第094回国会 予算委員会 第7号
昭和五十六年三月十二日(木曜日)
   午前十時二分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 三月十一日
    辞任         補欠選任
     上田耕一郎君     近藤 忠孝君
     青島 幸男君     山田  勇君
 三月十二日
    辞任         補欠選任
     竹内  潔君     松尾 官平君
     仲川 幸男君     鈴木 省吾君
     志苫  裕君     穐山  篤君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         木村 睦男君
    理事
                亀井 久興君
                古賀雷四郎君
                平井 卓志君
                宮田  輝君
                粕谷 照美君
                和田 静夫君
                渋谷 邦彦君
                沓脱タケ子君
                柳澤 錬造君
    委 員
                岩動 道行君
                板垣  正君
                岩上 二郎君
                熊谷  弘君
                藏内 修治君
                源田  実君
                下条進一郎君
                鈴木 省吾君
                関口 恵造君
                田代由紀男君
                谷川 寛三君
                玉置 和郎君
                名尾 良孝君
                中西 一郎君
                林  寛子君
                堀江 正夫君
                増岡 康治君
                松尾 官平君
                八木 一郎君
                山崎 竜男君
                穐山  篤君
                小野  明君
                大木 正吾君
                竹田 四郎君
                寺田 熊雄君
                村沢  牧君
                安恒 良一君
                大川 清幸君
                桑名 義治君
                田代富士男君
                中野  明君
                近藤 忠孝君
                柄谷 道一君
                前島英三郎君
                山田  勇君
   国務大臣
       内閣総理大臣   鈴木 善幸君
       法 務 大 臣  奥野 誠亮君
       外 務 大 臣  伊東 正義君
       大 蔵 大 臣  渡辺美智雄君
       文 部 大 臣  田中 龍夫君
       厚 生 大 臣  園田  直君
       農林水産大臣   亀岡 高夫君
       通商産業大臣   田中 六助君
       運 輸 大 臣  塩川正十郎君
       郵 政 大 臣  山内 一郎君
       労 働 大 臣  藤尾 正行君
       建 設 大 臣  斉藤滋与史君
       自 治 大 臣
       国 務 大 臣
       (国家公安委員
       会委員長)    安孫子藤吉君
       国 務 大 臣
       (内閣官房長
       官)       宮澤 喜一君
       国 務 大 臣
       (総理府総務長
       官)
       (沖繩開発庁長
       官)       中山 太郎君
       国 務 大 臣
       (行政管理庁長
       官)       中曽根康弘君
       国 務 大 臣
       (北海道開発庁
       長官)
       (国土庁長官)  原 健三郎君
       国 務 大 臣
       (防衛庁長官)  大村 襄治君
       国 務 大 臣
       (経済企画庁長
       官)       河本 敏夫君
       国 務 大 臣
       (科学技術庁長
       官)       中川 一郎君
       国 務 大 臣
       (環境庁長官)  鯨岡 兵輔君
   政府委員
       内閣官房内閣審
       議室長
       兼内閣総理大臣
       官房審議室長   石川  周君
       内閣法制局長官  角田禮次郎君
       内閣法制局第一
       部長       味村  治君
       内閣総理大臣官
       房管理室長    関  通彰君
       総理府統計局長  島村 史郎君
       警察庁長官官房
       長        金澤 昭雄君
       行政管理庁行政
       管理局長     佐倉  尚君
       行政管理庁行政
       監察局長     中  庄二君
       行政管理庁行政
       監察局監察審議
       官        佐々木晴夫君
       防衛庁参事官   岡崎 久彦君
       防衛庁参事官   上野 隆史君
       防衛庁参事官   番匠 敦彦君
       防衛庁長官官房
       長        夏目 晴雄君
       防衛庁防衛局長  塩田  章君
       防衛庁人事教育
       局長       佐々 淳行君
       防衛庁経理局長  吉野  実君
       防衛庁装備局長  和田  裕君
       防衛施設庁長官  渡邊 伊助君
       防衛施設庁総務
       部長       森山  武君
       防衛施設庁施設
       部長       伊藤 参午君
       防衛施設庁労務
       部長       木梨 一雄君
       経済企画庁長官
       官房長      禿河 徹映君
       経済企画庁長官
       官房会計課長   横溝 雅夫君
       経済企画庁調整
       局長       井川  博君
       経済企画庁調整
       局審議官     大竹 宏繁君
       経済企画庁国民
       生活局長     小金 芳弘君
       経済企画庁物価
       局長       廣江 運弘君
       経済企画庁物価
       局審議官     斎藤 成雄君
       経済企画庁総合
       計画局長     白井 和徳君
       経済企画庁総合
       計画局審議官
       兼物価局審議官  川合 英一君
       科学技術庁長官
       官房長      下邨 昭三君
       科学技術庁原子
       力局長      石渡 鷹雄君
       環境庁長官官房
       長        北村 和男君
       環境庁長官官房
       会計課長     廣瀬  優君
       環境庁企画調整
       局長       藤森 昭一君
       国土庁長官官房
       長        谷村 昭一君
       国土庁長官官房
       会計課長     大森 敬介君
       国土庁計画・調
       整局長      福島 量一君
       法務大臣官房長  筧  榮一君
       外務省北米局長  淺尾新一郎君
       外務省経済局長  深田  宏君
       外務省経済局次
       長        羽澄 光彦君
       外務省経済協力
       局長       梁井 新一君
       外務省条約局長  伊達 宗起君
       大蔵大臣官房会
       計課長      加茂 文治君
       大蔵大臣官房審
       議官       梅澤 節男君
       大蔵大臣官房審
       議官       吉田 正輝君
       大蔵省主計局長  松下 康雄君
       大蔵省理財局長  渡辺 喜一君
       大蔵省理財局次
       長        楢崎 泰昌君
       大蔵省国際金融
       局長       加藤 隆司君
       文部大臣官房長  鈴木  勲君
       文部省初等中等
       教育局長     三角 哲生君
       文部省大学局長  宮地 貫一君
       厚生大臣官房長  吉村  仁君
       厚生大臣官房審
       議官       吉原 健二君
       厚生大臣官房会
       計課長      小林 功典君
       厚生省公衆衛生
       局長       大谷 藤郎君
       厚生省環境衛生
       局水道環境部長  山村 勝美君
       厚生省医務局長  田中 明夫君
       厚生省薬務局長  山崎  圭君
       厚生省社会局長  山下 眞臣君
       厚生省児童家庭
       局長       金田 一郎君
       厚生省保険局長  大和田 潔君
       厚生省年金局長  松田  正君
       農林水産大臣官
       房長       渡邊 五郎君
       農林水産大臣官
       房予算課長    京谷 昭夫君
       農林水産省経済
       局長       松浦  昭君
       農林水産省構造
       改善局長     杉山 克己君
       農林水産省農蚕
       園芸局長     二瓶  博君
       農林水産省畜産
       局長       森実 孝郎君
       通商産業大臣官
       房審議官     柴田 益男君
       通商産業大臣官
       房審議官     神谷 和男君
       通商産業大臣官
       房会計課長    宇賀 道郎君
       通商産業省通商
       政策局長     藤原 一郎君
       通商産業省通商
       政策局次長    真野  温君
       通商産業省産業
       政策局長     宮本 四郎君
       通商産業省立地
       公害局長     松村 克之君
       通商産業省基礎
       産業局長     小松 国男君
       通商産業省機械
       情報産業局長   栗原 昭平君
       資源エネルギー
       庁長官      森山 信吾君
       資源エネルギー
       庁長官官房審議
       官        高橋  宏君
       資源エネルギー
       庁公益事業部長  石井 賢吾君
       中小企業庁長官  児玉 清隆君
       中小企業庁次長  中澤 忠義君
       運輸大臣官房長  角田 達郎君
       運輸省鉄道監督
       局長       杉浦 喬也君
       労働省労政局長  細野  正君
       労働省職業安定
       局長       関  英夫君
       建設大臣官房長  丸山 良仁君
       建設省計画局長  宮繁  護君
       建設省住宅局長  豊蔵  一君
       自治大臣官房審
       議官       大嶋  孝君
       自治省行政局公
       務員部長     宮尾  盤君
       自治省財政局長  土屋 佳照君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        道正  友君
   説明員
       外務省中近東ア
       フリカ局審議官  堤  功一君
       会計検査院事務
       総局次長     藤井健太郎君
   参考人
       日本銀行総裁   前川 春雄君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○昭和五十六年度一般会計予算(内閣提出、衆議
 院送付)
○昭和五十六年度特別会計予算(内閣提出、衆議
 院送付)
○昭和五十六年度政府関係機関予算(内閣提出、
 衆議院送付)
    ―――――――――――――
○委員長(木村睦男君) 予算委員会を開会いたします。
 昭和五十六年度一般会計予算、昭和五十六年度特別会計予算、昭和五十六年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。
    ―――――――――――――
○委員長(木村睦男君) まず、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 昭和五十六年度総予算三案審査のため、本日の委員会に日本銀行総裁前川春雄君を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(木村睦男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、出席時刻等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(木村睦男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
○委員長(木村睦男君) これより田代富士男君の総括質疑を行います。田代君。(拍手)
○田代富士男君 私は、財政再建につきまして最初にお尋ねをいたします。
 政府は、貴重な国民の血税を預かり、予算を執行する以上は、むだなく効率よく執行しなければならないことは当然でございます。財政がきわめて重大な状態になっておるときに、財政運営に当たる政府の責任というものは大きいのではないかと思いますが、最初に総理のお考えをただしたいと思います。
○国務大臣(鈴木善幸君) 予算執行についての政府の基本的な姿勢について田代さんからお尋ねがございましたが、田代さんの御指摘のとおり、予算は国政全般を進めてまいります財政的な裏づけを決定をいたすものでございます。したがいまして、予算委員会等を通じましてあらゆる角度から慎重に御審議をいただいた上に御承認をいただいておるわけでございます。したがいまして、これが執行に当たりましては、むだのないように効率的にこれを厳正に執行してまいるということは最も重要なことであると思っております。
 特に、現下の財政事情が厳しく、財政の再建を最重要課題と考えております政府といたしましては、国民の皆さんにもいろいろの面で御負担を願い、またがまんを強いておる、お願いをしておるということでもございますので、一層そういう点に力を入れまして、重点を置きまして、予算執行の適正な効率的な運営を期してまいりたいと、このように考えております。
○田代富士男君 ところで、年々多額の不用額が発生いたしまして、それが増加の一途をたどっております。しかし、従来この不用額というものは等閑視されてまいりましたが、ここで見直すことは大事なことではないかと思います。
 そこで私は、まず昭和五十年度から五十四年度までの一般会計歳出予算につきまして、毎年度の歳出予算現額、不用額、並びに歳出予算現額に占める不用額の割合を最初に御説明いただきたいと思います。
○政府委員(松下康雄君) 五十年度歳出予算現額二十一兆三千百五十八億円でございます。不用額千九百五十六億円、これは予備費の使用残を含んでおります。歳出予算現額に対します不用額の割合は〇・九二%でございます。
 五十一年度歳出予算現額二十四兆九千九十五億円、不用額二千二百五億円、割合〇・八九%。
 五十二年度歳出現額二十九兆五千六百七十九億円、不用額二千七百九十六億円、割合〇・九五%。
 五十三年度予算現額三十四兆六千六百八十五億円、不用額三千二百三十四億円、割合〇・九三%。
 五十四年度予算現額三十九兆九千百六十七億円、不用額四千九百二十六億円、割合一・二三%でございます。
○田代富士男君 総理並びに大蔵大臣、ただいま御説明をいただきましたこの実態をごらんになられまして、財政の効率的運用が損なわれていると思うんですが、お考えいかがですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 不用額は、問題は程度問題でございまして、予算を組みましてもびしっとそれが完全になかなか消化しにくいという点もございます。したがって、本来不用額がほとんどないというようにするのが望ましい姿ではございますが、予算の執行やその他のいろんな事情等によって、相手のある場合もございますから、不用額がある程度最小限出るのはこれまた避けられない問題であります。しかし、今後ともそういうような不用額が出ないように、当初から予算を組むとき及び執行中において十分注意をして効率的な執行をしてまいる所存でございます。
○国務大臣(鈴木善幸君) ただいま大蔵大臣からも御答弁申し上げましたように、政府としては予算編成時におきましても、むだのないように、本当に必要な経費だけを計上するということでやっておりますし、また執行に当たりましても、先ほど申し上げたとおりでございますが、状況の変化等によりましていま大蔵大臣から申し上げたような事情も生まれてまいります。今後はできるだけさようなことのないように注意いたしましてやってまいりたいと考えております。
○田代富士男君 大蔵省から発表がございましたとおりに、五十四年度の不用額が四千九百二十六億円ほど出ておりますが、まずどれくらいの大きな規模であるかということを認識してもらいたいと思います。
 そこで、五十五年度の都道府県の一般会計予算と比較してどの程度であるかお尋ねをしたいと思います。
 そこで、岩手県出身の総理、栃木県出身の大蔵大臣、その予算がどのくらいになっているかお尋ねしたいと思います。それと同時に、いま五十六年度の予算も審議しておりますから、各省大臣に所管の一般会計の歳出予算をお尋ねしたいと思いますが、代表で河本長官、藤尾労働大臣からお答えいただきます。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 調べてもらったんですが、栃木県の普通会計予算規模は、五十五年度で当初予算が三千七亘二十九億円で八%増である、五十六年度は三千九百七十三億円で六・三%の増だと、こう聞いております。
○国務大臣(鈴木善幸君) これも調べてもらったのでありますが、五十五年度、五十六年度ともに六・六%程度の増ということです。
○田代富士男君 金額はいかがでございますか。
○政府委員(松下康雄君) 計数でございますので私から御説明いたします。
 岩手県の昭和五十五年度の普通会計予算現額は四千十九億円でございます。昭和五十六年度当初予算額四千二百八十六億円でございます。
○国務大臣(河本敏夫君) 兵庫県の五十五年度の予算……
○田代富士男君 いや、兵庫県は聞いていない。企画庁の。
○国務大臣(河本敏夫君) 企画庁の予算は約三百億であります。
○田代富士男君 いや、来年度のですよ、いま審議している予算。
○国務大臣(河本敏夫君) 五十六年度の予算は約三百億であります。
○田代富士男君 間違いないですね。
○国務大臣(河本敏夫君) 約ですね。なお別に、経済協力基金関係が四千八百億あります。
○国務大臣(藤尾正行君) お答えをいたします。
 一般会計の労働省の予算は四千九百九十億、約五千億でございます。そのほかに特別会計といたしましては、合わせまして約三兆ございます。
○田代富士男君 河本長官、約三百億とおっしゃいましたけれども、これはあえて申し上げません、ここでは。省いておきます。私が申し上げますとちょっとぐあいが悪いと思いますから。
 ただここで、この不用額四千九百二十六億円というのがいかに大きな金額であるかということを知っていただきたいし、私は質問のために、この五年間のいろいろな決算、予算の資料から不用額等の問題と取り組んでまいりました。その資料の中で、項につきまして不用額の金額が一番大きいのは七百二十億円ぐらいであります。パーセントは九〇・五%。目にいきましたら一〇〇%ぐらい。いっぱいあります。しかし、この問題一々取り上げたら時間がありませんから、大事な問題をお尋ねいたしますが、まず不用額について一番問題なことは、同じ項について毎年連続して多額の不用額が発生していることではないかと思いますが、どうでしょうか。それと、不用額が毎年増加しているという実態をどう思いますか。大蔵大臣どうですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 不用額の発生の態様を見ますると、予算と執行との実務的なギャップによって生ずるという普通ありふれたもの、それから為替変動など他動的な要因によって偶発的に生ずるもの、それから何らかの事情があるにせよ傾向的に毎年連続して多額の不用額を出しているようなものと、大体この三つに実際分かれております。
 同じ項について毎年連続して多額の不用額が出ているというものについては、その原因を究明をして、予算編成の際にそれは対処しなきゃならぬと、さように考えております。
○田代富士男君 そこで、五十年度−五十四年度の五年間の決算書によりますと、連続して多額の不用額が発生しているうちで、項につきまして一億円以上のものが三十八項あります。ここに一覧表を持っております。これ、時間がありませんから一々お聞きいたしませんが、数も多いので。六億円以上で四%以上につきまして、その所管と項を発表していただきたいと思います。
○政府委員(松下康雄君) 五十年度から五十四年度までの五年間に一項六億円以上の不用額が連続して発生をいたしておりまして、それがかつ歳出予算現額の四%以上になるという項の所管、組織、項を申し上げますと、総理府所管、組織国土庁、項国土庁。大蔵省所管、組織大蔵本省、項大蔵本省。厚生省所管、組織厚生本省、項保健衛生施設整備費。通商産業省所管、組織通商産業本省、項工業再配置促進対策費の四項でございます。
○田代富士男君 ただいま四項御説明いただきましたが、これも時間の関係で、一例として国土庁の数字を詳細に御説明いただきたいと思います。
○政府委員(谷村昭一君) 国土庁の予算のうちの項国土庁予算に係ります不用額は、昭和五十四年度で約十一億円でございます。そのうち主なものを申し上げますと、防災集団移転促進事業費補助金五億七千万円、土地利用規制等対策費補助金一億六千万円、過疎地域集落整備事業費補助金一億三千万円等でございます。
 理由を申し上げてよろしゅうございますか。
○田代富士男君 私が尋ねているのは、そういうことを聞いているんじゃないんです。先日通告しておりました。だから主計局から答えてください。五年間の歳出予算額、対前年度増、不用額のパーセント等。
○政府委員(谷村昭一君) 五十年度が二十四億二千五百万円でございまして三・三%。五十一年度が十四億八千五百万円、一・九%。五十二年度不用額二十億五千八百万円、二・二%。五十三年度不用額二十億四千万円、一・八%。五十四年度十六億四千八百万円、一・二%でございます。
○田代富士男君 違います。きのう言っていた資料は――こちらから資料渡しております。その資料で答えてください。
○政府委員(谷村昭一君) どうも済みませんでした。
 項国土庁で申しますと、五十年度十八億八千三百万円、二〇%。五十一年度十三億五千四百万円、二二%。五十二年度十七億八千万円、一五・八%。五十三年度十八億二千万円、一五・三%。五十四年度十一億五千三百万円、八・八%でございます。
○田代富士男君 ちゃんと私がつくりました資料まで渡しておりますが、私が申し上げたのは、対前年増と不用額の関係の一覧表を渡してあります。
 これでいきますと、項国土庁は毎年度の増加額よりも不用額が多いんです。この実態をどうするのか。そうすれば、国土庁長官、増加額よりも不用額が毎年多いということは、何も検討せずに予算要求をされてきたのか。どうですか。
○国務大臣(原健三郎君) お答えします。
 一番不用額で大きくなっておりまするのは、防災集団移転促進事業費の補助でございます。これは、防災のために集団移転する必要が、災害でも多くある、たとえば本年度、来年度、昭和五十六年度のように、豪雪で非常に集団移転がこれはあります。そうなると、恐らくこれは集団移転促進事業の補助金が不足すると思います。いままでこういう余りましたのは、わりあい災害が、過去数年間これほど必要とするようなものがなかったので、防災集団移転促進事業費が非常に余っておりますが、昭和五十六年度においてはまだ不足するというような、非常にとらえにくいんで、災害が起こるか起こらぬか、起こってからそんな予算組むわけにもいかぬし、補正予算というわけにもいきませんから、まず組んでおく。組んでおいたときに限って災害が起こらなかったというようなことになりまして、まことに申しわけないんですが、はなはだどうも食い違いの、不用額がたくさん出ておるような事情にございますから、その点ひとつ、決して特別の意図があってこうなったわけではございませんから、よろしく。
○田代富士男君 いま国土庁、災害が云々とおっしゃいましたけれども、そんなものじゃないんですよ。増加額よりもこれが、連続続いておりますよ。この点どう思いますか。単年度だったらそれは言えますが、連続続いております。どうですか。
○国務大臣(原健三郎君) それがいま申しましたような理由で、まことに申しわけないんですが、災害が急に起こらないとかいうような場合において予算をたくさん組む、また普通に、余ると思って少し組むと災害が多かったりして、昭和五十六年度は私は足らぬと思っておりますが、そういうようなわけでございますので、なかなか予測しがたい、把握しがたい原因が、しかも自然現象で起こってくるようなものでございまして、その他にも土地利用規制等対策費補助金などございますが、これによると規制区域の指定がなされない場合においては金が要らない。余ってくる。規制区域の指定許可事業が不用となってまいりますので、どうもこれも、そういう規制するかせぬかというのはそのときの事情によって多い場合もあるし少ない場合もある。もう一つ、過疎地域集落整備事業費補助金というのもありますが、過疎地域の集落移転にする場合も、移転してもらいたい、そして過疎のところに、移転して生活を安定してもらいたいと思ってその対策をやるんですが、予測しておりましても、全集団がこれ反対があって同意してくれなければ集団移転に成功しない。まことに申しわけないんだが、そういう非常に不確定な要素がある予算費で、たとえば普通にちゃんと初めから予測して予算組んでそのとおり実行できるのもありますが、私どもの方のこういうものは非常に不確定要素があるので、そういう結果になっておるのでございます。
○田代富士男君 いま、国土庁だけ私は申し上げましたが、これはただいま大蔵省から説明のありました、厚生省の項保健衛生施設整備費、これには、毎年予算の伸び率が著しいわけなんですが、それが反映しまして毎年六億円以上、五十二年は十一億円の不用額が出ております。また、通産省の項工業再配置促進対策費、これは五十四年度を除きましては毎年対前年度増加額よりも不用額の方が圧倒的に多い。これは省略をいたしますけれども、本当は通産、厚生両大臣からお尋ねしたいところでございますが。
 この際、大蔵大臣にお尋ねいたしますが、項大蔵本省は五十一年度では六十億円不用額が出ております。二〇%の不用額を発生さした、これは大きな問題じゃないかと思います。また、いま国土庁長官からもいろいろ話がありましたけれども、国土庁、厚生省、通産省の数字いまお手元にあるかと思いますが、こういうような要求のまま査定しているということについて、一体どうなっているんですか、大蔵大臣。
○政府委員(松下康雄君) 私ども、予算査定を行います際には、おのおのの項目の経費につきまして過去の経費の使用実績を必ず参照しながら予算を査定していくという方式をとっているのでございますけれども、ただいまも御答弁がございましたような、いろいろ将来の推計をいたします際に、やはり過去の一定の傾向値に基づいて推計計算によって予算を立てざるを得ないというようなものがございまして、それらが実際の時代の変化等に必ずしも的確に追いついていないという点は、御指摘がございましたような不用額として結果的にあらわれる点でございまして、このあたりは私どももさらに努力をして査定を厳格にしていかなければならないと思っております。
 先ほど事例として御指摘になりました、たとえば防災集団移転の促進事業費補助金でございますけれども、各年の使用実績等も勘案をいたしまして、五十六年度予算額におきましては事業量の減一億四千万円を見込みまして五億六千八百万円、こういうように予算額の削減もいたしております。それらの項目は毎年相当の数に上るのでございますけれども、また他面、実際に予算の実行をいたします際には当初予期しなかったような事情が発生するということもございます。しかしながら、まことに御趣旨御指摘のとおりでございますので、今後なお一層努力してまいりたいと思っております。
○田代富士男君 いま主計局長からお話ありましたけれども、使用実績を勘案してとおっしゃいましたけれども、平均は一〇%前後、それが項大蔵本省は二〇%出ているんですよ。これはね、使用実績云々よりももっとそれ以前の問題があると思うんだが、大臣どうですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) まあパーセントからするとそういう数字になるわけでございますが、ただいま主計局長から答弁したとおりで、退職者が少なかったとか、そういうふうな事情に基づくものでございまして、今後ともそういう問題については極力内輪に見ていきたいと考えております。
○田代富士男君 総理、いま私質疑をやりとりいたしました。数字もごらんになりましたけれども、こういうときに、総理がいつも力説されるこういう時期に、やはりこの不用額に対しまして放置せずに、メスを入れて正していくべきだと思いますが、どうでしょうか。
○国務大臣(鈴木善幸君) 御指摘の点は全くそのとおりでございますので、今後十分配意してまいりたいと思っております。
○田代富士男君 そこで、一つは、この不用額の出る前に、毎年度補正で節減という名目で不用額を出してるわけなんです、御承知のとおりだと思いますが。そこで、五十三、五十四、五十五年度の補正予算における既定経費の節減について説明をいただきたい。
○政府委員(松下康雄君) 補正予算におきます節減額は、五十三年度二千二百九十二億円、五十四年度七百四十六億円、五十五年度七百三十九億円でございます。
○田代富士男君 いま既定経費の説明がございましたが、このように行われてもそれに増して多額の不用額が出ているということは、これは問題です。大蔵大臣、これは、いまさきいろいろ申されましたけれども、さらにこれは大きな問題ですけれども、どうなんですか。大臣から御答弁いただきたい。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 既定経費の洗い直しによって見込み得る使用額と、それから族費とか庁費のように行政経費について節約したための不用額、こういうものがございます。したがって、補正予算編成のとき以降に執行残となったものが決算上の不用額になるわけでありますが、予算がどうしても見積もりであります以上、執行上のギャップというのはある程度どうしても、全然出ないというわけにはいかない。そういうようなことで、最小限度のある許されたものについての流用というものもございますが、それにも限界がもちろんあるわけでございます。したがって正直に、実情と合わなかったようなものについては不用額としてきちっと出した方がむしろいいんじゃないかというようにも考えておりますが、物は程度問題、先ほどから言うように程度問題でございまして、年々同じところに不用額が出るというのは好ましくない。しかし国土庁のように、災害を予定して引っ越しとか何かを予定しても、災害がないときに使ってしまうわけにはいきませんで、災害が絶対ないということも言えないし、予備費だけに災害を任せるというわけにもいかないし、そういうやむを得ざる不用額も、準備しても使えないという場合もあるわけでございます。しかしながら、田代委員御指摘のように、今後とも予算の執行というものが実態に合うように、また予算を組むときにも、いままでの過去の例等もきちっと見まして、それで、そのような度を過ぎた不用額が出ないように最善の努力をしてまいりたいと考えています。
○田代富士男君 いま大臣いろいろ申されましたけど、予算の執行に当たって過去の例を見てとか、不用額が出ないような程度ものであるとかおっしゃいましたけれども、大蔵省だけ、いま申すとおりに六十億、平均一%のところ二〇%出ているんですよ。だから、国土庁またほかの省庁、いま例を挙げられたのは一番答弁しやすい例を挙げられておる。それだけじゃないんです。それは御存じのとおりだと思うんです。だから、予算がこのように非能率的に不用額として決算に計上されているということは、予算編成時におきまして、各省の要求に対する大蔵省の査定は厳しくしたことになっておりますけれども、これは表面だけのことであって、実はその実態は大甘ではなかったかと言われても仕方がないじゃないかと思うんです。そして、そういう模範を示すべき大蔵省が六十億、二〇%出しておる。このことを一言で表現するならばどういうことになるか、大蔵大臣は削るべきものは削りましたと、削るところがあったら指摘してくださいと日ごろ言っていらっしゃる。私はこれを指摘している。よその名よりも大蔵省が一番多い、これを灯台もと暗しと言いますよ。どうですか、お答えいただきたい。
○政府委員(加茂文治君) 項大蔵本省におきまして不用額が生じております主なものは退職手当その他の人件費及び貨幣交換差減補填金でございます。
 不用額を生じましたのは、退職手当につきましては退職者が少なかったこと、それからその他の人件費につきましては、職員の欠員があったので職員の基本給等を要することがなかったこと、それから貨幣交換差減補填金につきましては、これが大変、先生御指摘の五十一年、多うございますけれども、これは為替相場が円高に推移したこと等によるものでございます。
○田代富士男君 灯台もと暗しということはどうですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 灯台暗かったかどうかわかりませんが、これは為替差益などの場合は、ある程度予算を用意しても、要するに円高でもっと安く材料を仕入れられたというようなことでして、なかなか為替が円高になってそんなに安く外国から品物が入るというようには予算編成時に考えられなかったというような問題も、仕方ないものもございます。しかし、退職手当も予定者がやめなかったとかあるいは欠員の問題とか、そういうようなこともございますが、今後一層十分配意してまいりたいと考えます。
○田代富士男君 いま大蔵大臣、退職手当の問題を言われましたが、実は私は退職手当の問題で、補正予算のときに、あの退職手当こそは検討する最大の事項ですよ。今回質問するようにしていたけれどもおろしたんですけれども、あなたの方から申されたけれども、これは各省ともに関係があるんですよ。これは後日にその実態を示しますよ。
 だから、いま五千億近く不用額が出た。一兆四千億円の税金が今度かけられようとしているときに、この不用額を徹底的に検討されているならば、単純計算ですけれども、いまの税金を一兆円以下に抑えることができたんじゃないかと思うんです。私はそういう立場から、この不用額につきましても今後は予算、決算につきましては詳細にさらに検討をしていただきまして、行政改革の推進に取り組んでいって、そして国民にこたえていただきたいと思いますが、総理いかがでしょうか。
○国務大臣(鈴木善幸君) 厳しい財政事情の中でございまして、特例公債の減額を計画的に五十九年度までに図っていこう、こういう際でもあり、特に厳しく歳出面等につきまして、田代さん御指摘のように不用額の出るような甘い査定でなしに、厳しく今後やっていかなければならないと、このように考えておりますので十分注意をいたします。
○田代富士男君 次に、財投の問題に移ります、
 財投計画、過去三年間の実行状況につきまして、予算規模と年度内執行率及び不用額の割合がどのくらいか、説明を求めます。
○政府委員(渡辺喜一君) 五十二年度財投の予算現額は十五兆八千百二十五億円、年度内の実行率が七九・九%、不用額は五千三百十三億円、不用の割合はしたがって三・四%ということに相なります。五十三年度は予算現額が十八兆一千九百五億円、年度内の実行率七三・七%、不用額一兆五千四百六十五億円、不用割合八・五%、五十四年度予算現額二十兆一千二百七十一億円、年度内実行率八一・七%、不用額七千二百八十四億円、不用割合三・六%と相なっております。
○田代富士男君 いま御説明いただきましたこの不用額はどうして生じたんでしょうか、御説明いただきます。
○政府委員(渡辺喜一君) いろいろな事情があるわけでございますが、一番大きいのは海外要因でございまして、輸出入銀行等の財投計画がなかなか予定どおり実行が進まないという点にあったわけでございます。御承知のように、最近の政治経済情勢というのは非常に流動的でございまして、わが国の国内事情というよりはむしろ諸外国の政治情勢あるいは経済計画の変更等々もろもろのことがございますし、あるいはまた為替レートの急激な変動というふうなこともございまして、当初計画いたしておりましたような事業計画の進捗が海外においてうまく運ばなかったというようなことが一番大きな要因でございます。国内的には、たとえば土地の補償交渉というふうなものが難航するというふうなことがございまして、主として土地関連の事業計画においてかなりの不用が出ておるというのが実態でございます。
○田代富士男君 いま説明がありましたとおりに、五十四年度では三%強の七千億円です。だからこれが効率的に使用されていたならば、どれほどの波及効果が期待できたかしれません。いま原因の説明がございましたが、その中にありましてこれはどう説明されますか。次年度繰越分に生じた不用額、いわゆる二次不用額というものがあります。この実態をまず三年間ぐらいの数字でお願いいたします。
○政府委員(渡辺喜一君) 財政投融資につきましては、法律によりまして次年度に繰り越して資金を使用するということが認められておるわけでございます。つまり二年間にわたって計画の実行を図ると、こういうような法律の構成になっておるわけでございます。いまおっしゃいました二次不用というのは、翌年度に繰り越された資金が結局二年かかってとうとう不用になってしまったというのが二次不用でございます。
 五十二年度以降の二次不用額を申し上げますと、五十二年度が四百九十二億円、五十三年度が二百三十二億円ということでございます。なお、五十四年度の二次不用は、今年度、五十五年度が終わりませんと数字が出ないわけでございます。
○田代富士男君 いま私は不用額一本で質問してきておりますけれども、このような運用の仕方でよいということは決して言えません。私はこれは改めてもらわねばならないと思いますが、ひとつ具体的な例を申し上げますと、昨年私が商工委員会で指摘いたしました地域振興整備公団ですが、これは二年にわたりまして全額不用としております。これはどう説明されるのか。それから宅開公団、中小企業事業団、これは七〇%以上が次年度に繰り越しをいたしまして全額不用になっております。これは大蔵大臣どう説明されますか、大蔵大臣から聞きますよ。
○政府委員(渡辺喜一君) 地域振興整備公団につきましては、いま御指摘のようにかなりの不用額を出しておるわけでございます。その主たる理由といたしましては、先ほど私が申し上げましたような用地交渉の難航ということが非常に大きかったかと思うわけでございます。特に関係地方公共団体等との用地の折衝が非常におくれておると、こういうことでございます。なお、土地造成事業以外にこの公団は融資業務もやっておるわけでございますが、融資業務につきましては、景気情勢ということがございまして、資金需要が低迷をしたというような要因によりまして貸し付けが進まなかったり、あるいは逆に既往の貸し付けについての繰り上げ償還というふうなことが生じておるというのが主たる要因になっておるわけでございます。
 宅開公団につきましても、やはり用地買収交渉に当たりまして、地元の関係者等との調整に非常に時間がかかってしまっておるということでございまして、どうしても当年度中に交渉が妥結しませんで次年度へ持ち越してしまうというようなことが主たる要因になっておるわけでございます。
○田代富士男君 続いて日本輸出入銀行、公害防止事業団の実行状況の説明を求めます。
○政府委員(渡辺喜一君) 輸出入銀行につきましては先ほど申し上げたとおりでございます。輸出入銀行の業務というのは、当然のことながら対外取引が対象でございますから、相手国側の影響をもろに受けるという立場にあるわけでございます。特に相手国側の国内事情、たとえば相手国の経済計画が見直される、政治情勢の激変、たとえばイランのように政治情勢が急激に変わる、あるいは中国のようにいろいろな計画の見直し、変更が急に生じてくるというようなことで大型プロジェクトが当初の予定どおりに実施が進まないというようなこと、あるいはまた、国内の金融事情の変化によりまして繰り上げ償還等が起こってくるというようなことももちろんそれに加わっておるわけでございます。
 それから、公害防止事業団につきましては、主としてこれは国内の景気の状況によりまして、景気停滞のために企業の設備投資が当初の予定どおりに進まないと、したがって設備投資に伴って必要となる公害防止設備というふうなものも当初の予定どおりに進まない、同時にまた、過去の貸し付けについての繰り上げ償還が生じてくるというようなことが主たる要因になっておるわけでございます。
○田代富士男君 私もいろいろ資料を取り寄せましてその実態を見ましたけれども、その中にはもうその使命を終えた機関もあるのではないかと考えられるものがございます。そういう意味から、行財政改革の一環といたしまして、これは調査、検討をやるべきではないかと思いますが、行管長官、いかがでしょうか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 財投の問題につきましてはまさに御指摘のとおりの点がございます。ただ、不用額ができました理由をよく精査してみませんといけないと思います。恐らく不用額ができた理由の中には、昨年以上にシェアをとろうと、そういうようななわ張り根性のこともあるんではないかと思いますが、しかしまた一面に、残しておいたということは、むだな金遣いをやめるという意味の良心もちょっと見えるということも考えられます。そういう点で、ただめたらやたら切ればいいという性格のものではありません。しかし、毎年毎年残るようなものはそういう傾向が明らかにあるわけでございます。そういうお金を、たとえば中小企業のためとかあるいは科学技術開発のためとか、そういう方面に低利で出してやれば、さらに経済を支えて発展の原動力になります。そういう意味において、現在の財投というものは相当ここでメスを入れる段階に来ていると、そう思って第二臨調で期待しているところであります。
○田代富士男君 では、ひとつがんばってください。いまおっしゃったとおりにやってください。
 そこで、財投がいかに非効率的であるかという実態をひとつ質問してまいります。
 最初に、年金福祉事業団の経営内容と事業団の業務会計のうち、大規模年金保養基地関係の資金、予算額の推移並びに保養基地に関する借入金とその償還額の推移について説明を求めます。
○政府委員(松田正君) 大規模保養基地につきましては、資金運用部資金から四十八年度から借り入れをいたしております。四十八年度約六十二億、四十九年度七十二億、五十年度七十二億、五十一年度百八十億、五十二年度二十億、五十三年度四十七億、五十四年度七十五億、五十五年度――これは見込みでございますが、三十六億円でございます。なお、五十六年度予定では五十五億円を予定をいたしております。償還額につきましては、元利合計で、四十九年度約九億、五十年度十五億、五十一年度二十九億、五十二年度四十二億、五十三年度四十六億、五十四年度四十九億、五十五年度見込みで約五十五億、五十六年度予定では約六十一億円でございます。
○田代富士男君 じゃ、これだけのお金をつぎ込んで行われている大規模年金保養基地の進捗状況はどうなっているでしょうか。
○政府委員(松田正君) 大規模年金保養基地につきましては、昭和四十八年度から事業の開始をいたしたわけでございます。自来、用地の取得それから基本計画の策定、基本計画の設計、建設の作業を順次進めているところでございます。
 このうち、用地取得につきましては、昭和五十一年度をもって全基地完了をいたしてございます。
 基本計画の策定につきましては、十一基地のうちの十基地につきましてすでに厚生大臣の承認を行ったところでございます。なお、残りの一基地につきましても、現在基本計画を策定をいたしているところでございます。
 なお、基地の建設につきましては、昨年来、兵庫県の三木基地それから北海道の大沼基地が開業の運びとなったところでございまして、現に施設の運営を行っておるところでございます。それから新潟県の津南基地につきましては、現在工事を進めているところでございます。また、鹿児島県の指宿基地につきましては、近く工事に着手する予定でございます。なお、その他の基地の建設につきましては、現在地元を中心にいたしまして地元の実情に合った基地の建設、こういうことで鋭意地元等と協議をいたしておるところでございます。逐次具体化をしてまいりたい、かように考えております。
○田代富士男君 この保養基地の運営を預かります財団法人年金保養協会の初代会長が現鈴木総理でございましたですね。
 そこで、関連がございますから総理にお尋ねいたしますが、ただいま説明がございましたとおりに、保養基地のためにという名目で広大な土地、いま全国十一カ所、一カ所が約百万坪、羽田空港と同じくらいの広さの土地が十一カ所にある。これだけの膨大な土地を購入されまして、まだ将来どのような方向へ持っていくかということがいま計画中であるとか、実際に動いている基地が二カ所だけ、こういう実情をどのように初代の会長として、当初思っていたことと現実とはどうなったかとお考えでしょうか。また、今後どのようにしようとお考えでございましょうか、お尋ねいたします。
○国務大臣(鈴木善幸君) 財団法人保養協会初代会長を約十カ月私やったと思っております、昭和五十一年から五十二年にかけまして。あの協会は理事会が執行の責任を負っておりまして、また経済界、労働界それから学識経験者等が理事に選任されまして、それが責任を持って運営をしている、こういうことでございます。
 私が会長をやっておりました当時の年金事業団の構想は非常に壮大な計画を持っておりまして、御指摘のように全国十一カ所、ブロック別に百万坪、約二百億ぐらいの設備投資をやって、そして年金生活者に生きがいのある老後の保養の場を提供する、こういう趣旨で、諸外国の事例等も調査をして出発をしたものでございます。
 その後、社会経済情勢が大きく変わりまして、それだけの大きな規模のものをつくる必要はないではないか、もう少しこれをブロック別でなしに個所もふやして年金生活者の利用に資するようにしたらどうかとか、あるいはそれぞれの地方の特色、ニーズに合うようにしたらどうかとか、そういう御意見等も各方面から出たようでございまして、先ほど年金局長が御説明をしたように、今後は規模も縮小し、そして運営等についても県や地方公共団体、地元を中心にしてこれを運営をする、そういう地についた方向に向いておる、こう聞いております。
○田代富士男君 いま総理、地についた方向へ動いているとおっしゃいますけれども、膨大な土地のうち、まだ九カ所は全然将来何に使うのかわかってないんです。私は地についた方向ではないと思うんです。
 また後でちょっとお尋ねをいたしますけれども、その前に宮澤官房長官にお尋ねいたしますが、去る二月二十四日と三月二日の両日、日本国有鉄道再建特別措置法の施行令に関しまして関係閣僚会議を開かれたと思いますが、議題と出席者の名前を明らかにしていただきたい。
○国務大臣(宮澤喜一君) 二月二十四日及び三月二日に、国鉄再建特別措置法施行令に関しまする関係の閣僚のお集まりをいたしました。その出席者でございますが、二十四日の方は大蔵大臣、文部大臣、通産大臣、運輸大臣、建設大臣、自治大臣、防衛庁長官、国土庁長官・北海道長官、兼でございますが、並びに私でございます。で、議題は地方交通線等の選定について。三月二日の方は、ただいま申し上げました閣僚のほか、行政管理庁長官、経済企画庁長官、農林水産大臣でございまして、議題は地方交通事業の選定について。
 なお、申し上げるまでもないことでございますが、これは厳密な意味での閣僚会議というものでなく、私が、この政令を制定いたします過程で、事務当局同士で事実上の話し合いがついております役所の問題はよろしいとして、どうもそうでない各省庁の間でやはり閣僚にお集まりを願って直接御議論をいただきました方がまとまりが早いと考えましたもので、私がお声をかけてお集まりをいただいたと、こういう性格のものでございました。
○田代富士男君 いまの出席メンバーの中に園田厚生大臣の名前が見えないのですが、なぜでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) それはただいま申し上げましたように、関係各省庁のそれまでの折衝を見ておりまして、事実工事務レベルで政令の書き方一ということは事実上との線をどうということに関係があるわけでございますが、事務レベルで事実上お話がまあまあついておる、あるいはそれに近いと考えましたものがわざわざ閣僚においでを願う必要はないと、こう考えましたからでございます。
○田代富士男君 じゃ、次にお尋ねしますが、そのときに宮古線、三木線、矢部線、高森線は閣僚会議でどういう結論が出たんでしょうか。
○国務大臣(塩川正十郎君) お尋ねの問題は、要するに保養基地等ができた場合に、この赤字ローカル線の問題とどのように関連があるかということがその御質問の中に含まれておるように思いますので、それとあわせてお答え申し上げたいと存じます。
 先ほど申されました各路線につきまして、われわれも十分検討をいたしました。その措置につきましては、まだ基準が決まった段階でございますので、その結果として国鉄当局からどのような申請が出てまいるかまだ未定ではございます。しかし、この保養基地等の関係につきましては、われわれも将来厚生省との間で十分話し合いをしていくように準備はいたしておるところであります。
○田代富士男君 園田厚生大臣、いまの四線は説明がございますけれども、この点についてどういうお考えでしょうか。
○国務大臣(園田直君) 保養基地の問題、総理からお答えになりましたとおりでありまして、当時と社会情勢、経済情勢が大きく変動しております。
 そこで、第一に考えなきゃならぬことは、これが年金の資金を使っておるわけでありまして、むだ遣い――もっと大事なことは、この保養基地が広く老後の憩い場所、家族その他を含めて公平に健全な余暇を利用するという保養基地設置の目的から外れるおそれがあるわけでありまして、構想、規模等についてここで見直しをしなきゃならぬことも多々あると思いますが、いまの基地をめぐる交通の問題でありますが、運輸大臣にはその点はよくお願いをしてございまして、年金基地をつくる場合に、最寄りの国鉄の線から一キロというのを大体基準にしております。まあだんだん変わってまいりまして、この基地に行かれる方はバス、自動車の利用が多いとは思いますものの、やはり国鉄の足というのは、相当、そうでなくてもいろんな障害があるわけでありますから、これに対する考慮を願いたいと、こういうことを運輸大臣にはお願いしているところでございます。
○田代富士男君 いま官房長官は、事務レベルで話がついているところの閣僚はお呼びしなかったと、こういうことでございますから、厚生大臣、この四つの路線につきましては三月の三日の閣議で廃止ということが決定しておりますけれども、当然三基地、四カ所にこのアクセスに関係のある路線のことでありますから、この閣僚会議に行って一言ぐらいお話をなさるべき立場でないでしょうか。お呼びがなかったということは、いま事務レベルで話し合いがついているところは呼ばれなかったということは、廃止されることを御承諾されたんでしょうか。その点どうなんですか。
○国務大臣(園田直君) 国務大臣として国鉄の再建ということも重大な考えなきゃならぬ要素でありますけれども、しかし、いまのような見地から運輸大臣には、いまの四線は保養基地に非常に関係が多い、したがって、これについて今後の処置についてはぜひ御配慮願いたいと、こういうことを申し上げておるわけでございます。
○田代富士男君 ちょっと厚生大臣、おかしいですよ。官房長官は、事務レベルで話し合いがついたところはもう呼ばなかったとおっしゃる。運輸大臣に頼んでいると。
 私は、なぜこれをこのように申し上げるかといえば、この十一カ所の、羽田空港と同じ土地が全国にそのまま、買ったままになっているんです。これをもてあましている状態なんです。しかし、これは年金加入者のささやかなお金で、そのように年金加入者の皆さんに対してこたえていこうとしてつくろうとしているものでしょう。それに対する積極的な姿勢があるならば、これは保養基地のアクセスに関係があるというならば、その閣議にも出席をして一言も二言も言うべきなのが大臣の立場じゃないでしょうか。
 年金加入者に対しましてどのようにこたえていきますか。充実していくべきじゃないでしょうか、厚生大臣。
○国務大臣(宮澤喜一君) その前に、私が申し上げましたことがちょっと粗雑であったかもしれません。
 事務レベルで話がつく云々と申し上げました意味は、問題が非常に複雑であって、これは閣僚間でお話を願わなければとうてい政令を書くことはできないという性格のものと、それから、はっきり話がついていないけれども、まあ事務当局の話に将来任せても何とかこれは片づいていくであろうというものと両方ございまして、先ほど申しました意味は、どうしてもこれだけは閣僚間でお話し合いをしておいていただかないと政令が書けないというものに限って御議論を願ったわけで、したがいまして、そこにおいで願わなかったからといってその問題が全部解決しておると、必ずしもそういう意味ではございません。
○国務大臣(塩川正十郎君) 厚生大臣にお尋ねございました問題でございますが、実は私の方が関係深いと思いますのでお答えいたしますと、御指摘のございました四線についてでございますが、四線の周辺に保養基地建設があるということ、これは承知いたしております。
 ところが、それぞれの保養基地におきましてアクセスの問題になりますと、まだこれ十分に煮詰まっておらないのでございます。当該地方団体の考え方、アクセスについての考え方もございますしいたしますので、これは厚生省と運輸省とにおきまして、将来その保養基地の建設計画が確定し、そしてそれに対するアクセスの問題が地方交通との関連で考えられる場合にぜひ協議をして決定いたしたい。このようになっておるのでございまして、先ほど宮澤官房長官おっしゃいましたように、政令の基準を決めるとき、当面、どうしても根本的に各省の権限の関係等がある問題等についての関係大臣にお集まりいただいたということと相合わせて御返答申し上げた次第でございます。
○国務大臣(園田直君) そうでなくてもいろいろ障害が多いわけでありますが、この確定された十一カ所、これは道路その他を整備するとともに、国鉄と、ここにおいでになって一日も早く皆さんが利用されるようにするのは私の責任でございます。
 関係閣僚会議に出ませんでしたのは、お呼びでない会議に出ていって、そうでなくてさえも出しゃばりと思われておりますので、この点気が弱くなりましたのはおわびを申し上げます。
○田代富士男君 じゃ今後これを、大規模のこの保養基地を、消極的姿勢じゃなくして、年金加入者に対してこたえていくべく取り組んでいただきたいと思いますけれども、その決意をお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(園田直君) 御発言の要旨は全くそのとおりでございまして、とうとい年金資金、これをむだにしないように、しかも一日も早く皆さんが公平にお使いになれるように、最初からの目的を達成することが責任でございますから、情勢変わりましたから、地方公共団体等の協力も得て何とか早く開設するように全力を挙げます。
○田代富士男君 次に、補助金行政の問題に移りたいと思いますが、一般会計の三〇%以上を占めます補助金の整理合理化というのは、もう国会でも取り上げられております行政改革を推進していく上におきましては、財政再建上最も重要な柱の一つじゃないかと思いますが、この補助金の整理合理化に対する進め方につきます見解を、総理並びに行管長官にお尋ねをいたします。
○国務大臣(中曽根康弘君) 補助金は本年度予算におきましても約十四兆五千億円でございます。一割節約した場合ですら一兆四千億円という大きな金額が出てまいります。
 補助金の内容によりましては、前から大蔵大臣申しますように、八割が法律事項になっておりまして、非常に扱いがむずかしい状態でございます。しかし、補助金の中身を一つ一つ点検してみますと、かなり重複しているものや、もう時代的意味を失っているものもあるようにも考えられます。したがいまして、今度の財政窮乏の状態から見ますと、この補助金に手をつけないで行財政の改革はできない。そういうふうに考えておりまして、思い切った補助金に対する措置を断行しなければならぬと、そういうように考えておりまして、この点につきましては各党の有力者の側におかれましても、補助金に手をつけるという御発言を国会においても聞かしていただいておりますので、与野党一致してぜひ御協力をお願い申し上げたいと考えておる次第でございます。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 補助金の整理合理化については、五十六年度では合理化廃止が二百九十二件、それから合理化で減額が五百八十六件、統合メニュー化では七十四件、終期を設定する――今度はいつまでですよと終期を設定するものが二百十件、その他で千三百二十九件を整理合理化して千六百八十八億円を削減合理化をしたわけでございます。
○国務大臣(鈴木善幸君) 財政再建のためには歳出をさらに一層厳しく見直しをする、補助金、交付金の削減をしなければならないという御指摘は全くそのとおりでございます。高度経済成長時代に肥大化してまいりましたわが国の行財政、これを私どもは思い切った、徹底した縮減合理化を図るということに財政再建の第一の目標、そこに重点を置いて今後も取り組んでいきたい。いま大蔵大臣からも御答弁がありましたが、これは五十六年度一年で終わるものではない、五十七年度以降におきましても引き続いてこの努力を積み重ねていく必要があると、こう考えております。
 そこで、昨日も第二臨調の会長に御就任を予定されております土光さんにお目にかかりまして御意見の交換をしたわけでありますが、土光さんは、民間が積極的に対応するために思い切った合理化を進めたい、こういう観点から政府機関あるいは地方団体等においてもやるべきだと、こういう強い御主張をなさっております。私は第二臨調の中間答申を求めて五十七年度予算編成にもこれを生かしていきたい。こういう決意で財政再建に取り組んでおるところでございます。
○田代富士男君 そこで、私は補助金のむだ遣いということにつきまして具体的な問題を取り上げていきたいと思いますが、その前に、会計検査院に五十四年度決算におきます補助金問題に関するいわゆるむだ遣い指摘件数及び金額について説明をお願いいたします。
○説明員(藤井健太郎君) お答えいたします。
 昭和五十四年度決算検査報告に掲記いたしました補助金関係につきまして申し上げます。
 不当事項といたしましては九十九件、四億七千九百八十一万余円でございます。また、是正改善の処置を要求した事項といたしましては三件、十九億六千七百十万余円でございます。また、会計検査院の指摘に基づきまして改善の処置を講じた事項といたしまして一件、千六百四十一万余円でございます。合計いたしますと百三件、二十四億六千三百三十二万余円になっております。
 以上でございます。
○田代富士男君 いまも会計検査院から数字の上の御報告がございましたが、実態は、事業を実施することなく完了したといたしまして補助金をそっくり銀行に預金したり、また暗渠排水事業での給排水の積算単位というものをごまかしたり、その実態は時間がありませんから詳しいことは……。もっとありますけれども、こういうものがあります。
 そこでひとつ、私自身が調査をいたしました、ここに調査資料は全部ございます。この調査資料に基づきまして質問をしたいと思いますが、その前に、土地改良組合整備事業における暗渠排水事業に対する五十五年度国家補助金はどれくらい、何件になっておるんでしょうか。
○政府委員(杉山克己君) 五十五年度の予算額で申し上げますというと、これは一般都府県の分で三百九十二億七千八百万円、そのほかに北海道それから奄美、沖繩、離島分、こういったものがございまして、総額で四百六十三億一千二百万円、こういうことになります。
○田代富士男君 そこで、私が調査をいたしましたその地区では、名前を出してもらったらいろいろな差しさわりがあるというそういう条件でございますからA地区といたしますが、五十五年度実施分の補助事業費が単価十アールあたり七万八千九百円であった。ところが、自分で業者を頼んで実施いたしましたところが五万五千円ででき上がっております。結局、補助事業の方が一・四倍高いんです。こういうようなことで農業機会の格納庫、これが三倍の違いがあります。麦乾燥施設が一・九倍、牛舎が三・六倍、その他いろいろありますけれども、時間の関係係がありますけれども、この実態をどのように見られますか。ただ単なる数字ではございません、はっきり言っておきますけれども。お答えいただきたい。
○政府委員(渡邊五郎君) お答えいたします。
 御指摘の点は、農林水産省関係の基盤整備なり、施設整備の事業で事業費が割り高になっているのではないかという御指摘かと存じます。これらの補助事業費につきましては、その立地条件なり構造物の安全性等を考慮しまして、地方公共団体なり受益者である農家の意向なりを取り入れて私どもとしては総体には適正に実施していると存じておりますが、御指摘の内容について詳細私どもいま存じておりません。融資等の比較は私どもとしていたしておりますが、融資事業と補助事業では融資の方が非常にばらつきが多くて、畜舎についていいますと都府県の案件につきましては平米あたり一万二千円から八万七千円、補助事業の場合には三万一千円から五万七千円というような事例もございますが、やはり補助事業の場合の方がばらつきが少ないように見えますけれども、先ほどお話がございました会計検査院からの指摘を受ける例もございますので、今後ともこうした点については適正に、かつ低廉に事業費を設定するように努力したいと考えております。
○田代富士男君 農水大臣いらっしゃいますか。
 いま私申し上げたのは、ここに、土地改良区のこれは資料です。場所は消しておりますけれどもこれは調べております。現実に行きました。それから事業実施計画書もここにあるんですりそれからこういう牛舎の建物も現場へ行って写真撮ってきているんです、写真を。だから、いま言ったような数字をただ単に初めて聞きました、こういうような補助事業が民間でやった事業の三倍あるいは一・九倍、三・六倍高いです。これはただ単に言っているんじゃないのですよ。現場へ行ってきてこれだけ調べてきて、この実態をどう思うんですかと、このようにお尋ねをしておりますから、それはまだ調べておりませんですと、調べる前に私が調べたんですから、農水省で調べたらたちどころにわかるでしょう。この実態を大臣どう思われますか。
○国務大臣(亀岡高夫君) 公共事業関係の、また施設関係の単価積算ということにつきましては、その地域性の特質、さらに豪雪地帯であれば強度を強くしなければならぬとか、そういういろいろの条件によって単価が違ってくることは御理解いただけると思います。しかし、間々農家の中からも少しおかしいという声も私も聞いておりますので、就任以来そういう点のないように、念には念を入れて、国民からお預かりしておる税金という考えできちんとした仕事をするようにということはやかましく末端に至るまで申し伝えておるわけでございます。そういう点がありましたならば、早速調査をいたしまして適正な処置をとるようにいたします。
○田代富士男君 それで、調査をするとおっしゃるけれども、大臣、私はもう調査をしてきているわけなんです。こういうような補助事業の問題がいろいろ起きておりますから、補助金のぜい肉を落とすためにも、また一つの案としまして超長期の超低利の融資やあるいは自治体がやりやすいような交付金に切りかえるという方法も考えられるんじゃなかろうかと思います。そうしたら実態に即した仕事ができるんじゃないかと思うわけなんです。いまのままいったならば、調査をしますと、この場所だけではそう言って調査をされないんです。これが実情でございます。だから、いま言うようなことを言いましたならば、これはだれのための補助事業であるのか、業者のための補助行政ではないかという批判も出ております。こういうような補助を受けない方がよほどよいです、融資制度にかえてもらいたいという声もございます。これに対しましては、ひとつ大蔵大臣あるいは農水大臣の御意見をお伺いいたします。
○国務大臣(亀岡高夫君) 長期的な展望に立ちまして農政を考えました際に、確かに長期低利の資金を豊富に準備をするということは一つの方法かと思います。しかし、現在における日本農政のこの厳しい情勢の中で、直ちに長期低利の制度に全部補助金を切りかえてしまう、補助金から融資に切りがえてしまうということは、これはむしろ混乱に陥れるという点もございますので、その辺は緩急十分考慮をいたしまして、低利長期の融資制度も現在においてもあるわけでございますので、そういう点の利用しやすいようにさらに勉強をしていきたいと、こう考えております。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 田代委員の指摘するようなことがときどきあるんです、実は。私も農林大臣をやったときに一遍そういうのを見つけまして、牛小屋というか、堆肥小屋の柱が三十センチのコンクリートの柱とか、これは沖繩の方だったけれども、こういう必要はないじゃないかと言って、直せと言って基準をかなり直さしてはきているんです。亀岡大臣から言っておるように、全部補助制度をなくして融資に切りかえるということは大変むずかしいと思いますが、事業はなるべく私は補助制度よりも融資制度の方がいいんじゃないか。そうすることによって過剰投資を防げる。要するに創意工夫ができる。それから、もらう金じゃないから、融資の場合は自分の責任で返さなきゃならぬ。したがって借りる方のやっぱり真剣さというものがにじみ出る。いろんな点から私はそういう方向にだんだんに切りかえていく方がいいと。ドイツでも補助制度をやっておったが、どうしても過剰投資になりがちだということで融資制度に切りかえてきたという過去の例もございます。したがって今後農林大臣とよく相談をしながら、余り非現実的でも困りますが、実態に合わして、私は御指摘の方向はいい考え方であるし、われわれも同じような考えを持っておりますから、そういうように徐々に切りかえていきたいと、そう考えております。
○田代富士男君 そこで、私の同僚議員が衆議院で補助金の総量一割カットという問題を提起をいたしまして、鈴木総理もこの点については同感な点が多々ございますというお答えをいただいております。私がいま御質問申し上げました暗渠の工事の実態――補助金事業では七万八千九百円であった。しかし実際は五万五千円でできたという私の調査の実態を申し上げました。そうしますと、その実例で一割カットしたといたしましてもまだこの仕事はできるわけなんです。そういう意味から、農林水産省の補助金が約二兆円ございますが、これは単純計算ですよ、細かい計算――単純計算で一割カット、削減したとしましてもこの事業はやれる。そうすると二千億円の経費節減になるわけなんです。そういう意味から、私は総量一割カットということは断じてやるべきである、ぜい肉を落とすべきであると思いますが、総理いかがでございましょうか。
○国務大臣(鈴木善幸君) 田代さんがおっしゃっておるお気持ち、御趣旨というものは私もよく理解をいたしております。一律にやった方がいいのか、あるいは幾つかの似たような趣旨の補助金を束ねた方がいいのか、メニュー化した方がいいのか、また地域のニーズ、特性に応じてそれがある程度弾力的に自由に使えるような内容のものにするとか、そうすればカットしても割合に効率的に地元としても利用ができる。こういうようなものもございますから、そういう点を総合的に勘案をいたしまして、補助金の合理的な効率的な使用、その上に立っての節減ということを真剣に考えてまいりたいと、こう考えております。
○田代富士男君 次に、第二次臨調についてお尋ねをいたします。
 総理は七月中にも中間答申を求めて五十七年度予算に反映さしていく意向であると言われますけれども、どうでしょうか。
○国務大臣(鈴木善幸君) そのとおりでございます。
○田代富士男君 その中間答申に盛り込む項目を具体的に諮問されるのか、諮問するとすればどういう項目なのか。もちろん補助金――いまお話しなされておる補助金の整理合理化も当然だろうと思いますけれども、いかがでございましょうか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 設置法案におきまして国の行政制度並びに行政運営について調査審議をいただく、そういうふうになっております。したがいまして、これからの政府のあり方及び現在の政府の運営や機能のあり方等についていろいろ審議していただきまして欠陥を是正し、将来に向かって十分機能し得るような簡素にして効率的な政府をつくっていただく、そういう基準なり案をつくっていただきたいと念願しておるわけです。
○田代富士男君 総理と土光さんがお会いになられたときの話かと思いますが、大型消費税導入のための実績づくりになっては国民の期待を大きく裏切ることになると思うがどうかということに対しまして、土光さんは、増税なしの財政再建を強調して、増税を検討することすら軽率とまで言っておられると、このようなことが新聞にも出ていたんですけれども、この点に対してどうお考えでございましょうか。
○国務大臣(鈴木善幸君) 私も当委員会等を通じましてかねがね申し上げておりますように、財政再建のために今後とも歳出を厳しく見直しをする。できるだけ新たな増税なしにこの目的を達成するように全力を尽くしたいということを申し上げておったわけであります。昨日土光さんにお会いいたしました際に、土光さんからも強くそういう御意見が出ました。特に、広範な一般消費税的なもの、そういうようなものはできるだけこれは避けて、増税のない財政再建、これに全力を尽くすべきだという御意見が出ました。基本的な点におきまして一致いたしておりますので、今後答申を待って全力を尽くしたい、こう思っております。
○田代富士男君 もう一度重ねてでございますけれども、確認の意味を含めて申し上げますけれども、第二次臨調の最大のテーマというものは、五十七年度予算で赤字国債二兆円ないし三兆円減額のための財源をひねり出すのが当面の仕事だと私は心得ておりますけれども、総理のお考え、いかがでございましょうか。
○国務大臣(鈴木善幸君) きのうも土光さんにお願いをいたしましたし、私と中曽根行管長官の意見は完全に一致しておる点でありますが、それは、まず金減らし、人減らし、仕事減らし、こういうような点に重点を置いてこの行財政の簡素合理化、効率化のためになる答申をいただきたい、こういうことでございます。
○田代富士男君 次に、私は経済問題に移りたいと思います。
 昨年の夏ごろから景気の落ち込みが心配されまして、それに対して、御承知のとおりに、第一次総合経済対策を九月に打ち出したわけでございますが、その後も依然として景気は停滞いたしまして、むしろ企業倒産の増加など深刻な状態になっております。
 昨年九月に行いました第一次総合経済対策の効果についていかに評価していらっしゃるのか、お答えいただきます。
○国務大臣(河本敏夫君) 昨年の九月に一連の経済対策を決めましたが、残念ながらその成果はまだ不十分である、このように理解をしております。
 その理由をもう少し具体的に申し上げますと、一つは、個人消費がなかなか思うように回復しない。この背景には消費者物価という問題がございまして、やはり消費者物価をできるだけ早く安定させるということが何よりも肝心だ、こう思っております。
 それから、住宅投資が過去数年に比べましてことしはざっと二割近く、約三十万戸も落ち込んでまいりました。その背景には、土地問題とか、あるいは所得水準が低いとか、あるいは家を建てるためのローンの金利が非常に高いとか、こういういろいろの理由はございますが、やはり何と申しましても土地問題があろうかと思います。土地が高くなって手に入りにくい。したがいまして、これはいまでは非常に大きな問題になっておる、このように考えております。
 それから、さらに中小企業の関係でありますが、計画どおり設備投資が伸びておりませんが、やはりこれは中小企業の体力が弱くて、いまのような経済の情勢のもとでは高い金利の資金を借りまして投資をするということはとてもやっていけない、こういうこともあろうかと思います。
 以上のようなことが背景になりまして、残念ながら思うように景気が回復しないわけでございますが、簡潔に申し上げますと、景気には非常にばらつきがあるということであります。大企業と中小企業との間にばらつきもございますし、大企業同士の間にもいい業種と悪い業種がある、こういう点が特徴かと思いますが、そういう点を十分分析をいたしまして、できるだけ早く当面の対策を考えていきたいと、いま準備をしておる最中でございます。
○田代富士男君 来る十七日に第二次の総合経済対策が打ち出されるようでございますけれども、いま第一次は不十分であったと御答弁がございましたが、解決されてない八項目のうちに、中小企業対策の円滑な推進、四番目の住宅建設の促進、七番目の調和ある対外経済関係の形成、八番目の物価対策の推進、この点については問題がございますけれども、関係の各大臣からお答えをいただきます。
○国務大臣(斉藤滋与史君) 建設省所管で特に、住宅問題についてお答えをいたします。
 先生御指摘のように、またいま経企庁長官からもお話がありましたように、住宅が非常に落ち込んでおります。
 昨年の九月五日の経済閣僚会議、それを踏まえての総合経済政策の中で住宅についての御指摘もございまして、早速、金融公庫において第三回、第四回受け付けについて繰り上げの御注文をいただきまして、これは予想以上の応募者があって受理したところでございます。
 なお、それだけでは足りませんので、一般的な住宅の落ち込みにつきまして、さらに阻害要件を排除する。それはやはり土地問題でありますし、建築資材の高騰がございます。まあこれは一応鈍化しておりますので、この点につきましては経済対策とあわせて一応見通しはついていくと思いますが、何といたしましても、やはり金利の問題それから不況業種に指定されておる中小企業の問題あるいは特に過密都市における金融業者による公的資金の住宅対策をさらに積極的に進める問題。それから、既存市街地の再開発をやる問題あるいは農地山林の計画的な開発、遊休地の有効利用というような、あらゆる手段をもって住宅対策になお積極的に進んでまいってこの問題を解決するような方向でせっかく努力をしたい、このような所存でございます。
○田代富士男君 ほかの大臣、時間がありませんから省略をいたします。
 そこで、在庫調整につきまして、五十五年中に完了する予想が大幅におくれておりますけれども、原因は何であるのか、また、政府の在庫調整の見通しにつきまして明らかにしていただきたいと思います。
○国務大臣(河本敏夫君) 当初は五十五年度の第三・四半期には在庫調整がおおむね終わるであろう、このように想定をしておりましたが、残念ながらいまのところは、五十六年度の第一・四半期にずれ込むであろう、約半年間おくれておる、こういう見込みでありますが、しかし、業種によりましては比較的順調に進んでおるところもございます。しかしながら、業種によりましては、以上申し上げました見通しよりもさらにおくれるかもわからない、こういう業種もございます。
 その原因は、要するに最終需要が非常に落ち込んでおるということでございまして、最終需要の回復を図るということが一番根本でございますが、先ほどもちょっと申し上げましたように、その背景は物価が高い、土地が高い、金利が高い、この問題を何とか日鼻をつけませんと経済政策は進まないという認識のもとに、いまいろいろ相談をしておる最中でございます。
○田代富士男君 一つは、在庫調整のおくれというものの最大の原因は、個人消費の低迷ではなかったかと思うわけなんです。そういう立場から、政府の個人消費支出の伸び率に対する見通しというものが甘かったのじゃないでしょうか、どうでしょう。
○国務大臣(河本敏夫君) 個人消費は、五十三年度は六・二%、これは実質でありますが、五十四年度は五%、こういう水準でありましたが、五十五年度は、政府は最初からそんなに大きな伸びは期待してなかったんです。二%前後であろうと、このように考えておりましたが、五十六年度につきましては五%弱になるであろう、こう想定をしておりますが、そのために物価の安定が何よりも先決である、このように理解をしております。
○田代富士男君 何か日銀総裁、参考人としておいでいただきましたが、時間の関係があるそうでございますから、ちょっと総裁にお尋ねしたいと思いますが、順番を追ってと思いましたけれども、いまもお話が出ておりますけれども、民間の住宅建設の伸び悩みは、土地の供給難は当然でございますけれども、現在の高金利にも大きな原因があると言われております、御承知のとおりかと思いますが。そこで、公定歩合の引き下げにつきまして、早くから言われておりますけれども、今日まで延び延びになっております。そういうために、金融政策の効果としては好ましくない。そういうところは明確にしてもらいたいと思うんですが、どうでしょうか。
○参考人(前川春雄君) 景気あるいは物価の状況が変化してまいりましたので、私ども、金融政策につきましては昨年の夏以来、緩和政策をとっておるわけでございます。公定歩合につきましても昨年八月以来、二回にわたって引き下げましたし、量的な規制である窓口規制につきましても逐次それを緩和してきておるつもりでございます。
 いま申し上げましたような景気あるいは物価の環境が変わってまいりましたのに対応いたしまして、金融政策の対応も変えていいわけでございまするが、公定歩合を下げましても、それが、金融機関の貸出金利が現実に下がらなければその実効がないということでございまするので、そういう意味で金融機関のコストがやはり下がる必要がある。そういう点につきまして、果たしてそういうふうなコストが下がるような環境であるかどうか。長期金利につきましては、長期債の価格状況、市況がこれ影響するわけでございまして、それが長期金利、長期債の利回りを下げていくわけでございます。そういうふうなコスト関係が下がっていくという必要がございまするので、そういうコスト関係が下がる環境にあるかどうか、そういう点を十分見きわめておるわけでございます。そういうふうな見きわめがつきましたところで決心してまいりたいというふうに考えております。
○田代富士男君 そこで、公定歩合の問題でございますが、政府の総合政策がおくれているから出せないんだというような、そういうことも耳にいたしましたけれども、いま申すとおりに、十七日に第二次の対策の発表がございますし、そういうことから考えまして、これは金融政策の効果を好転さすためにも明確にすべきだと思いますが、どうでしょう。
○参考人(前川春雄君) 私どもは、総合対策によりまして全体の最終需要が喚起されていくということが景気の全体の回復にもつながるということでこれを評価しておるわけでございます。ただ、金融政策につきましては、いま申し上げましたように、九月の総合対策のときから金融政策は機動的にこれを運用するということがうたわれております。私ども自身も、金融政策につきましては十分機動的に運用してきたつもりでございます。今後とも、そういう意味で、いま申し上げましたような環境の整備、その見きわめをつけました上、機動的に運用してまいりたいというふうに考えております。
○委員長(木村睦男君) 前川参考人には、まことにありがとうございました。御退席になって結構でございますが、後刻もう一度御出席をお願いします。
○田代富士男君 五十六年度の政府経済見通しては、民間最終消費支出は実質で対前年度と比較いたしまして四・九%の増加の見通しでございますけれども、五十五年度の実績見込みが二・〇%増である、現在の消費の落ち込みから見まして四・九%増の見通しは甘いという声が強いですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(河本敏夫君) 五十六年度四・九という水準、いまお述べになったとおりでありますが、これは五十四年度五%という水準、それにほぼ近づくと、こういう見通してございます。その背景には、五十六年度は消費者物価が急速に安定するであろうと、こういう判断を立てておりまして、五十五年度のような低い水準ではないと、このように理解しております。
○田代富士男君 さらに、五十六年度のわが国の実質経済成長率を五・三%と政府は見通しておりますけれども、このうち個人消費の回復によりまして二・五%の成長を見込んでおるのでございますが、家計調査の実態を見ますと、国民の可処分所得の実質減少とか、一年前より御承知のとおりに生活が一段と苦しくなっていることがわかっておるわけでございますが、個人消費回復にかける政府の期待が大き過ぎたのではありませんか。この点どうでしょうか。
○国務大臣(河本敏夫君) 五十五年度の経済は、政府の意図に反しまして、おおむね四・八%という成長目標はこれはもう十分達成できると考えておりますが、内需よりも外需が中心である、貿易が中心であると、そういう経済の姿になっておりますので、現在の国際的な事情も勘案をいたしまして、五十六年度は、いま御指摘がございましたように内需中心の経済運営、経済成長というものを考えております。したがいまして、個人消費であるとか、あるいは民間の設備投資であるとか、民間の住宅投資であるとか、これを非常に大きな柱だと考えておりますが、私は個人消費が五%前後伸びるような経済でなければ安定した経済ではないと、このように理解をしておりまして、ここへ持っていくためにはよほどの工夫、努力が必要だと思いますが、これは決して不可能ではないとこう思っておりまして、その点を十分注意しながらいまもいろいろ総合経済対策を考えておると、こういうことでございます。
○田代富士男君 この景気回復のおくれの影響が最も大きいのは、申すまでもなく中小零細企業でございますが、どのような実態になっているのか、御説明いただきます。
○国務大臣(田中六助君) 中小企業の現状は非常にシリアスでございまして、御承知のように昨年の九月からずっと千六百件台の倒産が続いております。昨年の一−十二をとりますと、一万七千八百八十四件倒れておりまして、これは史上二番目と言われております。それから、ことしに入りまして一月が千三百十三件、これが史上最高と言われております。二月の指数が出ておりますが、これは千三百二十件で、これまた史上二番目というふうに言われておりまして、現実に電力の消費量あるいは燃料の売れぐあい、販売量、そういうものも見まして、これ節約とか冷夏とか豪雪とかそういうものじゃなくて、どうもこれらの消費が落ちているのは結局生産、つまり増産とかいうものが稼働してないんじゃないか。したがって、物価も安定しているんですけれども、消費者物価、卸売物価ともにそうでございますけれども、これは生産がうまくいっていないんじゃないかという疑問が大きく持たれるわけです。したがって、倒産件数にも見られますように、非常に問題だというところで、私どもこれが対策を種々練っておりますし、近く発表されるであろう経済対策につきましても、私どもはできるだけの万全の措置を講じていきたいというように思っております。
○田代富士男君 第二次の総合経済対策の打ち出しは、当面三月の初めごろと言われておったようでございますが、政府部内の意見の一致を見ないようでありますが、経済企画庁長官は公共事業の執行率を五十六年度の上半期に七〇%以上目指すという考えが伝えられておりますけれども、いかがでございましょうか。
○国務大臣(河本敏夫君) 民間の設備投資が、大企業は計画どおりいっておるんですが、全体として、中小企業が落ち込んでおりますためにはかばかしくないと、こういうこともありますので、上半期に政府の公共事業をできるだけ早く執行をいたしまして、それを誘い水にして民間の設備投資が再び全体として活力を回復するようなそういう方向に持っていきたいと、こう考えております。政府の公共事業が、一般会計と財投合わせまして約十四兆円であります。地方に約十兆ばかりのものがございますが、民間の設備投資は全部合わせましてことしは四十二兆と想定をしておりますので、民間の設備投資が計画どおりまいりませんと経済運営ができませんので、公共事業を上半期思い切って執行することによって民間の設備投資の活力を維持したいと、このように考えております。七〇%以上ということを私は言っておりませんで、少なくとも景気対策をやる以上は、昭和五十二年、五十三年の実績もございまして、やはり相当思い切ったことをやらないと民間設備投資の誘い水にならぬであろうから、民間設備投資を引っ張り出すような、そういう誘い水になるような程度やりたいと、こういう考え方でいま関係各省と調整中でございます。
○田代富士男君 ただいま経企庁長官は、政府内の意見の一致を見ない点のところ、七〇%以上というところに対しまして、そういうことは言ってないという、そこらあたりが一番の問題でございますけれども、公共事業の上半期七〇%以上と言ってないけれどもそれにほぼ近い線は言っていらっしゃるかと、検討されているかと思いますが、この執行に対する大蔵大臣のお考えはいかがでございましょう。
○国務大臣(渡辺美智雄君) いろいろ景気対策につきましては企画庁長官、関係各省大臣と相談をして機動的に対処してまいりたいと考えます。
○田代富士男君 いまのところが浮き彫りにされている一面でございますが、持ち時間が余りありませんからこれに時間をとっていたら終わりませんから、次に官公需の中小企業向け実績について説明を求めます。
○国務大臣(田中六助君) 官公需の中小企業向けの発注につきましてはかねがね私ども十分検討しておるところでございますが、御承知のように、なかなか官公需の発注につきまして、大企業と中小企業がその請け負う能力と申しますか、そういう点がかなりの差がございまして、大企業と同一に中小企業を扱う、私どもは何とか扱いたいと思いまして、官公需の分割発注あるいは事業協同組合等の人々に対してその組合を利用するようにというようなことをやっておるのは事実でございます。五十四年度の場合をとってみますと約三五・三%、これが中小企業向けになっておりまして、金額にして三兆一千億は超えていると思います。できるだけ私どもも、中小企業向けに官公需の発注をこれからも心がけていかなければならないというふうに思っております。
○田代富士男君 中小企業向けの実績がきわめて低い。これはなぜこんなに低いのかということはわれわれには納得できないんですが、この点どうでしょう。
○国務大臣(田中六助君) 先ほど申し上げましたように、せめて五〇%以上にというようなことを思うわけでございますけれども、五十四年度を例にとりますと、これはやっぱり三五・三%ぐらいだと思いましたけれども、そういうふうに私どもの考えもあり、それから各省協力して、大蔵省初め企画庁とも相談して年々ふえておるわけでございます。しかし、それが大幅なふえ方ができないのは、先ほど申し上げましたように、能力と言ったら語弊がありますけれども、たとえば新幹線とか、あるいは高度の技術を要する物件につきましてはどうしても調整のとれないところもございます。しかし、私どもこれからそういう点についても十分なリードあるいは相談事、そういうことをして徐々にふやしていきたいというふうに思っております。
○田代富士男君 ひとつ数字を申し上げますと、日本鉄道建設公団は五十二年度に一一%、五十三年、五十四年度にはともに一二%、首都高速道路公団が一七・五%、電電公社が二二・七%、公社公団全体では中小企業向け実績が二八・八%、こういう実態でございますが、当面、国の各省の中小企業向け実績四三・一%と同じ水準まで持っていくべきではないかと私は思うんです。そして、国全体で五〇%になるように努力すべきであると思いますけれども、総理のお考えいかがでございましょう。
○国務大臣(鈴木善幸君) 政府といたしましてはこの官公需をできるだけ中小企業に振り向けたいと、そういう基本的な考えのもとに、毎年度予算の執行に当たりましては閣議等でそういう点を話し合いをして推進をしておるところでございます。田代さんからいろいろお話がございましたが、徐々にではございますけれども、それは向上をいたしております。五十四年度に三五・三%とか、あるいは五十五年度には三六・五%とかというぐあいに徐々に向上をいたしております。それから、地方団体の方でも努力をしていただいておるわけでございまして、地方団体を含めますと五四%以上になっているのではないかと、このように考えます。しかし、なかなか一挙には、田代さんがおっしゃるように国の公共事業だけで五〇%以上を確保ということは一挙にはなかなかむずかしい。私どもは今後ともそういう努力を続けてまいりたいと、こう思っております。
○田代富士男君 中小企業倒産防止共済制度という制度がございますが、今後の安定成長をしていくわが国の経済の中にありまして中小企業倒産防止のためには大変好ましい制度でございますけれども、全国の中小企業の事業数に比較いたしまして余りにも加入件数が少な過ぎますけれども、どのように思われますか。
○国務大臣(田中六助君) 中小企業の倒産対策の共済制度でございますけれども、いまお願いしております新予算の中にも四本の柱の一つになっております。これは関係者の掛金の十倍まで融資できるという制度でございます。
○田代富士男君 時間がありませんから次に進みますが、十七日に打ち出される総合経済対策の中で、政府系の中小金融機関の貸出金利を、いままでのような公定歩合引き下げから一、二カ月おくれて引き下げるのでなくて、公定歩合引き下げとと同時に引き下げるように伝えられていますけれども、これは事実ですか。
○国務大臣(田中六助君) 御承知のように、バンクレート、公定歩合が操作――上に行く場合あるいは下に下がるというような場合に、政府三機関つまり中小企業金融公庫、商工中金あるいは国民金融公庫、これらの機関の金利がタイムラグを置いて二、三カ月後にやるわけでございますけれども、これは御承知のようにバンクレート、プライムレートあるいは財投からの資金金利、それから三機関ということになっております。これは一つの長い間のメカニズムでございまして、もしもそのタイムラグに三カ月間を動かすということになると、どうしても逆ざやになりまして、これはどこかで穴埋めをしなくちゃいかぬ、いまの制度ではそうなっております。しかし、中小企業の救済対策としてこれがバンクレート、つまり中心金利と一緒に操作できるならばどうだろうかという考えが当然浮かぶわけでございます。いまこそ中小企業の救済が叫ばれているときでございますので、考えの中には私ども当然これをどうするかということを考えるのでございますけれども、いま申し上げましたような手順というものもございますし、大蔵省も一応私どもの考えを聞いて相談はしておりますけれども、現在のところ、非常にそれは先ほども申しましたように予算との関係、逆ざやをどういうふうに埋めるかというようなこともございまして、考えはありますけれども、それを実行に移すということはなかなか困難な点があることを率直に申し上げておきます。
○田代富士男君 三月の十日に公明党商工部会といたしまして通産大臣に、私も一緒に参りましたが、ただいま指摘いたしました点を含めまして中小企業倒産防止融資制度の早期実施、また倒産関連特別保証制度における倒産企業指定の迅速化、保証対象の拡大など、十二項目の中小企業倒産防止緊急対策に関する申し入れをいたしましたけれども、景気のかげりの強い中であえぐ中小企業救済のために、私も行って申し入れをいたしました申し入れの実現を強く訴えるものでございます。この資料はお手元にあるかと思いますが、総理並びに通産大臣からお答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(田中六助君) 北側議員初め皆様の、十数名の方とお会いして、つぶさに公明党の要求をお聞きいたしました。その後も私どもこの新予算の中に、中小企業倒産防止の資金制度、あるいはただいま申しております中小企業共済制度、あるいは保証制度、あるいはまた特別相談室の増加の問題、いろんな問題を予算で組んでおりますし、ただいま申しましたような金利の問題についても一応考えてみようというようなことで、つぶさに現在研究あるいは実施のために努力しておりますし、公明党の皆様のそういう意向、要望にはぜひとも沿っていきたいというふうに努めております。
○国務大臣(鈴木善幸君) 中小企業対策、当面非常に私は大事な段階に来ておると、こう思っております。次回の総合経済対策におきましては、この中小企業対策が最も重点を置かなければならない問題でございます。公明党さんから非常に建設的な御提案がございます。私ども十分それを参考にいたしまして、中小企業対策の万全を期したい、こう思っております。
○委員長(木村睦男君) 田代君、時間が参りました。
○田代富士男君 終わります。(拍手)
○委員長(木村睦男君) 以上で田代君の総括質疑は終了いたしました。
 午前の質疑はこの程度とし、午後一時五分まで休憩いたします。
   午後零時三分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時七分開会
○委員長(木村睦男君) 予算委員会を再開いたします。
 昭和五十六年度総予算三案を一括議題とし、これより大木正吾君の総括質疑を行います。大木君。
○大木正吾君 本論に入ります前に、外務大臣に伺いたいんでございますけれども、総括質問の冒頭に私ども社会党の小野委員が質問いたしましたジャマイカ援助の問題ですが、一部の報道によりますと百万ドル程度日本が援助するということの報道があるんですが、これは閣議の決定でいつされました。そのことを伺っておきたいんですが。
○国務大臣(伊東正義君) お答え申し上げます。
 ジャマイカの問題につきましては、いま世銀主催で援助国会議が開かれているわけでございまして、ジャマイカの経済事情の逼迫、民生安定というために関係国が援助をしようということで世銀主催で集まりをやっております。そこで日本も西側の諸国と一緒になりまして、ある程度の協調した援助を考えようということで、大体二十一億円、一千万ドル見当の商品借款をやろうというような考えております。
○大木正吾君 これは予算委員会冒頭における質問でございまして、どうも私たちの情報ですと、その当時からアメリカの要請があったりあるいは外務省等で話題になっていたかに思っていたんですが、これからも総理が訪米することもございましょうから、なるべく問題は正確に答えてもらわぬと、報道が先に出っ張ってしまって後でもって国会でもって質問するのはぶざまですからね。総理、そういったことがないようにこれから気をつけてもらいたいですが、どうですか見解は。
○国務大臣(伊東正義君) お答えしますが、そういうお疑いといいますか、御意見承るのははなはだ私も申しわけないと思うんでございますが、今後とも気をつけてまいります。
○大木正吾君 レーガン政権との関係でもって、やっぱりこの種の問題がどんどん出てくる危惧がございますから、総理に改めて伺いますけれども、ぜひこの種の問題については、国会の外務委員会あるいは予算委員会で、さらには安保その他の委員会がございますけれども、そういった中で正確に情報をこれからもお伝え願いたいんですが、ぜひそのことをお願いしておきますが、一言答弁してください。
○国務大臣(鈴木善幸君) 外交のことでございますから全部が全部というわけにまいりません場合もあろうかと思いますが、できるだけ情報は国会の皆さんには御披露をする、そして皆さんとともに日本の今後のことを考えていく、こういうことにいたしたい、こう思っております。
 いまジャマイカの問題が出ましたが、最終的な閣議決定にはまだ至っておりませんけれども、いま外務大臣から申し上げたようなことでございます。これは現在の政権でなしにその前の政権――よく、前の政権は左翼政権であったとかいうことを言われておりますが、前政権に対しても同額程度のものを日本でも世銀を通じて御協力をしておる。これは民生の安定なりあるいは経済社会の安定と、そういうような趣旨からいたしておりますので、それを、今度の政権に対しててこ入れとか何とかいうような見方では、それはちょっと私どもの本意に反すると、こういうことでございます。あくまで経済協力援助というのは、先ほど来申し上げておりますように、社会経済の開発なり民生の安定向上に資する、福祉に資すると、こういう趣旨でございますから、御理解を賜りたい。
○大木正吾君 まあ、この種の問題、これからも質問いたしますが、本題に戻しまして、河本企画庁長官に伺いたいのでございますが、経済見通しあるいは最近の経済動向に対しまして幾つか対策を練られておられるようですが、それについての最近の企画庁の考え方をちょっと聞かしてください。
○国務大臣(河本敏夫君) まず最初に経済の現状認識でございますが、一年前に比べまして産業全体の操業率が約一〇%ぐらい落ち込んでおります。九三%ぐらいであったものがいま八三、四%見当に落ち込んでおりまして、特に中小企業の状態が非常に悪い、住宅関係が非常に悪い、それから同時に個人消費がなかなか回復しない、こういう背景がございまして、経済全体の状態が思わしくございませんので、いま、関係各省と相談をいたしまして、現状をどう打開するか、目下相談をしておる最中でございます。
○大木正吾君 これ政府から、大蔵省なり企画庁等の資料でちょうだいしたんですけれども、大分内需中心型の経済志向ということでございますけれども、どうもそういった思った状態になっていない。要するに、年末には回復−在庫調整は進んでいくことだろうとか、あるいは三月、それがさらに延びそうな状態なんですけれども、私は相当深刻に事態を認めてるんですが、そうじゃないでしょうか。
○国務大臣(河本敏夫君) 私どもも実は事態を相当深刻に受けとめております。これまでの動きを全体として見ますと、ことしの経済成長目標四・八%という成長率はおおむね達成できると思います。しかし、いま御指摘がございましたように、これがやはり外需によって達成できる、内需型の経済ではない、ここに一番の問題があるわけでございまして、五十六年度は五十五年度と反対に内需型の経済にする、こういう方向で経済運営をしていかなければならぬ、こう思っておりますので、現在のような非常に落ち込んだ内需の状態をどう打開するかということが当面の課題でございます。
○大木正吾君 事務局で結構ですから伺いたいんですが、全国の勤労者世帯の実質消費の落ち込みについてちょっと数字述べてくれませんか。
○政府委員(井川博君) 家計調査の勤労者世帯の消費支出でございますけれども、たとえば最近月の十二月でございますと、名目で六・六%アップでございますが、実質では〇・五%マイナスということになっております。この場合の実収入でございますが、名目では十二月七・一%でございますけれども、実質ではゼロというかっこうでございます。
 それからもう一つ、毎勤統計の現金給与でございますが、これは一月の数字が出ております。これは名目で六・二%でございますけれども、実質にいたしますとマイナス一・一%ということで、実質では両方ともゼロないしマイナスという数値を示しております。
○大木正吾君 それは単なる一カ月じゃなしに、相当、一年余り続いているんじゃないですか。
○政府委員(井川博君) 勤労者世帯の消費支出を実質で見ます場合に、マイナスになりましたのは昨年の三月からでございまして、三月から、昨年十月にわずかに〇・五プラスになった月がございますけれども、あと大体マイナスでございます。
 それから先ほどの実収入でございますが、これは最近わずかにプラスの力もございますけれども、昨年の一月にマイナスになりまして、大体マイナスないしほぼゼロというふうな月を続けております。
 それから、最後の毎勤統計でございますが、これは昨年の二月から実質のマイナスでございます。ただし、月によりまして、七月それから九月、十二月という月が〇・六とかあるいは〇・一であるとかと、わずかにプラスになる月がございますが、大体プラスになりましてもそういう状況でございますし、あとは大体マイナスを示しておるという状況でございます。
○大木正吾君 次に、住宅着工関係についての最近の一年余りの数字を示してください。
○政府委員(井川博君) 新設住宅着工でございますけれども、低迷を続けておりまして、これは月で申し上げますれば、対前年比で昨年の二月からマイナスに入っております。まあ対前年マイナスでございますけれども、昨年の前半はそれでも月ベース十万戸以上という推移を示しておったわけでございますが、昨年の九月からは十万戸を切りまして九万戸ベースというふうになっております。対前年比でございますと、はなはだしい月では二十数%、たとえば昨年の七月でございますと二六・四%ダウン、八月で二三%、昨年の十二月になりまして多少パーセンテージが二〇%を切って一九・三というふうになりましたけれども、新設住宅着工はまさに停滞という状況を示しているわけでございます。
○大木正吾君 設備投資に占める中小企業のウエートはどれぐらいになりますか。
○政府委員(井川博君) GNPベースで申しますと、これは年によりまして大企業の設備投資が非常に多い年もございますし、少なくなったりする年もございますが、大体最近の傾向から言いまして、大企業が三五ないし四〇というところでございます。そういたしますと、六割は中小企業ないし個人企業という状況でございます。
○大木正吾君 幾つか数字を並べてもらったんですが、総理、これちょっと景気、立ち直りが大変だという感じなんですね。しかも、昨年の場合には貿易に依存していましてどうやらかっこうついた形で四・八ぐらいいくかもしれませんが、来年度この形でもっていきますと、ちょっと長官のおっしゃった数字にはむずかしいという感じがするんですが、どうでしょうか。
○国務大臣(鈴木善幸君) 物価とともに景況の動向を私は常に細心の注意をもって推移を見守っておるわけでございます。
 景況の状況を見ておりまして、大企業の方は比較的安定的に推移をいたしておりますが、御指摘のように、中小企業はいろんな指標からいたしましても相当事態は困っている、困窮しているという状況に相なっております。政府におきましては、近く総合的な景気対策を決定し、実施に移したい、こう考えておりますが、その際におきまして中小企業対策、これを最重点に考えまして対策を早急に確立をしたい、こう思っております。
○大木正吾君 こういった状態の中で、物価について少しく長官の考え方を伺いたいんでございますが、物価六・四から七%に修正いたしまして、さらに八%近い数字に近づこうとしているわけでございますけれども、どうでしょう、この物価との辺でもってとまるんでしょうか。
○国務大臣(河本敏夫君) 五十五年度の物価目標は途中で上方修正せざるを得なかったことを大変申しわけなくかつ遺憾に存じておりますが、年度間を通じての消費者物価目標はどれぐらいになるかということにつきましては後で政府委員から答弁をさせますが、幸いに最近はずっと安定の方向に進んでおります。
 現在は六%台の水準が続いておりますが、四月には突発事情がない限り大体五%台に安定をする、このように考えておりますが、これからはずっと安定の方向に進んでまいりまして、五十六年度の五・五%という目標は十分達成できるであろう、このように考えておりますが、その背景は、一つは卸売物価が急速に安定をしたということであります。昨年のいまごろは二十数%、年率に換算いたしまして上昇しておりましたが、現在は四%前後で推移しております。それからまた、昨年は四月に非常に大規模な電力とガス料金の値上げがございましたが、幸いに五十六年度はそういうことはありませんで、ずっと現在の水準が維持できる、こう思っております。また、石油価格も安定の方向にいっておりまして、昨年のようにイラン・イラク戦争が突発して予想外の急上昇をする、そういうこともないと思います。
 そういうことで、五十六年度の消費者物価目標は比較的私は達成が容易であろう、このように期待をいたしておりますが、いずれにいたしましても、物価を安定させるということが経済政策のすべての前提条件である、このように理解をいたしまして消費者物価の安定のために引き続いて政府を挙げて全力を尽くすということが当面の課題であろうと考えております。
○大木正吾君 個人消費の伸びが大体大変なかげり現象といいましょうか、節約ムードで、これが少しやっぱりマインドが強化されている、定着している感じなんですが、GNPの五五、六%前後を占める個人消費問題につきまして、これは大蔵大臣から伺いたいんですけれども、この現状についてどう大臣考えますか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私もいま企画庁長官が説明したと同じような考え方でございます。
○大木正吾君 それでは労働大臣にお出ましいただきたいんですけれども、労働大臣、労働省でもたしか二月でございましたか出した数字ですと、大体労働者の実質消費関係が一・一%下落している、こういったしか大まかな数字が出たはずなんですが、間違いありませんか。
○国務大臣(藤尾正行君) 間違いございません。
○大木正吾君 最近たとえば電力業界等ではものすごいこれもうけが上がっておるんですね、九千八百億ですか、約一兆という数字が上がってきているわけですが、私は昨年の予算委員会におきまして故大平総理と竹下大蔵大臣と話をここでやったんですが、あのときの為替レート二百四十円前後でたしか試算したと思うんですが、公共料金の中に占めるウエート一・四%ですね、これについてはっとくんですか。渡辺さんどうですか、ほっておきますか、このままでいいですか、もうけっぱなしていいですかね、電力会社は。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 電力会社は私の所管じゃないんですが、利益が出れば半分以上は税金でちょうだいするということで、それは期待をしております。
○大木正吾君 内閣はこれメンバーがかわった、竹下さんが渡辺にかわったってやっぱりあんた大蔵大臣は大蔵大臣ですからね、少しは去年のことも続けて見てもらいたいんですがね。この電力の値上げ決めたときは二百四十円レートですよ、大体標準が。いま二百十円ちょっと切っているでしょう。為替差益だけでも大変なもんですな。そうしますとどうですか、会社臨時特別税法等について考えてみる気はないですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 電力会社については、これは河本長官の方から説明をしていただいた方がいいと思いますが、ことしからはかなりの設備投資をしてもらうことを期待をいたしておりますし、私どもとしては先ほど言ったように半分以上は法人税によって取るわけでございますから、そのほか事業税等もございますし、今回直ちにこの段階で臨時特別税を考えるということは、そういう考えは持っておりません。
○大木正吾君 この話、後でまた、ほかにも若干業種的にもうかったところがありますから、もう一遍さしてもらいます。
 そこで、景気問題の最終的な御質問としまして結局どういう形でもって、たとえば公定歩合の問題、、公共事業の前倒し発注問題ですね、さらに、けさの新聞ですが、マンションに対して三千万円に貸し出しを少し三百万ほどふやす話とか、貸出金利を少しささやかに下げるとか幾つか出ていましたけれども、こういった程度でもって景気は予定の五十六年度名目九・一から一〇・七%、こういった状態で果たして伸びていくんですか、どうですか、河本さんどうですか。
○国務大臣(河本敏夫君) 私は、いま世界全体がそうでありますけれども、第二次石油危機の影響がもう一番悪い状態になっておる時期でなかろうか、こう思っております。昨年の十二月にOECDではOECD全体の今後の景気の見通しを発表しておりますが、昨年の十二月の水準ではもう平均してマイナス成長である、こういう状態でございます。ことしの後半になりましてだんだんと回復をしていく、一%成長ぐらいになるであろう、来年の上半期は二%成長、下半期は三%成長と、こういうことで回復していくであろうという見通しを立てておりますが、日本もその例外ではございませんで、いまがこの一番悪い状態が全部集まって表面化しておると、こういうことでなかろうかと思います。何しろ一昨年はエネルギー関係のために二百五十億ドル外貨を支払っておりましたが、ことしは七百億ドルの外貨を支払わなければならぬと、こういう深刻な状態が背景にありますので、なかなか思うような経済運営もしにくいのでございますが、これからはだんだんと悪い影響は吸収されましていい方向に当然持っていかなければならぬと思いますし、世界全体も先ほど申し上げましたような傾向でございますので、それじゃ、いまやろうとしておることでそっくりそのまま立ち直るかと言われますと、経済は生き物でございまして、しかも激動期でございますから、断定的なことを申し上げることはできませんが、現時点で最善と思われるような対策を総合的に関係各省といま相談をしておるというところでございます。
○大木正吾君 これは総理に伺いたいんですけれども、鈴木内閣の最大の経済課題は物価安定と、こうおっしゃったですね。そして労働組合の側は、むしろ私に言わしめれば、私はまあ前科者ですけれども、ずいぶんやらした方ですからですね、最近は非常におとなしい、労働組合がおとなし過ぎるんですね、渡辺さん。そういう関係もありまして去年もずいぶん、八%しか要求しない。ことしはむしろ物価が上がっちまったから少しその分ももらいたいというので一〇%前後になっていますが、経済の中でもって内需の中心を占める個人消費との関係は、これは無視できませんね。それについて総理どうですか、労働組合と約束されたまあいわば証文じゃありませんけれども、ある意味じゃこれはもう政策的な約束になっておるわけですから、個人消費をふやすために、私はあえて賃金とは言いませんけどもね、あらゆる方法をとる考えはありませんか。
○国務大臣(鈴木善幸君) 私は厳しいこの国際経済情勢の中におきましてわが国が第一次、第二次の石油危機を諸外国に比べまして非常に賢明に上手に対応してきたと、その中でこの勤労者の方方、特に労働組合の幹部の皆さんの指導よろしきを得て健全な労使の信頼関係に立つ労使関係、これが私はわが国の経済を今日のような成果をおさめ得るような状況に持ってきたということにつきましては、私はこれを高く評価をいたしております。それだけに昨年の春闘等における賃上げに際しましても、比較的労使が協調的にお決めになったこの賃金の水準、所得、これを何とか守っていかなければならないと、こういうことで私就任以来経済運営の最大の重点としてこの物価の問題に取り組んできておるところでございます。数次にわたる閣僚会議、また対策会議等におきましてもそういう心構えで努力をしてまいったところでございます。しかし、経企庁長官からるるお話を申し上げましたような状況におきまして、日本だけではない此界的な厳しい状況の中で、わが国も五十五年度におきましては消費者物価が目標値を上回ったと、七%程度、まあ八%までいきませんが、そういう水準に相なったと、その結果実質的な賃金の目減りを招来をするということになりましたことは本当に残念でございます。勤労者の諸君に対してはこの点私は申しわけがないと、こう思っております。しかし、五十一年以来ずっとおかげで実質賃金の目減りなしに幾らかでもプラスが残るような形で推移をしてまいりました。五十六年度におきましては、私どもは五十五年度のようなことがあってはならないということで、大体これは達成できるという見通してございます。そういうようなことでございますので、五十五年度のこの一・一%程度の目減りというものにつきましては、政府の財政も苦しい、企業も、先ほど御指摘ありましたように、特に中小企業等も苦しい、そういうことでございますので、みんな苦しい中でございますから、何とか勤労者の皆さんにもその事情を御理解を賜りましてがまんをいただきたい、こういうことを私願っておるところでございます。
○大木正吾君 いまの問題、後で同僚議員の質問に譲りますが、今度は税制関係について少しく渡辺さんに伺いたいわけですが、その前に事務局の方から、所得税関係ですけれども、納税人員の最近の推移、二つ目として納税人員のランクアップ、三つ目に弾性値、これは他の税目も含めてください、その次に自然増に占める所得税の比重、五つ目に租税負担率の推移、この五つについて資料でもって説明してください。
○政府委員(梅澤節男君) まず納税人員でございますが、五十六年度予算で私どもが見込んでおります源泉所得税、これは給与所得者の人数でございますが、三千三百九十七万人でございます。それから申告所得税の納税人員が六百四十四万人でございますが、ただ、この申告所得税の納税人員の中には給与所得を得られて、そのほかに所得がある方が確定申告をされる場合がございますので、その人数が重複してございます。それからランクアップと申しますと……
○大木正吾君 段階でこう上がっておるじゃないか。
○政府委員(梅澤節男君) 五十四年まで現在課税実績が出ておるわけでございますけれども、五十四年分で給与所得者で申し上げますと、これは収入ベースでございますが、年収入三百万以上五百万円以下の階層がおよそ三分の一を占めております。これを五十年当時と比較いたしますと、五十年当時は百万円以上二百万以下のところが一番納税者の数が多かったということでございます。それからその次は租税負担率でございますが、五十六年度予算で国税、地方税を合計いたしまして国民所得に占める割合ということで租税負担率をはじきますと、二四・二%でございます。それから弾性値でございますが、弾性値は五十六年度予算ベースで一・五一と見積もられるわけでございますが、これを五十一年以降を申し上げますと、五十一年が一・〇一、五十二年が一・一三、五十三年が一・〇三、五十四年が一・九二……
○大木正吾君 税目別に言ってください。
○政府委員(梅澤節男君) 税目別の弾性値でございますか。
○大木正吾君 うん。質問の通告してあるんだから、もっとまじめに答えてくれよ。
○政府委員(梅澤節男君) いま資料を探しておりますので……。
 それからもう一つは、自然増収に占める所得税の割合という御質問でございましたが、五十六年度予算ベースで申し上げますと、五十五年度当初予算と対比いたしました自然増収が四兆四千九百億円でございますが、そのうち所得税が二兆七千六百九十億円、したがいまして、割合で申し上げますと六一・七%でございます。弾性値はいますぐに……。
 まず所得税でございますが、所得税は五十六年度予算ベースで弾性値が二・〇九でございます。それから法人税一・一六、間接税全般で〇・九でございます。
○大木正吾君 いま幾つか答えていただいて、大ざっぱには御理解いただけたかと思うんですけれども、たとえば五十六年度これの自然増収に占める所得税の割合が六一%ちょっと超えてますね。去年が四三%です。来年ですと恐らくこれは今度の法人税の二%増その他がございますから五〇%から五五%前後と私は推計をして見ているわけですが、渡辺大蔵大臣に伺いますけれども、戦後税収に占める所得税の割合が五〇%を超えた年は何回かございましたか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 数字は事務当局から報告させますが、自然増収の中での所得税の割合は確かに多いけれども、国税収入全体に占める、国税の中に占める所得税の割合というのは五十五年度の補正後で三八・四、五十六年も三八・七、これはアメリカの六九とかイギリスの四一・四とかドイツの四〇とかから比べますと国税全体の中で自然増収も含めた所得税の割合というものは日本が非常に高いという筋合いのものとは考えません。
○大木正吾君 渡辺さんも私も日本の国に住んで、日本で生活をしているわけだから、やっぱり生活環境の変化ということは日本人なりに物を考えなくちゃいけないんでして、私も税調委員を不勉強ながらやらしてもらったことがありますが、大体昔四十年代前後ですと法人税が三五、六%いきまして、所得税は三二、三%、残り間接税その他と、こうなっておったはずです。それから見たら、いまの話でも相対的な面でも相当な率がアップしていますし、同時に自然増収の勢いというものは私はまさしく課税最低限の据え置きを中心とする、減税がなかった、この問題に起因している、こう考えているんですが、間違いでしょうか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) やっぱり物の見方ですから、私はそういう見方もあっても間違いだとは思いません。自然増収で給与所得分所得税がふえたというようなことは、特に農業なんかが減反政策といいますか、そういうことをやっていると、やはり出かせぎに出たり別なところに勤めたり、そういうのは給与所得の方へこれは入ってきますから、したがって思ったよりも所得税などの伸びが多いということは事実でございますが、しかし国税全体から見ると、大木さんが税調をやってたころは国税全体の中で所得税は三一か二だった、いまは三八ぐらいになっている、そこから見れば所得税の比重というのはふえているなということは確かにそうだと思います。思いますが、世界的に規模を見ると、日本だけが多いというわけじゃございませんということを参考までに申し上げたわけです。
○大木正吾君 これも同僚議員の質問にまた譲りますが、専門の安恒君がおりますから社会保障問題とか相対的なストックの、ウサギ小屋問題等比べましてやっぱりやらないと、何か大変日本人は金持ちでもってサラリーマンはぜいたくしていると、こういう感じになってしまうのですが、ちょっと認識が違いますのでそこのところだけ申し上げておきます。
 さて、さっきの問題にちょっと返しますが、渡辺さん、これ減税問題に関しまして大蔵省の方から説明資料といたしまして不用額の資料がきのうちょうだいできまして、五十四年度までの分が大体数字が出てきておるわけでございますが、私がさっきちょっと質問いたしました電力の場合には、これは仮に特例法というものをもう一遍起こしてやりますとほぼ一〇%でもって二百七十億の税収があるんですね。これ以外にも石油、薬品等加えていきますと、ほぼ四、五百億の税収が見込める、こういう計算が出てくるのですが、そういったことは試算したことはないでしょうか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 計数の話ですから専門家にちょっと説明させます。
○政府委員(松下康雄君) 御質問の御趣旨から必ずしも当たってないかもしれませんが、私の持っております資料での不用額は、お示しを申し上げましたように昭和五十四年度はたとえば四千九百二十七億でございますが、昭和五十五年度につきましては、これは事柄の性格上やはり会計年度が終わりまして、かつその後の出納整理期間というのが四月いっぱいにございます。この間はなお支払いが行われますので、四月末に一切の支払いが締め切られた後、全国的な各官署で支払いをしております金額を全部集計をいたしまして初めて判明するものでございますので、五月の下旬ごろに計数が判明するのでございます。
○大木正吾君 電力とか石油等薬品の問題で答えは返ってきてないのですが、これは特例法をもし起こして適用した場合には私の試算ですと約四百五十億ぐらいになるのですがどうでしょうかと、こう聞いているのですがね。
○政府委員(松下康雄君) 御質問の電力等の特例措置につきまして、私どもちょっと内容を承知いたしませんので計算いたしかねておりますけれども、内容をお示しいただきますれば計算をいたします。
○大木正吾君 それじゃ予算委員会がこれは終わるまでで結構ですけれども、いずれにしてもこの電力の場合には九千八百九十億円の経常並、納税引き利益四千八百五十億円、税額二千六百九十三億円、一〇%二百六十九億円ですね。同時に石油、薬品等も百億前後のものが出てきますからね。これを私、お願い申したいと思っているのですよ。ですからこういったものとか、いま松下さんおっしゃった不用額ですね、こういったものについてはやっぱり各省庁なり地方も含めまして少しく節約の号令を渡辺さんかけてもらいたいと思っているのですが、どうでしょうか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) いつも節約の号令はかけておるんです。おるんですが、幾ら予算が決まったからといっても編成当時とそれからそれを執行するときとでは事情が違う場合があります。編成当時たとえばレートの見方とか物価の見方とかいうものを高く見積もって予算組んだが、後になって安くなっている傾向だというようなときには当然それはそのときの時価で安いものを買いなさいということを言うわけですから、そういう場合には不用額が出てくるということでございます。したがって、われわれは予算を組んだからといってそいつをともかく組んだだけはみんな使っちゃえというんでなくて、極力節約をして残せるものは残せと、むしろ不用額を出すこと、出したらしかられたりして困るのですがね、実際は。困るのですが、しかし本当は不用額というものは、節約して出せるものならば出た方がいいんじゃないかというように思ってそういうふうな指導を一層強めてまいりたいと考えております。
○大木正吾君 決算調整資金は幾らありますか。
○政府委員(松下康雄君) 二千三百六億円でございます。
○大木正吾君 これは渡辺さんだけ責めても仕方ないんですが、総理に伺いますが、衆議院の混乱については、自民党さん余り多数でおごっちゃいけないという話もありましたし、野党も余り引っ張っちゃいけないという話もございましたけれども、それは総理らしい御発言だと考えておりますが、いま私が質問しました、たとえば不用額の問題でございますとか、あるいは予備費、さらに決算調整資金ですね、こういう点等を考えていきますと、私どもも、やっぱり本年の二月以降少し税収が減っているといいましょうか、少し上昇気流から並みになったという程度、これは知っているんですけれども、そういったことを含めて考えてみていきましても、衆議院があのまとめる段階でもってつくりました議長裁定案ですね、言えば議長裁定案ですから、議長が自民党の国対委員表さんとか、あるいは政調会長とか、あるいは社会党関係の人、あるいはその他の政党の方々を呼ばずにやるわけはないんですから、そういうふうに考えていきますと、私はやっぱりこれは、議長の裁定というものは当然所得税減税ということをやるという立場でもって受けとめているんですが、これは間違いでしょうか。
○国務大臣(鈴木善幸君) 議長裁定は、各党におきまして正式にこれを受諾をし、いまその裁定の実施につきましてせっかく協議中であるわけでございます。
 いま大木さんが議長裁定について特に取り上げておられますのは、裁定の第二項目目の問題であろうかと思います。私は、先日も官房長官を通じて政府の認識を申し上げましたが、第二項目目は、所得税減税を、減税ができるのであればやれと、こういうことで減税を、「予算修正」という中身はそのことを意味しておるということを政府としても認識をいたしておるわけでございます。
 さて、その二項目目の裁定は、御承知のように、財政再建の目途がつくということが一つ、それから、実際上これからの財政事情がどういうぐあいになっていくのか、またさらに、剰余金ができて、その剰余金で対応ができるのかどうか、そういう点をよく詰めた上で議長さんは処理すべきだと、こういうことに相なっておるわけでございます。私どもは、各党間で話し合いがつきますれば政府としてはそれを尊重して実施してまいる考えでございます。
○大木正吾君 歳入欠陥が起きるかのごときお話もどこかで聞こえてくるものですから、あえて私は、電力問題その他幾つかのもうかっている企業の例を出したわけなんですが、そういうこととの関係でさらに不用額の問題でありますとか決算調整資金等ずっと並べてみているわけですが、これは総理、やはり議長裁定の第二項を、いろんな読み方はございますけれども、この中にありますところの「目途」という形の問題等踏まえていきますと、私どもといたしましても、資金の捻出は可能であるし、財政法六条の改正、その他の問題等含むかもしれませんが、国会の円満なやっぱり、まあ各法案の審議等も含めて考えていただきますと、私はぼちぼち総理の決断が必要な時期じゃないかと、こう考えているわけでございまして、再度総理のお気持ち聞かしてくれませんか。
○国務大臣(鈴木善幸君) 大木さんから再度議長裁定の二項目についての総理の決断というお話がございましたので申し上げますが、私は、議長さんの裁定というものは綸言汗のごときものであって、これを値引きをしてもいけないし、またかさ上げをしてもいけない、もう額面どおり、そのとおり各党が誠実にこれを実行していくということでなければならないと、このように思うわけでございます。私は本当に減税をしたくないなどという、そういう考えで申しておるのではございません。さっき申し上げたような裁定の趣旨を十分踏まえましてこの問題は処理しなければいけない、誠意を持って対応すると、こういう考えでございます。
○大木正吾君 私のこれは取り方といたしますけれども、ぼちぼち春闘等を控えておりまして、そういったこともありますし、国会の大蔵関係の法案審議などもいろいろと衆議院ではとまったり歩いたりしているようですから、やはりいまの総理の御発言というものは、私が要望していますとおり、約束事項は減税という立場において守っていただける、こういうふうに理解いたしまして、次の質問に入らせていただきます。
 次は、渡辺大蔵大臣に伺いますけれども、税制調査会の答申について大臣どういうふうに受けとめておられますか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 税制調査会の答申についてどう受けとめておるかということでございますが、これは財政体質を改善するために税制上とるべき方策について答申を受けたわけです。このいわゆる中期答申というのは、税制調査会の委員各位が慎重に審議をされました結果、財政体質を改善するために税制上とるべき方策についての基本的な考え方をまとめたものでございますから、今後の税制改正、ひいては財政運営に際しましては重要な指針にしなければなるまいと、こう考えております。
○大木正吾君 重要な指針でございますから恐らく全部があるいは一部実行する、こういうふうに承るんですけれども、渡辺さんのこれは本当の話か、あるいは新聞記事ですから怒らぬで聞いてもらいたいんですが、二月十五日の新聞ですけれども、政策推進労組会議の代表と懇談したときに、所得税減税ということをやるときには抜本的な税制の改正を考えなきゃならぬという形の発言をなされまして、それを新聞記者に追認された中でもって、大型間接税と抱き合わせ的なことを考える、こういうふうに新聞は報道しているんですが、こういうお気持ちには変わりはないですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 抱き合わせとはっきり言ったわけじゃないんですが、聞きようによってはそういうように受け取られても仕方のないような節もあったかと、そう思っております。
 私は日ごろの持論というのがございまして、要するに、かつては日本でも間接税、直接税の割合というものはもっと近づいておった。最近は七、三、直接税が七割で間接税が三割。ところが、諸外国の例を見ると、アメリカを除いては、日本は三の間接税だがフランスでは六だ、イギリスあたりでは約五ぐらいだ、ドイツが四ぐらいとか、まあ大まかな話ですよ、そういう割合になっておる。だんだん直接税の割合と間接税の割合が開いてきちゃっておる。私は、日本においてもなかなか――直接税というのはもうふところの中へ手を突っ込んで取っちゃう話ですから非常に抵抗感は強い。そして、特にサラリーマンなどの場合はもうほとんど一〇〇%に近い捕捉率になっておるというようなことで、消費がうんとあっても比較的所得税を納めてない階層もあるわけでありまして、そういうことを考えると、もう少し間接税の割合というものをふやして、少しずらしてふやしていったらどうなのかなあという気持ちはあるんですよ。したがって、そういう気持ちがにじみ出てそういう記事になったんじゃないかと、こう思っております。
○大木正吾君 小倉税調会長を参考人として呼ぼうかと思ったんですが、呼んでないんですが、この答申ですと、GNPの二%ですから大体本年ですと五兆三、四千億ですね。来年、いまの成長度合いでもってはかっていきますと二百九十兆前後のGNPに対して六兆と。五十八年は三百十兆ぐらいになりましょうか、六兆五、六千億、こういうふうになるんですね。これほどのでかいのは考えてないんですね。
○国務大臣(渡辺美智雄君) それほどでっかいのは夢にも見たことがありません。
○大木正吾君 それから、気になることは、この中に書いてある言葉で私もちょっと気に食わないんだけれども、渡辺さんに当たるわけじゃありません、小倉さんがいないからあなたにちょっと聞くんですがね。所得税はこれは何か不公平なような税金であって、間接税の方が公平だというようなことがこの税調答申に書いてありますよね。大臣、そう思いますか。この問題についてどうですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 一概にはそう言えないと思います。
○大木正吾君 私は自分が税調委員のときにつくった一当時は東畑税制調査会会長でしたけれどもね、所得税は最もわかりやすいと。国民から見て一番見えやすい税金ですわね。あるいは法人税もそうですね。そういった意味合いでもってこれはやはり税体系の基本にすべし、こういう答申をした覚えが三十九年にあるんですよね。この間接税でいきますと、たとえばダイヤモンドの指輪を買える人は買ってもいい、買えない人は買えなくても結構だと。私みたいに金のないのは背広は一年に一着やっとだ、金持ちの方は十着つくってもいいと、こういう考え方によって、持てる者は金を使え、持てない者は買わなくてもいい、それが公平ということになりますか、社会的に。そういった趣旨のことがこの答申に書いてありますね。どうお考えですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) そういうようなこともあるでしょうね、ある程度。たとえばお酒を飲む場合でも、二級酒でいいという人もあれば、特級という名前がついてなきゃ気持ちが悪いとか、それからウイスキーはだるまでもいいとか――私はだるま専門だけれどもね。
○大木正吾君 私はしょうちゅう専門だ。
○国務大臣(渡辺美智雄君) あなたはしょうちゅう専門で、その人は一番税金が少なくていい、それは好ききらいの問題ですから。ですけれども、やはり洋酒でも高級なものでなくちゃどうも飲んだような気がしないとかいう人もありましてね。それは選択の御自由で、やはりそれなりに相応の税金を払ってもらって、納得の上で払うわけですから。そういう傾向にあるということも事実でございまして、ともかく物によっては高く値段をつけなきゃ売れないなんという物もあるわけですから、安くつけたんじゃ。そういうのを買う人もあるということになると、やっぱりそこらに着目するということも別に悪いことではなくて、やはりそういう傾向もあるから、そういうところで抵抗なく余分に税金納めてくれるという人があれば、やっぱりありがたい大蔵省にとってはお客様になるんじゃないか。したがって、一概に間接税は全部だめだということにも割り切れない。所得税一本でなくちゃならぬということにもならない。そこらのところの兼ね合いの問題ではないかと、そういうように考えております。
○大木正吾君 これは昔の、経済成長をやった池田さんが使った有名な言葉でもってありますがね、私は貧乏人だから、ところが麦は最近高くなったから「貧乏人は麦」という話は余り当たらないんですが、あの言葉は、あの当時でしたら、やっぱり金のない私たち、私の場合なんかは麦飯を食え、渡辺さんみたいな方はりっぱな白米を食べる、こういうような趣旨だったんですね。
 私はたから、やっぱり社会的に全体に物を見たときに、間接税が社会的公平云々という言葉は、これは渡辺さん、最後の方でもって少し納得をしますけれども、やっぱり税調の答申、赤字が大きいから消したいという気持ちはわかりますよ。わかるけれども、ちょっとこれはひど過ぎますよ。そう思いませんかね。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私は、税調の学者先生方がみんなで集まって協議をしてつくってくれた答申でございますから、これは小倉会長一人で書いたわけじゃございませんし、各界の代表者の方もみんな、組合の方も入る、それから財界の方も入る、言論界も入る、二十数名ですか、三十名か、ぐらいのかなりたくさんの人が入って、その中で最大公約数的なもので書かれておるということでございますから、この答申は私はまあまあ常識的に書かれているんじゃないか。ただ、一部分だけを取り上げましてこうだああだということになりますと、それはいろいろ議論のあるところだと思います。
 政府としても、せっかく総理大臣の諮問機関として税制調査会があって、熱心に御検討いただいておるわけですから、この答申は尊重されるというのが原則だろうと。ときどき尊重しないこともあっておしかりを受けるわけですが、それはやっぱりいろんな政治の場ではなかなか学問どおりにいかないという場合もございますもので、いろいろなことはあるんですが、私は答申そのものについてはおおむね当を得ているんじゃないかなあという気がしておるわけです。
○大木正吾君 その議論、大蔵委員会でまたやりましょう。いずれにしても間接税を、大型消費税ですね、このことをとらえて議論したんですから、私はいまの答えちょっとすれ違い、納得できませんから、大蔵委員会で大いに渡辺さんとやらしていただきます。
 次に、補助金問題に時間の関係でもって入らしていただきたいんですが、実はこれ私どもの和田委員の昨日、一昨日ですか、質問に対しましてお答えもあったんですが、まず中曽根行管庁長官に伺いますけれども、今度の二次臨調の事務局の構成でございますけれども、各省庁の派遣の事務官じゃなくていきたい、こういうような御答弁、ニュアンスがあったんですが、どういうような事務局を構成されるおつもりですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 委員九名のもとに二十一名の専門委員を置きまして、そのもとに約七十名弱の調査員を置きます。調査員は官民双方から出していただきまして、委員を補佐していただくと、こういう方針でおります。
○大木正吾君 補助金の整理に関しまして、五十四年の十二月二十九日、おととしの十二月に閣議で決めました補助金等整理合理化推進協議会は現在は動いておりますか。どうでしょうか。
○政府委員(佐倉尚君) 補助金等整理合理化推進協議会でございますが、これは五十五年の行政改革において、以降四カ年間に件数で四分の一以上を整理することというふうにされました。それと同時に、各省庁によりまして補助金等の整理合理化案の適切な策定及び着実な実施、これらをやるために行革本部の中に各関係省庁の審議官、次長クラスで設けましたものがこの推進協議会でございます。昨年五月の二十日以降以来いままでに四回開催しておりまして、この間各省からのヒヤリング、あるいは省庁別の整理目標数等を決めてまいりました。この結果、五十五年度、五十六年度において目標数を若干上回るような整理合理化の実績を上げてまいったわけでございます。今後とも各省庁、この協議会を通じましていろいろ整理合理化に努めてまいるというふうなことでございます。
○大木正吾君 数ばっかり四分の一云々ですが、金額はどうなっているんですか。
○政府委員(佐倉尚君) 失礼しました。
 ただいまは件数でございますが、金額にしまして五十五年度はたしか千六百億ぐらいの実績があったと思います。
○大木正吾君 正確に言いなさいよ、正確に。資料あるんだろう。
○政府委員(佐倉尚君) ちょっとお待ちください。
○大木正吾君 教えてやろうか、こっちから。
○政府委員(佐倉尚君) どうも大変失礼申し上げました。
 整理合理化額は五十五年度千六百六十七億円となっております。これは一般会計分でございます。五十六年度では、一応予定としましては千六百八十八億円、このような整理合理化額の予定になっております。
 以上でございます。
○大木正吾君 五十五年度と五十六年度の総金額ですね、補助金などの総金額、パーセンテージを示してください。――あるでしょう。言いましょうか、こっちで。わからなかったら言いましょうか、こっちから。時間がもったいないから黙っているんだけれども。
○政府委員(松下康雄君) 五十五年度につきましては、補助金の予算額十三兆八千五百二十億円に対しまして整理合理化額は一・二%でございます。五十六年度につきましては、補助金予算額の十四兆五千六十七億円に対しまして整理合理化額はやはり一・二%となっております。
○大木正吾君 この程度の結局補助金の整理状態で、中曽根行管庁長官、これでいいと思っていますか。
○国務大臣(中曽根康弘君) いいとは思っておりません。
○大木正吾君 困ったものですね、これ、中曽根さんがよくないとおっしゃっているわけですけれども。
 ちょっと中身に入って問題点を聞きますが、補助金の整理の実態についてちょっと説明してくれませんか――大蔵省ですか。参議院予算委提出資料三ページにありますよ。
○政府委員(松下康雄君) 補助金の整理合理化の内容について申し上げますが、五十六年度補助金につきましては、合理化廃止をいたしましたもの二百九十二件、合理化減額をいたしましたもの五百八十六件、定員削減をいたしましたもの八十八件、合計九百六十六件につきまして廃止、減額を行っております。これは補助金総体の三千七百七件に対しまして作数にして二六%となっております。
 そのほか、統合メニュー化いたしましたものが、百二十九件の補助金を統合いたしまして五十五件にいたしております。
 そのほか終期設定を新たにいたしましたものが二百十件、補助率の引き下げを行いましたものが十件、その他十四作ございまして、件数は若干の重複を含んでおりまして純計でございませんが、千三百二十九件でございます。
○大木正吾君 厚生省、農水省、通産省関係について件数の廃止、新規、金額を知らしてください。
○政府委員(吉村仁君) お答えをいたします。
 五十六年度補助金を合理化廃止した件数が四十一件、金額が五十五億二千五百万円、それから合理化減額をいたしましたものが三十三件、金額にいたしまして百八十一億九千百万円でございます。
○大木正吾君 農水省は。
○政府委員(渡邊五郎君) 五十六年度の農林水産省の合理化の結果でございますが、合理化廃止いたしましたものが八十二件二百四十七億円、合理化によります減額件数二百十八件三百三十五億円、補助率の引き下げが三件、統合いたしましたものが、統合前が四十五本でございますが、十七に統合いたしましたので、差し引き二十八件減になっております。
 終期を設定いたしましたのが五十二件、定員削減が件数で二十二件十四億、その他三件ございまして、全体で申し上げますと、五十六年におきましては四百二十六件五百九十六億円という結果でございます。
○大木正吾君 通産省どうですか。
○政府委員(松下康雄君) 私から御説明申し上げますが、通産省所管につきましては、合理化廃止をいたしましたもの十五件十九億五千四百万円、合理化減額をいたしましたもの五十五件七十六億四千百万円、補助率の引き下げ五件、終期の設定十七作、定員削減十一件となっております。
 なお、新規の補助金は十六件、金額は七十九億七千百万円でございます。
○大木正吾君 まあ、いろいろ話がありましたけれども、私の手元の資料では、農水関係が廃止したものとふえたもの、金額でもってトータルしますと三十六億九千九百万円金額がふえている。通産省は六十億と一千万円ふえている。厚生省は十七億三千万円ふえていますね。このことは間違いないでしょうか。金額でいきます。
○政府委員(吉村仁君) 厚生省関係の新規の補助金と、それから廃止をいたしました補助金との差が十二億三千――失礼しました……
○大木正吾君 十七億三千万じゃないの。
○政府委員(吉村仁君) はい、十七億三千万でございます。間違いございません。
○大木正吾君 農水省どうですか。
○政府委員(渡邊五郎君) お答えいたします。
 私ども先ほど申し上げましたのは五十六年度予算についてでございますので、五十六年度について差し引きいたしますと、五十五年度千百九十四本補助金がございまして、件数は五十六年度整理いたしましたのと、新規が五十本ふえております。差し引き千百二十六になっておりまして……
○大木正吾君 金額はふえたのか減ったのかどっち。
○政府委員(渡邊五郎君) それで金額は、五十五年度一兆九千七百二十八億、五十六年度は二兆六百十二億円、八百億円ぐらいの増でございますが、これは既定経費等の増によるものを主としております。
○大木正吾君 弁解要らぬよ。
 通産省どうですか、金額は。
○政府委員(松下康雄君) 担当官がおりませんので、私の手元に数字がございません。ただいま計算さしております。
○大木正吾君 それじゃ、私、これ手元に資料――資料要求を大分したんですが、なかなか資料を出してくださらない。やむなく幾つかやっと拾って、二日、三日作業してみたんですが、この補助金を廃止して、そして新設をする、その関係の問題で実は非常に大きな疑問符が出ているんですよ。いまたしか大臣の手元に差し上げた分ですが、決して農水省をいじめようとか、通産をいじめようとか、厚生をどうしろ、そういうけちな気持ちは持ちませんけれども、下に黒く線が引いてありますね。ちょっとこれ、例を挙げますけれども、農林水産省の農業村落振興緊急対策事業費補助金、幾らですか、これは。七十二億九千万円になるのかな。その次同じく新設をしましたのが、名前が変わりまして農業構造改善村落特別対策費として同じ金額が出ているわけですよね。同時に、五十六年度の場合には水田裏作麦作付奨励補助金、これも金額がちょっと読みにくいんですが五十一億ですか。同じような名前で田麦生産団地育成対策費補助金、これはちょっと金額減ってます、四十億なり、こう出てるんですね。こういうふうに見ていきますと、私も百姓の次男坊だからわかるんだけれども、たんぼで麦をつくるのに、名前を取りかえまして、金額を少し減らしたけどもと、いかにも、一方廃止をしましたと、すぐ生き返っている。こういうことについてどうですか、総理あるいは大蔵大臣、行管庁長官等の御見解を賜りたいんですがね、農水大臣から。
○国務大臣(亀岡高夫君) 実は、麦はたんぼに一年間に一遍しかつくれないわけでありますから、大木委員の疑問になるのはもっともでございますが、この際は、前は裏作として日本の耕地の利用率を高める、自給率を高めるという立場から麦作を奨励しておった、ところが、最近第二期対策なり第一期対策で生産調整をやりまして、米をつくらないで、そうしてそこに麦をつくる、こういう手法を使うようにいたしたわけでございます。そのために、水田裏作の麦作奨励という、これはもう麦を外国から買うよりも日本でつくれということで奨励金を出していたのがこの前段でございますが、これを出せ出せという農家の声が強かったんですけれども、しかし、やっぱりこれは政策目的である生産調整に協力してもらう、その方に重点的にやろうということで田麦生産団地育成対策費補助金と、こういうふうに本当に紛らわしい名前で恐縮でございますけれども、補助金の性格上このようになっておる。ほかのものも、そういう面で非常に農家の気持ちなり立場なり、また政策なりを使い分けながら、苦心しながらこういう名前を使っておるということでございまして、本来であればもっと簡明に、簡略に、一律にやっていければ一番いいわけでありますけれども、何せ日本の農村の実情というものは、あらゆる階層、あらゆる状況、大小いろいろと果樹農家あり、野菜農家あり、あるいは畜産、酪農、養鶏等々入り乱れておりますためにこのようになっておりますことをぜひともひとつこの際御理解をいただきたいと思います。
○政府委員(二瓶博君) ただいま大臣からこの麦の補助金につきまして大筋お答えを申し上げたわけでございますが、若干補足だけ申し上げておきたいと思います。
 水田裏作麦作付奨励補助金、これは反別の補助金でございます。十アール当たり幾らということで、裏作麦を植えたという事実に着目いたしまして、反別奨励金として個々の農家に差し上げたものでございます。ところが、最近は麦がどんどんふえてまいったものでございますから、むしろ国内の麦を使うのに品質がどうだとかあるいは非常に運賃がかかるとかいろんな物流の問題がだんだん量がふえてくると出てまいります。したがいまして、五十六年度からはそれを切りかえまして、今度は市町村等が事業主体になるということで、共同部な事業というようなことで、品質の向上、物流の合理化という面に着目して交付する補助金に切りかえたということでございまして、名前はやや似ておりますけれども、中身の方は相当性格が変わっておるということを御理解いただきたいと思います。
○大木正吾君 構造改善のやつも説明してみてくれよ、ついでに、五十五年度のやつ。
○政府委員(二瓶博君) 構造改善の、これは担当が違いますので別の方からお答えいたします。
○政府委員(渡邊五郎君) お答え申し上げます。
 御指摘の点は、五十五年度の農業村落振興緊急対策事業費、五十五年度におきましてはこれを農業構造改善事業の環境整備の補足事業といたしまして、構造改善村落特別対策事業費として七十二億九千万円出しました。五十六年度につきましてはこの種の事業は一切やめるということで、これは廃止いたした補助金でございます。
○大木正吾君 厚生省関係についてもどなたかひとつ、たとえば二つ目に書いてありますけれども、産業廃棄物処理関係についてはこれはどういうことですか、五十五年度。それと五十六年度の医薬品の関係の問題、説明してください、中身を。大臣には後で聞きますよ。
○国務大臣(園田直君) 私の周辺から答弁すると理屈をつけると思いますが、これは正直に自白した方が罪が軽いと思いますので……。(笑声)
 私の方は、残念ながら廃止した補助金と新設した補助金と名称まで同じものが数カ所ございます。違っておりましてもごくわずか。例を挙げますと、医薬分業推進のための補助金、これは廃止した方は調剤技術等研修費、新設した方は薬局薬剤師研修費と、まあこういうことで、私が見ましても、もっとうまくごまかせばよかったと、(笑声)こう思っておるわけでありまして、正直におわびをいたします。今後は十分目が届くようにいたします。
○大木正吾君 通産省はだれか担当者来ていますか。通産省もそういう事例について、恐らくいまの厚生大臣のように正直な方がいるでしょうから、説明をひとつやってくれませんか、だれでも結構ですよ。
○国務大臣(田中六助君) 事務当局が来ておりませんので、私も知りませず、早速手配いたします。
○大木正吾君 補助金問題につきましては、渡辺さん、いつも、そう言ったってあなた野党も与党もとか、あるいは社会保障とか文教とかということを言われるわけで、私もそのことを知ってますよ。知ってますけども、いま厚生大臣が正直に言われたあのような気持ち、各大臣お持ちですかどうですか。これはみんな各省持っているんだから、全部答えてもらいたいな、本当に。
○国務大臣(中曽根康弘君) いまいろいろお調べの表を私も拝見いたしまして、園田厚生大臣が申されたこともなるほどと理解できる点もございます。公務員の皆さん方は自分たちの職域を守るに必死で、自分たちの仕事が天職であると思っていますから、一つでも仕事を落とさないように熱心な余りそういうことが出てくると思いますが、行政管理庁といたしましては、かりそめにもそういうごまかし的なことや重複的なことがあって税金がむだに使われていることがあれば、これは申しわけないことでございますから、今回予算の特に補助金あるいは委託費の編成につきましては、これを機にさらに厳正に見直すように努力いたしたいと思っております。
 この補助金を減らす方法につきましても、これは千差万別で非常に細かいところがあって、担当担当に言わしめると、いまのお話のようにみんな理屈を持っているわけでございまして、聞いてみるともっともだと思われる点も実はあるのですが、しかし実態をわれわれが中身まで知っているわけではございません。したがいまして、これはミクロでとらえるよりもマクロでとらえて、そしてばっさりやる、そういうやり方の方が早く片づくのではないかと私考えておりまして、そういう方法も検討してみたいと思っております。
○大木正吾君 いまの行管庁長官の話、ちょっと出番が早過ぎたという感じがするんだけれども、どうですかね。本当にこれ、各省庁の中でもって四つほど出しましたけれども、こういう問題に対しまして、たとえば農水大臣なり大蔵大臣等の感触を聞かしてくださいませんか、ひとつ。
○国務大臣(亀岡高夫君) 大木委員の苦心して御調査になられた点、五十五年度の際には下に線が引いてあるところが非常に多いわけであります。実は私も五十六年度予算編成に当たりまして、この補助金が私自身にも理解に困難な点がありましたので、これはめんどうくさい、農家がわかるようなふうに、しかも紛らわしいことのないようにしたらどうかということは、実は事務当局に注意を与えた次第でございます。これを拝見しまして、ここまで私確認していなかったんですが、少しはよくなっているんじゃないかな、こういうことでございますが、まだまだ確かに御指摘のような点がございますので、今後十分注意をしてまいりたいと思います。
○大木正吾君 渡辺さん、サンセット方式という言葉がありましたけれども、あれについてはどうですか、うまくいってますか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) ことしはかなりサンセットで終期を決めまして、だらだらといつまでもやっていない。もともと補助金というのは最初の奨励期間にやるべきものであって、定着したらだんだんやめるというのが本来だと私は思うんです。ところが、一遍補助金をつけると既得権化してしまって、いつまでもそれがつながっているというようなことになりがちなわけであります。したがって、やはり終期を決めて、いわゆるサンセット方式というのも今後も大いに私は政策のめりはりをきかしていくという点においても必要だと、そう考えております。
○大木正吾君 提出資料四十ページからこれは拝見したんですけれども、五十年度以降、件数の問題と、それから補助率というのがありますね。補助率については、これは一体どういうふうに、もうふやす考え方はないんでしょうね。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 補助率は、もうふやすということについては大体受け付けないという方針でやってまいりました。
○大木正吾君 それでは、いよいよこれ詰めに入りますけれども、大体この補助金問題につきまして、総理、いま資料を差し上げたんですが、この資料を出すのに、大蔵省が持ってきたのはおとといですよ、私のところへ持ってきたのは。各省庁が持ってきたのは五日前ですよ。各役所ほど私は人を持っておりませんから三十数件調べるのに大変だったんですよ、本当に。こんなことやっておって、それで国民に対しまして行革だとか補助金の整理ということについて胸を張って物が言えますか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) ここに例示された補助金という問題については、中には、やはり継続はしたい、したいけれども、それはだめだといって苦し紛れに出てきたというようなものもあると思うんです。それからやはり政策目的を変えなきゃならぬということで、先ほど農林大臣が説明しましたが、水田の裏作に麦をつくって要するに麦を奨励しようというもう時代じゃない。それなら麦は表でつくれ、そうすれば水田もその分米が減るわけだからというようなことで政策を切りかえるというようなものもこの中には確かにあると私は思います。ただ、全体から見ますと、やはり補助金整理に政府が力を入れてないようにとられても困るわけでありまして、二、三年前から見るともうさま変わりなんです、実際は。たとえば昭和五十三年度では五十二年度に比べまして一兆七千億円も一年に補助金はふえたんです、一年間に。約一八%。昭和五十四年は五十三年に比べて一兆五千億円から補助金がふえた。これが一三・八%。しかしながら、さすがに五十六年度に至ってはみんたが財政再建をやって自粛しようということになったものですから、それは四・七%ということで、これはもう昭和三十四年以来の伸び率なんですね。だから、全体としてはもうさまにならないほどえらく切ったり圧縮したりする努力はしておるんですということは、数字の上でも御理解いただきたい。これによって私は万全だなんて申しません。申しませんが、補助金の整理というのはなかなか言うべくして非常にむずかしい。これは本当に各政党の御理解と御協力がなければ、これをもっともっと減らしていく、ふやすどころじゃない減らしていくのだということは言うべくしてむずかしいので、国会の皆さんの一層の御協力と御理解をお願い申し上げます。
○国務大臣(鈴木善幸君) 私は、先ほど来大木さんが各省庁に対して実態をいろいろ究明をし質問されておるその応答を聞いておりまして、非常に感を深くしたのでありますが、いままで私も長く国会におりますけれども、大部分は、この補助金が足らぬではないか、この交付金が少な過ぎる、こういうことが非常に多かったと思います。しかし、財政再建ということを御理解を賜りまして、今日納税者の立場に立って、むだがないか、剰余金、不用額はないか、またこういう補助金はむだではないか、こういうような納税者の立場に立っての御発言、御論議というのは本当に私は貴重な御意見である、こう思います。私どもは、この国会の御論議を踏まえて、五十六年度でも私どもは努力いたしましたが、この肥大化した行財政の簡素合理化、これに向かいましては五十七年度以降におきましても全力を尽くしてまいりたいと思いますので、一層御協力を賜りたい、こう思います。
○大木正吾君 実は、私はきのう五時に関係各省庁の方々をお呼びいたしまして質問の通告をしたら、まあ疲れていたんですけれども、十一時過ぎになって各省庁の一部から、また労働組合からも、その質問をやめてくれぬかという話があったんです、率直に申し上げまして。私の田舎の兄貴だって百姓をやっているのですからね。いまの農業改善の問題なんか一生懸命やっている方ですから、だからこんなばかな質問をしたといって怒られるかもしれませんよ。しかし、本当にやるのだったらこんなことお互いに腹を決めてやらなきゃだめですよ。同時に私は、渡辺さん、あなたの蛮勇はよく知っている、浪花節も知っていますけれども、役人の諸君が本気になってやる気になっていますか。私はこの資料を集めるのにさんざん苦労したんですよ。大臣に対して言えば持ってきたかもしれませんけれども、役人の諸君はなかなか抵抗して出してくれない。大蔵省に出したところが、まずきわめて言えば一般的資料しかくれないですよ。各省庁に出して、やっと持ってきたのが四つ手に入りまして、まだ洗ったらこの中たくさん出てくる、こういうふうに私見ているんですけれども、確かにあなたのおっしゃるとおり文教とか社会保障の関係が多いことは知っていますよ、ぼくも資料を持ってきていますからね。しかし、それ以外に大体三、四兆は出ているわけですからね。その分を五千億ずつ減らしていったって、そういったことをしなければ国民納得せぬでしょう。私はそういったことから、実はあえてこういったことをやったわけですからね。ぜひこれは各大臣に、きょうおられる大臣の方々で特に補助金の多いところの大臣の方々の決意をもう一遍聞かせてもらいたいんですよ。
○国務大臣(亀岡高夫君) 農林省関係、先ほど申し上げましたように、農業基本法に基づきますところの施策ということで、ほかの業種から比べまして助成が必要であるという趣旨でいろいろ多種多様の補助金があること、御指摘をいただいたとおりでございまして、年々御指摘のような線に沿って改善を図っておるわけでございます。農業は他産業と違いまして、なかなか転換をいたしますにもすぐにほかの方に転換をするということも容易なことではございませんので、そういう点十分御注意を体しまして、御趣旨を生かすようにしていかなければならぬと、こう思っております。
 資料等につきましては、国会運営に協力する意味から喜んで提出をすると、こういうような空気をつくってまいりたいと、こう思います。
○国務大臣(田中六助君) いまだに到達しませんので恐縮でございますけれども、よく調べた上でビルド・アンド・スクラップを実現していきたいと思います。
○国務大臣(園田直君) 私は先ほど申し上げましたが、事務当局では、私の方の所管では、内閣で幾ら決定されてもこれだけはというものもありましょう。あったらそれを正直に財務当局に言って、正直にその枠から外れさしていただくようにするのが当然であって、それを名目を変えてやるとか、同じ名前でやるとか、こういうことは非常な問題でありまして、ほかのところでいばっておってこういうところで鼻毛抜かれたような感じをいたしておりますが、いまの財政状況から言って、私の所管しております社会保障制度は、水準を保ちながらどのようにむだを省くかということがほかの省よりも大事でございますから、自白しておわびしたように、それだけのことを十分考えてやりますので、どうか今後とも御指導を頼むと同時に、聞いておられた財務当局がこれを口実に次の予算折衝のどきにお攻めにならぬようにお願いしたいと思います。
○大木正吾君 それをまとめている渡辺大蔵大臣はどうですか。渡辺さんの考え方はどうですか、いま各大臣の御発言あったんですが。
○国務大臣(渡辺美智雄君) どなたかの答弁にありましたが、補助金整理というのはもう総論賛成、各論反対になるんですよ、必ずこれは。私も、この間も申し上げたかと思いますが、たとえば学校給食の補助金というのがございまして、三百数十億、そこで一食当たり五円八十銭の補助金が出ている。そこで私は、これはスーパーよりも学校に高く売っているのがいっぱいあるんだから、スーパーに売る値段で学校に納まるわけだと、したがって、これについては補助金を切りますということを強く主張して大蔵省やったところが、各党からほとんど全部来ました、抗議に私のところへ。書類もあります、全部。そういうようなことで結局一割だけ切った。しかし、切ったやつを今度はまた消費拡大の方へ使わせるというような話になりまして、結局額は同じだったというような一つの例があるように、その他にもいろいろなのが出ておりますが、これをみんな切るとかいうことになると、必ずそれにはそれによって恩恵を受けている人があるわけですから、その団体などが騒いでくる。そうすると、団体の推薦を受けていればやっぱり来なきゃならない人もあるということにこれはなるわけなんです。したがって、これは本当に皆さんの御理解があればもっと私は削減できるものがあると思うんです。したがって、どうぞこういうことについては今後われわれもがんばりますから一層の御協力を願いたい。それと同時に、やはり補助金というのは小さな補助金切っても金日になりません。一カ所百万円の補助金を一万切ったとしたって百億です、それは。しかし、国鉄補助金一発でぱっと七千億とか、ともかく何の補助金何千億とかというのがありますから、そういうのもやっぱり合わせて切らしていただかぬと金目にはならない、小さいのだけでは。したがって、そういうように大きなものも小さなものも法律で決まっておるものもやらなければまとまった金目は出てこない。ですから、そのためには、もう法律で決まっていることを大蔵大臣が勝手にできない、どうしても国会の皆さんの御協力をいただかなければならぬ。私はその点で、やはり納税者の代表としての国会議員の発言というものが、今度の国会で取り上げられるようになったことは大変なさま変わりである、それはやっぱり増税という問題が出てきたから私は出てきたんじゃないかと。いままでのように増税がなくて借り入れでばらまくということだけだったら、補助金よこせ、よこせなんですよ。増税せざるを得ないという状態になったからこういう話が出てきたんであって、私はこれは本当の国会の姿だと思っておる次第でございます。
○大木正吾君 ここばかり浪花節でもってごまかされて通すわけにいきませんからもう一遍聞きますけれども、渡辺さんね、おっしゃることはわかるんですよ。私の背後にもやっぱり補助金切ったら文句言う団体があるかもしれませんよ。しかし私は、一番よくないのは、廃止をしたと言っておきながら新しく同じものを起こしている、この根性が気に食わないんですよ、根性が。同時に、ここにありますこれは去年のときの資料ですが、朝日がやった「補助金と政権党」、社会保障関係三三・八%、文教二三・〇%、国鉄五・四%、合わせてほぼ、これは目の子ですけれども、七〇%ぐらいになるかもしれませんね。三〇%は公共事業その他あるんですよ。残ったんですよ。これはやっぱり何だかんだ言ったって、政治関係とか政党の関係とかあるいは議員の関係とか、同時に役人の方々の自分たちの仕事を抱えておきたいという気持ちなどがあるはずですよ。ここのところを全部の方々が反省して、あなた御自身も反省して、各省めちゃくちゃにやったものを黙ってあなたまともで出したんだから、そうでしょう。あなた御自身が説明をどんなにしたって、自分自身のやっぱりいわばしぼり方といいますか、甘かったことに対する反省がなければそれはだめですよ。どうですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私も、限られた時間の中で総動員でやってきたわけでございますから、これで本当に一〇〇%で非の打ちどころないなどというふうに思い上がっておりません。まだまだ不足なところがあるということは考えております。しかしながら、それは限られた時間の中でつくられた予算であって、その点については、私はこれはその条件を考えますとこれしかないと、こう思っておりますが、今後一年でこれは急激に直すというわけにはなかなかいかないわけでありまして、私は第一年度として今後さらに皆さんの御支援を得てこれを強めてまいりたいと、さように反省をいたしております。
○国務大臣(田中六助君) いま事務当局が参りましたので、お答えさせます。
○政府委員(柴田益男君) 通産省関係の五十五年度限りで廃止しました補助金は十六件ございまして、総額二十二億円でございます。その主なものは、繊維工業に対する利子補給とか、あるいは大型プロジェクトで所要目的を達したもの等でございます。
○大木正吾君 聞いていることは、五十六年度、五十五年度のこの資料あるから、持っていって見てもらいたいんだけれども、その中でもって同じような項目があるから、なぜこれが廃止して生き返ったかを説明してもらいたいんです。
○政府委員(宇賀道郎君) ただいま御指摘のございました若干について申し上げますと、たとえば情報処理問題調査委託費、それが情報システム開発総合評価委託費というふうに変わっているというふうな点がどう違うのかというお尋ねかと思いますが、前者の場合は貿易取引に関します情報を総合的、全体的にシステム化するということで昭和五十年度からやってまいりました調査が一応完成いたしました。したがいまして、昭和五十六年度はその中の特に輸出承認あるいは輸出入の承認という具体的な事例だけを取り上げて、さらにそれを実証的に動かしてやるという意味で、総論に対する各論という意味で、新たな調査を起こしているというような例でございまして、以下はいずれもおのおの前とは違う内容になっておるというふうに考えておるわけでございます。
○大木正吾君 いまの話なんかでも、これはもう廃止ということではないんですよ。減額なんだよ、結局そうでしょう。ただ件数だけやっているからそんな話が出てくるわけですからね。
 まあ時間がありませんから、ぼちぼちしぼりますけれども、これ中曽根長官に伺いますけれども、ちょっと新聞ですのでオーバーかもしれませんが、土光さんに頼みまして、そして土光さんと心中する決意でもってがんばる、こういう記事なんかも出ているんですが、土光さん、きょうの話を聞いておったらやめたって言っちゃうかもしれぬですよ。その辺について中曽根さん、御感触はどうですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) いままでの補助金の整理統合のやり方自体が問題があるんではないか。いわゆる官庁ベースでやると、役所同士で公務員の皆さんが攻め合ったりするわけですから、場合によっては助け合ったり、ここでは借りてあっちでまた恩を売っておくと、そういういろんなテクニックもあると思うんです。しかし、会社経営の場合は会社がつぶれるかどうかという場合が多いわけですから、したがって、トップダウンで上からの命令でこの枠でどうせよと、そういうことで下の方がそれを具体的に始末をつけるという形になると思うのです。いままでのやり方は下の方で攻め合ってそうして適当に処理してそれが上へ持ち上げられる、そこに官庁とそれから会社経営の差があると思います。
 今回、土光さんのようなりっぱな方においでいただいたのは、そういう民間の手法を官庁経営の中にも取り入れてみる、そういう勇断をふるった新しい方策を導入して思い切ったことをやろう、そういう意味もありまして、そういう面に対する御指導を大いに私たちも期待しておるところでございます。
○大木正吾君 最後になりますが、総理に伺いますけれども、主として第二臨調の――きのうもたしか答弁にあったと思うんですが、七月ごろまでに中間答申いただいて、そして来年度に生かしたいということとか、あるいは補助金を中心にして土光さんこれをやっぱりやりたい、こう言っていますから、法律補助あるいは予算補助いろいろありましょうけれども、これについて本当に鈴木内閣が政治生命かけてやる、こういう決意はおありですか。
○国務大臣(鈴木善幸君) 五十六年度予算を財政再建元年と、こう位置づけましてやってまいったわけでありますが、いま御指摘のように、いろいろ不十分な改善すべき点が多々ございます。私は、財政再建というのは一年にして成るものではないと、今後も引き続き真剣な努力を積み重ねていく必要があると、こう考えております。
 そういうような観点から、第二臨調は中間答申をぜひ七月の中旬ごろまでにお出しをいただいて、これを五十七年度予算編成の中に反映をさしたい、実現をしたい、こういうことでお願いを申し上げておるところでございます。私は、内閣を挙げてその実現のために全力を尽くすということをここに明らにしておきたいと、こう思います。
○大木正吾君 これは渡辺さんにもう一遍確認してお伺いいたしたいんですが、総理のいまの御発言に御同感だと思いますが、あわせまして、もしこれが相当程度うまく補助国の整理が進めば来年度の増税等については必要がなくなる、こういうふうに私は考えるんですが、どうでしょうか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 来年度というのは五十七年度、結局いまの予算でなくてこの次の予算案という意味だろうと思いますが、よろしゅうございますか。
○大木正吾君 はい。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私は、やはり五十七年度予算に向けましては歳出のカットというものを最重点にやっていかなければならない。それによって総理の指示どおりに、今後もう極力増税に頼るということより、まずそれでやる。それによって当然もう抑えることが絶対にできないというものもあるわけですね、制度的に。そういうようなものも極力抑えていきますが、伸びるものはある程度仕方のないものもある、そういうものに充てる。それからまたもう一つは、借財を、つまり公債の発行率を少なくしていく、その財源にも充てる、こういうようなことにして、それでなおかつ、ともかく財政再建のめどがつくというような状態になれば、それは別に減税をともかく考えないというわけではありません。
○委員長(木村睦男君) 大木君、時間が参りました。
○大木正吾君 最後にもう一言ですけれども、これは土光さんも相当な決意でございますから、私は下手をすると鈴木内閣のやっぱり命取りになりかねない問題を含んでいる、こう考えて見ておるんですね。同時に、やっぱり各省の大臣あるいは国会議員ですね、同時に役人の方々が本当に真剣に問題を考えませんと、いわば第一臨調の繰り返しになってしまう、こういうふうに考えておりますから、きょうは再三念を押しましたけれども、とにもかくにもこの問題については、減税問題とか公債の発行もそれは別の日にいたしますけれども、絶対に第二臨調の答申は守っていただく、このことを最後にお願いいたしまして終わります。(拍手)
○委員長(木村睦男君) 以上で大木君の総括質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
○委員長(木村睦男君) 次に、下条進一郎君の総括質疑を行います。下条君。
○下条進一郎君 最初に総理に伺いたいんでありますが、総理の政治哲学、これは和をもってとうとしとなす、こういう御主張を中心として考えておられます。私もまことに同慶の至り、また感銘を深めておる次第でございますが、国民広く見回しますと、子供は子供なりに、青少年は青少年なりに、また中年の責任者は責任者なりに、また老年者はそれなりにいろんな形で夢を持っている。その夢は、やはり非常に最初大きなものであってもなかなか実現できない。しかし、夢に近づけようとして努力するところに人間社会の進歩もあり、また、それなりのいろいろな施策もまた必要になってくる、こういうわけだと思います。そこで、政府におかれましては、こういう一億一千万の国民の夢というものを、やはりどうしても健全なものに誘導しながら実現を図るということが、私は政治の要請ではないかと思うのであります。
 そこで、ある非常に卑近な話でありますけれども、あるおじいさんが十人の孫がある。それで、十人の孫に、旅行から帰ってきますと、一人一人におみやけを持ってくる。その子供らは、いいおじいさんから一個一個のおみやげをもらうことを大変に喜んでおるし、子供なりの一つの夢であった。忙しくて、帰ってくるときにおじいさんがおみやげが買えなくて、これをまとめておまえらどうぞといって一つの何かまとめたものをお菓子か何か買ってきた。大変に評判が悪かった。子供の夢はそれで全く崩れてしまった。意外にこういうことがあるわけであります。後者の方がうんと金がかかった、前者の方が金がかからない。やはり政治においての財政の運営につきましても、金をよけい出すだけではなくして、やはりかゆいところに手の届く、国民の各階層にまんべんなく意を払った、夢を実現するということが私は和を基本とした哲学の中から出てくる大事な政策ではないかと思うのでありますが、総理の御見解をまず伺いたいと思います。
○国務大臣(鈴木善幸君) 下条さんから非常に御理解のある御所見を伺うことができたわけでございます。和の政治ということを私申し上げておるのでありますが、これは真心の政治でもある、また社会的公正を求める政治でもある、こういうことで、またみんなに心情を披瀝し、またこういう状況にあるということを御理解を願って納得した上で政治を進めていく、こういうことが私は和の政治と、こう申しておるのでございます。そういう意味合いからいたしまして、厳しい財政事情の中で国民の皆さんが納得をされて、そしてそこに不平等感といいますか、そういうものをなくして、そしてみんながまじめに働けばそれに報いられるというようなそういう社会を目指して政治を進めていく、こういう考え方で取り組んでおるところでございます。
○下条進一郎君 それではそのお考えを中心としてぜひやっていただきたいと思います。
 まず最初に外務大臣に伺いたいのでありますが、日本を取り巻く国際経済環境、政治環境、こういうものは大変厳しい状況でございます。それの正しい認識、これがないと国政の方向づけ、あるいは国民の協力というものがなかなかしにくいわけでありますが、現在のそういう環境の認識につきまして概括的にまず外務大臣から御説明いただきたいと思います。
○国務大臣(伊東正義君) お答え申し上げます。
 いま経済政策中心の御質問でございましたが、経済も外交の一つでございますが、その前にやっぱり日本としましては西側の一員として協調を図っていくということはこれは政治的な問題の基本でございまして、またどの地域でもどういう政体の国とも友好関係を結ぼう、こういう基本理念に基づいて、なるべくどの国とも友好関係を結んでいくということがやはり前提だと思っておりまして、いろいろ厳しい国際環境はありますが、なるべくどの国とも友好関係をということでまず取り組んでおるわけでございます。
 その中で経済問題でございますが、下条さんも御承知のとおり、アメリカもヨーロッパもインフレ、物価高騰あるいは失業が出ているというようなことで、まあドイツと日本がそれの中で優等生じゃないかと、こう言われておるわけでございますが、先進国にインフレあるいは失業等が出ておるのは御承知のとおりでございます。そういう中にありまして、日本は資源がございませんから、入れて輸出してということでございますが、一部の商品について集中的、まあ集中豪雨ということをよく言われますが、輸出されるので困る、それがあたかも自分の国の失業なりあるいは不景気なりにつながるかのごとき議論があるんですが、私は見ておりまして、それは違います、何も日本が輸出したから失業が出る、あるいはインフレになっておる、不景気になっておるということじゃないんだということを説明はしておりますが、しかし、なかなか理屈どおりいかぬのが世の中でございまして、いろんな国で保護貿易的な動きが台頭してきているということは、これは確かでございます。
 そういう日本を取り巻く先進国の中で経済情勢があるということでございますが、日本としましては、やはりいままで日本がこれだけ伸びてきましたのは、自由貿易といいますか、ガットの体制で伸びてきたわけでございますから、あくまで自由貿易という大きな旗印は、これは世界全部がやはり掲げてやることが人々の幸福につながるんじゃないか、各国の繁栄につながるんじゃないかということで、これは日本の大原則でやってまいりますが、しかしさっき言いましたような特定の品目が特定の地域に特定の時期に集中するというやり方は、これはやっぱり日本としても自粛はしていく必要がある。それはあくまで自由貿易というものを守っていくということから、そういうことが必要じゃないかというようなふうに認識をしているわけでございます。
○下条進一郎君 ただいまの自由貿易を中心としていくというお考え方、私も全く同感でございます。しかしながら、相手国においてはいろいろと保護貿易主義の動きが出ておるわけでございまして、いろんな貿易摩擦の中で、たとえば自動車の問題、こういう問題も非常に大きな問題になっております。
 そこで、きょうかあすかわかりませんけれども、中旬という話で、米国ではいわゆるルイス報告が出るんではないかという話がございますし、すでにダンフォース、ベンツェンの法案も審議されるとか問題になっておりますし、ブロードヘッド、ヒリスの法案も出ておる。その他たくさんまだございます。こういう保護主義的な具体的な動きに対して、それぞれの動向、そしてまた見通しは外務省としてはどのようにいまつかんでおられるか、大臣の御見解を承りたいと思います。
○国務大臣(伊東正義君) きのうから大河原大使が国務長官のヘイグさんにも会って、いろいろ討議をしていることがございますが、その中に自動車の問題もありましたが、アメリカ政府としては日本の自動車についてどういう態度であるということはまだ決めてない。きのうもそういう報告が来ておるわけでございます。その中でいま下条さんのおっしゃったルイス運輸長官を中心とした自動車の総合対策、これは何も日本のことだけじゃなくて、アメリカの国内の自動車全般の総合的な対策を立てるという動きがありますが、私どもが知っておりますのは、中旬に報告が大統領の手元に届くのじゃないかということを言われておりましたが、また数週間おくれて月末になるんじゃないかというようなことをいま言われておりますが、これはアメリカのことでございますから正確なことはわかりませんが、そういう動きがあります。ただ、これはどういう総合的な対策が出るのかわかりませんから、これは日本でこうじゃないか、ああじゃないかと言っていまから予想してということは私は慎しむべきで、じっと見守っていた方がいいんじゃないかというふうに思うわけでございますし、いま先生のおっしゃったような法律が議会にいろいろな議員さんから提案されているのも知っております。これはまあ自由貿易、ガットということからいけば、これはおかしなことになるわけでございまして、ルール違反ということにもなってくるわけでございますから、日本側としてはあくまでそれは言うべきことは向こうに伝える。いまルイス長官の作業は見守っていくということが日本の態度でなかろうか。その後は、対策が出ましたら、また通産省、もちろん政府としてこれはもう大きな問題でございますから、自由貿易の問題は。みんなで十分に相談して対策を立てていくということが必要かと思っております。
○下条進一郎君 そういうことで慎重におやりになるのも大変結構だと思いますが、ECの方においても同様の問題が出ておるわけでございます。そこで、いろんな情報によりますと、かえって厳しい案が出てくるんじゃないか、こういう対策が向こうで考えられているという情報もあるわけでありますが、もし向こうで、せっかくアメリカとの交渉がある程度慎重に進んでいても、より厳しい対策が出てきますと、右へならえで、また日本に対する保護貿易主義の動きがより厳しくなるという連鎖反応が出てくることがあるんじゃないか、そういう意味においてどちらにどのような――二方面作戦の作戦があると思いますが、どういうようにそこを料理するように対策を講じておられるか、その点をECとそれからアメリカに向けての対策を御説明いただきたいと思います。
○国務大臣(伊東正義君) お答え申し上げますが、ECの方が前からまた日本とEC全部の貿易のアンバランス問題を中心に、それから自動車とか工作機械とかテレビとかを中心にいろんな問題が出ておりますことは御承知のとおりでございまして、去年からこれはずっと続いている問題でございます。大来代表が行きましたり、ECの外相理事会があったり、私も十二月に行ったりいろいろやっておるわけでございますが、EC側としましても、現在すでに日本の製品にとりましては完全な自由貿易でないようないろんな形を変えた制限があることは確かでございまして、それはおかしい、そういうことはガット違反だというような日本として言うべきことはECにも言っているわけでございまして、この自動車問題一つとってみますと、片っ方だけ解決して片っ方はまた別だというわけにはこれはいかぬわけでございますから、ECからもいろいろお話は来ているわけでございますが、これはアメリカとのこれからのいろんな対策を立てる問題がありますから、日本としてはアメリカに対してもECに対しても同じ態度で、やっぱり自由貿易という大きな旗を守っていくということでこれはやる必要がある。片っ方だけにAという対策だ、片っ方だけはBだというわけにはこれはなかなかいかぬわけでございますから、その辺のところを関係省みんなで相談しながら苦慮していまやっているところでございます。
○下条進一郎君 非常にむずかしい問題だと思いますが、要は先ほど最初から御説明されておりますように、ガットの精神あるいはブレトンウッズ協定の精神、そういったものを中心としながら自由貿易主義の原則を貫いて調和のある解決を図っていただきたいと思うわけでございます。
 そこで、通産大臣にお願いしたいのでありますが、そういうようなことでいろんな解決を図る方法として、いわゆる自主規制の問題というものが出てくるわけでありますが、日本の自動車産業というのは非常に近代的な産業の結集されたものである、こういうことでありますが、それがいわゆる国内の内需がいま少し落ちぎみであるというところに対する影響等を考えて、この問題をどのように通産省としては対策を講じておられるか、考えられようとしておられるか御説明いただきたいと思います。
○国務大臣(田中六助君) ただいま外務大臣が答えたとおりでございますけれども、国内の情勢もございますので、通産省としての考えも申し述べてみたいと思います。
 確かに私どもは経済問題を政治問題化しないということが前提でございますし、あくまで日本が妙なことに固執することによって各国に保護主義貿易というものをばらまくようなことがあっては日本自身が首を絞めるわけでございますので、自由貿易主義という旗印は世界にまんべんなくいくことが日本の将来の発展だと思いますし、私ども国内でいま各業者、それからアメリカ、EC、カナダ、いろんな情報をとって、実はきょうもこれが終われば省議をやるわけでございますが、日本の言うべきこと、つまり主張すべきことは主張しなくてはいかぬ。アメリカもまあ私どもの日本の車が向こうに行くことによって二十万人の失業者が出るということを堂々と言ってのけているわけでございます。だがわが国はどうかと申しますと、やはり自動車関係の直接の関係の仕事をしている人が六十五万人います。それから、非常にすそ野の広い企業でございますし、いまや日本の大きな基幹産業になっております。このディーラーまで含めますと約五百万人いるとさえ言われておるわけでございますので、私どもはやはりこれがかなりこたえる。たとえばついせんだって、私どもことしの一−三の台数を四十六万一千台あるのを四十五万台に落とすということを通告したわけでございますけれども、向こうは天気予報みたいなことはもう要らないというような意見さえ言うわけで、そういうところからいろんな感情問題になるおそれもあります。したがって私どもはそういうことのないように、やはり集中的に一度に一ヵ所に集中豪雨のように輸出するという態度は避けて、先ほども申しましたように自由主義貿易ということを考えて、向こう、特にアメリカにつきましては、戦後アメリカ人の立場に立てばあれもしてやった、これもしてやったというようなことが頭に浮かんでいるかもわかりません。したがって、特にアメリカとの貿易量は、日本の来年の貿易量の見通しが千五百五十五万ドルあるわけでございますけれども、そのうちの四分の一はアメリカが買ってくれているわけでございますので、そういうことのいろんな摩擦のないように、摩擦はあっても少なくするように、それはアメリカだけではなくてEC諸国、カナダその他の国々も適用でき得るような政策、そういうものを考えております。
○下条進一郎君 そこで、いろんな形での対策を考えられるわけでありますけれども、日本の産業が国際競争力を持っておるということについては、やはりたゆまない技術革新と合理化その他の努力を積み重ねて今日まで来たということも大きな原因だと思うわけであります。したがいまして、この機会にいろんな政策をやられる場合にはやはり基本的に日本の産業の力を減殺することのないように、やはり将来に向かっては常にたゆまざる努力を続けて将来の新しいまた分野に対して挑戦できるような条件を絶えずつくっていくということを配慮していただきたいと思うのでありますが、その点はどのように通産大臣は考えておられますか。
○国務大臣(田中六助君) 日本は貿易立国でございますので、やはりそこには貿易立国という言葉の裏には技術立国、技術競争というものに勝たなければ将来の発展、貿易の確立ということもございません。したがって、対米輸出という点から過去の歴史を振り返るときに、どうしても繊維からカラーテレビ、電気洗たく機、まあだんだん来まして自動車、ICというような技術の発展がそのまま歴史のようによみがえってくるわけでございます。したがって、自動車でGMあたりが数年前まではまさか日本に追っかけられようと、あるいはフォードあるいはクライスラーが日本のトヨタあるいは日産、東洋工業あるいは三菱、そういうところに負けるようなことはあるまいというふうにアメリカは思っておったに違いありません。したがって、その間私どもの日本は本当に技術の最高水準を行って、燃費のかからない、しかも安い車をつくって、それが実はこういうことにもなっておるわけでございます。将来を展望するときに、やはりこれは問題でございますし、技術というものは重要でございます。残るのはまあICとか航空機とかいろんなことを言われておりますけれども、すでに私ども日本の多くの企業は複合先端産業という点で、特に九州はICアイランドというふうに言われておりますし、そういうエレクトロニクスの工場みたいにだんだん九州はなっております。このようにいつの間にやら西ドイツも含めてEC諸国にははるかにまさる、アメリカともまた勝っても負けないようなそういう関係ができております。たとえば四ミリ角のそういう箱の中に三十万、四十万の素子、コンピューターが入っていくというようなことも世界がいま脅威に思っておるわけで、いずれにしてもまあ黙々と余りいばらずに貿易をすると同時にやはり技術をみがく、それから人造人間などの働きもすばらしいものを持っております。そういう点も加味して技術に対する配慮は通産省としては万全の措置をとっておるんじゃないかと、手前みそでございますけれども、そういうふうに思っております。
○下条進一郎君 そのようなことで、しっかり日本の産業の将来に対してよき御指導、御鞭撻をしていただきたいと思う次第でございます。
 そこで、外部の問題があればやはり内需に影響してくるということになるわけでありますが、経企庁長官にお尋ねしたいのは、そういうようないろいろ貿易摩擦等によって影響される面も出てくるし、それから、あるいは今度増税が一兆三千九百億とある、こういったものは成長に対してはマイナス要因に考えられますし、それからまた、この予算の裏づけとしての見通しをつくられたのは古いデータ、いまから言えば数カ月前のデータをもってつくられたわけでありますから、その後大分経済の情勢は変わってきております。いろんな予見がある。そこで日銀の総裁もおられますけれども、短観が三月三日に出ましたけれども、これも非常に慎重など申しますか、先行きに対してかなりの不安を述べておりますし、また通産省で出しましたところの個別の在庫調査の報告も最近出ておりますが、これもなかなかテンポがおくれておる。一−三で済むというのが、四−六に延びるんじゃないかという話がございますし、あるいは中小企業金融公庫が出したいわゆる生産の伸び率でございますけれども、これまあ大体横ばいじゃないかという懸念も出ておるわけでございます。いろんな面でいま懸念が出ておるわけでありますが、そういういろいろな状況を勘案されまして、最も新しいところの、そして経企庁長官が自信を持って言われるところのこれからの景気の状況、それをひとつ御説明いただきたいと思うんであります。
○国務大臣(河本敏夫君) やはり日本の経済を考えましたときには、第二次オイルショックによるデフレ的効果、これは非常に大きいということであります。ほかの国にももちろん影響が出ておりますけれども、一番大きな影響が出ておるのは日本だと思います。幸いにこれまでは比較的順調にこのデフレ効果を吸収をいたしまして、経済は他の国に比べますと私はおおむね順調に伸びてきておると、こう思うのでございます。
 いまの貿易上の摩擦の問題等も出ましたけれども、これは私はやはりこの第二次石油危機によりまして世界経済全体が停滞しておりまして、購買力全体が減っておる、そこに貿易摩擦が起こっておるんだと、こう思います。
 たとえばアメリカの経済などを見ますと、非常に大きな力を持っておりますから、少し景気が回復して購買力がふえますと、もう二、三百万台の自動車の需要はすぐふえる、とにかく千万台をはるかに超える、こういう大きな市場でありますし、ちょっと悪くなるとこれまた二、三百万台需要が減る、こういうことでありますから、やはり私はこの世界経済全体が一刻も早く軌道に乗るということが日本にとって何よりも大事ではなかろうか、こういう感じがいたします。
 そういう観点に立ちまして今後の経済運営をするわけでありますが、やはり五十六年度は内需中心の経済運営をしていきたい、こう思っております。しかし、内需がいま落ち込んでおりますので、それをどう回復するように政策を進めていくかということが当面の緊急の課題でございまして、それにつきましてはいま関係各省と具体的に相談を進めておるところでございまして、ここ数日の間には何らかの案が得られるのではないか、こう思っております。
○下条進一郎君 内需の先行きについて、やはりある程度の御心配をされる向き、私も理解するんでありますが、その程度の問題とかあるいはそれらに関連する個々の需要項目などについて、いろいろと認識の相違もあるわけでございます。特に、たとえば民間設備投資、概括的にとらえますと、これは大体いまのところは堅調であるというような説明も出ておりますけれども、しかし、その中を割ってみますと中小企業、これは三千四百万人の人間がいるわけでありますが、その設備投資というのは非常に低迷している、むしろマイナスじゃないかと、こういうことが私は社会的にもかなりの問題だと思うんであります。その点なんかは経企庁長官はどのように判断していらっしゃいますか。
○国務大臣(河本敏夫君) いろんな経済指標を見ます場合に、その経済の指標は何を中心につくられておるかということが一番大事でございまして、二、三日前も新聞に民間の設備投資は堅調であると、こういう大きな報道がございましたが、しかし、その調査は大企業中心の調査でありまして、大企業はやはり順調に伸びております。それは減量経営のもとにおきましても相当の利益を確保することができますし、証券市場から非常に有利な資金を調達することも可能である。したがって、技術開発投資を中心に、あるいはまた省エネルギー投資を中心に計画以上に私は設備投資は伸びておると思うのであります。しかし、この民間の設備投資全体を見ますと、大企業はやはり半分以下なんです。中小企業並びに個人企業がざっと六割を占めておるという状態でありますから、こういう分野で設備投資が盛んになりませんと全体としての仕事の量は減る、設備投資は減るということでありますから、やはりいま一番大きな課題は中小企業対策を一体どうするか、日本は中小企業の国でありますから、この中小企業を一体どうして振興していくかということが非常に大きな当面の課題であろうと、こう思っております。
○下条進一郎君 そこで、政府は来週あたりに景気浮揚策をいろいろ検討した結果を発表されるというように承っておるわけでありますが、財政は先ほど来いろいろ問題になっておりますように現在はかなり硬直化しておる、その指標というものも制限的になっておるということでありますけれども、一番効果があるということであれば公共投資の前倒しということなどが一、二の順番で考えられると思いますけれども、そのことについてはどの程度のことを大蔵大臣はいま考えておられるか、ちょっと御説明いただきたいと思います。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 公共事業の執行について景気に寄与するようにしたい、幾らにするかということにつきましては、全然年度の後半を考えないというわけにもいかないししますので、企画庁長官とよく相談をしながら決めてまいりたいと思います。
○下条進一郎君 いろいろ検討されておっても、新聞情報でありますが、なかなかぱっとした策がないということのようにも伝えられておりますので、私は財政的に言えばこの公共事業の前倒しというものはかなり高目に、後半のことを考えて、許される範囲において高目にしていただきたいと、こうお願いする次第でございます。
 そこで、財政というものがかなり硬直化しておる原因の一つを解除するために財政再建ということが言われておるわけで、赤字対策の問題もありますけれども、そこで先ほど来いろいろ議論がありましたように、行財政改革というものも大変に必要なんでありますけれども、この行財政については今度第二次臨調がつくられるわけでありますけれども、第一次臨調でも結構いいことを言っておるわけです。ところが、これがなかなか実行できなかった。私はその反省も第一に必要じゃないかと思うのであります。このことにつきまして、行管庁長官からその経緯を御説明いただきたいと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) 第一次臨調がつくられましたときは、日本が高度経済成長に入る入口でございまして、当時池田総理は所得倍増ということを言っておられたわけです。そういうわけで、省庁の統配合やあるいは行政改革の内容につきましても、補佐官制度であるとかあるいは総務庁、内閣府、そういうようなわけで膨張的要素も勧告の中にはありました。しかし、また一面においてむだを排除せよ、そういう面もありまして、初期のその成長期におきましては、たとえば首都圏庁をつくれとかいうので、それが国土庁になるとか、あるいは一面においてまた総定員法をつくる、それによって人間をシーリングとして設定する、あるいは一省一局削減をやる、あるいは許認可の整理や数次にわたる定員削減計画、五%削減計画というのを佐藤内閣がやっておりました。そういうようなことを第一期にはやったと思います。
 それから第二の時代になりますと、公害あるいは流通問題、消費者問題というものが出てまいりまして、物価局をつくるとかあるいは農林省に食品流通局ができるとかあるいは環境庁ができるとか、そういう方面に第二期は力が入ったと思います。石油危機以後はいわゆる第三期に入りまして行財政再建、特に財政再建という問題が出てきました。これは公債が累積してきた結果にもよると思います。現在の第二次臨調の大きな仕事の一つは、この財政再建という問題が来ていることは間違いありません。と同時に、この三十年の間でコンピューターの発達や情報社会の発達やいろんな面がありまして、八〇年代以降日本の政府のあるべき姿はどうであるか、中央と地方、官業と民業、そのほかそういう問題について軌道を設定してもらう、そういう問題も出てきております。そういう観点に立ちまして、第一次臨調の反省を踏まえまして第二次臨調におきましては答申を最大限に尊重してやっていく。そのかわり答申も、一生懸命汗流せば実行可能である、実行不可能なものを出されてもこれは困るのでありまして、汗流せば実行は可能である。しかし、国民の皆さんから見て、よくそこまでやった、そう言われるような答申を出していただいて、それを、でき得べくんばそっくりそのまま実行するようにしたいという念願を私は持っておるのであります。
○下条進一郎君 そこで、ことしのというか今度の五十六年度の予算でありますけれども、一兆三千九百億の増税があるということで、増税予算だ。こういうことを巷間伝えられておりまして、いろんな批判も出ておるわけであります。したがって今度、五十七年度の予算のときにはその轍を踏まないように、まあ足りなけりゃすぐ増税すればいい、いやそれは新税で、あるいは一般消費税というような声が、あるいは違った形の間接税というようなことが伝えられておりますけれども、これは大変な問題でありまして、ここにおられる大臣の各位が御記憶あると思いますけれども、おととしの十二月に衆参の本会議において一般消費税によらない財政再建を図るということが決議されておるわけでありますから、その線を必ず遵守されてこれからの財政再建に取り組んでいただきたい、これを特に強く要望するわけでありますが、その観点から、いわゆるいまの今度第二次臨調というものは二年のめどを考えておられるようでありますけれども、五十七年度にそういう増税が先行しない形での予算をつくるとなれば、第二次臨調の中間答申をひとつ出していただいて、それを概算要求――七月まででございますが、それまでに少しでも役立てるものは役立てていくということをぜひ具体的に考えていただきたい。この点についての行管庁長官の御決意を承りたいと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) 下条委員と全く同感でありまして、きのう総理も土光さん、会長予定者にお会いした前も、いまの趣旨にのっとりまして御努力をお願いした次第で、土光さんも快諾されたところでございます。
○下条進一郎君 ぜひそれで実行していただきたいと思います。
 そこで、改革は、もう総理が前から言っていらっしゃいますように仕事減らし、金減らし、人減らしという順序でやればできないことはないというわけでありますが、幾つかの項目につきまして私御質問さしていただきたいと思います。
 一つは、中央地方を通ずる各省庁、それから公庫公団等の行政機構の思い切った簡素合理化であります。これは先ほど来いろいろ議論がありましたけれども、やろうと思えばできないことはない。かなり重複もあるし、前に比べれば人もふえている。これに対してのお考えを行管庁長官からお願いします。
○国務大臣(中曽根康弘君) 総理が言われましたのは金減らし、人減らし、仕事減らし、そういう順であります。それから、人員と機構をいかに縮減するかという問題でございますが、いままで何回か行政改革をやって必ずしも成功しなかった理由をよく突き詰めてみまして、そして今度こそは実効性あるやり方をやりたいと思っております。しかし、やる順序としましては、行政改革というものは単に財政再建のためにあるものではありません。また、いわゆる第二臨調というのも公債減らしや財政再建のためにのみつくられたものではないのでありまして、日本の政府あるいは国家機関あるいは地方団体との関係、その他大きい意味で日本の行政制度、あるいは政府はいかにあるべきかというような観点から判断をいただくということで、財政再建はその一環の中に入っておる問題であると思います。そういう観点に立ちまして総合的に御判定願うと思いますが、当面の取り扱いとしましては、この七月の緊急答申と申しますか、それをいただいて財政再建に役立たせるように行うということ、それから、秋になると思いますが、機構問題あるいは制度の基本問題等に重点が移行するのではないか、仕事の配分から見ますとそういうように考えております。その間におきまして、いままでの反省を加えて、いかに中央、地方及び地方公共団体の機構問題に手をつけるか、よく検討してやるつもりでおります。
○下条進一郎君 そこでやっぱりかなり思い切ったことをやらなければいけないということになるわけであります。
 大蔵大臣に伺いたいのですが、一応いまいろいろ中期計画をやっていらっしゃる中で、まず最初に、国債の赤字分、特例公債だけまずなくしていくような計画を考えている。順序としてはそうだと思いますけれども、やはり建設公債だって考えようによれば赤字なんです、財政にとっては。そういう意味において、いま緊急事態であるということでその特例公債がゼロになるまでの間は声を立てないというぐらいの思い切った、要するに歳出の増加を一時ストップするというぐらいのことで何か考えられないか。そこらの点でひとつ新しいアイデアによって取り組んでいかない限り、ずるずると同じようになってしまう、こう思うのでありますが、大蔵大臣の御見解を承りたいと思います。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 赤字国債から脱却する間は予算の増額を認めない、これできれば一番いいんです。しかしながら、日本は長生き国になっていますから老人をふやさないというわけにはいかない。これは老人がふえる。老人がふえれば年金がふえる、老人がふえれば医療費がふえるというようなことはこれはもう自然の摂理みたいなもので、そういうように抑えようとしても抑えられない部門があるわけですね。ただ、そのときのサービス水準をじゃどの程度にするかというようなことは考えられないわけではありません。しかしながら、これは一つの例でございますが、各局に同じようなことがいっぱいどこにもございます。したがって、本当はゼロベース予算が――この前はゼロリストを出してしかられたわけですが、ゼロベースでもう去年どおりしかやらぬからその中で全部やってくださいということになると、やはり、かなりどうしても抑えられないものを持ったところと、何とかできるところと出てくるということもございましょう。いずれにしてもしかし、それぐらいの気概でやらなければ私は歳出増に歳入が追いつかない、これも事実です。したがって、本当に、先ほどから総理や中曽根行管長官が言っているように、そういうような行革を含め、また補助金その他の出費等についてはこれはもう法律事項も含めて再点検をする、そして皆さんのひとつ御協力をお願いするという方向で進めたいと考えております。
○下条進一郎君 確かにむずかしいことだと思いますけれども、できるものからやっていくということで検討していただきたいと思います。いまおっしゃいましたように補助金の問題もこれいろいろ経緯がございます。しかしながら、総額は相当大きなものでありますから、たとえば一割カット、その中でそのスクラップ・アンド・ビルドをするというようなことは、いかがでございましょうか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) これも一割カットができれば一兆四千五百億円減ってしまうわけですから……。しかし、先ほど言ったように補助金といってもいろいろございまして、一割でなくて半分ぐらい切れそうなものもあるかもしらぬ。しかしながら、社会保障費の補助金はい五兆円、はい文教の補助金二兆何千億円というようなものは、これもできないことはないと思いますが、ただ、それらの九十数%というものが法律で決まっているというのがございますので、仮に一割カットする場合には法律を直してもらわなければならぬ。ですから、こういうことについてはやはり国会の御理解と御協力を得なければ、そうでないと大くくりのところ、それがもう動かないということになれば、先ほど言ったように細かい補助金を、百万円のところ一万個所切ったって百億ですから、これは。国鉄補助金七千億の七十分の一ですから、ですからそういうような問題がございます。したがって、やはりどうしても皆さんの理解と協力がなければできませんので、それはひとつ御相談をしたいと考えています。
○下条進一郎君 そこら辺の経緯はいろいろあろうと思います。法律も違います。しかしながら、私が申し上げたいのは、先ほどちょっと話が出ましたように、個々のミクロ的なものをつついていっては何年も時間がかかってしまうわけですから、マクロ的に特例法を出すなり、何かして工夫をこらしていただきたいということでございます。
 そこで、これは大きな金額になるというばかりではございませんけれども、地方公共団体の行政としてすでに定着している事業があるわけでありますが、こういうものに対する補助金、これを本部で持たないで、むしろ地方の交付金にして出してしまう、こういうことはいかがでございましょう。
○国務大臣(渡辺美智雄君) たとえば……。
○下条進一郎君 裕福な県にはもうそれやらぬでいいということになります。そういう個々の地方行政で賄えるものについては、交付金として中へ織り込んでしまう。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 現在の地方交付税交付金制度は、そういうことで結局不交付団体というものがありますね、東京のようにある一定の財政収入があるところには交付しない。国で全体のバランスをとらしておるわけです。したがって、いまおっしゃるのは、いまの補助金を第二交付金みたいな形にしろというような御質問の趣旨かと存じますが、これについてはなかなかいまこの段階で私がイエスと言えないんです。補助金には補助金にそれなりのみんな目的があってついておりまして、全部補助金制度というものはある程度なくしちゃって、交付税だけでやるとすれば、現在でも市町村長によっては道路を直すのが好きな市町村長もいるし、学校建てるのが好きな市町村長もいますし、社会保障が大好きだという市町村長もおって、それが余り極端に差がついてしまうということも問題がある。そこらの調整をどういうふうにするのか、それも考えながら、しかし補助金の現在の仕組みで陳情しなければもらえないとか――そういうことはないんだけれども、実際は。だけれども、いろいろと補助金の手続その他について、あるいは補助金の内容について、いろいろ御批判を受けているわけでありますから、皆さんの御要望を、御論議を承った上で各省庁と相談をして、もっと効率的な補助金の整理合理化には努めていくつもりであります。
○下条進一郎君 そこで、これも総理が前おっしゃった官業の洗い直しという、民営というものはもっと能率的じゃないかというお話があるわけでございます。日本の製鉄業も昔は官業だったわけです。それがあのままだったらこれほどまでに発展しなかった。あれはやはり民営にして民間の努力を活用したからこれだけのものになったと思うのでありますが、そういう意味で現在の官業の洗い直し、これはもう徹底的にやったらいいと思うんです。身近な例で恐縮でございますが、たとえば私がこの間横須賀に参りましたのですが、横須賀の方から連絡がありまして、自動車じゃ時間がかかる、国鉄じゃ高くて遅い、品川から京浜電車に乗っていらっしゃい、安いから。こう言うわけでございます。ですから私は、やはり競争原理がもっと働くように、そして国鉄がいまのようにただ赤字だからといって運賃を上げるんじゃなくて、そういう競争のところはむしろ運賃を下げて乗客を吸収する、こういうやり方も必要だと思いまずし、それからまた、官営の病院がたくさんあるわけです。これは赤字が多いんですね。国鉄は二百四十四億の赤字、電電が百六十七億の赤字、郵政が百二億の赤字、専売が二十億の赤字というのが五十四年度でございます。そこで、私はどこでもこうむずかしいものかと思いまして、この間長野の赤十字病院を訪ねました。「赤十字」という看板がかかっているから当然赤十字本社から金もらっているかと聞きましたら、一銭ももらってないと。そして五百床の病院なんです。長野県で三つ目にでかい病院、これがちゃんと採算が合っているんです。しかも、緊急医療の責務を「赤十字」として果たしておると、こういうことを考えますと、私は官業というものについて見直すべきものがたくさんあると、こう思うんでございます。その点について行管庁長官と大蔵大臣から承りたい。
○国務大臣(中曽根康弘君) 特殊法人等の病院につきましては、前に監察をやったことがございます。それで、いまお示しのように、国鉄病院でも二百四十四億でありましたか、あるいは専売、電電、そのほかの病院が相当赤字を出しておる。それがみんな、国鉄のような場合には補助金が回り回ってそっちへいくような形にもなっているわけです。それで、これはもう放置できない。そういう意味で特殊法人等の病院の今後の管理について新しい考えでこれはメスを入れなければならぬと、行管庁はそういうところを考えておりました。たまたま第二次臨調も発足いたしますから、その委員の御判断も仰ぎまして、適当な措置をするのではないかと予想しております。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 全く御趣旨ごもっともで、同感でございます。
○下条進一郎君 それから公共投資の問題について国土庁長官に伺いたいんでありますが、いま要するにいろんな金が国から各省を通じて出ている、公共投資という形、あるいはいろんな形で出ておりますけれども、どうもいろいろ統計を見ますと、都市集中に出る。これはいろいろ事情があるからやむを得ないと思うのであります。しかしながら、大平総理が前言われた田園都市構想というものは、地方定住圏を育てようということでございますから、そういう意味においてバランスある、要するに地方も都会の人と同じようにいろんな面で住みよい社会をつくるような財政の資金の活用を図ることが私は必要だと思うんです。それで、いろんな統計の中で、理由があると思いますけれども、地方でおくれておりますのが住宅、環境衛生、教育というものがおくれが目立ちますんですが、そういった点について、均衡ある発展という見地から国土庁長官から御意見を承りたいと思います。
○国務大臣(原健三郎君) 地方をもう少し、定住を推進するために地方に重点的に投資配分をやるという御説は全く同感で賛成であります。国土庁におきましても、たとえば田園都市構想、いま昭和五十六年度から始めようとしておりますが、政府の予算もつきまして、それでそういう田園都市構想もやるし、あるいは定住圏構想といって地方にモデル地区をこしらえまして、四十都道府県で五十六年度からいよいよ国費を一部投じてスタートします。これから具体的にこれをやって、ぜひ、いま先生のおっしゃったような、地方のもっと発展のために定住構想をいたしたい。私もそういう抽象的にはまず大体賛成ですが、実際どうかと思って統計を調べてみましたら、ずいぶんしかし、世の中はもうすでに地方振興に向かって歯車が動いておるということがわかりましたので、その一、二を申し上げて参考にしたい。
 大都市圏と地方圏別総投資額の推移、シェアであります。どのくらい違うか。二力の地方の方はずっとカーブが上へ上がっておるし、大都市圏はずっとカーブが極端に下がってきておる。もう一つ申しますと、大都市圏と地方圏別生活基盤別投資の推移、このシェアを見ましたら、これも同様に地方の方がカーブが上がっておる、大都市圏は下がっておる。もっと極端なのはクロスして、大都市圏と地方圏別産業基盤投資のシェア、産業別投資見ましたら、もうクロスして一方がざっと上へ上がっておるし、大都市圏は下へ下がっておる。こういうことが露骨にありまして、御説の方は逐次その方向に動いておると、こう申し上げてよろしいかと思います。
○下条進一郎君 項目によってそういう御説明もあるし、私が申し上げたようなおくれもございますので、ぜひ投資が効果的になるようによろしくお願いしたいと思います。
 行財政の改革というのは、大きな項目もあれば小さいものもあると、そういう積み重ねでいかなければならないと思うのであります。
 官庁統計について一つ伺いたいと思うのでありますが、いま電算機ばやりでございます。もうどこの官庁でも何でもかでも、またシステムの変わった、同じ省で違ったシステムのコンピューターを買っておる。しかもそれが季節的なものであって、年がら年じゅう使っているわけではない、こういうものがたくさんあるわけであります。私は、やはりこれだけの大きな投資をやるならば、やはり統計というものについてもこれは非常に大事なものでありますから、行管庁においてそれの合理的な効率的な運営ということについて検討を進められてはいかがかと思うのでありますが、行管庁長官からお伺いいたします。
○国務大臣(中曽根康弘君) 行管庁は、法令に基づきまして統計主幹というのを置きまして、その統計の運用につきまして効率的な改善を常に努力しておるところでございます。
 聞いてみますと、統計のやり方には二つあるそうでございまして、集中的にやるのと分散的にやるのとあるそうであります。日本におきましても、基礎的な統計あるいは共通の統計等はこれを集中的にやる、しかし各省各省で行政需要に基づいてこういう統計が欲しい、こういう調査が欲しいというものは各省別にやらしておる、これが効率的であると、そういうシステムでやっている由であります。私は、このやり方がいまのところ日本には適当ではないか。ただ、重複したりむだがあることは避けなければなりません。それと同時に、基準を統一するということが非常に重要でございます。それらにつきましてはいませっかく努力しておるところでございます。
○下条進一郎君 それからあと、行財政改革についての最後の項目でありますが、非常に小さなことかもしれないんです。紙なんです。こういう使う紙でございます。この紙については、たとえばわれわれは参議院の用紙がございますし、大蔵省には大蔵省の用紙がある。内閣には内閣の用紙がある。みんなばらばらに注文しているわけですね。私がかつてワシントンの世界銀行に勤務いたしましたら、世界銀行の用紙というのはアメリカ政府の用紙と同じなんですね。ですから、そういうものを一括注文してコストダウンを図っているという、こういうことが、小さなことでもやはり節約という点から考えれば私はずいぶん違ってくると思うんであります。やはり節約というものはこの中の一つでありますけれども、この点について大蔵大臣に御所見を承りたいと思います。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 一つのアイデアでございますから、専門家の意見も聞いて十分検討させていただきます。
○政府委員(松下康雄君) 用紙の統一の問題でございますけれども、庁費の執行をいたします際も、財政当局といたしましては、やはり極力総体の経費の節減を図ってまいりますように努力をしてきておるところでございます。各省庁におかれましても、それぞれの執行の責任者として従来からいろいろと配慮をしてきていただいておるところでございまして、たとえば購入物品の標準化につきましては、昭和三十八年の十一月に当時総理府で官庁物品標準化及び国産品使用推進本部という名称でございましたが、そういう組織を置きまして、その後四十七年の六月まで九回にわたりまして各種の用紙を初めといたします事務用品の規格の統一作業をいたしてまいりました。今日では、その統一された規格に従って総体としての経費の節減を図っているところでございますけれども、なお今後ともよい方法でまだ残っておるものがありましたならば、それらを取り入れるように努力をいたしてまいります。
○下条進一郎君 幾つもございますけれどもこの程度にとどめまして、要するに、行財政改革というものは非常にむずかしい法律上の問題もあるし、また小さなこともある。しかしながら、できるものからどんどん実行して、やはり五十七年度の予算にこれを反映するようにしていただきたいということでございます。この点の締めくくりとして総理からの御決意を承りたいと思います。
○国務大臣(鈴木善幸君) 御指摘のとおりだと思います。非常に膨大な機構、広範な事務、許認可、いろいろの問題を含んでおりますから、大きな簡素合理化と行政費の徹底的な節減合理化、そういうような基本方針を踏まえまして最善を尽くしてまいりたいと、こう思っております。
○下条進一郎君 ありがとうございます。その決意でぜひやっていただきたいと思います。
 それから次に、外務大臣に伺いたいんでありますが、現在、日本はそれなりに対外経済協力、また援助ということをやっておるわけでありますけれども、問題は援助の方法でございまして、要するにマルチラテラルのものとバイラテラルのものと、こうあるわけであります。それは両方必要であります。しかしながら、私がいろいろ見る限りにおきましては、マルチで出したお金はその機関の人たちに喜ばれるということはあるかもしれませんが、それから出ていく相手に必ずしも日本の好意なりいろいろな配慮が評価されない、そういう面が間々あるわけでございます。たとえばある後進国でありますが、これはたとえば世銀とかあるいは第二世銀から金をたくさん借りているんですね。そして自分の国の周辺にみんな低金利でばらまいておる。大変に協力してくれていると感謝されているんだが、その国には日本はろくすっぽ援助していない。もとを考えれば日本の金が大部分行っておる。こういうむだがあるんですね。したがって、バイラテラルな援助こそ私は非常に大事である。これは先ほど一番最初に言いましたように、額は意外に少なくても効果がある、これが必要だということの話でございます。
 そういう意味において、この間できました韓国の浦項製鉄所の建設などは大変に評価されておりますし、またケニアにおける同時ケーブルの電話の敷設、これはもう大変に評価されております。電話上げればすぐ世界じゅうかかるというのが向こうでは夢だったそうであります。それができるようになったとか、あるいはスリランカにおいて中国が大会堂をつくった。もう中国はそういうことをやってシンボリックなものを援助で出しておる。一方、メキシコへ行ってあれだけ外務大臣やあるいは通産大臣が御苦労されたのも、メキシコにはそういうものを日本はやってくれないということでございます。だから非常に交渉が苦労するということでございますから、私はマルチの政策もそれは軽視すべきではないと思いますけれども、重点はやはりバイラテラルな、そして相手の本当に困るところに協力してあけることが必要である。その意味においても、また中国の宝山製鉄所の問題も非常に慎重に考えていただきたい。こう思うのでありますが、この点について外務大臣と、それから大きな問題でございますから総理から一言承りたいと思います。
○国務大臣(伊東正義君) お答え申し上げます。
 いまの下条さんおっしゃった宝山やなんかは、あれは民間のいわゆる経済協力でございますので、政府がこれをどこへどうということはやっておりませんが、政府の経済協力につきましては、これは外務委員会でもう決議がございまして、その国の社会経済開発、民生安定、福祉の向上というようなことに役立つように、軍用には向かぬようにというような決議をいただいておるわけでございますが、日本の置かれた地位から言いまして、相互依存関係でございますとかあるいは人道的な関係とか、そういう広い目で、あるいは欧米と日本との協調というような面とか、いろいろ考えまして総合的に判断をしているわけでございますが、いま下条さんのおっしゃったのはなるべく二国間やった方がいいじゃないか、効果があるんじゃないか、国際機関に出すということは余り効果が上がらぬじゃないか、その恩恵にあずかると言ってはなんでございますが、国際機関からわからぬじゃないかという御意見でございますので、私どもいままでどっちには重点でどっちは軽視――軽視という言葉はなんでございますが、そういうことをやるということでなくて、両方ともこれは大切だ、国際機関でやるのも大切だということでやっていたわけでございまして、この考え方につきましていまこれを急に変えるとか、そういう考えは持っておりませんが、下条さんのおっしゃったことも私はわからぬじゃないんです。じかに、直に日本の名前が出ていくということはある程度効果があるんじゃないかという御意見、私もよくわかります。でございますので、これはどういうふうにあんばいしていくかということにつきましては、われわれとしてもこれは十分御意見を参照しながら考えてまいりたいと思います。
○下条進一郎君 要は、こういう厳しい財政状況でありますから、効果があるようにという趣旨を強調したわけでございます。
 そこで、国際収支なんでありますが、経常収支はずっと赤字である。そして、あの表を見てみますと、結局それを穴埋めしているのは資本収支でファインスして穴埋めしているということになるわけです。それから資本収支でファイナンスするということは、結局借入金でありますから、借入金の金利を払わなきゃならない。それで、ちょっと統計を見てみますと、五十五年で百三億ドルの金利を払っているわけですよ。これは国は中において赤字のまた国債の金利を払う。国際収支では外国にまた経常収支の赤字のためのファイナンスするために百三億の金利を払っておる。これはどっちもこっちももう金利で雪だるまになっちゃうという危険があるんじゃないかと思うんです。そういう政策について大蔵省はどういうお見通してこれに対処しておられるか、御説明いただきたいと思います。
○政府委員(加藤隆司君) ただいまの数字でございますが、五十五年が利払いが百三億、それから受け取りの方が百十一億ございまして、ネットでは八億四千八百万という黒にはなっております。ただ、ことしの一月などを見ますと、受け取りの方が八億八千七百万、払いが九億九千七百万、一億の赤になっております。こういう傾向は今後とも続くだろうと思います。御指摘のような点が大変今後懸念されるわけでございます。そこで、国際的にいろいろ問題がございますので、各国との調和のとれたかっこうで国際収支なり経常収支の改善を図るべく着実な努力を積み重ねていく必要があると考えております。
○委員長(木村睦男君) 中西一郎君の関連質疑を許します。中西君。
○中西一郎君 資源エネルギー庁長官、まず伺いますが、マンガン、コバルト、クロムその他希少金属の主なものについてのアメリカ、それからEC、日本、コメコン関係、ソ連関係の輸入依存度を説明してください。
○政府委員(森山信吾君) ただいま御指摘のございました希少物資関係重立ったものを申し上げますと、まずマンガンにつきましては、アメリカが九八%、ECが一〇〇%、コメコンが三%、日本が九一%でございます。それからコバルトにつきましては、アメリカが九七%、ECが一〇〇%、コメコンが六八%、日本が一〇〇%。次に、クロムにつきましては、アメリカ九一%、EC一〇〇%、コメコン二%、日本九八%。アスベストにつきましては、アメリカ八五%、EC九〇%、コメコン一%、日本九八%。ニッケルにつきましては、アメリカ七〇%、EC一〇〇%、コメコン一三%、日本一〇〇%と、こういった関係でございます。
○中西一郎君 コバルトについてコメコン関係が六八という輸入依存度、これが一番高い。あとはコメコン関係は輸入依存度は非常に低くて自給度が高いと、こう理解してよろしゅうございますね。
○政府委員(森山信吾君) 御指摘のとおりと判断いたします。
○中西一郎君 外務省の政府委員に伺いたいんですけれども、アフリカの南部がこういった希少金属の、いわば石油についてのアラブといいますか、サウジと言われておるんですけれども、その周辺をめぐるキューバ兵のプレゼンスの実態について御説明をいただきたい。
○説明員(堤功一君) 南部アフリカにおきましてはアンゴラに一万九千人のキューバ兵がいるという情報でございます。そのほか東側の南部アフリカ、モザンビークに千名足らず。アフリカ全体で申し上げますと、南部ではございませんが、次に非常に大きい存在はエチオピアでございまして一万六千から一万七千の間という情報が入っております。
○中西一郎君 私の手元では東側の七カ国、それから西側も八カ国ですか、全体で四万三千人のキューバ兵が張りついていると。
 外務大臣に伺いたいんですけれども、そういった資源地帯をめぐるキューバ兵のプレゼンスというものについてどういうふうに認識しておられるか。
○国務大臣(伊東正義君) いまの御質問ありましたが、特にアフリカ等の希少金属の産地といいますか、そういうところの周辺でございますとか、いろいろその他いわゆる軍事上の要衝の地でございますとか、そういうところにキューバの軍隊が入っているということにつきましては、これはやはり大きな目で見ますと東西関係といいますか、そういうものの平和関係を維持するとか、あるいは資源の有効利用を世界じゅうが考えていくとかいうことから見ますと、これは決してプラスになることじゃないんだというふうに見ておるわけでございます。
○中西一郎君 この問題についてはアメリカの民間で大変な関心が高まっておりまして、資源戦争という言葉さえ使われておる。
 そこで伺うんですが、これは政府委員でいいですけれども、アフリカのそういった地域における、いま説明のあった希少金属幾つかについてアフリカの産出高の、全世界を一〇〇とした場合のウエートについて御説明をください。
○政府委員(小松国男君) お答え申し上げます。
 アフリカにおきます希少金属の産出高でございますけれども、コバルトにつきましては一九七八年、これはザイールとかボツワナとかこういうところが主要国でございますが、世界の生産高の五割強に当たります一万七千トンが産出されております。またクロムにつきましては同じく一九七八年に南ア、ジンバブエ等で世界の産出高の約四割に当たります百七十四万トンが産出されております。さらにアスベストとかマンガン、これにつきましてもアフリカの場合は世界の産出高のアスベストの場合約五割、それからマンガンにつきましては約四割ということで相当の部分を占めているというのが実情でございます。
○中西一郎君 もう一つ政府委員に聞きたいんですけれども、日本では流通関係のストックはますます。ある。緊急事態に対するストックは余りないと聞くんです。
 そこで、主要品目について日本で流通段階以外の緊急備蓄が幾らあるか。あわせて、できればアメリカ、西ドイツ、フランス等の主要国でどういう用意をしておるかということについて御説明をいただきたい。
○政府委員(小松国男君) お答え申し上げます。
 各国の事情というのはなかなか備蓄の問題になりますとわかりにくいのでございますが、まずアメリカでございますけれども、これはいわゆるGSAといいますか、一般調達局がコバルトの備蓄を約一万八千トン強持っておるというふうに聞いております。また西独につきましては、半官半民の備蓄協会のもとでコバルト等を対象とした備蓄を行うことを現在検討しているというふうに聞いております。
 また、フランスでございますけれども、これは政府といいますか、工業省が主体となりまして行うコバルト等を対象としました備蓄制度がございますけれども、どの程度備蓄を持っているかというのは詳細不明でございます。
 さらに、わが国の問題でございますけれども、特殊金属備蓄協会というのがございまして、これが現在持っておりますのはニッケルを約二千トン、それからクロム、これもクロム純分にしまして約三千トン持っておりますけれども、コバルトにつきましては、現在備蓄実績は全然ございません。
 ただ、コバルトにつきましては、民間におきまして約八百四十トン、これは年間の消費量の二千二百トンに対しましては百三十七日分ぐらいに当たるわけですが、一応流通の在庫でございますけれども、この程度は現在ある。
 以上でございます。
○中西一郎君 通産大臣に伺うんですけれども、流通在庫がコバルトで約二千数百トンという話がありました。しかし非常用備蓄は諸外国ではやっておるけれども日本ではやっていないということを考えまして、油じゃないですけれども、ひとつこういったことを政府なり風間なりに担当してもらって備蓄をさせるという措置を講ずる必要があるのではないかと思うのですが、御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(田中六助君) レアメタル、つまりそういうものに対する備蓄というものはやはりわが国の場合考えておかなければいけないことでございまして、といって、そういうものの政府備蓄をやる資金というものは、現在直ちにこういう財政状況でございますのでできませんが、将来としては、余り遠い将来は別でございますけれども、やはり責任者がそういうメタルについてはお説の、中西さんの御主張のようなことを考えていかなければならないというふうに思っております。
○中西一郎君 次に日米関係ですが、北米局長にお伺いします。
 アメリカでは、戦争が行われておる最中でも議会がやめろと言えば大統領は戦争をやめなければならないというふうに聞くのですが、そういうふうに理解してよろしゅうございますか。
○政府委員(淺尾新一郎君) お答えいたします。
 ただいまの御質問の点は、恐らく昭和四十八年アメリカで成立いたしました戦争権限法についての御質問かと思います。
 戦争権限法はもともと行政府とそれから立法府の妥協でできた法律でございますが、その中で、大統領が戦争宣言をしてない場合に行政府として軍隊を投入した場合には、最大限九十日間のみ兵力を使用することができる。ただし、この場合においても特別の法律に基づく授権がある場合は別である、こういうふうに書かれてございます。
 それからさらに敷衍いたしますと、しかしこの中には、こういう規定があるけれども既存の条約とか協定はこの法律によっても何ら影響を受けるものではないという規定がございますことを申し添えます。
○中西一郎君 もう少しでやめますが、その戦争権限法の八条の(a)項の(2)、これは日米安保条約も入ると思うんですけれども、よりも本法の方が優先すると書いてある。なお、同条の(d)第一項、これは現条約を変更するものではないとも書いてある。矛盾をしておるように思うのですが、北米局長。
○政府委員(淺尾新一郎君) いま言われたとおりでございますが、先ほど私がお答えいたしましたように、アメリカの政府あるいは議会の中においてもこの戦争権限法について解釈が分かれております。したがいまして私たちが、外国政府がこの戦争権限法について有権的な解釈をとることは差し控えたいと思いますが、ただ一つ申し上げておきたいことは、日米安保条約第五条によって、日本が攻撃された場合にアメリカは日本防衛の義務を負っております。この防衛の義務を負った安保条約そのものは、アメリカの行政府、それのみならず議会によって承認された条約でございますし、さらに戦争権限法ができた後においても、アメリカの首脳は再三にわたって日本の首脳に対して、アメリカは安保条約の義務を誠実に履行するということを申しておりますので、私たちはあくまでも安保条約の第五条によるアメリカ側の対日防衛の義務というものは誠実に守られるというふうに確信しております。
○委員長(木村睦男君) 中西君、関連質問でございますのでそろそろ結論に急いでください。
○中西一郎君 まとめて申し上げて総理なりの御所見を伺いたいと思います。
 いまお話がありましたが、日米安保条約も一年の予告期間で破棄できるということがあります。また最近は、日本に対する駐留なり現安保体制というものは形を変えた経済援助であると。貧しい国に経済援助をしないで日本に対して経済援助をしておるというような世論がアメリカで出ております。そういった詳しいことについての情報はもうすでにお持ちだと思いますので申し上げません。日本人の依存心といいますか、アメリカにおんぶにだっこというと言い過ぎかもしれませんが、アメリカも困っておるのじゃないかという気がしないでもない。向こうの方で安保破棄を迫ってくるかもしれないということを心配する向きもございます。日本の方からそういうことを言い出そうという一部の人たちもおるわけですが、そういった問題をアメリカがどこまで突き詰めて考えてくるか。私はそう遠くない将来に問題になり得るんではないかという懸念を持ちます。そういう意味で万全の態勢をもってこういう事態に対処していく必要があると思うのでございますが、総理から御所見を賜りたいと思うのでございます。
○国務大臣(鈴木善幸君) 日米の友好協力関係、これはわが国外交の基本でございます。日米間における相互信頼関係ということが日米安保体制を堅持し、またこれを円滑に効率的に運用してまいります上からも私はきわめて大事である、このように考えております。また日本とアメリカが世界の自由主義陣営の中におきましても有力な立場にございますので、日米関係を一層発展をさせるということが世界の平和と繁栄にも絶対不可欠のことであり大事なことである。こういう日米の信頼関係、これを今後基礎にいたしまして安保体制をあくまで堅持をして日本の防衛についても万全を期していきたいと、こう考えております。
○下条進一郎君 次は、景気調整策としての金融政策についてお尋ねをしたいと思います。
 お忙しいところを日銀総裁には早くからおいでいただいたのですが、時間のずれで大変お待たせいたしまして恐縮いたしました。
 現在、財政政策での景気調整策というものについてはかなり手詰まりになっておるということから、金融政策こそもっと弾力的に運営できるようにしなければならない、こう私たちは考えておるわけでありますが、現在の金融政策がそれでは有効かつ弾力的に運営できておるのかどうか、その御所見をまず最初に日銀総裁から承りたいと思います。
○参考人(前川春雄君) 金融政策を遂行いたしてまいりますには、現在いろいろ制約があることは事実でございます。たとえばいまお話のありましたように、財政面がなかなかもう余裕がなくなってきておるというようなこととか、あるいは金利政策を遂行してまいります上におきまして金利が必ずしも弾力的ではないというような制約があることは事実でございますが、ただ、そういう制約の中で金融政策がいままでかなり有効に活用されてきておるというふうに私は考えております。
 ただ、機動的、弾力的に行われたかというお話でございまするが、従来の例から申しますと、常に必ずしも機動的だとは言えない例があったというふうに思います。
○下条進一郎君 私もその点に一縷の不安と不満足の感情というか、感じを持つわけでございますが、日銀が金融の政策の中央におられてそれを十分に理想的に運営できない障害というのは何であるか、その点をまず御説明いただきたいと思います。
○参考人(前川春雄君) 一つは、最近の財政再建ということが言われておりまするように、財政政策の面で余裕がなくなっておる、国債の発行額がかなり多量に上っておるということから、金融機関の資金繰りその他にいろいろな影響が出ているということが一つの要素でございます。
 もう一つ、金利面では、これから国際的な資本交流というのは非常にふえるわけでございまするので、金融政策もいままでのような面よりさらに金利機能の活用ということに依存してまいらなければいけないというふうに考えております。
 そういう意味で、金利がそのときの状況に応じて弾力的にまた整合的に動くということが必要なわけでございまするけれども、いろいろ歴史的な背景等もございます。あるいは資金の蓄積が十分でないということもございまして、必ずしもその点が西欧諸国のように弾力的あるいは機動的に動かない、動いておらないという事情があると思います。
○下条進一郎君 問題は二つのようにいま回答されたわけであります。一つは国債の大量の発行によって市場がある程度拘束されておる、もう一つは金利機能が十分に動けないと、こういうことだと思います。
 そこで、金利機能の問題については、これは私はやはり、日本の現在の金融市場というものがまだまだ先進国並みに動けるようになっていないという幾つかの阻害要因があるというふうに思うわけでありますが、制度的に見ると、日本銀行政策委員会が臨金法によって臨時金利の調整審議会に分けて決める制度と、もう一つの郵貯の方の審議会で決める金利との調整というものが非常に手間取るということが現実の問題としてあるわけでありますけれども、私は、それはそれなりに機能している、任務を持っていると思います。
 そこで、いま日銀総裁もおっしゃったように、金利というものがある程度全般的な金融政策の大きな手法として機能するためには、日本銀行政策委員会の中に郵政の代表者に入ってもらうとか、あるいは金利調整審議会の中に代表を入れていく、そして相互の意見調整を図って、よりもっと交流の場を設けて機動的に動けるようにするということは考えられないかどうか。この点、日本銀行総裁と大蔵大臣から承りたいと思います。
○参考人(前川春雄君) 金利が弾力的あるいは整合的に動くことが金融政策上必要ではございまするが、それを制度的にどういうふうにするかということにつきましては、恐らく金融の分野に関する官業の在り方の懇談会において十分検討されるものであろうと思います。制度的な面もございまするけれども、要は金融の原則というものに対する認識というものがございませんと、いかに制度を改めても機能しない、そういうふうな認識がまずできることが大事であろうというふうに思います。そういうことによって金利全体が整合的にあるいは弾力的に動いていくということが必要だろうと思います。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私は、日本の金利政策というのは大体うまくいっているんじゃないか。問題は、郵貯がこれだけ大きくなって、そうして金利の機動的な上げ下げということについてときどき時間がかかったりなんかするような問題が起きます。こういうようなことが改善をされるということは今後一層重要だと、そう考えています。
○下条進一郎君 うまくいっているというお考えもありますけれども、先ほど日銀総裁はまだ十分でないというお話でありますので、そういう点についてよりうまくなるようにということで御検討していただきたいと、指針として先ほど私が一つ申し上げたわけでございます。御検討いただきたいと思います。
 それで、国債の大量発行の問題がありますけれども、これは確かに大きな問題でございます。そこで現在これを資金運用部である程度もう少し買ってみたらどうか。そうすることによって市場のもう少し流動性を図り、いろいろの金利操作の政策に追従できるような市場を養成するということはどうでございましょうか、大蔵大臣。
○国務大臣(渡辺美智雄君) それも一つの考え方でありまして、われわれとしては運用部の資金の活用というか、運用というか、そういうようなことでできるだけ市場の状況を見ながら現在でもやっておるつもりでございます。今後さらに国債が出て、そいつが消化が非常に困難だというような事態が予想される場合には、また別な角度から検討することが必要だろうと思います。
○下条進一郎君 それからもう一つ、これはドイツでやった方法なんでありますけれども、国債というのは国の借金、しかし流通できる。しかしながらそれがまた逆に、流通できるのでありながら金融市場を圧迫している。こういうことになるわけでありますが、政府が、国が民間の金融機関から金を借りるということで、直接その時点における金融市場の圧迫を緩和するという方法がとられた例があるわけでございます。これは財政法上で言えば建設国債はできるわけでございます、その分は。しかしそれにとらわれないで、いずれにいたしましても、金融の市場の状況に応じてそういう方途を考えてみることはできないかどうか、大蔵大臣のお考えを伺いたいと思います。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 一つの考え方かもしれませんが、現状においてはやや現実性が薄いんじゃないかと、そう思っております。今後も引き続き検討いたします。
○下条進一郎君 ひとつ御検討いただきたいと思います、いろんな方法が必要だと思いますから。
 それからけさのテレビですか、来週の十六日から日銀は公定歩合を〇・七五お下げになるというようなことが出ておりましたけれども、私は公定歩合の〇・七五なんというのは幅が狭い、しかも時間がおくれておるということでございますから、これが実際に市場金利に反映するのは私は非常に少ないんじゃないか。せっかくの経済浮揚政策としては私はこれでは足りないと思うのでありますが、それはまた別といたしまして、その連動が阻まれている要因を少しでも除いていくということが金融政策上必要だと思います。民間であれば、両建てはいけないといって、預金をとって貸すのはいけないというのでありますが、日本銀行は現在金融機関に対してこういう時期に準備金を浮かしておくというのは私はちょっとおかしいんじゃないか。これはもう各銀行の資金コストを上げておるわけでありますから、したがってこの機会にもうさっとこんなものをどんどん出して返してしまう。そうすればこれは手前の金は、金利のない金が戻ってくるわけでありますから、そうするとそれだけまたコストが安くなる。現在そうでなくても金融機関の利幅が非常に狭くなっている。その中で公定歩合〇・七五ぐらい下げてこれは金利が下がるという連動度合いは非常に小さいんじゃないかと思うんですが、その点のお考えをぜひ明らかにしていただいて、同時に私としてはぜひやっていただきたいということを要望したいんであります。日本銀行総裁お願いいたします。
○参考人(前川春雄君) 公定歩合につきましては、いろいろ新聞、テレビ等で憶測記事が出ておりますけれども、毎々申し上げておりまするように、私ども景気、物価その他の状況に対応して金融政策は漸次緩和してきておるわけでございまして、これからもそういう状況に対応した金融政策をとってまいるつもりでございます。ただ、公定歩合を下げればすべて金利水準が下がるというものではないわけでございまするので、公定歩合を下げることによる実効が本当に上がるように金融機関のコストその他も下げていかなければならないというふうに思います。その点につきまして、準備預金はもうゼロにしたらどうかというお話がございました。準備預金というものは、そもそも金融機関が営業活動をいたしまする上におきましてある程度の支払い準備金を持つことは当然でございまして、日本ではともかくその支払い準備が少ないわけでございまするが、そのほかにああいう制度によりまして準備率を操作することによって、それに伴う金融機関の全体の信用創造額を動かして影響を与えていくというのがあの制度の基本でございます。金融機関のそういう支払い準備を持つという慣行が確立することがまず第一でございます。私どもそういう範囲内で預金準備率というものを高い率を継続することがそもそもその必要がないということで、過去におきましてこの引き下げを図ってきたわけでございます。これからもそういう環境が許せばそういう準備率を引き下げるということは当然考えられるわけでございまするけれども、ただ、あの制度の本来の目的であるその準備金、準備率によって信用創造力に影響を及ぼすという考え方は、やはりこれは残しておく必要があろうというふうに思いまするので、準備率をゼロにすることはいかがかというふうに考えております。
○下条進一郎君 日銀のいわゆる銀行経営の健全指導という立場からお考えはわかるわけですけれども、しかしながら、現在は、公定歩合がたとえまだ――一にしていただく場合があるかもしれませんけれども、一だって私は少ないと思うんですから。そういう少ないところでしかも各金融機関の利幅が狭くなっておる。それでしかも預金コストの方はなかなか下げにくい、下げてもわずかだと。それで貸出金利の方はどんどん下がっておると。しかも、これ以上下げなければいけないというときに、その呼び水になるものがないから、何かかわりに準価率をせめて零ぐらいに、できなくてももっと減額すると、それをやっていただかなければ私は実際の効果は出てこないと思うんですよ。その点くどいようですけれどももう一回承りたいと思います。
○参考人(前川春雄君) 現在準備率は非常に低い率まで下がっておるわけでございまして、欧米諸国の準備率に比べまするともう問題にならないぐらい低い状態になっておるわけでございます。そういう準備率がそこまで引き下げられておりまするけれども、状況が必要とするならば、その準備率をもう過去においてはかなり低くしたこともございまするので、そういうことについて検討をする余地はございます。ただ、その準備率を、ここでコストを下げるということだけのために準備率をゼロにすることは制度の本質からいっていかがかというふうに考えております。
○下条進一郎君 下げていただくというようなことが言外に出たもので、できるだけその率を大きくしていただきたいということを要望したいと思います。
 そこで、その公定歩合が連動するのは大手の企業に対する貸し出してありますが、問題は、先ほど来言っておりますように、設備投資にしてもいろいろ景気のかげりが多いのも中小企業でございます。中小企業に対してこの公定歩合下げて連動するというと、これはなかなかすぐ連動しない。しかし、問題は中小企業にある。こういったときに、私は日銀としてはきわめて異例だと思いますけれども、ひとつそういうたとえば信用金庫なら全信連あるいは農協、そういったところに、あるいは相互銀行協会はまた別な形でその制度的な金融を少しつけて、そしてそのコストを下げる。そのはずみによって各金融機関がいわゆる中小企業者に貸す金利を下げるという動機をつくっていただきたい。これはいかがでございましょうか。
○参考人(前川春雄君) 景気のかげり現象が特に中小企業に強くあらわれているという事態に対しましては十分承知しておるつもりでございます。ただ、金融政策の見地からどういうふうにするかという点につきましては、金融政策は御承知のように全体の量的な調整をしてまいるということでございまして、特定の経済分野あるいは特定の資金使途のために日本銀行の金を出すということは、これはまた切りのないことでもあり、金融政策の全体の見地から見たその量的な規制をするということからはなかなかとりにくい考え方であろうと思います。ただ、中小企業に対しましては、私ども金融を無視しているつもりは毛頭ございません。現に量的な規制として窓口規制につきましては、ことしの一−三の分から中小専門金融機関の窓口規制の量的な規制というのは、ほぼ実質的にはその自主管理と申しますか、金融機関のそれぞれの申し出に従って枠を設定するというようなことまでしておるつもりでございまして、中小企業の金融についてわれわれのできる範囲でできるだけのことをしてまいるつもりでおります。
○下条進一郎君 それで、中小企業に対して金融の面でもきわめて厳しい問題があるわけでありますが、同時に中小企業というのはなかなか後継者養成ということがむずかしいわけであります。おやじさんが一生懸命働いてやっと子供を大学に出せるようになった。そうすると、その大学へ行くというと、東京か大阪か名古屋というような都市の大学に集中して、そこではもう大企業中心的な教育を受けて帰ってくる。そうすると、帰るんじゃなくて大企業に就職してしまう。後継者がなかなかできない。したがって、やはり中小企業というのは、最近中小企業学会ができたぐらいにカリキュラムができたわけでありますから、そういう意味において中小企業の専門の後継者を養成するような大学、こういったものを国として考える余地はないかどうか。この点通産大臣と文部大臣から承りたいと思います。
○国務大臣(田中六助君) 中小企業大学をつくれというお話でございますが、現在関東と関西に中小企業大学校というものがございまして、大学ではございませんけれども二つございます。
 それから、予算の中には新しくまた中小企業大学校を設けるために準備金と申しますか、予備金みたいな形で計上しております。それで、大学校の増設というものは私ども考えておりますけれども、中小企業大学ということになりますと、これは通産省の、まあ私ども人材養成という観点から賛成でございますけれども、大学ということになりますと文部省の所管で、文部省の考えが十中十占めると思います。文部大臣の御意見も伺って私どもも対処したいというふうに思います。
○国務大臣(田中龍夫君) 日本経済におきます中小企業というもののあり方、立場というものは非常に重大でございます。ことに当面いたしました厳しい財政の中におきましての中小企業、これも先般閣議におきましても非常に問題としたところでございます。
 ただいま御指摘の件でございますが、通産大臣からお話がございましたように各種学校としての中小企業大学校というものはすでにできております。ただいまの国立大学といたしましての新しく大学を新設するということは、これは非常に困難な問題であろうと思うのでありまして、実践的な経営面におきまする学問的な研究、こういう面におきますれば、必ずしも中小企業の新しい国立大学を設けるというよりも、むしろすでにあります国立大学の中におきまして、あるいは経済学部、あるいは経営学部と同じような形におきまして、中小企業に対しまする分析なりあるいは理論なりあるいは経営の問題についての専門的な研究ということも、これは十分に考えてしかるべきものだと、かように考えております。
○下条進一郎君 要するに、中小企業のカリキュラムも相当できてまいっておりますし、片手間にそういったものを勉強したのでは、本当によき後継者ができないということでありますので、これを大学の課程において教えることのできるような前向きの対策を考えていただきたいと要望する次第でございます。
 それから、今度金融の方に戻りますんですが、金融の操作をする場合に短期市場というものが現在十分機能してないと、こういうように考えられる面もあるわけでございます。たとえばTBなんでありますが、どの先進国へ行きましてもTBというのはオペレーションの対象になっているわけですよ。事実、日本が外準として操作する場合には米国のTBを買うというわけでありますが、日本のTBというのはそういう操作の対象になってない。公定歩合の〇・二五アッフのもので、もう固定した金利で扱われているだけにすぎない。ここらからひとつ崩していって、要するに短期資本市場というものの柔軟的な活用というものもこれから図っていかなければ、先ほどおっしゃったように、一つ一つそういうかきねを除いていかなければ、近代的な金融市場の育成と、またそれによっていろいろ財政の手詰まりの中で日銀総裁が金融政策、金融操作――ポリシーを実行される場合の手法というものがどんどん広がっていくということになるわけでありますから、考えられる余地があると思うんでありますが、この点は総裁いかがでございますか。
○参考人(前川春雄君) 短期の金融市場、日本におきまして、あるいはコール手形市場、現先市場、CDの市場、いろいろございます。かなり自由化されて発展してまいったというふうに思いますが、それぞれの市場で取引をし得る人が限定されておるということから、短期の金融市場がさらに発展するためには、どうしてもそういう、だれでもがその市場の中で取引できるという、いわゆるオープンマーケットというものができる必要があるというふうに思います。そういう際に、一番適当な金融資産としては、おっしゃるように政府の短期証券であろうというふうに思います。したがいまして、将来は政府の短期証券の条件がそういうオープンなマーケットで十分取引ができるようなものになることが望ましいと思います。
○下条進一郎君 それと並びまして、大蔵大臣、CDというのが新たに導入されたわけですけれども、これは導入されたはいいが、制約がずいぶんあるわけですね。記名であるとかいろいろ期間の問題、そういったものをやはりいま市場育成の観点から、少しずつその制約を緩めて、そしてこれもやはり転々流通できるようにして、短期の金融市場を育成していくと、こういうお考えがあるかどうか、そして、それに対してのタイムスケジュールとしていつごろをめどに考えていらっしゃるか、そのことを承りたいと思います。
○政府委員(吉田正輝君) お尋ねのCDでございますけれども、これは昭和五十四年五月に、まさに先生が御指摘のような短期金融市場の整備を図るということを目的にいたしまして、それによりましてまた金利機能の活用を図るということで一昨々年導入したばかりでございます。これは一応順調に発展してきておるわけでございますが、先生御指摘のような発行枠とかいろいろの制約は確かに発足当初でございますので現存しております。ただ、発行枠の方につきましては、昨年四月でございますけれども、その発行枠について、日本の銀行につきましては自己資本の二五%の発行枠を五〇%に引き上げる、外銀の発行限度につきましても、在日支店の円建てによる貸出額の一〇%を二〇%に引き上げるというような、そういう一応弾力化の措置をとってございます。ただ、発行単位はただいま五億円とか、発行期間はただいま三カ月以上六カ月というようなことになっておりますけれども、これらの点につきましては、発行単位につきましては、これはやはりいきなり大口預金の方から小口に移していきますと短期の金融市場にも影響するところがあるということがございます。それからもう一つは、ほかの金融資産がございますけれども、たとえば金融債、そういうようなものとかなり性格が類似しておりますので、発行期間などをいきなりまた長期化するというようなことになりますと、これまた金融秩序の問題もございますので、そういう問題も考えながら、短期金融市場の整備という目的を認識しながら今後対処してまいりたいと、かように考えておるわけです。
○下条進一郎君 前向きに、これは順次開放の方に向かっていただきたいと思うのでありますが、これに関連しまして、やはり同じ金融債との関連はあるのでありますが、やはり五年物の国債、これをやはりもう少し広目に考えていくということについては大蔵大臣いかがでございますか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 国債の消化は重要でございますから、いままでも五年の割引債とか二年、三年、四年の利付債なんというものもつくってきたわけです。今後ともいろいろこの消化については工夫をしていきたい。御指摘の五年の利付国債も一つの検討課題であると、かように考えております。
○下条進一郎君 幾多の問題があると思いますけれども、たとえば臨金法、あれは昭和二十二年にできた臨時のものでありまして、あの法律には「当分の間」と書いてあるわけですね。大蔵大臣はこれ、今度銀行法を改正されるということなんですが、あれも古い法律ですけれども、こっちは、臨金法の方は「当分の間」と書いてある文句がちゃんと前にうたってあるわけですね。これをそのままいま利用して預金のシーリングを決めるというかっこうになっておりますけれども、大蔵大臣は「当分の間」というのはいつまでを考えておられるか、今後これどう扱われるか、その点を。
○国務大臣(渡辺美智雄君) これはそのときの金融情勢、その他を見まして、当分の間と思うときまで「当分の間」だと。
○下条進一郎君 私はやはり金融というものは、先ほど来申し上げたように日本の経済を動かす非常に大きな、大事な政策の中につながっておるということだと思いますから、その意味において景気運用策の一つとして、景気対策の手法として金融政策がより弾力的に動けるように諸条件を逐次整えていくということが私は必要だと思うのです。そのためにはやはり企業が自由主義のもとに立って機動的に動けるようにするということと、市場を順次開放的に育成していくということが私は必要だと思うのであります。そういうことについて幾多の問題があろうかと思いますけれども、これはぜひ前向きに取り組んでいただいて、これからだんだんと財政の方が手狭になったときに、さてやろうとしても、金融政策ではもうちょっとしかできないといったら、これは日本の景気浮揚の方法としては残るものはなくなってしまう、幾ら騒いだって方法がないということでは、これはまたもとへ戻って、先ほど来最初からお話ししておりますように、内需がだめならひとつ輸出へということで、また国際的なフリクションを起こすことになるわけでありますから、この金融市場の育成と金融機関の健全な発展ということについては本当にもう前向きに、一つ一つ障害を除いて取り組んでいただきたいと思うのでありますが、大蔵大臣の御所見を伺います。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 御説は貴重な参考といたしまして、いままでも金融市場の育成や自由化については徐々にではございますが、秩序を乱さない限度でやってきておりますから、今後も進めてまいりたいと考えます。
○下条進一郎君 そこで、今度の第二次の総合経済対策というのがいま検討されておるわけでありますが、先ほど来申し上げたように、けさのテレビのようなことでは私はなかなかこれはもう景気はすぐに快方に向かわないと思うのであります。その意味において私はやはり適時適切な金融政策の運用ということで、もっと積極的に散り組んでいただきたいと思うのでありますが、そういう全体の総合経済政策の所管をやっていらっしゃいます経企庁長官の御所見を本件について承りたいと思います。
○国務大臣(河本敏夫君) 昨年の九月にやはり物価と景気対策を中心とする経済政策を決めたのでありますが、その際、金融政策につきましては機動的に運営をすると、こういう基本方針を政府の方針として決定をしておりますが、機動的に運営するという意味は、現在の金利の水準は産業政策を進めていく上において高過ぎる。だから、条件が整い次第できるだけ低い水準に持っていきたい、これがその具体的な内容であります。
 自来、この基本方針に沿いまして金融政策がずっと進められておるわけでありますが、しかし、金融政策を進めるにいたしましても、やはり客観的な条件というものが必要でありまして、その条件を整えなければいけません。やはり物価その他の条件がございますので、政府といたしましては金融政策が機動的に運営しやすいようなそういう客観的な条件を一刻も早く整えるということが大事であると、このように理解をしております。
○委員長(木村睦男君) 前川参考人には、重ねて御出席をいただきましてありがとうございました。御退席なすって結構でございます。
○下条進一郎君 最後にエネルギー問題に一言触れさしていただきたいと思います。
 日本は石油に依存すること非常に大な国民でございますが、フランスに昨年十二月に訪ねてみますと、原子力発電というものが非常に前向きに取り組まれている。九〇年までに電力の七〇%を原子力に、エネルギーの三〇%を原子力にということで取り組んでおりまして、すでに世界の第二位の電力発電の規模に達しておると、こういうことでありますが、事情は日本は必ずしもそれと同じではございません。だからそのままというわけではありませんけれども、やはり私は、日本のこういう厳しいエネルギーの中に生活している国民が安定してそういう電力の供給に依存できるようにするためには、原子力の問題の安全性をより徹底的に検討されると同時に、開発についても前向きに取り組んでいただきたい、このことを通産大臣と科学技術庁長官から所見を承りたいと思うわけでございます。
○国務大臣(田中六助君) フランスだけではなく、わが国もやはり代替エネルギーということを頭に置いて、十年後には石油依存率を五〇%にするということを頭に描いております。
 フランスは御承知のように現在稼働中の原子力発電所が十八基、将来七十四基にするようでございます。私どもは現在二十一基稼働しておりまして、これを三十五基まで持っていくわけで、したがってフランスは私どもの二倍以上原子力発電所ができる体制になっております。まあしかしうらやましいことではございますけれども、日本もいろいろな事情がございましてそうはいってない部分もございますけれども、私ども十年後の目標を五千百万から五千三百万キロワットを頭に置いておりますが、この完遂のために一生懸命努力すると同時に、どうしても原子力発電所の安全性というものが国民の頭にはこびりついておりますので、その点の安全性を特により一層万全の措置をとって原子力発電所の開発に努めたいと思います。
○国務大臣(中川一郎君) 私も昨年秋フランスを訪ねまして、わが国と同じ自給率の悪いフランスにおいて先見性をもって原子力の研究開発が進んでいるだけじゃなくて、立地についても九〇年代には七三%に持っていく、わが国が現在三〇%ということになっておりますことを考えても、非常におくれておる。この点、わが国がまだ安全性について国民の理解を得られないこと、またフランスではイデオロギーを超えて、社会党の方も共産党の方も、もう国を挙げて御協力をいただいておることは非常にうらやましいことだと思って見てまいりました。われわれもこれからさらに国民の幅広い皆様方の理解が得られるように、最善を尽くして国民の負託にこたえたい、こう思っております。
○委員長(木村睦男君) 時間が参りました。
○下条進一郎君 最後に総理に一言だけ。
 こういうわけで経済は非常に厳しい状態にあるわけでございますから、手ぜまりになってきているものの、財政金融政策でぜひしっかり乗り切っていただきたいということと、それからエネルギー対策も、これは国民の生活を守る上にも必要でございますので、その二点についての締めくくりの御決意を一言承りまして、質問を終えたいと思います。
○国務大臣(鈴木善幸君) わが国の経済運営はいま重大な転機に来ておると思います。石油の影響を大きく受けておりますし、その代替エネルギーの開発導入という問題が大きな課題になっておりますが、まだ十分国民の理解を得ておらない。今後安全性の問題に最大限の努力をいたしまして、国民の理解、協力を得ながらこれを推進してまいりたい、これがわが国の経済の発展の大きな基盤になると考えております。また、日本はこういう資源の少ない、国土の狭い国柄でございますから、科学技術の振興によって日本の発展を図らなければならない、こういうことにも相なるわけでございます。私は、財政が非常に厳しい中におきまして、エネルギーの問題あるいは科学技術の振興の問題等々に特に配慮した五十六年度予算というものをつくっております。国会の御理解と御賛同をいただきながら、今後こういう施策を強力に展開いたしまして、わが国の経済の安定的な発展、国民生活の安定を図ってまいりたい、このように考えております。
○委員長(木村睦男君) 以上で下条君の総括質疑は終了いたしました。(拍手)
    ―――――――――――――
○委員長(木村睦男君) 次に、安恒良一君の総括質疑を行います。
   〔委員長退席、理事古賀雷四郎君着席〕
○理事(古賀雷四郎君) 安恒良一君。
○安恒良一君 私は、午前中に大木議員との間に若干のやりとりがありましたところの実質賃金の目減り問題について、少しお聞きをしたいと思います。
 まず第一に、総理にお聞きをしたいのでありますが、八〇年春闘は七九年から続きます第二次石油危機を背景に決着を見ましたし、いままさに八一年春闘がその調整過程の中で始まろうとしております。私は、八〇年春闘がこの第二次石油危機の調整過程の中において日本経済に与えた影響、果たした役割りを正しくこの際評価しておく必要があると思いますが、その点について総理の所見を承ります。
○国務大臣(鈴木善幸君) 第一次、第二次石油危機をわが国は比較的他の工業先進国等に比べまして懸命にまた非常に効果的にこれに対応してまいったわけでございます。私は、石油の予想を超える高騰、これをわが国の経済また生産から流通、消費の過程におきまして、その値上がりを十分吸収をしていくということでなければ、物価も高騰いたしますし、経済全般の成長、雇用の問題にも影響すると、こういうことになるわけであります。八〇年春闘がこの点に経営者もまた勤労者もよく思いをいたされまして、賃金と物価の悪循環を断ち切るような、そういう高い立場から、労使の信頼関係の上に立って適切な賃金をお決めになった。これがわが国の経済運営に非常な寄与をしておられるということを高く私は評価をしているものでございます。
○安恒良一君 いま総理、経営者も組合もと言われましたが、もちろんそれは両方があると思いますが、私は、第一次石油ショックの際は、いわゆる石油の値上がりの所得の移転のコストの主役は企業が払ったと思います。しかし、八一年春闘のときには主として労働者が主体となってそのコストを支払う結果になったのではないだろうか。それはなぜかと言いますと、わが国の賃金は、過年度物価上昇を重視しますけれども、八一年春闘の要求の時期にはすでに対前年物価が七・五%に達しておりました。そういう中で、八〇年春闘が六・九%の賃上げにおさまったということについて、その点について大臣はどう評価されておりますか、総理は。
○国務大臣(鈴木善幸君) 安恒さんおっしゃるとおり、私は、勤労者の諸君の非常に高い立場からの御協力があったということをそのとおりに受けとめておるわけでありますが、そういうことも経営者並びに、勤労者、これは労使の信頼関係の上に立ってそういうことがなされたと、こう私は申し上げたわけでございます。
○安恒良一君 総理、大切なことをお忘れになっておりはしないでしょうか。労働組合側は、当時政府の見通し、五十五年度消費者物価の上昇率六・四%を背景に考えまして、そしていわゆる第一次石油ショックの後のような長期不況の再現を阻止をしたい、雇用を確保したい、こういう選択があったのではないでしょうか。その点どうでしょうか。
○国務大臣(鈴木善幸君) 春闘相場をお決めになるに当たりまして、そのような政府が五十五年度消費者物価の目標値を定めておるというようなこと等、総合的に御判断をされたものであると、このことは私もそのとおりだと思っております。
○安恒良一君 そこで、実質賃金の目減りについて労働省にお聞きしたいんですが、五十五年の四月から十二月までの実質賃金の目減りと五十五年度の実質賃金の目減りについて説明してください。労働大臣にお聞きします。
○政府委員(細野正君) 五十五年年間の資料しか持っておりませんので、それで申し上げますと、実質賃金が全産業計で△〇・九になっておる、こういう状況でございます。なお五十五年度はまだ数字が出ておりませんので、その点は御了解をいただきたいと思います。
○安恒良一君 五十五年度はすでに一月まで出ていますから、残り二月と三月ですから、その中から推計をされて一%程度になるというふうに見て間違いないでしょうか、どうでしょうか。
○国務大臣(藤尾正行君) 大体さようであると考えております。
○安恒良一君 そうしますと、一%の減少になるというのは、わが国においてはいままで過去においてあったでしょうか。年度を通じて一%実質賃金がマイナスになるという年が戦後あったでしょうか。それ聞かしてください。
○国務大臣(藤尾正行君) 私どもは二十七年以降にしか統計を持っておりませんけれども、この二十七年以降の統計の中で実質賃金がマイナスになりましたというのは五十五年が初めてであります。
○安恒良一君 認識は一致しました。総理よく聞いてください。戦後統計をとり出して初めてだと、一%マイナスは。
 そこで、次は経企庁長官にお聞きいたしますが、物価の上昇が勤労者の生活にどのような点で悪影響を及ぼすというふうに御理解されておりますか。
○国務大臣(河本敏夫君) 先ほど労働大臣がお答えになりましたように、勤労者の実質賃金はおよそ一%減少しておるということでありますが、その一番大きな背景はやはり何といたしましてもことしの物価目標、六・四%というその目標が達成できなかったというところにあろうかと思います。ただ、ここで一言申し上げておきたいと思うんですが、第二次石油危機による影響でございますが、これは何分にも非常に大きなものがありまして、二年前にはわが国のエネルギー関係の支払いは年間約二百五十億ドルでございましたが、最近は約七百億ドルにも達しております。邦貨に換算いたしまして約十兆円というものが海外に出ていくと、こういうことでありまして、その影響がやはり実質賃金の低下になってあらわれる、あるいは中小企業の倒産の多発になってあらわれる、あるいはまた産業全体の生産水準の低下になってあらわれると、こういうことでありますが、幸いに最近になりましてようやくその大きな悪い影響は吸収されつつあるということでございまして、物価の方もだんだんと安定の方向に進んでおります。来月は突発事情でもない限りおおよそ五%台には消費者物価もおさまるであろうと、このように考えております。
○安恒良一君 私の質問に答えられていません。私がお聞きしましたのは、物価上昇が勤労者の生活にどのような点で悪影響を及ぼすと理解されているか、まあ家計に対する直接影響もあれば間接的影響もありますから、そういう意味で長官にいろいろお聞きしているんです。
○国務大臣(河本敏夫君) まあ実質賃金はずっと上昇をしておりまして、五十五年度に初めて実質が減少したと、こういうことでありますが、しかもなお生活は年を追うてだんだんと複雑になっておりますし、高度化しております。したがいまして、ある程度の収入がふえませんと現在の生活水準は維持できないということでありますが、そこへなお減るということになりますと、生活は当然大きく圧迫されると、こういうことになります。
○安恒良一君 せっかくきのう質問取りに来られて、長官に正確に伝えてないと思いますが、やむを得ませんから私の方から申し上げますと、まず家計に対する直接影響は実質所得の低下、これはもちろんですね、それからやはり貯蓄の減。私が聞いたことは、物価の上昇が勤労者にどういう影響を与えるかと聞いているんですからね。そうしますと、貯蓄の減価という問題が起こる。それから、長期生活の設計が困難になるんじゃないでしょうか。それから間接的な影響といいますと、いわゆる経済活動が停滞をする、こういう意味で個人消費、住宅建設、設備投資の低下、それが今日のいわゆる不況の局面という、いまあなたがおっしゃった中小企業の倒産その他にあらわれていく、そしてそれが回り回ってまた雇用、賃金と、こういうふうに影響を及ぼすと思いますが、どうでしょうか。実はそういう中身についてお聞きをしたかったわけです。
○国務大臣(河本敏夫君) まあいまお述べになりましたような具体的な影響が出ておるわけでありまして、現在は消費不況と言われておりますが、これも所得が減少しておるというところからきておるわけであります。また住宅投資のお話が出ましたが、住宅投資は非常に大きく落ち込んでおりますが、これは所得の減少もさることながら、やはり土地問題が背景にあると考えておりますが、やはり所得の落ち込みもその一つの大きな原因であると、こう理解しております。
○安恒良一君 私は、消費者物価の上昇は、総理、まさに家計をいま直撃していると思います。そこで、これまたお聞きをしたいのでありますが、きのうこれも通告しておきましたが、東京都がいわゆる電気料金、ガス料金の値上げの影響がどういうふうに及んでいるかと一世帯四人家族の調査をしておるようでありますから、この五月分のガス料金、電気料金の値上げがどのような影響を与えているのか、それから、年間を通じて光熱費の値上がりがどのような状況になっているのか、これを説明してください。
○政府委員(廣江運弘君) 五十五年度における電気・ガス料金の値上げによって四人世帯の標準家庭で年間光熱費は幾らアップしたかということについてお答えいたします。
 五十四年の総理府家計調査年報に基づきまして五十五年四月の電気、ガスの料金改定率を用いまして全国の四人世帯の年間光熱費の負担増を試算いたしますと、約二万九千円になります。
○安恒良一君 質問したことに答えてください。私は全国とか何も言っていません。
○理事(古賀雷四郎君) 質問に正確にお答えください。
○政府委員(廣江運弘君) 東京につきまして家計調査ベースで計算をいたしますと、五十四年家計調査をベースにいたしまして、東京の場合四万二千円でございます。
○安恒良一君 質問に正確に、答えてください。私は値上げ率も聞いています。それと同時に、いわゆる東京都で、五月です、値上げがあった五月の対前年同月比の上昇率、それからその金額が幾らになるのかと、こういうことを聞いているんですよ。
○政府委員(廣江運弘君) 先ほどまで総理府の家計調査ベースと申し上げましたですが、東京都都民生活局価格調査部が五十五年七月十四日に発表いたしました電気・都市ガス料金値上げの影響調査結果によりますと、五十四年五月と五十五年五月の支出実績の比較では、電気、ガス合わせまして五十四年五月九千七百二十六円に対しまして、一万三千九百七十一円が五十五年五月分でございますので、増加額は四千二百四十五円ということになります。増加率で四三・六%ということになります。
○安恒良一君 まだ正確じゃない。それから、年間の光熱費はどれだけ上がったのか、東京都は。それも聞いているんですよ。
○理事(古賀雷四郎君) 正確にお答えください。
○政府委員(廣江運弘君) これは五月の調査が出ておりまして、先生御案内のとおり、年間を推計いたしますためには季節調整をいたさないといけません。そのために先ほど総理府の統計でお答えを申し上げたわけでございます。
○安恒良一君 それで、次にお聞きしますが、公共的料金が五十五年度には対前年でどれだけ上がったでしょうか、五十五年ですね。
○政府委員(廣江運弘君) 五十五年度は現在までの時点で寄与度二・二%程度でございます。
○安恒良一君 昨年の予算を審議しておったときに、公共的料金の値上げの寄与率は何%ということをここで言われましたか。
○政府委員(廣江運弘君) 五十五年予算御審議の際に申し上げましたのは、予算関連公共料金でございまして、〇・八%程度と申し上げております。
○安恒良一君 予算関連公共料金〇・八%がいま現在で寄与率何ぼになってますか。
○政府委員(廣江運弘君) 〇・五%程度でございます。
○安恒良一君 いまあなたがおっしゃったところの二・二%と〇・五%の違いを説明してください。
○政府委員(廣江運弘君) 〇・五%程度が予算関連の公共料金でございまして一・一%が電気・ガス料金の値上げに伴う寄与度でございます。その他はそのほかのものでございます。
○安恒良一君 五十五年度予算関連公共料金の中身をちょっと説明してください。そしてそれがどの程度変化したかと、全部中身説明してください。
○政府委員(廣江運弘君) 五十五年度の予算関連〇・八と当初考えておりましたものが、その後郵便料金の実施の繰り延べがございましたし、社会保険料につきまして当初考えておりましたプラスの要因がCPI上マイナスの要因になるということで、〇・八が〇・五にいま変わっております。
○安恒良一君 それではいま審議しております五十六年予算関連公共料金の値上げが物価にどの程度寄与するか、それを説明してください。
   〔理事古賀雷四郎君退席、委員長着席〕
○政府委員(廣江運弘君) 予算関連公共料金がCPIに及ぼす影響といたしまして〇・三%程度と考えております。
○安恒良一君 昨年議論したときに、公共料金の値上げが物価に与える影響は、予算関連の方は〇・八程度だと、こういう説明があったことは事実であります。そして、今日では大体物価上昇が七%程度と言われていますが、現実はそれをもう超えている、八に近い、そういう中で公共料金部分が二・二だと、こう言われる。その大部分が電気、ガスだとこう言われています。そこで、そうしますと、来年度はいざ言われたように予算関連では〇・三だということでありますが、来年度の公共料金の値上げはどの程度見込まれたんですか。予算関連じゃなくて公共料金の値上げが物価に寄与するものはどの程度に。
○政府委員(廣江運弘君) 公共料金は予算関連以外にもないとは考えられません、考えられると思いますが、これは政府といたしますと、申請を待ちまして調整をいたすものでございまして、あらかじめ幾らというふうな予定はいたさないものでございます。ただいま考えられますことで申し上げますと、昨年の二・二といったような大きなものは想定されませんので、昨年よりはかなり下回ると思いますが、現在申し上げられますのは予算関連公共料金の〇・三%程度の寄与度ということだけでございます。
○安恒良一君 総理、いまのやりとりの中でお聞きくださったと思いますが、公共料金の引き上げが五十五年度物価に影響したのが二・二%だと、こういうことなんですよね、これは事実認めたわけです。そこで今度は長官等は、物価は至極五%範囲でおさまるとか公共料金については寄与率は〇・三%程度だと、こう言われていますけれども、私はやはり去年のときも〇・八を議論したときに、公共料金が二・二上がるなどという議論にはなっていないんです、去年の予算委員会の議事録をお調べになったらわかる。いまになるとああいう言い方になるわけです。
 そこで、私は総理にまずお聞きしたいんですが、ことしも予算関連の公共料金の値上げがメジロ押しに出ておりますから、私はこれだけ物価上昇が労働者の家計を直撃をしている、こういうときでありますから、しかも五十五年度残念ながら政府は約束が守れなかったわけですから、この際五十六年度公共料金の値上げについては少しストップをするとか少し慎重に検討すると、こういうお気持ちをお持ちになりませんか。
○国務大臣(河本敏夫君) 公共料金に対する取り扱いの基本方針といたしましては、まずその事業体に対しまして徹底した合理化を求めるということが第一であります。軽々には値上げをしないということであります。
 それから第二点は、どうしても万やむを得ないと、こういう事態も発生をいたします。そのときには国民経済に最小限度の影響でとどまるように時期と幅を厳しく査定をすると、そういう基本方針で臨んでおります。
○安恒良一君 いや、そういう基本方針はわかっていまして、私は民間の公共料金だけ言っているわけじゃないんですね。五十六年度予算にかかわるところの関連する公共料金の値上げが四月以降メジロ押しあるわけですから、そのことについてこの際まず政府が率先垂範をたれるという意味で、これの値上げをストップする気はないのですかと、こういうことを総理にお承りしています。
○国務大臣(河本敏夫君) 御心配は、五十六年度の消費者物価目標五・五%というものが果たして達成できるのかどうかという、こういう御懸念から出ておるんだと思いますが、私は五十六年度の物価政策は比較的やりやすいと、こう思っております。その第一は、卸売物価が非常に安定しておるということであります。御案内のように昨年の一月から六月までは約半年間年率二〇%を超える高い水準でありました。特に四月などは二四%という水準でありましたけれども、昨年の夏以降だんだんと鎮静化してまいりまして、最近は四%程度で推移をしておりまして、ことしの卸売物価は昨年に比べまして非常に低い水準になろうかと、こう思っております。卸売物価は御承知のようにすぐには消費者物価には影響しませんが、数ヵ月たちますとやはりだんだんといい影響が出てまいります。それから先ほど来政府委員が答弁しておりますように、五十六年度には、消費者物価を一・一%も押し上げました電気あるいはガス料金の値上げというようなものはございません。したがいましてある程度公共料金による物価の上昇はありますけれども、五十五年度のような大幅なものはございませんし、さらにまた最近の石油事情も安定の方向に行っておりますので、五十六年度の消費者物価目標は十分達成できると、五十六年度の初めの月であるこの四月には、先ほども申し上げましたようによほどの突発事情が広い限り五%台からスタートすることは可能である、こういうことを申し上げておるのでございます。したがいまして公共料金につきましては、厳しい態度で臨んでまいります。先ほど申し上げましたような厳しい態度は堅持いたしますけれども、やはり中にはどうしても上げざるを得ないものもございますので、全部これをストップするということは大変むずかしいということでありますし、またストップしなくても十分消費者物価の目標は達成できるであろうと考えております。
○国務大臣(鈴木善幸君) 五十六年度の物価の見通しにつきましては、ただいま経企庁長官から申し述べたとおりでございます。そういう見通しの上に立って政府関係の公共料金をどう扱うかと、こういう、率先してこれをもうストップしたらどうかという安恒さんの御提言でございますが、私は厳しい国の財政事情からいたしまして、これはどうしてもこの際は受益者と申しますか、利用者と申しますか、受益者の御協力をいただかなければならない、このように考えておりまして、全面的にストップをするというわけにはまいらない。また無理をいたしまして仮にストップいたしましても、これを後年度におきまして一挙に大幅に上げざるを得ないということになりますと、かえって摩擦を生ずると、こういうことにもなりますので、私は必要最小限度のものはこういう財政事情下でございますから、受益者に御負担を願い、公共料金はなだらかにこれを実勢に合うようにしていきたいというのが私の基本的な考えでございます。
○安恒良一君 まあ必要最小限度と総理は言われましたし、それから長官は厳しく査定すると、こういうことであります。それは受けておきますが、ただこのことを覚えておいていただきたいのは、公共料金の値上げがどう消費者物価に影響するかという政府の試算は、いわゆる直接効果だけ計算している。たとえばお米が上がりますと外食はどれほど上がるかと、麦が上がりますとお菓子がどれだけ上がるかと、そのことは政府の物価局のやっているところの試算には入ってないわけですから、ですから後から狂ってまいる。いつも予算審議のときに政府がお出しになった物価について、それは達成できないとお答えになった経企庁長官一人もいないです、必ずみんな達成できますと、こう言う。できますと言って、一年たってみたら、達成できなかったことがあるわけですから、このことだけはしっかり覚えておいていただきたいと思います。
 そこでまず次は電気料金、ガス料金について聞きますが、もう一週正確に五十五年度の消費者物価上昇に電気・ガス料金が寄与した率をひとつ言ってください。
 それから第二番口には、電力会社の五十五年度決算の見込み、どの程度利益が出るのか。
 それから第三点目は、同じく電力会社が円高差益でどのくらいの利益が出ようとしているのか、この三点についてお答えをいただきたい。通産省ですか、これは。通産大臣。
○政府委員(神谷和男君) まず電力・ガス料金の家計及びCPIに及ぼした影響につきまして最初に御説明させていただきます。
 八電力会社の料金改定が消費者物価に対しまして与えた上昇要因といたしましては、私ども当初査定の段階では〇・七%程度、家計消費支出に対しては一カ月当たり約千七百円の増加要因となるものと試算をいたしておりましたが、五十五年の四月から十一月までの実績で平均をして計算をいたしてみますと、消費者物価に対しての影響度、インパクトは〇・七%、当初予定どおりでございます。家計消費支出に対しましては一カ月千三百円という数字になっております。
 また、ガス会社、三ガス会社でございますが、料金改定時では消費者物価に対しまして私どもの計算では〇・三%程度の上昇要因、家計消費支出に対しましては、一カ月当たり約千七百円の増加要因となるものと試算をいたしておりましたが、現実には〇・三%の消費者物価に対しての上昇要因としてのインパクト並びに家計消費支出は千二百円という数字になっております。
 なお、家計消費支出についての増加が試算よりも低かったことは、家庭におきます節約の進展あるいは冷夏によります影響等があること、さらにガスにつきましては、四月−十一月の数字であるというようなことが影響しておるものと考えられます。
○安恒良一君 そうすると、電気とガスで約一%というふうに考えていいでしょうか。
○政府委員(神谷和男君) 通産省の計算いたしましたところでは、合計して約一%ということでございます。
○安恒良一君 それじゃ、さっき経企庁がお答えになった公共料金が二・二%上がっている、その中でほとんどが電気、ガスだとこうおっしゃったんですが、その食い違いについて説明してください。
○政府委員(廣江運弘君) 先ほど五十五年現在までの段階に、おきます年度の公共料金の寄与度二・二%と申し上げ、そのうち電気、ガスで一・一%と申し上げまして、〇・一%違うではないかということでございますが、通産省のお答えは八電力三大手ガスの改定による影響についてお述べになったものだと考えます。この場合、差分といたしますと、五十四年度におきます北海道電力、沖繩電力の料金改定によります影響といいますか、そういうものが考えられます。五十五年度におきます沖繩電力と地方ガスの料金改定による影響等も考え合わせまして一・一と申し上げたわけでございます。
○安恒良一君 まだ質問に答えていない。
○政府委員(森山信吾君) 電力会社、ガス会社の五十五年度の決算見込みをどう判断しておるかという御質問と、円高差益につきましての御質問がございましたので、私からお答えをしたいと存じます。
 まず第一点の電力会社、ガス会社の五十五年度の決算につきましては、まだ期が進行中でございますので確たることは申し上げかねるわけでございますが、一応中間決算の段階で申し上げますと、九電力で経常利益が四千七百二十五億円でございます。税引き後のいわゆる中間利益と申しますのが二千八十一億円、これが九電力でございます。
 それから三大手ガス会社につきましては、経常利益で三百十九億円、税引き後の中間利益が行五十億円、こういう実態でございます。
 それから第二点の円高差益というものにつきましては、決算書類上はなかなかあらわしにくいわけでございますけれども、一応の私どもの試算によりますと、電力関係で上期で約五百億円、ガス会社につきましては同じく上期で七十億円、こういうふうに判断をしている次第でございます。
○安恒良一君 正確を期して中間決算で言われましたが、私はもう三月ですから年度決算でこのくらいと見て間違いないでしょうか、これは日経新聞が書いておりましたが、八電力会社で八千九百二十億程度だと。それから同じく差益高が八電力で約二千五百億。ただ、東京ガスの場合はそのほかに約三百億程度と、こういうふうにここには出ておりますが、そういうふうに、まだ中間でありますからですが、そういう見方は間違っているでしょうか。
○政府委員(森山信吾君) 先ほども申し上げましたように、まだ現在五十五年度が進行中でございますので確たる予測をすることは大変困難かと思います。私どもも新聞紙上等でいろいろ分析された予想数字が出ていることは承知いたしておりますけれども、この席で確固たる私どもの見解を申し上げることは差し控えをさしていただきたいと存じます。
○安恒良一君 いや、私が問いているのは、そういうかなり根拠のある説明がされていますが、そういうふうにある程度見ていいんでしょうかということ。大臣答えてください、事務当局よう答えぬでしょう。
○国務大臣(田中六助君) 私も総決算が出ている段階ではございませんので、中間決算ということで試算しておりますのではっきりしたことは申し上げられません。
○安恒良一君 総理、いま言ったようなことですが、私は専門の経済新聞社が分析をしておりますから間違いがほぼないと思います。しかし答えられぬそうです。
 そこで、私は円高になった理由はどういう理由があるかというと、私は経済のファンダメンタルズが見直されたと、それには日本の労働者が昨年の春間で総理も認められたように自粛した、このことが私は円高になった理由の一つだとこう思いますが、そういう点について総理、経済企画庁長官、どのようにお考えになりますか。
○国務大臣(河本敏夫君) 日本の経済の現状につきましては、先ほど来申し上げておりますように問題が相当出ております。しかしながら、世界全体と比較いたしますと非常にうまくいっておる、こういうことで、日本経済の総合力が評価されておるというのが円高の一番大きな背景であろうと、このように考えております。
○国務大臣(鈴木善幸君) いま経企庁長官が述べたとおりでございますが、その中で勤労者諸君の理解と協力ということも一つでございます。
○安恒良一君 いま言われたように、総合的な日本の経済力が判断されていると思いますが、その中でやはり私は日本の労働者の、総理も認められたように、理解と協力が一つ大きな要因であるということは間違いがないと思います。
 そこで、いま円高差益、中間決算でも出ておりますが、さらに間もなく三月決算が出ますが、私はこれだけいわゆる労働者は実質賃金が下がり、そして家計が苦しんでいる。一方、電力会社、ガス会社は大きな差益を上げている。こういう場合には私はこれを還元をすべきだと思うのです。そこで二つの方法があると思います。一つは私は電力料金の値下げだと思います。そうでなければ、午前中私どもの大木委員が質問をいたしましたように会社臨時特別税をつくって、これで税収を上げ、そしていま減税問題について財源がないないと、こう言っておられるんですからそういうものの一助に充てられたらどうかと思いますが、この点について総理、大蔵大臣の見解を聞きます。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 異常にもうかっている電力会社から特別税みたいのをつくって円高差益を巻き上げろと、こういう御趣旨だと思います。これにつきましては四十九年度のときに臨時立法を議員提案でやったことがございます。しかしながら、あのときの状況といまとはまるっきり違いまして、当時は何せ狂乱物価で、もう三〇%とかいうような狂乱物価の時代でございました。現在は非常に鎮静化して七%、五十六年は五・五になるというような状況でありまして、背景が違います。また、あれは臨時立法でやったもので政府が提案したわけではないのです。これにつきましては、法人税というものはもうけた原因によっていろいろ課税を変えるということにはなかなかなじまないことでございまして、事業税とか住民税割りとか入れますというと半分以上は取られるわけでございますから、われわれとしてはこういう時期にはたくさんもうけがあればそれは税収収益として非常に結構なことでありますが、現在の税制で対応していきたい。なお電力会社等についてはかなり企画庁などでもたくさんの設備投資をやってもらうように期待をしておって、それが景気の支えの原動力にしたいということを考えておるようなことでもありますので、われわれとしてはこれ以上別段の税制をつくる考えはございません。
○国務大臣(鈴木善幸君) 現在の電気・ガス料金は私が党三役時代、総務会長時代に相当時間をかけて党内でも論議をし、査定をいたしまして決まった料金でございます。そのときは多分円レートは二百四十二円と思っておりますが、それが現在は二百円ちょっとというようなことで、その電力会社等が相当の差益がそこに生じておるということは事実であろうかと、こう思います。
 しかし、これは円レートが動いておる中におきまして、これをこのまま円が引き続き安定して動かないということでもない不透明な面もあろうかと思います。私は、この点についてはむしろ長期にわたって電気料金、ガス料金を今後改定をしない、値上げをさせない、こういうことでいきたいという考え方を持っておるわけでございます。
○安恒良一君 長期にわたってということを、総理、どの程度お考えでしょうか。長期にわたって電気料金、ガス料金を改定しないというのはどのくらいの年数をお考えですか。
○国務大臣(鈴木善幸君) 期はちょっとつけたり――適当でなかったかもしれませんが、できるだけ長くという意味でございまして、どうしても改定をせざるを得ない状況が出るまで、できるだけ長くという意味でございます。
○安恒良一君 わかりません。ちょっと具体的に、これは経済問題ですから、ひとつ私は電力料金の値下げをしたらどうかと、そうでなければいま一つは差益を還元したらどうだということに対して総理のお答えは長期、期は取り消されて長くと、こうおっしゃいますから、それならば長いというのはどのことを意味しているんですか。
 それはなぜかというと、すでに電力会社は一年ぐらいの据え置きのことはもう言ってしまっているんです。ですから、総理がさらに長くとおっしゃいますから、その長いというのはどのくらいの期間でしょうかと、およそのことをお聞かせ願いたい。
○国務大臣(鈴木善幸君) 私は先ほど申し上げたように、この差益というのがもっぱら円のレートの問題で生じたものである、こういうことを申し上げました。したがいまして、この円レートは動いておるわけでございますから、複雑な国際経済の中で、またどういうぐあいに動いてまいりますか、そういう点は、これはなかなか時期を明示して、いつからということは安恒さんもむずかしいのではないかと、こう思いますよ。
○安恒良一君 総理から質問してもらう必要ないんです。
 それじゃ、こう承っておきましょう。会社側はすでに一年ぐらいはもう据え置きたいと言ってますが、総理は長期にと言われてますから、まさか会社側と同じようなお考えはないだろうと思いますから、そのように承っておいてよろしゅうございますか、期間は何かというのはむずかしいでしょうから。
○国務大臣(鈴木善幸君) できるだけ長く現行料金で維持していきたいと、こういう考えであります。
○安恒良一君 そこで、まず大蔵大臣と労働大臣にお聞きしたいのですが、まあ前のときは大変な異常な状態だったと、こういうふうに大蔵大臣言われました。しかし、今回も実質賃金が年間に一%下がるということは、わが国の統計を始めて以来かつてなかった異常な事態なんですよ、異常な事態。ですから、そのこと――異常な事態は大変なことなんです。そういう中において、まず、労働大臣は、去る二月二十七日の閣議でいわゆる労働者の賃金が実質的に目減りがあったのは、政府の物価に対する見方の間違いが原因であり、労使の責任でない、政府の失政だと述べ、実質賃金の目減りは基本的に政治の責任であるという見解を記者会見で発表されましたが、どのような責任をおとりになるんですか、労働大臣は。
○国務大臣(藤尾正行君) 前段お述べになられました実質賃金の目減りが、昨年の春闘で賃金を決められました当事者であります労使の責任でないということがまず第一でございます。
 そうすると、その当時環境として、物価といいまするものが六・四%で大体推移するであろう、こういう環境の設定をいたしました。物価に対する責任と申しまするのは、当然その物価の水準を決めました政府の責任でございまして、その政府の責任といいまするものを免れるわけにはいかぬということが第二でございます。
 そうすると、その政府の責任であります六・四%を超えてきたその実質賃金の目減り分をどのようにして責任を負うかということになるわけでございますけれども、私どもといたしましては、まず第一に、初めて私どもが経験をいたしました実質賃金の目減りといいまするものが、五十五年度中に行われておるものであるから、これを五十五年度中に全部回復をしろと。まあこれはできれば一番いいわけでございますけれども、なかなかこれは困難だということになりますと、当然この実質賃金の目減りは短期で、単年度でその処置を考えるべきではないわけでございまして、これから五十六年度、さらには五十七年度予算というような、引き続き一つの時間といいまするものをおかしを願って、その間におきまして私どもがその責任を償うべきである、かように申し上げておるわけでございます。
 その方法といたしましては、何といいましても、まず第一に五十六年度にお約束を新たにいたしております物価五・五%というものを、私どもが確実に実現をするという以上に、五・五%以下にするような努力を私どもがいたしまして、そしてこの六・四%のお約束が七%程度になり、あるいは場合によれば七%程度といいまするものも、少し上方にいきそうだということでございますから、それをできるだけ今度は逆に押し下げるような努力をすべきである。これが第一でございます。
 第二は、さらに政治的な責任がどのようにして償われるかという問題につきましては、これは総理大臣初め、大蔵大臣も非常な御努力になられ、この五十五年度の予算の中で、一体どれだけの剰余金が出るだろうか、できるだけそれをどっかから見つけてきて、剰余金をここに実現をしたいものだということで努力をしておられる。あるいは各政党間で、今日御案内のとおりの、そういった五十五年度中の剰余金、こういったものが出た場合に、それをどのようにして使うかということを、議長裁定に従っていろいろな努力をしておられます。
 そういったことも含めて、時間をかけて私どもはその責任を果たしたい、かように考えておるわけでございます。
○安恒良一君 労働大臣の御見解を聞いて、総理、いまの御見解に対するお考えを聞かしてください。
○国務大臣(鈴木善幸君) 私は、藤尾労働大臣が労働行政の責任者として、勤労者の立場に立っていろいろ考えておられるということにつきまして、私も理解をしておるわけでございます。
 ただ、経済政策につきましては、五十五年度において政府はいろいろ約束をしてまいりました。一つは、経済成長率を四・八%程度にしよう。また雇用の確保、これもお約束をした。そういう点はどうにか、皆さんの御協力を得て達成をするめどが立ってきておるわけでございます。
 ただ、残念ながら、卸売物価はきわめて鎮静化の方向に、堅調な方向に向いておりますが、消費者物価は目標値を相当上回るように相なった。これは大変残念であり、申しわけがないと、こういうことでございます。しかし、これは何といっても石油の思わざる高騰、国内的な要因といたしましては冷夏あるいは豪雪、こういうようなことが原因になっておりますことは、これは客観的にごらんになりましても、よく御理解がいただける点であろうかと思います。しかし、現実に目標値の六・四よりは上回っておることは事実でございますから、先ほどはこれに対しましては、勤労者の皆さんに目減りを生じたということに対して大変遺憾に思い、申しわけがないと、こう思っておるところでございます。
 しかし、全体として国の財政も非常に苦しい。また企業の方も、大企業の一部はいいのでありますけれども、中小企業は非常にいま苦しい状況にある。勤労者の皆さんも苦しい。こういう状況下におきまして、五十一年度以来いままで目減りはなかった。五十六年度におきましても、われわれ目減りがないように相当の努力をしていこうと、こういうことで、五十五年度初めて目減りを一%程度もたらしたということでございますから、この際はひとつがまんを願い、物価調整減税などは御容赦をいただきたい、こういうことをこの衆参両院の予算委員会でずっと説明をし、御理解、御協力をいただくようにお願いをしてきたわけでございます。
 しかし、野党の皆さんは、さようはまいらないということで、衆議院の予算委員会があのような結果になりまして、議長裁定で、いま第二項目として、この問題が取り上げられておる。これにつきましては、自由民主党の国対委員長も、第二項目は、これは減税を意味するものであるということで、政府もこれを了承をいたしておりますが、さて、この第二項目の裁定の内容、もう平たく言いますと、剰余金が出た場合においては所得減税に向けるべきだと、こういう御趣旨にわれわれは解しております。この剰余金が五十五年度においてはっきりと全体的に判明いたしますのは七月ごろと、こういうことに相なります。
 私どもは、その時点におきまして、剰余金が出た場合におきましては、この議長の裁定を誠実に尊重し、実行してまいる、こういうことを申し上げておるところでございます。
○安恒良一君 この問題だけにかかっておるわけにいきませんから、最後に総理にもう一遍要望しておきたいと思います。
 まず、労働大臣がおっしゃいましたことは、やはり目減りしたから何らかの目減りに対する所得補償をしなきゃならぬと、これが二段目に言われたことだと思います。そのことを受けて、総理が、いま与野党で話し合っている減税の問題だと。ですから、前段の問題は、私は来年うまくやるからいいじゃないかということにはならないんですよ、実質的に目減りして大きな打撃を受けているわけですから。
 そこで、いまの総理のお言葉でちょっと気にかかるのですが、私はこのことだけ要望しておきたいんですが、七月にならぬとわからぬということですが、いま衆議院の中において、この問題の話し合いのためのいわゆる実務者専門会議が持たれていまして、きょうも回答をいただくというようなことになりまして、最終的にはどうも十七日の十一時に最終的な御回答をしていただくことになっているそうですが、野党側は二つのことを提案をしていますね。というのは、まず予備費、これは当面の予備費の残額は七月にならなくてもわかるわけですから、これはひとつ四月一日からまず減税したらどうだと。それからあとのいわゆる自然増や不用額、こういうものは第二次減税の方法でやったらどうかと、それがために昭和五十五年度特例法をつくると、こういうことに二段構えで、そして野党側の要求としてはおおむね三千億程度と、こういうことになっているわけです。これに対しまして、最終返事は十七日ということでありますが、きょうの中間的な空気としましては、野党提案は裁定の第二項に逸脱しているとか、党内のまとめが困難であるとか、それからもっと雑音としまして、いよいよになれば衆議院の大蔵委員会で単独予算関連法案やむなしなどという雑音が入ってきております、私のところに。私大変心配しています。和の政治を言われる鈴木さんが、まさかまた再びそんなことをされないだろうと思いますが、そこで私は、七月などとおっしゃらずして、この十七日の十一時までの回答につきましては、和の政治をモットーとされる総理が、総理・総裁として、いま野党から二つの提案をしておりますから、そういうことに対する誠実なる御判断をして、問題の事態がうまくいくようにしていただきたいと思います。
○国務大臣(鈴木善幸君) 私は大木さんの同様趣旨の御質問に対しましてもお答えをいたしたのでありますが、議長裁定というのは非常に私は重いものであると、したがって、この裁定の中身を二つに分けたり、三つに分けたり、これを値切ったり、また上乗せしたりと、そういう不謹慎なことはできない。私どもはこの議長裁定というものを誠実にこれを守るということに最善の努力をすることが与野党の務めであると、このように考えております。政府はそれを尊重いたします。
○安恒良一君 値切ったり、二つに分けたりしているんじゃないですよ。いわゆる当面の予備費の残額をまずひとつ減税にされたらどうでしょう、あとはいわゆる自然増や不用額というのは七月にならぬとわからぬでしょうから、その時点でと、こういうことを申し上げているんですが。
○国務大臣(鈴木善幸君) 五十五年度に剰余金が生じました場合におきましてということに私どもは議長裁定をそのように理解をしておるわけでございます。したがいまして、予備費がこれだけ余っているとか、不用金がどれだけ出るかもわからぬとか、あるいはこの五十五年度補正予算を組んだ後において、どうも税収が伸び悩んでおって落ち込んでおると、この傾向は非常に心配でならない、まあいろいろのこれからの問題でございますから予想が成り立つわけでございます。したがいまして、そういう中間の段階でこれに結論を出すということは、議長裁定を忠実に守るゆえんではなかろうと、やはりそういうファクターが全部そろって、現実に剰余金が出た場合におきまして、それを私どもは減税に回すということにつきましては、与野党のお話し合いがそこにまとまれば、それを尊重いたしますということを誠意を持って申し上げておると、こういうことでございます。
○安恒良一君 この問題、まあこれ以上時間どれませんので、どうか私はこの国会があなたのおっしゃる和の考えで、円満にいくように、ひとつ格段の御配慮をお願いをしておきたいと思う。
 次は国際障害者年の問題に入ってまいります。
 国際障害者年問題は御承知のようにこれは集中審議等が予定をされておりますから、本質的な詳しいことについてはそのときにひとつお聞きをしようと思いますが、いま緊急の問題として二つ問題がございますので、そのことについて質問をしたいのでありますが、「完全参加と平等」の中の一番重要なテーマは、私は一つは労働参加だと思います。そういうことになりますと、労働参加に対しましては、御承知のように身体障害者の法定雇用率というのがございます。民間に対して雇用率達成の行政的な努力を一生懸命労働大臣はされているのでありますが、私はまず国及び地方自治体が率先をしてこの雇用率を達成をしなきゃならぬと思いますから、そこで各省庁ごとの、いわゆる障害者をどの程度、障害の種類、障害の等級別に人員をお示しをしていただきたい。
 それから、法定雇用率未達成の都道府県及び市町村、さらに特殊法人の数がどれだけあるか、そのリストを公表してもらいたい。
 それから、続いてこのこともお聞きしておきますが、城北養護学校から、これは東京都の花畑の問題でありますが、花畑東小学校へ転校を希望して、三年間金井康治君がこの問題で両親含めて悩んでいます。これは御承知のように、去年の三月に区の教育委員会と父兄との間に一定の取り決めができました。ところが、その取り決めについて実行されないまま足立区役所側は、昨年三月と同様に鉄のパイプでバリケードをつくって金井康治君親子の区役所出入りを阻止をする、こういう異常な事態が続いております。この点について文部省、自治省は、この事態をどう受けとめているのか、これをどのように解決をしようとしているのか。また、こういう事例は長崎においても現実に起こっておりまして、長崎では今度はいわゆる委員会の解釈をめぐりまして吉原政伸君の母子が大変悩んでいますが、こういう二つの点についてだけきょうはしぼって、緊急の課題として質問をしたいと思う。お答え願いたい。
○政府委員(関英夫君) お答え申し上げます。
 まず、国の身体障害者の雇用率の達成状況と障害の種類、程度別の状況でございますが、省庁別に見まして、未達成は国土庁でございます。これについては、国土庁が発足後間もないとか、各省の出向が多いとか、いろんな困難な事情ございますが、雇用率達成に努力するよう要請しておるところでございます。
 都道府県別に見ますと、知事部局の未達成はわずか二県でございます。あとは達成しておりますが、教育委員会関係は試験といったような資格制度の問題がございますので、ほとんどが未達成でございます。
 市町村につきましては、非現業機関では七百九十六が未達成、現業的機関では四十二機関が未達成と、こういう状況になっております。
 次に、障害の程度別の状況なり、あるいは障害の種類別の状況でございますが、国等の機関に雇用されている身体障害者のうち重度障害者、原則として一、二級の身体障害者の割合は一〇・二%、都道府県の場合には一五・三%、市町村にありましては一〇・六%と、こういうような状況になっております。
 その他、国の省庁別の障害種類別というようなお話がございましたが、いずれにいたしましても、国の省庁別の状況につきましては、委員会の御要請があれば資料として提出したいと思います。
 それから、都道府県及び市町村の状況につきましては、労働省として全体の状況を把握しておりますので、全体の状況の資料を委員会にお出ししたいと思っております。
○政府委員(三角哲生君) ただいま御指摘のございました城北養護学校に在籍いたします金井康治君、これの養護学校から小学校への転校をめぐりまして、昨年三月、足立区教育委員会と保護者との間に確認書のようなものが交わされました次第でございますけれども、その後その実施について教育委員会とそれから関係学校、保護者、これらの間において合意を見るに至っていないと、こういう状況があることについては承っておる次第でございます。
 心身障害児につきましては、これはその障害の種類と程度に応じまして小中学校、まあ小中学校の中には通常の学級とそれから特殊学級と両方あるわけでございますが、そのいずれか、または盲学校、聾学校、養護学校等の学校でそれぞれ適切な教育を行うということにいたしておる次第でございますが、個々の具体的な児童、生徒に対する教育措置の決定につきましては、これは各教育委員会が行うこととなっておるわけでございます。本件につきましても、関係教育委員会の適切な対応を期待しておるという次第でございます。
○安恒良一君 自治省、答えてください。
○政府委員(大嶋孝君) 御指摘の事例につきましては、新聞報道等で承知をしておる程度の知識しか持ち合わせておりませんけれども、究極的には都ないしは区の教育委員会の所管の問題でございまして、当事者間の話し合いによりまして円満に解決されることを期待しておるところでございます。
○安恒良一君 総理、国際障害者年に、こんなことが起こっているというのは、私はいけないことだと思う。そして、金井君のお母さんはきのうからハンガーストライキに実は入っています。というのは、すでに去年の三月、きちっとした協定ができているんですよ。それが守れないんですから、そのことについて早急に総理、ひとつ文部省、自治省を督励をしてこういうことが起こらないように、それはひとつ解決に努力をしていただきたいと思いますが、そのことのお約束をいただきたいと思います。どうでしょうか、総理、その点は。
○国務大臣(鈴木善幸君) いろいろむずかしい事情があるようでございますが、できるだけの努力をしなければいけないと、こう思っています。
○安恒良一君 それではお願いします。
 そこで、今度は前のことに戻りますが、労働省、自治省に、私はきのう質問取りに来ていただいて、きょうは各省別の、いわゆる障害者をどれだけ雇用しているか、障害の種類と障害の等級について出してもらいたい、ただし、答弁を各省ごとにやると時間が浪費をするからどこかでまとめてやってもらいたい、そして資料を出してもらいたいということを言っています。すぐ資料を出してください。
 それから、同じく市町村の問題についても、私は私なりに総数を調査をいたしまして、都道府県が二、教育委員会が四十六、私の調査では市町村非現業が未達成が八百十五、同現業が四十二。食い違っているのは、非現業の七百九十六の食い違いでありますが、これもリストを出してもらいたい、こういうことをきのう質問取りにお見えになった方にはお願いして承知いたしましたと、こういうことになっておりますが、後で届けず、いま出してください。
○政府委員(関英夫君) 国の省庁別の身体障害者の雇用状況を、障害の種類別、あるいは重度障害、中、軽度、そういった障害の程度別に資料としてお出しすることは可能でございますが、いま数がそろいませんので、そろい次第お出しすることは可能でございます。
 それから、都道府県、市町村につきましては、全体の状況をまとめたものを私ども持っておりますので、そういうものをお出しすることも、資料の準備さえ間に合えば可能でございます。先生の御要請に対する内部の連絡の不十分さで間に合わなかったことをおわびしたいと思います。
 なお、市町村のところでの数の食い違いがございましたが、これは前に私どもが集計します際に間違いがございまして、その以前の段階の数字をただいま先生がお述べになったのだろうと思っております。
○安恒良一君 委員長、手違いでは困るんですね。きのうの五時にすでに私はこのことを、きょう資料でいただきますよ、各省庁別にしゃべったんでは時間が長くなるであろうからと、このこと係を中央官庁に、要求しておきました。それから、同じく自治省の問題も、念のために、きょうは自治省の方に、私は政府委員室に電話しまして、このリストを出してもらいたい、総体の数じゃなくて、どこの市町村がやってないと、わかりましたということで私のところに、これは所管が労働省でありますので労働省の方に渡してありますと、こういうことでした。そして、私が質問に入るわずか――四時四十五分に労著の課長が飛んで来まして、いや実はそれは出せないんですと、こんな言い方を私にする。それはおかしいじゃないか、きのうの五時から私が要求してそれは出しますと言っておって、私が質問に入る数十分前になって出せないということじゃ困る、この席上で出しなさいと、こういうことになっていますから、このお取り扱いについて御相談をお願いします。でないと、これから質問が進められません。
○委員長(木村睦男君) それでは、安恒委員に申し上げますが、委員が要求された資料と受ける方の側との間の打ち合わせについてまだ、受け入れる方が十分理解していないようでございますから、この後十分に打ち合わせをしていただきまして、残りの六分間の持ち時間はあすの委員会においてやっていただくと、こういうことにいたしたいと思います。
 安恒君の残余の質疑は明日午前十時からの委員会で続行することとし、本日の質疑はこの程度にとどめます。
 これにて散会いたします。
   午後六時十七分散会