第112回国会 外務委員会 第10号
昭和六十三年五月二十四日(火曜日)
   午前十時二分開会
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   委員の異動
 五月十八日
    辞任         補欠選任
     田  英夫君     野末 陳平君
 五月二十日
    辞任         補欠選任
     野末 陳平君     田  英夫君
 五月二十三日
    辞任         補欠選任
     中村  哲君     小川 仁一君
 五月二十四日
    辞任         補欠選任
     林田悠紀夫君     陣内 孝雄君
     小川 仁一君     中村  哲君
     立木  洋君     吉井 英勝君
     小西 博行君     関  嘉彦君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         森山 眞弓君
    理 事
                宮澤  弘君
                最上  進君
                松前 達郎君
    委 員
                大鷹 淑子君
                倉田 寛之君
                後藤 正夫君
                嶋崎  均君
                陣内 孝雄君
                林 健太郎君
                原 文兵衛君
                小川 仁一君
                中村  哲君
                矢田部 理君
                黒柳  明君
                広中和歌子君
                吉井 英勝君
                吉岡 吉典君
                関  嘉彦君
                田  英夫君
   国務大臣
       外 務 大 臣  宇野 宗佑君
   政府委員
       科学技術庁原子
       力局長      松井  隆君
       科学技術庁原子
       力安全局長    石塚  貢君
       外務大臣官房長  藤井 宏昭君
       外務大臣官房審
       議官       福田  博君
       外務大臣官房審
       議官       遠藤 哲也君
       外務省アジア局
       長        藤田 公郎君
       外務省北米局長  有馬 龍夫君
       外務省欧亜局長  長谷川和年君
       外務省経済局長  佐藤 嘉恭君
       外務省条約局長  斉藤 邦彦君
       外務省国際連合
       局長       遠藤  實君
       資源エネルギー
       庁長官官房審議
       官        向 準一郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        木村 敬三君
   説明員
       警察庁刑事局保
       安部保安課長   平沢 勝栄君
       科学技術庁原子
       力局政策課長   石田 寛人君
       科学技術庁原子
       力局核燃料課長  結城 章夫君
       科学技術庁原子
       力安全局防災環
       境対策室長    酒井  彰君
       科学技術庁原子
       力安全局核燃料
       規制課核燃料物
       質輸送対策室長  大森 勝良君
       法務大臣官房審
       議官       米澤 慶治君
       法務省入国管理
       局入国審査課長  大久保 基君
       資源エネルギー
       庁長官官房国際
       原子力企画官   田中 伸男君
       運輸省貨物流通
       局技術課長    山田 隆二君
       運輸省航空局技
       術部運航課危険
       物輸送対策官   金子賢太郎君
   参考人
       動力炉・核燃料
       開発事業団理事
       長        林  政義君
       動力炉・核燃料
       開発事業団理事  植松 邦彦君
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  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○原子力の平和的利用に関する協力のための日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件(内閣提出、衆議院送付)
○国際情勢等に関する調査
 (第三回国際連合軍縮特別総会に関する決議の件)
○核兵器廃絶のための国際的取決めに関する請願(第一四六号外二件)
○ジュネーヴ四条約追加議定書への加入に関する請願(第五一九号外一三件)
○永世中立の宣言等に関する請願(第六九四号外四七件)
○核兵器廃絶に関する請願(第一一〇三号外一件)
○在日米軍に対する「思いやり予算」の全廃と「労務費特別協定」の廃止に関する請願(第一三五三号外一七件)
○日米新原子力協定の承認反対に関する請願(第一七六三号外一七件)
○継続審査要求に関する件
○継続調査要求に関する件
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○委員長(森山眞弓君) ただいまから外務委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、中村哲君が委員を辞任され、その補欠として小川仁一君が選任されました。
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○委員長(森山眞弓君) 原子力の平和的利用に関する協力のための日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件を議題といたします。
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○委員長(森山眞弓君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 ただいま議題となっております本件の審査のため、本日、動力炉・核燃料開発事業団理事長林政義君及び同理事植松邦彦君を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(森山眞弓君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(森山眞弓君) それでは、本件につきましてこれより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○小川仁一君 どうも外務委員会というのは座っていておやりになる慣習なそうで、座ったまま失礼をいたしますからお許し願いたいと思います。
 まず、日米原子力協定の質問に入ります前に、五月十五日から新潟市で開催されました第九回アジア卓球選手権大会について、朝鮮民主主義人民共和国選手の途中帰国問題についてお伺いしたいと思います。
 報道によりますと、今回参加していた同国の選手団は、五月十九日の歓迎会の出席がその入国目的にふさわしくないとの法務省からの警告を受け、非礼に抗議して大会途中で帰国したと報ぜられておりますが、事実とすれば非常に大きな問題をはらむのではないかと考えられます。
 今回の代表団の入国自体が、五月六日の小渕官房長官の記者会見にも述べられておりますように、朝鮮民主主義人民共和国のソウル・オリンピック参加を希望し、働きかけている我が国の高度の政治判断によって実現したもの、これは皆さん素直にお認めになるところだと思いますが、今回の法務省の措置によってこの政治的判断が怪しくなってまいりました。
 まず、今回の代表団帰国を招いた法務省の措置、それが与えるだろう政治的影響をどう判断しておやりになったかお伺いしたいと思います。
○説明員(米澤慶治君) お答えいたします。
 まず、入国を認めましたいきさつは委員御発言のとおりでございますが、なおその後の、入国の際の在日保証人でありかつ入国申請の代理人といいますか、申請代理人であります日本卓球協会との間で、入国を認めます場合に三つの条件を付してございまして、その条件との関係で今回の事柄が発生しておりますので、少し長くなりますが、その三つの条件……
○小川仁一君 余り長くしなくていいぞ。
○説明員(米澤慶治君) 三つの条件を申し上げます。
 一つは、我が国政府の国際関係及びその他の関係における立場を損なう言動を卓球団の団員等にさせないことというのが一つであります。二つ目は、日程変更に際しましては事前に当局の了承を得ること。これは入国申請に際しましてはあらかじめ日程というのを提出いたしておりますが、その日程表にない行事等が行われる場合には、あらかじめ当局に了承を得るように手続をとってもらいたいということ。それからもう一点は、卓球大会に直接関連のない、例えば朝鮮総連の主催ないしは共催する行事に参加することは認められませんと、そういうことの三点の条件を付して入国を認めたわけでございます。
 したがいまして、五月十九日の朝総連新潟県本部の共催にかかります歓迎レセプションにつきましては、日程にございませんでしたので、卓球協会からその十九日の前の日であります十八日の夕刻に日程変更の願い出がございました。しかしながら、今申し上げましたような三つの条件から考えますと、朝総連新潟県本部の共催するレセプションに参加することは到底認められないということで、あらかじめ認められない可能性が大であるということを口頭で御説明しておきまして、直ちに翌十九日の早朝から関係省庁とどういう結論を出すか正式協議をいたしまして、その結果やはりこのレセプションには参加してもらうわけにいかないという結論になりまして、日程変更は認められない旨のお答えをその日の午前中にやったわけでございます。
 しかしながら、どうしたことかわかりませんけれども、卓球協会にその旨伝えましたのに、遺憾ながら……
○小川仁一君 ちょっと委員長、答弁中ですが、私は経過を聞いているんじゃなくて、このことが与える政治的な影響をどう判断しているかという質問をしているから、的確にお答えになるように御指導願いたいと思います。
○説明員(米澤慶治君) わかりました。できるだけ短くやらせていただきます。
○小川仁一君 問題をすりかえるなということを言っているんです。
○説明員(米澤慶治君) まず、経緯はそういうことでございまして、しかしながら、我が方の日程変更を認めない旨の御連絡を無視されてレセプションに出席されておる事実がわかったものでございますから、卓球協会にその旨御連絡を申し上げましたところ、卓球協会の方で御判断なさいましてレセプションから退席させられたというふうに聞いておりまして、私どもといたしましては外交上の配慮に欠けるところはなかったと考えております。
○小川仁一君 経過を聞いているんじゃないから、聞いたことに的確に答えてくださいよ。
 この措置が、今後のソウル・オリンピック参加問題等、いろんな外交上、政治的に影響を与える措置と考えてやったのかどうかということを聞いているんです。考えていなきゃ考えていないでいいですよ。
○説明員(米澤慶治君) お答えいたします。
 まず、その条件に違背するということを伝えることは、それ自体ソウル・オリンピックへの影響とは関係ございませんで、むしろ条件遵守をしていただきたいというのは役人として当然の連絡だと思っております。
○小川仁一君 法家国を誤るなんというふうな役人の端的な例でございますな。
 しかも、御返事を出す時間というのが実に絶妙なんだよな、あなた方。ちょうどお昼の御飯食っている最中にその連絡が行くようなタイミングというのはこれどういうわけなの。断るんならさっき言ったように十八日中にぴしっと言っていればいいじゃないか。そういうことを抜きにして、こんな時間を選んで言ったという理由をはっきりしてください、この時間を選んだ理由。
○説明員(米澤慶治君) お答えいたします。
 今も経緯を少しお話ししましたように、十八日の午後六時半に卓球協会から日程変更の御申請がありまして、その席で、口頭ではありますけれども、朝総連の方々との接触は困りますということで、入国のときにつけた条件に違背するおそれがあるので多分承認できないことになりましょうけれども、正式に関係省庁と御連絡をとらなければいけませんので、改めて十九日にその答えを卓球協会に連絡いたしますということでまずその日は引き取っていただきまして、十九日早朝から関係省庁と協議をいたしまして結論が出ましたのが午前十一時近くになりましたので、午前十一時の段階で卓球協会に対しまして日程変更は認められない旨連絡し、その後の経過を見ておりましたところ、その連絡に対してこれを無視されて出席されておる事実を確認したので、やむなく卓球協会に約束は守られたいという連絡をしたわけであります。
○小川仁一君 そうしてみますと、これはきょうの新聞を見ますと、何か卓球協会に責任があって悪いように考えているけれども、朝鮮民主主義人民共和国の選手には何も落ち度がないと考えていいですか。
○説明員(米澤慶治君) まず、入国代理申請をなさいました卓球協会、かつこれが身元保証人でございますが、その卓球協会が選手団の方々とどのような連絡をお取り合いになったか私存じませんので、選手団に責任があるのかないのかと御質問を受けましても、私どもが接触いたしておりますのは卓球協会でございますので、お答えする能力がございません。
○小川仁一君 法務省というのは能力のないところなんだな、わかりました。
 それで、今回の措置なんですが、大臣に相談はしたと思うんです。当然一つの事態、しかも昼飯の途中に絶妙なタイミングで連絡をしてやったという結果がどうなるかということは、十分あなた方自身わかっておられるでしょうから、こういうことに与える影響というふうなことについての大臣の判断をお聞きになりましたか、聞いたか聞かないかだけ答えてください。
○説明員(米澤慶治君) 承っております。
○小川仁一君 そうすると、こういう事態になるということはその時点では予想しなかったですか。
○説明員(米澤慶治君) 卓球協会にその旨御連絡すれば、我々が事前にお話ししております条件を遵守されるように行動をとられるであろうと信頼して、私どもとしては警告をしたということでございます。
○小川仁一君 予想していなかった、予想していた、どっち。
○説明員(米澤慶治君) 日本卓球協会が私どもの警告を受けられてどういう措置に出られるかはこれは卓球協会の御判断でございますので、予想といいますか、このような結果になるということ自体は確実には予想できませんでした。
○小川仁一君 結果としてこうなりましたが、小渕官房長官を含め政府首脳が、一つのアジアの平和外交といいますか、いろんな問題を含めて高度な政治判断をしてやった結果とは逆の方向にこれが進んでしまった、ソウル・オリンピックに参加させるかもしれないという一つの希望的観測も打ち砕いてしまった。もしこの結果がソウル・オリンピックの不参加という状態を招いたとすれば、法務大臣、いつまでも卓球協会の責任だとは言っていられないと思いますが、その場合に対する大臣の責任問題についてのお考えを、きのう質問通告しておきましたからかわって御返事願いたい。
○説明員(米澤慶治君) まず委員に申し上げたいことは、条件を遵守しておられさえすればこの事態は避けられたわけでございますけれども、残念ながらこういう結果になったことにつきましては、大臣も、結果は残念である、せっかく入国を認めたのに条件違反をされた結果としてこういう事態が招来されたことについてはまことに残念である。ただし、大会中途で帰国の途につかれるかどうかにつきましては、むしろ卓球団の方々あるいは卓球協会の方々の御判断に係るところでありまして、その点につきましては大臣は責任がないということでございます。
○小川仁一君 今回の措置、外務省にはどこまで相談がございましたか。
○政府委員(藤田公郎君) すべて御相談にあずかっております。
○小川仁一君 報道によりますと、何かこの辺の相談はなかったみたいな感じがするんですが、外務省、終始連絡する、この日にやるというふうなことについてまで御相談ありましたか。
○政府委員(藤田公郎君) いつも御相談にあずかりながら行動いたしております。
○小川仁一君 何か今回の法務省のやり方に、これは報道によりますと、閣内にさえ素朴にやっている者に注意する必要がないと思うというような言い方もありましたし、人を招いたときには食事に招待することもあり得ること、ましてこれは訪朝友の会が主催で確かに朝鮮総連も共催に入っていますが、新潟市長も出席、国会議員も出席という、しかも休日のお昼の時間、軽い食事というふうなものまで入国の条件に背いたなどというふうに仰々しく言い得るものなんでしょうかどうか、少し私は行き過ぎがあったと思います。
 結果として今まで努力された政府の努力が水の泡になったような気がいたしますが、大臣、この問題に対する一つの配慮と、今までの政府のソウル・オリンピック成功のための一つの努力あるいは今後のアジア全体における友好関係の樹立、どう頑張ろうとこの両国はアジアの中に隣人として存在して、お互い逃げるわけにいかない存在なわけですから非常に御苦心のあるところと思いますが、お考えをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(宇野宗佑君) たまたま私OECDに出ておりまして、外相代理は官房長官が務めておられましたから、こうした経緯に関しましては私もパリで耳にしたわけでございます。
 今法務省が言いましたとおり、結果としては残念だと思いますが、やはり条件をつけたことは守ってもらわなくちゃならないというのが我が国の立場であります。
 私の体験上から申しますと、昨年十二月に、北朝鮮から黄長Yという方が、神奈川県と国連大学共催で横浜にて催されたシンポジウムに参加するため講師として来ておられます。これは朝鮮の社会科学者であります。このときもやはり条件がつくんです、国交がありませんから。しかしこのときには、黄長Y委員長はきちっと条件を守られまして帰っておられます。そういうようなことでございますから、今回だけが何か突出していろいろ言われておりますが、やはり条件がついた以上は条件を守っていただきたかった、これが私の考え方であります。
 したがいまして、今後もそういう意味で、ソウル・オリンピックに対しましては、日本は日本としていろいろな人たちを通じましてやはり朝鮮半島の緊張は緩和する、その目的のためにはオリンピックに参加されるということが望ましい。このことは今後も我々といたしましては、直接ルートはありませんがいろんな方途を講じまして北朝鮮側にお伝えしたい、かように考えております。
○小川仁一君 私、今、昭和四十六年の名古屋における世界卓球選手権大会、そしてそれが一つのピンポン外交として評価されて、米中の和平、ひいては日中の和平という状態があったということを思い出しているわけです。今回もそういうことが念頭になかったとは言い切れないと思いますが、事志と違った方向をとってしまう、こういう結果になりそうな感じでございます。
 どうかひとつ大臣、一層この問題の外交的処理あるいは両国間の親善の状況というものを心にとめて御努力を願いたいと申し上げて、この問題については終わります。
 それで続いてやっぱり大臣にお伺いいたしますが、新日米原子力協定の問題についてでございます。
 大臣は福田内閣の際の科学技術庁長官もなさっておられます。そして今回もまた日米原子力協定承認という立場にお立ちになっておられる。まあ原子力行政に広く縁のあるお方でございます。しかし、ずっと前から大臣の原子力問題に対するいろいろな御発言を読んでおります。その一々を取り上げるつもりはございませんが、特に御見識があるということを前提にして、プルトニウムの危険性というものをどう認識しておられるかお伺いしたいと思います。
○国務大臣(宇野宗佑君) 私たちの原子力に対する考えは、あくまでこれは平和産業へと利用するということでございまして、その原因は、もちろん今さら申すまでもなく日本が資源小国であるということでございます。四面海に囲まれ、なおかつ石油資源も乏しく、石炭もああいう状態で非常にままならないというのが日本の立場でございます。
 だから石油にかわる代替エネルギーは常に国民生活のために確保する、このことが大切でございますが、やはりウランも一つの有限の資源でございます。しからばそのウランをさらに有効適切に利用する方法は何かということになれば、何と申し上げましてもプルトニウムを抽出いたしましてその高度利用を図るということでございますから、プルトニウムそのものは、核物質としてまかり間違えば爆弾になるような物質でございますが、我が国はあくまでも基本法に基づきましてそのようなことは一切しないということを国是として持っておりますから、したがいまして、プルトニウムの保管に関しましても他国よりはより安全にいたしておる所存であります。このことはIAEA等々国際機関の言うならば模範国にもなっておると私は申し上げて過言ではないのではないか、かように思います。
 したがいまして高速増殖炉の開発と同時にプルトニウムの利用によるところの核燃料サイクルの確立、これが現在の我が国における原子力の平和利用の最大の願望である、こういうふうな私たちの考え方として今日の平和利用を進めておる次第でございます。もちろんプルトニウムに関しましてはその安全性を保つべく保管の上におきましてもまた今回の輸送の上におきましてもいろいろと格段の配慮をしておることは御承知賜っているところであると存じます。
○小川仁一君 これまた後でやることにしまして、私が聞いたのは危険性の認識を聞いたのであって、必要性の認識を聞いたのじゃなかったんですけれども、質問が悪かったとみえてなかなか答弁が行き違いますから、後でまた。
 次は、この前、私本会議の質問をした際に、動燃事業団が国内で再処理回収したプルトニウムを電力会社から買い取る値段は一キログラム当たり一万ドル、この数字が三十グラム四万円という御答弁をいただきましたが、この根拠をお聞かせ願いたい。
○説明員(結城章夫君) 五月十三日の参議院本会議におきまして、科学技術庁長官からプルトニウムの価格が三十グラムで約四万円になるという御答弁を申し上げました。
 その根拠でございますけれども、プルトニウムの単価といたしまして、動燃事業団が現在東海の再処理工場で再処理をしておりまして、そこで回収されたプルトニウムを日本の電力会社から現在買い取っておる購入価格、これが大体一グラム核分裂性プルトニウムにいたしまして大体十ドルでございます。現在の為替レート一ドル百三十円に基づきまして換算いたしまして、三十グラムで約四万円という数字をはじかせていただいたわけでございます。
○小川仁一君 動燃事業団にお伺いしますが、昭和五十九年にプルトニウムの海上輸送をされ、関西電力からプルトニウム約百九十キログラムを購入しています。この価格が約十億円、一キログラム当たりで約二・二万ドル、当時のレートで計算しても五百五十万円ぐらいですね。三十グラムとなるというと十五万八千円ぐらいという計算になるんです。先ほどの三十グラム四万円との非常に大きな食い違いがあるんですが、この食い違いが出てきた理由、根拠をお知らせ願いたいと拙います。
○参考人(植松邦彦君) プルトニウムにつきましては市場というものが必ずしも存在しておるわけではございませんで、すなわち市場価格は存在しておりません。プルトニウムの価格算定というのは非常に難しい問題だというふうに考えております。
 一応プルトニウムの価格というのを決める一つの方法として、アメリカの政府、当時の原子力委員会、ABCでございますが、これが以前から採用してまいりました価格の算定方法が一つございます。それは濃縮ウランとの等価なものとして扱うという方法でございます。この方法はプルトニウムの中に含まれておる核分裂性のプルトニウムの量、それと濃縮ウランの中に含まれておるウラン235の量を比較して、濃縮ウランの価格から相手のプルトニウムの価格を算定するという方法でございます。こういった方法を使いまして、さらにいろいろのプルトニウムでございますのでウランよりも取り扱いがなかなか難しいということもありまして、そういったことも含めて勘案しました結果が、先ほど先生御指摘のような値段としてあらわれてきておるわけでございます。
○小川仁一君 本会議でもプルトニウムには相場がないと、こういう御答弁がございました。しかし、五十九年は十五万八千円、六十三年は四万円、これは正確な根拠の数字を出してもらわないと余りに違い過ぎますよ、値段が、幾ら相場がないと言っても。こうなると、プルトニウムによる原子力発電所の方が安くつくという今までの説明が変わってしまうことになると思うんですが、どうしてこんなに違うんですかね。
○参考人(植松邦彦君) 先ほども申し上げましたように、市場価格の存在するものではございませんので、価格はグラム当たり幾らというふうに非常に安定して存在するものだというふうには考えておりません。
 先ほども申し上げましたように、また先生もおっしゃいましたように、非常にプルトニウムの価格というのは濃縮ウランの価格にある程度理論的に連動すべきものというふうに考えられますので、結果的にはドル建て的に考えるべきものだというふうに考えていいのじゃないかというふうに思います。そうしますと、ドル円の交換比の大きな変動ということもこの両者の価格差に非常に大きく響いておるというふうに考えていいんじゃないかというふうに私は考えます。
○小川仁一君 次は、輸送方法についてお伺いしますけれども、フランスから無着陸航空輸送が不可能であるとなった場合、違った輸送方式が考えられるのかということ。特にマコウスキー修正条項では、海上輸送を含めた代替経路、輸送手段の検討を要求していますが、日本の国では海上輸送について検討されていますか。
○説明員(結城章夫君) 新しい日米原子力協定におきましては、日米両国政府があらかじめ合意した一定の条件に従いまして、プルトニウムの航空輸送を行う場合にはアメリカの包括事前同意が与えられることになっております。したがいまして、プルトニウムの輸送はこの規定に従いまして航空機により行うことを基本と考えております。
 一方、米国の個別の同意が得られた場合にはプルトニウムの海上輸送も可能でございまして、海上輸送のオプションも排除すべきではないと考えております。
 ただし、現在、海上輸送の具体的な輸送容器であるとか輸送計画をどうするかということについて詰めた議論、検討を行っている状況ではございません。
○小川仁一君 そうすると、包括同意方式と個別同意方式が両方存在する、こう考えていいのでしょうか。
○政府委員(遠藤哲也君) そのとおりでございます。
○小川仁一君 そういう場合に、新しい協定ではどこにこの個別同意方式が存在するということを明示しているんですか。
○政府委員(遠藤哲也君) 実施取極第一条でございます。実施取極。
○小川仁一君 ちょっと読んでみてください。
○政府委員(遠藤哲也君) 先生、実施取極の一条の3の(b)、ちょっとそこをお読み申し上げます。
 つまり、包括同意の「手続がとられない場合には、回収プルトニウムの返還は、関係協定に基づく受領当事国政府でない当事国政府の同意があるときのみ行われる。」、これが個別同意だということでございます。
○小川仁一君 じゃ、航空機輸送と関連してお伺いしますが、一九八五年の日航ジャンボ機の事故、ございましたね。大変痛ましい事故でしたが、この日航機に放射性物質が積んであったと言われています。十四核種で二十九個の輸送物があったということであったが、その積んであった放射性物質の種類、量、容器の破損状況、回収の状況を御説明願いたい。
○説明員(金子賢太郎君) お答えいたします。
 日本航空一二三便では、確かに放射性物質が輸送されてございました。トリチウムあるいは炭素14ですとか、合計十三核種でございます。キュリー数で申し上げますと百六十二ミリキュリー。いずれもラジオアイソトープでございます。これらのラジオアイソトープ、医療用のラジオアイソトープでございますが、これらはすべて医療機関で使用される半減期の短いものが多くて、長時間身体に密着しない限り人体への影響も極めて小さいものでございました。
 事故後の回収状況でございますが、先ほど申し上げました百六十二ミリキュリーのうちおよそ六五%に当たります百五ミリキュリーが回収されてございます。
 容器の状況についてつけ加えて御説明いたしますと、個装容器といいまして、小さな瓶でございますが、これでいきますと二百八十一個ございましたが、そのうちの六十八個が回収されてございます。
○小川仁一君 回収されないのは、自然法則に任せて山の中で半減期を持っていると、こういうわけですね。
○説明員(金子賢太郎君) 先ほど申し上げましたアイソトープの中で、炭素14ですとかトリチウムなどにつきましては、元来、揮発拡散性を有しておりますので、現場の土壌を汚染することなく揮発拡散したものと思われます。その他のものは半減期の関係で、もはや有意の影響がないものというふうに見ております。
○小川仁一君 今の時点では影響がない、落ちた時点では影響があったと、こういうことですか。
○説明員(金子賢太郎君) 先ほど申しましたように、落ちた時点におきましても、元来、長時間身体に密着しない限り人体への影響の危険性が極めて小さいという評価がなされておりましたので、回収作業に当たる作業従事者に対して素手で触れないというような所要の注意事項を定めました関係で、今おっしゃられましたような危険性は特になかったのではないかというふうに考えております。
○小川仁一君 同じくこの事故機に劣化ウランがバランスウエートとして使われていますが、劣化ウランはA型輸送物で、それ自体運ぶときは容器等の制限があるという形になっての輸送対象の核物質でございます。この劣化ウランがバランスウエートだというので尾翼あるいは水平翼に使われているようでございますが、二百四十八キログラムも使われていたと、こう言われていますが、これは全部回収されましたか。
○説明員(金子賢太郎君) 今おっしゃられましたとおり、劣化ウランは大変比重が高いものですから動翼のバランスウエートとして使われておりまして、御指摘のJAL一二三便につきましても二十個、二百四十三キログラムと承知しておりますが、これが使われておりました。
 回収状況でございますが、このうちの十五個が未回収でございます。五個が回収されてございますが、十五個のうち、特に垂直尾翼、方向舵の関係で十二個積み込まれておったわけですが、積み込まれておったといいますか機材の一部として使用されておったわけですが、これは、相模灘に落ちているというような事故調査委員会の報告書にもございまして、その辺を合わせまして十五個未回収のままでございます。
○小川仁一君 飛行機に使うバランスウエート、何キログラムぐらいを限界と考えておられますか。
○説明員(金子賢太郎君) 機種によりまして、また使用箇所によりましても実態的に一機当たりの劣化ウランの使用量は異なっておりますが、特に限界というようなものにつきましては、我が方ではそのような考え方は特にとっておりませんが……。
○小川仁一君 でも、A型輸送物として陸上輸送されるときもかなり大事に扱われているものでございますだけに、これが航空機に利用される限度というのはおのずからあっていいのではないかと、こう思いますので、今御返事ありませんでしたけれども、今後御研究を願いたいと思います。
 次に、日米原子力協定の対象外に再処理されたプルトニウムがフランス、イギリスに五百十キログラムある。これからもまたふえると思いますが、このプルトニウムを日本に輸送する場合、日米協定の枠外ですから、容器の基準、輸送方法などは何も規定もされていないし、制限もされていないと聞いていますが、このプルトニウムの輸送については、今回締結される日米原子力協定の附属書五が準用されると理解してよろしゅうございますか。
○説明員(結城章夫君) ただいま御指摘のプルトニウムは、日米協定の対象外でございますから、日米協定の規定がそのまま準用されるということはございません。
○小川仁一君 そうすると、協定の内部のものはこのように厳格な基準その他によって行われる。基準外のものは基準を適用しないで、そのまま今までのありきたりの方法であるいは何か非常に簡単な方法で持ってくるということになるんですか。
○説明員(結城章夫君) プルトニウムの航空輸送を行います場合の輸送容器でございますが、我が国におきましては動燃事業団が、その基準としては今世界で最も厳しいアメリカの原子力規制委員会の基準、これを満足することを目標に開発を進めておりまして、万一の航空機事故の際にも、プルトニウムの収納健全性が維持され、環境安全を確保し得るような輸送容器の開発の見通しを得ているところでございます。
 また我が国の基準ということになりますと、現在、原子力安全委員会におきまして我が国のプルトニウム航空輸送の安全基準について調査、審議を進めております。
 日米協定対象外のプルトニウムの輸送につきましては、その輸送方法等は現在未定でございますが、航空輸送を行う場合には、協定対象のプルトニウムと同様の輸送容器が用いられ、同機の安全基準が適用されると考えております。
○小川仁一君 さっきの答弁と今の答弁で食い違ったと思わない。
○説明員(結城章夫君) 食い違いはないかと思いますけれども、動燃事業団が開発しております輸送容器、これはアメリカの基準を満足するべく開発しております。このでき上がった輸送容器が日米協定対象のプルトニウム及び日米協定対象外のプルトニウムの輸送に用いられるというふうに考えております。
○小川仁一君 そうしますと、容器の基準といいますか、研究というものは一つのものが方式としてでき上がっている、物はできてなくても。そう考えていいですね。
○説明員(大森勝良君) 御説明申し上げます。
 我が国におきますプルトニウムの航空輸送に関します基準でございますが、基準につきましては先ほど結城課長の方が説明しましたとおり、現在、原子力安全委員会のもとで調査、審議を進めております。
 具体的には米国のNUREG〇三六〇、こういうものを含みますプルトニウム航空輸送基準、各国のプルトニウム航空輸送基準等の調査を初めといたしまして、世界におきます航空機事故経験の調査、さらに進んで、航空機事故時におきます輸送物に与えられる衝撃、発生する応力等輸送物の挙動の分析等を踏まえまして、万が一の航空機事故の際にも輸送物が高度の収納健全性を維持するよう輸送容器に要求すべき技術基準につきまして現在検討を進めているわけでございます。その中では当然海上での事故等も検討の対象と考えておりますし、また、いわゆるマコウスキー修正条項、こういったものも、そこで言われております実際の航空機墜落試験が必要かどうかというふうな技術的意義についての検討も含めまして検討されることになろうというふうに存じております。
 いずれにしましても、我が国で運ばれる場合には、原子力安全委員会で定めます技術基準、これを関係します所管省庁におきましてその法令の中に適宜取り入れられる形で規制がなされ、その安全が確保された上で初めて運ばれるというふうなことになると存じております。
○小川仁一君 それで、今NUREG〇三六〇の御説明がありましたが、この中で水圧の問題をちょっとお聞きします。
 この容器にかかる外部水圧は六百psi以上で八時間、こういう規定がありますが、このNUREG〇三六〇では、これをあなた方が出された資料を読んでみますというと、「主に懸念される問題は内陸水域または沿岸近く」と、こう言っているんです。したがって、非常に浅いところに落ちる条件としての六百psi、これを考えているんですが、日本が考えているものは北極を回って無着陸で来る、途中でもし事故が起きた、海の中へ入るとなると、これは三千メートル、四千メートルというふうな深さになる可能性があるわけなんですから、当然水圧部分についてはNUREG〇三六〇以上の強度のものを基準の中に入れておられると思いますが、いかがですか。
○説明員(大森勝良君) お答えいたします。
 先ほど申し上げましたように、現在検討中でございますが、委員御指摘のとおり、我が国に運ばれるということを考えた場合、海上を航行するわけでございますので、その際の事故等も当然検討の対象ということで検討を進めております。
○小川仁一君 そうすると、水深をどこらあたりまで含めて、どれだけのPSIを前提としておつくりになっておられますか。
○説明員(結城章夫君) このアメリカの基準でございます六百PSI、これは水深にいたしまして四百二十メートル程度に対応すると聞いております。
 現在、動燃が開発しております輸送容器でございますが、十分な強度を有する輸送容器の開発ということで進めておりまして、その強度計算を行いますと大体一万メートルの水圧にも耐え得る設計になっておるというふうに聞いております。将来は、なお実際の耐圧試験も行うということも予定されておるというふうに聞いております。
○小川仁一君 特に水圧関係、海洋なんかに落ちますと海の中の生態系等にも非情に大きな影響を与えると思いますから、ひとつNUREG〇三六〇以上の強度のあるものをつくっていただきたいし、それが開発されないうちはやはり航空輸送は行われないものと、こう考えていいですね。
○説明員(結城章夫君) プルトニウムの航空輸送を実際に行います場合には、我が国を初めとする関係国の関係法令に従いまして、その安全性の確保を図って実施していきたいと思っております。
○小川仁一君 安全基準並びにこれからの研究というものを非常に注目してみます。
 大臣にお伺いしますが、まだまだ容器に非常に問題があります。そして、輸送方法にも幾つかの危険性を伴っていることは十分御承知と思います。したがって、協定が仮に多数で承認されるという可能性があるわけでございますけれども、その場合でも、この容器並びにいろんな輸送方法についての安全性というものを大きな前提にしてお進めになるようお願いしたいと思いますが、御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(宇野宗佑君) この間小川委員には本会議でも非常に適切な御質問をちょうだいしましてお答えいたしましたとおり、やはり平和利用するからには核物質の輸送等に関しましては安全に安全を重ねるという気持ちで政府としては対処をしてまいりたいと、かように考えております。
○小川仁一君 次に、原子力行政の基本の一つである公開という問題についてお伺いしますが、五月十一日から十二日に行われた横須賀の核燃料工場からの島根原発への核輸送について、社会党や原水禁の人たちが追跡バスツアーを取り組みました。この輸送物から通常の百倍を超える放射線が検出されるなど核燃料輸送の危険性がはっきりしたわけでございますが、そのことに関連して、この核燃料の輸送に当たって運輸省令七十二号の第二十一条によって事前に計画書が運輸省に提出されているはずですが、その計画書を御説明願いたい。
○説明員(山田隆二君) 今回運ばれました輸送物はA型といわれる輸送物でございまして、運輸省令で定めております計画書の提出はB型の輸送機器について義務づけておりますので、今回計画の提出はございません。
○小川仁一君 輸送の届け出がないというのは、それを輸送する容器の基準、安全性の確認、積み込みの方式、輸送が基準どおり行われているかということをだれが監視し、検査し、その責任はどこにあるんですかね。一切業者任せですか。
○政府委員(石塚貢君) お答えいたします。
 核燃料物質の輸送につきましては、我が国は国際原子力機関IAEAが定めております放射性物質安全輸送規則、こういったものに準拠いたしました基準、そういったものを制定いたしまして、これに基づき関係省庁が必要な規制をそれぞれ分担をして行っております。その分担でございますけれども、陸上輸送につきましては原子炉等規制法に基づきまして、本件を含むA型核分裂性輸送物それからB型の輸送物に関しまして、科学技術庁が輸送物そのものにつきまして、具体的には輸送物の設計それから製作それからその容器の承認、輸送物の安全確認に至る一連の安全規制を行っております。また、都道府県の公安委員会が運搬の経路等につきまして交通安全等の観点から安全規制を実施いたしております。また、運輸省につきましてはただいま運輸省の方から御答弁がございましたとおりでございます。
 このような現行の体制のもと、技術基準によりましてその事故時の条件下というものを想定いたしましても、輸送物の機械的な強度あるいは耐火性、そういったものによりまして十分放射線に対する安全性といったものが事故時においても確保されておるということになっております。また実際の運搬に当たりましては、そもそも交通事故、そういったものに遭遇しないよう、前後に先導車あるいは後尾車を配置いたしまして隊列走行を行うなど、細心の注意が払われているということでございます。
 これに加えまして、核燃料物質の輸送中に交通事故に巻き込まれる等の事態が発生した場合には、まず事業者が関係機関に通報するとともに安全上必要な措置を講ずることを法律上義務づけられておりまして、また科学技術庁及び運輸省は、事業者に対し災害防止のための措置を講ずることを命ずることができるということになっておるわけでございます。
 一方、その核燃料物質を含む放射性物質が輸送中交通事故に巻き込まれるような場合には、これはやはり国民の関心、不安、おのずから高いものがあるということでございますので、国におきましても前述の安全確保のための規制に加えまして、関係省庁の役割分担、連絡通報体制、専門家の派遣等を内容といたします放射性物質輸送の事故等の安全対策に関する措置というものを取りまとめるなど、関係省庁の密接な協力関係が合意されておりまして、万が一の場合になりましても迅速に対応し、不必要な混乱を避けることができるというふうに考えております。
○小川仁一君 ルールはわかったよ。積み荷を出しておくときだれが検査してそれを認めているかということを聞いているんです。それだけなんです。それ以上のことは要らないよ。
○説明員(大森勝良君) 科学技術庁の規制の状況でございますが、さらに詳細に御説明いたしますと、今回使用しました輸送容器、これは先ほど申しました原子炉等規制法によりまして承認容器として事前に承認したものであります。具体的には設計段階におきまして移送する核燃料物質の種類、量を定めておりまして、放射線線量率、これが表面で二百ミリレム毎時以下、表面から一メートル離れた点で十ミリレム毎時以下であるといった技術基準を満足することにつきまして科学技術庁が審査し確認しております。
 また輸送に当たりましては……
○小川仁一君 私が聞いていることをはっきりしないでただ時間だけ、べらべら用もないこと言われたって迷惑だから。
 出発するときだれが行ってそれを確認しているかということを聞いているんですよ、それだけの話なんだ。
○説明員(大森勝良君) 輸送に当たりましては、科学技術庁としましては事業者からの核燃料物質等運搬物確認申請書、これに基づきまして中に入れるもの、収納物ですが、これの仕様が承認した仕様に合致しているということの確認を行っております。
 それで、今御質問の点でございますが、実際の出発時におきます科技庁が行ったかということにつきましては、それは行く必要がないということで行っておりません。
○小川仁一君 聞いたことにちゃんと答えなさいよ。積み荷の状況は間違いなかったかね。トラックというのはこの積み荷というのが非常に大事なんですかね、積み荷の確認はだれがやったんですか。だれがやったかだけ答えてください。
○説明員(山田隆二君) 今回の場合には、輸送を担当しております事業者が確認をしているということでございます。
○小川仁一君 業者任せかと聞いたのはそこのところを聞いたんで、さっきの答弁なんか本当、何か自己弁解を一生懸命やるようですけれども、そういうふうな物の言い方をしないではっきりしてくださいよ。
 国家公安委員会にお聞きしますが、これも総理府令第四十八号の第二条によって都道府県公安委員会に届け出なければならないわけですが、国家公安委員会としては、各都道府県の公安委員会に、輸送車の通過する地方自治体に通過予定の日時、数量などは当然通知したと思いますが、いかがですか。
○説明員(平沢勝栄君) 今先生御指摘のとおり、発送地の公安委員会に……
○小川仁一君 あなた公安委員会の人。
○説明員(平沢勝栄君) はい、警察庁保安課長でございます。
 届け出がありまして、それで発送地の公安委員会は運搬を管轄するすべての公安委員会に連絡をすることになっております。
○小川仁一君 公安委員会は各市町村に通知したのですか、しないのですか。
○説明員(平沢勝栄君) しておりません。
○小川仁一君 そうすると、市町村は全然そういうものが通ることを知らないわけだ。公開の原則という観点からいってこの措置でいいかどうか御判断お伺いします。
○説明員(平沢勝栄君) 先ほど申し上げましたとおり、公安委員会は管轄すべての公安委員会に連絡が行くことになっておりまして、警察としては所要の万全の措置を講じておりまして、これで十分の安全対策が講じられていると、このように考えておりますので、特に法令で義務づけられているわけでもございませんので、自治体等への連絡はいたしておりません。
○小川仁一君 当日、核燃料工場から六合、東海村から二台の計八台の編成でしたが、滋賀県の多賀サービスエリアで停車中の輸送車の放射能を測定したところ、通常の百倍の高い放射能が検出されています。中国電力は安全性に問題はないという態度のようですが、科学技術庁としてはこのような事実は御存じでしたか。そして、このような高い放射能をまき散らして輸送しているということは大きな問題になるとお考えかどうか。特に沿道の住民に対する不安感ということを考えての御判断を願いたいし、なおこの放射線測定データの公開を電力会社は拒否しているようですが、公開する用意はございますか。
○説明員(大森勝良君) 本件輸送物につきましてその外部放射線線量率は事業者が測定しておるわけでございますが、その値でございますけれども、輸送物の表面及び一メートル離れた位置の放射線線量率、それぞれ〇・九ミリレム毎時以下、それから〇・二ミリレム毎時以下でありまして、基準それぞれの二百ミリレム毎時、十ミリレム毎時に比べまして十分低い数字でございます。また、車両に積みつけられた状態での放射線線量率でございますが、車両表面で〇・七ミリレム毎時以下、一メートル離れた位置で〇・三ミリレム毎時以下でございまして、基準はそれぞれ二百ミリレム毎時または十ミリレム毎時でございますので、これも十分基準に合っているわけでございます。
 さて、この基準でございますが、国際原子力機関で定められた国際基準、それに沿いまして各国ともこの基準でやっておるわけでございますけれども、この国際規則そのものにつきましては、関係します国際機関の専門家が繰り返し安全基準の拡充整備に資する検討を長く行っておりますが、現在に至るまでも本基準について特別の問題があるということではなく、最新の一九八五年版輸送規則においても採用されているところでありまして、基準として適切なものと考えております。
 一般の方々への影響かどうかという点について……
○小川仁一君 何をあなた言っているの。私は基準の適切例なんか聞いていないよ。公開するかどうかと聞いているんだよ。
○説明員(大森勝良君) 先生の御質問の中で、一般の方々にどのような影響があるかという点がございましたので、それにまずお答えしたいと思いますが、この基準に従って輸送される場合の一般公衆が受けます放射線の量、これは非常に低いものでありまして、測定できるようなものでは全くありません。全く問題ありません。
 強いて概略簡単な仮定を置きまして計算してみますれば、我が国の自然放射線は平均年百ミリレム程度と言われておるわけでございますけれども、関東、関西など地域によりまして二十ミリ程度の変動の幅はございます。仮に基準値ぎりぎりで運搬する輸送車両の近傍五メートルぐらいに人がいたというふうなことを前提にちょっと計算してみますと、この人の前を十五万台の輸送車両が通過して初めてようやくこの二十ミリレム、関東、関西の自然放射線から受ける変動幅になるというふうなことでございます。
 それからまた、最近海外旅行に出かける方も多いわけでございますが、東京―サンフランシスコ間をジェット機で往復しますと、宇宙線から三ミリレムの被曝を受けます。この量は先ほど申しましたような条件で計算しますと、二万台以上の輸送車が通過した場合と同じ放射線の量に相当するということでございまして、これは概略の計算でございますが、いかに低いレベルであるかということについて御理解いただけると思います。
 それから先生の公開せよというふうな御質問がございました。私どもとしましては、先ほど数値につきまして事業者が測定したものを一部お示ししたわけでございますが、生データというふうなことでありますれば、私ども既に基準値を満足していることの確認は先ほど申し上げましたようにできておりますので、規制当局としましてさらに生データの提出を事業者に求める必要は今のところ考えておりません。
○小川仁一君 もう時間になりましたので、こういう私の質問意図とは全然違ったぐずぐずした答弁をされて時間だけつぶされてしまうということは心ない仕打ちだと思いながら、最後に一つだけ大臣にお願いしておきます。
 アメリカでは、一九七五年に制定された公法第九十四―七十九号で、原子力安全委員会に対して容器の安全性について議会に証明することを要求しています。我が国の容器基準も同じように、国会において承認を必要とするこういうアメリカと同じ水準でこの容器問題の安全性を扱っていただきたいということについて、ひとつ政府の、まだ決まっていないと思いますが、これからの態度をはっきりしていただきたいと同時に、着陸する空港、この選定に当たっては当然その空港の付近の地方自治体に同意を得る、通報する、こういう措置をとってほしいと思いますが、この二つについて大臣のこれからの御努力をお願いをして終わります。御所見があったら伺います。
○政府委員(石塚貢君) ただいま原子力安全委員会が現在検討中の基準につきまして、これを国会において前もっての検討をしたらいかがかという御指摘でございますが、原子力安全委員会はこれは国会の同意を得て任命されました委員によって構成されます内閣総理大臣の諮問機関でございます。内閣総理大臣は、原子力安全委員会の決定について報告を受けたときにはこれを十分尊重しなければならないというふうに規定されておるわけでございます。
 ところで、このプルトニウムの航空輸送基準、これにつきましては、原子力安全委員会が決定あるいは勧告といったものを行った場合には関係法令の規制の体系の中に適切に位置づけられるわけでございますが、その場合には必要に応じまた放射線審議会というようなところの議も経て、慎重な取り計らいをしながら規制の体系に組み入れていく、そういうことでございますので御理解を賜りたいと思います。
○小川仁一君 私は大臣に考えを申し上げてお答えを聞いているんですが。
○国務大臣(宇野宗佑君) 大切なことでございますから、やはり原子力行政に関しましては安全に安全を十二分に払うべく最大の努力をする、これが内閣の姿勢であると私はお答え申し上げます。
○小川仁一君 終わります。
○松前達郎君 最初に、今議題となっております協定についてちょっと整理してみたわけなんですが、さきに本国会で承認されました核物質の防護に関する条約というのがございます。それから国内法でありますが、既に成立しております核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律、これがございます。それと今回のただいま議題となっております日米原子力協定、この三つが一つのセットになっていると私は理解をしておるわけなんです。
 これらの中身はいずれも核物質の拡散を防ぐということがどうも主眼になっているように見えますが、最初に申し上げた防護に関する条約については、核物質の輸送通過などに関する防護と回収、これが中心となっていて、対象地域としては国際輸送という面が挙げられている。それから核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律、これに開しては、この実施に当たって我が国の国内における防護、これの措置を取り扱うための事業者に対する義務というものが記載をされている、こう思うんですね。
 今、小川委員からも御指摘がございましたけれども、国内における輸送の場合、法律としてリミットがあって、いわゆる放射能のリミットですね、その範囲であるならば公開をする必要はない、こういうことだったと思いますけれども、まだどうもはっきりしない面が随分あるのでこれは十分整備していかなければならない今後の課題ではないか、こういうふうに思っておるわけです。
 そこで、これらの一連の条約、協定あるいは法律等を見ますと、特に日米間の協定に関しましてはその裏に、日本がプルトニウムを保有すること、これに対する米国の不安というものがどうもにじみ出ているような感じがしてならない。いつの日にか日本は核兵器を持つであろうと、余り信用がないような感じもするわけですが、この核兵器を開発するとすればもちろん世界の核バランスが大きく崩れ去ってしまう。
 これは前の委員会でも申し上げたんですが、この懸念に関してはアミテージ国防次官補ですか、この方がことしになって国防大学で講演された中にも、アメリカの議会内に日本にGNP三%程度の防衛費を計上させるべきであるというこういう声があると。これに反発しまして、一体これ以上何を日本にやれというのか、核兵器を持てというのか、こういうふうなことまで言われているわけなんです。
 こういうことを見ますと、やはりアメリカが日本に対して、プルトニウムを保有することに関しての懸念というものがどうもこの中ににじみ込んでいるんじゃないかというふうな気がするわけなんですが、この点、大臣いかがでしょうか。
○国務大臣(宇野宗佑君) 確かに松前委員おっしゃるとおり、アメリカにはそういう懸念が、だれが持っているというわけではありませんが、一般的にあるのではなかろうか。
 これは、従来核に関しましていろいろと折衝してきております者の体験上の一つのニュアンスと申しましょうか、そうしたものがあることは確かだろうと思います。単にアメリカだけではなくして、これは当然核を持っておられない国々においても同様な懸念がございますから、常に私たちはそうした懸念のないことな証明しなければならない国家であると、かように考えております。
○松前達郎君 非核三原則というものが厳然として日本の政策としてとられているということで、それで説明する以外にないかもしれませんけれども、多少そういった懸念を持っているということは事実だろうと思うんですね。かつて真珠湾の奇襲などもやりましたから、その点もいろいろとアメリカとしては恐らく懸念をしているんじゃないか。
 そこで、プルトニウムの保有量、これがいろいろと議論されているわけですが、プルトニウムの保有量の予測、それから今後の使用計画、これも何回か説明もあったと思いますけれども、この際、まとめてひとつお答えをいただけないでしょうか。またその時期、時期的な推移、これは新しい増殖炉の開発とかいろいろあると思いますが、そういうものも含めて全体的にどういう使用計画になってくるのか、またその時期的な問題、これをひとつ説明していただきたいと思います。
○説明員(石田寛人君) お答え申し上げます。
 昭和六十二年度、すなわち昨年度以降二〇〇〇年ごろまでの我が国のプルトニウムの需要量の現時点の見通しでございますが、その一つとしまして、動燃事業団におきまして一九七七年から運転中の高速増殖炉実験炉「常陽」、これは茨城の大洗町にございますが、これで二トン弱核分裂性プルトニウム――プルトニウム・フィッサイルのものを使ってきております。それから、同じく動燃事業団におきまして、昭和五十四年から運転中の新型転換炉原型炉「ふげん」、これは福井県の敦賀市にございますが、これで二トン弱のプルトニウム・フィッサイル量のプルトニウムを使ってございます。それから動燃事業団におきまして、昭和六十七年に運転開始予定でございますが、高速増殖炉原型炉「もんじゅ」でございますが、これで六トン強プルトニウム・フィッサイル。以上合わせまして、動燃事業団におきまして約十トンプルトニウム・フィッサイルを使うという計画になってございます。
 これに加えまして、電源開発株式会社におきまして、一九九〇年代半ばの運転開始予定でございますが、新型転換炉実証炉、これは青森県大間につくる予定でございますが、約五トン、いずれもプルトニウム・フィッサイルでございます。
 それから、これにさらに加えまして、日本原子力発電株式会社の高速増殖炉実証炉の運転開始、これは来世紀、二〇〇〇年過ぎということになろうかと存じますが、この初装荷用燃料といたしまして約三トン。それからさらに、電気事業者の軽水炉におきますプルトニウム利用、すなわちプルサーマルと言っておるものでございますが、これにつきましては一九九〇年代前半に実用規模実証が加圧水型炉、沸騰水型炉各一基で行われ、一九九〇年代後半には本格利用、これは合計十基程度でございますが、それに約二十二トン、こういうことでございまして、以上私が申し上げました数字を合計いたしますと約四十トンになる予定でございます。
 それから、これに対します供給でございますが、第一は現在動いております動燃事業団東海村の再処理工場でございます。ここから約七トンのプルトニウムが出てまいります。それから二番目といたしまして、現在計画中でございます日本原燃サービス株式会社の青森県六ケ所村に予定されておる再処理工場でございますが、これは一九九〇年代半ばごろに運転開始の予定でございます。これから約十トンのプルトニウムが出てくるということでございます。以上、国内再処理によって得られますプルトニウムが約十七トンと見込まれておる次第でございます。
 それから、このほか海外再処理、すなわちイギリス及びフランスから持ち帰りますものが約二十五トンあるとこれまで申し上げておりますが、それが加わりますので、これを逐次我が国に持ち帰りまして、先ほどの需要の合計四十トンというものとバランスさせていくと、こういうことで考えておるわけでございます。すなわち、供給サイドでは国内分十七トンそれから持ち帰り分二十五トンでございますから合計四十二トンということに相なります。そのうち、四十二トン分のうちの二十五トン分を逐次英仏から持ち帰る、そういう計画でございます。
 以上でございます。
○松前達郎君 そうしますと、今国内で十七トンですね、それでトータルで四十トン将来必要であると、こうおっしゃったわけなんですが、国内の十七トンで先ほどのそれぞれの原子炉の中に使用する量等が賄えるその年代というのは一体どの辺まででしょうか。
○説明員(結城章夫君) 一九九〇年代の前半には不足分が生ずるだろうと思っておりまして、一九九〇年代に入りましてなるべく早くイギリス、フランスからのプルトニウムの返還を開始したいと思っておるところでございます。
○松前達郎君 一九九〇年代の前半ということは一九九五年以前ということになりますね。そのころまでにイギリス、フランスに置いてあるプルトニウムを日本に輸送しなければならないということに解釈してよろしゅうございますか。
○説明員(結城章夫君) 輸送の開始が一九九〇年代に入ってなるべく早くと思っておりまして、この返還輸送は、先ほど答弁がありましたように、日本の需要に応じて逐次持って帰りますので、二〇〇〇年を過ぎまして二〇一〇年ぐらいには終了するということを大体考えております。
○松前達郎君 フランスとイギリスにプルトニウムがあって、これを輸送するというのが今問題になっているんですけれども、このフランス、イギリスからプルトニウムを引き取る、そのフランス、イギリス側の事情というのは何かありましょうか。
○説明員(石田寛人君) 御承知のように、我が国から使用済み燃料をフランス、イギリスに送り出してございますが、フランス及びイギリスにおきましては、現在ごく一部再処理が行われておりますけれども、大規模に再処理を行います再処理工場は現在むしろ建設中と申し上げた方がよろしいかと思います。
 したがいまして、むしろ私どもとしましては、フランス、イギリスにおきます再処理の行われる実態を見ながら、そこから出てまいりますプルトニウムを我が国の需要に合わせて引き取っていくと、そういう計画になろうかと存じます。
○松前達郎君 フランスやイギリスの国民の世論といいますか、そういう点から、日本から運んできた使用済み燃料からプルトニウムを抽出するわけですが、そんなプルトニウムみたいな危険なものを自分の国に何で置いておく必要があるか、早く返してしまえと、こういうふうな世論があるというふうに聞いていますけれども、それとは関係ありませんか、引き取るための理由として挙げられるものは。
○説明員(石田寛人君) 私どもの引き取りの計画としましては、先生今おっしゃいましたことと直接関係はなかろうかと存じます。
 ただ、実際再処理いたしましたプルトニウムはなるべく速やかに使うということも大事でございますので、先様の様子を見ながら引き取っていくと、そういう格好にいたしたいと存じております。
○松前達郎君 そうしますと、このプルトニウムの輸送を実際に開始する、これはフランス、イギリスから開始する時期というのは今すぐということじゃないですわ、将来の問題になってくる。見通しとしては大体いつごろになりそうですか。
○説明員(結城章夫君) 先ほども申し上げましたとおり、一九九〇年代、できるだけ早く開始したいと思っております。これから数年先になると思っております。
○松前達郎君 それもフランス、イギリスの再処理工場の運転等と関連あるわけですね。この辺もありますので、恐らくそれ以降というふうに判断していいんじゃないかと。恐らく早くなることは余りないような気が私はするんですけれども。
 そうなりますと、この航空機輸送が今対象となっていますが、この輸送に関しても大分先の話だということになりますね。先の話だから、それならそれまでの間、時間をかけて容器を検討しようとか、いろいろと出てくる問題がその期間内に解決すればいいんだというふうになってくるんじゃないかと、こういうふうに思うんです。容器の問題はまた後でお伺いしますが。
 今度は、使用する航空機ですね、これもまだ今あるわけではない。今後その航空機が開発というか、新たに開発じゃないでしょうけれども、改造されたり、そういうことで使用航空機が提供されてくるだろうという予測を伺ったんですが、この見通しというのもやはりそれに合わせて大体うまくいくんでしょうか。
○説明員(結城章夫君) 現在ノンストップ飛行ということが議論されておりまして、我が国におきましてもその可能性について検討しておるところでございます。
 このノンストップ飛行が可能な飛行機ということになりますと、現時点で考えられますものは、現在ボーイング社で製造が進められておりますボーイング747―400の貨客型、これはコンビというものでございますが、あるいは同社が今後開発を検討しておると承知しておりますけれども、ボーイング747―400型の貨物型、フレーターというものでございます。これが想定されるところでございます。ただ、いずれもまだこの機種を使うということで確定したものではございません。
○松前達郎君 それは前にもお伺いしたんですけれども、747の改造型といいますか、恐らくそうなると思いますけれども、例えばこれができたとしますね、これも恐らくすぐできるわけじゃない、飛行機というのはきょう改造しろと言って一年ぐらいでできるものじゃないですね、いろいろな試験とかそういうものをやっていくわけですから。その飛行機が例えばできたとして、適当な飛行機であると判断された場合、この飛行機そのものはどこがこれ保有するんですか。それともどこかからチャーターで借りてきて輸送する。その辺は、そこまでは検討されているんじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○説明員(結城章夫君) プルトニウムの輸送を行います実施主体といたしましては、当面動力炉・核燃料開発事業団が実施主体になると考えております。具体的には、飛行機はやはり航空会社が持つと思います。動燃がその航空会社にチャーターするという形で輸送が行われると考えております。
○松前達郎君 そうしますと、航空会社といっても日本にはそんなにたくさんないわけですが、一番代表的な日本航空がこれを購入もしくは借り入れて、あるいは長期の計画で導入してそして持ってくる。それに対して動燃がその費用を支払うということになりますね。
○説明員(結城章夫君) 航空会社をどこにするかはまだ決まっておりません。
 ただ、747―400という機種でございますけれども、旅客型、これはもちろんプルトニウムの輸送には使いませんけれども、旅客型は既に製造が進んでおりまして、今年末には一番機が引き渡されるという状況になっておると聞いております。
 またコンビ、先ほど申し上げました貨客型でございますが、これも来年の五月ないし六月ごろには一番機が引き渡される状況になっておるというふうに聞いております。
○松前達郎君 この輸送の費用は、そうしますと事業者の方がすべてこの経費を負担するということになりますか。
○説明員(結城章夫君) プルトニウムの輸送にかかります費用は、輸送されるプルトニウムを入手して使用する者が負担していくことになると考えております。具体的には、当面は動燃事業団が負担をするということになると考えております。
○松前達郎君 そこで、大分議論もいろいろ行われたんですけれども、着陸する飛行場の問題ですとかあるいは機内における防護の問題ですとか、武装警官を乗せるとかいろいろありました。これは前に質問がありましたのでその点は別といたしまして、飛行機そのものを強制着陸させるとか、最近よくありますね、第三国が、あるいは第三者が。こういう場合も想定できるんですね。船の場合も恐らくそういう想定があったもので、海上輸送に際してはアメリカが海軍艦艇や人工衛星によって監視したと。監視した結果、もしか一たん何か問題が出た場合には防護するということまで準備をしていたんだと思うんですね。
 航空機の場合どういうふうなことになりましょうか。これはいわゆる領空ですか、ある特定の国の領空を飛ぶわけではない。特に北極経由になりますと全然関係ないところな飛んでいるわけですね。そういう場合に今のような、さっき申し上げたような不測の状態が起きた場合、これに対してはどういうふうに防護していこう――飛行機ごとですよ、飛行機ごとどこかに連れ去られるということがあった場合、そういう場合どういうふうに対応するんでしょうか。
○政府委員(遠藤哲也君) これは輸送ルートがまだ決まっていませんし、詳しいことは具体的に申し上げられないのでございますけれども、そういった万一の場合を想定いたしまして輸送計画をつくります段階におきまして、緊急時計画というものをつくることになるわけでございます。
 緊急時というものにはいろんな対応が考えられると思いますけれども、例えばあらかじめやはり緊急着陸空港の指定をしておく、こういうようなことも一つかと思いますし、それからもし何かそういったような事故なり事件なりが発生しましたときには、オペレーションセンターあるいは飛行機に乗っております護衛者あるいはパイロット等々がどういうふうな役割分担をしてそういったような想定される緊急事態に対応するかというようなこと、そういうことも緊急時計画の中に入ろうかと思います。
 そういうようなことでもって想定されます緊急時に対する対策というのをあらかじめつくる、これは当然のことながら政府の関与が非常に大きい分野だろうと思っております。
○松前達郎君 そういったことが起こるであろうと今仮定をしながら申し上げたので、起こらないのが普通なんでしょうけれども、そういういろいろな状況を全部総括的に見まして、いわゆる防護という問題を見たときに、この防護に対する責任はこれは事業者が持つというふうになっていますね。飛行機輸送中を含めての防護の責任、これはどうなんですか。例えば核物質の防護に関する条約等もありますが、これは事業者が持つんですか。それとも国がそれに対して責任を持つんですか。その辺はまだ伺っていないのですけれども。
○政府委員(遠藤哲也君) この協定におきますいわゆる包括同意の対象のもとでの国際輸送につきましては、先生御指摘のとおりまず輸送計画、したがってその中には防護が含まれるわけでございますが、いわゆるその実務的な責任というものは輸送者が持つことになるわけでございますけれども、しかしながら先ほど申し上げましたように、緊急事態計画とかあるいは武装護衛者を乗っけるなんということにつきましてはこれはやはり政府が責任を持つことでございますし、そういうことは政府が持つ。
 大きくこういったような、つまり附属書の五の要件に当てはまっているかどうかということの、ちょっと言葉は見当たらないんでございますけれども、いわゆる総括的な責任と申しますか、そういうことにつきましては政府が持つ、こういうことになろうかと思います。
○松前達郎君 そうしますと、万一事故が発生した場合、事故の内容によっては相当大きな責任がかかってくるわけですね。こうなるととても事業者がその責任を負うなんていったらできないだろうと思います。これはもうすべて国が負うというふうに理解してよろしゅうございますか。
○政府委員(遠藤哲也君) そういうことであろうかと思います。
○松前達郎君 それからもう一つお伺いしたいのは、今回の協定は全体的に見まして使用済み燃料の再処理に際してのアメリカの個別同意方式を包括同意方式に改めたと、こういう説明を伺ったわけなんですが、これが最大のねらいであるとおっしゃったわけですね。
 協定では、例えば核物質の貯蔵や二〇%以上の濃縮、これも新たにアメリカの規制のもとに置かれていくということになるわけなんで、現行の協定に比べましてアメリカの規制権というものが拡大されたのではないかと私は見ているわけなんです。これだけ見ても、日米間の協定のバランス上から見ましてどうも不平等性があるんじゃないかと思うんです。
 日本が核燃料の供給を受けている立場からいうと、それは不平等があってもやむを得ないと言えばそれっきりですが、包括同意方式の導入によってバランスをしているんだということをおっしゃるんですが、どうなんでしょうか、これは果たしてアメリカと日本の関係あるいは核物質そのものを全体として見たときの国家安全保障ですね、先ほど冒頭に申し上げたように、そういうものが裏にあって、こういう包括同意方式というのをアメリカが主張した、あるいは日本が主張したのかもしれませんが、アメリカが同意した、こういうふうに私は見ているんですが、いかがでしょうか。
○政府委員(遠藤哲也君) もうこれは先生御承知のとおり、アメリカは、規制権の拡大というのは確かにそのとおりでございますし、ただこれはアメリカばかりではなくて、やはり一九七四年のあのインドの核爆発、それからそれに続きます、いわゆる核不拡散を強化すべしという声を背景にしました、原子力関係国と申していいかと思いますけれども、それの一般的な趨勢であろうかと思います。そういうふうな規制権の拡大に見合った形で包括同意をとったということで、これはやはり私は、核不拡散を強化するということがアメリカの意図でもありますし、それ自身日本もよく理解できることなので、国家安全保障という言葉は確かに入っておりますけれども、これはもう繰り返し御答弁申し上げましたように、核不拡散の強化ということにあろうかと思います。
 それから、最後にもう一点だけ申し上げますと、こういったような規制権の拡大、包括同意というのは、新しい協定では、アメリカからばかりではなくて日本からも同時に向こうにかかっていくということ、これは三十年間でございますからそういうこともあろうかと思いますし、そういうことで双務性が確保されているということは、現行協定に比べますと大きな、何といいましょうか対等性というか、対等性の確保という点で御評価いただきたい点の一つだと思います。
○松前達郎君 この協定の内容からいって、今おっしゃったような大きな主眼点があるということは理解するわけなんですが、しかし実際のプルトニウムというものの輸送に関しては、この議論を聞いていますとまだまだどうも自信が余りないような感じを抱かざるを得ない。例えば航空機の問題、あるいはその他飛行場の問題、あるいは防護に関する細かい点ですね、これも今後はもっと詰めていかなきゃならない問題がたくさんあるんじゃないかと思うんですね。
 特に、さっき容器の問題がちょっとありましたけれども、これももう既にある程度研究で見通しがついているという御答弁もかつてあったわけですが、見通しがついているといっても、これは見通しでは困るので、やっぱり実験しながら、その容器が完全に安全なものである、完全ということはないにしろ最大限安全なものであるということがやっぱり確認されなければならない、これもまだ時間がある程度かかるんじゃないかと思うんですね。
 プルトニウムの輸送そのものも今すぐの問題ではないというので、まだまだこれからこれら三つの法案を含めて、条約、協定等についてもさらに詰めなきゃならない面がたくさんあるんじゃないか、実施の段階に移るときですね。この点をひとつ十分検討していただきながら安全に安全を重ねる、そういう方法であるいはそういった考え方でひとつこれを実施しなきゃならないんじゃないか、こういうふうに思います。
 これは私の希望ですが、私の方から申しますと、まだちょっと早いんじゃないか、時期が早い、まだまだ検討することがあるということを申し上げたいと思うんですが、その点大臣いかがでしょうか。
○国務大臣(宇野宗佑君) やはり原子力の平和利用は安全あって平和利用である、こういう気持ちで政府は対処していきたい、かように考えております。
○松前達郎君 終わります。
○黒柳明君 大臣ですね、今質問ありました北鮮のピンポン問題、確かにその種の会合に出ちゃいけないと、三つのことをやっぱり法務省から当事者に伝えてあると、にもかかわらず、私腑に落ちないところがあるわけですよ。
 日本政府が政治的高度な判断で入国を許した。これはもう北朝鮮も知っているわけですよね。その善意を足げにするように、むしろ日本政府を小ばかにするような態度で総連に、出ちゃならないという会合になぜ臨んだか、わからぬ。そして、その宴半ばにして退席したと。もしそれだけの覚悟を持って臨むならば、そんなこと何言っているのかといって正々堂々とその宴を全うしたらよかろう。それも宴半ばで退場している。さらに翌日の午前中は競技に参加している。まあ午後、本国から帰国命令が出たんでしょう。これははっきりしていますね。しかも北鮮のピンポンの団長は日本政府をなじっている、非難して帰国した、談話で。日本政府もおかしいぞと今大臣おっしゃっている。何かここらでお互いに行き違いがあるんじゃなかろうかと、私そう思うんですよ。
 そこで、法務省ですね――審議官はいらっしゃるか。
○説明員(大久保基君) 入国審査課長でございます。
○黒柳明君 審査課長――さっき審議官いたじゃないか。いなくなっちゃったの。
○説明員(大久保基君) 私がこの委員会に出席するようにということになっておりまして……
○黒柳明君 いやいや、さっき審議官がいたじゃないか。また違う答弁しちゃうまくないだろう。さっき審議官いろいろるる述べたから。変わっちゃったの、メンバー。
○説明員(大久保基君) ほかに用がございまして退席いたしまして……
○黒柳明君 ほかに用といったって、こちらはこれについて要求したんだよ。
○委員長(森山眞弓君) 入国審査課長ですが。
○黒柳明君 だって、さっきるるいろんなことを述べた人がいなくなっちゃったんじゃない。しようがないね、それではね。さっきの人と今の人とまた違っちゃったのかよ、担当者が。
 十八日、改めて日本卓球協会から法務省に、あしたこれこれしかじかの会合がある、出席していいですかと問い合わせがありましたね。
○説明員(大久保基君) 委員御指摘のとおり、十八日の夕刻、日本卓球協会の森専務理事が……
○黒柳明君 あったらあったでいいよ。
○説明員(大久保基君) 参りまして、私のところに……
○黒柳明君 問い合わせがあった。
○説明員(大久保基君) 翌日の十九日のお昼、新潟市の……
○黒柳明君 いいから、問い合わせがあった。
○説明員(大久保基君) ございました。
○黒柳明君 それについて法務省は何と答えましたか。
○説明員(大久保基君) 実は、このレセプションにつきましては前日から、あるところからこういう話があるということを聞いておりましたので、もしこれが正式に申請があった場合にはどうだろうということで関係省庁と御相談いたしまして、やはり認められない方向だという認識を持っておりました。それで、現に十八日にそういうことが正式に願い出がございましたので、私は各省とも相談しなくてはいけないけれども、感触としてこれは認められない方向であるということを御説明いたしました。
○黒柳明君 認められないと思うけれどもということはもう事前に通告してあるんですからね、認められないと。それで改めてあったから、認められないと思うけれども正式にはあした答弁すると、こう言いましたね。
○説明員(大久保基君) はい、おっしゃるとおりです。
○黒柳明君 そのあした、十九日。十九日の日本卓球協会と法務省とのやりとりはどうだったんですか。大臣、よく聞いておいてください。行き違いがあった。
○説明員(大久保基君) 十九日の午前中に……
○黒柳明君 何時ですか。
○説明員(大久保基君) 十一時過ぎていたと思いますけれども……
○黒柳明君 もっと前に、もっと前に、十時半から始まるんでしょう。
○説明員(大久保基君) はい、十時半ごろから、もう少し前でございましたが、関係各省とこういう要請が……
○黒柳明君 卓球協会との関係。
○説明員(大久保基君) 卓球協会に対しては、関係各省の協議が終わりましたので、正式に認められないということを十一時ごろ事務局に通告いたしました。
○黒柳明君 そうじゃない。十時半に何か行動を起こしたでしょう、法務省が卓球協会に、十時半ごろ。その後だ、今の答弁は。
○説明員(大久保基君) 私どもが卓球協会と連絡をとりましたのは、午前十一時ごろでございます。
○黒柳明君 十時半ごろ卓球協会の尾崎次長に何か連絡をとったでしょう。
○説明員(大久保基君) 法務省といたしましては、委員御指摘の十時半に、尾崎次長に連絡はとっておりません。
○黒柳明君 次長に、森専務理事に直接話をしたいと、そういう連絡が入っているんじゃないですか、卓球協会に。森専務理事に直接話したい、捜してくれ、どこに行っているか、そういう電話が入っているんじゃないですか、法務省から。
○説明員(大久保基君) 事実関係を御説明いたします。
 私どもが卓球協会の事務局長に森専務理事と連絡をとりたいということを申したのは十一時ごろでございまして、その以前には連絡をとっておりません。
○黒柳明君 結構。それじゃ十時半が十一時でいいわ、十一時。それで森専務を捜してもらいたい、直に電話したい。その後どうしました。
○説明員(大久保基君) それで、卓球協会の事務局としましては、私どもが話をしたいと思っておりました森専務理事がつかまらないということでございましたので、とりあえずその事務局の事務局長に対して私どもの前日の夕方約束いたしました正式の通告をしたわけでございます。すなわち……
○黒柳明君 わかった。そして、森理事をつかまえたのは何時、どこですか。
○説明員(大久保基君) 私どもはそれから四方八方手を尽くしまして、森専務理事と連絡をとりたいということであちらこちら連絡をとりましたけれども、結局そのレセプションが行われておりましたホテルの会場で森専務と連絡をとることができました。
○黒柳明君 何時。
○説明員(大久保基君) それが大体十二時半ごろでございます。
○黒柳明君 ここなんですよ。今の説明どおりであります。いいですね。一課員、私この名前出しません。法務省の課員たって法務省をしょっているんですから、課長じゃなきゃいけない、課長補佐じゃなきゃ、審議官じゃなきゃいけないとは言いません。法務省の一課員が森専務理事を捜した。ある会合に出ていた。会合は全く、私知っていますけれどもこんなことは言う必要ない。捜せられなかった。しようがないので卓球協会の事務員に言った。その名前もわかっています。それは言う必要ありませんから言いません。その事務員が森専務を捜した。いない。捜せない。車で移動している。そしてつかまったのは十二時半、会場なんですよ。こういう過程です。
 だから、正式な返事が翌日に来るというのが来ていないわけですよ。それで十二時、会場に出席しちゃった。それで会場で森専務をつかまえて法務省は電話を入れた。この間に結局意思の疎通のギャップがあったわけですよ。いいですか、この認識で。
○説明員(大久保基君) 先ほども説明があったと思いますが、その……
○黒柳明君 今私が言った認識でいいですね。だって課長が今そう説明したのを言っただけだもの。
○説明員(大久保基君) ちょっとつけ加えさせていただきますと、前の日の十八日の夕刻、私が森専務理事とお会いしましたときに、正式な結論については翌日十九日の午前中に話をすると、それについて森専務理事の方から私の方に連絡をとると、そういう話になっていたわけでございます。
○黒柳明君 そんな話していないんじゃない。どっかで何かの食い違いがあったんだろうと私は思う。
 いいですか。今言ったことも食い違いですよ。電話するであろう、電話したんだ、捜したんだ、だめだったんだ。どう考えたって日本政府の善意で入国できない者を入国さしたんだから、九日の日には荻村会長から北鮮の方の会長には伝えてあったんだ、出られませんよ、出ませんよ。ところが改めて明日だ。国会議員も出るし市長が出る、あるいは総連だけじゃない、ほかの主催もミックスしている。出られるじゃないか。出さしてもらいたいと改めて荻村会長にリクエストが来た。そして森専務から夕刻いかがですかと法務省に問い合わせがあった。それに対して今課長がおっしゃったように出られないとは思う、そう言ったという。だけれども、あした正式に返事する。それが正式返事が行かないじゃないか、正式返事が。大臣、行っていない。正式返事が行かないうちに出ちゃった。そして会場で森専務をつかまえた。
 だれが悪いんだ。日本政府の責任です。どこが責任だ。法務省の一課員か、卓球協会の一課員か、責任を押しつけられるか、そんなものに。日本政府の責任じゃないか。こんなばかなことやって、そして何がオリンピックだ、何が入国の許可だ。間違いがあるか、僕の言ったことに。あるか、間違いが。
 大臣、日本政府の責任だ、これは。だから、北鮮の団長が怒って帰った。本国帰還命令。当たり前じゃないですか。なぜそれじゃ翌日卓球に参加したか。わからない、何だか。出た。途中で退場しろ。正式返答が来ない。何で退場したか。本国から問い合わせ、来ない。もう卓球に参加している。よく事情をあれしたら、どうもこれは日本政府が行き違いみたいだ。こういうことです。
 局長、全部外務省と連絡し合ってやったと言ったですね。このことを連絡しましたか。し合いましたか、このことを。していない。今の過程を知っていましたか。知らない。今私が言ったことを知っていましたか。
○政府委員(藤田公郎君) 十九日の……
○黒柳明君 いやいや、もういい、時間かないから。今私が言った過程を知っていますか。知っているか知っていないか、一言で結構です。
○政府委員(藤田公郎君) レセプションに出席することは好ましくないということについては……
○黒柳明君 そんなことじゃなくて。
○政府委員(藤田公郎君) 意思が統一されていたわけでございまして、それがどのような形で先方に……
○黒柳明君 卓球協会の課員が森専務を捜した。法務省の課員から要請を受けた。この事実を知っていましたか。
○政府委員(藤田公郎君) そのような詳細については私どもは存じておりません。
○黒柳明君 知っていないじゃないか。なぜ打ち合わせをしてやったと言った。そこが問題じゃないか。何が全部打ち合わせしたなんてうそばかり言って。うそじゃないか、そんなことは。当日のそこが問題じゃないか。一番問題じゃないか。そんなことを知らないじゃないか。全部打ち合わせをしてやったと。打ち合わせなんかしてないじゃないか。――いいですよ、知らないんですから。事情を知るわけないんですから。
○政府委員(藤田公郎君) お言葉を返すようですけれども、ただいまの……
○黒柳明君 お言葉を言えば、またこちらがお言葉を言うよ。
○政府委員(藤田公郎君) 応酬を伺っておりまして……
○黒柳明君 言わない方がいいよ。知らないことばっかしよ。
○政府委員(藤田公郎君) 本来、先方側が政府の対応を聞いてくるべき問題ではないかと私は思って……
○黒柳明君 そんなことを言っているんじゃないじゃないか。そんなことを言っているか、僕は。事実を知っていたか、知らないか。知らない。全部打ち合わせをしてたと。していないじゃないかと言っているんだ。
 大臣、ここまで聞いてどう思いますか。ここまで聞いてどう思いますか。大臣、ここまで聞いてどう思いますか。
○国務大臣(宇野宗佑君) まあいろいろ行き違いがあったんだなというふうな感じがいたします。
○黒柳明君 そんなことで済まされますか。そんな簡単な答弁で済まされますか。行き違いがあったことは認めているんじゃないですか。行き違いがあったことは、これがさっきあったようにどう政治に影響を及ぼすか、両国間の問題に影響を及ぼすか、それが大臣の答弁じゃないですか。
 私はここで、もう五、六年来初めてね。何か本格的な質問をしているような感じがする。今まで質問らしい質問をしたことはない。何となくストレス解消したような感じがする。
 行き違いがあったんだろうななんて、そんな答弁じゃだめじゃないですか、大臣。これから影響を与えていくんですよ。今の私の話は間違いないんです。大きな行き違いです。どうこれを処置するのか。感想じゃない。どうこれを処置するのですか。感想どころじゃないじゃないですか。
 それは今局長がおっしゃるように、いろんな問題を言いたきゃ言い分ありますよ。だけど、私はその当日の事実関係だけを言っているわけです。いいですか、局長ね。向こうが聞くべきだ、それも当たり前かもわかりません。だめだったんだから出るべきじゃない、それも当たり前かわかりません。だけど、あした正式に返事するという返事が行かなかったんだから。そうでしょう。会場でその返事が行ったんだから、だから急遽森専務も泡食ったわけだ。出ていった。まあ素直というか何というか、出ていった、それで。
 大臣、どうですか、これにつきまして。両国関係は、北鮮の言う方が一〇〇%まとも、妥当とは私は言いませんよ。だけど、日本政府は大きな手落ちがあった。私はあえて政府と言いますよ。だれだ波、どこの省、どこのこうだ。政府だ、大きな手落ちがあった。もあった。があったとは言いませんわ。責任の中に、もあったと、どうですか、大臣。
○政府委員(藤田公郎君) 結論が非常に意外であるならともかくとしまして、認められないと、方向にあるということは、主催者側の卓球協会も十分御承知だったはずでございますので、手落ちがあったというただいまの委員の御指摘は当たらないんではないかと私は感じます。
○黒柳明君 私はそのことを前提に認めているわけなの。認めているわけなんだ。いいですか。もう通知は行っている、三条件は了解している、認めた上で十八日からの行動を言っているの。
 今おっしゃったこと、行き違いがあったと大臣認めているのに、行き違いがないと局長言うの。行き違いはあったと認めますな、あったんだろうなということはわかりますね、結果出ちゃいけないのを出ちゃったんだからいけなんだと、私はそこらあたりも、もしかするとそうかわからないよ、こんな感じはしますよ、出たらうまくなかったんだと。今の今までそう思っていましたよ、出た方が悪いんだよと。
 ところがよく事情を調べるとどうもおかしい、納得できないんだよ。それで調べてみた。こんなの私がやる仕事じゃないよ。法務省に尋問されるんならいいけれども、まだ私そんな尋問されるような悪いことはやっていないからね。私が尋問するなんというのは逆ですよ。行き違いがあったことは認めるんでしょう。だからもう局長の段階じゃない、いいですよ。
 大臣、どうですか、これ。それでこんな問題になっちゃうんだ。
○国務大臣(宇野宗佑君) 今委員とそして法務省との間のやりとりを聞いていると、何か行き違いがあったような感じがするなという感じを持ったというわけで、私は事実関係をまた私自身で調べます。そうでなければ私のきちっとした気持ちを当委員会で申し述べるわけにはまいりません。
○黒柳明君 当然そうでしょうね。ただし、こういう事実。
 法務省、今私言ったことについて何か言い分あったら言ってください。どこか間違いがあったら言ってください。
○説明員(大久保基君) 今委員が御指摘になりました行き違いの点でございますけれども、私どもといたしましてはレセプションの前日に、正式ではございませんけれども……
○黒柳明君 同じことを言っちゃだめだよ。
○説明員(大久保基君) はい。卓球協会の専務理事に対して難しいということを申しましたし、かつ入ってくるときに朝鮮総連との接触を全く予定しておりませんでした。当初の予定を変更する場合には事前に了承をとるべきだということを言っておりました。したがいまして、これに基づいて、我々の了承がなければ日程の変更をして朝鮮総連の新潟県本部の主催するレセプションに出ることについては了承を得られないということはよく承知していただいたと思います。
 かつ十九日の朝事務局に対して、これは私ども初めて連絡とった方でございませんで、前々から連絡をとっておる方でございましたので我々の考えもよく知っている方でございますので、この方に対して正式な通知として、このレセプションに参加することは認められませんということを通告したわけでございます。したがって、レセプションの始まるまでに代表団といいますか日本卓球協会に対して正式な通告がなかったということは言えないというのが私どもの認識でございます。
○黒柳明君 正式な返事はあしたすると言ったことはさっき間違いがない。もう一つ、十一時ごろ森専務にじかに言うから森専務を捜してくれと、これを言ったことも事実、間違いない、いいですね。いないから事務局の人に言った、もう課員の名前を言う必要はないからね、もう同じことの堂々めぐりだよ。言った、これも私認めます。それが森専務に伝わっていない。そして会場で十二時半、森専務にその意思が法務省から行った、こういうことです。この事実関係間違いないですね、いいですね。
○説明員(大久保基君) はい、委員のおっしゃったとおりでございます。
○黒柳明君 認めました、大臣。一番の責任者が認めました、私のおっしゃったとおりですと。だから全く仮定の、架空のことを言っているんじゃありません。いいですか、行き違いがあった、もうこれ以上言いませんよ、二十五分使って同じこと二回も三回も念を押しているんですから。私の言ったとおり、だから大臣お調べになってくださいよ、調べるなら調べるでいいです。だけれどもその事実ははっきり認めているんです、一番の責任者が。それを踏まえて大臣どういうふうにこれを受けとめますか、あるいは対処しますか。
 調べてから、いいですよ、調べなさい。ただし、私の言ったことは全部認めているんですよ。それを認めた上で、大臣お隣にいてお聞きになっているんですから、どういうふうな感想をお持ちか、どういうふうな対処をされるか。
○国務大臣(宇野宗佑君) もうこれははっきり申し上げまして、先ほどの小川委員にもお答えしたとおり、北朝鮮の幹部の人たちの入国につきましてそれを認めるか認めないかということは今回に限ったことじゃないんです。それで、入るときには国交がありませんからかくかくしかじかの条件を満たしていただけるならば入国許可ということでやって、先ほども科学技術協会の相当な方が来られました。そして、その方はきちっと守って帰られました。
 だから、私同じことを言うんですが、今回の場合もやはりそうして守ってほしい、こちらから条件つけておるわけですから。したがいまして、そうした点がいろいろ行き違いはあったかもしれませんが、私からその影響がどうのこうのと言う立場にはない、私はそう申し上げていいんじゃないかと思うんです。
○黒柳明君 卓球協会をパイプにやってきているんです、全部ね。法務省いいですか、卓球協会が正式答弁を北鮮に伝えていないわけ、それは今言ったとおり。正式に伝えていないから、向こうもどう思ったかわかりません、向こうの腹まで探れません、出ちゃったという経過があるわけです。これが唯一の行き違いですよ。その事実は今大臣聞いたとおりですよ。それを踏まえても大臣の答弁は同じですか。出ちゃいけないんだから出ちゃいけない、リクエストするのもおかしい、卓球協会が前の日にそんなものわかっていながら法務省に問い合わせするんだっておかしい。いや、正式答弁なんか、そんなもの行き違いがあったってないのが当たり前――まあないのが当たり前と言うかどうか、正式答弁を待っていたわけですよ。それがないから出ちゃった。そこのところはどうですか。局長、済みませんね、どなってね、済みません。
○政府委員(藤田公郎君) 正式の返却がなければ出ないのが自然だと私は思います。
○黒柳明君 そうか、僕一本参ったな。なるほど頭いいや、局長の方が。
 ただ、出ないのが当たり前だとここでは思うけれども、要するに日本の卓球協会が案内して行った。警察もガードして行っているわけですからね。出ないのが当たり前だとここで局長が言ったって、北鮮の団長、向こうとしてはそれが当たり前だと思っていないから出ちゃったわけよ。そうでしょう、ね、出ちゃった。
○政府委員(藤田公郎君) いや、私が申し上げましたのは、卓球協会としまして正式な返事が来ない以上は連れていかないのが当然だ、そういうふうに私は思います。
○黒柳明君 そうすると、けさ法務大臣と官房長官が談話でやっていた、日本卓球協会は甘い、こういう考えなんだ、外務省は。日本卓球協会が甘かった、連れていくのが。大臣、そうなるわけだ。
○国務大臣(宇野宗佑君) いろいろ黒柳さんかっかしておっしゃるけれども……
○黒柳明君 かっかなんかしていませんよ、冷静ですよ。
○国務大臣(宇野宗佑君) 官僚の人たちは気が弱い。私は心臓が強いから構いませんよ、どんどんおっしゃって。
 しかしながら、やはりこの問題はきちっと条件つけてやった、そのことが一つ、卓球協会が身元引受人である、この身元引受人であることをもう少しく卓球協会もきちっとしてもらえばよかった、こういうふうに私は帰ってきてからいろいろ報告を受けておりますから、そのとおりであろう、こういうふうに思っております。
○黒柳明君 そうすると、卓球協会だな。正式返事が日本卓球協会へ来ない、だから連れていった。これも考えられませんな、本当を言うと。だめだというものを、正式返事が来なかったら問い合わせりゃいい、確かにそれも理屈だと思いますね。そうすると北鮮に手落ちがなかったかわかんないね、もしかすると。身元引受人である日本卓球協会に全面的にこの非はあるかもわかりませんな、そういう考えたと。
 そうすると、北鮮は日本卓球協会と日本政府を混同して、日本政府けしからぬ。日本卓球協会に、これは一生懸命卓球協会はやってくれたとあのときコメントしたね、北鮮の団長も。卓球協会よかった。だけれども、日本政府の措置はけしからぬ。そうすると、今度は何かとばっちりが日本政府に行っちゃったという感じですかな。本来は日本政府としては、法務省としては卓球協会の甘さを指摘したい、身元引受人。そんな正式回答がなくて連れていくなんてそんなばかなことあるかと、こう言いたいんだけれども、北鮮の方になればこれは卓球協会が連れていったんだから、卓球協会は正式返事が来ない、そこが食い違いですわな、きっと。その食い違いが結局、これからどう発展するかわかりませんよ、何かぎくしゃくする方向に行った。
 どうですか、やっぱりこれ何か外交ルートを通じて大臣、今実情を御自分でお調べになる、調べてやっぱり事実関係というものをはっきり教えてやらなきゃいけない。その上においておまえたちやったことはまずいとか、出ること自体もおかしいんだとか、こう言ってやらなきゃなんないじゃないでしょうか。まだそこらあたりが何かお互いに半信半疑になっているのがあるんじゃないですか、お互いが悪い。しっかりお調べいただいて、そして外交ルートがないけどしかるべきところを通じまして、そして向こうにしっかりした事情というものを教えてやる。これは外務省――外務省ですな、法務省じゃないですな、どう、やってやった方がいいんじゃないですか。
○国務大臣(宇野宗佑君) 一々お教え願っているようでございますが、私も外務大臣である以上は、ああしたこうしたということは申し上げませんが、やはりこうした事態に関しましては、外務省は外務省として法務省との関係も十二分に連絡をとっておるわけでございますので、そうした意味合いのことは、なぜこうしたことが起こったか、我が国の立場は立場として鮮明にしておきたいと、かように考えております。
○黒柳明君 結構ですね。また後で。
 きのう総理大臣が、大臣、都内のホテルである新聞社のあれもありますけれども、紛争地域に非戦闘員を派遣したい、国際的に貢献する日本の一環としてと、こんな発言があったわけです。一部のマスコミに出ましたけれどもね。
 そうすると、アフガンの問題もこれ終戦処理というふうなことが強いと思いますね、難民救済。そうすると、総理がおっしゃったこれはどういうことなんですか。外務省はこういう検討をしていますんですか。紛争地域というとイランとかイラクとかカンボジアとか、こうなるんでしょうかね。
○国務大臣(宇野宗佑君) これ言いにくい話ですが、何かこう、いろんなことで思惑で書かれた面が多分にあるというふうに私は聞いておりますが、そうしたことは過般来、アフガニスタンの問題でソ連の撤兵に関しましては国連監視団に私たちは文民を出すということを言っておりますから、総理もそれ以上のことはおっしゃっておらないと、私こう思っております。したがいまして、そのようなことはあり得ないというふうにお考え賜ればいいのじゃないかと思います。
 また、平和のことならば、いろんなことで今後お役に立つならば、国連機関等々を通じての場合は文民は派遣してもええというようなことはおっしゃったかもしれません。したがいまして、私、真相を知りませんので、私が総理と常に御連絡申し上げておりますから、恐らくそのような従来の枠をはみ出した御発言はないと、こういうふうに私は考えております。
○黒柳明君 わかりました。時間がありませんので。
 おとといですか、ゴルバチョフ書記長がアメリカのあるあれとインタビューして、今回は戦略核の五〇%削減、これは不可能ですね。だけど、レーガン大統領の任期中にも何かできれば調印したいと、こんな非常に意欲的な発言をしていましたね。
 INFの全廃についてはわずか四%と、先般の本会議でも何回も、これは日本の核政策に余り影響を与えませんと、まだまだ核に対していろんな問題が残っていますと。ただ、五〇%戦略核が削減されると、現実的に、これは相当やっぱり国際的に核についての環境は変わるし、我が国の安保の核抑止力の日米関係というものは変わる可能性があるんですよ。変えなきゃならないんじゃないかな。しかもアメリカも大統領の任期がもう切れますからね、大統領選もありますから、自分も副大統領も。すると、ゴルバチョフ書記長があれほど意欲的に言い、しかも準備が着々と進んでいるということは、実現できるんじゃなかろうか、任期中、秋までにと。
 そうなると、今度はINFの全廃どころじゃなくて、相当やっぱり日本の姿勢というものも核について変わるんじゃないかというような感触がするんですけど、まだちょっと、今まだ夏にならないのに秋のことで恐縮ですけれども、米紙にそういう意欲的な発言もしましたものですから、大臣の意欲的な前向きの、秋を目指しての発言をお聞きできればと思うんですけど、いかがでしょうか。
○国務大臣(宇野宗佑君) いずれにいたしましても、私たちは第二回目の米ソ会談の成功を祈っておるというのが今の日本の立場でございます。また、成功してもらうためには、西側がそれだけの結束をして、そしてアメリカを応援してあげるということも必要であると、これはもう再三私が申し上げたとおりでございます。
 いずれ、米ソのそうしたものは、今度トロントの会議において東西間の大きな話題になると、私はこういうふうに考えております。したがいまして、そうした結果が出て、いろいろと米国大統領からもサミット参加国の首脳にはいろんなお話があろうかと思いますから、そうしたことを判断材料にしなければならないと、かように考えております。今から、また甘いことを言うたとか辛いことを言うたとかというようなことのないようにしておきたいと思っております。
○委員長(森山眞弓君) 午前の質疑はこの程度とし、午後二時に再開することとして休憩いたします。
   午後零時五分休憩
     ─────・─────
   午後二時開会
○委員長(森山眞弓君) ただいまから外務委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 先ほど、立木洋君、小川仁一君及び小西博行君が委員を辞任され、その補欠として吉井英勝君、中村哲君及び関嘉彦君が選任されました。
    ─────────────
○委員長(森山眞弓君) 休憩前に引き続き、原子力の平和的利用に関する協力のための日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○広中和歌子君 先回に引き続きまして、今度の原子力協定について質問を続けさせていただきます。
 空輸の問題でございますけれども、アメリカの方から米本土、特にアラスカでは給油をさせない、上空も通過させない、そして緊急時の避難にも民間空港は利用させないなどという厳しい条件を突きつけられたようでございますけれども、日本政府はこれを約束させられたと伝えられるんですが、それは事実でございましょうか。
○政府委員(遠藤哲也君) 今の現状を御説明申し上げますと、アメリカの方から、どうもノンストップで日本に来れる飛行機の開発が可能ではないかと、したがいまして、そういう前提を踏まえましてイギリスなりフランスなりからノンストップで日本にやってくるルートというものを要するに第一ファーストプライオリティーで考えてくれないかと、こういうふうな申し出がございまして、日本といたしましては、まず何よりも先決問題としましてそういうふうな飛行機の開発が技術的に可能かどうかということを今検討しているわけでございますし、もし可能であればそういうふうな方向に沿って検討したいと、こういうことでございます。
 それから、もしそういうふうなルートをとる場合にも、もちろん万が一の緊急着陸空港というのは必要でございまして、これにつきましては今後のルートの決定とあわせてアメリカ側と検討していくつもりでございます。
○広中和歌子君 そういったノンストップの航空機の開発の見通し、そしてそれができるまではプルトニウムなどの輸送はしないのか、それとも別の方法を考えるのか、その点についてお伺いいたします。
○説明員(結城章夫君) ただいまございましたノンストップ飛行が可能であるかどうかという点につきまして、我が国としても今確認の作業を進めておるところでございます。これまでの検討によりますと、近い将来そういうノンストップ飛行が可能になる見込みは高いというふうに考えておりますが、最終的にその確認が得られればこのノンストップでやるということをその第一のプライオリティーに考えていきたいと思っております。
 そこで飛行機はどうかということでございますが、ノンストップ飛行が可能と思われる機種といたしましてはボーイング747―400という機種がございまして、これの貨客型機あるいは貨物型機というものが一つの候補になってきておりますけれども、まだ機種は確定したものではございません。
○広中和歌子君 御質問いたしましたけれども、これが確定するまでは輸送をしないのか、控えているのかどうかということ、そして大体どの程度の年限を予想していらっしゃるか。近い将来とおっしゃいましたけれども、プルトニウムの日本への輸送が永遠に延期されるものなのであるかどうかということも含めてお伺いいたします。
○説明員(結城章夫君) お答えいたします。
 プルトニウムの輸送は一九九〇年代に入りましてなるべく早く開始したいと思っております。これからの数年先になるかと思っております。
 一方、ただいまのボーイング747―400の機種でございますけれども、そのコンビという旅客と貨物と両方運べる機種でございますが、これの第一番機は来年の五月ないし六月ごろに就航するというふうに聞いております。そういうことで大体スケジュール的には間に合うんじゃないかというふうに考えております。
○広中和歌子君 この飛行機、もし輸送用に日本が買うといたしました場合には、これはプルトニウム、ウランを運ぶ、核燃料を運ぶ専用機となるわけでございますか。そして飛行回数などを考えますとかなり高価なものになるのではないかと思いますけれども、その点についての予想も伺いたいと思います。
○説明員(結城章夫君) この核燃料の輸送専用になるとは考えておりません。航空会社がこの機種を買ったものを実施主体となります動力炉・核燃料開発事業団がチャーターするという形になるのではないかと思っております。
○広中和歌子君 ほかのものと一緒に運んだとしても危険というものはないんですか。
○説明員(結城章夫君) プルトニウムを運びます場合は専用貨物機として使います。ほかの貨物と一緒に運ぶということはございません。
 ただ、プルトニウム以外のものを運んではいけないと、プルトニウムを運んでいないときにプルトニウム以外のものを運んではいけないということにはならないと思っております。
○広中和歌子君 放射線その他安全性は大丈夫なんですか。むしろそちらの方が……。
○説明員(結城章夫君) このプルトニウム航空輸送の安全性につきましては、プルトニウムを安全な輸送容器に収納するということでございまして、この輸送容器の開発を現在進めております。こちらの方も大体見通しが立ってきたところでございます。この輸送容器に収納して航空機に積みつけるということにいたしますと、その安全は確保されると考えております。
○広中和歌子君 次に、ちょっとウランの供給についてお伺いいたしますけれども、今、日本は現在どこからどのくらい買い付けているんでしょうか。
○説明員(田中伸男君) 我が国のウランの供給先でございますけれども、今現在私どもの電力会社が持っております長期契約は合計二十万三千トンございますが、ウランのイエローケーキベースでございまして、それで契約先の国は、カナダから約三一%、イギリスから二四%、南アフリカから一一%、オーストラリアから一一%、フランス八%、アメリカ五%、ニジェール一〇%、こういう状態でございます。
○広中和歌子君 ナミビアから輸入していらっしゃいますでしょうか。
○説明員(田中伸男君) 我が国の電力会社がナミビア領内にございます鉱山会社と購入契約を結びまして、それを購入しているような事実はございません。
○広中和歌子君 間接的にはいかがですか。
○説明員(田中伸男君) 先日、報道等でリオ・ティント・ジンク社というイギリスにある会社から買っているものについて、これはナミビアから来ているのではないかということが国会でも質問をされたわけでございますけれども、私どもが承知しております限り、電力会社が確かにRTZ社と天然ウランの購入契約をしておりますけれども、これはその天然ウランを六弗化ウランという形に転換いたしました後で引き渡されるという契約を結んでおりまして、各電力が、この六弗化ウランがRTZ社にどこから来たのかということにつきましては知り得ない立場にあるというふうに承知しているわけでございます。
○広中和歌子君 つまり、オリジンが知り得ない立場にあるということで、仮にナミビアから来たということがあってもそれは知らないということなんでしょうか。つまり、日本にイギリスの港湾労働者の委員会から抗議の手紙が来ているというふうに伺いましたけれども、そういうところ、自分たちの得ているウランでございますけれども、それのオリジンですよね。カントリー・オブ・オリジン。それについては関知なさらないということなんでしょうか。
○説明員(田中伸男君) 先生御指摘の、イギリスで港湾の労働者が荷積みを拒否してとまったんではないかと、こういう報道もあったわけなんでございますけれども、確かにリバプール港におきましてアメリカ向けの六弗化ウランのコンテナの一部にそういうものが含まれているのではないかということで拒否された事実があります。ただ、その拒否されたウランそのものも、しばらくたった後に出港いたしましてアメリカに実際着いているわけでございます。
 そのウランそのものが、じゃどこのものかということにつきましては、外務省を通じましてイギリスの核燃料会社に確認いたしましたけれども、関係する顧客の名前は明らかにできない、こういうことでございまして、電力会社そのものもナミビアとは直接の購入契約はございませんので、これは調べましても私どもにはわからないし、買う立場からも、技術的にもアメリカで濃縮をさらにイギリスで転換した後するわけでございますので、これはどういうふうにしても日本の電力会社には原産国については知り得ないということ以上のことは申し上げられないという感じでございます。
○広中和歌子君 現在ナミビアは南アフリカに統治されておりますけれども、一応そのことを国連は不法とみなしているわけでございます。そういう中で、一応原子力政策といたしまして、仮にそれがナミビアからのものであるといたしましたらば輸入しない、そういうのが原則でございますか。
○説明員(田中伸男君) 我が国の立場は再三にわたりまして大臣初め御答弁しておりますが、国連ナミビア理事会のナミビアの天燃資源に関する布告の政治的な意義を理解いたしまして、その趣旨を尊重する、こういう立場でございます。
 ただ、政府がそれに基づいて何ができるかというのは法的拘束力についていろいろと議論のあるところだとは思いますけれども、私どもも布告が出た直後に通産省公報とか通商弘報等に掲載しまして関係業界に布告の趣旨を周知せしめたということで、それに基づきまして電力会社もその趣旨を尊重しているというふうに考えております。
○広中和歌子君 前回から原子力発電の安全性についていろいろ御質問させていただき、そしてまた長々とお答えいただいたわけでございますけれども、私は科学者じゃございませんし、安全なんですと説明されると反論の余地がないわけでございます。
 しかしながら、先回もちょっと申しましたように事故があるまでは安全である、何事も安全ということはないわけでございまして、こういうことを飛行機と比べては大変恐縮なんですけれども、外務大臣も無事飛行機でお帰りになった。要するに飛行機の場合ですけれども、それは一応機能的にも非常に操作の安全性が確かめられ、そしてさまざまな安全規制というのでしょうか、そういうものがあった上で運航されているわけでございますけれども、しかしながら事故がある。事故があるから乗らないかといいますと、そういうわけではなくて、ともかく便利である。
 便利さをとるか、それとももしかしたら落ちるかもしれないというリスク、そういうものも加味しながら落ちたら運命だとあきらめるというのか、保険を掛ける、そういうようなことで我々は利用しているんじゃないかと思います。飛行機とそして原子力発電、これはアナロジーにしてはいけないかもしれないけれども、原子力発電所も安全だと言われ、スリーマイルアイランドの事故もあり、そして今回のチェルノブイリの事故もあったわけでございます。
 つまり、便利さとリスクということなのでございますけれども、確かにいろいろ御説明いただぎましたように、この原子力協定は核燃料サイクルを確立することを可能とする、そしてウラン資源の有効利用にもつながり、また日本にとってはエネルギーの自立になる。大変いいことでございます。そのこと自体は大変結構だと存じますし、また安全と言われればそうでしょうかというふうに承るよりほかないわけでございますけれども、しかし、もしもということがございますよね。
 それで、そのための保険でございますけれども、リスクに対する保険というのは日本国民はどういうものを持っているのか。つまり、飛行機でしたらリスクがいやだからと利用しなきゃいいわけですけれども、原子力発電の場合には、原子力発電で発電された部分の電気は使いませんというわけにもいかないわけで、我々は利用者でもあるわけですけれども、それに対して我々はどれだけのリスクを払わなきゃならないのか、そのリスクの種類ですね、どんな事故があり得るんでしょうか、そのことについてお伺いいたします。大変に漠然とした質問でちょっと恐縮なんですけれども、やっぱり素人の立場から根本的なことを考えさせていただきたいと思います。
○政府委員(向準一郎君) 原子力発電所の安全性でございますが、先生御承知のとおり現在三十五基の原子力発電所が運転されているわけでございますが、現在、昨年度でございますが、稼働率か七七%ということで、そういうようないい嫁働状態を確保しております。それから、運転中に何かのトラブルでとまる回数も一基一年当たり一回以下というようなことで安全性、信頼性というのが確保されて運転されているわけでございます。
 しかし、我々は設置の許可とかあるいは詳細設計検査等を通じましてトラブル等が起こらないようにという配慮をしているわけでございまして、原子力発電所、平常時運転におきまして放射能レベル、周辺住民が受ける放射線レベルを極力低いレベルに抑えまして、自然放射能と比べてもごく少ない五ミリレム以下というようなレベルで確保しているわけでございます。
 それから、今お話しありましたように、我々、安全審査の中で災害安全評価ということで、万が一事故が起こった場合にどういうような周辺環境に影響があるかというような評価もやっております。そういうことで、多重防護という考え方でいろんなシステム、最後には格納容器という設備まで置きまして、周辺環境に放射能が漏れないようにというような災害評価の中でも多重防護の考え方を使いましていろんな設備を多重につけるということで、我々といたしましては平常運転はもちろんでございますし、そういうようなトラブル等が起こりましても、そういう周辺公衆が影響を受けるような災害につながるということはないというふうに考えておりますし、そういうふうに我々安全規制を進めているところでございます。
○広中和歌子君 原子力による発電ですね、それはもうどうしてもどうしても必要なんですか、日本にとって。つまり、ほかのものではできないものなんでしょうか。そして原子力、これから先の電力の利用状況、これは今までの増加と同様なカーブでふえていくものなのでございましょうか。
○政府委員(向準一郎君) 原子力発電の位置づけということになるかと思いますが、先生御承知のとおり、原子力は供給の安定性あるいは経済性あるいは大量供給性というようなすぐれた特性を持った電源でございまして、我々といたしましてはベース供給力の中核ということで、先ほども申し上げましたように安全性の確保に万全を期して積極的に導入していきたいという考え方をとっております。
 それで、昭和七十五年度の目標でございますが、五千三百万キロワットということでございますし、昭和七十年度につきましては四千百万キロワットということでございます。現在、先生御承知のとおり運転しておりますのが二千七百八十八万キロワットの設備が運転されているわけでございますが、今申し上げました七十年度、七十五年度はそういうような目標で我々原子力行政をやっているわけでございます。
○広中和歌子君 原子力による発電の依存度が西暦二〇三〇年には六〇%になる、これはだれの政策なんですか、政府の政策なんですか、それとも各それぞれの電力会社の政策なんでしょうか。
 そして、フランスなどはもう既に現在七〇%ですか、になっているということなのでございますけれども、かなり原子力発電をやっておりますアメリカにおいてさえ反核運動、核の平和的利用ということに対しても疑問の念が起こっている。そういう中で、日本はお仲間がいると言えばそれまでですけれども、フランスと日本だけが何か突出するような印象を持つのでございますけれども、いかがでございましょうか。
○政府委員(向準一郎君) 先ほど申し上げました昭和七十年度あるいは七十五年度という目標につきましては電気事業審議会需給部会の中間報告、これは六十二年にやられておりますが、その数値でございます。
○広中和歌子君 西暦二〇〇〇年には四〇%、そして西暦二〇三〇年には六〇%、この予想はだれが立て、そしてこの予想というんでしょうか、計画は変え得るものなのか。つまり日本が何かの理由で、また国民のコンセンサスによりまたは諸外国からのプレッシャーなどにより原子力発電に依存しないようにと、その依存のレベルを低くしていこうと、そういうふうな決定、そのような世論が沸き起こりましたときにどのような修正がされ得るのか、そのことについてもお伺いいたします。
○政府委員(向準一郎君) 今申し上げました原子力の目標値といいますのは、通産大臣の諮問機関であります電気事業審議会というところで審議をいただいて定まった数値でございます。
 それで、その中の考え方は、先ほど申し上げましたように、原子力につきましては供給の安定性、経済性、大量供給性というような特質を持った電源でございます。それ以外に石炭、LNG、水力、地熱等いろんな電源があるわけでございますが、そういうものをいろいろ勘案してベストミックスと申し上げるんでしょうか、そういうようないろいろな電源の特性、供給源の特性を考慮して、今申し上げましたような原子力の位置づけがなされているということでございます。
○広中和歌子君 それは日本の中における位置づけでございまして、国際的な世論の中でどういうふうに変わっていくかというのはわからないし、また日本人が日本でやりたいんだといって、そして仮に事故でも起こした場合には、それは我々がそれを決定した日本人だけの被害にとどまらず、全世界に被害が広まるわけでございますから、もう非常に慎重の上にも慎重に対処していただきたいとお願いいたします。
 そしてこの件に関する質問を打ち切りますけれども、せっかくきょうは本国会における最後の外務委員会でございますし、外務大任も非常に八方で御活躍でございますのでお考えをお伺いしたいと思います。
 日本の貿易黒字は縮小の傾向にはなくて、つまりふえ続けているわけでございまして、それに対するさまざまな外国からのプレッシャーというのは、アメリカだけじゃなくてヨーロッパからも来ているわけでございます。もちろんアジアの中からもあるわけでございますけれども、そうした中で日本が何か非常に孤立したといったような感覚を持つのでございますけれども、西ドイツの立場なんと比べてみましても、日本がアジアの中で何かアジアNICSという国々と協調するような体制、そうした体制づくりへの何というんでしょうか、そうしたものをお考えでいらっしゃるかどうか。かつて御質問したこともあるわけでございますけれども、こういう方向に日本としてはイニシアチブをとるおつもりなのかどうかお伺いいたします。
○国務大臣(宇野宗佑君) OECDに参りまして日本の努力、今回は各国よく理解し、また評価してくれました。現に構造調整も進んでおりますから、したがいまして輸入も増進し、輸出は衰えておるというような趨勢で、黒字も本日月例経済報告があったんですが、大体七百八十億ドルの黒字というふうな、だんだんと下がっております。ことしはさらに百億ドルということを望んでおるわけでございます。
 そうした中において、特にNICSの動きというものが世界各国から関心を持たれたという結果でありますが、韓国、香港、そしてシンガポール、それぞれ私は首脳と会談しましたが、全然考え方がまちまちであります。台湾とは国交はありません。しかしながら、NICSの存在はこれは世界経済の活性化のために大変役立っておると、こういうふうに私たちは評価しております。
 西欧諸国は、NICSは単にアジアの四国だけではなくして、やはり中南米、ラ米関係にもあるじゃないかと、こういうような主張があったんですが、ラ米までNICSという定義の中に当てはめてしまいますと、累積債務問題と今後先進国との間の問題と混同してしまうおそれありというので、私たちはできたらNICSはアジアなりと、こう言いたかったのでございますが、いろいろそれぞれの意見がございましたから、一応地域は限定せずにNICSというふうにしました。
 いつも申しますとおり、アジアが多うございますから我々としても無関心であってはいけない、こういうふうな考え方でございますが、アメリカを中心として例えばそれぞれの国の通貨の切り上げというふうなことを考えておるところもありますが、今それを押しつけるということはいささか先進国として行き過ぎじゃなかろうかということを私も主張しました。
 そんな結果、それぞれがわきまえまして、ひとつ日本もセミナーを行って、民間を入れて先進国ともいろいろ話し合いしたらどうかと、どういうスタイルでどこでやるかまだ決まっておりませんが、そういうような提案もしまして、この問題を初めて先進国のそうしたコミュニケの中で取り上げられたということはこれは一つの大きな問題になっておるということをそれぞれが自覚した結果ではなかろうかと、かように思っております。
○広中和歌子君 どうも今の大変興味あるお話、ありがとうございました。
 もう一点なのでございますけれども、最近日本ではソ連に対する政策に変化が見られるかどうか。これもかつてからお伺いしているわけでございますけれども、INF削減交渉の成功、それから核弾道弾の削減の可能性、それからソ連のアフガンからの撤兵、こうした一連の中で米ソ関係の緊張は確実に弱まっているのじゃないか、そういう中で、日本とソ連との関係、経済関係、政治関係がさまざまに揺れ動く。これは今後ますます揺れ動いていくんじゃないかと思いますけれども、大臣の長期的な見通しもお伺いいたします。
○国務大臣(宇野宗佑君) OECDで各国の外務大臣と連日お出会いしたんですが、欧州の考え方は、やはり来る米ソのモスクワにおける会談、これに大変な期待を寄せておる、このことがわかりました。またINFのグローバルゼロ、これ自体も評価しておりますが、まああれではまだ何とも言うわけにはいかぬというのが実態でございますけれども、やはり戦略核の五〇%削減を何としても実現してほしいというふうな気持ちがありありと見えておったことは事実でございます。これはワルシャワ並びにNATOという対立状態が続いておるからそうした希望があるのではないかと、私はこう思いました。
 したがいまして、日本といたしましても、現在のゴルバチョフ政権というものは政策上非常にダイナミックだということを私が北方領土視察のとき申しまして、それはいろんな意味でモスクワに届いておると、かように存じております。したがいまして、日本といたしましても、大切な隣人だから関係改善したいという熱意にはいささかも衰えはございません。
 したがいまして、まず今度の米ソ会談は成功してもらいたいものだ、そのために大いに西側陣営も結束しましょうと、そうした観点におきましては、この間ECの閣僚も全員私と同じ意見でございまして、そうして大いに米国をエンカレッジしましょうというふうな感じ方でございました。したがいまして、私たちも西側陣営でありますが、またソ連に対しましても、我々としては独特のいろいろ今日問題があるけれども、しかし経済問題、文化問題で改善を図っておるんだというふうな意見交換もしておったというふうなことであります。
○広中和歌子君 そういう最近の微妙な変化はソ連の方にも伝わっているというふうにお思いでございますか。
○国務大臣(宇野宗佑君) 日本がともどもに、いろいろココム問題等々ありましたが、しかし、双方ともにそうした問題はそうした問題として、やはりお互いに関係改善ということは大切なことだというふうに私たちも考え、またソビエトの方も考えておるだろう、こういうふうに私は考えます。
○吉岡吉典君 日米原子力協定の問題ですが、これまでの論議でも中心になりました問題が輸送の問題だったというふうに思います。これまでの論議で、これまで明らかでなかった点も幾つか明らかになっている点もありますが、おさらいも含めて幾つかお尋ねします。
 最初に、海上輸送であるか空中輸送であるかは別として、このプルトニウムの輸送問題というのが日本国内で国際的にもかくも大問題になるのはなぜかということを、簡単にまず整理して述べていただきたいと思います。
○説明員(石田寛人君) お答え申し上げます。
 先生御承知のとおりに、プルトニウムはウランからできます物質でございまして、有力なる核分裂性物質すなわち原子炉の燃料となるものでございます。すなわち貴重な資源とも言い得るものでございます。
 他方プルトニウムは、特に純粋なプルトニウム239のみが集まる場合におきましては兵器にもなり得るものでございます。その意味では非常にプルトニウムの取り扱いを慎重にしなくちゃいけないということが一つと、これまた御承知のとおりに、プルトニウムは放射性を持っておりまして、アルファ線を出します放射性物質でございます。アルファ線でございますから、これが一般にありますときはともかくとしまして、人体に入りますとかなり人体に障害を与えるおそれがある、そういうことで慎重な取り扱いを求めておるということかと存じます。
○吉岡吉典君 プルトニウムの毒性、それから核兵器になり得る、この二つの点ですけれども、それにつけ加えますと、私は午前の論議を聞いて、国際的には日本が核武装するんじゃないかという不安もつけ加えていろいろ論議になっているという感じを待ちましたが、これはここで議論しようということじゃありません。
 今のいろいろ問題になる点、プルトニウムの毒性ですけれども、この点かつて国会でも論議になったことがありますが、プルトニウムという名前自体が「地獄の王」というところから出た、こういう非常に危険なもので、専門家の意見によれば〇・〇四マイクロキュリーが骨に対する許容量だということですね。角砂糖一個分のプルトニウムがあると大体五千二百五十万人を侵すだけの量になる。ですから、単純なる数学的計算でいけば、角砂糖二個分で日本国民の骨を侵す許容量を突破する、そういう数字もはじき出されておる。それに核兵器になる、しかもそれは極めて簡単に核兵器になるという話もよく聞きます。簡単になるかどうか、これは別としまして。
 そういうものの輸送ですから、我々がこれを慎重の上にも慎重を期さなくちゃならないということになるわけですが、私は、ある本を読んでみましたら、「安全なプルトニウムの航空輸送容器が完成しても、それですべての問題が解決したことにはならない。我が国の民間空港は、原則として高濃縮ウランや、プルトニウムのような危険物を積んだ飛行機の灘発着を受け入れないからである。」、こういうことが書いてありました。
 これまでの論議で、民間空港に実際飛行機で運んでいたということがありますので、こういうある本の記述というのは不正確なのかどうなのか、まず明らかにしていただきたいと思います。
○説明員(金子賢太郎君) プルトニウムを当然含むわけでございますが、放射性物質一般の空輸につきましては、航空法という法令に基づきまして規制されておるわけでございます。原則的に禁止をした上で一定の技術基準を満たせば輸送できるというパターンが規制のパターンとして採用されております。
 さらに一定のものにつきましては、輸送前に運輸大臣の確認というような行政処分行為が介在するわけでございますが、これらの国際的な基準とも整合した現行規制に従う限りにおきましては、放射性物質の一部であります先ほど来御指摘の濃縮ウランやプルトニウムといった核燃料物質につきましても空輸は可能でありまして、またかつ民間空港の使用も当然可能でございます。
○吉岡吉典君 ある調査報告でこういう記述がありますけれども、これはどうでしょうか。「一九七九年、実験炉で使う高濃縮ウラン四五〇キロを西ドイツから日本へ運び込む際、受け入れ空港がないため、途中ロサンゼルスまで飛行機で運び、そこから船に積みなおしたというケースがあったと」、こういう事実はございますか。
○説明員(結城章夫君) ただいま御指摘の事実そのものかどうかちょっとあれなんでございますけれども、我が国はこれまでもプルトニウムを外国から日本に何回か運んでございます。その場合、イギリスとフランスに日本は再処理を頼んでおりますけれども、その再処理から回収されたプルトニウムということで申し上げますと、昭和四十五年から昭和五十九年までの間に合計で八百五十キログラムの輸送が行われております。これは飛行機と海上と両方で行われたということでございます。
○吉岡吉典君 今のロサンゼルスから船に積みかえて運んだというのは、これは原子力安全研究会の報告書にそういうふうに記述されておりますので。
○説明員(石田寛人君) ただいま先生御指摘の高濃縮ウランの積みかえ輸送でございますが、今ちょっと手元にそのデータもございませんし、あるいはそういうことを実際やったのかやらないのか、ちょっと今つまびらかにいたしません、申しわけございません。
○吉岡吉典君 もう一つ、「軍用機を使って、秘密裡に軍用基地に運びこんだところ、後にこれが発覚し問題になったケースもあった」という記述もありますが。
○説明員(石田寛人君) これにつきましてもその事実をつまびらかにいたしません。これも本当に申しわけございません。
○吉岡吉典君 わかりましたら後で結構ですから教えてください。
 先ほど答弁ありましたけれども、もう一度お伺いします。プルトニウムがこれまで日本へどれだけ送り返されてきたかということを次の項目に沿って数字だけで結構ですから。
 再処理によるプルトニウム、これはアメリカから輸入した核燃料によるもの、それからアメリカ以外から購入した、つまり日米協定にとらわれないプルトニウム、それから再処理ではなくて外国から購入したプルトニウムですね、それぞれと、それから輸送の時期、輸送方法、つまり空輸で何回ぐらいどれだけの量、海上輸送で何回、どれぐらいの量と、以上数字で結構ですから。
○説明員(結城章夫君) ただいまの数字を申し上げます。
 まず、再処理により回収されたプルトニウムでございます。先ほども申し上げましたのですが、昭和四十五年から昭和五十九年にかけまして合計八百五十キログラムがイギリス及びフランスから我が国に輸送されております。このうち日米協定の対象になりましたものは、昭和五十九年にフランスから運び込みました百九十キロでございまして、これは海上輸送を行っております、これは一回でございます。それ以外のプルトニウム、すなわち合計六百六十キロになりますが、これは日米協定の対象にならないものでございまして、昭和四十五年から昭和五十六年にかけましてイギリスから飛行機と海上により我が国に運ばれております。
 次に、外国から購入したプルトニウムでございますが、昭和四十年から昭和五十九年にかけまして合計四百八十キログラムが我が国に運ばれております。これも航空輸送及び海上輸送により運ばれたと承知しております。
○吉岡吉典君 プルトニウムという大変な危険を持っている問題が、日本にこれだけ頻繁に輸送されていたという事実が明らかになったわけです。
 民間空港の使用も先ほど答弁がありました。どこの空港が使用されたか、羽田の使用もあったという答弁も報道されておりますが、もう一度明らかにしていただきたいと思います。
○説明員(結城章夫君) ただいま申し上げました輸送のうちの航空輸送につきましては、日本は羽田に着いたというふうに聞いております。
○吉岡吉典君 私はこの間の本会議での答弁の報道でびっくりしましたけれども、今度の協定をめぐってアラスカでは上空を通るだけで大騒ぎになって、この協定賛成、反対だという騒ぎが起こるほど大変なプルトニウムの輸送が、日本ではあの超過密で大問題になっている羽田に、しかも頻繁に大量のプルトニウムを輸送していたということはこれは本当に驚くべき事態だったんだなという感じを持ちます。
 今後の問題にもなるわけですけれども、今後も法律上は構わないから成田なり羽田も当然この対象になるということでしょうか。
○説明員(結城章夫君) 今後プルトニウムの航空輸送を行う場合の日本の着陸空港でございますが、これはこれから関係省庁と十分協議していく課題でございまして、現段階ではまだどこということは決まっておりません。
○吉岡吉典君 そのことはこれまでの論議で知っているわけです。そうじゃなくて、政治的に見て羽田、成田というようなところを世界的にこれだけ大問題になるプルトニウムの輸送の飛行場として使うという考えは変えないのかどうなのかということです。これは大臣にお伺いした方がいいかもしれませんね。
○政府委員(松井隆君) 先ほどお答えしましたとおり、まだ白紙でございます。
 ただ、御案内のとおり、これから空港を決めていくにつきまして、前に私も御説明申し上げましたけれども、科学技術庁としては幾つかの留意条件を考えておりまして、具体的には、一つは三千メータークラスと申しますかの滑走路が必要である、それからもう一つは管制がしっかりしておる、それからもう一つは、やはり核物質の防護という観点から飛行機を割合離隔できるようなスペースのあるところ、そういった幾つかの判断、そういうものは私ども持っておりますけれども、そういうものをベースにやはり関係省庁ともこれは十分協議させていただきまして、そうして決めていきたいというふうに考えておる次第でございます。
○吉岡吉典君 それはそういうふうにしか言えないかもしれませんけれども、私は少なくとも羽田や成田というようなところをこういう危険なものの使用の対象からは外しますということぐらいはここで断言されるのが当然のことだと思いますけれども、これは議論しても同じ答弁の繰り返しでしょうから……。
 次の問題ですが、これも既に別の委員会、予算委員会で論議になっている問題ですが、昭和五十九年のフランスからの海上輸送の際のフランス、アメリカの軍艦による護衛問題ですね、この軍艦による護衛これはフランス、アメリカ両方とも二隻ずつで護衛したというふうに了解して結構ですか。
○説明員(結城章夫君) 昭和五十九年にフランスから日本にプルトニウムの船の輸送を行いました。このときは我が国としては十分な核物質防護措置を講ずるということで、輸送船の一部を改造するとか、フランスから日本まで無寄港で航行させるとか、その他もろもろの措置を講じたわけでございます。これは当時の核物質防護ということでの国際的な基準にも合致していたというふうに考えております。
 これとはまた別に、フランス及びアメリカは独自の判断ということで、我が国が講じた措置に上乗せということで、艦船が緊急時に対応できるような措置を講ずることにしたという連絡は受けておりました。ただ、その具体的な内容、ただいま先生おっしゃいましたような二隻であるとか、そういうことまでは承知いたしておりません。
○吉岡吉典君 私は予算委員会での答弁を読んでみて驚きましたけれども、我が国が依頼したことはないということ、あわせてこういう答弁なんですね、「輸送船からの話によりますと、その輸送途中において時折軍艦らしいものがいたという話は聞いてございます。」。
 そうすると、事前には全く知らなかった、フランス、アメリカの軍艦の護衛ということはですね。それで、輸送船から連絡を受けてそういうことが起こっているのかということがわかったという答弁ですが、そのとおりですか。
○政府委員(松井隆君) これは私が答えたやつでございますから私の方からお答えいたします。
 確かにそのときはそういうふうにお答え申し上げましたけれども、その後調査しまして、それにつきましてはそうではなくて、やはりフランス及びアメリカからそういう護衛をするという通知は我々受けとっておるという御説明をして、答弁の訂正をさせていただいております。
○吉岡吉典君 連絡を受けていたというだけじゃないはずですよ。日本が協力を要請したということを、日本から要請があったということをアメリカの文書ではきちっと書いておりますよ。
○説明員(結城章夫君) 我が国は、先ほど申し上げましたような船の改造その他に始まるいろんな措置を講じました。それで、これは当時の核物質防護の国際的な水準を満足するものであるというふうに考えておりましたので、これに加えまして護衛を頼むということは要請は行っておりません。
○吉岡吉典君 アメリカの文書、米国エネルギー省国際核不拡散政策及び国際事情・緊急エネルギー対策室編の「特別核物質の送り返し輸送の分析」という文書の中でこう書いていますよ、関係の箇所だけ読みますと、「プルトニウムの輸送と、輸送中の安全防護対策については、特別な準備が進められている。」、あといろいろありまして、「日本政府は、この安全防護対策をフランス政府とアメリカ政府にも依頼した。」、こうはっきり書いてあります。
 それから、別のアメリカの議員が大統領に送った文書の中でも大体これに通ずるような記述もあり、軍艦で守ってくれということまで言ったかどうかはわかりませんけれども、そういう日本の要請に応じてアメリカがわざわざ二隻ですよ、一隻の船の輸送をアメリカもフランスも軍艦を二隻出して護衛したというわけですからね、全くアメリカが道楽者でついてきたんだというような答弁では済みませんよ、どうですか。
○政府委員(遠藤哲也君) 先生のお言葉でございますけれども、そのときの、つまり一九八四年の時点のやりとりを見ましても、日本からそういったような護衛艦の随伴を要請したという事実は全くございません。
○吉岡吉典君 そうすると、輸送について、防護対策について日米で協議したことはありますか。
○政府委員(遠藤哲也君) それはございます。
○吉岡吉典君 防護対策は協議したが要請はしなかったと。この文書も正確に言うと、要請と書いてなくて「依頼した」と書いてありますから、あるいはそういうことかもしれません。しかし、認められませんから、ここで押し問答することはやめます。
 いずれにせよ、船で輸送する、このときにフランスも二隻の軍艦、アメリカも二隻の軍艦をつけて護衛したんですね。それほど大変なのがプルトニウムの輸送だ。そうすると、今度の協定で空輸ということになったわけですが、空輸の場合にも軍隊による護衛というふうなことは全くないということなのか、それは将来検討する問題になるということか、その点どうですか。
○政府委員(遠藤哲也君) まず、私の方から協定に沿ってお答え申し上げたいと思いますけれども、実施取極の附属書五によりますと、空輸が包括同意の対象になるわけでございますけれども、空輸の場合にかつての船舶輸送のときの護衛艦のような、つまり護衛機と言うんでしょうか、そういうことは想定されておりません。
○吉岡吉典君 想定されていないということは将来とも起こり得ない、これは絶対あり得ないということがはっきり言えますか。
○政府委員(遠藤哲也君) 協定上は理論的に可能性として絶対あり得ないということは申し上げられないわけでございますけれども、しかしながら、空輸を包括同意の対象にしたという背景には、なるべく輸送時間を短くしていわゆる核ジャック等々の危険性を減らそうと、そういうことでございましたので、したがいまして、まず護衛機による随伴ということは想定されないと思います。
○吉岡吉典君 これは新聞で報道されたことですけれども、今度の日米原子力協定の問題について、米国防総省がことし初めに議会に提出した報告では、輸送時間が短くなるので米軍への負担が小さくなる、こういうことを述べているとか、軍の対応も含む緊急時対応計画をつくる必要があるというようなことが書かれている、こういう報道が一カ月ほど前にありましたけれども、こういうことも起こり得ないということですか。
○政府委員(遠藤哲也君) 先生の今の御指摘のアメリカ国防総省の報告というのは、輸送ルートについての恐らく報告ではないかと私は想像いたしますけれども、その米国防総省の輸送ルートにつきましての報告というのは、幾つかの海の可能性、空の可能性、そのうちで幾つかのルートをいわば可能性として検討したようでございまして、その中でやはり空であり、かつノンストップでやるのがいろんな観点から見て一番望ましいのではないか、こういうことを書いてございまして、そういうことからいいますと、先ほど申しましたように、万が一の場合のそういったようなアメリカからの援助あるいは協力というものが最も少ないルートがいわゆるノンストップの北極圏経由である、こういうふうなことを国防総省の報告は言っているわけでございます。
○吉岡吉典君 そういう答弁ですけれども、いずれにせよ、このプルトニウム輸送に関連して国防総省がいろいろな事態を研究し、文書にもし、議会にも提出しているということですから、そういう事態が全く起こり得ないということでない、軍自身が考えていることのあらわれだと思います。
 私は、これまで行われてきた論議も含めて、このプルトニウム輸送問題でなぜこういう軍艦あるいは軍用機による護衛というようなことまで考えなければならないことになるか。結局は一番最初に返って、プルトニウムの安全性というものが大変な問題だと。また、これが核ジャックされて核兵器にでもされれば大変な問題だという問題に返るわけですね。私は、こういう危険な問題をこのままこういう形で、しかも膨大なプルトニウムを今後、一九九〇年代ですか行う、常時プルトニウムを輸送するというような事態は非常に危険な事態だと思います。
 私どもは、ウラン濃縮、使用済み核燃料の再処理、放射性廃棄物の処理、処分などはいずれもまだ技術的に未確立の状態だというように考えております。そして、核燃料サイクルが技術的に確立するまでの間の措置として、使用済み核燃料は安全な輸送と再処理技術が確立するまで原子炉施設内の貯蔵地に安全に保管する、そして再処理の外国委託はやめる、こういうことを主張し続けてきております。こういう危険な輸送機というのは絶対避けなければならないもので、これはもう検討する余地も全くないということだと思いますが、その輸送問題について、最後にそういう危険な問題に関連してもう一度お答えを求めたいと思います。
○説明員(結城章夫君) 現在イギリス、フランスに頼んでおります再処理でございますが、これは国内の再処理能力等を勘案して行われているものでありまして、ここで得られますプルトニウムは我が国の貴重なエネルギー資源でございます。これを逐次我が国に安全に持ち帰りまして核燃料として使っていく方針でございます。
 今後の新たな海外再処理委託の問題でございますけれども、現在青森県六ケ所村におきまして民間再処理工場の建設計画が順調に進んでいることもございます。昨年六月に原子力委員会が策定した原子力開発利用長期計画におきましては、まず、再処理は国内で行うことを原則とする。次に、国内における再処理能力を上回る使用済み燃料については、再処理するまでの間、適切に貯蔵、管理する。最後に、海外再処理委託については、内外の諸情勢を総合的に勘案しつつ、慎重に対処するという基本方針が出されておるわけでございます。
○吉岡吉典君 いずれにせよ、午前の討議で、プルトニウム二十五トンの輸送をするという計画なんですね。飛行機による一回での輸送の目安は大体百キログラムだとされていますから、単純計算だと二百五十回になるんですね。こんな危険な輸送をやるということになるわけで、私は、さっき述べましたそういう外国委託ということはやめるべきであるということを再度主張して、次のテーマに進みます。
○説明員(石田寛人君) ちょっとよろしゅうございますか。
 先ほど先生から高濃縮ウランの輸送に関しまして積みかえの御質問がございました。これはまだ確定しておりませんが、急遽電話で問い合わせましたところ、昨年、日本原子力研究所の研究炉用の燃料でございますが、これをドイツからフランスに陸上で運び、フランスから空輸してアメリカに至り、それからアメリカから船で日本に持ってきたというそういうことがあるようでございます。先生のおっしゃっておりますものはどうもこれに該当するんじゃないかと思いますが、さらに後刻詳しく調べさせていただきたいと存じます。
○吉岡吉典君 協定に関連して一、二、安全問題についてもお伺いをします。
 アメリカのスリーマイル島の事故、続くソ連のチェルノブイリ事故によって原発の安全神話というのは崩壊したと。世界各国ともこの二つの大事故を経験して、いろいろ新たな原子力発電問題に対応しているわけです。原発の危険性というものについてどのようにお考えになっているか、全く安全で何ら心配は要らないということなのかどうなのか、まずお伺いします。
○政府委員(向準一郎君) 原子力発電所の安全性でございますが、原子力発電所につきましては、先生御承知のとおり原子炉等規制法それから電気事業法に基づきまして設計段階、建設段階、運転の段階と、各段階にそれぞれ厳重な安全規制を実施してきているところでございます。それで、故障、トラブル等の発生件数も近年極めて低水準になっております。それから、国際的に見ましてもすぐれた安全実績ということを示しておりまして、我が国の原子力発電所の安全性には問題はないと考えております。
 通産省といたしましては、原子力発電のなお一層の安全性の何上、このために不断の取り組みが必要というふうに考えておりまして、人為ミス防止のための措置の研究あるいは国際的な規制情報交換等を通じまして、安全規制のより一層の向上ということでいろいろ施策を進めているところでございます。
○吉岡吉典君 法律の規制があるから安全だということですね。そういう通産省の考え方を反映してか、例えば私ここに、ある電力会社の原発についての解説資料というものがありますけれども、こういうものを見ても、また最近の雑誌等でも、日本は大丈夫だと、例えばチェルノブイリ事故というふうなものはあれは特別なものであって、日本は大丈夫だという宣伝が盛んに行われております。中には、日本国民の中でいろいろ騒いでいるのは科学について無知だからああいうことを言っているんだということを書いたものもあります。もしそうだとすると、一番今原発問題で大きな問題になっているのはヨーロッパですからね、ヨーロッパ人というのはみんな無知で、それでチェルノブイリ事故で騒いでいるということにもなりかねないと思いますが、いろいろ国際的にも国内でもこの問題をめぐる不安が広がっているのは全く根拠のないものだという考えですか。
○政府委員(向準一郎君) 今先生お話ございましたように、チェルノブイリの事故につきましては、原子炉のその不安定な特性を持っているとかそういうような設計上の問題、あるいは運転上いろいろ規則違反をしたというようなことで特殊実験を強行したために起こったものでありまして、我が国では起こり得ないものというふうに承知しているわけでございます。しかし安全性の一層の向上という努力はしていく必要があるわけでございまして、我々といたしましては安全規制の高度化あるいは事業者によります保安の充実、それから人為ミス防止のための技術開発推進、こういうようなことを強力に推進しているところでございます。
○吉岡吉典君 私は世界は二つの事故、スリーマイルとチェルノブイリからもっと深刻な教訓を学んでいると思います。
 それは、この二つの事故が安全神話を打ち破ったと。安全についての米ソの考えはこれ以後変わっている。スリーマイルの事故調査委員会の報告によっても、これはあなた方が私よりよく御存じのはずですけれども、原子力発電が十分安全だという考えが確立した、そして根をおろし、これが失敗を招いたと、そういう強調をしている。安全だと、心配しなくてもいいということが大きい事故のもとになったんだと。これはアメリカもそういう教訓を出しており、ソ連もそういうことなんですね。そういうときに日本は、法律の厳しい規制があるから大丈夫だということで本当に安全だと言えるかどうかという点について、私はそういう政府の姿勢は非常に重大な問題があると思います。
 最近私はテレビを見て、そういう姿勢の違いがこういう形になってあらわれるのかと思いました。それは今月の三日と四日のテレビ朝日で、アメリカにおける原発事故を想定しての演習をやっているテレビですね。この放送によると、放送のあれが事実かどうかは知りませんが、アメリカでは原発設置の認可を得る場合に住民にもそういうことを、原発事故の危険な実態を宣伝し、訓練まで行っていることが認可の条件になっているという放送もあり、また各家庭に万一事故が起こった場合の手引書が配られて、それに沿って行動すればいいようになっている。そういうアメリカの状況でした。
 それに対して日本の場合はどうかというのもあわせて放送されましたが、日本のインタビューに答えた答弁というのは、これはいざ事故になったらもう死ぬばかりですよという答弁。避難場所などというのを知っている人はどこにもない。
 これは赤旗が取材したことですけれども、赤旗が福井で取材したところ、例えば交番に行ってお巡りさんに避難場所はどこですか、どういうふうに誘導するんですかと言ったら、いやそんなことはおれに聞かないで役場へ行って聞いてくれと。お巡りさん、誘導すべきお巡りさんがそうなんですね。その派出所も避難場所になっている。そのことも知らない。保育所へ行って保育所に取材すると、保育所はどこに避難するか、そういうことはわかりません。その保育所も避難場所になっている。保育所や駐在所が避難場所としていいかどうか、これはまた別問題ですけれども、そういう状況を私は見まして、これは大変なことだと思いました。
 私の郷里も島根原発のある町ですから、私の郷里のつい目の先に原発はあるわけですからね。私の田舎へ帰ったって、万一事故があったらどうするか、どこへ避難するどうこうという知識は大体同じ程度ですね。私はそういうことでいいのかどうなのか。アメリカもソ連も原発というのは起こり得ると、安全だという気になったときが危ないんだということで、住民にもそういうことを徹底しながら、住民を巻き込んだ防災対策、防災訓練までやっている。日本は安全だ、任せるということでいいのかどうなのかですね。見解をお伺いします。
○説明員(酒井彰君) 原子力発電所につきます防災対策でございますが、これは先ほどお話がありましたように、災害対策基本法等に基づきまして地方自治体が地域防災計画の策定等所要の措置を日本でも講じてございます。
 具体的に申し上げますと、住民への原子力防災知識の普及、啓蒙のためのパンフレットの作成、配布等各種の広報活動、それから緊急時の防災行政無線、広報車、それから報道機関の協力による住民への情報連絡体制の整備、また住民の屋内退避、避難等についての指標、避難場所の設定、それから災害時におきます飲食物の摂取制限指標の設定等が行われておりまして、緊急時の住民の安全確保について万全の対策をとっているところでございます。
 また国におきましては、これら地方自治体が行う原子力防災対策の整備につきまして財政的に支援いたしますとともに、中央防災会談が決定しました「原子力発電所等に係る防災対策上当面とるべき措置」について、これに基づきまして緊急技術助言組織、専門家の現地への派遣体制等の緊急時における国の支援体制を整備してございます。また、原子力安全委員会が決定しました防災指針に基づきまして、地方自治体の地域防災計画の策定につきまして指導、助言を実施しているところでございます。
 また、先ほどございました……
○吉岡吉典君 私がお伺いしているのは、住民にどういうふうに対応しているかということでですね、内部で幾ら立派な防災計画ができたってだめですよ。これは、私の田舎でできている防災計画書もちゃんと僕はでかいものを持っていますけれどもね。住民に原子力の安全だということだけでなく、事故についての知識も与えて、それで訓練までやっているということをやられていない。内部の計画に終わっていることが問題だということを私は言っているわけですよ。
 そういう点で全く驚くべきのが日本の防災対策だと思うのは、これは福井県が出している被災住民登録票というのがあるんですよね。原発事故が起こったら、調査して聞き取りをやっていろいろ聞くことになっているわけですね。これが事前に住民に知らせておかなくちゃならないことを、事故が起こったときに聞く。ここの調査項目というのは、例えば汚染したら体をよく洗ったかとか、汚染した衣服は速やかに着がえる等々、事前に宣伝しておかなくちゃいかぬのを、事故が起こったときに後の被災住民登録票の中に書き込むようになっているんだけれども、こういうのが私は逆さまだと思います。
 私も原発は、郷里が原発の町ですからいろいろ関心を持っていますけれども、大体原発関係者の頭の中にあるのは、余り危険を言うと住民の不安をかき立てるから、これは寝た子を起こさないようにそっとしておくのがいいというのがあるわけですね。それが間違いだということを私は指摘して、本当に、私はこの間あのテレビを見て、それは非常に大事なことだと思いましたけれども、そういう点の検討をしていただきたいと思います。
 その点最後にもう一問答えていただいて、次のテーマに進みたいと思います。
○説明員(酒井彰君) 地元住民への原子力防災対策につきます知識の普及、啓蒙につきましては、国におきましてもパンフレットの作成とか、マニュアルの作成、提示などの努力をしてきております。また地方自治体においても、防災のパンフレット等、それから新聞折り込み広報等は日本でも行われてきておりますが、今後とも広報を含む防災対策につきましてはより一層地方自治体に適切な指導を行うとともに、その内容につきまして充実するよう努めてまいりたいと考えております。
○吉岡吉典君 これはもうちょっと時間をかけて本当はやりたいんですけれども、先ほどもありましたように、きょうのこの委員会は今国会の最後の外務委員会ですから、私はどうしてもきょうもう一問やっておきたい点を大臣にお伺いしたいと思いますので、やむを得ずテーマを変えたいと思います。
 それは、今国会は私ここで二回も取り上げましたように、奥野発言というものをめぐって大臣の辞任という問題が起こった点です。
 この大臣の辞任、奥野さんが辞任したということでこの問題は外交上の決着はついたということにもなっているわけですけれども、私はこれでは終わらない、これで終わらないからいろいろな問題が起こる。つい最近も自民党の安倍幹事長が、奥野発言は間違っていない、これによれば、あれは中国、韓国対策及び野党対策でやめたんで、発言内容が間違っていたわけではない、こういう発言を行っている。私はここらあたりに今日の政府・自民党の平均的な認識があるのじゃないかと思いましたけれども、それをそのままほっておくことができないというところが今日の重大な局面だと思います。
 私は、なぜこういうことが起こったか。これまで二回問題にしてきましたけれども、きょうは別の面から、結局こういうことが起こる、また外国から日本への強い不信が、四十数年たってもまだ戦前の日本の侵略への不信が残っているのは、戦後四十数年間日本がきちっとした形で過去の他民族への植民地支配及び侵略戦争についての清算をしてこなかった、そこにあると私は思って幾つかお伺いしたいと思います。
 私は、戦後四十年間あるわけですが、幾つかの時期を振り返ってみて、どうしてもやる必要があったと思います。
 第一にポツダム宣言を受諾した際。この際、日本は、本来過去の植民地支配、侵略戦争の清算をすべきだったわけですが、当時はそういうことは全然やられない。当時の政治状況というのは、終戦時、国体護持が全力挙げての当時の支配層の関心だった。この時期のことは私はとりあえずは述べません。
 次の問題はサンフランシスコ講和会議、これが日本が過去を清算する必要のあるもう一つの重要な時期だったと思います。あの平和条約、安保条約については、私ここでも述べましたように我々は明確な見解を持っていますが、それはともかく、講和会議だと言うからには日本はやはり過去の決着をつけるべきだった。
 私は、かつて古本屋で百円で買った議事録ですけれども、外務省がまとめたサンフランシスコ会議議事録という本をこれまでも何回も読み、今回も読み返してみました。これを読んで私が非常に改めて感じましたのは、サンフランシスコ会議でアジア諸国が、幾つもの国が日本の侵略を厳しく糾弾する演説をやっている問題なんですね。私、事前にこれに関連して質問するということも通告しておきましたので、どういう国が日本の過去の侵略について厳しい批判を行ったか、外務省の方から述べていただきたいと思います。
○政府委員(斉藤邦彦君) サンフランシスコ講和会議の際に日本より被害を受けたと述べた国は、ラオス、カンボジア、インドネシア、フィリピン、ベトナム、オランダといった諸国であると承知しております。
○吉岡吉典君 私が読んだところではまだ幾つかありますけれども、数はいいわけです。
 これらの国の演説というのは、私が読んだ本によれば、事前にダレス特使がいろいろ圧力をかけたり、買収工作をやって本会議でこういう演説が行われないようにさんざん工作したにもかかわらず飛び出した発言で、当時の吉田首相は、ダレスの力も大したことないなと側近に語ったということまである本で書かれている。
 そういう状況の中での発言ですけれども、例えばインドネシアはこう言っていますね。「日本人による占領期間中にインドネシアが被った損害は二重であります。第一に、約四百万名の人命の損失があり第二には数十億ドルの物質的損害があります。」、こう言っています。四百万人が殺された。
 フィリピンの演説を読んでみますと、こう言っています。「千八百万の人口のうち、われわれは百万以上の生命を失いました。生命の損失の他にわが国民は未だに癒されない程深い精神的傷手を蒙りました。」後、続くわけですけれども、私は改めてこの議事緑を読んで、こういうことを日本国民にも知らせないできた。同時にサンフランシスコ平和会議の受諾演説で吉田首相はこういうアジア諸国の批判に答えてもいない。私はそうこの速記録を読みましたけれども、別の読み方なさっていますか、外務省どうですか。
○政府委員(斉藤邦彦君) ただいまの御質問が、当時の吉田総理犬住の受諾演説で、日本が侵略行為をやって近隣の国に被害をかけたということを直接言及したかどうかという御質問であったとすれば、受諾演説の中にはそういうくだりはなかったと承知しております。
○吉岡吉典君 ここが私は戦後の日本と諸外国との関係を考える場合に非常に大事な問題だと思います。
 講和会議で、今読み上げましたような百方人、四百万人が殺されたという演説があった。本当にアジア諸国のそういう声に耳を傾けようという姿勢で講和会議をやれば、私はそういう批判に一言ぐらいは少なくとも答えてあるのが当たり前じゃないかと思いますけれども、和解と信頼の条約だということでアメリカへの感謝の言葉はさんざん述べてありますけれども、これに答えることはなかった。戦後の講和会議での出発点、アジア諸国のそういう声を無視しての出発だったと、そこに私は今の問題がある。私は、今からでも講和会議のときにその声に答えなかったその答えを出すべきだと思います。それをやらないから教科書問題その他あらゆる発言のたびに問題が起こる。侵略の決着はつけられていないと思います。
 ついでにお伺いしますけれども、この日本の戦争のおかげで独立したと感謝を述べた国が一つぐらいありましたか。
○政府委員(斉藤邦彦君) そのような声明を行った国はなかったと承知しております。
○吉岡吉典君 よく中曽根さんがお書きになっている本の中でも、それから奥野さんも、結果として独立を与えたんだということを述べられております。しかし、私もこれ何回も読みましたけれども、日本のおかげで独立したなどというのはサンフランシスコ会議に参加した国の中でもどこもありません。そういう発言というのがいかに根拠のないものかということを示していると思います。
 外務大臣、講和会議はこういう状況なんですね。それでよかったかどうか。私はアジア諸国に少なくとも何らかのことを言うべきだったと、吉田首相批判をやれというわけじゃありませんけれども、それから長い時期を経た今、アジア諸国といろいろな問題が起こっている時点でお考えにならないかどうか、大臣の意見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(宇野宗佑君) 吉田総理が献身の努力をなさいまして我が国の独立を確実にしていただきました。これは我々としては感謝しなくちゃいけません。同時に、昭和二十六年の一月に、第十回国会におきましては、吉田総理は次のように述べておられます。「正しき観念に欠くる軍備は、外に対しては侵略主義となり、内においては軍国主義政治となるのは、わが国最近の事実の経過に徴してはなはだ明らかなところであります」こうしたことで、吉田総理といたしましては、十年間にわたる無謀なる戦争による名状しかたい破壊と混乱の後始末をなし、そうしていろいろと本大戦に対する反省の言葉を述べておられます。
 同時に、私たちはその後、累次申し述べておりますが、アジアに対しましては常に経済大国日本は軍事大国にならないということを総理も宣明し、また私も明らかにいたしております。また、過般来申し上げておりまするとおり、特に戦後の後始末をいたしました日韓基本条約あるいはまた日中友好平和条約等におきましては常に反省の意をあらわしておるということでございますから、我々といたしましては今後もそうした気持ちを失うものではありません。
○吉岡吉典君 今その日韓条約に話が及びました。私は、サンフランシスコ平和会議に次いで日韓条約、このとき我々は、日韓条約については当時我々の理由を挙げて反対していますが、しかしともかくこれは日本と朝鮮、韓国との関係を清算すべき時期である、そういう時期になってしかるべきだと思いますが、それがならないできた。そこにいろいろなときに日韓の過去の植民地支配をめぐるトラブルが起こるもとだと思います。
 最大の問題は、私は四月の委員会でも述べましたけれども、日韓保護条約とか日韓併合条約が対等の立場で結ばれた、自主的に結んだ条約だという点ですね。私は前にも申し上げましたけれども、きょうも実は時間があれば、奥野さんは外国によって日本の歴史が書きかえられた、書きかえられるというから、そうではなく、事実に沿った歴史が描かれていないところに問題があるということを、日本のしかも公的な文献できちっとしたいと思って、実は日本の公文書あるいは公的立場にあった人の本もいろいろ持ってきましたけれども、それ一々紹介しているとここでもう時間がありませんから、一々述べません。
 日韓条約のときのそういう答弁、これは私は今なお朝鮮、韓国の人民を傷つける答弁だと思います。明治九年の日韓修好条規に始まる一連の条約というのは、これは本当に当時の人々の書いた本によってもひどいことをやったんですね。第一回目の最初の日本が韓国、朝鮮に押しつけた不平等条約である修好条規、明治九年ですけれども、これは朝鮮総督府から出た本、戦前出た本ですけれども、この中で、アングロサクソン流の武力外交にならうものだったと。それで、アメリカから日本が不平等条約を押しつけられた、それを今度は逆に朝鮮に押しつけたということを詳しくお書きになっている。
 それから、日韓保護条約がどういうふうにして結ばれたか。これは外務省の発表しているさまざまの文書の中にあります。私は、一つだけこれはぜひ読んでいただきたいと思いますけれども、保護条約のときの全権公使、林権助氏自身が書いた「わが七十年を語る」という本ですけれども、これを読んでみますと、伊藤博文と相談して大臣が逃げ出さないようはこういう手を打った、また韓国の判こが持ち逃げされないようにこういう手を打ったということがつぶさに書かれている。会談といいますけれども、外務省の例えば保護と併合という条約を読んでみても、伊藤博文が韓国の閣僚を集めて尋問しているわけですね。おまえ賛成か反対か、メンタルテストをやるように、おまえは反対だからおまえはそれじゃバツ、おまえは賛成、マルといってやったという状況がつぶさに当時の公式な立場にあった人々の本で書かれているわけですね。
 そういうことをやってきて結んだ条約、これが自由な立場で結ばれた条約だということは改めなければ、どんな言葉を吐いてもこれは本当の意味の日本と朝鮮との歴史の清算にはならないと思います。
 もう時間がありませんから、私ついでに述べさせてもらいますけれども、朝鮮併合後の問題で奥野さんは、韓国があれこれ言うのがようわからないとおっしゃっていましたけれども、日本が韓国でやったことについては、これまた外務省及び国会図書館に今はある本で、もういっぱい出ていますよ。これは三・一運動のときに現地から送られた電報が、今もうこんな本になって出ています。この原本は私は外務省にあると聞いていますけれども、こういうのは僕は少なくとも学術研究の対象にはしてもらいたいと思います。これを読んでみると、驚くのはもう三・一運動のときに教会にみんなを集めて、それでみんな銃殺して焼き払った。しかし、こういうふうに公式に認めるとぐあいが悪いので、失火で焼けたということにしましたなどという手の内まで書いた電報があるわけですよね。そういうことを日本はやってきた。そして、そういうのを暴徒呼ばわりでやってきたわけですね。そういう歴史を我々は隠しちゃならないと思います。
 私はここで、これも六五年の日韓国会でのそういう政府の答弁を変えるということを直ちに求めません。しかし、そのままでよかったということでは済まされないと思いますので、そういう見解について何らかの研究なり検討をやる用意はあるかどうかということだけはお伺いしておきたいと思います。
○政府委員(藤田公郎君) ただいま委員が種々御言及になりました研究書、それから過去の文献等々は、一部分は外務省で外交史料館において開示しているものもございますし、一部は国会図書館にだけしかないものもあると思いますが、一九一〇年以前の日韓両国間のやりとり、応酬につきましては、日韓国交正常化交渉の過程におきまして、ただいま委員の御言及になりましたような立場、それから我が方の立場を踏まえましていろんな議論が行われたということはよく御高承のとおりでございます。
 その結果を踏まえまして、日韓基本関係条約第二条に記しておりますように、一九一〇年以前に日韓両国間で締結されたすべての条約及び協定は、日韓併合条約を含めまして「もはや無効である」ということを言っているわけでございまして、日本の立場というのはここに述べられているとおりということでございます。
 その後、いろいろの機会に、本院も含めましていろいろ応酬が行われておりますが、政府としましてはそのような立場で一貫して御説明をしているとおりでございます。
○吉岡吉典君 時間が来ましたから、私は今のでは満足できませんけれども、ここであれこれやろうとは思いません。
 日中についても、日中共同声明の際、国会で当時の田中総理は、中国に対して侵略だったということは私は言えないという答弁です、当時はね。しかし、今国会でいろいろ論議がありました。私は、これは日中共同声明の当時の田中首相の答弁、侵略だとは私は言えないという答弁を少なくとも発展させたものととっていいかどうか。この点、大臣。
○国務大臣(宇野宗佑君) 田中総理の発言はいざ知らず、私たちはやはり戦前の日本の行為が侵略だという世界的な非難、これに対しましては率直にそれを受けとめなければなりませんし、私自身ははっきりと軍国主義の侵略である、こういうふうに申しておりますから、私はそれでいいんじゃないか。私たちは現在そういう気持ちでおる、こういうふうに思っております。
○吉岡吉典君 私は、さらにこういう問題が起こることと関連して、教科書問題がこの数年間問題になっていますけれども、これについても結論として過去の侵略を否定したり覆い隠したりするような教科書をつくって教育したら、もう奥野さんのような日本国民ばかりできるようになると思います。そうなったら日本と世界との関係というのはこれは大変なことになる。私は、戦後、中国を侵略した人々がつくった「侵略」という本ができたときに、かつて戦前の大臣も務められた風見章さんがお書きになって、これに序文を書いて、「日本民族が自らの歴史の中でおかした、このような罪悪に眼をつぶることは、ふたたび同じあやまちをくりかえすもとになるであろう。」と言って、日本が行った罪悪というものに我々は目をつぶらずに、はっきりさせることこそ大事だということをお書きになったことがある。私は日本国民の今後の教育にもこういう見地が必要だと思います。
 というのは、例えば教科書でも三・一連動というのについて、教科書改訂で、かつて集会と書いていたのを暴動と書くように改めている。こういうことではこれは日本の将来が大変なことになると。そういう点で、今度の国会というものを踏まえて外務省は、こういう過去の歴史、対外関係について日本政府全体に資料を提供して、正しい歴史認識を確立する中心になっていただきたいということを要望して終わります。
○田英夫君 日米原子力協定につきましては、同僚委員からも具体的な質問が続きました。これ以上触れませんけれども、私は先日の委員会でも申し上げたとおり、やはりこのやりとりを伺っていると、経済主義、つまり日本の経済のために電力を確保するというその視点が非常に重視をされている。
 アメリカさえと言ってはアメリカに悪いかもしれませんが、アメリカも自国の領内、上空を飛行することはいかぬという中で日本が持ち込んでくるという協定ですからね。これはどう考えてもこの安全性の問題についてもっともっと研究をし、飛行機、容器、そういう問題について十二分の安全性を確保してから実施しなくてはいかぬ。一九九〇年代の初頭というところのお話でしたけれども、これもかなりフレキシブルに、むしろ安全ということが確保されるということを大前提にやっていただきたい。このことを要望して次に移りたいと思います。
 けさも出ていた北潮鮮の卓球選手団が突然帰国したという問題について伺いたいと思います。
 既に午前中も法務省から、身元引受人である日本卓球協会に条件をつけたという話がありましたが、三つあるというお話でしたけれども、もう一回改めて条件を御説明していただきたいと思います。
○説明員(大久保基君) お答えいたします。
 北朝鮮の卓球代表団の入国に際しましては、在日の保証人でございます日本卓球協会より、まず第一に、我が国の国際関係及びその他の関係における立場を損なう言動をさせないということ、第二に、日程を変更する場合は事前に当局の了承を得ることについて確認書を提出させておりまして、第三に、日程上朝鮮総連の主催ないしは共催する行事への参加は好ましくない旨十分に説明した経緯がございます。
○田英夫君 今の三つ目の朝鮮総連という点は文書になった、いわゆる確認書の中に文章で書かれているんですか。
○説明員(大久保基君) 第三番目の点につきましては、これは口頭により説明いたしました。
○田英夫君 けさは、審議官ですか、あたかもこれが三つの条件として文書になっているような御答弁があったんですけれども、私は念のため日本卓球協会の幹部と会いまして連絡をとりまして、日本卓球協会のこの問題についての考え方をただしたわけです。
 それによりますと、確認書としては、第一にいわゆる政治活動をしてはならない、それから二番目に日程の変更については今言われたとおりすぐに届け出をしなさい、三番目に日本の法律に従いなさい。
 この三つということは、従来私もさまざまな外国の方の入国について身元引き受けをしたりしたことがありますから、法務省の入管局とは大変縁が深くて、こういうことについては私も詳しいんですけれども、この三つなら極めて今までもあり得た、常識的といいましょうか、にもかかわらず今度はああいう事態になったということ、これは極めて残念なことだと思うんですけれども、大臣、この問題はいつも大臣と私の間でやりとりする朝鮮半島の問題の基本的なこととして、南北の緊張緩和ということがこれは日本の外交としても大事じゃないかと大臣もそういうふうに言われる。これに反する方向になってしまったということは事実でしょうね。
○国務大臣(宇野宗佑君) けさほども言いましたように、入ってくるときの条件は今法務省が言ったような条件をつけたわけですから、まあそれに反されたというふうに私たちは考えざるを得ない。いろいろ他の委員との間におきましては食い違いがあったとかなかったとか、いろいろその時点ならそういうことも言えたかもしれませんが、しかし、食い違いがあるないにかかわらず、やはりそうした問題が前提としてあったということでございますから、私からこれに対しましてどうこうという立場にいないと、その方が私はいいんじゃないかと、こう思っております。
 だから、結果としては先ほど申したとおり残念だねということは言えるかもしれません。私らは田委員と同じようにやはりオリンピックを成功させたいし、そして緊張緩和もさせたい。いろいろあったが、ひとつ大きな立場で、条件さえのんでもらうなら入ってもらおうと、こういうことでやったわけですが、結果としては残念なことになった、しかし、私がそれについてコメントする立場ではないと、その方が日本政府としてはっきりするんじゃないか、こういうふうに思っております。
○田英夫君 そこで、法務大臣が官房長官に報告された内容がけさの新聞にも出ておりましたけれども、卓球協会が悪いんだと、どうやらこういう方向になっているんですね。
 そこで、私も友人でありますから、卓球協会の幹部の人と話し合ってみたわけですけれども、こういうことを言っております。政治活動をしてはならない、それから朝鮮総連の主催するような会に出てはいけないということも言われたと、これは認めております。また、例えばということで、朝鮮総連の入っている朝鮮会館、ここに表敬訪問をすることもいかぬ、こういうふうに法務省から言われましたと。この辺は、その卓球協会の幹部の人の言い方そっくりで言えば、自分たちはスポーツマンとして行動すればいいと、北朝鮮の選手も、そう思いますし、今度の大会はアジア卓球大会であって、アジアの各国から本当にスポーツのために来る人たちなんで、北朝鮮だけが特別扱いということも大会としては全く考える必要はないと思っていた。
 しかし、法務省からはそういう御注意、条件がつけられた。自分たちとしては政治活動はいかぬと言われたときに、政治活動というのは、例えばたまたま何か日本政府の北朝鮮政策を批判する集会があった、それに出るのはこれはやはり政治活動だろうと、そういうふうに極めて常識的に考えていたし、それが当たり前じゃないかと、スポーツマンの感覚とすれば、その程度に考えていた。
 ところが、新潟で大会が始まったところが、毎日新潟にある朝鮮小学校、中学校、こういう生徒たちが応援に来てくれる。これは同胞として当たり前だと思ったし、それに対して北朝鮮の選手団が大会を終わって帰る間際にその学校にお礼を言いに行きたいと、こういうことを言ってきたんで、これを法務省に相談したらそれはいかぬ、こういうふうに言われたと。こういうことまでいかぬというのは一体どんなものでしょうか。これが卓球協会の幹部の話です。
 さらに、国際卓球連盟の会長である荻村さん初め卓球連盟としては、事前に自民党のスポーツ議員連盟の関係者あるいは日朝友好議員連盟の幹部の方、こういう方々とも接触をして十分配慮をし、自分たちも政治活動ということについて判断もし、円満に北朝鮮選手団も競技ができるようにと配慮をしたつもりでいると。しかし、さっきのような、小学校の生徒にお礼に行くこともいけないというようなことについては自分たちとしては納得ができない。北朝鮮とはスポーツを通じてドアをあげておいた方がよいと判断をしたんですと。それはひいては第十八富士山丸の同胞二人の問題にもいい結果をもたらすのではないかと自分たちなりに思いました。自分たちだけが悪者になっているのはまことに心外であると。こういうことを言っておられて、私も全く同感であります。
 今の話を聞かれて、大臣いかがですか。
○政府委員(藤田公郎君) どういう行動が政治活動かというのは、卓球協会には判断する権限はないと思います。
○田英夫君 そんなことを聞いているんじゃないんですよ。私は、大臣に今の私の卓球連盟の幹部の話を御紹介しましたから、それについて大臣はどういうふうに感想を持たれましたかということを聞いているんです。
○国務大臣(宇野宗佑君) 法務省の一つ一つのことについてのコメントは私はやはり外務大臣としても避けねばならぬと思います。だから、結果がこうだったからこんなこともあったという話があるいは中にはあるかもしれませんが、やはり身元引受人という立場においてはしっかりとやっていただきたかったものであると、こういうふうに私は思います。
○田英夫君 もう一つ、そういうことならば紹介いたしますと、法務省はあの十九日の問題の会合に対して出席してはならぬということを言って、事実選手団は退席をしたわけですが、その後で法務省の課長から新潟の卓球協会の幹部に連絡があって、あす、つまり二十日午前九時十分に法務省に出てこいという、自分のところへ来なさいという課長の連絡が入って、森専務理事が一人を伴って出かけていったと。ところが、時間どおりに行ったにもかかわらず課長はおられなくて、課長補佐の人が出てきて厳しく詰問をされ、おしかりを受けたと、こういうことを言っております。
 世の中の礼儀として、お役所というのはそんなに偉いんですか。課長が大会の開催中に主催者である重要な人物を呼びつけて、それでしかりつけるというような権限が法務省にあるんですか。
○説明員(大久保基君) 御説明いたします。
 このレセプションの問題が起こりました翌日、私どもが、当初認めていなかったものに出席したということでございますので、この辺の経緯について私どもとしてもできるだけ早く身元保証人であります卓球協会から事情を聞きたいということでお願いしたわけでございます。その際私がお会いできなかったのは、ほかに他用がございましてどうしても席を同じくすることができなかったわけでございまして、私の代理として課長補佐が話を伺って、その内容については私もすべて聞いております。
○田英夫君 細かいことをとやかく言うつもりはありませんけれども、私なんかが考える世の中の常識として、日本卓球協会が、つまり世話役として、主催者はアジア卓球連盟ですから、日本は受け入れの組織委員会の最も重要な人物である森専務理事をそういう形で呼びつけて、そして今ほかに用事があったからと言われましたけれども、九時十分という刻み方をされたところを見ると、その時間ならあいているからというふうに私なんかは考えますけれども、にもかかわらずおられなかったと。そういうことを少なくとも日本卓球協会の幹部の側は極めて不愉快に思っておられることは事実であります。
 私は役人をやったことがありませんからわかりませんけれども、お役所というのはいわゆるお上であるというような感じがそういうところににじみ出ているんですね。少なくともそういうことを私の友人であるその人は言っておりました。こういうことは慎んでいただきたい。ただ、政治活動がどうだとか、そういうことについては、その幹部も言っているとおり、スポーツマンとして判断する以外に自分たちはありませんでしたと。小学生にお礼を言いに行くのまでいけないということになると、これは一体どういうことなんだろうかと。
 私は外務省にこれは伺いたいんですけれども、朝鮮総連というのは、これは危険な団体、悪い連中の集まりと日本政府は判断するんですか。
○説明員(大久保基君) 外務省の御答弁の前に、事実関係について私から簡単に御説明したいと思います。
 五月の二十日の九時十分の件でございますが、これは私どもから特にこの時間を指定したということはございませんで、先方がアジア卓球選手権大会で多忙中ということでこの時間に来られるということだったものですから、私どもも通常の業務時間の前でございますけれどもお会いしたという経緯がございます。
 それからもう一つ、先ほどの委員の御質問の中で小学校の訪問の点がございましたけれども、私どもが卓球協会から受けました説明によりますと、これは十九日のレセプションの答礼ということでございましたので、私どもとしては十九日のレセプションへの参加ということを認めない以上、それに関連した答礼というものも同じ扱いを受けるというふうに理解したわけでございます。
 以上でございます。
○政府委員(藤田公郎君) 善悪の判断を私が申し上げる立場にはございませんけれども、本件の卓球選手団の帰国に際しての発言等にも如実にあらわれておりますように、極めて政治色の濃い団体であるということは否定できないんじゃないかと思います。
○田英夫君 それはアジア局長おかしいですよ。こっちが政治的な判断でああいう態度をとったから向こうがそれに対応して怒って帰ったわけでありまして、原因は日本側にあるんですから、向こう側にそれを押しつけるのはいささか本末転倒、いささかどこらかまさに本末転倒だと思いますよ。もう少しこういう問題は常識的に国民の皆さんにもわかるような、そういう頭でやってほしいと思うんですね。
 特に法務省そして外務省の一部の方の判断というのは、明らかに自分の方が政治的であって、北朝鮮は悪い、朝鮮総連は悪い団体であるという前提の上にやっているんでね。スポーツ団体の皆さんは、先ほど申し上げたとおり、どこの国の選手もスポーツマンとして一緒に競技をする人たち、全くそこに差別はしないと。当たり前のことじゃありませんか。そういうことのために入ってきた人たちを、今のような条件をつけるのも、さっき表に出た条件ならこれはよくそういう条什がつきます。したがってそこまではわかるんですけれども、口頭で言った部分になってきますと、今私が申し上げたような、そういう極めて政治的な判断がそこに加わってきている。そこに原因があると私は思います。
 しかも、それは結果として、大臣もいつも言われ、お認めになるし、私もいつも主張している南北朝鮮の緊張緩和こそが日本の東アジアに対する外交の基本姿勢でなければならない、それに反する結果を招いてしまっているわけですね。
 もうこれ以上申し上げませんけど、今世界の中で日本と最もかかわりの深い部分で、残念ながら東西対立のイデオロギー対立の状態が色濃く残っているのは朝鮮半島で、カンボジアの問題もありますが、あるいはイラン・イラクの問題もありますけれども、何といってもそれは距離的にも歴史的にも朝鮮半島が最も日本にとって関係が深い、そこが残念ながらまだイデオロギー対立の状態にあることは非常に遺憾なことであって、それな解消するという方向に日本も協力していくことがだれが考えたって一番の基本だと思います。
 ところが、この前の大韓航空機の問題のときにも言いましたけれども、この二つの朝鮮に分かれていることをむしろ好ましいと考える、緊張緩和になっては困るというグループがいることは事実なんですね、国際的にも。そういうことにつながる可能性が極めて強い、今度のような措置は。このことな私は大変残念に思います。いわゆる制裁措置があったからこうなったのか、国交がない状態があるからこうなったのか、これはどっもですか。
○政府委員(藤田公郎君) 極めて簡単で、約束に違反をした、それだけのことだと思います。
○田英夫君 約束に違反したと言いますけれども、初めの表に出た確認書というところで判断するのが確認書を提出した側の――これはそれしかありませんから、口頭で言われた具体的な部分になってくると、それは約束と言えるんでしょうかね。朝鮮総連の人ととにかく接触しちゃいかぬ、大体昼飯を食べるレセプション、これが政治活動だというのは世間じゃ通りませんよ。法務省や外務省の一部では通るかもしれないけれども、世間じゃこれは政治活動とは言いませんよ。水かけ論やったってしようがないけれども、そういうことをスポーツ団体に押しつけるというのは大体初めから間違いで、それをアジア局長の言うように約束を守らなかったから向こうがいけないんだと、これはおかしいんじゃないですか。
 この問題は水かけ論になってしまっておりますけれども、私は世間一般の皆さんの常識から判断すればどっらが正しいかはおのずから結論が出てくると思います。日本政府はそのことをよくお考えいただきたい。
 大臣に御答弁を求めても今は言わない方がいいとおっしゃる、これも私は理解できますから、時間がありますけれども終わります。
    ─────────────
○委員長(森山眞弓君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 先ほど、林田悠紀夫君が委員を辞任され、その補欠として陣内孝雄君が選任されました。
    ─────────────
○委員長(森山眞弓君) 他に御発言もなければ、本件に対する質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(森山眞弓君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより本件について討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○矢田部理君 私は、日本社会党・護憲共同を代表して、ただいま議題となりました原子力の平和的利用に関する協力のための日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件に反対の討論を行います。
 本協定は、原発から出る使用済み核燃料の再処理によるプルトニウムの抽出と輸送と利用の本格的で大規模な展開を図り、推進するためのものであります。当面は、再処理を委託したフランスなどからプルトニウムを本格的に空輸し利用するための条件整備であります。したがって、次のような重大な問題を含んでおります。
 その第一は、再処理とプルトニウムの商業的大規模利用は、平和利用といえども大きな危険性をもたらさずには済みません。プルトニウムは強い発がん作用を持ち、一回に輸送される二百五十キログラム程度の量で全世界の人々にがんを発生させることができるほど毒性の強い物質であり、しかも半減期は二万四千年と極めて長期に及んでおります。これが商業的規模で抽出され、輸送され、利用されるようなことになりますと、時と場合によっては大気や水や食糧は取り返しのつかない汚染を受け、人々の生命と健康に子々孫々にわたって重大な影響をもたらさずには済まないでありましょう。
 輸送だけをとってみましても、フランスなどから日本に空輸するのに、アメリカの領空を飛びさえしなければよいなどという性格のものではありません。フランスや日本の上空を必ず飛ぶのであります。アンカレジへの着陸はなくても、日本のいずれかの空港へは必ず着陸することになるのであります。北極経由の空路は一万三千キロにも及び、これだけの距離を大量の有毒物質を輸送すること自体が異常なことで、決して好ましいことではありませんが、とりわけこの間に何らかの事故で墜落するような場合が起きますれば、いまだにキャスクの安全性は確かなものになっておりません。地上に落下した場合の危険性はもとよりでありますが、海中に落下した場合に、果たして回収できる技術があるのか重大な疑問がありますし、同時に回収不能の場合には、数万年にわたって海水の腐食や水圧に耐えることが可能なのかどうか、問題と疑問は尽きないのであります。
 そこで、キャスクの安全性や回収に関する技術など、完全にめどがつくまでは、本協定が仮に成立したといたしましても本協定を発効しない、こういうことをやるべきであるというふうに私どもは考えております。
 第二に、プルトニウムの空輸について軍の関与がいろいろな面で想定をされています。米国防総省は、米軍が監視護衛に当たると言っているようでありますし、事実四年前の海上輸送の際には、アメリカの軍事衛星が常時監視の態勢にあり、米海軍の出動など物々しい態勢の中で輸送が行われました。とりわけ、本委員会の審議で明らかになりましたのは、受け入れ空港につきましても、横田、三沢などアメリカの空軍基地、百里などの自衛隊基地の使用が可能だという態度を明らかにされました。このようにして軍隊が空輸や受け入れに関与することは、平和利用に限定してきている我が国の原子力政策に大きな影を落とすことになり、断じて認めるわけにはまいりません。
 第三に、プルトニウムの利用について見ますと、世界で一番先に手をつけたアメリカは、原発の使用済み燃料の再処理と高速増殖炉によるプルトニウム利用の開発をとうに中止しております。近年先頭を走っていたフランスでも、スーパーフェニックスの事故により開発を凍結せざるを得なくなり、ヨーロッパ諸国全体が否定的になっております。一方では余りにも高価につき、他方では余りにも危険性が高いからであります。
 日本でも、原発そのものに対してとともに、プルトニウムの抽出や輸送や利用に対する懸念と反対の声が急激に高まっております。高速増殖炉はもとより、それ以前の過渡的利用法ともいうべき軽水炉におけるプルサーマルにしても、またチェルノブイリ型炉に類似した新型転換炉にいたしましても、そもそも電力業界自体がすっかり消極的になっております。低濃縮ウランの国際価格に比べて再処理費や輸送費に多額を要して精製されたプルトニウムは極めて高くつくからであります。
 かねてから私ども社会党は警告をしてきたわけでありますが、やがて原子力商船が世界の海に浮かぶことになるであろうと想定して開発を行ってきた原子力船「むつ」、大変巨額なお金を投じてきたのでありますが、これと同じようなことが今度の高速増殖炉を本命としたプルトニウムの商業的大規模利用も言えるのではないかと思います。再処理による抽出や輸送を本格的に開始することになりますれば、その誤りは原子力船「むつ」を推進してきた誤りとは比較にならないほど重大であり深刻であります。それが持つ潜在的な危険性はけた違いに大きいからであります。
 今、政府や関係省庁に真に必要なことは、過去において想定した軌道上を猪突猛進することではありません。世界の教訓に学び、国民の声を率直に聞き取り、原子力開発計画について根本的な再検討を加えることが必要になっているのであります。
 以上が本件に対し我が党が反対する主な理由であります。
 終わります。
○宮澤弘君 私は自由民主党を代表して、ただいま議題となっております日米原子力協定の締結について承認を求めるの件につきまして、賛成の討論を行います。
 資源小国である我が国のエネルギー供給構造は、主要先進国に比べて脆弱であります。このことは、二度にわたる石油危機を経て幾らか改善されてはおりますが、基本的には変わっておりません。それゆえ、これを克服し、安定したエネルギー供給の確保に万全を期すべきことが、我が国にとって今後とも重要な課題となっているのであります。
 もとより、我が国といたしましては、原子力発電の安全確保に万全を期するとともに、今後ともより一層の安全性の向上を目指して努力すべきは言うまでもありません。
 このような配慮をしつつ、我が国は従来から代替エネルギーとしての原子力発電をエネルギー政策の重要な柱に掲げ、鋭意努力してまいりました。その結果、今日、我が国の原子力発電は三十六基、二千八百四万六千キロワットに達し、総発電電力量の約三分の一を原子力発電で賄うに至ったのであります。
 このように、既に原子力発電は私たちの生活に深く根をおろし、日々私たちはその恩恵に浴しているのであります。資源小国日本が今後とも産業経済の着実な発展を図っていくためには、その基礎として原子力発電は不可欠なのであります。
 ところで、こうした原子力発電の一層の促進には、我が国が核燃料の約九割をアメリカからの供給に頼っている一事を見ても、アメリカとの長期的に安定した協力関係の維持がこれまで以上に重要であることは言うをまちません。しかも我が国は、ウラン資源の有効利用を図るため、使用済み核燃料を再処理することによって回収プルトニウムを再利用することとしているわけでありますが、従来、このような原子力活動に対してとられてきたアメリカの個別同意の方式が今回の協定において包括同意方式に改められますことは、我が国の原子力発電を一層安定した基礎の上に置くこととなり、我が国が目標としている自前の核燃料サイクルを確立する上でも極めて有益であることは明らかであります。
 以上に述べましたような理由から、私は、今回の日米原子力協定を締結することについて、これを承認することに賛成するものであります。
○吉岡吉典君 私は日本共産党を代表して、日米原子力協定に対する反対討論を行います。
 反対理由の第一は、現行協定の持っている米国への従属性をそのまま継承していることであります。この協定が米国の国内法である核不拡散法の諸規定を全面的に盛り込んだ対米追従の協定であり、包括同意取極によっても米国への濃縮ウランの依存や、軽水炉体制の基調は何ら変わることなく、日本の原子力開発を全般にわたり米国の管理、規制のもとにより一層組み入れるものであり、日本のエネルギー政策の重要な部分を米国の政策で拘束するものであります。
 第二の理由は、協定と実施収極に「核拡散の防止」と「国家安全保障」の条項を盛り込ませたことであります。これは、我が国の原子力政策を米国の国家安全保障の利益に従わせ、新たな対米追随を推進する重大な規定であります。さらに、委員会の審議を通じて明らかにされたように、「国家安全保障の利益に対する脅威」を日米間での一致した合意のないままで規定し、米国が恣意的に包括同意を停止できる可能性を取り除いていないことは、日本の独立、主権にもかかわる重大な問題であります。いついかなる理由で日本政府のとる政策が、米国の国家安全保障の利益を脅かすものと理解され、包括同意が停止されるともしれないのであります。これは、東海再処理工場が米国の圧力で停止した前例を踏まえるなら、政府として将来に禍根を残す規定であります。
 第三の理由は、原子力政策の不可欠の前提である安全優先の問題であります。プルトニウムの空輸について、安全な輸送容器の開発はこれからというのに、空輸を前提にしていることは、政府の安全性に対する安易な考え方を端的に示すものであります。安全な輸送と再処理技術が確立するまでは、使用済み核燃料は原子炉施設内の貯蔵地に安全に保管し、再処理の外国委託をやめ、独自技術を確立すべきであります。
 第四には、この協定が、米国の核兵器保有を前提に、核兵器保有国の核独占体制を一層強化するものであり、人類にとり死活的に重要な緊急の課題として核兵器を廃絶しようとする世界の流れに反するものであります。
 以上、反対討論を終わります。
○委員長(森山眞弓君) 他に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(森山眞弓君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより採決に入ります。
 原子力の平和的利用に関する協力のための日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件を承認することに賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(森山眞弓君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承認すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(森山眞弓君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
○委員長(森山眞弓君) 次に、国際情勢等に関する調査を議題といたします。
 この際、便宜私から、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党・国民連合、新政クラブ・税金党の各派共同提案による第三回国際連合軍縮特別総会に関する決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    第三回国際連合軍縮特別総会に関する決議(案)
  米ソ両国により、中距離核戦力全廃条約が署名され、更に両国の間で戦略核兵器の大幅削減を目指す交渉が進められていることは、核軍縮の促進のために明るい展望を開くものであり、今や全面完全軍縮なかんずく核兵器の廃絶という人類共通の究極の目標に対する期待には大なるものがある。
  このような時に、本年、第三回国際連合軍縮特別総会が開催され、世界的規模で軍縮問題が討議されることは誠に意義深い。世界の恒久平和、特に、広島、長崎の惨禍が再び繰り返されないことを願い、非核三原則を国是として堅持する我が国国民の軍縮特別総会に寄せる期待にも誠に強いものがある。
  ついてはこの際、本委員会は、この総会において軍縮を一層促進させるため、政府が左の事項につき誠実に努力するよう要請する。
 一 世界の平和と安全に特別の責任を有する米ソ両国に対し、戦略核兵器大幅削減の実現のために一層の努力を傾けるよう強く訴えること。
 二 全面完全軍縮を目指す一環として、国家間の相互不信を除去または低減する努力を行うとともに、すべての核兵器保有国に対し、検証制度を伴った核軍縮の実効ある措置をとるよう強く訴えること。
 三 世界で唯一の被爆国日本の立場から、地下核実験を含む核実験全面禁止条約の早期締結を要請するとともに、核兵器不拡散条約未加盟国に対しては、同条約への早期加盟を勧奨すること。また、すべての国に対して、化学兵器全廃のための国際条約が早期に締結されるよう呼びかけること。
 四 非核武装地帯構想は、核拡散の防止ひいては世界の平和の維持に重要な意義を有していることにかんがみ、適切な条件の整っている地域に非核武装地帯の設置が実現するよう国際的努力をすること。
 五 際限のない軍備の増強は当事国にとっても国際社会にとっても看過し得ない問題である。よって通常兵器の分野も含め軍備を必要最小限度にとどめるよう各国に強く訴えるとともに、広く世界の経済的社会的発展が推進されるよう呼びかけること。
  右決議する。
 以上でございます。
 それでは、これより本決議案の採決を行います。
 本決議案を本委員会の決議とすることに賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(森山眞弓君) 多数と認めます。よって、本決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、宇野外務大臣から発言を求められておりますので、これを許します。宇野外務大臣。
○国務大臣(宇野宗佑君) ただいまの御決議に対しまして所信を申し述べます。
 政府といたしましては、このような決議が採択されましたことを真剣に受けとめており、この決議を体しまして第三回国連軍縮特別総会において努力する所存であります。ありがとうございました。
    ─────────────
○委員長(森山眞弓君) 次に、請願の審査を行います。
 第一四六号核兵器廃絶のための国際的取決めに関する請願外百二件を議題といたします。
 まず、専門員から説明を聴取いたします。木村専門員。
○専門員(木村敬三君) 今国会中、外務委員会に付託されました請願は、お手元の表のとおり六件名、全部で百三件でございます。
 まず、一四六号は、核兵器廃絶のために、第三回国連軍縮特別総会に向けて実効性のある国際的取り決めができるよう努めることを要請するものであります。
 次に、一一〇三号は、核戦争被害国として、広島、長崎の原爆被害の実相を究明し、広く国の内外に知らせること、非核三原則を厳守し、非核国家宣言を行うこと、すべての核保有国に対して、直ちに核兵器完全禁止条約を結ぶよう積極的に働きかけることを要請するものであります。
 次に、二ページでございますが、五一九号は、戦争犠牲者保護に関する一九四九年のジュネーヴ四条約に追加される議定書に速やかに加入することを要請するものでございます。
 次に、六九四号は、国会において永世中立国宣言を速やかに行うこと、この宣言に基づき世界各国に対し承認手続を行うことを要請するものであります。
 次に、三ページの一三五三号は、在日米軍に対する思いやり予算を全廃すること、労務費特別協定を廃止することを要請するものであります。
 最後に、一七六三号は、返還プルトニウムの空輸を認めた日米新原子力協定の国会承認をやめることを要請するものであります。
 以上でございます。
○委員長(森山眞弓君) 以上で説明は終わりました。
 これらの請願につきましては、理事会において協議いたしましたところ、第五一九号ジュネーブ四条約追加議定書への加入に関する請願外十三件は、採択すべきものであって内閣に送付を要するものとし、第一四六号核兵器廃絶のための国際的取決めに関する請願外八十八件は保留とすることに意見が一致いたしました。
 この理事会の協議のとおり決定することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(森山眞弓君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(森山眞弓君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
○委員長(森山眞弓君) 次に、継続審査要求に関する件についてお諮りいたします。
 国際開発協力基本法案につきましては、閉会中もなお審査を継続することとし、本案の継続審査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(森山眞弓君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、要求書の作成につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(森山眞弓君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
○委員長(森山眞弓君) 次に、継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。
 国際情勢等に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(森山眞弓君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、要求書の作成につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(森山眞弓君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時十四分散会