第112回国会 農林水産委員会 第8号
昭和六十三年四月二十一日(木曜日)
   午前十時開会
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  出席者は左のとおり。
    委員長         岡部 三郎君
    理 事
                高木 正明君
                水谷  力君
                稲村 稔夫君
                刈田 貞子君
    委 員
                青木 幹雄君
                上杉 光弘君
                大塚清次郎君
                北  修二君
                熊谷太三郎君
                鈴木 貞敏君
                初村滝一郎君
                星  長治君
                本村 和喜君
                一井 淳治君
                菅野 久光君
                及川 順郎君
                諫山  博君
                三治 重信君
                喜屋武眞榮君
                山田耕三郎君
   国務大臣
       農林水産大臣   佐藤  隆君
   政府委員
       林野庁長官    松田  堯君
       林野庁次長    青木 敏也君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        安達  正君
   説明員
       人事院事務総局
       職員局職員課長  武政 和夫君
       防衛庁防衛局防
       衛課長      萩  次郎君
       防衛庁経理局施
       設課長      伊藤 宗武君
       防衛庁経理局工
       務課長      黒岩 博保君
       防衛庁装備局通
       信課長      新貝 正勝君
       防衛施設庁施設
       部施設企画課長  笠原 恒雄君
       環境庁自然保護
       局計画課長    瀬田 信哉君
       国土庁地方振興
       局総務課長    吉原 孝司君
       文部省初等中等
       教育局小学校課
       長        熱海 則夫君
       文部省教育助成
       局地方課長    岡林  隆君
       労働省労働基準
       局賃金福祉部企
       画課長      畠中 信夫君
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  本日の会議に付した案件
○森林開発公団法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
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○委員長(岡部三郎君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 森林開発公団法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案につきましては、既に趣旨説明を聴取いたしておりますので、これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
○一井淳治君 まず、我が国の森林の果たす役割についてお尋ねいたしたいというふうに思います。
 経済的な機能とか公益機能とかいろいろ言われておりますけれども、森林の果たす役割についてまず御説明をお願いしたいと思います。
○政府委員(松田堯君) 森林は木材生産の場としてばかりでなく、国土の保全、水資源の涵養、保健休養の場、あるいは最近におきましては教育文化的機能といったようなところまでその機能が大変多様化しておるところでございます。この森林の持つ多様な機能に対しましての国民の要請は非常に高まってきておりますので、昨年七月に森林資源に関する基本計画の改定をいたしたところでございます。現在それに即しまして全国森林計画を改定いたしておるところでございますが、その内容といたしましては、伐採年齢の多様化、長期化、地域によりましての複層林、育成天然林の造成、また森林空間の総合的利用が可能な森林の造成等、森林の多面的な機能を総合的に発揮し得るような森林資源の整備を進めることにいたしているところでございます。
○一井淳治君 この法律もそうでございますけれども、これから森林の開発が進んでいくというふうに思いますが、森林の公益的な役割というものを最後まで大切にしていただくという御方針を堅持していただきたいと思います。
 それと同時に、ややもすると森林の重要性というものが忘れられつつあるんじゃないか。例えば水源涵養林にかえてダムをつくるとか、あるいは森林が山奥にあるために重要性がだんだんと忘れられつつあるような感じもいたしますので、その点の御認識、今言われました御認識をさらに大切にされるように要望いたしたいというふうに思います。
 それから次に、森林開発公団でございますけれども、これがどういう位置づけと申しましょうか、どういう機能を果たしているかという点についての御説明をお願いしたいと思います。
○政府委員(松田堯君) 森林開発公団は、いわゆる奥地山岳林、つまり地勢等地理的条件が非常に悪い地域におきまして、そこに森林資源が豊富に賦存するような地域におきまして、森林の開発利用を通しまして林業の振興あるいは地域の振興に資するといったことの事業を進めているところでございます。
 具体的には、そのような地域にございます水源林の森林造成、またそのような地域におきます大規模林道の開発といったような仕事を進めているところでございます。
○一井淳治君 森林開発公団が行っておられる林道開設あるいは拡張の事業それから造林等の事業は、本来的には相当の期間を要する事業ではないかというふうに思います。
 ところが、今回の法案はNTT株の売り払い収入を財源とするということで法律の一部改正が行われるわけでございますけれども、財源確保と申しましょうか、NTT株売り払い収入の財源が短期間で終わらないように、できる限り継続して行われるように、これは内需振興のためにも非常に重要であるというふうに思います。そういう御努力を林野庁の方でもあるいは農林省の方でも十分なさっていただきたいというふうに思うわけでございますけれども、いかがでございましょうか。
○政府委員(松田堯君) 今回森林開発公団が行いますNTTのAタイプ事業につきましては、従来の補助による公共事業とは異なる仕組みでございますので、その事業の実施に当たりましては関係者の十分な理解を得るとともに、地域の実情に即した民間の創意工夫等を踏まえて推進していくことが肝要である、このように考えているところで
ございます。
 事業の継続につきましては、社会資本整備特別措置法に基づきまして当分の間事業を行うということになっておるところでございます。事業を継続する中におきまして、今後の経済情勢、財政情勢あるいは社会資本の整備の進捗状況等を総合勘案しながら事業の継続につきましては検討してまいりたいと考えております。
○一井淳治君 事業の継続のためには財源が継続されるということが非常に重要であるというふうに思います。財源の方はできるだけ、「当分の間」というのは長い期間もあれば短い期間もあるわけでございますから、できる限り当分の期間が長くなるように御努力いただいた方がよろしいんじゃないかと思いますけれども、いかがでございましょうか。
○政府委員(松田堯君) 今回のNTTの資金につきましては、最終的には国債の償還に充てられることになりますので、それまでの間事業が継続されるということになるわけでございますけれども、これまでも治山事業あるいは造林事業、林道事業等の公共事業につきましては、毎年事業量の拡大等につきましては努力をいたしてきているところでございますので、今後ともそのような考え方の中で進めていかなければいけないと考えておるところでございます。
○一井淳治君 次に、森林開発公団の職員の方でございますけれども、全国的に配置されてネットワークのような形が既に形成されておるわけでございます。また、これまで造林事業やあるいは林道の開設工事に携わられまして深い経験と技術を蓄えられておるわけでございまして、今後森林の育成とかあるいは山間部の開発等にこれまでの技能というものを積極的に活用していただきたいという考えを持つものでございますけれども、そのためには使命感を持って誇りを持って仕事に打ち込めるような状況がなくちゃならない。将来雇用不安でも起こるというような心配があれば仕事にも熱が入らないんじゃないかということを思うわけでございますけれども、業務量の確保等につきましての見通し等についてまず御説明をお願いしたいというふうに思います。
○政府委員(松田堯君) 先ほど申し上げましたように、森林開発公団が現在行っております事業は大規模林道と水源林造成事業、主に二つでございます。そのほかに奥鬼怒のスーパー林道がございますけれども、主要なものは二つでございます。
 大規模林道につきましては、全体計画の中で実は残念ながらまだ進捗率が非常に低い状況になっておりまして、事業の拡大をなおこれから進めなければいけない、このように考えておりまして、長期間事業の継続が見通されているところでございます。
 水源林造成事業につきましては、全体計画が四十万八千ヘクタールでございまして、そのおおむね八割を現在達成いたしているところでございますが、水源林造成事業の重要性にかんがみまして、今後の事業の継続性等につきまして現在調査を行っている、このような状況でございます。
○一井淳治君 最後に言われました水源林の造成事業でございますけれども、簡単に造成もできないわけでございますので、前々から早目に計画を立てられまして、ただ、現在の四十万八千ヘクタールでは足らないことが明らかではないかというふうに思いますので、拡張するようにいろいろと早目の御検討が必要ではないかというように思います。もう少し具体的な御説明もいただけたらと思いますが、いかがでございましょうか。
○政府委員(松田堯君) 木材需要が停滞しておるあるいは木材価格が低迷しておるということで、林業生産活動が停滞しておるのが最近の状況でございまして、我が国のいわゆる公団造林等の組織造林の推進の上に占めますウエートというものが年々高まってきているわけでございます。
 特に、山村地域でそのような傾向が大きいわけでございまして、森林開発公団が進めております仕事はそのような山村地域での事業でございますので、今後、現在の森林造成の現状を十分に調査分析する形の中で検討を進めていかなければいけないと考えております。
○一井淳治君 このたびの一部改正にかかわる法案を見ますと、リゾート開発に深く関連しているというふうに思いますので、リゾート開発の関係についてここで国土庁の方にお尋ねいたしたいというふうに思います。
 総合保養地域整備法に基づくリゾート地域の整備がだんだん進行しているというふうに聞いておるわけでございますけれども、その進行状況につきまして、どのような都道府県から何カ所ぐらいの申し出があるのか、まずそのあたりから御説明をいただきたいと思います。
○説明員(吉原孝司君) 現在リゾート法に基づきます基本構想の承認という手続に入っている都道府県はまだ一つもございませんが、基本構想の承認に先立って、コンセプトでありますとかあるいは地域要件その他法律ないし基本方針で定めておりますいろんな要件の該当性についていろいろチェックするための基礎調査というものをやっていただいております。その基礎調査が終了したということで御報告をいただいているのが九県でございまして、具体的には宮崎、三重、福島、群馬、兵庫、栃木、新潟、埼玉、秋田の各県でございます。
○一井淳治君 これは、一県一カ所でございますか。
○説明員(吉原孝司君) 一県一カ所というような限定の仕方はいたしておりませんが、ただリゾート整備の性格上いろんな民間の事業者の資本力なりあるいはそれの基盤を整備すべき公共事業の問題等々もございまして、まずはそれぞれ一カ所ぐらいをめどにして整備し、その後の結果を見てその次の問題を考えるというように考えております。
○一井淳治君 今、県名を御説明なさいましたけれども、三重、宮崎、福島、この三県が先行しているということはかなり一般化されておるように思うわけですけれども、この三県について、もうそろそろ基本構想に対する主務大臣の承認がなされるんでしょうか。その時期などについてお尋ねしたいと思います。
○説明員(吉原孝司君) 冒頭申し上げましたが、この三県もまだ基本構想ができている段階じゃございませんで、終了した基礎調査をもとに現在基本構想の策定途上にあるということでございます。御承知のとおり、このリゾート法によりますと、六省庁が主務大臣として環境庁等を初めといたします関係行政機関と協議をして基本構想の承認をするということになるわけでございますが、今申し上げましたように現在基本構想の作成途上でございまして、その後関係省庁との協議がございますので、いつごろになるかというところまで実は申し上げられないわけでございますが、できるだけ早く手続を終了させたいというように思っております。
○一井淳治君 最初は、去年の年末ごろには承認されるということがかなり、世間の常識といえば言い過ぎかもしれませんが、そういう話が通じておったわけでございますけれども、非常におくれておりまして、余りおくれると何となく雰囲気が下がってくるというふうに思いますので、日本は八月にバカンスを楽しむわけでございますから、夏までには三県ぐらいはまとまるようにしていただかなくちゃいけないのじゃないかというふうに思いますけれども、いかがでございましょうか。
○説明員(吉原孝司君) これから関係省庁との協議をしなければいけないわけでございますが、自然環境の保全の問題で特に環境庁との関係の調整をしなければいけないと思っております。そういうところを考えますと、なお二カ月ぐらいはかかるかもしれないというように思っております。
 ただ、夏までには何とかめどを立てたいと思っております。
○一井淳治君 ただいま基礎調査のお話にもあったわけでございますけれども、今回のリゾート地域の指定というのは我が国にとっては初めての経験でございまして、これまでの観光地で一晩泊ま
ってドンチャン騒ぎをするというふうな、いわゆる今までの観光のイメージとは違った新しいリゾート地域を形成していくということで非常に大切な時期にかかっているというふうに思いますけれども、豊かな自然と文化の中での長期滞在型の理想的なリゾートの形成をするために、行政指導を十分にしていただかなくちゃならないと思いますけれども、その点いかがでございましょうか。
○説明員(吉原孝司君) 御指摘のとおりでございます。
 ただ、法律も地域での自主性をできるだけ尊重してリゾート整備を進めるという哲学がございますので、そういう哲学の範囲内で一緒になってリゾート整備を進めていきたいというように考えております。
 具体的には、先ほど来申し上げております基礎調査が終わった段階で、六省庁と提出府県との間で一緒の場に座りまして、それをもとに議論をするというような格好でリゾート整備の中身の意思の統一等を図っているわけでございまして、そういう中で都道府県に対しまして、国・六省庁からいろいろ助言やら指導を申し上げているというような事情でございます。
○一井淳治君 国民の側から希望が一番強いのは、安い料金にしてもらいたいという点であるというふうに思います。これからだんだんと休暇もとりやすくなっていくと思いますけれども、長期滞在しようと思いましても、家族連れで今の旅館、ホテルを利用すると、とても金額が高くてとても勤労者では手が届かないわけでございます。
 そういう意味で、長期滞在型を現実にするためにはやはり安い料金にするということが必要であるというふうに思います。例えば食事なども宿泊する人が自分でつくるとか、いろいろ工夫もあると思いますけれども、料金面を低廉にするということについてどのような状況になっているのか、御説明いただきたいと思います。
○説明員(吉原孝司君) リゾートを大衆化するという前提で物を考えますときに、一番大切なのが今御指摘の料金の問題であるというふうに私ども思っております。そういうことで、基本方針の中でも良質なサービスを安い価格で提供できるようにということを特に明記いたしているわけでありますが、各都道府県から報告を受けております基礎調査等を拝見いたしますと、そのあたりは大変いろいろ知恵を絞っておられるというのが現状でございます。
 ただし、いろいろな客層があるということを想定して長期滞在型のリゾートをつくるということでございますので、いろんな宿泊施設なりあるいは食事等の提供施設というのが考えられているわけであります。例えば宿泊それ一つとりましても、宿泊施設といたしましては食事等すべて中で提供されますようなホテル形式のものからコンドミニアムあるいはコテージ、ペンション、リゾートマンションというようないろんな形の宿泊施設を提供するというような格好で、したがいましてコストもそれに応じていろいろなバリエーションがあるというような格好で構想をまとめたいというのが都道府県の意向でございます。
○一井淳治君 経済的観念というものはある程度幅があるというふうに思いますけれども、家族連れで休暇を楽しむというためには、高いと高いことのストレスが非常にたまってきますので、一家族で一万円以内で泊まれるぐらいの努力をしていただきたいというふうに思いますが、具体的にはどの程度の金額で行けるようになっているのか、そのあたりも例を挙げて御説明いただきたいと思います。
○説明員(吉原孝司君) 今の段階で、個別の施設について幾らぐらいの料金というような料金設定まで明確な構想にはまだなっておりませんので、個別について申し上げることはできないわけでありますが、宮崎県からこの料金の問題で私どもが聴取いたしている段階では、例えばコンドミニアムとかあるいはコテージ、これは一戸であります。したがいまして、家族で使うということを前提といたすわけでありますが、もちろん食事は別でございまして週二万から五万ぐらいで提供できるようなものを考えたいということでございます。ただし、申し上げましたように、個別にまだきちっとセットされているわけじゃございませんので、このあたりを目標に提供する民間企業ともいろいろ話し合いをしていきたいという意向を持っております。
○一井淳治君 食事つきの場合、何とか四千円を超えないぐらいに特にいろいろと御努力をお願いしたいというふうに思います。
 それから、一番心配しているのは自然の破壊がなされはしないかという点でございますけれども、最近、航空写真などを見ますと、一部の地域ではほとんどもう山林が見えなくなってしまってゴルフ場ばかりという地域もあるわけでございます。一たん自然を破壊するとなかなか復元が大変でございますので、自然を大切にする、また自然を積極的に利用して自然との交流を深めるというふうなやり方が大切ではないかというふうに思いますけれども、そのあたりはどういうふうに進行しているんでしょうか。
○説明員(吉原孝司君) 今も御指摘のありましたとおりに、リゾート地整備には当然良好な自然条件というものが欠かせない資源でございまして、みずからその資源を破壊しないようにするのがリゾート整備の基本だろうと思っております。そういう意味で、基本方針におきましては特に自然環境の保全と調和という問題を強く取り上げておりますし、御承知のとおり法律の中では、環境庁長官等の関係行政機関との協議ということもまた明記をいたしているところであります。特に運用といたしまして、国立・国定公園の特別保護地区等においては重点整備地区を設定しないというようなことを前もって明確に指導いたしておりますし、そのほか基本構想等をまとめる段階でそれぞれ都道府県内の自然環境部局、特に自然公園の担当部局等ともあらかじめ十分に事前調整をした上で構想をまとめるようにというような指導をいたしております。
○一井淳治君 それから、リゾート開発というのはやはり民活を利用させていただくという形で進むわけでございますけれども、民活だけでは完全な整備ができないので、第三セクターとかあるいは県や市町村の施設も周りにできるというふうに思います。その場合に、民間の大資本だけが収益を多額に上げて公共団体は赤字部門だけを受け持つというふうになったら非常にぐあいが悪いんじゃないかと思いますが、そのあたりのバランス等についてはどういうふうにお考えでございましょうか。
○説明員(吉原孝司君) リゾート法は、そもそもが民間事業者のノーハウを活用しながらリゾート地域の整備をしていくということが法律の考え方でございますので、施設の整備の中心者は民間事業者になるということでございます。
 もちろん、そうは言っても、民間事業者が手を出さないような事業につきましては、どうしてもその点を総合的に進めるとすれば公的に供給をしていかなければいけないというような事態もあるわけでございますが、いずれにいたしましても第三セクターで整備するときでも私どもの方は基本的にはフィージビリティー・スタディーをきちっとやってほしいというようなことを要請いたしております。当然その中で成立するかしないかということをチェックした上で事業にかかっていただく、同時に、それは基本構想の中に位置づけをしていくというようなことを言っておりまして、そういう観点でフィージビリティー・スタディーがきちっと行われ、かつ民間事業者との機能分担というものについて十分調整ができれば、公的な施設ばかりに赤字が集中するということにはならないだろうと思っております。
○一井淳治君 一部の大資本だけがもうけて、協力している公共団体が赤字というふうなことにならないように、事前の行政指導を十分にお願いしたいというふうに思います。
 それから、現地での調達の問題ですけれども、せっかく地方に施設を新しくつくるわけでござい
ますから、ぜひとも農産物、水産物については地域のものを買い上げる、あるいはその他地域にお金が落ちるようにいろいろ御配慮をいただきたいというふうに思いますし、それからまた海岸部であれば漁民が網を揚げるときに、観光に行っている人も一緒に網を揚げるとかいうふうな、地域の文化といいますか、地域の人間の動きに溶け込んだような時間の過ごし方というものを設定していただくことも大事ではないかというふうに思いますけれども、地域の振興とかあるいは地域の農漁民との交流、こういったことについてはどのような対策になっているんでしょうか。
○説明員(吉原孝司君) リゾート法の目的が、二十一世紀に向けてのゆとりある国民生活の実現といいましょうか、労働時間との問題から出てきたことであると同時に、地域振興ということも一つの目的になっておりますので、当然そういう観点からのリゾート整備にも私ども留意をしているところでございます。今御指摘のありましたように、例えば地場の農林水産業あるいは地場の中小企業等々のそうした地域の産業の活性化に役立つようなリゾート整備をやってほしい。具体的には農林水産物を地元で調達するようなこと、あるいは地場産業が生産いたしますいろいろな地場産品を、土産物だけでなくてできるだけ積極的に活用するようなことということをいろいろこれから地域で実現するように特に都道府県を通じて指導をいたしております。
 いずれにいたしましても、そうした農産物なり食物なりあるいはいろいろな土産物が外から入ってきて、買い物をされて再び外に持っていかれるというような格好のリゾート整備にならないように最大限留意をしたいと思っております。
○一井淳治君 それから、地域での農民や漁民との交流という点につきましても十分進めていただくような方策をお願いしたいというふうに思います。
 それから、心配しているのは地価対策でございますけれども、十分な対策はどうなんでしょうか。
○説明員(吉原孝司君) 私どもも地価対策に対しては大変関心を持っておりまして、基本方針の中にも取り上げておりますし、また昨年十一月に土地局長から各都道府県知事あてに出しました緊急土地対策要綱におきましても、そうしたリゾート等が整備されるように、大規模な事業が行われるようなところについては監視区域制度の機動的運用を図るようにというような通達も出していただいたりして、地価対策には留意をいたしているところでございます。各都道府県から基礎調査の報告を受け、それをもとに議論する過程でも絶えずその問題は御指導申し上げておりまして、その結果というと大変面映ゆいわけでございますが、例えば宮崎県ですと、この四月中にも監視区域の設定をしたいというようなことで既に準備が進みつつあるというような状況でございますし、三重県でも同じように、基本構想の承認がされれば速やかに監視区域の設定をすべく今準備をしているというような状況でございます。
○一井淳治君 いろいろと御努力いただいていることはわかったわけでございますけれども、総合保養地域整備法は結局は民間活力を活用するということで進められているわけでございまして、本格的な、理想的なリゾートを形成していくためにはやはり民間任せだけでは十分ではないんじゃないかというふうに思うわけでございます。そのためには積極的に国が乗り出すとか、あるいは田舎の地方公共団体と都会の地方公共団体とがお互いに小学生の交流をするとかいうふうな、もう少し公共団体あるいは国が乗り出した施策も必要ではないか。そうしないと本当の意味での国民あるいは勤労者がリゾートで生活を楽しむということはできないんじゃないかという危惧の念を強く持っておるんでございますけれども、その点はいかがでございましょうか。
○説明員(吉原孝司君) 民間の事業者が進出するものを単に集めただけで、いわばモザイク模様のリゾート地になるというようなことは好ましくないと思っております。そういう意味で、私ども法律に基づいて都道府県に基本構想をつくっていただくときの幾つか留意点があるにしましても、そのうちの一つがコンセプトと言っておりますが基本的な哲学のようなものでございます。そういう哲学に沿って、ある意味では民間事業者を選別するようなこともあえてすべきことはしなければいけないではないかというようなことで、それぞれの地域がしっかりした哲学のもとでリゾート整備をするようにということを特に強く言っております。そういう意味で、文字どおりモザイク模様にならないようにいたしております。
 もちろん、もう一つ今御指摘のありましたように、使い方としてもっと公的な使い方を知恵を絞る必要があるんではないかという点につきましては私も御指摘のとおりだと思いまして、今後ともそうしたことについてもいろいろ知恵を絞っていきたいと思います。
○一井淳治君 現在は新しい法律の実施で手いっぱいでございましょうし、それからまた将来どうこうするということを課長さんの立場で言うわけにはいかないというふうに思いますので、今私の方で申し上げました、国がもっと積極的にこれに乗り出してもらいたいということも検討課題ということでひとつお持ち帰りいただきたいというふうにお願いいたしたいと思います。
 次に労働省の方にお聞きしたいと思うわけでございますけれども、昨年夏に労働基準法の一部改正が行われまして、これが徐々に進行していくことを期待しているわけでございますが、一番大きな問題は、中小企業の方々の時間短縮をどのように実施していくかという問題であるというふうに思うわけでございます。中小企業の時間短縮についてはどういうふうな手当てをなさっておられるんでしょうか。
○説明員(畠中信夫君) ただいま先生御指摘のとおり、中小企業につきましては経営基盤の問題だとか、あるいは同業他社、あるいは取引先との関係等もございまして週休二日制の導入などの労働時間短縮を進めていくのは困難な状況にあることは事実でございます。このため労働省といたしましては、従来から中小企業が足並みをそろえて労働時間短縮に踏み切れるように同一業種、あるいは同一地域、あるいは企業系列別の中小企業集団に対しまして、集団指導や情報の提供などによりましてきめ細かな指導援助を行ってまいったところでございます。
○一井淳治君 指導の方法として社会保険労務士の方を活用するというふうな手段を進められておることも聞いておるところでございますけれども、しかし、指導だけでは中小企業の時間短縮は進まないんじゃないか、やはり国の助成が必要ではないかというふうに思うわけでございます。労働時間短縮も、労働者の日ごろの労働密度を圧縮するという形でやってしまいますとこれは休暇をふやした意味が全くなくなってしまうわけでございますし、仮に圧縮しようとしても、圧縮だけではとてもできない部面もあるわけでございます。例えば国家公務員の場合について申し上げましても、一部の部門では四週六休制を実現していくためにはある程度の人員増を図らなければいけない部門もあるというふうに思いますけれども、何らかの、特に最近言われておるのは、誘導するための時間短縮減税をするとか、あるいはフランスあたりでは労働保険料をある程度減免するというふうな方策もおとりのようでございますけれども、もう少し積極的な、財政的なことを含めた助成ということが必要ではないかと思うんですけれども、いかがでございましょうか。
○説明員(畠中信夫君) 労働時間短縮の促進のための助成金制度などの助成措置の問題でございますけれども、そもそも労働時間の短縮と申しますのは、労使の自主的努力を基本といたしまして、生産性向上の成果配分として行うのが原則ではないかというふうに私ども考えておるところでございます。
 最低基準としての労働基準法を遵守させるために国が助成することが妥当であるかどうか、ある
いは労働時間の短縮を進めることが困難であることをもって、例えば助成金を支給するなどの援助を行うことが適当であるかどうかというような基本的な問題等がございまして、種々検討を要する点も多いところから、直ちに導入することは困難ではなかろうかと考えておるところではございます。
 ただ、今年度につきましては、新年度予算の成立と同時に新たに中小零細企業労働時間制度改善援助事業というものを発足させまして、本年四月一日から週四十六時間制度というものになったわけでございますが、その適用を三年間猶予されております中小零細企業を主たる構成員とする中小企業集団に対しまして、きめ細かな個別指導等の指導援助を積極的に進めることとしておるところでございまして、当面は、先ほど先生御指摘がございました全国社会保険労務士会に委託して実施しております従来からの労働時間短縮推進事業と相まちまして、今年度から創設されました中小零細企業労働時間制度改善援助事業の的確な運営に努めてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○一井淳治君 企業というものは利益に向かって動くわけでございまして、時間短縮が利益にならなければなかなか協力しないというふうに思うわけでございます。現に、中小企業の場合は今の御時世の中でも依然として労働時間が延びる方向にある。しかも、やみの残業は当たり前みたいになっているような状況でございますので、最終的にはかなりの財政的な援助といいますか、経営者の方々にそうした方がかなり利益があるんだなということを納得させないと現実の時間短縮はできない。法制面はできても現実には時間短縮はなされていないというふうになりかねないと思いますので、助成ということもひとつ御検討をお願いしたいというふうに思います。
 それからもう一つ、長期休暇を取りやすくする、長期休暇を取るという一つの風習をつくっていくことが必要ではないか。その場合に、日本では春の連休と暑い夏に国民が一斉に取るということになっているわけでございますけれども、そういたしますと、リゾート地域は連休と夏はいっぱいになるけれども、それ以外の期間は閑古鳥が鳴いているというふうになりかねないわけで、やはり年間まんべんなく休暇を取るという方向に今から頭を働かしていただく必要があるんじゃないかというふうに思いますけれども、その点はいかがでございましょうか。
○説明員(畠中信夫君) 連続休暇につきましては、先生ただいま御指摘もあったかと思いますが、我が国における年次有給休暇の取得率が低く、連続休暇制度の定着も進んでいない現状におきまして、年次有給休暇の計画的取得などによりまして国民が連続休暇を享受する社会的慣行を定着させることがまず肝要ではないかというふうに考えておるところでございます。
 このようなところから、現在労働省におきましては、例えば来るべきゴールデンウィークだとか、夏あるいは秋あるいは年末年始など、労働者や企業にとって取りやすい時期に連続休暇の定着を図っておるところでございますけれども、今後ともに、これらの季節やあるいは業務の繁閑に応じて労働者や各企業の実情に応じた適当な時期に、年次有給休暇の計画的消化やあるいは特別休日の設定やあるいは週休日の振りかえ、そういうものを組み合わせることによりまして長期間の連続休暇が取れる、そのような慣行の定着を図ってまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○一井淳治君 本日の森林開発公団法の提案理由説明の中にも、奥地山村地域の中の豊富な森林資源を活用するということがなされておるわけでございますけれども、だんだんと過疎化しており、しかも活力を失いつつあるような奥地に都会の人に入り込んでいただいて、そこで森林や農村部の活力を確保しようというふうな考えもあるわけでございまして、勤労者の方々がある程度の長期休暇が取れる、しかも年間まんべんなく休暇が取れるような方策をつくり出していただきたいというふうに要望を申し上げたいと思います。
 それから、人事院の方にお尋ねしたいわけでございますけれども、国家公務員については四週六休制の本格実施、土曜閉庁もいよいよ来年度は実施するという方向に進んでおるようにお聞きしておるわけでございます。リゾートの問題につきましては、長期休暇の確保、それをまた年間まんべんなく取れるということが必要ではないかというふうに思いますけれども、そういった方向へリードしていただくために何か方策をおとりかどうか、その点について人事院の方にお尋ねしたいというふうに思います。
○説明員(武政和夫君) お答えいたします。
 国家公務員につきましては、先生御指摘のようにこの四月から四週六休制が実施されまして、所定勤務時間の短縮が行われたわけでありますが、さらに私どもとしては年間の総実勤務時間を短縮する必要がある、そういう観点から年次休暇のまとめ取り等による休暇の使用の促進を図るということが重要でないかというふうに考えておるわけであります。
 国家公務員の年次休暇の現在の使用率でございますが、約六割という現状があります。したがいまして、まずは職員が休みやすい環境をつくる、あるいは職員自身が休むことになれるということが必要ではないか、こういう意味で、公務におきましても比較的休みの取りやすい夏季にまとめ取りを中心として奨励しているわけでありますが、公務におきましては多種多様の職種がありますので、夏季に限らず、職場の実情に応じまして年次休暇をさらに使用促進、有効活用ということにいろいろな機会を通じまして指導してまいりたい、このように考えております。
○一井淳治君 次に、文部省の方にお尋ねしたいんですが、昨年十二月と思いますけれども、教育課程審議会におきまして学校五日制の方向が一応答申されたわけでございます。学校五日制についての答申を受けて後の、今後の進め方についてまずお聞きしたいと思います。
○説明員(熱海則夫君) お答え申し上げます。
 御承知のとおり、昨年末の教育課程審議会の答申で学校五日制の問題について触れているわけでありますが、答申の中身は、いわゆる世の中の週休二日制の普及の状況、こういった社会状況の変化と学校教育とか子供の生活とを切り離すことは適当ではない、したがって、今後学校五日制というものを漸進的に導入することにしたらどうだろうか、そのための検討を始めるように、こういう趣旨の答申をいただいたわけであります。
 ただ、その検討に当たっては当然これは教育水準の問題、子供たちの学習負担をどうするのか、あるいは子供の地域社会とか家庭における受け入れをどうするのか、こういった幾つかの問題がございますし、また、国民の理解を得るということも非常に重要な課題でありますから、こういったことを十分検討してほしいということもつけ加えられているわけであります。そして、五日制をいつからどのような形で導入するかについては、例えば実験学校を設けて調査研究を進めたらどうだろうか、こういう趣旨でございます。
 文部省でも、そういったことの答申を受けまして、現在いろいろ検討を開始する段階になっておるわけでありますが、具体的にはこの五月以降に関係者に御意見を伺ったり、あるいは学識経験者等にお願いをして、これから実験を進めるについてどのような実験の内容なり計画なりでやったらいいのか、こういったことについてこれからいろいろ検討していきたい、こういうふうに考えておるわけでありますが、この実験学校をいつから設けるか、これについては予算を伴うものでありますから、来年度以降検討していきたい、こういうふうに思っている次第であります。
○一井淳治君 子供の五日制の問題につきましては、おっしゃいましたとおり本当に重要な問題でございまして、子供の受け入れ体制づくり、これを大変慎重にやっていかなくちゃならないということはよくわかるわけでございますけれども、そ
の中では、例えば学校は一応休んでおるけれども、プールや図書館は開放するとか、いろんな問題も論議してもらわなくちゃならないと思います。
 本日の関係ではリゾート地域といいますか、山奥の森林部に、例えば将来土曜、日曜が二日続けて休めるようになった場合に、少年が山奥で過ごせる施設をつくるとか、あるいは親と一緒に山奥の自然を楽しみながら過ごせるような施設をつくるとか、そういったふうなことも学校五日制の論議の中で十分に検討をいただきたいというふうに思うわけでございますけれども、いかがでございましょうか。
○説明員(熱海則夫君) ただいま御指摘をいただいたような問題も含めて、今後検討してまいりたいと思います。
○一井淳治君 それから、もう一つの問題は、いわゆる四週五休制あるいは四週六休制が進行しておるわけでございますけれども、現実には教職員の方は夏休みにまとめ取りということで、十分な休暇が確保されていない状況があるわけでございますけれども、この現状に対してどういうふうに改善していかれるんでしょうか。
○説明員(岡林隆君) ちょっと、御質問の趣旨をはっきり承れなかったわけでございますが、現在の学校の教員の週休二日という、そういうことからお答え申し上げますと、これは教員の立場ということだけではなく、児童生徒それから保護者、そういう方々の立場を考慮して考える必要があると思うわけでございます。現在、学校におきます教育課程は土曜日を含みました週六日ということを前提にして編成されておりますので、現在の教育課程を前提にいたしますと教員の場合には土曜日を休むという形での週休二日というのはちょっと困難ではないかというぐあいに考えておるところでございます。
 したがいまして、私どもの方では学校の場合他の企業であるとか事業所と異なりまして、児童生徒のいわゆる夏休み、春休み、冬休み、そういう長期休業期間がございますので、こういう長期休業期間中に教員の週休二日、それに相当する分をまとめてとっていただく、そういうことで、いわゆるまとめ取り方式と私ども言っておりますが、こういう形で休むようにしていただく、そういうぐあいに考え、指導をしているところでございます。
○一井淳治君 いわゆるまとめ取りになりますと、ほかの公務員の方に比較して非常に不公平が起こる、そして子供と一緒に他の勤労者の方と同じように休暇を楽しもうと思ってもできない。二日続きの休暇の意味がなくなってしまうわけでございますので、まとめ取りができておるからいいんだというふうに割り切らないで、よく将来御検討をいただきたいというふうにお願いいたしまして、次の質問に変えたいというふうに思います。
 今回の森林開発公団法の一部改正で、いわゆるA型タイプの事業が可能となるわけでございますけれども、これによって例えば自然の乱開発が起こるというふうなことが起こりますと非常に残念でございます。現在六地区が予定されているというふうにお聞きしているわけでございますけれども、自然の乱開発防止のためにどういうふうなお考えでおられるのか。それから、六地区についてある程度具体的な事例もお話しいただきながら御説明をお願いしたいというふうに思います。
○政府委員(松田堯君) 公団が行いますAタイプ事業につきましては、林野関係の公共事業の促進を図るとともに、これと密接に関連をいたしますスポーツ・レクリエーション施設等の整備運営を通じまして山村地域の活性化に資するものでありまして、その積極的な推進を図ることといたしております。
 これらの施設の開発整備を行う場合におきましても、当然のことといたしまして保安林制度、林地開発許可制度等森林の保全に関します制度の適用が行われることになりますので、国土の保全、自然環境の保全等に十分配慮されるものになる、このように考えているところでございます。
 具体的にというお話がございましたけれども、公団が直接行います事業につきましては、いわゆる収益をねらいとする施設整備、いわゆる本体事業、これに関連をいたしまして、そこへ到達するための林道の開設、拡張あるいはそれらの施設整備に伴います保安施設あるいは修景のための造林といったようなものが一体として行われる、このような形で推進をしてまいることにいたしております。
○一井淳治君 六地区ということを聞いておるわけなんですけれども、具体的にはどういう立場の人がそういうふうな計画を立てておられるんですか。例えば地元の町がやろうとしているというのか、あるいは大企業が立地しようとしてやろうとしているのか。そういうふうな性格等でも結構ですから御説明をいただきたいと思います。
○政府委員(松田堯君) 現在候補として挙げておりますところは六地域でございます。関連施設といたしましてはスキー場、スポーツ施設、テニスコートあるいは宿泊のための野営場、コテージ、レストハウス、ミニゴルフ場、こういったようなものがそれぞれの地域性に応じましての施設として考えているところでございます。また、第三セクターにつきましては、それぞれの県あるいは市町村、さらには地元の開発資本、地域によりましては東京にあります資本等も参画する中で第三セクターが組まれる、このような形になっておるところでございます。また、箇所につきましては、国有林、民有林双方が対象になっております。
○一井淳治君 具体的な計画ができますと、これを林野庁の方で審査をされて、その上で森林開発公団が事業をするとか、あるいは無利子融資の転貸をするというふうになっていくんでしょうか。一応事業内容について審査をされるわけなんでしょうか。
○政府委員(松田堯君) 開発主体が事業実施主体を森林開発公団として位置づけているところでございますし、また貸付主体としての森林開発公団を位置づけておるところでもございます。森林開発公団は、このような施設を整備する地域におきまして、従来から林道開設とか森林造成の事業をやっておりまして、そのノーハウを持っているわけでございます。
 森林開発公団が、先生の今の御質問に対しましてのチェックあるいは指導を行っていくことになるわけでございます。
○一井淳治君 事業を始められる前にどういう開発が行われるかということも当然見られるわけでしょうから、自然の乱開発にならないような対処をお願いしたいというふうに思います。
 それから、地域振興に結びつくような、地元の林業や農業の振興に結びつくようなそういう方向での対処をお願いしたいわけでございますけれども、いかがでございましょうか。
○政府委員(松田堯君) 国土の均衡ある発展、また山村の振興の上からもAタイプ事業を進めるわけでございまして、単にそれが施設整備といったハードな施設のみではなくて、そこにソフトな面も加える形の中で、先ほど来先生から御意見がございますように、都市と山村との交流の場になるような形での施設整備を進めていかなければならないと考えております。
○一井淳治君 次に、大規模林業圏開発事業でございますけれども、事業計画の一九%しか進捗していないというふうに聞いておりますが、地域におきましてもこれをもっと促進していただきたいという非常に強い要望があるわけでございますけれども、いかがでございましょうか。
○政府委員(松田堯君) 大規模林道事業につきましては、全体計画が林道の延長につきまして千九百キロメートルを考えているところでございますが、これまでの進捗率は約四百キロメートル、二割をちょっと超すような状況になっております。
 それぞれの地域におきましての必要性、重要性は極めて高いものがございますし、また地域の方々の要望も大変強い、期待も大きい事業でございますので、厳しい財政事情の中ではございますけれども、今後ともその促進につきまして努力を
してまいりたいと考えております。
○一井淳治君 先ほども要望したわけでございますけれども、NTT株の売却益の財源確保を特に要望したいというふうに思います。
 それから、昨年十二月に策定されました全国森林計画では、林道の開発計画を実績の一四五%としているということでございますが、これをどのようにして将来確保しておいきになるのか、その方策についてお尋ねしたいと思います。
○政府委員(松田堯君) 厳しい財政状況の中でなかなか思うに任せない面もあるわけでございますが、林業経営のみならず山村の振興といったような面からも林道の果たす役割は大変大きいわけでございます。今回導入をいたしますNTT財源を活用した林道の整備を促進するということで考えているところでございます。
 また、技術的な問題でございますけれども、今後低コストで簡易な構造の林道開発を積極的に進めるということで、構造、規格の簡素化ということにつきましても検討を進めているところでございます。
○一井淳治君 何といいましても基本は財源確保でございますので、これほど難しいことはないということも言えるわけでございますけれども、NTT株の売却益をどうするかというときの論議の中にも、内需振興の中でも地域の振興ということに重点を置こうというふうな論議もあったわけでございまして、どうかできるだけ「当分の間」を長くしていただきまして、そしてNTT株の売却益の公共事業に対する支出を少しでも多く取っていただくように努力をお願いしたいというふうに思います。
 次に、戦後造林、植林を林野庁職員の方がずっとなさってこられまして、これがだんだん成長して、間なしに主伐というんですか、伐採して材木として扱えるような時期になりつつあるというふうにお聞きしておるわけでございます。
 他方、営林署の職員の方々がだんだん減員されているというふうな実情の中で、木は大きくなった、伐採して木を出す労働力が不足しているというふうな事態も起こるんじゃないかというふうに思いますけれども、このあたりの労働力確保の問題についてはどのような御方針でいらっしゃるんでしょうか。
○政府委員(松田堯君) 山村問題がまた林業の労働力問題にもかかわりを持つわけでございます。数年前までは二十万前後の林業労働力が統計的に把握されているわけでございますが、この二、三年十四万人といったような形で労働力が減少をしてきております。この労働力の確保のためには山村問題を解決していくという大きな問題があるわけでございますけれども、林業サイドからいいますと、林業を魅力ある産業に再構築していくということが極めて大事なことではないかと思っております。このため、これまでも林業生産基盤の整備あるいは林業構造の改善、さらには担い手の育成、確保といったような諸般の施策を推進してきているところでございますが、今後ともそれらの政策というものを総合的に進めていかなければならない、このように考えております。
○一井淳治君 ぜひとも総合的な政策は進めていただきたいというふうに思いますけれども、現実に木が大きくなっていく。長期的に見ますと、今は外材に頼っておりますけれども、行く行くは我が国土でできた森林を製材して国内の材木として利用していくという方向に移行していくというふうに思いますけれども、そういうときに山奥の木を切って出す労働力がないと円滑にいかないわけでございまして、具体的にはその場合どういう労働力を活用なさるお考えなんでしょうか。もう少し具体的な御答弁をお願いしたいと思います。
○政府委員(松田堯君) 国産材時代の到来が予測されているわけでございまして、それを現実のものにするためにはいろいろの課題があるわけでございます。零細で分散的でかつ経営が不安定だといったような経営構造を改善していかなければいけないということもございますし、各種の技術を開発いたしましてコストダウンを図っていかなければならない、このような課題もあるわけでございますが、担い手の問題につきましては、森林組合あるいは素材生産業界等々、民間請負事業体の育成強化を積極的に進めていくべきではないか、このように考えているところでございます。昨年、森林組合法の改正もいただいたところでございますので、その線に沿っての森林組合の機能の充実といったようなことにつきましても努めているところでございます。
○一井淳治君 素材産業の方あるいは森林組合の方というふうなお話も出たわけでございますけれども、具体的にはそういった人たちの協力が得られるかどうか、現実にはわからない状態ではないかと思います。林野庁がスリムになって予算がかからなくなっていくという赤字の克服政策を進められておるわけでございますけれども、それだけで済むものではない。やはり日本の森林を守り林業を育成していくためには、林業を取り巻く人員配置を強化していくということも考えなくちゃならない。
 将来、特に人工林がだんだん大きくなって伐採する時期になるわけでございますから、そういうことも念頭に置きながら、一たん減らしてしまうとまたふやすのが非常に困難でございますし、特に山奥の方で植林とかあるいは間伐等をやるような人たちを確保することが非常に困難なのが実情でございますので、人員配置については今後ともよく考えながら政策を進めていただきたいということをお願いいたしまして、時間でございますので、私の質問を終わりたいと思います。
○稲村稔夫君 本日の森林開発公団法の一部を改正する法律案審議に当たりまして、その前に、せっかく大臣に御出席をいただいておりまして、この次の機会にはあるいは大臣はおられるかどうかというようなことも考えてまいりますと、時の話題になっております、関心事になっております牛肉、オレンジの問題についてやはり大臣のお考えを特に伺っておきたい、こんなふうに思うわけであります。
 経過等についてもちょっと聞きたいとは思いましたけれども、今まさに交渉の最中という段階にもなってまいりますと、直接担当される局長等はなかなか御出席をいただけないということにもなりますし、またお聞きをしてもなかなか出てこないものもあろうと思いますので、私はここで直接大臣にお伺いをする、こういう形にさせていただきたい、こう思うわけであります。
 大臣は、三月末に渡米をされて大変御奮闘をされ、頑張っていただきました。その点は大いに評価をさせていただいているわけであります。しかし、アメリカ側のガードというか主張は随分かたい、こういうことでさらに今厳しい交渉が続いている、こういうふうに新聞等でも伝えられているわけであります。
 ただ、報道等を見てまいりますと、アメリカ側の要求は、完全自由化をできないんであればそれと同じような輸入枠の拡大をしていけ、そしてまた、その年次が長くなれば代償措置を要求するとかいうようなことが伝えられ、あるいはそういう中で輸入枠拡大で対応しなければならぬのではないだろうかというような我が方の意見もあるなどということも伝えられ、あるいはニュアンスとしては自由化も近いうちにしようがないんではないだろうかというようなニュアンスも我が方の中にもあるというようなことが伝えられたりいたしておりまして、言ってみれば新聞報道を見てまいりますと、一生懸命大臣も頑張っておられると思いますけれども、我が国の畜産あるいは果樹農家を守ろうという熱意に燃えている者から見ますと、いろいろと動揺を来すような記事、報道等も最近は見られるわけであります。
 そこで、一つは、これからの見通しといってもなかなか難しいんでありましょうけれども、アメリカとの交渉に今まで本委員会でもあるいは予算委員会でもいろいろと大臣お答えをいただいてまいりました。本委員会での決議等もございますので、その基本線を踏まえて頑張っていただけるものと思いますけれども、その辺の御決意と、そし
てまた、先ほど申し上げましたように、我々にも報道等を通じておやと思って不安になる部分というのはございます。少なくとも閣内はきちんと統一した確認をして当たっておられるんであろうなと思うのでありますけれども、そこら辺のところも確認をさせていただきたい、こんなふうに思うわけでありますので、大臣の御決意と、そうした周辺事情等についての大臣の御見解等をお聞かせをいただきたいと思います。
○国務大臣(佐藤隆君) いろいろ事情御賢察賜りましてありがとうございます。
 また、従来の経緯もすべて御存じの委員でございますから、ここで私がくどくど申し上げることはいたしません。いろんな考え方があることはだんだんだんだん明らかになりつつあるわけでございます。それは我が国だけではなくてアメリカにおいても四月一日完全自由化、この旗をおろさないままに私との交渉は実務的な一つの瀬踏みの状況が続いておるわけでございますけれども、アメリカ側におきましてもいろんな動きのあることを耳にするわけでございます。であればあるほど私自身は総合的に判断をして、そして平和的にどのような決着ができるか、こういう従来の方針は変わりございません。
 それにいたしましても、国際化の中にあって孤立をするようなことがあってはならぬのはこれはもう当然のことでございます。しかし、あわせて我が国の農政、地域農政、それから我が国の食糧政策、生産者の立場これあり、流通関係者あるいは消費者ニーズ、これにもこたえながら安定的な体制をどう図っていくかということについて、交渉の結果がどうであっても、最終的に行く末農業者、農家の皆さんが安んじていただけるように、不安のないように、消費者もまた不安を持たれないように私どもが責任を持たなければならぬのは当然のことでございます。そういう意味におきまして、閣内におきましても、私の判断をまつという形の中で私は今慎重に構えておる。
 しかし、余りにもいろんな報道があり、いろんな揣摩憶測が重ねられ、それに附帯をいたしましていら立ちも重なっておる折でございますから、一日も早く決着をしなければならない。そうは思いながらも毎日毎日の動きを、あるいは真意を確かめながら総合的に判断する、その準備をしつつあるところでございまして、私自身今まで以上に、今日の段階になりますといよいよ慎重に、いよいよ真剣でなければならぬ、こういうふうに思っておるわけでございます。
○稲村稔夫君 今大臣のお考えをいろいろとお聞かせいただいてありがとうございました。
 しかし、今の牛肉、オレンジの問題というのはそれこそ私どももずっと前から、十二品目のときにもそのことを心配しながら申し上げてまいりました。十二品目のその次に来るものは結局牛肉、オレンジ、そこでまた下手な決着の仕方をすると米にという路線を常に引きながら向こう側は我が国に要求してくるであろうということを心配してずっと申し上げてまいりました。アメリカの路線というのは大体そういう方向をとっていると私は思います。それだけにこの辺の決着というのは大臣もいろいろと苦悩しておられる部分があるということはお察しいたします。それだけにまた我が国の農業にとっては非常に大事な問題になってくるということであります。
 特に、この次に審議をしなければならない農用地開発公団の問題などは、畜産農家の抱える負債問題だとかいろいろと今我が国の国内の畜産、特に肥育牛の皆さんの持っている問題も、例えばこの自由化がなくても非常に大きな問題としていろいろと考えなきゃならない、対策を立てていただかなきゃならない問題がいっぱいあると思うんですね。そこへ追い打ちをかけられる形になるわけでありますから、それだけに非常に大変なことであります。オレンジの方も、私どもからすれば果樹振興法の発動等で頑張っていってもらわなきゃならぬのじゃないかという気もいたしますけれども、それにいたしましても、一歩間違うと後の我が国の農業に大変な禍根を残すことになってしまうという難しい時期でありますので、私はここのところは意見だけ申し上げましたが、大臣はその辺もう十分心得ておられるはずでありますから頑張っていただきたい、こんなふうに思います。よろしくお願いいたします。
 次に、法案の内容に入らせていただきたいと存じます。いろいろとあります疑問については、ただいま一井委員からの質問がありましてある程度わかったところもありますけれども、なおさらわからなくなった部分もないわけではありません。その辺いろいろとお伺いをしていきたいと存じます。
 今回の法改正の柱というか、ほとんどそれだと言っていいのは、NTTプロジェクトAタイプの事業導入で森林開発公団が仕事がやれるようにと、こういうことになるわけですね。そのNTTのAタイプの事業についてお伺いをしておきたいと思うんです。この事業を導入してことし、六十三年度これ以外の事業とのバランスはどうなるんでしょうか。今までの事業量にこのNTTの分だけが事業量としてさらに上乗せをされる、そういう形になるんでしょうか。なるとすれば、公団の事業量のバランスはどういうふうになるでしょうか。
○政府委員(松田堯君) いわゆるルーチンの公団事業につきましては、六十三年度はNTTのBタイプも含めた形の中でおおむね対前年比二割増の事業が仕組まれているところでございます。その内容につきましては、大規模林道それから水源林造成事業それからいわゆる奥鬼怒のスーパー林道、これが計上事業としてあるわけでございますが、このAタイプ事業につきましてはそれにプラスの形で森林開発公団が行う事業でございます。
○稲村稔夫君 もう一度確認で恐縮ですが、そうすると、Bタイプを含めて今までの事業量は六十二年度に比べて六十三年度は二割増で対応している、それに今度の改正によるAタイプをプラスする、こういうことになるわけですね。
○政府委員(松田堯君) そのとおりでございます。
○稲村稔夫君 Bタイプの方は補助金的な使われ方がされているわけでありますから、それはそれなりの理解の仕方ができるんでありますが、Aタイプ事業ということについては私はちょっとまだ疑問点が残っておりますのでお教えいただきたいと思います。
 まず第一は、基本貸付率は一般の林道あるいは森林造成、治山の保安施設の補助率等と同じわけですね。ということになりますと無利子で貸し付けられるのですけれども元本は返さなきゃならぬ、こういうことになると余り魅力的ではないんじゃないかという気がするんですが、その辺はどうでしょうか。
○政府委員(松田堯君) 御指摘のとおり、Aタイプ事業は公共事業といたしましてこれまでの公共事業と補助率と貸付率が同じ形の中で運営されるわけでございます。Aタイプ事業につきましてはいわゆる収益環元方式で運営されるわけでございますので、森林開発公団が現在地勢等の非常に不利な条件の中で豊富な森林資源が賦存するところで事業をやっておるわけでございますが、そういったような地域でスポーツ・レクリエーション施設等の整備が行われる場合に、施設整備が必要な林道事業あるいは保安施設事業さらには修景等のための森林整備事業というものを一体として行う、この必要性のある場合にAタイプ事業というものが導入される、このようになるわけでございます。
○稲村稔夫君 今のスポーツ・レクリエーション施設等との関連についてはまた後に伺いますが、補助金と同じような率でもって貸し付けられる。そうするとその事業費全体の中でそれが例えば仮に五〇%なら五〇%とすれば残りの五〇%は受益者負担なりなんなりという形になるわけでしょう。よそから借りてくればそれはそれなりの利息もかかったり何かして補助事業や何かとみんな同じわけですね、そこの部分の経費が必要な分。だけれども、元本を返さなければならないというこ
とになってくると、これはしかも五年しか据え置いてもらえない、五年据え置きであと全体二十年で返していく、こういうことになってくると、魅力としてかなり乏しいのではないだろうか、そういうふうな感じがするのですが。いや、何も第三セクター方式のこういう形で林道をつくってもらわなくてもいいやと、極端に言ってしまえば少し時間かけて待ってでも補助事業でやってもらいたいというような話の方が出てくることにはならぬでしょうか。
○政府委員(松田堯君) 山村等に位置しております自治体におきまして、その地域振興を図るためにスポーツ・レクリエーション施設等の整備を行いたいという動きが非常に高まってきておりますので、そういう地域におきまして一体的に林野三公共の施設整備を行う必要のあるところにつきましてこのAタイプ事業というものが導入されるわけでございます。
○稲村稔夫君 そうすると、スポーツ・レクリエーション施設をうちもうちもと、こうやってみんな手を挙げて、そしてそれに関連する林道が欲しいとか造林がしたいとか――造林がしたいという話というのはどうなるかよくわからぬところがありますけれども、少なくとも林道はつくりつける、行けないのですから。そうするとそういうところは全部Aタイプで対応するということで、スポーツ・レクリエーション、そういう関係の施設であったら全部Aタイプ事業でなきゃできないということになりますか。
○政府委員(松田堯君) そういう必要性の高いところで地元の御要望のあるところについてAタイプ事業を導入していくということでございます。もちろん、Bタイプ事業も公共事業の促進のために進めることになっておるわけでございまして、Bタイプ事業はBタイプ事業として進める、このようなことになるわけでございます。
○稲村稔夫君 私がそういうことを伺っておりますのは、例えば第三セクターでそういう施設を仮につくるということにいたしましても、利益を多く生み出せるような施設になっていく場合もあるでしょうし、それこそ公益的な機能も加味された、さっき一井委員からも質問が出ておりましたが、長期滞在型で比較的安い国民的なスポーツ・レクリエーションを楽しむ場というような形で、第三セクターという反公共的な側面も持っているということになるとそういうことがかなり追求される部分も結構出てくるでしょうと。だから、関連林道などというようなところだと、地元の御要望があればというけれども、そういうようなところは御要望が出てこないんじゃないだろうか。それでもいいからこっちでやってください、これでやればすぐできるからとか、何かいろいろそれにかわるものがあればあれですけれども、何か魅力が少ないんではないだろうか。要望の方が少ないという心配はありませんか。
○政府委員(松田堯君) Bタイプの方が補助金型でございますし、それからAタイプの方は収益をもって返さなければいけない、したがって、Bタイプの導入のニーズの方が強いんじゃないだろうか、そういう御質問かと思うわけでございますが、Aタイプの方は、その本体となりますスポーツ・レクリエーション施設と先ほど来申し上げております保安施設、それから林道、森林整備と一体的に行える、こういうメリットもあるわけでございます。公共事業の方の治山、造林、林道というものは一体的でやることが好ましいわけでございますが、それぞれ個々に導入される、こういう性格があるわけでございまして、Aタイプの特徴というものは、本体事業であります施設とこの三つのAタイプ事業というものが一体的にやれるというところに魅力がありまして、それぞれの市町村からの要望も強い、こういうことでございます。
○稲村稔夫君 今、一体的にというお話がありましたが、必ずしも一体的でない場合だって、例えば林道なら林道の開設だけというような場合もあり得るわけでしょう。
○政府委員(松田堯君) Aタイプ事業で森林開発公団が直接行う場合につきましては一体でやる、こういうことになっておりますが、第三セクターが行う場合につきましては三つのうちの個々のものでもよろしい、このような形になっているところでございます。
○稲村稔夫君 今のAタイプについての問題はさらにこれからいろいろと伺いたいと思いますけれども、その前に、比較的利益を上げるということに重点がいかない、言ってみればできるだけ持ち出しが少ない程度で頑張ろうなどというスポーツ・レクリエーション施設、特にここに規定されているような地勢の余りよくない奥地の方などというところでもこれからやっぱり意欲的に開かれていかなければいけない、開かれてというよりも利用されるようにならなきゃいけないんじゃないだろうか、そんなふうに思うんですよね。
 そういたしますと、問題は、そのAタイプもさることながら、利益の薄い、あるいは利益の余り出ない林道、主として林道が中心なんでしょう、多いんでしょうが、あるいは関係をする造林とか保安施設とかというようなものにやっぱりかなり積極的にBタイプを利用するなり、あるいは直接的な補助金なりというようなことで力を入れていただくということを、一方でこういうことをやろうとすればするほどそっちの方にも力を入れるということを明らかにしていただけないと、何か極めて利益だけを目的としたということに理解をされがちだと思います。その辺の見解をひとつ明らかにしていただきたい。
○政府委員(松田堯君) いわゆるスポーツ・レクリエーション施設で返済ができるところについてAタイプを導入していくわけでございます。
 御指摘がございますように、そういう施設をやりたいけれども返済の見通しがないというようなところもあるわけでございまして、そういうところについてはBタイプを適用していく、あるいはNTT資金とは関係のない公共事業というものを適用していくということになるわけでありまして、公共事業の拡大につきましてはこれまでも努力をしてきたところでございますし、その拡大の努力の一環が今回のAタイプ、Bタイプ、こういうことでございますので、引き続き努力を重ねてまいりたいと考えております。
○稲村稔夫君 言ってみれば、収益の余り上がらないそういう箇所をリゾートとして活用していく、そういうことに力を入れていただく、そういう意味での御返事だったと、こんなふうに思うわけであります。
 そこで、またAタイプの問題に戻ってまいりますが、第三セクターといいますのは、これはいろいろな組み合わせが考えられるわけですね。
 例えば、出資金でいけば地方自治体と民間資本とがどんな持ち合いになるかとかというような割合の場合もありましょうし、利益が上がる宿泊施設だとかなんとかというのは民間がやって、利益とは直接関係のない部分を自治体関係が受け持って、それで全体で総合として管理する、そういう資本のつくり方というのもあるかもしれませんというのでいろいろな組み合わせが考えられます。ただ、その中で、先ほども一井委員の質問に対して、場合によっては東京の資本がというお話もありましたが、そうすると、東京の大きな観光資本だとかそういうものが第三セクターとして加わって、しかもかなり大きな比重、力を持つというような場合に、形は第三セクターだけれども実際は大資本の利益に結局引っ張られてしまうというような場合もあり得ると思うんですけれども、その辺のところは何かチェックをする体制はあるんですか。
○政府委員(松田堯君) 第三セクターの要件につきましては、地方自治体が出資をしているということで第三セクターがつくられるわけでありますが、いずれにいたしましても、地域振興に資するといったような形での運営がなされなければならない、このように考えているところでございます。
 第三セクターそのものの構成につきましては地方自治体に任せられるところでございますけれど
も、私どもといたしましては、その第三セクターの事業が地域振興につながるかどうかといったような観点から指導をしてまいりたいと考えております。
○稲村稔夫君 地域振興につながらなければならぬというのはそのとおりだと思うんですね。私はそれが非常に大事なことだと思うんです。ただ、それがそのままでいったときに自然保護、自然環境の保全あるいは森林を守る、そういう観点からいったときに必ずしも適切でない場合も起こり得るわけです。これは一つの地方自治体といっても、例えば市町村単位くらいで考えていけば、そこの市町村の振興に役に立つということだけにもっと大きな観点で、自然保護とか環境保護とか森林保護とかというような視点が必ずしも十分でないという場合、これ自治体関係者の中にも起り得ることなんですよ。それはもう少し大きな目で見てチェックをしていかなきゃならない場合も起こり得る、こういうことだと思うんですけれども、その辺は何かチェックシステムができるんですか。
○政府委員(松田堯君) 森林開発公団自身がこのAタイプ事業の対象地域におきましての地域事情あるいは森林の状況、その中におきます各種の施設整備事業のあり方等につきましては十分ノーハウを有しているわけであります。したがいまして、森林開発公団が直接事業を行う場合におきましてもあるいは貸し付けを行う場合におきましても十分にチェックすることはできる、指導することはできる、このように考えているところでございます。
○稲村稔夫君 私、ちょっと気にしてそういうことを少しくどく聞いていますのは、先ほど長官の御答弁の中に具体的にいろいろこんな施設というのを言われましたね。その中に何かミニゴルフ場なんというものも入っていましたね。ミニゴルフ場というのはどの程度のことなのかわかりませんけれども、ゴルフ場というのが入っていたのに私はひっかかっているところがあるんですよ。
 といいますのは、スキー場も上の大きい木はみんな切りますからあれですけれども、下のところのブッシュは切っても生きていますし、それからスロープに面して必要な範囲でしか切らないということになりますけれども、ゴルフ場ということになりますと、木があればかなりのものを切らなきゃならないのじゃないか。ということになりますと、森林という観点から言うといろいろと問題が出てくる場合もあるんじゃないだろうか。しかし、地方自治体にとってみれば、ゴルフ場がとにかくできて、そしてそこへ人に来てもらって、金が落ちるということになれば活性化につながるわけですから、やっぱりやってもらいたいななんてことにもなる。こういう場合も起こるんじゃないだろうか、そんなことを気にするんですが、いかがですか。
○政府委員(松田堯君) Aタイプで行う施設につきましてはそれぞれの地域性に応じた形の中での内容でなければいけない、画一的な形であってはいけないというふうに考えておるところでございますが、また一方におきまして、施設整備に伴いましての乱開発ということも生じてはいけない、このように考えております。先ほど申し上げたところでもございますが、一般林制度あるいは森林開発許可制度といったようなことにつきましてその適切な運用を図っていかなければいけない、このように考えております。
 ミニゴルフ場と先ほど申し上げたところでございますが、これはよく調べてまた御報告を申し上げたいと存じます。
○稲村稔夫君 調べて後で報告するようなことは口にしないでくださいよ。でないと、反対法案だったら大変ですよ。こういうことで幾らやっていましてもちょっと切りがありませんから次へ進ませていただきます。
 公団の直営方式と貸付方式、これは何か基準があってきっちりと分けられることになりますか。どういう基準のときには公団で直営でやり、どういう基準のときには貸し付けでやりますと。
○政府委員(松田堯君) いわゆる直轄事業、森林開発公団が行う事業につきましては、公団事業としてふさわしい規模のもの、利用区域面積が千ヘクタール以上の基幹的な林道等を考えているところでございます。これに対しまして、この規模に満たないような場合、また公団の組織、人員の体制から見まして第三セクターが行うことが適当な場合におきましては、第三セクターが森林開発公団から貸し付けを受けて事業を実施することになろうかと思います。
○稲村稔夫君 規模で一つの基準があって、それでやっていきます、こういうことですね。
 それでは、さっきも一部確認をした形になりますけれども、Aタイプのものは元本を返済しなければならないわけです。その元本の返済、例えば公団直営の事業の場合は、第三セクターの場合は第三セクターが借りてその第三セクターが収益を上げて返す、こういうことです。じゃ公団直営で附属の林道、先ほどセットにしてというお話でしたね、造林だとか保安施設だとか、こういうものを公団直営でやった場合の返済はどこがやる、その財源はどこから出すんですか。
○政府委員(松田堯君) 公団が直轄でやる場合におきましても第三セクターが返済の当事者になるわけでございます。
○稲村稔夫君 林道の場合はいろんな方法もあると思うんです。第三セクターが収益をうんと上げるような場合は別ですけれども、中にはそういうものを対象にしてもう既に考えておられるのかもしれませんけれども、しかし一般的に言って、例えば林道という道路ですから使用する者――受益者があって、そして直接的に受益者というものがわかって、それで例えばスキー場ならスキー場の利用料金の中に含まれてくるとか、あるいは収益の中にそういうものが含まれていると、こう見ていってもいいかもしれない。あるいは林道が有料道路だというような形にすることもできるかもしれないと考えられるんです。
 しかし、造林などということになるとこれは第三セクターが負担するのは適当ではないんではないだろうか。あるいは防災のための保安施設だとか、そういうものになってくると、何かその辺が私はちょっと気になるんでありますが、これも第三セクターに全部、リゾートに全部かぶってもらおうということになりますとやや問題があるのではないかという気がしますけれども、その辺はいかがですか。
○政府委員(松田堯君) スポーツ・レクリエーション施設等と一体的に森林が維持されなければいけない、管理されなければいけない、こういう状況の中で造林の事業、森林整備の事業が行われるわけであります。現地の状況が例えば若干の無立木地等があったといったような場合にはそこに造林を行うということも生じてこようかと考えております。
○稲村稔夫君 造林といったら、例えば二十年生になった木を集めてきて植えれば、二十年先に、ちょうど二十年になったら伐採をして売ります、だからちょうど返済が終わったころ一遍にみんな取り返すことができます、端的な言い方をすればそういう面もありますと。しかし、二十年生の木を持ってきて植えるわけにいかないわけですから、稚木を植えるわけですから、そうすると随分長い間保育もしなきゃならない、管理をしなきゃならない、こういうことになってまいります。一体的なものだというふうにおっしゃるけれども、そういうものをいわゆる収益事業の中に含めて考えていくというのはやはり論理的に少し合わないのではないだろうか、そんなふうにも思います。
 それから、場所によっては、例えば私どもの新潟県あたりになりますと、大臣がよく御存じのとおりなんで、あの道はスキー場だとかあるいはその宿泊施設でも何でも、雪のところだったら林道をつけていけば、場所によってはスノーセットだとかいろいろそういう防災施設を必ずやらなければならないというような場合も結構ありますね。そうすると、今の第三セクター全部一体のもので考えていけばいいというふうにはどうもすとんと
こないということになるんです。
 特に、今僕は、直営の場合というふうに伺いましたけれども、規模が少し小さくなってくると今度は第三セクターに貸し付け方式でいくわけでしょう。貸し付け方式でいけば、例えば林道なら林道だけというような形で第三セクターはやってもいいというけれども、今のそういうものはとてもじゃないけれども収益の中から返していくなんということはできないという判断になっていく。結局、この事業はできないという地域が結構出てくるんじゃないだろうか、こんなふうにも思うんです。だから、造林とか保安施設というようなものを含めて考えていくのにはどうも問題があるんじゃないかと思うけれども、その点はいかがですか。
○政府委員(松田堯君) 返済ができなくなるんじゃないだろうか、そういったような御心配での御質問かと思うわけでありますが、どういうところでAタイプ事業を導入していくかという問題ではないだろうかと思っております。Aタイプを導入する場合におきましては、先ほどから申し上げておりますように、森林開発公団がその点についてノーハウを持っておりますので、計画の内容につきまして十分にチェックする形の中で、収益によって還元できるようなはっきりした見通しの中でこの事業の導入を図るようにいたしたいと考えております。
○稲村稔夫君 今の長官のお答えを一言で言ってしまえば、今いろいろと私が心配したようなことが起こるようなところはAタイプ事業ではやりませんということだと思うんですね。
 そこでまた、もう一度さっきのところへ戻っていくんですけれども、Aタイプ事業というものができたんだから、第三セクターでもってリゾートの関係についてはできるだけAタイプでやれるようにしてくださいというようなことで逃げられたんでは困るんですよ。森林の活用ということを積極的にやっていただかなきゃならない。
 そのためには、Aタイプのこの事業でやれるところは今とりあえずやっていきましょう、やりましょうと。しかし、そうはいかない地域についてこれからも積極的に力を入れてやはり努力をしていきましょうということが一緒になって、それこそセットになってくっついていないと、この法案をやりました、出発したときは、たしかさっきは六カ所と言いましたけれども、その次にやろうというときにはもう四カ所しかありません。それから二カ所になりました、一カ所になりましたというようなぐあいに、実際にやれるところというのにも限界があるわけですから、だんだんと減ってしまう、こういうことになってしまうんじゃないのか。そう思うと、ここでせっかく法律改正をやったって結局余り意味がないということにもなってしまう。だから、セットでもう一つの方も力を入れていくんですよということを、くどいようですけれどもどうしても私は確認をさせていただきたいんです。いかがですか。
○政府委員(松田堯君) 公共事業の推進につきましてはこれからも積極的に努力をしていかなければならないところでございますし、そのためにBタイプ事業も導入しているところでございます。
 Aタイプ事業につきましては、スポーツ・レクリエーション施設と一体となって公共事業の推進を図るということでございますので、そのような条件のあるところにつきまして進めていくということでございます。
○稲村稔夫君 時間も相当経過してしまいましたので、最後に林道の進捗状況についてちょっとお伺いをしておきたいと思います。
 先ほども、一井委員から出ておりましたけれども、全国森林計画の手直しが行われております。しかし、現在の林道の進捗状況というのは、計画の年平均で見ていくと、やっぱりおたくの方の担当者に伺っても六〇%、七〇%足らず、こういうことになるわけで、これでは計画をなかなか達成できないんじゃないだろうか、そう思うんでありますが、なぜこのようにおくれているのか。そして、さらにこれからどういう努力をされるのかということが一つ。
 それから、特に森林開発公団の担当する大規模林道については、スーパー林道ももう終わりますね、あと一つで終わってしまうということになります。そうすると、後はどうなるんだろうということもあります。
 それから、なぜ大規模の林道の開設、進捗状況が余り思わしくないという形になっているのか。その辺の理由を明らかにしていただきたいと思います。
○政府委員(松田堯君) 林道の開設につきましては、一般林道につきましても大規模林道につきましても森林計画に計画量を定めておりまして、その実現に向かって努力をいたしておるところでございますが、御説明にございましたように、その進捗率は一般林道については年平均の計画に対しまして六割程度の進捗率でございます。また大規模林道につきましては、全体計画に対しまして現在の進捗率は二割程度という状況になっておるところでございます。
 これの拡大につきましては、毎年毎年努力をしておるところでございまして、今回のNTT財源の導入もその一環として考えているところでございまして、今後とも努力を続けなければいけないと考えております。また、開設、延長をより有効適切に進めるために、低コストで簡易な構造の林道の開設を積極的に進めなければいけないということで、本年四月にその構造、規定の一部を改正いたしたところでもございます。そのようなことの中で、林道の開設については今後とも努力を続けてまいりたいと考えております。
○稲村稔夫君 もう時間がなくなりましたから、長官にもまだお聞きしたいことがかなり残ってしまいましたけれども、長官についてのことはこれで終わりたいと思います。
 いずれにいたしましても、長官には要望しておきたいと思います。御努力をしておられるということはわかりますけれども、御努力そのものが具体的にやっぱり数字の上にあらわれてくるという結果にならなきゃいけませんので、それこそ最大限、それこそ獅子奮迅の御努力をいただかなければこれから先解決ができないんではないだろうか、そんなふうにも思うわけであります。
 最後に大臣に御決意を伺いたいんであります。
 民有林にいたしましても、私は外を歩いていて、間伐も十分に行われないでもやしみたいになっているものが随分目についたりいたします。国有林の管理についても私の目で見てきていろいろと問題点がいっぱいございます。というようなことで、これから森林、林業を守っていくというのは容易なことではないという感じを持っております。そのためには、今長官に御要望申し上げましたけれども、それこそ国の財政の関係などもあるでしょうけれども、相当な財政の確保のためにも御努力をいただいて、それで山を守るという熱意を大いに発揮していただかなければ、これから先だんだん山は荒れていくという心配をいたしております。その辺のところについて大臣は相当な御熱意をお持ちになっていると思いますけれども、基本姿勢をお聞かせいただいて、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(佐藤隆君) 森林は木材の供給のみならず、国土の保全、水資源の涵養等の公益的な機能を有しておるということは再々申し上げておるところでございます。また、国民経済の安定、国民生活の向上、そういう点からも重要な役割を果たしておる、そういう認識が国全体の中にどのようになっておるだろうかということになると、その認識はまだ十分でない。それを認識させるのはやはり我が農林水産省であり林野庁の使命である。そこからまず出発しませんと、今おっしゃるように国有林にいたしましても、特に今おっしゃいましたように民有林につきましても、その機能を十分に発揮し、住宅政策なりあるいは環境保全なりいろんな多面的な政策につながっていく、そのベースがはっきりしませんと、認識されないとうまくいかないのではないか、こういうふうに思っております。
 そういう意味におきまして、森林の総合的利用、こういうことを考えますときに、今御審議をいただいておる森林開発公団の問題が出てくるわけでございまして、スポーツ、レクリエーション等についての国民の要請もまた強い。しかし、一方においては先ほど来申し上げるような多面的な機能、これをどう調和させて国民のニーズにこたえていくか、また国家としての森林政策をどう進めていくか、そこに私どもは焦点を当てて最大の努力をしていかなけりゃならぬ。
 財政事情のことについても触れられましたけれども、今日まで財政事情は完璧であったかということになりますと、率直に申し上げて財政事情は完璧ではない、私はそう認識しております。このたびのNTT資金の活用につきましても、そういう意味では、これはよかったなと思いながらも、さらに通常の財政投資、財政面におきましても我々は真剣でなければならない。より財政当局と話し合いを進めながら国民全体の認識の上に立っての各般の施策を進めてまいりたい、こういう決意でございます。
○委員長(岡部三郎君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時まで休憩いたします。
   午後零時四分休憩
     ─────・─────
   午後一時一分開会
○委員長(岡部三郎君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、森林開発公団法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
○及川順郎君 大臣、息せき切って駆けつけていただきまして、ありがとうございます。
 牛肉、オレンジにつきまして、本法改正案に入る前に御質問しようと思いましたが、午前中に鋭意努力なさっていると伺いましたので、その姿勢で国内の生産者の方々の不安を解消する、しかも将来的にも成り立っていく方向でぜひ格段の御努力をお願い申し上げることを冒頭つけ加えさせていただきたいと思います。
○国務大臣(佐藤隆君) そのように心得、しかと進めなければならぬと思っております。
○及川順郎君 公団法の一部を改正する法律案の中身につきまして私も問題点を考えてまいりましたところ、午前中に同僚の社会党のお二人の先生からかなり出ましたので、若干重複するところを避けながらお尋ねしたいと思っております。
 森林開発公団の設立の目的等につきましては第一条にうたわれているところでございまして、既にこの点について云々する必要はないと思いますけれども、既にもう設立後三十二年を経過しまして、具体的な事業内容等で、例えば林業生産の増大などを含めましてこれまでの事業の成果をどのように認識なさっておられるか。この点をお伺いいたしたいことと、今回のAタイプ事業の該当事業導入につきましては、あくまでも公団法の事業の本来的目的、これに沿った形で行うということの確認をまずさせていただきたいというふうに思います。
○政府委員(松田堯君) 森林開発公団の事業につきましては、地勢等の条件が極めて悪いしかも森林資源が豊富に賦存する地域におきまして、これまで各種林道の開発、また水源林等における造林事業を推進してきたところでございまして、森林所有者等がみずからなかなか事業を行い得ない箇所における事業を推進してきたところでありますので、その実績につきましては大変高く評価をしているところでございます。
 今回法改正をいたすわけでございますが、その事業内容につきましての公団の目的との整合性についてでありますけれども、これまで公団がやってまいりました事業と今回Aタイプ事業で行います直轄事業及び貸付事業につきましては、これまで公団がやってきております地域、つまり条件の悪いしかも森林資源の豊富に存在するところという地域でございますし、また公団がみずから行う保安施設事業も森林の開発に必要な事業であり、かつ公団が行います林道、造林の事業と密接な関連を有するものであります。
 また、公団が行う貸付事業は、林道事業等を行う第三セクターに対しまして資金を供給するものでありまして、公団が行う事業を補完するものであるということで、目的規定と今回のAタイプ事業というものは整合している、このように考えているところでございます。
○及川順郎君 奥地における森林資源の開発と山村地域の活性化ということが今回の主たる趣旨ということになるわけですけれども、午前の質疑の中で六地域が俎上に上っているというお話がありました。自治体の名前が出ましたけれども、もし差し支えがなければこの六地域の具体的な地域名をお示しいただきたいと思います。
○政府委員(松田堯君) 実行が確定した箇所ではございません。候補地として考えているところにつきまして申し上げますと、岩手県安代町、それから同じく岩手県の松尾村が二カ所でございます。それから福島県の磐梯町、同じく福島県の館岩村。富山県の城端町、井口村の六カ所でございます。
○及川順郎君 問題は、午前中にも懸念が述べられておりましたけれども、改正案の内容が、林業の基盤整備という中身の問題よりも、主たる目的はスポーツ・レクリエーション施設等に主眼が置かれているんではないか、こういう見方がどうしても前面に押し出されてくるわけでございまして、この点と林業そのものの林道や、森林、造林、この辺の兼ね合いというのが非常に大事なポイントになってくると思いますけれども、この点については事前によく御検討をなさいましたでしょうか。
○政府委員(松田堯君) Aタイプ事業につきましては、林業生産基盤等の整備の促進によりまして林業の振興を図るものであると同時に、これと密接な関連を有しますスポーツ・レクリエーション施設等の整備、運営を通じまして地元雇用の促進、地元資材の調達等が図られ、山村地域の活性化に資するものである、このように考えておるところでございます。
○及川順郎君 その観点からもう一つ伺いたいんですけれども、六カ所の地域については、事業そのものの内容やその地域を検討して今まで公団や林野庁の方で大体考えてこられたのか、それとも現地から手が挙がってそして来られたのか、それはどちらが先だったんでしょうか。
○政府委員(松田堯君) 最近、国民ニーズの多様化に伴いまして、それぞれの自治体におきまして森林空間を利活用した各種の施設の整備をしたい、こういう動きが非常に高まっているところでございまして、それぞれの自治体から持ち上がってきている事業でございます。
○及川順郎君 自治体から上がってきまして、収益回収型でございますから当然これは返還していかなければならない。そうなりますと、事業の採算性、それから償還の見通し、これはやはりある程度見通しを立てておかないと途中までやったけれどもその後非常に問題が残るということになりかねない。私は、森林やそれから林業、山の活性化ということにつきましては、国民や地域住民の生活とその関連において、多目的にあるいは多角的に活用していくということに対して基本的には賛成でございますけれども、採算の見通し等については、事前検討はなさいましたでしょうか。
○政府委員(松田堯君) 第三セクターが行います収益事業の収益によりまして貸付金の償還が行われることになりますので、御指摘のことにつきましては大変重要な課題でございます。
 これから事業を推進するに当たりましては、第三セクターが地方公共団体で出資する法人でありますので、事業の堅実性が十分担保されていること、また貸付金を貸し付ける際におきましても、あらかじめ当該公共事業の規模、資金計画、収益事業等について十分検討を行いながら進めていかなければいけないと考えております。
○及川順郎君 そうしますと、現在手を挙げておられる六カ所については、そこまで突っ込んだ検
討はまだしていないというぐあいに認識してよろしいでしょうか。
○政府委員(松田堯君) 先ほど申し上げましたように、現在確定しているわけではないわけでございます。候補地として挙がってきているわけでございますので、今御指摘のようなことにつきまして十分チェックし、また指導しながら進めていかなければいけないと考えております。
○及川順郎君 そうしますと、今後そういう検討をしていく過程において、ちょっと採算性で難しい、こういうことで、手は挙げたけれども該当地域にはしない、こういうこともあり得るということでございますか。
○政府委員(松田堯君) そのような幅のある考え方の中で進めていかなければいけないと考えております。
○及川順郎君 それでは、償還の責任体制についてちょっと理解ができない点がございますので、この点をもう少し詰めてみたいと思うんですけれども、今回の改正案の内容で示されております保安施設事業、造林の事業、林道の開設、拡張事業等につきまして、午前中にも御答弁なさっておりましたように、森林開発公団が直轄で行うものと第三セクターに対する貸し付け、この二つのケースがある。
 それで、採算の責任体制というとちょっと表現が適切であるかどうか別といたしまして、採算ベースの見通しに対する責任は地方自治体が持つ。今度は、償還の責任体制は地方自治体と第三セクターが相分かち持つということなんでしょうか。それとも、午前中の答弁にもございましたように、第三セクターのところから償還の具体的な手続が行われるというようなことから考えますと、そこが最終責任を持つというぐあいに考えてよろしいんでしょうか。
○政府委員(松田堯君) 事業を計画する場合、実行する場合、また償還につきましても第三セクターが責任を負って進めるということでございまして、償還問題につきましても確実に返済されるということについての担保がなければいけない、このように考えております。
○及川順郎君 そうしますと、具体的な償還方法、例えば今後その事業が具体化されたと想定しまして、具体的な償還方法という事務手続のスタイルはどういうぐあいになってまいりますでしょうか。
○政府委員(松田堯君) 二十年の分割払い、このうち五年間の据え置きを設定するということで償還が行われることになっております。
○及川順郎君 いや、その期間ではなくて、いわゆる主体的にその事務をおやりになるところは第三セクターでおやりになるのかという点を伺いたいわけです。
○政府委員(松田堯君) 公団が間に入るわけでございまして、公団が第三セクターから返済金を徴収し、それを国に納付する、こういう形になるわけでございます。
○及川順郎君 わかりました。
 その関連で、午前中の質疑の中で、例えてみるならば林道を供用する、こういう意味では有料にするとかいろんな方法があろうかと思いますけれども、森林については、木材製品として換金された、製品として収益が上がった時点で行われるのか、それとも維持管理料みたいな形で途中で回収するような方法をとっていかれるのか、今どのような方法を想定なさっておられますか。
○政府委員(松田堯君) 三つの事業があるわけでありますが、個々の事業についての投資額に対する償還という形をとるわけではないわけでありまして、貸付額全体と収益事業全体のかかわり合いの中で償還が行われる、このような形になるわけでございます。
○及川順郎君 ちょっと具体的な手続の上でイメージがわかないんですけれども、そうしますと、全体像の中でその収益の部分から何割かを徴収していく、その中にそうしたもろもろのものを込み込みで償還していくというような考え方になるわけですか。
○政府委員(松田堯君) トータルで対応することになるわけでございます。
○及川順郎君 わかりました。
 それでは、自治体からそうした地域の問題、具体的に手を挙げる、あるいはまた第三セクターで資本投下する、そういう人たちもいる。そういう全体の状況が出まして自治体がかかわりを持ってくるわけでございますけれども、地元の自治体として、県あるいは市まで行くかどうかわかりませんけれども、その責任体制はどの程度までということをお考えになっているわけですか。
○政府委員(松田堯君) 森林開発公団がそれぞれの地域についての状況を把握しておるところでございますし、各事業についてのノーハウを持っているところでございます。したがいまして森林開発公団が指導することになるわけでございますが、事業の円滑な実施の確保、また他の公共事業との有機的な関連を確保することも大事なことでございますので、事業実施主体、また森林開発公団は関係地方公共団体と十分連携をとりながら事業を実施するように指導をしてまいりたいと考えております。
○及川順郎君 わかりました。
 それでは次に、この事業を実施するに当たっての労務者の調達体制ですね、これはどこがどういう形で行うことが想定されますでしょうか。
○政府委員(松田堯君) 森林開発公団が技術的な面、それから事業実行につきましての指導をするわけでございますが、実際の事業は第三者と申しますか、一般の建設業界等あるいは森林組合等が事業を実行することになるわけでございます。
○及川順郎君 実際の事業は森林組合が実行するということになりますと、今までそういうノーハウを持った方々が、具体的な事業が出た場合にそこのところで人員交流をしながらやるという形態も考えられるということになろうかと思うんでございますけれども、その点はそういう認識でよろしゅうございますか。
○政府委員(松田堯君) これまでも森林開発公団の事業は建設業界、あるいは造林等の場合は森林組合等が主として行っているわけでありますが、そのような事業実行形態は変わらないわけであります。そのようなシステムの中でこの事業も実行されるということでございます。
○及川順郎君 このような懸念を提起いたしますのは、もしその事業に対する就労人員が、プロジェクトが終わったらその後ちょんと首切りになるような状況はまずいんではないか。やはりその状況の中で、例えば終わった段階でそのままほかのところへ連動して仕事の見通しが十分ある、あるいはものによってはそのかかわり合いの中でスポーツ・レクリエーション施設等に希望があれば就労の道も開かれるとか、こういう点に対する御検討等はおやりになっていらっしゃいますでしょうか。
○政府委員(松田堯君) それぞれの事業体にとりまして事業の安定確保ということは極めて大事な課題でございます。これまでも森林開発公団の事業の中でその事業の安定化ということについては努力をしてきたところでございますけれども、このAタイプ事業につきましてもそれら全体の中で事業の安定化ということについては努力をしていかなければならないと考えております。
○及川順郎君 もう一点、行革指導事項の中で森林公団は何点か指摘されておるわけでございますが、その中で事業量抑制とか、それから現行林道開発計画の見直しとか、林道の構造、規格の改定、新規区間の着工の抑制等が指摘されましたですね。こうした事項と今回の改正案に盛り込まれた内容で行なわれる事業における林道設置、この辺のかかわり合いをどのようにお考えになっておられますか。
○政府委員(松田堯君) 五十九年の行革大綱におきまして、御指摘がございましたように水源林造成事業の保育内容の見直し、また大規模林道事業にかかわります開設、延長の短縮等を含みます林道開発計画の見直し等につきまして指摘をされたところでございます。これに対しまして、水源林
造成事業におきましては保育方法の見直し、枝打ちの選木率を五十九年度から三分の二にするなど、このことは画一的な施業を廃する、必要な箇所について必要な事業をやっていくということでございますが、そのような改定を行ったところでございます。また、大規模林道につきましても延長の短縮約二百キロ等を見直しまして、さらには工事実施区間数を抑制する等の措置も講じたところでございます。このような改善措置はそれぞれの森林の実態に応じて、またそれぞれの地域性に応じた形で合理化した内容でございますので、今回行いますAタイプ事業につきましてもこのような考え方を取り入れる形の中で進めていかなければならないと考えております。
○及川順郎君 今回の事業が持つ公共性、公益性の部分、その点を考えますとむしろ補助金的性格で事業を推進していく方が後の償還の責任が軽くなる、こういう考え方もございますし、そういう点から、午前中に指摘されましたようにこれは余り魅力がないのではないか、こういう受けとめ方も出てくる。こういう状況があるわけでございますが、将来この事業を行いまして、初めの見込みよりも収益部門が非常に少なくなってきた、しかも償還が財政的に極めて難しくなってきた、こういう場合に本来公益性の部門を評価して補助金をつけていく、その財政の中で肩がわりするような形で相殺していくというような想定をお考えになったことはございますか。
○政府委員(松田堯君) 公共事業の推進は極めて大事な課題でありまして、これからも積極的に進めていかなければならないと考えておりますが、今回のAタイプ事業は、スポーツ・レクリエーション施設と一体となって公共事業を推進するというものでございます。
 御質問にありました将来を想定しての事態ということにつきましては、現在のところ考えていないわけでございますが、資金の回収につきましてはしっかりした担保が確保されるような形の中で推進していかなければならないと考えております。
○及川順郎君 その点は将来的に非常に大事な問題ですので、ぜひ御配慮をお願いしたいと思います。
 それから、本改正案の中で理事及び監事の任期を三年から二年に変更したという理由、個々には伺いましたけれども、もう一回整理して理由をお述べいただきたいと思います。
○政府委員(松田堯君) 行革を推進するに当たりましての国全体の方向に沿った形の中で、今回森林開発公団におきます理事の任期につきましても三年から二年に短縮をしております。
○及川順郎君 林野庁としまして、この改正案が通りまして実施をした場合、奥地山村社会や林野関係公共事業等の活性化にやはり大きな力になる、効果をもたらす、このように期待をなさって今回の法改正に臨んでおられると思いますけれども、具体的にどういった面に期待感を持っておられますか。
○政府委員(松田堯君) 昨年、森林資源に関する基本計画を改定いたしまして、これまでの木材生産中心の林業からもっと広い意味での林業の構築を図っていかなければいけない、そういう方向性を打ち出したところでございます。
 国民のニーズが非常に多様化しておりますから、その多様化したニーズと森林の持ちます多面的な機能をそれぞれの地域性の中で結び合わせる形の中で新しい林業をいかに築き上げていくか、そういう課題でございますので、このAタイプ事業というものはその課題に沿った形の中での事業である、このように考えておりまして、しっかりやっていかなければいけないと考えておるところでございます。
○及川順郎君 最近の一つの傾向としまして、森林浴は現代人の最高のぜいたくであるなんていう話が出る時代ですね。ですから、森林そのものが木材を生産する、こういう感じからかなり多面的な応用というものが再評価されてきている、こういう状況にあると思うわけです。
 それで、公共性をお金に勘算して算定をしたという経緯もございますけれども、具体的に地域住民や国民生活とのかかわりの中で、どう価値を創造していくかということがこれからの森林経営の極めて大事な要素であろうかと。南の方につきましては、例えば今回出ておりますように、スキー場をつくるというような、そういった比較的奥地につくられていく、具体的なスポーツ・レジャーの固有的なものが述べられておるわけでございますし、それからもう一歩広げましても、やはり森林との生活とのかかわり合いというのは、これからますます大きくなってくる。そういう点から考えますと、この経済性の中で林野事業をどう活性化し、定着させていくかということはこれからの重要な役割になってくるという認識を私も強く持っておるわけでございます。
 ただ、林業基盤整備の不十分という点から現在の林野事業の実態を見ますと、林道の整備につきましてもまだまだ不十分である。そして、伐採した木材をヘリコプターによる搬出と言っても、コスト的に非常に高くなるということで非常にジレンマがあるわけでございます。
 こういう立ちおくれている部分の林業の活性化、そしてまた、促進、今回のようなプロジェクトをどう融合的に、さらに相乗的効果を出すように実施をしていくかということは極めて大事な要素になってくるんではないか。ぜひ今回のこの法改正をすべてとするのではなくて、これを一つの手がかりとして、そうした方向に対する経営あるいは林野事業の持っていき方というものに対する考え方を、これは大臣と長官と御両人の御見解を承っておきたいと思うわけでございますが、よろしくお願いいたします。
○政府委員(松田堯君) 国土の七割近い森林を有効に活用するということでございますので、活用の仕方はいろいろあろうかと思います。それぞれの地域性を踏まえた活用方式も考えなければいけないわけでございます。また、上手に生かしていく上からすれば、国民の参画も協力も求めなければいけないということではないかと思っております。
 林業は林業として林道の開設を初め、森林の整備ということを林業サイドからも進めていかなければいけないわけでありますが、それぞれの地域の御理解と御協力を得ながら進めなければいけない面も多々あるわけでございまして、それらを総合的に考慮しながら林業の振興が地域振興にもつながるといったような方向で努力をしてまいりたいと考えております。
○国務大臣(佐藤隆君) 重複を避けましてポイントを申し上げたいと思いますが、今ほども委員お話しのよに、森林浴、フィトンチッドという言葉を聞いて私もまだ二年ぐらいにしかなっておりませんが、事ほどさように森林の持つ機能、山の持つその使命というもの、いろいろ今日ほど国民多くの関心を集めつつある問題はないと思います。非常に多くの方々から認識を新たにしてもらっておるように思います。
 そういう中にあって、やはり林野関係の公共事業、これをどのように進めるかというときに、たまたまこのAタイプ事業というものが策定されるに至りました。そしてまた、これに関連して御審議をお願いをしておる、こういうことでございますが、今までの林野関係公共事業ということになりますと財源の問題がある。この財源は満足すべき状況にあったかというと、農林水産省、林野庁が考えるような満足のいく実績ではなかったと率直に私も思っておるわけでございまして、今までの林野関係公共事業に加えて、さらに新たにAタイプ事業を実施するということによって林業の振興と山村の活性化ということが促進されなければならないわけでありますし、必ず促進されるものと私どもは取り組む決意を新たにいたしておるところでございます。
 そういう意味において、特に財源につきましては、NTT資金を含めてさらに努力をして財政当局にも理解を求め、そして国民の多様なニーズにこたえていかなければならない。教育の現場とし
ても山をどのように活用するかという非常に幅広の議論が今日ある段階でございます。健康、教育、こういうこと等もあわせまして、私どもはきめ細かく取り組んでいかなければならない。その基本は林野関係公共事業の推進にあり、そしてまた、財源にありと、こういうことを申し上げておきたいと思います。
○及川順郎君 我が国は、木の文化では先進国と自負をしておるわけでございますから、財政措置等を含めまして諸外国に負けないようにぜひ推進方をお願いしたいと思います。
 それで、少し広げまして、林業経営の環境問題等で、特に我が国の現在の木材需要という状況から、外材輸入問題について若干質問をしたいと思うわけでございますが、林野庁の木材需給に関する資料によりますと、既に外材輸入量は全体の七〇%に達しているという状況が出ておりますが、最近においては、これがさらに増加する傾向にあるというような、こういう統計データが出ておりましたし、今後も木材需要に対して安定的な供給を図っていくためには輸入材の使用ということは必要であると思うわけでございます。一方では、国産材振興との兼ね合いをどう調整していくか、二十一世紀を展望して将来的には国産材の時代が来るだろうというようないろんな要素が語られておる中で、この兼ね合いに対して基本的にどのような認識を持っておられるか、その点をまずお伺いしたいと思います。
○政府委員(松田堯君) 昨年七月に、「森林資源に関する基本計画」と同時に、「重要な林産物の需要及び供給に関する長期の見通し」を改定いたしたところでございます。そこにおきましては、先生御指摘のように、我が国の森林資源は充実しつつありまして、二十一世紀には国産化時代の到来が予測されているところでございますが、当面、二十年の木材の需給について見通しを立てておりまして、自給率につきましては五十九年は三七%であったわけでございますが、七十九年には幅を持って見通しておりまして、四三ないし四八%に上昇する、このような見通しを示しているところでございます。
 ただ、これは黙っていてもこの率に達するということではございませんので、資源の一層の充実に努める、あるいは木材の流通確保の近代化に努めるといったような施策を推進する形の中で自給率を上げる努力をしていかなければいけないと考えております。
○及川順郎君 大蔵省の貿易統計で見ますと、丸太の木材輸入量が六十二年の対前年度比でニュージーランド材、その他が五〇%近くも伸びておるわけでございますが、米材やソ連材、南洋材の輸入量の傾向を林野庁としてどう分析されておられるか、今後どの国からの輸入量が増加する傾向になっていくんじゃないかというような、この点の見通しについての御意見がございましたらお伺いしたい。
○政府委員(松田堯君) 産地国別に将来の供給見通しにつきましてオーソライズした資料はないわけでございますが、マクロに申し上げまして米材、それからソ連材、これは今後も供給力は十分に持っている、我が国への供給は拡大するんではないだろうか、このように考えておるところでございます。
 また、南洋材につきましては、資源の枯渇といったようなことがございますので余りふえる状況にはない、このように判断をしているところでございます。
○及川順郎君 資料で見る限りにおきましては、最近の傾向として丸太より製品輸入量が非常に増加しているという状況がございます。
 特に合板の製品輸入量の伸びが六十二年度は対前年比で二六九・四%増になっているんですね。この原因でございますけれども、国内の建築ブームでこういう事態が出ているのか、この点に対する分析はなさいましたでしょうか。
○政府委員(松田堯君) 丸太、製品を含めての外材輸入はふえているということにつきましては、我が国の木材需要が、建築需要の増大ということとの関連におきまして需要が拡大したということでございます。
 御指摘の製品輸入がふえたということにつきましては、それぞれの輸出国におきまして付加価値をつけた形での輸出を図りたいという方向にございますので、そういうことで製品輸入がふえているのでございます。
○及川順郎君 国内の製材業者から、こういうことによって経営が非常に苦しくなったというようなデータあるいはまた苦情等の声が寄せられているという実態はございませんでしょうか。
○政府委員(松田堯君) 外材の適正な輸入を図ってほしいという要望はこれまで我が国の木材業界の一つの固定した要望ではないかと思っております。最近の情勢の中では、インドネシアから入ってまいります合板につきまして、大量に入ってきておりますので、それが我が国の合板の需給を乱す、あるいは価格の低落、乱高下といったような事態が出ておりますので、インドネシアの合板につきまして秩序ある輸入を求めるという声が大変強くなってきております。
○及川順郎君 国内の木材価格の動向について見てみたんですけれども、日本銀行の卸売物価指数等の統計資料で見ますと、やっぱり輸入材の価格の低下が著しいわけでございますが、これは円高の影響等もあると思いますけれども、一方では国産材の低落もあるわけですね。特に、そういう状況の、全体なだらかな下降線の中で、昨年秋から本年初頭にかけまして建築資材の高騰が社会的話題になったわけでございますけれども、最近の木材価格の動向についてはどのように分析をなさっていらっしゃいますか。
○政府委員(松田堯君) 五十五年を境にいたしまして木材価格は趨勢的に低落を続けていたわけでございますが、昨年の六月から九月にかけまして木材需要が拡大したこともございまして価格が上昇したわけでございます。その後、十月以降また低落傾向にございまして、本年一月以降につきましてはおおむね弱含みの横ばい、こういう状況ではないかと思っております。五十五年から低落を続けておったわけでありますが、昨年の五月までの水準には低落をしておらない、昨年の五月の価格水準に比べればまだ一〇%前後上の段階にある、このように考えております。
○及川順郎君 外材輸入問題に関しましては、輸入供給源がいつまでも潤沢であるという甘い考えは持てないというような認識から、当面は輸入リスクを分散させたり、あるいはそのための資源供給地の多極化あるいは国内林業体制を国策として力を入れて整備していくというような、こういう状況が求められておるわけでございますが、将来的にも輸入材と国産材との大勢を見きわめながら、将来的にはやはり国内自給体制に対応できるぐらいの林業基盤の強化を図っていくべきである、こういう意見も中には強いわけでございますが、この点に対する国としての基本的なかじ取りをどのようにお考えになっておられるか、その点を伺っておきたいと思います。
○政府委員(松田堯君) 長期見通しにおきましても、将来的に我が国の木材の需要を満たすためには外材が必要でございます。したがいまして、秩序ある外材の輸入を図るとともに、一方におきましては国内資源の充実、国産材供給体制の整備ということを進めていかなければいけないわけでございます。秩序ある外材の輸入ということにつきましては、四半期ごとに需給見通しを立てまして、安定輸入につきましての関係業界に対する指導を行っておるところでございますし、また輸入相手国との間における対話と情報交換も進めております。さらには、外材産地国におきます資源の維持培養につきましての技術協力も進めております。このようなことを今後一層努力する中で、秩序ある輸入が確保されるように努めていかなければいけないと思います。
 国内資源対策につきましては、林道を初めとする各種公共事業の推進、さらには林業構造の改善、担い手の確保等々の施策を今後とも総合的に進めてまいりたいと考えておるところでございま
す。
○及川順郎君 これに関連して大臣にお伺いしたいと思うんですけれども、今御答弁にございましたように、外材の輸入というのは今後も持続されていく、その中で国内の林業経営も定着させていくという状況の中で、最近の国際世論の中で、木材輸出国の乱伐が洪水や干ばつ等世界的な異常気象の原因と見る論調が見えてきておるわけでございます。こういうグローバルな地球規模の異常気象等に対するかかわりの中で、日本は世界一の木材輸入国であるわけでございまして、この点に対する認識といいますか、見解はどのようにとらえておられるでしょうか。
○政府委員(松田堯君) 御指摘のございました熱帯林の減少の原因につきましては、FAOの資料によりますと焼き畑、移動耕作、移住、入植等が主要なものであるということになっております。熱帯林の減少は燃料材の不足、地域環境の悪化等をもたらすだけではございません。砂漠化の拡大といったようなこともあるわけでございまして、地球的規模での生活環境の悪化をもたらすおそれがございまして、我が国といたしましても熱帯林の保全は極めて重要な問題であると認識をいたしております。
 林野庁といたしましても、この問題につきましては技術及び資金等に関する協力の一層の推進を図りまして、これら熱帯地域の森林資源の造成等にも積極的に寄与してまいらなければいけないと考えております。
○国務大臣(佐藤隆君) 今おっしゃいますように、地球レベルのそのような話題が非常に多くなってまいりました。もとより人類の生存については自然との調和、これをどうするか、科学技術の進歩に伴ってそうした面を忘れないで科学技術の進歩を進めるべきだという、そういう物の考え方で我々は取り組んでいかなければならないものだと考えております。
○及川順郎君 具体的な問題になって恐縮でございますが、森林保護の問題で、ちょっと時間の関係で問題を絞りまして御質問をしたいと思います。
 広域基幹林道青秋線、報道によりますと、青森と秋田県境の白神山地のブナ原生林を分断する林道問題について、林野庁は、本年の四月八日に建設費補助金の本年度分を留保するということを決めて、両県知事に通知をしたということでございますけれども、この林道問題について当初から国の対応に甘さがあったんではないかという指摘があるわけです。
 ここ数年、林道開発や伐採問題で全国的に話題になった問題を見ましても、昭和四十八年に開通した弘西林道によって西目屋村は日本海沿岸地域と結ばれたけれども、開発後の過疎化のペースは変わっていない。私の地域でも、山梨県でございますが、五十五年に開通した南アルプススーパー林道、既にでき上がりましてから十億円近い維持修理費を投入しているという状況の中で、それに見合う効果に対して疑問視する向きも出てきている、こういう問題があるわけでございまして、林野庁は、北海道の知床や岩手の八幡平で伐採計画を凍結したという問題等もございまして、この林道開発や伐採問題等にかかわり合いを持った対応については問題を事後に残すという処理が目立っておるわけでございますけれども、この青秋林道につきましてもせめてブナ原生林地帯は外して行うとか、あるいは今後の対応について十分に地元の状況を分析した上で対応する必要があるのではないか、このように思うわけでございますが、この対応についてお伺いをしておきたいと思います。
○政府委員(松田堯君) 青秋林道につきましては、五十七年度から事業が開始されておりまして、現在全体の三分の一程度の事業が進捗しているところでございます。事業の開始に当たりましてはまずもって地元の強い要望があったところでございまして、着工の前段階におきまして、昭和五十六年でございますけれども環境アセスメントも行いまして、そういった自然に対する影響が少ない、あるいは工事の計画に当たりましてそれを少なくするような形の中での線形とか工法とかを組みまして実は進めているところでございます。その地域は国有林でございますので、その後のいろいろな方の御意見も踏まえまして、ブナ林として守るべき地域あるいは教育的な面で活用する地域といったようなことで地域の区分等も行う形の中で進めているところでございまして、現在保安林解除につきまして異議意見書等が出ておりますので、それの対応につきまして今後、秋田県、青森県御当局のお考え等を伺う形の中で対応していかなければいけないと考えているところでございます。
○及川順郎君 最後に、先ほどもお話がございましたように昨年の七月二十四日に政府は、「森林資源に関する基本計画並びに重要な林産物の需要及び供給に関する長期の見通し」を発表いたしました。しかし、この基本計画には目標達成のための具体的な内容が明確になっていない感じが実はするわけです。
 例えばそのために資金が幾らかかり、国の財政負担はこうすべきだというようなことの内容、こういうことも含めまして、例えば期間的に見ましても森林資源整備の目標として昭和六十九年度、同七十九年度、八十九年度というぐあいに二十七年先までのことを示しておるわけでございますが、最も近い六十九年度までの六年間を見ましても、この期間にいかなる手順でいかなる施策を目標として達成しようとしているのか、この点の明示がいま一つきちっとしたイメージとして私たちに入ってこない感じがするわけでございます。
 現在、審議しております改正法案の森林開発公団の関与する事業等も含めまして長期的視野に立った我が国の林業政策の確立、そしてまた、その具体的な手順を盛った作業というものが必要ではないか。特に木を成木にして商品化するためには半世紀の仕事になるわけですから、長期的な視野に立ったこうした取り組みというのは極めて大事だろう、こういうことを感ずるわけでございまして、この点に対する所見をお伺いしまして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
○政府委員(松田堯君) 森林資源の造成は百年、二百年の時間の単位で考えなければなりませんので、全国森林計画におきましては、理想的な森林の状況を示す形の中でそこへ行きつく過程といたしまして十年刻みの三十年間の森林資源の状況というものを示しているところでございます。これにつきましては、これに即しまして全国森林計画を五年ごとに立てることになっております。五年ごとに十五カ年間の計画を立てます。この全国森林計画に即しましてそれぞれの流域単位で地域森林計画を五年ごとに十年計画を立てる、こういうことになっているわけでございまして、その地域計画になるに従いまして今先生御指摘のより具体的な姿というものが示されるわけでございます。そのようなシステムの中でこの実現を図っていかなければいけないと考えております。
○諫山博君 今度の法律案で幾つかの新しい事業が計画されていますけれども、これはNTTの売却利益を利用できるという状況が出て考えついた事業なのか、それとも前から計画していたけれどもたまたまその中にNTTの株が利用できるということになったのか、そこをお聞きしたいと思います。
○政府委員(松田堯君) 森林に対する国民の要請が非常に多様化してきておりますので、森林を上手に活用する方式といたしまして、事業といたしまして各種のスポーツ・レクリエーション施設等を森林の中で整備していく方向は昨年に改定いたしました森林資源に関する基本計画の中でも明示されているところでございます。全体的にそれぞれの地域においてそのような動きが非常に活発になっているわけでございますが、今回、NTT資金を活用した事業もそういったような動きの中で、これを導入できる地域につきましてはこれを導入していこうということでの法改正を御審議いただいているところでございます。
○諫山博君 本来、林道の開発とかあるいは拡
張、整備、こういうのは国の負担でやるかあるいは国が補助金を出してやるかというのが原則だと思うけれども、今度は貸し付けという違った形式が採用されたわけですね。私たちは、本来国が責任を持ってやるべきことだという原則がこれによって壊されていくことを非常に危惧しております。その点はないかどうか。さらにNTTの株の売却利益というのは限られた期間しか利用できないわけですけれども、その後のことはどうなるのか、二点についてお聞きしたいと思います。
○政府委員(松田堯君) 公共事業の導入につきましては、それぞれの社会経済的条件の中で位置しております森林の役割、つまり公共性の濃淡あるいは開発をすることによっての経済効果の濃淡といったようなことの中でいろいろの形があってよろしいわけでございます。例えば造林事業につきましては、より公共事業の強いところにおきましては高率助成をしているところでございまして、濃淡あってもよろしいのではないだろうか、このように考えておりまして、今回のNTTのAタイプによります国の資金の活用につきましてもスポーツ・レクリエーション施設と一体的に公共事業が推進されるという状況の中で、従来とは違った形での公共事業が推進される、このように考えておるところでございます。
 将来見通しにつきましては、NTTのAタイプの資金につきましては、将来国債の償還に充てられるわけでございますので、それまでの間、この事業として活用させていただくという形になるわけでございますが、言うまでもなく我が国の森林の生産基盤というものは未整備でございますので、公共事業の充実につきましては今後とも努力を重ねていかなければならないと考えております。
○諫山博君 青秋林道で問題になっている白神地区は、環境庁の方で自然環境保全地域に指定する予定だと聞いております。そして、そのための作業がずっと進められているそうですけれども、環境庁としてはこの地域でどういう自然環境を保全しようとしているのか、どの点に保全の価値があると思われているのか、環境庁にお尋ねします。
○説明員(瀬田信哉君) お答え申し上げます。
 環境庁が実施しております自然環境保全基礎調査というのがございますけれども、そういった調査によりまして白神山地は我が国有数の自然に恵まれた地域であるという認識を私ども環境庁も持っておりまして、昭和五十八年、九年ごろから自然環境保全地域の対象地として検討してきています。具体的にはブナの天然林というものが広大な面積で残されているところというところに着目しているわけでございます。
○諫山博君 自然環境保全地域というのは、現在九地域で指定されているようです。随分以前から指定のための作業が進んでいるようですけれども、何が障害でそれが実現していないのか、指定の見通しはどうなんでしょうか。
○説明員(瀬田信哉君) 先ほど、先生は九地域とおっしゃいましたけれども、九地域の自然環境保全地域の面積は七千五百五十ヘクタールでございまして、白神山地はこの九地域を超える、一つでこれよりも広い広大な面積の保全地域を指定したいというふうに考えておりまして、林野庁あるいは関係する青森、秋田両県とも話し合いを進めておりますけれども、何せ広大な地域であり、その中でどこを保全地域にするかということについては具体的にまだ線引きができていない状況でございます。
○諫山博君 この問題に対して林野庁はどういう態度だと理解しておられますか。
○説明員(瀬田信哉君) 林野庁も自然環境保全地域ということについて門前払いをするのではなくて、十分に対応をしていただけるものということで話し合いをしているわけでございます。
○諫山博君 林野庁に質問します。
 ここは、今環境庁の御説明のとおり、自然環境保全という観点から、ぜひ保全しなければならない地域だということで、いろいろ指定の手続を進めておられるようです。この点について林野庁はどういう見解をお持ちですか。
○政府委員(松田堯君) 当該地区は国有林でございまして、国有林の森林の取り扱いの区分といたしまして国有林独自にいろいろの森林の区分を現在やっているところでございます。その中には保全すべき地域としての仕切りもあるわけでございます。私どもなりに自然保護ということにつきましては努力をしているところでございますけれども、環境庁から具体的に御相談があった場合につきましては、私どもも御相談に応ずる考え方を持っております。
○諫山博君 それは、積極的に協力なり賛成をしてもいいという立場でしょうか、御相談に応じるというのはなかなか意味深長な言葉ですけれども。
○政府委員(松田堯君) 具体的な御提示があれば真剣に検討してまいりたいと思っております。
○諫山博君 今、この地域で水源涵養保安林指定解除の手続が申し立てられていますね。これに対して地域住民約一万三千の人から異議の申し立てが出されていると聞いております。こんなに多数の人から異議の申し立てが出た例が過去にありましたか。
○政府委員(松田堯君) あれほど多くの方々から異議申し立てがあったのは初めてのことだと考えております。
○諫山博君 これは、過去の例から見ると、けた違いに多い数になるんでしょう。
 環境庁にお伺いしますけれども、このブナ林というのは水源涵養という点で非常に効果的といいますか、大きな役割を果たしているところだと聞いていますけれども、そう理解していいでしょうか。
○説明員(瀬田信哉君) 水源涵養ということの機能、森林の機能につきましては、私ども環境庁は一般的には、そのことはもう既に水源涵養保安林に林野庁が指定していらっしゃるわけでございますから、そのとおりというふうに考えて差し支えないと思っております。
○諫山博君 私は、林野庁に要望したいんですけれども、青秋林道の作業は相当進められたようですけれども、この作業が始まった後で改めてこの原生林が見直されているという状況があると思います。そして、広範な人たちがあの原生林は残してもらいたいという願いを持っているからこそ一万三千というような今までに想像できないたくさんの人が保安林は解除してもらいたくないという申し出をしているわけですね。
 環境庁としては、今言われたように、自然環境保全地域として守りたいという立場で作業を進めておられるわけだし、この林道をつくる作業は根本的に洗い直すべきではなかろうかと思いますけれども、いかがでしょうか。
○政府委員(松田堯君) 異議意見書が多数提出されておりますので、林道建設の事業実施主体であります青森県において林道建設をめぐる見直し論議もなされているやに聞いておりますが、今後その実施主体であります青森、秋田両県の双方の意見の調整が必要でありますので、その調整結果を見守ってまいりたいと考えます。
○諫山博君 大臣にお伺いします。
 この原生林というのは日本本土では余り例を見ない非常に貴重な自然環境だそうです。これを守るかどうかというのは環境庁の努力と同時に、やはり農水省がどういうかじを取るのかということに左右されると思います。私はこの原生林のような自然環境を農水省でぜひ守っていただきたいと思うんですけれども、お願いします。
○国務大臣(佐藤隆君) ただいま委員からそういうような要請があったということをしかと心得ておきたいと思います。
 なお、我が省といたしましては、林野庁長官が答えましたように対応してまいりたい、こう思っております。
○諫山博君 宮崎県えびの市に海上自衛隊の超長波送信所、VLF基地と呼ばれていますけれども、この基地が新しく建設されようとしています。敷地の予定は二百四十四ヘクタール、この中
の二百四十三ヘクタールが国有林です。つまり、広大な国有林の中に海上自衛隊の基地がつくられようとしているわけです。この地域にはほとんど全域にわたって松とか杉、三十年生が多いそうですけれども、それが造林されています。この二百四十三ヘクタールについて、林野庁はすべて防衛庁の方に所管がえをされる予定なのかどうか。御説明ください。
○政府委員(松田堯君) VLFの施設の設置につきましては、この事業の内容が国の機関が行政目的を達成するために国有林を利用するものでありまして、公用としての利用であること、適切な保全対策を実施することによりまして環境への影響はほとんどないこと、さらには関係地方公共団体の理解が得られていること等を総合的に勘案いたしまして、建設用地としての使用を先般認めたところでございます。
○諫山博君 防衛庁に所管がえをすると有償でお金が支払われるはずですけれども、どのくらいのお金が予定されているのか。
 もう一つは、所管がえになってしまうと、広大な国有林に現に立木があるわけですけれども、この管理はどうなっていくのか。この点を御説明ください。
○政府委員(松田堯君) いずれ所管がえをすることになるわけでございますが、その前に境界の画定あるいは立木資源の調査等々がございます。どの程度でお願いをするのか、どの程度の価格になるかまだ算定をいたしておりません。
 なお、念のため、収入を確保するということで所管がえをするということではないわけでございます。
 立木の管理につきましては、土地、立木ともに防衛施設庁に所管がえをすることになりますので、その管理は防衛施設庁で行っていただく、このようになります。
○諫山博君 防衛施設庁というのは山林の維持管理は玄人ではないと思いますけれども、林野庁はこの山林からもう一切手を引いてしまって、後はいいように防衛庁で処理してくださいということになるんですか。
○政府委員(松田堯君) あの該当地域におきます全体の森林計画、これは林野庁が指導しながら計画を立て、進めるということになりますので、その限りにおきましてはそういう方向に沿った形の管理経営ということで防衛庁は管理を行われる、このようになろうかと思います。
○諫山博君 防衛庁に質問します。
 海上自衛隊の作成したリーフを読みますと、この土地の中に鉄塔八基、アンテナ十六本、そのほかに事務所、送信局舎、コイル局舎などをつくると書かれています。これはえびのという地域が特定する前ですけれども、えびのに予定している構築物もこういうものですか。
○説明員(黒岩博保君) お答えいたします。
 えびのに計画しております超長波送信所は、超長波帯の電波の特性を利用いたしまして潜航中の潜水艦に通信することができる送信施設でございますけれども、その施設の概要は、約二百四十ヘクタールの用地に高さ百六十メートルから二百七十メートルくらいの鉄塔を四基ずつ二列に並べまして八基を設置いたします。これに空中アンテナを展張いたしまして、地中には接地網を埋設するというものでございます。そのほかに、これを運用するための送信局舎、管理棟を建設するという概要になっております。
○諫山博君 超長波送信所は、現在愛知県の依佐見に米軍が使用しているものがあります。海上自衛隊の潜水艦もかってはここを使用していたわけですけれども、その後米軍から使用を断られたと聞いています。かつて衆議院で小沢和秋議員が質問したのに対して、防衛庁は米軍の事情によって利用がかなわなくなりましたと説明しておられます。米軍のどういう事情によって海上自衛隊の潜水艦が依佐見の送信所を利用できなくなったのか、その中身を御説明ください。
○説明員(伊藤宗武君) ただいま先生がおっしゃいました海上自衛隊が米軍の基地の使用をお願いしておった後、五十三年に使用を断られたのは事実でございますが、実はなぜ断ってきたのかというその辺の事情はわかっておりません。
○諫山博君 えびのに建設を予定しているVLFというのは、機器の種類、型、大きさ、性能、すべて依佐見のものと同じはずですけれども、間違いありませんか。
○説明員(新貝正勝君) 依佐見の送信所との比較につきまして、技術的に検討したことはございませんので確かなことはわかりませんが、鉄塔の数及び高さ、それからアンテナの長さ及び数、それからアンテナの関連施設といったものについては、現在建設予定の超長波送信所と同じようなものであるというふうに認識しております。したがいまして、性能についても同様のものであろうと理解しておりますが、それじゃどういう送信機を持っているかとか、そういう細かいことについては我が方は承知しておりません。
○諫山博君 現在、海上自衛隊の潜水艦は茨城県の名崎にあるNTT所有の機器を使用しているようですね。今海上自衛隊は潜水艦を十四隻持っている、これは防衛白書に出ていますね。そうすると、現在の海上自衛隊の十四隻の潜水艦は全部NTTの機器を利用して送信している、そして行動しているというふうに理解していいですか。
○説明員(新貝正勝君) 現在は、先生がおっしゃいましたように、名崎の通信所を利用させていただいておるところであります。したがいまして、現在十四隻の潜水艦につきましてはこの通信所を利用しているということでございます。
○諫山博君 現在の、海上自衛隊の潜水艦の行動範囲はどうなっていますか。
○説明員(萩次郎君) 先生御承知のとおり、我が国自衛隊は日本の領土内、領海、領空、そのほかに日本の周辺海域及び航路帯を設ける場合にはおよそ一千海里での行動を予定しておりますので、潜水艦の行動もほぼその範囲かと思われます。
○諫山博君 一千海里といいますと、北の方は宗谷海峡をきれいにカバーできますね。
○説明員(新貝正勝君) 現在、建設を予定しておりますえびの市から我が国の主要海峡の一つであります宗谷海峡まではおおむね一千海里程度の距離がございます。
○諫山博君 茨城県の名崎のNTTを利用した送信で宗谷海峡まで行動している潜水艦に現に送信できているわけですね。その点は間違いないでしょうか。
○説明員(新貝正勝君) 現在、名崎の通信所を利用しておりますので、我が方の潜水艦はそれを使用しておりますし、その使用の状況において距離的に支障があるということは聞いておりませんので、利用できておるというふうに考えております。ただし、この名崎の長波送信所というものは、水中の透過力という点においてはほとんどないに等しいものでございます。我が方が現在建設をしようとしておる超長波送信所というものは潜っていてもその電波を受けることができる、つまり水中透過力のあるものということで必要とされておるものであります。
○諫山博君 えびのにつくろうとしている送信所の送信できる深さというのは、深度十メートルから十五メートルくらいと聞いておりますけれども、間違いありませんか。
○説明員(新貝正勝君) 超長波につきましては、水中十数メートル程度まで透過するというふうに考えております。
○諫山博君 この性能は依佐見の米軍のVLFと同じですか。そして、名崎のはここまでは届かないという趣旨ですか。
○説明員(新貝正勝君) 米軍の依佐見送信所におきますVLFが一体どのくらいまで能力があるのかということについては、公表は差し控えさせていただきたいと思います。
 ただ、先ほども申し上げましたように、鉄塔の数、高さ、アンテナの長さ及び数等はおおむね同じような施設でありますので、性能につきましても同様のものであろうというふうに理解しているところであります。
○諫山博君 アメリカは世界じゅうで超長波送信所を六カ所持っている。太平洋について言うと、オーストラリアのノースウエストケープ、ワシントン州のジムクリーク、ハワイのワヒアワ、日本の依佐見、太平洋で米軍が持っている超長波送信所はこの四つだと本に書かれていますけれども、防衛庁は当然御存じでしょう。
○説明員(伊藤宗武君) 米軍が幾つかのVLF通信所を有しているということにつきましては承知しておりますけれども、その箇所の数、それから設置場所については承知しておりません。
○諫山博君 これは印刷物で出ていますけれども、私が秘密で調査したものでも何でもない。このとおりだとすれば、依佐見の送信所の送信範囲というのは非常に広いということになります。例えばハワイと日本、そうすると当然西太平洋の全域をカバーする、ハワイと日本の間の太平洋の少なくとも半分ぐらいはカバーする、同じような距離で南にも北にも届くということになりますと、依佐見のアメリカの超長波送信所というのは、自衛隊の行動範囲どころか非常に広大なものになる。そして、えびのにつくろうとしているVLFは性能から見ても大体同じもの、こうなると、えびのでつくろうとしている送信所は、どこまで実際に送信するかは別として、技術的には非常に広範囲の送信が可能だということになるはずですけれども、違いますか。
○説明員(新貝正勝君) 我が方としましては、ただいま施設課長が申し上げましたように、米軍の送信所がいかなる場所にあるかということについては承知をしておりません。しかし、先生が今おっしゃったように、例えば四カ所あるということで、それが全域をカバーするのではないか、そのことから考えてみるならば現在の依佐見の通信能力も相当、その倍以上あるのではないかというふうな御質問でございますが、これはそれぞれの送信所の規模というもの、それから送信の能力、つまりどういう出力でもってやっているかとかそういうことに関連いたします。それから、果たしてその全域をカバーすることが必要なのかどうかといった問題もございまして、先ほどから申し上げておりますように、依佐見の送信所につきましてはほぼ私どもが建設するものと同程度のものであろうというふうに認識しているところであります。
○諫山博君 依佐見との比較が問題になっていますけれども、同程度のものだろうと推測するんじゃなくて、同じものをつくるんじゃないですか。もともと設計も同じ、機器も同じ、能力も同じ、そういうものをつくるんじゃないんですか。
○説明員(新貝正勝君) 私どもが計画しております超長波送信所につきましては、私どもが独自の考え方に基づいてやっているものでありまして、依佐見の通信所をそっくりそのまままねるといったものではございません。
○諫山博君 私が、えびのの送信所は非常に広範囲に送信できるのではないかと言ったのは、技術的な問題としてです。自衛隊の行動範囲というのはいろいろ規制されていますから、例えばインド洋まで送信しますとはなかなか言えないでしょうけれども、技術的にはそこまで送信できるのではないかという質問、この点は否定されますか。
○説明員(新貝正勝君) 技術的な問題といたしましては、先ほどから申し上げておりますように、我が方が主要海峡の一つであります宗谷海峡あたりまでカバーできるということで、えびのから宗谷海峡ということであればおおむね一千海里程度の距離があり、これが到達範囲の一応の目安になるものというふうに考えているところであります。
○諫山博君 そう言われると、太平洋に四つしかない、米軍の依佐見の送信所は宗谷海峡までしか届かないということになるんですか。米軍の潜水艦の行動範囲というものはそんなものじゃないでしょう。ベーリング海にも行くしインド洋にも行くでしょう。そしてそれはみんな依佐見の送信所によって動かされているんじゃないですか。
○説明員(新貝正勝君) 先ほどからも申し上げておりますように、米軍の運用というものが一体どういうものなのか我々は承知しておりません。したがいまして、そういった御質問には答えられないわけでありますが、他方、先ほどから申し上げておりますように、例えば、先生が御指摘のように、オーストラリアにあるとかハワイにあるとか、そういったものが一体どういう規模なのか、もっと出力が非常に大きいとか、規模によってもその到達範囲というものは変わっていくわけであります。そして、現に日本にあります依佐見につきましては規模とアンテナの数等わかっておりますので、我が方が建設しようとしているものと大体同じような形態でもありますので、同様な性能であろうというふうに申し上げておるわけであります。
○諫山博君 えびのの送信所はいつごろ完成する予定なのか、完成した後、名崎のNTTの施設は使わなくなるのか、その点どうですか。
○説明員(黒岩博保君) 六十三年度に所要の防災施設を整備した後、敷地造成等の工事に着手することとしております。現在その準備中でありますが、できるだけ早く着工したいと考えておるわけでございます。その後引き続き所要の施設を整備いたしまして、六十五年度末までには完成したいと考えております。
○説明員(新貝正勝君) それから、名崎の通信所との関連でございますが、防衛庁が超長波送信所を建設し運用を開始したといたしましても、名崎送信所につきましては、超長波送信所が運用できない場合の代替施設として使用すること等を考えておりますので、現在のところ使用をやめる考えはございません。
○諫山博君 それは予備として残しておくという意味でしょうか、それとも並行して使用するという意味なのか。予備として残しておくというのであれば、これは何かの事情でえびのの送信所が使用できなくなったときの予備というふうに理解できるんですか。どうでしょうか。
○説明員(新貝正勝君) 現在のところこれを代替施設として使用すること等を考えておりますが、まだ超長波送信所が完成しておりませんので、今後どういうふうにするかということについては今後の検討課題であると考えております。
○諫山博君 この種の軍事施設については必ず予備が必要でしょう。一たん有事の場合にえびのの送信所が破壊される、そうなった場合に自衛隊の潜水艦は機能を喪失いたしますから、当然そのときに備えて予備を持っておくというのは軍事上の常識です。例えば飛行場だってそうでしょう。ある飛行場が破壊されて使えなくなればどの飛行場を予備として使用するということになっているはずですけれども、名崎も将来使うつもりだというのは、そういう場合の予備として名崎を残しておくという趣旨とは違いますか。
○説明員(新貝正勝君) 先生御指摘のような、そういう有事の場合ということを考えますれば、もちろんそういった抗堪性を考えれば代替施設というものがあるということがいいわけであります。さらに、平時といいますか普通のときでありましても、その機器を修理するとかあるいはいろんなときには一たんとめなければならないということもございますので、やはりそういった代替の施設が必要であるということは言えると思います。
○諫山博君 名崎をつぶさずに予備として残すのはそのためじゃないのかというのが質問でしたけれども、それはいいでしょう。――答えてくれますか。
○説明員(新貝正勝君) もともと名崎の通信所というのは防衛庁の施設ではございませんで、NTTの施設でございます。したがいまして、それをつぶすとかつぶさないとかいった権限は我が方にはございません。
○諫山博君 えびののVLF送信所が米軍によっても使用されるのではないかということが大変危惧されている。VLFの基地も含めまして米軍が自衛隊の基地を使用しようと思えば一定の手続がありますね。この手続は米軍が要求してくることから始まるでしょう。どういう手続で米軍が使用
できるようになりますか。
○説明員(伊藤宗武君) 本件通信施設に限りませず、米軍は、一般に自衛隊の施設を共同使用するというような形で、安保条約第六条に基づきます地位協定第二条によりまして日本国内の施設・区域の使用を許されております。この場合、米側が施設特別委員会に提案をいたしまして、同委員会において協議の上、日米合同委員会の承認及び協定の締結の手続をとりまして完了いたすわけでございます。
○諫山博君 米軍が申し出て施設特別委員会で審議する。そのときに異議なしという結論を出す場合もあるし、幾らか条件をつけて承諾するという場合もあるし、ノーという回答を出す場合もあるようですね。そして実例としては、ノーという回答は非常に少ないはずですけれども、その実情はどうですか。
○説明員(伊藤宗武君) ただいまのノーと言った具体的な数といいますかそういうものについては正確に承知しておりませんけれども、今先生おっしゃったように、そうたくさんはないというふうに承知しております。
○諫山博君 今のような日本とアメリカとの関係ですから、超長波送信所というような重要な施設を米軍が使いたいと言ってきた場合に、お断りしますと言えるような立場では自衛隊はないでしょう。米軍におれのところも使わせてくれと言われたら、大体共同使用にならざるを得ないというのが常識じゃないですか。
○説明員(伊藤宗武君) 先ほど先生がおっしゃいましたように、日本側といたしましては大きく分けて三つのパターン、すなわち同意または条件等を付して同意する、またはお断りするということがあります。
 それで、我々としては向こうから提案があったものを即うのみにしてイエスと言うことは考えておりません。
○諫山博君 今はそう言いますけれども、こういう施設が本当に物を言うのは戦争のときなんです。米軍はおれたちが日本を守ってやっているんだという傲慢な態度をとっておりますから、日本をおれたちが守ってやるのに使わせるのは当然じゃないかという言い方をするはずです。そのときに今の自衛隊がノーと言えるはずはないじゃないですか。どうですか。
○説明員(伊藤宗武君) 具体的なその場その場に立たないとわからないことでございますが、論理的には当然ノーと言うことがあり得ると思います。
○諫山博君 論理的にはあり得るけれども、施設特別委員会の結論で見れば極めてまれだということになるんでしょう。
○説明員(伊藤宗武君) これまでの実情からいたしますと、そのようになります。
○諫山博君 そうすると、共同使用するかどうかというのは、主として米軍の意向にかかわるということになりますね。
○説明員(伊藤宗武君) あくまでも米軍の意向を尊重しながらも、最終的には自衛隊側で判断するものと考えられます。
○諫山博君 今私が申し上げたのは、公式な共同使用についてです。つまり、正規の手続を踏んできて米軍がえびのの送信所を共同使用するという問題について聞きました。
 今度は、幾らか観点を変えて、そういう手続をとらなくてもえびのの送信所から送る通信というのは米軍の潜水艦にも届きますね。届くことは間違いないでしょう。
○説明員(新貝正勝君) 技術的に申しますならば、電波でございますから、それは届くということになります。ただし、届くにいたしましても、それにふさわしい受信機等を持っていなければ受信することができません。
○諫山博君 受信機さえ持っておけば、正式に共同使用の手続をとらなくても米軍はキャッチできますね。
○説明員(新貝正勝君) 自衛隊の行っております通信をキャッチできるかということであれば――まず第一に米軍の潜水艦の受信能力について承知をしておりませんので、何とも言えないという点がございます。
 それから、我が方が通信することをキャッチしたとしましても、その内容を理解するということはできないだろうというふうに考えられます。
○諫山博君 専門家では、秘匿をかけるという言葉を使うそうですね。つまり、電波をキャッチしても、それがなかなかわからないわけです。しかし、それは米軍に知らせればすぐわかることですね。そうなんでしょう。
○説明員(伊藤宗武君) これは軍事的な常識なんでありますが、いかなる仲のよい国家におきましても、自分の暗号といいますか、そういう秘匿すべきものをそうやたらに隣にお貸ししたり、借りてくるという性格のものではございませんで、当然日本の電波は日本の秘匿暗号に基づいて発射されますので、先生おっしゃるように、その乱数表が向こうへ渡れば別でございますが、そういうことはないと思います。
○諫山博君 私は、余り信用しませんね。対等な国と対等な国ならそういう議論がありますよ。アメリカと日本でそんな議論は通用しないでしょう。それは中曽根さんの言葉で言えば同盟国という間柄ですからね。そんなことは現実には考えられない。つまり、公式に日米共同使用の手続をとることはもちろん可能だし、それをとらなくても結局この施設は米軍も利用することになるのではないかという疑問です。
○説明員(伊藤宗武君) 先生おっしゃいましたように、いわゆる地位協定二、四(b)の手続きをとらずしても米軍が我が方の電波を傍受できるのではないかということと、逆に自分の方に暗号表を持っておって日本の電波を全部解読して察知するのではないかというふうなことでございますが、我々としてはそのようなことは起こっておらないと考えております。
○諫山博君 海上自衛隊は十四隻の潜水艦を持っている。この潜水艦の一番大きな任務は三海峡封鎖だというのは常識だと思います。宗谷海峡とか津軽海峡とか対馬海峡の海中に海上自衛隊の潜水艦がじっと身を潜めて、ソ連の原子力潜水艦が通らないかといって見張りをしているわけですね。その目と耳の役割を果たすのがVLF送信所でしょう。これが破壊されたら潜水艦はどういう状況になりますか。
○説明員(萩次郎君) ただいま潜水艦の役割のことをちょっとおっしゃいましたのでそのことから申し上げますと、御存じのとおり、潜水艦は弾道ミサイル潜水艦と通常の潜水艦があるわけでございますが、我が方は通常の潜水艦だけを保有しておるわけであります。その一般的な潜水艦の役割は、先生今おっしゃいましたような海峡における阻止、それから哨戒、それから相手艦艇の撃破、海上交通の妨害、それから機雷の敷設、それから偵察行動等々が行われているわけですが、我が海上自衛隊の潜水艦の役割の一つに先生がおっしゃられたような海峡における通行阻止であるとか哨戒というのが大きな任務であることはそのとおりでございます。
 こういった潜水艦に対するVLFの役割ということでございますが、御存じのとおり潜水艦の最大の特色というのは隠密性にあります。その隠密性が破られるのは、アンテナを海上に出して送受信をするというときが一番発見されやすいし、潜水艦にとって一番危険なことであるわけであります。したがいまして、潜水艦が送信をするときにはどうしても水上にアンテナを出さなければいけないんですが、受信をするときには何とか海面上にアンテナを出さないで受信したいということで、このVLF、超長波と申しますか、これが幸いなことに水面下十数メートルまで到達いたしますので、それを利用して潜水艦が受信するということが現在世界の潜水艦の通例になっております。したがいまして、潜水艦が受信するときにはVLFが大変重要であるということは事実でございます。
 ただ、一言申し上げたいのは、潜水艦の通信機
能というものにはいろんな種類がございます。このVLFというのはその一つでありまして、潜りながら受信するときに大変役に立つということでございまして、潜水艦から電波を発射するとか、他の艦艇との交信を行うというときは、それはそれでまた別の通信機能を利用するということでございます。
○諫山博君 ことしの参議院の予算委員会でこの問題が議論されて、戦争になったら真っ先にこの基地は攻撃されるのではないかという質問に対して、自衛隊の基地はすべて大なり小なり攻撃の対象になり得るのだから特別なことじゃないみたいな答弁をされている。
 しかし、近代戦でこのVLFの基地というものは最も重要な基地だと思いますけれども、違いますか。戦争になったら真っ先に攻撃を受けるところだと理解するのが常識だと思いますよ。
○説明員(萩次郎君) その通信施設一つとりましても、これは潜水艦に電波を送るだけの施設でございます。あとは受信する施設もございますれば、艦艇と通信する施設もありますれば、ほかの部隊と通信する施設もある。防衛庁の施設には全国大変数多くの施設があるわけでございますので、別にこれだけがとりたてて危険であるというふうには理解をしておりません。
○諫山博君 この基地の設置をめぐって防衛庁とえびの市が覚書を締結しております。五項目にわたる覚書ですけれども、その二項目目に基地周辺整備事業について触れているところがある。中身としては、えびの市にある霧島演習場を交付金の支給できるような演習場に格上げすると言われております。これはどういうことになっていますか。
○説明員(笠原恒雄君) 防衛施設周辺の生活環境の整備等に関する法律第九条で、特定防衛施設及び市町村の指定が規定されておりまして、交付金を交付するという仕組みをとっております。この指定の対象になり得る防衛施設は、この法律に要件が書いてございますけれども、防衛施設の設置、運用がその周辺地域の生活環境あるいは地域開発に及ぼす程度が高くて、この周辺地域を管轄する市町村が、その公共用の施設の整備について特に配慮する必要があるというのがいわば要件でございます。
 具体的には、ジェット機が飛ぶ飛行場あるいは砲撃が行われる演習場ということになっております。そこで、えびのの霧島中演習場は名前のとおり中演習場でありまして、現在砲撃が行われております。この砲撃が行われている実態がこの九条の法律要件にかなうのであれば特定防衛施設になり得るということは確かでございまして、現在その指定をするのが適当かどうかの検討を進めているところであります。
○諫山博君 私が聞きたかったのは、指定されれば演習の内容が変わるのかということです。
○説明員(笠原恒雄君) 逆でございまして、演習の実態が法律要件を満たしておるのだったならば特定防衛施設に指定するということでございます。特定防衛施設に指定するから演習が頻繁に行われるという意味合いではありません。
○諫山博君 それが筋だと思うんですよ。ところが、違ったことがやられているようである。VLFには交付金が出せないからえびのに交付金を出す、演習所の使用内容が変わるかどうかということはまだ問題になっていないのに、つまりえびのの誘致を容易にするためにそういうことがやられているというのが現地での批判です。
 そこで最後に、もう一点防衛庁に質問しますけれども、この地域をVLFの基地に選んだというのは、これは国有地だからですか。
○説明員(伊藤宗武君) 国有地だからという前提でございませんで、電波の通りぐあい、その他地形、地質等々をいろいろ調査した結果えびのに決定したわけでございます。
○諫山博君 林野庁に最後に質問します。
 とにかく、林野庁の管轄している国有林に大変な施設がつくられるわけですよ。そしてこの施設内はもう林野庁が立木の管理をすることさえ放棄するというようなことになっているわけですね――いや、放棄するわけでしょう。これは防衛庁が一切やってしまうんでしょう。これは私はもっと林野庁が抵抗するぐらいの姿勢があってしかるべきではないかと思ったんですけれども、どうですか。
○政府委員(松田堯君) 先ほど申し上げましたように、公用的な利用でございますので、国有林の経営目的に沿っておりますので使用を承認しておる、こういう状況でございます。
○諫山博君 終わります。
○三治重信君 森林開発公団法の一部を改正する法律案のことで、きょう私のところは党大会のものですから、ちょっと午前中の審議を聞かずして午後になってしまって、あるいは重複するかもしれませんけれども、ひとつあしからずお願いしたいと思います。
 まず、森林開発公団なるものの支所のあり方の問題で、支所ぐらいの程度ならいいんだけれども、もう一つ、農林水産委員会の調査室の資料によると、支所の下に出張所が全部で三十三カ所あるようになっているんだが、支所が四十人とかわずかしかいないのに三十三カ所もあって、しかもこれは町の県庁所在地みたいなところにみんな出張所なんか置いている。出張所に何人ぐらいずつ置いて、何をしているのですか。
○政府委員(松田堯君) 森林開発公団の出先機関の所在地につきましては、公団の事業が奥地山村地域でありまして事業地が分散をしていることから、事業を効率的かつ円滑に推進するために地方における交通通信の主要拠点に置く必要がある。また、大規模林道事業につきましては地域の林道網等との有機的な関連を持たせる必要があることから関係都道府県と密接な連携のもとに事業を行う必要がある。さらに水源林造成事業につきましては、都道府県の保安林行政と密接な連携のもとに行う必要があることから、地方における主要都市に出先機関を配置しているところでございます。その結果、支所が六、出張所が三十三、建設事務所が一、地方建設部が八、そのような箇所数になるわけでございます。
 支所の職員数でございますが、四十名ないし五十名程度でございます。建設部につきましては十名から十五名程度の職員を配置いたしております。
○三治重信君 だから、この支所の定員の中に出張所の定員があるわけでしょう。支所の定員は支所におって、出張所は支所の定員外に定員があるということですか。
○政府委員(松田堯君) 支所の出先として出張所があるわけでございまして、先ほど申し上げた人数は出張所の人数も含む職員数でございます。建設部の方は大規模林道の事業を担当している出先機関でございます。
○三治重信君 それで、支所のわずか四十人ぐらいのところで出張所が五カ所か六カ所ずつあるわけだね。そうすると、一カ所三人とか五人ぐらいしかいないわけでしょう。そんなところを二人や三人で使って県庁と連絡とかなんとかというのは何を連絡するんですか。大体、林道の方はちゃんと建設部でやっているし、そういうふうな公団が県庁と何もそんなに連絡することというのは、別に常駐してやらなくちゃならぬということはないのじゃないかと思うんですが。
○政府委員(松田堯君) 出張所が行っておりますのは、水源林造成事業が中心でございまして、先ほど申し上げましたように、箇所が非常に分散をしております。契約相手方との契約事務等を行う場合に、必ずまた現地に行きまして確認をした上で契約を進めるということでございますし、事業実行上におきます指導監督ということもございますので、どうしても出張所を設けなければ適切な事業が運営できない、実行できない、このような状況にあるわけでございます。
○三治重信君 説明はそういうことだろうと思う、現実においてはそういうことだろうと思うんだけれども、何か一つ公団などというものをつくると、こういうふうに出先機関をみんな各都市へ
置いてそこでやっていて、現地の出張所の職員というものの下に、またさらに造林の現地があるわけでしょう。そういうところでは人はほとんど置かず、出張所の職員が現地へ行って監督をやっているというだけで、現地はもう全部請負なり地元の森林組合なんかが、やっているとすればそんなのがみんなやって自前でやっている。そういうことですか。
○政府委員(松田堯君) 非常に箇所数が多く、広い奥地林に分布しておりますので、どうしても出張所がないと適切な事業の確保ができない、こういう状況にあるわけでございます。
○三治重信君 それでは聞きますが、各出張所は少なくとも現地の造林事業を幾つぐらいずつ持っているのですか。
○政府委員(松田堯君) 契約箇所が全体で一万カ所あるわけでございますので、出張所が三十三でございますから、一出張所大体三百余の箇所を分担している、こういう状況でございます。
○三治重信君 それぐらいの箇所があればそれはやむを得ぬかもしれないのですが、それにすると開発公団の言う奥地の、何というのかな、県や市町村で造林なんかができない山奥の人跡未踏のところでやると書いてあるが、そんなのが一万カ所もあるのかな。そんなにたくさんの造林地があるのですか。一カ所どれぐらいの面積、一万カ所あるというと一カ所どのくらいの造林をやっているのですか。
○政府委員(松田堯君) 団地ごとに造林箇所を設定しているところでございますが、一団地の面積は大体四十ヘクタール程度でございます。
○三治重信君 そういうふうに全国的に分布して造林をやっている、こういうことのようですが、それはどうも説明にはほとんど出ていない。それで造林なり林道の事業というものが奥地の開発に役立っているだろう、こういうことは了解できるわけなんですけれども、
   〔委員長退席、理事高木正明君着席〕
これの中で、そうするとNTTの事業と一万カ所の事業というものがダブってやっていくのか、それにさらに同じところでプラスしてやっていくのか、全然新しい土地を一万カ所のほかにさらにNTTのやつで何カ所かやる計画なんですか。
○政府委員(松田堯君) 森林開発公団の事業は奥地山岳林でございますが、大規模林道事業につきましては政令指定によりまして地域指定をいたしておるところでございます。また、水源林造成事業については奥地の保安林等で行っているところでございます。
 今回行いますAタイプ事業につきましては奥地山岳林である、森林が豊富に賦存するという地域性は同じでございますが、これまでの事業との地域の重複は余りないのではないだろうか、重複することもあり得ることでございますが、考え方としては別、このように考えております。
○三治重信君 そうすると、このNTTのやつはいずれみんな返さにゃならぬわけなんで、そういうやつが国の補助事業にいって、だんだんたってくると切りかわっていくわけなんだから、大体NTTのやつで融資を受けてやるというのは公団が将来造林事業をやろうというところを先に手をつける、こういう解釈をしていいわけですか。
○政府委員(松田堯君) 公団のこれまでの事業は、水源林造成事業は水源保安林ありき、あるいは同予定地ありきというところで事業の地域が決まるわけでございますが、今回の事業につきましてはスポーツ・レクリエーション施設整備をやる事業がそこにありまして、その施設と一体となりまして林道を中心といたしましての公共事業を推進する地域ということになるわけでございます。
○三治重信君 次に、今非常に林業経営が国有林も赤字、それから一般の民間の林業も非常に停滞をしているというのは、木材価格が下がってきている、一時六十二年、六十三年の建築ブームで木材の値段が上がったけれども、輸入木材の方は米材なんかは現地では相当値段が上がったにもかかわらず円高でなお木材価格は円高以前の価格から見ると相当下がっている。こういうところに、日本の国有林にしても民有林にしても木材価格が非常に低迷しているということと、それから外材が非常に安くなったために多く輸入されている、こういうところが原因になっているのではないか、こう思うわけなんですけれども、それで大体間違いないですか。
○政府委員(松田堯君) 木材価格につきましては、木材需要の減少等の理由によりまして五十六年度以降長期にわたって低迷を続けておりましたけれども、六十年の秋以降、急激な円高によりまして外材の価格が下落した結果、なお一段と低下をいたしたところであります。
   〔理事高木正明君退席、委員長着席〕
しかし、昨年になりまして、住宅着工の増加等がございまして全般的に価格は上昇をいたしました。このように木材価格は申し上げるまでもなく需給バランスの上に成り立っておりまして、その供給は我が国の森林資源の状況や丸太、製材品等の生産供給体制に加えまして、森林所有者自身の伐採の性向あるいは木材産地国の消費動向等にもその需要は左右されるわけでありまして、そういったようなもろもろの原因が総合いたしまして木材価格が低迷をしておった。申し上げましたように、円高も大きな原因ではある、このように考えております。
○三治重信君 そうしますと、林業経営の困難さの最大の原因は円高である、こういうふうに解釈して間違いないと思うし、そしてその最大の原因は外材が安くて大量に入ってくる、しかもそれは外材が円高によって安くなった、といっても現地価格は従来の現地価格より相当上がっていながら円高によつて下がっている。こういうことからいくと、日本の国内の生産材は国内の住宅建築なんかで外材と比較してみるというと二割も三割も価値が高い。その間の価格差はいいとしても、将来日本の円高基調というものが現在のところ変わる見通しのないところで林業経営をやっていこうとすると、現在の価格はやっと前の値段に回復したのが上限であろう、五十五年前後の木材価格に回復したというのが大体上限、それより下がることはあっても上がることはなかろうと。
 こういうところで経営を指導し、また経営に対する対策をやっていかなくちゃならないと思っておられると思うんですが、その中で特に最近聞くのでは、せっかく造林して十五年、二十年たった山林が間伐を行えないためにもやしみたいになって、今からまた十年、十五年たった後の木材生産に非常に影響するんだと、こういうようなことを各地で聞くわけなんだけれども、これが対策についてどういうふうに考えていますか。
○政府委員(松田堯君) 依然として林業経営をめぐる環境、厳しい状況が続くわけでございますが、外材に対抗し得る条件の整備を図るためにも、生産コストの低減を図るための林道等の生産基盤の整備あるいは林業機械化等によりますコストダウン対策、さらには供給体制の近代化といったようなことについて総合的に施策を推進していかなければいけないと考えております。
 間伐につきましては五十六年度以降、間伐対策を推進しているところでありまして、年々その効果が上がってきているところでございます。五十五年以前は間伐の実施が十万ヘクタール程度であったわけでございますが、その後増大をいたしまして、六十一年の実績では約二十九万ヘクタールの間伐を行うような状況になっております。しかし、間伐を必要とする面積は年平均にいたしますと三十八万ヘクタールしなければいけない、このように考えておるところでございますので、それに対しましては八割程度の実行率でございますので、今後とも間伐の推進につきましては間伐材の利用促進も含めまして積極的に努力してまいりたいと考えております。
○三治重信君 間伐材の利用も必要だけれども、しかし、間伐材が利用されないから間伐ができないというんでは、せっかく造林したやつが将来の伐採に大変影響すると思うのですが、お話によれば、この二十九万ヘクタールやって大分増加してきたというんだが、どうも予算書を見ても、間伐
に対する特別の対策というのは出てこないんだが、どういう項目で出てきているの、間伐に対して特別指導、奨励して効果を挙げているというやつについては。
○政府委員(松田堯君) 六十一年に森林・林業、木材産業活性化対策を仕組みまして、その中に間伐を大きく位置づけまして推進をしているところでございます。予算書で言いますと、非公共事業の中の森林地域活性化緊急対策という項目がございますが、この中に間伐が含まれているところでございます。
○三治重信君 わかりました。
 もう少しそちらの方に力を入れてやっていただかないと、間伐材が売れないからといって、採算に合わぬからといってやっておっても、せっかくの造林のやつがうまくいかぬということは、これが一番大きな大問題じゃないかと思うわけなんです。
 それから、水源林造成事業で、いわゆる税金をかけてやろうなんという案についても、我々が反対して考え直されたようなんだけれども、また新しい、何と言うんだか、御指摘によって何か寄附金でやるというような、寄附金を募ってやるという案にかえられたようなんだけれども、森林開発公団でこれだけ、一万カ所もやるなんて大々的にやるということになっているのに、そこをさらにまた、なぜ民間企業から寄附金なんて取ってやる必要があるんですか。森林開発公団が今やっている奥地開発の造林で十分間に合うんじゃないかと思うんだが、その点いかがですか。それどうしても、民間企業からまだ大量の、税金にかわる寄附金を取ってやらなくちゃならぬのですか。
○政府委員(松田堯君) 森林河川緊急整備税につきましては、目的税としての制度化ができなかったわけでございますが、その際、森林に対する国民の要請の高まりを踏まえまして、国民運動として、一般募金によって森林基金を造成するということが決定をされたところでありまして、ようやくその基金の仕組みにつきまして内容が整いましたので、近くその募金のスタートをいたしたい、このように考えているところでございます。
 このことにつきましては、森林に対する国民の要請が非常に多様化しているわけでございまして、各種の公共的なニーズも非常に多くなってきているわけでございます。森林に対する国民の理解を深める、参画を求める、そういったような使途にこの基金を運営してまいりたい、このように考えているところでございます。
○三治重信君 それも一つのアイデアかもしれないけれども、そういうことを言うならば、一般の人の参加を求めるというなら分収林で、山の一定地を造林して将来は出資をしてもらえば、それで後は利益を分け前にしようという分収林で、そして一株五十万円かあるいは百万円を出してくれ、こういったやつをやっているわけなんだが、あれの方が僕はよっぽどいいと思うんだけれども、ただ、銭を出せ、国のために何とかやろうというような、造林が必要だなんといってそういうことをやるのには僕は賛成しない。むしろそういうふうな造林を民間の人に、あるいは会社でもいいと思うんだが、やるについて出資をしてください、大きくなったら利益を分けましょうと、この方が非常にいいと思うんだけれども、両方やっていこう、こういうことですか。
○政府委員(松田堯君) 分収育林制度実行をいたしておるところでございますが、計画一〇〇%という状況には実はなかなかならないわけでございます。森林に対する参画を求めるというハードな形での求め方もあるわけでございますが、最も基礎になります森林の重要性あるいは効用といったようなことに対する国民の一層の理解を求めなければいけないと。こういう状況の中で、この森林基金については主として普及啓蒙、調査研究といった形でのソフトの事業に使っていくということにいたしております。
○喜屋武眞榮君 改正案が、林業生産基盤整備のために森林開発公団がNTT資金を活用して造林あるいは林道、治山の整備に資金の貸し付けを行う、こういうことであるわけですが、基本的にはこういう事業は国家が責任を持って従来どおりにやるべきである。だが、財源の乏しい今日もうほっておくわけにはいかぬ。こうした苦労の結果、検討された結果だと思うんですが、そこで、内外の情勢から眺めた場合に非常に厳しい状況にあると。
 例えば昭和五十年から今日まで十年間における生産活動の諸因子で見ますと、苗木代が七六%、造林賃金が八三%、石油価格が二倍という上昇の跡をたどっておりますね。ところが、木材価格は、山元立木価格が一四%、それから杉中丸太価格が一七%落ち込んでおる、下落しておる、こういう状態の中で農水大臣にまずお聞きしたいことは、林業を取り巻く我が国の情勢はこのように厳しいわけですが、これに対する大臣の認識と所見を承りたいと思います。
○国務大臣(佐藤隆君) 我が国の林業経営は、最近に至り木材需要の回復傾向等明るい一面も見え始めておりますけれども、長期にわたる木材価格の低迷、人件費等の経営コストの増加などによりまして収益性が悪化をするなど、依然厳しい状況にあるということは御指摘のとおりでございます。
 このような中で、円高による外材の競争力の高まり、代替材の進出等に対処して、生産性の向上と我が国林業経営の一層の体質の強化、活性化を図ることが強く求められておるわけでございまして、農林水産省といたしましては木材需要の拡大、林業生産基盤の整備等各般の施策を推進しているところでありまして、今後とも林業施策の推進に鋭意努力をしてまいりたいという基本的な考え方、認識を持っておるわけでございます。
○喜屋武眞榮君 そこで、立ち直ろうとしております森林開発公団は、特定森林道あるいは大規模林道、水源林造成の事業を行ってきておるわけですが、日本の今日の情勢から公共事業の抑制によって各種の事業進捗率がだんだん阻まれてきている、低下してきておる。
 ところで、一つ、特定森林林道、奥鬼怒林道の事業進捗状態はもう完成に近いんですね、九五%完成しておる。そこで、遠からず六十四年度の終期には完了見通し間違いないんじゃないかと察せられるわけなんです。ところが、他の事業もその目標の終了年度内において達成できるかどうかということを連想した場合に、この状況からして難しいのではないかと私は察するわけですが、大規模林道と水源林等造成の進捗状況と、この事業達成の見通しについてはどのように考えておられるか、承りたいと思います。
○政府委員(松田堯君) 大規模林道につきましては二十九路線予定をしておるところでございますが、これまでのところ二十五路線につきまして事業の実施を進めているところでございます。総延長が千九百キロメートルでございますが、これまでの完成は四百キロメートルでございますので、進捗率は二割ちょっとというところでございます。
 一方、水源林造成事業につきましては、全体計画が四十万八千ヘクタールでございます。これまで三十四万五千ヘクタールの造林が水源地域において行われておりますので、進捗率はおおむね八割でございます。
 大規模林道事業につきましては、今後ともその拡大に努めていかなければならないところでございますし、一方、水源林につきましては今後どのようにその造成事業を進めていくか、現在調査を行っているところでございます。
○喜屋武眞榮君 初めがあれば終わりがあるので、途中の渋滞とか変更ということはよほどのことでなければそのようなむらがあってはいけない。そういう点から計画は全面的に順調に遂行されていかなければいけない、こう私は思いますので、その方向にひとつ進めてもらいたいと強く要望しておきます。
 そこで、沖縄における林業の、人工林の達成率が本土と比較して現時点で一体どのようになっておるか、まずそのことを承っておきます。
○政府委員(松田堯君) 沖縄県におきます人工林率でございますが、民有林におきます全国平均は四五%でございますが、沖縄県におきましてはそれが一三%という状況でございます。
○喜屋武眞榮君 今のパーセントは何年次ですか。
○政府委員(松田堯君) 今の率は六十一年三月三十一日現在でございます。
○喜屋武眞榮君 私の資料によりますと、全国平均は四三%、沖縄で一二%と押さえておるものですから、少々の違いは押さえる年度にもよるんでしょうがなるべくきちんとしていただきたい。
 それで、私がこれをお尋ねしましたのは、すべてと言っても過言ではないと思いますが、本土並みという物差しを当てるというとすべてそのような形で立ちおくれておる。追いつきつつあるかと思うとまた本土はさらにぐんと伸びていくわけですから。沖縄の場合は全国と比較してこのような格差を持っておる。これはいろいろ理由も問いたいですが、時間の関係ですから……。
 私が要望したいことは、このような落ち込んだ、話にならないと言いたいんですが、格差を持つ沖縄の現状でありますから、この実情を再確認してもらって、沖縄県の造林、林道事業の要望を踏まえていただいてNTT資金を優先的に投入すべきである、こういう認識に立って大臣に求めるわけです。
 大臣、このように沖縄の格差を縮めるのに優先的に適用してもらいたい、いかがですか。
○国務大臣(佐藤隆君) 一口で言いまして沖縄の今日までの歴史的経緯は、パイン問題のときも申し上げておりますように、ただ単に農産物という意味ではなくて、歴史的経緯、こういうことはこの林業の問題につきましても共通するわけでございまして、その経緯を十分踏まえながらやらねばならぬ、こう考えております。
 なお、NTTのBタイプの形で六十三年度からも積極的に推進をしていきたい、こういうふうに考えております。
 残余は林野庁長官から答えさせます。
○政府委員(松田堯君) Aタイプ事業につきましては、それを導入する場合の条件が必要でございます。これまでの公共事業とは性格が若干異なっておりますので、個別の案件ごとにその採算性等を十分検討しながら進めていかなければならないものでございます。
 Bタイプ事業につきましては、ただいま大臣から御説明がございましたように、六十三年度につきましても地域開発関連林道緊急整備プロジェクトを新たに仕組んでおりますので、沖縄につきましてもこの事業の導入を図ることといたしております。
○喜屋武眞榮君 今の件でひとつ申し上げておきたいことは、貸付条件とさっきおっしゃったんですね。その条件の物差しが特に沖縄の場合、気になること、問題が考えられるわけです。いわゆるNTT資金の貸付対象となる第三セクターの条件はどうなるだろうか、あるいは一事業に対する最高最低の貸付額がどうなるだろうか、こういうことや、あるいは資金の貸付先が大企業や特定の企業に偏るようなことがあるというとまたこういう条件の面から締め出されてくる、こういうことがいろいろ考えられるわけでありまするので、その点から十分御配慮願いたいんですが、いかがでしょうか。
○政府委員(松田堯君) 第三セクターの要件につきましては、地方公共団体が出資をするという形になっておれば形の上での要件を満たしているわけでございます。
 それから、大企業等特定の企業に偏らないようにということについての御意見でございますが、第三セクターを設立するに当たりましては、その企業の選定につきましては、一義的に地域の地方公共団体がその置かれている各種の条件の中で自主的に判断をすべきものであります。
 なお、限度額の問題につきましての御質問もあったわけでございますが、限度額につきましては、Aタイプ事業につきましては、スポーツ・レクリエーション施設と一体となりまして治山、林道、造林事業の公共事業を進めるわけでございますので、通常、これらの公共事業が採択要件として考えております条件、例えば造林事業の場合には〇・一ヘクタール以上といったような要件がございます。それから、林道事業等につきましては、一カ所の事業規模が百万以上の場合といったようなことがある。林道事業については五十ヘクタール以上といったような一般の林道事業の公共事業をやる場合の条件がございますので、それをそのまま適用していく、こういうことであります。
 金額的な意味での最低要件というものはございませんで、事業を実行する上からの技術的要件等で経常の公共事業の採択条件がございますので、それに見合えば事業を採択していく、こういうことでございます、最高限度額については設定することは考えておりません。
○喜屋武眞榮君 この法改正に基づくお尋ねは時間の関係もありますのでこれぐらいにいたしまして、大臣も長官もちょっとこちらをごらんいただきたいと思います。
 これは沖縄地図の南部、知念村と佐敷町の国道三百三十一号線です。この間にタイワンカブトムシが異常発生をしまして、ヤシ並木が次々と立ち枯れをしつつある、こういう状況でございます。
 それで、このことに対して政府とされて、あるいは関係機関として緊急に手を打っていただかぬというと――この国道における並木樹というものは復帰を記念した、あるいは海洋博を記念した由緒ある並木樹であります、沖縄じゅうの。特に政策的にも観光立県、それから緑を育てようという、戦後四十三年にもなりますけれども、まだまだ緑の島が荒れた山河でありますので、特に緑化に対して学校、家庭そして地域社会が連帯をして、教育と結びつけて植樹を今進めておる、将来に向けても。
 そこで、ワシントンヤシはこの地域では三百三十一号線に沿って九百十二本の並木が植えられております。一応ワシントンヤシが主でありますが、今度は並木樹をよそに施設内における、例えばトックリヤシという、またヤシ類としては一緒でありますが毛並みの違うトックリヤシ、このトックリヤシも知念村の体育館の敷地に植えてありますが、これも全滅、こういう状態であります。
 それで、まずお尋ねしたいことは、実態調査をなさったのか、なさったとするなら対策はどのように講じておられるか、このことをお聞きしたい。
○政府委員(松田堯君) 被害の状況、その原因また対策につきまして、現在実態の把握を行っているところでございます。
 街路樹でございますし、建設省とも十分協議しながら調査、対策等を講じていきたいと考えております。
○喜屋武眞榮君 そこで、私がお聞きをしたい次のことは、なぜこのタイワンカブトムシが異常発生しておるのか、その原因は何なのか、それから経路、どこから来たのか、このことをまず尋ねたいんです。その点いかがですか。
○政府委員(松田堯君) 当然のこととして、どういう経路からタイワンカブトムシが入ってきたのか、また異常発生をした原因は何なのかということを解明いたしませんと対策等が講じられないわけでございますので、早急に調査、対策等を講ずるようにいたしたいと考えます。
○喜屋武眞榮君 対策の面から、この害虫の特殊性といいますか特性といいますか、表面だけの薬剤散布では十分な効果は上がらない、内部を食い荒らして、空洞をつくってヤシの幹をつぶしていく、こういう特性を持っておるようでありますね。
 私は特に、ヤシ並木の害虫のカブトムシのことを聞いておるわけですが、どうしても次にお聞きしたいことは、沖縄の松くい虫のことも、実は沖縄の基地の中の金網の中の森林、基地の外、そういう関係もあって松くい虫の始末に対しても非常に手をやいておるわけなんです。いつでも基地内から松くい虫が発生して基地の外に広がっていく
経路があるわけです。その松くい虫の現状は今どのようになっておりますか、お聞きしたいと思います。
○政府委員(松田堯君) 沖縄県におきます松くい虫の被害につきましては、四十八年度に発生をいたしまして、その年の発生量は約千立方でございましたが、その後徐々にふえまして、五十七年度には約一万七千立方と被害のピークに達したところでございます。その後被害対策等を講じておりますので、六十一年度の被害量につきましては三千立方ということでピーク時の約二割の状況になっております。
○喜屋武眞榮君 特に基地の中と外の関係、基地の中に自由に出入りもできないという点、それから時間的な経過がある、そして発生は基地の中から、それもアメリカの松材とか外材を入れたそれが原因ではないかと疑われておるんですが、はっきりした確証は持っておりませんが、その経路や原因はどのように理解しておられるんですか。
○政府委員(松田堯君) 米軍施設内におきます松くい虫の防除につきましては、原則として米軍が実施することになっております。米軍が実施しない場合におきましては、防衛施設庁において実施をいたしまして防除の徹底を期すことになっております。これが推進されたために、先ほど申し上げましたように被害量がピーク時の二割になったということでございます。
 米軍施設内の防除と民有林における防除が調和した形で実施される必要がございますので、今後とも連絡協議会等の場を通じて連携をとりながら防除が行われるよう県を指導してまいりたいと考えております。
○喜屋武眞榮君 私が、沖縄に起こる、時々刻々に発生する問題をとらえて政府に対して強く要望しておるその背景は何なのかということを絶えず考えていただかなければいけない、こういうことを申し上げたいんです。ということは、膨大な基地を抱えておる、これも何としても異常ですよ。沖縄だけがこのような基地を持つべきじゃない、本土並みだ、だったら基地も拡散すべきである、こういう考え方を我々県民はみんな持っておる。
 ところが、基地の面もさることながら、現実に七五%の機能が沖縄に集約されておるでしょう。空からも爆音、騒音がもうたまらない。演習の被害がまた事故、事件となって発生しておる、たまったものじゃない。そういう沖縄の現状に戦々恐々としている。だから基地整理縮小、基地撤廃と、こういう叫びが広がりつつある。かてて加えて、虫までも県民の体を、心を食いつぶそうとしておるという、たまったものじゃない。こういうことなんですね。このような沖縄になり果てるのも日本政府の沖縄に対する理解と認識の不足、このことがさらにプラスアルファしておるということを私は強く言いたいんです。
 ですから、政府の力によってなし得ることは、可能なことは、言われなくても進んで愛情を持って誠意を持って沖縄を見ていただき、そうして施策に反映してもらわなければ、ますます沖縄はハチの巣をつついたように、空からも海からも陸からも、安心して一日だって安泰、安心、安定、こういう沖縄の基盤に県民は戦々恐々としておるということを、この問題一つとらえてもそのように沖縄は痛めつけられつつある。これは日本政府が沖縄をどう認識するか、理解するか、その心が沖縄問題解決の原点であるということを私は強く申し上げたいと思います。
 大臣にコメントを求めて、私の質問を終わります。
○国務大臣(佐藤隆君) 今おっしゃる御意見は承りました。
 冒頭、私が答弁の中に申し上げておりますように、沖縄の今日までの歴史的経緯ということを申し上げておるわけでございまして、そういう意味から十分な配慮が必要である、こういうことを抽象的ではありますが、もろもろのことを含めて私も答弁をしておるわけでございますので、その心を知っていただければありがたい。
 以上であります。
○委員長(岡部三郎君) 他に御発言もなければ、本案に対する質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岡部三郎君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○諫山博君 私は、日本共産党を代表して、森林開発公団法の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。
 反対の理由は、今回の改正案が、NTT・Aタイプ事業を新たに導入することとしていることです。NTTプロジェクトはもともと、日本電信電話公社の民営化を固定するばかりか、本来国債の償還財源にすべきものを他に流用するという反国民的性格を持っております。その上今回のNTT・Aタイプ事業は、第一に、本来、国が負担あるいは補助すべき事業に融資という方式を持ち込むものであり、治山・林道整備事業の制度的変質をもたらすおそれが強いものであります。第二に、返済を前提とするために、公共事業の収益化、営利化を促進し、その性格をますますゆがめるものとならざるを得ません。
 以上が、本改正案に反対する理由であります。
○委員長(岡部三郎君) 他に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岡部三郎君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより採決に入ります。
 森林開発公団法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(岡部三郎君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岡部三郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時二分散会