第102回国会 運輸委員会 第14号
昭和六十年六月十八日(火曜日)
   午前十時五分開会
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  出席者は左のとおり。
    委員長         鶴岡  洋君
    理 事
                大木  浩君
                梶原  清君
                瀬谷 英行君
                矢原 秀男君
    委 員
                藤田  栄君
                森田 重郎君
                安田 隆明君
                山崎 竜男君
                吉村 真事君
               目黒今朝次郎君
                小笠原貞子君
                伊藤 郁男君
                山田耕三郎君
   国務大臣
       運 輸 大 臣  山下 徳夫君
   政府委員
       日本国有鉄道再
       建監理委員会事
       務局次長     林  淳司君
       運輸大臣官房国
       有鉄道再建総括
       審議官      棚橋  泰君
       運輸省運輸政策
       局長       山本  長君
       運輸省国際運
       輸・観光局長   仲田豊一郎君
       運輸省地域交通
       局長       服部 経治君
       運輸省貨物流通
       局長       栗林 貞一君
       運輸省海上技術
       安全局長     神津 信男君
       運輸省航空局長  西村 康雄君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        多田  稔君
   説明員
       経済企画庁総合
       計画局計画官   戸嶋 英樹君
       大蔵省銀行局銀
       行課長      松野 允彦君
       厚生省薬務局審
       査第一課長    代田久米雄君
       運輸省航空局技
       術部長      大島 士郎君
       運輸省航空事故
       調査委員会委員
       長        八田 桂三君
       運輸省航空事故
       調査委員会事務
       局長       星  忠行君
       気象庁次長    植村 香苗君
       労働省労働基準
       局監督課長    菊地 好司君
       消防庁危険物規
       制課長      志村 哲也君
       日本国有鉄道総
       裁        仁杉  巖君
       日本国有鉄道常
       務理事      竹内 哲夫君
       日本国有鉄道常
       務理事      岡田  宏君
       日本国有鉄道常
       務理事      須田  寛君
   参考人
       日本輸出入銀行
       総裁       大倉 真隆君
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  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○運輸事情等に関する調査
 (三光汽船の再建問題に関する件)
 (国鉄再建問題に関する件)
 (岡山県の浅口タクシー紛争に関する件)
 (大韓航空機撃墜事件に関する件)
 (通勤新線に関する件)
 (整備新幹線問題に関する件)
 (第四次全国総合開発計画に対する運輸省の対応に関する件)
 (総合交通体系に関する件)
 (環状七号線におけるタンクローリー車の炎上事故に関する件)
 (中標津空港における墜落事故に関する件)
 (タクシーをめぐる諸問題に関する件)
 (国内航空運賃の割引制度に関する件)
 (気象観測体制に関する件)
    ─────────────
○委員長(鶴岡洋君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。
 まず、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 運輸事情等に関する調査のため、本日、日本輸出入銀行の役職員を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(鶴岡洋君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
○委員長(鶴岡洋君) 運輸事情等に関する調査を議題といたします。
 これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
○目黒今朝次郎君 私は、冒頭、この前決算の総括質問で若干三光汽船のことをやったんですが、時間の関係でやれなかった二、三の問題についてお伺いいたします。
 まず、運輸大臣、世界経済の関係あるいは日本経済の関係から、石油の中期的見通しということについては横ばいかあるいは下がっている、したがって、タンカー市場の過剰船舶を吸収する力は今のところない、こういうことを中曽根総理はきちっと確認したわけでありますが、このような海運業界の構造不況というものについては極めて厳しいものがある、こういう認識については運輸大臣も同じだと思うんですが、まず冒頭大臣の認識をお伺いいたします。
○国務大臣(山下徳夫君) これはあくまでこれからの見通しでございますから、また、人それぞれ見通しについては意見も異なるかと思います。
 総理がおっしゃった点も私にはよくわかるわけでございますが、御認識のとおり、今大変に特にタンカーが余剰船舶があるということはおっしゃるとおりでございまして、大体昭和五十四年の第二次石油ショックのころの動きがピークであったと思いますが、あるものは今日においては半減以下になっているということでございます。世界じゅうでタンカーの余剰が、係船及びスローダウンして走っていますから、それを余剰に換算しますと、含めて大体一億トンという人もあるぐらいでございます。反面、スクラップもおいおい漸増的になってきておりますから、例えば一月から四月まで毎月四百万トンずつスクラップが世界じゅうで行われておりますし、したがってこれが千六百万トンでございますが、その後また若干下がっているということも聞いております。
 したがって、こういう経過をたどりながら、さらにまた、構造不況という全体的な政府として打つべき手を打って、この世界的な構造不況に対する一つの施策をさらに強力に講じて、例えばそれが中国と開発途上国が非常にこれを希求いたしておりますので、これらに対するスクラップ等の促
進を図ることができるとするならば、私はある時点――ある時点ということは、人によってはいろいろ言われますけれども、昭和六十二、三年ごろには大体タンカーの需給というものがいい線に来るのではないかという見方もあるわけでございます。したがって、現状をただ見るならば、これはとても大変だよという見方もありますけれども、そういった将来に対するいろんな施策を講じながら見るならば、私はそういう時代が来ることも当然予想される、かように思っておる次第でございます。
○目黒今朝次郎君 若干中曽根さんと認識が違いますね。私は何も論文を言っておるんじゃなくて、政府の石油審議会の見通し、資料、それによりますと、今いみじくも大臣が言った六十二年の段階では、石油審議会の資料によりますと、現状よりもダウンするという需給見通しを述べておるわけでありますから、そういう意味では、中曽根総理は、長期的にはまだ流動性があるとしても、中期的にはやはり横ばいかダウンする、こういう認識を述べておりましたから、これはもう見方の違いですから私はあえてこの問題論議しません。ただ若干認識の違いがあるということだけは言っておきます。
 それで、三光汽船の問題についてやりました。これについては政府は特別の救済を考えていない、あるいは大蔵省は、大和、東海、長銀、この三つの銀行で特別にまだ考えていない、こういういないいない尽くしであったわけでございます。ではひとつお伺いしますが、三光汽船の再建計画、これは五十九年度―六十一年度までの三カ年の計画と、新再建計画、こういうのがマスコミに載ったりあるいは雑誌などにいろいろ出ておるわけでありますが、参考までに今までの決算委員会の答弁、今大臣の答弁から見れば、この三光汽船の新再建計画は、やはり海運業界の全体を見直す意味においてぜひ委員会なりあるいは私に資料として御提示願いたいなと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(山下徳夫君) 私としましては、三光汽船だけについてどうこうしていることはないということは既に申し上げたとおりでございます。ただ、三カ年計画を立てて、再建策を十分練りながらこれからひとついろいろ施策を講じていこうということでございますから、鋭意再建に取り組まれ、私は一日も早く再建が実現することを期待しておるわけでございます。
 そういう過程でございますから、主力銀行と申しますか、そういうところといろいろ詰めておられるということも仄聞はいたしておりますし、現在そういう段階であるならば、今御要求のございました再建計画に関する資料というものも詰まっていないのではないかと思いますし、現在私どもはそういう資料を持ち合わせておりません。したがって、今おっしゃるような御要求に役所としてすぐ応じるということは困難ではないかと思っております。
○目黒今朝次郎君 通産省の二、三日前の発表によりますと、石油精製工業ももう過剰設備で、二〇%から二五%程度設備をカットしなければ石油精製業界はやっていけない、例えばこれこれの業種、例えばこれこれの会社、こういっておって、通産省の方も石油精製についてはやっぱりある程度もう設備を処分しなければどうにもならぬといって、通産省は通産省で計画を持っているわけですよ。ですから、海運業界として、例えば三光汽船だけじゃなくて、海運業界全体として中長期、長は無理にしても、中期的な問題について一体どの会社がどの程度過剰なのか、どういう再建が必要なのか、その中で三光汽船はどういう考えなのかという全体図を持っていなければ、少なくとも運輸大臣として海運行政をやるのに、ありませんとか出しませんとかじゃ議論にならぬ。したがって、これは再度三光汽船の再建計画の計画書を出すことを要求いたします。もう答弁は要りません。要求だけしておきます。
 それでは大蔵省にお伺いしますが、大和とか東海とか長銀という方がいろいろ悩んでおられる。悩んでおられるということは、三光汽船の再建が可能かどうかというところで銀行筋は悩んでいるというのが、私が言わなくとも客観的なもう現状だろうと思うんですが、大蔵省はこの三銀行の感触についてなぜ、三光汽船が絶対経営的に大丈夫だというならばこのメーンの三銀行は融資にちゅうちょすることはなかろう、こう思うんですが、ちゅうちょをしていることはイコール三光汽船が非常に経営的に危いといっているから足踏みしているんじゃなかろうかと私は認識し、マスコミも客観的にそう言っているわけでありますが、大蔵省どうですか、銀行課長。
○説明員(松野允彦君) 主力三行から私ども聞いておりますところでは、昨年三光汽船が関係金融機関の合意のもとにつくりました再建計画、三カ年でございますが、について、その後の状況により見直しを行う必要が生じてきているというふうに主力三行は考えまして、現在三光汽船に対して今申し上げました再建計画に対する追加の対策を要求しておりまして、なるべく早くこの対策を策定するよう三光汽船に対して要求しているというふうに聞いております。
○目黒今朝次郎君 それではもう一つ、三光汽船の子会社でありますサンコウタンカーに対する債権について、東海銀行、日本長期信用銀行が貸倒引当金を積むことについて大蔵省の事前の了解といいますか、水面下の接触をしているという確たる情報を我々はつかんでおるわけでありますが、この貸倒引当金について、銀行局の方に東海銀行、長期信用銀行から、あるいは子会社であるサンコウタンカーから何らかの私の情報に対して接触がありますか、あるいは情報がありますか、銀行局にお伺いいたします。
○説明員(松野允彦君) 個別の債権の問題でございますので、詳細にわたりますことは答弁を差し控えさせていただきたいと思いますが、一般的に申し上げまして、金融機関がある特定の債権について貸倒引当金を計上するという場合は、その債権の回収が困難と認められる場合に、一定の税法上の基準によって行うこととされておるわけでございます。その場合、当局といたしましては、その計上が税法基準に合致しているかどうかというような点の見地から、その内容についてチェックをして適正な処理が行われるように指導しているところでございます。
○目黒今朝次郎君 一般論としては、今大蔵省が言うとおり、この会計処理のやり方は、実質的にある会社が倒産するんではなかろうかということを想定した際の前段の準備段階、こういうふうに世間一般に、今専門的な言葉を大蔵は使いましたけれども、俗に世間並みにいけば、ひょっとしたらこの会社はつぶれるかもしれぬ、銀行の方が融資をする会社が、しかし、そういうことをある程度見通しをしながら、そういう前に転ばぬ先のつえということを含めてやる世間並みにいう準備段階の会計処理だと、世間がわかるように翻訳し直せばこういうことですな。一般論ですよ、一般論としてそういう会計処理が行われているということですな。これでいいですか。
○説明員(松野允彦君) 今申し上げましたように、金融機関が貸倒引当を計上する場合には、一般的に申し上げまして、その債権の一部あるいは全部が回収不能と判定される場合、あるいは最終的にその回収に重大な懸念がある場合というふうに、したがってその損失の発生が見込まれる場合ということでございますが、ただ、これを引き当てたからといって直ちにそれが倒産に結びつくということには必しもならないと思います。
○目黒今朝次郎君 なかなか官僚的な言い回しですから、わかりますけれどもね。特に三光汽船という怪物がおるし、子会社のサンコウタンカーという伏線がありますから、大蔵省の答弁はそれなりにわかります。必ずしも倒産にはつながらないというけれども、回収不能あるいは重大な懸念が予想される際の準備段階の会計処理だ、倒産という言葉を取ってね、そういうことで確認しておきます。これは世間的にいえば、相当大変な企業だな、銀行は転ばぬ先のつえと、そういうことだというふうに一般的に私は理解します。
 そうしますと、運輸大臣、いろいろそうではないといっても、子会社のサンコウタンカーが今大蔵が言ったようなことでやっているということになると、やっぱり三光汽船そのものの再建の生殺与奪の権はこのメーン銀行である三つの銀行が握っていると言っても私は言い過ぎではないと思うんですが、運輸大臣の見解はいかがでしょうか。三光汽船の生殺与奪の権は三つの銀行が握っているということについて、お考えはいかがでしょうか。
○国務大臣(山下徳夫君) 当面、銀行との話し合いも含めた三カ年の再建計画が軌道に乗ることを私は期待をし、それが一つの大きなポイントになると思いますが、あわせて、これからの世界のひとつの船況ですね、船の状況、見通し、そういうものも私は大きく影響するものと思っております。
○目黒今朝次郎君 これは銀行局か運輸省か知りませんが、三つの銀行がこの三光支援の融資の条件として二つの条件を出している。一つは余剰タンカーの買い上げ機関の設置、二つ目には運輸省OBを三光汽船の役員として派遣する、この二つについて政府が裏保証するならば、三つの銀行、特に大和銀行は、残っている二百三十五億のプラスアルファの融資に応じて三光汽船の救済には協力してもいい、こういう二つの条件を出しているということはもう公然たる秘密なんですが、このことについて運輸省、大蔵省、政府筋では、この二つの条件を銀行筋から出されているということについて、お考えはいかがでしょうか。
○国務大臣(山下徳夫君) 今お話がございました二つの点は私も聞いております。しかし正式に私が要請されたわけではございません。タンカーの買い上げ等は、先ほど申し上げましたいわゆる構造不況という立場からするならば、当然とるべき一つの方策かなということは私もわかっておりますし、それから人の派遣につきましては、これは私がとやかく言うべき問題ではないし、現役の派遣もありましょうし、あるいはもうリタイアされた方々に対してできれば来てくれという三光自体の御判断もあるかと思いますが、正式に私が要請されたり銀行がそれを条件としているというようなことは、今日まで私は銀行からも聞いたことはございません。
○目黒今朝次郎君 まあここは通り過ぎましょう。言ったってなかなかうんと言わない。
 それで、輸出入銀行総裁にお伺いいたします。決算の総括ではあなたは、銀行局の関係で九千万ドル強が残っているという話でしたが、我々が調べたところ九千三百万ドル、二百五十円で二百三十二億五千万が棚上げになって残っているということを我々は帳簿上数字で確認いたしました。この関係は、いろいろ今子会社がやっていることなどを考えますと、これまた回収の見通しという点は非常に暗いのではないか。
 例えば三つの銀行が、今大臣が言っているようなことを含めて、融資をしたり、あるいは政府がさきの二つの条件、何だかんだ言ったってこれは時間とともに二つの条件はやむを得なかったという弁明になるだろうと私は予側しておりますが、この二つの条件などについて約束どおり融資をすれば回収の見込みは若干あると思うのでありますが、大蔵省の銀行局長なりあるいは政府が絶対そういうことはいたしませんということを答弁している現段階で、中期的に見ると、この二百三十二億の問題は回収不可能、あるいは回収が非常に困難だというように見られるわけでありますが、輸銀の総裁として、そんなことはない、絶対回収できる、こういうことを、今まで全体を言った、この三光汽船なり子会社、あるいは三つの銀行の動向、政府答弁、これから見て、あなたはそういう悪条件であっても二百三十五億については焦げつきは心配ないというふうに総裁としては確信を持っておられるかどうか。持っておるとすれば、その根拠、見通しがないとすれば場合によっては焦げつきもあり得るという場合には、その責任、その点について総裁として見通しと責任についてお答え願いたい。
○参考人(大倉真隆君) 私どもの日本輸出入銀行が三光汽船に貸し付けております金額で、現在の残高がおっしゃいましたように九千三百万ドル相当、これにつきましては私は回収にはいささかの懸念も持っておりません。と申しますのは、私どもの融資をいたしますにつきまして、債権を保全するために銀行の保証をとっております。その意味で債権保全措置は十分講じてございますので、回収の懸念は持っておりません。
○目黒今朝次郎君 その銀行の保証の銀行の名前と、担保は何ですか。
○参考人(大倉真隆君) 個別の融資案件につきましてお答えするのは差し控えさせていただきますが、いわゆる主力三行のそれぞれが保証しておるものもございまするし、主力三行でないものが保証しておるのもございます。担保というのは、銀行保証そのものが担保でございます。
○目黒今朝次郎君 何が担保ですか。
○参考人(大倉真隆君) 銀行が支払いを保証しておるということが担保でございます。
○目黒今朝次郎君 この支払い保証というのは、私は坪内問題で、きょう持ってこなかったけれども、輸銀総裁、そんな簡単に、支払いを保証したから二百三十二億の国民の税金が回収見込みは心配ありませんなんていう、それはきょうの段階はいいですよ。
 ただ、私は確認しましょう。焦げつきはない、その理由は銀行が保証している、銀行はどこかと言ったら、三つのメーン銀行もありますし、それ以外の銀行もあります。担保は何かと言ったら、支払いを保証しています。支払いを保証しているその保証は何ですか、それじゃ。この前みたいに、坪内さんは日債銀へ保証しますと言って、陰になって、あの保証書はおれは関係ないと。坪内裏担保ですね、有名な。そんな格好で、病気になったか何だか知りませんが、いまだに回収されておりません、日債銀。そういうからくりはないんだろうね、念のために。坪内さんのような裏保証のようなからくりはないんでしょうね。いわゆる担保の保証というのは何ですか、具体的に。銀行の金ですか、資産ですか。
○参考人(大倉真隆君) 私が申し上げておりますのは、通常申します銀行保証でございまして、三光汽船の債務を銀行が保証するという保証契約書をちゃんと私どもは取っておるわけでございまして、万が一三光汽船が支払えないという場合には、それにかわって当該銀行が私どもに支払うということを約束しておるわけでございます。その意味では、その銀行の持っております全資産が担保に入っておるわけでございます。
○目黒今朝次郎君 きょうの段階ではそのくらいにしておきましょう。そういう国会で少なくとも言ったことでありますから、私たちもあなたの証言を裏づけする資料の収集に全力投球して、そこから以上はこの質問は保留します。今度の資料をまたまとめて、しかるべき機会に、回収焦げつきのないように、総裁の前途に光明がありますようにお祈りしておきます。いやしくも、あの国会ではこう言ったが、これこれしかじかの事情で回収不可能になりましたなんていうことを国民に向かって言わないように、あなたはやめれば結構ですが、焦げつきを抱えた国民は大変な迷惑でありますから、そういうことのないように期待をし、要望をしておきます。それで終わりです。参考人は結構です。あと改めてまた三光汽船をお願いします。
 次は、国鉄問題をお願いします。
 まず、運輸大臣、六月五日の朝日新聞では六ブロック案、それから私の田舎の河北新報を見たら新幹線のリース方式、それから最近の各紙に鉄道公安官の廃止、毎日こういった、一週間に一件か二件ずつ監理委員会の情報が出ているんですが、これについては、監理委員会から事務局次長が来ておりますし、あるいはこの真意を私はこの前、中曽根さんがいる前で、中曽根さんは私の本会議の質問で、亀井委員長は本当に国会に出てきてよくやっていらっしゃると言ったから、中曽根さんの前で亀井委員長の証言を聞こうと思ったら、何だか九州あたりに御出張なさって、国会よりも商売の方が大事だといって、国会の方は二の次だ、商売が大事だ、こういうことで、とうとう亀井委員長に聞くことができませんでした。
 ですから、きょうは林事務局次長が来ておりますが、まず最初に運輸大臣に対して、こういう新聞に出ておる分割案、新幹線リース方式あるいは鉄道公安官廃止、こういう問題について、水面下、表向きはないです、水面下を含めて運輸省とは全然接触がないんですか、あるんですか。運輸省はある程度耳打ちされて、棚橋御大が大臣に耳打ちしているように、少なくとも耳打ちされて、あなた方は新聞に出る前に情報なり考え方として知っておるのかどうか。しかも、今日段階では、教育臨調ではありませんが、教育臨調は、教育臨調の問題について文部省の役人は全部知っている、あるいは相談も受けている、こういうのが教育臨調の現状であります。けさもテレビでやっていました。そういう教育臨調の経過から見て、この分割案、新幹線リース方式、鉄道公安官、こういう問題について運輸大臣はどの程度知っておって、そして現在どういう御認識を持っておるのか。まず大臣からお伺いします。
○国務大臣(山下徳夫君) 御案内のとおり、七月末には再建監理委員会から答申が出るわけでございまして、かなり煮詰まった段階だということは私も承知いたしておりますが、分割につきまして具体的にどのような案があるかということは、今鋭意作業中であるということで、私はまだ正式には聞いておりません。
 ただ、例の臨調それから監理委員会の緊急提言等にも、分割をやらなきゃならぬということははっきりしておるわけでございまして、政府もこれに対して全面的に賛意を表し、協力するということは閣議でも申し上げているとおりでございますから、分割案が出るものとは期待をいたしておりますが、詳細には承知をいたしておりません。ただ、事務的には現在いろいろと詰めておることはもちろんでございます。
○目黒今朝次郎君 そうすると、監理委員会に聞きますが、これらについてはもう骨格は固まって、あとは中身の問題になっておるのか、骨格そのものがまだ固まっていないのか。例えば六分割は、本州を三つに分けて、離島三つ、新幹線のリース、鉄道公安官廃止、こういう骨格はもう固まったのか、また固まっていないのか。その固まったか固まっていないかで結構ですから、事務局の見解をお聞きします。
○政府委員(林淳司君) 分割案とかあるいは長期債務の処理とか、あるいは余剰人員の問題あるいは格差是正の問題、こういうものについては相互に非常に密接に絡んでおるものですから、その辺のところを総合的にその絡みを見ながら全体的に今詰めている、最終の詰めをやっている最中でございまして、まだ最終的な形を固めたという段階ではございません。
○目黒今朝次郎君 教育臨調の例じゃありませんけれども、教育臨調の第一次答申の案が決まった、骨格が決まった、それできょうあすのうちに総会に諮って、総会の御了承を受ければ第一次答申をするというのがけさのNHKの教育臨調のお話でした。だから、大臣が言うとおり、民営分割、民営分割、臨調のばかの一つ覚えで、そんなことで私は聞いているんじゃない。臨調のことはもう通り過ぎちゃって、分割をいかにするかということなのか、あるいは分割ができないのか、そういう問題について亀井委員会はもう骨格が固まったのか。三つか四つか別にして、固まったのか、あるいは離島分割ということが固まったのか、骨格として、まだ固まらないのか。その辺を私は聞いているんですよ。
 作業中とか、あと一カ月後なんだから、国民に向かって、いや離島は分割の骨格が固まりました、本州の問題については最初は六つ、次が四つ、今度は三つ。三つでも東京駅に駅長さんが二人出る、これは後で国鉄に聞きますが、今度のこの三つでも、在来線の熱海までの駅長さん、新幹線の駅長さん、東京駅に駅長さん二人出るんです、車掌区長さんもね。そういうことを含めて、もう三つなら三つ固まったのかということを私は言っているんですよ。固まらないなら固まらない、固まったら固まった、鉄道公安官も含めて。どっちか言ってくださいよ。あるいはあなたではもう答弁できないというなら、やっぱり答弁できる人に来てもらわないとこれはしようがない。固まったのか固まらないのか、そこです。
○政府委員(林淳司君) まだ最終的な姿は固めておりません。
○目黒今朝次郎君 固まっていない。
 そうしますと、この「宝石」、私もあちこち本を読むのが好きだけれども、この「宝石」を読んで、本当に中曽根さんに読んでもらいたいね。これが本当だったら大変なこと。目白の田中のおやじさん以上だ、これが中曽根の本当のねらいだったら。こんなのなら、毎日毎日汗水流して働いている、新幹線を運転している国鉄職員がこんな本を読んだら、何言っているんだと言いたくなる。大臣も読みなさい、この本を。そこにいるお三人、棚橋さん、林さん、この「宝石」を読みましたか。どうですか、まだ読んでおりませんか。
○国務大臣(山下徳夫君) まだ読んでおりません。
○政府委員(棚橋泰君) コピーをもらいましたけれども、まだ詳細には読んでおりません。
○政府委員(林淳司君) 私どもは一応読んでおります。
○目黒今朝次郎君 これはやっぱりそれぞれネタを見せながら書いているんですから。
 ただ、私はこの中で二つ三つ監理委員会にお伺いしたいのは、この中の百七十七ページに、「五月中旬時点で漏らされた「検討内容」は全部で二十二項目にのぼり、その主なものは以下のごとく」と、こう書いてあるわけです。ですから、五月の中旬で二十二項目に従って詰めが始まったというのが一つ。それから、「自民党の意見も反映させるべく、三塚氏を軸にしてのすり合わせが、自民党と監理委員会との間で、五月中旬以降、早くも始められている。」こうあるんですね。だから、まだ固まっていないと言いながら、自民党とすり合わせが始まったということは、自民党の交通部会がやったのか、運輸省のその国鉄のまあ主任、棚橋先生のところで始まったのか。この自民党と始まったという表現は、監理委員会はどことすり合わせをやっているんですか。現在すり合わせをしているのかしていないのか、すり合わせをしているとすればどことすり合わせをしているのか。このすり合わせの現状について事務局からまず聞いて、それに対して運輸省の担当審議官はどういうことをやっているのか聞かせてもらいたい。
○政府委員(林淳司君) ただいま先生が御指摘になりました「宝石」という雑誌の百七十七ページの二十二項目というのは、これは私どもは全く承知をしていない事項でございます。
 それからすり合わせということでございますが、私どもは、法律に基づいて内閣総理大臣に意見を提出する機関でございますので、どこかといわゆるすり合わせというふうな形で、何と申しますか、調整をするというふうなことは考えておりません。ただ、従来から、案を固める段階におきまして、できるだけ幅広く各方面の御意見はいろんな形でお聞きするという姿勢で来ておりますので、そういう意味で各方面の御意見は幅広く聞いておりますけれども、いわゆるすり合わせというふうな形のものはやるつもりはございません。
○政府委員(棚橋泰君) 今林次長からお答え申し上げましたようなことでございまして、私どもと再建監理委員会、ないしは先生おっしゃるような自由民主党筋というようなところと、いわゆるすり合わせというようなものが行われておるというようなことはございません。ただ、再建監理委員会と運輸省との間では、監理委員会がいろいろ案をおまとめになります段階での作業には積極的に協力をいたしておりまして、監理委員会との間で事務的にはいろいろ数字の調整、計算の仕方の議論その他いろいろな点についていろいろな意味で事務的に連絡をとり合っておりますけれども、いわゆるすり合わせというような形で物事が行われるという段階ではございません。
○目黒今朝次郎君 すり合わせは行っていない、運輸省は監理委員会から要求されれば関係の資料だけは積極的にお出しになっている、こういう理解でいいんですか。
○政府委員(棚橋泰君) 必ずしも資料だけではございません。いろいろな意味での意見交換、議論というものは十分いたしておるつもりでございます。
○目黒今朝次郎君 その意見交換、例えばこの第三次の本州 東日本、中部、それから西日本と、こういう案が出された際に――私は事故屋を三年ばかりやりました、現場で。新幹線の上野のホームを入ったところである日新幹線が脱線した、まあ転覆までいかなくとも脱線した。それで東京から奈良の方、あるいは京都の方あるいは九州の方に行くお客さんが乗っていらっしゃる。そういう際にばあんと事故が起きたら、ああいう際にはどうなんですか。いわゆる非常事態発生に対する運輸省側の事故の対応ということについて、三分割案ではどういたしますか。例えばそういうようなことを御相談を受けた場合には運輸省は、これはこうする、あれはああするというふうな御提言という中身で提案している、そういうところまで話は行っているんですか、運輸省。
○政府委員(棚橋泰君) 再建監理委員会の方では、先ほどお答え申し上げましたように、三分割とか四分割とかいう具体的な案が最終的に固まっておる段階ではございません。したがいまして、そのようなことを前提にして、事故が起こったときの云々というようなことについて私どもが意見を申し上げたりしたということはございません。ただ、一般的には、技術的な問題その他いろいろな問題についていろいろな意見を交わしておるということは事実でございます。
○目黒今朝次郎君 では、分割が三つになろうと四つになろうと、事故という問題と、乗務員の運用という問題と、車両の運用という問題と、それから今国鉄には操車車がありますが、操重車というのは、脱線すれば機関車そのものをがっと抱えて、ぽっとこう、松川事件の関係なり、尻内駅で寝台列車が脱線転覆して当時のRTOから大分おしかりを受けて、それ以来操重車というのを持っているんですが、そういう事故関係の議論などは、監理委員会とか運輸省側は、そういう事故の問題とか乗務員の運用の問題とか車両の運用の問題とか、そういう問題について、二つか三つかは別にして、分割という視点に立った際に具体的な御議論をなされて今日までいらっしゃったのかどうか。そこまではやっていない、それは監理委員会が勝手にするんだという認識でいいのか。
 今後の問題もありますから、現在までの作業の中でそういう事故対策、営利運行、あるいは切れ目のところの初乗りの問題とか、そういう問題について議論はもうお済みなのかお済みでないのか、その辺の現状までの取り組みについて、やったやらないで結構ですからお聞かせ願いたい。今後の七月の答申が出てくるとき大事な問題ですから、ポイントを握っていますから聞かせてもらいたい、こう思うんです。
○政府委員(棚橋泰君) 先生のお話しのように、もし国鉄を分割した場合には、その際の車両運用の問題、何事か起こったときの処理の問題というのは非常に重要な問題であるというふうに私どもも考えております。したがいまして、そういう問題につきましてはいろいろな面で私どもの方の事務方でいろいろな議論をしておることは事実でございます。ただ、具体的な分割の中身が明確でございませんので、そういう意味で、具体的に先ほどのお話のように、上野の駅とかそういう時点でどうだというようなところまで議論をしておるということではございません。
○政府委員(林淳司君) 私ども分割民営化という基本的な方向については、昨年八月の緊急提言でお出しをしたわけでございまして、その際に、その線に沿って今後具体的な検討をしていきたいということで、昨年の八月以降、もちろんその以前からも、当然でございますが、分割に伴う技術的な諸問題というのは非常に重要な事項であるということで、これについては相当徹底した分析、検討を行っております。その際、運輸省その他各方面のいろんな御意見も聞きながら具体的な問題点について詳細な詰めをやっておるということでございます。
○目黒今朝次郎君 よく加藤寛先生などの文章を見ますと、国鉄と私鉄あるいは国鉄と地下鉄が相互乗り入れをやっているから、そんなのやる気があれば簡単だという御指摘のようですが、実態をわかっておって監理委員会は相互乗り入れの際の運賃の精算とか、乗務員のやりくりとか、事故発生時の緊急対応とか、そういうことを現地を十分調査をした上で、なに相互乗り入れをやっているからという認識でやっておられるんでしょうか。
 その辺の分割した際の、いわゆる東日本鉄道株式会社、中部日本株式会社、あるいは西日本株式会社、その間の関係を相互乗り入れぐらいの気持ちでやっておったら私はとんでもない誤りを犯す、実務を知らない者だ。その点はどれぐらいの相互乗り入れと分割の関係について御検討されておったんですか。されているのかされないのか。されたとすれば、どこの実態を見て、東京都内、どこの実態を見てどういう認識で分割は可能だというふうにその作業を進めておられるのか。その相互乗り入れと民間の分割についてお教え願いたい。
○政府委員(林淳司君) 相互乗り入れの問題を初めとしまして、技術的な諸問題というのはこれは極めて重要な問題でございますので、むしろ、分割案をつくるためにも、その辺のところは一体どうなっておるかということの列車の運行実態というものを詳細に調べまして、その上でその辺の解決方策、それを踏まえて具体的な分割案を検討しておる、こういうことでございます。極めて重要な問題だというふうに認識しております。
○目黒今朝次郎君 自信がないね。まあそれはいい。
 それでは今度は国鉄側にお伺いします。今運輸省と監理委員会、こういったような格好で、運輸省側には資料の提供、問題があれば具体的に討論している、こういう経過ですが、国鉄側は、今運輸省と同じような形で監理委員会と接触し、あるいは問題提起をされておるのか、もうあと一カ月後ですから、現在までの経過について簡単に国鉄側の対応についてお聞かせ願いたい。
○説明員(竹内哲夫君) 監理委員会からは私どもに対してさまざまな問題につきまして資料の提供あるいは説明というようなことを求められておりまして、私ども、監理委員会に対しては積極的に協力していく、審議に協力していくという立場に立っておりまして、これらにつきましては逐一、もうかなり細かい点にわたるような部分もございますけれども、資料を差し上げあるいは説明を申し上げているというようなことでございます。
○目黒今朝次郎君 国鉄側は、この前の運輸委員会でも私が言ったとおり、監理委員会の要請に応じて総裁以下全理事、それから必要によっては全管理局長、あるいは管理局長と同じようなポストの皆さん、全体で討議をして、練りに練って一月十日の提案をした。それはそれなりに、風波があろうがなかろうが、国鉄全体の実務を預かっている、総裁以下の実務を預かっている者のやっぱり意見だ、案だというところには私は確信を持ってもらいたいということを言ったわけであります。そういうことについて、いわゆる教育臨調であれば、教育の自由化の問題について文部省の各局長クラスがやっぱり臨調の皆さんとか専門委員にじゃんじゃん発言してテレビにも乗る、新聞にも載る、そういうことで国民の目に映るんですが、臨調の方はもう民営分割ありきと。大臣も中曽根さんに、山下君、大臣になったときは国鉄分割賛成だな、はい、賛成でございます、こう判こを押して、大臣の認証をしてもらったからそこまではしようがない、これは中曽根内閣の一角だから。
 でも、あなた方は実務者でしょう。実務者ですから、やっぱり実務は実務の意見として亀井委員会に言うべきは言う、なぜ全国一本でなければ国民の利益を守れないか、あるいは今後自分たちの孫たちを含めてばらばらにしたら大変なことになるという、全国ネットワークの必要性というものをもっともっとやっぱり私は力説してしかるべきだ。ここにおられるマスコミの皆さんなり、あるいは総裁が特別テレビ会見して、臨調はああ言っているけれども、亀井委員会はああ言っているけれども、国鉄はこう思うんだということを天下に向かってやっぱり堂々と言うべきだ。それを何だか借りてきた猫みたいに、こそこそ、こそこそ。そのこそこそが一般職員にも通じて、何てまあ総裁だらしないんだ、うちの常務理事は何をやっているんだ、そんなことだから亀井委員会ににらまれ、歴代国鉄総裁が自民党政策の犠牲になって今こんなになっているんだ、そういう恨み骨髄に徹してOBを含めてわあっと出てきているんですよ。
 だから、もう少しやっぱり言うべきは言う、主張すべきは主張する。何だかんだ言ってもあんたたちは実態を握っている国鉄の親分なんだから、それこそ天下に今言うべきだ、勇気を持って。国民の世論調査では半々ですからね。まあ自民党の中はどうか知りませんが、半々ですから、もっと勇気を持って言うべきだと思うんですが、担当常務、そんな借りてきた猫みたいに小さくなっている必要ないと思うんですが、今まで主張していますか。
○説明員(竹内哲夫君) 私ども、まだ監理委員会の方から具体的に分割の案というようなものについて伺ってはおらない状況でございます。したがって、これについて私どもが意見を申し述べるとか、そういうことはございませんけれども、私どもとしては常時監理委員会あるいは運輸省とは接触をしておるわけでありまして、その中で、私どもとしてはこういうことが望ましいという点については意見は申し上げてあるつもりでございますし、今後ともそうしていきたいというふうに思っております。
○目黒今朝次郎君 国鉄の仁杉体制がどうの、あるいは亀井委員会のメンツがどうのという問題じゃありません、これは。日本の交通体系全体の百年の大計ですよ。線路を取っ払ってしまったら、ああ、あの時代はよかったなと、こういう悔いを残さないように、あるいは田中角榮さんが、北海道じゃありませんが、私北海道へ行ってきました、二回ほど。戦前戦後の日本を支えてきたのは、何だかんだ言ったってSLを中心にしたこの鉄の動脈が日本を支えてきたんだ、このことを絶対に忘れちゃいかぬ。このことを再び悔いを残しちゃいかぬ。今目白で療養中で、私が言ったから、どのくらい電波が通じているか知りませんが、あの人もそういうことを喝破して北海道を歩いたことを聞いております。
 なぜ私がこの問題をしつこく言うかというと、六月十一日に参考人の意見開陳がありました。その際に、山本雄二郎さん、これは自民党推薦の参考人でありますが、この人が大事なことを言いました。それは、この国鉄の問題については、亀井委員会が確かに形式上は再建をやっている。だけれども、実務をやっている国鉄の意向を無視しては何物も成功しない。運輸省はその中間に立って、亀井委員会と国鉄の主張というものを、中和させるというと変でありますが、すり合わせとか調整しないとか、それはきれいごと。何だかんだ言っているけれども、亀井委員会と国鉄と運輸省、この三位一体でなければ絶対に答申をしても国鉄の改革はできない。したがって、いろんなことを言われておりますが、労使ともこの三つの機関の一体化、もちろん国会の皆さんもそのことについて最大の努力をしてもらいたいということもありました。私は、サンケイ新聞といえば随分元気のいい新聞でありますから、何が飛び出すかと思って注目しておったんですが、なかなかやっぱりサンケイもいいところを突いているなと思いました。
 それからもう一人伊東さんは、亀井委員会がこのごろ変身をした。最初ローカル線廃止廃止と騒いでいながら、このごろになって、一月十日に国鉄が七十線の案を出すと一晩でひっくり返っちゃって、国鉄の案はけしからぬ、ローカル線は残すんだと、こういうことに亀井委員会が急変した。この急変の背景は何ですかと聞いたら、完全に亀井委員会の中にも対立があるし、その亀井委員会内の対立と、亀井委員会と国鉄の対立、亀井委員会と運輸省の対立、運輸省と国鉄の対立、住田委員は国鉄ぶっつぶし論だと、私もそう思います、貨物安楽死論をやった住田御大ですから。そういうさまざまな人間のどろどろしたやつが現在の国鉄の問題で渦巻いている。それが亀井委員会の実態だと、伊東さんはそう証言しています。
 これらを考えると、三者が三様、きれいことを言ったって、迷惑をこうむるのは国鉄職員と家族とあるいはローカル線全体の住民ですよ。だから、アンチ国鉄とか、国鉄総裁の首を切って済むものじゃありません。大臣だって、大臣をやめてしまえばいつまでも責任を持つものじゃないんですから。しかし国鉄という線路は永遠に残るんですから。そこのところはもう少し運輸大臣が中心になって、やっぱり亀井委員会も謙虚になって、あるいは国鉄側も謙虚になって、どうすれば国鉄の再興ができるか。民営化の問題については組合も一定の条件を示しているんです、社会党も一定の条件を示している。もう少し真摯に亀井委員会が国鉄問題を議論してもらいたい。
 そうしないと、答申が出てきたって、何言ってるかいと言ってしまえば、例えば我々運転系は、よしABの運行には非協力だ、どうぞ御自由に。ABの運行に非協力になったら一体だれがどういうダイヤを組むんですか。我々動労としてはAB運行、あんなのほっておけ、あんなの亀井委員会にやらせる、住田にやらせる、AB運行の組み方、そういう抵抗をされたらだれがAB運行の線を引きますか。国鉄総裁は文句あったら総裁以下全部辞表出せと言っている。これに書いてある。まあ辞表出すか出さないか知らない。総裁が辞表を出したら組合だって黙ってない、全職員が。それはまくらをともにしようということにもなりかねませんよ。そういうことをこの参考人はいみじくもお二人が喝破している。議事録を読んでください。
 ですから、私は、国鉄問題はもう少し冷静にやってもらわないと大変な政治問題なり社会問題になりかねないということを心配している一人です。ですから、この参考人の陳述について運輸大臣、国鉄総裁、亀井委員会はどういう認識をお持ちか、山本論説委員と伊東京大教授、これについてどういう認識をお待ちか、おのおの簡単に決意を聞かせてもらいたい。そして、国会の答弁だけじゃなくて、実務面できちっと相提携してもらいたいということを要求いたします。
○国務大臣(山下徳夫君) 今先生から、監理委員会、国鉄そしてまた運輸省、それぞれ対立というお言葉がございましたけれども、それぞれ真剣に、冷静に今討議を行われておる段階でございますから、対立というよりも意見の食い違いは当然私はあるかと思います。そういった問題も含めてすり合わせ等が行われている。特に、国鉄からは一月十日に国鉄の意見をちょうだいいたしておりますし、もちろんこの意見と監理委員会が進めておられるものが一致しているとは私は思いません。いろいろとそれは意見ですから食い違いもありましょうが、ただ、そういうものも勘案しながら監理委員会が中心となって作業を進めておられることは、私は間違いのないところであると思っております。
○説明員(仁杉巖君) 今大臣から御答弁がございましたが、私どもも、御承知のとおり、一月十日に「経営改革のための基本方策」というものを出しております。これは御承知のとおり、国会初め監理委員会、運輸省等からも実務者である国鉄が意見を言うべきであるといる御示唆がございました。これは外とのすり合わせと言われるようなことは一切してございません。国鉄だけで、国鉄の
役員会を中心にいたしまして、局長あるいは管理局長等の意見は加えましたけれども、国鉄だけで出したものでございます。したがいまして、そのときに出しました総裁談話の中に、この基本方策については各方面からの御批判あるいは御指摘のようなものはあると思います、これに対しては謙虚に耳を傾けてさらにいいものにしていくというような考えをしておりますし、また、法律的に申しまして、監理委員会が最終的に総理大臣に答申を出されるということでございまして、それに対する作業に実務者の国鉄として当然御協力しなければならない面があると思います。これらにつきましては御協力いたしますし、また、総理大臣がこの答申を受けられて政府案をつくられるという場合、これにも御協力をいたすとともに、これが決まった場合には国の機関としてこれの実現に努力をいたしますということをはっきり申し上げているわけでございます。
 その後、大臣から一月の末にお呼び出しがありまして、亀井委員長ともよく会って協力をするようにという御示唆がございました。私も一月の末に亀井委員長さんとお目にかかりまして、私どもも体制を整えまして御協力をするつもりでおりますので、何なり御要望がございましたらお申しつけください、また必要な場合にはお呼び出しくださればいつでも参上いたしますということを申し上げてあるわけでございます。その後監理委員会からは、三月の初めになりましてから、土地の問題あるいは自動車の問題、貨物の問題その他各方面にわたりまして、あるいは工場の問題、車両の運用の問題等資料の御要求がございました。もちろんその中で、一回出して、これでは不十分だという、行ったり来たりというようなことはございますが、私どもといたしましては、スローモーだという御批判はあるかもしれませんが、誠意を持って対応しているところであるわけでございます。
 以上のような経過でございまして、私どももできるだけ御協力をいたすということでございます。
 また、各方面にもっとPRをせいというようなお話がこざいましたが、私どもといたしましても、あの基本方策につきましては、各方面にお送りをするとともに、あるいは各政党、自民党で申しますと派閥ごとにいろいろ御要望もあり、あるいは社会党からも公明党からも民社党からもいろいろ説明をせいという御要望がございます。こういう場合にはまた御説明に伺っておりますし、また、国鉄に諮問委員会というものがございますが、これの先生方も、一時間、二時間の会議では非常に少ない、もう少し詳しく説明せいという御要望もございましたので、それらの先生方にも御説明をするというようなことで、決して私どもが、私どもの考え方、あるいは同時にその場合には監理委員会の提言等もお話しを申し上げておりますので、そういう点につきましても御説明をしているということでございます。
○目黒今朝次郎君 まあ第三者から見て、三者三様で対立するということは、山本さんというのはサンケイの諭説委員ですから、国鉄問題をずっと扱ってきた諭説委員ですから、それなりに私は客観性があると思って信用しているわけですから、そういうことのないように、お三人いますからお願いします。
 それから、総裁に一つだけお願いします。
 最近物騒になったものですから、私の所属の動労の組合員の皆さんからいろんな心配なことが出ているんです。それは、三本柱についてはいろいろありましたが、動労としては、三本柱を完全にクリアしてこれを完全に消化することが国鉄再建のポイントだということで、どの組合よりも積極的に取り組んでいる。いすずの問題などは、むしろ組合みずからが北海道の組合員まで募集して、動労の本部が窓口になって、関東が窓口になっていすずの方に派遣している。いすずの労務担当の常務からいうと、これが国鉄職員かと、これが動労の組合員かと言われるくらい仕事の面でも技術的にも非常に多くの評価を受けているという点は非常にいいことだと私は喜んでおります。同時に集まって激励もしております。全体として今動労からいうと組織の一〇%、大体一割が出向になっているという現状であります。
 全国大会を迎えておるわけでありますが、この出向の問題をやるときに、この運輸委員会あるいは決算委員会で総裁と一問一答やりましたね。行った者については国鉄職員としての身分を保障し、そして帰ってくる際にはきちっと往復切符をやって、それが現状のままになるか、あるいは政治の状況で若干変わるかもしれないけれども、やはり往復切符の問題については総裁としてきちっとそれを保障する、政府に向かっても、絶対むだにならないようにきちっとする、職を賭してもやるんだというところまで総裁が発言されて、それをうちの組合も信頼して、今派遣しておる諸君も残っておる諸君も歯を食いしばってとにかくやろうということで、事故のないことを含めてやっているわけですね。ですから、今度の大会で、総裁の首の問題が出たり、あるいは毎日毎日嫌な新聞記事が、組合員から見れば嫌な新聞記事が出ているんですよね。ですから、そういう困難は、第一線の組合員も派遣している職員ももう百も承知で歯を食いしばっているんですよ。
 ですから、これは職員という者に対しては、やっぱり総裁として、目黒提言について約束したことはきちっと総裁の職を賭しても、総裁初め国鉄全体として守ってやろうし、同時に政府に対してもそれを貫徹するように最大の努力をするということをぜひ、心配な時期だけに、答申を一カ月後に控えていますから、総裁から再度決意のほどを伺いたい。これが雇用安定協定の問題にもひっかかるわけでありますから、総裁の決意を聞きたいと思うんです。
○説明員(仁杉巖君) 今目黒先生が御指摘のように、昨年の十月十日というより十一日の夜明けでございますが、動労の幹部と私のやりとりがございました。その内容は今先生が御指摘のとおりでございまして、派遣等について、必ず帰ってくる場合の職場を確保する。そのときに組織がどうなるかというのは私でもまだ見当はつきませんが、その場合でも移行の措置の中に必ずそれを入れるというお約束をしてございますし、国会でもそういう答弁をしているわけでございます。
 今、先生御指摘のように、派遣された職員、動労の職員が非常に多いわけでございますが、そういう人たちも外において非常に評価を得ているということは大変うれしく思っているわけでございまして、こういう人たちに不安を与えるとか、帰ってくるときに非常に嫌な思いをさせるというようなことのないということが必要でございます。私といたしましても、我々のできることは最大限いたしますし、また政府に御要望しなければならないことにつきましては、できるだけの御要望をいたしたいというふうに思っております。
 今先生の御要望の趣旨は、十二分に私も腹に畳み、努力をしていくということをこの席で表明いたしまして、お答えといたします。
○目黒今朝次郎君 それはひとつ実行するように要請します。
 時間が来ましたから、十分ほど岡山県の倉敷の浅口タクシーの問題についてお伺いします。
 この問題については、私は五十九年の十二月二十七日、それからことしの六月十日、二回にわたって現地に行ってまいりましたから現地の事情はわかるわけでありますが、労働省の方で、労働基準法違反であるとか、あるいは二七通達の抵触だとか、そういう点でおととしの五十八年の八月十八日から現地の労働基準局で大変お世話になっておるわけでありますが、現時点における問題点を簡潔に御報告願いたいと思います。
○説明員(菊地好司君) 御指摘のとおり、一昨年の八月以来数回にわたりまして申告がございまして、監督指導を行い是正を図ってきております。
 現時点に残っておる問題点は二つほどございまして、一つは、賃金について累進歩合制が導入されておるということについて、二七通達違背という観点から改善方を図っておりますが、労働組合と
の話し合いの時間も若干必要だということで、その進捗を関心を払って見ているところでございます。二点目は、残業の関係で、三六協定を超えて時間外労働を行っているのではないかという点でございますが、会社側ではそういう事実はないということを聞いておりますけれども、この点につきまして、現在確認作業を進めているところでございます。
 以上二点でございます。
○目黒今朝次郎君 御苦労さんです。
 まあ短い時間ですが、ここに岡山労働基準局が、私が現地調査に行って全部一々極めて親切、丁寧にあります。その労を多としながら、私も今課長が言った二点が残っているということは確認をしておるわけであります。
 それで運輸省にお伺いしますが、この問題を私見てまいりますと、レクチャーでも言ったわけでありますが、組合関係が絡んでいるわけですね、率直に言って。組合関係と言った方がいいでしょう、きれいごと言わなくても、私もずばり言った方が。六十一名おります。六十一名おるうち、いわゆる小型車が七台、七人、これは同盟関係が全部。それから一人一車、これは二十三人、これは全部同盟の運転手。それから二車三人が全自交関係が十八名、同盟関係が十三名、合計六十一名。これが運転手の分布状況です。
 それで、この会社は足切りを三十九万。それでここのところは流しタクシーじゃないんです。いわゆるお客さんの注文で、運行管理者がだれ行け、だれ行け、こういう指示をするというシステムになっているわけです。それで、私もあそこで見ておったんですが、ぽっと来ると、はい小型車、それからお客さん三人ですかというと、はい三人、じゃ一人一車、ぱっと、これがほとんどなんですよ。だから、二車三人のところに番が回ってくるなんてないんです。回ってこないのか、回させない方が正しいんでしょう。
 そして、乗務員の運行表を見てみますと、我々もう専門屋ですから、運行表を見ますと、二車三人の同盟の十三人の皆さんは、適当な機会に一人一車の二十三人とチェンジするんです、ダイヤを見てみると。いやそんなことしませんと言うけれども、私全部ダイヤ表を持ってきました。このダイヤ表で見ると我々は専門屋だからすぐわかるんです。それでそこから問題が出てくるんです。
 私は、組合別に差をつけるなんてことは運輸省は行政指導していないと思うんです。特別に欠格者であれば、それは組合ではなくて、特に欠格者ということで、国鉄の場合はハンドルを持たせないで業務から落として、しばらく特別訓練をするとかあるいは講習をするとか、それでまた直ればまた持っていく。そういうのが、三十人であろうと五十人であろうと、百人であろうと三百人であろうと大体乗務員運行の原則だ、公平公正、それで不満のないようにまんべんなくやる、こういうのが私は運行管理者の少なくとも建前だと思うんです。ところが、今私が言ったような形態でやりますと、この二車三人の人はほとんどと言っていいくらい足切り三十九万円に達しないんです、どんなに逆立ちしたって。達しないからこの方は働かない。働かないということで決めつけて、所定ならば四千八百四十円の日給の調整給を、足切りに達しないというので三千二百円になって、毎日千六百四十円減収になっているんです。それでいやだったらやめてしまえと、そういう仕組みというか、これをやっているのがこの会社です。
 これは困るじゃないかということで、労働組合なども入りまして、県評なども入りまして、会社の社長さん等などとも話しまして、一定程度、こういうもとについて仮処分があったり、地方労働委員会に提訴したり、仮処分とか提訴というのは、皆それは悪いことだ、公平公正に扱いなさいと。でも公平公正にやっぱり扱っていない。それで一年半来ている。
 それで、この紛争が始まって間もなく、五十八年の十二月二十八日、このタクシー会社の親会社である両備バス株式会社常務取締役人事部長葛城章成という人と県労評の事務局長が、事態収拾の、両方を出しまして、申し合わせをつくった。この申し合わせどおりやられていればこの紛争は、三カ月か六カ月かの猶予期間があったにしても、一定程度軌道に乗った、こういうことなんです。ところがこの協定を全然会社が守っていない。これは労働基準局に何ぼ言ったって、いや目黒先生、それは労働基準局の仕事じゃありません、これは運輸局の仕事です。乗務員の運行、運行管理者の運行管理のあり方ですからね。それでこれはとても解決できないといって、本日服部局長にお出ましをお願いした、こういうふうな次第であります。
 ですから、一遍には難しいとは思うんでありますが、少なくとも足切り三十九万円を設定しておるならば、正常に運転手が働いて、正常にお客さんがあるとすれば、やはり三十九万円に達するような運行管理を全乗務員に甲乙なく、皆さんが機会均等するということが当然じゃないでしょうか。
 それから、この協定も、聞きますと社長はこう言うんですよ。あの協定はおれが結んだんじゃないと。あの社長も立派だね。あれは葛城君が勝手に結んだことであるから、おれはあんな協定に拘束されないと。ところが、この両人に聞きますと、社長で結ぼうと思ったら、岡山さっての運輸界の大ボスなので、社長は岡山さっての大ボスだそうです。我々はおこがましくて会えない。その社長に傷つくから、おまえ常務理事やれといって、社長の命令で私が結んだんですから、社長の言うことはおかしいですよ。会社内部で今度は反抗を示しているわけです。そんなんなら私を首にしてくださいと。これも社長のワンマンだと思うんですよ。
 そういうことについて、やっぱり私は運行管理の公正公平という点から、運輸行政としてきちっと実態をもう一回調べて、そしてきょうすぐ回答せいと言っても無理でしょうから、私がきちっと見てきたことの問題点と、それをやれば、いわゆる基準局が言った二つの問題も裏腹の関係でありますから、自動的にこちらの方の問題も円滑に円満裏に解決する、そういう仕掛けになっているんです。ですから、基準局の労にこたえるためにも、服部局長のこの問題に対する見解を聞いて当面の締めくくりにしたいと思っています。
○政府委員(服部経治君) ただいま目黒先生御指摘のようないざこざが長くこの浅口タクシーに続いておりますことは大変残念でございます。ただ、そういういざこざがあるようでございますが、それが主としては、この会社の中にあります労働組合の組織問題に深く絡んでおるように思いますので、その点大変微妙な問題もあるわけでございますが、なお、組合の方からも所管の中国運輸局の方にいろいろとお話を持ち込んでおられるようでございますから、そういう点を中心にいたしまして会社の方からも詳しく事情を聞きまして、その上で労働関係のお役所とも緊密な連携をとって善処するように、中国運輸局の方をせっかく督励してまいりたいというふうに考えております。
○目黒今朝次郎君 一分だけ。私現地へ行ってみて、遺憾ながら、労働基準監督署の方は極めて行動的、能動的でありますけれども、運輸の岡山支局の方は、もう行ったらちんぷんかんぷんで、まあ勉強はしているんでしょうけれども、私の質問が悪かったかもしれませんが、極めてちんぷんかんぷんで、がっかりしました。だから、中央でも運輸省が中心になって労働省、警察庁の三点セットで問題を解決をするのが、少なくとも運輸行政の問題については運輸局が中心になって、そして基準局に回るという点で、これがちょっと欠けておりましたから、苦言を呈して指導の強化をお願いする。
 今局長のことも、今のままの体制では通り一遍になってしまう。やはり現地のあれがきちっとやろうという気持ちになれば問題は必ず解決すると見ておりますので、特にお願いします。
○政府委員(服部経治君) ただいま目黒先生御指摘の点もよく踏まえまして、幸い現地の運輸局もやる気になっておるようでございますので、そういう方向で指導してまいりたいと思います。
○瀬谷英行君 今同僚委員の目黒さんから国鉄問題についていろいろ御質問がございましたが、この問題は私も後ほど質問いたしますが、その前に、運輸省に明らかにしてもらいたいことがございますので、この点を最初に御質問をいたします。
 大韓航空の問題、やがてまた九月一日に事故の日が来るわけでありますが、私は、この事故に対して、慰霊碑を建てたり、あるいは海に花束を投げるといったような行事だけでは犠牲になった人は浮かばれないと思うんですよ。真相をいいかげんにしておいて、そして慰霊といってもこれは主客転倒だと思うんです。どうしても真相を明らかにする必要があると思うのでありますし、大臣も、なぜこの飛行機がこういう航路をこんなに誤って領空侵犯をやって撃墜をされたかという経緯について、関係機関を督励をして国際的にも真相を明らかにするということが日本政府に課せられた使命ではないかと私は思うのでありますが、この問題について、特に所管大臣としてどのように対処していくおつもりなのか、その点を冒頭にお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(山下徳夫君) おっしゃるとおりでございまして、こういった問題について調査をやるのに別に時効もございませんし、できますならば真相がきちんと究明されることを私自身もこいねがっておるわけでございます。今ICAOを通じましていろんな機関等ともいろいろ調査をいたしておりますけれども、私は、この事件の真相というものが究明できるならば大変幸せであり、そういう方向でもって我が当局としては今後とも進んでまいりたいと思っております。
○瀬谷英行君 国会でも衆参両院でいろいろとこの問題が取り上げられてまいりました。予算委員会あるいは決算委員会あるいは運輸委員会等で何回か取り上げられ、また質問主意書が出されております。これらの質疑とそれから質問主意書に対する政府側の答弁を要約いたしますと、この大韓航空機は、九月一日午前三時十二分から二十九分までの間が自衛隊のレーダーによって捕捉をされております。そしてその記録も明らかになってまいりました。
 その記録によりますと、午前三時十二分、サハリン島の手前でもってこの飛行機は自衛隊のレーダーにあらわれてきたわけでありますが、いや、その以前から恐らくレーダーに捕捉をされていたのではないかと私どもは思っております。しかし、公式的に防衛庁が発表しておりますのは三時十二分以降であります。その記録によって見ますと、高度を下げながらサハリン島の東部から、最も重要なソビエトの地域であると思われますユジノサハリンスクのほぼ上空を横断して、しかも、この横断の途中の島の真ん中辺から高度を上げて、そして日本海側に飛び出している、こういう格好になります。その高度を下げたり上げたりするという行為がこのサハリン島の上空で行われているわけです。
 さらに、その前には進路を変更するということが、これはソビエト側の記録によってはっきりしているわけであります。日本側のレーダーにもその点が映っているはずじゃないかというのは、これは衆議院予算委員会の大出議員の質問でかなり念入りに追及をされておりますが、防衛庁はこれに対する答弁を明らかにしておりません。その間のことはレーダーに映っておりませんという言い方であります。ちょうどサハリンを挟んでその前後だけがレーダーに捕捉をされて、そのちょっと前、進路を変更したところが映っていないということはどう考えても不思議なんでありますけれども、ICAOの結論というのがどうもはっきりしない点があるわけです。航空委員会では、このICAOの報告書、事務局報告書に述べられたシナリオの結論について賛成できないという見解を表明をいたしております。この筋書きは、結局パイロットがこのサハリン上空であることを知らずに飛んだという前提に立っているのでありますが、私どもが問題にしたいのは、果たしてこのサハリン島上空を乗務員が知らずに飛び越えているのか、承知の上で飛び越えているのかという点なんです。
 そこで、技術的な点からお伺いしたいんですが、高度を上げたり下げたりするということは、自動操縦の中で人為的操作なしに行われ得るかどうか、進路を変更することが同じように自動操縦だけで可能なのかどうか、その点をまずお伺いしたいと思います。
○説明員(大島士郎君) お答えいたします。
 一般の場合ということで御説明申しますと、通常、この種の航空機が洋上を飛ぶ場合に、まず進路あるいは自分の位置等の平面的な航法データ、これにつきましては装備しておりますINS、これは慣性航法装置と言っておりますが、INSから位置あるいは進路のデータをとりまして、これを自動操縦装置に接続することによって、求めるコースあるいは求める地点に自動的に飛行しているわけでございます。
 また一方、高度の変化につきましては、基本的には管制の指示によって飛行するべき高度が決められるわけでございますが、この管制の指示による高度を高度セレクターという装置、こういうものがコックピットの中についておりまして、この高度セレクターに所要の高度をセットすることによりまして、この信号を自動操縦装置が受けて飛行機を所要の高度に上昇あるいは下降させる。あるいは所要の高度に達した場合にはさらに高度保持装置、我々アルチチュードホールドと呼んでおるこのスイッチを入れまして、所要の高度を維持して飛行を続けていくという仕組みになっておるわけでございます。したがいまして、一度高度がセットされますと自動操縦装置でこの高度が維持される。高度を変える場合には何らかの高度セレクター等々の操作が必要かと思います。
 ただし、この大韓航空機の場合にどのような飛行状況であったかという具体的な証拠がございませんので、私の今の御説明が必ずしも大韓航空に合うかどうかは断定的なことまで言えないということを御理解いただきたいと思います。
○瀬谷英行君 防衛庁のデータによって明確になったことは、高度の変更をしているということが一つ、速度も変えているということが一つ、その前には進路を変更しているということが一つあるわけなんです。
 私が今端的にお聞きしたいのは、INSのこの自動操縦装置でもってほっといて、勝手に飛行機が上がったり下がったりするということがあるのかどうか、スピードを上げたり下げたりするということがあるのか。これは何らかの人為的操作が加わらなければそういうことはないのではないかということをお聞きをしたいわけであります。
○説明員(大島士郎君) ただいまの御質問につきましては、基本的な機能としましては、INSによる場合には速度を変えるあるいは高度を変えるということはないかと思います。ただ、別の装置で、燃料節約等の自動装置がございますので、そういう点を加味すると多少の速度の変化等は出てくるものかと思います。
○瀬谷英行君 つまり、この飛行機はサハリン島上空に達する前に下降しているわけですよ。さらに、この島の半分あたりから上昇しているわけですよ。下降して入ってきて、そしてどういうわけかわからぬけれども上昇している。こういうことが黙っていて行われ得ることなのかどうかということなんですね。何らかの人為的操作、高度を上げようという意思が働いて操作を加えなければこういうことはないんじゃないのか。何にも知らずに飛んでいたことになっているんです、一番最初は。日本のマスコミなんかで取り上げられたのは、操縦士は何にも知らないで飛んでいった、そしたら落っことされちゃった、こういうことになっているんですけれども、よくその後の調査あるいは質疑でもって明らかになってきたことは、高度を下げて入っていって、高度を上げて海の上へ抜けているということが明確になったということなんですよね。だから、それが操縦士の意思が加わらないでそういうことがあり得るのかどうかということなんですね。その点なんです、どうですか。
○説明員(大島士郎君) ただいまの質問にお答えする前に、一言先ほどの答えを補足させていただきますが、先ほど速度が変わらないと申し上げましたのは、対気速度が変わらないということでございまして、レーダーでつかまえる速度というのは対地速度でございます。対地速度といいますのは、風に流されるとか、風の影響によりまして変わり得るものでございますので、その点一言補足をさせていただきます。
 それから、ただいまの高度の変更でございますが、通常の場合、一般的に申しますと、先ほどお答えいたしましたことで、操縦士が高度のセットを変える、あるいはまれには自動操縦装置を切り離して自分で操縦するということは可能であります。しかし、大韓航空機のこのときの飛行状況、どのような状態で飛んでいたかということについての何らの事実が明らかにされておりませんので、その辺を考えますと、はっきりとこうだったということは申し上げかねる状況でございます。
○瀬谷英行君 ただ黙って高度を下げたり上げたりしているというわけじゃない。高度を下げるときには無断で高度を下げる。高度を上げるときには東京国際対空通信局に対して高度を上げることの許可を求めてきているわけです。そのことは運輸省の方でもはっきりしているわけですよ。そうですね。そうすると、高度を上げる許可を求めてきている、それから高度を上げているということになるんだから、自動操縦装置のままで高度を上げ下げしたということは考えられないというふうに思われるんですが、その点はどうお考えになりますか。
○説明員(大島士郎君) ただいまの御指摘の、地上の管制との交信においてパイロットが高度変更を要求しておりますので、想像でございますが、パイロットが自動操縦装置を接続したまま高度を求める、あるいは管制によって許可された高度にセットし直す、これによって飛行機が上昇あるいは下降したということは十分考えられることかと思います。
○瀬谷英行君 その際に、操縦士は結局操縦士の意思でもって高度の変更を東京の国際対空通信局に求めてきて、その許可を得て上げているわけですから、当然のことながら、自分の飛行機の位置の確認というものはあわせて行われるというふうに考えてしかるべきではないかと思うのでありますが、その点はどうですか。
○説明員(大島士郎君) パイロットは、洋上あるいは通常の巡航の状態におきましては、自分が飛んでいる位置、これは当然認識しつつ飛んでいることでございます。この認識をするということは、パイロットの周りの計器、その他与えられた情報から自分の位置を認識しているということでございまして、この大韓航空機の場合もパイロットに与えられた情報によって位置は認識していたというふうに考えられるかと思います。
○瀬谷英行君 位置を認識していたということは、進路を外れてサハリン島上空に達していたということをパイロットは承知をしていたということになるわけでありますが、そのように理解してよろしいんですか。
○説明員(大島士郎君) その点につきましては、なかなか明らかな証拠と申しますか、事実がつかみがたいわけでございますが、地上の管制機関との交信によれば、先生のおっしゃったような認識がパイロットにあったとも思いがたいと私どもは思っております。――ちょっと言い方が舌足らずですが、サハリンの上空にいたという認識で操縦していたということは明らかでないと考えております。
○瀬谷英行君 サハリンに至るまでの間には、大韓航空のどのパイロットも、INSとVORのクロスチェックをしない可能性は、決められた通過地点、クロスチェックをしないという可能性は何百万分の一もないということを大韓航空機のパイロットが証言をしているのでありますけれども、それは日本航空の場合でも同じだと思うんです。クロスチェックをしていればこういう五百キロの航路逸脱ということに当然気がつくわけです。それが気がつかないで飛んでいくという可能性があるのかどうかが問題なんです。だから、位置の確認、通報というものは、位置の確認をしないで通報するということはこれはないと思うのでありますが、その点どうですか。
○説明員(大島士郎君) パイロットが自分の位置を確認する手段といたしましては、空港を離陸しまして、管制機関の指示によって巡航の高度あるいは飛行のコースが与えられたそのような段階におきまして、また、地上からの無線の電波、航法援助施設が利用できる範囲にある時点で、地上からの電波によって自分の与えられたINSによる飛行の位置とこれをダブルチェックするのが通常であります。
 さらに、日本航空の例として申し上げますと、北太平洋を飛ぶ場合には、気象レーダーによって地形の確認をやってさらにダブルチェックを行っている、こういうことでございます。ただ、このダブルチェックの方法と申しますのは航空会社によって差がございますので、ただいま申し述べたのは日本航空の場合ということであります。今問題の地域について言いますと、地上の航法装置の電波が届かない部分が大変長い時間ございますので、常にダブルチェックを行いながら飛んでいったという状況は難しいかと想像しております。
○瀬谷英行君 今レーダーによる位置の確認というお話がありましたが、このサハリンの上空はレーダーによって位置の確認ができる場所だというふうに思うのですが、その点どうですか。
○説明員(大島士郎君) 地理的に申し上げますと確認できる状況であったかなと思います。ただ、先ほど申し上げましたように、大韓航空のダブルチェックの方法について承知していないところでございますので、果たしてパイロットがレーダーを使ってチェックしていたかどうか、ここまではわかりかねるところでございます。
○瀬谷英行君 日本航空式にレーダーを使ってチェックをすれば、当然明確にサハリン島は確認できる場所であるということは言えるわけですか。
○説明員(大島士郎君) その辺につきまして日本航空に厳密に問い合わせを行ってはおりませんが、地形的には判断できる地形かと思います。
○瀬谷英行君 地形的には、レーダーを見てもわからないようなレーダーじゃ何にもならないわけですから、私は判断できる場所だと当然思いますね。
 そうすると、問題は、この操縦士がなぜ本当のことを報告しなかったのかという問題になってきます。つまり、高度もうその報告をしている。記録にある高度と、それから報告をしてきた高度とは違っているわけですね。これは防衛庁が確認をした範囲内でそうなっている。つまり、ここのところでもって事実と違う報告をしているということは、それ以前の報告もみんな事実と違う報告をしてきたというふうに推定せざるを得ないわけなんです。なぜ事実と違った報告をしてきたのかということがまことに不可解なのでありますけれども、事実と違った報告を東京国際対空通信局にするということは、これは乗務員として極めて重要な義務を怠ったことになるわけなんで、これまた否定しがたい重過失とこれも判断をされると思うのでありますが、その点はどうですか。
○政府委員(西村康雄君) 洋上の管制につきましては、こちらもレーダーで見ていないということですから、航空機からの連絡、報告が管制官が飛行の状況を知る唯一の状況でございます。そういう点では極めて重要な報告でございまして、これが虚偽の通報をしているということでは安全な管制はできないという点で極めて重大視すべきことだとは思いますが、今回の大韓航空機が虚偽の報告をしたかどうかという点については、少なくとも自衛隊のレーダーとは食い違っているという事実がわかっているだけで、現実にどういう状態であったかということについては現在のところ確認のしようがないので、それ以上のことは申し上げることはできないと思います。
○瀬谷英行君 それは虚偽の報告をしたかどうかということは、死人に口なしですから、飛行機が落っこっちゃったし、みんな死んでしまったんだから、これは確認のしようがないと言えばそれまでだ。ただ、今御答弁になったように、自衛隊のレーダーによって捕捉をされた高度とは違っているということだけは間違いないですな。そうすると、自衛隊が捕捉をしているのは三時十二分からわずか二十分か三十分足らずの間なんですよ。その間での自衛隊の捕捉をした記録と違っているということは、証拠はないけれども、それ以前の記録も違っているというふうに推定せざるを得ないわけですよね。それと、今も御答弁がございましたけれども、サハリンの上空であるということを確認できないということではない、レーダー等を用いればもうたちどころにその位置がはっきりわかるということもお話がございました。
 そうなると、今までのやりとり、つまりここのやりとりじゃなくて、衆参両院における質疑の中で、あるいは質問主意書で明らかになったことは、明らかにこの大韓航空はサハリン上空であることを承知の上で飛び込んできたというふうな認識をせざるを得なくなるわけです。こうなると、非難をしたICAOの根本もこれは揺らいでくるということになるわけです。それが、やはりICAOの航空委員会の報告なんですけれども、この航空委員会の報告は、この飛行機が過失によって飛んできた、自動操縦装置の過失によって飛んできたんだという前提に立っているんですけれども、その報告を否定しているわけですよ、航空委員会は。
 問題は、そうすると、今後の扱いとしては、この航空委員会の委員長報告に対して我々がどういうふうに対応するかということが問題になってくるわけですね。ここのところを明らかにしないと真相は霧の中になってしまう。だからこの点を明らかにする必要があると思うのでありますが、この点、その責任は運輸省にあるのか外務省にあるのかわかりませんけれども、少なくとも運輸省としてもこの航空委員長の報告に対する見解というものを明確にする必要があると思うのですが、その点はどうですか。
○政府委員(西村康雄君) まず最初の点で、先生の前提にされた、少なくとも大韓航空機はサハリンの上空にいたことを知っていたはずだという推定でございますが、先ほどから技術部長がお答えしておりますのは、高度変更は、自動操縦装置を入れていても、それは通常の場合セレクターで高度を選択するということを申しました。ですから高度の変更は通常は操縦者の意思だということを申しました。
 その次に、その場合に位置のチェックはするかということでございますが、位置のチェックは、通常、現在どうだということを見るのは当然だと思います。ただし、その場合でも、先ほど申しましたクロスチェックの方法で、他の方法で見るということは、これは出発時等において行うので、このようなロメオ20のような非常に長い高度の場合、しかもこれは洋上にあると信じていた場合にクロスチェックをするということはまず普通ですと期待されない。そういう意味では、サハリンにもしいるということを本人が知っていれば格別、そうでない場合、当然にサハリンの上空にクロスチェックをして知っていただろうという推定も非常に難しいわけで、知っていたかもしれないし、知っていなかったかもしれないという前提だと思って私どもは対しているわけでございます。
 そういう意味からいいまして、ICAOの航空委員会自身は、すべて全部の技術的な問題について十分に満足に説明できないなということを言っているわけで、その点については、ICAOの航空委員会の出されている考え方についても、我々は、ICAOの報告書の述べられている結論については暫定的結論でございますので、それについては今後なお検討する余地は十分あるというふうには考えますが、客観的にこれをさらに追求するようなデータというのはソ連側の協力がないとこれ以上何も出てこないという実は壁に当たっているわけで、論理的ないろいろな捜査である程度の推定をすることは可能でございますし、今までもいろんな推定がされてきたということで、さらに新しいデータがぜひほしいというふうに考えている次第でございます。
○瀬谷英行君 それでは、今後はソ連側の協力を得て航空委員会の結論をさらに突き詰めていくことが必要であるというふうなことになるわけでありますが、これはそうすると外務省の所管事項になるかもしれませんが、運輸省としても、ソ連側に対してこの真相究明、ICAOの航空委員会の委員長報告等に対する解明を突き進める必要があると思いますが、これは大臣の見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(山下徳夫君) 今後とも検討してまいりたいと思います。
○瀬谷英行君 わかりました。積極的な今後の事実調査についての御努力を期待をしたいと思います。
 それでは次に国鉄の問題に入りますが、空の問題から一遍に地上におりてまいりましたけれども、今国鉄の監理委員会がどういう作業をしているかという問題については、詰めておると。再三再四今までも分割民営と言うけれども、じゃ具体的に本州をどうやって分割するんだということになると、検討中だけで、全然我々の方は見当がつかないんですよね。こういうあいまいな状態で答申がぽかっと出されるということは極めて遺憾だと思うんですね。私は少なくとも監理委員会というのは衆知を集めて重要法案並みの扱いをするのが当然だと思うんです。学者の見解も聞く、それから例えば地域の代表である知事といったような人たちの意見も十分に聞くということが必要になってくると思うのでありますが、果たして今まで監理委員会はそういう努力をしているかどうかわからないんです。
 そこで、監理委員会がやらなければならないはずのことを運輸委員会は及ばずながらやってきているわけです。それで二十日には、先ほど理事会でも決まりましたけれども、知事さんの意見も参考人として聞くことになっております。三人の知事さんでありますけれども、私はもっともっとたくさんの知事さんの意見を聞く必要があると思っておりますが、大臣としては、この知事の意見などというものも、監理委員会の答申以前に重要な一つの地域の意見として尊重する必要があるのではないかと私は思うんですが、大臣の見解を聞きたいと思います。
○国務大臣(山下徳夫君) 本当に監理委員会は最近は昼夜を分かたず連日御審議をいただいているやに承っておりまして、いよいよ答申の時期が近づいておりますので、真剣に御討議をいただいておると思っております。監理委員会からお出しになる改革の範囲というものは大方わかっておりますので、その問題について既に十分資料もそろえられた上でお互いに討議をなすっておると思いますが、その過程においてまたいろいろな参考人的な方々もお呼びになって御検討いただいたと思うのでございます。
 さらに、現在知事等を呼んで参考人として聞くということでございますけれども、私は、最後の最後までいろいろ努力されるその過程においてそういう方をお呼びになるのもまた一つの方法かと思います。
○瀬谷英行君 昼夜を分かたず努力をしている割にはさっぱりわからないんですよ。臨教審なんというのはかなりいろいろな意見というものが交わされて、それが一般の国民にもわかるように発表されていますよね。監理委員会だけは暗やみの中で作業しているような感じでもって全然見当がつかない。これは私は重要な問題を決める手だてとしてはよくない、こういう気がします。
 それから、国鉄総裁にお伺いしたいんですけれども、監理委員会から国鉄に対していろいろの資料を出せといった協力要請の形でもって注文が来ていると思うんですね。それらはやはり我々にも、どういう注文が、例えば貨物輸送について貨物会社をこしらえてそして全国を走らせるといったような構想ができないかどうかといったような意味で、いろいろ資料要求が来ていると思うのでありますが、それらの点を我々が注文すれば明らかにしてもらうことができなきゃいかぬと思うんですが、その点はどうですか。
○説明員(仁杉巖君) いろいろ今先生の御指摘のように御要望がございます、資料要求もございます。これらは全部逐一運輸省がよく御存じでございますので、委員会等の対応といたしましては運輸省との関係になるかと私は思っております。
○瀬谷英行君 どっちにしても、これは軍事機密じゃないですからね、これはスパイ防止法なんかとは関係のないことだから、こういう点は、運輸省であろうと国鉄であろうと、一体今何を審議してどんなことを監理委員会が望んでいて、何を資料として見ているのかということを我々もやっぱり知りたいですよね、そうでないとやっていることがわからないですから。だから、これは運輸省としても我々の求めに対しては隠さずに明らかにするという義務があると思うのでありますが、その点大臣はどうですか。
○政府委員(棚橋泰君) 国鉄総裁から御答弁がございましたように、国鉄から、監理委員会から資料要求がございまして、私どもにも相談がございまして、いろいろ御相談しながらやっております。ただ、その中には、いろいろな意味で、監理委員会の審議の中で一定の仮定、前提を置いた上での資料要求というものもございますので、そのような仮定、前提というものが適切なものかどうか、また監理委員会として公にしていいものかどうかというような判断がございますので、その点は監理委員会等とも十分調整をする必要があると思います。そのような前提に立ちまして、できます資料については御説明申し上げるということは当然だと考えております。
○瀬谷英行君 そういう仮定、前提を公にして、いいか悪いかということを今言われたけれども、その点が私はちょっと逃げ道になるんじゃないかと思って気になるんですよね。そういう仮定、前提を置いた資料を出せと言ってきた、それが果たして妥当かどうかということを判断するのはどこかというんですよ。これはやっぱり国会の委員会でもって判断をさせてもらう必要が私はあると思うんですね。何もそこまで隠す必要はないと思う。運輸省がその隠し役を引き受ける必要もないと思うんですが、そんな隠し立てをするという気持ちが、あるいはそういう内容の資料要求というのがたくさんあるんですか、今まで。
○政府委員(棚橋泰君) 特段隠し立ての手伝いをするとかそういうつもりではございませんけれども、御承知のように、再建監理委員会は自由濶達な委員間の御議論を行うために原則として非公開で審議が行われておるわけでございまして、そのような非公開の審議の資料として、いろいろな意味で委員さんのおっしゃったことを前提としての資料要求が多いわけでございまして、そういう点についてこれを公にしていいかどうかということについては監理委員会の御判断を待ちたい、かように思っております。
 なお、資料その他については、いろいろな意味でためになりますものもございますし、また電話等での照会もございますし、いろいろな意味で事務的にはいろいろな連絡をとり合ってやっておる、こういう状況でございます。
○瀬谷英行君 今聞くと、監理委員会は、これはないしょにしろよといって国鉄に対して資料要求をするということもあるんだというふうに率直に言えば聞き取れるわけですよね。こういうことは私は非常に不明朗だと思うんですよ。こんな不明朗なことをやっておったんでは、監理委員会の結論に対して我々も信用できなくなります、率直に言って。
 それじゃ、監理委員会の見識を私は疑いたくなる一つの事例として、上野―東京間の新幹線の工事の問題がありますよね。これはもう既にやりかけておって、五百億を残すのみで監理委員会が凍結をしておる。こういうことはどういうメリットがあるのか。凍結をしたけれども、半分使った金は返ってくるわけじゃないでしょう。ほっておけば残った金はこれからどんどんふえる一方じゃないか。つまり、生かされないで使った金というものはまたまたその金利を重ねて膨らんでいくだけじゃないのか、こういうデメリットも考えられる。こういう問題に対して、果たして監理委員会の凍結という処置が妥当であるのかどうかということに対しては、これは大臣なり国鉄総裁が考えて結論を出してもいいことじゃないかというふうに思うんですが、どうでしょう、大臣。
○国務大臣(山下徳夫君) この問題につきましては、監理委員会の緊急提言によって工事を抑制するということになっておりまして、その監理委員会のお気持ちというものは、やはり国鉄の現状からして、御案内のとおり、安全性あるいは老朽といった以外のことはすべて差し控えるという大前提に立っているわけでございます。特にこの問題、おっしゃる点は私もよくわかるわけでございまして、あと半分だから、あと六百億円か幾らかかけてやった方がいいんじゃないかな、ただ単純に考えればそんな気持ちも私しないでもございませんけれども、やっぱり採算性、それだけ投資をして一体どの程度国鉄に収益として入ってくるのかとか、いろいろなことをお考えになった上での緊急提言であろうかと思いますので、私は、緊急提言の趣旨を踏まえながら、しばらく監理委員会の御決定を見守ってまいりたい、かように思っております。
○瀬谷英行君 緊急提言の趣旨というものは、考えてみるとまことにくだらないと思うんですよ。私は遠慮なしに旨わしてもらいますけれども、いかにこの監理委員会が見識がないかということが、この緊急提言における凍結処置でもって明確だというふうに思います。この問題についてこれ以上ここでいろいろと論議をするつもりはございませんが、しかし、こういう問題、つまり現実に起こっている輸送の問題を解決をするための手だてとして必要なことはどんどん進めるべきだと思うんです。
 今、例えば、新幹線の上野乗り入れに伴って当初約束をされた通勤新線等についても、この手でもって手抜きが行われたのではこれは利用者は大変迷惑すると思うんですが、この通勤新線の進捗状況、計画、いつからこれが運転をされるのかといったようなことについて、国鉄側からひとつ御説明をいただきたいと思います。
○説明員(岡田宏君) 通勤新線につきましては、新幹線と並行をいたしまし赤羽と大宮間、さらに高崎線と並行いたしまして大宮―宮原間に一複線、一旅客複線を新設するという工事でございまして、新幹線との同時開業を目途として工事を進めてきたわけでございますが、車両基地の問題等がございまして、開業が新幹線と分離をして開業せざるを得ないということになったのはまことに申しわけないというふうに思っておりますが、その後鋭意工事を進めておりまして、現在の段階におきましては、新幹線に併設をいたします区間、すなわち赤羽―大宮間につきましては、本年の十月に開業ができるという見通しがついているところでございます。
○瀬谷英行君 高崎線に対する乗り入れも、これはやはり一つの約束事なんでありますけれども、こちらの方の工事等について、順調に進めるれているのかどうか、その計画はどうなっているのか、その点もお伺いしたいと思います。
○説明員(岡田宏君) 大宮―宮原間の高崎線に沿います区間につきましては、用地買収の進捗がおくれておりまして、現在の時点で開業時期について明確にお話を申し上げられる段階になっていない状況でございますが、川越線との連絡におきまして、国道との立体交差がございますが、その国道との立体交差の箇所におきましては、大宮―宮原間の線路を将来増設をするということを考慮いたしまして、その余地を残して――余地を残してと申しますか、その空間を確保いたしまして工事を進めているところでございまして、その部分につきましては、川越線の車両基地への入出区線と
申しますか、川越型への線路とあわせましてこの十月に開業をするということでございます。
 なお、宮原におきます通勤別線と高崎線との配線の、線路の配線の形でございますが、これは高崎線に直通運転もなし得るという形で計画をいたしているところでございます。
○瀬谷英行君 用地買収の点でまだ不十分の点があるというけれども、そうすると、この用地買収の問題は早期に解決をすることが困難なほどの問題なのか、その気になれば解決できる問題なのか、どちらなんですか。その点の見通し等についてもお述べをいただきたいと思います。
○説明員(岡田宏君) この大宮―宮原間の線増区間の用地の買収につきましては鋭意進めてきているわけでございますが、少なくとも現在までは通勤別線の開業の方に全力投球をいたしていたという事情もございます。
 なお、いわゆる高崎線あるいは東北線を含めまして、中距離通勤の輸送力を増強する必要性については十分認識をいたしておりまして、例えば貨物線を利用する方策とかそういったものもあわせていろいろ検討いたしておりまして、今後これらの中距離電車通勤対策につきましては、通勤別線開業後の輸送状況を十分に勘案をいたしまして進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○瀬谷英行君 今新宿西口の開発というのが急速度に進んでおりますし、東京都等もいろいろと考えているというふうに聞いておりますけれども、新宿の開発状況から考えると、池袋でとどまることなく新宿まで延長するということも当然必要になってくると思うのでありますが、新宿までの延長、高崎線の乗り入れ、これは並行して行われる必要があると思うし、この種の問題に対して監理委員会あたりがまたおかしな干渉があったのではまた中途半端なことになるという心配があるんですが、その監理委員会あたりにおかしなことを言わせないで計画を進めるということになっているのかどうか。ちょっと気がかりなのでその点についてもお伺いしたいと思います。
○説明員(岡田宏君) 今お話がございました前段の、新宿乗り入れの点に関しましては、御承知のように、通勤別線は赤羽におきまして赤羽線と接続をいたします。したがいまして、この十月の時点では通勤別線の電車は池袋まで入ってくることになるわけでございます。
 池袋と新宿間につきましては、現在大変混雑をしている区間でもございますし、また池袋における乗りかえについても大変お客様に御不自由をおかけしているという点もございますし、池袋―新宿間には旅客線と並行いたしまして貨物線が一複線通っているということもございますので、この区間につきましては、既に旅客列車を乗り入れをすべく工事を進めておりまして、現在新宿駅のホームも工事中でございます。新宿までの開通は、年度末と申しますか、六十一年春ということを予定をいたしまして工事を進めているところでございます。
 なお、高崎線方面、東北線方面の通勤輸送力の増強の問題につきましては、これはやはり大変喫緊の事柄でもあるというふうに考えておりますので、いわゆる監理委員会の御意向ということも当然でございますけれども、私どもといたしまして、通勤輸送力の増強というのは、一つはお客様の安全であり、保安、運転、そういったものに直接関連する事項であるというふうに考えておりますので、鋭意解決策を見出しそれを推進してまいりたいというふうに考えております。
○委員長(鶴岡洋君) 午後一時十分に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時十一分休憩
     ─────・─────
   午後一時十一分開会
○委員長(鶴岡洋君) ただいまから運輸委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、運輸事情等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
○矢原秀男君 ます、これは瀬谷先生もよく質問されていらっしゃるわけでございますが、整備新幹線について少々質問したいと思います。
 報道にも出ているわけでございますけれども、国鉄南建監理委員会が、国鉄再建最終答申に、東北新幹線盛岡以北など整備新幹線に関する提言を盛り込まない方針を固めた、こういうふうにいろいろと報道されているわけでございます。その理由としては、当初、巨額の経費がかかる整備新幹線について国鉄再建の足かせになりかねないと消極的な姿勢を示していた。また逆に、地元の要望が極めて強いことから着工の是非については財源負担を含めて今後の政府の選択に任せるべきと判断をした、こういうふうに言われているわけでございます。これらについて、監理委員会の審議を今お話ができる範囲内で結構でございますけれども、伺いたいと思います。
○政府委員(林淳司君) 何度も申し上げておるわけでございますけれども、整備新幹線の問題でございますが、私ども監理委員会といたしましては、現在運営されておる国鉄というものをどのようにして再建するかというのが私ども監理委員会に課せられた任務であるというふうに認識しているわけでございまして、したがいまして、今後の問題については一応私ども監理委員会の検討の枠外の問題というふうに認識しているわけでございます。したがいまして、この七月に答申をまとめるに当たりましてそういう認識のもとに臨んでおるわけでございますが、最終的に答申の中に整備新幹線というものについて何らかの表現をするかしないかということについても今検討中でございまして、まだ、盛り込むあるいは盛り込まないということについて決めておるわけではございません。ただ。基本的な考え方は、今申し上げましたとおり、いわゆるメーン、主たる任務ではない、したがって基本的には検討の枠外の問題というふうに認識しておる、こういうことでございます。
○矢原秀男君 国鉄総裁にちょっと伺いますけれども、工事三線、東京―盛岡、大宮―新潟、東京―成田、そしてまた整備計画五線としては東北、北海道、北陸、九州、もう一つ九州、こういう形になるわけでございます。六十年度の予算も国鉄五十億円、鉄建公団五十億円、また別に調査費が十四億、十四億、こういうふうにそれぞれ出ているわけですけれども、私今質問をしている真意というものは、地元の要望でございますからかなえていただく方向、これは結構でございます。しかし、プラス、マイナスにかかわらず、今監理委員会が取り組んでいる問題は、国鉄の再建を兼ねてこの鉄道に対するやはり大きな財源問題、将来どうなっていくのか、こういうことを大枠の中で絡めていかなければいけないと思っているわけですけれども、監理委員会の方では、今のお話を伺いますと、現在の国鉄だけに絞って、整備新幹線についてはこれは政府の枠内というふうに切り離されようとしているわけでございます。
 しかし、整備計画五線にとりましても、国鉄で計画を立てられたときには総計で五兆二千三百億、これは車両費を除くとなっているわけですけれども、もしこの整備計画五線について順次取り組んでいくというふうな形になれば、現時点で総額はどの程度に工事金額というものがなるのか、その点ちょっとお伺いをしたいと思います。
○説明員(岡田宏君) 今先生お話ございました五兆二千三百億円というのは五十四年四月価額ということになっておりますが、その後、新幹線につきましても極力安くつくるということでいろいろな検討を進めております。そういった時点で全部の新幹線を含めての価額につきましては、はっきりした数値は今持ち合わせはございませんけれども、現在の時点でやるといたしましても、この五十四年四月価額とそれほど大差がない工事費でできるものというふうに考えております。
○矢原秀男君 監理委員会の方に伺いますけれども、私は今も言っておりますように、地域の要望というものが熱い。しかし、今監理委員会は国鉄再建のためにこうしなさいと徹底的にメスを入れていらっしゃる。しかも、これは全然別個のものであればこれはまた問題外でございますけれども、整備計画五線の順位はそれぞれございますけれども、今お話がございましても五兆から六兆円でできるのではないかというふうなお話でございますけれども、やはりこれは巨大な金額だと思うわけです。そういう場合に、監理委員会が目をつぶってこれは別個のものにするというところが私は理解ができない。
 というのは、この整備計画五線、まあ一挙には財源の問題でできませんけれども、財源はどうするのか、完成した後いろいろのことが取りざたをされておりますけれども、赤字になるのか黒字になるのか、そういう問題というものは既に監理委員会でも国鉄でも運輸省でもわかっていらっしゃると思うんです。そういうことがわかっておればこそ、監理委員会は避けては通れない問題でありながら、地元の要望が強い、だからこれは政府関係に任せる、財源はどうぞ自由に、そうして、できた後赤字になろうと黒字になろうとそれは知りませんというふうに、厳しく見れば私はそういうふうに感じるわけでございます。
 だから、再建監理委員会ではこれを切り離したことについて財源の問題はどこまで検討されたのか。当初は関連されて見ようとされたと思うんです。そうして、もしこれが完成をすれば、現在までの新幹線や在来線のあり方から見て、こういうふうなところのやはり僻地輸送に対する新幹線が投資したものに対してどれだけの赤字というものになっていくのか、これは監理委員会としても計算をされたと思うんです。全然計算もされずに、いや国鉄の現在までのことを私たちはやるんだ、整備新幹線五線についてはどうぞと、当初からそういうふうなことはなかったと思うんです。だから、その点について監理委員会で討議をされた内容をちょっと詳しく伺いたいと思います。
○政府委員(林淳司君) もちろん私どもといたしましても国鉄全般について二年間にわたって調査、分析をしてきたわけでございますので、その中で当然整備新幹線についても具体的にどういう計画であり、あるいは収支が一体どうなるか、これは運輸省あるいは国鉄の方のいろんな試算もございますので、そういうことを前提にしていろんな討議はもちろんいたしております。ただ、私どもとしましては、先ほど申しましたように、現在の国鉄をどうするかというのが主たる任務でございまして、その場合に、当然新しい企業体というのは収支採算がとれる、収支均衡する、健全経営が将来にわたって維持できる、こういう前提のもとに再建案を練っているわけでございます。監理委員会がそういう形で答申を出しました場合に、当然将来にわたってそういう健全経営というものが損なわれないという形で、今後のいろんな事柄が対応されていくものというふうに私どもは考えておるわけでございます。
 整備新幹線につきましては、今後つくるかつくらないか、これはある意味では受益と負担に関する国民の選択の問題でもございましょうし、それから、つくるとした場合に、一体どういう技術進歩に伴って、どういうコストの低減策があるのか、あるいはどういう手順でやっていくのか、いろんな問題があると思いますが、その辺については今後の情勢によっていろいろな対応があり得ると思いますが、現段階において監理委員会としましては、これは一応私どもが現段階で右だ左だというふうな結論を出すということではなくて、あくまで検討の枠外の問題ではなかろうか。ただしかし、繰り返し申し上げるようでございますが、監理委員会の答申案をこれから出す基本は、今後の事業体が健全に経営していけるということが大前提でございますので、その趣旨を踏まえて適切な対応が行われるであろうというふうに期待をしておるということでございます。
○矢原秀男君 じゃ国鉄の方へ伺いますけれども、整備計画五線が完成した将来、黒字になるのか赤字になるのか、そういうふうな計算は数値的にはどういうふうにされているのか、将来予測ですけれどもお願いしたいと思います。
○説明員(岡田宏君) 整備新幹線の完成時点の収支の問題でございますけれども、資本費、いわゆる地上設備費の建設費について国鉄は全然負担がないという前提で計算をいたしますと、今考えられるような輸送量、盛岡―青森間の輸送量が確保できますと、いわゆる収入は通常の運営費を賄うことができる、したがってその意味では黒字になり得るというふうに考えております。
 資本費の負担につきましては、今後の整備新幹線を進めるに当たりましては全額何らかの方法で公的な御負担をお願いしたいということをお願いを申しているのが国鉄の立場でございます。
○矢原秀男君 その御報告を伺う中で問題は、これは大臣にお伺いをしたいわけですけれども、資本費というものが国鉄の負担にならなければということでございますけれども、今こういう行革の鳴り物入りの中で、この財源については政府としては、いろいろのお話も出ているようでございますけれども、現時点においてはどういう財源を求めようとされていらっしゃるのか、お伺いいたします。
○国務大臣(山下徳夫君) 先生おおよそ御承知と思いますが、六十年度の予算編成に当たりまして、これはもう難物中の難物であったのでございます。大臣折衝でも解決がつかず、党の四役折衝という最終段階において決着がついたということでございますが、その時点における予算編成の対応というものは、事業費だけはとりあえず計上する、しかしながら、こういう国鉄の時期であるから、なるたけひとつ経費がかからないようにやるという意味もあわせて、並行在来線はこれを廃止し、そのために立法措置を講ずるとか、あるいは地方との事業費の負担等による事業実施方式をどうするかということを考えていく。さらに、監理委員会の答申を待ってというようなことで、できれば八月を目途にやるということでございます。
 今申し上げましたように、基本となるのは事業費でございまして、この事業費につきましては、切り詰めるけれども、幾ら切り詰めてもかかるのでございますから、そのことにつきましては、とりあえず計上するけれども、国鉄の負担にならないような形においてこれをさらに検討する。私がとりあえず事業費を計上したというのは、新年度の予算にそういう意味でとりあえず計上したということでございまして、八月の実施までにはこの事業費をどこからどう捻出するかということは決めなきゃならぬ問題でございまして、現時点においてはまだこれが確定していないということでございます。
○矢原秀男君 いずれにいたしましても、万全の体制をとっていただいて、財源問題は国鉄の負担にならないようにきちっとしていただきたいと思います。
 次に移りますが、四全総の件について質問したいと思います。二〇〇〇年までの国づくりの指針を示していく第四次全国総合開発計画の作成作業が本番を迎えております。私も国土審議会の委員をやっているわけでございますけれども、二、三まずお伺いをしたいと思います。
 この件は、交通というものが我々社会生活を営む上に必要不可欠なものでございますし、その時代における経済社会の要請、また人間社会の進歩に大きな役割を果たしたことは事実でございます。戦前戦後、いろいろと考え方が変わりながら非常に重要な役割というものが交通には課せられております。
 そういう中で、まず運輸省関係でございますけれども、三全総では鉄道の関係、それから空港関係、港湾関係、本州―四国連絡ルート、こういうふうにそれぞれ上がってきたわけでございますけれども、この四全総ではさらに明確な方向というものを示していかなければならないと思います。当局を呼んでいろいろとこの四全総の問題を検討しておりますと、三全総は計画の中まで変更されるに至った。じゃ四全総も形だけなのかなと私も思うわけでございますけれども、日本の将来についてはやはり大事なことでございますから、きちっとしていかなくちゃいけないと思うんです。
 まず、運輸省関係で、四全総に提案をされた、話し合いをされた、そういうふうなことを、簡単で結構でございますのでまず述べていただきたいと思います。
○政府委員(山本長君) 先生、国土審議会の委員をなさっておるということで概要御承知かと思いますけれども、四全総につきましては来年策定ということを目途に、国土庁におきまして多数の有識者、関係省庁などの意見を聞きつつ、作業が進められておるところでございます。私たちとしてもいろいろ意見を申し上げておりますけれども、四全総自身の骨格といいますか、につきまして、具体的なものにつきましてまだ示されているという段階ではございません。
 しかし、運輸省といたしましては、運輸省の交通関係の総合的な考え方に基づきまして、平たく申し上げますと、貨物、旅客それぞれの分野においてモビリティーを円滑にしていく、ハイモビリティー化といいますか、こういった社会に持っていくということが必要であるというふうな思想は一貫して変わらないわけでございます。また、やはり交通に対する社会の要請というものも高速性志向、快適性志向、それから交通に対する信頼性志向ということが高まってきておりますので、こういった面もやはり今後とも運輸省としても、また政府としても、こういう志向でもって各般の施策を推進していかなければならないというふうな考えでお話しをしております。
 また、なかなか国鉄問題はいろいろ問題がございますけれども、三全総においても示されておる考え方でございますけれども、国土の均衡ある発展ということを考えました場合に、先ほど申し上げました高速性志向の一つの方法といたしまして、新幹線あるいは空港、高速道路といった高速交通機関というものへのアクセスというものを改善していく必要があるという観点からも、やはり長期的な課題としては盛り込んでいくべきであろう。そのほか港湾の問題、空港の問題、いろいろございますけれども、今言ったような考え方に基づきまして、やはり四全総において考え方を組み立てていくべきではないか、こういうような感じで国土庁といろいろ御相談を申し上げているというところでございます。
○矢原秀男君 三全総では、全国新幹線鉄道整備法に基づく整備計画五線、この問題が課題には上っているわけでございますが、まず鉄道関係では、この新幹線計画五線はどういう形でのせられるのか、その点、お願いします。
○政府委員(山本長君) 具体的なプロジェクトにつきまして四全総でどのような取り上げ方をするかということにつきまして、まだ確たる状態に至っていないのでございます。ただ、先ほど申し上げましたように、国民の高速化志向ということを受けまして、全国の定住圏というところから一日行動圏という状態に日本全体を長期的な課題としては持っていくべきである、こういう考え方は、三全総でもそうでございましたが、四全総においてもやはり受け継いでいかれるのではないか、またべきであるというふうに考えております。
 ただ、その場合に、高速交通機関と申し上げますと、その中に新幹線問題というものも入ってくるわけでございますが、先ほど御議論にもございましたように、そういった長期的課題というものと、それから現在の国の財政の問題、それから国鉄の再建の問題、これと整備すべき鉄道の採算の問題というものをやはり一体として判断をしていかなきゃならぬという難しい問題が含まれていると思います。この問題につきましては、一番最初に申し上げましたように、確たる結論というところまでには至っていないのでございますが、今申し上げました点が今後の大きな問題ではなかろうかというふうに考えておる次第でございます。
○矢原秀男君 そこで運輸大臣、ちょっと話が前へ戻りますけれども、
   〔委員長退席、理事瀬谷英行君着席〕
国鉄の方では整備計画五線、資本費が国鉄の負担でなければこれは黒字になりますと、こういうふうなお話があったわけでございますけれども、運輸大臣としては、これは少し将来にわたりますけれども、私は赤字になる不安を持っているわけなんですけれども、大臣としてはどうなんでしょう。今国鉄で専門的におっしゃったように、黒字で押していける、そういうような御確信があるのかどうかですが、お願いします。
○国務大臣(山下徳夫君) 資本費を国に入れるかどうかというような問題、私は、こういったものの経営の面から見た場合の計算の方式というのはいろいろあると思いますので一口には言えないと思うのでございますが、ただ、我が国の総合的な交通体系からするならば、今後の鉄道特性を生かすという意味において、やはりそういった一つのバランスシートだけではなくて、国土の均衡ある発展という意味からすれば、私はこれは当然やるべきだ。
 しかし、これは御質問の範囲外でございますけれども、そういう意味でこの資本費というものを入れるか入れないかということも、やはりそこらあたりから、今後のそろばん勘定についてどう見るかということにまで波及する問題ではなかろうかと思っておるわけでございます。厳しくそろばんをはじいていけば当然これは赤字が出る、それはもう私どもおおよそ想像がつくわけでございますが、そこらあたりは計算の仕方ではないかと思っております。
○矢原秀男君 また四全総に返りますけれども、空港の関係ですけれども、三全総では「航空路線網については、札幌、東京、大阪、福岡、那覇等の各空港を基幹として、おおむね七十地区の地方空港をもって形成される。」云々の中から、いろいろな構想が明示されたわけでございますが、三全総でもちょっと言葉にはのっておりますけれども、関西国際空港もこの四全総の期間中にはいよいよ本当に世界に向かって大きく作動していくわけでございます。そういう意味では、非常に展開した空港関係に対する四全総への繰り込みということは、これは当然大きな課題になると思うんですけれども、その点について具体的なものがあれば伺わしていただきたいと思います。
○政府委員(山本長君) 四全総につきましては、基本的な考え方をどうしていくかということについて検討が行われている段階でございまして、具体的な空港問題といったその中身についてまで及んでいない段階でございます。したがいまして、四全総自身の骨格がどうなるか、それからその骨格の中で具体的にどこまで盛り込まれるのかということについては、いまだ確かなところまで行っていないという状態でございます。
 しかし、先生のお尋ねの空港の問題における基幹空港の整備と申しますか、この問題は、将来の長期的課題というよりは、現在の航空の需要というものを処理するに当たっての当面の問題でもあるわけでございます。運輸省といたしましては、空港容量が限界に達しておる基幹空港の整備というものは、もちろん四全総の中の期間におきましても引き続いていく問題でございますから、当然この基幹空港の整備というものについては、その整備に力を入れていかなければならないという考え方で臨むべきだという考え方で臨んでおるわけでございます。
○矢原秀男君 じゃ大臣、四全総について、運輸省関係というのは陸海空にわたり非常に重要な部門でございます。私も国土審議会の委員をこれでもう三回目なんですけれども、日本の中から各階層の代表が出ているわけですけれども、三全総を見る限り、やはりいつも言葉だけで中途で皆挫折をしていく、そしてまた次々に変更になっていく。財源という問題もあるから非常に難しいこともあろうかと思いますけれども、しかし、四全総に対する運輸省の役割というものは非常に私は日本の将来にとっても世界にとっても大切な大きな問題だと思うわけでございます。
 そういう意味で、四全総に臨んでいく運輸大臣としての充実した、また決意というのか、やはり国土審議会というものが充実するためには運輸省の役割というものは建設省と同じく大きなものでなければいけないと思うんですけれども、この四全総に臨む運輸大臣としての抱負といいますか、決意といいますか、そういうことを一言伺っておきたいと思います。
○国務大臣(山下徳夫君) 総合的な交通政策の展開につきましては、まず幹線旅客の交通あるいは地域旅客の交通、そういったものの分野において各交通機関をその特性に応じて相互補完的に組み合わせる、そして国民生活あるいは国民経済上のニーズに即応した効率的な輸送サービスの提供を図っていく、これが基本にならなければならぬと思っておる次第でございます。したがいまして、運輸省といたしましては、そういう観点から、交通体系を形成する上で必要な条件整備をこれから早急に具体的にひとつプランを立ててその問題に当たっていかなければならぬ、かように思っている次第でございます。
○矢原秀男君 では次に総合交通体系に関する質問をしたいと思います。
 総合交通体系あるいは総合交通政策の問題については、当委員会におきましても、また再建監理委員会においても種々いろんな角度で検討がされておると思うところでございます。国鉄の窮状を招いた一因として、我が国における総合交通政策のやはり不在の一面があったのではないかなというふうにも感じているわけでございます。この総合交通政策の問題を歴史的に見ておりましても、人と貨物の国内総輸送量の機関別分担率、こういうようなことが運輸省でも発表されておりますけれども、そういう点を見ておりましても、昭和三十年の旅客は鉄道が八二・一%、自動車が一六・六%、貨物は鉄道が六〇・四%、自動車が一一・七%となっておりました。こういうときには鉄道が非常に高いシェアを持っている時代であったわけでございます。
 総合交通体系は、すなわち全国に伸びた鉄道網を意味していたと思うのでございますけれども、ところが昭和五十年の分担率を見ると、旅客は鉄道が四五・六%、自動車が五〇・八%、貨物では鉄道が一三・一%、自動車が三六%とその分担率が非常に大きく変化をしております。こういうふうになりながら、年度を追って国鉄に関する、特に貨物、こういうふうな問題は非常に落ち込んでくるわけでございます。本当にモータリゼーションの急速な発展というものが大きな動きを見せているわけでございます。
 そういう中で、質問の第一点でございますけれども、政府における政策課題として総合交通体系という言葉が四十五年の十二月ごろから登場してくるわけでございますけれども、今日までの検討の経緯はどういうふうな流れであったのか、簡単で結構でございますけれども、まず御説明を伺いたいと思います。
○説明員(戸嶋英樹君) 総合交通体系ということについてでございますけれども、昭和四十四年八月に自民党の幹事長から自動車新税という構想が発表されまして、それ以来総合交通体系につきましては種々議論がなされてまいっております。これが契機となりまして、四十五年の十二月に政府は経済企画庁長官を総合交通対策担当大臣ということで指名いたしまして、臨時総合交通問題閣僚協議会というものを設置し、四十六年十二月に総合交通体系についての政府の基本方針というものを取りまとめたところでございます。
 その後交通をめぐる経済社会情勢にかなりの変化が生じてまいりましたということで、この方針に関しまして関係省庁に検討を願ったところでございますが、四十六年に述べられた方針というものにつきましては基本的に妥当であるというふうな結論に至っております。また、五十八年八月に策定しました「一九八〇年代経済社会の展望と指針」、これは現在の経済計画でございますが、そこにおきましても、いわゆる四六方針で述べられた基本的な考え方に沿って取りまとめを行い、「良質な交通ネットワークの形成」という項目を設けて記述をしているところでございます。
 以上でございます。
○矢原秀男君 確かに、今経済企画庁からお話をいただきましたように、総合交通体系に関する経緯というものが政府においても非常に検討されていることは今聞いたとおりでございます。
 四十五年の十二月に自動車新税の創設、こういう問題から、総合交通政策にかかわる専務調整、四十六年の四月には、これは大々的に臨時総合交通問題閣僚協議会の中で、大蔵、農林、通産、運輸、建設、自治の各相と官房長官、総務長官、国家公安委員長、環境庁長官、経済企画庁長官、自民党三役及び総合交通調査会長で構成されて、事務局というものも総合交通担当官会議として設置をされております。同年の七月には運輸政策審議会から、「総合交通体系のあり方及びこれを実現するための基本的方策について」の答申も行われております。その後五十四年、五十六年、五十七年、五十八年。最初は「一九八〇年代経済社会の展望と指針」「良質な交通ネットワークの形成」、こういうふうな形になっているのでございます。
 ここで運輸省にお伺いをするわけでございますが、総合交通体系に対する交通体系の中で、まず一つは、国鉄はどのように位置づけをされるのかという問題、この点を伺いたいと思います。
○政府委員(山本長君) 総合交通体系というものの中で基本的な考え方になっておりますのは、各交通機関の特性に応じてその特性を生かすという方向でもって、かつ、交通機関が相互補完的に機能しながら効率的な体系をつくっていくということが望ましいというのが基本的な考え方でございます。
 鉄道につきましても、基本的には、鉄道特性というものを中心といたしましてその機能を発揮していくということが重要だと考えておる次第でございます。鉄道の特性分野というものを見ましたときに、他の交通機関と比較いたしまして、やはり大量の交通需要というものを低廉に、また比較的高速に、また専用軌道でございますから確実に輸送できるという特質があると考えております。
 こういった観点から鉄道輸送の現状及び将来を展望いたしますと、基本的には、都市圏における大量の旅客輸送、それから需要が大量に見込める中近距離の都市間の輸送などの分野、それに貨物におきましては、多量の輸送需要が見込める直行輸送といった分野において鉄道の特性が発揮し得るというふうに考えておる次第でございます。したがいまして、国鉄というものも、こういった分野を中心といたしまして効率的な経営が実施できるということに十分配慮しながらやっていかなきゃならない。国鉄の位置づけもそういった観点からいたしていく必要があるというふうに考えておる次第でございます。
○矢原秀男君 この問題、運輸大臣に最後の締めくくりで質問いたしますけれども、総合交通政策にかかわる事務調整は経企庁の所管だという中で、これは総合交通政策、運輸省の使命は極めて重要なものがございます。こういう中で、先ほども山本さんからお話を伺いましたけれども、運輸省が総合交通政策に対してやはり積極的なイニシアチブを持っていくことも大事だと思います。そういう意味で、総合交通政策に対する運輸大臣の御見解をお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(山下徳夫君) ただいまの御質問に対して、先ほど総論的に私は既に触れましたので、具体的にそれに必要な条件整備、その各論について申し上げてみますと、まず第一に、鉄道、港湾、空港等の基盤施設の整備、その次に、輸送力の確保、地域住民の足の確保等の観点からの助成措置、さらに、安全かつ良質な輸送サービスの確保等の観点からの公的な諸規制などの施策を総合的に講じてまいりましたけれども、さらにこれを推進してまいらなければなりません。
 なお、昨年行政組織を従来の縦割り組織から横断的な組織に改革したところでございまして、今後新組織を十分活用して総合交通政策の推進に努めてまいりたいと思っております。
○矢原秀男君 ひとつよろしくお願いをしたいと思います。
 次に、大都市圏における鉄道の将来について質問をしたいと思います。
 昭和五十四年十二月二十九日の閣議了解に基づいて、今後の国鉄運営の重点方向を示されているわけでございますが、その中で大都市の輸送、これは今山本さんからもお話がございましたけれども、鉄道特性の発揮できる分野というものが示されております。現状の大都市鉄道の問題点は、高採算の線区で混雑率が極めて高いということでございます。生産性の高さはサービスの悪さに支えられているわけでございます。経営の重点化が求められるのでありますと、この混雑の解消に明確な計画を示していかなければならないと思います。そういう意味で、これらの大都市圏における鉄道のあり方、これらをまず伺いたいと思います。
○政府委員(服部経治君) お答え申し上げます。
 産業及び人口の大都市への集中に伴いまして、大都市におきましては、先生御指摘のように、鉄道輸送力の不足というような事態もございますし、また道路交通の著しい渋滞ということもございます。そういった問題は大変深刻化してまいっております。こうした大都市におきます交通体系のあり方といたしましては、大都市特有の空間の制約あるいは環境問題といったような観点から見まして、鉄道あるいはバスといったいわゆる大量公共交通機関というものを中心といたしました効率的な交通体系を形成いたしまして、都市生活におけるモビリティーの確保あるいは一層の向上ということを図る必要があるというふうに考えているところでございまして、これまでも私ども数次にわたります都市交通審議会の答申に基づきまして、鋭意そういった鉄道の整備を進めてまいったところでございます。その結果といたしまして、全体としては鉄道の混雑状況は漸次改善されてきているというふうに申し上げてよろしい現状にあろうかと思います。
 例えば具体的に東京圏について申し上げますと、この東京圏における鉄道の整備につきましては、かつて昭和四十七年に出されました都市交通審議会の十五号答申に基づきましてその整備を進めてまいってきたところでございますが、それから十四年が経過いたしまして、人口の動態でありますとか、産業の就業地の分布状況でございますとか、そういったことを背景といたします人の流れの変化というようなことがございますので、そういう事情にかんがみまして、改めて五十七年、運輸政策審議会にその鉄道網の整備計画の見直しを諮問いたしまして、二十一世紀の入り口のあたりを展望いたしました、長期的な視点に立ちました鉄道網の整備計画というものを現在御審議願っておるところでございまして、答申が得られました場合にはそれに基づきまして私ども全力でもってその問題に取り組んでまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○矢原秀男君 その点ぜひ、大都市圏における今後の鉄道計画は非常に大きな課題でございますので、よろしくお願いしたいと思います。
 次に、国鉄総裁の方にお願いをしたいわけでございますが、既存の施設の改良による輸送力の増強というものがとれるのかどうかという問題でございますが、今後の都市鉄道のあり方について考えておりますと、先ほど質問いたしました、混雑解消と、予想される人口の増大、また輸送力の増強対策が最大の問題であろうかと考えますけれども、一方では新線建設も難しい財政事情にあります。そういう意味で、既存の施設の技術的な改善が輸送力増強に果たす役割は大きいと考えます。そういう意味で、次の項目五点ほどちょっと申し上げたいと思うんですけれども、技術的にどこまで可能なものか御説明をいただきたいわけでございます。
 一つは、編成車両の増加。二番目には、ダイヤ改正による増発。三番目には、ATS、ATCなどの信号システムの高度化による線路容量の増大。四番目には、高速運転車両の開発による駅間所要時間の短縮。五番目には、加速、減速性能の向上による駅発着時間の短縮。この五点を今申し述べたわけでございますけれども、技術的に可能かどうかという面がございましたら、それぞれ御説明いただきたいと思います。
○説明員(須田寛君) 今先生の御指摘いただきました項目について御説明申し上げてまいりますが、まず編成長の増大についてでございますが、これは、先生御指摘のように、確かに非常に大きな通勤輸送緩和の効果がございます。現実の問題といたしまして、最近赤羽線で八両運転を十両にいたしました。それから常磐線で中距離電車の十二両の十五両化をいたしました。それぞれ顕著な結果が出ておりますので、これからも努力をしてまいりたいと思っておりまして、さしあたり常磐線の快速電車の十五両化につきまして近く着手をいたしたい、こんなふうに考えているところでございます。
 二番目のダイヤ改正による増発でございますが、これはやはりダイヤの組み方をいろいろ工夫をするということでございまして、特にラッシュ時間帯に特急、急行を入れずになるべく列車の速度をそろえまして、規格ダイヤと言っておりますけれども、そういったようなものにする効果は非常に顕著でございます。大宮口の東北ないしは高崎線、あるいは東海道線におきまして現在そういう時間帯を設けておりますが、さらにこの時間帯の延伸等を工夫いたしますことによりまして、かなりそういったダイヤのラッシュのピークの前後の時間帯では大きい効果があろうかと考えております。
 それから、ATC、ATSでございますが、これは列車の速度とも関連をいたしてまいりますけれども、やはり高密度の区間におきましては大変大きな影響がございます。例えば総武線の地下線区間でございますとか、こういったところは、最新の装置をつくりましたために非常に時隔を縮めて運転することができておりますので、これもかなり大きな効果があろうかと存じております。
 それから、高速運転のできる車両の開発、それから五番目にお挙げになりました加速、減速性能の問題でございますが、これは最近山手線に導入をいたしました二〇五系という新しい電車がございます。これは、今御指摘のございましたような、非常に停車駅の多い区間で加速、減速性能を強化して、しかもスピードアップができるようにいたしましたものでございますので、こういう電車の導入によりまして山手線の輸送力がかなり増強が可能になってまいると思いますし、こういった性能の車を全部そろえることによりましてかなりの大きい効果が発揮されると思いますので、そのようなことをこれからもやってまいりたいと思っております。
 それともう一つ、先生の御指摘にはございませんでしたけれども、既存の設備の改良で非常に大きなポイントといたしまして、現在貨物線の活用ということを私どもやっております。これは貨物が比較的輸送量が減ってまいりまして、貨物線にあきが出てまいりましたので、こういうふうなものをうまく活用するということも既存設備の大きい活用課題かと存じます。具体的には、東北線の大宮―赤羽間におきまして、貨物線を活用いたしまして相当の列車の増発が可能になっておりますし、明年度は山手線の池袋―新宿間でもそのようなことを実施したいと思っております。
 いろいろな方策を講じまして、厳しい財政事情の中で、できるだけの輸送改善にこれからも努めてまいりたい、かように存じております。
○矢原秀男君 総裁の方で何か。
○説明員(仁杉巖君) ただいま須田常務から御説明いたしたとおりでございます。
 それで、東京付近、大阪付近におきましては、今申しましたようなこともかなり限界に近いところまで努力をいたしておるわけでございますが、中にはそれでもまだ足りないというようなところもございますので、これらにつきましては金もかかりますが、ホームを延伸するとか、あるいはもっと大々的にやる場合には別線をつくって線増せざるを得ないというようなことも考えております。これら、もうできる限りのことを尽くして現在改良に努力しておるというのが現状でございます。
○矢原秀男君 もう一つ、大都市圏における鉄道の将来ということで、最近また運輸省ではリニアモーター小型地下鉄についての実用化へ本格研究ということで話題がにぎわっているわけでございます。これらについてちょっと目を通しておりましても、非常に電車の小型化、そしてトンネルも小さくて済むということで、また旅客の輸送についても快適であるというふうな問題の中で、リニアモーター駆動の小型地下鉄システムの実用化というものが運輸省で研究が着々と進んでいるといることで、全国地域でも非常に注目をされているわけでございます。これらについてどの程度までこの先端技術が進んでいるのか、実用化に近づいているのか、お伺いしたいと思います。
○政府委員(服部経治君) お答えいたします。
 先ほど来も繰り返して議論になっておりますが、大都市におきます主力の交通機関といたしましては、何といいましても大量性、高速性あるいは定時性といったことに大変すぐれております鉄道が最も適性を持っているというふうに考えておるわけでございまして、私どもその整備を鋭意進めてまいってきておるところでございますが、その中で特に都心部の鉄道の整備に当たりましては、現状からいたしましてどうしても地下鉄化が避けられないという状況でございますが、鉄道を地下鉄という形で整備いたします場合には、どういたしましてもキロメートル当たり二百数十億から、場合によりましては三百億近い巨額の投資が必要になるわけでございまして、そのことがこういった都心部におきます鉄道網整備の非常に大きな障害になってきているところでございます。
 私どもといたしましては、そういった地下鉄をできるだけ安く効率的につくる方策は何かということで模索をしてまいってきておるところでございますが、その一つはミニ地下鉄ということでございます。リニアモーターカーの特性といたしまして、このリニアモーターをつけました車両というのは非常に床下が低くて済むわけでございまして、そのトンネル断面積の縮小ということに大きな威力を発揮するわけでございます。また加えまして、リニアモーターカーは急曲線あるいは急勾配の走行が容易でございまして、いわば大変小回りがきく鉄道になるわけでございまして、そういった鉄道、地下鉄の低コスト化に非常に大きく資するわけでございます。現在までいろいろと勉強を続けてきておるわけでございますが、現段階ではかなり実現のめどがついてきたと申しますか、実用化のほとんど一歩手前のところまで技術開発が進められてきているというふうに申し上げてよろしい状況かと思います。
 ただしかし、これを地下鉄として実用化いたしますためには、なお鉄道システムとしての安全性あるいは耐久性ということにつきまして、さらに実験線等を使いましての確認の必要がございますし、さらにはまた、ランニングコストの低減あるいは性能の一層の向上といったような、経済性にかかわるなお一層の検討ということの必要性が残されていようかというふうに思うわけでございます。こうした状況を踏まえまして、私どもといたしましては、本年度から約三カ年程度をもちまして、民間と共同いたしましてリニアモーター駆動の小型地下鉄の開発研究ということに取り組む予定でございまして、たまたま本日、あと一時間ぐらいでございますが、三時からそのための第一回の研究会を開こうということにしておる状況でございます。
 以上でございます。
○矢原秀男君 世界でもこれはカナダで地上では使われているようでございますが、確かに経費も非常に節減され、こういうことが実現されますと世界では初めてだと思います。そういう意味で、運輸省や国鉄は全力を挙げて努力をしていただきたいと思います。
 それじゃ次に、環状七号線のタンクローリー炎上事故に関連する質問をしたいと思います。
 本年の五月六日に、既に皆さん御承知でございますけれども、都内目黒区の環状七号線で起こったタンクローリー横転炎上事故について、その後一カ月以上も経過をいたしました。原因なり問題点を整理されておられると思うわけでございます。我々が非常に懸念をいたしておりますのは、陸上を走っているこれらの数というものは非常に相当なものでございますので、単なるこの一事故だけを見るのではなくして、全体的によく対策を考えなければいけないと思うわけでございますけれども、まず、原因調査の結果の概要を御報告をお願いしたいと思います。
○説明員(志村哲也君) お答えを申し上げます。
 事故原因につきましては、私どもは火災原因の調査の立場から作業を進めているわけでございますけれども、事故直後から、東京消防庁におきまして、警察庁とも連絡をとりながら調査をしている次第でございまして、現在も継続して調査をしているところでございます。
 現在までの東京消防庁からの報告によりますと、出火原因につきましては、タンクローリーの前方にありますタンク本体についております鏡板の近くに横転時に生じたと思われる長さ十二センチほどのひび割れが見られることから、この部分からガソリンが漏れ、それに何らかの火源により引火した可能性が強いというふうに見て調査をしているところでございます。また、タンク本体は七室に内部が分かれているわけでございますけれども、このうちの第六槽部のマンホールの部分の安全装置及び蒸気回収装置なども転倒時に破損をしておりまして、この部分からもガソリンが漏れたためにさらに延焼拡大したのではないかというふうに見て、これも原因調査を進めているところでございます。
 出火原因等につきましては、電気系統のスパークとかあるいは横転時の路面との衝撃火花などが考えられるわけでございますけれども、現在までは特定はできないということでさらに細かく調査を行ってまいりたい、こういうような状況でございます。
○矢原秀男君 全国の幹線道路を走っている移動タンク貯蔵所というものが、東京だけでも約三千台以上、全国では六万台以上とも言われております。この数字はつまびらかではございませんけれども、相当数の非常に危険な状態が人間社会の過密な中を走っていると想定をされるわけでございます。
 こういうことになりますと、このタンク車の安全対策というものはどうなっているのかということは、やはりきちっとしていかなければならないと思います。静止時には三十五度傾いても倒れないことが車両製造の許可条件となっている。また消防法においても、危険物の運搬については積載、運搬の方法、そうして専門の危険物取扱者の同乗というものが決められている。こういう問題でございますけれども、結論から申し上げますと、タンク車の安全基準については現行の消防法でいいのかどうか、危険物の規制に関する政令というものも絡むわけでございますけれども、この事故から見て、現行の消防法だけで、改正をしなくても十分安全については全うできるというふうなことになるのか、それとも改正をしていかなくてはならないか、そういう点はいかがでございますか。
○説明員(志村哲也君) お答えを申し上げます。
 消防庁といたしましては、今回のタンクローリーの横転炎上事故を極めて重大に受けとめておりまして、事故直後直ちに庁内に関係者から構成される消防対策検討会を設置をいたしまして、今回の事故にかかる問題点の整理、検討を現在進めているところでございます。
 また、先ほども答弁申し上げましたけれども、火災原因の調査が現在東京消防庁で続行中でございますので、これらの調査の進捗状況等も相まって、どこに問題があったのか、あるいは現在の消防法で定めております技術上の基準が十分であるかどうかというようなことについても現在検討を進めている次第でございます。これらの検討結果がまとまり次第、それらの問題点についてさらに実験等を行う必要があるものについては実験を行うというようなことで、必要に応じて学識経験者も含めましてさらに詳細な検討を行いまして、現在の技術基準が見直されるべきものがあるとすれば見直しを進めていく、こういうような考え方で現在進めているところでございます。
○矢原秀男君 最後になりますけれども、厚生省に、タンク車による毒物劇物の輸送されている品目数、タンクの基準について、簡単で結構でございます。
 それから運輸省に最後に伺いたいのでございますが、陸上危険物輸送行政の課題、これには、危険物規制法規の物流関係規則の統一化、また危険物物流データベースの構築、こういうことがあろうかと思いますけれども、厚生省の後、簡単にこの件について御報告をいただきたいと思います。
○説明員(代田久米雄君) お答え申し上げます。
 御質問のタンクローリーで輸送されております毒物劇物の種類でございますが、主要なもの、アンモニアとか塩素とか硫酸等とございますが、その品目数は約三十品目でございます。
 それから、タンクローリーのタンクの基準でございますが、消防法あるいは高圧ガス取締法等、他の法令で規制を受けているものもたくさんございますけれども、これらの規制を受けない毒物劇物でございまして、毒性あるいは腐食性等が特に強い、輸送上特段の注意を要するものにつきましては、万一事故が発生した場合に、保健衛生上被害が大きくならないように基準を定めておりまして、現在、無機シアン化合物それから弗化水素につきましては、容器の内容積あるいは材質、構造等につきまして具体的な流通基準を設けているところでございます。
○政府委員(栗林貞一君) 先生御指摘の点は二点あるかと思いますが、一つは危険物に関する規制法規の問題、それから危険物データの蓄積の問題、二つだと思います。
 最初の第一点でございますが、いわゆる危険物をトラックなどで陸上輸送する場合の安全の規制の問題につきましては、石油類などの危険物でございますと消防法、それから火薬類については火薬類取締法、毒物劇物でありましたら毒物及び劇物取締法に基づきましてそれぞれの種類ごとに安全規制法令を定めておるわけでございまして、製造、貯蔵そして積載方法、運搬方法に至るまで、そういったそれぞれの物質の性状等にかんがみまして一貫した安全規制が行われておるわけでございます。そういう点では、法規制は、それぞれの規制がもし検討すべき内容があるならばそれはそれぞれにやるべきだと思いますけれども、現在の法体系で安全かつ円滑な輸送は確保できるものであろうと思っております。
 ただ、これを実際に運送いたしますのは、例えばトラックの運送事業者などが運ぶわけでございますので、そういう点につきましては、危険物の取り扱いにつきまして荷主の協力等によって事前に取扱方法等について情報を入手する。これは義務づけもあるわけでございますけれども、そういったこと。それから異常時の措置でございますとか防護器材の要否などについても情報をきちっと得ておく、あるいはまたそういったことを運転者に対して指示、徹底するということなどを強く指導しておるところでございまして、私どもの方でも通達を出すなり、これはそもそもは道路運送法の安全の規定をバックにしたものでございますけれども、具体的に強く指導をしておるところでございまして、当面こんなようなことで万全を期していきたいと思っております。
 もう一つは、危険物に関するデータベースといいますか、そういったものを整備する必要があるのではないかというお話かと思いますが、この点につきましては、現在におきましても危険物に関するデータというものはマニュアルが実は大分できております。それを実際見てみますと、具体的な性状とか取り扱いの方法とか、異常時の措置とか、いろんなことが書いてございまして、そういったものをできるだけ周知させるということが必要なのではないかと思っております。この点につきましては、危険物等の関係法令を遵守するように指導するということは当然でございますけれども、そのほか荷主から的確な情報を入手するとか、先ほど申しましたことも含めて、関係官庁とも連絡を密にしながらできるだけ努力をしていきたいというふうに考えております。
○理事(瀬谷英行君) この際、棚橋国有鉄道再建総括審議官から発言を求められておりますので、これを許します。棚橋審議官。
○政府委員(棚橋泰君) 去る四月一日の予算委員会で、内藤先生及び小笠原先生から、日本鉄道建設公団が建設いたしました鉄道施設の譲渡と貸し付けに関して御質問がございました。その際、小笠原先生の御質問に対しまして、私といたしましては、内藤先生の貸し付けについての御質問と同趣旨と解し御答弁を申し上げたところであります。しかし、その後議事録を見ましたところ、小笠原先生の御質問に対する私の答弁はいささか適切を欠いたものであったと思います。
 そこでこの機会に改めて、日本鉄道建設公団法第二十三条第一項ただし書きの規定により無償で行うことができるのは、AB線とCD線の区別はありませんが、貸し付けの場合であり、譲渡の場合については定められていないことを明らかにさせていただきたいと思います。
○小笠原貞子君 前回に引き続きまして、中標津空港での墜落事故の問題について質問していきたいと思います。
 前回も申し上げましたとおり、原因究明にとって重大な核心であるエンジン、プロペラの分解調査を、日常飛行機の整備をしていた、そのものを整備した三菱重工、住友精密が行っている。さらに、その調査などに常時立ち会っているのが運航会社の日本近距離、そして製造会社の全日空である。それからまた、その調査に事故調が立ち会っていないときもある。幾らでも関係会社として手を加えることが可能だという問題を指摘いたしまして、それが事実でございました。そればかりではなくて、それらの大事な調査に関する費用を日本近距離に支払わせているという事実。実に疑惑に包まれた調査であるということを申し上げたわけでございます。にもかかわらず、衆議院で大臣も発言していらっしゃいますし、また皆さんの発言の中で、これらに調査を依頼したんだ、単なる寸法の測定とか写真撮りとかいうことの、深く関与させてはいないんだと、大臣もそうおっしゃっていた。これを明らかにしていきたいと思います。
 ところで、動力装置専門部会というのがございますが、その第一回の会議を五十九年の二月七日に行われているはずでございます。そのとおりでございますね。
○説明員(星忠行君) そのとおりでございます。
○小笠原貞子君 その専門部会の第一回会議の「打合せ覚」、こういう中身の資料を私は持っているわけなんです。メンバーは専門委員である東大工学部の塩入先生、それからもう一人の専門委員である科学技術庁航空宇宙技術研究所の竹内部長、専門委員はそのお二人、それから事故調が二人、東亜から二人、あとは利害関係会社の三菱、住友、全日空、日本近距離の五人、合計十一人でございます。
   〔理事瀬谷英行君退席、委員長着席〕
なぜ専門部会の会議に利害関係者を入れたのか、これは大変重大な問題だと思うんですけれども、委員長いかがでございますか。
○説明員(星忠行君) 専門的事項につきましては、専門委員が任命されて調査されることになっておりますが、それ以前に私どもの事務局の調査官が前もってみずから調べ、あるいは企業の協力を得て部品の損傷状況等の分解調査をしております。それらの資料を持ち寄りまして、それまでの調査の状況、事実調査の状況を整理し、専門委員とともに検討を加えるという会でございます。
 なお、これは専門部会という名前を使っておりますが、これは一応の名称でございまして、正式の部会ではございません。一応の専門委員の指導を得に作業グループとお考えいただきたいと思います。
○小笠原貞子君 だから、その会議の中に関係者である会社を入れて、そして会議をするというの
がおかしいんですよね。きょうの答弁では、単なる事実を、寸法調査だとかなんだとかでなくて、会議そのものということは認められたわけね、関係者に会議をさせるということをね。
○説明員(星忠行君) そのとおりでございます。関係者一同でそれまでの事実調査を整理し、専門委員の判断を仰ぐために検討会を開いたということでございます。
○小笠原貞子君 ただ事実を分析してくださいということだって関係会社にやらせるというのは、公正な判断が出ないということはこの間言ったとおりなんですよね。公正な判断が出ないその人たちに、今度は会議でもって、そしてその事実についてどうだこうだということを会議として認めるということはこれはまた大変な責任問題だ、責任の立場というのを私は考えていかなきゃならないと思うわけです。今星さんおっしゃったように、この前までは、単なる意見を聞いたんだというふうにおっしゃっていたけれども、そうじゃないということをみずからおっしゃった。そしてこの分解調査の討議をしている。意見を聞く、聴取だけではない、会議だと、それも今お認めになったわけですね。
 その結果どういうことが起こるかといったら、ここのところで、第一プロペラについては出力状態で接地したことが明らかであり、特に追加調査は必要ないと重大な判断をしているわけですよね。つまり会議でそこに判断。調査もさせてそしてこういう判断までさせて結論まで出してきている。全くこれでは公正だと言えないと思うんだけれども、委員長いかがですか。
○説明員(八田桂三君) お答え申し上げます。
 ただいま、会議をやってそこで判断を下したというふうにおっしゃいましたけれども、そのようなことだとは私は考えておりません。その判断を依頼したつもりは私としてはございません。ただ、調査の段階で、具体的な細々したいろいろな部品とかいろいろなものにつきまして、そのおのおのの、ふだんそれを扱っているような方々の、何といいますか、知識もいろいろ議論しながら、そういう技術的な判断を専門委員の方が、最終判断は委員会でやりまして、専門委員としてのある種の御判断をその場でお考えになる、その資料を出す場合に、ふだんそういうものをたくさん扱っている方々が集まり、そして具体的に意見をその前でいろいろやるとか、具体的なことは存じませんけれども、そういうことをやることは、そういう調査の過程で必ず必要になることだろう。それが調査の公正を害することだとは私は考えておりません。
○小笠原貞子君 そういう感覚でやられているのかなとちょっと驚いちゃったんだけれども、専門委員という方がいろいろ会議なさる、そのために必要な素材としてこういうところに調査を依願した、こうおっしゃっていたわけですよね。それが公正なものであるはずだという論法でいらっしゃるわけだけれども、さっき言ったように、これが第三者ではなくて、常時その機体を整備していたその会社を入れて、そして事故調も立ち会っていないときもあると言われれば、そうしたら何ぼでもこれを変えることができる、そういうシステムになっていて、そしてその当事者である企業側を入れて会議をやる、聴取をしたんじゃない、会議をやる、そのことについても何ともないんだ、公正な調査ができる、そういうふうに、済みません、再度はっきりそこのところをさせてください。
○説明員(八田桂三君) 今、会議、それからそういう専門委員がある判断をそこでやると申しましたけれども、その専門委員は、いろいろのそういう専門そのものについて特にふだん、一般的な意味で学識経験者でございますけれども、当該物品の細かい形がどうなっているかとかというものはそのとき初めて調査するわけでございます。そのとき初めてと申しましても、その会議の席上で初めてという意味ではございませんけれども、とにかくそういうことをよく理解して、その上でさらに調査をすることがあれば、こういうところをこういうふうに調査すべきじゃなかろうかとか、そういうことをいろいろしながら調査を進めていくわけでございますから、そういうところにふだんそういうものを絶えず扱っている方々が参加していただく。一種の学識経験者として、ただし補助的な学識経験者として参加していただくことは、むしろそうしないと実際の仕事は技術的にできないと私は考えております。
○小笠原貞子君 本当にとんでもないことですよね、学識経験の立場からそういう専門的な人も入れるなんて。当事者でしょう、飛行機の事故を起こした。
 次に進みますけれども、その専門部会で調査して、そして分解までした、そして判断までする。決して調査のための予備行為なんていうものじゃないということですよね。それも疑惑に包まれる一つの関係会社であるということなわけですよ。そして、その専門部会で今後の調査方針ということを検討されているわけですよね。その調査方針の検討される一つとして、その部会のもとにワーキンググループをつくるということを決定していますね。そしてそのワーキンググループのメンバーは、専門委員会の肝心の専門委員は二人抜けた、あとは全く同じだ。つまり関係企業の人たちと事故調でやっている。
 大臣お聞きになっていて、事故を起こした会社、運航した会社、そして事故を起こした機体を整備していた会社、それらに調査を依頼して、事故調も立ち会っていないときもある。こういうものを入れて公正な判断というものが出るだろうか。私はその辺のところが全くおかしい。基本的な問題、大臣どうですか、その辺の見解。
○国務大臣(山下徳夫君) これは私に対する御質問がいけないというわけじゃございませんが、御案内のとおり、この委員長、委員というものは科学的かつ公正な判断をできる優秀な人をという建前から、両院の同意を必要としておるわけでございますから、私は、やっぱりそういった権威ある国会が同意をしたそういう方々にお任せすべきではないか。具体的に今おっしゃるのは、それだけお聞きするとなるほどなという面もないではございませんけれども、やはり内容に入ってみないとよくわからないのじゃないかと思いますので、私はこれで今の先生の御質問に、それはそうだというような、そういうことはちょっと申しかねると思います。
○小笠原貞子君 調査の予備行為を、調査の作業の一端を手伝わせただけだと、大臣この間衆議院でおっしゃっているんですよね。そんなものじゃない。そこで調査してそして判断まで出して、今度方針までというのに携わっているということ。今おわかりにならないとおっしゃったから、ちょっと勉強しておいていただきたいと思います、経過だとか設置法のできるときについて。
 具体的にそれじゃ次に進めていきたいと思います。
 この専門部会の「打合せ覚」、先ほどから言っています、この分析結果というのがあるわけなんですね。その分析結果というものの中に書かれているんだけれども、エンジン、プロペラの分解調査結果やFDR、CVRの解析結果、クラッシュ前にフレームアウトの可能性がある、すなわち墜落前にフレームアウトを生じていたということもあり得る、エンジンタービンに異常があった可能性の重大な指摘だというふうに言わざるを得ないと思うのですね。
 こういう指摘を受けて、そして五十九年の二月二十日から二十一日にかけて、第二エンジンに吸い込まれていた木片、木だとか枝だとか草の茎なんかの確認のために中標津の現地調査をしていらっしゃいます。事故調の報告書の六十三ページには、Xの柳及びYのシラカバの木の地点から、第二プロペラの脱落地点付近まで散乱していた木の枝及びススキの茎が吸い込まれていた、こうなっているわけなんですよね。しかし、実際はXとYという柳とシラカバの地点からプロペラが脱落した地点の間には、そういう種類の柳もシラカバも木も散乱していないんです。ないんですね、そういう木は。それは、すぐに写真ちょっと大きくしてもらう時間がなかったんだけれども、写真で現認されているわけなんですよね。何にもない。その辺はどうなっているんですか。
○説明員(星忠行君) 現在の状況は存じませんが、私どもの事故調査官が現地に行ってそういうものの存在を確認しております。
○小笠原貞子君 じゃ確認したら、何月何日、どういう写真が出ているか、それ出してください。いいですか、確認してあるんなら。
○説明員(星忠行君) 後ほどお答えしたいと思います。
○小笠原貞子君 ないんです。しかし、木がいっぱいあったということにしないと大変なことになるんですわ。なぜなら、吸い込まれた木や枝がX、Yの木そのものであると、その後に地面に着くまでの間には約三十メートル距離があるんですね。そうするとその間エンジンの回転は百回以上回っている。そのローパワーインペラーに木の枝がひっかかっているのがおかしくなっちゃうんです。なぜならば、もしもひっかかったら、それは回転している、動いているんだったら吸い込まれていってしまうんだ。だから、X、Yからプロペラ脱落地点の木が散乱していることにならないと、その三十メートルに木があることにならないとおかしくなってしまうということから、これが後からつけ加えられたというふうに見なければならないと思うんです。
 調査報告書のときですね、調査報告書の中では、第二エンジンのローパワーインペラーに吹き込まれていた枝は、現地調査の結果、報告書の図の四のX及びYの木であることが判明した、こうなっているんですね。だから、報告書の、三つあるけれども、その真ん中の報告書、ここには、吸い込まれていた木はXとYだったと判明したと書いているわけなんですよね。ところが、X、Yのそのほかにいっぱいあって散乱していたということに改ざんされている、中身が変わってきているということはこれは一つの問題なんです。吸い込まれているはずなのが、そこに入っていたというのは一体どういうことなんだということになりますね。
 それからもう一つ、その報告書の中で、燃料室について、五十八年三月二日のワーキンググループの会議での資料によりますと、燃料室及びタービンセクションにあった木くずは、X及びYの木を吸い込んだことにより生じたものと思われる。これらの木くずには火を受けたものと受けていないものがある、こう書かれているんです。ところが報告書には、大事な燃焼室というのが抜けちゃっているわけなんですね。燃焼室が抜けちゃっている。もし燃焼室に入ったら焼けちゃっている、焼けるはずだ。それが焼けないでいたというものがあったら大変なことになる。だから、燃焼室及びタービンといろいろ言っていたのが、大事な燃焼室について、火を受けたもの、受けていないものがあるというその事実がここでもまた消されているんです。
 こういうことを考えるとますますおかしくなる。それはなぜだ。約三十メートルあって、その間にエンジンの回転は百回以上もあり、燃焼室では二千度C、その周辺でも五百度から六百度ある。当然木や枝は燃えてしまうか焦げてしまう。しかし、焦げていないものがあるのだということを言っていることは、エンジンがフレームアウト、燃焼していない可能性につながる、重要な問題だ、こういうことになるわけですよね。だから、おたくの報告書が後で抜かしたり変わったりしている、だんだん怪しくなってきたということについて、どういうふうにお答えになりますか。
○説明員(星忠行君) 先生のおっしゃった詳細な点についてきょうは準備してきておりませんので、私お答えできません。一般論として申し上げます。
 まず、報告書が変わったとおっしゃいますけれども、これはいろいろな段階ごとに、それまでに知り得た事実とか情報を整理いたしまして公開する。そこで中間報告というものを出します。あるいは、その次にまた事実調査に関する報告書の案というのを出して聴聞会を開きます。そういう過程を経て最終報告がまとめられるわけでございますが、それまでにいろいろな事実調査をさらに補充し総合していく過程におきまして、いろいろな方の御意見を聞き、次第に案がより詳細なものになり、あるいは間違いが発見された場合にはそれを訂正していくということで、最終報告書までに中間的な案が変わっていくのは当然なことでございます。
 それからエンジンについて、詳細な御指摘にはお答えできないんですが、エンジンは墜落いたしますと急激にシャフトが折れたりいたしましてとまってしまいます。その間に、エンジンにも非常に高熱な部分、あるいは中間的な部分、あるいは全く入り口でほとんど熱のない部分といったようないろんな場所にいろんなものが吸い込まれますので、あるものは焦げていたり、あるものは焦げていなかったりというような状況が起こるのは別に不自然なことではないと考えております。
○小笠原貞子君 今の答えの中にも問題はいっぱいあるんですけれども、これは議事録でちゃんと載りますから、それはまた後で詰めていきますよ。
 そうしたら次の問題。いろいろ調査している段階で深く報告が出てきたり、それはあり得ると思いますよ。しかし、後で言いますけれども、全く初めにおかしかったんだというんじゃなくて、機体そのものは正常だったという結論に順々に意味づけられていくというところが問題だということなんです。その間にちょっと一つ問題を出します。
 こういう問題は、三菱から出されている調査報告、この間からお願いしていましたけれども、三菱からの調査報告というのは出していただけなかった。私今持っているわけです、写しを持っているわけです。これでまた驚いたんですけれども、三菱重工が三月二日、日本近距離航空野村調査役殿にあてた報告書、この中に、「YS―11のプロペラシャフト及びクイールシャフトの不具合調査」というのがございます。並びに「No.2エンジン部品破面調査」というのもあるわけですね。そしてその調査をして調査結果を出した。それに加えて所見というのが述べられているわけですね。だから、事実はこうでございましたという三菱からの事実に基づいての報告、それに対して所見が述べられている。その所見も文書でこう書かれている。例えば、「プロペラシャフトは、過大応力による捩り剪断破面並びに引張(曲げ)剪断破面である。」それからまた、疲労の兆候はなし、こういうふうに所見が述べられるわけですね。
 そうすると、事故調の最終報告の中身もこれと同じなんですね。そのとおりこう出されているわけなんですね。それからまた、利害関係者である、何度も言いますように、三菱、住友等にそういう中身にまで関与させて、そして、結論を持っていっていないと言っていらっしゃるけれども、独自に調査して分析して、そしてその判断が出されているわけなんですね。そしてその文章も、調べてみますと言葉が前後しているだけなんですね。例えば三菱重工の所見というのと事故調の報告書というのを幾つかについて調べてみますと、言い方が違うだけだ。主語と述語が入れかわったり、初めに言っていたのが後になったり、後のが初めになっていたりというように、すべて同じ、言葉もぴたっと合っているんですね。そういうことはやっぱり、この関係企業である三菱重工の所見に基づいた事故調の報告書であると言わざるを得ないわけなんです。
 時間がございませんから、今わずかの例だけ出しましたけれども、例えば一つ言ってみますと、スロットル・バルブ・キャリブレーションというのがあるんです。ここで三菱の所見は、「スロットルバルブ角度に対し全体的に流量を上側にリミットアウトしているが、実践においては適正流量をスロットルレバーで選択できる」というように書いてあるんですね。事故調の報告書を見ると、言い方が逆になっているというだけなんですね。
だから、アイウエオというのがアから始まらないで後ろから言ったり真ん中から言ったりという、だから中身も表現も同じで、入れかえているだけなんですね。だから、もうまさに関係企業に調査をさせて判断をさせて、そしてそれのとおりの報告になっているということ。これは事実私は資料として持っているんですけれども、同じになっているということはお認めになりますね。
○説明員(星忠行君) すべて最終的な判断は委員会自体が行っております。
○説明員(八田桂三君) 先ほどの先生の、また二度お答えするといけないかと思って途中でやめたんでございますが、専門委員の方、確かに会社の方からそういうような所見と申しますか、それに対する会社の技術者としての判断が大抵はついてくるものだろうと思います。もっとも、それはそういうふうな金属なら金属材料の専門家としての一つの判断だろうとは思いますけれども、それをそのままうのみにするなどということは全然ございません。結果としてそれがもっともだということで、それが正しいと我々が判断すれば、もちろんおっしゃるように同じような文章、あるいはああいうような反対になるかどうかそれは存じませんが、同じような文章になることは当然あり得ると思います。
 その間に、特に今度の場合は、私どもそれを非常に心配いたしまして、学識経験者の先生をわざわざお願いして、なかなかその方、皆さん嫌がられるんですけれども、無理やりにお願いいたしまして、そしてそういう方々にできるだけ判断をしていただいて、しかもその判断を私どもが伺いまして、私どもが合理的であると判断したものを採用しておるという次第でございます。したがって、私どもの考えといたしましては、現段階でそれ以上の方法はちょっと不可能である、そういうふうに非常に公正に科学的にやっておるものだと考えております。
○小笠原貞子君 これ以上のやり方は不可能たって、ほかのやり方を追求しようと具体的になすったことありますか。全然そういう具体的にどうするというような方針ないじゃないですか。全く関係者に出して、そして全部調査して、そしてその結果所見まで出して、それも当然だということで専門委員として事故調が出しましたと、これでは、はっきりとこれが客観的に公正な結論ということはできないと思う。
 次に、また具体的な問題で聞きたいと思います。プロペラです。プロペラが最初の分解調査を五十八年の八月十五日から八月十八日に東亜で行っているわけです。その調査報告書はありますね。御存じだと思いますが、どうですか。
○説明員(星忠行君) そのときに参画した個々の作業員のメモのようなものはあると思いますが、報告書という形にはなっていない、正式な報告書はないものと思います。
○小笠原貞子君 だからあなたうそつきだわ、本当に。メモのようなものがありますじゃないですよ。私はこの報告書を持っているんです。メモじゃないですよ。ちゃんと表紙がついてちゃんとできているんですよ。
○説明員(星忠行君) 報告書というふうに記してあるかもしれませんけれども、あて名とか、だれがだれに提出したといったような体裁をなしていないと思います。
○小笠原貞子君 それはまたうそなんだよね。それじゃいいですわ。あなたうそ言うとだんだんどうしようもなくなるんだから、気をつけてくださいよ。
 その調査結果を伺います。オペレーティングピンの損傷はどのようになっているか。問題はなかったのか。第二プロペラの各ブレードごとに伺いたいんだけれども、いかがでしょうか。
○説明員(星忠行君) ちょっと御質問の意味がわからなかったんですが、もちろん損傷、非常に壊れておりますけれども、地上に墜落して、それから当然のその衝撃として壊れたものだと考えております。
○小笠原貞子君 当たり前じゃないの。墜落したから損傷を受けるんじゃないの。これは大事な問題ですよね、プロペラの。そのために調査したんでしょう。そしてここのところのピンの損傷はどうなっているかということですよね。これが落っこったから傷つきましたなんて、そんな素人みたいな、子供のおもちゃじゃないんだから。その辺のところわからないというのは、事務局長、これはちょっと大変だ。委員長どうですか、わかりませんか、その辺の問題は。
○説明員(八田桂三君) もちろん我々の報告書の方にも、プロペラの破壊の過程についての一つのプロセスといいますか、メカニズムが書いてございますが、それは墜落した後の破壊の過程というものについては完全に特定することはできない。ただし、壊れてどこがどのように切れているか、どのような破面をしているか、そういうことは、一応全部合理的に説明できるような一つのプロセスは一応記述しておりますけれども、それは墜落というような、破壊というような非常に複雑な現象を完全に正しく調べようと思いますと、例えば高速度カメラを墜落現場にくっつけておいて、一緒に墜落させてそれを全部撮るというようなことをしなければ完全にそういうことは明らかにできません。私どもは、したがいまして、そこの報告書にも書いてあると思いますが、完全にそのメカニズムは特定はできないけれども、あらゆる損傷箇所が一応合理的に説明できるような一つのプロセス、過程ですね、そういうものを一応参考のために書いておくというような意味で書いてあります。
 そして、その墜落直前、要するにぶつかってしまう前ですけれども、ぶつかってしまう前におきましては、少なくともプロペラのピッチは、問題のナンバー2というプロペラのピッチも正常な値であったらしい。それには、ちょっと部品の名前を忘れましたけれども、部品の痕跡などからどうもそれがかなりの確率がある。それからさらに、音響の周波数分析をいたし、これはかなり大変でなかなか難しかったんですけれども、いろいろ専門の方に特にお願いいたしまして、もしプロペラの回転中に、とにかく一本のプロペラだけがもし仮におかしくなったりピッチが変わったりなんかいたしますと、非常な振動が出ましたり、それからそれによる騒音の周波数と申しますか、騒音の質が変わってまいります。そういうふうなことがあるかないかということについては特に綿密に調べていただきました。
 それで、そういうふうないろんな過程を経まして、何か事が起こる、要するに墜落でございますが、墜落する直前まではプロペラについてもエンジンについても何らふぐあいはなかったように考えるのが最も妥当であろう、そういうふうに私どもは結論づけたわけでございます。
○小笠原貞子君 メモだとおっしゃったけれども、メモじゃないということ、あなたはうそついてメモだなんて言ったけれども、ちゃんと書いてあるんですよ。「概要」、それから二つ目「調査」、また「概要」と書いてある。日時それから場所、作業者、検査立会者、分解技師、ちゃんと書いてあって、そしていろいろと資料がついているわけなんです。
 そこで、まず問題を指摘したいんだけれども、同じ五十八年の八月十五日から十八日まで東亜でこの調査をいたしました。同じ日に同じ場所で調査したもの、その報告書が二通ある、二つあるんです。首振っていらっしゃるけれども二つある。その二つが、最初に出た報告書をもっと深めてつけ加えられたというのならまだ話がわかる。同じ時期に同じ場所で同じものを調査して、そして二つの報告書が出た。そしてその二つの報告書が相反する問題を出しているということですよね。これはまさに小説にしたら私はおもしろいなと思うんだけれども、ここに重大な問題があるんです。この東亜の分解調査の報告書というのを私は見たんです。その中で問題は、あくまで正常だった、正常だったのにパイロットミスだったと、おたくの方は初めからそういうことを結論づけるために次々と構成を組み立てていく。そして、まずい構成だとうまくいかないから、ちょっとないものをくっつけたり、あるものを消したりして、あくまでもパイロットミス、機体は大丈夫、何ともなかった、こういうふうになっているわけです。
 先ほど私は、第二プロペラの各ブレードごとにどういう損傷があったかということを問題にしたわけなんです。これによって、この事故の原因を大きく左右する重要な材料になると思うんです。この二つの報告書の中の違っているということは、四つブレードありますね、プロペラの四つのところ、そしてその第一のブレード、これは最初の報告では、ノーマルだった、何にも悪いところはなかったと。ところが次に出された報告では、右側に傷がついている。問題が出てくるわけです。それから第二番目のブレード、初めの方でいくと、左と右と両方にあったわけですね。それが今度次に出されたのは、左側が消えて右側だけになっている。第三のブレード、最初の報告では左側だけしかなかったのに、それに右側をくっつけた。右側がなかったのがここで右側がくっついている。第四のブレード、最初の報告では左側だったのに、これも左側にくっつけて右側になっている。こうなっているんです。
 つまり、ここで言えることは、二つの報告書のその傷ですね、オペレーティングピンの傷の状態が、初めのときは、第一はノーマルであった、二、三、四はこれが左側というふうになっていたのが、それが全部左側が消されて右側に傷があったというふうになっているわけなんですね。これは明らかに、同じ時間に同じ場所で同じものを調査したのに反対の結果が出たというのは、どっちかが本物でどっちかがにせものでしょう。結論的に言えばそういうことになる。
 この傷のつき方で、プロペラが正常に動いていたのかそうでなかったのかということがここから推測できるわけです。左側に傷のある場合、すなわちピッチ角度が低いというふうになるわけです、左は。プロペラに推力がなくなっているという状態のときに左側につく。プロペラに推力がないという状況になると、これはちょっと機体の方に問題がある。パイロットのミスというのにはちょっとぐあい悪い。それを結論を裏づけるために今度は逆に右側の、ピッチを高くする側に、右側だけにみんな持ってきたということです。つまり最初の報告書はすべて左側だった。
 私は、これは素人でもおかしいなと思って、わからないから大学の専門の先生に聞いてもらったんです。そうしたら先生はこれを見られて、ああ、これは空転しているときにこういうことになりますよと。なるほどなと。ないはずの右側に傷が加えられた、これは大変な問題だと思う。委員長どうですか、なぜ二種類の報告があって二つの反対の結果が出ているんですか。
○説明員(八田桂三君) 同じときに二種類の反対の報告書が出ているということの具体的なことについては私は実は聞いておりませんけれども、プロペラに対する傷のつき方ということを今先生がいろいろるるお話しになりましたけれども、それは周りの条件が同じ状態のときに、先生のおっしゃったようなピッチとかなんとかいろいろいたしますとそういうふうになりますけれども、墜落の場合に、おのおののプロペラが同じ場所で同じ条件のもとで壊れるとかいうことではございません。したがって、傷がどうこうなるということは参考にはいたしますけれども、非常に問題でございます。
 それで、先ほど言いましたように、そういうことは特定できない。特定というのは、これ以外の、実際に壊れたのはこのようにして壊れたというのは、このプロペラはここの位置で、ここのところに石があって木があって、ここへ来た、その次のプロペラは別のところに行っているわけですから、それはこういうふうな条件、そういうものが全部わからなければそういう細々したことはわかりません。それで、そういうことについてよりは、もっとその前の状態でどうであったか、要するに、事がもう地べたに一気に接地してからの問題はある程度、特定はできないけれども、壊れているいろいろな被面とか何かという、ボルトならボルトが切れる、そういうことが起こるような点を合理的に説明する。それが唯一のものであるかどうかは実はわかりませんが、我々としてはそれで一つの合理的なストーリーはできるだろうというものを、特定はできないけれども、レポートとして破壊の過程としては書いておく、それ以上のことはできないだろう、そういうふうに私は考えております。
○小笠原貞子君 もう時間がないからこれで最後になりますけれども、委員長、ここの問題はそんなに大した問題じゃないんだ、それ以前にはっきりする問題がちゃんと調査ではわかるんだ、これは大した意味かない、そこまでは面倒見れないというふうなおっしゃり方だった。そうしたら何で一番先に調査したのですか、一番最初に。調査して、そうしてこのオペレーティングピンの傷跡を調査したということは、これも一つの大きな問題だと思ったから調査したんでしょう。それを言っているわけです。そしてしかも反対の結果が出た。二つの報告書が出ている。このことについてお答えがなかったんだけれども、この二つの報告書が出て、反対になっている。その反対は、機体はあくまで正常だったということの裏づけのために改ざんされているということですよ。
 だから、今いろいろおっしゃったけれども、絶対納得できないですね。やはりそれくらいあなた確信があるなら、確信があって正しいとお思いになるんだったらどんどん公開すればいいじゃないですか。公開しないで、疑問を出されても、いやそんなはずはない、私の方はそうじゃないんだと言ったってだめなんです。客観的に正しいとお思いになるならば、その事故調の報告書について公開討論会でも何でもやっていただきたいと思う。私も勉強させていただきたい。それをやる気がありますか。正しいと思うならやるべきだと思うんです。
 それから、続いて言いますけれども、事故調の設置法がかけられた四十八年六月二十九日、この会議録を見ますと、この法律というのは各党が賛成して各党が出した法律でしょう。そしてそこで内村航空局長という方が言っていらっしゃるんですね。出せない、なぜ出せないんだというと、企業秘密だとかいろいろあると。これも星さんと何回もやり合ったけれども、出せない出せない。そこでこういうふうに言っているわけです。いろいろ疑問が出されているわけなんです。局長はこう言っていらっしゃいます。「今回の」、というのはそのときですから今とは違う。「今回の事故の場合にはエンジンがこうであったとか、あるいはそのほかの足回りがどうであったとか、こういうふうなことが調査の結果出た場合には、これを企業秘密として保護するという意味は毛頭」ないんだ、こういう事実に関して企業秘密だといってこっちを守るということは毛頭ございませんと。「これはむしろはっきりといたしまして、調査の途中からでもそういう事実が明らかになれば、刻々と関係者に知らせまして直していく、こういうふうな性質のものでございまして、こういったものは秘密とは考えておりません。」こう言っているわけですよね。
 だから、この前にもあるんだけれども、具体的事実はガラス張りでしなければならない、だから再発防止、原因究明というためには事実を明らかにしなければならない、こう言っているわけですよね。だから私は、三菱、住友、東亜の調査報告書を、秘密でない、出すべきだと思います。出していただきたい。それから関係する写真を提出していただきたい。自信があって正しいと思うならそれくらいのことは当然やるべきだ。その辺のことができないというのは、疑惑をそのまま温存しておるということになります。
○説明員(八田桂三君) 私どもは、報告書は公開する義務を持っております。大臣に報告して公開するということ、同時に、先生がおっしゃいますように、我々は事故再発防止のための科学的公正な原因を調査することであって、犯罪調査に関与してはならないということも明記されておりま
す。それで私どもはそれにこたえる。ところが、物件は、警察が関与しないものはいいんですが、警察が関与する物件はどうしても警察から借りてくることになりますので、そのときに鑑定嘱託がついてまいります。鑑定嘱託に応ずるためには、公開してしまうことになっておる調査報告書だけでお答えする、そのバック資料は一切申し上げない。そういうことで、そういう方法でしかそれがないというふうに考えております。まあ私なんかは法律屋でないんですが、そういうことでやる決まりになっております。
 それからもう一つは、これはICAOでも言っておりますが、私どもの調査については多くの学識経験者そのほかの方々からの多くの援助を得なければ、先ほども先生の御指摘のような問題の議論の中にも出てまいると思いますが、そういうことが必要でございます。そういうときに、公開ということなら、そういうことをしない、要するに公開をすることが将来の調査の妨げになる、私どもも経験しておりますけれども、そういうことがございます。そういう場合には、将来の調査に妨げになる場合には公開はしなくてもやむを得ない、そういうふうなことがございます。
 私どもは、そういう二つのためにバック資料は公開しないということをやらざるを得ない。内容的には何でもないものでも、非常に私個人としてはつらい変な立場だと思いますけれども、物件などというものについては明らかに物的証拠なわけでございますから、なくならない限りは幾らでもそれを調査はできるものでして、ただ、私どもの手を離れた場合は私どもがやるわけにはまいりませんけれども、そういうふうなものについては当然公開すべきものだろうと思っておりますが、今言ったようなことで我々はそういう行動をやむを得ずとっておる、そういうことを御了解いただければ幸いでございます。
○小笠原貞子君 二つの報告書で反対の結論が出ているのはどうなんですか。前の方に長々と時間をつぶしちゃって、肝心のところ答えられない。
○説明員(八田桂三君) それは今初めてお教えいただいたことでございますけれども、そういう同じときに同じようなことということは、いろんな見方があり、あるいはどういうことでどうなったか存じませんけれども、そういうことで、現場調査というような段階におきましては、担当者が違っても違うことがございます。そういうときには皆さんでよく、そのために、先ほど会議とかおっしゃいましたけれども、会議といいますか、そういうときに、いろいろこれは違ったとか、そういうことでいろいろ調べていく以外に方法がないものと私は理解しております。
○伊藤郁男君 それでは最初に、これは服部局長の分野かもしれませんが、タクシー問題から質問をさせていただきます。
 最初に、京都のあるタクシー業者から近畿運輸局に書類が提出をされておると思うんですが、タクシー回数券ですね、これは九・一%の割引ということになっているようですが、その申請が出されておる。運輸省としては目下検討中でしょうけれども、しかし、これといって、認可しない、許可しないという特別の理由もないでしょうから、恐らくこれは申請どおりの許可になるだろうと思うんですが、その点からまずお聞きしたい。
○政府委員(服部経治君) ただいま先生御指摘の、先般京都で申請されましたタクシー利用にかかわります回数券の問題でございますが、大変ユニークな物の考え方ではあると思いますが、よく考えてみますと、これは早くからといいますよりは、むしろ古くから鉄道あるいはバスには定着しておりました制度でございまして、私ども、タクシーの分野にこういうものを導入することはよく考えてみれば当たり前だなという気もいたしております。ただ、幾つかこれはやはり検討しなければならない問題点を含んでおりますので、現在慎重に勉強をしておるところでございます。
○伊藤郁男君 その導入に際しまして検討の材料に加えていただきたいと思うんですが、それは例の同一地域同一運賃、これは運輸省の行政の基本政策として定着をしてきているわけですが、これと今回の回数券の問題は切り離して考えないとまずいではないかということが第一点です。それは、これが認可されて各社に普及してきましてさまざまな回数券が出るということになると、やがてこれが自由運賃の導入、結果的にはそうなってしまう。こういうことに対してそうならないようにしてほしいという強い要望もありますので、その点やっぱり検討の材料に加えていただきたい。この点どうでしょう。
○政府委員(服部経治君) ただいま伊藤先生御指摘の点がやはり私どもの一番の関心事と申しますか、検討のポイントでございます。そこをまずクリアいたしましてから次の段階への検討に進んでまいりたいというふうに思っております。
○伊藤郁男君 それからもう一つ、これが実質的に運転者の低賃金というんですか、労働条件の低下につながることもあり得る。例えばこの回数券、会社側が責任を持ってどんどん売ればいいんですが、運転者にどんどんおまえたち売れと。結果的にこれ恐らく回数券買った人全部使わないでしょうから、そういうことで割引のものをたくさん送り出すということになれば、結局総体的に労働賃金の低下ということにつながってくるかもしれないということもあります。
 それからまた、これを正式な営業収入として企業側が計上しないというようなことになりますと、全体的に企業の収入がふえないということになって、結局労働賃金に影響する、そういうことだってあり得るではないか、こういう心配もされているわけなんで、そういうことがないように今度はしっかりした行政指導を認可の場合にはやっていただきたい、こういう強い要望もありますので、この点についてもひとつ御意見を伺いたい。
○政府委員(服部経治君) もともと、この申請の回数券発売ということの基本的な物の考え方でございますが、それは需要の喚起ということでございます。したがいまして、申請者が考えておりますように、こういった回数券の発売、普及によりまして、落ち込んでおりますこの地域でのタクシー需要というものの回復が相当の確度をもって見込まれるという場合に初めてこれは認めるという方向になろうかと考えております。
 なお、ただいまの先生の御指摘に関連いたしまして、その発売の方法でございますが、私どもきょう現在の時点では、運転者が個々に車内でこの回数券を発売するというやり方にはなお幾つかの疑問を持っております。その絡みで申し上げれば、一つは、運転手の水揚げの額がどれによって計算されるかということもございますので、こういった回数券の導入がタクシー労働者の労働条件に何らかの形で転嫁されるというようなことだけは、これは絶対に避けたいと思っております。
○伊藤郁男君 ひとつその点はしっかりした指導をやっていただきたいと思います。
 それから次に、これは問題が違うわけですが、東京地域だけに導入されることになりましたあのワゴン車ですね。これは例の軽貨物車両の問題で大きな問題になりまして、それの旅客輸送規制措置に伴う対策としてこのワゴン車の導入、しかも東京に当面は限ってということなんですが、その規制措置、例の軽貨物自動車の旅客輸送の問題と関連しまして、私はこれは決して悪いとは思いません。導入には賛成をしますのですが、これに関連をしてちょっと質問しておきたいんです。
 東京の場合、一体どのくらいのタクシー業者があって、個人タクシーを含めるとどのくらいの車両があって、そして、一体需要供給の関係で、車両が供給過剰なのかあるいは需要に追いつかないのか、そういう実情を、東京一円の問題として現在の実情がおわかりでしたらまずお伺いをしておきます。
○政府委員(服部経治君) まず東京のタクシーの需給状況でございますが、現在、いわゆる東京都というふうに言われております区域につきましては、全体で二百五十四事業者がございます、法人でございます。その二百五十四事業者の持っております車の数がざっと二万二千台でございます。
このほかに個人タクシー、ちょっと恐れ入ります、個人タクシーの数につきましてちょっと今私記憶しておりませんのでお許しいただきたいと思います。
 この東京地区におきますタクシーの需給状況を示す最も適切なバロメーターとしては、いわゆる実車率というものがあるわけでございますが、この実車率は過去いろいろな変化をたどって今日に至っておるわけでございますが、ざっと申し上げますと、かつて昭和四十年代の半ばごろには六五%近くにまで上っておりました。それがその後オイルショックを境にいたしまして急速に落ち込んでまいりまして、その後一時回復の兆しは見せましたけれども、昭和五十四年のいわゆる第二次のオイルショック及びそれに端を発します景気の長期低迷の影響を受けまして、また再び低落傾向を続けました。しかしながら、五十七年度をボトムといたしまして、昭和五十八年度から再び反転して上昇の傾向を示しておりまして、現在、六十年三月の時点での実車率というのは昭和五十五年のところまで回復しておりまして、大体五二%をちょっと上回るというような格好に相なっております。この五二%という実車率は、全国的に見まして最も高い水準の実車率だというふうに申し上げて差し支えないと思っております。
 失礼いたしました。ただいまのちょっと答弁漏れでございましたが、法人タクシーはざっと二万二千台と申しましたが、そのほかに個人タクシーが一万九千四百台余ございます。
○伊藤郁男君 そこで、実車率は回復したとはいえまだ五二%ですね。全国平均からは高いかもしれませんが、それだけ非常に競争過多といいますか、そういう状況にあるということはわかるんですが、そこで今度のワゴン車は、結局、今既に認可をしている台数の枠の上に一台ずつふやしてもよろしいということでしょう。だから、全国平均からいけば東京は大変実車率は高いかもしれませんが、このワゴン車のさらに増車を認めるということになりますと、それは使う人間は、利用する人は違うでしょうけれども、そういう意味で大変やっぱり供給過剰にさらに上乗せをするような事態にならぬのだろうか、こういうことを考えておりますが、その点いかがでしょうか。
○政府委員(服部経治君) ただいまの伊藤先生の御指摘になりました点は、確かに一つあるわけでございます。あるわけではございますが、まず、先ほどもちょっと申しましたように、東京の現在のタクシーの需給状況は必ずしも極めて悪いといいますか、緩んでいるということでもございませんし、それよりも何よりも、私どもこのワゴン車の導入ということを業界に要請し、そして業界もまたかなり積極的にこの問題に取り組もうとしておりますその背景の事情は、これはもう申し上げるまでもございませんが、先般のこの国会での軽貨タクシー法案の御審議に際しまして、そういうものが出てきた背景の一番大きなものは、これまでタクシー業界が、そういった大きな荷物を持っているお客様の要求に対する対応が極めて悪かった、そういったニーズをくみ上げてこなかったことにあるという、まことに正しい御指摘をいただきまして、私どもそういう御指摘も踏まえまして、とにかく早急にかつ短期間にある程度まとまった数のワゴン車というものを導入する必要があるというふうに考えた上での措置でもございます。
 それからいま一つ、これは弁解するわけでは決してございませんが、このワゴン車の使い方でございますが、私ども現在考えておりますのは、これは流しを行わせない。言いかえますと、運輸局の指定した場所ないしは営業所での営業しか認めないということ、それから、通常のタクシーには乗せがたいような、持ち込みがたいような大きな荷物を持っているお客様の御利用に限るといった方向でこのワゴン車の使用を考えておるところでもございますので、今回東京地区については、現在の車の数の外枠としてざっと二百両余のものを考えているということでございますので、その辺につきましてひとつぜひとも御理解を賜りたいと思っております。
○伊藤郁男君 私は、導入に当たっては、できれば営業の現在の台数の枠内での一つの車両としてやっていただきたいということを要望をしたかったんですよね。
 それから、今局長がお話しのように、これは、営業所ないしは東京駅とかいろんなところを指定をしてそこで営業する、こういうことになるかもしれませんが、そして流し営業はやらせない、こういうんですがね。しかし当面は二百両程度でしょう。大都会ですから、結局営業する方の立場からいけば、これは流しか何かやってお客を乗せなきゃなかなかペイしないということになりはしないか。結局は流しを放任することに結果的になりはしないか。それで、指定のところだけにお客さんが大きな荷物をしょってくるわけじゃないでしょう。そうすると、どこかの駅から遠くの営業所に電話をかけて呼ぶということになれば、時間的ロスも大分出てくる。お客、私ども利用する立場も不便ですし、それを持っている会社も結局お客さんの要望にこたえるということになると流しで飛び歩く、こういう結果になりはしないだろうかということを心配をしておるわけでありますが、その点いかがでしょうか。
○政府委員(服部経治君) 先ほども申し上げましたように、この車につきましては流し営業を認めないという基本的な方針のもとに認めるわけでございますが、したがいまして、このワゴン車というものが採算的にはかなりペイしにくいものという先生の御見解はまさにそのとおりだと思っております。思っておりますが、このワゴン車の導入は、私どもが業界に要請したことももちろんございますけれども、どちらかといえば業界の方から自主的に盛り上がった動きでございまして、彼らはこれまでのタクシー事業というもののサービスのあり方に対する非常に深い、まじめな反省の上に立ちましてこのことをやろうとしているわけでございまして、私ども、先生御懸念のような、これが流し的に使われることということはまずもってないんではないかというふうに期待をしておるところでございます。
○伊藤郁男君 期待をしてそのとおりになればいいですが、流しで結局自由自在に動き回る。まあこの業界はいろいろ複雑ですからね、余りこんなこと言いたくないんですが、そういう隠れた行為をやることもあり得るということです。
 もう一つ、これは三年間という期限が切られているでしょう。だけれども、三年間これをやってみて、またこれやれば更新しますわね。当然、三年間やって、かなりこれは私は利用客は多いと思うんですよ。そうすると、これは更新されるということになりますと、したがって、業者などが受けとめている感じとしては、三年たてばこれが更新をされる時期に来る、更新をされるということになりますと、結局実質的に免許車両が一両ずつ一両ずつふえていく。したがって、これはまたまた供給過剰体制に上乗せをすることになりはしないか、要するに、既存タクシーへの用途変更というのが三年たてばまた行われてくるという危険性がありはしないか。たしか許可条件の中には、そういうことは転用させないというように書いてあるけれども、結果的にはそうならざるを得ないのではないか、こういう在京業者の意見もあるようでございますが、この点についてはいかがでしょうか。
○政府委員(服部経治君) ただいまの先生の御指摘は、この三年間という期限のつきました外枠でのワゴン車の増車ということが、なし崩し的にいわゆる一般の増車に切りかえられていくおそれがあるのではないかという御指摘のように理解いたしますが、その点につきましては、私どもの出先でございます関東運輸局の本件に関します指導通達の中でも、「認可に付した条件の解除及び変更は認めない」ということを言明しておりますし、三年後にその二百台余のものがどういうことになるかということにつきましては、また別の言い方をすれば、そのときのタクシー市場の需給状況を踏まえての話ということもあろうかと思います。
 いずれにいたしましても、ただいま先生御指摘になりました御懸念の点にわたらないように、私ども厳正な運用に心がけてまいりたいというふうに考えております。
○伊藤郁男君 もう一つ局長、このワゴン車が東京で一応あれですが、これがだんだん地方へも波及を当然していくと思うんですよね。地方へもし波及をしていった場合に、地方は実車率はまず満たない。軽キャブ問題で明らかになりましたように、荷物を運んで一緒にという利用者は多いわけですね、非常に。そうなると、これが全国的に波及をしていった場合、既存の業者というんですか、既存の業者がやるわけですけれども、そういう既存の業者間にさまざまな問題、それから労働者との、働く者との関係で大きな問題がまた発生をしてきはしないか、実は先々のことであれですが、そういう心配もあるわけでございますが、その点はいかがでしょう。
○政府委員(服部経治君) このワゴン車の導入というのは、まず東京地区で盛り上がってきた話でございますが、私どもといたしましては、事柄の性質といたしまして、市場の状況に応じまして全国各地区にこういう働きが出てくることを歓迎しておるわけでございますが、ところで、確かに東京では現在の台数の外枠の増車という形でこの件を処理しようとしておるわけでございますが、それが外神になるか内枠になるかといいますのは、それぞれの地域地域での需給状況の実情に応じましてそのやり方が決まってくるんだというふうに思っておるところでございます。
 例えば、端的な例が、横浜地区におきましても東京と同じような動きがあるわけでございますが、これは現在の車両数の内枠で処理ということで話がつきそうでございます。そのように、地域地域で対応がそれぞれの地域の実情を踏まえて行われるものというふうに考えておるところでございます。
○伊藤郁男君 そこでもう一つ、今回のものは、軽キャブ問題で、利用者の立場というものを考えて、大きな荷物を持って乗る場合の利用者の利便を考えてこういうものが導入された、そのことは非常に私はいいと思うんですが、そこでこの際、行政指導としてタクシーキャブのようなもの、大阪あたりへ行けば十人乗りのものがありますが、乗りおりも非常に楽なような感じになっておる、開くドアで乗れるというようなものもありますし。したがって、タクシーキャブのようなものをどんどん開発してそれを利用すべきだというような行政指導をこの際こういう機会にやるべきではないか、こう思うんですが、この点についてのお考えをお聞かせいただきたい。
○政府委員(服部経治君) ただいまの先生の御指摘でございますが、恐らく先生の頭の中にありますのは、ロンドンにございますようなタクシーキャブですね、あれは一つの雰囲気も持っておりますし、背も高うございまして、客の乗りおりも便利ということで非常に結構なことだと思います。私どもも、そういうことが容易にできればもうぜひそれにこしたことはないというふうに基本的には思っておるところでございます。
 たしか昭和四十六年の運政審答申の中にもそういうような方向が示されておったこともあるわけでございまして、その当時から私ども業界を指導しまして、まさに今先生御指摘のとおりの方向で試み、そういう方向での試みをしたことがあるわけでございますが、勉強を深めますにつれまして、そういたしますと、非常にタクシーキャブというものが現在の車に比べまして高いものにつくということがだんだんわかってまいりまして、その後そういった動きはさたやみになっている状況でございます。しかしながら、基本的には、先ほど申しましたように、そういうことであるにこしたことはないのでございますので、この質問を契機にまたもう少しこの問題は勉強させていただきたいというふうに考えております。
○伊藤郁男君 それからもう一つ、これは非常に精神的な問題ですけれども、私は毎日のようにタクシーを利用して乗っているんですよ。依然として接客態度が急激に改まったようにも感じないですね。
 最近福岡で、女の子がタクシーの運転手に車の中に引きずり込まれて暴行を受けたという事件があって大変大きな社会問題になっているわけですが、最近は一億総免許時代ですからだれでも免許を取って運転できる。だから転業するにはタクシーというのが多いわけですね。それでタクシー業界の方は、古い人はできるだけ排除して新しい人、新しい人、若い労働者、若い労働者と、こういって、回転をよくしながら低賃金、こういうことになっているんですよね。だから、非常にそういう面では労働者の教育、特に中小零細の企業者なんというのは自分も運転をして飛び回っているということで、非常にモラルが私は全体としてこれからも、実車率の先ほどの話じゃないんですが、非常に苦しい状況が続いておりますから、そういう意味で、安全運転、しかも気持ちよく運転をしてお客さんを運ぶという本来のタクシー業者の任務というものからかなり離れたような感じで営業が行われている。
 このモラルの問題は、やっぱり働いている者と企業側が共同でこれは責任を持って自主的にやるべきものだとは思いますけれども、そういうことをやっているところもたくさんあるわけですが、乗客の安全の問題もあるわけですから、そういう意味で、そういう面における指導というんですか、改善策というんですか、そういうものをもっと私は強化してほしい。このままでいくと、今は大分なくなりました乗車拒否なんというのも地方へ行けば結構まだあるんですよ、僕らも利用していますが。そういうこともありますので、もう少し強力なる、有効的な指導というんですか、そういうものを私はしてほしい。これからのことを展望すればより必要ではないか、こう思いますが、その点についてのお考えをお聞きしておきます。
○政府委員(服部経治君) タクシーサービスの質といいますか、タクシーサービスの水準につきましての評価、物の見方というのはいろいろとございましてなかなかに難しいわけでございますが、私どもが見ております範囲では、甘いというおしかりを受けるかもしれませんが、全般的には、かつての大変ひどい状態から徐々にではございますが目に見えた改善の方向をたどってきておるというふうに考えておるところでございます。
 やや余談にわたりますけれども、先般タイムズ紙上で、東京のタクシーサービスの水準はロンドンと並んで世界一であるというような評価もいただいておるところでございます。しかしながら、その東京でももちろん問題はございますし、さらにその他の地域におきましても、大変地域により会社によりましてタクシーサービスの質が問題にされておることは先生御指摘のとおりでありますし、また、ただいま御指摘のございました福岡での事件というのはもう本当に、何と申しますか、遺憾と言うほかはないわけでございまして、二度とそういう過ちを繰り返してはなりませんし、私ども、このタクシーサービスの改善向上につきましては常に機会がございますたびに口を酸っぱくして言ってきておるところでございます。
 考えてみますと、タクシー経営者のやるべき仕事の第一というのはもうこれに尽きるわけでございまして、そのためには運転者に対します日ごろからの教育訓練の徹底、経営者が身をもってタクシーサービスのあり方というものを示すようなところまでぜひともいってもらいたいというふうに考えておるものでございます。
 ただいまの先生の御指摘も踏まえまして、さらに私どもその面に関する指導を強めてまいりたいというふうに思っております。
○伊藤郁男君 次に、時間がもう大分なくなってしまいましたが、政策局長にお伺いをしておきますが、例の規制緩和、航空行政政策研究会で大分検討が続けられておると思うんですが、その検討の進みぐあいを概括的に御説明いただければありがたい。あわせて、事業規制についてどのような具体的な見直しを今検討されておられるのか。そして、そのこと自体が例のいわゆる四五、四七体制の見直しを含むものであるのかどうか、この点をお伺いします。
○政府委員(山本長君) 事業規制の見直しにつきましては、先生にも一度お答えしたと思いますけれども、若干繰り返しになりますが、昨年の九月から運輸省の省内に全省内にわたって検討委員会を設けて検討を進めておるところでございます。
 手順といたしまして、許認可事項の整理、運用面の改善あるいは報告事項の簡素化といった当面の合理化措置につきましては、ことしの三月に一応の結論を得まして、この面からの措置を約四百三十件ばかり行うということで、その後省令の改正などを中心といたしまして、若干調整は残っている面がありますけれども、ほとんど措置をしたという段階にございます。こういった当面の問題というのは、細かいようでございますけれども、非常に事業者の方々にとっても手数が省ける、あるいは役所側も事務が簡略化できるということで効果があるものと思っております。この事業規制の基本的な問題についても検討を進めておる段階でございます。
 考え方といたしましては、運輸事業それぞれ公共性を担保しなきゃいけない、安全性を確保しなきゃいかぬというふうな点から、経済的な面あるいは社会的な背景というものがあってそれぞれ規制が行われており、それが政策の基盤になっているという面が少なくないと思います。同時に、社会が非常に変わっているといいますか、多様化している、高度化しているという面に対応したあり方というものを検討していかなきゃならぬという態度でございます。基本的な問題を現在検討しておる最中でございますが、一方、運輸省の検討と並行してと申しましょうか、行革審の中で規制緩和分科会というものが設けられまして、この中でも積極的な検討が今行われておる最中でございまして、この作業に運輸省もできるだけ協力するというような形でもって今検討が続行されておる、こういう段階でございます。
○伊藤郁男君 時間がなくなってしまいましたので、最後に一点だけお伺いしておきますが、きょう用意をしました質問の残りは、また二十日の日に一般質問が予定をされましたので、そこで質問をしておきたいと思うんです。
 きょうは一つだけ、規制緩和と関連をして国内の航空運賃の割引制度、これは航空局長の方ですか、夫婦割引とか受験生割引とか、そういう割引運賃が導入をされたわけですが、これは言うなれば、需要が少ないときに需要を喚起するという意味の割引運賃の導入だと思うんですよね。だから私はまだまだそういう面ではこれは十分ではない、こういうように思っているわけですが、そこで、これが一体割引運賃制というのが一社独占路線ですね、常に満席のような一社独占路線にこういうものも一体適用されていくのであろうか、こういうことがこれについての質問の第一点。
 それから、最近は地方空港もジェット化が進みまして、地方へ行く飛行機の機種も変わり、利用客の席数も大分ふえてきたわけでございまして、したがって、そういう意味では、一社独占路線のようなところにももう少し競争原理を導入して、競争路線というような形にやはりどんどんしていくべきではないか、こういうように思いますが、この点についてのお考えをお伺いをして私の質問を終わります。
○政府委員(西村康雄君) 今国内の航空旅客運賃の営業割引についてのお話ですが、この営業割引はおっしゃるように需要喚起がねらいでございます。そういう意味で今回やったわけでございますので、実際に需要喚起を必要とするような路線がたまたま三社が乗り入れているところが多いということでございます。例えば年末年始等になりますと一斉に客が一方向へ、大都会から田舎へ、田舎からまた大都会へ戻るといったようなことになりますと、その裏がどうしてもすいてくる。そういうところで割引をして需要を喚起しようとか、そういうことがございますが、例えば今回の受験生割引なんかですと余りそういうことはない。一般にもう少し若い人にも利用してもらおうという呼びかけでもございます。
 そういう点で、一社独占路線とただいま言われましたが、そういったところに適用しないという考え方ではございませんで、各社もそういう方針ではないわけで、ただ、現実に一社独占路線というのは、先生今大体満席だというふうに御理解をいただいたんですが、確かに満席の路線もございます。それはどういうことかというと、東京なり大阪の容量が小さいものですから、需要があってもそれ以上増便できないということでございます。しかし、なぜ一社になっているかというと、それはむしろ便数がふやせない、二社入って競争できるほどの旅客がないという路線で、どちらかというと一社独占路線というのは非常に経営上もつらい路線でございます。そういう意味で、実際に需要喚起がもしそこでできるなら、やはりそこはそれなりに今後割引制度というのは考えていかざるを得ない、そういうことになってくるわけでございます。また、全路線を通じての割引制度というのもございますし、そういう点では区分がない。
 それから、機材の導入についても、先ほどのようなことでございますので、なかなか新しい機材をどんどん導入してスピードアップするなり需要増に対応するというような状況にない路線もございます。ただ、これまで東京、大阪がいっぱいなものですから、むしろそういったときに、増便はできないけれども機材を大きくすることによって需要増を賄うという努力を各社やってきたわけでございます。
 あとできない路線というのは、例えばYS路線というようなのは、これはなかなかジェット化ができないのは飛行場側の都合がほとんどでございます。そういう次で、今後とも一社独占路線というようなことがサービスの改善にならないということであってはいけないので、そういう点は十分に各社を指導していきたいし、また、二社以上やれるような状況になれば、それはダブルトラックというのは基本的には推進していくべきものだというふうに考えておりますので、今後の改善をさらに進めてまいりたいと思います。
○山田耕三郎君 私は天気予報に関連をした問題でございます。
 天気予報が完全に当たるものであれば、それを利用する場合に特に問題はございません。しかし、天気予報の当たる精度が非常に向上したとは申し上げましても、時々外れることもまた事実でありまして、完全に当たるものとして利用することはかえって損害を大きくするとともに、不満もまた募らせることになります。今日、天気予報の的中率は八〇%を超えるまでに向上をしたと言われております。気象庁での気象衛星「ひまわり」を中心とする気象観測施設は確かに格段に進歩をいたしており、あの極彩色によります温度や雨量のディスプレー表示は私たち素人に対してさえ変化の状況、雨雲の移動やその方向等もよく理解できる上に、人間の目を楽しませてくれますし、それだけに予報に対する信頼性も高めておりますことは事実です。
 しかし、これらの整備はおおむね管区気象台段階まででありまして、地方気象台は、その昔測候所と呼称された時代と余り変化はないように思われますし、建物を見てみましても総体的に古色蒼然としたものであって、ニューメディア時代への対応とはほど遠いものがあるように感じますのは決して私だけでない、このように思っております。しかし、その中にあっても、予報精度の向上は予報担当者の使命と心得て不断の努力を重ねられておられますことについては深い敬意を表しますものです。
 先日も、気象に関する学術的な機関誌といいますか、「気象」という本を読んでおりますと、「天気予報の精度と利用価値」という論文がありました。多くの点で啓発をされました。わけても、予報利用による対策によって軽減できる損害額と対策に要した経費との関係のくだりには大変興味を持ちましたものでございます。そういったことから、国が気象事業に投資する経費と国民が受ける
利益とにも思いをめぐらす機会を得ましたが、今はこれらについて申し述べる時間は持ちません。
 ただ、その論文の中に次の意見がありました。「急速な進歩は期待できず、」これは多分施設整備の急速な進歩を言っておられると思いますが、「当分は、ときどき外れる予報をどう利用すれば最大限の効果が挙るかを工夫することも必要となる。」との言葉ですけれども、私は、急速な進歩が期待できないという立場ではなく、急速な進歩を図り、毎年毎年集中豪雨のために国民の皆様方の生命財産が無残に失われていくようなことのないよう努めることが気象にかかわられる方々の責務であり、その手だての一つは、地方気象台の若干の施設の整備で実現可能と考えるものですけれども、その立場から質問を二、三いたしたいと思います。
 去る四月二十日の未明から午前八時ごろにかけまして近畿地帯に雷雨の来襲がございました。兵庫県西宮市及び大阪市北部地域一帯が特にひどかったようでおりますが、各紙の報道を総合いたしますと、十件近くの落雷があり、その多くはテレビ被害でありまして、雷が電線を伝って内部に入って、テレビの内部が焼損をするという被害でございます。地元のNHKにお尋ねをいたしましたら、テレビアンテナには絶対落雷はないとのことです。電柱に落ちた雷が電線を伝ってテレビ内部に流入するのであって、ソケットさえ抜いていただければ大丈夫との説明でもありました。前日の天気予報を見てみますと、「所により雷雨」ということでありました。その場合に、特に激しい雷雨が予想される地域が特定をされておれば被害の軽減が可能であったのではないだろうかという素人的な考え方が脳裏をかすめました。
 先日また、「今週の日本」という新聞を偶然に拝見する機会を得ました。「天気予報をキメ細かく」という見出しで、気象庁の天気予報に対する新年度の取り組みがPRされておりました。梅雨の時期に入り、洗濯、外出時の雨具の用意等、毎日の天気が気になりますころです。ましてや、大雨による地域災害は特に心配です。その記事の中に次のように書かれておりました。「日本は、世界でも天気予報の難しい所」であり、それは「海に囲まれていて、山が多く、地形も複雑なため、天気が変わりやすいからです。同じ県内でも、東部は晴れているのに西部は雨ということが、珍しくありません。隣の町とでも、天気が違うことがあります。こうしたことが天気予報の”はずれ”の原因のようです。」特に天気予報が一般に注目されるのは、近年は集中豪雨による土砂崩れや、河川の決壊及び都市の中小河川の洪水など、限られた地域での大雨による災害が大きくなったからだと指摘されております。その上さらに、「雨は局地性が大きく、変化が激しいので、短時間予報のためにはキメの細かな気象監視システムが必要」だとも強調しておられます。私もこのことは全く同感であります。
 特に豪雨については、常に局地性と変化の激しいことを忘れてはならないと思います。だとすれば、平素からこれらの局地性に対する、さらには局地の変化の激しさに対する対応が観測施設上できておらなければならないと思います。
 そういうことから、気象庁はその対策として、気象レーダーとアメダスの観測組織を重視をして次のように言っておられます。一つは、「気象レーダーには、雨雲の広がりや変化をキメ細かく探知する能力があります。」二つには、「アメダス(地域気象観測システム)は、全国千三百余カ所の観測所から、雨量などのデータを一時間ごとに受信できます。」以上の二つの観測システムの有効性を強調しておられ、これらによりきめ細かな短時間予報を行うとのことですが、なるほどアメダスの観測所一千三百カ所は多いような感じを与えますことも事実です。けれども、算術計算では十七キロメートルメッシュに一カ所ということになりますが、ごらんのように設置の場所に各種の制約を受けざるを得ない日本の地形を考えるときに、現実には空白箇所が目立つのもまた自然かと思います。
 しかも、その観測所のすべてが四要素、気象庁では、雨量、風向・風速、日照、気温を四要素としておられますようですけれども、この四要素を具備しておるところ全部ではなしに、雨だけの観測所もあるとのことであります。さらに現在、ペリー・ファイン・メッシュ、すなわち微格子モデルということのようでございますけれども、これでも格子間隔六十キロメートル程度で、雷雨や集中豪雨は表現できないとも言われております。
 したがって、私の考えますのは、だからといって観測所を増設することについては、財政問題やその他の制約要因もありますので、多々ますます弁ずだけでは済まされない問題だと思いますけれども、基本的には、空白点があったり、表現できないメッシュの欠陥を補うためにも観測点の増設もあわせて行わなければきめ細かい観測ということがかけ声倒れに終わってしまうと思います。そういった点から、そのような観測点をふやすという措置についてはどのようにお考えになっておられますか、その辺のお答えを願います。
○説明員(植村香苗君) ただいま先生おっしゃられましたように、アメダスは現在千三百カ所ございまして、十七キロメッシュとなっておりますけれども、そのうち雨だけの観測点がかなりございまして、四要素全部観測している地点は八百カ所、二十四キロメッシュ程度になっております。
 確かにその観測だけでは、実は技術的に見ますと、観測だけでやりますと多少粗いという御批判はもちろんあるわけでございますが、実は、レーダーがございまして、これは全国二十カ所に展開しておりまして常時ずっと仰角も上げましてよく見ておるわけでございますが、これは実際一時間の雨の降っている強さというのは非常によくわかるわけでございますが、量は必ずしも正確ではない。それからアメダスの方は、量は正確ですけれども若干粗いという問題がございますが、これを組み合わせましてコンピューターで処理をいたします。
 そうしますと、レーダー、アメダス合成図、これもテレビなんかときどき出てまいりますけれども、そういう合成図をつくりますが、その合成図をつくりますと、実は五キロメッシュごとの雨の量がわかってまいるということになりまして、これの的中率は非常に高うございます。したがいまして、これで我々はやっておりますし、今後短時間予報をやる場合にもこれで十分対応できるんじゃないかというふうに考えておりまして、観測点は当たりませんけれども、そういう技術によりましてレーダー、アメダス合成図によりましてやりますと、まず観測点は現在の観測点で一応十分ではないかというふうに実は考えておるわけでございます。
○山田耕三郎君 ただいまお答えをいただきました中にもありましたように、さらにまた、ただいま申し上げました新聞のPRの中にも、気象庁とされましては気象レーダーの効用を極めて大きく誇示しておいでになります。私も気象レーダーの効用は全くそのとおりだと思っております。しかし、現在の気象レーダーの設置は、これまたお答えにもありましたが、私の見ましたところでは、昭和五十七年の「台風物語」によりますと、管区気象台の中の必要な箇所を含め全国を二十カ所の気象レーダーで日本全体をカバーしておられますということがございました。
 ただいまのお答えのとおりでございますけれども、私は肝心なのは、その設置をされております気象レーダーと管区の地方気象台との間に、気象レーダーに関する限り直接のつながりが何にもないというところに問題が残るように思います。今日、空港でも半径百キロメートルの能力を持ちます空港気象レーダーの設置がされ、さらにこれらは増設の計画がございますようですし、建設省におかれましても同様に整備が進んでおります。だから、気象観測の本家本元であります気象庁においてこそ当然さらに増設を考えていただかなければならないと基本的に思っております。
 しかし、そういうことがいろいろの面で制約されることもありますと思います。したがって、百
歩譲って、その急速な設置が困難であったとすれば、せめて今日設置をされております気象レーダー、例えば管区でありましたら管区の気象レーダー、観測所から管区の気象台へその映像は送られてきておるのでありますから、その送られてきた映像が、すなわち受信をしておりますのは指示装置という機械、あるいはまた表示装置とも言っておられますようですけれども、管区気象レーダーから管区の気象台の中にありますそれらの施設が受像をいたしております。その受像をいたしておるものを、管区の地方気象台にも指示装置を設置をすることによって同じように受像することができないのか。もしそういうことが可能であったといたしますなれば、やっぱり数時間のデータは残しておかれまして、これをディスプレー表示でその動きを見られるようにしてやっていただいたら、局地の細かな気象変化というものが予報官の目で直接に見ていただくことができることになり、現在のように、CDFといいましても、さらにアメダスの府県実況図といいましても、すべては紙に黒い字で印刷され、あるいはタイプされたものでありますので、そのような資料が一日に六十枚も集まってくるということであっては、やっぱり大雨のときなどは、その気象の変化を追っていくのに紙ばかりをめくったり、重ね合わしたり、つないだりしてやっていかなければなりません。悪い言葉ですけれども、例えさせていただきますと、現在の地方気象台における予報担当官はこういった紙と格闘をしておると言っても過言ではないのではないか。
 国民の皆さんは、茶の間に送られてきますあのディスプレー表示が各地方気象台にもありますことと認識をしておられますと思いますが、気象レーダーの設置が困難でありとすれば、その管区の気象レーダーがキャッチをしたものを地方の気象台まで受像ができるようなことくらいは何かもう考えていただかないと、このニューメディアの時代に対応した観測体制とは言えないのではないか、そういったことができないのかどうかお尋ねをいたします。
○説明員(植村香苗君) 実は、地方気象台の体制のお話だと思いますが、私どもは、一時間置きに、先ほど申し上げましたレーダー、アメダス合成図、それからレーダー合成図等の資料を送っておりまして、それから、管区気象台六つございますけれども、そのほかに旧地方気象台というのが五つございまして、合わせて十一の、これは予報中枢と言っておりますけれども、そこにレーダーが実は入っておりまして、レーダーを、ただ画像を見るのでは十分なことがわかりませんものですから、ずっと仰角を上げまして、七分置きに合成図をとりまして、それを見て、その予報中枢から地方気象台、担当の予報官にその都度指示報を出して雷雨等の注意を喚起するというようなことで対応しているわけでございます。
 一応そういうことで私何とか十分ではないかと思いますけれども、そういった十一のディスプレー装置が管区、地方の気象台にもあった方がいいんじゃないかという御指摘につきましては、そういうことはあるいはあるかもしれないということで、今後十分検討してまいりたいと、かように思っておるわけでございます。
○山田耕三郎君 私は、気象問題の締めくくりとして大臣にお尋ねをいたしたいと思います。
 ただいま申し上げてまいりましたとおり、今日の気象庁における観測施設は、マクロの面においては大変進歩をいたしておりますと思います。しかし、一番問題になりますのは、やっぱり異常気象によりまして地域の災害が依然として後を絶たないということであります。あるいは地域の気象の急激な変化に対して対応ができない、このこともまた事実であると思います。そういったことからいたしまして、私は、局地豪雨やあるいは局地の異常気象等から国民の皆さんがこうむられる悲惨な災害は何としても取り除いていかなければいけないのではないか。そして、ちょっと工夫をしていただければそれらの対応はできる、今日の日本の技術をもってすれば、このように考えております。
 もちろん今日の財政再建の真っただ中でございます。難しい問題はありますけれども、これらの施設が整って、そして的確な予報が行われたために集中豪雨の災害から人命が守られたとか財産の喪失が最小限に食いとめられたとかいう報道が近い機会になされるように何か対応をしていただけないものか。その辺の願いを持っておりますものでございますけれども、大臣の御所見を承りたいと思います。
○国務大臣(山下徳夫君) 先ほどから大変ありがたい御意見を拝聴いたしておりまして、感謝の言葉もございません。
 今お話ございましたように、災害の予報、これによって生命、財産を守るということはもとよりでございますが、今日、いろいろな事業の面でも気象の予報というものは非常に活用されておる。あるいは子供たち、昔はてるてる坊主で願いを込めたものでございますが、今や子供たちに至るまで予報というのは非常に信頼をしておる、あるいはそれに対して期待もいたしておるわけでございまして、その期待に値する一つの科学的な施設というものをこれから整備していかなきゃならぬことは当然でございます。期待にこたえるのは正確な予報、確率をもっと高めることでございます。
 実は、私も、気象庁の本部にございます施設や、遠くは小笠原等まで出向きましていろんなものを拝見をしてまいりました。まだ外国のものは見ておりませんのでその比較だけはわかりませんけれども、ただ、やはりもっと予算さえ入れれば、関係者の話を聞きましても、もっと正確の度を増すことができるということはよく聞いておりますので、今後ともやはり行政の責任者としてそういう問題にさらにさらに心を用いなきゃならぬ、かように思っておる次第でございます。
○山田耕三郎君 最後に、国鉄問題について一つだけお尋ねをいたします。
 今日の国鉄は、全く四面楚歌の中にあると言っても過言ではない状況でございます。しかし、国鉄が我が国経済の発展や国民生活の向上に果たしてきた役割はまことに大きいものがありますし、現に、全国的に張りめぐらされた鉄道網を通じて極めて正確に、時には批判を受けるような事故があったとしても、外国の鉄道に比べれば、総じて快適に国民生活を支え、国民の足を守っておられることも否定はできません。もちろん、これらのことにつきましては、それぞれの部内の関係者の努力が実ってこうなっておることとは思いますが、また、外部からの協力もあずかって大きな力となっておると思います。例えばあの長い軌道敷や重要な駅舎を初め施設用地の買収等の事業に協力をしてきた経験から見まして、地主の皆さんが御協力いただくことについて、つくづくありがたく感じたことがございます。さらにまた、特に地域の経済発展の原動力として国鉄にかけようとするための地方自治体や地方財界の努力にはまことに涙ぐましいものがございます。
 古い過去のことはさておくといたしましても、十年ほど前、例えばコンテナ基地を大型化する必要に伴い、駅舎のあります当該都市はそのコンテナ基地用地を無償で国鉄に譲与したりして協力をしてこられた例も相当数あるように思います。ただ、今日国鉄では貸物は不採算部門としてその経営形態も大きくさま変わりをしており、そんな中で、地元が貨物取り扱いの存続運動を入れたにもかかわらず、貨物取り扱い廃止駅となり、したがって、コンテナ基地が廃止されることになる、こういうような因果をめぐる問題も少なくないと思います。せっかく無償で譲与をして、そして町の発展を願った地方自治体の望みははかなく消えていっておるというのが今日の状況だと思います。
 このように、国鉄自体の経営形態の変化に伴い不要になりました用地は、自治体が公共目的に活用する限りにおいては、いかに国鉄が財政的に困窮をしておられるときであったとしましても、法律的には国鉄の財産に帰しておるものであったといたしましても、やっぱり原則的には無償でもとにお返しになられるべきなのではないか。その理由としまして、私は何としてもお互いの信頼関係は何にも増して重視をしておかなければいけない。目先の現象だけで事を決しては将来必ずほぞをかむことになるのではないか、こういう心配を持ちます。国鉄の経営形態が、百歩譲って、どう変わりましょうとも、施設の存在は常識的に永遠と思ってよいと思うのでありますけれども、その長い間には信頼に基づく良好な関係を崩したことが悔やまれるときが必ず来ると思うからそのように申し上げたものでございます。
 以上申し述べたように、古い過去のことは別といたしましても、近年にできたそういったことについては、国鉄が不必要になったとすればそれはやっぱりもとに返しておかれるべきが筋だと思っておりますけれども、このことに対して現在国鉄御当局はどのように考えておいでになりますのか、特定した案件としてではなしに一般的な問題としてお尋ねをいたします。
○説明員(岡田宏君) 国鉄の事業を経営するに当たりまして、地元の方々からさまざまな形で御協力を賜っているということは先生の御指摘のとおりでございまして、私どもそのことにつきましては深く感謝の念を抱いているわけでございます。また、今先生御指摘ございましたように、かつて貨物駅をつくるというようなケースにおきまして、それの用地について地元自治体あるいは地元の個人の方々から無償提供を受けた用地が存在をしているということも事実でございます。それに対しまして、最近におきます物流の著しい変化、輸送構造の変革に伴いまして貨物駅の廃止をする、そういった廃止をしました貨物駅の用地の中に、今先生御指摘のように、かつて地元の方々から無償提供を受けた土地が含まれているというケースも幾つかのケースについて見られるところでございます。
 今先生の御質問、私どもとしては痛いほど身につまされるわけでございますが、一方、現在国鉄では、毎年の収支の改善あるいは借入金額を少しでも減らしていくというようなこと、また最近におきましては長期債務の償還に充てるという財源を生み出すということから、全社を挙げて売却用地の生み出し、それの売却に努力をしているところでございまして、今お話のございましたような、無償提供を受けました用地につきましても、原則論といたしましては、ひとつ有償でお買い戻しをいただきたいというようなことでお願いを申し上げているというところでございます。
○山田耕三郎君 ただいまのお説ではありますけれども、こういった問題が、地方自治体から無償で国鉄に譲与されておるような問題になりますと、やっぱり理事者としては市民に対する責めも負っていかなければなりません。願って譲与をいたしましたその土地が目的どおりに使われないで穴埋めに売却されていく、赤字の穴埋めに売却されていくというようなことであっては説明がつかぬだろうと思いますし、道義的に考えてもこれは再考をせなければならない問題と私は考えます。特に、そういった公的団体が公的利用に使っていこうとするようなことは、いろいろのケースはありますと思いますけれども、誠意を待って対応をしてやっていただきますように特に要望を申し上げさせていただいて、私の質問を終わります。
○委員長(鶴岡洋君) 本日の質疑はこの程度といたします。
    ─────────────
○委員長(鶴岡洋君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 運輸事情等に関する調査のうち、国鉄問題に関する件について、来る六月二十日の本委員会に、秋田県知事佐々木喜久治君、香川県知事前川忠夫君及び佐賀県知事香月熊雄君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(鶴岡洋君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時二十八分散会