受け取ってよろしゅうございますか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 決まっているわけではございません。ございませんが、五年間に倍にするんだよと、しかし予算はゼロベースだよと言ってもちょっとつじつまの合わない話でございまして、どういうふうな表現にするかは決まっておりませんが、これを倍にするというならば、そういうような国際関係の約束のあるもの等については何か別途なことを考えなければゼロベースだって言われたってふえようがない。しかし外務省の予算の中で――これは各省みんなまたがりますが、主として外務省ですね。外務省の予算の中で経済協力が伸びる部分だけほかの予算老切れと、外務省の予算で、と言っても、なかなかこれはその一つをとると外務省の予算というのは小っちゃいわけですから、経済協力の予算を伸びの分だけ減らすということは事実上どれぐらい減らせるか――減らすこともちろんやりますが、何らかの配慮は必要ではないかということを自然に言っただけのことでございまして、決まっているわけではございません。
○矢追秀彦君 対外的な問題ですから、国内の事情ということも重要ですけれども、やはり日本がここまで経済的にも強くなったわけでして、ただ予算だけがどういうことで経済援助まで余りトーンダウンしない方が、そうでなくてもいま日本は目のかたきにされておる状況ですから、なかなかむずかしい予算編成の中だと思いますが、ぜひしっかりやっていただきたいと思います。
 もう一つは、これも私指摘した問題で、大臣もかなり賛同をしていただいた援助、融資に対する効率的な運営ですけれども、これは相手国の問題等もありましてなかなかむずかしい問題だと思いますが、せっかく援助した、国民の税金の中から、これはもう日本だけではなくて先進諸国共通の問題だと思いますけれども、それがどう効率的に運営をされていくのか。一部のたとえば地主とかお金持ち、一部の人たちのふところだけに入ってしまう、そういうようなことがあってはならないし、またせっかくつくったものが使われないで放置されてしまっておっても意味がない。そういう意味で、やはり国民の向こうの国の本当に困っておる人たちに一番有効なやり方をしなければならぬ。といって余り内政干渉はできない。そういうことがありまして、大変運営面はむずかしいと思いますが、この間会議に行かれて、何かその辺について何らかの感触というか、外国の状況というか、そういったことが何かつかまれた面がありましたらお伺いしたいし、また大臣のこれからの方針についてもお伺いしたいと思います。
○国務大臣(渡辺美智雄君) これは先ほど大木委員の質問の中でも私はお答えをしたわけでございますが、やはり日本という国は、非常に厳しい財政事情の中で、しかも倍増をするという努力をするんですと、したがって有効に使わなければ困るというわけであります。ところがややもすると外交関係だけから言えば二国間の問題で、日本政府は、これやってくれこれやってくれと強く言われますとどうしても引き受けがちのところがございます。ところがよく基礎調査等をきちっとやらないで援助を引き受けて、しかもそれが不景気のときなんかはなおさらですな。ブラント輸出になるみたいな話でやっちまうと立地を間違っちゃったりして、向こうの人自身が今度は反対党から――反対党はない場合でも反対勢力からあんなところへつくって何だと言って騒ぎを起こされると、しかもうまくいかないということがあっては困るわけでございますので、やはり客観的に見て、そのプロジェクト自身が本当に客観的な合理性を持っているかどうかというようなものの採択する場合の調査というようなものは厳格にやっていかなきゃならぬと。
 それから、発展途上国の人たちはどうしても大きなプロジェクトを欲しがるんですよね。それだから、ともかく使いこなせるのかどうか。ただ援助だからといってでかいものをしょい込んじゃっても、それがネコに小判みたいな話になっても困るわけで、やはり小さなプロジェクトですぐに効果の上がるようなものを要するにしたらいいじゃないかと、できるだけそういうことを勧めた方がいいということを私は言っているんです。農業の問題でも、でかいダムをこしらえて発電所をつくってといっても、圃場整備も何も考えてなくてそんなことをやっても仕方ない。そんなら小っちゃなせきのお兄さんぐらいのやつをいっぱいこしらえてやって、灌漑にすぐ三年以内に使えるというふうなことをやった方がよっぽど喜ばれるとか。
 ですから、もっと実効のあるような方法を考え、なお長期的展望に立ったプロジェクトはプロジェクトとしてそれは幾つか結構だけれども、全部大きなプロジェクトばかり選んじゃって五年も十年もかかってさっぱり効果が出てこないということになって、不満が出ているわけですよ。こっちは金はどんどんつぎ込みっぱなしで。ですから、そういうような仕分けというものを層一層きちんと国内でやったらいいと。特に国際機関を通してやれば内政干渉にならずに、かなりIMFにしてもアジ銀にしても向こうの国の中についてももっと積極的な助言ができるわけですから、日本が言ったという話じゃなくて、これは公平な意見ということで言ってもらえるという点もあるので、大きなプロジェクトについては国際機関を通してやることの方がむしろ場合によっていいじゃないかと。しかし、そういうこともだんだんとそれらの国の人もわかってきつつあるという印象を受けております。
○矢追秀彦君 次に、この共通基金と南北問題の打開策の位置づけというようなことですが、南北問題というのは何なのかといいますと、やはり一つは南北間の国民所得の格差、それからもう一つはやはり交易条件が大変発展途上国には悪化をしておる。輸出をする産品とそれから輸入する工業製品との間に大変な格差もある。やっぱりもう一つは、これは私もこの間触れました大変借金――対外債務の累積と、この辺が三つぐらいにしぼられるのではないかと私は思うわけですが、今回のこの提案された法案の共通基金、まあいろいろこれは過去の歴史のあるものでありますけれども、世界の経済のあり方もずいぶん昔とは変わってきておるわけです。戦後構築されたガットあるいはまたIMFの体制、こういうもの、だんだんこういう形で一次産品の総合計面なんかが出てまいりまして、ずいぶん修正されつつあるように思うわけですが、こういった世界的な動きに対する日本の対応、まあただこれでお金を出して、ただそれでいいんだというふうなことではなくて、やはり今後の南北問題をどう打開をしていくのか。今度南北サミットもあるわけですけれども、それに対してどう貢献をしていくか、またこの一次基金というものがどういう貢献度があるのか、その点についてお伺いしたいと思います。
○政府委員(大場智満君) 共通基金についての御質問でございますが、共通基金はやはり開発途上国に対する協力あるいは援助という観点から取り上げられているものですが、あくまで物の面に焦点を当てたというふうに考えております。ですから、いま同時に御提出申し上げておるアフリカ開発銀行とかあるいはアジ銀等々は、どっちかといいますと国に着目して開発途上国に対する資金的な協力をする、これに対して共通基金の方は、物という観点からアプローチしているというふうに見ておるわけでございまして、開発途上国が関心を持っているいろいろの商品につきまして、国際商品協定といいますか、いわゆる緩衝在庫を持った商品協定がっくり上げられることを側面からサポートしていく、それからまた、でき上がった後はそういった商品協定の中央銀行としましてできるだけの協力をしていくと、こういうことでございまして、私は国際機関を通じるそういう国別な協力と、それからまた今度新しくこの共通基金というものをてこにいたしました開発途上国が関心を持っている商品としての面での協力と、やはり両方進めていくことが大事だというふうに考えております。
○矢追秀彦君 大蔵大臣、率直に言ってこの南北問題、どう打開をしていくべきとお考えですか、大変むずかしい問題ですけれども。
○国務大臣(渡辺美智雄君) これも非常にむずかしい問題でございまして、ただ単に南北問題というものを政争的に考えたのでは、なかなか経済の発展ということに必ずしもプラスになるかどうかわからない問題もございます。しかし現実の姿がそういう面もある。したがってわれわれは、この経済協力とか金融、特に国際金融というものの中にストレートに南北問題を持ち込んでこられたんでは困るということは言っておるんです。ところが非常に絡み合っていますからね、これは。援助問題にしても、日本が援助をする国が水爆をつくったり原子爆弾をつくっていると。そういう国に日本は国民から税金を取って援助をして、その国はその分だけ今度はほかの方へ武器援助をやるというようなことでいいのかどうかこれは非常に問題のあるところなんです。
 ある国の大蔵大臣とこの間も会って援助の話を、個別案件はなかったが、いろいろしました。たまたまその国はアフガンとかそれからイランに接近している国なものですから、そういう方面の話を私一時間近くいろいろ聞きました。そのときに、協力はいたしますが、おたくさんでは人の話によると原子爆弾をつくっているという話があるんだが、実際真相はどうですかと。すると怒りましてね、そんなことはありませんと。それはともかくユダヤの宣伝だとか言って大変怒った、その人は。ちょっと顔色を変えていたけれども、しかし原子力の研究はやっていると、そして隣の大国の脅威もあるというようなことも言っておりました。そういう複雑な問題が実はいろいろございますし、一方アフリカなどでも、中国などもかなりいろんな民族解放闘争とかいうものについては、どこでも応援はしているようですね。こっちがしなきゃソビエトがやるというようなことで、勢力の奪い合いというようなことが世界じゅう行われているという現実が一つあるわけです、それが一つ。アメリカとソビエトだけやってほかの国は一切やらない方がいいのかどうなのか。本当はそういうような国内の内乱の火種みたいなことで外国からあふられることは私らは余り賛成しないんだが、現実には勢力争いというのが起きておるというのも私は否定しがたい問題であって、日本が武器輸出はしない、平和国家として生きていく、海外経済協力もやるというときに、そこらの交通整理をどういうふうに今後はっきりとけじめをつけられるのかつけられないのか。ある程度はけじめをつけなければいかぬじゃないかということを私は省内などで言っているんですよ。だからなかなかむずかしい問題も絡んでいるようですが、今後とも皆様からの御意見も承って方針を立てていく必要があると思っております。
○矢追秀彦君 いま武器輸出の話がちょっと出ましたので、私の考えを申し上げますが、武器輸出を日本がしなかったことが、私はいろいろな面でいままでよかったと。たとえばイランとの関係を見ましても、アメリカとああいうふうな関係になってしまいましたが、日本との間は比較的うまくいってきた。イラン政府の問題というのはありますけれども、これはやっぱりアメリカと違って武器を出していなかった、さっき大臣おっしゃったように、アメリカが売らなければソ連が売り込む、あるいはヨーロッパが売り込むと、こういう状況にあるわけでして、そういうことを日本がしなかったことがかえってよかったと、そういう意味ではいろいろ議論されておりますが、そういう面での平和経済外交というものを日本はやるしかないと、せっかくここまで進んだ技術を持っているわけですから。一方においては摩擦もありますけれども、一方においてはそういういい面もあるわけなので、私はこういった面では、いま大臣いみじくも武器輸出の話をされましたので、ぜひその点はよくお考えをいただきたいと思います。
 最後に、一つだけ関連してお伺いしたいのは、オイルマネーの問題なんですが、これは予算委員会でも国債の市場について、いわゆるオイルマネー、外人投資というものが、幾ら日銀が買い支えをやっても、あるいは資金運用部でいろいろ買い支えをやってきても、この外人の投資というものによって、あるいは投機と言ってもいいかもわかりませんが、日本の国債の市場だって揺れ動いてしまう、こういう危険性が出てきておると、こういう点をグラフを挙げて指摘をしたわけですが、国債市場だけではなくて、実際最近のいわゆる株式市場を見ましても、相当いろいろ動きが出ておるわけでして、現在政府ではこのオイルダラーの累積額、これをどれくらいに見ておられるのか、またいわゆる円建ての資産の割合がどうなってきておるのか、私はそういう現状を一つは教えていただきたいことと、今後日本の経済がいいということで、日本の企業、特に新しいこれからの最先端をいっているようなICとかあるいはLSI、超LSIとかそういうようなもの、あるいはその他の自動車にしても弱電関係にしても非常にいいわけですから、あるいはまたこれからいわゆる化学薬品、そういったものもいろいろ進んでくる可能性が遺伝子工学とかありますので、そういった点では相当日本の企業にねらいをつけてくる。買ってもらって上がるのは一面はいいかもわかりませんが、ある日突然意図的にいろいろな投機という形でやられると、もうがたがたになってしまう。円の変動の問題あるいはそういった株価の問題、あるいはまた国債、公社債の市場、こういうようなものを見ていきますと、大変私は心配をしておるわけです。それに対してやはり政府もそれなりの対策というものを考えておかないと、混乱が起こった後では遅いわけですから、この点についてお伺いをして質問を終わりたいと思います。
○政府委員(大場智満君) 最初の御質問でございますが、オイルマネーの累積残高でございますが、バンク・オブ・イングランド――英蘭銀行の資料によりますと、一九七九年末に二千三百六十億ドルとなっておりまして、これが昨年一年間で恐らく千百五十億ドルぐらいふえているのではないかと思います。そうしますと、現在約三千五百億ドルぐらいの規模にはなっているのではないかと思っております。
 で、日本にどれぐらい向かってきているかということはなかなかむずかしい問題でございますが、産油国の最近のビヘービアとしまして、おおむね一〇%ぐらいを日本資産の取得ということで考えているのではないかと私どもは推測しております。これは日本の基礎的諸条件、いわゆるファンダメンタルズと言っておりますが、日本の物価とか経常収支の状況がいいと、やはり円資産の取得ということで資金の流入が起こりますものですから、日本の条件いかんにもよりますが、私は安定的な運用先ということできわめて日本が重視されているというのが現実だと思います。なお数字で申し上げますと、この一年、三月で終わります一年間に公社債の取得、これは買ったものから売ったものを差し引いた数字でございますが、非居住者が買ったものから売ったものを差し引いた数字でございますが、約六十七億ドルが公社債の流入超でございます。それから株式で約八十四億ドルに達しております。ですから、合わせまして百五十一億ドルという巨額な流入超が出ております。このかなりの部分が産油国だと思いますが、正確には把握しておりません。
 こういった資金が一時に流出したときにどうかというお話でございますが、私は日本経済の運営が適切に行われている限りはそう資金は出ていかないというふうに見ております。というのは、これだけ大きな産油国の資金でございますから、その安定的な投資先を見つけることもかなり大変であるという問題もあるわけでございまして、したがって、日本が適切な経済運営を続けていく限りはこういった資金の流出は起きないと見ております。また仮にそういった流出が起きるようなときには、たとえば債券で見ますと、価格が急落するわけでございまして、投資家自身が損失をこうむるということにもなるわけでございますので、仮にそういった事態があったとしましても、私は急に一斉に引き揚げるというようなことは考えられないんではないかというふうに考えております。
○委員長(中村太郎君) 他に御発言もないようですから、三案に対する質疑は終局したものと認めます。
 これより三案の討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御意見もないようですから、三案の討論は終局したものと認めます。
 これより順次三案の採決を行います。
 まず、アフリカ開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律案に賛成の方は挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(中村太郎君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、一次産品のための共通基金への加盟に伴う措置に関する法律案に賛成の方は挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(中村太郎君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、臨時通貨法の一部を改正する法律案に賛成の方は挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(中村太郎君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 穐山君から発言を求められておりますので、これを許します。穐山君。
○穐山篤君 私は、ただいま可決されました三案のうち、臨時通貨法の一部を改正する法律案に対し、各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    臨時通貨法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法施行に当たり次の事項について配意すること。
 一、五百円補助貨幣の発行に当たっては、その図柄、形状等について、国民の利便等を考慮するとともに、自動販売機の普及に伴い、外国通貨の形状にも十分配意し、自動販売機が不正に利用されることのないよう努めること。
 一、五百円補助貨幣の発行に伴い、便乗値上げ等のないよう配慮するとともに、五百円紙幣の流通状況、国民の利用実態等を勘案し、その発行数量等について十分考慮すること。
  右決議する。
 以上であります。
 委員各位の御賛同をお願いをいたします。
○委員長(中村太郎君) ただいま穐山君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方は挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(中村太郎君) 全会一致と認めます。よって、本附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、渡辺大蔵大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。渡辺大蔵大臣。
○国務大臣(渡辺美智雄君) ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても御趣旨に沿って十分配意いたしたいと存じます。
○委員長(中村太郎君) なお、三案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(中村太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 午後一時二十分再開することとし、暫時休憩いたします。
   午前十一時五十五分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時二十二分開会
○委員長(中村太郎君) ただいまから大蔵委員会を再開いたします。
 各種手数料等の改定に関する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は前回聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○鈴木和美君 手数料の各項目に入る前に、基本的なことについてお尋ねをしておきたいんですが、財政法の三条と、第三条の特例法というのがあるんですが、これは今日大変議論になっておりますが、どういう性格のものであり、どういう沿革ででき上がったのか、原則的なことを教えていただきたいと思います。
○政府委員(西垣昭君) 財政法の第三条は、「国が国権に基いて収納する課徴金及び法律上又は事実上田の独占に属する事業における専売価格若しくは事業料金については、すべて法律又は国会の議決に基いて定めなければならない。」というふうに規定してございますが、現在は財政法第三条の特例に関する法律、これは政府は、「財政法第三条に規定する価格、料金等は、左に掲げるものを除き、法律の定又は国会の議決を経なくても、これを決定し、又は改定することができる。」ということで、三号列挙してございまして、製造たばこ、郵便等、国鉄。したがいまして、これ以外のものにつきましては、財政法の三条につきまして適用がないということになっております。
 それで、この沿革でございますけれども、財政法の第三条につきましては、財政法の施行当時、これは昭和二十二年の四月一日でございますが、物価統制令に基づきまして国が相当広範囲の価格、料金等を決定する権限を与えられていたといったような事情がありましたために、その施行時期が政令にゆだねられまして、その施行が延期されていたといった事情があるようでございます。しかし、財政法第三条をいつまでも施行しないのは適当ではないということで、当時の経済緊急事態にかんがみまして、国民生活に特に密接な関連のございます製造たばこの定価、郵便、電信、電話料金、国鉄運賃等に限定をいたしまして第三条を施行することとして、同条特例法が制定されたと、こういった経緯のようでございます。
○鈴木和美君 この今回改正を行おうとする手数料というのは、財政法の三条もしくは特例法、どっちの方にウエートがかかっているんでしょう。
○政府委員(西垣昭君) ただいま御説明申し上げましたように、課徴金等の法定主義を規定しております財政法の第三条は、この第三条の特例法によりまして、製造たばこの定価等に限定されて施行されております。したがいまして、現在法定されております各種手数料は、財政法第三条あるいは第三条の特例法、このいずれにもその根拠を有しているというものではございません。しかしまあ財政法第三条の精神と申しますか、国民の権利義務に関する制約が強い手数料等につきましては、財政法第三条の趣旨にもかんがみまして手数料の金額の決定基準を法律で規定するといった措置を講じているところでございます。
○鈴木和美君 そうすると、手数料というのは財政法三条及び三条の特例法に直接該当するものではないけれども、その手数料の金額とか、もっと直接国民との生活の関連があるというようなものは準じて定めると、そういうものであるというふうに理解してよろしゅうございますか。
○政府委員(西垣昭君) 手数料の性格にもよりますが、制約の強いものにつきましては第三条の趣旨に沿いまして法律で定めるという扱いとなっているわけでございます。
○鈴木和美君 五十三年にも手数料の改定が行われたようでありますが、この一体手数料というのはどういう性格のものを言うのでしょう、手数料という名前になっているのは。
○政府委員(西垣昭君) 法律ではっきりした定義があるわけではございませんけれども、一般に手数料と申しますのは、特定人のためにいたします国の公の役務あるいは特定人に許容します公物の使用につきまして、その反対給付として徴収する料金を言っております。
 各種手数料等の中には、たとえば国立博物館の入場料のように、国民の自由意思による私契約的なもの、私法上の収入と解される手数料もございますけれども、他方法令上あるいは事実上国民にその利用が強制されるような行政作用に対する反対給付として徴収する手数料、または司法上の各種手数料のように公権力の作用として強制的な性質を持つ手数料もございます。
 いま申し上げました手数料のうちで、後の方につきましては財政法第三条に言う課徴金に該当するというふうに解釈できるかと思います。
○鈴木和美君 今回三十四項目が一律にこうやって出されましたけれども、本来手数料というのはそれぞれが独立の法律でありますから、別々の法律案によって提案されるべきだと私は思うのですが、なぜこんなぐあいになったんでしょうか。
○政府委員(西垣昭君) 各種手数料につきましても、それぞれ個別の法律を持っておりますので、その改定につきましてはその個別の法律で改正をするのが原則的な取り扱いだろうと思います。
 ただ、今回の各種手数料の改定は、法律で規定されております手数料等につきまして全般的な見直しを行って、経済事情の変化等に伴いその引き上げを図る必要があるものにつきまして費用負担の適正化を図ろうというものでございます。
 今回の改定は、このように手数料等の金額の改定のみを目的とするものでございまして、各法律において規定しております制度そのものの内容に触れているものではございません。こういった意味で今回の改正はその趣旨、目的を同じくする、そういったことから、五十三年の立法の例にならいまして統一的な国会審議をお願いするのが適当だというふうに考えまして、一括法として御審議をお願いしているわけでございます。
○鈴木和美君 三十四本ここに出ておりますけれども、各一項目、一項目見ますと、これは全部中身を見ますと何項目ぐらいになりましょう。法律が三十四本にはなっていますけれども、中身はどのぐらいになりますか。
○政府委員(西垣昭君) 三十四本の法律でございまして、その内容になっております手数料等の数は二百三十一件でございます。
○鈴木和美君 今回改正が行われていないものはどんなもので、何件ぐらいありましょう。
○政府委員(西垣昭君) 手数料等の額あるいは限度額を法律で定めておりますものが五十四件ございまして、今回一括法で改正しようとしているものが三十四件、このほかに単独法で改正をお願いしておりますものが一件、改正の対象にしておりませんものが十九件ございます。
○鈴木和美君 現在五十三年の附帯決議の線に沿って、法律の整理、統合及び手数料の横並びなどなどについて現在進行されていると思うんですが、どの程度の進行状態になっていましょう。五十三年の附帯決議の仕事の進行状況は、どういうふうになってますか。
○政府委員(西垣昭君) いまの御質問の御趣旨は、五十三年の附帯決議の中で、「その算出方法等の合理性について、なお一層検討すべきである。」という附帯決議と、それからもう一つ「法律、政令等にゆだねる基準についても整合性を図るよう努力すべきである。」という内容と二つございますので、その二つにつきまして御説明申し上げます。
 今回の改定は、先ほども申し上げましたように、各種の手数料等は特定人のためにする国の事務あるいはサービスに対する反対給付として徴収するものでありまして、それぞれ個々の単価について行政コストを勘案して適正な金額を算出して、その適正な金額によることを基本的な考え方として改定をする、こういう考え方に基づきまして改定をお願いしていろわけでございますが、五十三年度に全面的な見直しを行いまして、所要な改正を行いましてからすでに三年を経過しておりまして、その後の経済事情の変化等に伴い、人件費、物件費の増加、物価動向、そういったものから見まして、行政コストに対して負担が低くなっているというような関係がございまして、費用負担の公正の見地からも統一的な観点のもとに行政コストを勘案して手料等の単価の見直しを行い、適正化を図ることが必要であるということで、今回この法案を御提出した次第でございます、
 それで、先ほどの附帯決議でございますが、私どもといたしましては、五十三年度の際の附帯決議の趣旨を踏まえながら、昭和五十三年度以降個々の根拠法令の改正の機会をとらえて見直しを進めてきておりまして、法律、政令、省令等でどういう基準で、あるものは法律で規定をし、あるものは政令で規定をし、あるものは省令で規定をするかというような問題につきましては、昨年末の閣議決定がございます。「今後における行政改革の推進について」という閣議決定でございますが、その中で「同種・類似事項の規定を有する法令のうち規定の統一的整合を図る必要があるものについて、関係規定の整序を行う。」という閣議決定が行われておりますが、こういった観点から現在鋭意検討を行っているところでございます。
 それから金額の改定に当たりまして、算出方法の合理性をどうしているんだという点につきましては、各種手数料等のその根っこにあります行政行為のコストを基準にいたしまして、国会の附帯決議の趣旨を踏まえながら関係各省と協議、調整を図って適正な単価の設定に努めているところでございます。
 で、コストの算定の基礎になります人件費、物件費につきましては、物件費につきましては五十五年度の予算額を基準として算定をする、人件費につきましては五十五年度人事院勧告後の人件費を基準にして改定をするということで、統一的に人件費、物件費を見ましてそれぞれの手数料の改定を行ったところでございます。
○鈴木和美君 要するに、五十三年の附帯決議というものはつけられただけで、何もやってないということじゃないですか、いまお話を承っていますと。私がいま問題にしたいのは、附帯決議によって――附帯決議三つありますね、つまり適時に各種手数料など全般について見面しをやれということと、法律、政令などにゆだねるべき基準についても整合性を図るよう努力しろ、もう一つは、算出方法の合理性についてなお一層検討しろということが五十三年に続いて五十四年、五十五年と、こうなったわけですね。
 大臣にお尋ねいたしますけれども、今回のこの手数料を上げたいというのは、これは何でもいいから、増税しないために金が足りないから、四十一億でもいいからもう上げようと、そういう考えでこれをやられたわけですか。
○政府委員(西垣昭君) 先ほど申し上げましたように、前回の附帯決議におきましても、適時適切にその改定を行うということがございます。前回改定いたしましたのが昭和五十三年度でございまして、それからもうすでに三年がたっております。その間の物価、それから人件費、コスト等の動向から見まして、今回平均いたしますと約一八%程度の改定幅になっておりますが、そのいった意味で適時適切にという附帯決議の趣旨に沿いまして今回改定を行ったということでございます。
○鈴木和美君 次長、そうおっしゃいますけれども、附帯決議の方は適時手数料見直ししろと、余り置かない方がいいぞということもありますね。しかし第二項のところが一番私は問題のところだと思うんですよ、附帯決議では。法律とか政令などにゆだねるべき基準について早く見直して整合性を図れというところが附帯決議の私は一番骨になっていることだと思うんですね。ところが、お話を承っていますと、何かもう行革の方でこの見直しの方が行われるようなお答えであって、そうすると、五十三年から今日まで何をやっていたのかなあ、むしろ法律の整合性が行われて、そしてそのやつができ上がってから手数料の改定が行われるという順序が、私はそういう順序じゃなきゃいかぬと思うんですが、全然進んでいないということになりませんか、附帯決議。
○政府委員(西垣昭君) 先ほどもお答えしたかと思うのでございますが、各手数料のもとになっております行政行為につきましては、これはまことに複雑多岐でございまして、手数料等の性格もいろいろございます。で、現在確かに法律で定められているもの、法律で委任を受けまして政令以下で定められているもの、いろいろございますけれども、それぞれの法律制度の中で合理的なものとして国会の御審議を経ていずれも定められてきたものでございまして、私どもも一応合理的なものというふうに考えているわけでございます。確かに、御指摘のように、同じようなもので、あるものは法律であるものは政令以下でというようなものもないことはございませんので、その辺の見直しはやらなくちゃならないということで、先ほど申し上げましたように、五十五年の末の閣議決定におきましても、法律の整序を行うという方針が決められまして、これからその検討を行おうというところでございまして、私どもといたしましても、行政整理の一環といたしまして、そのために努力をしたいと思っております。しかし、それをやるにいたしましても、適時適切に手数料の見直しをするということで、前回から三年を経過いたしまして、人件費、物件費等も上がっておりますし、そういったことを考えますと、費用負担の公正という観点から考えますと、整序を待っているわけにいかないということでございますので、こちらはこちらで改定をお願いするということでございます。
○鈴木和美君 提案されたわけですからそういうお話をしなきゃならぬでしょう。しかし実際は、やっぱり私は議論があるんじゃないかと思うんです、推測ですけれども。四十一億ですからね。もっと整理統合して、本来、千円ぐらいならわかりますけれども、五十円とか百円上げるのに何で法律でわいわい寄ってたかってやらなきゃならぬのか、私は本当のところはわからないのですけれども、そういう意味では、法律、政令、省令、そういうものをやっぱり整理統合して出されるべきだと私はいまでもそう思っているんです。
 そこで、別な角度からお尋ねいたしますが、この提案されている三十四本の中で、確定額となっている法律はどれとどれか。同時に限度額、上を決めてある、限度額になっているのはどの法律なのか、なぜ確定額と限度額というように分かれているのか、ここを御説明いただきたいと思うんです。
○政府委員(西垣昭君) 今回の一括法で改定しております三十四法律のうちで、確定額で定めておりますものが、司法試験法等四法でございます。それから、法律で手数料等の上限額を定めまして、政令等で確定額を定めておりますものが、社会教育法等二十四法でございます。それから、幾つかの手数料をそれぞれの法律で定めておりまして、確定額と上限額の両方定めておりますものが、不動産の鑑定評価に関する法律等六法でございます。
 先ほど申し上げましたように、それぞれの制度はそれぞれの個別法の法律制度の中で合理的なものとして定められているわけでございますけれども、具体的にどんな基準で、あるものは確定額で、あるものは上限であるかということを、非常に割り切った形で申し上げるというのはきわめて困難でございまして、そういった観点からも、先ほど申し上げましたように、五十三年度の附帯決議に基づきまして私ども勉強を続けてきたわけでございますけれども、昨年末の閣議決定によりまして、これからさらに精力的にその辺の詰めを行いたいと、要するに法律制度の整序を行いたいと、こういうことでございます。
○鈴木和美君 よくわかりませんが、もう一度お願いします。
 法律によっては確定額ということになっているのもあるし、それから限度額を示しているのもありますね。なぜ、限度額を示したものと確定額を示したものとあるんですか。
○政府委員(西垣昭君) 先ほどもお話ししたわけでございますけれども、それぞれの手数料はそれぞれの個別の法律制度の中で形成されているものでございまして、それらはいずれも国会で御審議を経て決められているものでございまして、それぞれ合理的なものというふうに考えられるわけでございますけれども、それを通ずる基準があるかどうかというと、こういった基準ですとお示しするのはなかなか困難でございます。
 で、さっきも申し上げましたように、統一がとれているかと言われますとそうでもないような面もございますので、今後法律形式の整序につきましては昨年の閣議決定の趣旨に沿いまして検討したい、こういうふうに考えております。
○鈴木和美君 とにかく早く検討してもらわなきゃならぬと思うんですね。片一方、五十三年のときに、エネルギーの使用の合理化に関する法律案というのがいろんな議論になって、継続審査になったというふうなことを書いてあったもんですから調べてみたら、すでにこのエネルギーの問題は、三千円から四千円になって、四月一日から施行しているんでしょう。片一方は一生懸命国会で議論しているんですよ。五十三年のときに省令、政令で定めるというようにしたものですから、四月一日から千円上げて、それが通っているわけでしょう。私は非常に矛盾があると思うんですね。何でそういうことになっているのか、本当にわからないですね。その辺のところをもう少し細かに知らせてもらいたいと思うんです。何でか。審議するのがいやになっちゃうぐらいですね。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 全く私もそのような気がするんです。
 たとえば五十円とか、この十五番の高圧ガス取り締まりの容器証明書きかえ手数料五十円上げるために国会審議にかけるとか、百円とか五百円、千円というのがずらっと並んでいるわけですから。私は国会のお許しが得られれば、なるべくこういうようなものこそ、余り形式的でなくて、政省令に任せるというような法律改正を将来してもらって、できるだけ手数を省く。もっと別なもので、政省令でやっているもの、金額のもっと多いもの、たくさんあるわけですから、いま御指摘のように。余り理詰めだけでなくて、もっと実務的にやることなども今度の行革のときにひとつ考えたらいいじゃないかと、そういうように私も思います。
○政府委員(西垣昭君) ちょっと補足をさせていただきます。
 大臣からもお答えがありましたように、政令にゆだねてしかるべきものにつきましては政令にゆだねるという方向で検討したいと思います。私どもの考え方を大ざっぱに申し上げますと、先ほども申し上げましたように、明確な基準で、これは政令委任でいいとか、これは法律だということをはっきり打ち出すのはなかなか困難でございますけれども、手数料の性格によりまして、その手数料等が、単に国の提供する行政事務なりサービスに要するコストを償うという性格のものにつきましては、これは政令以下に委任していただいても、あえて法律で定めなくてもそれは許されるのではなかろうか、こういうふうに考えております。
 それから、政令以下に委任していただいた方が適時に改定できるわけでございますけれども、手数料等の性格によりましては、たとえば国の行政コストを弁償するというだけのものではなくて、特許関係法に基づく特許料等のように特別の権利設定に対する報償という性格を持っているものでございますとか、あるいは訴訟費用のように憲法上認められた権利を侵害しない範囲で司法制度のコストの一部についてその対価を求めるというような性格のものもございまして、そういったものにつきましては法律あるいは国会の議決というものが必要ではないかというふうな考え方もございますので、そこのところは慎重に検討させていただきたいと思います。
 それから、先ほど勉強を続けているということを申し上げたときに、勉強成果の方を一つ申し上げるのを省いたわけでございますけれども、前回の附帯決議がありました後に、個別法の中でその合理化を図った例が二つございます。一つは、昭和五十三年度の司法書士法によりまして司法書士試験制度の導入に合わせまして、従来認可手数料の限度額が法定されておりましたのを改めまして、政令に委任いたしております。それからもう一つ、昭和五十四年度の薬事法の改正におきまして、従来手数料の上限を法定しておりましたのを政令に委任いたしております。こういった形で、全体としての方向がはっきり打ち出される前におきましても、個別法の改正のチャンスをつかみましてできるだけの努力を続けてきているということは申し上げられるかと思います。
○鈴木和美君 また一番最後に総括して意見を述べたいと思いますが、その前に、この三十四本の法律をずうっと見ましてひょっと気がついたのは、獣医師法というのがここにあるけれども、お医者さんの方はないんです。お医者さんは一体どういうふうに獣医師法と違うのか、厚生省からちょっと説明していただけませんでしょうか。
○説明員(斎藤治美君) 医師国家試験に合格した者が医師免許を申請する際には、登録免許税法に定める登録免許税を納付するということとされております。このほかには特段手数料を要しないものという仕組みになっております。
○鈴木和美君 それはお医者さんの場合に、けだものを扱うのと人間を扱うのとどうしてそう違うんですか。同じでいいんじゃないかと思うんですが、どうして違うんですか。
○説明員(斎藤治美君) 先ほど申し上げました仕組みは、現在は昭和二十三年に定められた医師法に基づいて行われているわけでございますけれども、それ以前から同じような仕組みでずっと参っております。二十三年の医師法以前から、先ほど申し上げましたような仕組みで参っておるわけでございます。
○鈴木和美君 つまり、前がそう決まっているから、もう何だかようわからぬけれどもそのままずっと続けているというように理解していいですか。何か特別の理由とか意見があるならばお聞かせいただきたいんですが、特別ないんですか。けたものを扱う方と人間を扱う方と何で違うんだという私の質問に対して特別意見はありませんか。
○説明員(斎藤治美君) 厚生大臣が免許を与える医療関係の各職種すべて、先ほど申し上げましたような医師と同じ仕組みになっております。登録免許税以外には手数料を特に求めないという仕組みになっております。なぜかということにつきましては、特に私どもの立場から申し上げるべき理由はございません。
○鈴木和美君 いま医師と獣医師を取り上げた、たったこれだけでもはっきりした理由はないんですね。ただ、昔からこうあったからこうだというだけで、そういうことがやっぱり五十三年のときにも議論があったと思うんです。そういう議論があったものを受けてその附帯決議ができ上がって、法律の整合性をもう一回洗い直して、そうして先ほど言ったように、五十円上げるのに一々国会にかけなくてもそれはもう適切な方法でやれというようなのが私は附帯決議だったと思うんですよ。それだから、全然進んでいないということはやっぱりサボっておったと私は言わざるを得ないと思うんだ。それが、大蔵省がサボっておったのか各省庁がやっておったのか、これは責めようがないんです、実のところ。それで結局は、大臣じゃありませんけれども、まあ行管でちょっとやってもらおうかということで、各省庁とも、聞いたり見たりしている限りにおいては責めどころがないんです。やっぱり私は、この機会に腹を据えて見直しするような作業だけは進めてもらいたいと思うんです。
 そこで農林省にお尋ねいたしますが、農林省の方の立場から見たら、獣医師法にこの手数料がついて、お医者さんの方にはつかないということに対して農林省はどういう立場でこの問題を見られますか。
○説明員(小山國治君) 獣医師の免許は農林水産大臣の権限になっております。したがいまして、獣医師免許の事務は私ども農林水産省が担当しているわけでございます。そういうことで獣医師免許手数料の徴収につきましては、国が特定個人のために行う行政上の事務に対する対価として徴収をするということでございますので、その徴収の根拠及び徴収額の上限額について法律で定めているわけでございます。
 先ほど厚生省からも御説明がございましたけれども、私どもとしましては国の行政事務であるということから法律の中で規定をいたしておりますけれども、この辺の相違につきましては先生先ほどお話しのように、法制定当時の沿革的な事情、理由によるものというように理解をいたしております。
○鈴木和美君 通産省にちょっとお尋ねいたしますが、この手数料改定額をずっと見ておったら、二十一万というのが火薬の取締法に関するもので大変金額が多いわけですね。
 そこで、火薬類取締法の制定の主な理由というのは一体何なのかお聞かせいただきたいと思うんです。
○説明員(竹沢正格君) お答え申し上げます。
 火薬類は、御承知のように危険物、爆発物でございます。かかる物資の生産、流通、消費等を一般の自由にゆだねておきますと、これは災害の防止あるいは公共の安全の確保という見地からきわめて危険であるわけでございまして、これは好ましくないわけでございます。
 歴史的に見ましても、火薬類の取り締まりがスタートいたしましたのは明治十七年でございます。明治十七年に火薬取締規則というものが制定をされまして、その後明治四十三年に銃砲火薬類取締法という法律ができております。さらに戦後、昭和二十五年に現在の火薬類取締法というふうに、火薬類の取り締まりにつきましては歴史的に非常に古い時点から取り締まりをしておるということでございます。
 冒頭申し上げました理由から、現行の火薬類取締法では火薬類の製造、販売、貯蔵、運搬、消費その他の取り扱いを通産大臣または知事の許認可のもとにおきまして規制をいたすことによりまして、火薬類による災害の防止、それから公共の安全の確保を図っておるということでございます。
○鈴木和美君 第三条に基づく許可の申請をする者が二十一万円。それで二十三万円に今度改定をしたいということですね。
 そこで、火薬類取締法の場合には十一分類がありますね。この分類ごとにどのように金額が改正されるのか示していただけませんか。
○説明員(竹沢正格君) お答え申し上げます。
 第一が製造業の許可でございます。これが二十一万円から二十三万円。それから第二が販売業の許可手数料でございます。これが四万七千円から五万三千円。それから第三が施設の完成検査でございます。これが三万八千円から四万一千円でございます。それから第四が火薬類の譲渡、譲り受けでございます。これが三千円から三千五百円でございます。それから第五が火薬類運搬証明書の交付手数料でございます。これが一千円から千二百円でございます。それから第六が火薬類の輸入の許可手数料でございます。これが三千円から三千五百円でございます。それから第七が煙火の消費許可の手数料でございます。これが三千円から三千五百円でございます。それから第八が製造保安責任者の試験の手数料、これは通産大臣が行う試験でございますが、これの手数料が三千五百円から四千円でございます。それから取扱保安責任者の試験、これは都道府県知事が行いますが、これが二千五百円から三千円でございます。それから責任者免状の再交付手数料、これが八百円から一千円でございます。
 以上でございます。
○鈴木和美君 いま御説明なさったものは、それは政令で定めているわけですか。
○説明員(竹沢正格君) ただいま申し上げました数字は法律で定めております。で、法律で上限を定めておりまして、その範囲円で政令で具体的に手数料を定めておるということでございます。
○鈴木和美君 そうすると、三条の許可の二十一万円が二十三万円になるということが上限なんですか。それとも、この十一項目がそれぞれ違うんでしょう、許可をとる仕事の中身が違うはずですね。だから上限というのは、この各項目に書かれている金額が上限なのか、二十三万が上限なんですか、どっちですか。
○説明員(竹沢正格君) それぞれの許可あるいは許可にかかる行政事務のコストということで計算をいたしておりますので、御指摘の二十三万円というのは製造業の許可手数料の上限ということでございます。
○鈴木和美君 そうすると、西垣次長にちょっとお尋ねしますが、いま三十四本これを出されていますけれども、火薬類取締法でさえ十一あるわけですね。十一がそれぞれ上限になっているわけですよ。そうなれば、ここのところに出てこなきゃわからぬわけですよ、正直のところ。だから、出さないならもう出さないで政令で定めるというふうにするか、出すなら全部出さなきゃ私はいかぬと思うんですわ。そうでなければ、何でここだけ拾い集められたのかという疑問を持ちますが、どうでしょう。
○政府委員(西垣昭君) 拾い上げた基準といたしましては、とにかく法律で定められた手数料の中で三年間の間に適正化のために改定を必要とするもの、これを全部洗い出したわけでございます。その結果出てきたものがこの一括法の対象になったということでございます。
 それからもう一つの御主張の、もう政令にゆだねてもいいようなものまでが今回混在しているではないかという問題につきましては、それは先ほどから申し上げておりますように、法律制度の統一的整序という作業の中で解決されるべきものというふうに考えておりまして、今回は手数料の適正化のために必要なものだけを上げるということで、一括法といたしますためにもそういうふうに割り切ったということでございます。
 それから、限度額を定めながら政令に委任するすき間がほとんどないと、上限に張りついちゃっているという問題があったかと思いますけれども、その点につきましても、確かに立法論といたしましては、思い切って上げておいて、政令で動かす余地を大きくしておくという考え方はあろうかと思うんですけれども、一括法の性格からいいまして、今回、従来上限がもう張りついているものにつきましてはそのままにして改定率を出していると、こういう扱いにした次第でございます。
○鈴木和美君 二十三万円かかるというのは、どうして二十三万円かかるんですか。ほかのところはみんな三千円とか四千円とかなのに、火薬だけは一挙に二十何万円というふうになっているんですが、これはどうして二十何万円かかるんですか。
○説明員(竹沢正格君) お答え申し上げます。
 火薬類の製造は、本法によりまして技術上の基準に適合しておるかどうかということを審査するわけでございまして、技術上の基準に適合してないという場合には許可をしてはならないというふうに法律上なってございます。したがいまして、技術的基準に適合しておるかどうかということを専門的な見地から十分審査を行う必要がございます。
 具体的に申し上げますと、第一は、火薬の製造施設の構造、位置、設備、さらには製造方法というものが適正であるかどうか。それから第二は、公共の安全の見地から適正な立地であるかどうか。第三は、災害の防止の見地から事業計画あるいは危害予防の方法あるいは保安教育計画というものが適正であるかどうかということを慎重に審査をするわけでございます。したがいまして、この二十三万円という手数料は、このような調査及び審査についての人件費、それから現地調査に伴う旅費等の所要経費の積算の結果算定したものでございます。したがいまして、私どもは、二十三万というのは適正な手数料の額であるというふうに判断をいたしております。
○鈴木和美君 現地調査の旅費というのは、その旅費の算出根拠というのは、どういう算出根拠ではじくんですか、旅費は。
○説明員(竹沢正格君) お答え申し上げます。
 旅費につきましては、火薬類の製造工場、これにつきましては、いわゆる産業火薬類というのは通産大臣の許可、それから煙火等のいわゆる小規模の危険度の少ない工場については都道府県知事の許可対象ということにしておるわけでございますが、法律では上限額を決めるということで、本省――通産大臣のいわば調査対象になる火薬工場の平均距離をはじき出しまして、その平均距離から旅費を一件当たり五万九千二百円という数字を積算いたしておるわけでございます。
○鈴木和美君 もう一つ、通産省の方の砂利の方にお聞きしますけれども、砂利の採取法制定の趣旨と沿革について聞かせてもらいたいんですが、四十三年度制定されたように見ておりまして、旧法との関係で、どこがどういうふうに変わったのか、まずこれを聞かせてもらいたい。
 それからもう一つは、山と川と海とおかから砂利を採取しているんだと思いますが、どういう割合になっているのか、その二つを聞かしていただけませんか。
○説明員(岩田誠二君) 御説明いたします。
 現行の砂利採取法は、その当時頻発していた砂利採取災害に対しまして何らかの抜本策を講ずべきだという強い世論を背景にいたしまして、昭和四十三年法律第七十四号として制定されまして、同年八月二十九日から施行されておるものでございます。
 この法律の制定の趣旨は、まず第一に、砂利の採取地のいかんを問わず、あらゆる地域について適用される法律とし、砂利採取災害防止体制の一元化を図ったことにございます。それから第二番目には、砂利採取災害を未然に防止するため、旧法では事後の届け出制であった砂利採取業の届け出制を廃止いたしまして、砂利の採取を開始する以前に責任ある行政庁が十分にチェックする体制を確立することとし、この観点から砂利採取業者の登録制度及び砂利採取計画認可制度の二つの事前チェック体制を確立したことにございます。それから第三番目には、砂利採取法に基づく処分権者を、全国的に点在する砂利採取業者の数及び砂利採取災害の実態を配慮いたしまして、災害発生地に近い都道府県に処理してもらう方が適切であるという判断から、ほぼ全面的に都道府県知事に権限、事務を委任いたしました。地元処理をするという考え方を徹底したわけでございます。
 それから二番目の御質問の、山砂利、川砂利、陸砂利及び海砂利の採取の割合はどうなっているかということでございますが、五十四年度の場所別の採取量の割合は、河川砂利、山砂利がそれぞれ約二五%程度、陸砂利が約三〇%、海砂利が約二〇%でございます。
○鈴木和美君 手数料との関係から見ますと、登録段階と計画段階と二つに分かれますね。登録段階のときにはどういうチェックをし、計画段階のときにはどういうチェックをして、それが今度の手数料の改正にどういうふうに関係を持つのか御説明いただけませんか。
○説明員(岩田誠二君) まず、登録段階におきますチェックでございますが、砂利採取法に基づく登録制度は、砂利採取業者の人的側面を事前にチェックするものでございます。すなわち、都道府県知事が実施いたします試験に合格した砂利採取に伴う災害防止に関する職務を行う業務主任者を置いていないものあるいは砂利採取法に違反して罰金以上の刑に処せられたもの等につきましては、人的条件を満たさないものとしてその登録を拒否することになっておりまして、その場合は砂利採取業を認めない形になっているわけでございます。
 それから次の段階の、砂利採取計画の認可段階におきましては、砂利採取業者が砂利を採取しようとして申請してきた採取計画につきまして、砂利の採取量あるいは採取期間、採取方法、採取に伴う災害防止方法等を事前にチェックいたしまして、その結果、他人に危害を及ぼしたり公共用施設を損傷する等、公共の福祉に反するおそれがあると認められる場合には当該採取計画を認可しないこととしておるわけでございます。
 こういうようなことでございますが、そこで、この手数料改正に伴う算出根拠でございますけれども、今回の手数料改正に際しましては、現実に必要となる行政事務に必要な経費を基本として定めておるわけでございまして、具体的には、五十三年五月の、前回の改定以降の人件費の上昇分と物件費の上昇分によっておるわけでございます。
 たとえば登録手数料について見ますと、先ほど御説明いたしましたとおり、都道府県に事務委任しているために、人件費につきましては自治省の指定しております五十五年度の地方交付税統一単価のアップ分を用いておりまして、物件費につきましては五十三年の法律、政令改正時のデータをその後の消費者物価指数で補正したものになっているわけでございます。その結果、現行六千円を七千円に改定しようとするものでございます。
○鈴木和美君 いま農林水産省や通産省からいろんな法律のこと、中身を聞いたんですが、いま聞いている中ではっきりしていることは、私、三つあると思うんですよ。
 一つは、やっぱりその法律の持っている手数料の性格というのが非常にはっきりしないと、これが一つあると思うんです。それからもう一つは、手数料改定の、つまり積算根拠というのがまちまちじゃないかと思うんですね。一本になってないんじゃないかと思うんですよ。もう一つは、先ほどから問題になっている法律事項で一々議論しなきゃならぬものなのか。政令で定めておいていいというように思われるものも全部ごちゃまぜになっていると思うんですね。私は、それをどうしてもやっぱり大蔵省が、行革というだけに頼らないで、もう少し積極的にこれを取り扱って、整合性を求めるような作業をすべきだと思うんですよ。見解どうでしょう。
○政府委員(西垣昭君) いま三点おっしゃいました。
 で、第一の手数料の性格の問題につきましては、これはやはり個々の法律の中でその性格をはっきりさせるというものでございまして、私どもがどうこうと言うものではないように思います。
 それから第三の法形式につきましては、先ほど来申し上げておりますように、法律、制度の統一的な整序の一環といたしまして私ども今後努力をしたい。そして不必要に法定事項にしないで、政令以下に委任できるようなものにつきましては政令以下に委任するという形で整理をしてまいりたい、こういうふうに思っております。
 それから積算根拠でございますけれども、この点につきましては前回の附帯決議にもございましたところでありますし、私どもといたしましてはできるだけ統一的にということでやっておりまして、原則といたしましては、手数料等が特定人のためにする国の事務、サービスの反対給付だという性格にかんがみまして、それぞれの手数料の額が行政コストと比べて妥当であるかどうかということで一々チェックをいたしまして、実費に見合うような手数料に改めるというのを基本としたわけでございます。ただ、それぞれの手数料のための行政コストの手間につきましては、これはもうそれぞれ違いますし、それから物件費と人件費との割合、それから手数料等の対象になる行政処理の件数の推移等の違い、そういったものもございまして、結果としてそれぞれの改定率が違うというところは仕方がないかと思うんです。で、先ほど来申し上げておりますように、原則といたしましては物件費につきましては五十五年度予算単価、それから人件費につきましては五十五年度予算単価をベースにいたしまして、人勧後のベアも織り込んだところでそれを基準にしてはじくということでやっているわけでございます。
 それからもう一つ、単純に行政事務あるいはサービスの対価ということではなくて、先ほど申し上げましたような特許等の権限の付与的なものにつきましては、従来からコスト以上のものをいただいているわけでございますので、それにつきましては、たとえばCPIを基準にするとか、あるいは特定の政策目的によりましてコスト以下に下げるものにつきましては、従来の考え方によってそれを下げていくというふうなことで適正化を図っているわけでございまして、私どもといたしましては、手数料等につきましてはそれぞれ各省にまたがるものでございますので、横並びにつきましては相当配慮したというつもりでいるところでございます。
○鈴木和美君 最後に大臣にお尋ねいたしますが、ずっといま述べてきましたように、大臣からもこういう細かいものが一々ここで議論しなくともできるような方法をぜひ叱咤激励してもらいたいと思うんです。
 ところが、わが党はこれは反対なんですわ、今度。調べてみたらこの前は賛成なんですわ。今度は反対。なぜ反対かというのをいろいろ調べてみたら二つ理由がはっきりしているんですわ。つまり、先ほど申し上げましたように、五十三年からの附帯決議で、各、それぞれその法律の整理統合、整合性というものを早くやれと、なぜやらぬのかという、そういう問題が一つある。もう一つは、それとの関連において、それがはっきりしてからでも遅くないじゃないかと、四十一億なんだから。それで各省庁に聞いてみたって一年にどのくらい件数があるかというと三件か四件しかないんですよ、これみんな、一年に平均してみますと。それを何でそれほど鳴り物入りでやらなければならぬのか。むしろその法律の整合性の方が先じゃないかという意味が今回のわれわれの反対の理由の大きなことになる。また、お金がないから少しでも取ろうという、そういうのはあったかもしれませんけれども、ぜひそういう点を含みながら大臣としてこれから国会で手間が余りかからないような方法をとっていただくことをお願い申し上げたいんですが、見解を伺って質問を終わります。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 大変参考になる御意見でございますから、十分その趣旨を踏まえまして検討をさせていただきます。
○穐山篤君 いま鈴木委員からやや締めくくり的なお話をいたしましたが、大蔵大臣は今回提案の責任者としてわれわれの意図がわかったと思いますので、大蔵大臣を問い詰める必要はないと思いますが、先ほど各省庁のお話を聞いていますと、まだへ理屈を言っていますね。理屈にならないことを言っておりますので、私はもう一遍そこをきちっとしたいと思うんです。ただし、私はきょうは各省庁は、質問の事項はありますけれども省庁はどこも呼んでないんです。言いかえてみますと、大蔵大臣が十分に委員会の審議の意向を受けてきちっとしてもらうと、こういう意味で私はほとんどの省庁はお呼びしていないんです。
 そこで、もう一遍整理をいたしますが、昭和五十三年の四月、当時私も大蔵委員でありましたが、この手数料の審議に参加したわけです。で、参議院側とすれば附帯決議を二つづけて成立をさせた経緯があるわけです。そのときに、あの議事録をよく読んでいただければわかりますが、この附帯決議というものは次の改定の時期に十分におこたえをしたいと、そういう準備を、値上げということについて必ずしも賛成ではありませんが、もしそういうチャンスがあればこの附帯決議を受けて十分に大蔵委員会の意向にこたえたいという答弁に当時なっていたわけです。そこで、参議院のこの二つの附帯決議の第一項の方ですね、法律、政令などにゆだねる基準についての整合性、これは主としてどこが担当をしてやろうというふうに閣内で御相談がまとまったんですか。あるいは第二項の手数料の算出の基準、根拠、そういうものについては主としてどこの省庁が責任を持ってまとめるということになってこの附帯決議というものを将来生かしていこうということになったのか、その点からひとつお伺いします。
○政府委員(西垣昭君) 技術的な問題に及んでおりますので、とりあえず私からお答えさせていただきます。
 附帯決議の中で、まず法律、政令等にゆだねるべき基準についての整合性の問題でございます。これにつきましては、御指摘の決議の趣旨を踏まえまして、個別法の改正がありますときにはその個別法の改正の中で見直しをするということでやってきておりまして、いままでの例といたしましては司法書士法と薬事法がございます。いずれも政令に委任をするという方向で制度の改正をいたしております。それからさらに全体といたしましては、昨年末の閣議決定、「今後における行政改革の推進について」におきまして、法令整理の一環といたしまして各種法令の統一的整理を図るという観点から、手数料等の具体的な金額を定める定め方につきまして政令等に委任する方向で検討するということで検討を進めることといたしておりまして、これは閣議決定でございますので閣議の統一的意思として決まったわけでございまして、多分行政管理庁が中心になってそのところは行われるというふうに思います。
 それから第二点の、算出方法等の合理性をなお一層検討せよという附帯決議でございますが、この妥当な適正な金額の算定の仕方につきましては、これは横並びで見得るところといたしましては私ども大蔵省だと思いますので、私どもが中心になりましてその横のバランスを図るということでやっておりまして、先ほども申し上げましたように、物件費につきましては五十五年度予算の単価をベースとすると、それから人件費につきましては人事院勧告実施後の五十五年度人件費をベースとするということでやっております。経費として見るべき対象範囲につきましても、各省と相談をいたしながら、その附帯決議の趣旨を尊重する方向で努力をしているところでございます。
○穐山篤君 そこで、法制局は見えておりますか。――
 いままでの幾つか法律が制定をされて、手数料が本法なり省政令に任されているものがあるわけですが、今後審議を円滑にする意味で伺います。
 たとえば受験手数料というのが、不動産鑑定士それから司法試験の場合には受験手数料になっていますね。それから通訳業の場合あるいは業務管理者の場合には試験手数料というふうに本法に明記されています。この受験手数料と試験手数料の違いですね、法律上、法律体系上の違いはどういうところにあるんですか。まずそこから伺います。
○政府委員(前田正道君) それぞれの法律に定めます試験を受けようとする者の納付すべき手数料について定めたものでございますので、言葉は違っておりますけれども、実質においては変わるところはないと考えております。
○穐山篤君 意味はそういうことだろうと思いますが、なぜこういうふうに日本語を分けて書かなければならないこの理論的な根拠というのはありますか。
○政府委員(前田正道君) 私が直接審査したわけでございませんので、そのときの考え方がどういうことであったかしさいには承知いたしておりませんが、特に区別して使わなきゃならない理由はないと思います。
○穐山篤君 次に、免許申請手数料、これは麻薬の関係です。免許手数料は、たとえば先ほど指摘のありました獣医師の場合、免許申請手数料と本法に書き、片方では免許手数料と書いてある。これは先ほどの試験、受験と同じように法律体系上どういう背景があるから、こういうふうに前の方は申請手数料にしたし、後ろの方は申請という言葉を除外をしているのか、その点はいかがですか。
○政府委員(前田正道君) 法律的には特段の区別すべき理由はございません。ただ、実際問題として申し上げますと、各法案の審査はそれぞれ参事官が個別に審査をしておりますので、多少個人的な趣味というようなものも入ったかもしれませんけれども、統一的な観点から申し上げますれば、同一の性質のものにつきましては同一の用語が用いられてしかるべきであるというふうにお答えできると思います。
○穐山篤君 法制局としても、個人の好みで法律をつくられたんじゃたまったもんじゃないです。これはきちっと言っておきますけれども、こういうものを、法律をつくる場合には少なくとも体系というものがあるわけですよ。あるいは熟語一つにしてみてもこういう紛らわしいものがたくさんあるということはこれは国民のためによくないんです。法律は国民のためにあるわけですから、国民がわかりやすくするためにはこういうものをきちっと整理整とんをする必要があろうというふうに思いますが、どうですか。
○政府委員(前田正道君) 私どもといたしましても、できるだけ法令相互間あるいは同一法令内におきますアンバランスがないように検討しているつもりでございますけれども、まだ努力が足りませんでアンバランスが見られることは御指摘のとおりだと思います。なお今後一層努力したいと思います。
○穐山篤君 それから、手数料あるいは登録料、いろんなものがあるわけです。そこで、本法の中に現金で払うとも現金で払わないとも明示してない本法が非常に多いんですね。ただ、別に決める手数料を払わなければならない、こうなっている。ところが許可審査手数料の特殊栄養食品につきましては、本法の中で収入印紙で支払わなければならないというふうに規定をしているわけです。キャッシュで払うか収入印紙で払うかということが法律上こういうふうに区分をしてありますと、これは不思議に思うのは当然だと思うんです。なぜこういうふうな本法の中でキャッシュであるともないとも書いてないものもあるし、収入印紙で払えというふうに強制しているものもあるわけですが、その根拠はどういうことですか。
○政府委員(前田正道君) 一般的に申し上げますと、国の収入は財政法の規定によりまして現金納付というのが原則になっているわけでございますが、手数料の納付につきましては、印紙をもってする歳入金納付に関する法律によりましてその例外が定められているわけでございます。したがいまして、その法律によりまして各省各庁の長が印紙をもって納付できる手数料の種目を定められますれば、印紙をもって納付することができるということは相なるわけでございます。そういう仕組みになっておりますので、特に個々の法律におきましてこの手数料は現金で納めろ、あるいは印紙で納めるということを特に規定する必要はないわけでございます。ただ、御指摘の栄養改善法につきましては印紙をもって納付しなければならないというふうに規定をしてございますので、この規定がございます以上は、これの許可審査手数料につきましては印紙をもって納付しなければならないということは当然であろうと思います。
 ただ、この栄養改善法がどうして許可審査手数料につきまして印紙をもって納付しなければならないとされたかにつきましては、これは申しわけないんですが、私どもでございませんで、参議院の法制局の方で御審査になりましたものですから、その事情につきましてはつまびらかにいたしておりません。
○穐山篤君 私、たくさんの問題を出したわけじゃなくて、受験とかそれから免許申請、それからいまの収入印紙という三つの問題を取り上げましたけれども、明らかに法律の体裁上もあるいは国民の受ける権利義務から考えてみましても余り適当ではないわけですね。それから先ほどからもお話がありましたように、本法に書かれているもの、省政令で書かれているもの、調べてみますと、省政令の中でも本来本法に規定しなければならないような権利義務にかかわるようなものも省政令に書かれておる。また逆に、本法の方には単純な証明書の交付のようなものまでも本法にがっちり書かれているということで、全く五十三年の審議した際に指摘をされたものがそのまま残っているわけです。ですから、その点は締めくくりとして、きちっとやってもらわなければならぬというふうに思います、
 そこで、先ほど次長からは、多分前段の方の法律あるいは政令などの基準の問題は行政管理庁さんではないでしょうかというようなお話があった、それから後段の算出方法は大蔵省であると、その二つをいまからお話を申し上げますが、そこで行政管理庁ではその話を受けて、責任官庁としてどういう作業を行われているのか、少なくとも私がここに持っております附帯決議というのは、五十三年の四月の二十日の附帯決議でありますが、当然これを受けて閣議の申し合わせといいますか、そういうものが行われているわけですから、当然作業というものは相当程度進んでいなければならぬと思う。その点、いかがでしょう。
○説明員(八木俊道君) お尋ねの手数料に関連いたします法令の整序の問題でございますけれども、御指摘のとおり参議院大蔵委員会の附帯決議がありかつ政府の閣議決定の方針があるわけでございます。したがいまして、政府部内におきましては、行政管理庁と申しますよりは行政改革本部という組織でございますけれども、行政管理庁長官が本部長になりまして、大蔵、自治、行管、内閣官房、内閣法制局それから総理府総務副長官といったところがメンバー、次官クラスのメンバーでございます行政改革本部の組織におきましてこの問題を取り上げるということにいたしまして、五十四年の九月の十九日に本部決定で方針を決めております。手数料の金額またはその上限が法定されているものについては実費を勘案して政令に委任する等の方向で検討をするという作業の方針をとりあえず決めたわけでございます。それに基づきまして各省でいろいろ御検討いただいたわけでございますが、この手数料の問題、御承知の各行政事務の実態に応じましてそれぞれ性格がまちまちでございまして、なかなか色合いがさまざまであるということでございまして、各省からいろいろ御答案をいただきつつあるところでございますが、まだかっちりした統一的な整序、きちっとした方針をまとめるに至っていないということでございます。で、法令整理全体の一環といたしましてこれを取り上げました関係で、実は全体の法令整理の作業といたしましては今国会には別途法令整理に関する三百三十五件ほどの法律改正案をお出しをいたしておりますが、この中にはまだ入る段階に至っていないという状況でございます。検討中でございます。
○穐山篤君 何でもかでも問題が起きると行政管理庁なり行政改革本部なり第二臨調にみんな持っていってしまって、各省庁の責任というものが非常にあいまいになっていますね。これは現実問題やむを得ませんが、これは早急に進めてもらわなければならない、それも客観的に整合性のあるものでなければならない。ですから、各省庁の御意見を聞くのは結構ですけれども、あとは責任官庁がきちっとした方針のもとにやらなければ、また似たような問題が起きることは明らかだと思うんです。いまからその点、少しお尋ねをしていきます。
 先ほど算出方法などの合理性、整合性の話がありましたが、今回は旅券法の中で発給手数料以下数次旅券の再発給手数料なども含めて、前回五十三年の四月に行われましたので、今回出ていないわけですね、出ていない。それから獣医師法につきましては、獣医師免許手数料は、昭和二十四年に現行法が設定をされて、今回千円が千百円に変わると。それから、獣医師の国家試験手数料につきましては、今回は改正がないんですね。この国家試験受験手数料といいますのは、先ほどの免許手数料と同じように、もとは昭和二十四年物だった。それが五十三年の改正で免許手数料は改正になった。しかしながら、同じ二十四年物であります国家試験のものにつきましては、今回も改正がない。今回改正がないという、不均衡というかどうかわかりませんが、そういうものが残っておりますね。それから、肥料取締法は前回の五十三年の改正が行われたので今回はない。ところが、先ほど獣医師法の方で申し上げますように、免許手数料の方は五十三年に改正があり、今回も改正が行われる。それから、農産物検査法の中の農産物検査手数料は昭和二十六年物でありますが、昭和五十三年の四月に三百円から六百円に改定をされたけれども、今回は載っていない。それから運輸省のものですが、通訳案内業法につきましては、試験手数料が昭和二十四年物が五十三年に改定になり、また今回も五十六年に改正になる。それから、免許手数料は二十四年物でありますが、これは同じように五十三年と五十六年、今回も改正が行われる。で、かなり古いしろものにつきまして、あるものは前回改正を行って今回も改正をしている。ところが、同じようなしろものでありながら、前回改正をして今回改正をしていない、こういうものが散見をされるわけですね。こういうものについて大蔵省が取りまとめをされたわけですから、大蔵省としての多少の取りまとめの基準とか、あるいは物の考え方というものがあってしかるべきだと思うんですが、その点いかがですか。
○政府委員(西垣昭君) 今回の手数料の見直しでは、最近における物価の動向等にかんがみまして、手数料の費用負担の公正化という観点から適正化を図らなくちゃならないもの全部洗い直して検討したわけでございます。で、結果として、先ほど申し上げましたように法律で手数料等を定めております法律が五十四本ございますが、三十四本の法律をこの一括法で改正をし、一本は個別法で改正をし、十九本の法律につきましては改正をしないという結果になったわけでございますが、同じ基準で検討いたしましたが、現時点で行政コストを算出しましても、改定をする必要がないというものと、それから改定をする必要はあるけれども、政令委任の限度額の範囲内であるというものがございまして、それらのものにつきましては改定を行ってないわけでございます。
 今回改定を行っておりません法律十九本の中で、現行単価が適正なもの、つまり上げる必要がないものということで改定を行っておりませんものが、旅券法、通関業法等十四本の法律でございます。それから、法定限度額の範囲内で改定が行えますので、改正をやってないというものが五本ございます。先ほど例として挙げられました旅券法は、前の方の例でございまして、発給事務の機械化が進みまして、現時点におきましても、五十三年度当時設定された手数料で十分適正であるという結果となっているものでございます。それから、もう一つ例として挙げられました農産物検査法につきましては、これは法定限度の範囲内ということで、今度改定をいたしております。限度額が四十円でございまして、法定限度額の範囲内で三十円から四十円に改定するということで、法律の改正の必要がなかったと、こういうことでございまして、私どもといたしましては十分に横並びに気をつけながら、今回の改定を行っているということでございます。
○穐山篤君 たとえば、司法試験なんというものは毎年定例で行うわけですね。こういうものにつきましては、臨時に行う作業ではないわけです。したがって、そのコストの面から言えば、法務省の人件費、出張旅費の中に私は含まれているものと思いますが、もしこれをコストという面で二千円なり四千円というものを取るとすれば、実費を取るということになるならば、法務省の予算というのは、多少その分野では残らなければならない理屈になるわけですね。臨時に起きるもので、当初からこういうものについての業務は波動業務、臨時業務だということで、人員の配置なりあるいは予算措置がしてないというならば、これは話は別ですけれども、定時のものについては本来予算化されているはずだと思うんです。そういう意味ではいまの御答弁ではどうも明確に納得させるような見解ではないというふうに私は思いますが、いかがですか。
○政府委員(西垣昭君) 先ほど申し上げましたのは、手数料等の性格でございますけれども、特定の個人に対する行政事務あるいは行政サービスに対する反対給付という性格のものでございますので、人件費等の増高によりまして行政コストが上がれば、費用負担の公正という観点からはその適正化を図るというのが当然のことだと思うわけでございます。
 いまの司法試験の例でございますけれども、やはり三年間もたちますと、その間に物件費も人件費も上がってまいります。それが予算面でどういう手当てがしてあるかということは一応別にいたしまして、司法試験を受ける人、一人一人に対するコストがどうであるかということを算定してみまして、前回と比べて上がっておればその上がっておるものに見合ったものを負担していただくというのが費用負担の公正という観点からいきましても適当であるということで、改定をしているわけでございまして、そこのところははっきりしているつもりでございます。
○穐山篤君 それで、鈴木委員からも先ほど指摘をされましたように、またいまも議論がありますように、早急に私は、値上げをしろという意味ではありませんが、納得できるようなものに作業を進めてもらわないとまずいというのは、もう前回の改正の際にも注文をつけてあるわけです。今回の審議を通して十分に今後の作業に反映をしていただきたい。次に出てくるときにもまた似たようなことになったんでは、これはしようがないと思いますので、それは念を押しておきます。
 大蔵大臣、まあ内閣全体をまとめて、ひとつその点については責任を負っていただきたいというふうに思います。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 御趣旨に従って鋭意努力をいたします。
○穐山篤君 それから、手数料という意味で問題になります点を解明をしていただきたいと思うんです。それは、今回こうやって手数料も上げるという法案が出ている。それから、さきの大蔵委員会では印紙税の平均二倍につきましても成立をしたわけです。そこで、それが著しく影響を及ぼすであろうという意味で、銀行など金融機関の手数料の問題についてお伺いしたいと思うんです。
 銀行の手数料は、幾つか種類があろうと思うんですが、私の方から申し上げましょう。内国の為替、外国の為替、配当金取扱、公共料金口座振替、手形帳、小切手発行手数料、あるいは業務委託手数料、こういうものがたくさんあるわけです。
 そこで、最初に大蔵省にお伺いをしますが、最近都銀十三銀行がいろいろ御相談をしているやに聞くわけです。それは、この種手数料あるいはキャッシュカードの問題につきましてそれぞれ銀行の、何といいますか経費が非常に高くつく。たとえば印紙代だけを取り上げてみましても、今日までおおむね四百億円ぐらいであろうというふうに推計をされているわけですが、単純に計算をしますと約八百億円の手数料になる。それから、いままでキャッシュカードは無料で銀行のサービスということになっていたわけですが、これも有料販売をしなければならぬといううわさも出ているわけです。こういう問題について銀行側から大蔵省に対して何らかの御相談なり御連絡というものはあったでしょうか、まずその点からお伺いします。
○政府委員(吉田正輝君) 銀行の各種手数料でございますけれども、手数料は実は当局の認可事項になっておりませんで、銀行の自主的判断に任せておるわけでございます。したがって、自由に決定されるわけでございますけれども、いずれにいたしましても私どもといたしましては、銀行の手数料の引き上げについて銀行側からは正式な話をまだ特に聞いていないわけでございます。
○穐山篤君 これは大蔵省が基準を定めて通達をしてやるという仕組みでないことは、そのとおりだと思いますが、昭和五十三年の手数料、為替手数料など、銀行は一斉に一律に同額で改定をしましたね。そういう歴史が五十三年には残っているわけです。
 そこで、今回銀行側は、これだけコストが高くなりますと、預金者に対するサービスだとかそういう意味で、いろんな行政サービスといいますか、それぞれの銀行の特色というものを出していたわけですが、もはや一千億円に近い手数料、あるいは印紙代を張るということになりますと、サービスということにはいかなくなるんじゃないだろうかという心配を持つわけです。言いかえてみれば、印紙代が二倍に上がったことが、それは国税としては、国税収入としてはいいことなんだけれども、今度一般の利用者、庶民の立場から言いますと、逆のところでしわ寄せを受ける。その一つが銀行の手数料をもし一斉に同額一律値上げをするようなことがあるとするならば、そのしわ寄せは預金者にみんないってしまう。そこでまた、銀行に預金をするか郵便貯金の方に持っていくかという話もないわけではないというふうに思うわけです。そこで、一斉に行政指導ができないということはよくわかっておりますけれども、しかし大蔵省の立場からするならば、利用者なり庶民の立場を十分に考えて、可能な限り銀行に、めちゃくちゃに上げるなどは言えないにしてみても、従前のサービスを続けるようにという程度の行政指導を行ってもいいのではないかというふうに考えますけれども、その点いかがでしょう。
○政府委員(吉田正輝君) 先生御指摘のとおり、いま銀行は各種のいろいろのサービス、公共料金振り込みとか、給振りとかあるいはキャッシュカード、その他サービスの多様化を図っておるわけでございます。これはこれなりに非常に金融機関としてもやはり大衆化という路線を歩んでおるわけでございますので、そのサービスの充実をやることについては、私どももむしろその充実なり改善なりについては歓迎しておるところでございますけれども、手数料は私どもといたしましては、あくまでもコストに見合った体系とすることが望ましい、やはりコスト主義を大幅にゆがめるのは適当でないと考えておるわけでございます。もし為替手数料がコスト割れという状況でございますと、本来、預金金利の引き上げや貸出金利の引き下げの形で広く預金者や借入者に還元されるべきものが、為替取引の利用者にのみ享受されるということになって、銀行経営のあり方としても問題があるのではないかと思います。大蔵省としては、銀行がただいまのところ次第に利ざやも薄くなりまして、収益構造は次第に悪くなってきているわけで、環境も厳しくなっております。したがいまして、銀行の本業であります預金なり貸し出しにしわ寄せするような形でサービスを――サービスの充実化、多様化はよろしいと思いますけれども、サービスの充実化がないなりに行うのは好ましくないので、やはリ銀行の手数料については受益者負担の見地から、これを適正化していくことが望ましいというふうに考えておるわけでございます。
 ちなみに、五十四年の六月に、銀行法改正につきまして金融制度調査会が答申を出したわけでございますけれども、その中でも、ちょっと読ませていただきますと、「銀行の取引・サービスは経済合理性に即した適正な対価で提供することが基本で」ある。内国為替等「サービスの提供と受益の関係が比較的明確な分野については、受益者負担の見地から費用に見合った収入を確保していくことが原則である」こう述べておるわけでございます。私どもといたしましては、やはりサービスの提供と受益の関係が、金融制度調査会が指摘しておりますように、比較的明確な分野では、やはり合理的な計算を行うということが望ましいのではないかと、かように考えておるわけでございます。
○穐山篤君 公正取引委員会にお尋ねしますが、昭和五十三年に、手数料が一斉に一律同額でそれぞれ値上がりになったわけですね。そのときには公正取引委員会はどういうふうな審査をされたんでしょうか。古い話で恐縮ですが、その点を明らかにしてもらいたい。
○説明員(相場照美君) 五十三年に、先生おっしゃいましたように確かに一律に引き上げが行われております。当時、私どもの委員長が国会等でも発言いたしたわけでございますが、違反行為――いわゆるカルテル等によって引き上げられていることがはっきりすれば、これは当然独占禁止法上の問題が生ずるんだということを再々言っているわけでございまして、したがいまして、大蔵省の事務当局に対しましても、私どもの事務局の方からそういった違反行為が行われないように十分に注意していただきたいということを申し上げていた経緯がございます。
 ただ、そういった一律に料金等が値上げされたということだけでもって直ちにこれが独禁法上問題になるという性質のものではないわけでございます。したがいまして、昭和五十三年当時、この引き上げをもって違反事件としてこれを調査したという経緯はございません。
○穐山篤君 そこで今回、ことしの三月の十七日に公正取引委員会から独占禁止法と行政指導との関係についての考え方というのが出ていますよね。私は先ほども指摘をしましたように、印紙代の値上げによって国の収入は上がる。しかしながら、できるだけ国民へのサービスを低下をさせない、そういう必要が政府自身としてもあるいは銀行自身の自助努力によっても行わなければ、印紙代の値上げがそのまま今度は別の角度から消費者に多大な負担をますますかけるわけになるわけですから、大蔵省がある一定の集団を対象にして行うかあるいは個々の企業を対象にして行政指導を行うかどうかわかりませんが、私が申し上げるような趣旨を銀行協会なりあるいはそれぞれの銀行に大蔵省ができるだけサービスを低下をさせないようにということを言ったとすれば、それが独占禁止法との間においてかなり微妙な問題が起きるというふうに一面では考えられます。
 それから、予想するところによりますと、都銀十三銀行含めて一斉にほぼ同額で手数料の値上げということがいま非常にうわさをされているわけです。単純に同額で引き上げたからこれはカルテルを結んだというふうには言わないというふうに言われましたけれども、もしこの問題で銀行が八百億、千億に近い手数料というものを何とかコスト割れにしない方法としてもし一斉に共通にやられるとするならば、ある意味では独占禁止法に触れる部分が出てくるんじゃないか、こういうふうに考えるわけです。
 以上の二つのうらはらの問題について、公正取引委員会の見解をまずただしておきたいと思います。
○説明員(相場照美君) まず第一点でございますが、大蔵当局におかれまして、たとえばサービスが低下しないようにという程度の一般的な注意といいますか、でございますならば、これはそれ自体独占禁止法違反行為を惹起するようなことにはならないんじゃなかろうかというふうに考えておりますが、仮にこういった指導に関連いたしまして、銀行の間であるいは銀行協会というような団体で協定して手数料を定めるというようなことになりますならば、これは独占禁止法上問題が出てくるだろうというふうに考えております。
 次に、一斉値上げの問題でございますが、今回行われるかもしれない一斉値上げについても同様なことが言えるわけでございまして、まあ先ほどの、五十三年の三月の例として、先ほど国会での私どもの委員長の発言あるいは大蔵省に対するお願い、こういった点につきまして触れたわけでございますが、したがいまして、所管官庁でございます大蔵省も十分に御理解いただいているところだと思います。銀行の方で万一にもこういった違反行為が行われることはないんじゃないかというふうに考えておりますが、またそのように私どもも期待しているところでもございます。しかし、先ほど申しましたように、仮に銀行間あるいはその団体で協定して上げるということになりますと、明らかにこれは独占禁止法上問題が出てくると考えますので、そのような具体的な事実があれば厳正に対処していきたいというふうに考えております。
○穐山篤君 大蔵大臣ね、現行でいきまして送金が三百円、それから本店−支店間のやりとりでいきますと百円、それから電信の場合が四百円、支店−本店間が百円、振り込みの普通が三万円以上が四百円、三万円未満が三百円。以下いろんなものがあるわけですが、これがまあ仮にざっと倍額になるということになりますと、ざっくばらんに申し上げて消費者の立場から言うならば、高いところよりももっと便利なところに預金をしよう、あるいは振り込みをお願いをしよう、こういうことになる可能性というのは非常に強いと思うんですね。また本店−支店間を三百円とか二百円というふうな手数料でやりとりするというふうなことについても、まあコストの面からいろんな理屈はあると思うんです。あると思いますけれども、コストだけを考えて銀行の競争なりサービスというものを無視をしていきますとまた問題が出てくるというふうに考えます。
 そこで、大蔵大臣にこれこれの行政指導をお願いをしたいという話をきょうするつもりはありませんが、大蔵大臣の御感想を本件についてお願いをしたいと思います。
○国務大臣(渡辺美智雄君) これは各銀行間の問題でございまして、銀行同士もかなり競争が厳しゅうございます。新聞なんかでも見たように、大蔵省の指導に反して利息をつけたとかどうとかいうぐらいに預金競争は激しいと。そういうことでありますから、私は法外もなくまあ手数料を倍に一斉に上げようなんということはあり得ないと、そう考えております。ただ、人件費が上がったりなんかいたしますと銀行も利ざやが非常に少なくなっておりますから、あるいは多少のコストによっては上げざるを得ないと、しかし、倍にもなるなんというふうには考えておりません。
○穐山篤君 まあ本件はまだいついつ幾日から上げるということが発表にはなっていませんので、前広に申し上げてそれぞれの責任官庁で十分期待に沿っていただけるような措置を講じてもらいたいということを申し上げておきたいと思います。
 さて、時間がありませんので、最後に手数料という意味でこれまた申し上げるわけですが、政策金融機関の業務委託の手数料というものがございます。まあたくさんありますけれども、ちょっと申し上げておきたいと思うんです。
 五十四年度の実績で、国民金融公庫は他の銀行あるいは金庫などに業務委託をしているわけですが、七十六億円委託料を払っています。住宅金融公庫は三百十三億円、農林漁業金融公庫は百五十億円、中小企業金融公庫は二百二十二億円、医療金融公庫は三十二億円、環境衛生金融公庫は百十九億円の委託料を払っておりまして、概算で約一千億円の委託手数料であります。この手数料につきましての根拠はそれぞれの公庫法に書かれております。それから、手数料の支払いにつきましては、業務示方書に記載がされておりまして、ただし、それはほとんど別に定めるとか別表のとおりとかそういうふうに書かれておりまして、すべての中身が十分にわかりません。それぞれのところからいただいて計算をする以外に方法がないんです。
 そこで、少し申し上げますが、国民金融公庫は昭和五十四年度末の貸付残高で計算をしますと、直接貸し付けが八八%、代理貸し付けが一一・九%となっています。それから住宅金融公庫は、同じく五十四年度末貸付残高が、直接貸し付けは〇・三%、代理貸し付けが九九・七%。それから農林漁業金融公庫につきましては、同じく直接貸し付けが三五・八%、代理貸し付けは六四・二%。中小企業金融公庫は、直接貸し付けが五九・八%、代理貸し付けは四〇・二%。それから環境衛生金融公庫は、直接貸し付けはゼロ、代理貸し付けが一〇〇%。大体そういうふうな数字が五十四年度末で出ているわけです。
 そこで、先ほど申し上げましたように、この手数料につきましてはそれぞれの公庫法、並びに支払いにつきましては業務示方書に書かれておりますけれども、非常に貸し付けの中身が違いますからまちまちであることはやむを得ないと思いますが、非常に権衡がとれていないという問題点が一つあります。それから実際に業務委託をしましても、受託の銀行が同じテーブルの人が判こを押すだけでも――判こを押すだけですよ、それでも何万円も取られてしまう手数料も、払わなきゃならないという手数料もある。こういう現実も明らかになりました。それから代理貸し付け専門に近いのがありますね。本来の銀行業務、公庫業務というものの性格に照らしてみて、非常に問題の多いものが散見をされるわけです。
 そこで、一つは大蔵省にお伺いをいたしますが、これは公庫がそれぞれの主務大臣を通して、最終的には大蔵大臣が予算なりあるいは業務計画を承認をする、しないの責任大臣になっているわけです。そこで、手数料問題について、この種の業務委託の手数料についてどういうふうにお考えであるのか。
 それから大蔵省と行政管理庁にお伺いをしますが、まあ直接貸し付けが行われることが一番望ましいわけです。しかし支店その他の状況から考えてみて、業務委託をすることはやむを得ないと思いますが、ほとんど一〇〇%に近いような業務委託という公庫というものの性格についてどういうふうにお考えになるのか。
 それから、政策金融の機関につきましては輸出入銀行、開発銀行含めて数たくさんあるわけですが、これは行政改革ではどういうふうな検討を行われるつもりであるのか。その点をまとめてひとつお伺いをしておきます。
○政府委員(吉田正輝君) 最初に業務委託手数料についてどう考えておるかという御指摘でございます。それにつきましては、先生も御指摘ございましたとおり、私どもで監督している中でそういう業務委託をやっておりますのは七つほどの公庫になると思いますけれども、これはいろいろまちまちの業務形態を営んでおりますし、貸付対象もまたまちまちである。それから委託の形もまちまちである。たとえば貸付決定権が代理店にあるもの、貸付決定権が公庫にあるもの、それから一部代理店にあるもの。それから貸付対象が細かいもの、あるいは大規模なもの。それから、その場合に代理店が代理貸しをいたしましたときに、たとえば貸し倒れがありましたときに保証する責任度合いなどもかなり軽重がございます。それはそれなりに経緯と沿革と理由があるわけでございますけれども、私どもといたしましては、やはり先生御指摘のとおり、この業務委託手数料というのはなるべく低くしなければいけないという考え方はございます。ただ一方におきまして、この業務委託ということは全国津々浦々にございます各種の金融機関を使いまして政策金融を十分に浸透させていくという意味合いでは、店舗なり人員の節約ということなりもございますし、それから政策金融全体が全国に及ぶという意味でもそれなりの意味を持っておりますし、やはり民間の金融機関も私企業でございますので、ある程度は手数料というもの、コストがなければその政策金融に協力しないという問題もございます。多様な金庫、多様な業種という点ではいろいろの、御指摘のとおり大変複雑な問題で、一概には言い切れないと思いますけれども、絶えずきめ細かい見直しを行っておることも事実でございまして、五十年度以降で見ますと、各機関ともほぼ二度にわたってそれぞれ一〇%程度の引き下げを行っています。先生御指摘のとおり、総額で申しますと大変な額になるわけでございますけれども、個別の案件についての手数料、つまり単価は下げておるのが、最近でも大体二〇%――一〇%ずつ二回下げておりますが、貸付件数がふえてきておりますので、その総額自体はふえておるような実態でございます。ただ、そういうようなことで、きめ細かい点で予算なり何なりを通じて見ていく、あるいは行政指導を通じて見ていくということは今後とも必要と思いますが、ただいま私が申しましたように、いろいろの問題はあることはあるわけでございます。
 それから、直貸しの問題でございますが、ほとんどその業務委託を各金融機関に任せているものがあるということでございます。先ほど御指摘のとおり、たとえば環境衛生金融公庫はほとんど一〇〇%に近いような代理貸しを行っているわけでございますけれども、環境衛生――たとえばその例で申し上げさせていただきますと約三千億でございます。その三千億を全国の環境衛生業者にくまなくやるといたしますと、民間金融機関でも三千億の金融機関というのはそれほど大きな規模ではございません。それが全国に各支店を持ってやるということは、かえって人員や支店の設置等の面で一挙にそういうことがいいのかどうかという問題がございます。
 それに関連いたしますと、第三番目に御指摘になりました政策金融機関、今後その行革を通じてどういうふうに考えていくかということでございますが、ただいま私が申し上げたようないろいろの問題点がございますし、それぞれその設立につきましてはそのときの存在意義を確認しながら法律を通じて設立されたものでございますから、やはりその存在意義なり何なりが今後、多いろいろの角度から検討されるべきものであって、ただいま私の大蔵省だけでこういう問題について発言することにつきましては、やはり慎重にならざるを得ないというふうに考えておるわけでございます。
○説明員(八木俊道君) お尋ねの点、二点ございましたと思いますが、第一点は業務運営のいわば効率化と申しますか、事業コストの問題といった点であろうかと存じます。
 直接貸し付けあるいは代理貸し付けの問題、また委託手数料の問題等でございますが、この種の問題につきましては先生御指摘のとおり、各政策金融機関の業務の性格、貸付対象の特徴等もございまして、さまざまな独自性があるわけでございまして、かつ所管省の重要な行政手段とされている、こういうことでございます。かつそれぞれいわばある程度独立的な判断を行い得る一つの法人格を有しているわけでございまして、私どもといたしましてはもちろん無関心ではないわけでありますが、行政サービスが最も安いコストで供給されるという角度から、事業のためのコストは極力安い体制であるべきであるというふうに考えますけれども、所管省あるいは関係機関とも十分御相談をいたしながら、今後勉強をさせていただきたいと思っております。
 で、第二点は、政策金融機関のあり方の問題でございます。というよりむしろこの問題は、ある意味でわが国におきますいろいろな特殊法人制度の共通の問題かとも存ずるわけでございますが、どの程度にその政策金融機関等特殊法人の機能を細かく分けていくのがよいのか、どの程度に専門化させていくのがよいのかといった基本問題がこの背景にはあろうかと思うわけでございます。もちろん行政改革のかなり大事なテーマであるという感じはいたしておるわけでございまして、今後各方面の御論議、関係省の御意見なども十分伺いながら、全体的な勉強をさせていただきたいと思っております。
○穐山篤君 最後のところですね、第二臨調なり行政改革の審査の対象には本件は入っているんですか。
○説明員(八木俊道君) 目下のところ重要な制度問題につきましては、委員御指摘の第二次臨時行政調査会におきまして、制度問題をいろいろ論議する体制でございます。
 去る四月の十七日に、一応基本的な検討課題を定めてございますが、その中には政府関係のいろんな機関の問題、特殊法人制度その他のまあいわば官業と申しますか、政府が独立の人格を設定をいたしまして経営する事業のあり方の問題を御論議をいただくことになっております。その中でどんな御議論の展開になるか、これは今後の第二臨調における論議の帰趨を待たないと何とも申し上げられないというところでございます。もちろん除外しておるという問題はございません。
○多田省吾君 私は初めに、この手数料改定のあり方について若干御質問をいたします。
 手数料の改定につきましては、前回昭和五十三年に三十七法律、二百二十二項目にわたって引き上げられたわけでございます。引き続いて今回三十四法律、二五二十一項目にわたって改正案が提出をされているわけでございます。
 で、昭和五十三年以前は個々の法律ごとに改正していたわけでございますが、前回の五十三年と今回の五十六年度におきましては一括提案しております。その理由は那辺にありますか。
○政府委員(西垣昭君) 各種手数料等の金額につきましては、当該手数料等に係る行政事務に関する個別法で決められているものでございますので、その改定は原則といたしましてその他の条項と同じようにそれぞれ個別法の改正によって行われるのが原則でございます。
 しかしながら、前回五十三年と今回の各種手数料等の改定は、法律で規定されております手数料等につきまして全般的な見直しを行いまして、経済事情の変化等に伴いその引き上げを図る必要があるものにつきまして、費用負担の適正化を図ろうとするものでございます。いわばこのように既存の手数料等の法定額あるいは限度額をいわば単純に行政コスト等に見合う額に改定することだけを目的とするものでございますので、手数料改定の一括法の形で統一的な国会の御審議をお願いするということが最も適当であるというふうに考えまして、一括法の形で提出したものでございます。
○多田省吾君 で、この手数料に関しましては、法令二百二十二件ある。で、法律は五十四件で二四%だ。他の百六十八件は政令、省令等であると答弁なさっておりますが、その政令、省令及び告示等、それぞれ何件なのかお答えいただきたい、
○政府委員(西垣昭君) 法律が五十四件、政令が五十二件、省令が五十二件、告示で定められているものが六十四件でございまして、これらを合計いたしますと二百二十二件でございます。
○多田省吾君 で、いわゆる法律あるいは政令、省令にゆだねる基準でございますけれども、五十三年の審議の際、当時の山口主計局次長は課徴金的な性格の強いものは法律でやって、その濃淡に従って、法律、政令、省令、告示等になるんだが、まあケース・パイ・ケースで各省の御都合でやると、こういうような答弁をなさっております。今回は吉野主計局次長の御答弁を、衆議院あるいは本委員会等の御答弁をお聞きしておりますと、まあ法律による規制の仕方が強い方、まあ強制性の度合いによって法律あるいは政令、省令になっている。しかし各省ごとには統一的には説明できないんだと、こう答弁なさっております。やはり統一的に説明できないというところにこの基準というものがはっきりしないんじゃないか、このように思います。
 先ほども質疑がございましたけれども、やはり五十三年当時の衆参大蔵委員会の附帯決議もあるわけでございますから、この法律、政令等にゆだねる基準については整合性を図る努力を今回までもしなければならなかったし、今後もやはり努力する必要があると思います。で、この次はどうなるかわかりませんけれども、近い将来に大蔵省あるいは行管庁が中心となって改善できるのかどうかですね。改善するお考えがあるのか、またいつごろまでに改善できるのか、行管守及び最後に大臣に御決意のほどをひとつお伺いしておきたいと思います。
○政府委員(西垣昭君) 五十三年の一括法審議の際に、法律で定めるべきか政令で定めるべきかといったような法形式の統一的基準を明確にするようにという趣旨の決議がございました。これを受けまして私ども検討を進めているわけでございまして、その後個別法の改正のチャンスがありましたときに、その御趣旨に沿った改正をしている例が二つございます。一つが司法書士法でございますし、一つが薬事法でございます。それからさらに昨年の十二月の閣議決定におきまして、行政改革の一環といたしまして、法律制度等の統一的整序ということで、手数料等につきましてもどういう基準でもって、法律で定めるかあるいは政令以下に委任するかというふうなことにつきましても検討を進めていくということが決められておりまして、私どもはその方向で努力をしたいというふうに考えておるところでございます。
○説明員(八木俊道君) 法令整理の一環といたしまして、法令の統一的整序の問題の一つの検討項目として手数料の問題を取り上げておりますわけでございますが、昭和五十四年の九月の十九日に行政改革本部の決定によって、検査、検定、試験、その他に係る各種手数料で、手数料の金額またはその上限の額が法定されているものについては実費を勘案して政令に委任する等の方向で検討すると、こういうことになっておりますわけでございますが、目下の法令整理の作業といたしますと、今国会に、これは内閣委員会に御提出を申し上げているわけでございますが、三百三十六件ほどの法律改正をお願いをいたしておりますが、この中には、実は入るに至っておりません。目下検討中の段階でございます。法令整理の一環としての法令の統一的整序の問題として引き続き検討させていただきたいと考えております。
○国務大臣(渡辺美智雄君) ただいま両事務当局から答弁があったとおりでございますので、鋭意附帯決議の趣旨に沿ってなるべく簡略化するように進めてまいりたいと存じます。
○多田省吾君 私はやはりこれは早急にやっていただく必要がある、このように考えます。
 前回の改正時点では長期に改正していなかったものがかなり占めておりました。前回五十三年の改正時に大蔵省がまとめた三十七法律の主なものを一覧表で見ますと、その旧法定額設定年を見ますと、昭和二十年代が十六件、昭和三十年代が八件、昭和四十年代が十件、残り三件が昭和五十年となっております。やはりこれは以前からの経緯を見ませんとわかりにくいものですから、調べてみたわけですが、このことから考えますと、昭和五十三年の改正時点以前におきましては、行政コスト、また消費者物価動向による調整はほとんど行わなかったということが言えると思うんです。そして昭和五十三年改正時に、三倍から四倍あるいは十倍上げたものもあるわけでございますが、その五十三年改正時点以前に調整を行わなかった理由というものはどうなんですか。
○政府委員(西垣昭君) いま御指摘のとおりでございまして、各種手数料等の中で法律で限度額が定められ、あるいは限度額が定められないままで具体的単価が政、省令に委任されているものにつきましては、昭和四十一年度、それから昭和五十年に全般的に見直しを行っておりますし、そのほかでも毎年度必要に応じまして適宜改定を行って、できる限りその適正化を図ってきたところでございます。
 ところで、法律で単価が定められている手数料等につきましては、手数料だけの改定というのはなかなか困難でございまして、手数料の改定はどうしても個別法のその他の改正の機会ということにならざるを得なかったというような事情がございまして、相当期間単価が据え置かれている、そういう結果になったということは御指摘のとおりでございます。そういったことで、五十三年度予算編成に当たって歳入歳出の両面にわたる徹底的な見直しを行うこととし、その一環といたしまして、すべての手数料につきまして費用負担の公正の見地から行政コストを勘案いたしまして、統一的に全般的な見直しを行うということで一括法という形式で御審議をお願いしたわけでございますが、今回も同じようにそういったことで御審議をお願いした次第でございます。私どもといたしましては、できる限り適時適切な改定ということで、従来のように長年にわたって現実と乖離したような手数料率がそのまま残されるというようなことのないように努めてまいりたいというふうに考えております。
○多田省吾君 私は、やはり昭和五十三年以前は手数料収入が大したことがないということで注目を浴びなかったものだと思います。しかし、最近の財政事情からそうばかり言っておれない、財源あさりの一つとして浮かび上がってきたのが実態ではないかと思うわけでございます。
 今後の考え方といたしまして、各種手数料等におきまして、行政コストまた物価動向に応じて今後も何年か置きに改定していく方針があるのかどうか。
○政府委員(西垣昭君) 御指摘のとおりでございまして、行政コストの増加に見合いまして費用負損の適正化を図るということは当然必要なことでございますので、今後とも適時適切な見直しを行っていきたいというふうに考えます。
○多田省吾君 そうしますと、五十三年度または今年度と一括提案方式のやり方を慣習化させておりますけれども、本来ならば費用負担の適正化ということであくまでも個々の法律ごとの改正を基本方針とすべきではないかと思いますが、やはり今後の改定方式はこのような一括提案方式をとる意向なんですか。
○政府委員(西垣昭君) 手数料につきましては、個々の制度に密着しているものでございますから、本来原則的には個別法の改正審議という過程で検討さるべきものだと思うんでございますが、五十三年度それから今回、いずれも共通の目的に基づきまして統一的な観点から見直しを行うということで一括して御審議をいただいているわけでございまして、同じような事情がございましたらばまた一括法という形で御審議を願うということになろうかと思いますけれども、他方、手数料等の金額の定め方につきまして先ほど来御論議がありましたように、法令整序の観点からその整合性について検討を行っているところでございますので、その検討結果も踏まえて適切に対応していくということになろうかと存じます。
○多田省吾君 一部の観測では、大蔵省は三年ごとに見直しをしていくのではないかということが言われておりますが、そしてこれもかなり具体的な話として言われておりますけれども、そのような事実があるんですか。
○政府委員(西垣昭君) 先ほども申し上げましたように、適時適切な見直しが必要だと存じておりますけれども、三年というふうに初めから決めてかかっているわけじゃございません。
○多田省吾君 手数料等の収入額の推移でございますが、当然資料があると思いますが、昭和四十九年ごろから五十四年ごろまではこれは決算額で出ていると思います。昭和五十五年度、五十六年度は予算額しか出ないと思いますが、とにかく昭和四十九年度からの手数料等の収入額の推移をお知らせいただきたい。
○政府委員(西垣昭君) 手元に五十四年度までの実績額がございますのでそれを申し上げますが、一般会計、特別会計合わせまして、五十年度が五百八十三億円、五十一年度が六百九十二億円、五十二年度が八百二十一億円、五十三年度が九百九十八億円、五十四年度が一千六十二億円でございまして、五十六年度改定後の見積額は千三百二十三億円でございます。
○多田省吾君 五十五年度の予算額は出ませんか。
○政府委員(西垣昭君) 千二百六十五億円でございます。
○多田省吾君 五十六年度の改定前の見積もりはどの程度ですか。
○政府委員(西垣昭君) 千二百五十七億円でございます。
○多田省吾君 一つには、確定額五十年度から五十四年度まで見ますと、五十三年度に大改定されておりますから、五十年から五十一年までが百九億円増と、五十一年から五十二年度は百二十九億円増と、五十三年度は一挙に百七十七億円増と、五十四年度は六十億円増となっております。ところが五十五年度、五十六年度は予算額ではありますけれども、五十五年度の予算額が千二百六十五億円で五十六年度の予算額が千二百五十七億円と、なぜ改正がない年でも百億円ぐらいずつ伸びているのに五十五年度から五十六年度は逆に八億円、予算額であろうとも減っているのはどういうわけですか。
○政府委員(西垣昭君) 手数料等の中にはきわめて多岐にわたりましていろんな種類のものが入っておりますので、十分に分析しないと正確なことは申し上げられないと思うんですが、予定よりもたとえば件数が減っているとか、そういったような事情が重なっていまのような結果になっているのかと思います。たとえば司法試験の受験者数につきましても、前回の改定のときと今回とはたしか受験者数が減っているというような結果も出ておりまして、これは一つ一つその手数料の対象になります行政行為の推移を洗ってみなければそこのところははっきりしたことは申し上げられないと存じます。
○多田省吾君 いま落としましたけれども、五十四年度の決算額と五十五年度の予算額の間にも二百三億円という大幅な伸びがあるわけですね。ところが五十五年度と五十六年度の間は逆にマイナスになっていると。改定してやっと、それもわずか三十数億円伸びているにすぎない、今度の増収額が四十一億円と見込まれておりますから、そうなるわけですが。この辺の数字見ますと、どうも五十六年度の収入額を低く見積もり過ぎているのではないかというような気がしてならないわけです。毎年普通の年でも百億円増、それから五十三年度改定されたときは百七十七億円増、しかも五十四年度から五十五年度、これは決算、予算の違いこそあれ二百三億円増となっているのに、なぜ五十五年度から五十六年度逆にマイナス八億円になっているのか。その辺どうもわからない。
 それからもう一点は、五十三年当時大蔵省の資料によりますと、この手数料の収入額の推移としていまは五十年度が五百八十三億円とおっしゃいましたけれども、五十三年当時の資料では五百七十七億円。それから五十一年も、いまは六百九十二億円とおっしゃいましたが、五十三年当時の資料は六百八十三億円。決算は、五十三年度における決算は五十一年までしか出ておりませんからあれですが、この辺の食い違いはどうしてあらわれたんですか。
○政府委員(西垣昭君) 私の手元には実績の数字しかございませんので、実績を申し上げたわけでございますけれども、いま違った数字が出ているという、その違ったものというのはあるいはある時点での見込みではなかったんだろうかというふうに思います。
 それから、先ほどの手数料の収入が思ったより伸びてないという事情でございますけれども、これは数字をもう少し当たらなければわかりませんが、手数料収入の中でかなり大きなウエートを特許手数料が占めておりますが、特許手数料につきまして見込みほど伸びてないといったような事情がかなり大きく働いているようでございます。
○多田省吾君 先ほどのは大蔵省調査による決算額、昭和五十一年までの決算額となっておりますから予想ではないと思うんですが、この辺は私の方も調べてみますけれども、当局でもお調べをいただきたいと思います。
 それから、大蔵省は今回の改定に際しまして、各省庁に対して行政コストとそれから物価動向などの算定方法、またそれに基づく金額の設定をどのように指示されたのか、具体的にお伺いしたいと思います。
○政府委員(西垣昭君) 繰り返しになりますけれども、各種手数料等は特定人のためにする国の事務あるいはサービスに対する反対給付として徴収するものでございまして、今回の改定に当たりましても、それぞれ個々の単価につきまして行政コストを勘案して適正な単価を算出いたしまして、その額によることを基本としているわけでございます。そこで、行政コストにつきまして統一的に計算をしてもらうという必要がございまして、各省に対しましては、人件費につきましては五十五年度の人事院勧告後の額によって算出するようにと、また物件費につきましては五十五年度予算額により算出するように指示をいたしたところでございます。
○多田省吾君 それから、各種手数料の中でも司法試験受験手数料、あるいは通訳案内業受験手数料ですか、そういうものは個人で負担するものだと思いますが、また各種製造免許許可手数料、このような法人で負担するものもあると思います。法人の中でも中小零細企業が対象となるものもいろいろあると思います。その点の政策的な配慮がなされたのかどうかお伺いしたいと思います。
○政府委員(西垣昭君) 先ほど来御説明しておりますように、基本的な考え方といたしましては、行政事務あるいはサービスの反対給付を徴収するという手数料の性質にかんがみまして、その行政コストの実費を原則として手数料といたしているところでございますけれども、公共性あるいは公益性など特別の政策目的というものも手数料の中で大きな意味を占めておりますので、手数料等の金額を行政コスト以下に設定しているものもございます。
 で、その主なものといたしましては、社会通信教育認定手数料でございますとか、農薬登録手数料、電気工作物使用前検査手数量等でございます。
○多田省吾君 この手数料のあり方についてもう一問御質問いたしますけれども、金額決定の際の行政コスト主義というものは、一面では大変合理的のように思いますけれども、人件費あるいは物件費といってもその携わった職員の人数あるいは時間というものも非常に流動的でございます。したがいまして、大蔵省としましては、それぞれの担当省庁ではじかれる数字を単に決定するのではなくて、もっときめの細かい配慮をしていく必要があると思いますが、その点はどうですか。
○政府委員(西垣昭君) これはもう御指摘のとおりでございまして、実質的にバランスのとれたものでなければならないということでございます。したがいまして、予算の組み方等につきましては、その性格によっていろいろございますけれども、実質的にバランスがとれているようにということで、私ども手数料の設定に当たりましてはそのバランスの確保に十分努めているところでございます。なお今後とも一層そのバランスがとれるように、あるいは積算方法の合理化につきましても努力する余地があればそれを詰めていきたいというように考えております。
○多田省吾君 また、今回は平均一七・五%の値上げとなっておりますけれども、将来、今後このペースで上昇いたしますと将来はかなりの金額になってまいると思います。そうしますと、行政上また新たな問題が出てくるのではないかと思われます。行政コスト主義、また物価動向による改定というものが今後将来にわたって実情に合わなくなってくる可能性があるのではないかと思いますが、その点はどうですか。
○政府委員(西垣昭君) 御指摘のような問題がないこともないと思いますけれども、私どもといたしましては、行政コスト、これは合理化を通じましてできるだけの努力をして、引き下げるように努力をしながらも費用負担の公正という見地から、やっぱり適正な負担はしていただくという形で臨むべきではないかというように考えております。
○多田省吾君 具体的な項目で二、三お伺いいたしますが、この三十四法律の中で、一つは行政コストによって算定されたもの、もう一つは物価動向によって主に算定されたもの、両方あると思いますが、それぞれの数と代表的なものを挙げられれば挙げていただきたい。
○政府委員(西垣昭君) 先ほど来申し上げておりますように、行政コストを算定いたしまして、その適正な金額によるのが基本的な考え方でございます。ただ、その例外といたしまして、たとえば特許関係の四法につきまして特権付与の対価という性格から、従来からもそのコスト以上の手数料ということに設定されておりますので、これらのものにつきましては、物価上昇率によって計算をいたしております。それから、政策目的で行政コストによる積算を行いながらも、それを下回るところで手数料の水準を決めるというものもございまして、たとえば社会教育法、種苗法、農薬取締法関係の手数料、そういったものにつきましては、行政コストによる積算は行っておりますけれども、それを下回るところで手数料の単価を決定いたしております。
○多田省吾君 いまおっしゃった行政コストを基本的なものとしながらも、例外として主に物価動向によって算定されたもの、これが特許関係四本だとおっしゃいましたが、この特許関係四本のそれぞれの法律と、それから五十六年度におきましてどの程度収益が増収されるのか、それぞれおっしゃっていただきたい。
○政府委員(西垣昭君) 特許法に基づきます特許料、出願手数料等これが一つでございます。それから実用新案法に基づきます登録料、出願手数料等、それから同じように意匠法、商標法につきましても登録料、出願手数料等がございます。
 で、特許法に基づきます手数料の改定後の見積額は九十七億一千三百万、実用新案法の手数料の改定後の見積額が四十七億四千七百万、意匠法の手数料の改定見積額が十三億二千七百万、商標法の改定見積額が四十九億四千九百万でございます。
○多田省吾君 ですから、その四法律におきまして、昭和五十六年度の改定後の増収額をそれぞれおっしゃっていただきたい。
○政府委員(西垣昭君) 各法律の改定後の増収額を順に申し上げますと、特許法が十二億五千九百万、実用新案法が六億八千四百万、意匠法が一億九千八百万、商標法が六億二千三百万でございます。
○多田省吾君 そうしますと、この四法案の増収見積もりは約二十八億円となりまして、四十一億円の増収額のうちのほぼ七〇%弱を占めるということになりますと非常に大きいものだと思います。
 で、この物価動向による特許料、登録料の手数料算定についての今回の考え方について要点だけ御説明いただきたい。
○政府委員(西垣昭君) 先ほども申し上げましたように、これらの法律に基づく手数料は特許等の特権付与の対価といった性格でございまして、従来から実費を上回るものが納付されているわけでございまして、したがいまして、実費主義という考え方をとりませんで、従来から物価上昇率によるということでございますので、今回もそれに従ったわけでございます。
 ちなみに特許庁の歳入歳出の決算額を申し上げますと、五十四年度、歳出百七十億八千二百万に対しまして歳入は百七十三億九千四百万に上っております。
○多田省吾君 私は、この特許料とか登録料というものは手数料の性格が、行政コストというよりもむしろ権利維持のための料金であると、このように考えております。したがって、この特許料あるいは登録料なんかの手数料改定を物価動向、すなわちCPIのみで算定するということは非常に妥当性を欠くのではないかと、このように思いますが、どうですか。
○政府委員(西垣昭君) 従来から物価上昇率を基準にして改定してきたところでございますけれども、いま言われたようなお考えももちろんあり得ると思います。今後の問題として私どもも検討させていただきたいと思います。
○多田省吾君 それから特許料の年金ですね。私もどういうわけで年金と言うのかと聞きましたら、一年ごとに徴収する意味だということでございますが、これが累進構造になっているのはどういうわけか、これに対して物価上昇率を一定に乗ずるとさらに格差が広がってしまいまして非常に不公平ではないかと思いますが、どういうわけですか。
○説明員(守屋一彦君) ただいま先生御指摘ございましたように、特許料あるいは実用新案登録料、こういったものにつきましては、権利期間が長くなるに従いまして増額されるという形式をとっております。これは、長期間存続いたします権利というものはそれだけ経済的価値も高いと考えられることによりまして、それに応じました負担ということをしていただこうという考え方に基づくものでございまして、これは単にわが国だけではございませんで、ほとんどの主要国におきましてもやはりこういった特許料あるいはその他の年金類につきましては累進構造をとっているところでございます。
 それからもう一点、この累進になっているものについて同じ上昇率を乗ずるということはむしろ不公平になるんではないかと、こういった御指摘かと思いますが、ただいまお答え申し上げましたように、こういった累進構造というものは長期間存続する権利ほど経済的価値が高くなるんだと、それに応じた負担をしていただくという考え方に立つものでございますので、こういった累進的な構造のもとでの料金改定というものは、定額でやってまいりますよりはむしろこれに一定の率を乗ずる改定方式ということで定率改定方式をとることによって、制度的に定着しております累進構造といいますか、累進の比率ということに変更を及ぼさないことが適当ではないかということから従来からこういった改定方式をとってきているところでございます。
○多田省吾君 私は、今回の改定で特に特許料が非常に増収されますので、お伺いするわけでございますが、特許出願の書類作成要領の資料もちょうだいいたしましたが、これを見ますと非常に複雑になっております。特許出願から設定登録までの手続が種々説明してありますけれども、これも非常に複雑でございます。一応個人で記入して申請される方のために工業所有権相談所という窓口もあるようでありますけれども、実際はほとんど弁理士に依頼しなければできないようになっております。これも非常に費用がかかるわけです。法人の場合はいいのですが、民間の発明家と言われる人たちは大変大きな負担になっております。またその上に、これらの附属機関に便乗の値上げの動きはないのかどうかお伺いしておきたい。
○説明員(守屋一彦君) 弁理士を代理人とする出願についての御質問でございますが、現在弁理士を代理人といたします出願というのは大体全出願件数の約八割ということになっておりまして、先生御指摘のようにかなりの割合を占めております。
 それで、弁理士の報酬でございますが、これは基本的には今回お願いいたしております特許料とか登録料、こういったものとは全く無関係に弁理士と依頼人との両当事者の間の合意で決められる、こういう形をとっているものでございますが、この場合、一般的には弁理士会というのがございまして、そこで特許事務報酬規程というものをつくっておりまして、これに基づきます標準額表というものを参考として決められているというのが実態であろうかと思います。そして、この特許事務標準額表というものは弁理士会の総会で定めておりますが、この改定につきましては、これまでもこういった特許料、登録料、こういった改正とは全く無関係に適当な間隔を置きまして、民間の給与上昇率あるいは消費者物価の上昇率、こういったものを勘案しながら行われてきておりまして、この特許料が上がったから、あるいは登録料が上がったからという形での便乗値上げといったようなおそれはないのではないかというふうに考えております。
○多田省吾君 この点は他の法律の担当省庁にも言えることでありますが、大蔵省は各省庁に対しまして、各種手数料の附属事務手数料の便乗値上げ等がないように徹底して監視されることを強く要望いたしまして、次の質問に入りたいと思います。
 これに関連いたしまして、最近数年の工業所有権出願の処理状況を、概略で結構ですから御報告いただきたいと思います、出願件数それから設定登録数それから要処理期間、この三つをお願いしたい。
○説明員(守屋一彦君) わが国におきます工業所有権の出願件数でございますが、これは依然として非常に高水準で推移いたしております。たとえば昨年度の特許、実用新案、この出願件数で御説明申し上げますと、昨年約三十九万件の出願が出ております。これを全部審査いたしますわけではございませんで、審査の対象となるものにつきましては審査請求というものをしていただくことになっておりますが、昨年度審査請求のございました件数で見ましても、約二十一万件という数に達しております。特許庁といたしましても、これに対しまして鋭意その処理に努めておるところでございますが、昨年度、処理の方でまいりますと、約二十二万件の処理を行うことができた次第でございます。
 いまだ過去からの未処理案件というものを約四十六万件抱えておりますので、先ほど先生の御質問にございました要処理期間というものを、処理能力と対比いたしましてこれを見てみますと、約二年二月分のストックを抱えているというような実情にあるわけでございます。
 登録件数につきましてこれを特許について見ますと、昨年度、約四万八千件の登録をいたしております。これは年によりまして多少の変動はございますが、大体四万四千件から四万九千件というところをこのところ推移いたしておりまして、登録の面では特に大きな問題はないのではないかと考えております。
○多田省吾君 この要処理期間でございますが、諸外国と比較してわが国の状況はどうですか。
○説明員(守屋一彦君) 各国との比較ということでございますが、これは実はそれぞれ法制を非常に異にいたしておりますので、単純な比較というものは非常に困難なわけでございます。たとえば出願件数について見ましても、日本の場合、たとえば五十四年の数字で見てみますと、特許、実用新案、これを両方合わせまして五十四年では三十六万件でございますが、この年の外国を見てみますと、アメリカは、これは実用新案制度ございませんので特許のみで約十万件でございまして、日本はアメリカの約三・五倍という数に上っております。西ドイツの場合は実用新案制度を持っておりますので、特許、実用新案合わせて九万件、これも西独と対比いたしますと、日本は三・九倍というようなことでございまして、出願件数が圧倒的に日本の場合多いというあたりにおきましてまず第一点に非常に大きな違いがございます。
 それから要処理期間がどうかという御指摘でございますが、なかなか正確な整合のできる統計等がございませんが、こういった出願件数あるいは審査対象件数が非常に多いということもございまして、わが国審査官の一人当たりの処理件数というのは国際水準よりはるかに高いところにあるかと思っておりますけれども、こういった出願件数が非常に多いというようなことから、これを処理能力に対比して見ますと、先ほど申し上げましたように、まだ残念ながら二年二月程度ということを申し上げたわけでございますが、諸外国とこれを単純な比較は非常に困難でございますが、私どもの一応の推計といたしましては、二年程度ということになりますれば、まずまず国際水準と言えるのではないかというふうに考えておりまして、あと一段の努力を重ねたいということでやっておるところでございます。
○多田省吾君 アメリカとは単純に比較できませんが、実用新案もないということで、しかしアメリカは二百日以内で処理されていると聞いております。要処理期間が日本の場合はまだ長いのではないか、手数料も相当増収するわけでございますから、私はやはり特許の問題に絡んでは迅速的確な権利付与というものが特許行政の大きな命題であると思いますので、そのため審査、審判の処理促進というものが大きく国民から要請されていると思います。もっと早くできるように対策を講ずべきだと思います。簡単にひとつ決意をお伺いしたい。
○説明員(守屋一彦君) ただいまおしかり、同時に御激励をいただいたわけでございますが、私どもといたしましても鋭意努力いたしておるところでございまして、実は三十年代、四十年代という時代に工業所有権出願が非常に増加の一途をたどったということで、四十四年に先ほど申し上げましたような計算方式で要処理期間が五年を超えるといったような実は事態になりまして、国会の方にもお願いいたしまして特許法、実用新案法の改正をいたしていただきまして、先ほど申し上げましたような審査請求制度というようなものを採用させていただいた、あるいはいろいろ関係方面のいろいろ御尽力をいただきまして審査官を増員していただいた、事務処理の機械化を実施したというようなことで、ようやく二年二月というところまで持ってきているわけでございますが、先生御指摘のようにまだまだ国際水準から見れば長いわけでございまして、今後ともこういった要処理期間を一日でもつづめられるようにということで機械化をさらに促進し、あるいは現在大手出願企業等に対しまして十分事前チェックをやって、不要な出願をできるだけ整理していただくようにというようなお願いもいたしているところでございまして、こういった諸施策を合わせることによりまして、先生からただいま御指摘いただきましたように、一日でも早く、少しでも審査期間を短くしていくということに努力いたしたいと考えております。
○多田省吾君 次に、手数料に関連いたしまして厚生省に、いわゆる障害年金、障害福祉年金などを申請する際の診断書の費用についてお伺いしたいと思います。総理府関係には傷病恩給なんかもありますけれども、本日は厚生省関係だけお伺いしておきたいと思います。
 これらの年金を申請する場合の診断書及び添付書類等の費用は一般的にどうなっているのか、また病気の種類によっては何枚も必要になるようでありますけれども、これらの点について要点を御説明いただきたい。
○説明員(阿藤正男君) いま御指摘のように、疾病の種類によりましては複数になることもございますが、障害年金、障害福祉年金におきまして、いずれも診断書を提出していただいて廃疾認定をするということになっております。
○多田省吾君 私は、前からこの点に関しまして多くの陳情も受けておるわけでございますが、民間病院等で診断書を作成しますと一つ当たりかなり高い金額を徴収されるようでございます。それらの苦情が相当数あるようでありますけれども、厚生省は把握しておられますか。
○説明員(阿藤正男君) 確かに御指摘のように、かなりその疾病の種類、したがって検査の質、量によりましては多額の費用を要するという場合もございますので、原則はこの受益者負担という観点から受給権者の負担になっておりますけれども、とりわけ一般的に低所得階層の多い障害福祉年金を中心としまして、できるだけこの費用の軽減を図るという観点から、国立病院その他身体障害者更正施設等におきましては、これを無料または低額にするように関係部局と協議しまして、制度創設以来そういった取り扱いをしているところでございますが、なお、障害年金につきましてもできるだけ比較的安い公的病院あるいはまあ、実は国年には巡回認定ということもございますので、こういったものを活用するように指導しているところでございます。
○多田省吾君 答弁の方が先に出ちゃったんですけれども、昭和三十四年の八月十九日に厚生省年金局長名で各都道府県あてに「障害福祉年全廃疾認定診断書の取り扱いについて」ということで通達を出されているわけでございますが、現在でも私は生きていると思うんですが、その点どうなのか。これはなぜ障害福祉年金に限定されたのか、またこの通達内容全般について実施状況はどうなのか。それからいまおっしゃったように、障害年金を申請したいけれども内部疾患のために幾つもの検査をしなければならない、その診断費用が高くて申請が出せないでいる、安くできるところを紹介してほしいというような訴えもあったわけでございますが、やはり先ほどの通達というものを早く障害年金の場合にも適用するように広げていただきたいと思うんですが、その辺どうなのか、ひとつ要点だけお答えいただきたいと思います。
○説明員(阿藤正男君) 御質問の一つは、これを障害年金にも拡大しないかというお話と思いますが、先ほど申し上げましたように、受益者負担という原則でその受給権者に負担していただくということにしておりますが、障害福祉年金について通牒で指導しておりますのは、先ほども申し上げましたように、一般的に所得制限以下の低所得階層であると、福祉年金は全般的に低所得階層であるという点に着目してそういう措置をしているわけでございますので、これを全体の障害年金に拡大する考え方はいまのところ持っておりません。
 ただ、先ほどお話のありました、たとえば主たる疾病と従たる疾病がございまして、通常はその主たる疾病について診断書を出してくるわけでございますが、従たる疾病についてなお不十分であるということで別個の診断書が必要であるという場合につきまして、もう一つの診断書を必要とする場合におきましては、国民年金の場合において申しますと、その追加を指示した診断書につきましては指定医療機関でその診察を受け診断書を作成していただくという前提で無料としております。
○多田省吾君 最後にこの点でお尋ねしたいと思います。
 障害福祉年金の場合はおっしゃるように通達で無料もしくは百円以下となっておりますけれども、障害年金の場合は受益者負担ということで大変お金がかかる。障害年金でも、たとえば国立病院における診断書なんかは費用について私はもう少し何とかできるんじゃないか。ところが障害年金の場合ですと、国立病院の場合も地元医師会等との取り決めで同じような金額になっているわけでございます。やはり国立病院は民間病院の指導的役割りを果たす立場にあるわけでございますから、医師会と一緒に同額の費用を取っているというのはちょっとおかしいように思う。やはり福祉的性格を持っているわけでございますから、せめて障害年金の場合でも国立病院だけでも低額でできることができないのかどうか、その辺をひとつ厚生省側に強く要望しておきたいと思います。
 以上で質問を終わりたいと思います。
○塩出啓典君 それではただいまから、いろいろ質問を聞いておりまして重複を避けまして二、三お尋ねをしたいと思います。
 まず、これは行政管理庁にお尋ねしたいわけでありますが、五十四年九月十九日の「各種法令の整理基準及び整理計画の立案について」と、その中で手数料の問題については先ほどの多田委員の質問に対して、手数料の金額またはその上限の額が法定されているものについては、実費を勘案して政令に委任する等の方向で検討すると、こういう行政改革本部の決定に対して、まだ余り検討が進んでいない、こういうようなお話であったわけでありますが、これはどうなんでしょうか、大体いつごろまでにとか、あるいはこういう方向でいまこういうところまで来ておるのだとか、そのあたりはどうなんでしょうかね。こういうものが出た以上は、ちゃんとやっぱりやっていかなければいかぬのではないかと思うんですが、その点どうでしょうか。
○説明員(八木俊道君) ただいまの点でございますが、当委員会の附帯決議あり閣議決定あり行政改革本部の作業方針もあるわけでございまして、そこで私どもといたしましては関係省と鋭意御相談をいたしながら問題点を詰めておるわけでございますが、昨年末までの状況で申しますと、何分、当該行政事務の性格でございますとか、あるいは許認可その他の制度の問題等の関連もございますし、また何せ対象案件が多数でもございまして、共通的な一つの統一的な整序のあり方をどうするかという、じみな、しかしながら、かなり基本的な問題でもございますので、法形式の問題でもございますので、実はなかなか政府部内において判断がまとまってきていないというのが正直なところでございます。省によりましてはあるいは手数料の性格によりましては、制度改正につきまして前向きな御感触のあるところもありますし、また大変慎重なところもあるということで、足並みがまだそろいかねているというところが実態でございまして、そこで昨年末からことしの初めにかけましてまとめました法令整理に関する一括法案ではついに成案を得るに至らなかった、こういうのが経過でございます。しかしながら、何分附帯決議あり閣議決定あり、かつ行政改革推進本部の作業方針もあるわけでございますから、かつただいまの御指摘でもございますので、今後鋭意努力をいたしたい、大蔵省、法制局その他所管の各省庁とも御相談をしながら詰めてまいりたいというふうに考えております。
○塩出啓典君 先ほどの行政改革推進本部決定の中では実費を勘案をしてという、こういうことできょうの委員会の御答弁でも今回の手数料の値上げは行政コストあるいは物価の動向により変更すると、こういうようなお話でありますが、しかしコストにしても実際はいろいろなコストがあると思うんですけれどもね。人件費だけなのかあるいは福利厚生まで入るのか、その人の住んでいる建物の減価償却も含めるのか。あるいはまた先ほどのお話ではコストよりもやっぱり安くしているのもあると。また特許の登録のようなものは単なる手数料ではなしに、それを登録することによって一つの権利が生ずると、そういうものの対価としてもらうものもぼくはあるんじゃないかと思うんですけれどもね。したがってそういうものを、結局これは行政管理庁あるいは大蔵省も関係すると思うんですが、将来は一つのルールというか、そういうものをはっきりさして、そして各法律で決めるんではなしにそういう一つの統一した理念に従って料金、手数料も決めていくと、こういう方向に行政管理庁あるいは大蔵省としても考えておるんだと、こう理解をしていいわけなんですかね。その点は大蔵省の方から先に。
○政府委員(西垣昭君) おっしゃるとおりでございます。手数料と一口に言いましても特権付与の対価であるようなものもございますし、課徴金的性格の強いようなものもございまして、御発言の中にもありましたようになかなかむずかしい問題でございますけれども、行政管理庁の方からお答えいたしましたように、私どもも行政管理庁とも協力をしながら検討を進めていきたいというふうに考えております。
 なお、前回の附帯決議以降私どももそれなりに努力はしておりまして、個々の根拠法の改定の際に附帯決議の御趣旨を尊重して政令委任をしたものが二件ございますことをここで重ねて申し上げておきます。
○説明員(八木俊道君) 行政管理庁といたしましても、ただいま大蔵省から御答弁ございましたように、この問題は大変じみではございますが、基本的に大事な問題だと考えておりまして、委員御指摘の手数料の決め方につきましてはいろいろな観点があることはそのとおりだと存じます。今後関係省とも十分相談をいたしながら問題点を煮詰めてまいりたいと考えております。
○塩出啓典君 これは大臣に御答弁をお願いしたいわけでありますが、こういう手数料の問題一つにしてもいろいろ各省の思惑等もありなかなか前に進まないわけでありますが、しかし一方では、国鉄の運賃までいま国会では決めていないわけですね。たばこの値上げはもう国会の決議から離れておるわけでありますが、ところがこの法案ではたとえば高圧ガス取締法の容器証明書書きかえ等手数料三百円を三百五十円にするとか、そういうようなことを国会で審議をする。けれども本当にわれわれがそういうものが妥当であるかどうかということは、これは非常に専門的なことでありまして、やっぱり大事なのは一つのルールというか、手数料というものはこういうルールで決めていくんだと、そのルールがいまははっきりしていない。むしろそれをはっきりさして、それをわれわれは国会で審議をして、後はそのルールに従ってやはり政令なり統一をした線でいくと、こういう方向に持っていくことが行政改革にもつながっていくんじゃないか。そういう意味で、これはひとつ大蔵大臣としてもそういう一つのことを進めることが行政の簡素化にもつながっていくんではないかと思いますし、そういう点をひとつぜひ早急に努力をしてもらいたい、この御意見を承っておきます。
○国務大臣(渡辺美智雄君) きちっとしたルールが何かできればいいんですが、常識的にはできるんですよね。しかしながら、理詰めでこう言われるというと、なかなかむずかしい問題が実際は出てくるんです。たとえば医師の免許登録税かな、医師免許登録税というようなものも何万円、医者になるような人は偉い人で収入も多いのだから、一生に一遍しか免許を取らないのだからかなり高くてもいいんじゃないかという議論が一方にあるかと思えば、それはもうそんなことを言ったって手数料と同じで、パスポートもらうと同じだけの手間しかかからないのだからそんなに高く取るのはおかしいじゃないかという議論も一方にある。そこでどっからも批判されない、本当にきちっとした科学的なルールができれば私は一番いいと思うんです。そこのところがなかなかいろいろ理屈があるというようなところで足踏みしておるわけですけれども、大まかな話で本当はこういうものは常識の問題ですから、大体おおよその見当をつけてルールをつくって、最高限度を何かどっかで歯どめをかけて、あとは政府にお任せをいただくというようなことですると非常に事務の簡素化になることは事実でございますし、大変いいことだと。したがってそういう勉強をもう少し詰めさしてひとつ大胆にやってみたらどうだと、大蔵省は大胆じゃないものですから、そういうところで国会で結局、非常に答弁に窮するようなことの事態を非常にこわがるわけです。したがってそういう勉強を始めたんです、実際は。始めたのだけれども、今度の国会までに踏ん切れなかった、裏話を申しますとそういうことのようでございます。しかしこれは皆さんのおっしゃることが私は本当にもっともだと思えますので、完全なものはできないかもしれませんが、御趣旨を体しまして極力――今回は国会これで通していただきまして、この次の改定までには何かもっと前進したものをつくるように努力をしてまいりたい、かように考えております。
○塩出啓典君 どこからも批判をされない、そういうものはなかなかあり得ないわけで、やっぱり料金を上げるとすれば喜ぶところと喜ばれぬところがあるし、下げてもやっぱり喜ぶところと喜ばないところがあるわけですから、そういう点はある程度国民の常識に近い線でやっぱりやっていく以外はないんじゃないかと思うんですが、そういう方向でひとつ努力をしていただきたい。
 それから次に、行政管理庁にお尋ねいたしますが、こういう手数料等が引き上げられる割りには行政サービスの方が一向に前進がない、こういう声が非常に多いわけであります。行政サービスの向上改善につきましては、昭和五十五年十二月二十九日の閣議決定、「今後における行政改革の推進について」そういう中にも「行政サービス改革の推進」という項目があるわけでありますが、その後の進捗状況、また今後の調査計画等御報告願いたいと思います。
○説明員(坂本佶三君) お答えいたします。
 先ほど先生から去年の十二月二十九日というお話がございましたが、実はややそれからさかのぼりまして昨年の九月十六日に「行政サービスの改革について」という閣議決定をいたしております。この行政サービスの改革につきましては、昨年私どもの大臣となられました中曽根大臣でございますけれども、中曽根大臣の御方針もございまして、行政サービスの改革というものを大きな行政改革の一環として取り上げられたわけでございます。
 それで、その内容を申し上げますと、各省庁の窓口行政を中心といたしました「行政サービスの画期的な改善を図る」、こういうことを主眼といたしまして、各省庁におきましては、たとえば窓口におきます「接遇態度の改善」それから「申請事案の処理の迅速化」あるいはその「窓口環境の整備」等々につきまして改善計画をつくりまして、それを強力に推進すると、こういうことにいたしたわけでございます。
 その実施状況を見ますと、各省庁におきまして改善計画がすでに策定されております。それから出先機関におきましても、おおむね一〇〇%に近い出先機関におきましてこの改善計画が策定されておると、そういう状況でございます。
 それで、実はこの閣議決定にもございますけれども、行政管理庁におきましてもこの各省庁の改善を推進するということにいたしておりまして、たとえば大臣が全国を行脚されるとか、あるいは行政管理庁におきまして行政サービスの評価調査、各省庁の改善状況につきましての側面から評価を行うと、こういったこともすることになっておりまして、その行政サービス評価調査につきましては、ことしの三月でございますけれども、行政管理庁が評価調査を実施しております。その結果、まだまとまっていないのでございますけれども、その結果あるいは各省庁の自主点検の状況等をまとめまして、近々閣議に報告いたしたいと、こういう方針で進んでおる次第でございます。
 以上でございます。
○塩出啓典君 こういう窓口サービスとか、こういうこともぜひひとつ推進をしてほしいわけですが、特に許認可事項が非常に多いという問題ですね。何か一万件ぐらいの許認可事項で、各省――運輸省が二千六百、通産省が千五百、大蔵省が千五百、農林水産省が千四百、厚生省が千百とか、こういうところが非常に多いようで、これも行政管理庁としてはできるだけ地方へ権限を移すとか、こういうように努力をされているやに承っておるわけでありますが、やっぱりこういうものはどんどん地方に譲るべきものは譲ると、思い切ってやっていかなくちゃいけないと、そういう点の進捗状況はどうなんでしょうか。
○説明員(坂本佶三君) お答えいたします。
 許認可の改善につきまして、ちょっと私どもの方の所管でございませんので、監察局の方からお答えさせることにいたします。
○説明員(塩路耕次君) お答え申し上げます。
 許認可等の整理につきましては、先生のお話の中にございました昨年十二月二十九日、「今後における行政改革の推進について」という閣議決定の中で、やはりこれの整理の推進ということを取り上げております。その中におきまして、各省庁におきます許認可等の総点検を行いまして、五十六年度以降おおむね二年間に手事項の廃止、統合、権限の委譲、規制の緩和、手続の簡素化等といった整理計画の立案をしていくということをこの閣議決定の中で取り上げておりまして、私ども行管の方で現在これを各省庁に働きかけまして、推進中ということでございます。
○塩出啓典君 それでは、時間が参りましたので、最後に「今後における行政改革の推進について」という、先ほど申しました十二月二十九日の閣議決定ですね、これに各省ごとに「行政事務・事業の整理、委譲」と、こういうことでたくさん載って、おりますが、非常にいいこと書いているし、もうぜひこれは早くやるべきだとわれわれも直接陳情を受けたり、これが非常にまたサービスにも向上になるわけなんですけれども、こういうものの全体的な進捗状況はどうなのか、それを承りたい。
 そうして、そういう問題にはひとつ全力を挙げて取り組んでもらいたい、早くやってもらいたい、いいことはね。そのことを後は要望して、質問を終わりたいと思います。
○説明員(八木俊道君) ただいま御指摘の「行政事務・事業の整理、委譲」でございますけれども、昨年の暮れに決めました行政改革の当面の方針の中の重要な要素でございまして、私ども従来国家公務員の定員の削減、合理化とか機構の整理、こういった形の面あるいは人員の面から入っていったわけでございますけれども、各省ともいろいろ御相談の結果、行政の実態的な内容をどう重点化するか、簡素化するか、この点がポイントであろうということで昨年の暮れ取り上げさしていただいたわけでございまして、目下この方針に沿いまして具体的にどういうやり方をやっていくか詰めているところでございまして、逐次予算とか定員配置等に反映させるという方向で一部実施に移しつつあるという段階でございます。今後とも鋭意努力をいたしてまいりたいと思っております。
○近藤忠孝君 この手数料法案につきましては、すでに各委員からも指摘がありましたけれども、私も基本的なことを申しますと、各手数料決定の基準に統一性がない、それから大きく性格の異なるものや影響を受ける対象の違うものを一律に実費主義で引き上げては問題であると思いますし、三番目には受益についての考え方の基準が明確でないと、こう思うんです。
 具体的に申しますと、引き上げに賛成できないもの、これはたとえば学校受験と同じような性格を持つ手数料、ですから不動産鑑定士、司法試験、電気、ガス主任技術者試験など、要するに受験者が一般個人であるものあるいは面接利益の対象とならない、こういうものについてはやっぱり引き上げすべきでないと思いますし、各種閲覧手数料も同じようなものだと思うんです。と同時に、もう一つ逆に今回の金額ではむしろ低過ぎるんじゃないかと、こう思うものがあるんですね。
 そこで、大蔵大臣に一つお伺いしますが、一番今回の手数料で金額の高いものが電気事業法の使用前検査、七十七万円から八十六万円と一番高くなるんです。大臣どうでしょうか、これは妥当な金額だとお考えになっておりますか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) これは実費主義と言ったらもっと取ったらいいじゃないかという御意見だと思いますがね、私もこれを見たときもっと取ったっていいんじゃないかと、この倍ぐらいかかっておるとかという話だから。ところが、こういう反対もあるわけですよ。要するに原子力を進めるというために国はいろんな補助金を出したりいろいろな融資をしたりして、いま助成しているんじゃないかと、片方で助成をしながら、片方で今度はよけいに金取るというのはおかしいという、これも理屈だ、確かにね。しかし、そう言ったって全体の中から見ればもうわずかな、本当にもうほこりみたいな話ですから、電気料全体の中から見ればもう少し実費くらいは上げたっていいじゃないかと、二つの議論があったわけです。そこで結局通産省と大蔵省の意見がなかなか折り合わないというようなところもあって、今回はそういうようないまエネルギーの強化という、原子力の推進という大きなにしきの御旗もありますから、そのような点でいろんな紆余曲折があった結果八十六万円になったということでございます。
○近藤忠孝君 そうしますと、大蔵省としてはもっと取りたかったけれども通産省がんばったためにこの金額に落ちついたと、こういうことなんでしょうか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) それは見方でございますが、両方で大体ここということになったんですから、まあ別に負けたわけでもありません。
○近藤忠孝君 ところでもう少し中身を聞いてみますと、電気事業の場合にはそういう公益性なども考えて計算された経費の七割を企業に手数料として負担させる。それから原子力発電の場合には五割だと聞いておるんですね。で、五割、七割、それなりの政策目的考えたんだと思うんですが、私はそれ自身も問題だと思うんですが、さらにもう一つ問題なのは、基礎になる計算が人件費というけれども、人の費用を全然考えないで要するに旅費だけだと、こう聞いておるんですね。その点は間違いないんですか。
○政府委員(西垣昭君) 原子力発電に関するものにつきましては、人件費を含めないで物件費が五〇%、比較のために申し上げますと、原子力関係以外のものにつきましては人件費も含めたコストが七〇%ということになっております。
○近藤忠孝君 ですから特に原子力の場合には本当に少ない。本当に実費とも言えないようなものだと思うんですね。
 そこで問題は、今回発生した敦賀の原子力発電所の事故の問題です。これは大蔵大臣、自分の所管事項じゃないと言うかもしれませんけれども、渡辺さんは将来総理大臣になるかもしれないと言われておる方ですから、そういう場合のことも考えまして、ひとつこの問題に関心持ってほしいんですが、大変な事故なんですね。
 幾つか例を申し上げますと、フィルター・スラッジ・タンクというところ、これは廃液を処理する場所なんですが、それを洗浄するために水をどんどん入れたんです。締め忘れましてあふれちゃったんですね。あふれたのをうまく処理する設備は確かにあるんです。幾つか何重かにありまして、しかし問題は、最後にまた同じタンクに入っちゃうんですよ。だからあふれたものを処理するのは同じなんですね。そして後どんどん入ってきますから、それで外へ行ってしまったというんです。
 そこで、これは通産省にお伺いしますが、これは当然原子炉規制法に基づく安全審査の対象となっておったと思うんです。そのときにこんないま言った機構上同じタンクに入ってきちゃうんですから、あふれるの決まっておるんですよ。別のタンク行くならわかるけれども、別のタンクじゃなくて同じタンクに入っていくわけ。こんなことがその審査の段階でわからなかったのか。わからなかったことが費用が足りないために十分な審査ができなかった、要するに手数料と関係するんですが、そういう問題があるかどうかひとつお伺いしたいと思うんです。
○説明員(逢坂国一君) 先生御指摘の敦賀の廃棄物の設備でございますが、一口に廃棄物処理施設と申しましてもいろんな種類のものがございます。先生御指摘のは、恐らくスラッジタンクの系統のことであろうかと思いますが、本件につきましては、原子炉等規制法の審査を受けております。もちろんそれから詳細設計以降の問題につきましては電気事業法の関係で規制を受けております。
 具体的に、じゃその系統についてどうであるかということでございますが、いまの詳細なところは現在では余りよくわかっておりませんが、いまの技術基準ではその辺を明確にしておりませんので、恐らくそこの部分については問題がなかったと判断されたものといまはわれわれは解釈してございます。
○近藤忠孝君 いま私が指摘した問題は、使用前検査以前の問題として最も厳格な原子炉等規制法に基づく安全審査、いわば事前の審査ですね。これは設計図だけ見れば、あふれたものはまたもとへ戻ってきちゃうということは素人が考えたってわかるようなこと。これを見過ごしたという点で、私は重大な問題だと思うんです。その点で、これは後の問題とも関係しますけれども、こういう面の審査基準をもっと厳格にすることが大事だと思うわけですし、その審査体制の強化が必要だと思うんです。
 それからもう一つ問題がありますが、今回のあふれた一つの理由は、第一次増設分、これがいま言ったフィルター・スラッジ・タンクですが、その横に第三回目の増設、それが洗たく廃液ろ過装置ですね、それを増設したときにその間に穴をあけてしまったと。いわゆるネズミ穴と言われていますね。それで、そこからあふれてしまったことが原因です。
 それからもう一つ、この第一回の増設のこれはかなり危険な場所ですが、そこからいま言った第三回目の増設の際に、出入り口をつくるために大変厚い壁をくり抜いて出入り口をつくったわけですね。こんなものが、これは使用前検査の際あるいはその前の段階で、そんなことの危険性が察知できなかったのかどうか。この点はどうですか。
○説明員(逢坂国一君) 先生御指摘の第三回の増設でございますが、これはランドリーのろ過装置というものでございまして、液体廃棄物処理系のうちで洗たくを終わりました水をろ過をしまして、ろ過槽を通じて放水口に放出するというものでございまして、これの増設が四十九年の六月に実施しているわけでございますが、今回の事故の調査の過程で、その間に、スラッジタンクとろ過装置の間に、先生御指摘のネズミ穴と称するものがあるということがわかったわけでございます。
 この工事をやりました、その第三回の工事計画の認可との関係でございますが、この第三回目の工事計画の認可は、ランドリーのろ過装置の移送ポンプでありますとかドレーンろ過槽の強度、容量、そういうものを審査したものでございまして、その壁についての貫通部分につきましての記載は一切ございませんでした。したがいまして、私どもいまから考えてみますと、この件については知り得なかったのではないかというふうに判断しております。
 今後この問題につきましては、この中間報告でも指摘してございますように、十分検討いたしまして、こういう漏れのないようにしていきたいというふうに考えております。
○近藤忠孝君 知り得なかったというのは、法律上要求されている検査対象からは知り得なかったということだけであって、現場へ行ってみれば、私ももう二回ばかりこの場所へ行って見てきたんですけれども、片やフィルター・スラッジ・タンクの場所はこんな厚い、もうこれは完璧なところですね。そこは穴をくり抜いてその次はきわめてもうやわな建物ね。そうなればこれはもう危険なのはわかっておるわけですよ。そんなことを見過ごしてしまったという、この検査体制に問題があると思うんですね。とてもこれ七十七万や八十六万どころのことじゃだめだということがもうはっきりしていると思います。
 そこで、もう一つお伺いしますが、せきがあればこの流出を防ぎ得たと思うんです。ところが、この第三回目のときにせきを設けてなかった。ただ、これはこの間の科技特での答弁によりますと、そのせきはその当時は法律上要求されてなかったというんですが、よく調べてみれば、それが一年たった後には設けなければいかぬということですね。となれば、実際使用前検査をやった立場から見れば、一年後にはそこに設けなければいかぬということが当然わかるはずです。これを見過ごしたのはどういうことですか。
○説明員(逢坂国一君) せきの問題につきましては、先生いま御指摘のとおりでございまして、五十年の十二月に技術基準を作成いたしました。これの認可が先ほど申しましたように四十九年六月でございますので、その時点では技術基準がなかったということで、工事計画の認可の段階では、この技術基準を適用しようにも技術基準がなかったわけですから、適用がなかったわけでございます。それから、しからば問題はその遡及といいましょうか、さかのぼり適用でございますが、その適用があったかどうかということでございまして、これはちょっと詳しくなるんでございますが、施設の中と施設の出入り口と分けてございまして、出入り口のところのせきは一年間の期間を置いて適用がある、しかし施設の中につきましては、既設の設備につきましては適用がないというふうに技術基準上なっておりまして、先生の御指摘のお話のランドリーろ過の入り口のところは、施設内のせきというふうに私ども考えておりまして、そういう意味では適用がなかったというふうに考えられます。
○近藤忠孝君 私はその点については、これは一般論、常識的に言っても、そんなのを見過ごしてしまうことが、法的な基準がなかったからといってもおかしいじゃないかということを指摘をして、その点は同意をいただいたと思うんですが、問題はそれほどいままでの基準が本当にこれは危険防止できないものだということがわかったんですね。
 そこで大蔵大臣、こいつもぜひ耳にとどめてほしいんですが、実際のいま言った、よく通産省が基準、基準と言いますけれども、審査対象の基準なるべきものの中に建屋そのものが入ってないんですよ。われわれ常識から言いますと、こういう厚い壁に囲まれているから安全だろうと、こう思うんですね。そしていままでの説明でも、絶対これは外へ出ないものだと、放射能は。それがよくずっと調べていきますと、その建屋の壁とかその他の構造自身は建築基準法上の対象になるけれども、電気事業法上の使用前検査の対象にならない、あるいはもっと厳格な原子炉規制法の審査対象にもならない、こういう状況なんですね。だから平気で穴をあけてしまったり、あるいはこんなでかい出入り口を、壁を割ってつくっちゃうんですよ。だからこういう点が、この問題の大変重要な点だということを私はどうしても指摘をしたいわけです。ですからこの点は、今回よく言われた一般排水路の上に廃棄物建屋を建ててしまったというこのミスと同じくらい重大な問題があると思うんです。
 そこで、通産省にお伺いしますが、今回の事故からどのようにこれを反省し、そしてこれからどのような検査体制で臨む方針か、その点をお伺いしたいと思います。
○説明員(平田辰一郎君) 先生御指摘のように、現在の審査、検査、それから運転管理についての行政につきましては、今回の敦賀の件にかんがみましても、今後十分その実情を究明した上でしかるべき措置を検討しなきゃならない課題が多かろうと考えております。今後その辺を十分検討した上で適切な処置をとりたいと考えております。
○近藤忠孝君 もうすでに一定の調査はしているわけですね。そしていまこの委員会では、その審査のための、あるいは検査のための手数料が妥当かどうかということを審議しているわけですから、その限りにおいていままでの調査の結果、かなり根本的な見直し、ですから審査並びに検査の対象についての範囲をずっと広げていくとか、たくさんあると思うんですけれども、その辺についてはこれはどうですか。
○説明員(平田辰一郎君) たとえば検査について申し上げますと、検査の手数料の算定は、標準的な検査工程を考慮して積算しているものでございまして、仮に今後多少の検査項目の追加はあると思いますが、この場合においても、その算定根拠に直ちに変動を与えるものでないというふうに考えております。
○近藤忠孝君 そうすると、検査対象あるいは審査対象に変動が出ないとなると、また同じような過ちを繰り返すおそれがあるんじゃないでしょうか。
○説明員(平田辰一郎君) いま申し上げましたように、算定は標準的な検査工程を考慮して積算しているものでございまして、仮に今後多少の検査項目の追加がございましても、直ちに算定根拠が大きく揺らぐというようなものではないというふうに考えております。
○近藤忠孝君 私聞いているのは、もっとその前の段階で、検査項目、審査対象がもっとふえる可能性があるだろう。たとえば私が先ほど指摘をした建屋そのものが審査対象になっているのかなってないのかわからない。なってないらしいんですね。そんな問題も含めてもっと抜本的な対応が必要だろうと、こう思うんですが、その点はどうですか。
○説明員(平田辰一郎君) 実際の検査は当該設備のみを検査するわけではございませんでして、検査の際は複数の機器のあるいは設備の検査を並行して行います。したがって、膨大な検査の中で本件に必要な改正あるいは所要の検査項目の追加がございましても、一応算定根拠に直ちに変動するような影響はないというふうに考えているわけでございます。
○近藤忠孝君 私の質問を先走って答弁してしまって、一番最後のところで、その人員でいいか悪いかというその点ばかり答えているんだけれども、それは最後の問題なんです。その前の段階で、いままでの中間調査の段階でいいけれども、あそこもやっておけばよかった、ここもやっておけばよかったと反省していると思うんですよ。課長が反省していなければこれは大変な話だからね。その点聞いているんだが、どうですか。
○説明員(平田辰一郎君) これまでの調査からかんがみまして、これは検査のみならず審査の問題にも通ずるわけでございます。現在の使用前検査は、審査対象の部分について、ものについて検査をしているわけでございますが、審査がふえればその分だけ検査もふえるということになるわけでございます。
○近藤忠孝君 ですから、私は審査や検査の対象がね、どうしてもふえざるを得ないんだと思うんです。そういう意味では、いまある法律及び政令、省令、これが問題だと思うんですよ。いままでその法律や省令に基づいて検査したけれども、そのとおりやったけれども間違いなかった、そのとおりやった以上のことは期待できなかったと、だから通産の責任はないんだと、これがいままでの一貫した答弁だったと思うんです。
 ところが問題は、法律ももちろんそうですけれども、大体省令というのはあなた方つくるわけだから、そうでしょう。自分でつくった省令が不十分なもので、そのとおりやったから間違いなかったと、こんなことではやっぱり世の中通らぬわけです。で今回こういう事故が起きてしまったわけですね。その点の反省があるのかないのか、これが私の質問の一番の趣旨なんです。
○説明員(平田辰一郎君) 先ほど申し上げましたように審査、検査は一貫している問題でございまして、審査対象項目につきましては、今回の件にかんがみ所要の手当てをしていくことを現在検討しているところでございます。
○近藤忠孝君 そこで、いよいよ最後の問題になりますけれども、先ほど八十六万円と申し上げたのは、新しく発電所をつくる場合の全体の金額なんですね。今回問題になった廃棄設備に係る工事、これは増設分です。その場合には、この手数料は何と二万八千円、わずか二万八千円なんです。通産の説明によると、そこだけじゃなくて、行った機会に全部やるのでなかなか金額は算定しづらいと、こう言うんですけれども、実際二万八千円ばかりじゃ、これはとても旅費の十分の一にもならぬと思うんですね。しかも先ほど来問題になっているとおり、原子力の場合には旅費だけで人件費一切がからぬです。だからこれを民間にやらせれば、恐らく数千万円かかると思うんです、民間に検査させればその人件費やその他含めましてね。それをわずか二万八千円。あるいは全体であっても八十六万円。ですからこれはきわめてアンバランスな状況だと思うんです。私はきょうは時間がないので、たった一例、しかもいま日本にとっては緊急の大問題になっておりますこの問題について、しかもこれだけ事故が起きてしまったこの反省に基づいて、特にこういう分野についてはもっともっと実態に合った査定や検査をしていくべきじゃないか、こう思うんですが、この点大蔵省はどうでしょうか。
○政府委員(西垣昭君) 先ほど大臣からお答え申し上げましたように、今回の改定に当たりましても、通産省とどうあるべきか、実費に見合って取るべきか従来どおりでいくべきかどうかずいぶん議論をいたしました。結論としては従来どおりの扱いにしたと。今後に当たりましても、当然今回と同様にどうあるべきかということを根っこから議論していく、その隣どうあるべきかということをそれまでの経緯にとらわれないでその時点で最も正しく結論を出したいというふうに考えております。
○近藤忠孝君 じゃ最後に大蔵大臣、いまのやりとりを聞いておりましても、これだけ事故が起きながら通産の方余り電力会社から手数料をたくさん取りたくないと先走って答弁しておるわけですから、それはもうありありしておると思うんですね。この点ではいま次長が言ったとおり、やっぱり実態に合って、しかも事故を起こさないような点を十分考えるべきだと思うんです。特に税金負担部分が多いということは国民が負担するわけですね。被害がもし発生すればそれも国民が負担すると、こういう問題があると思うんです。ですから、そのあたりについてひとつ大臣の御決意をお聞きしたいと思うんです。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 通産省で検査手数料が安いから検査を簡単にやっていくというわけでもないと思うんですよね。いっぱい取れば丹念にやるというわけでもないでしょう。ですけれども、あなたのおっしゃることももっともなことでもある。ですからこれは、ただ先ほど言ったように、エネルギーを原子力に変えようという大政策を一方でやっているという点等もあって従来どおりということにしたんだと思いますから、これが定着するということになれば当然実費程度のものは私は取るべきものではないか、そう思っております。特に、通産省の方も手数料が安いからといって――これは本気になってやってもらわなければ困りますから、一言申し上げておきます。
○三治重信君 手数料改正法案についてはもうたくさん質問されておりますので、別に新しく取り上げることもないかと思いますが、大蔵省につくっていただいた資料と今度改正される各手数料の中身との関係からいきますというと、五十三年に改正されて今度また改正するのがほとんどで、今度の改正の中に五十三年以前の改正の手数料というのは測量士の登録のやつが、二十四年に決められたやつが今度初めて改正する。それからあとは四十一年に六件、四十五年に二件、四十七年四件、五十年二十二件ということで、全体の今度の改正の中で、法律で決めているやつの中でのほんの一割程度しかやってないわけですよね。そうすると、今度改正しないやつでことに、何というんですか、政令、省令等で決めてあるやつが、改定しないものが二百十件ある。法律で決めておるやつの方は少なくて、今度の改正で改正するのが二百三十一件あるんだけれども、改正しないものが九十六件と非常に少なくなっているんですが、この関係はどういう関係になっているんですか。
○政府委員(西垣昭君) 手数料等につきましてはその適正化を図るということで全部洗ったわけでございます。洗ったわけでございますが、原則に従いまして根拠になっておる個別法で最近に改定がすでに行われてしまっておりまして今回は改正を要しないもの、あるいは前回改正をしてから三年間改正していないけれどもその間に合理化等が進みましてコストがふえていないもの、そういったものがございます。それからそのほかに法律の限度額の中ですき間がございまして、すき間の中で政省令の改正で済むもの、そういったものが合わせまして法律の数といたしましては十四件あるわけでございます。いまの御質問の政令、省令でもさわってないものというのはまさに私がいま申し上げました前の方でございまして、検討はしたけれどもいまの手数料の水準が適当であるということで今回改定しなかったものということに当たるかと思います。
○三治重信君 そうすると、これは必ずしも前の大改正の五十三年に改定したからというわけではないわけですね。いいですか。
○政府委員(西垣昭君) でございますから二つございまして、前回、三年前に改正したまま改定していないにもかかわらず、むしろ実質的な行政コストが下がったために改定を必要としないもの、たとえば旅券なんかがそうでございまして、同じ陣容で処理件数がふえております。そういった関係で一件当たりのコストが上がってない、こういうものがございます。それからそのほかに、たとえば根拠になっておる個別法が去年改正になった際に手数料率も変わったというものもございます。その両方入っておるわけでございます。
○三治重信君 これは細かく法律で決めてあるやっと政省令で任したやっと二つあって、ことに先ほど来聞いていると、昨年末の閣議決定による行政改革の推進のやつは決められたけれども今度間に合わなかった、こういうふうな答弁なんですけれども、やはり逐次個別的に法律で決めてあるやつについては政省令に任すようなかっこうの方向でやっていこうという大方針を決めたのか、それほどにもまだなかなか決定できないというかっこうなのか、どういうふうなかっこうになっておりますか。
○政府委員(西垣昭君) 前回の附帯決議で政令等に委任する方向で検討するようにということでございました。私どもといたしましては、あるものは法律で決め、あるものは政令で決めるということじゃなくて、そういった法律制度につきましての統一的整序を図る、方向としてはできるだけ政令に委任するような方向でいくという方針で検討しているところでございます。全体としての基準につきましては、手数料と一口に言いましてもその性格、いろいろ複雑多岐にわたっておりましてなかなかむずかしいわけでございますが、従来からもそういった方向で努力をしておりまして、個別根拠法の政定に伴って改正のチャンスのあるものにつきましては政令委任の方向で改正をするということで、実績としては二件のものが従来法律で定額が決められる、あるいは最高額が決められるというものを政令に委任しております。
○三治重信君 手数料関係のやつはもうその程度にして……。
 ひとつ通産省にこういう機会で、かねてから一遍聞いておきたいと思っていた問題が、最近、イラン石化に対する三井グループのイラン化学開発株式会社からの送金の中止をしたというのが大きく出ておるわけなんですが、こういうことについては一昨年ですか、二年前の秋に政府のプロジェクトに格上げというんですか、にしたというような報道もされているし、今度送金中止ということとナショナルプロジェクトにしたというのと、このいきさつ、この関係はどういうふうに理解したらいいんですか。
○説明員(細田博之君) お答えいたします。
 IJPCの問題につきましては、昨年九月にイラン・イラク戦争のために現地が爆撃を受けまして日本人が総引き揚げをした以降ずっととまっているわけでございますが、私どもICDC――イラン化学開発から事情を聴取したところでは、日本側のICDCはブラント完成への熱意は変わっておらないと。イランにおける諸事態が正常に復してから工事は継続するという前提で、本プロジェクトの今後の基本的重要事項についてイラン側と協議する方針であるということでございます。特にこのたびのイラン・イラク紛争による費用負担の増加について、すべてイラン側が負ってほしいというような今後のプロジェクト遂行のための基本方針を決定するために早急に交渉を開始したいと、そういうことを決めたものでございます。
 通産省といたしましては、本プロジェクトの継続支援という従来の方針には変更はございませんで、日イの当事者間の変更を注意深く見守りながら対処したいということでございますので、不変でございます。
○三治重信君 そうすると、今度のいわゆる送金中止というやつについては事前に通産省も了承をして、この戦争の終結状態、工事が再開できるめどがいつになるか、そういうものを見きわめて、またはそれについてイラン側と三井グループとの話がある程度ついてからか、あるいは政府がそういうことのめどをつけて、大体その工事再開からどのぐらいの費用がかかるか、そういうものが今度は政府間同士の話をしてからでいいから待てと、こういうふうなことになっているのか。今後そういういま言われた経済支援なり、これをやっていくという方針には基本的には変わりないというけれども、この新聞で見ると、三井グループのイラン石油化学は、これはとてもじゃないが、イランから払い込め、会社から払い込めと言われているけれども、日本側の三井グループは払うのを中止してしばらく様子を見ると、こういうことを言っているわけだね。そうすると、政府は大体支援する方針だけれども、いまいつ工事が再開できるかわからぬから、まあそれを見た上でいいんだと、こういうふうな答弁だと思うんですが、それは間違いないですか。
○説明員(細田博之君) 現在ICDCといたしましてもイラン側と接触を持っておりまして、ぜひ交渉を開始したいということを申し入れている段階でございまして、今後イラン側がどういう返事をしてくるかというのを待っておる段階でございますので、本問題は当事者間の問題といたしましてまず話し合ってもらうことが先決だと思うわけでございます。当省といたしましてはこの当事者間の話し合いを注意深く見守っていきたい、まずそういうことから始めたいということでございます。
○三治重信君 当事者間というのは、三井グループといっても具体的にはイラン化学開発ですか、それと向こうの三井イラン石化の会社との交渉ということですか。
○説明員(細田博之君) 実はイラン側で、若干複雑でございますが、IJPCに対して実際上の力を持っておりますのがNPCという石油化学公社のようなものですね、そこと石油省とがございます。そういったところの幹部が実際上の意思決定権も持っておるようでございますので、わが国のICDCの代表者あるいは三井グループの代表者を交えた代表者が向こうのそういう責任ある地位の人と話し合いを開始したいという意向を持っていると承知しております。
○三治重信君 そうすると、交渉再開の申し入れをしたということについての、日本側のイラン化学開発が金は送らんで、そういう三井イラン化学の幹部や向こうのNPCや石油省との打ち合わせなり向こうどの話を先にやる、こういうことで申し入れをすると。それならわざわざセンセーショナルに送金中止を決定したなんていうことを何も大げさに言う必要もないし、そういうことが報道されるわけでもないじゃないの、そういうことなら。
○説明員(細田博之君) 私どもも、あのように大きな記事になるような筋合いのものではなくて、本来じみちに交渉を開始すべきものであるとは考えております。
○三治重信君 そうすると、三井グループのイラン化学開発と交渉を待っている、またはそれによって注目しているというが、日本の政府がナショナルプロジェクトとしたということについての効果というんですか、これはどういうふうに解釈したらいいの、それとの関係は。
○説明員(細田博之君) 私ども政府といたしまして、一昨年の十月に閣議了解によりまして経済協力基金からの出資を決めておるわけでございますが、政府といたしましては種々の面で従来の関係、関連企業だけでは対応困難な面も生じたということが一つ。それから、重要な産油国であるイランとの友好関係の一層の緊密化ということで、イラン政府からも強い要請があったということ等を勘案して、政府のプロジェクトといいますか、いわゆるナショナルプロジェクトとして取り上げておるわけでございますが、基本的にはやはり当事者間の契約によってプロジェクトは推進されておるものでございまして、これに政府としてもそういう先ほど申し上げたような観点から助力をするという見地で閣議了解しておるわけでございますので、まずは基本的にイラン側、日本側の当事者が話し合うのが筋であると考えておるわけでございます。
○三治重信君 そうすると、ナショナルプロジェクトにしたときの政府側の何というんですか、三井イラン石化の支援体制、あるいはこの中でいままで具体的にわれわれが知っているのは政府出資を二百億円にするということだけなんですが、最近の報道関係だと三井とイラン側とのやつで、三井イラン石化の資金としては二千五百億要ったやつが、いろいろの事件や戦争で、いま現在の戦争が終わって、それを修復して完成するまでには一兆円は少なくとも要る、あるいはそれ以上に要るんじゃないか。しかもこれが日イ折半だということになると五千億以上かかるわけなんですが、それで日本側が五千五百億の負担というのもこれは政府側は知っていることか。それからまた、一面出資や融資で三千二百二十五億円出している、こういうふうなことになって、その三千二百二十五億円の中で三井側が出しているのが千五百億というふうになっているんですが、これは間違いはないわけなんですか。
○説明員(細田博之君) 非常に資金の流れが複雑でございますので、三井側が幾ら出しておるかということは厳密に計算し直さなければいけないと思いますが、少なくとも申せますことは、工事総額が幾らになるかということは非常にむずかしい問題がございます。すなわち現地で爆撃を五回受けておりますが、その修復にどれだけの費用を要するかということが非常に重要でございますし、しかもその被害の大きさによりまして今後その修復にかかる期間も相当変わってくるわけでございます。したがいまして、確かに一兆円というような記事が出たことは事実でございまが、そのような数字は私どもは聞いてもおりませんし、どこにも存在しないものと思っております。
○三治重信君 いや、それで、その一兆円はとにかくとして、日本側の負担が五千五百億で、現在出しているのが三千二百二十五億という、これは投融資で出しているのが、出資と融資で出しているのが三千二百二十五億とかいう報道があるんだけれども、これは間違いはないんですか。あるいは輸銀の方でこの三千二百二十五億円の中でどれぐらい融資を、政府財投で出しているんですか。
○政府委員(大場智満君) 当初計画は五千五百億で進んできておるわけでございますが、このうち資本金が千億、借入金が四千五百億、そういうことでございます。
 で、この借入金四千五百億のうち、いわゆる円借款それからイラニアンローン二千億というものを除きますと、輸銀の直借が六百億、それから輸銀の延べ払い、これはサプライズクレジットになりますが、日本の輸出者に対する貸し付けになりますが、これが三百六十二億円、それからICDCローンと言われておりますものが千二百五十億円ということになっております。
○三治重信君 そうすると、先ほどの五千五百億の日本側の負担というのはそれでいいわけなんだね。それで、その中で資本金を千億日本が出して、それから借り入れが四千五百億のうちで、そして輸銀が六百億と三百六十二億、またさらにイラン化学開発の方、三井グループに千二百五十億融資をしていると、こういうことでいいわけですね。
○政府委員(大場智満君) いまはイラン石油化学プロジェクト全体の資金調達計画を申し上げでございますが、この資本金千億というのを、これはもちろんイラン側と日本側で折半するわけでございます。ですから、それ以外の資金につきましても、原則は折半ということでやっております。
○三治重信君 ああそうですか。
 そうすると、いま全体で五千五百億という資金計画の中で、それがこの資本金千億ということで決まっていると、こういうことでいいわけですね。
○政府委員(大場智満君) はい。
○三治重信君 それで、さらにお聞きしますが、日本側のイラン化学開発は輸銀の融資に対して金利たな上げを要請したけれども、輸銀側はノーという回答をしたと。そして三井側グループでは一日一億円の利子もかかるということで、非常に問題が大変だというようなことになっているんですけれども、わからなきゃわからぬでいいわけなんですけれども、こういうナショナルプロジェクトにした場合の輸銀の何といいますか、財投のやったときにうまくいかなかったときの利子のたな上げとか利子の支払いを猶予したという事例はいままでにもあるんじゃないかと思うんですが、また今回これノーという、ナショナルプロジェクトにしていながら、こういうようなものに対する融資についてまあ利子は定期に出せと、こういうのはどういう……。
○政府委員(大場智満君) いままで輸銀の貸し付け案件で債務償還計画といいますか、再建計画ということで金利の軽減、たな上げをした事例はあると思います、具体的に記憶しておりませんが、あると思います。
 本件につきまして、三井側と輸銀あるいは市中銀行と金利たな上げについての話し合いはなされたように聞いておりますが、その際に銀行側の主張と申しますのは、たとえば輸銀の延べ払いということで考えてみますと、これは日本の輸出者に対するファイナンス、輸出者に対する金融であるということ、したがって輸出者は日本の企業でございますので、これから金利たな上げというのはおかしいではないか。あるいは、その他三井物産が保証しているという債権もかなりあるわけでございます。そうしますと、確かに金利たな上げに持っていかなければいけない気持ちはわかるわけでございますが、たてまえとして三井物産等が保証しているものについて、この保証の履行を求めないで金利たな上げというのはやはりかなりむずかしい問題があるということで、この金利たな上げにつきまして話し合いがつかない、そういうふうに聞いております。
○三治重信君 大臣、お聞きのようなあれなんですが、政府としては二百億出すと決めて、いま現在五十四億しか出していない。これはいつ工事ができるのか、どれぐらい日があるかわからぬという中で、一般的には政府のやつが非常に何というんですか、わけのわからね理由でナショナルプロジェクトに格上げされ、しかもこれはどういうふうになっているかわからぬというふうな世間の風評になっているわけなんですが、やはり大蔵大臣とすれば、いまの通産みたいに、イラン側と三井グループとの話がつけば、で、工事が再開されれば二百億までは資金を出していく決心でおられるわけですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) これはいま事態の推移を見守っておるということであって、問題は莫大な金がかかっちゃって、採算がもう全然合わないというようなことならばまた別でしょうし、一遍爆撃された程度をよく見ないことには、そしてまた後すぐ爆撃されるおそれがないということもはっきりしないことには、ナショナルプロジェクトだからといって次から次と約束の金だけは全部つぎ込まなきゃならぬと、そういうものでもないんじゃないかと私は思っておるんです。そういう条件が全部整って、その予定の金で採算が十分とれて、あとは爆撃も受けないということならば一番望ましいことですから、もうしかかった仕事は何とも仕方のないことで、これはやらざるを得まい、そう思っております。
○野末陳平君 著作権法がらみで、関連してまず文化庁に聞きたいことがありますが、まあ最近はリース業が全盛で、何でも貸すわけですね、机でもくつでも植木でもおむつでも何でも貸すと。貸し本屋というのは昔もありましたけれども、貸しレコード屋という新商売が出てきたのを文化庁は御存じかどうか、まず……。
○説明員(吉田茂君) 承知いたしております。
○野末陳平君 そこで、貸しレコード屋というのが大繁盛で、たとえばレコード屋の近所にそれができると、もう非常にレコードの売り上げに響いて、小さいレコード店は何というのかな、真っ青になっているというのが実情らしいんですが、さてこの貸しレコード屋の商法ですね、つまり金を取ってレコードを不特定多数の者に貸し出すと、一日幾らで貸し出すと、あるいは一枚幾らと、これは著作権法上の問題というのはどこにあるんですか。
○説明員(吉田茂君) 現行の著作権法上いかがかということでございますが、レコードを公衆に貸与する、お金を取りまして貸与するということにつきましては、その著作権者、これは作詞家、作曲家でございます。それから著作隣接権者、この場合はレコード製作者ということになろうかと思いますが、そういう権利者には特段の権利が認められておりませんので、御指摘のような場合には必ずしもこういった権利者の権利を侵害するということにはなっておらないわけでございます。
○野末陳平君 しかし、まずレコードから無断でテープ、カセット――このごろはカセットですけれども、その他に録音することは著作権法上禁じられていますね。それはレコードにもジャケットなどに明記されているけれども、実際問題としては、たとえば個人的に自分が楽しむだけという、そういう目的で録音することは、多分黙認というか、実情は大いにやられているわけですね。このことは著作権法上全く問題がないということですか。その点についても。
○説明員(吉田茂君) 現在の著作権法では法三十条という規定がございまして、これは著作権の目的となっている著作物を個人的にあるいはその家庭内、こういった限られた範囲内で使うということを目的といたしまして、その使用する者が複製をするというということにつきましては権利者の許諾なしに複製ができると、こういうことに相なっておるわけでございます。
○野末陳平君 そうすると、個人的あるいは家庭内で、ぼくがいま言った楽しむということはいいと思うんですが、さて今度は貸しレコード屋ですね。貸しレコード屋のやり方は、貸し賃を取ってレコードを貸すんですが、借りた人がレコードをどういうふうに利用しているかという実情については御存じですか。あるいは調べたことがありますか。
○説明員(吉田茂君) この問題につきましては、私どもで直接、何と申しますか追跡調査とかいうことはしておらないわけでございますが、レコード協会の関係者のお話を伺いますと、先生御指摘のように、ただそれを持ち帰って聞いているというだけではなくて、さらにこれを録音をして聞くという形態も相当あるやに伺っておるわけでございます。
○野末陳平君 そうしますと、もともと録音をするために貸しレコード屋からレコードを借りてくるというケースが多分ほとんどだろうと思うんですね。じゃなければ、そんな一日借りてすぐ返せるわけもないわけですから。そこで、こういう新しい現象というのは、従来の著作権法ではなかなか対象になり得ないし、それからどんな問題が起きてくるかというのは、技術革新が目覚ましいですから法が追いつかない、これももう当然やむを得ないと思うんですね。
 そこで、これからに向かってどう考えるかということなんで、たとえば貸しレコード屋がどんどんふえていって、レコードをどんどん貸す、そしてそれを家庭に借りて帰って録音をしていくという個人録音がすさまじい勢いで広がっていく、こうなりますと、著作権法の精神からいきますと、やはり著作権者に対する侵害ということで、少なくも保護はされなくなっちゃう、こう憂慮すべきことになると考えているんですが、それはいかがですか。
○説明員(吉田茂君) いま御指摘のございました個人的な、私的な録音ということが非常に助長されるということでございますが、法制度上の評価はともかくといたしまして、その点は私どもとしても問題意識を持っておるわけでございます。
 実は、現在その私的録音、録画の問題につきましては、著作権審議会の第五小委員会というところでこの問題にどう対処していくかということを御論議いただいておるわけでございますが、それぞれにむずかしい問題があるわけでございまして、現在のところ結論にまでは至っていないというのが実情でございます。そこら辺の問題については私どもも意識をしていることは申し上げたとおりでございます。
○野末陳平君 当然これも、もししかるべき機関で、審議会ですか、そでで審議なされば何らかの手をいずれ打たざるを得ない方向になるだろうとは思うんですが、ただ放送局などでは営利目的でレコードを使うわけですから、その場合には二次使用料をちゃんと払っているわけですね。そうすると、貸しレコード屋の場合もレコードを営利目的に使用して個人録音を、私的録音をさせる、それが商売になるとなると、一種の二次使用に法的には該当するかどうかむずかしいところですが、やはりある意味では二次使用料の対象にするというような何らかの手をやっぱり打たないと、もうそんな将来のことでなくて、これがかなり問題になるんじゃないかと思いますよ。だから、審議されてここをどういうふうに対応するかということをお考えなのは当然わかるし、問題意識をお持ちなのは歓迎しますが、これは余り先になっちゃうとね、意味なくなっちゃう。それからビデオの問題がありますからね。ですから、どうなんでしょう、たとえば貸しレコード屋の場合も二次使用料の対象にするとか、そういうふうな手は考えられませんか。
○説明員(吉田茂君) 貸しレコードの場合、二次使用料というようなお考えをいま御指摘になったわけでございますが、放送局の場合は、これは演奏権の問題でございまして、もう一回演奏する、二次的、セカンダリーユースと申しますか、ということで二次使用料を支払っているわけでございますが、貸しレコードの場合は自分は貸すだけでございまして、実際にそれを複製して聞いているのは広く消費者と、こういう形になってくるわけでございます。そこら辺の差があるわけでございますが、貸しレコードはこういった私的録音を助長させる面がある。また、いま御指摘のように、本来的な利用を越えましてレコードを営利目的で公衆に貸与するという実態にあるわけでございます。それが著作権者とかあるいは著作隣接権者の利益に影響を及ぼすということになることも考えられますので、私どもといたしましては、この貸しレコード業の今後の広がり、こういうものを見守りながら検討していきたいというふうに考えておるわけでございますが、国際的に見てもこの問題についてはっきりした実効的な措置がとられている例はまだきわめて少ないわけでございまして、法律的にも非常にむずかしい問題を抱えている面があることは御理解をいただきたいと思うわけでございます。
○野末陳平君 やっぱり日本の商人は頭がいいというか、すごいと思うんですね。それはお客のニーズに結局がなっちゃうからどちらとも言えないんですが、やはりビテオも恐らくこれと似たようなことが出てくると思いますね。ですから、著作権法というのがあって著作物を財産と見て、何といいますか保護しているという以上は、この法の精神というのが時代の新しい現象についていけなくなる場合にはやはり改正をしていかなきゃならないなと思っていますので、文化庁の方でそういう点の検討があればますますこれを進めてほしいと思うし、それから現実に貸しレコードのみじゃありませんけれども、ひとつ実態を何か調べて――調べるというのは大げさなんですが、もう少し関心持っていただけばいいと思います。
 それと、ちょうどレコードが出ましたので、ちょっと大蔵省の方に聞きたいんですが、レコードの物品税も、まあこれはこの間やるべきことだったんですけれども、今後の検討方向としてちょっと聞きたいと思いますけれども、レコードの物品税というのは製造課税の一五%でしたかね、そうですね。その場合に、ぼくは別に業者の代表じゃありませんから、物品税を廃止とかそういうふうには考えていないんです。物品税があっても仕方がないと思っていますが、ただ大部分が課税で一部が非課税ですかね、多分そうなっていると思うんですね、レコードの。その課税、非課税のところがもうはっきりしなくなってきたんですね。時代とともにもう全くわからなくなっちゃった。この間レコード屋でずっとこう見たんだけれども、見当つかなくなったんですが、まずどんなレコードが非課税になるのかと、その辺のところをもう一回おさらいですけれども、原則論をちょっとお願いします。
○政府委員(小泉忠之君) 御指摘の物品税のレコードについて、あるいは磁気テープでございますか、これにつきましては物品税法の施行令で一五%の課税の対象を決めております。別表第一号の十項になりますが、それの七によりますと、非課税の物品につきましては、たとえば童謡とか、童話、そういったたぐいのものにつきまして、あるいは科学その他の学術に関する記録、報道、解説と、そういったものは一つのグループとしてあります。それから、学校教育法の関係、一条に規定いたしてますが、学校の教育用のレコードといったものは本法の二十二条によって届け出を前提にいたしますけれども、申告をいたしましてそれに基づいて非課税と、こういうグループがございます。大体そういったものが、主として教育用あるいはお子さん用でございますね、それからいま御指摘ございました放送に関する記録とか、そういったものは非課税になっております。趣旨はやはり娯楽性の強いもの、これは書籍も同様の問題になるわけでございますが、書籍は全体として非常に何といいますか、娯楽性よりも文化性が強いと、こういうことでその書籍については課税をいたしておりませんが、レコードについては全体として見てやはり娯楽性が強いと、そう判定いたしまして、その中で教育用あるいは童謡、子供さんの関係とか、そういったものを非課税にいたすと、こういう現状でございまして、実際上、税収としては三百二十億というものが課税額として実績が上がっておるわけですが、学校教育用で非課税になる、免税になるというものにつきましては、これは申請手続がありますので、そう大した額にはなっておりません。そういうような現状でございます。
○野末陳平君 大体原則論はそれでよくわかりますし、妥当だと思うんですがね。問題はお子様用というところに一番ひっかかっちゃうんでね、童謡という言葉で規定されましたが、これは童謡といっても、われわれ子供のころの童謡といまの童謡――童謡というかどうか、全然違うわけですね。そこを童謡という一つのジャンルを決めて、これは非課税であると言えるかどうか。ここが非常に問題で、童謡の定義というものはどうなっているんですか。
○政府委員(小泉忠之君) 御指摘のように、非常に日常的に新製品が輩出するというのがやはりレコード、テープの傾向でございまして、世相、流行の変遷にマッチさせまして、あるいは技能の進歩といったものがございますので、課税と非課税の判定に個人差がないようにと、あるいは時と場所によって異なることのないようにということで、昭和五十二年に私ども執行面で、これは業界からの質問に答えるということを基本にいたしまして、いま御指摘の点、たとえば童謡、童話、朗読、宣伝文といったようなものの内容につきまして、その執行通達面で考え方を整理いたしております。
 それに基づいて御説明申し上げますと、たとえば童謡については、歌ではございますけれども歌詞の内容がやはり子供にふさわしいと、それから意味がやはり子供によくわかるようなものであると、あるいはメロディーが子供さんにふさわしいと、容易に子供さんが口ずさむことができるといったものが童謡でございますというふうに判定いたしておりますが、なかなか御指摘のように区別がむずかしいものもございます。そういう場合にはやはりレコードのラベルとかあるいはジャケット――箱でございますか、ジャケット等で、たとえば子供用とか児童用とかそういったものを表示してあるかないかとか、それからその全体としてそういった表示がラベルが子供向きであるかどうかといったようなものを総合的に判断しながら決めておるという実態でございまして、いままで可否の判定についてそうトラブルは起きておらないということを御報告いたします。
○野末陳平君 いや、トラブルは起きてないかもしれないんですが、非常にあいまいで、ぼくがわからないからちょっとお聞きしたわけなんですがね。子供というのは年齢的にどの辺が子供なんですか。
○政府委員(小泉忠之君) 大体小学生までが子供と、要するに童謡、わらべ歌というようなものが基本になるわけでございまして、ですから、子守歌の中にはかなり民謡的なものもありますしあれなんですが、わらべ歌、数え歌とか、そういったものを基本に置いて子供さんというふうなことになっております。
○野末陳平君 小学校に上がる前のいわゆる幼稚園というか、そのくらいの幼児だったらばよく意味がわかるんですがね。小学生というと、一年生と六年生じゃ全然違うしね、小学校の六年生はいまや大人と同じような感じの音楽を好むから、むしろ童謡なんぞばかにするし、そんなことで全然いまの基準は具体的にこれはと言われたときに当てはまるかどうか、疑問を感じるんですよ。具体的にわからないから聞くんですよ。
 これが童謡なるがゆえに非課税、これは童謡でないから課税と現実には分けてあるんですが、聞きたいんですがね、いわゆる小学生の子供がレコード店に行ってみんな群がって買いたがって興味を持っているのは、いまのところ現在ここ数年ではアニメーションの主題歌ですよね。少なくも童謡コーナーなんというのはもうありませんよ、片すみ。そうするとアニメの主題歌は、いま小学校の低学年から高学年までね、みんなお小遣い出して、親からせびって買いに行っているわけ、これは少なくも童謡ではないと思うんです。だけれども、あなたがおっしゃる子供が覚えやすくて、子供にふさわしくて、よくわかってという定義には当てはまっちゃうんだね。そうすると、これはアニメの主題歌は非課税扱いになっちゃうのか、課税なのかというふうにすると、非常にいまの原則論が当てはめにくいというのがぼくの感想なんですよ。だから、業者から特にトラブルがあったりというのはないと思いますが、買う方にとってみてこれが課税か非課税かと考えてはいないけれども、おのずからそうやって区別があるとすると、きちっとした物差しが欲しいわけで、あなたの定義を――別にいじめるわけじゃないですよ、わかりにくくなったからもうそういう物差しというのはちょっとどうかと思っているんで、有名な「宇宙戦艦ヤマト」と「ドラえもん」と「ウルトラマン」とこれだけあって、これは課税問題どうなっていますか。
○政府委員(小泉忠之君) 直接的にお答えいたしますが、「ドラえもん」の歌とその他の点はやはりこれは児童用として非課税の扱い。それから「ガッチャマン」――「宇宙戦艦」でございますか、「宇宙戦艦」も非課税です。
 それで、先ほど御答弁申し上げましたように通達、私どもできるだけ詳しく、個別にはまいりませんけれども、ちょっと御参考のために申し上げますが、大人の歌手によるものであっても、先ほど申しましたように、歌詞、メロディーが子供向けであれば童謡と子供用ということにいたしております。それから、これは御参考になるかと思いますが、幼稚園で教える歌あるいは文部省唱歌、これはやはり童謡ということで扱っております。外国の童謡を翻訳したもの、これも童謡と、ただ讃美歌になりますとこれはちょっと童謡と違うと。しかしそれが一般化して、たとえばクリスマス等に子供用というような形で歌うたとえば「きよしこの夜」とか、そういうあれはこれは童謡という扱いをいたしておりますし、基本はやはり昔流に言うとわらべ歌という範囲で解釈できるというものを基本に置いて、年齢からいきますとやはり小学校、小学校唱歌というものがやはり童謡の部類に入る、そんなところで線を引っ張っているわけです。ですから、御指摘の童謡と名がついておりませんでもこれは子供向けであれば童謡ということです。
○野末陳平君 それがアニメの主題歌を見たら課税もあるんだよね。だからちょっと困っちゃったんですよ、「ドラえもん」は。だってそこは本当のところ、一枚一枚について言っているつもりはないんですけれどもね、「ドラえもん」は明らかに童謡と見られて、子供向けと見られて非課税になってるんですよ。ところがアニメについては、子供用だとぼくも思うんだけれども、これは課税のものもあるし、「ウルトラマン」なんか課税になってるんだね。だから、そうなると困っちゃうから……。
○政府委員(小泉忠之君) 基本は童謡でありましても、これを編曲しまして大人向けのものにするということもございますから、そういった編曲を加えてあれしているものについてはその編曲そのものを、あるいはバックミュージックを変えていくとか、そういったことで全体としてこれは成人向けであるという判定をいたしますと、それはやはり童謡の範囲を超えておるということになりますので、そこら辺は私どもも厳密に執行面を考えながら措置いたしておりますので、あるいは混乱される面もあろうかと思いますが、基本はやはり先ほど申しましたように、小学校の一年から六年までぐらいのところを基本に置いて、それから全体としての雰囲気がやはり子供向けであるかどうかということで判定をいたしておるということであります。
○野末陳平君 別に一つ一つ目くじら立ててどうこうする気はないんですけれども、同じく親からせびって子供が買うレコードに何か、片や課税で片や非課税なんというのが一緒のコーナーに並んでいるというのは余り好ましいことじゃないとぼくも思いまして、それで子供たちに説明できるとは言いませんけれども、大体常識的にきちっとこう課税、非課税の物差しがはっきり分かれていればいいと思っているんですよ。だから、当局は画然としているとおっしゃるけれども、やっぱりぼくなんかがずっとこうやってレコード店で見てみると余り画然でもないし、そんなわけで、いろいろと苦心のほどはわかるけれども、これぼくはもう課税、非課税というのを、大臣、こういういまみたいななかなかわかりにくい――わらべ歌をなんと言ったって、いまやわらべ歌が子供向けとは言えなくなっちゃったし、子供の買うレコードそのものがもうそういうものじゃなくなっているという、こういう時代の移り変わりにいまの大蔵省の物差しが当てはまるとはもう思えなくなっているので、いっそのこと課税するか、もう非課税にするかはっきりしちゃって、何かあいまいな物差しを振りかざしながら苦しい説明を、ややこしい説明をするというのはもう時代おくれと、そんなふうに考えて、いっそ課税するなら課税してもいいんじゃないかと思うんですよ。つまり幼児向けのわらべ歌だけだと、あとはもう子供が歌っても何でもこれはもう課税だと。じゃなければもう非課税にしてしまうとか、その辺のいまの物差しがどうも余り説得力ないというか、苦しい。それにこだわり続けているのはどうかなと思いまして、ぼくはもうレコードの物品税が別にあってもしょうがないと思いますけれども、いまの非課税が果たして妥当か、課税と非課税の境目がだれにもわかるはっきりしたものであるか、その辺を考えて、どんなものでしょう。ぼくはもうどっちかに徹すべきだと、そうしないとかえって不公平というか、変な問題も起きるんじゃないかと思うんですが、最後にそれを聞いて……。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 税収の上がる方向ならば検討さしてもらいます。
○委員長(中村太郎君) 本案の審査は本日はこの程度にとどめます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時五十四分散会
     ―――――・―――――