第111回国会 産業・資源エネルギーに関する調査会 第1号
昭和六十二年十二月十一日(金曜日)
   午後一時一分開会
    ―――――――――――――
   委員氏名
    会 長         大木 正吾君
    理 事         沢田 一精君
    理 事         添田増太郎君
    理 事         宮島  滉君
    理 事         及川 一夫君
    理 事         馬場  富君
    理 事         神谷信之助君
    理 事         橋本孝一郎君
                遠藤 政夫君
                亀長 友義君
                工藤万砂美君
                沓掛 哲男君
                熊谷太三郎君
                山東 昭子君
                鈴木 省吾君
                田沢 智治君
                田辺 哲夫君
                福田 幸弘君
                森山 眞弓君
                山本 富雄君
                小野  明君
                対馬 孝且君
                浜本 万三君
                三木 忠雄君
                小笠原貞子君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    会 長         大木 正吾君
    理 事
                沢田 一精君
                添田増太郎君
                宮島  滉君
                及川 一夫君
                馬場  富君
    委 員
                遠藤 政夫君
                工藤万砂美君
                沓掛 哲男君
                熊谷太三郎君
                山東 昭子君
                鈴木 省吾君
                田沢 智治君
                田辺 哲夫君
                福田 幸弘君
                森山 眞弓君
                小野  明君
                対馬 孝且君
                浜本 万三君
                小笠原貞子君
   政府委員
       通商産業政務次
       官        倉田 寛之君
       工業技術院長   飯塚 幸三君
       資源エネルギー
       庁長官      浜岡 平一君
       資源エネルギー
       庁石油部長    内藤 正久君
       資源エネルギー
       庁石炭部長    鈴木 英夫君
   事務局側
       第三特別調査室
       長        高橋 利彰君
   参考人
       財団法人日本エ
       ネルギー経済研
       究所理事長・総
       合エネルギー調
       査会需給部会長  生田 豊朗君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○産業・資源エネルギーに関する調査
 (長期エネルギー需給見通しに関する件)
 (派遣委員の報告)
○継続調査要求に関する件
○委員派遣に関する件
    ―――――――――――――
○会長(大木正吾君) ただいまから産業・資源エネルギーに関する調査会を開会いたします。
 まず、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 産業・資源エネルギーに関する調査のため、本日の調査会に財団法人日本エネルギー経済研究所理事長・総合エネルギー調査会需給部会長生田豊朗君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○会長(大木正吾君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
○会長(大木正吾君) 産業・資源エネルギーに関する調査を議題といたします。
 まず、長期エネルギー需給見通しに関する件について政府から説明を聴取いたします。通商産業政務次官倉田寛之君。
○政府委員(倉田寛之君) 通商産業政務次官の倉田寛之でございます。今後、田村大臣を補佐し、エネルギー行政の推進に全力を挙げてまいりたいと思います。何とぞ委員各位の格別の御指導、御鞭撻をお願い申し上げます。
 まず私から、長期エネルギー需給見通しの改定についてその要点を申し上げます。
 初めに、今回の改定の背景となったエネルギーをめぐる諸情勢の変化について申し上げます。
 国際石油情勢については、昨年来原油価格が大きな変動を見せました。また、本年に入ってはペルシャ湾情勢が緊張の度を著しく高めており、当面の石油需給は不透明な状況が続いております。また、中長期的には、九〇年代に入って発展途上国を中心とした石油需要の着実な増大と非OPEC産油国の生産能力の低下により石油需給の逼迫化が進展すると考えられます。
 国内の状況については、一昨年末以降の急速な円高の進展等を背景に、我が国は対外不均衡の是正と国民生活の向上を目的とした経済構造調整を進めようとしております。これに伴って、中長期的な我が国のエネルギー需給動向に民生部門の着実な増大等の変化が生じるものと考えられます。
 こうした内外のエネルギーをめぐる諸情勢の変化を踏まえ、このたび総合エネルギー調査会において長期エネルギー需給見通しの改定を行ったところであります。
 今回の改定は昭和五十八年以来四年ぶりに行うもので、昭和七十五年度を目標年度としております。その内容の骨子は、次の四つの点に要約できます。
 すなわち、その第一は、エネルギー供給量は着実に増加し、七十五年度には六十一年度より原油換算で約一億キロリットル多い五・四億キロリットルに達すると見通されること。第二は、需要については、民生部門のウエートが高まり、産業部門のウエートが低下していくこと。第三には、石油依存度は着実に低下するものの相当高水準を続けざるを得ないこと。六十一年度五六・八%、七十年度四九・七%、七十五年度四五・〇%。第四には、今後のエネルギー供給の増加分をほぼ石油代替エネルギーで賄うこと。以上の四点であります。
 このような長期エネルギー需給見通しの内容を
踏まえ、我が国としては、石油備蓄、石油自主開発の推進等、石油の安定供給の確保、石油代替エネルギーの開発導入、省エネルギーの推進などの総合エネルギー政策を一層着実かつ計画的に進めることが必要であると考えております。
 では、長期エネルギー需給見通しの具体的内容については浜岡資源エネルギー庁長官から説明いたさせます。
○会長(大木正吾君) 続いて、資源エネルギー庁長官浜岡君。
○政府委員(浜岡平一君) 今般改定をいたしました長期エネルギー需給見通しの中身につきまして、お手元の資料−1に即しまして御説明を申し上げます。三ページ目以下をごらんいただければと思います。
 今回の見通しの目標年次でございますけれども、昭和七十五年度を政策的な目標年度といたしまして、また昭和七十年度をそれまでの現実的な予測年度というぐあいに位置づけております。前回の見通しよりも五年先まで見通しの幅を広げたということでございます。
 次に、需要構造の変化についてでございます。三ページのコメントと九ページにございます表をごらんいただければと思います。
 産業部門でございますけれども、機械産業を初めといたします加工組み立て型業種の成長を見込んでおるわけでございますけれども、エネルギー多消費型でございます基礎素材産業につきましては、一層省エネルギーが進むということが見込まれますと同時に生産の伸び自体も鈍化すると予想されるわけでございますので、この部門の需要は年率にいたしまして平均一%以下と、比較的緩やかな伸びを示すと見通しているわけでございます。その結果といたしまして、エネルギー需要全体の中で占める産業部門のシェアが次第に低下してまいりまして、昭和七十年度で五〇%を割るというぐあいに見通されているわけでございます。
 次に、民生部門でございます。
 家庭部門につきましては、生活の快適性でございますとか利便性の向上でございますとか、そういった要因を背景にいたしましてエネルギー需要が着実に増大すると見込まれるわけでございます。それから業務部門につきましても、サービス経済化が進みますとか、あるいはOA化が進展していくというようなことで同じような傾向が見込まれるわけでございます。家庭部門と業務部門を合わせました民生部門につきましては、したがいまして年平均二・六%と、産業部門、運輸部門を上回る一番高い需要の伸びが見込まれているわけでございます。
 運輸部門につきましては、旅客につきましても貨物につきましても輸送量の着実な増加が予想されるわけでございまして、それぞれの車両の燃費の改善あるいは輸送効率の向上といったことでエネルギー原単位の改善は見込まれるわけでございますけれども、年にいたしまして一・七%から一・八%ぐらいの安定的な拡大が見込まれるというわけでございます。
 今まで申し上げましたことをまとめてみますと、経済成長が着実に進んでまいります中で、エネルギー需要全体は昭和六十一年度から七十年度までは年平均一・三%強、七十年度から七十五年度までは年平均一・五%程度の増と、緩やかではございますけれども堅実に着実に増大をしていくと考えられているわけでございます。
 次に、このような需要に対しますエネルギーの供給の見通してございますけれども、四ページ以下のコメントと八ページの表をごらんいただければと思います。
 石油でございますが、この供給量につきましては、八ページの表の最下段をずっと横にごらんいただきますと、数量的には昭和七十五年度までほぼ横ばいで推移するというぐあいに見込まれているわけでございます。産業部門でございますとかあるいは電力部門などにおきます重質油などの需要は今後とも減少を続けていくと見込まれるわけでございますけれども、運輸部門などほかのエネルギーによる代替がまだ困難な分野におきまして中軽質油等の需要が今後とも根強く、したがいまして堅調に推移すると見込まれているためでございます。
 エネルギー供給全体の中の石油の位置づけといいますか、いわゆるエネルギー総供給量の中での石油のシェアにつきましては着実に低下していくと見込まれているわけでございます。最近の石油需給の緩和というような事情もございまして、従来の見通しに比べますと石油依存度の低下のテンポはある程度おくれるということでございますけれども、七十年度に五〇%を割りまして四九・七%、それから七十五年度で四五%程度になるというぐあいに見通されているわけでございます。
 一方、石油代替エネルギーにつきましては、各エネルギー源ともに各般の努力によります供給量の増大を見通しているわけでございまして、今後のエネルギー需要の増加分はほぼ全量石油代替エネルギーの供給増で賄うということが期待をされております。
 その中で原子力につきましては、石油代替エネルギーの中核として供給量の拡大を進めるということが必要と見られているわけでございますが、そのために安全確保のための万全の対策を推進いたしますと同時に、自主的核燃料サイクルの確立などの諸課題に強力に取り組む必要があると考えております。
 また、石炭につきましては、電力部門での利用拡大、産業部門での石炭転換の推進などによりまして、資源開発、環境保全への留意を前提にする必要があるわけでございますけれども、供給量の着実な増加を見通しているわけでございます。
 天然ガスにつきましては、長期的な安定供給の確保が可能であるということでございますし、また、クリーン性、制御の容易さ等のメリットはあるわけでございますけれども、他方で供給条件でございますとかあるいは価格決定方式の面でかなりの硬直性がございまして、そんなことから供給の伸びは次第に鈍化していくというぐあいに考えられているわけでございます。
 太陽エネルギーなどの新エネルギーにつきましては、近年の石油需給の緩和傾向といったものが導入のペースをおくらせているという面はあるわけでございますけれども、今後一層効率性の面に配慮をいたしながら着実に技術開発を進めますと同時に、導入の一層の拡大によりまして経済性を上げるということを図りまして着実に供給を増加させていきたいと期待をいたしているわけでございます。
 以上を踏んまえましたエネルギーの総供給量につきましては着実な増大が続くわけでございまして、昭和七十五年度には昭和六十一年度に比べまして原油換算で約一億キロリッター多い約五億四千万キロリッターに達すると見込まれているわけでございます。
 なお、こういう状況の中で需要構造が民生部門へウエートを移していく等々の背景のもとに、電力化率、一次エネルギーのうち電力に転換される割合というものが昭和六十一年度の約三七%から七十五年度には約四二%まで高まると見込まれているわけでございます。
 以上で改定されました需給見通しのあらましの御説明を申し上げました。
○会長(大木正吾君) 以上で説明の聴取は終わりました。
 これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
○対馬孝且君 きょうは生田参考人に来ていただきまして、機会を与えてくださいましたことをまず参考人に感謝申し上げておきます。
 時間が三十分と限られておりますので、本来ならば総合的にエネルギーの見直しについて質疑を交わしたいところでございますけれども、時間がありませんから、当面の石炭問題もございまして、緊急問題でありますが、一問だけ長期エネルギー見通しで御意見を申し上げ、考え方をお聞きしたいと思います。
 五十八年十月、私も当委員会で、当時エネルギー特別委員会でございましたが、長期エネル
ギー需給見通しの確かな方針ということを質問いたしております。会議録ございます。
 そこで、今も率直に政務次官並びにエネルギー庁長官からございましたが、この四年ぶりの改定を見ますと、結果的にはこれ相変わらず長期エネルギー需給見通しの基本は石油依存度がやはり高いと、そして横ばい状況と、端的に申しますならば昭和七十年度の石油代替エネルギーの供給見通し量が石油換算で前回は二億八千万キロリッター、今回は二億四千五百万キロリッターと減少をいたしているわけであります。しかもこれ、当時はかなり代替エネルギーというのに危機感を持ちまして、何とか代替エネルギーに力を入れようじゃないかということで、はっきり申し上げますと石炭液化、太陽熱、地熱などを中心にひとつやろうという意気込みだったが、結果を見ますと、これを見ますと、原子力だけは相変わらず、これは現行見通しては昭和七十年度一四%、一三・四%と多少あれですが、最終年度になりますと一八%までいくわけでしょう。代替エネルギーの基本というのがむしろ原子力に最大の基本を据えているというあたりが私はどうもこれ納得できない。
 チェルノブイリのああいう事故に伴って、あの教訓から判断した場合に、今イタリアでもむしろ原子力については国民投票でこれを否決をされるという、こういうような事態を迎えているわけでありますが、これらを踏まえた場合に、どうして我が国の原子力の趨勢というものは伸び率が高まっていくのか。逆に代替エネルギーである、安定エネルギーと言われる天然ガスなりあるいは地熱なり水力なりというものが、多少石炭はふえていますけれども、そういう点がどうも私は納得できない、そのように考えるんであります。一説には、もう夕張にある石炭液化研究所はとりあえず凍結というようなこれは新聞報道も出ていますけれども、一体どうしてそういうふうになるんだろうか。何か目先だけでエネルギー政策を組んでいる、中長期の見通しなんてものじゃないじゃないかという、非常に私は今のイラン、イラクの状況を踏まえてそういう危機感を持っているのでありますが、端的にひとつそこらあたりを、時間もありませんから一問だけ、基本的な考え方だけ、これを政府側と生田参考人から御所見があればお聞かせ願いたい、こう思います。
○政府委員(浜岡平一君) 御指摘のとおり、日本のエネルギーの供給状況に照らしますと、石油代替エネルギーの開発導入に一段と今後とも力を入れていかなければならないということは御指摘のとおりでございます。
 今回の改定に当たりまして、御指摘のような数字が出ております背景といたしましては、一昨年以来原油価格が大幅に低下をいたしまして、ある程度石油に対する見直しといいますか、石油需要のスローダウン、下がってまいりますテンポがやや鈍化をしているというようなところが基本的に大きな原因でございます。それからまた、特にLNGにつきまして、やはり取引面での硬直性といったようなものが次第に制約要因として強く認識されるようになってきているというような面もあるわけでございます。ただ、石油につきましても今後とも供給量はふやさない、横ばいというところが見込まれているわけでございまして、依存度は着実に下がっていくというようなことが見込まれているわけでございます。
 なお、代替エネルギーの開発導入につきましては、財源になっております石油税が従価税でございますので、原油価格の低下と円高と、いわばダブルパンチで収入が激減をいたしておりまして、そういう財源面での制約といったものもかなりの重圧になってきているわけでございますけれども、こういった問題につきましても各方面と十分御調整をしながら何とか事態を打開いたしまして、長い目で見まして悔いのない施策を推進してまいりたいと思っているわけでございます。
○参考人(生田豊朗君) 今、先生が御指摘になりました石油依存度をなるべく下げるというのは、私は現在でも今後とも大変必要なことだろうと考えております。余り長い話を申し上げてもいけませんので要点だけにいたしますが、石油依存度の高さ、特にペルシャ湾依存度の高さを見ますと、日本がほかの先進工業国と比べまして抜群に高いわけでありますので、私は非常に危険だと思います。特に第一次、第二次オイルショックを経過いたしまして、日本はもちろん同じでございますが、先進工業国いわゆる石油消費国が脱石油政策を強く進めてまいりました。特にその中でもペルシャ湾依存度を引き下げるというところに重点を置いて政策を進めてまいりましたし、日本も同じように政策は進めているわけでございますが、何といたしましてももう資源的な条件が非常に悪いものですから、日本の場合は努力をしてもどうももうペルシャ湾依存度は下げられないという一種の宿命的なものがあります。
 したがって、第一次オイルショック、第二次オイルショックのころと最近とを比べますと、日本と欧米とのペルシャ湾依存度に相当な格差ができてしまっている。といいますことは、不幸にして第三次オイルショックが発生いたしますと、第一次、第二次のときとは違いまして日本にまず影響が出て、それからしばらく時間を置いてヨーロッパそれからアメリカということになりますので、日本が最初に、しかもかなり早い時期に影響を受けるということになると思いますので、私は、今後とも非常に難しいわけではありますけれども、石油依存度、ペルシャ湾依存度を引き下げる努力をさらに一段と強く進める必要があると考えております。
 それから、代替エネルギーでございますけれども、先ほど原子力に過重なウエートをかけているのではないかというお話でございますが、この事務局からお配りしました表でございます「長期エネルギー需給見通し」を見ていただきましても、これは需給部会のときに配りました表でございますので、現行見通しというのが前の見通しでありまして、新見通しというのは今度つくられました見通してありますが、それを見ていただきますと、先ほど長官からの説明もありましたように、エネルギーの総需要あるいは総供給全体として下方修正されておりますが、それぞれのエネルギー、特に石油代替エネルギーは原子力も含めまして下方修正されております。
 例えば昭和七十五年の原子力発電規模を見ますと、前の見通しては六千二百万キロワット程度、これが今回は五千三百五十万キロワットということで下方修正しておりますし、これは石炭、LNGについても同様でございます。
 それから、一方で石油の方は、これも説明がありましたようにやや減少する傾向ではありますが、ほぼ横ばいのラインでありますので、本来であればもっと石油代替エネルギーをふやして石油依存度を減らす、それが政策の方向としては私は正しいと思いますが、現実の見通しとしては、相当政策的にいろいろの援助をいたしましても私はこの辺が限界だろうと思います。これ以上はちょっと難しいと思います。
 特にオイルショック以後の石油から石油代替エネルギーへの燃料の転換を見てまいりますと、その主力は発電用の燃料でありまして、それでも九〇%以上の代エネへの転換が進んでおりまして、一般産業ではなかなか代エネへの転換が難しい情勢にございます。原子力はもちろん発電用にしか使えませんし、石炭も紙・パルプその他で若干石炭転換はしておりますけれども、やはり環境問題がなかなか厳しい情勢にありますので、なかなか一般産業では使えません。主として発電用燃料について石油代替エネルギーへの転換を図っております。
 この場合には、やはり日本の電力の需要の全体の量、それから季節的な変動、いわゆるピークが夏に出るわけでございますけれども、そういう問題。それとそれぞれの燃料の特性などを考えますと、それぞれの燃料に見合ったような形で燃料を使っていく、燃していくということで、ベースロードを原子力それから水力でカバーいたしまして、ミドルロードのところをLNGと石炭、それ
からピークロードを主として石油ということで振り分けをしておりまして、それと将来の電力需要とを組み合わせますと大体こういう姿になると考えております。
 原子力につきましては、数年前のスリーマイルアイランドの事故もございましたし、ことしはチェルノブイリの非常に悲惨な事故があったわけでございます。したがって安全性の確保に最重点を置くということは当然でありまして、私も原子力は安全性なくしてはもうエネルギーとしての資格がないと考えておりますが、チェルノブイリの事故がそのまま日本で再現されるということはまず全く考えられないと思っておりますので、これからも安全性に十分配慮をいたしまして原子力を、原子力だけで全部やるということでありませんで、バランスのとれた形で使っていく、これがエネルギー政策として正しいのではないかというふうに考えております。
○対馬孝且君 今、政府側と生田参考人からそれなりの見解あるいは答弁をいただきました。
 全体的な流れとして原子力の関係は下方修正をされていますけれども、むしろそういう意味ではもっと減少傾向というのがあっていいんじゃないかという私は考え方を持っております。本当はちょっと見解を申し上げたいんですけれども、次のことがありますから次の機会に譲ることにします。ただ、当初のかなりの第二次エネルギーショックの危機というあの段階での政府側の意気込みというのが、どうも今になってくるとまたやっぱり石油というものに、何かオイルが安くなってくるとまた安易になってしまうという、やっぱり目先目先だけであって中長期という見通しにはなり得ないのではないか、そういう懸念を私はしておるものですから、これ改めて一回議論しますけれども、もっと政府側も、そういうその場その場でなくて本当に中長期の見通しを立てた、国民に不安を与えないエネルギー政策の見通しを樹立すべきであるということだけは申し上げておきたいと思います。
 そこで、時間もありませんから石炭関係に三、四点絞って、緊急問題ですからひとつお伺いをしたいと思います。
 一つは、今も長官からちょっと言葉が出ましたが、今度いわゆる原重油関税の改正が実は報道されております。つまり従価税から従量課税という問題を含めて検討されておるようでありますけれども、この前、十二月一日の代表質問でも私は、何といってもこれ以上第八次政策を見直さなければまさに雪崩閉山になる、二つの炭鉱、真谷地、砂川炭鉱を閉山したことは無念でありますということで三点の対策を求めました。一つは総需要量の増大二つ目は貯炭買い上げ枠の拡大第三は六十三年度特別会計の枠の維持、増額ということに対しまして一定の答えは出されました。総需要量は千三百八十五万トン、貯炭買い上げ枠は三百六十万トン、六十三年度特別会計は千三百六億、これは当時の総理並びに通産大臣の答えでございます。
 そこで、第一の問題ですが、この原重油関税の見直しの柱は私はこの財源にあると思うのです。八次政策を守るか守らないかということは、よってこの財源の原重油関税の財源維持に基本があるのではないか、こう我々は極めて重要に実は位置づけをいたしているわけであります。
 そこで、私は政府の考え方を聞きたいのでありますが、つまり、現行キロリッター六百四十円ということを基本にして枠組みが組まれているわけでありますが、これらの点についてかなり石油業界等の圧力といいますか、そういうこともあるようでありますが、ともあれこの第八次石炭政策の基本的財源である原重油関税の改正に伴って八次政策が危ぶまれる、あるいは雪崩閉山になる、こういうことはないというふうに私は考えているのでありますが、そういう基本に立ってひとつこれからの原重油関税の対策に政府としては当たってもらいたい、時間がありませんから、細かくやりたいのでありますけれども、この基本的態度をひとつはっきりお答えを願いたいと思います。
○政府委員(浜岡平一君) 先ほどもちょっと触れさせていただいたわけでございますが、原油価格の低下あるいは円高によりまして、石油対策あるいは石油代替エネルギー対策をバックアップいたしております石油税収が大幅に減ってきております。激減と言うべきかと思っております。私どもといたしましては、やはり従来の従価税の仕組みを従量税の仕組みに再構築するという方向で対応を図りたいと考えているわけでございますが、これとの関連でやはり実質的には税負担が上がっていくというようなことで、石油業界等から他方でもう一つの負担になっております原重油関税についての見直しを求める声が強いのは事実でございます。
 ただ、私どもといたしましては、先生御指摘のとおり、石炭対策につきましては原重油関税収入の十二分の十を投入いたしますと同時に、本年度からは借入金制度なども活用いたしまして所要の財源を確保するということにいたしているわけでございまして、第八次石炭政策の着実な推進という大きな目標を揺るがすようなことがあってはならないということは基本的に強く認識をいたしておりまして、その認識を踏んまえながら問題に慎重に対応していかなければならないと思っております。
○対馬孝且君 今、エネルギー庁長官から、第八次政策の基本を維持するための財源措置として慎重に堅持をいたしてまいりたいという決意、考え方を出されましたから、これだけはぜひひとつ、第八次政策の雪崩を食いとめるための基本的な態度はもちろんでありますけれども、精いっぱい政府としては堅持をしてもらいたい。力強い決意がなされましたから、我々も大蔵サイドに対しても全面的にそういうことをこれからの予算折衝を通しまして働きかけをしたいと思いますけれども、ぜひひとつこれは確信を持ってやってもらいたい。よろしゅうございますか。
○政府委員(浜岡平一君) 御指摘のことは十分心に銘じまして対応してまいりたいと思います。
○対馬孝且君 それでは第二点として、先般真谷地炭鉱が御案内のとおり極めて社会的注視の中で閉山のやむなきに至りまして、自殺者も出したという無念の閉山でございました。
 問題は、政府も努力をしていただいて一定の労務債の解決を見ることができましたが、もう暮れを控えて、きょうは十一日ですから、もはや公務員の皆さんには期末ボーナスも支払われておりますけれども、一番心配なのはやっぱり支払いが、今山元から我々にも問い合わせが来ておりますけれども、特に既退職者、いわゆる未払い退職金の方々または本鉱閉山になった方々の支払い、もうあと二十日足らずよりないわけですから、どういう状況になっているかということ。当時再三再四、大臣とまた石炭部長からも全力を挙げて解決に当たるという答弁はいただいていますけれども、その後の閉山交付金その他を含めて支払いのめどがどうなっているかということをひとつ明らかにしてもらいたいと思います。
○政府委員(鈴木英夫君) ただいま先生御指摘の真谷地炭鉱の閉山に伴います費用の支払い等でございますが、当時御議論いただきましたように、閉山に伴いまして約百五十億円の債務費用がありましたわけでございますが、そのうち労務債を初めといたします約九十億円につきましては、会社側と労組等との協定によりまして閉山後六カ月以内に処理をするということになっておるわけでございます。
 当省といたしましては、約九十億円でございますけれども、そういう労務債等の円滑な支払いのために、これまで会社側の最大限の自己努力を促しますとともに、これを前提といたしまして北海道庁あるいは石炭業界等関係者に対しましても支援を要請し、あるいは国といたしましても閉山交付金等の確保を図りまして、その結果得られるでありましょう原資をもとにいたしまして会社側に対して確実な支払いというものを指導してきたところであります。
 特に、日本の風土から、あるいは風俗習慣から
いいまして、お正月を迎えるための資金、準備、こういうものは非常にやはり大事ではなかろうかということで、こういう中で、私どもも会社側に対しまして、退職者の皆様方が何とかお正月を迎えられるように、協定上は六カ月でございますので、十月に閉山をいたしましたので来年の三月あるいは四月の初めまでの支払いということになるわけでございますが、これを何とか少しでも多く年内に前倒しをして支払う方法はないかというようなことで指導をしておりまして、これまで道庁あるいは石炭業界の協力等によります原資調達が既に具体化いたしました。これによりまして十一月二十八日に未払い退職金の一部をお支払いするというようなこともできまして、その他の費用も含めまして九十億円のうちの二十七億円の支払いが既に行われております。
 さらに私どもといたしましては、閉山交付金の交付を何とか年内に行いたいということで作業を進めておりまして、こういうことによりまして最終的には、これはまだ見通してございますが、この九十億円のうち大体八四%ぐらいに当たります七十六億円ぐらいを年内に支払えるのではないかという見通しを持っております。当省といたしましては、引き続き円滑な支払いが確保されますよう会社側を適切に指導してまいりたいと考えております。
○対馬孝且君 今、鈴木石炭部長からそれなりの見通しが出されました。何とか約八〇%を年内に支給ができるという今お答えですから、現地の組合員なり退職者がぼっとすると思いますので、ぜひその見通しを含めまして、これだけは年内に、ぜひひとつお正月に間に合わせるように、せめて閉山の苦しみを一時期でも、幸せを求める期待にこたえてもらいたいと思いますので、ひとつ特に申し上げておきます。よろしゅうございますね。
 それでは次の問題、これに関連いたしまして、閉山時の下請労働者に対する問題、私もことしの三月二十七日の商工委員会、社労委員会でも申し上げていますが、さかのぼって私もずっと調べてみましたら、昭和三十七年二月一日、昭和四十四年四月十七日、昭和四十八年三月七日の、今の副議長をやっております多賀谷眞稔、当時の石炭対策特別委員、このやりとりもございますし、岡田利春代議士のやりとりも全部、ここに会議録も持ってきております。
 ここで多賀谷先輩議員が言っておりますのは、私も炭鉱マンですから申し上げますけれども、坑内に下請を入れるということは反対だと、それは保安上の見地と不安定労働者というものであるから反対だという立場で我々も、私もずっと四十九年以来申し上げてきましたが、現実には下請というのは坑内の通気あるいは坑道維持のために入っております。したがって、労働省サイドでは鉱業権者が採用した者についてはこれは払う。ところが通産ベースでいくと鉱業権者以外の採用をした者はとても払えない。これが当時のずっとやりとりです。会議録の。当時の多賀谷議員の質問に答えまして佐伯政府委員が言っております。まさしくそのとおりでございまして、十年来の懸案でございますけれども、法律上いろいろ問題あるが、せっかくの先生のお話でございますので、政府も誠意を持って検討してまいりたい。四十八年三月七日です。これここに出ています。それから四十四年四月十七日。私もことしの三月二十七日にやっておりますが、当時の解決は離職金一カ月ということで解決したわけです。
 ここらあたりは、やっぱり現実の問題として本鉱員と下請組夫の差別があってはならない、これは当然のことでございまして、そうあらねばならぬわけでありまして、これに対する対応として当時は離職金一カ月解決ということになっているんですが、やっぱり閉山交付金との兼ね合いで、これは差別なしに措置をとられるべきである、こういう考え方を持っておるんですが、これに対して政府はどういう対応を、この段階ですから、もはや今言ったように一部支払われている現況ですから、ひとつ確たるお答えを求めたいと思います。
○政府委員(鈴木英夫君) 先生からただいま御指摘いただきましたように、確かに昭和四十八年当時の国会でいろいろ御議論をいただきまして、当省といたしましては、それを踏まえまして、下請労働者の方々につきましても炭鉱の閉山に際しまして離職金をお支払いするということにいたしまして、昭和四十九年度から御承知の平均賃金の三十日分という下請離職金制度を設けさせていただいておるわけでございます。また本年度からは、炭鉱の規模縮小に際しましても下請離職者の方に対しまして下請離職金を交付するという方針で臨んでおるところでございます。
 そのほか、退職金の問題でございますけれども、ここで若干実態に触れさせていただきますと、石炭企業のこれまでの調査によりますと、高島あるいは砂川、真谷地、いずれの閉山の場合にも、下請労働者の方に対する退職金等の支払いにつきましては、石炭企業が下請会社への支援をするというようなことも含めまして、今のところ実態的にこの退職金の未払い等の事態は生じていないというふうに私どもとしては理解をしているわけでございます。
 特に閉山交付金制度は、御指摘の当時の国会でもいろいろ議論がなされておりますけれども、石炭企業の労務債、これの債務を肩がわりするものでございまして、下請労働者へのこの制度の適用というのは現行法の趣旨から見まして困難でございます。がしかし、今申し上げましたような実態もございますし、下請労働者についても今後ともその退職金の支払いが円滑に行われること、これが大事であるという認識は持っておりまして、その実情を踏まえながら適切に対処をしてまいりたいというふうに考えております。
○対馬孝且君 今、石炭部長からありましたから、時間も迫っておりますから多くを申しませんけれども、一応下請の退職金の支払い、それから、これは条文の三十五条の十一というのがありまして、この兼ね合いで、ぜひひとつ、今答弁もございましたけれども、そういう措置をして支払ってもらいたいということはよろしゅうございますね。
○政府委員(鈴木英夫君) ただいま申し上げましたように、現在のところは実態上問題は生じてない。今後ともそういう支払いが円滑に行われるように適切に対処してまいりたいと思います。
○対馬孝且君 そういうことをぜひひとつ、結果的に下請と本鉱員との差別現象が生じたということになると、これはやっぱり人権問題にも当たりますので、そこらはひとつきちっと申し上げておきます。
 そこで、雪崩閉山ということを私はいまだに懸念しているんですが、貯炭の現況、この間の本会議では三百六十万トンという答えを得ているんでありますが、昭和六十二年十一月末、石炭協会の最終の貯炭状況調べ、これが出ています、山積みそれから船積み、トータル合わせまして。これでいきますと、一般炭が三百八十九万六千トン、これは石炭協会の調べですよ、間違いがあれば指摘してもらっていいんですけれども。原料炭が百五万四千トン、トータルで四百九十五万トンの貯炭が十一月末である。
 これでいきますと、もちろん平常貯炭と過剰貯炭ということは私も承知していますけれども、三百六十万トンでは雪崩閉山を食いとめることにならないんじゃないか。もう少し三百六十万トンの枠を増大をしなければ、これははっきり申し上げまして、率直に申し上げますよ。少なくとも六十三年度は閉山はない、こういう当初の通産省の試算からいきましてもそういう考え方になっているわけですよ。しかし、現実の問題としてこういうふうに貯炭がもはや五百万トン近くになっているということになれば、好むと好まざるとにかかわらずこれはやっぱり閉山という事態を迎えるということになるわけです。
 それは何でやるかというと、これは二つ以外にないと思うのですね。貯炭買い上げ枠の増大をすること、あるいは今の合理化縮小交付金の私に言わせれば弾力的運用といいますか、そういうもので先行きを延ばしていくという、こういう対応以外にないんではないか。そうなると、率直に申し
上げまして、今非常に憂えているんでありますが、これで見ますと、五百万トン近い貯炭を抱えている。そこへ六十二年度は三百六十万トンだと。これで果たして歯どめになるのかというあたりを非常に懸念しておりますので、この点だけひとつ政府側の対応と今後の考え方を明確にしてもらいたいと思います。
○政府委員(鈴木英夫君) 本年度の貯炭の買い上げ数量につきましては、去る十月二十一日に策定されました昭和六十二年度の石炭鉱業合理化実施計画におきまして、本年度の国内炭需給の見通しを踏まえまして三百六十万トンという上限数値を決めておりますことは先生御指摘のとおりでございます。確かに今先生御指摘のように現時点で見ますと若干貯炭がふえている状況にございますけれども、これから石炭の需要期を迎えるというようなこともございまして、年度末に向けて貯炭が減少していくのではないかというふうに私ども考えておるわけでございまして、現時点で見通しますとこの三百六十万トンという数字でほぼ対応はしていけるんではないかという見通しを持っておりますけれども、そういう意味で、今後とも各社の貯炭の状況を絶えず的確に把握をいたしまして、各社の置かれております経理的状況その他いろんな状況も踏まえまして、適切な貯炭買い上げの実施等により先生御心配のような雪崩閉山の防止、こういうものに全力を挙げて取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○対馬孝且君 時間がオーバーしましたから、私の見通しては、確かに需要期に入ってもそういう目減りはないと今の現状では聞いているものだから、そうなるとやっぱりかなり大変な事態を迎えるんではないか。いま石炭部長の答弁では、目配りをしながら対応をしていきたいと。だから三百六十万トンという数字にこだわらずに、やっぱりその都度食いとめるための全力的ないわゆる貯炭買い上げ枠の拡大というふうな方向にぜひひとつ対応してもらいたいということを強く要望して私の質問を終わります。
○及川一夫君 まず最初に、聞きようによっては事務的になるかもしれませんが、事態の認識を一致させていかなければという意味で、また比較検討する上で資源エネルギー庁の皆さんの見解をちょっとお聞きしたいんですが、実は長期エネルギー需給見通しというものがここに提示されています。しからば過去のエネルギーの需給の状態はどうであったのかということを事務局にお伺いしたところ、この一枚の紙を送っていただいたんです、エネルギー庁の方から。これは全然間違いない話だと思うのですが、そこでお聞きしたいのです。
 まずもって、電源設備というものに対しては万キロワットという単位を使っておる。そして発電電力量というところでは億キロワットアワーという数字を使っておるわけです。そしてこの長期エネルギーの需給見通しの総括として出ているものは億キロリットルで出ているわけですよ。我々は、一体これはどこがどう違って、ふえるということはわかるんだけれども、片一方は万キロワットで片一方は億キロワットアワーというような調子で出てきますと、どれがどういうふうに比較対照するかということが正直はっきりわからないわけです。例えばこの資源エネルギー庁の六十一年度以前、五十六年度からの数字を見てこれを対比したときに、対比のしようがないからアワーに統一しようということでちらっと計算をしてみたわけです。アワーですから三百六十五日掛ける二十四時間といきたいところだけれども、まあ機械といえどもどこかで休まなければいかぬわけだから、何か火力発電の関係では一カ月お休みをとる、それから原子力では一年のうちに三カ月はお休み、つまり点検をするというようなことがどうも条件になっているようですね。それらを掛けていきまして、火力の場合には七千八百八十二億キロワットアワーという数字を私は計算したわけです。それとこの六十一年度の電力の推移というものを見ると三千五百八十四万キロワットアワー、こうなりますね。いわゆる幅があるわけです、余裕があるわけです。
 ところが、原子力の方を見たら、原子力の方もこの数字とちょっと違うんですけれども、十二ぐらい違うんですか、二千五百八十万キロワット、こう言っているけれども、こっちの方の数字を見たら二千五百六十八万キロワットとなっているわけです。これもささいなことかもしらぬけれども、数字が違うということと、原子力なんかはそういう今申し上げたような立場で計算をしますと、大体目いっぱい、一千六百四十三に対して一千六百八十七という数字が出てきていますから、大体九七%、もう原子力ではこれ以上出せませんという形のものに実はなっているわけですよ。
 こういう比較を皆さんにわかるようにまずしていかなければならないと私は思うのですが、なぜこういう違う単位をわざわざとって我々に示すのか、そこをひとつ教えてください。
○政府委員(浜岡平一君) 今、御指摘の点につきましては、別途きちっとした対照表をお届け申し上げたいと思いますが、この席でとりあえずのコメントをさせていただきますと、御指摘のように電源構成とそれから発電電力量構成の間にはかなりの違いがございます。
 ただいま先生御指摘の定期修理期間の問題でございますとかそういうものもございますが、そのほかにおのおのの発電設備をどう位置づけるかという問題がございます。御承知のように、昼間と夜では随分需要量も違いますし、季節によっても違うわけでございます。時間によって、季節によってほとんど変わらない根っこにございます需要をベースロードと呼んでおりますが、これに充当する設備と、それから時間により季節により変動いたします需要に対応させるために使っていく部分、ピークロードに対応する設備とがございます。ベースロードのものにつきましては、定期修理の期間以外はほとんど一〇〇%動かせようとするわけでございますが、ピークロードのものは稼動率は相当低いわけでございまして、ピークロードあるいはベースロードへどう位置づけるかによりまして稼動率が相当違うという結果が出るわけでございます。この辺は資料をお届け申し上げたいと思います。
 それから、電源構成につきまして、電気事業審議会の七十五年度の原子力の数字とそれから長期エネルギー需給見通しの数字に御指摘のように若干差がございます。電気事業審議会の方は五千三百万キロワットでございまして、需給見通しの方は五千三百五十万キロワットでございます。電気事業審議会の方は電気事業用ということで九電力が持っておるものだけを計上いたしております。需給見通しの方は九電力以外、動燃等の持っておりますものも数えておりますのでその差が出てくるということでございまして、これも後で資料をお届け申し上げます。
 なお、需給見通しにおきましては、電力に転換をされますエネルギー以外に直接そのままの姿で利用されていきますエネルギーがございますので、すべてを同じ単位で並べて比較をいたしませんと構成比等が出ないものでございますから、カロリーベースで換算をいたしまして、基準として原油換算熱量というのをとっておりますのでこういう格好になりますが、この辺はそれぞれ対照表がございますので、先ほど申し上げましたように後刻資料をお届け申し上げたいと思います。
○及川一夫君 それではその資料をちょうだいしたいと思います。
 次の問題として、九ページ、エネルギーの需要見通しの問題なんですが、聞いていると何となく寂しい話のように聞こえるんですけれども、産業用がどうしても横ばいないしはへたをすると落ちるぞみたいな印象で聞こえるものですから。しかし実際の数字を言えば、これまでのものが減るわけじゃないし、むしろ数字的には上っていくような数字になっていることは事実ですね。民生の方がそれが極端にというか大きくあらわれている。こういう関係で、需要見通しとして見ればもうすべてプラスの要素ですから、そういう意味では何も悲観的に物を見る必要がないんじゃないか、こ
ういうふうに受けとめられるのであります。特にそういう観点に立って考えますと、産業用という問題をとらえるときに、これはたまたま民生がぐっとふえてしまったものだから構成比が変わっただけの話であって、それ以上のものじゃないじゃないか、むしろふえているじゃないか。逆に民生用がふえるということはそれだけ産業にも影響するわけでして、需要という意味で、したがって供給しなければいかぬ、それなら産業も活発になるじゃないか、そういう意味ではもう少し産業用というものがふえていくべきではないかということ。
 あるいはまた、この調査会で沢田先生に団長になっていただきまして熊本県とか長崎県を視察させていただきました。特にオランダ村などのお話を聞いていますと、雇用の面でもエネルギーの面でも、ああいったものが仮に各県別につくられていくとすれば相当のこれはエネルギーになるなというような感じすら実は持つわけで、そういうふうに考えますと、エネルギー庁がどんな要素を、産業といってもいろいろあるんです。下の方に(注)が書いてあるんですが、一体本当に我々が納得できるようなものがこの中に入っているんだろうか。我々意見聞かれてないから、そういう意味では一体どんなものが入っているのか、今もう時間もありませんから皆さんから詳細にお聞きするわけにはいきませんけれども、できればひとつ皆さんの方から、産業用がかくかくしかじか伸びていくであろう、七十五年までは、という下敷きのものが正直言って私ども欲しいわけですよ。恐らくこの調査会でも産業構造の転換という問題があるわけですから大きな一つの課題だというふうに思っていますので、通産省の分野なのかエネルギー庁の分野なのか私はよくわかりませんけれども、どちらにしてもその根拠となったものをできればひとつ出していただきたいということを要請しておきます。
○政府委員(浜岡平一君) 資源エネルギー庁も通産省の一部局でございますから、産業用需要の見通しにつきましては何ら先入観は持っておりません。ただ、先生御指摘の今の表でございますが、よくごらんをいただきますと、恐縮なんですが、産業用の伸びでございますけれども、六十一年度から七十年度まで〇・三%、ところが、七十年度から今度は七十五年度までの伸びでごらんをいただきますと実は〇・七%になっておりまして、先の方が伸びることになっているわけでございます。
 これは、よくいろんな方面から御質問を受けるんでございますが、見通しの根底にございますのは、機械産業等の加工組み立て型産業の分野での需要は着実にふえていく、さらにバイオでございますとかマイクロエレクトロニクスとか新素材とか、そういった新しい産業分野での需要も次第にふえていくという見通しが根底にあるわけでございます。
 ところが、六十一年度から七十年度にかけましては円高等に伴います経済構造、産業構造の調整がございまして、一つ例を挙げさせていただけば、鉄綱の生産がスローダウンするだろうというようなことで、基礎素材型の産業部門の調整というファクターが六十一年度から七十年度の間働くものですから、それが足を引っ張りましてこういう姿になっておりますが、一番根底では加工組み立て型産業は着実に伸びていく、その部門の需要は決して減らない、安定的にふえていくというような見通しがあるわけでございます。
 詳細につきましては、これも御参考になる資料をお届けさせていただきます。
○及川一夫君 あと二つあるんですが、大事な方という意味で申し上げますと、エネルギーの需要見通しとしてはふえていく、そこで何にウエートをかけて電力というものをふやしていくか、それが構成比によってあらわれて、とりわけその中で原子力というものにウエートがかかっている御報告になっているわけです。問題は、今原子力発電で供給されているのが二七%から二八%というお話をよく伺うわけです。したがって、ここで言っているのは構成比であって、今までの原子力発電所がこれまで仮に三十カ所あったとすれば、それを一体三十五にするのか六十にするのか五十にするのかという、そういう形のものだろうと思うのですね。そういう観点から言うと、一体この計画では原子力発電の新しい建設というものは一体どの程度入った上での見通しになっているのかどうか、これをちょっとお伺いしておきたいということ。
 それから、生田先生もおられるんですが、認識の問題として、スリーマイル島発電所の事故それからチェルノブイリ、あの事故というものによってかなりもう世界各国の原発に対する認識というのは私は変わりつつあるという気がしてしようがないんです。最近行われた金属共闘というんですか、金属関係労働者の国際会議の中で、この原子力発電というものの安全性を前提にしながら推進すべきだというふうに主張したのはどうも我が国だけだったという情報すら実は聞いているわけであります。
 今回レーガンさんとソ連との間に協定がまとまりました、軍縮という意味で、特に核の問題、これなんかも国内的にはその事故があったということがかなりの説得材料になって、それで核という兵器をなくしていこう、廃止をしていこう、そういう意味合いに利用されたとも実は言われているわけですよ。ですから、特にヨーロッパ地方などでは原子力に頼るようなエネルギー政策というのはもうできるだけなくしていこう、そのために代替というものに真剣にもっともっと取り組んでいかなければいかぬ、こういうようなことが決議されていることも私は知っているわけです。
 そういう意味から言うと、エネルギーは必要ですから何かとにかくいずれにしても供給の体制をつくらなければいかぬということは事実なんですけれども、その場合に、今まで起きたこと、それから、この問題はかくも世界の条件というものを全く度外視して我が道を行くという形で原子力にウエートを置いたエネルギー政策というものを推進して果たしていいものやらどんなものだろうというふうに私は考えるんですが、このことをお聞きして終わりたいと思います。
○政府委員(浜岡平一君) 二点の御質問があったわけでございますが、初めの原子力の供給見通してございますけれども、これは個々の立地点を想定いたしまして、それの積み上げというような形での数字ではございません。もちろん先行きを見ました要対策電源地域というようなものを指定いたしておりますことも事実でございますが、しかし、それとは今回の作業は違った角度から行っておりまして、今後の電力需要というものを見まして、さらにベースロード、ピークロードの大きさというものを推定いたしております。その中で、今後、原子力、石炭、LNG、水力、石油といったものにつきまして、ベースロード、ピークロードあるいはミドルロードの役割をどう分担していくのが適当かというような見通しにつきまして、いわばベストミックスを追求していく、最善の組み合わせを追求するというような考え方で作業をいたした結果でございます。
 第二点の御質問に関連をするわけでございますけれども、こうした中で、やはり今後中長期的に見てまいりまして、日本の場合にはベースロートには原子力と石炭を充当していくということを基本的に考えているわけでございまして、なかんずく原子力につきましては、その経済性あるいは供給安定性それから大量供給性、さらには非常に大量の物量をエネルギー関連で日本へ物的な輸入があるわけでございまして、こういう物的な輸入量の小さいこと、こういったいろいろなファクターを勘案をいたしまして原子力の位置づけといったものを考えているわけでございます。
 日本につきましては、いろいろと紆余曲折といいますか長い歴史を積み重ねてまいりましたけれども、現在軽水炉中心で動いておりまして、大方の見方といたしまして二〇三〇年ぐらいまでは軽水炉時代が続くだろうというぐあいに見られているわけでございます。
 軽水炉の安全性につきましては、これまで工業技術的な面におきましても、また人員の訓練とい
う面におきましても大変大きな経験を積み重ねてきたわけでございまして、今後ともこれを一段と洗練しながら対応していくというぐあいに考えている次第でございます。
 御指摘のような事故というものは絶えず念頭に置き、警鐘として考えていかなければならないと思うわけでございますけれども、全体の炉の構成でございますとかあるいは安全管理の仕組みでございますとか、そういった点につきましては相当違いがあると考えているわけでございまして、安全の面にはさらに慎重を期さなければならないと思っておりますが、こういう組み合わせというものが現在日本として選び得る道なのではないかというぐあいに考えている次第でございます。
○及川一夫君 終わります。
○添田増太郎君 私は、当調査会の発足の趣旨等にかんがみまして、物をただすということよりも、参考人の貴重な過去の経験を生かしたいわゆるうんちくのある御意見等を承り、そういうものを参考にいたしまして後のまとめの参考にいたしたい、こういうつもりで質問をいたしてまいりたいと思います。
 御承知のとおり、我が国のエネルギーの生産基盤というのは大変これは脆弱なわけであります。全エネルギーの国際依存度が実に八二・八%というのは、まさにこれは先進国の中で一番高いわけであります。
 なかんずく、その中で石油の占めるパーセンテージが五九%といわれておるわけでありまして、しかもその石油がいわゆる国際に依存する率というのは実に九九・八%、まさに一〇〇%依存をしなければ我が国のエネルギーというのは確保できない。こういうことで、我が国の長期的なエネルギーの需給見通しというのは、これは大変重要なことであろうと思うわけであります。
 これは去る十月、先生が部会長になりまして、しかも大変御立派な経験豊かな専門家の皆さんによりましてすばらしい中間報告がなされたわけでありますが、私はその中で、これを中心にいたしましてその需給の見通し、それからこの改定の背景と基本的な考え方についてまずお尋ねをいたしたいと思うわけであります。
   〔会長退席、理事沢田一精君着席〕
 第一回の見通しが発表されたいわゆる昭和五十八年、御存じのとおり、先ほどもちょっとお話がございましたが、当時は我が国の産業の輸出が大変好調でございまして、エネルギーの需要というのが大変伸びておった時代であるわけであります。ところが、六十年から六十一年に入りまして、これは一転いたしまして輸出型産業が停滞をいたしまして、エネルギーの需要というのがいわゆる減少をしてきた、減少というか横ばいになってきた、こういうことであります。
 しかも、五十八年の当時は、御存じのとおり石油の単価等につきましても、バレル当たりの価格が大体三十ドルくらいだったと思います。また為替レートにおきましても、円対ドルのレートが大体一ドル二百四、五十円であったと思うわけであります。ところが今日、御存じのとおり、きのうは実に百三十円を割ったということでありますが、この策定の時点におきましては大体バレル十八ドル、それから円レートにおきましては百五十円くらいのときにいろいろと御検討されたのではなかろうかと思うわけでありますが、大変変動の激しい状態であったわけであります。わずか四年の間に大変大きな変動があったわけですから、したがって今回の見直しということになったんだろうと思うわけでありますが、今後の我が国のエネルギー需給見通しというのは、長期的なことを考えたらこれは本当に難しいんじゃなかろうか、こういうふうに考えるわけであります。
 したがいまして、今日までの実積をどういうふうにこれは評価したらいいのか、それから刻々と変わる国際事情というもの、こういうものを見きわめるということは、これは皆さんにとっても大変難しい問題であろうと思うわけであります。そういう中で立派な中間報告がなされたわけでありまして、私は大変苦労されたんじゃなかろうかと思うわけであります。その点、その経過それから御苦労されましたこと等についての率直な御意見をまずひとつお聞かせいただきたいと思うわけであります。
○参考人(生田豊朗君) この長期見通してございますが、先生が今おっしゃいましたように、正直に申しまして大変つくるのが難しいものでございます。何と申しましても十年から十五年先まで見るわけでありますので、大変おかしな表現で恐縮でございますが、これが全く一〇〇%当たると神わざではないかというように思います。したがいまして、これは私どもだけではございませんで、世界各国とも同じですけれども、ある前提条件を置きまして、その前提条件をベースにして考えるとこういうエネルギーの需要と供給の姿になる、こう考えるわけでございます。
 しかし、その前提条件のとり方も非常に難しいわけでありまして、まさに今先生がおっしゃいましたように、エネルギーの中で基本になります石油の価格でも先ほどのお話しのとおりでございますし、為替レートに至りましては非常に激しく変動する、来週の為替レートの見通しすら専門家でも立てにくいというような情勢でありますので、ある前提条件を置いて計算をして予測しましてもかなり前提条件と現実の姿との違いが出てきてしまう、これは避けられないことだと思います。
 そういうことでありますので、従来から、見通しをつくりまして、それと、現実の推移との間のギャップが大きくなりました場合には、その時点でまた見直しをして新しい見通しをつくるということを繰り返してきておりまして、第一次石油ショックの後から、ごく大まかに申しまして大体二年に一度改定をするということでやってまいりました。これは二年に一度必ず改定をするということでありませんで、いろいろの情勢、特に石油情勢が激しく変動いたしますので、二年ほどたちますとどうもいろいろそういうギャップが発生してしまう、前提条件が現実とずれていることがかなり明らかになってしまうということでありますので、二年ごとに結果的に改定をするということでやってまいりました。
 しかし、石油ショックの前は別でございますけれども、石油ショックの後ではほぼ一貫しまして見通しよりも実績の方が低くなる。つまり、エネルギーの需要量、供給量とも同じでありますけれども、それが見通しのラインよりも下回るという例がほとんどでありましたので、これまでは見通しを修正するたびに、私ども下方修正と言っておりますが、前の見通しの数字を下の方に引き下げる、少し小さい見通しに変えるということで来ておりまして、今回もその延長線上の上にある、つまり前回の見通しを下方修正するということででき上がったわけであります。
 そういう下方修正の歴史であったということをどう理解するか、どう解釈するかという問題だと思いますが、これはいろいろのファクターがございます。例えば経済成長率の見通し、これがやはりエネルギー見通しの場合でも大前提になるわけでございますけれども、経済成長率の前提よりも実際の経済成長率の方が下回ったということがかなりございます。これは一つの大きなファクターだと思います。それから石油価格にいたしましても、これは見通しよりも高くなった時期、例えば第二次オイルショックのときなどは見通しよりも高い価格水準まで上昇してしまいましたし、その後はしばらく緩やかな下落傾向を続けましたけれども、昨年は大暴落をしてしまったというようなことで激しく変動しております。為替レートももう御案内のように変動しております。
 ただ、前提条件の変化のほかに、私は、過去第一次石油ショック以後の十年余りの期間を通じまして、何と申しますか広い意味でのエネルギー政策が相当成功したと考えております。
 例えば、これも広い意味での省エネルギーでございますが、これはスローガンを掲げて節約をするということだけではありませんで、エネルギーを使用する機器の性能を向上させるような技術開発でありますとかあるいは産業構造の変化、エネ
ルギー多消費型のいわゆる重厚長大のエネルギー産業からエネルギーを余り消費しない軽薄短小への産業構造の転換、これが予想以上に早く進んだということでありますとか、そういう政策、といっても政府のとった政策だけではありませんで、日本全部を上げてのエネルギー問題の解決への取り組み方、その成果が見通し以上に効果を上げたということがかなりあると思います。
 そういうことで下方修正が続いてきておりましたので、これまでとかく批判をされますといつも外れるではないかということがあるわけでございますが、私としては、見通しが過少であって実際にはそれよりも多くなってしまった、そのために、見通しの誤りによって政府の政策が手おくれになってエネルギーの価格が上昇するとか供給が不足になるとか、それで国民が迷惑するということはなかったわけでありますので、その点は余り、見通しが外れて自慢するのもおかしなことでございますけれども、外れ方はむしろいい方向に外れてきたと考えております。
 ただ、先行きは依然として難しいわけでございまして、こういう難しい見通しを実は一つだけの数字で立てるというのは非常に困難なことでございますので、外国の場合は幾つかの見通し、複数のケースを設定しまして、標準のケースとしてはこうだ、しかし、この前提条件を変えると大き目の見通しはこうであり、それから小さ目の見通しはこうだということで、大体三つぐらいの、シナリオと言っておりますが、多い場合は五つとか七つというような見通しを立てるのが多うございます。国内でも、私の研究所でやはり二、三年に一度ずつエネルギーの長期見通しをつくっておりますが、この場合には、標準ケースとそれから大き目のケースと小さ目のケースと三つつくっております。
 しかし、どうもこの総合エネルギー調査会という公的な機関での見通しをつくります場合には、複数のケースで見通しを立てるというのはなかなか難しいと思います。特にこれがエネルギー政策の一つの基本になるものでございますし、特に代替エネルギーにつきましては代替エネルギーの開発利用を促進する政策の基準になるものでございますので、やはりどうも幾つかの複数のシナリオではなかなか対応しにくいということで、政府の見通しの場合はほとんど一本のシナリオでやっております。
   〔理事沢田一精君退席、会長着席〕
 したがいまして、繰り返しでありますけれども、前提条件のとり方を考えましても大変難しい。そこが私どもの一番悩みの種でございますが、先ほど申しましたように見通しと実績との関係をいつも丹念に眺めておりまして、ウォッチしておりまして、それで格差が出てきたらなるべく早く改定にとりかかる、そういう機動力を持ってやっておりますとそれほど大きなずれはないのではないかと考えております。
○添田増太郎君 いい意味でのギャップなら私どももこれはしようがないと思うのですが、悪い意味でのギャップというのはこれは国民の生活に重大な影響を及ぼすので、そういう点では重大な関心を持って、これはひとり見通しをいろいろお立てになる皆さんばかりの全く責任じゃないわけであります。国民全体の私は責任であろうと思うわけであります。
 ただ問題は、いわゆる生産国と申しますか外国にこれは依存いたしておるわけでありますから、したがって基本的な問題ですが、御存じのとおり一九九〇年代に入ると石油の対OPEC依存度というのがだんだんだんだんこれ高まってくるような気がしてなりません。御存じのとおり、今ペルシャ湾等の事情が大変危険な状態にあるわけでありまして、そういうこと等を考えますると、ますます需給の逼迫化が進みまして国際エネルギー情勢というのが一層不安定になってくる、こういうことがさらに予想されるわけであります。したがって、その国際情勢というのを参考人はどう御理解をされておるのか、もう少し詳しくお聞かせをいただきたい、こういうことが一つ。
 それから、この報告書の中に、国際社会における責任を果たす、こういうことが書かれておるわけでありまして、これから国際社会に対して日本はどういう責任を果たすことが一番好ましいのかということは大きな問題であろうと思うわけでありますが、その点についての考え方についてお聞かせをいただきたいと思います。
○参考人(生田豊朗君) まず第一の点でございますけれども、今先生おっしゃいましたように、世界各国のほとんど共通した見通しは今先生のお話しのとおりでございまして、一九九〇年代、特にその半ば以降になりますとOPECの石油に対する需要がかなりふえてくると思います。現在はOPECの石油の需給の状況はむしろ供給過剰でございまして、価格も弱含み、今総会をやっておりますが、なかなか足並みがそろわないでOPECとしては困っている状況であります。現在はそうですが、中期的に考えまして、一九九〇年代になり、特にその後半になってまいりますと二つ条件がございます。
 一つは需要面ですが、世界の石油消費あるいは石油需要が、現在でもじわじわふえてはおりますけれども、これがさらにふえ続けるという見通しがございます。この場合にそのかぎを握っているのは発展途上国であります。日本、ヨーロッパ、アメリカというようなOECD諸国、いわゆる先進工業国におきましては石油代替エネルギーへの転換もかなり進みましたし、これからも進み得ると思います。それからエネルギー全般につきましても、いわゆる省エネルギーとい一つことで、エネルギーの消費効率が非常に高いということでありますし、それから経済の成長率もかつての高度成長のような高い成長率はなかなか望めないということですので、OECD諸国での石油消費は微増をしていくと思いますが、余り大幅な増加は今後とも考えられないと思います。
 ただ、発展途上国、それから韓国、台湾のような新興工業国、いわゆるNICSでございますが、これらの国は成長率がかなり高いということ、それから先進国と違いましてエネルギーの消費効率が非常によくない。それから石油代替エネルギ「の開発とか利用が進んでおりませんので、エネルギーの消費の増加はもうすぐ石油消費の増加に直結してしまうということでありまして、したがって発展途上国とかNICSがある程度高い成長率を維持してまいりますとこれはやはりそれらの国での石油消費の増大に結びつくことはまず避けられないということでありますので、世界経済の発展のためには、もちろん発展途上国、それから新呉工業国の経済成長が必要でありますので、そういう国が経済成長をしますとやはり石油消費がどうしてもふえてくるということがあります。これが需要面の問題でございます。
 それから、供給面の方は、二度石油ショックがございまして、OPECが石油価格を余り高く引き上げ過ぎましたので、これはいわば自業自得の形になりまして、OPECにとっての競争相手である非OPEC産油国の石油生産が大幅に拡大をしたわけでありますし、北海油田をとりましても、あるいはメキシコなどをとりましても、それぞれ消費国に近いところにありますので、非OPECの石油が優先的に買われる。したがってOPECの石油は、私ども限界供給者と言っておりますが、足りない分だけOPECに買いに来るということで、その辺から今のOPECの苦しみが始まったわけであります。
 ただ、これはOPECによって石油価格が高く引き上げられましたので、それ以前の石油価格が低かった時代にはコストが高くて採算がとれないような油田が、石油価格が上昇したために採算がとれるようになって実際に開発、生産が始まったということでありますので、価格の影響が非常にございます。
 ペルシャ湾の、例えばサウジアラビアの油田のように、現在でも一バレル一ドル以下のコストで生産される、そういう有利な油田は非OPECの諸国にはございませんので、石油価格が高めに維持されればそういう国の石油生産はまだしばらく
は続くと思いますし、石油価格が低下をしてまいりますとまた採算が悪くなって、現在アメリカで国内の油田の閉鎖がかなり進んでおりますような形がアメリカ以外の国でも起きてくると思いますので、一方で石油の需要が拡大し、非OPECの生産が横ばいから減少に転じてくるということになりますと、先ほどの見通しのようにOPECの石油に対する需要がふえてくるということになると思います。
 現在は、OPECの各国は石油の需要の減少と価格の下落で石油収入が大幅に減っておりますので、経済、財政面あるいは貿易面で非常に困っております。例えばサウジアラビアなどをとりましても、在外資産を大幅に食いつぶしてしまいましてもう余り残っておりませんし、財政収支、それから貿易収支ももう数年赤字を続けているという状態でありますので、一番豊かなサウジアラビアでそうですから、ほかの国はそれよりももっと厳しい状態にあるということであります。
 しかし、今申し上げましたような方向でOPEC石油の需要がだんだんふえてくる。OPECの生産量が現在の時点で千八百万バレル・パー・デーぐらいでございまして、それではちょっと売り切れないわけですが、将来OPEC石油に対する需要がふえてまいりまして二千万バレル・パー・デーのラインを超えて二千五百万バレル・パー・デーぐらいに接近してくることになりますと、OPECの各国としてはかなり経済、財政、貿易の面で回復をしてまいります。そうなりますと再びOPECは石油価格の引き上げに政策転換をするということはまず必至だと思われますので、そういうことを前提にいたしまして、紀元二〇〇〇年のころの石油価格の水準というのは、これは見通しをする機関によっていろいろ違いはございますけれども大体四十ドルから二十五ドルぐらい、これは実質価格でございますので、現在のドル価値を前提にした実質価格ですから、紀元二〇〇〇年の時点での名目的な価格はもっと高くなります。恐らく四十ドルから七十ドルぐらいの幅になると思いますが、そこまで上昇するであろうという見通しが現在の時点では多数の見通してございます。
 それから、第二点の問題でございますが、これは一言で申し上げれば、日本が積極的にエネルギーの分野で国際協力を進めていくということに尽きると思います。
 エネルギーの問題は、申し上げるまでもなく、またこれまでの二度のオイルショックの経験に照らしましても、もう供給の安定というのがまず何をおいても大事でございます。特にことしになりましてから各国でエネルギーの安全保障問題が再び脚光を浴びておりまして、アメリカのエネルギー省もことしの春に「エネルギーの安全保障」という非常に分厚な報告書を出して警告を発しているわけであります。また、IEAとかことしのサミットでもペルシャ湾の安全航行の問題に関連してそういう問題が論議されておりますので、私はこれからまたペルシャ湾情勢なども反映しましてエネルギーの安全保障問題が国際的に重要性を増してくるのではないかと考えております。
 エネルギーの安全保障面での協力を当然日本は求められてまいりますが、やはり日本の国としての一番やるべき安全保障のための協力というのは経済的な安全保障の協力であると思いますので、そういう意味で、資源の多角化のための開発への協力でございますとか、あるいは緊急時に対応するための国際協力体制をより強めるというようなことでございますとか、あるいはエネルギーそのものを多様化することが石油ショックのときの教訓に照らしても安全保障の基本の方策でございますので、そのための国際協力をするとか、そういう経済面に重点を置いた国際協力を通じてエネルギーの供給の安定性、これは日本だけが頑張ってもだめでありますので、世界全体のエネルギーの供給が安定するように日本が国際協力を積極的に広げていく、そういう意味でこういうことを報告書に盛り込んだ次第でございます。
○添田増太郎君 我が国も、二十一世紀に向かいまして、できるだけエネルギーの自給を高めるということは、これは大変重要な問題となってくるだろうと思うわけでありますが、しかし、この報告書を私は見まして、先ほどもちょっと対馬先生の質問等の中でも触れられておったようでありますが、今後とも我が国は大消費国、大輸入国に変わりはない、こういうふうにうたってあるわけであります。この考え方はどうも改定前と比較いたしましてトーンが変化したんじゃなかろうか、こういうふうに思われるわけですが、それはどうなんでしょうか。
 それから、国民生活の質的向上のためにいわゆるエネルギーの安定的かつ低廉な供給を図るということ、これはもちろん当然のことであるわけでありますが、そのためにつまりバランスのあるエネルギー需給構造の実現に一層努める、こういうふうにも書いてあるわけです。これは大変私は重要なことであろうと思うわけであります。今回の改定で従来の需給見通しとこれはどのような点が一体違うのか、そういう点ひとつお聞かせをいただきたいと思います。
 それから、社会変化の中でエネルギーにかかわる社会経済基盤の整備、これが大変変化を生じてきておることは先刻も話をされたとおりでありまして、今後エネルギーと絡めましてどのようにこういう問題を受けとめていったらいいのか、ひとつその辺の先生の御意見等をお聞かせいただきたいと思います。
○参考人(生田豊朗君) 私は、基本的なラインにつきましては、これまでの見通しとそれから今回の見通しとは基本的には全く同じ路線をそのまま進んでいるというふうに考えております。エネルギー政策の方向を今回の見通しで大きく転換したということはないと考えております。
 したがいまして、先生の御指摘の日本がエネルギーの大消費国であるというのは、これはもう動かしがたい事実でございまして、自由世界のエネルギー消費の約一〇%は日本で消費しておりますので、非常に巨大なエネルギー市場だと思います。したがって、日本がどういうエネルギー政策をとるか、個々のエネルギーの確保あるいは価格などについてどういうアクションをとるかというのは、私は日本の国内で我々日本人が考えている以上に実は世界的な影響が大きいと考えておりますので、やはりひとりよがりにならないで、常に日本がこうすれば世界全体にこういう影響が出るんだということを考えながら、いろいろ国民の一人一人がそういうことで行動していくということが必要だと考えております。
○添田増太郎君 いろいろこれ大変に難しい社会環境になってきておるわけでありまして、そういう点で、前回は非常に石油の価格が高くてしかも消費が伸びておったときのいわゆる長期見通しであった。したがって、いわゆる代替エネルギー等を含めましていろんな技術の開発等に全力をかけようということが前面に出ておった。ところが、今回のものはそういうもののトーンを落としたというような感じをこの中でちょっと受けたものですから先ほどもお聞きをいたしたわけであります。
 代替エネルギーの開発導入というのは、これしかしどんな状況の変化があろうとも変わるべきものではないと私は思うわけであります。したがって引き続き今後とも強力にやはり我が国はそういうことについては推進をしてまいらなければならないというふうに考えるわけであります。そのためにその技術開発を一層積極的に行うべきであるということもまた当然これは書かれておるわけでありますが、代替エネルギーの開発、これはこれまでも相当努力を実はされてきているわけでありますが、その成果がどういうふうにあらわれてきておるのか。今日まで国は一生懸命努力をされてきたはずでありまして、それがどんなところにどういう形でどの程度一体成果というものが今日まであらわれてきておるのか。もうあらわれてもいい時期じゃなかろうか、こういうふうにも考えるんですが、その点はいかがなものでありましょうか。ひとつその点を反省点も含めまして、いるい
ろ問題点があったと思うし、あると思います。そういう面も含めまして長官からひとつよろしくお願いいたします。
○政府委員(浜岡平一君) 御指摘のとおり、省エネルギー技術あるいは石油代替エネルギー技術の開発につきましては、今日までいわば官民を挙げて取り組んでまいりました。石油代替エネルギーにつきましては、いわゆるサンシャインプロジェクトが動いておりますし、また省エネルギーにつきましては、ムーンライトプロジェクトが動いているわけでございます。特に石油代替エネルギーといいますか、新エネルギー開発につきましては、国会の御支援もいただき御理解もいただきまして、新エネルギー開発機構といったものも動き始めているわけでございます。
 現在までかなり多くのプロジェクトに取り組んできているわけでございますが、その中で例えば既に実用の段階に入りつつあるというようなものを一、一挙げさせていただきますと、一つは民生用のソーラーシステム、これなどは五十六年までの技術開発の成果に基づきまして、各種の公共施設等への導入を既に実施を始めているというようなことでございます。また太陽光発電につきましてでございますけれども、これにつきましても当初と比べますと発電コストを十分の一ぐらいに下げるということに成功いたしておりまして、キロワットアワーでございますと二百円から二百五十円というところまでまいりました。離島等におきまして既に日本でも活用されておりますし、今後特に南太平洋諸国等に対しましては経済協力という形でも御活用いただけるのではないかというぐあいに考えているわけでございます。
 それから、現在取り組んでまいっておりますプロジェクトにつきましても、これまでの過程で対象プロジェクトの再選定といいますか、あるいは統合というようなことにも意を配ってきたわけでございまして、例えば太陽エネルギーにつきましては、先ほど申し上げました太陽光発電とかあるいは太陽電池といったところに重点を絞りまして、太陽熱等につきましてはしばらく見送りをするというような選別的な対応もいたしているわけでございます。先ほど来申し上げておりますようにかなり財源面で苦しい状況が出てきておりますけれども、何とかこの状況を乗り越えまして、これまでせっかく芽を出してまいりましたものが途中で息が切れることのないように大事に育ててまいりたいと思っております。
○添田増太郎君 石油の価格の問題、あるいは為替レートの問題等々で、安くなったから研究をおろそかにするということは、我が国にとっては全くこれは許されないことであろうと思うわけでありまして、さらにこういうときであればこそ一層力を入れてその技術の改革のために取り組んでまいらなければならぬと思うわけであります。
 中間報告に戻るわけでありますが、この中に、革新的なエネルギー効率利用技術の実用化の進展、マイクロエレクトロニクス、バイオテクノロジー等、産業部門において相対的にエネルギー寡消費型の新分野への展開が予想される、こう書いてあるので、私もうなずけるわけでありますが、革新的技術の実用化、これは言うはやすくして大変難しい問題ではなかろうかと思うのですが、いわゆる将来を展望して生田参考人からその辺の考え方をちょっとお聞かせをお願いいたしたいと思うわけであります。
○参考人(生田豊朗君) 例えば、ごく身近なものでございますが、コゼネレーションというのが最近かなり積極的に開発されて使われるようになっております。これは先生御承知のように発電と熱供給とを一緒にする方式でございまして、もういろいろ実例がございますけれども、発電をしますと、電気をつくるというのは一般に効率の悪いものでありまして、電気をつくるために使う燃料のカロリーの四〇%ぐらいしか実は電力にならない、六〇%ぐらいがウェーストになってしまうわけで、それを今外へ逃がしているわけですが、これを有効に利用できないかということで、それを熱の供給、これは熱の供給と申しましても暖房だけではありませんで、ヒートポンプを使いますと冷房もできるわけでありますので、狭いところでは一つのビルの地下に自家発用の発電機を置きまして、それから出る熱でそのビルの中の冷暖房を全部やる。もう少し能力が大きくなりますと地域冷暖房まで全部できるということで、つまり廃熱をそれだけ利用いたしますと、全体の熱効率が電力だけで発電するのに比べまして二倍以上に上がってまいります。つまり、エネルギーの八五%から九〇%近くまでは利用できる、ロスが非常に少なくなるわけであります。これは最近日本でも都市ガス業界、電力業界、最近は石油業界も参入をしまして技術開発と普及をしておりますし、アメリカでは非常にそれがふえてきております。
 そういう形で、エネルギーの供給だけではなくて供給と最後の消費との間に実はまだ使えば使えるものがロスになって、むだになって使われないでいるというものがかなりありますので、そのロスを少なくしていくというのが一つの課題で、これは技術的にいろいろな可能性がこれからも出てくると思います。
 その他マイコンのお話もございましたが、最近まででもエネルギーの消費効率がよくなった背景としては、マイコンがかなり大量にエネルギー関連の機器に使われまして、それで性能、能率が非常によくなったということがございます。自動車の燃費の向上などにしましても、これはやはり燃料の制御にマイコンを使うということが相当有効に働いているわけであります。そういうことですので、これから先なかなか投資額、それから技術開発のための資金も必要であります。もちろん知恵も必要でございますけれども、まだエネルギー問題の中には、今までの在来の考え方での供給と需要、あるいは最終消費というものの間に改良したり合理化したり性能を向上させたりする余地がかなりありますので、そういう点で技術開発のこれからの可能性は相当残されていると思います。
 それからもう一つ、先ほど長官がお答えになった点でございますが、むしろこれはお答えというよりも私から先生にお願いを一つしたいと思いますが、このエネルギー問題と申しますのは、どれをとりましても息の長い問題でございまして、今すぐ手をつければすぐ物になるというものは、ゼロではありませんけれども非常に少ないわけでございます。特に技術開発では相当長期間を要しますし、その成果が出てくるまでの間はとにかく我慢をしていただきませんと結局もとからだめになってしまうということがあるわけであります。
 例えば原子力発電をとりますと、原子力発電は石油が安かった場合は経済競争的な競争力が全くなかったわけであります。原子力委員会の長期計画が数年おきにつくられておりますが、あれの古い物を見てまいりますと、とにかく原子力発電は将来のエネルギーの重要な部分になるので開発を進めなければいけない。しかし石油火力発電に比べて競争力がない。しかしこれから努力をすればいつの日かは必ず石油火力発電に追いつくことができるということで開発を続けておりましたところ、第一次オイルショックが起きまして、石油価格が四倍に上がって、その一回だけで原子力発電は実は競争力がつくようになってしまった。第二次オイルショックの後は石油火力発電の半分ぐらいになってしまったということでありますので、私は、もしもそれまで何もやらないでいて、オイルショックが起きて、そこで慌ててそれでは原子力だということで、その時点から原子力の開発を始めた場合には、恐らく今ごろになってやっと原子力発電がぽつぽつ始まるかということで、事態は非常に変わっていたと思います。
 ほかの新エネルギーについても同様でございまして、余り新エネルギーを愛する余りに、これをやればもう来年からエネルギー問題は問題なくなるというような声もございますが、これもまた行き過ぎでありますが、同時に、今石油情勢が落ちついているから新エネルギーの開発はやめてしまえというのは明らかに間違いでありまして、やはりぜひ長い目で見て育てていただきたい。これは御質問以外でございますが、お願いをさせていた
だきます。
○添田増太郎君 大変ありがたい御意見を賜りまして、大変参考になりました。
 実は当委員会におきましてもう当然長期エネルギー需給見通しについて提言をいたしておるわけであります。本委員会の提言等につきまして、この提言をどのように今回しんしゃくしていただいたのか、ひとつその点もお聞かせをいただきたいと思います。
 それから、時間がございませんものですから、実は私の考え方等を申し上げましていろいろ先生の御意見を一側批判をいただきたいと思うわけでありますが、先ほど申しましたように、我が国の資源やエネルギーの生産基盤は御存じのとおり大変脆弱であるわけでありまして、したがって合理的安定供給というのはこれは大変難しいと私は思うわけであります。しかし、エネルギーというのは、食糧等々の問題と並んで私は政治のいわゆるステップテーマとして最大のものであろうというふうに考えるわけであります。本来これは自給自足ということが一番好ましいのですが、残念がな我が国はそれは全く不可能なのであります。しかし、できるだけ努力をしてその自給を高めるということはやはり政治であろうと思うわけであります。政策的に全力をかけてそういう自給を高めていくという努力は、これはしてまいらなければならぬ大きな課題であろうというふうに考えるわけであります。そのためには国産資源の活用可能な研究、工夫ということに絶えず全力をかけるということは、これは当たり前のことであるわけでありますが、しかし意外とその点について、コスト高になるとかどうとかといって手をかけない傾向があるわけであります。
 例えば日本の水力発電、これ一つ取り上げましても、この中間報告の中では、日本の水力発電は今後小規模になっていくと提言をされておるわけでありますが、しかし全国各地、各都道府県に設置されておりますダム、このダムに発電施設を設置すれば、恐らく今の水力発電と並ぶくらいの電力、しかもクリーンなエネルギーが確保できるはずであります。この問題もやはり国の方針としてやれば私はコスト安のクリーンなエネルギーの供給というものは十分可能であろうというふうに考えるわけでありますが、どうも今日までそういうことについては何か怠ってきたと申しますか、余りにも安易な石油に頼り過ぎてきてその大事なことを忘れてきたという感がしてならないわけであります。既に例えば神奈川県のように、ダムに発電所を設置して地方自治体で経営をして、しかも黒字運用をしておる、そういう県はもうたくさんあるわけであります。
 こういう点、やはり我が国の長期的なエネルギー確保を図るという点から真剣に考えていかなければならない、かように存ずるわけでありますが、ひとつ先生の御意見も賜りたいと思うわけであります。
○政府委員(浜岡平一君) 当調査会からことしの五月にいただきました御提言と今回の需給見通しとの関係につきまして、私の方から御説明をさせていただきます。
 基本的に大きな状況変化が起きているので長期エネルギー需給見通しの改定が必要であるという御指摘につきましては、その線に沿ってお聞き取りいただいたような手直しをいたしているわけでございます。
 御提言では、石油については改定によって需給量の増加は行わない。現行目標以下とすることという御提言があるわけでございますが、この点につきましては、今回の見直しでは石油の供給量は従来の数字よりもやや小さくなっておりまして、そういう方向での手直しが行われているわけでございます。
 原子力につきましても、安全上の問題に十分留意し、国民的合意を配慮しながら実情に即した目標とすることというような御指摘をいただいております。先ほど御質疑の中にもおったわけでございますけれども、七十五年度の原子力の見通しにつきまして、従来の六千二百万キロワット程度を五千三百五十万キロワットに修正をいたしているわけでございまして、数字のことだけ申し上げましたが、そういう格好になっております。
 石炭につきましては、国内炭の将来の方向を十分に検討することという御提言でございまして、これにつきましては別途第八次石炭政策という形で当面、今後の見通しあるいは対応の方向を整理させていただいておりますことは御承知のとおりでございます。
 LNGにつきましては、都市ガス用の需要量について十分検討することという御指摘をいただいております。LNGにつきましては、先ほど来御説明がございましたように、発電用の分野ではやや需要が鈍化いたしてきておりますけれども、都市ガスの分野につきましては今後地方の都市ガスへのLNGの導入というような方向も打ち出されておりまして、そういう分野での展望といったものが織り込まれているわけでございます。
 水力と地熱につきましては、貴重な中小電源としての特性を十分考慮するようにという御提言でございますが、そういう方向で整理をさせていただきました。
 新エネルギーにつきましても、技術開発の成果を十分検討して将来を見ながらこれを織り込んでいくというような御提言でございまして、これにつきましても、最近の実情等をにらみながら、なお七十五年度におきまして新エネルギーに四・五%のウエートを期待するというような位置づけを行っているわけでございます。
○添田増太郎君 時間がないので簡単にひとつ最後にお尋ねをしておきたい。
 これは長官にお尋ねいたしておきたいと思いますが、過日長崎に参りましたときに、上五島に石油備蓄を建設中であるわけでありますが、これは六十三年度完成の見込みだということでありますが、地元民から大変二期工事についての要請があったわけであります。この点についてひとつ簡単に。
○政府委員(浜岡平一君) 御高承のとおり、現在国家備蓄につきまして数量的に三千万キロリッターという目標を掲げまして、設備の稼働率約七五%と見込みまして全国十カ所で四千万キロリッター相当の国家石油備蓄基地の建設を進めているところでございます。現在、この三千万キロリッターをもう二千万キロリッター上積みいたしまして五千万キロリッター、約九十日分になるわけでございますが、そこまで充実をいたしまして、国際融通とか国際共同放出といったような大きな国際協調にもフレキシブルに対応できるようにというような目標を掲げております。ただ、この二千万キロリッターにつきましては、既に民間の石油企業のタンクに大変大きな余剰が生じておりまして、二千数百万キロリッター分だというような見方もあるわけでございまして、基本はこれを活用していくということかと考えております。
 国家備蓄基地につきましては、現在の四千万キロリッター相当十カ所の建設を推進するということが当面の課題かと考えております。かなり予算面の制約等もございまして、この十カ所での工事そのものもおくれてきているわけでございます。今後どういう展望、どういうぐあいに進捗してまいりますか、いろいろな努力が必要かと思っておりますけれども、まずこの十カ所ができ上がるということに全力を注いでいくということかと考えております。その次のステップにつきましては、この状況を見ながら、地元の声も御指摘のようにあるわけでございますけれども、その段階でよく検討をしていくということであろうかと思っております。
○馬場富君 今回の需給見通しの改正を中心にして質問をさせていただきたいと思っております。
 今回の見通しの中で、石油換算で七十年度について五・三億キロリットルから四・九億キロリットル、七十五年度で六億キロリットルから五・四億キロリットルと大きく実は需要の下げがあります。これは産業用が中心であると考えますし、また先ほど来の説明で、産業構造の転換等を考えられての、エネルギーを効率的に使用するという極
めて重要な考え方に立っての経緯だと思いますけれども、産業構造の転換の方向とエネルギー需要の今後の傾向について生田参考人はどのようにお考えか、まずこの点を質問いたします。
○参考人(生田豊朗君) 先ほど、初めにエネルギー庁の長官からの御説明がありましたように、従来の傾向が今後とも継続する、つまり全体としてエネルギーの産業部門での消費の比率が徐々に低下していくということでございまして、これは申すまでもなくエネルギー多消費産業のウエートが低下して、エネルギーを余り使わない軽薄短小型の産業のウエートが上昇するという産業構造の変化の結果でございます。今後ともそういう傾向が継続する。ただ、これまであらわれましたようなかなり激しい産業構造の変化は徐々に鈍化していくと思いますが、しかし傾向としてはやはりエネルギー多消費の重厚長大型の産業から軽薄短小への転換が徐々に進行するということを前提にして考えております。
 その転換の速度がどの程度であるかというところが問題だと思いますが、私は、先ほど申しましたように、これまでのような極端な転換が進みますと、これはまたそれなりにいろいろ問題が出てまいりますので、方向は変わらないけれども転換の速度は次第に緩やかになっていくという前提でこの見通しをつくった次第でございます。
○馬場富君 特に今後の伸びの中で民生用と輸送用エネルギーが拡大する方向でとらえてみえますが、この点について私たちも同じような考え方を持っておりますが、民生用と輸送用エネルギーの需要が今後どのような特徴で伸びるか、その点について参考人としての見解を説明していただきたいと思います。
○参考人(生田豊朗君) この点はいろいろの側面がございます。民生用と申しましても実は民生用の中が二つに分かれるわけでございまして、家庭用と業務用に分けております。家庭用はまさに家庭用でございますが、業務用と申しますのは、一般のビルその他の、商業部門あるいは公共部門でのビルその他、これは百貨店とかスーパーマーケット、劇場その他一般の事務所ビルも入るわけでございますが、そういうところの需要が業務用でございます。
 従来からの経緯ですと民生用が全体として伸びておりますが、その中でも特に業務用の伸びが大きくなっております。業務用の冷暖房の需要が伸びておりますので、今後も都市化の進展、それからビルの建築の増加などを反映いたしまして業務用の需要は引き続き増加すると思います。
 それから、家庭用でございますが、これはいろいろの要素がございますけれども、基本になるのは住宅建設がどの程度増加するかということでございます。最近は異常に住宅建設がふえておりますが、いずれ鎮静化すると思いますので、増加するけれども最近のような極端な伸び方ではないということで考えまして、あと生活様式の近代化に伴って当然エネルギー消費はふえるわけでございますので、その点を加味しまして家庭用もやはり引き続き増加する。ただし業務用の方が伸び方が大きいと考えております。
 あと、そういう家庭用、業務用に使われるエネルギー消費の中身でございますけれども、方向といたしましては電力の比重が徐々にふえていくと考えております。したがいまして、いわゆる電力化率は相対的にこれは産業用の消費も含めまして上昇する傾向にあると考えておりますので、電力消費は比較的今後とも継続的に増加していくと思います。
 その他都市ガスも、これはいろいろ導管の建設その他の問題がございますが、徐々に進展をしていくと思いますし、家庭用の暖房燃料としての灯油でございますが、これは今灯油が主力になっておりますが、これは恐らく紀元二〇〇〇年ころの時点までを考えましても、やはり灯油がほかの燃料で大きく置きかわってしまうということは多分ない。灯油の消費は依然として人口の増加あるいは住宅の増加と関連いたしましてふえていくだろうと考えております。
 それから、交通部門でございますが、これもふえてきておりますが一これは何と申しましてもほかの交通手段、交通機関と比べて自動車輸送の比率が圧倒的に大きくなってきたということを反映してきておりますので、今後とも交通部門でのエネルギーの消費は引き続き増加すると考えております。これは今後の経済成長がどの程度であるか、それと関連いたしまして総体的な輸送量がどうかということに関連しておりまして、現在の時点で考えますと、これまでの自動車輸送への転換がまたもとへ戻ってくるということはまず考えられませんので、引き続き自動車輸送が非常に大きなシェアを占めるということを前提にして交通部門のエネルギー消費は引き続きふえる、そういう考え方をとっております。
○馬場富君 我が国のエネルギー需給の推移の中で革命的変化が起こったのは、何といっても第一次、第二次オイルショックの時点だと、私はこう考えます。
 そういう一つの観点から立ちまして、私はかつてエネルギー委員会や商工委員会等でこの問題は何点か当局とも論じ合ったわけですけれども、その中で、オイルショックのもたらした我が国への教訓というのは、第一には石油依存の脱却であったと思います。もう一つは政情不安定な中近東依存の脱却であったと思います。もう一点は省エネルギーの実行であると思うのです。この点について、生田参考人は今もやはりこの基本線については変わりないかどうか。変わりがあるとしたらどんな点に変化があるか、お教え願いたいと思います。
○参考人(生田豊朗君) その点につきましては先生のお説と全く同意見でございます。これはやはり先ほども申しましたようにエネルギーの基本は安定供給が第一でありますので、それを考える限りは石油依存度はなるべく下げた方がいい、石油の輸入の中でもペルシャ湾依存度をできるだけ下げた方がいいということでございます。ただ、残念ながら日本の周辺の資源的な条件からいって非常にそれが難しい。ペルシャ湾依存度にしましても、実は第一次オイルショックのころと比べまして若干は低下しておりますが、余り大幅には下がっていない。というのは、これは別に怠けていたということではありませんで、ペルシャ湾から転換できる石油の供給源が日本の近くに見当たらないということの結果でございます。
 それから、省エネルギーにつきましても、これはもう当然のことでありまして、今後ともできる限り省エネルギーを進めていくということが必要だと思いますが、ただ、これまでオイルショック以後十年余りの期間で日本の省エネルギー、言いかえますとエネルギーの使用効率は大幅に向上したわけでありますけれども、簡単に申しますと、できるところはほとんどやってしまったという感じがございます。したがって私はこれから先省エネルギーをさらに進めるというのはそう簡単なことではないと思います。
 といいますのは、だからやめてもいいということではございませんで、省エネルギーは基本として進めなければいけないけれども、今まで以上に頑張らないと省エネルギーを進めることはなかなか難しいと思いますので、今まで以上に省エネルギーの努力というのはむしろふやしていく、努力を拡大していくことが必要だと考えております。
○馬場富君 そこで、この需給見通しをずっと見まして、四十八年がオイルショックの最初でございました。それから六十一年度の実績の年度総需要に占める構成比の伸び、こういうことで考えてみますと、これは実績が実は出ておるわけですよ。これでいきますと、結局石油等ではマイナスの二十を示しております。また新エネルギー等については一・二のプラスですし、地熱についてはゼロから〇・一プラスです。水力は〇・四、それから天然ガスは八・四、原子力は九、石炭については二・八程度、こういうような実は構成比で、これは実績であります。
 だから、先ほど参考人も新エネルギーの研究も必要だとおっしゃっていましたが、もちろんそれ
は気の長いことでやらなければなりませんが、ここらあたりの数字で日本の実用化される燃料というのは実際効率からいってもコスト面からいっても大体決まってきたんじゃないか。一つは石油であり、一つは原子力であり、一つは石炭やそういう方向で大きいエネルギーの進展というのを考えていくべきではないかという方向性が一つ出ておると思うのですが、長官この点はどうでしょうか。
○政府委員(浜岡平一君) 四十八年度から六十一年度までの変化につきましては今御指摘のとおりでございます。石油の依存度が二〇%ぐらい下がりまして代替エネルギーがそれを埋めたわけでございますけれども、それを埋めた主役は原子力と天然ガスでございまして、それぞれ四十八年度にはいわばネグリジブルの姿だったわけでございますけれども、一〇%近いレベルまで上がってきているというのが今日の姿でございます。
 今後、原子力につきましては、先ほど来申し上げておりますようにベースロードの中軸として位置づけられていくというようなことでございまして、電力需要の伸びとともに着実にウエートは上がっていくというぐあいに見込まれているわけでございます。
 ただ、従来とやはりちょっと違ってまいりましたのが天然ガスでございまして、従来は東京、大阪、名古屋といいました過密地域でクリーンエネルギーという観点から大変火力発電で重用されてきたわけでございますけれども今後はどちらかといいますと、先ほど来申し上げておりますような取引条件の面での硬直性等から、都市ガスの部門での需要増は見込まれますけれども、どうも今までほどの伸びは見せにくいんではないかというような感じでございます。
 石炭につきましては、鉄鋼生産がスローダウンいたしますので原料炭の需要は低迷いたしますけれども、石炭火力の分野では着実に需要がふえてまいりますので、そこのところが相殺されてしまうわけでございますが、一般炭あるいは火力発電というような観点から見ますと、今後石炭の果たすべき役割というものはかなり大きいというようなことができるかと思いますが、大きな流れは先生御指摘のようなことかと思っております。
○馬場富君 そこで、今話題に出ました、この前のオイルショックのときに、石油が非常に難しい、それからほかの伸びが非常に問題だ、原子力もいろんな安全性について問題があるという論議が多い中で、中近東に頼らなくても、湾岸の大陸棚からもあるいはボルネオやそういうアジアの地域からも、石油と同じ埋蔵量を持つ天然ガスの使用は中長期的に非常に大きい意味がある。特に日本はそういうガスを使う経営体制というのは持っておる、そういう点については、いわゆる打つ手としては非常に効果があるんじゃないか。非常に伸びてきたわけですけれども、先ほど来、テーク・オア・ペイ条項等のこともありまして一つの制限がありますが、この問題については、私は両国間の投資の効果やいろんな政策調整によって解決できる問題であるのではないか、こう思うのですが、長官どうですか。
○政府委員(浜岡平一君) テーク・オア・ペイ条項、契約量を必ず全量引き取ること、引き取れなければペナルティーを払うこと、簡単に言いますとそういうことでございまして、特に日本をめぐります天然ガスの取引はLNG化というようなことで、低温で液化するというわけでございますから、大変巨額の資金の投入が必要でございます。このリスクをカバーして資金調達を確実にするためにこうした条項が使われたということでございますが、それが足を引っ張り始めているということは御指摘のとおりでございます。基本的には、商業取引でございますから当事者間のネゴシエーションでございますが、私どもも折があることに天然ガス供給国に対しましてこの面での配慮というものを求め続けてきております。若干の改善の兆しもなきにしもあらずでございますけれども、まだまだ努力が必要かと考えております。
 また、LNGにつきましては、やはり大きな投資をカバーするためには日本だけの市場では対応し切れない場合もあるわけでございまして、今後アジア地域等でのLNG利用をバックアップしてまいりましてこれを活用していくということも必要かと思いますし、また、LNGの形態以外での活用、例えばメタノールとして活用していくとか、こういった工夫も必要かと思っております。何とかやはり、せっかく太平洋地域にたくさんある天然ガスでございますから、これをうまく生かしていく道というものは懸命に追求していきたいものだと考えている次第でございます。
○馬場富君 最後に参考人に質問いたしますが、この需給見通しについては二十一世紀にわたる見通しが立てられておりますが、この前の委員会でも私発言いたしましたが、エネルギーのずっと将来性考えていきますと、非常にクリーンなエネルギーである核融合によるエネルギーというのはあと五十年は要すると専門家も言われておりますし、それから地球上には化石燃料、燃やす燃料によっての温度の上昇という危険性も考えられてきておるわけです。だから二十一世紀後半には、この燃やすために起こる二酸化炭素の弊害によって地球上に大変な障害が起こる、変化が起こるとも言われております。そういう状況の中で原子力の位置づけというのは非常に大事だと思うのです。安全性に問題点がありますが、ここらあたりの考え方について参考人は専門家の立場からどのようにお考えになりますか。
○参考人(生田豊朗君) 今、先生御指摘の化石燃料の消費に伴う何と申しますか広い意味の大気汚染でございますが、これが地球の全体の熱のバランスをかなり崩してしまうということは大きな問題でございます。ただ、私は専門ではありませんけれども、その方面の専門家の中でもいろいろ意見がまだ分かれておりまして、確実な見解というのは統一されていないと考えております。
 しかし、いずれにしても化石燃料の問題はその燃焼の影響の問題もございますし、それから究極的にはやはり枯渇する資源でございますので、やはり化石燃料からより再生可能なエネルギー、あるいは消費効率の非常にいいエネルギー、例えば原子力ですが、そういうものへ重点を移していくというのが必要だと考えております。私は、原子力だけを育成振興すればそれでもうエネルギー問題のすべてが解決できるというようには決して考えておりません。これは不可能であります。しかし、原子力を外して日本の将来のエネルギーの供給構造を考えるということも、これもまた大変難しい問題だと思いますので、先ほども御説明申し上げたのですが、エネルギーはそれぞれの特性がありますので、特性をうまく利用しまして、エネルギーの供給についても、それから消費面につきましてもうまく組み合わせて使っていくということが一番大事だと考えております。
○馬場富君 終わります。
○小笠原貞子君 我が国のエネルギーの供給構造というのを見たときに、いろんな問題があるわけですけれども、第一に一次エネルギー供給の六割が石油である。そしてそのうちの九九・八%までが外国からの輸入である。しかもその輸入先は七〇%が先ほどから出ているように政情不安定の中東諸国である。歴代の自民党政府はエネルギー革命とおっしゃった。そして日本のエネルギー市場を私に言わせればメジャーに明け渡したと、これは事実だと思うのです。そして貴重な国内資源である石炭、特に北海道で、この委員会で何回もいろんな角度から言っているけれども、石炭がどんどんつぶされてきたということが私は頭から離れない。共産党としましては、エネルギー供給基盤の自主的な強化ということがこの問題考える中でやっぱり一番大事な問題だ、こう言わざるを得ないわけです。
 我が国だけじゃなくて、国際的に見ましても、アメリカの場合は石油依存度四〇%です。しかも海外の依存度というのは三〇%にすぎない。イギリスに至っては北海油田開発になって一〇〇%自給率だ。西独はどうだ、フランスはどうだと見てまいりますと、石炭を初めとする代替エネルギーは豊富にある。
 それらと比較しましても、我が国のこの依存度というものはもう極端に低い。そして脆弱性ということもこれは大変なところまで来ている。これは日本のエネルギー構造の最大の弱点と言わざるを得ないと思うのです。これについてはそうじゃないとおっしゃる方はほとんどない。そしてこの報告の見通しでもそれが指摘されている。指摘するのはたやすいんだけれども、そういうことが言われて、そういう認識の上に立って、それでは今必要なことは一体何だろうかというふうに進めていかなければならないと思うわけです。
 そこで、石油依存度を減少するということになってまいりました。そしてそのかわりとして新または代替エネルギーの開発を促進するというのが柱に入ったわけだけれども、新エネルギー開発ということは進行させていない。在来のエネルギー源、特に原子力、先ほどから言われておりますが、原子力その他の海外炭、天然ガスに代替させている。エネルギー需要全体の伸びは四・三三億キロリットル、一九八六年から二〇〇〇年に向かって五・四億キロリットルということに対して石油は先ほどの資料を見ても横ばいになっております。
 では、その伸びているというものの中身はどこから伸びているかというと、ほとんどが原子力の拡大、伸びだと。この数字を見ましても、一九八六年と二〇〇〇年というものの伸びを、実際とれだけ伸びたかと引き算してみましたら二千七百七十万キロワット原子力が伸びている。そうすると倍以上伸びているんですね、八六年と二〇〇〇年と比べますと。原子力に非常に大きなウエートをかけて伸ばされているということなんです。
 私たちとしては原子力絶対反対だという立場をとっていない。原子力は当然新しい問題をいろいろ出しているけれども、原子力の発見というのは新しいエネルギーを得たことになり、有効利用の可能性ということを考えると、これをもう全面的に否定だという硬直した考え方は私たちは間違っていると思うのです。共産党としては、だからそれですべていいというのではなくて、やっぱり原子力に対しては自主性、民主性、公開ということをよく言っております。
 原子力の平和利用というこの原則、これをしっかり守っていかなければならない。安全性確保の原子力開発政策というものに今のものから転換させることと、その規制を十分行うということが必要だ。そこで初めて人類に役立つ原子力というものになるんだと言わざるを得ないと思うのです。それを特に私はきょう改まって強調するのは、これまた先ほどから言われていると九年のスリーマイル島の事故、そして八六年でしたね、チェルノブイリ、このことが最大の教訓だと言わざるを得ないと思うのです。
 そういう教訓から、これも先ほどから出ていました、外国においてもう原子力はつくらない、今やっているのもストップだという国が一国や二国じゃなくて国際的にもそういう流れになっている。では国内ではどうなんだというので、私が目についたのは、朝日新聞で去年の八月六日、七日に調査しているんです。そこでこうなっておりました。
 原発の推進に賛成というのが三四%だったのが反対四一%、こうなっております。これ五十三年の調査から初めて反対が賛成を上回ったということは、原子力発電所の安全性というのがまだ本当に不安だということをやっぱりあらわしていると思うのです。そして自分の住んでいる近くに原発が建設されることに反対だというのは、これまたちょっとエゴみたいなところがあるけれども七五%は反対だと。では日本の原発でも大事故が起こると不安を持っていますかと言ったら、持っているという人が六七%ございました。安全性に疑問を持つ人がもう年々ふえていっているということ。今後技術と管理次第で安全なものにできる、五十四年の調査では、いやできると思う五二%。ところが今回、というのは昨年の調査では三七%に減っている。人の手には負えない危険性がある、三三%だったのが四七%あった。
 ちょっと細かく申し上げましたけれども、やっぱりこういうことを、素人だというのではなくて、これを素直に耳をかして聞かなければならぬ。国際的にも流れは今変わってきているのではないかということ、国民もこういうふうな反応を示しているということになるということです。
 そうすると、この二〇〇〇年までに八六年に比べて倍からの伸びを原子力に依存するというのは非常に私は心配だと言わざるを得ない。その点をどう考えていらっしゃるか。生田参考人に具体的にお願いします。
 それからもう一つは、原発というのは常に一定の出力で連続運転しなければならぬという一つの問題点があると思うのです。そうすると火力や水力のように需要に合わせて柔軟に対応できない。つまり、原子力への依存度を引き上げるということは全体の供給の硬直化を進めることになると言わざるを得ない。そしてこのことが料金なんかにもはね返ってくると家庭の我々に非常に大きなはね返りが来るという点を私は具体的に心配するんですけれども、それについての御意見を伺わせてください。
○参考人(生田豊朗君) 先生のお出しになった論点が幾つかございますが、まず、チェルノブイリの事故の後の世界各国の対応でございます。
 これは二つに分かれておりまして、チェルノブイリの事故以来原子力政策に対して否定的な方向に進んでいる国もいろいろございます。チェルノブイリの前からですけれども、例えばスウェーデンですが、これは国民投票で紀元二〇一〇年までに原子力発電所を全廃するという計画で今実行しております。ただ、数カ月前ですが、スウェーデンの政府の方が私のところに見えまして意見交換をして、原子力発電の全廃計画のお話も伺ったのですが、それでは原子力にかわる発電源は何を使う計画なのかということを質問しましたら、それは全く当てがないということであります。これはやはりスウェーデンの政府ですから、いずれは何かに変えるという計画がつくられると思いますが、現時点ではその責任者はないと言っておりました。多分私は天然ガスに変えるんじゃないかと思います。ソ連の天然ガスをフィンランド経由でパイプラインで入れて使うんじゃないかと思いますが、そうでなければ石油、そのどちらかしかないと思います。ただ、これもまたエネルギーの安定供給の面ではいろいろ問題があると思います。
 それから、国としてははっきり原子力に対して否定的な方向への政策転換を打ち出していないけれども、現実的にかなり悪影響を受けて先行きが難しくなってきた国、これがございます。例えばアメリカが代表的な国でありまして、これは政府としては原子力発電の今後の拡大を言っておりますけれども、現実的な見通しとしてはもうほとんど新規の受注はなくなるような状態になっております。アメリカはそのかわりに国内の石炭が非常に豊富にあって安いものですから、石炭火力発電へ転換すると私は考えております。そのほか石油火力がありますが、これは国際エネルギー機関で新設の禁止を合意しておりますので、新設ができませんので、これは石炭中心になると思います。その結果、やはり環境問題がかなり私は出てくるんじゃないかと思います。
 それからドイツですが、これはエネルギー政策というよりも国内の政党間の政策綱領の関係がありまして、事実上かなりスローダウンをしてきておりますが、ドイツの場合もやはり石炭がかなり豊富にありますので、私は原子力の減った分は石炭でカバーするということになると思います。
 それから英国は、これは現在のところでは大産油国となっておりますので、ちょっと例外だと思いますが、原子力は引き続き進めるという政策をとっています。
 そこで、チェルノブイリ以後で引き続き原子力政策を積極的に進めるということを政府としても方針を変えない、現実にも進展しているというのは日本とフランスだと思います。フランスは日本以上に原子力依存度がもっと高い国でありますが、その方向を今後とも継続するということでご
ざいます。日本の場合も私は今後とも原子力は引き続きエネルギーの重要な部分として使っていくべきだという意見でございます。ただ、先ほど申しましたように原子力ですべてが解決されるわけではありませんので、原子力だけやればほかのことは何もやらなくてもいいとは決して考えておりません。
 それから、安全問題はもう当然のことながら最重要課題でございますし、もう一つ手前のところのもっと重要な課題にもう平和利用に徹すると、これはもう議論する余地のない問題だと思います。
 そこで、発電用の燃料としての原子力の使い方ですが、これはさっき先生が指摘されました問題点は、問題点としてはもうおっしゃるとおりでございますが、私どもはそれを考えましてこういう数字をつくっているわけでございます。つまり、現在の技術では原子力発電はベースロードに向いた電源でありますので、そのベースロード、将来のベースロード用の電源の需要がどのくらいかということを電力消費から逆算して、それからロードカープなどももちろん考えまして計算をしてこういう数字になってきますので、この紀元二〇〇〇年での五千三百五十万キロワットというのは、紀元二〇〇〇年の電力消費の総量それから電力消費の構造、季節別あるいは一日なら時間別の変動に一応見合ったものでございますので、これを入れてしまったから硬直化するということはないと思います。したがいまして、一〇〇%原子力発電だけにしてしまうということも現在の技術では非常に難しいことで、そうなりますと先生のおっしゃるように逆に供給が硬直化するということになりかねないわけでありますので、そこで電源の多様化ということで、それぞれの用途に合った発電用の燃料を組み合わせて使っていくということになるわけであります。
 技術開発の課題として、原子力発電の負荷追従性、これを高めるという課題がありまして、これがどの程度まで実現できるかというのが将来の原子力発電に対する需要量を決める相当大きなファクターになると思いますので、これは私の私見でございますが、負荷追従性がかなり確保できる、それだけの技術開発ができますと原子力発電を引き続き拡大することは可能だと思います。ただ、それが難しい場合には原子力発電と並んで石炭火力のウエートがかなりふえていかざるを得ないという考え方を持っております。
○小笠原貞子君 大変いろいろと深い御意見を伺っておりますうちに時間がもうなくなってしまって、最後に一言だけ伺いたいのですけれども、今の傾向を見ていて日本の政府の政策として必要なことは、どれだけ自主的に強化を図っていくかと、自国でのエネルギーというものを。これ見てみますと、先ほどもちょっとおっしゃいましたけれども、そんなに金出したからといってすぐできるものじゃないということから考えますと、私は非常に今まで惜しいことをしていると思うのです。太陽光の方は残ったけれども、太陽熱というのは、これはもう経済性はだめだよ、それから地熱の開発もバイナリー発電を残してもう姿を消した。石炭液化もこれももう下火になってまいりました。
 そうすると、今の研究段階ではコスト高になるということがあっても、これは長期的に政府として本当にエネルギーを自分の国で賄うという政府としての基本的な政策が、そのときそのときの経済的、安いか高いかということからの発想というのは非常に貧しいと思うのですね。やっぱりエネルギー政策というものは、そんな安いか高いかというんじゃなくて、長期的な本当の意味の展望を持たなければならぬということを考える。そうすると、いや金がない、いろいろ研究したいけれどもと言うけれども、石油備蓄、さっきちょっと出たけれども、今非常に大量になっています。私に言わせれば最大の備蓄になっていると言わざるを得ない。これに対する予算というのを調べてみますと二千十九億という数字が出てきたんです。石特会計全体のこれは四割に当たります。そういう備蓄備蓄というのにそれだけのお金があるのだったら長期的な視野に立ったエネルギー対策というものも一つ考えていかないと、そろばんだけではエネルギー政策は破綻するおそれがあるということを言いたいということが一つなんです。私の言うそういう考え方に生田参考人としては反対だとはおっしゃらないと思うけれども、どうおっしゃるか。
 それから、具体的に一つだけ聞きたいんだけれども、問題になりました備蓄の白島というのがあります。うちの方で何回もやったと思う。この白島の石油基地の護岸が崩壊してきた、ことしの二月、御承知ですね。私たちが言っていたとおりになったじゃないか、と。そんなこと喜ぶわけじゃない、これは大変なことだと。そこで、水理モデル実験というものを含めて検討されているというお話を伺ったんだけれども、公団、備蓄会社としての見解というのはまとまって出ているのか出ていないのか。出ていないとして、出るとしたらいつごろ出る予定なのかということ。そのことを一言だけ伺いたいと思います。それで終わりでございます。
○政府委員(内藤正久君) 今御指摘の自身備蓄基地の被災後の対応について御説明を申し上げます。
 現在、原因究明の作業を行っておる最中でございます。それで、今先生御指摘のございました水理模型実験、これは御承知のとおりのケーソン、消波ブロック、マウンド等を模型としてつくりまして、波を当ててケーソンと波の挙動関係を分析するという実験でございますけれども、これは既に結果が出ておりまして、二次元模型につきましては九月二十八日、三次元模型につきましては十一月十四日に港湾管理者でございます北九州市に既に提出済みでございます。それで、これは今申し上げました波とケーソンとの挙動関係でございますので、それ以外に気象、海象状況の解析、ケーソンそのものの耐波性、それを検討する作業を今引き続き行っております。したがいまして、年内にも早急に会社がその結果を北九州市に提出いたしまして、北九州市で専門家によって構成されております委員会が総合的な検討を行われ、その結果被災原因が確定するという作業になるものと理解しております。
○小笠原貞子君 はい、わかりました。
○会長(大木正吾君) 他に御発言もなければ、本日の質疑はこの程度にとどめます。
 会長からこの際お願いしておきますが、一部委員から出されました資料要求がございます。これについて全委員の方々に配付されるように希望いたしておきます。
 なお、本日政府から提出されました「長期エネルギー需給見通し」中間報告及び必要な関係資料につきましては、本日の会議録の末尾に掲載いたしたいと存じますので、御了承を願います。
    ―――――――――――――
○会長(大木正吾君) 次に、派遣委員の報告を聴取いたします。沢田一精君。
○沢田一精君 産業と資源エネルギーに関する諸問題の実情調査のため、去る十一月十一日から十三日まで三日間にわたって行われた委員派遣について御報告申し上げます。
 派遣委員は添田理事、宮島理事、及川理事、馬場理事、神谷理事、橋本理事、小野委員と私、沢田の計八名であります。
 まず、派遣日程初日は、熊本県テクノポリスセンター及び本田技研工業株式会社熊本製作所を視察した後、熊本県庁において福岡通商産業局から管内概況説明を、熊本県から経済概況説明をそれぞれ聴取いたしました。
 熊本県テクノポリスセンターは最新の設備と高度の情報システムを備え、熊本テクノポリス計画の中核的拠点として、地元産業に対する情報提供、人材育成を行っております。また、同センターに隣接して電子応用機械技術研究所が開所しており、自主・受託・共同研究を初め、広く一般企業や大学への設備提供等を行っております。
 次に、本田技研工業株式会社熊本製作所は、同社
四番目の工場として昭和五十一年から操業、豊かな森に囲まれ、百七十万平方メートルの広大な敷地を持ち、最新の生産設備によって各種オートバイ、バギー車等の製造、海外工場への部品供給等を行っております。同製作所の製品の輸出比率はほぼ八〇%となっており、近年の急速な円高進行の影響を大きく受けております。このため同製作所としては、来年から国内需要向け軽四輪エンジンの生産ラインの導入、製品の多角化により、円高の影響を受けにくい体質にしていく計画であります。なお、オハイオ第二工場の設置等、海外生産へのシフトにより、国内雇用の維持ができるのかとの質問に対しては、生産の再編成等の努力により、今のところ本田全体としては、空洞化は避けられると考えているとのことでありました。
 次に、福岡通商産業局からの管内概況説明であります。九州地方での景気は総じて回復基調にあり、鉱工業生産指数、民間設備投資、住宅投資及び個人消費は、いずれも緩やかな上昇傾向を示しております。また、雇用情勢も、有効求人倍率は本年九月時点では〇・四〇まで高まっており、厳しいながらも改善傾向がうかがえます。しかしながら、産業構造の変化や、円高の進行という荒波の直撃を受けている企業城下町や産炭地域の社会経済情勢は、依然として極めて深刻な様相を呈しております。
 次に、熊本県の経済概況であります。工業については、昭和六十年時点における事業所数、従業員数、出荷額等、いずれも全国の伸び率を上回っており、テクノポリス地域指定後の同地域への進出企業数は、昭和五十九年度から三カ年の間に三十三件であり、今年度も九月末現在で七件と順調であります。
 しかしながら、荒尾市、長洲町のいわゆる構造不況地域においては産業構造の変化等により、セメント工業の撤退や化学工業の事業縮小等が見られ、特に最近では造船業、黒鉛電極ご製造業、紙・パルプ製造業などにおいて大幅な事業縮小や人員削減、さらには企業の撤退等が行われております。なお、熊本県全体の有効求人倍率は全国平均を大きく下回っており、本年九月時点で〇・四五、荒尾、長洲地域においては〇・二一にすぎません。
 派遣日程第二日目は、熊本県荒尾市の三井グリーンランドにおいて荒尾市、大牟田市、三井石炭鉱業株式会社三池鉱業所からそれぞれ概況説明を聴取し、さらに、熊本県から九州アジアランド構想についてその概要説明を聴取いたしました。その後、三井鉱山株式会社三池港務所貯炭場及び長洲町にあります日立造船株式会社有明工場を視察いたしてまいりました。なお、同工場では長洲町からも概況説明を聴取いたしました。
 まず、荒尾市及び大牟田市の概況説明であります。両市は三池炭鉱を中心に、石炭を原料とした化学工業、亜鉛、アルミ等の非鉄金属製錬業などに大きく依存してまいりました。しかるに、一昨年秋以降の円高により、非鉄金属製錬業など構造不況業種の操業中止等があり、千五百人にも及ぶ人員合理化が実施され、さらに、石炭産業におきましても、三池炭鉱で年間四百五十万トン体制から三百五十万トン体制への縮小及びそれに伴う人員削減があり、両市の雇用情勢の悪化と地域経済の停滞をもたらしております。
 次に、三井石炭鉱業株式会社三池鉱業所からの概況説明であります。同鉱業所の三池炭鉱は生産体制を縮小する一方、採炭切り羽の集約や大型機器の導入を初めとする種々の合理化対策を実施し、コストの低減を図るなど最大限の努力を傾注しているが、累積赤字は現在の二百十五億円からさらに増加することは必至であり、貯炭も現在二百七十二万トンに達しているとのことでありました。
 次に、九州アジアランド構想についての説明を熊本県から聴取いたしました。これは、大牟田、荒尾、長洲地域にアジア諸国との文化的、技術的、物的交流の拠点を設け、これによって地域開発を目指すものであります。昨年から三井物産を中心とする三井グループ内で企画、検討され、現在、国や九州経済界に対する働きかけが行われております。おおよその計画では、用地三百ヘクタール、資金約千八百億円で敦煌の石窟及び壁画を一部再現し、敦煌研究所、西遊記遊園地、アジア技術研修センター、アジア各国産品の常設見本市及び同加工基地等々を建設する計画であり、完成まで今後十年間を見込んでいるとのことでありました。
 なお、三井グリーンランドは、三井鉱山株式会社が石炭産業低迷の中で遊休地の活用や地域おこしをねらって設立した遊園地で、順調な発展を続け、各地域からの誘致も相次いております。
 日立造船株式会社有明工場は、長さ六百二十メートルと三百八十メートルの二基のドックや七百トンの揚荷能力を持つガントリークレーン等を備えており、船舶、海洋構造物及びその他プラント機器を製作しております。同工場では、現在二十二万六千重量トンの鉱石運搬船を建造中であり、また、近々二千五百個積みのコンテナ船に着工するとのことでありました。さらに、来年四月からの建造開始予定で二十六万重量トンクラスのオイルタンカー二隻を受注いたしております。しかしながら、同工場の現在の手持ち仕事量は建造能力に比べわずか五分の一ほどしかなく、従業員数も三年前のおよそ二千四百名から、現在、およそ一千名まで減少しております。そこで同工場では、CADによる新しい生産システムや生産技術の開発に取り組み、また、船舶のインテリジェント化を進め、国際競争力の強化、高付加価値化を目指しているとの説明でありました。また、対韓国競争力の今後の見通しについては、一ドル百五十円ならば対抗し得る段階に来ていたが、このところの円急上昇の影響は大きい、韓国では人件費安のほか鋼材費も政策的に安くなっているとの答えでありました。
 長洲町は、その工業出荷額の約六割を日立造船及びその関連企業に依存しております。したがって、同工場の生産規模の縮小及びそれに伴う一昨年からの二次にわたる大規模な人員合理化は地域経済に多大な影響を与えており、町全体の工業出荷額も現在ではピーク時の六〇%にすぎず、八百九十三億円にまで落ち込んでおります。そして、離職者の再就職先の開拓など、雇用対策が緊急の課題となっております。
 派遣日程最終日は、三菱重工業株式会社長崎造船所香焼工場を視察、次いで長崎県庁において長崎県から経済概況説明聴取の後、長崎オランダ村を視察いたしました。
 三菱重工業株式会社長崎造船所香焼工場は、三菱重工が新造船の工事を集中して行っている工場であり、長さ九百九十メートルの建造ドックと長さ四百メートルの修繕ドック、つり上げ能力六百トンのゴライアスクレーン等を備え、世界で最新鋭の設備を持つ大規模な工場であります。長大な建造ドックをフルに生かした三ステージ建造法、エレクトロニクスを大幅に取り入れた自動化、省力化設備など、数々の新しい試みを取り入れ、船舶、橋梁その他の海洋構造物、陸用プラント機器等を製作しております。現在は大型の自動車運搬船と二十五万重量トンクラスのオイルタンカーを建造中でありました。しかしながら、同工場におきましても、大幅な生産規模の縮小と人員合理化を余儀なくされており、昭和四十九年の最盛期には、同社長崎造船所全体で一万六千人ほどであった従業員数は、現在およそ八千人にまで減少しております。今後の対策としては、陸用プラント機器等の需要開拓と、配置転換等により雇用面に十分配慮しながら、生産工程の一層のFA化、工程数の圧縮を進め、国際競争力の維持、向上に努めております。さらに、造船は未成熟技術であるとの認識のもとに、現在、さまざまな先端技術の開発や吸収に努め、省エネ船の建造などに取り組んでいるとの説明でありました。
 長崎県の経済概況は、近年、観光が順調に伸び、また、公共事業の拡大や住宅着工数の増加など、非製造業部門が堅調に推移しているものの、製造業部門は、造船業など長引く構造不況と円高等により厳しい状況に置かれており、石炭業も、昨年十一月に高島砿が閉山し、唯一残っている池島鉱についても生産体制の見直しが行われるなど、厳しい状況にあります。このため、同県においては、
長崎県造船対策本部、高島砿閉山対策本部を設置する等、経営安定対策、事業転換対策、雇用対策など、地域住民の生活安定を図るため総合的な施策を講じております。
 長崎オランダ村は、江戸時代、出島が長崎にあったという歴史に着目し、新たな日蘭文化交流の拠点となることを目指す大型のリゾート施設であります。大村湾の入り江を利用して十七世紀のオランダの町並みを再現し、その中に当時のオランダに関する民俗資料館や博物館等を設けております。また、周囲の自然との調和を図り、その美しい景観を生かすと同時に、諸施設の建設に当たっては海の埋め立てを行わないなど、海水汚染防止のためさまざまな配慮がなされております。昭和五十八年オープン以来これまでに累計百三十五億円の資金を投入し、本会計年度においては来場者数百九十五万人を目指しております。また、佐世保市に長期滞在、永住型の大規模リゾートを建設するというハウステンボス計画を打ち出したところであります。
 以上で報告を終わりますが、最後に、今回の調査に当たり御協力をいただきました現地の関係各位に厚くお礼を申し上げます。
 なお、各派遣地の要望等については、これを会議録末尾に掲載することを会長において取り計らわれますようお願いいたします。
○会長(大木正吾君) 以上で派遣委員の報告は終わりました。
 なお、沢田君の報告中にありました要望事項につきましては、これを本日の会議録の末尾に掲載いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○会長(大木正吾君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
    ―――――――――――――
○会長(大木正吾君) 次に、継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。
 産業・資源エネルギーに関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○会長(大木正吾君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、要求書の作成につきましては会長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○会長(大木正吾君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
○会長(大木正吾君) 次に、委員派遣に関する件についてお諮りいたします。
 閉会中の委員派遣につきましては、その取り扱いを会長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○会長(大木正吾君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時八分散会
     ―――――・―――――