第103回国会 文教委員会 第5号
昭和六十年十二月十二日(木曜日)
   午前十時開会
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   委員の異動
 十二月十日
    辞任         補欠選任
     中西 珠子君     高桑 栄松君
 十二月十一日
    辞任         補欠選任
     高桑栄松君      中西 珠子君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         林  寛子君
    理 事
                柳川 覺治君
                粕谷 照美君
                吉川 春子君
    委 員
                井上  裕君
                山東 昭子君
                世耕 政隆君
                仲川 幸男君
                林 健太郎君
                林  ゆう君
                真鍋 賢二君
                久保  亘君
                中村  哲君
                本岡 昭次君
                高木健太郎君
                中西 珠子君
                関  嘉彦君
   国務大臣
       大 蔵 大 臣  竹下  登君
       文 部 大 臣  松永  光君
       厚 生 大 臣  増岡 博之君
   政府委員
       大蔵大臣官房審
       議官
       兼内閣審議官   門田  實君
       大蔵大臣官房審
       議官       尾崎  護君
       大蔵省主計局次
       長        保田  博君
       文部大臣官房長  西崎 清久君
       文部大臣官房総
       務審議官     五十嵐耕一君
       文部省高等教育
       局私学部長    國分 正明君
       厚生大臣官房審
       議官
       兼内閣審議官   山内 豊徳君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        佐々木定典君
   説明員
       厚生省年金局資
       金課長      丸山 晴男君
       厚生省年金局数
       理課長      坪野 剛司君
   参考人
       私立学校教職員
       共済組合理事長  保坂 榮一君
       私立学校教職員
       共済組合常務理
       事        平間  厳君
       私立学校教職員
       共済組合常任監
       事        宮園 三善君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○私立学校教職員共済組合法等の一部を改正する
 法律案(第百二回国会内閣提出、第百三回国会
 衆議院送付)
    ―――――――――――――
○委員長(林寛子君) ただいまから文教委員会を開会いたします。
 私立学校教職員共済組合法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○本岡昭次君 まず厚生大臣に伺います。
 質問通告をしていなかったんですが、本会議の大臣答弁について非常に重要な問題に気づきましたので、先にそのことについて質問をいたします。
 私は九日の本会議で厚生大臣についてこのような質問をしております。「この四月に国民年金、厚生年金法の改正に際し、基礎年金の導入に当たって、政府は社会党の提案で基礎年金の水準、費用負担のあり方などについては今後検討するというこの附則の法律修正をしています。私学共済、農林共済にも附則を入れて修正すべきだと考えますが、厚生大臣いかがですかと、こういう質問をいたしました。それに対して厚生大臣は、「御指摘の国民年金法附則の規定につきましては、今後その趣旨を踏まえ十分検討を行ってまいりますが、基礎年金の費用負担につきましては、既に我が国社会に定着しておる社会保険方式を引き続き維持することが妥当であると考えております。」こういう答弁なんです。
 私は、私学共済、農林共済に附則を入れて同じように修正するのが基礎年金を導入する上からいってもいいんではないかという質問をしたのに対して、全然見当違いのあなた答弁されているんですね。これでは非常に困るんです。まず、正しいひとつ答弁をここでやっていただけませんか。
○国務大臣(増岡博之君) 御指摘の点につきましては、事が法文そのものの中身にかかわります問題でございますから、私が御答弁申し上げますよりも、所管大臣からお答えいただくのが適当ではないかというふうに考えましたので、そのようにお答え申し上げたわけでございます。
○本岡昭次君 それならそのように答弁をしていただいた方がいいんじゃないですか。この答弁は、これは基礎年金の費用負担のあり方はどうかという答弁をあなたはされているんですね。私そんなこと質問してないんだね。私は、私学共済、農林共済にも附則というものを同様に修正していくことが基礎年金の将来の安定につながっていくんではないかという趣旨で言ったんですから、あなたが今おっしゃるように、それならこれは所管大臣の方でと言って、こういう答えをなさらなかった方がよかったんじゃないですか。
○国務大臣(増岡博之君) 過日の本会議におきまして、先生御指摘のように多少すれ違いの答弁がありましたことはまことに遺憾でございます。
○本岡昭次君 すれ違い答弁もいいところなんですが、それはそれとして、それではこの答弁をこれは本会議で答弁なさったことですから、あなたの、厚生大臣の考えとしてそれではお伺いをしておきます。
 この私が質問をしました基礎年金の水準、費用負担のあり方などについて今後検討するという附則に法律修正がされたというその経緯なのでありますが、その経緯はいろいろありますけれども、四月二十三日、参議院社会労働委員会における質疑の中からこのような修正が導き出されたと判断できます。また、事実そういう趣旨であろうと思います。
 というのは、我が党の高杉委員がこの社労委員会で、
  私は、国民の負担面から見て、現行の社会保険方式というのは早晩限界にくると思います。したがって、この際政府においては早期に目的税を検討して、社会保険方式と税方式の折衷方
 式、こういうような段階的導入を検討すべきである、こう考えるのです。このことは去る大阪における公聴会でも、与党の方の御推薦の公述人の方からも、このことは税制上から見ても当然であるというような御意見も伺いました。
  総理、英断をひとつ期待したいんですが、いかがでしょう。
というふうにして質問する。そうすると、中曽根総理が次のように答えます。
  そのお考えも、保険制度を長期安定的に持続していくという意味では一つの御見識であると思います。
 ただ私は、社会保険、保険制度ということでございますから、税というものと果たしてなじむかどうか。今まで保険でやってきたという国民の長い間の慣習と精神的ななじみというものがあります。それから、税というものに対する国民の嫌悪感というものもございます。そういう日本の体質等も考えてみて、果たして日本社会にすぐこれがなじむであろうかという感じが一つ実はしておるのであります。
  しかし、
と書いてある。
  しかし、おっしゃることの趣旨は私も理解できる点もありますので、これは引き続いて研究してまいりたいと思っております。
 こういう経緯の中でこの法修正が出てきたんです。だから、この法修正が出てきた経緯というのは、先ほど言いました社労委員会における社会党の高杉委員の質問の経緯を踏まえてこの法修正ができたと理解しなければなりません。
 ところが、あなたの答弁は、既に我が国社会に定着しておる社会保険方式を引き続き維持することが妥当であると考えますと、年金担当大臣としてこのことをもう断定してしまっているんですよ。総理ですら一つの御見識であると言い、引き続き、これを理解ができるので研究していきたいと言い、その結果法修正されたにもかかわらず、担当大臣のあなたがもう引き続いて社会保険方式をやっていくのが妥当だというふうなことを本会議で結論づけるというのはまことに不見識であると私は思うんです。あなたのこの答弁は撤回してもらわにゃ困ります。
○国務大臣(増岡博之君) 前国会におきまして、国会修正によって附則の規定が加わりまして、その趣旨は踏まえて十分検討を行ってまいりたいというふうに考えておるわけでございます。私が申し上げましたのは、その間、当面社会保険方式をやらざるを得ないという趣旨でございますので、御理解をいただきたいと思います。
○本岡昭次君 再度伺いますが、中曽根総理も保険制度を長期的に安定していくという意味では一つの見識であるというふうに税方式の段階的導入という問題について述べている。そして、そういう面について理解ができるので、これを引き続き研究していきたいという総理答弁。あなたもこれと同じ立場でこれからも検討していくが、ただ、今回の法改正の中では現行のそれをやりますというふうに理解していいんですか、どうですか。
○国務大臣(増岡博之君) そのとおりでございます。
○本岡昭次君 それでは、そのように年金担当大臣と、最も年金に責任を持たなければならないあなたですから、こうしたところは厳密に字句を選んで答弁をしていただきたいと思うんです。
 同じ項目について大蔵大臣もこう答えておりますが、大蔵大臣はこの点について、税方式の問題というふうに言いながら、今回の改定におきましてはというふうに限定をつけてこうします。しかし、将来についてはこの問題に大変興味を持っておるというふうに、検討していくこととの関連をきちっとつけておられる。あなたはそれは何もないわけで、それで妥当であると考えますと打ち切ってしまうから、年金担当大臣はもうせっかく法修正まで持ち込めたものについてあなたは否定なさっているのかということになるわけです。だから、この答弁というのは非常に舌足らずであり、それで先ほどおっしゃったように、私の質問に対して的外れの答弁であり、やはりちょっと、あなたが考えられたのか、だれか書いたやつをお読みになったのか知りませんけれども、私は本会議の答弁として不適切であるという点をひとつ注意を喚起させていただきたいと思います。いかがですか。
○国務大臣(増岡博之君) 御趣旨はよくわかりましたので、承っておきます。
○本岡昭次君 それでは次に、これも年金担当大臣として当然御承知のことだと思いますので、これも質問通告しておりませんでしたけれども、まず初めに聞いて、おきたいんですが、昭和七十年に向けて年金一元化をするという過程の中で、今回の共済年金の大改正が、私学共済年金の大改正が行われようとしております。それで、今私たちは私学共済年金を質疑をしていくわけなんですが、論議していくんですが、それでは七十年に一元化したときに現行の私学共済がどういう姿に変わるのかというそこのところがはっきりしないまま、とにかくこういうふうに変えてくださいと言われても、実際のところ私学共済に入っておられる皆さん方に責任を持って審議できない、私は今こういう気持ちでおります。
 そこで、年金担当大臣として、昭和七十年年金が一元化されたときには私学共済というものはこういう姿になりますということを、ここでまず明らかにしていただきたい。
○国務大臣(増岡博之君) 私学共済の問題につきましては、これから来年の四月、すなわち共済年金法案を御可決いただきました後に基礎年金の一元化ということがスタートするわけでございますから、その時点以降におきましていろいろお話し合いをいただかなければならない問題であろうと思います。今直ちにどのような姿でということは、関係者の御理解や国民の合意が要るわけでございますので、申し上げかねる次第でございます。
○本岡昭次君 申し上げかねるといったって、そんなあなた、先が見えないでやみくもにやっているような感じでよくない。七十年に一元化すると自民党として決定しているんです。そのときに一体どうなるかということなんですよ。我々が仄聞するところによると、基礎年金というものが一つ一階建てにあって、そして現在の厚生年金、各共済年金が一つにまとまって、被用者年金といって一つのものにその点でまとまってしまうんだ、七十年にはそうなるんだ、こういう理解がずっと進んでいるんですが、それでは七十年の姿というのはそういうことでいいのかどうか。基礎年金という一階があって、旧国民年金の人はその基礎年金だけで、そして今の厚生年金、共済年金関係は被用者年金ということでそれが一本にまとまって、その上に職域年金という三階がある。それぞれ厚生年金基金とか税制適格年金ですか、それからこちらの職域年金とかいうふうな形で、そして全体の年金の負担と給付というもののバランスをとり、そしてその間の公平化を図る、年金の掛金も大体同じようになるし、それから給付も同じようなものになってしまうんだというふうに理解していいんですか。
○政府委員(山内豊徳君) ただいま大臣からお答えいたしましたように、実は基礎年金の導入ということが、各制度に共通します土台をつくるという意味では、給付面、負担面でも私どもやはりこれはその限りでは公的年金の一元化の第一段階であろうと思っております。
 そこで、今大臣申し上げましたような意味で、今後検討する場合の考え方でございますが、実は基礎年金の上と申しますか、その上に乗っておりますいわゆる二階部分、あるいは今お話ございました職域年金を含めますと三階部分ということになろうかと思いますが、特に二階部分について今後どのような方向を展望して構想を持つかということにつきましては、実はいろんな考え方がやはり出てくるであろうということが考えられるわけでございます。今先生がちょっと一例としておっしゃいました、ある程度一つの制度に統合と申しますか、まとめるという考え方ももちろんあろう
かと思いますが、考え方としては、やはり各制度の独自性をできるだけ生かしながら制度間の調整という形で一元化の趣旨を貫いてはどうかという考え方もあり得ると思うわけでございます。
 率直に申しまして、まだ政府の内部で今そのいずれをとるとか、あるいはどういう方向で検討したらいいかということについて感触を出し切れないでおるのでございますが、今申しましたように、基礎年金によって給付の土台が一元化され、それから特に二階建ての部分についても、今お話しの職域年金なり、厚生年金で申しますと厚生年金基金の存在がございますが、これはこれとして、二階建て部分の給付の将来に向かっての計算の仕方については、今回の改正案をお認めいただけばかなり整合性のとれたものができるわけでございますので、そういった今回改正の実施時期以降に、政府部内でもやはり基本的な議論を詰めながら将来の構想を明らかにしていきたい、そういう手順で私ども考えている次第でございます。
○本岡昭次君 そうすると、共済年金という一つの全体の大枠があり、そこに四共済ということで、私たちは私学共済年金制度の問題を論議するんですが、そうすると、厚生年金あるいは横並びとしての他の共済年金、そういうものと必ずしも全部同じということを想定しなくとも、七十年のときにかなりそれぞれの、今あなたおっしゃったように独自性というふうなものも維持しながらいくという可能性があるとすれば、私学共済年金の審議の中で、将来もう一元化するんだ、一つに、同じようになってしまうんだという固まった形ではなくて、今は私学共済年金を私学共済に加入している組合員の利益のためにどうよりよいものにしていくかということで論議して、それで解決していった方がいいと、こういうことになるんですね。
○政府委員(山内豊徳君) 今私答弁の中で、公的年金一元化という、これは政府としても五十九年に閣議決定をさせていただいておるわけでございますが、その最終的な考え方は、公的年金制度全体についての長期的な安定、それから給付と負担の公平性――これはいろんな制度を通じてという意味で考えておるわけでございますが、それから全体として整合性のある年金制度の発展を図ることができる、そういう三つの意味合いでの年金一元化を閣議決定をもって打ち出しているわけでございます。したがって、私が独自性をできるだけ生かしてと申し上げましたのは、何と申しましょうか、今まで以上に共済それぞれ、あるいは共済全体としての独自性をそのまま残すということではなくて、実は今回の共済の審議に当たりましても、いろんな各方面からの御議論を伺っておりますと、どの部分に共済制度としての独自性を見出すかについてはいろんな御議論もあるように私どもも伺っておりますものですから、そういうもので今申しました全体の整合性なり、全体を通じての給付と負担の公平性を損なわないと申しますか、触れない限りはできるだけ生かしつつ制度間調整を図るという方法も一つではなかろうかと申し上げたわけでございます。
 率直に申しまして、今私どもが事務当局としてこんなイメージが一つ考えられるんじゃないだろうかというものを、図案を持ち合わせて大臣なり関係省に御相談しているわけではございませんものですから、ちょっと私は言葉だけで答弁しておりますが、基本はやはり制度全体が長期的に安定し、給付と負担の公平性が確保できるか、それから年金制度の発展という形で整合性のとれた運営ができるかということはやはり頭に置きながら対処しなければいけないものと考えております。
○本岡昭次君 厚生大臣にこのことを一言伺っておきたいんですが、事務当局としてのお考えは示されましたが、厚生大臣として、年金担当大臣として、やはり一日も早く将来の一元化ということの構想で進みながら、先が全然見えぬまま、とにかく今は一階だけをつくって、二階を将来に備えでできるだけ同じような内容にしてくれという形じゃなくて、将来はこうなるんだという姿をできるだけ早い時期にはっきりさせないと、それぞれの年金間の中でその加入者が独自のものをつくろうとしてきたんですから、また独自性というものがあるからそれぞれ別個の年金制度を持ってきた経緯があるので、この間に混乱が起ころうと思うので、一日も早くその点についての絵をかいてもらわなければいかぬと思うのですが、一日も早いという事柄についてどういうお考えを持っているか。
○国務大臣(増岡博之君) 一日も早くという考え方でおりますけれども、やはりまず基礎年金の一元化というこの問題を片づけていただきますことが物事の相談のスタートの第一歩になろうかというふうに思うわけでございますから、来年の四月以降はできるだけ早い時期にそういう作業を進めてまいりたいというふうに考えます。
○本岡昭次君 そういう答弁しかいただけないんで甚だ不満なんですが、私学共済年金に加入しておられる人の私は代弁しているつもりなんですがね。やはりこうなるんだから今こうだと、こういうことでなければ、将来設計も何もないのに、とにかく一階だけつくれ、一階だけせいと、あとは我々に任せろというふうなことは、この私学共済をそれぞれ今日までつくってきた組合員にしてみれば納得のできない私は状況であろうと思いますので、その点については非常に強い不満の意を表しておきたいと思います。
 それで、そのことばっかりやっていると時間がありませんから、次の問題に入ります。
 それから、併給調整の問題も私は本会議で伺いました。厚生大臣も併給調整の問題について答弁をいただいているんですが、そこで大臣も答弁の中で、年金の重複、過剰というふうな言葉あるいはまた所得保障の必要性がそのまま上乗せ、上積みされるということにはならぬというふうなことでもって答弁をしておられるんですが、それではこの併給調整の問題について、過剰な年金であるというふうな、過剰という基準は一体どういう金額を過剰というのか。あるいはまた、所得保障の必要性がそのまま上乗せというんですが、所得保障というのは、要するに最低生活をするに必要な所得を保障するという意味であろうと思うんですが、それは一体どのくらいの金額というふうなことをお考えになって、その上に上積みをするとか、あるいは上乗せすることは少しこれはいけないんではないかというふうな答弁になっているのか、その過剰ということと所得保障の必要性というものを具体的に金額に示せばどのようなものになるとお考えですか。
○国務大臣(増岡博之君) この際の所得保障と申しますのは、例えば障害でありますとか死亡でありますとか、そういうことによって起きる問題についての所得を保障しようという意味でありまして、最低生活を保障しようという、いわば社会一般の通念の場合と違うわけでございまして、そういう立場から私どもはいわば一人一年金としておるわけでございますけれども、その一人一年金というものも、それぞれの年金が一人前の年金の水準を支給することにしたいということでございまして、例えば加入期間が短くて障害や遺族になった場合、さらには過去の報酬が低かった場合等につきましても、いわば一人前の水準の年金を支給しておるという、そういう建前でございますので、その以外の事由が発生した場合に所得をさらに上積みして保障することが難しい、そういう意味合いのことを申し上げたわけでございます。
○本岡昭次君 今のお答えでも依然として金額が出てこないんですよね。もともと今おっしゃったように、一人前の年金だから一人一年金ということで、二つはいけないんだという型じゃなくて、過剰になるからとか、あるいは所得保障の必要性というものを上回るからということでもって併給調整というものを禁止したんだという発想がある以上、やっぱりそこの一体どのくらいの金額をもって所得保障を上回ったとし、どの金額をもって過剰というのかということをはっきりしなければ論議できないじゃないですか。あなたも一人前の年金とおっしゃったけれども、そしたら一人前の年金とは一万円でも一人でもらう年金を一人前の
年金というのか、あるいは最低一人でこれだけ所得を保障する、これを一人前の年金というのか、いろいろな言い方があるでしょう。だって、併給調整を禁止した一番の考え方の基礎というのは、過剰になるとか、あるいはまた所得保障の必要性という年金の考え方からすれば、それが非常に上回り、上乗せになるからやめましょうということなんでしょう。そうすると、一定の金額というものがそこになければ、それは抽象的な論議では納得できないじゃありませんか。
○政府委員(山内豊徳君) まず、大臣申し上げました所得保障の必要性がダブって発生するという考え方をとれないということは、実は老齢という事柄、障害という事柄、あるいは生計中心者の死亡という事柄が二つ重なれば二倍、三つ重なれば三倍ではないということを申し上げているのが一点でございます。
 それからもう一つは、一人前の水準の年金と申しますか、特に最低保障制度とか、あるいは遺族年金のような場合でございますと、短い加入期間でも、二十五年なら二十五年加入なさった場合と同じ定額部分を保障する。そういう年金給付の仕組みにおいて所得保障の必要性に対応できる仕組みをそれぞれ考えさせていただいているという意味で申し上げたわけでございます。
 なお、過剰な給付ということは、これは今回の基礎年金の導入の一つの意味合い、機能づけでもございますのですが、基礎年金といいますのは、例えば幾つかの公的年金制度を二つとか三つ渡り歩いた方でも、基礎年金の計算ではそれぞれが財源は持ち寄りますが、一つの年金額で計算する。その意味で私どもは、すべての場合に言い切ることはどうかと思いますが、やはり単身で月額五万円という設定をいたしました基礎年金の額が、いろいろな年金の問題を考える場合の一つの、ベースであるというふうに考えているわけでございます。もちろん先生も御案内かと思いますが、軽い障害者のような場合でございますと、実は最低保障が三万七千幾らというような年金もあるわけでございますから、それはそれなりで所得保障の必要性に対応できている一人前の年金と申しますか、独立した年金であるというふうに考えておるわけでございます。
○本岡昭次君 併給調整という場合に、遺族年金と自分の年金という場合に、妻という立場で働いて、そして自分の年金をもらう金額と遺族年金の自分の夫の分といったときに、夫の方が多い場合は夫の方をもらう。妻の年金のというのはそういう意味で非常に低いし、そして例えば妻の年金が五万そこそこしかない、夫の年金がこれも六万とか七万の遺族年金しかない。合わせても十万になるかならないかというふうな状態になる人もあれば、それはまた一方、自分の年金が二十五万円もあり、また夫の年金が半分で十五万もあって、合わせて三十何万になるという人もあり、併給調整という場合もかなりの落差があるわけですね。だから実態的に、僕は過剰だとか、あるいはまた所得保障の上乗せとか、あるいは上積みとかいう概念でもって一定のところに線を入れていく、この考え方はある意味では正しいんじゃないかと思うんですよ、過剰というようなもの、考え方の中では。だから一定の制限を置いて、そして年間二百万なら二百万という線を引いて、そして併給でもそれ以内であれば併給する、それ以上になったときには、やっぱりそれは今言ったように所得保障の必要性を上回るとか、あるいはまた過剰という範疇に入るのでというようなことで、順次激変緩和等もしながら併給調整というものを図っていくのが本当の実態に応じたものであり、それは過去みんな――今入っている人たちは併給してもらえる既得権という権利を持って、そしてそれを持ちながら新しい制度に入っていくんですからね。その古い制度の既得権の部分は当然そういうことで保障をしてやらなければ、年金制度の信頼性なんというものは崩壊してしまうと思うんですよ。今またこれで三十年続くかわからぬ、また二十年あるいは十年後に、また新しい仕組みに変わるかもしれないということなんでしょう。法律を変えれば契約を、どんな契約をしておろうと公的年金はいつでも変わるということに今実施しようとして示しているわけなんですから。そういう意味で、少なくとも現在ある制度の既得権というものが新しい制度になったときに、最低国民の納得のいける部分はやはりそれは保障していくという経緯がなければ、公的年金の信頼性は保てぬと私は思うんですよ。だから、一律併給禁止ということじゃなくて、文字どおり所得保障とか過剰とか、いわゆる概念のところを、私たちは二百万ぐらいではどうだろうかと、こう言っているんですが、その二百万円というところに一定の線を置いて、そして一部それ以下の人は最低の所得保障ということにおいて併給を認めるとかいう、こういう問題についての検討をぜひ私はやっていかなければ、また、してあけなければならぬ、こう思うんですが、厚生大臣、ここでやります、やりませんじゃなくて、そうした問題の検討は十分意味があると思うんですが、厚生大臣のお考えを聞いて次の質問にいきたいと思います。
○国務大臣(増岡博之君) 私どもといたしましては、それぞれの、障害にしましても遺族にしましても、年金というものにつきまして一人前のものにしておこうという考え方でございます。しかし他面、先生がおっしゃるような御議論もあろうかと思います。今後の参考として研究をさせていただきたいと思います。
○本岡昭次君 次に、婦人の年金権について伺って。おきたいと思います。
 今回の改正で基礎年金が私学共済年金にも導入されることになりまして、私は基礎年金というようなものの下にみんな共通のものを置くということについては賛成なんです。しかし、そのことによっていろんな矛盾が起こってくるんですね。それで、私学共済年金の問題をとりましても、結局基礎年金を導入したといいましても、その内容は従来の夫の年金の定額部分と、それから妻の加給年金の合計額を十万円として、その十万円のうち五万円を夫の基礎年金、五万円を妻の基礎年金というふうに、いわば、もともとあったものを二つに株分けしたような形で分けて、そして婦人の年金権を確立しましたという名目をつけたにすぎぬというふうに私は思っておるんです。そしてしかも、その仕組みの上で妻の年金権、婦人の年金権とはいえ、夫の基礎年金権に従属した形ですよね。夫の基礎年金のところに妻の分がくっついていく。それで掛金も夫が掛けた保険料の中でそれも充足されるということであって、私は五万円という内容も形式的にも本当の意味で婦人の、そして妻の年金権が確立した内容になっていない、こう思うんです。それで私は本会議で厚生大臣にお伺いしたんです。従来も同じように私学共済年金の組合員は世帯年金として掛金を掛けてきた。世帯年金というのは、妻の分もしようという意味で世帯年金でありますよね。今度の新しい制度も夫が、基礎年金部分というのは自分の保険料の中から妻の分も掛けるんです。だから形態は少しも変わっていない、掛け方については全然変わっていない。にもかかわらず、中身は個人年金であると言う。そしてそのことから起こってくることは、過去の分については年金に必要な期間として算定に入れる、空期間というだけでその分は年金を出さない、しかし、年金に入っておったということにしてあげます、それから先は幾らか上げますということで、わずかの年金しか任意加入をしていなかった人はもらえないという大変な仕組みになっているんです。
 それで、私はいろいろ言いたいことがあるんですが、一つだけ、もう時間もありませんから、そのことに絡まって言っておくんですが、そこから出てきた問題というのは、要するに十万円の基礎年金というものを夫と妻が得るということについて、保険料というものが非常に不公平、アンバランスになるということなんです。負担と給付を公平にするということはうたい文句であります、今度の年金改定で。負担と給付を公平にする、負担と給付の整合性を保つということはうたい文句であるんですが、事、基礎年金の問題に関す

り、要するに国民年金世帯は夫と妻が別々に掛けていきますから、自分の掛金として五万円のものという形になってきます。ところが、今度は私学共済で一人で働いている方は自分の掛金の中に妻の分も入りますから、それも一つの掛金としてのコストはそう問題はない。ところが共働きの場合はそれぞれ二人分を出しながら結局自分のものしかもらえないということ、単身者になるとなおさら、二人分出して自分のものしかもらえないというふうなことで、この保険料の掛け方の問題で非常にアンバランスが起こって、負担と給付の整合性ということに大変な疑義が生じていると思うんです。
 それで、将来の問題として、私はやはり個人年金と言う以上、夫の保険料の中に妻の保険料を含めて出したということじゃなくて、あくまで私学共済年金の掛金というのは夫の分だけの掛金を保険料で支払うべきで、妻の基礎年金は妻が自分の基礎年金分として従来の国民年金の任意加入と同じ方法で掛けていく、こういうことでなければその給付と負担の公平性というのは保てない、こう思うんです。だから、妻の年金権、婦人の年金権と言う以上、自分で掛金を掛けて、そして独立した形で年金というものを確保していく、そういうことをやっていかなければ、名目だけで、はっきりとした婦人の年金権の確立というものの将来の展望が打ち出世ないんではないか。また、今言いましたように、それぞれの状態の中で起こる給付と負担のアンバランスというものが是正できない、こう思うんですが、その点についていかがお考えですか。
○政府委員(山内豊徳君) 大臣がお答えします前に御説明として申し上げさせていただきたいんですが、確かに今回婦人の年金の確立と申し上げましたことは、妻名義の年金権に結びつくという意味では私ども制度的な確立と考えているわけでございますが、一方、今回改正の厚生年金を通じましての改正のねらいとして、将来にわたっての給付と負担の適正化ということがありましたために、今、先生おっしゃったとおりに定額部分を妻と夫で分け持つこと、と同時にその額が将来にわたっての年金給付の計算として適正なものにとどめるということから、額については今までと同じあるいはもう少しそれを抑えたんではないかという御感触があることは、私ども今回の改正の趣旨からむしろ御理解いただきたいと思っております。
 そこで、特に具体的にお話のございました単身世帯あるいは共稼ぎ世帯の場合、何かほかの方の無業の妻の分の保険料を二倍、場合によっては二人で四人分払っているんじゃないかという点、確かに財政計算上はそのようになっております。個個の加入者からごらんになるとそういう感覚があることは私ども否定するわけでございませんが、この問題につきましては私どもが国民年金、厚生年金を通じて改正を行いまして非常に苦慮したといいますか、知恵を出すことに時間をかけたということがございまして、確かに私ども内部にも従来どおり任意加入、任意納付という制度が意味があるんじゃないかという議論もあったわけでございますが、しかし一般的に被用者の配偶者の方にそれを制度づけて、それが払えなければやはり年金権が見劣りがするということはいかがかということで、一つの選択として選んだ方法でございます。
 それで、先ほどお話の国民年金法の附則で国会の論議を踏まえて修正がございました中にも、今後の社会経済情勢はもちろんのこと、世帯の類型などを考慮したいろいろな検討が必要ではないかという御指摘があったわけでございますから、私ども事務的にはかなりこれは基本的な議論ではございますが、今後事務的にもやはり検討の念頭に置いておくべき事項とは考えておりますので、とりあえず御説明させていただきます。
○本岡昭次君 大臣。
○国務大臣(増岡博之君) ただいま審議官から御説明申し上げましたように、この問題につきましては、いろいろ御議論もあろうかと思いますけれども、現在の社会情勢の中では今回の措置がとり得る最善のものであろうかというふうに思いますので、御理解をいただきたいというふうに思います。
○本岡昭次君 いや、それは理解できないんで、私は、やっぱりこれは実際の実務的にも、あるいはその掛金を保険料として納入する人々についても極めて不満が強いんですよ、そこのところは。わからぬと言うんですね、そのやり方は。一人一年金なら自分で自分の年金は保険料を掛けて、もらうという仕組みでなければいかぬのが、夫の保険料の中にそれが含まれていて、そして共働きの場合と単身の場合と全然違ってくる、あるいはまた一人で働いて妻が家にいるという場合、それぞれ保険料が五万円なり十万円なりの給付に対するコストのかかり方が全部違うんでしょう。これでは本当の意味の負担と給付の公平にはならない。だから、そこのところをなくそうと思えば、私どもが主張しているように国庫負担を漸次ふやしていって、基礎年金は全部国庫負担でとすれば、そこのところのこれも消えていくということになるんですよね、一つの矛盾は。だからそれをやらないとすれば個人のをやっていくとか、ここの問題をはっきりさせなければ私学共済の中に入っておられる方も絶対に納得できない部分だと思うんですよ、いろんなケースの場合において。だから、そんな御理解を示してくれということではなくて、厚生大臣、これも先ほどの併給調整の問題とあわせて十分検討してもらわなければならぬ問題だと思うんですね。もう一言、そんな木で鼻をくくった話でなしに、もう少し厚生大臣らしく展望を持った答弁をしてください。これで終わりますから。
○国務大臣(増岡博之君) 先ほどの問題と、ただいまおっしゃいました問題、特にただいまおっしゃいました将来の構想につきましては、今後の将来への検討課題となっておるわけでございますので、鋭意検討させていただきたいと思います。
○委員長(林寛子君) 厚生大臣、御退席いただいて結構でございます。
○本岡昭次君 細切れでございまして、これは、私、大蔵大臣に今度は二十分させていただくということで、どうも質問がしにくくって困っているんですが、協力をさせていただきます。
 大蔵大臣に、主としてこの間九日に本会議で私が質問しました事柄に関連した質問ということでしばらく時間をいただきます。
 それで私は、本会議で大蔵大臣に、国鉄共済年金の財政救済の問題について伺いました。そこでは、国鉄共済年金が国鉄再建プランによる人員削減によって五カ年計画の最終年である昭和六十四年まで維持できるかどうかということが極めて不安定な状態になっている。ある人は六十三年にパンクするのではないかという試算も出ているのであります。そのことにかかわって、私は大蔵大臣に非常にくどいようでしたけれども、この財政調整の五カ年計画中であります六十三、六十四年度に私学共済が国鉄共済に対して拠出金を出すというようなことはありませんねと、二つ目には五カ年計画が終了して昭和六十五年度以降についてそれも同様に拠出金がないと考えてよろしいですかと、具体的に私は質問をしたんでありますが、大臣は、「理論的には他制度からの連帯というものはあり得るわけですが、強いて申すならば、現時点では考えておりません」ということでお答えとしますというふうにおっしゃったので、どうも私は自分の質問したことの答えをどう読み取っていいのか、甚だ困っているのであります。それで具体的に今私が言いました二つのこと、拠出金は私学共済から出せというようなことは言いませんと、それならそれでそういう答弁を伺いたいということでございます。
○国務大臣(竹下登君) 本会議でございますので、整理して物は申しておりますものの、ニュアンスがわかりませんので、若干のニュアンスをお酌み取りいただければ幸いでございます。
 いわゆる年金の最近の歴史を振り返ってみますと、国鉄救済に結果としてなった国家公務員、そ
れから元電電、元専売、それと国鉄の統合法案というのを御審議をいただきました。
 あの法案をつくりますときの審議会というのがございまして、そして審議会には懇談会というものをつくって、労働側の先生方、経営側の先生方、審議会には私出ませんけれども、懇談会等、夜を日に継いでやっておりましたが、最終的にいろんな言い分はあるが、やっぱりここのところ労働者連帯というもので、もともと育ちも一緒じゃないか、親戚からまずつき合うか、こういうようなお話がありましたときに、本当にこれこそ労働者連帯というものだなと感激の涙に浸ったような感じがしたことが率直にあるわけです。
 そして今度は第二段階では、午前も御審議いただきました国年、公年の基礎年金の導入というのができた。それで第三段階が今四共済を御審議いただいて、いわばこれが通していただけますと、ほぼ給付の面で大体の一元化の方向が成り立つのかな。そうすると、この次に考えられるのはいわば負担の一元化、そして中長期的にまさに七十年を目途としての本当の一元化、本当の一元化といいますか本格的一元化、こういう過去の歴史と将来展望があるんじゃないかな。そのときの気持ちが僕にあり過ぎるものでございますから、場合によっては、そうだ、これは労働者連帯で、あるいは国民連帯でという空気がほうはいとして起こることもあり得るかもしらぬという期待感みたいなものをかって持っておったことは事実でございます。しかし、それぞれの共済の歴史も違います。そして、あるいは地共済には地共済の審議会の答申等もあります。また私学共済様、農林共済様におかれてもいろんな議論があることも承知しておりますので、したがって工夫に工夫を重ねた結果、要するに六十四年度までの財政調整期間中において私学共済年金から国鉄共済年金に対する財政救済が行われるかどうかということにつきましては、まずは国鉄の自助努力。財産処分もございましょう。しかしそれが幾らになることかというと、現時点ではまだ確かに言う環境にもない。それから今度は国の負担についても、理屈の通るものなら出せますが、現時点でどの分とどの分を出しますというお答えもできない。
 そういう前提において、理論的には他制度からの連帯はあり得ることでございますが、現時点では考えておりませんというのが一番至当な答えではなかろうか。これは練りに練った統一見解でございます。
○本岡昭次君 どうも現時点が次の時点になったときに、労働者連帯というふうなところで私学共済にも重荷が振りかかってくる可能性なしとしないというふうに我々は考えざるを得ぬのですが、しかし大蔵大臣、どうした平場で論議することではないと思いますが、今回の共済年金の審議の入り口のところで随分これは議論をされたものでございまして、私としましてはこの私学共済を論議する立場では、私学共済にその拠出金を求められるという事態はない、こう考えながら審議をし、多くのここの委員の皆さんもそういう考えであるということを申し上げて、その現時点が将来にわたってもそういうことになるよう強く要望をしておきたいと思います。
 それで二点目は、先ほども厚生大臣と基礎年金の問題について随分やりとりをいたしました。しかし、基礎年金の持っているよさと、そして問題点というこの点を解決していくためにはどうしても前回参議院で修正をしたように費用負担のあり方という問題を変えていかなければ解決しないという結論になっていくんです。それで私はそういう意味を込めて租税負担方式という社会党が主張している点について大胆に踏み込んでいただけませんかという質問をいたしました。それでそれについて、現在はそういうことは考えていないとおっしゃりながら、最後の方で、社会党が主張しているこの租税負担方式については将来の課題として興味を持っていると、興味を持っているというふうに答弁をされたのであります。それで、社会党の租税負担方式のどこにどのような興味や関心を大蔵大臣に持っていただいているんか、その点を具体的にお聞きをして、私どもも将来のために大いに参考にさせていただきたいと思うんですが、ひとつその点をよろしくお願いいたします。
○国務大臣(竹下登君) 確かに、私事務当局で作成したときには興味を持っておりますというのは書いてございませんでしたが、素直に興味を持っておったものでございますから本岡さんにお答えいたしたわけでございます。なぜ興味を持ったかと言うと、EC型付加価値税を目的税として入れればいいじゃないかという角度からじゃございません、まずそう申し上げておきます。それは答申が一つございます、確かに。ただ、あれは所得付加方式でございまして、これも検討してみましたが、やっぱりこれはいろいろ問題になるわいな。そうしましたら、今度、その後、平和経済研でございましたか、私会合に出ましたときには、若干いわば所得型付加価値税ということではなく、一般論として基本年金財源としての間接税も含めてと言うと、また誤解を受けますが、税体系全体の中で福祉目的税あるいは年金目的税的なものがあってもいいじゃないかという議論をしたことがございます。そのときから私は大変これは興味を持っております、五年ぐらい前でございましょうか。で、その議論もしたことがございます。当時は、日本社会党は武藤山治さんが政審会長、公明党は正木さんでございましたか、民社党は大内さんだったと思います。そんな議論を、我々しょっちゅう寄りますから、そんな議論をしたことがあります。それ以来興味を持ち続けておりますが、さて今度と、こういうことになりますと、やっぱりこれは国民の理解を得るのにかなり時間がかかるんじゃないか。今は社会保険方式でおおむね定着しているんではないか。こういうことになりましたので、したがって、前回も前段に申し上げましたように、この我が国に既に定着しておる、そこで全額税負担によって賄う税方式については、新たに巨額の税負担を課すことについて国民の合意が得られるかどうか、それから増税なき財政再建ということの定義の中におけるいわば租税負担率を変えるような新たな措置というものに入りはしないか、こんな議論もございました。それから、保険料を拠出した者と拠出しない者との公平が図られるかどうかというようなことからして、引き続き社会保険方式を維持することとして御審議をお願いしておると、ただ、前段申し述べましたようないろいろな諸会合におけるまた答申もちょうだいしておりますから、非常に興味を持って勉強させていただいたことがございますが、今の場合は、現状は定着しておる社会保険方式かなという結論で結果としてはお願いをしておるわけでございます。いささかお答え長くなりましたが。
○本岡昭次君 今おっしゃったように、国民の合意が得られるかどうか、あるいは定着をしているものを新しいものに切りかえるときに問題が起こりはしないかということなんですが、私先ほど基礎年金の問題で論議したときも、やはり今度の制度改正の中でさまざまな既得権の問題と絡んで矛盾が起こっているんですね。だから、その拠出した者と拠出しなかった者の中における不公平というものが問題であると言うけれども、それは今回も国民年金任意加入した者としてなかった者の中におけるこの問題というふうなものを、やはり制度を切りかえるときに、それはそれなりに私は付加年金というものをつけて是正しないと、そこの不公平感というものはなくならないんじゃないか、こういうふうに言っているんですけれども、それは必要ないといって厚生省はおっしゃっている。それと同じように、たとえ段階的に――一遍にこれやるということは難しいんだから、社会党も二段階なり三段階で順次国庫負担をそういうもので国民の保険料から切りかえていきなさいということで、その中における出した者と出さない者の問題は、付加的なものを経過的に年金をつけていくことによってここは解決すると思うんで、それはこの基本の税方式があるいは社会保険方式がということを左右するような問題でないと私は思うんですね。
 それから国民の合意の問題も、やはり国民全体
の中でこの基礎年金の分を国民年金として掛けていく方々にすれば、まあ六千八百円なり将来これが一万三千円までずっと順次上がっていくという中で、現に拠出できない人が年々ふえて現在一七%近くにもなっている。沖縄へ行ったら四五%もの人がいわゆる拠出できなくて免除者になっているという実態ですよね。こんなのが二〇%、二五%、ずっとふえていったときに、基礎年金という仕組みそのものは根底から瓦解する。掛けられない人が現にそこに存在するということについてどうするんか。その人には免除しているから五万円ということにならなくて、国が補助した三分の一だけを渡せばいいんだということなんですが、五万円の三分の一という金額がその人の年金というふうなことだけになってしまう層がこれから拡大していくという矛盾に対して、一体どうするんかということがあるんですよね。
 やはりそこに一万円でも二万円でも年金は年金じゃないかと言えばそれまでですけれども、しかし、それは私は年金に値しないものであって、それは無年金者と同じ層にそうした人たちは含まれていくと思うんです。だから、無年金者をやっぱしなくしていく。それから、二十五年間とにかく掛け続けなければ出ないんだという、この社会保険方式の中に起こってくる国民皆年金と言いながらその問題点、それを解明していくために全額国庫負担にこの三分の一から順次切りかえていき、その財源を税方式でというこの考え方は、私が今それぞれの地域でこの年金問題をいろいろ話する中で、それに対しておかしいと言う人もそれは問題があると言う人は少なくて、まあそれではどれだけの税としての負担を我々がかぶらなければならぬのかという問題が定かでないものですから、そこまで突っ込んだ議論になりませんけれども、私は国民的合意というのはそういう観点から得られる可能性というものはかなりあると、自分の実感からこう思っているんですね。
 だから、大蔵大臣が興味を持っていただいているのは大変私はありがたいと思っておりますし、ぜひ現在の基礎年金制度の中における利点というものをより発揮して、矛盾を解決するための方式として社会党も今提案している中身、また各政党もいろいろ出してくると思うんですが、そういう点で各政党の合意をつくり出しながら、よりよい基礎年金をつくっていくという方向で、大蔵大臣の一層のひとつ御努力をいただきたいということを申し上げて、私の与えられた時間終わるんですが、あと三分ほどありますので、三分間ひとつ大蔵大臣のメッセージをいただきたいと思うんです。
○国務大臣(竹下登君) これは総理にも、これは私が書いた答弁でございますので、総理からも一遍答弁がありましたのは、その問題が私の頭に実は非常に絡まってきております。なるほど福祉目的税あるいは社会保障税、いろいろな名前が出て考えられると思うのですけれども、ともかく税という名前について日本国民が持っておる印象というものは独特なものがあるわけですね。しかし、その辺を突破しようとするお気持ちは非常に勇敢だと思いますし、確かに改革派であろうと思うのでありますけれども、この点についてはやはりもう少し検討を要する、私はそういうふうに考えております。」こういう答弁、非常に素直な答弁だと私も当時一緒に聞いておりました。
 ただ、今度は、目的税ということになりますと、元来、税というのは一つの目的でもって税を取る、税を課すということについては、税理論から言えばオーソドックスではない、こういう理論が一方にあるわけですよね。しかし、現実の対応の仕方としてはそういうアプローチの方法もあるであろう。
 今、思い出しましたが、昭和五十四年ぐらいからその議論をしまして、既にはや六年を経過いたしておりまして、その間、こういう本院の委員会等におきましても、最近の三分の一ぐらいが税理論の討論が行われておりますので、それが国民の側にも伝わり、そしてそれが税調で抜本審議来年の秋までにやるかと、まあ民主主義というのは時間がかかるものだけれども、今の本岡さんの提案は、総理の言葉をそのままかりれば、改革派の勇敢な議論であるというふうに評価をさしていただいて、メッセージを終わります。
○中西珠子君 大臣が午前中しかおいでになりませんで、私はほんの少し時間をちょうだいしたわけでございますが、まずお聞きいたしたいことは、私学共済組合は他の共済制度に比べまして財政状況もよくて、これまでは健全な運営を続けてきたと思うのでございますが、このような財政上何の問題もないものに対しても一律に制度改革を強いる理由というのは何でございましょうか。
 それからまた、国鉄共済の救済問題解決のためではないか。そのために今回の改正があるのではないかと非常に懐疑的になっている私学共済の組合員もあると聞いておりますが、そのような組合員に対して大臣はどのような御返答をなさいますでしょうか。
○国務大臣(竹下登君) この法律をお願いしておりますのは、まさに第一段階が国鉄救済の国家公務員等共済組合の統合であるとしたら、第二段階がいわゆる厚年、国年における基礎年金の導入であったであろう。そして、今回のこの四共済の改正によってほぼ給付の一元化というようなものが果たせはしないか。そうすると、よく言われます官民格差でございますとか官官格差でございますとか、いろんな議論が少なくともある程度縮まっていくであろう。その次の段階が、これはやっぱり負担の可能な限りの一元化、こういうふうに進んでいくであろうというふうに思っておりますが、やはり中長期、いや、と言いますより長期の安定した年全体制をこの辺から考えておりませんと、まあ、あと四十年というと私も百一歳になりますから、そのときまで生きているかどうかは別として、後世代に余り難しい問題を残さないように、生きとし生ける現世代である程度解決していかなきゃいかぬなと。
 ただ、今御指摘がございましたように育ちがみんな違います、年金制度というのは。そして、そこにはいろいろなアンバランスもございます。したがって、その間の矛盾というようなものについては、あえて労働者連帯という言葉は申しませんが、国民連帯の中でお互いが調和していくべきではなかろうか。
 極めて抽象的で申しわけございませんが、共済年金というのは非常に難しい仕組みになっておりまして、百点の評価していらっしゃる人もありますし、共済とは助ける、ともに助けると書いてあるという程度がわかれば五点と。それで私が今四十点ぐらいのところまでしか来ておりませんので、定かな答弁にはなりませんが、抽象的なことをおわびをしてお答えとさしていただきます。
○中西珠子君 そういたしますと、今回、私学共済も含めまして四共済年金の制度に基礎年金を導入して、公的年金の一元化を図るということでございまして、給付と負担の一元化がまず図られる。将来は財源においても一元化が図られるというふうに理解した方がよろしいわけでございますか。
○国務大臣(竹下登君) この法律通していただきますと給付の一元化がほぼ図られる。負担の一元化は、まだそうとは言えないというふうに思うわけです。そこへ突如と入っていく。突如ではございませんが、入っていきます国鉄共済の問題がもう一つ絡んでまいりますけれども、したがって、今中西先生、恐らく制度間調整というようなものを意識していらっしゃるかもしれませんが、統合とあえて言わないで、七十年一元化というのはそれぞれの生い立ちの違いがあるので、そういうものを十分しんしゃくした上で妥当なものを出そうということで、統合というような言葉は使わないで一元化と申しておるのもその辺に理由があるわけでございます。
○中西珠子君 まあ、七十年度を目途に公的年金の一元化ということだそうでございますけれども、その内容とか、これから先どのようにやっていくかというスケジュールですね、そういったものがまだはっきりしない段階で今回のような改正
を行われるということは、やはり国民、殊に私学共済が今の議題でございますから、私学共済の組合員の公的年金制度というものに対する信頼を失わせることになるのではないかと非常に危惧するわけでございますけれども、政府としてはどのような方針をこれから打ち出していらっしゃるのか。これはまた何段階にも分かれることだから大変難しいという御答弁もこれまでずっとあったわけでございますけれども、大蔵大臣としてはどのような方向に行こうと思っていると、まあ簡単で結構でございますが。
○国務大臣(竹下登君) 第一段階仮に国鉄救済、第二段階が国年、厚年、第三段階が今と仮にいたしますと、この法律が通りますと、いろいろな給付の面においてのコンピューター化とか、作業が終わります。それと並行しながらこれから検討を進めていかなきゃならぬ。そうして突如として統一的な年金制度にしようじゃないかという世論というのは、これもまたすぐ起こるものでもございません。既得権がございます。さらにもう一つ期待権がございます。そういうものを国民の理解を得ながら調和して七十年にはやっぱり一元化の方向が出ていかなきゃいかぬという、極めて私の乏しい知識でございますが、そういう空なるビジョンみたいなことの段階にまでしか、特に共済年金というのは仕組みが難しいものですから、非プロの私としてはその辺までが限界でございます。
○中西珠子君 それではちょっと違ったことをお伺いしたいんでございますけれども、私学共済組合は、他の公的年金制度と同じように行革関連特例法によりまして、長期給付に対する補助金が補助率四分の一相当分繰り延べされております。いわゆる財政再建期間中ということで、五十七年、五十八年、五十九年、三年間は四分の一カットがされてきたんでございますが、それがまた補助金削減一括法によってさらに一年延長されまして、ことしも同様にカットされているという状況でございますが、これをうやむやにしたまま今回の改正を行うということなのでしょうか。四年間にわたるこの繰り延べ分は改正法施行前に私学共済に返還されるべきものと考えているんでございますが、大蔵大臣のお考えはいかがでございますか。
○国務大臣(竹下登君) これ今御指摘のとおりでございまして、歴代の大蔵大臣――私、渡辺さん、また私と、こうなっておりますが、このできる限り速やかな繰り入れに着手する所存でございますと、こういうお答えをし続けてきておるわけでございます。今後の国の財政状況を勘案する必要がございますので、現時点で明らかにできないところでございますが、政府としては国の財政改革をさらに一層強力に推進するなどの誠意を持ってこれに対処して、今後積立金運用収入の減額分を含む年金国庫負担の減額分のできるだけ速やかな繰り入れに着手するという基本理念は、今日も持ち続けておるところでございます。
○中西珠子君 基本理念は大変結構でございますが、その時期ということはおっしゃれないわけでございますか。
○国務大臣(竹下登君) そのとおりでございます。
○中西珠子君 私の時間がアップしてしまいましたから、基本理念はお変えにならないように、必ず返還するという、そのお言葉は確かなお約束として受けとっておきますので、よろしくお願いいたします。
○国務大臣(竹下登君) ありがとうございます。
○吉川春子君 大蔵大臣に伺います。
 私学共済の長期給付に対する国庫負担一八%を早期に二〇%まで引き上げるという決議を参議院でも十三回行っています。昭和四十七年度に一八%に引き上げられたままで、今お話がありましたように、昭和五十七年度から四年間にわたって国庫負担の四分の一のカットを行い、その額は七十六億、利子五・五%で八億、合計八十四億という金額に達しています。六十一年度の概算要求でも四分の一カットになっているわけですが、政府はいつになったらこのカット分を利子をつけて返還するのかという明確な答弁をなさらないわけですが、あるいは、もし今回共済制度の改悪が行われれば、組合員の大きな負担の結果、私学共済は将来は大幅な黒字になるわけで、そのことを理由にこの返還を行わないなどということは、そういうことも考えておられるのではないかという疑いを持つんですが、いかがですか。
○国務大臣(竹下登君) 確かに私は、私学共済の歴史を見ますと国家公務員等の歴史とは違っております。そしてその経営が、今御指摘をなさいました、まあ黒字とも申しましょうか、そうした状態にあるということもそれぞれの努力のあらわれであるというふうに評価しておりますが、今の、いわゆるお借りしておる問題につきましての具体的返還方法、こういうことになりますと、今日、財政再建というのを進めて、可能な限り早く返したいという基本理念はございますが、今、いつということに対してはお答えをできる状態には今日まだございません。
○吉川春子君 踏み倒すつもりはないわけですね。
○国務大臣(竹下登君) 表現は適切な日本語でないかもしれませんが、猫ばばをする考えはございません。
○吉川春子君 基礎年金へ、三分の一の国庫補助などと言っておりますけれども、こういうような経過を見ると、それも十分信用できないわけです。
 続けて伺いますけれども、来年度の予算で、教育関係で言えば四十人学級、マンモス校解消、高校建設費補助制度の継続など大きな課題を抱えているんですが、大蔵省は総枠として文教予算の伸びを抑えようとしています。その結果、学校事務職員、栄養職員の人件費の国庫負担をなくすか、あるいは共済費、恩給費の国庫負担の適用除外、削減を行わなければこういう予算は組めないという考え方を大蔵省が持っているとマスコミが報道しているんですね。こういう事実があるんでしょうか、それともこんなとんでもないことは絶対にしないというふうに大臣はお考えなのか、その点はいかがですか。
○国務大臣(竹下登君) 今、一つおっしゃいましたのは、義務教育費国庫負担法の中身の問題であろうと思っております。言ってみれば、財政事情によって、国が地方の負担を肩がわりしたのを、今度はまた逆の肩がわりするんじゃないか、これが事務職員とかいわば栄養職員とか、あるいは今御指摘のございました共済、恩給、こういうものに対する懸念からの御質問であろうと思っておりますが、これらは予算編成の過程において議論をしてまいりたい、今、あらかじめ何々ありきという考え方ではございません。
 もう一つ申せますのは、いわゆる教育費全般の問題でございますが、厳しい財政状況の中で一般歳出の伸びを可能な限り抑えるような努力は、少少嫌われてもやっていかなきゃならぬというふうに我と我が身に夜な夜な言い聞かしておるというのが実情でございます。
 それから四十人学級の十二年でやるというの一は、昭和五十五年度予算のときに、私、当時大蔵大臣でございましたが、それからいろんな変化をしてきておることも事実でございます。今年度もそういう問題意識を念頭に置きながら、今後予算編成の過程で文部大臣さんと一よく相談したいと思っております。
○吉川春子君 共済費、恩給費の国庫負担の適用除外とか削減、あるいは事務職員、栄養士の人件費の国庫負担を外す、こういうことをしなければ四十人学級ができないとか、そういうことではないですね。その辺はっきりお答えいただきたいんです。
○国務大臣(竹下登君) いずれをとるかというような乱暴なことは、それはやさしい私どもがやれるわけのものでもございません。あくまでもそれは専門家でございます文部省様の中で、いろんな優先順位はあろうかと思いますけれども、あらかじめ財政当局からどっちをとるか、そんな非礼なことを申し上げるつもりは全くございません。
○吉川春子君 私はこれ念押ししておきたいんで
すけれども、大蔵省は文部省の方へ球を投げまして、文部省でどっちを削るか選択せよみたいなことを、言ってみれば、いじめをやっていると思うんですね。そういうことは私はもう絶対にやってほしくない。そして、どっちか削るとどっちかができるぞというような形でなくて、今申し上げましたような教育予算というのは全部必要なんですから、もっと必要ないところを削って、こういうことは、国庫負担を外すようなことは絶対にやってほしくない、その辺強く大臣にお願いしておきたいんですけれども、どうでしょうか、やさしい大臣としては。
○国務大臣(竹下登君) 毎日、夜な夜な、私の方こそいじめられております。それに耐え忍んでまいっておるわけでございますので、球投げて君の方で優先順位づけてこい、そんな非礼な態度ではなく、やっぱり我々ど素人が考えますよりも、それこそ文教委員会の先生と毎度議論をしておられる文部大臣初め文部省の方のお考えというのが一審大事なことでございますので、それらを総合勘案をいたしまして、予算編成過程で対応していきたい、このように考えております。
○吉川春子君 ありがとうございました。終わります。
○委員長(林寛子君) 大蔵大臣、御退席いただいて結構でございます。御苦労さまでした。
○国務大臣(竹下登君) ありがとうございました。
○本岡昭次君 それでは文部大臣にお伺いします。
 今回の私学共済年金の改正案を提出するに先立って、文部大臣は社会保障制度審議会に対し、私学共済組合法の改正について諮問し、答申を受けています。その答申の内容をここに今私は持っておりまして、ここにはこういうふうなことが書かれております。「改正案は老後の生活設計に組み込まれている既裁定年金のスライドを停止する等年金制度に対する信頼を裏切りかねない内容をもつものである。関係者の理解を得ることがとりわけ必要となる。」ということを書いて、「1」「2」と二つの項目を答申しております。「1」は、「年金給付の支給要件、支給制限等の点において、厚生年金と共済年金との間で合理的と思えない違いが見受けられることは問題である。2 職域年金部分を設けることについては理解できるが、民間との権衡等についてり資料も不十分であり、また、国家公務員、地方公務員、私立学校教職員、その他の者を通じて画一に扱うことにも問題があるので、その給付水準と財源負担やスライドの在り方について更に慎重な検討が必要である。」、このような答申を文部大臣に出しているんです。
 それで、時間も余りありませんので、詳しい説明をしておると時間がなくなりますから、簡潔にこの答申が言っていること、社会保障制度審議会が松永文部大臣に何を言っているのかということを、逆に言えば文部省、文部大臣は、この答申をどのように受けとめたのか、このことをまず初めにお答えをいただきたい。
○国務大臣(松永光君) あの答申については今先生御指摘のような四点ぐらいについての意見を付して答申をいただいたわけでありまして、その点を十分考慮しながら経過措置等で十分配慮をして、法案としてはまとめさしていただいた、こういうふうに考えておるわけでありますが、その中身申しましょうか。
○本岡昭次君 いや、もういいです。
 それで、十分検討されたというふうにおっしゃったんですが、時間を追ってみますと、社会保障制度審議会への諮問が四月一日、答申が四月十日、法案提出はその直後の四月二十日、このように非常に慌ただしい状態の中で法案が提出されております。常識的に言えば大変な改正でありますから、私立学校共済の問題についてもっとじっくり法案の内容に対して諮問の中身がどう生かされるかという問題を論議すべきでなかったかということを私は思います。ちょっと形式的に過ぎて私学共済の独自の持っている問題が十分盛り込まれなかったのではないかと思います。例えば、私学共済の理事長の諮問機関である年金制度研究委員会というものがあって、ここで今回の法改正について答申をして、文部大臣にですか、これは私学の理事長にですか、要請をしている部分があるんですね。そして、この私学教職員共済組合はこの答申を今度は運営審議会に出して、そこで意見を聞いて、そして賛同を得ている中身であり、いわば私立学校共済というものが組合員も含めてやっぱり考え方をまとめていく一番基本のところは運営審議会だと思うのですね。だから、その運営審議会の意見というのはこれはもう一〇〇%尊重していかなければ共済制度そのものが私は成り立たないと、こう思うのです。そういう意味でここの研究、年金制度研究委員会では四つの項目について今回の法律改正について御答申をしておりますね。一つが「六十五歳以上者は長期給付組合員としないで年金を支給すること」、二に、「施行日前の給与記録は公務員共済と同様の取り扱いとすること」、三、「所得制限を緩和すること」、四、「私立学校教職員共済組合に対する都道府県補助を確保すること」、この四点を答申をしているんです。この点から言いますと、今回の法律案の中に一体どれがどのようにして尊重されて盛り込まれたのか、何かこう、特に二項の公務員共済と同様の取り扱いを給与記録はやっていけということについては、初めやっておいて、後はそれはぐあい悪いからもとのやつに戻せとか、ちょっと混乱が起こっているようにも思うのですけれども、しかしここに掲げてある、特に一項ですね、あるいは三項、「六十五歳以上者は長期給付組合員としないで年金を支給すること」というようなこと、あるいは「所得制限を緩和すること」というふうなものは具体的にどのように今回の法改正の中で私学独自の問題として取り入れられたのかという点をここでお伺いしておきたいと思います。
○政府委員(五十嵐耕一君) 先生が御指摘のとおりの要望書が文部大臣あてに出されておりまして、その要望事項につきましてどのように対応したかを御説明をさしていただきたいと思います。
 まず、第一項目の六十五歳以上の者には年金を支給することということでございまして、この点につきましては私立学校共済組合の対象となる学校におきましては他の共済組合に比べまして高齢者が多いというような事実があるわけでございます。ただ、先生も御承知のとおり私立学校共済組合自体は退職給付というふうなことになっておりまして、他の共済組合とのバランスも考えなくてはいけないというようなことがございまして、ただ厚生年金におかれまして従来とっておられました、在職中であっても標準給与が一定額以下の者については退職共済年金の一部を支給するということを、これは四共済共通でございますが、そういう制度を取り入れているという点が第一でございます。
 それから、第二の「施行日前の給与記録は公務員共済と同様の取り扱いとすること」、こういうことにつきましては、先生今お話のありましたとおり法案の中に入れておるわけでございます。
 それから、三番目の「所得制限を緩和すること」でございますが、これは国公立学校の教員が年金を受給しながら従前よりも低い給与で私学の教職員になっている場合が多いので、そういう国公立学校のあれについて考えるというような御主張でございますが、これにつきましては先生御承知のように国家公務員、地方公務員につきましては高給を取りながらまた再度就職した場合に年金をもらうということにつきましていろいろな批判がございまして、今回におきましては全般的に所得制限がやや前に比べましてきつくなっております。それで、私ども現在考えておりますのが、現役公務員の平均給与所得程度の給与所得を有する者について年金額の二分の一程度が停止額となるというようなことでこれに対応していこうではないかというふうに考えておる次第でございます。
 それから、私学共済に対する都道府県補助でございますが、これは私学共済に対する独自のものでございますが、これにつきましては現行法の規定をそのまま存置さしていただいておるわけでご
ざいます。
 以上でございます。
○本岡昭次君 今のちょっと答弁、私、耳が遠いのか、何かぼそぼそ、ぼそぼそ言われたんでよくわからぬ。しかし、それを一々やっておると私の質問したいことができませんので、またそれぞれは後ほど他の委員から、特にこれは私学共済猟官の問題ですから具体的に質問があると思いますので、私はあえて言いません。しかし、大変不明確な不親切な説明で、ちょっといやですね。
 それで、大臣にお伺いをしておきたいんですが、ここの委員会は私学共済制度の問題を集中的に取り扱うんでありますから、私学共済独自の問題で十分この委員会として議論が尽くされて一定の合意あるいはまた大臣としてもやはり議論の方向の正しさというふうなものをお認めになるような状況になれば、やはり私学共済というものが、初め私が厚生大臣とのやりとりしたように、何も横並びをすべてにする必要はない、やっぱり私学共済は私学共済としての特異性というものを追求していける余地というものがかなりあるよう正判断もしました。それで、文部大臣としてこの委員会の審議の結果、私学共済の今後の問題として改めるべき点があれば法修正とかそのほかの手段によって内容を改善をしていく、そういう準備なり気持ちなりそういうものがあるのかないのかという点をまず初めにお伺いしておきたいと思うんです。私はないというふうに言ってもらったら困るんで、やっぱりそういう立場でやりますという決意のほどをまず聞かしておいていただきたい。
○国務大臣(松永光君) 先ほど大蔵大臣あるいは年金担当の増岡大臣からもいろいろお話がありましたように、今回の改正は公的年金制度の一元化という方向に向かっての改正でございますので、そして今回の改正は主としてといいますか、給付の一元化、給付の均衡を図るというふうなことになっておりますので、その大前提で御議論をお願いをしておるところでございます。なお、私どもの方としては御提案をし審議をお願いしている法案が一番いいものであろうというわけで御審議をお願いしておるわけでありますけれども、審議権を持っていらっしゃるのは議員の皆さん方でありますので、十分御議論をしていただいて、そして各党間で意見がまとまったならば、それは掘りますなどということをなかなか私どもでは言う立場にありません。議論は十分尽くしていただきたいというふうに思っているわけでございます。
○本岡昭次君 それではまず、既裁定年金者のスライド停止の問題について伺います。
 先ほどの社会保障制度審議会の答申の中でも、「年金制度に対する信頼を裏切りかねない」ものだというふうな極めて厳しい指摘があるんですね、既裁定年金者のスライド停止という問題について。この問題について文部大臣が自分だけの見解で物は言えないということになるかもしれませんが、しかし私学共済というものを責任を持っておられ、そして現に私学共済の年金給付を現在受けておられる方の中で、このスライド停止という措置を受ける人たちがいるわけでありますから、そういう問題について理解を得るための態度というものははっきり示さなきゃいかぬと思います。
 そういう意味で、大臣として年金制度の中でスライド停止という既得権、期待権、これをこういう形で奪っていく、侵害をしていくということについて、よしと本当にされているのかどうか。理論的にもそのことについてあなたは十分納得した上でこうした法案を出されているのかどうか、その点をまずお伺いしたいと思います。
○国務大臣(松永光君) 既裁定年については、通年方式への裁定がえをするわけでありますけれども、その裁定がえをした金額が従前の年金額を下回る場合には従前の年金額を保証するという措置をしておるわけであります。
 ただ、今先生御指摘のように、通年方式への裁定がえをして、その金額がスライドによって従前の金額に追いつくまでは従前の金額についてのスライドは停止すると、こういうことにするわけでありますけれども、これは世代間の負担の公平という観点から、年金の裁定を受けて年金を受けていらっしゃる人の立場からすれば、スライド方式がそのまま続くことを御希望かもしれませんけれども、しかし世代間の給付の均衡あるいは負担の均衡というふうな観点を考えますというと、負担者の立場を考えまして、何とかひとつ御理解を願いたいというふうに思っておるところでございます。
○本岡昭次君 負担者の立場だけでは私は既裁定年金者は理解しないと、こう思うんですね、これ。
 それで、抽象的な論議をしておっても仕方がありませんから、私学共済の中で現在年金をもらっている人で、既裁定者の中でどれだけの人が一般方式から通年方式へ裁定がえをすることになる、そしてどのぐらいの金額それではダウンするのか、切り下げられるのかということ、そしてまたそれが一般にそれでは三%か四%のスライドがあったとして、その後何年ぐらいでもとのところに戻るのか、要するにどういう影響が具体的に組合員個々に及ぶのか、その実態を我々は明らかにして、そして論議をしなければ、一般的、抽象的にこの問題を論議してもどうにもならないという気がするんですが、どうですか、その具体的なそういう資料を文部省として論議の素材として今ここに出すことができますか、どうですか。
○政府委員(五十嵐耕一君) ただいま本岡先生の御質問のございました私学共済退職年金の現在の該当者の中で、いわゆる共済方式に該当する者がどのくらいで、通年方式がどのくらいかということでございますが、現在、私学共済年金を受給しておる者を五十九年度末でいいますと、一万四千重百二十七人おりまして、そのうちの五四・八%が通年方式によるものとなっておりまして、今度、通年方式に裁定がえをします者が四五二一%、六千五百五十九人という数字に相なります。
 それで、こういう人たちが一体どのような期間、スライドが停止するかということでございますが、これにつきましては、全部の数字を当たるということはなかなか難しいものでござ少ますから、一応仮定的なモデルで申し上げさせていただきますと、五十八年度の新規裁定者の平均年金額が十五万九千円でございまして、それの勤続年数が二十七年というようなことがございます。そういう人が通年方式による年金額でいきますとどういうことになるかと。いうようなことで申しますと、それが十四万九千六百円ということになりまして、一般方式の年金額が十六万五千三百円というようなことがございます。
 そういうことから申しますと、約三年強ということでスライドが停止するということでございます。ただ、これは先ほど申しましたように、あくまでも平均的な姿でございますので、例えば給料の非常に高い方につきましては、このスライドしない期間がもっと長くなるというようなことでございます。
○本岡昭次君 だから、今言いましたようなモデルではどうにもならぬのですよ。六千五百九十二人という方がいて、その方々がそれではどういう影響を受けるのか、スライド停止にして、ということを、実態としてやはり私は明らかにした資料をどうしても要求をして、そして私学共済の年金が受ける問題点というものをこの委員会で明らかにしていかなければならぬと思うんです。今出せないのなら、できるだけ早い次の審議の機会にでも、その実態ですね、出していただきたいと思うんですが、いかがですか。
○政府委員(五十嵐耕一君) 今の資料につきましては、具体的には私学共済にお願いするということになるわけでございますが、これにつきましては非常に困難であるというようなことでございますので、もう少しモデルを豊富なものにしまして、よりサンプルを多くしたようなことで先生の方に資料を出させていただくということでお願いを申し上げたいと思っております。
○本岡昭次君 この実態をそれではつかめるものをということで、ひとつお出しをいただきたいと思います。
 そこで、大臣に聞いておきたいんですが、中曽根総理は、私の本会議質問に対しましてこういう答弁をしているんです。
 それは、共済制度と保険制度の違いはどこにあるのかという質問です。それについてこう答弁しているんです。「共済年金は、社会保険方式により、退職、死亡、障害に際しまして基本的な所得保障を行うものでありまして、厚生年金等と同様、世代間扶養の仕組みにより」次からが大事なんですが、「年金額の実質的価値を長年にわたり維持するという機能を有するものであります。」こういうふうに言っておるんです。
 この中曽根総理の答弁どおりに我々が私学共済年金の問題を考えていくときに、年金額の実質的価値を維持する仕組みというのがスライドであろうと思うんですね。
 ところが、今回のように通年方式と一般方式の問題があって、一般方式の人が通年方式に裁定がえをされて、そして先ほど一つのモデルがありましたが、一万円、二万円、三万円、四万円、五万円というふうにそこに裁定がえしたということによって、自分の新しい年金額が下がる。この下がるということは、ここに言う年金額の実質的価値が維持できないわけですよ、少なくとも維持できない。
 それから、スライドすると言うけれども、ここでダウンしたものは永久にこれ取り返せないわけなんです、取り返せない。ということになってくると、実質的価値を長年にわたり維持するという機能はそこの段階で一たん切れてしまうということになって、言ってみれば共済年金そのものの持っている機能というものをみずからぶち壊すということになるんです。だから私は、どんなことがあっても共済年金制度というものが、中曽根総理も言うように、年金額の実質的価値を長年にわたり維持することが極めて大事だという認識でいくならば、そこに一律に、実質的価値を全部維持できないような、価値を低めていくようなことは絶対にやってはならぬ。そのことは年金制度そのものの崩壊であり瓦解であるという立場に立たなければならないし、また現在年金をもらっている人からすれば契約違反やと、制度違反ではないかという声が起こってくるのも当然だというふうに僕は思うんです。だから、ひとつ文部大臣、年金額の実質的価値を長年にわたり維持するということが共済制度の機能なんだということにかかわって、維持できないような状態に六千五百九十二人もこれから追い込むということなんですが、一体どう説明されますか。そんな負担の問題じゃないでしょう。
○国務大臣(松永光君) 今、先生おっしゃいましたように、世代間扶養の仕組みにより年金額の実質的価値を長年にわたり維持すると、こういうことでございます。したがって、一般論として言えば、実質的価値を長年にわたり維持するというためにはスライドというのが必要なんでありまして、そのスライド措置がとられておる、こういうことでございます。問題は既裁定年金者の場合でございますが、これにつきまして裁定がえをいたします。そうすると、裁定がえをして、新しく裁定がえをした額が低い場合には既裁定年金額を維持しますよと。維持した額をそのままスライドということになれば、それは高い額をもらっている人はいいでしょうけれども、それでは先ほど言ったようなわけで、世代間扶養の仕組みということがかぶさっておりますので、世代間の負担の均衡ということを考えますというと、裁定がえをした金額が低い場合には、低い金額じゃなくて既裁定の高い金額を支給しますけれども、しかしその分は低いやつが追いついてくるまでしばらくの間こちらの方をスライドするのをお待ち願いたいと。こういうことで、世代間負担の公平という立場からひとつお互いに納得してもらえぬかと、こういうことで今審議をお願いしているような法案になっておると、こういうことでございます。
○本岡昭次君 いや、だからその理屈が間違っているでしょうと私は言っているんですよ。世代間の均衡という事柄がまず先行して、現在もらっている人の年金の実質的価値というものが維持できないということ、それは今度新しくもらう人が一般方式じゃなくて通年方式に皆変わるんだから、今まで一般方式でもらっている人もひとつ通年方式でやってくれということなんですね。だけれども、もらっている者は現に一般方式でもらって、そしてそれによって年金を軸にする生活を維持しているんですから、そしてそれが低下しないようにスライドが行われているんですから、そこで実態として、事実として認めないかぬのは、既裁定年金者の一般方式から通年方式に裁定がえをすることのよしあしじゃなくて、その生活を維持してきた年金の価値というものがそこで下がるという事実は認めなしょうがないと思うんですよ、下がるんですから、下げられるんですから。そういうことがこれから再々行われるようなことになった場合は、いわゆる年金制度そのものに対する信頼というものを裏切りかねないと言っているんですよ。だから、そのことをまずそれは認めないかぬですよ、文部大臣は。認めた上で、どうするかやなしに、それはもう起こっても仕方がないというふうなことをもし言ってしまえば、これから年金をもらう人がいっそういう事態が起こるかもしれないというふうなことで、まさに中曽根総理大臣が言った、共済制度の中の年金の何たるかということは、やっぱりそこの実質的価値というものを長年にわたり維持するということなんだという基本的な問題がそのたびそのたびの改定によって崩れていくということになれば、それは全体としての整合性というものはついたとしても、現在、年金もらっている人にとったら納得できないのはこれは当たり前なんですよ。だからそこのところをどうするかということが僕は政府であるとこう思うし、それがうまくいってこそ初めてそうした大改革もうまくいくと思うんです。だから我々としては、実質的価値というものを機械的にどんと落とすんじゃなくて、その間にやはり、一方では年金額の実質的価値を長年にわたって維持するのが共済年金だと言っているんだから、その考え方をその中にどれだけ生かすことができるのかという工夫、努力というものがそこでなければ、これからの者はみんな通年方式でいくんだから今一般方式でもらっている者は通年方式で計算して下がっても仕方がないじゃないかという、こんな乱暴な考え方でいくと僕はだめだということを言っているんですよ。だからそこのところはもっといろんな経過措置、あるいは激減緩和の問題、また、私どもが言っているんですけれども、これにしても、併給調整と同じように一定のレベルをしいて、そしてそれ以上の人は、例えば私たちの仲間でもそれは年間四百万も年金をもらっている方がおります。だからその人が下がったからといっても、それは実質価値のうちの影響も少ないでしょう。だからその人、人によって下がることによるかなり違いがあると思うんです。だからこれも所得のところでどこかで線を引くとか何かの、あるいはまた全体の下げる金額を全体に激減緩和ということで補正率をそれほどでないが掛けて全体のカーブを緩やかにするとか、いろんな措置をやっぱり現在年金もらっている人にしてやらなければ、これはもう大変な不満がうっせきして大変なことになる、こう私は思うんです。だからもう少し柔軟な考え方に立って、この審議の中で年金スライドの一律的な、今のような機械的なやり方での停止でない、もっと別の方法はないかということを真剣に僕は文部省として私学共済年金の中で模索をしてほしいという要望をするんですが、いかがですか。
○国務大臣(松永光君) 先ほどから申し上げておりますように、世代間扶養という原則が一つありますね。もう一つは、実質的価値を長年にわたり維持すると、この二つあるわけです。二つあるわけでありまして、実質的に価値を長年にわたり維持するという立場から、通年方式による方式でこれからは年金額は裁定しますよ、その裁定額についてスライド方式をとりますよというのが原則でございますね。問題は既裁定年金者でございますが、この人の場合には通年方式に裁定がえをいた
します。裁定がえをした額に下げますよというならば、その場合で直ちに額が下がることになります。その額は下げません、従来の額を保障します、ただし通年方式で裁定した金額掛けるスライドの金額が追いつくまでの間、しばしスライドだけ待ってくださいと、こういうことになっているわけですね。そうすると、先生のおっしゃるとおり、物価上昇があれば上昇分だけ少し既裁定年金者について不利が及ぶことになるわけでありますが、それはもう一つの大切な原則である世代間給付負担の公正ということが一つあるわけでございますから、その立場から御理解を願いたいと、こういうように申し上げておるわけであります。
 なお、先生が御指摘のように、しからば既裁定年金者のどの程度の人たちがどの程度の額の影響があるのかということにつきましては、先ほど一つのモデルを審議官から申し上げましたけれども、もっとモデルをたくさんつくることができるならばつくりまして、そしてこの程度の人はこの程度の不利といいますか、マイナスがあるかな、この程度の人はこの程度で済むというようなことを幾つかモデルをつくって、そして先生にお渡しして何とか先生の御理解――御理解というか、何とか我慢していただけるようなことになるようにひとつやっていきたいというふうに考えるわけであります。
○本岡昭次君 いや、私はよう知っておるんですよ、中身は。実質的価値が下がるというのは裁定がえして通年方式になったというこのダウン差は、それはスライドして上がっていくというけれども、現在もらうのはそれまでと同じ金額をもらうんでしょう。結果として、この分だけこの人たちはダウンしたことになるということを言っているんですよ。取り戻せないんですよ、そこからずっと上がっていくんだからね。だから、その人は実質的価値は戻らないということを言っている。で、あなたは通年方式によるとスライドしますからと言って、そこからスライドしたって、その戻るまでの間のスライド分というのはこの下がった額が結局ダウンしたということですよ、価値として。だから、そういうことを安易にやっていいんですかということを言っているんで、僕は安易にできないですよ、こういう共済年金の仕組みの中では。
 だから、一方あなたの言っている、これからの人たちは通年方式でいくんだから、現在もらっている人もひとつそういうところでという、そこの両方の接点をとこでとっていくのかということをやらなければ、こっちで世代間の調整があります、若い人たちはこれから通年方式でいくんだから、今まで一般方式の人もそっちだというだけでやり切るのは乱暴でしょうということを言っているんで、だからこれからの論議の中で、これは何も私学共済だけじゃないんですから、そのほかの共済のところも全部あるんで、私学共済だけそれやれてほかができないということなら、やっぱりこれは共済全体の横並びの問題と思うんで、この問題は十分ひとつ現在年金をもらっている人たちの中でそういう状態に置かれる人たちのことも考えて今後の検討をやっていかなければならないことではありませんかと、こう言っているんだから、いや、もうそれは世代間の調整で仕方がないんですと今あなたおっしゃっているけれども、そんな乱暴なことでは済まないんじゃないんですかということについて、もうちょっと中身のある答弁をしてもらわないと下がられへんですね。
○国務大臣(松永光君) 先生と私と同じことを言っていると思うんですよ。要するに通年方式に裁定がえをする、既裁定年金者もそれと同じような金額にしろというならば、まさしく乱暴なことになるかもしれません。したがって、既裁定年金者は裁定がえをしますけれども、低い裁定がえをした金額には落としませんよと。既裁定年金の額は保障しますよと。しかし、こちらが追いつくまでのしばらくの間の、言うならばスライド相当分だけが実質上マイナスになるということがありますが、その分は先ほど言ったように、そこがそういう仕組みにしたのが、まさしく新制度に直ちに移さないで、そしてその真ん中をとったといいますかね、激変緩和措置といいましょうか、そういうことでやった措置なんでありまして、何とか御理解願いたいと思っておるわけでありますが、御理解願えない面があるとするならば、より一層御理解が願えるようにひとつ資料等もお出ししますけれども、なかなか難しい問題ですね。私どもの方としては、若い世代、あるいは次の世代の人たちのことも考えますと、この程度で何とか世代間の給付と負担の均衡というところがこの付近がその接点かなあというふうに考えておるわけであります。横並びの問題であることは間違いありません。
○本岡昭次君 これはいつまで議論しても平行線のようなんですが、それでは次の答弁は要りませんので、とにかく検討する意思は今ないというふうなことですが、やっぱり思い直してやっていただきたいと思います。あなたの夢枕にお年寄りがどんどん出てきますよ、これ、こんなむちゃなことしよったら。本当に考え直してください。
 それで次に、それではもっと具体的な問題としてあしたの問題を言いますが、今給与法が改定をずっと進んでいるのですが、五・七四%人事院勧告を今給与法に盛り込んでいっております。そして現在の年金のスライドですね。これは今までどおりだったら五・七四%をそのまま私学共済も物価スライドですが、人勧に横並びした形で政策スライドということでいっておったと思うんですね。そうすると、現在の年金をもらっている人は来年の四月一日から五・七四%の年金がこれはことしの分なんで、四月一日のことでないからこれはスライドされると理解していいんですか。
○政府委員(五十嵐耕一君) ただいま国会で御議論いただいております人事院勧告の分でございますが、これが行われるということに相なりました場合には、本年の三月三十一日以前に退職した者につきましては、政令でその改善措置に準じまして既裁定年金の額の算定の基礎となっている標準給与の額を引き上げるということにしておりまして、今のことで御理解をいただきたいと思います。ですから……
○本岡昭次君 わかりやすく言ってください。
○政府委員(五十嵐耕一君) もう一度申し上げますと、本年三月三十一日以前に退職した者については、現在お出ししております法案の中で、政令でやることができるということになっておりますので、その政令を改正することによりまして標準給与年額を引き上げるということでございます。
○本岡昭次君 そうすると、本年の三月三十一日というと、昭和六十年の三月三十一日までに退職して、そして現在年金をもらっている人は五・七四%の給与法が通って、それが年金のスライドということになれば、皆それを受けることができると、こういうふうに理解していいのですね。
○政府委員(五十嵐耕一君) より厳密に申し上げますと、この五・七四%の中に本俸、諸手当、いろいろなことがございますので、若干は違いがあると思いますが、基本的にはこの人事院勧告に準じて行うということでございます。
○本岡昭次君 中には、それもだめになってしまうんじゃないかと言っておられる方がありましたので、その点はそれでいいと思います。
 それでは次に、残りました時間で、もう一つの問題であります併給調整の問題ですね、これを若干伺っておきます。
 これは厚生省と随分やりとりをいたしましたが、文部省の所轄である私学共済の中にも具体的にこの問題が出てくるというふうにこれを考えますので、私学共済という立場で御検討をいただきたいと思います。それで、文部大臣として併給調整というものが過剰給付であったから、これをこういう措置をとるんだというふうな答弁が前回の文教委員会の自民党質問に対しての答弁であったように思うんですが、先ほどの厚生省との論議の中のように、それでは適正給付というのは一体何をもって過剰給付、適正給付というふうに言うのかということもあるんですが、この私学共済の中で実際現に併給しておられる人たちの実態、こう
いうふうなものはどのようなことになっているんですか。それとまた私は資料としてぜひこの際私学共済の既裁定者の実態というものを知りたいんですが、最低の年金をどの程度もらっておられるのかよく知りませんが、例えば四万円なら四万円というものを基準にして二万円刻みでずっと最高のところまで何人そのところにおられるかというふうな分布をぜひとも資料としていただきたい。そうすると、全体の論議をする場合非常に役立つと、こう思うんですね。そういう意味でその資料をいただきたいということと、現に併給されている人の実態というものはどういう実態なのか、それをここで教えていただきたい。
○政府委員(五十嵐耕一君) 私立学校共済組合におきましてどのような給付を行っているかということにつきましての資料はあるわけでございますが、それが併給支給されているかどうか、他の制度とまたがっているものはどういうものであるかというものにつきましては、私学共済としましては把握が難しいということでございます。
 それでもう一点の先生のお尋ねの既裁定者の退職年金で最低と最高がどのぐらいであるかということのお尋ねでございますが、これにつきましては五十九年度末におきます私学共済組合の既裁定年金のうちの退職年金について見ますと、最低額は月額六万三千円でございまして、最高額は月額三十万四千円であるというようなことでございます。
 それで、月額の分布別をちょっと御紹介をさせていただきますと、五万八千円から七万九千円が最も多く、これが二千七百十六人で全体の一八・七%、それから七万九千円から十万円までが二千百六十三人で一四・九%というふうになっているということでございます。
 それからさらに申し上げさせていただきますと、十一万七千円から十三万八千円までが千六百三十五人で一一・二%ということでございまして、それでまた十万円から十一万七千円までが千五百八十二人で一〇・九%ということでございまして、十三万八千円以下の受給者が全体で五五・七%で過半数を占めているというようなことでございます。
 この数字につきましては後ほど先生にお渡ししたいと思っております。
○本岡昭次君 私学共済も、かなり全体のパーセントが他の四共済と比べても低いんじゃないかと思うんですが、どうですか、平均、他の四共済との平均というのはわかりますか。
○政府委員(五十嵐耕一君) 恐れ入りますが、今すぐに出る状態でないものでございますから後ほど出させていただきたいと思いますが、これは、先生御指摘のように、比較的期間が短いというようなこともございまして低いんではないかというふうに推察はされます。
○本岡昭次君 今回、やっぱり給付の内容の問題についての論議の焦点の一つは併給調整の問題があると思うんです。だから私は、厚生大臣あるいは厚生省と随分時間をかけて論議をし、文部大臣も横で聞いていただいておったと思うんですが、厚生大臣の方も、これについては、今後の審議を見守りながら検討の素材にしてもいいというふうな意味のことをおっしゃっていただいたんですが、私立学校共済の実態から見ましても、併給調整の問題は実態的に見てかなり、実際にもらう人があるとしても、低い年金のレベルでこういう事態が起こる人もあると、こう考えていいんじゃないかと、こう思うんです。
 そういう意味で、併給調整の一律、どういうか、併給を禁止していく、やめさせていくということでなくて、厚生大臣の方にも言いましたように、二百万円なら二百万円とかいう一定の線、どの線が妥当なのかこれは検討を要すると思いますが、やっぱり一定の額を引いて、その上で併給の調整をやるということを推進していくために、私学共済の立場から文部大臣としてもその検討の問題について積極的に発言をし、そのための努力を私はお願いしたいと、こう思うんですが、私学共済の立場からの併給問題について、ひとつ私が言っているような立場で御努力願えないでしょうか。
○国務大臣(松永光君) 私は、年金制度というのは官民格差があってはいかぬ、それから制度間に格差があってはいかぬ、やはり世代内の均衡、それから世代間の均衡、こういったことが大事な要素だろうと思うんでありまして、その要素が満たされるような形で対処するのが望ましいのじゃないかというふうに思います。
 そういう考え方で、先生の御意見を承りながら努力をしていきたいと考えておるわけであります。
○本岡昭次君 やっぱり文部大臣、先ほどから世代間の均衡、世代内の均衡ということを一番重要視されているようですが、私もそれは極めて大事だと思います。しかし、問題は、今までの制度があって、その制度の中で持っておった既得権的なもの、それを移行させるときにどうかということを僕は盛んに言っているんですよね。新しい制度の中での問題じゃないんですよね、この併給調整の問題も、言ってみれば。新しい制度はそういう形でいくんですから、それはそういう契約内容で問題はない。ところが、今までは併給ということが認められていた人たちの中に、それができないという状態が起こる。そのときに、それを新しい制度に移行するんだと、文部大臣がおっしゃるようにそれは世代間の均衡ということが何よりも大事なんだからといってはっさり切って捨てるということだけではいかないだろう。そのときには、やっぱり年金というものが一定の所得保障というものを見ていくということがあるんですから、それは世代間では一定の保障を見ていく。その問題に着目をして、そして経過的なものとしての対応をやる必要がある。そのことがこの併給調整のところにも非常に低いレベルのところでは所得保障という意味の力点の置き方というものを加えていかなければ、これも言ってみれば年金制度に対するこれからの信頼という問題にかかってきはしませんかという問題を言っているんですからね。
 そういう立場について、あなたのおっしゃる世代間の均衡という問題と、それともう一つは、過去の既得権を持っておった人をここへ移していくことについての年金の基本的な所得保障と老後の所得保障、あるいは働けなくなったときの所得保障というものに足るものの中身として十分なのかどうかということと両方が兼ね合っていかなければこの年金制度というものは成り立たないというふうに思うんですね。これは、制度はこれからまた変えなければいかぬことが起こってくるでしょう。そのときに、今、既得権というものはどういうふうな形で守られていったかということが、次の改革なり変革に対しても、国民が公的年金に対する信頼をつなぎとめていく重要な問題になると、私はこう思うので口を酸っぱくしてお願いのような形で今申し上げておるんで、ひとつ私学共済の責任者である文部大臣からもこの問題を積極的に検討していただくことをぜひお願いしたいと思うんですが、再度答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(松永光君) 繰り返し申し上げるようでありますが、やはりこの種の問題の場合には世代間の公平、世代内の公平、これが大事なことであろうと思います。
 ただ、先生御指摘のように、既得権者のものをどうするかということでございますが、これは経過措置でどういうふうな経過措置にするかということであろうかと思うのでありまして、経過措置等の場合にはできるだけ激変が起こらぬような措置をしながら親切なことにすることがより望ましいことであろうというふうに思いますので、そういう考え方で対処をしたいというふうに思う次第でございます。
○本岡昭次君 それでは、国庫負担について伺います。
 現行法における国庫負担と改正された後の国庫負担の関係ですが、私学共済として見た場合、昭和で言えば昭和六十一年、西暦で言えば一九八六年を一つの区切りとして、できれば西暦二〇〇〇
年あるいは二〇二〇年、二〇三〇年か四〇年、そのくらいの刻みで見たときに、現在の法律の中では私学共済に対する国庫負担というものはこういう形で出されてくるであろう、それに対して改正されたら私学共済部分に関する国庫負担というものは一体これどういう形になってくるのか、恐らく基礎年金部分にしかかからぬわけですが、その基礎年金部分に相当するものとしてどういう金額になっていくのかという点についてひとつ教えていただきたい。
○政府委員(五十嵐耕一君) お答えを申し上げます。
 先生、御指摘のように、今度は国庫補助の仕組みが変わりますのでその一律の比較がなかなか難しいわけでございますが、一応五十九年の額でのごく粗い試算で申し上げさしていただきますと、現行制度を前提といたしました場合に、昭和六十一年度が約百億円でございます。それから七十年度が約二百二十億円、八十年度が約四百十億円、九十年度が約六百六十億円、それから昭和百年度が約八百三十億円というようなことでございます。それが制度改正で基礎年金に補助額が全部集中するということで試算をいたしますと、昭和六十一年度が約百五十億円でございます。それから昭和七十年度が二百五十億円、八十年度が約三百五十億円、昭和九十年度が約四百三十億円、昭和百年度が約四百四十億円ということでございまして、先生御理解いただきますように、当初の国庫補助額は、実は先ほどから厚生省の方からも御説明がございましたように、組合員とその被扶養の妻の分も全部払うというようなことになりますので、金額的には当初はふえる。ただ後ほどになりますとむしろ現行制度の方が増加するというようなことでございます。
 それからもう一点は、現行の制度でもふえますですが、改正後の制度におきましてもやはり相当な増加があるということをまた御理解いただきたいと思います。
○本岡昭次君 それで、私学共済の現在の保険料、組合員の掛金ですね。現在が何ぼで、それをどういう形で現在将来にわたって引き上げていくということの予定があるのか、計画があるのか、ちょっと参考のために教えてください。
○政府委員(五十嵐耕一君) 今回の制度改正によります収支試算でございますが、保険料率を昭和六十五年度から五年ごとに千分の十八ずつ引き上げますと、昭和百十年度の千分の二百八十二を限度といたしまして将来ともほぼ収支が均衡するであろうということでございます。これは六十歳支給ということを前提に置いております。
 それから現行法のままでございますと、上限で約千分の三百四十強ぐらいになるんじゃないかというふうに推察しております。
○本岡昭次君 もう時間も来ましたんで、文部大臣に最後、要望も込めて質問をしたいと思いますが、私学共済の組合員の頭の中にあるいま一つのことは、私学共済ということで一生懸命自分たちが掛金をかけてやってきたということの中で、これから掛金が今おっしゃっているように千分の二百八十二を頂点にして、そこからは横並びになる。それまでずっと年次五年ごとに掛金は着実にふえていく。現在よりも約二・八倍近くふえていくということが一方の前提にあります。しかし、国庫負担は制度改正によって、今ずっと例が出ましたように、昭和百年をとれば、現在の制度の中では八百三十億という負担を国庫としてすべきものが、この改正案によって四百四十億で済むようになる。こういうことなんですね。もちろん掛金の方も今のままでいったら千分の三百四十になるということもありましたけれども、そこで、私学共済という立場から見ても、基礎年金の部分に対する国庫負担がこういうふうな形で軽減されながらも、全体として掛金が増額をしていくということについての問題をはっきりと認識をしていただかなければならぬと考えます。いってみれば、国もこれから年金を安定し維持していくためにしっかりと国庫負担をふやしていきます。だから、組合員の皆さんもつらいでしょうが、掛金を少しずつでもいいから上げていってくださいと、こう言うんならいいんですが、今起こっていることは、国の国庫負担はずっと将来にわたって下がりながら掛金だけはふえていくというこの仕組みの中の矛盾、これは私学共済の組合員として絶対に理解のできないものでないかと私は考えます。したがって、これから基礎年金を導入するという考えに立ったときに、基礎年金部分はこれは厚生大臣の所轄であるということでなくて、私学共済の立場に立ってもその一階に基礎年金があるんですから、その基礎年金に対する国庫負担のあり方そのものが、いってみれば掛金の問題とか全体の年金の安定につながってくるのでありますから、積極的に基礎年金の水準と、それから費用負担のあり方について文部省も努力をしていただかなければならない、こう思います。
 そういう意味で、私は本会議でこの私学共済にも法改正をやるべきではないかということを提言したんですが、基礎年金のところにそれがあるのでその必要はないということであれば、それはそれでいいです。しかし、文部大臣としてこうした基礎年金に対する国庫負担のあり方の問題、これについては大きなひとつ関心を持って、これからの検討に対しては国庫負担をやはり増額して、全体の組合員の負担を軽減していくという方向を見出すようなひとつ努力をするべきではないかということを最後に強く申し上げ、大臣の御意見を伺って終わりたいと思います。
○国務大臣(松永光君) 先生の御意見は貴重な御意見として承らしていただくわけでありますが、いずれにせよ問題のポイントは、私学共済の場合について言えば、現在は組合員が約三十五万で年金受給者が一万五千、これが二十年いたしますというと、組合員の数は現在とほぼ同じというふうに想像されるわけでありますけれども、ところが、年金受給者の方は四・五倍ぐらいになる。さらに三十年後の昭和九十年あたりになりますというと、組合員数は現在と同じであるけれども、年金受給者は現在の六倍を超すような状態になるということが一つあるわけでありまして、したがいまして、現在のうちから世代間の給付と負担の公正ということで措置をしないというと、その時点になって非常に大きな混乱を生ずるということで、現在の改正をお願いしておるわけでありますけれども、先ほど先生御指摘がありました基礎年金が国民年金と同様になるわけでありますので、その関係につきましては、その基礎年金部分にどういう国庫負担をするかという問題等につきましては、やはり将来とも勉強していかにゃならぬ課題であろうというふうに、私もまあ先ほどの大蔵大臣ではありませんけれども、興味と関心は持っているわけでありますので、今後とも勉強を続けてまいりたいというふうに思っておるわけであります。
○委員長(林寛子君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時十五分まで休憩いたします。
   午後零時十九分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時十七分開会
○委員長(林寛子君) ただいまから文教委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、私立学校教職員共済組合法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○粕谷照美君 私は、平均標準給与の算定の問題について最初に伺います。
 まず、今回の改正案では、年金の算定基礎となる給与のとり方について、現行法が退職前一年間の平均を原則としておりましたのを、六十一年三月以前の組合員期間を有する者については、厚生年金と同様の方式を導入して、全期間の平均をとってそれを算定基礎とするということになっています。この点がこの共済年金の給付水準の引き下げをもたらしておりますが、政府は給付水準の引き下げを給付の適正化だとか官民格差の是正ということで目玉だというようなことを言っておりま
すけれども、これは私は大変な間違いであろうかというふうに考えております。ところが、私学共済の場合、今回の改正案の平均標準給与のとり方では、組合員によって有利、不利が生ずることになって、厚生年金の水準を下回る者が大勢出てくるという問題がクローズアップされてきております。
 そこで、まず施行日前の全期間の平均をどのようにして出すのか、具体的に説明をいただきたいと思います。
○政府委員(五十嵐耕一君) 先生のお尋ねの施行日前の組合員期間に係る平均標準給与のとり方でございますが、これは国家公務員共済における取り扱いに準じまして施行日前五年間の標準給与の平均額に補正率を乗じることによりまして算出をしているということでございます。
 今回、このような措置をとることといたしましたのは私学団体から強い要望があったことでございますが、そのほかに次のような理由でございます。
 すなわち過去期間の一部につきまして給与記録の全くない組合員が約三百十人ぐらいおりますが、これらの者の平均標準給与額を算出する方法がない、これが第一点でございます。それから第二点は、従来、私学共済が準ずることとしてきた国家公務員共済及び地方公務員共済は、諸手当についての給与記録が全くないため五年補正率を用いることといたしまして、また私学共済と同様の事情にございます農林共済も同じ算定方式によることとしておるわけでございまして、このようなことから、今先生の御質問のございましたように、国家公務員共済に準じます五年補正率を採用するということにいたしたわけでございます。
○粕谷照美君 それではちょっと伺いますけれども、地方公務員共済の出し方というのは本俸掛ける補正率ということではありませんか。その本俸というのは一体どういう計算で出されるのですか。
○政府委員(五十嵐耕一君) ただいまの点は地方公務員共済の今度の法律の一部改正というところで提案されているわけでございますが、そこの中で、先生のおっしゃいましたようなやり方をすることといたしましたのは、地方公務員の場合でございますと、それの雇用主でございます地方公共団体におきます諸手当の出し方がいろいろまちまちであるというようなこともございまして、むしろ俸給表にございます本俸に一定の率を掛けまして、さらにそれから五年の補正率を掛けて全期間を推定するというような方法をとっておるわけでございます。
○粕谷照美君 私、普通の言葉で質問しますので、説明は普通の言葉でやっていただきたい。
 地方公務員は本俸掛ける補正率ですけれども、その本俸というのが全期間の平均ですね。国公は本俸掛ける補正率であっても施行日前五年間だけ遡及して出していく、こういうことになっているのではありませんか。
○政府委員(五十嵐耕一君) 今回の改正におきまして、基本的には新法が施行されます来年の三月三十一日以降、すなわち四月一日以降におきましては全部本俸に諸手当を加えたもの、それの額で年金額を計算していくというふうなことになっているわけでございます。その場合に今問題になっておりますのは、今度改正法を施行いたします四月一日前、すなわち三月三十一日以前の過去期間というものをどういう方法で計算をしたらいいかということがございまして、これにつきましては基本的には国家公務員でございますとか地方公務員、今度農林共済、私学共済、全部同じ方法でやっているということでございます。その同じ方法といいますのは、過去五年間の給与に基づきまして一定の補正率を使いまして全期間を推定するというようなことでございます。
 ただ、国家公務員の場合は諸手当と本俸との関係が比較的はっきりしているということで、標準給与ということで諸手当を含めたものでやっておるわけでございますが、今先生お尋ねの地方公務員におきましては、その本俸と諸手当の関係が地方公共団体によっていろいろ異なるというようなことがございますので、本俸に一定の率を掛けたものにさらに補正率を使うということでございます。そういう点におきましては違うわけでございますが、その他の点におきましては基本的には同じということでございます。
○粕谷照美君 そうすると若干の違いは認めている、こういうことで理解をしてよろしゅうございますか。
○政府委員(五十嵐耕一君) 先ほど申しましたように、基本的な考え方は同じということであると理解しております。
○粕谷照美君 それでは、今回は私学共済と同様に国家公務員に倣った方法を農林年金もとっているわけですね。しかし農林年金は、共済制度の特徴として給与水準が全体に低いということから、直近の給与を基礎とした方がいいという判断があってそういう出し方をした、このことは事実ではありませんか。
○政府委員(五十嵐耕一君) 私ども、直接農林共済組合を担当しておりませんのでお答えいたしかねるわけでございますが、過去期間の推算の方法につきましては、農林共済でございますとか私学共済でございますとか、それは同じ方法によるということで今度の改正案をお出ししている次第でございます。
○粕谷照美君 それでは農林水産省呼んで今度は聞かなければなりませんが、きょうは呼んでおりませんので、また後日にこの点については質疑をゆだねたいと思っております。
 それでは今度の改正の具体的な問題について伺いますけれども、国家公務員が年金算定の基礎を本俸によってずっと計算をしてきたのに対して、私学共済は平均標準給与方式という厚生年金と同じ方式に基づいてきているわけですけれども、この違いはどういう理由によるのですか。
○政府委員(五十嵐耕一君) 先生御指摘のように現行法の中におきましては、国家公務員の場合には本俸、それから私学共済組合員につきましては本俸に諸手当を加えたものということにしていることは御指摘のとおりでございます。なぜこういうふうになったかという点でございますが、先生、御承知のように、国家公務員の場合には俸給表というのは非常に明確に示されておりまして、諸手当も非常に明確であるということでございますが、私立学校の場合には先生御承知のとおり大学から幼稚園まであるというものが対象であるということでございますが、そこの中の本俸と諸手当にはいろいろなやり方がありますので、むしろ本俸と諸手当を一緒にしたもので考えた方がいいであろうということで、私学共済組合法ができました昭和二十九年から、私学共済につきましては、今先生のお話のございましたように、諸手当を含めたものをもちまして標準給与としてまいっているわけでございます。
○粕谷照美君 諸手当を含むということにしてみれば、女性の立場からいえばなかなかつけてもらえない手当も幾つかあるわけですね。住宅手当だとか、あるいは扶養手当だとか、それからまた時間外手当、通勤手当、本質的には年金の算定にすべきでないような諸手当が含まれているということでは大変不利になっているというふうに思いますが、きょうはその質問は省きまして、それでは昭和三十六年までの給与記録のない組合員、つまり旧恩給財団から移ってきた者などが全体の共済組合の中で何人ぐらいいますでしょうか。
○政府委員(五十嵐耕一君) 今先生の御指摘のありました者でございますが、一つはいわゆる旧私学恩給財団でございますか、それからずっと引き継いでおる者でございますが、これにつきましては約四十一人ございます。それからもう一つ、実は沖縄の返還に伴いまして沖縄の私学共済組合の組合員をやはりこちらの私立学校共済組合に引き継いだわけでございますが、それで給与記録のわからない者が二百六十九人おりまして、両方で三百十人おられるわけでございます。
○粕谷照美君 そうすると残りの三十四万何千人というのは給与の記録がちゃんと残っているわけ
ですね。国家公務員は給与記録がないからということでありますけれども、こちらの方は給与記録が残っているのですけれども、何で国家公務員と同じような形にしなければならないのでしょうか。
○政府委員(五十嵐耕一君) 先ほど御説明申し上げたことと若干重複することをお許し願いたいわけでございますが、一つは、先ほど申しましたように、私学団体からの強い要望があったということがございまして、それでその次に、今御説明申しましたように過去期間の一部について給与記録の全くない組合員が三百十人いたこと。これにつきましては、平均標準給与月額を算出する方法はなかったと。それ以外の者につきましては、先生御指摘のとおり、標準給与月額を算出する方法はございます。実際に記録はあるわけでございますが、国家公務員共済や地方公務員共済におきましては本俸の記録はあるわけでございますが、諸手当についての給与記録がないということから五年の補正率を用いることとしておりまして、私学共済は、これも御説明申し上げているとおりでございますのですが、かねてから、国家公務員共済の長期給付、それと軌を一にしてやるということが基本的なものでございますので、それと同じ方式をとってまいったというようなことでございます。
○粕谷照美君 午前中の本岡質問とも関連するわけですけれども、私はそこのところがよくわからないんですね。大体、去年の十二月七日付で私学共済内の年金制度研究委員会が、今度の制度改正に関連して理事長あてに「共済年金制度改革の方向」と題する申し入れを出した。これは私学共済自体が発行しています広報の中に、ことしの三月号ですけれども、これにきちんと載っております。それを受けて、本年の二月、私学共済から今度は文部大臣あての要望書が出されたと、そういう経過はわかります。
 その中で、二の項に「施行日前の給与記録は公務員共済と同様の取り扱いとすること」、今、五十嵐さんは強い要望があったと、こういうふうに言われておりますけれども、これは私学共済がその方が有利だと言うんですか。そういうふうに判定をしたということなんだろうというふうに思うんです。そして、私学共済の有利であるという判断をして出したこの要望に対して、文部省も十分に検討してこの改正案をつくったと、こう理解してよろしゅうございますか。
○国務大臣(松永光君) 施行日前の組合員期間に係る平均標準給与の算出方法の問題でございますが、先ほどから審議官がお答えいたしておりますように、私どもの基本的な物の考え方としては、同じ私学共済の組合員でありますから、その算出方法は同じ方法をとることが望ましい。これが第一。そうすると、同じ算出方法をとるとするならば過去記録のない者についての算出方法がないという問題がありますので、そうしますと、この国家公務員共済が採用しておる五年補正方式、これならば全組合員が同じ算出方法と、こうなってくるわけであります。
 そういうことがありますところに持ってきて、いま一つは、従前から私学共済は、基本的な重要な事項についてはこれを国家公務員共済に準ずるというふうなことをやってきておりますので、したがいまして、国家公務員共済の方でその算出方法として五年補正方式というのをとった以上、私学共済も過去の経緯からいってこれに準拠するというのが妥当である。
 三番目には、これは一般論でありますけれども、私立学校振興助成法に基づいて私学等に対する経常費助成が始まった以降の方が一般的に言えば私学の教職員の給与もややよくなったのじゃなかろうか、そうなってくるというと五年補正方式の方が恐らく有利になる人が多いであろう、こういったことがございます。そこへ持ってきて、先ほどから出ております年金制度研究委員会の答申でございますか、これも国家公務員共済と同じように五年補正方式をとるべきであるということがございまして、それを受けて私学共済、私学関係者から私の方に対して強い要請もあったと。
 全部総合いたしますというと、現在御提案申し上げておる方が適正妥当であるというふうに判断をいたしまして、現在の方式を採用いたしまして御審議をお願いしておると、こういう経過になるわけでございます。
○粕谷照美君 有利になるだろう、国家共済の方式をとった方が……。
○国務大臣(松永光君) 多いだろうと。
○粕谷照美君 多いであろうと、こういうふうにして要望が出た、文部省もそういうふうに判断をしたと、こういうことでありますけれども、確かにこの経常費補助が始まってからは私学の給与実態も非常に上がってきて、国公立学校を上回るようになってきているということもこれは実態だというふうに考えております。そういうことから考えてみますと、また、経営が不安定で給与も低水準であった時代の要素はできるだけ見ない方がプラスになる、少なくとも全体として見た場合にはこの国公方式をとった方が有利であろうと常識的にお考えになったのだろうと、こう思うのですが、それではその考えたものが正しかったのかどうかということについてお伺いをいたします。
 実際に標準給与の算定をしてみたら、全期間の平均より施行日前五年から補正率による割り落としをして全期間を推計する方が高いというものが多いということもありますけれども、逆の場合のものも予想されるということが明らかになったはずでありますが、それ、数字などわかりましたら報告していただきたいと思います。
○参考人(保坂榮一君) これは補正率が出ておりませんので、実はこの有利、不利の比較は本来できないわけでございますが、私学共済独自の立場から補正率を部内で仮に出しまして、それで検討をいたしました結果、これは、厚生年金と同じように全期間平均で行うよりも五年平均で行った方が有利になるであろうと思われる者が約三分の二、それより下回るであろう、不利になるであろうと思われる者が三分の一でございました。この三分の二、三分の一と申しますのは三十四万人の私学共済全員に対しての数ではございませんで、三十四万人のうち五カ年以下の勤務期間の者が十五万人おります。これは有利、不利に関係ございません。その十九万人に対してでございます。ただし、これは十九万人全部をそれて調べるというわけにはいきませんので、その中からサンプルを抜きまして調査した結果でございます。これは、先ほど申し上げましたように、私学共済独自の補正率ということで仮の計算をしたものでございます。
 それで、有利、不利に関係ある者十九万人のうち、厚生年金の全期間平均をとるよりもよくなる者がいる、これが十三万人、それより低くなるであろうと判断される者が六万人、その不利になる者の六万人という数が十九万人に対して約三分の一、有利になる者十三万人が約三分の二、そういう数でございます。
○粕谷照美君 私学共済独自の計算ということをおやりになって検討をされたということは、私は大変いいことだというふうに思いますが、これは率そのものがどのようになるかということで、若干の変化はあるとしても、具体的に六万人もの人たちが不利になるというのが現実だというふうに思うんですね。そうすると、その中のもうちょっと具体的にどのくらい不利になるというような数字ね、ありませんでしょうか。
○参考人(保坂榮一君) 具体的にどの程度の額が有利になり、どの程度の額が不利になるというのをサンプルで調査いたしましたそれから結論づけることはできませんでしたが、そのうちの具体例として二つほど私どもが算出しております。それをちょっと申し上げますと、A氏の場合でございますが、これは二十五年勤続で初任給一万九千円、五十九年度給与が五十五万円になったものであります。五十九年度給与が五十五万になったものです。これは標準給与に直しますと一万九千円が二万円になりますし、五十五万円が標準給与月額が四十五万円になります。これで計算いたしますと、先ほどの全期間方式による場合には四十万五千八百八十三円になります。それから五カ年平均方式の、それの場合には三十六万二千十六円に。なります。五カ年形式の方が低くなあわけでございます。
 B氏の場合を申し上げます。もう一つの場合はやはり同じく二十五年勤続でございますが、初任。給が一万一千円、したがってさきのA氏よりも初任給が低うございます。それから、五十九年度の給与が四十八万三千六百十九円と。この場合も先ほどのA氏の五十九年度給与額よりも低くなります。この者は標準給与が初任給が一万二千円、それから五十九年度が四十五万円になりまして、これで計算いたしますと、先ほどの全期間方式でございますね、厚生方式で全期間の平均をとると、それによりますと三十一万六百九十五円になります。それから五カ年平均方式によりますと三十四万五千二百五十六円になります。この場合に五カ年方式の方が有利になるわけでございます。
 以上、全体にわたってのこれは出せませんでしたが、具体的な例を今A氏、B氏と、有利と不利というものについて二例申し上げました。
○粕谷照美君 大臣、今数字でおわかりだと思いますけれども、具体的にもう非常に不利をこうむる人たちが出てくるわけですね。そのことはお認めになりますでしょうか。
○国務大臣(松永光君) 今の私学共済の方が前提として申されましたように、補正率というのはまだ決まってないわけであります。私学共済の方でどういう基準で補正率を、仮の補正率をお決めになったか知りませんけれども。私学共済の方の計算上ではそうなるということのようでございます。私がちょっと見たところでは、初任給がずっと前、二十年も二十五牛も前は低かった。そして、その後だんだん上がってきた人の場合には、こういう人の場合には、言うなれば有利な計算になるということでございましょう。当初から比較的給与が高かった、そして最後の給与もそれほど安くはない、高いという人の場合には、どちらかというと五年補正方式の方が全期間よりもやや低くなるのかなという感じでございまして、言うなれば全般的に、先ほど申し上げましたように、私学の関係者は当初は月給は安かった。私立学校振興助成法に基づいて私学に対する経常費助成が始まって、そして私学の教職員の給与もだんだんだんだんよくなってきた、そういう方々が大部分と思うのでありますけれども、そういう方々の場合には五年補正方式の方が有利に働くであろう。当初から相当高い給与をもらっておった人の場合には、これは全期間方式の方があるいは有利に働くのかな、これは全般論としてはそういう傾向があるように思われます。ただ、先ほど申し上げましたけれども、同じ私学共済の組合員でございますから、物差しというものは一つの物差しで計算するということの方が私は公平なやり方ではなかろうかと、こういうふうに思っておるわけであります。有利に働くであろう、不利に働くであろうということは理論上あり得るというふうに思います。それは給与の方式がはなから高かった人、それでずっと高いままきた人、それからはなは少なかったけれどもだんだんだんだん上がってきた人、こういうことでだんだん上がってきた人の方は有利になるのかなということでございます。
○粕谷照美君 大臣、もうちょっとやさしい大臣になって答弁していただきたいと思うんですけれどもね。今私学財団のこの御報告によれば、私学共済の方でつくった計算方式だと、補正率がきちっとしてないから、だから文部省としてはよくわからないと、こういうふうにおっしゃっていますけれども、でも具体的に二十五年勤務で一万九千円の初任給の人と一万一千円の初任給の人、で、五十九年度現在五十五万円の給与の人と四十八万三千円の給与の人との計算を出して、やっぱり全期間方式による全期間平均給与月額の方が高いという例と、五カ年方式による場合の方が高いという例がこう出ている。しかもその全期間方式による方が高い。つまり五カ年方式によって計算されたら損をするという人が先ほどの数字で言えば六万人もいるんではないかというこの報告は大変なことだと思うんですよね。私も長い間組合運動やっていましたけれども、同級生と違って給料が何かのミスで非常に落ちた。だってそれはその人にとっては一〇〇%不利なことになりますからね、必死になって元へ戻すというようなことをやるわけですよね。そういう計算で六万人もの不利の人が出るなんというようなことを黙って見ているわけにはいかないのではないかと思いますけれども、いかがですか。
○国務大臣(松永光君) これは私学共済という一つの制度のもとにおけるこの法施行前の組合員期間の平均標準給与の算出方法という方式の問題でございますね。で、方式の問題でございますから、この方式というものは同じ私学共済の組合員であるならば同じ方式というのが、これが私は公正妥当な方式ではないかな。こういう方式でやれば、この人が有利、だから有利な人はこの方式で、不利な人はそれをとらぬでよろしいなどというふうに区々とした方式が、物差しがあるということの方が果たして公平妥当なのかなというふうに思いますと、私は同じ私学共済であるならば、その計算方式というものは一つであることが望ましいんじゃないかというふうに実は思うわけであります。同時にまた、それを前提にいたしますというと、なるたけいい額になる人が多い方が私は望ましいというふうに思うわけであります。
○粕谷照美君 新しい法律をつくるわけですからね、しかも不利になるということがはっきりしている人たちが推定とはいいながらも六万人も出るということがわかるような方式をつくるということが問題、法律をつくるということが問題ではないか、こういうふうに思いますけれども、その辺はどうですか。
○国務大臣(松永光君) 制度、仕組みを施行する場合には、その制度、仕組みによって有利になる人あるいは有利にならない人というのが出ることはあり得ることでありますけれども、しかしこれは制度、仕組みである以上、やはり同じ制度、仕組みの適用を受けるというのが原則じゃないかなというふうに思うわけであります。それが甚しい場合には、時によっては激変緩和措置とか経過措置とかというのがあり得るとは思いますけれども、原則論からいえばさようなことではなかろうかなというふうに思っておるわけであります。
○粕谷照美君 はっきりと、新しい法律をつくることによってそのような不利が生ずる人たちが多いということになれば、今大臣が最後のところでおっしゃった部分というのは非常に重要な意味を持っていると思うんです。今までだってそういう新しい制度をつくるときに既得権を侵害されたりする場合があった。そういうものは経過措置で何とか直されたりあるいは給与記録なんかについてだって法律によって給与を一万円とみなすなどというふうにされているわけでありますから、その辺のところも含めながら、不利な条件ができないような条項を文部省としてはやっぱり考えていくということが大事なのではないかと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(松永光君) これまた総論に返ってしまうわけでありますけれども、やはりそれぞれの共済制度間の均衡ということが一つあります。制度間の均衡。それからもう一つは、全般としてどちらの方が有利であろうかという全体の見方がございます。したがいまして、同じ組合員の間で計算方式の採用の問題でありますから、全期間方式を全部とってしまえ、その方が全体として有利であろうか、いや五年補正方式の方が全体として有利であろうかというようなことを考えますと、全期間方式をとるということになりますというと不利になる人が圧倒的多数になるという問題もあろうかと思います。したがいまして、先生のおっしゃるのは六万人になるのか四万人になるのか、補正率が明確じゃないわけでありますから、確定的なことは言えないわけでありますけれども。やや不利になる人が多少いらっしゃるということがほぼ明らかなようであります。しかし、その人のだ
めに、その人のみのために物差しを別々に使うというのは、特別の理由がない限りいかがなものかなというふうに私思いますし、それにほかの制度との整合性の問題もありますので、なかなか困難なことではないかなというふうに思うわけでございまして、したがいまして、総合的に判断して、今御提案申し上げているのが公平であり、妥当であるというふうに思いまして、審議をお願いしているということでございます。
○粕谷照美君 公平でないんですよ、これ。公平では絶対にない。明確にわかるし、四万人にもなると――六万人の計算が四万人になったからいいというものではないわけです。私はさっきから一人でも問題だということを言っているんですけれども、六万人もいるということ自体がやっぱり問題なんですから、この辺のところは、本当に今審議が始まったばかりでありますから、だんだん質問が出ていくと文部大臣もよくおわかり――もうわかっていて御答弁されているんだと思いますけれども、六万人の悩みがよくおわかりになるというふうに思いますので、十分またこれから考えおきいただきたいと思います。
 制度間の均衡と言いますけれども、均衡でありまして、同一でなければならないということじゃないんだと思うんです。それぞれに特色があっていいんだという考え方を持って、給付の今回は均衡なんですからね。そこのところをもって十分にこの法律についてのお考えを皆さんとまた進めていただきたい、他共済ともまた連絡をとりながらやっていただきたいと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(松永光君) 私どもといたしましては、今御提案し、御審議をお願いしている方式が適正妥当であるというふうに信じまして御提案しておるわけでございます。ただ、審議権を持っていらっしゃるのは議員の皆様でございますので、よろしく審議をしていただきまして、そして各党間で意見が一致したならば、これは私どもの方で拒否する権限はございません。ですから、審議をしていただきまして、各党間でよく議論をしていただいて、そして決めていただくことだろうというふうに思うわけでございます。
○粕谷照美君 よくわかりました。結局、全期間の平均をとった方が額が高いというものについては附則の第四条の適用から外すという措置をとることがこの問題を解決するための方途ではないかという考え方なんかもあります。そんなものを受けながら今後本院における修正の話なんかも具体化していくというふうに思いますので、文部大臣はそのときには、これはもう絶対に変えることができないんだなどという態度でなしに、その話し合いをきちんと受けとめていただきたいということを要望して、次に移ります。
 次は厚生年金との整合性について伺いますが、特に所得制限の是非、六十五歳以上在職支給、それから職域年金、それから懲戒処分等の給付制限を柱にして質問をいたしますが、最初に、私学共済に加入をしていない、いわゆる適用除外校の数字、実態などを御報告いただきたいと思う。
○政府委員(五十嵐耕一君) 私立学校教職員共済組合法におきましては、私立学校の教職員はすべて私学共済の組合員になることとされておりまして、これが基本原則でございます。しかしながら、私学共済組合の成立に当たりまして学校単位に選択加入制を認めまして、厚生年金・健康保険の被保険者である者を使用する学校法人がそのまま厚生年金・健康保険を継続することを認めたものでございまして、その後、昭和四十九年度に再度、未加入の学校に私学共済組合に加入することを認めたところでございまして、このような経緯から、現在、長期給付に未加入の学校は三十四校というふうに相なっております。
○粕谷照美君 午前中の本同質問にもありましたけれども、「六十五歳以上者は長期給付組合員としないで年金を支給すること」というこの要望書はどのように今まで討議をされて、この法案が出されてきたのでしょうか。
○政府委員(五十嵐耕一君) 確かに、六十五歳以上の者には年金を支給することという御要望をいただいております。
 先生御案内のとおり、私どもの私学共済年金は、他の共済年金と同じように、長期給付につきましては退職を要件とした給付をするということでございます。片っ方の、老齢給付を要件といたしますのが厚生年金でございまして、そこに基本的な仕組みの差があるということでございまして、そういうことから厚生年金と同じような扱いというのは非常に難しいわけでございます。ただ、今度の改正案におきまして私どもが御提案申し上げておりますのは、六十歳以上で標準給与が一定額の者につきましては退職共済年金の一部を支給するということをしておるわけでございます。
○粕谷照美君 文部大臣、先ほど、この国公方式、つまり五年遡及方式をとりなさいと言ったのは、強い御要望であるということ。今回これは強い要望だというふうにはお考えにならなかったわけですか。
○国務大臣(松永光君) いや、その点も、やはり一緒に来た要望でありますから、同じような要望と思います。ただ、先生も御承知のとおり、現在の制度も、私学共済は退職年金の実は制度なんであります。その点が、厚生年金のように老齢年金として――老齢年金を給付する、で医療給付はないという厚生年金の方と、それから、退職年金と医療給付を行うという私学共済の制度とは、制度の本質が違うわけですよね。したがいまして、退職しなければ原則としては退職年金は支給されないというのが制度の基本の相違なんですね。これは現在の制度も同じなんでございますから。新しい制度も片方は厚生年金の制度、すなわち老齢年金を支給ということの制度、片方の私学共済制度の方は退職年金とそれから医療を含めていわゆる相互扶助組織としておるものでありますから、その仕組みが違うという問題があります。ただ、要望にありますように、六十五歳以上であるならば、たとえ退職していない、在職しておっても年金を支給することという要望につきましては、制度が、原則がそうなっているわけでありますけれども、その所得が一定額以下の者については低在宅、六十歳以上の低所得者につきましては退職年金の一部を給付するという制度を導入いたしまして、それで要望にお答えをした、こういうふうに考えておるところでございます。
○粕谷照美君 そうしますと、この答申書の中に、「私学教職員で定年退職し従前より低い給与で勤務し組合員となっている者は、年金が支給されない場合、国・公立定年退職後の組合員に比して年金がないだけ不利になるので、厚生年金と同様に六十五歳以上者は長期給付の組合員としないこととする必要がある。」、これはとった。そして、「但し、別途、組合員の選択によって引き続き組合員となり、退職時の年金が増額される道を講ずる必要がある。」という部分については、これはどのように入っておりますか。
○政府委員(五十嵐耕一君) 先ほど大臣がお答え申し上げましたように、共済組合制度自体は長期給付と短期給付が一本のものになっている。長期給付といいますのは年金でございますし、短期給付は主として医療ということでございます。それが一本になっているということが基本でございますので、先生のお話にございますように、短期の組合員と長期の組合員を分けてやるということは共済組合制度の根幹にかかわるものでございますので、これはとることができなかったということでございます。ただ、先ほど大臣が御答弁申しましたように、現在在職中であっても俸給が低くてそれで老齢の方、六十歳以上の方に年金の一部を支給する措置を講じたということでございます。
○粕谷照美君 その低いというのは一体どのくらいのことを低いというふうに言っているんですか。
○政府委員(五十嵐耕一君) 今回これは具体的には政令で決めるということになっておりますが、一応今想定しておりますのが、例えば二十万から十六万円ぐらいの方については二割支給というご
とでございますし、それから、十五万から九万八千円の方が五割支給、それから、九万二千円から六万八千円の方は八割支給というようなことを一応想定しております。
○粕谷照美君 いわゆる二、五、八だというふうに思いますけれども、非常にそれは厳しいのではないか、こういうふうに私は考えております。
 じゃ、時間の関係で次に移りますけれども、厚生年金との関連ですけれども、厚生年金では六十五歳になると自動的に組合員資格を失うことになりますから支給制限はなくなるわけですね、支給制限の問題。私学の場合には国公立学校を退職した後で勤務をするというケースが非常に多くて、しかも給与が大幅にダウンになるのが一般的であるということでありますが、その私学が厚生年金適用の学校であれば六十五歳になると年金支給ができるわけですね。先ほど適用除外の学校、慶應、早稲田、いろいろ出されましたけれども。ところが、私学共済加入校であった場合には、退職しない限り支給制限を受けることになるんですね。同じ私学の中にアンバラがあるわけですね。こういうようなことは非常に不合理なことではないかと思いますけれども、いかがですか。
○政府委員(五十嵐耕一君) 今先生のお話の点で、一つは、国家公務員や地方公務員である大学の先生、その他の先生が私学に行かれた場合のお話が一つあったと思いますが、これにつきましては、大学の先生でありましても一般の公務員と同じでございまして、これはよく役人が他の民間企業に入った場合に、給料をもらいながら高い年金をもらっているではないかというような一方の御批判がございまして、それにこたえるために所得制限というのを今回やや強化したということが一点でございます。
 それから、もう一つ別のお話といたしまして、先ほど御説明申しました沿革的に適用除外校となっておりまして、厚生年金に入っておる者が六十五歳以上の場合には、向こうは老齢年金だから年金はもらえる、そうじゃない方はもらえないじゃないかというようなお話が基本であるというふうに思いますが、これにつきましては、先ほど大臣からお答え申しましたようないわゆる低在者という制度、低所得者で年齢の高い人には年金の一部を支給するという制度をとりましたし、それから六十五歳以上の方につきましては、これは基礎年金が支給されるということに相なっております。
○粕谷照美君 基礎年金といっても非常に低いわけでして、この同じ私学の中のアンバラがあるではないかという私の指摘に対して、それはアンバラでなく制度だから当たり前の話なんだ、こういうふうにお考えになっていらっしゃるかどうかということを伺いたい。
○政府委員(五十嵐耕一君) 先ほど申しましたように、私学共済組合自体は全組合員にお入りいただく、ただ当初の設立されたときの沿革的な方だけは特例的に厚生年金のままでおられることを認めるというような制度の仕組みにしておりますので、これはこれ以上のことは私どもとしては現段階においてはできないということでございます。
○粕谷照美君 文部省としては、もうこれ以上のことはできない、こういうふうにおっしゃいますけれども、しかし大変なアンバラでありまして、一元化という方向から考えてみれば問題があるというこの指摘はいかがですか。
○政府委員(五十嵐耕一君) 確かに、これからこの法案を通していただいた後におきまして、給付の水準につきましてはかなり調整がとれてきた、今度は主として負担面を中心にしての制度間の調整をやっていくということでございまして、その場合に厚生年金自体におかれましても、またこれは検討すべき課題であるということになっておりますので、この共済、厚生両制度を通じました今後の課題としてやはり検討していくべきものであるというふうに考えておる次第でございます。
○粕谷照美君 今の御答弁によりますと、とにかく通してもらいたい、通してもらってから新しく考えていきたい、こういうことのようでありますけれども、その通す前が問題だから、先ほどから質問をしているのでありまして、あなたの方は何か答弁が逆なんじゃありませんか。
 もう一つ伺いたいのは、懲戒処分による支給停止の問題でありますけれども、これはとにかく最低本人の掛金分は支給停止から外すように政令をつくらなければいけないというふうに私は思いますけれども、いかがですか。
○政府委員(五十嵐耕一君) 今先生が御指摘のございましたのは、今度御提案申し上げておりますいわゆる職域年金相当部分につきまして懲戒処分等の場合の給付制限でございますが、これにつきましての具体的な範囲でございますが、それは先生のお話のございましたように政令で規定をするということでございますので、本委員会の御審議の状況を十分踏まえながら私どもとしては政令を考えてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○粕谷照美君 これは厚生年金の方にこんな項目ありますでしょうか。
○政府委員(五十嵐耕一君) 厚生年金におきましてはこういうものはございません。ただ、ちょっとさらに説明をつけ加えさしていただきますと、今度私どもが御提案申し上げておりますのは、厚生年金相当部分についてはそういう給付制限は行わないと。ただ、その上に乗っかっております職域年金相当部分だけにそういう措置を行うと。なおこういう給付制限につきましては、現行法におきましてもあるわけでございます。
○粕谷照美君 現行法にありますけれども、今回法律改正になるんですから、改正をしなさいという立場で私も質問をしてきたし意見も言っているわけでありますけれども、とにかくこの支給停止というのは遺族にまで及ぼさないという大原則が必要ではないかと思いますが、それはいかがですか。
○政府委員(五十嵐耕一君) 確かに、この懲戒処分等の場合のそういう給付制限でございますが、遺族の場合に、禁錮以上の刑に処せられた場合にはそういう給付制限が及ぶということでございますが、こういう給付制限がありますのは、そもそも私学共済組合法自体が国家公務員あるいは地方公務員に準じて行うという趣旨からこういう規定が設けられておりまして、そういう教員の身分というものが遺族の給付まで反映しておるものであるというふうに私どもは考える次第でございます。
○粕谷照美君 この懲戒処分ということですけれども、大体が、経営者というよりは、使用されている教職員に懲戒を受ける例が多いわけですよね。今までも組合をつくったというだけで首になっている例があるわけです。その一方に経営者の方は懲戒処分を受けたなんということはめったに聞かないんですね。
 例えばことしの四月二十日に出ていた、新聞なんですけれども、北九州の学校法人福原学園が不正事件を起こしているわけですけれども、退職金を一億三千万円払った。そしてもう終身毎月二百万円を功労金として支払うことを決めたというようなことが出ております。こういう方々はちゃんともう、退職金減らすどころじゃなくて、一億三千万円もいただきながら毎月毎月二百万円のお金をもらっている、懲戒処分にも何にも該当しないわけですね。それから前橋育英短大などというのもありますけれども、ここでも学長が責任を感じて学長をやめた。懲戒処分じゃないんですね。やめた学長が学園の理事長という職にとどまるということ、こういうことを考えてみますと、私は、悪いことをしたのは懲戒処分というのは当然でありますけれども、金も掛けてきているわけですから、その掛けた分については私は停止措置を行わないということが非常に大事なことだというふうに思いますが、大臣のお考えをお伺いします。
○国務大臣(松永光君) 先生御承知のとおり、教育基本法に私立学校の教職員はこれはもう国公立の学校の教職員と同じように公務専念、公の立場で仕事に従事するという義務があるわけですよね。そういうことから私学共済というものは国公立の共済に準じていろんな制度、仕組みができて
いるという前提が一つあります。
 それともう一つは、学校の教職員であるわけでありますから、それなりの公正な立場で職務に専念するというそういう倫理的な義務はあるでしょう。そういうことの反映として、国家公務員共済や地方公務員共済の場合よりもちょっと緩いんでありますけれども、国家公務員共済や地方公務員共済の場合には、職域年金部分の支給停止あるいは制限というものは、禁錮以上の刑に処せられた場合、それから懲戒による免職の場合、それから懲戒による停職処分を受けた場合、この三つの場合がそれぞれ制限等の対象になるわけでありますが、私学共済の場合には懲戒による停職処分の場合は制限の対象じゃなくて、禁錮以上の刑に処せられた場合、それと免職処分を受けた場合に限っておるわけでありまして、国家公務員共済や地方公務員共済よりもやや狭くしてあるということなんでありますが、私学共済のそもそもの元となる基本的な法律が教育基本法である、それから国公立の学校の教職員に準じた倫理的な責任がある、義務があるということを考えれば、ある程度のことは、これはまあ必要なんじゃなかろうかなというふうに感ずるわけてあります。
○粕谷照美君 ある程度の――全くということについても問題があろうかと思いますけれども、ある程度が一体どの程度のことを指すのかという、この辺もまた非常に大きな問題だというふうに思いますので、先ほど私が要望しておいたことについては十分に御勘案をいただきたいというふうに思います。
 それから、この法律そのものがもう政令事項にいろいろゆだねるということが大変たくさんありまして、質疑をしても政令が決まってないから答えられませんでは、これは法律の審議にはなかなかならないというふうに思います。そういう意味で、私の方ももう少し資料なども集めまして、新たなる観点から質疑を続行していきたいということを申し添えまして、時間が参りましたので終わります。
○中西珠子君 私立学校教職員共済組合は、私立学校に勤務する教職員を対象として相互扶助事業を行い、その福利厚生を図り、私立学校教育の振興に寄与することを目的として設立されたものだということでございますが、文部大臣の私立学校教育についての御認識についてお伺いいたします。
○国務大臣(松永光君) 私は我が国の私立学校は、我が国の学校教育において極めて大きな役割を果たしておるというふうに思っております。先生も御承知と思いますが、実は我が国の学校教育を見た場合に、高等学校について言えば、私学共済のできる前は高等学校への進学率は五〇%でありました。現在はそれが九四%に達しております。大学・短大等は私学共済の施行前はその進学率は一〇%でありました。それが今日では三七・六%とこういうふうになっておるわけでありますが、その我が国の高校、大学等の普及率の高まりの中で占める私学の役割は非常に大きかったと、こういうふうに思います。現在におきましては、先生御承知のとおり、大学・短大等の学生数の中で七五%が私学である。高等学校も二八%が私学である。幼稚園の場合は七五%が私学である。こういうことであるわけでありまして、この私立学校の充実が結果的には我が国の学校教育の振興と充実に極めて大きな役割を果たしておるというふうに私は認識しておるわけであります。
○中西珠子君 それでは、今回の私学共済の改正案につきましての文部大臣の基本姿勢をお伺いいたします。
○国務大臣(松永光君) 今回の改正は、高齢化社会の到来が必至である、したがって、それに備えていかなきゃならぬわけでありまして、そういうことから公的年金制度全体の長期的安定と整合性ある発展を図る、こういうことが公的年金制度の改革でございますが、その改革の一環をなすものが今回の私学共済の改正であるというふうに思うわけであります。そしてこうした公的年金制度の改革の方向に沿って公的年金制度の一元化を展望しつつ、給付と負担の均衡を確保するために給付水準の適正化を図るという措置を講ずるようにしておるわけであります。こうした考え方のもとに、今回の改正では、私学共済組合の組合員等に対しても国公立学校教職員と同様に全国民共通の基礎年金の制度を適用するとともに、共済年金を基礎年金に上乗せする報酬比例年金として設計し、その給付水準についても厚生年金と均衡のとれたものにするというふうにいたしておるところでございます。
○中西珠子君 それで、今回の改正案につきまして、私学関係者、ことに共済組合員、そういう一般の組合員の納得を得るための手順をお踏みになったのかどうか、どのような手続を踏んでこの改正案に踏み切られたのかということをお伺いしたいと思います。
○政府委員(五十嵐耕一君) 今回の制度改正に当たりましては、私学共済組合におかれましては、被保険者であります私学関係者などからなります研究委員会を設けて、慎重に検討をなされたところでございまして、この検討結果に基づきまして、制度改正に当たっての要望書を私ども文部省の方に御提出をいただいたわけでございまして、文部省といたしましては、この要望書を十分に配慮いたしますとともに、できるだけ広く私学関係者にも御説明をする機会を設けまして、他の共済制度との均衡にも心がけながら、今度の改正案を作成したところでございます。
○中西珠子君 私学共済組合の理事長にもこの点についてお伺いしたいのでございますが、厚生大臣が御到着になりましたので、厚生大臣に対する質問を先にやらしていただきます。
 ただいま年金担当大臣としての厚生大臣がいらっしゃいまして、またほかの委員会にもお出ましにならなければならないので、私、今のチャンスをとらえまして御質問いたしたいと思いますが、先ほど文部大臣からも御説明がありましたが、今回の私学共済組合の改正案というものは、一応七十年度を目途とした公的な年金制度の一元化というプログラムに従ってなされたそうでございますけれども、公的年金一元化の内容というもの、またそれがどのように進んでいくかというスケジュールが全然国民の目には明らかになっていないわけでございまして、それで、一元化を図るんだからその中でやっていくのは仕方がないんだなんという説明では、とてもとても国民も納得いたしませんし、共済組合の組合員も納得しないと思うのでございますが、将来見通しというもの、それから今後の方針というものを、年金担当大臣としての厚大臣はどのようにお考えになっているかということをお伺いしたいわけでございます。
○国務大臣(増岡博之君) これからいよいよ本格的な高齢化社会を迎えるわけでございます。その際の公的年金制度のあり方といたしましては、やはり制度全体が長期的に安定をしておるということが必要だろうと思います。その次に、給付と負担の公平性が保たれておるかどうか、さらには、整合性のとれた発展を図ること、この三つを基本にしなければならないと考えておるわけでございます。前国会で、国民年金、厚生年金の改正を成立させていただきましたけれども、この今回の共済年金の改正をお願いすることによりまして、基礎年金部分について公的年金の一元化が図られるものと考えておるわけでございます。
 なお、今後残された問題といたしましては、基礎年金の上のいわゆる二階建て部分についてでありますが、これをどのような方向で展望するかについては、さまざまな構想が考えられておりまして、いわば統合するのも一元化でありますし、制度を分立したままで財政調整をすることも一元化のうちに入るわけでございます。したがって、またさらにそういうことは各制度への影響が非常に大きいわけでございますので、昭和六十一年四月から検討をしてまいりたいというふうに思っておるわけでございます。
 何にしましても、その際には、やはり、再度申し上げるようで恐縮でございますけれども、公的年金制度全体について長期的に安定をしておるこ
と、給付と負担の公平性を確保すること、整合性のとれた発展を図ることを基本としなければならないと考えておるところでございます。
○中西珠子君 高齢化社会に対応して公的年金制度を一元化しなければならない、また共済年金にも基礎年金を導入しなければならないという、その必要性はわかるのでございますけれども、その基礎年金の内容となりますと、非常に低く、例えば四十年掛けて五万円ということでございますが、四十年間、保険料もしくは掛金をフルに掛けなければ五万円以下になってしまう。一万五千円になる人も二万円になる人もあるというふうなことでございますね。
 それでは、こういった基礎年金が、一応四十年掛けて五万円というのは、余りにも低いのではないか。憲法二十五条で保障している生存権、「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」という、この憲法二十五条の保障する生存権すら脅かすのではないかと考えるんでございますが、この基礎年金の水準について、厚生大臣はこれでいいんだとお考えなんでございますか。
○国務大臣(増岡博之君) 基礎年金の水準につきましては、これは老後生活の基礎的な部分を償う、保障するものであって、したがって、現実の生計費等を総合的に勘案して、月額五万円の水準としたものでございます。したがって、あくまで老後生活の基礎的な部分ということに着目をしたものでありますので、この程度の水準でよかろうというふうに思っておるわけでございます。
○中西珠子君 生活保護水準ですが、二級地の生活保護基準はどのぐらいになっていますか、レベルは。
○説明員(丸山晴男君) お答え申し上げます。
 昭和五十九年度生活保護基準に基づきます生活扶助費でございますが、六十五歳男女平均の単身で二級地約五万円、正確には五万三千円でございます。
○中西珠子君 今お答えがありましたとおり、二級地で六十五歳単身で生活保護の生活扶助費は五万三千円なんでございますね。ところが、今回導入されます基礎年金のレベルというのは、四十年掛けて五万円ということでございますね。四十年掛けなければもっと低くなるということなんですね。これで老後の生活の最低保障ができるとお考えになっているのでございましょうか。大臣いかがでございましょうか。
○国務大臣(増岡博之君) 生活保護の場合には、財産も収入も全くない方々を対象にいたしておるわけでございまして、こちらの基礎年金につきましては、そのような方々とは違う階層に対しまして、その生活の基本的な部分ということを保障したいということでございますし、また基礎年金を余りにも高くいたしますと、やはり負担もふえていかざるを得ないという両面がございますので、この程度でやむを得ないというふうに考えております。
○中西珠子君 生活保護で生活扶助費をもらう方は掛金は掛けてないわけでございますね。そして今度基礎年金をもらうことになる人は、四十年掛金を掛けてやっと五万円ということになるわけですね。そこのところは、結局、同じ国民なんだから、一応最低限のものは、掛金を掛けようが掛けまいが、保障してやろうというお考えなのか、それとも掛金を掛けた者に対しては、やはり少しは考慮しなければいけないとお考えなのか、どちらでございましょうか。
○説明員(丸山晴男君) お答え申し上げます。
 生活保護基準につきましては、先ほどお答え申し上げましたとおり、五十九年度、男女平均六十五歳で平均五万三千円でございますが、これは五万三千円が全額自動的に被保護世帯の方々に給付されるというものでございませんで、五万三千円を基準にいたしまして、その方々の生活費、仕送りでございますとかあるいは恩給、年金その他のいわば収入を引きまして、その差額が御本人に福祉事務所を通じて給付されるわけでございます。他方、基礎年金につきましては、四十年、月額現在六千七百四十円を掛けていただきまして、それが六十五歳になりましたらお一人五万円、夫婦二人で十万円の年金額としてお手元に届くというわけでございまして、この五万円の水準で保険料負担が推移してまいりました場合に、六十一年四月には六千八百円、あるいはピーク時には一万三千円ということで、かなりの御負担をおかけするわけでございます。国民年金法の改正前の国民年金の保険料でございますとピーク時に二万円近い保険料が計算されるわけでございますので、そういった負担についてはいかがかということで前国会での法律改正をお願いいたしまして、三割ほどダウンいたしまして一万三千円程度の保険料で何とか対応していくということでお願いしているわけでございます。
 長くなりまして大変恐縮でございます。
○中西珠子君 長い御答弁だといらいらします。というのは、私はもうあと五分ぐらいしかないんですよね、厚生大臣をお引きとめする時間が。それで次の委員会にいらっしゃるわけですから、ちょっと急いで私御質問さしていただきますけれども……o
○委員長(林寛子君) 大丈夫です、中西先生、三時まで大臣は大丈夫でございますから。
○中西珠子君 そうですか。大臣は最後までいらしていただけるのでしたら、余り早口で言わないでゆっくりと言わせていただきます。
 それでは、先ほど厚生大臣はこれからの年金制度の方向としては給付と負担の公平性が保たれることが必要である、これが重要であるとおっしゃったわけでございますけれども、これはちょっと婦人の年金権の確立との関連で御質問申し上げたいのでございますが、基礎年金が導入になりまして、そしてこれまでの任意加入を国民年金に対してやっておりました無業の妻、厚生年金の被保険者の妻も、また今回審議の対象になっております共済年金につきましてもその無業の妻が、結局今まで任意加入であった人も含めましてすべて強制加入になりまして、そして妻自身の掛金などは払わなくてもよい、夫の掛金、厚生年金で言えば保険料でとにかく基礎年金が支給されるということになるわけでございますけれども、これにつきまして、専業主婦の人はいいかもしれないけれども、独身の組合員とか共働きの組合員というものが非常に不利になる、この人たちの掛金で無業の妻の基礎年金までもカバーしているんだということになるから非常にこれは不利だと、不満だという声が非常に高いわけでございますが、こういった全然無業の妻は掛金も払わないで夫の掛金でカバーされて基礎年金がもらえるという制度を導入なすったことによって婦人の年金権の確立が図られたというふうにおっしゃっていると聞いておりますが、この点について、本当に厚生大臣は婦人の年金権が確立したと思っていらっしゃるのでしょうか。
○国務大臣(増岡博之君) 無業の妻につきましては、従来の制度でございますと、例えば障害者になった場合にもその年金を受けられないということもございます。今度、婦人一人一人に年金権がつくわけでございますので、そのような問題も解消するわけでございますし、私は婦人の年金権は確立されたものと考えております。
○政府委員(山内豊徳君) 大臣の答弁に補足して御説明申し上げますが、今までは確かに夫婦ともカバーするような、厚生年金の適用者であった御夫婦という受け方でございましたけれども、やはり何かの都合で離別なさいますと、婚姻しておられた期間というものは全く奥様の方の年金権には結びつかない。ところが今回の考え方は、御自分で納めた期間ではございませんけれども、その間は確実に被扶養配偶者としての国民年金としての登録があれば期間として残る、御自分の権利として残る。そういう意味で、今大臣が申しましたように、御自分名義の年金権を確立したということを私どもは婦人の年金権の確立と言っているわけでございます。
 もう一つ、任意加入して保険料を納めていた人といなかった人の場合の差なども含めて、これが
あらゆる婦人に同じような権利の保障であったろうかという点での御質問でもあろうかと思うのでございますが、この辺はやはり、社会保険を前提とします年金制度の中では保険料を掛けた人、掛けなかった人に差が生じざるを得ないという点は、その限りでは御理解をいただきたいと思っております。
○中西珠子君 国民年金の任意加入をしていた婦人は大体七百万ちょっとですね。ところが、私学共済組合の無業の妻で国民年金の任意加入をやっている人の数はどのくらいでしょうか。
○説明員(坪野剛司君) 任意加入の問題でございますので厚生省の方からお答えしたいと思います。
 今先生おっしゃったように、国民年金の任意加入者、七百万強が現在加入しております。それで対象者はどのくらいいるかということでございますけれども、大体千二百万から千三百万ぐらいの方々が被扶養配偶者ということでおられるのではないだろうか。そうしますと、七百万強の加入者がおられるということでございますので、大体六〇%の方々が任意加入されている。
 では私学共済はどうかというお話でございますけれども、まず共済全体ではどういうことになっているかといいますと、六百万のうち大体七割が男性で、そのうちで、被扶養配偶者のうち同じように大体六割ぐらいの方々が、共済の加入者でも国民年金の任意加入に入っておられる。厚生年金と共済とではほとんど差はないというふうに私たち思っておりまして、私学につきましてもそれほど変わらないというふうに理解しております。
○中西珠子君 私学についてもそれほど変わらないであろうという推測なんですね。全然把握してないわけですね、任意加入者がどのくらいあるかということは。どうなんですか。
○説明員(坪野剛司君) 先生おっしゃるように、私学あるいは各共済ごとに何人という数字は把握しておりませんけれども、共済全体あるいは厚生年金全体という数字からしますとそんなに差はないというふうに、率といたしまして六割という、差は余りないというふうに私たちは考えております。
○中西珠子君 大変その推測は当たらないかもしれませんね。どういうことだか、それはきちっとした数字をとってみなければわからないと思うんですが。
 これまで無業の妻であって私学共済組合員の夫を持っていた人が、今回の改正によりまして、今まで任意加入していたんだけれども、これからはもう任意加入の保険金も払わなくていい、そして夫の掛金だけでカバーされていくのだということになりますと、不利になりますか有利になりますか、どちらなんでしょうか。
○政府委員(山内豊徳君) 有利か不利かという点は、どういう比べ方をするかという問題もございますが、やはり任意加入をするということは、お財布はどちらの方から出るかはわかりませんが、奥様もやはり現金を三カ月に一遍納めなければならないということがあるわけでございます。仮に今までどおりでございますと、そのほかに男性配偶者の方からは勤め先で保険料とられていらっしゃるわけでございます。今後はそれを、もちろん将来計画的に被用者保険の保険料が上がっていくという要素はございますが、特別に任意加入保険料を納めなくて男性配偶者の方の保険料でカバーされるという点では、一応その限りではやはり有利と申しましょうか、御自分の計算としては有利な位置を選ばれたのじゃないかと私も考えております。
○中西珠子君 そういたしますと、独身の組合員とか共働きの組合員の場合は、結局掛金は払わなくちゃならないわけですね。それで、無業の妻の場合は、今まで任意加入で払ってきたけれども、これから改正後は払わなくていい、夫の掛金の中でそれはすべてカバーされるんだと言いますけれども、やっぱり独身の組合員それから共働きの女性の組合員が払っている掛金でカバーされるということになるのではありませんか。全体的に見ればそういうことでしょう。
○政府委員(山内豊徳君) その点は御指摘のとおりでございます。つまり、独身の厚生年金の加入者、共済組合の加入者でありますれば配偶者がいらっしゃらないわけでございますが、同じ料率をとられるという意味ではそうでございます。
 ただ、これはちょっと話がこんがらがるかもしれませんが、ある保険集団ごとに取り上げますと、実は共働きの多い共済集団ではトータルの負担はやや軽くなる。しかし、もちろん全く共稼ぎの分が半分で済むということでございませんが、そういう現象はございますが、おっしゃるように、ある意味では感覚的には共働きの御夫婦はほかの方の奥様の分を入れると何か四倍取られているのじゃないかというようなお受け取りのあることは、その点では完全に否定することはできない面があろうかと思います。
○中西珠子君 この問題は私学共済だけの問題ではなくて厚生年金全体の問題でもございますから、ほかの公的年金全体の問題にもなってくると思いますので、この点につきましては、やはり婦人の年金権は婦人の名義のものができたんだから確立したというふうにおっしゃらないで、もっと突っ込んだ検討をやっていただきたいと思いますが、厚生大臣いかがでございますか。
○政府委員(山内豊徳君) 実はその点は御趣旨を踏まえてもちろん検討するにやぶさかではございませんが、実は、今回と申しますか、五十六年以来厚生年金、国民年金の大きな改正を厚生省年金局として企てましたときに、実は非常にいろいろ悩んだ問題の一つがここにございました。
 確かにその時点でも、やはり任意加入という形で奥様が保険料を納めるという形を残す、あるいはそれを前提にした方がいいんじゃないかという議論もあったのでございますが、一方ではやはりなかなか自分の財布から毎月毎月出していくのは大変だと、何かそれがしかも、納めた人は将来年金がそれだけ伸びていってそうでない人と差がつくのは、やはり婦人の年金権のあり方としてもおかしいのではないかということで、実はこの方策を非常に思案したあげく選択したという実情もございますので、先生の御指摘の点を全く我々がもう今後念頭に置かないという意味で御答弁を申し上げるわけじゃございませんが、そういう苦心の策でもあることはひとつこの席で御理解いただきたいと思います。
○中西珠子君 苦心の策だというお話でございましたけれども、これは妻の座ばかりを守るやり方であって、婦人の年金権確立などと全然言えないものだという批判も非常に多いということは念頭に置いていただきまして、また独身女性と共働きの女性の不満というものも、これは先ほど肯定されたように、やはり不公平性というものは出てくるのではないかと思いますので、厚生大臣が給付と負担の公平性が保たれていることとおっしゃいました、そのお言葉に基づきまして、婦人の年金権の問題もこれから一層の御検討をお願いしたいと思いますが、いかがですか、大臣。
○国務大臣(増岡博之君) 将来の検討課題として研究をさせていただきたいと思います。
○中西珠子君 これはもう、将来とおっしゃらずにぜひすぐにお始めいただきたい検討でございますので、ただいまのはお約束として受け取っておきます。
 それから、厚生年金における標準報酬の出し方と、それから被保険者の全期間の平均標準報酬月額の算出方法について伺いたいと思います。これは細かいことでございますから担当の方で結構でございます。
○政府委員(山内豊徳君) 御質問の趣旨はあれでございましょうか、厚生年金の場合、例えばいろいろな手当も込みで標準報酬制をとっているけれども、その理由などはどうであるかという点でございますか。
○中西珠子君 そうそう。
○政府委員(山内豊徳君) これは御案内だと思いますが、厚生年金という制度は、非常に民間企業多種多様な職場、企業を相手にいたしますもので
すから、実はいろいろな企業で俸給の名称、まあ俸給という名前を使うかどうかも含めまして報酬の名称とか支払い方法がいろいろなものがございます。そういった意味で、一つにはやはりかなり幅広く含めて標準報酬を決めた方が公平であるということ、つまり、ある手当は入れるけれどもある手当は入れないとしますと、名前だけを変えてそちらの手当を膨らませるというようなこともございますものですから。それから、非常にたくさんの事業所を相手に事務処理いたしますと、一々どういう性格のどういう名称の手当だけは含めるということはできないものですから、いわゆるボーナスは除きまして、かなりあらゆる諸手当を標準報酬に織り込むことがむしろ民間企業を対象とする年金制度の実態としても趣旨としても妥当ではないかという観点から採用しているわけでございます。
○中西珠子君 平均標準報酬月額を出すときは、何月から何月までというふうに出しているんですか。
○政府委員(山内豊徳君) この点は、厚生年金の場合は全加入期間の標準報酬の平均を出すという方法をとっております。細かく申し上げますと、実は古い期間の報酬をどの程度財政再建ということで見直すかという問題と、もう一つは三十二年以前の期間につきましては、当時までの加入者の標準報酬の管理が非常に行き届かなかったことがありましたので、四十八年の改正におきまして、三十二年以前の期間は一応対象から外すことで、正確に言えば三十二年以後加入期間のすべての、今初めに申しました標準報酬の平均をとるという考え方のもとに、年金を計算しております。
○中西珠子君 それでは、基礎年金に対する国庫負担が今度は三分の一ということにすべての公的年金はなるらしゅうございますが、この国庫負担の問題は非常に、これでは少な過ぎるのではないかと。それで、徐々に引き上げるべきであるという主張を私どもやっておりますけれども、この国庫負担の問題につきましては、厚生大臣はどのようにお考えでいらっしゃいますか。
○国務大臣(増岡博之君) 国庫負担につきましては、各年金制度を通じて負担の公平を期するために、従来からの国民年金の国庫負担をもとにいたしまして基礎年金の三分の一といたしたわけでございます。この水準をふやすことは現在の財政状況のもとでは非常に困難ではなかろうかというように考えております。
○中西珠子君 現在は困難ではなかろうかとおっしゃいましたけれども、将来についてはいかがでございましょうか。
○政府委員(山内豊徳君) ちょっと計数にわたりますので私から答弁させていただきたいんでございますが、今回、基礎年金の三分の一に国庫負担を集中したといいますことは、今大臣も御答弁いたしましたように、国民年金の例にならったということでございますが、ある意味では率直に申し上げまして報酬に比例する年金の部分には国庫負担を入れないという形では私どもはやはり国庫負担のそれ自体の公平性の一つのあらわれじゃないかと思っております。
 それからまた、このことが非常に国庫負担を抑えたというふうな御理解もあるんでございますが、実は確かに現行制度そのままで推移した場合の昭和八十年、九十年、百年というものの金額に比べますと、国庫負担のふえ方は小さくなるんでございますけれども、決してこのことによって将来に向かって国庫負担が今よりも軽くなっていくというものじゃございません。そういった意味で、年金の給付水準全体を適正化した、そのあらわれに従って三分の一の国庫負担は引き続きかなりの額をもって推移はするわけでございますので、私どもは、今申しました国庫負担の集中ということによる今度の制度の安定ということをむしろ今回の改正の趣旨として御理解いただきたいと思っているところでございます。
○中西珠子君 国庫負担を基礎年金分の三分の一ということに一様にならしてやるということは、結局国庫負担を減らすという意図でなされたのではないかという批判が非常に多いし、私どももそのように考えておりまして、徐々にでも上げていくという方向をおとりになっていただきたいと思っているのでございますが、これも御検討をお願いいたします。
 それから、基礎年金に対する、基礎年金部分の拠出がございますね。これは国民年金の所管庁としての厚生省としてはどういう意見があって、そして基礎年金部分の拠出ということをお決めになり、またそのやり方についてもそれぞれの共済年金について示唆なすったというか、相談されたというか、そこのところのいきさつはどうなんでしょうか。少し詳しく御説明いただけませんですか。
○政府委員(山内豊徳君) 今の御質問の趣旨は、一つは基礎年金の導入という制度改正自体をどのように共済関係省と御相談したかという点であれば、これは五十九年の二月でございますか、公的年金一元化を展望した閣議決定が行われます際に、その時点で基本的な方向としては政府部内で関係各省とも御相談したわけでございます。さらにもう一つの意味で、もう少し具体的に、じゃあ基礎年金の費用、先ほど御指摘ありました独身者、共稼ぎの場合もございますが、どういう額を負担し、どういう仕組みで基礎年金の支給を考えるかという点につきましては、実は今形式的には政令で定めなけりゃいかぬ事項ございますので、今回御審議いただいております共済各法の成立をお願いできれば、その後早速共済関係各省とも政令の御相談をしなくちゃならないわけでございますが、基本的な考え方は各省にも申し上げておるんでございますが、今度の改正がお認めいただきますと、実は厚生年金の加入者も各共済組合の加入者も国民年金の方では第二号の被保険者ということで一応被保険者となります。それから、第一号というのが今までどおりの自営業の業種の方あるいはその奥さんでございますが、それから先ほどお話ございました無業の被扶養配偶者が第三号の被保険者ということで、言いかえますと共済法の成立がお認めいただければ実は各制度にお入りになっている方あるいはその方の無業の配偶者はみんな国民年金の一応加入者という形をとらしていただく、その方が実は基礎年金の費用を持つ、何と申しますか、頭割りという言葉は悪いですが、頭割りになっていただくわけでございます。もう少し具体的に申しますと、例えば私学共済組合では組合員本人の数と、ですから、その場合独身の方もそれから共働きの奥様も入ってくるわけでございますが、これは第二号被保険者でございますが、その方とそれからその方にもし無業の奥様がいらっしゃれば三号被保険者ということで、合わせた数で頭割りを持っていただく。大体現在のところまだ予算的な確定をしておりませんが、一人頭国庫負担を入れますと八千数百円、八千二百円ぐらいになろうかと思いますが、そのうちの三分の一は国が負担をするという、地方共済の場合は地方団体が負担するということで、そういう形で全制度にわたる加入者とその無業の妻の方を分母にしまして、それぞれの共済なら共済に入っていらっしゃる方の分を具体的には今のところ国民年金制度の基礎年金勘定というところに受け入れさしていただくという仕組みを考えております。
○中西珠子君 これは毎年違ってくるわけですね、その拠出はね。どうなんですか。
○政府委員(山内豊徳君) おっしゃるとおり、これは財政方式という言葉を使いますれば、賦課方式と申しますか、毎年毎年基礎年金の支給に必要な額を決めまして、その分を今私が初めに申しました全加入者数で頭割りするということになりますので、当然今私が八千数百円と申しました数字も年々変わってくる、傾向としてはふえてくる性格のものと御理解いただいて結構でございます。
○中西珠子君 傾向としてはふえてくるということですと、やっぱりこれから将来は私学共済なんかの掛金もふえてくるということにならざるを得ないのではないかと思うんですけれどもね。まあ、私学共済だけでなくて、ほかの公的年金もて
すね。この点はいかがなんでしょうか。公的年金制度の一元化ということで第一歩を踏み出したということで今回改正案が出ているわけでございます。それで厚生年金関係はこの前の国会でやったということなんですけれども、やっぱり給付と負担というものの均衡だとか公平性というものは大いに考えていただかなくちゃならないと思うのでございますが、この点に関してはやはり厚生大臣は年金担当の大臣としてどのような御決意を持っていらっしゃいますか、お伺いいたします。
○国務大臣(増岡博之君) 高齢化時代を迎えるに伴いまして、ややともすると年金の支給はその負担に耐えかねるような状態になろうかということで、厚生年金も改正をしていただいたわけでございまして、そういう意味合いから、給付と負担の公平ということは保たれているように思うわけでございます。
○政府委員(山内豊徳君) 計数にわたってなお補足して説明させていただきますが、そのことはやはりこれは国民の皆様にももちろん知っていただかなきゃいけないということでたびたび申し上げていることかと思いますが、実は今回基礎年金を四十年の加入で単身五万円、夫婦十万円とすることで、そうでない今の国民年金のままで推移すれば、ピーク時において五十九年度価格で国民年金としての保険料負担が月額一万九千五百円になるものを、今回四十年加入で五万円とさしていただくことによって、何とかピーク時においても五十九年価格で一万三千円までに抑えることができそうだという見通しを持っております。これはあくまで五十九年度価格でございますからその時点での価格でございますが、私ども大体近い時期では国民年金の保険料として年に三百円ずつぐらいの引き上げを考えていて、ピーク時においても五十九年価格で一万三千円に抑える。これを前提に、今、先生御指摘のように、厚生年金はもとよりのこと、共済組合各制度にもこれだけの拠出金をちょうだいいただくことになるということを御相談しながら、先ほど申しましたような仕組みを考えていっているわけでございます。
○中西珠子君 厚生大臣は年金担当の大臣でもいらっしゃると同時に、国民の福祉というものをお考えいただく立場にいらっしゃるわけですから、やはり国民全体が納得し、また国民全体の公的年金制度への信頼がなくならないような方向で大いに努力していただきたいと思います。もう時間が参りましたから、一言大臣から御決意を伺いまして、御退出していただいて結構でございます。
○国務大臣(増岡博之君) 年金につきましては、特に長期にわたる問題でありますから、国民の信頼というものが必要であろうかというふうに思います。そういう観点から先生の仰せの御趣旨をよく玩味いたしまして対処してまいりたいというふうに思います。
○委員長(林寛子君) 増岡厚生大臣、御退席いただいて結構でございます。ありがとうございました。
○中西珠子君 先ほど中断いたしました質問でございますが、私学共済の今回の改正案につきまして私学共済組合側としては――厚生大臣が御退出になりましたので、理事長、どうぞ前の方にいらっしていただきたいと思います。よろしいですね、委員長。
○委員長(林寛子君) どうぞ。
○中西珠子君 先ほどの質問の続きでございますので。
 文部大臣あてに私学共済組合の理事長名で要望事項をお出しになっておりますが、その要望事項をお出しになる前の手続というか、そういった点についてお伺いしたいわけでございますが、私学の私大協会の会長さんとか、中高連の理事長さんとか、そういったトップレベルの方々のお名前も、既に御相談になったということでお伺いいたしましたけれども、一般の組合員に対してはどのような協議とか御相談をなすったのでしょうか。一般の組合員の納得を得るための御努力はこれまでなすったのでございましょうか。どういう手続を踏んで要望書を提出なさいましたのでしょうか。お伺いいたしたいと思います。
○参考人(保坂榮一君) 今回の年金制度の改正につきましては、技術的にもいろいろ難しい点もあり、時間的制約もありましたので、私学共済といたしましては、まず理事長の諮問機関としてあります年金制度研究委員会に諮りました。この年金制度研究委員会は、私学の代表者十一名で委員構成されておりまして、昭和四十九年から年金問題や年金制度の改正に当たって、理事長の諮問機関として私学からそれぞれ出ております私学関係の委員でございますので、この委員の方々にいろいろと検討していただいたところでございます。そして、その結果を内部で検討いたしました。内部で検討いたしましたのは、役員協議会及び運営審議会でございますが、この運営審議会には組合員の代表の方が加わっております。この運営審議会でも検討をいたしまして、その結果を私学団体にお諮りいたしました。そして、私学団体それぞれ御検討いただいた結果、その結果をまとめた経緯でございますので、組合員の方にも通じており、またその意向も反映している、そう考えております。
○中西珠子君 それでは、これは文部省にお伺いいたしますが、私学共済からの御要望事項というものが文部大臣あてに出されたわけでございますけれども、その要望の中から文部省としてはその改正案の中にどういう点をお取り上げになったのでございましょうか。
   〔委員長退席、理事柳川覺治君着席〕
○政府委員(五十嵐耕一君) 今私ども四点の要望事項をいただいておるわけでございまして、その第一点は、六十五歳以上の者には年金を支給することでございます。これにつきましては、今度新たに六十歳以上で標準給与が一定額以下の者につきましては退職共済年金の一部を支給するということを今度の制度改正に入れたわけでございます。ただ、基本的に、ここの御要望にありますような、六十五歳以上の方が選択によって年金を全額受給できるという方法につきましては、これは私どもの私学共済、あるいは他の共済も同じでございますが、退職年金ということでございますので、これはやはりとることができなかったということでございます。
   〔理事柳川覺治君退席、委員長着席〕
それから、二番目は、施行日以前の給与記録は公務員と同様の取り扱いをすること、これにつきましては御要望どおり行った次第でございます。それから、三番目は、所得制限を緩和することということでございますが、これにつきましては、全般的に官民格差の話が出ておりまして、国家公務員、地方公務員につきましてはむしろ所得制限を強めろというようなことがございまして、それで、私どもこれにつきましては、国公立学校の教職員も同じ状況にあるということで、やはりこれにつきましては御要望に応ずるということはなかなか難しいという状況で今回の改正案は出させていただきました。今回の改正案で一応私ども考えておりますのは、現役公務員の平均給与所得程度の給与額を有する者につきましては、年金額二分の一程度は停止額になるようなことを政令で定めていくということでございます。それから第四点は、私学共済に対する都道府県の補助の条項が現在私学共済組合法の中にあるわけでございますが、それはそのまま存置した次第でございます。
○中西珠子君 第二項の問題につきましては後ほどまた質問をいたします。
 今は、改正後の年金給付水準と現行の水準を比較していただきたいんですが、何かモデルを挙げて比較をしておられますか。
○政府委員(五十嵐耕一君) ただいまのお尋ねの件でございますが、一応五十九年度の退職者で共済年金をもらった方の平均的なモデルに基づきましてちょっと御説明をさせていただきますと、現在の平均的なモデルは、組合員期間が二十八年、それから退職前一年間の平均標準給与が三十二万円、それから全期間の平均標準給与に直しますとそれが二十三万一千二百円ぐらいになるということでございます。
 それで、一応完成時、これは六十五歳以上の場合の人でございますが、それがどのような状況になるかということでございますが、現在の平均的な退職年金は十六万六千三百円ということでございます。これが完成時におきましては十四万三千三百円、八六・二%に相なるということでございます。
 ただ、今回の改正は、基本的には基礎年金の額が一番基本になっておりますので、給与水準の高い人でございますが、退職前一年間の平均標準給与が四十五万円の方でございますが、この方でございますと、現行の年金が二十三万四千円、これが今度は完成時の場合には十六万七千円ということで七一・四%というふうに下がり方が平均より厳しくなっているということでございます。
 それから、給与水準の低い者の例でございますが、退職前一年間の平均標準給与が十八万円の人ということでございますが、この方の退職年金は現在十一万八千六百円ということでございまして、これが、同じような完成時で見ますと、十一万七千八百円ということで九九・三%ということで、給与水準の高い方に厳しく給付水準が下がってくるというような状況に相なるということでございます。
○中西珠子君 平均標準給与、これの出し方について御説明いただきます。
○政府委員(五十嵐耕一君) 私どもの平均標準給与の出し方でございますが、現行におきましては、原則として退職前一年間の平均ということでございますが、今度は組合員の全期間の平均とするということでございます。これは先ほど山内審議官から御説明ありましたような厚生年金の算定の方法と同様であるということでございます。
○中西珠子君 現行は、原則として退職前の一年間とおっしゃいましたけれども、まだ選択の幅がございますでしょう。選択の基準が三つあるはずだということですが、五十嵐政府委員御自身で衆議院においてお答えになっていると思いますが、御説明願います。
○政府委員(五十嵐耕一君) 今御説明申し上げましたのは、基本的な原則ということの標準給与のとり方ということでございます。
 それで、今度は年金の計算を具体的にどうするかということでございますが、私学共済組合の場合には三つの選択を認めているということでございまして、一つは退職前の一年間、それからもう一つは、退職前の三年間の平均、それから退職前の全期間ということでございます。ただ、この退職前の全期間でございますが、これにつきましては、むしろその当時にもらっておりました給与実額をそのまま使うということでございますので、これは厚生年金の場合とは違ってまいります。それで、現在具体的にどういう選択をしている人が多いかということでございますが、これはもう当然退職前の一年間になさるのがほとんどでございまして、若干、一部でございますが、退職前三年間の御選択をなさる方があるということでございます。
○中西珠子君 年金額の改定についてでございますけれども、一条の二ですね、消費者物価上昇に応じて自動的にスライドするというふうな規定に読めますが、この中には賃金の上昇分も含んでおりますか。
○政府委員(五十嵐耕一君) ただいまの先生のお尋ねの私立学校教職員組合法第一条の二でございますが、ちょっと読み上げさせていただきますと、「この法律による年金たる給付の額は、国民の生活水準その他の諸事情に著しい変動が生じた場合には、変動後の諸事情に応ずるため、すみやかに改定の措置が講ぜられなければならない。」、ここの中の「生活水準」の中に賃金条項が読めるかどうかということでございますが、私どもはここの中に当然そういうことも読み得るというふうに理解しておるわけでございます。
○中西珠子君 今回、改正案の中にあります職域年金相当部分ですね、これの根拠と水準を説明していただきたいと思います。
○政府委員(五十嵐耕一君) 職域年金相当部分を何で設けたかということと、その水準の御説明をさせていただきたいと思います。
 もともと、共済年金グループでございますが、これは公的年金ということを当然担当するわけでございますが、そのほかに職域年金という性格を持っているということでございます。それで、共済年金グループといいますのは、公務員の共済年金と、それから公務員に準ずることを建前としております私学共済あるいは農林共済となっておるわけでございまして、こういうものの中でどのように年金を組み立てるかということでございますが、公務員におきましては公務という特別なこともありますし、そういう職域的な意味もある。それから民間における年金の普及状況というようなことを考えまして、いわゆる厚生年金相当部分に加えまして職域年金相当部分を加えて、公務員の、あるいは私学共済等の、そういうグループの年金設計を行うということで行ったわけでございます。これにつきましては、国家公務員におきましても、私どもの私学共済におきましても厚生年金相当部分の二〇%というものを設定しているわけでございます。これはなお国民年金全般を含めました場合には約八%に相なるということでございます。
○中西珠子君 それで、この職域年金相当部分の厚生年金相当部分の二〇%に当たるというもの、全体の年金からいうと八%に当たるというものを加入期間が二十五年未満には二分の一しか支給しないということだそうですね。この理由は何でしょうか。
○政府委員(五十嵐耕一君) ただいまの二十五年でございますが、今回の改正におきまして長期給付の年金の資格が出る期間を二十年から二十五年に直すということでございまして、そういうことから職域年金といいますのは、やはり一定の期間お勤めいただいて年金権が発生なさる方といいますものに対して有利に扱おうということで二十五年というものを設けたわけでございます。
○中西珠子君 それでは、加入期間が二十四年であったときはもう二分の一になってしまうということなんですね。ちょっと余りにも差があり過ぎるのではないでしょうか。
○政府委員(五十嵐耕一君) 現行制度は先ほど御説明申し上げましたように組合員期間二十年というのを一つの基準ということにしておるわけでございますが、その場合におきましても例えば十九年になりましたらそれは約半分であるということでございまして、制度でやはり一つのところで線を引かなくてはいけないということなのでございまして、そういう点がこういう年金とか給与とか、そういうものの制度には出てまいるということを御理解いただきたいと思います。
○中西珠子君 二十四年になったから二分の一となってしまうというふうなことではなくて、やはり加入期間の年数に応じて段階的にやるということはできないんですか。
○政府委員(五十嵐耕一君) ただいまの点につきましては、先ほど御説明申し上げましたように、職域年金といいますものは共済年金グループ一本で考えておりまして、他の全体とのバランスの問題があるということでございます。
 なお、今回組合員期間を二十年から二十五年に引き上げたということでございますが、これにつきましては年令に応じました経過措置を設けまして、一年ごとに動かしていくというようなことをしておるところでございます。
○中西珠子君 経過措置についてはまだ細かいことを教えていただきたいと思いますけれども、私立学校の教職員全体が私学共済に入っているわけではなくて、先ほどもお話に出ましたが、六大学なんかは厚生年金加入ということですし、その他にも私学共済に入っていない厚生年金加入の人もいるわけでございますが、そういうことも考えますと他の厚生年金加入の私学と、そうじゃない私学共済加入の私学との間の均衡というものを考えたり、また私学共済の特殊性というものを考えますと、職域年金相当部分というものは自由な裁量権を働かして自由設計が可能となるという制度に
するべきだと思うのですけれども、どうなんでしょうか。
○政府委員(五十嵐耕一君) ただいま御説明申し上げましたような趣旨で共済年金におきまして職域年金部分を設けたわけでございますが、先生いみじくも、今おっしゃいましたように、私立学校の中にはいろいろなものがあるわけでございまして、大きなものは大学から小さなものは幼稚園までありまして、そこの場合にやはり私学共済組合が果たしてきたといいますものは、そこの中で皆同じような最低水準を確保してあげるということが一つの大きな機能というふうに考えておるわけでございまして、そういう意味におきましては今度の職域年金部分は厚生年金部分には一律の制度としては設けられていない。そういう意味におきましては有利であるということが言えるんではないかと思います。
 ただ、大きな大学等では、いわゆる企業年金的な、私的な年金を厚生年金の上に乗っけておつくりになるということも聞いております。
○中西珠子君 今おっしゃった大きな大学なんかで、企業年金相当部分が乗っかっているというところと比べると、まさに差が出てくると、格差が生じるということでありますし、また、それこそ大学から幼稚園までといういろいろな種類の学校組織が含まれているわけでございますが、それでこそ自由な裁量を働かしてやることがいいのではないかと思うんですがね。
○政府委員(五十嵐耕一君) 私学共済組合の給付水準といいますのは、幼稚園から大学まで加入組合員につきましては全部同じにするということでございますので、やはり幼稚園と大きな大学と、それは幼稚園でも非常に財政基盤のしっかりしたところもあるかもしれませんが、そこまで全部大きな大学と同じようにするということは非常に難しいというふうに考える次第でございます。
 なお、私的年金につきましては、私学共済組合の加入しているところにつきましては、それぞれの私的年金を各学校法人の御判断でつくることは可能でございます。
○中西珠子君 だんだん時間が迫ってまいりますので次の問題に移りますが、私立学校では六十五歳以上でも働いている教員が非常に多いのだそうでございますけれども、こういう高齢な組合員の割合はどのくらいになっておりますか。他の共済組合と比較するとどのようになっておりますか。
○政府委員(五十嵐耕一君) 先生のお話のとおり、特に私立大学等を中心としましてかなり高齢の方が働いておられるという実態があるわけでございまして、現在私学共済組合の教育組合員は合計約三十四万人でございますが、そのうち六十歳以上六十五歳未満の方が五%、六十五歳以上の者は四%ということでございます。これを国家公務員共済の場合と比べますと、六十歳から六十五歳未満が二・○、六十五歳以上は〇・二ということでございます。
 なお、農林共済の場合におきましては六十五歳以上は〇・八というふうに相なっておるわけでございます。
○中西珠子君 厚生年金の場合には六十五歳以上の在職者に対しても、今度は組合員の資格を失わせることによって、年金を払うということになっているのでございますが、この私学共済の場合もやはり六十五歳以上の在職者に対しては組合員の資格を失わせることによって共済年金をフルに支給するという措置を講じた方がよいと思うのです。というのは、私学の中でも、厚生年金加入のところもありまずし、そういうところで働いている教職員は、結局、厚生年金の六十五歳以上のものとしての資格を喪失してそして年金をフルにもらうということになるわけですから、やはりここのところの格差が非常にあるということは私学の人材確保といった上からもなかなか難しいのではないかと思いますので、六十五歳以上の在職者に対しては組合員資格を失わせることによって共済年金をフルに支給するという同じような措置を講ずるべきだと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○政府委員(五十嵐耕一君) 先ほどから御説明申し上げておりますように、厚生年金の場合には老齢退職年金ということでございまして、私どもの共済組合は長期給付であります年金と、それから短期給付であります医療給付とを一本に考えた、そういう相互扶助組織というふうにつくってあるわけでございまして、そこの場合に、長期給付と短期給付の組合員を分けてやるということができないということが基本的な建前でございまして、したがいまして、長期給付のものにつきましても在職中の者は支給できませんで退職が要件ということに相なっておるわけでございます。そういうことから、基本的な制度の問題といたしまして先生の御指摘のことはなかなか難しい問題であるというふうに理解しておるわけでございます。
○中西珠子君 現在は長期給付だけ組合員となっている、また短期給付だけ組合員となっているという人もいるんでしょう。それを分けることはできないと今おっしゃいましたけれども、現在いるわけでしょう。
○政府委員(五十嵐耕一君) これは私立学校共済組合の沿革に戻るわけでございますが、私立学校共済組合は昭和二十九年の一月一日にできましたときに、基本的には全員加入ということでおつくりしたわけでございますが、ただ、それができるときに、既に厚生年金あるいは健康保険にお入りになっている学校の組合員がいらした。その方にはやはり選択を認めるべきであるということで、そういう制度が沿革的に残っておるわけでございますが、現在設けられております、そういう沿革的なものを除いたものにつきましては全員加入ということで長期、短期の区別はしておりません。
○中西珠子君 この問題については後でまた質問を継続させていただきますけれども、時間が迫ってきましたので、まだ聞きたいことがあるので……。
 既裁定者の裁定がえに当たりましては従前額は保障するということでございますね。しかしスライドをストップするということなんですが、これは個別的におやりになるのか、何年くらいスライドストップをなさるおつもりなのかわかりませんが、それについてお答え願いたいと同時に、このスライドストップということは期待権の侵害にはなりませんか。
○政府委員(五十嵐耕一君) 既裁定者につきましては、先生御理解いただきたいんでございますが、現在五七%が通年方式によって年金をもらっているということでございまして、この方たちは一般的に給料の低い方でございます。この方たちに対してはもう当然ながらスライドになるということでございます。
 それから残りの四三%の方でございますが、この方は一般方式での年金額になっておりまして、この方につきましては通年方式で裁定がえをするということでございます。その場合におきまして、従前額の保障ということで、今までもらった額は保障するということでございまして、その面におきましては期待権は保障しているというふうに一応なるわけでございます。ただ、今申しましたように、そこの、スライドの停止の問題がございまして、通年方式によりまして裁定した額でございます。これは当然物価に応じてスライドをするわけでございますが、その額に達するまではスライドを行う、そういう意味におきましては完全に保障しているというものではないということでございます。
 ただ、これも御理解いただきたいわけでございますが、これはやはり年金制度自体は世代間の扶助組織ということでございますので、こういう全体的な大きな年金の給付水準を直していくというようなときにはある程度のことは御勘弁いただかなくてはいけないんではないかというふうに感じるわけでございます。
○中西珠子君 モデルを出して、スライドストップはどのくらいの期間続くのかというのを出していただけませんか。
○政府委員(五十嵐耕一君) 今申しました、現在通年方式によります年金を受けておられる方でご
ざいますが、この方の年金額でございますが、これが通年方式によりますのが十四万九千六百円というようなことがございまして、一般方式によりますのが十六万五千三百円ということでございまして、それで比較しました場合に柱、物価スライドが約三年強続くんではなかろうかということが推定されるわけでございます。ただ、もちろんこれは個人個人によって全部違ってまいるわけでございまして、一律に何年間ということではなくて、むしろ給料の高い方の場合がより物価スライドストップが長く続くというふうに御理解いただきたいと思います。
○中西珠子君 今お出しになった例は、けさほどの社会党の委員の方の御質問に対してもお出しになったわけですね。それで、そういう場合は三年間ぐらいということなんですけれどもね、給与の高い人はもっともっとスライドストップの期間が長くなるであろうということなんですけれどもこれはやはり、スライドというのは今までやってきたことでしょう、それが、従前の額は保障するけれども、その後はもうスライドストップですということは期待権の侵害ということになるのではないかと私は思うんです。それで、実態がどうなるのかということがよくわかりませんので、もう少したくさんモデルを出していただいて、大体こういうふうなことになるのだということをお示しになることができますか。その資料をいただけますか。
○政府委員(五十嵐耕一君) 私が先ほど御説明申し上げました給料の高い人、真ん中の人、低い人でどのくらいの期間になるかというモデルをお示ししたいと思っております。
○中西珠子君 それはいついただけますか。
○政府委員(五十嵐耕一君) できるだけ早くお出ししたいと思っておりますが、ちょっと時間をいただきたいと思います。
○中西珠子君 ではちょっと時間を差し上げますけれども、できるだけ早くお願いいたします。
 今回の改正で都道府県の補助は共済組合からの要望もあって、そして残ったわけですね。今度は私学振興財団の補助はどうなりますんですか。
○政府委員(五十嵐耕一君) 私学振興財団から私学共済組合に対する助成がどうなるかというようなお尋ねだと思いますが、私学共済組合が昭和二十九年の一月に発足した際に、その権利義務を承継しました旧私学恩給財団の年金給付費用等につきましては、これは私学振興財団からの助成によって行うということでございますので、これはそのまま続けて私学振興財団からいただくという仕組みにしてあるわけでございます。
○中西珠子君 今回の改正は私学共済の長期給付事業に関するものでございますね。短期給付事業とが福祉事業については今後どのようになさるつもりか。文部省としては改正や規制をお考えになっているのかどうか、この点についてお答え願いたいと思います。
○政府委員(五十嵐耕一君) 今回の改正は、先生御案内のとおり、長期給付事業だけということでございます。
 御質問の短期の給付事業あるいは福祉事業につきましては、現在のところそれを改正するというようなことは考えてございません。
○中西珠子君 私学共済組合からお出しになりました第二項の要望ですね、これにつきましては大変不利になる人も出てくる。有利になる人も出てくるけれども、不利になる人は大体六万人ぐらいじゃないかという御返答等が前の審議においても、またけさほどの審議においても多少触れられたわけでございますけれども、こういう選択を私学共済の方でなすって、そして文部省にこの要望を提出され、そしてそれを文部省の方でも取り上げられたわけでございますが、これにつきましては、この選択の方法が一番よいと理事長はお考えになっているんでございましょうか。
○参考人(保坂榮一君) 先ほど申し上げましたように、私学共済といたしましては一部給与記録がない者もあり、また国家公務員共済に重要なことは準じて行ってきている、そして、その共済制度の枠内でということでそちらの制度、計算方式をとらしていただいたものでございます。したがいまして、これは制度の選択でございますので、私学共済といたしましては、各方面、私学団体にも諮って、その結果こちらの制度をということのお願いをいたしましたものですから、その結果、先ほども申し上げました、ような、いわば全期間方式、全期間の平均をという方式に対しての有利、不利が出てまいりますことはやむを得ないことだと考えておりました。
○中西珠子君 やむを得ないとおっしゃいますと大変かわいそうになるわけでございますけれども、昭和三十六年までの給与記録のない組合員というのは本当に三百十人しかいないんですか。三十四万人の中で三百十人ですか。
○参考人(保坂榮一君) はい、三百十人でございます。
○中西珠子君 私学共済は標準給与の方式をもうとっていらっしゃるでしょう。そうすると、三百十人以外の人はちゃんとわかるわけですよね。記録があるわけだし、また、標準の給与というのを適用ができるわけでしょう。それなのに、なぜこういう選択をなさったのかということがちょっと私ども腑に落ちないんでございますがね。そして、みすみす、もちろん補正率というものはわからない、政令によって決まるのだ、だから私学共済の方は適当になさった率によって計算してみると六万人少なくとも不利な人が出てくるという、その不利な人が出てくるというのがみすみすわかっていながらこういう選択をなさったのはなぜなのかということがどうしても腑に落ちない。現在の三つの選択肢があるあのやり方でいいのではないかと思うわけなんですね。私学共済の独自の歴史というものもあるし、特殊性というものもあるんだから、何も公務員の共済の方に準拠しなくちゃいけない、あれに準拠しなくちゃいけないから仕方がないと、こういうことを言わなくてもいいんじゃないかと思うんですけどね。仕方がないというお気持ちが大変にじみ出たような御答弁が衆議院の議事録にも出ておりますし、今回も仕方がないというふうなことをおっしゃいましたけれども、もっと共済組合の理事長さんとしては頑張っていただきたいと私は思うんですけれども、いかがでしょうか。
○参考人(保坂榮一君) 先ほど申し上げましたように、制度の選択であったものでございますから、そちらの制度をとらしていただいたことでそうした全期間平均よりも有利になる方、不利になる方が出たのはやむを得ないと思っておりますが、衆議院の方で附帯決議が出ていますように、「私立学校教職員の給与の実態にかんがみ、施行日前の期間を有する組合員の平均標準給与月額を算定する場合には、厚生年金方式による施行日前の組合員期間の平均額を下回ることがないよう所要の対策を講ずること。」という附帯決議をいただいておりますが、このような対策を講じていただければまことに結構であり、ありがたいことであると思っております。
○中西珠子君 参議院は独自性を持ちませんと無用論が出てまいりますので、衆議院の附帯決議に必ずしも拘束されるものではないわけでございますね。ですから、これから審議をもっと深めまして、私どもといたしましてどういうふうになさった方がよろしいのではないかという結論がまた出てくるのではないかと思いますので、私はもう時間が来ましたのでこれで質疑をやめますけれども、この次また続行さしていただきたいと思います。
○吉川春子君 それでは、私学共済制度を今回の政府の提案どおりに改めることになると、将来の財政見通しがどうなるのかという点について伺いたいと思います。
 昭和九十年度には財政が食いつぶされるというふうに文部省は繰り返しおっしゃっておられるわけですが、新しい制度になりますと収支バランスと年度末の積み立ての額はとうなるんでしょうか。
○政府委員(五十嵐耕一君) まず、現行制度を維
持した場合にどういうふうになるかということでございますが、これにつきましては、昭和八十一年度におきまして単年度の収支が赤字になるということでございまして、昭和九十年度におきまして、現在積み立ててございますいわゆる積立金というものがございますが、それがふえてはまいりますけれども、それも食いつぶすようになるということでございます。
 それから、仮に今度御改正をいただくということをお認めいただいた場合にどういうことになるかということでございますが、これにつきましては、一応このままこういうことでやらしていただきますと、昭和百十年の掛金率が現在の二・八倍強というようなことで収支が安定した状況でいけるのではないかというふうに推察しておるわけでございます。
○吉川春子君 文部省からいただいた資料によりますと、昭和百十年には収支の差が六千二百八十九億で、積み立てがざっと六十一年の十倍になる、こういう数字になるわけですか。
○政府委員(五十嵐耕一君) 六十一年度の収入と支出のバランスをちょっとごらんおきいただきますと、収入が二千百九十九億円、支出が千九十億円、収支差が千百億円ということで、年度末積立金が一兆一千七百五十一億円ということになりまして、ここの中でやはり非常にキーとなりますことはどういうことかと申しますと、支出と積立金のバランスがどういうふうになっていくかということでございまして、六十一年のときにはそれが十・七八倍ということでございます。それで、今先生の御指摘のございました昭和百十年度でございますが、これが収入が四兆八千、それから支出が四兆二千、収支差は六千二百ということで絶対額としては多いわけでございまして、年度末積立金も一兆何がしという金額になるわけでございますが、この支出と積立金のバランスは二・四九倍ということで非常に悪くなるということで二・四年分しかないということでございます。
○吉川春子君 積立金の額が六十一年度に比べて十倍近い金額になるということで大変な数字になるんですが、それ以降の数字は文部省としては計算していますか。
○政府委員(五十嵐耕一君) 現在計算しておりますのが昭和百十年までというものでございます。
○吉川春子君 文部省の試算によっても今度の制度の改革で大変な黒字になるという結果が出ているわけですけれども、実はそれ以降、昭和百十年以降がもっと黒字の額は大幅にふえるわけですね。例えば昭和百十年に年金に加入した人を例にとりますと、文部省の試算によると、掛金が千分の二百八十二ですか、という率になりますが、これでもって東京のある私学の賃金体系によって計算してみますと、六十歳の方で四十年間に支払う保険料は膨大な金額になるわけですね。五千七百六十万ですか、積立額は九千四百万以上になる、こういう数字になるんです。この人が、ですから実際には百六十歳になったときにようやく積立残高がマイナスになる。こうなりますと、事実上国庫負担というものは要らなくなるわけですね。そういうことを逆に言えば、将来的には、ねらって共済制度の今回の改革を出してきたんじゃないかと思います。そういうふうにも思われるんですけれども、その点はいかがですか。
○政府委員(五十嵐耕一君) 私的年金制度の場合と公的年金制度の基本的な違いでございますが、これは世代間の扶養をするということがあります。
 それから、先ほどから御議論のございますスライドでございますが、これにつきましては、やはり公的年金におきまして物価をスライドする、そこで実質価値を維持するというようなことでございますので、単なる、そういう先生のいわゆる貯金的な、蓄財的な性格だけの計算で論ずるということはなかなか難しいことではないかというふうに理解しております。
○吉川春子君 今回の制度改革によりますと、掛金率の大幅な増大、そして年金算定額も現状水準よりも、文部省の試算に、よっても八六%というふうに下がっていくわけですね。ということで、組合員には大変な損失を与えるということになるんですが、私学共済が財政破綻に瀕するということで打ち出された改革案だとは思いますけれども、大臣、こういう方法をとる以外に道はなかったんでしょうか。
○国務大臣(松永光君) 午前中から御議論がありますように、公的年金制度を長期にわたって安定させなきゃならぬという点が一つございます。
 それから、制度間で公正を図っていかなきゃならぬという点がございます。
 それともう一つは、年金制度というものは、先ほど審議官もお答えいたしましたように、世代間の扶養という問題が実はあるわけでございまして、私学共済は現在は年金制度が若いということがございますし、それから私学共済制度発足以来今日までの間に私立学校がどんどんふえてきたということがございまして、組合員数が今や三十四万を超すようになってきた。しかし制度が若うございますから、年金受給者は一万四千人という状況なんでありますけれども、それが将来どうなるかということを考えますと、十五年後の昭和七十五年になりますというと、年金受給者は現在の約三・七倍になる。二十年後の昭和八十年には四・七倍になる。三十年後には六倍になる、年金受給者は。一方、それを支える組合員の数というものは、現在とほぼ変わらないということが確実に予想されるわけであります。そういうことから、先ほどお答えがありましたように、昭和八十年にはこの年金財政は単年度収支で赤字になる。そして昭和九十年には積立資産を食いつぶすということが予想されるわけでありまして、今にして改正をしておかないというと、二十年、三十年後はどうなるか、そのときの組合員に過重な負担をかけにゃならぬということは、これは我々としてはどうしても避けにゃならぬことであります。
 世代間の負担の公正、そして給付の公正ということを今にしてやっていかなければ、私学共済制度というものも根っこから覆ってしまう、こういうことがございますので、先ほど申し上げましたように、公的年金制度を長期的に安定させるための一元化への方向を踏まえながら、私学共済をさらに安定したものとして発展をさしていくためには、今回の改正は必要欠くべからざるものであるというふうに考えまして、御提案申し上げたと、こういうことでございます。
○吉川春子君 大臣の御答弁ではございますけれども、私はほかに方法がないとは思えないわけなんです。昭和九十年に私学共済が破綻に瀕すると言われる一因は、国会決議どおりに国の負担を二〇%に上げるべきところを上げてこなかったということにもあると思うんです。参議院でも十三回、衆議院では十六回、委員会決議をしているんですけれども、国庫負担をふやせという。その国会決議をどういうふうに受けとめていらっしゃいますか。
○国務大臣(松永光君) 国会決議の関係につきましては、国庫負担をふやすという方向で努力をしてまいりまして、今日、一八になっておるわけでありますが、しかし国の負担をふやせば破綻に瀕しないじゃないか、それはそういうこともあり得ます。しかし、国の負担というのは税金で埋めろということでございますから、したがいまして、我々としてはこの税金で埋めるということが可能であろうかということを考えますというと、そうもいかぬ。年金制度をあくまでも長期的に発展さしていくためには、この世代間の給付と負担の公正ということを考えながらの制度改正をしなければならぬというふうに思うわけでございます。
○吉川春子君 国の負担を二〇%に引き上げるということと同時に、もう一つはやっぱり労使折半の問題があると思うんです。私は現行制度のままで年金財政は維持できるんだという提案をしたいと思うんです。それは国の補助を今申し上げましたように二〇%にして、労使合わせた保険料を千分の七十、これは労使で三、七ということで試算してみますと、将来に向かって私学共済の収支はどうなるかということをやってみたわけですけれ
ども、モデルは大卒で二十五歳で結婚、二十六歳、二十七歳で二児をもうけ、家族手当、配偶者が月一万三千四百円、子供一人七千円、住宅手当一万一千百円ということで、六十一歳で積立残高が五千五百三十六万三千円、積立残高がマイナスになるのは八十六歳だと、こういうふうになるわけですね。だから、大体今の日本人の平均寿命というのが女性で八十歳ということですので、この両側面から迫っていくならば年金財政の破綻ということは起こらないんじゃないか。文部省としてもぜひこういう計算をしてみるべきだと思うんですけれども、いかがですか。
○国務大臣(松永光君) 学校法人に七割負担させて個人の負担は三割にしろということでございますが、現在でも学校法人の財政が大変厳しい、そこで私学助成ということで三千数百億の税金を入れておるという状況なんであります。それを学校法人の方の負担を七割にしろと、なったらどうなるかということも考えなきゃいかぬわけでありまして、やはりこういう問題は整合性のある議論をしていかぬというと前向きの議論にならぬのじゃないかというふうに思うわけでございます。
○吉川春子君 私は一つのモデルで今お話をしたわけなんで、全体としての数字を文部省の性能のいいコンピューターを使って出して、資料として提出していただきたいと思いますが、いかがですか。
○政府委員(五十嵐耕一君) 何で労使折半負担ということにしているかということをちょっと御説明をさしていただきますと、これは被用者保険全般を通ずる原則でございまして、現在の日本の社会保険につきましては、ほぼこれで定着をしているということだと私ども思っております。そういうことから、私学共済の場合につきましてもこれは法律で明記されまして、制度発足以来定着している労使折半の負担の原則ということでございまして、これを改めるということになりますと、私学経営と私学全体のあり方の基本にかかわるものであるというふうに私どもは考える次第でございます。
○吉川春子君 労使の負担割合を変えられないというお話だったわけですけれども、実際問題として労使の折半を打破している私学があるということは御存じかとも思うんですね。そういう実態が一方にある。同時に、昭和六十年の四月八日に地方公務員共済組合審議会から自治大臣に出された「地方公務員等共済組合法等の一部を改正する法律案について(答申)」において次のように述べられているんですね。共済年金の費用負担について、組合員三〇%、自治体七〇%とすることを目標とすべきだとする意見がこの中で記載されているわけですね。だから、現在は法律でそういう制度になっているということはあると思いますけれども、こういう動きについてはどういうふうにお考えですか。
○政府委員(五十嵐耕一君) 私どもといたしましては、現在私立学校教職員共済組合法の第二十八条に労使折半の原則が明確に掲げられておるわけでございまして、この制度をやはり堅持していくことが私立学校教職員共済組合の安定的な発展につながるんではないかというふうに考えておる次第でございます。
○吉川春子君 現状がそうであるということと、動きとしていろんな動きがあってその折半が崩れる方向にあるということとはまた別問題だと思うんですね。
 ヨーロッパ等における労使の年金財政負担割合はどうなっているか御存じですか。
○政府委員(五十嵐耕一君) 資料は持ち合わしておりません。
○吉川春子君 厚生省の資料だから文部省はごらんにならないんでしょうか。これは「目で見る年金」というので厚生省の社会保険庁で出したものがありますし、それから日教組で出した資料もあるんですけれども、アメリカや西ドイツなどは労使折半なんですけれども、フランスとかイギリスでは四、六とか二・五対七・五、こういう形になっているわけですね。ソ連のように全額国庫負担の国もありますけれども、これはもう経済体制が違いますから日本は逆立ちしたってまねすることはできないんですが、スウェーデンなども、これは全額使用者負担になっているということも、ここの厚生省監修の「目で見る年金」に出ているわけなんです。労使折半ということにこだわるというのは、こういう流れからいっても、やっぱりそんなに固執するべきものじゃないというふうに思うわけなんです。国庫負担を二〇%にすることとあわせてこういうことも考えていけば年金財政は破綻しないと思うんです。
 それで、今回出されている括弧つきの改革案ですけれども、これは国も企業も負担はふやさない、労働者や国民にのみ負担を押しつける、こういう方向なものですから、非常な不当な中身になっているというふうに思うんですね。そういうことで、さっきの要求した資料のことなんですけれども、これをやっぱり計算だけはしてみていただけませんか。
○政府委員(五十嵐耕一君) 先ほど申しましたように、私どもといたしましては、先ほどの引用しました法律にございますように、労使折半ということが基本原則でございますので、やはりこういう五、五の計算方法でやらしていただきたいというふうに思っております。
○吉川春子君 文部省のお考えはわかったんですけれども、資料としてそういう基礎で計算したらどうなるかということを、特定のモデルではなくて全体として計算していただきたいということなんですね。文部省の考え方を変えよということは私たちの要求ですけれども、それができないという御返事でしたけれども、資料としてそういうものを計算して出すということはおできになるんじゃありませんか。
○政府委員(五十嵐耕一君) これもたびたび繰り返すようで申しわけないわけでございますが、私どもとしましては労使で半分ずつ負担をするということが基本原則として堅持していかなくてはいけないということでございますので、やはり私どもの試算は労使折半の五、五ということでやらしていただきたいというふうに思うわけでございます。
○吉川春子君 計算できないということですか。
○国務大臣(松永光君) 先ほども申し上げましたように、使用者側すなわち学校法人の負担をうんとふやせという話でございますけれども、現在の日本の私立学校の財政状況どうなっているか、大変厳しい。でございますから、交付税分を含めれば実は五千数百億税金で私学に助成をしてそして私学の財政を健全化する、それによって私学に子供を通わせている父兄の負担が重くならぬようにという政策を、実は皆さん方もそれをやれとおっしゃっているわけでしょう、ですから、きょうも陳情があったわけでしょう。そういうことが一つあるわけでありまして、ところが今度は私学側の、法人側の負担が数百億もふえるようなことをやれとおっしゃっても、それは整合性のある話じゃないことになってくるわけですよ。でございますから、もしそういう計算、あなたの方でなさるならそれは御自由でございますけれども、私どもの方ではする意思はない、またする義務もないように思うのでそう申し上げておるわけでございます。
○吉川春子君 私学助成の問題については、私たちも経常経費の二分の一までその率を引き上げよという国会決議に沿って国は努力すべきだということでずっと要望もし続けてまいりましたけれども、実際問題今日の段階としてそれが二〇%を割り、一七%ぐらいになっているという状況は、これはまたこれで本当に重大問題であるし、私たちとしてはそれはけしからぬことだというふうに思うわけなんです。
 だから、私学助成ももちろんきちんとふやすべきだし、そういう方向を私たちは今後とも追求していくわけなんですけれども、一つの提案として物すごい黒字になるような掛金の値上げたとか給付の引き下げだとか、こういうことで私学共済に手を入れられるわけですけれども、そういうふう
にしなくても、現在の制度を維持しながら、国庫負担、そして労使折半の問題などで手直しをしていけば破綻せずに今のまま維持できるのではないか、こういう考えを申し上げたわけなんです。それが恐らく計算すればはっきり出てくると思うんですね。それが計算できないということですから、それは技術的にできないというよりは計算したくないということだと思うんですね。技術的にはできるわけですから、それはちょっと不当なことだと思うんですけれども、私たちはそういう道をいろいろと探しながら、なるべく組合員、国民に負担がかからないような、そして本当に老後を保障するような年金制度というのを維持していくべきだ、こういう立場から質問を申し上げたわけなんです。ちょっと時間もそればかりで食ってはおられませんので、資料提出しないということは非常に遺憾だということを申し上げまして次の質問に移りたいと思います。
 先ほども何人かの委員から御質問がありましたけれども、物価スライド停止による損失の問題なんですけれども、これも計算の問題になるんですが、物価スライドを停止することによってお年寄りがこうむる損害については、文部省としては具体的に計算はなさって、その上で今度のこういう停止ということを出してこられたんですか。
○政府委員(五十嵐耕一君) 今度の制度改正でございますが、先々高齢化社会が急速に近づいてくるということがございまして、それに伴いまして現在の世代と将来の世代、そういう世代間におきます負担、給付のバランスが崩れてくる、そういう中でどういう方法をとったらばいいかということをいろいろ検討した結果、先ほど申しましたように既裁定者の方につきましては、その絶対額は保障申し上げますと、ただ、その新しい通年方式によりまして裁定した金額、これはまあその部分につきましては物価スライド出ますが、それに追いつくまでは既裁定額の保障するものについての物価スライドはしないということでございまして、これがある意味では確かに損害という点があるわけでございますが、別の視点から見れば、これが逆に急激な制度改正に伴う変化を避ける道であるという理解で私どもは考えている次第でございます。
○吉川春子君 物価のスライドの停止によっていろいろな損失、まあ、さっき期待権の侵害ということもありましたけれども、そういうことは現実として起こるわけですけれども、具体的にどの程度の負担だったらば許容範囲だとか、そういうことも具体的な数字としては一切つかんではいらっしゃらないということなんですね。
○政府委員(五十嵐耕一君) 私どもはむしろその従前額、既裁定額を保障するということで、そういうことについては尽きているというふうに考える次第でございます。
○吉川春子君 いろいろ具体的に計算もせずに、負担を課そうとしているのは乱暴ではないかというふうに思うわけです。これも私どもで計算してみました。被害が最も大きい人の例を挙げてみたいと思うんですけれども、昭和六十年に退職されて、勤続四十年、最終標準報酬が四十六万円、退職年齢が六十二歳、こういう方を例にとってみますと、現行の共済年金額は三百八十六万四千円、制度が変わった後だと三百二十一万六千円というふうになるわけですね。この物価の上昇率を三%にしますと、七年間のスライドの停止に遭うと、八十歳の平均寿今までの受け取り年金額が六千三百三十八万八千二十八円というふうになるわけですね。現行年金制度での受取額は七千三百四十一万六千円というふうになるわけです。そうしますと、差し引き一千万以上の損失になるわけなんですね。これ、損害が非常に大きい例なんですけれども、お年寄りが、実際問題としてこれだけ旧制度だったら受け取られたのに、今度は受け取れない。こういう数字を見たときに、これでも世代間の負担の公平とかそういうことのために、まあ、この程度はやむを得ないというふうにお考えなんですか。
○政府委員(五十嵐耕一君) 今の先生の御指摘のものでございますが、とれは標準給与が一番高いところに当たる方であるというふうに思います。それで、先生の、改正後の年金額が二百九十四万何がしというようなものでございますが、これは現在の現役組合員の平均月収で見ますと、これが男女平均で二十四万ということでございまして、この水準も超える。それから、現役男子組合員の平均月収の約三十万に対してその八〇%を超えるということがございまして、やはり先ほどから私が御説明申し上げておりますように、やはりこういうことではなかなかこれからの年金制度を維持するのが難しいんではないかというようなことがございまして、先ほどの調整ということを申し上げて御提案をさしていただいている次第でございます。
 それで、これも先ほどから御説明申し上げておりますように、今度の改正自体は比較的給料の高い方には厳しく働いて、低い方については大体ほぼ現行水準に近いものを保障しようというようなことが基本的な考え方だということを申し添えておきたいと思います。
○吉川春子君 まあ、これは高い方を例にとったわけなんですけれども、そうしますと、高い方の方は大体この一千万ぐらいの損害は我慢していただくのも世代間の負担の公平のためだと、こういうことですね。
○政府委員(五十嵐耕一君) 逆に申しますと、その一千万の部分を今度は逆にだれが負担をしていくかということがやはり非常に大きな問題ともなりまして、そこが私どもが先ほどから申し上げております世代間の負担の公平をどう考えるかということが大事な問題です。
○吉川春子君 どの程度だったらば、じゃ許容の範囲なのか、どの程度だったら高過ぎるのか、そういうことは文部省としては計算なさってみたらいかがですか。
○政府委員(五十嵐耕一君) これも繰り返して申し上げるようで申しわけないわけでございますが、やはり既裁定額は保障するというのが一つの明確な尺度ではないかというふうに考える次第でございます。
○吉川春子君 押し問答するほど時間的な余裕がないんですけれども、今の答弁聞いていても、非常にはっきりするのは、私たちがいろいろ資料を要求してもなかなか出していらっしゃらないわけですよね。最初に御答弁になった昭和百十年の数値にしても、もう再々要求してようやく出できた数字なんですよね。私は、今度のこの共済年金の制度の改革によって国民がどれぐらい負担が強いられるか、自分の年金の受取額が具体的にどうなるかということをもっと積極的に政府としては宣伝なさるべきだというふうに思うんですよね。少なくとも国会で、委員会で質問しようとして要求する資料を、もうコンピューターにかければ簡単に出るものをなかなか出してこないというような態度では、やはりこれは国民に対してこの制度が変わってどうなるかということを知らせようとするものにストップをかけることにもなると思うんですね。だから、もう少し誠意を持って資料を提出なさることと、それから国民に対して、制度が変わると一体どうなるのかということを積極的に正しく宣伝なさるべきじゃないかと思うんですけれども、その辺はいかがでしょうか。
○政府委員(五十嵐耕一君) 私立学校共済組合に限らしていただきますと、私立学校共済組合で広報誌を出しておりますので、そういう点、そういう中に今度の改正につきましてよく御理解をいただくような資料を出していきたいというふうに考えているわけでございます。
○吉川春子君 まあ、そういうところに出していくことはもちろん必要なことですけれども、国会で審議をするときにもう少し積極的に資料をお出しになるべきだと思いますよ。そういう何か、何もかも隠していて出さないというと、やっぱり知られると困るようなことが隠されているのかなというふうに逆に国民は判断するわけだし、そういう面もあるんですけれども、しかし、知られて不利になることがあっても、やはりこれは出される
べきだと、そのことは強く要求しておきたいと思うんです。
 それで、次にちょっと違う質問を一つ残りの時間でしたいんですけれども、運営審議会委員の問題なんですけれども、私学共済の運営が民主的に行われるために法の十二条があるわけですけれども、委員の構成が法の趣旨に沿っていない、労働組合の代表を排除しているということは、衆議院で我が党の藤木議員が質問しているんですけれども、私はちょっともう一点伺いたいんですけれども、女性の委員がこの中に加わっていないというのは何か理由があるんですか。
○政府委員(五十嵐耕一君) この運営審議会の委員をお願いするに当たりましては、私どもといたしましては私学関係団体から御推薦をいただいているということでございまして、具体的には全私学連合会からいただいておりまして、そこからいただいた推薦に基づきまして今言いました委員の任命を行っているということでございます。ここの委員の推薦に当たりまして私どもお願いしておりますのは、学校法人の役員だけではなく、学長及び教職員を含むいわば学校自体が加盟員となる団体によって構成されているから、そういうものを反映するように委員の推薦をしていただきたいということでございまして、そういう結果で今申しましたような女性の委員が入っていないということに相なっておるわけでございます。
○吉川春子君 労働組合の代表を入れないということについては、衆議院の答弁では、こういう人がそういう人の意見も代弁しているんだというふうに具体的に名前を挙げて答えていらっしゃるわけですが、そのお答えは納得できるものではないんですが答えていらっしゃる。
 それで、女性の立場から女性の声を反映するような方はその中にいるんですかね、そういう資格のある人は。例えば長期、短期それぞれの共済の問題についても、出産とか遺族年金とかいろいろ女性にとって切実な問題もあり、女性の年金権なんという言葉も大分言われている今日なんですけれども、そういう立場で女性の利益、利害関係というのは私学共済にとっても非常に深いんですけれども、そういう声を代弁されている方がいないんですか。
○政府委員(五十嵐耕一君) こちらにお入りいただいている方は、特に女性であるとか男性であるとかいうことで意見をいただいているということではないわけでございまして、そういうこととして御理解をいただきたいと思います。
○吉川春子君 女性が一人も入っていないということについて大臣、いかがですか。お考えを聞かしてください。
○国務大臣(松永光君) 先ほど審議官がお答えいたしましたように、私どもの方では私学団体の方からの推薦をいただいてそれに基づいて任命すると、こういうことになっておりますので、あれを推薦しろというわけにはまいりません。私学団体の自主的な推薦をいただいておるわけなんでありまして、たまたま推薦の中に女性が入ってないということでございましょう。女性が入ってくれば喜んで任命するつもりでございます。
○吉川春子君 この運営審議会の人選の問題について、十二条ですかね、法の趣旨に沿っていないと思うんですよね。そういう意味で、女性の代表が一人も入ってなくていいというふうにはお考えになっているわけじゃないと思うんですけれども、女性の代表もぜひこの審議会の委員に加われるように、任命なさる権限は大臣にあるわけですから、ぜひ御努力いただきたい、その組合の代表を入れるということとあわせて、そういうことについてもぜひやっていただきたいと思いますが、いかがですか。
○政府委員(五十嵐耕一君) 組合の代表を入れるかということにつきましては、これは先ほど先生からお話のございました衆議院におきましてもいろいろ御議論があったところでございまして、私どもといたしましては、そういういわゆる労働組合の代表を入れるよりも、ここに従来からやっておりますやり方をやる方が私学共済組合のこれまでの沿革にかんがみても非常にいいことではないかというふうに考えておるわけでございます。
 それから女性の問題につきましても、私ども私学共済組合の審議会につきましては、先ほど大臣が御答弁申しましたように、私学団体から御推薦をいただいておりますので、そういう意味では本日の御議論もいろいろ、きょうは理事長さんもいらっしゃるし、そういうお話が聞こえていくんではないかというふうに考えておる次第でございます。
○吉川春子君 時間がもう迫ってまいりましたので、これ以上いろいろ質問できないんですけれども、女性を入れれば女性の声が代弁できるとも言えないかもしれませんけれども、一人も入ってないということは全くこれは不正常な状態で、文部省は家庭科の男女共修の問題などについても差別撤廃条約との整合性を考えて検討に入られていると思いますので、ぜひその運営審議会の民主的なメンバーの構成という点で、働く人たちの声、そして弱い立場にある婦人の声、そういう声が十分反映できるような構成にしていただきたいと思いますが、その点最後に一言大臣からお考えを伺って終わりたいと思うんです。
○国務大臣(松永光君) 先ほども申し上げましたように、私学関係団体の推薦に基づいて任命するということになっております。きょうは私学共済の関係者もおいでになっておりますので、今の御議論というものが私学団体の方にも伝わるでしょう。そして幸いにして女性が推薦されてくれば本当に喜んで任命するつもりでございます。
○関嘉彦君 民社党は、立党以来福祉国家の建設ということを綱領の中にも書いてありますし、その推進に努力してきたわけでございます。福祉国家の基礎をなすものは社会保障制度だろう、ソーシャルセキュリティー、お互いに共同して力を合わせて連帯して生活の安定を保障していく、日本じゃ社会保障と訳されておりますから私もその言葉を使いますけれども、みんなで連帯共同して生活の安定を保障していく、これがもとになっていると思います。その社会保障制度の中でも重要な柱になっているのは、一つは健康を保障する制度、もう一つはだれでも免れることのできない老齢になって所得が減少する、あるいは無になる、それに伴う生活の不安を解消していく、その意味の年金制度、この二つだろうと思います。日本でも年金制度今まで徐々に確立されてまいりましたけれども、それが非常にばらばらであった。それが今回一元化の第一歩を踏み出したという点で、民社党としては基本的には今度の改正に賛成でございますけれども、まだやっぱり問題点がないわけではございません。その問題点も根本にさかのぼって考えますと、例えば老後に備えるために個人で貯蓄して備える部分と、それから集団的に、コレクティブに共同して備える社会保険の部分と、この比率をどうしていくかというふうな問題も議論の立て方をすればいろいろ出てくると思いますし、また社会保険の中でも国民すべて最小の必要度を満たす、ナショナルミニマムといいますかシビルミニマム、それを保障する部分と、それから従来の報酬が激減しないように報酬を保障していく部分、個人的な構成の問題だろうと思いますけれども、その二つの部分、それもどういうふうな組み合わせでやっていくか、あるいはその財源をどういうふうにしてやっていくか、こういうふうな問題も議論すれば幾らでも議論の余地はあるんですけれども、きょうはそういった問題には入りませんで、提案になっております共済年金の改正の問題だけに限りますが、これも四つの共済共通の問題が随分たくさんあるわけでございます。しかし、これは既にほかの委員会で我が党の代表が質問しているはずですのでそれは省略いたしまして、ここでは専ら私学の共済年金、それに問題を限りたいと思います。しかし、この問題も既に今生で同僚議員がほとんど質問されまして、新しい問題というのはないんですけれども、同僚議員が時間の制約上、もう少し突っ込んで聞きたかった面もあったんじゃないかと思いますけれども、時間の制約で十分議論されなかった問題があ
ると思いますので、その問題をできるだけ重複を避けて質問していきたいというふうに考えております。
 主として質問したいと思いますのは、職域年金、いわゆる三階建ての三階に当たる部分ですけれども、これは先ほど既に同僚議員が質問されたことでございますけれども、私の質問の前提になりますので、私学共済において職域年金を設けられた理由、それから、この職域年金の加入期間二十五年未満の場合その支給を二分の一にするその根拠、その問題、もう一度改めてお答え願いたいと思います。
○政府委員(五十嵐耕一君) 今回の改正におきまして、四つの共済年金、共通の措置としてでございますが、厚生年金相当部分を加えまして職域年金の相当部分の設計を行っているところでございますが、これは共済年金が公的年金としての性格のほかに職域年金としての性格も有しているということによるものでございます。それで、私学共済の職域年金相当部分につきましては、基本的には私どもの私学共済の立て方といいますのは、国家公務員共済に準ずるというようなことを建前としておりまして、国家公務員におきましてもいろいろな御検討の上で職域年金の報酬比例相当部分の二〇%に相当するものをお乗せになったということでございますが、私どもにつきましても、こういう民間企業におきます企業年金の支給状況でございますとか、私立学校におきましてはいろいろな対象があるわけでございまして、そういうものの組合員の費用負担の限度等も考慮いたしまして、今申しました厚生年金相当部分の二〇%というものを設計したものでございまして、これは全体、基礎年金も含めますと約八%ぐらいの水準になるであろうということでございます。
 それから、お尋ねの第二点でございますが、職域年金についての加入期間が二十五年ということで千分の一・五と、それを〇・七五に二つに、半分にするというようなことをしているわけでございますが、それをなぜそういうことにしたかということでございますが、これにつきましては、今度の私学共済年金の支給の基本的な年限といいますものを、二十五年以上の組合員期間等を要するということに合わせたわけでございます。なお、現行制度におきましては、組合員期間二十年以上ということで、やはり退職年金の給付につきまして計算方法の差異を設けておるところでございます。
○関嘉彦君 職域年金を設けた理由も、それを報酬比例分の二〇%にした理由も、それから二十五年未満のものを二分の一にした理由も、結局これは国家公務員と横並びにする、それだけの理由でございますか。
○政府委員(五十嵐耕一君) 基本的には、私ども今度の、今度といいますか、基本的には私立学校共済組合をもともと設けた趣旨といいますのは、やはり国家公務員である教員につきましても、地方公務員であります教員につきましても、私立学校であります教員についても同じような年金給付とか、それから短期給付を行うということがやはり私学振興のベースになるであろうということが基本的な点があるという点がございます。
 それから、今私がその二番目の理由として申し上げましたところは、私学につきましてはいろいろな自由な設計をやったらどうかというような御議論もあるわけでございますが、その私学共済の対象としておりますのが、幼稚園から大学までさまざまな規模の学校に勤務する私学教職員を対象とすると、そういうものに最低限のものを保障するということであれば、国家公務員の共済組合員に準ずるというのが一番妥当ではないかということでございます。
○関嘉彦君 私学の場合は、教育基本法第六条でしたか、公立の教員と同じようにその給与を適正にする、必ずしも同じにするとは書いてないんですけれども、適正にすると、それを根拠にしておられるんだろうと思います。
 それから、二十五年未満のものを二分の一にする理由は、衆議院で、多分厚生大臣じゃなかったかと思いますけれども、できるだけ国家公務員長く勤めてもらいたい。そういう長く勤める人により多く報い、早くやめる人は、それだけ罰というわけでもないけれども、減額して支給すると、そういう趣旨の答弁をしておられましたけれども、そういう理由と承ってよろしゅうございますか。
○政府委員(五十嵐耕一君) その年金の期間を二十五年というのを資格とするというのは、やはり長くお勤めいただく、長くお勤めいただいた方にはそれだけ余計お報いするということはあるということでございます。
○関嘉彦君 私は、日本の社会ではなるだけひとところに長く勤めるのが美徳であるというふうな考え方がございますけれども、考え方によっては、国家公務員であれ教員であれ、余り年とった人が職場にうようよしていると老害を招くと、私もしばしば学校で言われたことがあるんですけれども、そういう面もあるわけです。もっと職業間の異動を自由にやれるようにしていく。そういう社会にしていくことが社会に活力を与える、そういう考え方もあるわけですね。そうしますと、必ずしも二十五年未満であるから罰則、罰を加えるという意味で半額にするという考え方はちょっと極端ではないか。少なくともその年齢に比例して支給するという考え方をとってもいいんじゃないかと思うんですけれども、これはむしろ哲学の問題だと思いますので、大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(松永光君) 職業の転換がしばしば行われるのが一面においては活力になるかもしれません。しかし、日本の長い歴史の間には、やはり一所懸命という言葉がありますように、一つの場所で頑張ると、努力するというのが美徳とされて今日まで来ている面も実はあります。そのことがある意味では、日本の社会の安定という面でプラスの面も出ているような感じがいたします。
 そこで、それが年金とのかかわりでどうなるかという問題でございますが、国家公務員あるいは地方公務員、そしてそれに準ずる立場にある私立学校の教職員については、ある程度長く専門的な分野で頑張っていただくというのがよいことであろうというふうな考え方は依然としてあるような気がいたします。ただ、国公立と私立との間の大学の先生あたりの異動というのは、ある意味では私学に活力を与える、そして国公立の方にも言うならば新しい風を吹き込むという意味では意味のあることだというふうに私は思います。したがいまして、この問題は大変難しい問題でありますので勉強さしていただきたいというふうに思う次第でございます。
○関嘉彦君 私も確かに難しい問題だとは思うんです。一所懸命に一つところにとどまっているのは、長所もありますけれども同時に停滞を招くという短所もあるわけであって、これをどういうふうにしていくか十分研究していただきたい。特に教員の場合、私学の先生であっても、あるいはほかの会社員にかわる、二十五年に至らない前で十七、八年ぐらいでかわりたいという人もあるかもしれないし、あるいはほかの公務員の人たちが十七、八年で私学の先生になる、私は大いにそういうことはあった方がいいと思うんです。ほかの国家公務員、地方公務員の場合はいざ知らず、私学の場合はもう少し次の機会あたりに検討していただきたいというふうに考えております。
 それに関連してですけれども、私立学校で私学共済に加入していない学校については、先ほど質問がありまして、短期も長期も両方とも加入していないで厚生年金に入っているのが三十校ですか、それから長期のみしか入っていないのが十六で短期のみしか入っていないのが四つ、それ事実間違いございませんか。
○政府委員(五十嵐耕一君) 長期のみに入っているのが十六校、それから短期のみに入っているのが四校ということで、長期も短期も入っていないといいますものが全体で三十校ということでございます。なお、長期のみでいいますと三十四校あるということでございます。
○関嘉彦君 今までのは厚生年金でやっているわ
けですけれども、今後は全部一律に強制加入するわけですね。それはどういう理由でどういう根拠でなのか。
○政府委員(五十嵐耕一君) 私立学校共済組合法をつくるときの昭和二十九年でございますが、この私立学校共済組合法自体は全校が強制加入という格好でもともと法律案はできているわけでございます。ただ、この法律ができる前に既に厚生年金あるいは短期で言いますと健康保険に入っていた学校があったと。そういうものにつきましては全部強制加入というのを認めるのはいかがかという御議論がありまして、それにつきましては選択で認めていいではないかということで、その時点の特例としてそういうことにしたということでございます。ですから、それ以降は全部強制加入ということでございます。ですから、昭和二十九年一月一日以降できます学校につきましては全部強制加入というふうに御理解いただければよろしいと思います。
○関嘉彦君 私は法律には全くの素人で、文部大臣と違いまして私は法律の本を読むとすぐ眠たくなるので不眠症のときには睡眠薬のかわりに六法全書をまくらにして寝るような男なんですけれども、この条文を読みましたときに、第十四条ですか、「学校法人等から給与を受けるもの(「以下教職員等」という。)は、組合員とする。」、「組合員とする」で組合員とならなければならないとは書いてなかったものですから選択の余地があるかと思ってたんですけれども、これは強制規定なんですか。
○政府委員(五十嵐耕一君) これにつきましては「組合員とする」ということで、これはもう当然全部同じになるということでございます。
 それからもう一つは、組合費を取る強制徴収権というのが私立学校共済組合法に与えられるということでございます。
○関嘉彦君 既に例外的に二十九年以前からのものは厚生年金にとどまるのを認めている学校もあるわけですから、私は私立学校というのはそれぞれ特色を持ってた方がいいんじゃないかと思う。もちろん社会保険ですから強制的に画一的にやるべき部門、これがあることは事実です。しかしそれは基礎年金と報酬比例部分ぐらいは私は画一的にやる必要があると思うんですけれども、その上に乗っかっている職域年金、これは私はそれぞれの私立学校がもっと特色を持ってやる、最近臨教審でも学校の個性化というふうなことが議論されておりますけれども、あるいは教育の個性化ということが議論されておりますけれども、そういう点から見てもう少し私立学校の自由を許した方がいいんじゃないか。お互いに競争する。それの方がいいんじゃないかと思うんですけれども、大臣のお考えはいかがでしょうか。
○国務大臣(松永光君) 共済制度の基本的に大事なものとしてすそ野が大きいというか、たくさんの人で一つの組織をつくって、そして相互扶助をやっていくということが安定につながることだと思います。任意加入とか自由加入でありますというと、どうしても組織が大きくなりません。そうすると、共済制度そのものの実は基盤が非常に脆弱なものになるということであろうかと思います。そういうことから私立学校の教職員につきましては全員加入をもって原則とする、ただしその法律の施行のときに既に厚生年金とか国民健康保険とかいう組織に入っている学校等があったわけでありまして、それをその学校の関係者の意向を聞かずに強制的に入れてしまうというのはいかがなものかということで選択を認めたと。それは発足のときのそういう特殊事情からそういう特例ができたものだというふうに思うわけであります。やはり私学の関係者の福利、厚生を増進する、しかもそれを安定的にやっていくということを考えれば全員加入の方がはるかに安定するわけでありますから、そういうことではなかろうかというふうに思うわけであります。なお職域年金の部分でございますが、これが各学校で個性的にということになってまいりますというと結果的には大きな大学等の場合にはそういったものができる可能性が強いわけでありますけれども、幼稚園等の場合にはなかなかそれができないということを考えますと、やはり私立学校全体として職域年金をやっていくということの方が妥当であろう、こういうふうに考えるわけであります。なお、この制度のほかに各法人が自主的に私的な年金を構想して実行されるということは実は可能なことだというふうに理解をしておるわけでございます。
○関嘉彦君 私も、一階、二階、基礎年金それから報酬比例部分、これはやはり画一的にやった方がいいと思いますけれども、職域年金の方は自由設計方式と申しますか、各学校に任した方がいいんじゃないかという考え方を持っているので今御質問したわけですが、これは考え方の違いですからそれ以上は質問いたしません。
 次に、これもしばしば同僚議員の方が質問されたことですけれども、禁錮刑及び懲戒免職の場合には職域年金が支給停止するわけですね。これはどういう理由からでございますか。
○政府委員(五十嵐耕一君) 先生からも御指摘がございましたように、私学共済組合法といいますものは教育基本法の第六条の趣旨に基づいて制定されたものでございまして、そういうことから、私学共済年金は国公立学校の教職員の年金との均衡を保つということで設けられた職域年金という性格を持っておる。このような観点から、組合員が公務員の場合におきます懲戒の事由に相当する事由によりまして懲戒免職を受けたりあるいは刑事罰である禁錮刑を受けた場合には、国家公務員共済組合の規定に準じまして年金額の一定の割合、これは現行は二〇%でございますが、それの給付制限を行うこととしているわけでございます。
 今回の改正案におきましても、従来の基本的な考え方は踏襲することとしておるわけでございますが、新しい共済年金は、ただいま御説明申し上げましたように、公的部分であります厚生年金相当部分と職域年金相当部分とに区分して設計しておりますので、給付制限につきましては職域年金相当部分についてだけ行うということでございます。
○関嘉彦君 職域年金だけが支給停止になるということはよくわかっているんですけれども、しかも国家公務員がそうなっているから私学もそうなったんだというのも説明されたとおりだろうと思いますけれども、私は国家公務員の場合でも年金というのは処罰の対象にすべきものじゃないんじゃないか、処罰すべき面は別な面でやるべきであって、年金にこれを及ぼさず、しかも本人の掛けた部分だけでも払うべきではないかというふうに考えているわけで、横並びというんで私学共済だけはできないというふうにお答えかもしれませんけれども、考え方としてどうですか。
○国務大臣(松永光君) やはり現行制度でも実はあるわけでありますが、今度審議をお願いしておる制度としては、先ほど先生御指摘のとおり職域年金部分についてのみ制限措置というものが政令の定めるところによってなされるということになっておるわけであります。ただ現行の場合でございますが、制限事由として国共済、国家公務員、地方公務員の場合には禁錮刑に処せられた場合、それから懲戒免職の場合、それから懲戒停職の場合、三つの場合いずれも制限の対象になる。私学共済の場合には禁錮刑に処せられた場合と懲戒による免職の場合で、停職の場合は制限の対象にならない、こういったことになっておるわけであります。なお、農林共済の場合には禁錮刑に処せられた場合にのみ対象になる、こういうふうに多少の差はございます。これは、やはり教育基本法の規定によりまして、私立学校の教職員も国公立の学校の教職員に準ずるような立場で、教職員というものが全体の奉仕者であってそして職務に精励しなければならぬ、こうしたことの規定、その精神からこうなっていると思うんでございますけれども、しかし今先生の御指摘のような問題もございますので、具体的には政令にゆだねられている面がございますので、先生の御指摘、御意見を十分参考にさせていただきまして、具体的な政令の中身を決めてまいりたいというふうに思うわけで
ございます。
○関嘉彦君 政令でそこのところはしんしゃくされるというのでしたらそれで結構ですけれども、この考え方を推し進めていきますと、禁錮刑なんかに処せられると、単に職域年金が停止をするだけじゃなしに報酬比例分も罰として停止するんだという考え方が出てこないとも限らない。そういうふうに論理として発展するといけないと思うので、まあ、そういうことはないですけれども、それで質問したわけです。
 それから、公務員でない遺族が禁錮刑などの刑に処せられた場合にもやはり職域年金の支給が停止されるわけですね。これはどういう理由ですか。
○政府委員(五十嵐耕一君) 確かに組合員でありました者の場合と遺族の場合とはちょっと違うということはございますので、そういう点では当然ですが、懲戒免職というのはあり得ないものでございますから禁錮の刑に処せられた者ということでございまして、これは遺族自体に教員の職務の特殊性というのが直接及ぶということではなくて、支給事由でございました組合員であった教員の職務の特殊性が反映されたものであるというふうに私どもは承知しているわけでございます。
○関嘉彦君 何か罪七親等に及ぶとかというふうな考え方じゃないかと思うんですけれども、これは私はおかしいんじゃないかと思いますがね。これも政令のときによく検討していただきたいというふうに思います。
 それから、共済では退職するまでは被保険者のままということについて質問しようと思いましたけれども、先ほど質問されたことと同じですからこれはやめます。
 それからもう一つ、これは簡単で結構なんですけれども、これも先ほどから質問されましたけれども、平均標準給与月額の問題です。今後の新しいやつは別として、既に加入している分について国家公務員の場合の給与記録が五年間しか残っていないので、その五年間の給与に基づいてみなし計算を行うということですね。それが私学共済の方にもそのまま準用されてくる。これも私学共済だけじゃなしに全般的な問題なんですけれども、みなし計算の場合に補正率を掛けるわけですね。補正するというのは、何か正常な姿を描いて、それから外れるからこれを補正するという考え方だろうと思うんですけれども、補正率を決める場合の原則、例えば一あるいは〇・九とか〇・八とかいろいろ補正の仕方があるだろうと思います。どういう原則に立って補正率を決められるのか。これも政令のときにだろうと思うんですけれども、その決める根拠。
○政府委員(五十嵐耕一君) ただいまの補正率はどのように決めるかということでございますが、一つは国家公務員が決められます補正率を参考にして決める、それから当然私学のそういう給与の実態を反映して決めるということが基本でございます。
 それで具体的にどういう方法で決めるかといいますものにつきましては、これは私学の人々の全体的な平均的な勤務年数に応じました給与の上り方、これの平均的な図を求めまして、それと国家公務員のつくられます。そういう平均的な昇給曲線を勘案いたしまして決めていくというふうなことでございます。その場合に、例えば十年の場合には直前の五年の給与の月額の○・幾つに見るかというようなことで決めるわけでございまして、普通でございますと、初任給、まあ昔の給与ほど低いわけでございますから、日本は大体年功序列で上がっていきますものですから、ですから長い期間ほど大体低くなってくるというふうなことでございます。
○関嘉彦君 補正率の方もまず国家公務員で決められて、それを準用するという形になるだろうと思いますので、実際に出てこないと、ちょっと何とも議論のしようがないんですけれども、改めてそのときに議論することにいたします。
 最後に、みなし規定によって、これも先ほど来たびたび質問ございましたけれども、共済の加入者の約三分の一ほどが厚生年金よりも少なくなるというふうなお答えだったと思いますが、それは間違いないですね。
○参考人(保坂榮一君) 先ほど三分の一と申し上げました計算は、まだ補正率が出ておりませんので全然わかりませんが、私学共済独自の立場から補正率を仮に考えまして、そしてほぼ二〇%ほどのモデルをといいますか、サンプリングいたしまして、その結果でございます。
 それで三分の一といいますのは、私学共済全員の三分の一ではございませんで、加入期間五年のものはどちらにとっても有利、不利はございません。それで、その者は十五万人おりますので、それを引きまして十九万人。十九万人に対して先ほどのサンプリング調査をいたしました結果、約六万人が全期間平均で計算したよりも低くなるということで不利と申し上げたわけでございます。この六万人が十九万人に対して三分の一ということでございます。
○関嘉彦君 私も資料いただきまして、サンプリング、具体例つくられたやつ拝見いたしました。それも補正率が決まってないんで本当に仮定の議論なんです。
 ただ、これで見ましても、かなり不利になる人が出てくるわけですね。それで、やっぱりこういった人たちに対する何らかの救済措置というものは考えておられるでしょうか。
○国務大臣(松永光君) 先刻来議論のあった点でございますが、標準給与月額の算定方式というのは、同じ組合員であるならば同じ基準を用いるというのが、これが公正妥当ではないかというふうに思っておるわけであります。
 そしてまた、もともとはといえば、私学共済の専門的に研究をされた委員会でも、そうしてもらいたいということが結論として出ておりますし、それに基づきまして私学関係者からそうしてもらいたいということもございましたので、現在提案しているような方式を決めたと、こういういきさつがあるわけであります。
 したがいまして、私学共済だけに個々別々の計算方式を採用するということが果たして妥当なんだろうかというふうに私は思っておるわけでありますが、しかし審議権をお持ちでいらっしゃるのがこの委員会並びにこの委員であるわけでありますので、そちらのお決めには私どもは従うというつもりでございます。
○関嘉彦君 私学共済だけ別の計算方式を導入すると言っているわけではないんで、ただ、今まで期待しておられた人たちの期待権を裏切るようなケースが出てくるだろうと思うので、そういう人たちに対して何らかの特別のしんしゃくをすることはどうかということをお聞きしているわけです。
○国務大臣(松永光君) 先ほどのお答えを繰り返すような形になりますけれども、やっぱり同じ組合員は同じ算定基準であるというのが公平ではなかろうかという視点が一つ。
 それからもう一つは、私学共済というのは、元来、重要事項については国家公務員共済に準じてこれを決めるということになっておりますので、それとの関係をどう考えるかという問題もございますので、そういう問題が実はあるわけでございますので、私どもとしては、この五年補正方式というのが妥当ではないかなあと、こう思っておるわけでございます。
 しかし、繰り返して申し上げますけれども、審議権をお持ちでお決めになるのはこの国会であるわけでございますので、国会で各党間の合意が成立したその結果につきましては、私どもは従うほかないわけでございます。従うつもりでございます。
○関嘉彦君 終わります。
○委員長(林寛子君) 本日の質疑はこの程度とし、これにて散会いたします。
   午後四時五十五分散会
     ―――――・―――――