第101回国会 建設委員会 第6号
昭和五十九年四月十七日(火曜日)
   午前十時一分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 四月七日
    辞任         補欠選任
     山中 郁子君     安武 洋子君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         青木 薪次君
    理 事
                堀内 俊夫君
                増岡 康治君
                増田  盛君
                村田 秀三君
    委 員
                安孫子藤吉君
                井上 吉夫君
                遠藤  要君
                工藤万砂美君
                福田 宏一君
                二宮 文造君
                馬場  富君
                上田耕一郎君
                安武 洋子君
                山田  勇君
   国務大臣
       建 設 大 臣  水野  清君
   政府委員
       国土庁長官官房
       審議官      田中  暁君
       国土庁水資源局
       長        堀  和夫君
       建設大臣官房長  豊蔵  一君
       建設省都市局長  松原 青美君
       建設省河川局長  井上 章平君
       建設省河川局次
       長        中川 澄人君
       建設省道路局長  沓掛 哲男君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        田熊初太郎君
   説明員
       科学技術庁研究
       調整局生活科学
       技術課長     大橋 哲郎君
       厚生省環境衛生
       局水道環境部水
       道整備課長    森下 忠幸君
       水産庁漁港部防
       災海岸課長    三橋 宏次君
       運輸省港湾局防
       災課長      高山 兼寿君
       気象庁観測部地
       震課長      山川 宜男君
       自治大臣官房参
       事官       二橋 正弘君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法の一部
 を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
○委員長(青木薪次君) ただいまから建設委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る四月七日、山中郁子君が委員を辞任され、その補欠として安武洋子君が選任をされました。
    ―――――――――――――
○委員長(青木薪次君) 公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。水野建設大臣。
○国務大臣(水野清君) ただいま議題となりました公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその要旨を御説明申し上げます。
 我が国は、その地勢及び気象から洪水等による災害が多発し、毎年河川、海岸、道路、港湾等の公共土木施設に甚大な被害を受けております。このため、政府におきましては、本法に基づき、洪水等の異常な天然現象により被災した公共土木施設の復旧について高率の国庫負担を行い、その促進に努めてきたところであります。
 しかしながら、本法制定後、地すべり防止施設等本法の適用対象とならない公共土木施設の整備が進み、それらの施設の被災が増加しております。
 また一方、第二次臨時行政調査会の行政改革に関する第三次答申におきまして、災害復旧補助金制度の改善に関する指摘が行われているところであります。
 このような状況にかんがみ、国庫負担の対象となる施設の追加、災害復旧事業に関する事務の簡素合理化等を図ることとした次第であります。
 以上がこの法律案を提出する理由でありますが、次にその要旨を御説明申し上げます。
 第一に、災害復旧事業費について国庫負担を行う公共土木施設に、地すべり防止施設、急傾斜地崩壊防止施設及び下水道を追加することといたしました。
 第二に、災害復旧事業の一箇所の採択限度額を見直し、引き上げることといたしました。
 第三に、災害復旧事業の一箇所の工事の範囲を五十メートルに拡大することといたしました。
 第四に、災害復旧事業費の剰余金を他の災害復旧事業に使用する場合の主務大臣の認可を廃止することといたしました。
 以上がこの法律案の提案の理由及びその要旨でありますが、何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
○委員長(青木薪次君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
 速記をちょっととめてください。
   〔速記中止〕
○委員長(青木薪次君) 速記を起こしてください。
○村田秀三君 ただいま提案されました法案に対してきょうは質疑を行うわけでありますが、その内容に触れる前に、ひとつ建設省の考えなり姿勢というものをお伺いしておきたいと、こう思うことがございます。
 それは後ほど、今水害に関する行政訴訟がどの程度全国的になされておりますのか御発表もいただきたいと、こう思いますけれども、特徴的なのは、ことしの一月二十六日、新聞報道にもあります大阪市の大東水害訴訟における最高裁の判決であります。この経過は細かには申し上げませんが、私の聞く限りでは、これは一審、二審ともに行政側の怠慢を認めるような判決であったと、こう聞くのでありますけれども、いわば人災だ。しかし、最高裁におきましては、行政の限界も認めながら差し戻しと、こういうような判断が示されたようであります。その内容についても細かには私この際申し上げません。これに対して建設省としてどのような感じを持っておるか、所見を伺いたい、こう思います。
○政府委員(井上章平君) 去る一月二十六日に大東水害訴訟の最高裁判決がございました。この判決の内容につきまして、私どもは次のように理解をいたしております。
 まず第一点は、河川は道路と異なりまして、本
来自然発生的な公共用物であり、もともと洪水等の危険性を内包しているものであるということ。それから第二点は、治水事業を実施するには財政的、技術的あるいは社会的な諸制約が存在するということ。第三は、一時閉鎖等の回避措置がとれないといったような河川管理の特質がこの判決によって認められたということでございます。したがって、未改修河川の安全性としては、河川の改修の過程に対応する過渡的な安全性で足りると判示しておりまして、河川管理の特質について十分理解された判決であるというふうに考えております。
 また、この判決は、河川管理の本質及び治水事業を進めていく上での諸制約の存在を認めたものではありますが、しかしこれによって治水事業の現状を無原則に追認したということとはなっていないというふうに考えております。したがいまして、今後とも水害から住民の生命、財産を守るため、財政再建の大変厳しい状況の中ではございますが、治水事業の推進に最大限の努力をする必要があるというふうに認識いたしております。
○村田秀三君 全国的にいろいろと問題提起がされておる、こういうことを聞きますから、それの箇所などについて参考までにちょっとお伺いいたしたいと、こう思います。
○政府委員(井上章平君) 本年の四月一日現在で申し上げますと、二十五の水害に関連いたしまして四十二件の訴訟が係属いたしております。その請求総額は百十億四十三万円でございます。
 その内訳を見ますと、大東水害訴訟と同様に河川改修のおくれが河川管理の瑕疵に当たるとするもの、いわゆるこれは溢水型の水害でございますが、これが十水害ございます。それから堤防の設置または管理に瑕疵があったとするもの、これはつまり破堤型の水害でございますが、これが五つの水害について起こされております。それからダムの設置または管理に瑕疵があったとするもの、つまりダム型と言っておりますが、これが七水害でございます。その他が三水害というふうな形になっております。
○村田秀三君 全般にいろいろと今後の取り組みについても言及をされたようでありますが、当時の中央紙の各紙の論評などを見ますと、一つは、これは行政追認の判断である、こう言いつつ、そしてこれが当たり前の管理である、川というのは道路と違うんだ、こういうようなことで放置するようなことがあっては大変だ、こういう論評なわけですね。
 そのことは私自身も大変憂慮するわけでございまして、それはなぜかといいますると、これは先般の委嘱審査の際にも言及をいたしましたが、つまり計画はあるけれども進んでおらない。それぞれ五カ年計画を策定いたしまして事業を進めておるわけであります。財政難の事情であるとかあるいは土地絡みの問題であるとか、さまざま困難な要素というものを私は承知はいたしておりますけれども、しかしながら、つまりはその進捗率が停滞をしておるということは、これは即、何といいましょうか財政に籍口して幾らか行政の水準を低下させておるのではないか、努力を怠っておるのではないか、こう直ちに結びついてくる、こう思います。
 まあ、それぞれの事業さまざまございまして、そしてそれでも緩急はあります。公園を早くせいということもありましょうが、公園がまさか命取りの事業ということにもならないわけでありますかも、おのずからやはり集中的、重点的に進めていく必要がある事業というのが存在するはずでありまして、さような意味では、河川であるとかあるいは急傾斜地であるとか、あるいは地すべり地帯であるとか、少なくとも人命に危害を及ぼすおそれのある事業というのは積極的に取り組む必要がある、こう私は再度主張するわけでありますが、先ほどの、努力をいたしますと、もちろん継続しますということとあわせて実が伴わなければならないわけでありますから、その辺のところをもうひとつ明確にお答えをいただきたい。また、建設大臣にもお答えをいただきたいものだと、こう思います。
○政府委員(井上章平君) 先ほど申し上げましたように、この判決が決して治水事業の現在低水準にとどまっております状況を無原則に追認した判決というふうに私どもは理解していないわけであります。したがって、今後一層治水事業の推進に努力する必要があるわけでございますが、治水事業につきましては、六次にわたって五カ年計画を策定いたしました。ただいま第六次五カ年計画の三年目に当たるわけでございますが、大変厳しい財政事情ではございますが、今後一層努力してまいる所存でございます。
○国務大臣(水野清君) ただいま河川局長からお答え申し上げたとおりでございますが、この判決は建設省の河川行政というものの本質を裁判所も理解をしていただいたというふうには思って、ありがたく思っております。しかし、訴訟に勝ったからそれでいいということではない、むしろ胸を張って喜ぶべきことではないのでありまして、ただいま局長からも申し上げましたように、河川改修の年次計画を立てて現在それを遂行すべくやっておりますが、我々はなお一層河川行政についてあらゆる努力を惜しまずにやっていくべき道義的な責任というものは十分あると、むしろもって教訓としてやっていきたいというふうに思っている次第でございます。訴訟とこれに対する私どもの精神的な考え方というものは全く別でございます。
○村田秀三君 本当に私はこの第六次治水事業五カ年計画、これは最終年度六十一年度には一〇〇%達成しますと確約させるべく詰め寄りたい感じをいたします。これ、五十九年度は三年目でありますが、四六・三%でありますから、このペースでいきまするならば到底一〇〇にはならないわけであります。そういう意味で、ここで確答せよというようなそういう詰め方はいたしませんけれども、強く要望しておきます。
 二番目の問題ですが、私自身もいろいろと、さてと、こう思いながら質問するのでありますけれども、激甚災害法の運用問題であります。つまり指定基準の見直しが必要ではなかろうかというような、そういう感じを持っておるわけであります。これは国土庁に申し上げるわけでありますけれども、私もかつて災害の委員長をやりました。そのころから非常にこれはややこしい基準で、はて、これでよろしいのかなと思わないわけではありませんでしたが、実は、最近調査室がまとめた統計的な数字をずうっと見まして、その感をより強くしたと言うことができると思います。
 いろいろ細かいことはございますけれども、平たく申し上げますならば、本激の指定イ)、ロ)、こうございます。そしてロ)の中に@、Aがあるわけでありますけれども、それぞれこれで統一をいたしますると、例えば財政力のないところに国が温かい手当てをするのは当然ではないかと、これもわかります。さらばといって、財政力があるからといってかなりの被害額が出たにもかかわらずこれを指定しないというのもいささか矛盾があるのではないかと、こんなふうに実は思ったんです。
 これまた調査室の手によっていろいろ数字を出していただいたわけでありますけれども、同じ昨年度で見ましでも、山陰の水害はほぼ八百八十億、同じく昨年九月の台風十号、これによっては、長野県の例でございますけれども、私の聞く限りは二千億を超えて被害を受けておるわけですね。まあ公共土木のことだと、こう私は理解しますが、私に錯覚があったり間違いがあったら御指摘いただいて結構でございますけれども、片方は指定をされ片方は指定をされない。とすれば、この基準そのものに多少手直しをする必要があるんじゃないかというのが私の一つの疑問なわけです。数字等について間違いがありましたら御指摘いただいて結構でございますけれども、その見直しを考える時期に来ておるんじゃないかと思う私の意見に対して災害担当の国土庁はどうお考えになりますか、お伺いいたします。
○政府委員(田中暁君) 先生御指摘のように、現在の公共土木施設の激甚災害の指定におきまして
は、例を引かれましたのはいわゆるB基準の話であろうかと思いますが、災害復旧費の査定見込み額が全国標準税収入の一・二%を超えるという要件のほかに、ある県の県分の査定見込み額がその県の標準税収入を超える県が一つ以上あるということが要件になっておりますために、十号台風のときの長野県の標税が多かったためにこれに該当せず、その前の山陰の豪雨のときは島根県の標税が比較的少なかったためにこの要件を満足させると、こういうようなことは御指摘のとおりでございます。
 ただ、公共土木施設関係の激甚災害の指定の目的と申しますのは、もっぱら地方公共団体の災害復旧事業に伴います財政負担を特に軽減しようということを目的とするものでございますので、その適用に当たりましては、やはりその地方公共団体の財政力というものを勘案せざるを得ないのではないかというように考えておりまして、そのような制度の仕組みになっているんだろうと思います。ただ、この財政力の勘案の度合いがどの程度が適当であるかというようなことは、今後とも十分検討してまいらなければならないというように考えておる次第でございます。
○村田秀三君 ちょっと今、私が申し上げました数字を訂正いたします。
 山陰の豪雨は島根県で一千二百三十七億、山口県が三十四億、それから鳥取もかなりあるはずですね。それから台風十号は全国トータルが二千六百十億、私の申し上げましたのは全国平均であります。全体であります。その際には長野県が八百九十億、こういうことであります。
 判断の基礎になりました数字にいろいろ違いはありましたけれども、いずれにいたしましても八百九十億といえばかなりの数字であるわけでありますから、どこに基準を置いて線を引くということが、まさにこれは地域給や寒冷地手当の級地を定める際の境目がいつも問題になるわけでありまして、かなり難しい課題ではあるけれども、これは一般の感じといたしましてどうしてもいささか疑問がある、こういうことでありますから、中央防災会議の意見もよく聞く、こういうことではありますけれども、検討をしてみてもいい時期であろう、このことだけはひとつ申し上げてみたいと思いますが、いかがでございますか。
○政府委員(田中暁君) 激甚災害の指定基準につきまして、社会経済情勢の変化に対応いたしましてその見直しを行っていくことは、この制度を今後適切に運用していく上で極めて重要なことであろうと考えております。
○村田秀三君 それでは、本改正案に沿って質問をいたします。
 まず初めに、一箇所工事の拡大によりまして、これまでの実績等を考慮いたしまして、この負担法の新しい対象となる事業量といいますか金額といいますか、これはふえるものだと私は想像するわけでありますが、何か研究した資料はございますか。
○政府委員(井上章平君) 国庫負担の対象施設が拡大いたしますということと、それから一箇所の工事とみなす範囲を拡大するということと、この二点によりまして負担法の対象事業費がどれぐらいふえるかという御質問と思いますが、これにつきましては、過去三カ年の実績で見てまいりますと、大体年平均で国庫負担対象施設の拡大は二十六億円、それから一箇所の工事とみなす範囲の拡大で五億円、合わせて三十一億円程度というふうに見込んでおります。
○村田秀三君 採択限度額が拡大といいますか引き上げられるわけでございまして、そうしますと今までの少額のものはカットされること、これは当たり前の話であります。事業費ベースでいいまして、ここ一、二年の例でも結構でございますが、どれくらいカットされるものであろうかということですが、何か数字をつかんでありましたら。
○政府委員(井上章平君) 採択限度額を引き上げますと、新たに限度額未満となる災害復旧事業費は、実績でございますが、昭和五十三年災から昭和五十七年災の五カ年の平均で見た場合は、年平均二十九億円と見込まれます。
○村田秀三君 新たに対象施設が加えられるわけでありますね。先ほどの答弁の中ではみなし災もと、こう言いますからこれは道路附属物の問題がなと思って聞きましたが、新たに対処されるのは、地すべり地帯であるとか下水道であるとか、急傾斜地であるとかというのがありますから、そういうものの対象施設が拡大をいたしますと事業量というのはどの程度増加するかですね。
○政府委員(井上章平君) 先ほどもお話申しましたが、地すべり、急傾斜地、下水道その他政令、省令等で新たに今回対象施設を拡大いたしますが、それによってふえる事業量は、過去三カ年の実績から見ますと年平均で二十六億円でございます。
○村田秀三君 わかりました。
 自治省は来ておりますか。――今も話ございましたが、限度額の引き上げ等によってカットされる数字、これは今発表になったわけでありますけれども、随分細かい話に入るわけでありますが、それによって地方自治体が言ってみれば今までよりも財政負担がその分だけ多くなると、こう考えるわけでありますが、その額の把握なり、あるいは今後どうされようとしておるか、これをひとつお伺いいたします。
○説明員(二橋正弘君) 今回の改正によりまして、まず採択限度額の引き上げに伴いまして地方の財政負担が増加をするわけでございますが、その金額は先ほど河川局長の方から御答弁がございましたような計数になっております。片方で、新たに対象施設の拡大でございますとか一箇所当たりの工事対象範囲の拡大といふうなことが図られまして、そのことによる逆に地方財政負担の軽減になる額、これにつきましても先ほど河川局長の方から御答弁があったとおりでございまして、私どもといたしましては、地方財政全体として、今回の一連の改正によりまして地方財政に与える影響は小さいというふうに考えております。
○村田秀三君 小さいか多いかは別にいたしましてどうするか、小さいからそのままでよろしいと、こういうふうに伺っていてよろしゅうございますか。
○説明員(二橋正弘君) 採択限度額の引き上げに伴いまして国庫負担の対象外になるものにつきましては、当然でございますが、単独災害復旧債の対象にいたしまして、それによる起債措置あるいはそれに対する交付税措置によって対応してまいりたいというふうに考えております。
○村田秀三君 ふえる分はいいんですが、減る分を何とかカバーできないかというのが私の考えでございまして、随分細かいことを申し上げるようでございますけれども、この数字も私の聞き違い、記憶違いであれば指摘していただいて結構でございますけれども、単独災になりますると起債は確かに一〇〇%充当される、しかしその元利償還は、いろいろ補正をいたしましてもほぼ五七%程度までの補てんきりされておらないのが実情であると、こう聞くわけです。
 ところが、負担法の適用を受けておりまするというと、地方自治体の負担分、さまざまございましょう。いずれにいたしましても三分の一以下でありますが、その三分の一の負担分は現年災は一〇〇%まで地方債、過年災は九〇%まで起債充当ができる。それを、いわゆる毎年九五%まで元利償還に補てんをしてくれると、こういうことのようであります。そうしますと、つまり負担法の適用を除外されて単独災になって扱われてまいりますると、その差、自己財源のは三八%の増になる、こういう計算ができるのではないかと、こう思います。まあわずかであると、こう言いつつも、これをやはり何とか見てやる工夫をして、そして法改正によってこうむるところの、多少ではあっても、その損害といいますか自治体からすればわずかの金であっても、それが自己財源ですべてのものに使えるということであれば助かるものは助かるわけでありますから、何とかならないものであろうかというのが私の問題の提起でありま
す。自治省いかがでございますか。
○説明員(二橋正弘君) ただいま御指摘のように、国庫負担の対象になりますと、地方債の交付税による元利償還の率は九五%ということになります。それから単独災害復旧になりますと、財政力で補てんいたしましても最高は五七%ということになります。なお、激甚災害にこれが指定になりました場合には、単独の地方債でございましても六六・二%から、これも財政力に応じまして九五・二%までの交付税による元利償還という措置が別途ございます。ただ、そのことによりまして、補助の単独の場合に元利償還の措置に若干差があるということは御指摘のとおりでございます。
 しかし、先ほど最初に申し上げましたように、今回の一連の改正によりまして、他方で、従来国庫対象とならずにすべて地方団体の単独の財政負担で行っておりました施設あるいは一箇所当たりの工事の採択の限度といったようなものが拡大になりますと、それに対して別途国庫による財源措置が行われるということになるわけでございまして、今のような補助率と単独の起債の償還の差といったようなものにつきましては、そういう別途の拡大される財源措置によってカバーされるものというふうに私どもとしては考えております。
○村田秀三君 私が申し上げております。その気持ちはおわかりいただけると、こう思います。対象地域の拡大による新しい追加事項などということで、総体的に言えばこれはプラス・マイナス・ゼロでありますよと。これであれば私もまあ納得せざるを得ないわけでありますが、よいところはよくしてやろうと、小さい財政力なんだから。できるだけよくしてやろうということで、まあプラスアルファがあってもいいんじゃないかと、こういう気持ちです。実際にやってみていろいろな意見が出てくるのではなかろうかと、こんなふうにも思いますし、その時点でまた改めて議論をするなら議論をしていくと、こうしたいと思います。
 それから災害というのは急激に来てしかも量的には膨大である、こういうのが災害だろうと、こう思います。そこで、常に言われるのでありますけれども、つまり何といいましょうか、この災害、こういう災害もございましたという箇所指定をしていただくための設計、これは何と言うんでしょうか、専門語で。その設計図をつくるのに大変地方自治体の職員、専門職は苦労をしておるようであります。五十六年豪雪の際に、私は福島県でありますが、非常に森林被害が多うございました。森林被害は激甚法の対象にはなっておりませんでしたけれども、これを法修正して対象物件にいたしました。そして、実際上いわゆる林道をつくるとか、いろいろな設計でにわかに急速に膨大な量を消化する、こういうことで夜も寝ないと言えばこれはちょっと語弊があるかもしれませんが、少なくとも二、三日は徹夜状態のまま仕事を続けた、そしてしかもその専門職は過労で倒れた、こういう話。本人も私は知っております。
 でありますから、その際にはとにかく身内で間に合わないからよそへ出そうという、よそへ外注するその費用、これに大変困っておるという話はしばしば聞くわけであります。恐らくある場合によってはその分何らかの助成がされておるのではないかと思いますけれども、つまり少なくとも災害のときの設計費用は、外注に出したものはすべて見てやる、こういうふうにしてはどうか、してもらいたい、こう思うのでありますけれども、その点はいかがでございますか。
○政府委員(井上章平君) 公共土木施設の災害復旧は、そもそもはその施設を維持管理する地方公共団体が行うべきものという観点からしまして、査定申請の際の設計書の作成費用につきましては国の負担とはしていないわけでございます。しかしながら、激甚な災害が発生した場合には、災害復旧を速やかにかつ適切な工法で行う必要があるということ等の理由から、特に先生御指摘のありました設計委託に関する費用について、これは補助率二分の一ではございますが、補助する制度が設けられております。
 例えば昨年、昭和五十八年の災害に当たりましては、激甚の災害の復旧にかかわる設計委託に関しまして、十六府県に対し九億五千九百万円、百十八市町村に対して五億三千六百万円、合計十四億九千五百万円の補助を行ったわけでございます。今後ともこの制度を適切に運用してまいりたいと考えております。
○村田秀三君 激甚はあるけれども一般災害はないと、こういうことですね。
○政府委員(井上章平君) 以上でございます。
○村田秀三君 先ほど激甚災法の運用の問題にも若干触れましたが、とにかく一般災害といえ激甚災害といえ、指定されるとされないとではこれだけの違いがあるわけであります。しかし、一般災害といっても一カ所、二カ所なら話は別でありますけれども、長野県を例にとって申し上げるわけでありますが、とにかく一千戸に近い災害ということになりますると、かなりの事務量というものが私はあるんだと思うんですね。そうすると、その一般災害にもやはり助成をすべきではないかと、こういうことでございますが、検討する価値ございませんか。
○政府委員(井上章平君) 激甚な災害が発生した場合ということでございますが、運用といたしましては、本激、局激それから農林局激も含めて、客観的に激甚な災害ということを建設省が認定いたしました場合に適用するという形になっておりますので、まあ、この制度を適切に運用するということを考えておりますが、ただいま御指摘の件については十分参考にさせていただきたいと思っております。
○村田秀三君 一般災害でもピンからキリまでありますから、それは事務遂行可能な範囲であれば私は申し上げません。しかし、それを超えるものであるというふうに認定できたらば二分の一と限定しなくてもよろしいんじゃないかと私は思うんですが、これはやっぱりそれなりに手当てをしてやるという気持ちを持っていただきたいし、そうやってほしい。ひとつ十分検討しよろしく善処方お願いしたいと、こう思います。
 次に、対象施設の追加でありますが、ちょっとこう嫌みったらしい物の言い方をするようで、そこは了解して聞いていただきたいのでありますが、下水道法ができましたのは三十三年であると聞きます。それから負担法が制定されましたのは二十六年であると聞きます。そこで、下水道法制定の際に、これ私なんかいままで考えてもみませんでしたけれども、つまり今までの経過をずっと調べてくれた方がおるわけでありますが、いろいろなものをずっと見ておりましたら、下水道法を提案されて、そして下水道そのものの災害の際には国庫で一部負担して助成をしなさいという、本文の中に修正されておるわけですね。それによって今まで運用してきたんだろうと、こう思います。その際に附帯決議がなされておりまして、特に断って、速やかに国庫負担法の対象施設に入れなさいと書いてある。それから、これ三十三年でありますから、ことしは五十九年、二十六年間本法に組み込まれないままにいわゆる運用してきた。全く構わなかったということではないと私は思いますけれども、では全く負担法に入れなくとも同じような扱いをしてきたのか、補助率やその他において。さてどうなんであろうかと、こう疑問を持ったわけでありますが、何か大きな理由があったのでありましょうか。
○政府委員(井上章平君) 本負担法は二十六年に制定されたわけでございますが、一方、下水道法は昭和三十三年に全面改正されました。この改正に当たりまして、国庫負担法の適用が受けることができるよう財政上必要な措置をとることという附帯決議がなされたと伺っております。
 今回この下水道を負担法の中の対象施設といたしました理由は、まず、この三十三年下水道法の全面改正当時の下水道の総人口普及率は四%程度ということで、極めて小さかったわけでございます。したがいまして、その被災、いわゆる災害を受けるということも少なくて、地方財政に及ぼす影響も非常に小さかったというふうに認められるわけでございます。ところが、近年逐次整備が進み
ました。特に、財政力の弱い中小都市に近年下水道の普及が見られるようになったわけでございまして、これに伴いましてその災害量も増大してきた。被災額で申し上げますと、昭和五十七年には七億円という被災額を算しておりますが、そういったことで地方財政に与える影響も少なからずという認識に立ちまして今回負担法の対象施設にしたというようなことでございます。
○村田秀三君 負担法の対象にすると補助率が高くなるわけですね。
○政府委員(井上章平君) 現在の下水道法によりますと三分の二の定率でございますが、負担法に入りますと、これは地方財政との絡みで補助率が三分の二から四分の四まで累進的に上がるような仕組みになっております。したがいまして、一般的には負担法に入れますと補助率が高くなるということになります。
○村田秀三君 これは関係者がよく黙っていたなと私も思っているわけでありますが、つまりは法益は高くなるわけですから、本来であれば早く適用しておればそれだけ地方自治体は助かったということにもなるわけであります。
 さて、そういうことを申し上げますのは、なんですか、附帯決議というのは各法案によくつけるわけであります。そのときには一言一句目くじら立てて、これ、角突き合ってようやく決められるというケースもあるわけでありますが、しかしつくってしまうというと後どうなっているんだか点検もしないということで、ひとつ附帯決議だけを全部拾い上げて委員会で質問をやろうかなどという議論をしたことも実はありました。これは建設委員会じゃございませんが、農水委員会あたりに私いたときの話であります。でありますから、附帯決議はつけましたわ、大臣は最後に答弁をいたしまして、御趣旨に沿って努力いたしますと、これで終わっている。つまりはそれの典型じゃないかというように感じたものですから取り立てて申し上げたわけでございますが、このようなことのないように、負担法に今度は明示されたわけでありますからその議論は今後ないわけでありますけれども、ひとつそのようにお願いを申し上げたいと思います。
 そこで、現在地すべり危険地域と急傾斜地崩壊危険箇所、これは全国的に点検をされて箇所も把握されておるものと思いますが、大体どの程度ございましょうか、そしてまたその実情などもちょっとお聞かせいただきたい、こう思います。
○政府委員(井上章平君) まず、地すべりでございますが、建設省所管の地すべり危険箇所につきましては、昭和五十五年の調査によりますと全国でおよそ五千八百カ所あることが判明いたしております。このうち昭和五十七年度末現在で施設の整備率はおよそ二四%でございます。
 一方、急傾斜地崩壊危険箇所につきましては、これも昭和五十七年調査によりますと全国でおよそ七万二千カ所あることが判明いたしております。このうち砂防事業等の他事業で対応することになります箇所を除く要対策箇所について見ますと、これはおよそ五万八千カ所でございます。これにつきましても昭和五十七年度末現在の施設整備率はおよそ一三%と相なっております。
○村田秀三君 もっと早く対象に入れまして、そしてもっと整備率を速めればよかったなと、こう実は思っているわけでありますが、今それを申し上げてもどうしようもありません。少なくとも、これも河川と同じようにやはり人命に極めて重大な影響を与える、国土保全のために重大な影響を与えると、こういうことでありますから、これまた真剣に取り組んでいただきたい、こう要望を申し上げるわけであります。
 それからさまざまありますが、この対象施設の下水道ということでありますが、特定公共下水道、これも対象に入りますかどうですか、ちょっとお伺いします。
○政府委員(井上章平君) 特定公共下水道でございますが、これも公共下水道の一種でございまして、下水道としての目的、設置の管理主体等は他の公共下水道と同様であります。したがって他の公共下水道と同様に負担法の対象といたします。
○村田秀三君 次に、流城下水道の整備が進まないとよく聞かされるわけであります。流域下水道、公害国会のときに制定をされたと記憶するわけでありますが、本当はこれ一つでも時間をかけていろいろと議論してみたいと実はかねがね思っておりました。しかし、きょうはそうはやっておられませんからお伺いをするのでありますが、いろいろと地域住民から反対される、それでその反対の理由というのはさまざまあるように私も話としては聞いてはおりますけれども、どのように建設省としては把握されておりますか、それをお伺いいたします。
○政府委員(松原青美君) 現在流城下水道の事業が進んでおりますのは、五十八年度末におきまして四十都道府県で七十八カ所、百十一処理区で事業が実施されております。御指摘の反対の問題でございますが、このうち四処理区で反対運動がありまして、その四処理区のうち三処理区では地元関係者の一部から訴訟が提起されております。
 その反対理由でございますが、これらの反対の経緯なり、それから訴訟が行われておりますので、その訴状から見ますと、主な反対理由としては三つ挙げられるだろうと思っております。
 まず基本的には、他の地域からの汚水を処理するということに対する感情的な反発に加えまして、大気汚染とか悪臭が発生して近所に二次公害が発生するのではないかということの反対がまず基本的にあろうかと思います。さらに、その訴状によりますと、二番目の理由としましては、悪質な工場廃水が流入することによって下水処理が阻害される、公共用水域の水質汚濁の原因となるのではないかということが挙げられております。三番目の理由としまして、流域下水道の規模が大きいために経済性、効率性に欠けるので下水道整備がおくれるおそれがあると、こういうことが挙げられております。
 最初に先生御指摘になりました、流域下水道の建設が反対があって進まないのではないかという御指摘でございますが、先ほど数字的に申し上げましたように四十都道府県、七十八カ所、百十一処理区で事業を行っておりますが、うち四処理区が反対のために事業がおくれている――おくれているといいますか、反対があるわけでございますが、そのうちの例えば琵琶湖のような例で申しますと、反対の訴訟が起きておりますが、事業は進んでおりまして、既に処理開始をしているというようなところもございまして、そのために特におくれているというところは、現在のところ、以前はあった反対運動もおさまりまして事業が着実に進んでいるところが大部分という現況でございます。
○村田秀三君 公共下水道よりも流域下水道の方が自治体としての財政負担が多いとか、あるいは受益者負担がかなり多額になるからこれは余り好ましくない、こういうような意見というのはどうでしょうか。
○政府委員(松原青美君) 流域下水道の事業を行います場合には、いろいろな案を比較検討いたしまして、将来の維持管理の費用あるいはその体制も含めまして最適計画ということで、比較検討の末、採択いたして事業を実施いたしてございます。流域下水道事業は、そういうことで広域の下水道、下水を処理いたしますものですから施設は大規模になりますが、段階的施行を図っておりまして、逐次処理場に近いところから市町村の公共下水道を受け入れると、こういうことで進んでおりまして、流域下水道のために費用が多額になるということはトータルの話としてはないはずでございます。
○村田秀三君 個人的な見解を述べるとすれば、この流域下水道というのは、かなり国家負担を投入しても速やかに完成させなければ日本の水の将来はないと、こう私は実は考えておるわけです。もちろん、処理場をつくるためには土地を提供する方々が抵抗あるのはこれ当然でありますが、しかしそこら辺のところを十分納得いくような手当てをするなり、新しい技術をさらに開発するなり
いろいろいたしましてやっていかない限り、まさに日本の水の問題というのは大変なことになると、一言で言えば。感覚的な物の言い方でありますが、これは私個人の見解であります。でありますから、さような意味では溢路を克服して、財政力もつけて、そして進捗度を高めるようにひとつ御努力をいただきたい、こう思います。
 それから道路附属物の問題であります。今度は何か政令事項で負担法の対象に入れようとする幾つかの施設があるようでありますが、まず御発表をいただきたい、こう思います。
○政府委員(井上章平君) 現行の負担法の対象施設である道路附属物といたしましては、さくまたは駒止でございますが、近年交通安全等のため道路附属物の整備が進みまして、またその施設も大変大型化してきております。したがいまして、被災施設を復旧するには多額の費用を要するということから、これらの点を勘案いたしまして、今回国庫負担法の対象となる道路附属物といたしまして、道路情報管理施設、共同溝並びに防雪もしくは防砂のための施設を追加することといたしております。
○村田秀三君 道路の附属物といいますとかなりたくさんあるようでありますね。道路法第二条それから二条に基づく施行令、さまざまそれ以外にたくさんあるのでありますが、それは今後どうなさるおつもりですか。
○政府委員(井上章平君) ただいま申し上げましたように、道路附属物は非常に多岐にわたりますが、これらの中から、特にその施設が大型化し、また整備が進み、被災施設の復旧に地方公共団体が財政上の負担を大きく増大せしめているというようなものを拾い出しまして、ただいま申し上げたものについて今回負担法の対象にしようということでございますので、御理解いただきたいと思います。
○村田秀三君 何といいましょうか、先ほどの下水道でも普及率が小さかったから対象にしなかったが、だんだん多くなったからこれは対象にした、そういう考え方もあるのかなという感じがします、正直に申し上げまして。しかし、それだからといって道路法に明確に、附属物はかくかくしかじかのものであると、こう言っておるわけでありますから、まま施設数も少ない、額も小さい。であれば、むしろひとつ法の対象にしてやってもいいじゃないかという逆論も成り立つわけでありますから、これはいかがですか、それは近々検討するというような答えにはなりませんか。
○政府委員(井上章平君) この法律の趣旨が地方の財政力に適応するよう国の負担を定めるという建前でございます。したがいまして、どうしてもそういった地方公共団体の財政上の負担が大きいものについてやはり拾い出しをするのが適当だと私どもは思っておりますが、なお他の施設につきましてもこれは逐次整備が進むでありましょうから、したがってまた、その時点におきまして新たにこの負担法の対象とし得べきものもあると思います。そういうふうに今後十分状況を見ながら進めてまいりたいというふうな感じでございます。
○村田秀三君 それはよく検討しておいてください。
 それから防雪のための施設と、こういうことでございますが、一例を申し上げますると、こういうものはどうであろうかという問題提起であります。いや、それは既にやっておりますと、こういうことになりますかどうですか。
 国道がある、付近は田んぼである、畑である、その吹きだまりを防ぐために防風さくをつくるわけです。その防風さくというのは、防雪というよりも防風なわけでありますけれども、吹きだまりを防ぐためでありますからこれは防雪という理解をしてもよろしいんじゃないか、こう思いますが、道路、路肩にいわゆる両立して施設をつくるというのではなくて、田んぼの中に十メートルか二十メートル離して構造物を設置する、こういうものがあります。これも対象に入るのかどうかであります。
○政府委員(井上章平君) 防風さくを含めまして私どもは道路の防雪施設というふうに呼んでおりますが、これは道路から離れたものを含めまして道路の附属物でございますので、今回の改正に伴って追加することになります。
○村田秀三君 次の問題は、これは豪雪地帯でないと見受けられないわけでありますが、消雪パイプあるいは流雪溝、これも豪雪のために損傷を受ける例はあるわけであります。消雪パイプの場合は、消雪パイプそれ自身が道路損壊のもとであるなどということにも考えられる面もありますけれども、いずれにいたしましても、雪が降る、水を出す、道路は損壊率が高まるということでありますから、防雪のための装置であります。その装置がいわゆる防雪という範疇の中に入るかどうかという問題提起であります。
○政府委員(井上章平君) 流雪溝それから消雪パイプにつきましては、これは道路の本体の一部というふうにみなされておりまして、そういう意味では既に負担法の対象となっておるというふうに理解いたしております。
○村田秀三君 それでは結構でございます。
 次に、スパイクタイヤの問題であります。
 このスパイクタイヤの問題というのが近年非箱に大きな問題になっておりますのは、今私が申し上げる必要もなかろうかと思います。これは環境の問題あるいは自動車それ自身、タイヤそれ自身の問題、通産の行政の問題、あるいは運転技術上の問題等陸運の問題、あるいは、これは建設省は被害者だと私は思うんですが、とにかく道路の問題、道路の側面からどう対応していくかという問題、さまざま検討されねばならぬと、こう思います。しかし、この際申し上げたいことは、スパイクのいわゆる道路附属物に与える被害、損耗というのはかなりに高い、こう実は考えられるわけでありまして、その実数、ことしあたりも北海道は百五、六十億、そのうち札幌は四十億などというような数字が出ておるようでありますが、これは全国的に把握されておるか。その額はいかほどになっておるでありましょうか。
○政府委員(沓掛哲男君) 雪寒地域におきます舗装の損傷はスパイクタイヤ、チェーン等による摩耗のほかに、夏場におきます流動あるいは舗装の老化等により生ずるものであります。このため、舗装補修費の中でスパイクタイヤの原因による被害額を特定することはなかなか困難でございます。しかしながら、先生今御指摘のように、今後のいろいろな対策を立てていく上におきましても必要でございますので、現在スパイクタイヤによる舗装被害を摩耗量の推計から算出することができないかどうかを検討しておるところでございます。
 ただ、全国的に見て雪の降る地域と降らない地域においての舗装補修費を比較してみますと、全国では、直轄事業で見た場合、舗装補修費が四百十三億でございますが、雪寒地域である二十六道府県、これは札幌市も含んでおりますが、におきます舗装補修費は二百六十億円でございます。道府県数で言うと雪寒地域は約五四%ぐらいですが、舗装補修費が三分の二の六六%程度いっているというようなこと、また一般に雪寒地域以外における道路交通量が多いというようなことから考えますと、かなりスパイクタイヤ等による影響があるというふうに考えております。
○村田秀三君 なかなか数字のとり方は難しいと思いますが、やはり横断歩道の標色といいますか、これが五年持つところが一年で消えるとかという問題も含めますと、かなり私はあるものだと思います。
 そこで、スパイクタイヤそのものの議論を今するつもりはないわけでありますが、これまた何といいますか、かなり難しい問題であります。スパイクタイヤそのものの効果というのは凍結ですね。雪そのものよりも雪による凍結あるいは氷だと、こう思うんです。しかし、雪の降らない、凍らないところではスパイクを履かないわけでありますから、雪が降る、寒い、これが一つの前提でスパイクを履くことになるわけです。
 確かに、自然災害というのは、直接的に短絡的
に考えれば、道路を壊すのはこれはスパイクタイヤだと、それを運転するのは人である、であるからこれは人災だと、一口に言ってしまえばそれまででありますけれども、いわゆるこのスパイクタイヤによるところの被害、損害というものがやはり雪害の範疇の中に、あるいは雪寒の範疇の中に入るものか入らないものかと、こういう問題提起であります。
○政府委員(田中暁君) お答え申し上げます。
 一般論という意味から申しますと、災害対策基本法におきましては災害の定義をいたしておりまして、その中では「暴風、豪雨、豪雪、洪水、高潮、地震、津波、噴火その他の異常な自然現象又は大規模な火事若しくは爆発その他のその及ぼす被害の程度においてこれらに類する政令で定める原因により生ずる被害をいう。」というようになっておりまして、この定義から申し上げますと、ある被害が異常な自然現象やあるいは大規模な事故との間に相当な因果関係があるというような場合には、その被害は災害による被害と言うことができると思うわけでございます。
 ただ、災害の定義や解釈につきましては必ずしも一律ではございませんので、それぞれ法律の目的に応じてさまざまでございます。例えば、今の災害対策基本法の定義は非椎に広いわけでございますけれども、異常な自然現象だけに限定している例もございますし、火事を除いているような例もございます。
 そういったことでさまざまでございますからちょっと難しいわけでございますが、御指摘のスパイクタイヤによります道路の損壊、これは異常な天然現象と考えられます豪雪時におきましても、また通常の降雪時においても同じように見られる。これは先生御指摘のとおり、凍結というものが主になっておるからだと思いますが、だから雷の量に応じて比例的に増加するというような関係も必ずしもない面もあるというようなことで、一般的にこれを災害であると言い切るのはなかなか難しい問題ではないかというように考えております。
○村田秀三君 しかし、これはスパイクそれ自体の論議のときに申し上げねばならぬわけでありますが、さまざまありますね、諸外国の例なんかも、資料を見ますと。大体全面禁止しているというところもあって、それには道路の損耗を防止する、それからわだちが振れて交通安全に支障を来す、こういう理由なんかもあるようであります。しかし、日本の場合は、今までの議論の経過を見てみますと、警察庁は交通安全のためにはやはり無視できないんだと、こういう物の言い方をいたしております。道路でスパイクタイヤに耐え得る道路がこれからできるということであればまた別でありましょうが、いずれにしろ人体には被害を及ぼす、これは及ぼしていることは間違いありません。
 環境庁が五十九年度に人体影響調査を開始すると、こういうことでありますが、実際に私の知人なんかも、これ田舎ですから冬でも店をあけっ放しで仕事をしているわけでありますが、とにかく近年、冬になると手が荒れて困る。最近あかぎれだらけで水仕事をしているという主婦もいなくなりましたけれども、もうあかぎれだらけになって、おまえ何したんだと、こう言いましたら、何だかよくわからぬけれども、いわゆる最近の傾向である。だからスパイクで掘られたコンクリート、これはアルカリ性の強いものでありますから、これを年じゅうきな粉のようにまぶっているわけでございまして手が荒れる、まあきな粉は極端ですが。でありますから、そこに原因があるとすれば、まだこれ医学的な証明をされているわけじゃありませんけれども、きっとそのせいだと、こう言っております。
 でありますから、こうなるとやっぱり道路の側面から何かを検討していく必要もあるのではなかろうか、こんなふうに思っておりますから、その点について道路局長から今何をなさっておるのかちょっと伺ってみたいと、こう思いますけれども、いずれにいたしましても人体に影響がある。人体影響調査をしたら、また新しい課題がある論文には発覚をしたと、こういう表現をしております。つまり発覚というものは、隠したものが発見されると、こういうことでありますけれども、とにかく発覚したならばもっと対策が進むかもしれませんが、現状の段階ではそうはいかない、これがぎりぎりだと、こう表現をいたしておるわけですね。
 そうすると、これは必要なものであるという前提に立つならば、今までの議論じゃございませんが、雪、水との因果関係というものは、ここにどうしても無視することはできなくなるわけでありますから、特段の因果関係があるならばいわゆる自然災害というふうに理解することもできるというような先ほどの解釈でございましたから、これに入ることもまたひとつ検討をする時期が来たのではないか、こう実は申し上げるわけですが、その点はいかがですか。
○政府委員(沓掛哲男君) スパイクタイヤの普及に伴いまして道路の舗装の摩耗が著しく道路管理上問題となっておりますし、またこれによる粉じんの生活環境への影響も問題になっておることは、今先生御指摘のとおりでございます。
 これに対して建設省は何を対策として講じているのかという御指摘でございますが、現在スパイクタイヤ対策調査特別委員会を設けてその対策を検討しておるところでございますが、この問題は現実の課題であり、現在三つの対策を講じておるところでございます。
 一つは、従来から研究開発してまいりました舗装のうちで、摩耗に強いものを雪寒地域で設けるようにすること。
 それから二番目として、粉じんによる生活環境への影響が大きいのは融雪時の春先でございますので、この春先におきます道路の清掃の回数をふやすなどの対策を講じております。
 それから三番目には、スパイクタイヤが必要なのは、今先生御指摘のような非常に寒い凍結時でございますので、そういう時期のみスパイクタイヤをつけて、そういう時期を外れた場合には速やかにスパイクタイヤを取ってしまうというようなことの必要性をいろんな点から啓蒙していくことによりまして、スパイクタイヤの装着が適正に行われるようにすること等を実施いたしております。今後ともこれらの調査検討に努めまして、関係各省と十分連絡をとりながら道路の維持管理、道路交通の安全確保等の観点からこの問題に取り組んでいきたいと考えております。
○政府委員(井上章平君) この負担法におきましては、異常な天然現象により生ずる災害というものを対象にすると明記されておりまして、例えば通常の天然現象あるいは人為による損壊は含まないわけでございます。雪によりましてスパイクタイヤの使用が必要になったということではありましても、直接的にはやはり道路交通に起因して道路が損壊したものであるという考えに立ちますと、この負担法の対象とはなり得ないと思っております。
○村田秀三君 国土庁はどうですか。やっぱり検討する余地もありませんか。
○政府委員(田中暁君) 先ほどお答え申し上げましたように、一般論としてこれが災害に該当するかどうかということはなかなか難しい問題であろうと思いますが、いずれにいたしましても法律によって必ずしも一律の取り扱いがなされているわけではないわけでございまして、結局公共土木施設の負担法の問題でございますので、主管省でございます建設省の取り扱いによって結論を見出していくべきものと考えておる次第でございます。
○村田秀三君 新法の適用の境をどこに置くかという問題であります。これは公布の日からということが指定をされておるようでありますけれども、五十九年豪雪、これは頭の中にあるわけであります。でありますから、この五十九年豪雪は三月までに降った雪でありますが、三月までに既に発見をされている被害というものもあるはずでありますけれども、四月に入りまして融雪期に入る。その災害の発見されました時点、四月に入っ
て発見をされたけれども、がしかし、この法施行日との関連でこれが採択をされるものなのかどうかというそういう問題でありますが、どのようにお扱いになるおつもりでありますか。
○政府委員(井上章平君) 負担法の適用といたしましては、原則として施設の損壊等の現象の終了時点をもってその災害に対して適用するという考え方に立っております。ところで、との五十九年度の豪雪につきましては、豪雪そのものによる災害とそれから融雪による災害とに分かれると思いますが、豪雪につきましては、これはもう既にそういう現象が起きた後の状況でございますので、これにつきましてはこの負担法の施行日より前に終了しているということで現行の負担法が適用されることになろうと思います。また、融雪につきましては、これは融雪災害が生起した日でございますから、それは公布の日によって分かれるというふうに相なろうかと思います。
 ところで、豪雪災害で最も問題になりますのは、いわゆる道路附属物のみ災であろうかと思いますが、これにつきましてはこの負担法改正前に被災したことになるわけでございますが、五十六年の豪雪時と同様な特別措置を行いまして対応することといたしております。
○村田秀三君 とにかくもう既に融雪期に入っておるわけでありますが、五十六年度豪雪の例に徴しまして融雪災害というのはどの程度見込まれるものでありましょうか。今何か把握しておりますか、まだ完全ではないじゃないかと思いますけれども。
○政府委員(井上章平君) 一部融雪災害が出ておりますが、まだこれからという面がございまして、十分な全体像の掌握はできておりません。
○村田秀三君 実は私も雲の件でございますが、ちょっと県の土木部に聞いてみました。ところが、まだ路上に雪のある地域もあるわけでありますから、完全に把握はできないけれども昨年よりは優に多い、昨年を一〇〇にすればことしは一五〇は超えるであろう、こういう言い方を実はいたしておりました。さようなことでありますから、ひとつ本法適用に当たりましても、ここで言葉にしてよろしいかどうかはよく存じませんが、いずれにしてもその辺のところはよく御配慮をいただきまして、そして万全のひとつ対策を講じていただきたい、こう御要望申し上げるわけでございますが、いかがでございますか。
○政府委員(井上章平君) 通年、融雪災害は大体二百億円程度あるわけでございますが、五十七年の例を見ますと三百億を超えております。本年も恐らくその程度の規模の融雪災害が発生するのではないかというふうに心配いたしておるわけでございますが、先生の御指摘のございました点につきましては十分留意して措置してまいりたいと思います。
○村田秀三君 問題を変えます。
 実は去る七日に若干言葉を出しておきました木曽川水系丸山ダムの問題であります。これは前回、気象庁から気象予報の状態であるとか、あるいは自治省から美濃加茂市を中心とする防災体制ということを伺っておったわけでありますが、昨年の九月二十八日ですか、その水害の状況について建設省が把握しております事柄についてひとつお話をいただきたいと思います。
○政府委員(井上章平君) 去る五十八年の九月二十八日から二十九日にかけまして、木曽川本川に大きな洪水が発生したわけでございます。これによりまして、木曽川本川筋の美濃加茂市を中心といたしまして非常に大きな、これは溢水による災害でございますが、災害が生じたわけでございます。
 ところでこの上流の丸山ダム、これは建設省直轄で管理しております洪水調節と関西電力の発電との兼用ダムでございますが、このダムにおきまして、最大流入量が計画六千六百トンに対しまして八千二百十七トンというふうな、これはダムを設置して以来最大の洪水が生起したわけでございます。このダムは洪水調節を行ったわけでございますが、しかしながら一たん最大流入量八千二百十七トンが生起いたしました後、減水してまた増水を始めるというふうな非常に異常な洪水となりまして、再び最大流入量が七千八百七十二トンというふうな二山の洪水と相なったわけでございます。そのために、後の洪水につきましては洪水調節容量がありませんで、そのまま流入量イコール流出量というふうな形で操作いたしましたために、結果的に下流の木曽川筋において大きな洪水被害が発生したということでございます。
○村田秀三君 この件につきましては衆議院でもやられておるようであります。不十分ではあるかもしれませんが、やられておる。でありますから、それと大きく重複するつもりもないわけでありますけれども、現地の方々は、これはダム操作上の瑕疵から水害が起きたと、こう思い込んでおる人がかなり多数おるようであります。期成同盟も結成をいたしまして、そしてつまりダム管理の瑕疵を追及するというような構えを持つ反面、将来かかる水害の起きないように対処すべきであると、こういう提言などもされておるようであります。
 実は私も調査に行ってまいりました。わずか一日の日程でございますから、川筋、堤防をすべて踏破して調査をしたなどということにはならないわけでありますから、決定的な物の言い方というのはなかなかできないわけでございます。でありますから、さまざまな資料をちょうだいいたしまして、そしてある機会に専門的な方々の検討をしてみてはと、こんなふうに思ってもいるわけであります。
 ところで、一つやはり疑問に思えますことは、かなりの降雨量であったということはわかりますが、いわゆる洪水調節容量、この問題でありますけれども、これは素人の判断でありますよ。例えば、関電のダム管理事務所が洪水警報を出しましたのは、おおよそ当日の十四時ちょっと過ぎごろだと聞いております。そうしますと、いわゆる最大流入量、それまでの時間というのは六時間程度あるわけであります。ダム操作はいろいろと難しいことはよく私も承知はいたしますが、この洪水容量を受け入れるためにダムの水位を低く抑えておく操作というものがなぜなされなかったかという疑問が一つ提起をされているわけであります。これは私も素人でありますけれどもうなずける面もあるわけでありまして、ある程度ダムの操作規程のようなものは一応拝見した上に立って申し上げるわけでありますけれども、それについてはいかがでございますか。
○政府委員(井上章平君) 先ほど申し上げましたように、この丸山ダムは、関西電力の発電用とそれから建設省の洪水調節用の兼用施設のダムでございます。全体の容量のうち、およそ二千百万トンが洪水調節容量でございまして、千八百万トンが発電の利水容量でございます。通常の事態でございますと、関西電力によりまして発電施設として管理運営がなされておるわけでありまして、洪水が発生いたしますと、その時点から建設省に管理権が引き継がれまして、以後洪水調節を行う、こういうダムでございます。
 ところで、今申し上げましたように、このダムは四千万トン足らずの容量を持つダムのうち半々で使っておるわけでありますが、しかし木曽川という大河川の上流本川に設置されておるダムでございますので、非常にただいま先生が御指摘になりましたような発電容量をあらかじめ予備放流にしてあけておけばもっと洪水調節が可能であったのではないかということに対して、実際問題としてはなかなかそういう運営が難しいダムでございます。
 気象台が気象情報として出しましたのは十一時二十分の大雨洪水警報でございますが、この大雨洪水警報をもって、直ちにその予測雨量をもとにして洪水を計算して想定するというようなことには到底なり得ない。気象庁の大雨注意報にしろ警報にいたしましても、これは一般に大雨が降るということを注意を喚起する以上の、私どもがダムを操作する上で利用できるような制度とはなっていないわけでございます。
 例えば、この大雨洪水警報はどの程度出される
かということを調べてみますと、五十四年から五十八年の五カ年間に三十回この警報が出されております。それに対しまして、美濃加茂市が浸水被害を受けるような災害が起きましたのは、昭和十三年から五十八年まで四十五年間に、三十六年に一回あったきりでございます。こういうことでございますので、下流の災害を大雨洪水警報から推定するというようなシステムには到底なり得ないわけでございます。
 そういたしますと、やはり私どもが関西電力に対しまして予備放流をお願いするためには、さらに確度の高い資料を得てからということに相なるわけでございますが、そういうことが私どもとしてできましたのは、この結果ではございますが、大体十八時ごろであったわけでございます。そういたしますと、十八時の時点ではもう既にこのダムといたしましては洪水調節操作をしておる最中でございまして、もう予備放流というようなことを行えるような段階でなかったということで、このダムのそういった特性あるいは容量の小ささ、それから今回の雨の降り方が非常に短期集中型に上流域に降ったというような特質等を考え合わせまして、到底、結果的に推定いたしましてもやはり無理ではなかったかというふうに私どもは考えております。
○村田秀三君 専門家でございませんから、私も今話がありましたものに対してすかさずどうするという、そういう資料も持ち合わせておりません。しかし、これ図表が皆さんの手元にありますると聞いていても話がわかりやすいと思うのでありますが、これは残念ながら一枚きりしかございませんから、口頭ではやりとりなかなか理解しにくい面があるわけでありますが、素人の考えということを私最初から申し上げております。だから、この疑念はやはりどうしてもぬぐい去れません。
 四十分まででありますから、時間がございませんから、いろいろなものはまた別途機会を見ながらやりたい、こう思いますけれども、つまり多目的ダム、そして発電所が利水調整をする、やはりダムの容量が小さ過ぎたと、こう言えはそれまでの話ではありますけれども、しかしながら、では一般論として河川法五十二条、予備放流、こう理解する条文があるわけでありますが、これは何のために設けられておるのかというそういうことであります。
 だから、ダム管理事務所が十四時ちょっと過ぎに警報を出した。気象庁は十一時ちょっと過ぎに大雨洪水注意報を出している。しかも、この間の答弁の中では、時間雨量にして五十ミリに近いもの、総合して二百ミリは降るであろう、こういうことを予報しているわけであります。当たるも八卦当たらずも八卦、特に気象庁の予報が確率どうかなどという冗談話もそれはありますが、地震の予報でもそうですよ。
 大規模地震対策特別措置法ができました。その際に、いわゆる演習をやるわけであります。演習反対と――私は演習をどんどんやれと、こうあのとき申し上げたのでありますが、とにかく警報を出す、警報を出して煙突をとめる。地震が来なかったらその損害はだれが見てくれるんだという議論まで現場にはあったというわけであります。しかし、実際に来たならばこれはひとたまりもないわけでありますから、操業停止して対策を立てれば被害は最小限に食いとめることができるということであれば、むしろ演習はすべし、警報も出して予行演習を実際にやるようにしなければ法律つくっても本当の対応策はできないという主張を当時私はした覚えがありますけれども。
 とにかく十一時過ぎに予報が出た。しかも、今建設省は木曽川水系に最新の技術を駆使して何か設備をされておるわけであります。まあ去年完成したのか、ことし完成するのかよく存じませんが、ということでありますから、相当上流におけるいわゆる雲の状況なり降雨の状況というものは予知できるわけでありますから、その予知に基づいて適切に処置をしていくとするならば、たとえ容量がこれは千八百万トンと、こう言いますけれども、よしんばそれを千トン吐いて八百トンに抑えて仮においたとするならば、一千トン分の浸水はなかったんじゃないかという短絡的な計算というのはやれるわけですね。
 そうすると、どうしてもやはりそういう電力会社――嫌みなことを言うわけじゃありませんが、一センチ一億とか何とかといういろいろな話があるそうでありますけれども、とにかくこれ金に換算するわけでありますから、降ってきたならば持ち分だけいっぱいため込んでやるという考えになるだろうことは予想にかたくない。でありますから、そういうものも除いて、いざ出てしまえばこれ大変になるわけでありますから、つまり相当長期間かけて対応をして、そして十のものを八に抑える、八のものを六に抑える努力というのがいわゆる河川法五十二条に基づくものであろうと、こう私は理解するわけでありますが、その点は単に難しい難しいとばかり言っておらないで、やはり今後どう対応していくかということについても相当深刻に検討せざるを得ないのではないかと思いますが、いかがでございますか。
○政府委員(井上章平君) 河川法五十二条によります緊急の措置でございますが、これは「洪水による災害が発生し、又は発生するおそれが大きいと認められる場合において、災害の発生を防止し、又は災害を軽減するため緊急の必要があると認められるときは、ダムを設置する者に対し、」「指示することができる。」と、こういう制度でございます。
 ところで、この五十二条を丸山ダムに発動できたかどうかということでございますけれども、先ほど来申し上げておりますように、予備放流をいたしますには相当以前に余裕を持って降雨予報がございませんと――といいますのは、予備放流といいましても流入量以上に流出することによってダムを空にするわけでございますから、これはまかり間違えば下流に対する人工災害を起こすことにもなるわけでございます。したがいまして、相当の余裕がございませんと予備放流の効果がない。一方におきまして、余裕を持たせれば持たせるほど予報技術というのは不確かなものになりまして、起こるべき洪水の規模等についてこの五十二条に言うような緊急の必要というところまでなかなか見定めがつかないというような状況があるわけでございます。
 そういったことで、私どもといたしましては、できる限りこの降雨予報技術について今後技術を蓄積いたしまして、実際にこういった予備放流にまで操作が及ぶような制度にいたしたいという努力をしておるわけでございますが、しかしそれはあす、あさってというような短期間にできるものではなかなかないであろうというふうに考えております。
 こういうことでございますが、しかしながら全国に利水ダムは非常に多いわけでございまして、それぞれにつきましてはこの五十二条の発動も可能のあるダムがあるわけでございますので、今後私どもは先生の御指摘の意を体しまして一層努力をしてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○国務大臣(水野清君) 特に私からお答えをしておきたいのでございますが、実は衆議院でこの丸山ダムの問題で御質問がございまして、また先生からも先般来御質問の通告がございました。私も事情を知らなかったわけで、関係者を集めて、ダムの操作に万一誤りがあったのではないかという検討をいたしました。いろんな結果からダムの操作に誤りはなかったというふうに私も判断をしております。
 ただ、問題は実は意外なところに私はあったのではないかと思うのでございますが、この洪水予報の伝達について非常に時間を要している。九十一分要したと。それがどうも私には理解ができないが、ということでやったのでございますが、それは法律のとおりやっているわけであります。ただ問題は、伝達するのに電話で一々、水防法の十条によりますと、地方建設局が都道府県にまず通知をしなきゃならない。都道府県から水防管理者である市町村に伝達をする。それを一々電話でや
っていると、こういうことであります。
 それで、この丸山ダムの洪水のときも、平時美濃加茂市まで予報伝達訓練というのを盛んにやって、四回ばかりやっておったそうでありますが、平均して四十七分かかった。これは練習であります。練習でも四十七分かかるというのは今日非常に私は相当な時間だと思いますが、このときは非常に急激な出水であり、電話のふくそうなどがあって混乱したために実際には八十一分かかったと。こういう記録になっております。私は、この辺にやはりこの災害が起こった大きな原因があるんじゃないかというふうに内部で検討したわけでございます。
 そこで、これは今日のような情報化と言われるくらいな時代なのに、一々地建から都道府県に電話でかけて、それで長い文書を読んで、都道府県もそれをそのまま一字一句間違いなく市町村に伝えると。どうせ災害のときですから全員泊まっているわけではない。やはり夜なんかは全員泊まっているわけではないわけでありまして、一人の人がそれを順次やっていけば大変な時間がかかってしまうわけであります、一人じゃなかったんでしょうけれども。やはりこの間に、今日のことですから、ファクシミリみたいなものを設備するとか、そういう少し伝達の機械化みたいなことを検討してやっていく必要があるんじゃないだろうかと、そういうふうに内部で検討し、過去のいろんなことを経過を踏まえて反省しているわけでございます。
○村田秀三君 次の段階でただいまのような問題について触れようと思いましたが、大臣の方から積極的にそこまでおっしゃられるわけでありますから、余り私申し上げるつもりはありません。また別途、時間があるときに細かに触れてみたいと、こう思います。
 ただ、定めに従って間違いなくやっている、このことを私否定は今のとこうしておりません。しかし、考えてみますと、ダム管理事務所は洪水警報を出したときには建設省の管理事務所に通報する。また同時に県知事にも通報する。実際は県知事を代行する美濃加茂市の県の土木事務所だそうでありますが、それで終わっているわけですね。だから、管理事務所の職員はそれでいいんだということになるかもしれませんが、同時にまた美濃加茂市の土木事務所、これは県に属するわけですからここでいろいろ育っても仕方ありませんが、まあ県知事の方に、県に行ったでありましょう。美濃加茂市の市役所は走っていっても幾らもかからない距離にあるわけでありますから、そこを素通りしちゃっていますね、実際は。こんなばかなことがあるのかというそういう、どうして適切に対応を臨機の措置がとれなかったのかと、こういう疑念。
 だから善管注意を怠っていたと、こう私は申し上げませんが、しかしダム管理でも下流の状態は何も知らずにやっていると、こういうことであります。どういう状態かというのは全然知らない。それでは困るわけでありまして、やはりその施設なり機構というのは何のためにあるのかという、目的を完遂するためにはまさに善意以上の行動なり対応というものが必要であるわけでありますから、そう行動できるようないわゆる訓練なりあるいは方針というものを定めておかなければなるまい、こんなふうにも実は思ってまいりました。
 今、大臣から答弁がありましたからきょうはこれまでにしておきますが、いずれにいたしましてもこれなかなか重大な問題であります。単にそれは木曽川水系ばかりの問題ではございません。ということで、ひとつよくよく検討、対応をしていただきたいと思いますし、また残余の分についてはこの次の機会にでも触れさしてもらいたい、こう思います。
 きょうはこれで終わります。
○工藤万砂美君 まず、基本的な問題からお伺いするわけでございますけれども、災害復旧制度につきましては明治、大正、昭和の三代にわたりまして、その時代の情勢によって変遷を遂げてきたわけでございますけれども、とりわけ昭和二十四年のいわゆるシャウプ勧告によりまして、昭和二十五年の特例法によって十五万円以上の災害については全額国が負担をするということになったわけでございますけれども、その後、御案内のように地方行政調査委員会議というものが設置をされて、災害を受けた管理者が責任を持って負担をすべきである、しかし財政力に乏しい地方財政では全額を負担ということは無理であるから、財政力のいわゆる耐え得る限度において一部を負担をし、超過分は国が負担すべきであるという勧告が行われて現行の負担法ができたと思っておるわけでございます。
 このシャウプ勧告にいたしましてもあるいはまた地方行政調査委員会議の勧告にいたしましても、勧告のニュアンスは多少は違ってはおりますけれども、要するに地方財政に破綻を来すようなことがあってはならないと、そういうような精神から勧告をされたと思うわけでございます。
 したがいましてまず第一に、私は今般の提出をされておりまする公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法改正の趣旨というものは一体那辺にあるのかということからまずお伺いをいたしたいと思います。
○国務大臣(水野清君) 建設省といたしましては、これまで新たな行政需要に対応すべく国庫負担対象施設の追加などの検討を続けてきたところでございます。また、第二次臨時行政調査会の第三次答申において災害復旧補助金の改善に関する指摘が行われております。関係省庁間でこれを総合的な検討を行いました結果、災害復旧事業の充実強化及び災害復旧事業に関する助成事務の合理化を図るために今回負担法の一部を改正しようということでお願いを申し上げていると、こういうことでございます。
○工藤万砂美君 臨調からたまたま非常に厳しく指摘をされていることでありますけれども、簡素合理化について、今回の法律改正のほかに災害復旧制度の中でどのような施策が講ぜられておりますのか、ちょっとお伺いしたいと思います。
○政府委員(井上章平君) この負担法の一部改正によりまして、剰余金の処分にかかわる主務大臣の認可を廃止することといたしました。そのほかの簡素合理化の問題でございますが、政令に掲げる事項についても見直しを行いました結果、許認可等の事務簡素合理化として次の三点を今回行うわけでございます。
 第一点は、市町村長が国庫負担申請を行う場合に、主務大臣の承認を受けた都道府県の設計単価及び歩掛かりを用いるときは主務大臣の承認を要することといたしておりましたのを今回廃止することといたしました。第二点は、都道府県知事が市町村の災害復旧事業の成功認定を行う場合の主務大臣の承認もこれを廃止することといたしました。第三点といたしましては、机上査定及び総合単価による査定の積極的な活用を図る等の措置を講ずることといたしております。
○工藤万砂美君 査定の問題にお触れになりましたからちょっとお伺いいたしますけれども、現在の災害の査定事務の中で、いわゆる総合単価という問題を取り上げていらっしゃるわけでございますけれども、この総合単価方式というものは査定事務の簡素化を進捗する上において大きく役立っているということであろうと思いますが、ただその実態といたしまして、一律五百万円以下というような事務的な取り扱いになっておりますけれども、これは物価の値上げ等から考えてまいったり資材の値上げということを考えてまいりますと、五百万円以下では実態に合わないんじゃないかしら、せめて一千万円以下ぐらいに引き上げる必要があると思いますけれども、その点はいかがでございますか。
○政府委員(井上章平君) 災害査定に用います特定災害箇所にかかわる総合単価の適用という制度は、昭和四十九年発生災害から実施されてきたわけでございます。このとき、当初県工事は百万円以下、市町村工事五十万円以下で発足したわけでございますが、その後査定事務の簡素合理化を図り、被災施設の速やかな復旧に対処するため
に、昭和五十四年発生災害より一律五百万円以下に拡大して今日運用いたしております。しかしながら、年々激甚な災害が発生いたしますが、そのようなときにおきましては、その都度一千万円以下に拡大して運用をしてきたところでございます。
 なお、昨年五十八年は特に激甚な災害が全国的に発生いたしましたことから、その適用を一律にすべて一千万円以下に拡大いたしましたし、特に島根、長野の両県につきましては、二千万円以下に拡大して査定業務の迅速化に対処してきたところでございます。今後も、この問題につきましては地方自治体からの要望もございますので、それらを勘案の上、査定業務の一層の簡素合理化を図るべく前向きに措置してまいりたいと考えております。
○工藤万砂美君 先ほどの村田先生の御質問に対する御答弁の中から気になることがございますけれども、それは、災害復旧対象事業の拡大等によって、従来ほかの事業で行われたものが今後災害復旧事業として行われるために、ほかの治水事業などが減額されるような心配はないのかということでございますけれども、いかがでしょう。
○政府委員(井上章平君) 治水事業につきましては、戦後毎年のように激甚な災害をこうむった事態にかんがみまして、昭和三十五年に治山治水緊急措置法が制定されました。これに基づきまして治水事業五カ年計画を策定いたしまして、それにより実施いたしております。現在第六次計画を推進しておるところでございます。
 ところで、この災害復旧事業といいますのは、災害を受けた地方公共団体の財政力に適応するように国の負担を定め、災害の速やかな復旧を図って公共の福祉を確保することを目的として二十六年に制定されたわけでございまして、この負担法に基づき実施されておるわけでありまして、この両事業の性格の違いから、昭和三十五年に治山治水緊急措置法制定時に、その第二条第三項におきまして、災害復旧事業は治水事業の対象外であるという旨、明確に規定がなされたわけでございます。
 したがいまして、今般災害復旧対象事業を拡大いたしましても、これは災害復旧事業の拡充強化を目的とするものでございまして、治水事業等の推進に何ら影響を及ぼすものではないと考えておる次第でございます。また、災害復旧事業の所要額につきましても、毎年その災害の状況に応じまして、治水事業とは全く関係なく、別途予算措置がされておるところでございます。
○工藤万砂美君 そこでお伺いするわけでございますけれども、昨今の非常に厳しい財政の中で、災害復旧事業を効果的に実施いたしますためには、単に災害を受けたから原形に復するということだけではなくて、ちょっとここを手直しすればより今後の災害に対応できると、災害を防止できるというようなことが数多くあろうと思うわけでございます。したがいまして、ただ単なる原形に復するということではなくて、より現地の実情に即した改良復旧というものを推進すべきだと思いますけれども、そのために今どのような制度があり、さらにまたどの程度その改良復旧事業という問題について実施をされてきていらっしゃるのか、お伺いしたいと思います。
○政府委員(井上章平君) 激甚な災害が発生いたしまして、災害復旧事業のみでは十分な再度災害防止効果が期待できない場合におきましては、これまでも改良復旧事業を進めてきたわけでございます。
 この改良復旧事業といたしましては、災害復旧助成事業、災害関連事業、激甚災害対策特別緊急事業等がございます。最近五か年のこれらの事業の採択状況でございますが、まず災害復旧事業が二兆七千三百五億円でございました。これに対しまして災害復旧助成事業は五カ年間で三千七百四十九億円、災害関連事業が二千六百三億円、激甚災害対策特別緊急事業が三千八百四十一億円というふうになっております。さらに昭和五十九年度からは、災害復旧助成事業、関連事業の一層の推進を図るために、河川災害関連特別対策事業を新たに実施することといたしておりまして、今後とも災害の実情を勘案し、これら改良復旧事業を積極的に活用して十分な再度災害の防止に努めてまいる所存でございます。
○工藤万砂美君 そこで、極めてこれは初歩的な質問だろうと思うわけでございますけれども、国庫負担法の第二条のいわゆる定義についてお伺いしたいと思うんですが、「この法律において「災害」とは、暴風、こう水、高潮、地震その他の異常な天然現象に因り生ずる災害をいう。」と、こうなっております。たまたま、先般の四月十四日でございましたか、北海道でも実は竜巻がございまして、一人が死亡し一人が大けがをすると、こういう事故等がございましたが、竜巻も時々発生をするという日本の国の状態でございまするし、さらにまた落雷等の原因によって大火災が発生したと、こういうような場合、いわゆる竜巻と落雷による大火災というものについては、これは災害としてお認めになりますか。
○政府委員(井上章平君) 負担法上の災害は同法第二条第一項におきまして「暴風、こう水、高潮、地震その他の異常な天然現象に因り生ずる災害をいう。」と規定されております。竜巻は暴風と同じように風害の一種でございますし、また落雷も異常な天然現象として取り扱ってきておるところでございます。したがいまして、これらが原因で公共土木施設が被災した場合はこの負担法の対象となる災害であるというふうに私ども理解しております。
○工藤万砂美君 では、ちょっとついでにお伺いさしていただきますけれども、地盤沈下による被害ですね、例えば地下水をくみ上げ過ぎて地盤が沈下をしたとか、それから地下のいわゆる鉱物資源の採掘によって地盤沈下による被害が起きた、こんなような場合は一体どういうお扱いをしていただくのでありましょうか。
○政府委員(井上章平君) 地盤沈下につきましてはこの負担法の対象とはなっていないわけでございます。
○工藤万砂美君 そうですか。それでは地盤沈下じゃなくて地盤隆起の場合はどうですか。例えば、先ほど村田先生からいろんなスパイクタイヤの問題の公害についてのお話がございましたけれども、私ども北海道は寒冷地でございますから、非常に地盤が隆起するんですね。それによって道路の舗装が壊れてしまって、これは施工そのものにも問題があるかもしれませんけれども、しかし実態としてはもう十センチぐらいは大抵隆起するわけでございますけれども、そういう場合はこれお扱いいただけるんでしょうかね。異常な寒気の場合ですけれども、間々にしてそういうことがあるんですよ。
○政府委員(井上章平君) まず、異常低温による凍害につきましては異常な天然現象に入ると思います。
 それから地盤隆起でございますが、地震によるものあるいは噴火によるものは当然異常な天然現象に入ると思います。
○工藤万砂美君 そうすると今のは、道路の隆起等による舗装の破壊というものについては入らないということで、そういう判断でございますか。
○政府委員(井上章平君) 異常低温に伴ういわゆる凍上による道路の破壊でございますか。
○工藤万砂美君 ええ。
○政府委員(井上章平君) これは異常な天然現象という認定がされると思います。
○工藤万砂美君 ありがとうございました。北海道にとっては大変ありがたいことです。
 そこで、治水問題についてちょっとお伺いするわけでございますけれども、治水事業の促進というものは災害発生を未然に防止するということで、一番大事なのはその事業でございますけれども、ただ私は、工事の発注施行等に当たってはやっぱり施行地域の地元業者の参加というものをぜひ配慮すべきだと思うわけでございます。
 例えば一例を挙げますと、五十六年の大水害のときでございましたけれども、築堤の工事をやっ
ておりました。たまたま九九・九%完成をいたしましてあと〇・一%ぐらい、二十メーターぐらいの間つなげばいいというところなんですけれども、そこを実は機材置き場にしておったんですね。そこで、水がだんだん上がってくる、これは大変だということで、その業者に連絡をいたしまして早急にそれを復旧させて完成をさせなきゃ大変なことになってしまうということでございましたけれども、たまたまそれが、北海道のこれは事故でございましたけれども、本州の業者の契約でございました。
 地元の業者とのつながりというものは全くなく施工しておりましたために連絡のしようがないということでございまして、私もその現場に立ち会っていたわけでございますから実態をよく知っておりますが、私自身も土のう積みをやったりなんか手伝いましていろいろやりましたけれども、五時間ぐらいの時間があったわけですから、もしもこの場合、地元の業者がその事業をやっておられたという場合には即座に来て緊急対策がとり得たと、そういうふうに思うんですけれども、たまたま間に合いませんでとうとうそこから溢水をして、溢水のついでに堤防も破壊をされて、その付近の五百ヘクタールぐらいの水田畑作が被害を受けた、こういう実は実態があるわけでございます。
 そういう意味から考えますと、やはり築堤という事業については何も遠方の地域からの業者でなきゃできないということではございませんで、これはできればひとつそういう緊急事態の発生等も考え合わせながら、その施行地域の地元の業者とJVを組むかあるいは直接御発注いただくか、あるいは下請に使っていただくかといったような私は指導があってしかるべきだと思うんですけれども、この点はいかがなものでございましょうかね。
○政府委員(豊蔵一君) ただいま御指摘の点につきましては、建設省の直轄工事につきましては業者の指名につきまして要領を定めてございますが、その中で当該工事に対する業者の地理的条件を十分勘案して選定するよう定めております。
 そういったようなところから、個々の具体のケースによりますが、その工事の状況によりまして地元の中小企業に発注できるような道も講じておるところでございますし、また私ども一般的な指導といたしましては、中小建設業者の受注機会が確保できるように発注標準の遵守、特にこの発注標準につきましては、先生も御案内のように、私どもの発注工事を契約予定金額によりまして幾つかのランクに区分いたしまして、そのランクに応じた施工能力を持っております業者を格付をするということによりまして、大きな仕事は大企業に、また中小企業の方々が仕事ができる程度の工事規模のものはそのような中小企業の方々に行けるように区分してございますが、これらの発注標準を遵守する、それからできる限り分轄発注を推進する、また今御指摘ありましたように共同請負制度の活用、こういったようなことを基本にいたしまして指導しております。
 例えば、五十九年度の予算が成立いたしまして本日の閣議で本年度の施行の体制等も決まりましたので、近く事務次官名で各地方支分部局に通達を出したいと思っておりますが、そういう中におきましても今申しましたような基本的なことを通達に盛り込むつもりでございます。また、災害のような非常に緊急を要しますような場合には、随意契約によりましてその緊急事態に対応する道も開いてございますので、これらを総合的に運用して遺憾なきを期したいと思っております。
○工藤万砂美君 地理的条件を考えてくださるとか、できるだけ分轄発注していただくとかいうことについての御配慮をいただくということでございますからそれは大変ありがたいことでございますけれども、たまたま継続事業ということでやる場合、間々にしてはるか遠隔の地から、事業をやりながら、その地元に来ますと地元の業者を利用するということにはならないケースが非常に多うございまして、そういう場合でもできればひとつ地元の業界を活用していただくと、そして万が一の場合でも緊急対策がとられるということについての御指導をさらにひとつ強めていただきたいと思うわけでございます。
 そこでお伺いいたしますけれども、災害復旧事業の進度についてですが、この問題については、直轄災害は二年間で復旧をする、五〇%、五〇%、それから補助災害は初年度が三〇%、二年度が五〇%、三年度が二〇%、三年の復旧制度というものが定着をしてきておりますけれども、しかし実態として、被害を受けた地域の住民にいたしますと、もっと力を入れて復旧してほしいなと。しかも三年間の間にまた二次災害が起きないとも限らないということから考えますと、できる限り早く復旧をしていただくということがよりベターであると思うわけでございます。したがいまして、三、五、二の比率というものをさらに五、三、二にしていただくということにならないものか、あるいはまた今日までの災害の実態、復旧作業としては大体どの程度のいわゆるパーセントで復旧をしてきておられるか、お伺いしたいと思います。
○政府委員(井上章平君) 補助災害につきましては、従来、進度を先生御指摘のように三、五、二としてきたわけでございますが、これは昭和二十五年十月、地方行政調査委員会議から国会及び政府に対してなされた勧告を踏まえまして、昭和四十七年度以降措置してきたものでございまして、今日まで制度としても定着してまいってきておるわけでございます。
 二次災害の防止の観点につきましても、初年度にそういった観点から事業を採択するというような形で行ってきたわけでございますが、しかしながら、近年は連年にわたりまして激甚な災害が発生していることにかんがみまして、初年度の復旧進度を六〇%から七五%、二年度員の累計進度を八五%とする予算措置を続けて講じてまいってきておるところでございます。民生安定を図るため、災害の早期復旧に対しましては今後とも努力してまいりたいと考えております。
○工藤万砂美君 そこで、ローカル的な御質問で恐縮でございますけれども、北海道というところは非常に災害の多発地帯でございまして、北海道ではなくて厄介道だなんというようなことも出ているぐらいの最近でございますけれども、たまたま五十年以降の災害というものを見てまいりますと、昭和五十年には豪雪それから集中豪雨で千四百三億円という被害が出ております。五十一年が集中豪雨で七十六億円、五十二年が有珠山の爆発で三百十六億円、五十三年が有珠山の泥流の被害で百四十四億円、五十四年が台風二十号の被害でもって二百八十四億円、それから五十五年は北海道の大冷害で、冷災害ですが八百六十三億円、それから五十六年が大水害で、これは北海道始まって以来の災害でございまして四千七百六十八億円、それから五十七年には浦河沖地震が百三億円、五十八年は冷災害で千五百三十一億円。
 このほかに御案内のような大韓航空機問題なんというのがございまして、この問題で漁民が出漁ができなかったとか、あるいはまた沿岸一帯にその遺体が散らばって流れてきたということでございまして、地方自治体が大変これに対しては積極果敢に取り組んでいただいて、また莫大な経費もかかったということでございます。この大韓航空機に関する問題等については、各自治体が特交などで御措置をいただいたということのようでございますけれども、いずれにいたしましてもそのような非常に災害の多い土地柄でございます。
 わけても私申し上げたいことは、石狩川の水系治水工事実施計画というものが昭和四十年に策定をされたわけでございます。その後、御承知のように、昭和五十年の大洪水で一部手直しがなされたということではございますけれども、五十六年の大水害によってまたさらに治水計画というものを根本的にやっぱり見直すべきであるという声が非常に大きく出ておるわけでございます。
 特に、その中で石狩川の水量というものを分岐いたしまして、御承知のような千歳川を太平洋側に流すいわゆる太平洋放水路事業というものを、
実は北海道議会でありますとか関係の市町村議会でも非常に熱心にお訴えをいただいておるわけでございまして、もう私はそろそろ建設省でもこの問題を取り上げていただいて、ぜひひとつ調査費もつけていただきたいし、この工事の実施についての促進を賜りたいと思うわけでございますけれども、この太平洋放水路の実施という問題についてどのように取り組んでいらっしゃるのか、あるいはまたどのように考えていらっしゃるのか、この辺についてお伺いしたいと思います。
○政府委員(井上章平君) 先生御指摘のように、北海道は相次いで大きな水害に見舞われております。昭和五十六年は規模最大でございまして、それまでも三十七年、五十年と大きな災害があったわけでございますが、この五十六年の大災害を契機にいたしまして、五十七年三月に石狩川水系工事基本計画の改定をいたしました。これによりまして、先生がお話にございました千歳川放水路計画もこの治水計画の中で確定したわけでございます。
 この千歳川放水路は、千歳川の洪水を分水いたしまして太平洋側へ放流しようという壮大な計画でございます。これによりまして千歳川及び石狩川下流部の治水対策を抜本的に行おうという非常に重要な位置づけにある計画でございますところから、工事実施基本計画改定後直ちに昭和五十七年度から細部計画策定のための調査検討に入ったわけでございます。五十八年度には学識経験者を加えましてさまざまな工法、ルートの比較検討等を行ってきております。
 この放水路は、千歳川上流から安平川を合わせまして太平洋へ放流するものでございまして、実施に向けましては、既存の土地利用や他事業計画等との調整、周辺環境に与える影響等多くの検討を要するものと思っております。今後早期に計画を策定いたしますとともに、他事業との調整、周辺環境調査等を積極的に実施いたしまして、地元関係者の協力を得ながら着工に向けて努力してまいりたいと思っております。
○工藤万砂美君 大変これはありがたい話なんでございますけれども、着工に向けて努力をするということでございますが、その計画は大体いつごろまでに仕上げて、いつごろから実施ができるということになりましょうか。
○政府委員(井上章平君) これほどの大事業でございますので、なお数年の調査期間は必要だと思っております。
○工藤万砂美君 わかりました。
 問題をかえさしていただきますけれども、ヒューマンロード宣言というものを御存じだと思うわけでございますが、これは民間で組織された人間道路会議というものに大臣初め関係者の方が御出席をなさったということを伺っておるわけでございますけれども、この会議の内容というものはそもそもどういうものであるか、お伺いしたいのです。
○政府委員(沓掛哲男君) 最初に人間道路会議がどういうものかを御説明さしていただきたいと思います。
 人間道路会議は、昭和五十五年六月に学識経験者や文化人などをメンバーとして設立された団体で、会長は東京大学名誉教授高山英華先生であります。その設立趣旨によりますと、同会議は、ヒューマンロードを理念とし、道に関する論議を広げ、人、道、車の調和を目指した道づくりを研究し、広く社会に訴えていくことを目的として活動するとされております。このような活動の一環として、先般、電線の地中化の早期実現を求めるという提言を建設大臣に行われたところでございます。
○工藤万砂美君 私どもも常日ごろ考えることでございますけれども、この会議の中で提言をされておりまする一部で、災害防止のためにいわゆる電線の地中化ということが言われておるわけでございますが、確かに欧米に比較いたしまして電柱や電線が地表に林立をして、いわゆる日本の、経済大国のけもの道だなんというふうに言われているそうでございますけれども、それにいたしましても、そういうふうにからかわれても仕方がないことだなと思うぐらいに林立をいたしております。
 しかし、現実の問題といたしましては、豪雪による電柱の倒壊でありますとか、電線の切断あるいは落雷による被害が出て自然災害の要因ともなっていることは事実でありまするし、電線の地下埋設ということが文化国家のバロメーターであるともいえると思うわけでございまして、将来電線による災害防止上の問題点も大いにひとつ検討すべきだと思いまするし、今後の電線の地中化という問題についての考え方と、さらにまた、これはまず地中化を法制化する考え方があるのかどうかということについての御存念を伺いたいと思います。
○政府委員(沓掛哲男君) 道路上の電線類は、都市防災、都市景観の観点から好ましいものではありません。また、これらの支持柱としての電柱は、歩行者、車いす等の通行に支障を与えるほか、特に雪国におきましては、先生今お話のありましたように、電線着氷または着雪を原因とする停電事故や電線の垂れ下がりによる感電事故のおそれ、さらには除雪作業に困難性をもたらすというようなこともございます。特に最近、都市の中高層ビルにおきましては、火災時の消火救助活動上の支障を来すとして、消防関係機関からも地中化に対する強い要請を受けているところであります。
 我が国における配電線等の地中化の現状は、東京、大阪では二〇%を超えているものの、神戸、京都、名古屋等の主要都市でも六、七%程度、全国平均では二・二%程度であり、諸外国の都市、パリとかロンドン、ボンでは一〇〇%、ベルリン、ハンブルク等で九五%以上といった状態と比べて格段の開きがございます。建設省といたしましては、今後新たな占用が予想されるCATV等も含め電線類の地中化を積極的に推進していくべきものと考えておりますが、そのために、従来から実施しております共同溝の整備を一層推進してまいりたい。そのほか、ケーブル類のみを収容するいわゆるケーブルボックスにつきまして、現在中央区日本橋において試験施工を行っているところであります。
 今後とも電柱管理者に対し地中化の指導を行っていくこととしておりますが、地中化には相当の経費も要することもあり、本年二月八日に発足いたしました建設大臣の私的懇談会でありますロードスペース懇談会におきましても電線の地中化方策について御議論をお願いしており、ただいまの御意見をも踏まえ地中化の具体的方策を検討してまいりたいと考えております。
○工藤万砂美君 法制化の問題。
○政府委員(沓掛哲男君) 今申し上げましたような諸検討を踏まえて、今後どうするかという中で検討していきたいというふうに考えております。
○工藤万砂美君 大変適切な御答弁をずうっといただいてまいったわけでございますけれども、最後に一つお伺いいたしますけれども、今回の負担法の改正は国の災害対策の取り組み方についての一つの前進であるということは私ども認めるわけでございますけれども、建設省の災害対策、なかんずく全国的な治水対策について、今後の進め方あるいは取り組み方についての御所信をひとつお伺いしたいと思います。
○国務大臣(水野清君) 我が国は、自然的な条件は御承知のとおり非常に災害が起こりやすい地形になっておりますが、毎年災害によって多くの生命、財産が失われております。国土を保全し、国民の生命、財産を災害から守ることは国の基本的な責務であるというふうに認識をしております。建設省としましては、公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法に基づきまして、災害の速やかな復旧を図るための災害復旧事業、再度災害を防止するための改良復旧事業などを推進するなど、災害対策に努力をしているところでございます。
 今回の負担法の改正によりまして、対象施設の拡大などにより、国の災害対策は一層前進するものと確信をしております。しかし、災害を未然に
防止することもさらに重要でございまして、このためには計画的な治水施設の整備を進める必要があり、第六次治水事業五カ年計画などの強力な推進に努める所存でございます。また、治水事業の推進とあわせて、洪水、土砂災害に対する予測技術、警戒避難体制の整備等総合的な治水対策もあわせて推進する所存でございます。
○工藤万砂美君 ありがとうございました。終わります。
○委員長(青木薪次君) 午後一時二十五分に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時二十五分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時二十八分開会
○委員長(青木薪次君) ただいまから建設委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 質疑を続けます。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○馬場富君 今回の法案の審議に入る前に、関連した問題としてお伺いいたしたいと思います。
 まず最初に、大東水害訴訟の判決について、この判決の要旨を建設省はどのように受けとめてみえるか、お尋ねいたします。
○政府委員(井上章平君) 去る一月二十六日に大東水害訴訟につきまして最高裁の判決があったわけでございますが、この判決につきましては、まず第一点は、河川は道路と異なり、本来自然発生的な公共用物であり、もともと洪水等の危険性を内包しているということ。二番目に、治水事業を実施するには財政的、技術的あるいは社会的といった諸制約が存するということ。三番目といたしまして、一時閉鎖等の簡易な回避措置がとれないといった河川管理の特質があるということを認めまして、未改修河川の安全性としては、河川の改修の過程に対応する過渡的な安全性で足りると判示しており、河川管理の特質について十分理解された判決であるというふうに私どもは理解いたしております。
○馬場富君 今回の判決では、河川管理の特殊性とかあるいは財政上の制約を認めたという形にはなっておりますけれども、河川管理の瑕疵の責任がないというわけではないと思うのです。これは瑕疵の責任というのはあくまでもあるという前提に立っての、判決文の内容を見ましてもそういうように言われておりますが、やはり今後の治水行政がこれで怠ってよいというわけにとられるとこれは大変な問題になるわけですが、国民の貴重なる生命、財産を守るためにやはり万全を期すべきであると、こう考えますが、この点いかがでございましょうか。
○政府委員(井上章平君) 先生御指摘のように、この判決はいかなる場合も河川管理の責任あるいは瑕疵が存在しないということではございません。河川管理の本質及び治水事業を進めていく上での諸制約の存在を認めたということでございます。したがいまして、治水事業の現状を無原則に追認したものでもないというふうに私どもは厳しく受けとめておるわけでございます。したがいまして、今後とも水害から住民の生命、財産を守るため、財政再建の厳しい状況の中ではございますが、治水事業の推進に最大限の努力をしてまいることは当然のことと思っております。
○馬場富君 特に、この訴訟問題につきましては、多摩川の問題だとかあるいは長良川の問題等もまだ残されておりますし、そういう点についてはかなり河川管理の運用について瑕疵が存在すると思われるような件も私どもの調査の中ではあるわけでございますので、慎重にひとつお願いしたいと思いますが、この点どうでしょう。
○政府委員(井上章平君) 現在係争中の河川はまだ数多くあるわけでございますので、これらにつきましても、ただいま先生が御指摘いただきました趣旨に沿いまして努力をいたしたいと思っております。
○馬場富君 次に、災害が起きてからの復旧ということよりも、私は災害が起きる前の対策が必要ではないかと、こういう実は考え方を強く持っております。そのためには、日ごろから公共土木施設の整備がやはり災害復旧に先立って極めて私は重要な問題となってくると思います。
 そこで、緊急な治水対策を必要とするケースは全国的には幾つも実はあるわけでございますけれども、私がよく知っております中部地域のこれから申し上げます三点についてお尋ねをいたします。
 その一点は、二百七十四平方キロメートルに及ぶ我が国最大のゼロメートル地帯とその周辺の低平地を持つ濃尾平野は、昭和三十四年に御存じのように伊勢湾台風による大災害が起こりました。続きまして、昭和四十九年には集中豪雨により災害が起こりました。それからまた、五十一年の十七号台風におきましての災害もありました。このように頻繁として起こりました。
 その上に、この地域には御存じのように地盤沈下という実はひどい状況が発生しておりまして、治水上の安全性が非常に低く、住民は大変不安におびえておるわけでございます。そのための風水害やあるいは高潮、地盤沈下対策に対する監視と対策が重要であると私どもは常日ごろ思っておるわけでございますが、その防災対策がどのようになされておるか、ひとつ概括で結構でございますから御説明を願いたいと思います。
○政府委員(井上章平君) 御指摘の濃尾平野における治水対策でございますが、これにつきましては大きく言って三点に分かれるであろうと考えます。
 まず第一点は、濃尾平野の海に面したいわゆる海岸に対する事業でございますが、これにつきましては、建設省の所管いたしております海岸保全区域は、弥富町、飛島村及び名古屋市の港区南陽海岸にわたる約九・五キロでございます。これにつきましては、南陽海岸については大体計画堤防高が確保されております。それから弥富海岸につきましては、これは現在堤防が一メーター程度沈下いたしておりますが、前面の鍋田干拓地におきまして農水省が所管しております海岸堤防が概成いたしておりますので、海岸保全上特に問題ないと考えております。残る飛島海岸につきましては、およそ五十センチから一メーター三十センチという地盤沈下が生じておりまして、大半の地区においていまだ計画堤防高に達していないという状況でございます。しかしながら、前面海域に埋立地が造成されておりますために、高波が直接来襲はしない状況であります。本海岸につきましては、さらに堤防を増強するため、高潮対策事業によりまして補強工事を進めておるところでございます。
 次に、内部河川でございますが、これにつきましては代表されるのは日光川でありますけれども、これは昭和三十四年九月二十六日の伊勢湾台風後に伊勢湾高潮対策事業を実施いたしておりまして、三十八年までに河川堤防の復旧が実施されたわけでございますが、その後日光川河口付近を中心といたしまして一メーターにも及ぶ地盤沈下が起きたわけでございます。これに対しまして、治水安全度の低下を防止するために、昭和五十年に日光川河口に百トンの排水ポンプ場の建設に着手したわけでございますが、これにつきましては昭和五十三年に完成を見たわけでございます。このポンプ設置によりまして、現状において伊勢湾台風クラスの出水に対しましては、平和町の一部の区間を除き、ほぼ対応できると考えております。したがいまして、この残る区間については、中小河川改修事業により堤防のかさ上げを鋭意実施いたしておるところでございます。
 なお、日光川流域は、市街化の進展に伴いまして内水排除ポンプが逐次整備されているところでございます。したがいまして、この整備が進みますと下流のポンプの増強が将来の課題となると考えられておるところでございます。また新川では、総合治水対策特定河川事業及び地盤沈下対策河川事業を、鍋田川及び日光川支川福田川におい
て地盤沈下対策河川事業をそれぞれ実施しておるところでございます。これらは今後の流域の市街化の動向を勘案しつつ事業の促進に努めてまいる所存でございます。
 また、直轄河川につきましても、これはやはり地盤沈下によりまして高潮堤等の補強工事の必要が出てまいっておりますが、これらにつきましては鋭意努力をいたしまして、現在まで五三%の進捗率でございますが、なお計画高潮位を下回る箇所が随所にございますので、これらにつきまして今後一層の補強工事を進めてまいる所存でございます。
○馬場富君 そこで、具体的な問題としてひとつ地盤沈下対策について質問していきますが、私はずっとこの問題については過去から取り組んでおりますけれども、地盤沈下を抑制するために地下水の揚水規制が行われております。それから合理的な使用の指導等も行われております。それから代替水の整備あるいは地下水の整備等も行われておりますし、また地下水の人工涵養等の諸対策も講ぜられておるわけでございまして、そういうものによりまして最近は多少ともやはり地盤沈下というのは鎮静化の傾向に向かってはおりますけれども、やはりいまだその地盤沈下がとまったわけじゃありませんし、ゼロメートル地帯の上になお沈下を続けておるというようなことは、これはやはり放置されるべき問題ではございません。
 そういう点については、揚水だけの問題ではなくてやはり掘削等の問題が含まれておることがかなり学者からも指摘されております。そういう点で地盤沈下の永久的停止が果たされるような引き続き積極的な対策を実施する必要が私はある、このように思います。この点につきまして政府は、今後この地盤沈下対策についての取り組み方についてひとつ具体的に御説明いただきたいと思います。
○政府委員(堀和夫君) 先生御指摘の地盤沈下防止等の対策につきましては、昭和五十六年十一月に関係閣僚会議におきまして関係省庁連絡会議及び地域部会を設置し、対策要綱を策定することが決定されました。国土庁水資源局は、この省庁連絡会議の庶務を担当さしていただいております。
 この要綱を作成する地域といたしまして、まず第一に先生御指摘の濃尾平野があるわけでございます。濃尾平野につきましては、関係省庁の御協力によりまして早急に地盤沈下防止等の対策要綱を策定いたしまして、総合的な対策を推進することといたしまして、目下関係省庁と協力してその策定作業に鋭意取り組んでいるところであります。
○馬場富君 また後で地盤対策については質問いたしますが、そのときにまた御説明いただきたいと思います。
 次に、もう一つの対策としては、ゼロメートル地帯の問題でございますが、これはやはり水害から守るという問題が一つございます。この点については、海岸の高潮対策事業とかあるいは海岸保全施設整備事業、あるいは湛水防除事業あるいは中小河川事業等の堤防のかさ上げ、あるいは排水機の問題、こういう諸対策が進められておりますけれども、その状況についてもう一遍詳しく御説明願いたいと思います。
○政府委員(井上章平君) 先ほども御説明申し上げましたが、濃尾平野のゼロメーター地帯に対する対策といたしましては、海岸事業といたしましては高潮対策事業が実施され、また河川事業といたしましては地盤沈下対策事業、あるいは中小河川改修事業が実施され、また直轄河川におきましてもそれぞれ地盤沈下対策として高潮堤の補強工事が実施されておるわけでございます。
○馬場富君 それでは、今あなたがおっしゃいましたその対策、先ほど国土庁もおっしゃった地盤沈下対策、あわせて高潮やあるいは諸対策が行われておりますけれども、それはどれだけの降雨量、あるいは高潮に対してこの地域を水害から防御できるかという、一つは基準でございますが、御説明願いたいと思います。
○政府委員(井上章平君) 計画高潮位でございますが、これにつきましては、TPで四メーター〇二センチ、波高が二メーター十センチで実施されております。また、計画降雨でございますが、現計画は明治二十九年九月の大潮と豪雨が重なったときの雨であります時間雨量三十八・九ミリを対象にいたしております。
○馬場富君 その説明でございますが、実は伊勢湾台風のときは御存じのように降雨量もす。かったが、風によるというか津波的な現象も非常に強かったという点もありまして、もうほとんどあった施設の全部総ざらえで、結局は愛知県の濃尾平野のゼロ地帯は全部水につかったというのがあのときの実情です。
 それから十九号台風のときの目比川の決壊で建設省から激甚対策の指定になったわけでございますが、あのとき私はずっと現場であの対策に当たっておったわけですが、あのときも、今あなた方の雨量や測量からいきますと、その通り起こらない場合がずいぶんあるわけです。それで、目比川の決壊というのは、結局日光川の上流でございます。そして最高の降雨量と同時に高潮が起こってきました。そして高潮の満ちるときがいわゆる日光川の津島地域ですね、津島地域。そして上流の一宮地域で降った雨が、結局最高雨量が到達する地域がちょうど同時に決壊の地域に押し寄せてきたわけです、下からと両方で。だから、ちょうど私は水面を見ておりましたが、その高潮の押し寄せるため、水は逆行して下から上へ流れました。それと同時に、結局最高の雨量を持った一宮地域の水が局時に、その同時時間にそこにあらわれてきたわけです。そして決壊の原因となったわけです。だから、あなた方の説明のような問題だけでは、私は伊勢湾台風のような問題が起こったときに、今のように完全なようなことをおっしゃいましたが、これは私は全然語にならぬと思うんです。到底守り切れないと思うんです。
 そこで、今一番考えられるのは、もう最後の決め手としてあそこで考えられるのは、もうゼロですから、しかも沈下しておるわけですから、ここであらゆる対策というのはもうどうしても効果が薄くなってきます。そういうときに、必死にあの水害から私たちは住民を守るために闘ったときに感ずるのは、やはりあなた方がこの間設置されましたあの日光川の最終地域の、この前建設委員長、この中部地域を視察に行かれた方々もみんな見られました、あの百トンのいわゆる排水ポンプが私は決定的な決め手になると思うんです。あの水の量が海にはけることによって、あの地域のゼロ地域あるいは地域沈下の水害から守る唯一のまた最高の方法であると、私はあの中で闘いながら生で感じた問題です。
 だから、愛知県におきましてもまた地域におきましても、百トンからもう百トンのやはり排出量の持てる結局排水機を備えつければ、伊勢湾台風のような場合があってでも何とか守り切れるんじゃないかという目安を立てて盛んに国にも陳情しておると聞いておりますが、やはりここらあたりは、この対策が災害が起こってからの問題でなくて、当然わかり切っておることですから、当然私はこれは取り組むべきだと思いますが、この点いかがでしょうか。
○政府委員(井上章平君) 先生が御指摘ございましたように、この地方は三十四年の伊勢湾台風によって壊滅的な被害を受けたわけでございます。それに加えましてその後地盤沈下が発生いたしまして、非常にゼロメーター地帯が現出したというような状況下にございます。したがいまして、私どもはこの二つの事情に対してこの地域の治水安全度を上げるために、先ほど来御説明申し上げましたような事業を進めてまいってきたわけでございます。
 私どもとしては、先ほど御説明いたしましたように日光川河口に五十三年に百トンのポンプが完成いたしましたので、これで相当程度強化されたというふうに踏んではおりますが、しかし上流からの、上流の中小河川改修事業も進み、またそれに対応して日光川へ排出されますポンプの増設計画もあるわけでございますので、こういう事態
を考えますと、将来はこの百トンでは到底飲み切れないということは先生のお考えのとおりでございます。したがいまして、私どもといたしましては今後これらの上流での状況を、あるいは地盤沈下の状況をよく見きわめまして、将来このポンプの増設について真剣に検討してまいる所存でございます。
○馬場富君 それで大臣に質問いたしますが、今お聞きのとおりの状況でございますが、いわゆる濃尾平野のゼロメートル地帯、これは日本の最高の面積を持っています。しかもそこに地盤沈下という特殊のものが重なっております。いわばここの地域というのは特別の私は地域だと考えます。そういう地域におきまして高潮とか風水害などから住民の不安を取り除くためにも、やはり政府も総合的な対策を考えてもらわなきゃならぬと思うんです。そういう点で、今建設省の方から御答弁がありました百トンの排水機では当然不可能ですから、百トン追加することとあわせまして、今その地域で新川等では木曽川への逆流排水等も考えられてきておりますが、やはり日光川や上流等についてもそういう対策等も考えながら、総合的にこれを一つは見詰めて対策をしてほしいと思いますが、いかがでございますか。
○国務大臣(水野清君) 濃尾平野のデルタ地帯の河川問題というのは、戦後あるいは日本の中世の歴史以来のいろんなことを聞いております。ただいま先生の御指摘の日光川の河口のポンプにつきましては、現在百トンのポンプがあるわけでございますが、とてもそれでは間に合わないというような話も聞いております。いずれこの問題については増設が必要と考えておりますが、検討をいたしていきたい、かように思っております。
○馬場富君 それから、ほかの総合対策についても、日光川以外に新川とか諸河川がございますが、そういう点についても今、具体的には新川については、上流地について木曽川への逆流排水というのを考えて、これは新規の工事ですけれども、非常に効果を上げる計画が進められておりますが、そういう各諸川についてもそういうことを考えてほしい、こう思っておりますが、いかがでございましょうか。
○政府委員(井上章平君) 日光川に限らず、新川、福田川、鍋田川、それぞれの河川につきまして、私どもは総合治水対策特定河川事業あるいは地盤沈下対策河川事業によりまして事業を進めておるわけでございますので、先生の御指摘のありましたことを踏まえまして、今後一層その改修に努力してまいりたいと思っておる次第でございます。
○馬場富君 次に二点目の問題点でございますが、今回の改正によりまして対象施設の追加となった地すべりと急傾斜地についてでございますが、今までも愛知県の東栄町あるいは鳳来町、音羽町、設楽町等の地域においては地すべりが実は起こっておりまして、そしておのおの対策が講ぜられておりますけれども、その内容と、どのような対策がなされておりますか、簡単に御説明願いたいと思います。
○政府委員(井上章平君) 現在、地すべり防止対策でございますが、東栄町で一地区、設楽町一地区、鳳来町四地区について地すべり対策事業を実施いたしております。昭和五十八年度におきましては、これらの地区に事業費七千百七十万円をもって集水井等の対策工を実施いたしました。今後もこれらの地区の対策事業の促進を図ってまいる所存でございます。
 なお、音羽町赤坂地区につきましては、昭和五十九年度に県で調査を実施する予定でございます。この調査の結果を待ちまして対策に入ってまいりたいと思っております。
○馬場富君 特にその中でも地すべりの進行の早い東栄町については、私どもの党が一昨年、この筋の権威者である名古屋大学の松沢教授とともに実態調査をいたしました。その結果、通常地すべりというのは下の岩盤と地表との間を流れる地下水による流量が多いために起こるのが主力であると考えられておるわけでございますが、東栄町の場合は、実際この松沢教授の査定の状況から聞きますと、それも影響はあるけれども、それよりもなお問題なのは、急傾斜による地層の弱いのが一つは問題だ、水そのものよりもそちらの方に大きい原因があるという実は新事実がわかったわけで、県の方にもそのことは申し入れをしておきましたが、こういうような実態調査等をやってみて私どもが感ずることは、二点をぜひ地すべりとか急傾斜の問題については行ってほしいと思うわけです。
 その一つは、各地域地域によって地すべりといっても結局原因が必ず同一ではない、違っておるという点ですね。そういう点についてやはり各地域地域の原因の根本的解明というのを徹底的に行うべきだ、そういう点では、そういう点の権威者等も交えた実態調査をぜひこれは行ってほしいと思いますが、この点いかがでしょうか。
○政府委員(井上章平君) 地すべりの対策につきましては、その地すべりの原因を究明することが何よりも対策を進める上で重要なことでございます。したがって、私どもも、地すべり防止対策としては必ずそういった手順を踏んでおるわけでございますが、特に今、東栄町の大畑地区の件につきまして、いろいろ御指摘ございましたので、そういう趣旨で今後原因究明に努力してまいりたいと思っております。
○馬場富君 もう一点は、この地すべりの性格をひとつつかんでもらって、そして効果的な防止工事の早期実施を行ってもらわにゃいかぬが、そういう点についてやはり防止工事というのは非常におくれて、進んでない。地すべりにつきましては、広い地域があるし、あるいは時間的に非常に手間もかかりますし、それから地すべりの起きておるときのタイミングでその状況を見なきゃわからないというような実は状況もございまして、やはり継続的な観測等も必要であるというような点から、予算面のことも随分考えられますが、この点について思い切った対策を進めなければ、起こってからでは遅いわけでございますが、この点いかがでしょうか。
○政府委員(井上章平君) 地すべりの原因究明がまずは先決でございますが、県でいろいろ調査をいたしておりますので、その結果を待ちまして、より効果的な防止工事に努めてまいりたいと思っております。
 なお、この事業につきましては、昭和四十六年度から継続して事業を実施してきたわけでございますが、今日までに一億九千七百二十万円投資いたしたわけでございます。主として集水ボーリング、あるいは集水井、水路工等を実施してきたわけでございますが、今後とも、先生御指摘のような意味におきまして、事業の促進を図り、また県を通じましてそういった調査観測体制を整備してまいりたいと思う次第でございます。
○馬場富君 そこで、現場ではこういう問題が一つ起こっておるわけです。被害が出ないと対策等にかかれないという疑問が一つあるわけです。それは地すべり等防止法の三条の地域指定の問題だと思いますが、この考え方について説明をいただきたいと思います。
○政府委員(井上章平君) 地すべり防止区域の指定の範囲は、現に地すべりが発生している区域または地すべりが発生するおそれの極めて大きい区域及びこれに隣接する地域のうち、地すべり区域の地すべりを助長し、もしくは誘発するおそれの極めて大きいものを含めた地域であって、公共の利害に密接な関連を有するものを地すべり防止区域として指定しておるのでございます。
○馬場富君 その地域指定がなされた範囲内であれば、多少地すべりの状況が起こってなくても、危険性があると思われた場合には対策の対象になると、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。
○政府委員(井上章平君) 先生のおっしゃるとおりでございます。
○馬場富君 もう一点は、この問題につきましては、この影響を受ける地域が宅地であったり農地であったり山林であったりというような関係で、やはりどうしてもその対策について建設省だけで
はうまくいかない場合が随分あります。やはり建設、農林、林野等にわたっての総合的な調整というものを行わないとこの事業はなかなか進まないと思いますが、ちょうど建設省と農水省が来てみえますので、おのおの調整策について御説明願いたいと思います。
○政府委員(井上章平君) 地すべり区域におきます山林あるいは農地との関連でございますが、これらにつきましてはその箇所ごとに農水省と調整を図りつつ事業を進めておるところでございます。
○馬場富君 次は、三点目は地震対策についてお伺いいたしますが、先般も東日本で大きな地震が起こりました。特に東海大地震については、各省にわたり予知並びに防災対策等もかなりのスピードで進められておるようでございますが、これは大変結構であると思います。だが、東海地震の発生の原因については、その真因はプレート説にあるということが学者間でも言われておりますが、これに対して、やはり決定的な原因については専門学者の中でもかなりの疑義があることを私は聞いております。この点について、気象庁はこの東海大地震の原因のプレート説について決定的であるかどうかというところについての一つは説明をお願いしたいと思います。
○説明員(山川宜男君) 御説明申し上げます。
 東海地震の原因がプレート説であるということにつきまして疑義が出ているという先生の御質問でございますけれども、現在地震予知連絡会あるいはその他地震学会等でプレート説が東海地震の原因ではないという考え方は、私どもの承知しております限り一つも出ておりません。ともかく、一年に数センチずつ沈み込んでいくプレートが、日本列島の乗っておりますアジアの方のプレートを引きずり込んでいって、それが百数十年に一度はね返ることによって海溝型の巨大地震が起こるということにつきましては、地震予知連絡会でも学会でも定説になっていると考えております。
○馬場富君 それは結局日本海溝を含めた琉球海溝にわたるそのプレート説で地震が起こり得るという決定的な一つは可能性がありますか。
○説明員(山川宜男君) 先生の御質問に関係するのではないかと思いますけれども、ともかく太平洋側の日本海溝、それから東海地震の対象になっておりますのは、駿河トラフとか南海トラフとかと申します駿河湾から東海の南の方にかけての海溝が問題になっているわけでございますけれども、それにつきまして、プレート説によりまして日本列島の方の地盤がはね返ることによる地震ということは、これはどなたも地震の専門家の間では異論のないところでございますけれども、最近、日本海の方もそういうプレートがもぐり込んでいるんじゃないかということの新しい説が出されまして、それについては学会でも議論がございますけれども、太平洋側あるいは東海地方に関する巨大地震につきましては、先ほど御説明しましたような考え方でどなたも御異論がないところと承っております。
○馬場富君 では、この議論は後に譲りまして、三月六日にも東日本を中心にマグニチュード七・九の大地震が発生いたしました。いわゆるこの種の中型というか、日本列島に常に起こり得る直下型の地震というのは随分起こっておるわけですけれども、これは新潟地震以降マグニチュード六以上のものがどれほどこの日本の列島の付近に起こったか、御説明いただきたいと思います。
○説明員(山川宜男君) 日本付近に起こります地震につきましては、マグニチュード七クラスにつきましては一年に大体一回程度、六クラスにつきましては一年に大体十回程度ということでございますので、そういう統計的な考え方からいきまして、十年間にはマグニチュード六クラスの地震は大体百を前後した数で起こっているはずでございます。
○馬場富君 今説明のように、もう昭和三十九年の新潟地震から数えまして、数え切れないほどの実は地震が日本列島を中心にして起こっております。これは今御説明のあったように、結局直下型というか日本型というか、そういう地震でございますが、これは実際にもうあす起こるかわからぬけれども、今説明のように過去の十年か十五年かの間に百件以上の件数の発生があるということは、事実今後も起こると断定して差し支えない。私はここに可能性があると思うんです。
 だから、そういう点について、実際直下型地震が起こるたびに、東海地震の予知関係はかなり一生懸命なされておりますけれども、この直下型の実際起こり得る地震について予知やそういう面については、非常にその都度新聞でもまたいろんな関係からもだめだという批判が出ているわけです。この点について、実はこれほど科学が進歩した状況でございますので、気象庁でのこの予知についての研究を御説明願いたいと思います。
○説明員(山川宜男君) ただいま先生が御指摘になりました、いわゆる内陸型の地震でございます直下型地震についての予知が現時点ではできないということにつきましては、私どもも大変残念に存じているわけでございますけれども、これは現在の世界の地震学のレベル――日本は世界の地震学の中では最先端を切っている国だと信じているわけでございますけれども、現在まだ実用的には不可能な段階でございます。
 ただ、私どもとしましては、測地学審議会の建議に沿いまして、地震予知推進本部でいろいろと御連絡をとっていただいておりますので、関係省庁それから国立大学等の大学の研究機関の御協力も得まして、できるだけ早く実用化に持っていけるように努力したいと思っておりまして、昨昭和五十八年度にも気象研究所に直下型地震の予知を担当します研究室を増設しまして、五十九年度にもそういうものを増設させていただく予定で、できるだけ頑張ってその実現に努力していきたいと思っている次第でございます。
○馬場富君 そのやはり予知の研究の見通し、経過についてはどうでしょうか。
○説明員(山川宜男君) 大変難しい御質問で、本当にお答えするのが苦しいわけでございますけれども、ともかく内陸型の地震につきましては、先ほどから先生も御指摘の海溝型の巨大地震と違いまして、その発生様式も千差万別で、まだその解明が難しいというところでございます。私どもは、そういう根本的に地震の発生様式を見きわめて、それに対する学術的な予知という立場だけでなしに、経験法則的にも何か予知の手がかりは得られないかということも含めて努力している次第でございます。
○馬場富君 この点については、地震の起こるたびにやはり対策についての取り組みが弱いんじゃないかという意見が随分出てくるわけですけれども、これについて科学技術庁と国土庁について、この問題についての見解をひとつ御説明願いたいと思います。
○説明員(大橋哲郎君) 我が国におきます地震予知観測研究の実施に当たりましては、測地学審議会が建議いたしました地震予知計画の趣旨に沿いまして、内閣総理大臣が決定いたしました防災に関する研究開発基本計画に基づきまして、内閣の中に地震予知推進本部というのが設置されております。本部長は科学技術庁長官でございますが、ここを中心といたしまして、政府関係機関それから国立大学の緊密な連携協力のもとに、地震発生機構に関する研究あるいは新しい地震の観測技術に関する研究など地震予知技術の向上を図るための観測、研究を積極的に推進しておるところでございます。
 昭和五十九年度の地震予知関係の予算は、我が国全体一これは国立関係機関それから大学も含みますけれども、全体で総額約五十六億円でございます。今後とも、関係機関の緊密な連携協力のもとに、地震予知、観測、研究の一層の推進を図ってまいる所存でございます。
○政府委員(田中暁君) 地震の予知につきましては、御承知のとおり、東海地震については実用化のめどがついておりますが、その他の地震につきましては、まだ実用化を目指した研究の途上というような段階にあるわけでございます。予知が実
用化されますと地震による被害の軽減に大きく役立つことは当然でございますので、五十八年五月の中央防災会議の決定におきましても、地震予知につきまして関係諸機関は地震予知推進本部において緊密な連絡を図りつつ、測地学審議会の建議の趣旨に沿って、地震予知の実用化のための観測、研究を一層推進するということに決められておるわけでございます。
 ただ、内陸型の地震の予知は、御指摘のとおり、まだ発生の仕組みすらはっきり解明されていないというようなこともございまして、大変むずかしいわけでございますが、我々といたしましては、予知の実用化以前の段階におきましても、発災した場合の被害をできるだけ軽減するように努力しなければならないと考えておるわけでございまして、このために、都市防災構造化対策の充実強化あるいは防災拠点の整備あるいは総合的な震災訓練の充実等々につきまして、関係省庁と緊密な連絡をとりながらこの中防会議の決定の実現に努力してまいりたいと考えておる次第でございます。
○馬場富君 ここで今回の法案の、起こってから対策を立てるよりも、やはり起こる前にもっと対策を考えてほしいということを私は中部地区の三点の問題を例に引きまして質問いたしましたが、この点につきまして、ちょうど建設大臣もいらっしゃいますので、きょうこの法案が審議されますけれども、これはやはり起こってからの対策の問題でございますが、一つは起こる前の防災対策について、この中心官庁である建設省は、今三点を私は例に引きましたが、本腰を入れて取り組むべきだと、こう考えますが、この点いかがでしょうか。
○政府委員(井上章平君) 先生が御指摘ございましたように、災害が起きてからの対策よりは、まずもって災害をあらかじめ防ぐための事業の推進が何よりも必要なことは申すまでもないところでございます。そういうところで、私どもといたしましては治水事業等こういった災害を防止するための国土保全事業に今日まで力を注いできたわけでございますが、今後とも一層努力する所存でございます。
○国務大臣(水野清君) 災害というのはどうしても起こってから大騒ぎをするわけでございますが、なるべく、今回の法律の改正もしていただきます場合でございますし、災害が起こる前に先手を打っていきたい、かように思っております。
 先般来いろいろな御指摘を受けておりますが、乏しい予算といいますか、この三、四年公共事業費が横ばいでございますが、災害関係につきましては比較的災害復旧その他でそれを補っておりますけれども、でき得ればただいま局長が申しましたように災害が起こる前に先手を打っていきたい。問題の起こりそうなところというのは大体、ただいま御指摘がありましたが、何カ所かあるわけでございますから、そういうところについては予算の配分その他も重点的に行ってやっていきたい、かように思っている次第でございます。
○馬場富君 では、次にこの負担法の中身についての質問を行います。
 まず、基本的な点についてお尋ねいたしますが、この法律の名称ですが、負担法となっておりますけれども、補助というわけではないわけですから、そういう点で補助と負担との区別について最初にお伺いいたします。
○政府委員(井上章平君) 補助金でございますが、これは一般に公共の利益を図るため特定の事業に対する助成、振興等を目的として、国または地方公共団体が当該事業を行う者に対し交付する金銭を意味するものとされております。
 一方、負担金は、国に支出責任があり国の負担においてその経費の全部または一部を支弁すべき金銭であって、法律上国において支出をすることが当然とされるものであるというふうに考えられます。
 国庫負担法は、まさにこの趣旨において、国は地方公共団体が施行する災害復旧事業に対してその事業費の一部を負担することとしているわけでございます。
○馬場富君 だから、今説明のように、負担というのは、本来その分野は地方に全部負わせるのは無理だから国が持つのが原則だということでございますが、この点をまずしっかりとひとつ頭に置いていただきまして、これからの質問に答えていただきたいと思います。
 第一点は、一般的な問題として査定手続に非常に時間がかかり過ぎるではないかという声がこの災害の手続につきましてはしばしば耳にするわけでございますが、この点についてはどのようにお考えですか。
○政府委員(井上章平君) 災害が発生した場合速やかに施設の復旧を図ることは、この負担法のそもそもの使命であろうと考えられます。したがいまして、査定の実施は地方公共団体における国庫負担額申請のための諸資料が整い次第速やかに実施いたしておるところでございます。
 さらに、この査定の実施に当たりましては、まずは事前協議の活用、これは査定前に本省と復旧工法等の協議ができる制度でございます。それから総合単価の活用、これはただいま申請額が一箇所当たり五百万円未満のものについては総合単価制度を導入いたしております。それから第三に机上査定の活用でございます。これは申請額が二百万円未満の箇所につきましては机上査定で実施いたしておるわけでございますが、これらの対応策を講じまして査定業務の簡素合理化を図り迅速に対処してきたところでございますが、今後も一層そのように努めてまいりたいと思っております。
○馬場富君 それでは具体的な改正点についての質問に入りますが、今回の改正は、対象施設の追加と、それから採択限度の引き上げ、それから一箇所工事の範囲の拡大、そして余剰金使用の際の大臣認可の廃止等大きく言って三つの意味があるわけであると思いますが、これについて以下順を追って質問いたします。
 まず第一点の対象施設の追加に関しましてですが、今回の改正で地すべり防止施設、急傾斜地崩壊防止施設、下水道の三つの施設が追加となった理由をお聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(井上章平君) この負担法は、施設の復旧の地方財政に与える影響が甚大であり、かつ施設の被災が国民経済、国民生活への影響の大きい公共土木施設を対象とするものでございます。そういう観点から今回追加したわけでございますが、地すべり防止施設、急傾斜地崩壊防止施設、下水道は、いずれも負担法制定後、この法律は昭和二十六年に制定されたわけでございますが、この制定後にその整備が各地方公共団体において格段に進み、近年その被災事例がしばしば生ずるに至っております。したがいまして、負担法による助成措置が必要になったものと判断いたしまして新たに追加したものでございます。
○馬場富君 下水道などは、現行法の制定のときから、つまり昭和三十三年に衆議院の建設委員会で附帯決議によってこのことが指摘されておるわけでございますが、附帯決議に「すみやかに」ということがなされておりますけれども、それ以後二十五年も経過しておりますし、そういう点についてやはり、こういう点の実施ということは前もって指摘されたにもかかわらず、この遵守の仕方が非常に遅いではないかという点でございますが、この点どうでしょうか。
○政府委員(井上章平君) 下水道につきましては、昭和三十三年に抜本的な法律改正がなされたわけでございます。しかしながら、この時点におきます下水道の普及率は四%足らずでございました。その後整備が進んだわけでございますが、特に財政力の比較的弱い地方都市においても下水道の普及が進行いたしました。そこで、近年しばしば被災例が出てまいりまして、例えば昭和五十七年におきまして被災額は七億円というような報告がございます。そういう事態になりましたので、地方財政に及ぼす影響が大きいというふうに判断いたしまして、このたび負担法に追加したわけでございます。
○馬場富君 法改正の過程で、この地すべりや急傾斜地、下水道のほかに検討の対象となったものがあるかどうか、お聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(井上章平君) 先ほど申し上げましたように、この負担法は、やはりその施設の復旧が地方財政に与える影響が甚大であり、かつ施設の被災が国民経済、国民生活への影響が大きい公共土木施設を対象とするという考え方がございます。地すべり防止施設、急傾斜地崩壊防止施設、下水道は、いずれもそういった観点からこのたび対象にいたしたわけでございます。
 しかし、なおそのほかにも都市公園、これは例でございますが、あるいは上水道、簡易水道といったものが考えられるわけでございますが、これにつきましてはいろいろ今回の法改正に当たりまして議論があったわけでありますけれども、例えば都市公園について見ますと、これは修景施設あるいは休養施設、遊戯施設等各種の施設から構成されておるわけでございますが、近年これらの施設のうち運動施設、教養施設、休養施設等の比重の大きい公園が増加する傾向にございます。これらの施設はいわゆるここで言う公共土木施設とは言いがたいものが多いわけでございまして、今後もこのような傾向が続くことが予想されることから、都市公園を国庫負担法の対象としていくことは適当でないというふうに考えたわけでございます。
 なお、都市公園の災害復旧につきましては、現行の都市災害復旧事業によって今後も対処していく所存でございます。また、上水道、簡易水道につきましても、これは広い意味での公共土木施設の範疇に入るわけでございますが、これにつきましては厚生省所管の施設でありまして、これらの施設を負担法の対象にすべきかどうかにつきましては厚生省の判断に基づいたわけでございます。
○馬場富君 それじゃ、ちょうど厚生省に来ていただいておりますので、この上水道、簡易水道についてはどうかという点、特に本年三月二十六日に出されました生活環境審議会の水道部会の答申との関係はどうかという点を御説明願いたいと思います。
○説明員(森下忠幸君) 御説明申し上げます。
 水道事業は本来独立採算を原則ということで運営されておりますので、水道にかかわります災害復旧費についてこれを国庫補助とすることについては、法律の対象として明らかにされていなかったというふうに考えております。それで私どもは、しかし水道施設、これは非常に住民の日常生活に密着した施設でございますので、その災害復旧というのは緊急性が高いということで、従来から予算措置ということで災害復旧に対しましては国庫補助をもちろんやってきたわけでございます。この補助も、一般の施設の整備に対します補助よりも高率の補助ということで、予算措置で対応してまいったわけでございます。
 今般三月の二十六日に、厚生大臣の諮問機関でございます生活環境審議会から答申をいただきまして、この内容は、普及率が上がってまいりました「高普及時代を迎えた水道行政の今後の方策について」というテーマで答申をちょうだいいたしましたが、その中で、「渇水時、災害時等における給水の確保」ということで一つ項を起こしてございます。
 その内容は、地震とか豪雨等の災害に対して水道施設が十分な耐女性を確保し、万一被災をしても給水への影響を小規模な範囲にとどめること、あるいは速やかに平常給水への復旧が図られること、そのために必要な水道の基幹的な施設を丈夫にすると、耐震化すると。それから拠点の給水ができるような整備を考えると。それから水道のパイプを複合化いたしまして、それぞれが助け合うような機能を強化するべきだと。そのために国においては、それぞれの水道事業体においてどういうところが弱点があるのか、どういう点を改良しなければならぬのかということを判断できるようなガイドラインを設定し、そしてそれぞれの対策の実施のための技術指針を国でつくれと、こういうふうな御答申でございまして、この答申では水道施設を、何といいましょうか災害に強い施設をつくっていくと、こういう方向を目指すべきだというふうなことで御答申をいただいています。
 災害を万一受けましたときの復旧につきましては、当面私どもといたしましては、従来のような予算措置で災害復旧に自治体が支障のないよう努力してまいりたいと、このように考えております。
○馬場富君 次に、今度の法改正に伴って政令あるいは各省の省令で幾つか追加を予定してみえると、こういうように伺っておりますが、その辺はどうでしょうか。これは建設省と運輸省と農水省、おのおのにひとつお尋ねいたします。
○政府委員(井上章平君) 今回の法律改正に伴いまして政令、省令等を改正することといたしておりますが、その中で次の施設を追加することといたしております。同法の施行規則の中で道路附属物のうち道路情報管理施設、共同溝及び道路の防雪または防砂のための施設、さらに同法の事務取扱要綱の中で道路附属物のみの災害、この二点につきまして建設省関係といたしましては追加する予定でございます。
○説明員(高山兼寿君) 今回の法律改正に伴いまして、同法の施行令といたしまして、港湾施設のうちの廃棄物埋立護岸を追加していただくということにいたしております。
○説明員(三橋宏次君) 農水省関係につきましては地すべり防止施設のみでございます。
○馬場富君 次に、建設省に、道路附属物ののみ災についてはどのように考えてみえるか。「さく」とかそれから「駒止」とか、これは用語も随分古いまま実は残っておるわけでございますけれども、要するにガードレールや落石防止の施設なんかのことだと思いますが、これと今回加わる共同溝と道路情報管理施設、それに防雪、防砂のための施設、これらを含めて、のみ災に負担法が適用になるかどうかという問題についてひとつお伺いいたします。
○政府委員(井上章平君) 道路の附属物のみにかかわる災害、これをいわゆるのみ災と称しておりますが、これにつきましては、現在は維持工事とみなされるという考え方で国庫負担法の適用除外となっておるわけでございます。しかしながら、近年の道路交通需要の高まりによって道路附属物の果たす役割が増大し、のみ災であってもそれを放置しておいては道路交通に重大な支障を来すこと。また、道路の附属物も多様化、大型化し、施設整備数も増加してきている等によりまして、今回これらについては負担法を適用するということになるわけでございます。
○馬場富君 これ以外に、その他に検討されているものがあるかどうかということですけれども、今後されるだろうと考えられるもの等についてでも、建設あるいは農水、運輸省、そのおのおのでひとつそういう問題がございましたら説明いただきたいと思います。
○政府委員(井上章平君) 今回必要とされるものにつきましてはすべて拾い出しまして、負担法改正に伴い適用範囲を拡大したつもりでございますが、なお今後検討を要すべき問題としては二、三ございまして、例えば道路標識あるいは駐車場等がございます。これらにつきましては、今回は適用に至りませんが、なおよく検討課題として検討してまいりたいと思っております。
○説明員(三橋宏次君) 農林水産省関係につきましては現在追加すべき施設はないというふうに考えております。
○説明員(高山兼寿君) 現在のところ、追加していただくものはございません。
○馬場富君 それでは、今回の対象施設の追加でどの程度事業量、事業費の増加を見込んでおられるか、その点を御説明願いたいと思います。
○政府委員(井上章平君) 国庫負担対象施設の拡大等に伴います事業費の増加見込み額は次のとおりでございます。
 まず、法律改正関係ではおよそ十九億円、それから政令改正関係、これは運輸省の廃棄物埋立護
岸のみでございますが約一億円、それから省令等の改正関係では、これは道路附属物でございますが約十六億円でございます。
○馬場富君 そうしますと、それは今の法律、政令、省令で全部合計いたしますと三十六億ということでございますか。
○政府委員(井上章平君) そのとおりでございます。
○馬場富君 では、第二点の改正点について質問いたします。
 採択限度額の引き上げですが、今回引き上げることになった理由と、そして六十万それから三十万になった具体的な金額の理由をお聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(井上章平君) 国庫負担の対象となります最低限度額は、昭和二十七年以来現行のまま据え置かれてきたところでございます。今回の法改正では、経済情勢の変化、それから臨調答申において指摘された最低額の見直しを受けまして引き上げを行うこととしたものでございます。昭和二十七年から現在までの物価上昇を見ますと、大体六倍から七倍になっております。しかしながら、最低額というものが長年据え置かれまして関係者間に定着しているということ等から、物価上昇率をそのまま合わせた率での引き上げは少なからず影響を与えるおそれがあるということを考えまして、地方公共団体等の負担能力を勘案し、これを三倍から四倍の引き上げにとどめたわけでございます。
 なお、一箇所工事の範囲が別途拡大されますので、これら今引き上げたもののうちおよそ二〇%につきましては、この一箇所工事の範囲の拡大によって新たに国庫負担の対象となると見込まれるわけでございますので、全体として大きな影響はないものと考えておる次第でございます。
○馬場富君 今回の引き上げによって負担法の適用外となる事業がどの程度あると見込まれておられるか、お伺いしたいと思います。それは建設省そして農水省、運輸省、ともどもにひとつ御答弁願いたいと思います。
○政府委員(井上章平君) 採択限度額の引き上げによりまして負担法の対象外となる災害復旧事業費の見込みでございますが、私ども昭和五十三年災から五十七年災までの五カ年間平均で見た場合、建設省所管事業で、都道府県工事二十三億円、市町村工事六億円、合計二十九億円でございます。この比率は、都道府県工事、市町村工事とも五カ年平均の事業費で見ますと一%以下ということになっております。
○説明員(高山兼寿君) 昭和五十三年から五十七年の五カ年平均で見まして、県工事、市町村工事全体で約八百万円が適用外となるというふうに推定いたしております。
○説明員(三橋宏次君) 農林水産省関係につきましては、構造改善関係で百七十万円、林野庁関係でおよそ百六十万円、水産庁で六百九十万円というような、合計で約一千万円程度の限度額の引き上げによる減が予想されまして、影響としては非常に少ないというふうに考えております。
○馬場富君 その三省を合計しますと約二十九億強になるわけでございますが、それではここで自治省にお尋ねいたしますが、自治省としては今回の採択限度額の改正によって地方自治体の負担がどの程度大きくなると見込んでおられるか。もしわかりましたならば都道府県と市町村別についてそれぞれお尋ねいたします。
○説明員(二橋正弘君) 今回の改正によります限度額の引き上げによる地方負担の増でございますが、事業費ベースにつきましては、過去の実績から計算をいたしますと、ただいま三省庁から御報告のあったとおりになると思っております。そのうち地方負担になりますのは、従来国庫の金額、つまり国庫負担率の金額が新たに地方負担になるわけでございますが、これは各年度非常に推計がまちまちでございますが、概略で言いますと、大体国庫負担の率が七割でございますから、現在の二十九億何がしかの金額の七〇%程度が新たに国庫から地方負担に変わるものというふうに考えております。
○馬場富君 では、都道府県と市町村合わせて、その七割というのは幾らの額だと見込んでいますか。
○説明員(二橋正弘君) 推計でございますが、先ほどの数字からいきますと約二十億程度ということになろうかと思います。
○馬場富君 引き続いて自治省にお尋ねいたしますが、現在いわゆる単独災ですね、あるいは公共事業、公共土木施設ですが、この単独災の災害復旧事業の事業費については地方債あるいは交付税等でどのような手当てがなされておるかお伺いいたします。
○説明員(二橋正弘君) 単独災の復旧債につきましては、その地方債の元利償還金の二八・五%から財政力に応じまして最高五七%までが交付税による元利償還の対象となっております。
○馬場富君 それでは、今回の引き上げによって単独事業となったものについては、当然その分地方自治体の負担が一挙にふえるわけでございますが、この辺についてはどのような配慮をされるつもりですか。自治省、御答弁願いたいと思います。
○説明員(二橋正弘君) 今回の改正に伴いまして限度額の引き上げに係るものにつきましては、御指摘のように地方財政の負担が増加となるわけでございますが、他方で、先ほど来御質疑がございますように、今回の改正で新たに対象施設の拡大が図られております。また、一箇所工事の範囲の拡大ということが図られておりまして、これが地方財政の負担の軽減になるわけでございます。そういうことから、全体として今回の基準の改定によりまして地方財政に与える影響は小さいものというふうに考えております。
○馬場富君 行革等でかなり総体的に地方自治へのしわ寄せが強く行われておるわけでございますが、そういう点につきまして今数字が出ましたが、少額といってもかなりの額がやはり地方負担になってくるわけでございます。どうかそういう点につきまして、地方公共団体としての過重なやはり負担というのはぜひこれは避けてほしいと思いますし、この点についても万全の配慮をぜひしてほしいと思いますが、大臣のこの点についての御見解をお願いしたいと思います。
○説明員(二橋正弘君) 今回の改正に伴いまして地方財政の負担の増加が生ずる面がある反面、他方で、先ほど申しましたように、財政負担の軽減が図られる面もございまして、全体としての影響は小さいというふうに考えておりますが、なお災害が具体に発生いたしました場合には、個々の団体ごとにそれぞれの財政負担の異同といいますか、そういうことが生ずることも考えられます。私どもといたしましては、その状況をよく見ながら、被災を受けました地方団体の財政運営に支障が生じないように適切に対応してまいりたいというふうに考えております。
○馬場富君 次には第三の改正点でございますが、一箇所工事の範囲の拡大の問題ついてお尋ねいたします。
 今回二十メートルを五十メートルにしようというものですが、この五十メートルという具体的な数字、これが出てきた根拠をひとつお伺いをいたしたいと思います。
○政府委員(井上章平君) 一箇所工事とみなす範囲を二十メートルから五十メートルに拡大いたしますのは、採択限度額以下の被害箇所が点々として断続する小災害について、これを救済する範囲を拡大しようとするものでございます。この負担法制定当時二十メーターといたしましたのは、当時、人力による施工が標準でございましたので、その観点から一箇所とみなす範囲を二十メートルと定めていたものでございます。その後、工事の進め方が人力から機械化施工に変わってまいりました。したがって、施工能率等との観点から一箇所とみなす範囲を五十メーターまで拡大しても十分理由が立つのではないかというような考え方で五十メーターに拡大したわけでございます。
○馬場富君 五十メーターに拡大することによっ
て毎年どの程度の事業を広げることができると見込んでおられますか。また、事業費と箇所数でこの点答弁していただきたいと思いますし、おのおの農林と運輸もあわせて御答弁願いたいと思います。
○政府委員(井上章平君) まず、建設省所管施設につきましては、昭和五十五年災から五十七年災の三カ年平均で見た場合、全体のおよそ二〇%、事業費でおよそ六億円、箇所でおよそ一千六百カ所というふうに算定されます。
○説明員(高山兼寿君) 運輸省分でございますが、五十三年から五十七年の五カ年平均で見まして、箇所数で四カ所、事業費で百五十万円程度が救済できると推定しております。
○説明員(三橋宏次君) ただいま先生の御指摘の件につきましては、一箇所の範囲を拡大してどの程度事業費がふえるかというものについて、非常に構造が違いますので算定が難しゅうございます。それで、箇所数についての明確なお答えはできませんが、農林水産省関係につきまして構造改善局、林野庁、水産庁、総合して百数十万程度ではなかろうかというふうに推察しております。
○馬場富君 そこで、今までずっと数字の点を説明していただきましたが、今回のこの法改正によって起こり得る予算的な問題を総括してみますと、対象施設拡大で十九億円ほどプラスです。それから採択限度の引き上げによって二十億円程度マイナスです。それから一箇所工事の拡大については、非常によくわかりませんけれども、そういうものを総合してみますと、こういうような実は体系が出てくるわけでございます。政令や省令でこういう追加された施設等も考えてみますと、やはり法令が持つ一つは、収支というのは何とかとんとんか、そんなような状況が実は私が今数字の中でずっと見て計算しても出てくるわけです。
 そうしますと、法改正によってやはり自治体財政にとって先ほどそう大してマイナスにならぬというようなこともおっしゃっておりましたけれども、やはりかなりそういう点についての負担も考えられると、こう思いますが、建設省はどのようにお考えですか。
○政府委員(井上章平君) 先生から今御指摘ございましたように、負担の増減を地方公共団体側から見た場合、大体とんとんでございますが、しかしながらこの負担法によって新たに追加いたしました施設は、いずれもこれから施設が増大し、またそれに伴って起債額も増大するであろうというふうに考えられます。したがいまして、そういうことから考えまして、私どもは地方負担については地方公共団体に有利な改正であろうというふうに考えておるわけでございます。
○馬場富君 次に、第四点の改正点で、剰余金使用の際の主務大臣の認可手続の廃止でございますが、その理由についてお尋ねいたしますが、特に改正後でもこれは十分チェックができるかどうかという点を質問いたします。
○政府委員(井上章平君) 廃止の理由でございますが、剰余金の処分にかかわる主務大臣の認可手続は、従来、地方公共団体におきまして相当の事務量となっていたものでございますが、現在までの負担法の運用経験、実績にかんがみまして、当該認可を廃止いたしましても剰余金の適正使用が十分に図られ得ると判断いたしましたので、事務の簡素合理化の観点から剰余金の処分に関する主務大臣の認可事務手続を廃止することといたしたわけでございます。
 チェックの方法でございますが、剰余金使用認可手続を廃止いたしましても、次のような負担法等による既存の措置及び成功認定の際の追加的な審査によりまして十分担保できるものと考えております。
 すなわち、認可を廃止いたしましても、現在行っている負担法第十条に基づく主務大臣の成功認定及び負担法施行令第七条に基づきます設計変更承認の際さらに審査を行うことによりまして使用の適正をチェックできるわけであります。
 第二に、目的外の使用があった場合におきましては、負担法第十一条に基づき負担金の返還を命ずることができるほか、適化法第十九条に基づく加算金の賦課等の措置ができるわけであります。
 第三に、剰余金の使用が許される場合については、現在の施行令第九条第一項各号に定められておりますが、この要件を明確化いたしまして厳しく限定することといたしておることでございます。
 以上によりまして十分この認可を廃止いたしましてもチェックできると私どもは考えておるわけでございます。
○馬場富君 最後に建設省に。
 先ほど私ずっと数字を聞きました理由と、それからまたその合計等もお尋ねいたしました。そういうものを考えまして、最初に負担と補助という問題を聞き、負担法とはやはり国が、災害については地方自治体でなくて、当然やはりその責任を感じなければならぬというふうな建設省は負担法だと、こうおっしゃったわけでございます。ところが、先ほどの数字等を見ましても、この本法の改正の意味する予算的効果というものを考えてみたときに、これは行革の地方への負担等もあわせて、私は当然この点が非常に実はこの法改正の心配な面だと思うのですね。
 そういう点で、やはりあくまでもこういう問題が地方の負担にならないようにぜひ行ってもらわなければならぬという点で、これは負担法という、補助法ではないわけですから、戦前この法律は補助という言葉を使ったと聞いておりますけれども、戦後は負担と変わった以上は、やはり地方に負担を少なくして解決していかなきゃならぬと、こう考えますが、建設省の考え方とあわせまして、大臣の御答弁をお願いしまして、質問を終わりたいと思います。
○政府委員(井上章平君) 先生から御指摘いただきましたように、この負担法の意味するものは、災害復旧に対し、地方の財政力に適応して国が国の責任においてその費用を負担するという立場で運用されておるものでございますので、今後この運用につきましては、十分先生のただいまの御指摘の意を体して努力してまいりたいというふうに思う次第でございます。
○国務大臣(水野清君) 法改正によりましていろいろただいま細かい御指摘をいただきましたが、運用に際しては地方自治体その他に迷惑をかけないように運用していきたい、かように思っております。
○安武洋子君 まず、法案に関連してお伺いをいたします。
 先ほどから論議をされておりますので重複を避けてお伺いをいたしますが、この法改正によりまして一部追加拡大されている面もございますが、採択限度額、この引き上げによりまして小規模なものは除外をされております。採択限度額以下のものというのは、この法では救済されないわけでございます。地方公共団体の単独事業任せになるというふうなことで、地方公共団体に予算がなければ放置をされてしまう、それが二次災害にもつながりかねない、こういうふうなことにもなろうかと思います。私はやはりそうならないように法の弾力的な運用をしていただきたい、こう思いますが、いかがでございましょうか。
○政府委員(井上章平君) 今回採択限度額の引き上げによりまして採択されないこととなる被災箇所は、例えば昭和五十二年災から昭和五十七年災までの五カ年間の平均で見ました場合、都道府県工事は五千三百九十カ所、およそ一〇・八%、これは箇所で比率を出しております。市町村工事二千八百四十五カ所、同じく五・九%、合計八千二百三十五カ所、八・四%となります。金額ではこれら総計二十九億円でございまして、およそこれは〇・七%となります。
 これらの箇所の救済措置といたしましては、一つには、この法律改正に伴いまして一箇所の工事とみなす範囲を二十メートルから五十メートルに拡大することにいたしておりますが、これによりましてそのおよそ二〇%が新たに負担法の対象となる、つまり救済できることになると思われます。また、採択限度額未満の災害復旧事業費につ
きましては、地方債の発行及びその元利償還に要する経費の一部について基準財政需要額への算入措置がとられておりまして、今回負担法の対象とならなくなる災害復旧事業についても同様の措置がとられる等でございます。
○安武洋子君 採択限度額以下のもの、これはこの法案によって救われないわけですから、それは多いとか少ないとかいうのではなくて、たとえ少なくたって、地方財政がなければこれは二次災害につながりかねないというふうなことにもなるわけですから、私が申し上げているのは、法の弾力的な運用を十分考えていただきたい、こういうことなんです。
 災害復旧と申しますのは、国民の傘とか財産とか、これを守る大切な事業です。ですから、小規模な採択限度額以下の工事につきましても、引き続き、私は自治省ともよく連携をとっていただいて、補助についても前向きに考える、そういう姿勢を打ち出していただきたい、こう思いますが、いかがでしょうか。
○政府委員(井上章平君) 先ほど申し上げましたように、小災害につきましてはできるだけそれを集めまして、一件工事としてこの負担法の対象にするように努力をいたしたいと思います。また、さらに救えないものにつきましては、これは先ほど申し上げましたように、自治省といろいろ御協議申し上げまして、その救済措置についていろいろ講じたいと思っておる次第でございます。
○安武洋子君 では、査定官についてお伺いしておきます。
 災害後に迅速適正な査定が行われまして、早期の復旧ということは、これは被災地に参りますといつでも言われることでございます。各事務所を含めまして人員の配置、この実態はどうなっておりましょうか。
○政府委員(井上章平君) 公共土木施設の災害復旧の査定業務のための査定官でございますが、現在本省の河川局防災課に十名、それから地方建設局に八名、そのほか防災課に他の職務と併任いたしております者四名、計二十二名を常置しておるわけでございます。また、査定官を補佐する検査官といたしましては、地方建設局、これは出先の事務所を含めまして地方建設局に併任者を定めまして、そのうち例えば五十八年度におきましては六百九十九名。これは実働でカウントいたしますと五百七十名でございますが、を任命いたしまして万全の体制を図ってきたところでございます。昭和五十九年度におきましても、五十八年度に続きまして万全の体制を講じてまいる所在でございます。
○安武洋子君 被災地に入ったときに本当に強い要求が出されます。早く査定をしていただかない限り現状がさわれないというふうなことで生活もできない、営業もできない、こういうことでございますので、迅速な査定を行っていただくようより一層努力をしていただきたい、こういうことを申し添えます。
 災害復旧の具体例についてお伺いをいたします。
 兵庫県の宍粟郡波賀町引原、これが山崩れをこの三月三十一日起こしております。今国道二十九号線の全面通行どめが片側通行というふうなことになっております。ここは谷のあったところでございまして、谷底にあった集落、これを移転させてダムをつくっております。道路もダムの湖面に合わせましてもとの山の中腹であったところに道路をつくり直しているというふうなことで、地質的にも大変もろいということで、しょっちゅうここは土砂崩れを起こしているところでございます。
 面とか雲とかが土砂崩れの誘因になっておりますけれども、いずれにいたしましても抜本的な防災対策を講ずべき場所でございます。十分調査をして土砂崩れの再発を防いでいただく、こういう工事が急がれておりますけれども、さらにこの道路といいますのは大変カーブが多い、湖面に沿って道路が本当に曲がりくねっております。事故防止のために湖面の上に橋を一本かけておりますけれども、あと二本の橋をかける計画があるというふうに聞いております。
 今回の事故の起こっております、この土砂崩れの起こっておりますところも橋をかける、二号橋の計画のあるところでございます。このほかにも戸倉隧道の拡幅をしなければ安全上不安であるとか、あるいは冬期の消雪装置の設備、これも安全対策上求められているというふうなことで、どちらにしてもここは工事を抜本的にやらなければいけない、安全上もその工事をしなければいけないと、こういうことになっていようかと思います。この工事の進捗状況、まずこれをお伺いいたします。
○政府委員(沓掛哲男君) 最初に、国道二十九号線の兵庫県波賀町地先において起きました融雪による大規模な斜面崩壊に対する復旧工事についてでございますが、災害が発生いたしましてから直ちに復旧作業に着手し、翌朝までに道路上に堆積した崩落土砂を取り除く作業を完了いたしました。しかし、崩落斜面が不安定で再崩落の危険性があったため、道路上に鋼製の土どめさくを設置すべく昼夜兼行で作業を行い、四月六日午後五時に一車線を確保し交通を開放いたしました。引き続き、ダム側への拡幅工事及び山側の防護さく等の復旧工事に全力を挙げ、五月中旬には二車線を確保する予定であります。
 また、先生お尋ねのこの区間はダム工事による補償工事として実施したところでございまして、沢に沿った扇形であるために災害の起こりやすい状態にあるところもございましたので、そういうところについては橋をかけることによってその対策を行っておるところでございます。既に引原三号橋は五十六年度に完成いたしております。さらに、引原二号橋につきましては、現道で今申し上げましたようなのり面崩壊が発生したこともありまして、五十九年度に橋梁工事に着手する予定であります。事業の緊急性にかんがみ、早期の完成に努めてまいりたいと考えております。
 それから兵庫県と鳥取県境にあります戸倉トンネルは、昭和二十九年に完成した延長七百四十二メートル、車道幅員五・五メートルで、一日の交通量が千二百台のトンネルであります。トンネル内の走行性の向上に資するために五十八、五十九年度に漏水防止工事を実施するとともに、五十九年度はトンネル内の視認性を向上させるための内装板の設置を予定いたしております。
 さらに、消雪装置の設置についての見通してございますが、一般国道二十九号の兵庫県波賀町地先は山岳地帯で地形が急峻であり、また中国山脈の中でも降雪量が比較的多く、冬季には交通の難所となっております。このため、従来より除雪態勢の充実を図っているところでありますが、御指摘の消雪装置の設置につきましては、除雪態勢の充実の一環として、縦断勾配が大きい区間、または平面線形が悪い区間などに五十七年度から既に設置を始めており、現在、延長千七百四十メートルが設置済みとなっております。
 今後とも、消雪装置の必要とされる箇所について、安全かつ円滑な冬季間の交通確保の観点から整備を進めてまいりたいと考えております。
○安武洋子君 一号橋の見通しが抜けておりますが、一号橋の見通し、それから五十九年度予算の配分の中身、そして今おっしゃったような工事の完成時期の見通し、これをお答えください。
○政府委員(沓掛哲男君) 引原一号橋につきましては、今後事業の着手について検討してまいりたいというふうに考えております。
 それから今申し上げました消雪パイプあるいはさらに二号橋、こういうものについてはできるだけ早く完成するよう努めてまいりたいと考えております。
○安武洋子君 予算の金額的な配分の中身はおっしゃれないわけですか。
○政府委員(沓掛哲男君) 本年度着工いたします二号橋につきましては、五十九年度で一億数千万を見込んでおりますが、これから実施計画の承認に入りますので、具体的な数値については今後実施計画の承認の段階で詰めてまいりたいというふ
うに考えておりますが、概略一億余でございます。
○安武洋子君 どちらにしても、一号橋も私はかけていただかないと仏つくって魂入れずというふうなことで――二号橋まで完成する、一号橋ができない、こういうことになりますと、何のための二号橋、三号橋かというふうなことにもなろうかと思います。この点も努力をしていただきたいということを申し添えさせていただきます。
 治水対策についてお伺いをしてまいりますが、円山川の治水対策でございます。
 円山川というのは大変水量の豊かな一級河川でございます。下流の城崎周辺というところに参りますと、道路わきまで川幅がある。そして川と道路の差がほとんどないというふうなところもございます。今までも豪雨のたびに溢水しております。円山川の治水というのは流域住民の歴史的な悲願でございます。何度か私自身も建設省に今までお願いもしてまいりましたし、私どもの地元の党議員も非常に専門的に研究をいたしまして、その治水対策を持って建設省にそれを提起してきたというふうなこともございまして、大変専門的だというふうなことで取り入れていただく。中州の掘削をするとか、あるいは流路の修正をするとかというふうなことの提起もしてきたわけでございます。
 抜本的な円山川の改修ということは、これはやらなければならないことであろうというふうに思っておりますけれども、円山川の抜本的な改修についてはいかがお考えでございましょう。そして進捗状況もお聞かせください。
○政府委員(井上章平君) 先生御指摘いただきましたように、円山川につきましては直轄河川として改修に取り組んでいるわけでございますが、計画洪水流量基準地点竜野におきまして四千五百立方メートル毎秒とする工事実施基本計画を四十一年に策定いたしました。これに基づいて、ただいま改修工事を鋭意進めておるところでございます。
 この円山川につきましては、下流の豊岡市周辺が特に低地であるということと、それからこの河川の自然的条件といたしまして、下流部に、出口が狭いといいますか、そういうことで非常に豊岡市周辺でしばしば洪水による災害を受けてきたところでございます。そういう実績に照らしまして、円山川の改修は下流部のしゅんせつ、掘削によりましてまず河積を拡大いたします。また、堤防かさ上げ補強、水床部の護岸等によりまして流下能力の増大を図っておるところでございます。
○安武洋子君 随分と遅いんですよね。なかなか工事が進まないというのは、これはまた見事なものなんです。
 円山川と円山川の支流の合流点というのは、しばしば溢水をいたしております。建設省は、今円山川の支流の六法川、ここに流入します小野川でございますね、これはショートカットするというふうな計画でございますが、この事業に関連をいたしまして、関係する自治体の合意というのはどうなっておりますでしょうか、これが第一点です。
 それから第二点として、小野川のショートカットの事業の進捗状況、これをお伺いしとうございます。
 それから第三点として、計画年次――完成予定ですね、これはいつごろでございましょうか。
 この三点をお答えください。
○政府委員(井上章平君) 六法川といいますのは、円山川の下流部で、円山川本川に合流いたします右支川でございます。この六法川流域は、豊岡市内でございますけれども、非常に低地でございまして、しかも流域面積は六十三平方キロメートルというかなり大きな河川でございます。したがって、六法川流域の雨水は下流に流れ落ちまして円山川の出口で本川水位が上昇するために、内水湛水して大きな被害を受けるというような事態でございます。
 この六法川改修の基本的な課題といたしましては、何としても山水を一たん低地に落としまして、それから何らかの形で円山川に排水するということは非常に費用もかかりますし、また困難でありますので、上流でこれを山から直接――これは支川の出石川へでございますが、排水するための放水路計画をこの六法川の抜本的な対策として計画したわけでございます。
 しかしながら、小野川放水路につきましては、行政区画が下流の受益地と異なるということもございまして、なかなか地元の御理解を得られないままに今日まで来ておるわけでございます。
 この計画そのものが立案されましたのは昭和四十五年でございますから、既に十数年を経過しておるわけでございますけれども、近年に至りまして、次第にこの放水路の目的等につきまして話し合いが持たれるようになりまして、最近に至ってようやく地元の御理解も得られつつあるという段階のように承っております。したがいまして、五十八年度まではもっぱら測量等にとどまっておったわけでございますが、五十九年度からは地元の御協力のもとに用地買収に着手できるんではないかというふうに期待をいたしておるわけでございまして、五十九年度におきまして用地費を五千万円計上するほか、国庫債務負担行為を別途計上いたしまして、積極的にこの用地買収に取り組んでまいる気構えでございます。
○安武洋子君 では、五十九年度から着工なさるということになりますと、この完成予定というのはいつごろということで見込んでいらっしゃるんでしょうか。
○政府委員(井上章平君) 物事がすべて順調にまいりますればということにもなるかと思いますが、現在の時点では、とにかく十五年経過いたしましてやっと用地買収にかかれるという段階でございますので、ちょっといつ完成するということはまだ私どもも予想がつかないわけでございます。
○安武洋子君 円山川の改修事業そのもの自体が本当に長いことかかって遅々として進まないというのが現状でございます。で、私どもも抜本的にこうすればいいのではないかという具体策まで持って円山川の交渉を今まで重ねてまいっております。ですから、私は関係する地域住民からの要求、これを十分に生かして、もう再び水害が起きないというふうなことが何より大切でございますから、このままで今の速度でいきますと幾らでも水害が起きてしまうわけです。ですから、この水害を防ぐと、そのことが緊急であると、そういうお立場に立って私は十分の対策を講じていただきたい、このことを申し上げさせていただきます。この御答弁、大臣からでもいただいて、私の質問を終わりたいと思いますが、大臣いかがでしょう。
○政府委員(井上章平君) ただいま御指摘いただいたとおりの状況でございますので、私どもといたしましても、まずは地元の御理解を得ることが第一でございます。それで、それによりまして事業を積極的に進めてまいりたい。円山川の改修が非常におくれておるということにつきましても、私ども同じ考えでございますので、何とかほかの河川に見劣りしないだけ事業を進めてまいりたいという強い熱意を持っておりますので、何とぞ御理解をいただきたいと思う次第でございます。
○上田耕一郎君 公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法の一部改正案とそれから災害問題で東京湾横断道路問題と、信濃川河川敷問題について質問したいと思います。
 国庫負担法は、法律では原形復旧が原則になっておりますが、ケースによっては改良復旧が当然という場合も生まれてくると思います。従来の災害の経験から見てもそういうことが多いと思うんですが、もう少し改良復旧について国庫負担の適用を検討していくべきじゃないかと思うんです。
 特に、今度の改正は地すべり防止施設それから急傾斜地崩壊防止施設でしょう。そうすると、地すべりや急傾斜地が崩壊しちゃうと、これまでの施設では、施設そのものも壊されているわけだから。それをただもとに戻したのではまた地すべり、急傾斜地崩壊が当然起きちゃうんじゃないかと思うんですが、そういう改良復旧のケースについて検討をお願いしたいと思いますが、いかがで
しょうか。
○政府委員(井上章平君) ただいま先生が御指摘になりました地すべり、急傾斜地等で崩壊した場合に、もとどおりの施設ではまた崩壊するんじゃないかということにつきましては、そのような状況にあるところも十分考えられます。これらにつきましては、必ずしも原形を前提といたしておりませんで、少なくともそういった災害が復旧されるように、原形復旧が不適当な場合はそれにかわる施設を築造する道が開けておりますので、そういう場合として対処してまいりたいと思う次第でございます。
 また、再度災害発生の防止という観点から見ますと、復旧事業だけでは十分な改良ができないという場合におきましては、必要がある場合、災害復旧助成事業、災害関連事業等を活用いたしまして改良復旧を今日まで実施してきておりますので、今後ともこれらの制度を積極的に活用いたしまして、壊れない改良復旧を目指して努力してまいりたいと思っております。
○上田耕一郎君 今の局長答弁の災害復旧助成事業の場合には、国庫負担率が低いわけですね。そういう場合、国庫負担の適用ということになると、国庫負担法の事務取扱要綱を見ますと、これは法律にも書いてあるんだが、「原形に復旧することが著しく困難又は不適当」となっているんですね。そういう点で、今局長の答弁にもありましたように、地すべり防止あるいは急傾斜地崩壊などの場合は、原形だけでは困難という場合がやっぱりあるということなので、この「著しく」という規定ですね、ここのところはひとつ弾力的に運用して国庫負担法が適用できるようなそういう運用をぜひ災害防止の点からお願いしたいと思うんですが、いかがでしょう。
○政府委員(井上章平君) 確かに先生がおっしゃったような事態が十分予想されます。したがいまして個別、具体の問題として、この著しく困難あるいは不適当な場合という解釈に幅を持たせまして、原形復旧にとどめたために再度災害が起きるということがないように努めてまいりたいと思っております。
○上田耕一郎君 次に、東京湾横断道問題です。これは私も何回か質問してまいりましたけれども、東京湾に大変な災害が起きかねないということが各方面から心配されておりますので特に取り上げたいんですが、昨日建設大臣は長洲知事、伊藤川崎市長のトップ会談をおやりになったと、神奈川新聞はトップで報道しているんですね。それでいろいろ問題があったというんですが、「水野建設相はトップ会談後の記者会見で、神奈川を訪れた狙いが東京湾横断道路建設促進にあったことを強く示唆するとともに、「県も川崎市も、私の気持ちはアウンの呼吸でわかってもらえるだろう」」と語ったというんですが、この「アウンの呼吸」というのは一体どういうことなんですか。
○国務大臣(水野清君) 昨日伺いましたのは、新聞記事でありますからどうも私の真意を若干伝えしないとこうがありますが、別に東京湾横断道路をかけたいから賛成してくれというお話をしたわけではございません。ただ、この東京湾横断道路の問題は第九次道路五カ年計画の中に入っておりまして、計画の期間内に着工したいという希望を我々は持っているわけでありますから、しかし千葉県側だけで今までいろいろ勝手なことを言っておりまして、神奈川県の事情というものを余り子細に検討したことがなかったと。そこで一度、建設省の予算もおかげで成立さしていただきましたから、いろいろ再開発の事業であるとか、横断道路直接ではございませんで、むしろ東京湾の湾岸道路であるとか、あるいはそういったような大きなプロジェクトが今横浜市でも「みなとみらい21」とかいう再開発をやっておりますが、そういったものを一連の相当の大プロジェクトでありまして見せていただこうと、これはいずれも建設省がいろんな形で参画をしているわけでありまして、伺ったと。その際に、川崎の市長さんは、川崎市の駅の前にある日本航空のホテルが非常に高いところであります。周辺を眺望するのに大変便利なところでございましたので、そこでお目にかかったと、私と対で話し合ったというようなことでもございません。それから神奈川県知事は、県庁にお邪魔をしまして、県の建設行政についていろんなお話を承りまして、帰り際に、神奈川県側としては全く反対ではないというお気持ちを、知事からは消極的な言葉でございますが、いただいたと、これだけでございます。
○上田耕一郎君 今のお話で第九次五カ年計画内に着工するということを大臣おっしゃったんだけれども……
○国務大臣(水野清君) 着工したい。
○上田耕一郎君 したい――いや、ちょっとそこで詰めておかにゃならぬことがあるんですね。
 閣議決定では、「環状道路等の整備を図る。」となっているんです。それから説明資料では、横断道路について五カ年計画中に調査を完了して着手するとなっているんですな。だから五カ年計画中に調査だけなのか、予算は今度十五億なんでしょう、ついているわけなんですな。五カ年計画中に着手するのか、そこら辺ちょっと大問題なんですよ。千葉の新聞などは、こういうものを利用して五カ年計画で着工するんだということを盛んに宣伝しているんだけれども、この閣議決定、特に第九次五カ年計画では着手ということはまだ決まってないでしょう。どうなんですか、この点。局長どうですか。
○政府委員(沓掛哲男君) 道路整備五カ年計画は、道路整備緊急措置法に基づき、当面五カ年間に行うべき道路整備の目標と事業の量を定めるものでありまして、個別のプロジェクトの名称につきましては、原則として継続事業に限定しているものであります。したがって、今、先生おっしゃられましたように、「環状道路等の整備を図る。」ということで、その前に例示されております都市高速道路、湾岸道路等はいずれも既に事業化しておるものでございまして、新しく事業化するような大きなプロジェクトについては、この中でも読み込めるように「等」で措置しておるものでございます。
 それから閣議決定で決めていただいております事業量でございますが、この事業量の算定に当たりましては、大きなプロジェクトについてはこの五カ年間で実施していこうという事業費を見込んでおるものでございまして、東京湾横断道路、首都圏中央連絡道路等で千二百億円を見込んでこの事業費、事業量を算定しておるものでございます。
 したがって、閣議決定の中だけでは東京湾横断道路をどうするということは具体的にわかりませんので、私たち、この事業量等を積み上げるに際してどういうことを考えてきたかということをわかりやすくするために建設省の説明資料を作成しておるものでございます。この作成資料の中では、五カ年計画の中で調査を完了し事業化していく、着工するというふうに書かしていただいております。したがって、これは建設省としてはこういう方向で今後進んでいきたいというものでございます。
○上田耕一郎君 じゃ、あれですか、五カ年計画中に着工したいと、その目標も、既に建設省としては目標としては考えていると、担当の局長としては。そうですか。
○政府委員(沓掛哲男君) そのとおりでございます。
○上田耕一郎君 これはなかなか重大問題だな。
 大臣は、就任直後の記者会見で、私の在任期間中に着工できるように努力したいと。在任中というのはこれは大変ですよ。五カ年計画どころじゃなくて、もう早くも着工ということなんですね。
 それで、「開発」という雑誌の八四年二月号にこんなことが書いてあるんですね。あなたは千葉二区だと、千葉四区の衆議院の建設委員長は浜田氏だと。それで、「前日、水野は視察については、電話で浜田に「仁義を切った」ものの、施工命令については、直後に、沓掛道路局長を浜田のもとへ差しむけ、了解を取りつけようとした。」と。
雑誌が書いていることだから、まあこれに似たことがあったんでしょうな。それで、浜田氏がたんかを切ったそうです。「結局、その場に居合わせた金丸が「大臣は視察にはいくが、施工命令については先にのばし、記者会見ではふれない」との゛裁定"を出し、その場をおさめている。」と。だから、一月十三日の現地視察を大臣おやりになったそうですが、「就任時より一歩ひいた発言にかわっている。」と。
 雑誌の記事ですけれども、こういうふうな観測さえ出ているんで、やっぱり非常にまずいと思うんですよ、こういう政治的思惑で、もし、大臣や衆議院の建設委員長が、非常に重大な問題を含んでいる横断道路問題について、大臣任期中に着工したいとかいうようなことを言ったり、下がったりしたとすれば。この点についてあなたの政治姿勢をきちんとお伺いしたい。
○国務大臣(水野清君) 私は在任中に着工したいと言った覚えがまずございません。着工するめどをつけたいということは言ったことがございます。それは、ただいま局長からありましたように、大臣になりましたら、余り早く着工したいなんて言っちゃだめだよと、ちゃんとこっちから訓令が出ておりますからね。それはだめです、そんなことはやろうと言ったってまだ調査中でできませんよと。ただ、第九次道路五カ年計画の最終年度ぐらいには着工したいと、これはいいでしょうと。こうちゃんと参謀がついていますから御心配の向きはございません。
 ただ、いずれにしても就任直後で、ともかくこれ約一兆円という大プロジェクトでありまして、建設省が将来、今調査中の事業の中で本四に次ぐ大事業でございますから、早速見ておかなくちゃいかぬということもございまして、飛行機で上空から見たと。
 それから今何かいろいろ雑誌で云々と、こう書いてありましたが、その書いた人に気の毒ですが、見てきたような話を大分書いてありますが、大体ほぼ当たっていないようであります。ただ私も、所属している建設委員会の委員長が浜田さんですから、当然行くのに、浜田さんの選挙区でもありますから、これは浜田さんだけではなくて、やっぱりお互いに議員の仁義でございますから、その選挙区へ行くときには、あしたなり翌日なりに行きますよと、大体こういう計画でという日程を連絡するのは当然のことだろうと思って御連絡をしたと、こういうことであります。
○上田耕一郎君 どうやら、じゃ仁義を切ったということだけは事実のようですね。
 それで、今あなた本四公団の話をちょっと触れましたが、その次には事業主体の問題がやっぱり大きな問題になってくるんですね。同じ「開発」の四月号ですけれども、建設省としては、この東京湾横断道路工事を本州四国連絡橋公団にやらせたらとの考えがあると、やがて完成すると同公団は結局仕事がなくなっちゃうということで考えているのではないかという記事が載っているんです。それから民間活力検討委員会、これは委員長が丸山次官ですね、ここから十三日に報告書が出て、この中で、有料道路の事業主体として民間が主体となるのは極めて困難だということが出ているんですね。そうすると、東京湾横断道路も民間では極めて困難だということになると、公団方式か第三セクターかどちらかということになるんですね。そうすると、この開発の四月号にあるような本四公団を考えているとか、これはどういうふうな考えなんですか。この五カ年計画中にやろうというんだと、第三セクター、公団方式――ちょっと大臣手をお挙げになったから、大臣答えてください。
○国務大臣(水野清君) 詳しくは局長から申し上げますが、まだ正直言いまして経営形態について何にも考えているわけではございません。本四ができちゃって職がなくなるからこっちへ持ってこようなんというのは、それもやっぱり相当見てきたようなうそを書いているわけでありまして、余り書いたものを御信用にならないようにひとつよろしくお願いいたします。
 ただ、常識としまして、東京湾の横断道路というのは、実は採算性その他も相当これ難問であります。まして環境問題とかいろんなことがたくさん前にありまして、私は、この道路整備五カ年計画の最終年度までには着工したいと、こう言っておりますが、非常にたくさんの難問があるということを勉強すればするほど痛感をしているわけであります。
 その中で、環境問題とか船舶の航行とか、いろんなものがございますが、もう一つやっぱり、これは有料道路になるでしょうから、採算性の問題というのを考えなくちゃいけない。今大体丸千億ぐらいの工事費だと言われていますが、物価のスライドとかいろんなことを考えれば一兆円を超えるであろうと。それだけの資金が民間資金で集まるであろうかと。それからやっぱり、基幹的な高速道路というのは、今大体全国的に首都高速道路とか道路公団とか、いわゆる公団方式で、国で財政投融資の金を使ってやっているのが主であります。やっぱりそれと整合性がないと、ここだけ民間でいいであろうかという一つの問題もありますので、その辺は決めておりませんが、考え方は、その辺に問題があるという認識はしております。
○上田耕一郎君 大臣、今採算問題に触れられたけれども、やっぱりいろんな資料でも、今の一兆円でも通行料四千円になるだろうという数字が出ていますね。
○国務大臣(水野清君) もっと高い。
○上田耕一郎君 もっとかかりますか。だから、四、五千円払って一体橋を通るだろうかというようなこともあるというんですが、今、大臣が言われた環境問題を、私ここで前に斉藤建設大臣のときにお聞きしたことがあるんですけれども、やっぱり海水の交換ですね、東海区水産研究所の方の研究によると、二カ月に一度東京湾の水というのは交換されているんだそうで、伊勢湾などと比べると一・五倍から二倍ゆっくりしているんですってね。そういうことに、二つ島をつくってどうなるかというようなことも複雑な問題があるというふうに言われています。
 大臣が今言われたもう一つの船舶の航行問題ですね。これは災害問題ともかかわって非常に大変な問題だということを私も、例えばここにこの前まで東京都の公害研究所の次長をおやりになっていた四日市問題で有名な田尻宗昭氏の岩波新審「海と乱開発」というのがありますが、これを読みますと、液化天然ガスを積んだ船がもし東京湾に横断道路ができて事故を起こすと原爆並みだという研究まで、アメリカの物理学者もあるんだということで、銀座まで及ぶような大変な火災が、もしそういうものが爆発して燃え上がると大変なことになるということをずっと書かれているんで、これはなかなか大変な問題だと思うんです、航行問題が。
 そこで、きょうもう余り時間がございませんけれども、一つお伺いしたいのは、昭和五十年三月に建設省関東地建それから日本海難防止協会が昭和四十九年度東京湾船舶航行調査報告書というのを出しているんですね。この調査と報告は、建設省自身が東京湾横断道路問題で行われた四十一年から五十年まで約十年間おやりになったわけですけれども、その一環なんですよね。
○政府委員(沓掛哲男君) ただいま先生のお示しになりました関東地方建設局による昭和五十年三月の報告書は、当時の比較案であります主航路一本で往復航行を行う案と主航路二本でおのおの一方航行を行う案について、東京湾で大型タンカーによる池の流出や火災などの大規模な事故が発生した場合を想定し、その優劣を比較評価したものであります。
 東京湾における船舶航行の安全の確保は最も基本的なかつ重要な課題であると考えておりまして、このような事故が発生しないよう日本道路公団における調査においても海事関係者、学識経験者、関係省庁からなる専門委員会を設置し、東京湾横断道路の周辺海域を船舶が安全航行できるようにその対策を検討しているところであります。昭和五十七年度までは日本海難防止協会に船舶航
行調査委員会を設けて調査を行ってきたわけでございますが、非常に重要な問題でもありますので、昭和五十八年度からは新たに同協会に海上交通安全調査委員会と船舶安全調査委員会、さらに船舶交通調査委員会の三委員会を設けまして詳細な検討を行っているところであります。
○上田耕一郎君 沓掛局長はそういう答弁をされた。これは確かにA案、B案どちらがいいかということになっているんだが、もうきょうは時間がありませんから詳しく言いませんけれども、これ最後の方に議事録まで入っているんですよね。その議事録を読みますと、非常におかしいんですね。「建設省側としては、陸上輸送の面から横断道路は実現させたいと考えている。」ということで、建設省はとにかく実現したいんだというわけですな。それで、当初はいろいろ航行安全の問題だとか航行の管制の問題、いろんな問題について対策までお願いしたんだそうですが、結局この委員長の報告、議事録を読みますと、対策までお願いしてあったんだが、時間がなくて対策は全然やれなかったと。A、Bのどっちがいいのかということだけしかやれなかったということを書いているんですよ。
 非常に変な話で、東京湾の横断道路をつくるべきかつくらざるべきかということが海の航行と大問題があるのに、そういう根本問題、問題が起きたらどう対策するかということは書かないで、AとBのどちらがいいかということだけやらされておる。大変おかしいと思うんです。運輸省とはどうなんですか、その問題について。今新しくまた委員会をつくっておやりになっていると言われているけれども、運輸省の担当部門とは、この横断道路をもし建設した場合に大変な問題が起きると、これは建てるべきでないとか、いや建てても大丈夫だとかいうことで協議はもう済んでいるんですか。
○政府委員(沓掛哲男君) 現在は、今申し上げましたような海難防止協会に置かれております昨年十月に設置した調査委員会でそれぞれの専門家による検討を行っておるところでございます。これをそういう成果が出た段階でさらに事業化をする、そういう場合におきましては運輸省と直接いろいろ検討したり折衝してまいりたいと考えておりますが、現在におきましては、こういう学識経験者等の中、もちろんこれは運輸関係者が多いわけでございますが、こういう方々がメンバーとなっておる調査委員会で今申し上げた、先と言われたような対策について鋭意検討を行っておるところでございます。
○上田耕一郎君 まだ僕は完全に済んでないと思うんですね。
 大臣よく御存じと思うんですけれども、私の持っているこの本その他で見た数字では、東京湾は海の高速道路と言われて世界最高の過密の海だと。昭和五十五年、六つの港に入っている船が十七万九千六百二十隻、約十八万隻、昭和三十年の七倍になっていると。浦賀水道を一日六百隻から七百隻通る。そのうちタンカーは二割、長さ二百メートル以上の巨大タンカーの数は全国一だと。そのうち、しかも外国船が六割だから、余り東京湾の海を知らないで入ってくるわけですね。巨大タンカーは年間二千隻以上だという大変なところなんですね。
 それで、もし横断道路をつくりますと、この報告書あるいは議事録を読みますと、やっぱり船の乗る側の方やら運輸省関係者は物すごく大きな疑問をお持ちですよ。まず航路とその配置に対する影響。小型の船が多いんだけれども、非常にきめの細かい高度の航行管制が要るから、これなかなか大変なことですね。それから二番目に環境条件の変化とその影響。道路に車が通りますから、その照明だとか発生する霧だとか構造物で船に死角ができちゃう、見えなくなると。死角が悪化するし影響、障害になると。それからレーダーにはゴーストが出ちゃうというんですね。そういう非常な悪影響もあると。
 それから特に大変なのは湾内の仮泊地、いかりをおろして船が仮泊しますな、この問題だというんです。この問題では、運輸省の調査では東京湾に必要な錨地、いかりをおろすことのできる場所は二百三十五隻分要るんですって。ところが、現に使えるのは半分の百二十六隻分しかないと。もし横断道路を通しますと、その両側はいかりが流れますので二海里また使えなくなるんですって。ところが、その横断道路を通すあの場所が一番船がいかりをおろす場所なんだそうですよ。そのためにこの報告書では七十三隻になるとちゃんと図まで出ている、どことどこしか使えなくなるだろうというやつが。ちゃんと図まで出ていきまして、ここにありますけれども、七十三隻。ここに図があります、マルがちゃんとついて。七十二隻になっている。
 そのことについて議事録を見ますと、今運輸省の海洋課長で当時企画課長でいらした染谷昭夫さんは、驚くべき小さな数字だと、七十二隻というのは。これ百二十三ページにあるんです、ちゃんと。染谷企画課長――このときは七十二と書いてある。「七十二隻といいますと、これは驚くべき小さな数字でして、これじゃ東京湾が使えないということとまず同じことになっちゃうんじゃないかと思うのですけれどもこと。そういうことはこの調査委員会では論議するんじゃないんだというので染谷さんは、「別の席で検討しなきゃいけない」と、こう述べておられるんですよね。大体東京湾は使えなくなっちゃうよ、そういう橋だと、ということがあります。
 それからこの中で、小委員会で山口委員という方が述べておられるんですが、沓掛さん、山口委員というのはどういう万ですか。
○政府委員(沓掛哲男君) ちょっと私、山口さんを直接存じ上げませんので……。
○上田耕一郎君 どなたか知りませんか、交通関係者だと言っているんだけれども。山口祐広さん。――御存じない。これは小委員会の委員です、山口祐広さん。それで交通関係者だと言っているんですけれども。
 私は、結論的に言うと、「それほど東京湾を二分して交通を非常に混乱させるような障害物をつくってまでやらなければならないか」と、そう言われている。「横断道路というものは、一度つくったら、これはもう何世紀も続くような一つの障害物」なんだ。飛ばして続みますけれども、「まだ私たち交通関係者にとっては正直なところ時期尚早」、そういう気がする。「十年後に船腹量が倍になって、船舶もずいぶんふえると、そうでない現在でさえも事故が起こっております。それも、何も障害物もない普通のところで起こっております。」だから「A案がいいか、B案がいいかと、こういうふうにあまりに簡単に割り切って、これだからもういいとか、これだから悪いとかというようには、まだ現実的には早過ぎるような気持ちがしてならないわけでございます。」ということを交通関係者は言っているんですよ。
 しかし、それを建設省が押し切ってA案、B案どちらがいいかということで、結局B案がいいという報告が出ているんですけれどもね。やっぱり運輸省の担当の課長が東京湾をこれは使えないと、いかりをおろす場所だけでもですよ。
 このほかに、また次の機会にやりたいんですけれども、災害の問題があると。台風の問題とかタンカーが横断道路にぶつかって乗り上げたらどうなるかというようなことをワーストケースとして検討しているんですね。そういう点で私は、千葉二区出身でお気持ちもわからないわけではございませんけれども、もしここで災害が起きるというとこれは大変なことになるんで、起きた後でああしまったと思っても、山中湖の東大生を笑えないようなことにこれはなると思うんですね。
 私はその点で、船の航行の安全の問題それからタンカーその他災害の問題で、やっぱり運輸省また環境庁その他とも、東京湾の環境問題もあるので、本当に協議して慎重に進めていただきたいということを建設省の調査の一環として行われたこれを全部拝見しましてつくづく感じているんですが、大臣、その点で今後の姿勢をお願いしたい。
○国務大臣(水野清君) お断りしておきたいんで
すが、私は千葉県二区であることは事実でありますが、千葉県二区というのは直接余り横断道路と関係ないんです。ただ、私も千葉県から選出された代議士でもありますし、千葉県だけでなくて首都圏全体の問題として長い間懸案となって、これは十年来調査をされているわけです。それだけに、この問題に建設大臣になりましたからきちっとしたことをして在任中おきたいということで、私は鋭意努力をしているわけであります。
 そういう意味においては、やるからには六十二年度までにやりたいということでありますが、同時に、今上田委員からも御指摘がありましたように、いろんなマイナス面についても私は検討するにやぶさかでありません。少し冷めた目で私はこれは同時に考えているわけであります。それはひとつ御理解をいただきたいと思います。
○政府委員(沓掛哲男君) 先ほど先生御質問ありました山口さんは、この東京湾船舶航行調査委員会の小委員会のメンバーでございまして、日本パイロット協会の方でございます。
○上田耕一郎君 パイロット協会。なるほど、わかりました。
○政府委員(沓掛哲男君) それから、先ほど申しましたように、海難防止協会で設けておりました船舶航行調査委員会の中には、関係官庁として運輸省、海上保安庁の方々も多く参加していただいております。さらに、この調査委員会ではたくさんの項目が出されまして、こういう問題について今後検討しなければならないというのがございます。したがって、そういう多くの問題を解決していくために、昨年の十月、新たに三委員会をつくりまして、そこで精力的にこの航行安全問題を検討しているところでございます。
○上田耕一郎君 それでは、今の点は本当に大臣おっしゃるとおり非常に重要な問題なので、ぜひ今示された姿勢で国民的な観点に立ってお願いしたいと思います。
 次に、信濃川河川敷問題ですが、昨十六日、長岡の小林市長が信濃川河川敷の室町産業分の利用計画を発表しました。小林市長の提出した文書によりますと、これ建設省からきょういただいたんですが、文書ではないか、市議会での説明かな、全国協議会での。四月の九日に建設省が了承回答をしたということで、きのう長岡市議会の全員協議会で説明したということですね。建設省は、千秋が原という名前がつけられているのですけれども、この田中角榮系の室町産業、千秋が原工業という会社、その利用計画書、それに対して長岡市市長が了承を与えた。これについて建設省も了承を与えたんですか。
○政府委員(井上章平君) ただいまお話のありました千秋が原の南側部分の土地利用計画書につきましては、去る四月の三日に長岡市長から御説明がございました。私どもそれをお伺いいたしまして、九日に、これにつきましては支障がない旨御連絡申し上げたわけでございます。
○上田耕一郎君 私は、これは非常に重大な問題だと思うんです。大臣も局長もよく御存じと思いますけれども、ここの参議院の建設委員会ではこの問題はもう長い間ずっと論議になっております、建設委員会だけでなく論議になっておる。
 まず、五十年の六月六日、これ参議院の決算委員会の警告決議、これは参議院本会議でも採択されておりますけれども、信濃川河川敷問題について、「事後処理に、遺漏のないよう、妥当な行政措置を講ずべきである。」と、そう警告決議が行われています。
 それから五十年十月三十日の参議院の予算委員会で、当時の三木首相は三つの原則で処理するという約束をしています。第一は、室町産業に暴利を余り得させない。第二は、売り渡し価格は原価プラス金利程度にしたい。原価というのはこれ二億円ですからね。原価二億円です、あそこは南半分で。三つ目が公共優先。大体この三原則で処理するということを予算委員会で表明されました。後の福田総理大臣も、私の質問で、この原則を大体受け継ぐということをも答弁されております。
 それでまず問題になるのは、価格は後の問題にして、公共性です。五十二年十一月十五日、当時の長谷川建設大臣に私質問して、長谷川さんはこう述べておる。これは例の廃川敷処分が行われて、北半分を長岡市が買うということが起きたときですね。長谷川さんは、いろいろ問題があった土地なんだから市で全部とって、全部公共性のものに使ってもらえないものか、そうしてくださいとお願いしたと。結局半分になったということを言われ、それではあとは必ず公共性のものに限って私の方でチェックしてやります、そのときには建設省にも話してください、あらかじめ連絡をして、建設省でよろしいと言った場合のみオーケーを出してくれということを答えられた。
 これは答弁だけでなくて、当階の建設省と長岡市長との覚書――覚書という名前じゃありませんで、ここに文書があります、栂野河川局長のね。最後に、この覚書六条に基づいて室町が利用する土地については、「貴市がその利用計画の同意をしようとするときは、あらかじめ、本職に協議されたい。」ということになっています。
 こういう経過であることを当然のことですけれどもまず述べておいて、今度の計画、これすべて公共的なものだというふうに建設省としては認めて了承を与えたんですか。
○政府委員(井上章平君) 本件土地の利用につきましては、従来から国会でさまざまな論議がなされましたことは、ただいま先生から御指摘があったとおりでございます。この結果、一つの手続に従って処理されるべきものというふうに私どもは理解をしておるわけでございます。
 それは何かといいますと、一つは、北半分は既に長岡市に譲渡されたわけでございます。残りの半分につきましては、五十二年九月二十七日に長岡市長と室町産業との間で覚書が締結されたわけでございます。この趣旨に沿って本件の土地が処理されるべきものである、それについて私どもの方でチェックするというルールが定められており、今回そのルールに従って手続を踏んだというふうに私どもは理解しておるわけでございます。
○上田耕一郎君 ルールは問題あるけれども、あなたのおっしゃったとおりなんでしょうけれども、全部公共的なものだと認めたんですか、今度の計画について。
○政府委員(井上章平君) この覚書に沿って処理されるべきものという観点から私どもは一つの判断があったわけでございますが、この覚書によりますと、本件土地は長岡市の都市計画上極めて重要な土地であり、したがってその利用は長岡市発展の見地から、また市民全体の利益を優先して行われるべきものであるとあります。さらに、「公益性の強いものを主体に」とあるわけでございますが、この公益性の判断につきましては、単に本件土地の具体の利用目的のみから判断されるべきものではなくて、市全体の土地の利用はこの覚書の趣旨に沿ってどうあるべきかという観点から行われるべきものであるというふうに長岡市長の説明がありました。それについては私どもも同意をしたわけでございます。
 したがって、本件利用計画に盛り込まれております施設等につきましては、個別に抜き出してその公益性を議論するのは必ずしも適当ではないのではないか、全体として――本件土地全体という意味じゃありませんで、長岡市全体の都市計画上の観点、そういったことからその適否を判断すべきであるというふうに考えておるわけでございます。そのような観点から本件利用計画を見た場合、公益性の強いものを主体に計画されており、長岡市長もすべての計画内容について覚書の趣旨に沿っているという意思表明もあったわけでございまして、建設省といたしましてもこの覚書に著しく違背するようなものではないというふうに判断して同意したわけでございます。
○上田耕一郎君 いつものことですけれども、最初やっぱり世論が大体納得するような原則を言う。三木さんのように、暴利をむさぼらさせない、それから公共性だと、価格は原価プラス金利程度だと、そう言っておいて、それから長谷川さんも私の質問に対して「必ず公共性のものに限っ
て」なんということを言われるわけですね。それがだんだんだんだん公共性が強いとか主体だとか言って崩れていくわけですよ。きょういただいた文書に、長岡市長の今日までの経過というのが書いてある。市の文書に、小林長岡市長が昭和四十三年ころ既に田中角榮代議士とこの土地について数度話し合いをすと、田中角榮と小林市長との話し合いで始まっているんですよ、これずっと。それでこう今まで来ている。
 今度の計画でも、見てごらんなさい。バスターミナル、これは長岡交通のものですね。それからカルチャー施設、これはまあ公共と。バスターミナルも交通会社がもうけるんだけれども、一応公共的なものとしましても、次、スポーツ施設、これレジャーランドですよね、スポーツ施設と言っても。それから都市整備に伴う代替地――代替地なんだと。それから区画整理予定地。区画整理予定地なんということになりますと、これ分譲もできますし、区画整理すれば何が建ったっていいんですよ。若干私の方も少し厳しく絞っても、スポーツ施設、都市整備に伴う代替地、区画整理予定地、これだけでも十七万三千七十平米、約四八%になるんですね。四八%は公共的なものではなくて、私的に、個人企業、私的企業がやっぱりもうけを得る、そういう土地ですよ。
 四八%でどのぐらいもうかるか。これ、全体が二億円です。これはこれまでの建設委員会での討議で出ていて、あれ、全体七十五ヘクタール、四億円で買ったんだから半分で二億円なんだ。これ、あと金利を足したとしましてもその程度の、それにプラス金利程度でしょう。で、十七・三ヘクタールを平米十万円で計算して百七十三億円です。平米十三万円で計算すると二百二十四億円。それからあそこは砂利がありますから、もう既に砂利もかなり掘り出されて使われていますけれども、大体三十億円から四十億円と言われている。そうしますと少なく見積もっても二百億から二百五十億円、わずか二億円で。三木首相が言った暴利をむさぼらさせないという原則は完全に踏みにじられているじゃありませんか。大臣どう思われます、こういう点。
○国務大臣(水野清君) これは先週、河川局長から、長岡の市長がこういう案を持ってきたと、自分としては承諾をしたが、一応私に報告をするということでございました。報告を聞いて、まあ確かに上田委員のおっしゃるように全部が完全に公共的なものではないと思われますが、まあ大分――長谷川建設大臣の答弁というのは私は初めて今聞いたんですが、それとは食い違うようでございますが、そういうことで了解をしましたと言っておりますので、私もその報告を聞いて、そうかと、こういうことであったわけでございます。
 今、上田委員が、幾らもうかったという話、実は私はその計算をしたことがないものですからわからないので、本当にそうもうかるのかどうかわかりませんが、それはまたひとつこっちでもよく計算さしてみないと私は何ともお答えできません。
○上田耕一郎君 これは大臣は、長谷川建設大臣の答えと大分食い違うことを認められた。それから私の計算、これは四八%にして、今言われている時価の、低いと言われている平米十万円と、高いと言われている十三万円、これで両方計算したんですからね。これ、ぜひ計算していただきたい。計算して、報告をちゃんと出してください。いいですね。
○国務大臣(水野清君) いや、私の申し上げているのは、地元の長岡市といいますか、この計画を了承した人たちの計算もありましょうから、そういう話も聞いた上で判断をしたいと、こういうことでありまして、上田委員の仰せのとおりこうきちんと計算をして幾らもうかったと、ああそうでございますと、こういう答弁になるかどうか、これはちょっとお約束できかねるわけであります。
○上田耕一郎君 いや、それにしても、長岡の方の言い分も聞いて、実際室町産業にどのくらいの利益が見込まれるのか、それがこれまでの三木首相の答弁、長谷川建設大臣の表明などなどから見て適当だったのかどうか。大臣は経過をよく御存じなかったので大体そうだろうということで了承されたと言われたけれども、僕の方はこれは専門家ですからね、ずっとやっているんですからね。ひとつ建設委員会にその調査の結果を報告いただきたいと思うんです。責任を持ってお願いします。いかがですか。
○政府委員(井上章平君) ただいまの先生の御指摘でございますが、この土地全体につきまして五十年以降国会でいろんな論議がありましたことは私どもも承知いたしております。その論議の結果を踏まえまして、これらの土地はすべて公共機関で利用すべきであるという見地から、県あるいは市などに働きかけをしたわけでございますが、最終的に決定いたしましたのが、長岡市がその半分を引き受けるということでございまして、あとは利用の意思なしということであったわけでございます。
 その結果、北半分につきましては先ほど申し上げましたような二木発言にのっとった原価プラス金利程度で長岡市が取得したわけであります。で、残余の土地の取り扱いにつきまして議論があったわけでございますが、これにつきましては、既に公共機関の利用する意思がない土地ということでありますので民間の所有のまま残されたわけでありますが、それについて、この覚書によって公益性の強いものに利用する、しかもそれは長岡市全体の都市計画上の見地から利用を決めるということで、全面的に長岡市長のお考えに預けられたわけでございます。それで、これに対するチェックとして、河川局長がそれに対して同意を与えるかどうかというふうになったと私どもは承知いたしておるわけでございます。したがいまして、この残余の土地につきましては民間が利用するという建前であろうと思います。
 そういう観点から今回この土地利用計画書が出てまいったというふうに私どもは承知いたしておるのでありまして、したがってこの土地につきましての利用形態は、これは長岡市長は、今回は利用計画が出ただけでありまして、この具体的な今後どういうふうに利用していくかということはこれからの問題であるというふうなお答えもしてわるようでございますので、その推移を見る必要はございますが、しかしながら、ここに公共機関が改めて入るという計画はもはやございませんで、これらは民間がこの利用計画に沿って利用されるものであろうというふうに私どもは理解をいたしておるわけでございます。
 そういたしますと、そこで民民の取引として利用されるものが必ずしも室町産業がみずから利用する場合だけとは限っておりませんので、土地の譲渡があるであろう、その場合は近傍類地価格等にのっとった妥当な価格で取引されるのであろうというふうに私どもは理解いたしておるわけでございます。
○上田耕一郎君 あなたね、重大だな、今の答弁は。
 委員長、重大なところなので、四時までなんですが、ちょっとお許し願いたいんですが、昭和五十五年十二月十二日、内閣総理大臣鈴木善幸、信濃川廃川敷処分地の土地利用及び事前協議に関する質問に対し答弁書が出ているんです、これは衆議院の瀬崎議員に対するもの。これにちゃんと書いてある。「本件処分地の南半分の土地について、」――室町産業のですよ、「覚書第一条の規定により長岡市がその利用計画の同意をしようとするときは、あらかじめ建設省に協議することになっている。」となっておる。四番目、「事前協議の対象となる行為としては、本件処分地の南半分の土地に係る権利移転及び最終的な土地利用となる行為が考えられる。」と。鈴木首相の答弁書ですよ、閣議にかかった。だから、南半分の土地について権利移転する場合も、最終的な土地利用となる行為についても事前協議しなきゃいかぬですよ、建設省と。
 あなたの今の考え方は、もう民間に任されているから私はいいんだと、とんでもないですよ。この答弁書とあなたは違う行為をやったでしょう。
そうすると、九日の了承というのは私は取り消すべきだと思うんです。内閣総理大臣の、閣議にかかった答弁書で、南半分の権利移転及び最終的な土地利用となる行為は建設省と事前協議するんだから、今度事前協議しましたか。今のあなたの答弁は違うじゃないですか。民間が全部やるので、もうこれで全部終わりなんだと、取り消さにゃいかぬですよ、そういうとんでもない答弁を。絶対取り消すべきだ。九日の了承行為というのは内閣の方針と違うんだから、取り消しなさい。
○政府委員(井上章平君) ただいま御指摘のありました五十五年十一月二十九日付の瀬崎議員の質問主意書に対する答弁でございますが、ここにあります事前協議の対象となる行為としては、当該土地の権利移転と最終的な土地利用となる行為である旨を明らかにしている、こういうことであります。
 当時こういう質問主意書がなぜ出たかと申しますと、この最終的な土地利用計画が出る前に権利移転が行われたわけであります。この権利移転も事前協議の対象になるのかどうかという照会がございまして、これにつきましては、当該土地の権利移転が含まれるというふうになったわけでございます。
 今回出てきましたこれが最終的な土地利用となる行為であるかどうかは、もう少し経緯を見る必要がございますが、しかしながら私どもといたしましては、ほぼそれに近い計画書であろうというふうに理解いたしておるわけでございまして、したがってこれに対して事前協議の対象になるということで今回長岡市長から御協議を受け内諾を与えたと、こういうことでございます。
○委員長(青木薪次君) 時間が来ましたので、また質問の機会に……
○上田耕一郎君 時間が来ましたので、重大なので、議事録を調べて、これちょっと保留します。
 あなたのさっきの答弁というのは、南半分はもうあれは民間の問題、北半分だけ公共利用だとはっきり言ったんです。だから、計画が出たから了承したと言ったんでね。
 もう時間がないので、これは建設委員会としてもずっとやってきた問題なので、理事会でも取り上げて、私は保留したいと思います。質問は一応これで終わります。
○委員長(青木薪次君) 理事会で検討します。
○山田勇君 今回の法改正で新たに対象施設として地すべり防止施設や下水道などを加えるとしていますが、都市公園、それにため池、上水道などはこの法律の対象施設となってはおりませんが、これらの施設を対象外にしているのはどうしてですか。
○政府委員(井上章平君) 答弁がおくれまして申しわけございません。
 負担法は、施設の復旧が地方財政に与える影響が甚大であり、かつ施設の被災が国民経済、国民生活へ与える影響が大きい公共土木施設を対象とするということになっております用地すべり防止施設、急傾斜地崩壊防止施設、下水道は、いずれも負担法制定後にその整備が各地方公共団体におきまして格段に進み、負担法による助成措置が必要となったと判断いたしましたので、新たに追加することといたしたものでございます。現在のところ、これら以外に対象施設を拡大する考え方は、ただいま申し上げました事情にあるものが見当たりませんので、ないわけでございます。
 なお、都市公園等につきましては次のように考えております。
 都市公園は、修景施設、休養施設、遊戯施設等各種の施設から構成されておりますが、近年これらの施設のうち、運動施設、教養施設、休養施設等の比重が大きい公園が増加する傾向にございます。これらの施設は土木施設とは言いがたいものが多く、今後ともこのような傾向が続くことが予想されることから、都市公園を国庫負担法の対象としていくことは適当でないと考えております。なお、都市公園の災害復旧につきましては、現行の都市災害復旧事業によって今後も対処してまいる所存でございます。
 上水道につきましては、これは広義に見ますと公共土木施設の範疇に入ろうかと思いますが、これは厚生省の判断によったものでございます。
 ため池等でございますが、土地改良区の管理しているため池につきましては、農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助の暫定措置に関する法律の対象となっており、また地方公共団体が管理する河川としての機能を有するため池については、当然負担法の対象とされるものでございます。
○山田勇君 「この法律は原形復旧を原則としておりますが、単に原形復旧だけでは再び災害によって破壊されるケースも多いわけですが、したがってこの改良復旧の基準を見直し、改良復旧で対処する事業を拡大すべきではないかと思うんですが、いかがでしょう。
○政府委員(井上章平君) 負担法に基づく災害復旧事業におきましては原形復旧を原則といたしておりますが、しかし原形復旧が著しく困難または不適当な場合には、これにかわるべき必要な施設を設置することが可能とされており、被災の実情、復旧事業の効率化等を配慮いたしまして適切に運用いたしておるところでございます。
 また、再度災害防止のため必要な場合には、改良復旧事業といたしまして、災害復旧助成事業、災害関連事業、激特事業等があります。これらを活用して実施をいたしているところでございます。今後とも、災害の実情に照らし、これら改良復旧事業を積極的に活用してまいる所存でございます。
○山田勇君 今局長お答えになった改良事業の拡大ということは、災害を受けました部分は原形復旧で直しますが、仮に急斜面の場合ですと、前後とかそういう点におきましてもいわゆる事業拡大して国庫の負担で整備する、原形復旧といいますか、そういうことで理解してよろしいんでございますか。
○政府委員(井上章平君) そのとおりでございます。
○山田勇君 災害を受けた後、速やかに復旧事業に着手するのには、裁定手続などの簡素化、合理化が必要と考えますが、手続に要する時間、労力などの短縮についてどのような対策をお進めになっておられますか。
○政府委員(井上章平君) 災害が発生した場合、速やかに施設の復旧を図りますことはこの負担法の本来の使命でございます。したがいまして、査定の実施につきましては、地方公共団体における国庫負担額申請のための諸資料が整い次第速やかに実施しているところでございます。
 さらに、査定の実施に当たりましては、一つには事前協議制の活用、これは査定前に本省と復旧工法等の協議ができる制度でございます。また、総合単価の活用、申請額が一箇所当たり五百万円未満のものにつきましては、総合単価を活用して速やかに申請書が出せるという制度でございます。また、机上査定の活用、これは申請額が二百万円未満の箇所につきましては実地調査を省略することができるという制度でございます。
 これらの対応策を講じまして、査定業務の簡素化、合理化を図りまして迅速に対処してきたところでございますが、今後も一層努力してまいる所存でございます。
○山田勇君 これは行特法の建前などもありましょうが、過疎地や豪雪地帯などについて、本法によると国庫負担割合の地域特例を認めてやる必要が私はあると思うんですが、その点はいかがですか。
○政府委員(井上章平君) 地方公共団体が災害復旧事業を行う場合におきます国の負担率は、当該地方公共団体の標準税収入と災害復旧事業費との割合によりまして、災害復旧事業費の六六・七%を最低とし、超過累進的に算定する方法がこの負担法ではとられております。したがって、相当高率の国庫負担がなされているところでございます。また、過疎地や豪雪地帯につきましても、財政力の弱い市町村におきましては、災害額が同一でありますと、この方式によって算出されますので、標準税収入との関係上より高率の国庫負担を
受けることとなりますので、現行法で十分対処し得るのではないかというふうに考えております。
○山田勇君 この法案の概要を見ますと、一つは国庫負担対象施設の追加であり、二は国庫負担の採択限度額の引き上げであります。三は一箇所の工事とみなす範囲を拡大することでありますが、一と三については自治体側にとっては歓迎すべきことでありましょう。しかし、二については若干抵抗があるんではないかとは思います。それは都道府県、指定市の場合は十五万円から六十万円、市町村の場合は十万円から三十万円、それぞれ四倍、三倍の引き上げになりますが、率直なところ、昭和二十六年以降改正が行われてないということは、その間の物価の上昇などを考えますと当然の措置とも考えられますが、三十三年間この法案を放置していたのはどういう理由ですか。
○政府委員(井上章平君) この負担法は、昭和二十六年に制定され、二十七年に市町村の採択限度額を十五万円から十万円に引き下げて以来、御指摘のように実質的な改正が行われていないわけでございます。この間、新たな行政需要に対応すべく昭和三十三年には地すべり防止法の制定、同年には下水道法の全面改正、それから四十四年には急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律が制定されまして、こういった地すべり防止施設及び急傾斜地崩壊防止施設についてその後整備が進んできたわけでございます。また、下水道につきましても、この全面改正当時は四%程度の普及率でありましたものが、逐次整備されて格段に普及し、特に財政力が比較的弱いとされております地方中小都市にまで及んでまいりました。そのため、これらの施設の被災事例も幾つか発生しておるわけでございます。
 こういうことを受けまして、またさらに臨時行政調査会により採択限度額の見直し等についての答申がなされたということもありまして、今回所要の改正に踏み切ったわけでございます。
○山田勇君 自治体の負担増につながる改正については、これは国から押しつけるものではなく、各自治体との間に十分な事前調査がなされていると思いますが、その点はいかがですか。
○政府委員(井上章平君) これにつきましては、知事会、全国市長会それから全国町村会等にこの趣旨を御説明いたしまして御了承を得たところでございます。
○山田勇君 ずばりこの改正法案の成立によって、総合的に見て自治体側にとってプラスになるのかマイナスになるのか、そういうような試算はできておりますか。
○政府委員(井上章平君) 今後どうなるかという問題は一つございますが、今までの実績に照らして地方財政への影響を考えてみますと、まず建設省所管の災害復旧事業につきまして、昭和五十三年災から五十七年災の五カ年平均で見た場合でございますが、まずこの採択限度額の引き上げについては、都道府県、市町村ともその額にいたしまして一%未満でありまして、過去五カ年の実績から見ますと年平均二十九億円程度と見込まれておるわけでございます。
 また、今回の法改正におきまして、国庫負担の対象施設の拡大、一箇所の工事とみなす範囲の拡大が図られるわけでございますが、これによって地方負担が軽減される額が、これも過去三カ年の実績からでございますのであれでございますが、年平均三十一億円程度と見込まれております。また、採択限度額未満となります災害復旧事業、これは都道府県、市町村の単独災害として処理されるわけでございますが、これにつきましては起債及び元利償還に要する経費の一部の基準財政需要額への算入措置がとられるわけでございまして、こういうことから今度の処置によりまして地方公共団体の負担が特に増大するとは考えていないわけでございます。
○山田勇君 これは若干質疑が重複して恐れ入りますが、一応聞いておきます。
 災害復旧事業の進度については、直轄災害は二年復旧が原則で、標準進度は五〇%、五〇%でありますが、補助災害は三年復旧を原則として、三〇、五〇、二〇を標準進度としております。それが、五十六年災以降は早期復旧の促進、景気対策の見地から、被災年度における復旧進度の大幅な前倒しが行われておりますが、これは復旧促進と景気対策のどちらにウエートが置かれてこういう措置をとられるのでありますか。
○政府委員(井上章平君) まず、この補助災におきます災害復旧事業の三年復旧制度及びそれを三、五、二の割合で行うということについてでございますが、これにつきましては、昭和二十五年十月の地方行政調査委員会議の勧告を踏まえて、昭和四十七年以降こういう措置が定着してまいったわけでございますが、しかしながら過去を追ってみますと、例えば四十七年とか四十九年、五十一年、五十二年、五十二年と、非常に災害の激甚であった年におきましては、そのような標準進度にもかかわりませず、初年度に例えば三五%というような措置がとられてきたわけでございます。とりわけ近年になりまして、連年にわたる激甚な災害が発生していることなどにかんがみまして、初年度の復旧進度はさらに六〇%から七五%、二年度目の累計進度を八五%とする予算措置がとられてまいったわけでございます。
 このような措置が講じられてきましたのは、ひとえに激甚な災害の発生に対処し、災害復旧を速やかに実施することにあったわけでございますが、あわせてそのときの景気振興対策の一環として、災害復旧事業の実施に要する財政措置が積極的にとられてきたという面もございます。したがいまして、どちらにウエートを置いたかということでございますが、私どもは同じようにウエートを置いてこういう措置がとられてきたものと理解しておるわけでございます。
○山田勇君 これは割合としては被災年度にどのくらいのパーセントになるんですかな。
○政府委員(井上章平君) 五十八年災害を見ますと、七五%、八五%、一〇〇%というふうな割合で処理される予定でございます。
○山田勇君 政府はこの傾向をこれからも続けるつもりですか。災害復旧は早いほど効果は大きく、住民も安心できると思うので、ひとつこの傾向についての御答弁をいただきたいと思います。
○政府委員(井上章平君) 先ほど申し上げましたように三・五・二というこの標準進度制度については長い歴史の経緯がございます。災害が激甚であります場合、それぞれ特例措置を講じてきたということでございますので、やはり今後におきましてもこの標準進度そのものが変更されるというふうにはにわかに考えにくいわけでございますが、しかし臨機応変にその年々の災害の状態を勘案いたしまして弾力的に運用していただけるものというふうに私どもは期待もし、またその努力をいたしたいと思っております。
○委員長(青木薪次君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(青木薪次君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(青木薪次君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、村田君から発言を求められておりますので、これを許します。村田君。
○村田秀三君 私は、ただいま可決されました公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党・国民会議、日本共産党、民社党・国民連合の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法
    の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行にあたり、次の事項について、適切な措置を講じ、その運用に遺憾なきを期すべきである。
 一 最近の災害の多発にかんがみ、防災体制の拡充、被災者の救済措置及び地方公共団体に対する財政措置について、十分な配慮を払うこと。
 二 国庫負担の採択限度額の引き上げに伴う地方公共団体の財政負担増に対しては、地方債の的確な活用等を図り、その財政運営に支障を生じることのないよう措置すること。
 三 災害復旧にあたっては、再発防止のため改良復旧を推進するとともに、激甚災害における地方公共団体の測量・設計費負担等に対する助成の充実を図ること。
 四 災害査定にあたっては、書類審査の活用等事務手続きの一層の簡素化に努めるとともに、道路附属物等に関する採択基準については、弾力的な運用を図ること。
 右決議する。
 以上であります。
 よろしくお願いいたします。
○委員長(青木薪次君) ただいま村田君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(青木薪次君) 全会一致と認めます。よって、村田君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、水野建設大臣から発言を求められておりますので、この際、どれを許します。水野建設大臣。
○国務大臣(水野清君) 本法案の御審議をお願いして以来、本委員会におかれましては熱心な御討議をいただき、ただいま全会一致をもって議決されましたことを深く感謝申し上げます。
 審議中における委員各位の御高見につきましては、今後その趣旨を生かすよう努めるとともに、ただいま議決になりました附帯決議につきましても、その趣旨を十分に尊重し、今後の運用に万全を期してまいる所存でございます。
 ここに本法案の審議を終わるに際し、委員長初め委員各位の御指導、御協力に対し深く感謝の意を表し、ごあいさつといたします。ありがとうございました。
○委員長(青木薪次君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(青木薪次君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時二十六分散会
     ―――――・―――――