第112回国会 外務委員会 第6号
昭和六十三年四月二十八日(木曜日)
   午前十時開会
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   委員の異動
 四月二十七日
    辞任         補欠選任
     永田 良雄君     鳩山威一郎君
 四月二十八日
    辞任         補欠選任
     林田悠紀夫君     中曽根弘文君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         森山 眞弓君
    理 事
                宮澤  弘君
                最上  進君
                松前 達郎君
                小西 博行君
    委 員
                大鷹 淑子君
                後藤 正夫君
                嶋崎  均君
                中曽根弘文君
                林 健太郎君
                原 文兵衛君
                中村  哲君
                矢田部 理君
                黒柳  明君
                広中和歌子君
                立木  洋君
                吉岡 吉典君
   国務大臣
       外 務 大 臣  宇野 宗佑君
   政府委員
       外務大臣官房長  藤井 宏昭君
       外務大臣官房審
       議官       福田  博君
       外務大臣官房審
       議官       遠藤 哲也君
       外務大臣官房領
       事移住部長    黒河内久美君
       外務省アジア局
       長        藤田 公郎君
       外務省北米局長  有馬 龍夫君
       外務省中近東ア
       フリカ局長    恩田  宗君
       外務省経済局次
       長        内田 勝久君
       外務省経済協力
       局長       英  正道君
       外務省条約局長  斉藤 邦彦君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        木村 敬三君
   説明員
       科学技術庁原子
       力局政策課長   石田 寛人君
       科学技術庁原子
       力局核燃料課長  結城 章夫君
       科学技術庁原子
       力安全局保障措
       置課長      谷   弘君
       文部省教育助成
       局海外子女教育
       室長       中西 釦治君
       文部省高等教育
       局私学部私学行
       政課長      黒川  征君
       資源エネルギー
       庁長官官房国際
       原子力企画官   田中 伸男君
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  本日の会議に付した案件
○核物質の防護に関する条約の締結について承認を求めるの件(内閣提出、衆議院送付)
○在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定第二十四条についての特別の措置に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定を改正する議定書の締結について承認を求めるの件(内閣提出、衆議院送付)
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○委員長(森山眞弓君) ただいまから外務委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、永田良雄君が委員を辞任され、その補欠として鳩山威一郎君が選任されました。
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○委員長(森山眞弓君) 核物質の防護に関する条約の締結について承認を求めるの件、在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案、以上両案件を便宜一括して議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○中村哲君 社会党としては、非常に政治的に大きな問題を松前さんの方でやられますので、その持ち分の一部について、外交官の子女に対する手当て、このことを話さしていただきたいと思います。
 それは、明日、天皇の誕生日ということになっていますが、私どもの子供のときには摂政宮でありまして、英国の大使が珍田でありまして、珍田は多少関係があったものだから、あのころから外交官の生活というものを私はいろいろ見聞きしておりまして、それで戦後の今日に及ぶわけですが、戦前の外交官というのは、私自身が憲法の講義をしてきたように、美濃部達吉先生の憲法論によって代表されるように全権大使、全権公使、戦前は公使と大使が相手国の格によって分かれていただけで、全権というのは直接には天皇を代表し、間接に国家を代表するというのが当時の外交の大権でありました。
 これは一方的に申すようですが、戦前の外交官というのは国内の足が余りなくて、外交官をやめた後の、まあ子女の教育も含んでおりますし、この関係からいろいろそういう人たちの後の身の振り方も知っておりますが、しかし、大体において大使はこの参議院の前身と言っていいだろうと思う貴族院の勅選議員になり、それからその中の長老が枢密顧問でありました。そういう時代をまたいろんな関係から私は知っているんですが、その時代と今日、継続しているような面があると同時に全く違う点がある。
 それは、当時我々の友人たちが外交官の試験を受けているのを見ていても、非常に花形で、華やかな職のようであったけれども、戦後は戦争はないかわりに戦争にかわるような部分的な衝突があって、これが一つの戦争にかわっているわけですが、外交官はそういう前線にいて、そして思いがけないいろんなことが起こる。したがって子女の教育の場合、連れていく人もあるし、また郷里、故郷に残している人もあるんですが、いずれにしても今の戦争類似の現象がある危機管理の問題に外交官は真っ正面からぶつかる。そういうことから、一方では名誉ある地位であるが、一方では本当に危険な状態にある。
 こういうことを外相としては特によくごらんになって、そしてその待遇も、国内に勤務している
場合と一変して、危機的な政治状況の国際紛争の真っただ中におりますから、そういう点で外交官に対する生活面の配慮はどうか図っていただきたい、こう思うので、その辺についてもし抱負がおありでしたらひとりお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(宇野宗佑君) 中村委員の豊富なる経験のもとの、また専門家としての御意見、私もただいま拝聴いたしました。もちろん戦前の官吏と戦後の官吏は全く違います。天皇陛下も戦前は、「神聖ニシテ侵スヘカラス」、または「大日本帝国ハ万世一系ノ天皇之ヲ統治ス」、そういうような憲法を私たちも勉強したわけでございますが、戦後は象徴天皇でございます。したがいまして、官吏もおのずから戦前は天皇の官吏であったというふうなことでございましたが、戦後はすべて国家公務員でございます。そこにいろんな新しい問題もあるわけでございますが、戦後四十三年間極めて順調に、今日は行政府もおのがじしその務めに全力を挙げていただいております。
 ただいま申されました大使は、これはやはり国事行為によりまして、内閣の助言と承認により天皇これを承認すという一番大切な一項の中のいわゆる認証官でございますから、もちろん私たちは国を代表する人として送っておる次第でございます。非常にその数も国の数がふえるにつれて多くなってまいりましたから、私たちといたしましても慎重に人選を進めまして、それぞれの地域において今日の日本を代表するにふさわしいお方を送っております。
 それだけに、今中村委員が御指摘なさいましたように、当然それにふさわしい待遇を与えていかなければなりません。日本に帰ってくると途端に小さな部屋だと、しかし向こうでは大きな部屋だというふうなこともございましょうが、やはり外国におきましては、日本にふさわしいそれだけのやはり待遇をし、また外国から信頼を寄せていただくに足るふさわしい待遇を与えることが大切である。こうしたことで今日も鋭意そのようなことが実現しつつあるわけでございますから、完璧とは申さないまでも一応我が国といたしましては最善を尽くしておるのではないかと思います。中には大使館がみすぼらしいという国も数々あろうかと思いますが、そうした問題も含めまして今後さらに努力をいたしたいと思います。
 今回御審議を煩わしておりまする法案はそうした外交官の子女に関する問題でございまして、これもやはり大切な問題でございますので、今後、今の先生の御趣旨を十分生かすべくさらに外務省といたしましても努力をしたい、それが私の気持ちであります。
○中村哲君 抽象的には国際交流だとか海外の諸国と日本との文化交流だとか言いますけれども、現実には、言えば商社の人もそうでしょうけれども、職員として外地に出ている人、EC諸国のような場合はともかくも、先般から問題になっておりますような殊にアフリカ大陸とか中近東とか、こういうところに勤務する場合には本当に体を張ってやらざるを得なくて、それでそういうところでの子女の教育というのは、大体において地元は無理だから東京に残していると思いますけれども、やはり小さい時期は、学校に上がるころですと向こうに連れていくことが多いのでありますが、それはそのときなりにいろいろな問題があって、風土病なんかの問題もあるし、健康上の問題もあるし、世界にわたって日本が海外に代表を送っておりますために戦前とは非常に違うということを感ずるわけです。
 それで、これはもうむしろ文部省関係に聞きたいんですけれども、ただ、私は二十年近く大学の管理職や代表をしていたものだから、こちらに出てきている石川塾長なんかとともに文部省の会議には出ておりまして、海外からの留学生問題とか、それから子女の教育とかいうことも発言してきたものですから、今さらここでお聞きすることも必要ないんですけれども、ただ非常に動いている時期なものだから、国会に出てきたこの五年間の間でも、かなり国際関係の学生の問題でもあるいは派遣されている外交官の問題でもいろいろあると思うのですが、そういう中での子女教育の配慮を文部省としては何か特に最近やっているのかどうか、ちょっとそれをお聞きしたい。
○説明員(中西釦治君) お尋ねの大学における帰国子女の受け入れの問題でございますけれども、私どもといたしましては、帰国子女が海外で得ました教育なり体験なりというものが国内においても正当に評価されるようにという観点から、私どもで決めております大学入学者選抜実施要項の中で、大学において特別の工夫改善を行った海外からの帰国子女のための特別の配慮、入試をやってほしいという指導を行っております。
 これを六十二年について見てみますと、例えば帰国子女に対して特別の入試、入学を行った大学を申し上げますと、国立大学では北海道大学、東北大学、東京大学、京都大学など、三十九大学九十六学部で行っておりまして、公立大学を申しますと、東京都立大学、大阪府立大学など、八大学二十二学部。私立大学では青山学院大学、慶応義塾大学、法政大学、南山大学、同志社女子大学など、七十八大学二百三十一学部。合計いたしますと百二十五大学三百四十九学部で特別の入試を行っております。
 なお、これにより入学した者でございますけれども、六百八十五人という数が特別の形で大学に入っているということでございます。
○中村哲君 それは在外の日本人の帰国した者に対する教育のことですか。留学生……
○説明員(中西釦治君) 留学生ではございませんで、海外から帰ってきた日本人の子女に対する特別の配慮という形での……
○中村哲君 そうすると、つまり入学試験の選考の仕方を手心しているわけですか。
○説明員(中西釦治君) 選抜方法につきましてもいろいろな形で行われておりまして、これは大学とか学部によりましてそれぞれ特性がございますので違っておるのでございますけれども、例えば東京大学の文科を例にとりますと、書類選考、学力試験は外国語のみ、あと小論文と面接というふうになっておりますし、青山学院を例にとってみますと、書類選考と論文という形になっておりまして、大学においていろいろな形での工夫をしながらそれぞれの特性に見合った配慮をしているということだと承知しております。
○中村哲君 外国で教育を受けた子女というのは外国語そのものはできるんですけれども、日本で試験がある場合はそれを日本語にしなきゃならない、それで日本語も勉強しておかないとならないので、私自身の経験でも同じクラスで海外子女もおりましたけれども、日本語ができないと日本の入学試験では点数にならないんです。こういう問題がありまして、そう簡単じゃない問題がいろいろありますけれども、一々ここでは申しません。
 それから、関連してお聞きするんですけれども、海外のそういう随伴していった子女のこともあるし、あそこでいろいろ使用人を使っておりますね。これは大体昔はハウスメードまで連れておりましたけれども、大部分現地の人を雇っているんでしょう、大使館の日常の事務はそうなんでしょうね。
○政府委員(藤井宏昭君) 大使館の職員が本国から参っておるのと、それから現地の職員との二つからなっております。
○中村哲君 というのは、この一つ前の委員会でインドのことをお聞きしかけましたのは、そのときに触れる時間がなかったけれども、今のガンジー首相のお母さんが、あれは別に海外の公館じゃないけれども、首相官邸で使用人から狙撃されたんですね、それで即死をした。インドの場合にはシークというのが少数民族でいまして、ひげを生やしたガードマンのようなあれはみんなシーク派で、そのシークをガードマンに使っていたものだから、同時にその人たちは民族問題として少数民族に忠実なためにガンジー夫人を射殺したんですね。
 こういうことが、予想しないようなことが外国の公館でもいろいろ起こり得るんで、そういう意
味での危機管理ということ、これはもう一般的に危機管理の問題は、最近もハイジャックのこと、それからそういうテロが非常に国際的連関を持っているとか、こういうことが外交官の身近な問題としてつながっているんですね。こういうことに対する配慮もしなきゃならない。日本からは警察庁から代表が行っていますけれども、そういうのじゃなくて、何か日常のガードというようなことが、これはなかなか気をつけているときはいいんでしょうけれども、一たび事が起こると非常に危険だというこういう時代になっているということを、そういったあれで外交官の生活というか使命というものが非常に変わってきているということですね。これに応じたその仕組みになって変えていく必要があると思いますね。それなんか、何か多少そういうことも頭に入れてやられるといいと思うんですが。
○政府委員(藤井宏昭君) ただいま先生御指摘のとおりでございまして、今日の外交官はいろんな意味で危機に遭遇しておると思います。
 第一には戦争、内乱等でございます。例えば今イラン、テヘランにおきして、東京の環状線内部ぐらいの地域に毎日ほとんど三、四発のロケットが落ちてくる。一つロケットが落ちますと、大体二十人から多いときには数十人が死ぬと。さらに多くの負傷者が出るという状況でございまして、公邸の至近三百メートルにも弾が落ちたという状況でございまして、そこに館員がおり、若干の家族はまだ残っておるわけでございます。そういう状況が一つでございます。
 さらに、先ほど御指摘の国際テロの問題、それからさらに一般犯罪、例えば南太平洋のある国におきましては、日本では到底考えられないような高い犯罪率がございまして、特に女性のひとり歩きあるいは女性がひとりで家にいるということさえ非常に危険であるというような地域も多々ございます。さらに健康の問題がございまして、これは感染症のみならずいろいろな不健康地におきます病の問題があります。現在在外公館は百七十一公館実館がございますが、そのうち五八%はいわゆる不健康地に存在しておりまして、そういう意味におきまして健康に対する危機管理ということもあるわけでございます。全体を含めましていろいろな形の脅威が館員のみならず館員の家族にも及ぶわけでございまして、それらが今日の我が国の外交を行っていく上で、実施体制の最大の脳みの一つでございます。
 したがいまして、外務省といたしましても、定員の増強に加えましていわゆる足腰予算ということを第二の柱に掲げさしていただいておるわけでございますが、その足腰予算の中で警備の強化、それから不健康地対策というようなことをその中の大きな柱として毎年の御理解をいただきながら逐次対策を講じてきておるところでございますけれども、日本の国際的な責任が大きくなるにつれてそのような不健康地あるいは小規模公館というようなものの重要性が一層増しているという世の中におきまして、さらにこれらの諸施策を関係方面の御理解を得ながら進めていきたいと考えておる次第でございます。
○中村哲君 一問だけもう一つ。
 私自身紛争校の代表のようなところに十五年も代表者でおりまして、そして事があれば、爆弾を仕掛けたという連絡をしてくる、おどかしがある、こういうことに対することがあるんですが、ああいう群衆が集まってやることはこれは今、日本に近いところでもう一帯にすぐ起こる。学生が群象化するとか民衆がとか、あれをやりますと、個人をねらって狙撃するというようなことはそれもやるけれども、それよりも未必の殺人的な、殺到しますから少数の者が中にいると押しつぶされたり、それから流れ弾に当たったりというこういうことが起こるんですよ。これは学校がそうなんですよ。我々は大衆大学でありまして、校庭が新宿の駅頭のように思って対処していかなきゃならない、こう思っていたんですが、少数を相手とした学校と違いまして、そういうところでは万一のことがいろいろ起こるんですね。
 それで、だれがやったというんじゃないけれども、一千名からの団交をやりますと、押しかけるとこっちは一人ですからつぶれちゃうんですよ。例えば足が下につかないんですね。こう押しつぶされそうになるんで……
○委員長(森山眞弓君) 中村哲君、時間でございます。
○中村哲君 そういうことが起こるので、こういうことが中近東とかああいうところで起こる、それからアフリカとかああいうところで起こることには、意図してやったことと大衆が大勢集まるために起こる未必の殺人が起こりますので、こういうことの配慮も十分されるといい、こういうふうに思います。
 それでは、私は終わります。
○松前達郎君 核物質の防護条約に関して引き続き質問をさしていただきたいんですが、その前に、今度総理がヨーロッパに出かけられる。それに際して、またその後にトロント・サミット等も行われるわけですから、その際に日本としての国際協力構想、これをひとつ打ち出したいというふうなことが報道されているんですね。
 そして、報道によりますと、外務大臣に対して総理からその構想づくりを指令されているというふうなことが言われているんですが、もう近々総理はヨーロッパへ出発されるわけなんで、この構想について大体まとまったものかどうか。もしかそうであるとすれば大体の内容をお聞かせいただきたいと思うんです。
○国務大臣(宇野宗佑君) 総理はあす御出発なさるわけでございます。それで、欧州におきましてはイタリー、ドイツ並びに英国ということに相なります。で、続きましてトロント・サミットがあるというふうな外交日程でございます。
 そうした中において、とりあえず今日まで日本として世界に貢献するということを言ってきたが、もう少しく具体的にそのことを検討してほしいというのが過般の私に対する総理からの指令でございました。私自身も、かねて抽象論だけで絵にかいたもちではいけない、やはりこれは当然具体化すべきであるというふうなことを考えておりまして、外務省におきましてもそういう作業を進めておりましたので、ちょうど総理の御下問と私たちの作業が今度のEC訪問に際しましてはこれはお役に立つんじゃないか、かように思っております。
 多分、いろいろな首脳とお出会いになるわけですが、ロンドンにおけるスピーチ、この中で明らかになさる、こういうふうに私は考えております。ここではすべてではなくして、やはりトロント・サミットもございますが、主として欧州に対しましては、今日まで日米親善、また米国とECは親善、また日本とECも親善だが、距離ではかると日本とECの場合は日米ほどでもないし米欧ほどでもない、そういうような意識が総理に強くございますから、正三角形になるように努力しましょうというのが総理の発想によるところの大体の内容として具現化されるんじゃないか、かように思います。
 まだ抽象的な段階にしか私たちも申し上げるわけにはまいりませんが、やはりいつも申し上げておりまするとおり、経済協力なり経済援助なり、さらには平和に貢献するということでございますから、アフガンなりカンボジアなり、西岸・ガザなりいっぱいございますので、そうしたことにつきましても日本は汗をかきたい、そういうような気持ちを吐露なさる、こういうふうに私たちは考えております。これはいずれにいたしましても総理のお考えを総理がスピーチされるわけで、私たちの御進言そのままおしゃべりになることもあれば、あるいはまた選択されることもあるという意味を込めてのお話でございます。
○松前達郎君 平和への寄与と繁栄への国際協力ということだ、これを積極的に推進していこうと。言葉だけだったら簡単なんですけれど、やはり具体的に日本が寄与していくべきことというのはたくさんあると思うんで、そういうものをぜひとも総理の方から言っていただいた方がいいんじ
ゃないかと私は思っているんですね。
 今まで外国との関係の中でいろんな交渉あるいはスピーチが行われていますけれども、余り具体性がなくて、どうも言うだけだというふうな印象を外国に与えがちでありますので、その辺はひとり外務大臣の方からも、総理を指導するというわけにいかないでしょうけれどもサゼスチョンをお願いしたいと思います。
 そこで、核物質防護条約に関連する問題ですが、まず最初に大臣にお伺いしたいのはテロの問題なんです。これも恐らく国際的な問題としてトロント・サミットでも取り上げられるんじゃないかと思っておりますが、先般もクウェート航空機のハイジャック事件があったばかりでありまして、テロの防止というのは国際的な協力がどうしても必要である、しかも、一つの航空機が一つの国だけでテロの行為をして、そこですべてが終結するんじゃない状況でありますから、国際的な協力というのはどうしても必要になるのは当たり前なんですが、日本としてこのテロ防止に対しての協力体制、これをどう展開していくおつもりなのか、また同時に、大臣としてテロについてどういう見解を持っておられるか、これはもう、テロはけしからぬと言えばそれっきりでありますけれども、防止についての何か動きですね、日本としての具体的な動きといいますか、今後の提案とかそういうものを含めて、お持ちでしたらお話しいただきたいと思います。
○国務大臣(宇野宗佑君) 詳細は、政府委員が来ておりますからいろいろと話してもらえばよいと思いますが、私といたしましては、やはり最近の国際テロは目に余るものがある、したがいましてこれを指をくわえて拱手傍観する必要は絶対ない、毅然たる態度で臨むべきであるということでございますから、国際間におきましてもいろいろと協力をいたしておることは事実でございます。
 この間のハイジャックにいたしましても、いろいろと飛行機が給油を求めて飛び歩く、こうした際にも先進国同士あるいは関係各国家同士におきましては毅然たる態度だぞと、いやしくも政府が折れちゃだめだぞというふうなことで、言うならば粘り強い方が勝ったということになるかもしれません。そうしたことで、ゲリラなりそうした者の要求をいとも簡単に受け入れないということがこれは大切なことであると、そうしたことがこの間一つは貫かれたわけでございますが、これも国際間で緊密な協力をしてやった一つの大きな成果であったと思います。
 したがいまして、やはりそれぞれの国がテロに対しましては東西南北を問わず毅然たる態度をとることが今のところ一番必要である。ややもすると何か政府が負けちまう、ゲリラの要求に応ずる、そうしたことがいかにやってもむだだということを、ゲリラを起こさんとする者、テロを起こさんとする者に周知徹底さすということもこれが一番大切なことではないか、私はこれは私の立場から申し上げておきたいと思う次第でございます。
○政府委員(遠藤哲也君) それでは、大臣の御答弁に若干補足する形で申し上げたいと思うのでございますけれども、テロ防止には何といっても国際協力が必要であって、その国際協力を充実する意味で日本は既に幾つかの条約に入っておるわけでございます。
 例えば飛行機の中で行われたテロ行為とかあるいは飛行機自身を不法に奪取するような条約、それからごく最近では去年御審議いただいて御承認いただいたわけでございますけれども、国際的に保護される者、例えば外交官を含むそういった者に対する犯罪の防止に関する条約、あるいは人質条約、こういうふうな幾つかの条約を締結してまいりまして、国際的にもテロを何とかして未然に防止し、もし未然に防止できないような場合にはその犯人を処罰する、こういうふうな国際協力がかなり進んでまいりまして、今御審議いただいております核物質防護条約もそういったようなテロ防止対策の国際協力の一環でございます。
○松前達郎君 核ジャックといいますかね、核物質を対象としてのテロ行為、これをテロの材料に使うというこういうことも今おっしゃったわけですけれども、近々ソウルのオリンピック、これも何となくテロの対象となる可能性もあるわけなんですが、このオリンピックに関しては何か日本として韓国との間に協力体制というのがもう既にでき上がっているのかどうか、これを御説明いただきたい。
○国務大臣(宇野宗佑君) 日本におきましては、藤田アジア局長をチーフといたしまして既に韓国との間におけるテロ対策の委員会を結成いたしております。そして、きのうから実は実質的会議を重ねておるという段階でございます。
○松前達郎君 核物質について質問に入るんですが、その核物質の運搬に関して、物を移動する最中に核ジャックがあるとか、まあこういうふうな問題も考えられないことはない、映画なんかにはよくなっているんですけれども。核物質を武器としてというか道具に使ってテロ行為を行うあるいはおどかしをかける、いろんなことが考えられるわけなんです。
 これについては、実はこれから将来ですが、日米原子力協定、これとの関連も出てくるわけなんですけれども、航空機で運搬をするということが、上空をその運搬の途次飛んでいく国々の反対があって上空を飛べない、そういう状況にもなるだろうと思うんですね。だけれども、飛び上がる以上着陸しなきゃいけないんで、着陸するとすれば、例えば日本に持ってくる場合にはどこに着陸するか、これもまた非常に問題になろうと思う。これはまたその際にいろいろと議論になるんじゃないかと思います。
 そこで、現在外国に再処理を依頼している核物質ですね。これについて、一体現状はどういうふうになっているのか、これは通産省ですか、御説明いただきたいと思います。
○説明員(田中伸男君) 我が国の外国への再処理委託の現状でございますが、我が国の電気事業者が軽水炉分としまして約四千八百トンウラン、ガス炉分といたしまして約千百トンウラン、総計五千九百トンウランをイギリス及びフランスのBNFL、COGEMAに委託をしておると承知しております。六十一年度末までに軽水炉分約二千三百トンウラン、ガス炉分でございますと九百トンウランが英国及びフランスに輸送されております。
○松前達郎君 これは再処理を依頼ですね、イギリスとフランスですか。これで処理をされたものを今度は日本に持って返ってこなきゃいけないわけですね。この状況はどうなんですか。
○説明員(結城章夫君) ただいま御説明のございましたイギリスとフランスへの使用済み燃料の再処理の結果、プルトニウムは回収されます。このプルトニウムは総量で大体二十五トン、プルトニウムの核分裂性原素量という量になると思っております。このプルトニウムは我が国の貴重なエネルギー資源でございますから、ぜひとも日本に持ち返ってまた原子力発電の燃料に使いたいと思っておる次第でございます。
○松前達郎君 その持ち返り方ですね、これからいろいろ問題になってくるのは。船で運ぶと非常に核ジャックのチャンスが多い、だから航空機で運んでくる、こういったいろんな運搬手段が考えられるわけですね。これが恐らく今後またいろいろと問題になってくるんじゃないかと思いますが。
 さて、その再処理を日本が依頼する国ですね、イギリス、フランス。この国の世論といいますか国民感情というものが大分最近は変わってきて、日本でやればいいのに何でわざわざ自分の国まで持ってくる必要があるんだろうか、こういうふうなことが言われているというふうに聞いていますが、この辺はどうでしょうか。
○説明員(田中伸男君) 私どもが承知しております限りでございますが、再処理受け入れ国でございますイギリス、フランスにおきまして、外国から再処理委託を受けることにつきまして強い反対があるとは特に聞いておりません。実際、外国か
ら委託を受けまして再処理の大半を実施することとなりますイギリスのソープ1の工場、それからフランスのUP―3の工場、両方とも建設工事は順調に進んでいるというふうに聞いている次第でございます。
○松前達郎君 そうしますと、今後もこの再処理という段階での作業、これは相変わらずイギリス、フランスに将来とも依頼できると、こういうふうに解釈してよろしいんですか。
○説明員(石田寛人君) 先ほど御説明のございましたとおりに、四千八百トンのものは我が国からイギリス及びフランスに再処理を委託しているところでございます。また、我が国にも動力炉・核燃料開発事業団が建設、運転いたしております再処理工場がございますし、それからさらにそれを踏まえまして民間企業、具体的には日本原燃サービス株式会社が青森県六ケ所村におきまして建設中の再処理工場もございますので、我が国は今でも少しく再処理をいたしておりますし、将来的には国内の再処理の割合をふやしていく、そういう政策で進めてございます。
○松前達郎君 現在我が国で核物質の輸送を行っていると思うんですよね。国際輸送における核物質の種類、それから輸送相手国、輸送の手段、輸送の回数、こういったようなものもお伺いしたいわけなんですが、これはもう簡単でいいですから現状をひとつ御説明いただきたい。
○説明員(谷弘君) 我が国の国際関係の輸送でございますけれども、今お話に出ておりましたカテゴリーIに属しまして一番厳しい核物質防護を必要としますプルトニウムの輸送につきましては、最近では五十九年に一回行ったきりでございます。
 なお、これ以外の核物質につきましては、原子炉燃料としてウランを輸入しておりますが、この回数が毎年約五十回程度。それから、それを使いました後、原子炉から出ました使用済み燃料を外国へ搬出する、これが約十回程度でございます。
○松前達郎君 この輸送の方法としては船舶による輸送だと思うんですが、どうですか。
○説明員(谷弘君) ただいま御説明しました輸送につきましては、すべて船舶で輸送されております。
○松前達郎君 そうしますと、今度は国内での輸送手段。この回数は今、年五十回あるいは使用済み燃料の場合十回とおっしゃったわけなんですが、恐らくそれに対応する輸送が行われていると思うんです。国内輸送における輸送の際のいろいろな対策ですね、恐らく制約もあると思いますし、この核防護に関する条約が批准されるとすれば当然それに国内法が付随してくる、今ちょうどその国内法をやっているはずなんですが。この辺、一体今まではどういうふうな対策を講じておられたか、それをお知らせいただきたい。
○説明員(谷弘君) もちろん輸送に当たりましては安全上の対策もとっておるわけでございますが、これに加えまして盗収等の防止の観点から、盗まれにくくするという観点に加えまして、輸送に当たりましては、陸上輸送の場合には警察に対して事前連絡をする、あるいは海上輸送の場合には海上保安庁に事前過絡をする。それで輸送の日時でございますとか経路等につきまして、必要な場合にはそれぞれの治安官庁が指示をするというような仕組みが現在でもできております。今国会で現在御審議いただいております核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律、この中でこの条約を批准しました後はさらにそういうような制度を充実強化してまいりたいというように考えております。
○松前達郎君 国内の法律が成立した場合には、これらの対策といいますか、防護に関して当事者がやらなきゃいけない、そういうふうになるんじゃないかというふうに聞いているんですが、今お伺いしたところによりますと、輸送に対しては警察とか、海だったら海上保安庁とおっしゃったんですが、それ以外に現在でも当事者の方で何らかの防護対策というものを十分講じて輸送されているのかどうか、そしてもう一つ、今までその段階において何か特別なトラブルがあったかどうか、その辺をお聞かせいただきたい。
○説明員(谷弘君) 核物質防護の措置につきましては、昭和五十六年に原子力委員会が輸送問題も含めまして基本的な指針を定めております。この指針は、国際原子力機関、IAEAが定めました基準に基づいてつくりましたものでございまして、これに従って措置を実施しているということでございます。
 もちろん第一義的には、輸送を実施する者あるいはその荷主でございます原子力事業者が必要な措置をとりますと同時に、それぞれの、例えば運輸省でございますとか科学技術庁でございますとか、原子力所管庁がその実態の輸送の計画の確認をする、さらに、必要な情報は治安官庁に連絡をいたしまして必要な措置をとるということが現在でもとられておりまして、今後、さらにそれの充実強化を国内法を整備してやってまいりたいということでございます。
 なお、最後のお尋ねのトラブルにつきましては、こういう核物質を巻き込みました問題というのは、現在私どもが承知しておる範囲では発生いたしておりません。
○松前達郎君 この条約は、国際的な輸送、その最中の核物質についてだけの防護義務を課しているように私は解釈しているんですけれども、これは、条約の趣旨が国際的な協力を求めるということに主眼があるのか、あるいは核物質の強奪等によって生ずる危険というのが国内輸送あるいは貯蔵等にも発生する可能性があるわけなんで、これらについても関連をしているのか。もしかしていないというとちょっと片手落ちみたいな感じがするんですが、これはいかがでしょうか。
○政府委員(遠藤哲也君) 今先生が御指摘のとおりでございまして、実はこの条約をつくります過程において、この条約の対象というのは、国際輸送ばかりではなくて、今御指摘のような国内だって危険性があるんだから国内輸送をも対象にすべきであると、こういう議論があって、かんかんがくがくの議論があったわけでございます。
 ところが、主としてこれは発展途上国になるのでございますけれども、発展途上国の若干の国の中から、国内輸送については自分の主権行為に入るんであって、国際協力の対応としては国際輸送の面だけでいいんじゃないかと、こういう強い反論が出まして、結局妥協といいますか、この条約を早く通したい、早くつくりたい、それからなるべく多くの人に受け入れてもらいたいと、こういうようなことから、条約自身は国際輸送だけということなんでございますが、前文には国内輸送についても防護の措置をとられること、こういうことが書いてあるわけでございます。
 他方、この条約が去年の二月に発効したわけでございますが、五年後にこの見直しの機会になっておるわけでございます。したがいまして、この見直しの機会には、日本もそうなんでございますけれども、日本としましても実は今の先生御指摘の国内輸送問題をも取り上げて条約の拡大という方に持っていった方がいいんじゃないかなというふうに思っております。
○松前達郎君 日本ではウラン鉱というのはほとんど産出しないわけですね。ですから、国内の核物質の輸送というのは、すべて条約の第二条の対象としている国際輸送中の核物質、これに該当するのか、条約による防護の対象とならない我が国にある核物質の輸送、こういうものも考えられると。ちょっとややこしいんですが、これについてはどんな場合があるでしょうか。
○説明員(谷弘君) 外国から核燃料物質ウランを、原材料でございますが、持ってまいりまして加工をしまして、加工工場から例えば原子炉のあります事業者まで輸送する、あるいは発電所で使い終わりました使用済み燃料を例えば東海の再処理工場へ輸送するというような意味で、この条約の対象になるのと同種の核物質が国内で輸送されるということは実態的にはあるわけでございます。
○松前達郎君 この核物質に関する条約、それか
らさらに国内法ですね、国内法はほかの委員会にかかっていますが。動燃事業団と製錬事業者が今後核物質の防護管理者になることになるんじゃないかと思うんですね。そうなりますと、核物質防護について国と事業団、あるいは製錬業者あるいはまた電力会社、こういったいろいろな事業体があるわけで、これとの責任関係というのをよっぽど明確にしておきませんと、ここからここまではということになるんですね、どこが担当し、その次はどこと。それで恐らく分野別にも分かれると思うんですね、内容別にも分かれる。この辺の責任関係というのはもう既に考えておられるのか、はっきりしているのかどうか、この辺をお伺いします。
○説明員(谷弘君) 先生の今御指摘の責任関係につきましては、今回御審議をお願いしております条約の附属書の中でもその責任関係を明確にするようにというような規定がございます。これを受けまして、現在並行して御審議をお願いしております国内法の中におきましても、それぞれ関係ある事業者の責任に応じて責任者を明定するということを法律上明確にする予定でございます。あわせまして、輸送の場合にはそれぞれ責任が移転してまいりますので、それぞれ関係する事業者間におきまして事前にどこからどこまでだれが責任を持つということを明確にして、事前に確認を受けるという制度をあわせてつくる予定にしておりまして、今御指摘のような心配がないように法制的に十分手当てをしてまいりたいというように考えております。
○松前達郎君 その点、原子力発電施設の問題についても、やはり責任の境界の問題、これがいろいろと問題になってきたんですね。必ずしもしっくりいってなかった、今はどうか知りませんが。そういうこともありますから、これは原子力発電所の問題とちょっと違って、相当ほかに影響力が非常に大きい問題でありますから、この辺十分やっておかないとまずいんじゃないかと思うんですね。
 ある人から私こういうことを聞かれてちょっと困ったんですけれども、例えば輸送中に火災になる、火災になったときは消防庁なんだろう、そうすると消防車がそれを持っていって水をぶっかけるのかとか、いろんな具体的な疑問を聞かれたことがあるんです。しかし、それはまだどうなるのかわからないと申し上げてあるんですけれども。いずれにしても相当多岐にわたる問題ですから、この辺ひとつ十分整理されて連絡をしながら体制を整えていかれた方がいいんじゃないかと思うんです。
 この核物質についての最後なんですが、核ジャック、これについておそれがあるということで今こういった防護の条約ができてきているわけなんですが、この核ジャックについて現在までどこかでそういう兆候があったかどうか、もしくはあったとすると、幾つかの例があるかもしれませんがお聞かせいただきたい。
○政府委員(遠藤哲也君) 先生の御質問、広い意味での核ジャックということに解させていただきますと、いわゆる広い意味での核ジャック、私は二つぐらいの非常に大きなカテゴリーがあるんじゃないかと思うんですが、一つはプルトニウムなどの核物質を盗んだりあるいは盗んだものを使うとか、プルトニウムをばらまくなんというそういう意味での核物質そのものにかかわりますいわゆる犯罪行為ということと、もう一つは脅迫というか、何かしなければプルトニウムをばらまくぞなんという脅迫行為等と、その二つの種類があろうかと思います。
 前者の実際に核物質、プルトニウム等々を盗んで云々というのは、今までのところ幸いにいたしましてその事例はございません。今後ともないことを期待しております。
 二番目の脅迫の点でございますけれども、これは国外に関する限りかなりのケースがございまして、例えばアメリカでございますとアメリカの原子力規制委員会の調査でございますが、一九七六年から約十年間に、原子力施設に爆弾を仕掛けたといったようなたぐいの脅迫が四百件以上あったということの報告がございますし、もっと具体的には、例えば八五年の四月、三年ぐらい前でございますけれども、ニューヨークでも、もし犯罪人に対する起訴を取り下げなかったら水道の中にプルトニウムを入れるぞなんという脅迫があったというようなことで、これは英国におきましても若干の事例が報告されておりますが、そういうふうな脅迫という事例はございます。
○松前達郎君 そうですね、アメリカでは時々核物質が保管中どこかへ行っちゃったとかいろんなのが報道されているんですね。案外ルーズな面もあるんじゃないかと思うんですが。プルトニウムを盗んで原子爆弾つくろうなんというのはこれは大変な作業ですから、恐らくそう簡単にはできるわけないんですが、今最後の方におっしゃったプルトニウムをばらまくぞというこれだったら、いわゆるチョコレート事件と同じような意味で一つの脅迫の材料に使われる、こういうことになろうと思うんですね。
 そして、今核物質というのが対象として燃料物質、燃料とかそういうものが内容的には主なものになっているんですが、放射性元素というのもあるんですね。これは治療用のもありましょうし、あるいは研究用のもありましょうし、こういったようなものについてのこの防護との関係、これはもう全然別のものとして解釈してよろしゅうございますか。
○政府委員(遠藤哲也君) 先生の御指摘、まさに私もこの条約を勉強しますときに感じた点なんでございますけれども、実はこの条約自身は放射性元素、つまりいわゆるラジオアイソトープ等々はこの条約に入っていないんでございます。
 まさに放射性元素だって、先般のブラジルはちょっと例が違いますけれども、ブラジルのように危険性はあり得るわけであるわけで、これは入っても別におかしくないのでございますけれども、実はこの条約の作成のときにはどうも放射能の危険ということもさることながら、むしろ核分裂による核爆発、こういうことへ重点が向かっておりまして、実はこの前のこの条約に先立ちますIAEAの検討自身もそうだったのでございますけれども、放射性というよりかは、放射能というよりかは核分裂そのものに向かっておりまして、したがいましてどうもこの条約自身核分裂ということを念頭に置いてつくられたあれでございまして、ラジオアイソトープ等々が落ちているわけで、したがいましてこれは今後の五年後の国際的な協定見直しの時期に一つの検討対象になろうかというふうに考えております。
○松前達郎君 そうですね。でも、余り細かく規制をしますと、いわゆるアイソトープを使っているところというのはやたらにあるものですから、これが全部そういうことになるとすれば余り厳しく――厳しくしてもいいんですが、そこのところをうまく考えていきませんと大変な手間がかかることになる。ですからその辺、何か規制の仕方をうまく考えたような内容にしていただくようにひとつサゼスチョンをお願いします。
○政府委員(遠藤哲也君) まさに先生の御指摘のとおりでございまして、本件まだ十分に慎重に考えさしていただきたいと思っております。
○松前達郎君 じゃ次に、海外における在外公館の問題で、今回の法案は教育の問題で、教育費の問題が対象となっているわけなんですが、海外における教育というのは、先ほども同僚議員からもいろいろ質問があったわけですが、子女の教育に関しては日本人学校というのが大分あちこち増設をされながらふえてきているから、日本の中学校に当たる部分までは日本人学校の教育で行われているわけですね。ですが、それから先はない。ないといっても、実は私学の中で多少各地に高等学校教育の機関を設置しておりますね。
 ところが、考えてみますと、例えば高等学校になってくるともうボーディングスクールというものが主体になってくる、そうするとやはり年間二百万ぐらいのお金がかかるんですね、これ食費まで入れての話ですが。そうすると大変な費用がか
かってくるわけなんで、子女の教育費というのが今回は余り上がる率が少なかったわけですけれども、恐らく負担するには大変なことになるんじゃないか、こういうふうに思っておりますが、何かそういった点で今回の改正がもしかできたとしてもまだまだ問題が残るということがありましたらひとつお聞かせいただきたいんです。これは外務省としての希望でも構わないんですけれども、何かございませんか。
○政府委員(斉藤邦彦君) 担当の政府委員が今おりませんので私の承知している範囲でお答えいたしますが、今度の改正が認められて子女教育手当が増額になった場合でも、まだ自己の持ち出し分というのは十数%前後残るという状況だったと理解しております。
 もし違っておりましたら後で訂正さしていただきます。
○松前達郎君 日本人学校の場合、通学できるわけですから比較的経費がかからない。ところが、ボーディングスクールになりますと全寮制ですから、これは食費から何からそちらの方に行かなきゃならない、しかも生活しなきゃならない、こういうことですから相当経費がかかる。もちろん生活のために食事をするというのはどこにいても同じことだと言えばそれっきりなんですけれども、しかし恐らく、離れた場所で寄宿舎生活をするというのはやはりお金がかかるのは当然なんですね。ですから、その対象となるような子女が、もちろんこれ外務省の職員じゃなくてもいいんですが、非常に多いんじゃないかと思うので、これについての何らかの手当てというのを今後考えていかなきゃならないだろうと思うんです。それで何か希望がございましたらということをお伺いしたわけなんです。
 最後に、もしかありましたらそれだけちょっと追加していただいて、質問を終わりたいと思うんですが。――希望ないんですか。特に問題ないんですか。
○政府委員(黒河内久美君) 今先生御指摘のとおり、政府の援助がありますのは中学校までということで、高等学校レベルについては各種の私立の学校ができているわけでございますが、正確な経費がどの程度のものになるか、まことは申しわけございませんが、ちょっと今数字を持ち合わせておりません。
○政府委員(藤井宏昭君) 今度の改正に伴いまして、いわゆる自己負担率でございますが、それが六十年の時点同様で、すなわち六・六%ということになるわけでございまして、それは現在の八・一%と比べますと改善でございます。しかしながら、なお八・一%自己負担ということでございますし、場所によりまして、例えばフランスにおける高等学校というようなのはかなり高額、いろいろばらつきがあるわけでございますが、かなり平均の自己負担率の中でも相当な負担を強いられるという状況がございますので、今後ともこのような改善を逐次お願いしていきたいというふうには考えております。
○広中和歌子君 引き続きまして、子女教育手当の支給額に関する法律改正案について、もっと幅広い形で子女教育全般についてお伺いさせていただきます。
 この法律に書いてありますところの
  在外職員の勤務する在外公館の所在する地であつて、当該在外職員の年少子女に適当な学校教育を受けさせることができない地として外務大臣が定める地に所在する在外公館に勤務する在外職員の年少子女
これに該当する人たちというのは大体何人ぐらいいるのでございましょうか。それから国ですね、該当する国、外務大臣が「学校教育を受けさせることができない地」として認めた地域でございます。
○政府委員(藤井宏昭君) 子女の数といたしまして約八百六十余名ぐらいでございます。
 それから、国は全体で、国の数はちょっと数えないとあれでございますけれども、約三十ぐらいでございます。これはもちろん、時によりまして変動するわけでございます。
○広中和歌子君 その国の場合でございますけれども、現地校はも入れない、そしてインターナショナルスクールというんでしょうか、そういうものも存在しない、そういうふうなことが条件なんですか、基準なんでございましょうか。
○政府委員(藤井宏昭君) そういう考え方でございます。
○広中和歌子君 海外における子女教育、大変御苦労なさっていらっしゃると存じますけれども、日本人学校が存在する場合と、それから現地校がある場合とあるんじゃないかと思います。また、現地校にかわるものとして国際学校というんでしょうか、そういうものがある場合があると思うんですけれども、いろいろそのことについて、子女教育全般について、外務省関係だけではなくて海外に勤務するさまざまな人々のためのこともございまして、ちょっと現状についてお伺いしたいんでございますけれども。
 日本人学校というのがございますね、数にして八十三校、そして補習校などがあるわけでございますけれども、設置基準というのはどういうふうになっているんですか。
○政府委員(黒河内久美君) 先生御案内のとおり、日本人学校あるいは補習校ともに在留邦人が自助努力によって設置する学校でございまして、これに対して政府が必要な援助を行うというものでございます。
 日本人学校の場合には、現地に適当な教育施設があるかどうか、それからまた設立計画や資金計画がしっかりしていること、また学校設立についての現地在留邦人の間はコンセンサスがあることということが主な設置の基準になっているわけでございます。他方、補習授業校につきましては、日本人学校ほど厳格な基準はございませんけれども、学校の設立運営主体、設置場所、入学者等について報告を受けることになっております。
○広中和歌子君 日本人学校が仮にある場合でございますね、普通の初等中等教育が文部省基準に合致するような形で存在する場合でございますけれども、この場合は無料なんでございますか。
○政府委員(黒河内久美君) 日本人学校の場合には、全日校の場合には原則として我が国における初等中等教育と同機のカリキュラムの授業を行っているわけでございますが、先ほど御答弁申しましたように、日本人学校は基本的には私立学校的な学校でございますので、授業料は有料となっておりまして、父兄にも応分の負担をいただいているのが実情でございます。ただ、今後できる限り負担軽減には努めていきたいと考えております。
○広中和歌子君 その月謝でございますけれども、大体どのぐらいのレベルになっているのか、そして国によって違いがあるのか、お伺いいたします。
○政府委員(黒河内久美君) 日本人学校の場合、これは平均値でございます、先生御指摘のとおりばらつきがあるわけでございますが、月額の父兄負担額の平均額として、全日校の場合には二万五千円程度、それから補習授業枝の場合には七千円程度となっております。
○広中和歌子君 それは月でございますか。
○政府委員(黒河内久美君) 月額でございます。
○広中和歌子君 日本人校また補習校も含めまして、ブラジルとかアメリカの西海岸など、現地人がかなりいらっしゃるわけですけれども、外務省以外の方ですね、そして特に日系人、これは国籍はブラジルあるいはアメリカ、そのほかそれぞれの国に属するわけですけれども、そういう人々が仮に入学したいと、勉強したいという場合には開かれているんでしょうか。
○政府委員(黒河内久美君) 現地の方は日系人であると否とを問わず、子弟を受け入れることにつきましては可能な限り受け入れるように指導はいたしております。ただ、国によりましては日本人学校の認可の際の条件として日本人の子弟に限定するというようなことが法令によって禁止されている場合もございますので、一様ではございません。
 また現実の問題として、学校で日本語で授業が行われるということから、実際問題として日本語によって、日本のカリキュラムに準じて行うということを説明しますと、入学を辞退するケースもございます。
○広中和歌子君 海外における日本語学校のための予算、そして基本方針でございますね、これは文部省の管轄なのか外務省の管轄なのかよくわかりませんけれども、そういうものがありましたら教えていただきたいし、それから今後このような日本人校をふやしていくおつもりなのか、これは特に海外で日本語を学びたいという現地の要望もふえていくものと思われますので、そういう中でどういう形で検討していらっしゃるのか、そのことについてもお伺いしたいと思います。
○政府委員(黒河内久美君) 六十三年度の予算について御説明いたしますが、その前に基本的に外務省予算で援助しております部分は、校舎の借料の補助、それから現地採用職員の給与費の補助でございます。他方、文部省の予算による援助といたしましては、教員の派遣経費、それから教科書購入給付、教材整備補助、通信教育事業の補助等でございます。金額的には外務省の場合は六十三年度十二億八千九百万円、文部省予算が百四十八億五千八百万円となっております。
 また、今後とも日本人学校あるいは補習校の充実について引き続き努力していきたいと考えております。
○広中和歌子君 それは外務省の全体の意見というよりは、個々の方々の総意というような、そういうようなことなんでございますか。
○政府委員(黒河内久美君) 外務省といたしましても、海外子女教育が在留邦人の重大な関心事項であるという認識に立ちまして、従来からできる限り現地側、現地の在留邦人側の要望に沿いたいということから、予算獲得の努力をしているところでございます。
○広中和歌子君 それから先ほど、海外で教育は続けさせたいんだけれどもできないといったような場合に、日本でボーディングスクールというんでしょうか、国内におけるそういう子女のための寄宿校というんでしょうか、そういうものは公立で存在いたしますか。
○政府委員(黒河内久美君) その点につきまして、帰国子女の扱いにつきましては文部省所管事項でございまして、私今ここでちょっとお答えできる材料を持ち合わせておりません。
○広中和歌子君 じゃ、現地校の場合あるいは国際校についてお伺いいたしますけれども、公立の学校に入りたいけれども入れないといったような国もあるんではなかろうかと、ある国とない国とあるんじゃないかと思います。
 例えば私がたまたま参りましたインドで、ある方が子供を本当は現地で、現地語で、現地の学校で教育させたいんだけれどもできないというようなことがあったと聞いたんですけれども、そういうことについてのデータはお持ちでいらっしゃいましょうか。
○政府委員(黒河内久美君) 必ずしも詳細を明らかにしておりませんけれども、先進国ではおおむね入学可能であると理解しております。ただ、公立学校であるか否か、ちょっと確認いたしておりませんが、現地校に入学可能な国の中にはインドも含まれていると理解しております。インドの現地校に通っている例を承知いたしております。
○広中和歌子君 公立校は原則として無料だろうと思うのでございますけれども、そういう学校に日本人が入る場合にはどのような形でそういう教育サービスに対して支払いをしているのか。
○政府委員(黒河内久美君) 例えば米国の公立学校、御指摘のとおり無料のわけでございます。そういう意味で、日本人の在留邦人が大変お世話になっているわけでございますが、実際のお礼の気持ちのあらわし方としては、各地の日本人会あるいは個人がいろんな形で催しに寄附をするとか、あるいは事業に積極的にボランティア活動を行うとか、そういう形でお礼の心を表明しているのだというふうに理解しております。
 また、現地の学校の、例えば米国の公立学校から日本に訪問グループを出したいというようなときにアレンジをお手伝いするというようなことで、実質的な形のお手伝いをするということでやっております。
○広中和歌子君 アメリカの場合ですと、ある意味では日本と違いまして、固定資産税がかなり取られて、その多くがスクールタックスという形で公立学校の経費に充てられるわけですから、そこに、そのコミュニティーに家を借りて住むといった場合には間接的には税金を払っているということになるわけでございますけれども、それにいたしましても、何か最近は日本人の家族が固まってある一定の地域は住んだりして、非常にそのために公立学校としては日本人子弟のために特別な教育、まあティーチャーをつけるとか、そのようなことをしなくちゃならないというようなことで問題というのでしょうか、そういうようなことも多少新聞などで聞くんですが、外務省としては聞いていらっしゃいますか。
○政府委員(黒河内久美君) 私ども新聞報道等あるいは現地の学校関係者からそのような事例があるというようなことを聞いてはおります。
 実際問題といたしましては、できる限り現地社会との摩擦を少なくする方向で、学校当局もまた父兄の側もいろんな形で交流を図る、あるいは先ほど申し上げたようなボランティア的な活動をするというような形で解決を図るように努力をしていると承知いたしております。
○広中和歌子君 ボランティアでございますけれども、大変すばらしいことで、ただ、そのときに果たす在外公館の奥様方のお役割というのは非常に大切なんじゃないかと思います。
 これはドイツの場合なんでございますけれども、ある公立学校の方で父兄にドライバーとしてのサービスというのですか、運転をして子供を、例えば遠足なら遠足に行くときに手伝ってくれとか、さまざまな形で依頼がある場合に、もし事故が起こってはということで、そういうコミュニティーのリーダー格の女性がノーというようなことで、しない方がいいんじゃないかというようなことになりますと、全体が参加しないというようなことがあるというようなことを聞いたわけでございまして、そういう中でぜひ、ただでさえ外務省外交官の奥様方というのはお忙しいことだろうと思うのでございますけれども、そういう点、地域へのサービスということに関して外交官の方だけじゃなくて、現地の邦人の方々への、いわゆる何というのでしょうか、リーダーシップを発揮していただけるような形でお願いできないかと、この席をかりてお願いしておきます。
 それから、四万円近くになるわけでございますよね、特別手当というのでしょうか、子女教育手当の月額、これは根拠としてはどういうふうになっているんでございましょうか。
○政府委員(藤井宏昭君) この加算額を四万五千円とするということが今回の御審議いただいております子女教育手当の改正のポイントでございますが、この根拠でございますけれども、この実態調査に基づきまして実態を調べましたところ、先ほどもちょっと触れましたけれども、昭和六十年にはいわゆる自己負担率が六・六%であったわけでございますが、それが現在八・一%になってきておるということで、この四万五千円ということはその六十年の状況にこれを引き戻すということでございます。
○広中和歌子君 いずれにしても教育に関する親が負わなければならない負担というのは大変なことだろうと同情申し上げます。
 次に、けさ方、きのうからきょうにかけてのさまざまな出来事が国際関係において起こったものですから、急遽外務大臣、その他の方々に御意見なり見通しなりについてお伺いさせていただけたらと思います。
 まず、アメリカで包括貿易法案が既に下院では圧倒的な多数で可決され、そしてゆうべのニュース報道によりますと、上院では六十三対三十六、三分の二の多数には至らなかったけれども可決さ
れたということなんでございますけれども、これにつきましてレーガン大統領並びに行政府はどのような対応をするだろうかというふうに見ていらっしゃいますか、外務大臣にお伺いいたします。
○国務大臣(宇野宗佑君) かねてアメリカ議会のそうした法案、下院におきましても、昨日上院におきましても一応通過しました。甚だ遺憾だと思います。特に世界経済に及ぼす影響も大きいと思いますし、保護主義というものに対する認識、アメリカ議会はそうじゃないと言いますが、私たちはやはり保護主義であると、こういうふうに思っております。
 だから、レーガン大統領を初めアメリカの行政府は自由貿易体制を堅持しなくちゃいかぬ、そういうような法案に対しては拒否権を発動しますと、こういうことでございますから、拒否権は下院、上院どちらかで発動されればよいと、こうなっておりますので、三分の二に至っておらないということは拒否権を発動いたされましてその拒否権が生きるということになって法案が成立しないという結果を生むことを期待しまして、我々といたしましてはさらにアメリカの行政府の御努力のほどをこいねがうというのが日本の立場でございます。
○広中和歌子君 ベトーが発動されました場合に、法案が成立せずそしてそのまま廃案になる場合と、それから他の可能性、一部修正されましてそうして再び審議にかけられるそういう可能性があるわけでございますけれども、その他の可能性についてはどういうふうに思っていらっしゃいますか。
○政府委員(内田勝久君) 大統領が拒否権を行使いたしました後のシナリオにつきましてはまだまだいろいろな観測も流れておりますけれども、確たるその方向というのはまだ出てきていない状況でございます。
 ただ先生御指摘のとおり、現在の法案がそのまま葬られてしまう可能性、あるいは問題となっております工場閉鎖事前通告を義務づける条項、これが最大のイシューになっておるわけでございますけれども、これが削除されて再提案される可能性等々その他にもいろいろシナリオがあり得るかと考えている次第でございます。
○広中和歌子君 今おっしゃいました工場閉鎖に関する事前通告ですか、それを主な理由としてレーガン大統領は拒否権を発動するだろうというような予想はされているわけですけれども、そうなりますと、スーパー三百一条を含む貿易の部分というのは削除されないというような可能性も出てくるわけでございますね。
○政府委員(内田勝久君) レーガン大統領自身はこの工場閉鎖事前通告義務づけ条項のみならず、スーパー三百一条あるいは例の東芝等外国企業制裁条項にも反対であるということを明らかにしております。
 ただ、現時点におきましてはまだ拒否権発動という状況にまで至っておりませんで、その時点でどのような理由で拒否権を発動したかということを大統領自身が拒否権発動に際して発表と申しますか、言われたということを今後注目しなければいけないと思っている次第でございます。
○広中和歌子君 大統領選を控えて、レーガン大統領のお立場としても非常に微妙なものが今後出てくるんじゃないかと思いますけれども、外務大臣にお伺いさせていただきます。
 参議院予算委員会を聞いておりまして、自民党の側からもそして野党の一部からもいろいろ質問があったわけでございますが、林委員の質問に対しまして、例えば農林大臣は牛肉、オレンジ輸入自由化は絶対に許しませんというようなことをきっぱりとおっしゃられた。一方、通産大臣はアメリカの保護主義的傾向に対して断固闘うと、そういうふうにおっしゃるわけでございます。それぞれの大臣のお気持ちとしては正しい、本当にそのとおりのお気持ちだろうと思うのでございますけれども、一つの内閣として、政府として見ますと、一方では輸入自由化は反対、一方では保護主義反対ということで矛盾が存在するような気がするのでございますけれども、外務大臣はどういうふうにこれをとらえていらっしゃいますか。
○国務大臣(宇野宗佑君) 一つの内閣の中におきましてはやはりガットの存在を尊重しておるということ、また自由貿易体制、こうしたことが我が国にとりましても大変利益を及ぼしてくれる、この認識は変わりません。したがいまして、やはり多国間においていろいろ議論すべきだという主張を持っておるわけです。
 しかしながら事農産物に関しますと、ECにおきましては輸出補助金というものがある。これを廃止しなさいと言ってもなかなか廃止しないですね。そういうような関係があったりあるいはアメリカにおきましても牛肉輸入に関しましては一つの保護措置をとっておる、まだ発動されておりませんが。そういういろんな矛盾がありますから、だから二国間の問題は二国間で処理すべきであろうけれども、私たちは常にガットの立場に立つが、アメリカとてもあるいはECとてもガットの立場でやはり守っておるところもあるし、それによって違反しておるところも多々あるじゃないか、そういうようなことがそれぞれの立場において強調されておる、こういうふうにお考えになったらいかがであろうか。
 だから外務省といたしましては、常に農産物に関しましても今後はウルグアイ・ラウンドにおきまして市場メカニズムが非常に働くように考えていきましょうというので、これは輸出の問題に関しましても輸入の問題に関しましても、特に主要農産物に関しては制限あるべしというふうなこともはっきり書いてやっておるわけでございます。そんなことでございますから、それぞれ守っておるポジションにおいて今大きくとらえたところは一つでございますが、余りにもアメリカさんもう得手勝手なことを言いなさんなよということがそれぞれの大臣の発言になっておると、こういうふうにお考え賜れば結構だと思います。
○広中和歌子君 次に、宇野外務大臣、連休中に中国を御訪問になるということでございますけれども、この訪問の目的についてお伺いいたします。
○国務大臣(宇野宗佑君) 我が国の外交の足場は西側であり、またアジア・太平洋諸国の一員だということで私たちは進んでおりますし、特に中国に対しましても大切な隣国である。たとえそれが社会主義という私たちとはおよそ体制が違う国家でございましても、お互いが今日まで平和友好条約、そうしたものを通じまして理解を深めてまいったわけであります。
 ちょうど十年でございますから条約の期限が参りました。しかし、これはさらに、私から言うならば日中平和友好条約の精神の中には悠久の歴史というふうな考え方でお互いが親善を図ろうということになっておりますし、同時に共同コミュニケとかあるいは四原則がございます。こうしたことをお互いに再確認をして、ちょうどめぐり来た日中友好十周年を記念しようではないか。そのために先日全人代が新しく体制を組まれました。だからそうした新体制に対しましても慶賀の意を表し、お互いの親睦をさらに深めようと、そういう大きな目的で参ります。
 もちろん中にはいろいろと問題もございましょうが、外相会談におきましてはそうした一つ一つの問題を努力を傾けて双方で解決をし、また我が方といたしましては、やはり中国の近代化、これに大いに反映をしていただくために御協力申し上げましょうという幾つかの準備をしてまいるということでございます。
○広中和歌子君 当然中国としては経済交流ということをもっと盛んにというような提案が出てくるんじゃないかと思いますけれども、対中国に対するココム規制が、ココム問題というのが非常に問題になっている中で、これについてはどのような動きがあるのでございましょうか。また、外務大臣御自身のお考えもお伺いしたいと思います。
○国務大臣(宇野宗佑君) かつてはチンコムというやつもあったのでございますが、これはココムということでその中に一応一つになっておりま
す。そうして中国と他の共産国との間には相当やはりココムとは申せ、開きがあるわけでございます。
 一つの品物を額で申し上げましても、中国においては一億というような大きなものが認められておりますが、しかしながら他国におきましては何十万円と、それに匹敵するもの何十万円と、こういうふうな差もつけてそうしてやっておるわけでございます。また、その違反の場合のペナルティーに関しましても、中国側は相当他の共産国とは違うというふうになっております。これは参加十六カ国のお互いの紳士協定ということもございますから常に十六カ国といろいろと協議をするわけでございますが、日本といたしましては、隣国のことでございますから絶えず緩和するように努力してまいった次第でございます。
 ついこの間のやつは、東芝によりましてココムの規制を非常に厳しく私たちもいたしました。それ以前の話でございますから、そういう経緯も中国には十分お話ししてございます。しかしながら中国としては、この間伊東総務会長がお行きになったときにやはり懸念を表明しておられます。
 中国もせっかくこれから開放特区等々を通じて大いに経済活動をしたいときである、だからもっとそうした面においても日本の考慮を我々としては要請したいと、こういうような気持ちも伝わってきておりますから、恐らく私と外相会談、あるいは副首相との会談におきましてもそういうような具体的な問題も私出るだろう、出てしかるべきだと、これぐらいの気持ちで参って、いろいろとお話を聞いてみようと思うのです。そして、やはり隣のことは隣のことでございますから、さらに努力することは私は努力をしていきたい、そうしたことをこの間記者会見におきましても申し上げておる次第であります。
○広中和歌子君 ココムに抵触しない品物でありましても、対共産圏への輸出というのはココム事件以後非常に滞っているということを聞くわけで、その結果として輸出の総額も減っているということを、少なくとも数量においては減っているということを聞くわけでございますけれども、そういう点で、これからのことだと思いますけれども、通産省としては非常にアメリカへの配慮があるわけですが、外務省としてはどういう形で今後その調整を図っていらっしゃるのか。同時にアメリカとの同意も必要なわけでございますね。
○国務大臣(宇野宗佑君) ココム問題は主として通産省が所管としてやっておられますし、非常にその点は外務省、通産省、常に連絡をしていろいろといたしておりますから、したがいまして、今後も同じような気持ちで、外務省は厳しく通産省は優しいというものではない。だから、この間は直接ああいうようなココム違反の問題も厳しく通産省は出ました。これは経緯によって、やはり国内法で自主的にみずからの輸出を管理しておるわけでございますから当然の措置である。そういうことに対しましても、やはり日中友好親善にひびが入らぬように外務省は努めていたというような経緯でございます。今後もそういうことで両者手を結んでこの問題に対処していきたい、かように思っております。
○広中和歌子君 これは新聞などの報道で聞いたわけでございますけれども、もしかしたら北朝鮮のことが話題になるというようなことでございますけれども、そういう意図はございますんでしょうか。
○国務大臣(宇野宗佑君) こちらの側からどういうふうなことを申し上げるか。やはり大きな国同士でございますから、単は二国間だけの問題ではなくして、ひとつ地球儀を前に置いて、特にアジアを前に置いての話ということも私はこれは大切な話だと、こういうふうに思いますから、したがいまして、ソウル・オリンピックも、中国も参加されてこの成功を私たちは心からお祈りする、北朝鮮もどうなんでしょうかね、最後まで門戸を開いておくとオリンピックの方のサマランチ会長は言っておるし、また盧泰愚大統領もそういうような気持ちを持っていらっしゃるがどうでしょうかねというような話も、あるいはそういう中に当然出てくるかもしれません。それはそれとしての問題として、我が国は北朝鮮並びに朝鮮半島、やはり緊張緩和してほしいと思いますからそういう話になっていくだろうと思います。
 なおココムの問題は、先ほどちょっと私も一部触れておいたんですが、現在ココムの方は外務省の北村外審というのが主任としてココム本部へその都度参っておるというのが我が国の対応でございます。
○広中和歌子君 中国と北朝鮮の関係なんでございますけれども、どのように外務省としては把握していらっしゃるのか。
○国務大臣(宇野宗佑君) ソ連と北朝鮮、中国と北朝鮮というふうに、例えば比較論はどうかと思いますが、そういうふうに時々比較論がよく話題になります。そうした考え方から申し上げますと、やはり中国の方が北朝鮮と親しいと見てよいのではないかと、かように思います。
○広中和歌子君 今度のテロ事件などもきっかけといたしましてかなり北朝鮮というのは孤立したような状況にあるし、またオリンピックにもほかの共産圏の国々が参加しているにもかかわらず北朝鮮が参加していない。そういうようなことに関しましては、外務省としてはどういうふうにお考えなのか。北朝鮮が参加することが望まれるというふうな形で積極的にそのために協力していこうというおつもりなのかどうか。そして、今回の中国訪問もそういうことも含んだものであるのかどうかもお伺いいたします。
○国務大臣(宇野宗佑君) 肝心の主催国である韓国が一日前まで門を開いておきましょう、こういうふうな気持ちでおられることはやはり日本としても大切にしたいと、かように思っております。といって、いつも言うんですが、主催国が韓国でございますから、頼まれもせぬのにこちらが余りしゃしゃり出るというふうなことも考えておかなくちゃならないというふうなことでございます。
 その間に大韓航空機事件という重大な事件があった。これが相当韓国の国民の方々の感情を刺激したことも事実であります。そうしたことを今後韓国の為政者もどういうふうにお考えになるのか。また北朝鮮もそうしたことに対して、今なおかつ私たちはソウル・オリンピックの本当に成功を祈っておるわけでございますから、もちろん北朝鮮においてもそのようなテロ行為に出られるとか妨害するとか、そういうことはないと信じながらそのことを期待しておるというのが私たちの気持ちです。だからもし中国でそういうお話が出たら、今申し上げたような気持ちを中国のお方にも伝えるということになるでしょうね。
○広中和歌子君 大国日本としてさまざまな形で世界に貢献する、そしてまたリーダーシップを発揮するということが期待されているわけでございますので、外務大臣も余り御遠慮なさらずに、ぜひいろいろな方面でリーダーシップを発揮していただきたいわけですけれども。
 北朝鮮はここでちょっとさておきまして、オリンピックにはテロはつきものでございますんですが、そういう中で、テロ防止に対し韓国、また中国などと一体となってテロ防止のために何か一貫した行動を起こすかどうか。そういう案はございますか。
○国務大臣(宇野宗佑君) これはこの間日韓外相会談でもお互いに提案し、お互いに確認し、帰ってまいった次第でございますが、当然ソウル・オリンピックのためには、日本も多くの選手団の通過地である、こういうふうに考えました場合に、いやしくもそういうようなテロ行為が日本の無責任あるいは日本の油断から、手落ちから起こったというようなことがあったら大変でございます。韓国もそのようにおっしゃっておられます。
 したがいまして、日韓は当然その間において連絡をとって安全対策を説ずべきである、こういうことで、先ほどもお答えいたしましたが、藤田アジア局長をチーフとしまして昨日からその具体的な案を両国代表相寄って協議をしておるという段階であります。
○広中和歌子君 じゃ、協議の段階であればまだ具体的には内容はお聞かせいただけないわけですか。または、手の内をさらしては困るような種類のものなんでしょうか。
○政府委員(藤田公郎君) まさに委員がおっしゃいましたように、内容を明かさないことが一番テロ抑止のためになるんじゃないかというふうに思います。
○委員長(森山眞弓君) 広中和歌子君、時間でございます。
○広中和歌子君 もう一つ。韓国の総選挙の結果についてコメントをいただければありがたいと思います。
 特に金大中氏が野党の中では第一党になられたわけでございますけれども、非常に発言力が強まるというふうな見方もされているわけですが、そういう中におきまして、日本と金大中氏の関係も含めまして、今後の韓国との対応についてお伺いいたします。
○国務大臣(宇野宗佑君) 昨年の大統領選挙以来、韓国側も懸命になって民主化を図っておられるということは、我々のみならず世界が評価しておるところでございます。そして、国会議員の選挙、一院制でございますが、その選挙が行われた。国民がこれに関心を示されたということは、私たちとしては民主化のため非常によい経路をたどっていらっしゃると、こう思います。
 ただ、どういうことが勝因でどういうことが敗因だったかとかいうふうなことはまだ私たちも明らかにしておりませんし、またきょうもいろんな方々とお話ししておるんですが、私の立場からは外国の選挙の内容に関し、また結果に関し、余り他国のことをコメントすべき立場ではない。やはり韓国国民の意思が働いたということでございますから、その後は各政党がその意思に応じてどのように活躍なさるか、それぞれ与党、野党ともに活躍なさるであろうということが私たちの考えでありまして、具体的にはこうだああだということはコメントを避けたいと思います。
○吉岡吉典君 在外公館に勤務する外務公務員の子女が海外で教育を受けるという場合に、日本人学校をつくって日本の教育をやるということになるというわけですが、世界じゅうどの国でも日本が学校をつくって日本の考えに沿った教育をやるということが自由に保証されているのか、あるいは外国の気に入らない部分の教育内容については制約でもあるというようなこともあるのかないのか、まずお伺いします。
○政府委員(黒河内久美君) 日本人学校の設立につきまして、諸外国政府の取り扱いというのは一様ではございませんで、そのために学校のステータスそのものも国によって対応を異にするわけでございますが、これまで私の承知している限り設立が全く認められなかったということはないのではないかと思っております。
 ただ、教育の中身につきましては、基本的に我が方の教育内容について制約が加えられたということは承知いたしておりませんけれども、諸外国の言葉あるいは諸外国の歴史についても教えるようにというような制限が、制限と申しますか、そういった要請が寄せられたというケースはかなりございます。
○吉岡吉典君 反対に、在日外国人子弟の教育の場合に、外国が日本で学校をつくりたいという場合、その学校建設及び教育内容、その内容は日本から見れば気に食わないことがあるいはあり得たとしても、それは自由に保障するのかどうなのか、その点をお伺いします。
○説明員(黒川征君) 現在外国人学校におきましては、主として各種学校ということで都道府県知事の認可を受けているところでございます。したがいまして、その設置の基準でございますとかそういったものにつきましては、ほかの各種学校と同様の取り扱いがなされているところでございます。
 そこで、具体的な基準につきましては、各種学校規程という文部省令でございますが、これにのっとって行われているところでございます。その中身としましては、修業年限でございますとか、授業時数、それから生徒数、教員数、校舎等の基準といったものが定められているわけでございますから、それに従いまして設置の準備をしていただきまして、都道府県知事の認可を受けるということになるわけでございますが、教育の内容につきましては特段の制限は持っておりません。
○吉岡吉典君 これは在外公館の活動の一つですけれども、大臣、私自身十年ほど前、当時秘書として共産党の議員とアメリカへ行ったときの出来事ですけれども、ある領事館の人がかなり詳しく私らの行動日程について尋ねられて、その際にあなた方の行動日程は全部領事館からワシントンにある大使館とそれから本省とアメリカ国務省と、三カ所に同時に報告が集中する仕組みになっていますという話でしてね。
 これは普通そういう仕組みなのか、共産党がアメリカにあらわれたからというので特別アメリカ国務省から注文が出てそういうことになったのか、またアメリカのみならず諸外国でもそういうふうに報告をなさる仕組みになっているのか、十年余り前ですけれどもいささか疑問を持ったことがありますので、ちょうど公館のことが問題になりましたので、どういうことになっておるのかちょっとお伺いしておきたいんです。
○政府委員(藤井宏昭君) 在外の総領事館あるいは領事館は独立して外務大臣に対して報告を行います。したがいまして、在米公館、総領事館といたしましても、在米大使を通じて外務大臣に報告を行うということはございません。もちろん状況によりまして外務大臣に対する報告を同時に参考のためにワシントンの在米大使に送付することはあり得ます。
 ただ、ただいま委員御指摘の国務省というのは私寡聞にして聞いたことがございませんで、我が在外が国務省に報告を行うということは、もちろんワシントン大使館が国務省と一般的な意見交換を行うということは十分あるわけでございますけれども、総領事館あるいは領事館が国務省に対して逐一報告を行うということは聞いたことがございませんし、そういうことはないというふうに思っております。
○吉岡吉典君 これは特別枠だったかもしれませんね、直接これは私自身が聞いた話ですから。それはそれだけです。
 きょう少し大臣にお伺いしたいのは、奥野国土庁長官の発言が国際的な問題になっているということに関連してですが、今度の奥野国土庁長官の発言だけでなく、これまで教科書問題あるいは靖国神社参拝問題、日本と中国あるいは朝鮮との歴史的な関係をめぐる発言等々がしばしば国際問題になってきました。数年前の藤尾元文相発言もありましたし、それからこれは直接歴史とかかわるということかどうかあれですけれども、中曽根首相のいわゆる人種差別発言が大問題になったことがあります。それにまた今度奥野国土庁長官の発言がさまざまの批判を受けている。
 こういう事件がしばしば、ある意味では絶えず起こっているということはどういうわけでかということを我々はこの際考えてみる必要があるんじゃないかと思います。こういうことが起こる根本には、やはり日本の歴史認識が世界の歴史認識と食い違っている。戦後四十数年たった国際的な歴史認識の到達点と日本の歴史認識が非常に大きくずれているということを示すものじゃないかという気がいたしますけれども、大臣どのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(宇野宗佑君) 恐らく戦前の日本のいわゆる軍国主義時代、さらにさかのぼって日本が近代国家にはなったけれども、いろんなことを通じて領有をしていったというふうな経緯等々に関する御質問だろうと、私こういうふうに解釈したんですが、その当時といえども、やはり我々といたしましては、過去の歴史に対しては反省をしなくちゃならぬということは常々私たちは思っております。
 いろんな御意見があることは国民によってそれぞれございましょうけれども、やはり韓国の問題
も中国の問題も、我々から考えると反省すべき歴史が多いと、こういうふうに認識しておかなければならないんじゃないかと、こういうふうに思っております。
○吉岡吉典君 そういう状況がある時期、各論的に少し後でお尋ねしますけれども、きょうの新聞報道によりますと、自民党の有志が会合を開いて奥野発言を断固支持するということで、政府・与党にも申し入れがあったということで、私はいささか驚きましたけれども、こういう動きについては大臣いかがですか。
○国務大臣(宇野宗佑君) どういうお方がお集まりになったか、まだ具体的には私聞いておりませんが、多分いろいろと若い方が多いんじゃないかと思います。
 そういう若い方が本当に、過去の日本の歩んできた歴史の暗い部分もありますし、また明るい部分もありますが、そうしたことをいろいろと分析して認識してお話なさっておるのかどうかということに関しましては、私はかねてよりそうした若い方々の知り合っている人にはもう少しく歴史を勉強しろよと言うたことはあります。
○吉岡吉典君 若い方の勉強不足ということもあるかもしれませんが、私は端的に言って、今の日本の状況、さっきも触れましたけれども、戦後四十数年たった今日の日本の状況と世界の流れとの食い違いがあるというのを強く感ずるわけです。というのは、端的に言いまして、例えばヨーロッパでは今なおナチの追及が続いておる。ところが、日本ではA級戦犯が靖国神社に祭られて、そこへ閣僚も参拝するという状況ですね。この違いというのは国際的に見たら非常に大きい違いだと思います。
 私はよく思い出すんですが、今回も奥野発言をめぐって思い出して読み直してみましたけど、八六年十一月号の雑誌「世界」にシュミット西ドイツ前首相が「友人を持たない日本」と題する論文を発表されて、その中でこう書いておられるんですね。「日本は経済力は強大になったが、西独が第二次大戦についてつっ込んだ自己検証を行い、非を認めたのにたいし、日本はそれをしなかったためにアジアに大きな不信感をよんでいる。日本はアジアにもヨーロッパにも友人、同盟者を持たない」と、こういうことを書いています。これを読んで私は、やはり第二次世界大戦についての反省ということのこの比較、この比較が今日本の状況では、ナチの追及と、A級戦犯が靖国神社に祭られているそこへの参拝が絶えず国際的な問題にもなる、そういう比較の生まれてくるその根本問題にこういう認識があるんじゃないかという気がいたしますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(宇野宗佑君) シュミットさんの今のを私まだ読んでおらないのでありますが、ドイツと日本においては歴史も民族性も多々違う面これあると思います。しかし、戦争ということに関しましては、それぞれ敗戦国とはいえ反省をしなくちゃならない、私はさように思います。
○吉岡吉典君 具体的な問題ですが、中国に対しては中曽根前首相も、侵略の事実もあったという言葉ででありますが、大きく言えば日本が中国に侵略したということをお認めになったと思います。大臣はどういう認識ですか。
○国務大臣(宇野宗佑君) 中国に対しては日本の侵略があったという厳しい国際的な批判があります。当然私たちはこの批判を重大な批判であるとして認識しておかなければならぬ。これが私の今日の政府としての立場であります。
○吉岡吉典君 朝鮮に対する認識が絶えず問題になりますので、この際お伺いしておきたいと思いますが、保護条約から朝鮮併合条約、これらの条約というのはどういう評価をなさっているかということをまずお伺いします。
○国務大臣(宇野宗佑君) 日韓基本関係条約が締結されました。そのとき、これが問題になりました。当然三十六年間の領有というものは遺憾な出来事であると私は考えておりますし、御承知のとおり創氏改名ということまでやったのでございます。私は、異民族が異民族を統治するということはこれは悪いことである、こうやってはっきり割り切っております。したがいまして、私たちの先人のやったことではございますが、保護条約、続いて併合条約、この条約に関しましては日韓基本関係条約におきましても既にして無効である、こういうふうに書かれておりますし、さらにその共同声明におきましては明らかに遺憾であり、また反省すべき問題である、こういうふうに書かれておりますから、その認識に今日私は変わりはございません。
○吉岡吉典君 併合条約が無効だということはこれはもう自明のことですけれども、併合条約そのものがどういう認識で我々が評価するかということがその後の一連の発言での日韓の問題になっているわけですね。例えば藤尾発言のときには併合は朝鮮側にも責任があったんだということで大問題になったわけですね。この点が日韓基本条約を結ぶ場合にきちっとされなかったところにその後のこういう問題が起こる原因が残っていると私は思います。
 佐藤総理は、当時この日韓条約について、対等の立場でまた自由意思で条約が締結されたと思っていると、こうおっしゃっております。保護条約から朝鮮併合条約に至る時期、この時期の出来事というものは戦後四十年間にいろいろな資料も公表されてそういう対等の立場で自由意思で結ばれた条約などと言い得るものでないということは非常に明確になっているわけですが、今なお一九六五年の日韓特別国会で答弁があった、こういう対等の立場で自由意思で結ばれた条約だという認識なのかどうなのか、この点をきちっとすることは朝鮮問題の発言がしばしば国際問題になるというようなことが起こらないようにきちっとする上でも重要だと思いますので、見解をお伺いします。
○国務大臣(宇野宗佑君) そのときの最高責任者がどういうお気持ちであったか、今の言葉であろうと思いますが、我々といたしましては無効であるということは明らかにされておりますし、なおかつ共同声明で日本が朝鮮半島に三十六年間いていた事実、歴史、いろんな出来事、そうしたことは遺憾であり反省すべきである、こういうふうに言っておるわけですから、やはりこの共同声明というものを尊重して今日に来って、日韓間は現在もうまくいっておる、こういうふうに私たちは理解いたしております。
○吉岡吉典君 そのうまくいっているというのが表面のことであって……
○国務大臣(宇野宗佑君) いや、うまくというのは、私ときどき関西弁が出てまいりますからお許し願いたいと思いますが、非常によい良好な関係を結んでおるということでございます。
○吉岡吉典君 そうおっしゃいますけれども、本当に韓国の国民も含めてそうなっていないところにいろいろ日本側の発言をめぐっての問題があるわけですね。対等の立場で自由意思でこの条約が締結されたということを日本政府が残したまま、こういう考え方ではまずいということをきちっとしない限り本当の意味での日本と韓国あるいは朝鮮との関係というものは成り立たないと私は思います。
 これは何も新しい資料だけでなく、発表された資料でわかりますから、私ここで中身を論争しようと思いませんが、例えば私もちょっと朝鮮史をつついたことがあるんですけれども、一九〇五年の保護条約を結んだときの状況などというものは、大臣が逃げ出さないように日本の軍隊を配置して監視させておく、また反対派が印鑑持って逃げ出すと調印ができなくなるので、日本の側が国璽、国家の印章をちゃんと確保しておいてそして調印させたというようなことも記録の上でも明確になっているわけでして、そういう過程を経て結んだ保護条約から併合条約を自由な意思で対等の立場で結んだ条約だというようなことは、やはり戦後四十年間に発表された諸資料に基づいてきちっと訂正しておく必要があると思います。日朝関係というものを正す上でやはり我々はそういうまずい歴史というものはきちっとしなくちゃならない。
 そういう点で私、大臣お読みになったかどうかお伺いしたいんですが、最近、角田房子さんの「閔妃暗殺」という本が出て大変話題になっております。お読みになりましたか。
○国務大臣(宇野宗佑君) きのうも私の先輩が、おいひとつ参考になるから読めとおっしゃいましたが、まだ実は時間がなくして読んでおりません。
○吉岡吉典君 私は、こういう事件も、何も外務省が見解を出せという意味で言うわけじゃありませんけれども、日本と朝鮮の歴史を考える場合に、この事件というのは日本の公使が計画を立て、これの指揮のもとに日本の軍隊、巡査等々が韓国の王宮になだれ込んで王妃を殺した、そういう事件が、例えばこれは明治二十八年ですけれども、起きている。これは韓国民は一人も今でも忘れないというのでこういう本も出ているわけですね。
 私は、この問題を取り上げましたのは、六五年の韓国会のときに外務省の名前の文書が出ているんですね、この事件について。この事件の文書を私読み直しまして驚いたんですけれども、外務省の見解というのは、韓国内の親露派と親日派の争いに日本人が一部巻き込まれたものだという趣旨の文書が出ていますね。私はこういう感覚ではこれはもう絶対に日本と朝鮮、韓国の関係というのはうまくいかないと思います。この事件の中身を細かくここで問題にしようというわけではありませんけれども、非常に詳しく出されていますので、大臣にもお読みになっていただきたいと思います。と同時に、そういう六五年の外務省の文書もありますので、一言外務省の今日の時点での見解をお伺いしておきたいと思います。
○政府委員(藤田公郎君) 私もただいま委員御指摘の角田さんの著書は拝読させていただきました。この事什につきましての考え方ということでございますけれども、これは先ほど外務大臣の御答弁にございました、過去において我が国が韓国の国民に多大の苦痛と損害を与えたことを深く自覚し、このようなことを二度と繰り返してはならないとの反省と決意の上に立って基本条約を結んだという御発言に含まれておりますし、そういう認識で一致をいたしております。
 それから、外務省が一九六五年の時点で出した資料についての現段階での立場いかんという御質問でございますけれども、この御指摘の事件につきましてはその著書、角田女史の御本の中にもいろいろな資料が引用されておりますし、委員もそれを踏まえての御質問かと存じますが、政府としましても関係資料を公開している状況にございますし、このような歴史上の問題については今後の各方面の学術的な研究が行われ、私どもも含めましての政府関係者としましては、このような学術的な研究等を踏まえながら認識を深めていくべき問題かというふうに存じております。
○吉岡吉典君 ついでですから、私はこの事件自体でもこんな一冊の本も出ていますし、それから私、二十数年前国会図書館でずっとこれを調べた時期には、憲政資料室にまだ未整理のままこうりに入ったいろいろなこれに関連する資料もありますから、その資料の一つを角田さんはこの中で引用しながら、ここから先は私はよう書けない、書けないことが書いてある。それは要するに、王妃を殺害して死体を辱めて石油をかけて焼き払ってしまっちゃった、そういう現物もありますよ、国会図書館には。ですから、僕はそういう事実を踏まえてみると、六五年ですけど外務省のこういう文書というのは、これはもう表面幾ら日朝がうまくいっていると言っても本当の関係にはならないと思います。
 私、なぜこういうことを言うかというと、おとといの委員会で大臣、経済大国が軍事大国にならないという発言がありました。日本が軍事大国になっているかなっていないかということはこれは大臣とまたそれ自体として論議しなくちゃならない問題もありますが、私がここで言いたいのは、経済大国が軍事大国にならないというだけでは諸外国の不安は消えないということなんですね。
 一九八二年に日本の教科書問題がでかい問題になったときに、韓国の新聞でいろいろなキャンペーンがやられました。私はそのキャンペーンを見て非常に重要なことだと思いましたのは、こういう三点の不安を述べておりました。日本が専守防衛である限り我々は何も言わない。しかし八一年の日米共同声明で専守防衛を乗り出して領域外防衛にまで乗り出したから、我が国には不安が生まれる。二番目には、自民党が憲法を改正して海外派兵が可能な憲法にしようとしていることに不安を覚える。その次は、教科書の改正によって日本が過去の侵略を肯定し出した。だから、ここで我々の不安は募るんだ。つまり歴史認識それ自体が不安のもとになるということですね。
 そういう点で私は何も奥野発言だけが今特殊な発言じゃなしに、大臣も、勉強をよくしていない若い諸君の中にそういう認識があるかもしれないということがありましたが、これは若い人だけじゃなくて、やはり戦後政治の総決算以来の前中曽根内閣以来打ち出されていた考え方に私はそういう根本があると思います。
 韓国の対日広報雑誌でアジア公論というのがありますけれども、こういう韓国の広報雑誌に載った論文の中でさえも、日本人の認識というのは戦前のままの認識が今も続いているんだということを言い、韓国との友好を主張するいわゆる親韓勢力というのも過去の侵略については全部肯定論者であり、反共という点で一致しているだけだと、そういう論文もあります。私はこの際、世界の経済大国になったこの日本が世界で、とりわけアジアで正しくその役割を果たす上ではそういう過去の認識をきちっとすることの重要性を強調して、大臣の意見をもう一度お伺いして、この問題を終わって次に進みたいと思います。
○国務大臣(宇野宗佑君) 確かにおっしゃるように、認識が違うところが相当あると思います。したがいまして、それを埋めることが現在の私たちの仕事であると思います。特に子孫にやはりそうした累をお互いが残してはいけません。さような意味で第六共和国の外務大臣とお出会いしましたときに、韓国の方から五年間八千名、ひとつ教員、教授を中心とした交流を図りたい、日本から四千、韓国から四千。私は非常にいい話だと思ってお引き受けしたのであります。すなわち隣の国とはいえ、宗教もまた哲学も、あるいは生活様式も違うかもしれませんが、重大な過去のそうした歴史に認識の差があってはいけませんから、やはりそうしたことをお互いが知り合うということが大切であろう、かように思いまして近く具体化していきたいと考えておりまするが、本当の親善を図るためにはそうしたことが一番大切なことであると、私もさように思います。
○吉岡吉典君 認識の一致の前提になるのは、日本がこれはもう否定できない明白な侵略をやったんだということの反省がなければならないと思いますが、それはそれだけにします。
 次の問題ですけれども、最近日本側からあるいはアメリカ側からも日本の責任分担ということが強調されています。最近もマンスフィールド駐日大使が、参議院の加藤外交調査会での発言の中でも日本に責任分担を求めるということが強調されており、竹下総理の世界に貢献する日本というのも日本が世界で責任を果たしていこうということのあらわれだと思いますけれども、一体この日本の責任分担というのはだれに対してどういう責任をとるということなのか、まずはっきりしていただきたいと思います。
○国務大臣(宇野宗佑君) 私たちの基本的な考え方といたしましては、世界に開かれた日本、これにおきましてもやはり私たちは経済大国としても責任を負わなくちゃなりません。また世界に貢献する日本、この面におきましては特に私はやはり貢献しなくちゃなりません。そうした中においても我々ができないことがある。それはあくまでも軍事的な協力による貢献ということはできないのである、これだけははっきりしておくというふうに常に申し上げておるわけでございます。
 したがいまして、よくペルシャ湾のことも話題
にのりますが、あのときにもペルシャ湾におきまして私たちは非軍事的協力をいたしますと、こういうふうに明らかにいたしておりますから、したがいまして、今のような我々がお互いにその責任を分担しようという面におきましても、あくまでも私たちは非軍事的面における我々としての尽くし得る分野の貢献であると、こういうふうにお考え賜ればいいと思います。
○吉岡吉典君 世界に貢献する日本の責任と同時に、よく言われるのは同盟国の一員にふさわしい責任分担ということが言われますが、それはどうなるんですか。
○国務大臣(宇野宗佑君) やはりそうした今申し上げましたような面において、私たちはお互いに責任を分担しなければならない面は分担しましょうと、ただし日本には軍事的な分担は非常に難しゅうございますよと、現に安保条約がございますが、これに対して日本は区域並びに施設は出すという責任は負っておりますけれども、しかしながらお互いに安保条約の効率的な運用に関する責任は有しておりますけれども、やはりそれにも限度がございます。あくまでも日本の自主的な判断と節度ある防衛という一つの責任もございます。こういうふうに言っておるわけであります。
○吉岡吉典君 軍事的責任分担は一切やらないと、そういうことですか。
○国務大臣(宇野宗佑君) 日米安保条約という一つの大きな枠、体制、そうした中においては私たちは日本の明らかにすべき分担はしなくちゃならぬ、そのことはすべて条約で明らかになっておる次第であります。
○吉岡吉典君 近く開かれる日米安保事務協議、そこで経済援助問題も取り上げられるという報道がありましたけれども、これは事実ですか。
○政府委員(有馬龍夫君) まだ議題は決まっておりませんで、そのようなことが取り上げられるかどうかわかっておりません。
○吉岡吉典君 これはどなたかわかるお方がおいでになったら答えていただきたいんですけれども、ペンタゴンで最近国防副長官を責任者とする委員会が設置された、それは同盟国、特に日本やNATOとの防衛分担の範囲を確定する特別委員会がつくられたと、そういう話を聞きましたけれども、これは事実か、またどういうことをやる委員会なのか、おわかりになる方があったら。
○政府委員(有馬龍夫君) そのような委員会が国防省に設置されたことは私ども承知いたしております。
 ただ、先ほども大臣が申されたように、米側のこの委員会においての対日関心というのは、あくまでも日米安保条約を効果的に運用するに当たって日本側がどれだけの貢献をしてくれているかということに尽きます。したがいまして、NATOとの間というようなことはございません。
○吉岡吉典君 御承知でしたら正式な名称、それからどういう仕事をやる委員会なのか、それからどういう構成で行われるか教えていただきたい。
○政府委員(有馬龍夫君) 私、英語の正式名称を今手元に資料を持っておりませんので、後ほど資料を入手して御説明いたします。
○吉岡吉典君 それじゃそれは後から教えていただくとして、私が聞いているところでは膨大な財政赤字に悩むアメリカが国防費の削減が避けられない状況下、これをいかにして同盟国、特に日本などに分担させるかということを研究する委員会だというように聞いています。
 しかも私が聞いたところでは、去年アメリカ議会では日本の防衛費はGNPの三%にしようということが議会で決議されており、その三%の決議というものをどういうふうにして日本に分担させるかという上でアメリカ側では純粋の軍事費、防衛費はGNPの二%にしてあとの一%をODAをふやすということで、このアメリカ議会で決議された三%を実行させようというようなことも論議になり、そういうアメリカの意向というのは日本にも伝えられているというふうに聞いていますけれども、伝わってきていますか。
○政府委員(有馬龍夫君) 米国の議会の中ではいろいろな議論がございまして、今先生がおっしゃられましたように多分これは下院であったと思いますけれども、三%云々という趣旨を盛った、これはたしか国務長官に対して日本にそのような話をするようにというような内容だったと思いますが、これは結局成立いたしておりません。成立いたしませんでした。
 いろいろな話し合いがありましてどのような形で日本に伝わっているかということでございますけれども、これは正式に向こうから申してきたというよりは、私ども米国の議会でどのような議論が行われているかということを知ろうとしている過程で承知したと、こういうことでございます。
○吉岡吉典君 議会からじゃなくて、ペンタゴンがそういう三%を二%と一%でということで日本政府に伝えているということを私は聞いているのでお伺いしたんですが、今のような答弁でした。
 いずれにせよ、私は軍事面での責任分担は日米安保条約の枠内でということですけれども、新たな日本の安保分担として経済援助という問題が登場していると、このことは否定できない事実だと思いますが、日本の経済援助というものを日本の安保分担の一部という見地で認識しておられるかどうか、これはいかがですか。
○国務大臣(宇野宗佑君) いろいろ御推測なさっておるようでございますが、決してさようではなく、私たちが世界に貢献する日本というのは世界の人々に貢献する、世界の国々に貢献する、こうしたことを念頭に置いておるわけでございまして、今想像されるような肩がわりだからそれが貢献かと、そういうようなものではないとはっきり申し上げておきます。
○吉岡吉典君 政府の答弁は今大臣お答えになったわけですが、いろいろな機関、例えば日米諮問委員会、これは八四年九月中曽根前総理に提出した報告書、これは中曽根前総理は日米首脳会談で実行するということをおっしゃっているわけですけれども、こういう中でも日本の経済援助というものを戦略的に重要な地域に対する援助を強化するということをうたっておりますし、また去年の暮れに日本の平和・安全保障研究所、アメリカのアジア・太平洋安全保障会議が提出した提言等でも大体日本の安保分担というのをそういう見地で取り上げるということを重視して提案しているわけですね。
 大体日本政府の政策というのを見ますと、こういう民間の形をとった提言があって、少しおくれてそういうところへ到達していくというやり方が行われていますけれども、経済援助、これを戦略的な地域、つまりもっと端的に言えばアメリカの世界戦略に沿う方向で強めていくという、それが実態じゃないかと私は思いますけれども。
○国務大臣(宇野宗佑君) 累次申し上げておりますが、援助というのはやはり一つの大きな理念がございまして、ODAこそ援助であるというふうに世界じゅうが認識をしており、なおかつ援助というものには戦略はなし、援助というものには南北間の根底にあるところの人道上の考慮並びに相互依存、こういうことでありますから、日本はこのような理念から踏み出して今まで戦略的に援助をやったとか、そういうことは今までの過去の歴史にもございませんし、今後も私たちはそのようなことは考えません。それだけお答えいたしておきます。
○吉岡吉典君 委員長、もう一問。
○委員長(森山眞弓君) 吉岡君、時間です。
○吉岡吉典君 はい、簡単ですけれども……。
 過去も将来もないというお話ですけれども、あるんですよね。私がジャーナリストとして仕事をしていた時期のことです。これは政府の首脳が、八一年のことですけれども、アメリカからジャマイカ援助をしてくれと言ってきた。ジャマイカなんて日本国民がどこにあるかも知らない国への援助なんかできるものじゃないとおっしゃっていた。それからわずかたったらジャマイカ援助が決まった。これは私取材してよく知っているわけですね。この日本の行ってきたこれまでの援助の中にもそういうものがあるということだけは指摘し
ておきたいと思います。
○小西博行君 核防護についてまず御質問を申し上げたいと思います。
 まずプルトニウムの輸送につきましては、五十九年では船で輸送したということでありますが、今回は飛行機によって空輸するというようなことがもうほぼ決定されているように聞いているわけです。当初はアンカレジで給油をするということでいろいろ問題もあったようでありますけれども、直輸するというようなことでほぼジャンボに機種が決まったというふうにお伺いしているわけですが、それは間違いないでしょうか。
○説明員(結城章夫君) プルトニウムの航空輸送を行う場合、アメリカ政府におきましては北極を経由して発地国、すなわちイギリスまたはフランスでございますが、発地国と日本以外のいかなる国の上空も通過しない経路をノンストップで飛行することが近い将来に可能になると判断していると聞いております。我が国といたしましても、このような可能性について今確認を行っているところでございまして、この確認が得られればこのような飛行経路を最優先に検討していくことになると考えております。
 そこで、このようなノンストップ飛行が可能な航空機といたしましては、現時点では現在ボーイング社で製造が進められておりますボーイング747―400という機種の貨客型あるいは同社が今検討を進めております同型の747―400の貨物型というものが想定されるところでございますけれども、今のところまだ確定したわけではございません。
○小西博行君 大体ノンストップで一万三千キロという航程なんですね。
 私は、そこでまずお伺いしたいんですが、この飛行機で実際に運ぶプルトニウムの量ですね、これはもちろん機関によって相当違うんではないかと思うんですが、現在の段階で大体一回に運ぶプルトニウムの量、これはどのように考えておられますか。
○説明員(結城章夫君) 現在このプルトニウムの航空輸送を行うための輸送容器の開発を進めておるところでございまして、この容器がどういうふうになるか、それによって輸送容器一個当たりの収納量が変わってまいります。さらにまた機種もボーイングのジャンボ機ということが候補に挙がっておりますけれども、確定いたしておりません。したがって航空機に輸送容器が何個積めるかということもまだ未定でございます。したがいまして今一回当たりどのぐらい運べるかということもきちっとした数字が申し上げられないのが現状でございます。
○小西博行君 私の方の情報では、大体一回に二、三百キロではないかということを伺っているわけです。もちろんこういうような飛行機の選定というのはいろんな条件によって変わってくると思うんですが、日本の場合それを決めるのは一体どこなんでしょうかね。科学技術庁でそれを決めるのか、あるいは運輸省あたりで決めるのか、どうなんでしょうか。
○説明員(結城章夫君) このプルトニウムのイギリス、フランスから日本への輸送でございます。だれが行うのかということかと思いますが、当面、動力炉・核燃料開発事業団という国の機関がございますが、ここが輸送を行うというふうに考えております。したがいましてこの動力炉・核燃料開発事業団が具体的にどういう飛行機を使うか、どういうルートを通ってくるかということを今検討しているところでございます。
○小西博行君 いや機種を選定するというんでしょうかね、いろんな条件の中でそれを決めなきゃいけないでしょう。今容器というお話もございましたね。この間もそれがちょっとここで質疑されたと思うんですが、アメリカで共同研究をやっていいものをつくろうとしているわけでしょう。そういう場合にどこの省庁が責任を持ってそういうものを決定されるのかなということを聞いているんです。
○説明員(結城章夫君) 当面の輸送の実施主体は動力炉・核燃料開発事業団でございます。私どもは科学技術庁がこの動燃事業団の指導監督に当たっておりますので、役所ということであれば私どもが責任を持っておると思っております。
○小西博行君 確かに動燃だと思うんですけれども、しかし現実は初めてのケースですから、特に容器ということになりますといろんな条件があるだろうと思うんですよ。それに十分耐えなきゃいけないということになりますと、動燃だけにお任せするというんじゃなくて、基本的ないろんな実験なりその他の研究というのが当然あるんじゃないかという感じがするわけですよ。私はどこが中心になってというのはそういう意味で技術的な面でお聞きしているわけなんですがね。科学技術庁の方がタッチして間違いないということで動燃に引き渡す、こういう感じでしょうか。
○説明員(結城章夫君) 動力炉・核燃料開発事業団がいろんな技術開発を進めております。私どもはこれを指導監督しておりまして、必要な予算をつけ、事業計画を求めるという立場にございます。
○小西博行君 とにかくその辺をスムーズに間違いないような形でやっていただきたいというふうに思います。
 次は、前回は船で輸送した、これからは空輸の方にしたいと、時間的にも非常に短縮されるということで多分そういう方向になるんじゃないかと思うんですが、そのときの実際の防護であるとか監視体制、これが一番私は問題ではないかと思うんです。
 前回ではアメリカの艦船あるいは飛行機の方でいろいろ監視をしていただいた、こちらからお願いしたわけでないんだけれどもやっていただいた、こういうような答弁をずっと聞いているわけなんですが、これからどうもそういう方法だけではまずいんじゃないか。みずからの国のものを運ぶんですから、もうちょっと具体的な姿勢がなければいけないんじゃないか。日本の船、例えば保安庁の船ではどうも足が足りない、途中で燃料を補給しなきゃどうにもならないとかいろんな事情があるかもわかりません。そういう場合には、むしろ米国に対してお願いをするという体制が必要ではないか、こういうふうに思うんですが、その辺はいかがですか。
○政府委員(遠藤哲也君) 具体的なイギリスなりないしはフランスからプルトニウムが帰ってまいります場合の輸送計画、これ自身は当面動燃が作成することになるわけですけれども、しかしながらもちろん動燃が単独でこういったような輸送計画をつくれるわけではなくて、関係国との協力ということが不可欠だと思います。その関係国の中には今先生御指摘のアメリカばかりではなくて、イギリスあるいはフランス、あるいはどこかわかりませんけれども途中、仮にノンストップで来るにしても、もしもの緊急着陸等々の可能性があるわけでございますから、そういったような関係国との協力というのはもう不可欠でございまして、当然その関係国とのコンタクトにつきましては日本の政府が相当に関与していかざるを得ないし、関与すべきであろうと思っております。
○小西博行君 だから、まだ具体的にそういう計画も立てていないということでよくまだわからないということですね。これから先、これが具体的になったときにいろいろ検討してそのシステムを明確にしていくということだと思いますので、そのように理解させていただきたいと思います。
 これはあってはいけないんだけれども、もしも輸送中にいろんな事故が発生した場合に、例えば今日本にあります原子力発電というのは事故発生に対してのいろんな体制づくりというものが割合具体化しているんですよね、ぴしっと書いておりますね。そういう意味で、こういう海外から物を運んでくる危険なプルトニウムのような場合に、もし事故が発生した場合に各省庁でどういうような体制で対応していくのかなと。まあ起こらないにこしたことはないし、起こってはいけないんだけれども、そういうことがちょっと心配になるので。
 これは外務省にも関係するし、当然科学技術庁
とか運輸省、それぞれあると思うんですが、どのように理解されておられますでしょうか。
○政府委員(遠藤哲也君) まず国際輸送という観点で外務省の方から答弁させていただきまして、次に関係省庁にお願いしたいと思います。
 今、先生御指摘の事故、それからもう一つは事件。これは事故と事件と、最初は事故と思ってもそれが事件であったりする場合もあろうかと思いますので、この二つのケースが大ざっぱに言ってあろうかと思います。
 まず一般論といたしましては、こういうときには、これは核物質防護条約につきましては五条に若干触れられておりますけれども、どういうふうな状況にあるのか。つまりどういう事故が起こったのか、どこで、もしできればだれにと、こういうふうな情報の収集に努める。これは関係各国あるいは国際機関、つまりIAEAかとも思いますけれども、そういうところからの情報の収集に努めるというのが一つだろうと思います。それからもう一つは、ケース・バイ・ケースですけれども、要すればその場に人員、海上保安庁等々の派遣ということもあろうかと思います。それから、核物質でございますから非常に危ない状況に置かれるようなとき、あるいは見つけてそれを取り返してくる、回収してくるというようなときには、そういった核物質を処理する専門家の派遣、そういうことも必要かと思います。
 これが一般論でございまして、それから次に、フランスあるいはイギリスから日本へのプルトニウムの回収ということにつきましては、これは日米原子力協定の附属書の五にもありますように、万が一の緊急時計画をあらかじめつくっておくということで、この場合につきましては、いざというときにどういうふうに対処するかというのがこの緊急時計画の中でかなり明らかにされるかと思います。
 外務省としましては、以上でございます。
○小西博行君 ほかにございませんか、科学技術庁。
○説明員(結城章夫君) 若干補足させていただきますと、これからのプルトニウムの航空輸送を行う場合には、新しい日米原子力協定の実施取極附属書五に従いまして事前に関係国、これはアメリカそれから移転国及び輸送経路国でございます、その協力と支援を得まして輸送計画をつくっていくことになります。その一環としまして、緊急時の計画も作成するということになっております。
 この緊急時の計画の中で、日本政府、アメリカ政府、移転国政府、さらには経由国政府の関係当局のコンタクトポイントあるいはその責任分担等が具体化されるということになっておりまして、こういう国際的な体制のもとで万が一の緊急時にも即座に対応できるような体制を確保したいというふうに考えております。
○小西博行君 了解いたしました。
 それでは、時間がないので次の在外公館の方へ移ります。
 先ほど松前議員の方からも、最後に、外務省の方いろいろ問題はございませんか、要求はございませんかという問いに対して、ぱっと問題意識といいますか問題点が出てこなかったというのが大変私は奇異に感じました。つまり、現場でいろいろ頑張っておられる在外公館の方は大変御苦労されているんだろうと同情の気持ちで私はいっぱいであったのですけれども、どうも本省にいらっしゃる方は余り関係がないような雰囲気にまずとらえまして、恐らく在外公館の方々がもしそれを聞かれると大変残念がるんじゃないかと。
 問題点というのは我々が海外へ行った場合でもたくさん耳にしています。特に子供さんを向こうへ連れていかれて教育して、今度帰ってからどうしようかなどというのは大変な問題だろうと私は思うんです。その辺を皆さん方が代表してお答えを願うということなんですから、しかも我々としてもどちらかというたら同情的な気持ちでいるわけですから、そういう問題意識だけは十分やっぱり現地の方と連絡をとって持つべきじゃないか、これをまず私は感じたわけであります。
 それから費用については、一万八千円はもうみんなですね。それから、三万六千円がプラスアルファで四万五千円以内ということなんですけれども、これは国によって相当金額差があるのではないか。この間もいろいろ外務省の方から教えていただいたんです。先ほどもちょっと出ましたが、フランスの高等学校などというのは随分余分に費用がかかるというような具体的なことが実際にあるわけでありますから、本来ならばそういう実質的にどれだけかかるのかということでやっぱり援助をしていくということが本当じゃないかな。国によっても全くその教育条件というのは違うんじゃないでしょうか。例えば、アフリカの非常にへんぴなところなんかへ行きますと、なかなか言葉そのものも大変でしょうし、勉強するにも日本人学校はない、こういうような実態が実はたくさんあるんじゃないか。その辺をもう少し浮き彫りにしてその対策をとっていくということが私は非常に大切なことではないかな、そのように考えます。
 同時に、小学校、中学校、これは日本人学校のあるところはいいですよ。だけれども、日本人学校が全然ない国もございますし、高等学校になりますとまさに現地の高等学校へ入らなきゃいけないというのがもう大多数だと思うので、そういう問題について私は十分やっぱり対応していくべきじゃないかと。
 これは外務省の方だけではなくて、日本人の商社その他の方が向こうへ行っていらっしゃるわけですね。それらも、民間ですから企業が面倒を見ているわけですけれども、そういう意味で私はもう少し具体的な問題意識を持って、そしてここで質疑をして答えていただく、そういう形にならなきゃいけないと思うんですが、その辺全部ひっくるめまして、もう時間が参りましたから、大臣の方から御所見をお願いをして終わりたいと思うんです。
○国務大臣(宇野宗佑君) 先ほど来、各委員から在外公館のありよう、またその子女の教育、さらには待遇等々に関しまして本当にありがたいお説を拝聴して、我々といたしましてはそうしたお気持ちに対しましてもやはりおこたえしなければならない、かように存じておる次第でございます。
 確かにこれだけ大きくなった国にいたしましては本当に官僚諸公に無理をさせておるということは、もうありありとあらゆる面で我々もうかがえます。しかし、現在は財政再建だから行政改革だからというので、それぞれが少数精鋭で頑張っていてくれますが、限度があると私は思うんです。
 幸いの機会でございますから、私は一言だけつけ加えておきたいと思いますが、この間も、政務次官がマニラに参りまして、そしてフィリピンの方々が日本に対するビザ、もう大変な列をなしておる。もう午前中から、朝早くから一日平均八百名から千名だといいます。余計な話ですが、だから前の家はコーヒーショップを開いて非常にはやっておる。そこまで来てしまっておる。これは大臣、大丈夫ですか、本当にもうくたくたで、かわる人はいないし大変ですよという生々しい報告を政務次官が私にしてくれました。そうしたことを諸先生方も在外において見聞された。
 そうしたことでございますので、先ほど官房長が足腰予算に関しましても努力すると申しておるのはさようなことでございますから、本当にこうした外務委員会の諸先生方の温かいお言葉というものを十二分に私も最高責任者として胸にいたしまして今後努力いたす所存でございます。ありがとうございます。
○小西博行君 終わります。
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○委員長(森山眞弓君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 先ほど、林田悠紀夫君が委員を辞任され、その補欠として中曽根弘文君が選任されました。
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○委員長(森山眞弓君) 他に御発言もなければ、
両案件に対する質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(森山眞弓君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより両案件について討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 まず、核物質の防護に関する条約の締結について承認を求めるの件の採決を行います。
 本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。
    〔賛成者挙手〕
○委員長(森山眞弓君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。
 次に、在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
    〔賛成者挙手〕
○委員長(森山眞弓君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、両案件の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(森山眞弓君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(森山眞弓君) 次に、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定第二十四条についての特別の措置に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定を改正する議定書の締結について承認を求めるの件を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。宇野外務大臣。
○国務大臣(宇野宗佑君) ただいま議題となりました日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定第二十四条についての特別の措置に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定を改正する議定書の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。
 政府は、日米両国を取り巻く最近の経済情勢の一層の変化により、在日米軍経費が著しく圧迫されている事態にかんがみ、在日米軍従業員の安定的な雇用の維持を図り、もって在日米軍の効果的な活動を確保するため、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定第二十四条についての特別の措置に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定を改正する議定書を締結することにつき、昭和六十三年一月以来、米国政府との間で交渉を行った結果、昭和六十三年三月二日に東京において、我が方本大臣と先方アンダーソン駐日臨時代理大使との間でこの議定書に署名を行うに至った次第であります。
 この議定書は、現行の日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定第二十四条についての特別の措置に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定の第一条が、在日米軍従業員に支給される調整手当等に要する経費の我が国による負担について当該経費の二分の一に相当する金額を限度とすることと定めているところを、当該経費の全部または一部を負担することに改めることとするものであります。また、この議定書は、前記の協定が効力を存続する期間効力を有することとされております。
 この議定書の締結は、在日米軍従業員の安定的な雇用の維持及び在日米軍の効果的な活動の確保に資するものであると考えております。
 よって、ここに、この議定書の締結について御承認を求める次第であります。何とぞ、御審議の上、本件につき速やかに御承認あらんことを希望いたします。
○委員長(森山眞弓君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本件に対する質疑は後日に譲ることにいたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時四十五分散会