第102回国会 エネルギー対策特別委員会 第9号
昭和六十年六月五日(水曜日)
   午前十時開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         田代由紀男君
    理 事
                沖  外夫君
                夏目 忠雄君
                菅野 久光君
                太田 淳夫君
                小西 博行君
    委 員
                岡野  裕君
                工藤万砂美君
                福岡日出麿君
                宮島  滉君
                吉川 芳男君
                赤桐  操君
                梶原 敬義君
                対馬 孝且君
                藤原 房雄君
                小笠原貞子君
                野末 陳平君
   国務大臣
       通商産業大臣   村田敬次郎君
       国 務 大 臣
       (科学技術庁長  竹内 黎一君
       官)
   政府委員
       科学技術庁長官  宇賀 道郎君
       官房長
       科学技術庁研究  内田 勇夫君
       調整局長
       科学技術庁原子  中村 守孝君
       力局長
       通商産業省立地  平河喜美男君
       公害局長
       資源エネルギー  柴田 益男君
       庁長官
       資源エネルギー  浜岡 平一君
       庁次長
       資源エネルギー  畠山  襄君
       庁石油部長
       資源エネルギー  高橋 達直君
       庁石炭部長
       資源エネルギー  山本 幸助君
       庁公益事業部長
       労働大臣官房審  白井晋太郎君
       議官
   事務局側
       常任委員会専門  野村 静二君
       員
   説明員
       通商産業大臣官  高木 俊毅君
       房参事官
       労働省労働基準  菊地 好司君
       局監督課長
       労働省職業安定  矢田貝寛文君
       局業務指導課長
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○エネルギー対策樹立に関する調査
 (エネルギー対策の基本施策に関する件)
 (三菱石炭鉱業株式会社高島炭鉱及び南大夕張
 炭鉱における災害に関する件)
○派遣委員の報告に関する件
    ―――――――――――――
○委員長(田代由紀男君) ただいまからエネルギー対策特別委員会を開会いたします。
 エネルギー対策樹立に関する調査のうち、エネルギー対策の基本施策に関する件を議題として質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言をお願いします。
○菅野久光君 私は初めに、去る五月十五日に釧路市において、電気料金不払いのために送電をとめられた母子家庭で、母親が留守の間にろうそくが原因で火災が起こった。それで留守番の子供が一人は亡くなり一人はけがをしたというような痛ましい事故が起こりました。電気をとめた、送電停止ということによるこの種事故というのは現在までどのくらい、現在までというかここ十年くらいの間にどれくらいあったのか、おわかりでしたらお知らせいただきたいと思います。
○政府委員(柴田益男君) 最近時点では四件ほどございます。
○菅野久光君 この事故は新聞等にも報ぜられましたので通産大臣もお読みになったのではないかというふうに思いますが、この事故に対して大臣はどのようなお気持ちを持たれたか、お聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(村田敬次郎君) 菅野委員にお答え申し上げます。
 この事故、電気の供給の停止が、結果的にとうとい人の今、それも子供さんの人命を失うという事故につながったことはまことに遺憾に存じております。
 通産省としては、電気の供給の停止については、電気は生活に必要不可欠なものであるという見地から特に慎重を期すべきであるというふうに考えておりまして、各電力会社に対しても指導をしておるところでございます。五月に起こりましたこの事故につきましては、供給規程の運用について問題はないと見られるものの、需要家側の事情の把握等の点について今後各社に対してさらに十分指導いたしまして、電気の供給停止という行為がこうした災害を起こすことのないように慎重に取り扱われるように努めてまいりたいと思っております。
○菅野久光君 この種の事故を起こしてはならないということから慎重に対処すべきだといったようなことで御指導なさったというふうに思いますが、昨年も一件ありことし二件ですか、そういうことでここ近々の間でも三件あるわけですね。非常に人命に関するような問題でありますし、今の社会生活から考えてみて常識的には電気のない生活というのは考えられないわけであります。しかし、電気料金を払わないということから、払わない者に対しては送電停止をすることはできるんですね。できるんですが、その送電停止に当たってはできるだけ慎重な配慮というものが必要だというようなことで、私も一遍調査をいたしましたが、かなり慎重な対応はしていたようでありますけれども、結果的にこの種の事故が起きてしまった。いろいろこの問題について私も何人かの人とも話をいたしましたが、私企業なんだから料金を払わなければ払わない者に対しては規程に従って送電停止は当然だというようなことで、そのこと自体は当然だというふうに思うわけですけれども、しかし先ほどからお話しのように、このことについては相当慎重なことをやはりやっていかなければいろんな問題が起きてくるわけでありますから、機械的にやるなんというようなことは到底あってはならないことだというふうに思うんですね。私企業、私企業ということをしきりに強調される方があります。電気事業というのは純粋なというんですか、全く単なる私企業というふうに考えていいのかどうか、その辺のお考えはいかがでしょう。
○政府委員(柴田益男君) 先生の御指摘の点大変ごもっともな点があろうかと思います。電気事業は確かに私企業形態では営んでおりますけれども、その事業そのものは非常な公益性を持っておるわけでございまして、そういう意味で電気事業法上、役所の立場からも監督しているわけでございまして、私企業とは言いながら事業の性質は公益性を帯びている、そういうふうに我々は判断しているところでございます。
○菅野久光君 そうですね、今長官からお答えのように、単なる私企業ではない、極めて公益性を持っているそういう企業だ。だからこそ国から交付金なりあるいは補助金なりということで出しているわけですね。それだけにこの種の問題については慎重に取り扱わなくてはいけないというふうに思うわけであります。
 そこで、私先ほど言いましたけれども、現地ではそうお金を払わないからといって機械的にとめたということではない、何回かの手だてをやって、結果的に送電停止。そして十五日、とめた日にこの痛ましい事故が起こったわけなのですね。きのう私はあるお役人にこのことを聞きましたら、私企業だからそれはとめるのは当然じゃないですかという答えが簡単に返ってきました。電力事業というものを全く単なる私企業と考えるお役人もいるのだなということで、私は実は慄然といたしました。そういう今の社会生活で電気がなければどんなことになるかということ等いろいろあると思います。しかし、払わないことが私はいいというのじゃなくて、この種の事故が起きたから、この種の事故を絶対起こしちゃならぬという観点からいえば、そのような考え方というのは私は何としても許すことができないわけなのです。私企業なのだから電気料金を払わない者についてはこれはとめたって仕方がないのだというそういう単純な割り切り方といいますか、そういうことについてはどのようにお考えでしょうか。
○政府委員(柴田益男君) 電力会社の電力の供給については需要家さんとの間で供給規程という形で約束があるわけでございまして、その約束、供給規程におきましては、需要家が次のいずれかに該当する場合にはその需要家について電気の供給を停止することがあります、そういうふうに約束しているわけでございます。どういう場合かということが書いてございまして、需要家が料金を早収期間後三十日を経過してなお支払われない場合というようなことで、こういう場合は供給停止をさしていただきますという約束を一応した上で電気を供給しているわけでございまして、そういう意味におきましては一般の私企業活動と同じように規程違反ということで電気の供給を停止するということは規程上はできるわけでございます。ただ、先生御指摘のように、電気の公益事業性という観点からいたしまして、私ども資源エネルギー庁といたしましては、その供給停止に当たっては特に慎重を期するよう従来から電力会社に対して指導してきているわけでございまして、今後こういう供給停止につきましては実務遂行上細心の注意を払ってやるようにというふうに指導してまいりたいと考えております。
○菅野久光君 この電気供給規程というのはそれぞれの電力会社でつくられているわけですけれども、その内容はどの電力会社も皆同じでしょうか。
○政府委員(柴田益男君) ほぼ同様でございまして、通産省で認可いたしております。
○菅野久光君 それでは電気をとめる、送電停止という場合の手続をひとつ簡単にお知らせいただきたい。
○政府委員(山本幸助君) 電気料金につきましては、検針と申しまして、メーターを見てその月の電気料金が幾らであるかということを確定いたします。そのメーターを検針した後五十日以内に支払わない場合には停止をする、ただしその前に必ず予告をするということになっております。
○菅野久光君 年間どのくらい電力料金を支払わない需要家があるのか、その辺はおわかりでしょうか。おわかりでしたらお知らせいただきたいと思います。
○政府委員(山本幸助君) 昨年度、五十九年度の実績で申しますと、九電力で七十八万六千件ございます。これは非常に数は多うございますが、このうちのほぼ九割ぐらいは常習的に、電気を切らなければ払わないという人が多うございまして、七十八万六千件、北海道電力では四万四千件でございます。
○菅野久光君 大体九〇%ぐらいはとめなきゃ電気料金を払わないという家庭だと。あとの一〇%ぐらいはこれはどんなような中身になっておりますか。
○政府委員(山本幸助君) 残りの大半につきましては、とめますと数日中に大体払うということでございますけれども、また中には転居、移転等によって払わないまま行ってしまうということがございます。今回のように非常に困った家庭という場合につきましては、これは私ども常々慎重に扱うようにということで指導いたしております。
○菅野久光君 困った、本当に電気料金が払えないような家庭については慎重に扱うようにという指導をしているということですね。じゃ、その指導していることに対してそれぞれの電力会社がどのような、何といいますかね、内部でのそういうものに対する取り扱いというものについての意思統一といいますか、そういうことをやっているかという確認はやられておりますか。
○政府委員(山本幸助君) 私ども電気料金の改定時ごとに長官から通達をいたしておりまして、先ほど御説明申し上げましたように、もう必要かつやむを得ない場合と、しかも特に慎重を期するようにしてくださいということで指導いたしておりまして、その指導の徹底につきましては私ども常常電力会社に対してその監督を行っているところでございます。
 今回の北海道電力の場合につきましては、まあ電力会社としては慎重な対応を行ったということでございましたけれども、たまたま昨年死亡した契約者の名義変更が行われてなかったというような事情から、当該需要家が母子家庭であったということがわからなかったという事情がございまして、そういう点で非常に不幸なケースであったというふうに考えております。
○菅野久光君 この種のものについては最低の生活と言ってもいいかと思いますけれども、明かりだけは何としてもこれは保証しなきゃならぬというようなことで、昨年ですか、東京電力では何か百ワットのブレーカーをつくってそこで使用すると。それから北海道電力でも、これは北海道では雪に閉ざされているので、一回一回外に出て切れたときに上げるということでは非常に取り扱いがしづらいんじゃないかというようなことで、屋内ででもできるようなものをということで開発をしているということで、何かことしの夏にはそれができ上がるというようなその矢先の事故であったわけでありますけれども、これはたまたま東京電力だとかあるいは北海道電力だとかというところで起きた事故でありますけれども、これはたまたまという言葉が私は適切かどうかは別にしましても、ほかの電力でもこういったようなことが起こらないという保証はないわけですね。
 それで、このような百ワットぐらいのいわゆる電灯、それから北海道あたりですと最低石油ストーブのファンを回すぐらいの、そういうことならば大体百ワットぐらいあればいいだろうということで開発されたようでありますが、その種のものについては通産省なりあるいは資源エネルギー庁としてはどのようにお考えであり、またほかの電力にもこういったような事故を起こさないということでどのようなお考えを持っておるのか、その辺をお伺いいたしたいと思います。
○政府委員(山本幸助君) ただいま先生御指摘のメーターは、ワンアンペアブレーカーと申しまして、百ワットまで流れるという機器でございます。東京電力では既に開発いたしておりまして、ことしの二月からつけておりまして、現在まで実績十一軒つけております。それでこれを、ワンアンペアブレーカーというのは、送電の停止中の需要家のうちで特に必要と判断される場合に、電灯などの最低限の機器の使用を可能にするということによりまして、ろうそく火災の発生を防止するために非常に効果があるだろうというふうに考えております。通産省といたしましてもこういったろうそく火災の防止ということにつきましては、まず第一に需要家の実情把握を的確に行い、集金にきめ細かい対応を行っていくという従来からの基本的な対応が必要であると思いますけれども、こういう対応に加えてこのワンアンペアブレーカーというのも一つの対策がというふうに考えております。
○菅野久光君 そのワンアンペアブレーカーというのは、既に東京電力では開発されて実際にやられているわけですが、ほかの電力会社の状況というのはどんなことになっていますか。
○政府委員(山本幸助君) まず、北海道電力につきましては去年同様な事故がございまして、それ以来早急に開発をするということでやっておりまして、現在、近々、六月ないし夏までにはこの取りつけを行いたいというふうに言っております。そのほかの電力につきましても現在検討中でございます。
○菅野久光君 検討中ということですね、ほかの電力は。検討中ということだけでこの種の事故を防げるというふうにお思いですか。
○政府委員(山本幸助君) 先ほど申し上げましたように、ろうそく火災の防止ということにつきましては、電気をカットするに当たりましてきめの細かい配慮ということがまず基本かと思います。それに加えましてこのワンアンペアブレーカーというのも非常に有力な武器かと考えておりますが、一番初めに開発いたしました東京電力もことしの二月から始まったわけでございますけれども、そういうことで、各電力にも早急に検討を指導しているという段階でございます。
○菅野久光君 早急に検討ということだけではなかなかこの種のものというのはできないんじゃないかなというふうに私は思うんですよ。ですから、そういう意味での指導といいますか、そういったようなものをなさるお気持ちはあるのかどうか、そこのところをお伺いいたします。
○政府委員(山本幸助君) 指導をいたしております。要するに、今までは技術開発上難しゅうございまして、東京電力がようやくことしの二月にこれを実施したということで、全国で初めて入れたわけでございますけれども、そういうことで、ほかの電力も早急にこれを研究するようにということで指導をいたしております。
○菅野久光君 毎月毎月先ほどお話しのように随分たくさんの需要家が電力料金を払わないわけですね。そのうち一〇%ぐらいは、ちょっと時間を置くかあるいは全く払えないかというような状況。そうすると、これはもう一日置けばまたどこかでこういったような事故が起きないとは限らないわけなんですよ。ですから、早急に、早急にということを言っているうちに時間はどんどんたっていく。もうこのような事故を絶対これから起こしちゃいかぬ。一度起こしたものは二度あっちゃならぬというものが、二度ならず三度四度と、こうあったわけですね。だから、こういったような事故を防ぐために、せっかく東京電力がそういうものを開発した。そういうものをほかの電力でも早急に、本当にすぐやれるようなそういう体制というものを指導すべきではないかというふうに私は思っているんですよ。ですから、精神的なものではなくて、実体的に一刻でも早くこういったような体制をそれぞれの電力にとらせるべきだというふうに思うんですけれども、その辺いかがですか。
○政府委員(山本幸助君) 先ほどから申し上げましたように、非常に有力な対策ではございますけれども、ワンアンペアでございましてもやはり料金がかかるわけでございまして、そういう意味では、ワンアンペア入れたらあとは一切もう払わない、ただだというわけにはまいらないわけでございます。そういう意味では、やはり基本的には、非常に困った家庭についてどうするかということできめ細かくそういう家庭の状況をよく見てやっていくということが基本だろうと思います。ただ、ワンアンペアでまず状況をよく見るということで、東京電力の例で申しますと、このワンアンペアリミッターをつけた十一軒の家庭は、すぐその後、実際には支払いをしているということでワンアンペアリミッターを外しております。そういうこともございますので、これが非常にそういう意味では有効にワークするんではないかというふうに考えておりまして、先生が今御指摘のようなラインで今後とも指導してまいりたいと思っております。
○菅野久光君 今お話がありましたけれども、今度の釧路の場合には送電停止をされたその晩に起こったわけですよ。ですから、これをつけて一日なり二日なりたって料金を払ってそしてそれを外す、大変私はいいことだと思うんですね。一日でも電気の世界から離れるということなく、事故も起きないでそういうことがやれるということは、私はいいというふうに思うんですよ。そういう意味での対策といいますか、そういうものをそれぞれの電力の中で――もちろん中には全く大人の世帯だけで必要がないといえば必要がないところもあるかもしれません。特に、こういう子供のある世帯、それから生活保護的な、そこまでまだ手続も済んでないというような世帯とかいろいろあると思うんですね。しかし、いろいろお話を聞きますと、プライバシーの問題があってなかなかそこまで調査をするということが難しいという話も聞いております。しかし、こういったようなことが現実的に人命にかかわるような事故を起こしているということからいえば、相当地域の民生委員だとかそういう方たちにもやっぱり協力を願わなければならないのではないかというふうに思うんです。
 釧路でああいう問題が起きてから、なお慎重にこういったような事故を起こさないためにということで、北海道電力では何か五項目にわたる今後の対策を立てたというようなことで、私も調査に行って報告を受けております。こういった中で道関係、それから市町村関係の福祉関係者、こういったような人たちの協力も得ながら対策を進めていきたい、こういうようなことで私もそういったような事情については聞いているわけであります。
 したがって、私が言いたいのは、そういうきめの細かい慎重な対策をやれという指導は官庁というのはやるわけですね。指導はやるんですよ、指導はやるんだけれども、実際にそれぞれの箇所で、それぞれのところで指導したことがきちっと対応されているかどうかということの確認といいますか、そういったようなことがなされない。そこにいろいろな問題があるのではないでしょうか。役所としては、私どもとしては指導しております、そう言うことで責任逃れとまでは言わなくても、一応の責任は果たしておりますということになってしまうわけなんですね。ですから私は、そういうきめの細かいといいますか、やっぱり行き届いた形での指導、本当の意味での指導というものがなければ、この種の事故というのはまた起きるのではないかというふうに思いますので、こういったようなことを契機に、しかも一アンペアブレーカーなどというものも開発されたというようなことを契機に、本当に精神的な意味での早急にということではなくて、実体的な意味での早急にひとつそれぞれの電力が対応できるように、そしてもうこのような事故を起こさない、そういったようなことでひとつ対応してもらいたいということを、そのことについては申し上げておきたいというふうに思います。
 次に、原子力発電の位置づけについてちょっとお伺いをいたしたいというふうに思います。
 我が国の電力供給は、総発電量では原子力は既に二二%のシェアを占めているが、長期的な電源構成では、政府は原子力の比重をますます高めることにしております。昭和六十五年度には石油火力の二〇%を抜いて二八%とトップの座について、さらに七十五年度には三九%と、約四割の電力を原子力によって賄うことにしております。
 一方、電力需要は横ばいないしは微増程度で推移をしている。こういった中で原子力のシェアを四割まで引き上げないと貯えないということはないというふうに考えるわけでありますが、通産省当局のこのことについての所見はどうなのか、そのことをまずお伺いをいたします。
○政府委員(柴田益男君) 今後の電力需要につきましては、先生の今のお話の中で微増程度の増加というような御指摘がございましたけれども、一昨年、五十八年十一月の電気事業審議会の需給部会の見通しによりますと、今後七十年度までの電力需要の伸びは年率三%程度、そういうふうに想定しております。経済成長を大体四%ということで前提を置きまして、そういうもとでは、エネルギーの中では電力は割合に伸びが高い。そういう意味で三%程度の年率の伸びを予想しているわけでございまして、そういう電力需要の増加に対応しまして、電力の安定供給を図る観点から、供給の安定性、経済性に特にすぐれた原子力発電を初めとする石油代替電源の開発を積極的に推進しているわけでございます。
 その結果、昭和七十年度末における原子力発電の設備量は、数量にしまして四千八百万キロワット、電力量にしまして二千八百五十億キロワットアワーという見通してございまして、総発電電力量に占めるパーセンテージは三五%というふうに予測しているわけでございます。
○菅野久光君 六十年度の伸びはどのくらい見ているのでしょうか。
○政府委員(柴田益男君) 本年度、六十年度の電力量の伸びは四%程度だと推定しております――答弁を補正さしていただきます。五十九年度の実績が速報ベースで四・九%でございまして、六十年度は二・五%でございます。訂正さしていただきます。
○菅野久光君 東京電力と東北電力が四月の三日にいろいろ計画を出しているわけですが、東京電力と東北電力は大体二・八%増と見ているということが出ているわけなんですが、それから見ますとちょっと違うんですが、それは全体だから違うということなのかどうなのか、その辺はいかがでしょうか。
○政府委員(山本幸助君) 大体今後十年間ぐらいをにらみますとほぼ三%だろうというふうに考えられますが、先ほど長官が説明しましたように、例えば去年は四・九と非常に伸びまして、その反動で六十年度は二・五というふうになっています。そういう意味では各電力会社ごとにも、また全体を合わせた場合にも、各年度ごとにもかなりばらつきが出ますけれども、ほぼ十年間平均して三%程度というふうに考えております。
○菅野久光君 ここで最近の電源別の設備利用率を見ますと、原子力発電所は定期点検でとめているとき以外はフル稼働しているということで設備利用率は大変高くなっております。通産省の資料によれば五十八年度は七一・五%に達している、石炭火力は七五・六%と原発を上回っていますが、LNG火力は五二・五%と設備利用率は約半分であります。石油火力は三七・五%、これは三分の一強の設備利用率にすぎません。これは時間帯による電源別負荷分担の推移を見ても同様の傾向が言える。原子力は一定のベースロード運転をしているのに対して、他の電源の稼働は時間帯によりかなりの変化が見られるということですね。これは原発をフル稼働させているために電力需要に比べて供給力が余り、燃料費が比較的高い石油火力やLNGあるいはLPG火力をとめる場合が多いからではないかというふうに思いますが、この実態はどうなっているのかお伺いをいたしたい。
○政府委員(山本幸助君) ただいま先生の御指摘のとおりだと思います。電力の需要は季節によっても、また一日の時間帯によっても大変大きく変動するわけでございますけれども、このような電力需要の変動に対応するためには、それぞれの電源の特性に応じた最も効率的な設備の運用が行われる必要があるということでございまして、このため経済性とかあるいは燃料の調達の安定性にすぐれた原子力、石炭火力につきましては電力需要のベースロードということでベースを賄う供給になっておりまして、年間の稼働率は他の電源に比べて高くなっております。
 これに対しまして、石油火力とかLNG火力は、資本費が小さくて電力需要の変動に対する即応性があるということでございまして、その反面燃料費が高いということでございますので、需要のピークの部分を供給することによりまして、結果としては年間の稼働率が低くなっているというのが実態でございます。
○菅野久光君 現在の発電用の原子炉は二十八基あるわけで、発電能力は約二千五十万キロワット、二千万キロワットを超したわけですね。昭和七十年度で全電力量の約四〇%を原子力で賄うとしたら、そのときの原子力発電の全発電能力と発電所数はどのくらいになるのか、ちょっとお伺いいたします。
○政府委員(山本幸助君) 昭和五十八年十一月の電気事業審議会需給部会で報告いたしておりますけれども、それによりますと、昭和七十年度末における原子力発電設備量は四千八百万キロワットということでございまして、総発電量の三五%を原子力で賄うということでございます。なお、私どもの試算によりますと、七十五年度になりますと三九%ぐらい原子力になろうかということを考えております。
 また、発電所の基数につきましては、昭和六十年度の電力の施設計画によりまして現在推定いたしますと、昭和七十年度末においては五十六基となる予定でございます。
○菅野久光君 今の予定でいくと昭和七十年度で五十六基ですか。
○政府委員(山本幸助君) 五十六基でございます。
○菅野久光君 五十六基ということになると今の倍になるわけですね。現在でも原子力発電所は大変立地難ですね。また建設費が高騰していてこれは原子力は安いからということが売り物で原発がどんどんつくられてきたというそういう経過がありますが、これから十年間の先行きを考えていった場合に、本当に経済性という面で他のどのものよりも優位を保つことができるというふうに見通されているのかどうか、その辺をお伺いいたします。
○政府委員(山本幸助君) 通産省のモデル試算でございますけれども、五十九年度運開ベース、運転開始ベースの電源別の発電原価を見ますと、一キロワット時当たりで原子力が十三円程度、それから石炭火力が十四円程度、LNG火力とか石油火力が十七円程度、水力が二十一円程度ということで、原子力発電は他の電源に比べて優位にはございます。ただ、この試算におきましては、原子力発電につきましては原子炉の廃止措置、いわゆる廃炉という廃止措置及び放射性廃棄物の最終処分にかかる費用は含まれておりません。これらの費用につきましては現在いろいろ試算いたしておりますが、現在の知見では大体発電原価の一割程度かかるだろうと見込まれますので、これを入れますと原子力と石炭火力の運転開始の初年度の発電原価はほぼ同程度だろうというふうに考えております。
 しかしながら、このモデル試算は運転開始時の初年度の原価の比較でございますけれども、一般に化石燃料の価格は長期的には上昇するだろうと考えられます。また、資本費が非常に大きい原子力の場合につきましては、減価償却によりまして資本費の逓減の程度が大きくなると考えられますので、運転開始から年を経るごとに燃料費の割合が大きい化石燃料に対して原子力の場合には経済的優位性が高まるだろうというふうに見ております。
○菅野久光君 建設費の関係はどのように見ておられるのですか。
○政府委員(山本幸助君) 建設費につきましては、資本費の割合の高い原子力が一番高うございまして、それに続いて石炭というふうになっております。
 建設費につきましては、先生さっき御指摘のようにだんだん値段が上がっていくじゃないかということでございますが、この点につきましても近年漸増傾向にございますので、そういう意味では今後そういう建設費その他の合理的な運用ということが重要になるというふうに考えております。
○菅野久光君 アメリカではもう建設費が非常に高くなってしまってとても建設費の負担に耐え切れないということで、もう本当に完成直前になってからキャンセルというようなものが相次いでいるというような報道もあるわけですね。ですから、ずっと言い続けてきた原子力は安いというその神話が崩れているのではないかというような意見もありますし、今お話しのようにこれは廃炉費用それから廃棄物の処理費用は全く含まれていない。ほかの電力の関係はすべてのものを含んでの計算ですね。そこのところはどうなんですか。
○政府委員(山本幸助君) 先生のおっしゃるとおりでございまして、一般にほかの電源につきましては全部計算ができるけれども、原子力につきましては廃炉とそれから放射性廃棄物の最終処分というのが現在は計算に入っておりませんが、これにつきましては現在専門家を集めまして鋭意検討をいたしておりまして、最近までの知見によりますれば大体発電原価の一割ぐらいだろうということで、先ほど申しましたように十三円程度が十四円を若干超えるというふうに考えております。
○菅野久光君 そういったようなことで、どの燃料よりも原子力の場合には安い電気を供給することができるということは、そういったような廃炉費用だとか廃棄物の処理の費用を含めればそれはそういうことになっていかないということは、これはお認めになりますね。
○政府委員(山本幸助君) おっしゃるように、運転開始初年度につきましては原子力と石炭火力はほぼ並ぶというふうに考えております。ただ、その後、年を経るに従いまして減価償却が進みますと、燃料費の割合の少ない原子力は非常に優位になるということで安くなっていくということでございます。
○菅野久光君 経済性は失われてきているというような状況になってきているというふうに思うんですが、それよりも今のこの計画で、今の倍の原発をつくるという計画になるとすれば、本当に今後、七十五年ですから十五年間に大幅な立地拡大が可能だというふうにお考えなのかどうか、その辺はいかがでしょうか。
○政府委員(山本幸助君) その点につきましては、私どもといたしましては我が国の電力の安定供給を確保するためにその達成に向けて最大の努力をしたいと考えておりますが、原子力につきましては大体着工からでき上がるまで十年ぐらいを要します。したがいまして、先ほど申しました七十年度までの計画につきましては、大体現在その計画が動き出しているというものも多うございますので、七十年度の先ほど申しました目標につきましては十分達成可能というふうに考えております。
○菅野久光君 では七十年度までにあと二十八基はつくれるというふうに考えている、その見通しはあるというふうに確認をしてよろしゅうございますか。
○政府委員(山本幸助君) 原子力につきましてはいろいろ難しい問題がございます。私どもといたしましては、地元の御理解を十分得ながら今後の我が国の電力の安定供給の確保という観点から最大の努力をしたいということで電力会社にも十分指導し、私どももその目標達成に万全を期したいというふうに考えております。
○菅野久光君 いや、最大の努力はわかるんですよ。こういう計画を立てるんですから、計画をやっぱり実現するためには最大の努力をしなきゃならぬ。しかし、今までの原発の立地にかかわって相当いろいろな問題がある、そういう中でこういう計画を立てたら、この計画を実施しなきゃならぬ。それで、今までのそういったような経過を含めて、今の倍の原発をつくるということになるわけですね。それが本当に可能なのかどうなのか、そこのところは私はどうも、これはまあできてみなきゃわからないといえばそれきりですけれども、しかし、この計画が狂ったときにはこれは大変なことになりますね。昭和七十年までのその計画、これは今そういうことで計画を立てている、この見直しはやるんですか、やらないんですか。
○政府委員(山本幸助君) 電力の施設につきましては、施設計画ということで毎年度毎年度見直しております。そういう意味では、毎年度毎年度その進捗状況を見ながら見直しつつ進めていくというのが現状でございます。
○菅野久光君 それでは、十年の間に今の倍の原発をつくるという計画を立てているが、毎年毎年その状況を見て修正等もあり得るということですね。
 そこで、今の倍の原発をつくっていく、そういうことで実際に先ほど言いましたように、その経済的なメリットというのは、もう建設費は何ぼ安くするといっても、今よりも安くなるということは常識的にはこれは考えられないですね。それから、先ほど言いましたような放射性廃棄物あるいは廃炉の費用の問題、こういったようなもの等を考えた場合に、もうこの経済的なメリットがない、そういう中でこのことが推進されるということについては、私は疑問を一つ投げかけておきたいというふうに思います。特に放射性廃棄物の問題についてはまだ処理の技術が確立をしていない。科技庁ではほぼ確立をしているような言い方をしておりますけれども、これはほぼであって、ほぼというのがどの程度を指してほぼというのかこれはわからないんで、しっかりした形でその処分の技術というものが確立されているというふうには思わない。そういう中でどんどんそれがふえるような、そういう形でこれから進められるということについてはこれはまあ疑問がありますし、またこのことについては別な機会にやらさしていただきたいというふうに思います。
 今、通産省の資料を見ましても、原発のシェアがだんだん上がっていく中であっても石炭火力が高稼働率を示しております。こういったようなところから見ても、しかも今石炭は非常に安くなっているわけですね。ですから、この経済性ということを考えていった場合に、原子力よりも石炭火力を今後重視することが有利ではないかというふうに思うんですけれども、その辺はいかがですか。
○政府委員(山本幸助君) 現在、電源開発につきましては脱石油ということで進めておりますが、その石油代替エネルギーの一番基本となるのは、先生御指摘のように、原子力と並んで石炭火力でございます。そういう意味で、私ども現在、原子力発電とそれから石炭火力発電というものに力点を置いて進めております。
○菅野久光君 いずれにしろ、電源の多様化ということは、いかなる事態にあっても対応できるという意味では非常に私は大事なことだというふうに思うんですね。そういう意味で、このエネルギーの安定供給の確保にとって大事な電源の多様化という問題について、電源のベストミックスということについて通産大臣はどのようにお考えなのか、お伺いをいたしたいと思います。
○国務大臣(村田敬次郎君) 電力の安定供給を確保してまいりますためには、電源の多様化を図りながら着実な電源開発を推進していくことが重要でございます。菅野委員御指摘のように、電源の多様化に当たりましては、今後とも流動的と予想される内外のエネルギー情勢に適切かつ弾力的に対応でき、さらに、今後とも予想されるエネルギー価格の実質的上昇を緩和できる、バランスのとれた電源構成となるように配慮をする必要があると考えます。これらの点を踏まえまして、電源構成の適正化を進めてまいる所存であります。この結果、昭和七十年度末における電源構成は、設備面では、石油・LPG火力において、昭和五十九年度末時点の五千八百万キロワットから四千九百万キロワットと減少をいたします。石油代替電源としては、原子力四千八百万キロワット、それから御指摘の石炭火力二千百万キロワット、LNG火力四千三百五十万キロワット、水力四千二百万キロワットと、全体として昭和五十九年度の六一%から昭和七十年度の七六%に増加をいたしまして、電源の多様化が着実に進む、こういう見通しをいたしておるところでございます。
○菅野久光君 そのベストミックスということで、単純に、例えば原発は何%、石炭火力は何%ぐらい、そういったようなことでお示しいただけますか。
○政府委員(山本幸助君) 各電源につきましてはそれぞれ特徴がございまして、例えば原子力というのは、先ほど申しましたように、初年度の運開はともかくとして、年を経るに従いまして、大変、経済的面あるいは安定性の面ではすぐれております。それに対しまして、例えば石油火力は、これは燃料費が高こうございますからキロワット当たりは高うございますけれども、そのかわり、非常にそのときの需要に応じて増減が可能であるということで、そういう負荷平準と申しますが、負荷平準化が、負荷追随性が非常に高いということでございます。石炭火力につきましてはちょうど中間かと思われますけれども、そういう意味では、ベースとして原子力、それから石炭、それからさらにLNG、それから負荷追随性の高い石油というのを臨機応変に動かしていくというのがベストミックスかと思われますけれども、現在時点、昭和七十年度を考えますと、そうはいっても全部白紙からつくるわけじゃございませんで、今現在ある発電所、さらにこれから精いっぱいつくっていく発電所ということでつくりますと、先ほど大臣が御説明されましたように、大体、全体が、石油以外が七六%、石油が二十数%というのが七十年度にできる姿でございますけれども、これが別にベストミックスというわけではございませんけれども、現在の状況、既にございます発電所、それから、現在これからつくっていける発電所というのを考えますとこういうミックスになるだろう。さらにこれが、八十年度とかあるいは二十一世紀を見ますと、先ほど言いましたように、ベースロードとして最も適当なのはどれか、それから負荷追随性、需要の伸びに応じて増減できるのはどれかということで、その両方の組み合わせを考えていくということになろうかと思います。
○菅野久光君 ある程度の理想的なベストミックスというものを考えていかないと、何かどんどんどんどん原発がふえていって、そのベースロードが非常に高くなってしまう。これは経済性ということでは確かにそうですけれども、しかし、危険性という意味では一番危険度の高いものなんですね。それがもしも何かまずいことがあったときに、それは大変なことになるんじゃないか。だから、経済性ということだけではなくて、危険性の問題も含めてある程度のところで抑えておかないと、私はベストミックスということにはなっていかないんじゃないかというふうに思うものですからお尋ねをしているわけなんです。このことについては今後ひとつ十分に研究をして、ただ単なる経済性の問題だけであってはならない問題だというふうに思うわけです。
 先ほどからお話がありましたように、昭和七十年までに今の原発の倍つくるということで、これは立地の問題なんかについては、ほんとに私は大変な問題だというふうに思うんですけれども、今後そういったようなことにかかわって、原発の立地についてどのような基本方針で通産大臣は臨もうとされているのか、そこをお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(村田敬次郎君) 電源のベストミックスということで、菅野委員の御質問にお答えを先ほど申し上げたわけでございますが、もちろん、これらの組み合わせは事態の推移とかいろいろな問題があるわけでございますから、そういった事態の推移に伴って、もちろんフレキシブルに対応できるものでなきゃならないと思います。
 ところで、今御指摘になりました原子力発電所の立地の問題でございますが、原子力発電は供給の安定性、それから経済性などにすぐれた電源であり、石油代替電源の中核として今後とも積極的な開発を進めてまいる所存で、先ほど申し上げましたベストミックスでもそのことを考えておるわけでございます。原子力発電所の立地に当たりましては今後とも安全性の確保に万全を期するとともに、地元住民の理解と協力を得ながら進めてまいる所存でございます。
○菅野久光君 電源の問題につきましては、既存のものを休ませて原発のベースロードで必要なときにそれを稼働させてというようなことで現在賄っておるわけでありますが、何といっても十年間に倍にふやしていくということについては非常に凝固を感じざるを得ないということを申し上げておきたいと思います。
 次は、現行の第七次石炭政策の問題でありますが、これは二千万トン体制を目的としながら、実際には千七百万トン程度の出炭量で推移をしているというふうに思います、こうした中で、今回の三菱の高島炭鉱と南大夕張炭鉱の災害、これは出炭量にも大きな影響が出ることが懸念されております。保安の確保を大前提にしながら当面の国内石炭政策について、政府はどのような基本政策で臨もうとしておられるのか。通産大臣の所見をお伺いいたします。
○国務大臣(村田敬次郎君) 我が国にとって石油依存度の低下、それから石油代替エネルギーの導入、開発というのが国家的な課題だろうと思います。
 国内炭でございますが、国産の石油代替エネルギーであり、昭和五十六年八月の石炭鉱業審議会の、今御指摘になられました第七次答申も国内炭を「エネルギー供給の安定性と安全保障機能を高める役割を果たし得るもの」と位置づけておるわけでございます。しかし、国内炭の採掘については、非常に困難な事情があるわけでありまして、五百メーター、千メーターの深いところで採掘をいたします関係で、お働きになる方々も大変な御苦労でありますし、しかも、今回のような炭鉱事故が発生をいたしますと、果たしてこれでよいのかといったような疑問もいろいろ起きてくることは事実でございます。
 しかし、政府といたしましては、第七次の答申に従った二千万トン計画というのを現在変える気はございません。やはり石炭企業の置かれております地域的な重要性あるいは雇用の問題、また先ほど私が申しました旧産のエネルギーであるという重要な問題等を考えてみますと、現在第七次の答申を変えることは得策でない、こういう判断をいたしております。
 そして、今後の問題につきましては、第八次の諮問、答申が今後行われるわけでございますので、これは答申が行われました段階において判断をすべきものと考えております。
○菅野久光君 政府は当面、第七次石炭政策を引き続き推進をするということでありますが、現行の七次石炭政策は、明年、昭和六十一年度末で期限が切れることになっております。このために通産省はことしの夏にも第八次石炭政策について石炭鉱業審議会にこれを諮問をするということで、来年の夏に予想される答申をもとに新しい政策を決定するというふうに固いております。
 八次政策では、二千万トン体制を大きく見直すことになるのではないかという観測が流れております。第八次政策の方向を含めた石炭政策の位置づけについては、そのあるべき姿について、本委員会でも今後関係者の意見を広く聞いて論議を深め、対策樹立に資するように努める必要があるというふうに思っておりますが、政府においても現行のこの石炭政策が後退しないように、現在の石炭鉱業の置かれている厳しい環境に十分配慮しながら第八次石炭政策の方向について前向きに検討を行うべきであるというふうに私は思うわけですけれども、通産大臣の決意をひとつお伺いいたしたいというふうに思います。
○国務大臣(村田敬次郎君) 菅野委員、大変エネルギー全般についての御理解のある前提でいろいろ御質問をいただいておると思います。感謝をいたします。
 実は、第八次石炭政策につきましては、御指摘がありましたようにことしの夏ごろから石炭鉱業審議会で一年程度かけて検討される見込みである。
 一つここで具体的な例を御紹介したいんですが、北海道南大夕張事故が起こりました直後に、例えば自民党の渡辺幹事長代理が新聞記者会見をいたしまして、もうこういうことになると石炭対策というのを見直さなきゃならないのじゃないかという意見を発表なさいました。私は、十七日に災害が起こって十八日の早朝すぐに北海道へ飛んだのでございますが、私は、政府としては、先ほど来申し上げておるような既定の第七次答申の線を守るということを現場でも申し上げ、そして第八次についても渡辺幹事長代理とは違った意見を持っておりましたので、たしか二十日ごろでございましたか、渡辺幹事長代理とお目にかかりまして、あなたの記者会見は読ましていただきました。しかし、私は第八次石炭政策については渡辺先生と同じ意見ではございません。第八次政策は、ひとつその答申をまってフランクに検討する、もちろんそういう立場でございますが、国内炭を重要視するという立場とか、現地のいろいろそういった事情も重要視するという立場を離れて第八次対策を見るわけにはいかないと思っておりますということを率直に申し上げました。渡辺幹事長代理は、いや、通産大臣としてはもっともだと思うと。これはひとつ、意見が平行線であるかもしれないが、お互い国のためを思ってやることだから、よく検討しようじゃないということになっておりまして、私は、今の菅野委員の御質問に対しましては、第八次石炭政策は答申が出た段階でフランクに見ていくということでお答え申し上げておきたいと存じます。
○菅野久光君 通産大臣から大変力強い石炭産業に対する今後の第八次答申に向けての考え方をお聞かせいただきまして本当にありがとうございました。今の大臣の言葉を山の人たちはみんなやっぱり期待をしているというふうに思いますので、今後ともさらに石炭政策を推進するためにひとつ御努力いただきたいということを申し上げて私の質問を終わります。
○沖外夫君 私は、自由民主党を代表して、村田通産大臣に五点、そして竹内科学技術庁長官に三点について質問を申し上げたいと思います。
 まず第一に村田通産大臣に長期エネルギー需給見通しについて御質問を申し上げ、第二点には、電力の安定供給確保とコストの低減について、第三番目には原油価格の影響はどういうふうに取り組んでおられるか、第四点には第八次の、今ほど同僚議員の菅野さんにも基本的に御説明がありましたが、その石炭価格の問題等について御質問いたしたいと思うわけであります。第五点には電源立地対策と地域振興について、以上五点についてこれから私質問をさせていただきたいと思います。
 まず第一の長期エネルギー需給見通しについて、先般当委員会におきまして村田通産大臣の所信表明がありましたとおり、非常に資源の乏しい我が国にとってエネルギーの安定供給確保ということは国家を挙げて取り組まなきゃならない私は重要な問題であると認識をいたしておるわけでありまして、政府は、昭和七十五年までの長期エネルギー需給見通しの中で、石油依存度を七十年度を目標に五〇%以下に低減することとして、そのためには今後のエネルギー需給の増加分は石油代替エネルギーによって賄わなければならない計算になっておるわけであります。
 先般の日本エネルギー経済研究所の生田理事長が当委員会での意見陳述の中でエネルギーの指定席について話しておられますように、私も将来のエネルギー増を展望する場合はそれぞれエネルギー源の持つ特性を十分にアセスして需給の安定性あるいは経済性をうまくミックスすることが望ましい姿だと思うわけであります。今後二十一世紀に向けて極めて脆弱なエネルギー供給体制に、我が国の場合、総合的なエネルギー政策をどのように展開されていくべきか、基本的な問題をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(村田敬次郎君) 沖委員から非常に基本的な問題について御質問をいただきました。お答えを申し上げます。
 まず基本的に申し上げますと、我が国のエネルギー事情というのは非常に日本自体に資源が乏しくて石油依存度が極めて高いということでございます。これはホルムズ海峡依存度あるいは中東依存度、そういう意味でも大変な高さでありますし、しかも原油の供給については九九%以上を外国産に頼らざるを得ない、輸入に頼らざるを得ないという非常に脆弱な状態がある。したがって、まず基本的にはそういう原油依存度というのを引き下げていかなきゃならぬ。沖委員御指摘のように、例えば石炭であるとか原子力であるとか、そういったものによって全体を賄っていく長期体制をとっていかないと、非常に供給体制が不安定だと、これが基本だと思います。昭和五十七年度で申しますと、石油依存度が我が国では六二%、これをひとつ七十年度には四八%まで石油依存度を引き下げていこうというのが基本でありまして、そのためには先ほど来菅野委員の御質問にもお答え申し上げましたように、原子力であるとか石炭であるとかそういった石油以外の供給源というものを重要視し、そしてそういうものによって長期安定供給体制を図っていくというのが基本であると思います。そういったことによって昭和七十年を目標といたしまして石炭の依存度が一八%、原子力が一四%、天然ガスが一二%、水力五%、それから新エネルギー等あるいは地熱を含めて五%、石油が先ほど申しました四八%ということで、長期エネルギー需給見通しとしては供給源に相当の変更を生ずる、こういう前提で物事を考えておる、エネルギー供給体制を考えておると、こういうふうにお答えを申し上げたいと存じます。
○沖外夫君 二番目に、電力の安定供給確保とコストの低減についてお伺いいたしたいと思います。
 将来のエネルギー問題を考えた場合に、何といってもやはり一次エネルギー消費の三割を占める電力部門についてどのようなシナリオを描いていくかということが極めて重要であります。電力についての安定供給はもちろんのことでありますが、電力料金が産業及び国民生活に与える影響、これが極めて大きいために、昨今はセキュリティーとコストの調和が強く言われているところであります。そこで、将来とも電力需要が増加するものと予想されるものとして、これに対応して政府はどのような姿勢で臨まれていくのか、基本方針をお伺いしたいと思うのであります。
○政府委員(柴田益男君) 先生御指摘のとおり、将来の笛方需要の増加に対応してまいりますためには、安定供給、いわばセキュリティーの確保とコストの低減、この二つのポイントを踏まえながら進めていく必要があろうかと思うわけでございます。そういう意味におきまして、まず電源開発に当たりましては各電源の経済性、それから燃料供給の安定性、それからまた負荷追従性と、そういうものを考慮して電源開発を進めておりまして、バランスのとれた電源構成を目指したいと、こういうふうにいたしているところでございます。特に原子力発電あるいは石炭火力等の石油代替電源の開発を進めてまいりたいということでございまして、供給の安定性とコストの低減という方向で諸般の政策を進めていくということでございます。
○沖外夫君 第三番目に、原油価格の影響等について少しお尋ねいたしたいと思うわけであります。
 御承知のとおり、経済社会の基礎物資であります石油製品の安定供給を確保するためには、石油産業の構造改善対策を積極的に推進することが極めて重要だと思うわけであります。特に、近年の石油製品需要が軽油化へと変革している中で、重質油の分解設備等の導入あるいは設備構造の高度化を図る、こういった需要動向への的確な対応が迫られているわけであります。また、石油価格が今ドルベースで下がっているのも、一方為替の面ではまた円安が大きく影響いたしまして、円ベースで見ると逆に値上げになっておると、こういう現状かと思うわけでありますが、そこで、これらが今後の為行動向に左右されるわけでありますけれども、現下の石油産業の経営状況及び構造改善の見通しについて、通産省の所見を伺いたいと思います。
 もう一つ、最近新聞等で見ますと、何か産油国あたりからの安いガソリンの輸入問題が報ぜられておるわけでありまして、これに対する今後通産当局としてはどうお考えをなさっておるのか、以上、二点お伺いしたいと思います。
○政府委員(柴田益男君) まず、御質問の第一点の円安の問題でございますが、原油の輸入価格はドルベースで見ますと五十九年四月と六十年三月、ことしの三月を比較しますと、バレル当たり約一ドル原油の価格は下がっているわけでございますが、他方、御指摘のように為替レートも円安によりまして、円ベースにいたしますと逆に一キロリッター当たり五千円程度上昇しているわけでございます。したがいまして、五十九年度の石油会社の収支状況でございますけれども、公表しておる十四社について見ますと経常利益はトータルで六百三十九億円ということでございまして、この経常利益の背景としまして為替差損が四百二十三億円あるということでございまして、五十八年模は為替の利益が八百九十九億円あったのでございまして、五十九年度は逆に差損が四百二十三億円、そういう状況でございまして、十四社のうち相当程度が経常利益が赤というような状態になっているわけでございます。
 他方、石油業界の構造改善の問題でございますけれども、御指摘のように日本の石油産業の場合、欧米諸国に比しまして重質油分解設備等の二次設備の導入が大変おくれております。そういう意味で石油製品の需要構造が中軽質化、ガソリン、灯油、軽油、ナフサ、そういうものに傾斜しておりますので、そういうものに合わせまして二次設備の導入を図る必要があるということで、去る三月三十日に石油審議会において二次設備の許可をいたしたわけでございまして、今後とも石油業界の構造改善につきましては石油審議会の小委員会で今議論を進めているところでございます。
 最後に、石油の輸入の問題でございますが、この問題につきましては、海外から石油製品についての国際化の問題についていろいろ要請があることは事実でございます。この問題は日本の精製業だけじゃなくて、中小企業が大半を占めております流通業界、スタンド業界、これに非常に影響があるわけでございまして、今慎重に取り扱う必要があるということで石油審議会の小委員会で諸先生に集まっていただきまして、いろいろ議論をしていただいているところでございまして、この小委員会の結論をまって対応したい、そういうふうに考えております。
○沖外夫君 ぜひひとつ市場の混乱の起きないように適切な指導監督をお願いをいたしたい、かように思うわけであります。
 次に、第四番目に、第八次の新石炭答申についてでございますが、先ほど同僚議員の菅野さんからの御質問に大臣から大変御丁重な、わかりやすく基本的な問題の御答弁をいただきましたわけでありますが、ことしの夏ごろから具体的にいろいろ第八次の石炭計画についての検討の作業に着手されるということを問いておりますが、その場合、やはり私は新石炭対策の一番大きな問題となるのは何といっても国内炭の位置づけと申しましょうか、あり方がどうかというのが一番大きな問題かと思うわけでありまして、最近海外炭との価格差の問題、しかも国内の産業界のいろいろなユーザーの協力を得ないとこれもなかなかやっていけないというのが実態がというふうに思っておるわけでありまして、この価格の国内炭の位置づけの問題と、それから他のユーザーの協力体制というものについて政府はどういった基本方針をお持ちなのかお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(村田敬次郎君) 沖委員にお答え申し上げます。
 第八次石炭政策につきましては、御指摘のようにことしの夏ごろから石炭鉱業審議会にかけまして、一年程度をかけて検討をされるという見通してございますが、ところで国内炭のあり方と申しますか、基本的な問題でございまして、我が国の石炭産業というのは、最盛期に比べれば、採取石炭量もそれからまた従事をしておられます方々の数も激減をいたしておりますことは沖委員御承知のとおりでございます。これは何と申しましても石炭採掘条件が圧倒的に違うわけでありまして、例えばオーストラリアに例をとってみますと、非常に良質の石炭が露天掘りで幾らでもとれるというような採掘条件、日本の場合は五百メーター、千メーターの非常に深いところでいわゆる深部化、奥部化がどんどん進んでおる。これでは採取条件においてフェアに対応できないのは当然でありまして、したがって外国炭と国内炭の値差というのはどんどんどんどん広がっているというのが実態だと思います。石炭産業に働いていらっしゃる方は本当に真摯な努力を積み重ねられておるのでございますが、そういう自然的な条件、いろいろな条件の差というものがそういう価格差になってあらわれております。
 したがって、御指摘のように石炭産業が今後発展的に推移をしていくためには、例えばユーザーの方、鉄鋼業界、電力業界、そういったユーザーの方々が、他差はあるがこれはひとつ国内炭が非常に重要であるのでこれを買っていこうという自覚に基づく御協力、そしてまた石炭業界の方々が保安努力を十分にやっていただきながら、しかも企業の合理化もしていきながら自助努力をしていただいて、今後も国内炭をとっていただく、そしてそれに対して政府としても国内炭政策というものをいろんな形で援助を申し上げていかなきゃならぬ。石炭産業の方々の自助努力とユーザーの御協力と政府の支援、この三者が相まって今後の国内炭対策というものが成り立っていくものだと思います。非常に難しいいろいろな問題があるわけでございますが、それに対応していかなきゃならぬということを考えておりまして、第八次石炭政策を考える場合も、その三者の協力はこれはもう欠くことのできない条件だと思います。
 そしてまた、御指摘がありましたように、石炭産業の置かれておる地域的な重要性、例えば夕張市の炭鉱の場合はまさに炭鉱の都市としての形を整えておるわけでありますし、それから高島炭鉱の場合は炭鉱の島としての形を整えておる。ここから石炭産業を今直ちに抜いて今後の住民の方々の御生活を考えることができないといったような点もございまして、そういったいろいろな事情を勘案をしながら第八次石炭政策を考えていくことになろうか、このような基本的な認識でございます。
○沖外夫君 全く今、大臣の御答弁のとおりだと私も共感を持つわけでありまして、特にエネルギー問題は御案内のとおり極めて我が国の国家政策としても重要な課題でありますので、ぜひひとつナショナルセキュリティーという立場からも、石炭産業というものの今後とも理解ある政府の御指導を賜りたい、かように思うわけであります。
 通産大臣に、最後に、電源の立地対策と地域振興についてお尋ねをさせていただきたいと思うわけであります。
 申し上げるまでもなく、どのエネルギー源を用いるにいたしましても、電源立地はこれを受け入れる地域とそれから経済的にも社会的にもまた住民の日常生活にとってもいろんな形で大きな影響を受けるわけであります。これらの諸問題を調整するために電源三法等を中心に国としての施策を論じておりますけれども、これからの立地では利害の調整あるいはさらに厳しい困難を伴ういろんな諸問題が予測されるわけであります。政府としても新しい調整案を考えておられるならひとつ教えていただきたいというふうに思いますし、また地域経済社会の振興には電力その他エネルギー需給が密接に関連をいたしておりますが、諸産業の立地の兼ね合いも御配慮願いまして、それぞれの地域の特性を十分生かしたような施策が非常に私はこれから大事ではなかろうかというふうに思っておるわけであります。特に、我々北陸地区という特殊な関係もありまして、何かそれらの問題について地域の特殊性を生かした施策が政府としてあるのかどうか、通産大臣の所見を伺いたいと思います。
○政府委員(柴田益男君) 従来から電源立地の円滑化を図るために、電源立地促進対策交付金を中心としたいわゆる電源三法交付金制度によって電源地帯の整備を図ってきたわけでございます。特に、公共用施設の整備、産業振興等にこの交付金を充ててきたわけでございまして、この施策は今後とも続けてまいりたいと考えております。ただ、先生今御指摘のように、電源地帯においては公共施設の整備ということだけではなくて、新しい産業を振興していく、誘致していく必要がある、御指摘のとおりでございまして、六十年度からは地元市町村の長期的な発展に資するための産業振興を進めてまいりたい、そのための政府としてもお手伝いをしたいということで、コンサルティング事業を中心とした産業育成事業というものも行うことにいたしております。そういうものを活用しながら地域振興を図ってまいりたい、そういうふうに考えているところでございます。
○沖外夫君 ただいま、柴田長官から大変適切な御答弁いただきまして、ぜひひとつ地域振興ということで、私も北陸でアルミ産業という地域と極めて密着した事業をやっておりますので、そういう点から考えましても、今後我が国のエネルギー、それから地域の電源の確保ということが非常に重要な私は課題だというふうにとらえておりますので、今後格別また大臣等も御理解を賜りたい、かように思って質問を終わります。
 次に、科学技術庁長官に三点についてお尋ねをしたいと思うわけであります。
 その第一点は、原子力研究開発の国際協力についてでございます。
 近年、中曽根総理も強調しておられますように、中国あるいは韓国、ASEAN諸国を中心とした開発途上国との結びつきが科学技術あるいは資源、エネルギー、その他の面で極めて重要性を増しておるわけでありまして、特に原子力については我が国がアジアの中で唯一の先進国であり、また各国から我が国に寄せられている期待も極めて大きいと聞いておるわけであります。したがって、我が国としても原子力先進偶としての国際責任を果たす観点からこれらの期待にこたえ、この分野での開発途上国との協力を積極的に進めていくことがぜひとも必要ではないかと考えるわけでありますが、我が国の協力の現状はどうなっているのか、また今後どのような進め方をされていくのか、科学技術庁としての御方針を伺いたいと思うわけであります。
○政府委員(中村守孝君) 開発途上国と我が国との原子力分野での協力の現状及び今後の進め方についての御質問でございますので、この点についてお答えさせていただきます。
 先生御指摘のように、我が国は原子力の分野におきまして今や先進国の一員になっておるわけでございまして、発展途上順の原子力分野に対する協力につきましてはそれなりの責任というものを担っておるかと思います。そういう観点から、従来から韓国あるいはASEAN諸国、こういった国々からいろいろ協力についての御要請もございまして、国際原子力機関、略称IAEAと称しておりますが、これの活動の枠内等を初めといたしまして、積極的にこういった要請に対応して協力を進めてきておるわけでございますが、何分にも発展途上国の現在の原子力分野におきます研究対象というものは、放射線の利用というようなものを中心に進められておりますので、現在までのところそういったものを中心に進めてきております。
 さらに、中国との関係につきましても、現在日本と中国の間の原子力協力協定というものを結んで、これで本格的に協力を進めようという状況にございますが、まだ最終的な協定の締結という段階まで至っておりませんが、私どもといたしましては、協定が締ばれなくてもその範囲内でできるだけのことを協力していこうということで、前々から専門家を交流いたしまして意見交換をするとか、中国のウランの探鉱に協力をするとか、そういうような形で協力をしてまいってきております。
 それで、今後の進め方につきまして、こういう開発途上国に対する協力の必要性というのはますます今後高まってまいりますので、原子力委員会でもその進め方についての基本的な考え方を昨年取りまとめたところでございます。
 この協力の進め方といたしましては、長期的な見地に立ちまして、各国の原子力開発利用の発展段階とそのニーズを踏まえつつ開発途上国が自立的かつ着実な原子力開発を進めるために必要な研究基盤、技術基盤の整備、こういった点に重点を置いた協力を進めたい。特に、具体的な協力の方法としましては、開発途上国との人材交流、特に総合的な研究者の協力というものを、交流というものを当面積極的に推進すべきである、こういう考え方が示されたわけでございます。
 こういった考え方に基づきまして、科技庁といたしまして、昭和六十年度、本年度から開発途上国の少壮中堅の研究者の受け入れ、我が国の研究者の派遣、こういったことを積極的に進めるということで新しい制度をつくりまして、予算もちょうだいいたしまして積極的に研究、人材の交流を図ってまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○沖外夫君 第二番目にはひとつ核融合開発についてお尋ねしたいと思うわけであります。
 我が国のエネルギー供給の対外依存度を軽減していく上で、石油代替エネルギー、とりわけ原子力エネルギーの利用が重要であることは論をまたないわけでありますが、原子力について現在の軽水炉による発電量が二千万キロワット時代を迎えており、今後とも推進していくことが極めて重要だと考えておるわけであります。
 核融合炉が実現した暁には、地上における太陽をつくり出すことになり、エネルギー供給の諸問題は一挙に解決するものと思うわけでありますが、そこで第一に、我が国の核融合研究開発について、先日我々も原研の視察、見学をしてまいったわけでありますが、すばらしい臨界プラズマ試験装置JT60が完成をいたしたと聞いておるわけでありますが、活発なそれらを含めて研究開発が進められておることをこの日で見てきたわけでありまして、非常に力強く思った一人であります。その他、この研究開発全般の現状についてどうなっておるのか、そして今後国際協力を含めてどのような核融合研究開発を進めていくのが科学技術庁長官のお考えか、お尋ねしたいと思うわけです。
○政府委員(中村守孝君) 先生の御質問には、核融合研究開発の現状と、今後の進め方という二点あろうかと思いますが、最初に現状について私から御説明させていただきたいと存じます。
 我が国の核融合の研究開発につきましては、原子力委員会が昭和五十年の七月に策定しました第二段階核融合研究開発基本計画、それから昭和五十七年六月に策定いたしました原子力開発利用長期計画に基づきまして推進されておるわけでございます。
 核融合研究は、現在我が国では日本原子力研究所を中心に進めておるわけでございますが、このほか、大学、国立研究機関においても基礎的な段階での核融合についての研究も実施されております。
 これらの研究につきましては、原子力委員会のもとに設けられました核融合会議で、相互に連絡調整を行いつつ、国全体としての整合性を持って総合的に、進めておるところでございます。
 先ほど先生から御指摘いただきました日本原子力研究所の臨界プラズマ試験装置JT60につきましては、四月の八日に最初のプラズマ実験を行いまして、このプラズマ点火に成功したわけでございます。その後も極めて順調に運転をしておりまして、現在まで既にプラズマ電流で百万アンペア、放電時間三秒という成績を上げておりまして、今後も着実な成果を上げるということを期待しておるわけでございます。
 JT60につきましては、今後プラズマ温度を高めるための加熱装置の据えつけを行いまして、六十二年度には臨界プラズマ条件の達成を目指す、こういうことで進めております。
 日本原子力研究所で進めておりますのは、この大型のトカマク方式による開発でございますが、大学及び国立研究機関において基礎的ないろいろな研究を進めております。トカマク方式についても、いろいろな基礎的な研究が必要でございますので、こういったものも大学でも進めておりますが、そのほかにミラー方式、ヘリオトロン方式あるいはレーザー方式といった各種の方式がございます。これらについては国際的にもいろいろアイデアを出し合って研究をしておるところでございまして、いずれもまだトカマク方式に比較いたしますとかなりな開きがございます基礎的な段階の研究を行っておるわけでございます。
 しかしながら、トカマク方式で最終的にこれが実用化できるかということについての見通しというものについては必ずしも得られているわけでございませんで、いろいろな方式についての将来の評価検討ということが必要になるわけでございまして、現在のところまだこのミラー方式、ヘリオトロン、レーザー方式等は基礎的段階でございまして、トカマク方式と一線に並べて比較評価するという段階までは立ち至っておりません。
 こういったことで、これらの基礎的な研究開発につきましては、大学を中心に進めていただきまして、それらが臨界プラズマ条件達成の見通しを示し、炉として構想できると判断できるようになった段階におきまして、トカマク方式との比較検討を行いまして、その後の段階の計画を慎重に検討してまいるということにいたしておるわけでございます。
 さらに、核融合につきましては、まさに太陽を地球の上に持ってくるというようなことでございまして、極めて技術的にも克服しなければならない課題が多うございまして、一国だけの力でこれを達成するということはなかなかに難しい問題でございまして、ぜひとも国際協力というものが必要な分野であろうかと存じております。
 そういうことで、従来から我が国におきましても国際協力を積極的に進めてまいりまして、日本とアメリカの間では積極的な共同研究計画を進めておりまして、ダブレットV計画というものを初めといたしまして、基礎的な段階ではプラズマ物理の共同研究等各種の共同研究を進めております。
 さらに、OECDの国際エネルギー機関すなわちIEAにおきましては、超電導マグネット計画と申しまして、各国から超電導マグネットを持ち寄ってお互いの技術について評価検討をする、そういうような計画を初めといたしまして、もろもろの共同の研究計画を進めております。
 さらに、国際原子力機関、IAEAという機関がございますが、ここでも大型トカマク炉の共同設計についての研究を初めといたしまして、各種の共同の調査研究が進められておる、こういうようなことで、国際協力につきましても我々として一生懸命取り組んでおるところでございます。
○沖外夫君 この間本委員会のメンバーで二日間東海村の視察に行ってきたわけでありまして、私はやっぱり百聞は一見にしかずと実感を持って感じてきたわけでありますが、まず所長以下研究者の皆さんが大変自信を持って御意見を発表されていた。特に安全性の問題、それから技術の水準の問題等々、さすが我が国の研究者の水準がいかに高くて、しかも大変な努力をされておるということを肌で感じてきたわけでありまして、非常な感銘を受けたわけであります。今後とも一層今ほとおっしゃったような方向で頑張っていただきたいというふうに思っておるわけであります。
 最後に、海洋開発についてひとつ三番目に御質問いたしたいと思いますが、我が国は海洋に取り巻かれている島国であり、今後これまで以上に海洋の開発、特に海洋エネルギー、鉱物資源等の膨大な有用資源の開発を推進する必要があると考えるわけであります。しかしながら、海洋の開発を行うに当たっては厳しい環境を克服するための技術開発を進める必要があるわけでありまして、科学技術庁としては今後海洋エネルギーを含めた技術開発をどのように進めていくのか、長官のお考えをお伺いしたい。
 また、海底資源の調査のための深海調査船の開発状況等、今後の取り組み方についても伺いたいと思うわけであります。
○国務大臣(竹内黎一君) お答えいたします。
 海洋には膨大な資源やエネルギーが賦存しており、また空間としての利用可能性も大きく、海洋開発の重要性については十分認識しているところであります。
 私どもの科学技術庁といたしましては、海洋科学技術に関して総合調整を図るとともに、厳しい財政事情のもとではありますが、深海潜水調査船システムの研究開発、三百メートル潜水作業技術の研究開発、波力発電装置海明を用いた波力エネルギーの研究開発等の施策を推進することにより、海洋科学技術の積極的な振興を図ってまいる所存であります。
 特に深海潜水調査船システムにつきましては、しんかい二〇〇〇を開発、運用し、多くの成果を上げておりますが、さらに六千メートル級潜水調査船システムの研究を行っているところであります。
 今後ともマンガン団塊等の海底鉱物資源や地震予知に関連する海底地形の調査等に役立つ深海調査及びそのための研究開発を積極的に推進してまいりたい所存でありまして、当面私としてはそういう立場から六十一年度の政府予算においてこの方面の充実に特に意を用いてまいりたいと考えておるところでございます。
○沖外夫君 今、我々経済社会と申しますか、極めて変化、転換期にあると私は受けとめておるわけであります。特に国際化が急速に進んでおる。で、国際経済という大きな枠組みの中でこれから協調し、そして競争していかなきゃならぬ。もう一つは、科学技術がグローバルに、もう宇宙を含めた地球的視野の中でこれから研究、協調をしていかなきゃならぬという時代に入ってきていることは御案内のとおりでありまして、そういう客観情勢、一つの転換期から今後二十一世紀を踏まえて我が国がどうあるべきか。特に無資源順でありまして、しかも世界第二の工業国家という国家の仕組みというものを我々はしっかりとらえておかなければならない。そういう中で、今後十年後二十年後を考えたときに、今日までの日本の繁栄というのは、私はやはり通産当局が、特に日本が重化学工業化へと転進してきた、そしてその世界経済全体の中で変化に積極的に対応してきた施策、こういったものが私は日本の工業社会、今日の国際競争力があって豊かな日本が形成されたというふうに思うわけでありまして、今後それらを踏まえてこれから我が国の五年先十年先の、特に転換期における産業政策、通産の御指導、これが私は重要な我が国の将来に影響を及ぼしますので、過去の実績も踏まえ、今後通産大臣のますますのひとつ国家政策を長期的に見据えて御指導いただきたい、かように考えておる一人であります。
 なお、科学技術におきましてもさらにひとつ世界的視野で今後研究開発に思い切って金をかけて世界の技術におくれないように頑張っていただくことを心からお願いいたしまして私の質問を終わりたいと思います。
 どうもありがとうございました。
○委員長(田代由紀男君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩します。
   午前十一時四十分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時二分開会
○委員長(田代由紀男君) ただいまからエネルギー対策特別委員会を再会いたします。
 休憩前に引き続き質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
○太田淳夫君 最初に、午前中も同僚委員から質問がございましたけども、今後の石油の安定供給のことにつきまして通産大臣から最初に、今後どのような施策を展開していくのかお考えをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(村田敬次郎君) お答え申し上げます。
 現在、中東地域ではイラン・イラク紛争がずっと続いておるわけでございますが、両国による都市攻撃、船舶攻撃、イラクによるカーグ島攻撃など情勢は非常に緊迫化しておりますが、戦況を大きく左右するには至っていないものと承知をしております。今のところこのようなイラン・イラク紛争の国際石油市況への影響は余り見られないという認識をしておりまして、石油市況は需要の低迷を背景に軟化傾向を示しているところでございます。しかし、日本といたしましては石油の九九・八%を輸入に依存しておるわけでございまして、石油の安定的供給の確保が我が国の安全保障上必要不可欠だと考えております。
 御指摘の石油供給源、中東を主体、専ら中東ということでなしに、供給源を多角化することに努力をしたい。我が国の石油輸入に占める中東依存度が第一次石油危機時の七八%から七〇%、約八%減少しておりますが、一層の多角化の進展を期待しておるわけでございます。こうした多角化に加えて、石油備蓄の着実な増強だとか、石油の自主開発の推進だとか、IEAを通じた国際協力の促進などに努めているところでございまして、今後ともこれらのエネルギー対策を積極的に推進いたしまして石油の安定供給ということの確保をしてまいりたい、このように考えておるところでございます。
○太田淳夫君 今大臣のお述べになりました供給源多角化の進展という問題でございますけども、これにつきましては具体的にどのような今まで努力をされてまいったのか。そして今後どのようなことを進めていこうとされているのか、その点どうでしょうか。
○政府委員(畠山襄君) 今大臣からお答え申し上げましたように、一九七三年、これは石油危機の年でございますけれども、そのときの中東への依存度が七八%でございました。それに対しまして現在七〇%ということで、八%の依存度低下を見たわけでございますが、この間シェアがふえてまいりましたのが中国でございます。中国が当時ほとんどゼロだったのが今六%に到達をいたしております。それからメキシコでございます。メキシコはいろいろGGベースその他で努力を行いまして、今四%という状況になっているわけでございまして、この二つが主な努力の対象であったかといえばあったわけでございまして、今後ともこういった中東でない国々からの原油の調達、あるいは開発地域の選定、そういったことを通じて多角化に努めてまいりたいというふうに思っております。
○太田淳夫君 しばらく前でしたか、アラスカ石油の話も伝えられておりましたけど、これはどのような問題なんでしょうか。
○国務大臣(村田敬次郎君) これは最近のことでございますからお答え申し上げましょう。
 ボン・サミットへ行きますときに実はアンカレジへ立ち寄ったわけでございますが、ちょうど中曽根総理の御一行がアンカレジにおりました。そして中曽根総理を訪問してシェフィールド・アラスカ州知事が来ておりまして、これは決してたくらんだわけじゃないんですが、非常にいい場ができたものですから、アラスカの知事にひとつぜひアラスカ原油の輸出について一段と努力をしてほしいと、こういうことを申し上げたわけです。シェフィールド知事はよくわかります、ひとつそれについては具体的に努力をいたしましょうということでその場は別れたわけでございますが、それに先立って既にシェフィールド知事から中曽根総理あてにクックインレットという原油を、これは州のロイヤリティー分で五千三百ないし五千九百バレル・パー・デー日本に輸出してもよいという意向が示されておりまして、このクックインレットの原油についてはアメリカ議会の同意がなくても大統領決定で輸出ができるということがございまして、まずこれを皮切りに将来はノーススロープのいわゆるパイプラインを通じてアメリカの議会の同意の要るアラスカ原油についても輸出措置をとってもらいたいという、こういう要請をしておるところでございます。これはたまたまボン・サミットに先立つ日米首脳会談でも話が出ておりまして、レーガン大統領と中曽根総理との間にこれについての前向きの対応がございました。私はその場におりまして、その首脳会談よく聞いておりましたわけでございまして、順次進展をするのではないかと、このように期待をしておりますが、ただこれは太田委員に申し上げておかなければならないのは、まず皮切りにどっとふえるということではないのでございまして、だんだんふえていくというそういった行き方ではないかと思っております。
○太田淳夫君 今お話聞きますと、一度に量がふえるのでなくて、アメリカのいろいろと金融政策なんかもありますけども、その一つの突破口としてこれが今後だんだんだんだんと広がっていく可能性というのを含んでいるということでございますね。
 それから、自主開発のお話もちょっと出ましたけども、自主開発についてはどのような状況になっておりますか。
○政府委員(畠山襄君) 国内及び海外におきます自主開発の努力の現状及び目的でございますけれども、一九九〇年に百二十万バレルぐらいに持っていきたいということを私ども、その目的、目標として一応審議会から報告を受けております。現状は四十万バレルぐらいでございまして、しかも中東の依存度が、まあアラビア石油という例の大きなのがあるせいもございますが非常に多うございまして、ですからこれから全体としてその四十万バレルをふやしていくということと、それから地域的にも先ほど御指摘のようにこの面でも多角化を図っていきたいということが努力の方向になるわけでございます。具体的な手段といたしましては、石油公団を通じまして探鉱融資、それから輸銀を通ずる開発融資、そういったものを中心に引き続き努力をしてまいりたいと思っております。
○太田淳夫君 自主開発も一時的には相当な企業が進出をして国会等でも石油公団のいろいろな資金の問題等が指摘もされたところでございますが、やはりあの時期に海外で採鉱に当たった技術者等々もその復そういう機会に恵まれずに現場を離れて大切な技術の蓄積というものも失われていってしまったような状況にあるわけですね。どうかそういった意味で自主開発、これはなかなか大変だと思いますけれどもね、それぞれの国々でやっていることでございますし、中東でもあれだけの依存をしているわけですから、堅実に続けてもらいたいと思います。
 次に、先ほどお話のありました備蓄の問題ですけれども、やはり経済安全保障という観点からしましても、この石油備蓄というのは非常な重要な問題になります。そのためにやはり国家資金が使われているわけでございますけれども、現在の民間の備蓄及び国家備蓄の水準はどのようになっていますか。
○政府委員(畠山襄君) 備蓄法に基づきます民間備蓄の水準は、五十五年に目標であります九十日というのを達成いたしまして、現在は九十六日分でございます。
 それから国家備蓄でございますが、これは目標は三千万キロリットルという絶対量で決まっておりますけれども、現在千七百五十万キロリットルでございまして、約三十日分ということでございまして、合計いたしますと百二十六日分という状況でございます。
○太田淳夫君 これはよく指摘をされておりますけども、IEAにおきましては、その平均備蓄水準というのが百六十七日ということでございますので、それに比べますと日本は低いということですね。今お話しのあった分でも最近の原油の需要が減っているところを見ますと多少日数的にはこれはふえるような計算になろうかと思いますけども、それでもまだまだ水準から低いわけですが、通産省としては適正の備蓄水準というのはどの程度を考えてみえるのか、その点どうでしょうか。
○政府委員(畠山襄君) 一応民間備蓄につきましては、やはり法律で推進しておりますが、九十日というのが目標になっておりますので、民間備蓄については九十日分ということであろうかと思っております。
 それから政府備蓄につきましては三千万キロリットルということが目標でございますので、これが何日分に具体的になるのかというのはそのときの情勢に、今御指摘のように消費量等で割るわけでございますので、そのときの消費量によるわけでございますけれども、御指摘のようにIEAの平均が百六十八日分ということでございまして、その百六十八日分よりも少ないというようなことでございますると、一たん緩急ありましたときに何と申しますか日本は他国から融通を受けるというような状況にも立つわけでございまして、そうなりますと他国が税金を使って営々としてためた油を日本が利用さしてもらうと、こういうことになるのはあんまり立派なことではないというふうに私ども考えておりまして、それは一たん緩急のありますときはそれはやむを得ない、そのためのIEAの備蓄制度、備蓄スキームでもございますけれども、なるべくそういう状況は避けていきたいというふうに考えているところでございます。
 また、IEAでも去年の七月でございましたか理事会の決定がございまして、輸入依存度の高い国は備蓄を積み増すようにというふうに言ってきてもおりますので、そういった国際的な責務を果たすという意味からも具体的に何日いうことではございませんが、民間の九十日分、それから国家備蓄の三千万キロリットルというのは維持し、またそこへ到達をしていきたいというふうに考えているところでございます。
○太田淳夫君 通産省としては、この備蓄の洋上備蓄ですか、これについては方針どおりに行おうとしておられるのかどうか、その点。
○政府委員(畠山襄君) 洋上備蓄は現在上五島と白島というところで国家備蓄の一環といたしましてそういう二つの基地でやっているわけでございますが、お尋ねがタンカー備蓄という意味でございましたらば、タンカー備蓄につきましては、これはこの今度の成立いたしました予算でことしの十二月末ということになっておりますので、それは陸へ揚げていくという、陸上のタンクの方へ切りかえていくということで考えておるところでございます。
○太田淳夫君 次に、いろいろと通産省が考えてみえる輸入形態の多様化の問題でちょっとお尋ねしたいんですが、せんだっても予算委員会でこの石油製品輸入の問題について質問したわけでございますけれども、この問題につきましては石油審議会の小委員会で検討中ということでございますけれども、今までどういうような論議がそこで行われてきたかということはわかるのでしょうか。
○政府委員(畠山襄君) 御指摘の小委員会は、四月十七日に第一回会合を行いまして、せんだっても行いましたので都合四回既に開催をいたしました。
 そこでは石油製品貿易の現状と見通し、それから消費地精製方式の意義、各国の石油製品輸入政策、それから設備廃棄の各国の状況、そういったこと等について御審議いただいているところでございます。
○太田淳夫君 その結論はいつごろまとまるのかということですね。
 それから、小委員会の結論のそのいかんによっては今後の石油供給計画を変更することはあり得るのかどうか、その点はどうでしょうか。
○政府委員(畠山襄君) どれぐらいかかるかということでございますが、この小委員会を設置いたしましたときの石油審議会の石油部会長は、円城寺さんでございますが、非常に重要な問題なんでどうしても一年ぐらいはかかるだろうなということを言っておられまして、一応その一年ぐらいというのがめどになっております。
 また、その結論がまとまりました場合に、それが石油供給計画に反映されるのかという御質問でございますが、それは当然反映されると考えております。
○太田淳夫君 石油製品の輸入の問題として特に小委員会等では問題になっていると思いますが、ガソリンがいろいろと話題になっておりますけれども、商社関係は輸入の自由化に賛成している、あるいは石油精製会社は難色を示しているというのが大体大方の動向ではないかと思うんですが、いずれにしましてもその輸入自由化というものは迫られてくのじゃないかと思うんですけれども、その輸入数量の問題であるとかあるいはだれがどのような手続を行うのか、いろいろとこれからも詰めてまいらなきゃならない点が多いと思いますけれども、石油審議会の小委員会の結論が出る前にライオンズ石油のようなガソリン輸入の届け出が行われた場合にはどのように対処をする所存ですか。
○政府委員(畠山襄君) ライオンズ石油の場合は、この前輸入の届け出が、シンガポールから輸入するといって昨年末にございました際に、ことしの初めに村田通産大臣から輸入計画を変更をして、そのガソリンの輸入を思いとどまるようにという勧告をいたしまして、それを受諾をいたしたわけでございます。
 ただ、受諾をしましたときに向こう側が条件を出してまいりまして、貨物を持ってきちゃったものですから、その貨物の買い取りをあっせんするようにしてくれということを私どもに言ってきたわけでございます。ただ、私どもはそのあっせんを何回もやらされてはたまりませんので、そこのところはどうかと言いましたら、向こうはもう輸入はしませんので、ですからあっせんをしてくれ、この貨物限りだからというお話であったわけでございます。それで、その旨の文書もいただいたわけでございますが、ところが今回また輸入をするということであるとすれば非常に理解に苦しむところでございまして、届け出を受理とか何とかいう前に、前回は輸入しないからあっせんしてくれということを頼まれたのに、どうして今回は輸入するということを言われるのかということをよく伺ってみたいというふうに思っているところでございます。
○太田淳夫君 今回は何かライオンズ石油側で断念をしたということが報道されていますが、通産省聞いていますか。
○政府委員(畠山襄君) 昨日、そういう今御指摘のようなことを通産省のクラブに来て社長が言いました後、私どものところへ、担当の課へ参りまして、今回断念したということを言ってまいりました。
○太田淳夫君 せんだって柴田エネルギー庁長官とオードランドECエネルギー総局長との会談が行われたということでございますが、先ほど柴田エネルギー庁長官の方からも国際化というのが必要であろう、しかしそれがいろいろと日本国内の中で混乱を起こさないことが大事だというようなお話がありましたけれども、石油部長さんも欧米諸国を回ってこられまして、その中でやはり日本の企業の合理化の問題あるいは製品の輸入自由化の問題等々、いろいろと各国で感触も探ってみえたんじゃないかと思いますが、どのような感触があったでしょうか。
○政府委員(畠山襄君) 今お尋ねの石油業界の合理化の問題、この問題は一番強く提起をされた感じがいたしました。
 ヨーロッパでは一九七七年に八億四千万トンですか、八億三、四千万トンの能力があったわけでございますけれども、これは常圧蒸留装置の能力でございますが、それを五億三千万ですか四千万トンですか、三三%ばかりカットをした。それに比べて日本の方の石油精製装置のカット状況はそれほど大幅ではないのではないかという指摘をあちこちでされたということがございました。特にヨーロッパの場合は、製油所の閉鎖を非常にあちこちでやっておりまして、三十数カ所閉鎖するというようなことになってきているわけでございます。
 またアメリカでも製油所の閉鎖というのが、これアメリカは特殊な事情がございまして、非常に小さい製油所が多うございますけれども、そこで百カ所ぐらい閉鎖をしたというようなこともございまして、日本も思い切ったそういった合理化をしていくことが大事なんじゃないかという指摘を受けてまいりました。
 また輸入問題につきましては、ヨーロッパでは手段はともあれ、輸入の拡大ということをしてもらいたいというニュアンスが強うございましたし、またアメリカは日本に直接そういうふうに迫るということじゃないのですけれども、アメリカ自体の政策といたしまして、石油製品についても輸入制限を行わないということで言っておって、それは自分の国が輸入制限をすると他国へその製品が流れるからだというようなことを言っておりました。
○太田淳夫君 これからは石油製品の輸入の拡大がいろんな場面で求められてまいりますと、現状におきましては消費地精製主義というのを見直していかなければならないんじゃないかということになろうかと思いますが、その点どうでしょうか。
○政府委員(畠山襄君) 我が国は御案内のとおり、原油を九九・八%海外に依存をいたしておりまして、そして石油製品はたくさん使っている、こういうことでございますから、輸入をするのは原油でやるか製品でやるか、いずれかしかないわけでございますが、製品でやりますると、我が国特有の需要構造にマッチできないという側面がございまして、したがいまして、やはり原油を主体として輸入をするという御指摘の消費地精製方式をとらざるを得ないわけでございまして、これは欧米諸国もほぼ同様でございます。世界各国共通に消費地精製方式をとっておる、先進諸国の例でございますけれども、そう言って差し支えないんだろうと思います。そこで、石油審議会の石油部会でも御指摘の国際化ということは指摘はいたしておりますけれども、その消費地精製方式を堅持しながらも漸進的に消費地精製方式の国際化を考えたらどうかという御指摘でございまして、したがって大前提である消費地精製方式自体はこれは堅持してまいりたいというふうに考えております。
○太田淳夫君 我々も需要構造にマッチできない点と、あるいは石油製品が連産品であることも十分承知しているわけですけれども、これから石油製品の一定数量の引き取りがECあるいは中東等から求められてきているわけですけれども、特にガソリンの輸入が必至となりますと、これまでの原油精製をベースとした製品供給には、おのずからこれは変化が生じてくるんじゃないかと思うんですが、その点はどのようにお考えですか。
○政府委員(畠山襄君) ガソリンの輸入が必至かどうかという問題は、今石油審議会の小委員会で議論の最中でございますので、直ちに私どもから必至であるということをお答え申し上げるわけにいわぬと思うのでございますけれども、消費地精製方式が基本でございまして、そして製品輸入というのは、それを補完する方式ということは、今後の国際化の中でも変わっていかないと思いますので、その消費地精製方式の基本がこの国際化によって変わるというようなことはないのではないかというふうに考えております。
○太田淳夫君 もう時間になりましたのでまとめてお尋ねしますけれども、通産省では石油業界再編で、さらに余剰設備の処理等を考え、精製統合を推進していくということで報道もされておりますが、きょうの新聞報道によりますと、石油元売業界の十二社のうち、決算期を三月にしている九社の決算が四日に出ておりますけれども、これを見ますと、軒並み減益ということになっています。しかも為替差損が非常に多いということですが、この為替差損の問題につきましては、当委員会でもいろいろと今までも論議もされてまいりました。差益のあるときもございましたけれども、この為替リスク対策としての原油決済の円建ての見通し、これはどのようなことがあるだろうか。あるいは企業の体質改善の問題、体質を強化するという問題ですが、この委員会でもいろいろと委員の中から今までも論議がされておりましたけれども、税の問題、そういう問題、石油税もせんだって値上げしましたし、また今度も石油の量が減れば石油税そのものも減ってくるからまたパーセントを上げようかというような意見も中にはあるようなことも聞いておりますけれども、そういうことじゃなくて、企業の体質改善のためには内部留保をさせることも必要じゃないかと思うんですね。一方では自由化の波も来ているわけですから、そういった点でその問題、どのようにお考えになるか。あるいは先ほども長官はお答えになっていましたけれども、やはり流通段階の改善、これがなければ本当の元売の構造改善というものはできないんじゃないかという意見もたくさんあります。その点の流通末端対策、これはどのようにお考えになっているか、お聞きしたいと思います。
○政府委員(畠山襄君) 第一点の原油の円建て決済の見通しの問題でございますが、これは円建てにいたしますると為替リスクがなくなりますので、為替差損というのがなくなるということと、それから円建てに持ってまいりますると、ドルで取引される需要が減りますものですから、日本の貿易に占める石油の割合というのが三割程度ございまして、非常に大きなウエートを占めておりますものですから、ドル安要因にもなるということで、私どもとして推進を図っているところでございますが、これは無論、売り手と買い手が同意をしなくちゃいけないものでございますから、産油国の円というものに対する理解度の向上、そういった問題もございますし、それから無論買い手である日本側の元売さんなりの計算の問題もございますので、息長く推進をしていきたいというふうに思っているところでございます。
 それから、石油産業の企業体質を強化しろという御指摘でございまして、これは当委員会でもかねてから御指摘をいただいているところでございまして、そういう御指摘も受けまして、昨年来石油元売の再編成ということを推進してまいったわけでございまして、十二、三ありました企業が今一応七グループということになってまいりましたので、その七グループの結束の一層の強化ということを今後とも推進してまいりたいと思っておりますし、それから御指摘のように、その精製設備の合理化というものも引き続き推進してまいりたいと思っております。
 それから第三点は流通段階の御指摘でございますが、流通段階につきましては昨年来石油流通ビジョン研究会というものを庁内に置きまして、向坂正男先生を座長として一年ばかり検討をいただきまして、その結論を三月にいただいたところでございます。その結論は、一つは前近代的な取引慣行を、これは元売とも相談をしなければいかぬ話でございますが、撤廃をしろということでございまして、事後調整をやるとかそういったことを撤廃をしていくということと、それからもう一つは、やはり構造改善を進めていくということでございまして、これは共同化が必要な場合には共同化、それから場合により転業が必要な場合には転業も推進するということで、中小企業近代化促進法の構造改善業種に指定もされておりますものですから、その計画もこの間通産大臣側の計画をつくりましたので、それを受けて今度はスタンド側が構造改善計画を個々にお持ちいただくことになっておりますので、そういったことを通じてその合理化強化を図ってまいりたいと思っております。
○国務大臣(村田敬次郎君) 石油製品輸入問題等広範な問題につきまして、太田委員からは先般予算委員会においても御質問をいただきましたし、現在もライオンズ石油が輸入を中止したというような新聞発表がありまして、いろいろ御質問をいただきました。
 政府委員の方からお答えをしたとおりでございますが、石油の安定供給という原点に立って対応をしていくわけでございますが、政府としてはいわゆる消費地精製主義、そしてまた石油業法に基づく石油の安定供給といった原点に立ちまして今後も対応をしてまいりたい、そしてまた現在石油審議会のいろいろ小委員会で検討を進めていただいておるわけでございまして、その検討もよく見てまいりながら今後の施策を進めてまいりたい、このように考えております。
○野末陳平君 原油価格が値下がりしているようですけれども、この原油価格の先安感というのが依然として消えないようなんですが、値下がりの今後の見通しを政府はどういうふうにお持ちになっているか、例えばバレル当たりどのぐらいまで値段が下がるというような見方を持っておるか、その辺のことを、ことしになってからの値下がりの様子なども含めてちょっと説明をいただきたいと思います。
○政府委員(浜岡平一君) 御指摘のとおり、本年の一月の末にOPECの臨時総会が終わりました後、三月いっぱいぐらいまではOPECの臨時総会で決めました価格体系がまあ何とかかんとか維持されていたという状況でございます。ところが、春先以降でございますけれども、いわゆる実勢価格と言うことができようと思いますけれども、スポット価格がかなり弱含みになってまいりました。いろんなファクターが指摘されておるわけでございますけれども、何といいましても不需要期に入ったこと、それからイギリスでの炭鉱ストが終結をいたしまして重油の需要が大きく減ってきたということ、それからさらには冬場ソ連の油田でいろいろとトラブルがあったようでございまして、ソ連からの供給力が落ちておったわけでございますけれども回復してまいったこと、さらには最近になりましてイランあたりがかなり増産をしているらしいというようなこと、いろんなファクターがあるわけでございます。それらが相乗いたしまして全体として石油需給は非常に軟調になってきておるわけでございます。今後はかなりOECDサイドでもいろいろな対応が試みられるというような観測もあるわけでございますけれども、短期的には緩和基調が続かざるを得ないというようなことかと思います。
 世上ではいろいろなことが言われておりまして、例えば第一次ショック後の物価の一般的な動向に照らしてみれば、二十ドル近くまで軟化する可能性があるんではないかとか、あるいは北海原油のコストでございます十五ドルぐらいまで下がるおそれがあるんではないかというような見方をするエコノミスト等もあるわけでございます。これは今のところ私どもとしましては何とも断定をするのは難しい状況ではないかと思いますが、緩和基調がある程度続くということは歪みようがないんではなかろうかと思っております。ただ、中長期的に見ますと、特に非OPECの発展途上国での需要が次第に強くなっているというような基調がございますものですから、中長期的には次第にタイトになっていくという大きな流れがあることも事実ではなかろうかと考えておるわけでございます。
○野末陳平君 そうやって値下がりしていきますと、OPECの総会も繰り上がって開かれるとかという話も聞きましたんですが、サウジアラビアの動向が非常に問題になってくるということをよく聞くんですね。そうすると、今後はサウジはどういうふうな出方をするであろうか、いろんな予測はできると思いますが、それについては政府としてはどういうふうにお考えか、そしてまたそれに対する対応、その辺の事情も説明いただきたい。
○政府委員(浜岡平一君) 御指摘のとおり、現在OPECは大変苦しい状況にあるわけでございまして、かなり意見の食い違い等も見られるわけでございます。そんな中で、何とかOPECのリーダーとしてOPEC全体め構えを維持しようと努力をいたしておりますのが御指摘のとおりサウジでございます。例えばナイジェリアなどが増産をいたしますと、その分をみずからひっかぶりまして自分が減産をするというような努力もしているようでございます。情報によりますと、一時期三百万バレルを割りまして二百七十万バレル・パー・デーぐらいまで生産を落としていたというようなことも言われておるわけでございます。ただ、大変やっぱりサウジ自身も苦しいようでございまして、例えば随伴して生産されますLPGの供給面に非常に大きな波乱を生ずるとか、あるいは国内では予算の大幅なカットを行わざるを得ない、特に投資を大幅にカットしているというような状況も起きておるようでございまして、非常に苦しんでおるようでございます。御指摘のようにOPEC総会を七月に予定されておりましたものを六月に繰り上げまして、価格の見直しあるいは生産のコントロールを引き締めること、そういった点について検討をサウジが求めざるを得ないだろうというようなことが現在伝えられておるようでございます。
○野末陳平君 それから、さっきもちょっと出ましたけれども、イラン・イラク戦争が相変らず続いていて、いつどんな不測の事態が起きるかもわからないような状況ですが、我が国に対するそのとばっちりといいますか、そういうマイナス影響というのは当面考えられませんですか。ある程度までこの戦争状態が続いてもまずまずその点の安心というのはどの程度政府がお持ちでしょうかね。
○政府委員(浜岡平一君) 現在、イラクからはほとんど日本は輸入をいたしておりません。それから、イランにつきましてはかなり起伏はございますけれどもある程度の輸入が行われております。
 ただ、基本的にはやはり一番懸念されますのは、両国の戦争がエスカレートしてまいります段階で、特にイランサイドがホルムズ海峡を閉鎖するというような挙に出るんではないかと。そういたしますと、イラン、イラクだけではなくて湾岸からの供給全体に大きな影響が出るわけでございますので、ここが一番懸念されるポイントでございます。しかし、そうなりますと、イラン自身の輸出もとまってしまうわけでございまして、戦争遂行能力に非常に重大な支障を来すわけでございますし、また、米国を初め各国際方面からもホルムズ海峡閉鎖というような挙に出ることに対するさまざまの牽制が行われておるわけでございまして、楽観は許されないと思っておりますけれども、簡単にホルムズ海峡閉鎖というふうな行動に走ることもないんではないかというような、やや不透明でございますが、現在の見方はそんな状況になっておるんではなかろうかと思います。
○野末陳平君 常識的に考えればホルムズ閉鎖なんというのはなかろうと思いますけれども何が起きるかわからないと。それだけでなくてこのOPECの動き、各国が今後どういうふうに出るか、その辺予測しがたい状況が幾らもありますね。
 そうすると、我が国への供給面で仮に今後問題が起きたとして、その先ほどのお答えの備蓄ですね、これだけあれば何とか切り抜けられるという、こういう自信は政府はあると思うんですよ、もちろん。しかし、何かあったときに本当に今の備蓄だけで大丈夫かどうか、その辺の見通しもひとつ。
○政府委員(浜岡平一君) 先ほど石油部長が御説明申し上げましたように、かなりの量の備蓄量を持っておるわけでございます。かつ、仮にホルムズ海峡がとまるというようなことがあったといたしましても日本への供給の全量がとまるわけではございませんで、まあ半分とか六割とか、そういったところがとまるわけでございます。仮に半分とまったといたしますと、現在持っている備蓄量の倍の日数を現在の備蓄量で耐えることができるということになるわけでございますんで、その面も勘案いたしますと、現在日本が持っております備蓄量はやはり相当の抵抗力があるということは言えるんではなかろうかと思います。また、仮にホルムズ海峡閉鎖というようなことがあったといたしましても、これが何カ月も続く可能性は小さいんじゃないかというのが一般的、国際的な見方のようでございまして、その辺を考えますと、決して楽観はいたしておりませんけれども、そう不安感にも駆られておらないという状況でございます。
○野末陳平君 そうなりますと、今の大体のお答えでもって、大臣に念を押すんですが、今のところ国民も全く石油危機などは忘れたかのごとくですけれども、仮に何かあっても我が国の備蓄その他の準備で不安などを感じないで済みそうだというふうに楽観的に思ってもよろしいですかね。
○国務大臣(村田敬次郎君) 野末委員にお答え申し上げます。
 大ざっぱに申し上げれば御指摘のようなことだろうと思います。ただ、ホルムズ海峡依存度というものが余りにも高いものですから、したがって中東以外の例えばインドネシア、中国あるいはメキシコ、アラスカ石油、そういったような他の地域にも石油の供給を仰いたらどうかという工夫、それから、石油以外の代替エネルギーにエネルギーの重点を指向したいといったようなこと、いろいろな点で日本が心配をしておりますのは野末委員御指摘のような心配が一部にあるからでございます。
 また、イラン、イラクの紛争につきましても日本政府が非常に重大な関心を示しておりますのもそういった御指摘のような情勢があるからでありまして、全体を総合いたしましてまず心配はないと、こういう認識でございます。
○野末陳平君 そこで、一応今の状態で心配ないんですが、余りにも依存率が、ほぼ一〇〇%であるというこの日本の状態が永久にこのままだというのも何か情けないようなことなんですが、いろいろと日本国内あるいは近辺で石油を掘っているようですが、果たしてどの程度の結果が出るかわかりませんよ、わかりませんが、どうでしょうか、政府の方の見通しで何か国内ででも若干は供給ができそうな明るい事態が考えられるかどうか、その辺のこともお聞かせを願いたいと思いますが、それを最後にします。
○国務大臣(村田敬次郎君) 一番新しい情報なのでここでお答えするんですが、きのう康生恩という中国の国務委員が来られたんです。これはベストテンの中に入る相当な実力者でございますが、エネルギー供給の責任を持っておられる言うなれば中国のエネルギー大臣ということになるでしょうか。この方と昨日はずっと懇談をいたしましたのは、エネルギーの供給源について中国からの輸入を相当考えていきたいという意図があるからでございますけれども、その際に、日本国内の資源についてはどうかという問題も康生恩国務委員から御質問がありまして、例えば秋田県の沖であるとか、新潟県の沖であるとか、そういったところに石油の新しい鉱脈が出る可能性もある。しかし、その賦存量というのは実は非常に多くは期待をできないものでございまして、したがって、原油供給に関する限り、現在九九・何%というのを国外に依存をしておりますが、原油だけで言えば、日本国内から出るものについてそれを相当修正できるという見通しは目下のところ暗いかと思います。
 したがいまして、総合的なエネルギー対策としては、原油のみでなく原油以外のものにできるだけ供給の源を移す、例えば原子力とか石炭とかいろいろなものを考えておるわけでございまして、野末委員御指摘のように、このエネルギーについての日本の資源の非常に少ないということはいわば日本の宿命のようなものであると、こういう認識をいたしております。
○野末陳平君 ありがとうございました。
○委員長(田代由紀男君) 本件に対する質疑はこの程度にとどめ、これより三菱石炭鉱業株式会社高島炭鉱及び南大夕張炭鉱における災害に関する件を議題といたします。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
○対馬孝且君 これから、三菱高島、南大夕張災害問題の集中審議ということで行われるわけでありますが、特にこの問題につきまして、私は、六月の三日に現地の坑内に一応入坑いたしてまいりました。ちょうど石炭協会が新たな保安の重要性を認識をいたしまして、操業停止をして一斉点検をすべきであるということを業界が自主的に決めまして、一応各山一斉点検に入りました。
   〔委員長退席、理事沖外夫君着席〕これに対しては、いまだかつてないことでございますけれども、その日に私も炭労政治局員という立場で、現地の炭労北海道委員長と山元の委員長それから労働組合の保安部長を随行いたしまして八片の奥地まで行ってまいりました。千六百メーター斜坑で降りて、さらにまた水平坑道を斜坑で降りまして、第一卸からまた六百メーター入りまして、徒歩で大体千メーター私も現場を歩いてまいりました。
 したがって、現場状況、坑内状況でありますが、約二週間たっているわけでございますけれども、八片部内の坑道を見ますとかなり盤膨れの状態が起きておりまして、地圧が上がってきまして、坑道が仮に一メーター五十あるものが地圧でだんだん狭くなってくる現象、つまり地圧が上がって浮いてくる、上がってくる、炭鉱用語では盤膨れと、こういうふうに言っているわけですが、三十センチから四十センチぐらい地圧の盤膨れの状況が際立ってありました。八片坑道の大体七十メーターから八十メーター、異常な状況でありました。私が行ったときにはちょうど保安要員の補修作業が開始されておりまして、消火器の作動点検であるとか、あるいは風管の取りかえ、あるいは補修という、取り明け作業と炭鉱では言うわけでありますが、機械の位置の移動とか、あるいは取り明けとか、こういう作業を行っておりました。したがって、相当現場状況が、二週間後の保安体制、保安要員も増員をいたしておりまして、まず坑道を整備することが大事でありますし、あれだけ爆風によって風管も散乱しているものですから、まず坑道を整備することが緊急な課題であるということで今、実は行っているわけであります。
 そこで、私たちこの間現地に、参議院のエネ特、田代委員長を先頭にしまして、商工と合同調査団で入りました。そのときに私は、今回の災害の原因は二つ考えられるということをこの前現地でも指摘をいたしまして、札幌立花保安監督局長も、対馬議員の指摘する点がやっぱり問題点だということを考えておりましたということでございました。
 それはどういうことかといいますと、一つは八片連坑道の旧密閉箇所、これは二カ所ございまして、通産省が認定しております保安図、これは六十年四月の保安図でございまして、この現場箇所を見てまいりますと政府側はわかっていると思いますけれども、問題は八片連坑道のちょうど三日抜き、四日抜き、五日抜きの手前の南立て入れ切りかえの入った地点ですね、八片のこのちょうどこういうふうになっている――これ見ればわかりますけれども、この地点に二カ所、ここに一、二と、こういうことで密閉箇所がございました。これが一つ災害発生源として考えられることであると。なぜかなれば、今までも高島の災害にしましても、あるいは有明の問題にしましても、夕張新鉱の問題は別にしまして、幌内炭鉱の問題にしましても、旧坑道、つまり密閉坑道に一定のガスがたまって流出して、それがガス爆発の現象を起こすということはこれは考えられるわけでありまして、密閉坑道の方から出るガスによる災害というものは過去の例を見ても非常に多いわけであります。そういうことの判断からまいりまして、比較的密閉坑道による災害発生ということは考えられるということで、実は現場で密閉坑道を見ました。これを見てみますと、通気が、実は密閉坑道の方に向かって入気が入っておりまして、排気じゃなくて入気が来ておりまして、通気の回転が、風の回りぐあいが最大のいい条件に置かれておりまして、したがってあの当時の現象も聞きましたが、密閉でもし発生してガス爆発が起こったとするならば、あれだけの通気のいい条件の中で、風が前の方に出るわけがないと、むしろ吸い込まれていると、こういう現象が、当時の現場状況も聞きましたし、またなるほど、私行ってみましたら、密閉にいると風がぐっと手が吸い込まれるような感じでありますから、相当な吸引力が密閉箇所に実はあるということ、それからもう一つは、鉄枠の中に粉じんが、もしあすこの密閉箇所であるとするならば、がなり鉄枠に粉じんが吹きつけてなきゃならぬ。当然ですわね、これは、あれだけの爆風ですから。その状態が密閉箇所付近には見られなかったという点ですね。それと密閉箇所における遺体の状況というのが必ずしもそういう状況ではなかった。むしろあの密閉箇所にはない。八片の坑道の中にはありますけれども、密閉箇所そのものには余り遺体はなかったという総合判断を私なりにしまして、これはやっぱり今の段階では、密閉による災害発生ということはちょっと私の感じとしては、これが重要な災害発生の地点とはちょっと検討を要するというふうな感じをいたしました。そう判断いたしました、現地を見て。
 そこで第二の説なんですが、これも現場で調査団で行ったときに私申し上げましたことは、採炭現場がかかっておるわけでありまして、八片、七片の採炭箇所でございますから、ここにございますように。したがってこの三日抜きと四日抜きのちょうど出戸、出戸って炭鉱言葉で、出戸というのは入口なんでありますが、ちょうどこの三日抜き、四日抜きのこのここらあたりに実は十二座、十三座というガスボーリング座がございまして、ここが実はなぜ考えられるかといいますと、ちょうど切り羽の、目抜きの出口ですから、ガスボーリング座の位置としては、何らかの現象でガスが出たと、あるいは爆発をしたと。それも後で申し上げますけれども、それがどういうふうに、何に着火して、火源が何であったかというのが、ガス発生源がどこで、火源が何であったかというのが炭鉱の災害の基本の問題ですから、あとは細かいことはあったにしても、枝葉の問題はあっても基本の問題はそこですから、したがってそこらあたりを見ますと、大体十二座、十三座、あえて十二、十三に私絞ってみたんでありますが、ちょうど災害の前日までのガス抜きの、炭鉱用語で引いたと、こう言うんでありますが、ガスを抜き取っている状況を見ますと、かなり、これ十二座、十三座の場合は相当な本数になっていますね。抜いた本数も三十三本あるいは四十四本と、抜いたガス量も私の持っているこの資料で見ますと、十二座が五十一万七千立米、端数を捨てますと。十三座が二十二万五千ですから、合わせますと約七十四万近くの実はガスを抜いているわけであります。これでわかることはそれだけガスが多いということですね。抜いてなかったということじゃないですよ、ガスを引いているわけですから。それだけガスが出ておったと、こういう状況が一つ考えられますね。これは六十年五月十六日三時現在でございます。しかも、一孔当たりのガス分量、分布を見ますと、十二座が〇・〇五、十三座が〇・〇二と非常に高い数値に実はこれは一札当たりのガスの状況がなっております。したがって、私はやっぱりそういうふうに考えてまいりますと、十二座あるいは十三座のガスボーリング座の一定のガス量が、それだけガスを抜いているわけですから、かなりのやっぱりガス発生源として実は考えられるということが一つです。
 それから第二の理由の根拠としては、あの十二座、十三座のそばで亡くなった方々を見ますと、ほとんど熱傷であります。これ一酸化炭素じゃありません、熱傷です。焼け焦がされたということですから、はっきり言えば。そういう熱傷の状態になっているということですね、第二の理由は。
 それから第三の問題は、ちょうどあの鉄枠の、これは六十センチごとに、ほかの山は一メーターですけれども、なぜ崩落がなかったかということ私も行ってみてよくわかったんですが、北海道の炭鉱に随分入っていますけれども、大体鉄枠は今一メーターです、どこの山も大体。ところが、この大夕張だけは六十センチですね。六十センチでずっと鉄枠が組まれているんです。この点は確かにあれだけの爆風があったわけですが、あれだけの爆発ですから、私の実感では相当の崩落があったろうと思ったけれども、確かに崩落現象は見られません。これは全くそのとおりです。そういう点は、確かに六十センチ、今までほかの山では一メーターだったのが六十、六十で狭くいっているという点あたりがある程度一定の崩落を食いとめたかなとそれは非常に感じております。
 そういう問題でちょっと整理をいたしてまいりますと、そこで問題になりますのは、それでは何でガスが発生したかということが今度は問題になるわけであります。
 そこでこれは南大夕張の今までの実態を私なりにずっと調べてみますと、実は五十四年山鳴りによって炭車がひっくり返っていますね。こういう現象が五十四年に大夕張で起きているんです。これ間違いありませんから確認してもらって結構です。五十四年の六月、山鳴りによって炭車かひっくり返っています。幸い事故は一応なかったということがございます。
 そこで、何でガスがそれじゃ爆発したのかという問題なんですが、十二座、十三座あたりの問題の中で、この種の、資料を取り寄せてみましたら――十二日から災害当日までの山鳴りの状況が一体どういうふうになっておったかということを実は労働組合の方に何とかその資料を借りられないかという話をいたしました。それを見ますと、最終的な判断だということになっているわけでございますけれども、三時三十四分に音響感知器というのが、AE器が実は五十四年の災害以来設置されておりまして、通称音響感知器と、こう言っているわけでありますが、これを見ますと、どういうことかと言いますと、これは十分の一秒間に一定の高さ以上に出た振動の回数を示すわけです。ちょうど地震の振動回数を示すのと同じであります。ただ、音は出ないんです。音でなくて振動回数をあらわす感知器、つまりAE器と言っているわけでございますが、これで見ますと、一定の高さを示して振動回数をあらわすことになっているわけです。
 このサイクルをちょっと調べてみたんでありますが、周波数、サイクルで見ますと、通常ヘルツの数字で申し上げますと、地震のように揺らいでいく場合一分間で大体二十サイクル、これが通説だというんですね。一分間で二十サイクル。そこで、三菱南大夕張の場合は、山鳴りの通常の場合は大体三百サイクルであります。地震の震度一あたりでいきますと、大体先ほど私が申しました二十サイクル。それから、先ほどの五十四年の山鳴りで炭車がひっくり返ったという状況の中で一定の山鳴り点検をしてみますと、一分間に大体三百サイクル。そこで、このデータなんでありますが、十七日の災害の発生した時点は八百サイクルを示していたという数字が実は出ているわけでございます。したがって、これが、私は、山鳴りによる八百サイクル、AE器、音響感知器に感知をしたその振動によってやっぱりボーリング座からみんながガスが抜けたのではないかと、そこの決め手になるわけでありますが、そういう感じを現場を見まして――どうもそれは時間的に三時三十四分でしょう。これを見まして、今そっちにやりますけれども、三十四分、十二日からずっといきまして一番平日で、五月十四日が七十ホン上がっているんです。五月十七日は百三十七ホン。普通は三十ホンぐらいのものが十七日の災害の三時三十四分につまりこのAEカウント器のイベントに数字が出されたのが実は百三十七、こういう実はホンの数字が出ております。これをちょっと政府委員に……。(資料を手渡す)
 それがやっぱり私は衝動が起きて――ちょっと見てください、それ。十二日からずっとデータが出ておりますから。大体三十から四十、少ないときは二十くらいになっておりますけれども、その十七日の三時三十四分に百三十七ホンのあれが出ている、こういう記録がされているということですね。十七日。だから通常の場合大体三十ですから、大体五倍ないし六倍の音響測定がされている、災害の日。そうすると三十四分でしょう。私が入っていったときに、ちょうどその災害が発生したときの池本というさお取りという人車を運搬をしている運転手ですが、この方とちょうど三日の日に現場でお会いすることができました。実際にその日池本さんが無線でもって上の管理所に実は連絡したという経緯がございますから、池本という人はその本人ですから、その彼に僕は聞いてみたんです。実際に言って、そのときのあなたの本当の実感としてどうだったか。やっぱり一定の衝動をバーンと感じたと言うんだね。それから、目の前が真っ暗に、煙がバーバーバーとこうなっちゃって、ああこれはガスだな爆発だなといって、それで無線に走った、こういうことを池本さんが私がお聞きしましたらそういうことを言っておりました。
 それをずっとあわせてみますと、一つは、先ほども申しましたちょうど三時三十四分という時間帯が、その後、三十五分ないし六分に実は爆発をしているということ。それからもう一つの問題は、先ほど言った日常の山鳴りと十七日の災害時の三時三十四分のいわゆる振動状況というものは全く異常である、この資料にありますように。そういう状況等を判断してみますと、やっぱりこれは密閉という説よりもガスの十二座、十三座の地点というのが発生源である、こういうふうに私はほぼ想定をいたしておるわけであります。
 そこで、政府側に第一点としてお伺いしたいことは、つまり発生場所、現時点で、もちろんこれは今検討中でございますから当然だと思いますが、八片の連坑道の地点であるという点は、第一点間違いないかどうか。間違いないというか、そういう判断に立っているかどうか。
 それから第二の問題は、先ほど申しましたように、十二座、十三座という地点に絞った場合に、やっぱり問題はそういう山鳴りの振動、衝動というものによって一定のものが起きてそれによるガス爆発ということが一つは考えられるという点を、私はとりあえず質問として今ずっと経過を申し上げましたけれども、その点についてどういうふうにお考えになっておるか。それで、私は率直に申し上げますが、入坑して帰ってから実は札幌立花保安監督局長ともお会いいたしました。それなりに意見交換をいたしたつもりでございますが、その点についてまずお伺いをいたしたい、こう思います。
○政府委員(平河喜美男君) 対馬先生から現地調査を踏まえてのいろいろと新しい御指摘をいただきまして、私ども現在まで調査しておりますところでございますけれども、爆心地は今御指摘の八片部内、特に八片の連坑道というところに注目しているところでございます。それ以上の絞り込みについては、今現地の保安監督局で調査しているところでございますけれども、先生の今の御意見も参考にしながらもう少し特定を急ぎたいと思っております。
 それから、山鳴り計測中のAE計の御指摘でございますけれども、私どもの方としましても、事故当時AE計が大きなカウント、先ほど御指摘がございましたように通常の最大三十程度に対して百三十七程度を記録したということは承知しております。ただ、これが爆発の結果によるものか、あるいはそれ以外のものによるものか、もう少し解析を必要とするんじゃなかろうかと思って現在調査しておるところでございます。
○対馬孝且君 それで、今私が現場へ入った実態調査を踏まえて二点に絞ったんでありますが、今局長からまさしく八片連坑道だという点に絞っている。それから問題は山鳴り現象でありますね。その点が重要な問題点だということで検討を進めていきたいということですから、そこでお伺いしたいことは、当時のそういう状況判断というものについて、現地の札幌鉱山監督局としてはこの点はどういうふうに把握されておったかということをちょっとこの機会に聞きたいんです。
○説明員(高木俊毅君) 先生御指摘のAE計による山鳴りの状況等の把握でございますけれども、これらにつきましては、現在その解析をやっているという状況でございまして、正確な状況を申し上げられる状況ではございません。
○対馬孝且君 そこで、ちょっと前に戻りますが、それじゃ私の言った密閉の説ということに対して今政府側としてはどういうふうにお考えになっているか、この点もちょっと聞いておきたい。
○政府委員(平河喜美男君) 現地の札幌鉱山保安監督局の調査によりますと、当該箇所は先生御指摘のとおりプラス圧になっていないということでございますので、ガスが出た可能性は極めて薄いのじゃなかろうかと。なお、詳細については引き続き慎重に調査を続けているところでございます。
○対馬孝且君 そこで、今八片連坑道、そしてガス抜きの十二座、十三座の位置で山鳴り現象ということを今私申し上げたわけでありますが、この場合どういう現象が――私はそれだけの現象が起きているわけですから、そこで問題になることは、私も現場を見てきましたけれども、それだけの相当な爆風を見ても、現に私も行ったときに、炭車に突き当たった、それこそ約四十センチぐらいばっとへこんでいますから。あれだけの鉄車があれだけのくぼみで突き刺さっているような感じがするというわけですから相当なものだったと思うのですよ。
 そういう判断に立ちますと、私はこの点を申し上げておきたいのだけれども、ガス抜き穴のめくらぶた、私に言わせれば、これが問題点ではないか。そのめくらぶたが結果的には今現在、私が行ったときもビニールでもってずっと巻いておりまして、ちょうどナイロンのような糸でもってかなり縛ってありました。
 それともう一つは、ガス抜き穴に吸い込んだホースですね、いわゆるガス抜きする場合の差し込み。これに対してもある程度、鉄製できちっと完備する必要があるんではないか、私の経験で、私も見てですよ。あれが一つの問題点としてこれから政府側としても、もちろんこれが結論が出た段階ですけれども、保安上の検討をしてみる必要があるんではないか。こういうふうな判断をいたすのでありますが、この点については、もちろんそこが原因だということになった場合との想定になるわけでございますけれども、私は行ってみてこれが相当な問題点だということを率直に感じました。非常に強くこれを私は感じております。
 この点について、今どういう判断に立っているかということです。
○政府委員(平河喜美男君) 先生御指摘の八片連坑道の十二座、十三座のガス抜きボーリング座跡の点についての調査は私どもも重大な関心を持って進めておるところでございます。また、御指摘のパイプのつなぎ方等々につきまして今後十分調査をしてまいりたいと思っております。
○対馬孝且君 そうすると、もう一回これを整理してみますと、まず現場の今回の大夕張炭鉱重大災害の、災害の発生箇所は、大体八片連坑道であると。これは大体ほぼ一致してますね、この点は。
 そこで第二の問題として、それではどこか、どの地点でガスが爆発したか。その原因が一体何であったか。こうなるわけでありますから、私は先ほど言ったように、二説をとったが、今あなた方が認めましたように、現地の札幌監督局立花局長も、密閉という説は、今これは考えられないと。これは遠のいたということを、これはお互いに確認をしてきたのでありますが、それはそういう判断でよろしゅうございますね。それは一応今大事なところですから、よろしゅうございますか。
○説明員(高木俊毅君) ただいま先生御指摘の箇所の点でございますけれども、現在現地の監督局におきまして鋭意その詰めをやっておるわけでございまして、先生御指摘のとおり八片運坑道内というところまでは詰め込んできたわけでございます。
 それじゃどこからそのガスが出てきたかということにつきましては、先生も前回の委員会等においても御提示あったわけでございますけれども、三カ所程度先生は御指摘になったわけでございます。ただいまも先生二点ほど強調されたわけでございます。
 それは第一点といたしましては、八片の連坑道内の密閉箇所あるいはガスボーリング座、これは十二座あるいは十三座というような御指摘。あるいは払い跡という話も先生御指摘になったのじゃないかと思いますけれども、これらにつきまして、現在精査をしておるという状況でございまして、どこだということについては現状において断定することは御遠慮させていただければありがたいかと思っております。
 ただし、今先生御指摘の点につきましては、私どもも鋭意やっておりますので、その点についても研究させていただければと思っております。
○対馬孝且君 高木参事官、私は今初めてこれを具体的に出したわけです。だから、現地の立花局長は、私にこれは一つの新しい有力な意見として、重要な災害の原因の一つとして、学識経験者その他を含めて、実は今鋭意依頼をして検討をいたしておりますと、こう言っておりますから、そこまでいっておるわけですから、だから、私がここではっきりしておきたいことは、大臣、これは最後で結構ですけれども、今私のやりとりを聞いておってわかると思うんですけれども、この点を災害の原因の問題点として、学識経験者を含めてそこらあたりを鋭意検討していると、こういう確認をしてよろしゅうございますね。この点は大事なところですから。
○政府委員(平河喜美男君) 先生の御意見、非常に貴重な御意見でございますので、今後地元の監督局、学識経験者等とも十分検討してまいりたいと思っております。
○対馬孝且君 大臣、今の私の質問のやりとりを聞いておりまして、今言ったことが重要なこの災害原因の基本条件の問題として、有力な問題点としてこれから検討を進めて早期に結論を出すようにしてもらいたい。この点大臣にひとつ、大事なところですから。
○国務大臣(村田敬次郎君) 対馬委員の先ほど来現地を調査されましての貴重な御体験を承っておりました。通産省といたしましても、事故調査委員会あるいはその他札幌鉱山保安監督局等々からいろいろな状況を聞いておるところでございまして、今後の災害原因の究明のために貴重な御意見として承ったところでございます。
○対馬孝且君 それじゃ、その第一の問題点、これまでのガス発生源、箇所、ガス発生と思われる原因、こういう点は今大臣それから公害局長からお答えがありましたから、その点をひとつ最重点にしてもらいたい。そして早期に結論を出してもらいたいと申し上げておきます。
 そこで火源をちょっとそこでもう一度どういうふうに見ているか、これが大事なところです。火源、どうしてそれじゃ爆発したかという、その対象になる火源は一体何なのか。これは一番次の大事な点でございますから。私はこのように現地へ行ってみまして、いろいろ火源は考えられることがございます。常識的に言って裸火が一つ考えられる、あるいは自然発火、静電気、ポンプ全部入っていますからね、これは電気関係は高圧線も入っていますから。それから電気局部扇風機、ベルトコンベヤーあるいは変圧器、全部ここにあるように電気系統だって十二本ぐらい入っているわけですから。ただ問題は、この点で考えられることは、これは私の考え方でありますけれども、現地へ入って実際に見てみて、電気系統も私もずっと見てまいりました。そこでいわゆる火源として考えられるのは一体何だと、この点政府側としてどういうふうにこれを見ているか。だからその点は一番大事な点でございますので、どういう感じかということをまずお伺いします。
○政府委員(平河喜美男君) 着火源として考えられるものとしましては、電気工作物あるいは金属摩擦の火花それから静電気等が考えられるわけですが、その個別について今鋭意調査をいたしております。今後この電気工作物等につきましては、坑外に揚げてこれらの精密調査及び各種試験を行うということになっております。
○対馬孝且君 これは電気系統ではないという説も実はこれありますけれども、私はちょっとそれは今の段階では、その電気系統ではないということは静電気だとこう言わざるを得なくなるわけでありまして、現場を見てみましてかなりやっぱり電気系統が、私はむしろ電気ポンプあるいは電気局扇、ここらあたりが、なぜかというとちょっと現場を見てみるとわかるわけでありますけれども、三日抜き、四日抜きのちょうど入り口にこの出戸に電気系統と入っているのは、ここにありますように電気ポンプが三カ所、三日抜きが三カ所、四日抜きに三カ所あります。ちょうどボーリング座の手前です。前ですね、はっきり言って。私はこれが現場を見た限りでは火源として考えられるとすれば、ここに一番近いところにある、状況判断からするならば、この電気のポンプ、もう一つはここにございますように、すぐまたそばに三カ所ずっと四カ所入っておりますけれども、局部扇風機というのが、電気の局扇が入っているということと、もう一つは、今も局長もお答えになりましたが、静電気というような系統が考えられるというふうに考えておりますので、認識として大体政府と一致しておるようでありますが、火源としては私はその点を最重点に、今坑外に揚げて検討するということですから、当然のことだと思いますが、この点を火源として最重点的にぜひひとつ検討してもらいたい。その点いかがですか。
○政府委員(平河喜美男君) 御指摘の点も踏まえまして十分検討してまいりたいと思っております。
○対馬孝且君 今、私は火源について申し上げました。そこで、今一部に議論出されていますが、センサーについてもいろいろ取りざたされておりますけれども、この点政府としてどういうふうに判断をされ、どういう見解をお持ちなのか、この機会にちょっと聞いておきたいと思います。
○政府委員(平河喜美男君) 御指摘の電気工作物、例えば局扇、ケーブルあるいはエアファン、それから静電気に関連しますけれども、各種ビニール製品等々につきまして、具体的にどこか傷んでいるかどうか、あるいはビニール製品等につきまして静電防止がどの程度効いているか、そういうものを具体的に試験をし調査をするというつもりでございます。
○対馬孝且君 そうすると、今の段階では基本条件ということでは考えていない、こういうことですね、その点どうなんですか。災害の基本的な原因ということについての判断には立っていない、こういう理解でいいですか。
○説明員(高木俊毅君) 先生の御質問の趣旨でございますが、精査というふうに理解してよろしゅうございますか、それとも……
○対馬孝且君 センサー、感知器だよ。
○説明員(高木俊毅君) センサーにつきましては、先生の御質問を私どもとして理解をしておりませんで申しわけなかったと思いますけれども、センサーについてはいろんなセンサーがあるわけでございまして、先生先ほどから御指摘になっております例えばAE計等もある種のセンサーでございます。現在こういうAE等につきましては、またいわゆる何と申しますか規則等で導入を図っているものでございませんけれども、実験的に研究を重ねていただいているものでございます。そのほか、法規制上そういう可燃性ガス等を検出するようなセンサー類につきましては、現在今いろんなセンサーが開発されておりまして、それぞれその目的につきまして導入を図っているところでございます。それで、例えば昔から使われておりますものといたしましては手持ちのそういう計測類もあるわけでございまして、これはもう先生もよく御存じのところでいらっしゃいますけれども、固定式のセンサーにつきましてはそれぞれメタン計あるいはCO計等のセンサーを現在逐次導入しているところでございます。
○対馬孝且君 わかりました。一応基本問題として、炭鉱災害というのはガスがどこから出たか、それから火源が一体何であったかということが基本問題ですから、これは単に運搬坑道だとかあるいは間接坑道で起きた災害ではないんです。これまさしく八片、七片というのは採炭現場であり、しかもその隣で沿層掘進がかかっている。しかも、その掘進箇所の、全く採炭場の入り口が今言った十二座、十三座というガスボーリング座であった、こういうことですから、やっぱり問題は、なぜどこに災害の箇所があったか、災害現場はどこなのか、それが一体どういう状態でガスが爆発したのか、それから何に火がついて爆発したのか、こういうのが法則ですから、そういう意味で私は申し上げるんであって、そういう基本的ないわゆる災害源の基本問題ということのとらえ方からするならば、今言った問題点を当面早急に原因の明確化をすることが一番基本の問題ではないか、この認識についていかがですかとこう聞いているわけであります。それをはっきり答えてもらえばいいんだ。
○政府委員(平河喜美男君) 今回の災害がガス爆発事故でございますので、おっしゃるとおりどこからガスが出たか、それに対する着火源がどうであったかというのは最も重要な問題であるという認識に立って捜査をしているところでございます。
○対馬孝且君 それで結構です。そういう基本的な態度に立ってひとつ早急に原因の明確化を政府も全力を挙げてもらいたい、どれを明確に申し上げておきます。
 そこで、私は現場状況に伴ってこれからの山の保安体制維持をどうすることが一番いいか、これは今後の対策として私は具体的に申し上げたいと思います。
 先ほども私は入ったときの現場状況を申し上げました。三十センチから四十センチ案はもうほとんど地圧が上に上がってきて盤膨れ状態になってきている。これがだんだん保安上の対応がおくれてきまして、間々あることでございますけれども、いわゆる自然発火が生じて二次災害が起きる、こういう心配なしとは言えないですね、今の現場状況をずっと見てまいりますと。炭鉱というのは、これは日一日どころか一時間ごとに地圧が変わってきます。気圧によって変わるし、地域によって変わるわけですから、だから今の状態、ずっと三十センチ四十センチ、やがて一メートルまでなった場合に、だんだん山が狭くなってきまして、それがやっぱり先ほど言ったように自然発火になる可能性がある。これは二次災害を起こすような原因にもなりますので、そういう最悪の事態はどうしてもこれは避けなきゃならぬ。したがって、現在当面何が一番大事かということなんでありますが、やはり通気と坑道維持をきちっとすることであります。これをしっかり固めないと、保安上の問題ですから、それを早急にやることが何よりも急務だと思います。したがって、当面保安要員をできるだけ増員体制をとって、現在、さっきも申し上げましたように、風管の取りかえ作業だとかあるいは率直に申し上げて機械の移動であるとかあるいは消火器のあれだとか、それはやっていますよ。だから、私は、一番今大事なことは何かと言えば、早く山の全体を、通気系統を、通気、通行をきちっと完備しておくことである。そのための保安要員はこれは保安当局としても当然増員体制をして、まず通気と坑道というものを完全にやっぱり整備しておくことが急務である、これは大事な点だと思うんですが、この対応をすべきだと私思いますが、政府側はどうでしょうか。
○政府委員(平河喜美男君) 坑道の安全のためにも、通気あるいは坑道の保全というのは一番重要ではないかと先生の御指摘でございますが、そのとおりだと私どもも理解しております。特に当該炭鉱におきましては、坑内を長期間放置いたしますと盤膨れ、自然発火等の保安上の問題が生ずるおそれがあるということはよくわかっておりますので、災害発生箇所につきましても実況検分の実施に支障が生じない程度に必要な保案件業を認める方針でやっております。
 なお、災害発生箇所の本格的な保案件業の実施につきましては、会社側の具体的な計画を十分チェックし、特に災害原因に係る可能性のある機器の保存等を前提にした上で判断することとはしておりますけれども、とりあえず一卸八片払い関係の電気設備の復旧等、保安対策については内容を検討の上実施する旨、六月三日に了承しているところでございます。
○対馬孝且君 そういう点で、何といっても災害原因の明確化の方向性を一日も早く政府見解を出すということが第一点。第二は、今言ったように通気、通行の坑道完備を、通気の管理を早急に完備することである、こういう今も局長から答弁がございましたから、そういう点をひとつ大臣ね、生産再開とごっちゃにしては困るんだけれども、問題は基本的な災害原因の方向を方向づけることです。もちろん結論が出るまではこれは時間がかかりますからね、政府として調査団に方向性をまず求めること、これを出させること。それから二つ目は、さっきもお答えございましたように、通気あるいは坑道の完備、電気系統を含めて早急に完備をすること。そういう体制ができ上がった段階で、つまり上部の――私も行きましたら陳情を受けました。これは夕張市長を初め山の皆さんからも、全くいたたまれぬ、このままではどうにもならぬ、場合によってはまた夕張新鉱の二の舞になるんではないかという閉山の恐怖、そういうものの陳情もありました。
 だから、そこへ行くためには、今言ったように早急に二つのことを、基本的には災害原因の方向性をまず早急に結論づけること、二つ目は当面何としても通気あるいは坑道の整備、それから保安の体制の整備というものを急がせる。その総合判断をした上に立って、再開という問題をどういうふうに段階的にいくのか、あるいはどういうふうにいくのかということを段階的に方向性を求めて、上部なら上部の再開は可能性があるのかないのか、こういう段階論でひとつきちっと整備をしてもらいたい。これを私から申し上げておきます。この点について考え方があればちょっと聞かしてください。
○国務大臣(村田敬次郎君) 対馬委員から現地を詳細に調査した上でのいろいろな貴重な御見解承りました。
 坑内を長期間放置いたしますと、盤膨れ、それから自然発火等の保安上の問題が生ずるおそれがありますために、災害発生箇所につきましても実況検分の実施に支障が生じない程度に必要な保案件業を認める方針でございます。
 また、災害発生箇所の本格的保案件業の実施につきましては、会社側の具体的な計画を十分チェックし、そして特に災害原因に係る可能性のある機器の保存等を前提にした上で判断することとしておりますが、とりあえず一卸八片払い関係の電気設備の復旧等、保安対策につきましては内容を検討の上実施する旨、六月三日に了承しておるところでございます。
○対馬孝且君 今大臣からお答えございましたので、そういう大臣の考え方に立ってぜひひとつ保安体制を基本に据えながら対応いたしてもらいたい。これ特に申し上げておきます。
 時間もあと十分足らずになっちゃって、これ後の問題が随分残ってしまって申しわけないんだけれども、保安対策上の個々の問題について二つだけぜひ申し上げておきたい。
 これは私は当委員会で何回も言っておりますから、もう申し上げることないんでありますけれども、試験炭鉱を早急につくって、やっぱり深部にどんどん深まっていっていますからね、試験炭鉱をつくるべきだという主張を何回もしています。今これをここで私は申し上げません。
 当面大事なことは何かと言いますと、こういう災害の教訓を得て中長期を展望した場合に、当面、対策としてぜひ考えてもらいたいのは、試験現場、試験切り羽というものを谷山ごとに位置づけるべきである、私の考えは。特にこれ今言ったようなこういう災害が起きた結果、原因を踏まえて試験現場、試験切り羽というものを谷山ごとに設定をすべきである、位置づけるべきである、それに対して政府としては当然保安対策の強化として、それに坑道補助であるとか保安補助金であるとか、こういう手だてを強化すべきではないか。それが第一点であります。
 当面、問題ですから、恒久的には時間ありませんから、いずれ第八次政策の方でやりますけれども、第二の問題は、鉱山技術センター、いわゆる技研ですね、技研に対して委託調査をやっているでしょう、現実に。これはやっぱり強化すべきである。やっていること悪いというんじゃなくて、いいことだから。特にこの災害ケースが年々歳々変わってきているから、だから災害ケースの新たな調査というものを鉱山技術センターに委託調査を今やっているわけですが、これを拡大強化して保安の万全を期すべきである。この二つを当面の保安対策としてぜひとってもらいたい。この点についての答弁をお伺いします。
○政府委員(平河喜美男君) 御指摘のように、我が国の炭鉱の条件の悪化に伴いまして技術開発が大変重要であるということは我々も認識しておるところでございます。特に先生御指摘のように、現場の山に適した実用化試験が必要ではなかろうかと思いまして、既に現場適用化試験を操業中の炭鉱現場を活用しながら行っているところでございますけれども、なお一層この辺を強化してまいりたいと思っておりますし、御指摘の石炭技研を中心にした委託研究関係につきましても、今後ともなおその内容を拡充強化してまいりたい、かように考えております。
○対馬孝且君 今保安対策強化につきまして局長からお答えがございました。大臣、これについて今答弁がございましたけれども、より積極的にこれをひとつ対応するように大臣からも一言考え方をお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(村田敬次郎君) ただいま平河局長から申し述べたとおりでございまして、積極的に対応いたしたいと思います。
○対馬孝且君 それで、先ほど来午前中にも同僚議員からも第八次に臨む政策につきまして御質問がございました。私も先般のエネルギー委員会、商工委員会でも大臣から何回もお聞きしていますので、時間もありませんから、くどくど申し上げませんが、基本的に今回の大夕張災害、高島災害に伴って、先ほどもお答えございましたが、二千万トン体制というのは基本的に七次政策の柱ですから、これを踏まえて八次政策に臨んでもらいたい。これは率直に申し上げますよ、先ほどは大臣丁寧に菅野議員にお答えをしておりましたから重複を避けますけれども、やっぱり第八次に臨むに際して意見を聞くことは当然だと思うんです。大臣の姿勢は私は理解しているんですがね。鉱業審議会をこれから七月か八月に開始して、一年間、もちろん学識経験者、また国会でもやりますけれども、意見を聞くのは当然だけれども、基本姿勢として、大臣として現地へ行ったときに二千万トン体制を基本的には堅持をしていきたい、この方針で臨みますということを言っておりますし、それから私がこの間も申し上げましたように炭鉱の八次政策を樹立する場合に、一つは何といっても国内資源を確保することである、第二は地域社会を守ることだ、第三は炭鉱の雇用確保を守ることである、こういう三原則に立ってこれからの八次政策に臨むに対しての態度をとってもらいたいということについては大臣も、非常に基本的な姿勢としては明快なお答えがございました。
 そこで私は、これは時間もありませんから申し上げたいことは、この考え方については変わりはないかどうかということ、この二点、ちょっとまずお伺いしたいと思います。
○国務大臣(村田敬次郎君) 二千万トン体制は第七次の石炭対策でありますから、これは従来の方針を変えることなく札処をいたします。
 第八次はこれから諮問をし、一年間をかけて答申をいただくわけでありますから、したがって、これについては答申を見ました上でフランクに対処をしたい。ただその際に、対馬委員も御指摘になりましたが、国内炭の資源としての重要性、それから現地の実情、そういったものも勘案しつつ対応をする、こういうことでございます。
○対馬孝且君 大臣、七次政策の二千万トン、そしてまた今言った地域社会あるいは国内資源の保護、そしてまた雇用確保ということは結構なんですけれども、これらの意見を聞くという前に、私が言っているのは、大臣みずから、政府みずから基本姿勢を持ってもらわぬと、ただ意見を聞いたんだけれども、いや千七百万トンに下方修正せいというからそれでは千七百万トンにいたしましたと、これでは私はあれだと思うんですよ。大臣としての姿勢は変わらないかと聞いたのは私はそこを言っているわけです。大臣が現地に行かれてすぱっと二千万トン第七次政策で維持していきたい、私は非常に感動しましたし、また敬意も表したわけですが、その考え方を持って第八次に臨んでもらう、この姿勢に立ってもらいたいということを言っておるわけです。
 なぜこれにこだわるかというと、つまりはっきり申し上げて現状、山を維持していかなきゃならぬわけですよ。つまり、トン数を減らしていくということはもう言うまでもなく、大臣も御承知のとおり、それだけ、石炭合理化事業団の合理化計画で始まって、結局切り捨てざるを得なくなるわけですよ、そうでしょう。現実にこれは二千万トンが千五百万トンに仮に下方修正したら一定の合理化をしなきゃならぬわけです、切り捨てなきゃならぬわけだ。そうすると現状の山はもちろん保安を最優先確保でありますけれども、現状、山それ自体はそのベースに合わなければ、それは政府が言う採算、合理性に合わなければその山は閉山になる、そうならざるを得ない状況になる、こういうことが全然関係がないわけじゃないんですよ。むしろ積極的に関係があるわけです。二千万トン体制と現行、山の閉山をせしめないで現状を維持し、拡大をすると、そこまでいかなくても現状を維持するというためにはやっぱり第七次政策に出したように、千八百万トンから二千万トン体制をというあの答申になりましたね、あの方針をこれからも持ってひとつ第八次政策に臨んでもらいたいという、大臣の所信を私は聞いているわけですから、その点をひとつもう一度お聞かせ願いたい。
○国務大臣(村田敬次郎君) 対馬委員、私は終始一貫非常に明瞭な態度をとっておるのでございまして、ただその第八次はこれから諮問をし、答申をいただくわけでありますから、もう二千万トンに決定をいたしましたという言い方はできないわけでございまして、白紙で対応するという基本的な立場はこれは御理解いただきませんと何のための諮問かわからないと思うんです。ただ、先ほど来申し上げておりますように、基本となります国内炭重視の姿勢、あるいは現地の実情等を重視する姿勢というものは変わりません。こういうことを申し上げておるわけです。
○対馬孝且君 だから、その国内炭保護と地域社会を守るということが山を閉山せしめない、閉山したんでは地域社会がつぶれちゃうんだ。大臣もさっき言われたように、高島炭鉱が、もしあそこがつぶれたら高島という町がつぶれちゃうんですからね。そのことを私は言っているわけでありまして、そういう柱をひとつ基本に据えて八次政策は二千万トンという基本方針で努力をしてもらいたい、ぜひとってもらいたい、そういう考え方を言っておるわけです。ぜひそれでひとつ不退転の決意で臨んでもらいたいと思います。よろしゅうございますね。
○国務大臣(村田敬次郎君) 対馬委員の御指摘になりました気持ちはもう十分わかっておりますから、それはわかっておりまして、これから諮問、答申という段階があるわけでございますから、これには白紙で臨む、これは御了解をいただきませんと諮問の意味がなくなりますから。
○対馬孝且君 もちろん諮問するわけですから、まだ今から案を書いているわけではないですから、基本姿勢と聞いているわけですから。そしていずれにしましても、雇用確保、地域社会、国内炭の保護、国内資源の活用ということをひとつ原則に対処してもらいたい、強く申し上げておきたい。くどいようですけれども、ぜひひとつその方針に立ってもらいたい、こう申し上げておきます。
 それから、労働省来ておりますけれども、その労働災害後における遺家族の雇用問題、労災の認定、弔慰金、これらを含めてどういうふうに進んでいるかということを、時間もありませんので簡潔にひとつお答え願いたい。
○政府委員(白井晋太郎君) お答えいたします。
 先般の委員会で対馬委員にお答え申し上げましたとおり、いわゆる上積み補償の問題につきましては、元請、下請の区別なく一律になされることが望ましいと労働省としても考えているところでございまして、早速北海道の労働基準局長が会社に指導を行って、会社と炭労との協定に基づきます上積み補償が六月八日までに格差なく支払われるものと聞いております。
 それからなお、労災保険の補償の問題でございますが、遺族補償給付等のこの補償につきましては現在まで事業所に対して請求書の提出指導等を行ってまいりましたところでございますけれども、遺族に対しましては現地の事情等遺族の状況等もございまして直接には差し控えていたところでございますけれども、一昨日六月三日に請求手続の説明会を開催いたしまして手続を完了するように指導いたしておるところでございます。現在まで十件提出をされておりますが、なお残りの分についても近々に請求されるものというふうに思っております。
○説明員(矢田貝寛文君) 御質問にございました御遺族の方々の雇用問題でございますが、御遺族の方々、母子家庭の方が三十六、寡婦十六世帯、老人その他となっておりますが、いずれにしてもこの方々が今後生活設計される場合に職業というものは大変重要でございますので、現地の安定機関に対しても全力で取り組めという指示を既にいたしております。具体的には、まだ御遺族の方々は喪に服していらっしゃるといいましょうか、やっと補償問題その他がスタートした時点でございますので、この辺の心の整理等がつき次第、現地め安定所に特別の相談窓口を設けまして各種の訓練制度とかあるいは特別の求人開拓を実施するとか、私どもの持っております各種の援護措置なり機能等をフルに活用して雇用の安定に努めてまいりたいと思っております。
 ただ、先生御案内のとおり、現地夕張地区はもとよりでございますが、北道海全体が大変雇用情勢が厳しいところでございますので、私ども機関としても全力を挙げますが、会社側におかれましてもその自社への採用なり関連のところへのごあっせんとか、そういった点にもいろいろと御協力していただかなきゃいかぬだろうと思っております。
○対馬孝且君 白井審議官のお答えもありましたから、ひとつ特に大事なところはこの前から申し上げておりますように、組夫と下請との差別のないように、これは基本的な人権問題ですから、基本権の問題ですから、そこだけは労働省は完全に実行してもらいたい。もちろん労使では完全にやっていると思いますけれども、そこいま一度ひとつ行政指導をすべきであるということを申し上げます。
 それから、矢田貝課長からありましたように、もちろんこれからが例えば地元に残るか、あるいは札幌に出るか、本州に出るかということがありますから、もちろんこれは会社、労使の中で雇用のきめ細かい対策がとられると思うけれども、やっぱり夕張から離れる場合、ここが大事なところでございまして、そういう点をひとつきめ細かく配慮するようにしてもらいたい。
 これを申し上げて、質問を終わります。
   〔理事沖外夫君退席、委員長着席〕
○工藤万砂美君 悪夢のような災害が発生いたしましてから、もう既に十七日間たったわけでありますが、関係者の方々、政府調査団、もちろん現地の方々、一生懸命御努力をされているにかかわらず、いまだに爆発の原因がつかめない。こういうことについての、各方面から南大夕張炭鉱に対する不安の声が出てきておるわけでございます。
 大災害の割には坑道の損傷等が非常に少ないという状態でありますのに、いまだに事故究明が結論として出ていないということに対して、非常ないら立ちさえ感ずる昨今でありますけれども、爆発原因究明の作業のいわゆる進捗状況等については、きのうまでの経緯については、今、同僚議員からの質疑応答の中である程度理解はできまするものの、これからの原因究明の作業のいわゆる進捗状況というものはどういうふうになっていくのか、これについてちょっとお伺いをさしていただきます。
○政府委員(平河喜美男君) 御指摘の災害原因の究明のために、私どもの方の札幌の鉱山保安監督局及び事故調査委員会が全力を挙げて調査をしているところでございますが、現在までに調査委員会としまして、先月の二十一−二十三日に現地に入って調査しております。さらに、三十一日にも、一部委員が入坑して現場調査を行っております。
 なお、今週末にかけまして、やはり現場の入坑調査及び検討会の開催等を予定しております。
 それから、現場からの、先ほどもちょっと御説明しましたけれども、火源の特定等のために機器等の搬出入をいたしまして、坑外での精査等をいたしているところでございます。
 参考のために申し上げますと、私どもの監督局で、この調査に現在までつぎ込んだ人員は、延べ二百五十人に達しているところでございます。
○工藤万砂美君 徹底した原因究明のための手段としては、私は非常に適切なやり方だと思いますけれども、坑内機械や電気工作物を、事故当時のものは一応坑外に上げて、そのかわりに新しくいろんな保案件業をやるために必要な電気工作物あるいは機械というものを中に入れるわけでございますけれども、新しい電気工作物あるいはまた機械を入れて設置するまでの、大体所要日数というのはどのぐらいかかるのでございましょうか。
○政府委員(平河喜美男君) 御指摘の工作物等についての搬入日数は、大体十日ぐらいじゃなかろうかと思っております。
○工藤万砂美君 そうしますと、それは何日から十日ということでございますか。
 それから、その十日間かかった後の調査団の作業手順というものはどういうふうに進められてまいりますか。
○政府委員(平河喜美男君) 会社側の保安の具体的な計画をチェックしまして、私どもの方がその対策の内容について実施を了承したのは三日でございますから、そこから、先ほどの電気設備の復旧等の保安工事が始まるわけでございまして、それから十日ぐらいかかる、こういうことでございます。
 それから、調査委員会あるいは監督局の調査の作業は、これらの作業と並行して行ってまいることになるかと思います。
○工藤万砂美君 それから、私どもも現地に参りましていろいろなお話を聞いたわけでございますけれども、一卸地域と、それから上部地域、三卸ですか、大体三つの地域があるわけでございますが、これはそれぞれ独立した通気になっているわけでございますね。
○政府委員(平河喜美男君) 先生の御質問は、主として通気関係じゃなかろうかと思いますけれども、一卸区域は第一斜坑及び第二斜坑から主要な入気を行い、排気立坑から排気を行っております。これに対しまして上部区域及び三卸区域は幌南第一斜坑より主要な入気をとっておりまして、幌南第二斜坑より排気を行っている。もちろん坑内は続いておりますから、若干の通気の連絡ございますけれども、基本的には一卸区域を上部区域及び三卸区域は、先生御指摘のとおり、一応独立した通気と解釈してもよろしいんじゃないかと思っております。
○工藤万砂美君 災害発生前の、大体この三地域の総体的な風量はどのぐらいでございましたか。
○政府委員(平河喜美男君) ちょっと手元に十分な資料を持ち合わせておりませんので、私の大体の記憶でお答えさしていただきたいと思いますけれども、一卸区域が約五千立米パー分でございます。それから三卸区域が四千立米、上部区域が約二千五百立米、かように記憶しております。
○工藤万砂美君 これは恐らく炭鉱によってそれぞれ通気系統を検討した上での、いわゆる適正風量だと私は思うんですけれども、これはあくまでも一卸が五千、それから三卸が四千ですか、上部が二千五百、こういうお話でございますけれども、これは南大夕張炭鉱としての、いわゆる適正風量だというふうにお思いですか。
○政府委員(平河喜美男君) 適切なる風量であると考えております。
○工藤万砂美君 私は、少しこれ多いような気がしてしょうがないんです、はっきり申し上げて。と申しますことは、あそこの場合は、切り羽なんかでも大体上段払い、下段払いございますね。坑道の風量と切り羽の風量とそれぞれ違いましょうけれども、大体普通夕張方面の風景としては、ロング面で大体千二百から千三百、上段払いの場合が。下段の場合は大体五百から七百ぐらい。これが普通の適正風量だというふうに我々は見ておったし、また夕張新炭鉱の場合でもそういうふうに風量計算を我々実はしておったわけでございますけれども、ちょっと私は多いような気がするんですが、そうは思いませんか。
○政府委員(平河喜美男君) 専門家の意見を聞いてみましたら、先生御指摘のとおり多少多目のようでございます。
○工藤万砂美君 そこが私は問題だと思うんですけれどもね。ということは、風量というのは大体風速と風圧と非常な関係を持っています。これは当然なわけですよ。それと、風速と風圧によって、今同僚議員が指摘ございましたような自然発火の問題に非常に強い関連性を持っているわけでございますね。だから、要するに坑内通気というのは、入気の場合の風量と総排気の風量と、大体一〇%、一割ぐらい違いますね。大体一〇%ぐらい多いんです、排気の場合が。しかしながら、余り風量が多いと、今対馬委員から御説明がございましたように、坑道が非常に狭隘になってきておりますね。そうしますと、そこで風圧と風速が速まります、当然に。それは、無理していけないものですから、結局は払い跡の方へもぐれていったり、それから角々の言うならば炭層の間ににじみ込んだりしていってそこでいわゆる自然発火という問題が起きてくる、こういうことになるわけだと思うんですよ。これは実態としてお調べ願って結構ですけれども、夕張新炭鉱の排気坑でもそういう自然発火の問題があった。いろいろ調べてみたらやはり風量が多過ぎて、しかも上添え目抜きかどこか、その辺を通っていったときに風量が適正でなかったものですから自然発火をちょっと起こしたと、これは報告しているかどうかわかりませんけれどもね、過去のことですから。そういうことがあったわけですよ。だから私どもは、あくまでも適正な風量というのはいわゆるガスの排除とそれからいわゆる坑内の高熱の対策として適正な風量と、こういうことに思いをいたしますときに、四千とか五千というのはちょっと私はとても多いような気がしてしょうがないんですね。せいぜい私は三千ないしは二千五百ぐらいが適正であろうかなとこう思うし、また余り無理して強制通気しますと、今申し上げたように、言うなれば戸門あたりから旧払い跡に空気が入っていって、そしてそこで酸素が入っていくものですから自然発火を起こすとか、あるいは坑道の中、あるいは旧目抜きのあたりを通った風が自然発火を招き出すと、こういうことになろうと思うんです。
 そこで、これは専門的にとやかく申し上げる気持ちはありませんけれども、ただそういうことをいろいろ考えてまいりますと、やはり私は今後の二次災害という問題に重大な関心を持って今後の保案件業というものをやっていかなきゃならぬではないかなと、こう思うんです。ですから、わずか十日か半月ぐらいの間に、対馬委員の御指摘のように、三十センチも二十センチも盤膨れをするとか、あるいはまた天盤が落ちてくるとかいうことで狭隘になってきますわね。そうするとどうしても無理した風圧、風速が出てくる、そこに二次災害の原因というものが潜んでいると、こういうことを考えますときに、やはり今の上部地域にしてもあるいは三卸にしても、さらにまた一卸の地域にいたしましても、坑道の改修と風道の管理というのはこれは厳密にやらなきゃならぬし、早急に私はやるべきだなとこう思いまするし、特にあの炭層は御承知のように優秀な原料炭でかなりカロリーも高い炭である、こういうことと同時に、言うなれば上盤も下盤もたしかシェルだったですね、シェルですから非常に弱いですね、はっきり申し上げて。そういうことからしますと、やはり一週間か十日ぐらいしかもたないということであるならば、やはり今の災害の原因究明は究明として、並行して全面的に保案件業ということで坑道の改善とか拡大とか仕繰り作業、こういったようなものを積極的に指示しなければ私は二次災害につながってくる心配があるし、自然発火も起きやすいなとこう思うんですけれども、局長とう思いますか。
○政府委員(平河喜美男君) 風量と二次災害の関係につきまして先生から非常に精緻な議論を展開していただきまして、正直言いまして私フォローできないような状況でございますけれども、これは現地の方に命じましてよく検討するように言っておきたいと思います。
 なお、先生御指摘の休止している間に二次災害が起こっては大変じゃないかという御指摘でございますが、私どもはそれはもう非常に重大な問題だと思いますから保案件業は逐次やらせることにしたいと思っておりますし、なお当該炭鉱の自然条件を考えますと自然発火防止というのは一番重要であるというふうに認識しておりまして、このために炭鉱でも、坑内保安係員が密閉箇所、払い跡等の自然発火のおそれがある箇所は母方巡回観測しますとともに、特に払い跡のガスなどにつきましては一日一回分析するというようなことで、自然発火防止には十分な観測体制をとっておるつもりでございます。
○工藤万砂美君 そこで、きのうからけさにかけましても私どものところへ連絡がございまして、きょうエネ特が開かれるそうだなと地元の方々が非常に心配をして電話をかけてきているわけです。その電話の内容は、まず夕張市、それから夕張の商工会議所、それから地域の商店街の方々が、やっぱり我々いろいろ心配をしているんだけれども、何とかして早く一部再開なり何なりをしていただかないと困る、こういう要請を実は私も受けたわけでございます。それは私の立場といたしましても、やはり原因がはっきり究明されない限り一部再開とか全面再開とかいうことは非常に難しい問題ではあるけれども、しかし地域の実情とこの大夕張にかける期待というものを考えてみた場合やはりこれは御一考願いたいと思うんですけれども、今申し上げたような坑道の整備をしなきゃならぬし、あるいはまた、場合によっては上部地域の一卸と三卸にかかわり合いのないようなところ等については保安採炭を含めてやはり一部再開をするというぐらいのいわゆる御配慮ができないものかしらと、こういう実は熱烈な御要請等がございました。
 これは恐らく対馬委員もおっしゃったことの本当の裏の意味は、こいねがわくは上部ぐらいは、今のところは原因究明は究明として厳密にやっていかなきゃならぬけれども、しかし当炭鉱の将来のことを考え地域のことを考えると、やはり保安採炭ぐらいはどうなんだろうかなと、そういうような願いを腹の内に込めての私は質問ではなかったかなと思うんです。私は、一卸の原因究明については厳密にやってもらう、それと同時に保安対策をがっちりやってもらう、そういうことを念頭に置きながら、経営者側といたしましても労使で協調し合って、上部地域の保安採炭あるいはまた保案件業、これについても御配慮をいただくべきだなというふうに考えておるわけでございますけれども、その点はいかがなものでございましょうか。
○政府委員(平河喜美男君) 二次災害防止のための坑内の保安対策が重要であるという御指摘はそのとおりでございます。また、御指摘の一部再開、特に上部の一部再開というのが一つの方向ではないかというお考えでございますけれども、いずれにしましても保安の確保が図られるという見通しが得られることがポイントではないかと思っております。私どもとしても鋭意原因究明に取り組みまして、坑内の状況にも十分注視いたしまして検討してまいりたいと思っております。
○工藤万砂美君 これは私が質問したからといって、わかりました、すぐ考えますなんという御答弁がいただけるとは期待はいたしておりませんけれども、そういう熱意が地元にあるということだけは御認識いただきたいと思うんです。
 そこで、災害が発生しました後の非常にお気の毒な遺族に対する援護はもちろんこれは全力を尽くしてやっていただかなきゃならぬことではございますけれども、そういういろいろな諸般の費用を除いて、一日のいわゆる休業によって生ずる言うなれば損失というものは大体七千万円ぐらいだと、こういうふうに剛いておるわけでございますけれども、その辺はどういうふうに判断されていらっしゃいますか。
○政府委員(柴田益男君) 先生御指摘のとおり、大体一日当たり七千万円程度の売上減になると見込まれます。
○工藤万砂美君 これは売上減と損失と大分意味が違ってまいりますけれども、総体的には損失として私は七千万円ぐらいだなというふうに理解はしておるわけでございますが、どうですか。
○政府委員(柴田益男君) 七千万円の根拠は、この山は大体一日三千五百トン程度生産しておりまして、炭価二万円と計算しまして七千万円ということでございまして、まあ全部損になりますかどうか、ともかく売り上げはそれだけ減ると、そういうような見込みでございます。
○工藤万砂美君 そこで、この間もちょっと新聞に出ておりましたけれども、三菱セメントの会長の大槻文平さんですか、この災害が非常に一日の損失が大きいので、二カ月以上になると非常に重大なことになるというようなことをおっしゃりながら、しかし何としても再建に努力をするというふうなことをおっしゃっていた記事が出ておりましたけれども、私はやっぱり企業としての地域に対する責任というものを考えてまいりますと、これはやっぱり三菱グループとしても、これはただ単に大夕張炭鉱、あるいはまた九州の炭鉱等の問題、その会社だけにこの問題を預けないで、やっぱりグループとしてこれは積極果敢に資金的な面でも、あるいはその他の面でも責任をもってやっていただかなければ、私は企業としての社会的責任はとれないというふうに考えるわけでございますけれども、その点は三菱グループの協力等が得られるような形になっているのかどうか。これは今そういうことをお伺いするのは非常に難しいかと思いますけれども、もしもそういう三菱グループの協力を、再建についての協力をいただける話をまずしてないとしたならば、やはりこちらからも大槻さんあたりには何とかまあひとつ協力してくれるように、そのぐらいのことはお話をしていただくぐらいの用意はございますか。
○政府委員(柴田益男君) 今次の災害に対する今後の対応といたしましては、三菱グループが糊会社を含めて支援すると、そういうものとして我々も承知しておりまして、当然三菱グループとして最大限努力するということになろうと思います。
○工藤万砂美君 では、そういう御要請を既にされているとしたならば、これは非常に手回しのいいことで我々も安心するわけでございますけれども、ただここで私一つ申し上げなければならぬことは、今日までの全国的ないろんな大きな炭鉱災害が発生をしてきたわけでございますけれども、その数多い炭鉱事故で一番やはり哀れをとどめるのは、常にやはり下請企業だというふうに私はその実態を見てきておるわけでございます。もちろん下請企業ということは、会社を含めその従業員の方々でございますけれども、今般の災害等についても、私どもは現地へ参りましたときには、請負関係が四百十一名で、それから臨時夫と言われる方が百二十三名ですか、坑内外合わせて五百三十四名の人々が稼働していた、そういうふうにもなっておりますけれども、この数字は間違いございませんかな。御答弁できますか。
○政府委員(高橋達直君) 私どもが承知をしておる数字も、六十年の四月末現在でただいま先生がおっしゃった数字になっております。
○工藤万砂美君 けさのこれは最もホットな連絡なんですけれども、数字がちょっと違いまして、下請の会社が大体十二社ですね。それから、そこの従業員数というのは五百六十八人になっておるんですね。これは現地のあれですよ、砿業所から私伺ったんですよ。そこで五百六十八名と五百三十四名では格差が出てくるわけでございますけれども、その間にいわゆる臨時夫というのがいらっしゃいますね。これは坑内が三十九で、坑外が八十四、合計百二十三、こういう御説明を現地で承りました。この臨時夫という方々の所属はどういうふうになっているか伺っておりますか。
○政府委員(高橋達直君) この臨時夫の地位と申しますか、性格につきましては、直轄の雇いで、いわばアルバイトのような形で臨時に雇われるというふうに開いております。
○工藤万砂美君 いわゆる直轄臨時夫というやつですね。
 なぜ私はこういうことを言うかといいますと、炭鉱の経理を公開する場合に、非常に能率に関係をしてきますね、トン当たりの能率に。ですからできるだけ鉱山労働者というような登録をしない向きがあるんです、実は。それが将来問題を起こす原因の一つになるわけです。例えばこれはこんなことを申し上げたくないんですけれども、北炭夕張新鉱のときにもこういうケースがございました。同じように働いておって、片方はいわゆる黒手帳をもらう、片方は全然もらえない。これは一体どういうんだということを、今そこで当面する問題にぶつかってしまってから、けんけんがくがくやってもおさまらないわけですね。だから私は炭鉱の能率というものは果たしてこれは正直な能率になっているのかなとうかなといったことについての疑いを持っているんです。ですからこういう臨時夫あるいは常用臨時夫という方も中にいらっしゃいますから、それからいわゆる下請の組夫、組夫の方々も当然これは鉱山労働者として扱っていただきませんと、万が一のことがあった場合に、政府の方としても救いようがないですね、はっきり申し上げて。だから私はこの問題にあえて触れさせていただきましたけれども、その辺の管理をよくやっていただきたい、私はそう思うんです。
 そこで、今回の南大夕張炭鉱の下請の方々に対する施策は、現状としては今どうなっているんでございましょうか。
○政府委員(高橋達直君) 下請夫及び臨時夫が操業を停止しているときにどういう処遇を受けているかというお尋ねかと思うわけでございますが、この点につきましては、常用労働者、直轄の常用労働者と差別ない処遇になっているというふうに承知をしておりまして、具体的には、事故前の給与、休業前三カ月の平均給与の八〇%が保障されているというふうに承知をしております。
○工藤万砂美君 これは三カ月前の平均の八〇%ということで、それで決定をしたんですか、会社側と。
○政府委員(高橋達直君) 会社側と話し合いがついたというふうに承知しております。
○工藤万砂美君 こういうケースは実は非常に珍しゅうございまして、私はいかに会社側はそういう遺族に対するいろんな援護だとか、それから下請に対するそういう配慮をしているかということについては、むしろ私は事故を起こしたことは現実の問題としてはこれはやむを得ぬとしても、そういう対策については私は会社側としてはこれは立派な対策だなと思っているんですが、高島の状態はどうなっているんですか。
○政府委員(高橋達直君) 詳細承知をしてないのでございますけれども、この南大夕張の場合と同じような状況になっているものと考えております。
○工藤万砂美君 そういう面では非常に会社側も大変手厚い対策を練っているなと、これもひとえに政府からの御指導もあったかと思うんで、それについては敬意を表しますが、ただ問題は、前段に申し上げたように、休業が長引くということによって出てくるデメリットというのは、結局は若い方々は、もうこれはこんなに休んでいたんじゃ、炭鉱で働くよりむしろ今これから農作業とか、いろんな土木作業とか公共事業がたくさんあるわけでございますから、そちらの方に行った方がいいなという声が現実に出てきているそうです。しかし、年を召した方々は、これは同じ炭鉱の下請従業員といたしましても、まあ私は炭鉱で今までやってきたし、例えば北炭でも三菱でも定年退職をやって退職をして、それから各下請で働かしていただいている、どこへ行ったって働きようがないから、やむを得ぬから八〇%もいただいて、そして今後また再開したときには使っていただこうと。ところが、こういう方はこういう方なりに、例えば仕繰り作業をやらしたって、これは相当優秀な方々がむしろ会社側の要請によって、例えば常用臨時夫だとか、あるいは各下請会社に入ってやっていただいて仕繰り作業や坑道拡大作業をやらしていると、こういうことですから、それは先山級の方々はそういうふうに落ちついていらっしゃいますけれども、問題は後山の若い連中が非常に不安定な気持ちでおるんですね。ということの原因の一つは、我々には言うなれば八〇%、まだ現地の方々はもらえるというふうには感じてはいないようですけれども、それはどういう形でもらうかということにも原因がありますね。例えば現金でくれるのか、あるいは会社に対して手形でくれるのか、そういうことによってまた物の考え方が違ってきますから、それはやむを得ぬと思うんですけれども、ただ問題は会社自体が、下請会社自体がもたないんじゃないかなと、こういうような非常な不安を持ってきているんですね。ですから、やはりその八〇%もらうことはありがたいけれども、しかしうちの会社が一体どうなるかわからないから、今のうちにひとつこれを契機にしてどこか土木事業のあるところでも行こうと、こういう空気が非常に強うございまして、今炭鉱、これは炭鉱の下請にかかわらず、直轄でもそういう方がいるという話をきょう聞きました。ですから、そういう面から言いますと、言うなれば若年労働者を炭鉱の従業員としてこれからますます抱えていかなければ、何といいますか、若年労働力を入れないと族鉱の将来性にもかかわってくる問題でございますから、何としても私はさっき申し上げたようなことを含めながら、できればひとつ早く保案件業ということに全従業員を使っていただけるような方策を考えてやらないと大変なんだなという私は気がしてならないわけですよ。今炭鉱に新しく入ってきなさいと言ったって、これはこんなことを申し上げちゃ差しさわりがあるかもしれませんけれどもなかなか若い方は入ってきませんよね。ですから、勢い下請の方々にお願いをして人集めをしてもらう。ところが、その下請自体は常にやっぱりその炭鉱の重要な部面を受け持っているわけですね。言うなれば、言葉は悪いけれども、火の中水の中どこへでも飛び込んでいく、そういう特殊な技術と能力と、それから決意を持っているからこそ、私は炭鉱の中でも直轄の方々とまじり、あるいは場合によっては直轄の方々の先頭になっていろいろな危険な作業もやっていくと、こういう特殊な立場にある下請ですから、そういう下請は私は大事にしませんと、これは族鉱の将来の経営にも大きな蹉跌を来すというように考えるわけですよ。ですから、その下請のいわゆる会社の金融問題についてやっぱりある程度御配慮をいただかないとならないと思います。
 それからもう一点は、地元の商店街の方々、これは私もびっくりしたんですけれども、もう既に二〇%売り上げが落ち込んでいるそうでございます。ですから、これから長引くにつれて二〇%が二五になり、三〇になりというふうになりますので、これは大変なことになると思うんですよ。
 ですから私は、こういう大災害があった場合には大抵の場合、通常の場合ですよ、札幌通産の係の方、それから道の方の係の方、両方で相談をし合って現地に相談所を開設してくれると、そしてそういう下請の方々の金繰りの問題やらあるいはまた地元の商店会の方々の金融政策についても御配慮をいただくと。こういうじかにやっぱりやる、そういう姿勢というものが私は大事だと思うんです。ですから、ああ早速通産と道が両方で相談し合って現地にそういう相談室なり対策室を設けてくれたんだなと、そういうことだけで、いかに国や道がこの炭鉱に対して重要な関心を持ち、そしてこの炭鉱の将来性について期待をしているかということがうなずけられるような政策というのが私は必要だと思うんですけれども、これはそういう相談室を早急に設けるなんということについての御配慮は、大臣、これは今すぐそういう御答弁をお願いしてもむちゃなことでございましょうから、そういうことについてのお考え方だけについてちょっとお聞かせいただけませんか。
○国務大臣(村田敬次郎君) 工藤委員から三菱大夕張の事故につきましていろいろな視点から御指摘をいただいたところ承りました。
 今次災害の企業経営に及ぼす影響につきましては、被害の程度がまだ不分明でございますし、具体的には把握できませんが、経営基盤の脆弱な石炭企業にとってはかなりの痛手であることは間違いないと思料しております。で、会社の当面の資金繰りにつきましては、自己資金や市中金融機関からの借り入れ等により対応可能と承知しておりますが、さらに地元の商店街あるいは休業していらっしゃいます働く方々のこと、いろいろについて非常に温かい御配慮をいただいておるわけでございまして、これは政府としても工藤委員御指摘の問題はいろいろと相談をさしていただかなければならない問題であろうかと思います。
 また事業を再開するまでの期間におきましても、保安の確保というものも大前提として非常に必要なことでございますし、私がここで今委員御指摘のことを即答申し上げるわけにはいきませんが、政府委員その地よく相談をして検討をして対応しなければならないと、このように承りました。
○工藤万砂美君 本当に温かい御答弁をいただいわけでございますけれども、私は各炭鉱の事故の状態にならって何が何でもそういう相談室あるいは市民相談室的なものを――置いてくれればなお結構ですけれども、私は少なくとも巡回相談ぐらいはやっぱりやっていただくべきだと思うんですよ。例えば地域の商店街の組織がございますし、あるいは商工会議所という組織もございますし、あるいは市を窓口にしてやっていただくとか、そういう巡回相談ということをやっていただいて、やはり通産としても通産行政の中で大変に御心配をいただいているなというふうな、御配慮をしていただいているなという認識を地元の方々が持つことによって、これは我々はさらに南大夕張炭鉱に対して期待を持てるんだなと、こういうことにもなろうと思うんですけれども、もう少しその辺具体的に、せめて巡回相談ぐらいはわざわざこちらから、夕張から札幌なりどこなり出かけていかなくてもやっていただけるといったようなことについての御配慮はどうですか。
○政府委員(柴田益男君) 大変貴重な御指摘を今いただいているわけでございますが、現地の札幌通産局、道庁あるいは商店街関係の人、中小企業庁、そういうところと早速連絡をとりまして、具体的にそういう相談所をつくるかどうか、その辺の具体的内容は今後検討してまいりたいと思いますが、関係方面とよく相談してまいりたいと思います。
○工藤万砂美君 これは本当は中小企業庁とか、労働省の方にお出ましをいただければなお結構だったんですけれども、たまたま通産大臣がこの災害対策本部長でございますから、本部長の意見で私は決まっていくのだと思って頼りにしてそういう方々をお招きをしなかったわけでございますので、御答弁がしづらかったと思うんですけれども……。
 そこで当該の三菱南大夕張炭鉱というのは、毎回申し上げているように、国内でも最良の炭質であって、しかも私はここで炭量のことについては触れませんけれども、かなりな炭量が実はありまして将来性もあると、しかも労使の協調もとれている優良炭鉱であると、こういうふうに言われて、地域はもちろんのこと、私どもの北海道全体としても非常に期待をしている炭鉱であるわけでございます。そこで炭鉱経営については、これは保安と生産は車の両輪だということは今までもう何回も何回も繰り返し繰り返し言われてきたところであるし、またその両輪だということについてはもちろんでありますけれども、私は一方、それとは別に、石炭資源の開発という問題とそれから地域社会政策というものもまた車の両輪だなと、こういうことを基本にして私は今日の石炭政策というものが進められてきたと思っておるわけでございます。そういう意味から申しましても、既に地元の夕張市長からも大臣に対しまして強い要請があったはずでございますけれども、被災者の十分な援護の問題、そしてまた中小企業の対策の問題、さらには地域や従業員の方々の不安解消のためのいわゆる早期再開、こういうことについて直接大臣に御要請申し上げて陳情してきた、こういうふうに伺っておりますけれども、これに対する大臣のひとつ御所信をお伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(村田敬次郎君) 私は、工藤委員の御指摘のように、地元としてはぜひ生産を早く再開してほしいという強い御要望があるということもよく承知をいたしております。しかし、現時点では、今回の災害の原因すら具体的にまだ云々できる段階ではなく、生産再開の見通しを述べることは残念ながら困難でございます。私どもとしては、原因究明に鋭意取り組むとともに、その間における坑内の保安確保にも遺漏なきように十分配慮をしてまいりたいと思っております。
 また、今回の南大夕張炭鉱の災害に伴ういろいろ御指摘になられました地元対策につきましては、今後地元への影響の程度が判明するのを待って、必要に応じ地元北海道及び夕張市との連携を密にし、また、関係各省庁多うございます。関係各省庁ともよく相談を申し上げながら、地元に著しい影響を生じないよう総合的に配慮をしてまいりたい、このように考えております。
○工藤万砂美君 最後に、何回も何回も、あるいはまた同僚議員からも御要請、お伺いをすることでございますから、私もこれは御要請だけにとどめておきますけれども、やはり例の八次政策の問題に触れざるを得ないわけでございます。
 先ほどの、午前中のお答えの中では、渡辺幹事長代理とのお話の中で、この二千万トン体制という問題については十分検討しなきゃならぬなといったような、むしろ後ろ向きのようなお話があったやに私も実は聞いておるわけでございまして、そこで、大臣が勇気を奮って、それは私は私としての意見がございますと、しまいには意見が並行するかもしれぬけれども、お互いに国のためだからひとつ頑張ろうよなというふうにしてお別れをしたという先ほどのお話がございました。私もそれを伺っていて非常に頼もしい通産大臣だなというふうに実は感じたわけでございます。と申しますことは、与党の中にもかなりな御指摘をなさる方がいらっしゃる。そこで、私はもちろん与党という立場でこの問題については今後積極果敢に取り組んでいかなきゃならぬ一番大きな問題だと思っておりますけれども、やはり七次政策の中でも、二千万トン体制というものがエネルギーのいわゆる安全保障の面からと、こういうことを政策の中にうたっているわけでございますから、私は二千万トンが千七百万トンしか出ないからそれだけ落としてしまえということであっては、言うなればただ一つの国産エネルギーである石炭の将来性が非常に崩れてくるというふうに考えざるを得ないわけでございまして、二千万トンというふうに決めさしていただいたら、それにやはり大きな強い政府の政策というものがついていかなければ私は二千万トンは出ないと思います。ですから、そういう意味では、いろんな石炭予算その他で、かなり鉱害の方に予算も取られてはおりますけれども、前向きの石炭予算もいただいておるということについては評価はいたしまするものの、しかし政策としては、二千万トン出すためにどうやったらいいかということを、まず我々も知恵を絞り、政府もこれは知恵を絞っていただいて、本当に国内のエネルギーの安全保障になるんだという、こういう大事な位置づけを崩すということは、これはやっぱり大変な後ろ向きの政策になってしまう。だから、少なくとも閣議決定などでも二千万トンというふうに決めだということが過去にもあるわけですね。ですから、そういうふうに決めたということになれば、やはり八次政策についても、国のいわゆるエネルギーの安全保障の面からいっても、これはむしろ二千万トンにしたいからどうだというふうなことを諮問するぐらいの姿勢になけりゃ私はなかなかこの問題は解決しないんじゃないかというような気がしますし、それから産炭地域においても、各炭鉱、市町村でも、あるいはまた石炭企業にいたしましても、やはりこの二千万トンには非常に重大な関心を持っておりますので、これは大臣、大変御苦労さんな話でございます。いろんな客観情勢としては非常に悪いということについても我々よく理解をしておりますけれども、我々関係者も一生懸命応援をさせていただきますので、ぜひ大臣が後ろ向きの姿勢をとらないように、あくまでも前向きでひとつこの八次政策に取り組んでいただけるように心からひとつお願いをいたしまして終わります。
 ありがとうございました。
○藤原房雄君 過日、調査団の一員に加えさせていただきまして現地へ行ってまいりました。同僚委員からもいろいろな問題点について指摘がございましたが、まず第一点は、早期の原因究明ということであります。
 この問題については、非常に専門的な問題でもございますし、私どもが軽々に憶測で云々するわけにはいかないかもしれませんが、今日までも同僚委員からもお話ございましたし、また現場でもいろいろお話ございました。その点については先ほどお話の中にも出ておったところでございますが、肝心なところへまいりますと、調査委員会で調査中でございますということで、どこまで究明が進んでおるのか、我々の手の届かないところにあるということで非常に隔靴掻痒といいますか、先ほど来お話にございますように、地元では、いつこの結論が出るのか、そしてまた会社は一体どうなるのか、こういう不安の中にあるのが現状だと言わなければなりません。そういうことで、何といってもこの原因究明をいたしまして、保安体制の完全な体制のできた、そういうところから仕事を始めなけりゃならないのが大前提であることは論をまたないところであります。しかしながら、この事故調査委員会また政府でも積極的に原因究明についてはお取り組みになっていると思うんでありますが、これはいつごろどうなるのかというような愚問を発しても答えが出ることじゃないのかもしれませんが、とにかく積極的に取り組んでいただきたい。
 この原因究明のことについても現地でもいろいろなもうお話もあったんでありますが、私、感ずることを二、三申し上げたいんですけれども、これは、第七次の石炭対策の答申が出るに当たりまして、やっぱり保安の確保ということが非常に大事なことだということを明記されております。これはもう三十八年の第一次以来保安ということは当然のことでありますけれども、特に深部化、奥部化ということの中で、この保安の確保については非常にいろんな角度から述べられております。五十六年で、五十七年からこの第七次が始まっておるわけでありますが、依然として同じような事故が続いておる、今までの事故と現在のこの事故と、そして、深部化、奥部化になったためにということではなくして、大きな事故が起きるということについて、保安に対しての今日までの取り組み、当面の問題についてはいろんな施策がなされるのかもしれませんけれども、残りました数わずかの炭鉱、そしてまた今日までもいろんな議論の中で監督局の業務等についても、もっとこうあるべきだということについても非常に議論になっているわけですが、そういうものが実際に生かされているのかどうか。非常に事故の起きるたびにやるせない気持ちでおるんですけれども、これ第七次の中でいろいろ答申がありました問題等を踏まえて、当局も保安に対して特に重点的に取り組まれた姿勢というか、施策というか、そういうものは何であったのか。そしてまた、今回のこの事故を通しましてさらに、具体的なことは今後検討するといたしましても、どういう問題を重点に保安上考えていかなければならないというふうに認識していらっしゃるのか。そこら辺の保安という、第七次の答申を受けての、それからまた今回の打ち続く事故の中での保安に対する取り組み、こういうことについて、まず基本的な姿勢をお伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(村田敬次郎君) 藤原委員にお答え申し上げます。
 昨年の一月に三池炭鉱坑内火災事故が起こり、またことしに入りましてから四月に長崎県の高島炭鉱ガス爆発事故、そして引き続いて先月十七日の北海道南大夕張炭鉱事故と、ほぼ一年半の間に三たび重大災害が発生いたしまして、多数のお亡くなりになられた方、また罹災者が出ましたこと、まことに遺憾でございまして、鉱山保安行政を担当しております通商産業大臣としてこの事態を極めて深刻に受けとめております。
 この炭鉱災害を受けて、日本石炭協会の方でも重大災害撲滅対策ということで、六月三日を特別保安日として生産作業を停止し、総点検、保案件業、保安教育を実施する、その他いろいろ重要な対策を立てて私の方にお話においでになられました。
 また、通産省といたしましては今次災害の徹底的な原因究明を行いますとともに、労使一体となった自主保安体制の充実、保安技術の開発及び適切な監督指導等により、再びこうした事故の起こることがないように全力を挙げてまいる所存でございます。保安というものは、何よりこれは出発点でございまして、保安が完璧でない生産の職場というものは考えられないと言っても過言ではないわけでございます。したがいまして、藤原委員御指摘になられました保安の問題は、本当に心を引き締めて業界を督励をしてまいりたいと、このように考えております。
○藤原房雄君 この深部化、奥部化ということ、これはまたいろんな要素をはらんでおるわけでありますが、ここ数年の事故の原因、燃えるものと燃やすものがなければ爆発火災は起きないわけでありますが、ガスがどうして湧出したのかということ、ガス突出ではないということでありますからあれですが、それと火源は何かという、こういう問題について先ほども同僚委員からお話がございましたけれども、ここ数年のところずっと原因を見ますと、四十五年の三井砂川、これガス爆発で十九名の方がお亡くなりになった。この火源は自然発火または発破と、こういうことになっています。それから、四十六年の歌志内はガス突出ですが、四十七年の石狩のガス爆発、三十一名お亡くなりになった。小割り発破。それから、四十九年の十二月、三井砂川、これガス爆発は高燭安全電灯または自然発火という、これ十五名の犠牲者が出ました。五十年の十一月二十七日幌内、これもガス爆発で異常発破ということですね。五十二年の五月の三井芦別、二十五名の犠牲者がありました。これは発破ですか。五十四年の五月十六日、南大夕張、これは静電気というように今一応火源言われてます。五十六年の十月、夕張新鉱、これはガス突出ですが、ガス爆発で夕張新鉱でも十名の方がお亡くなりになったのは静電気というように推定されている。五十九年の一月の三井三池有明鉱は坑内火災。六十年四月の三菱高島砿、これはガス爆発ですが、調査中。現在も南大夕張、調査中と、こういうことで火源というのは大体発破、それから静電気、こういうことがこれは最近は言われているようですね。火源というふうに見られている。これは何も深部化、奥部化のことのためにこういう問題が特に浮かび出てきたということよりも基本的な問題でもあるのではないかという、そういう一面もあるんじゃないか、そういう深部化、奥部化に全然関係ないとは言いませんけれども。もっと基本的な問題について厳密な保安に対する姿勢というものがあれば防ぎ得たといいますか、事前のチェックのできた問題ではないかというふうに言わざるを得ないんでありますけれども、過去のこの四十五年からの五年間の火源、こういうもの等を見まして、政府としましてはこれはどういうふうに見ていらっしゃるのか。調査中だけで、そういうことについては御答弁するときじゃございませんというんじゃなくて、過去のことの経緯を踏まえて、ひとつこの間のことについて見解を伺っておきたいと思いますが。
○政府委員(平河喜美男君) 三池炭鉱、高島炭鉱の事故につきましては、ただいま先生御指摘のように、ベルトコンベヤーが火源になっております。高島炭鉱の場合、まだ火源はわかっておりませんけれども、ガスの管理に基本的な点検が確実になされてなかったと、こういうことから保安確保に対する慣れと過信があったのではないかと思われるということになっております。
 なお、過去のガス爆発につきましての火源は、先生御指摘のように、自然発火の場合、あるいは発破を契機とした場合、あるいは静電気、それから電気機器といったようなのが大きな分類としてあるわけでございます。現在南大夕張で調査している段階では、自然発火という線はほとんど出ておりませんし、発破の点も大体消えているようでございますので、残されましたものは電気関係のものあるいは静電気と、こういうことに絞られているんじゃなかろうかと思います。ただ、電気関係にしましても幾つかございますので、それを今細かく分けて調査していると、こういう段階でございます。
○藤原房雄君 私も電気屋の端くれでございましてね、原因を電気になすりつけるようなことはないでしょうね、かつては火災というと漏電とこう言われたと同じように。しかし、これも電気が悪者みたいなことになっておるんですが、それはもう今日まで、電気で多くの事故を起こしたのは過去これはもう数多くありました。そして、そういうことに対してのいろんな対策やなんかというのは今日までとられてきておるはずですね。同じようなことがなぜ電気系統、電気で事故を起こすような、まあ複雑な深部化、奥部化、坑内がすっかり様相が数年前とは変わってしまったというならいざ知らず、我々から言えば本当に単純というか、今までと同じような火源ということのためにこういう事故が起きるということであるならば、今までの原因究明とそれに対する施策、対策というのは一体何だったのかと、こう言わざるを得ないと思うんですけれども、どうですか。
○政府委員(平河喜美男君) 電気関係の事故でございますと、正常な作動をしている場合に火花が散ってということは一つ考えられますので、その場合は防爆装置にして、正常なる作動の場合には火源にならないというふうに措置をしてきております。また、静電気に関しましては、静電気を呼びやすいような設備等につきまして静電防止をするような施策をとっているところでございます。なお、それ以外に機械が古くなって、あるいは何らかの故障をしましてスパークをしたというようなケースにつきましては、常時これは点検をしてそういう故障をしないようにという対策なとることになっております。
○藤原房雄君 防爆型や静電気に対する施策、これはもう今の技術でできるはずですから、では一体何がどうなんだと、こう言いたくなるんですけれども、そこは調査中でございますと言うに決まっているんだけれども、同じ石につまずかないように、同じ事故、同じことを繰り返すことのないように、しかもとうとい人命を何十名単位で失うような坑内の事故につきましては特にひとつ徹底的な究明とその完全な対策、これは事務局の皆さんに言っても金のかかることですからあれですけれども、大臣は政治家ですから、ぜひ予算の枠の中で、厳しい財政だなんと言うんじゃなくて、ここわずかの間にこんなに大きな事故が相続いているということにかんがみまして、金に糸目をつけないと言ったらちょっと語弊があるかもしれませんけれども、そのくらいの意気込みで取り組んでいただきたい。取り組んでいただきたいというか、原因究明をすると同時に、電気系統にどうも疑いがあるならば電気系統についても徹底的な、そして同じ事故の発生源と思われるようなことのないような、そういう対策をここでしっかりと打ち立ててもらいたいと思いますが、大臣どうですか。
○国務大臣(村田敬次郎君) 藤原委員御指摘のように、我が国の炭鉱は坑内の深部化、奥部化などが次第に進んで採掘条件が悪化をしつつあるわけでございます。しかしまた、働く方々の努力というものが災害の防除についてもある程度の、何と申しますか災害を少なくするという方向に向かっていることは確かでありまして、御承知のように稼働延べ百万人当たりの災害率は昭和二十五年では千三百九十七人であった、二十年たった四十五年では八百十七人であった、五十九年では九十三人であったというふうに減っている方向に進んでおるわけでございまして、まさに人命は藤原委員御指摘のように極めて重い問題でございますから、予算問題その他ひとつできるだけ誠意を持って対応をしたいと思います。
○藤原房雄君 事故の数が減ったなんという、そんなことじゃなくて、同じ原因で同じ事故を起こすようなことのないような予算措置、これをひとつしっかりやってもらいたいということを私は申し上げているんです。
 過日お話ございましたが、監督局の保安チェックの機能、これも企業は企業としての努力をしているんですから一々子供みたいに見る必要はないといえばそれまでかもしれませんけれども、定期点検やいろんな検査を監督局が行って指摘をする、指摘をした後改善命令をして、改善されましたと言うとそれで終わることになっているんですけれども、やはりそれは責任ある重要な仕事であることにかんがみて、やっぱり重要な問題についてはちゃんと確認をした上でそれを了承するというか、そういう形のチェック機関というものをもう少し厳密にすべきじゃないか。私自身も四十三年から石炭特別委員会にずっとおりましたし、また、科技特にもおりましたが、科技特では原子力のチェック機能というのは原子力局と原子力安全、こういうことで、監視、一つの部局の中にそういうものを置くのはどうかといういろんな議論もありましたけれども、しかしこれは石炭の場合には監督局があるわけでありまして、監督局としてそういう冷静な専門的な立場から見る。企業としてはどうしても企業ベースで物を見るでしょう。しかし事故は、万全の体制をということでありますけれども、やはり冷静な立場からチェックをするというチェック機関の強化というものがもう少し今こういうことが続く段階ではやっぱり大事なことじゃないかというふうに思えてならないんですけれども、これはどうなんでしょう。
○政府委員(平河喜美男君) 現在の日本の私企業体制の中では最終的な責任者は鉱業権者でございますけれども、私どもの方も、先生御指摘のように適切なる保安管理のために必要な鉱山法規をつくりますし、教育を実施し、また巡回指導等もしているところでございます。巡回しました場合に、問題がある場合には指摘をしておる。ただいま御指摘のようにその確認をどうしているかということでございますけれども、大体月に一回ぐらい山を回っておりますので、次に行きましたときにその結果を聞いておるというのが現状でございまして、その辺今後とも徹底してまいりたいと思っております。
○藤原房雄君 大人同士ですからそれはちゃんと連絡をとり合えばいいのかもしれませんが、やはり慎重の上にも慎重といいますか、それは注意事項全部ということじゃなくて、やはり大事なことについてはきちっと確認をするというような体制が必要ではないかというふうに思うのですね。
 それから、こういう事故が続きますと、さっきもお話ございましたが、技術センターを初めとして深部化、奥部化に対する研究開発、私は通産当局やエネ庁関係で、現在の深部化、奥部化、もうここまで来たらとても採炭ということは無理ですなんていうそんなお考えはない。技術開発やいろんなことで、また日本の可採埋蔵量ということからしましてまだまだ石炭産業というのはもっともっと技術開発を進めていかねばならない部門であるというふうにお考えになっていらっしゃると私思うのですけれども、このあたりどうですか。
○政府委員(平河喜美男君) 先生御指摘のとおり、最近の炭鉱の自然状況、深部化、奥部化というのが最大の技術的課題でございまして、これに対しまして私どもも保安の観点からも技術開発を重要視しているところでございます。
 具体的には、夕張新鉱の炭鉱ガス突出災害以後、鉱山保安技術検討委員会に技術開発部会を設けまして、今後の保安技術の開発、総合的にいかがしたらよろしいかというプランを取りまとめていただいておりまして、これを指針としまして深部化、奥部化問題に対処しているところでございます。現在の研究テーマとしましては、ガス突出対策、応力解放の総合実証試験、これはこれに適したような炭鉱で実際に実証試験をする方法でございます。それから予知関係としましては、AE地震計によりますがス突出、あるいは山はねの予知技術及び小型の携帯用のマスク等の開発等につきましても鉱山保安技術調査委託費を中心にしまして年々拡充強化しておるところでございます。
○藤原房雄君 時間がありませんで個々の問題いろいろ聞きたいのですができませんが、先ほどお話ございましたやはり三十八年を第一次といたしまして今日までいろんな経緯をたどってまいり、私どもは第四次からのいろんな審議の中に加わってまいりましたが、今日まで二千万トン体制というのは、やはりオイルショックがあったり海外炭がどうだとかいろいろな経緯があるのですけれども、日本でやはり最小限度合理化そしてまた科学的に技術開発、そういうものを進めながらやっていく線としては、この二千万トン体制というのはやはり地域振興等あわせますと当然維持すべきぎりぎりの線ではないかというふうに思うのです、現在の出灰量はそれを下回っているとは言いながら。これは何でもそうですが、時代が変わればそれに伴っていろんな周辺のものも変わってくるのは当然ですが、もしこの石炭産業というものを軽視するようなことで諸外国の代替エネルギーに依存するような体質、構造というものをもし日本の政治がとるようなことになりますと、今日まで先人が築いてまいりました技術というものはこれはもうなくなってしまう。一たん技術がその国に失われたときに再びそれを取り戻すということは至難のわざであることはもうよく過去の歴史が我々に教えているところです。私は地域発展――実際大臣は真っ先に大夕張にいらっしゃいましたから、どういうところに炭鉱の町があるかということがよくおわかりだと思います。炭鉱がなくなったら地域の町、集落の形成というのはもうなくなるわけであります。そういう意味においても非常に重要な意義があると思いますし、また現在、ない石炭を掘っているというならいざ知らず、可採埋蔵量が相当な量があるということや、そしてまた技術開発というものも年々進歩している中で、やはり採炭ということについても決して不可能なことではない、そういう見通しのある中でのことでありますから、やはり現在の二千万トン体制というのはやっぱり維持していく、そういう基本原則の上に立って進めるべきだと。私は、特に技術を継承するという、さらにまた推し進めていく、こういうことの上からも是が非でもこの二千万トン体制の維持ということは必要なことだと、こう確信しておるんですが、大臣どうでしょうか。
○国務大臣(村田敬次郎君) 私は藤原委員がお述べになられた基本的認識について同感であります。このように災害が起こるけれども、保安の完璧を期して災害の絶滅を期して国内炭の資源を引き続いて追求すべきである、またそのための技術を高度化するだけの能力は日本国民は持っておると、こういう私も前提に立って第七次対策を変える必要はないと、こういうふうに申し上げておるのでありまして、これから第八次対策に入るわけでございまして、対馬委員にもあるいは工藤委員にもお答え申し上げましたように、第八次はこれから諮問をし答申を得ることでございますから、もちろんフランクに対応すべきでありますが、今、藤原委員の御指摘になられましたような前提につきましては私も同感でありまして、ひとつ今後災害を起こさない、そしてまた石炭資源はしっかり確保すると、そういう信念に立って進んでまいりたいと思っています。
○藤原房雄君 時間もありませんで、最後になりますが、さっきも工藤委員からお話ございましたが、お亡くなりになられた方々に対しての遺族の補償等については先ほどお話ございました。ぜひひとつこれは万全を期していただきたいと思いますが、何せ限られた閉鎖的な社会ということでありますから、炭鉱が稼働しておりませんと収入が限られる、他からの収入などほとんど考えられないということになるわけでありまして、さっきお話聞きますと、下請やまた臨時の方々に対しても会社は八割面倒見ているんじゃないかというお話でしたが、労働省の方いらっしゃいますか――そうであるならば一番それにこしたことはないんですけれども。親会社がそこまで面倒見てくれれば問題はないんですが、現在の制度の中でこういう休業のやむなきに至ったような状況の中で、やはり臨時や下請の会社の方々が最低限生活のできる範囲内で保障される、そういう制度があるのかどうか。いつ再開できるかということについては今のところは見通しは立たぬわけでありますから、会社だっていつまでも、どういうふうにしてくれるのか、それは私企業であれば、政府の方からしりをたたくといたしましても、そう長いことについてできるわけではないだろうと思いますし、遺族の方々ということとともに、現在お働きになっていらっしゃる下請や臨時の方々に対する施策ということも非常に重要なことになるんだろうと思うんでありますけれども、現状それから今後に対しての施策、こういうものもあわせてひとつお述べいただきたいと思います。
○説明員(菊地好司君) 御指摘の点でございますが、私ども、北海道労働基準局を初め、こういう状態に置かれた下請の労働者に賃金が的確に支払われるよう重大な関心を持って必要に応じ指導しているところでございます。で、承知しているところによりますと、親元会社の御協力等もありまして六月中旬には自宅待機中の下請労働者にしかるべく支払われるということを承知しておりまして、今後確実に支払われるよう重大な関心を持って見守り、必要な指導を続けてまいりたい、かように考えております。
○藤原房雄君 まあそれ、何年もということはないんだろうと思うんだけれども、それはそういう連絡を聞いているということで、今後ひとつそれは確認していただくということでまた、これは長期に及ぶ場合には次のことを考えなきゃならぬだろうと思うんでありますけれども、いろんな施策についてはひとつ十分目を光らしていただいて、地元の方々に対しての温かいひとつ御配慮を賜りたいと思います。
 大臣ひとつ国務大臣として、おれは通産大臣だからというんじゃなくて、ひとつ幅広くそういう点についても御配慮いただきたいと思います。
 以上で終わります。
○国務大臣(村田敬次郎君) 藤原委員の御意見、承りました。今後南大夕張炭鉱の保安の確保、そしてまた一日も早く再開ができるようにいろいろな施策を指導してまいりたい、このように考えております。
○小笠原貞子君 炭鉱問題に入る前に、一つ伺いたいと思います。
 電気代金が払えなくてそして送電をとめられたという母子家庭、そして子供たちがろうそくをつけていて火事になって死んじゃったと、五月ですけれども、北海道札幌では去年の四月にもございました。先ほど同僚議員からいろいろお話がございましてお答えをいただきましたので、重複を避けまして具体的に伺って、お願いもしたいと、そう思うわけです。
 この母子世帯だったという家庭がわからなかったというふうなことも言われておりますし、それからまた母子世帯の、この場合は悪質ではないんですね、初めてなんです。何度もずっと続けてというんじゃなくて、初めて滞納したというようなところですね。そうすると本当にそういう、いろいろ具体的にきめ細かく指導しますと先ほどもおっしゃったけれども、具体的にどういうふうにしたらいいかということの一つといたしまして、通産省として、各電力会社が供給規程なんかについてマニュアルをつくっておりますね。それについてやっぱり、北電のマニュアルについても私はもっと改善すべき点があろうかと、そういうふうに思いますので、その点を御検討いただきたいということが一点でございます。
 それから、ワンアンペアブレーカーというのはもう東電が既に開発をしたと。そして北海道に向けたのを北電が八月末には完成するというふうなお話を伺ったわけでございますけれども、まあそういう事故というのはいつ起こるかわからないことでございますから、だから北電が開発して八月末までだめなんだというのではなくて、やっぱり直ちに、直ちにそういう場合にはワンアンペアブレーカーをつけるということ、これは東電が既に開発しているし、北電から申し出があれば協力もするという態勢だというふうなことがありましたので、だから待たないで直ちにそういう手を打っていただきたい。これをしないときにまた事故が起こったなんといったら、人の命は取り返しがつきません。
 その二点についてお願いをしたいと思いますので、御見解を伺いたいと思います。
○政府委員(山本幸助君) 先生御指摘のように、今度の事件は非常に痛ましい事件でございまして、私どももこういう事件が繰り返されてはならないというふうに考えております。
 まず御質問の第一点でございますが、マニュアルでございますけれども、電力につきましては御高承のように、供給規程をつくってそれに従って供給をいたしております。この供給規程は通産省が認可いたしておりまして、ほぼ各電力共通でございます。その電気料金の改定時に通産省は、これは長官の通達ということで、供給の停止については必要かつやむを得ない場合に限ろうということで、あらゆる事情を考慮して特に慎重を期するようにということで、これは電気料金の改定時ごとに通達いたしております。これに従いまして、今マニュアルとおっしゃいましたけれども、現在は検針をしましてから五十日間ということを待ちまして、その後予告をしてやるということにいたしております。今回につきましてはそういう配慮をいたしたわけでございますけれども、御主人がお亡くなりになった後その事情がはっきりせずということで、母子家庭がわからなかったということで大変不幸なケースであったというふうに考えております。
 それから御質問の第二の点でございますが、ワンアンペアのリミットをする装置でございますが、これにつきましては、御指摘のように北海道電力としましては昨年もこのような、似たような事件がございまして、その後急速その機器の開発に乗り出しましたけれども、現在まだ必ずしも完成してないということで、夏ぐらいになるだろうということでございますけれども、一方東京電力につきましてはことしの二月から同じような機器を導入いたしております。したがいまして、現在北海道電力としましてはとりあえず東京電力の機器をアダプトできるかどうかということで検討いたしておりますが、基本的にはそれが可能でございますけれども、若干の調整が必要であるということで、現在北海道にアダプトできるように若干の微調整をしながらできるだけ早くということで、六月ないし七月にはこれをつけたいと申しておりますので、そのような方向で指導してまいりたいと思います。
○小笠原貞子君 六月、七月なんて言っている間にまた事故が起こったら大変ですからね、だからその点を私が直ちに東電の今のでやってもらいたいと言うの。冬の分は札幌の場合は大変だというので開発がおくれているけれども、今は暖かいんだから、だから直ちにそういう手配もしてもらいたい、人の命ですからということですね。
 それから、具体的にいろいろ指導すると言っていらっしゃったけれども、この五月十五日に行ったとき本人に会ってないのね。やっぱり夫に死なれれば表札をすぐおろして名前かえるなんというのは残った者としてはつらいことですよね。そんなときに行って本人に会って――なぜ払えなかったんだ、おたくはどうなんだと一言かけてくだされば母子家庭だということがわかったはずだと。だから具体的にきめ細かく指導するというのはそういうことをやらなければ、何回行ったっていなかった、払わなかったではだめだということを私は重ねてその点か注意していただきたいということをお願いします。
 時間がとれませんから次に入ります。
 これいよいよ大夕張の問題なんですけれども、今度の災害について会社からいただいた災害概況を見てどうしてもわからないことが出てきたんですね。なぜこういうことになるんだろうかという点について伺いたいと思うんです。
 まず最初に、通気の関係でございますけれども、一卸六片の通気戸門が破壊された、こういうのがありますね、破壊されてそして通気状態はどういうことになるのか。私はここの六片で戸門が三つ破壊されれば入気は六、七、八片には入らない、そして扇風機で引いています一卸南風道の方に抜けてしまうわけですよね。そうするとここのところで破壊されたということは、これは入気は入らないということになると思うんですけれども、いかがですか。
○説明員(高木俊毅君) 先生の御質問でございますけれども、六片の入気坑道に連絡いたしております戸門等が壊れたということで、これは災害のときに三個あったものが全部吹っ飛んでしまったわけでございますが、その結果この入気坑道南二卸から入っております入気が、いわゆる立て坑に通じます排気坑道に直結したような形で、ちょうどいわゆる電気で言えばショートサーキットみたいな形になったことは事実でございます。
○小笠原貞子君 ところでもう一つの入気である一、三卸の坑道を遮断した、こうあります。そこを閉鎖したのは何時と思っていらっしゃいますか。
○説明員(高木俊毅君) ちょっと先生、非常に失礼でございますけれども、一卸といいますのはどちらの方で、先生おっしゃった……
○小笠原貞子君 一、三卸のね、横から入っている、遮断していますね。
○説明員(高木俊毅君) ちょっと図面等でないと私も正確に答えられませんのでちょっとあれさせていただきたいと思いますけれども……。
○小笠原貞子君 ごめんなさい、私この点疑問だったから……。
 この前の調査団で行きましたときに伺いました。お聞きになっていらしたと思いますけれども、副所長の照沼さんとおっしゃる方にお答えいただいたわけです。一、三卸連絡坑道の遮断門を閉鎖したのは十七時三十分と、これは私は二度確認しましたし、ほかの人も固いております。一、三卸の通気門遮断を閉鎖したのは十七時三十分ということです。
 そういたしますと、六片の戸門が破壊されて、そして入気はほとんどなくなった。そして、今言ったように残る入気経路の一、三卸の遮断門も閉鎖したということになりますと、これは両方から全部遮断しているから通気が入っていかないんですね。全然入っていかないことになるわけです。これを私は見て非常に大変な問題だなあ、そう思った。なぜなら、坑内にいる労働者の酸素がストップされるわけですね、ここのところ、入気が入らなくなると。このストップしてからの時間です。少なくとも十七時三十分に一、三卸を遮断しました。六片戸門の方は災害と同時に破壊されているから入りません。それで下も入らなくなりました。そしてこれが、一卸六片の通気門が完成したのが何時かというのはこの報告にも出ておりますが二十一時四十二分にできた、こう印刷物に入っているわけですね。そうしますと、四時間十二分ストップしていたと、こういうことになるわけですね。非常に時間が長くかかっておりますね。
 それで、私も素人なものですから、炭鉱のベテランの先生に、このいただいた保安図を写して、そしてここが遮断されて、ここが破壊されてということで、これはどういうことになりますかと伺ったら、これでは完全に入気がストップです、というふうにその先生はおっしゃいました。ところが、このいただいた会社からの報告に.よりますと、戸門が壊れたので一、三卸を遮断し、六片以遠の通気を確保した、遮断して通気を確保したと、こういうふうに書かれているわけなんですね。それで私はわからなくなってしまった。これは全くうそじゃないかということなんですね。どうして二つの入気をとめておいてそして通気を確保したということになるのか。ここは一つの大きな矛盾で、わからない。これ、どうでしょうか。
○説明員(高木俊毅君) 私ども一応現在のところ会社側からの説明でその状況を今掌握しようとしているわけでございますが、会社側の説明によりますと、いわゆる先生今御指摘の鉄の扉を閉鎖したということで通気制御を行ったわけでございますが、当炭鉱でございますけれども、この排気でいわゆる排気を吸い出しているというのが通気のとり方でございまして、排気坑道を申し上げますと、例えば排気立て塊あるいは南側の第二斜坑の坑口で大きな扇風機を回して坑内の空気を吸い出している、こういうのが通気の状況でございます。したがいまして、当該地域といいますのは第一卸部内でございますけれども、この主力はいわゆるこの排気立て坑で空気を吸い出しているという状況でございます。したがいまして、そこに入ってくる空気はいわゆる入気坑道から吸い込まれていくという状況にならなきゃいかぬわけでありまして、したがいましてなるべく排気立て坑で濃集、扇風機で強力に吸い出してしまう、こういう吸い出し作業を行うために閉鎖したということではないかというふうに私どもも考えております。
 といいますのは、そちらから入ってくる入気量というのは少量でございますので、それよりもむしろ六片からの方を期待して吸い出しを考えたということでございまして、それを実際にかけたところによりますと、現実に現場を見た方、現場を見たというあれでございますと、通気の流れが今までは入気坑道の方に排気が出てきておったのが、逆に回り始めだというような状況も把握したというように聞いております。
○小笠原貞子君 会社の説明ですよね、それ。やっぱり会社の説明に私はおかしいことがあるとそう思うわけなんですね。例えば今おっしゃった逆流みたいなことが起こるというようなこともあったけれども、もしもそういう点を防ごうとするならば、これ、会社で書いてもらったんだけれども、(資料を示す)一、三卸の閉鎖したのがここなんですよね。ここが現場ですよね。そうすると、もしもそういう流れをほんとにとめようと思ったら、こんなところでとめないでもっとこっちでとめるというような道も考えられるんではないか、逆流を防ごうというような場合ね。私は、今のはあなたじゃなくて会社の説明だからそういうふうな説明があったんだと思いますけれども、これはちょっと会社の言い分がおかしいのではないかと、そう思うわけなんです。
 六片の戸門が破壊されたという場合、一番の大きな入気の。そこのところを直ちに修復して通気を図るということが必要だと思うんですね、やっぱりここが破壊されたら上に吸い込まれて排気は上がってしまうんだから。だから、ここをいち早く修理して、そして通気を優先させていかなければならない。
 ところが、これも私わからないから固いたんだけれども、時間なんですけれどもね。おたくわかっていらっしゃいますか、この間聞いていらして。六片の三つの戸門が破壊されていることが判明したのは何時かと私は聞いたわけですよね。それからまた、その六片の三つの戸門の修復を指示した時間は何時ですかと。そして、その三つの六片の戸門の修復。修復ができたのは何時かといったら、これはここに書いてありました。戸門の修復ができたのは二十一時四十二分と、こう書かれでいるわけです。で、戸門の破壊が判明した時間と、それからそれを直しなさいと修復を指示した時間というのはおわかりになっていらっしゃいますか。
○説明員(高木俊毅君) 先生の御指摘の通気の短絡を確認したのはいつだということでございますけれども、それは同日の十八時二十五分ごろだというふうに現在のところ理解しておるところでございます。
 それから、救護隊にその通気短絡の場所の構築を指示したのは何時ごろかということでございますが、これは十九時十三分でございまして、そういう状況でございます。
○小笠原貞子君 そのとおりなんですね。
 そこで、私はまたおかしいという問題があるわけです。
 一つは、判明時間がなぜそんなに遅いのか。六片の戸門が壊れたというのが十八時二十五分ですよね。事故が起きたのは十五時三十五分でしょう。それから十八時二十五分までわからなかったと。わからないはずはないではないか、いろいろ調べてみると。なぜなら、その六片巻き立て奥坑道で火があったよという連絡があって、そして、火を消しなさいというふうに上から指示したというのが十六時三十六分なんですね。これはちょうどここなんですよ。(資料を示す)この戸門が壊れたところだからね。当然戸門が壊れていたのがわかっているはずですよね、一つ私が疑問に思うのは。そこにいたんだから。
 それから、もう一つおかしいと思うのは十五時三十七分。これも会社にあるんだけれども、事故発生が十五時三十五分でその二分後の、十五時三十七分に九名の保安技術職員を入坑するように指示したと、こういうふうに出ているわけですよね。そうすると、わかったというのが十八時二十五分なんというのはてんで時間が遅い。ここに何かがあるということを言わざるを得ないと思うんですよね。
 それから、修復を指示しました十九時十三分です。そして、この修復を指示した十九時十三分というのも、戸門が破壊したと会社がわかった、判明したというのが十八時二十五分ですから、十八時二十五分にわかって、その戸門を直せと言うのに四十八分なんです、計算したら。四十八分たってからそこを直せと言っているというのは、何でこんなにスローモーションで、こんなに時間をかけて指示したのかということですね。この戸門破壊ということによって入気が入らないんですからね。入らないということですよ。だから、酸素がなくなっちゃうんですね、中に閉じ込められている者にとっては。こんなに時間をかけている。
 そしてまた、もう一つ、修復したという時間ですね、これがこの会社の印刷物に書いてある二十一時四十二分に修復したと、こうなっているわけですよね。
 だから、会社の言い分を開いて、戸門が壊れていたというのがわかった十八時二十五分、それから修復が二十一時四十二分ですよ。そうすると、その間何時間ですか。十八時だから、十九、二十、二十一時と、こんなに時間がかかっているんですね。これは、私は素人でも変だなと思う。炭鉱の専門の方はおわかりになると思うんですよ。
 こういう戸門破壊のときは、例えば北炭大夕張の場合にはエアバッグを使いましたね。そして、持っていってぷっと膨らませてこれをふさぐという方法があったはずだと。それなのにエアバッグの問題は何にも問題になっていない。これでぱっと通気を確保できたはずではないかということですよね。
 そうすると、この会社が言われたとおりの時間を迫っていって、閉鎖した場所、そして戸門の破壊された場所というのを見ていきますと、実に私は驚くべきことがここに隠されていると、そう思ったわけですね。つまり、中に入っている者に酸素を送らないんだもの。ぱっとやればエアバッグでもできるし、そしてその戸門の修復はどういう修復ですかと私が聞いたら、そしたら簡単に板を張ったりなんかしてできるとあのときにおっしゃったわけですよね。
 そうすると、これは何を意味するのかなと私は一生懸命推理してみました。そうしたら、私の判断ではこれは火災の心配があると。だから空気を入れられない。酸素を入れて火災になったら困るという、それが一つの問題としてここにあるのではないかなと、そう思ったわけですけれども、戸門破壊が発見されたという時間が大体遅ぎる。そして、破壊されたと言って、これを構築しなさいと言うまでの時間がかかり過ぎる。でき上がった時間がかかり過ぎる。大変な時間通気はとめられたままだという、この時点について、私はそう考えるんだけれども、いかがでしょうか。
○説明員(高木俊毅君) 先生の御指摘の点でございますけれども、私ども企業を擁護するつもりは全くございませんけれども、事実関係の掌握を現在やっている段階でございまして、そういう中でこの事態を理解した状況を御説明申し上げますと、まあ私の私見と言ったら語弊があるかもしれませんけれども、そういうことで御容赦をいただきたいと思います。
 大体、こういう坑内で災害が起こった場合には、今先生御指摘のように、直ちに全員退避、避難が出されたわけでございますけれども、それと同時に救護隊が招集されたことは先生御案内のとおりでございます。したがいまして、炭鉱災害の場合にはそういう救護隊がその中に入るのが一般的な常識であるわけでございますが、今回の場合にも救護隊が組織されて、坑内に救護隊が何班かに分かれて入っていったわけでございます。
 それで、入っていく途中におきまして、先生御指摘のようなそういう事態を逐次発見していくわけでございますけれども、このときに、今先生御指摘の六片の地域におきましては火災が発生していたわけでございまして、この火災がどういう理由によって起こったのかは別といたしまして、消火活動を行わざるを得なかったという点、これは非常に勇気のある褒めるべき私は行為であったろうというふうに考えております。したがいまして、ここで消火活動をされた方々というのは大変な危険を背負いながら消火活動をされたということであろうと思っております。それで、その消火活動が終了した時点で先生の御指摘のような通気短絡を確認したということでございまして、通気確認を行った後消火活動を行って最終的に終わったのが十九時、いわゆる消火活動が終わったのが十九時ごろということのようでございます。それで、これから直ちに救護隊への構築指示というのが十九時十三分ごろ出されたということでございまして、いわゆる通気短絡の確認中にそういう火災の消火活動を行っていたということでございます。
 それからその後のことでございますけれども、その後戸門が完成するのがいつごろかということでございますけれども、これはあくまでも一門でございまして、二十一時四十五分ごろということでございます。
○小笠原貞子君 会社で出している印刷物と私が現認した時間と、もうちょっとまた繰り返しますけれども、今あなたおっしゃいましたね、救護隊が入った、これは印刷物に書いてあるけれども、救護隊一、二班が入坑したのは十七時なんですよ。それから今度火事だったと、こうおっしゃいましたね。火事があったよといって消火中だと、消火しなさいと指示したのが十六時三十六分ですね。十六時三十六分に火事があったと、そこにいた人がわかっているはずだと。この人は上がってきていますね。それから救護隊も十七時に入っている。ところが会社は戸門破壊が判明したというのが十八時二十五分だと言うのですね。この辺が非常におくれているのではないかということを私は指摘しているわけなんですね。だから時間をきちっと追っていけば非常にここに矛盾が出てくるわけなんですよね。あなた首かしげているけれども、この時間どおり、これに書いてあるとおりやっていたらそうじゃないですか。ぱっと爆発の事故発生と同時に六片戸門が壊れちゃったと、救護隊も行っているんだと、消火している人もそこにいたのだと。それなのに判明したというのが十八時二十五分というのは大変遅いではないかと。そして構築を指示したのがまたおくれて、繰り返しますが十九時十三分にやっと構築を指示した、そして戸門が完成したのが二十一時四十二分。何か意図的に入気を遮断してしまっているということです。
 ところで死亡者の中にCO中毒の方、窒息死の方は何人でしょうか。
○政府委員(平河喜美男君) 死亡者六十二名のうちCO中毒が二十二名、窒息性の死亡が九名と承知しております。
○小笠原貞子君 だからそういう関係で合わせますと三十一人が亡くなっているわけですよね。私はこの人たちが死ななくても済んだのではないかと。私がもし遺族だった本当に眠られませんよ。なぜなら、現場へ行ってみますとガスが出てくると、そして吸いますよね。そうすると人事不省になっちゃうんですね。ぱたっと倒れる。夕張新鉱のときもそうですよ、ぱたっと倒れていたと。そしてうちの同志だけれども、倒れている人をほっぺたひっぱたいて、そして意識を回復して出たわけですよね。一時、みんな吸ったらぱたっと倒れ人事不省になるんですよね。ここの場所でも倒れちゃったんです。だけれども出てきた人がいるんですね、気がついて。気がついて出てきたという人は助かっているんですよ。現に八片から飛ばされてCOマスクをつけていて助かった人というのがいるわけですよね。
 そうすると、やっぱり私はみんなが倒れちゃった、救護隊、救護隊と言うけれども、専門家の人たちは救護隊と言っていませんね、探検隊と言っていますよ。なぜなら、救護隊はその倒れている人を助けるのが目的ではなくて、坑道の安全を守るのが第一の目的だから。倒れている人を起こしたり引っ張ったりなんというよりも、まず救護隊という人たちは探検隊だなんて言われて、なるほどなと思ったのですけれども。そうすると意図的に私はここのところで、戸門が破壊されたということが非常に早くわかっていたのだけれども、早くわかっていたらそれを構築して酸素を入れなければならないと、そういうことをしたくない。なぜなら、火災の災害というものを心配したから。だから判明したというのが非常に遅い十八時二十五分に判明したなどというでたらめな時間を私はつくっていると言わざるを得ない。火災が発生したらこれは大変なことですからね、気をつけなきゃならない。じゃ火災が発生するという危険があったのかということですよね。これを読んでいきましたらここのところで十九時です、書いてありますね、十九時に残り火の危険はないと。大体火災が発生したら煙がずっと吸い上げられていくのだから、排気を通って煙が出てくるわけですね。煙は出てこないと、そして十九時に火災はないと確認したというわけですよね。それで火災がないと確認した十九時、その十三分後に戸門の構築を指示して、そして二十一時四十二分に一つができたと。その前にはもう一、三卸の方も通気を遮断していると。こういうと、まさにこれ密室の中で意識を吹き返すというチャンスがなくてそのまま、倒れたまま死んじゃった。私はこれは時間的にいって客観的に書かれているのを組み立てたらそういうことになるわけなんですね。これは非常に大きな問題ですよね。これは人命尊重だとか保安第一なんて言っていたって、実際会社がやっていることはこういうことなんだと、酸素が送られないで密室の中で私は殺されたと言っても差し支えないと思うんですよね。
 今、時間的に追って言いましたけれども、大臣、そういう問題を私は提起した。お聞きになってどういうふうにお考えになっているか。こういう点を原因究明しなけりゃなりません。だけれども、会社の非常に私は意図的なものがある。時間が全然でたらめだということを指摘せざるを得ないわけです。大臣の御所見を伺いたいと思います。
○政府委員(平河喜美男君) 先生からいろいろと仮定のお話をいただきまして、私詳細について今後またいろいろ調べておりますけれども、感想を申し上げますと、まず救護隊の方々が奥に残っている方々に対して救済を急ぎたいということが最大の眼目ではなかったかと思います。そのためにはまず戸門の火災を消火しなければ救護隊が入っていけませんので、これに最大の力を注いだのではなかろうかと思います。それから、これができますと通気を行いまして救護隊が中に入っていくようにする必要がありますから、これで通気を確認する、その後に中に入っていく、こういうことのために多少の時間がかかったのではなかろうかと、かように考えております。
○小笠原貞子君 その前に、大臣に伺います前に、仮定の話として伺ったとは何事なんですか。私は仮定の話してないですよ。ここに書かれている会社の概況報告の言葉と時間と、そして私が不審に思った時間はこの前国会議員団の調査で、会社の副所長から聞いた時間なんだから、仮定でなんという問題じゃないですよ。その事実を私は構築して言ったんだから、そういうことだから、その辺のところちょっと。
○政府委員(平河喜美男君) 先生の時間と説明された事実について仮定と申し上げたということであれば取り消しいたします。
○小笠原貞子君 取り消してください、事実ですもの。
 じゃ、大臣どうぞ。
○国務大臣(村田敬次郎君) 小笠原委員の亡くなられた方々の時間等についてのいろいろな御指摘を承りました。今次の災害の死亡者六十二名の死因というのはCO中毒が二十二名、火傷性、外傷性が三十一名、窒息性が九名ということになっておりまして、場所との関連では、爆心と思われる八片連坑道やその周辺では火傷性、外傷により亡くなられた方が多い、それから跡ガスの影響が多い、強い排気側である七片レベルではCO中毒や窒息で亡くなられた方が多い、なお、六片レベル以上では火傷性、外傷性で亡くなられた方が多いというふうに聞いておりまして、私、先生の御指摘が直ちにその状況その他について理解がまだできないものですから、いろいろそういった死因の点、それから時間の御指摘になった合わない点等につきましては、死因調査あるいは状況調査等よく検討さしていただきたいと思います。
○小笠原貞子君 きちっと調べてください。
○委員長(田代由紀男君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。
    ―――――――――――――
○委員長(田代由紀男君) この際、派遣委員の報告に関する件についてお諮りいたします。
 先般、当委員会が商工委員会と合同で行いました三菱石炭鉱業株式会社南大夕張炭鉱における災害の実情調査のための委員派遣について、報告書が提出されておりますので、これを本日の会議録の末尾に掲載することにしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(田代由紀男君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時四十二分散会
     ―――――・―――――