第104回国会 地方行政委員会 第5号
昭和六十一年四月二日(水曜日)
   午前十時開会
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   委員の異動
 三月二十七日
    辞任         補欠選任
     出口 廣光君     伊江 朝雄君
     内藤  功君     橋本  敦君
 三月二十八日
    辞任         補欠選任
     伊江 朝雄君     出口 廣光君
     石井 道子君     上田  稔君
     岡部 三郎君     古賀雷四郎君
     倉田 寛之君     岩上 二郎君
     橋本  敦君     神谷信之助君
     山田  勇君     三治 重信君
 四月一日
    辞任         補欠選任
     丸谷 金保君     稲村 稔夫君
     神谷信之助君     下田 京子君
     三治 重信君     井上  計君
 四月二日
    辞任         補欠選任
     下田 京子君     神谷信之助君
     井上  計君     三治 重信君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         増岡 康治君
    理 事
                吉川 芳男君
                佐藤 三吾君
    委 員
               大河原太一郎君
                加藤 武徳君
                金丸 三郎君
                上條 勝久君
                出口 廣光君
                上野 雄文君
                中野  明君
                下田 京子君
                井上  計君
   国務大臣
       自 治 大 臣
       国 務 大 臣
       (国家公安委員
       会委員長)    小沢 一郎君
   政府委員
       警察庁長官官房
       長        鈴木 良一君
       警察庁長官官房
       会計課長     立花 昌雄君
       警察庁警務局長  大堀太千男君
       警察庁刑事局長  仁平 圀雄君
       警察庁刑事局保
       安部長      新田  勇君
       警察庁警備局長  三島健二郎君
       通商産業省機械
       情報産業局長   杉山  弘君
       通商産業省生活
       産業局長     浜岡 平一君
       自治大臣官房長  津田  正君
       自治大臣官房審
       議官       石山  努君
       自治大臣官房審
       議官       持永 堯民君
       自治大臣官房審
       議官       小林  実君
       自治大臣官房審
       議官       渡辺  功君
       自治大臣官房会
       計課長      大島  満君
       自治省行政局長  大林 勝臣君
       自治省行政局公
       務員部長     柳  克樹君
       自治省行政局選
       挙部長      小笠原臣也君
       自治省財政局長  花岡 圭三君
       自治省税務局長  矢野浩一郎君
       消防庁長官    関根 則之君
       消防庁次長    井上 孝男君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        高池 忠和君
   説明員
       内閣総理大臣官
       房参事官     中川 良一君
       公安調査庁総務
       部長       中重 正人君
       厚生省保険局国
       民健康保険課長  近藤純五郎君
       農林水産省畜産
       局競馬監督課長  嶌田 道夫君
       労働省労働基準
       局安全衛生部安
       全課長      長谷川 正君
       日本国有鉄道公
       安本部次長    土田  洋君
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  本日の会議に付した案件
○昭和六十一年度一般会計予算(内閣提出、衆議
 院送付)、昭和六十一年度特別会計予算(内閣
 提出、衆議院送付)、昭和六十一年度政府関係
 機関予算(内閣提出、衆議院送付)について
 (総理府所管(警察庁)、自治省所管及び公営
 企業金融公庫)
○地方行政の改革に関する調査
 (地方行財政、消防行政、警察行政等の基本施
 策に関する件)
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○委員長(増岡康治君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る三月二十七日、内藤功君が委員を辞任され、その補欠として橋本敦君が選任されました。
 また、去る三月二十八日、石井道子君、岡部三郎君、倉田寛之君、山田勇君及び橋本敦君が委員を辞任され、その補欠として上田稔君、古賀雷四郎君、岩上二郎君、三治重信君及び神谷信之助君がそれぞれ選任されました。
 また、昨四月一日、三治重信君、神谷信之助君及び丸谷金保君が委員を辞任され、その補欠として井上計君、下田京子君及び稲村稔夫君がそれぞれ選任されました。
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○委員長(増岡康治君) 去る三月二十八日、予算委員会から、四月二日一日間、昭和六十一年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、総理府所管のうち警察庁、自治省所管及び公営企業金融公庫について審査の委嘱がありました。
 この際、本件を議題といたします。
 本件に関する説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
○上野雄文君 最初に、自治省の方から、今日の自治体の財政状況についてわかりやすく説明をしてもらいたいと思うんです。
 というのも、去年も同じ議論をやったと思うんですけれども、法年は、補助金の一括削減というようなことがなければ本年度は収支均衡したんですという話でした。五千八百億も削り込んで、それに対するいろんな手当てがなされたわけですが、しかし、あの当時、三千三百の自治体全部で五十四兆円もの借金をしょって今大変な状態にありますということが繰り返し述べられた。一年限りだと思っておったのが、また、一年限りどころか削減額が倍以上、そして、今度は一年限りが三年、三倍という結果が出てきたわけでありますが、現状をわかりやすく説明していただきたい、こう思うんです。
○政府委員(花岡圭三君) 地方財政の現状ということでございますけれども、地方財政は現在巨額の借入金を抱えていることは御承知のとおりでございまして、各団体の公債費の負担比率も非常に高まっております。この点につきましては、昨年度申し上げた状況が特に改善されていると言える状況ではないと思っております。私どもも、そういう意味では、現在の借入金体質であるこの現状をできるだけ早期に改善していく、地方財政の健全化を図らなければならないという考え方でございます。
 数字を申し上げますと、現在の地方債の残高は、六十一年度末で四十三兆六千億円となる見込みでございます。これに、交付税特別会計借入金五兆七千億円、それから、公営企業債の残高のうち普通会計でその元利償還費を負担すべきもの、これが九兆五千億円になります。これを合わせますと、地方財政全体の借入金は五十八兆八千億円になる見込みでございます。
 このような状況でございますので、私どもとしましても、今後できるだけ地方歳出の徹底した節減合理化を図りながら地方一般財源の充実に努める。そして一方、国、地方間の財源配分、役割分担のあり方等の問題を含めまして、地方財政制度の抜本的な改正を行っていかなければならない、このように考えておるところでございます。
○上野雄文君 予算委員会の要求資料というのを配っていただいたわけですが、これを見ますと、公営企業関係で大変な苦しみをしている実態がここにあらわれております。今お話にありましたように、徹底した縮減合理化をやりたい、こういうお話が出てきているわけでありますが、去年からの地方行革大綱での今日的な状況、これを簡単で結構ですから概要をちょっと説明していただけませんか。
○政府委員(津田正君) いわゆる地方行革大綱に基づく行政改革の進捗状況でございますが、行革計画をつくります委員会等の設置状況は、地方団体で九七・九%、三千百九十九団体で既に委員会を設置しております。それから、具体的な行革の実施を図るための行政改革推進本部の設置状況でございますが、これも九九・六%、三千二百五十四団体で推進本部を設置済みでございます。それから、行革大綱の策定状況でございますが、合計で、やはり三千二百五十三団体、九九・六%、これは策定予定も含めてでございますが、九九・六%の団体におきまして策定を進めておるような状況でございます。いずれも本年の三月二十日現在の状況でございます。
○上野雄文君 それは格好でしょう、格好。中身はどうですか。スタイルだけはとれたけれども、中身。かなり進んでいるのと違うんですか。
○政府委員(津田正君) 地方公共団体は、昭和五十年度前後から、国に先駆けまして行政改革に取り組んできておるわけでございまして、相当な成果を上げておる状況でございます。五十七年度から五十九年度、予定を含んでの数字でございますが、局部室課の統廃合は四十一都道府県、千百九十九市町村でやっております。それから、出先機関の統廃合を三十二道府県で実施しております。審議会等の統廃合は四十三都道府県において実施し、また、市町村におきましては四百五十七市町村で審議会等の統廃合を実施しております。事務事業の見直しでございますが、四十四都道府県、六百四十四市町村、さらに民間等への委託につきましては、四十四都道府県、千二十四市町村、さらに補助金の整理合理化でございますが、全都道府県で実施しており、また千三百九市町村が実施しております。定員管理の適正化につきましては、定員の削減三十九都道府県、七百六十市町村、大体以上のような実施状況でございまして、各地方団体におきましては地方行革推進のため努力をしておるような状況でございます。
○上野雄文君 そこで、国鉄の余剰人員との関係についてお尋ねしたいんです。
 去年の七月に答申が出されまして、それから余剰人員をそれぞれのところでしょってくれという動きが出てきたわけですね。具体的には自治体が国鉄の余剰人員の対策として一体どうやっていくのか。新聞報道によると大体一万人程度自治体で引き受けてくれ、こういう記事が出ているわけですけれども、そういうことなのかどうなのか、その辺のことも、自治省としての立場で、国鉄との関係でどんないきさつになっているのかというようなこともちょっとお尋ねしてみたい、こう思うんです。
 さらに、去年の十二月の二十三日に自治省の事務次官、二十四日に公務員部長の通達が出ていますね。通達を出すからにはそれなりの具体的な話が出てきたんではないかなというふうに推察をするんですけれども、その辺の事情について自治省側の立場で教えていただきたいと思うんです。
○政府委員(柳克樹君) 国鉄の余剰人員につきまして、現在、具体的に公的部門で引き受けようと言っておりますのは先生も御承知だと思いますが三万人でございまして、これが国、地方公共団体、あるいは国関連の公的法人等の割り振りにつきましては今秋までにさらに国鉄側の具体的な計画など待ちまして計画を立てていこう、こういう段取りになっておるわけでございます。しかし国鉄の再建のかなめとも言えます余剰人員の対策はできるだけ早い機会に取り組んだ方が国鉄の職員のためにも非常に望ましいということで、国に準じて地方公共団体においても真剣に取り組んでいただきたい、こういう趣旨で通達を出したものでございます。
○上野雄文君 通達を出したことがいいとか悪いとかという議論じゃなくて、自治省側に対して地方公共団体がこれだけしょってほしいんだという、そういう話があるんだろうと思うんですよね。新聞では三分の一と、約一万人というふうに報ぜられていますけれども、その辺の事情を教えてもらいたい。
○政府委員(柳克樹君) ただいま申し上げましたように、地方公共団体で幾らというところまで詰まった議論になっていないわけでございまして、公的部門で三万人ということで現在やっておるわけでございます。ただ、その場合に、国におきましては新規採用職員、特別、特定の資格を有する者は除いてでございますけれども、そういうものの一〇%を六十一年度には採用したいということを言っておられますので、それに準じた措置を地方公共団体においても実施していただきたい、こういうふうにお願いしているわけでございます。
○上野雄文君 そうすると国家公務員の分野、それから特殊法人の分野、そして地方公共団体、こういうふうに大体三つに分けているようですね。一〇%程度で一万人近く国公の部隊もなるんですか。これから具体的にあなた方の方が通達を出して各自治体で対応しよう、こういうときにそれなりの目標が出ていなければ対応のしようがないでしょう。そこのところはどうなんですか。
○政府委員(柳克樹君) 一〇%と申しますのは六十一年度でございまして、それから六十二年度以降については一〇岩を下回らない率というふうに、国の場合まだこれも具体的に率は決まっておりませんが、そういう目標が立っておるわけでございます。一方、地方団体におきましても、例年の職員の退職状況等を見まして新規採用者の見込みが大体立てられますので、それに何がしかのといいますか、国が一〇%ないし一〇%を下回らない率と言っておりますので、それに準じたところで押さえていただきたい、こういうことでお願いいたしております。
○上野雄文君 それじゃ、自治省が、都道府県レベルでもいいですから、どんな受け入れ体制の準備をしているか、その把握の状況はどうですか。
○政府委員(柳克樹君) 地方公共団体でも、私どもの要請にこたえていただきまして、かなりの団体で受け入れの表明をしていただいておりまして、現在までのところ、六十一年から六十五年度までの間でございますけれども、総計いたしますと四千四百五十人程度の申し出が出ております。非常に厳しい状況の中で比較的順調に協力していただいているんではないかというふうに考えております。
○上野雄文君 今数字を挙げられた四千四百五十人の中に、鉄道公安の関係は入っていますか。
○政府委員(柳克樹君) 警察関係の職員のものも入っております。
○上野雄文君 そうすると、今度引き受けることになるであろう国鉄側からの要請、仮に一万人なら一万人としますが、その中には鉄道公安の、今度の地財計画や何かに出ております二千八百八十二名というのは入っているわけですか。
○政府委員(柳克樹君) ちょっと先ほど言葉が足りなかったかもしれませんが、この四千四百五十の中に二千八百八十というのが入っているということではございませんで、四千四百五十というふうに受け入れ表明をしていただいた団体、その団体の積算の中には警察関係職員の分も入っている、こういう意味でございます。それから当然その三万人の中の地方公務員関係といたしまして警察関係職員も含まれておるわけでございます。
○上野雄文君 そうすると、簡単に申し上げますと、二千八百八十二名の鉄道公安関係、これを引き受けるということになったわけですね、これは余剰人員と同じと考えていいんですね。
○政府委員(柳克樹君) 鉄道の公安業務の場合は、ちょっとほかの場合と違いまして、そういう仕事自体が警察の方に移ったというところがございますので若干性質は違うと思いますけれども、受け入れの職員としては同じように考えているということでございます。
○上野雄文君 ともあれ三万人の中に入っているんだと、こういう理解でいいわけですね。そうすると、既に自治体が背負うべき、仮に一万人とすると、一万人の中に二千八百八十二はもう固定的なものとしてとってある、こう考えていいことになるわけですね。
 そこで、わからないからいろいろお尋ねをすることになるわけですけれども、いろいち話を聞いてきますと、ことしの十月にダイヤ改正が行われる、その際にも余剰人員が出るという話なんですが、ことしのダイヤ改正でどのぐらい出るんですか。
○説明員(土田洋君) 私、所掌がちょっと違いますのではっきりお答え申し上げられません。大変恐縮でございます。
○上野雄文君 公安だけしか国鉄は来ていないのですか。
○説明員(土田洋君) はい、私だけでございます。
○上野雄文君 それじゃ、公安の方についてお尋ねしますが、二千八百八十二というのをいろいろ話を聞いてみますと、それだけいたんだと。おたくの方からももらった資料には局別に二千八百八十二というふうに書いてありますが、私の方でいろいろ数字をとってみると二千八百八十二にはならないんですよ。年齢別に書いて調べてもらったんですけれども、一つは二千六百四十、それからもう一つは、これは五十九年版の鉄道要覧によると公安室関係は五十九年で二千七百四十七、国鉄は合理化に次ぐ合理化をやっているわけですから、六十年になってふえるはずはないんです。この数字との差はどういうところにあるんですか。
○説明員(土田洋君) お答えいたします。
 年度途中でいろいろ転出入等もございまして、数字が変動しております。正確な数字をお伝えいたしまして答弁にかえさせていただきますが、ことしの一月一日現在で公安職員は全体で二千八百八十二名でございます。現業の職員、要するに、現場で公安室勤務をやっている者が全体で二千七百九名、それから、非現業と申しまして管理局の公安課等で仕事をやっている者は百七十三名、計二千八百八十二名でございます。
○上野雄文君 今私が言った鉄道要覧による数字二千七百四十七というのは、これは何を指しているんですか。
○説明員(土田洋君) 先ほどお答えいたしましたが、年度途中で転出入等ございまして、そこのとり方で数字の差が出てきておるわけでございまして、それは現業の職員の数でございます。全体の数字は、六十年四月一日の時点の数字もございますが、二千八百八十二の状況になっております。
○上野雄文君 そうすると、この要覧で言うと、総計三十二万六千二十五なんだけれども、非現業の人はこの中のどこに入っているんですか。
○説明員(土田洋君) お答えいたします。
 鉄道要覧を今持っておりませんので、正確にお答えできないんですが、全体の職員数だと思います。
○上野雄文君 分類上どこへ入っているんですか。
○説明員(土田洋君) ちょっとわかりかねます。
○上野雄文君 きのう来た方に教えてくれるようにこれをお示しした、そのときの答弁では、非現業がありますからという話なんだけれども、全体の数字は変わらないと思うんですよ。どこに入っているのか。私は二千八百八十二という数字について、その出た根拠を明らかにしてもらいたいと思うんだけれども、疑問がどうしても出てきちゃうんです。私がもとにした資料の数字をきのう示して、現業はそうでしょう、しかし非現業もおりますと。私、きのうは二千六百四十と言ったんですよ。そうしたら、二百四十二名は非現業になるんでしょうと、二千八百八十二の引き算やったんですよ。
 今見ると、あなたの方の話では非現業は百七十三、これも現業が二千七百九ですから足し算すると二千八百八十二になるでしょう。だけれども、そのときの場当たり場当たりで数字が変わってやしないのか。どうも二千八百八十二という数字は信用できかねるというふうに私は思うんですよ。警察庁は、二千八百八十二という数字を言ってきたわけだからそのまま受けとめるでしょう。どうもここのところがはっきりしないと私は思うんです。
 そこで警察庁の方にお聞きしたいんですけれども、鉄道の公安の方がやっておった仕事をそっくり引き受ける、それに伴って人間もそっくりいただきましょう、こういう話になったんだろうと思うんですが、二千八百八十二名おります、仕事もやってまいります、こういうことなんだが、今までの警察の仕事の取り組みの考え方、鉄道の公安部門が除かれておった現状で果たして二千八百八十二名が必要であるかどうかということについての検討はされたんですか。
○政府委員(大堀太千男君) 明年度四月一日から、国鉄民営化に伴いまして、鉄道公安職員が任務としておりました鉄道施設内の公安維持にかかわる業務を都道府県警察が引き受けるということを前提といたしまして、私ども所要の増員措置をお願いしておるわけでございますが、鉄道公安職員の任務が法律にも規定されておりますように、国鉄施設内における公安維持の任務があるわけでありまして、具体的には列車警乗業務あるいは駅あるいは駅頭における警戒業務等に従事をしておるわけでございまして、一応現に従事をしておられる二千八百八十二名の人員が必要な業務として十分あると考えておるわけであります。
○上野雄文君 そういう数字が出されてきて、引き受けるということになればそのまま受け取ることになるんでしょうけれども、普通我々が考える場合に、仮に国鉄の側でそういう現状があっても、改めて警察の目で全体を見直して果たしてそれだけ必要であるかどうかということについての検討はなされるのが普通なんだろうと私らは思うんです。
 それはそれとして、それではいろいろ検討してみますと、国鉄の鉄道公安では職制で四段階に分かれているようですね。公安員、公安班長ですか、それから公安分室長、公安室長の四段階に分かれているようですが、警察の場合ですと階級で巡査、巡査部長、警部補、警部、警視と、都道府県費支弁ということになればその階級にあると思うんですけれども、その割り振りなんかは具体的にどういうふうにお考えですか。
○政府委員(大堀太千男君) 鉄道公安職員を都道府県の警察官として採用いたします場合の階級をどうするかというお尋ねかと思いますが、鉄道公安職員としての職務上の地位とかあるいは経験年数と殊勤務実績等を考慮いたしまして、一応巡査から警視までの階級に位置づけるつもりでございますが。当然都道府県警察における各階級構成との均衡も配慮しなければならぬ。階級をいたしましては巡査から警視までを考えております。
○上野雄文君 我々は、どういう基準なんだろうかなということを考えるんです。というのは、都道府県段階のもとにこの二千八百八十二が割り振りされてきますね、そうしますと、都道府県の県議会では階級別の定数を決めていかなきゃいかぬわけです。栃木県あたりで大体どのくらい来るんですかというふうにお尋ねしましたら、大体四、五十人ぐらいという話でそうすると、その具体的な数字を定数条例で議論する場合に、警視何人、警部何人、警部補何人とその割り振りをやっていかなきゃならぬわけです。その場合に、鉄道公安の仕事と警察を全く同列に考えるような立場に立つことができるのかどうかというのが疑問に思えてくるわけなんです。ですから、その辺の判断の材料といいますか、そういうものを、どんなふうなやり方をするのか、もうちょっと教えていただきたいというふうに思うんです。
○政府委員(大堀太千男君) 現在の鉄道公安職員が、鉄道公安職員としてどんな職務上の地位にあるかということを前提といたしまして、一応巡査から警視までの階級に割りつけるように考えておりますが、鉄道公安職員としての職務上の地位、あるいは当該鉄道公安職員の経験年数等、どのような基準でどの階級にということにつきまして現在鋭意検討している段階でございます。
○上野雄文君 検討されているんでしょうけれども、いつごろ結論を出すんですか。
○政府委員(大堀太千男君) できるだけ早く出すということを考えておりますが、日にちをいつというところまで今ちょっとお答えしかねますので、御了解いただきたいと思います。
○上野雄文君 それでは、警察の方で引き受けるについて、公安職だけに限るわけでしょう。公安職員以外は採らない、こういうふうに考えていいんですか。
○政府委員(大堀太千男君) 鉄道公安業務の移管に伴いまして、鉄道公安職員を都道府県警察として採用するわけでございますので、基本といたしましては、現に鉄道公安職員を引き受けるということを考えております。
○上野雄文君 今度は都道府県警察の職員になるわけですから、いろいろ勤務地の関係やら何やらがみんな絡んでくると思うんです。そうすると、各県には数をいずれ政令で決めて府県に割り当てがされていくんだろうと思いますが、これがうまくいく状況にあるというふうにお考えですか。警察官ですと、今は単身赴任の方もあったりいろいろしていますが、よその県に住居を置いて、例えば茨城に住居があって栃木県の警察官という人はほとんどといっていいくらい、よほど近間なら話は別ですけれども、ほとんどそういうことはないと思うんです。県内の市町村間のあれはあるかもしれませんが。そういう問題までの突っ込んだ議論というのはされておりますか。
○政府委員(大堀太千男君) 都道府県警察の職員は県内に居住しておるというのが原則ではございますが、最近の都市化、特に大都市圏周辺におきましては隣接県に居住して、例えば東京でありますと神奈川、千葉、埼玉等に居住して警視庁勤務をしておるということは非常にふえてきておる状態にございます。それは別といたしまして、鉄道公安職員を都道府県警察官として採用いたします場合に、鉄道公安職員が勤務地につきましてどういう御希望を持っておられるかというようなことにつきましては、現在、国鉄の方で御検討されておられる、私どもも一緒になってその辺については検討を進めておるところでございます。
○上野雄文君 そうすると、うちの県の話をして恐縮ですけれども、例えば五十なら五十という枠があった場合に、栃木県の警察に入る者は国鉄の方で仕分けをして持ってきちゃうわけですか。
○政府委員(大堀太千男君) 今、具体的な例をお示してございますが、例えば栃木県で何名といった場合に、私どもといたしましては、一応国鉄側に対しては、栃木県では何名引き受ける用意があるから、希望する方を御提示願いたい、御推薦願いたいというような形で選考業務、採用業務が出発をするかと、かように考えております。
○上野雄文君 そうすると、現在、年齢別に資料を出してもらったんですけれども、五十一以上の人が八%、それから、四十六から五十までの人が同じく八%。それから、二十五以下の人が一・三%というような、一番多いのは二十六から三十までが三〇%で、その次に多いのが三十六から四十で一五%と国鉄の方の資料にあるわけですけれども、これが各県の警察で期待するようなうまい構成で来るということは、その勤務地やいろんなことを考え合わすと期待するような格好には、偏って若いのがどさんと来たとか、何かそういう点なんかも考えられないわけではないと思うんですけれども、あなた方の方としてどういうふうなやり方をしてこいとか、例えば自治省の公務員部長が通達を出していますね。それで、採用する場合は採りたいと思う数掛ける五の人間の中から試験をやってあるいは選考をやって、そして揺れというような通達が出ているわけですけれども、そういうような国鉄側とのやりとりというのはどんなあれなんですかね。
○政府委員(大堀太千男君) まだ具体的にはなかなか進んでおらぬわけでございますが、ただ、国鉄公安職員を都道府県警察官として選考によりまして採用する場合に、ただいま例としてお示しになりましたように、十人採用するからその五倍の五十人を提示しろというような形にはならないかと思います。と申しますのは、元来現に鉄道公安職員として従事しております総数が二千八百八十二でございますから、その五倍ということはまず無理でございますし、一応各県別に採用をする用意のある枠をお示しをいたしまして、それに見合う数を御推薦いただくということになろうかと思います。
 ただ、先ほど先生御指摘のように、鉄道公安職員の中で勤務地の関係から特定の地域に集中をしたり、あるいはある地域には少なかったりというようなことも現実には当然起ころうかと思いますが、その辺はできるだけ各都道府県を希望する前の段階で国鉄の内部で御調整をいただきたいというふうに私どもは希望しておるところでございます。この辺につきましては今後またさらに検討していきたい、かように考えております。
○上野雄文君 それと、もう一つ警察関係でお尋ねしておきたいと思っておりますのは、警職法との関係なんですが、第六条の「立入」についてですけれども、ここには第一項、第二項でそれぞれ規定がされておりますね。それで第一項の一番最後ですが、「船車の中に立ち入ることができる。」というのは、その前の「合理的に必要と判断される限度において」というこの制限というか、条件が付されているわけですね。そうすると、今度はそっくりその業務が来る、警察官は船車の中でこういう業務をやるということが本来の任務だったと思うんですけれども、この規定の関係で、この辺は一体現行警察官の職務執行の問題でどういうふうに考えたらいいのかという点についてちょっと疑問に思っておりますので、その辺の解明をしていただきたいと思います。
○政府委員(鈴木良一君) 警職法の六条の一項と申しますのは、緊急事態の際の規定でございまして、こういう緊急事態に対処するために主権を制限することができる旨の規定でございます。したがいまして、条件も厳しくなっておる、こういうことでございます。
 それから、六条二項というのがありまして、駅その他の多数の客の来集する場所の管理者は、警察官が犯罪予防のため、公開時間中に立ち入りを要求した場合においては、正当な理由なくして拒むことができない、こういう規定がありますが、これもまたいわゆる警察公共の原則を定めたものでございまして、こういう公共の場所におきましては警察が犯罪の予防について責任を負っているので、その責任の行使を妨げてはならないという規定になるわけでございます。これはあくまでも、いずれも警察官が警察の責任を果たす場合に、必要がある場合に一種の権限を制限することができるという旨の規定でございます。
 これはこれでそういう場合には当然必要があるわけでございますが、今先生お尋ねのように、これからいろいろな職務を鉄道施設内で行っていく、現在もやっておるわけでございますけれども、今後警察が専管的に行っていくということになりますこの問題は、主として、主としてといいますか、本来鉄道の方と十分打ち合わせをして、合意に基づいて積極的に行う行為でございます。したがいまして、警職法は先ほどのように受任の関係を規定しておるものでございまして、積極的に合意に基づいて行うものは警職法でなくて警察法の警察の責務の範囲内でもって当然行うことができる、こういうふうに考えておるわけでございまして、したがいまして、今回の場合に警職法を格別に改正する必要はない、かように考えておるところでございます。
○上野雄文君 今、鉄道公安の方の仕事を進める上に特別の立法措置がありますね。新たに入ってくる仕事については何ら手続なしにそのまま、今まで別個にしてきたものを引き受けるという場合に、新たなものは伴わなくてそのまま通常の警察業務として引き受けるということになるのかなという疑問はどうしても残るんですね。というのは、これはこの間丸谷委員からの質問がありましたね。検挙件数、事件として処理したそのうちの半分近くが本来鉄道の営業の行為に伴うものなんだと、残りだけではないかという角度からの質問だったと思うんですけれども、どうも新たな仕事をやることが従来のやつだけで可能なんだと、とりわけこういう規定がある上からどうしても若干の疑問は持たざるを得ないこう思うんですが、これそのものを改正するとかなんかというのではなくて、今度は新たな業務そのものが加わったことによる何かの措置も考えない、こういうことで理解していいんですね。
○政府委員(鈴木良一君) 警察は現在でも鉄道公安職員と協力いたしまして鉄道施設内における治安維持のための業務を行っておるわけでございます。今度は鉄道の方が行わないでその業務を警察が一元的に行う、こういうことになるわけでございまして、従来からもそういう形でもって必要なものは行っていた、これを警察が今度は一元的に行うというだけでございまして、そういう意味で新たな権限というものが、格別な規定が必要になるというものではない、かように考えておるわけでございます。
○上野雄文君 そこで今度は、先ほど財政全般についての、あるいは行革の現状などについてのお話を伺ったわけですけれども、こういうのは降ってわいたような話で、自治体に対しては徹底して縮減合理化をやりなさいと言っているときにほぼ一万人近い人がぼんと押し寄せてきて、これはメキシコの大地震ぐらいの問題だと、自治体の関係者の一員の立場で物事を考えればそういうことではないかなと、私ら自身もこう思っているんですよ。これの財政措置、これからの問題として自治省はどういうふうにお考えでしょうか。
○政府委員(花岡圭三君) 今回の国鉄の職員の引き受けに関します財政措置の問題でございますが、鉄道公安官の場合を除きまして、一般的には職員の新陳代謝による新規採用の一部を国鉄等職員の雇用の場に充てるという考え方でございますので、特に現在の計画の中で財源措置をしなければならないということはないというふうに考えております。
 別途、鉄道公安制度の廃止に伴います都道府県警察官の増員につきましては新たな増員になるものでございますから、これは一年間教育訓練しなくてもよかろうということで、六十一年度分につきましては六十一年の十月一日から増員をするという計算にいたしまして、必要な経費を地方財政計画に計上したところでございます。その金額といたしましては六十九億円を計上いたしております。
○上野雄文君 地財計画にのったからといって、新たに補助金的な性格のものとしてお金が出る、そういう格好を考えてもいいんですか。二千八百八十二人もふえるわけですから。今まで国鉄が持っていたわけでしょう。国鉄がそれに使っていた金ぐらいは自治体の方に別途お金としてくれるんですか。
○政府委員(花岡圭三君) それは別途国の方からその分をよこすということではございませんで、通常の警察官の増員と同じように扱っているところでございます。
○上野雄文君 そうすると、これは考えようによっては、高率補助金の一括削減の問題と同じように、あの数字の中に上積みされるものとして考えてもいいのでしょうか。全然今までないものがぼんとふえてきたわけですね、交付税の総額も決まっているし。そのことのために特別に国からの財政措置があるということでもなければ、自治体全体として、四十七都道府県全部でそれをしょい込む、こういう考え方にならざるを得ないん工やないですか。
○政府委員(花岡圭三君) 警察官の定員の増分は、特に今回に限らず、必要なときには改正をしてきたわけでございます。通常財政計画を組むときに、こういった経費は計画の歳出に立てて歳入との関連で収支が均衡するかどうかという計算をいたすわけでございます。そういう意味合いでは補助率のカットの問題と若干性格は違うのではなかろうかと。私どもとしましては、この計画を策定いたします場合に、警察官分も含めまして一応収支が均衡したわけでございますけれども、その上にいわゆる補助率の引き下げの問題が出てきて、これによりまして地方財源の不足を生じたという形になって、これに対する措置を講じたわけでございます。
○上野雄文君 この二千八百八十二名でどのぐらいふえますか。
○政府委員(花岡圭三君) 先ほど申し上げましたように、六十一年度分では六十九億円でございます。
○上野雄文君 いや、将来。
○政府委員(花岡圭三君) これは半年分計上いたしておりますが、これの倍、百四十億程度というふうに考えておるところでございます。
○上野雄文君 単位費用掛ける人数じゃまずいんですか、六百四十何万円掛けるでは。違うんですか。
○政府委員(花岡圭三君) その単位費用の方では、いわゆる計算の基礎といたしまして全警察官の平均というものは用いておるはずでございます。その意味からいたしますと、今回の、警察官として採用されます公安官につきまして、それだけの高い金額を使用する必要はないというふうに私どもも考えておりまして、警察官の平均と新規採用との間ぐらいの単価であろうというふうに見ておるところでございます。
○上野雄文君 現に、ある県ではことしもう国鉄職員の採用をやったんですよ。ところが、採用の条件の中で、昭和三十一年以降に生まれた者という年齢制限がついてきているんですね。採ったのはその県ではたったの三名、そしてこれは二十八歳、二十六歳、二十四歳で、鉄労、国労、勤労から一人ずつうまく三人だけ採っているんですね。その結果を見て非常に意識的におやりになったというふうに私は思ったんですけれども、県で三人ぐらいしか採らない、しかも年齢制限がつくということになってくると、国鉄が期待するような採用ができるんだろうかというふうに私は疑問に思っているんですけれどもね。今度、政府が三万人の再就職先のうちの一万人を地方自治体に求めるといってもなかなか難しいんじゃないか、こう思うんですが、その辺のとらえ方はどうされておりますか。
○政府委員(柳克樹君) 確かに六十一年度の採用につきましては、既に各地方団体におきましてかなり採用は固まっておりましたものですから、四月一日から新たに採用するというのは非常に難しいという状況があったわけでございます。私どもといたしましては、その採用が確定しておればこれはもう仕方がないといたしまして、まだ決まっていない場合にはその枠を使っていただきたい、あるいは年度途中においての採用ということも間間あることでございますので、その辺のところでぜひ協力していただきたいというふうにお願いをいたしておるわけでございます。
 六十二年度以降の場合には、これはもう初めからそういうことを勘定に入れていただけると思いますので、六十一年度ほど厳しい採用ということではなくて協力いただけるのではないかと思います。
○上野雄文君 あと、もう時間がなくなったのですが、大臣、私たちが思うのに、去年、地方行革大綱を押しつけて――皆さんの方は押しつけたと言わないかもしれません。しかし、さっき財政局長からのお話のように、徹底して縮減合理化をやれということを片方でやっているわけですね。ほぼ一万人近くあんたら面倒を見ろということが今度は押し寄せてきたわけですね。
 それで、採用計画とか何かをつくっているところはどういうところだろうかと思って私自身で資料を集めてみると、鉄道を廃止されては困る、地域で大変な影響が出てくるところなんかはお世辞を使っておかなきゃいけないから、これはというので採用計画要綱なんというものもつくる。しかし、その一方では、いや、うちの方ではこういうことをやったのだけれども、鉄道を廃止だなんてばかなことを押しつけられては困りますよというようなことがついて回ったわけですね。あるいは、国鉄用地で遊休地が出てきますね、そういうものを利用したいというところなんかもさっと一応出した、あるいは、今度は分割された本社を引っ張りたいなんというところもある。そういうところが目につくんですね。余り関係ないというところは出てきていない。
 それから、先ほど鉄道公安官の話をしましたが、これなんかについても大体二千八百八十人だ、そうすると、今までの経験で、三千人警察官を増員されたときはうちの県は大体このくらいの数だなと見当がつきますね。このぐらいですが警察庁はどうでしょうと聞くと、何名ぐらいだと。それに乗せた数でうちの県はこのくらいの採用計画がありますなんというのが新聞発表されて出てきているんですね。自治体にとっては、ある意味では苦心の策なんです。
 そこで、自治省はこういうことに関して、一体どの辺まで抵抗というものがあったんだろうか、自治体を守るという立場からの主張というのはあったのか。結局、国鉄がしょっている大変な借金がなるべく国民の方にいかないようになんということを言いながらも、これはどうこう言ってみても、人を押しつけるということは自治体の負担で問題を解決させようということで、国民、県民、市民という名前を三つずつみんな持っていますからどこでしょっても同じだということかもしれませんが、一方でそういうことをやっておきながら、今またさらにやらせられようとするのだったら、それは自治省の立場で力いっぱい抵抗の姿勢というものがあってしかるべきなんじゃないだろうか。
 こればかりではありません。また別の機会にも、補助金一括のときにも私たちは主張をしなきゃいけませんが、一兆一千七百億円もの負担の転嫁も出てきた、しかも三年間も続けるという話じゃないですか。これでは自治体はたまったものではないというふうに思うので、大臣にそのことだけ申し上げて、またこの次に引き続きの話にしたいと思うのです。きょうは答弁を求めずに打ちかけの話にしておきたいと思うのですが、ひとつ大いに頑張っていただきたいと思うのです。
 終わります。
○佐藤三吾君 せっかく国鉄問題出ておりますから、引き続いてそれに入ってまいりたいと思います。
 まず警察庁、この五年間の警察職員の増員数は。
○政府委員(大堀太千男君) お答えいたします。
 昭和五十六年度二千百三十名、昭和五十七年度千五百名、昭和五十八年度千二十名、昭和五十九年度五百五十六名、昭和六十年度ゼロでございます。
○佐藤三吾君 そうして見ますと、今度のいわゆる公安官の警察官への採用というのは二千八百八十二名で異例の数、こういうことになるわけですが、これは鉄道職員の救済ということでお受けになったのか、それとも六十年ゼロになったから今度は思い切って増員しよう、その一環として決定されたのか、いかがですか。
○政府委員(大堀太千男君) 今回二千八百八十二名の増員をお願いしておりますのは、国鉄施設内における鉄道公安業務の引き継ぎということ、移管ということを前提としてお願いをしておるのでございます。
○佐藤三吾君 それなら聞きますが、この鉄道の公安職員の現在の業務別配置定数、配置人員といいますか、これはどういうふうにつかんでいますか。もっと言いますと、公安職員というのは、業務内容の中にいわゆる公安部分と鉄道職員としての部分があるわけですね。この数はどういうふうにつかんでいますか。
○政府委員(大堀太千男君) 現在の鉄道公安職員の業務を、鉄道職員としてと鉄道公安職としてと二つに分けて検討したことは私どもございません。
○佐藤三吾君 僕は、鉄道公安職員というのは国鉄職員として採用されて、鉄道業務上必要な部分とそれからいわゆる司法にかかわる警察部分と、業務の実態を見ると二つあるんですよ。それから見ると、一緒くたに二千八百八十二名入れるというのはこれは少し乱暴過ぎる、いかがですか。
○政府委員(大堀太千男君) 現在の鉄道公安職員の職務に関する法律の第一条に書いてございますように、日本国有鉄道の施設内における公安維持を鉄道公安職員は業務としておるというふうに私どもは理解をしております。
○佐藤三吾君 そうしますと、今度はこれは民間会社になるわけですね。民間会社、私鉄から航空機から全部警察職員を派遣する、こういう論理ですか。
○政府委員(新田勇君) 御指摘のように、私鉄については現在鉄道公安職員のようなものはおらないわけでございます。私鉄の場合は国鉄と異なりまして営業距離も短いですし、新幹線とかあるいは長距離特急、寝台列車といったようなものも置いておらないということから、地元の警察が時に応じて警乗する、あるいは構内について職権を行使するというようなことで治安を維持しているわけでございます。他方、国鉄につきましては、特殊な特質があるということから、もともと地元の警察につきましてもそこで職権を行使するという立場はあるわけでございますが、ほかに公安制度というものを設けて治安の維持に当たっていた、こういうことでございますので、このたびこれが民営化されるということになりますと、そこでの治安の維持に当たってその分を警察の方でお引き受けいたすということでございまして、そういう観点から治安のレベルをいささかも下げないということのためには、警察においてこれまで国鉄が行ってきておるその施設の中で行使する、かように考えているところでございます。
○佐藤三吾君 そうしますと、二千八百八十二名全員を皆さんのところで警察官として今度配置する場合に、全員を国鉄に配置するんですか。
○政府委員(新田勇君) 当面のところ、二千八百八十二名の運用につきましては、今国鉄が運用している敷地において、そこでの施設の安全あるいは列車の警乗等というところを主に考えておるわけでございます。ただ、極めて例外的な場合もあるいは考えなければならない。一つのターミナルに私鉄、国鉄の両方が入り込んでいる、お客が流れてくるときに、この線から向こうは鉄道警察隊は打っちゃいかぬというようなことではやはりおかしいかと思います。そういう場合は地元の警察と一体となってそこでの治安の維持に当たりますが、これは例外的だと思います。
 おっしゃるように、二千八百八十二名につきましては現在の国鉄が保有し運用しているところでの治安の維持に使いたい、かように考えておるところでございます。
○佐藤三吾君 そうすれば、成田のように職員の統括をきちんとして各県配置をしない、こういうことになるんだね。
○政府委員(新田勇君) 成田の駅で何かあったということの前提でのお話でございましょうか。
○佐藤三吾君 いやいや、成田空港を警備しておるでしょう。ああいう式になるんですね、成田方式に。
○政府委員(新田勇君) おっしゃるように、鉄道の敷地、それから敷地の上を走っている列車というようなところが専らということになります。しかし、人が駅の構内から流れて駅前へちょっと出たといったときに、その駅前の交番で本当はそこの治安維持に当たるわけでございますが、そういった場合に、中にいる鉄道公安職員は一歩も出てはならないということにはいたさないというだけで、今おっしゃったように、鉄道の施設内において専ら権限を行使してもらうような配置にいたしたい、かように考えておるところでございます。
○佐藤三吾君 いや、私が聞いておるのは、予算も人の配置も各県本部にばらばらに何名とか配置をせぬで、成田方式で一括配置をするんですなと聞いているわけだ。
○政府委員(新田勇君) そういうことではございませんで、各県に分配いたします。各県の警察本部に、言ってみると鉄道警察隊といったような組織をつくります。ただ、この鉄道というのが全国的に統一されているというようなこともあって、職務の運用に当たっては警察庁あるいは管区警察局というところでの調整というもののもとで働かせる、かように考えておるところでございます。
○佐藤三吾君 そうすると、人事権はどういうふうになるんですか。各県の本部長が持つのか、警察庁が直接直轄するのか、どういうことなんですか。
○政府委員(新田勇君) 各県の本部長が持つわけでございます。警察庁なり管区警察局は、そのあたりの調整あるいは事前の指導、そういう面に当たるわけでございます。
○佐藤三吾君 そうすると、もう一つ聞きましょう。さっき警務局長では警視から巡査まで、こういうことだったね。そうすると、受け入れる場合には国費の部分は警視正ですか、警視ですか。
○政府委員(新田勇君) 警視正以上です。
○佐藤三吾君 警視正以上ですか。そうすれば全部県費ということですか。
○政府委員(新田勇君) 人件費については、警視以下は県費ということでございます。
○佐藤三吾君 そうなると、あなたが言う業務の配置、任務、それから予算、人員配置がますますおかしなことになるじゃないか。だから、僕はここら辺が非常に気にかかる点ですけれども、そこら辺はまだ詰め切っていないんですか、どうなんですか。
○政府委員(新田勇君) どのような組織で行ったらいいかということについては目下検討中でございますが、各都道府県警察に二千八百八十二名を配分して、警察法が予定しております都道府県警察の責務において鉄道の治安維持に当たるということについては決まっておるところでございます。ただ、鉄道というのは県をまたがって走りますから、その間においては調整が必要であろうということでございます。
○佐藤三吾君 これは、財政局長、あなたしゃあしゃあと六十九億とか言っていましたが、この業務の実態、内容から見て、地方財政計画で都道府県の費用といって負担するのはちょっとおかしいですよ。僕はもう少し詰めて議論していかないといろいろの問題が起こってくるような感じがします。そこら辺を含めて、何か答えがあればいただいておきたいと思います。
○政府委員(花岡圭三君) 鉄道公安官の引き受けにつきましては、都道府県警察とするという閣議決定がございますけれども、先ほど来いろいろ御疑問がございましたように、一体、この二千八百八十二人が全部警察の仕事ということになるのかどうか、やはり営業部分もあったのではないかというふうなことは疑問に思いまして、国鉄当局あるいは警察にいろいろ問いただしたわけでございます。そのときのお話によりますと、そういった業務は本来の公安業務に付随したものをやっておるというふうなお話でございました。例えばきせるの追跡などもやっておるではないかというふうなことも申し上げましたけれども、それは本業ではないというふうなお話もありました。何と申しましても、今回の国鉄問題につきましては職員が路頭に迷わないようにできるだけ引き受けるということを重要視してほしいというふうなこともございました。私どもも、いろいろ議論した末に、今は結局二千八百八十二名を引き受けることにいたしたわけでございます。
 これの配置の問題につきましては、まだ警察当局の方から十分お話を聞いておりませんけれども、やはり都道府県警察という身分でございますから、これが経費の計上につきましては従前と同様の財政計画に計上せざるを得ないということでございます。
○佐藤三吾君 しかし、今内容を聞いてみるとまだ詰めていないようですが、公安職員の業務内容というのは司法と営業と二つあるわけですね。それを一緒くたにしていることが第一。それから、業務を聞いてみると、警察が考えている方向というのは、鉄道公安だけに専任させる、こういうことなんです。そういうものを県費の職員とか都道府県職員という形だけ配置をするということで地方財政計画に計上することは、私は疑問がある。これはまた法令を含めて、その中で議論をしていきたいと思いますから、それまでにここら辺の問題を詰めておいてほしい。いいですか、警察。
 そこで、もう一つお聞きしますが、警察関係で、三月二十八日に政府は閣議決定で、現物まがい商法規制法案をやっておるわけですね。豊田商事のときもそうだったんですけれども、警察が規制に乗り出すのになかなか時間がかかる。いわゆる現行法の中でできなかった。そういうことをしている間に被害がどんどん増大していったという経緯もありますね。そういうことで、今度のこの閣議決定した法案について、警察が司法の面から見てこれじゃちょっと困る、もっとここをきちっとしてくれなければ困る。例えば弁護士連合会の方は、これでは詐欺集団の行為にお墨つきを与えるようなものだ、こう論評して反対しておるわけですね。ここら辺の問題もし理念があるならお聞きしておきたいと思います。
○政府委員(新田勇君) 突然のお尋ねで法案も今ここへ持ち合わせておりませんが、記憶だけで申せば、いろいろ議論をした結果そこに落ち着いたということでございまして、多少はこれからもやりよくなるんではないか、かように考えておるところでございます。
○佐藤三吾君 官房長、自信持てますな。今度また問題起こったときに、いや、それはここのところはこれじゃいけぬとか、そういうことはやらぬでしょうないかがですか。
○政府委員(鈴木良一君) 現物まがい商法の法案の合い議は私どもも受けておりまして、今、保安部長が申しましたように、やはり一歩前進であるというふうに受けとめて賛成しておるところでございまして、法の運用につきましても、通産省の方ともよく相談しながら、また工夫を加えながらやってまいりたい、かように考えております。
○佐藤三吾君 次に、ロケットがどんどん東京都内を飛び回っておるんですけれども、今度は一万八千人に増員して警備に当たるんですが、これはこれで万全と考えでいいですか。
○政府委員(鈴木良一君) 警備局長所管でございますけれども、私からお答えいたします。
 現在サミットの警備に関しましては懸命の努力を続けておるところでございます。限られた人数で長期間の体制ということで、どういうふうに組んでいくかというのは警視庁初め各県警察が工夫しておるところでございます。やはり長丁場でもございますので、運用につきましては十分配慮しながら、できるだけ最大限の人間を活動させていきたい、かように考えております。現在一万八千名の体制という形で取り組むというふうに聞いておりますけれども、時日が迫ればその体制をさらに強化していかなきゃならぬというふうに考えております。そういう形で万全を期してまいりたい、かように考えております。
○佐藤三吾君 韓国大統領が来たときに相当な警備になったんですが、あのときにはどのくらいの配置だったんですか。
○政府委員(鈴木良一君) ちょっと定かに記憶をしておりませんが、ちょうど来日時にはもう少し多く動員したと思います。
 したがいまして、サミットの実際の警戒期間中になりますと、さらに最大動員をしていくということになろうと思いますけれども、今から最大動員をしておりますと、本番のときに十分対応できないということもございますので、現時点では可能な限りの体制をとりながら、さらに本番のときに完全な体制がとれるように進めておるところでございます。
○佐藤三吾君 それにしても一万八千人配置で、警察庁次長の公務員宿舎のところからロケットが飛ぶというのは、これはいかがなものですか。
○政府委員(鈴木良一君) あの事案につきましては、実はああいう地域は危険であるということで私どもも警戒しておったところでございまして、必要な私服員等を配置して警戒していたということがあるわけでございまして、現場ですぐ対応いたしましたし、不審者を一名現場で逮捕できておるということでございまして、私どもは速やかに対応できたというふうに考えておるところでございます。確かにああいう被害が出たわけでございますけれども、御存じのとおり、酒屋を偽装して走ってきておるということでございまして、連中もセットして逃げていくという形になるわけでございますから、そういう形で私どももおかしいという形ですぐ現場対応をしておるわけでございまして、そういう意味では私どもはそれなりに手が打てたというふうに考えておるわけでございます。
 しかし、今後ああいうものも踏まえまして、さらにいろいろ研究、工夫を加えていきたい、かように思っております。
○佐藤三吾君 これは大臣、国家公安委員長としても、本当はあなた背広を着ておらんで、ばっと第一線に、立たなくちゃ。
 中曽根内閣が、十一月十日の在位六十年をわざわざ四月二十九日に引っ張ってきた。それからサミットも、十二回あるうち五月の連休にあるのはロンドンとボンしかないんですよ。あとは全部いわゆるECの議長国が七カ国の中のサミット参加国にかわったときにやっておるんですよ。それをわざわざ五月に引っ張ってきた。それが重なって、今度は警察の方が惨たんたる目に遭いよるわけだけれども、国家公安委員長としての決意も一言あっていいんじゃないですか。
○国務大臣(小沢一郎君) 現実に万全の警備体制をとるように努力いたしておるわけでありますけれども、しかし現実に三回もこういうものが撃ち込まれたということは事実でありますから、その点については弁解の余地はないと思います。
 警察といたしましては、たとえどんなに困難であっても、現実の状況を前提として警備に万全を尽くすというのが本務でございます。いろいろこういう高度な社会生活を営まれている東京、しかもその都心を守るということでございまして、現場におきましては大変難しい警備であろうと思います。
 しかしながら、私も警備の治安の責任者でございますので、その点は十分心いたしまして、決意をいたしまして臨んでいるところであります。ただ、私が制服に着がえて現場に出ましても余り役に立ちませんのでその点はあれでございますが、本当に責任者としての決意を常に言い聞かせながら毎日毎日を当たっておるというのが私の気持ちでございまして、なお一層万全を期すようにいたしたいと思います。
○佐藤三吾君 これに今度はけん銃が加わるわけだけれども、これは午後にやります。万全の体制を固めておいてほしいと思います。
 そこで、先日の委員会で私がちょっと問題提起をして調査をお願いしたんですが、撚工連関係についての調査結果を聞かしてもらえませんか。
○政府委員(柳克樹君) 撚糸工連の事件に関連いたしまして、関係都道府県の職員が立ち会っていたのではないかという御指摘だったと思いますけれども、これは撚糸工連が行います過剰仮より機共同廃棄事業というものでございますが、その実施要領におきまして、組合が物件を破砕する場合に関係通産局または都道府県の立ち会いを要請するということになっています。この要請を受けて立ち会いをするという仕組みになっておるようでございます。
○佐藤三吾君 問題は、都道府県の貸付決定を受けてから中小企業事業団から助成を行う、こういう仕組みになっていますね。何か主体が県の方に置かれているような仕組みになっている。いかがですか。
○政府委員(津田正君) 高度化資金の貸し付けの仕組みにつきましてはA方式、B方式というのがありまして、A方式というのは、都道府県が中小企業事業団から資金を受けて、それに県資金を上乗せして業者に貸し付けをする、これがA方式。それからB方式は、逆に中小企業事業団が県の資金を受けて、それで中小企業事業団自身が資金を上乗せして業者に金を貸す。こういう二つの仕組みがございます。
 今回の事件はこのB方式の方、要するに窓口は中小企業事業団、資金の一部、これは県が二二・五%、事業団が六七・五%でございますが、そういうような資金割合で中小企業事業団が業者に金を貸す、このような仕組みのものでございます。そういう意味におきまして、業者について直接県がタッチするものではございませんが、この事業が高度化事業にふさわしいものかどうかについての都道府県の意見の開陳が求められておりますし、また計画につきましても相談に応ずる。そして、廃棄の実際の場合におきまして、中小企業者の要請により確認に立ち会う、こういうような仕組みになっておるわけでございます。
○佐藤三吾君 わかりました。
 いずれにしても、破砕の場合には県の職員が立ち会うわけですね。壊れたはずの機械がまたよみがえってくる、幽霊みたいに。それがまた補助金の対象になってくる、こういう仕組みが起こっておるのがいわゆる詐欺事件です。小田が逮捕された詐欺事件はそれなんです。機械を壊していないわけです。県の職員が立ち会って壊したはずのものがまたよみがえっておるわけです。こういう事態が起こっておるということで私は調査をお願いしたんですが、二十九地域関係都道府県全部調査しましたか。
○政府委員(柳克樹君) 関係都道府県を直接調査したわけではございませんで、そういう仕組みを調べたわけでございます。
○佐藤三吾君 これはぜひ調査を要求します。
○政府委員(柳克樹君) これは、御承知のように、所管は私どもではございませんものですから、私どもの方から調査するというのはいかがかと存じますが。
○佐藤三吾君 所管はどこですか。都道府県の所管はどこですか。
○政府委員(柳克樹君) 特定高度化事業による設備共同廃棄事業自体は通産省の所管でございます。
○佐藤三吾君 いいでしょう、それは。それなら通産省と相談して調査をして、その結果を出してほしい。
○政府委員(津田正君) 先ほどの私の答弁で、県の資金が二二・五%と申し上げましたが、これは一般の設備共同廃棄事業で、特にこの撚糸の場合におきましては、全体的な性格も持つ関係で、県の資金割合は一一・五%という低いものでございます。より国家的な事業というような性格がつけられております。
 調査につきましては、通産省と相談しながらやってまいりたいと思います。
○佐藤三吾君 そこで、きょうは財政問題で二、三聞いておきたいと思うんです。
 十二月二十一日の覚書ございますが、この問題で四、五点聞いておきたいんですが、まず第一項からお伺いします。国、地方のたばこ消費税の税率引き上げが「昭和六十一年度における暫定措置」だとしている。単年度にした理由として、政府税調の論議の妨げにならないようにしたものであるとしている。いかにも税調論議の結果によっては税率を下げることができるような説明である。しかし、これは一般庶民のことを忘れた方策である。確かに、税調の論議の結果によっては税率をもとに戻すことは可能である。だが、一度値上がりしたたばこの価格を下げることはできるのか。これが第一点。
 政府税調の答申は、日本たばこ産業株式会社及び他のたばこ会社を拘束するものなのか。仮にたばこ消費税の税率が下がっても、たばこの価格が下がらないのでは、一般消費者にとっては迷惑である。結果においてあたかも便乗値上げされたと同じではないか。たばこ会社をもうけさすための税率引き上げになると見られても仕方がない。いかがですか。
○政府委員(花岡圭三君) たばこの税率を翌年度以降下げられるかというお話でございますが、今回この地方財政対策を講ずるに当たりまして、私どもとしては何らかの財源措置が必要である。昨年は交付税の特例加算一千億円でございましたけれども、特に経常経費系統に係る財源の補助率引き下げの補てんということにつきましては、とにかく一般財源として適切なる補てんをしてもらうように要求いたしておったわけでございます。結局、臨時異例の措置ということでああいう措置がとられたわけでございまして、具体のいきさつについてはつまびらかにいたしておりませんけれども、一年間過ぎた後にたばこの税率を下げられるかどうかということにつきましては私もよくわかりません。これはいわゆる抜本的な税制改正の中におきまして検討されるべきものだというふうに私ども考えております。
 それから、税率を一年たって下げてもたばこの値段はそのままということにつきましても、これはいわゆる日本たばこ産業株式会社の方でどのように取り扱われるのかよくわかりません。私どもちょっと答弁の限りではなかろうと存じます。
○佐藤三吾君 答弁の限りでないことはもう一つあるわけです。
 国のたばこ消費税について国の増収分の全額千二百億ですが、これを交付税特会に繰り入れる、こういう措置になっていますね。私は、繰り入れるぐらいなら補助負担率削減をやめればいい、千二百億。これを一方では転嫁しておって、削減して、その分として繰り入れる、こういうやり方でしょう。非常に手の込んだやり方をやっておるわけですね。これは恐らく国の見せかけのマイナスシーリングということのためにやったのかどうかわかりませんが、地方自治体にとってこれは何のメリットがあるのですか。
○政府委員(花岡圭三君) 御承知のように、国庫補助負担率の引き下げにつきましては国の極めて厳しい財政状況のもとに行われることとなったわけでございまして、この点につきましては昨年度よりもさらにひどくなっておるというふうな状況でございます。そういったことから、昨年は一律カットが行われましていろいろ物議をかもしたわけでございますが、そのときの覚書に基づきまして一年間補助負担率の検討を行うということで検討が行われた。それを踏まえて今回の補助率の引き下げが決定されたわけでございます。
 結局その部分だけ、千二百億に見合う分だけ補助率の引き下げをやめればというふうなことにつきましては、財政当局の方におきましてそのような補助率についてはこれとこれとだけはやめたというふうなことが難しいのではなかろうか。また一方基本となります社会保障関係の補助率の問題、これは経常経費系統の補助率の引き下げの大半は社会保障関係でございますから、そういったものの率を変えた場合にそのうちの一部分だけを非常に細かな補助率にするというふうなことも難しいことではなかろうかと思います。とにかく国の財政事情が非常に厳しいということ、さらに国庫補助負担率についての見直しが行われるというふうなことが前提となりまして、これに対する補てんをどうするかという問題として浮かび上がったのがたばこ消費税率の引き上げであるというふうに私どもは理解いたしておるところでございます。
○佐藤三吾君 しかし、これはもう地方税法の処理が済んだ後ですから私は言いませんが、おかしなことがいっぱいございますね。
 そこで、覚書第二項についてお聞きしますが、建設地方債の増発に対して一部を国が後年度に精算してくれるということだが、そのうち四百億円は確実ですね、この覚書を見ると。しかし、二千四百四十億円はどうも不確実である。なぜ確実な部分とそうでない部分があるのか、この点いかがですか。
○政府委員(花岡圭三君) 昨年度も似たようなことございまして、昨年度は経常経費系統の補助負担率の引き下げのうち交付団体分に影響するのが二千億円でございました。そのうちの一千億しか国の方では手当てができないということがございました。その際、これでは地方団体はやっていけないのではないか、とにかく後年度でもいいから何とかこれは手当てをするようにと強く申し入れたわけでございます。当時、国の方といたしましてもそのような余裕がないということとともに、一年かけて補助負担率の検討を行うということもあるが、この補助負担率の決め方によっては全額ということにはならないかもしれないではないかというふうな反論もございました。
 そこで、いろいろ議論をした結果、とにかく建前といたしましては六十六年度以降に加算しよう、しかし検討の結果、検討が済んだ後に両省間でもう一度話し合いをしようではないかということになったわけでございます。この辺は十分御承知のとおりと思いますが、これと今回同じような考え方でございます。
 この二千四百四十億円につきましては交付団体分の半分いわゆる経常経費系統に係る補助率引き下げによる影響、これの交付団体分の半分の額でございます。半分につきましてはたばこ消費税の税率の引き上げとそれから先ほどの四百億円合わせまして半分は確実に埋まる。あとの半分についてはやはり国が持つべきではないか。私どもは主張し、大蔵省の方ではこれは前回の例もあるから、これは三年間の暫定期間が済んだ後にもう一度話し合いをいたしたいという形になったわけでございまして、私ども建前としてはこういった二千四百四十億円につきましては六十六年度以降に加算していただきたいと考えているものでございます。
○佐藤三吾君 あなたおっしゃるように、昨年もこういうスタイルですね。それでこの委員会で随分問題になっている。そしてまたことしも同じことを繰り返す、馬の耳に念仏というか、委員会で何ぼ言ったって知らぬ顔。こういう式で、自治大臣、あなたはそのときにはおられなかったのですけれども、大臣同士取り交わした覚書の内容を言っているわけです。大蔵大臣と。ところが今言うように、私はどうしてもわからないのはなぜ四百億円なのかということなんですね。
 従来、財源不足額の補てんに二分の一ルール、つまり財源不足の補てん責任を国・地方で半分ずつ分け合ってきた。例えば交付税特会借入金の返済責任もそうである。その意味では二千四百四十億円は経常経費系統の交付団体の影響額の二分の一ということで数字としてはわからないでもないんですが、ただ、そうであるならば確実に精算されるべきは四百億円の部分ではなく、二千四百四十億円であるべきではなかったのか。
 また、仮にどうしても四百億円の部分にこだわるならばそれでいいとしても、二分の一にする手順を間違えているのではないか。先に二分の一にしてから交付団体分の影響額を地方たばこ消費税の交付団体増収見込み額八百五十億円と国たばこ消費税の増収に見合う額千二百億円を減額しているが、減額する方も二分の一にしなければルールにそぐわないのではないか。そのとおりきちんとやれば千四百二十億円も確実になるのではないかと思うんですが、これはいかがですか。
○政府委員(花岡圭三君) 先ほど申し上げましたように、交付団体分の影響額が四千八百八十億円でございますから、それの半分ということについて昨年度と同じ方式をとる場合には二千四百四十億になるわけでございます。これにつきまして昨年度は交付税の加算、本年度はたばこ消費税の税率の引き上げというふうに変わったわけでございますが、それでなお不足する部分についてこれは絶対埋めてもらわなければならないという金額が三百九十億円、差し引き残るわけでございますので、これについて今金がないならば将来でもやむを得ないということで、四百億を加算することにいたしたわけでございますので、考え方としては、昨年度とそこは変わっておらないと思っております。
○佐藤三吾君 そこで、前回の五十九年十二月二十二日付けの覚書の二項についても伺っておきたいんですが、六十年度の際の一千億の取り扱いについては、昨年当委員会でも議論しまして、その覚書が六十年度における補助率が補助金問題検討会の検討期間中における暫定措置であることにかんがみ、検討の結果を踏まえ、その取り扱いについては両省間で調整するものと、こういう説明だったわけですね。補助金問題検討会が去年の十二月二十日に報告書を出したわけです。取り扱いの結論は私は当然出てくると思っておったんですが、これは今回五十九年覚書の一千億と六十年の覚書の二千四百四十億を合わして、暫定期間終了後、自治、大蔵両省の間で調整するものと、こういうふうに変わってきておるわけですね。どういう考え方で調整するのか。前回はまだ検討会がその考え方を示すことになっていたのですが、今回は暫定期間終了後というだけで、どういう基準で調整するのか、何ら示されてない、これはいかがですか。
○政府委員(花岡圭三君) 結局、この問題につきましては、まず六十年度分につきまして一千億円、いわゆる検討の結果この取り扱いについて協議をすることになったわけでございますけれども、結局検討会におきます結論といたしましては、実際上は事務の内容を見直して負担率も決定したようなものもございますけれども、全体的なとりまとめといたしましては、国、地方の財源配分のあり方についての抜本的な見直しは今後の課題とされておるということ、あるいは政策分野の特性に配慮しながら、今後とも引き続き事務事業の見直しを行う必要があるというふうなことから、今回の措置は当分の間の暫定的なものとして行われるべきものである、こういう検討会の御報告をいただいたわけでございます。そういうことで今回三年間という暫定にこれもなったということもございますので、前回の一千億円と合わせてこの二千四百四十億円の部分もあるわけでございますから、三年の期間が過ぎた後にあわせて検討をし直そう、話し合いをしようということになったわけでございます。
○佐藤三吾君 よくわからぬけれども、しようがない、後であれしましょう。
 次に、覚書の第四項について伺っておきたいんですが、いわゆる財対臨時は源泉分離課税が選択された利子所得等について住民税が課税されないこと等を考慮して繰り入れられる、こう説明しておるわけです。したがって、その額は利子所得等の非課税額に見合う額を確保すること等と言っているわけですが、それを上回るものでなきゃならない、こう私ども思っておりますが、これまでの推移を見ると、財対臨時は五十三年度から五十八年度まで一千億円台できておりますね。そして五十六年度までは各年度の非課税措置等による利子所得等の課税の特例の減収額を上回っておることはこれは事実です。それが五十七年度で下回り、五十八年度はほぼ同額としていた。ところが、五十九年以降財対臨時は五百億円に半減される一方、利子所得等の課税特例減収額が大きくなって、六十一年度は千七百六十九億、その差は千二百六十九億、こういう状態になっておるわけですが、五百億円という数値及びこの千二百六十九億をなぜ埋めないのか、この点についていかがですか。
○政府委員(花岡圭三君) これは先生十分御承知のことと存じますけれども、この財対臨時につきましては、源泉分離課税が選択された利子所得等につきまして住民税が課税されてないこと等を考慮して自治、大蔵両大臣が定めた額という形になっておるわけでございます。この問題は、たしかあれは四十九年度ごろでございますか、とにかく五十年度の税制改正によりまして源泉分離課税の税率が引き上げられるというふうなときから問題になったわけでございます。こういったものについては住民税が課税されていないんだから何らかの措置を講ずべきではないか。むしろ住民税を課税すべきではないかという疑問を税調にも提示したわけでございます。しかし、現在の制度からいきますと、これは難しいという形になっておる。それが五十二年度の税制改正でございますか、このときに三〇から三五%に引き上げられました。そのとき財対臨時という形で新しいシステムができたわけでございます。
 そういうことを踏まえてきたわけでございますが、当時からこれにつきましては、地方税収をいわゆる課税されないといいますか、地方団体がどのぐらいもらえるかというのが非常に推計が困難である。現在源泉分離課税をしている所得税の中に交付税部分も住民税部分も全部入っておるのかどうかという哲学論争もございます。そういったことから金額については大蔵省と自治省では要求額について一致したことはございません。そういったこともありまして、自治、大蔵両省で両大臣が定めた額となったのだろうと思います。
 私どもとしましては、一つの考え方としまして、源泉分離課税されておる所得税、これの中に交付税もあり、地方税もあり、国税もあるというふうに考えたときに、地方税部分と交付税部分、地方のいわゆる取り分といいますか、そういったものをはじいて、その中から現在交付税として算定されるべき三二%を差っ引くという計算をした額は地方によこしてもいいではないかということを向こうには申しておるわけでございますけれども、結局金額的にはなかなか折り合いがつかない。同時に、国の方の財政も極めて厳しくなってまいりましたので、五十九年度のいわゆる地方財政対策の見直しの際に従前の千百億を割りましたけれども、おおむね半分程度という形で決着がついた。それが今日まで継続をいたしておるということでございます。
 基本的には、やはり住民税を課税できる制度にしなければならないというふうに私ども考えておりますが、その取っかかりのためには、こういったいわゆる他の臨時と違いまして、はっきりした呼称のない部分ではございますけれども、これはできるだけ確保いたしまして、この課税への取っかかりにいたしたいというふうに考えているものでございます。
○佐藤三吾君 だんだんややこしく、ややこしくわからぬようにわからぬように、こうなっていくような感じがしてならぬです。大臣、そう思うでしょう。まあいいでしょう。
 そこで、もう一つ聞いておきたいんですが、覚書が二つございますね。六十年の場合には自治、大蔵両大臣の覚書が一つ。自治、大蔵、厚生三大臣の覚書が一つ。今回のもう一つのを見ると、恐らく後者の部分に相当するのじゃないかと思うんですが、厚生大臣とかわって自民党政調会長、これはどういう意味ですか。
○政府委員(花岡圭三君) 予算の決着いたしますときの覚書には関係大臣のほかに政調会長が立ち会っておられまして、全部サインをされておるのがこれまでの慣例でございます。
○佐藤三吾君 六十年度のときはなかったでしょう、厚生大臣のものはあったけれども。
○政府委員(花岡圭三君) 六十年度のときも政調会長はサインしておられます。
○佐藤三吾君 そういうしきたりならそれはそれとしていいでしょう。
 「今後三年間の暫定措置とする。」と、こういう覚書になっていますね。三年間という根拠、見通しはどういうことなのか、また補助負担率の引き下げ措置のどの部分が暫定なのか、さらに財政措置も暫定措置の中に入れるのか、ここら辺はいかがですか。
○政府委員(花岡圭三君) この三年間の根拠でございますが、先ほど申し上げましたように、補助金問題検討会の結論が暫定的なものとして行うべきであると。結局、国、地方の財源配分のあり方の抜本的な見直しも控えておるということもございまして、暫定的な措置とすべきであると同時に、地方自治体側におきましても、毎年度補助率の引き下げというふうな事態が起こっては安定的な財政運営ができない、この辺である程度安定化さしてほしいという要望もございました。そういったことも踏まえまして三年間というふうなことにいたしたわけでございます。中の補助率のどの部分が暫定でどうかということにつきましては、現段階ではすべての部分が暫定になっておるわけでございます。したがいまして、財政措置の問題につきましては各年度の財政対策にまたざるを得ないと思いますので、これがそのまま固定して暫定になっておるものではないと存じております。
○佐藤三吾君 これは大臣に聞いた方がいいかどなたかわかりませんが、覚書の第二項で「国・地方間の財政関係を基本的に変更するような措置は講じないものとする。」と、こういう文面がございますね。ところが、一方政府税調では、シャウプ勧告以来と言われる税制改革というのが盛んに喧伝されておる。事地方と国との関係についてはこの覚書のように何ぼ喧伝されても基本的に変更はない、こういうふうに理解していいのかどうなのか。新聞を散見すると、交付税に手をつけるんじゃないかというようないろいろな論評がやられておるわけですが、そんなことはないでしょうね。また、補助負担率もこの中に含まれるのか。つまりこれ以上の率の変更はない、こういうふうに理解していいのか、いかがですか。
○国務大臣(小沢一郎君) この覚書は基本的に補助負担率の問題について両大臣間で交わしたものと思います。したがいまして、補助負担率の変更はしないということであろうと思います。
 今、交付税のお話もございましたけれども、ただいま税制調査会におきましていわゆるシャウプ税制以来の抜本改正ということで議論をされておるわけであります。仮にその中で大幅な減税があるというようなことになりますれば、その分三税が減るわけでございますから、そういうような意味におきましては、それに対するいろいろな方法あると思いますが、むしろその他の地方税源を確保する方法をきちんとこの中で取り組んでいかなければならない、あるいは交付税率を上げるかあるいは新たな項目を加えるか、これは答申を待っての話になるわけでありますが、そういう意味におきましては自治省といたしましても地方の税源、税収、財政を健全ならしめるための仕組み、制度、そういうものをその中に生かしてつくっていかなければならないのであろう、私はそのように思っております。
 一時、大蔵大臣が交付税率も動かすんじゃないかというような話が伝えられましたが、交付税のその問題につきましては、今申し上げましたような意味で私は解釈をいたしておるわけであります。
○佐藤三吾君 これは周知のことですが、地方財政も特別会計等を入れますと五十八兆八千億、借金がね。公債費率が三〇%を上回るような団体が六十二団体、二〇%以上が五十七年度で五百四十五団体ですか、それが五十八年度は八百二十団体にふえている、まさに危機的な状況にある。国だけの問題じゃないんですね。だから国の場合には、例えば税制改正、法律改正をやるとか、直ちに対応する措置をとろうと思えばいつでもできぬことはない。ところが、こういう財政危機に対して地方の対応能力というものになるとほとんどないに等しい。起債だって許可されないし、地方税だってここでやるわけだから、地方税勝手に上げるわけには、物すごい上限措置で、限度がある。そうすると、僕は国よりもむしろ地方財政の方が極めて深刻だと思うんですよ。根回しを見ると大蔵の方がどうも絶えず優勢で、いろいろ言うけれども結果的には押し切られていく、この繰り返しですよ。あなたから見ると竹下さんは親分筋になるから、何か親分にはちょっと物が言いにくい、こういう気持ちもあるかもしれぬけれども、ここはふんどしを引き締めて本気にならないとどえらいことになるというような感じがするんです。決意を聞かしてください。
○国務大臣(小沢一郎君) 親分筋というわけでもありませんけれども、それは別といたしまして、本当に先生の御指摘のとおりだと思います。したがいまして、自治省といたしましてはそういったことのないように、国がそういう仕組みをきちんと、例えば抜本税制改正の中で利子・配当の問題やら、診療報酬の問題やらいろいろありますけれども、地方が困ることのないように、この際本当にふんどしを締め直して、きちんとした仕組みを自治省の努力によってつくり上げていくことが必要であると考えております。
○委員長(増岡康治君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。
   午前十一時五十九分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時開会
○委員長(増岡康治君) 地方行政委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
○中野明君 最初に、委員長にお願いを申し上げておきますが、きょうは六十一年度総予算の委嘱審査ということになっておりますが、参議院改革協で今までの分科会にかわって委嘱審査という方法になったわけですが、どうも昨年あたりから感じますのに、この委嘱審査の趣旨ですか、改革協議会で議論された趣旨とかけ離れているような気がしてなりません。もともと委嘱審査、各省庁別に委嘱審査を受けて審査をしたその結果をその後の予算委員会に反映をさせる、これが委嘱審査になった基本的な趣旨のように私たちは理解をしておったんですが、どうも予算委員会の方でいろいろの都合があるんでしょうけれども、この委嘱審査というものが今回も委員長御承知のとおり一日、特別委員会は半日、半日というよりも三時間ですか、そういうことになって、しかもこれが日程調節弁にされているような気がしてなりません。これでは当初の意図されたことと全然違いますので、ぜひ今回予算委員長に委嘱審査の結果を当然報告されるんだろうと思うんですが、その中に、こういう運営の仕方は我々としては非常に不満でありますと、その旨をぜひつけ加えて報告をしていただきたいというふうに私お願いを申し上げたいんですが、委員長いかがでしょうか。
○委員長(増岡康治君) ただいまの中野委員の御発言は、我が地方行政委員会として、委員長といたしましてもそのとおりだと思いますので、御希望の趣旨については、どうせあす報告をいたしますので、そのように取り計らっていきたいと思っております。
○中野明君 ぜひそのようにお願いしたいと思います。来年からは、こういうことにならないように、ぜひ委嘱審査の結果がその後の予算の一般質疑等に十分反映されるようにお願いをしたいと思いますので、重ねて要望をしておきます。
 それでは自治省にお伺いをいたします。
 私予算委員会でも指摘いたしましたが、まずこの当初予算というものは、当然予測されるべき経費というものは歳入、歳出ともにきちんと計上するのが当たり前であると思います。ところが、本年は国家公務員のベースアップがゼロ、昨年は一%というふうに我々承知しておりますが、それでも不満であります。ゼロということは、じゃ公務員のベースアップというものはない、このように理解しておられるのかどうか、その辺最初にお答えいただきたい。
○政府委員(津田正君) 先生御指摘のとおり、昭和六十年度におきましては、自治省におきましても給与改定所要額の一%ということで三千七百万円を計上しておったところでございますが、六十一年度予算におきましては、現下の極めて厳しい財政事情に対処するためという趣旨におきまして、自治省のみならず各省を通じてその計上を見送らざるを得なかったところでございます。
 なお、一%給与改善費の計上ということは、これによって給与改定をどうするか、給与改定そのもの自体をどうするかという扱いをあらかじめ決めておく趣旨ではございませんで、あくまでこれは財源措置だけの問題、このように御理解いただきたいと思います。
○中野明君 とにかく、最近の予算のあり方を見ますと、まことに常識では考えられないようなことを次々と行ってきておるわけです。けさほど同僚委員からも指摘がありましたように、補助金の一括削減の問題にしましても、もうまことにもって、国会であれほど昨年も審議して苦労して結論を得たにかかわらず、同じことをまた繰り返しているということでありますし、この点について、今答弁では、各省横並びでというんですが、もともと予算の作成ということについては、財政法を見てみましても、十七条では、内閣総理大臣及び各省の大臣は、歳入、歳出その他云々ということで、この見積もりを作成して大蔵大臣に出せ、こういうことになっているわけです。政府部内で統一見解か知りませんけれども、自治省なら自治省として、みずから主体性を放棄しているというような感じになってくるんです。こういうやり方は本当にいいのかどうかということでありますが、その辺はどうお考えになっていますか。
○政府委員(津田正君) 給与改定を先組みするか、また先組みする場合に昨年度のように一%がいいかどうか、そのように先組みするかしないか、あるいはそのパーセントをどの程度にするかというようなことは、やはり各年度の予算編成におきます年度途中の変動をどのようにあらかじめ当初予算で考えておくか、こういうことかと思います。この先組み問題につきましても、先生御承知と存じますが、四十三年までは全然計上しておきませんでした。四十四年から五十三年におきましては五%、五十四年には二・五%というふうに推移してまいりまして、五十六年から一%ということでございます。
 これは人事院勧告が出た場合の給与改定の扱いをどうするかというような問題ではなくて、あくまで当初予算編成上の財源の考え方というもので処理されてきたわけでございますが、いずれにしましても、本年度におきまして計上しておらないということは、財政事情が極めて厳しかった一つのあらわれと、このように私ども理解しておる次第でございます。
○中野明君 そうしますと、当然これは人事院の勧告も出てくるでしょうし、そうなると補正予算ということをもう想定せざるを得ぬわけなんですが、これは自治省、再度ここで議論をしても結論の出ることじゃありませんけれども、補正予算をも当然予測しての当初予算というのは私は欠陥予算だろうということで予算委員会でも指摘をしたわけです。こういうやり方をいつまでも、財政が苦しいからといったって、当然補正をして組んで払わなきゃならぬのですから、そうすると、この当初予算にゼロにしたねらいといいますか、目的は一体何なのか。どうせ払わなきゃいかぬ、後で組まなきゃならぬのですから、補正を想定しておられることはもう目に見えておるわけです。
 ということは、結局ゼロシーリング、当初の国家予算を低く見せるためのからくりにすぎないじゃないか。だから、一%でも我々は不満ですけれども、昨年はまだ一%でも当初予算に頭を出しておるんですからある程度理解はできるんですけれども、ことしはゼロですからね。もう常識で考えてゼロということはあり得ません。しかも政府の今国策として内需拡大というのはもう総理以下全大臣が、外国からも内需拡大を日本がするべきだと言われて、ことしの春闘でも今までとはさま変わりをして、政府側からも何とかいわゆるベースアップ、給与をもっと上げるような期待を込めて話が出ているというような状況ですから、この予算編成の姿と政府の政策とが合っていないというふうに私思って、これはもう不満でしょうがありません。
 こういうことは財政上のからくりということなんでしょうけれども、自治大臣、予算編成の上で自治省は自治省としてちゃんとこれだけのものは、あらかじめ想定できるものは当初予算に組んでおくというのが予算編成の常識ですよ。そして当初予算で予測できなかったこと、あるいは当初予算のときに想定できなかった理由が発生して初めて補正予算を組むというのが財政法の建前だろうと私は思います。初めから補正予算を組むということを前提にしてゼロにしておる。こういうことは、大臣は予算編成のときには担当しておられなかったわけですから後になってのことなんですが、こういう事態を大臣はどう考えられますか。
○国務大臣(小沢一郎君) 基本的な考え方として、先生から御指摘のあったとおりであろうと思います。ただ給与のことにつきましては、官房長が先ほど答弁したのを聞いておりましたが、四十三年までは当初予算に組まずにやってきて、四十四年から総合予算主義という考え方に立って当初予算に組んで対処するということになってきたと思います。したがいまして、基本的なことについての政策あるいは考え方の転換、そういうものの上でやられるならばこれはまた一つの考え方であろうと思います。
 ただ御指摘のように、この問題ばかりではないのでありますが、財政的に大変厳しいということはありますけれども、予算編成上のテクニックだけで済ませるというようなことは余りやるべきではないと思いますし、またそういう手法だけで今後乗り切っていけるというものではない、そういう時点に来ておるのではないかというふうに私としては考えております。
○中野明君 とにかく、財政法という法律もあるんですし、財政馬主主義ということが非常にやかましく言われているときですので、当然当初に予想されることはある程度、それは見込み違いはあって構いませんけれども、ゼロということは考えられないわけですね、きょうこのごろとしては。ベースアップがゼロというようなことは考えられない。それを当初予算に組んでいないということは、もう頭からこの予算というのは欠陥といいますか、きずのある予算だなと、このように言わざるを得ないわけです。そういうことで、きょうここで語をしても結論の出ることじゃありませんが、こういう予算の組み方というのは問題があるんじゃないかと思いますので、指摘をしておきます。
 次の問題に移りたいと思います。けさほども議論が出ておりましたが、首都圏の警備対策についてお尋ねをしたいわけですが、毎日の新聞を見ると、今回の天皇在位六十周年ですか、それからサミット、これについての警備体制の問題から、それに対するゲリラの問題、特に東京だけではなしに大阪までそういう事件が起こっております。こういうことにつきまして、過激派の中で派が違って自分たちの手柄を競っているんじゃないかというような見方も一部にあるんですけれども、一連の行事を前にしてこういうことが起こっておるんですが、彼らのねらいといいますか、彼らは何を意図しているのか。当日を本当のねらいにしているのか、それとも現在だけで、おどかしみたいな形だけで済まそうとしているのか、その辺は当局はどう見ておられますか。
○政府委員(三島健二郎君) 東京サミット並びに天皇陛下の御在位六十年記念式典に対しましては、極左暴力集団各派がそれぞれ絶対爆砕というような言葉を使いましてこれに対する激しい反発の姿勢を示しているところでございます。そういう姿勢に基づきまして極左暴力集団は早い時点から各種の機関紙等におきますところの宣伝を行い、それからまた最近においてはゲリラ活動に出ている、こういう状況にございます。
 彼らの意図は、東京サミット並びに陛下の六十年記念式典に対しまして、これを妨害しようとする意図でございまして、前段的なゲリラ活動等も現に起きているわけでありますし、それからまた、現に開催されます。その時点におきますところの阻止妨害活動というものも当然予想されるところでございます。
○中野明君 私非常に心配しておりますのは、今彼らがやっているのはリハーサルといいますか、言葉はどうか知りませんが、どれぐらい飛ぶものかとか、そういうリハーサル的なことをやっておって、いざとなったときには本当に強力な爆弾を仕掛けてやられるおそれがあるんじゃないかというふうに心配をするわけです。
 そういう面で、きょう報じられるところによりますと、今回、日にちを二十日早めて一万八千人を動員してということなんですが、二十日も早めるということになると当初予定しておられた予算よりも相当お金が不足するんじゃないかというような気がするんですが、予算面の措置は大丈夫なんですか。
○政府委員(鈴木良一君) 当初の予算で活動経費を見込んでおるわけでございますが、現実にこういう形で警備措置が強化されるということになりますと。予算の面で場合によりますと過不足が生ずるということもあり得ないではないと思いますが、その点はまた十分推移を見ながら対応してまいりたい、かように考えております。
○中野明君 一万八千人を二十日早く動員するというんですからかなり予算が追加されなければならぬのじゃないかと思います。今回の天皇在位の記念行事とサミット、これらに対しての一連の予算は大体どれぐらいになっておったんですか。
○政府委員(鈴木良一君) サミットの準備のために昨年の十月予備費を認めていただきまして、七十億余りの関係で現在装備その他の充実に努めておるものでございます。さらにサミットの実際の活動につきましては本年度予算の活動経費の中で措置するということになっております。その額につきましては、これから中の運用でもってやっていくということでございまして、かかりましたものをきちっと対応していくということになるわけでございます。
○中野明君 現場におる人は大変だろうと思いますね。
 先日も、私ちょうど宿舎が清水谷なんですが、きのうの朝の六時ちょっと前でしたね、五時半ごろでしたかな、ドスンというふうな音がしまして、その前の晩に赤坂御苑でやっているものですから気にしておったんで、ちょっと窓をあけて見ましたら、あの清水谷公園の中から警察官の人が二人走って出ました。あんな時間に公園の中を警備しておられたのかなと思って、それやったら恐らく徹夜態勢でしょうね。宿舎の管理人の方が尋ねに行ったら、別に大したことはなかった、異状もないということで報告がありましたけれども、そういうふうに、宿舎に当たる場所でしょうから夜通し警備しておられる。
 そういうことを考えますと、これは大変なことだ、何とか早く犯人を検挙して、それにはやはり市民の協力も必要であり、情報もどんどん提供してもらわなきゃならぬ、私はこう願んですけれども、どうも今まで、参考人とかあるいは目撃者として通報というんですか、警察に協力をしようとした人が、来てくれと言われて仕事を休んだり何かして、目撃者とか参考人になったら経済的にも時間的にも大変な迷惑をこうむるということで、見ておっても見ぬふりをしてなるだけかかわりたくない、そうしないと後が面倒でしょうがないというような風潮もあるんです。ですから、私が思いますのに、善意の通報者といいますか、善意の参考人には時間的に、あるいは会社に勤めている人なら会社を休まぬようにとか、本人に損失を与えないようなしかるべき方策を考えないと協力者が出てこぬのじゃないかという気がするんですが、その辺はどういうふうになっているんでしょうか、詳しいことは私わかりませんので、そういうことについては何か方策を考えておられるのかどうか、その辺はどうなっているんでしょうか。
○政府委員(鈴木良一君) 今お話の、参考人に来ていただく場合には、必要な参考人旅費というものを予算で認めていただいておりましてお払いできるようになっております。しかし、いずれにいたしましても、なるべく御迷惑をかけないように、短時間で済ませるように工夫はしていかなければならぬ、かように考えております。
○中野明君 何かその辺がなかなか難しいところでして、おもしろがってうその情報を持ってこられてもこれまた警察の方も大迷惑でしょうし、その辺が難しいと思いますけれども、私たちが耳にする範囲では、もう参考人になったら、旅費は出るかしらぬけれども、仕事はつぶれるわ、会社も休まにゃいかぬわ、非常に後が面倒でどうもならぬ、だからそれこそかかわらない方がよろしいという風潮があるような気もしてならぬので、その辺ぜひ何かの知恵を出して、喜んで協力者が出てくるようなそういう方法をとってもらいたい、こう思います。
 それで、きょう総理府に来ていただいていると思うんですが、天皇の在位六十年の記念式典の場所は、警備をする方の対応の仕方からいったら、両国の国技館へ行くと何か二カ所に分散されて警備がしにくいんじゃないかというような気がしておる一人なんです。何か武道館の方でよかったんじゃないかと私は思うんですが、その辺は両国の国技館に会場が決また理由は何かあるんですか。
○説明員(中川良一君) お答え申し上げます。
 陛下の御在位六十年記念式典は、我が国の歴史におきましても極めてまれな天皇陛下の長期にわたります御在位とあわせまして御長寿をお祝い申し上げるというものでございまして、今回、御指摘のとおり、国技館を会場として選定いたしたわけでございますが、その理由といたしましては、まず第一には、御在位六十年を祝う式典にふさわしい参列者の収容能力があるということ。また第二には、国技館自体昭和五十九年末に完成をした新しい施設でございまして、音響効果などを含めまして設備面でもすぐれているということでございます。なお、このほか、準備に当たります期間を含めまして会場の確保が国技館の場合可能であったということなどの理由によりまして国技館を選定したものでございます。
○中野明君 収容人員はそんなに変わらないんじゃないかと私思いますよ。警備の面からいっても、大臣、公安委員長として警備をする方からいったら、あんなあさっての方一あさってといったら失礼ですけれども、サミットと連動するわけですから、日にちがもう接近しているんですから、武道館の方が警備態勢の上からいったらよほど効率的で効果的だろうと思うんです。決めるときには、こんなゲリラが起こってくるとは想定されていなかったのかもしれませんけれども、サミットがあるということになれば、当然今までの経緯からいって警備態勢は強化されるわけでしょうから、その点、警護というのか、警察の態勢からいったら近くの方が効率的じゃないかと思うんですが、公安委員長どうですか。
○政府委員(三島健二郎君) まず、事務的なことをお答え申し上げたいと思いますが、警察といたしましては、もちろん会場の決定をする立場にはございません。しかし、警察といたしましては、どのような場所で行われることになりましても、当然のことながらその場所、環境、条件等に応じまして必要な、十分な詰めを行って警備の万全を確保していくということがその任務でございますので、警察といたしましては、今回の場合も十分な事前の対策もどり、そして当日の警備もやってまいりたい、かように思っております。
○国務大臣(小沢一郎君) 警備の実際の問題はまた警備局長からお話しすべきだと思いますが、素人考えで私も申し上げますと、何となくそんな気はいたすのでありますが、警察といたしましては、今答弁ありましたように、こちらが決定するわけでもございませんし、決定された以上その警備の万全を期すということが私どもの任務であろうと思います。ただ、先生の御指摘のように、そういう決定に当たって、できるだけ警備の方の面も配慮しながら、この問題だけではないと思いますが、やっていただくにこしたことはない、そのように思います。
○中野明君 何かしら警備態勢が厳重になってくると大変なんですよ、交通渋帯は起こるし、千代田区あたりへ来るトラックあるいは宅配便の人なんかはもう困っています。千代田区へ物を運ぶのもう嫌や言うくらい、徹底して調べられて仕事になりませんという愚痴も聞こえてくるぐらい警備に神経を使ってやっておられる。そういうことになると国技館の方もそうだろうと思います。
 当日、私どもも国技館へ行く、近くの人が、近くだから直接国技館へ行きますと言ったら、それは困る、警備が厳重なんで、できる限り会館の前から出るバスに乗ってくれと、国技館のすぐ近所におる人がまたここまで来てバスに乗っていかなければいかぬのですよ。それぐらい神経を使って警備を厳重にされるわけですね。そうなりますと、一般の市民の生活にも影響が出てくるということですから、こんなことはそう何遍もあることじゃないでしょうけれども、こういうことは警備の都合なんかも考えて会場をセットされた方がよかったんじゃないかなという感じをいまだに私持っております。
 しかし、決まったことですから、今さら会場を変えると育ったって大変なことでできぬ話なんですが。ただ、音響効果とかなんとかいって、武道館だってそんなに悪いように思いません。あそこではありとあらゆる行事が行われているわけですから、あそこでよかったかなという感じを持っております。
 そこで、先日長野県警で逮捕された中核派の革命軍の幹部から、天皇陛下並びに皇族の日程についてもうそれこそ詳しく調査をした文書が押収されているということが、警視庁の調べで明らかになっているということが報道されているわけなんですが、この間の事情はどうなっているんですか、ちょっと説明してください。
○政府委員(三島健二郎君) ただいま御指摘の新聞の記事と申しますのは、三月の四日に長野県警察が松本市内で中核派の革命軍の幹部のアジトを捜索いたしたわけでありますが、その結果、そのアジトから多数の資料を押収いたしたわけであります。恐らくその資料の内容についての報道であろうかというふうに考えられますが、この押収いたしました資料は、御承知のとおり、まさにこれは捜査の証拠品でございますので、したがいまして、その内容につきましての答弁は差し控えさしていただきたいと思います。
 ただ、報道の中にありますような、例えば皇室についての調査をしたといったふうなことにつきましては、当方といたしましては全くそういうことは承知いたしておりません。
○中野明君 かなり克明な報道になっておりますので、それで気にしてお尋ねをしているわけですが、これは恐らく特別な人が一定の場所で張りついてないとそういう行動は逐一調査できないというようなことまで押収文書の中にあるようですし、大阪府警の攻撃についてもメモどおり実行されたということも伝えられているし、非常に気になることなんですが、恐らく宮内庁からそんな資料が漏れる、行動が漏れるというようなことは考えられないでしょうし、そういう辺を踏まえますと、なかなか相当綿密に向こうが調査をして準備しているということですから、警備陣も大変でありましょうけれども、一たん事が起こったんではもう国家的な威信も傷つくし、信用も台なしになることですので万全を期してもらいたい、こう思うわけです。
 この問題について、国家公安委員長、ぜひ早く、一人は捕まっているわけですから、その人をてこにして犯人を逮捕するということが一番の解決のもとになるんですから、犯人検挙を含めて警備態勢の万全について公安委員長としての決意をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(小沢一郎君) 警備につきましては、本当に国の威信、信用にかかわる大きな行事でございますので、万全を尽くさなければならないことは私も深く自覚いたしておるところであります。この間、先般の犯人も一名逮捕いたしたわけでありますが、何しろ彼らはいわゆる今日の体制を暴力によって否定しよう、そういう確信犯の連中でございますので、それだけに許しがたいのでありますけれども、なかなか難しい面が現場においてあると思います。しかしながら、できるだけそういった取り締まりを、捜査を強化することによりまして、できれば事前に取り締まることが最大のいいことでございますので、そのような方針によりまして一生懸命令捜査を進めておるところであります。
 いずれにいたしましても、今後の警備につきましては、先生の御指摘にもありましたように、ただ単に警察官の物理的動員だけではそれにも限界がありますし、完全を期すということだけではなくて、やはり国民皆さんの御理解、御協力を得ながらやらなければならない問題であろうと思います。そのような意味におきまして、今後本当に私も警備、治安の責任者といたしましてこれを成功裏に終わらせることができるよう万全を期していかなければならないとかたい決意で現在おるわけであります。
○中野明君 それじゃ問題を変えます。地方競馬の存廃問題についてお尋ねしたいと思います。
 前にも私申し上げたことがあるんですが、この公営競技の中で地方競馬というものが今日まで自治体の財源の一つになってきたことは事実でありますが、最近は地方競馬が非常に不振になっているということも時々耳にするわけです。この現状、六十年度の見通しを含めてどの程度おかしくなってきているのか。一般財源がこれへつぎ込まれるということになったら話にならぬことになるんですが、その辺の見通しを含めて状況を説明してください。
○説明員(嶌田道夫君) 最近の地方競馬の現状でございますが、入場人員の方は、四十九年度をピークといたしまして年々減少しておりまして、昭和五十年度には対前年比一〇%減の約千三百万人、売上高も落ちております。ただ、六十年度になりますと、売上高の方は対前年比九七%となっておりまして、幾らか下げどまってきているのではないだろうかというふうに考えております。
 それから、赤字団体の数につきましても、五十六、五十七は四団体でありましたのが、五十八、五十九には十二とふえております。六十年度まだ決算が出ておりませんので明らかにはなっておりませんですが、若干減少するのではないかというふうに私どもの方は期待しております。
○中野明君 開催団体三十二団体のうちで三分の一に当たる十二団体が赤字という現状のように聞いているのですが、そのとおりでよろしいんですか。
○説明員(嶌田道夫君) 今申しましたように、五十八、五十九は三十二団体のうち十二団体が赤字でございましたが、先ほど申しましたように、六十年度はまだ決算が出ておりませんが、若干改善されるのではないかというふうに期待しております。
○中野明君 この赤字団体の中で、赤字を理由に存廃問題の検討委員会等をつくって諮問をしている団体があるというふうに聞いているんですが、廃止の方向にある団体はどこなのか、その辺説明してください。
○説明員(嶌田道夫君) ただいま川崎競馬につきましては六十年の四月、川崎市の川崎競馬存廃問題検討委員会から、それから、浦和競馬につきましては六十年の十月、浦和競馬経営検討委員会からそれぞれ改善策等について答申が出されておりまして、川崎市におきましては内部プロジェクトチームをつくりまして、神奈川県とともに川崎競馬の振興合理化対策について積極的に取り組んでおります。
 それから、浦和競馬につきましては、情報活動の強化と、それからスタンドの改善など各種のファンサービスの充実に努めておりまして、経営の面におきましても前年度に比べますと改善される見込みというふうに私どもの方は聞いております。
○中野明君 こういう状態に落ち込んできているのが急によくなるということはちょっと予想しにくいんですね。過去のあれを見せてもらいましても、もう売上高が五十年と比べたらどんどん減ってきています。収益金ももうまさに昭和五十年では五百十五億ですか、それが五十九年度の資料では九十七億円と五分の一に落ち込んでおります。そうなってくると、中央競馬は後でまた触れますけれども、ここはなかなか順調にいっているようです。地方はますます悪くなってくるということで存廃問題に発展しそうに私も思うんですが、自治省として、赤字になって、そうかといってすぐに廃止するのは影響が大きい、関係者も多いということになってくる、これもし一般会計から穴埋めをしなきゃならぬということになったとしたら、これは本末転倒ですね。その辺はどうお考えになっていますか。
○政府委員(花岡圭三君) 公営競技は元来が地方財政の健全化に資するための収益の確保を重要な目的としておるわけでございますから、経営改善のための各種の施策を講じましても、なお赤字からの回復が困難な場合には公営競技を存続させる基盤が失われることになるということで、この公営競技の廃止を施行団体が決意せざるを得なくなることもあるのではないかというふうに考えます。
 なお、経営改善に努めても公営競技の存続を図るか、あるいは廃止するかにつきましては、地方団体の意向によらざるを得ないというふうに考えております。
○中野明君 これは大変な問題でして、廃止するということになると関係者が余りにも多いものですから急にできないとかということで、地方でも頭を抱えているところもあるように聞いておりますが、そうかといって一般財源からこの赤字の穴埋めをするということになると、先ほども申し上げましたように、これは到底一般市民の理解は得られぬでしょう。税金で地方競場の赤字の穴埋めをするという羽目になってしまったらこれは大変なことですね。
 その辺で、今後の方向として、社会情勢に対応しなきゃならぬということについてやはり検討する必要が生まれてきているんじゃないか、こう思うんです。そのときになってから慌てて、さあ大変だと言うたんではしようがありませんので、その辺どうか自治省の方も注意をして見守ってもらいたいと思いますし、検討すべきときが来ていると私はこう思っておるんですが、お答えありましたら教えてください。
○政府委員(花岡圭三君) 御指摘のように、赤字を一般財源で埋めるというふうなことは住民の納得を得られるわけのものでもございませんので、私どもも地方競馬を初めとしまして公営競技全般につきまして、収益率の著しく低い団体とか、あるいは経営内容が妥当を欠く団体につきましてはこれまでも経営の指導、改善を図ってまいったところでございます。今後とも経営改善につきましていろいろ御相談にあずかりながら、本来の目的を達成していただくように計らってまいりたいというふうに考えております。
○中野明君 それではもう一点、自治省が公営公庫の経営基盤強化のために公営競技の納付率を一%から一・一、一・二、このように引き上げる方針を決められたと聞いているんですが、赤字を出しているところはどうされるつもりですか。
○政府委員(花岡圭三君) 公営競技の納付金につきましては、赤字を出しているところについては納付しないでよろしいということになっております。
○中野明君 そうしますと、これの引き上げによって納付金額をどの程度見込んでおられるんですか、その辺。それによって公営公庫の経営状態がどの程度改善されると見ておられるんですか。
○政府委員(花岡圭三君) ちょっと今資料を持ち合わせておりませんので、後ほどお答えさしていただきます。
 公庫納付金の増収の状況でございますが、結局、公営競技自体の収益金がだんだん現在のところ減っておる状況でございますので、これが減らない状況に比べれば増額にはなるわけでございますけれども、そういった全体の状況の中から見ますと若干は改善されるけれども、どの程度になるかということにつきましてははっきりいたさないという状況でございます。
○中野明君 通告してなかったようで失礼しました。後でまた詳しいあれがわかりましたら教えてもらいたいと思います。
 それで、次の問題なんですが、きのうからきょうにかけてですか、報じられておるんですが、磁気テープを解読して変造馬券で払い戻しをしたといういわゆるコンピューター犯罪が出ております。そして、ついこの間もコンピューター本体から暗証番号を翻訳して、他人の預金を無断で引き出した、こういう銀行の事件がありました。
 これから、コンピューターというものの犯罪がますますふえてくるんですが、やはりいつの場合でも同じなんですが、向こうの方が一つ先を越しているというんですか、頭がいいというんですか、絶えず後追いになっているような感じがするんですが、警察の方としてコンピューター犯罪に対する防止対策、これについて説明をしてもらいたいと思います。
○政府委員(新田勇君) 警察のコンピューター犯罪防止対策について一般的に申し上げます。
 警察では「コンピューター・システム安全対策研究会」というものを設置いたしまして、コンピューターシステムに係る安全、犯罪や事故からコンピューターシステムを守るという意味での安全対策につきまして検討をいたしたわけでございます。昭和六十年の一月に設置いたしまして本年の一月に中間報告を出したわけでございます。一年間の研究成果を出したわけでございます。内容は三点ほどございます。
 第一は、犯罪、事故などの発生から情報システムを守るために、過去に発生いたしました犯罪、例えば三和銀行の茨木支店でのような事件、あるいは世田谷電話局でのケーブルの火災のような事故、こういったものの具体的な事例を分析いたしまして、それに基づきまして情報システム安全対策指針と称するガイドラインを提示いたしております。
 それから二番目は、民間の事業者に対しましては、事業者内部でのセキュリティー対策に関する事項というものと、セキュリティーを重視したコンピューターシステムの設計に関する事項という二点を取り上げて特にこれを重視するように提言をいたしております。
 第三のカテゴリーは、行政上の施策に関するものでございまして、これに関しましては情報化社会における新たな秩序づくりの問題といたしまして、情報システムを基盤とする社会におけるモラリティーの確保及びそのための国民教育の重要性について提言するとともに、セキュリティー対策についての専門家の養成等について提言し、ここで警察の役割にも付言したということでございます。
○中野明君 これから地方公共団体もどんどんコンピューターを入れてやっていくことになるんで、新しい時代に対応して我々が想像できないようなコンピューターの犯罪がこれからもふえてくるんじゃないかと思います。そういう点では警察だけではどうしようもないということがあると私も思いますし、総合的な対策がどうしても必要になってくると思うんです。それについてどういうふうな、いわゆるコンピューターに精通した人が必要になってくると思うわけですが、その総合的な対策というものを警察としてはどういうふうにお考えになっているでしょうか。何か名案があればお聞きしたい。
○政府委員(新田勇君) 情報システムの安全対策につきましては、情報処理であるとか情報通信といった専門分野であるわけですが、同時に、社会の幅広い領域にまたがる問題であると考えております。そういうことで関係省庁、民間企業との連携を密にしながら進めていく必要があろうかと思います。
 なお、関係省庁の連絡の場といたしましては既に情報処理及び電気通信の安全対策等に関する関係省庁打ち合わせ会議というのが設置されておりますが、さきに申しました中間報告もここへ提出いたしておりますし、また興味のおありの関係省庁にはお配りいたしておるところでございます。
 なお、さきにお示ししましたガイドラインの対策の指針の方でございますが、これにつきましても大変反響がございまして資料の引き合いがございますし、またその内容についての講演依頼もあるということで民間との関係も一段と深まっている、かような認識をしておるところでございます。
○中野明君 これは、ぜひ今から総合的に対策を立てて、またそれに応じた人材の育成も必要でしょうし万全を期しておいてもらいたいなと、このように思います。いつもまさかというようなことが起こってきているものですから、そういう点についてはぜひ対策を樹立してもらいたい、こういうふうに思いますので、こちらの希望を申し述べておきます。
 まだ何点がありますが、ちょっと中途になると思いますので、残余はあすまたさせてもらうことにして、これで終わります。
○下田京子君 冒頭から大臣にお尋ねいたしたいわけなんです。
 お聞きになって御存じだと思うんですけれども、清掃事業における安全対策、これが大変社会問題になってきているというふうに私は認識しております。具体的には盛岡で昨年十一月二十六日に清掃事業所職員浅沼さん、当時四十二歳の働き盛りの方なんですが、作業中にどんと落ちてきたテールゲートに挟まれて死亡するという大変痛ましい事故が起きました。私はそのときの状況につきまして事業所並びに市当局あるいは労働組合等を訪れまして詳しく事情も承ってまいりまして、また要請も受けてきました。
 八百キロもあるテールゲートが急落下するという構造について、だれもが事前にしっかりと承知していなかったというところがそもそもこの事故の大きな原因であるというふうな私は認識を強めたわけでございますけれども、亡くなられた浅沼さんの御遺族は奥さんとそれから七十二歳になるお母さんと二人なんです、お子さんはおりません。お母さんにも私お話伺ったら、とにかく三人の子供のうちのたった一人の息子さんだそうです。自分より先に亡くなったということで大変悔しがっておりましたけれども、浅沼さん御自身も家を新築されたばかりであるということもあって、さぞ無念であったと私は推察するんです。そういう点で、浅沼さんのこの死をむだにしてはならないということでこの事故の原因の究明と、そしてまた教訓から導き出す対応というのが今急がれなければならないというふうに思っているわけなんですが、大臣の御認識を。
○国務大臣(小沢一郎君) 盛岡といいますと私の郷里でございますが、こういう本当に不幸な災難にお遭いになった点につきましては大変残念に思いますし、またお悔やみを申し上げるわけであります。今先生御指摘のように、車のいろいろな構造の問題等につきましては私はよくわかりませんけれども、こういう事故がかなり最近起きてきておるということを聞いております。そういう構造上の欠陥なのか、その点につきましては確かなことは今私からは御返答できませんけれども、いずれにいたしましてもこれは直接的には労働省で所管しているところだと思いますけれども、地方自治体の職員の皆さんのことでもございますので、私どもといたしましても関係省庁とよくそういった点も踏まえまして、改善すべき点があれば早急に改善するように協議をしてまいりたい、そう思っております。
○下田京子君 再び私は大臣にお尋ねしなければなりませんが、今いみじくも構造上の問題であるかどうかということについては何とも言いがたいというお話がございました。まさにここが問題なんですよ。浅沼さんが亡くなられる以前にも数多くこういう事故が起きているんです。確かに、今大臣がおっしゃられましたように労働安全行政の責任の中心は労働省でしょう。しかし、一方では、地方公務員法の四十二条に基づいてまたしかるべき大臣の所管にかかわる仕事もあるわけですよ。
 問題は、労働省の資料を見ましても五十六年以降この種の死亡災害が相次いでいるんです。五十六年十一月に福井県で、五十七年一月に新潟県で、五十八年二月宮城県で、五十九年には三重県、埼玉県で、そして六十年、昨年五月新潟、十月三重県、十一月に神奈川県でと多発しているんです。それも、今私が言いましたように、テールゲートの急落下による死亡事故発生という点で、この盛岡の浅沼さんのケースと全く似ているんです。ただ、事故が直営であったか、あるいはまた委託であったかというのはありますけれども、いずれにしても、自治体の首長の責任のもとにおいて行われるごみ収集の作業の中で起きているわけです。ということをひとつ押さえて、同じような形でのそういうテールゲートの急降下によって起きたという点で、まさに私は労働安全の行政上の問題であるという受けとめが今大事だと思うんです。大臣に。
○国務大臣(小沢一郎君) 私、実際の車の構造とか、実際にどういう形でこの仕事がなされているか、詳しく全部把握している、知っているわけではありませんので先ほどのようなことを申し上げたのでございますが、そういう構造上の欠点があればそれは直さなきゃいけないでしょうし、また、その業務の内容、いろいろな点において改善すべきは改善していかなきゃならない、これは当然のことであると思います。したがいまして、私どもも、その点につきましては、よく地方公共団体と話をして指導していかなければならないと思っていますし、また、先ほどもちょっと申し上げましたように、労働安全といいますか、そういう面での中央レベルでの各省庁との協力もして対処していかなければならない、そのように思っております。
○下田京子君 大臣の御認識の中で大事な点は、構造上欠陥があれば正す、ここなんです。
 労働安全衛生法の担当省庁であります労働省に御質問します。
 五十六年福井県で、五十七年新潟県でテールゲートの死亡事故が起きていますね。そして、五十九年の二月には、労働省、自治省、厚生省の三省が主の連絡会議も設置されていますね。そして、五十七年七月に、「清掃事業における安全衛生管理要綱」というものを改正されましたね。その要綱の中でテールゲートに触れてはいるんです。ただし問題は、「点検、整備等」の中身、「荷台、テールゲート等を上げて点検、整備等の作業を行う際には、荷台等の不意の降下を防止するため、安全支柱、安全ブロック等の確実な支えを行うこと。」というふうにあるだけなんです。テールゲートの危険性についての認識が非常に甘い、決定的だと私は申し上げなければなりません。どんと落ちる構造になっているという認識についての指摘がないんです。この時点でもっと本格的にテールゲートの事故防止について検討しておったなら、その後の事故はあるいは防止できたんではなかろうかというのが大変反省すべき点だと私は思うんです。労働省はどのように受けとめていますか。
○説明員(長谷川正君) 今、先生御指摘の点でございますが、我々の認識といたしましては、機械の場合、通常の作業において危険性があるというものについては構造規格などを定めてメーカーの段階などで規制を行っております。しかし、このごみ収集車の事故の場合は、修理といいますか、ごみが狭まりましてそれを直すという作業でございまして、通常の状態でなく非定常の状態、こういうふうに考えております。こういう場合は、機械全般について言えることでございますが、メーカー段階で規制をするというか、構造上はっきり決めるということが非常に難しいわけでございまして、そのために我々といたしましては、作業面でこれをカバーすべきであるということから、作業管理を十分やってほしいということで、先ほど先生御指摘の管理要綱につきましても、安全ブロックとか安全棒を入れれば、これは過去の事故全部そうでございますが、入れてなくて事故が起こっているわけでございますので、入れれば大丈夫ということで、一応そういうことで指導しているところでございます。
○下田京子君 問題は、今のお話のとおり労働行政の責任だということをみずから認めたことだと思うんです。構造上の欠陥を作業上で補えなんていうばかな話がございますか。それが今度の多発事故につながったということで深く反省すべきだということを私は申し上げているんですよ。そういう点で、メーカー側から、構造上どうなのかということでの説明を受けていたかどうか、それからまた、そういう構造になっているという点で、構造上の欠陥を指摘しながら作業上の注意を呼びかけていたのかという点でも非常に不十分だと。不十分ところか、そういう認識に立っていないと私は申し上げたいんです。
 なぜかといいますと、今申されましたように、安全支柱をせよという指導だけではだめだということがあるんです。なぜか。それは、富士重工の「フジマイティー」の取扱説明書、ここに私は二冊持ってまいりましたけれども、この一冊の五十八年四月の取扱説明書を見ますと、「テールゲートに挟まったゴミが取れると若干降下する事があります。」と書いてあるんですね。ところが、六十年七月の説明書にはどう書いてあるかといいますと、「ゴミ等がはずれると「アールゲート」が急降下することがある」というふうに改められたわけです。そしてさらに、「「テールゲート」の下へ入ってはさまったものを取るようなことは絶対にやらないで下さい。」というふうに書き加えられたんです。ごみを外すときにテールゲートが降下するという構造については、メーカーはちゃんと知っていたというふうに私は思うんです。メーカーが構造上問題があることを知っておきながら、当初五十八年の説明にもありますように、「若干降下する」なんていうような認識によって指導していたという、そもそもそれが死者を出したというふうに私は思うんです。違いますか。
○説明員(長谷川正君) 降下すること自体は、ダンプなんかの場合、ごみ収集車もその一種でございますけれども、同様やはり降下します。それによって事故が起こっているということも事実でございますので、我々といたしましてはその降下することを防ぐという立場で一応対応している。これは先生おっしゃるように、構造上落ちてくるというのは、ちょっと細かい話になるとあれなんですが、ごみが挟まって上がった場合に落ちる、普通の場合に、ダンプする場合は落ちないということでございますので、先ほど申し上げましたように、修理というか故障を直すという立場でございますので、我々といたしましては、作業指揮を十分した上で、皆さん方が十分認識した上で作業をしていただく、そのために安全支柱などを使うように指導しているということでございます。
○下田京子君 「若干降下する」というのと「急降下する」というのとは違うんですよ。
○説明員(長谷川正君) はい、もちろんそうです。
○下田京子君 メーカーはそれ知っていたんでしょう、どうですか。
○説明員(長谷川正君) その点は、先生御指摘のパンフレットのとおりだと思います。
○下田京子君 問題は、それを言っているんですよ。人間命がけで、どんと落ちてくるものをわかっていてそうそう作業をやりますか。構造上の欠陥の問題で、どういうふうに危険なのかということがわかっていて周知徹底されていない。いろんな意味での問題があるじゃありませんか。しかも、今の車両構造上にかかわることを作業でもってカバーするということ自体が問題だと思うんです。
 そういう点で、五十九年の七月に、労働省がお金まで出して日本自動車車体工業会、つまりメーカー側にこのごみ収集車の安全化に関する調査を委託しているじゃございませんか。そして、その調査結果は六十年三月に出ていますよね。その中身を見ますと、「テールゲート落下」ということで、特に今お話がありましたように、作動板に巻き込まれる云々の話が事細かく分析もされているわけです。そして問題の、安全支え棒を使ったら事故なんて起きないんだと言われておりますけれども、なぜそれが使われないかという点についての問題もあるわけでしょう。分析結果を見ますと、安全支え棒を使用しないというのが二六%、使用しないその理由はといえば、面倒だというのが五六%、なぜ面倒なのかといいますと、操作がしにくい、使いにくいが五九%ですよ。その中では、例えば長さであるとか、左右どうだとか、自動式にならぬかとかいろんな提言も出されているんです。
 だから、何といっても安全棒を使用せよという一般的な指導だけではだめだったということがはっきりしているんです。少なくとも操作上使いやすいものにしなければなりませんし、何よりもこのテールゲートの落下を防止する。今おっしゃいましたけれども、ごみが挟まって取ろうとすると、取れば落ちるというのはこれは作業上の問題ですよというふうなことなので、大変認識が甘かったと。六十年の三月以降にこういう調査研究報告書が出されておるわけですから、その点でどういうふうに労働省は対応していたのかということを聞きたいわけです。
○説明員(長谷川正君) 今、先生御指摘の調査依頼につきましては、中身につきましては、今も御指摘のようにテールゲートが開かない構造に改善するというような技術的な事項について検討して報告を受けたわけでございます。労働省としては、これを受けましてメーカーに対して、技術的にはもちろんできるわけでございますが、現在走っている車についてどういうふうにやったらスムーズにできるかというようなことを含めて、具体化について検討をお願いし、その上、それだけではまだ期間的にすぐできないというような問題もございますので、作業の面からも安全確保が必要であるということで、関係労働者の安全衛生教育の徹底を図るために現場の職長を教育する、トレーナーの養成を図るためのカリキュラム及びテキストを作成してトレーナー教育を始めているというような状況でございます。
○下田京子君 構造上の問題についての欠陥だということを、どうして御認識にならないんですか。技術上、技術上ということをしきりにおっしゃっている。技術の問題じゃないんですよ。これは調査研究報告書にも「テールゲートが開かない構造とする。」というふうに構造上の問題としてちゃんと述べているんですよ。単純な技術問題だとか操作問題じゃないんです。そういう点でこれはメーカーと行政上の責任だと。そのために多くの人たちを亡くしてしまったということをはっきり私は申し上げなければなりませんよ。
 なぜかと言えば、十一月二十八日、今のようなことが次々起こるものですから、メーカーが六十一年四月以降は出荷車から改善するというふうなことをお決めになりましたでしょう。メーカーがそういうことをお決めになった後で、これは十二月十六日付で労働省側は指導の通達文書を出しましたね。それを受けまして今度自治省が、これこれの通達が出ているよ、だから注意せいという通達もまたお出しになったわけなんです。まさにメーカーから言われた後で対応するという後手後手行政もいいところだと思います。
 報告書が出されたのが六十年三月でしょう。この十二月までの間に、さっきも申し上げましたように五月に新潟でしょう、十月に三重でしょう、十一月に神奈川でしょう、それに盛岡の浅沼さんという感じで続いているんです。しかもまだ、いかに通達行政と言われるかということを示すような問題ですけれども、その後も事故が出ていますね。十二月に入って埼玉でしょう、東京でしょう、さらにことし二月になって兵庫でしょう、広島でしょう。同じようにテールゲート落下によって死亡事故が相次いで発生しているんですよ。一体何をやっていたんだろうと申し上げたくなるのは当然じゃないですか。この陰で人間の命が奪われているわけですからね。四月一日以降の出荷については云々だなんということを言っている結果こんな事故になっているんですよ。大臣、どう受けとめますか。
○国務大臣(小沢一郎君) 構造上のこととか車の技術上のことにつきましては私はわかりませんから、その観点からのことは答弁いたしかねますけれども、車の構造上もし悪いということであれば、それは直すことが先決だろうと思いますし、実際の、自治体やなんかにおいては、仮にこれを全部新しい車とかえちゃうということになればいろんな財政上の問題等もございますでしょう。ですから、そういう点は作業上でも十分注意しながらやらなきゃいけないとは思いますが、基本的には、はっきりそういうことがわかり、またその仕組みを直せるんだったら直すということではないかと思います。
○下田京子君 急な話で、大臣が構造的なところまでは承知していないと思うんですよ。ただ、今までの全体の中で、構造上これは何かやはり問題があるなというのはお感じになっていると思うんですよ。ただ軽々に言えないというそのお気持ちも一方ではわかりますけれども。
 それで、メーカーは、一応四月以降、今度は、テールゲートにごみが挟まったらテールゲートが落ちないようにしちゃうというふうな通達をしてきたわけなんです。そうするともう作業中止で、みんな点検場に行かなきゃならないんです。そういうことで労働省はオーケーを出しているわけてすよ。これじゃ仕事にならぬでしょう。しかも盛岡市当局はちゃんとこう言っているんです。今回の浅沼さんの死亡事故の原因というのは、第一に車両の構造上の欠陥だと。その対策としてはテールゲートの上下の油圧と回転板の押し込みの油圧を別々にするような機構にできないだろうかとか、また、安全棒の自動化ということも何とかできないだろうかというようなことまで、対応する中でメーカーに出したわけです。
 そうしたら、富士重工の回答は二月末に来ているんです。油圧機構についてはただいま試作に取りかかっており、早期に発売できるよう計画を進めているというような回答は出ているんです。安全棒の自動化については鋭意試作研究中、こういうことを言っているんです、いいですか。鋭意試作研究中だと言って、これだけ問題があるものをどんどん走らせていて、そしてついに挟まったらもう落ちないようにすると言って、作業ストップするほどまで構造上問題があるということを認めざるを得ないような事態に追い込まれたんだと思うんです。
 さっきちょっと大臣が言いましたけれども、そういう問題があるものを全部買いかえろと言ったら自治体金が大変だなんて話がありましたが、実は、かつて私、農林水産の脱穀関係でもって、あるメーカーのこれは欠陥だということが明らかになって、全部総取りかえさせたことがありますよ。メーカーの責任はやはりきちっと問わなきゃいけないですよ。線香一本も上げに行かなかったんですからね。一体どういうことなんだと大変問題になりまして、数日前ですか、御遺族のところに済まなかったと言って御焼香には赴かれたようです。はっきりとメーカーに対する対応というものをやるべきだと思います、労働省。
○説明員(長谷川正君) 先生の御指摘の件につきましては、我々の方といたしましては、先ほど申し上げましたように、すぐ新しい機械になるというようなことではないと思いますので、あくまでも作業を中心にして当面指導していきたい、こういうふうに考えております。
○下田京子君 自治大臣、今のようなことを繰り返しやっていると、次々また労働者の命が売られるというか、犠牲になるわけです。
 これは岩手の労働基準局長が各労働基準監督署に出されているものでね、まさに構造上問題があるんだということをお認めになった形での指導文書を出しているんです。「テールゲートが急に降下するものである」と、そういう構造になっているということを出していろいろ作業の指示をしています。この認識が非常に重要であるという点に立って申し上げたいのは、労働省の中でも厚生省の中でもこれら対応する新たな車両開発のための研究等も今やられていると聞いております。ですから、大臣所管の地方公共団体におけるごみ収集に携わる労働者がもう二度とこのような形での犠牲に遣わないような車両の開発、あわせてメーカーに対するきちんとした指導責任、そういう構造であるという点の徹底、そしてまた事故が起きた際の補償、それらを含めた対応を強力に今後ともなされるように期待したいと思うんです。決意のほどを一言。
○国務大臣(小沢一郎君) 地方公共団体、地方自治体につきましてはそういうような問題が、事例が発生しておるわけですから、そういう点につきましては十分指導してまいりたいと思います。
 構造上の欠陥といっても、それが補償とか責任とかということになるとそれはどこまでどうということは今即答できませんけれども、本当にそういう車両の構造上ということが確定すればそれなりのことはしなきゃいけないと思いますし、いずれにいたしましてもそういうような危ないといいますか、事故の起こりやすいというような状況下にあるわけでございますので、その点はそれぞれの関係の皆さんに対しまして十分指導していかなければならないであろう、そのように考えております。
○下田京子君 問題は、労働省が、構造上の問題なんだ、欠陥なんだということを現になかなかお認めになりたくないような形の答弁をしていますけれども、構造上問題があるという認識だけはお持ちなのは言うまでもないことだと思うんで、だからこそ研究会もつくっているんだろうと思うんで、速やかに構造上の基準を決めてチェックできる体制をつくるように対応されますことを重ねて申し上げておきます。
 時間が限られておりまして、大変恐縮なんですがもう一つだけ聞きたいことがあるんです。
 国民健康保険制度の問題なんです。厚生省が五十九年の十月から退職者医療制度を創設しましたね。退職者の人数の見込み違いによって現にその影響が少なく見積もっても約二千八十億円という格好で出たわけです。ただ、残念なことに、六十年度の補正予算で先般一千三百六十七億二千五百万円の特別交付金を計上したわけでございますけれども、これがかなりな影響になっているという点で福島の実態を申し上げたいんです。
 福島県の場合には、先般の制度改正によるデメリット分がどういう格好になっているかというと、国庫負担減が百四十二億九千七百万円です。それから、退職者が外れたことによる医療費の減というのが八億二千六百万円あるわけですけれども、全体で負担増というのが百三十四億七千百万円になるわけです。そういう中にあって調整交付金で補てんしてもらったお金が二十九億九千百万円です。最終的に制度全体の改正によって県民が受ける負担増というのは百四億八千万円にも上るんですね。これは被保険者八十九万三千六百人の一人当たりにいたしますと一万一千七百二十七円という膨大なものになります。現に一人当たりの保険税の約三分の一に当たるという大変な負担増なんですね。こういう影響について調査されていますか。
○説明員(近藤純五郎君) 私ども、退職者医療制度の見込み違いによります影響額につきましては昨年調査いたしまして、先ほど先生御指摘のような二千八十億という数字を私どもとして確認しているわけでございます。
○下田京子君 二千八十億円という影響は知っているんですよ。それが具体的に個々の県に、個々の保険者にどういう影響が出るか試算しているかということを聞いたわけなんです。
 もう時間になりましたから二書だけ自治大臣から御答弁いただきたいんですけれども、現にそういう事態の中で新たに老人保健法の改正を考えていて、保険税を払えない者には差し押さえだとか、あるいは保険証を提出させないだとかいうふうなことが次々出ているんですね。こういう大きな問題もこれは中止すべきだということは一言申し上げたいんです。
 自治大臣にお答えいただきたいのは、少なくとも国の対応によって出たものは国が責任持ってやれと改めて再度関係省庁に要求するのが自治大臣の任務ではないかという点で一言お答えいただきたいと思います。
○国務大臣(小沢一郎君) 退職者医療制度の創設に伴う見込み違いにつきましては、国の制度の改正、変更によりまして見通しが誤ったわけでございますから、それについては厚生省も誠意を持って対応するというお話でございますし、地方自治体にそういった面での迷惑をかける筋の話ではないであろうと思いますので、国として、これらについてはその実態に応じましてそれこそ誠意を持って対応すべきものと考えておりますし、私どもといたしましても厚生省等にその点については今後もきちんとお話をしていくつもりであります。
○井上計君 先ほど同僚議員からも御質問がありました過激派による各種のテロ事件等々についてまず冒頭お尋ねをいたしたいと思うんです。
 昨年の十一月にも浅草橋の焼き打ち、あるいは首都圏、近畿圏等の交通網の寸断、それらの破壊活動が随分ありまして大きな問題になりました。また先日は、皇居あるいはアメリカ大使館に対しましての事実上の攻撃が行われましたし、また一昨日もそのような事件が発生しておるわけであります。まことに憂慮にたえないと申し上げてよろしいかと思いますが、既に警察当局においては大変な犠牲を払って大変な努力をして警備に万全を期していただいておりますけれども、なおかつこういうふうな事件が相次いで発生するということについては私ども重大な受けとめをしていかなくてはいけない、こう考えておるわけであります。
 細かい点は同僚議員の先ほどの質問に警察当局からお話がおりましたから、私は率直に法務省にお尋ねをしたい、こう考えますけれども、このような事件が続いておる中で私どもとして危惧することは、先ほど来質問の中にありましたけれども、天皇陛下の御在位六十年の記念式典、あるいは東京サミット等々に彼らが標的を当てておる、こう報じられておりますが、もし万が一この種の事件がいわばそのときに発生したら日本の将来はどうなるのかということを考えますときに、さらに警備当局は挙げて今後絶対にこのようなことの起きないように御努力を一層願わなくてはいけない、こう考えます。
 しかし、とはいっても、いわば彼らのやることでありますから、なかなか予知できないようなことが多いと思いますが、既に国民の間にはいわば検察あるいは警備当局の努力は大いに多とするけれども、なまぬるいというふうないら立たしさといいますか、そのような心配が相当ある、こう思うんですね。だから、現行法規では彼らの動きを未然に防止するための処置ができないんではないか、あるいは中には破防法を適用したらどうか、こういうふうな声ももうかなり起きておる、このように私聞いておるわけでありますけれども、これらの点について今どのようにお考えか、これは法務省にお伺いをしたい、こう思います。
○説明員(中重正人君) お答えいたします。
 公安調査庁といたしましては、日本国憲法の保障する民主主義体制を破壊しようとする御指摘の暴力主義的破壊活動を行うおそれのある団体につきまして、破壊活動防止法二十七条に基づいてかねてからその組織、活動状況等を常に調査しているところであります。最近の過激派集団によります一連のゲリラ活動につきましても、厳しい態度で臨んでおるのでございまして、現在その調査に全力を挙げておるというのが実情でございます。
○井上計君 私がお尋ねした現行法規等で十分であるのか、あるいは破防法はどうだという国民の声が今ありますが、それらについ工のお答えはなかなかできないであろうと思いますから、これ以上お尋ねすることはやめます。ただ、一層警備に万全を期していただきまして、また、法務省としても事件の究明、背後関係等々の究明に一層万全を期していただいて、絶対にこのようなことが起きないように一層の御努力をお願いしたい。大変御苦労を願っておる警備当局に対しては心から敬意を表しておりますが、このことを特に要望しておきます。
 国家公安委員長、何かお答えいただくことがあれば、お答えいただければ結構であります。
○国務大臣(小沢一郎君) 先生からも御理解あるお話をいただきまして、特につけ加えることはございませんけれども、まさにこういう高度な複雑な社会生活を営んでいる東京の特に真ん中で行われる行事につきまして、その警備の万全を期すということでございますので、現場の警察官もみんな全力を尽くしております。今度の御在位の記念式典も、またサミットも国家的な大きな行事でございますので、何か起きたら私が責任をとれば済むということではございませんで、その点につきましては私も真剣に深刻に認識をいたしておるところであります。
 ただいま、先生から現在の法体系のいろいろな問題についてお話がございました。これはいろいろと議論のあるところであり、また現在の社会の中において多くの国民の皆さんの理解のもとに、そういった点も今後考えていかなければならない面もあるかとも思います。しかし、我々としては現体制の中で、現在の中で最善を尽くす以外ございませんので、その意味においては本当にしっかり万全を期すようにいたしたいと考えております。
○井上計君 大変御苦労でありますけれども、一層の御努力をいただきまして、重要な天皇御在位六十周年の記念の式典、さらには東京サミット等等がつつがなく終わりますように御努力いただくことを重ねて要請をしておきます。
 地方税法の問題についてお伺いをいたしたいと思います。まず最初に、お伺いいたしますけれども、一定税率は国の法律、地方税法で税率が決まっておりますから、地方自治体が独自の判断で税率を変更はできない。しかし、標準税率については自治体独自の判断で税率を変更できることとすることができる、このように承知をしておりますけれども、これはいかがでありますか。まず、それをお伺いいたします。
○政府委員(矢野浩一郎君) お示しのとおり、一定税率のものは地方団体においてその税率を変えることはできません。標準税率が定めてございますものは、地方団体は標準税率以外の税率を用いることができるわけでございますが、標準税率を定めておりますものの中にも、制限税率を設けてございますものはその制限税率を超えて課税をすることはできない、このような仕組みに相なっております。
○井上計君 現在、減税については国民の大多数のあるいは全部と言っていいと思いますが、大きな要望であるわけであります。今国会におきましても野党共同提案という形でありましたが、二兆三千億円の減税の要求をいたしました。そのために、衆議院段階では予算委員会がかなり停滞したわけであります。結果においては、何か私どもから言うとわからぬような形で今進んでおりますが、二兆三千億円の中に国税の引き下げによって連動する地方税約二千億円程度含まれておりますけれども、地方税という形で特に減税要求は出ていなかったわけであります。私は、国の財政の中でそう簡単に国税の思い切った減税は期待はできないというふうに思いますけれども、地方税はある程度の減税は可能である、こういうふうな私は認識をしておるわけです。
 しかも、それは今お答えいただきましたように、標準税率については地方自治体独自で切り下げができる。国民の間では税金といいますと国税も地方税も全部税金として一本に考えているわけですね。だから、国民の減税要求にこたえるためにまずできるところからやっていくというふうな意味で、私は地方税の標準税率のことについてお伺いをするわけであります。ところが、地方自治体においてはそのような標準税率を下げることは可能であるというふうな自治体にありましても、これは標準税率未満に持っていくことは自治省が認めないのだ、こういうふうなことで拒否しているという例があるわけでありますが、標準税率未満の税率を適用した場合に、自治省はどのようないわば指導といいますか、自治省としてどのような態度に出るのですか、それをちょっとお尋ねをいたします。
○政府委員(矢野浩一郎君) 法律上の仕組みといたしまして、地方公共団体が標準税率を下回る税率を定めた場合に、これに対して特に許可を要するとかあるいは制限があるというふうなことはございません。ただ、そのことによって他の地方公共団体に非常に著しくいわば迷惑を及ぼすというような事態があるとするならば、地方財政法の規定によってそのようなことはやってはならないと非常に包括的な規定がございます。したがって、標準税率を下回った場合に税の立場において特にこれを個別にあげつらってどうこうということはございません。ただ、あくまでもこれは財政との非常に大きな関係がございます。果たして当該地方公共団体が標準税率未満の税率を下げ得るような状態にあるのかどうか、そういった点からの指導と申しますか、こういった点はやはり時と場合によりましては必要になってくることがあろうかと存じます。
○井上計君 特にそれについて許可とかあるいは枠を決めて云々ということはないということであります。ところが、現実には標準税率未満の税率を適用している地方自治体は全くないわけであります。標準税率の採用は三千二百五十六自治体、これは所得割。それから均等割三千百三十九自治体。それから法人税割は三千六十六のうち超過税率採用が千二百七十八自治体、このようにありますが、標準税率未満の税率を採用しておる自治体は全くないわけであります。標準税率を超えた税率を採用しているところは、個人については超過税率のところは市町村において、町村において約百八という地方自治体があります。法人に対しては全く多いんですね。このように、非常に多い市町村が超過税率を採用しておるということです。すなわち標準税率未満のところは全くない。特に法人税については圧倒的にといいますか、ほとんどがこのように超過税率を採用しておる。この理由はどのような理由になっておるんですか。
○政府委員(矢野浩一郎君) 市町村におきまして超過課税を行います場合には、もとよりこれは議会の議決を必要とするわけでございますが、多くの地方公共団体におきましては、このような超過税率を採用する場合には財政上の理由、特にその中でも何か特別の仕事をやらなければならない、そのために特別の一定期間財源を必要とする、そういうような理由によって超過課税を行うところが多いようでございます。
○井上計君 特に貧乏な自治体においては超過課税、これは理解できるんですね。ところが、きのうもニュースで報道されておりますが、自治省は大変強い指導によって特にラスパイレス指数が著しく高い自治体に対しては何か制裁的な交付金の交付等々を考えるというような発表があったようでありますけれども、いわば非常に高い給与体系をとっておる市町村においてなおかつ高い超過税率をとっておるという事実が幾つかありますね。これらはどういうふうなことになるんですか。
 財源がない貧乏自治体だから超過税率をとっておるというのならわかるんですね。ところが、片方で高い給与体系をとっているからしたがって財政が苦しい、だから超過税率をとっておるという自治体がある、私はこう考えるんですが、どういうふうな認識をされておりますか。
○政府委員(矢野浩一郎君) 地方公共団体、特に市町村が超過課税を行います場合には、先ほど申し上げましたように特に財政上の必要性、財政需要との関係からこのような超過課税を行っておるものと考えております。もとより、超過課税は通常の税負担以上に納税者に特別な税負担を求めるものでございますから、実施に当たりましては十分住民負担との関係を考慮し、議会において十分審議を尽くす必要があると考えております。
 一方、それに対して高い給与を支給しておるという団体については、これはそれなりに給与の適正な運営、運用に努力し、その是正措置を講ずべきである、これはこれで自治省としては御承知のように強力な指導を行っておるところでございます。税と給与との関係につきましては、恐らく住民側におきましても非常に大きな関心を持っておりますので、そういう面から住民側の批判と姿勢というものもおのずからそこには出てまいるもの、議会の審議等を通じて出てまいるもの、このように考えます。
○井上計君 住民が大きな関心を持っているから、したがって当然議会を通じてそういうような声が反映されるであろうから、いわば高い超過税率をとっておるところもそれなりに住民が納得しておるという御答弁にちょっと私聞こえるんですよ。とすると、それは大変な違いである。一般住民は超過税率であるかどうか余り知らされていないという面があるんですね。しかし、その自治体が財政上窮屈であるから超過税率をとっておる、これは仕方がないと。これもそう自治体だけで独自に税率を標準税率未満に持っていくことができないと思い込んでいる人が実は非常に多いようですね。事実、市町村の議会等でそういう質問をされると、理事者側は、勝手に引き下げすることはできません、自治省が認めないという意味の答弁をしておる自治体もある、こういうことも実は聞いておるんですね。だからそれらについて、局長、自治省として改めて適切な指導をしていただかなくちゃいかぬ、こう思います。
 そこで、時間がありませんから続いてお伺いしますけれども、超過税率を採用しておる自治体ほどと言うとどうか知りませんが、中に、いわば東京、大阪等の大都市に持ってきても恥ずかしくないような立派な市庁舎であるとか、あるいは会館等々の施設をつくっておるところが非常に多いんです。特に最近多いですね。地方のある町の議会へ行ってびっくりしたんですけれども、国会と匹敵するぐらいの立派な議会、議員控え室を持っているところもあるわけですよ。何も別に我々が国会議員だから町会議員との差があって当然だというわけじゃありませんけれども、この町の財政状態で何でこんな立派なものをつくるのであろうかというふうな疑問を持つようなところもあるんですね。それらは全部起債でやっているわけでしょう。
 そこで、起債の条件なんですけれども、標準税率未満の税率を適用しておる自治体に対しては起債を認めない、こういうふうな指導がなされておるんですか。これについて伺います。
○政府委員(花岡圭三君) 地方財政法第五条にそのような規定がございまして、地方公共団体が起債をもって財源とすることができる場合には、普通税の税率がいずれも標準税率以上である場合に限られるということに法律でなっております。
○井上計君 これは大臣に伺います。
 これが問題だと思うんですね。だから、そういうふうな地方債を発行する、それを認めてもらおうとするなら標準税率以上にとりなさい、こう読めるわけですよね。だから仮に財政がある程度豊かであっても、市庁舎その他を建設する場合、これはもちろん積立金、金はないわけですから、したがって地方債を発行して、立派な市庁舎をつくってもいいですが、そのような市庁舎あるいは各種の施設をつくる場合、要するに、標準税率より上回った超過税率をとっていなければ地方債の発行を認めない、そう読み取れるわけですよ。そこらがやはり重大な問題だと思うんですね。だから標準税率未満の税率をとっておる自治体においても必要な施設等建設の場合には地方債の発行を認めるということであれば標準税率を超過している自治体が下げるところが多いんじゃないか、私はこう思いますが、どうですか。
○国務大臣(小沢一郎君) 地方自治体は数が多いですし、地域地域によって、その自治体によっていろいろな状況があると思いますので一概には言えないと思いますが、素人考えで私申し上げれば、標準税率以下のいわゆる軽い税率でやっている、やっていけるということであれば、一つは、それだけ起債に頼らなくてもいいではないかというような逆の考え方、それから起債という措置をとることによって世代間の公平の問題、そういうような点も、この起債という問題についてはあるのではないかというような考え方をしているわけであります。したがって、最初に言いましたように、個々の自治体のいろんな具体的状況があると思いますので一概には全部については言えませんけれども、そういう考え方の中で、法律とか仕組みとかは一律の画一的なある程度の標準の中で考えていかなければなりませんので、そういう基本的な考え方に立つ以外ないのではないかというふうに考えております。
○井上計君 いや、今、大臣がおっしゃるように、私もそれはいろんな地方自治体、数多くの自治体ですから内容は千差万別です。だから一律には言えません。しかし、中には私あると思うんですよ。財政内容からいって標準税率を下回る税率に持っていくことはできる。しかし、持っていったら地方債を認められない。だから、やむを得ずといいますか、いわば今までの地財法第五条の第五項は必ずしもだめだというふうに読めないと思うんですが、だめだという従来の指導、解釈からして。だから、下げることができるけれども下げないでおる自治体も私はある程度あると思うんです。ある程度というのは数の問題は別として。そういう面で問題があるなら、私はこの項目については当然この際見直しをする必要があるし、またこれを特に改めなくても指導できるのではなかろうかという気がするんですね。
 だから、大臣の所信の中に述べておられますけれども、「住民負担の軽減及び合理化等を図るため、」云々ということがあるわけですね。住民の負担の軽減を図るためにできることはやっていく。そして、地方自治体自体がもっともっと経営努力、経営改善という面に重大な関心を持っていくような御指導を自治省にいただかなくてはいかぬ、こう考えるんです。今すぐ結論を云々するということじゃありませんが、そういうふうな声が地方の住民の間にだんだん広がってくる、地方自治体に対する不信、さらにはそれが国に対する不信、そうして現在の税の重圧感に対する一層の不満というものが高まっていくであろう、このようなことを考えるものですから、あえてこのことを提言したわけです。
 時間もありませんから、あとの質問は明日にまた譲るとして、大臣の決意をもう一度承りたいと思います。
○国務大臣(小沢一郎君) 税制にしろ、財政にしろ、何にしろ、すべての制度、仕組みでございますが、そのやり方につきましては、法律で定めたりする場合にはどうしても画一的、一律的な形になります。しかし、先生御指摘のように、地方の問題は地方自治体自身がみずから積極的な努力をしながら、本当の地域住民のための政策をする、その意欲と熱意を持ってやるということが一番の前提になるだろうと思います。
 したがいまして、先生のお話の御趣旨につきましては、この規定云々は別にいたしまして、そういう点自治省といたしましても、私といたしましても十分念頭に置いて、今後の行政指導あるいは法の運用に努めなければならない、そのように考えております。
○井上計君 ありがとうございました。
 終わります。
○委員長(増岡康治君) これをもって昭和六十一年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、総理府所管のうち警察庁、自治省所管及び公営企業金融公庫についての委嘱審査は終了いたしました。
 なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(増岡康治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
○委員長(増岡康治君) 地方行政の改革に関する調査のうち、地方行財政、消防行政、警察行政等の基本施策に関する件を議題といたします。
 これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
○佐藤三吾君 大臣の所信に対する質疑が大変おくれておりましたが、大臣の姿勢を含めて少しきょうはお聞きしたい、そう思っております。
 まず、お聞きしたいと思いますのは、大臣、ことしはロッキード事件からちょうど十年目ですね。一審は有罪、二審は秋に決着する、こういう方向で裁判は進んでおりますが、恐らくこの秋には二審の結審も出るのではないか。この問題に対して国務大臣の認識はいかがか、まずお聞きしたい。
○国務大臣(小沢一郎君) 政治家はだれでも国民の負託にこたえて、みずからを律し、そして高い倫理観、道義観、そういうものが要請されることは言うまでもないと思います。したがいまして、私どももみずからを常に振り返りながら、その点の問題につきましては政治活動を続ける上におきましても常に念頭に置いておかなければならない、そのように考えております。
 ロッキード事件の問題につきましては、具体的には今司法の場で裁かれておるわけであります。個人的な関係やらいろいろな考え方、そういったものにつきましては個人的にいろいろありますけれども、しかしながら、個別の具体的問題といたしましては司法の裁きを今受けておるところですから、その点については触れることは適切でないと思っております。いずれにいたしましても、最初に申し上げましたように、政治家として国民の負託にこたえていくべく、みずから律しながら政治活動をしていかなければならない、そのように感じております。
○佐藤三吾君 事件後に国民の政治離れの危険が非常に大きくなってきている、その原因をどう見ておるのか。それから、この十年間の中で、今あなたがおっしゃったように、倫理観に基づいて政治が浄化した、そういうふうにとらえておるのか。国家公安委員長としての見解を聞いておきたいと思います。
○国務大臣(小沢一郎君) いわゆる国民の政治に対する信頼感という観点から、このロッキード事件そのものにつきましてイコールそういう不信感が生まれてきたということかどうか、その点につきましては、単にこの問題だけのことではないであろうと思います。もちろん、一般論といたしましては先ほど述べたとおりでございます。したがいまして、国民の信頼を得るために日常常に我々は心していかなければならない、そのように考えております。
 ただ、日本の民主主義は、いわゆる明治以来議会制度はとられましたが、戦後、本当にこういう形で民主主義が国民の間に広く浸透するようになりましてから四十年の経過であります。いろいろな他国の状況等々を考えてみましても、もちろん最初から一〇〇%うまくいっていればそれにこしたことはないのでありますが、やはりお互いが努力し合い、その過程においていろいろな欠点があればそれをお互い直していく、そういう状況の中で初めて民主主義も民主政治も理想に近づけていけるものであろうと思います。したがいまして、個々の現象をとらえて話をするということももちろん必要でありますが、そういう理想に向かって我々が常に不断の努力をしていく、それがまさに政治といいますか、政治家に課せられた任務である、使命であると思っております。
 政治の実際のいろいろな状況について、それ以来、いわゆる明朗といいますか、わかりやすくなったと思うかというお話でございますけれども、私は、国会の中におきましても、我々一人一人もやはりそのこと等も念頭に置きながらこの十年間も無為に過ごしてきたものではないと思いますし、それなりにお互い努力してきて、程度は別として改善されるべきものはお互い改善してきておる、そのように私は考えております。
○佐藤三吾君 あなたは今国家公安委員長、言いかえれば取り締まる方の最高責任者だ。一点の曇りもございませんか。
○国務大臣(小沢一郎君) 私はたまたま国家公安委員長に今任命されております。私も未熟な者ですし欠点だらけでございますから、人様の批判を受ける点は何もないとは言えません。むしろ批判されるところがたくさんあるだろうと思います。しかし、そういう自分を自覚しながら、少しでも私を支持してくださる国民、あるいは全国民の皆さんの期待にこたえるように、微力でありますが一生懸命やっているつもりである、そういうことでございます。
○佐藤三吾君 けさの新聞発表で見ますと、地方のいわゆる選挙資金、これが集計されたのが約一千億、前回自治省届け出のものを含めますと二千三百億近く、これは届け出た数ですよ。そのほかにマルコスの方から入ったとかいろいろ言われておりますからね、それは恐らく届け出ていないと思うんです。
 こういうような状況にあって、あなたには今度は担当大臣としていわゆる政治資金規正法の問題があるわけです。この中には、ロッキード問題で三木内閣のときにつくられて、いわゆる五年の経過後の見直しという措置が入っておる。今十年目ですよ。久しぶりに自治大臣で若々しい大臣が生まれたわけですから、そういうことを考えてみると、政治資金のいろいろな地方地方を集計してみると、こういった問題についてどういう認識をしておるのか。同時に、この五年の見直しについてこの際踏み切る、こういうことを考えておられるのか、そこら辺はいかがですか。
○国務大臣(小沢一郎君) 地方におきまして、いろいろな理由があるだろうと思いますが政治資金の量も多くなっておる、そういうことは事実そのとおりであります。ただ、私の考え方でございますが、政治活動にはそれだけ政治資金もかかるわけであります。したがいまして、政治資金というものを考えるときに、それがただ単に量的な問題というようなことでとらえるのではなくて、むしろ政治資金というものが本当に政治家あるいは政党を支援するために出されたお金であって、そしてそれをはっきり明らかにしていく、そういうことからとらえていくべきではないだろうか。そういう意味におきまして、最終的には国民の皆さんの批判、判断にまつものではありますけれども、政治資金のあり方とかいうような観点から物をとらえていかなければならないんではないかな、そういうふうに考えております。
 あと、附則八条の見直しの点につきましては、これは個人献金の方向でやるべきではないかという趣旨であったと思います。この点につきましては、私も自治大臣となりまして、政治資金規正法の今までのいろいろな報告等の状況について聞かされております。各党、各個人も同じであろうと思いますが、一生懸命そういう趣旨で努力なさっておると思いますが、個人献金の度合いというものはなかなかふえておりません。それは日本の政治的な風土あるいは政治的意識、そういう面もあるのであろうと思いますが、実態はそういうことでございます。私ども自治省といたしましても、この点につきましてはいろいろ勉強はいたしておりますし、附則の八条の点についても考えております。
 ただ、実態がそういうような状況でありますし、またこれは各党各派の直接政治活動の基盤とつながりを持つものでございますので、なかなか自治省だけの判断というわけにはまいらない要素もこれ実際としてあると思います。したがいまして、その点については国会内におきましてもいろいろ各党間においても話もしていただきながら、それと相まってこういう問題について一歩一歩前進さしていくということではないのだろうかというふうに思っております。
○佐藤三吾君 あのときに、三木さんは各党にもちろん下相談したかもしれませんよ。しかし結果的に可否同数で、河野謙三議長の可とするということで成立したいわくつきの法案ですね。ですから、かなり反対があったことは間違いない。反対がなければ可否同数になるはずないんだからね。にもかかわらず、内閣としての責務、決意、こういうことからあの法案をまとめたと思うんですよ、経緯を見ればおわかりのように。そういう面で、あなたは三木さんと比べると随分若いわけだから、その意味では正義感に燃えておるわけだから、今度は期待できるのではないかということで私は今質問をしておるわけです。もう五年もたてば、だれが考えても準備期間が不十分ということにはならぬと私は思うんです。そういう意味では、横に選挙部長が座って待ち構えているようですが、もう素案ででき上がっておると私は思うんですよ。それをきょうここで発表してほしい。いかがですか。
○政府委員(小笠原臣也君) 先ほど大臣からお答えがありましたように、私ども五十年の改正で、現在の政治資金規正法の附則八条で五年たったら見直すという方向が出されておる、しかも、その方向は個人献金の拠出を一層強化する方向で検討するということも出されておることは十分承知をいたしておるわけでございまして、その後の政党、政治団体の財政基盤の状況とか、あるいは個人献金がどのようにふえていっておるかというようなこととか、あるいは収支報告の内容等、いろいろ集計する段階で分析をいたしたりしておるわけでございますけれども、先ほど大臣からお答えがありましたように、実は、個人献金の率が五十一年で三・六%ぐらいでやや多くなっておりますが、それにいたしましても五十九年現在で六・六%という状況でございます。
 個人献金の強化のために租税特別措置法による措置も既に講じられておるわけでございますが、さらにこれを強化するいい手だてがないだろうかということで、税制面そのほかいろいろと私どもなりに考えておるわけでございますけれども、これは税制全体と絡む問題もあってなかなか難しい点もあります。そうかといって現状を無視して、各党の財政基盤あるいは各党の政治活動消長にかかわる重大問題でございますから、私どもが簡単に、事務的に個人献金に限るというような方向で案を出すわけにはなかなかいかないというのが状況でございまして、今何か案を考えておるんではないかというお尋ねでございますけれども、正直なところ、いい案がないということで私どもは非常に苦悩しておる、苦慮しておる段階でございます。
○佐藤三吾君 いい案がないんじゃないんですよ。もう方向は決まっておるわけだ、附則八条では方向は決まっておるわけです。ただ、あのときの国会における三木さんの説明は、言いかえれば、一挙にということでは混乱が起こるから、五年、これでまず五年いって、五年後に見直す、こういう方向、なお一層個人献金の方向に見直す、こういう方向、問題の方向は決まっておるわけですよ。ですから、逆に言うなら、事務当局としてその線に沿ってまとめられないはずはない。
 それから、もう一つの問題は、今度の各都道府県のものを集めた総合計が出ておりますが、あれを見ればおわかりのように、六万の政治団体が出ている。六万、これも異常ですよ。しかもその中には、百万円以下はその他の中に入れていきますから、一体どういう種類の金かというのもわからない。どういう仕組みになっているんですか。欠陥は随分あるんですよ、あれを見ると。ですから、例えば、中曽根康弘の政治団体を見たってそんなことは、名前が書いてないからそれを探っていくのは。また大変なんだ、国民の目から見ればこういうようなことがあり得るというのは、私は政治資金規正法の目的に反していると思う。やはり公明正大にしていこうというのがあの法の目的ですから、そうだとすれば、十年間の中に幾つか問題点を事務当局としては掌握しておるはずです。それらをまとめていくのが大臣の責任だと思うんです。各党と協議すると言うけれども、案を出すのはあなたが出さなきゃ。歴史的経緯からいってみても。そして各党と協議するならわかる。それをあなたがここでやるのかどうなのか、その決意を私は求めておるわけです、それが一つ。
 それから、もう一つの問題は、あの中に出てくるのは、例えばこういう問題があるんです。今ここに通産省の局長さんもいらっしゃるけれども、撚工連問題で逮捕された三谷氏が証言しておるのは、私のところは全部使途不明金で、したがって税金を払っておるというわけだ。だから隠す必要のない金だ、こういう論理を展開しておるんですね。国税庁に聞いてみると、最近透明度が、いわゆる使途不明金の透明度というのが物すごく低い。国税庁が使途不明金を見つけ出すというのは、逆に言えば査察をやって見つけ出すわけですね。そして問いただす。領収書はどうした、こういうふうに問いただしていく。その中で、いやもう税金で払うから損金に入れぬでくれ、こういう開き直ったのが使途不明金。こういうのが今逆に言ってどんどん累増してきている、激増してきている、こういう状況にあるというのが今の実態ですよ。そういうものを含めて、この際、政治資金規正法をどういうふうにきちんとするのか、それが私は自治大臣に求められている最大の課題だと思うんですね。いかがですか。
○国務大臣(小沢一郎君) 政治資金のあり方は、先生御指摘のように明瞭に明朗にガラス張りでやっていかなければならない、その点はまさにそのとおりであろうと思います。特に附則について申し上げれば、これはいわゆる特定の企業なり団体なりそういう中で政治資金を通じて政治が動かされてはいかぬということであろうと思います。しかし、個人献金という方向に行けばよりその弊害は少なくなるであろう、その方向については私もそう思います。ただ、個人献金が善で団体献金、企業献金は悪であるという考え方ではないのではないか、私はその点はそのように考えておるわけであります。したがいまして、これはいろいろな意見や見方はあると思います。私も個人的な考え方は、大臣になる前に述べたり持っていたりしたこともございます。そういうような点につきまして、これから本当に議論をとにかく詰めていかなければならないと考えております。もちろん、使途不明金の問題等につきましても、これは基本的には企業会計、税制の問題であろうと思います。政治資金規正法の面からもし考えていくとすれは、例えば、今百万円以下は記載しないということになっておりますが、それを百円でも千円でも一円でもとにかく出たところは全部記載するように直したらどうかという考え方もそれは一つあると思います。しかし、じゃ現実問題として、実態としてそこまで全部やれるかどうかというようなことも考えていかなければならないであろうと思います。そういうような問題点も含めまして、単に現在の政治資金のあり方の論議の中だけではなくて、政治活動に必要だ、必要である以上これをどうするか、本当に発想の転換とまで大げさには言わなくても、抜本的なあり方をお互い考えていかなければならないのではないかな、そういうふうに現在思っておるところでございます。
○佐藤三吾君 いずれにしても、あなたは衆議院の議運委員長、さきの国会で定数是正のまとめ役。それでことしは選挙が近い。恐らく中曽根さんの腹の中ではダブル選挙も考えておるんではないかと思う。そこで特に担当大臣、こういう使命を負っておるわけですね。そこには定数是正とあわせて政治資金の問題もあると私は思うんですよ。そういう意味で、あなたがこの国会中に政治資金規正法にかかわって一つのきちんとした方向を出すべきだ、出すべきである、担当大臣として。確かにあなたがおっしゃるように、私は善とが悪とか言いません。しかし、政治資金規正法の趣旨は一体何なのか、この趣旨に反するのが現状じゃないか、こう言っているわけです。そこを実態としてつかめば、担当大臣として手直しするのはこれは当たり前のことだ、より趣旨に沿っていくように。そういう意味でひとつそこら辺の努力を特に要請しておきたいと思うんです。よろしいですか。
 そこで定数是正の問題に移りますが、あなたは今度は担当大臣になったわけですが、もういいかげんに違憲議員とか違憲大臣とか言われるのはこの際正すべきじゃないか。その意味では、与党の中で最もこの道に秀でた中心的な存在でもあるわけだから、どういう決意を持って定数是正をしようとなさっておるのか。
 三月三十日、岩手県にお帰りの際の大臣就任祝いですか、記者会見では、会期末までには必ず定数是正を成立させると自信満々とおっしゃっておるわけですから、そこら辺をひとつ、岩手県で言わぬでここで言ってくださいよ。
○国務大臣(小沢一郎君) 定数問題につきましては、今各党で、しかも議員立法という形で各党間協議がなされております。私が岩手県で申し上げましたことは、前回の議長見解を踏まえまして、今度の国会には各党党首がみんなそろって速やかに成立させましょうと、そこまで議長の前で誓ったわけでありますから、それは各党とも必ず成立させる意思で臨んでおるものと、そういう意味で申し上げたわけであります。それはそれといたしましても、裁判所にまで憲法違反と言われている状況でございますので、これは私どもといたしましてもまた自治大臣といたしましても、何としても全力で各党間の御協議にも協力申し上げ、私らがやるべきことはどんなことでも一生懸命やりまして、そして今国会中に速やかに是正案が通過するように全力を挙げて御協力し努力しなければならない、そのように考えております。
○佐藤三吾君 しかし、あなたはまたこれも担当大臣ですから、そんなに遠慮せんで堂々と、こういう案がいいんじゃないかとか、こういう案はいかがでしょうと。少なくとも、地方議会の皆さんの意見を聞くと、いいかげんにせい、おれたちは定数を減らして是正をやっておる、国会だけが何で特権か、こういう意見をどこへ行っても聞くんですよ。私はそうだと思うんですね。それによって、例えば、おれたちの身分はどうしてくれるんだと言う人もおるということは新聞で見ていますが、そんなことを言うのがおかしいんであって、これはやはり選挙民の立場に立って考えることで、選ばれる者の立場に立って考えることじゃない、それは逆さまなんです。
 そうだとすれば、各国の例を見てもいろいろありましょうけれども、やはり私は国民の、いわゆる選挙区の数でもって決めていくか、有権者でもって決めていくかいずれしかないと思うんですよ。そして、それで割り切って、その中で競い合って出てくるという、これが原則だと思うので、ごく当たり前のことですよ。しかも、それが最高裁で二度も違憲だと。こんな状態で国政を預かるということ肉体がおこがましい。
 そういう意味で、岩手県ではあなたは胸を張って言ったんだと思う、今私が言ったようなことを。それを岩手県でなくてここでやらなきゃいかぬ、ここで。それが、あなたここになるとトーンがごとっと落つるけれども、落つることはないです。ずばっと言うべきだと思う。その点もっと胸を張ってやるべきだと私は思うし、それが責務だと思いますよ。
 さらに、あなたは岩手県でもう一つ言っておるね、ダブル選挙は必要ならいつでもできると。私は可能性が薄いと思うと、こうつけ加えておりますが。ダブル選挙に対するあなたの認識はどんな認識ですか。
○国務大臣(小沢一郎君) 私は、いわゆるダブル選挙といえば解散が前提になります。解散というのはいわゆる立法府と行政府のこういう機構の中にありまして内閣に与えられた機能、憲法上の権限であります。したがいまして、内閣全体としてここはもう解散してでも国民の、主権者の判断を仰がなければならないという事態の結論を出せば、それは憲法上、内閣として解散はいつでもできると。しかし、実際上、いわゆるダブル選挙という話になれば、それは衆議院、参議院の両議院の選挙を定めた法律のあれからいっても、限定された日に解散をして、そして同じ日に合わせなきゃならないというような、最初から意図してそういうような状況になるということはこれはなかなか難しいことであるし、まず解散する必要があるのかどうか、主権者の判断を仰ぐ事態が生じるかどうか、その事態の判断が先であると。
 今日、今問われれば、記者会見でしたけれども、今すぐここで解散する問題がある、あるいは起きるということは、ちょっと今私としては考えていないという話を申し上げたわけでありまして、憲法上の機能としての解散行為は、これは何の制限もないんだから、その必要があると判断をされればそれは憲法上できる、そういう話を申し上げたわけであります。
○佐藤三吾君 私は、憲法上のいわゆる総理の機能の問題について難しくいざこざ言うのではなく、いわゆる憲法が定めておる二院制という問題についてあなたがどういう理解をもってダブル選挙というものを言っているのか、そこが聞きたいんですよ。つまり、ダブルというのは参議院選挙とダブルになるわけですね。参議院選挙というのは半数改選ですね。それでもって参議院は機能がとまっちゃう、事実上。そのときに衆議院を解散するということは、憲法が定めた一つの二院制の意義というか、二院制をしいた趣旨からいいますと私は疑義があると思う。その点はいかがでしょうか。
○国務大臣(小沢一郎君) 先ほど、ダブル選挙いつでもできるという話をしたそうではないかということでしたので、憲法上の話を申し上げたわけであります。
 今の問題につきましては、これまた制度あるいは法律上の仕組み、憲法上の仕組みからいえば、仮に今ダブル選挙となりましても半数の議員が残っておるわけでありますから、その意味では緊急集会も開催ができますし、そういうような憲法の、あるいは制度において許されないという問題ではないだろうと思います。
 ただ、いわゆる制度、仕組みの議論と、それから政治的にそれが妥当性を持つかどうかの議論は次元の違う議論であり、判断の問題ではないだろうかと。仮に先生のおっしゃるように、そもそもの通常の状況であれば、参議院が改選して半分しかいなくなっているときに衆議院も解散してやるということはよくないではないか、そういう御趣旨の議論は、いわゆる政治全体としてそれだけの必要性があるか、あるいはそういうことが妥当なのかどうか、そういう判断の問題ではないかというふうに私は考えております。
 ですから、ダブル選挙が違憲ではないかとかという議論になると、法律上、憲法上それは違憲とは考えていない、許されるという答えしかないわけでございまして、あとは今申し上げました政治全体として、あるいは内閣として、国会としての妥当性の判断で、政治の判断ではないか、このように思います。
○佐藤三吾君 あなたのお話はよくわかりませんね。担当大臣としてそこはきちっとした方がいいと私は思いますよ。違憲とか違憲でないとかという議論ではなくて、憲法上の二院制を設けた趣旨からいって立法府自体が半数改選で事実上機能を喪失する、そこに総選挙をぶつけるというのは、ダブル選挙ですね、そういうことは憲法上の趣旨からいくと想像していないと私は思うんです。そういう意味で、この問題はやはり担当大臣としてはきちんと踏まえていかないとそれこそ違憲ではないかと思います。その点一つつけ加えておきます。
 そこで、もう一つ懸案の問題でお聞きしておきたいのですが、私は予算委員会で総理、官房長官にただしたのですが、なかなか慎重な答弁だった靖国の公式参拝の問題です。これについて、大臣はいわゆる群れをつくって行きますね。ことしもし公式参拝に行くなら行きますか。
○国務大臣(小沢一郎君) この問題につきましては、靖国神社は一般的に常識的に言って戦没者を祭っておる、その追悼ということでだれもが自然な気持ちで行くべきものであろうと思います。したがって、私もいわゆる自分のそのような気持ちがわいてきたとき、そして時間が許せば靖国神社の参拝は今までもしておりましたし、するつもりであります。
 ただ、こういう問題、基本的には私は余り形式張って考えるのはよくないんではないかと思っております。したがって、今までも私は学校の生徒みたいにみんなで一緒にという参拝の仕方はしておりません。自分にそういう気持ちがわいて、そして機会があって参拝をしたことは何度もございます。したがいまして、それは大臣になってもその気持ちは変わりありません。
○佐藤三吾君 今あなたがおっしゃったように、自然にお参りするとかいうことはこれは当然だと思うんですね。私も兄貴が二人戦死していますから命日のときには参りますよ。しかし、そのことといわゆる中曽根さんが言う公式参拝とは全然違うんですよ。去年は、竹下さんは朝一人で参って、また閣僚と一緒に同じ日に二回も参る。そういうことをやりますかと僕は聞いておるんです。
○国務大臣(小沢一郎君) 今申し上げましたように、私は大臣になる前もそうでありましたし、大臣になりましても自然な気持ちでおりますので、大臣であろうがなかろうがそういうときことさら区別してしようとは思いません。
○佐藤三吾君 それでは、公式参拝ということについてはいかがですか、認識は。
○国務大臣(小沢一郎君) 公式参拝というのは、いわゆる国務大臣の任にある者が参拝するというケースを言うのであろうと思います。ですから、私の考えは国務大臣であろうがなかろうが、現在はなっておりますが、今申し上げたような気持ちで今後も行いたいと思っております。
○佐藤三吾君 あそこにはA級戦犯も合祀されていますね。これについてはあなたはどういう認識ですか。
○国務大臣(小沢一郎君) 基本的に、お国のために一生懸命、その是非は別といたしまして戦ってそれで亡くなった方でありますから、そういう戦没者に、参拝することによって誠の気持ちをあらわす、また自分なりにそれを考えるということであろうと思います。したがいまして、A級であろうがB級であろうがC級であろうがそういう問題ではないだろうと思っております。たまたま敗戦ということによって戦勝国によって戦犯という形でなされた人もいる。あるいは責任の度合いによってABいろいろなランクをつけられたんでありましょうけれども、その責任論と私どもの素直な気持ちというのはこれは別個に分けて考えていいんではないだろうかというふうに思っております。
○佐藤三吾君 まあいいでしょう、あなたの率直な考えだからね。
 千鳥ヶ淵には参りますか。
○国務大臣(小沢一郎君) 千鳥ヶ淵に今まで行ったこともありますが、靖国神社の方が今までも多かったと思います。何といいますか、自然な感じで靖国神社の方により多く足が向いたのであろうと思っております。
○佐藤三吾君 あなたの大体の姿勢、考え方というのはわかりました。
 しかし、総理も言っておりましたが、A級戦犯の皆さんがなぜA級戦犯なのか、あなたBもAもCも区別ないような言い方をしておりましたが、それは中国にしても東南アジア諸国の皆さんにしてみても、これはまさに加害者ですからね。目の前で母や父を殺されていったという人たちが今四十、五十の一番その国を背負っている人たちです。こういった方々から見るとあなたのような理解にはならない。
 そういう意味では、今こそ日本というのは、どちらかといえば経済摩擦などいろいろ引き起こしておりますが、まさに国際協調なしには生きていけない国ですよ。それはあなたも認識されていると思うんです。とりわけアジアの諸国民の皆さんと連帯を深めていかない限り、日本列島何か国引きの神でもってアメリカの西海岸まで引っ張っていけばこれは別として。そんなことできないとすれば、一国の大臣としてアジアの皆さんの心を心として、同時に償っていくというものがなければいけないんじゃないかと私は思うんですよ。あなたの議論を聞いておるとそこら辺がちょっと欠けておるように思うんですが、そう受けとっていいですか。
○国務大臣(小沢一郎君) 私は、委員会の席で私のいろいろなことを言っていいかどうかわかりませんが、基本的には日本はアジアの一員として生きていく以外にありませんし、またそういう位置づけが歴史的な経過の中で当然であろうと思います。また、それこそ民族的に言いましてもあるいはいろいろな思想、哲学の範疇の中におきましても、基本的にそういった意味の連帯といいますか、考え方といいますか、それはお互いアジア人の、アジアの国の中が一番理解しやすい、わかりやすい連帯の中にあると思います。
 現実問題としての経済問題、政治問題、そういう点のアメリカという認識はこれまた別のことであろうと思いますけれども、私はそういう意味で靖国の問題も対外的に考えればその戦犯というものの本質の議論とは別といたしまして、アジアの諸国民の感情を害したりするようなケースがあるであろうということは十分私も理解いたしております。
 しかし、私の考え方としては、対外的に言えば一戦犯の責任で済むという話ではないであろうと思います。したがいまして、これは国と国ということであれば、日本人全部が、日本国民がお互いに責任を負って、その中で、歴史のいろんな悲惨な状況が繰り返し起きておりますけれども、今後、本当にアジアの中の日本としての連帯と友好をお互いが保ち合っていかなければならない。その点につきましては、先生と全く同じ考えてあります。
○佐藤三吾君 同じじゃない。大分違いますよ。
 しかし、いずれにしても、あなたはもう大臣だから、私は今大臣の見解を聞きよるわけですから、日本国の大臣としての見識をきちんと、きょうの議事録が海外でも注目されるかもしれぬし、そういう意味ではきょうは所信表明に対する質疑ですから、ただしたわけですから、そこら辺は大事にしてほしいということだけつけ加えておきたいと思います。
 そこで、問題ががらっと変わります。通産省並びに警察庁に聞きますけれども、国際産業のM29パワーアップマグナム、この真正統摘発事件の問題について、先日私が予算委員会で取り上げた。これはなぜかといいますと、きょう午前中の質問の中でも出たように、一万八千人という警察官を動員して今首都警備に当たっている、このこと自体はまさに異常ですよ。そういう状況の中に警察庁自身が試射鑑定をした結果、けん銃と同類の効力を持つ銃が、警察庁の報告では一万丁と言うんですけれども、それを製造した社長の発言では五万丁、こういうふうに出回っておるということが私は重大だと思うものですから予算委員会で取り上げたんですけれども、現状を含めてその後どういう所要の措置をとったのか、まず警察庁から。
○政府委員(新田勇君) さきの予算委員会の席で佐藤委員からこの捜査について御質問いただいたわけでございますが、その後の措置ということでございますので重複しない限りで申し上げますと、引き続き捜査を進めておるというのが一つ。もう一つは、あのけん銃の回収に努めておるというところでございます。回収がこれまた今日の治安情勢に見まするとき極めて重要であるという考えから、全国に指示いたしまして、警察が努力して回収するということでありますが、同時に、都道府県、市町村の教育委員会の方にお願いする、あるいは防犯委員会、学校警察連絡協議会といった関係機関、団体にも協力をお願いいたしております。
 また、モデルガン製造協同組合の方にも、三月三十一日に、この回収に当たって協力していただくようお願いいたしまして、組合の方から組合員及び小売店に対してそういった指示をするというふうに聞いておりますし、また、この間お示しになった雑誌にも、協同組合の方から広告のようなものを掲載して、回収する努力をしていただける、こういうふうに聞いております。なお、通産省に対しましても、十分に協力して回収に努めていただくようお願いいたしておるところでございます。
 なお、既に回収されたけん銃の数でございますが、先般千七百四十丁と申し上げましたが、その後ふえまして、昨日現在で二千六百丁をちょっと上回って偽る、大体二千六百丁ということでございます。
○佐藤三吾君 通産省はどうですか。
○政府委員(杉山弘君) お答え申し上げます。
 私どもの関係につきましては、私どもが所管をいたしております武器等製造法にいう武器または猟銃等に該当するのかどうかという点について検討を続けてまいりましたが、法制局等とも御相談をいたしまして、武器等製造法にいう武器に該当するという判断をいたしました。本日、国際産業荒井社長を通産省に招致いたしまして、通産省の判断を伝えますと同時に、既に市中に出回っておりますものにつきまして早急に回収するよう指示をいたしたところでございます。
○佐藤三吾君 武器等製造法の該当条文、根拠、これはいかがですか。
○政府委員(杉山弘君) 武器等製造法第二条におきまして「この法律において「武器」とは、左に掲げる物をいう。」というふうにございます。また、その第二項におきまして「この法律において「猟銃等」とは、左に掲げる物をいう。」こういうことになっております。それで私どもはこの「武器」または「猟銃等」のいずれに該当するのかということで検討を続けてまいったわけでございますが、結論から申し上げますと、武器等製造法第二条第一項に定義をいたしております「武器」に当たる。具体的には、その第二条第一項一号にございます「銃砲」に該当するという判断をいたしたわけでございます。
○佐藤三吾君 これに伴う罰則はどういうことになるんですか。
○政府委員(杉山弘君) 武器等製造法第三十一条第一項で「第四条の規定に違反して銃砲を製造した者は、一年以上十年以下の懲役に処する。」こういう罰条がございます。
○佐藤三吾君 罰金も違うんじゃないですか。
○政府委員(杉山弘君) 罰金については規定はございません。「営利の目的で前項の違反行為をした者は、一年以上の有期懲役又は一年以上の有期懲役及び三百万円以下の罰金に処する。」というのが第三十一条二項にございます。
○佐藤三吾君 この場合は営利じゃないわけですか。
○政府委員(杉山弘君) 本件のケースに照らしますと、この罰条の適用につきましては私どもがあるいは有権的な考えを申し述べるのはいかがかと存じますけれども、お尋ねがありましたので、私どもの一応の考え方といたしましては、三十一条二項に該当するのではないかというふうに考えます。
○佐藤三吾君 三十一条の二項とはどういうことですか。
○政府委員(杉山弘君) 三十一条の二項の「営利の目的で前項の違反行為をした者」、三十一条の二項該当というふうに考えられます。
○佐藤三吾君 そうすれば、さっきのあなたが説明した罰則とは違うんじゃないですかと聞いておるわけです。いかがですか。
○政府委員(杉山弘君) 私が先ほど読み上げましたのは、三十一条一項及び三十一条の二項でございまして、本件のケースにつきましては二項に該当するのではないかということでございます。
○佐藤三吾君 そうすると、荒井社長の場合にはその適用になる、こう受け取っていいわけですね。
○政府委員(杉山弘君) これは本件が刑事事件として立件されるかどうかという問題になると思います。それが立件されました場合の裁判所の最終判断によると思いますけれども、ただいま委員の方から私に対して三十一条二項の適用があると考えるかどうかというお尋ねがございましたので、私どもとしての判断を申し上げればということで申し上げたわけでございまして、実際に本件についてこれが適用されるかどうかという問題は、ただいま申し上げましたように刑事事件として立件されるか否か、また立件された場合の裁判所の判断いかん、こういうことになるのではないかと思います。
○佐藤三吾君 警察庁にお伺いしますが、警察庁の場合には銃刀法の何条のどういう項を適用しておるわけですか。
○政府委員(新田勇君) 銃刀法三十一条の二の「次の各号のいずれかに該当する者は、十年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。」、一号の「第三条第一項の規定に違反してけん銃等を所持した者」、これであると思います。
○佐藤三吾君 そうすれば、警察庁の場合には所持だから、製造、つくった方には関係ないと思います、つくったものを持っていれば別だけれども。そういうことになりませんか。
○政府委員(新田勇君) 銃刀法は「所持」というところでとらえてこれを構成要件といたしておるところでございます。
○佐藤三吾君 そうすれば、通産省は今お聞きのとおりに三十一条二項で踏み切った。それとの関連はどうなりますか。
○政府委員(新田勇君) 現在銃刀法で捜査をいたしておるわけでございますが、捜査の過程でこの武器等製造法の適用も行われ得るということであれば、これについての技術判断をいたすわけでございますので、現在のところそういう検討をいたしておりませんが、場合によってはこの武器等製造法による検挙、送致、立件ということも考えられるところでございます。
○佐藤三吾君 私がこの問題を取り上げたのは、予算委員会の中でも申し上げたように、十一日に警察庁が銃刀法違反で捜査に入った。売った銃を回収しなさい、こういうことに乗り出した。ところが、にもかかわらず本人、いわゆる製造した本人の荒井社長はこれは違法でないと、そうして今度はここにある「Gun」という、五月号ですから警察庁が入った後の段階でもなおかつこういうふうに紹介して、そうしてここには違法とか何にも書いてない。「<お知らせ>既に新聞・テレビで御承知のことと思いますが、M29パワーアップ・マグナムは、一部機構を改良して、近い内に再発売することになりました。大変、御迷惑をお掛け致しました。」、こういう書き方なんです。ということで各卸、小売店に通告文書も出してどんどん売って売りまくりおる。
 その中には、警察については心配ございません、警察は若干行き過ぎた行為である、こういう文書を顧問弁護士名付で出している。「製品の安全性確保については細心の注意を払い、万が一にも卸・小売店様各位にご迷惑をかけることのないよう配慮して参りました。今回のM−29新製品につきましても、事前に警察当局に相談し、「保安上問題がないので、製造販売してよろしい」との許可をいただいたうえで、製造販売に踏切ったものです。」、「したがって」「危険な製品である等の事実は全くないばかりか、警察当局から取締り、警告等を受けることになるような製品では決してありません。」、こういう文書までおまけにつけてやっておるわけですね。こういう荒井社長の感覚というか、これが異常なのか、逆にそういう事実があったのか、だから確信を持ったのか、これは本人を呼んでみないとわからぬのですけれども、本人は私が質問する前日にも記者会見をやってこれと同じことを言っているわけです。
 こういうようなことをやっておって、なおかつ今聞きますと、通産省はきょうそういうことに踏み切って招致をして、回収せよということだけですね。こういうことでは何の意味も出てこないんじゃないかという感じもするんですけれども、いかがですか。
○政府委員(杉山弘君) 私どもといたしましては単なる回収だけではなくて、御指摘のM29それ自身が武器等製造法に規定いたします銃砲に該当するという解釈を伝えました。したがって、製造を続けていれば依然として違法行為を続けることになるということをはっきりと警告したわけでございますし、その上で回収について努力するようにということを申し渡したわけでございます。
○佐藤三吾君 そうすれば、僕は、警察庁はそこに一番ネックがあったんじゃないかと思うんだ。そこら辺がきちんとできれば、通産省は結論が出れば余りちゅうちょすることはないんじゃないかと思うんですが、どうなんですか。
○政府委員(新田勇君) 本件の難しさは、プラスチック製のものが銃であるのかどうかという、これまでにほとんど例を聞かなかったということから、この捜査に入るまでに私どもへ銃を持ってこられてから判断をするまで約三十二日間かかったということでございますが、言ってみればこのハードルを越えましたものですから、あとは銃刀法で検挙し回収ができるということでございまして、武器等製造法の適用云々というのは、またそちらの方の監督官庁の方で製造を中止させるとかあるいは回収を命ずるとかいうようなことでございまして、検挙に当たってこの武器等製造法の適用云々が支障であったというふうには感じておらないわけでございます。
○佐藤三吾君 それならちょっと警察庁にお聞きしたいんですけれども、このM29を荒井社長が発売に踏み切ったのが二月六日、協会の方が警察庁に鑑定を依頼したのが二月の八日、それがこの鑑定をするのに、しかも今出ようとするガンを押さえなきゃならぬというときに時間がかかって、どうして三月十一日までかかったのか、一体鑑定はいつ出たのか、そこら辺はどうなんですか。
○政府委員(新田勇君) おっしゃるとおり、この捜査には多少時間がかかっておりまして、三十二日でございます。警察庁へ組合の方がお持ちになったのが二月八日、それから警視庁の方へ引き継いだのが十日、それから警視庁の方でいろいろ鑑定をして間違いないだろうという結論に達したのが二十四日でございまして、それから捜査に着手したのが三月十一日という日付は先生御指摘のとおりでございます。この中で日にちが多くかかっているのは、警視庁が十日に受け取って鑑定を出す二十四日までの間、足かけでございますが十五日間ほどあったということと、それから二十七日に警視庁で考えが定まりまして検察庁へ相談に参っております。それを検察庁、法務省と両方説明いたしましたが、いわゆる法律論としてはっきりした形が出たのは三月七日、それから捜査の手順を両方で詰めて結論が出たのが十日ということでございますので、検察庁、法務省関係で足かけこれまた十二日あった、こういうことでございます。
 そのうち、鑑定して最後に認定をいたすのに十五日かかったところがふだんの場合よりやや長いかという感じがいたします。通常、銃器らしきものを入手いたしまして鑑定に出しますと一週間、長くても十日ぐらいでできるのが十五日、間に休日なども入りますけれども、かかっているというところが長いわけでございます。しかし、その理由は当初に申しましたように、プラスチック製のものが銃刀法の対象になり得るのかという大前提があったわけでございます。銃刀法には素材についての特段の規定はございませんが、模造けん銃とか模擬銃器というようなものをも禁止いたしております。
 これは、本当のけん銃に似たものを禁止しているわけですが、その場合には、いろんな物でつくるものもあるけれども、中でも金属でつくられた物を禁止するということは明らかに本物が金属であることを予定しているからではないかということで法律を厳密に解釈する必要がある。刑罰法規でありますし、それによって十年という重い刑が科せられることになるわけでございますので、いわゆる物理科学的な鑑定プラス法規範上の判断としてこういうものを銃器として認定していいだろうかということで議論を重ね、それから法律に関する解釈あるいは解説書というものもいろいろあさってみましたし、またこういう面についての判例がかつてなかったかというようなことをいたしましたために手間取ったというのが実情でございます。
○佐藤三吾君 二月二十四日に鑑定が出た。二月二十五日、翌日に警視庁保安係の西田係長から川島理事長が呼び出された。そこで、鑑定の結果はどうなったでしょうかと聞いたところが、それは知らぬとこう言った。そうして国際産業を逮捕しろというのならおまえらも一緒だと、逆にこう言われた。なぜ組合がそういうことにあせっておったかと言えば、二月六日に組合は、ここにありますように各卸屋の皆さん、小売の皆さんに、これは違法銃だと、いわゆる協会自体でつくっておる自主規制に反する銃だと。したがって売るのはちょっと待ってくれ、出たら大変なことになる。警察の手入れが入る。したがって今警察に鑑定をお願いしておる。それが出るまで待ってくれということで小売店や卸売屋は全部それをストップしておった。
 ところが、それに対して荒井社長の方が六日後の二月十二日にさっき私が読み上げたように弁護士つきの通知を卸や小売に出して、さっき言ったように、事前に警察に相談し、保安上問題がないということで製造許可に踏み切ったんであって、警察の取り締まりとか警告を受けるようなことは一切ございません、こういう通知を出したものだから卸、小売店は混乱したわけです。そうして鑑定はいつ出るのかということで矢の催促を受けて、警視庁に二十五日に行ったところが、今お聞きすると、二十四日に鑑定が出ながら、保安の西田係長がそれは知らぬ、おまえたち余計なことするな、こう言ったというのです。これはどう理解したらいいのですか。
○政府委員(新田勇君) 二十四日に鑑定が出たというのはこれは警視庁の段階でございまして、翌日警視庁は自分のところの鑑定、自分のところの考え方を持って警察庁に参り、そこでディスカッションをいたしまして、私どもも内部で意を固めて上の決裁をとり、二十七日に警察としての考え方が出たわけでございます。しかし、こういう考え方だけで物事を処理した場合に、刑罰法令の適用ということになりますと将来の公訴の問題があるということで、検察庁、法務省に相談をして最終結論を出したいということでその後検察庁、法務省へ持ち込みまして、最終的な法律判断が出たのが三月七日でございまして、これが時間を長引かせることとなった原因ではなかろうかと思います。
 それから、警察がよろしいと言った、了承したという話のもとは、どうも十月の二十六日ごろと思われますが、業者の社長が、かねてから顔なじみの暴力団を捜査する捜査四課の方へ話を持ち込んで、そのときに捜査四課の方では自分の方は銃についての詳しい専門的な知識あるいはそれについて解釈する地位にないから保安一課の方へ持っていくようにというふうに言ったわけでございますが、自分は何も言われなかったというふうに、そこを曲げてとってこれを宣伝したのではなかろうかということで私は大変遺憾に存じておるところでございます。
○佐藤三吾君 私も、この荒井さんというのは、予算委員会のあなたの答弁の中に出ておりましたように、この件で一遍事件を起こしておる。さらに、また今一億円詐欺で訴えられておる、そういう性格の社長だから全面的に信頼するわけじゃない。しかし、先ほど言ったように、余りにも警察との関係が複雑怪奇で、西田係長にしても古川管理官のいわゆる組合に対する対応を見てもちょっと理解しにくい、そう思うんですよ。ですから確かに捜査四課の鈴木主任が言ったという十月二十三日、二十三日ですね。そこで鈴木主任が試射をして、これはおもちゃだ、銃じゃない、こう言ったというんだから。そこで社長の方は確信を持った、だから心配ない、こう判断したということで、警察に事前許可をもらったということを言っておるわけです。
 いずれにしましても、事が銃ですね。あなた方が鑑定したようにけん銃なんです。それだけに銃刀法でも製造法でも極めて厳格に罰則を含めてきちっと処理しておる内容の代物です。そういう取り扱いが、だからこそまた組合の方も自主規制をつくって、そして本人が売り出すと同時に直ちに小売から卸店に向けて売るのはちょっと一切待ってくれ、こういうことで手配をしておる。それが結果的には警察庁の、今あなたが鑑定が普通なら十日か一週間のところを十五日かかったと言うけれども、実際組合の方から見ると二十日も三十日もかかっておるわけですね。いまだにまだ組合の方には通告をしていないわけでしょう。鑑定の結果クロだという鑑定はいつしましたか。
○政府委員(新田勇君) 少なくとも三月三十一日の日には組合の方に来ていただいて回収をお願いしておりますから、その前にやっておる、少なくとも三十一日にはやったというふうに言えようかと思います。
○佐藤三吾君 だから、三月三十一日はおととい、二日前の話。私が国会で取り上げてからの問題です。ですから、そういう対応でよろしいのかどうなのか。
 同時にまた、通産省はきょう決めたんですか。これだけ重大な問題をなぜ緊急に対応しないのか。予算委員会では浜岡さんが答弁に出てきて、この人は関係ないんじゃないかなと思いながら聞いておったところが、銃砲の方は別にして、直接の主管局で、通産省の皆さんはちゃんと知っておってどうして対応がおくれたのか。これはきちっとここで答弁してください。
○政府委員(杉山弘君) 私どもの方も、三月五日に警察庁から御連絡をいただきまして本件の問題を承知いたしたわけでございます。
 私どもといたしましては、先ほど御答弁申し上げました武器等製造法に該当するかどうかということを判断するということになるわけでございますが、武器等製造法の中には、冒頭も御答弁の中で申し上げましたように、武器と猟銃等という二つのカテゴリーがございまして、本件のM29につきましては、構造がプラスチック製であり、またプラスチック製の弾丸をフロンガスを用いて発射する、こういう構造になっておりますので、当初はあるいは猟銃の範囲に該当するのではなかろうか、猟銃の中には空気銃というのが入っておるものでございますから、それに該当するのではなかろうか。そういたしますと通常の空気銃との性能の比較ということも必要でございますので、その辺のこともあわせてやっておりました。
 ただ、空気銃と鑑定いたしますと、今度は警察庁の方でお考えの銃砲刀剣類所持等取締法上の問題との関係ということにもなってまいりますし、武器等製造法におきましても罰条が変わってまいりますので、先ほど御答弁の中で申し上げましたように、むしろそれは武器の中の銃に該当するということになるのではないか、その過程におきましてはこれまでの内部におきます解釈上の問題等等幾つか問題になる点がございまして、最終的には昨夜、内閣法制局の御意見等も伺いながら判断を決めた、かような次第でございます。
○佐藤三吾君 警察はどうですか。
○政府委員(新田勇君) いつ組合側にそういうことを言ったかというのを先ほど三十一日と申し上げましたが、三十一日も言っておりますが、その前に二十五日にも連絡しておるということがわかっておるところでございます。
 それから、先ほど御答弁申し上げた中で一点補足させていただきたいのでございますが、現在は銃刀法違反ということで捜査を行っているわけでございますが、このたび主管官庁である通産省の方で武器等製造法の解釈として適用があるのではないかという見解をお聞かせいただいたことでございますので、今後は公訴の任務に当たります検察庁、法務省ともこの問題について協議をいたし、その上で結論を出して立件するかどうかを決める、かようなことといたしたいと思っております。
○佐藤三吾君 私は、なぜこれを問題にするかと言えば、我が国の場合には武器については銃刀法もあり、製造法もあり、厳重に禁止をして罰則をつけて処理しておる。したがって成田等での輸入のチェックも厳重ですね。ところが、あそこで何ぼ厳重にとめても国内で堂々と製造し販売される、こういう状態で一体いいのか。しかも、自主的基準を設けて厳格にしておる組合の皆さんが真剣になって走り回っておるのに、本来これを取り締まらなきゃならない役所の方が、通産省のようにくずぐずしておったり、押さえるところをチャンスを逃してもう野放ししちゃったわけですね。今警察は回収をいろんなところで、いろんな方法でやっておるようですが、わずかに二千六百丁ですか、実際、通産省自体はまだ何万丁製造したかも把握していないんじゃないか、こういう状態じゃないかと私は思うんですね。
 そういう意味で、製造したのは何万丁なのかきちっと押さえて、不足したのはどこに行ったか、これを追及していって直ちに対応をとっていかなきゃいけない。製造した御本人はもっと売れもっと売れという電話を毎日かけるわけですからね。こういうことが法治国家の中で許されていいのかどうなのか。しかも警察が一万八千人の首都警備、異常な状態になっておっても、その中でどんどん武器を持っていかれればこれは何をか言わんやですね。こういうような事態ということが許されていいのかどうなのか。まさにそのことが問われておると思うんですよ。
 私は、いろいろ申し上げたい点がございますけれども、時間の関係もございますから、最後にこの問題について国家公安委員長として、また国務大臣として大臣がどういう決意で臨むのか、はっきり決意をいただいて終わりたいと思うんですけれども、いかがですか。
○国務大臣(小沢一郎君) 今回のことにつきましては、プラスチック製のガンということで鏡としての認定等に手間取りまして、結果としてその対応がおくれたということであったと思います。その間のいろんな事情はあったといたしましても、こういう危険なものが市中に出回るということは本来あってはならないものでございますので、今後、全部回収できるように全力を挙げてこの点につきましては努力いたしてまいりたい、そのように考えております。
○吉川芳男君 私に与えられた時間は三十分という短い時間でありますので、自治大臣・国家公安委員長所信表明についての若干の質問をさせてもらう次第でございます。
 第一問は大臣に聞くまでもない質問ですから御自身の答弁でなくてもいいんですけれども、この所信表明の二ページに「個性豊かな活力ある地域づくりの推進」という項目の中に、「個性的で活力ある地域づくりのため、まちづくり特別対策事業の充実強化、地域活性化センターの活用等による地域経済活性化対策の一層の推進に取り組んでまいりたいと考えております。また、高齢化等社会経済の変化に対応するため、まちづくりリーディング・プロジェクトを新たに推進することとしております。」と、こういう文言があるんですけれども、読んでいたり聞いていると耳に滑らかに入ってきますけれども、この事業は一体どういうものだか意味はさっぱり不明でございます。
 大体「地域活性化センター」というものが全国の市町村にまずあるのですかどうか、こういうことは余り聞いたことがないのですよ。
 それから、「リーディング・プロジェクト」というのは一体どんな事業のことを言うのか。
 最近コンセンサス、コンセンサスなんという言葉を使うとまた変な横文字使うじゃないかと言われますが、合意を得ない英語を使うのが役所に私は繁衍していると思うのでして、最近では都市構造の基盤となる施設、港湾とか鉄道とかというのはインフラストラクチャーなんと言うのだそうですね。それから規制緩和というのは、規制緩和という立派な日本語がありながらデレギュレーションなんという舌をかみそうな言葉を使って、本当に自分だけわかっているような役所の言葉は多いんですけれども、少なくとも自治省はこういう悪い風潮のまねをしない方がいいんじゃないですか。言葉の乱れというのは国の乱れにも私はつながると思うんですね。この事業のことについて、大臣から聞かなくてもどなたからでもひとつ御答弁願いたいと思います。
○政府委員(津田正君) 大臣が所信表明で述べました「個性豊かな活力ある地域づくりの推進」という中身でございますが、町づくり対策事業につきましては御承知のとおりこの数年もう既に手がけてまいってきておりまして、各地方団体におきましてもお仕着せなりあるいは全国画一的な計画ではなくて、地域の実態に即した町づくりというものに対して地方債等で支援をしてまいる、こういう事業を進めてまいっておるわけでございます。
 それから地域活性化センターでございますが、これは全地方団体と民間が出資をいたしまして昨年十月から発足しております。いわゆる一村一品等の運動で見られるように、地域みずからが産業おこしをしようということが最近活発に行われております。ただ、その場合には限られた地域の中でしか情報が得られないということになりますと、やはり販売面、流通面あるいは商品の企画開発という面で立ちおくれますので、そのような地方団体におきます各種の情報をここに集積する、また市場サイドの需要動向等をここに集積する、そしてそのような一村一品等地域経済を活性化するためのノーハウをこのセンターに聞けばわかる、こういうような趣旨で設けられて、現在都道府県会館の中に事務所を設けて既に活動しておるような状況でございます。
 それからリーディング・プロジェクトという片仮名のことでネーミングが、ネーミングと言うとまたいかぬのでございますが、名前をつくっておるものはこれは単純に現状に対する対策としての町づくりということではなくて、今後進行が予想されます高齢化社会がどういうような格好になるか、このような判断のもとに先駆的に種々の事業、対策を講じていくというようなこと。あるいは国際化というものも今後さらに一層進展するかと思います。そのような場合に、例えば、外人がもっと観光客その他でふえるというような場合に、現在の例えば道路標識があれでいいのかどうか、あるいは宿泊施設等は問題ないかどうか、そういうような将来の社会情勢の変化を先取りしたようなモデル事業というものを進めてまいりたい、このような地方団体側の計画等について自治省としても支援してまいろう、このような事業でございます。
 片仮名を使うのはどうかと思いますが、日本語をなるべく使いたいと存じますが、まあむしろ親しみやすくするというような意味も考えまして、若干のものにつきましてはこのような片仮名のものを打ち出しておるわけでございます。
○吉川芳男君 そのことについてやりとりしていますと時間がありませんから、次へ進みます。
 次は、地方財政のことについて五ページにはこううたっておられます。
  昭和六十一年度の国の予算編成において、今後三年間の暫定措置として国庫補助負担率の引下げが行われることとなりました。今回の補助負担率の引下げは、基本的に補助金問題関係閣僚会議の決定に基づき、補助金問題検討会の検討結果を踏まえ、社会保障関係の経費を中心に事務事業を見直しつつ行われるものであります。
  これによる地方財政への影響額一兆一千七百億円につきましては、地方たばこ消費税の税率引上げによる増収、地方交付税の増額及び建設地方債の増発により補てんし、地方公共団体の財政運営に支障が生じないよう、所要の措置を講ずることとしたところであります。
 こういうふうに一応はつじつまが合っているというふうに述べておりますけれども、私はこの参議院に五十八年に初めて来たわけでございますが、そのとき大変大議論が実はあったんです。それ以前の予算編成に当たりまして、七、八年続いたこの地方交付税の減額を補てんするので特別会計というものができて、もうその額が十一兆五千億にもなって、その利息を国が持つのか地方が持つのか、こういう大問題があったんです。
 そのときに私も初めて出たばかりですけれども、竹下大蔵大臣に、地方をいじめるなんていうのは、そこから利息を取るなんていうのはスズメの足から血を取るようなものだ。こうやらかしたのですが、そのとき竹下大蔵大臣は全然顔色ひとつ変えないで、まあ吉川君はそう言うけれども、自分の目から見ると国より地方の方が余裕があるように見える、こういうところからどうも地方財政余裕論なんていうのが、これは間違った認識だと思うんですけれども、生まれてきた始まりではないか、こう思うんです。
 その後、今度は六十年には有名というか、私は悪名が高い方だと思うんですけれども、一割カットの問題が起きて、そしてこれについては三大臣の間で一年間にわたって相談をします、こう言っておきながら私らは途中経過というのは全然わからずに最後になってあれですね、この「地方財政」というパンフレットによりますと、花岡さんはたった二カ条でもってこれを片づけているんですね。自治・大蔵大臣の間で、「六十一年度予算において補助負担率の引下げ措置を講ずるに当たり、次のとおり申し合わせる。 1 この措置は、今後三年間の暫定措置とする。 2 暫定措置の期間内においては、国・地方間の財政関係を基本的に変更するような措置は講じないものとする。」と。
 私は、国の権威者が、三大臣が協議するという中身にしては、議論をした結果この結論になったというには、言葉が悪いんですが、まことにお粗末じゃないか、そして、今回も一割カットというものを三カ年塩漬けにしておいて、その間に、今までの例からすると、大蔵省と自治省の間でかんかんがくがくな議論をして、本当に制度をよくしていこうという気持ちになれるのかどうか、過去の例からして、どうも私は懸念なしとしないわけです。
 そこで、国はことしは四%の経済成長率を見ておるんですけれども、このような円高デフレということによって将来税収がダウンした場合、国税三税の三二%が落ち込んだ場合、地方財政計画に不足が生じた場合に、もう特別会計がなくなった後において、今後はどういう措置を一体なさるつもりなのか、私は非常に気がかりであります。この対応策というものを今から講じておかれるのかどうか。これは新聞の切り抜きですけれども、ことしはつじつまは合っていますよ、冒頭に申し上げましたようにつじつまは合っていますけれども、しかし、こういうことで地方の声はどういうことかといいますと、「「たばこ消費税の伸びは期待できない」(島根、徳島)「福祉関係事業の質を落とせないため県の負担が増えた」(長野)「見送った事業や期間延長した事業も少なくない」(宮城、埼玉)」というように深刻に受けとめておるというのが地方の声なんですけれども、こういうことに対して、転ばぬ先のつえとでもいうか、税収が減った場合には今度はどういう手段でもって地方に安心がいくような施策をやっていかれるのか、今からお考えがあったら聞かせていただきたいと思うのであります。
○政府委員(花岡圭三君) 地方財政計画の収入の見積もりでございますけれども、この点につきましては、税務当局におきまして諸般の指標をいろいろと検討をし、また国の税収見積もり等も参考としながら、的確にはじかれたものと私ども考えておるわけでございます。仮に税収が落ち込むという場合、また、国税三税が落ち込むというふうな場合には、やはり地方団体がその財政を的確に運営していけるように、私どもとしては十分それに応ずる措置を講じなければならないということは基本でございますけれども、現段階におきましてそのような状況が生じることを予定して対策を考えているというふうな段階ではございません。
 ただ、一般的に申し上げますと、地方財政計画全般については、全体として収支が均衡しておるけれども、税収の伸びが地方団体によりましては非常にばらつきがございます。最近におきますいわゆる企業の収益の動向というものが地域によってばらつきがあるわけでございますので、確かに六十一年度の税収の見積もりといいますか、各地方団体におきます予算の編成を見ておりましても税収が余り伸びないで悩んでおられる団体もある。六十年度の実績を見ましても、やはりそういった傾向があらわれておる。こういう団体につきましては、私どもも今後、地方交付税の配分あるいは地方債の措置、こういった点を通じまして地方団体の財政運営に支障のないようにしていくつもりでございます。その点につきましては、各地方団体の意見を十分に聞きながら対処してまいりたいと考えております。
○吉川芳男君 これもどうも答弁が不満です。
 私は、質問の中にも、転ばぬ先のつえで考えられることはないんでしょうかというふうに申し上げているわけなんですから、もうちょっと、税収が落ちた場合でも心配は要らないんだという、どういう方策が考えられるという一言ぐらいあってもよかったんじゃないかと思うんですが、まあそれも後にしましょう、時間がないですから。
 それで、次は地方行革について一言お聞きしますけれども、これについては四ページに、昭和六十年一月に自治省が示した「「地方公共団体における行政改革推進の方針」に沿って、地方行革推進のための体制を整備し、自主的、総合的な減量化、効率化への取り組みがなされてきているところでありますが、今後さらに事務事業の見直し、組織・機構の簡素合理化、給与・定員管理の適正化等の行政改革が積極的、計画的に推進されるよう強力に指導してまいりたいと考えております。」というくだりがございますが、それに対しまして、午前中の審議の中で、官房長から、地方自治体一〇〇%に近い全国の都道府県、市町村が実施に移しておられるという答弁がありまして、提唱されている自治省は大満足でいらっしゃるんでないか、こう思うわけでございます。
 しかし、反面、実態はどうなっているかということについて、ときどきいろいろな新聞に出るんですけれども、ついこの間もサンケイ新聞に、「自治省のまとめた「地方公務員給与の実態調査」で分かった。」ことは、「国の水準を二〇%も上回る超高給与自治体≠ヘ、前回調査の十六団体から六団体へ減り、全体の平均でも〇・六ポイントダウン。しかし、東京、大阪周辺都市の高給与の構造≠ヘ相変わらずのうえ、中には前回より高水準となり悪化したケースも出ている。このため自治省では「やっと是正は軌道に乗ってきたが、まだまだ高水準」として、さらに指導を強化する方針だ。」こううたってありまして、ラスパイレス指数の高い自治体を市町村、都道府県ごとに並べてありますが、市町村では一番が堺市で、六十年度では一二二・九%にもなっておる、あるいは府県では神奈川県が一一一・三%になっているというふうに報じているわけでございます。
 そういうことで、最後に自治省は、「指導を強化する方針だ。」こう言っておりますけれども、一体この指導というものに対して、強化する方針は、中身はどういうことなんですかね。それから制裁はあるのかどうかということを実は聞きたいのが一つと、それから、ラスパイレス指数もさることながら、人件費比率というものについて、いささかその考え方というか方針を聞かしてもらいたいんでございます。
 実は私は、新潟県のことを言って手前みそになって恐縮でございますが、君知事は十二年前に就任以来、自治省に慫慂されるまでもなく、今後は人件費率を下げていかなきゃならぬということで、自然退職者が毎年三百人ほど出ると二百人ほどしか新規採用はしない、そういうことを約十年間にわたってやってきたために約千人ぐらいの職員が減りまして、減っても仕事はやれるんだから役所の組織というのもまたありがたいものだ、奇妙なものだなと思うんでして、労働組合もそれに気づいてあえて反対をしなかったというんですからね。これは結局生首を切らなかった、余り強引なことをやらないで上手にやってきたせいだと思うんで、(「臨時職員と日雇いが多いからだ」と呼ぶ者あり)いや、そういうこともないんですね。それは警察とかそれから学校の教職員とか看護婦さんとか医療に従事するというような人はこれはまた別の法律のためにふえているんでしてね。今私が言うのは、知事直属の八千数百人の職員のことを言っているわけなんです。そのために、ことしの予算では新潟県は人件費率が当初予算の一般会計の中で三〇・七%、全国では三六・八%、つまりその差たるや六・一%にもなって、金額的には毎年四十八億円の経費が浮いている形になっているわけですね。私は、これは褒めてしかるべきだと思うんですね。
 こういうことに対して、一体自治省はどう考えているのか。中国流に言えば、行革は新潟県に学べ、地方行革は君知事に学べ、こういうスローガンが出てもいいぐらいだと思うんでございますが、まあひとつここらで大臣の所見を聞かしてください。
○国務大臣(小沢一郎君) 地方におきましては、国が行革、行革と叫ぶ以前から既にその必要性を感じまして、地方独自で自主的に行革を進めてきておるわけでありまして、特に先生御指摘のように、新潟県におきましては君知事を先頭にして先生方皆さん御協力なさいまして、その実効を上げておるということは私どもも十分承知いたしております。全国的に見ますと個々のいろいろな地域の実情、事情があると思いますけれども、そういう中にありまして行革を進めていくためにはやはりうまく進行しておる地域の手法等々も十分参考にしながらその地方行革の実を上げていかなければならない、そのように私どもも考えておる次第でございます。今後ともまた御指導をお願いいたしたいと思います。
○吉川芳男君 事務当局はその指導方針と、制裁があるのかどうか。
○政府委員(大林勝臣君) お話しのように地方行革、まあ私どもおおむね軌道に乗ってきておると考えております。御指摘の定数問題あるいは給与問題、これが数年間中心になっておるように見えておりますが、定数につきましても、全国的には先般発表いたしました数字におきましても、一年間で一般行政部門におきましては一万人の職員減という結果になっておるわけであります。さらに給与につきましても、お話しのように〇・六ポイントの努力が行われておるわけであります。もちろん、まだ団体によりましてはラスパイレス指数が高いと言われておる団体もあるわけでありますので、昨年改めて個別指導団体として指定をいたしまして、さらに給与の是正について努力をしていただくことにいたしております。もちろん、こういった問題については、何事につけ行政改革は本来地方公共団体それぞれが自主的に努力されるべき質の問題でありまして、そのいかんによりまして、およそ制裁ということは考えておりません。
○吉川芳男君 制裁のことについては、昨年の日本経済新聞あたりに、大蔵省は考えているようなことが報道されていましたけれども、まあまあそれが実行に移されないのを私はよしとしているんですけれども、そうならないようにひとつ注意をしていかなきゃならぬことだと思っております。
 そのことについてもまだ聞きたいんですが、最後に警察問題について一つお聞きしたいんですけれども、昨年から同時多発ゲリラ、あるいは二度にわたってロケット砲を皇居や東宮御所に撃ち入れるという事件が続いているわけでございますが、これらが極左暴力集団によるものであることはもう自明の理であります。しかし、その組織や内容等が非常にわからない。それで、昨年の同時多発ゲリラ事件でも四十六人の逮捕者が出ているんですね。まあ、もう一人余計でなくて、四十七人でなくてよかったと思っていますけれども、これらのことについて何にも自白もしないから、またマスコミの協力もないからさっぱり本籍、現住所、氏名、基本的なことさえも全然わからない容疑者が多いんだそうですね。それで、わからないままに番号でもって起訴しているというような話まで聞くと、黙秘権のためだと思うんですけれども、日本の人間で木のまたから生まれた人間ばかりじゃないんですから、これはあなた、テレビや新聞に出せば、ああ、あの男はどこそこのだれだということがもう一遍でわかると思うんですよ。どうしてそういうことをなさらぬのかなと警察に聞きますと、これがいわゆる二十以下の未成年者であった場合に非常に困る、年齢も言わないものだから。しかし、大体顔つきを見れば、この男は二十過ぎているかどうかということぐらいはわかると思うんですよ。そういう一般の国民の皆さんに協力を願うというやり方ももう少し工夫してやるべきじゃないですか。
 それからもう一点は、成田のあたりに巣くっている連中は、これは全然住民登録も何もしていない連中がいるらしいんですね。それは日本の国の憲法二十二条に「何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する。」とうたってありまするけれども、ここにもありますとおり、「公共の福祉に反しない限り」という言葉がついているはずなんですよ。まあ、水も飲んでいるでしょうし、排せつもしているわけですね。そういうことについて基本的に、これはまあ市町村の行政の部分に属するのかもしれませんけれども、そういうところからも温床になっているところをもう少し解明していくということができなかったものですかね。これからもできないものでしょうか。その点についてお聞かせ願いたいんです。
○政府委員(三島健二郎君) 極左暴力集団の取り締まりに関しましては、検挙いたしました者についてはそれぞれ検察庁に送検いたしまして検察庁での起訴等の御判断をまつわけでありますが、警察といたしましては、その間できる限り本人の身柄等がわかりますように捜査の徹底を遂げて、何とかしてその住所、氏名等の割り出しを図っているところでございます。
 ただ、結果的にどうしても本人が完全黙秘でございます。彼らは捕まりましてももうそのほとんどがなかなか犯行の事実についても言いませんし、またみずからの人定についても何も言わないというのが原則でありまして、その割り出しがなかなか困難であるというところから、現実的に最終的にもその本人の住所、氏名等が割れないといったふうな事態もあることは事実でございます。
 そういう者につきましての例えば公開手配をするか、公開するかどうかという問題でありますが、それは先ほどの人権との関係を考えまして、警察といたしましてはその間必要な限度においてのみしかそういうことは行えないという状況でございます。例えば、去年の四月十二日に成田空港に十発、羽田空港に五発、実は千メートルくらいの距離を飛びます発射弾が打ち込まれたわけであります。これは現に中に火薬が入っております発射弾でありますが、これは実は大変危険な武器でございまして、千メートル近くも飛ぶし、また現に爆発をしたわけであります。これは中核派というグループがその犯行声明を出したわけでありますが、その後約十一カ月の捜査を遂げまして先月の十九日に犯人二名を割り出しました。ところが、残念ながらこの犯人二名も全く所在がわからないわけであります。
 したがいまして、何としても彼らの所在を割り出そうということで実はごく最近、きのうあたりから全国に、これはもう少し大きい服もございますが、このポスターを全国に配りました。(ポスターを示す)警察施設のみならず人の出入りする場所にはすべてこの犯人二名の手配書を張りまして、何としても国民の御協力のもとにこの犯人の所在を突きとめて検挙いたしたい。特にこの者は、現にそういう発射弾の技術を持っておる者でありますから、サミットの会議あるいは天皇御在位六十年の式典に際しまして警備をする上に大変危険な人物でございます。そういうことで国民の御協力を得ながらこのような犯人の捜査にも当たっているということでございます。
 それから、住民登録等の問題でございますが、極左を追及してまいります場合に、もしも本人の居住がわかって、その居住関係で違法状態等があれば当然その違法状態を立件いたしまして、警察といたしましては何としてもそれら極左についてはどんな小さな違法状態でも必ず検挙するということで、現在までもいろんな形の捜査を進めているところでございます。
○委員長(増岡康治君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時五十三分散会