第114回国会 文教委員会 第2号
平成元年三月二十八日(火曜日)
   午前十時開会
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   委員の異動
 二月十四日
    辞任         補欠選任
     木宮 和彦君     亀長 友義君
 二月十五日
    辞任         補欠選任
     亀長 友義君     木宮 和彦君
 三月二十三日
    辞任         補欠選任
     小野 清子君     石井 道子君
     寺内 弘子君     岩崎 純三君
 三月二十四日
    辞任         補欠選任
     石井 道子君     小野 清子君
     岩崎 純三君     寺内 弘子君
 三月二十七日
    辞任         補欠選任
     久保  亘君     穐山  篤君
 三月二十八日
    辞任         補欠選任
     竹山  裕君     大塚清次郎君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         杉山 令肇君
    理 事
                仲川 幸男君
                林  寛子君
                粕谷 照美君
                佐藤 昭夫君
    委 員
                小野 清子君
                大塚清次郎君
                木宮 和彦君
                山東 昭子君
                世耕 政隆君
                田沢 智治君
                寺内 弘子君
                柳川 覺治君
                穐山  篤君
                高木健太郎君
                高桑 栄松君
                勝木 健司君
                下村  泰君
   国務大臣
       文 部 大 臣  西岡 武夫君
   政府委員
       文部政務次官   麻生 太郎君
       文部大臣官房長  加戸 守行君
       文部省初等中等
       教育局長     古村 澄一君
       文部省高等教育
       局長       國分 正明君
       文化庁次長    横瀬 庄次君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        佐々木定典君
   説明員
       法務省刑事局刑
       事課長      古川 元晴君
       大蔵大臣官房企
       画官       大武健一郎君
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  本日の会議に付した案件
○国立劇場法の一部を改正する法律案(内閣提出
 、衆議院送付)
○教育、文化及び学術に関する調査
 (派遣委員の報告)
    ―――――――――――――
○委員長(杉山令肇君) ただいまから文教委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 昨日、久保亘君が委員を辞任され、その補欠として穐山篤君が選任されました。
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○委員長(杉山令肇君) この際、西岡文部大臣及び麻生文部政務次官から発言を求められておりますので、順次これを許します。西岡文部大臣。
○国務大臣(西岡武夫君) このたび文部大臣を拝命いたしました西岡武夫でございます。
 教育、学術、文化の振興を図ることは国政の基本であると考えております。特に今日教育改革は政府全体の重要な課題であり、所要の施策を積極果敢に推進する必要があると考えております。
 このような重要な時期に、文教行政に対する国民の信頼を損なう事態が生じましたことはまことに残念であり、申しわけないことと思っております。私は、綱紀の粛正の一層の徹底を図り、真に国民の期待にこたえる教育改革の実現に全力を傾け、この努力の中において文教行政に対する国民の皆様方の信頼回復に努めてまいる所存でございます。
 当委員会の御審議の趣旨を体して、文教行政を進めてまいりたいと考えておりますので、委員長並びに各委員の皆様方の御指導、御協力をお願い申し上げ、ごあいさつといたします。
 ありがとうございました。
○委員長(杉山令肇君) 麻生文部政務次官。
○政府委員(麻生太郎君) 他日、文部政務次官を拝命いたしました麻生太郎であります。
 何かと問題多き文部省、文教行政、いろいろ御批判をいただいておるところでありますけれども、西岡大臣を補佐し、全力を挙げて文教行政の改革推進に努めてまいりたいと思っております。
 皆様方の御指導、御鞭撻をお願い申し上げて、ごあいさつにかえさせていただきます。よろしくお願い申し上げます。
    ―――――――――――――
○委員長(杉山令肇君) 次に、国立劇場法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。西岡文部大臣。
○国務大臣(西岡武夫君) このたび、政府から提出いたしました国立劇場法の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 昭和四十一年に国立劇場法が制定されて以来、特殊法人国立劇場は、主として我が国古来の伝統的な芸能の公開、伝承者の養成、調査研究等を行い、その保存及び振興を図ることにより、我が国の文化の向上に寄与してまいりました。
 一方、オペラ、バレエ、ミュージカル、現代舞踊、現代演劇等現代舞台芸術のための国立の劇場については、その設置について関係者の長年にわたる強い要請を受けて、鋭意調査検討を重ねてきたところでございますが、平成元年度には、この劇場について実施設計を完了するとともに、敷地整備工事を実施する予定でございます。
 現代舞台芸術のための国立の劇場は、我が国現代舞台芸術の振興、普及の中核となる公共の施設であり、また、多様な現代舞台芸術の創造活動を推進する劇場に適した弾力的な運営を行うことが必要であります。この観点から、その設置、運営は、特殊法人国立劇場が行うものとし、これに必要な国立劇場法の改正を行い、開場に向けて諸準備を推進しようとするものであります。
 次に、本法律案の内容について御説明いたします。
 まず第一に、国立劇場の目的に現代舞台芸術の公演、実演家等の研修、調査研究等を行い、その普及及び振興を図ることを追加することといたしております。
 第二に、役員の任命に関しては、行政改革の趣旨に沿って、理事は、会長が文部大臣の認可を受けて任命することといたしております。
 第三に、国立劇場の業務に、(一)劇場施設を設置し、現代舞台芸術の公演を行うこと、(二)現代舞台芸術の実演家等の研修を行うこと、(三)現代舞台芸術に関して調査研究等を行うこと、(四)劇場施設を現代舞台芸術の振興または普及を目的とする事業の利用に供すること等の業務を追加することといたしております。
 第四に、罰則等に関して、所要の規定の整備を行うことといたしております。
 以上が、この法律案を提出いたしました理由及びその内容の概要でございます。
 何とぞ十分御審議の上、速やかに御賛成くださるようお願いいたします。
○委員長(杉山令肇君) 以上で趣旨説明の聴取は終了いたしました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○粕谷照美君 大臣になられてからは初めての文教委員会だと思いますので、本来であれば大臣の所信表明をお伺いし、そして質疑に入るというのが順当であろうかというふうに思いますが、日切れ法案ということもあり、私どもは純粋な日切れ法案というふうには思っていないわけであります、この法律は。文部省自体も準日切れ法案だと、こういう説明を我が党に対してされておりますので、そういう意味ではいろいろと問題もありますが、決定をしてここまでまいりましたからこの法律案に入るわけであります。
 法律の審議に入る前に、一つ先ほどの大臣のごあいさつに関連いたしまして質疑をいたします。
 きのう、我が国最大の企業でありますNTTの真藤前会長が起訴をされた、そしてマスコミの伝えるところによればきょうは加藤元労働事務次官が起訴をされる、こういうことでございます。こうしますと、NTTのルートが終わり、労働省のルートが終わり、そうするとあとは政治家のルートと文部省ルートだと、こういうことをみんな思っているわけであります。高石前事務次官がリクルート株まみれの一連の文教行政につけたこの汚点というものは大変なものがあるというふうに私どもは考えているわけでありますけれども、文部省ルートの捜査について大臣はどのような感触といいますか認識をお持ちでございますか、今。
○国務大臣(西岡武夫君) お答え申し上げます。
 現時点におきまして司法当局の調査が進んでいる段階でございまして、私の立場からその状況につきまして言及することは差し控えた方がいいのではないかと、このように考えておりますのでお許しをいただきたいと思います。
○粕谷照美君 それでは、文教行政に対して一連のけじめをつけなければならない、こういうふうに私どもは思っております。大臣としてなさるべきことは一体どのようなことをお考えになっておりますか。
○国務大臣(西岡武夫君) お答え申し上げます。
 今回の高石前事務次官の問題をめぐりまして、大変先ほども冒頭のごあいさつで申し上げましたように、文教行政についての国民の皆様方の信頼を著しく損ねたということについての責任を痛感いたしているわけでございまして、私、文部大臣を拝命いたしましてから文部省の幹部の皆様方また省内の皆様方に、一つはやはりこの信頼を回復するためには、まず省内の綱紀を粛正するということは当然でございますけれども、同時に現在の教育改革、教育行政に打って一丸となって真剣に取り組むという、その努力の中でしか国民の皆様方の信頼を回復することができないということを申し上げ、話し合ってきたところでございます。
 同時に、一月の段階で高石前事務次官と私直接会いまして、伝えられておりました衆議院選挙の出馬ということにつきまして、これはこの際断念すべきであるということを強く説得をしたところでございます。その結果、私の感触と申しましょうか、私の責任において高石前事務次官の次の衆議院選挙における出馬はないということを公表させていただいたところでございまして、ただ問題は、このことだけでけじめがついたというふうには考えていないわけでございます。当然、司法当局の調べが進んで、これに一つの区切りがついたところで私としてはどうすべきであるかということを改めて考えたい、このように考えている次第でございます。
○粕谷照美君 出馬を断念すべきである、私どもも当然出られないというふうに思っておりますけれども、御本人の口から断念いたしますということを大臣は耳にされたんですか。
○国務大臣(西岡武夫君) お答え申し上げます。
 このことにつきましてはいろいろな、まだ一月の段階でございまして、高石前事務次官と私直接あるいは間接にもお目にかかったり、お話を電話で申し上げるというような機会をその後持ち得ないで今日に至っているわけでございますが、一月の段階におきましては少なくとも私の責任において高石前事務次官は出馬しないということを公表させていただいたわけでございまして、高石氏がみずからそのことについての公表をするという問題は、御承知のとおり今のところ公式には行われておりませんけれども、そのことについては、私自身が一月に発表をしたことについてそのままお受け取りをいただいて結構である、私から今この時点で申し上げられる内容は以上でございまして、高石氏がどのような発言、どのような物の言い方を私にしたかということにつきましては、その詳細についてはお話を申し上げることは差し控えさせていただきたいと思います。
○粕谷照美君 大臣としては出るべきではないと、こういう態度でお話をなさったんだというふうに思いますが、それでよろしゅうございますか。
○国務大臣(西岡武夫君) お答え申し上げます。
 そのとおりでございます。
○粕谷照美君 高石問題はこれからは司直の手にゆだねられるであろうということに、私も当然のことだというふうに思いますけれども、臨教審問題に関連いたしまして、臨教審問題に関連いたしました政治家ですね。当時の中曽根総理、当時の官房長官藤波さん、それから当時の文部大臣森さんですね。それから文教委員長という、いろいろあるわけでございますけれども、こういう臨教審に関連をした政治家がリクルートから大変な株をもらっているということについては大臣は一体どういうお考えをお持ちですか。
○国務大臣(西岡武夫君) お答え申し上げます。
 臨教審の問題につきましては、結果としてそういうような印象を与えてしまったということについてはまことに遺憾なことであると考えますけれども、その間の直接的なかかわり方につきましては私自身今この席で具体的なことを申し上げる材料を持ち合わせておりませんし、また、そのことについて云々するという今立場ではないのではないかと考えますので、非常に結果として今いろいろと論じられていることが、先ほども申し上げましたように文部行政についての信頼を損なわしめているということについてはまことに残念なできごとであると、このように申し上げるほかございません。
○粕谷照美君 政治家の問題はこれからまたいろいろと司直の手も入るでありましょうし、明らかになる点がたくさんあろうかと、こういうふうに思いますけれども、この高石前事務次官の問題に関連して、結局職務権限、つまり文部省のお役人としての仕事、それから選挙が文部省ぐるみで行われたというような問題、あるいは地位利用と私学関係の問題などなど、当文教委員会におきましては昨年も厳しい指摘が相次いだわけでございます。そういうことも絡まりまして文教委員会に証人喚問だとか、あるいは参考人として出席を求めるとかというようなことが、参考人の部分については決定したわけですけれども、御本人が入院をなさって実現しないままにこういう状況に立ち至ってしまったということについては、私どもは大変残念なことであったというふうに考えているわけですけれども、西岡文部大臣としては断固として文部省のこのような一連の疑惑に対しては対処をしていくという御決意であるということを先ほどのお話でもわかりましたけれども、もう一度確認をさせていただきましてこの点については終わりたいと思います。
○国務大臣(西岡武夫君) お答え申し上げます。
 国会が御決定になる問題とは別に文部省としてやらなければいけないということにつきましては、先ほども申し上げましたように文教行政の信頼を回復するために省内一丸となって今後努力をしなければいけない事柄であると厳粛に受けとめているところでございます。
○粕谷照美君 それでは法案に入りますが、今の問題とちょっと関連があるわけですけれども、第二国立劇場設立準備協議会、この委員に江副さんが就任しているわけでございますね。六十二年九月一日に委員に就任をされましたけれども、その理由は一体どのようなことでございますか。
○政府委員(横瀬庄次君) ただいまお話しの第二国立劇場設立準備協議会でございますが、これは第二国立劇場、仮称でございますが、設立に関する重要事項、これは目的、性格、事業あるいは施設、管理運営といったような重要事項に関しまして調査研究を実施するということで設置されたものでございまして、その委員は芸術、文化各分野の代表、あるいはマスコミ関係者、その他の有識者から構成されているものでございます。
 それで、昭和五十九年にこの設立準備協議会の中に既にオペラ団体の代表といたしましてはオペラ団体協議会の朝比奈隆氏が入っていたわけでございますが、在京のオペラ団体からの強い要望がございまして、在京オペラ団体の代表を入れてほしいということがございました。そこで、五十九年に在京のオペラ団体の代表といたしまして、財団法人日本オペラ振興会の理事長でありました西直彦氏に委嘱をしたわけでございますが、そこで西直彦氏がそのメンバーとして入っておりました形で推移しておりましたところが、昭和六十二年の二月に西氏が亡くなりまして、その後任としてその財団法人日本オペラ振興会の理事長に江副氏が就任いたしましたために、六十二年の委嘱の際、六十二年の九月一日からでございましたが、江副氏にこの協議会の委員をお願いした、こういうことで日本オペラ振興会の理事長の交代に伴っていわば自動的にその後任の江副氏をお願いしたというような次第でございます。
○粕谷照美君 確かに江副前会長は日本オペラ振興会の理事長で、そこに年間一億円ぐらい寄附をしていらっしゃるんですか、これは議事録で明らかになっておりますけれども、一億円強の寄附を毎年このところしておりますという、証人喚問のときにお話しをしていらっしゃるわけであります。そうしますと、文化庁としては役職で選んだ、つまりオペラの振興会の理事長だから江副を選んだ、こういう理解でおられるわけですか。そういたしますと、江副さん今やめましたね。やめた後はなぜその理事長が出てこないのですか。そこのところがちょっと不思議ですね。
○政府委員(横瀬庄次君) その点につきましては昭和六十三年度の委員の委嘱に当たって委嘱の人選を行ったわけでございますが、そのときにそれまでの協議会出席の状況を勘案したわけでございますけれども、江副氏は本務が大変多忙であるということで出席の見込みがないということなどから委員としての委嘱を行わなかったわけでございます。そこで、オペラ関係の代表というものが一人欠けるということになりましたので、そのかわりというわけでもないわけでございますが、オペラだけではなくて音楽関係についてすべてに通暁しておられます作曲家でございました芥川也寸志氏をその後任として選んだというような経過になっております。
○粕谷照美君 役職で選ぶのか、人で選ぶのか、こういうことになって、例えば芥川さんの場合はお亡くなりになられましたけれども、人で選ばれたんだというふうに私は考えるわけですよ、実力、人で選ばれた。この江副さんの場合は何ですか。金で選ばれた、一億円出しているから選ばれたわけじゃないんでしょう、役職で選ばれたわけでしょう。役職で選んだとするならば、おやめになった後はまた役職で選んでくるということになるんじゃないですか、普通であれば。
○政府委員(横瀬庄次君) 六十三年度の時点でございますので、江副さんは先ほど申しましたように本務多忙のために出席の見込みがないということで、いわば残念ながらそういう出席の見込みがないということからお願いできなかったわけでございます。その時点ではまだ江副さんは当然オペラ振興会の理事長でいらしたわけでございます。したがいまして、その理事長を選べなくなったということでございますので、そこで音楽界の全体の指導者でもございました芥川也寸志先生をかわりにお願いをいたした、そういうことで推移をしてきたわけでございます。
○粕谷照美君 私はそこの辺がどうも文化庁の説明が一貫していないように思いますけれどもね。大体この江副前会長は半年しかやらないでおやめになっているわけでしょう。公務多忙と言ってほとんど出ていらっしゃらなかったんですか。出ていらっしゃらないような人をなぜ頼むんですか。そこのところがわからないんです。だから基準はどこにあるんですかということを言っているんです。
○政府委員(横瀬庄次君) この辺は先ほど申しましたように、できれば在京オペラ団体の代表を入れたいということで西直彦氏が日本オペラ振興会の理事長をなさっていたときにはこの準備協議会に御出席いただいていたわけでございますので、当然六十三年に委嘱がえをしたときには江副さんも恐らく御出席になられるだろうということでお願いをしたわけでございますけれども、大変本務が御多忙である、これは極度に多忙であるということで出席の見込みがないということがその後になってわかったわけでございまして、そこで六十三年度の委嘱がえのときには残念ながら在京オペラ団体の代表というものを入れるということがなかなか難しいということがわかったものですから、そこで芥川先生にお願いをした、こういうことでございます。
○粕谷照美君 いろいろおっしゃるけれども、ミスキャストであったということだけははっきりいたしましたね。とにかく政治家に株を配ることに一生懸命でとても出ていられなかったんではないだろうか、こういう感じがするわけであります。
 それで、私文句を言うわけじゃないんですけれども、この準備協議会委員名簿を見ますと全員男性なんですね。評論家だとかいうような方々の中には女性も私いらっしゃると思うんですよ。何々の会長なんという人にはいませんけれどもね。バレエのことなんて、プリマなんというのは男のプリマというのはいないんでしょう。そういうことをいろいろ考えてみますと、全然女性を入れないような、こういう準備協議会名簿なんということは今後はなくしていただきたいということを強く要望しておきます。
 それで、先日衆議院へ行ってまいりました。衆議院の文教委員会がちょっととまりましたね。なぜかといったら江副をなぜ任命したのか、当時の課長にきちんとした話をしてもらいたい、こういうことで課長が出てこられなかった。大変うちの文教部会では怒っておりましたね。そういうことについてきちんと答弁ができるような私は体制をとっていただきたいということを強く要望しておきます。
 それでは法律の中身に入ります。
 まず、法律そのものは国立劇場法の一部を改正する法律案と、こうなっておりますけれども、簡単に言って第二国立劇場(仮称)、この設立ということになっておりますが、正式な名称というのはいつできるんですか。
○政府委員(横瀬庄次君) ただいまお話しのとおり第二国立劇場というのは仮称でございますけれども、この施設の名称のっける時期でございますけれども、国立劇場にも現在本館とか、あるいは演芸資料館とか、あるいは能楽堂とか文楽劇場というような施設がございまして、その今申し上げたのが正式の名称になっておりますが、それは特殊法人国立劇場の業務方法書の中において決定されるということになっております。したがいまして、第二国立劇場の名称につきましても、通常このような前例のような形でつけられるとすれば、国立劇場の施設になって、そして開場をされるというような年度になりましてから業務方法書の中にそれが書き込まれる、そのときに正式名称が決まる、こういうことになるわけでございまして、文化庁といたしましてはそういう各方面にいろいろな案というものもあるようでございますので、御意見をいろいろ勘案しながら正式名称について決定していきたいというように考えております。
○粕谷照美君 昨年の三月二十五日の日経を見てみますと「第二国立劇場も開放」、つまり公共事業としてアメリカに開放するという、そういう記事が載っている中に「文化庁などが建設計画を進めている「第二国立劇場」(国立昭和芸術センター)」、もう考えているんじゃないですか。
 大体この昭和の時代に建つわけじゃないでしょう、これが。それなのにこのような、しかも国民の中には元号に対して厳しい批判もあるときに元号をつけたこのようなことが新聞に出ている。アメリカに行って説明されているんじゃないかと思いますが、それはどうですか。
○政府委員(横瀬庄次君) ただいまお話しの昭和芸術センターでございますか、という名前につきましては一時その一つの案として出たことがございまして、それがその新聞の上ではその名称が一般に言われているということを恐らくそういう認識もあって書かれたことだと思いますが、その昭和芸術センターという名称について私どもが正式に決定したり、あるいは専門家から成るいろいろな検討会議で内部的に検討されたというようなことはございません。
○粕谷照美君 正式にそういうお答えを伺えば私は安心いたしますけれども、私はちょっと国民的にも公募をするというようなやり方も考えていいんではないかという考え方を持っているときに、元号をかぶせた昭和芸術センターとは何事かと、こういうふうに思ったものですから今質問をしたわけであります。
 さて、この劇場が開場することが目の前に見えてまいりまして、文化庁大変御苦労なさったと思うんですね。文部省も本当に頭の痛い時代が続いてきたと思います。二十年来というよりももっと前の、あの今の国立劇場ができるころからのいろいろないきさつがあることを考えますと、本当に大変な長い間御苦労をなさったと思いますが、この間にやっぱり大変な反対がありましたね、関係団体から。異論があったといいますか、要望があったといいますか。そういう関係団体の意見の調整というようなものは現段階ではついていると、こうお考えになっておりますか。
○政府委員(横瀬庄次君) 第二国立劇場の設立、ここまでに至ります設立の準備過程というものは、先ほどお話がございましたように二十年来といいますか大変長い経過を持っているわけでございますが、その間にはいろいろと専門家から御意見をいただきました。先ほどの第二国立劇場設立準備協議会というものは昭和四十七年に設置をいたしまして、それ以来実員としては百五十人以上の外部の方々の御意見、中に入っていただいていろいろ御意見をいただいているわけでございます。
 ですから、そういう経過をたどっているわけですが、特に昭和五十九年度に、ただいま御指摘のことに関連いたしまして、第二国立劇場のための設立設計競技を実施する時点におきまして、一部の関係者の方々から一種の不満といいますか、そういう点が出されたことがございました。それは三つの点に集約されるわけでございますが、一つは設計競技を国際コンペにする、それから大劇場の客席数が少ないということ、それから三番目に周辺環境が適当でないというようなことの御意見でございました。
 それらにつきましては、それぞれ第二国立劇場の設立準備協議会等で検討いたしまして、第一点の設立設計競技につきましては、これは建築士法上の条件の範囲内で外国人が参加できるように配慮するというようなこと。それから大劇場の客席数につきましては、これはオペラ、バレエの上演観賞に良好な条件を確保するということを基本といたしておりますけれども、約二百席程度の増加を図ったということ。それから用地につきましては、これは周辺道路と連絡する道路を設けるということや、あるいは都市計画法上の制度にのっとりまして周辺の環境整備を行う。こういうようなことで、芸術関係者あるいは建築家等の御了解が得られたというふうに考えております。
○粕谷照美君 まあ大体各種御要望は受け入れたと、こう判断をしていらっしゃるようであります。私はその前にもう一つちょっと大事なことが忘れられているんじゃないかと思いますけれども、この中にコンサートホールというものが入っておりませんですね。このコンサートホールが除外をされたという理由、それから、これからこのコンサートホールなどを建てることについての文化庁の考え方はどのようなものですか。
○政府委員(横瀬庄次君) これは昭和五十一年の第二国立劇場設立準備協議会の基本構想の中では確かに今おっしゃったようなコンサートホールも含まれていたわけでございますけれども、その後昭和五十五年に現在の予定地でございます東京都渋谷区の東京工業試験所跡地が用地として予定された段階で、この設立準備協議会の中で検討を行いました結果は、コンサートホールを含めた基本構想をそのまま適用することは極めて困難である。そこで、その理想的なオペラハウスとしての大劇場を実現するためにはコンサートホールを外すことはやむを得ないということで関係者の了解が得られたわけでございます。
 それで、その後でございますが、コンサートホールにつきましては、近年、地方公共団体とかあるいは民間等におきまして大変その専用のホールができてきておりまして、その中には極めて高い水準のものも少なくございませんで、国立のコンサートホールの必要性というものがこういう状況の推移の中でかなり変わってきているんではないかということでございます。文化庁といたしましては、そういう状況の中で専門家の御意見もいろいろ聞いていかなきゃいけないと思いますけれども、慎重に対処するということであろうかと思っております。
○粕谷照美君 関係団体の方々の御要望も絶対なくなっているわけじゃありませんので、東京集中だけでなくて、もっと地方にも国立のコンサートホールきちんとしたのを建てていいんじゃないか、こういう要望もあるわけですから、慎重に検討していくという今のお答えをお忘れなく十分に討議をしていただきたい、こうお願いをしておきます。
 それから、土地のことについて大変場所が悪いだとかなんとかいろいろなことがマスコミをにぎわわせましたけれども、今でも場所悪くなっておりますでしょうか。どうも新宿へ都庁が移っていきまして、そこからすっと行って初台の駅から一分ぐらいのところになっているわけですね。悪いといえば、最初の基本構想よりはずっと離れた場所にできたという意味では悪いのかもしれませんけれども、しかし余りよくなかったという状況も当時はあったように思いますね。しかし今この周辺地域の環境整備に関連いたしまして、隣接地を都市計画法八条に基づく特定街区にするという構想が今あるようであります。これについて御説明をいただきたい。
○政府委員(横瀬庄次君) 特定街区制度と申しますのは、地権者全員の同意によりましてその街区全体の再開発を行うという都市計画法上の制度でございます。一定の公開空地――公開空地というのは広場のことでございますが、広場等を提供することの代償といたしまして土地の容積率の割り増しを行う。そしてその余剰容積を街区内のほかの地権者の用に供することが可能になるというような制度でございます。手続といたしましては、都知事に対して地権者全員が特定街区の申し出を行いまして、そして都にございます都市計画地方審議会の議を経て決定する、そういうような仕組みになっております。
 第二国立劇場の予定地の周辺でございますが、これは御承知のようにバスの車庫とかあるいはデパートの配送所というようなものがございまして、現況では我が国を代表する文化施設の環境としてはさらにその整備をすることがぜひとも必要であるということから、この街区に特定街区制度を導入いたしまして、国立劇場の建物と、それから調和のとれた高層ビル、それから先ほどの公開広場というものを整備いたしまして、そして同時にビルの中には、これは民間のビルの方でございますが、ホールとかあるいはギャラリーとか、そういうできるだけ文化的な色彩の富んだ施設を多く誘致することによりまして、いわば国立劇場を中心とした文化ゾーンが形成されるような、そういう方向で、これは現在地権者、あの地域のあの街区の中の地権者全員から成ります第二国立劇場周辺街区整備協議会というものを構成いたしまして、その地権者の中で議論をして協議を進めているところでございますが、大体そういった方向で進められているということでございます。
○粕谷照美君 その地権者というのは、株式会社小田急百貨店、京王帝都電鉄株式会社、昭和シェル石油株式会社、相互物産株式会社、寺田小太郎、これ個人の名前ですね、この方だけが。日本生命保険相互会社、日本電信電話株式会社、山大鉄商株式会社というのは大きな地権者ですが、大体オーケーを与えられているような感じでございますが、こういう地権者の方々が特定街区として容積率のアップというメリットが出てくるわけですね、三〇〇%が四五〇%になって。そして、その国立劇場からの空中権もさらに得ることができるわけですが、二国からのこの空中権というのは一体どのくらいあるのですか。
○政府委員(横瀬庄次君) 今お話しのとおり、特定街区内の地権者というのは約八者、これに国立劇場が入るわけでございますが、そういった方々から構成されているわけでございます。
 その余剰容積の利用の問題でございますけれども、現在のところといいますか、第二国立劇場の建物の設計というのは五階程度のものでございますので、比較的低層で、許容されている容積率にかなりの余剰が生じる。この辺の余剰の大きさというものは、これからまだ割り増しの問題とかいろいろ細かい問題ございまして確定的に申し上げることはできませんけれども、かなりの余剰が出るということで、その余剰容積を他の地権者に利用させることによりまして、そこから生ずる対価というものを劇場のために活用するという、そういう方向についてもいろいろと難しい問題がございますけれども、関係省庁等とも検討しておるところでございます。
○粕谷照美君 去年の八月九日の日に、新聞に完成予想図というのがありまして、高層のビルなども建っているんですけれども、こういうのは文化庁が持っているんですか。
○政府委員(横瀬庄次君) これは昨年の八月に、文化庁と街区内の地権者が第二国立劇場周辺街区整備協議会、先ほど申しました地権者の全体から成る協議会を結成したわけでございます。そのときにそういうものをそういった方々と共同でつくったものだというふうに思っております。
○粕谷照美君 文化ゾーンができるということは私は大変いいことだというふうに思いますので、本当に円満にそういう話し合いがついて、ますます二国の環境整備がきちんとできていくように希望するものでありますけれども、文部省といたしましても、これは用地取得費が随分安くなるわけですね。いいことがたくさんあるわけですね。周辺は大変文化的な環境になっていくわけですし、そして空中権を譲ることによって大きなメリットがあるんじゃないですか。それはどのようなものがありますか。
○政府委員(横瀬庄次君) 仰せのとおり、特定街区制度の導入によりますメリットといいますか、ねらいは二つございまして、一つはその周辺環境の整備ということ。それからもう一つは、余剰容積の使用といいますか、利用の対価といいますか、そういったものが活用できる可能性があるということでございます。ただ、後者の方はまだ確定しているわけでございませんで、これから制度的な問題もございますので関係省庁と検討していかなきゃならぬ問題でございますが、どういう形で活用するにせよ、そういったものが出てくるということは大変ありがたいことでございますので、その方向でぜひ積極的に進めていきたいと私どもは思っております。
○粕谷照美君 立派な二国ができるということはうれしいんですけれども、箱物ができてハードはできたけれども、さて今度はその運営というんですか、そういうものがきちんとしていかなければ私は立派な国立劇場にはならないというふうに思います。特に、現代舞台芸術の振興に大きな力を発揮するか否かは運営次第だというふうに思います。この運営というのは、財団法人を設立していくというのでありますけれども、一体どういう構想で運営をしていこうと、国立でやっていくのか、特殊法人、財団でやっていくのか、その辺をお伺いします。
○政府委員(横瀬庄次君) 第二国立劇場、現代舞台芸術を担当する劇場につきまして、これは特殊法人国立劇場の一施設として設立を目指して諸準備を進めていくということになるわけでございますが、その運営につきましては、ただいま先生がちょっとお触れになりましたように、従来の伝統芸能の保存、公開の事業と比較いたしまして、現代舞台芸術というものはより多様な創造活動を推進しなければならない。そういった意味で非常に弾力的な運営が求められるということがございます。それから、民間の創意工夫というものをできるだけ取り入れて、そして多様な公演事業というものが効果的に行われるような形態にする必要があるということで、業務の一部を外部の団体に委託するという方向で検討しているところでございます。
 その委託の範囲でございますけれども、これは、詳細は第二国立劇場設立準備協議会というような内部の会議で検討中でございますので最終的な結論を申し上げる段階には至っておりませんけれども、これまでの検討の段階では、公演事業の実施と、それから施設の貸与事業につきましては委託によって実施をする。そして国立劇場自身といたしましては公演の企画あるいは経理というような基幹的な事業を所掌する。それから、国立劇場は別に研修事業あるいは調査、情報関係事業を実施することとしておりますので、それは国立劇場自身が行う、こういうふうにしていくのが適当ではないかというふうに検討されているところでございます。
 したがいまして、特殊法人国立劇場の方には公演の企画部門あるいは経理部門というような部門ができる。そして委託団体の方には、公演事業実施のために必要な組織といたしまして制作部門とかあるいは舞台芸術部門とか、あるいは事業部門というようなものが置かれるというような方向が考えられているところでございます。
○粕谷照美君 もうちょっと詳しくお伺いいたしますけれども、例えば委託に出そうとする業務の範囲ですね。入場券の販売だとか宣伝広報あるいは舞台貸し、このようなことは委託になるんですか。
○政府委員(横瀬庄次君) そういうことでございまして、演目とかあるいは公演期間、それから個々の演目に必要な予算というような、そういう基本的な事項につきましては国立劇場において企画をする、そして企画に基づきましてスタッフとかキャストとの契約、個々の演目についてのスタッフ、キャストとの契約とかあるいは公演の実施そのものとか、ですから今のお話の切符のもぎりとか、そういう劇場の管理運営といいますか、まさに物理的な管理運営とかあるいは宣伝とか、そういう劇場運営の具体的な業務についてはその委託された団体、受託団体において行うというような形に具体的にはなるんではないかというふうに考えております。
○粕谷照美君 そういたしますと、原作や脚本の作成や選定、それから監督、演出家の決定あるいは出演者の交渉、決定、このような重要な部分もそうすると委託になる、国立劇場主催の公演に際しても委託になる、こう理解するわけですか。
○政府委員(横瀬庄次君) そこのところは、各演目の企画というものは特殊法人国立劇場自身が企画をするということに大枠しておりまして、ただいま仰せの例は、大変その辺微妙なところでございまして、演目、期間あるいは予算、それから予算に当然伴いますけれどもその主要なスタッフといいますか、基幹的なスタッフというものは恐らく企画の中に入ってくると思いますので、具体的にただいまおっしゃられましたいろいろな方々について、どちらが決めるかというのはかなり具体的に当たらなければいけない問題だと思います。その辺はこれからもう少し内部でも議論が進められて決めていかなきゃならぬ問題だと思っております。
○粕谷照美君 まだはっきりしていないようですけれども、ここのところは私は非常に大事なところだというふうに思いますね。なぜかといえば、この法律案で九条と十二条出てまいりますね。そして改正が出てまいるわけで、文部大臣はこの会長と理事長と監査役、これは任命するわけですけれども、一般理事、これは会長の大事になるわけですね。そうすると、国民の目から非常に遠いものになっていく。そういう中で芸術家の手配などを請け負う、財団法人が委託をしていくということになりますと、文化のセンターたる国立劇場が利権の場になるのではないか、こういうことを大変心配している人たちがいるわけであります。こういうことについての防止策というものはどのように考えていかれるんですか。これから考えていくんですか。文化庁もちょっと事件がありましたね。だから、そんなことがないようにするためには一体どうしたらいいのか。
○政府委員(横瀬庄次君) 第二国立劇場は、現代舞台芸術の創造、発展の場でございますし、それから芸術振興の拠点でもございます。こういうことで、第二国立劇場の運営につきまして、民間の芸術家あるいは芸術団体の方々の幅広い御意見、御要望を取り入れていくということは非常に大事なことでございますので、その点についても、例えば特殊法人国立劇場における第二国立劇場部門に運営協議会というようなものを設けまして、そこに広く芸術関係者の参加を得て、公演とかあるいは研修、調査研究、施設の貸与というような事業の企画等の基本的な事項について御意見をいただくというような仕組みを考えております。
 それから、先生が先ほどお触れになりましたことと関連するわけですけれども、個々の公演事業の実施に当たりまして、各芸術のジャンルごとにいろいろなタイプの専門家を置いて、そして御意見を伺いながら業務を進めていくというような具体的な個々の仕組みも設ける必要があるのではないかということで検討していきたいというふうにも考えております。そういった意味で、事業の企画及び実施に関して広く関係者の御意見をいただくようなメカニズムというものも非常に大きな重要な検討項目であるというふうに考えております。
○粕谷照美君 何となしに私は頼りないような感じがしてならないわけでありますけれども、その点はきちんとしていただきたいということを要望しておきます。
 それから、公演組織について二国の設立準備協議会は五十六年の六月十九日、こういう文書を出しているわけですけれども、発足当初には専属のオーケストラ、オペラ、バレエダンサー等、こういうものを置かないこととし、その整備については発足後の状況を勘案して検討すること、こういうふうに書いてあるわけです。専属を置くか置かないか、大変な問題なんですね。これはこの報告書を大事に取り扱っていきますということになるんですか。それはもう専属は置きません、こういうことで決定されているものですか、どちらですか。
○政府委員(横瀬庄次君) 専属につきましては、ただいま仰せの昭和五十六年の設立準備協議会の報告において、ただいま御指摘のとおり「専属のオーケストラ、歌手、合唱団、舞踊団、劇団等は、発足当初は置かないこととし、その整備については発足後の状況等を勘案して検討する。」というふうに書かれております。その報告を踏まえまして、文化庁としては発足当初は専属という組織を置かずに民間芸術団体の協力を得て公演組織を個々に編成をして実施していくというような考えでございます。
 今後、将来の問題といたしまして、これは発足してみて専属の公演組織を置くかどうかということにつきましては、その状況を見きわめながら関係者の意見も十分に聞いて検討していく。これは五十六年の後段の方の「発足後の状況等を勘案して検討する。」という線にのっとって考えていきたいというふうに思っております。
○粕谷照美君 ではこの報告書はまだまだ検討の余地があると、こう理解をいたします。
 ソ連へ行きましたら元バレリーナだったという方にお会いしまして、四十五歳で定年なんですってね。四十五を過ぎるともうお年寄りの部類に入るんでしょうか。バレリーナとしては不適格であるからというのでやめて、そのかわりバレリーナに関しては四十五歳で年金がつくんだというようなこともお話を伺っておりましたので、専属を置くということは大変いろいろな問題を含んでくることだというふうに思いますので、十分な御討議の場所を保証していただきたい、こういうことをお願いいたします。
 それから、十九条の一項二号に移りますけれども、現代舞台芸術に係る実演家等の研修というのは一体どのようなことを想像していらっしゃるんでしょうか。と同時に、研修研修と、初任者研修じゃありませんけれども、研修研修と言うのは結構なんですけれども、養成というものは一体どういうふうに考えていくんですか。この養成、今の一国の方にはあるんですね。こちらの方はそれが入ってないんですけれども、それは一体どういう理由なんでしょうか。
○政府委員(横瀬庄次君) 現在のところ、現代舞台芸術関係の実演家の研修につきましては、劇場内に設置される研修関係施設というもの、あるいは設備を活用して、舞台芸術家とかあるいは舞台技術者を対象に、ある程度実務経験のある方々を中心に研修をしていくという予定でございます。
 それで、養成ということになりますと、それはいわば卵のうちから初めから芸術家に仕上げていくという、そういう過程になるわけでございますが、この第二国立劇場はそれだけのまだ組織をとっているわけではございませんし、それから養成につきましては、各ジャンルによっていろいろでございますけれども、民間の各種の養成所等で行われているところでもございまして、当面その実演家の資質、技術の研さん向上のための研修を行うことが非常に大事であるということで業務を研修というふうにしているところでございます。
○粕谷照美君 卵のうちからの養成と言われますけれども、今オペラなどで活躍をしていらっしゃる方というのは、卵からの養成もさることながら、芸大など卒業いたしましてもすぐオペラ歌手には使えないというんですね。文化庁が出しているんですか、国から委託をして二期会のオペラの研修所で養成しているんじゃないんですか。そういうことを一体どのように考えていくのかという問題が出てくるんじゃないかと思いますが、いかがですか。
○政府委員(横瀬庄次君) その点はおっしゃったとおりでございまして、オペラ歌手についての最も高度なオペラ歌手の研修、研さんということになりますと、これは二期会が行っております二期会オペラ振興会のオペラ研修所というところで、これは三年課程の研修機関がございます。それに対して文化庁からも補助金を出しまして、現在その研修をお願いしているところでございます。これが第二国立劇場ができました場合に、この二期会のオペラ研修所というものをこの中でやっていただくということは考えておりますが、具体的な運営の仕方につきましては、まだこれがどういう形で実施するかについていろいろ検討すべき点もございますものですから最終的な結論は出ておりませんけれども、現在行われているオペラ研修所の研修が第二国立劇場の施設設備で行われるということは考えているところでございます。
○粕谷照美君 最後の言葉がわからない。このオペラ研修所でやるということはどうなんですか、考えて……
○政府委員(横瀬庄次君) 考えているところでございます。
○粕谷照美君 もう時間があと六分ぐらいになりましたので、それではこの中で、十九条の一項三号に調査研究を行う、こういうふうになっておりますけれども、一体この資料の収集、資料の整理、提供、こういうような構想というのはあるのでしょうか。専門の図書館とかあるいは情報センターのような形できちんとしたものが欲しい、オペラの楽譜が欲しい、日本でつくられた、そういうことを要望してもなかなか手に入らないというのが現場の人たちの嘆きじゃないかと思います。そういうことにやっぱり重点を置くということを要望しているんではないかと思いますが、いかがですか。
○政府委員(横瀬庄次君) 第二国立劇場の中に資料の収集あるいは調査研究というような事業が入っているわけでございます。これはまさに、そのような機能を持った公的な施設が現在我が国ではまだないというようなことにもかんがみまして、大変重要なことであると思っております。
 現在考えておりますのは、先ほどいろいろ仰せのございました現代舞台芸術に関する図書とかあるいは楽譜、上演題目、映像記録というようなものの収集保存、公開、それから収集した資料を利用しての調査研究、それから第二国立劇場で講演されます記録を保存、公開をする、こういうようなことを考えておりまして、施設面におきましても、それぞれそれに相当する図書館、閲覧室というようなもの、その他の施設を備えるということも設計の中に入っているわけでございます。それから、第二国立劇場で収集いたしました情報、資料というものを地方に、文化施設等へ提供するような情報ネットワークと申しますか、そういうような機能をつくるということも、これはその後時間の多少積み重ねが要ると思いますけれども、検討していく方向として考えておるところでございます。
○粕谷照美君 大蔵省、今度消費税などを導入しますので、五千円まで今まで税金かからなかった入場料に三%かかるようになりますね。高い人たちはそれだけの能力があって三%ぐらいどうってことない。一〇%今かかっているわけですけれども、大したことないかもしれませんけれども、今までかからなかったところに三%かかるというのは大変なんですね。私も長いこと生徒に演劇を、来る人たちにすばらしい演劇を見せるなんというので、そのたびにお金集めるんですね。今度消費税プラスして集めなきゃいけない、大変だなと、こう思うわけでありますが、きょうはそのことについて質問をしている時間がありませんので、予告をしておきました。
 これは法律とちょっと関係ないんですけれども、劇団などの俳優さんを擁している法人、プロダクションなど、これが所属の俳優さんを役務の提供に供した場合、その法人が報酬または料金について一〇%の所得税、源泉徴収を受けることになっていますね。一〇%を予納するという形になるわけですね。もともと経営が苦しい劇団などの経営がこれによって大変厳しさを増してきている、こういうようなものは撤廃をしてもらいたい、こういう要求が、要望が強いわけでありますけれども、大体それはどういうふうな事情からこの法律ができ上がってきたのか、制度ができてきたのか、これからそういう問題について検討していくゆとりがあるのかどうか、お伺いします。
○説明員(大武健一郎君) 先生今御指摘になりましたように、現在所得税法におきまして、劇団などのいわゆる芸能法人の事業に係ります役務の提供に関する報酬または料金につきまして、芸能人個人の場合と同様にその支払いの際に所得税を源泉徴収をさせていただくという制度になっております。この制度自体、実は昭和三十九年の税制改正で措置をされたものでございます。
 その背景としましては、一つは芸能法人は一般に、当時の状況もございますが、設備等の資産保有が少なく、それから法人の所属する俳優の方々の出演料の収入が主であるというようなことで、設立、解散が容易に行われまして、その結果、いわゆる課税の適正化上、把握に問題があるという指摘がされてきたこと。それから、さらに第二番目には、個人であります芸能人の報酬というのは従来から源泉徴収の対象とされているわけでございますが、放送会社などの出演料、支払い者の側から見まして支払いの都度、個人か法人かを判定することが大変不便であるというような御要望もございまして、その事務負担の軽減という観点もありまして制度を措置したという背景がございます。
○粕谷照美君 これについて意見を言う時間がありませんので、これで、説明だけいただいて終わります。ありがとうございました。
 大臣、ずっとこう私質問して、伺いまして、やっぱりまだ、まず建物を建てるということが先決に今なっているようでありまして、その他の運営についてはまだまだこれからというようでありますが、それがもっともっと民主的に各団体の意見を十分に吸い上げるような体制というものを保証していただくように、それと同時に、大臣は大変文教の実力者であるということを私どもは前から知っているわけでありますが、何といったって文化に対する予算というのは非常に少ないわけですね。昨年も林理事、仲川理事あたりからもそのことが厳しく追及をされておりました。自民党から自民党の文部大臣に質問、御意見も出てきたというのは大変いいことだと思いますが、それに対する決意をお伺いして、私の持ち時間を終わりたいと思います。
○国務大臣(西岡武夫君) お答え申し上げます。
 ただいま委員御指摘のとおりに、これからの我が国の生涯学習社会というようなことを展望いたしますときに、文化に対する文化政策というものを強力に推進をしていくためには当然財政的な措置というものが、裏づけというものが求められるわけでございまして、今までの発想の転換を図って、今回の第二国立劇場の問題にいたしましても、いろいろな創意工夫をしてよりよいものにしていくという努力をしていかなければいけないと考えております。文化庁の予算にいたしましても、文化庁という枠の中だけでの実績主義ではなくて、文部省、文化庁全体として文化庁の予算の問題、文化予算についての充実を図っていくという努力をしていかなければいけないと考えているところでございまして、委員各位のお力添え、御指導を賜りたいと思うわけでございます。大いに頑張る考えでございます。
○粕谷照美君 頑張ってください。
 終わります。
○高木健太郎君 文部大臣にまず先にお聞きしたいと思いますが、
   〔委員長退席、理事林寛子君着席〕
 今回の第二国立劇場の設立に当たりまして、我が国を真の意味での文化国家とするためには芸術文化予算を飛躍的に増額して芸術文化施策の充実を一層図るべきである、そういうふうに考える、こう書いてありますが、そういうことだと私も思いますし、その場合に文化文化という言葉がよく出てくるわけですが、我々も戦後、今度は日本は文化国家になるんだという、それにしては文化予算が少ないということを非常に嘆いておったわけです。
 まず、文部大臣にお聞きしますけれども、文化というのともう一つ文明というのがあるんですが、いろいろお考えになっていると思うんですが、文化と文明というものはどのような差があるか、同じものか、そういうことについて御所見をまず最初伺っておきたいと思います。
○国務大臣(西岡武夫君) お答え申し上げます。
 委員御指摘の問題は非常に高邁な課題でございまして、文部省といたしまして、文化をあらかじめこうであるというふうに規定をするのはどちらかといいますと差し控えた方がいいのではないかと考えておりますが、ただいまの御質問につきましては、文明というものはやはり一つの時代、この単位をどういうふうにとるかということは別でございますけれども、一つの時代における一つの文明というふうにとらえることができるわけでございますが、文化というものはもっと長い物差しではかる問題であるというふうに考えております。そういう意味におきまして、我が国の文化政策というものを進めていく中でもっともっと、今冒頭に御指摘のとおりに、文部省、文化庁といたしましては、その充実を図るための努力をしていかなければなりませんし、これまでの施設が財政的にもまた施策的にも十分であったとは考えておりませんので、そうした反省に基づいて今後とも努力をしてまいらなければいけない、このように考えております。
○高木健太郎君 ここで文化文明論を論じようとは思いませんけれども、文化国家にする、文明も非常に大事だ、自然科学とかそういうものは文明に属すると思いますし、またおっしゃるように文明というのは非常に短い期間、文化というものはその地域あるいは国、地、そういう土地になじんだ非常に長いものである、そういう中ではぐくまれたものが文化である、その国特有なものである。そういうところが違うんだと思うし、文明は幾らでも取り入れ、またそれを変えていくことができるものである。こう思いまして、その文化が非常に重要であるというので、この国立劇場をおつくりになろうという、そういうことですけれども、それをそこにつくるなら、もしもそういうものでおつくりになるということであって、まあその前に、というように文化は非常に重要なものである、文明と比して文化も決して劣ることのない非常に重要なものであるということは文部大臣もお考えだと思うんですがその割にしては私、文化庁というのは文部省の中で小さくあって、予算も三百五、六十億であるということがどうも私解せないわけなんで、もう少し文化庁なら文化庁、あるいは文化省と言ってもいいように文化を大きくしなければ、今度国立劇場をおつくりになりましてもなかなかこれの経営とか、そういうことは後でお聞きしますが、そういうことも大変になるんじゃないかなと。だから、将来とも文化というものがその国にとって非常に重要なものであるというならば、文化庁と言わずに文化省と、そのぐらいのおつもりで私はやっていく必要があると思いますけれども、文部大臣はどのようにお考えですか。
○国務大臣(西岡武夫君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおりに、現在の文化庁の予算が非常に少ないということについて毎年おしかりをいただいているところでございますけれども、平成元年度の予算編成、ただいま御審議をいただいております予算につきましては、対前年度比八・三%増の予算を計上いたしまして御審議をいただいているところでございまして、これはひとつ、これまでの予算編成、文部省といたしましての予算編成の考え方を大きく改めまして、文化庁の実績、文化庁の枠の中でということではなくて、文部省全体の予算の中でできるだけ文化庁の予算を増額させていくという手法をとって今回予算編成をしたところでございます。もちろん十二分どころではなく、まだまだ足りないことは十分自覚をしているところでございまして、今後ともそういう考え方に基づいて努力をいたしたいと考えている次第でございます。
○高木健太郎君 ぜひそのような決意でもってお臨み願いたいと思います。
 文明が進めば進むほどあるいは人間は不幸になるかもしれない、そういうことも言われているところでありまして、文化というものはそういうことは危険はないわけなんですけれども、その文化がしっかりしていなければその上に築かれる文明というものも非常に危ないものになる、そういう意味では文化というものをまず根に置いてやるべきだ、そういうふうに私は思うものですから、ぜひその意味で今後御努力願いたい、こう思います。
 また、今度第二国立劇場、二国ができるということに当たりまして、まあ私は全体としては、新宿の初台ですか、ああいうところへ千八百客席のものをつくると、何か少しごちゃごちゃしているところへつくるというような気持ちがしまして、まあいろいろお考え、特別地区ですか、というようなものをお考えの上でやっておられるようですけれども、何といってもごちゃごちゃしている。もっと大きなところに、客席も多くして、二千五百だとか三千ぐらいの客席を持った立派なものをどっしりおつくりになって、そして世界に誇るべきものをつくっていただきたい。世界の一流のそういう人たちがやってきて、ぜひあの劇場でやりたい、そのような劇場を私はつくっていただきたいと思うんですけれども、文部大臣、今度はもうしようがないとお考えで、この次どこかへ建てますと、そういうおつもりがあるかどうか、その点をまずお聞きしておきたいと思います。
○国務大臣(西岡武夫君) お答え申し上げます。
 委員御指摘でございますが、今文部省といたしましても文化庁といたしましても、第二国立劇場をできるだけ立派なものをつくるということで頭がいっぱいでございまして、とにもかくにも委員各位のお力添え、また御指導もいただきながら、第二国立劇場をよりよきものにしていくということに当面全力を挙げたいと考えておりまして、別にというところまで、大変申しわけないんでございますけれども、この段階でもっと新しいものをつくるということについて私から御答弁申し上げるということはいかがなものであろうか、むしろ現時点における努力をするという決意を申し上げた方が適切ではないかと思いますので、よろしくお願いを申し上げます。
○高木健太郎君 もちろん、文部大臣という責任者としてそういうことをこういうところでおっしゃることは言いにくいことであろうと思いますけれども、こういうオペラ劇場というのはいわゆる西洋文化というようなものの上に立っているわけなんですけれども、そういうことをしますと、これは国際交流、文化交流の場になるということはもう当然考えられるわけなんです。その場合に、何だ日本はお金持ちであるくせに今ごろこんなのを建てたのか、昔のスカラ座にもかなわぬじゃないかと、こういうことを言われるのはまことにお恥ずかしい次第だと、そういうことなんで、いや、これはまず建てたんだぐらいのつもりで、将来はもっと立派なものを建てますというぐらいのおつもりで、文化庁自体がそういうようにお考えになっておいていただきたいと、こう思います。
 ところで、どうもオペラ、ミュージカルといいますといわゆる西洋的なものなんですね。東洋的なものが私はないと思うんですね。これは私は東洋の音楽あるいは民族芸能あるいは芝居、例えば中国で言いますと京劇、今、演舞場かなんかでやっているようですけれども、京劇と歌舞伎と一緒になってやっているようなものがあります。そういうふうに私、東洋的なものも、余り西洋ではなくて、西洋西洋と言わないで、東洋的なものも同時にここでできるぐらいの舞台のあり方なんかもこの際考えておくべきだと思います。
 現在、我々は西洋文明によってこれだけ発展してきたわけでございますし、あるいはまたアメリカとは切っても切れない仲であるというような状態でありますから、西洋ということに目が向くのは当然ではございますけれども、一番大事なのはやはり私、韓国あるいは中国あるいはまた東南アジアというように東洋にもう少し私たちが目を向けて、それを理解するための一つの手段として私はそういう東洋の演劇というようなものもぜひこの際ここでやれるようにする、このようにしたいと思うのですが、その点ひとつ文部大臣の御意見をお伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(西岡武夫君) お答え申し上げます。
 委員御指摘の点につきましては、現在の国立劇場におきましても主催公演が行われていない期間におきましては委員の御趣旨に沿った試みがそれぞれ行われているわけでございまして、そうしたことはこれから建設されます第二国立劇場におきましても十分取り入れていかなければいけない非常に大切な課題であると認識をいたしております。
○高木健太郎君 ぜひそのようにお願いしたいと思います。
 何だかまだオペラというのは、学問は早くから日本に取り入れて、研究室だとかいろいろなものをつくりました。しかし演劇、そういう文化面については、そのもの、そういう施設さえもなかった。だから今入れるというのは私非常に手おくれな、非常におくれていると思うんです。同様に、今度は東洋的なものもそこに入れていくというようなことは、私もう考えておかなきゃいかぬというふうに思いますので、その点はお忘れなくひとつこの建設に当たりましてはお考えいただきたいと思います。
 もう一つは、やっぱり何か東京、しかも東京中心的な物の考え方があって、これが地域にどのような影響があるかということがもう少し考えられないかと思うんですが、地域の文化会館等と提携して何かやるお気持ちがございますでしょうか。その点もちょっと文部大臣からお伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(西岡武夫君) お答え申し上げます。
 委員既に御承知のとおりに、全国で文化会館と言われるものが現在のところ約六百ばかりあるわけでございますが、今回第二国立劇場がソフトの面におきましても、先ほどから各委員からも御指摘があっておりますように、資料、情報のセンター的な役割、ネットワークを組みまして、そしていろいろな情報を地方の文化会館等にも提供をし、あるいはいろいろな講演、現在も文化庁で行っているところでございますけれども、地方講演等を積極的に進めていくというふうな形での、地方に対する現代舞台芸術を普及させていくという、振興させていくという施策を並行してとっていくということも今回の第二国立劇場の大きな役割の一つである。むしろ、それは大きな役割と申しますよりは不可欠の役割であるというふうに考えているところでございます。
○高木健太郎君 この第二国立劇場の建設というものば、元来、そういう演劇家あるいはオペラの方々から要望があってつくっていこうということでございましたが、せっかくこうやっておつくりになるのなら、今言いましたように、これは一つの国際交流、文化交流の場である、また地域との文化交流の一つのセンターになるんだと、こういう構想が私はこれに要る。ところが書いてみますと、ただ現代舞台芸術の一層の振興及び普及ということが趣旨になっているわけですね。そうじゃなくて、私は国際文化交流あるいは地域との文化交流のセンターになるのだ。それで、そういう理解を深めていくというようなことを私は大きくうたってもう今はいくべきじゃないかと思いますので、この趣旨に欠けているところをぜひ補ってやっていただきたい、こういうふうに思います。
 次に、ちょっと具体的なことをお聞きしますけれども、用地取得のことにつきましてはいろいろお話が先ほどからございましたが、ちょっと心配しているのは、あそこを特定街区にするんだ、非常に環境をよくしていくんだということはお聞きしたわけですが、車のさばき方とか、細かいことですけれども、大丈夫かなと。初台にあれは京王線が入っているんですか、あそこへ京王線というのは間遠にしか走ってないようなんですけれども、あるいは自家用車で来る人、駐車場が百十七台とかなんとか書いてありましたが、そんなことであそこうまくさばけますかね。
○政府委員(横瀬庄次君) 第二国立劇場の車のさばき方の問題でございますが、一つは、周囲に道路がございますけれども、そのうちで山手通りの反対側の道路につきましては渋谷区の区道が走っております。これは用地といいますか建設ができますと、それを拡幅して車が周囲を回れるようにするというようなこと。それから、先ほどお話がございましたが、山手通りとの間の連絡道路というものも、これも土地を取得して道路敷地をつくっているわけでございますので、それとの連絡もできるということで、車の動線というものは、そういうものを中心に基本設計の中できちんとできているわけでございます。
 問題は駐車場の問題でございますが、現在のところ、お話のように法定駐車台数でございます百十七台というものが一応設計になっておりますけれども、これは先ほどお話のございました街区全体の総合的な開発ということで、特定街区制度を導入して、そこで再開発をするということを考えておりますが、その中で、隣りの民間のビルとの関係で、駐車場というものも隣りのものが使えるような形でぜひ駐車問題についても解決をしたいというふうに考えておりまして、その点もそういうことで具体的な方向について今協議をしているところでございます。
○高木健太郎君 特定街区にするということなんですけれども、上原所有地というのがありますね。あるいはロッテ本社ですか。あそこはだめなんですか。あれもあれば非常に広くなって、前がすっきりするんじゃないかなという気がしますが、あれは絶対にだめなものですか。
○政府委員(横瀬庄次君) これは地権者の同意がどうしても必要な問題でございます。それで、その地権者につきましては、どうしてもこれは取得をされたときのいきさつというようなことも非常に長いものがあるようでございまして、なかなか手放されないという、そういう御決意でもございまして、現在はその特定街区というものの計画はその部分を外して、第二国立劇場側といいますか、甲州街道側の部分についてだけ、その総合開発を考えているというところでございます。
○高木健太郎君 できれば、せっかくあれは一区画になっていますからね、道路で囲まれて、上原所有地を入れると。だから、粘り強くひとつやっていただきたい、こう思います。
 もう一つお聞きします。これは、今のはハードといえばハードですけれども、もう一つ。現在の第一国立劇場というものの経費は大体どれぐらいか、簡単でいいんですけれども、収入はどれぐらいか。それから政府補助はどれぐらいか。だから、収入と、それから政府補助といいますか、補助対象といいますか、あるいは補助対象外といいますか、あれはどれぐらいになっておりますか。
○政府委員(横瀬庄次君) 現在の国立劇場の経理の仕方でございますが、公演に要する経費につきましては公演事業収入及び施設使用料収入で賄われている。そして役職員の人件費、管理運営諸費、あと調査、養成事業とか設備整備費とか、そういうものにつきましては国庫補助の対象とする経費とするという二本立ての経理の仕方をとっているわけでございます。
 そこで、六十三年度におきます収支予算について申し上げますと、補助対象外の公演事業につきましては、経費が二十五億、それに対して事業収入も二十五億ということでございます。それから補助対象の部分につきましては、管理費、人件費、それから調査、養成事業費等でございますが、四十二億。それに対しまして国庫補助金もほぼ、わずかの差がございますが、四十二億ということでございます。そこで、合計といたしましては、それに政府出資金というのが若干入っておりますので、七十三億という規模になっております。
○高木健太郎君 国は大体四十二億ぐらいを六十三年度ではお出しになったと。今後少しは変わっていくんでしょうが、この二国につきましては、どの程度を見込んでおられますか、国の助成ですね。
○政府委員(横瀬庄次君) 第二国立劇場の運営費等につきましては、これは現在具体的には検討中であるというふうに申し上げざるを得ない段階にございます。第二国立劇場ができますと、これは現代舞台芸術のための最初の本格的な劇場でございますので、開場当初は非常に多くの蓄積が要るというふうに考えております。そういったもの、あるいは演目によって非常に必要経費に差があるということ、
   〔理事林寛子君退席、委員長着席〕
 それから、そういった五年後の開場見込みであるということもございまして、不確定要素が多過ぎまして、現階段でどの程度になるかということを申し上げるような段階にはまだないというのが現状でございます。ただ、現代舞台芸術の公演に要する経費は、現在の国立劇場において実施をしております伝統的な芸能に対する公演に比べますと相当高額になるということでございますので、これは民間資金の導入というようなものの円滑化を図る工夫なども含めまして十分その辺は財政的な配意というものが必要であるというふうに考えております。
○高木健太郎君 こういうことは第二専門委員会の管理運営検討会議ですか、そういうところで現在も検討しておられて六十二年じゅうにはその結論が出るということを聞いておりましたが、まだそういうことは決まっていないんですか、ソフトの面は。
 今ミュンヘンのオペラ座では九〇%、それからウィーンのオペラ座ですね、先般見せていただきましたけれども、それでは七五%、そういうものが国が補助として出している。すなわち外国では、西洋では国の補助率が非常に高いわけです。もしも補助率を高くしないとすれば、これはこれからお考えになることかもしれませんが、入場料が非常に高くなっちゃうんじゃないか。だから三万円、四万円という入場料になるんじゃないか。そうなりますと、最初の舞台芸術の振興と普及というようなものがさっぱり遂げられないということになる。だから国は、今の国立劇場は半分くらい――倍ぐらいを出しているんですね、経費め倍ぐらいを出している。だから今度はやっぱり七五%、九〇%までいかぬとしてもそれぐらいの覚悟が要るんじゃないか。そうでなければとても普及なんというようなことはできないんじゃないかと思いますが、その点どのように次長お考えですか。
○政府委員(横瀬庄次君) 第二国立劇場の場合に、現代舞台芸術の多彩な公演を行うということでございますので、先ほど申しましたように公演費自体につきましては現在の国立劇場における伝統的な芸能の公演費に比べるとかなり多額なものだということでございますので、それに対する手当てというものは当然考えなければならない。ただ、その場合に、今度の第二国立劇場は管理運営費そのものにつきましては国立劇場の中に行われるということもございます。それから、先ほどお答え申し上げましたように、公演の実施そのものにつきましては外部の団体に委託する方向で検討しているということもございますので、その辺の財政的なあり方につきましてはいろいろ複雑な要素がございまして確定的には申し上げにくい状況にございます。
 ただ、その入場料につきまして、それは当然その便といいますか、入場しやすい料金にするということは当然考えなければならない重要な要素でございますので、それが可能になるようなそういう財政のあり方につきまして、これは民間資金の導入というものも非常に大事なことでございますので、それが円滑にできる工夫なども含めまして十分に、これから大変重要な項目でございますから非常に緻密な議論が必要でございますけれども、十分に詰めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○高木健太郎君 入場料ですけれども、入場税三%になるんですね、今度。それでもこれは取られるおつもりですか。あるいは例外的に、いろいろ例外があるんだから、振興というためには例外をこの際おつくりになるということはできませんか。
○政府委員(横瀬庄次君) これは消費税というものは薄く広く負担をしていただく、それから例外は原則として基本的に設けないというような、そういう通則になっておりますので、これは第二国立劇場、国立劇場の入場料金についてもこれは例外であり得ないわけでございます。
 ただ、今仰せになりましたように、入場税との関係からいいますと、入場税は、オペラ団体なんかの場合に五千円を超える料金が多うございますので、従来は平均的に言えば入場税一〇%がかかっていた例が多いわけでございますが、今度はそれが一律三%になるということで、オペラやバレエの料金について限って言えばかなり負担は減ってくるというのが一般的には言えますけれども、全体の消費税の問題につきましては、これはすべての商品、サービスというものに薄く広く例外を設けないでかかってくるということでございますので、それはそういう形で転嫁していくのが適切であるというふうに考えております。
○高木健太郎君 私、消費税のことここでやろうとは思わないんですけれども、消費税に例外がないということはないんでしょう。やっぱり例外はあるでしょう。だから、こういういわゆる国家的事業として非常に大事な文化活動の一つとしておやりになる、そういう場合には例外を設けるというように、政府自体あなた方ですから、ひとつ頑張られてはいかがですか。そういうことを注文をしておきます。そうでなけりゃ普及という言葉が泣くんじゃないかということなんですね。
 それからもう一つは、建築費が五百二十億ですか、かかるんですね。そうですね、建築費。建設費といいますか、建築費、建設費。文化庁の年間の予算が三百六十二億。これは六十二年度ですけれども三百六十億ぐらい。五百二十億というのは、これ平成五年にでき上がるというお話ですけれども、来年からかかられるとしても、三年かせいぜい四年の間に五百億出さなきゃいかぬですね。この予算はとれる見込みはありますか。どうやってつくられるおつもりですか。さっきの容積率とかそういうことで稼がれるおつもりですか。
○政府委員(横瀬庄次君) 第二国立劇場の建設費につきましては、これはまだ詳細に確定しているわけじゃございませんが、昭和五十九年度の試算によりますと五百億円余ということでございます。平成元年度の文化庁予算におきまして約二十八億の二国関係費を計上したわけでございますが、平成五年度を私どもとしては完成のめど、目途としておりますので、あと五年間ぐらいの間に今の五百億内外の予算を考えなければいけない。これはひとり文化庁だけではできないことでございますので、文部省の予算全体の最重点項目に置いていただきまして、文部省のプロジェクト、非常に重要なプロジェクト、最重要のプロジェクトとして考えていただいて、ぜひ建設費の予算の計上というものを実現していきたいというふうに考えている次第でございます。
○高木健太郎君 私、非常にこれ心配なのは、今度は五百二十億というものを四年間か三年間でとる、それで文部省の枠がある、枠は余り変わらない。そうすると、文化庁がたくさんおとりになるというと、今度は文教のこっちの予算が減る。だから、その全体の枠をお広げになるというようなつもりじゃなければ、それはちょっと変な話になるんじゃないかと思うんですが、その見込みはどうなんですか。百億とか百五十億ぐらいを毎年いわゆる通常の文教予算の上に乗っけていくというぐらいのことじゃなきゃだめなんですね、これ。
 それから、将来今度は経常費の赤字が出てくる。それが国立劇場の方では四十二億ぐらいを政府が補助している。それが今度やってからはかかってくるわけですね。それだって、オペラ劇場というのもつくるとすれば、もっとふえるんじゃないか。それが五十億じゃ済まないだろう、百億ぐらいかかってくる。文部省の枠は余り変わらない、そうなると、今度はいろいろな科学研究費だとかそういう削りやすいところからみんな削っちゃう。そうならないような形は、これはぜひとも今やっておかないとだめじゃないかと思うんですが、見込みはどうなんですか。
○国務大臣(西岡武夫君) お答えを申し上げます。
 まさに委員御指摘のところが非常に大きな問題でございまして、文部省といたしましては委員の御指摘の線に沿って全力を挙げて取り組む決意でございます。今この時点で具体的な見込みをというお尋ねでございますけれども、それは具体的な、数字的なことを申し上げることは大変難しゅうございまして、決意を述べさしていただく次第でございます。
○高木健太郎君 決意をお聞きしまして、安心とはいきませんけれども、ある程度期待をしております。こういう法案をこの委員会が文化の振興のためにやるんだということをここで決めたということはそれだけ文化庁の予算をふやさなきゃいかぬのだ、それは文部省の枠の中で取り合いをする、そういうことじゃいかぬぞということだけはひとつ認識をしていただいて、委員会では皆さんにそういうふうなお気持ちだったということをお伝えいただければ、その決意の結実につながるんじゃないかなと、こういうふうに思うわけでございます。
 それから、これは外国のまねをしろと言うわけじゃありませんが、先ほどもちょっと粕谷委員の方からお尋ねがありましたが、専属ということについてはどのようにお考えでしょうか。こういう芸術関係の方は、案外見かけは非常に派手やかに見えますけれども、内実は非常に生活とかいろいろ苦しいわけです。あるいは弟子を見ていかなきゃならない。その人たちは余り収入がない。家元というようなものも非常に貧しいところもあるわけなんですね。だから、余りこの芸術家というものをただ雇ってやるんだ、さしてやるんだというんじゃなくて、やっぱり育てるということになると、何か公務員とまではいかなくても準公務員的な専属というようなことはできぬものでしょうか。その点はどのようにお考えでしょうか。
○政府委員(横瀬庄次君) この専属の公演組織につきましては、先ほど粕谷先生の御質問にございましたように、昭和五十六年の設立準備協議会の報告で、当面「発足当初は置かない」ということが決められたわけでございますが、その協議会の検討でございますが、一方では置くメリットというのは、今お話ございましたように、安定した芸術創造が行われるということと、それからアンサンブルが育ちやすい、そういう点でございます。他方では既存の劇団との調整が難しい。それから、先ほどお話がございましたように、芸術家の新陳代謝が行われにくく硬直した組織になりやすいというようなデメリットの方の意見もございました。それで、結果といたしまして、特に東京を中心とした芸術団体の状況等も考えまして、この劇場に当初専属の公演組織を置くことは、現在のそういう文化団体、芸術団体の状況を必要以上に混乱させることになるんではないかという意見が大勢を占めてこういった結論になったといういきさつがあったわけでございます。
 東京にはオーケストラ九つ、代表的なものは九つございますし、それからバレエとか、あるいは現代舞踊、オペラで使われる団体というものもそれ以上ございますし、それからオペラ用の合唱団も二期会とか、あるいは藤原歌劇団の合唱部というような、ほぼ専属に近いものがございまして、そういったものがこの第二国立劇場における、例えばオペラの公演というときに別の組織でやってしまいますと、非常にこういった民間団体に対する大きな圧迫になるということは、これはいろいろ有識者に、専門家にお聞きいたしても大体一致した御意見でございます。したがいまして、現状では、第二国立劇場の公演組織を専属にしてしまうということになりますと、非常に大きな混乱が起こるんではないかというのは事実のようでございまして、したがいまして、今後それがそういう状況に変化が起こって、そしてメリットとしては確かに長期的に見てアンサンブルが育ちやすいというようなことがあるわけでございますから、そういった状況が、そういうものが置ける状況になるかどうか、これはいろいろと専門家の御判断、御意見等もお聞きした上で今後検討していきたいということになろうかと思います。
○高木健太郎君 ぜひその点も御検討いただきたいと思います。
 最後になりますが、このオペラというようなのはイタリー語が多いですね。聞いてもなかなかわからない。普及というようなことについてはどのようなことをお考えか。
 それから、現在例えばテレビだとかそういうものではオペラは非常に少ないですね。ほかの余りくだらないと言っちゃ怒られますけれども、悪ふざけのような番組が多くて、オペラというようなものは余り見る人がないんじゃないか、いわゆる視聴率が非常に低いんじゃないかというふうに思うわけです。だから、この国立劇場ができてから普及するというんじゃなくて、もうそろそろ文部省自体としてもその普及は考えておかなきゃいけないんじゃないかなと思うわけですが、現在どれくらいのオペラに対する愛好者といいますか、そういうのがあるのか、どれくらいの年齢層にあるのか、あるいは大学等の教育でこういうものはどんなふうにされているのか、そういうあらかじめデータをそろえておかれることが振興したかどうかを後でまた比較検討するときに私役に立つと思うんですね。
 お聞きしましたところ、テレビでどれくらい視聴率があるかというようなことをお聞きしましたけれども、調査されていないということですから、そういうことをやってもだめですけれども、将来は視聴率はどれくらいあるのか、国立ができてからどれくらい視聴率がふえたか、あるいはどういう層にそれが広がりつつあるか、そういうことはやはり今からもう調査しておく必要があるんじゃないか、こう思います。あるいは大学における教育は一体どんなようになっているのか、それらも自分としてデータを持っておかれることが必要であると思いまして、その点お願いをしておいて、私時間が来ましたので質問を終わりたいと思います。
○委員長(杉山令肇君) 何かお答えがあれば、それじゃ決意のほどを。
○政府委員(横瀬庄次君) 国民のオペラに対する需要というものは実際はかなりふえていると思います。例えば国内でのオペラの公演回数というものは十年前に比べますと、これは関東地方でございますが、二・八倍ぐらいになっているということですので、このところオペラブームとも言われますし、非常な増加傾向にあるということは確かだと思いますが、先生御指摘のとおり個々の具体的な調査、マーケットリサーチですか、そういったものについての調査などはまだ特にやったことがございませんで、第二国立劇場の設立準備に向けまして国民の需要を的確につかむ上で必要なことと思いますので、そういった調査が行われるように努力をしていきたいと思います。
○高木健太郎君 終わります。
○佐藤昭夫君 私も法案に先立ちまして高石問題について少し聞いておきたいと思いますが、先日の新聞報道によると、リクルート事件に関して東京地検特捜部は高石前事務次官から再聴取を行ったということになっておりますが、既に明らかなように、大学審議会初め文部省の研究協力者会議などへ江副初めリクルート社の幹部が数々選任をされておる。これらはすべて高石氏が初等中等教育局長、文部事務次官のときに行われた。同時にこれらは中曽根氏が総理大臣の時期でもあった。
 そこで法務省、お尋ねしますが、高石氏はもちろんのこと、中曽根氏もこの文部行政にかかわる関与について捜査は行っているんですか。
○説明員(古川元晴君) 現在の検察におきます調査あるいは捜査の具体的な中身につきましては申し上げかねるわけでございますけれども、種々報道等もされております事柄も踏まえまして適切に対処しているものというふうに考えております。
○佐藤昭夫君 もう一点法務省にお尋ねします。
 高石氏は、退官後に衆議院選挙の予定候補者として名前入りのも筆セットなどをばらまく等々の行為で、福岡県の選管から公選法第百九十九条に違反する行為という批判が出たという事実は御存じのはずだと思うんですけれども、あるいはまた全国の教育委員会の役職者や文部省の職制にパーティー券を事実上強制をしていたという地位利用とも言うべき行為、こういう点で教育行政のトップ官僚としてあるまじき行為じゃないかということが多々批判をされているわけでありますけれども、これら公選法違反容疑、この点でも捜査を行っているんでしょうか。
○説明員(古川元晴君) これも具体的なお尋ねになりますので、私どもの立場からいたしまして答弁いたしかねるわけでございますけれども、ただいま御指摘のような点につきましても、やはりそれぞれの報道機関においていろいろな報道がなされてきておりまして、そういう点は検察当局といたしましても十分承知しておるところのはずでございますので、それなりに適切に対処するものというふうに考えております。
○佐藤昭夫君 文部大臣にお尋ねをするんですが、高石前事務次官就任時、六十一年の八月の初め、東京銀座の高級料亭「吉兆」で、森元文相、宮地前次官初め局長クラスが同席して江副氏らリクルート社の役員から接待を受けたということになっております。
 文部大臣に先立って加戸官房長に聞きますが、この六十一年八月ごろというのはあなたは体育局長ですね。同席しましたか。
○政府委員(加戸守行君) 日時ははっきりいたしませんが、およそその時期だったと思いますが、私も同席さしていただいております。
○佐藤昭夫君 さらにそれに先立って五十九年の秋、森元文相が退任の直後、リクルート社のバーで慰労パーティーを開いた。これには森さん夫妻、それから当時の佐野文一郎事務次官以下局長級、高石氏も奥さんと同伴、こういうことでパーティーをやっているということでありますけれども、新文部大臣どうでしょうか。教育と文化の行政に責任を持つ文部省として、こういうことは常識だ、またはあるまじきことだ、芳しくないというふうに思われるか。文部大臣、見解どうですか。
○国務大臣(西岡武夫君) お答え申し上げます。
 ただいまの御質問の点につきましては、森元文部大臣が当時の文部省の幹部とある意味では親交を深めるというような形でそういう会合が行われたこと、そのものにつきましては特に私からいろいろと論評をすべき事柄ではないと考えます。ただ問題は、結果としてリクルートの問題がこういう形で文教行政についての国民の皆様方の大きな不信を招いているという状況のもとで考えますと反省すべき点が多々あった、このように認識をいたします。
○佐藤昭夫君 どうも答弁すっきりいたしませんけれども、この高石氏にとどまらず、森元文部大臣もコスモス株三万株、これを融資つきで譲渡を受けているという人物でありますから、という点で、そもそもこういう癒着の関係がリクルート事件の一つの温床になっているということで、文部大臣としてもっと厳しい態度をとってもらう必要があると思うんです。
 一方、昭和六十三年度の芸術活動の特別推進事業、二億三百七十七万九千円という予算が組まれておるわけでありますけれども、オペラについて民間企業の協力者としてリクルートから資金提供を受けているという事実があると思うんですが、その金額及び事業内容を説明してください。
○政府委員(横瀬庄次君) ただいまの御指摘は、文化庁で行っております芸術活動特別推進事業の六十三年度の事業についてであります。特別推進事業は、これは海外フェスティバル等の芸術団体による大型の公演につきましてその芸術団体の自主的な努力だけでは実施が困難なもの、しかも非常に有意義で、かつ意欲的な舞台公演につきまして、文化庁が旅費とかあるいは舞台費分として負担をいたしまして、かつ民間の資金も導入しながら実施をするという六十三年度から発足した事業でございまして、芸術団体と文化庁と企業等民間団体の三者が協力をして行うということを特徴としたものでございます。
 それで、この具体的な問題につきましては、財団法人日本オペラ振興会が「ワルシャワの秋」という、昭和六十三年度に行われました国際的な国際フェスティバル、オペラ公演をいたしまして、これを「袈裟と盛遠」というタイトルで公演をしたものでございますが、これにつきまして昭和六十三年の五月に文部省が専門家、学識経験者から成る審査機関でございます民間芸術活動振興に関する懇談会というものの承認を得て決定をいたしました。
○佐藤昭夫君 もうその経過はよろしいから、ちょっと持ち時間少ないから、実際に提供を受けた金額、それからいつどういう事業をやったのか、それだけ。
○政府委員(横瀬庄次君) これにつきましては日本オペラ振興会が十月二十三日から二十七日、ワルシャワにおきまして国際公演を行った、こういう事業でございまして、オペラ振興会が文部省と相談の上、リクルートに協力を要請した、その金額は一千万円でございます。
○佐藤昭夫君 昨年のワルシャワでやったというその事業、十月二十三日から十月二十七日といえばリクルート事件が既に発覚をしている時点じゃないですか。その時点になぜわざわざリクルート社からお金をもらうのか。大体が無神経じゃないですか。文部省ぐるみでリクルート社からの接待を受けるというこのことに始まって、とりわけ贈収賄の問題としてその容疑としてリクルート事件が発覚をしたその時点で、なおかつリクルートにお金をもらって、文部省の事業の推進を図るという、こういう事態を、当時西岡さんは文部大臣ではないんですけれども、今の時点で立ち返って、振り返ってみて、適切なことだったと思いますか。
○国務大臣(西岡武夫君) お答えをいたします。
 ただいま文化庁次長から御答弁申し上げましたように、委員御指摘の問題は文化庁が昨年の五月二十六日に専門家、学識経験者から成りますところの審査機関でございます民間芸術活動振興に関する懇談会の承諾を得て正式にこれを決定し、その後財団法人日本オペラ振興会が文化庁と相談した上でリクルートその他の協力を要請したということは事実でございます。その後リクルートに関する問題が明らかになったわけでございますが、既に公演の日程等も迫っているということもございまして、予定どおりこれを実施することとなったものでございます。
 今回のケースはもちろん予期しないものであったわけでございますけれども、今後この芸術活動特別推進事業の実施に伴う民間資金の導入につきましては十分注意をしていかなければいけないなと反省も含め改めて今考えるところでございます。
○佐藤昭夫君 五月二十六日段階で何とか懇談会のそこの相談に基づく事業だといったって、計画は変えることできるじゃないですか、どうしてもまずいなという判断に立てば。ということで、とにかく一たん決めたことだからやらざるを得ないということで突き進んでいったということでは絶対に承服できませんね。そういうリクルート疑惑を文部省として、文化庁として容認をするような姿勢、断じて認められません。時間がないからこればかりやっておられません。法案の関係の質問の残りをやります。まあさっきの問題ですけれども、断じて承認できませんので、文部大臣よく実態をもう一遍調べてみて、また次の機会に質問いたします。
 舞台芸術の振興のためにということで第二国立劇場がつくられるという、このことに関して、同僚委員からも東京集中ではなくて地方の芸術文化の振興発展、この方策をもっと充実をする必要があるということがいろいろありました。私も同感で、もう繰り返しませんけれども、よく検討してみたいと、こういう答弁であったので、その点の確認だけ求めておきますが、よく検討してもらえますね。
○政府委員(横瀬庄次君) 第二国立劇場が地方の文化振興の観点から情報のセンター的な機能を果たすとか、そういった情報の収集、公開といったような事業につきまして非常に重視をしてやっていきたいということは考えておるところでございます。
○佐藤昭夫君 そこで、建物はつくっても、問題はすぐれた演劇をする、そういう人たちの援助、育成がどのように進められるかということなしに真の振興策にはならないと思うのであります。
 現在、この舞台芸術の公演者の集団であります新劇団協議会、ここへの補助金というのは千百万円程度で、よくお話を聞きますと、中学校、高校での公演は約三十団体で年間二千三百四十六ステージ、これ八八年度。少なくて分けようがない、この千百万円というのは。ことしは五劇団、来年は別の数劇団ということで回転をしておるという、しかもその予算が年々むしろ減っていくという非常に貧弱な姿であります。芸団協の調査によりますと、実際に舞台演劇をやる人々の平均収入、一九八四年度の調査でありますけれども、三百二十三万円、平均年齢四十三歳、平均芸歴二十四・一年ということでありまして、当時の一般勤労者の平均収入四百五万円、これを大きく下回る三百二十三万円ということになります。加えて、学校公演、地方公演、こういうところへ出かける際に、そもそも賃金が低いわけでありますから、新幹線に乗れないのでマイクロバスで出かける。一日七時間も八時間もがたがたとでこぼこ道を揺られて、そして疲れ切って到着をするわけでもありますし、この舞台づくりの制作の時間やけいこの時間、これがとれないという大変な苦痛が語られているわけであります。こういうことでは本当に質のよい作品を期待することも困難にならざるを得ないわけであって、文化庁の考え方は、こういう劇団というのは好きな人たちが勝手にやることだ、援助は必要ないというふうに考えているのか、それとも真に文化振興のためにそういう芸術団体に対する助成、これを強化する必要があると考えておるのか、その点はどうでしょうか。
○政府委員(横瀬庄次君) 民間の芸術活動に対しまして、私どもといたしましては、その経済的な基盤というものを充実していくというのは非常に重要な仕事であると考えておりまして、ただいま御指摘の芸術団体に対する補助金というものも非常に重要な核をなすものであると思います。
 ただ、この補助金につきましては、財政再建といいますか、財政上の方針といたしまして、昭和五十七年度から一定の率で削減をするという政府全体の方針がございまして、その傾向から免れることができない状況にあったわけでございまして、そこで、これにかわる舞台芸術に対する助成といたしまして、昭和六十一年から日米舞台芸術交流の経費でありますとか、あるいは優秀舞台公演に対する経費でありますとか、あるいは六十三年からやっております芸術活動特別推進事業というような従来の補助金にかわる、しかも重点的な助成ができる制度を次々に発足させ拡充してまいりまして、ようやくかつての芸術団体補助金の水準にまで平成元年度におきましてはその水準を取り戻したというところでございます。
 今後ともこの芸術活動に対する助成につきましては、文化庁の一つの最重要項目として拡充に努力していきたいというふうに考えておる次第でございます。
○佐藤昭夫君 行政改革のために年々そういう補助費が減ってきている。それにかわるものとして、国際文化交流強化のそういう観点からの特別の予算もつけておると言われるんですけれども、その内容は、海外フェスティバルへの参加公演とか、ふるさと歴史広場とか、いわゆるビッグイベント、そういうものであって、本当に地方の民間の芸術団体の活動を援助する、そこの基礎の部分がどんどんと減っていく一方ということでは、本当に豊かな芸術活動の発展というものは、これは困難になっていく一方だというふうに言わざるを得ないわけです。
 そういう点で、文部大臣、ぜひともひとつそういう芸術団体に対する助成をいかにするか。もう時間がありませんからあれですけれども、消費税の深刻な影響がさらにここへ加わってくる、こういう問題でありますから、ぜひともこれに対する抜本的な対策を大臣として鋭意検討してもらいたいということを強調しておきたいと思いますが、どうでしょうか。
○国務大臣(西岡武夫君) お答え申し上げます。
 ただいま文化庁次長から御答弁申し上げましたように、文部省、文化庁といたしましても、委員御指摘のとおりに芸術諸団体に対する助成をもっと充実しなければいけないということで、毎年努力をしておるところでございますけれども、現在のところまだ十分なものではない、もっと思い切った施策が必要であるということを十分認識し、今後とも努力を続ける考えでございます。
○佐藤昭夫君 終わります。
○勝木健司君 それでは質問させていただきます。
 まず、今回導入されようといたしております消費税についてでありますが、これは音楽とか演劇など入場料にかかってくるわけでありまして、公演収入だけでは採算のとれない団体というものが多い業界であるだけに、消費税の導入というものが団体とともに芸術振興にとっても大変な死活問題であるというふうに思います。生活水準の向上、また自由時間の増大等を背景として国民の文化に対します関心というものが非常に高まっておる。まさに文化の時代が今始まろうとしているときだけに、芸術文化を育てていこうという姿勢とは逆の対応をとろうとしておるということを甚だ遺憾に思うわけでございます。文部省としてこういう芸術文化振興、育成のための手だて、手当ても含めまして、今回のこういう問題についてどのように考えられておるのか、まずお伺いしたいというふうに思います。
○政府委員(横瀬庄次君) 今回導入されます消費税につきましては、これは芸術文化の公演につきましても、他の分野と同様に課税されるということになりますが、これは先ほど来申し上げておりますように、消費税が消費に広く薄く負担を求めるという性格であるということ、それから例外的な措置というものを基本的にはとらないということでございまして、その負担を消費者に円滑かつ適正に転嫁するということが一つの重要な課題になっているわけでございます。
 そこで、そういったことから申しまして、これは消費あるいはサービス全体にかかるものでもございますし、税率が三%という低額でもあるということから、舞台公演に直ちに影響を及ぼすというものではないのではないかというふうに考えておるところでございますが、ただ芸術文化に対する文化庁の経済的基盤に対する充実の要請というものが非常に強くなっていることは十分承知をしておりまして、先ほど来申し上げてまいっておりますように、一つは第二国立劇場の建設ということも大きな長期的な充実の一つだと思いますけれども、芸術活動に対する助成、いろいろな各項目にわたる助成につきましても、本年度は、平成元年度は前年度比一〇%以上の増額を行いまして努力をしているところでございまして、今後ともその点については拡充の努力を怠ってはならないというふうに考えております。
○勝木健司君 日本民族の文化遺産であります古典芸能、これを正しく保存するとともに、新しい世代に芸能の創造、発展を図ることを目的として国立劇場とかあるいは国立能楽堂ができて以来、かなりの時間が経過をしておるわけでありますが、そこで当初の目的をどの程度達成されておるのかどうかという、それを知るために歌舞伎や能などの伝統文化を愛好して劇場あるいは能楽堂に足を運ぶ人たちの数が今現在ふえる傾向にあるのか、それとも減少傾向にあるのか、その中でも若い人たちがふえておるのかどうかということも数字を挙げて説明をしていただきたいというふうに思います。
○政府委員(横瀬庄次君) 国立劇場は昭和四十一年に本館を開場いたしました。それ以来順次演芸資料館とかあるいは能楽堂、文楽劇場というふうな順に劇場を整備してきております。それに伴いまして、国立劇場の自主公演の入場者数というものは、年によって変動がございますけれども、例えば昭和四十一年本館が開場したときは十七万六千人であったものが、昭和六十二年には五十一万五千人というふうに増加をしているわけでございます。
 それから、若年層の観客数につきましては、例えば高校生を中心といたします青少年に対しての普及公演というものについて見ますと、昭和五十九年の十八万一千人から昭和六十二年には十九万九千人というふうにこれも着実にふえている傾向にございまして、若年層の観客というものが今後伝統的芸能を支える原動力になっていくわけでございますので、大変喜ばしいといいますか、そういう傾向にあるというふうに考えております。
○勝木健司君 第二国立劇場は現代舞台芸術の振興、普及というのが目的であるというふうに思いますけれども、まず現代舞台芸術とは具体的にどのような範囲のものを言うのであるのかということですね。先ほども東洋芸能、東洋の芸能まで含むかどうかということもあるわけでありますけれども、具体的にどういうものを含むのか、お伺いしたいというふうに思います。
○政府委員(横瀬庄次君) 今回改正点として現代舞台芸術の追加ということをお願いしているわけでございまして、したがいまして、当然にこの言葉は我が国古来の伝統的芸能という言葉と対比する言葉でございます。その内容は、主として我が国において、明治以降外国から我が国に輸入され定着した舞台芸術、それから、あるいはその後に我が国において発達、発生した舞台芸術であって、現在もなお我が国において演じられているというものでございまして、具体的にはオペラ、バレエ、ミュージカル、現代舞踊、現代演劇というものがこれに当たるというふうに考えております。
○勝木健司君 ここでそういう現代舞台芸術というものが広く日本人に受け入れられるというふうに考えられておるのでありましょうかどうかということ、その根拠は何にあるのかということでお伺いしたいというふうに思います。
○政府委員(横瀬庄次君) これは大変難しい問題でございますけれども、我が国の現在の文化の状況というものは、大きく分けて我が国古来の伝統的な文化と、それから外国から輸入してきて我が国の固有のものになってきた文化ということであろうと思います。これは現在、明治以降そういった欧米から伝えられた舞台芸術というものが我が国に入ってきたというわけでございますけれども、現在では我が国の文化にすっかり同化をしてというか、我が国の文化の特色としては、そういう伝統的文化と外国から由来している文化といいますか、芸術とそれとが調和して発達、発展をしているというような点にむしろ我が国の文化の特色があるのではないかというふうにも思っております。
 現実に舞台芸術、現代舞台芸術と言われるオペラ、バレエ、ミュージカルというものに対する国民の需要というものが非常に増加してきている傾向にあるということはいろいろな資料から申せることでもございますし、十分にこれから我が国の国民にとってなくてはならない芸術のジャンルになっているというふうに考えている次第でございます。
○勝木健司君 余り根拠がわからないわけでありますけれども、現代舞台芸術をできるだけ多くの国民に享受していただくためには、やはり第二国立劇場としてはどのような方策を立てておられるのか。また、第二国立劇場においては、民間活力の活用をどのように考えておられるのかということも含めて、本来の目的をやはり達成するためには民営のものも育成、活用していくことも大切であるというふうに考えておるわけでありますけれども、含めてお答えをいただきたいというふうに思います。
○政府委員(横瀬庄次君) 第二国立劇場に対して、できるだけ公演を多くの国民に享受していただくということで、まず第一に、これは第二国立劇場は現代舞台芸術の我が国における最大の拠点でございますから、そこでできるだけ公演数を多くするということが一つ。それから、青年等若い世代を対象とした低廉な入場料金でわかりやすい普及公演を行うというようなこともその中身であろうかと思います。
 それから、第二国立劇場で実施されました公演を、先ほども大臣が触れましたように、地方の方に、地方の全国の文化会館等に回していく、供給をしていくというようなこともございましょうし、それから、公演記録について提供いたしまして、テレビとかあるいはビデオとか、そういう媒体を通した公演の提供というようなことも大いに意味のあることだと思います。
 それから、民間活力の問題といたしましては、これは設置形態といいますか、第二国立劇場の実施形態といたしまして、その公演等を民間団体に委託するというようなこと、それから企業からの寄附等の民間資金の導入を図りやすい制度を考えていくという、それから特定街区という御説明をいたしましたが、劇場周辺の民間地域を総合的に再開発をするというようなこと、いろいろな面におきまして民間活力の活用というものを考えている次第でございます。
 それから最後に、民営の舞台芸術劇場、民営の劇場に対する圧迫にならないかというような御心配でございますが、これは現在純然たる民営の劇場というものは五十館ほどでございますけれども、これはほとんどが多目的な施設でございます。それから、五百席以下の小規模な施設でございまして、千五百から二千というような大規模な現代舞台芸術の公演に適した施設を備えた館は九館程度にすぎません。それで、第二国立劇場はオペラとかバレエのような専用の劇場とも言えるものでございますし、公演につきましても非常に大規模な公演、第二国立劇場でなければ実施が難しい公演というものもかなり実施していきたいと考えております。そういった意味で、劇場の施設、設備の状況でありますとか、あるいは公演の目的、内容から見ましても、民間の既存の劇場と競合するということは非常に少ないのではないかというふうに考えておる次第でございます。
○勝木健司君 競合ということでもありますけれども、できるだけ民間のものも活用するという姿勢を大切にしていただきたいというふうに思います。
 次に、第二国立劇場はやはり機能の一つとして現代舞台芸術の情報センターとしての役割を果たすということが期待されておるわけでありますけれども、これらはさらに地域文化発展のための情報センターとしての役割もやはり果たすことが期待されているというふうに思うわけでありますけれども、そういう地方文化発展のための情報センターとしての機能充実のための施策というものはどのような施策が考えられておるのか、お伺いをしたいというふうに思います。
○政府委員(横瀬庄次君) 第二国立劇場の機能の一つといたしまして、現代舞台芸術に関します情報、資料を集め、収集し活用するということがその事業の大きな一つとなっているわけでございまして、具体的には現代舞台芸術に関します図書とか、あるいは楽譜といったようなそういう文献的な資料、これは日常的にも使われるわけでございまして、使用、そういうものを要請されております文化団体に対してそういうものを供給できるという体制にもなっていくわけでございます。
 それから、第二国立劇場の公演記録を保存し公開する。これは現在の伝統的な方の国立劇場においても、その公演記録についてはすべて保存をしてございますけれども、これをぜひ地方の文化的な施設等へも供給をできる体制をとっていきたいというふうにも考えております。それから、第二国立劇場の収集いたしました情報、資料というものを、ひとつ地方の文化会館といったような施設に情報ネットワークをつくって、その要請によってすぐにその情報が伝わるような、要請する情報というものがすぐに手に入るような、そういうネットワークづくりというものも今後考えていきたいというふうにも思っているところでございます。
○勝木健司君 第二国立劇場は諸外国との文化交流の拠点としての機能というのも期待されておるわけでありますけれども、諸外国の国立劇場との協力などを含めて国際交流に果たすこの劇場の役割についても簡潔にお伺いをしたいというふうに思います。
○政府委員(横瀬庄次君) これは、現代舞台芸術というものは、先ほど申しましたように、外国、欧米から由来しているものでございまして、欧米におきましてはそれぞれ国際的な交流が行われているわけでございます。それが、欧米と我が国との間の国際的な交流というものが、さらにこの第二国立劇場がつくられることによって非常にふえていくことになると思います。我が国におけるまさに舞台芸術に対する国際交流の拠点としてこの第二国立劇場が十分に機能していきますように、これも非常に重要な課題として拡充を図っていきたいというふうに考えております。
○勝木健司君 余り時間もありませんので、まとめてお伺いしたいと思いますが、ふるさと創生とか地域興しとかいうことが盛んに今言われておりまして、それぞれの地域で頭をひねっているところであるというふうに聞いておりますけれども、今出ておるのはほとんどがハード面を中心とした施設が中心であるというふうに伺っておりますので、もっと地域文化創造という視点からのソフト面での施策というものが必要じゃないかというふうに思うわけであります。文部省としても率先してやっぱり真のふるさと創生のための伝統文化の発展、維持とか継承するなり、あるいは地域文化の創造のためにそういう援助をしていくべきだというふうに考えるわけでありますけれども、お伺いをしたいというふうに思います。
 また、どの民族にいたしましても、またどの国家にいたしましても自分たちによく調和した文化とか、あるいは親密な文化、そして充実して生きることのできる文化というものを持っておるわけでありますが、それは他人からの借り物ではなく、みずからの努力でやっぱり生み出しているのであろうかというふうに思います。建物や施設の整備充実というのも大変重要なことでありまして、賛成でありますけれども、やはり自前の文化を生み出す努力というものにもやっぱり力を及ぼして、力を入れていっていただきたいというふうに思うわけであります。そこで、諸外国を見てみますると、自国の文化というものを非常に大事にしておるように思います。文化というものはやっぱり民族や国家における精神の基本となっておるという認識を持っておるからというふうに思われます。
 そこで、我が国はと申しますと、伝統文化と外国文化とを見事に調和さしているという、そういう意見もありますが、一方では、伝統というものを喪失をしておる、外国文化の獲得にも成功していないという、こういう見方も一方ではあるわけでございます。これに対して西岡文部大臣はどのようにお考えになっておられるのか。また日本の文化政策というものは今後どのようにあるべきだということもあわせてお伺いをして、私の質問を終わりたいというふうに思います。
○国務大臣(西岡武夫君) お答え申し上げます。
 委員御承知のとおりに、我が国の伝統文化、具体的に申し上げますと歌舞伎、能、文楽等伝統文化を継承していくということにつきましては、大変若い世代も含めまして強い関心を持ってそれぞれの分野が正しくこれを継承されているというふうに認識をいたしております。しかも、そのことについての関心というものも非常に高まってきている。非常に余暇の増大というような社会的な背景もございまして、そういう方向を目指しているというふうに考えております。
 一方、委員御指摘の明治以来の欧米からの伝わってまいりました現代舞台芸術につきましても、我が国のこれまでの文化と同化しつつ、やはりヨーロッパ等においても高く評価されるものを生み出しつつあるというふうに考えているわけでございまして、そういう意味からも、今回の第二国立劇場を、委員まさに御指摘のとおりに、ハードの面だけではなくてソフトの面の中心的な、中核的な役割というものを果たしながら、日本の文化政策の大きな中核の一つにしていかなければいけないと考えておりますし、また全体的な文化施策につきましても、これまで以上文部省といたしましては努力をしていかなければいけない。本日の各委員の皆様方からの御指摘、御鞭撻等を踏まえながら、文部省といたしましては全力を挙げて努力をいたす決意でございます。
○勝木健司君 ふるさと創生について何かありませんか。
○政府委員(横瀬庄次君) ふるさと創生につきましては、当然ながら地域の文化の振興ということでございまして、文化庁がこの平成元年度の予算案でお願いをしているところでございますが、文化庁に文化普及課という課がございますが、そこに新たに地域文化振興室というものを設置いたしまして、各地域ごとに特色のある伝統を引いた文化の発展というものにつきましてそれぞれ指導していきたい、指導するという体制をつくったところでございまして、これによってぜひその地域の文化の振興ということを指導していきたいというふうに考えている次第でございます。
    ―――――――――――――
○委員長(杉山令肇君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、竹山裕君が委員を辞任され、その補欠として大塚清次郎君が選任されました。
    ―――――――――――――
○下村泰君 今審議されております法案に先立ちまして、文部大臣初めてでございますので、私の自論でございます障害者教育に対してまず最初に伺いたいと思います。
 この間の甲子園の始球式、御苦労さんでした。何かアナウンサーのお話聞いておりましたら、大分御熱心に練習なさった、その割にはホームベースに届かなかった。あれもしかし愛きょうの一つとして、大変私は楽しい風景だと思って拝見しておりました。
 前の文部大臣の中島さんにもさんざんお願いをしておいたんですけれども、障害児の教育ということがすべての子供の教育にわたると私は思うんです。障害児の教育が徹底できないような先生でしたらば、恐らく落ちこぼれの子供の面倒も見切れない先生だと私は確信を持っています。本来、新しく就任された大臣の所信をお伺いして、その中に障害児に対する教育をどういうふうにお考えなのか、あれば伺ってから質問するのが順当なんでしょうけれども、きょうはそういうことじゃございませんので、西岡文部大臣が就任されて、障害児の教育に対してはどういうお考えを持っていらっしゃるのか、どんな基本的なお考えを持っていらっしゃるのか、それをまず聞かせてください。
○国務大臣(西岡武夫君) お答え申し上げます。
 委員ただいま御指摘のとおりに、まさに障害児教育の中に教育の原点と申しましょうか、すべてが存在しているというふうに私自身も認識をいたしております。したがいまして、教職員の養成課程におきましてもでき得べくんば障害児教育についての専門的な知識というものも必須課目としてこれを取り入れるべきではないだろうかというぐらいの考えを持って、まだそこまで残念ながら至っておりませんけれども、今後取り組んでまいりたい。委員まさに御指摘のとおりで、私も全面的に賛成でございます。
○下村泰君 これは大変意を強くさせていただきました。
 大臣もこの間の始球式のとき、そして入場してくる入場行進、ああいう甲子園球児の姿を見ていると、すばらしい、あの若さといいますか、あの純真さといいますか、私も春、夏必ず入場式というのは見ますけれども、何となしに胸が熱くなるんですね。言葉も何も要らないんです。理屈も何も要らない。
 その高校を目指していた少年が点字の試験を断られたという記事があるわけですね。二月二十三日に福岡で一人の少年が普通高校へ進学をしようとした。このお子さんは小学校五年のときに緑内障で視力が落ちた。そのために中学は盲学校へ通って三年終えて、やっと高校に入試する。視力は〇・〇二だそうです。目の前に大きなものがあるなというのはわかるんだそうです。ふだんの生活は自力でやっておる。高校へ何とかして入って一般の学生さんと勉強して社会人になりたい、行く行くは大学へも進学したいということで受験を希望したんだそうですが、福岡の教育委員会の方でははじかれたわけですね。御本人は学校まで行って、自分の思いのたけを手探りでも筆で書いて、そして三十分ぐらいで帰ってきたそうです。それに対して福岡の教育委員会の委員長は、遺憾なことである、何も断ったのにわざわざ来ることないじゃないかなんというようなことを言っておるんですね。そうすると、先ほど文部大臣のおっしゃった障害者に対する教育の基本的な精神と、この福岡の教育委員長の精神とまるきり違う。
 それと、文部大臣が十四日の閣議後の記者会見でこの件に触れて「目の不自由な生徒にも受験機会を与えるべきだが、現実の問題として、入学してから十分に学べる環境が整っていない。現状では、福岡県教委の措置はやむを得ないのではないか」、こういうふうにお話しになっていらっしゃる。ところが、入学してからでも本当に学校側にその体制を整える気があれば絶対私はできないことはないと思うんですね。ですから、こういったことを文部省は一体どういうふうにとらえているのか、それをまずちょっと聞かせてください。
○国務大臣(西岡武夫君) お答え申し上げます。
 先般の福岡の出来事は、本当に受験生の気持ちを考えますと残念なことだなと私も考えます。ただ、今委員からもお話がございましたように、受験をしていただくという準備を整えた以上は、学校側としては十二分にそれに対して教育できる環境条件というものを整える責任がある。そういう意味において福岡の教育委員会として今回の問題についてはその準備は十分でなかったということで、いわば入り口のところでそれを拒否したという形にはなったわけでございますけれども、拒否するということが必ずしも目的ではなくて、むしろ準備が整っていないので、そういう状況の中で入学をしてもらうということの方が教育の上から責任ある行為になるかどうかという判断の問題であったであろうと思います。
 いろいろ細かいことを申し上げますと、いろいろなケースが想定されるわけでございますけれども、総論としては、今回の問題については残念なことでございますけれどもやむを得なかったなということを私も記者会見で申し上げたことは事実でございまして、今後福岡県の教育委員会がこうしたことを踏まえて、どのように対応されるかということにつきましては十分私どもも相談にあずかりたい、このように考えております。
○下村泰君 実際に視覚障害者の公立校の点字受験、これは宮城県、東京都、神奈川県、埼玉県、大阪、京都、兵庫、この七都府県が実施はしています。それで、もう二十八人もの生徒が入学、これは文部省の方もこの数字はちゃんと把握していらっしゃると思います。実際に例えば点字図書館へ行きましても、こういう一連の参考書にしても学習書にしても調えることができるわけですね。
 ただここのところで問題は、こういう問題には厚生省の方が非常に積極的なんですね。厚生省の方が例えばパソコンにしても何にしても非常に進んでこの問題解決に努力しておる。ところが文部省とうまくいってないんですね。私がいつも言うように、やくざと同じで縦割りだけがしつかりしておる。横の連絡は何にもない。いつも私は申し上げるんですけれども、こういう教育問題なんというのは、これは国の将来の基本的なことでしょう。一番下の年齢の人たちの教育なんですからね。それが縦割り行政にこだわっていては私は進歩がないと思う。厚生省が努力しているんだし、そういう問題も一つ一つ文部省も絡めて、そして解決していけば、こういう問題は私は一挙に解決できるんじゃないかと思いますよ。学校の方に受け入れ体制がない受け入れ体制がない、やる気がないから受け入れられないんでしょう。これはどうですか。
○政府委員(古村澄一君) 私たち文部省といたしましては、障害があるということだけで高等学校の門戸を閉じないようにしてくれということはかねてから御指導申し上げておりますが、要は入りまして後の教育の体制の問題だと思います。
 そこで、盲学校の高等部というのはそういった点では大変体制としては整備されております。普通の高等学校は盲人に対する体制というのは十分とられてないという現状の中で子供の教育を考えたときに、どっちを選んだ方が子供にとってプラスであるかということを教育委員会なり学校の関係者は判断したんだろうということで、盲学校の高等部へ進学されたらどうですかというふうなことがあったというふうに私は聞いております。私は、全般的にそういったいわゆる特殊教育諸学校の方がいろいろな面で、教員の配置にいたしましても、あるいは施設、設備のあり方にいたしましても、あるいは教材、教具にいたしましても、それぞれ障害に応じたようになっている、この方はやっぱり私は認めざるを得ないと思っております。ただ、それがすべての子供に対して、すべて盲学校へ行くべきだというふうな話ではないだろう、現実問題、そういったことについて対応ができる子供があればそれは一般の高等学校へ入ることもやぶさかではないというか、そういったことも整えてやるということをケース・バイ・ケースによってやっぱり具体的に検討していく問題だというふうに考えております。
○下村泰君 大変ただいまの御意見は結構な御意見だと思います。ましてや役所という、つまりたくさんの役所があります。これはやっぱり国民の要望にこたえるための役所なんですから、国の方が区分けして、おまえはこっちへ行け、こっちへ行け、こっちは絶対来るななんて、そんなことを言える権利はないと思うんです。すべて国民の側の要望することにこたえるような措置を講じてあげなければ本来の所管庁の務めは私は務まらないと思います。
 大臣、一番私が寂しいのは、必ずこういうことの起きてくるのはこの時期なんですね、二月、三月。歳時記みたいなんです、これが。つまり、この時期になって、こういうことによって教育を阻まれたとか、あるいは入学できなかったとか試験が受けられなかった。毎年二月、三月なんです、これは。あるいは四月。そうすると一種の歳時記ですよ、これは。カレンダーがわりにこんなものが出てきてはいけないんじゃないんでしょうかね。ですからこういうのは少し、一日でも早く解決をしていただきたい、お願いをしておきます。いかがでしょう。
○国務大臣(西岡武夫君) お答え申し上げます。
 委員からの御指摘、もう全くそのとおりだと申し上げたいところでございますが、全国の高等学校がすべてどこでどういう地域でどういう受験生の希望が起こるかということを把握することはなかなか不可能でございまして、そういう状況の中で盲学校の整備を充実するということがやはり一義的には文部省としては大事なことであろうと。でき得べくんば、できるだけ多くの、高等学校の中で学びたいという目の不自由な生徒のための教育条件を整備するということが可能であれば、そのことが一番いいと私も考えておりますけれども、それを直ちにいつでもどこでもだれでもというふうな形で整えるということは現実問題としてはなかなか残念ながら不可能なのではないかというふうにお答えせざるを得ません。
○下村泰君 それ以上は無理だろうと思います。けれども、できる範囲においてひとつお考え願いたい。よろしくお願いします。
 さて、国立劇場の方でございますけれども、この十九条の二というところですか、二項の方ですか。これは「国立劇場は、前項の業務を行うほか、第一条の目的の達成に支障のない限り、前項第一号の劇場施設を一般の利用に供することができる。」一こうしますと、ほとんどの芸能種の人たちが利用するということができるわけですな。
○政府委員(横瀬庄次君) この規定はいわゆる貸し館に当たるようなところでございますけれども、この規定のとおり、支障がない限りにおきまして一般の利用に供するということでございますので、その限定というものは特にないと思います。
○下村泰君 と申しますのは、例えば今まで国立劇場あります、今もね。それで中劇場があって国立演芸場というのがあります。国立小劇場ですか、あれは本来は国立資料館です。建ててくださったのはありがたいんですが、何であんなところに建てたのか、私はいまだに腹立っているんですが、もっと庶民の集まるような場所に建ててくれれば国立演芸場ですわね。あんな真後ろに最高裁の石の建物があるところに、どこで漫才やるんだ、どこで落語やるんだ、来にくいんですよ、あそこは。
 それで、あそこ以上のお客さんを集めようとして例えば国立劇場をお借りしようとします。そうしますと、落語以外は伝統がないというのです、寄席芸能に。落語以外は伝統がないから貸さないというのです、文化庁は。今でもそうですが。
○政府委員(横瀬庄次君) 先ほど申しましたように貸し館ということでございまして、本来の業務に支障のないということであれば、特に法律的といいますか、制度的に落語以外の伝統芸について使用させないということではないと思うんでございますが、非常に希望が強いために、そういう何というのですか、使用の許可の基準の優先順位というようなことから言いますと、できるだけ伝統的芸能ということに引きずられていくんじゃないかと思いますが、決して全く許さないということではないと思います。
○下村泰君 全く許してないんです、実際はね。私が経験者だから、これはもうあなたがどういう言いわけしようと絶対許さない、これは。私が行って断られたんだから。ところが、もうちょっとひとつ私は文部省のこういったお仕事に携わる方々に研究していただきたいんですね。
 例えば漫才という言葉で今表現されておりますが、もともとは万歳と書くんですね。それ以前は俄なんですよ。いわゆる江戸俄、浪花俄と博多俄というもので、今現在残っているのが博多俄と熊本俄ですね。で、俄というのは当時の権勢者に対して一般市民がやゆしたり批判したりするのが原因ででき上がったようなものです、あの俄というのは、本来は。ですから、博多の俄なんていうのはあの半面というのですか、お面をかぶって、どこのだれがやっているかわからないようにしてやっているわけですね。ですから、ああいったものというのの御先祖が私は漫才の御先祖だと、こう思っていますよ。で、万歳の中にも御殿万歳もあり門付け万歳もあります。御殿万歳というのは、これは徳川家康のお父さんが大変かわいがつた、三河万歳を。それでその徳川家康が江戸城に入ったときに徳川家康のお父さんにかわいがられた当時のあの知多半島、あの三河の安城ですか、あの近所にいた万歳の人たちが大挙してお正月お祝いに駆けつけた。それから名字帯刀を許されて御殿万歳というのは生まれるわけですよ。
 こういうふうに一つ一つさかのぼっていくとちゃんと歴史があるんですよ。今の形の漫才というのは明治の末期に出てきた。空中軒マストンという人が一番最初ですがね。チャップリンというのが一番最初なんです、その当時。このチャップリンという人は、もとは剣舞をやっていた人なんです。その人が急にまあチャップリンのような格好をして始めたのがこの実態の一番最初なんです。そういうことをさかのぼっていけばきちんとあるんです。そんなことも知りもしないで、やれ伝統がないとかあるという。だから私はかちかちくるんだけれども、これはこれとしておきましょう。
 で、私もう一つ質問したいのは、文化庁の方でどういうふうにお調べになっているか知らぬけれども、あの大正時代に、今よりも音楽教育が普及してなかった当時に、浅草では浅草オペラ、オペレッタ、これがあれだけの大流行をして全国津々浦々にまで当時の歌が流れていった、今のような媒体のないときに。今日これだけすばらしい音楽教育を受けている子供たちがいて、なぜオペラがあの当時のような隆盛にならないのか、お考えになったことはありますか。
○政府委員(横瀬庄次君) ちょうど大正大震災の直前ぐらいまでの間に、明治の終わりから大正の十年ごろまでの間に浅草を中心にして非常にオペレッタが流行したというのですか、普及したということは、今から考えますと非常に特異といいますか、今から考えれば想像のできないほどの分量で普及をしたということについては、私も本で読んだことがございますが、それがどうしてあるかということについては私も研究したことがございませんので、ちょっとお答えしかねるところでございます。
○下村泰君 結構ですよ。別に、だからおまえ文化庁にいる資格ないなんて言いませんから、私。
 当時新しかった、新しもの好きという人の心理というのはありますね。珍しかった、新しかったというものに飛びついたという感じはあります。でももう一つ、当時沢モリノとか清水金太郎、明石須磨子、藤村吾郎、田谷力三、戸山英二郎、これは後の藤原義江さんですけれども、柳田貞一なんていう方がおりまして、この方はエノケンさんのお師匠さんです。こういう方たちで編成していた常打ちだったんですよ、早い話が常打ち。ですから、こういうものやっているよ、はい行くよと行けたわけです。ところが今のオペラというのは大変ですわ、これ費用が。まず、舞台飾ると坪幾らでしょう。何百万円かかるでしょう。それから衣装、それから赤ものづら、赤毛と言うんです、私らは。赤ものづら、これが高い。こういったものを全部仕込むと、とてもじゃないけど今の入場料じゃツーペイできないわけですね。しかも今期間が短いでしょう。だから結局行きたい人がいても、また見たい人がいてもこういうものはなかなかうまくいかなかった。
 それで、当時、文化庁こういうこと知っていますかね。切符の回しというのを知っていますか。知らないでしょう、そういうことを知らなきゃこれから国立劇場を経営できませんよ。これはテケツと言って、テケツというのは切符を売るところだ。それで切符を買うでしょう。もぎりというのがある。もぎりというのは入り口のところで切るの。あそこで半券切りますね。あれ切らないのはいいらっしゃいとそのまま持っていっちゃう。お客さんというのは半分くれという人はいない、そのまますうっと入っていっちゃう。すると、それを十枚なら十枚束にしてまた送る。また売るわけだ。で、その枚数で税務署をごまかすの。税務署が後ろにいるときは半券切る。そのかわりその半券また向こうへ回すの。それでごまかす。こうやって費用を浮かすんですよ。そこまでしてみんな苦労する。そこまでしなかったらまた経営が成り立たない。これは庶民の知恵。ところが、今度三%だからいいだろうというと、そうもいきません、やっぱりね。入場料、これはやっぱり高くしなかったらオペラというのはなかなかもちませんよ。ですから、こういった経営、いわゆる運営、それこそ経営だ。こういうことをどういうふうにやるのか、それを真剣に考えてほしいと思います。
 それともう一つは、障害者のことを考えて今度の二国はちゃんと設計、あるいはその他できていますか。そこを聞かしてください。それでおしまいにします。
○政府委員(横瀬庄次君) 第二国立劇場につきましては現在実施設計中でございますけれども、身体障害者に対しての車いす専用席につきまして、大劇場が八席、それから中劇場が四席を設けておるということと同時に、当然でございますが、車いす用のサロン、それから専用トイレ等の工事もしているところでございます。
○下村泰君 一つだけ。
 これから大臣、年寄り、まあ私も年寄りになるんですけれども、ふえますね。そうしますと、視力は落ちるわ、聴覚は落ちるわ、老人は聴覚というのが衰退しますからね。こういう方たちがどんどんふえると、いわゆる手足のどうのこうのじゃなくして、自然と老人の域に入るがための障害というのがたくさんふえてくるわけだ。ですから、そういうことも考えて、この第二国立劇場もそういう方々に対する対応の仕方も十分に考えていただいて、そういう方々も十分に楽しめるようにつくっていただきたいということを要望しておきます。
 ありがとうございました。
○委員長(杉山令肇君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(杉山令肇君) 御異議ないと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 国立劇場法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(杉山令肇君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 粕谷君から発言を求められておりますので、これを許します。粕谷君。
○粕谷照美君 私は、ただいま可決されました法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、日本共産党、民社党・国民連合及び二院クラブ・革新共闘の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    国立劇場法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、芸術・文化振興の重要性にかんがみ、次の事項について、特段の配慮をすべきである。
 一、「第二国立劇場」が現代舞台芸術の振興及び普及のための中核的施設として機能するよう、適切な措置を講ずるとともに、劇場の貸与に当たってもその点十分配慮すること。
 二、「第二国立劇場」が現代舞台芸術の情報センターとしての役割を果たせるよう、その機能、設備等の充実に努めること。
 三、「第二国立劇場」の竣工・開場までの準備が適切に行われるよう配慮するとともに、その進捗状況を適宜当委員会に報告すること。
 四、国立劇場の管理・運営については、芸術家及び芸術団体など関係者の意見を十分に尊重して行うこと。
 五、今後とも、長期的・総合的・国際的観点に基づいて、我が園芸術・文化のバランスある振興を目指し、文化予算の大幅拡充に努めること。
  右決議する。
 以上でございます。
○委員長(杉山令肇君) ただいま粕谷君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(杉山令肇君) 全会一致と認めます。よって、粕谷君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、西岡文部大臣から発言を求められておりますので、これを許します。西岡文部大臣。
○国務大臣(西岡武夫君) ただいまの御決議につきましては、その御趣旨に十分留意をいたしまして対処してまいりたいと存じます。
○委員長(杉山令肇君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(杉山令肇君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
○委員長(杉山令肇君) 次に、教育文化及び学術に関する調査を議題とし、派遣委員の報告を聴取いたします。
 仲川理事より御報告を願います。仲川君。
○仲川幸男君 去る二月一日から三日までの三日間、愛知県及び岐阜県に委員派遣が行われましたので、その調査結果の概要を御報告申し上げます。
 派遣委員は杉山令肇委員長、粕谷照美理事、佐藤昭夫理事、木宮和彦委員、山東昭子委員、世耕政隆委員、高木健太郎委員、高桑栄松委員、勝木健司委員、下村泰委員と私、仲川幸男でございます。
 一日目は、まず名古屋大学の視察から始めました。早川学長から大学の概要等について説明を受けました。最近、同大学では、大学院生の増加が著しいため、大学院の教育・研究経費の一層の充実が必要となっていること、増加する留学生への対応が大きな問題になっていることの二点が特に強調されました。留学生の受け入れば現在四百四十五名に上り、五年前の約二倍となっております。今後とも、留学生宿舎の整備、留学生担当教官の拡充等きめの細かい施策が重要との指摘がありました。説明の後、プラズマ研究所、農学部の園芸実験室、さらに、留学生の宿舎インターナショナル・レジデンスを視察いたしました。レジデンスでは留学生と懇談の機会を持つことができました。
 次いで岐阜県庁を訪ね、土屋企画部長から県勢の概要について説明を受けました。同県は繊維、陶磁器、刃物等地場産業が盛んなため、第二次産業の占める割合が全国第一位でありますが、今後は第三次産業の一層の振興を図るべく、第四次総合計画を実施中とのことであります。続いて吉田教育長から県の教育行政の概要について説明を受けました。同県では、生涯学習体制を整えるためスポーツ施設や文化施設の整備充実、東西文化の接点として文化財が多いためその保護などに特に力を入れているとのことであります。今後の課題としては、第二次ベビーブーム後の児童生徒数の激変に対処するため、公私立間の調整の問題が挙げられました。なお、同県の特色として、私学の担当部局を知事部局に置かずに教育委員会に置き、学校教育全体の枠組みの中で私学振興策を講じているとのことであります。なお、岐阜県からは岐阜大学大学院の夜間コース設置等の要望を、また岐阜市長からは史跡加納城の復元の要望を、私学団体からは生徒急減対策等の要望を受けました。
 二日目は、創設準備中である核融合研究所の建設予定地である土岐市に赴きました。同研究所は、名古屋大学プラズマ研究所を大学共同利用機関として改組するものであります。現在敷地造成中であり、市長からも建設促進方の要望を受けました。
 続いて日本三大山城の一つである岩村城跡を視察いたしました。岩村城は約八百年前築城されたものでありますが、現在は本丸を初めとする石塁を残し往時をしのぶことができます。なお、城山のふもとにある歴史資料館には、日本最初の英和辞典など貴重な文化財が保存展示されております。
 午後は、まず県立明智商業高校を訪ねました。九五%の生徒が就職するため、教育方針も実社会で活躍できる人材の養成を目標に、基礎学力の充実と各種資格の取得、部活動や奉仕活動を重視しているとのことであります。そうした努力もあって、非行や中途退学等もほとんどないとのことであります。
 次いで、恵那郡明智町の財団法人日本大正村を見学いたしました。役場、郵便局、カフェーといった建物、町並みに大正の面影を残しております。さらに、町ぐるみで風俗、人情に至るまで大正の雰囲気を残そうと努力している様子がうかがわれました。
 三日目は、まず益田郡萩原町の禅昌寺を訪れました。雪舟作の大達磨像を初め多くの古画、古美術を所蔵しております。
 続いて、昭和五十七年にオープンした高山市民文化会館を訪れました。一、二階が豪華なホール等を備えた文化会館で、三、四階には公民館を併設し、利用者も年々増加しているとのことであります。
 高山ではその後高山陣屋を視察いたしました。高山陣屋跡は七五%が復元されておりますが、県から完全復旧整備のための国庫補助の要望がありました。
 陣屋を後にして、重要伝統的建造物群保存地区に選定されている出格子の連なる三之町の町並みを経て、屋台会館を見学いたしました。屋台会館には、高山祭に引き出される精巧な細工の屋台が展示されております。
 高山を最後に私どもの派遣の日程を終えましたが、本報告の中で詳細に触れることができなかった岐阜県、岐阜市及び私学団体からの要望につきましては、本日の会議録の末尾に掲載していただくようお願い申し上げます。
 最後に、この場をかりまして視察先の関係者の方々に改めて御礼申し上げます。
 以上で報告を終わります。
○委員長(杉山令肇君) これをもって派遣委員の報告は終了いたしました。
 なお、ただいまの派遣報告につきましては、別途、派遣地での要望等をまとめた報告書が提出されておりますので、これを本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(杉山令肇君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後一時六分散会
     ―――――・―――――