第118回国会 大蔵委員会 第3号
平成二年三月三十日(金曜日)
   午前十時開会
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  出席者は左のとおり。
    委員長         藤井 孝男君
    理 事
                梶原  清君
                田辺 哲夫君
                久保  亘君
                本岡 昭次君
                峯山 昭範君
    委 員
                石川  弘君
               大河原太一郎君
                斎藤栄三郎君
                斎藤 文夫君
                中村 太郎君
                藤田 雄山君
                宮崎 秀樹君
                吉川 芳男君
                赤桐  操君
                稲村 稔夫君
                鈴木 和美君
                前畑 幸子君
                村田 誠醇君
                和田 教美君
                近藤 忠孝君
                古川太三郎君
                三治 重信君
                下村  泰君
                野末 陳平君
   国務大臣
       大 蔵 大 臣  橋本龍太郎君
   政府委員
       大蔵政務次官   山岡 賢次君
       大蔵省主計局次
       長        寺村 信行君
       大蔵省主税局長  尾崎  護君
       大蔵省関税局長  瀧島 義光君
       大蔵省理財局た
       ばこ塩事業審議
       官        山口 厚生君
       大蔵省銀行局保
       険部長      大津 隆文君
       国税庁直税部長  福井 博夫君
       事務局側
       常任委員会専門
       員        保家 茂彰君
   説明員
       厚生大臣官房老
       人保健福祉部老
       人福祉課長    辻  哲夫君
       厚生省保険局企
       画課長      近藤純五郎君
       通商産業大臣官
       房審議官     庄野 敏臣君
       通商産業省通商
       政策局国際経済
       部通商関税課長  豊田 正和君
       自治省税務局固
       定資産税課長   成瀬 宣孝君
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  本日の会議に付した案件
○所得税法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○租税特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○関税定率法及び関税暫定措置法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
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○委員長(藤井孝男君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。
 所得税法の一部を改正する法律案、租税特別措置法の一部を改正する法律案及び関税定率法及び関税暫定措置法の一部を改正する法律案の三案を一括して議題とし、前回に引き続き質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○三治重信君 まず、一般的なことから入っていきますが、このたび中期財政運営のあり方についての財政制度審議会の報告を受けられて、大蔵省として、財政改革を進めるに当たっての基本的考え方というのは大体裏腹のようなことが書いてあるわけなんですが、どうもその財政改革の中身について具体的なやつがほとんどないんではないか、こういうふうなことを感ずるわけなんです。本当の財政改革の努力目標というのが、国債の発行を五%以内にするだけが基本的な目標で、そのほかの具体的な目標は何か考えられておるのでしょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 財政審の御報告というものを踏まえながら私どもは今このように考えております。
 一つは、財政はこれから先、高齢化、国際化の進展に伴う財政需要に適切に対応しながら、本格的な高齢化社会というものが到来いたす二十一世紀を見詰めて効率的な資源配分を行っていく必要があること。しかし同時に、今我が国は先進国中最高水準の国債残高を抱えております。平成二年度末の百六十四兆円という金額は、債務国全体の債務、約一兆一千億ドルと見込まれておりますが、それを超える金額と申しても過言ではありません。そうした数字を考えますと、極力高齢化社会が本格的になります前に大きな負担をなくすようにする努力が必要でございます。そして同時に、特例公債に依存しなければならないような事態を二度と起こさせてはならない、そのためには弾力的な財政構造というものを確立しなければなりません。
 今委員が仰せられましたように、まさに今後の中期的な経済運営に当たりましては、公債依存度の引き下げを図るということはまずやらなければならないことでありますけれども、同時に国債残高が累増しないような財政体質をつくる、そのためには特例公債の早期償還に努めるなどの努力を必要とするわけでありますが、国債残高が累増しないような財政体質をつくり上げることに努力すべきである、そのように考えております。
○三治重信君 そこで、公債依存度を五%引き下げるというのも結構ですが、やはり今おっしゃったような百六十四兆円という先進国の中で一番高い公債残高そのものを、毎年度の予算でなくて今国が持っている財産で償却するという計画が僕は必要じゃないかと思うんですが、その一つとしてNTTの株の売却が行われたわけですが、売却益が十兆円余あると言われているんですが、その中でどれだけ国債償還財源に見立てたのか。公共事業なんかに投資しておりますが、その投資した金額をいつ国債残高を減らす方に回す計画があるのか。また、日本たばこですね、これも売却計画がどういうふうにあるのか。百六十四兆円をできるだけ早くもっと少なくするという計画をお持ちかどうか。
○政府委員(寺村信行君) まず、NTT株式の過去の売り払い収入の内訳でございます。
 御指摘のとおり、全体で約十兆円になっておりますが、このうち、NTT無利子貸付事業に充てられていたものが約四兆三千億円でございます。したがいまして、約五兆七千億円が国債の償還財源に充てていることになります。それから、NTT無利子貸付事業の財源としまして、産業投資特別会計の社会資本整備勘定に繰り入れられました金額につきましては、後日、予算の定めるところにより国債整理基金に繰り戻すこととされておりまして、具体的にはそのときどきの経済財政事情等を勘案して決定されることとなっております。
 NTT株式の売却収入につきましては、財政審の報告でも触れられておりまして、国債残高累増抑制の観点から、NTT株式につきまして、「今後、売払収入が生じた場合には、」「その時々の経済情勢、財政事情、国債整理基金の資金繰り状況、NTT事業の財源問題等を総合的に勘案しつつ、特例公債の償還財源に充てるよう努めるべきである。」という報告がなされております。こういったことも踏まえまして、各それぞれの予算編成の過程で検討されていくこととなろうかと存じております。
○政府委員(山口厚生君) 日本たばこ産業株式会社の株式の売却の件につきましては、現在、たばこ事業関係者に不安を与えることのないように、会社の経営の実態あるいはたばこ事業の実態等を踏まえまして、慎重に検討を進めているところでございまして、平成二年度に売却を実施することは予定しておりません。
 現在、日本たばこ産業株式会社はたばこ消費の停滞という状況がございます。また、輸入たばこの販売シェアが非常に拡大をしている、こういう厳しい経営環境のもとで経営の合理化に努めておりまして、またたばこ事業における技術などを活用して新規事業の展開も図っております。こういう経営基盤の強化に向けて鋭意努力を重ねているところでございまして、この結果として株式が売却できる状況となることを期待しておる次第でございます。
○三治重信君 今は抽象的な規定を読み上げられたにすぎないんだが、この百六十四兆円という世界一の累積残高を具体的にどう国の財産を売却してどの辺まで減らすかという目標を立てぬと、いつまでもそういう、できたら減額するというふうな抽象的な規定だけでは具体的な努力が行われがたいというふうに思うわけでして、利子だけでも一般歳出の二割を超えるような状況になっているわけですよね、これを例えば半分でもまた四分の一でも減らす計画をやっていくというと元本をどれだけ減らさなくちゃならぬと、こういうことになるわけだと思うんです。そういう総合計画が立てられないと、こういう一番多い債務を持っている、債務を持っているということだけでは解決のめどが立たぬじゃないかと、こう思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 確かに委員の御指摘になるような考え方もございます。ただ同時に、先ほど御答弁申し上げましたように、赤字国債の発行はゼロにいたしましても、現在私どもまだ建設公債は発行をいたしております。そうなりますと、委員がお話しになりますようなところの前段階として、どうすれば建設公債に対する依存度を低下させ、累増にブレーキをかけるかということがまず先行すべきであろう、私はそう考えております。
 また、仮にもし委員の御指摘が、例えばたばこ産業でありますとか、あるいはJR株式の放出によりその放出益を全部償還財源に充てろという御指摘であるといたしますならば、私は本当に日本たばこ産業株式会社というものが一日も早く完全に民間企業として存立し得るだけの経営基盤を確立してくれることを願っておりますし、結果としてその株式が民間に売却できる状態であることを願っておりますけれども、その時点における完全民営化の対策に必要な経費というものも当然出てまいりましょうし、またJR株式の場合には、JR株式を放出いたしまして民間が買っていただいたそのお金は、国鉄清算事業団の長期累積債務の償還にまず充てていくわけでありますから、それは国債の償還に直接充てるという性格にはならないもの、そのように考えております。
 まず、やはり先ほど申し上げましたように各年度の予算としての国債依存率を引き下げること、また同時に国債残高の累増に歯どめをかけること、そこにまず焦点を当てて全力を挙げていかなければならない、私はそう考えております。
○三治重信君 それも必要でしょうけれども、結局国債利子が一般歳出予算の二割を超えるような状況でいけば、これを国の財産を売って国債残高を減らせば、この国債の利子で一兆円でも二兆円でも浮かせればそれだけ公共事業費にいくという格好にもなろうかと思うわけなんです。
 いずれにしてもこれは数字ですから、具体的な数字を百六十四兆円という、またこれを多くしないという方針は非常に結構ですが、その多くしないやつだけで維持していけばいつまででも国の歳出の二割も利子を毎年払っていかなくちゃならない、それをどれだけ減らすということによって各年度の財政も余裕が出てくるということではないかと思うんで、もっと具体的に、株式ばかりじゃなくても結構ですが、国の財産を売ってこれを処理するという大方針が立てられてしかるべきだと思うんですが、希望を述べておきます。
 それから次に、これはいろいろ今度の質疑でもたくさん出ているわけですけれども、歳入の見積もりというものが非常にここ二、三年過小評価で、非常な自然増収というものがあったということなんですが、これがそういつまででも続くわけではないことは事実なんですね。
 しかしひとつ、ただここでなかなか歳入見積もりを正確にするというのは、経済が相当大きな変動をする、予見せざる変動があるということを予想すれば、その自然増収をどう処理するかということが基本的にもう少し検討されていいんじゃないかと思うんです。それで私は、こういうふうな非常な自然増収というやつはやはり減税財源にひとつ基本的に充てていくということが、今後この財政に余裕ができたときに減税をしていくということで非常に必要なことだと思うんですけれども、そういう自然増収の処理の基本原則として、それが非常にたくさん出た場合には減税財源にするという方針はいかがですか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今歳入見積もりの誤りについての御指摘については、これはおわびを申し上げる以外にないわけでありますけれども、その上で、今後における歳入見積もりのプラスに誤った場合の、そこに生ずる財源は全部減税財源ということについては私は多少考えを異にいたします。
 先般の税制改革が今ようやく本格的に機能し出しておる状況の中で、当面私どもは新たな減税の考え方を持っておりませんし、また今、先刻委員がお述べになりましたような御見解から申しますならば、新たな財政需要等に対応する必要のない自然増収というものが大幅に発生をいたしました場合には、やはり私は既往の借金を減らしていくためにこれは使っていくことの方が本筋ではなかろうか。私はそう感じております。
○三治重信君 一般論はその程度にして、次に、租税特別措置法の改正の問題についてお伺いします。
 住宅取得促進税制で、今度また税額控除の年限を五年から六年にふやす、こういうふうなことが行われているわけなんですが、こういうのについては、これが拡大されればされるほど税務署に還付申告が非常にふえて、税務署の事務処理が本来税の徴収の方のやつが還付の方に仕事が非常にとられる、こういうのは立法上も考えてほしいようなことを私が税務署に申告へ行ったときに、ある税務署長なんかがやはり社会政策やいろんな政策で租税特別措置で減税をするという政策もあるいはいいかもしれないけれども、それが全部税務署にしわが寄る、それはそれだけ人をふやしてくれたりなんかするならいいけれども、そうでなくてどんどんやられるということになると非常に困るし、事実、税務署の手を煩わさぬでも金融機関なりそれぞれの機関で還付の措置がとれるようなことをやってもらうと非常にありがたい、こういうふうなことを聞いてきたわけなんです。
 確かに、税額控除のやつが年末になって税務署へ全部一度に押しかけるということになると考えものだと。何か聞くと、住宅取得促進税制の方は一番初めの一年だけで、あとの四年、今度は一年延びて六年だから、五年間は金融機関の方でやれる、税務署は最初の一年だけでいいというふうなことを改めて説明を受けたわけですが、医療費なんかは全部年度末の還付請求に一時に来るわけですね。また、そのほかだんだん住民の権利意識が上がると還付請求というのはふえこそすれ減ることはないということからいくというと、税務署の事務量を考え、また社会政策からいってもこういうのをどんどんふやすのはどういうことであろうか、こういうふうなことが考えられるわけですが、そういうことに対しての解釈をひとつどう考えられておるのかということ。
 それから、輸入促進税制、これについては、こういうやり方というものは業者には利益になるんだけれども、本当に輸入促進をして物が安くなるという保証があるのか。これはみんな業者に税金を安くする。業者に還元ばかりして消費者の価格低下にどれだけ役に立つだろうか、こういう疑問が一つと、それからこういうふうな輸入促進をやるということが日米協議でも非常にいろいろの問題で議論されているわけなんだが、こういう要求が果たしてアメリカから出ているのかどうか、日本の独自の考え方でこういうことをやるというふうにしたのか、その点教えてください。
○政府委員(尾崎護君) 住宅取得促進税制につきまして、執行上、税務行政上大変な手数を生じているのではないかという御指摘をいただきました。
 確かに、例えば公平の問題などを追求する余り、何といいますか机上のプランに走り過ぎまして執行の面を忘れてしまいますと、かえって実際上執行が追いつかないという点で不公平を生ずるというような問題などもございまして、執行上可能であるかどうかということは絶えず私ども税制改正を考えていく上で心しなくてはいけない問題だと思っております。御指摘の点、これからもよく気をつけてまいりたいと存じます。
 ただ、住宅取得促進税制につきましては、これは御指摘のように五年間、今度六年にするということをお願い申し上げているわけでございますが、最初の年につきましては税務署に申告をいたしまして適正なものであるかどうか審査をすることになるわけでございますが、給与所得者などの場合には二年目以降は源泉徴収をその義務者の方でお取り扱いいただけるような方法も講じてございまして、その点の配慮はいたしております。
 ただ、いろいろきめ細かい施策を法文上、制度上講ずれば講ずるほど執行上の問題が生ずる、そこをよく考えなくてはいけないということは御指摘のとおりでございますので、先ほども申し上げましたが、今後ともよく気をつけてまいりたいと存じます。
 それから、輸入促進税制の効果につきましては通産省の方から御答弁があると思います。
○説明員(庄野敏臣君) お答えいたします。
 最初にお尋ねの、消費者への還元問題についてでございます。今回のこの税制につきましては、直接的には個人を対象としているものではございません。ただ私どもは、恒常的に輸入を行う製造業なり卸、小売といった事業者を対象としているわけでございますが、この消費者への還元問題についても私どもとしては、多様な輸入品が増加する、あるいは新規輸入商品を扱うような事業者が市場参入してくるなど、競争の促進を通じて流通構造の効率化なり、あるいは価格引き下げにつながってき、それが消費者の利益につながるものと考えております。
 もう一つは、輸入の拡大というものが物価を総体的に引き下げるなど、物価の安定に寄与するということでございます。例えば、経済企画庁が物価レポートを出しておりますけれども、耐久消費財の輸入が一〇%ふえた場合、同製品の国内の卸売物価を〇・七、消費者物価を〇・一%引き下げる効果があるということから見ても思考し得るものと考えております。
 なおまた、いろいろな機会をとらまえて、消費者がこういう輸入拡大のメリットに敏感に反応し得るよう予算その他の措置をお願い申し上げている次第でございます。
 さらにお尋ねは、SII等の場でのアメリカ側からの要求の問題でございました。この点につきましては、我が国に対して米欧等から輸入拡大に対する期待が寄せられていることは事実でございますが、この問題、この税制を含めます総合的輸入拡大策につきまして、SIIでの直接の対象とはなっておりません。私どもとしての判断として今回このような措置をお願い申し上げている次第でございます。
 ただ、これらにつきましては、さきの総理訪米あるいは通産大臣訪米の際にはもとより、SIIのときの場でも説明はいたしております。それで、米国首脳の方から評価する旨の意見が寄せられております。現にSII等の場では、私どもこの輸入拡大策について御説明し、かてて加えて米国に対しても輸出拡大の努力を強く促して、先般モスバッカー長官が来日された際、日米それぞれのジョイントワークを合意しておる、こういう実態にございますので、そこら辺からもこの効果が期待されると考えている次第でございます。
 以上でございます。
○三治重信君 いま一つ、関税定率法と関税暫定措置法の改正で同じような問題なんですが、今度の関税負担率を下げるという案になっているんですが、現在でも日本は先進国の中で最低の関税率になっているんですよね。日本が平均して三・四%、米国は三・九%、ECが四%ということになっている。それをさらに、関税定率というのは東京ラウンド、ウルグアイ・ラウンド、こういうような世界全体の中で処理されるような問題になっていると理解しているんですが、これと離れてこういうふうに大きな減税をやるというのはどういう考え方なのか。
 これも日米協議の中で要求されている問題か、あるいはこういうことをやって貿易摩擦を独自に解消するのか。どうもそこが、本当に日米貿易摩擦を解消するとかなんというならもっと新聞に大きくこれ、さっきの輸入促進税制もやるといったときには出たけれども、今度の日米交渉の中では一つも出てこぬですよね、総合的に。そういう点をどういうふうに考えておられるのか。
○政府委員(瀧島義光君) お答えいたします。
 ウルグアイ・ラウンドは委員御承知のとおり、ことしの暮れをターゲットにいたしまして交渉が行われております。我が国も、我が国経済のよって立ちます基盤である多角的な自由貿易体制を維持強化するという観点から、これに積極的に参加をしているところでございます。
 ただ、我が国の国際経済問題、これを取り巻く状況というのは非常に厳しくて、このウルグアイ・ラウンドの交渉を進めていけばそれでよいというのではなくて、さらに日本の市場アクセスをできるだけ改善をするといった努力をしなければならない状況にあるというのが私どもの判断でございます。
 関税定率法及び関税暫定措置法の改正法案の中にこの関税率の引き下げのほかに、きのうも御議論いただきました再輸出の場合の戻し税制度というようなものも含めて御審議をお願いしているわけでございますが、これらはみんな同じ考えに出るものでございます。こうした措置をとることが、現在進んでおりますウルグアイ・ラウンドの交渉に対しましてもいいインパクトを与えるというふうに私ども考えております。これはアメリカから要求されてやるというようなものではなくて、あくまでも日本が一方的、自主的にとる、こういう措置でございますけれども、今申し上げましたような意味でいい影響が出てくるものと私どもは期待しております。
○説明員(豊田正和君) お答えいたします。
 今大蔵省関税局長から申し上げましたように、現在我が国は有数の経済力を有しておりまして、国際経済社会との調和ある発展を遂げていくためには、輸入拡大を通じまして大幅な貿易不均衡を是正していくことが緊要な課題であるというような観点から、多角的貿易交渉のほかの場といたしまして日本独自に緊急的措置として今回市場アクセスの改善に努めたわけでございます。
 先生御指摘のように、貿易摩擦というのはこれだけで解消するのかどうかという問題があるわけでございますが、これにつきましては日米間では構造協議もございますし、日・EC間ではさまざまな政策対話の場もございますし、またウルグアイ・ラウンドという多角的な交渉の場もございますし、こうした場での協議と相まって貿易摩擦問題というのは解消されていくものというふうに期待をしております。
○三治重信君 もう一つ、租税特別措置にちょっと返りますが、租税特別措置の減免の報告を調べてみると、所得税で一兆四千五百七十億円、六八・七%、法人税で五千六百四十億円、二六・六%というふうな税の減免が行われているというふうな報告なんです。
 これは減免で数字だけ出ているからみんな何とも思わぬかもしれませんが、もしもこれを一般歳出で、減税を、租税措置をやめて、所得税でこれだけ入るものか法人税でこれだけのものが入るのか、そうしてそれを特別社会政策なり産業政策でやるとなると財政補助で処理しなくちゃならぬ。そういうふうなときにこれだけの金が出せるものかということをもう少し検討する必要があるんじゃないかと、こういうふうに思ってちょっとお伺いしたんですが、なかなか減税の計算がややこしいようで、余り中途半端なことを聞いてもと思ってやめますけれども、この減免の報告、これについていま少しわかりやすい説明が欲しいと思うんです。
 それからもう一つは、やはり減免というものを、全然ほかに関係なくて法律一本だけでできちゃうから簡単に考えてい過ぎやせぬか、もしもこの減免の金額が本当とすれば非常に大き過ぎやせぬか、これだけのものが本当に減免だというふうなことになるんだろうかというようなことをひとつまたいずれ検討してみたいと思っておりますが、その点だけちょっと一点意見だけ申し上げておきます。
○下村泰君 国民のいろいろの負担率についてちょっとお伺いしたいんですが、先日、大蔵省が出した「財政改革を進めるに当たっての基本的考え方」というもので「平成二年度予算における国民負担率(国民所得比)は四〇・四%程度と推計される。」と言われています。
 また、行革審の「行財政改革推進委員会報告」の中では、
  国・地方を通じ、国民の公的負担を適度な水準にとどめ(財政規模が大きくなく)、かつ、民間の活動に対する行政の介入をできるだけ少なくしなければならない。
  国民の公的負担について、租税と社会保険料を合わせた国民所得に対する比率(国民負担率)は、社会保障関係経費がかさむ高齢化のピーク時においても五〇%を下回ることを目標とする。
  国民負担率は、昭和五十年代以降逐年上昇を遂げ、現在既に四〇%に達している状況から推して、今後、制度の改革がなされなければピーク時には五〇%をかなり上回ることも懸念される。これを五〇%未満にとどめるためには、社会保障制度を始めとした制度・施策の改革はもとより、行財政全般にわたり思い切った改革を進めていく必要がある。
 こういうふうに述べられています。
 二十七日の衆議院の大蔵委員会で大臣は、適正な給付と負担の水準を実現するため、社会保障負担にウエートを置くべきだと、こういうふうな発言をなさっていらっしゃるわけですね。
 私、いつも思うんですけれども、一般に国民負担率が論じられるときに、その中身の詰めた論議が少ないような気がするんです。最初に、その辺のデータをちょっと教えてほしいんですが、いずれも最も新しいところで結構ですが、国民負担率における租税負担率、社会保障負担率、それから租税負担率のうち国税と地方税の割合、それから租税負担率のうち直接税と間接税の割合、それから租税負担率のうち個人と企業法人の割合、あるいは所得税と法人税の割合でもこれは結構です。それから、社会保障負担率のうち年金保険料と医療保険料の割合、これをとりあえず教えていただきたいんですが、よろしく。
○政府委員(尾崎護君) お尋ねのうち税に関する部分だけ私から答弁させていただきますが、国民負担率のうち租税と社会保障負担率との割合でございますけれども、租税負担率が二八・三%、社会保障負担率が一二・一%、合わせて四〇・四%でございます。
 それから、租税負担率の中での国と地方との割合でございますけれども、平成二年度の租税負担率二八・三%のうち国税の負担率が一八・六%、地方税の負担率が九・七%でございます。
 それから、直接税と間接税との割合でございますが、いわゆる直間比率として考えますと、よく七〇・九%が直、それから二九・一%が間接税等という数字を使うわけでございますが、これ国の直間比率でございまして、国と地方を合わせますと、直間比率は直接税が七七・四、間接税等が二二・六というような関係になっております。これを国民所得比で申しますと、直接税の負担率が二一・九%、間接税等の負担率が六・四%ということでございます。
 それから、租税負担率のうち企業と個人との割合でございますが、これは間接税などのように企業分、個人分として分けることは困難である部分もございますので、所得税それから地方の個人住民税、個人事業税のような個人の関係の税についてと、それから法人税それから地方の法人関係の税についてだけの数字を申し上げることでお許しいただきたいのですが、所得税関係の方が対国民所得比で九・〇%、それから法人税関係の方が九・三%という比率になっております。
○政府委員(寺村信行君) 社会保障負担率一二・一%の年金と医療費の割合を申し上げますと、年金が七・三%でございます。それから医療費が三・八%でございます。
○下村泰君 超高齢化社会を迎える前に、社会の費用をだれがどのように負担し、だれがどこでどのように給付していくのかということを私はしっかり考える必要があると思います。四〇・四%、五〇%といった数字が頻繁に使われる割には、その内容がいまひとつわからない。国と地方、公と私、公と民、直接と間接、税と社会保険、個人と法人などのバランスをどうとるのか考える必要があると思うんですが、大臣、いかがでございましょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) そういう視点からも、私はまだ論議が、今委員が御指摘になりましたように、もっと深められることを期待をいたしております。
 また、私がよく申し上げますように、所得保障と医療保障と公共福祉サービスとのバランスについてどう考えるかといった視点もありましょう。また、今出ました数字からまいりますならば、社会保障負担率のうち年金が七・三、医療費が三・八程度を占める。一二・一%のうちの一一・一までが医療費と年金で占められている現実でありますから、これから高齢化が進めば進むほど年金のウエートは高くなるわけでありますし、この比率が果たしてこのままでいいものなのかどうか、また公共福祉サービスに分けられる財源というものはこれからどう考えていかれるべきものなのか、こうした視点からも私は議論がもっと深められるべきものと思います。
○下村泰君 よく活字や数字の上では四〇、五〇と出ますけれども、実際に国民個人個人が、自分が一体どのぐらい負担しているのかというのははっきり出ませんよね。大ざっぱに申し上げて、一応企業の方がたくさん負担している、それから個人の方の負担率が非常に少ない。じゃ、個人をうんとふやしていいのかというと、これも困るわけですね、個人にとっては。ですから、こういった比率というものがはっきり国民の前に明示されれば、なるほどこれがこういうふうになるのかというようなこともはっきりしてくる。すると、いわゆる負担意識、嫌な言い方かもしれぬけれども国民としての義務意識でしょうか、一つの国家を構成している中の国民の義務としてどうあらねばならぬかということは、僕はこれは自覚されてくると思うんです。それが大ざっぱに何かこう言われてくると、それだけいっているならいいじゃないかという感覚になるわけです。結局、こういったことも消費税やなんかに関係してくるんです、感覚的に。ですから、こういうことは本当にはっきりさせてもっと詰めるべきじゃないかというような気がいたします。
 今度は寄附金控除についてちょっと伺いますけれども、昨年も一度お伺いした寄附金の税制上の扱いのことなんですが、平成二年度税制改正要綱における改正点があれば御説明願いたいと思います。
○政府委員(尾崎護君) 平成二年度の税制改正におきましては、寄附金に関する措置といたしまして、寄附金の損金不算入に対する特例等の対象となる特定公益増進法人及び特定公益信託の範囲につきまして次のような措置を講じております。
 まず、社会福祉への貢献という観点から財団法人長寿社会開発センターを加える。それから、民間補助団体による経済協力を一層推進するという観点から、開発途上にあります海外の地域に対する経済協力を目的とする公益信託を加える。それから三番目に、自然保護活動を一層推進するという観点からいたしまして、自然環境の保全のため野生動植物の保護、繁殖に関する業務を目的とする公益信託、これを追加するということにいたしております。
○下村泰君 一つ確認なんですけれども、ことしの二月二十三日のヘラルド・トリビューン紙というのにこういう記事が載っています。
 人間の顔をした日本のイメージを米国に訴えるため日本が新しい法人税制を検討中、米国の病院や学校へ寄附をする企業に控除額を拡大、こういう表題なんです。
 ソ連よりも日本の経済侵略の方を脅威と感じる米国民の方が多いという最近の世論調査結果が示すように、日本の対米投資に対する米国民の不満がとみに高まったことを憂慮した日本政府は、ひそかに日本の企業に対し、米国内の病院や学校、そのほかの慈善事業に寄附をした場合は大幅な課税控除額を適用するという奨励案を提示した。これは、日本の総選挙の二日前に大蔵大臣が企業経営トップ三百人を集めて開いた極めて異例な会議で討議されたもので、日本は金の亡者ではない、やさしい人間の顔を持っているのだというイメージを米国民に訴えることにより、少しでも両国の摩擦を解消したいという政府の苦肉の策と言えよう。
 こういう記事があるんですけれども、これは本当ですか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) まず第一に、こういう事実はございません。二月十六日、選挙の真っただ中、しかも最終の段階でありまして、私は企業を集めて演説をしているほどのゆとりはございませんでした。
○下村泰君 それは、弟さんもいろいろと言われているくらいですから、そのことに関して別にどうのこうのというわけじゃありませんけれども、そんなお忙しい方がこんなことをやっている暇はないと思いますけれども、それにしてもこういうことが出てくるというのは、何か思い当たることがございますか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私自身としてこれに思い当たるものはございません。私がもし同種のことを考えるとすれば、私自身はアジアでありますとか、あるいは中近東でありますとか、アフリカでありますとか、中南米でありますとか、むしろ日本が援助すべき部分の方に目が行くと思います。
○下村泰君 このことを別にどうのこうの言うわけじゃないんですけれども、こういうことを発火点として今度は国内の方に向けたいわけなんです。
 東京商工会議所は十二月十四日、文化問題特別委員会がまとめまして大蔵省、文化庁などの関係省庁にこういうことを提出したというのがあるんです、「企業の文化振興活動の促進に資するための税制上の措置に関する要望」。「税制面の優遇措置が不十分なため、企業の文化活動への取り組みに対するインセンティブを損なっているとして、企業の寄附に対する損金算入限度額の引き上げなどを要望した。」ということが新聞記事になっておりますけれども、これは事実でしょうか。
○政府委員(尾崎護君) 東京商工会議所の方から「企業の文化振興活動の促進に資するための税制上の措置に関する要望」というのをいただいております。
○下村泰君 それで、経団連の方で一%クラブというのを提唱したという記事が載っておりますけれども、これ御存じでしょうか。
○政府委員(尾崎護君) 承知いたしております。
○下村泰君 これ、舌をかみそうなんですけれども、企業のフィランソロピーといって、これは人類愛、もっと平たく言うと、それぞれ個人とか法人が公益に関することを一生懸命やる、寄附を通じて社会に貢献する、こういうことなんだそうですけれども、日本の場合ですと、どちらかというと、うちの社長が個人で好きでやっているんですよとか、あるいはどこかの団体から強制的に言われて寄附をするとかというのが非常に多い。
 私も昭和三十八年からあゆみの箱という運動をしておるんですけれども、その当時この趣旨に賛同してくださった企業もあるんですけれども、だんだん年月がたちますと、しまいにははっきり言われまして、そういう運動に基金を出すということはどぶへ金を捨てるようなものだ、自分の会社の事業に金をかけるのはそれだけ見返りがあるけれども、そういうところへ寄附をしたって見返りは何にもないんだ、だからどぶに金を捨てるようなものだ、こんなばかなことはしたくもないなんということをはっきり言われたことがあるんです。どうも日本人の感覚としては、そういうところに何か一つ欠けているものがあるんじゃないかと思うんです。
 アメリカの方には二%クラブとか五%クラブとか、殊にロックフェラーなんというのはそういうことを家訓としてやっているというふうに承っておりますけれども、こういったことを助長させるためにも何とかしてこの制度を、寄附をしてくれる企業に対する税制上の問題をもう少し検討していってもいいんじゃないかなというような気がするんですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 現在もさまざまなそうしたことを助長するための制度はあるわけでありまして、必要でありましたら局長から御説明をいたさせますけれども、私が基本的にちょっとひっかかりますのは、税制上の優遇措置がなければ企業は寄附をしないという姿勢は果たしていかがなものか、率直に言ってそういう感じがいたします。むしろ、それだけの社会活動に対する配慮と申しますか、企業活動の中で社会に還元するという思想は、税制の優遇措置があるなしにかかわらず本来持ってしかるべきものではなかろうか、私はそういう感じがいたします。
○下村泰君 ただ、大蔵大臣はそうおっしゃるんですけれども、企業側の方にそういう感覚がないんですよね、今申し上げたように。つまり見返りがなければ寄附しないんですから。だから、個人個人の頭の中を切りかえてもらわなきゃ困るんですけれども。
 一九八八年のアメリカの寄附総額は一千億ドルなんですね。日本円にすると十兆円に近い。そのうち個人が八三%といいます。一方、日本の方はどうかというと、一九八七年分で法人寄附が三千五百五十九億四千万円。私が寄附でイメージする福祉などへは千百九十一億。ほかは全部政治献金など一般の寄附なんだそうです。個人は二百九十一億六千五百万円ということなんです。最近では公益信託制度というのも順調に伸びて、障害者教育振興では平成元年三月末で十五件に上っています。だから税制上の結局優遇、何回も申し上げるんですけれども、見返りがないとやらないのが日本の企業のあり方なんですよね。これでは本当に困る。ですからまた、ここへ戻ってどういうふうにお考えなりますか、これについてどうですかというとまた同じことになってくるんですけれども、指定寄附金制度、損金算入限度額、個人の寄附金控除の限度額、こういうもののあり方についてもう一度ひとつ何かないのか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今、実は政務次官と二人、全然違った切り口だと。明治、大正の方々が昭和世代の教育を誤ったんじゃないのかなというつぶやきをちょっといたしておりましたが、昭和二けたの私どもといたしますと、ちょっと戦後教育の中でそういうものが欠けていたとすれば、我々世代以前の問題かなという感じがしないではありません。ただそういう、にくたれ口ではありませんで、素直な感じとして私どもそういう感じがいたします。
 委員はあゆみの箱を続けておられる。私はボーイスカウトでありますけれども、募金の際には常にそういう問題がつきまとうことは私自身もよく承知をいたしております。ただその税制だけで果たして私はいいものかどうかというのは本当に心の中で疑う部分がございます。現在確かに事務的に御説明を申し上げればできる一定のルールがあるわけでありますが、果たしてそれでは、このルールを各企業は全部使い切っておるでしょうか。私はそういう視点から企業の経理を調べたことはございませんけれども、現在既にそのインセンティブとしての制度が、インセンティブとしての税制上の優遇措置はあるわけでありますから、果たして各企業はすべてそれを使い切っているでありましょうか。私は要はやはり税制による誘導だけがと申しますよりも、やはり人の問題ではないのかという気持ちがしてなりません。
○下村泰君 私も原点はよくわかってるんです。今も申し上げたように、教育まで戻っていきますとこれは大変なことになります。そうすると、私なんか大変恥ずかしくなります。大正の人間というのはわりかたいいんですよ。大正はロマンも非常に多い。昭和の一けたが今一番問題になっておる。こんなこと言うと前へ進みませんから……。
 では今度は、民間の介護保険について伺いますが、現在提案されている地方税改正案の中に、住民税に損害保険料控除の創設というのがあります。所得税には既に設けられているんですが、ここにある厚生省関係の税制改正の概要で、「自助努力による高齢化社会への対応と生活の安定に資するため」との説明があります。この控除創設の背景、意義、ねらいは何でしょうか。厚生省の方、来ていらっしゃったら聞かしてください。
○説明員(近藤純五郎君) お答えいたします。
 私どもが税制改正要綱で税の損害保険料の控除を要望いたしました趣旨でございますが、近年、医療や介護に対しまして国民のニーズといいますのが非常に多様化、高度化しているわけでございます。それで、民間保険におきまして医療費の保険でございますとか介護費用の保険、こういったものが続々と開発されてきておりまして、その健全な発展を図ると申しますのが基本的には好ましいのではないかというふうな考えに立っているわけでございまして、そういう考え方で損害保険料の控除でございますとか、生命保険料の控除の引き上げ、こういったものを要望してきているわけでございます。
○下村泰君 そこで、ひとつ大蔵省に教えてほしいんですけれども、いわゆる民間の介護保険に支払う保険料と介護年金などを受け取った場合などの税制上の扱いについてなんですが、生命保険、損害保険、それから郵便、農協などいろいろありますけれども、これはどういうふうになっていますか。
○政府委員(福井博夫君) 民間介護保険の本人負担の保険料などにつきましての扱いと税制上の扱いということでございますけれども、このうち生命保険契約、こういったものに基づくものにつきましては生命保険料控除の対象となります。そのほか、その性格から見まして損害保険契約に基づくといったようなものにつきましては、これは損害保険料控除の対象として私ども取り扱ってまいっておるわけでございます。
 こういった契約に基づきまして、いわゆる事故といいますか、この場合には介護を要するような状態ということになりましたときにいろいろな形で保険金というものを受け取るわけでございます。この受け取ります保険金につきましては、所得税法の規定によりまして身体の傷害に起因して支払いを受ける者というふうに私ども理解をいたしておりまして、したがって、受け取るいろいろな形がございますけれども、受け取る保険金につきましては非課税、こういう扱いにいたしておるところでございます。
○下村泰君 こうした民間の介護保険は数年前から売り出されましてかなり反響もあるようなんですけれども、今から始めるわけですから、今若い人を対象にしているということで、まさに二十一世紀の高齢化社会のための選択の一つとして否定はしませんけれども、こうしたことが介護手当の問題や公的介護を後退させたりしないか一抹の不安はあります。公私のバランスをどうとっていくつもりなんですか、厚生省の方いらっしゃったら教えてください。
○説明員(辻哲夫君) 民間の介護保険と公的福祉施策との関係についてでございますけれども、高齢化の進展あるいは年金制度の成熟等に伴いまして、近年高齢者に対する福祉のニーズというものが非常に大幅に増大して、また多様化してきております。このような状況のもとで、これに的確に対応するためにはもちろん公的施策の一層の推進、これは必要でございますが、これと相まって民間の創意工夫を生かした多様なサービスが必要である。そして、それを健全に育成しなければならないと考えておりまして、民間介護保険もそのような考え方と軌を一にするものであるというふうに受けとめております。
 このように、民間のサービスは公的福祉を一層推進するという前提のもとで受けとめておりまして、民間の介護保険の導入によって公的施策が後退するということは全くないというふうに考えております。現にこのたび公共保健福祉サービスの大幅な整備を内容とする高齢者保健福祉推進十カ年戦略が策定されたところでございまして、この実行に全力を尽くしてまいりたいと考えております。
○下村泰君 昭和六十二年五月の保険審議会答申でも、「医療費用保険の改善や、介護状態に陥った場合の諸費用を担保する保険の創設などを進めていくことが望まれる。」と指摘されております。大蔵省としてはこうした保険についてどういうお考えを持っておられますか、お聞かせを願いたいと思います。
○政府委員(大津隆文君) ただいま委員から御指摘がございましたように、昭和六十二年の保険審議会の答申を受けまして、損害保険会社では平成元年十月一日より介護費用保険というのを発売いたしております。この保険は、痴呆や寝たきりとなり介護を要する状態となった場合に病院等へ入院する費用とか、介護機器の購入費用でありますとか介護のために支出する費用をてん補するもので、発売以来消費者のニーズにこたえたものとして急速に受け入れられてきております。ちなみに、平成二年一月末現在で契約件数は二十四万件ということでございます。
 今後、高齢化社会がますます急速に進展してまいりまして、介護費用保険の必要性というのは増大していくものというふうに予想されますので、国民、消費者のニーズに十分こたえる、ニーズを十分酌み取りながら一層商品内容の充実等を図っていくことが望ましいというふうに考えております。
○下村泰君 まだ時間を残しておりますけれども、ここで終了させていただきます。
○野末陳平君 きのうの質疑でもあったと思いますけれども、まず所得税法の中の個人年金の保険料控除のことを先に聞いておきます。
 これはどう考えても五千円というのは半端だという気はしておりますが、普通だったら、今までの大蔵省のやり方ならばせいぜい二倍とか三倍とかというんだけれども、五万円に今度なった。ちょっとびっくりしたんですけれども、しかし、控除額が引き上げられるということはだれもが単純に喜ぶかもしれないが、しかし、これは疑問がいろいろあるんですね。
 そこで、まず、なぜこの時期ここまでの大幅な引き上げに踏み切ったのかというその辺の事情を説明してもらいましょう。
○政府委員(尾崎護君) 再々御答弁申し上げておりますとおり、高齢化社会の進展を踏まえまして、老後生活安定のための自助努力の奨励、それから老後生活に対する相互扶助の一層の推進を図るという観点から引き上げを図ったわけでございますが、その際、個人年金保険料控除を生命保険料控除と同額にする。ただし、今までの制度ですと個人年金保険料控除、確かに五千円が限度であったわけですが、生命保険料控除の枠が残っておりましたらそれを利用できるということになっていたわけでございますけれども、そこをその枠の利用というようなことはいたさないということにいたしまして、生命保険料控除五万円、個人年金保険料控除五万円という形に整理をしたわけでございます。
○野末陳平君 その場合も、高齢化社会云々は建前としてはいいですけれども、五万円五万円と、生命保険関係で。今度損保はいまだに一万五千円とか、アンバランスがちょっと目立つんだけれども、これについてはどうですか。
○政府委員(尾崎護君) 損害保険とそれから生命保険との間にはやはりおのずから差があるというように思います。損害保険の場合には主として個人の財産に対するいわばその危険に備えるわけでございまして、生命保険料控除とはおのずから差があるということで現在のようなことになっているわけでございます。
○野末陳平君 ただし、損保関係もいろいろな商品が出てきているから、なかなかそう簡単にいかないんですがね。とりあえず、個人年金の保険料控除における優遇について逆効果の面も出てくるんじゃないかというのを感じるんですけれどもね。つまり、公的年金は頼りないんだと。もう公的年金の信頼感を損ねることにつながっちゃうということなんですけれども、どうでしょう、これは、公的年金ではなかなか大変ですよと、少なくも自助努力で自分で頑張って足りない分を補充してくださいということを政府みずからが認めているわけだから、これは何か公的年金の将来の不安につながっていくんじゃないかという、そういうふうにとる人が出てくるんじゃないかと心配しているんですが、どうですか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 確かに、生命保険料控除につきまして税制調査会からも幾つかの考え方が指摘をされたこと、私も承知をいたしております。そうした方向というのは、ある意味では今委員がお述べになりましたような不安というものにはあるいは結びつくかもしれません。ただ、私はむしろ公的年金制度の充実強化に努めていくのは当然国がこれからも努力をしていかなければならないことでありますけれども、その上に個々人のみずからの生涯設計の中で対応できる幅というものは十分あってよろしいのではないか、そういう感じがいたします。
 こうした点から考えてみまして、私は、公的年金制度の将来に不安を抱かせるということではなく、むしろ公的年金制度においてベースが支えられた上に、個々人の生涯設計の中における将来図に相応した体系が選択できる幅が広がった、そのように御理解を願いたいものだと考えております。
○野末陳平君 プラス面を強調すればそういう表現になりますけれども、しかし、現実には、例えば、これは契約する個々人が喜ぶよりも保険会社が喜ぶんですからね。セールスマンのこれは格好の宣伝材料で、それはそれでいいですけれども、公的年金はだからだめなんだよと、こういうふうな言い方をしますからね。個人年金はだから得なんだよという、こういう結果が、国民年金の保険料を払わない、払えないじゃなくて払わない人がどんどんふえている。そういう面もよく考えないといけないと思うんですよ。
 だから、これを今までの五千円を一万円とか二万円とかというぐらいにするならばともかくとして、一挙に五万円にするという積極的な根拠が僕はなかなか見出せないわけですね。そこで、セールスマンが五万円になったことを宣伝に使ってどんどん加入をふやす、それはそれで結構です。しかし、果たして大蔵省、個人年金というのはそんなに有利な商品だと思いますか。公的年金に比べてどの点が有利か、一長一短をちょっと比較してみて、だからこそこれは五万円の控除を認めるだけの価値があるということを説明してください。
○政府委員(大津隆文君) 民間生命保険会社の販売しております個人年金保険につきましては、委員も御承知のように個人が任意で購入するものでございまして、そういう意味ではそれぞれの個人の生涯設計を踏まえまして個々人の個別のニーズに対応し得るものである、そういうメリットがあろうかというふうに思います。位置づけとしては、公的年金を補完する、自助努力という観点から民間個人年金は民間個人年金なりの機能を果たしているというふうに考えております。
○野末陳平君 だから今の答えはそうなんだけれども、じゃそこまで大蔵省が積極的な相当なる優遇をする理由はどこにあるかというその説明はないよ。
○政府委員(尾崎護君) 公的年金を踏まえまして、さらにそれ以上自分の老後に備えたいというそういう自助努力につきまして何らかのインセンティブを与えるという考え方に立っているわけでございまして、繰り返しになりますが、従来の制度でございますと、極端なことを言いますと、生命保険を全然かけていない方が全額個人年金保険をかけたといたしますと、枠の通算ができますので、今までは五万五千円までやれたわけでございます。そこをそれぞれ五万円という形で整理をし、生命保険と同じ程度の力を入れて老後に備える自助努力、相互扶助の思想を後押ししようと、こういう考え方でございます。
 先ほど大臣から申しましたように、従来税制調査会等におきましてその貯蓄性が非常に強いという点から、個人年金につきましての優遇にどう考えたらいいのかというような意見が寄せられていたことも承知しておりますが、高齢化社会に備えてというところに重きを置いて今回の措置を講じたわけでございます。
○野末陳平君 それでは、ちょっと角度変えて、個人年金の今の加入者の実態をちょっと知りたいんで、わかる範囲でいいんですけどね、契約の人数、契約の総額とか、その辺をちょっと教えてくれませんか。
○政府委員(大津隆文君) 民間生命保険会社の個人年金保険の件数、概要を申し上げますと、六十三年度の新規加入者数、年間百六十一万人、新規契約金額が九兆二千二百三十六億円となっております。また、六十三年度末の保有契約では、加入者数は延べ四百五十八万人、契約金額は二十三兆四千二百四十四億円ということになっております。
○野末陳平君 この調子でこれからもどんどん伸びる。それは大臣のおっしゃる自助努力を支えてあげるというか、それから公的年金を補完するとか、そういう役割は十分果たしているとは思うんですが、さて、そうではあるけれども、ここまでの優遇をするということは、結果的には何か生命保険会社の過保護につながるのでやり過ぎだ、もろ手で賛成するというのはちょっとどうかなと僕は思っているんです。
 そこで、一番大事な言いたいポイントは、要するに公的年金だけではだめなんだというふうなそういう認識が広まるのが怖いんです。現実に公的年金では食えないというのは通説になっていますけれども、これはかなり実態と違いますからね。レベルも上がってきたし、東京と地方では違うし、生活のやり方も違うし、それから過去の実績によって、本当に過去十分に保険料を支払わなかった人は食えるなんという額の年金ではありませんし、個人差がありますね。そういうのをひっくるめますと、地方都市などではもう公的年金で食べておつりがくるような人たちが物すごくふえていますよ、今。そういう実態まで考えると、僕は個人年金を優遇することは非常に必要なんだけれども、結局は生命保険会社の後押しをしていることになりかねない、そう思って、今回のこれはちょっとびっくりしたんですよ、疑問があるという意味で。
 ですから、いきなり十倍にもなって五万円になったということがひっかかるわけで、基本的には構いませんですけれども、ひとつ主税局長、これが裏目に出ないように、この優遇が。裏目に出ないということは、保険会社の宣伝の材料だけに使われちゃうということのないように。それは大事なんですよ。なぜか。年金というのを今掛けていますでしょう。十年、二十年、自分が年金をもらえるときに、じゃ今掛けている年金がどういう形になってくるかということを考えれば、必ずしもこれが有利な商品でない。ほかにもいろんな貯蓄手段なり老後の収入の安定手段はあるんです。そこを憂えているので、民間の商品について批判したり、それから僕がここで公的年金と比較して一長一短を言うのは嫌ですからあえて言いませんけれども、その辺のことは十分考えた方がいいんじゃないかと思うので、最後に一言お伺いいたします。
○政府委員(尾崎護君) 個人年金、生命保険もあわせましてこの種の控除について税制調査会からいろいろ指摘もいただいておりますし、これからいろいろな機会にまたさらに検討を続けていきたいと思っております。
○野末陳平君 とにかく生命保険は必要である。だけれども、ちょっといろんな点で優遇があり過ぎるのじゃないかと僕は思いますよ。だからそれだけを指摘します。所得税法はこの辺で。年金の減税のことをちょっと時間があったら後でやります。
 それから次は、租特の方の土地・住宅税制ですけれども、ここでも改正のところはそうたくさんないので、要するに長短の区分を十年から五年にした、それからそれの建物も今まで十年だったのを五年にした、そろえたということだと思いますけれども、長短の区分を十年から五年にした、これは当初考えた効果をきちっと上げているかどうか、その辺はどうですか。
○政府委員(尾崎護君) 委員よく御承知のとおり、六十二年九月の税制改正の際に当時土地問題が非常なやはり議論になっておりまして、いわゆる土地ころがしのようなものを抑制するために二年以内の譲渡につきまして超重課制度を行うということにいたしまして、一方でそういうものを抑制するとともに、他方で土地の供給を促進するために従来十年で長短の区分を分けておりましたものを五年にいたしました。五年と十年との間の所有期間で譲渡されたものの数は、これはたしか六十二年の十月から新制度になったわけでございますが、六十二年中の譲渡の内容等を見ましても、やはり五年から十年の保有期間のものの譲渡件数がふえておりまして、それなりの効果を上げているものと考えております。
○野末陳平君 それはもう実際そのとおりだと思うんです。ですからこそまた延長したんでしょうけれども、問題は、五年は僕はこれで適切だと思っているんですよ。ただその税率といいますか、譲渡所得税のあり方なんです。つまり、短期の場合は、複雑な計算ですけれども、譲渡益の六割近くが税金だと。長期の場合はそれがぐっと優遇されている。だからこそまた売るわけで供給の促進にプラスなんですけれども、さて、この長期譲渡の税率が、分離課税ですが、今のレベルで適切と思うかどうかというこの辺ですね、適正というのかな。
 特にここのところ資産課税の適正化なんという言葉が使われておりますからあえて聞きますと、どうでしょう、主税局長、まず長期譲渡の分離課税の税率のレベル、住民税を入れて。その辺をちょっと説明してください。
○政府委員(尾崎護君) 所得税本法の考え方といたしましては、長期譲渡所得いわゆる二分の一課税という考え方がとられておりまして、譲渡による収入の二分の一を総合して課税するという考え方をとっているわけでございます。
 そういう点からいいますと、今最高税率が所得税で言いますと五〇%でございますが、長期譲渡所得四千万円以上の税率二五%ということでありまして、もともと二分の一課税という点からいいますと、いわば最高税率にそこは合わせてあるということで、負担率を計算いたしますと、若干ではありますが、所得税本法よりか分離の長期譲渡の方がやや税負担が重いということになっているわけでございます。二分の一課税ということを前提にいたしますと、ややちょっと重目になっているわけでございます。しかしながら、この負担水準がどうかということは、四月からまた土地税制につきまして抜本的な検討を税制調査会でしていただくわけでございますが、これは議論がいろいろ分かれるところではないかなと実は考えております。
 今回の土地問題につきまして、私どもは税制が補完的であるということを従来言っておりまして、大臣は、これは重要ではあるけれども、わき役だという表現でおっしゃっておられるわけでございます。つまり、例えば保有を重くして譲渡を軽くするという形で土地の供給を促進するようにというような意見がよく聞かれるわけでございますけれども、他面におきまして、その譲渡所得を非常に軽くするということは、やはり土地というのは資産として持っていて、いざ鎌倉のときにそれを売ると非常に有利になる、逆に土地は非常に有利な資産だという土地神話みたいなものをさらに強めてしまうのではないかというような意見もございます。
 こういうようなところ、保有課税の水準とあわせて譲渡をどうするかというのは、結局のところ、何を目的にするのか、土地の供給促進を目的にするとか、土地の有効利用を目的にするとか、つまり導きの星を何にするかによって手段としての税制が変わってくるわけでございまして、再々わき役であると言っておりますのは、その本体としての政策をどういう方向にとるのかというのをはっきり決めるということが一番大切なことで、それは税の議論からは決まってこない。土地政策全般、土地基本法をどのように具体化していくかという基本的な土地政策の考えで決まるというように私どもは考えておるわけでございます。
 そこのところをしっかり決めていただきまして、それに合うような形で保有と譲渡の税率の水準等についてもまた改めて議論をしてみたいというように考えているところでございます。
○野末陳平君 だから、まさにそこが難しいし、わからないから、大蔵省はどういうところに立って税率のレベルを考えているか、それが聞きたかったわけです。
 供給の促進それから有効利用あるいは負担の公平、いろんな立場があって、土地政策そのものが決まらなきゃ本当は税はいじれない。だけれども、土地政策がまだ決まらないままに、また、これを決めようとしたってなかなか難しい。所有権、利用権、いろんな広がりがあるから。だから決まるまで待つわけにいかなくて、年々変えていかなきゃならないでしょう。しかも、資産課税の適正化をうたっているわけでしょう。だから、今の時点でどういうような考え方でこの税率を適正と見るか、それとも別の見方をしているか、そちらの今のスタンスを聞きたいわけです。それを教えてください。
○政府委員(尾崎護君) まさにその土地税制の基本の問題でございまして、そこのところを私ども、スタンスを決めてかかるということではなくて、いろいろな考え方、問題点等を挙げましてその根本から税制調査会におきまして議論をしていただきたい。そのように考えているところでございまして、今私どもの方がどのように決めているかということではございません。基本的な政策が決まらないうちに土地税制がむしろ出過ぎてきたというところにちょっと問題があるような気もいたしておりまして、そこで私ども、土地問題を考える上で税制は非常に重要な役割を果たすと思っておりますけれども、やはりわき役だと言っているところはそこにあるわけでございます。
 幸いにして、今までと違いますのは土地基本法が成立をいたしました。土地基本法の成立をまちまして、去年の十二月でございますから、四月から税制調査会を開くということにいたしましたのは、遅滞なく土地税制の面も検討するということを、大臣の御指示もございまして、私どもそういう姿勢でいるわけでございます。
 その審議の際に、できるだけ具体的に、土地基本法をどのように実現していくのか、これは国土庁とかあるいは建設省とかいろいろのところの御意見も伺いまして、そこの根本となるところから議論をしていただく。しっかりと政策目標を見据えて、それと違背しないような税制を築き上げていくというようなことをやりたいと考えております。
 まあわき役と思っておりますけれども、しかしそれは役割は重要でありまして、一生懸命税調で議論をしていただきまして、助演賞をいただけるぐらいのわき役になりたいというように考えている次第でございます。
○野末陳平君 まあ難しいんで、僕もどれがいいか、どこのレベルが適正かわからないからあえて聞いているんで、だって、そうは言いながら主税局長、毎年直しているじゃない。去年だって直したじゃない、長期譲渡。だからやはり、非常に矛盾なんで、僕も、土地問題の解決には税法は補完的役割しか果たせない、土地政策の基本を早く国民のコンセンサスを得なきゃだめだと、わかっていますよ。わかっていますけれども、そうは言いながら毎年毎年変えていかなきゃならないんだから。そうすると、それなりの立場というものがあるわけだから、そこで長期譲渡の税率が今度五年がまた延長されるについて、あえてこの負担のレベルはどうかなということをお聞きしたわけだ。
 これ常識的に言うと、どうもその勤労の所得税、勤労のというか、所得税五〇%と今お答えありましたけれども、それの半分だ、二五%ですね。これは昔だったら――昔というか、十年も前ならいいと思いますね。ここのところ、やはり土地の資産価値の上昇が土地の高騰などを含めて余りにも露骨でしょう。そうなってきた場合に、この前提がいいのかということから、どうも僕は、やっぱり負担の公平という見地だけからいうと、ちょっと甘いかなという気がするんですね。しかし逆に、供給の促進という面を重要に考えたらまた別ですし、その辺でどう考えているか聞きたかった。
 同時に、こればっかりやっていられないんだけど、資産格差の是正には、さっき言った保有税の問題――だから、保有と譲渡とこの両面のどっちにウエートを置くか、これも大事なのもわかってるんですよ。保有の方を僕はとりあえずきつくしていくことがいいんじゃないかなと思っているんです。不動産取得税、登録免許税――登免はこれはちょっといじりましたけれども――それから固定資産税。ただ、これは物すごく難しいから。固定資産税を安過ぎると言ったら、冗談じゃないというのがまず日本人ほとんどだから。でも安過ぎるのは事実ですよ。これだけの環境のいいところに、しかも資産価値の上昇という安定的な背景も考えて、今の保有税としての固定資産税は安いと僕は思うんです。
 そこで自治省に聞いてみたいんだけれども、固定資産税というのは我が国では大体どの程度の負担になっているか、時価に比べて。時価というのはあいまいですから公示価格でもいいんですけれども。同時に、欧米先進国ではどういうような、まあ固定資産税と名前は違うけれども、時価に対してどのくらいの負担率でいるのか、その辺のことを。これはもうこの比較でもって決めるわけじゃありませんから、参考までにちょっと、わかる範囲のデータを示してください。
○説明員(成瀬宣孝君) お答え申し上げます。
 まず、諸外国における固定資産にかかわる税制でございますけれども、例えばアメリカ、フランス、イギリス、西ドイツにおきましては、我が国の固定資産税制度と比較いたしまして、課税客体、評価の方法、税率等の取り扱いがそれぞれ少しずつ異なっておりますけれども、基本的には我が国と同様、土地建物を課税客体といたしまして、資産の所有者に対し自治体が賦課徴収する税制度として仕組まれているところでございます。
 それから、固定資産税の実効税率と申しますか、負担水準についてのお尋ねでございますけれども、全国的に見ますと、固定資産税の評価額はおおむね地価公示価格の約二割程度の水準になっております。これに税率の一・四%を掛けまして税負担をお願いいたしているところでございます。
○野末陳平君 日本の場合は、今言ったように、まず固定資産税評価額というのが時価よりもはるかに低いところで決まっているから――公示価格の二〇%と言いました――だから標準税率が一・四としてそこで見当はつきますが、よその国ですね、例えばどこの国はという、これは税率じゃなくて、いわゆる時価に近いものと負担、現実の負担、日本と比較する場合の教字ありますか、何か。
○説明員(成瀬宣孝君) 直接的にお答えできるような資料は的確なものはございませんけれども、ただ、実効税率を国際比較していろいろ物事を論ずる場合には、やはり地価の水準というものがどうであるかということを考え合わせなければいけないと思います。そういう観点から、土地資産総額の国民総生産に対する割合を見てみますと、米国では〇・五から〇・八、西欧でも一より相当低い水準でずっと安定してきております。それに対しまして我が国の水準は、六十年度以降急激に上昇いたしまして、最近におきましては約五倍という大変異常な数値になっております。
 こういう我が国の国際的に見ての地価水準でございますので、このあたりのことも考え合わせなければ正確な実効負担率の国際比較というものはできないんではないかというふうに考えております。
○野末陳平君 そうですね、本当に難しい。日本は固定資産税評価という別の、時価とか公示価格とは違う基準をつくっているし、よそは市場価格のようなものが中心みたいだから、もうお答えのとおりで比較はできない。できないんですけれども、あなたが、自治省として、専門家としていろいろあちこち調べた結果、日本の固定資産税の負担水準というのは、どうなんでしょうね、収入に比べてじゃなくて時価に比べてどの程度のものだろう。どう考えますか、よそと比べての話ですが。
○説明員(成瀬宣孝君) ただいまお答えいたしましたように、いわゆるストック、資産価値に対します負担水準の比較というのはなかなか難しいわけでございますけれども、フローであります、例えば国民所得、これに対する割合を見てみますと、昭和六十二年度の比較でございますけれども、我が国が二・一%、アメリカが三・三%、イギリスが五・六%、フランス二・一%、西ドイツ〇・五%といった負担水準でございまして、我が国の水準は、アメリカ、イギリスよりは多少低いけれども、フランスと同水準で、西ドイツに比べましてかなり高くなっている、そういう水準にあるのではないかというふうに思っております。
○野末陳平君 まあ、フローでいくかストックでいくかという、ストックでいくべきものだからちょっとその辺が比較にはなりませんが。
 そこで大臣にちょっと、大蔵省の直接の管轄じゃないんだけれども、どうですかね、やはりこの土地の固定資産税というのは、学者にもいろんな意見があって、安過ぎるからいけないんだというのがかなりこのごろは前に出てきているようですが、しかし、土地を持っている人から言わすと、はっきり言って周囲の環境の良化によって自分の資産価値が上がったにもかかわらず、払うのは嫌だというのが圧倒的ですから、固定資産税というのは安ければ安いほどいい、ただでもいいぐらいに思っている。大間違いなんだよね、本当は、財産を持つ身としては。
 しかし、そういう国民感情を踏まえましてあえて大臣にお聞きしますけれども、固定資産税をもうちょっと引き上げていくという方向が打ち出されたらば、かえってこれが地価上昇にブレーキとなっていい結果になるだろう、こういう意見がかなり学者の間から出ているんですね。僕もやってみなければわからないんだけれども、到底それはできそうもないんだが、考え方として、少なくも固定資産税の今の水準は安い、これは引き上げる方向が望ましい、それがまた地価対策にもいいんだ、こういうことですが、この考え方についてはどういうふうに思われますか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は今、率直に申し上げまして委員の御指摘のような方向というものは一つの考えられる方向ではなかろうかという感じがいたします。
 ただ、それには前提があります。先日、同様の御趣旨で衆議院で御議論がありましたとき、税務当局の立場として土地税制というものを考えます場合の一番の悩みを私はこういう例で申し上げました。例えば、現在東京の都心に一戸建て平家のお宅がございます。あるいは一戸建てのお店屋さんがございます。一体税の役割というのは、その一戸建て平家の住宅、そこにその所有主が住み続けられるようにしてあげる方向で税制を考えるべきなのか、長い伝統の中に築かれたそのお店がそこでいつまでも営業が続けられるような視点で税制は考えるべきなのか、その土地を手放していただいてどこかに移っていただき営業ができるような状態を想定しながらも、そこは例えば極端な言い方をいたしますならば、再開発を行って相当数の居住が可能なような住宅建設を可能にするように誘導する、そういう方向に税の役割はあるべきなんでしょうかと。実はここにお答えがいただけない限りにおいていつまでも税の役割というのは非常に半端なものになります。
 先ほど局長もちょっと触れましたけれども、私は、本当に土地政策を考えます中で、税、金融、私どもの守備範囲はいずれも本来重要なわき役であるべき、ところがそのベースがありませんために本来のわき役が主役の役割を演じさせられたところに現在の地価対策における悲劇があるような気がしてなりません。
 ですから、私どもは税制調査会に四月から御審議をお願いいたすわけでありますけれども、その際二つの視点をぜひ持っていただきたい、そう私は願っております。
 それは、まさに非常に高騰しつつある、殊に三大都市圏あるいは地方都市圏を中心とした地価の上昇の中で、持てる者と持たざる者との資産格差が広がってきているという国民の声、その上で資産に対する適正な課税というものを求める国民の声と、もう一つは、大変素朴な言い方ですけれども、一生懸命働けば大都市でも将来自分の家が持てるんだという夢を一般の国民が持てるような土地政策をする中で税はいかなる役割を果たすべきか。私は、実はこの二つの視点を税制調査会に持っていただきたいと願っております。
 今野末委員の御指摘になりましたような固定資産税のあり方等、広い意味では私はそうした視点から御論議がいただけるのかな、そんな感じで今御意見を聞いておりました。
○野末陳平君 僕も難しくてわからないのがいっぱいあって、わからないというのは、どういうふうに国民が望んでいるか、口では土地問題を解決しろ、土地政策が無策だと言うけれども、本当にじゃ何が一体解決してほしい問題なのか、そこもわからないので自分なりの結論も出ていない。その上で税法を考えなければならないから非常に矛盾を感じながらやっているわけですが、今の大蔵大臣の話から、早くこの土地問題の解決というか、前向きにいい糸口が見つかることを期待しているんです。
 一言だけ、今の話の続きで大臣に、要するに資産格差の是正と、それから大都市でも一生懸命まじめに働けば家が持てる夢をと言う。しかし情緒的な側面がさっきの答えの中にかなりあったので気になるが、要するに不公平を是正する、資産格差を是正するというのは、最終的に土地に関しては土地の値段を下げてだれもが買えるような安い値段にする、こういうことを最終目的に考えている、こういうことですか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 少なくともまず当面考えなければならないことは、異常な地価の高騰にブレーキをかけること。あえて私は下げるとまでは申し上げる自信を今持っておりません。少なくともブレーキをかけること。基本的な土地政策ができておりません時点において税が果たし得るぎりぎりの役割は、上昇にブレーキをかけるところまでが限界だと思います。ですから、土地政策というものが進行する過程でそれが引き下げまで働いてくれることを期待いたしますけれども、今税の立場だけで申しますならば、異常な地価高騰にブレーキをかけること、まずそこに私は視点を置きたいと思います。
○委員長(藤井孝男君) 以上で三案に対する質疑は終局したものと認めます。
 これより所得税法の一部を改正する法律案について討論に入ります。――別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 所得税法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(藤井孝男君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、租税特別措置法の一部を改正する法律案及び関税定率法及び関税暫定措置法の一部を改正する法律案について討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○近藤忠孝君 私は、日本共産党を代表して、租税特別措置法並びに関税定率法及び関税暫定措置法の二改正案に反対の討論を行います。
 まず、租税特別措置法改正案についてであります。
 今回の改正の基本的な性格は、製品輸入促進税制を初め、エネルギー環境変化対応投資促進税制、原子力発電施設解体準備金、電波有効利用設備の特別償却制度などなど数々の大企業優遇の租税特別措置を新たに創設し、また海外投資等損失準備金制度など、適用期限が到来した特別措置をほとんどすべて延長するというものであります。
 大企業に適用される法人税の税率については、この四月から三七・五%へと大幅に引き下げられるので、大企業は税率と課税ベースの両面で大減税となることになるわけであります。国民には消費税で増税を押しつける一方、世界に冠たる大企業には大減税、これが政府の薄く広くという税制改革の本質ではありませんか。
 中でも今回創設される製品輸入促進税制は、減収規模が平年度で八百七十億円という大型の租税特別措置であります。
 この制度の導入は、日米貿易摩擦対策の一つとして、海部総理の対米公約の履行とも言うべきものでありますが、そもそも日米貿易摩擦の真の原因はアメリカの双子の赤字、そして我が国の国民を犠牲にした大企業の国際競争力の強化と輸出ラッシュにあるわけであり、輸入促進税制などで解決できるものではありません。
 結局この税制は、大商社、大企業に一社当たり数十億円から百億円もの大減税を与えるものであり、まさに典型的な大企業優遇税制以外の何物でもありません。
 一方、この税制は大企業の海外進出と逆輸入を促進し、国内下請中小企業に一層の困難をもたらすものであります。
 本法案には住宅税制など一部評価できるものもありますが、全体としては、大企業優遇特別措置の拡大を主要な内容とするものであり、強く反対するものであります。
 次に、関税定率法及び関税暫定措置法改正案についてであります。
 まず本法案は、一千四品目もの鉱工業品の関税を一気に撤廃し、右に述べた製品輸入促進税制の適用対象をふやすというものでありますが、このような措置は国内中小企業、地場産業に少なからぬ影響を与えることは間違いありません。
 また、日米合意に基づく農産物の自由化に伴う関税の引き上げ措置は、それ自身必要な措置であるものの、初年度で高い暫定税率を設定しても、次年度以降に引き下げていくなど、有効な国内農業保護策とはなっておらず、これと引きかえに輸入自由化を行うことは認められません。
 さらに本法案には、皮革・革靴の一時税率枠基準数量の拡大が含まれていますが、これはいわゆる同和地域の重要産業である皮革業界に深刻な影響を与えるものであります。
 以上の理由から、提案されている二法案に断固反対であることを表明し、討論といたします。
○委員長(藤井孝男君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 それでは、これより採決に入ります。
 まず、租税特別措置法の一部を改正する法律案について採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(藤井孝男君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 本岡君から発言を求められておりますので、これを許します。本岡君。
○本岡昭次君 私は、ただいま可決されました所得税法の一部を改正する法律案及び租税特別措置法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、連合参議院、民社党・スポーツ・国民連合、参院クラブ及び税金党平和の会の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    所得税法の一部を改正する法律案及び租税特別措置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、次の事項について、十分配慮すべきである。
 一 税制に対する国民の理解と信頼を確保するため、今後とも税制全般にわたり不断の見直しを行うこととし、特に課税の公平を図る見地から不公平税制の是正、資産に対する課税の一層の適正化について、引き続き格段の努力を行うこと。
 一 最近の地価高騰により資産格差が拡大し、社会的不公平感が高まる中で、土地税制については、税負担の公平確保及び土地政策との整合性に十分留意しつつ、土地供給促進策等をも勘案し、土地の取得、保有、譲渡等に対する適切な課税のあり方に関して、総合的見地に立った抜本的見直しを行うこと。
 一 貸倒引当金、賞与引当金等のあり方について引き続き検討するとともに、準備金、特別償却等については、経済・産業構造の変化に即応して、既に政策目的を達成したもの及び政策効果の縮小したもの等につき、今後とも更に徹底した整理合理化を進めるとともに、新たな政策税制の創設及び拡充についても厳に抑制すること。
 一 納税者番号制度については、プライバシー保護対策の確立を前提としつつ、国民合意の形成の状況を勘案しながら、キャピタル・ゲイン課税及び利子課税の総合課税への移行問題をも踏まえ、引き続き検討を進めること。
 一 複雑、困難であり、かつ、高度の専門的知識を要する職務に従事する国税職員について、変動する納税環境、職務の一層の複雑化・国際化及び税務執行面における負担の公平確保の見地から、職員の年齢構成の特殊性等従来の経緯等に配慮し、今後とも処遇の改善、職場環境の充実及び定員の一層の確保等につき特段の努力を行うこと。
  右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(藤井孝男君) ただいま本岡君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(藤井孝男君) 多数と認めます。よって、本岡君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、橋本大蔵大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。橋本大蔵大臣。
○国務大臣(橋本龍太郎君) ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても御趣旨に沿って配意してまいりたいと存じます。
○委員長(藤井孝男君) 次に、関税定率法及び関税暫定措置法の一部を改正する法律案について採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(藤井孝男君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 峯山君から発言を求められておりますので、これを許します。峯山君。
○峯山昭範君 私は、ただいま可決されました関税定率法及び関税暫定措置法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、連合参議院、民社党・スポーツ・国民連合、参院クラブ及び税金党平和の会の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    関税定率法及び関税暫定措置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、次の事項について、十分配慮すべきである。
 一 世界経済における我が国の立場を踏まえ、国際的協調特に本年末交渉期限を迎えるウルグアイ・ラウンドの積極的推進等を通じて、調和ある対外経済関係の形成に努めるとともに、自由貿易体制の維持・強化、世界経済の安定的成長に引き続き貢献し得るよう努めること。
 一 関税率の改正に当たっては、農産物輸入自由化、製品輸入の拡大等の貿易をめぐる諸情勢に対処するとともに、国内産業特に農林水産業及び中小企業への影響を十分配慮しつつ、国民経済的観点に立って国民生活の安定・向上に寄与するよう努めること。
 一 輸出入貿易量及び出入国者数の伸長等に伴う税関業務量の増大に加え、麻薬・覚せい剤、銃砲、不正商品、ワシントン条約物品等の水際における取締りの一層の強化が社会的要請になっていることにかんがみ、業務処理体制等の一層の見直しを行うことにより税関業務の効率的、重点的運用に努めるとともに、税関職員の特殊な職務を考慮して、今後とも処遇改善、職場環境の充実及び中長期的展望に基づく定員の確保等について特段の努力を行うこと。
  右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(藤井孝男君) ただいま峯山君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(藤井孝男君) 多数と認めます。よって、峯山君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、橋本大蔵大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。橋本大蔵大臣。
○国務大臣(橋本龍太郎君) ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても御趣旨に沿って配意してまいりたいと存じます。
○委員長(藤井孝男君) なお、三案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(藤井孝男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時四十八分散会