第101回国会 外交・総合安全保障に関する調査特別委員会 第8号
昭和五十九年七月十三日(金曜日)
   午後二時六分開会
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  出席者は左のとおり。
    委員長         植木 光教君
    理事
                大坪健一郎君
                土屋 義彦君
                堀江 正夫君
                佐藤 三吾君
                上田耕一郎君
                関  嘉彦君
    委 員
                安孫子藤吉君
                石井 一二君
                大鷹 淑子君
                倉田 寛之君
                源田  実君
                佐藤栄佐久君
                鳩山威一郎君
                降矢 敬義君
                宮澤  弘君
                梶原 敬義君
                久保田真苗君
                野田  哲君
                和田 静夫君
                中西 珠子君
                和田 教美君
                立木  洋君
                柳澤 錬造君
                秦   豊君
   国務大臣
       農林水産大臣   山村新治郎君
       通商産業大臣  小此木彦三郎君
   政府委員
       農林水産大臣官
       房長       田中 宏尚君
       農林水産省構造
       改善局長     井上 喜一君
       農林水産省農蚕
       園芸局長     関谷 俊作君
       農林水産省畜産
       局長       野明 宏至君
       農林水産技術会
       議事務局長    櫛渕 欽也君
       食糧庁長官    石川  弘君
       水産庁長官    佐野 宏哉君
       通商産業大臣官
       房総務審議官   児玉 幸治君
       通商産業省通商
       政策局長     黒田  真君
       通商産業省貿易
       局長       村岡 茂生君
       工業技術院長   川田 裕郎君
       資源エネルギー
       庁長官      柴田 益男君
       資源エネルギー
       庁長官官房審議
       官        松田  泰君
       資源エネルギー
       庁石油部長    松尾 邦彦君
       資源エネルギー
       庁石炭部長    檜山 博昭君
       資源エネルギー
       庁公益事業部長  小川 邦夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        山本 義彰君
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  本日の会議に付した案件
○外交・総合安全保障に関する調査
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○委員長(植木光教君) ただいまから外交・総合安全保障に関する調査特別委員会を開会いたします。
 外交・総合安全保障に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○倉田寛之君 両大臣の出席時間が延びているようでありますので、両大臣に結論でお伺いをして各論で関連性を持たしてお尋ねをいたしたいと思っておりましたが、各論から入らせていただこうと思います。
 まず初めに、農業と気象予測の問題について若干触れておきたいと思うわけであります。
 私が申し上げるまでもなく、農業生産の過剰と不足ということは、まさに隣り合わせになっていると言われております。それは、農業が常に気象の影響を受けやすいという点であります。気象は世界の食糧の需給関係に影響を与える大きな要因でもありまするし、また、食糧は生産量に比べて貿易に回る輸出量の割合が小さいとも言われております。気象の変動による生産量の増減が供給量や価格に直ちに影響を与えることとなります。このことは、我が国のように食糧の多くを輸入に依存している国にとりましては、気象予測ということが食糧の安全保障を確保するための重要な問題であることを示しておると考えるものであります。一
 今般の韓国からの米の輸入問題、これにつきましても気象条件の悪化、供給不足の可能性を重視しないタイトな需給計画の結果とも一つは考えられるものであります。農業においては異常気象は恒常的なものと考え、これに備えることが必要であろうと思いますが、資料を取り寄せまして農業白書を拝見いたしますと、気象の問題にはわずか五行程度しか触れられていないというのが実態であります。農林水産省としては食糧生産に対応する気象予測をどのようにお生かしになっておられるのか、まず冒頭お伺いをさしていただきたい、かように思います。
○政府委員(石川弘君) 主として米のことでお答えをいたしますが、今御指摘がございましたように、気象変動によります作柄変動というのは、日本の場合は諸外国に比べてまだ低い方ではございますが、しかし、需給を考えてみます際には大変大事な要素だと考えております。
 過去におきまして私ども米の需給を考えますときに、過剰というものが大変連続したこともございまして、なるべく早い時期に需給均衡をということでやったわけでございますが、御承知のように、ここ数年は大変変動が不作の方向に出てまいりまして、したがいまして、私ども当然需給を考えますときにそういう要因も組み込んで考えてきたわけでございます。例えば五十八年度等あるいは五十九年度における計画を立てます際も、気象の変動によりましてかなり需給がタイトになっているということを頭に置きまして、それを転作の緩和、いわば積み増しを可能にしますための転作の緩和ということでやったわけでございますが、実は今まで例がありませんでした四年続きの不作の連続ということで、最近における米の需給に若干タイトな面ができてまいりまして、大変御心配をかけて申しわけないと思っております。
 私ども今後、当然予想を立てていく必要があろうと思っておりますが、一つはやはり気象条件というようなものの厳しさを頭に置きまして、需給を考えます際の計画の中で、そういう気象変動がある程度ありました場合にも、これにこたえますためのいわば単年度需給を超えます積み増し、これは五十八年、五十九年いずれも心がけておるわけでございますが、そういうものをさらに徹底して考える必要があろうかと思っておりますし、さらに、そういうことが現実に的確に行われますよ
うに水田利用再編対策につきましても所要の見直しをしていくつもりでございます。
○倉田寛之君 この気象の問題につきましては、昨今、いろいろな学者の方々あるいは新聞等でもコラム欄で大変はっきりと述べられているようであります。特に私はこの記事は大変興味深く読んだのですが、「異常気象の時代に備えるには」という、五十九年三月二十五日の読売新聞のコラムでありますけれども、要するに、高度成長時代には、天候の影響は小さかったが、第一次石油ショックが起きて以来、意外にこの天候ということが経済に影響していることがはっきりしてきた。しかも、この気候の変動に立ち向かう長期的な見通しというものは、信頼度の高い気候資料の整備がまず不可欠である。一番いい例は、昨年、気象庁が、蒸し暑く晴天の日が多いというふうに長期予報を出したけれども、蒸しもせず寒い梅雨だった。このときはエルニーニョと呼ばれる太平洋の海水温異変についてのデータの入手がおくれたため、的確な予報が出せなかった、こういうようなこと等が実は書かれているし、なおまた、特に本年の四月からのテレビ、ラジオ番組を見ても、天気予報番組というのは大変目玉というような感じで取り扱いをしている。まさに、この気象問題というのは非常に重要な要素を占めているという観点もございますので、農水省としては、特に食糧生産、いわゆる食糧の安全保障確保という意味からも、やはり長期的な気象予測というものに対応する準備、そしてまた怠りない計画というものをひとつお図りをいただきたいというふうに、この点は御要望を申し上げておくわけであります。
 さて、ここで今まさに食糧、特に米の問題について生産者、消費者の間に不安感があることも事実でありますので、三点ほど実は関連をして承っておきたいと思うんですが、政府の五十九年度の米穀年度の需給の見通しというのを資料を取り寄せて拝見しますと、前年産米で十万トン、五十八年産米で一千三十七万トン、五十三年産米で十万トンから十五万トン、ただし、五十八年産米の中では早食いで六十五万トンをもう使っている。集荷不足がおおむね二十四万トンある。こういうマイナスをしょいながら一千六十万トンという実は数字を出しておるわけであります。
 ところで、この需要に供する一千六十万トンのうちの六百六十万トンは政府が管掌している主食米でありますけれども、これも十万トンぐらい上回るという勘定だそうであります。そして、六十米穀年度へ繰り越しを十万トン実はしようとしている。それでは、これの需給バランスはどうするかというと、五十九年産米で対応して、九月に百万トンだと、十月末までに四百万トンだということを実はこの数字を見ますと拝見できるんですが、この需給の見通しのバランスというものは非常に窮屈ではないのかという感じを持つわけであります。その点についてはいかがでございましょうか。
○政府委員(石川弘君) かつて大変大量な古米を持って操作をいたしておりました時代に比べまして、ただいまお話がありましたような関係の中では、かなり端境期におきます新米の供給に期待する部分が多うございまして、これは最近、御承知のように、米の生産構造が少しずつ変わってきておりますので、早場米の供給自身は、今、先生も御指摘になりましたように、かなり早い時期に出でまいるわけでございますが、主食の世界におきましては量的には何とかそういう早場で出てまいります米を十分うまく操作することによって量的な不足を来すことはない状態と考えております。問題は過去に若干の不足がございまして、輸入等のことでいろいろお騒がせをしたわけでございますが、私どもいわばゆとりを持って米を操作いたしますときには、やはり端境期にもう少し多い分量の米を持って年を越していくというのが望ましい操作と考えておりますので、御承知のように、五十九年の産米の計画の中でも、いわば四十五万トンの積み増しを想定しました計画をいたしております。これはこれからの天候その他にもかかわることでございますので、第三期の水田利用再編対策の際に考えましたように、なるべく早い時期に約百五十万トン程度のいわば積み増しが可能になりますように、これからの施策の展開に努力をするつもりでございます。
○倉田寛之君 「食料の備蓄、安全保障の問題」というのは、昭和五十五年の農政審議会の答申から実は書かれたというふうに先ほど指摘を申し上げましたけれども、ただいまの御答弁の中にも、四十五万トンずつ三カ年計画で百五十万トンを備蓄する、特に食糧の持つ特質性から長期の保存というのは大変困難である、備蓄にも費用が相当かかる、実はこういう問題を持っておるわけでありますけれども、この百五十万トンを備蓄する、もう三百万トンぐらいまで備蓄はできないものだろうかというのが一方で議論があります。一体全体三百万トンにすることはどうしてできないのか、その辺のところを一点触れさしていただきます。
○政府委員(石川弘君) いわば積みっ放しと申しますか、再び普通の食糧として使わないという前提で考えますと、積み増し量が多い方が安定的であるという議論があるわけでございますが、御承知のように、積み増したものを次年度以降の主食として適切に流通させるということからいたしますと、私先ほど申しました百五十万トン程度でございましても、これを良好な状態で主食として流通させますためには低温倉庫に入れまして管理をするというような、そういうきめ細かな操作をしまして初めて可能かと思います。それ以上の積み増しになりますと、次年度に新米が出てまいりましてもかなり遅い時期まで前年産米で流通をさせていくということがございまして、最近のように、消費者の方々の米に対する嗜好が非常に高まっています段階ではなかなか難しい。いわば百五十万トン程度のものを頭に置きます際には、米の安定供給という面のプラスと、それから、やはりそれが何とかうまく回転をしまして消費者の方々にも喜んで食糧として流通ができるという、その兼ね備えがどうも百五十万トン前後ではなかろうかと思っております。したがいまして、私どもその程度のものをやりますことが、生産者の方々あるいは消費者の方々、双方から信頼のできる上限ではなかろうかと思っております。
○倉田寛之君 時間の関係もございますので、先へ進ませていただきたいというふうに思います。
 次に、農業における技術開発についてお尋ねをさしていただきたいというふうに思います。
 技術開発の必要性は工業の面にとどまらないことは私が申し上げるまでもないことであります。農業におきましても、石油の消費型から脱皮する農業技術の開発であるとか、備蓄技術の向上であるとか、多収品種の開発など、食糧の安全保障にとって重要な課題であると思います。バイオテクノロジーによる品種の改良、農薬の改良、消エネルギー農業技術などは今後の緊急な政策であると考えます。経済協力におきましても、現地の状況に合った農業技術、農業品種の開発によって協力することは我が国が国際的に貢献する道であるというふうにも思料されます。かつてアメリカ商社によるハイブリッドライスの種子の我が国への売り込みが大きな話題となったことがございました。最近遺伝資源は国際的な食糧戦略の一環として大変注目をされております。去る六月の資源調査会、ここに調査会の答申の資料を私持っておるわけでありますけれども、この資源調査会の答申の中で、生物の活用が重要にもかかわらず、欧米に比べて生物の収集、保存面で極めておくれている、こういうふうに指摘をいたしております。種子の保存などを緊急な政策として実は提言をしているわけであります。
 そこでお尋ねを申し上げますが、現在の日本の種子保存、農業生物資源研究所、これは農林省の監督下にあるようでありますけれども、ここには三万四千系統の種子保存があるというふうに伺っておりますけれども、我が国の種子保存につきましては諸外国に比較してどのような位置づけにあるか、まず初めにお伺いいたします。
○政府委員(櫛渕欽也君) 農作物の生産力を高め、そして食糧の安定的な供給を図るために私ど
も、すぐれた形質を備えました品種の開発、これに特に力を入れる必要はあるわけでございまして、各国ともこういった重要性の認識に立ちまして積極的に品種改良の基礎になります遺伝資源の確保に努めておるところでございます。我が国といたしましても従来から国内外の遺伝資源の探索、導入、さらには保存、これに努めておりまして、農林水産省試験研究機関で保存しております遺伝資源の量は昭和五十八年末現在で、種子で七万八千点ございまして、さらに栄養体を含めますと約九万九千点になっております。しかしながら、この程度の保存量ではまだまだ十分な状況にあるとは申せませんので、昭和五十八年度から作物遺伝資源・育種情報の総合的管理利用システムの確立と題しまする事業を実施してございまして、この中で国内外の遺伝資源の探索、導入あるいは保存、こういったものにつきまして一層強化に努めておるところでございますが、同時に、こういった手持ちの遺伝資源の特性を調査いたしまして育種素材としての有用性の評価を行いまして、これらのデータベース化をいたすように進めておるところでございます。
 なお、これらの遺伝資源あるいは育種情報、こういったものを国公立の試験研究機関はもとより、民間の試験研究機関あるいは大学、こういうところにも提供するような仕組みを整備しておるところでございます。こういった意味で、今後ともこの事業によりまする遺伝資源の探索、導入を強力に進めるとともに、国際植物遺伝資源理事会というのがございますが、こういったところの国際機関の活動へ積極的に参加いたしまして、こういった中でもさらに種子等の遺伝資源の収集、保存の強化を図ってまいりたいと考えております。
 先ほどの御質問の中で、我が国の保存の現状と諸外国の比較の話がございましたけれども、例えばソ連あるいはアメリカ等では保存量約三十万というふうに聞いております。
○倉田寛之君 ちょうど両大臣がお見えになられましたので、両大臣にこの際お尋ねをまずさせていただきたいというふうに思います。
 資源・エネルギー、食糧問題につきましては、私が申し上げるまでもなく世界の政治経済というのは今まさに転換期に直面しているというふうに考えられます。核時代下での米ソの軍事バランスの変化、経済面でのアメリカの優越の低下、南北問題、保護貿易主義の台頭、発展途上国における債務累積問題など、これに対応する我が国の選択というのは慎重かつ聡明でなければならないというふうに考えます。
 両大臣は、我が国の総合安全保障の中で、本日のテーマである経済安全保障の意味をどのように認識をされておられるのか、また国と国民の安全を保障するための両相の現下の重点政策の目標とは一体何であるか、時間の関係もございますので、甚だ失礼でありまするけれども簡明にお答えのほどをお願いしたいと思います。
○国務大臣(山村新治郎君) 食糧の安定供給と安全保障を確保するということは、国政の基本ともいうべき重要な課題でございます。国土を有効利用し、生産性の向上を図りながら、国内で生産可能なものは極力国内生産で賄い、またこのような国内生産の展開を通じ、かつ農地の確保整備等によって総合的な食糧自給力の維持強化を図る所存でございます。
 輸入に依存せざるを得ないものは安定的な輸入の確保を図るとともに、輸入障害の発生など不測の事態に備えまして備蓄を行う、これらを我が国農政の基本方針としてやってまいりたいと思っております。
○国務大臣(小此木彦三郎君) 資源小国であります我が国にとりまして、エネルギー・資源等の安定供給を確保することは、我が国の国民生活の安定と国民経済の円滑な運営を図っていく上で欠くべからざるものでございます。今後ともこのような我が国の経済安全保障を確保することが政策の重要課題でございまして、そのためには各種の政策手段を通ずる総合的対応が重要でございます。このような意味で、第一に自由貿易体制の維持強化、経済協力の推進、二番目には石油鉱物資源等の重要物資の安定供給の確保、三番目には技術開発を通ずる国際社会への貢献等を最重点課題と考えておる次第でございます。
○倉田寛之君 時間の関係もありますので、ただいま通産大臣からレアメタルの問題についてお触れになられ、御答弁の中にございましたので、その点について簡略にお尋ねをしたいと思いますが、実は本委員会におきましてはさきに参考人をお招きいたしまして、経済の安全保障というテーマの中でいろいろな角度でお尋ねをいたしました。当日は我が党の石井一二委員が御質問をいろいろされたのでありますけれども、その際出席をした尾本信平参考人より大変経済人らしい御意見の提言がございました。その意見というのは要約をいたしますと、レアメタルの備蓄というのは税金を消費するものではなくてお金と物との交換である、こうした見地から、例えば外為特別会計と同じような機構としての資源備蓄特別会計を新設することはどうなんだろう、これは前からも提言をしてまいりました、というようなことを実はお述べになったのであります。私はなるほどというふうに傾聴をさせていただいたわけですが、こういった点につきまして通産大臣はどのようにお考えになられますか。
○国務大臣(小此木彦三郎君) レアメタルが我が国の産業にとりまして必須の重要資源であることは言うまでもございません。今後先端技術の発展に伴いましでますますその重要性が高まるものでございまして、その安定供給は経済安全保障の観点からも非常に重要な課題でございます。このため従来からその備蓄に努めているところでございまして、また今後も開発等を含めて幅広い観点から安定供給対策を検討していく所存でございます。
 今、倉田委員がおっしゃったような資源特別会計構想というものは、レアメタル政策の財源対策としては一つの考え方であるとは存じますが、臨調におきましても「特別会計の新設については、財政の膨張抑制等の見地から極力抑制する。」ということがうたわれておりまして、これを実現することはなかなか難しい問題であると私は考えております。
○倉田寛之君 先ごろ、五十九年の三月十四日に平和問題研究会、高坂先生が座長で取りまとめた中間の要旨の中に、今私が備蓄の問題で御質問を申し上げましたけれども、この中にこんなことが実は書いてあるわけであります。簡単に申し上げますと、「開発途上国への資源開発関連経済協力」、つまり我が国からレアメタル産出国に出向いていって、そこで経済協力をして我が国の資源確保をする、そういったパイをどんどんふやしていくという方式も一つではないかという提言がここに出ておりますけれども、この提言につきましてはどのようにお考えになられますでしょうか。
○政府委員(柴田益男君) 今、先生お話にございましたようなレアメタルの確保につきまして、海外に出ていって、特に経済協力と組み合わせてこれを確保していくというのも一つの方向であると我々も認識をしておりまして、この観点からも先般鉱業審議会の鉱山部会の中にそのための小委員会を設けまして、今検討をしているところでございます。
○倉田寛之君 我が党の大坪理事の質問の時間がもう迫ってまいりましたので、次に代替エネルギーの開発についてお尋ねを簡単にさしていただきます。
 この代替エネルギーの開発につきましては、通産省がお出しになっている「エネルギー別」等の資料などを見ましても、サンシャイン計画の長期開発計画についても六十五年までにいわゆる太陽熱あるいは地熱等々の新しい代替エネルギー計画というのは実用段階に来ない。通産大臣がお話しになられますように、我が国は五十四万キロリッターを一日に使う。もしドラム缶を並べたら北海道の稚内から名古屋までつながるんですよということを実はよくおっしゃられる。そうなると、石油にとってかわる代替エネルギーとしての原子力
発電というものは大変重要な位置づけになっていく。ところが、この原子力発電というものについては国民の理解と協力というものが大変必要であります。こういうような問題についての対応について率直な御意見をちょうだいしておきたいと思います。
○政府委員(松田泰君) 原子力発電につきましては、代替エネルギーの中核としてこれを位置づけておりまして、できるだけ開発を進めていきたいという政策を望んでおるわけでございますが、その推進に当たりましては、ともかく安全性の確保というものをまず第一に据えているわけでございます。
 原子力の安全性を確保することにつきましては、その内容を説明する前に、現在、我が国の発電所の稼働率が約七〇%以上の実績を示すに至っておりますことがおわかりになりますように、かなりの実績を上げておりまして、国際的にも非常にその安全性確保の技術並びに実績が評価されているところでございます。これをもたらしました背景といいますのは、もとより国の規制、検査等がございますが、それとともに民間関係機関の運転及び人員の養成等に対する努力、そういったものが積み重なってできているわけでございます。
 国といたしましては、まず原子力発電所を所管します通産省としまして、原子炉等規制法あるいは電気事業法に基づきまして所要の建設が行われ、運転が始まるまでに数々の安全審査並びに検査等を行っております。しかも、この安全審査の結果は原子力安全委員会のいわゆるダブルチェックというものを受けまして、国民の皆さんに安全性の確保についての安心感を与えるというふうな仕組みになっているわけでございます。また、運転に入りましてもそれぞれ保安規定の認可とか、原子炉主任技術者の配置でありますとか、運転員の有資格者の配置でありますとか、あるいは一年に一回の定期検査等を通じまして、その安全確保に努めているという仕組みになっている次第でございます。
 そのほか原子力発電所の安全性につきまして、国民の皆さんの理解を得るために、数々の運転経験につきます情報その他についてできるだけこれを発表する所存でおりますが、例えばスリーマイルアイランドのような大きな事故がアメリカでありました場合にもそれの実例の分析をじっくりやりまして、その経験を教訓といたしまして数々の安全対策の樹立を図っていくというようなことをしてまいっておる次第でございます。
○倉田寛之君 まだきょうは、両省の担当者が来ておりますので、植物特許の問題、衆議院でも問題になり、参議院の商工、農水等々でも質問が出されておったので、これも尋ねたかったのですけれども、時間の関係で、また後日そういう機会がありましたらいたしたいと思います。
 最後に、本日の質問は時間の関係で論点のみを展開するだけにとどまってしまいました。もっともっと一つずつ論議を深めるべき問題であるような感は深くいたしております。資源あるいは経済の安全保障の問題というのは資源備蓄の必要性、これは当然のことでありますけれども、備蓄への努力を継続していくことは当然でありますけれども、我が国の経済の発展を今後とも支えるであろうまずは技術開発、この技術開発を中心として世界に貢献していく方向を確認することでなければならないのではないか、こんなように私は思うものであります。我が国は資源は少ない、確かに無資源国と言われております。しかしながら、頭脳資源というのは世界に冠たる教育水準を誇り、無限であります。資源・エネルギー、食糧、環境等々の面に発生する将来の諸政策は厳しいものがあろうかと思いますけれども、これを技術の力をもって切り開いて我々の生存と発展を図っていくことが経済の安全保障を確立する道であろう、こういうようにも信じております。
 このような認識に対しまして、両大臣の見解を承って私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(山村新治郎君) おっしゃるとおりでございまして、農業部門につきましても技術の協力、技術援助、これらを通じながらやってまいりたいというぐあいに考えます。
○国務大臣(小此木彦三郎君) 倉田委員のおっしゃることはまことにごもっともなことでございまして、民族の英知、優秀な知能を持って技術開発をということは、無限の可能性があるわけでございます。通産省といたしましては、この技術開発の面に非常な重要な関心を持っておりますけれども、新しい技術開発はもとより今ある日本の世界的な技術の中にも、これを怠れば直ちにほかの国に追い越されるというような激しい時代でもあるわけでございまして、このような技術開発は新しいものも、また現在あるものもやはり懸命にこの指導に努力してまいらなければならないと私は考えております。
○大坪健一郎君 倉田先生の御質問に関連して二、三お聞きしたいんでございます。
 安全保障の観点からいいますと、実物の備蓄ということも重要でございますけれども、生産を可能にする領域を確保することとか、生産の可能性を保障しておくことが非常に重要になってまいります。
 そこで、想起されるのが、最近世界各国が集まりましてつくり上げました海洋法の問題でございます。きょうは時間がございませんから海洋法の中で、農水関係では二百海里、経済水域の問題をちょっとお尋ねをしたい。それから、通産省には深海底の資源開発を一、二お尋ねしたいと思っております。
 まず、二百海里の問題でございますけれども、これは、初めは水産資源についてだけ二百海里内で占有できるような国際的な権限設定が議論されておりましたけれども、結論的には二百海里の経済水域ということで二百海里内の排他的な経済水域における資源の調査それから保全、そういったものは沿岸国の一括的な権利であるということになりました。
 海洋法はまだ成立いたしておりませんけれども、現在もう百三、四十カ国が署名をいたしまして、批准が十三、四カ国に及んでおると聞きます。批准が六十カ国になりますと国際法として明定されるわけでございますから、海洋法の中で各国が合意して決められておる問題は、具体的に我が国の資源確保に非常にプラスになる面は今からもう手をつけておいた方がいいだろう。そうすると、沿岸国の排他的経済水域における生物資源の漁獲についてはこの海洋法の六十一条では「漁獲の可能量を決定する。」ということになっております。それから六十二条では「漁獲能力を決定する。」ということにそれぞれの国がなっております。つまり、日本の二百海里水域の中ではこの程度は日本がとるぞと、それ以上のものは外国にとらせるということになるようでございますが、そういうことについての調査あるいはそういう考え方に基づいての施策の準備は農水省としてお進めでございましょうか。
○政府委員(佐野宏哉君) お答えいたします。
 実は国連海洋法条約の動きに先立ちましてアメリカ、ソ連等続々と二百海里の管轄権を主張する措置を講じておりまして、実態的には二百海里時代というのは既に相当既成事実化しておるわけであります。そういう状態の中で我が国の二百海里水域内の水産資源の重要性というのは一層高まっておるわけでありまして、そういう状態にふさわしい二百海里水域内での漁業資源について従来にも増してより精密な調査を行う必要というものは私どもも感じております。それで、殊にソ連とか韓国とかの関係で問題になりますマイワシ、マサバ、スケトウダラ、スルメイカ等十五種ほどの資源を対象にいたしまして現在二百海里内の漁業資源調査を実施しておるところでございます。
 それで、残念ながら現状では可能漁獲量を決定するというところにまでは至っておりませんが、御指摘のような方向で資源調査を強化いたしておるところでございます。
○大坪健一郎君 今の問題重要ですからぜひひとつ詰めてやっておいていただきたいと思います、これは日本の権利でございますから。
 それから次は、深海底の資源問題でございます。深海底の資源は五千メートル以上の、特に東太平洋でございましょうけれども、マンガン団塊がございます。これはニッケルとかクロムとか、そういった希少金属にとって非常に大きな問題のようでございます。
 それからもう一つは、最近非常に技術的にわかってきたことのようですが、熱水鉱床、つまり海嶺の付近の二千メートルから四、五千メートルのところに熱水鉱床という、いわば鉄を主分にした金属の鉱床が発見されておって、これが将来の金属資源の重要な基礎になるだろうと言われております。
 海洋法ではその深海底開発の問題については関係国が合意をしまして、人類の共通の財産だ、だから深海底の資源を掘るには一定の手続によって掘る権利をそれぞれの国が持たなきゃならぬということになっておりまして、そういう枠組みをつくるのに、あらかじめそれぞれの海底の資源の賦存状態を正確に把握した国にどちらかと言えば発言権を非常に認めるという傾向がございます。
 そこで、深海底開発に関しまして、海底のそういった状況の調査を十分進めておられると思いますけれども、その状況がどうか。
 それから、最高の技術、これは深い海から鉱石をとるわけですから大変難しい技術ですが、その技術の開発の状況はどうなのか。
 時間がございませんからもう一つついでに、今申しましたように国際的な枠組みの中でとる権利を確保するためには鉱区をちゃんと押さえておかなきゃなりません。鉱区を押さえるためには国際間の話し合いが、面倒くさい手続があって、現在準備委員会というのが発足してやっておりますけれども、その準備委員会の手続に日本は積極的に参加をしてやっておると思いますが、その状況等ももし発表できる状況でしたら私どもに教えていただきたいと思います。問題は大変複雑で重要ですから、いずれ機会を見てまだ細かくやりたいと思いますが。
○政府委員(川田裕郎君) 私から深海底のマンガン団塊の採掘技術の開発の状況について御報告申し上げます。
 ただいま先生御指摘のように、このマンガン団塊は大体四千メートルから六千メートルの海底にありまして、ニッケル、コバルト、銅等を多分に含んでおるものでございます。この研究、私ども工業技術院といたしましては、このマンガン団塊の採掘方法につきまして、五十六年度から六十四年度までの九カ年計画ということで研究開発を進めております。これまでに既に四年が経過をいたしまして、海底にありますマンガン団塊の集鉱の、集める方法とかあるいはそれを海上の船まで上げる方法、それ全体をハンドリングする方法、それから全体として計測その他の技術がございますので、そういったようなサブ技術につきましてこれまで研究開発を進めてきております。
 なお、あわせまして、それ全体を組み合わせたトータルシステムについての基本的な実験計画を現在検討しておるところでございまして、一応六十四年度を目途に全体のシステムを完成させるようなことで実験を進めておる次第でございます。
○政府委員(柴田益男君) マンガン団塊の開発につきましては、昭和五十年度から国から金属鉱業事業団に対する委託事業といたしまして、マンガン団塊の探査専用船の第二日嶺丸を用いましてハワイ南東沖のマンガン銀座における賦存状況調査を毎年五航海実施してきているところでございまして、さらに大坪先生等の御尽力によりまして五十七年七月に深海底鉱業暫定措置法を制定いたしまして、我が国政府プロジェクトの承継者としての深海資源開発株式会社を設立したところでございます。
 また、我が国は昭和五十八年二月に国連海洋法条約に署名いたしまして、同条約と同時に採択されました先行投資保護決議に基づき深海底マンガン団塊開発を推進していくこととしておりまして、同決議の先行投資者たる地位に立つ深海資源開発株式会社が昭和五十八年度からより詳細な調査を行うために自主探鉱事業に着手したところでございます。
 なお、先生お話がございました熱水鉱床につきましては、五十八年度から一部調査、勉強を始めておりまして、来年度の予算要求についてはぜひこれは探査をいたしたいというようなことで今検討を進めているところでございます。
○梶原敬義君 私は、最初に通産大臣と農林大臣にお伺いしたいと思います。
 本委員会は、我が国の総合安全保障に食糧の問題あるいは資源・エネルギー、これは一体どうかかわってくるかという、そういう観点から今調査が進められておるわけでありますから、次の点について両大臣から率直に、見通しを含めてお答えをしていただきたいと思います。
 我が国の国民生活の安定のために、エネルギー、食糧、鉱物資源、木材、こういうのが大きな輸入物資の順位になると思いますが、これらが国民生活安定のためにとってそれぞれ必要でありますが、まさにどれとどれがひとつ順番からいくと、大臣、おれはこう思うと、こういう観点から率直に御意見を述べていただきたいと思います。
○国務大臣(山村新治郎君) どれとどれと言われましても、農林水産省といたしましては、何といっても食糧は、これは国民生活にとって最も基礎的な物資であるというぐあいに考えております。そして、その安定供給と安全保障を図る観点から、食糧の確保を最優先させることは国政の最も重要な課題の一つであるというぐあいに考えます。したがいまして、いざという場合に食糧の安定供給を図れるような生産力、これは土地、担い手、技術等、これらを確保していくことが重要であるというぐあいに思いますが、これとあわせまして、現在輸入の依存度の高い小麦、大豆、トウモロコシ、グレーンソルガム等につきましては、短期の需給変動に備える観点から備蓄を現在行っておるところでございます。
○国務大臣(小此木彦三郎君) 優先順位ということを申し上げる前に、何と申しましても石油、鉱物資源等のうち、国民生活、産業活動に欠くことのできない重要な輸入物資につきましては、輸入の途絶といった不測の事態に備えて、まず備蓄を行うことが大切であると私は考えます。
 このような観点に立ちまして、通産省といたしましては、従来から石油備蓄あるいはレアメタルの備蓄を推進してまいったわけでございます。中長期的には安定供給確保の観点から、経済的な合理性をも考えながら、供給源の多角化あるいは節約、さらには代替エネルギーの開発等の促進を図ることが必要であると存じます。
 梶原委員おっしゃるような、万一御指摘のような不測の事態が生じたというときにはどのようなことを優先順位とするかというようなことになりますれば、それは国内の需給関係というものを勘案した上で決定していかなければならないものであると私は考えます。
○梶原敬義君 木材について農水大臣触れられなかったんですが、これはもう、今国内で木材をつくっても、なかなか外材と競争ができなくて、各地で造林や、関係の仕事をする人は生産意欲を失っておるわけですね。この辺については、将来にわたって木材の問題については、農水大臣としてはいかがお考えでしょうか。
○国務大臣(山村新治郎君) 木材につきましては、いろいろ構造的不況と言ってもよいような状況にもございます。せんだって、アメリカ・ブッシュ副大統領がおいでになりましたときも、木材の関税の緩和等を強く要望されましたが、しかし農林水産省といたしましては、やはり森林というものが木材生産ということだけではなくて公益的機能も有しておるということも考えまして、何といってもこの振興を図っていかなければならないし、これだけはということで最後までお断りいたしましたが、今後ともいわゆる林業の振興ということには力を入れてまいるつもりでございます。
○梶原敬義君 そこで、通産大臣にお尋ねいたしますが、今我が国の貿易収支は、いわば非常にここのところ好調であります。大幅な黒字も続いて
おりますが、これがあと十年あるいは二十年、三十年たったときに、一体こういう今のような好調が持続できるかどうか、こういう観点に立って見た場合に、食糧あるいは木材、これは日本の国内で相当程度はできないことはないわけですね。だけれど、どんどん今輸出しておりますが、それを輸出するだけ貿易がどんどん十年、二十年、三十年先も好調に推移するかどうか、これはなかなか見通しがつきにくいと思うのだけれども、しかし農業やあるいは林業の政策というのは相当前もってやらないといざというときには間に合いません。そういう点で、貿易収支のこれからの十年あるいは二十年、三十年後に立った見通しというのは一体どうなんでしょうか、好調に推移するでしょうか。ちょっと大臣に先に勘でひとつ。
○国務大臣(小此木彦三郎君) 我が国の貿易は、世界経済の動向、あるいは先進国、発展途上国それぞれの産業構造や為替レート等により、その状況は左右されるものであると私は考えます。したがいまして、今この場合、二十年、三十年後はどうなるか、その見通しを述べよと言われても、私には弁当に困難だと思います。
 しかし、やはり好調を持続するということは努力の成果でございまして、今好調であるからといってそれに油断することなく、その持続的な成長あるいは好調を持続させる努力というものを行うことによって、二十年、三十年後もその好調さが招来できるものと私は考えます。
○政府委員(黒田真君) ただいま大臣からお答えいたしましたとおりでございまして、なかなか先の見通しを立てるということは難しい。と思います。そして、日本が資源に制約があります以上、海外から原材料を入手しなければならないわけでございまして、その代価としての輸出というものに努力をしなければならないという点につきましても、ただいま大臣からお答えしたとおりでございますので、それらの輸出品というものがどういう程度でそのときの市場に受け入れられているであろうかという、非常に遠い先のことになりますと、いろいろな各国間の状況あるいは経済的諸条件、為替の状況等々、非常に難しいかと思いますが、私どもといたしましては、そういうものが確保できるだけの輸出が可能なような、そういう産業として頑張ってもらうように国の施策を用意しておくという必要があろうかと思っております。
○梶原敬義君 確かに見通しは難しいと思うんですね、私もそれはなかなか簡単にはいかないと思っておりますが、木材の場合は、国内で杉を植えて切られるまでにはやっぱり三十年から四十年、長いもので五十年ぐらい杉やヒノキについてはかかりますしね。といいますと、今生産意欲を失って、造林もあるいは下刈りもなかなかやり手がおらないような状況。ところが、三十年あるいは四十年先に我が国の貿易収支がどうもうまくいかないということになったら、もうあるやつは全部日本の山は切って切りまくらねばしようがなくなる。あるいは減反の問題にしましても、どんどん減反をやっていく。田舎の段々畑に行きますと、一たん減反をしますと、ススキやあるいは芝や小さな木が生えて、もう二度と再び田畑として稲をつくられるような状況にはならぬわけですね。ですから、最小限もう少し長期にわたってやはり日本の輸出入の貿易収支の見通しあたりも立てて、これはもう勘でしかならぬかもわからぬですけれども、基本には食糧とかあるいは林業とかを一体どうするのか、ここの基本姿勢がやっぱりないと、行き当たりばったりの政策が出てくるわけです、政策と言うかどうかわかりませんがね。この点のお考えについて、通産大臣あるいは農水大臣のお考えを冒頭に聞きたいと思います。
○国務大臣(山村新治郎君) 農林水産省といたしましては、今言われた二十年、三十年というのはちょっとございませんで、六十五年までの長期見通しということで、今ある七三%の自給率、これを守っていこうということでございます。木材等につきましては、これからだんだん国内産もふえてくるようなぐあいになろうと思いますが、しかしそれにしましても、これらを先ほど通産大臣が申し上げましたように努力していかなければならないということですが、農林水産省としては、とりあえず六十五年までには七三%の自給力というものにこれを持っていくということを目標といたしております。
○国務大臣(小此木彦三郎君) 収支の見通しを二十年、三十年後まで見通すということは、先ほど私が申し上げましたとおり非常に困難な問題だと思います。今、委員も木材の問題等に言及されましたけれども、これは農水省的な立場で申し上げることではなしに、私自身材木を職業といたしておりますけれども、三十年ぐらい前に和歌山県に働きに出されまして、その膨大な森林資源というものを見たときに、和歌山県の山林業者というものは未来永劫までこの木材を使った豊かな職業を営まれるのではないかということを感じたものでございます。
 しかしながら、その後十年、十五年たちまして、集中豪雨的な米材あるいは南洋材の輸入、しかも原木で輸入することができなくなって製品で輸入してきたときに、日本の製材業者というものは、いわば製材の食い物が全部なくなってしまったわけです。したがって、木材業そのものがおかしくなると同時に、製材業者も非常な破綻を来してしまった。さらにそれに加えて、例えば新建材であるとかサッシであるとか、そういうものが発達し、日本の建築様式がもうそれこそ革命的な変革を来してしまった。そのために、その後十五年ぐらいで、まあ和歌山県ということを申し上げちゃ大変失礼でございますが、その地域の木材業者というものが転業あるいは廃業を余儀なくされてしまった。それほど戦後の経済の変転というものはあらゆる分野で変転目まぐるしい時期でございますので、今、委員のおっしゃるような二十年後、三十年後はどういうことになるか見通せということは非常に困難なことだと思います。
 しかしながら、先ほども私申し上げましたけれども、日本の企業家の旺盛な活力というものがある以上、そしてまた官民挙げての持続的な好調というものを行っていこうという意欲がある限り、私はそのような形でもって国内の経済の好調あるいは収支の好調というものを維持できるものと確信いたしておるものでございます。
○梶原敬義君 通産大臣、これはもうあくまで勘の問題で、大きな判断基準にはなると思うんですが、イギリスがかつて十九世紀末までは非常に好調であった。工業出荷物にしても世界をリードしておった。その後アメリカが世界をリードしてきた。ところが、今アメリカは大変貿易は赤字で悩んでおる。日本は日が当たっておる。しかし、将来ただ日本の勤勉さだけで、いつまでたっても、木材あるいは食糧を見通しても、これはうまくいくんだ、食糧もどんどん輸入せよ、木材も輸入せよというように果たしていくかどうかという大きな観点から見ると、簡単にはいかぬのではないかという気がするんですが、その点はいかがでしょうか。
 今、日本は輸出競争力が確かに自動車やあるいは電気、鉄鋼、あるでしょう。しかし、私たちが現場で見ますと、電気にしても自動車にしても莫大な下請けを使っておるんですよ。ベアリングをつくったり部品をどんどんつくる。あるいはビデオの部品を組み立てるところなんかはもう最低賃金すれすれの、特に婦人労働力を中心にした人たちを使って組み立てて輸出しておる。この辺のところがいつまで続くかという問題もあるわけですよ。だから、一生懸命国民があるいは経営者が頑張っておる。確かにそうなんだけれども、いつまでもそういう状況が続くかどうかというのは疑問を持たざるを得ない。そういう点から、もう少し国家的な観点から、やはり歴史的に見ても日本はそううまくいくのかと。食糧あるいは木材やそういう自然を相手にするようなものまで――これは石油は輸入しなきゃいかぬでしょう、あるいはレアメタルもないから輸入をしなければいかぬ。しかし、国内で何とかやれるものは、もっとやれるような方向に変えなきゃ、将来うまくいかぬのじゃないかという勘は働くのじゃないですか、政治
をやっている人なら。いかがでしょうか。
○国務大臣(小此木彦三郎君) そのような不安を持ちながら我々は五年、十年を見通し、あらゆる施策、政策を遂行いたしておるわけでございますが、何回も申し上げますとおり、二十年、三十年後の、例えば貿易収支というものの好調さを持続させるその見通しを立てろといわれても、現状では難しいということを申し上げているわけでございます。別に梶原委員に反論するような気持ちはございませんけれども、戦いに敗れたときに、あの廃墟の中で今日の日本がこれほど豊かな国家になるという予想を持った者は恐らくおられませんでしょう。あるいは第一次ショックで油が日本国内に十日、二十日しかない、今後の日本がどうなってしまうのか、そのようなピンチを日本民族が戦後何回も経験しながら、その苦難を克服して今日の日本があると思うのでございます。
 したがいまして、今後いろんな不安がございましょう、いろいろな苦しみもございましょうけれども、それは国民と政府が一体になって、与党も野党も一緒になって、あらゆる苦難を克服してこそ日本の将来を幸福に導くことができると私は考えておるものでございます。
○梶原敬義君 石油とかあるいは鉱物資源とか先ほどお話がありましたレアメタルなんかはどうしてもないから、輸入しなきゃならないでしょうね。ところが、食糧とか木材なんかは相当先の見通しに立って手を打っておかないと、いざというときには間に合わないわけですね。そういう点からしますと、相当先の見通しをやはりある程度立てて、じゃあどうするか。食糧はどうするか、木材はどうするか、こういう点で手を施していかなければならないのではないでしょうか。農水大臣どうでしょうか。
○国務大臣(山村新治郎君) 食糧等につきましては、先ほど申しましたように、少なくとも六十五年までにできればEC並みまで持っていきたい。確かに日本人が幾ら勤勉でございましても、土地利用型農業等を見ましたときに、アメリカの一戸当たりの農地の百四十五分の一というような農地でやるわけでございますから、せめてEC並みというようなところで、農業の方はそのようなぐあいに進んでおります。
 林業につきましては、輸入の比率も今の六三・四%輸入というのが七十一年には五六・七%というぐあいになってまいりますし、国内供給量も漸次ふえてくるというような見通しに立っております。
○梶原敬義君 農水省にお伺いしますが、六十五年はEC並みということはわかります。ただ、どうしてこんなに食糧の自給率が先進諸国の中で最低に急激に落ちていったのか。何でもっと早目に打つ手はなかったのか、この辺についてお考えをお聞きしたいと思うんです。
○政府委員(田中宏尚君) 食糧の自給率につきましては、全体の食糧で七三%、それから穀物で三三%という段階になっておるわけでございますけれども、ただいまも大臣からお話がありましたように、土地利用型につきましては、これだけ狭隘な日本国土というものを使っての仕事でございますので、なかなか生産効率でありますとかそういうものも上がらないということで、どうしても広大な土地を使っておりますアメリカでありますとか、カナダでありますとか、オーストラリアでありますとか、そういうところからの輸入に頼らざるを得ないという問題も一つありますことと、それからここのところ輸入がずっとふえてきておりますのが家畜用の飼料穀物でございますけれども、これにつきましては一般の土地利用型作物の中で最も土地を必要とするものでございますし、それから日本人の食生活が徐々に高度化いたしまして、畜産物への消費のウエートが高まるということにつれまして、輸入飼料穀物のウエートが残念ながら上がってくるというような形になってきているわけでございます。しかし、われわれといたしましては、これ以上自給率が後退していくということにつきましては問題でございますので、大豆でありますとか、小麦でありますとか、従来ともすれば外国にほとんど依存してまいりましたものにつきましても、水田利用再編対策の一環といたしまして、今後とも需要が安定的あるいは向上するものについてできるだけ生産の転換も行っていくということに取り組んでいるわけでございます。
○梶原敬義君 まあ土地の、農地の広さの問題を指摘されましたけれども、それはよくわかります。ただ、アメリカはアメリカなりに政策を持って日本に食糧を売り込んできたと思うんですね。まず最初に、小麦をどう日本国民に食べさすか、パンを食べさせるか、これはもうアメリカの政策だったと思うんですよ、アメリカも食糧余りますから。アメリカが打った次の政策というのは、御承知のように肉を一体どう食わせるか。肉を食わせれば穀物飼料がどんどん出ていくから、基本的にはこの政策がずっと鋭い政策で貫かれてきていると思うんですよ、日本に対してね。いやそうじゃないと言うんなら、昭和三十五年ぐらいは八三%ですか、穀物自給率があったのが、農林省としては今これだけ、穀物自給量がトータルで三三%ぐらいに落ちるというのは当初見通しておったんですか。なら、まああなたたちが言っている考え方は納得しますけれども、その点どうですか。
○政府委員(田中宏尚君) まあ戦後生活が安定してまいりまして、食生活の中身というものが洋風化していく。そういう高まりの中でどうしてもパンでございますとか、あるいは畜産物、こういうものに対する依存度というものが高まってまいりましたし、それから昭和三十五年ごろから非常に変わってまいりましたのは、やはり高度成長という中で土地の価格の高騰でございますとか、あるいは農家労働力の都会への流出、兼業化ということで、土地利用型農業に対する効率性というものが総体的に停滞していった。そして、それまでは戦後という中でいろいろ効率は悪くてもしがみついていたという形があるわけでございますけれども、高度成長の中で土地、人的資源ともにいろんな形で流出していったという中での土地利用型農業の停滞ということは全体として否めないんじゃないかと思っているわけでございます。しかし、その後高度成長というものも一段落してまいりまして、それからせっかくある国土資源、特に水田資源というものを何とか十分に活用し、子孫に残していくということから、先ほどもお話ししましたように、水田利用再編対策等を使いまして、全体的な土地利用率の向上というものに努めておるところでございます。
○梶原敬義君 ちょっと理解しにくい点がありましたが、先に移ります。
 農水省、それはいろいろ言いますよ。だけれども、振り返ってみてください。政策があったんでしょうかね、食糧政策や何かが。一体、本当に生きた政策が国民に対してあったのか。アメリカは一貫して政策を持って食糧政策の展開をしてきている。日本はあったのかどうなのか。あるとき米をつくれということでどんどん米をつくらして、その後急に減反でしょう。その前はミカン、私もミカン農家のことはよく回って知っておりますが、とにかく開拓でパイロットを組むのに、一方で漁業している連中までもうそのミカンパイロットに入らないとばかみたいに農協と県と農林省の指導の中で言われてやった。ところが、今借金だけ残っておる。そうなり出したら採算がとれない。それでたくさんお互いに連帯保証し合っていますから、一つ転べば皆いくような状態のところもありますよ。一体どうして賢明な皆さんが、いろいろ言われますが、くるくるそういうことになるのか。政策というのは見通しの裏づけがあって現実に生きておらなきゃ、それは政策じゃないと思う。
 年も、飼え飼えと言って飼わして、そして途中から飼料をアメリカから輸入する。私の郷里でもある開拓団で、十八軒ぐらいある開拓団で、半分ぐらいが五十頭から八十頭ぐらいの牛を飼って、あの狂乱インフレの前にそういう農家が約二千五百万円ぐらいの負債を持っておった。ところがその後、どうしようもない、購入飼料でやらざるを
得ない。そこで、今は八千万円から一億円近い赤字を抱え込んでおる。農協にもう金を返せないからということで、延滞金利で大体年間一七%、ひどいときには二二%ぐらいの延滞金利みたいなのを払っておるんです。もう雪だるま式に膨れていって、どうしようもない。だから、手を挙げるなら挙げなさい、そこからが勝負やと、農協はつぶれると、こうなっているんですよ。どうにもならないような状況になっている。
 だから、アメリカと日本を比べた場合に、これは農水省だけの問題じゃない。日本全体がやっぱり食糧政策というのはどうするのかという基本政策がないまま、そのときにごとごとやっていっているから、今度の韓国米の輸入問題についても、私は当然起こるべくして起こった帰結だろうと考えておるんですよ。この点について、まあお考えあれば、大臣からでも官房長からでも。
○政府委員(田中宏尚君) 農水省といたしましては、戦後は農地改革あるいは食糧増産ということでやってまいりまして、その後昭和三十年代の半ばに至りまして、いろいろ国民生活なり経済情勢全体の移り変わりというものに対応して、農業基本法というようなもので選択的拡大でございますとか、あるいは構造政策の推進ということに取り組んできたわけでございますけれども、その後の経済全体の移り変わりと、今先生御指摘ありましたように、若干ちぐはぐな点が過去にあったことは否めない場面というものはあろうかと思いますけれども、我々といたしましてはそういう過去のいろいろな反省の上に立ちまして、昭和六十五年の長期見通しというものを立てまして、先ほど大臣から話のありましたような基本線に沿いまして農政全体を運営しているわけでございまして、現在のところ六十五年の長期見通しの線に沿いまして、物によりましては先生今御指摘のありました、ミカン等について見通しと現実との乖離というものが若干出てきていることは否めませんけれども、全体としてはそういう方向で今後とも努力してまいりたいというふうに考えているわけでございます。
○梶原敬義君 答弁必要ありませんが、ミカンだけじゃない。結局畜産もアメリカの自由化枠拡大問題で随分子牛の値が下がって大変でしたよ。今でも大変ですよ。
 それから、農林大臣、ソバの花知っていますか。食べるソバ。私は、優秀な農林省の皆さん、あるいは通産省もそうなんだけれども、優秀な方が多いと思うんだけれども、なかなか一つの枠から飛び出して、一体どうなるのか、核心に触れる取り組みというのがどうも弱いような気がしてならない。後で米の問題で言いますけれども、そういう点で私が聞いた話なんだけれども、九州の佐賀に農林省の幹部が来たというのです。それで、県の人が案内して、これがソバの花ですよ、こう言った。大臣、ソバの花知っているでしょう。可憐な花だけれども。そうしたら麦の花はどれですかと、こう聞いたというのですよ。悪口を言うつもりはないけれども、麦の花どれですか。確かに麦は花は咲きますよね。しかし麦は穂が出て小さな……。だからソバの花と麦、恐らく麦そのものをよく知らなかった。やっぱり実際のことを知らないで頭で計画を立ててやっていくとそのときそのときくるくる変わってくるのじゃないのかな。その点いかがですか、大臣、あなたそう感じませんか。
○国務大臣(山村新治郎君) 農林水産省の幹部で麦の花はどれかと聞いたということですが、恐らくその担当担当におきましてはやはり農林水産業に携っておる者はそれぞれに精通しておるものと思います。しかし、そういうようなことがあったことはまことに遺憾でございます。
○梶原敬義君 そういう遺憾ということじゃなくて、やっぱり生きた食糧政策を一体どうするかという問題を真剣に考えてもらいたいと思うんです。
 そこで、我が国の国民生活安定上米の備蓄といいますか、これは政府は百五十万程度ということでありますが、私は百五十万というのがどこからなぜ出てくるのかわからぬ、もっと多くてもいいじゃないか。倉田議員のお話もありましたけれども、米がもし今足らなくなったら私ども田舎に住んでいる者はまあ何とかなるかもしれないけれども、東京とか大阪とか神奈川とか、こういう大都会に住んでいたら、これは一晩か二晩のうちにパニック状態になりますよね。それは農林水産大臣の首一つじゃ済みません。総理大臣が辞職せねばならぬぐらいの、もうそれでも済まないでしょう。そういう状況に恐らく発展していくと思うんですよ。一体全体、米が、日本の国民生活の安定、いわば食糧の安全保障ですか、そういう観点からするとどうしてこんなことになったのか、これまた理屈があると思うんですが、教えてください。
○政府委員(石川弘君) 最近におきます米の需給につきましていろいろ御心配をかけて申しわけなく思っておりますが、一つは、御承知のように、過去におきまして二回大きな過剰の時期がございまして、これがある意味で単なる財政という問題だけではなくて、米の需給の基本と申しますか、農業のあり方も含めましていろいろと反省すべき点がございまして、いわば水田の有効利用という観点から極力需要があります。その他の農産物に転換しながら、しかも米というものはおっしゃるとおり主食でございますので、これを安定するというための施策を第一期、第二期、第三期とやってきたわけでございます。どちらかといいますと、二期の途上におきましてはいろいろ努力をいたしましたが、なお過剰基調でございました。期中で改定をいたしまして、さらにいわば転作の規模をふやすということもございましたけれども、その後一変をいたしまして、例えば八〇幾つというような作況も含めまして四年連続いたしまして作況でマイナス、特に冷害等が続いたわけでございます。
 そこで、私ども、実は途中から作況の変化にも対応しましていわば転作の面積を減少させまして、若干ずつ備蓄を積み増せるような環境、ただしその時点におきましてはなお相当量の古米を手持ちいたしておりましたので直ちにそういう問題になるわけではございませんが、計画の面では積み増しをすることも考えまして計画変更をやったわけでございます。しかし、その後におきましても、一つは、御承知のように……
○梶原敬義君 ちょっと時間がないので、二十九分までしかないから、なぜそうなったかだけ。
○政府委員(石川弘君) そういう災害によります作の減が一つございます。
 それからもう一点は、転作につきまして当初予定をしましたものを上回る転作が結果として行われた、そういう結果、単年度需給で若干タイトになってきますと同時に、輸入という問題が起こりましたのは、過剰米をもって充てておりましたいわば加工原料につきましてことしから来年にかけての需給に御承知の臭素問題等も含めまして若干のショートをするという状態が起こっておりまして、そういうことがバランスを欠いた原因かと思っております。
○梶原敬義君 いいですか。ここは、あなたたちの責任を追及するために言っているのじゃないんです。要するに、どうあるべきかという問題を議論しているわけですね。
 したがって、私は、一つは見通しの甘さ、まずさ。ここがまず本当を言ったら理屈じゃない、これが一つ問題じゃないですか。
 それからもう一つは、主体性のなさ。第二臨調がああいうからこういうから、じゃそれをやりましょうかと。これに対して、農水省は第二臨調がどう言おうが見通しを持って、これは危ないというなら体を張って、そこで頑張らなきゃいかぬ。やっぱり見通しと主体性のなさ。ここがふらふらしておれば、食糧の安全保障を、外から要るとかあるいはつくるとかいう問題以前に、日本の食糧というのは一体どうなるか。これは任されない、国民はそう考えるかもわからぬ。農林大臣どうですか。
○国務大臣(山村新治郎君) 確かに、特に主食たる米の操作というものがゆとりのあるものではな
いということはおっしゃられるとおりでございます。せんだっても農林水産委員会等で御答弁申し上げましたとおり、今後はもっとゆとりのある操作を行えるような米の生産体制というものをつくっていかなければならぬというぐあいに考えております。
○梶原敬義君 私は民間の企業で仕事をしたことがありますから、そのときによく社長や上から怒られるときには、結果が間違っておれば経過がこうこうこうでありましたからと言いわけするな、これは、見通しが甘かった、主体性がありませんでした、やっぱりこういうような形から出直すようにしないと、今食糧庁長官のお話を聞いておって、私はうんざりしたんですが、やっぱり国民に対して申しわけで済むことと済まぬことがあると思うんですね。
 次に、最後ですが、米はもっとジャンジャンつくるように、減反なんかせぬで、必要というなら農林省は主体性を持ってやったらどうかと思うんです。それで米の消費ももっと拡大をして、今アメリカ人はむしろ米を食おうか、あるいは日本の食べ方を見習ったらどうかなんという、逆にそういう状況なんで、もう少し米の消費の拡大にも農林省ももっと力を入れるべきではないか、もし余ればですよ。いざというときに、やっぱり食糧が入らないときは米でいかなければならぬのだから。米を一たん減反をして段々畑やなんかでススキが生えましたらもう永久にだめです。そういうところが非常に多いんです。だからそうさせないように、一体どうするか。やっぱり米をつくれ、余ったら食べようじゃないか。
 横にそれますが、昔、戦国時代に合戦をやるときには、みんな焼き米を持っていったりあるいは玄米を持っていって、物すごく頑張っているんですよ、いろいろ読みますと。大分前に読んだ本で、厚木工場の女性のチームを何人がずつで玄米を食べるチームと白米を食べるチームで能率を測定したらしいんですね。そうしたら白米を食べたチームというのは能率が二、三日でぐっと落ちて、やっぱり玄米を食べたチームというのは半徹夜みたいにしても能率が落ちてないんですね。そうしますと、白い米ばかり食べるんじゃなくて子供のためにはもう少し胚芽が残って黒いのを、学校給食や何かでいろいろ言うんなら、親が心配するならパンよりそういう子供のためにもいい、あるいは親が食べてもいい、そういう食べ方を考えて、何でもかんでも真っ白にして、これは白書といいまして、塩と砂糖と白米と、この白いやつは人間のカルシウムを食ってもう悪いんだそうですね。中国へ行きましたら朝おかゆが出ますよね。もっと日本でも朝くたびれているときは、あちこちで、ホテルや何かでもおかゆを出すとか、もう少し米を政策的に考えて、アメリカが日本にパンを食わせあるいは牛肉をどんどん食わせるような、基本的に向こうは食う物が余っているから政策的にずっとやってきた経緯があるじゃないですか。日本もやっぱりそういう方向で、いや余ってしょうがないというならそこら辺考えたらどうですか。いずれにしても、冒頭から議論しましたように、日本は食糧もあるいは木材も輸入していつまでもいけますよなんていうことになるかどうかというのは非常に危惧されると思うんですね。そういう点ではやっぱり日本でできる米は米でもっと食えるように需要も広まるように、非常に米の需要も落ち込んでいますから、そういうことに埋没せず、もっと打って出るように、食糧の安全保障あるいは国民生活を守る立場でもう少し考えられぬのですかね。そう思います。どうでしょうか。最後に所見を聞いて終わります。
○国務大臣(山村新治郎君) おっしゃいますとおり、日本人の平均寿命というのがこれだけ延びたというのは、やはり日本型食生活と申しますか、脂肪、たんぱく、でん粉、これがバランスよく日本型食生活ではとれるということでこれだけ延びたとも言われておりますし、今健康食品というのが何しろ一番売れているようなときでございますので、日本型の食生活の推進ということで、米の消費拡大等にも努力してまいりたいと思っております。
○和田教美君 まず、山村農林水産大臣にお伺いしたいと思います。
 四年続きの不作、そこで五十三年産の超古米を出すということになると今度は残留臭素の騒ぎ、そして韓国米十五万トンの緊急輸入というふうな、こういう一連の事態を見ておりますと、完全に自給できるはずの唯一の食糧である米の需給が農林水産省の場当たり農政の結果、全く危い綱渡りをしていることを暴露したというふうに言わざるを得ないと思うんです。
 中曽根総理はこの間、国民に心配をかけて相済まぬというふうなことをおっしゃっておりましたけれども、済まぬだけでは済まない問題でございまして、一体農林水産大臣はこの政治的な責任という問題をどうお考えになっているか。まずそのことをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(山村新治郎君) 現在、水田利用再編対策等について農業者の御理解と御協力を求めておりながら今回の韓国米の現物返還というようなことにならなければならなかった事態というもの、これは農林水産大臣といたしましてまことに遺憾でございますし、これは最終的には私の責任であるというぐあいに考えております。
 しかしまあ、今回の措置というのが五十三年度産米に起因する加工原材料用についての限られたものでございますし、実は農林水産省として国民に安定的に食糧を供給するという重要な職務がございます。そのことによって、また食管制度を維持していくための真にやむを得ないものであるということで、この点について関係者の格別の御理解をいただきたいと思っております。
 もとより米は国民の主食でございますし、我が国農業の基幹をなすものでございますので、これは国会におきましても、全党一致によります「食糧自給力強化に関する決議」等の趣旨を踏まえまして米の供給については国内産で自給すべきものであるという方針は堅持してまいりたいというぐあいに考えます。
○和田教美君 そこで、食糧安保と、安全保障という観点から見てます問題だと私思いますのは、先ほども倉田委員から御質問ございましたけれども、とにかく米の需給の計画が余りにも窮屈というか、ぎりぎりのところでやっているというところに根本的な問題があるんじゃないか。例えば、五十九米穀年度の需給計画を見ても、需要が千五十万トン、供給が千六十万トンと十万トンしか差がないというふうな、そういう綱渡り的なことをやっているところに、少し事態が変わると大混乱になるという問題があるんだろうと思うんですけれども、先ほど食糧庁長官から六十米穀年度からは少し積み増しをしていくというふうなお話しもございましたけれども、これだって、ことしももし冷害だというようなことになると、これはすぐにすっ飛んじゃうわけでございますが、要するに、基本的に食糧安全保障という観点が非常に欠けておるんではないかという感じがするんですが、その点いかがでございますか。
○政府委員(石川弘君) 先ほど申しましたように、第二次の過剰の後におきましても、実は過剰米をある程度持っておりましたけれども、冷害の連続しました後からは水田利用再編の計画を見直しまして、若干ずつ積み増しが可能なようにという計画をいたしたわけでございますが、残念ながら、その計画を立てました際におきましても、さらに冷害の追い打ちがありましたり、あるいは転作が所定の量を超えたりいたしまして、結果的に積み増しができない状態になってきたわけでございます。
 したがいまして、私どもそういう苦い経験を踏まえまして、第三期の転作の計画を立てます際には、平年作で通常の形でございますと七十万ヘクタール程度の調整を要すると考えたわけでございますが、在庫積み増しのために約十万ヘクタールの転作を転換をいたしまして、三年間毎年約四十五万トンずつ積み増しが可能なような計画にはいたしております。しかし、これも先生御指摘のように、天候によりましてさらにそういうものが達
成できなければ、この計画自身につきましても弾力的に対応する必要があろうかと思っておりますが、五十九年度は現在まあ施策が進行中でございますので、こういう状況を見ながら積み増しが現実のものとして可能なように処置をしていきたいと思っております。
○和田教美君 そこで、備蓄の問題ですけれども、今お話しございましたように、三年間大体四十五万トン積み増しして大体百五十万トンぐらい備蓄するというお考えのようですけれども、まあ生産者団体あたりは三百万トンということを言っているし、我々は最小限二百万トンぐらい必要じゃないかという考え方なんです。
 そこでお聞きしたいんですけれども、先ほどの説明でどうも百五十万トン以上ということになると、米に対する嗜好が非常に、強くなっているような状況の中では、まずい米を食わすのはまずいというふうなそういう判断があるんじゃないかと思うんですが、その点はやっぱり単に国民の嗜好という問題だけではなくて、安全保障的な観点ということがどうしても必要になるんじゃないかと思うんですが、その点はどうお考えでしょうか。
○政府委員(石川弘君) 実は嗜好ということだけではございませんで、先ほど申しました百五十万トン程度の積み増してございましてもかなり低温倉庫等を活用しまして運営をいたしませんと、まあ比較的最近、御承知のように、米に対する嗜好もいろいろございまして、なかなか操作が不可能でございますが、それを大幅に超えます際は、回転型の備蓄ではございませんで、積み上げておきまして、主食充当でなければ、これは、例えば飼料であるとかその他のものに、いわばかなり大きな財政負担を覚悟の上で払い下げをしていくというような姿になろうかと思います。
 過去に起きました過剰処理はそういう形でございまして、そのために二回の過剰処理につきまして、いわば三兆を超えるというような財政負担をしたというような経験もあったわけでございます。私どもそういう事態におきましていろいろ考えてみます際に、やはり相当程度の多量のものを、多額の財政負担を費やしまして処理をいたしますことにつきましては、なかなか大方の御納得が得られないんではなかろうか。ですから、先生御指摘の食糧の安全保障という面で消費者の方にも十分御理解が得られる範囲、しかも、それがある意味でいわば財政の問題とか、あるいは生産者の生産規模の安定というような面から見て、どのあたりのところに一番合意の線がとられるのであろうかというようなことをいろいろ御議論がありました結果、第三期対策の際に約百五十万トン前後のものがそれに適切に該当するんではなかろうかと思っておるわけでございます。過去におきまして、実は……
○和田教美君 我々の質問時間が限られておりますので、答弁を簡単にしてください。
○政府委員(石川弘君) そういう考え方で百五十万トンということを考えております。
○和田教美君 備蓄を確保するために、当然大幅な減反政策の見直しということが必要だと思うんですけれども、どうも農林水産大臣もこの減反政策の見直しという問題については、ことしの米の作況を見てから決めるというようなことで、もう一つはっきりしたことをおっしゃらないんですが、この点はどうですか。農林水産大臣のざっくばらんなお答えをお聞きしたいと思うんですが。
○国務大臣(山村新治郎君) 今までの国会での答弁から見ますとかなり前向きに答弁したつもりでございます。
 今回のこの需給の逼迫というようなことを考えましたときに、今後の需給状況、それからまた作況、これらを見ていわゆる転作、そのほかにつきましてはひとつ弾力的に考えていかなければならぬ、そしてまた、四十五万トンの積み増し、これ等についてもどういうぐあいにやっていくか、これを具体的にゆとりのあるものにしてやっていきたいというぐあいに考えております。
○和田教美君 ついでにもう一つ、農林水産大臣にお尋ねしたいんですが、米価審議会がいよいよ近づいてきたわけですが、相当生産者団体の動きも活発でございますが、我々は基本的に七・七%アップの生産者団体の要求米価を支持しております。ところが、二十五日に臨時行革推進審議会の意見書というのが出る予定になっておって、その小委員会の報告書案というのが新聞なんかに出ておりますが、それによりますと、売買逆ざやの早期解消、食糧管理にかかる財政負担の縮減、合理化を図るため、五十九年産米の生産者米価は厳しく抑制すべきであるということが書いてあるということを報道されております。これをめぐって相当自民党の中もいろいろもめておるようですけれども、今米価審議会に対して農林水産大臣がどういう態度をとるかということをはっきり言えというのも無理かもしれませんけれども、基本的にこの臨調路線といいますか、臨時行政改革審議会の路線を支持されるというか、そういう方向でいかれるつもりなのか、その点はどうですか。
○国務大臣(山村新治郎君) 米価審議会につきましては、十九、二十日前広、そして二十四、二十五本米審というぐあいに、今、日程は決めたところでございますが、しかし本年の生産者米価の取り扱いについてはまだ何も決めておりませんが、しかし私は、これは例年どおりの食管法の規定に従いましたところの物価、そのほかの事情に配慮しつつ、再生産の確保、これを旨として米価審議会の意見を聞いて適正に決めてまいりたいというぐあいに考えております。
○和田教美君 先ほど食糧自給率の問題が出ておりましたけれども、穀物だけに限ると今や自給率は三三%と非常に低いわけでございます。この数値はしかも二十年以上も一貫して低落をしているというところに非常に問題があると思うんですけれども、先ほど、大体六十五年に食糧自給率はヨーロッパ並みというようなお話があったように思うんですが、ヨーロッパでは、例えばイギリスなんかはもう自給率一〇〇%以上になっておりますね。ですから、なるべく自給率を高めるとか、そういう抽象的な話では国民は納得しないと思うんです。具体的に大体どのくらいまで上げるんだという目標をはっきり数字として出すべきだと思うんですが、その点はいかがでございますか。
○国務大臣(山村新治郎君) 先ほどちょっと私が言葉足らずでございましたが、いわゆる農産物の価格をEC並みということでございます。何しても日本よりは大体十四倍ぐらい農地があると思いますので、それらにつきまして詳細は政府委員の方から答弁させます。
○政府委員(田中宏尚君) 自給率の具体的見通しにつきましては、六十五年度で、食用農産物総合で七三%、これは残念ながら現時点でも七三%でございまして、これ以上自給率を落とさないということで何とか頑張りたいと思っているわけでございます。それから、今御指摘の穀物自給率につきましては三三%でございますけれども、これについては、今後の畜産物消費の拡大ということにつれまして飼料穀物の輸入の増大ということは避けられませんので、これは現在の六十五年見通しては、現在の三三%が若干落ちまして、三〇%ということを見通しては策定しておるわけでございます。
○和田教美君 そういうことでは、甚だ安全保障上問題だと思うんですけれども、時間も大分たってまいりましたので、エネルギーの問題に移りたいと思います。
 石油の輸入問題については、一時ペルシャ湾の情勢がかなり緊迫したということで大分国内でもいろいろと騒いだわけでございますが、最近はやや小康状態という感じはいたします。この間ウィーンで開かれましたOPECの総会でも、原油価格は据え置きということが決まった、かなり石油が余っているというような状況でございますし、政府も、仮にペルシャ湾の情勢が今のような状態であっても、つまり中規模程度のクライシスであっても大丈夫だということをおっしゃっている。ややPR的な要素があるようにも思いますけれども、しかしいざホルムズ海峡が仮に封鎖あるいはそれに類するような事態になった場合には、これ
はやっぱり事態は今政府がおっしゃっている状態よりもかなり深刻になるんじゃないかという感じがする。とにかく六六%ホルムズ海峡を経由分に依存しているわけですから、ですからそういう点で、果たして今の百二十三日という備蓄で十分なのかどうかということになると、これは不十分だということはだれもわかるわけですが、その辺のところを通産大臣はどうお考えでございますか。
○国務大臣(小此木彦三郎君) 本年当初からの中東情勢の不安定さというものは、私ども非常に緊張いたしておるものでございます。ことに三月以降の一層エスカレートした状態というものについては、緊張状態がさらに増加いたしたわけでございますが、現在の状況の中で、これが突発的に原油の供給がペルシャ湾岸から来ることが途絶えるということは、私は可能性が非常に少ないのではないかと考えております。しかし、万一その供給が途絶されたという場合にありましても、今委員がおっしゃったような、我が国に約百二十五日分の備蓄がある、あるいは世界の油の需給状況というものが緩和基調にあるということ、またホルムズ海峡以外の、要するにホルムズ海峡に関係のない諸国の油の生産能力というものは非常に増加されている、さらにはIEAを通じての国際協力体制というものが整備されている、こういうようなことから考えますと、私は、我が国の経済あるいは国民生活に不安を与えるようなことを最小限に食いとめることができると思っております。しかし、百二十三日分では少ないではないかという御指摘はもっともなことでございまして、これは民間備蓄の九十日、さらには国家備蓄の三千万キロリットルの方向を下方修正することなくこれを政策として推進してまいる所存でございます。
○和田教美君 石油の中東依存度というのはとにかく高過ぎますね。ホルムズ海峡通過分が六六%というふうなことは、どう見てもやっぱり中東依存度が高過ぎる。いろいろ理由はあると思いますけれども、しかしこれは何とか少し下げなきゃいかぬというふうに思うんです。そこで、総合エネルギー調査会なんかでは、五〇%弱まで持っていったらいいというようなことを言っておられたことがあったですけれども、例えばアメリカのアラスカ石油を輸入するとか、要するに輸入先をもっと多角化するというふうなことについて、前々から通産省は盛んにそういうことをおっしゃっているんだけれども、実際に進んでいるのかどうか、その辺のところのお考えをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(小此木彦三郎君) 具体的には後ほど政府委員から答弁いたさせますけれども、七〇%を六五%に低める努力だけでもかなりな年月を要したと思います。と同時に、インドネシアその他、原油の多角的な供給先を求める努力ももちろんいたしておるわけでございます。アラスカ原油の供給につきましては、私どもしばしば申し上げておるとおり、この原油の供給ということに努力はしておりますけれども、アメリカの国内法の問題、あるいはアメリカの海員組合の問題等々、アメリカ側の事情によってアラスカの原油が供給できないというようなこともございまして、一挙にこれを持ってくるということは困難でございますが、とにかく不安定な中東から原油を供給し、それが六〇%以下にもっともっと持ってくる努力は怠らず進めてまいる所存でございます。
 なお、数字的その他具体的な問題につきましては政府委員から答弁させます。
○和田教美君 いや、もう結構です。
 次にレアメタルの問題、時間がございませんのでもうほんの一言だけお聞きしたいんですけれども、高度技術産業の発展に伴って急速に需要の拡大が予想されております新素材、これの原料としてどうしてもレアメタルの安定供給ということが必要だということで最近関心が高まっている。そこで、通産省でも何かそういう審議会をつくって検討されるということのようでございますけれども、これは現在のニッケル、クロム、コバルトなど七品目の備蓄計画、さらにそれを拡大するというお考えのもとにそういうことを考えておられるのか、その辺はいかがでございますか。
○政府委員(柴田益男君) 先生御質問のとおりでございまして、従来七鉱種、モリブデン、クロム等七鉱種やっているわけでございますけれども、今後は新素材に対しても注目いたしまして、さらに鉱種を拡大して備蓄を進める必要があるのじゃないかというようなことで審議会で検討を進めていただくことになっておるところでございます。
○和田教美君 どのくらい拡大を考えられておるんですか。新素材のためのレアメタルというと三十とか四十ぐらいあると思うんですけれども。
○政府委員(柴田益男君) どの程度入れるか今後検討するということでございますが、例示を申しますと、超伝導材料等に使われるニオブとかガリウム、ゲルマニウム、あるいはファインセラミックス用のタンタル、イットリウム等がございまして、こういうものを含めましてどの程度するかは今後の検討課題ということでございます。
○和田教美君 そのレアメタルの備蓄の問題については、先ほどもお話がございましたけれども、尾本さんにこの前ここへ来ていただいていろいろ聞いたんです。そのとき尾本さんは、これはやっぱり国家備蓄が中心でなきゃいかぬということを盛んに強調されておりました。非常に価格の変動が激しいし、それから資源が非常に偏在しているという問題などから見て国家備蓄が中心であるべきだということでございましたけれども、現在は、通産省からいただいた資料によると、国家備蓄が五日分、共同備蓄が五日分、民間備蓄が二日分、計十二日分、これを毎年積み増しして六十二年度にそれぞれ六十日分にするという計画なんですけれども、どうもその共同備蓄、民間備蓄というふうな言葉で民間におんぶしている比率が非常に大きいように思うんですけれども、この点はもっと国家備蓄中心ということに切りかえるということは考えられないのでございましょうか。
○政府委員(柴田益男君) 現在は五年間で六十日分を備蓄するということで、国家備蓄が五十八年度の場合五日分、それから共同備蓄が五日分、民間備蓄が二日分で合計十二日分でございまして、民間備蓄の比率は必ずしも多いとは言えないと思うんですが、現在のところはこういう比率で五年間進めてまいりたい、そういうふうに考えておるところでございます。
○和田教美君 それでは最後に通産大臣にお伺いしたいんですけれども、アメリカやECとの貿易、経済摩擦の問題ですね、これはさきのロンドン・サミットじゃ余り問題にならなかった。これはサミットの前に政府が決めた対外経済対策がある程度効果を上げたのだというふうに我々も評価しております。それと、レーガン大統領が大統領選挙前にとにかく日本に譲歩させてこういうことをやったんだということをPRするというふうな、そういう意味もあったのだろうと思うんですが、ところが、大蔵省が十日に発表いたしました五十九年上半期の通関統計によりますと、対米向けの貿易の出超額が百四十五億ドル、過去最高の記録というふうなことになってきた。こういうふうな状況の中で再び対米貿易摩擦の再燃の兆しが見えておるというふうな記事がいろいろ出てきております。例えば鉄鋼とか、通信機器、繊維などにそういう動きがあるというような記事も出ておりますが、現にアメリカの国際貿易委員会が米鉄鋼業界などから出されていた普通鋼輸入制限の提訴についての輸入被害を認めてそういう規制案を勧告するということを決めたというふうなことでございますが、これはすぐに大統領決定ということにはならないかもしれませんけれども、日本の業界には相当影響があるだろうと思うんですが、それ以外にいろいろな動きが出てきておりますが、そういう点で通産大臣もこの間、三極会議に出られて、アメリカの保護主義の新しい動きというものについて非常に警告を発するようなことを言われたというふうに聞いたんですけれども、こういう保護主義の動き、そういうアメリカの新しい貿易摩擦の問題ですね、そういう問題に対してどういうふうに対応していかれるか、最後にそれをお聞きして私の質問は終わりたいと思います。
○国務大臣(小此木彦三郎君) 私は常々考えているのでございますが、対外経済摩擦、貿易摩擦というものが全く一〇〇%なくなる状態をつくり上げるということは不可能なことだと思います。常に貿易摩擦、経済摩擦というものがあるからこそ我々がそのたびごとに外国の直接の担当者と会ってこれを話し合うということがあるわけでございまして、私自身、ことし通産大臣になったのは初めてでございますが、わずか半年の間にアメリカのブロック代表と既に外国に行って四度会っております。そのたびごとに日本の立場、日本がアメリカによってこうなっているということをはっきり申し上げますし、またブロックさんはブロックさんで日本に対して、これこれこういうわけでインバランスがこんなに大きな数字になっているではないかということを言っておるわけでございます。今の鉄鋼の問題の判定その他等がございましたけれども、これらの問題につきましても、アメリカの選挙の問題等も控えておりますけれども、しかし今後直接会ったり、あるいは手紙を出したり、それをすることによってアメリカの理解を求めるという努力を怠りなく進めてまいりたいと思います。
 過日の三極の会議においてどういうことを言ったのかということでございましたけれども、例えば今申し上げました鉄鋼の提訴の問題、あるいは工作機械の提訴の問題、さらにはローカルコンテント法が今後上院をどういう形でもってやられるのかとか、あるいはエンタイアタックスの問題等も、これが今の状態であると、日本の企業がアメリカに直接投資することに非常に心配なことである、日本の経済問題、日本の産業が困難を来している問題、こういうことを率直にもう腹を打ち明けて話すことによって私は貿易摩擦、経済摩擦というものが一歩一歩解消していくのではないかと常々考えておる次第でございます。もちろん日本側を言うだけでなしに、アメリカ側も例えばあの法案の行く末はどうなるのか、この法案が通らなければアメリカにとって非常に困難だよと、向こうは向こうではっきり申しますから、私の方もはっきり申し上げる、こういうことによって私は貿易摩擦というものがたとえ少しでも解消していく。この努力をすることこそ私どもの務めであると考えておる次第でございます。
○上田耕一郎君 先ほどからの議論を聞いておりまして、やっぱり食糧自給率問題ですね。特に穀物の自給率の異常な低下が問題になって、梶原委員と田中官房長のやりとりを聞いていますと、官房長は、食生活の戦後の洋風化それからパン食普及などを挙げられてすらすらっと言われたので、ちょっとそのままにしておけないと私思ったんです。
 前回の委員会で、並木正吉参考人に対して私聞いたんですが、NHKの高嶋光雪という記者が書いた「アメリカ小麦戦略」という本が家の光協会から出ています。きょうは持ってきてないのですが、田中官房長読んだことありますか。
○政府委員(田中宏尚君) 全部は読んでいませんけれども、大体は承知しております。
○上田耕一郎君 あの中に書かれている事実ですね。三十年ぐらい前になりますが、日本の農村をたしか十二台のキッチンカーで、六年ぐらいで二百万人、パン食普及の車が回った。ところが、このキッチンカーというのはスポンサーはアメリカの西部小麦連合会だった。その費用はアメリカの農務省から出ていたということなどが書かれているんですね。西部小麦連合会の会長は、一つの民族の食習慣を変え得たというので、もう今や東南アジアに我々関心を持っているんだと言うんですが、重大なことは、そういうアメリカの小麦連合会、金はアメリカ農務省から出る、それに日本政府が協力しているんですね。そういうことがやっぱりあなたがすらっと言われたパン食普及とかいうそこにあったわけで、その事実はどう認識されていますか。
○政府委員(田中宏尚君) 戦後の極端に我が国農業生産の停滞した時期でございまして、国全体の食糧としての絶対量が不足する中で、アメリカからの小麦ということに食生活そのものがある程度依存せざるを得なかったという事態があったわけでございまして、その後日本の米の生産回復やら、先ほど大臣からもお話のありました日本食型食生活というようなことでいろんな食生活の見直しは行われているわけでございますけれども、当時の事情といたしましては絶対量の不足という中で、まああの中に書いておりますいろんな裏の話は我々必ずしもつまびらかにしてはおりませんけれども、あの粉食の普及があったということは事実かと思っております。
○上田耕一郎君 その程度の認識だから問題なんですね。
 そういう食糧生産の絶対的低下という状況の中での不可避的な現象ではなくて、意図的な日本の国民の食習慣を変化させる、小麦を売り込むという金の裏づけのある、しかもキッチンカーがアメリカの裏にあるなんということは全然我々も知らなくて、あの本で初めて知った。その前のNHKの放映が全国に物すごい反響が起きたんですね。そういうことを担当者のあなた方がさらっとその程度に見ているところに、日米関係の一方的な我々の言う従属構造がある。穀物自給率低下の問題もあるいは石炭問題などエネルギー問題もそういう従属構造が非常に大きな問題になって、しかし政府はそれについてわざと目を覆っている。そういうことが日本の政治、経済の重大問題だということをひとつ指摘しておきたいと思います。
 さて、先ほどからこの韓国米の輸入に関連して当面の米の問題がいういろ議論になっていますが、きのうの日経に、世田谷で怪文書が大量に配布された。「この夏はお米が不足します。お買いになるなら今のうち」というビラがずっとまかれた。日経の社会面にトップ記事で出ているんですね。こういうことが起きている。まだ一部で、意図的なものでしょうけれども。こういうことなどが起きないようにやはり政府それから農水省としてはきちんとした対策を立てていただきたいと思うんです。参議院の農水委員会の六月二十五日、中曽根総理大臣は「ことしあたりはどっちかというと峰歩きみたいな」、綱渡りじゃない、「峰歩き」という首相の造語ですな。「峰歩きみたいな食糧操作のちょうどタイミングにきたのではないかと思うのです。しかし、こういう峰歩きという状態をいつまで続けていいという状態ではない。」「食糧政策というものをここでよく検討する段階だ、私はそう思っておる」ということを述べておられる。
 六月三十日に米穀の供給に関する実施計画が発表されました。七月一日から十月三十一日までの三カ月分ですね。これを見ますと、やっぱり不安になります。二百二十三万トンで前年度と比べて三%減である。政府米は一一・九%、十二%去年より減だ。それから標準価格米の原料になる三類から五類までこれが一四・一%カットされるんですね。去年と比べて政府米十二%カット。標準価格米の原料は一四%カット。これで一体大丈夫なんですか。
○政府委員(石川弘君) 全体としまして自主流通米比重が上がってきておりますのは、これは良質米嗜好傾向でございます。それからもう一つの、おっしゃいました三類等の標準価格米原料でございますが、これは残念ながら昨年の冷害の結果、いわばすそ物と思われますものの供給量の絶対量が減っております。しかし、全体としては十分需給を賄える水準でございます。
○上田耕一郎君 日本の最大の都市の東京都ではどうも今の食糧庁長官のお話のように安心はしていないようです。六月二十七日、鈴木都知事が例の回答を出している、もうよく御存じでしょうけれども。東京都の場合対前年比二・六%減、「東京都の消費人口の伸びや業務用需要の増加等から、当然供給不足が予想される。」「追加需要が生じた際には責任をもって対応」してほしいというふうに言っているんですね。これどうです。追加需要が生まれたとき責任を持って対応してほしいという知事の要請にはこたえられますか。
○政府委員(石川弘君) 御承知のように七−十と
いいますのは、これは端境期需要でございまして、いろいろ変動することがございます。東京都とよく相談をしながら運営をするつもりでございます。
○上田耕一郎君 都知事の回答第二項は、私が先ほど言った政府米、これは東京都の場合対前年比一七%削減される、相当な量ですね、二〇%近い。「このため政府米を主とする精米仕立てが困難となっている。持に十月には自主流通米の比率が六八%を占め、卸売業者の売却操作が難しくなり、小売段階でも特例標準価格米等の販売に支障が生ずるなどの恐れがあるので、」と、そうすると先ほどの怪文書というものも全く根拠がないことじゃないかもしれぬ。知事自身がおそれがある、そう言っているんですね。そこで、知事としては「消費実態に対応した適正な自主流通米、政府米の配分を行われたい。」と、これについてはいかがですか。
○政府委員(石川弘君) 実は東京都は米の消費の姿としましては、大変良質米嗜好の高い地域でございまして、今おっしゃいました特例標準価格米等につきましては、全国の標準よりもかなり低い標準で消費されているわけでございますが、今回原料を供給いたします際にはそういうことを十分配慮しまして家庭用に向けられると思われます特例標準価格米の原料には不足を生じさせることはないつもりでございます。主として業務用と申しますか、御承知のような外食等のところですそ物の需要が若干タイトになっていることは事実でございますが、これは最初に申し上げましたように、五十八年産米の生産自身におきまして北海道等北の地域における冷害等がございまして、平生ならばそこで供給されますものの絶対量がかなりカットをされているといういろんな事情がございます。自主流通米と合わせまして都の御要望になるべく沿うような操作をいたしていきたいと思っております。
○上田耕一郎君 共産党は六月に全国的に米の需給状態調査をしました。七月七日に記者会見して発表しましたので御存じと思いますけれども、ともかく東京でもいろいろ実態を推して見てみますと、例えば東京米穀卸売商組合の話、ストックが月中が五日から六日、月末は三日で深刻な事態にある、そう言っている。例年は月末で八日から十日分ストックしているというのが今三日だというんですね。何か新米の早食いをどうしてもしなきゃならぬだろうというふうに言っている。それから、いつも店に置いてなきゃならぬ常置義務のある標準価格米の維持が困難だ、これもやっぱり米穀卸売商組合の幹部の話です。現在政府米が不足しているため、端境期に向けて消費者の好む米の供給に不安がある。八〇%程度しか政府米が来ないというような実態が実は現場にもあるわけなんですね。都知事の先ほどの回答だけじゃなくて、東京のそういう実態についてもよく承知しておられますか。
○政府委員(石川弘君) 私ども卸、小売等の代表にもよくお会いをいたしております。御承知のように、米の場合、卸、小売を通じまして二途間程度のものを大体持って御商売なさっておるわけでございまして、地域によっていろいろ御意見があろうかと思いますが、私ども関係者から聴しております様子によりますと、現段階でそういう状況のもとで私どもが申しましたような水準で推移をしている。先ほども申しましたように業務用のすそ物については確かにタイトな感じがあるということは聞いておりますが、一般家庭にお届けをいたします米につきましては十分把握をし、そして必要なものにつきまして流していくようにいたしたいと思っております。
○上田耕一郎君 その点よく、見通しを誤らないように手を打ってほしいと思うんです。いわゆる卸、小売段階でのランニングストックというものも、資料を見ると在庫状況で五十九年度は十四・四日分で去年は二十日分ありますからね。ランニングストックもやっぱり減っているわけです。先ほどお話にもありましたように端境期が一番問題だろうと。共産党の推計では二百二十三万トンの供給予定量のうち約百万トンは新米の早食いでつなぐことになるだろう、そう私ども見ている。文字どおり綱渡り的、峰歩き的な需給操作になるだろうと思うんですね。これは非常に深刻な事態で、この委員会では長期的な食糧、エネルギー問題など審議しておりましたけれども、長期的どころか当面ですね。そういう問題が韓国米の輸入に見られるようにやっぱり出てきている。こういう結果を生み出したことは、きょうの議論にもあるように、これまでの長い経過、その中での政府の政策の見通しの誤り等々あるので、言葉だけで糊塗するんじゃなくて本当に問題を突っ込んで対策をとっていただきたい。
 私どもは、こういう状況になったことはやっぱり減反の行き過ぎ、先ほど手直しをされた話を食糧庁長官されておられましたけれども、その減反問題、行き過ぎた減反、これがありますし、それはぜひ見直してほしいと思いますし、先ほどの不作が続いているということの中にも、米価が全然上がらないので農民の生産意欲が非常に減退したということも大きな原因になっていると思うんですね。山村農水相、いかがですか。この減反の見直しと米価政策の見直し、今の事態からいってどうしても必要だと我々思いますけれども、大臣はいかがお考えでしょう。
○国務大臣(山村新治郎君) この転作の問題につきましては、需給動向、そしてまた作況等を見て第三期対策、これを弾力的に運用してまいります。そしてまた、米価につきましては、十九、二十日前広米審、二十四、二十五、本米審ということでございますが、これにつきましては今のところまだ何も決めておりません。やはり食糧管理法にのっとったところのいわゆる物価そのほかの事情を参酌しながら、再生産の確保、これを旨として決めてまいりたい。そしてまた、米審の御意見をよく伺って決めてまいりたいというぐあいに考えます。
○上田耕一郎君 この米価問題と減反問題、ここを抜本的に見直さないと問題解決はしないだろうと考えます。
 次に、原子力発電の問題についてお伺いしたいと思います。
 この五日に、政府は五十九年度から六十八年度までの長期の電源開発計画十カ年を決めだということが報道されています。これを見ますと、六十八年度原発は今の二倍強に当たる五十二基にふやす。電力供給構成中、原子力発電が全体の約三分の一を占める。石油火力にかわって電力供給の主役になるということになっているわけですね。
 そこで、私お伺いしたいのはコストの問題なんです。やっぱり原発、これはかなり高くなるんじゃないかということが専門家によって言われておりますので、この点ちょっとお伺いしたいんですけれども、これまで使用済み核燃料の再処理費など、これはコストに入れてなかった。回収するプルトニウムその他で何か打ち消されるんですか、コストに入れてなかったと言うんだが、若干引当金があったということも言うんですけれども、それで廃炉費用、それから高レベル放射性廃棄物、この最終処理つまり再処理費用とそれから廃炉の費用ですね、これがやっぱりかなり高くかかるということが明らかになってきている。それで、これを計上すると石炭火力より高くなると言われているというんですね。石炭よりも原子力が高くなると大変なことになるんじゃないかと思うんです。
 ここに電気事業審議会料金制度部会中間報告、「原子力パックエンド費用の料金原価上の取扱いについて」という中間報告があります。これを見ると、「大幅に上まわる」と書いてあります。「最近に至って再処理費用が回収されるウラン及びプルトニウムの価値を大幅に上まわることが明らかになっ」た、そう書いてある。「低中レベルの放射性廃棄物及びガラス固化体の処分並びに廃炉に係る費用についても、」これはコストに入れるべきだという中間答申になっているんですね。もちろん通産省としてはこの問題、この中間報告は五十六年十二月二日ですから、もう三年近く前のこと
なので、そちらの計算では、こういうものをコストに含めた場合、果たして石炭より高くなることはないということになっているかどうか、数字をお答えいただきたいと思います。
○政府委員(小川邦夫君) ただいま御指摘の料金制度部会の中間報告というのは、これは料金上、企業経理上こういったコストを織り込むかどうかという議論でなされたものでございまして、それを受けまして、御指摘のように再処理費用につきましては積立金として引き当てることを制度的に認めるということで動いておるわけでございます。そういった経理上の処理ということと、実際のコストがどういう推移であり、展望がどうかということとちょっと区別してお考えいただく必要があるわけでございますが、私どもといたしまして、現時点、したがって五十八年度に運転開始する発電所で各発電所のコストを比較するという試算をやってみたわけでございます。これでまいりますと、原子力発電所というのは、運転開始初年度のコストということで見ますと、キロワットアワー当たり十二円五十銭という数字になります。それに対して石炭火力は十四円程度、それから石油火力は、五ドル下げという影響があって従来よりは下がりましたが、なおそれでも石油火力は十七円程度、LNG火力も十七円程度、一般水力は二十円程度と、こういうコスト計算になっておりまして、原子力発電が相対的にコストとして有利であるということでございます。ただ、この場合に、まさに御指摘のどこまでのバックエンドをそれじゃこのコスト試算に入れておるかということでございますが、私ども再処理費用というものはすべて入れておりますし、廃棄物の処理費用というものも入れております。しかしながら、試算上入っておりませんのは、御指摘の廃炉費用というものはまだ技術的知見の確立してない面もあって入れておりませんで、その部分は確かに抜けておる。さらに厳密に言いますと廃棄物の処理ではなくて、最終処分部分のコストも確かに入っておりませんというところが抜けてはおります。ただ、これにつきましても私どもいろんな現在得られている知見から見ましても、そんなべらぼうなコストが、さらに以上申し上げましたコストの数字に乗っかるということではなく、せいぜい原価全体の一割前後であろうというエスティメイトがなされておるということで、確かに石炭火力とのコスト比較では接近いたします。しかし、石油火力、LNG火力との比較ではなお非常にコストの差があるということでございます。
 以上、初年度のコストで申し上げましたが、生涯コストといいますか、長い稼働時間の間のコストで考えますと、化石燃料というのは長期的には上がると言われております。そうしますと、燃料のウエートの高い火力系はどうしてもコスト高になってまいりますが、原子力のように燃料ウエートが非常に小さいものは相対的に有利だという面もございますので、そういう長い期間を考えますと、その原子力の優越性は失わないと、このように考えております。
○上田耕一郎君 十二円五十銭という計算だそうですけど、しかし廃炉費用は入れてない、再処理費用は入れてある。しかし、この高レベル放射性廃棄物、低レベル放射性廃棄物ともにまだ世界的に処理方法が確立されていないと、私どもは聞いている。例えば、作業服だとか軍手だとかを入れた低レベルのものですね、ドラム缶に入れて原発の周りに積んであるというのが現状で、これを一体どう処理するかというので大問題になっているわけですね。それから、この高レベルの廃棄物もガラス固化の技術がかなり進んだと書いてあるけれども、さあそれを一体どこに埋めるのか。地層に埋めていいのかとか、いろいろ問題になっているわけで、そういうことまで考慮に入れた計算かどうかですね、これまだわからぬですよ、一体どのくらいかかるか、そういうことが一つです。
 それから、そういう点なども本当に通産省としては考えているのかどうか。もう時間が参りましたので最後に一つですが、私この前の委員会でも取り上げたんですけれども、カーターのときに「西暦二〇〇〇年の地球」という報告書をつくれということになって出ているわけですね。これを見ると、やっぱり長期的なエネルギー問題がいろいろ書いてありまして、時間がないので一々言いませんけれども、石油の埋蔵量が三十年で終わるとか、石炭は二百十二年だとか、天然ガスは四十五年だとか、そういう数字なども出ているわけですね。これは試算だからあれですけれども、アメリカ政府がとにかくこういうものを世界の政府で初めて出したというんだけれども、日本政府はそういう長期的なエネルギー問題、環境問題などなどについて調査、分析、研究をしているのか、そういう体制があるのかどうか、やっぱりこれは非常に大問題だと思うんですけれども、その問題について最後にお伺いして質問を終わります。
○政府委員(柴田益男君) 日本政府、我々資源エネルギー庁といたしましても、こういう先生御指摘のようなアメリカの西暦二〇〇〇年の資料とか、あるいはIEAでの予測とかその他方々で予測を立てておりますが、そういうものを参考にしてエネルギー政策は進めているところでございます。
○上田耕一郎君 参考にしている程度、独自にやってないんですな。
○柳澤錬造君 最初に御質問をしてまいりますのは、先ほどからもこれは大分出ておりますから簡潔に聞いてまいりますが、いわゆる戦略物資とも言うべきニッケルやクロムなどレアメタルといいましょうか、これらの備蓄が今どのくらいになっているのか。そして、どのくらいの備蓄目標を持って、それに到達するについての手段、方法というものを政府はどのようにお考えになっているか、それをまずお聞きいたします。
○政府委員(柴田益男君) レアメタルの備蓄につきましては、経済安全保障の観点から五十八年度から国家備蓄、共同備蓄、民間備蓄の三本立てで推進を図っているところであります。現在、七鉱種、すなわち、ニッケル、クロム、タングステン、コバルト、モリブデン、マンガン、バナジウムを対象といたしましてそれぞれ国家備蓄百日分、共同備蓄五日分、民間備蓄二日分、合計十二日分の備蓄を実施しており、本年度末までにさらに四・八日分を積み増す予定でございます。今後とも着実に備蓄を実施することにより六十日分の備蓄を達成することを目標としております。
○柳澤錬造君 それで備蓄の方法なんですが、戦前はニッケルを貨幣にして、言うならば国民みんなに持たして、あれも一種の備蓄だったわけなんです。なかなか政府といっても私はむずかしいと思うんで、むしろそういうものを使う民間の企業にある程度の備蓄ということを責任を持たせるというか、それに対して何らかの保障といいますか、財政的なそういう税制上か何かのことをしてあげなくちゃ、これは大変なことになるんですけれども、そういうお考えはないかどうか。戦前のニッケル貨幣をつくるようなことはなかなか今それはできないと思いますけれども、もうちょっとスケールを大きく考えてのことをやっていかなけりゃ、私はこれは大変なことになると思うんですが、いかがですか。
○政府委員(柴田益男君) 先生今御指摘のような考え方も一つの考え方として我々も非常に貴重なものとして拝聴しているわけでございますけれども、たまたま鉱業審議会の中で今小委員会をつくっていろいろ検討していただいておりますので、そういう中でもひとつ議論が出てくることを期待しているところでございます。
○柳澤錬造君 わかりました。
 じゃ次は、エネルギーの自給率が少しはよくなったんですかということをお聞きしたいんです。若干数字を申し上げますと、昭和三十一年には石炭が五〇%で水力が二〇%、自給率が七〇%になっていたはずですね、石油はそのころはまだ二二%だったんですから。それが二十年後の昭和五十一年には石炭が国内炭わずかに三・二%、水力が五・六%、それから原子力が出てきてこれが二・二%で、合計一一%。石油の方が七四%にもなってしまったわけなんです。アメリカやソ連はもう
ほとんど一〇〇%、これは例外ですけれども、あとイギリスでも大体五八%とか、西ドイツでも四六%というその辺の水準は押さえているんで、余りにも石油に依存をして、極端にずっと自給率が低下をしてしまったわけなんで、少しは改善の努力をなさったと思うんですけれども、どの程度まで改善をされたのか、これから先の目標というものはどういうことをお考えになっているかということをお聞きしたいんです。
○政府委員(柴田益男君) 御指摘のとおり国内エネルギー資源に恵まれない我が国のエネルギーの自給率は先進諸国に比べて大変低くて、エネルギーの八割を輸入に頼っている現状でございまして、従来から自給率向上のために国内炭施策の着実な実施とか、あるいは国内の石油、天然ガスの探鉱開発推進等を推進してきたところでありますし、あるいは純国産エネルギーであります原子力の推進あるいは地熱、水力、太陽エネルギー等の国内資源の活用を図ってきたところでございます。そういうことで自給率は若干上回っておりまして、自給率と申しますか、裏側で輸入依存度で申し上げますと、昭和四十八年度にエネルギーの輸入依存度が八九・九%にも達したんですが、五十八年度におきましては八三・六%ということで、輸入依存度は若干ながら減少してきているという実態にございます。
○柳澤錬造君 それでもう一つは、エネルギーの関係でペルシャ湾の問題はもう私が申し上げなくても先ほどもお話が出ているとおりです。端的に言って、これからどういう事態になるかわからないんだけれども、ああいう現状を考えていったならば、何とか備蓄をふやせる間にふやすということをお考えになる必要があるんじゃないか。数年前は政府は油の備蓄ということは百日間と言っていたはずです。その後、予算委員会で私が聞いたときには百十日分します。それから百二十日、もうこれ以上は、百十日分と言ったときに、もうこれ以上はふやしません。消費量のふえる分だけ積み増しをしますというのが政府の態度であったのが、一年過ぎたら百二十日分になり、現在百二十五日分あるわけでしょう。それで現実にああいうペルシャ湾の現状を考えたならば、またそんな悠長なことを考えておられる状態ではないんであって、そういう点からいけば、これはもう遊んでおるタンカーがたくさんあるんですから、タンカー備蓄なり何なり、それでもう心配がないということになったらまたそれを取り崩せばいいんであって、万が一ということを考えたならば相当のことを考えて積み増しをしておく必要があると思うんですが、その辺の御見解いかがですか。
○国務大臣(小此木彦三郎君) 柳澤委員御指摘のとおり、まさに緊急の事態を予想すれば、油の備蓄というものは百二十五日程度ではまだまだ足りないということが私の基本的な考え方でございます。IEAの世界の平均の量を見ましても百六十日以上ということになれば、日本の備蓄の量はまだ世界的の水準にも達していない。しかも資源小国である我が国の立場を考えれば、その六五%を中東に頼っておるという油の供給構造の脆弱性等々を勘案すれば、私は世界の平均水準である百六十日分に追いつくために、民間備蓄九十日、六十三年までに三千万キロリットルの国家備蓄、この目標を推進してまいるという考え方でございます。
○柳澤錬造君 ありがとうございました。大変よくわかりました。
 あわせて、これはもう長官、余り詳しいなにをしないで結構です、むしろ私から要望だけ申し上げておきますけれども、石炭の方ですね、エネルギーの自給率を高めるという上について石炭の二千万トン体制というのはかなり昔にお決めになって、依然としてそこまで上がらないんですよ。それでどんどん輸入炭をふやしてもう今、八千万トン近くいってしまっていると思うんです。国内炭の方は二千万トン体制がいまだにいかないで千八百万トンぐらいにいるんですけれども、それは価格のことももうよくわかっていますから細かいことは申し上げませんが、国内で出るんだから、鉄鉱石みたいに出ないのは買うしかないけれども、国内で出るものは極力掘って使えるような知恵や工夫を働かせて、そういう方向に行くように政府で御努力をいただきたいと思うんですけれども、その点いかがですか。
○政府委員(柴田益男君) 国内の石炭は非常に貴重な資源でございますので、できるだけこれを活用するという方向ではございますけれども、先生のお話がありましたように内外炭の較差も非常に拡大してきておりますし、今やトン当たり一万円前後という形になっておりますので、やはり資源確保という安全保障の観点と、それから経済性、コストの面というものも無視するわけにいきませんので、その辺をかね合わせながら国内資源の安定確保ということを進めてまいりたいと思っております。
○柳澤錬造君 わかりました。
 それで今度は山村農林水産大臣、大変御苦労なときに私大臣になられたと思うんで、そういう点ではお気の毒だと思うんです。いろいろ何だかんだ言われているけれども、何も今の農林水産大臣が悪いんでなくて、今までの農林水産大臣の悪いところのしわ寄せを受けているんで、ことしの日米農産物交渉へ大臣行かれまして、一時決裂の状態になった、それでお帰りになるかどうかということになって、また残ってあのときにとうとうおまとめになって帰られたんで、私はむしろその御苦労を謝して、その御努力に敬意を表したいと思うんです。大臣が行かれてあそこでまとまらないで帰ってきたんでは、あとだれがどうするのかということになるんですね。だからそういう点からいけば、お帰りになったときもいろいろ新聞に書かれたけれども、私はよかったと思いましたし、結果的にはそういうことになったと思うんです。
 そういう点の敬意を表して、しかしながら、先ほどからも出ているように、瑞穂の国が米不足になるなんてこれはもう本当言って情けないことで、特に、あれこれ細かいことじゃなくて、大臣、これは考えてやってください。もうかなり減反政策はやってきたんだから今もう取り返しがつかないんだけれども、あの三年に一遍は冷害になる北海道も、それからササニシキとかコシヒカリとかのおいしいお米のとれるところも同じようにカットして減反さしたわけでしょう。これはやっぱり農林省のお役人さんというのは知恵がなさ過ぎる。お米が余ったならばおいしい米がとれるところでもってそのままたくさんつくらして、むしろ北海道なんかはやめさしてあっちは牧場にでもしたらいいと思うんだけれども、だからそういう点でその辺はまずいことであって、食糧の自給率が、私の調べたのでは、一九六〇年から八〇年に向けての二十年間をイギリスの場合には五二%から七七%にアップした。これはあの戦争の経験からですね、この国は。それから西ドイツも八四%から九〇%にアップをした。日本はそれが八三%から逆に三四%になって、さっきどなたかの質問を聞いておったら、何か今もう三三%、まだ下がったと言っているわけでしょう。これは何とかして急速に自給率を上げるということを農林水産省としておとりになるお考えはないかどうか。
○国務大臣(山村新治郎君) 先生今おっしゃいましたのは飼料作物の方でございますが、実は農産物を見てみますと、米が群を抜いて断然トップでございますが、続きまして豚、生乳、鶏卵、そして食牛、ブロイラー、その次にたばこが来るというような順番でございまして、このところ極端に畜産物というものがふえておりまして、これに対する飼料の手当て等そのほかで穀物自給率が大きく減っておるということでございますが、何とか食糧穀物だけは現在の七〇%台を維持していきたいというぐあいに考えております。
○柳澤錬造君 それから、これはもう皆さんも言いたくないし、なかなか言わぬからあれだけれども、やっぱり国民に知らした方がいいと思うからお聞きをするんですけれども、日本の生産者米価と国際米価との対比がどうなっているかということです。まあ国際米価といってもそれは加州米なりタイ米なり中国米というところになるんですけ
れども、その比というものがはっきりして、その上で日本の国内は国内でそれは幾らにするかということはあってしかるべきだと思うんですけれども、その辺の対比の数字だけ明らかにしてください。
○国務大臣(山村新治郎君) これは各年かなり大きな変動があるようでございますが、大体五、六倍ということでございますが、今長官から詳しいところを。
○政府委員(石川弘君) 御承知のように、国際的に市場価格が建っておりますのはタイ国だけでございまして、あとはそういう輸出価格があるわけでございますが、タイ米では、今大臣が申し上げましたように、トン五百ドルから二百五十ドルぐらいに倍に振れるものでございますが、もし二百五十ドル前後の価格で考えますと、日本の国のいわば政府の買い入れ価格との間で五倍程度の較差があろうかと思います。ただこれは品質は全く違ったものと御理解いただきたいと思います。それからカリフォルニア米等と対比しまして、これも輸出価格があるわけではございませんが、四倍程度の較差があろうかと思います。
○柳澤錬造君 まあそれ以上はいろいろあれだと思うけれども、ただ、日本のしゃもじのおばちゃんたちも食べ比べて一番おいしい米は加州米だったんですよ。二番目が中国米、内地米が三番目になっている。そういう状態にあるときに、今言うとおり、加州米に比べて日本の今のお米というのは四倍も高い。それを国民が食べさせられているんです。だからその辺のところをどうしなきゃならぬかということをお互いに考えなくちゃいかぬというこのことは、私は忘れてはいかぬと思うんです、ただ米を上げろというそういうことだけでは解決がつかないんですから。
 それで、これももうお答え要りませんけれども、そういうものとの関係でお考えいただきたいのは、畜産振興事業団、あれは早いところ解体をしてもうおやめになった方がいいと思いますので、そういう希望だけ申し上げて、時間もないので最後は通商産業大臣の方にお聞きをしていくんですが、これは私の考えを申し上げて大臣の御見解を承りたいんです。−この総合安全保障という見地に立って私が考えていることは、一つの商品を輸入総額の一五%を超えて輸入してはならない。端的に今言えば日本の場合には油です。したがって、若干数字を申し上げますと、昭和四十二年のときの原油の輸入額というのは十四億五千七百万ドルで、輸入総額に占める比率というのは一二・五%です。昭和四十五年に原油の輸入額の方が二十二億三千六百万ドルに上がってきていましても、全体が押していますから輸入総額に占める比率というのは一一・八%。さらに、あの石油ショックになる年は、あれは年末ですから、そういう点で昭和四十八年は原油の方が六十億ドルになって、それでも輸入総額に占める比率というのは一五・七%です。それが翌年は、いよいよもうあの石油ショックを丸々かぶったから、四十九年は百八十八億九千六百万ドル、三〇・五%。そのままこう来まして、五十七年になったら四百六十二億七千四百万ドルになって三五%と。これは、今貿易が、外国から貿易摩擦で文句が言われるほど輸出ができているからこんなことになってやっていられるけれども、そうでなかったならばもう日本経済は破産するんです。ですから、そういう点で、一つの商品だけで輸入総額の一五%を超えるような輸入の仕方というものは、日本経済から考えたらやってはいけないのじゃないでしょうか。
 それからもう一つは、今度は輸出の方では、一つの製品ですね、自動車でも鉄鋼でも電機でも、その国内の総生産額の一五%を超えて一つの国に輸出をしてはいけません。これは、その国がもうやめたと言って、買わないと言われたら、そのときは、今度は逆に日本の国内経済のいわゆる生産体制が、パニックまで行かないけれども、これは大変なことを起こす。ですから、その辺のところが、何もぴしゃっとあれをする必要はないけれども、一つの物差しとして見て、それでコントロールしながらやっていかなかったならば日本経済そのものが大変なことになるんで、そういう物差しを一つのめどに置きながら経済をコントロールすることが必要なんだけれども、そういう考えについて通商産業大臣の御見解を聞かしていただいて終わりたいと思います。
○国務大臣(小此木彦三郎君) 柳澤委員の御意見は御意見として承ります。しかし、基本的に一つの物資を輸入何割、輸出何割と限定することは私は非常に困難な問題であると思います。何と申しましても、もう自由貿易体制ということによって我が国の経済、我が国の貿易というものがこれほど発展したということがまずございます。しかも、その経済的な原則から考えてまいりますれば、率直に言って、自由主義経済というもののあり方について多少考え方を曲げることになりかねないという基本的な問題があろうかと存じます。
 この問題、突然私がここでお答えするには非常に大きな問題でございますし、時間もかなりかかるべき問題と存じますけれども、この二点を申し上げて、さらに私は委員のおっしゃったことについて十分考えさしていただきたいと存じます。
○秦豊君 私の場合は十分間ですから、余り質問はできないと思います。主として私の意見を申し上げて両大臣の見解を伺いたいと思う。
 通産大臣と農水大臣は国防会議のメンバーではあられませんね。総合安全保障関係閣僚会議のメンバーではいらっしゃる。で、今まで、御就任以来総合安保関係閣僚会議に何回出席されました。
○国務大臣(山村新治郎君) 二回だと記憶しております。
○国務大臣(小此木彦三郎君) 国防会議のメンバーではございますけれども、これは準メンバーとして国防会議には常に出席いたしております。これは二回だったと思います。安全保障会議もやはり二回であったと思います。
○秦豊君 通産大臣、日本にこの総合安全保障政策という、完熟をした、あるいは総論としても各論としても整合し、理念としても一貫し、そういう体系的な総合安全保障政策というふうなものは既に行政の中にあるとお考えですか。
○国務大臣(小此木彦三郎君) 行政の中にあるということの意味が、私には……
○秦豊君 あなた方の政権にですよ、内閣にですよ。
○国務大臣(小此木彦三郎君) 当然それはあると思います。
○秦豊君 農水大臣の方の御認識はどうですか。同じ問題について。
○国務大臣(山村新治郎君) 私もあると思っております。
○秦豊君 そういう確信を持って、確信ありげにおっしゃったけれども、私のこれは自論で、両大臣と認識に隔たりがあると思うんだが、今一番大きな問題点は、総合安保政策なるものが体系として完熟していない、熟していない、精緻でないと、ここにまさに問題があるんですよ。だから、それは目標であって、到達すべき目標であって現状ではないという認識を持っていないと今後の努力が甚だ粗雑になると私は思いますよ。あれは大平政権以来、理念だけがひとり歩きしたけれども、歴代の政権の中でそれは完熟はしなかった。シンクタンクのリポートは膨大に積み重なっていますけれども、政権によって深められはしなかった。お二人に伺ってみると、あると思いますという確信ありげでもあり頼りなげでもある。
 じゃ、聞きますけれども、総合安保政策なるものは既に行政の中にちゃんとあるとおっしゃるお二人に聞くんだけれども、では、防衛庁の一部が作業しているような危機管理の一環として、あるいは安全保障政策の一環として、有事にはどの程度の物資を、どのような種類の物資をどれぐらい輸入することがエセンシャルであり、ミニマムであるということについて通産省の作業は終わっていますか。農水省は終わっていますか。
○政府委員(児玉幸治君) ただいまお尋ねの重要な物資の必要輸入量をどういうふうな計算をしているかということでございますけれども、これ
は、必要性はまさに先生御指摘のとおりでございますけれども、現実にこれをどうやっていくかということになりますと、将来にわたりまして、そのときそのときの経済、社会状況等によって変動をしていくものでございまして、なかなか一義的に数字を設定していくというのは、正直申しまして大変困難でございます。しかし、それではこの問題を軽視しているかといいますと、決してそうではございません。政府といたしましては、資源小国でございます我が国の立場を考えまして、平時あるいは有事、いずれの場合をも問わず、大事な資源につきましては安定供給の確保に努めなければならないと思っているわけでございます。そういうような観点から、例えば石油の問題にいたしましても、あるいはレアメタルの問題にいたしましても、それぞれのケースに即しまして安定供給確保のための措置を従来から計画的にとっておりまして、備蓄を実施しているところでございます。それぞれの品物に応じましてまた備蓄の目標も立てているわけでございまして、今後ともその目標の達成に向けて着実に進んでまいりたいと思っております。
○政府委員(田中宏尚君) 不測の事態がどういう事態で起きるかということもございますけれども、日本人が生きていく上で必要最低限度のカロリーというものは大体二千キロカロリー程度というふうに言われているわけでございます。これを、有事の際に輸入が途絶して、国内でどう供給するかという態勢なり試算というものをいろいろやっているわけでございますけれども、現在の五百五十万ヘクタールという農地面積、これの使い方によりましては、もちろん現在のように若干非効率な使い方を改めまして、そのカロリー生産量の高い作物に傾斜して作付体系を変えるということが必要になってくるわけでございますけれども、この五百五十万ヘクタールでその必要最低限度の二千キロカロリーというものはどうやら供給できるんじゃないかというような試算はいたしておるわけでございます。
○秦豊君 両大臣ね、こういうことなんですよ。本当に総合安保政策を練り上げるためであれば、例えば狭義の防衛という観点を踏まえると、正面装備にはどの程度の国家財源を費やすべきであるか。では通産行政の中では、生産を保障するためのこういう物資についてはこれぐらいは常時安定供給を保障さるべき数量である。この数量は備蓄として置いておくべき分量である。農水行政においてもしかりです。こういうものが縦割りの中にちゃんとあって、それを積算すると有事所要輸入量になるわけ。その有事所要輸入量を行政の意思として、コンセンサスとして練っておけば、それを守るためにどの程度の護衛隊群が必要であるか、どの程度の航空機が必要であるか等々がそこから積算できるわけ。そういうものが全く今ない。今有事所要輸入量、エッセンシャルな輸入量は何億トンかと言っても俗に二億トンと申しますと――俗、いわゆるなんだ、いわゆるつきなんだ。国家の意思ではない。難しゅうございます。シナリオは多岐にわたります。シナリオというのは国によってもちろん多岐にわたる。危機はもちろん予測を超えるものもある。だが、いろんなシナリオを積み重ねておくのがまさに総合安全保障政策なんです。そういう大項目をあなた方と議論をするには余りにも質問に要する時間が膨大だから、最後に一つだけ具体的な点を聞いておきますが、この間資料要求をして、皆さんのところにも配られた例のレアメタルのあれを見ると、ヘリウムがなぜか欠落しているんですよ。しかしこれから、核融合の研究にもう手をつけているわけだし、超電導送電であるとか、エネルギー備蓄であるとか、つまり大型のエネルギー関連のプロジェクトを考えた場合には、ヘリウムという視点を欠落させると事は進みませんよ。しかもこれは極端にアメリカに偏在している。したがって、ヘリウムの備蓄についても行政として考えおくべきではないかと私は思うんだけれども、それについて。
 それからレアメタルを同僚議員もいろいろ質問しましたけれども、ザイールとか南アフリカを含めてちょうど開発に参入するという形態の協力ですね、鉱物資源を探す探鉱という段階から、あるいはジョイントベンチャーを考えてもよいし、資金、技術協力を考えてもいいが、そういう余地はなお南アフリカを対象にしてあり得るのかどうかだけを聞いて質問を終わります。
○政府委員(柴田益男君) 最初に、ヘリウムの問題については今お伺いしたところでございますが、今後ヘリウムの備蓄については技術的に可能性を検討する必要があると、そういうふうに我々は考えているところでございます。
 なお、レアメタルについても、海外の探鉱開発に積極的に参加すべきじゃないかという中で……
○秦豊君 余地があるかないかということです。
○政府委員(柴田益男君) 余地があるかどうかということですが、一般論としてはそういうことに我々としても努力したいというふうに考えておりますが、ただいま御発言のありました南アにつきましては、これは外交上いろいろ問題がございまして今日本側からの投資を認めておりません。ザイールの方はそういう可能性はあろうかと思いますが、南アについては外交上の問題もありまして難しい問題を含んでいると思いますが、一般論としては海外の探鉱開発に積極的に進んでいくべきだと、そういうふうに考えているところでございます。
○委員長(植木光教君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後四時五十四分散会