第112回国会 決算委員会 第6号
昭和六十三年五月二十三日(月曜日)
   午前十時開会
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   委員の異動
 五月十六日
    辞任         補欠選任
     陣内 孝雄君     鈴木 省吾君
 五月十七日
    辞任         補欠選任
     小野 清子君     河本嘉久蔵君
     海江田鶴造君     守住 有信君
     鈴木 貞敏君     福田 幸弘君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         穐山  篤君
    理 事
                井上  裕君
                大島 友治君
                杉山 令肇君
                柳川 覺治君
                菅野 久光君
                峯山 昭範君
    委 員
                井上  孝君
                板垣  正君
                沓掛 哲男君
                斎藤栄三郎君
                鈴木 省吾君
                寺内 弘子君
                永野 茂門君
                福田 幸弘君
                二木 秀夫君
                松尾 官平君
                宮崎 秀樹君
                一井 淳治君
                及川 一夫君
                田渕 勲二君
                丸谷 金保君
                片上 公人君
                刈田 貞子君
                佐藤 昭夫君
                橋本  敦君
                関  嘉彦君
   国務大臣
       通商産業大臣   田村  元君
       国 務 大 臣
       (経済企画庁長
       官)       中尾 栄一君
   政府委員
       内閣参事官
       兼内閣総理大臣
       官房会計課長   河原崎守彦君
       内閣官房内閣広
       報官室内閣広報
       官
       兼内閣総理大臣
       官房広報室長   宮脇 磊介君
       防衛庁装備局長  山本 雅司君
       経済企画庁長官
       官房会計課長   安田  靖君
       経済企画庁調整
       局長       横溝 雅夫君
       経済企画庁国民
       生活局長     海野 恒男君
       経済企画庁総合
       計画局審議官   宮本 邦男君
       通商産業大臣官
       房総務審議官   山本 幸助君
       通商産業大臣官
       房審議官     末木凰太郎君
       通商産業大臣官
       房会計課長    牧野  力君
       通商産業省通商
       政策局次長    吉田 文毅君
       通商産業省貿易
       局長       畠山  襄君
       通商産業省産業
       政策局長     杉山  弘君
       通商産業省立地
       公害局長     安楽 隆二君
       通商産業省生活
       産業局長     鎌田 吉郎君
       工業技術院総務
       部長       山本 貞一君
       資源エネルギー
       庁長官      浜岡 平一君
       資源エネルギー
       庁公益事業部長  植松  敏君
       特許庁長官    小川 邦夫君
       中小企業庁次長  広海 正光君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小島 和夫君
   説明員
       法務省刑事局公
       安課長      頃安 健司君
       外務省北米局安
       全保障課長    岡本 行夫君
       外務省中近東ア
       フリカ局審議官  小原  武君
       自治省行政局選
       挙部管理課長   岩崎 忠夫君
       会計検査院事務
       総局第一局長   疋田 周朗君
       会計検査院事務
       総局第五局長   三原 英孝君
   参考人
       中小企業金融公
       庫総裁      渡辺 喜一君
       中小企業信用保
       険公庫総裁    片山 石郎君
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  本日の会議に付した案件
○昭和六十年度一般会計歳入歳出決算、昭和六十年度特別会計歳入歳出決算、昭和六十年度国税収納金整理資金受払計算書、昭和六十年度政府関係機関決算書(第百八回国会内閣提出)(継続案件)
○昭和六十年度国有財産増減及び現在額統計算書(第百八回国会内閣提出)(継続案件)
○昭和六十年度国有財産無償貸付状況総計算書(第百八回国会内閣提出)(継続案件)
○継続審査及び継続調査要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○委員派遣に関する件
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○委員長(穐山篤君) ただいまから決算委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る十六日、陣内孝雄君が委員を辞任され、その補欠として鈴木省吾君が選任されました。
 また、去る十七日、小野清子君、海江田鶴造君及び鈴木貞敏君が委員を辞任され、その補欠として河本嘉久蔵君、守住有信君及び福田幸弘君が選任されました。
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○委員長(穐山篤君) 昭和六十年度決算外二件を議題といたします。
 本日は、通商産業省、経済企画庁、中小企業金融公庫及び中小企業信用保険公庫の決算について審査を行います。
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○委員長(穐山篤君) この際、お諮りいたします。
 議事の都合により、これらの決算の概要説明及び決算検査の概要説明は、いずれもこれを省略して、本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(穐山篤君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
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○委員長(穐山篤君) それでは、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○一井淳治君 特許庁では、ペーパーレス計画を現在お進めのようでございますけれども、それにつきましては弁理士の意見、特に地方の弁理士の意見を十分に聞いていただきたいと思うのでございますけれども、いかがでございましょうか。
○政府委員(小川邦夫君) 御指摘のとおり、ペーパーレス計画を現在進めておりますけれども、弁理士の意見を十分反映すべきことは当然でございまして、私どもこれまでも弁理士会等を通じて弁理士の意見を広く伺っておったところでございます。ただ、御指摘のように、さらに今後どんどん具体化していく過程で、さらに意見をよく聴取せよという御指摘はまことにもっともだと考えておりますので、今後とも弁理士会等を通じ、広く地方を含めて弁理士の意見を吸い上げる努力をしてまいりたいと思います。
○一井淳治君 ペーパーレスの状態によりますと、地方の弁理士あるいは地方の企業からの出願が非常に困難になって、中央集権化がますます進むということもあり得なくもありませんので、地方の活性化という観点からも十分な御検討をお願いしたいというふうに思います。それから次は、最近特許庁の方では弁理士制度の改善の検討を行われているように聞いておりますけれども、やはり弁理士の問題でございますから弁理士会と事前に十分協議をお願いしたい。そういった弁理士会の要望を十分徴した上で進めていただきたいというふうに思うわけでございますけれども、その点いかがでございましょうか。
○政府委員(小川邦夫君) 弁理士制度につきましても、最近の工業所有権の海外を含めた諸情勢の変化、あるいは特許庁が進めておりますペーパーレス計画の進展という大きな環境変化が弁理士にとっても起こっておるわけでございますので、弁理士制度のあり方というものを長期的な観点から抜本的に検討すべきだということで、特許庁も今その問題に取り組んでおります。
 もとより、弁理士という当事者の問題でございますから、弁理士会等を通じて弁理士の皆様方の御意見を十分聴取することは当然でございます。現在も緊密に意見聴取の場を頻繁に持っておるところでございますが、今後ともこの点については十分さらに弁理士会等の意見を伺いながら具体策を検討してまいりたいと考えております。
○一井淳治君 健全な工業所有権制度が行われるためには、やはり弁理士制度が充実していなくちゃならないわけでございます。それからまた、非常に長期的な課題でもあるということでございますので、どうか弁理士会の意見を十分にお聞きいただきまして、役所側の発想だけで一方的に進められないように要望いたしておきたいと思います。
 それから次に、工業所有権につきまして、出願から登録までに要する時間でございますけれども、特許、実用新案を例にとりますと、大ざっぱに言いますと平均して、これは六十一年ごろでございますけれども、三年八カ月ぐらいを要しておるんじゃないか。そして、一度拒絶理由通知がまいりますと、四カ月ぐらい延びるという平均的な数字があるようでございます。最近これがさらに延びる傾向があって、五年後には審査を要する期間が五年余りになるんじゃないかというふうにも言われておるように聞いております。いずれも特許庁の方から聞いておりますので間違いないと思います。こういうふうに非常に審査のおくれが目立つようになってまいりましたけれども、これまで国内からも審査の促進という要望が強く出ておったと思うんです。こんなふうになってまいりますと、国際的にも貿易摩擦等で強い非難が出てくるんじゃないかという心配もいたしますけれども、国際的な非難という点はどんな状態でございましょうか、簡単で結構でございます。
○政府委員(小川邦夫君) ただいま先生御指摘のとおり、大量出願、審査すべき出願内容の複雑さというようなことが累積いたしまして審査期間が遅延しつつあると、御指摘のような年月という試算も現に私ども持っておりまして、非常に事態は心配な状態であることは御指摘のとおりであります。
 御質問の海外からの批判も出ているではないかという点、そのとおりでございまして、ガットの場でもヨーロッパ諸国から、審査遅延問題は日本の特許制度の問題であるから、それを解決すべきではないかという指摘が出ております。またアメリカでは、例えばUSTRがその貿易障害関係のレポートを昨年十一月発表しましたわけですが、その中でも大量の出願あるいは特許庁の審査遅延というものはやはり貿易障害にもなりかねない問題であるという指摘が出ておりまして、外国からもその点は指摘を受けておりますので、私どもとしては全力を挙げて審査遅延への対処策に取り組む必要があると考えております。
○一井淳治君 その対策でございますけれども、やはり審査官の大幅増員ということが必要ではないか。この段階で本格的に取り組んでおかないと、交通渋滞でございませんけれども、渋滞が渋滞を呼ぶということで、取り返しがつかない状態になるんじゃないかということを非常に心配するわけでございます。
 昭和五十五年には九百五人おられた審査官が六十二年には八百五十七人まで減るという状況があるわけでございますけれども、こんなことでは非常に困ったことではないか。純増の御努力をいただきたいと思います。できない場合にも、省内の振りかえででも何とか急場をしのぐ方策を立てていただかなくちゃならないんじゃないかというふうに思いますけれども、審査官の大幅増員についての御見解をお伺いしたいと思います。
○政府委員(小川邦夫君) 定員削減計画が政府全体で行われている中でございまして、私ども審査官の増員要求についても年々努力しておるわけでございますが、増員の一方で定員削減というものが引き算として引く結果が、御指摘のようにトータルとしては年々数人ずつではあるにしても減っておる状態であります。私どもはこのような状態を決して満足できるものではないと思っておりまして、やはり増員については欧米と同じように思い切った努力を特許庁としてしなければならないと考えております。もちろん、公務員定員の制約の中での話でございますので、その枠組みの中でどこまでできるかというのに非常にドラスチックな措置ということはなかなか難しゅうはございますが、与えられた枠内では最大限の努力をすることは当然だと考えて今後とも努力してまいりたいと思います。もちろん、人の増加だけですべて問題が解決つかないことも明らかでございますので、ペーパーレス計画というコンピュータリゼーションによって、何とか審査の効率を上げるなどの手段もあわせ講ずることによって、何とか審査の遅延を解決する努力は総合的にしてまいりたいと考えております。
○一井淳治君 マイナスシーリングが非常に長期間続いておりまして、その矛盾がだんだんと激しくなっているという状況があると思います。この審査官の問題もその一つだと思いますけれども、何とかことしあたりから概算要求基準も多少は例外を認めるという方向の御努力もお願いしながら、審査官の増員について一段の御努力をお願いしたいというふうに思います。
 それから、昭和六十一年度の例を見ますと、我が国の国内出願の五六%を出願上位百社が占めておるという状態でございます。過去十年間の出願件数の増加の七〇%以上がこの上位出願百社の出願の伸びによるという状態であるということを特許庁の方からお聞きしておりますけれども、この上位百社の公告率はどの程度なのでございましょうか。
 それからまた、これら上位百社というのはいず
れも大企業であると思いますけれども、十分調査能力も大企業ですから持っておるはずでございます。私は弁護士をしておりますけれども、負けるがわかっておって裁判を起こすような者いないわけです。やはり出願が将来特許になるという確信を持って出願するように、もう少しまじめに出願するように強力な指導をいただくということが必要ではないかと思いますけれども、この点はいかがでございましょうか。
○政府委員(小川邦夫君) 上位百社の公告率は特許でまいりまして五四%、実用新案で五〇%という数字でございまして、これは確かに先生御指摘のように、上位二百一社以降の企業との比較においても低めの公告率であると思います。ただ、これらの上位企業に対しましては、昭和六十年度から公告率を引き上げるべく特許管理行動計画というものをつくっていただいて、できるだけ上げる努力をお願いしてきたわけでございまして、上昇のきざしはトレンドを追って見ますと出ておるわけでございます。
 しかし、御指摘のようにそれで十分かと申しますと今のような審査遅延の心配がある中では、この程度ということではなくて、さらにさらにこういった上位の企業方には特段の汗をかいていただきまして、いわば公告率が結果として高くなるように審査請求等を絞っていただくということを改めてお願いしようとしておりまして、目標としては公告率八〇%相当の重点的審査請求をやっていただくということで、実は今月からトップ経営者方と直接私自身お会いしながら御協力をお願いするというシリーズを展開したところでございます。
○一井淳治君 それから、出願とか審査請求の手数料でございますけれども、今問題になりましたように、上位百社が出願の中で占める割合が非常に多いわけでございます。大企業と小規模企業、個人とで手数料に差を設けるということも次の手数料の改定時期からは検討していただいたらいいんじゃないかと思いますけれども、いかがでございましょうか。
○政府委員(小川邦夫君) 御指摘の点につきましては近時手数料改定の際にも御議論いただいた点でございますけれども、どうも国の手数料に関する一般原則が行政コストを勘案して適正な金額を算出する、したがって、それによって決めた一件当たりの手数料というのはそれに相当するコストを反映したものという考え方が基礎にございますので、それを出願者側がだれであるかということによって料金を変えることはなかなかなじみにくいという問題がございまして、現在一本の料率になっておるわけでございます。
 今後の課題という御指摘でございますから、この点については承っておきたいと思いますが、御理解賜りたいのは、そういった手数料の全体の仕組みの中でなかなか対応は難しいということでございます。ただし、中小企業の方々にとっては特許より実用新案制度を御利用なさる場合が総体的に多い。実用新案の方の手数料は特許に対して何割か安くなっておりますので、総体的な負担としては中小企業にとって特許、実用新案関係の手数料負担は軽いという面がございますことと、もう一つは歳出サイドにおきまして、中小企業、個人に対しましてはいろんな特許情報活用というような面での指導、奨励事業というものをやっておりまして、そういった形で間接ではございますが、裨益する措置もあわせ講じておる、そういった全体の中では中小企業、個人への配慮をさせていただいているという点もあわせ御理解いただきたいと存じます。
○一井淳治君 この手数料に差を設けるということで一番進んでおるのは、私は進んでおると思うんですけれども、アメリカでございます。半額ぐらいの差ができておるわけでございます。日本もアメリカも同じように個人を平等に尊重するという基本的な憲法のもとで法制度ができておるわけでございますけれども、我が国におきましても例えば中小企業を助成するとか、あるいは税制上いろいろと差別を設けるということは行われておるわけでございます。やはり制度の目的が公共性が高度で十分に区別を設けるだけの理由があるかどうか、理由が納得できるかどうかという点が基本であると思います。現在みたいにとても激しい渋滞下におかれまして、しかも大企業が非常に横暴と言えば言葉が過ぎるかもしれませんけれども、大量の出願をして、それが全体の渋滞を来しているという状況が現にあるわけでございます。また手数料というものは国の費用であるという反面、またいいかげんの出願をさせないという意味もあるわけでございますので、手数料を高くするということは出願を抑えるということで、いろいろ合理的な理由があると思います。その場合に中小企業に高くすると中小企業の振興上非常にぐあいが悪いので大企業だけ高くする、区別を設けるということも十分合理的な理由があるんじゃないかと思います。
 そういうことで現在ペーパーレス計画が進行しておりますけれども、だんだん長期化しているような状況もあるようでございまして、手数料の改定ということもあるいは近く考えられるようになるんじゃないかと思います。そういう時期にはぜひとも積極的にその点を検討いただきたいというふうに思います。
 それから次に、サーチ、先行技術調査の問題でございますけれども、日本で一番おくれているのがこの部門ではないかというふうに思います。このサーチにつきましては相当高度の専門知識を要しますし、また費用もかかり過ぎではないかというふうに思います。早く簡単に安く先行技術の調査ができるというふうになりますと、現在の出願の渋滞ということを整理していく上にも非常に有益ではないかというふうに思うわけでございます。この先行技術の調査についてどのようになさっておいきになるのか、その点についてお伺いしたいと思います。
○政府委員(小川邦夫君) 確かに御指摘のように特許の資料、文献についてのサーチは非常に困難でございまして、現在日本でも三千五百万件、数年後には五千万件の巨大なボリュームの情報をサーチしなければならない。そういう意味では確かに専門知識と費用というものを必要とする世界でございます。
 今まででは確かに負担もかかる、時間もかかるという問題がございましたので、現在特許庁として行っておりますのは、ペーパーレス計画の一環としてでございますけれども、効率かつきめの細かいサーチを、もっとうまくできる新しいサーチシステムを開発しようということで、Fターム検索サーチンステムと称しておりますが、これを現在構築中でございます。一部は六十四年度をめどに出願人の方々等に御利用いただけるように今一生懸命努力しておりまして、それが年を追ってどんどん分野も広げていくという形でこういうよりすぐれたサーチシステムの民間利用というものを進めていくことにしております。そして日本特許情報機構、JAPIOと略称しておりますが、ここでもPATOLISというものを今までサーチシステムとして供給しておりました。これについての使い勝手もなお改善の余地ありという御指摘もございますけれども、現在この機構でもPATOLISIIIということで今申し上げました特許庁のFターム検索データなども織り込みながら高度の、高機能の検索システム構築に取り組んでおるところでございます。こういった諸施策をより早く進めることによりまして、御指摘のようなより迅速に安いコストでサーチができる体制をつくり上げていきたいと考えております。
○一井淳治君 現在のサーチの制度は大変高度の専門知識を要しまして、例えば私は岡山の出身でございますけれども、岡山県下でこれを使いこなせる人は果たして五人いるだろうかというふうな心配もしておるわけでございます。今後は高等学校を卒業しておるぐらいの人であれば利用できるぐらいの方法を考えていただきたい。それからまた、費用の方も高くても一万か二万かぐらいで大衆的にできるような方法をぜひとも完備していただきたいということを要望いたしまして、私の質
問を終わりたいと思います。
○及川一夫君 まず第一にお伺いをいたしますが、通産省関係は事の性質上業界との関係が特に深いように思われます。そういう意味で原子力関係などについても大変力を入れておられるようです。とりわけ原子力問題に対する理解を深めるためにかなりの力を宣伝という意味で入れるというふうにもお聞きをし、またそういう決定をなされているということも聞くわけですが、とりわけそのこととの関係でお尋ねをいたしますと、一つには、政府の宣伝ということになりますと総理府の広報室の問題が出てまいるかと思います。したがって、恐らく通産省と広報室が相まってPRに努めるという措置をとられるのでしょうが、その場合に、一つには、通産省にかつて撚糸工連事件なるものがありました。汚職の問題であります。通産省として、汚職が起き得ない、起こしてはならない、こういう体制の問題について、あの事件以来、また今回の総理府の広報室の汚職という問題をめぐって、どんな考え方の上に立って対策を立てられているか、それについてまずお伺いしたいと思います。
○国務大臣(田村元君) 突然の御質問なので担当者が来ておりませんので、私から概略お答えをいたしたいと思います。
 原子力発電に関する広報活動は、先般も私が九電力の責任者を呼んで、広報活動を十分にしていただきたい、賛成、反対いずれにしても、国民の多くは原子力発電というものを率直に言って深く理論的に知っておるわけではない、だからその安全性というものについて十分の広報活動をしていただきたい、政府としては政府なりに広報活動をやることはもう申すまでもないけれども、とにかくあなた方の自主的な広報活動をお願い申し上げたいということを私がお願いをしたということであります。政府の広報活動というものと電力業者の広報活動というのはちょっと関係がないわけでございますけれども、関係があるとすればお互いにやりましょうということでございます。
○及川一夫君 汚職に対する対応策について若干連絡の不備がありましたから次の機会に譲ることにいたしまして、これに関連をしまして、総理府の方がおいでになっていると思うのですが、ただ一点だけちょっとお伺いしておきたいのであります。
 それは、総理府の広報室における汚職がどうしてああいう形で起こったのかということの問題点と、さらには今後の対策ということが大きな問題になるんですが、それを論じていく上に当たりまして、一体総理府の最高責任者はどなたですか。総理府には、名前を挙げてみますと、内閣総理大臣がトップで、次に官房長官があって、二名の副長官があって、そして次長があって、審議官があって、課長と室長が並んでいて、その上に参事官となっているわけですね。新聞の報道によれば、何か橋本という容疑者がすべて契約、支出を一人でやっているような形のものに実はなっているんですが、同時にまた、総理府の職務内容というんですか、そういうものをずっと見てみますと、とりわけ会計課には契約という字がない、そして契約支出担当官というものは別に任命されるようになっている。その中には契約という言葉があるが、これも実施計画を大蔵省に出せということであって、どうも一つ一つのことについて契約をし支出行為を参事官がやるようには見えないんです。いずれにしても総体的にこれから総括の際に少し議論もしたいというふうに思っていますので、責任体制という意味で、総理府の方に、最高責任者はどなたで、そして会計にかかわる責任者は参事官一人なのか、それともその上のポストの人どなたかおられるのか、その辺をひとつ明らかにしていってもらいたい。
○政府委員(宮脇磊介君) お答えをいたします。
 二つのことを分けまして御説明させていただきたいと思いますけれども、一つは政府広報に関する責任が一つでございます。政府広報につきましては総理府の広報室がございまして、そこが中心になりまして各省庁の広報担当者と連携を緊密に保ちつつその業務を推進しているところでございます。それについての当面の責任者は総理府広報室長、私でございまして、その上には、組織的には総理府の次長、あるいは内閣の関係では官房副長官とそれからその上に官房長官、さような格好になっております。
 それから、ただいま及川委員のお話の中で、言葉じりを云々するわけではございませんけれども、広報室の汚職というふうにございましたが、これは広報室に出入りの業者に係る汚職でございまして、広報室そのものの汚職ではございません。収賄の容疑者として逮捕されております橋本管理室長は総理府の管理室長でございまして、これは広報室とは業務上関係のないポストでございます。前に、前任が会計課の参事官をやっておったというようなことで現在問擬をされておるようでございますけれども、その点区分けをして御理解いただきたいと思います。
 なお、この汚職事件のよって立つ基盤というものがどこにあったかということにつきましては、私ども広報室といたしましても重大なかかわりがございますので、人事管理の面、会計課の契約の面、あわせて現在官房副長官を長とする委員会におきまして鋭意検討を進めているところでございます。
 なお、契約の分については会計の方からお答えいたしたいと思います。
○政府委員(河原崎守彦君) お答え申し上げます。
 まず会計課の職務でございますが、確かに契約という字は入ってございませんけれども、組織令におきますと、「経費及び収入の予算、決算及び会計並びに会計の監査に関すること。」とございまして、この中に読むということでございます。
 その際、会計機関でございますが、これは各省各庁の長、すなわち総理府の場合は総理大臣から任命をされまして、支出負担行為担当官というものが会計をつかさどる。これは総理府におきましては会計課といいますか、参事官が担当しておるわけでございます。それから支出官というのがございまして、これは会計課長が担当をいたしておりまして、両者はいわゆる牽制関係と申しますか、お互いにチェックする関係になっておるわけでございます。それから一般的な事務といたしまして、総理府の本府の組織令から、参事官には特命事項と申しますか、特に命じられました重要事項というものがございまして、これが会計課の参事官の場合は会計に関することということになってございます。
 そういう仕組みでございまして、なお、ちなみによその省庁におきましても、例えば総理府に置かれました外局におきます会計機関の設置状況を見ますと、課長以外の会計課に管理職が置かれます場合は、参事官と類似の官職にある者が支出負担行為担当官というものの委任を受けている場合もございまして、その辺でよその省庁と比べてそんなに変わったこともないというふうに考えてございます。
○及川一夫君 きょうは通産省の議題ですからこれ以上論議はいたしません。ただ一言だけ申し上げておきますが、私も言葉の使い方について、それから問題の把握についていろいろ気配りはしなければいけないというふうに思っております。しかし、全体的には政府の広報活動そのものに対する信頼を失うような事態になってしまった、こういうことは言えるわけでありまして、そういった点では広報室の事件ではないかもしらぬけれども、広報室の皆さんもどちらにしても同じ仕事をやる立場にあるわけですから、全体的な責任というものを感じて再びこのような事態が起こらないようにするためにどうするか、そのために知恵を絞るということが私は視点だろうというふうに思っています。そういう立場から自後問題を提起していきたいと存じますが、きょうはこの問題について極めて我々としては遺憾であり、同時にまた、問題がどう処理をされるのか、今後の課題の問題としては黙視できない問題であるという態度だけ表明をして、次に移りたいと思います。
 次に問題としてお聞きしたいんですが、それはゴルフ場の問題、建設はもとよりでありますけれども、最近ではゴルフ場の運営あるいは経営そのものといいますか、それ自体について大変問題が多くなってきているように私は理解をしているわけです。問題を提起してもそれ自体が政治の面でどのように取り扱われていくのか、その前にどの省庁がこの問題の所管省庁ということはなるのか、産業振興課というのが通産省におありなそうですが、どうもここらしいと、こんなふうにも聞いているものですから、ぜひ通産の段階で問題を取り上げようというふうに思っているんです。通産省として、私が今そういうとらえ方をしていますが、それでよろしゅうございますか。
○政府委員(末木凰太郎君) 先生お尋ねのゴルフ場に関する役所間の関係でございますが、かなりたくさんの役所が関係しております。御指摘のようにゴルフ場経営というものも一つのサービス産業でございますので、サービス産業としてのゴルフ場の健全な発展、その経営の合理化とかその他健全な発展をどうやって図っていくかという御点からは私ども通産省でお世話しているわけでございます。
 しかし、そのほかにこれはかなり施設面にいろいろ規制がございまして、正確に一つ一つ私詳細承知しておりませんけれども、関係する法律だけでも二十を超える法律があるようでございます。ゴルフ場の造成に関しまして、例えば河川敷であれば河川法とか、あるいはこれはそう多くはないと思いますが、都市計画区域であれば都市計画法とか、あるいは山林関係であれば森林法ですとか農地法ですとか、あるいは自然公園との関係で自然環境保全法等いろいろな法律が関係してまいります。そういう意味で開発規制という観点からは建設省、農水省あるいは環境庁、さらにまた地方自治体が条例等でいろいろ関与しているところでございます。またこれを競技とかスポーツ、体育とか体位の向上とかこういう観点から考えればこれは文部省も関係してまいります。
 しかし、繰り返しになりますが、先生がただいま御指摘になりました経営、事業の振興という観点からは、通産省の、先生は産業振興課とたしか今おっしゃったかと思いますが、産業政策局のサービス産業室というところで取り扱わさしていただいております。
○及川一夫君 きょう取り上げる問題としてはゴルフ場の運営、経営ということに主に主体を置くことになろうかと思いますので、通産省に問題提起をしても十分受けとめていただけるという前提で申し上げたいと思います。
 まず、ゴルフ場ないしはゴルフ場の経営、運営問題について、過去国会でも何回か取り上げられたことがあるというふうに私は認識をいたしておりますが、通産省ではその点いかがお考えでしょうか。
○政府委員(末木凰太郎君) 私ども記憶している限りでは、確かに国会でいろいろな委員会でお取り上げいただいております。概略整理して申しますと、私どもの一番関係深い問題から申しますと、ゴルフ場経営が適切に行われているか、この適切といいますのは、利用者といいますか消費者といいますか、その利益の保護という観点から、経営に遺憾な点はないかという観点の御審議がございました。それから今度は開発に関連いたしまして、これは先ほど申し上げましたように開発規制は私どもの関係ではございませんけれども、開発規制が適正に行われているか。これは、詳細は他省庁のことでございますけれども、適切に行われているかと申しますのは、必要な規制がちゃんと行われているかという観点もあったろうと思いますし、あるいは規制が厳し過ぎて、そのために今や国民大衆のスポーツになっているゴルフ場の供給といいますか十分な開設が行われないおそれはないかとか、造成に関してはそういった御質問、御審議があったように思います。私どもとしましては、消費者保護とか業界の健全な経営が行われているかという観点から何回か御審議いただいております。
○及川一夫君 その国会論議の中で、与野党を通じまして議員立法という案が成立をしたという経過があるようですが、その内容については把握されておりますか。
○政府委員(末木凰太郎君) かつて先生方の間でそういう御議論があり議員立法の話が出ていたことは記憶しておりますが、たしか、ただいまの私の記憶では四十八年か四十九年、かなり古いことでございます。したがいまして今詳細は記憶しておりませんが、そういう御議論があったことは承知しております。
○及川一夫君 その議員立法、並びに、当時の中曽根国務大臣もこの論議にどうも加わっているようなんでありますが、政府の立場にあってゴルフ場問題についての検討作業を命じたということと、それから与野党を通じての議員立法という作業も進められて、一たんは国会に提案をされたんですけれども、わずか二カ月ぐらいの間にそれがつぶれてしもうたというどうも経過になっているようであります。内容的にもゴルフ場の建設の規制ということが主体であったようですが、しかしさらに一歩突っ込んで、会員の保護の問題であるとかあるいはまたゴルフ場の運営と経営の関係に対する規制ということなんでしょうね、こうあるべきだ、こういうことがあってはならないということがあるわけですから、規制という意味も含まれているんでしょう。どちらにしても私から言えば、会員保護のような立場で論議をされてまとめられたという経過があるんですが、残念ながら他の法律案との関係を含めて国会運営の中で、その国会では立ち消えになった。
 その後、再び出てくるのかと思っていろいろ会議録を調べてみたんですが、その後一切出てまいっておりません。これは今お答えがあったように、四十八年から四十九年にかけての一年間の話でございますから確かに古い話であります。ただ、問題にしたいのは、当時のゴルフ人口と、あるいはゴルフというものが今日の国民の中ではかなり大衆化されている、しかも問題が山積をしているんではないかと私は思っているわけでありまして、そういう点で、一体通産省としてゴルフ場にかかわる問題について、現状のまま放置しておいていいのかどうか、この辺のことについてひとつお伺いしておきたいと思います。
○政府委員(末木凰太郎君) 四十八、九年ごろの御議論もございましたので、あるいはまた御指摘のように非常に大衆の利用するところとなってきまして、国民みんなのものになってきたという背景を踏まえまして、以後通産省においても通産省の責任分野において勉強してきておりますし、業界の情勢、様子もウオッチしております。ただ、ゴルフ場業というものを一つの業としてとらえまして、その総合的な立法を行うということにつきましては、全般的な規制緩和という政府の方針もございますし、ゴルフ場だけについてそのようなことを現在考えてはおりませんけれども、しかし、いろいろ国民が広く関係するサービス業がございますので、そういったサービス業の共通の問題の勉強を私どもここ数年鋭意やってきております。そのサービス業の中の主要なものの一つとしてゴルフ場業というものも入っておりまして、そういう観点からここ二年ほど勉強をしてきておるわけでございます。
 具体的には、五十九年の末からでございましたけれども、いわゆるサービス業をめぐる消費者と業界とのトラブルの防止のために、研究会を設けまして一年半ほど勉強をいたしました。その結果、六十一年五月に報告をいただいておりまして、その中に、ゴルフクラブでありますとかリゾートクラブでございますとか、あるいはそのほかのいろいろなアスレチッククラブ、ヘルスクラブ等、こういったものを全体まとめて共通的に考えますと、いわゆる会員制に伴うサービス業でございまして、こういったものの問題点を勉強いたしました。御参考までに、教養講座とか学習塾とか、そのほかのものも勉強いたしましたけれども、本日のテーマに限って申しますと、会員権取引という観点からゴルフ場を含む幾つかの業種について
勉強をいたしまして、現在それを受けまして、施策面で、ステップ・バイ・ステップでございますけれども、実施に移しつつある段階でございます。
○及川一夫君 私も別に言葉じりをつかまえるわけじゃないけれども、規制というのと保護というのでは大分違うと思うんですね。私は、現状、ゴルフ場問題というのは野放しになっているという認識に立っているわけです。ですから危険がいっぱい。建設そのものにもあるかもしれない。これはかなり規制の面がいろいろありますし、自治体も含めてやっていますから、そう大層な問題にはなりそうではない。しかし、建設に当たっては大変な汚職があちこちで出ているということを考えると、これももう少し考えなきゃいかぬのじゃないかと思ってみたり、さらに会員という問題になってまいりますとそれこそ野放しじゃないか、何の関係があってこんなに高いものが売られ買われ、倒産すればみんなパアになってしまうという状態に置かれている、まさに規制どころじゃない、もう保護が一番先じゃないかというほどの実態ではないかという結論を自分で持っているわけです。ですから、今のお答えの中で、規制する気はない、許認可の問題については行革の立場からも緩和ということが言われているわけですから、というお話しなんですが、気持ちはわかるけれども、しかし、それとゴルフ場に絡む今の実態というものを見ると、野放しになっておるということは見逃すことができないんじゃないか、こんな気持ちなんです。
 そこで私も、自宅は船橋にいるものですから、関東全域、こういっても群馬県は除きましたけれども、神奈川、山梨、東京、千葉、こういったところのゴルフ場というものを一応、暇はないんですけれども、調べてみたわけです。四百八十二のゴルフ場があります。これを年代別でいきますと、昭和十九年までは十一であった。それが二十年代には、これはどういうわけか一カ所減って十。そして三十年代に百十七とかなりのふえ方。そして四十年代には百三十九になっている。それで五十年代には百六十四というような形にどんどんふえてまいりまして、トータル合わして四百八十二のゴルフ場があるということになるわけであります。これは例の商店などで売っているゴルフ場マップというんですか、あれを土台にして調べてみると、そういう実態になっておりまして、一番多いのが私が住んでいる、要するに千葉ということになるわけですけれども、それだけに非常に問題があるんじゃないか。
 さらには、スポーツとこうなっていますから、ビジター料は一体どのぐらいだろうということで調べてみますと、一万円以上ということに類しているのが四百八十二のうち二百九十四もあると。一万五千、二万円ということで見ますと約二百七十ぐらいあると。要するにこの半分以上は一日ゴルフをやるのに一万五千円から二万円、これもビジター料ですからね。キャディーフィーだ、あるいは施設利用費だ、あるいは利用税だというようなことをかけると、恐らく一万五千円のビジターなら二万円、二万円なら二万五千円という計算になるわけで、一日二万五千円、二万円かけてスポーツをやるという実態などを見て、果たしてこれからの日本の長生きを、あるいはまた仕事のやり過ぎという問題などが国際的にも取り上げられているという観点から言うと、それらにプラスになるような状態かどうかということについて疑わしい。
 あるいはまた、会員権の相場というものを見ましても、関東管内で五百万円未満というのはわずか六十五です。それ以下は五百万円以上、一千万、二千万、三千方、七千万というように、これは数は少ないんですが、一億五千万円とか一億五千万を超すものが合わせて十二もあるということで、どちらにしてもその半数以上ですか、もう四分の三ぐらいでしょう、五百万円では買えないというような、そういう会員権の実態になっています。
 同時に、いろんな週刊誌なんかでも紹介されているんですが、ゴルフ場建設に当たって、一体会員数というのはどのぐらいが常識かということになると、ワンホール百人だということになれば、十八ホールですから当然千八百人が限度です。どんなに多く見ても二千人が限度だと言われているにもかかわらず、十八ホールで三千人、四千人というような会員を抱えているところもある。一体幾らで売ったのかということを調べないとわからないんですが、どうもそのゴルフ場建設に、地方では四十億でできるそうですが、東京都下ではおおむね百二十億と言われておる。三倍の高さになっておる。だから、三倍の高値につくということは言えるかもしれません、土地の問題とかいろんなことあるもんですからね。しかし、どちらにしても、百二十億にしろ四十億にしろ、それだけの資金を集めてつくっておるならともかくとして、どうもその計算をしてみると、百二十億で間に合うものが二百億も二百五十億も金を集める、つまり、会員数を多くしている。このような実態も出ているということが数多く報告されているし、私もそんな感じが率直に言ってするわけであります。
 ですから、このように考えると、ゴルフ場そのものについて野放しにできないじゃないかということと同時に、会員の問題、これは大蔵省にもお聞きしなければいけないんですが、株でもない、配当も来ない。要するに出しっぱなしですわね。それで、会社がパアになればそれで終わり。しかも、会員がどのぐらいゴルフ場の経営について発言権を持っているかというと、ない。さらには、会社とゴルフクラブが別々になっておる。クラブの方は一体だれが選んでいるんだろうか。我々は全然関係しない。しかし、理事会があり、理事長がいる。こんな状態に、こういろいろなっているわけです。
 したがって、私から言えばもう野放し状態もいいところ、この問題をこのまま放置しておくことはできないという立場に立つんですが、いかがでしょうか。今把握されている情報と私が言ったことで間違い、あるいは誤解あるいは正しいというようなのがあるかもしれませんけれども、通産省として、そういう現状だとすればこのまま放置していいかどうかということについてお考えが出てくるだろうというふうに思うんです。いかがですか。
○政府委員(末木凰太郎君) 時間が余りないと思いますので、簡潔にお答えさしていただきますが、その前に私、先ほど規制云々のことを申し上げましたけれども、もちろん私どもは消費者保護、利用者保護という立場から必要なことはやらなければならないと思っております。
 そこで、最近のゴルフ場の趨勢でございますが、先生が関東について数字をお挙げになりましたけれども、全国的にも類似の傾向でございまして、戦前は社団法人によるものが主要なものでございました。最近急にふえておりますのは、いわゆる会員制でございます。預託金を出して会員になるという会員制で、これが全体の八十数%、九割近くを占めております。最近起きておりますいろいろな利用者保護の問題というのもその会員制に伴う問題でございます。今お挙げになりましたようなことは私どももほぼ同様な認識をしております。
 具体的に申しますと、会員制でございますけれども、会員の権利義務というのが一体どういうことなのかというのが実際にそれをお買いになる方に必ずしも明確になっていない場合が少なくない。そこで、例えば預託金にしましても、据置期間が過ぎたらば買い取ってもらえると思っていたら、一方的に預託期間を延長されてしまったとか、あるいはこのくらいの人数ならばこの預託金で価値があると思って入ってみたら、とんでもない数の会員がいて、これじゃ申し込んでも十分プレーができないので高過ぎるとか、そういった不透明性の問題がございます。
 そのほか、いろいろその会員制に伴う問題がございますけれども、これにつきまして、私どもも現状で放置しておいていいとは認識しておりませ
ん。改善の必要があると思います。
 改善の仕方につきましては、先ほどちょっと申し上げました研究会でいろいろ御検討いただいた結果、御報告いただいておりますので、その指摘をいただきまして、具体的に今着手しておりますのは、この業者の団体がございます。ゴルフ場事業協会というのがございまして、この協会に検討を依頼しまして、いわば会員制の場合の標準約款とでも申しますか、ゴルフ場経営の会社と預託金を払って会員になる方との間の契約には、契約書はこういうような形でつくるのが望ましいという標準的な契約書の案をこの協会で自主的につくってもらうように働きかけまして、今その原案ができております。その原案に基づきまして、業界内で検討している段階でございまして、その中には、例えば目標会員数はこのくらいだというのをきちっと明記するとか、あるいは預託金についてどういう条件でこれを預かる、どういう条件で返すとか、あるいはまた、そのほかその預託金といいますか、会員たる地位の譲渡とかはどうあるべきかとか、そのほか会員にとって重要な事項を明示するようにというのが主眼でございます。
 率直に申しまして、この事業協会は加入率が必ずしも高くはございません。しかし、まずはせっかくの団体でございますので、そこで自主的なルールを決めていただいて、会員に徹底を図る、そして私どもはアウトサイダーにつきましてはあらゆる機会をとらえまして行政としてできるだけそれに準じていくように指導していく、こういう順序でこの問題に対して改善を図っていきたいというのが現在のポジションでございます。
○及川一夫君 放置できないという立場に立って作業を進められているということですから、私も幾つかやはり意見を持っています。
 ただ、与えられた時間が限度がありますから、次の機会にそのことについては譲ることにいたしますけれども、もう今ゴルフ場問題というのは高齢化社会の問題とも関連をしてきまして、リゾート計画、地域の振興策にもなるわけです。こういうものとの関係でも大変大きな一つの実施事項案に要するになっているのが大変多いのではないかと思います。
 ただ一面、環境問題もありますし、さらにはゴルフ場をこれからつくるにしても、果たしてこれまでどおりのものでいいのかどうかということも問題があるような気がするんです。つまりプライベートということを前提にしたゴルフ場なのか、あるいはまたもう少し公的といいますか、パブリックコースのようなものを主にやるならそれを主にやるべきではないかとか、アメリカの実態からいっても約一万三千ほどあるそうですけれども、三分の一強、四千四、五百というふうに聞きましたが、これはすべてパブリックだというふうに言われているわけです。
 日本の国土は狭いわけですから、そう簡単にそういうぐあいにはならないかもしれませんけれども、しかし物の考え方、とらえ方という意味合いでいきますと、高齢化社会とも非常に大きな関連を持つものだけに、ゴルフ場のあり方あるいは会員保護の問題、そしてこんなところに何らかの金をつぎ込んでもうけようなどという発想、そういうようなゴルフ場であっては、それこそ我が国の国民の健康に対して本当の意味の維持を求めるような、あるいはまたそれを保証してあげるようなものにはなっていかないんじゃないか、こんなふうに考えていくと、この辺でゴルフ場全体の問題を少し考え直すべきだと思っています。私から言えば白書くらいつくって、みんなに問題を相談しかけるぐらいのことがあってもいいのではないか、こんな気持ちです。
 そうやってみますと、今度は通産省自体今のサービス産業室かなんかはスポーツも含めたものらしいんですけれども、どうもこちらから見てどこに相談したらいいのかわからぬような機構じゃちょっと困るんじゃないか。先ほどの答弁の内容からいえば、わずか二人や三人でどうもできるような仕事じゃなさそうだという感じがします。今のところは何か案をつくって業界に与えて、ひとり自主的につくってごらんなさい、こういうふうに言っているようなんですが、行政指導にも限度があります。同時にまた、許認可というものは多ければいいなんと私も思いません。そういう意味では問題があるんですが、しかし責任制とそれから指導的立場を発揮するといいますか、そういう意味合いからいうと少し通産省の受け皿が小さいんじゃないか、少し大きくされたらどうかという気持ちを持つんですが、いかがですか。
○政府委員(末木凰太郎君) 機構の問題については、こういう御時勢でございますし、私がお答えするのもいかがかと思いますが、仕事の中身につきましては大変重要なテーマだと思っております。かつてはゴルフというと一部の人のやることだと思われていましたが、今やそうではない、国民の多数の人がやる。最近の年間の利用者数は延べで六千八百万人という数字でございますので、そういった認識に基づいてしっかりやってまいりたいと思います。
○田渕勲二君 私は、最初に、昭和六十年度の決算検査報告について御質問申し上げます。
 六十年度の決算検査報告の通産省に関する検査報告の指摘によりますと、「中小企業設備近代化資金の貸付けが不当と認められるもの」として十一の中小事業者に対する貸し付けのうち不当かつ補助の目的に沿わない結果になっているものが実に貸付額の八割以上に及んでおるわけです。この傾向は六十一年度の決算検査報告を見ましても、ほぼ似たような状況が報告されておりますが、これはもう非常にずさんな制度運用、全く本制度の目的が疎外されていると私は思うわけです。ここでまず、通産省の見解を問う前に、会計検査院の指摘内容の説明と、ここ三年ぐらいの同資金の不当な運用の状況というものをひとつごくかいつまんで説明をしてもらいたいと思います。
○説明員(三原英孝君) お答え申し上げます。
 先生御指摘のとおり、昭和六十年度決算検査報告におきましては、十一件の設備近代化資金貸し付けの不当事項を掲記いたしてございますが、最近の傾向といたしましては、過去三年、昭和五十九年、六十年、それから六十一年度の検査報告の指摘につきまして申し上げますと、昭和五十九年度におきましては十五件の指摘をいたしてございます。それから昭和六十年度が十一件、六十一年度が同じく十一件の指摘をいたしてございます。合計三カ年で三十七件でございます。
 その態様別に内容を見てみますと、まず、貸し付けの対象となった事業費よりも実際はもっと低い金額で設置をしていた、例えば値引きがあったり、あるいは契約額を水増しして設置していたりと、そのようなことで実際はもっと低い金額で設置している、こういったものが三十七件中二十件、こういうふうになっておりまして、これが最も多うございます。
 その次が貸付の対象とならないものに貸し付けをしていたもの、例えばリースでもって借りて設備を設けているものは貸し付けの対象にならないわけでございますが、そういったようなものに貸し付けをしていたものが十三件というふうになっておりまして、この両者で大部分を占めているわけでございますが、この傾向は毎年同様であるというふうに考えております。
○田渕勲二君 以上、お聞きのとおりのここ三年間の極めて不当な、いわゆる目的の趣旨に沿わない支出が行われているということになるんですが、この会計検査院の不正の指摘に対する通産大臣の所見をまずお伺いしたいと思います。
○国務大臣(田村元君) 中小企業設備近代化資金の貸し付けにつきまして、毎年会計検査院から御指摘を受けておりますことはまことに遺憾でございます。都道府県におきまして指導監督を強化するよう十分指導してまいってきたところでございますけれども、今後もその点徹底をさしていきたいと思っております。
 また、この不当貸し付けにつきまして、貸付金の返還とか違約金の徴収等の措置も講じております。
 今後は事前調査、完了検査などを一層充実する
ようにいたしまして、不当貸し付けの根絶に向けて努力してまいりたいと思います。いずれにしても、指摘を受けておることは紛れもない事実でございますから、その点厳しく受けとめて部下を督励いたしてまいる所存でございます。
○田渕勲二君 大臣から遺憾の意の表明があったわけでありますけれども、ここ一年、二年の特徴的な検査報告の結果ではございませんで、毎年こうした傾向が続いておるということに対して、やはり単に抽象的な厳正にやるということだけではなかなか根絶しにくいと思うんですが、今大臣が言われたように、ひとつきめ細かく、厳正な根絶をぜひやっていただきたい。いずれまた来年は六十二年度の決算報告が出るわけですから、毎年こうして私は質問いたしますけれども、今きょうお約束になったことがもう二度と起きないようにぜひ善処方をお願いしておきたいと思います。
 それでは、続きまして、次に、南アフリカ貿易の問題についてお聞きをしてまいりたいと思います。
 その前に通産大臣に、特に後々の質問に関連をいたしますから御質問申し上げますけれども、私から詳しく申し上げるまでもなく、もう既に南ア共和国のアパルトヘイト、人種隔離政策というものは国際的に大変な批判が起きておるわけでありまして、我が国も国連の諸決議にも参加をしたりして、それなりに外交政策上も努力されていると思うんであります。後々質問してまいりますが、南ア共和国との日本の貿易問題に関連をするわけでありますけれども、その前にこのアパルトヘイトの問題について、通産大臣としてはどういう御認識にお立ちになっているかをまずお伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(田村元君) 我々人類社会におきましては、いかなる人種差別も正当化されてはなりません。そのために我が国は、南アのアパルトヘイト政策に反対という観点から、いわゆる南ア問題につきましては一貫して毅然たる態度をとってきております。西側主要国の中で南アと外交関係を有していない唯一の国である、それが日本であります。また、その他各種の厳格な規制措置もとっております。この対南ア貿易につきましても、我が国としましては国際協調のもとで関係主要国と同様に特定品目につきまして規制措置を講ずるとともに、あわせて、例えばアメリカなどの対南ア措置の効果を薄めないように関係業界に対して要請をいたしてきております。
 我が国の対南ア貿易が昨年ドルベースで増加いたしましたのは主に円高の影響によるものでございますけれども、我が国としては今後とも南アをめぐる情勢の推移を見守りながら、これまで講じてきた対南ア措置を堅持するとともに、今後とも慎重に対応することといたしたいと思っております。
 御参考までに申し上げますと、日本と南アの総貿易額は、円ベースでは一九八一年には八千六日九十一億円、八四年には八千百六十億円、五年には六千八百六十五億円、六年には六千七十一億円と減少して、昨年は五千九百七十六億円とどんどん減少しておるわけでございます。ところが、これをドルで換算いたしますと、ドルベースでは八一年には三十九億五千万ドル、八五年には二十八億六千万ドル、八六年には三十五億八千万ドル、昨年は四十一億二千方ドルと逆に前年対比一五%もふえてきたということで、円とドルの積算の、統計の形が全然変わってきております。ちょっと参考までに西独を見てみましたところ、西独もやはり八六年三十三億ドル、昨年は三十八億ドルというふうに、それぞれ一九・五%あるいは一六・二%と増加をしておるというようなことでございます。しかしながら、それはそれとして、だからといってやはり絶対額において少ないかといえば少なくないわけでございますから、今後とも十分の指導をしていきたい。
 ただ問題は、御承知のように貿易というものは自由経済の建前がございますから、非常に厳しくといってもそこには限界もございますけれども、人道上の問題でございますから、通産省として可能な限り業界等に訴えていく所存でございます。
○田渕勲二君 今大臣が最後に言われたことに関連するんですが、確かにこれは自由経済、自由貿易の建前から、いろいろそこにはある程度の限界があることは私も承知はします。しかし、それにも増してあり得てはならない人道上の問題が今国際的な大変な批判になっているわけで、自由貿易の環境を言えば、これはあらゆる自由諸国、アメリカを初め同じ条件にあるわけですが、それらの国々が南ア貿易からかなり撤退をしていくという中で、ひとり日本だけがその間隙を突いたような形で貿易を伸ばす、こういうことが私は問題にされている大きな原因だろうと思うんであります。
 そこで、これは既に御承知のとおり、国連のアパルトヘイト特別委員会のガルバ委員長がいろいろ声明を発して、とにかく日本の南ア貿易に対する抑制というものを、遺憾の意を表明しながら声明を出されておりますけれども、この日本に対する呼びかけに対して、外務省、通産省、さらに経済団体との間でいろいろと対応策をとられたと思うんであります。どのようなこのガルバ声明に対する対応を、各省、各経済団体がとっておられるのか、これについてひとつ御説明をいただきたいと思います。
○説明員(小原武君) ただいま御指摘のガルバ反アパルトヘイト特別委員会委員長は、二月五日のプレスリリースにおきまして、一九八七年の我が国の対南ア貿易額が第一位となったことに関連しまして、遺憾の意を表明し、我が国に対し南ア貿易をやめるように求める趣旨の声明を発表したことは御指摘のとおりでございます。
 私どもとしましては、いろいろの形の批判に対しまして、我が国が従来からアパルトヘイト政策そのものに断固として反対するという立場から、一貫した、毅然とした態度で一定の措置をとっているということを説明し、理解を求める努力をしてきたところでございます。また、ただいま通産大臣から御説明がありましたように、八七年に貿易額が一位になったということそれ自体につきましては、ドルベースで増加して、主として円高の影響によるものであるということを説明しつつも、他方、このことが我が国の南アのアパルトヘイト政策に断固反対するという基本的な立場に対して誤解を生じさせるようなことになってはならないと考えまして、政府として我が国経済界が慎重な配慮を行うよう期待し、関係者にその旨の要請をしてきたところでございます。
○政府委員(吉田文毅君) 大臣及び小原審議官から御説明申し上げましたとおり、我が国としましては南アのアパルトヘイト政策には反対であるという観点から、従来からきちんとした対応をさしていただいているところでございます。
 具体的に申し上げますと、通産省といたしましては従来から輸出入等につきましていろいろ厳格な規制をしてまいったということでございますが、今後とも南アをめぐる情勢の推移を見ながら、これまで講じてまいりました対南ア措置を堅持しますと同時に、かねてより業界に対しまして慎重な対応を要請してまいったところでございます。今後とも慎重に対応することといたしたいと考えております。
○田渕勲二君 現在、我が国は確かに南アに対して外交を領事関係に制限するなどの十一項目にわたって南アの規制措置をとっておられますけれども、これらの規制措置の実績とその効果がどのように上がっておるのかということをもう少し具体的に外務省、通産省からお答え願いたいと思うんです。
○説明員(小原武君) お答え申し上げます。
 例えば、御指摘の十一項目の中で外務省に直接関係ある項目を幾つか拾ってみますと、外交関係を持たない、領事関係のみにとどめるということは、これは主要先進国の中で我が国だけがとっておる措置でございます。スポーツ、文化、学術交流の制限という点につきましても極めて厳格に制限措置を継続しております。次に、例えば南ア国民に対する観光査証の発給の停止、これは極めて厳格に実施しております
し、また我が国国民の南ア観光の自粛要請という点につきましても、機会あるたびに働きかけを行ってきているところでございます。
○政府委員(吉田文毅君) 通産省の担当部分について御説明申し上げます。
 まず第一に、アパルトヘイト執行機関へのコンピューターの輸出不許可の問題でございます。昭和六十年十一月に措置を実施して以来、南アのアパルトヘイト執行機関に対します輸出実績はありません。
 第二に、クルーガーランド金貨の輸入自粛の問題でございます。本件につきましては、六十年十月以来輸入実績が把握されました企業等に対しまして輸入の自粛要請をしてまいっております。六十年の二千五百二十九キログラム、五十九億九千万ドルの実績に対しまして、昨年は三キログラム、七百万円というふうに輸入額は激減して十分な効果が上がっているというふうに認識をしております。
 最後に、銑鉄、鋼材についてでございますが、昭和六十一年十月に措置を実施して以来、六十一年は七十八・五万トン、百八十九億円余りの輸入実績があったわけでございますが、昨年は四十四・五万トン、トン数にいたしまして四三・三%減、金額で百一億円余りでございまして、四六%余りの減と大幅な減少となってまいっておりまして、私どもとしては着実にその効果を上げているというふうに考えております。
○田渕勲二君 今の説明のとおり、外交的にあるいはスポーツ。学術、文化の関係では、確かに今外務省からお話があったように、相当そうした抑制がやられていると思うのですけれども、今も経済的な側面の説明が通産省からありましたが、金額的には余り大したことはないのであって、ほとんど余り意味のない体裁を保ったような項目が多いんじゃないかと私は思うのです。
 それはそれとして、つい先般新聞に、日本貿易会が南ア貿易高を公表する、努力を示して批判をかわすという小さい記事が載っていました。しかしここに書いてあるように、南アからの希少鉱物などの輸入は日本にとって不可欠なだけに、みずから足を縛るのはどうかという反対の声がある、こういう対応ではなかなか問題があるというような意味の記事があるんです。この希少鉱物の輸入がある限りそれほど大きな経済的な規制というものは私はできないんじゃないか、やはり国際批判に十分こたえることはできないんじゃないかと思うのですが、その関係について通産省としてはどうお考えでしょうか。
○政府委員(吉田文毅君) 今先生御指摘のとおり、南アから日本へ輸入しております希少金属関係、これは世界的にも産地が南アで大方占められているというような品目が多いわけでございます。本件につきましては、米国におきましてもいろいろな議論が行われておりまして、例えば米国におきます南アからの全面的な輸入禁止措置を図ろうとするような法案におきましても、希少金属につきましては除外的な扱いをするというようなことも考えられているというふうに理解をしているところでございます。
 なお、具体的に申し上げますと、白金、これは世界で南アがその産出額の八一%を占めておりますし、バナジウム、パラジウム等におきましても四二、三%、以下クロム、マンガン、金など南アがその産出額の大宗を占めるというような希少金属がかなり存在しているわけでございます。
○田渕勲二君 そういうことでしょう。しかし、いずれにしてもこの規制というものは強めていただかなきゃならぬと思います。
 次に、項目を変えますが、南ア共和国の中で、特に飢餓に苦しむ南アということが最近非常に問題になっているようであります。日本でもアフリカの飢餓問題に対して取り組んでおりますけれども、南アフリカの中の飢餓状況というものが余り日本では詳しく報道されていないのであります。しかし、非常に多くの黒人の子供たちが餓死をしているということが報告をされておりますけれども、この実態について外務省はどの程度把握されておられましょうか。
○説明員(小原武君) お答え申し上げます。
 南アのアパルトヘイト政策のために、多くの黒人がいろいろな形の貧困や社会的不正に苦しんでいるというのは否定できない事実であろうと思います。しかしながら、南ア政府の情報規制等によりまして、必ずしも御指摘の点につきまして十分な情報を得ておりません。
○田渕勲二君 日本の反アパルトヘイト委員会の楠原さんという人の、これは朝日新聞で私も見たわけでありますけれども、この楠原氏の反アパルトヘイト運動の記事の中に、黒人たちが不毛のホームランドで、六五%の子供たちが栄養失調で、あるいは二〇%が一歳未満、三〇%が二歳未満で死亡するという地方もある、非常に深刻な飢餓状況というものをこの記事で詳しく書いておられるわけです。この原因が結局、南アの黒人の子供たちが主食にしておる、人間が主食にしておるトウモロコシがとれるのでありますけれども、輸出に回されて、生産しておる黒人の口に入らないから飢えておるということがこの記事の中に書かれておるわけです。このトウモロコシの最大の輸出先が日本である。しかも、日本ではそのトウモロコシをどう使っておるかというと、牛や豚のえさに使っておるという実態が現実にあるということがこの記事の中に書かれておるわけですけれども、これはひとつ通産省としてどういうように受けとめておられるのか、この辺についてお伺いしたいと思います。
○政府委員(畠山襄君) トウモロコシの南アの全体の生産というのは、はっきりした統計は私ども承知いたしておりませんが、八百万トンぐらいというようなことが言われております。それに対して日本の輸入量が確かに多いということは事実でございます。ただ、今委員御指摘のこの記事にありますように、そのことが飢餓と関係があるのかどうかについては、先ほどの外務省の御答弁のように、飢餓の原因等について実態把握が十分進んでおりませんので、私どもそこのところの認定は留保させていただきたいと思います。
 ただ、トウモロコシの輸入がふえておりますこと自体は、やはりよくないというふうに認識をいたしておりまして、アメリカもトウモロコシについてこそ輸入は行っておりませんけれども、農産物全体について輸入制限を行っておるわけでございますから、そういった米国を初めとする関係国のとった措置の効果を損なうことは厳に慎しむべきだということでございまして、こういった観点から農林水産省とも協議をしながら、従来からトウモロコシについて輸入の自粛をするように要請をしてきているところでございます。ところが、六十二年はそれがふえましたものですから、さらに本年の二月にも関係業界に対してそういうことのないよう強く要請をいたした次第でございます。
○田渕勲二君 問題は、農水省なり通産省がおやりになっている単に輸入を自粛するという、これは自粛の段階じゃないんじゃないかと思うんです。これは全面禁止という措置をとらなければ、私は南アのこの飢餓状況というものは克服できないというように思うんです。
 しかも、このトウモロコシを大量輸入するのはなぜかということを調べると、その見返りに自動車、機械をどんどん輸出するためにどうしてもそれらのものを輸入しなければならぬ、こういうような見返りの大量輸入ということにつながっていると思うんですが、その辺はいかがでしょうか。
○政府委員(畠山襄君) この朝日朝聞の先ほど御指摘の記事にそのようなことが出ていることは私も承知いたしておりますけれども、南アと日本の貿易は珍しく南アの方が出超でございます。ほかの国の場合は日本が出超の場合が多いわけでございますけれども、南アの場合には南アの方が出超で日本が入超でございます。したがって、何かを輸出するために何かを輸入しなきゃならぬというようなそういう関係に日本と南アとの関係はなっておりません。したがって、自動車を輸出すること自体が私はいいと言っているわけじゃないんで
すが、自動車を輸出するためにトウモロコシを輸入しなくちゃいけないというような因果関係はないと考えております。
 また、輸出をしております企業とそれから輸入をしております企業とたまたま別になっておるということもございまして、そういった実態はないのではないかというふうに私どもは考えております。
○田渕勲二君 いずれにしても、なかなかそうした規制措置、抑制措置が十分でないという国際批判が依然として続いています。
 これは、先般のいろんな国際会議等々、私が聞きましてもあらゆる国際会議の場では日本の南ア貿易に対する批判というものが少しも衰えていない、ますます厳しいものになっておるということが、社会主義インターの大会であるとか、あるいは国際労働組織である国際自由労連の大会であるとか、二月、三月、四月にかけての国際会議でも非常に問題になっているわけなんです。
 大体、日本という国は制裁破りの常習国と言われておるようです。これは、かつてベトナムのカンボジアへの侵攻で、ベトナムの制裁措置を国際的に合意されているにもかかわらず日本は西側ではやっぱり貿易のトップ国であったとか、あるいはかつて、古い話ですけれども、イランがアメリカ大使館を占領したときにもイランの原油のスポット買いをするとか、こういうように非常に国際的な制裁をしても日本はそれを常に破る、こういうイメージが定着をしているように私たちは思うんです。それに対して非常に外務省も大変なハンディを背負っていると思いつつ私はよくこの問題を見るわけであります。
 先般もこの反アパルトヘイトの映画、「遠い夜明け」というものを外務省の肝いりで私も国会の中で見せてもらいましたけれども、外務省はそれなりに努力されていると私は評価をするんであります。しかし、同一政府内における外務省と通産省のスタンスというものは、私はどうも非常に大きな違いがあるように思えてならぬわけです。したがって、要は我が国がこの人道問題というモラルに対する感覚が鈍いのか、あるいは世界的な各平和団体であるとかあるいはアメリカなどを中心としたそうした国から批判があって、初めて腰を上げるということがくせになっておるのかどうか知りませんけれども、どうもこの日本の経済界の体質というものが私は非常に多くの問題を抱えているように思います。
 そういう意味で、私はこの南アに対する反アパルト、本当に通産大臣も賛成だ、これをしなきゃならぬというように思われるならば、むしろ私はそうした経済制裁の先頭に日本が立つぐらいの気持ちでやってもらわにゃならぬと思うんでありまして、むしろ私たち同じ有色人種として今日の南アのこのアパルトヘイト政策に対して大変な憤りをもって対処しなきゃならぬと思うんであります。そうした意味でこの日本経済界をどのように今後リードされていくのかということについて、通産大臣から最後に一言、それらの見解をお伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(田村元君) 私は、外務省と通産省がスタンスが違うとは思っておりません。全く外交、通商は一本だと思っております。でありますから、どちらが熱心でどちらが不熱心ということはちょっとあり得ないんじゃないかと、このように思っております。
 なお、先ほどのトウモロコシの問題も、これはむしろイニシアチブは農水省にあるのかもしれませんが、いずれにいたしましても改めて外務省を中心によく話し合いをさせて、その上で足並みの乱れのないように、少なくとも外部からそういう目で見られないように調整を図らせていこうかなと、そのように考えております。
○田渕勲二君 ひとつ厳しくお願いしたいと思います。
 それじゃ、もう時間がわずかになりましたので、最後の質問でありますLPG、液化石油ガスの円高差益の問題についてちょっとお伺いをしたいと思うんです。
 この円高差益の還元問題の中で、特にこのLPGの還元が非常に不十分だということで消費者から大変大きな不満が実は寄せられておるわけであります。通産省、資源エネルギー庁はことしの二月にLPGの販売業者に対してその価格の引き下げ要請、個別指導というものを行ったようでございますけれども、なかなか販売者側の抵抗が強くてその行政指導の効果が上がっていない、このように聞いております。そういう状況の中で果たしてその行政指導の内容がどうだったのか、それが効果を上げない理由というのは一体どこにあるのか、これについて御質問申し上げます。
○政府委員(浜岡平一君) 御指摘のとおり、LPGの輸入価格の低下の状況に比べまして末端価格の低下の状況が必ずしも十分でないという意識は私どもも大変強く持っているところでございます。既に、昭和六十一年の五月、さらに十二月と引き下げ要請を行ってまいりまして、六十一年四月段階と比べてみますと、最近時点で九%ないし一〇%ぐらいの末端価格の低下を見ているわけでございますが、なお不十分と見まして、御指摘のとおりことしの二月十五日に、六十一年四月比較で少なくとも一三%を超える引き下げが可能なはずだという具体的な数字等も示しながら、さらに引き下げ要請を行ったところでございます。
 御指摘のように、いわゆるメーター取引というものが普及をいたしました結果、かなり相対取引の性格が強くなっておりますし、またさらに保安面、流通面でのコストがかかっているというようなこともあるわけでございますけれども、根気よく指導を続けております。今の私どもの承知いたしております状況でございますと、大半の販売業者は四月以降の検針分から価格改定を行うという方向で取り組んでいるようでございますので、今後次第に引き下げ効果があらわれてくるのではないかと期待をいたしております。今後とも今回の指導の実効性を図りますために引き続き指導の徹底を図りますと同時に、LPGの価格の動向等につきまして注意深く監視をしてまいりたいと考えております。
○田渕勲二君 ちょっと説明をお願いしたいことがあるんですが、新聞報道によりますと、LPGの輸入通関価格は六十一年の一月から六十三年三月までで一トン当たり約二万九千八百円値下がりをした、それにもかかわらず家庭用プロンガスの販売価格は二万七百円の値上がりだ、したがって差し引き九千百円が差益還元されていない計算になるという報道があるんです。非常に大きな差益還元がされていないと思うんですが、その実情にについて御説明をお願いしたいと思います。
○政府委員(浜岡平一君) ただいまお挙げになりました数字は多分実態をあらわしているのではないかと思います。
 私が今手元に持っております数字は、消費者段階から見ました感じで言いますと十立方メートル当たりという取引単位の方がなじみが深いかと存ずるわけでございますが、今その数字を持っております。円高の始まりました六十年九月と六十三年三月を比べてみますと、この十立方メートルという単位で見まして千百五十三円が四百二十七円になっておりまして七百二十六円下がっているわけでございます。他方末端価格の方でございますけれども、六十年九月には五千五十七円でございましたものが六十三年三月には四千五百五十六円でございまして五百一円下がっているわけでございます。輸入価格の七百二十六円と比べてみますと、輸入価格の低下分というものが末端価格には十分反映されていないというぐあいに判断をせざるを得ないと思っております。もちろんこの間の若干の人件費の増加とか保安経費の増加等はあろうかと思いますけれども、十分でないということは否定し切れないと考えております。
○田渕勲二君 もう時間が来ましたが、最後に通産省の資源エネルギー庁ですが、消費者に対してLPGの価格情報の提供に力を入れて、極めて保守的な販売業者に対して意識改革を促して価格の引き下げを促進させるという目的のために、本年七月から、新たにLPG企画官という専門職を設
置して構造改善を進めるというように聞いておるんですが、この具体策を明らかにしてもらいたいと思います。
○政府委員(浜岡平一君) 今後さまざまの角度からLPGの流通、輸入問題に取り組んでいく必要があると思っております。
 一面におきましては、御高承のとおり依然としまして輸入の五〇%を中東に依存しているというような問題がございまして、輸入源の多角化というような問題もあるわけでございますけれども、今御論議のございます流通あるいは価格形成の面でさらに踏み込んだ対応が必要だと思っております。直接の指導もさることながら世間全般に実態を知っていただくということが必要不可欠だと考えております。従来からもLPGにつきましては消費者モニター調査等を行っておりますけれども、まず供給の実態をよく把握したいと考えておりまして、石油、ガス販売業経営実態調査を行いたいと思っております。小売業者で約三万七千、卸売業者で約三千の企業があるわけでございますけれども、その販売量、売上原価、経費、利益等まで踏み込みまして十分その実態を把握して広くこれを知っていただきたいと思っております。
 それから、市況調査につきましていわゆるモニターサイドからごらんをいただいたものだけではなくて、実際の店頭価格を把握するということも考えたいと思っておりまして、小売業者あるいは卸売業者の五%ないし一〇%、この辺は今詰めておりますけれども、これから直接価格の状況等を調査いたしまして、できましたらこれを二カ月置きに都道府県単位ぐらいの地域ごとに発表していくというようなことも実現いたしたいと考えている次第でございます。
○丸谷金保君 まず最初に、大臣にお伺いいたしますが、三月の末の質問のときに私は、日本人が人がいいということを漫画をお示しして御質問を申し上げたことがございます。特許法の問題で特許庁が人がいいというふうなことを中心に話したのですが、調べてみますとこれはだんだん現在の特許法の協定出願という形での秘密保持、この問題の背景というのは特許法の問題ではない、もっとやはり国の将来に対する非常に大きな懸念がいろんな形で感じられるようになってきて、そういう立場で実は五月の十六日にも外務大臣と防衛庁長官にまず冒頭御質問しました。しかし、返ってくる言葉は例えば外務大臣は、米国政府より日本政府に提供された技術上の知識について、日本においても特許庁の保護が可能になるということだから米国から特に日本に技術を提供しようと、そうした環境を整えるという意義があると考えてもらった方がわかりやすいと、全くいいことずくめ。日本だけが五六年協定を生かしていくことによって非常に便利になるんだ、こういう点だけが実は答えとして返ってくるんです。四月十二日以降の新聞論調、特に四月十四日の各紙の社説における懸念というものは一顧だにする必要がないというような感じ方の御答弁がそれぞれ外務大臣、防衛庁長官からございました。非常に残念なんです。そんなことはないだろうと。
 その点、一体アメリカ側からアクションを起こして、三十二年間死文化していた五六年協定を生かせと言ってきた本当のねらいは何か、どういうふうに通産大臣としては受けとめているか、御答弁願いたいと思います。
○国務大臣(田村元君) 今回のアメリカによる本協定の実施要請の背景には、先端技術分野を中心とする最近の日本の技術水準の飛躍的な向上によってアメリカのそれとほぼ肩を並べるようになってきたあるいはそれ以上になったかもしれません、ということで米国企業としては、米国において秘密扱いとされているみずからの特許出願にかかわる発明につきまして、日本においても特許の先願の地位を確保しておきたいとの意向を有するようになったというふうに考えます。それから、アメリカを初めとする最近の世界的な知的所有権保護への関心の高まりというものが大きく浮かび上がったものと思います。こういうような事情を踏まえまして、米国側としましては、日米の防衛分野における技術交流の円滑化を図るために、この協定に基づく協定出願としてアメリカの防衛関係特許出願を保護する措置を具体的に講ずるということにアメリカ側のねらいがあるのではなかろうかというふうに承知しております。
○丸谷金保君 さらに、そのほかにアメリカ側のねらいの中に、新聞論調にもあるように、真のねらいは日本のハイテク技術をアメリカの軍事技術の中に取り込んでいきたい、こういうねらいがあるんじゃないかというふうな論調もございますが、いかがでしょうか。
○政府委員(小川邦夫君) 御質問の趣旨は、この五六年協定だけではないいろいろな一連の日米の交渉全体からの御質問だと思います。ただ、五六年協定自身については、大臣がお答えいたしましたように、やはりハイテク技術の出願の地位を確保するという観点から出ておるものということでございます。
○丸谷金保君 長官がお立ちになったので、長官にちょっとお伺いしたいと思うんですが、三月のときに、例えば職員の協力が非常に必要になるんじゃないかということに対しましても、通常案件が何十万というふうにあるんだから、やはりそれらに影響を与えることがあってはならないというふうに御答弁しております。しかし、それじゃどうするんだということについては、現在相談中であることは確かでございまして、今の段階ではお答え申し上げられませんと言っております。それから、準協定あるいは協定出願のそこのはざまの判断をどうするんだ、どこがするんだということについても、各省庁でいろいろ相談しているので明確な御答弁はできないと。しかし、四月十二日にいろいろ発表になっておりますから、今はもうこういう問題についてお答えできますね。
○政府委員(小川邦夫君) はい、お答えできると思います。
○丸谷金保君 そこで、時間の都合上事務的な懸念の問題は後にして、冒頭申し上げた懸念についてお伺いいたしたいと思います。
 長官は四月十四日の伏見康治委員の質問に対して、記録の十七ページに、「協定出願の中にも秘密保護法の対象になるものも含まれ得る」と、こう言っております。ということは、秘密保護法の対象にならないものもあるということですね。どういうものが対象にならないのかお教えいただきたい。
○政府委員(小川邦夫君) 伏見先生の御質問でお答えしたとおりでございまして、秘密保護法の対象が先生御案内のように装備品、資材というものを対象にして秘密保護をはかるというふうになっておりますが、今度の五六年協定の対象となる技術情報というものは、日米相互防衛援助協定に基づいてアメリカ政府から日本国政府に提供される技術情報と言っておりまして、秘密保護法の対象だけというふうに限定はしておりませんので、そういう意味で、装備品あるいは資材以外のものの技術情報についても対象になり得る、こういうことでございます。
○丸谷金保君 それで、その対象になるものに具体的にどういうものがあるか。要するに、保護法の対象外のものもあるという御答弁はわかるんですが、それじゃどんなものがあるのかということを私ちょっとお聞きしたい。
○政府委員(小川邦夫君) 具体的にMDAによってどういう技術情報が日米防衛当局間で持ち込まれるかについては、私といたしまして全貌を知悉しておりませんもので、秘密保護法の対象外の技術情報がどういうものかという具体的な中身は御説明申し上げる知識を持ってございません。
○丸谷金保君 それはちょっとおかしいと思うんです。ここではっきりそれ以外のものがあるとおっしゃっている。そしてそれがどんなものかということはわからない。そうすると、法律概念としてあり得るということだけなんですか。
○政府委員(小川邦夫君) 制度のスタートした今の段階でどういうものかという具体的なものは申し上げられませんで、御指摘のように概念としてMDAでの防衛技術情報の交換が、そして五六年
協定の対象になる技術情報が秘密保護法の対象だけだとは限定しておらないという仕組みになっておるので、当然秘密保護法対象外があり得る。そういう意味では、御指摘のように概念としてそういうものがあり得るというふうに理解しております。
○丸谷金保君 防衛庁どうですか、防衛庁の方としてはこういうものがあるんじゃないかという考え方はございませんか。
○政府委員(山本雅司君) 今御指摘の秘密保護法でございますが、これは第一条の第三項で、「防衛秘密」ということでいろいろ限定的に書いてございます。例えばアメリカから日本に提供される装備品の「構造又は性能」、「製作、保管又は修理に関する技術」とか、「品目及び数量」、こういうように割合限定的に書いてあるわけでございます。したがいまして、具体的にアメリカから日本に提供される装備品そのものに関係するものではなくて、仮にアメリカにおける日本に持ってこないような装備品の関係の技術情報というものが来る場合には、これは秘密保護法に基づく「防衛秘密」の対象にはならないというように私どもは考えております。
○丸谷金保君 外務省に同じことをお伺いいたしたいと思うんです。
 外務省では、そもそもこの五六年協定と申しますのは、日米間で、MDA協定ですね、相互防衛援助協定に基づいて、技術上の知識の交流の促進や種々の権利の保護を目的として協力することにした、こう言っておるんですが、MDA協定に基づいて五六年の協定はできたというふうに理解してよろしゅうございますね。
○説明員(岡本行夫君) さようでございます。
○丸谷金保君 そうしますと、このMDA協定に基づいて防衛秘密保護法ができて、そしてその中では「装備品等」と言っているわけなんです。そうすると、外務省としてもどういうものがその他秘密保護法の該当以外のものかということについては、要するに具体的には知悉していないんですか、いかがですか。
○説明員(岡本行夫君) 私どもの理解も先ほど防衛庁の方から御答弁があったとおりでございます。
○丸谷金保君 それで岡本さん、あなたは私の質問に対してこういうことも言っているんです。防衛目的というのは装備品とかそういうものだけでなくて、我が国全体の防衛能力の発展といったことも防衛目的に含まれているということで、防衛目的というふうにこの問題点を置きかえますと、具体的な防衛技術とか、そういったものと幅広く広がって、非常に際限なくこの解釈というのはひとり歩きする危険性があるんですが、どこら辺で枠組みをするおつもりなんですか、外務省として交渉の過程で。
○説明員(岡本行夫君) 私どもも事前にどこからどこまでが防衛目的であるといったはっきりした線を引くことは困難であると思っております。ただ、ただいま先生御指摘になりましたように、私どもとしては防衛目的というのは単に防衛庁の装備品の生産、調達に直接関連する目的だけではなくて、例えば我が国の防衛産業の能力の向上に資するようなもの、それを通じて将来の装備品の供給能力が向上して我が国全体の防衛に寄与するようなもの、こういったものまで含めて概念としては考えるべきものと存じております。
○丸谷金保君 外交交渉の当事者である外務省が、防衛目的というものはなかなか一つの枠にはめにくい、そのときそのときによって広がっていく可能性があると。大臣、ここに私は大変心配を感じるんです。防衛目的ということを決めるのは日本では防衛庁ですね、いかがですか。
○政府委員(山本雅司君) これは役所の中の問題でございますけれども、条約の解釈、適用等の点につきましては外務省と密接に協議いたしますし、それの有権的な解釈は外務省で行われることになるわけでございますが、具体的なその運用あるいはアメリカとの技術交流に関連します具体的な技術の内容あるいは情報の対象、こういうものは私どもの方で一義的に考えるということになるかと存じます。
○丸谷金保君 そうすると、防衛目的が何かということは防衛庁としては独自の判断ではできないということですか、いろいろ各省庁と相談しないと。
○政府委員(山本雅司君) 今申し上げましたように、私どもがアメリカ側と防衛関係の技術情報の交流をいたします場合には、一義的には私どもが判断をするわけでございます。ただ、それが条約上正当なものであるか、あるいは条約を踏み外しているかいないかというような観点につきましては、最終的には外務省とも相談し、外務省の判断も仰ぐということになるかと存じております。
○丸谷金保君 我が国全体の防衛能力の発展といったことも防衛目的に含まれると解釈しておるというのは外務省の見解なんです、いいですか。防衛能力の発展、こういうことは外務省は判断できますか、どうですか外務省。
○説明員(岡本行夫君) 確かに私そういう御答弁を申し上げました。これは条約の文言の解釈という点から見れば、概念上防衛目的というのは必ずしも装備品そのものにくっついたものだけではなくて、先ほども申し上げましたように我が国の産業の能力に稗益し、それが我が国の防衛能力の向上に資するようなものまで含めて考えるべきであろうというのが私どもの条約上の解釈としての立場でございます。その実体的な中身につきましては、先ほど防衛庁の方からも御答弁ございましたとおり、防衛庁とも協議しながら政府全体として最終的に決めていく、このような立場でございます。
○丸谷金保君 そうすると、政府全体としてそれを決めるというときはどういう機関がありますか。
○説明員(岡本行夫君) これは直接的には外務省が条約の最終的な文言の解釈を行いますし、実質という面から見れば防衛庁が一番深く関与してくると思いますが、あと例えば、先ほどのように我が国の防衛能力の全体の向上に資するかどうかというような判断はケースごとに関係する省庁があり得ると思います。私どもとしては、事前にどこの省庁とどこの省庁だけということは特定できないと考えております。
○丸谷金保君 結局、防衛目的というのが何かということを最終的に判断する責任省庁はないということですか。防衛庁でも外務省でもどちらでも。
○説明員(岡本行夫君) 最終的な判断は政府全体としてのものでございまして、これは政府として責任ある判断と存じております。ただ、その内部の意思決定に至ります過程で、行政の各部がどのように調整し、相談し、判断にあずかっていくかということは事前には特定して申し上げられないということでございます。
○丸谷金保君 ここのところが私は非常に大事なところだと思うんです。防衛庁、アメリカが日本に協定出願してくるときに、これが防衛目的だと言ってくるとしますね、それから協定出願をしないで二条で単に防衛関連のある知識だけを提供してくることがありますね。こういうときに、これが防衛目的かそうでないかということは政府の仲で相談しないと防衛庁は決められないのですか。防衛庁がこれは防衛目的だ、これは防衛目的でないというふうな判断はできないのですか。
○政府委員(山本雅司君) これは繰り返しになりますが、先ほど御答弁申し上げましたように二条でどういう情報を欲しいか、あるいは三条の関連で、アメリカで秘密に保持されている特許資料でどういうものを欲しいかというのは第一義的には私どもが判断いたします。したがいまして特許情報、向こうで秘密特許として保持されているものを日本として将来の防衛生産なり防衛目的を達成するためにぜひ情報として得ていたいという場合には、一義的に私どもが判断をするわけでございます。
○丸谷金保君 五六年協定というのは、いいですか、防衛目的のためにする特許権及び技術上の知
識の交流でしょう。そうすると、これに基づいてアメリカ側から提供された技術なり情報なりというものが防衛目的かどうかという判断は、おたくがする以外にないんじゃないですか、どうなんです。外務省と相談したり、文部省と相談したりするんですか、そういう相談する機関もありませんし、あなたのところがするんじゃないですか、どうなんですか。
○政府委員(山本雅司君) 先ほどもお答え申し上げましたように、この運用につきましては、一義的に私どもが判断をするわけでございます。ただ、その運用に当たりまして非常に疑義が生ずるような場合には、条約の最終的な権限と申しますか、まとめをしている外務省とも相談することはあり得るということを申し上げたわけでございまして、運用につきましてはあくまでも私どもが一義的に判断をするわけでございます。
○丸谷金保君 十六日に、おたくは私に対する答弁でそこのところを、後で感心したんですが、極めて微妙な表現を使ってそれは特許庁に関係があるような答弁をしておるんです。例えば日本の特許出願様式に転換されて出願される、その出願されたものは特許庁に来るわけですと、私の防衛庁に最初通知が来るんではないかというのに対してこういう答弁をしています。私の質問には答えていないんです。私はその判断の問題を、まず協定出願の書類は出願様式に転換されてから特許庁に行くんであって、転換される前にはどこへ来るんですか、私はそのことを聞いたのに、あなたはこの間はそれに答えていないんです。
○政府委員(山本雅司君) 今の点はあるいはやや舌足らずのところがあった懸念があるかとは存じますが、要するに、私どもはアメリカから秘密に保持されている特許資料に関しまして、防衛目的としてこちらが援助を受けるという形で情報の提供を受けるわけでございます。私どもがやるのは実はそれが目的でございます。ただ、その中でアメリカ側がもし日本においても秘密特許的な扱いをしてほしいというものにつきましては、これは特許庁に対して出願をするということでございまして、必ずしも全部が一緒になっているわけではないということでそのように申し上げたわけでございます。
○丸谷金保君 協定出願が出されて、それが防衛目的で出されてきた場合に、「通産省公報」によりますと、出願許可書の様式が公報で発表になっておるんです。これによりますと、準協定出願の場合に「本出願により公になる協定出願 事件の表示 発明の名称 出願人の氏名」というのが出ておりますね。これは特許庁は知り得ないでしょう、どうなんですか。
○政府委員(小川邦夫君) 準協定出願者がそのもとの協定出願の内容、その協定出願の出願人がだれか、そういった情報を受理する段階で特許庁は全く知っておる状態にはありません。御指摘のとおりです。
○丸谷金保君 防衛庁はこれは知っておりますね。
○政府委員(山本雅司君) 防衛庁として知り得る範囲は、私どもがアメリカから受け取りました特許情報につきまして、基本的には防衛庁の中で研究開発に役立てるように利用いたすわけでございますが、それがどうしても必要となる場合には、民間企業に開示する場合がございます。その場合、開示するときにその秘密の情報について、仮にそれが秘密特許になっている場合には、これを公にするような出願をしようとするときにはその旨をはっきりさせてほしいという、いわば一種の事実上の指導をするというのが私どもの立場でございます。
○丸谷金保君 協定出願提出書という様式があるんです、特許庁長官あてに。その中に、本出願により公になる協定出願が出てくるんです。これは防衛庁に出願人が聞きに行かなければわからないでしょう、特許庁の方では。しかし、特許庁はそれがついてこなければ様式審査の段階で不受理になります。ですから防衛庁はこれを出願人に教えて、添付書類として特許庁に出させるということになるんじゃないですか、どうですか。
○政府委員(山本雅司君) 今先生御指摘のものは、多分準協定出願の出願のときの問題だろうと思います。これにつきましては、特許庁の方から依頼を受けまして私どもが技術を開示するときに、それが公になるような新たな特許出願をするときにはそれは準協定出願になりますよということを明示してほしいという指導をする、そういう内容であるかと思われます。
○丸谷金保君 それで、ここのところが非常に大事なところなんで、要するに準協定出願を特許庁へ出すとき、あなたはこの前私の質問に対して、そういう様式を整えて出すのは特許庁だ、こう言ったんです。私がこの間聞いたのも、様式を整えるまでの間に防衛庁は介在しなきゃならぬでしょうということを聞いたんだけれども、すらっとずらしちゃった。それで今度はそこのところをもう一回聞かざるを得なくて今聞いているんです。
 しつこいようですが、準協定出願を出す、そうすると、これは準協定出願だということになると、そのまま封をして、秘密開示になるまでは審査しないんです、特許庁は。いいですか。その申込書に出てくる本出願により公になる場合の協定出願のは書き入れなきゃならない。これは特許庁でなくて、おたくの方に出願人が聞いて、それを書き入れて特許庁に出す。そうすると、防衛庁がその段階で防衛目的に合う協定出願だという判断をしておかざるを得ないんです。それはほかの省庁は関係ないんですよ。あなた方のところに書類が来ているんだし、あなた方のところ以外に出ていないんです。防衛目的の秘密を保持しなければならない協定出願が出たから、それに関連する準協定出願の場合にもこれは準協定出願だという判断をおたくがして、教えますね。今言ったようなことを知らせて、出願人がそれを書き込んで特許庁へ持参するというふうになっていますけれども、持っていく、こういう仕組みなんです。これは間違いないですね。
○政府委員(山本雅司君) これも先ほど申し上げましたけれども、アメリカから受け取る秘密関連の特許情報というのは防衛庁が基本的に利用するものでございます。したがいまして、その資料を開示する先は基本的には防衛庁の職員でございますから、防衛庁の職員に対しても、もしそれをもとにして、職務発明の場合は防衛庁そのものが行いますけれども、個人で仮にやるケースがあるとしたら、そういうのも対象になります。
 それから、一般の方に対しましては、基本的にはこれは、先ほど防衛機密に当たるか当たらないかという御質問がございましたけれども、当たる場合も当たらない場合も、基本的には防衛庁の中の利用が主体でございまして、外に出す場合に、出すときにそれをもとにして新たな発明をする場合、しかもその発明を出願することによってもとのものが非常にはっきりする場合、そういう場合には準協定出願であることを示してくださいということをお願いするわけでございます。したがいまして、私どもは、その準協定出願の出願された内容そのものを必ずしも審査する能力もありませんし、そういう立場にもないわけでございますが、ただ特許庁にそういう出願をするときには、私どもが開示したものを中心にやる場合にはその事実を出してほしいという指導をするわけでございます。
○丸谷金保君 出願の内容を審査するのはそれは特許庁でしょうけれども、しかし、協定出願がついてくれば封をして審査は普通はしないんです。それで、やはり防衛目的は何かということの判断が、この協定の、そしてアメリカの真のねらいは何かということを十六日に私申し上げましたけれども、むしろ日本のハイテク産業、汎用技術というものをアメリカが持っていって、協定出願という形の抑え込みに二条を生かして使うんじゃないかという心配があります。しかし、このわずかな時間ではなかなか詰められませんので、また次の機会、さしあたっては今月の二十六、七日と総括がありますから、これを引き続いてやる。そうでないと、時間を焦ると問題を上手にはぐらかされ
たまま先に進まなきゃならないので、きょうは、大臣、ここまでにして次の機会に譲りたいと思います。
○委員長(穐山篤君) 午前の審査はこの程度とし、午後一時三十分まで休憩いたします。
   午後零時二十一分休憩
     ─────・─────
   午後一時三十分開会
○委員長(穐山篤君) ただいまから決算委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、昭和六十年度決算外二件を議題とし、通商産業省、経済企画庁、中小企業金融公庫及び中小企業信用保険公庫の決算について審査を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○柳川覺治君 通産大臣、経済企画庁長官におかれてはOECDの閣僚理事会に御出席、御苦労、御努力をされましてお帰りになられました。そこで、最もホットな空気をお吸いになられてお帰りでございますので、せっかくの機会でございますので両大臣に閣僚理事会における諸外国の日本に対する認識等につきましてお伺いさせていただきたいと思う次第でございます。
 さきに、竹下総理大臣はロンドンで、竹下内閣最大の目標は世界に貢献する日本の実現である、世界の平和を守り、国際社会の繁栄を確保するため、増大した国力にふさわしい役割を果たすと述べられました。そして、竹下内閣はこれに向かっての努力が続けられておるわけでございますが、そのつかさつかさのかなめであられますまず田村通産大臣に、このたびの閣僚理事会における御様子をお伺いいたしたいと思います。
 新聞によりますと、昨年のジャパン・バッシング、そういうことから比して一年たった今回の会議で、日本の内需拡大あるいは国際収支のバランスへの努力が諸外国で認められ、涙の出る思いであったという御感懐を記者会見で述べられたということが報道されております。ちょうど牛肉あるいはオレンジの問題等の自由化をめぐっての状態、また来月トロントでサミットがございます。そういうような時期だけに、このたびのOECDの会議につきましては私どもも陰ながら心配をしておったわけでございますが、大臣のこの御報道を、記者会見でのお言葉を聞きましてほっとしておる次第でございます。今日の厳しい中でのこの会議の模様、そして今後の日本の役割の大きさというものが指摘されておる次第でございます。どうぞ大臣の生のお言葉をお伺いいたしたいと思います。よろしくお願い申し上げます。
○国務大臣(田村元君) 先般、第二十七回のOECD閣僚理事会がパリで十八日から十九日、二日間ございました。出席者は、我が国からは中尾企画庁長官、宇野外務大臣、そして私、三閣僚並びに各省関係の役人、それでOECD加盟二十四カ国の代表閣僚が六十人集まったわけであります。大変豪華な顔ぶれの会議でございました。
 それで、まず中身を申し上げます前に、私が抱きました感懐というものを申し述べてみたいと思います。
 今おっしゃったように、昨年も私は出席をいたしましたが、昨年はアメリカに対しては双子の赤字の削減、競争力強化、そして日本とドイツには内需の拡大、構造調整というようなものが特掲されて求められたわけでありますけれども、特に日本に対しては非常に厳しいものがございました。ノートリアス・ジャパン、悪名高き日本というような言葉まで飛び出しました。それが昨年でございました。とにかく口を開けば日本に対する批判、攻撃、それは幾たびこぶしを握りしめたことかわかりませんでした。
 それが一年たちました今回は、全然様子が変わりまして、各国の閣僚がスピーチをいたしますと必ずといっていいぐらい日本礼賛でありまして、日本は立派に政策協調の約束を守った、そのパフォーマンスというものは見事なものである、皆日本を見習わねばならぬというような礼賛でございました。中尾君や私どもは本当に感無量の気持ちで聞き入ったわけであります。
 と同時に、もはや日本とアメリカとドイツを抜いての世界経済の会合はあり得ない、そのうちの一国が抜けても、もうその会合はあり得ないといってもいいぐらいの日本の国際的な地位が築かれたわけであります。それだけにもちろん批判もありますけれども、しかし現在の日本に対しては大変評価は高うございました。ただし、農業を除いてはということでございます。これは私も中尾君も農業はちょっと関係がないものですから、外務大臣が対応されましたけれども、ただその農業の場合も割合に日本は集中攻撃を受けなかった。それはヨーロッパが農業問題では全くアメリカあるいはケアンズ・グループとは対立した立場に立っておりますから、だから割合に日本と、中身は違いますけれどもよく似た立場にあるものですから、ヨーロッパがおおむね受けて立った。それで日本はそれについていったようなことだというふうに我々はそばではそういうふうに見ておったわけです。
 というようなことから、ちょっと中身について申し上げますと、まずマクロ経済でございますけれども、これは大変日本に対する評価が高うございまして、今申し上げたようなことでございました。
 それから農業問題は、これはアメリカとECが主役を演じたわけでございまして、双方の折れ合うところで一応の結着が最終的についたようでございますが、私ども担当でありませんので、これは御遠慮申し上げます。
 それから、アジアNICSに関する問題であります。NICSにつきましては、為替調整や貿易政策など対話の対象範囲を明示しようとするアメリカ、そしてNICSへの配慮から明示を避けるべしとする我が国及び我が国に同調するヨーロッパあるいはオセアニア諸国に意見が分かれました。結果は穏健な対応が必要ということで対象範囲は明示いたしませんでした。なお、実はそのNICS問題が議論される前の晩に、議長招待ディナーで、議長から私にNICSに対してどう考えるかというので私の考えを述べたところ、議長はいいお考えだ、それをぜひやってくださいというようなことでございまして、議長の求めに応じまして私からアジアNICS諸国の経済動向、経済の脆弱性、輸出面のみならず輸入面での役割、つまり市場規模の拡大の評価等を説明いたしまして、慎重な対応の必要性について理解を求めました。
 つまり、アジアNICSはまだまだ一人当たりのGDPは先進国の四分の一まででありますし、それから世界貿易に与える影響、そのシェアというものはわずかそれぞれ一、二%ぐらいであります。それから輸出というものが経済の六〇%を占めておるというようなことで、今これに対して特恵関税その他の問題で、彼らに与えられておる特椎を今剥奪したならば、アジアNICSは大変なパニック状態に陥って、中南米の累積債務途上国の二の舞をしてしまう。今アジアNICSに対して性急に攻めるべきではない。同時に、例えば日本の場合はもうアジアの一員だからこれは特別として、アジアNICSに反対しておるアメリカを例にとっても、アメリカの輸出量というものは中南米よりも多いのであります。アジアNICS、いわゆる四匹のトラと言われておるアジアNICS四カ国のGNPの倍が中南米の中進国だ。それよりもアメリカはたくさん売り込んでおるわけです。ですから、脅威と受けとめるより、むしろ市場参入の世界経済への貢献という点で、よき機会、オポチュニティーとしてこれを見るべきではないのかと言って私は頑張ったわけです。
 おかげさまで大変ヨーロッパの閣僚たちも賛成してくれまして、特に前のイタリーの総理大臣のファンファーニという人がおります。イタリーという国は、おもしろいというのでしょうか、ファンファーニさんは前の総理大臣で、去年のサミットのときには主催国の総理でありましたから、私は頭を下げて握手を賜ったわけですが、今度OECDへ行ったら、ひょいと見たら、一個の大臣として座っているわけです。それで中尾長官とえら
い仲よくなりまして、NICS問題で、中尾長官、日本の言うことは正しい、おまえたちの言うことは正しいとえらい絶賛してくれたそうでありますが、そういうようなことでございました。
 ウルグアイ・ラウンドにつきましては、その関心が急速に十二月の中間レビューの成果に移っております。
 それから、構造調整政策の重視は昨年の閣僚会議においてもある程度出されましたが、マクロ政策の限界を認識して一層明確なものとなったということが言えます。
 その他、閉鎖的な地域主義の回避とか、あるいは投資保護主義などの新保護主義の防圧等につきましても私もその必要性を訴えましたが、これらはすべてコミュニケに盛られることとなりまして、保護主義に対する懸念の大きさが示されたというわけでございます。
 大体以上でございますけれども、我が国に対して各国のやはり関心というものは、アメリカ経済は余り当てにならない、日本から見たというわけじゃありません。諸外国の言うことは、そういうときに、おまえのところは、日本とドイツが今後も内需の拡大をしっかりやってくれて、そうして世界経済の大きな変動のないように大黒柱になってくれなきゃ困るよというような声が圧倒的でございました。
 大体以上でございますが、また中尾長官から補足してもらうことにいたします。
○柳川覺治君 ありがとうございました。
 中尾経済企画庁長官、御苦労さまでございました。そして、さきに大阪で太平洋経済協力会議が持たれております。従来のアジア経済の展望のみでなく、具体的に資源、エネルギー問題あるいは運輸、観光問題等々の具体なプロジェクトについての検討もなされておりまして、将来にわたって太平洋時代、また太平洋経済の進展の中で、日本がまたある面で主導的な役割を持ってこの太平洋経済協力の問題をどのようにするのかという課題も論じられたようでございます。
 OECDの会議は、私も昔行かせてもらいましたが、日本というのは大変な国だ、アジアでたったひとり有色人種の日本が、あの先進工業国の人たちの中でその役割を持っておるんだということ、教育問題でございましたが、感じさせていただきましたが、今、田村大臣のお話でますます日本の役割が大きくなってきております。
 こういうような面から、経済企画庁長官、総合的な経済企画の立場で、また長官もこの会議の基本にある今のNICSの問題等々につきましての厳しさを語っておられましたので、一言お話を賜りたいと思います。
○国務大臣(中尾栄一君) 柳川委員から率直に御質問を受けましたので、私も率直にまた話をさせていただければと思います。
 もう前段において田村通産大臣がお述べになられたそのとおりでございまして、何らこれに対して補足すべき要因もないくらいでございます。ただ、私なりに率直に感じましたのは、全く数十名になんなんとするOECDの閣僚各位が全員そろってはおりますものの、アジア人と申すとなんでございますけれども、アジアの顔をした代表団というのは田村通産大臣、そしてまた宇野外務大臣、私、三人だけでございますから、それだけによそのOECD閣僚から見ても、ある一面奇異にも映り、まさにアジアを代表してきたなという感じに映ったかもしれません。そういう意味の中で、なかんずくOECDの各国を代表する方々の言葉の中に必ず日本という言葉が入ってくるわけでございます。昨年の会議は私は出席しておりませんかわりに、田村通産大臣がいろいろと私どもに御教授いただいた言葉の中に、去年はひどかった、ことしはどうなることやらということを盛んに私も出発前に聞いておりましたが、全く先ほど田村通産大臣御指摘のとおり、私が想像していた以上に各国が日本のまず第一における内需拡大、それから外需におけるマイナスの寄与度、そしてまた同時に、それに対するマクロ的な日本の考え方というものを非常に高くアプリシェートしているということだけは肌で感ずるわけでございまして、大変にありがたい事態になったんだなということを痛切に感じました。
 それと同時に、私ども三人は、それぞれバイラテラルな形でアメリカのジェームズ・ベーカー財務長官とか、あるいはフランスの大蔵大臣であるとか、あるいはイギリスの大蔵大臣であるとかドイツの経済大臣であるとか等々、ずっと分担分担で話し合いましたが、その際においても「ハイラテラルになってもお互いに本会議場と変わりなく日本を称賛していただいたということだけは事実でございまして、これは非常にありがたいことであったなと感ずる次第でございます。
 例えば、アメリカの例ではございますが、日本の国の代表団も三人そろったわけでございますが、数からいきますると七人ほど参ったわけでございまして、その七人というのはみんな閣僚レベルの農林大臣でございますか、向こうで言う農務長官でございますが、リン農務長官あるいはヤイター氏に至るまで出席をするというくらいでございますから、全力投球でジェームズ・ベーカー財務長官を初めとしてやってきたと言っても過言ではないわけでございます。その面々が特に言うていること自体においても、日本のことを非常に高く評価をしたということが一点でございますが、ただ、バイラテラルで話をしたときに幾つかにわたって感じましたことは、アメリカに多少なりともインフレ傾向の嫌いが出てくるのではなかろうかという点をジェームズ・ベーカー長官を初めとして多少気にした発言をしておったことだけは事実でございます。その点は日本においては全く基礎的にファンダメンタルズがしっかりしていますねというお言葉をいただいたわけでございまして、その点は全く田村通産大臣の言われたとおりでございます。
 さて、二点目のNICSの問題でございます。これは通産大臣が語ったそのものでございますが、まさに私どもは孤軍奮闘になるのかな、アジアをかばい抜くという形がある一面これだけの主要西欧列強の中でどのようにとらえられるであろうかということを私は大変気にしておりました。ところが、田村通産大臣、宇野外務大臣等々、このNICSの問題を話しかけ、それに対応する諸外国の見識というものは、NICSの脅威を訴えたアメリカの言葉をむしろ言外に否定するか、あるいは言葉の上でむしろ厳しく言うかということに分かれるほど全面的に日本側の方に賛意を示したわけでございます。先ほどのイタリーのファンファーニ前総理に至りましても、いやもう日本の言うことが正しい、だからどうかその方向で頑張ってもらいたい、あれは確かに日本の言うとおりだということを再三再四私にも言うてくるほどでございました。というところを見ましても、アメリカもさすが大国でありまして、全員に否定をされていったようなNICSの問題ではありながらも、そのまま自分自身の意見を固執することなく、静かに聞いて静かに引き下がっていったという感じがいたします。
 あと一つ、日本側といたしましては、近隣諸国を盛り立てながらそれをこの西欧列強の国々の中でむしろ抱いていってもらいたいというような話をし続けた日本代表団に対しては、私は自分も代表団の一員としてむしろ誉れと誇りを感じたと申し上げても差し支えないと思っておる次第でございます。
 ありがとうございました。
○柳川覺治君 時間がございませんのであれですが、一言。
 私どもは戦前、貧しくとも豊かな民族だと言われてまいりました。そして今日、経済発展し豊かな国になりましたが、心の豊かさとかが言われております。豊かで気高いという民族になるのかどうかというのがある面での課題でありましょうし、私は教育の一つの若者への期待するところであると思います。今、両大臣から日本が信頼されるお話がございました。大変すばらしいことだと思いますが、これからの人づくりという面でお気づきの点がありましたら、田村大臣、一言お願い
申し上げたいと思います。
○国務大臣(田村元君) 人づくりというのは、一個の大臣、一つの省庁だけで論ずることはなかなか難しいと思います。
 私の先輩で、ある方が坊ちゃんを亡くされた。それも親御として望まなかった亡くなり方であった。そのときに私に涙をこぼして言われたことは、自分は事業家として今までやってきたことはほとんど成功さしてきた、しかし人生最大の事業に失敗した、それは子育てである、こういうことを言って涙をこぼしておられましたが、私も人ごとならず胸の痛む思いがいたしました。
 心の豊かさというものは、今の日本に欠けておるとは申しませんけれども、物の豊かさとの間に少しアンバランスがあるんじゃないかという感じはしないでもございません。それこそ竹下総理じゃありませんが、つかさつかさにおいていろいろな面で検討していかなきゃならぬ問題だと思います。例えば私ども通産省として物を言えば、確かに所得も世界の最高水準に達しておる、物も豊かである、しかし、果たして居住性に豊かさがあるだろうか、あるいは社会環境に豊かさがあるだろうか、そういうことについて私どもがこれから懸命の努力をしていかなければならないのではなかろうかというふうに思っております。これは先ほど申し上げましたとおりに内閣全体の問題でございますけれども、私どもは私どもの立場で今おっしゃったような心の気高さを日本人すべてが持って、それを享受できるような社会づくりにいそしみたいと思っております。
○柳川覺治君 時間が参りましたが、会計検査の問題につきましては田渕先生からの御指摘があり、通産大臣の御回答がございましたので割愛さしていただきますが、超電導につきましての材料確保の問題につきまして中国等との関係、また国内のこの面の生産体制というか開発につきまして、時間がございませんが、一言、現在の状況、今後の方針につきましてお答えを賜りたいと思います。
○政府委員(浜岡平一君) 最近注目されております超電導技術でございますけれども、材料面では御指摘のようにレアアースに依存する可能性が非常に高いわけでございます。現在、世界のレアアースの生産につきましては、アメリカ、オーストラリアあるいは中国などが肩を並べているわけでございますけれども、賦存量で申し上げますと、世界の七、八割が中国にあるわけでございます。その意味で中国との協力関係が今後重要でございます。既に六十二年度から五年計画で中国の黒竜江省と広東省でレアメタルの資源開発に協力をいたしておりますけれども、特に広東省の場合にはレアアースも対象に含まれております。
 それから、今般日本からレアアース交流訪中団、これは不肖私が団長を仰せつかりましたが、訪中をいたしました。中国側にはレアアースの開発応用の一種のプロジェクトチームがございます。国家計画委員会の葉副主任がリーダーになっておられるわけでございますけれども、両者の間で意見交換をいたしまして、今後、生産、流通、貿易、技術開発等の面での交流を活発にしていこうということで、毎年一回ずつ定期的に日中レアアース交流会議を開くというような合意ができました。ことしの秋第一回を開くことになっておりますけれども、こういったものをベースにいたしまして緊密な協力関係を築きまして、将来における重要な資源確保に遺憾なきを期してまいりたいと考えているところでございます。
○柳川覺治君 国内の岐阜の神岡鉱山等の国内開発の問題は、時間がありませんが、一言だけ。
○政府委員(浜岡平一君) 日本の賦存状況は必ずしも明確でございませんけれども、御指摘のように神岡鉱山の周辺にスフェーン、日本語で言いますとチタン石ということになるようですが、これがイットリウム、ランタン等のレアアースを含有しているということがわかっております。ただ、一般の炭酸塩系のものと違いまして珪酸塩系のものでございますので、これの利用の技術につきましては相当な工夫が必要でございますけれども、六十三年度からこの分離抽出につきまして本格的な技術開発に取り組んでいくという予定にいたしております。
○柳川覺治君 ありがとうございました。終わります。
○峯山昭範君 きょうは大臣、急に質問をいたしますので、通告がありませんのでまことに、通告以外のことを質問するかもしれませんが御勘弁いただきたいと思います、私も何も準備をいたしておりませんので。
 まず初めに、最近の為替レートの問題についてお伺いしたいと思うのでありますが、最近は百二十四円前後で安定していると言いましょうか、そういう状態が続いているわけでございます。この為替の状態を大臣は今どういうふうにお考えになっていらっしゃるか、この点を初めにお伺いしたいと思います。
○国務大臣(田村元君) 大変これは難しいお答えになるかと思います。私は率直に言って、結論から言えば、もう少しやはり円が安くなった方がいいんじゃないか。例えば、今大変な好景気でございますけれども、経済の二面性というものが浮き彫りにされております。そして輸出型企業とりわけ輸出型の下請、あるいは輸出型産地の企業というような企業ではまだまだはかばかしくありません。懸命の内需型への転換を今必死にやっておりますし、融合化等で一生懸命の合理化努力をやっておるようでありますが、率直に言ってまだまだ輸出型の企業は厳しい状況下に置かれております。
 また反面、今度は内需型の産業並びに一般の消費者は円高のメリットというものを享楽しております。そういうことがあるものですから、一概に幾らがいいということはちょっと私も明言いたしかねますが、いま少しく円が安くなっていいのではなかろうか。しかし、とにもかくにも安定してくれることが一番であると、このように考えております。
 それだけに、ペルシャ湾動向にしましても、つまりイラン・イラク、またサウジがイランとの間で少し険悪になっておるようでございますが、ペルシャ湾の動向とかあるいはその他のいろいろな動向等に対して、非常にセンシティブに我々は見なきゃならないというふうに考えております。
○峯山昭範君 大臣が今おっしゃいましたように、円が安定するということは非常にいろんな面で好影響を与えると私も思います。しかしながら、大臣も当委員会で何回かおっしゃったことがございますけれども、今もおっしゃっておりますが、もう少し円が安くなった方がいいと。私もそう思いますし、また大臣は、日本の特に中小企業の採算ベースというのは百七十円から八十円ぐらいだとおっしゃったこともあります。そういう点からいきますと、相当高いところで今安定しているわけであります。しかしながら、安定するということと、それからもう一つは、時間があれば案外日本の企業というのはそれに対応するんだなということを私たちは見せつけられておりますし、また中小企業の白書とかそういうようなところにもあらわれてきているように思います。
 そこで、白書の中にも出てまいりますが、最近こういうふうに好景気あるいは倒産の減少というものが実際問題としては、いわゆる働いている労働者にしわ寄せがされているんじゃないかというふうに私は思うわけです。特に賃金の問題とか労働時間の問題とか、そういうところにしわ寄せされて、そしてしわ寄せせざるを得ないという中小零細企業の皆さん方の苦悩というのはやっぱりあると私は思います。そういうような意味で、そういう点に対する通産の指導はどういうふうになっているのか、この点ちょっとお伺いしておきたいと思います。
○政府委員(広海正光君) 円高その他の最近の環境変化が中小企業にとりましてどういう影響を与えているか、そしてまた、通産省、中小企業庁としましてはどういう対策を講じているかという点に関しましてお答えを申し上げたいと思います。
 先ほど来お話が出ておりますように、中小企業
白書に書いてあるとおりでございますけれども、円高等の影響は下請中小企業あるいは輸出型産地を中心といたします中小企業製品をつくっております産地に対しましてマイナスの影響を与えているところでございます。通産省、中小企業庁としましては、六十年秋からの円高の過程の中でいろいろな対策を講じてきたわけでございますけれども、一つには、六十一年二月から施行しております新転換法、あるいは六十一年の十二月から施行しております新地域法に基づきまして円高構造転換対策というものを講じさせてきております。それからまた、今般の国会におきましていわゆる融合化促進法、あるいは信用補完法の改正といったような法律的な手当てもしていただいたわけでございますが、これも今申し上げました円高構造転換対策の一環ということでやってきているわけでございます。
 中小企業、特に産地関係の中小企業、それから下請中小企業にとりましても、今申し上げましたようないろいろな対策というものは当然活用されておりますし、また活用できるわけでございますけれども、特に下請の中小企業と申しますのは、親企業と非常に密接な関係を持って企業経営をやっておられるということで、非常に特殊な地位を占めているわけでございます。したがいまして、私どもとしましては、今申し上げました中小企業対策一般に加えまして、下請中小企業対策ということでまたいろいろな対策を講じているわけでございますけれども、一つには、下請取引の適正化といった内容の対策が一つと、それからもう一つは、下請取引のあっせんということで、また広域あっせんその他いろいろな対策を講じております。それからまた、特別な融資制度、あるいは補助金制度といったものも下請対策というものの上乗せ措置ということで対策を講じている次第でございます。
○峯山昭範君 いろいろおっしゃっていますけれども、それはいろいろとそういうふうな施策を講じていらっしゃるからそれなりの、白書のような状況が出てきているんだろうと私思いますが、現実の問題としては、労働者の賃金だとかいわゆる労働時間の問題とか、そういう点に対するしわ寄せがされているんじゃないか。それがあって初めて中小零細企業の好景気というのがあるんじゃないかと、そういうところをちょっと心配しておるわけです。
 それはそれとして、ちょっと違う方向で質問いたしますが、そういうふうな意味で、最近の企業の倒産の状況はどうですか。
○政府委員(広海正光君) 倒産の状況に関しましては、ただいま具体的な数字を持ち合わせておりませんけれども、大体最近でございますと月に千件を割るような状況で、水準といたしましては非常に低い水準で推移していると思います。
○峯山昭範君 倒産が減ってきているというのはいろんな新聞紙上にも報道されておりますし、またいろんなところにもあります。しかしながら、千件を切るといいましても、千件に近い数の倒産があるということだろうと私は思います。そこで、なぜ倒産が減ってきたのか、これをお伺いしたいわけです。
 私の手元にあります新聞の報道によりますと、「中小企業の景気も、回復しつつある。しかし、産地では、転業と廃業がそれぞれ倒産件数の十倍以上にのぼり、倒産の動きだけでは、景気は判断できない。」、こういうふうに報道された部分があるわけです。従来は倒産が非常にふえたからこれは大変だというふうに見ておりましたが、それだけではこれはいろんな判断ができない。それだけじゃなしに転業とか廃業という問題もいっぱい出てきている、こういうふうにあるわけでございますが、そういう転業、廃業とのかかわり、現在どういうふうになっているのか、そこら辺に対する対応はどうなっているか、この点もちょっとお伺いしておきたいと思います。
○政府委員(広海正光君) 私ども中小企業関係の産地と申しますのが全国で約五百あるわけでございますけれども、その五百の産地に限って申し上げますと、六十一年、それから六十二年の九月までと、この一年九カ月の間に倒産企業数は三百十一件でございます。それに対しまして廃業の企業数が三千二百九十二件、それから休業企業数が、六十二年のこれは九月時点でございますけれども、三千八百二十九件ということで、ただいま御指摘のとおり、倒産企業数は比較的少ないわけでございますけれども、廃業、休業の企業数というのが非常に多いというのは事実でございます。
 なぜ倒産企業数が比較的少ないにもかかわらず、廃業、休業の企業数が多いかという点でございますけれども、全般的にやはり円高の過程、それからNICS等の追い上げで中小企業をめぐる経済環境は非常に厳しいんじゃないかということがまず言えると思うんです。ただ、非常に今金融が一つには緩んでいるということ、それから内需が割合いいということもありまして、資金繰りがややつくということで倒産というのはやや少なくなっているんじゃないか。しかし、経済環境はやはり全般的には厳しい、特に中小企業にとりましては、ということで廃業企業、あるいは休業という形での破綻というのは相当出ているというふうに私どもは認識しております。
○峯山昭範君 この問題は、今の数字からもこれはもう廃業とか転業が非常に多い、したがって、倒産だけでは中小企業の状況はわからないというのはそのとおりだろうと私は思います。
 そこでさらに、この中小零細企業の皆さん方の悩みの中で、今NICSの問題と絡みまして、いわゆる高い人件費にどう対応していくかという問題もたくさんあるやに聞いております。そんな中で、特に東南アジアからの労働者の流入ですね。これも一つの大きな問題としてこれから特に問題になってくるんじゃないかということも言われているわけでございます。こういう点については、これは担当は労働省かもしれませんが、中小企業庁あるいは通産としてはこういう問題についてはどう対応していかれるのか、ここら辺のところはどうですか。
○政府委員(広海正光君) 東南アジアその他からの外国人労働者の流入の問題につきましては、これは中小企業庁を越える、私どもの所管を越える問題でございますので、的確な答弁を申し上げることができないわけでございますけれども、中小企業の目から見た場合どうかという点でございます。専門的にその方面の調査もしたことはございませんけれども、耳にするところによりますと、相当中小企業のいろんな業種、それから立地地点によって違うとは思いますけれども、場所あるいは業種によりましてはかなり外国人労働者に依存した形で経営をやっておられる企業も相当ある、このように承知しております。
○峯山昭範君 ぜひそういう点にも十分配慮しながらこれから中小企業対策を進めていただきたいと思います。
 そこで大臣、週休二日制の問題なんですけれども、これは人事院の方の週休二日制に関する勧告がございまして、特に銀行とか官庁が優先して取り組んでいただきたいということで、この問題に対する閣議決定も行われたんじゃないかと思うんですが、この週休二日制に対する大臣のお考えを初めにちょっとお伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(田村元君) 実は、週休二日制を公式に問題にいたしましたのは、私が労働大臣のときでございまして、今からもう十六、七年前でございます。そのころから週休二日制と取り組んでまいりました。それと定年延長というものと取り組んでまいったわけでありますが、今おっしゃったように、せんじ詰めますと中小企業の労働者をどうするかという問題が一つございます。
 それから、何といっても官庁と金融機関が率先してやらなければなかなか徹底できるもんじゃないということがあります。金融機関も最近土曜の営業を隔週か何かで休んでおるようでありますが、官庁を見てみまして私がつくづく思いますのは、やはり単なる週休二日制あるいは四週六休とかというようなことだけでなく、閉庁をしなければしょせんだめだ。その閉庁をした場合に国民へ
の公的機関としてのサービスがどうなるかというような問題もございます。そこいらの問題がなかなか難しい問題で、必ずしも国民の全面的な御支持を受けることができるかどうかということもございます。しかし、私はやはり週休二日制を、言うなれば閉庁というものをやるべきだ、それでなければ実は上がらないというのが持論でございます。
 国会の問題でもそうでございますけれども、例えば月曜日あるいは火曜日の質疑通告なんかを水曜か木曜日にしてあげれば、皆若い役人たちは助かるがなと思って、私も資料なんかをつくらせますのに、なるべく火曜日とか水曜日につくらせるようにしておりますけれども、なかなか現実には難しい問題があるようでございます。
○峯山昭範君 大臣が週休二日制の問題に相当長い間取り組んでこられているということにつきましては、私も聞いております。そこで、この土曜閉庁ということで、いよいよ官庁も取り組むようになってきつつありますし、銀行もまたそういうふうになるんじゃないかと思います。そんな中で、今大臣もちょっとおっしゃいましたが、土曜日を週休二日制に全部してしまうと、いわゆる中小企業の方々はなかなかこれはそうはいかないわけですね。そうしますと、週休二日で働いている皆さん方とまた休まないでやっていらっしゃる皆さん方との年間の休みの差というのは三十日から四十日以上にもなってしまうわけです。それで、週休二日制が何で進まぬのかという議論の中で、官庁や銀行が週休二日制をやらないから進まないのであって、やれば進むと言う人もいるわけです。私は内閣委員会に所属いたしておりますが、そういう議論を随分やったことがあるわけです。
 ところが、先般から私も中小企業の皆さん方の御意見を聞くと、銀行や官庁が週休二日制をやっても中小企業は二日制をとりにくい、それは何でかというと、新聞の報道の中にもあるわけでありますが、いわゆる中小企業はそこで働く従業員の皆さん方の福祉とかお休みとかそういうことよりも、企業の利益とか、仕事の量とか、それを完成せにゃいかぬとかいう面がどうしても優先してしまう。だから中小企業としては、中小企業が生きていくためにはその仕事をやらないといけない、また従業員の給料は高い、余分に雇わないといけない、だから採算上やれない、そういうふうな問題がどうしてもあるんだそうです。
 そういう点でいきますと、これはそうなるかどうかわかりませんが、中小企業が、中小と言いましてもそれは相当大きな企業もありますから、特に小さい企業や零細企業についてはいわゆる通産省としてはどういうことをやってあげたいとお考えなのかということを聞きたいんです。実はそれと同時に、そういう中小零細企業が週休二日制を実施した場合は例えば税制上の優遇措置とか何らかのことはできないか、あるいは何らかの助成金を交付するというようなことはできないか、そういう国がどういう後押しができるかという問題があるわけです。これは非常に私は大事な問題であると思いますし、そういう点についてもぜひ取り組んでいただきたいと思うんですが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(田村元君) おっしゃることはよくわかりますし、そのとおりだと思いますが、ただ、政策問題に入ってまいりますとこれは当然労働省なりあるいは総務庁が判断し、決定していくことであろうと思います。いかに私が過去に経験を持っておるといえども、今は他省の大臣でございますから余り立ち入ったことを申し上げることはいかがか。この答弁はちょっと御遠慮申し上げますけれども、個人的に申せば、今峯山さんがおっしゃったことは私も全く同感でございます。
○峯山昭範君 そういうこともぜひ取り組んでいただきたいなということを御要望しておきたいと思います。
 それから、次にもう一点、円高差益の問題についてお伺いをしておきたいと思うのでありますが、最近の円高差益の還元状況というのは大体どういうふうになっておりますでしょうか。
○国務大臣(田村元君) 具体的には政府委員から答弁いたさせますが……。経企庁が来ておりますので、詳しいことは経企庁の方から答弁してもらいますが、経企庁の出しました過去二年間の円高差益がおおむね三十兆円、それに対して約七〇%ぐらいが還元されておる、これが経企庁の統計のようでございますが、通産省ではじきましたのもほぼそれに見合っておるようでございます。
○峯山昭範君 特に電力料金の円高差益という問題があるわけでございますが、これは現在どういう状況になっておりますでしょうか。
○国務大臣(田村元君) 円高差益は、御承知のように今年一月一日から本格的に電力、ガス、ガスは大手三社でございますが、料金を決定いたしました。それで、昨年の暫定措置も含めますと大体二兆六千億円の還元、夫婦子供二人という全く標準的な家庭で年間約三万円の還元ということになっております。
○峯山昭範君 特に大口の電力料金の問題についてもちょっとお伺いしておきたいのでありますが、聞くところによりますと大口の電気料金というのは、日本の電気料金というのは世界一だそうですが、そうですか。
○政府委員(浜岡平一君) 現在の為替レートで換算をいたしますと、御指摘のように日本の電気料金は世界一と言えるかどうかでございますが、主な国と比べますと割高になることは否めないわけでございます。ただ、こういう状況になりましたことにつきましては、現在の為替レートで換算してと申し上げたわけでございますけれども、円レートが高くなっているということが大変大きく影響をいたしているわけでございます。現在の円高の進行が始まります前で比べてみますと、そう極端な差はないという状況がほぼ出現していたわけでございますけれども、その後の円高の進行というものを、御承知のとおりの装置産業でございますので簡単に吸収できないというようなこともございまして、御指摘のような状況が存在していることは事実でございます。
○峯山昭範君 概略どういうふうになるのか一遍各国のものを主なところで結構ですが教えていただきたいと思います。六十二年度の大口電力料金を一キロワット時当たりの電力料金ということで、日本では一番高い北海道電力が十六円、それからいつも一番安い北陸電力が十三円というふうになっておりますが、このとおりかどうか。それで諸外国の状況はどうか。概要で結構です。わからなければわからないで結構ですが。
○政府委員(浜岡平一君) ちょっとただいま手元に資料を持っておりませんので、恐縮でございますけれども平均単価で比べてみますと、ただいま先生がおっしゃいました北海道電力につきまして二十三円七十七銭、北陸電力について十八円十三銭というような状況でございまして、大口電力につきましてもほぼ御指摘のような開きがあろうかと考えております。
 国際比較につきましては、今何割増しぐらいだということを直接申し上げる資料がございませんので、後日比較資料を御提出させていただきたいと思います。
○峯山昭範君 いずれにしましても、日本の電気料金が非常に高いように思います。
 そこで、最近、特に自家発電で賄う、要するに日本の電気代が高いから自分のところで発電機から全部用意して、安い石炭とかあるいは油を輸入して自分のところで発電を起こすという企業が最近ふえてきている、こういうふうに聞いているわけでございます。その比率は全国平均で二五%を上回っておるという報道もあるわけでございますが、最近の状況はどういうふうになっておりますか。
○政府委員(浜岡平一君) 特に六十一年度から六十二年度にかけまして、先生御高承のとおり、エネルギー価格が大きく下がったわけでございます。さすがに石油火力につきましては、IEAにおきましても新規の石油火力を控えるという申し合わせがございますので、自家発の場合にもその考え方を基本的に適用してまいりたいと思ってお
ります。
 そういう観点から申し上げますと、主として御指摘のように石炭火力によります自家発が六十一年度から二年度にかけてふえていることは事実でございます。数字としましては、大口電力につきまして御指摘のようにほぼ二五%程度に達しているという状況かと存じております。ただ、六十二年度から三年度にかけましては一連の料金引き下げというようなこともございまして、比率の上昇の度合いは大きく鈍下していると承知いたしておりますけれども、基本的には御指摘のような動きがあるわけでございます。
○峯山昭範君 私が心配いたしますのは、こういうふうにして大手の企業は油とか石炭とかいうようなものが安く手に入る、そして電力料金が思うように安くなっていない、そこで自分のところで発電をする。そういうようなことがだんだん重なっていきますと、結局はそのしわ寄せを一般の人たちが受けなくちゃいけないというふうになる可能性があるわけです。したがって、私はこういうふうな大手の電力会社に対しましては、できるだけ円高差益を還元して、そしてまた大手の企業に対しても安い電力を供給する。そして自分のところでそういう発電とかそういうことやらなくても、いわゆる大手のところへちゃんと供給できるようにしてあげる。そういうふうにそこら辺の調整をちゃんとやっておかないと、電力会社そのものが今度は成り立たないというふうになる可能性もあるわけですし、非常に私は難しい問題じゃないかと思います。ここら辺のところは大事な問題でもあると思いますので、ぜひここら辺のところについては真剣に取り組んでいただきたいと私は思うんですが、いかがでしょう。
○国務大臣(田村元君) 実は日本の電力料金が高いかどうかという前に、思い切った料金の引き下げを断行いたしました。電力会社の幹部の中に私のことを残酷だと言った人がおったようでありますが、しかし思い切った、その当時よく言ったのでありますが、事務方に対して、タオルを絞るのにかすかすになるまで絞ってこい、こう言って、実は私が命じましてああいう非常に大幅の料金下げをやったわけです。そのときは一般の家庭の方も企業の方も皆手をたたいて喜んでくださったわけですけれども、やはりそれが定着してまいりますと、それはやはり不満も出る、これはもう当然だと思います。でございますから、これからももちろん円高差益は、先般は円高差益という名のもとに会社の経理の内容まで立ち入ったわけでございますけれども、それはそういうことをしたのがいいのか悪いのかは別として、とにかくいささかでも諸条件の変化があれば、つまりいい方に変化があればそれは吐き出していただくというようにして、庶民並びに企業の福祉利益につなげていきたい、これがつまり日本の経済の活性化につながるものというふうに考えております。
○峯山昭範君 これも大臣にお伺いしたいのでありますが、先日の新聞報道によりますと、例の包括貿易法案、レーガンさんが拒否権をどうこうするという問題があるわけでありますが、この問題に関連をいたしまして、米下院の議長さんが、この貿易法案を阻止するために日本は一億ドルという前例のない巨額をつぎ込み、議会や政府に対してロビー活動を行っている、こういう非難をした記事が報道されております。これは一億ドルというと、今のレートでいきましても百二十数億円という大変な金額になるわけでありますが、この問題に対しては、これは実際問題としてどういうふうになっているのか。こんなことは私はないと思うんですが、そこら辺のところも含めましてのお考えと、それから最近のこの問題に対する動向等をあわせてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(田村元君) 私もあの新聞記事を読んで唖然としたのであります。政府と企業というふうに書いてあるわけですけれども、政府がそんなばかな金を使えるはずがありません。私は企業のことはよく存じませんけれども、それは企業は企業なりにある程度はやっておると思います。思いますが、百何十億というような金を果たして使うもんだろうか。まことに現実離れをした放言としか言いようがありません。しかしそれは、そういうことは知っての上でのといいますか、そういうことはあり得ないということを知っての上での牽制球なのかあるいは放言なのか、あるいは知らないで日本にはそれだけの力があるというようなことでの言葉なのか、あるいはだれかがなまはんかな入れ知恵をしたのか私にはわかりませんが、とにかくあの発言というのはとんでもない発言としか言いようがございません。
○峯山昭範君 終わります。
○佐藤昭夫君 まず、中尾経済企画庁長官にお尋ねをいたしますが、前国土庁長官の奥野さんがいわば十五年戦争、これを単なる偶発的なことから起こったんだということなど、あの侵略戦争を容認する発言、これが重大問題になってきたわけであります。中尾長官は五月十三日の午前中の閣議において、「奥野さんの発言は間違っていない。何でも中国にこびを売るような態度はうなずけない。」と発言をされたと報道されておりますけれども、事実でしょうか。
○国務大臣(中尾栄一君) お尋ねの閣議での発言につきましては、申し上げることは差し控えたいと思います。
 いずれにしましても、日中戦争等についての私の見解は、これまでたびたび総理等が国会において答弁されたものと異なるところは一切ございません。
○佐藤昭夫君 十三日の閣議におけるやりとりについては答弁を控えたいというふうにおっしゃいますけれども、確かにあれをなかったことにしようといったような官房長官の発言なんかもあった模様でありますけれども、しかしこれは、例えば十四日付の人民日報にも、中尾長官が奥野発言は間違っていないと弁護したという報道などが出ております。今やそういうことで、なかったことにしようなどと隠しおおせようのない明々白々たる事実になってきておる。もしもあなたがおっしゃるように事実無根であれば、むしろ人民日報側にその報道を取り消すよう申し出るというのが当然の筋だと思いますけれども、そういうこともなさってない。ということで、あのことについては、言っていないとかそういう態度はとり得べき問題ではないと思うんですけれども、どうですか。
○国務大臣(中尾栄一君) 人民日報の方が閣議にいたわけではございませんから、別に閣議でそういう問題がなかったというように申し上げたことは、そのままそのとおりにお受け取りください。
○佐藤昭夫君 人民日報が報道をしているということだけじゃありません。十七日の閣議で小渕官房長官が、閣議で秘密としたものは漏らしてはならぬ、閣僚としての当然のモラルとして注意をしてほしいと、こう言ったそうでありますが、これも新聞で報道されておることであります。堀内環境庁長官が、記者諸君に聞かれてしらを切るのがつらかった、結果的に国民にうそをついたことにもなったと述べて、事実上あのようなやりとりがあったというのは一層明白になっているのであります。いわば元青嵐会の座長でもあった中尾長官でありますから、自分の発言については当然責任を持つべき点は持つという、それこそ政治家としてのモラルというものは持っていらっしゃることと私は信ずるんでありますけれども、本当にあなたの真意は、本心は、奥野さんの発言は間違ってないというふうに考えておるし、また発言をしたんだということではございませんか。
○国務大臣(中尾栄一君) 閣議の事項、議事につきましては秘密を守る義務があり、閣議で述べられた個々の意見等を外部に漏らすことは許されないと、こういう明記がございますようですが、全く先ほど私の言うたとおりでございまして、閣議の中においてそのようなことはなかったと申し上げる以外にはございません。
○佐藤昭夫君 閣議での議論は、これは門外不出、秘密を守るべきだということは、何も法律的にそういう定めがあるものではないわけですね。だからこそ、何も田村大臣に改めて尋ねようというわけじゃありませんけれども、同じく新聞報道
によれば、あのときのやりとりについてはエイズ法案の問題でいろいろ時間がかかったんだということをおっしゃったやに報道もされておるわけです。この十二日の参議院の内閣委員会で小渕官房長官はこの奥野発言について、いやしくも閣僚の任に当たる者は慎重でなければならないと述べ、奥野発言は不適切だったというふうに認めているのであります。これは至極当然のことを言ったわけであります。
 しからばお尋ねしますけれども、中尾長官も奥野前国土庁長官発言は不適切と今考えておられますか、どうですか。
○国務大臣(中尾栄一君) 私は、奥野前大臣の発言につきましては、マスコミに報道された程度しか承知しておりませんために、発言はこれまた控えたいと思います。
 いずれにしましても、私の日中問題に対する考え方は、総理大臣等が累次またそのたびごとにお答えになられているものと全く同じものである、こう御解釈願いたい、また同時に、そのように理解願いたいと思います。
○佐藤昭夫君 奥野発言は詳しく知らないというふうに、今この期に及んでそういうひきょうなことをおっしゃるべきじゃないというふうに思いますよ。であればこそ、竹下首相がもっときっぱりした態度をとって奥野前国土庁長官を罷免をすべきだということを私も本会議では申しましたけれども、ともかく結果的には辞表を出すという形でみずから辞任をなさった。というのは、みずからの発言の非を認めてそういう辞表を出されたということは、これはもう明白たる事実であります。したがって、あなたも立派な政治家として自負を持っておられると思うんだけれども、そういうことであれば、みずからの発言について責任を持って、私の考え方はこうだ、あのときにはこういうことを言ったんだということをはっきりおっしゃったらいいじゃないですか。
○国務大臣(中尾栄一君) 先ほど来答弁申し上げておりますとおり、奥野長官と私とは日中問題に関しては見解が違います、歴史観も違います。したがって、そのことだけにとどめて御質問だというならば、私の見解は、先ほど言うたとおり、総理が累次答弁しているとおりであって、しかし、現実においてその問題点は、私自身も先ほど申し上げましたように、発言について申し上げることは、閣議内のことでございますから、でき得ません。
○佐藤昭夫君 これだけの論議を通して私、非常に印象を深くしますのは、みずからの大臣という座を守るために、政治家として自分の発言については正々堂々と責任を持つということであってしかるべきところを、何でそんなふうにごまかすのかということで、大変残念に思います。しかし、もうこれ以上私が質問しても、あなたの答弁は変わりそうにないから。
 とにかくあなたが奥野発言を支持するような発言をなさった、閣議の中で。ということは、さっきも言いました中国の報道を見ましてもあるいは堀内環境庁長官のその後の発言を見ましても、紛れもないことということで、戦後の日本政治の出発点、少なくともここを否定するようなそういう発言に対しては、断じて許されない問題として、むしろ潔くあなたも閣僚を辞任なさったらどうだというふうに思いたいくらいなんですよ。また、どうせ我が決算委員会としては次の総括質問の機会もありますから、それまでに中尾大臣のひとつさらに御一考を願う時間の猶予をお与えしておきますので、よく考えておいていただきたい。
○国務大臣(田村元君) 先ほど来のお話でございますが、私から若干ちょっと補足を申し上げたいと思います。
 閣議は漏らさず、これは明治以来の、法律ではありませんけれども不文律であります。閣議の内容を漏らす閣僚ありとするならば閣僚の資格なし、はっきり言ってそれが言えます。もし聞かれてつらかったとかなんとかというようなこと、そんなばかなことを言う閣僚はいないと思うけれども、そういうような閣僚がおったとするならば閣僚の資格なし、私はそう思います。堂々と立ち居振る舞いはいたすべきだと思います。
 それからいま一つ、中尾君の名誉のために申し上げますが、いかなる場であれ、私は中尾君とは非常に親しくしておりますし、私の方が年が上でございますから兄弟のようにしておりますけれども、今度のOECDも一緒に旅行いたしました。いろいろと話し合いもいたしましたが、中尾君は率直に奥野さんと僕とは見解が違う、意見が違うと、こういうことを言い切っております。それはどういう場であれ、あえてどういう場であれという言葉を使わせていただきますが、どういう場であれ、私は中尾君が奥野さん御自身をかばった言葉は聞いたことがありません。重ねて申し上げます。閣議は漏らすべからず、これが不文律でございます。
○佐藤昭夫君 何を好んで田村大臣が私が答弁も求めてないのにそういう発言をなさるのかちょっと真意をはかりかねるわけでありますけれども、別に我が国の法律上閣議は一切秘密だということを定めておるような法律は、どこを探したってそういう明文はありません。ということで、むしろ国民に開かれた政治ということで、閣議でどういう議論があったとかということは正々堂々と国民の前に明らかにしたらいい問題だと思う、ということを私は申し上げておきます。
 そこで、次のテーマであります石炭火力発電所の建設問題でありますけれども、政府は長期エネルギー需給見通しの中で、石炭火力をベース電源として、原発に次ぐ主要な担い手という位置づけをし、今後より大型の石炭火力発電所の建設が予想されるのであります。そのあらわれとして関西電力が京都府の舞鶴市、日本海側ですが、ここに出力百八十万キロワット、最大規模の発電所になろうかと思いますが、その石炭火力を昭和七十年代前半期に実現をしようということで強力な働きかけをしております。一昨日から建設予定地付近の海底地盤、その海中音波調査を既に始めておるわけでありますけれども、こうした大型の石炭火力建設で最も心配される点は、温排水や重金属の放出による環境への影響でありまして、漁業など暮らしと住民の健康破壊が大いに心配されるわけであります。政府としてはこういう漁業への影響、住民の健康という問題についてどのような環境アセスメントを実施するのか、基本的な考え方を御説明願いたいと思います。
○政府委員(植松敏君) 今御指摘の舞鶴の石炭火力発電所でございますが、関西電力で計画をしておりますが、まだ具体的なことは固まっておりません。したがいまして一般的に御答弁をさせていただきたいと思いますが、火力発電所につきましても計画が出てまいりますと、まず最初にいたしますことは、会社自身がみずから環境影響調査を実施いたします。環境影響調査を実施いたしまして、通産省の方にその報告書の提出がございますと私どもの方で環境審査を厳正にいたします。この環境審査に当たりましては、地元住民の意見も伺いますし、また専門家から構成されます環境審査顧問の意見を伺いまして厳正な審査をいたし、結果が出てまいりますと、その過程で関係省庁、あるいは環境庁の長官も代表になっております電源開発調整審議会にもおかけいたしまして、環境審査に万全を期する。その結果に従いまして、十分な環境対策ができるよう電気事業者の方を指導するという形で実施しております。
○佐藤昭夫君 ここに、御存じと思いますが、環境庁監修の「石炭転換に伴う環境影響検討会 エネルギーと環境問題懇談会」というかなり大部の報告書がありますけれども、この中で環境保全上の課題、また環境保全上配慮すべき事項等についていろいろな提言を行っております。省庁は違いますけれども、やはり相当の知見を集めて環境庁がまとめましたこういう報告と提言です。これは十分考慮に置いて今後の通産省としての対応に資していくということでやっていかれるものと思いますけれども、そう承知してよろしいでしょうか。
○政府委員(浜岡平一君) 先ほど先生からもお話
しございましたように、これからも着実に伸びてまいります電力需要に対応してまいりますために、石炭火力発電は原子力発電と並びましてベースロードとして位置づけているわけでございます。
 先生御指摘の環境への影響という問題につきましては、石炭火力を今後着実かつ円滑に推進してまいりますためには極めて重要な課題でございます。ただいま公益事業部長から御説明申し上げましたような手順に従いまして審査をやってまいるわけでございますけれども、できるだけ広い目配り、気配り、心配りが要ることは当然でございまして、ただいま御指摘になりましたようなレポートにつきましても、その内容をよく吟味いたしまして、取り入れるべきものは取り入れていくという姿勢が必要であろうと考えております。
○佐藤昭夫君 それで、エネルギー庁当局は立地予定と言われておるそこの地形についてはよく御存じのはずでありますけれども、この舞鶴湾という非常に出口の狭い内海、ここを埋め立てをして建設をしようという話にもなっておるわけであります。いわば三方というよりももう四方を山に囲まれているとも言い得るような地域。でありますから、石炭の燃焼に伴うばい煙というものの拡散が、山に囲まれて非常に拡散がしにくい、滞留をしやすいということが一つ。それから、出力百八十万キロワットの石炭火力ということになりますと毎秒七十トンの温排水が出る。単にそこの温排水だけじゃなくて、東と西それぞれ、西には宮津のエネルギー研究所の石油火力、それから東側には高浜の原子力発電所ということで、そこらからも日本海側に温排水がずっと出るわけです。そうしますと、本当に大量の温排水による海の動植物に対する影響というものが大変心配をされるということになるわけでありまして、いわば舞鶴につくる石炭火力だけでも、七十万トンの温排水というのは舞鶴湾に流れ込んでいる由良川の一日の流水量の約四倍にも当たるということで、天然ワカメで名高い、それへの影響も深刻であります。
 ちょっと田村大臣が席を外されましたけれども、この地域は真珠の養殖もやっているのであります。三重県からの技術指導も受けて、舞鶴湾が波浪の少ない内海で水質が汚染されない上に、ある程度淡水が入ってくるということで真珠の養殖には絶好地だということで、水産庁の養殖研究所のお話によると、真珠の養殖地の近くに発電所が建設をされたということは全国で今まで例がないということで、そんなことをやるというのは真珠養殖にとって致命的な打撃が起こるんじゃないかというのがそれらの養殖関係の専門家の話なんですね。ですから、こうした点で湾内の漁業を壊滅に追い込むような石炭火力発電所の建設というのは軽々に実施をすべきじゃないということで、政府として十分見守り指導をしてもらいたいというふうに思いますが、どうでしょうか。
○政府委員(植松敏君) 先ほども申しましたように、電気事業者の方から環境影響調査書が本格化しますと提出されてまいりますけれども、特に今御指摘の漁業への影響等につきましては当該海域におきます海象や海生生物の状況、さらに漁業の状況、温排水の拡散状況、環境保全のために請じる対策等を踏まえまして先ほど申しました一連の環境審査の手続の中で十分審査をしてまいりたいと思っております。いずれにいたしましても環境影響調査書が提出されました段階での話でございますが、その点、十分頭に置きまして厳正な審査をしてまいりたいと思っております。
○佐藤昭夫君 終わります。
○橋本敦君 私は、山口県の上関町の原発問題を聞く予定でありますが、先ほど佐藤議員が質問をしました中尾長官、恐縮ですが、非常に重大な答弁なので私も一言聞かしていただきたいと思うんです。
 まず第一点は、長官は閣議で奥野発言を支持したことは事実でないということをおっしゃいました。そういうことはなかったと言うのであります。それならば新聞に閣議であなたが奥野長官の発言を積極的に支持した云々の記事が出たときに、たびたび記者会見の機会はあるわけですから、なぜそのような事実はなかったときっぱりと抗議の記者会見をしなかったのでしょうか。聞いておりまして私はこれは不審に思いましたが、いかがでしょうか。
○国務大臣(中尾栄一君) その後、このことが新聞に取りざたされて、二十何人かと記憶しますが、新聞記者が参りましたけれども、そのたびごとに私はその事実はなかったとはっきり申し上げておるわけでありまして、全部きっぱり否定はしておりますけれども、そのことは一切新聞には載らない、こういうことでございます。
○橋本敦君 あなたが正式の記者会見できちっとそのことを話されたという、そういうことを私は承知をしておりません。そのたびごとにとおっしゃいますが、こんな重大なことは正式の記者会見で言うなら言うべきでしょう。
 もう一つ伺いますが、奥野長官とは考え方が違うとおっしゃいましたが、それならばあなたは戦前の戦争が侵略戦争であったという、こういう点は反省をされておられるのですか、どうですか。
○国務大臣(中尾栄一君) 先ほど来申し上げておりますように、日中戦争などについては私の見解はまさに総理がお答えしているとおりでございます。もしあれでございましたらその全文を読み上げても結構でございます。
○橋本敦君 総理は、侵略戦争であったとはっきりお認めになっていないんです。そういう批判があったことは事実であると言うにとどまりました。長官自身があの戦争をどうお考えになっているか、総理の見解とは別にこの点ははっきりしてもらいたいのですが、どうですか。
○国務大臣(中尾栄一君) 私の見解をそのとおり訴えるということでございますれば、我が国は昭和四十七年の日中共同声明のまさに中で述べられておりますとおりに、過去において日本国が戦争を通じて中国国民に重大な被害を与えたことについての責任を痛感し、なおかつ深く反省をするとの認識でございまして、今後ともこのような立場に立って日中関係に対処してまいりたい、このように考える次第でございます。
○橋本敦君 そうであれば、奥野長官があの発言問題で辞任という事態になったことについて、あなたは奥野長官の発言自体は今の見解に照らしても遺憾であったと、こういうことは見解としてきちっと言うべきだと思いますが、どうですか。
○国務大臣(中尾栄一君) ここは公的な立場でございますだけに私は全く申し上げさせていただきますけれども、私自身は、奥野さん個人はもったいない人ではあるな、日中問題の見解は私とはしょせん違うとはいえ、個人奥野誠亮という人物は立派であると、こう私は思います。しかし、奥野さん御自身の立派さは、例えば土地問題などにつきましても積極果敢に取り組んで、御自分のおうちが官吏のころにお買いになったということでさえもが、自分は値段を下げていくことに全力を挙げるべきだということで傾注しておられた事実も知っております。そういう奥野さん御自身の立派さについてもこれまた存じ上げておる、こういうことでございます。
○橋本敦君 話を少しそらされましたが、そういう立派さをあなたがお認めになるのはあなたの自由です。しかし、あの発言は遺憾であったということは見解が違うんだからときちっと言えるのですか。これが言えなければ、あなたが違うとおっしゃったことは信用できない、私はそう思いますよ。はっきりしてください。
○国務大臣(中尾栄一君) いつでもどんな場所においても否定することはできます。同時に、先ほども言うたように私自身はもう既に言っております。
○橋本敦君 終わりますが、しかしあなたがどうきょう答弁されようと、閣議で積極的に奥野長官発言を支持なさったという事実があった疑惑はぬぐい切れません。このことははっきり指摘しておきます。
 それでは本題に入ってまいります。
 私がきょう聞きたいのは、この静かな瀬戸内海
の田舎の上関町という町、これはテレビドラマ「鳩子の海」でも皆さんよく御存じの瀬戸内海国立公園の中の島でございますが、ここに中国電力が一九八二年に原発開発計画を打ち出しまして、ここで百十万ないし百三十方キロワット級の原発二基を総工費およそ九千億円でつくる計画を表明いたしました。このこと自体は通産省も御存じと思いますが、知っておられますね。
○政府委員(植松敏君) 承知しております。
○橋本敦君 そこで自治省に伺いますが、この原発推進及び反対をめぐりまして町長選挙で大変激しく争われたわけでございますが、この町長選挙が六十二年の四月に行われまして、その選挙結果は明らかになっておりますので示していただきたいと思います。
○説明員(岩崎忠夫君) お答えいたします。
 六十二年四月二十六日に山口県の上関町町長選挙が行われましたが、当日有権者数五千百七十一名、投票者数が四千九百八十八名、結果は、片山さんが二千八百三十五、河本さんが二千百十六ということで、七百十九票差をもちまして片山さんの当選が決まっております。
○橋本敦君 今おっしゃった片山町長というのは、これは原発を推進するということを明確にした上で当選した町長ですね。
○説明員(岩崎忠夫君) 私ども選挙の争点として、何が争点とされたかはいろいろあると思いますけれども、上関町においては選挙公報も発行されておりませんし、選管としては承知いたしておりません。
○橋本敦君 新聞で読んで御存じでしょう。
○説明員(岩崎忠夫君) 新聞報道でそのような報道がされていることは承知いたしております。
○橋本敦君 天下公知の事実であります。
 それでは、この関係で不正投票でお調べになった検察庁に伺います。
 まず第一点は、この選挙は片山町長派が原発推進、そして反対派の町長候補と厳しく争った選挙であった事実は間違いありませんね、検察庁。
○説明員(頃安健司君) お答えします。
 本件が発生しました背景にはそのような事情があったものと承知しております。
○橋本敦君 そこで検察庁に伺いますが、このわずか有権者五千余り、そして当選者が二千八百、争った方が二千百、わずか七百という大接戦であったわけですが、ここで大量の詐偽投票、不正が発覚をしてお調べになりました。捜査の結果、概要をお述べいただきたいと思います。
○説明員(頃安健司君) 総数百五十二名につきまして公正証書原本不実記載、同行使、公職選挙法違反等の罪によりまして警察から送致を受けまして、これは告発もございましたが、処理結果は公判請求が七名、略式請求が百十一名、不起訴が三十四名という結果になっております。
○橋本敦君 その公訴事実の内容をかいつまんで言いますとどういうことが違法行為とされたのですか。
○説明員(頃安健司君) お答えします。
 公正証書原本不実記載、同行使と申しますのは、住民基本台帳が公正証書原本になりますが、これに転入の事実がないのに転入したという届け出をなしたというものでございます。
 公職選挙法違反の関係は、詐偽登録、詐偽投票と申しておりますけれども、選挙人でないのに選挙人名簿に選挙人であるかのように詐偽の方法によって登録させた、あるいは選挙人でないのに虚偽の方法によりまして投票したというものでございます。
○橋本敦君 わかりやすく言いますと、選挙人名簿に登載される公選法の要件、つまり三カ月間以上の居住、こういうことを殊さらに知った上で、三カ月前から住所を本当に移してないのに住民票の移転をして住所を移したと虚偽の申告をし、そしてそれに対する選管の調査、照会があったときに、住所を移してないのに移したという虚偽の報告をし、そして実際の選挙に際して、選挙権がないにもかかわらず選挙権を行使して詐偽投票を実際に行った、こういう三つの具体的な行為が問われたわけですね。
○説明員(頃安健司君) そのとおりでございます。
○橋本敦君 そこで、検察庁にもう一つお伺いしたいのは、わずか有権者五千、この小さな静かな田舎町でこういった百五十名に上る人が送検をされ調べを受けるというのは、まさに大変な大事件でありますが、こういった百五十余り検察庁のお調べを受けたのは原発を推進する派ばっかりですか、原発に反対する派もありましたか。
○説明員(頃安健司君) 双方でございますが、大部分はいわゆる推進派と言われる人たちと承知しております。
○橋本敦君 反対する派であったというのは私は初耳ですが、具体的に数字はわかりますか。
○説明員(頃安健司君) 四名ございます。
○橋本敦君 その四名は略式になっておるんですか、どうなっているんですか。
○説明員(頃安健司君) うち二名略式請求、うち二名不起訴となっております。
○橋本敦君 おわかりのように、九九%が原発推進派であります。特に重大なのは、この町長の夫人とか息子さんとか、あるいは推進派の上関町の発展を考える会の幹部とか、町で主要な役割を果たした人たちが公訴提起あるいは略式になっているんですが、それは間違いありませんか。
○説明員(頃安健司君) おおむね先生御指摘のとおりだと承知しております。
○橋本敦君 他地区から不正に転入をしてくる。受け入れる側、つまり転入届を虚偽に受け入れる側に、町長自身の自宅にもそういった不正な転入受け入れがなされていた事実がありますか。
○説明員(頃安健司君) ございます。
○橋本敦君 そういうわけですから、この選挙はまさに選挙無効といっていいほど、実に当選者側、推進派にとっては大変なことをやったというように言わなきゃならぬ重大な問題であります。そこで通産大臣、よくこれから聞いていただきたいのは、こういう不正な詐偽投票、これにつきまして実は原発推進を進めます中国電力、これの社員がかかわっていたということであります。この点の事実を法務省、明らかにしてください。
○説明員(頃安健司君) 六名の中国電力社員が本件で略式命令の請求を受けております。
○橋本敦君 その六名というのは、肩書きはどういう人たちですか。
○説明員(頃安健司君) 自動車運転手と一般の事務系職員だと承知しております。
○橋本敦君 詳しく私が法務省から資料をいただいて、手元にそれがありますからもう少し詳しく言いますと、中電の上関立地調査事務所、その職員の人たちであることは間違いないですね。
○説明員(頃安健司君) そのとおりだと存じます。
○橋本敦君 だから、今運転手とか職員とおっしゃったのは、中電がこの上関町に原発計画推進のために調査事務所を設置している、その設置している事務所に勤務する運転手であり、あるいは広報課の職員であり、渉外課の職員であり、調査課の副長あるいは渉外課の副長、こういった肩書きの人たちであることは資料をいただいたとおり間違いありませんね。
○説明員(頃安健司君) 具体的な肩書きは承知しておりませんが……。
○橋本敦君 いや、法務省からいただいたんですよ。ちょっとそちらで相談してください。いただいた資料と違うような話は困る。
○説明員(頃安健司君) ただいまの撤回いたします。そのとおりでございます。
○橋本敦君 これらの人たちは、もちろん町の原発推進の人たちと相意を通じてこういうことをやったことは、これは間違いない話でありますが、略式命令の公訴事実の要旨によりますと、これら六名の中電の社員、上関町の調査事務所に勤務しておる職員は、まず第一に、不法に住所を移していないのに転入したという届け出をして、そして虚偽の申し立てをした。それからもう一つは、選
管からそういう問い合わせがあった照会についても、住所を移していないのにうその報告をした。そして投票の際には不在投票等を行って実際に詐偽投票をした、こういう関係であると思いますが、間違いありませんか。
○説明員(頃安健司君) そのとおりでございます。
○橋本敦君 それで、原発計画を推進する中国電力がこういった不法行為に職員を積極的に加担させているという事実は、これは私は原発の推進の是非、もちろん私どもは安全のための基本的な見直しを要求して、これ以上の増設は反対しておる立場でありますから、たとえ推進をしたいと会社、企業がそう思っても、こういう不法行為にまで手をつけて、そうして詐欺投票まで行って、選挙の公正を害してまで原発推進をやろうという企業の目的をこのような不法な方法で達しようとすることは、これは私は公選法に照らしても、民主政治に照らしても、企業モラルとしても許せないことだと思っておりますが、大臣の御見解はこの点についていかがでしょうか。
○国務大臣(田村元君) これはいけませんね、率直に言いまして。私はとんでもないことをしてくれたと思っております。電源立地に当たりましては、話し合いで十分誠意を尽くし、そしてるる理論的にも説明をする、そのようにして納得してもらうというオーソドックスな方法でなければ、私はこういうばかなことはすべきでないと思っております。
○橋本敦君 大臣の御見解は非常によくわかりました。私もそういう立場で伺っておるわけであります。
 自治省に伺いますが、選挙を執行する責任がある自治省として、こういう不正な行為が実際の選挙において行われたというこの事態、今検察庁がお述べになりましたように、正式公判請求七名、略式が百十一名に上るという事態が起こったことについて自治省としては、こういうことはこれまたまことに許せないことだと思いますが、どうお考えになっておられますか。いかがですか。
○説明員(岩崎忠夫君) 自治省といたしましては、選挙人名簿への登録が適正に行われますように、従来から特に特定の期間に多くの選挙人によります住所移転がある場合には、特に慎重な調査を行うように指導をしてきたところでございますが、なお今回のような大量の架空転入があったとされる事件が起きたことはまことに遺憾なことだというように受けとめているわけであります。
○橋本敦君 それでは自治省、まことに遺憾ですから、なぜ施行令に基づく立入調査、あるいは実際に転入した者の申告者を呼び出して資料を提出させるなど、厳密な調査を徹底的に行わなかったのかという問題もありますが、こういう不正な選挙が行われたことについて、選挙を執行する責任ある自治省としては、詳しく報告を求め、今後二度とこういうことが起こらないように厳しく指導する、こういう立場で対処してほしいと思いますが、いかがですか。
○説明員(岩崎忠夫君) 自治省といたしましては、選挙の公正確保のためには選挙人名簿の正確性の確保をあくまでも期するという必要がありますので、今後とも選挙人名簿への登録が適正になされますように各般の指導を徹底してまいりたいというように思っております。
○橋本敦君 一般的に指導を徹底させることは結構、この具体的な上関町の問題について、自治省としても事実を正確につかみ、そして調査を行い、今後二度とこういう不正が起こらないように的確な指導を強めるというようにしてもらいたいという質問です。どうですか。
○説明員(岩崎忠夫君) 私どもの方は従来からそのような指導をいたしておるわけでございますが、今回このような大量の架空転入があったとされた事件が起きたわけでありますし、山口県選管を通じましてさらに状況を承ってみたいと思っております。
○橋本敦君 大臣もこれはとんでもないことだとおっしゃいましたが、まことにそのとおりで、手段を選ばずではいかぬと思います。この問題は住民自治の原則で住民がどういう方向を選ぶか、まさに地方自治の問題にかかわります。それに原発推進をするという企業が不法行為でかかわって自治を侵すというようなことは、これは選挙の公正だけじゃなくて地方自治の観点からいっても住民の権利侵害だと言わざるを得ません。今後こういうことが起こらないように、通産省としてもこの上関町だけでなく全国についてこれからいろいろありますから、厳しく、不法行為はやらないように正しい処置を指導していただくように最後に大臣に求めて質問を終わりますが、いかがでしょう。
○国務大臣(田村元君) こういう事件はちょっと私も聞いたことがない事件であります。恐らく他の電力会社もびっくりしておるんじゃなかろうかと思います。いずれにいたしましても、それが仮に非常なレアケースでよしんばあっても、通産省としても、扱う問題は違いますけれども、これは自治省や法務省や警察庁の問題ではございますけれども、所管の会社でございますから、折に触れてこういうことのないようにという指導を行うことは当然のことでございます。
○橋本敦君 終わります。
○委員長(穐山篤君) 他に御発言もないようですから、通商産業省、経済企画庁、中小企業金融公庫及び中小企業信用保険公庫の決算についての審査はこの程度といたします。
    ─────────────
○委員長(穐山篤君) 次に、継続審査及び継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。
 昭和六十年度決算外二件及び昭和六十一年度決算外二件の審査並びに国家財政の経理及び国有財産の管理に関する調査につきましては、閉会中もなお審査及び調査を継続することとし、継続審査要求書及び継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(穐山篤君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、要求書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(穐山篤君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
○委員長(穐山篤君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 昭和六十年度決算外二件及び昭年六十一年度決算外二件の審査並びに国家財政の経理及び国有財産の管理に関する調査のため、閉会中必要に応じ、政府関係機関等の役職員を参考人として出席を求めることとし、日時及び人選等につきましては、これをあらかじめ委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(穐山篤君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
○委員長(穐山篤君) 次に、委員派遣に関する件についてお諮りいたします。
 閉会中の委員派遣につきましては、その取り扱いを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(穐山篤君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
 次回の委員会は来る二十六日午前十時に開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後三時二十八分散会