第108回国会 社会労働委員会 第5号
昭和六十二年五月二十二日(金曜日)
   午後一時四分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 五月二十二日
    辞任         補欠選任
     対馬 孝且君     穐山  篤君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         佐々木 満君
    理 事
                岩崎 純三君
                田代由紀男君
                糸久八重子君
                中西 珠子君
    委 員
                石井 道子君
                石本  茂君
                関口 恵造君
                曽根田郁夫君
                田中 正巳君
                前島英三郎君
                宮崎 秀樹君
                穐山  篤君
                千葉 景子君
                浜本 万三君
                中野 鉄造君
                沓脱タケ子君
                内藤  功君
                藤井 恒男君
   国務大臣
       厚 生 大 臣  斎藤 十朗君
   政府委員
       厚生大臣官房審
       議官       代田久米雄君
       厚生省薬務局長  森  幸男君
       厚生省年金局長  水田  努君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        此村 友一君
   説明員
       大蔵大臣官房参
       事官       花野 昭男君
       大蔵省主計局共
       済課長      山口 公生君
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  本日の会議に付した案件
○年金財政基盤強化のための年金福祉事業団の業
 務の特例及び国庫納付金の納付に関する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
○医薬品副作用被害救済基金法の一部を改正する
 法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
○委員長(佐々木満君) ただいまから社会労働委員会を開会いたします。
 年金財政基盤強化のための年金福祉事業団の業務の特例及び国庫納付金の納付に関する法律案並びに医薬品副作用被害救済基金法の一部を改正する法律案の両案を便宜一括して議題といたします。
 両案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
○浜本万三君 私は、ただいま提案されております年金の自主運用の関係につきまして、質問をさしていただきたいと思います。
 当委員会におきましても、かねてから年金積立金の自主運用につきましては、早くこれを実現するように要望がありましたし、また年金改正法案の審議のたびに附帯決議がつけられておりましたので、今回わずか一兆円ではございますけれども、自主運用ができるようになりましたことを、私個人といたしましても大変喜んでおるような次第でございます。ただ、一兆円では極めて不満でございますから、この枠をさらに拡大いたしまして、年金財源の確保のために一層努力をしていただきたいという立場から、若干の質問をさしてもらいたいと思います。
 まず最初にお尋ねをいたしたいのは、昨年度いわゆる資金確保事業といたしまして、当初予算では三千億円、補正後五千億円の年金福祉事業団の運用が認められたわけでございますが、今日までの運用実績はどのようになっているのでしょうか、お尋ねをいたしたいと思います。
○政府委員(水田努君) お答え申し上げます。
 六十一年度に開始しました資金確保事業の運用実績は、七・六五%でございまして、借入原資が六・〇五%でございますので、その間の利差益は一・六%となっております。
○浜本万三君 さらにお尋ねするんですが、企業年金では既に有利運用の経験を重ねて相当の実績を上げておられるというふうに伺っておりますが、これはどのようになっておるか。特に、資金運用部預託の運用利回りと比較いたしましても相当いい利回りではないかということを伺っておるんですが、その点いかがでしょうか。
○政府委員(水田努君) 私どもの所掌いたしております企業年金の中の厚生年金基金の利回り、六十年度までしか現在判明いたしておりませんが、五十九年度は八・七七%、六十年度は八・八八%となっておりまして、厚生年金の資金運用部の運用利回りと比較してみますと、五十九年度では一・六%の利差を生じております。六十年度では一・七%上回っているということでございます。
○浜本万三君 次の質問に入りたいと思いますが、六十年度からスタートいたしました新しい年金制度の将来にわたる財政見通しでは、積立金の運用利回りはどういう条件のもとでどの程度に見積もっておられるのでしょうか。その点、年金法案の審議のときにも伺いましたけれども、改めてお尋ねをいたしたいと思います。
○政府委員(水田努君) これは、新年金制度は五十九年度の再計算の結果の収支見通しということに相なるわけでございますが、運用利回りは一応七%と見込んでおります。
○浜本万三君 これは標準報酬が五%、物価上昇三%を見込んだ数字でございますか。
○政府委員(水田努君) そのとおりでございます。
○浜本万三君 実は、利回りと保険料率につきましては深くかかわっておると思うので、そういう立場からさらにお尋ねするわけなんですが、厚生年金を例にいたしまして運用利回り、今お話しのように七%とした場合の将来の見通しにおける最終保険料率をどの程度見込んでおられるわけでしょうか。
○政府委員(水田努君) 厚生年金につきましては、先ほど先生御指摘のとおり、さきの再計算におきましては標準報酬の上昇率は五%、物価の上昇率は三%、運用利回り七%という前提で、最終保険料率は二八・九%と推計をいたしております。
○浜本万三君 さらにお尋ねするんですが、その七%を中心にいたしまして若干低目に見積もった六・五%の場合と、それから若干高く見積もりました七・五%の場合と比較をいたしまして、最終保険料率をどの程度予測されておるかということなんでございますが。
○政府委員(水田努君) 運用利回りを七%から六・五%にダウンして見込みました場合、最終保険料率は二八・九%から〇・四%上がりまして二九・三%となります。今度は逆に七%よりも余計に、七・五%に回ったという推計で計算をいたしますと、七%の場合に比べまして最終保険料率は〇・四%落ちまして二八・五%になると見込んでおります。
○浜本万三君 それではさらにお尋ねするわけなんですが、先ほどお話がございました標準報酬五%、物価三%ということが同じような条件だといたしますならば、運用利回りは差し引き約一%ほど高まることになると思います。そうすると、保険料率は計算いたしてみますと〇・八%ほど低くなるという計算になるわけでございます。ですから、有利運用というのは国民負担を軽減するためには非常に重要な事柄であるということがこの資料でもよくわかるわけでございます。
 したがって、有利運用を期待するわけなんでありますが、ところが最近の金融事情、金融動向を拝見いたしますと大変厳しくなっておりますので、最近の金融動向の中で果たして七%が確保できるんだろうかという疑問がございますが、その点はいかがでございましょうか。
○政府委員(水田努君) 資金運用部は七年物で預託しておりますので、預託金利の引き下げが直ちに全般的に落ちるというわけではございませんが、六十一年度では厚生年金は七・〇七%と想定をしております。六十二年度につきましては、現在預託金利が五・二%でございますので、この五・二%が仮に六十二年度じゅう維持されたとしますと、六十二年度の運用利回りは七%台を切りまして六・八%になるというふうに考えております。
 さらに、この五・二%の預託金利は近く長期プライムレートが下げられるのでこれもまた落ちるということになろうかと思いますので、再計算で見込みました七%の運用利回りを維持していくことは最近の金融情勢から見てまだ困難ではないかと考えております。
○浜本万三君 そういたしますと、なお一層自主運用の枠を拡大する必要があるということが考えられるわけなんでありますが、ところで厚生省は六十二年度予算におきましては、財政当局に対しまして年金積立金の自主運用額としてどの程度の額をどのような考え方で要求されたのでしょうか。また、六十三年度以降はどのように対応していくお考えであるか。考え方と見通しにつきましてお尋ねをいたしたいと思います。
○国務大臣(斎藤十朗君) 高齢化が大変速いスピードで進行し、年金が成熟をいたしてまいるわけでございますので、今先生が御指摘のように、将来の年金を考えるときに、その年金の積立金を、安全であることは当然でありますが、いかに効率的に有利に運用するかということは非常に重要な問題でございます。
 今回御提出いたしております自主運用額は初年度一兆円ということでございますが、六十二年度の予算編成に当たりまして私どもは新規運用対象額、すなわち新規積立金と満期償還額、これを合わせた約九兆円、その三分の一である三兆円を要求いたしたところでございます。その結果、今回は一兆円の自主運用でスタートをする、こういうことになった次第でございます。
 来年度におきましても、この新規運用対象額の三分の一の自主運用を確保いたしたいということで要求をいたしてまいりたいと考えておりますし、また将来にわたりましては、共済年金などと同様に年金積立額の三分の一の自主運用をいたしたいという目標を置いて今後も最善の努力をいたしてまいりたいと思っております。
○浜本万三君 厚生大臣の力強い今後の決意を聞きまして大変うれしく思うんですが、そういう厚生大臣のお考えを受けまして、財政当局の方お見えでございますね、大蔵省の方にお尋ねいたしたいと思います。
 お尋ねしたいことが三つほどあるわけですが、まずその第一は、大蔵省の所管であります国公共済の積立金の運用状況はどうなっておるかということを伺いたいわけです。特にこれは財投運用、有利運用、それから福祉運用の三つに分けてその割合をお示しいただきたいと思います。
○説明員(山口公生君) お答え申し上げます。
 国家公務員共済組合連合会の持っております積立金の運用状況を六十年度末の決算で申し上げます。資金運用部預託が一兆一千二百七十九億円、二七・九%、それから組合員等への貸付金、これが九千四百二十八億円、二三・四%、それから有価証券等への運用が一兆五千二百十八億円、三七・七%、その他四千四百五十二億円、一一・〇%という状況でございます。
○浜本万三君 他の共済を他の方からいただいた資料によりまして見ますと、有利運用だけでも農林共済は六六・三%、私学共済も六五・四%というしうに非常に共済関係の有利運用が多いわけでございます。私ども家庭の財政のやりくりにいたしましてもお金が足りないときには血族といいましょうか、血の強い、血のたくさん関係のあるものからたくさんのお金を調達する、こういうのが常識になっておると思うのであります。
 ところが、今のお話とそれから厚生年金等の自主運用の状況を見ますと、政府関係の年金の自主運用よりも民間の公的年金の自主運用が非常に規制をされて、特にことしはたった一兆円という自主運用しか認められないということなんですが、大変おかしいんじゃないかという素朴な疑問がありますが、こういう素朴な疑問に対してはどのようにお答えになりますか。
○説明員(花野昭男君) お答え申し上げます。
 厚生年金保険事業は、国みずからが特別会計という形で保険料の徴収あるいは積立金の運用を行い、給付全体について責任を持って行っているわけでございまして、このような国の制度を通じて集められる公的資金につきましては、やはり公共の利益の増進に寄与するよう運用する必要があるということで、資金運用部に預託されて財政投融資の重要な原資として社会資本の整備とかあるいは中小企業対策等国民の生活万般に絡まります重要な政策分野に資金配分を行っているところでございます。
 それからまた、先ほど厚生大臣からもお答えになられましたが、年金積立金の持つ意義ということから年金積立金の有利運用を図るべきではないか、こういう要請にこたえるために、ただいま御審議をいただいております年金財政基盤強化のための年金福祉事業団の業務の特例及び国庫納付金の納付に関する法律案に基づきまして、六十二年度一兆円ということで年金福祉事業団を通ずる有利運用事業を創設することとしている次第でございます。
 それで、厚生年金の資金運用と国公共済の資金運用の制約が違うではないか、こういうお話でございますが、先ほど述べましたように、厚生年金資金は国の特別会計という国の制度に基づいて行われるものでございまして、他方、国公共済は国家公務員を対象として特別法人が管掌する保険制度だという仕組みの違いがございますので、これを同列に論ずることはいかがか、かように考えておる次第でございます。
○浜本万三君 ただ、そういう考え方、法律上の問題で言えばそうなるかもわからぬが、物の考え方として、自主運用をして年金財源が豊かになれば、今度はどういうことになるかというと、国民の厚生年金保険料というものを上げなくてもよろしいか、下げることができるんですよ。つまり、これは保険税と言われておるゆえんがそこにあるんじゃないかというように思うんですね。
 したがって、私はこの際せっかく一兆円という窓をあけていただいたんでありますから、今後の運用の仕方といたしましてはやはり共済並みの運用ができるようにぜひ御配慮をいただけないか。できれば私は全額厚生年金の積立金は自主運用をさしてもらいたい、こう思うんですが、その点いかがですか。
○説明員(花野昭男君) お答えいたします。
 六十二年度一兆円ということで、年金財政強化
事業ということを創設することとしたわけでございますが、またお言葉を返すようでございますが、やはり厚生年金資金というのは財政投融資として重要な原資でございまして、国民生活のかかわります重要な分野にお役立ていただいておるということを御承知いただきたいと思うわけでございます。
 それで、六十三年度以降につきましてどうするかというお話でございますが、六十三年度以降につきましては、六十三年度の財投計画の編成の過程におきまして、運用部資金の財源事情とかあるいは他の政策分野の資金需要等をそれぞれ勘案いたしまして、厚生省とも御相談をしてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○浜本万三君 六十三年度の予算編成に当たりましては、ぜひひとつ申し上げましたようなことを配慮していただくように希望いたしまして、大蔵省に対する質問を終わりたいと思います。御苦労さまでございました。
 先ほど厚生大臣のお話を承りましたところ、共済年金並みに積立総額の三分の一の自主運用を目指す、こういう話がございました。
 そこで、将来のことをとらぬタヌキの皮算用で聞いたんではいけないんですが、およそのめどを立てるために伺うわけです。予定どおりの運用額が確保された場合に、どの程度の運用成果が見込まれるかということを伺いたいんです。具体的にはもう既に出ておる数字に照らしてお答えをいただきたいんですが、例えば九兆円の延長線上で見た場合、十年後は幾らになるか。それを十年ごとに昭和九十年まで数字をひとつ示してもらいたいと思うんですが。
○政府委員(水田努君) 三分の一の自主運用が実現できたという前提で、かつその積立金を複利で運用していってたまった積立金の五分の一ずつを国庫に納付する、その納付事業は六十七年度から開始する、こういう前提を置かさせていただきまして、しかも運用利回りが借りてきました原資の一・五%を上回るという前提で計算をいたしますと、昭和七十五年度で一・五%の複利計算でたまりました利益は五兆六千五百億でございまして、それに対する五分の一の国庫の納付額の累計額が約三兆程度と見ております。
 それから次に、さらに十年後の昭和八十五年では、一・五%の利差の累積が約十三兆七百億でございまして、それまでの国庫に納付いたしますところの納付額が約九兆四千億程度になると見込んでおります。大変恐縮ですが、八十五年までしか計算いたしておりません。
○浜本万三君 ですから、十年間で三兆円、二十年間でその三倍の九兆円、大変な運用利益が出るというふうに思いますので、ぜひひとつ厚生大臣に頑張っていただくように希望を申し上げておきたいと思います。
 それから、これはいいことばかりではないので、ちょっと心配な点を次に質問をするわけですが、先ほどお話がございましたように、現在の金融環境が非常に厳しくなっておるということでございます。したがいまして、所期の成果を上げますためには相当やっぱりいろんな手だてを考えていかなきゃならぬと思います。それで、どのような方針に基づいて資金運用を図っていかれるのか。これは特に大臣の方からお答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(斎藤十朗君) この年金積立金の自主運用は有利に運用をしなければなりませんと同時に、多くの国民の皆様方からお預かりをした積立金でございますので安全でなければならないということでありまして、私どもとしては大変責任の重い思いをいたしておるところでございます。
 そこで、私どもといたしましては、年金審議会の御意見やら、また年金審議会におきます資金問題懇談会等の御意見をいただいてまいりましたが、その上に金融関係の専門家の方々で構成していただきます年金資金運用検討会というのを持っていただきまして御検討をいただいてまいりました。せんだってその中間報告が私あてにされたわけでございますが、その第一は、各運用機関の運用を把握できる基本ポートフォリオを策定して行うこと。そして第二番目には、競争条件が促進されるよう多種多様な運用機関を選定して行うこと。第三として、運用成果の評価に基づき資金配分の積極的な見直しを行うことなどの御意見を中間報告としていただいたところでございます。
 こういった運用方針を立てまして、責任を持って運用をしていくように指導をいたしてまいりたいと考えております。
○浜本万三君 大臣の御答弁では、今後の資金運用に当たっては年金資金運用検討会の中間報告の趣旨に基づいて運用したいんだというお話でございます。この検討会というのは年金局長の私的諮問機関ということのようでございますが、これは恒常的な機関になるんでしょうか、どうでしょうか。
○政府委員(水田努君) 私ども年金積立金の運用のあり方につきましては、先ほど大臣から御答弁がありましたように、基本的なあり方は労使の代表と公益から構成されております年金審議会で決めていただくべきものと考えておりますし、また基本的な運用方針というものはこの年金審議会の中で構成されております資金問題懇談会から御意見を承ったりあるいは御相談したりして進めてまいるつもりでおります。
 いずれにしましても、この資金の運用というのは私どもにとって初めてのことでございまして、極めて専門的知識を要するということから、厚生省並びに実際の衝に当たります年金福祉事業団が相当程度のレベルに達するまで一種の金融のエキスパートからなる技術的なアドバイザーのグループである、こういうふうに私ども考えているわけでございまして、一応私どもが自信がつけ得るようになるまでいろいろと技術的な面についてのアドバイスを今後もある一定期間受けてまいらなきゃならぬ、このように考えております。
○浜本万三君 このメンバーを見るんですが、自主運用の具体的な問題については、今御答弁いただきましたように金融機関の方が非常に多いわけですね。そういうことで、運用の各段階で年金積立権者といいましょうか、被保険者の意見がどのように反映されるんだろうかという心配がやはりあるわけでございます。
 例えば信託銀行でありますとか生命保険会社に運用を委託いたしまして、そういう方々の御意見によって自由に運用をされるということになりますとどうしても率のいいところに運用がなされて、そのためにちょっと心配になりますのは、それが最近の土地投資でありますとかあるいはいろんな形のマネーゲームに投資をされまして反国民的な方向に利用される心配はないかということが思われるんですが、そういう点はいかがでしょう。
○政府委員(水田努君) 私どもこの資金の持っております公的な性格から、二つのことが極めて重要であると考えております。その一つは、先ほど大臣がお答えになられましたように、安全でかつ効率的な運用を図るということと、もう一つは、やはり公的資金から来る金融市場に対する中立性を常に維持していくという自制心を持って当たらなきゃならぬ、このように考えているわけでございまして、こういう視点に立って御指摘のような心配が起きないように、世の指弾を受けるような運用に陥ることのないように、金融機関とも事前に十分御相談しながら適正な運用を図ってまいりたい、このように考えておる次第でございます。
○浜本万三君 それで、きのう質問通告をするときにそこまでしか私も申し上げなかったんですが、実はきょう日経新聞を拝見いたしましたら、これまで企業年金の資金運用と事務の受託はいずれも信託銀行と生命保険に限られておったけれども、証券系など三社の指定が今度あるんだと。したがって、そういう証券系の企業、金融機関がこの年金の有利運用の市場に参入する道を開くのではないかという報道があるわけなんですが、この点、真実はどうなのかお尋ねいたしたいと思います。
○政府委員(水田努君) 今、先生から御質問があ
りました点は、さきの年金改革で厚生年金基金、この業務というのは資金運用面と数理の面と事務の面と三つのパートがあるわけでございますが、これは法律で生命保険会社と信託会社に包括的に委託しなきゃならぬという従来のあり方から、数理計算とそれから年金の支払い管理の事務的な面の業務は代行会社に委託するという道が開かれまして、具体的に三社から申請がございまして、先ほどの証券系が一つ、市中金融機関系が一つ、それから外国の年金のコンサルタント会社系一つ、計三つを代行会社として認可したわけでございます。これはあくまでも数理計算と厚生年金基金の事務の管理の面の代行会社でございまして、世に言われているような厚生年金基金の運用面を担当するための代行会社ではございませんので、その点、誤解のないように御説明をさせていただいたわけでございます。
○浜本万三君 いずれにいたしましても、積立金の運用は、有利であるということも大切なんでございますが、安全であるということも同時に重要な事柄でございますので、この二つの面を確保するためにも、被保険者の推薦する代表を運用検討会に加えたらどうかという気持ちを持っておるわけです。先ほどの御答弁では、年金審議会には確かに私が申し上げるような代表は入っておるわけなんでございますが、自主運用の資金運用検討会の中には、学者の先生とそれから金融機関の実務家が入っておられるようでありますが、それ以外の方々は名簿を見ても見当たりません。そういう意味で、安全かつ有利に運用していくためには、被保険者の推薦する代表をこのメンバーの中に参画させてはどうかというふうに思いますが、この点いかがですか。
○政府委員(水田努君) 私ども基本的には、年金運用の基本的なあり方は年金審議会で、それから運用の基本方針については、現在、年金審議会の中に先ほど申し上げました資金問題懇談会、これは公式の部会じゃございませんが、非公式の労使公益委員から構成されておる懇談会がありまして、そこの御意見を受けまして今回の法律をつくり、運用範囲の拡大も図る、こういう形をとっているわけでございます。先生御指摘のように、私ども今後自主運用の量の拡大あるいはまた運用面についての適正を期すというためには、今非公式の形であります資金問題懇談会をいずれ年金審議会の方とも御相談して正式な部会にしていただくというようなことも検討してまいらなきゃならぬのではなかろうかと思っております。
 決して私ども、先生御指摘の、今あります資金問題の検討会、これは一応中立的な少壮の経済学者を集めたつもりでございますが、特に座長から、自分たちは理論は強いけれども、実際面が必ずしも強くないので、オブザーバーという形で金融の専門家を入れていただいた方が地に着いた意見が出せるということで、正式メンバーじゃなくてオブザーバーという形で、正式メンバーはあくまでも中立的な少壮の経済金融の学者先生にやっていただいているということでございます。
 やっていただく内容は、極めて技術的な内容なものですから、むしろ先生の御指摘の点は、年金審議会の中で運用のあり方をバックアップする、あるいは監視するという役割を担う部門をどう強化していくかという方向で検討さしていただいた方がより適切なのではないかと考えておる次第でございます。
○浜本万三君 そういう方向でも結構ですから、とりあえず被保険者の代表を参画させまして、安全有利な運用の方法を講じていただきたいと思います。
 それから次は、ちょっと角度を変えましてお尋ねするんですが、年金積立金の性格というものは国民の貴重な保険料の集積であるということは申すまでもないと思います。
 そこで、有効活用を図るために先ほどから自主運用の額を増額してもらいたいという希望を込めながら質問をしてまいったところでございますが、もう一つの有効活用というのは、還元融資による年金加入者への福祉的な還元の強化を図ってもらいたいということでございます。今後のその面への具体的な運用方法について大臣のお考えを伺いたいと思います。
○国務大臣(斎藤十朗君) 今先生がおっしゃられますように、年金積立金の運用につきましては、共済年金並みに財投への協力、また有利運用、そして福祉運用というこの三つのバランスのとれた運用を行っていくことが必要であろうというふうに考えております。
 そういう中で、御指摘のように被保険者の福祉の向上のための還元融資についても、今後も一層充実をいたしてまいりたいと考えます。
○浜本万三君 具体的に私の方から提案をさしてもらいまして、大臣の積極的なお考えを承りたいと思っております。
 最近、アメリカの方でも医療費が高騰いたしまして困るので、したがってその防衛策として健康管理といいましょうか、健康センターのようなものをたくさんつくりまして、健康を増進するという政策がだんだん進められておるということを伺っております。何かアメリカのマンハッタンのオフィスビルの中で、事業主が健康センターをつくっておるというような例も伺っておるわけなんでございます。そういうことをやれば職員、従業員の健康増進に役立つと同時に医療費の高騰の抑制にもつながる、かように思いまして、一石二鳥になるのではないかと思っております。
 先ほどから、年金積立金の将来像を承りますと、自主運用をしないときでも、もう昭和七十年には百二十兆円を超えるような積立額になるし、それからまた、十年二十年すれば年金基金の積立金の方も百兆円に近い金額になるのではないかというふうに伺っておりますから、それらの積立金を従業員の健康増進、国民の健康増進のために十分活用するということは有効な手段ではないかと思っております。
 そういう方面で今後、厚生省としては積極的な施策を講ぜられるお気持ちがあるのかないのか、お伺いをいたしたいと思います。
○国務大臣(斎藤十朗君) 年金積立金の還元融資をもって被保険者の方々の福祉を向上していくということは一つの重要な施策だと考えております。
 これまでにも企業における体育館等福祉施設の設置のために融資を行ってまいったところでありますし、また、今先生が御指摘のございましたような健康増進センターというようなものを企業内につくっていくということも一つの大変有力なというか、いいアイデアではないかというふうに思っておりますし、こういったことを推進をし、きめ細かく進めてまいりたいと考えておりますが、ちょうど本年度の六十二年度予算におきましても、いわゆるシニアプラン研究開発促進事業といいまして、職域型の福祉施設の企画、開発の推進事業といたしまして三億円を計上してそういったことをいろいろ検討し、きめ細かな福祉対策を進められるようにいたしてまいろう、こう考えておりますので、これからもせいぜい努力をいたしたいと思います。
○浜本万三君 終わります。
○千葉景子君 私の方からは、医薬品副作用被害救済基金法の一部を改正する法律案に関連をいたしまして、若干お聞きをしたいと思っております。
 現在、副作用ではございませんけれども多くの国民の中で問題になっていることにエイズの問題があるかと思います。そして、とりわけ血液製剤を使用いたしましてこのエイズに罹患をしているのではないかという血友病患者の皆さん、大変心配をなさっているところでございますけれども、どうやらこの医薬品副作用の法律によっては、副作用の定義あるいは血液製剤とか製がん剤などは生命にかかわるということで、副作用が若干あっても使わざるを得ない、あるいは遡及効というものが認められていないというようなことで、この法律が直接適用できないという状況にあるようでございます。
 しかしながら、参議院の予算委員会あるいは衆
議院の社会労働委員会などでも厚生大臣あるいは中曽根総理からも、血友病患者でエイズに感染した方について積極的に取り組みをなさるというお言葉をいただいて、患者の皆さんも大変心強く思っているところかと思いますけれども、この血友病患者の皆さんについての救済、この方向性、いつごろまでに私どもに示していただけるのかどうか、その時期などについてお答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(斎藤十朗君) 血液製剤によりますエイズウイルス感染者の皆様方について、この医薬品副作用被害救済基金制度で救済をできないのかという御指摘がこれまでにもございました。今先生からお述べをいただきましたようなことで、なかなか現状の制度の中では当てはめにくいという状況でございます。
 しかしながら、この方々は、特にこういった特殊な事情によって感染されたというまことにお気の毒な方々でもあり、そういったことを考えますときに、何か救済の方法はないか、この救済制度でやり得ないのかどうかということをもう一度検討してみる、こういうお話でございました。そのもう一度の検討とともに、もしこれでもだめな場合であっても何らか他の方法等によって救済援助させていただくような方途がないかということを今鋭意検討をさせていただいておるところでございます。
 しかしその援助、救済の方法、給付等についていろいろまだ詰めてみなければならない部分もございます。また、これに対する財政的な問題もどのように考えていったらいいのかというような問題もございます。いろいろな角度から、またその当事者の方々ともよく御相談をさせていただくというようなことで、今せいぜい努力をいたしておるところでございますが、いっその結果が出るかということを明確に申し上げるわけにはいかないわけでございますけれども、できるだけ早い時期にその結論なり結果を御報告させていただきたい、こう考えて急いでおるところでございます。
○千葉景子君 ぜひ早急な御検討をいただきたいと思います。
 これは予測でございますのでどうなるかわかりませんけれども、次回の臨時国会などもまた予定をされると思いますが、そういう中で一定の中間報告なりあるいはこういう方向性で今検討しているというような御報告はいただけると思いますが、その辺はいかがでしょうか。
○国務大臣(斎藤十朗君) 御指摘のように、臨時国会も云々されておる現状でございますが、臨時国会の間においては何らかの方向について御報告をさせていただかなければならないであろうというふうに覚悟はいたしております。
○千葉景子君 ぜひ覚悟を固めて頑張っていただきたいと思います。
 ところで、こういう救済措置について何らかの検討をなさるということになりますと、やはりまずは実態を把握なさるということが必要になってくるかと思いますが、これまでどの程度なされているのか、あるいはこれから実態把握をなさっていくのか、そのあたりはいかがでしょうか。
○政府委員(森幸男君) 血液製剤でエイズに罹患されておられる方々あるいは感染をされておられる方々がどの程度の数に上るかというような問題を含めまして、エイズ患者などの発生状況につきましては厚生省のエイズサーベイランスの中で把握をするように努めてきているところでございます。
 そのほか、今先生のお話では、あるいはこういうエイズに罹患をしておられる方々の実態の把握と、もうちょっと広く、そういうことを御指摘かと思いますが、この辺につきましては人権問題への配慮など、なかなか実際には難しい面があろうと思っておりますが、ここのところは関係団体の方々ともお話をして検討してみたい、かように考えております。
○千葉景子君 救済措置などを講ずるということになれば、いろいろな財源の問題等もあるかと思いますので、実態の把握にぜひ努めていただきたいというふうに思います。また、今お話がありましたように、そうなりますとやはりどうしてもこういう難しい病気でもございますので、人権への配慮、プライバシーへの配慮などが必要になってくるかと思いますが、これまでも精神衛生実態調査、身体障害者の実態調査などでトラブルなども起きている状況がございますので、その辺の配慮をぜひしていただきたい。
 それにつけては、こういう患者さんの団体として全国ヘモフィリア友の会というような団体もございますが、そういうところとのこれから連携あるいは協力体制、こういうことが不可欠かと思いますが、このあたりはいかがでございましょう。
○政府委員(森幸男君) 先生御指摘の、患者の方方の実態の把握の問題も含めまして、今おっしゃいました全国ヘモフィリァ友の会など患者団体の方々、そのほか関係者の方々の意向であるとか考え方につきましては、これまでも機会あるごとに伺うようにしてきておるつもりでございますが、今後ともその辺は十分配慮してまいりたい、かように考えております。
○千葉景子君 今後、この救済措置をとるということになりますと、それなりの、かなりのといいますか、財源の確保といいますか、こういうことも必要になってくるかと思います。こういう際にやはり一定のこれに関与してきた、例えば輸入加工業者とか、そういう製薬会社、こういうところからの出資とか、あるいは財源の調達、こういうことも必要かと思いますが、この財源確保については今お考えがございますでしょうか。
○政府委員(森幸男君) この救済のための方策につきましては、先ほど大臣が申し上げましたようなことで、給付なりあるいはサービスの内容をどうするか等々、いろいろ詰めなければならない問題が多々ございます。いずれもなかなか難しい問題だとは思っております。
 今御指摘のございました具体的な費用の負担というものをどういうふうにするかということも、こういうことを実施していくということになりますと大きな検討課題の一つになってくると思っております。その際、メーカーであるとか輸入業者の取り扱いをどうするかというようなこともあわせて検討することが必要になってくるものと私どもは考えております。
○千葉景子君 そのあたりも十分な財源をぜひ確保した上での救済措置を講じていただくように要望しておきたいと思います。
 ところで、今回の法案でございますけれども、近年、目覚ましい進展を遂げているバイオテクノロジーを初めとする先端科学技術というんでしょうか、こういうものの開発、こういうことに寄与していこうというところがあるかと思いますけれども、こういう先端技術ということになりますと、これまで私たちが予想だにしなかった新しい発見とか事態というものも考えられるわけでございます。とりわけ保健医療の分野ということになりますと、人の生命とか倫理、こういうところとも抵触するような問題も出てこようかと思いますけれども、この辺についての十分な配慮、こういうことについてはどのような決意をお持ちでしょうか。
○政府委員(森幸男君) 御指摘のように、バイオテクノロジーの活用によります医薬品の開発という問題は、生命科学等の成果にのっとりましてヒト細胞を初め生物の細胞であるとか遺伝子に働きかけて医薬品を開発していこうというものでございます。その活用を進めてまいりますれば、保健医療上の重要課題でございますがんであるとか老人性痴呆等を克服できるような、そういう画期的な新薬の開発も可能となるのではないかと大きく期待をしているところでございます。
 ただ、このような手法によります研究開発を行います場合には、今お話しの中にございましたように、生命倫理という問題に十分配慮し、社会的な合意が得られるというような形で進めていかなければならないのではないだろうかと思っているところでございます。
 基金の研究振興業務を進めるに当たりまして
は、今御指摘のありましたような点に十分注意をいたしまして、振興対象のプロジェクトの審査等の業務も進めてまいりたい、かように考えております。
○千葉景子君 この面については慎重の上にも慎重な配慮を加えて進めていただくように要望をしておきたいと思います。
 それでは、ちょっと最後に一点だけ確認をさせていただきたいと思いますが、去る五月十二日の与野党国対委員長会談におきまして、売上税法案の取り扱いについては合意がなされております。したがいまして、この医薬品副作用被害救済基金法改正案の附則第十一条の規定は事実上の削除となるものと解されますが、そのとおりと解釈してよろしいでしょうか。
○国務大臣(斎藤十朗君) この規定につきましては、与野党国対委員長会談のとおりでございます。
○中野鉄造君 初めにお尋ねしたいことは、今回のこの名称でございますが、医薬品副作用被害救済一研究振興基金、こういうようにありますね。そしてこの参考資料の五ページ目には、「基金は、厚生大臣の認可を受けて、医薬品の副作用被害の救済給付の支給に係る者についての保健福祉事業の一部を委託することができるものとすること」、こうありますけれども、副作用被害救済の基金と研究振興の基金とはこれは当然別個なものなんですね。そして、ここに書いてある今読み上げました五ページの「救済給付の支給に係る者についての保健福祉事業の一部を委託することができる」、ここのところちょっとわかりづらいんですけれども、説明していただきたいんです。
○政府委員(森幸男君) お答え申し上げます。
 今回の法律改正の主たるねらいは、今お話のございました医薬品の研究振興業務でございます。ただ、今回この法律改正を行うに当たりまして、従来から行ってきております副作用被害の救済の業務につきましても、もう一度見直しまして何か手を加えることが必要ではないかということを検討いたしました結果、今の保健福祉事業の委託というものを加えたわけでございまして、直接の関係はございませんが、今回せっかくの法律改正ということであわせて改正をさしていただいた、かようにお考えいただければありがたいと思います。
○中野鉄造君 そうすると、五ページ目のこの文章だけで解釈しますと、ちょっと紛らわしいような気がするわけですが、この基金は全然別なんですね、救済のあれと研究振興の基金とは。そういうふうに理解しますけれども、今のままで、こういうような一つの名称のもとに行われていくというようなことがずっと続くんでしょうか。これは将来は別個なものになっていくと考えるんでしょうか。
○政府委員(森幸男君) 今回この研究振興業務を加えるに当たりまして、その実施主体をどういうふうに考えたらいいのかということが実は大きな課題でございまして、いろいろ検討をいたしたところでございます。新しい法人をつくるというようなこともその過程では検討いたしたわけでございますが、こういう行政改革を推進するという政府の方針のもとでやってまいりますと、なかなかそういうことは問題があって難しいのではないかということで、既存の特殊法人なり特別認可法人にこの事業を追加して、実施をしてもらうということが適当ではないかということになったわけでございます。そういうことを前提といたしまして、厚生省の所管をいたします種々の法人を精査いたしました結果、やはり最も適当なのはこの救済基金ではないであろうかというふうに考えまして、これに追加をいたしたわけでございます。
 今お話しのように、この二つの事業はそれぞれの目的と申しましょうか、を持ってこれから実施をされていくわけでございますし、例えば経理面、運営面におきましても、両者がきちっと明確に区分した形で処理をされるということになってございます。将来の問題につきましては、これは今後またいろいろな情勢の変化に合わせて考えていかなければいけないかと思いますが、当面はこの救済基金の中でこの事業を推進していきたいと、かように考えております。
○中野鉄造君 次に、この基金の問題についてお尋ねいたしますが、今日のような画期的な医薬品の開発を可能にする条件が整ってきていると思いますけれども、こういった先端技術の活用といったことについて、先ほど御答弁もありましたけれども、重ねてお尋ねしますが、行政としてはどういうような対応をなされていくのか。例えて言えば、先端技術の活用というものには、企業側からいたしますとかなりのリスクも伴うわけですけれども、その辺のところをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(斎藤十朗君) 今回の改正をお願いいたしておりますのは、これからの長寿社会にあって長寿を全うするについては何といっても健康でなければならない。その健康を保持増進していくために、現在飛躍的な発展をいたしておりますバイオテクノロジーを初めとする先端技術を応用した医薬品を開発していくということは非常に重要なことである、こういう観点から、この先端技術を応用した医薬品の開発の基礎的な部分について民間の研究開発を促進してまいる、そのための新しい基金として創設をお願いいたしておるわけでございます。
 そういう中で、今先生がおっしゃられますように、医薬品は言うまでもなく国民の生命と健康を維持、増進してまいるわけでございますので、そのために必要な有効かつ安全ということが最も大事なことであります。でありますので、今回の研究開発についても有効かつ安全ということを基本に置きながら諸般の推進をいたしてまいりたい、このように考えるものでございます。
○中野鉄造君 今、大臣の御答弁にもありますように、これはもう今後研究体制の抜本的見直しが迫られてきているわけですけれども、そのためには当然産官学の力を結集していかなくちゃいけないと思うわけですけれども、そこいら辺の具体的な産官学に対する対応というか、その辺をお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(森幸男君) ただいま大臣から申し上げましたように、これから我が国の社会が高齢化に向かって急速に進行していくわけでございますが、その中で出てまいりますがんであるとか、脳卒中であるとか、心臓病であるとか、さらには老人性痴呆等々いろいろ保健医療上の重大課題というものがあるわけでございまして、そういう課題をこれから積極的に解決するように取り組んでいかなければいけない。そういうことになってまいりますと、お話に出ておりますように、やはり最近目覚ましい発達を遂げておりますバイオテクノロジー等々の、いわゆる先端技術というものを医薬品などの分野でも積極的に活用をする研究というものが進められなければならないというふうになるわけでございます。
 しかしながら、こういう先端技術と申しますのはまだ実際問題として着手されたばかりの段階でございまして、今後幅広い基礎研究の蓄積が必要であろうというふうに考えておりますし、またいろいろと開発リスクというものも今まで以上に大変大きなものになっていくというふうなことであろうと考えております。
 そういうようなことをいろいろ進めてまいりますに当たりまして、今お話にございました産官学の力を結集してそういう課題の解決に当たるということは、私どもといたしましても、今後の大きな課題であるというふうに考えているところでございます。そのために、国立試験研究機関などにおきます基礎研究というものは従来から行ってきておりますけれども、そういうものをさらに充実させていくということはもとよりでございますが、六十一年度、昨年度からは長寿関連基礎科学研究事業という事業を始めまして、ヒューマンサイエンス振興財団という厚生省の財団法人がございますが、その振興財団によります産官学の共同研究プロジェクトというものを構成いたしまして、バイオテクノロジーを初めとする基礎研究の
充実を図るということにいたしたところでございまして、今年度も引き続きそういう方向で今の点は進めているところでございます。
 今回の出融資制度の創設は、そういうような基礎研究の成果を踏まえた上で、具体的な医薬品等の開発供給というところにこれを結びつけていこうというのがねらいであるわけでございます。
○中野鉄造君 ところで、この基金は民間の出資をも集めることとしておりますが、どのような方面からどの程度の金額をどういう方法で集めようともくろんでいらっしゃるのか、お聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(森幸男君) この研究振興業務につきましては、その基本財産に対しまして産業投資特別会計から七億円の出資を計上すると同時に民間からも出資を募集するということにいたしております。出資をお願いする業界としては医薬品業界や医療用具の業界が中心になるかと思うのでございますが、その他の関連産業にもできるだけ幅広く出資を依頼するようにしてまいりたいと考えております。
 具体的な金額につきましては、これから依頼をするというところでございますので、現段階ては確定をいたしておりません。
○中野鉄造君 現段階でわからないとしても、国からの資金、民間からの出資を合わせて、発足当初はどの程度のものをお考えになっているのか、また、成熟した段階ではどの程度の資金量を想定されているのか、わかりませんか。
○政府委員(森幸男君) 私どもの期待といたしましては産業投資特別会計からの出資額、先ほど申しましたように七億円を予定しておりますが、少なくともそれを上回るような額は民間からの出資ということで確保したい、かように考えているところでございます。
 将来、どの程度の出資額にもっていくかということにつきましては、これは事業発足後、具体的な事業に対するニーズの動向等々にらみながらこれから固めていくべきことではないか、かように考えております。
○中野鉄造君 この基金の出資事業は民間企業の二社以上の共同開発プロジェクトに対して支援を行うこととしておりますけれども、その選定はどういうような考え方に立脚するものなのか、そこをお聞かせいただきたい。
○政府委員(森幸男君) 共同研究のプロジェクトは、そのテーマを公募いたしまして、公募されたものの中から基金で選定をすることといたしております。選定に当たりましては、研究開発の目的の妥当性と申しましょうか、どういう目的で研究開発を進められるのかというような点が一つ、それから研究開発の成功の可能性というところもあろうと思います。それからまた、応募企業におきます研究能力というような問題もあろうかと思います。そういうような幾つかの基準を総合的に勘案いたしましてこの事業の対象を決定するというふうにしてまいりたいと考えております。
○中野鉄造君 そうしますと、これは将来は、将来というか、考え方としては、二社以上ということは外国の企業との提携とか技術提携だとか、そういうことも起こってくるわけですけれども、その辺はどういうように考えていますか。
○政府委員(森幸男君) これは、今申しましたような手続で進めていく際に、適当なテーマが出てまいりましたら、外国の企業も、外国の企業と申しましょうか、外資系の企業もこの対象になり得ると考えております。
○中野鉄造君 具体的な出資の方法、共同開発のための法人ベンチャー企業を設立する場合にはどの程度の資金を提供して行うと考えていますか。
○政府委員(森幸男君) この研究開発を行います場合の資金の提供につきましては、現在の段階で私ども考えておりますのは、おおむね五年程度を目途に研究開発に対する出資を続けまして、成功した場合にはその利益に応じた配当を受けるというようなことにいたしたいと思っております。
 それから、基金からの出資額につきましては、必要となる研究資金の七割ぐらいを上限に考えたい、かように考えております。
○中野鉄造君 発足して、その当初の資金量にもよると思いますけれども、成熟したというか、大体軌道に乗りだしてからは年間何テーマぐらいを予想しておられますか。
○政府委員(森幸男君) これは今後行う事業に対してどの程度の応募と申しましょうか、ニーズが出てくるかということでいろいろ左右されるかと思っておりますが、あえて現在の段階で私どもが考えておりますのを申し上げますと、毎年数十億程度の規模で、テーマといたしましては十テーマ前後ぐらいのものが継続できればいいのではないか、そんなようなことを当面は考えております。
○中野鉄造君 そうしますと、出資及び融資の対象になるテーマはどういうようにして決定していきますか。
○政府委員(森幸男君) テーマの決定につきましては、先ほどもちょっと触れましたが、これは民間企業からテーマを公募いたしまして、公募されたものの中から選定するということになっていくわけでございます。その決定に当たりましては、いろいろ専門的な事項もあろうかと思っておりますので、外部の専門的な方々の御意見も聞きながら適切に進めたいと思っております。
○中野鉄造君 こういった先端技術を用いての研究開発ということになりますと、必ずしもいつも成功するとは限らないわけですけれども、成功払いみたいな形になっておりますし、失敗したような場合、貸付資金の債権確保というものが果たして円滑にいくのかなと、こういう気がするわけなんですが、現在この種の基金の先輩格に当たります農水省あるいは通産省関係のこの種の基金の現況がどうなっているかとか、また今申しましたような回収が思うようにいっていないといったようなそういうものがあるのかどうか、御参考までにそれもお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(森幸男君) 他の団体の実態につきましては申しわけございませんが、現在そうつまびらかにはしておりませんけれども、この基金が行います二つの事業、出資の事業と融資の事業がございますが、融資の事業を行うに当たりましては当然のことながら担保をとって融資をするということになりますし、それから出資の事業は先ほどのように出資をいたしまして成功した場合には、その出資に対する配当というような形で利益の還元を得るというようなことになっていこうかと考えております。
○中野鉄造君 ですから、その場合担保はとっておりましょうけれども、今言うように企業ですから倒産する場合だってあるわけですね。そういうリスクも伴うと思うんですが、その辺のところはいかがですか。
○政府委員(森幸男君) 事業を実施していくに当たりまして、今先生おっしゃいますように、これはリスクの高い事業であるという先ほど来の問題に照らしましても、必ずしも予定したとおり成功するとは限らないわけでございますが、私どもといたしましてはそういうような場合には、例えば基本財産の運用益であるとか、あるいは融資事業が成功した場合に得られます成功報酬であるとか、あるいは出資事業が成功した場合の配当であるとか、そういうようなこの救済基金が得られる幾つかの収入というものをもとにいたしましてそういうような事態には対応していきたい、かように考えております。
○中野鉄造君 終わります。
○沓脱タケ子君 それでは最初に、年金財政基盤強化のための法案についてお伺いをいたします。
 今回の改正で、積立金の一部を厚生省が年金福祉事業団を通じて自主運用することが提案をされました。たびたび附帯決議でも要望されていたものが実現できたという点で一歩前進と思うわけですが、その一歩前進のために大変いろいろな問題点が含まれているように思いますので、既に同僚委員からも詳しく質問が出ておりますけれども、私は限られた時間ですので二点に限ってお伺いをしたいと思います。
 一つは、自主運用ということなんですが、自主
運用というのは管理をしている厚生省の自主運用ということではなくて、やはりこの厚生年金の原資の半分は労働者の掛金でございますので、労働者代表がまさに自主運用の中の中心的な主人公になるということが非常に大事ではないかと思うのですが、その点についてはどうなんでしょうか。お話がありましたが、どうもはっきりしないのは年金審議会のメンバーから資金問題懇談会ですか、年金局長の私的諮問機関、九人で三、三、三の割合になっているというわけですけれども、この点については格段に意を用いなければならない問題点だと思いますが、お考えをまず聞きたいと思います。
○政府委員(水田努君) 基本的にはもう先生の御指摘のとおりであろうかと思っております。厚生年金並びに国民年金の事業の運営については法律上年金審議会にお諮りをしながら事業の進展を図るように義務づけられているわけでございまして、この年金審議会には御案内のとおり労使の代表及び公益の代表から構成されているわけでございまして、今回の法案をつくるに先立ちまして御意見もいただき、またこの法案を国会に提出する前にも十分御審議をいただき、御了承を得て出しているものでございます。
 今後この事業の充実、発展を期してまいりますためにはやはりこの年金審議会、現在資金問題懇談会という形でいろんな具体的な問題については御相談いたしておりますが、今後は先ほどもちょっとお答え申し上げましたように、これは年金審議会の中の問題でございますが、資金運用部会等にきっちりした正式な部会を構成していただくというようなことも中で御検討いただき、私どもの事業の円滑な推進が図れるように意を用いさしていただきたいと、このように考えております。
○沓脱タケ子君 時間が私非常に限られているので、きょうは詳しく申し上げることができませんが、西欧先進資本主義国でもイギリスを除いて全部労働者代表がきちんと参加をしていますね。とりわけイタリアあたりでは非常にその点が尊重されるという姿になっておりまして、全国社会保険機構というのですか、約八割をカバーしているその機構では、管理委員会三十八名中労働者代表が雇用労働者十八名、独立労働者といいますか自営業者ですが、これが四名ということで合わせて二十二名、過半数が被保険者代表によって管理運営に参加をしているという先進例も既に出ているところでございますので、我が国でもせっかく自主運用が発足をするということになった限りは、その点被保険者に不満を起こさせないような配慮というのは極めて大事だと思うわけです。
 次に、第四条の資金の運用についてお伺いをいたします。資金の運用という第四条の項目を見ますと四つ書いてあるんですね。一が「国債、地方債その他確実と認められる有価証券の取得」、二は「預金又は貯金」、三が「信託業務を営む銀行又は信託会社への金銭信託」、四が「厚生年金保険の被保険者及び国民年金の被保険者を被保険者とする生命保険の保険料の払込み」と、こう四つに分類をして法律は提起されておるわけでございますが、それぞれこの割合はどういうふうにお考えになっておりますか。
○政府委員(水田努君) 実際の運用の衝に当たるのは年金福祉事業国でございますが、大別しますと、年金福祉事業団が直接運用を行う場合の方法として一号及び二号がその対象になろうかと思います。それからもう一つの大別できるパターンは、金融の専門機関に運用を委託する、これが三号、四号に当たるということでございます。
 なお、その割合はまだ決めておりません。
○沓脱タケ子君 しかし、いわゆる有利運用ということを中心に考えるということになれば三、四を中心に考えるということにならざるを得ないと思うんですが、いかがですか。
○政府委員(水田努君) 三号、四号を主とした運用になろうかと思います。
○沓脱タケ子君 そうしますと、アメリカの外債を買うのかという問題ですが、これは予算委員会等でも再々質問が出ておりまして答弁をされておりますが、否定をされておらないんですけれども、いかがですか。
○政府委員(水田努君) まず事業団が直接やる場合、一号で年金福祉事業団はアメリカ債を買うことができるわけでございますが、これを買うかどうかということは日米の金利差、それから為替の動向を見きわめながら今後慎重に検討してまいらなげればならない、このように考えております。
 次に、三号、四号の生保及び信託を利用いたします場合は、私どもこれはすべて大蔵省の指導下に属するわけでございまして、厚生省並びに事業団は個々の運用の内容の指図は法律上できないようになっておりまして、これは私どもの手の届かない話でございます。
    ―――――――――――――
○委員長(佐々木満君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、対馬孝且君が委員を辞任され、その補欠として穐山篤君が選任されました。
    ―――――――――――――
○沓脱タケ子君 直接外債を買うかどうかまだ決定をしていないということですが、しかし、三、四の項目にあります信託銀行、とりわけ生命保険ということになりますと、生保は外債を運用しているということはもう明らかなんですね。現にアメリカの外債を買うとリスクが出るという問題が出て大問題になっておりますように、六十一年度でも生保七社で一兆四千億、一昨年のG5以来では二兆円を超す円・ドル差損が出ているというふうに言われているわけですから、それが厚生年金の、しかも相当部分が生命保険会社に払い込まれるということになって、生命保険会社がこれを運用するということになれば当然アメリカの外債を買うということにならざるを得ないのではないかと思います。
 これはもう積極的な意図が、厚生省やあるいは事業団が外債を直接買うとか買わぬとかの以前に、生命保険に振り込むのが大部分だということになれば、これはもうイコールアメリカの外債を買うということになるじゃありませんか。それはどうですか。
○政府委員(水田努君) 例えば三号を見ていただきますと、「信託業務を営む銀行又は信託会社への金銭信託(運用方法を特定するものを除く。)」、これは運用の方法を指図するような契約をしてはなりませんよ、これは専門家に任せる指定金銭信託を買いなさい、こういう法律上の規定でございまして、外債、これは専門家が運用に当たるわけでございますが、日米の金利差、日本の国債は恐らく六月債は四%を切るんじゃないかと思いますが、アメリカ債は今八%を確定金利で超えているわけで、為替差損さえなければ非常に有利であることはもう間違いないわけでございまして、問題は為替差損に対して先物予約でどの程度ヘッジできるかという専門技術に属する分野であろうと思います。
 しかも、こういう信託とか生保というのは、外債は何もアメリカ債だけではなくスイス債、それからドイツ債、それからイギリス債全部危険分散しながら運用が図られ、しかも外債が取得できる割合というのは、総資産の中で二割以内ということを大蔵省は運用割合を決めておりますので、確かに生保は打撃を受けたわけでございますが、それにも増してその他の資産運用で全体としては大変高い利回りを確保して今日もやっておるわけで、専門家が十分意を用いてやるので全体的には心配要らない、十分それぞれに分散投資、ヘッジをかけながらやってまいるので全体としては危険なことはないものと考えております。
○沓脱タケ子君 いや、リスクの補てんまでお答えいただいたんだけれども、アメリカの外債を買うとか買わぬとかと言うけれども、実際には厚生年金基金をつくって生命保険に払い込むということになったら、生保は厚生年金などの基金だけではなく生命保険全体を機関投資家という形でアメリカの外債を買っておるというのが現実の姿なん
ですよね。
 これ自身が大問題になっているわけなんですが、だからいろいろ論議はあるけれども、もういや応なしにアメリカの外債も買うという結果になるんじゃありませんかということを聞いている。運用についてですよ、事業団が直接買うとかいう問題とは違うんですね。客観的には運用利回りをよくしようというやり方をすれば、いや応なしにアメリカ外債を買って運用するという結果になりますね、こう言っているんです。
○政府委員(水田努君) 今四号の、生命保険の商品というものは具体的に大蔵省からどういう形のもので認可するか明らかにされておりませんので、残念ながら現段階ではどういう構成のものでその商品がつくられるのか私ども判明いたしておりません。
 厚生省としましては、一応分離勘定で資産の運用の構成内容が明らかになるような商品を設定してほしいということは先ほど大蔵省に申し出をしているところでございますが、いずれにいたしましてもこの法律が通った後に具体的な商品の認可ということになりますので、今先生のお尋ねの点につきましては、この四号に相当します商品というものが具体的にまだ存在しておりませんので、残念ながらイエスともノーともお答えができない、こういうことでございます。
○沓脱タケ子君 そんなナンセンスな言いわけせんでいいですがな。いや応なしにそうなるのは客観的事実じゃありませんか。私時間がないからごじゃごじゃ言っている暇ないんですがね。
 大臣にお伺いしたいですよ。結果としてアメリカの外債も巻き込んで買うわけですよね。厚生年金や国民年金の積立金などというものは、社会保障費というまさに平和的な経費なんですね。これがアメリカの軍拡のための赤字の穴埋めの外債に使われるなんというようなことになったら、日本の被保険者や労働者に果たして納得得られるだろうか、この点は非常に問題だと思うんですが、この件については大臣から一言お伺いをしておきたいと思います。
○国務大臣(斎藤十朗君) これまでの御質疑をお伺いいたしておりまして、今回の自主運用で生命保険会社にその運用を委託した場合にそれは直ちにアメリカの外債を買うことになるではないか、そう決めつけるのもちょっと早過ぎるのではないか。しかし、絶対買わないことになるというのもこれも決めつけができないという問題であろうと思うわけであります。
 もう一点は、アメリカの外債が軍拡のための外債で、それを日本が持つんだというようなふうにこれまた直接決めつけるのもいかがなものだろうかというような感じをいたします。
○沓脱タケ子君 それでは、時間がありませんので次に参ります。
 医薬品副作用被害救済基金法の一部を改正する法律案についてお伺いをしたいんですが、これは先ほど同僚委員も言われたように大変違和感を感じる法律案ですね。だって、医薬品副作用被害者救済基金だけのことかと思っていたら全く異質の、もう一つの別の基金がこれに乗ってくるというふうな法案なんですね。これは政府機関の中での問題点があってこういうことになってきたのであろうと思いますがね、全然別個の法律をお出しになる方がもっと国民にもはっきりとわかりやすかったであろうと思うんですが、その点どうですか。何となく不細工ですよ。
○国務大臣(斎藤十朗君) 今回お願いをいたしております研究開発の振興のための事業につきましては、この提案理由説明や、また先ほど来の御答弁でもその必要性について申し上げさせていただいておるところでございますが、その非常に高い必要性をどう実現をしていくかということにおきまして、現在の行政改革を進めていくという形の中でいかに取り組むかということで私どもも大変苦労をいたしたわけでございます。
 その結果、厚生省の所管をいたしますいろいろな法人等についても精査をいたしたわけでございますが、この被害救済基金が医薬品の安全性を高めていくという観点、これに着目をいたしまして、この類似性の中で、この基金の中でもう一つの事業を柱に立ててやらせていただくのが、現在置かれておりますいろんな周囲の状況を勘案しますと、最も妥当であるというふうに理解をして御提案申し上げておるところでございます。
○沓脱タケ子君 大分苦肉の策だというのはようわかりました。そんなことを言うと時間がもったいないんですが、そういったまさに別の法律体系にしておかしくない法案なので、私お聞きをしたいことはたくさんあるんです。しかし、限られた時間ですので、そのうちの幾つかをお聞きしておきたいと思うんです。
 御承知のように、現在医薬品業界というのは、歴史的に見ましても、国民皆保険制度になって以来相当な収益企業として有名でありました。パチンコと薬は不況に強いと言われるほどですね。ところが、近年、臨調行革で医療費が抑制をされる、たび重なる薬価基準の引き下げ等々が行われて、医薬業界を取り巻く環境というのは大変厳しくなってきているという側面があります。
 五十九年十月の医薬品産業政策懇談会の最終報告を見ますと、医薬業界の今後の望ましい姿の中で、国際産業への飛躍、海外進出への新薬の開発などが強調されておるわけでございます。つまり、国内依存型の体質を脱却して、国際的に通用する新薬の開発、こういうことが不可欠だということが指摘をされているようであります。そういう上に立って、産官学の共同研究で国際的に通用するような開発促進への配慮をやらなきゃならぬということが書かれておりますが、したがって今度出されてきております法案のねらいというんですか、まさに医薬品産業の国際化、それへの支援という側面も大変強いのではないかと思いますが、いかがなんでしょうね。
○政府委員(森幸男君) 今回の事業の目的につきましては先ほど大臣が申し上げましたようなことでございまして、これから高齢化社会を迎えて、国民の保健医療の上で大変大きな課題となってまいりますもろもろの問題を解決するために、この医薬品産業の研究開発を強化していくということが現在極めて重要な課題である、そういうところに今回この法案をお出ししている出発点があるわけでございまして、その点につきましては法案の目的のところにもその趣旨が出ているかと思うのでございます。
○沓脱タケ子君 提案理由説明では、国内での高齢化社会に対応するということを第一に言っておられますけれども、この審議会の最終報告を見たら、国内依存型の体質中心の産業だけではあかん、だから国際的に通用するような新薬の開発、これができる体質をということが言われているわけですから、私はそれももっともだなと思うんですが、大臣の提案理由説明は国内的需要についてだけで、国際的なそういうニーズについてはさっぱり書いてないですね。不思議だなと思って実はちょっと読み直してみたんですが、書いてない。
 それで、ちょっと申し上げておきますが、この法案を扱うに当たって、私どもも共産党の考え方をちょっと述べておきたい。というのは、こういう先端技術あるいは科学技術を活用して、医薬品などいわゆる国民の健康や福祉、これに役立つ科学技術を発展させるということは重要だと考えています。そのために、民主的な科学技術の研究あるいは計画のもとで、進歩と創造に役立つ産官学協同を図るということを大いに進めるべきであるという立場をとっています。しかし問題は、その場合に、自主、民主、公開の原則によって行われ、成果が国民に還元をされるということが極めて大切であるという立場をとっているという点を申し上げておきます。こういった私どもの考え方から見ますと、本法案についてはいろいろ問題点があると思うわけでございます。
 そこで、基金が新たに行う業務についてのそれぞれの幾つかの内容についてお聞きをしていきたいと思います。
 これには、基金は融資をやるという問題が書かれておりますね。この点、融資をやるということ
になりますと、先ほども、基金というのは財投のお金と民間から集めたお金を基金としてそれを運用するというお話でございましたが、そうすると、融資対象の企業名とか開発プログラムの内容だとか、あるいはその研究機関だとか融資額というのは公表されますか。
○政府委員(森幸男君) 融資事業に関します具体的事項につきましては、民間における研究開発を振興するという観点からいたしまして、この融資を受けております企業の企業秘密に抵触しないような範囲内でできるだけ公表していくようにいたしたい、かように考えております。
 具体的にどのような事項を公表するかということにつきましては、既に発足をしております同種の制度、御承知のように基盤技術研究促進センターと生物系特定産業技術研究推進機構というこれと同種の機構が先行いたしておりますが、そういうところでの取り扱い等を参考にしながら慎重に検討いたしたい、かように考えております。
○沓脱タケ子君 それから、融資の場合に、利子は成功払いということの制度になっているようですが、その成功の度合いというようなものがあるでしょう、薬みたいなものはね。この成功の度合いというのはだれがどこで判断するんですか。難しいなと思って、私も具体的に考えてみて思うのですが、いかがですか。
○政府委員(森幸男君) 研究の成功度の判断というのは形式的には基金が行うことになります。ただ、これを行いますには、今のお話にもございましたように、なかなか難しい問題もあろうかと思います。極めて専門的な知識が必要とされるというふうに私どもも考えておりますので、基金がそういう判断を行います場合には、外部の専門家に委嘱いたしまして、その専門的な意見も十分徴して判断をしていくようにいたさなければいけないのではないか、かように考えております。
 その具体的な手続等につきましては、今後事業が発足するまでの間に、先ほど申しましたような他の同種の制度でのいろいろな実施方法等がございますので、そういうものも参考にしながら検討していきたいと現在は考えております。
○沓脱タケ子君 石油を掘ったけど出てこなかったいったらだれでもわかるんだよな、成功したか不成功かというのは。薬を開発したけどもこれが効き目はどうなんやという判断、成功か不成功か中かげんかというのは、これは難しいですよ。そういう点で、やはり産投会計だといったって国の金なんで、その辺はきちんとやっていってもらえるようにしてほしいと思うんですね。公開と同時にその点は考えてもらいたい。
 それから、出資の問題ですが、二つ以上の企業の共同研究に出資する、これも難しいなと。例えば武田と塩野義とが共同研究するやろかなという感じするんです、率直に、今日の医薬品業界の状況から考えて。そうなると勢い、例えば親会社、子会社みたいな、例えば万有と日本メルク万有というような親子関係みたいなところ二社が身内同士で二つの企業なんというようなことになりはしないかという点も一つの問題点だなと思います。外資系の企業と日本企業との二つ以上というふうなこともやるんだということは先ほどお話がありましたが、出資の場合は、とりわけ研究成果の公開というのは義務づける必要があるんではないかと思いますが、これはいかがですか。
○政府委員(森幸男君) 出資の場合の研究成果につきましても、私ども融資の場合と同様に考えるべきものだと考えております。
○沓脱タケ子君 研究成果の公表、公開を義務づけますか。
○政府委員(森幸男君) この出資事業で得られました成果というのは、恐らく特許の公開というような形で公開されるものと考えております。
○沓脱タケ子君 それは当然そうなんだな。ところが特許の段階ということになると、これはノーハウは企業独占になるでしょう。その企業の独占物になるわけで、だから出資や融資の場合、ともに研究開発の成果というのはそのままそっくり企業の秘密ということになってしまうんじゃないかという問題がある。本来、薬というのは、新薬は六年間の先発権という特権が認められているという上にこういうことになったんではちょっと手厚過ぎやしないかというふうに思いますが、どうですか。
○政府委員(森幸男君) この研究結果の公表の義務づけという問題は、今お話しのようなことで、民間企業の立場と、それから先生がお話のございました公的資金を活用するという、その辺をどういうふうに調和をとっていったらいいのかということだろうと思っております。
 しかし、基本的に申し上げますれば、今回の研究振興業務というのは、民間におきます研究開発を振興しようとするものだというところに大きなねらいがございますので、一律に研究成果を公表するように義務づけることということになりますと、民間の研究開発意欲をそぐことにもなりかねないというふうなことでございまして、一律に義務づけるということにつきましては現在考えておりません。
○沓脱タケ子君 それは当然そうだと思うんですね。確かに全部研究成果を一々公表してたら、せっかく先発権という六年間の有利な条件がパアになってしまいますからね。何してんのやらわからへんということになりますよ。だから、結局は開発の場合でも企業秘密になるわけですよね。企業の独占になるわけです。
 もう時間がありませんから最後の問題について聞きますが、業務の三項で、民間企業から委託を受けて試験研究を行うというんですけれども、これは基金には研究機関がないわけだから、国の試験研究機関に再委託をするということになるんでしょうか。
○政府委員(森幸男君) この委託研究につきましては、基金が民間企業から委託を受けて研究開発を行うという仕組みになっているわけでございますが、当面は基金の事業規模も小さいということで、発足後すぐに委託研究ということを行うことは考えておりませんが、既に先行しております基盤センターであるとか、生物系研究機構等の規定も参考にいたし、また私どもといたしましても、体制なり資金が充実した段階にはこの委託研究を積極的に行っていきたいと考えている次第でございます。
 そこで、今お話しのこの基金でみずから施設なりスタッフを整備することが難しいだろうということでございますが、その点につきましては、そのように当面考えておりますが、この再委託ということにつきましては、現在の段階では一番適切な研究機関を考えるということで、これは国立とか公立とかに限らず、民間機関も含めて最も適切な研究機関をその対象に考えていくことが必要ではないだろうかというふうに現在の段階では考えております。
○沓脱タケ子君 直接持つわけにいかぬですからね、機構からいって。だから当然のこととして国の研究機関を活用する、あるいは協力をするということにならざるを得ないと思うんですが、国の研究機関にこれを再委託とか、いろんなやり方があると思うんですが、産官学協同してということになるわけだから、そうなってくると国の研究機関が民間企業の研究の下請になるようなことになりはしないか。特に国の研究機関の研究員などというのは、国家公務員として全体の奉仕者としての役割を持つわけですからね。私企業のための利益についてだけ奉仕させられるというような結果になったんではこれは随分まずいことになるなというふうに思うんです。そういうことにならないような保障を何か考えますか。
○政府委員(森幸男君) 今の国の試験研究機関が委託を受けるということにつきましては、委託を受けるかどうかということは、当然のことながらその試験研究機関において慎重に判断されて決められることだと思っておりますし、それから当然のことながらこの法律が先ほども申しましたように、国民の保健医療上の課題を解決していくということのためにこの制度がつくられるという趣旨に照らしましても、そういう趣旨に適しないよう
な委託であれば、これは基金がそういうような業務を処理することにはならないのではないかと私どもは考えたわけです。また実際の運用面におきましても、そういうふうな配慮は十分してまいりたいと思います。
○沓脱タケ子君 もう最後になりますが、私今の点は非常に大事だと思うんです。産官学の協同で成果を上げていこうという点については、私ども何にも反対してないんです。その点は大いにすべての英知を集めて開発を促進させるべしという立場なんです。ただ、その出てきた成果が企業のひとり占めになるというふうなことについては、これは排除しなきゃならないという立場なんですよ。そういう点を間違わぬように御理解をいただいて、そういう国の機関や国家公務員が全体への奉仕者の立場でなく、私的な企業の奉仕者にされてしまうような運用の仕方は厳に慎んでいただきたいと思うんです。
 これは最後に申し上げておきたいし、大臣の御見解も聞きたいんですが、医薬品産業政策懇談会の報告を見ますと、こんなにいろいろと手厚いことをやれと書いてないんですね。むしろ稀用薬、まれにしか使わないような薬とか、基礎的な医薬品の開発、こういうものは大変困難だし、採算割れもするし、開発投資の回収も困難だ、こういうところには何らかの助成措置が必要だというふうに言われていますね。日本製薬工業協会の長期ビジョンと基本方策の中でも、助成の役割は大きく評価はしているけれども、しかし、特にその中で税制が根幹をなすものだと考えるというふうに言っているんですね。
 だから、産業政策懇談会の審議ともあるいは製薬工業協会の審議ともちょっと違うようなことを、あえて厚生省が法律の一部改正をやって進めようとしているんですが、これは一体どういうことなんですかね。私は製薬業界がいろいろ環境が厳しいとはいいながら、製薬業界というのは今輸入が三千二百億円でしょう。輸出が千二百億なんですね。だから今の円高ではがっぽりもうけている……
○委員長(佐々木満君) 沓脱さん、簡単にお願いします。
○沓脱タケ子君 はい、これで終わりです。
 そういう状況なので、こういう状況を見て、なぜ大臣の諮問機関である懇談会の意見よりも前で、あるいは工業会がもう一つ期待しているという内容ともちょっと違う、そこまでなぜこういうふうなことをおやりになるのか、最後にちょっと理解をしにくいので、厚生大臣の御見解を伺って質問を終わります。
○国務大臣(斎藤十朗君) 医薬品の産業を振興してまいるということは、国民の生命、健康を維持、向上、増進するために大変重要な問題でありまして、これを振興させてまいることが国民の健康増進のために役立つように私どももこれから一生懸命やってまいりたいと思っております。
○委員長(佐々木満君) 以上をもって両案に対する質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(佐々木満君) 御異議ないと認めます。
 これより両案について討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○沓脱タケ子君 私は、日本共産党を代表して、年金財政基盤強化のための年金福祉事業団の業務の特例及び国庫納付金の納付に関する法律案並びに医薬品副作用被害救済基金法の一部を改正する法律案に対する反対討論を行います。
 年金の自主運用についての法案に反対をする理由の第一は、年金積立金をもって外債購入の道を開くものであり、アメリカの国債を大量に買う結果になることです。日本に対しアメリカ政府から国債引き受けの強い要求がありますが、日本の民間企業はアメリカ国債の危険性を恐れてその購入を渋っているのが現状であります。この情勢の中で、レーガン政権の軍備拡大によって生じた財政赤字を埋めるための国債を、日本の労働者の年金積立金で購入し、軍拡財政のために資金調達することになることであります。
 第二は、高利運用によって生じるリスクに対する補償制度がない点であります。
 第三は、本法案による自主運用は、労働者参加による自主管理とは本質的に異なるものである点であります。
 労働者の要求は、年金積立金を労働者の福利厚生のために自主管理するところにありますが、法案のそれは労働者抜きで政府・厚生省が管理し、その運用目的も資金運用部資金法の改悪による預託金利の低下を財テクによって補おうとするこそくなものであり、本来、国と資本家の負担で財源を確保するという社会保障の原則からかけ離れたものであって認めるわけにはいきません。
 次に、医薬品副作用被害救済基金法の一部を改正する法律案に対する反対理由を申し上げます。
 もとより我が党は、医薬品など国民生活に役立つ科学研究の発展は重要であり、そのために国が積極的な役割を果たすべきだと考えております。しかし、本法案は、厚生省の言うような画期的新薬開発で国民の福祉を増進させるということにとどまるものではありません。
 すなわち、科学技術政策の側面からいえば、基盤技術研究促進センター法や生物系特定産業技術研究推進機構法と並んで、大企業の利益のために国の研究機関などを奉仕させるという、政府の科学技術政策を医薬品産業に具体化したものであります。
 一方、産業政策の側面からのねらいは、臨調行革のもとでの医療費抑制策で頭打ちとなった医薬品市場を海外に求める上で不可欠ともいうべき製薬メーカーの新薬開発力を多角的に支援するものであることは明らかであります。
 加えて許せないのは、利子は成功払いであり、出資、融資について国費を使いながら、自主、民主、公開の原則が貫かれておりません。また、みずからの諮問機関や業界団体ですら、資金助成は稀用薬などの採算を度外視せざるを得ないものに限って求めているにすぎないのに、それを大幅に上回る助成策を講じるなどは許すべきではありません。
 財政難を理由に、社会保障費は当然増まで削られているとき、人もうらやむ高収益を続けている製薬メーカーに対して多額の助成策を講じるということは認めるわけにはいきません。
 以上、反対討論を終わります。
○委員長(佐々木満君) 他に御意見もないようですから、両案に対する討論は終局したものと認めます。
 これより順次採決を行います。
 まず、年金財政基盤強化のための年金福祉事業団の業務の特例及び国庫納付金の納付に関する法律案について採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(佐々木満君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 糸久君から発言を求められておりますので、これを許します。糸久君。
○糸久八重子君 私は、ただいま可決されました年金財政基盤強化のための年金福祉事業団の業務の特例及び公庫納付金の納付に関する法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党・国民連合の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    年金財政基盤強化のための年金福祉事業
    団の業務の特例及び国庫納付金の納付に
    関する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、次の事項について、適切な措置を講
 すべきである。
 一、年金財政基盤強化のための厚生年金・国民
  年金積立金の自主運用事業については、その
  趣旨を踏まえ、今後、運用額の拡大、運用対
  象の見直し等その充実に努めること。
 二、年金財政基盤強化のための厚生年金・国民
  年金積立金の自主運用事業を適正に実施する
  ため、運用体制の整備を早急に進めること。
 三、厚生年金・国民年金積立金の資金運用部預
  託金利については、年金財政の安定に十分配
  慮して定めること。
 四、企業内健康増進施設の整備等被保険者福祉
  の向上のための還元融資対象事業の充実を図
  るほか、厚生年金基金の福祉施設についても
  健康・福祉の増進のための事業の充実を図る
  こと。
 五、還元融資について、内需拡大の面にも十分
  配意し、年金住宅融資の貸付条件等の思い切
  った改善措置を講ずること。
  右決議する。
 以上であります。
○委員長(佐々木満君) ただいま糸久君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(佐々木満君) 多数と認めます。よって、糸久君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 次に、医薬品副作用被害救済基金法の一部を改正する法律案について採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(佐々木満君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 田代君から発言を求められておりますので、これを許します。田代君。
○田代由紀男君 私は、ただいま可決されました医薬品副作用被害救済基金法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党・国民連合の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    医薬品副作用被害救済基金法の一部を改
    正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、次の事項について、格段の努力を払
 うべきである。
 一、医薬品技術等に関する試験研究を積極的に
  推進していくため、医薬品副作用被害救済・
  研究振興基金の事業に必要な資金の確保に努
  めるとともに、研究振興業務の運営について
  は、基金の自主性の尊重と民間の意見の反映
  に留意し、民間の活力が十分発揮されるよう
  配慮すること。
 二、保健医療分野におけるバイオテクノロジー
  等の先端技術の活用に当たっては、生命倫理
  に十分配慮し、適正な試験研究が行われるよ
  う指導監督に万全を期すること。
 三、医薬品副作用被害救済制度の活用の促進の
  ため基金制度の周知徹底を図るとともに、救
  済事業の迅速な事務処理のための改善を進め
  ること。
  右決議する。
 以上であります。
○委員長(佐々木満君) ただいま田代君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(佐々木満君) 多数と認めます。よって、田代君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの両決議に対し、斎藤厚生大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。斎藤厚生大臣。
○国務大臣(斎藤十朗君) ただいま御決議になりました両法案に対する附帯決議につきましては、その御趣旨を十分尊重いたしまして努力いたす所存でございます。
○委員長(佐々木満君) なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(佐々木満君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三分十三分散会
     ―――――・―――――