第111回国会 地方行政委員会風俗営業等に関する小委員会 第1号
昭和六十二年十二月十日(木曜日)
   午後一時六分開会
    ―――――――――――――
昭和六十二年十二月十日地方行政委員長において
本小委員を左のとおり指名した。
                出口 廣光君
                松浦  功君
                佐藤 三吾君
                片上 公人君
                神谷信之助君
                抜山 映子君
                秋山  肇君
同日地方行政委員長は左の者を小委員長に指名し
た。
                松浦  功君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    小委員長        松浦  功君
    小委員
                出口 廣光君
                佐藤 三吾君
                片上 公人君
                神谷信之助君
                抜山 映子君
                秋山  肇君
    地方行政委員長     谷川 寛三君
   政府委員
       警察庁長官官房
       長        小池 康雄君
       警察庁刑事局保
       安部長      漆間 英治君
       警察庁交通局長  内田 文夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        竹村  晟君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○風俗営業等に関する制度及び運用の件
 (風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関す
 る法律の施行状況について)
 (シートベルトの着用率の推進状況等について
 )
    ―――――――――――――
○小委員長(松浦功君) ただいまから地方行政委員会風俗営業等に関する小委員会を開会いたします。
 風俗営業等に関する制度及び運用の件につき調査を行います。
 本日は、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律の施行状況及びシートベルトの着用率の推進状況等について警察庁からそれぞれ十分程度説明を聴取した後、お手元に配付いたしましたとおり質疑を行います。
 それでは、順次説明を聴取いたします。漆間保安部長。
○政府委員(漆間英治君) 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行後の状況につきまして御説明申し上げます。
 昭和六十年二月に施行されました風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律、以後風営適正化法と略させていただきます、は、施行後三年近くを経過したところでありますが、警察といたしましては、この間風営適正化法の目的であります善良の風俗と正常な風俗環境の保持と少年の健全育成、また風俗営業の健全化のため、これに必要な指導、取り締まりを推進し、法の定着化に努めてきたところでございます。
 この結果、全般的には風営適正化法が規制の対象としております各種風俗営業につきましては、それぞれの規制が遵守され、強引な客引きや料金をめぐるトラブルが減少いたしましたほか、カラオケ騒音や卑わいな看板類等が減少し、家族連れで安心して歩ける盛り場が多くなってまいりました。また、風俗関連営業につきましても各種の規制が効果を発揮し、営業件数も減少に転ずるなど、風俗環境の浄化に大きな前進が見られるところでございます。
 しかしながら、その一方で年少者を使用する事犯や十八歳未満の者を営業所に立ち入らしたり、あるいは二十歳未満の者に酒やたばこを提供するといった少年の健全な育成を阻害する違反が増加いたしております。また、ゲーム喫茶等における遊技機を使用しての賭博事犯、デートクラブやテレホンクラブといったいわば性を売り物とする営業の出現、さらには出稼ぎ外国人女性の風俗営業等への従事など風俗環境の浄化を図っていく上で看過できない状況も見受けられるところでございます。このため、警察といたしましては、風営適正化法の趣旨、目的を踏まえまして今後も一層適正かつ妥当な運用に努めますとともに、悪質な事犯に対しましては厳正に対処することといたしております。
 次に、風俗営業等の許可及び届け出状況についてでございますが、基礎的なものにつきましては、お手元の一枚目の資料を御参照いただきたいと存じます。
 まず、風俗営業の許可状況でございますが、法改正前から許可対象営業とされておりました風俗営業は、昨年昭和六十一年末現在で十三万二千二十件でございます。法施行前に比べますと一万百六十六件減少いたしておりますが、この減少傾向は法改正前からここ数年来続いているものでございます。
 法改正で新たに許可対象となりました第八号営業、いわゆるゲームセンター等の許可件数は、昨年末現在で二万六千五百七十三件でありまして、法施行前に把握しておりました数と対比いたしますと、約八四・二%が許可を受けたということになります。法施行前の実態把握数と比べまして許可件数が著しく減少しております理由は、外形的な独立性が著しく低く、法的規制の必要が少ない小規模な営業所につきましては、許可を必要としない扱いとしておりますことから、飲食店等に小規模の遊技設備を併設している営業所が、許可対象営業から外れたことなどによるものと考えております。
 なお、許可の取得にかかわらず遊技設備を設置している営業所につきまして、昨年末に実態調査を実施いたしましたところ、四万五千五百四十九件あることがわかりましたので、第八号営業の許可を受けている営業所の占める割合は約五八%でございます。
 次に、風俗関連営業の届け出状況について御説明いたします。
 御承知のとおり、性を売り物とする新しい形態の営業が次々と出現いたしておりまして、風俗環境ばかりか少年の健全育成にも多大の悪影響を与えていたところでございます。このため、法改正に際しましては、改正前から規制対象営業としておりました個室付浴場業とモーテル営業のほかに、新たにいわゆる個室ヌード、のぞき劇場、ストリップ劇場、ラブホテル、レンタルルーム、アダルトショップ、個室マッサージ等の性を売り物とする営業を加えまして風俗関連営業と定義し、従前からの営業の禁止区域等の規制に加えまして、年少者にかかわる各種行為の禁止や客引きの禁止、また営業時間の制限等、規制を大幅に強化いたしますとともに届け出制を導入したところでございます。
 これらの営業におきましては、売春やわいせつ事犯が敢行されるおそれがあり、善良な風俗にも多大の影響を与えるものがございますことから、
厳正な取り締まりと適正な行政措置を講じてきているところでございます。この結果、昨年末現在の届け出数を見てみますと、総数で一万五千九百六十六件と法改正前に比べかなり減少いたしております。これは悪質なものが淘汰されつつある結果と考えておりまして、法規制と取り締まりが効果的に作用していることがうかがわれるものでございます。
 次に、深夜における酒類提供飲食店営業の届け出状況について御説明いたします。
 いわゆる深夜酒類提供飲食店営業は、昭和六十年の改正によりまして新たに届け出が義務づけられるとともに、各種の規制が整備されたものでございます。昨年末現在の届け出数は二十五万二百四十七件でございますが、これらの営業は国民の夜間における活動時間帯の広がりなどの社会情勢を反映いたしまして、今後もさらに増加するものと思われます。
 次に、取り締まり状況について御説明いたします。
 数的なものにつきましては、お手元の二枚目の資料を御参照いただきたいと存じます。
 まず、昨年中の取り締まり状況でございますが、合計五千二百四十五件、五千九百三十七人の検挙でございまして、旧法当時の昭和五十九年と比較いたしまして、合計で五千六百二十八件、五一・八%、五千九百五十七人、五〇・一%の大幅な減少となっております。これは、旧法におきましては営業者の守らなければならない事項の遵守が直接罰則で担保されておりましたが、風営適正化法におきましては、日常の営業活動に伴って生ずるような軽微な違反であります営業時間の制限や照度の規制等の遵守事項違反につきましては、これを第一次的には指示等の行政措置の対象とすることにより、営業者の自主、自発的努力を促すこととしたことによるものでございます。
 引き続きまして、行政処分等の状況について御説明いたします。
 お手元の三枚目、四枚目の資料を御参照いただきたいと思います。
 まず、営業停止等の状況でございますが、昨年中行いました営業の取り消し、廃止及び停止は合計二千四十六件でございまして、昭和五十九年中の旧法に基づく処分件数に比較しまして二千五百五十九件、五五・六%減少いたしております。
 次に、指示処分でありますが、先ほど申し上げましたように、遵守事項違反につきましては直接罰則で担保せず指示によることといたしました関係から、この指示処分の比重が増大いたしておりまして、指示処分の運用は法目的達成上重要な役割を占めることになっております。昨年中の指示処分件数は合計三千六百四十三件でございまして、今後も風俗営業等の健全化と善良の風俗を害する行為を防止するため、その活用を図ることといたしております。
 以上風営適正化法の施行状況につきまして御説明申し上げましたが、よろしく御審議お願い申し上げます。
○小委員長(松浦功君) 次に、内田交通局長。
○政府委員(内田文夫君) シートベルトの着用義務が、一般道路等へ拡大されましてからちょうど一年が経過いたしましたので、シートベルト着用の効果等につきまして御報告を申し上げたいと思います。
 お手元に「シートベルト着用義務化一年を経て」と題しました資料をお届けいたしておりますが、以下この資料に基づきまして御説明申し上げたいと思います。
 昨年の十一月一日から、一般道路におきます運転者の座席ベルト装着義務違反並びに高速自動車国道等及び一般道路における助手席同乗者の装着等についても行政処分違反一点を付するということといたします道路交通法の施行令の改正が行われたわけでありますが、シートベルトの着用状況につきましては、それまでのキャンペーン等だけでは五〇%前後でありましたのが、十一月以降飛躍的に着用率が向上いたしまして、最近の全国的な平均を見てみますと、一般道路でも運転席で九六%以上、助手席は九三%以上、大変高い水準を維持いたしているところでございます。シートベルト着用につきましては、数字的にはほぼ定着しつつある現況にあるということが言えようかと思っておるところであります。
 次に、シートベルト着用の効果という面でございます。資料の二ページをごらんいただきたいと思うわけでありますが、自動車乗車中の死者数を座席の位置別に見てみますと、後部座席が昨年の同期間に比べまして十二人、三・六%増加しているのに対しまして、前席に乗車中の死者は百九十人、率で六・三%減少を見ているところであります。特に運転席では百八十六人ということで、率で七・八%と著しい減少が見られるところでございます。
 また、自動車運転中の死者数をその加害の部位別に見てみますと、ここに載っておりますように、車外放出とかハンドル等との衝突によります死者が減少をしておりまして、従来からシートベルトというのは前後の方向の衝撃に対する効果が大きいということが言われていたわけでありますが、その考え方を裏づけているものと思っております。
 それから、自動車乗車中の死者数の単純な前年比較のほかに、全体的に交通事故の発生の危険性が増加しているというような状況を勘案して見てみますと、そうした上でシートベルトの効果というものを考えてみる必要があると思うわけでありますが、今回の義務化の対象に含まれていません後度等での死者数を基準といたしまして、後席乗車中の死者数と前席乗車中の死者数との比が、過去ずっと見てみますと、大体一定した数字になっているわけでございますが、それを前提として義務化が行われなかった場合の自動車の前席乗車中の死者数を推定してみますと、約三百人の人がシートベルト着用により助かったというように見ることができようかと思うわけであります。
 次に、シートベルト着用の有無別の致死率でございますけれども、資料三ページをごらんいただきたいと思いますが、一年間に人身事故を起こして死傷した方を運転席と助手席でそれぞれ着用者と非着用者に分けて致死率を出してみますと、百分率で運転席では着用者は〇・三九%、非着用者では五・二六%、助手席では着用者が〇・四三%、非着用者は二・五二%とベルト非着用者が死亡する率が着用者に比べまして運転席では十倍以上、助手席では五倍以上という数字が出ているところでございます。したがいまして、シートベルトの被害軽減効果もこういった数字の上から見ましても、着用者が優位であるということが立証されておるものと理解をいたしております。
 次に、事故から見た昼と夜の別によりますシートベルトの着用状況でございますけれども、自動車乗車中の死者をシートベルト着用の有無別、それから昼夜間別に見ますと、運転席、助手席とも夜間の非着用者の死者が多くなっているところであります。昼夜別に死者数の構成率を見ますと、着用しておる者の死者は運転席、助手席とも昼夜ほぼ同じ数になっておりますけれども、非着用の死者は運転席で六八・二%、助手席では七一・三%というように大変高い数字になっておりまして、夜間にシートベルト着用率が低下しているということが推測されるわけであります。
 このようにシートベルト着用義務化が強化されましてシートベルトの着用率が向上し、その結果効果も数字的に顕著になっているわけでありますが、当初期待していたほどの数値に至っていないということも確かなところでございます。この理由の一つといたしまして、資料の三ページの表にも明らかなように、依然として非着用者の死亡事故が大半を占めているということが挙げられるわけであります。シートベルトの着用が習慣となり、着用されている方や、シートベルトの必要性とか効果が十分理解されて着用する方が徐々にふえているのも確かでございます。しかし、まだ必要性等が十分理解されず、行政処分点数が付与されるのを避けるといいましょうか、そういうために着用しているというような方や、それでも着用
しないという方がいるわけで、大変残念なそういう数値になっているということも確かでございます。
 私どもといたしましては、今後も引き続き自主的にシートベルトを着用していただくことに向けましての広報啓発活動を行うとともに、着用いたしませんいわばアウトローといいますか、そういったような方々に対しまして取り締まりを強化することによって悲惨な交通事故の死者を抑止していきたい、こう考えているところでございます。
○小委員長(松浦功君) ありがとうございました。
 以上で説明の聴取は終わります。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
○佐藤三吾君 まずシートベルトから入ってまいりたいと思いますが、今御報告をいただきながら、この中にないのがシートベルトを着用してないということにおける例えば処分とか摘発とか、そういうのもあったのじゃないかと思うんですが、それは全然ここには出ていないので、それはどういう状況になっていますか。
○政府委員(内田文夫君) シートベルトにつきましては、自動車の運転者等の自発的な着用を促進するために各種の広報活動とか街頭におきます指導等を行っているわけでありますが、取り締まりにつきましては夜間だとか重大事故多発路線等、危険性の高い時間、場所等を中心に取り締まりを行っております。
 昨年十一月以降の一年間、この点数を付与された件数というのは高速道路、一般道路含めまして約六十六万件でございます。なお、指導という点につきましては、全国的に指導という数字は集めておりませんけれども、昨年の十一月二十一日に全国一斉の交通指導、取り締まりというのを行ったわけでありますが、そのときの点数告知をした者と指導との比を見てみますと、告知件数の約二倍指導を行っておる、指導にとどめたのが告知件数の約二倍ある、こういうことでございます。
○佐藤三吾君 そうすると六十六万件が違反し、告知されたのですか。その内容はわかりますか、六十六万件の中身は。今わかりますか。
○政府委員(内田文夫君) 点数の告知の内容と申しますと、例えば高速自動車国道と一般道路という区別とか、そういう意味でございましょうか。
○佐藤三吾君 いや、助手か運転手か。
○政府委員(内田文夫君) これは告知点数がつくのは全部運転手に義務づけられておりまして、したがいまして、これは全部車両の運転者に告知をされたという件数でございます。
○佐藤三吾君 それは何件ですか。
○政府委員(内田文夫君) 今申しました約六十六万件でございます。
○佐藤三吾君 今も、ちょっとここでも話があったんですけれども、義務違反ということは、助手席が義務になっていますわね。ところが、後部座席についてもベルトをつけなければいけぬということで指導なさっているように聞いているんですけれども、どの程度そこら辺の徹底がなされていますか。
○政府委員(内田文夫君) 法律的に義務づけられておりますのは、いわゆる前、運転者と助手席ということでございます。後部座席については義務づけられておらないわけでございますけれども、やはり後部座席にも今乗用車、ほとんどの車にシートベルトがついておりますけれども、やはりシートベルトをつける方が安全であるということで、なるたけつけるようにという、これは広報も行っておりますけれども、そういった意味の広い指導というものを行ってきてはおります。
○佐藤三吾君 件数はふえておるわけですけれども、私どもこの法の採択の際に一番心配したのは、当時の車のシートベルトというのは義務づけるという前提でつくられてないものですから、できるだけそれをつけた方がいいですよという程度のときにつくった車ですから、シートベルトそのものにもやっぱり研究不足があったりいろいろな不都合な部分があったり、大変そういう意味でいろいろ意見が出た経緯があるんです、これはね。こういう義務づけが前提となった後におけるシートベルトの、言いかえれば何というんですか、改善というんですかね、やはり運転手さんなり助手さんなりの意見を聞きながらの改善もしていかなければならぬと思うのですけれども、そこら辺については、この一年間どのような研究なり改善指導をなさっておるのか。
○政府委員(内田文夫君) 警察庁といたしましては、学識経験者とか生産者、それから病院とか消防関係者等から成ります日本交通科学協議会のシートベルト委員会というのがございますが、そういったものや、生産者、販売者、消費者、それから関係官庁の関係者等から成りますシートベルトのJIS規格改正委員会といったようなものがございます。そういったものに警察庁といたしましても参画をいたしましていわゆる安全で快適性が確保できる、しかも使いやすいシートベルトになるような改善方につきまして、折に触れてそういった中で働きかけをいたしているところでございます。
 運輸省におきまして道路運送車両法の保安基準の改正があって、本年の三月一日以降に生産されました普通乗用車の運転席や助手席、さらに九月一日以降に生産されました貨物自動車等の運転席等に装備されました座席ベルトにつきましては、着装が容易で締めたときの圧迫感が少なくて、締めたときに通常の状態では体が自由に動かせるという緊急ロック式巻き取り装置といいましょうか、よくELR式ベルトといっておりますが、そういったものが義務づけをされたわけでございます。
 今後とも自動車利用者等のこの種の意見とか要望等をよく聞きまして、その改善方につきましては、今言った委員会等あるいは関係各方面に直接いろいろと要望してまいりたい、こう思っている所存でございます。
○佐藤三吾君 わかりました。ちょっとほかの問題もございますから、この問題に対する質問はこの程度にとどめますが、やっぱり何というんですか、あくまでもこれは指導が基本であって検挙するのが目的ではないわけですから、そこら辺はひとつ踏み外さぬように今後慎重な対応をしてもらいたいということだけ一つつけ加えておきたいと思います。
 そこで、風俗営業の問題に移りたいと思いますが、福岡県の風営協県連、こういう組織があるというのが新聞で報道されておりますけれども、これはどういう構成と目的になっておるのか、そしてその運動の現状はどうなのか、さらにまた全国的にはどういう状況なのか、わかる範囲で結構ですけれども。
○政府委員(漆間英治君) 御質問の福岡県下の全料飲関係業者の団体でございます社団法人福岡県料飲業環境衛生組合連合会、これは加盟業者が約二万名、会長が北岡幸太郎さんという方でございます。それからもう一つ、福岡県風俗営業管理者等連絡協議会連合会というのがございまして、これは加盟業者が約四千六百名、会長さんが白井俊次さんという方でございます。
 福岡県におけるこの状況は承知いたしておりますが、全国におけるこの種の組織の状況につきましては今手元に資料がございませんので、必要であれば後ほどまた御報告申し上げます。
○佐藤三吾君 この目的、実態をちょっと言ってください。
○政府委員(漆間英治君) 目的につきましては、会員間の情報交換、親睦、それからある特別な趣旨に基づく統一のとれた行動、そういったものをこの組合を通じて行うというようにいたしております。特にこの風俗営業管理者等連絡協議会連合会と申しますのは、風俗営業等が暴力団のいわゆる資金源と申しますか、そういう関係に利用しやすい業態でありますこととか、業界が一致結束をして、そういうみかじめ料等の要求に対して個々の店が対応するのではなくて、全体で連合して団体の力ではね返していこう。そういう目的のもとに結成された団体でありまして、この団体に加盟
した店では目下大変な成果を上げておりまして、市民からも共感を得ているというように聞いております。
○佐藤三吾君 その会長さんが白井何さんですか。
○政府委員(漆間英治君) 白井俊次さんと聞いております。
○佐藤三吾君 この方はどういう方なんですか。
○政府委員(漆間英治君) ちょっとこの方の経歴までは存じておりません。必要ならば後ほど調べて御報告申し上げます。
○佐藤三吾君 暴力団の資金源をその白井さんを中心とする団体で反対をやっているということは、今お聞きしますと大変効果を上げておるということなんですが、どんな効果を上げていますか。
○政府委員(漆間英治君) ちょっと背景的な事実に触れさせていただきたいと存じますが、実は御案内のように、福岡県におきましては福岡市の中洲地区等の利権をめぐりまして、地元の暴力団道仁会と山口組系の伊豆組の間で対立が激化をしまして、昨年の十二月八日以降約三カ月の間に、県下各地で六十一回、死者六名、負傷者十三名に及ぶ一連の抗争事件が多発をいたしまして県民に著しい不安感が生じたわけでございます。このため、暴力追放の県民世論が盛り上がりまして、これにこたえて県警がこの抗争事件の摘発を行ってまいります過程で、これらの深夜酒類提供飲食店の中には、風俗営業の許可をとらずに営業しているという弱みにつけ込まれて、暴力団からみかじめ料等の不法な要求に応じているという例がかなりあることが判明したわけでございます。
 そこで県警といたしましては、先ほど申し上げました県下全体の全料飲関係営業者の団体である福岡県料飲業環境衛生組合連合会と、このたび新たに結成された福岡県風俗営業管理者等連絡協議会連合会、この二つの団体の全面的な御賛同を得て、風俗営業等から暴力団がみかじめ料を要求することのないように守っていく運動を展開いたしたわけであります。その過程の中で、この白井俊次さんを初めとする先ほど申し上げました風俗営業管理者等連絡協議会が目覚ましい活躍をしまして、事実上みかじか料の要求に対して断固としてこれをはねつけるという実績を上げているということを聞いておるわけであります。
○佐藤三吾君 今部長が説明した、風俗営業許可をとってない弱みにつけ込んで暴力団がみかじめ料を取る、こういうお話があったんですが、その弱みとはどういうことなんですか、具体的に言うと。具体的にちょっとそこをもう少し説明してくれませんか。
○政府委員(漆間英治君) もともと風俗営業を無許可で営んでいるという違法状態があるということが一つ。それからどうしても団体の結束力が、先ほど申し上げました協議会に加盟している傘下の団体の結束力とは違いまして一般的に弱うございまして、そういう意味ではそういう不法な要求をはね返す力が弱い。そういったようなところにつけ込まれて、暴力団から不法な資金源としてみかじめ料を取られているという実態がわかったということでございます。
○佐藤三吾君 実は、私のところに関係の業者の皆さんからいろいろ苦情がたくさん参っておるわけですが、その内容をいろいろ事例を挙げて言えば、これは大変な時間がかかりますから省略するんですけれども、そこの言わんとする主張を一つずつ精査してみますと、結果的に暴力団が弱みにつけ込んでくるということの意見はないのよね。そうじゃなくて、警察がそのことを理由にして立入検査をし、そして営業妨害をやり、言いかえれば風俗の許可の、転業を強要するというところに尽きる。私のところに来ている文書というのは大体そこに共通しているわけです。
 そこで、私は聞くんだけれども、あなたのおっしゃる内容を見ると、暴力団から守るためにやると。けれども、一方の当事者の方は、逆に警察のこの強要を何とかしてくれぬか、こうきておる。そこら辺にちょっと矛盾があるものですから、そこら辺の経緯を、本当は実態を現地へ行って調べれば一番わかるんですけれども、なかなかそういう時間がないものですから、きょうの小委員会ですからそこら辺をもう少し説明してくれませんか、警察の考えで結構でございますから。そうすれば大体姿が出てくるんじゃないかと思う。
○政府委員(漆間英治君) 先ほど御説明いたしましたように、暴力団の六十一回にも及ぶ対立抗争事件をきっかけとしまして、暴力団対策を何とかすべしという県民の世論がほうはいとして沸きまして、それを受けまして警察としてもさまざまな作戦を展開したわけでございます。特にこの道仁会、一方の旗頭であります道仁会系統の資金源を調べてみますと、一つには覚せい剤の密売が資金源になっておる、もう一つはこういう業界に寄生をしてみかじめ料等で稼いでいる、そういう実態が判明したわけでございます。
 したがいまして、片やそういう覚せい剤の摘発を進めるというような活動を進めまして、これはこれで一遍に二百五十三キロというような、日本の取り締まり史上かつて例を見ないような大量の押収に成功して、この資金源の封じ込めに成功いたしておりますし、もう一方のこちらの業界対策といたしましては、先ほど申しました二つの団体に事前に根回しをしまして、その御賛同を得まして、その趣旨のみかじめ料拒否運動と申しますか、そういう運動を展開しようじゃありませんかということで御賛同を得まして始まったわけであります。これにつきましては、マスコミ等の支持もありまして、当時の新聞等で、大変この作戦についてぜひその成果を期待したいという趣旨の報道もいろいろ大きくされているところでございます。
 そういうようなムードの中で現実に対策を進めていきますと、無許可の風俗営業というものがねらわれやすいこと、それから風俗営業として許可をとっていただいて、先ほど言いました団体の傘下に入っていただくことが強力な対応策につながるということがわかりまして、これらの団体自身にそういう下部組織、加盟している各営業所にその趣旨を伝達していただきますとともに、私どももその会合にも山さしていただきましてこの趣旨を説明して、できれば許可をとってこの団体に参加していただいて、団体の威力といいますか、団体の力をもって暴力団の圧力をはね返していこうじゃありませんか、そういう趣旨を御理解いただくようにやったわけであります。
 そしてその傍らで、しかしながらそれは業界の自主的な活動でございますので、私どもが期待するような形で、スピードではなかなかまいりませんので、県民の要求しております暴力団の資金源を早く封じて、六十一回にも及んでいるような対立抗争事件を早く終結させるというような県民の世論にこたえるためには、やはり無許可で風俗営業を営んでいる方によくその実態を確かめた上で、継続して風俗営業を続けたいということであれば正規に許可をおとりいただいて、この団体に入ってもらって、先ほどの作戦に参加していただいたらいかがかということで、実はこのような措置を行ったというふうに聞いているわけであります。
 そういうような目的がありますために、個々のケースの場合にはいろいろなことがあったかもしれませんけれども、趣旨とするところはそういうことでございまして、私どもとしては業界に根回しもやり、それなりに努力をして理解を得た上で始めたというふうなつもりではいるわけであります。
○佐藤三吾君 それなら、本当は料飲業の皆さんから見たら感謝しなきゃならぬわね、暴力団から守ってもらえるわけだから。ところが、なかなかそうじゃなくて、私のところに来ておるあれを見ると、四月以降警察官の立ち入りが激しく、始末書や誓約書をとられて業態変更、いわゆる深夜業の許可業務、これを強要されたとか、それから業態の変更の理由としては、従業員を雇っておるじゃないかとか、ボックスがあるじゃないかとか、いらっしゃいませと言ったじゃないかとか、従業
員がボックスの外におったじゃないかとか、こういうような具体的にして、接待の解釈が警官によっていろいろ違いがあるというんだね。そうしてとにかく業態変更を迫ってくる、こういうこととか、また料飲組合を集めての講習会で防犯課長が、業態変更をすれば午前二時までは結構だ、そうして料飲税も財務事務所に私わんでもよろしい、こういうまた説明もやったという、こう言っておるわけです。
 あなたがおっしゃるようなことでやっておるなら、こういう意見が私のところに来るはずがないんじゃないかと思うんですけれども、ここら辺はどうなんですか。
○政府委員(漆間英治君) そういう問題のケースが先生のところに集中的に行っているのかもしれませんが、私どもの方で把握している限りにおきましては、こちらの指導に応じて風俗営業をとったがためにうまくいったと感謝された例がかなり報告されているわけでありまして、全体としてはこの運動というのは国民の支持を受け、関係業者の支持も受けているというふうに私は感じております。
 その一、二の例をもしよろしければ紹介さしていただきたいと思いますが、例えば本年の四月ごろ、福岡市中洲地区にありますかつて暴力団とつき合いのありました古くから風俗営業の蓋然性の高いスナックを指導いたしまして、風俗営業にさせたわけでありますが、その後暴力団が来まして、こちらの傘下に入れば従来どおり面倒見てやる、こういう話があったときに、たまたまその指導に行った警察官の名前を思い出しまして、私のところは博多署の○○さんに相談しますということを言いましたら、以後ぴたりと来なくなったということがあって、やはり加盟してよかったと感謝された例があるというようなことも言われております。
 それから、本年の五月。ころでありますけれども、福岡市中洲地区のスナックを構造設備あるいは風評等から無許可の風俗営業の可能性があったのを立ち入り指導いたしましたが、その後スナックから風営の許可を受けカフェーに切りかえた営業者から、暴力団がホステスに嫌がらせをするという通報がございまして、そこで博多署におきまして防犯刑事、外勤等が連携して保護措置を講じたところ、すっかりそういう種類の行動がなくなりまして、やはり許可を受けてよかった、こういう感謝された例でありますとか、例を挙げますとそういう例が多うございます。
 だからこそ、先ほど結成されましたこの責任者の連絡協議会が暴力団の嫌がらせでありますとか、あるいは不法な要求に対して、団体の力でその圧力をはね返す力の根源になっているというふうに私どもは考えているわけでございます。
○佐藤三吾君 時間があればもっといろいろ詳しいことも申し上げたいんですが、皆さんもお待ちなんですから、私だけそれを占領するわけにいきません。
 しかし部長、私どもこの法案を処理する際に随分いろいろ心配をしまして、附帯決議もつけましたように、その中には、風俗営業者への指導に当たっては、営業の自由を最大限尊重するとともに、管理者制度が営業の自主性を損なうことのないように、特に慎重に運用を図られたいということとか、「接待」の意義については、風俗営業の重要な要件に当たるので、その具体的な内容については明確な基準を定めて、都道府県警察の第一線に至るまで周知徹底を図ることとか、それらの基本はこの表現の自由、営業の自由等憲法で保障されている基本的人権を侵害することがあってはならないということで、いろいろ実施に当たって加えたのは、言いかえればいやしくも取り締まりが先行して、そして営業の自由そのものを損なうようなことがあってはならぬというのが基本であるわけですから、そこら辺を踏まえてやられておると思うんですけどね。
 しかし、結果は今申し上げたように私の方に来ておるのは、せっかく暴力団から守ろうというのにありがたいというんじゃなくて、むしろ警察官が業態変更を強要するためにいろんな嫌がらせをやったり、立ち入りをやったりしていることはまことに遺憾だという意味での告発ですわね。
 ここら辺は一遍調べて、私ども現地へ行っていろんな人から聞いてみないと、ここでのやりとりだけでは一方通行でどうにもなりませんけれども、これはこういう声もあることをひとつぜひ踏まえて、そうしてもう一遍、あなたが直接やっているわけじゃないんだから、言いかえりゃ福岡県警、私の方に来ておるのは福岡県警と川崎ですね。福岡県警はもう県警全体ですね、全体にわたって来ておりますがね。それから川崎臨港警察というんですか、そういうところが来ているので、ここは一遍調べてみてもらって、私のところへ来ておるのが事実でないのかあるのかを含めて、ひとつ適切な指導をやってほしいということを踏まえて、時間が来ましたから私の質問を終わりたいと思いますが、よろしくお願いしておきたいと思います。
○政府委員(漆間英治君) 私どもも、先般の法改正時において、国会におきましていろいろな附帯決議がついておりますことは重々承知いたしておりまして、例えば今回の暴力団対策の一環としてこのような対策を講ずるに当たりましても、目的が正当であるからといってそのために行うべき事柄は、そういった法の建前なりあるいは附帯決議の趣旨を踏まえて行うべきことは当然であると考えておりまして、ただいま佐藤先生おっしゃったことは重々私どももよくそのつもりでおります。
 今後実態をよく調べまして、そういう趣旨が今後とも一線に浸透するようにしてまいりたいと思います。
○片上公人君 まず最初にお聞きいたしたいことは、去る十月十四日に岡山東署におきまして、商店街の通りを乗り入れ禁止時間帯に自転車で通行していたとして十五歳の少年、高校一年生ですが、それを大勢の通行人の目の前で手錠をかけ逮捕した事件がありました。犯罪にもよりますけれども、少年の人前での逮捕にはもっと慎重であるべきとも思いますが、これは行き過ぎではなかったのかどうか、その内容と御所見をお伺いしたいと思います。
○政府委員(内田文夫君) これは岡山の商店街で起こったわけですが、この商店街は大分前から自転車の乗り入れ禁止という、これは地元商店街の強い要望がございましてそういうことになっておりました。しかしながら、自転車で乗り入れる人が多い。最近特にそういうのが目立つというので商店街の方々から強い取り締まり、指導の要請が再三来ておりまして、ちょうどこの日、十月十四日でございましたか、警察だけじゃなしに、商店街の役員の方だとか、それから地域の交通共助員というんでしょうか、そういう交通関係をいろいろやっていただいている方々、そういう人たちが出て、これは専ら指導をして、入るところでこういうことだからということで、おりていただくということでずっとやってきたわけであります。
 そのときに、たまたまこの事件が起こったわけでございますけれども、結果的には十五歳の少年だったわけですが、これが来た、それでおりなさいと、こういうことでみんなおりてもらっているんだと言ったけれども、それを振り切って自転車で突っ走っていったということで、後を追っかけていって一応そこで制止をしたわけでございます。その場合さらにそれを振り切って再び逃走しようとする。そして一応そこで押さえて名前などを聞いたけれども何も言わない、住所も氏名も年齢も言わないということで逮捕したということの結果になったわけでございまして、そういった状況を私どもも県に聞いておるわけでございますが、やむを得なかった処置ではないかと、こう思っておるところでございます。
 しかし、少年問題というのは先生おっしゃるとおりでございまして、そういった意味でも今後とも国民の理解と協力を得られるような警察の対応の仕方というものを進めていかなければいかぬ、こう思っておるところでございます。
○片上公人君 非常に悪質な場合もございますけ
れども、何せ少年のことでございますし、また警官の方もそれは一生懸命だと思いますけれども、お若い警官であったとも聞いております。しかしながら、なるべくすぐ手錠とかいうような形については十分慎重にしていただきたい、こう思います。
 次に、シートベルトの件でございますが、先ほど佐藤先生のお話もありましたけれども、これは本来着用は個々のドライバーの自覚によるところが非常に大きいのではないか、そういう意味で指導に重点を置くべきと考えます。シートベルトの着用のPRといいますか、今後どのような点を強調してまいるのかということを一つお聞きしたいと思います。
 もう一つは、これも先ほどちょっとお話がありましたように、シートベルトの着用の効率のためにも、私も車に乗っておりますが、最近いいのができているのかどうか知りませんけれども、非常に使用がやりにくい面があるわけですね。これについてもっと効率がよくなるようにどんどん改善していただきたい。この辺についてはどうなのかということをお伺いしたいと思います。
○政府委員(内田文夫君) 取り締まりといいますか、点数告知の関係でございますけれども、シートベルトの問題は我々ももちろんこれは個々のドライバーの自発的な着用を促すというのが基本だと考えているところでございまして、したがいまして広報活動とか街頭におきます。そういった指導というもの、これを最重点に置いてやっておるわけでございます。
 最初に全体の一年間の経過ということで御説明申しましたように、例えば夜間にシートベルトをつけないでの大きな事故が多いというような問題、そういった意味でそういう夜間だとかあるいは重大事故が起こるところ、それから特に暴走族とまでいかなくても、いわゆる暴走をするといいましょうか、そういう無理な運転をするような若い人たちが案外つけていないということが多いわけでございまして、そういった危険性の高い場所、時間とか道路というものを重点的に指導するとともに、そういった部分についてはこのシートベルトの定着化等、これからそれを高めていくという意味でもある程度の点数付与というものもやっていかなきゃならぬということで対応してきておるわけでございますが、基本的には自発的な着用を促すということで、今後ともそういったことで進めてまいりたいと思っております。
 それから、今後のPRといいますか、そういった着用を促すためにどうしていくかということでありますが、数字的には今申しましたようにかなり定着化してきていると思っておりますが、非着用者の死傷事故が相変わらず多いということでございますので、この着用の機運を今後も盛り上げていかなければいかぬということだと思っております。そういった意味で、これは今までも積極的に広報活動をやっていたわけでありますが、今後も着用の効果的な事例だとか、被害の軽減効果等を積極的にPRをしていくといいましょうか、そういったことで広く国民にシートベルトについての理解を高めていく努力をしてまいりたい、こう思っております。
 それから、使用しやすいように改善するということで、先ほど佐藤先生が御質問になりましたときもお答えしましたように、シートベルトの委員会だとかJIS規格の委員会だとか、そういうところでいろいろその都度我々も意見を申し上げております。ごく最近でもそういった委員会で、装着時の圧迫感を和らげるような構造にできないかどうかとか、あるいは座高に合わせて肩とベルトの位置等の調整ができないかどうか、そういうようなことでの今後の品質の改善といいましょうか、そういうことについての要望などもいたしているところでございます。
○片上公人君 これは私思うんですが、道路交通の取り締まり全般に当たりましては、いわゆるネズミ取りと言われるような違反摘発主義じゃなくして指導中心主義で行われるべきものではないか。そのあたり道路交通の取り締まりに当たりましての基本的な姿勢をどこに置いていらっしゃるのかという見解を伺いたいと思います。
 払いつも感じるんですが、昔二十何年か前ですが、こういう歌がはやりました。「もしもしベンチでささやくお二人さん」という歌、覚えがあるかもしれませんけれども、「若いおまわりさん」という歌。非常に警官に好感を持てるような歌で、大変全国にはやったことを覚えておりますけれども、まあ時代もよかったのかもしれません。ああいうのんきなことをやっておったんでは今の犯罪は取り締まれないんだという意見もあるやに聞いておりますけれども、こういう国際犯罪が多くなり、知能犯が多くなったからこそ、むしろ多くの市民を心温かく守るためにも警察官はそういう余裕を持った指導主義でやっていただきたい。そのために労働条件の問題とか、また財政の問題なんかも極力努力して警官の優遇に努めながら、そのおかげでもって市民を守る、市民のためになるような警官になるように、特に交通問題につきましては御指導を願いたいと思うんですが、御所見をお願いいたします。
○政府委員(内田文夫君) 当然交通の指導、取り締まりの基本というのは、そういった違反を未然に防止するといいましょうか、そういうことが基本だろう。そして指導をしていくということ、そういったことで、今後とも街頭におきます交通監視活動だとか交通機動警ら活動というものを強化いたして、違反行為の未然防止というものに努めていかなければならない。そして指導、取り締まり、これはある程度取り締まりというものがまた緩むと、やはり事故が起きるという相関関係というのはある程度あるわけでございます。
 そういった意味で、交通秩序を確立するという意味での取り締まりというものもやっていかなきゃならないと思うわけであります。そういった場合にやはり国民の理解を得られるといいましょうか、なかなか取り締まられた一人一人の人に理解を得られるというのは難しいんでございますけれども、全体的にこの場所でこういう事故が起きているんだ、だからこういう取り締まりが行われているということですね。取り締まりをする場合にはそういっただれもがわかる、なるほどこの時間帯にこういう取り締まりをやるというのは必要なんだ、あるいはこの場所ではこういう取り締まりというのは必要なんだ、したがって事故の実態とかそういうものもその地域地域で理解していただいてやっていくということに努めていかなきゃならないんだ、こう思っているところでございます。
 それから、取り締まりをする内容につきましても、地域の方々の声といいましょうか、例えば大変迷惑性の高い騒音運転の問題だとか、大変危険性の高い違反運転でございますが、そういったもので苦情とか一一〇審とかいうものもかなりあるわけでございますけれども、そういった本当に国民の方々が迷惑をこうむっているといいましょうか、そういうことを重点的に取り締まっていく。取り締まりの中身の問題ですね。そういったいろんな面での検討を推し進めていくことによりまして、さらに一層国民の皆さん方の理解と協力を得るということに今後とも努めてまいりたい、こう思っております。
○片上公人君 いろいろ必要な場合もあると思いますが、いずれにしましても、国民に好感を持たれるような私はやり方が大事なんじゃないか、違反を起こしておる人に対しましてはこれは威しぐやるのは当然だと思います。
 次にこの数年、車の窓に黒いフィルムを張るいわゆるサングラスカーが若者を中心に大変人気を呼んでおりますけれども、運輸省の保安基準に明らかに違反するフロントガラスや運転席わきの窓への装着がなされるなど行き過ぎの傾向が見られる。運輸省は先月三十日、着用フィルム追放を徹底するよう通達を出しましたが、警察庁の動きとしまして、広島県警が道交法に基づく整備不良車としての規制を検討して広島地検との協議に入ったと報道されております。この報道を御承知かどうか。もし仮に広島県警と広島地検の協議がまと
まって違法な着色フィルム装着車を整備不良車と認定して取り締まる方針を立てたとしても、広島県内だけそういう取り扱いができるのかどうかお伺いしたいと思います。
 むしろ取り締まるとすれば、警察庁自身が方針を示して全国一律に行うべきだと思いますが、どのように考えておられるのか、お伺いしたいと思います。
○政府委員(内田文夫君) このサングラスカーの問題は、ここ数年間大変ふえてきておるわけでございまして、これは余り色が暗くなるといいますか、そうするとドライバーとしても前が見にくいから非常に危険な運転になるということも言えますけれども、それより我々声を聞きますのは、むしろ周りのドライバーの方が中に乗っているドライバーがわからないわけですね。だから、人が乗っているのかどうかもわからない。それから、見えると運転手さん同士で目の合図とか何かでわかるんですね、動きというものが。それが全然わからないから大変危険だという声を我々も聞いているわけでございまして、何とかこれに対応しなきゃならない、こう思っておるわけであります。
 これは、法律的には保安基準でつけてはいけないということになっておるわけでございますが、つけた場合に運輸大臣がそれの整備命令、いわば取れという命令を出して、それに従わない場合に今罰則があるということになっておるわけで、警察的には直接街頭で取りなさいという指導でないとなかなかできないということで、最近の大量交通でこういうのが多くなるということは、手間がかかるけれどもしようがないというのが現状であるわけです。しかし、道交法の六十二条で整備不良車両の運転を禁止している規定があるわけでございまして、これは整備不良が保安基準に違反しているというわけで、その程度が高くなってその車を運転することは危険であるという状態になると、直接道交法で処罰をするという規定がございます。
 その場合に、サングラスカーの遮光度というんでしょうか、暗さ、その程度がどのくらいになったら危険と言えるか、これもなかなか適用も難しいところでございまして、先と言われましたように、今広島県警でいろいろそういった実験もやったり、それからまた、それに基づきまして地検といろいろ話をしているというのはこれは事実でございます。我々ももちろんそれを十分承知して本庁の方とも連絡をとりながらやっているわけでございまして、そしてそれがもしある程度の数値で、これ以上のものは危険性があるということで直接取り締まるんだというようになった場合、いわばこの適用ということですが、これはもちろん広島県だけの問題じゃなくて、全国的に統一して行われるものであるということでございます。
 したがいまして、我々の方で今広島県警とも連絡をとって、それが決まれば全国的に統一をとった方針を打ち出すということになっておるということでございます。
○片上公人君 最近の交通事故の関係ですが、高齢運転者の交通事故も大変多くなっておると聞いておりますけれども、高齢運転者による近年の交通事故の実態はどういう状況になっておるのか、お伺いしたいと思います。
○政府委員(内田文夫君) 高齢運転者、六十歳以上の方を高齢と考えてこれから数字を申し上げますと、五十四年という年が交通事故の死者が一番少なかった。最近では四十六年をピークにして一番下がった年でございますが、それを一〇〇とした数字で見ますと、自動車を運転していて亡くなる方、これが人口も一〇五ぐらいにふえておりますが、一一七という、全体の死者が人口の増以上にふえているわけです。これを今言った高齢者だけで見てみますと、五十四年度に比べて二三四という、二・三四倍の死者になっておるわけです。
 これはもちろん、高齢者の人口というのは全体の伸びより以上にふえて、人口の方も一二七という数字にふえておりますし、それと高齢の方で免許を持つ人というのが大変多くなっているということ、免許を持っている高齢の方というのが二・一五倍になっているということで、全体的に高齢の方が数も多くなり、また運転する方も多くなったということで事故もふえているのだと思います。
 しかしいずれにしても、そういった数字を上回って高齢ドライバーの事故がふえているという数字が示されております。全体の死者がそれよりふえていないのに高齢運転者の死者が大変ふえているということになっております。そして、例えば六十一年度中の免許保有者の一万人当たりどのくらい死んでいるかといいますと、前年で平均では〇・八人ということになっておりますが、六十歳以上の方だけを見ますと、免許を持っている方のこれは一万分の一・四という大変高い数値になっているというのが現状でございます。
○片上公人君 私は、高齢化社会への変化の過程で交通事故にも高齢化の波が押し寄せてくるのではないかという心配をしております。二十一世紀には国民の四人に一人が高齢者という時代が迫っておりまして、二十一世紀の暮らしは、若者も高齢者も旅行やレジャー、スポーツなどどれ一つとりましても卓抜きには考えられないというような社会になると思います。既に高齢者による交通事故がふえてきていることは憂慮しなければならない現実ではございますが、福井県警では、ことしの四月から七十歳以上の運転者全員にシルバーマークを配って本人の自覚を促すとともに、他のドライバーにも思いやりを訴えて好評を得ていると聞いておりますけれども、これも高齢運転者による交通事故防止策の一つと思います。
 私は、最近における高齢者による交通事故の実態あるいは交通安全センターの調査から見ましても、高齢運転者に対する今後の交通安全教育と対策は十分考えられる必要があるけれども、その辺をどう考えていらっしゃるか。
 またこれで一つ感じることは、高齢者が非常に危ないので高齢者の運転を教育する、規制するみたいな形じゃなしに、むしろ高齢者が安心して運転できるような道路状況といいますか、交通事情をつくる方にも力を入れなかったらいかぬと思うんです。へたをすると高齢者に事故が多い、高齢者を取り締まるじゃないけれども、免許を改めてみるというふうな方向に向かわないようにする必要があると私は思います。むしろ高齢者が安心して運転できるぐらいな交通事情をつくるような注意も要るのではないか、このように思いますけれども、御見解をお伺いしたいと思います。
○政府委員(内田文夫君) 高齢者の問題は今後の大変大きな問題だということで我々も認識しているわけでありまして、今先生おっしゃいましたように、自動車安全運転センターでも五十九年から三年間にわたりまして、高齢運転者についてのいろいろな実態だとか意識、あるいは事故や違反の特性だとか心身機能の特性、そういったものの調査研究も行ってまいったわけであります。
 そういった結果によりますと、高齢運転者の方というのは、やはり若い者と違って大変スピードを出すとか、そういうような事故は起こしていないんですね。したがって、歩行者をはねるというようなことは比較的少ない。どうも交差点あたりでやや注意力が散漫になるといいますか、そういうようなところから出会い頭の事故だとか、特に交差点での事故というのが大変多いという特徴があるわけでございます。それから体力的には、一番問題は視力が基本的には低下をしてきまして、遠近感の距離判断というものが大変弱くなるというようないろいろな結果が言われているわけでございます。
 そういった意味で我々といたしましても、例えば免許の更新時に高齢運転者の特別学級というものをつくったり、あるいはいろいろな交通安全講習会を開いたりいたしまして高齢者の事故の実態だとか、視力等の体力機能の低下等について注意を喚起するといいましょうか、そういうことを行っております。
 そういった意味で、例えば更新時にはいろいろな科学的な検査機器を用いまして、どの程度視力や遠近感覚が低下しているのかということを本人
に自覚をしてもらうということでそういう検査を行って、これは別にそれで免許を取り消すとかそういう意味じゃなしに、そういう数字でこうですよ、だからこういう点に気をつけてやらないと大変危険ですよといういわば自覚を促す、こういうことでやってきておるようなわけでございますが、今後とも高齢運転者対策というのはますます重要になってくると思います。引き続いてより効果的な対策を立てるべく努力をしてまいりたい、こういうふうに思っております。
○神谷信之助君 先ほど佐藤委員が質問していました風営法関係の問題でちょっとお聞きします。
 先ほどの御説明ですと、暴力団の資金源の根を断つということで立ち入りをやったということなんですね。そうすると、立ち入り証なしでやられていることになりますが、それは根拠法規はどういうことになりますか。
○政府委員(漆間英治君) 一般的に行政上立ち入りする根拠をまず御説明したいと思います。
 風営適正化法第三十七条第二項でありますとか、あるいは警察官職務執行法第六条第二項、それから警察法第二条の規定が考えられるところでありますが、このうち風営適正化法第三十七条第二項の規定による立ち入りは、先生御案内のように、風営適正化法に規定する各種義務の履行を確保するなど行政上の指導監督のために行われるものでありますが、刑罰によって担保される最も強い立ち入りの手段でございますので、その運用に当たりましては、国会の附帯決議等の趣旨を踏まえて特に慎重な運用に努めているところでございます。
 したがいまして、風営適正化法で深夜飲食店に立ち入るという場合は、通常においては法の定めどおり深夜においてということになるわけであります。しかしながら、さまざまな資料に基づきまして、無許可で風俗営業を営んでいる蓋然性が極めて高い場合におきましては、深夜以外の時間帯におきましてもいわゆる実態上風俗営業として立ち入りを行うことはございます。
 それから、警察官職務執行法第六条第二項の規定による立ち入りは、犯罪の予防または人の生命、身体もしくは財産に対する危害予防のために行われるものでございますが、酒類提供飲食店等は、一般に多数の客の来集する場所に当たりますし、また暴力団犯罪による被害の防止は犯罪の予防に該当すると考えられるところでございますので、警察官職務執行法第六条第二項の規定により営業時間中立ち入りを求めることもできるというように考えております。
 それから、警察法第二条による行為は、同条の警察の責務を果たすために行われる事実上の行為でございまして、相手方の任意の協力を得て行っているところでございます。これは、暴力団による被害を受けないようにしてくださいということで広報活動に訪れたり、あるいは協力依頼をしに回ったりとかそういうようなことでございましょうが、そういう防犯指導あるいは防犯相談と申しますか、そういったことを警察法二条に基づいて深夜飲食店を訪れて行うことは、これは許されるものというように考えております。
 なお、これらのいわゆる警察官職務執行法第六条二項の規定による立ち入りの要求でありますとか、あるいは警察法二条の規定による立ち寄り、これは立ち寄りだと思いますが、立ち寄り等は、風営適正化法第三十七条第二項の規定による立ち入りとは、本来制度の趣旨でありますとか目的とか効果、そういったものを異にしているものでございますけれども、その運用に当たりましてはいやしくも職権の乱用になりますとか、あるいは正当に営業している者に無用の負担をかけることのないように、国会の附帯決議の趣旨を踏まえた慎重かつ適正な運用が必要だというふうに考えているところでございます。
 一般的に申し上げますれば、そういう三つの態様がございまして、先生がおっしゃいました立ち入り証を呈示していないというケースは、風営適正化法ではなくて警職法または警察法に基づく立ち寄りまたは立ち入りのケースではないかというように考えます。
○神谷信之助君 いや、具体的に今度の福岡の事例ですよ。おっしゃるのは、警職法の六条の二項あるいは警察法の二条による立ち入りだというようにお聞きしていいんですか。
○政府委員(漆間英治君) これにつきましては、県議会におきましても御質問がございまして、県警察本部長は、その態様により先ほど申し上げました風営適正化法、警職法、警察法等によって行うというように答えておりまして、福岡県警はそのような三つの法律に根拠を置いて、それぞれの規定に従って行ったものというように私どもも承知をいたしております。
○神谷信之助君 立ち入り証を持っておるのは、全部の警察官じゃないでしょう。特定していますわね、立ち入り証は公安委員会の名で、一緒に持っていくように。全警察官が立ち入り証を持っているわけではない。あるいは、例えば刑事事件の捜査に当たる人が持っておりますね。逆に保安の担当の人が、それ専門の人が持つという状況になっているように前、法案の審議のときには聞いておるんですが、そういう状況でしょう。
○政府委員(漆間英治君) これは、そういう運用は間違いございません。
○神谷信之助君 そうすると、警職法の六条の二項で夜間大体八時、九時、ころから十一時ごろの間行かれたようですが、そこで風営法のいわゆる無許可の営業をやっているかどうかというのは、法案審議のときも非常に接待行為の範囲その他について議論をやったところですからね。やっぱりそういう点ではそういう専門的なというか、よく知っている者がやらなければいかぬので立ち入り証という制度ができているんですね。だから、立ち入り証を持っていない、そういうものでない者があなたのところはこれは無許可だ、違反だから風俗営業の届けをしなさいとかどうとか言うことはできるんですか。
○政府委員(漆間英治君) 今回の福岡県警のいわゆる暴力団作戦というのは、先ほど佐藤先生に御説明申し上げたとおりでありますけれども、そういうことで始まってはおりますが、対象がそういうことでありますだけに、相手を区別いたしましてその対象の業者が暴力汚染地域と申しますか、これはそれぞれの各県で大体把握をいたしておるわけでありますけれども、暴力団に汚染されている度合いの高い地域にある営業所につきましては、先ほど申し上げました暴力団による被害の防止という観点から警職法によって立ち入る。
 あるいはそれ以外に、一般的に暴力団追放運動を進めていますと、もし何か情報がありましたら教えてくださいでありますとか、あるいは被害があったら連絡してくださいとか、そういったように各個、各個といいますか暴力団の危害が及ぶことが予想される地域におきましては、警察法に基づきまして一般的にそういう御連絡なり御依頼を申し上げているというケースがある。要するに、対象の暴力団による被害の蓋然性の高いかどうかによりまして、警職法あるいは警察法によって立ち入ったりあるいは立ち寄って御依頼を申し上げている場合があるというふうに聞いているわけであります。
 それ以外に、先ほど一般的なことで御説明申し上げましたように、業態上許可を取っていないけれども、実態上は風俗営業であるというものにつきましては、風俗営業としての立ち入りを行うことがあります。これは、要するに営業でありますから、何回か反復継続してその種の業態を繰り返すことが必要でございますので、これは専門家が、当然先ほど先生がおっしゃいましたような証票を携帯して訪れてやるというのが通常でございます。
 ただ、警職法上の立ち入りを行った場合に、目の前でそういう違法行為があった場合に、そういう行為が累積しますとそれにつながりますよという警告を与えることは、これは当然できるわけでございますので、その種の行為を目撃した際には、その種のことを繰り返しますと風俗営業に該当することになりますから、もし続けるなら許可
を得てやりなさい、あるいは許可を得るのが嫌だったら、そういう行為はやめなさいということの指導措置をやることは当然あり得るということであります。
○神谷信之助君 なかなか難しいですよね、実際は。例えば警職法の六条二項の犯罪予防で行って、それで暴力団に金、みかじめ料を取られたりしていたとか、そういうのはやっぱりちゃんと切った方がいい、弱みをつくったらあかんとかいうようなことをやったりあるいはやる場合に、これは立ち寄りあるいは立ち入りにしてもわざわざ八時から九時ごろ、十一時ごろにかけてお客が来て忙しいときにやらぬでも、始まる前に行ってお客さんがおらぬときにね、あるいは夕方にしか店の人が出てこなければその時期に行きゃいいわけでしょう。暴力団の資金源を断つという目的を掲げながら、実際には行ってそして風営法の無許可の営業をやっておると。実際は、聞いてみるともう一回ですぐ出頭命令ですかを二回やった。それで取り調べられてそして行政処分を受ける。そういう状況になっているのが訴えられてきているんですよね。
 だから、業者の人は皆客商売だし弱い立場ですから、にらまれてしょっちゅう来られてもかなわぬということがありますから、引っ張られて一人取り調べられたというのを法案審議のときに私は京都の例を幾つも挙げてやりました。だから、そういうことはしたらいかぬよ、ちゃんとやっぱりそのときには警告書というのか、ちゃんとわかるようにして何が風営法に違反をする営業行為なのか、いわゆる接待に当たるのかということがわかるようにして指導をやりながら、その上で、何回かやって聞かないという、そういうことがやっぱりはっきりしないと大議論になりますよというのが附帯決議の趣旨でもあった。
 ところが、今度福岡の場合はそれが一つの実績になる。使い分けされたらたまったもんやないなと思う。それが一つありますよ。
 それからもう一つ先ほどの答弁を聞いていますと、ちゃんと許可を取って風俗営業になって、こういう団体があるからと言ってその団体に入って、それで一緒にやったらよろしいよといってやった。そして実際そうやって、苦情は我々の方に来ているか知らぬけれども、感謝してもろうている例も二軒ありますと、こうなるわけやな。
 それで、さっき二つの例をおっしゃいましたよ。スナックのやつをなにしてそれでダンスホールになったんですか、それでそこで博多西署のだれそれさんに相談する言うたと、言うたら帰った。それからもう一つもスナックですね。これは風営の許可を取って、そしてその団体に入ったことですぐ警察が入って何しているんだと言うたらもう来ぬようになった、警察から言われてね。それやったら風俗営業でなくても、深夜営業をしている飲食店に対してもひとつ弱みをつくりなさぬな。それでそういう弱みにつけ込んで金品を取るようなそういうのに対しては一緒に反対するように皆さんで頑張ったらどうですか。これは風俗営業の団体に入らなくてもできるわけですよ、それはそういう人の集まりをつくったらいい。
 警察の方は、先ほどから話を聞くとそういう組合というか団体があって、そしてそこへ入って一緒に協力してもらえるんやと、そういう話や根回しができているからそこへ入ればちゃんと面倒見ますよ、それで警察の名前を出したら相手が帰った、こういう話でしょう。だから、弱い立場の料飲店もそう言って、来たら警察のわしの名前も言え、あるいはどこそこにすぐ連絡せいとやればいいんでおって、何もその組合に入らにゃならぬことはないわけだよ。さっきの話を聞いているとそういうのを見つけて、そしてあなたのところは無許可の営業をやっていますよ、届けを出してこの団体に入りなさい、これはちょっと僕は行き過ぎだと思う。その団体の手先と言うのはちょっと言い過ぎやろうけれども、手伝いをしているわけでしょう。
 公正中正を保たないかぬ警察官が、目的は暴力団の資金源封じという目的であるにしても、そしてみんなの力で組織的に暴力団を排除しようという運動であるにしても、特定の団体に入れるために逆に届け出をさせるというような、このようになってくるともう全く行き過ぎになってくる。私はそう思うんだけれども、その辺どうですか。
○政府委員(漆間英治君) 多少舌足らずで誤解をいただいたかと思いますが、風俗営業に転換を指導いたしておりますのは、先ほど佐藤先生にどういう理由があるんだと言われましたときに一つ落としておりましたけれども、無許可で風俗営業を営んでいるがために、実際には暴力団から被害を受けているのであるけれども、それを警察に言うのは非常に申告しにくい。そういうことがあって、そのために被害が潜在化してしまう。そういう実態がございまして、そういう実態があっては先ほど言いましたこういう業態に寄生して資金源を稼いでいる暴力団を絶滅することはできませんので、したがってそういうような弱みをなくすために、継続して風俗営業の業態で営業をお続けになるのであれば風俗営業の許可を取っていただいて、それで正々堂々と警察に被害申告できるように、そういう環境づくりをしようということがこの風俗営業に転換を勧めている一つの動機でもあります。
 したがって、決して行き過ぎではなくて、その被害を業者の方々が、別に何のけれんみもなく警察に言えるような環境づくりの一環であるというように私どもは考えております。
○神谷信之助君 いや、それでもちょっと私は理解できないですね。風俗営業にならなければできないような接待行為をしている。そういう行き過ぎた接待があったらこれは風俗営業の許可を受けなきゃいかぬ。風俗営業の許可を取らぬでおこうと思ったら、そういう接待行為はここまでならいいんじゃないか、これ以上はあきまへんよという指導をしたらいい。それで大きな顔をして堂々とおやりなさい、そんなの弱みと思うなというのが正常な営業を指導する立場じゃないですか。私は今の部長のおっしゃる点でもちょっと了解できない面がありますね。
 それから、もう一つは接待の問題がある。これは法案審議で延々と皆さんお互いにやり合ったんですけれども、先ほど部長がおっしゃったように、風営適正化法ができた。それは善良な風俗の維持あるいは風俗環境の維持、少年非行の防止ということだったわけですね、それが中心でしょう。それでそのために、風俗営業にする一つの基準として接待行為がある。カウンターにおってカウンターから外へ出たらそれは風俗素乱のもとやとか、客席へ行って座っていたらそれは風俗素乱のもとやとか、あるいはカラオケを歌っていたから風俗素乱のもとやとか、そうはならぬですよね。だから根本問題というのは、この接待行為なるものは昔の赤線地域が生まれたときからの歴史があって、当時のああいう社会情勢の中で生まれてきた概念ですわね。しかし、それは今の時代にはだんだんもう適合しなくなってきているんやね。
 この点では、私は法案審議のときに、少なくとも著しくという文句を入れたものにしないとこれが拡大解釈され一般化されてしまう。ボックスを固定した図面がある、それを見て、おまえのところは風俗営業やと言ってしまったりという手違いも起こっておる原因というのはやっぱりその辺にあるんやと、こういうように思うんですが、この込もう少し検討していかないと実際上困るんじゃないかと思うんですね。今のは川崎なんかの事例の報告ですけれども、福岡でも出ていますが、そういうのが幾つかあるんですね。この辺はどうでしょうか。
○政府委員(漆間英治君) 一般に風俗営業に該当する業態であるかどうかというのは、営業所の構造でありますとかあるいは設備及び接待の有無等を総合的に判断して決めるべきものでございまして、例えばボックス席があるかどうかといった個々の事実も一つの判断の要素ではありますけれども、それだけで決定するものでないことは御承知のとおりでございます。
 これは前回の法改正のときに、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律等の解釈基準というのを示しまして、これは六十年一月二十九日でありますが、その中の第三で「接待について」ということで、接待の定義でありますとか接待の判断基準ということでかなり詳細に決めてございます。この判断基準は、当時の法改正時の国会における御議論等を踏まえましてつくりましたものでございまして、この内容に盛られております事項というのは、この当時、六十年でございますが、それから二年経た今日をもってしても、まだいまだに十分時代適合性があるというふうに私は考えております。したがいまして、わずか二年でこの内容を変更して云々というのではなくて、この内容を適正に、慎重に判断していくという運用の方がむしろ大事じゃないかというふうに考えております。
 そういう意味で、この判断基準は当面このままにしておいて、現実の運用の中でこの判断基準が厳格に守られるように指導していきたいというふうに私は考えております。
○神谷信之助君 私は、今度の問題は大体二つ重大問題があると思っています。
 一つは立ち入り証の問題ですね。先ほど部長もおっしゃったように、風営法による立ち入りというのは午前零時以降が原則であって、午前零時以前というのはやらないというのが建前なんでしょう。やる場合は実際の蓋然性が高い場合やと。この委員会でさらにそれを具体的に聞くと、結局あのときは、具体例で言うと通報があってそれでなにしましたという、当時の保安部長が答弁していますわね。だから、蓋然性というのも一定のやっぱり根拠があるというか、そういう意味では午前零時以前の立ち入りというのは非常に厳格にしているわけですね。これは営業の自由を守る、保障をしなきゃいかぬという、営業妨害になるといかぬという問題やらも含めましてそういうことになっている。
 ところが今度は、今のお話じゃないが警職法の六条の二があるわけです。警察法の二条の方は犯罪予防で防犯の連絡というか指導というか、それで何も営業時間中にわざわざ忙しいときに行かんならぬことはないんで、だから警察法二条というのは、ある意味から言ったらそれは説明なり指導でしょう。問題は警職法の六条の二項ですよね。犯罪の予防ということで来られたら、これはある意味では二十四時間いつでも行けるわけです、状況によっては。それができますやということでそこで現認をしたら、今度は風営法の立ち入りでしたといって出頭命令を出す。そうすると、この風営法の立ち入りを厳格にしたらそれはもう空洞化しますな、形骸化しますな。ここのところあたりが非常にあいまいです。
 だから、立ち入り証を持っていますかと言うたら、いや警察法の二条で来たんだとか威張って言ってみたり、警職法の六条とか言ってみたり、これはしようがない。それで今度は、ではということでいろいろよく聞いてみますと、一人は保安関係の人がおって立ち入り証を持っている人だというんだよ。それで、その人が立ち入り証を見せてあなた風営法の違反やと、あした出頭しなさい、こうなるんです。そうすると、嫌疑もくそもないんですよ、これは。それで抗弁しようと何しようと、あした署へ来てくれと。そういうことをやったんでは、風営法で何ぼ我々が議論してこれはいけませんよ、ここまでですよと言ったって役に立たぬわけでしょう。
 それからもう一つは、接待行為の今のもの。その基準は、あれは異論があるけれども一応それはおいて、それでも上がってくる話というのは一回ではちっとやられる。川崎なんかまた大分出てきていますね、実態が。川崎から来ているのでは、一回来てその一回でほとんどやられていますね。それから、カウンターの外へ出たらそれは違反やとかいう例は、福岡やら川崎のどっちにもありますね。先ほど佐藤さんも言いましたけれども、そういうふうに今やっている。
 たくさんの警察官の中ですから、実際に徹底をして現実の状況に対応して適正に判断基準を運用するというのはなかなか難しいので、実際に現場でそのときに確認をした、現認した状況というのをその場で当事者が確認してそれで警告をする。そうしたら、これはいかぬのやなということはわかりますわね。業者の方もわかる。それで、警察の方もそれが集まってくれば事例になるわけでしょう。明くる日に出頭していってこうやったろこうやったろと言われたら、これはあきまへんで、誘導した自白調書をつくっているようなものでね。そうして一定の実例をつくっていけば判断の基準に基づいた実例ができてくるでしょう。そこでまた、実際にそういう指摘を受けた業者の皆さんも、ここまではいかぬのやなというわけがわかるわけや。業者の皆さんはそんな基準はわかりませんからね、実際問題として。
 やっぱりお客さんに来てもらって、楽しくやってもらおうと思っていろいろサービスをするのは当たり前なんで、そうやなかったら商売になりはしませんな。だから、そういう点を私はぜひ考えてやる必要があると思う。出頭通知や起訴状なんかを見ても接待行為をしたと書いてあるけれども、接待行為の中身では何も出ていませんしね。呼び出された人も何が接待行為で、どこがいかぬのかなと。行ってから怒られるという状況ですから、こういった点をなくしていかないと円滑な法の運用はできないと思いますけれども、この辺はいかがでしょうか。
○政府委員(漆間英治君) 内容的に二つあるような感じがいたします。
 順序はちょっとあれになりますが、まず出頭通知なるものの性格でありますが、出頭したら直ちにその署において検挙ということではございませんで、内容に応じて、あなたのやっておられることはそのままの状態を続けますと風俗営業になりますよ。もし、それを続けるのであれば風俗営業の許可を取りなさい。もし、その風俗営業の許可を取るのが嫌であればそういう行為はやめてください。そういう指導をするための、出頭通知というのは言葉が仰々しいためにやや誤解を生んでおりますけれども、実際はそういう御連絡をしているわけです。
 実際に先ほど警職法とかその他の理論的根拠を申し上げましたけれども、現実の運用がどうかといいますと、ドアをあけて中をのぞくわけですね。中をのぞいてママさんを呼んで、そこでママさんがいれば内容を伝えるわけですけれども、いない場合に、ママさんがいませんので、それでやむを得ず出頭通知、ここに何時に来てください、内容はこういうことですということをやるためのものでありまして、ちょっと出頭通知という名称にやや影響され過ぎという嫌いがあるように私どもは考えます。内容的にはあくまでも中に入っていってやりとりしますと客がいますし、無用のトラブルが生じますので、そういうふうにできるだけ外に責任者を呼び出してそこで話をしたいわけですけれども、いない場合にはそれで連絡をするという趣旨のものでありまして、出頭通知を渡したから直ちに検挙をするというものではございません。その点については御理解いただきたいと思います。
 それから、もう一つの立ち入りについてもいろいろな立ち入りの根拠があると申し上げましたけれども、立ち入りの根拠にはそれぞれ趣旨とか目的とか効果等が異なりますので、これをいかに用いるかというのは十分な配慮が必要でありまして、これを恣意的に運用するということはあり得ないことであります。したがいまして、警察法や警職法に基づいて恣意的立ち入りを行って、この風適法に基づく立ち入りをなし崩し的にするなんということは毛頭考えておりません。そのようなことがあっては大問題であると私どもも考えますので、個々の立ち入りの基準も先ほど申し上げたように示しておりますが、あれに沿って実際行われるように指導していきたいというふうに考えているわけでございます。
○抜山映子君 私のところへも先般来陳情団が見えておりまして、私実際に特定の陳情に来られた
方だけの話しか聞いておりませんので、果たして警察の立ち入りが地元からどれぐらい感謝され、あるいはどれぐらい迷惑がられているのか、そのあたりもわからずに質問するわけでございますけれども、先ほど、今回福岡で立ち入りを行われたバックグラウンドの御説明がございました。その立ち入りはどのような指示によって日にちが何日ぐらいで、何人ぐらい動員して、何軒を回るというような態勢で行われたのか、そのあたりを御説明ください。
○政府委員(漆間英治君) ちょっと何人を動員してどのような経過でというのは事前に御通告いただければ調べておいたのですが、今この場では私どもは……
○抜山映子君 そのバックグラウンドの御説明だけはしていただくということだったので、当然そういうことは……
○政府委員(漆間英治君) 多少参考になるような事柄について、掌握している範囲内だけで申しわけございませんが、申し上げたいと思います。
 お尋ねの福岡県下の深夜酒類提供飲食店は、昨年の十二月末現在の届け出数で一万六千八百軒ございます。このうち本年一月から十月末までの間に立ち入り等を行いました営業所は約四千軒でございます。この立ち入りは営業に暴力団が関与している疑いのあるもの、あるいは無許可で接待行為を伴う違法営業を行っている蓋然性の高い営業所といったものが対象となっております。また立ち入りによりまして接待行為を確認して後日警察署等に出頭を求めて指導し、誓約書の提出を求めたものは約千七百七十軒ございます。
 質問のすべてにお答えできないのが残念でございますけれども、私どもがつかんでいる数字的なあれは以上のとおりでございます。
○抜山映子君 そうすると、四千軒立ち入りを行ったわけですが、そのうち何軒が、先ほど御説明のあった警察官職務執行法六条第二項に基づく立ち入りだったんでしょうか。
○政府委員(漆間英治君) それは私ども掌握いたしておりません。
○抜山映子君 どうも陳情団の話によりますと立ち入る根拠ですね、警察法二条に基づいてたと。彼らは素人ですからわかりませんけれども、そういうふうに説明するわけです。警察法二条ですと犯罪の予防、鎮圧、秩序の維持ということで、非常に強力なものでございますね。警察官職務執行法六条二項になりますと犯罪の予防または生命、身体、財産に対する危害予防のためということになって、これは要求があったら身分を示す証票を示さなくちゃいけないと書いてあります。風営法の三十七条になりますと時間の制限もございまして、立ち入るときはその身分を示す証明書が要る、こういうふうに三つ分かれておるわけなんですけれども、立ち入るときは警察法の二条で入っておって、そして実際に入ると、今度風営法の接待をやっているかどうかのチェックをしておるような感じで、風俗営業に転業しろと、こういうふうに言われるということでしきりと陳情されるので、そういうあたりの入るときと中でやっていることとのひずみが多少あるのじゃないか。
 私は、これはまだ実際に現地で見たわけじゃないですが、そういう懸念がされるんですが、その点いかがでしょうか。
○政府委員(漆間英治君) 先ほど来説明いたしておりますように、警職法で立ち入る場合におきましては、暴力団の汚染度の高い、暴力団による犯罪の被害の可能性の高い業種に絞って警職法で入っておるわけでございます。したがって、これは暴力団による犯罪の予防という観点から入っているわけでありまして、警職法六条の要件に該当すると私どもは考えているわけでございます。
 それから、それ以外の地域に存在する営業所で、一般的に暴力団に対する情報があったら教えてくださいでありますとか、あるいは被害があったら申告してくださいというようなことを御依頼に行くのは警察法二条によって行っているわけでありまして、これは必ずしも汚染度の高い地域に存在しなくても、そういう依頼をしていくことはあり得るわけでありますので、その際に、たまたまそういうことを現認した場合に、その事柄について必要な指導をするということも当然あり得るのではないか。それで、結果としてたまたま警察法二条で捜査上の協力依頼なり、あるいは暴力団の悪性の広報なりそういうものでお訪ねしました折に、そういうことを現認したときに、目の前にそういう違法状態があるのに放置して帰るわけにいきませんので、それについてそういうことだったらこういうことですよということは、私としては当然あり得ることではないかというふうに考えているわけであります。
○抜山映子君 私は素人でわかりませんのですけれども、みかじめ料というのはどういうものなんでしょうか。
○政府委員(漆間英治君) 暴力団というのは、要するに一般に申しますといわゆる縄張りというのを持っておりまして、あるいはシマとも言っておりますが、そのシマの中にあります例えば風俗営業、その他この種の営業につきましては、その縄張りの中で営業する場合には一定の上納金を暴力団に払わないとさせないという、そういう縄張りを根拠とする資金源活動を行っているわけであります。そのことを称してみかじめ料と言っておりまして、これがやはり抗争にかかわった暴力団の場合は大変有力な資金源であったということであります。
○抜山映子君 そうすると、いわゆるスナックとか深夜酒類営業の方たちが、風俗営業であろうと、深夜酒類営業であろうとあるいは風俗関連営業であろうと、みかじめ料というのは広くそういう業界でやくざから搾り取られている、こういうふうに理解していいわけですね。
○政府委員(漆間英治君) このみかじめ料の問題は私ども古くから認識をしておりまして、最も古典的な暴力団の資金源なわけであります。暴力団対策の一環としてはまず初歩的に進めるべき事柄でありますけれども、なかなか事柄の性質上その趣旨が徹底しないというのが実情であります。したがいまして、このみかじめ料を断つということは、福岡県警察の場合はたまたま今回調べていてよくわかったわけでありますけれども、一方の当事者である道仁会の資金源の有力な一つは、こういう業界に巣くってみかじめ料を巻き上げて、それでしのぎをしていたという実態がわかりましたために、このような対策を進めているというのが実態なわけであります。
○抜山映子君 本来、警察に来ていただいたらみかじめ料を取られないようになるということで感謝されるのが筋だろうと思うんですけれども、陳情団の話では大変に迷惑している、こういうことなのでございます。立ち入るについては私服で入っておられるそうですけれども、地元のことでもあり、警察の人が来られるとこれは一目瞭然ということだろうと思うんです。そうすると雰囲気が壊れる。雰囲気が壊れるとお客さんが来ない。お客さんが来ないと当然こういう零細な料飲業でございますので、ほかの店に客を取られて倒産するということが一番心配のもとではないのだろうかと思います。
 それで、この風営法をつくるときの接待の意義、これが大変に問題になりました。参議院の決議の四項でも「具体的に明確な基準を定め、恣意的な業態変更とならないよう都道府県警察の第一線に至るまで周知徹底すること。」と、こういうようにあるわけです。
 実際に基準を拝見しますと、これは私も大変に見て大笑いしてしまったんですが、私自体がスナックに行って果たして接待を受けたんだろうか受けないんだろうかというように疑問に思うところがたくさんあるわけです。例えば「ほめそやし等」というのがございまして、特定少数の客の近くにはべり、その客に対して歌うことを勧めたり、手拍子をしたり、拍手をしたり、これは接待に当たると。客の近くに位置せず、不特定の客に対し歌うことを勧めるのは接待に当たらないわけです。片方は特定少数で片方は不特定というんですけれども、特定少数、不特定と、もうこれ自体が一体
何人ならば特定少数なのか、何人ならば不特定なのか、これがわからない。こういうように基準が大変に私法律家でありながらわからない。実際にスナックに行ってどっちなんだか自分でもわからない。こういうことが現状なわけで、じゃもっと基準をつくれと言っても、これもなかなか難しい問題があるかと思います。
 それで、やっぱりこういうようにもともとはあいまいな基準でございますから、余りストリクトに、厳格に取り締まるということも、これはちょっと営業の自由を害するという懸念があると思うのでございます。ですから、このあたりをしっかりと警察の方で運用基準をこのようにされたいとか、警察のやくざの取り締まりの趣旨であるならば、その趣旨でもって風営法と警察官職務執行法のもとでやるのかどっちでやるのか、そのあたり基準をはっきりさせて、零細な業者が困らないようになるべく控え目にやっていただきたい。これだけを希望して、私の質問を終わりたいと思います。
○秋山肇君 私は、六十年の風営法の改正のときには都議会におりまして、警務消防委員会でこれを審議したのを今思い出しているわけですが、そういう中で、基本的には風俗営業というのは適正に営業されているならば社会に大変有益なものとして位置づけられる、積極的に認められたということで大変前進をした改正じゃないかな。あのときに、たしか青少年の教育のために少年指導委員ですか、そういう制度がボランティアで設けられるというようなこともあったというように記憶をしておるわけであります。
 そういうことで、適当な娯楽が社会に潤いを与え安らぎを与え、そして活力になっていくということが認められたんだなと。そして今ずっと思っていますけれども、皆さん方から陳情の件については御質問がありましたけれども、私どもの地元警視庁からは何もなくて、何で福岡と川崎からあったのかなというようなことからしますと、私どもあのとき懸念をしたやはりこの趣旨を徹底しておく、現場の警察官の方々にその趣旨、意味合いをしっかり理解をさしておくということが、あいまいな形で指導をすると誤解を招くんじゃないかということが、たしかあのときの委員会の論議にもあったなというふうに思っているわけであります。ぜひひとつそういうことでその辺も含めておいていただきたいというふうに思います。
 しかし、今申し上げたように、こういう安らぎを与える、活力の源泉になるといっても、余り度が過ぎてしまえばこれはいけないわけでありますし、風俗営業というものは適当なコントロールがやはり欠かせないんじゃないかなというふうに思うわけであります。そして従来はここに八号営業と出ておりますけれども、ゲームマシンが対象外であったのが、国民に娯楽を提供するということでゲームセンターが新たに風俗営業に取り入れられて、新風営法の規制のもとに置かれることになったわけですけれども、こういうようなものなんかも大変適切なことだろう、子供たちが出入りをするというところに対しての指導というものも含めて適切だったなというふうに思っております。
 しかし最近は、新風営法が施行されて三年近くになるわけですが、この間にいろんなことがあったわけでしょうけれども、遊技機を利用した賭博事犯が依然として多くなっている、後を絶たないということですけれども、最近の取り締まり状況はどういうふうになっておるのでしょうか。
○政府委員(漆間英治君) 御承知のとおり、昭和五十七年ごろに御質問のような賭博事犯が非常に多く敢行されましたので、警察といたしましても全国的な規模で取り締まりを行いましてその鎮静化を図るとともに、風営適正化法でいわゆるゲームセンターを風俗営業と定めまして、許可営業として健全営業を行うように指導を行ってきたところであります。法施行後もこの種事犯に対しては従来どおり強力な取り締まりで臨む基本方針に何ら変わるところはございません。今後とも許可時の指導等の各施策を強力に行うとともに、違法営業者に対しましては強力な取り締まりを行う、いわゆる行政と司法両面の対策を積極的に強力に進めてまいりたいというふうに考えております。
 取り締まり状況につきましてでございますが、検挙した営業所数で申しますと、法施行の昭和六十年は四百四十八営業所、翌六十一年は七百二十七営業所を主に常習賭博罪で検挙をいたしております。本年におきましては、十月末までに既に昨年の検挙数を上回る七百五十八営業所を検挙いたしております。
 また事犯の内容も、高校生や主婦を対象といたしましたり、見張りを立てて密室化するなどますます悪質巧妙化する傾向にあるのが現状でございます。これら悪質事犯に対しましては緻密な綿密な計画のもとに捜査活動を推進しまして、その根絶に努めてまいりたいというふうに考えております。
○秋山肇君 取り締まりの数は相当の数があるわけですけれども、なかなか賭博というのは後を絶たないんですが、検挙した後行政処分としては何らかの対応をされておると思うんですが、これはどうなんでしょうか。
○政府委員(漆間英治君) 検挙した違法営業者に対しましては、賭博に用いられました遊技機を押収しまして、今後営業を行えないような対策を講じているところでありまして、昨年じゅうは六千六百九十八台の遊技機を押収いたしております。それとともに、検挙営業所に対しましては許可の取り消し等の行政処分を適正に行っているところでございます。
 さらには違法営業者が得た不法利得に対しまして、関係当局と連携をとりまして、課税通報等を行いまして課税措置がとられるように配慮しているところでございます。
○秋山肇君 当然そういう人たちは税金を払ってないとかですね、そういうことですから、そういうほかとの関連、警察だけではない関連の指導というものもぜひお願いしたいというふうに思います。しかし、こういうことがそれだけやってもモグラたたきと同じですから、こうした違法行為を本当になくすということにはどういうのがいいのか、警察だけでいいのかどうかわかりませんけれども、対策をお伺いしたいのと、またこういうことが暴力団、先ほど来スナックの問題なんかも暴力団との資金源のつながりというのが出ているんですけれども、これも暴力団の資金源につながっているのではないかなというふうにも思いますけれども、その点についてのお考えをお聞きしておきたいと思います。
○政府委員(漆間英治君) 摘発したすべてのケースが暴力団がどうかは別でございますが、おおむね暴力団が関与しているケースが多うございます。
 それからモグラたたきではないかとおっしゃいましたので、それとの関連で、私どもが実際に実施しております対策を御紹介申し上げますと、この種事犯をなくするためには営業者の検挙のみでは足りないというのは御指摘のとおりでございます。したがいまして、賭博遊技機をリースして売上金を営業者と折半等をして暴利を得ている業者がございますので、このいわゆるリース業者が背後で介在している事犯があった際には、突き上げ捜査を徹底して賭博遊技機の供給源を断つ捜査というのを行っております。本年に入りましても、鹿児島県下で喫茶店など百十八店舗に遊技機をリースして賭博を行わせていた製造、リース会社の社長を検挙いたしておりますし、そのほか多数のリース業者を検挙いたしております。そういう材料の供給面からの捜査というのにも配慮しているところでございます。
○秋山肇君 今お答えがありましたけれども、リース業者だけじゃなくて、機械を製造しているもとまでもこの対応をきちっとしておかないと根絶できないということでもある。
 遊技機賭博に対する警察の対応というのは大体わかったんですが、新宿で、台湾マフィアだと言われておりますけれども、ピストルによる殺人事件があって、あの連中がやっているのは、テレビでも言っておりましたけれども、賭博行為である
ということからすると、この東京というのが国際的な犯罪都市になりつつあるわけですね。ですから、これは警察だけではなかなかキャッチできないわけで、風俗営業をやっている方々を初め、町の皆さん方との連携ということによって犯罪を未然に防いでいくということが必要だし、また片方で風営法をきちっと実行していって、国際的なこういう連中にも目こぼしをしない、暴力団に対しても厳しくやるということが必要だろうというふうに思うわけでございます。ぜひひとつ、せっかく改正をして実施をしている法の趣旨というものを生かしていきますことを要望しておきます。
 以上で終わります。
○小委員長(松浦功君) 他に御発言もなければ、本日の調査はこの程度にとどめ、散会いたします。
   午後三時四分散会