第114回国会 予算委員会 第5号
平成元年三月三十一日(金曜日)
   午前十時開会
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   委員の異動
 三月七日
    辞任         補欠選任
     永野 茂門君     下条進一郎君
     二木 秀夫君     志村 哲良君
     宮崎 秀樹君     林田悠紀夫君
     野田  哲君     志苫  裕君
     猪熊 重二君     和田 教美君
     関  嘉彦君     栗林 卓司君
 三月八日
    辞任         補欠選任
     平野  清君     青木  茂君
 三月二十八日
    辞任         補欠選任
     下田 京子君     諫山  博君
 三月二十九日
    辞任         補欠選任
     永田 良雄君     藤井 孝男君
 三月三十日
    辞任         補欠選任
     志村 哲良君     鈴木 貞敏君
     下条進一郎君     小野 清子君
     藤井 孝男君     永田 良雄君
     広中和歌子君     太田 淳夫君
     下村  泰君     喜屋武眞榮君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         初村滝一郎君
    理 事
                青木 幹雄君
                岩本 政光君
                遠藤  要君
                田沢 智治君
                野沢 太三君
                対馬 孝且君
                中野 鉄造君
                近藤 忠孝君
                勝木 健司君
    委 員
                石本  茂君
                岩上 二郎君
                小野 清子君
               大河原太一郎君
                北  修二君
                佐々木 満君
                下稲葉耕吉君
                鈴木 貞敏君
                関口 恵造君
                田代由紀男君
                田中 正巳君
                谷川 寛三君
                中曽根弘文君
                中西 一郎君
                永田 良雄君
                林 健太郎君
                林田悠紀夫君
                降矢 敬義君
                増岡 康治君
                松岡滿壽男君
                志苫  裕君
                千葉 景子君
                福間 知之君
                本岡 昭次君
                矢田部 理君
                山本 正和君
                及川 順郎君
                太田 淳夫君
                和田 教美君
                諫山  博君
                吉岡 吉典君
                栗林 卓司君
                野末 陳平君
                喜屋武眞榮君
                青木  茂君
   国務大臣
       内閣総理大臣   竹下  登君
       法 務 大 臣  高辻 正己君
       外 務 大 臣  宇野 宗佑君
       大 蔵 大 臣  村山 達雄君
       文 部 大 臣  西岡 武夫君
       厚 生 大 臣  小泉純一郎君
       農林水産大臣   羽田  孜君
       通商産業大臣   三塚  博君
       運 輸 大 臣  佐藤 信二君
       郵 政 大 臣  片岡 清一君
       労 働 大 臣  丹羽 兵助君
       建 設 大 臣 小此木彦三郎君
       自 治 大 臣
       国 務 大 臣
       (国家公安委員
       会委員長)    坂野 重信君
       国 務 大 臣
       (内閣官房長官) 小渕 恵三君
       国 務 大 臣
       (総務庁長官)  金丸 三郎君
       国 務 大 臣
       (北海道開発庁
       長官)
       (沖縄開発庁長
       官)       坂元 親男君
       国 務 大 臣
       (防衛庁長官)  田澤 吉郎君
       国 務 大 臣
       (経済企画庁長
       官)       愛野興一郎君
       国 務 大 臣
       (科学技術庁長
       官)       宮崎 茂一君
       国 務 大 臣
       (環境庁長官   青木 正久君
       国 務 大 臣
       (国土庁長官)  内海 英男君
   政府委員
       内閣官房内閣内
       政審議室長
       兼内閣総理大臣
       官房内政審議室
       長        的場 順三君
       内閣法制局長官  味村  治君
       内閣法制局第一
       部長       大出 峻郎君
       公正取引委員会
       委員長      梅澤 節男君
       公正取引委員会
       事務局官房審議
       官        糸田 省吾君
       宮内庁次長    宮尾  盤君
       総務庁長官官房
       審議官
       兼内閣審議官   増島 俊之君
       総務庁長官官房
       審議官      新野  博君
       総務庁長官官房
       会計課長     稲葉 清毅君
       総務庁行政管理
       局長       百崎  英君
       防衛庁参事官   村田 直昭君
       防衛庁参事官   鈴木 輝雄君
       防衛庁長官官房
       長        依田 智治君
       防衛庁防衛局長  日吉  章君
       防衛庁装備局長  山本 雅司君
       防衛施設庁総務
       部長       弘法堂 忠君
       防衛施設庁建設
       部長       田原 敬造君
       防衛施設庁労務
       部長       吉住 慎吾君
       経済企画庁調整
       局長       星野 進保君
       経済企画庁物価
       局長       勝村 坦郎君
       沖縄開発庁総務
       局長       手塚 康夫君
       国土庁長官官房
       長        公文  宏君
       国土庁長官官房
       会計課長     嵩  聰久君
       法務省刑事局長  根來 泰周君
       法務省入国管理
       局長       股野 景親君
       外務大臣官房領
       事移住部長    黒河内久美君
       外務長アジア局
       長        長谷川和年君
       外務省北米局長  有馬 龍夫君
       外務省経済局長  佐藤 嘉恭君
       外務省条約局長  福田  博君
       大蔵政務次官   吉村 真事君
       大蔵省主計局長  小粥 正巳君
       大蔵省主税局長  尾崎  護君
       大蔵省関税局長  長富祐一郎君
       大蔵省理財局長  足立 和基君
       大蔵省証券局長  角谷 正彦君
       国税庁次長    伊藤 博行君
       文部大臣官房長  加戸 守行君
       文部大臣官房総
       務審議官     菱村 幸彦君
       文部省初等中等
       教育局長     古村 澄一君
       厚生大臣官房総
       務審議官     末次  彬君
       厚生省年金局長  水田  努君
       農林水産大臣官
       房長       浜口 義曠君
       農林水産大臣官
       房参事官     武田  昭君
       農林水産大臣官
       房予算課長    東  久雄君
       通商産業省産業
       政策局長     児玉 幸治君
       資源エネルギー
       庁長官      鎌田 吉郎君
       運輸大臣官房審
       議官
       兼内閣審議官   金田 好生君
       運輸大臣官房会
       計課長      永井 隆男君
       運輸省地域交通
       局長       阿部 雅昭君
       郵政大臣官房長  松野 春樹君
       郵政大臣官房経
       理部長事務代理  木下 昌浩君
       郵政省郵務局長  田代  功君
       郵政省電気通信
       局長       塩谷  稔君
       労働大臣官房長  若林 之矩君
       労働省労政局長  岡部 晃三君
       労働省労働基準
       局長       野崎 和昭君
       労働省職業安定
       局長       清水 傳雄君
       労働省職業安定
       局高齢・障害者
       対策部長     竹村  毅君
       建設大臣官房会
       計課長      鹿島 尚武君
       自治大臣官房長  持永 堯民君
       自治省行政局長  木村  仁君
       自治省行政局選
       挙部長      浅野大三郎君
       自治省財政局長  津田  正君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        宮下 忠安君
   参考人
       日本電信電話株
       式会社代表取締
       役社長      山口 開生君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○平成元年度一般会計暫定予算(内閣提出、衆議
 院送付)
○平成元年度特別会計暫定予算(内閣提出、衆議
 院送付)
○平成元年度政府関係機関暫定予算(内閣提出、
 衆議院送付)
○派遣委員の報告
    ―――――――――――――
○委員長(初村滝一郎君) 予算委員会を開会いたします。
 平成元年度一般会計暫定予算、平成元年度特別会計暫定予算、平成元年度政府関係機関暫定予算、以上三案を一括して議題といたします。
    ―――――――――――――
○委員長(初村滝一郎君) まず、理事会における協議決定事項について御報告いたします。
 審査期間は本日三十一日一日間とすること、審査方式は総括質疑方式とすること、質疑割り当て時間は総計八十八分とし、各会派への割り当ては、日本社会党・護憲共同三十二分、公明党・国民会議十八分、日本共産党十四分、民社党・国民連合九分、新政クラブ・税金党、二院クラブ・革新共闘及びサラリーマン新党・参議院の会それぞれ五分とすること、質疑順位及び質疑者等についてはお手元の質疑通告表のとおりとすること、以上でございます。
 右、理事会決定のとおり取り運ぶことに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(初村滝一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
○委員長(初村滝一郎君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 平成元年度暫定予算三案審査のため、本日、日本電信電話株式会社代表取締役社長山口開生君を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(初村滝一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
○委員長(初村滝一郎君) 次に、政府から趣旨説明を聴取いたします。大蔵大臣村山達雄君。
○国務大臣(村山達雄君) このたび、平成元年四月一日から五月二十日までの期間について暫定予算を編成することといたしましたが、その概要について御説明申し上げます。
 まず、一般会計について申し上げます。
 暫定予算が本予算成立までの応急的な措置であることにかんがみ、今回の暫定予算におきましても、暫定予算期間中における人件費、事務費等の経常的経費のほか、既定の施策に係る経費について行政運営上必要な最小限度のものを計上することとしております。
 新規の施策に係る経費につきましては、原則として計上しないこととしておりますが、生活扶助基準等の引き上げ、国立大学の学生の増募等教育及び社会政策等への配慮から特に措置することが適当と認められるものにつきましては、所要の経費を計上することとしております。なお、国の補助金等の整理及び合理化並びに臨時特例等に関する法律案に係るものにつきましては、必要な経費を計上することとしております。
 また、公共事業関係費につきましては、暫定予算期間中における事業の継続的執行を図るため、所要額を計上することとしております。
 すなわち、一般公共事業につきましては、平成元年度予算額のおおむね四分の一を目途に計上することとし、その枠内において、積雪寒冷地の事業については、その円滑な実施を図り得るよう特別の配慮を加えることとしております。
 災害復旧等事業につきましても、災害復旧の緊急性にかんがみ、過年発生災害の復旧等のため必要な平成元年度予算額のおおむね三分の一を目途として計上することとしております。
 地方財政につきましては、四月に交付する地方交付税交付金として、六十三年度補正後予算の国税三税収入見込み額及び平成元年度暫定予算の消
費税収入見込み額を基礎として算定した普通交付税の四分の一相当額に係る所要額を計上することとしております。
 歳入につきましては、税収及びその他収入についての暫定予算期間中の収入見込み額を計上するほか、公債金について、暫定予算期間中において財政法の規定により発行を予定する公債に係る収入見込み額一兆五千八百億円を計上することとしております。
 以上の結果、今回の一般会計暫定予算の歳入総額は二兆八千四百三十一億円、歳出総額は九兆二千二百四十五億円となります。
 なお、この結果六兆三千八百十四億円の歳出超過となりますが、国庫の資金繰りにつきましては、十兆三千億円を限度として、必要に応じ大蔵省証券を発行することができることとしております。
 特別会計及び政府関係機関の暫定予算につきましても、一般会計の例に準じて編成いたしております。
 なお、財政投融資につきましては、住宅金融公庫、日本道路公団等二十八機関に対し、総額三兆六千四百三十九億円を計上し、一般会計に準じて暫定予算期間中の事業が行われるよう措置することとしております。
 以上、平成元年度暫定予算につきまして、その概要を御説明いたしました。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○委員長(初村滝一郎君) それでは、これより順次質疑を行います。志苫裕君。
○志苫裕君 リクルート事件は一部が起訴の段階まで至りまして、かなりのことがわかってまいりました。ますます疑獄の様相がはっきりしたわけでありますが、残念なことは、株の譲渡を受けた政界の関係者がだれ一人として真実を語らないということです。総理もその一人でありまして、ために国政調査権は封じられておりますし、政府・与党はひたすらあらしの過ぎるのを持っているようですね。
 総理、事態は一政権の存亡を超えて民主政治の根幹にかかわってきているんじゃないでしょうか。忍耐はあなたの信条のようですけれども、国民の忍耐は限度です。政治不信は時を過ごせばおさまるというほどの生易しい状況でもないようでありまして、史上最低の内閣支持率を示すのもその証明でしょう。
 私は、同じ政治家として、身を辞する潔さと、民意を離れて民主政治は成立しないということを訴えたいと思うんですが、所見はいかがですか。
○国務大臣(竹下登君) 今御発言のありましたことについては、私はこれを否定する考えは全くございません。確かに今日の政治に対する不信、これは私も肌で感じておるところであります。それがゆえにこそ、みずから逃げることなくこれが回復のために努力をすべき、それこそ私に課せられた責任である、このようにも感じておるところでございます。
○志苫裕君 忍耐というよりは心臓が強いという感じもいたしますが、これは、おいおい具体的な政策に触れて、またあなたの責任を問いたいと思います。
 きょうで年度末、ぎりぎりの時間になって、ただいま説明があったように、暫定予算の審議を求めてきました。しかも、可決をされなきゃ国民生活に影響が出るぞとおどし文句で、中身は、今も話がありましたように、緊急避難的なものだけではない。暫定予算の性格を超えた政策的経費も結構盛り込んだ予算、まさしく財政法の精神をないがしろにしておるし、それこそ国民生活に影響がある予算をきょうたった一日で審議しろ、こういう内閣がありますか、あなた。国会軽視、審議権侵害、私は抗議したいと思う。いかがですか。
○国務大臣(村山達雄君) 本予算が年度内に成立する見通しがなくなりましたことは極めて遺憾でございますが、事ここに至りましては、やはり国民生活を考えまして五十日の暫定予算を提出させていただきました。
 その提出の理由は先ほど述べたとおりでございまして、経常経費を主として上げております。ただ、新規経費につきましては、生活扶助基準であるとかあるいは福祉施設に入所している人の生活費であるとか、そういう緊急のものはこれはやむを得ないから上げさせていただきました。それから補助率の問題でございますが、与野党間のお話し合いで、これはひとつ改正案によって出してもらいたい。これは全部引き上げの方の改正でございますから、それによって出すということで、御了解のもとに出させていただいているのでございます。
 いずれにいたしましても、一日も早く本予算が成立することを希望しているところでございます。
○志苫裕君 一日も早くって、何日もあるときの話なんですよ、大臣。きょう一日早くしても何にもしないことになっちゃう。
 総理、やっぱり国会軽視ですよ、これは。審議権侵害ですよ。所信を述べてください。
○国務大臣(竹下登君) 政府の立場から申しますならば、いわば期待権というものがあるわけでございます。ぎりぎりまでそれはやはり年度内成立をさせていただく期待権というものに立ってひたすら祈るような気持ちで対応してくる。そうして、今、大蔵大臣からもお答えがあっておりましたように、期待権の限界というものに達したからお願いをしようということでございますので、国会軽視という考えは全くありません。国会重視の姿勢は今日も持ち続けております。
○志苫裕君 あなた期待権と言うけれども、中曽根さん出してくれと言ったら出さぬと言って専ら国会を封じ込めておいて、期待もへったくれもないでしょう。このままいけばだめになるなって早くからわかっていますよ、あなた。
 また、暫定予算の編成、何かちょっと調べてもらったら戦後十六回目だそうですね。うち八回が衆議院の解散にかかわるもので、あと六回はどちらかというと政府の不手際、残りの二回がロッキード疑獄と今度のリクルート疑獄ですね。いろいろなことがあって予算が否決をされるということは法律上はあり得ることです。だけれども、それは政治的にはそのような予算を組んだ内閣に対する不信任と解するのが相当であるというのが、これは通説になっておるようです。ですから、そういう場合は内閣はやめるかあるいは衆議院を解散して国民に信を問う。
 今度は否決じゃないけれども、疑獄事件に巻き込まれて忍の一字で予算の審議すらできないということは、これは不信任の成立と同じことですよ、あなた。期待権とかなんとかとおっしゃったけれども、加えて、言葉は過ぎるかもしらぬが、竹下流のやり方でずっとひたすらざんごうの中に入っておるものだからいわば長期の暫定予算に追い込まれた、これはやっぱりあなたの責任だ。この問題だけでも責任のとり方を明らかにせぬといかぬ。予算の審議すらできないで長期の暫定予算に追い込まれたということは、事実上内閣の不信任と同じことを意味する、これだけでも総辞職に値すると私は思いますが、いかがですか。
○国務大臣(竹下登君) 予算が成立せざりし場合、これは志苫委員おっしゃったと同じように私も理解をいたしております。
 今度の場合、いわゆる審議という問題につきましては、これは節度を重んじて限界を決めて申し上げますならば、国会そのものの問題でございますので、これについては節度を持って答えるとすれば、我々は期待権の中でひたすらお願いしておる立場を今日までとり続けてきておる、こういうことになるのかなと、お話を聞きながらそう感じておりました。
 しかし、その原因がおまえ自身の政治姿勢にあると言われれば、これは謙虚に受けとめるべきことであろうというふうに思っております。
○志苫裕君 謙虚に受けとめると言って頭を下げると弾が上を通っていくというか、受けとめ方じゃ困るんですよね。もう少しこういうことをさらに問いただしてみましょう。
 暫定予算五十日、なぜ五十日なのかということを聞きたいんですよ。五十日といえば五月の二十日までということですね。会期末まであと一週間、したがってそのころはたくさんの法案が手つかずに残っておるなという状況は容易に想定できる。ことしは例年と違いまして、その後ろに参議院の任期というのがある。これは参議院なくなっちゃうわけですね。こういう状況もある。四月末から五月の初めごろはいろいろ休みがたくさんありまして、審議時間などにもそう余裕があるとは言えない。そこへもってきて、会議を開くとリクルートの話が出るので、できることなら開かぬにしかずというのでじっと我慢しておれば、もうますます予算成立の望みもどうもなくなってくるような感じがしますね。
 なぜ五十日なのか。五十日たつとどうなるんですか、これは。何が起きるんですか。
○国務大臣(村山達雄君) 現在の状況にかんがみまして、本予算が成立する期間はどれぐらい要するであろうか。それからまた、暫定予算を組んだ後に今おっしゃるようにまだ法案が大分残っているわけでございます。それらの会期までの審議期間を考えますと、この辺がもう限度であるということでやったわけでございます。
○志苫裕君 いや、大蔵大臣は事務的にそう言っておれば済むんだ。しかし、先ほど言ったさまざまな状況が展開をきれるわけです。
 総理、私は五十日たつとどうなるんだと単純に聞いているわけじゃない、さまざまな想定があるから聞いているわけです。暫定予算の補正ということも考えられる、会期の延長というようなこともあるかもしらぬ、参議院の日程はどうなるんだということも幾らか計算に入っているかもしれない。それらを含めて五十日たったらどうなると、政局の展望を語ってみてください。
○国務大臣(竹下登君) これも節度を持って答えますならば、行政府の立場としてそれは国会の見通しを申し上げるということは非礼に当たるのじゃないか、こういうふうにいつもお答えをしておるところであります。
 私の期待権の範囲内で申し上げるならば、五十日後、本予算はもとよりのこと、各種提出申し上げております法律案がそれぞれ議了されておることを心から期待しておる、この一語に尽きると思います。
○志苫裕君 今、私は、政局の展望を語れと言ったんで、これはあしたのこともわからないんだから五月の二十日のことは言えませんというんならそれはあれですが、じゃ、ちょっと事務的に聞いていきましょう。
 暫定予算の補正とか会期の延長とか選挙日程の繰り下げとかは考えていませんね。
○国務大臣(竹下登君) その問題、特に審議とそれから国会延長の問題等はこれは国会でお決めになることでございますから、私の方はひたすら会期内にそれぞれの実績が全うされることを期待しておるというのがまともなお答えではなかろうかと思っております。
○志苫裕君 何かあなたの党の偉い人、まあ、あなたが一番偉いんだが、その次あたりの偉い人が、これはやっぱり暫定予算は補正だなとか、会期は延長だなとか、参議院は八月だなというようなことを言っているじゃないですか。あれはどういうことですか。
○国務大臣(竹下登君) 人それぞれ政治家として発言をなさる場合において、いろんな政局の見通し等をみずからの判断に基づいて語られることはあり得ることだというふうに私も思っております。私も今の立場でなかったらいろんな発言をあるいはしておるんじゃないかな、こういう気がいたしております。
○志苫裕君 特に認めますから、政治家として、それじゃ展望を語ってください。
○国務大臣(竹下登君) 政治家としての展望を語れ、特に認めるからという前提であったといたしましても、私は、ここに来ておるのは行政府の長として来ておるわけでございますから、その節度はいつもいつも大事にしたいと思っております。
○志苫裕君 後ほど消費税問題をやりますけれども、いよいよあしたという日を迎えて日本列島はパニックに陥っているというふうに私どもは見ておるんですが、いろいろ長々ったらしい議論はもういたしません。皆さんの方でも衆議院の方では、消費税はやっぱり混乱しておるから集中審議でもしたいというようなことを何か与党の方から予算委員会に申し入れがあったというようなことも聞いているぐらいです。後ほどこの細かいことやりますが、総理も、国民と少し開きがあったかなという、国民との乖離というような言葉を用いておられるようですが、ここまで来ますと、これはやめても進んでも混乱といえば混乱になるのかもしらぬが、かたくななことは言わないで、これほど国民の合意形成はもう不可能に近いという状況が見てとれるんですから、これはやっぱり中止の措置をとる、これが至当だと思うんですが、これはもう強く中止もしくは廃止の措置を講ずべきだということを要求しますよ。
 これももとを正せば、いろいろ問題があったのに内容を詰めることが不十分のまま少し乱暴に押し切ったという拙速も加わっている。それはもともと法の性格そのものにもありますよ。だけれども、いかにも拙速過ぎたというものも入っておるわけで、これはやっぱり内閣、総理の責任、このパニックの責めを問わなきゃならぬ、いかがですかな。
○国務大臣(竹下登君) 今御発言いただいたように、私も、私自身と国民の皆さん方の間に乖離があったではないかということを申し述べたことが確かにございます。それは、私は志苫さんとここで十年議論をしております。したがって、私は、その税制論議の中にどっぷりとつかっておりますので、国民の皆さん方よりはるかにどっぷりつかっておった時間が長いということを現実認めてみますと、やはり国民の皆さん方との間には乖離があるなという、率直にそういう感じを持ったわけでございます。それだからこそ、この税制が国民の皆さん方の中に、暮らしの中に溶け込むために円滑推進本部をつくりまして、私自身が本部長になって精いっぱいの努力をして今日に至っております。
 これは、いささか情緒的に申し上げますと、私なりに見れば、長い十年の歴史の中でこの税制改革というのが国会の御協力でお願いできたと、それがいよいよあした執行されるわけでございますから、これは感無量なるものが率直に言ってございます。したがって、今日までいろんな説明をしてまいりましたが、出発以後も絶えず積極的な広報、親切な相談、そして適切な指導ということを底意に絶えず置きながら、これが国民の暮らしの中に溶け込むように一生懸命努力をしたいという気持ちでいっぱいでございます。
○志苫裕君 後ほどこれは専門にやりますが、ただ、これだけ言っておきますよ。国家の根幹にかかわる税が政権党の多数を頼んで成立をしたという例は、先進諸国の中にはないんですよ。そして、公平を中心にして国民の合意が形成されない税は、しょせん所期の目的を達成することはできない。これは常識ですよ。消費税はそれに当たるということを私は指摘しているんで、それはきょうのあすですから、何を言ってみても今夜の十二時になれば、ゴーンと鐘が鳴ればこれは始まっちゃう。だけれども、これは速やかに廃止の措置がとられることになるということを主張しておきまして、後ほど細部について若干お尋ねします。
 ちょっと暫定予算に関してもう一、二だけ伺っておきますが、これは経企庁になりますかな。
 暫定予算といっても随分長い暫定予算ですから、これが一体日本経済にどういう影響を及ぼすか。政府の話を聞いているというと、景気拡大基調で順風満帆というようなことを言っていますが、そうでしょうかね。最近の状況を見ますと、金利の問題とかその他米国経済、市場の不透明感など考えるとそうも言っておれぬのじゃないかなと、あるいは物価への影響とかね。したがって、また日本の統計を見ても、去年十月−十二月のGNP速報では、個人消費がとまったりしています
し、住宅の減少も一途のようだしということを考えますと、五十日間の暫定予算というのは少なからず影響を及ぼすかなという感じもしますが、その辺の見通しを語ってもらいたいということと、もう一つ、歳出はかれこれ九兆二千億でしたか九兆円、入ってくる金は八千億円。言うなら何にも歳入のないところで歳出かれこれ九兆、十兆やるというつじつまの合わない予算ですね。これは予算の仕組みの欠陥じゃないですか。
 この二つをそれぞれ回答してください。
○国務大臣(愛野興一郎君) まず、私の方からはこの暫定予算の経済に与える影響はいかにということについて申し上げます。
 申されましたように、今日金利上昇あるいはアメリカの経済あるいは為替、原油高等々の動向は十分注視しなければならぬ現状であることはもちろんでありますが、この今回の暫定予算におきましては、人件費、事務費等の経常費のほかに一般公共事業費について、平成元年度予算案の四分の一が目途として計上されるなどの措置がとられているのであります。これによって公共事業施行が自然体で行われた六十三年度の同一期間における一般公共事業の契約率とほぼ同率の事業が確保されているところであります。
 他方、最近の我が国経済の動向を見てまいりますと、今日のところ、外需が対外不均衡の是正を反映してマイナスに寄与する一方、内需が個人消費、設備投資等を中心として堅調に推移するなど、事実的な拡大基調をたどっておるわけであります。
 こうしたことから、今回の暫定予算が経済に特段の悪影響を与えるとは思っておりません。また、今後とも着実な景気拡大が続くものと考えておるわけでありますけれども、年度を通じた公共事業の円滑な執行を図らなければならないわけでありますから、本予算の速やかな成立を心からお願い申し上げまして、この答弁といたします。
○国務大臣(村山達雄君) 本予算はもちろん歳入歳出の整合性を持って出しているわけでございますが、暫定予算となりますと、五十日の歳出をお決め願う、その五十日の間に入るであろう収入というのはどういうものか、こういうことで組んでおりますから、おのずから六兆円ぐらいのギャップがあるわけでございます。その資金繰りを大蔵省証券でつなぎます。本予算が成立いたしますと暫定予算は当然吸収されるわけでございますので、その後歳入歳出のその六兆円のアンバランスというものはずっと解消されていく、こういう性質のものでございます。
○志苫裕君 それは当たり前の話ですけれども、大蔵大臣、その六兆円は蔵券やその他で処理をしていきますが、その分だけでも金利だ経費だといって余計なむだなんですよ。総理がじっとおしんを決め込んでいるうちに、例えばそういうところでもやっぱり随分影響を与えているんですよ。浪費をしているんですよ。やっぱり総理も、さしもさまざまなところにあなたの不手際の影響が及んでおるということをもっと深刻に考えて、これは出処進退を少しはっきりしてもらわないといかぬと思いますね。
 それで、リクルートに入りますが、法務省、真藤氏の起訴事実を要約してわかりやすく話してください。
○政府委員(根來泰周君) 真藤前NTT会長に対する公訴事実の要旨でございますけれども、罪名は日本電信電話株式会社法第十八条第一項違反でございます。
 真藤氏は、村田氏と共謀の上に、昭和六十一年九月三十日ごろ、江副らから、店頭登録間近で登録後値上がりが確実と見込まれ、一般人が入手困難なコスモス株を、登録後に見込まれる価格より明らかに低い一株三千円で一万株取得したという事実でございまして、その趣旨は、通信ネットワークの建設、保守等に好意ある取り計らいを受け、またスーパーコンピューターの調達、技術支援等について好意ある取り計らいを受けた謝礼ということであります。
○志苫裕君 総理はこの真藤の起訴事実をどのように理解しておられますか。
○国務大臣(竹下登君) この個人的な意見というものを、それは無理に述べろとおっしゃればないわけではございませんけれども、私は、広義な意味において検察の監督の立場にあるということになりますと、今、刑事局長からお話ししました要旨そのものを素直に受けとめておるというのがやっぱり適当なお答えであろうと思います。
○志苫裕君 これね、わかりやすく言うと、こういうことがわかったわけですね。
 今、起訴事実のお話がありまして、それを素直に受けとめると言いますが、ここで言っていることを今までのこの委員会の論議に照らして言えば、株の譲渡は売り買いじゃないと。一時永田町では、リクルートだって普通の会社じゃないか、株の売り買いは経済行為だ、文句あるかというような調子だったんだ。中には、もうけ損なった者のひがみ根性だろうと、野党の追及は少女趣味だなんていう、だれかいたわな。これはそうでないですよと。これは譲渡ですよ、謝礼ですよ、職務権限があったからわいろですよと、こういうことを一つ認定したということでしょう。
 もう一つ。真藤さんは、真藤さんの名義で株を別に買ったり売ったりしなかった、村田という秘書だった。ところが、お前だと言われたわけですよ。この永田町の世界では、秘書が、妻が、身内がと言っておった。そいつは隠れみのでしたということを述べたのがこの起訴事実なんです。すなわち経済行為だとか、妻が、身内がという永田町の論理が否定されたということなんですよ。総理、あなたのおっしゃったことも否定されているんです。
 素直に起訴事実を受けとめるというお話でしたけれども、そのことについていかが考えるか、どのように受けとめておられますか。
○国務大臣(竹下登君) 重ねて申し上げるようですが、今の起訴事実の要旨というのはそのまま素直に受けとめるべきものであるというふうに私も思っております。
○志苫裕君 そうすると、素直に受けとめれば、あなたの言葉をかりれば、あなたの周辺へ来たのは竹下登あてのもの、それは株の売り買いではないですね、利益の供与であるという事実をお認めになることですね。
○国務大臣(竹下登君) 経済行為という言葉が使われておったことも事実でございますが、株の譲渡、譲り受け、それそのものは私はやっぱり経済行為だと思っております。それそのものは、本事件とは別として一般論で申しますならば、これは経済行為であろうというふうに思っておるところでございます。
 それから、やはり私自身が申し上げる限界として、第三者が、譲渡側とでも申しましょうか、譲渡側の意思を私自身が推しはかるということはすべきでないと思っております。
○志苫裕君 どうも少しすれ違うんだな。
 もう明らかになっていますように、真藤サイドヘの譲渡も含めて六十一年九月三十日のリクルート側から政界関係者への株の譲渡は、一括して行われています。一括して行われているんです。ということは、一括して行われたことの一つがわかればあと全部わかるという意味ですから、それが真藤の起訴で、起訴事実が先ほどお話があったんです。そうなると、一括対象になった人は同じ境遇にいるんですよ。あなたも同じ境遇なんです。職務権限があったかないかで贈与かわいろには分かれるでしょう。国民にとってはこのいまいましい譲渡はわいろかあるいは贈与かというようなことはそう大したことじゃないんですね、法律的にはいろいろ違いありますけれども。
 ですから私は、あえて、ほかにもたくさんありましたけれども、真藤だけ挙げて、この事実によっていわゆる政界の論理は、検察の論理すなわち国家の論理によって否定されたでしょう。とすれば、同じ処理をされたんですから一事が万事、あなたを含む政界関係者らは同じ境遇ですねということを聞いているんです。
○国務大臣(竹下登君) 私の周辺に対する譲渡側
の意図というものを私が推しはかることはやはりすべきでないというふうに思っております。
 今の志苫さんの論理というものが私なりにわからぬわけじゃございませんが、いわば譲渡側の意図を私が推測するという立場には立つべきでないと思っております。
○志苫裕君 ちょっと別の観点からいきますが、一括処理をされたんですから、贈った趣旨も取り扱いは同じと判断できますが、供与を受けた側の対応はまちまちだ。これはそうですね、供与を受けた側。現に安倍さんはあれは政治資金に使っておるよと一中曽根さんははしなくも盆暮れとかそういうものに使った、いわば政治活動に使ったよと、こう言っているんですね。報道によれば、藤波さんは自分の家の購入資金に充てたということになっておるわけですね。いわゆるまさに私的利益に使ったというふうに、使った側はさまざまだが、贈った側はその取り扱いも全部一括だったと。それは売り買いじゃありませんよ、経済行為じゃありませんよ、妻が秘書がというのは隠れみのですよということに起訴事実は言っているわけですよ。
 このところは、やっぱりもうこの辺へ来ますと、現に受けた人のだれかが、安倍さんや中曽根さんが、あああれは政治活動だ、報道だけれども藤波さんがうちに使った、こうなっているのに、なおあなたは秘書が身内がと言っておるのはもう通らない、そういうふうにお考えになりませんか。
○国務大臣(竹下登君) その受けた利益というものをどうしているかということ、私の政治資金規正法に基づくところの出納から見たら、それが政治資金に入ってもおりませんし、また使う環境になかったというのは、政治資金がいわば残ったままで越年しておるということでございます。
 それから、私の秘書、関係者が何に使ったかということにつきましては、貯金をしておるのも使っておると、貯金にいわば入った金額よりも多い残額が残っておるわけでございますから、何に使ったということは言えないというふうに思います。
○志苫裕君 私は、あなたに三点セット論が出ているが、三点セットを言うのもむだな話だ。もう行ったこともはっきりしておるし、秘書でも福田さんでもなくて竹下側だと、御一家様だということはもう明らかになっておるのになと、おろおろといつまでも頑張っておるという筋の話でないわ。そういう意味でお伺いしているんですが、どうも何か今、意味不明のことを言っておりましたので……
 ところで、あなたにリクルートさんから二千万円の政治献金があったという報道がありますが、これについてコメントしてください。
○国務大臣(竹下登君) 六十二年の五月、これは私個人を励ますパーティーがございまして、そのパーティー券の購入があっておることは事実で、確認をいたしておるところでございます。
○志苫裕君 自民党は二月一日の政治献金に関する見解で、パーティー券も、それ含めて政治献金どこが悪いと言って開き直っておられる。私も、政治献金は一概に悪いと言わない。一社二千万円というのは正常ですか、常識的ですか。
○国務大臣(竹下登君) 自由民主党の二月の見解というのは、あれは恐らくリクルート問題が世間を騒がすようになった以後の問題については節度を持って処理すべきである、こういうことであったと思うわけであります。したがって、それ以前のパーティー券とかいうことについて、政党もパーティーをやりますし、それについて格別触れることは必要なかろうというふうに思いますが、私個人の問題でございますから今申し上げたわけでございます。
 と同時に、二千万円というものであろうと、パーティーというのは参加していただくというのが、一つの客観的な見方からして、参加可能なということに基準がやはり置かれるべきであろうというふうに思う限りにおきましては、一社二千万というのは多いなと私も思います。
○志苫裕君 政治献金の正当性を主張しておりますが、ここまで参りますと総理も多いなと。リクルートというのはどれくらいの政治献金枠を持っておるかわかりませんけれども、これらの問題は私はまさに常識を超える。一枚や二枚買ってもらったというのとこれはわけが違う。二千万円も買ってもらう総理大臣ですから、そうけちけちとあれは秘書がやったんだ、身内がやったんだと言って頑張る筋合いのものでもないでしょう。
 法務省、あれですか、一部の報道ですが、松原が楢崎代議士にいわゆるもみ消し工作をしているころに、自由民主党の議員らに四千万円の政界工作を計画しておったと。もらったやつもおれば返したやつもおれば、あとどんなのかわからぬやつもおるようですが、この事実は、楢崎氏に対するケースと同じ趣旨と解して注目をしていますか。
○政府委員(根來泰周君) 御指摘のお話は、新聞にも報道されておりましたので私もよく承知しております。しかしながら、こういう問題につきまして、検察庁が捜査をしているとか、あるいは関心を持っているとか、公表する問題ではございません。
 一般的に申しますと、そこに犯罪があれば当然適切に処理するものと考えております。
○千葉景子君 関連。
○委員長(初村滝一郎君) 関連質疑を許します。千葉景子君。
○千葉景子君 今、リクルート問題が質問をされているところですが、前文部事務次官の高石氏が逮捕されました。高石氏の被疑事実は、おおよそ初等中等教育局長として江副を教育課程審議会委員に選任するなどして便宜を図ったと、これはほんの大枠ですけれども、こういう中から森元文部大臣、そして高石前文部事務次官、当時初等中等教育局長、そして江副、こういうルートが明らかになりつつある。
 人を教育する立場にある、そのトップにある人がリクルートからの黒い金に手を染め、しかも当初は株は妻が買ったと、妻が妻がで有名になりましたけれども、うそまでついてきた。こういうことを見ますと、一体教育の場でそれを受けている子供たちにどういう教育をするのか。また文部省については、この高石氏のみならず、省内ぐるみで接待を受けていたなどとの疑いも持たれている。文部大臣としては、やはりこれを単に司法の手にゆだねるだけではなくて、みずから教育の立場にある者としては反省をして解明する、そういうことが今最も問われているところではなかろうかというふうに思うんですね。
 そういう意味で、文部大臣として、この問題について省内でどのような調査をし、その結果どんなことが解明をされ、そして今後どんな対応をされようとしているのか、その点について明らかにしていただきたいと思います。
○国務大臣(西岡武夫君) お答え申し上げます。
 今回の高石前文部事務次官の逮捕という問題は、国民の皆様方の文教行政に対する信頼を著しく傷つけたという意味においてまことに遺憾なことであり、この場をおかりいたしまして、国民の皆様方に深くおわびを申し上げる次第でございます。
 委員ただいま御指摘の点につきまして、私も、三月二十八日、直ちに緊急の省議を開きまして、文部省幹部職員に改めて綱紀の粛正についてその趣旨の徹底を図るよう強く求めたところでございます。さらに、現在文部省の中に事務次官を座長といたします服務調査指導委員会というものを設置いたしまして、今後、今回のような不祥事が起こらないようにその趣旨を徹底し、また省内を指導していくという体制を整えているところでございます。
 もう一点、委員御質問の、文部省自体としてこの事態に対してどのように解明し、どのようにその対応をしていくのかということにつきましては、今後、委員御指摘の趣旨に従って対応をしてまいりたい、速やかにその結果を明らかにしてまいりたい、このように考えております。
○千葉景子君 これは、問題が発生しましてからかなりの時間がかかっているわけですね。それにもかかわらず、まだ事実解明が十分になされていない、今後なされていくということでは非常に対応が遅い。みずから積極的にこの問題を解明していこうという姿勢に欠けているんじゃないかというふうに思います。ぜひそれは強く、今後もみずからの手で積極的に取り組んでいただきたいというふうに思います。
 そして、この高石氏が初等中等教育局長あるいは事務次官としてタッチしておられた教育課程審議会の答申に基づいて、いわゆる学習指導要領というのが告示されました。この中身を見ますと、これは時間がございませんので細かくは申しませんけれども、日の丸、君が代の強制であるとか、あるいは東郷平八郎が登場してしまうとか、あるいは日中戦争が日華事変に変わるなど、歴史の認識を非常にゆがめている、あるいは歴史の重さに謙虚に対応するという姿勢に欠けている、また国際的に見ても文部大臣の発言等が大変批判を浴びている、こういうことが今出てきております。
 リクルートに汚染されながら、片方の手では、国際化に反し、戦前に回帰しようというような非常にゆがんだ教育を進めようとすることに対して私は強く反省を求めていきたいというふうに思いますが、この学習指導要領あるいは国際的な批判などについて、文部大臣としては今後どういう対応をなさっていこうとしておられますか。
○国務大臣(西岡武夫君) お答え申し上げます。
 ただいま委員御指摘の新学習指導要領につきましては、当然高石前事務次官が初中局長の時代にそういう立場から関係があったということは事実でございますけれども、最終的な決定は、私自身が大臣に就任をいたしましてから決定したわけでございまして、私の責任において新学習指導要領は決定した次第でございます。
 また、今、委員御指摘のとおり、いろいろと今回の新学習指導要領をめぐって御批判が出ていることは、私もその事実は承知をいたしております。国際的にもいろいろと誤解を生じているという面があると私は考えておりまして、その誤解を速やかに解かなければいけないという努力を私自身続けているところでございます。
○志苫裕君 高石の起訴事実で重大なことは、審議会委員等への選任が犯罪行為になるという疑いです。この点で、江副氏らの税調その他教育関係の委員の選任が重視されて、中曽根さんからも来てもらいたいとかというようなことにも通ずるわけですが、大蔵省にただ一つ聞きます。
 この間、衆議院で江副氏の税調委員の選任で何か統一見解のようなことを言ったらしいんですが、詳しいのはここでは要りません。いるいろいろいろやって江副が任命されたんですが、大蔵省から官邸筋へ上げた名簿の中には江副はいましたか。
○政府委員(尾崎護君) 昭和六十年九月、税制の抜本的見直しについての審議の開始に当たりまして、税制調査会の補強、強化を図る観点から、江副氏を含め十名の方が内閣総理大臣から税調の特別委員として任命されました。
 その十名の方の選任の過程を整理して申し上げますと、昭和六十年夏、中曽根総理から、政府税制調査会のメンバーを拡充し、より積極的に民意を反映させるようにとの御意向が示され、大蔵省主税局がそれを受けて、候補者の名を含め選定に関する資料を作成、内閣官房に提出、内閣官房から整理されたリストをいただき、委員任命についての事務手続、委員に対する連絡等の作業をいたしたものであります。
 なお、特定の候補者の任命の詳細、経緯等につきましては、何分にも人事の話でございますので、差し控えさせていただきたいと存じます。
○志苫裕君 長たらしいことはいいですから、大蔵省が上げたリストに江副さんがいましたかと聞いているんです。
○政府委員(尾崎護君) お尋ねは、特定の候補者の任命の経緯の問題でございますが、何分にも人事の話でございますので、それは差し控えさせていただきたいと存じます。
○志苫裕君 高石氏の起訴事実は、俄然それが重要な意味を帯びてきたんですよ。あったかないかぐらいは大蔵大臣、あなたの責任で答えられるでしょう。
○国務大臣(村山達雄君) 残念ながら人事の問題でございますので、主税局長からお答えしたとおりでございます。
○志苫裕君 なかったと解してよいか、伺いましょう。
○政府委員(尾崎護君) 特定の個人の任命の経緯にかかわることでございますので、私どもの方から御答弁することはお許しいただきたいと存じます。
○志苫裕君 否定がなければ肯定とみなす、こういうことにしておきましょう。
 譲渡を受けた政治家らの、受けた側の対応がまちまちで、あるものは政治寄金、あるものは政治寄金の中からの私的流用、あるものは贈与かもしらぬという意味では、俄然国税の税務調査が重要な意味を持ちますが、譲渡益についての税務調査は行っていますか。
○政府委員(伊藤博行君) 一般論として申し上げることでお許しいただきたいと思いますが、国税当局といたしましては、常に適正な課税の実現という観点から、国会での御議論あるいは新聞報道等を含めまして、課税上有効な資料の収集に努めておるところでございます。そうした資料の集積されたものと申告書等との対比において、仮に課税上問題があれば適正に対処するということでやってきておりますが、今後とも同様な方針で対処してまいりたいと思っております。
○志苫裕君 文部大臣にこの際要望しておきますが、労働省ルート、一部起訴になったりしまして明らかになっていますのは、江副が官界に接触するには、その以前に、飲んだり食ったりゴルフをしたり、さまざまな工作が行われているということが明らかになっています。文部省にも、株の譲渡だけにかかわらず、それ相当なものがあるはずですから、そのような事実は細大漏らさず調査をして、この次、本委員会が開かれて予算審議をする可能性もありますので、それまでには確実に報告をするように要望しておきます。
 時間がなくなりまして恐縮ですが、消費税。
 総理、とにかく消費税に対する国民の抵抗が強い。この理由は何だと理解しておられますか。
○国務大臣(竹下登君) 今日、不安や懸念をお持ちになっておるというのは、やはり我が国においては初めての新税である、こういうことが一番の理由だと思っております。
○志苫裕君 新税だということだけではないでしょう。付加価値税の長所を少しは犠牲にしても、入りやすさというようなことを考えてつくったはずなのに、配慮したはずの業界からもこれは大変だと、こうなっているわけでしょう。
 それらを含めて、この税に対する国民の抵抗が強いのは何であると、もう一度お示しください。大蔵大臣も一緒にどうぞ。
○国務大臣(村山達雄君) やはりこれは新税でございますので、そしてまたこの種の間接税というのは初めてでございますので、一般の消費者の方ではどんな値づけになるんだろうか、それから事業者の方で言いますと、これは適正な転嫁と言っているが、一体どんな値決めをしたらいいのであろうか、競争場裏でございますので。そういう点が一番直接的なことでございますから、喜んでというわけにはいかない。したがって、やはり不安がありまして反対になっておると思います。もう一つは、全体の税制改革との関係がやはり十分理解されていないんじゃないだろうか。
 こういう二つの理由からして、やはり不安、反対が多いんであろうと私は思っております。
○志苫裕君 総理、もう一度ありますか。
○国務大臣(竹下登君) やっぱり正確に分析された村山大蔵大臣の意見と私は一緒でございます。
○志苫裕君 私は、いろいろありましょう、難しいとかいろいろありますが、やっぱり基本的にはこの税の持つ性格、それから法律の持つ欠陥、そ
して税を定めた者の公正が疑われておる、この三つじゃないんですか。
○国務大臣(竹下登君) 志苫さんはそういうふうに分析していらっしゃるということで承りました。
○志苫裕君 いずれ廃止の措置をとるように要求をいたしましたが、カルテルで一問出しますが、どうも転嫁と値上がりは違うのに、値上げをしなければ済まぬような風潮が起きているとはどういうことですか。三月三十一日の値段がなぜ正当なんですか。国際環境から見れば、三十兆円にも及ぶ円高差益がありながら価格に反映されていないという状況のもとで、三月三十一日の値段の正当性を吟味すべきときに、それをそのまま結構なことだとして、それに上乗せしなければ気が済まぬという指導を公取なり経企庁なり大蔵省はやっているんですか。
○政府委員(梅澤節男君) その転嫁と値上がり、つまり三%分の値上げとは違うんではないかという最初の御指摘でございます。
 いささか教科書風の議論になって恐縮でございますけれども、間接税の転嫁については前転それから後転、消転、いろんなことが言われておるわけでございますが、今回の消費税につきましては、税制改革法にもございますように、最終的に消費者に負担をしていただくという税の性格上、いわば、ただいま申し上げました転嫁の三つの態様のうちの前転というふうにまず性格が決められておるわけであります。つまり、最終的に消費者に負担していただくように、経済流通の川上から川下の方へ順次前の段階へその部分を転嫁していくという形で構成をされておるわけでございます。したがいまして、今回の特別のカルテルにつきましても、その部分が適正に転嫁が行われるようにという前提で構成をされております。これは制度の仕組みの話がまず第一点でございます。
 その場合に、上乗せされるべき価格は消費税が転嫁される前の価格、具体的に時点的に申し上げますと、委員がおっしゃるように、三月三十一日時点の価格というふうに言ってもいいでしょう。その場合に、三月三十一日の価格が適正であるのかどうかという御議論だと思うわけであります。
 三月三十一日までの時点の価格といいますのは、理論上は市場メカニズムを通じて各事業者が自由に定めてきた価格、これを前提に転嫁が行われるということでございますので、根っこの方から価格を決めるというカルテルは、今回の法律によりましても、当然独占禁止法が本来禁止をいたしておりますカルテルとして認められないということになっておるわけでございます。
 そこで、三月三十一日の価格が果たして適正であるかどうかという御議論でありますけれども、これは、消費税の問題とは関係なく、日本の価格水準が一体どうなのかという御議論でございまして、私どもの立場といたしましては、三月三十一日の時点で、日本の現在の市場メカニズムの中で形成された競争価格というものを前提にして議論をするということはあながち不当ではない。価格水準がいいのか悪いのかという全体の話はまたいろんな立場の経済政策の議論であります。ここはきちんと仕分けしないと議論が混乱を起こすということでございます。
○国務大臣(愛野興一郎君) 経済企画庁は、委員御承知のように、国民生活また消費者の立場に立っておるわけでありますから、委員が申されました便乗値上げよりも転嫁の方が重視されておるということは、経済企画庁ではそういうつもりはないわけでありまして、むしろ物価のお日付役として、消費税の導入に際して便乗値上げが発生することをできるだけひとつ監視をしていきたい。そういうことで、当庁としては、物価動向の調査、監視体制の強化を行うとともに、消費者へのPR、相談窓口の拡充等の対策を行っておるわけであります。
 そういう観点から、適正なる転嫁をしてもらいたいということは申し上げますが、いずれにいたしましても、それに対して便乗値上げとか不公正取引がないように諸々の役割をさせていただいておるということであります。
○国務大臣(村山達雄君) 大蔵省といたしましては、新しい消費税が適正かつ円滑に経済に溶け込むことを一番願っておるわけでございます。
 三月三十一日の物価の状況がどうであるか、こういうことでございますが、これは市場が決定するわけでございます。ちなみに、二月現在の上昇率で言いますと、対前年一・一%ということで、先進国の中では上昇度合いは最も低い。ただ、物価水準がどうかという問題になりますと、これはいろんな見方があるだろうと思います。
○志苫裕君 消費税の円滑な導入というそこ一点を見て、むしろマクロ的には日本の物価をもう少し適正水準に下げてもいいという環境にあるのに、そこだけにこだわっているということは、大事なところを見てない、忘れてしまうんだと。風潮は、何か値上げをすべきだというふうになっているのは、大変これは木を見て森を見ないような政策だということをこの機会に指摘をしておきたい。
 でないと、何かもう一斉値上げという雰囲気ですよ。そうすると、地域カルテルというようなのは、おまえのところは上げてないのはけしからぬ、こういう村八分のような雰囲気まで出ないとも限らないという点を強く指摘したいし、今また、るる話が出ましたように、値上げがあろうとなかろうと税金はちょうだいするんですから、これが法の建前ですから。値下げがあったっていいわけですよ、消費税を機に。こういう点について、値上げの風潮を助成するようなことは厳に慎むべきだということを主張して、終わります。
 どうもありがとうございました。
○委員長(初村滝一郎君) 以上で志苫裕君の質疑は終了いたしました。(拍手)
 午後零時三十分まで休憩いたします。
   午前十一時十五分休憩
     ―――――・―――――
   午後零時三十分開会
○委員長(初村滝一郎君) 予算委員会を再開いたします。
 平成元年度暫定予算三案を一括して議題といたします。
 これより太田淳夫君の質疑を行います。太田君。
○太田淳夫君 総理、最初に、昨日、朝鮮民主主義人民共和国との関係改善についての御見解を発表されまして、私どもも高く評価するわけでございますが、今後、日朝関係の改善にどのように取り組まれる所存でございましょうか。
○国務大臣(宇野宗佑君) 今後の日朝関係取り組みは、きのう総理が申されましたとおりでございまして、あのとおりにやっていきたいと私たちは思っております。
 特に、政府間で無条件で話し合いをいたしましょう、こういうことは既に総理も去る施政方針でお述べになっておりますし、私も外交方針で述べております。そうしたことを我々は期待しつつ、同時にまた第十八富士山丸問題もございます。そうした問題も速やかに解決し、懸案事項がございますから十二分に話し合って関係改善をしたい、これが私たちの考え方でございます。
○太田淳夫君 日朝関係改善ということで言われておるわけでございますけれども、そうしますと、やはり将来の承認であるとかあるいは国交関係正常化ということが前提になろうかと思うんですけれども、総理の念頭にはそういうことがございますでしょうか。
○国務大臣(宇野宗佑君) 国交正常化という問題に関しましては、やはりまず南北の話し合い、それを私たちは中心として考えていかなければならない。だから、言うならば、かつて植民地化をいたしました日本が一番に躍り出るということはあってはならない。私たちはさような意味でも、単独に、しかも私たちがイニシアチブをとるというようなことはこれは極めて重大なことになりますので、我々は慎重でなければならない、かように思っております。
 いずれにいたしましても、北朝鮮側にはソビエトあるいは中国もおられるわけですし、また韓国側にはアメリカ、日本もおるわけでございまして、中にはクロス承認どうだという話もありますが、これには現在北朝鮮政府の方が反対しておられるという事実もございます。そんなことでございますから、正常化というのはまだその機が熟しておらない、こういうふうにお考えになっていただければ妥当ではないかと思います。
○国務大臣(竹下登君) まさに外務大臣からお答えのあったとおりでございますが、政府としては、大事なところは、朝鮮半島問題は南北両当事者の話し合いにより解決さるべきであるとの基本的立場に立ちつつということがまず一つございます。
 それから、先ほどお答えがありましたように、前提条件なく話し合いをしたいとの希望を表明してきておるところでございますので、先方より前向きの反応を得て、できる限り早期に対話が実現し、双方が誠意を持って話し合いを行うことができることを心から期待しておるというふうに申し述べましたとおりでございます。
○太田淳夫君 次に、先ほども同僚委員から質問がございましたが、暫定予算の問題についてお尋ねしたいと思うんですけれども、今回五十日間の暫定予算を出されて今審議しているわけでございますが、この暫定予算を組むまでになりましたことは、一つは、原因としましてやはり国会あるいは国民が強く求めておりましたところのリクルー下疑惑の解明、特に焦点となっております中曽根前総理の証人喚問の問題、そういうものを拒否しながらじっとあらしが過ぎ去るのを待ってみえるその総理の姿勢が、本来ならば衆議院解散等の重大な理由があって暫定予算というのが今までは組まれてきたわけですが、そういう理由のないにもかかわらず今回こういう予算を組まなきゃならなくなった、そういうことを招いたのじゃないかと思いますが、その点総理はどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(竹下登君) 基本的には、昨年暮れ、二十四日に税制改革六法案を通していただいた、したがって予算編成そのものが越年したというところに平常と違ったスケジュールの狂いというものがまずは存在しておるわけでございます。しかしながら、平素の常識の範囲内において処理されておったといたしますならば、五十日間という大幅な暫定予算は必要でなかったではないかと、私もそのように思います。
 私の待ちの姿勢とでも申しましょうか、それがこの遅滞をもたらしたと、そういう御評価はこれはもちろん傾聴すべきことでございますが、本来は、国会審議の問題は行政府の立場の私からとかくコメントすべきものではなかろうというふうに申し上げておるところでございます。
○太田淳夫君 従来、暫定予算というのは本来これは出すべきものではない、しかしこれを提出するときにはやむを得ない事情があってそのことを国民の多数は承認できるということでありますし、また暫定予算に関しては事務的な経費のみの計上である、あるいはその計上については日割り計算を基本とするということでやってきたと思うんです。今回の場合はいろいろな政策的な経費というものがここに計上されてきているわけですが、やはり予算制度を財政当局もしっかりと遵守していきませんと、政治的に流される中で財政のけじめというものが乱れて財政素乱のもととなってくるんじゃないかと思いますが、その点どのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(村山達雄君) 政策的経費は原則として計上しておりません。ただ、社会政策上必要なもの、あるいは文教上必要なものに限定しているわけでございます。生活扶助基準の引き上げとかあるいは福祉施設に入っている人の生活費の引き上げであるとか、そういうものでございます。もう一つは、補助金の補助率を今度若干変えまして引き上げているものがございます。この点につきましては、やはり何といっても公共事業を初め大事なことでございますので、与野党の御了解を得まして改正補助率で計上さしていただいておる、こういうことでございます。
○太田淳夫君 次に、リクルート関連問題に入りたいと思うんですが、総理、最近の世論調査を見ますと、竹下内閣の支持率というものはもう一割台に達しているところもあるわけですね、一〇%を切っているところもございますし。それに対してはいろんなことも巷間、理由として言われておりますが、総理自身としてはこの理由はどのようにお考えになっていらっしゃるんでしょうか。
○国務大臣(竹下登君) 世論調査の結果というものについては、それがいかなる機関がなさったといたしましても私は謙虚にこれに耳を傾けるべきものであるという基本的な考え方を持っております。
 したがって、私自身がなぜかということを、その理由についてコメントすることは必ずしも適当でないなと思うことがございますが、やはりリクルート問題とこうした問題が、私自身の存在をも含めて国民の皆様方の政治不信を生んでおるという基本認識は持っております。
○和田教美君 関連。
○委員長(初村滝一郎君) 関連質疑を許します。和田教美君。
○和田教美君 リクルート問題について幾つか質問いたします。
 まず、総理にお伺いしますけれども、総理はきのうの衆議院の予算委員会で、総理の元秘書の青木秘書と親類の福田勝之さん名義のリクルートコスモス株取得について、株式売買約定書などいわゆる三点セットを二人の分ともに出す用意があるというような趣旨のことを答えられたわけです。実は今月の三日の衆議院予算委員会で、熟慮しているというふうなことで前向きの姿勢を述べられてからもうそろそろ一カ月たつわけですけれども、一体いつお出しになるのか。
 それからもう一つ、国会の要求に基づいて出すという形をとるのか、それとも自主的に、自発的に出されるということなのか、その点を明確にしていただきたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) 私自身がいろいろ考えておりましたのは、いわゆる国会の要請に基づいて出すというのは、私限りならばともかくといたしまして、私経済にわたる面について慎重であるべきではないかという私なりの考え方がありまして、やはりお示しするならば、私は内閣総理大臣でございますから、私自身の責任でお出しすべきものではなかろうか、こういうふうに実は思ってみたわけでございます。しかし、それについては、率直に申しまして、議会の皆さん方の良識に期待しなければならないこともあるではなかろうか。例えば銀行名、それは見れば模様で通帳はわかりますけれども、やはりそれは伏せて見ていただくとか、いろんなことを私なりに考えて、したがって、そういうことを適当な機会に整理して御相談をしてみようというふうな気持ちになっておるところでございます。
 こういうことにつきましては、簡単に申しますならば、目下熟慮中と申し上げるに尽きるかと思うのでありますが、現実問題として、いわゆる証券取引法上の問題で逮捕されている一方のお方がいらっしゃるわけでございますだけに、それらの推移はやはり私なりに、検察に聞くわけじゃございませんけれども、いつか判断すべき時期があるのではなかろうかなというふうに思っておるところでございます。
○和田教美君 六十二年五月に開かれました「竹下登自民党幹事長を激励する夕べ」のパーティー券をリクルートが約二千万円分買ったということは、午前中総理はお認めになりましたけれども、そこで自治省の見解を聞いてみると、パーティー券の値段が社会的常識の範囲内で、その購入枚数も出席を前提とした妥当なものである限りは政治資金規正法の寄附には当たらないという見解ですね。
 ところが、総理もお認めになったように、七百枚約二千万というのはいかにも多過ぎると思うんです。常識の範囲を起えているというふうに僕は
思うし、そういうことで果たして七百人全部出席したとは考えられないわけで、そういう点でこれが結局政治資金規正法上の寄附に該当するということにならないかどうか。もしそうだとすれば、寄附の量的制限という問題が起こってくるというふうに思うんですが、その点についての総理の御見解をお聞きしたい。
○国務大臣(竹下登君) 私、パーティーの経験を大変たくさん持っておるというわけではございませんけれども、実はことし私が所属しております政策集団のパーティーを中止することに決められた。それで、それの返却方について、非常に細かに番号が打ってありましてもなかなか全部に行き渡ることは難しいなという体験を今しておるところでございます。したがって、七百枚というものが本当に一社が窓口であって、それが多くの人に売られたものであるのかどうかということについても、幸い事務的には番号を打ちましたりしてかなり整理しているようでございますけれども、正確に把握することは難しいと思っております。
 ただ、一社七百枚、こう単純にその現象をとらえてみれば、これは私は自治省の見解というものについて、いわば常識的な範囲というものからして、きょうも申し上げましたように、多過ぎるなという感じは率直に持っておるものでございます。そこで、今自由民主党におかれて、後藤田委員会の中で、いわばそういう上限制限の問題等が議論されておることは十分承知しておりますが、それが私が上限をかくすべきだという立場には今のところ至っておりませんので、御指摘のような趣旨の議論が進められつつあるということを私自身も承知しておるところでございます。
○和田教美君 法務省の刑事局長にお尋ねしたいんですが、リクルート事件の東京地検による追及はいよいよ政界ルートに移ったわけでございます。
 そこでお聞きするんですけれども、いわゆる還流株、これの政界関係者に流れた件について、既に関係者の秘書などの事情聴取は終わったという報道があります。そのとおりかどうか。それから政治家本人、国会議員本人に対する事情聴取は始まったのか。まだ始まってないとすればいつから始まるのか、その点をお聞きします。
○政府委員(根來泰周君) 衆議院でも同じような御質問がございました。この点については、まことに恐縮でございますけれども、肯定も否定もできない立場でございますので、その辺御了解を得たいと思います。
 ただ、今まで捜査しておった被疑事実の中に証券取引法違反というのがございます。これはいわゆるリクルートコスモス社の株を売り出したということでございますので、当然売り出しの相手方については事の成り行き上調べることもあり得るということでございます。
○和田教美君 政界ルートヘの捜査は大体いつごろ山を過ぎるのですか。つまり、七月ないし八月には参議院選挙がある、余り選挙に接近するといろいろぐあいが悪いという問題があろうと思うんですが、そういう点でいつごろ山を過ぎるか、あるいはいつごろに終わるかという見通しをお聞きしたい。
○政府委員(根來泰周君) この問題も非常に難しいお話でございまして、私どもの立場から申しますと、現在高石前文部次官を取り調べ中でございますので、その点についてしか申し上げるわけにはいかないわけでございます。この十日満期というのは、来月の七日か八日ごろに到来するわけで、さらに十日延長されますと、十七、八日ごろまで延長されることになるわけでございますが、それ以上のことは前にも後ろにも申し上げるわけにいきませんので、その辺御了解いただきたいと思います。
○和田教美君 法務大臣にお尋ねします。
 法務大臣は、就任の際の記者会見で指揮権発動は考えていないということをおっしゃいましたけれども、今もお考えにかわりありませんか。
○国務大臣(高辻正己君) まず一言申し上げておきたいのは、法務大臣が検察庁法十四条ただし書きの指揮権をほしいままに放棄することが許されないことは法の趣旨に照らして言うまでもないことでございますが、従来から申し上げていることの繰り返しになりますけれども、私は、検察権が厳正公平に行使されるべきものであり、また現にそのように行使されていると確信しておりまして、この確信が揺るぐことのない限り、検察権の行使に対して制約を加えるつもりは毛頭ございません。
○和田教美君 もう一つお尋ねしますけれども、政治家への捜査の進展次第で、仮に国会議員の逮捕という事態が起こった場合に、国会開会中の場合には逮捕許諾請求をしなければならないということになります。その場合でも検事総長に対するいわゆる指揮権の発動というものはしないというふうに、逮捕許諾請求についてしないということを確言できますか。
○国務大臣(高辻正己君) 今も申し上げたとおりのことでございますが、具体的なお尋ねでございますので、そういうことがあるかどうかは別として、検察権が厳正公平に行使されている限り、それについて私はとやかく言うことはございません。私の確信が揺るがない限りそのように申し上げていいと思います。
○太田淳夫君 それでは、NTTの山口社長を参考人としてお招きしましたので、何点かお尋ねしたいと思います。
 電気通信協議会であるとか、あるいは管理者のグループであるボランティア基金とか、いろんなことが言われておりますけれども、このボランティア基金の趣旨というのはどういうような趣旨で始まったんでしょうか。
○参考人(山口開生君) お答えいたします。
 私どもの管理者でつくっておりますボランティア基金というものの趣旨でございますが、これは幾つか考え方がございまして、一般の世の中のおつき合いの一つとしまして、政治方面との儀礼的なおつき合いとか、あるいはボランティアの有志の諸君が自分たちの仲間意識から身内の者を支援したい、こういった考えから相談し合いまして、ボランティア活動として資金カンパをしたものだというふうに聞いております。
○太田淳夫君 これについては司直の捜査も伸びているようでございますが、例えば、いろいろなことが報道されておりますけれども、世話人の方が総務部に所属をして会費の集金をしていたという事実、あるいはカンパ資金を深夜手当で補てんしていた、そういうような証言も報道されているわけですが、これは事実であるかどうか。事実とすれば、会社がやはり認めていたことになるんじゃないでしょうか。
○参考人(山口開生君) 有志の話し合いによって選ばれた者が、たまたま総務部の担当部長が世話役になったというふうに聞いております。
 なお、もう一つの深夜手当の件につきましては、これはもう手当というのは勤務の実績に基づきまして支給しておるものでありまして、決してそのようなことはあり得ないというふうに思っております。
○太田淳夫君 電気通信協議会という会もあるわけでございます。これは六万人の会員がいたというふうに報道されておりますが、今までどのくらいの金額を集められたのか。あるいはこのお金が政治献金あるいは選挙支援活動費として使われているんじゃないか。
 例えば、六十年の収支決算書を見ますと、臨時収入あるいは臨時支出として二千二百万程度のお金が提示されて出ているわけです。この六十年の決算の直前には三人の参議院議員の支援を電気通信協議会の理事会で決定しているわけですが、そういう方面にこのお金が使われたと見ていいんでしょうか。
○参考人(山口開生君) お尋ねの電気通信協議会につきましては、これは今おっしゃいましたように約六万人の会員がございますが、年会費一人千五百円で運営されておりまして、したがいまして年の会費収入が一億円ぐらいございます。
 この会は、OBと現役の友好団体でございまし
て、会報の発行等設立の趣旨にのっとりましての使われ方をしておりますが、政治献金にそのお金が使われたということはないというふうに聞いております。
○太田淳夫君 支援活動費ですか。
○参考人(山口開生君) 選挙の関係に使われたことはございませんというふうに聞いております。
○太田淳夫君 また、報道によりますと、ボランティア基金から中曽根前総理周辺に二千四百万円のパーティー券が、あるいは元大蔵官僚の故参議院議員に一億円のやみ献金を行ったという報道があるのですが、その事実はあったんでしょうか。
○参考人(山口開生君) 今おっしゃいましたような新聞報道につきまして、具体的の使途については、私は委員会で聞いたわけでありますが、このグループからははっきりしたことを聞き得ないものでございますので、お答えを差し控えさせていただきたいと思います。
○太田淳夫君 この点については後でまた言いますが、NTTにはそのほかに裏口座があったと。真藤前会長が株譲渡で得た利益のうち一千三百万円がいわゆる林口座なる裏口座に入金されて政治家への献金に使われた、こういう報道がありました。前回のこの委員会でも税特の委員会でも指摘されましてこの問題についての質疑も行われたわけですけれども、この点の事実はどうでしょうか。調査されましたか。
○参考人(山口開生君) いわゆる秘書室長名義の口座というものにつきましては、これは会社のお金を使うような口座は、秘書室長名義のものはございません。このことにつきましてはかねてから申し上げているとおりでございますが、今おっしゃいました一千三百万云々という記事が随分出ておりまして、私もこのことにつきまして再三問いただしておるわけでありますが、大変申しわけないけれども会社とは直接関係ないことなので説明することは勘弁してくれと言っておりまして、現在それ以上のことは聞き出せない状態にございます。
 なお、そういうことではございますが、私どもとしては引き続き聞き出すことの努力をしてまいりたい、こういうふうに考えております。
○太田淳夫君 国民から見た場合、これらのボランティア基金あるいは裏口座というのはNTTの政界工作資金づくり用であったと、こういう見方が濃厚です。NTTが、政治資金規正法で政治献金することは不可能であるために、それを抜け道として使ってきた、こう考えているわけでございますが、この国民の疑惑にこたえるために郵政省としても、監督官庁でありますから、このままにしておくことはできない、こう思いますけれども、郵政大臣、どのように国民の疑惑にこたえるおつもりでございましょうか。
○国務大臣(片岡清一君) 先ほど山口NTT社長からお話がございましたように、二つの団体が紛らわしいのがありますが、一つはOBと現職との親睦団体であり、もう一つはボランティアで管理職の人たちが金を出し合って必要なところに金を支出するということの団体であるわけでございますが、この後の団体につきましても、これはどこまでも管理者の有志のボランティア活動として行われているものであって、会社として行っているものではないということを承っておりますので、その報告を受けておりますので、私の方ではそれ以上別に指導すべきものであるとは考えておらぬわけでございます。
○太田淳夫君 郵政大臣からそういう御答弁がありましたけれども、納得はできないわけですね。
 また、自治省としましては、ボランティア基金というのは政治資金上どういうふうにこの位置づけを考えてみえるのでしょうか。昨日も衆議院では答弁があったようでございますけれども、私たちは明らかに政治資金規正法第二十二条の抜け道としてNTTがこれを利用していた、そうとしか考えられないんですけれども、自治省としてはどう考えておられますか。
○政府委員(浅野大三郎君) 私どもボランティア基金なるものがどういうものか詳細わからないわけでございますが、先ほど来の質疑、あるいはこれまでにも、昨年でございますか、税制問題特別委員会でやはり郵政省の方からも御答弁があったようでございますが、そういうものを聞いております限りこれはNTTとは別のものだということでございますから、そういたしますと、特段その限りにおいては政治資金規正法上の問題はそこにはないのではないかというふうに思っております。
 ただ、実態がよくわかりませんので、具体的には的確に申し上げることは困難でございます。
○太田淳夫君 現実として利用していると考えてどうですか。違反じゃないか。
○政府委員(浅野大三郎君) 抜け道としてやったのではないかというようなお尋ねでございますが、その辺まさに具体的な事実がわかりませんと、私ども何とも申しようがない部分でございますが。
○太田淳夫君 それでは、具体的な事実について自治省も調査するわけですね。
○政府委員(浅野大三郎君) 政治資金の関係でいつも私ども申し上げておるのでございますけれども、政治資金規正法の趣旨とするところは、政治資金の収支というものを国民の前に明らかにするということでございまして、いわば私どもはそういうものの媒介者という立場に立つわけでございます。ですから、その実質調査権というふうなものも認められておりませんものですから、ちょっとただいまの点については御期待に沿うことは困難であるということを御理解いただきたいと思います。
○太田淳夫君 山口社長、いろいろとお話は今承ったわけでございますが、郵政省もNTTの言ったとおり認めているようでございます。しかし、国民の立場から見ますと、この問題はやはりNTTぐるみの不正行為として見られているわけです。やはり、会社と関係はないからいろんな事情聴取はできないということになりますと、山口社長の、社長としての管理能力というものが疑われてくるんじゃないかと思うのです。やはり、これはどのような組織にしましても社長みずからの監督責任がある、こういうふうに国民は見ているわけでございます。
 せんだっても、解散は考えないような記者会見もございましたが、これだけ国民の疑惑の的になっているものを残存させていくということは、公共事業体としてのNTTに対する国民の信頼をさらに失墜させることになりかねないと思うんですね。あるいは社員の意欲にもかかわってくるわけですから、やはりこの点を深く反省して、直ちにこのボランティア基金というものは真相を調査して解散すべきものであると考えますが、その点どのようにお考えでしょうか。
○参考人(山口開生君) おっしゃいましたように、いろいろとお騒がせしておりまして申しわけなく思っております。
 この基金の今後の取り扱いにつきましては、おっしゃいましたように、基本的にはこれは有志の世話人が考えていくべき問題だと思っておりますけれども、いろいろと御指摘もあり、私も今後関心を持って勉強してまいりたい、このように考えております。
○太田淳夫君 それだけですか。何かもっと、どうするんですか。研究、勉強してどうするんですか。
○参考人(山口開生君) このできました経緯あるいは運営等につきまして、やはり勉強してまいりたいと思っております。基本的には、ただいま申しましたように、世話人がやっていくべきものだと思っていますが、おっしゃいましたようにやはりNTTの職員でございまして、私もこれについては大変関心を持っておりますのでいろいろ勉強してまいりたい、このように考えております。
○太田淳夫君 勉強していきたいと言うし、言外には将来解散したいというふうに私もとっておきたいと思います。
 次に、リクルートの問題に移りますが、法務省にお伺いしますけれども、アメリカの大学に留学
している日本人学生の人数については、これは法務省で把握できるんでしょうか。
○政府委員(股野景親君) ただいま先生のお尋ねのアメリカに留学している日本人の学生の数という点でございますが、当局といたしましては、留学のみを目的とした日本人の出国者の数についての統計は持っておりませんが、留学に加えまして研修及び技術習得というものも含めました目的のために出国した日本人についての統計がございます。これによりますと、昭和六十三年において米国に向けてこのような目的で出国した者の数は四万三千四十二名となっております。
○太田淳夫君 文部省はいかがですか。
○国務大臣(西岡武夫君) お答えいたします。
 ただいま委員の御指摘の点につきましての具体的な数字を持ち合わせておりません。後刻正確な数字を調べ得る範囲におきまして御報告をさせていただきたいと思います。
○太田淳夫君 そうしますと、米国の大学に留学している日本人の人数については、外務省はどのように把握されていますか。
○政府委員(黒河内久美君) 御説明いたします。
 在外公館におきましては、毎年十月一日を期しまして在留邦人の実態調査をいたしておりますが、何分にも調査にも限界がございますので、概数としては把握し得るものでございますが、必ずしも正確を期しておりません。現在、手持ちの数字がございませんので、まことに申しわけないことでございますが、ちょっと御説明できかねます。
○太田淳夫君 概数については掌握できておるということでございますが、これらの日本の方で米国の大学に留学をされている学生の居住地の掌握というのはどのようにされるんでしょうか。どこがしているのでしょうか。外務省ですか。
○政府委員(黒河内久美君) 御説明いたします。
 日本人が海外に渡航いたしまして三カ月以上外地に滞在する場合には、旅券法第十六条の規定によりまして、最寄りの公館に在留届を出すということになっております。しかしながら、これは必ずしもすべての人が在留届を出すというようになっておりません。私どもはそのように努めておりますけれども、必ずしも全員が届けているという状況ではございませんので、在外公館におきまして把握し得る限りにおいて承知しているということでございます。
○太田淳夫君 在外公館ではある程度把握ができるということで今御答弁いただいたと思います。
 さて、リクルート社は、昭和六十年二月にアメリカにリクルートUSAを創設しているわけです。六十一年の四月には、米国の大学に留学している日本人学生を対象に、留学生のための就職情報をダイレクトメールで送付しているんですが、その部数は約一万五千部と言われておるわけです。六十一年当時、日本人留学生は約一万四千人ぐらいじゃないかと言われているわけですから、それから考えますと、リクルート社はすべての学生にダイレクトメールでその就職雑誌を送っていたということになるわけでございますが、当然ほとんどのアメリカに見える日本人の住所を掌握していたということでございます。
 これはちょっと外務省にお尋ねしますけれども、そういう学生の居住地を掌握しているのは、先ほど日本の領事館、最寄りの領事館ではないかというお話もありましたが、そのほかにどこが考えられますか。
○政府委員(黒河内久美君) お答えいたします。
 在外公館におきまして在留届を把握しているということを申し上げましたけれども、本来在留届というのは非公開のものでございまして、厳重に保管されているものであることをちょっとつけ加えさせていただきたいと思います。
 なお、在留邦人の関係の諸団体が外地にたくさんございまして、それぞれ日本人会でございますとか、日本クラブでございますとか、土地によっていろいろな団体がございますが、そういうところでそれぞれ独自の名簿を作成し、また一般的にはそれが配付されているということでございますので、そういうものが活用される可能性は十分あると思います。さらに電話帳がございますので、電話を持っている人についてはそれから把握するということは十分あろうかと考えられます。
○太田淳夫君 いろいろとおっしゃっておりますけれども、やはり居住地を正確に掌握できるのはアメリカ政府関係か、あるいはアメリカの大学であるとか、あるいは在外公館になるのじゃないかと思うんですね。
 リクルートの江副さんはこういうことをおっしゃっているんです。アメリカにはプライバシー保護法があるから大学からリスト提供は難しいだろう、だからアメリカのリクルート社は校門に立ってそれらしい人に一人ずつ声をかけているんだと、こういうことを社内報でおっしゃっていますが、こんなことで掌握ができるということほ考えられません。そうなりますと、やはりどこかから提供がされているのじゃないかと思うんです。
 今、いろいろなところを挙げられましたけれども、外務省でやはりきちっとした、アメリカから出ることは考えられませんから、そうなれば外務省の機関を通して提供されたということが一番大きな問題になってくるのじゃないかと思うんですけれどもね。外務省でははっきり掌握されないものが、民間企業でこれだけのものが把握されているということでございます。このことについては外務省としても実情を調査していただきたいと思うんですが、その点どうでしょうか。
○政府委員(黒河内久美君) 私どもがこれまで在米の全公館について調査いたしましたところでは、リクルートUSAからそのような在留届のコピーについての貸し出し依頼等の事実はなかったという報告を受けております。
○太田淳夫君 今、外務省は調査したとおっしゃいますが、リクルート社はアメリカ以外にも六十二年の七月にリクルート・ヨーロッパを創立して、こういった国際型の就職情報というのを出して、イギリス、フランス、ドイツに留学している日本人大学生にも送付しているわけです。
 しかも、これはある出版者から出されております「リクルート情報合衆国」という本があるんですが、これを見てみますと、この中に、リクルート社というのは海外における就職情報事業に進出を考えて調査団をアメリカに派遣してきた、しかしその結果は、アメリカだけでのそういった情報誌を発刊することは非常に難しいという結論を出されてきたわけです。ところが、五十九年の七月に突然江副社長本人から指示が出されて、半年後には現地の法人が設立をされてきているわけです。ですから、この時点から考えますと、リクルート社としては発刊は難しいという結論を出していたんですが、その間に何らかの手段で大学生のリストを入手できるという確証を得たとしか考えられませんね、これは。
 その当時のことを調べてみますと、五十九年四月六日ごろにはあるところである人たちとゴルフをされていたり、これは当然疑惑ですが、こんなことを申し上げたくはないんですけれども、いろいろなことがありました。そのころ江副さんは、いろいろな面で活躍されていたところで、そういう確証を得られたのじゃないかと思うんです。
 外務省が表面的に調べるならばこれはただいまお答えのとおりの答弁になろうかと思いますけれども、しかし国民の目から見れば、こういうことはやはりリクルート社が、とにかく労働省における求人情報誌の問題であるとか文部省関係の進学情報誌にしましても、最初は関係ない、何もないんだと言いながら後からいろいろな問題が出てきて、実際に政府高官の方々が現在起訴をされるような状態になっているわけでございますから、もう一度外務省としても、そういう疑惑があるんですから、名誉を回復するためにもしっかりとこれは調査をして本委員会に報告すべきじゃないかと思いますが、その点どうでしょうか。
○政府委員(黒河内久美君) 今御指摘のような点があったというのは、私ども全く心当たりがございません。
 なお、もう一言申し上げさせていただきます
と、通常、学生の皆さん方というのは、在留届を最も出さないで帰ってくるような人たちでございますので、在外公館においてそのような情報を把握しているというのは残念ながら可能ではないように考えられます。
○太田淳夫君 あなたはそうおっしゃっていますが、しっかり調査をしてくださいと私は申し上げているわけです。ないならないで結構です。あるいはリクルート社が企業として非常に努力をして、そういう一万何千人の名簿をそろえられたのならそれでも結構ですよ。しかし、そういう疑惑が、今、労働省、文部省を中心としてあるようなことが、実際に外務省にあってもあるんじゃないかという疑いの目で見られているわけですから、これはしっかりと外務大臣から調査を命じられて対処をして国民に対する疑惑を晴らすべきだ、私はそう思いますが、いかがですか。
○国務大臣(宇野宗佑君) 私は、外務省に関する限り疑惑はないと思っておりますから、調査をするというと疑惑があるから調査をするんだ、こうなります。だから、もう一度私は、私自身がここで調査しますと言うことよりも、むしろただいま答弁をいたしておりました政府委員関係において、もう一回、そういうことがないと私に報告をさせます。
○太田淳夫君 それは私ちょっと納得できません。外務省、私は何も外務省を責めているわけじゃないんですよ。外務省が悪いとは言っていませんよ。そういう疑惑が持たれているんです。文部省だって労働省だって、みんな最初は何もないと言っていたわけですからね。しかし、まだまだいろんなことがありますが、そういう関係を調べれば疑惑を生ぜざるを得ないような状況にあるわけですから、あなただけに報告させるのでは私は納得できません。予算委員会でまたその質問も重ねてやるかもしれませんから、きちっと委員会に報告をしていただくようにお願いしたいと思うんです。
○国務大臣(宇野宗佑君) 私がまずもう一度確かめます。初めて聞きます、そういう話は。だから、私が責任者としてまず確かめます。
○太田淳夫君 あと一分になってしまったんですが、総理、いよいよ明日から、あすの午前零時から消費税が実施されるわけでございます。
 総理にお尋ねしますけれども、消費税というのはやはりいろんな混乱が今起きております。国民の納得が得られたと、そのように総理はお考えになっていらっしゃるんでしょうか。その点、私たちはとても国民の納得を得られない。大きな混乱をこれは持っているんだ。したがって、この法律については早急に見直しをするか撤回をすべきである、このように思います。例えば大蔵省の話を聞きましても、合法的に税金が漏れる部分が約五千億円程度あるんです。そうしますと、これは税収見込みの約一〇%が漏れているということになるわけですね。日本の税法、税金で、税収見込みの一〇%が漏れているような税法、税金は今までありません。そういった面でいろいろと調査もされたと思いますが、EC諸国の付加価値税でもこういった税法自体に漏れがあるようなことは認められていないわけですね。
 ですから、それだけ考えてみても、消費税というのは欠陥税制であり、国民の納税意識あるいは信頼関係にこれから悪影響を与えていくことは必至であろう、こう思うんですが、私は総理に実施を取りやめることを申し上げて質問を終わりたいと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(竹下登君) 御協力をいただいて長い間かかって昨年十二月二十四日に成立させていただいた法律が、いよいよ明日から実施に移るわけでございます。なかんずく成田空港で見れば朝六時ちょうど着の飛行機からこれは直ちに徴税行為が行われる、こういうことでございます。可能な限り国民の暮らしの中に早く溶け込みますように、これからも一生懸命努力して、そうして後世やってよかったと言われることを心から期待しておるところであります。
 なお、見直し問題についての御発言がございましたが、そういう条項が院の意思によって入ってきたということを十分承知しておるところでございます。
○太田淳夫君 総理、私たちは反対ですからね。協力した覚えはございませんからと一言申し上げて、終わります。
○委員長(初村滝一郎君) 以上で太田淳夫君の質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
○委員長(初村滝一郎君) 次に、諫山博君の質疑を行います。諫山君。
○諫山博君 竹下内閣の支持率は今や史上最低です。最近の読売の世論調査では不支持が七五%、しかも一連の中間選挙でも自民党候補に厳しい審判が下されています。竹下首相は、この原因についてリクルート疑惑を挙げられましたけれども、さらに消費税あるいはあなた自身が身の潔白を立てようとしない、こういうことがあるとは思いませんか。
○国務大臣(竹下登君) まず、各種世論調査、これの数字は厳粛に謙虚に受けとめるべきものであると、このようにいつも思っておるところでございます。
 その理由が那辺にあるか、私自身分析することはございましても、それは私からとかくコメントするよりもみずからのこととして深く心にとめ、反省することがより重要であろうと、諫山委員の御指摘もそれなりに謙虚に受けとめるべきであると、このように思っております。
○諫山博君 竹下首相の元秘書青木氏が検察庁の取り調べを受けたと報道されています。これは極めて重大です。そういう事実があったのかどうか、お答えください。
○国務大臣(竹下登君) その問題につきましては、やはり私は今、行政府の長でございます。検察当局が個別問題についてはお答えできないと申しておる限り、私も個別問題としてお答えできないというのが筋だというふうに整理いたしております。
○諫山博君 私が重大だと言ったのは、竹下さん自身の刑事事件に絡んで調べられているのではないかという疑いを持ったからですけれども、それでもやはり述べられませんか。
○国務大臣(竹下登君) 行政府の長であり、監督する立場にある者が、検察当局が個別問題についてお答えできないと言っておるものを私がお答えするわけにはいきません。
○諫山博君 竹下首相自身の問題について質問します。
 リクルートの株をいつ、どこで、だれかち譲り受けたのか、どういう方法で譲り受けたのかということがずっと以前から問題になっています。きのうようやく譲り受けた場所が竹下事務所だったということが明らかになったようですけれども、いつ、だれからかという点は御説明できませんか。
○国務大臣(竹下登君) きのう初めて明らかにしたという報道を見て、そうだったのかなと思いました。事務所であることは前から承知いたしておりました。
 ただ、どなたからかと、こういうことになりますと、もしそれが違っておったらいけないということで今日まで申し上げることができないという状態がなお継続しておるということでございます。
○諫山博君 場所は竹下事務所ではなかったかということは、我が党の不破議員が初めて聞いたと思います。そのことは前から知っていたと言われますけれども、その当時は御存じでしたか。
○国務大臣(竹下登君) 古いことでございますので忘れました。
○諫山博君 あなたは不破議員の具体的な指摘に対して答えませんでしたよ。不破さんは、だれが来たはずだ、場所はここであったはずだということを質問したのにあなたは答えられなかったから、その当時は知らなかったのかということです。
○国務大臣(竹下登君) 速記録を見ておりません
ので、どういうお答えしたか今記憶を定かにいたしておりません。
○諫山博君 株の話を持ってきたのがだれかということは御存じないんですか。知っているけれども言われないんですか。
○国務大臣(竹下登君) 重ねて申しますように、青木秘書がもし人違いであったとすれば大変な迷惑をかけることになりますから、それを特定できませんという状態が今日も続いております。
○諫山博君 株の話があったときに、福田氏は立ち会っておられますか。
○国務大臣(竹下登君) 承知しておりません。
○諫山博君 承知していないというのは、やはり無責任過ぎると思います。
 ファーストファイナンスの融資を受けなかったかということを我が党の松本議員が質問したことがあります。そのときのあなたの答弁は、報告を受けていない。仮払いはなかったかという質問に対して、存じませんと答えております。それに対して松本議員は、調べておくようにと言っておりますけれども、調べられましたか。調べたら御説明ください。
○国務大臣(竹下登君) よく言われます三点セットの問題でございますので、その際またお答えをすることがございましょう。
○諫山博君 ここは国会ですから、知っているんだったら当然明らかにすべきではありませんか。
○国務大臣(竹下登君) いろいろな経過を経て今日に至っておりますから、私の良識と節度の中でお答えをいたします。
○諫山博君 三点セットの提出を熟慮していると言われますけれども、その場合に、お金をどういうふうに使ったのかということを証明する資料の提出も検討しておられますか。
○国務大臣(竹下登君) 検討しておりません。
○諫山博君 それは熟慮の対象にはもともと入っていないとすれば重大です。
 この問題について我が党の内藤議員も、ついこの間の参議院の本会議で、三点セットとその出を証明する資料を出してもらいたい、こう言っておりますし、さらに松本善明議員は、今、総理がこの金を政治資金に使ったのではないかという疑いが持たれている、そうだとすれば、いつ、どういうふうに支出されたかをぜひ明らかにすべきではないかと言っていますけれども、その気はありませんか。
○国務大臣(竹下登君) 政治資金に使っておりませんし、使う必要もその環境にもなかったということを申し上げておるところでございます。
○諫山博君 二千万円のパーティー券の問題については、パーティー券を買ってもらったことは認められましたけれども、これはいつ、どういう経過で知られましたか。
○国務大臣(竹下登君) 一々覚えておりません。が、そのことはことしの一月ではなかったかなと思っております。
○諫山博君 ことしの一月から知っていたんだったら、何らかの形で国民の前に明らかにすべきではないですか。朝日新聞が報道する、NHKが報道して今たくさんの人がびっくりしているわけです。ところが、あなた自身はことしの一月ごろからそのことを知っていたと言われるから、これはちょっと誠意がなさ過ぎると思いますが、どうですか。
○国務大臣(竹下登君) 私は昔から、まあ昔からという表現は適切ではございませんが、少しでも国会で質問が出たときは国会で答えるべきだというので、新聞社の取材等に対しては非常に不評判な男でございます。したがって、そういう節度は私の考え方として守っていこうと思っております。
○諫山博君 官房長官に質問します。
 長谷川法務大臣と原田経済企画庁長官は、なぜやめられたんですか。やめた理由です。
○国務大臣(竹下登君) 大事に関しましては、これは私が最高責任者でございますから、私からお答えをいたします。
 それは、信頼して御信任申し上げた人がみずからやめるとおっしゃった場合は、それを信頼して受理すべきものである、こちらからとかくの論評すべきものでないと、このように思っております。
○諫山博君 リクルートからの政治献金とパーティー券がやめざるを得なくなった動機だというのは否定されますか。
○国務大臣(竹下登君) 大事については任命権者たる私がコメントすべきものではない、このように思っております。
○諫山博君 官房長官は説明できませんか。
○国務大臣(小渕恵三君) 私のところにはお二方とも辞表を持ってまいられまして、任命権者たる総理のところに御同行いただきたいということで御同行申し上げただけでございまして、おやめになられましたのは御本人の御意思だというふうに考えております。
○諫山博君 竹下首相はリクルート社から政治献金は受けていませんか。
○国務大臣(竹下登君) 政治献金に関する問題は、政治資金規正法で届け出てあるとおりでございます。
○諫山博君 政治資金を受けたか受けていないかは説明できるんじゃないですか。あなたは、パーティー券については前から知っていたけれども黙っていたと。恐らく質問がなかったからということでしょうけれども、政治献金についてはいかがですか。
○国務大臣(竹下登君) 質問がなかったからということではなく、質問があっておりまして、私が調べてみようということを言ったことがございますので、その機会がなかったと。私のことでございますから、当然その方には私自身から適切な時期に質問をお願いするという立場を従来からもとるようにいたしておるところでございます。
○諫山博君 自治省の選挙関係の方おられますね。
 政治資金規正法との関係で、二千万円のパーティー券を買ってもらうということはどういうことになりますか。
○政府委員(浅野大三郎君) 具体の事例でございますから、やはり事実関係が詳細にわかっておりませんと解釈のしようはないわけでございます。
 ただ、これは一般論でございますが、従来から私ども政治資金規正法上パーティーは事業収入として報告していただく、それから寄附については、これはいろんな制限もありますから、解釈として申し上げておりますことは、パーティー券の購入については、そのパーティー券の価格が社会常識の範囲内のものであり、出席を前提として購入されるものである限りは政治資金規正法上の寄附には該当せず、これによって得られた収入は事業収入と、こう解してきております。
○諫山博君 リクルート社から何名ぐらいの出席があったのか。恐らく見当はつかないと思いますけれども、パーティー券の一割を超さない程度じゃないでしょうか。どう認識しておられますか。
○国務大臣(竹下登君) 当時の記事を見ますと一万数千名という出席者でございますが、私もパーティーはたびたびやっておるわけじゃございませんけれども、通し番号等を通しましてかなり事務的に詰まった状態を見てみましたが、ある人が買ってもその人の友人がまた買ったとかいうようなところまでフォローするというのはなかなか難しいものだなという感じを持っております。
○諫山博君 自治省にもう一回質問します。
 パーティー券を買った人の大半はパーティーに出席していないというふうに見るのが常識です。そういう場合、政治献金を受ける限度額との関係はどうなりますか。
○政府委員(浅野大三郎君) パーティー券をお買いになった方がパーティーに出席しておられるのかしておられないのか、私どもでは何ともわからないことでございますので、ちょっとお答えのしようがございません。
○諫山博君 二千万円のパーティー券のうちの千五百万円相当分は出席しなかったとなれば、どうなりますか。
○政府委員(浅野大三郎君) 具体の事例に即して仮定を置いてお話しすることは私適当でないと思いますので、一般論としては先ほど考え方を申し上げたとおりでございます。
○諫山博君 外務大臣に質問します。
 この間、中曽根前首相が記者会見をして、三台目のスーパーコンピューターについて触れました。このときに中曽根氏が示した新聞紙は三台目の証拠にはなり得ないということを当委員会で外相が言われましたけれども、それ以外に何か中曽根氏から三台目だということを証明する証拠の説明がありましたか。
○国務大臣(宇野宗佑君) 三台目ということは、つまり五月のレーガン・中曽根会談においてNTTが一台買うであろう、そのNTTは何台目かということが衆参両院においていろいろと議論されまして、外務省は、その当時の文脈から申しまして、それは三台目に該当するということを申したまででございまして、中曽根前総理が記者会見で申されたのは、日経新聞を一つの背景として説明なさった。だから当委員会において、それは三台目に当たるかどうかという議論がございましたし、また質問がございましたが、日経新聞からは直ちに三台目ということはないと、こういうふうに私がお答えしたわけでございまして、外務省は、今申し上げましたとおり、会議録等々のことから三台目であると、この外務省の考え方には変わりないわけです。したがいまして、そのほかで前総理から直接そういうことを私じかには伺っておりません。
○諫山博君 中曽根前総理はまだ証人として喚問されていませんから中曽根さん自身に聞くわけにはいきませんけれども、もっと物的な資料が出せないんでしょうか、あなたが中曽根さんを代弁されるような役割を果たしてこられましたから。もっと三台目だということを証明する物的資料は出せないのかということです。
○国務大臣(宇野宗佑君) 今、代弁とおっしゃいましたが、いやしくも私は外務大臣でございますから政府のことに関しましてはいろいろお話をいたしますが、たとえ同じ派閥に属するとはいえ、そうした代弁をした覚えはございません。それははっきりいたしておきます。
○諫山博君 問題になっている日米首脳会談の会議録は残されていますか。
○国務大臣(宇野宗佑君) もちろん会議録は残っておりますが、こうした首脳会談の会議録は外部に発表しないというのがおきてとなっております。
○諫山博君 会議録を発表するかどうかという問題ではなくて、スーパーコンピューターの問題に触れてありますか。
○国務大臣(宇野宗佑君) スーパーコンピュー夕ーの機種については触れてございません。しかしながら、その当時の文脈から推して、それが三台目のクレイUであるというふうに私たちは衆参両院の委員会で終始そのことを申し上げてきたわけであります。
○諫山博君 法務省に質問します。
 高石氏が――もう今、氏はつけなくていいですね。高石が逮捕されています。高石の逮捕状の被疑事実の中に、江副が各種委員等に選任されたという表現がありますけれども、各種委員等に選任されたことがわいろの対価となる根拠を説明してもらいたいと思います。
○政府委員(根來泰周君) 仰せのように、これは高石氏が被疑者として逮捕されておりまして、勾留されてその被疑事実でございまして、これからその職務関係について捜査をするわけでございますから、根拠というのは私どもただいま申し上げるわけにはまいらぬと思いますけれども、被疑事実の要旨といたしましては、生徒宅への情報誌の配本について、高等学校職員が回生徒の名簿等を収集するなどの援助を行っていること等に関し便宜な取り計らいを受けた上、同事業遂行上有利である教育課程審議会等文部省主管の各種会議等の委員等に江副らが選任されるなど便宜な取り計らいを受けたことの謝礼の趣旨というふうに記載しております。
○諫山博君 委員に選任されたことがリクルート社の利益のために役に立つという前提での逮捕状ですか。
○政府委員(根來泰周君) その辺、正確に申し上げると、事業遂行上有利である教育課程審議会等各種会議等の委員等に選任されるなど便宜な取り計らいを受けた、それ以上のことではございません。
○諫山博君 江副が任命された委員というのは文部省関係だけではありません。当然その他の委員についても取り調べられていると思いますけれども、やはり同じような観点で調べているんでしょうか。
○政府委員(根來泰周君) 再々申し上げて御理解を得ておりますように、検察庁は、現在逮捕されている高石氏の話については公表しておりますが、そのほかの点については何も申し上げているわけではございませんので、その辺については私がいずれとも申し上げかねるところでございます。
○諫山博君 NTTの社長にお聞きします。
 ボランティア基金です。ボランティア基金がつくられた目的は何でしょうか。
○参考人(山口開生君) お答えいたします。
 ボランティア基金の趣旨につきましては、一般的に世の中のおつき合いの一つといたしまして、政治方面との儀礼的なおつき合いとか、あるいはボランティアの有志の皆さんが自分たちの仲間意識から身内の者を支援したい、こういった考えから相談し合いまして、ボランティア活動として資金カンパをしたものというふうに聞いております。
○諫山博君 その資金カンパは、主として政治資金とか政治家のパーティー券購入に充てるためではありませんか。
○参考人(山口開生君) ただいま申しましたように、儀礼的なおつき合いとか、あるいはボランティアの有志諸君が自分たちの仲間意識から身内の者を支援したい、そういうことというふうに聞いております。
○諫山博君 あなたもボランティア基金を出されたそうですけれども、何回、幾ら出されましたか。さらに、それが何に使われるという意識を持っていましたか。
○参考人(山口開生君) 私も応援したと思いますが、回数は二、三回だったと思っております。その先は、ただいま申しましたようなところに使われたと思っております。
○諫山博君 既に質問されていますけれども、例えばある自民党の議員に一億円出されたとか、あるいは中曽根派のパーティー券のために二千四百万円が使われたとか、こういう報道がされていますけれども、その事実はつかんでいますか。
○参考人(山口開生君) 先ほども申しましたのですが、このボランティアの活動といいますのは、あくまでも有志の皆さんのものでありまして、会社のものとは全然違うという建前というか、そういうことでございまして、したがいまして私どもがこの有志の代表の諸君に聞いておるわけでありますけれども、あくまでも会社とは違う活動であるということで答えるのは差し控えさせていただきたいと、こう言っておりますので、私もまだ確認はとれておりません。
○諫山博君 調査委員会として調査したけれども、調査に協力してもらえなかったということですか。
○参考人(山口開生君) 今申しましたように、委員会として聞いたわけでありますが、その答えをしてくれないということでございます。
○諫山博君 電通協会報というのがありますけれども、この第四号には事業報告の第一に、「衆参同時選挙における支援活動」というのを挙げています。そして、その中で電通協がいかに活発に選挙運動を行ったか、そして、いかに立派な成果を上げたかということが真っ先に書かれていますけれども、御存じですか。
○参考人(山口開生君) 申しわけございません
が、私は知っておりません。
○諫山博君 あなたは調査委員会の委員長でしょう。公表されているこういう文書を御存じなくて、電通協とかボランティア基金の性格について説明されているんですか。
 さらに、今私が読み上げた会報の中には真藤前会長の発言も紹介されています。電通協は政治団体だと言っている。違いますか。
○参考人(山口開生君) 私、その内容を存じておりませんので、何とも私からコメントはできない状態でございます。
○諫山博君 こういう基礎的な資料を調べずに、公の場で電通協の性格をいろいろ説明するというのは無責任だと思います。
 カンパの呼びかけの文書がありますけれども、呼びかけ人は総務部電通協現役世話人、そして割り当てた金を送金したらその写しを総務部世話人雨宮あてに送付することというふうに記載されております。カンパを呼びかけている電通協現役世話人、あるいは写しの送り先である雨宮というのはどういう地位の人ですか。
○参考人(山口開生君) お答えします。
 世話人代表は現在、広野という社員、これは総務部の担当でございますが、これも有志から選ばれまして世話人になったというふうに聞いております。
○諫山博君 雨宮さんは。
○参考人(山口開生君) 雨宮につきましては、やはりNTTの社員でございまして、総務部の担当課長でございますが、広野と同じように、有志から選ばれた世話人の一人だというふうに聞いております。
○諫山博君 金集めはNTTの総務部が行う、そして、その金の一部は秘書課で管理している、秘書課で支出する、そういう仕組みではありませんか。
○参考人(山口開生君) 恐らく初めからそういうことを仕組んだのではなくて、世話人の中で代表を選んだ場合に、やはり総務部の人がそれに適任だということでなったのだろうというふうに思っております。
○諫山博君 金を集めるのは総務部、金を管理し支出するのは秘書課、この点はどうですか。
○参考人(山口開生君) 金の管理につきましては、全部有志でやっておると聞いております。
○諫山博君 郵政大臣に質問します。
 親睦団体などというのは表向きのきれいごとですよ。NTTが政治献金をやれない、そこでNTTの管理職の人たちが総ぐるみで政治資金を集めて、そしていわゆる郵政族のカンパの機関としてこれを利用している。さらに、新聞報道では、管理職がカンパした穴埋めとして時間外手当などを水増ししているという報道もされています。こういう疑惑が提起されているわけです。そしてNTTは、贈収賄の収賄側であると同時に、贈賄の役割も果たしたのではないかという嫌疑がかけられています。
 この問題について郵政省は、どういう調査をされ、どういう見解を持っているのか説明してください。
○政府委員(塩谷稔君) いろいろおっしゃいましたけれども、取りまとめて申し上げますと、私どもNTTから報告を受けております限りでは、今、話題に出ておりますボランティア活動あるいは全国電気通信協議会、電通協でございますか、こういった任意団体、民営化後のOBと現役との親睦を図る団体ということで、それぞれNTTとは別な形で任意に行われている活動というふうに承知しておりますので、別段何も問題はないのではないか。
 また、おっしゃいました深夜に勤務された云々ということについても、私どもはNTTから何ら報告も受けておりません。したがいまして、結論的に何ら問題はないのではないかというふうに考えております。
○諫山博君 郵政大臣は三月二十七日の記者会見で、公共性の高いNTTにパーティー券を売りつける政治家がいるのは遺憾だ、こう述べておりますけれども、そのつかんでいる実情を御説明ください。
○国務大臣(片岡清一君) 私は、かねてから選挙に金のかからない制度にすべきであるという考え方を持っておるものでございまして、一日も早く政治改革に取り組まれて、そうして、金のかからぬ選挙が実現するような方向にぜひ制度を改正すべきであるということを常に頭に思っておるものですから、そういう考え方からしてそういうことを申し上げたような次第でございまして、他意はございません。
○諫山博君 その記者会見は、NTTにたかりをする政治家がいる、遺憾だというふうに聞こえますけれども、違うんですか。
○国務大臣(片岡清一君) そんなたかりをしておるというような言葉は私は使った覚えはございませんし、そういうことを考えているのではなしに、一日も早く金のかからぬ選挙の実現をしたいなということを切に思っておるだけでございます。
○諫山博君 竹下首相にもう一回質問します。
 あなたは忍の一字ということを繰り返してこられましたけれども、何を忍耐しているんですか。どういう状況の変化を期待しているんでしょうか。忍の一字について説明してください。
○国務大臣(竹下登君) 私の方から忍の一字などと申し上げたことはございません。
○諫山博君 忍の一字という言葉ではまずいとすれば、耐え忍ぶというような態度を公式の場でも示されておりますけれども、国民は一日も早く竹下内閣が崩壊することを期待しているんですよ。これは世論調査の結果を見ても明らかです。世論調査の結果に対してあなた自身はどういう反省をしておられますか。
○国務大臣(竹下登君) 各世論調査の数字等につきましては、絶えず謙虚に自戒のもとといたしておるところであります。
 今、忍という言葉がありましたが、私の口からそういう言葉を使ったことはございませんが、強いて言えば、今のような質問があっても冷静に冷静にと、こういうのが忍ということなのかなと、こう思います。
○諫山博君 私は、竹下首相に関する問題としていわゆる三点セット、その提出、これは金の使い道を示す三点セットを示してもらいたい。
 同時に、青木元秘書、さらに福田氏の証人喚問を求めます。さらに中曽根前首相、さらに三人の秘書の証人喚問を求めます。
 この点、委員長、取り計らっていただけますか。
○委員長(初村滝一郎君) ただいまの件につきましては、理事会において協議をいたします。
○諫山博君 私は、竹下内閣が忍ということで居座れば居座るほど国民の不満は高まるし、支持率は低下すると思います。竹下内閣が一日も早く総辞職をする、そして国会を解散する、こういう措置をぜひ速やかにとっていただきたいと思いますけれども、最後に見解を聞かしてください。
○国務大臣(竹下登君) 総辞職も解散も念頭にございません。
○諫山博君 終わります。
○委員長(初村滝一郎君) 以上で諫山博君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ―――――――――――――
○委員長(初村滝一郎君) 次に、勝木健司君の質疑を行います。勝木君。
○勝木健司君 最近の世論調査によりますと、竹下内閣の支持率は一〇%台を低迷いたしておる。そしてまた、ある調査によりますと九%というかつてない異常値であり、歴史的に最低の記録であるということでありますが、そういった意味で、十人に一人も支持していないという民意に対して、竹下総理はこの支持されていない理由は何であり、支持率を回復するためには何をなすべきであると考えておられるのか、お伺いしたいというふうに思います。
○国務大臣(竹下登君) 支持率というものは、私が意識して回復するというようなものであっては
むしろならないじゃないかと思っております。結果を謙虚に受けとめ、みずから信ずるところに従ってみずからの身を処していくということによって、結果として支持率というものは出てくるものであろうというふうに思っております。
○勝木健司君 私は、今、国民が政治に対して求めているのは、やはりリクルート疑惑の徹底解明と政治倫理の確立であろうというふうに思うわけであります。
 そこで、リクルート問題、そしてまた政治改革について質問をいたしたいというふうに思います。
 このリクルート事件についての検察の捜査は大体いつごろまでかかるのか、四月中旬から下旬とも言われておりますけれども、そのくらいと見ていいのか、お伺いしたいというふうに思います。
○政府委員(根來泰周君) 検察事務の特殊性といいますか、こういうのは非常に予測することは困難でございます。
   〔委員長退席、理事田沢智治君着席〕
そういう意味で、雑誌なんかには四月いっぱいとか、連休明けとかいろいろ書いてありますけれども、本当のところを申し上げて私どももよくわからないのが実情でございます。
 ただ、今申し上げられるのは、高石氏の勾留期間が四月七、八日ごろに終わると思います。それでまた十日勾留が延びますと十七、八日ごろになる。その辺が一つのめどということは言えるわけですけれども、その後の展開とかその間の展開については何とも申し上げられないわけでございまして、その辺十分御理解をいただきたいと思います。
○勝木健司君 刑事事件としての捜査が終了した段階で、事件の全容についての中間報告というものを国会に対して行うことを法務大臣、約束していただけますか。
○国務大臣(高辻正己君) リクルート事件については現に捜査が進行中でございまして、その見通しが今も刑事局長が申しましたとおりに、ちょっと今のところつきかねる状態でございます。したがって、今からどういう時期にどういう内容で御報告ができるかという確信はございませんが、国会の要請があればその際に検討させていただきます。
○勝木健司君 リクルート問題についての政治的けじめとして、検察の捜査終了後、総理初め自民党首脳が国民に謝罪するということを言われております。その際、同時にまたリクルート株によって得た利益とかを福祉施設等へ寄附するなどの方法で社会に還元する方向だとも言われておりますけれども、総理、いかがですか。
○国務大臣(竹下登君) 今おっしゃいましたような対応の仕方というのにはいろいろな御意見があろうと思っておりますので、それぞれ意見を傾聴しておるというのが私の今日の段階でございます。あらかじめいつになったらこのようなことをしたいということを予告するというようなことは差し控えるべきものだというふうに思っております。
○勝木健司君 自民党としての政治改革の案については四月末までにまとめられるというふうにも伝えられておるわけでありますけれども、いつごろまでにまとめられようといたしておるのか、自民党総裁としての責任で答弁をいただきたいというふうに思うわけです。
○国務大臣(竹下登君) いわゆる俗称後藤田委員会というもので政治改革等について議論をいただいておるところでございます。私もしょっちゅうこれについては経過を聞かしていただいておりますけれども、私自身からいつごろというようなことを申す段階ではないというふうに思っております。
○勝木健司君 それでは、政治改革案として今国会中に実現しようと考えられておるのは何と何でありましょうかということで、具体的にお聞かせいただきたい。
 政治資金規正法による寄附者の氏名公表の限度額の引き下げはどうされるのか、あるいは政治家のパーティー規制の問題についての施策を講じられるのかどうか、あるいは選挙区への寄附行為の禁止について公選法に罰則を設ける方向なのかどうか、あるいは閣僚らの未公開株の取得の自粛、株の信託会社による運用などの構想はどう進捗しておるのか、あるいは衆議院の定数是正について一減一分割案というものは今国会でやる方針に変わりはないのかどうかということを含めて、簡潔にお答えいただきたいというふうに思います。
○国務大臣(竹下登君) 簡潔にということになりますならば、今御指摘いただきましたのがいわゆる短期、中期、長期というふうに分けた場合の短期的課題として集中的に議論をいただいておるさなかであるというお答えをすべきだと思います。
○勝木健司君 もう少し具体的にお願いできますか。
○国務大臣(竹下登君) 具体的にと申しましても、非常に一つ一つ申し上げますと長い長い時間がかかる話でございますが、端的に御指摘なすった点は短期的課題として注目しておることをそのまま御指摘になったというお言葉で御理解をいただきたいと思います。
○勝木健司君 何といいましても政治的けじめ、この最大のものはやはり中曽根前総理大臣の証人喚問であろうというふうに思うわけでありますけれども、竹下総理はいかなる理由でこの実現に賛成をされないのか、自民党総裁としての立場で御答弁をいただきたいというふうに思います。特に安倍幹事長は、刑事事件としての捜査が終了した段階では参考人という形でならという、そういうニュアンスでの発言をされておりますけれども、竹下総理はどう考えられておるのかお伺いしたいというふうに思います。
○国務大臣(竹下登君) 行政府の長であるという立場でここへ出ておることは事実でございますから、長い間私はそういう立場をとった場合においては、いわゆる証人喚問という問題はまさに国会でお決めになる問題で、行政府の立場からこれは論評すべき問題ではないということをまずは言わしていただかなければいけないと思っております。
○勝木健司君 この政治的けじめについては、たとえ捜査終了前であっても、せめて政治的けじめの項目とか手順だけでもやっぱり国民の前に明らかにすべきであるというふうに思うわけでありますが、このけじめをつける時期も含めてお答えいただきたいというふうに思います。
○国務大臣(竹下登君) いわゆる政治的けじめ、私の政治的けじめということにつきましては、きちんとそのけじめをつけました上で、先ほど来御指摘の政治改革の問題等を実行に移すという考え方を持っておるところでございますが、その時期がいつかということにつきましては私なりに熟慮してみたいと思っております。
○勝木健司君 次に、あすから導入されます消費税の導入についてでありますが、国民世論では、もう四月一日、あしたが近づけば近づくほど導入すべきではないという声が大きくなってきておるように思います。ある新聞社の調査でも、延期を含めますと八割以上が実施に反対を表明しておるということであります。我が党といたしましても、このような消費税に対しては一貫して反対してきたわけでありますけれども、あしたからの実施を前にいたしまして、政府は、国民にどのように今までのこの隔たりについて理解を求めようと対応してきたのか、お伺いをしたいというふうに思います。
○国務大臣(村山達雄君) いよいよあすから実施に入るわけでございますが、これ、何分新税でございますので、消費者の方々は一体どれぐらいの値上げになるのか、それから事業者の方はどれぐらい手数がかかるのかと、新税であるだけに非常に不確定要素が多いわけでございまして、もちろんこれは全面的に賛成だなどというわけはないと思います。
   〔理事田沢智治君退席、委員長着席〕
それからもう一つは、やはり今度の消費税というのが二兆六千億に上る減税の一環としてやられた
ということが残念ながら余り周知されていない。この両方の点からして、やはり余り評判がよくないんだろうと思うのでございます。
 しかしながら、しばしば申し上げておるように、旧来の税制というものが最近の社会情勢に合っていない、そしてまた将来を展望すればますます乖離はひどくなるであろうと、こういうことで、我々は自信を持って税制改革案を提案し、昨年通していただいたわけでございます。本年一月から総理を本部長といたしまして、この円滑かつ適正な国民経済への溶け込みを目指しまして懸命にやっているわけでございます。
 したがいまして、この実施になりましても、なお暫定期間もあるわけでございますので、懸命になりましてこれが円滑に国民経済に定着するよう最大限の努力を尽くしてまいりたいと思っています。
○勝木健司君 消費税の公共料金への転嫁についてでありますけれども、各地方自治体の転嫁見送りあるいは先送りが相次いでおるようでありますけれども、自治省としてその実態について把握しておられると思いますけれども、数字をもって明らかにしていただきたいというふうに思います。
○政府委員(津田正君) 地方団体の使用料あるいは料金関係、ほとんどが条例で規定されておりますので、条例を提出して、今、議会の審議を受けておる最中でございます。
 私ども、市町村はまだつかんでおりませんが、県の状況を申し上げます。
 普通会計関係につきましては、四十七都道府県中四十一団体が四月一日から使用料等の改定等により消費税分の転嫁を行うとしております。ただし、一部の団体は使用料等のうち実施時期が四月以降となるものがございます。他の六団体は四月一日からの使用料等の改定を見送ると、こういう状況でございます。
 公営企業関係について申し上げますと、都道府県の代表的な例として上水道事業、これは上水道事業を経営しております二十六団体中二十三団体、それから工業用水道事業におきましては四十団体中三十九団体が消費税の転嫁のための料金改定を行うこととしておるような状況でございます。
○勝木健司君 今、都道府県レベルの話でありますが、市町村ではもっと違う状況にあるんだろうというふうに思われます。転嫁先送りあるいは見送りというのが相次いでいるのは、やはりこの消費税については欠陥に満ちておる、地域住民からも支持されていないという判断をしたからであるというふうに思われるわけでありますが、大蔵大臣、いかがでありましょうか。
○国務大臣(村山達雄君) この税が基本的に間接税である、こういうことがよく理解されているのかどうか、そこが非常に問題だと思っております。したがいまして、財政局長が言っておられますように、今、懸命に指導の最中でございます。一日も早くその指導が有効に実現されることを望んでいる、こういう状況でございます。
○勝木健司君 自治大臣にお伺いします。
 各都道府県と政令指定都市等に対し改めて転嫁をするよう通達を出されたようでありますが、消費税反対という地域住民の声を代表した自治体のそういう決定に対し、国が介入するというのは地方自治の精神というものを踏みにじるものであるというふうに私は思うわけでありますが、それについての見解を求めたいと思います。
○国務大臣(坂野重信君) お答えいたします。
 本会議でもお答えしたとおりでございますが、自治省は二つの面がございまして、一つは、事業者としての立場で税金を納めなきゃいかぬ、三%。それからもう一つは、やっぱり公的な立場で指導的な役割があるわけでございまして、そういう環境整備をやっていかなきゃいかぬ。そういうことでございますので、私どもは、別に地方自治権を侵害するということじゃなくて、そういう法の精神にのっとって極力ひとつ国の方向に協力していただきたいということで今日までやってきたような次第でございます。
 先ほど局長が答弁いたしましたけれども、一部、特に都道府県等については、全部じゃございません、一部でなかなか四月一日からできないというところがございますし、市町村はまだ集計しておりませんが、これもその一部についてやはりすぐにできないという面はございますが、地方の自治体と接触を十分保っていきながら、できるだけ早い機会にひとつ何とか協力していただくようにそういたしませんと自治体自体が困ってくるわけです。転嫁しませんとその分だけ、特に地方公営企業についてはいろんな面で予算をやりくりして三%を国庫に納付しなきゃいかぬということになってまいりますと、地方財政的に言うとそれだけマイナスになってきますので、自治体自体が自分で首を絞めるということになります。
 したがって、できるだけ早い機会に国の方向に協力していただくように、これからも十分いろいろ、今度は四月一日になってまいりますので、地方公共団体の実情というものを詳しくお聞きして、ひとつじっくり懇談してまいりたいと思っている次第です。
○勝木健司君 時間の関係で次に進ませてもらいますが、一円玉の問題であります。
 消費税の導入により、一円硬貨が大幅に流通するんじゃないかというふうに思われます。小売段階でつり銭不足が生じるのではないかという不安の声が高まっておるようでありますが、造幣局では今フル稼働で生産中であるということであります。追加生産分を含めて、不足することなく流通し、混乱することはないというふうに考えられておるのかどうかお聞きをしたいということと、一円硬貨のつり銭切れが発生をしたということで消費税をいただくのに支障を来した場合、どういうふうにしたらいいのか教えていただきたい。
 ある大学生協などでは、一円硬貨不足に対応するための私製一円札を発行すると決めたらしいということでありますけれども、大蔵省がこれを法律に違反するということでストップをかけているということでありますけれども、事実かどうかお伺いをしたいというふうに思います。
 そういうことであるならば、通貨発行当局としてどのように行政指導、あるいは混乱のこういう問題について責任をとられるのか、あわせてお伺いをしたいというふうに思います。
○政府委員(足立和基君) 消費税導入に伴いまして、一円貨不足というような事態で国民生活に支障を来さないよう最大限の今努力を払っているところでございます。
 具体的に申し上げますと、まず供給面でございますが、六十三年度では十三億枚予定してございましたが、さらに二億枚追加供給するということにいたしてございます。この数字は、実は、過去三年間の平均七億四千万に対しましてほとんど倍増というような数字でございます。その結果、この三月中に市中に供給されます一円貨の数量でございますが、昨年は五千七百万枚実は市中に供給をいたしてございます。それに対しまして、三月本日までで約五億枚、けたが一つ違うほどの大量な一円貨を市中に供給する予定でございます。さらに、元年度に入りましても、四月以降、一円貨の生産につきましては前倒しの生産を行い、十分な必要量を確保したいと考えておるところでございます。
 以上が供給面の問題でございますが、配分につきましても、できるだけ中小企業等細かいところにも一円貨が行き渡るように十分配慮をし、日銀を通じまして、金融機関窓口における一円貨の需要の対応についてもきめ細かい指導を行っておるところでございます。
 なお、付言いたしますと、現在一円貨の市中に対します供給残高が約二百八十億枚ございます。この数字は、国民一人当たりにいたしますと約二百三十枚弱になりますので、四人家族という家庭を考えますと、一家庭当たり九百枚というような一円貨があることになっておるわけでございまして、私ども、一円貨の絶対数量といたしましては十分過ぎるだけのものが実はあるのでないか、現在の不足感というのは、あすからの消費税導入に
備えましていろいろな事業者が一円貨を保留しておる、こういうところに問題があるのでないかなと考えておるわけでございます。
 それから神戸大生協の点につきましては、私どもも新聞によって初めて事実関係を知りました。この問題につきましては、やはりこのような通貨類似のものは、通貨秩序維持ということを目的といたしました紙幣類似証券取締法に抵触するおそれがあるのでないかということで、私ども現在、発行者に対しましてこの中止というものを要請しているところでございます。
○勝木健司君 どうも事業者の実感と当局のお話とはちょっと違うような感じがいたしますけれども、時間の関係で次に進ませていただきたいと思います。
 消費税の導入をあしたに控えて、便乗値上げとか先取り値上げというものが目立ってきたという声をよく耳にするわけであります。経済企画庁あるいは公正取引委員会は、この便乗値上げ、価格カルテルを監視すると言っておられますけれども、幾らの値上げたったら便乗値上げとみなすのか。また、一部の便乗・先取り値上げの状況をどのように考えられておるのかお伺いしたいということと、経済企画庁は、この消費税導入による物価上昇に与える影響をどのように推定されておるのか。
 同時に、公取委員長、監視を強化する、あるいは厳正に対処をしていくと言われておるわけでありますけれども、この監視をした結果、具体的にどのように行政指導されていくのかお聞かせをいただきたい。定期的に、どのような状況であるかを国民にやっぱり提示すべきであるというふうに思うわけでありますので、あわせてお答えいただきたいというふうに思います。
○国務大臣(愛野興一郎君) まず、便乗値上げをどのような基準でとるかという御趣旨の問題でありますが、委員御承知のように、個々個々の商品、サービスは、それぞれの需給の動向、あるいは日々月々の商品の仕入れの問題、それからまたシーズン、シーズンオフと言われますが、そういう季節の変動等によって、この価格自体が個々個々によって違うわけでありますから、一概にどれが便乗値上げという基準というものはなかなか難しいと考えております。
 しかしながら、あえて申し上げれば、消費税の導入を理由として、ほかに確たる何の理由もないにもかかわらず、三%を超える値上げをする場合には便乗値上げのおそれがある。それから、物品税等既存間接税の廃止等により税負担が軽減される商品、サービスについても、その軽減分が価格に反映されなければ、また反映されるどころでなしにさらに消費税を理由に値上げになれば便乗値上げである、こういうふうに考えられると思うわけであります。
 そういうわけでありますから、私どもといたしましては、価格動向の調査、監視に際して事業者側の事情をもよく聴取した上で、なお納得のいかないものにつきましては便乗値上げの可能性が強いと判断をいたしまして、事業者なり関係各省庁に協力をお願いしていく、こういうふうにいたしておるわけであります。
 それから、経済企画庁といたしましては、消費税の物価要因一・二%ということを発表いたしておるわけでありまして、今後のいろいろな為替動向やあるいは原油あるいは春闘のあり方等々ももちろん見ながら、一・二%以上を押し上げないように機動的また弾力的に配慮をしていかなければならぬ、こう考えております。
○政府委員(梅澤節男君) 便乗値上げの問題につきましては、公正取引委員会としてやらなければならないことは、それがカルテルによってそういう行為が行われた場合に、これは当然所要の措置を講じなければならないわけでございます。
 今、導入前の問題と四月一日以降、あす以降の問題とを分けておっしゃったわけでございますけれども、きょうで三月が終わるわけでございますが、消費税が始まります前の段階で仮にカルテルによる値上げが行われたと、公正取引委員会として所要の措置を講ずべきものと認められる場合には、できるだけ早く措置を講じたいと思っております。それから四月一日以降の問題につきましても、当然のことながら、そういった便乗カルテルの情報に接しました場合には、これもできるだけ早期に手を打つということで、今、内部体制を整えております。
 仮に、そういうことがないことを私どもは期待いたしておりますけれども、必要な措置を講じました場合には、排除措置を講ずるのはもちろんでございますけれども、それに至らない場合でも、地域が広範に及び消費者の非常に関心が寄せられているような問題については、その措置のてんまつについて公表いたしたいと考えております。
○勝木健司君 物価上昇は一・二%だろうということでありますが、極論でありますけれども、一・二%を超えたらやっぱり便乗値上げとかということがあるんじゃないかというふうに思われるわけでありますが、これについては時間の関係で回答は求めません。
 次に進ませていただきたいと思います。
 同じく公取にお伺いしたいというふうに思いますが、外税、内税表示については各業界の判断に任せるということでありますけれども、その決定に従わない加盟企業が今ぼちぼち出てきておる、各地方自治体のああいう状況も見ながら、そういう従わない状況になっておるということでありますけれども、こういう状況について公取はこれを認めておるのかどうかということであります。認めておるということであれば、消費者であります国民に要らぬ混乱とか不安を抱かせるもとじゃないかというふうに思うわけでありますが、見解を求めたいというふうに思います。
○政府委員(梅澤節男君) 今回の消費税の施行に伴います表示の問題につきましては、基本的な考え方は、消費者に提供される価格情報に混乱が起こらないように、つまり税額分が入っているのか入っていないのかわからないような価格表示を避けていただくというのがポイントでございます。その場合に、俗に外税方式をとるのか内税方式をとるのか、これはやはりそれぞれの商品なり業種業態の対応にお任せするのが一番市場の実態に合っているだろうという考え方は現在も変わっていないわけでございます。
 まず、現在いろんなカルテルが出てきておるわけでございますけれども、表示カルテルで見ますると、九割以上、大部分は外税方式でございます。ただ、例えば生鮮食料品の小売専門店のような場合、これは毎日仕入れ価格が変動する、その結果、毎日値づけが変わるわけでございまして、そういったものに一律に外税の表示を強いてやってもらうという必要もございませんし、消費者もそれは税込みの価格であるということでの買い物は早急に定着すると思いますので、それはそれでやはり各事業者なり業種の判断に任せていくということで私はよろしいのではないかと考えております。
 それから、あとおっしゃいましたのはどういう問題でございますか、公共団体の……
○勝木健司君 いや、要するに外税と内税で今言われたそれで大体いいんですけれども……。
 私は、やっぱり外税か内税かということで業界があるいは地域が決めたんであれば、それで公取もきちっと指導していただくということが大事だろうというふうに思うわけであります。
 最後になりましたけれども、我が党は、消費税をやってみて問題があれば見直しをさせるとの、そういう趣旨の条項を改革法案に盛り込んでいただいたわけでありますけれども、この条項を忠実に守るということで、転嫁ができなかったりあるいは便乗値上げが行われたり問題が発生した場合は、直ちに簡易課税や限界控除制度あるいは免税点などを含めまして、さまざまな問題を含んでおりますこの消費税の仕組みそのものを見直すべきだというふうに考えるわけでありますが、この見直しの時期を含めて明確に答弁をいただきたい。
 またさらに、あわせて半年間の弾力的運用についてでありますが、場合によっては、凍結も含め
この期間の延長ということも、状況に応じて半年間ではなしにこの期間をもっと延長するということも必要であるというふうに思うわけでありますけれども、見解を求めたいというふうに思います。
○国務大臣(村山達雄君) 見直し規定は十七条第三項に与野党の協議の結果入れてもらったわけでございます。政府といたしましては、あの規定の趣旨を十分尊重して、この新税がどのように定着するであろうかということを見守っていきたいと思います。これからの話でございますので、その状況を見て自後の適切な対処を考えたいと思っております。
 弾力的運用につきましては、これは二項の方に入れていただきまして、それぞれ七項目にわたる所要の措置を講じたところでございます。したがいまして、やはりこれから税の計算、納付手続等については少なくとも九月末までは余裕があるわけでございます。そして、その間におきましては加算税は取りませんと、こういうことを言っているわけでございます。
 その後どうするかと、こういう話でございますが、それだからといってすぐ反対解釈でやるようなことはいたしません。やはり何といっても定着が第一でございましょう。したがって、気持ちとしては指導あるいは相談、こういったものを中心にしていくことは違いございません。その間、便乗値上げがどれぐらい出るか、こういう問題、あるいはいろんな不法カルテルがどれぐらい出るか、独占禁止法あるいは下請代金支払遅延防止法違反がどれぐらい出るか、こういったこともあわせ考えながら、その弾力的運用の九月以降の問題についてはそれも頭には入れておくと、このようなことでやってまいりたいと思います。
○勝木健司君 もう時間が来ましたので、残りの分は次の機会に回したいと思いますので、よろしくお願いします。
 ありがとうございました。
○委員長(初村滝一郎君) 以上で勝木健司君の質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
○委員長(初村滝一郎君) 次に、野末陳平君の質疑を行います。野末君。
○野末陳平君 政治改革についての質問をしたいと思っていたんですけれども、消費税の方に変えさしてもらいますので、総理、大蔵大臣、よろしくお願いします。
 新税は悪税と言われるし、しかも、これは我が国で初めての税ですから、多少の混乱はやむを得ないと思っているんですが、それにしても予想以上なんですね。しかも、その混乱とかあるいは不公平という観点からの拒否反応のようなものが、この消費税の持ついわゆる精緻さを欠く部分、まあ世間では欠陥ですね、そういう部分に根差すだけにほうっておけないと、そういうふうに私思います。
 そこで、いずれ見直すということでなくてもう即刻、実施する前から欠陥があらわになっているんですから、今や、多少の混乱はいずれ定着するとしても、その制度の持つ致命的な欠陥はこれはもう早く、一年目でもいいからすぐ手直しすべきだ、そうしないとますます定着がおくれる、そう考えているんですね。
 そこで、これを前提にして総理と大蔵大臣に具体的に手直しすべき点を指摘していきたいと思うんです。
 まず第一は、免税の三千万というのは、やはりこれはまずかったと思いますね。本来五百万ぐらいかなと僕思うんですけれども、いずれにしても、これも大幅に引き下げるという方向で、一年目はいたし方ないとしても、至急その方向の見直しはすべきだと思います。どうですか。
○国務大臣(村山達雄君) これも結局実施してみませんと、その免税業者がどんな値づけをするかということにかかるだろうと思います。
 何しろ厳しい競争場裏における市場価格の形成でございますので、必ず三%まで持っていくのか、あるいは二・四%にとどめるのか、そういうことであろうと思います。そしてまた、免税業者もコストはかかることは間違いございません。したがいまして、マージンという問題だけでなくて、やはりコストの分もあるわけでございます。その辺のことを免税の人たちも自分たちのお仕事、御商売を続けていくにはやはりその間で選ぶだろうと思いますので、その状況を見て考えたいと思っております。
○野末陳平君 それはだから、免税業者がいるいないの問題じゃなくて、三千万円という線が、これがまずかった、これを大幅に引き下げなきゃおかしい、こういう質問だったんですね。
 それから二番目の欠陥で直すべきは、やっぱり簡易課税ですね。これも限界控除も含めてですが、やはりこれは、いわゆる猫ばば論ですね、税金がどこへ行っちゃうかわからないという部分と、もう一つは新しい形の下請いじめみたいなものですね。この二つが、それほどは予想しなかったんですけれども、非常に露骨に指摘する一般の人が多い。やはりこの簡易課税というのは廃止の方向だと思いますね。これも本来は九月末まで届けを出さなくていいわけですから、こちらの方は。ですから本当は速やかにと言いたいところなんですが、どうでしょう、これも廃止の方向であるべきだと、当然ですと。
○国務大臣(村山達雄君) 今、野末委員が指摘されましたが、どちらかといえば簡易課税の方があるいは問題かなという感じはいたします。ただ、各国みんなこの制度はあるわけでございますが、日本のやつが少し高過ぎやせぬかと、この御指摘だろうと思うのでございます。
 これも答えから申しますと、その状況を見るということに尽きるわけでございますけれども、趣旨はもう御案内のとおりでございまして、もしそれをやめたとすれば、相当のコストはかかるということは当然のことでございます。その辺を見ながらやはり考えてまいりたいと思います。しかし、問題はむしろこっちの方が少し大きいのかなという感じがしております。
○野末陳平君 確かにそうだと思うものの、これはことし過ぎて来年の申告時にまた問題が具体的にいろいろ出てくると思いますのでね。しかし、欠陥がわかっている以上はやはり早い見直しが必要だと、そういう意味です。
 それから三番目です。これはもうすぐにというわけにはいかぬでしょうけれども、やはりこの帳簿方式もいずれあいまいであるという欠点が出てきて、きちっと税額票をつけるという本来の方式に持っていくというのがいいかなと。ただし、コストがかかったりいろいろなまた煩雑な手間を業者が嫌がるとかいうことはあるでしょうが、どうも今回業者に配慮し過ぎて、ちょっと甘過ぎて、それが逆手にとられているというような、そんな気持ちもあって、この税額票をつける方向、インボイス方式というか、そちらへ移行する検討が当然だろうと思うんです、少し時間はかかるにしても。これはどうですか。
○国務大臣(村山達雄君) これも、同じ付加価値税でおりながら帳簿方式というのは日本で初めてでございます。これも野末委員もう百も御承知のように、法人税、所得税に非常になれているものでございますから、やはり法人税、所得税の記帳をそのまま、ちょっと直せばいいようにというので考えているのでございます。税額票発行方式の一番いいところは、相互牽制作用が働くということでございましょう。それがなくなるということはよくわかっております。しかし、それはそれなりにまたメリットがあるわけでございますので、この辺も施行の状況を見まして慎重に対応してみたいと思っております。
○野末陳平君 それから、非課税が多過ぎた売上税と、それからかなり絞られた今回の消費税ですが、どうもやはり食べ物などの生活必需品のようなものはゼロ税率にでもしておくというか、そういう配慮をやはりしなきゃならないんじゃないかなという気がするんですが、これについてはどうですか。
○国務大臣(村山達雄君) いや、この点は残念な
がら野末委員とは大分違う意見を持っております。
 これは要するに、この税は結局は物価高という形であらわれるわけでございまして、もし転々流通する物に対して非課税を設けますと、これは大変なことになるだろうと思います。そして、特にゼロ税率を採用するというようなことになりますと非常に煩雑であり、かえって悪いのじゃないかと。ECの統一指令でもゼロ税率はやめるべきである、こういうことを英国に言っているということも御承知のとおりでございます。
○野末陳平君 今の点は、まさにこの定着の様子を見てまた考え直さなきゃいかぬと思います。
 そこで総理、とりあえず四点指摘して、これがいわゆる制度の精緻さを欠く部分であると、しかもこれがまさに欠陥税制と言われて混乱を来している、不公平感をまた増大さしていると、そういう受けとめ方を私しておりますので、どうでしょうか、速やかなる改正でこの中のどれから総理、お始めになるべきだとお考えですかね。お願いします。
○国務大臣(竹下登君) 今おっしゃいました最初の三つの点、これはむしろ手続が面倒になりはしないかという懸念に対応した施策がもたらした精緻さを若干欠く部分、こういうふうに三つは言えるのかなと思います。四つ目の問題は少し角度は違います。
 その三つの問題につきましては、それこそ先ほど来大蔵大臣のお答えございますが、いずれにせよ明日から実行されるわけでございますから、そうした意見があるということは十分承知の上で、まずは暮らしの中に溶け込む努力を重ねて行っていくということが今のところ一番大事なことじゃなかろうかなと思っております。
 その三つについての精緻さの欠く点の順番をつけろと、仮にこう言われましても、ちょっとその能力は今日持ち合わせておりません。
○野末陳平君 それでは最後に、今度はお願いをしておきますが、今見られる限りでは、三千万以下の免税業者の特に内税をとるようなところの便乗値上げが非常に多かろうと思いますね、食べ物店などを初めとして。ですけれども、この便乗というのがどこでそう決めるかがまた非常に難しいので、簡単な指摘をするのはいけないかもしれませんが、少なくともこういう便乗値上げと思われるような点を含め、いろいろな苦情とか情報とかいうものが消費者から寄せられなきゃいけないわけですね、それが我々の勉強になるわけですから。
 ただ、そういうどこへ電話したらいいんだ、どこ入相談したらいいかというのがやはりちょっとあるんですけれども、いつもはお話し中だったり殺到しておりますからね。私、思いますのに、苦情の窓口というのを各税務署ごとに少なくとも一本、地方自治体に一本、もうきちっと地元でもって速やかに、来週の月曜日からでもそれを設けてあげて、まず全部受けるという形にしないと、中央で受けて答えを言ったって、はるか離れたところの問題を建前でお役所で説明してもこれは意味ありませんよ。ですから、地元ですぐに同じ地域の中で苦情相談を受ける、そういう窓口を至急設けたい、設けるべきだと、そう思いますよ。それだけお願いしておきますが、いかがでしょうかね。
○国務大臣(竹下登君) その問題、野末さんがそういう意見を持っていらっしゃること、十分私も承知しておりまして、きょうまではいわば準備段階、いろいろな相談窓口があるわけです。土日、これは御努力いただいて、地方自治体にまでの強制はできませんでしたが、管理職の皆さんに出かけていただいて聞けるようにしようと。それから、月曜以後の問題につきましては、今、税務署とおっしゃいましたが、それぞれに業種によって行く窓口が今までやはり密接な関係があるだけにかなり広範にわたるわけです。
 そこで、目下のところはとにかく、それですぐたらい回しするような状態だけは絶対に避けよう。そこで、それは陸運局の窓口で聞いてくださいとかいうようなことを税務署で言って、たらい回しになるとかいうことだけはやめて、よしんばそこで即座に答えられないことがあっても、その相談を受けた人が電話して消化して、その場で説明ができるようにしてその窓口が機能するようにしようということを先般来も議論して、そういう方向で今日体制をとりつつあるということでございます。
○野末陳平君 わかりました。
○委員長(初村滝一郎君) 以上で野末陳平君の質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
○委員長(初村滝一郎君) 次に、喜屋武眞榮君の質疑を行います。喜屋武君。
○喜屋武眞榮君 竹下総理、私がきょうこの委員会で総理にお目にかかるのは、税制六法案を審議していた暮れの十二月二十一日以来のことであります。総理、あの日午後六時五十八分、混乱した議場を御記憶でしょうか。全国のNHKを通じて夕げの支度をするお茶の間のテレビに、また街頭テレビに映し出された瞬間をです。欠陥だらけの消費税法案について、その未解明部分を解明し、リクルートの疑惑究明を行っている質疑の最中に、自民党の多数の力をもって審議を打ち切り、小会派の発言権を奪う行為は、まさに良識の府としての参議院の自殺行為であり、議会制民主主義の破壊であります。
 今、日本は、史上最低の内閣支持率のもとで消費税が四月一日、あすです、実施されようとしております。その消費税は、リクルート疑惑の前中曽根内閣の公約違反と現竹下内閣による連続する強行採決によって生まれたものであります。
 総理、あなたの党に所属する多数の議員によって私の質問権を封殺するという暴挙に対し、参議院の存在理由である小会派の発言権を守る立場からも、私は今改めて厳重に抗議したいと思うが、竹下総理の率直な所見を承りたい。
○国務大臣(竹下登君) 昭和六十三年十二月二十一日、私もこの場で、そして後からこの私の答弁を読んでみました。竹下登にしては、喜屋武委員に対する答弁というのは本当にいい答弁をしているなと自分で感心をいたしました。「まさに審議しつつ理解を求め、理解を求め審議して、今日に実りある議論が行われておることに対して、私は心から感謝を表しておるところでございます」と、このようにお答えをいたしておるところであります。その直後、「〔発言する者多く、議場騒然、聴取不能〕」と、こういうことになっているわけでございます。
 しかし、そのことにつきましては、国会の問題を行政府がコメントするということは長い間私はしない立場をとってまいりましたので、そのようにお答えをせざるを得ません。
○喜屋武眞榮君 余韻を残して次に移ります。
 次に、沖縄の米軍基地の整理縮小は政府の公約であるにもかかわらず、今、国頭村安波へのハリアーパッド建設が進められ、恩納村におけるグリーンベレーの訓練施設建設など基地が再編強化されていく現状にありますが、沖縄米軍基地の現状について総理はどのように認識しておられるか、所見を承りたい。
○国務大臣(竹下登君) 何たびか申し上げたことでございますが、日米安保条約に基づく米軍の駐留、これが我が国の安全及び極東における国際の平和と安全の維持に寄与しておる。しかし、これが日本列島全体を考えてみますときに、それが喜屋武委員の御出身地である沖縄にその比重がたくさんかかっておるということが、私はいつも我々が心して対応していかなければならないことであろうというふうに基本的に考えておるところでございます。
○喜屋武眞榮君 今や国際情勢は、INFの廃止、通常戦力削減の動き、中東、カンボジアにおける和平の動き、アフガニスタンのソ連軍の撤退、ソ連軍二十万人兵力削減と、新デタント情勢下にあるが、沖縄米軍基地の現状見直し、整理縮小、全面撤去へと、平和で豊かなふるさと沖縄づくりの実現に努力してもらいたいんですが、総
理、いかがでしょうか。
○国務大臣(竹下登君) 国際情勢の認識というものにつきましては、これもかねて申し上げております。米ソ首脳会談というものが進展を示し、一方、国際連合が本来の平和活動への能力を高めてきておる今日、大変喜ばしい環境が醸成されつつあると思っておるところであります。しかしながら、現実問題として今の状態を考えてみますと、やはりいわゆる軍事力の均衡の上に立った平和というのが基本的な土台になっておる今日、私どもはそういう流れの中にさお差しつつも現実を看過するわけにはいかない、このように考えておるところでございます。
 したがって、将来の問題についてもお触れになりましたが、我々としては、基地周辺住民の方々等の理解を求めつつ、日米安保体制というのが効率的に機能することは、やはり御協力をいただくべく努力をしなければならない課題だというふうに考えておるところでございます。
○喜屋武眞榮君 最後に、文部大臣に尋ねます。
 リクルート問題一連の動きは国民に政治不信を招き、特に日本の青少年に与える影響は重大であり、最近、道徳教育は文部省から、こういう世論の声も聞かれます。また、教育現場では教師が、おまえそれぐらいもわからないのかと、生徒に諭したら生徒が何と言ったか、秘書に聞いてくださいと、こういうことまでも現場で聞こえておるという、このことを文部大臣はどのように受けとめ、また何を反省しておられるか、明確に述べてもらいたい。
○国務大臣(西岡武夫君) お答えいたします。
 委員まさに御指摘のとおりに、今回の高石前文部次官の逮捕という大変な事態を招いたわけでございまして、文部省といたしましても子供たちの教育を預かるという立場から、まさに委員御指摘の教育行政についての国民の皆様方の信頼というものを著しく損ない、また教育現場においても多くの問題を引き起こしていることにつきまして、ただただ申しわけないという一言に尽きるわけでございます。国民の皆様方に深くおわびを申し上げる次第でございます。
 同時に、今後このようなことが二度と起こらないように、文部省全職員綱紀の粛正に徹してまいりたい。三月二十八日の日に緊急の省議を開きまして、私からもこのことを文部省幹部に強くお願いしたわけでございますけれども、委員御指摘の点を十分踏まえまして、今後の文教行政、国民の皆様方の信頼回復に向けて全力を挙げて取り組む決意でございます。
○喜屋武眞榮君 では最後に総理、総理は施政方針演説の中で「沖縄の振興開発のための諸施策を引き続き積極的に推進していく」と述べておられますね。その具体化についてお伺いいたします。
○国務大臣(坂元親男君) 喜屋武委員にお答えをいたします。
 沖縄の経済社会は、社会資本の整備を中心として着実に発展してまいりました。しかし、産業振興の問題を初め、雇用や水の確保の問題等たくさんの課題を抱えておりまして、政府といたしましては、四全総に示された来るべき二十一世紀社会にふさわしい国際交流拠点の形成、国際的評価にたえられるリゾート基地の形成及び特色ある産業の振興を図るという沖縄地方整備の基本的方向を踏まえつつ、水資源の安定確保、交通・通信体系、農業生産基盤の整備等の振興方策を展開して、第二次沖縄振興開発計画の目標の達成に向けてさらに努力をいたしたいと思っておるところでございます。
○国務大臣(竹下登君) 今、沖縄開発庁長官から方針について述べられたわけでございますが、それらの一つ一つの具体的課題につきまして、絶えず聞く耳を政府としては持ちながら具体的な対応をしてまいるということでございます。
○委員長(初村滝一郎君) 以上で喜屋武眞榮君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ―――――――――――――
○委員長(初村滝一郎君) 次に、青木茂君の質疑を行います。青木君。
○青木茂君 明日から実施されるかなり困難の多い消費税ですけれども、きょう少しぐらい凍結とか廃止とかいう方向が出るかと思いましたけれども、どうも出ないようですから、この問題に絞って御質問を申し上げます。
 まず、小さなことからいきますけれども、事業者の経理の場合、いわゆる税抜き経理ですね。税抜き経理の場合は、預かり金で処理して仮払い金で処理する、こういう指導がなされておるようですけれども、これは間違いございませんか。
○政府委員(伊藤博行君) お答え申し上げます。
 経理処理につきましては、先生御案内のように二つの方式を認める。その中で、今お話しの税抜きの場合には仰せのとおりの格好になろうかと思います。
○青木茂君 まず、預かり金、だれから預かったんですか。
○政府委員(伊藤博行君) 会計用語で預かり金という場合には、当該事業者がその他の者との関係ということで、だれということではなくて、その者ですね、当該事業者以外の者に対立する関係で預かり金処理というふうに御理解いただけるかと思います。
○青木茂君 消費税のことを聞いているんですよ。
○政府委員(伊藤博行君) 経理処理は、当該年度の終期におきましては最終的にはそれなりの整理をするわけでございます。したがって、ある意味では途中段階の記帳の仕方という甚だ技術的な問題でございます。
 したがって、先生のおっしゃるのは法律的にだれかということを述べろという御趣旨かと思いますけれども、経理処理の上における預かり金というものの性格は、あくまでも当該期末における最終決算する段階までの処理のことを申し上げておりますので、当該事業者とその他の関係という関係で観念するのが適当ではないかというふうに申し上げている次第でございます。
○青木茂君 易しいことを無理に難しくしているような感じがありますね。
 結局あれでしょう、消費者から消費税の目的で預かった、こういうことじゃないんですか。
○政府委員(伊藤博行君) いろんなケースを想定いたしますと、最終的には最終消費者に転嫁されるということを予定しているわけですけれども、この税は多段階でございます。したがって、事業者対事業者という関係もございますし、いろんなケースを想定しておるものですから、先ほどのようにやや抽象化した格好で申し上げました。
○青木茂君 それじゃ限定しましょう。エンドユーザーと最終小売という関係からいえば、だれから預かって何の目的だったんですか。じゃ限定しましょう。
○政府委員(伊藤博行君) 今のお話は、消費者と事業者という御設定でございましたでしょうか。――最終消費者に販売して、それから次の、途中段階ないとしての対税務署への関係ということであれば消費者というふうに申し上げていいのかと思います。
○青木茂君 どうも易しいことが難しくなっちゃうな。
 それで、おかしいじゃないですか。我々が税金だと思って納めたお金が、簡易課税、免税業者、限界控除、そういうものでもってそのまま国庫に行かないというシステムがあるわけなんですよ。税金だと思って納めたお金が国庫へ行かない、その国庫へ行かない部分はどうなるんですか。
○政府委員(尾崎護君) 免税事業者の場合から申し上げますと、これは免税でございますからそもそも税金がかかってないわけでございます。したがいまして、税金が途中でどこかへ行ってしまうという話ではありません。
 それから、簡易課税の場合で非常にマージン率が高い方の場合に、仕入れ八割というところと計算が合わないということがございます。もしその方が三%の値上げをいたしまして、そして簡易課税で納付をした場合には、納付税額が本来の方式で計算したよりか少ないということは生じ得ま
す。
○青木茂君 その少ない部分はどうなってしまうのかということを聞いているわけですね。
○政府委員(尾崎護君) それは、その事業者の方の考えによるわけでございますが、簡易課税を利用して税額を少なく納めてそれで済むということで、値上げを三%しない方がおられると思います。その場合には、いわば消費者の手元に残っているということでございます。そうじゃなくて、三%上げたというケースは、事業者の手元に残りまして事業者の利益の増になります。それは、したがいまして当然、法人税や所得税の対象になるということでございます。
○青木茂君 じゃ、預かり金じゃないじゃないですか。預かり金というのは、全部その目的でいかなきゃいかぬわけですね。
 本当はもっと徹底的にやりたいんだけど、時間が少ないからあれですけれども。
 いいですか、消費者が税金だと思って納めたお金、しかも業者が経理上預かったお金、それがたとえ一円でも国庫に入らなかった場合は、それはその消費者の財産権の侵害になりませんかな。
○国務大臣(村山達雄君) 今のお話を聞いていまして、これは本来間接税でございます。したがいまして、税革法の十条、十一条、これは全く異例の規定でございます。世界でこういう規定を設けたのは恐らくないであろうと思います。黙っておれば、間接税でございますから当然価格の中に入る性質のものでございます。しかし、これが初めてのものでございますのであのように書いて、適正、円滑な転嫁を望みますと。そしてまた、それについていろんなことを手当ていたしているのでございます。
 そこで、まず預かり金の問題でございます。ですから、法律的には完全に間接税でございますから、納税義務者は事業者になるわけでございます。ただ、その人の所得に対する課税、法人税もかかっておるわけでございますので、それを明らかにするその経理の仕方を問題にしているわけでございます。そのときには、経済的には預かり金的な性質を持っているから税抜きでやってもよろしゅうございますし、また企業会計原則が認めているように税込みでやってもよろしゅうございます。これを、単にそこのところを便宜の法則でどちらでもよろしゅうございますということを申し上げておる。これは、経済的性質に着目した企業会計原則上の選択として、便宜のために両方言っていると、こういうことでございます。
 それから、先ほど免税点の話はもういたしました。
 ただ、つけ加えて申しますと、普通でございますと、三%を上げるかあるいはコストに普通かかっている二・四%を上げるかという問題のほかに、何ほどかコストはかかっているんだろうと思うんです。実はその実施に伴うコストというのを見ていないわけですね。ですから、その辺は競争場裏の問題でございますから、それぞれ自分のコスト増の点も考え、そして今の三%と二・四%のその差額の問題も考えて、そして市場の中にいかに溶け込んでいくかというのは、まさに値づけの問題なのでございます。
 なぜそうやったかということは、もう言うまでもございません。やはり余りコストをかけますと、消費者にとってもそのコストアップからくる問題がありますので、そういう意味でやっているということでございます。大なり小なり簡易課税についても同じ問題があるわけでございます。
○青木茂君 私は、そういう数字の問題ではなしに、税の理念の問題を言っているわけですよ。税金が国庫へ行かない、このシステムが不明確だと言っておるわけですよ。税金というのは、元来性格としては国民の私有財産の一部侵害ですよ。しかし、国家維持にコストがかかるという公共性があるから認められているわけですね。しかし、昔の封建時代のように政府が勝手に決めて独善的に取ってはいけないから、法律できちんと決めて明快におやりなさいと、これが憲法八十四条の租税法律主義の趣旨ではないんですか。
○国務大臣(村山達雄君) この免税点それから簡易課税制度というのは、付加価値税をとっている国では大体いずれの国もやっているわけでございます。問題はその経路なのでございます。したがいまして、日本の場合は中小企業が非常に多いわけでございます。そういうところ。
 それから、売上税に関する全般の批判を聞きますと、あれは余りにも難し過ぎて、そして事業者にあれだけ負担をかけるからそれで反対が起きたんだと、こういうことを百業種以上の方はみんな言っているわけでございますので、まずは定着させるために今度のような措置をとったということでございます。
 なお、見直し規定も入っておりますので、我々は、実施状況を見て、そして今後あの趣旨を十分踏まえまして注視してまいりたい、こういうふうに考えているのでございます。
○青木茂君 私が申し上げているのは、民主主義の税法の基本である憲法八十四条、租税法律主義。租税というものは明確でなきゃならない。そんな、納めた税金が税務署へ行くか行かぬかわからぬというような不明確では困る。それから、法定税額はきちんと徴収されてきちんと国庫へ入らなきゃいけない。これが民主主義国家の租税法律主義だと、こう言っているわけですね。
 ところが、限界控除であるとか簡易課税であるとかいうのは、我々が納めた金が税務署へ行かぬ部分があると、これは極めて税金流通ルートが不明確であるということなんですよ。その不明確さが憲法違反ではないかというふうに考えている。しかも、我々の納めた金が税務署へ行かないというのは、国民の財産権のこれは侵害に通じて、憲法二十九条第一項ですね、「財産権は、これを侵してはならない」という規定にも違反してくる。二重の意味において憲法に抵触する疑いが濃厚であるんですよ。特に、財産権がもし一部侵害されるということになれば、国家の賠償責任の問題さえ出てくるわけなんですよ。
 重大な問題なんだから、これはきちんとしていただきたいわけなんですよ。
○国務大臣(村山達雄君) やはりそこで一番大事なのは、租税法定主義であろうと思います。したがいまして、租税法定主義に従いまして仕組みははっきりいたしているわけでございます。ただ、間接税でございます。しかも、こういう種類の付加価値税のような間接税でございますから、どこの国でも免税点あるいは簡易課税という制度が設けられている点をひとつ御注目いただきたい。これはやっぱり租税法定主義に基づいてやっております。問題は、間接税であるだけにその最終的な負担関係がどうなるかというのは、実は最後は市場が決めるわけですね。その点をひとつよく御理解いただきたいと思います。
 我々は、そういう点で便乗値上げがないように、また弱い者がいじめられないように、そしてまた事業者がそれをしょい込まないように、その適正かつ円滑な転嫁を理念的にうたっているのでございます。その点をひとつ御理解願いたいと思っております。
○青木茂君 私は、その租税法定主義に基づいて、税金の負担者から国庫へいくルートが不明確である、租税法定主義で一番重要なことは明確さということなんですよ。国民にみんなわかるということだと思いますね。
 ここでもう時間が来てしまって、わずか五分で議論をしていってもしようがないけれども、これは憲法にかかわる重大な問題なんですよ。だから、そういう意味において我々は、これは財産権の侵害で民事訴訟を起こして、そこでゆっくりひとつ議論をしてもらいます。訴状はできていますからね、ここに。その場合は被告は、申しわけないけれども、国家の最高指導者であり、それからこの前の採決なのか採決でないのか、ひどい混乱の中で行われたあの採決の与党の最高リーダーであった竹下登内閣総理大臣が被告で、原告は、非常に僭越ながら原告団の団長は私がやらせていただく。そういうことで、本当に今度は司法の場で憲法違反であるかどうかということはひとつゆっ
くりとこれは議論を、これは笑い事じゃないです、憲法の問題なんだから、まさに憲法の問題ですよ。ひとつそのときは総理も法廷の方へ出てきていただくという、逃げも隠れもしないぞという御決意を伺って、質問を終わります。
○国務大臣(竹下登君) ちょっと公判廷にはふなれでございますが、しかし私は、この法律が成立するまでの間、大蔵大臣であったわけでございますから、その職務は忠実に果たさなきゃならぬと思っております。
○青木茂君 相まみえましょう。
 終わります。
○委員長(初村滝一郎君) 以上で青木茂君の質疑は終了いたしました。
 これにて質疑通告者の発言はすべて終了いたしました。質疑は終局したものと認めます。
    ―――――――――――――
○委員長(初村滝一郎君) それでは、これより平成元年度暫定予算三案に対する討論に入ります。
 別に討論の通告はございませんので、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 平成元年度一般会計暫定予算、平成元年度特別会計暫定予算、平成元年度政府関係機関暫定予算、以上三案を一括して採決いたします。
 三案に賛成の方は起立を願います。
   〔賛成者起立〕
○委員長(初村滝一郎君) 多数と認めます。よって、平成元年度暫定予算三案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(初村滝一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
○委員長(初村滝一郎君) 次に、平成元年度総予算三案を議題とし、先般本委員会が行いました委員派遣につきまして、派遣委員の報告を聴取いたします。
 まず、第一班の報告を岩本政光君にお願いいたします。岩本君。
○岩本政光君 予算委員会派遣第一班の調査について御報告いたします。
 第一班は、初村委員長、野沢、近藤、勝木の各理事及び私、岩本の五名で編成され、三月十三日から十五日までの三日間、長崎、熊本両県を訪問し、九州の産業経済の動向、消費税に対する地方の状況、長崎、熊本両県の財政の実情を調査するとともに、地域の抱える問題に関し、関係者からの意見を聴取してまいりました。
 まず、産業経済の動向ですが、九州経済も昭和六十年九月のプラザ合意以来、輸出比率の高い造船、鉄鋼を中心に収益が悪化し、景気は足踏みをしましたが、円高メリットを受ける産業もあり、全体としてはうまく対応しました。そして、一昨年春の緊急経済対策や原油価格の低下、金利安、企業の自助努力から急速な景気回復が起こり、地域や業種にばらつきがあるものの、現在は、設備投資、個人消費等内需主導型の経済拡大が見られます。しかし、造船や産炭地を抱えた長崎県では回復のテンポがおくれぎみで、最近、松浦火力発電所や上五島石油備蓄基地の建設、豪華客船の発注などがあり、今後、経済の活発化が期待されております。
 次に、消費税に対する地方の状況ですが、税務当局は消費税の円滑な定着を図るため、積極的な広報、親切な相談、納税業者への適切な指導を三本柱に導入の準備を進めております。特に福岡管内では、四月までに三百四十回の説明会を予定し、熊本管内では、納税義務対象者九万一千人に説明会への参加を促すなどの措置を講じております。関係者によれば、転嫁及び便乗値上げに対する懸念は一般論として説明会等で表明されており、また地方自治体の中には、消費税を内部努力で吸収し、公共料金の引き上げを回避する事例も見受けられるとの説明もありました。
 長崎、熊本両県の財政状況ですが、いずれも昭和六十二年度決算は形式及び実質収支とも黒字であります。両県は、景気振興を図るため、投資的経費をふやす積極的財政運営を行っていますが、地方税収比率が全国水準をかなり下回るなど、国の財源に依存する割合が高く、財政力指数が低いことでも共通しております。長崎、熊本両県は、固有の特殊事情を抱えつつ、経済の活性化、財政基盤の強化に努めており、その観点からも九州新幹線の早期建設、九州横断道路の建設など、多くの陳情が国に対してなされました。
 最後に、長崎県商工会議所連合会会長中部長次郎君及び長崎県農業協同組合中央会会長緒方秀隆君より、地域の抱える問題について意見を拝聴いたしましたので申し上げます。
 中部参考人は、景気が回復基調にあるが、基幹産業の造船が低迷しており、経済の活性化が当面の課題である、このためには、経済の波及効果も大きい九州新幹線の建設や長崎空港の整備、都市再開発等のプロジェクトをぜひ実施されたい旨の意見を述べ、また緒方参考人より、農協も国際化の中での農業の確立を目指し取り組むが、国も米の自由化を阻止するとともに食管制度の根幹を堅持すること、足腰の強い産地づくりのための助成を強化し、農業基盤整備については地域の特性を加味した事業費の配分を願いたい旨の意見を述べられました。
 さらに、長崎県沖合の密漁問題を含め広く現地調査及び視察を行いましたが、その詳細は文書報告に譲らさせていただきます。
 なお、委員長の手元に詳細な派遣報告を提出いたしましたので、会議録に掲載していただきますようお願い申し上げます。
 以上で口頭報告を終わります。
○委員長(初村滝一郎君) 次に、第二班の報告を遠藤要君にお願いいたします。遠藤君。
○遠藤要君 予算委員会委員派遣第二班の調査結果を御報告いたします。
 当班は、名誉ある団長として遠藤、田沢、青木、対馬、中野の各理事の計五名で編成され、平成元年度予算の審査に資するため、三月十三日から十五日までの間、愛媛、香川の両県に赴き、四国財務局等の関係機関や両県の知事さんを初め地元経済団体等の関係者から意見を聴取するとともに、各施設を視察するなど、四国地域の産業経済動向、財政状況等について調査を行ってまいりました。
 時間の関係で内容は省略させていただきますが、詳細な調査報告書を委員長のお手元に提出いたしますので、本日の会議録に掲載するようお取り計らいをお願いいたします。
 以上でございます。
○委員長(初村滝一郎君) 以上で派遣委員の報告は終了いたしました。
 なお、ただいま両君から要請のありました報告書につきましては、これを本日の会議録の末尾に掲載することといたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(初村滝一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時二十二分散会
     ―――――・―――――