第118回国会 逓信委員会 第9号
平成二年六月十九日(火曜日)
   午前十時開会
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   委員の異動
 六月十八日
    辞任         補欠選任
     長田 裕二君     吉川 芳男君
     宮田  輝君     石川  弘君
     足立 良平君     猪木 寛至君
 六月十九日
    辞任         補欠選任
     猪木 寛至君     足立 良平君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         青木 薪次君
    理 事
                岡野  裕君
                永田 良雄君
                松前 達郎君
                磯村  修君
    委 員
                石川  弘君
                陣内 孝雄君
                平井 卓志君
                平野  清君
                守住 有信君
                吉川 芳男君
                及川 一夫君
                大森  昭君
                國弘 正雄君
                山田 健一君
                鶴岡  洋君
                山中 郁子君
                足立 良平君
                沢田 一精君
   国務大臣
       郵 政 大 臣  深谷 隆司君
   政府委員
       郵政大臣官房長  白井  太君
       郵政大臣官房人
       事部長      桑野扶美雄君
       郵政大臣官房経
       理部長      木下 昌浩君
       郵政省郵務局長  小野沢知之君
       郵政省貯金局長  成川 富彦君
       郵政省放送行政
       局長       大瀧 泰郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        大野 敏行君
   説明員
       郵政大臣官房資
       材部長      福味  徹君
   参考人
       日本放送協会技
       師長・専務理事  中村 好郎君
       日本放送協会理
       事        高橋 雄亮君
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  本日の会議に付した案件
○簡易郵便局法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○放送法及び電波法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○郵便貯金法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○郵便貯金の利子の民間海外援助事業に対する寄附の委託に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)
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○委員長(青木薪次君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨十八日、長田裕二君及び宮田輝君が委員を辞任され、その補欠として吉川芳男君及び石川弘君が選任されました。
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○委員長(青木薪次君) 簡易郵便局法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案については、既に趣旨説明を聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
○大森昭君 この法案、第一条に目的が書いてあるわけですが、いろいろ改正する法律というのはあるわけですけれども、目的規定を改正する法案というのは新法を制定するようなことが大体原則じゃないかと思うんです。そういう意味で、この簡易郵便局法の目的規定まで改正するに至った理由についてはどういうことなんですか。
○政府委員(小野沢知之君) お答え申し上げます。
 今先生御指摘のとおり、法律改正に当たって目的規定まで改正するという例は非常に少のうございますが、私ども法律改正案を御提出いたしまして御審議いただきますのは、この法律が制定してから四十年経過しておりまして、その間に社会経済情勢が物すごい勢いで変化しております。そこで、こういったことに抜本的に対応するためには明確に目的規定まで改正する必要がある、そういう事態に立ち入っている、今この機を逃しますと社会経済情勢の変化に適応できないという判断をいたしたわけでございます。
 そこで、一番この法律の肝心な点だろうというふうに私判断いたしますので少し御説明させていただきますと、郵政窓口機関の設置につきましては、郵便法の第一条に規定する一番大事なところなんですが、「郵便の役務をなるべく安い料金で、あまねく、公平に提供することによって、公共の福祉を増進すること」という趣旨、それから同じような趣旨の目的規定が郵便貯金法にもございますが、こういった法令に基づきまして全国津々浦々にあまねく設置することといたしております。そのために、普通郵便局とか特定郵便局とか簡易郵便局を全体でバランスよく配置して設置している、こういうことでございます。
 ところで、特定郵便局と従来型の簡易郵便局の設置の関係につきましては、郵政窓口サービスの提供に当たっては特定郵便局を設置することを原則といたしますけれども、それを補完する制度として、事務量が著しく少ない地域においては特定郵便局を設置すれば事業運営上著しく不経済になることから、このような場合は簡易郵便局を設置することといたしております。このように、簡易郵便局制度創設の趣旨は、経済的に郵政窓口サービスをへんぴな地方にまで広め、国民が簡便にこれを利用することにございます。
 ところで、近年大都市におきましては地価が高騰いたしましてオフィススペースの確保が非常に困難になっておりますことから、郵便局の設置の必要性があるにもかかわらずその設置が進捗していない、そのため郵便局が著しく不足してお客様に御迷惑をおかけしているということで、簡易郵便局制度創設当時には全く予想できなかったほど激しい社会経済情勢の変化が生じております。そこで、このような大都市における郵便局の不足の解消に資するため、本法を改正することにより大都市に簡易郵便局を設置する道を開こうというものでございます。
 したがいまして、今回、郵政窓口事務を委託することができる場合を、現行法令上の事務の量が著しく少ないため委託することが経済的である場合という規定から、事務の量、取扱場所または取
扱時間から見て経済的である場合というふうに視点を拡大いたしまして、今後の簡易郵便局の役割としてはこれまでの郵政窓口サービスを郵便局のないへんぴな地方にまで広めることに加えまして、社会経済情勢の著しい変化に即応して経済的に、郵便局が著しく不足している大都市においても郵政窓口サービスに対する需要にこたえていくことにあるわけでございます。
 今申し上げましたような法律改正の趣旨に基づきまして、現行の第一条の目的規定を「郵政事業の役務を辺ぴな地方にまで広め、」という限定的な規定から、「郵政事業の役務の一層の普及を図り、」という弾力的な規定に改めることによりまして、郵政窓口サービスを全国的視野に立って辺地から大都市にまで国民にあまねく公平に提供できることとする、そうして公共の福祉の一層の増進を図ろうとするものでありまして、簡易郵便局法の立法の趣旨、基本、原則に、今の社会経済情勢に照らしますと不足しているのではないかということでお願いしているわけでございます。
 以上でございます。
○大森昭君 四十年来のやつを変えたということですから前進であることは間違いないのでありますが、そしてまた、聞くところによると、局舎の廃止だとか設置の問題についても、三事業局でそれぞれ協議をして設置だとか廃止だとかいう問題などについても郵政省の省令が改正されたという話も聞いておるんです。従来から問題になっております三事業一体とかいうことについての具現したことなんだろうと思うんですが。
 そしてまた、先日の新聞などを読みますと、郵便を配達する際にひとり暮らしの老人の方の安否を確認するという記事なども載っておった。郵便局の運営自身にもいろいろ変化が来ておるわけでありますが、そういうことは今お話があったように時代の要請によって行われているんだと思うのであります。こういうことを逐次やっていくことは大変いいことなんでありますが、私は、四十年来のやつを直したということを今言われましたけれども、郵政省が持っている法律はこれはもう古いやつがたくさんあるわけです。それで、今言ったような営業時代を迎えていろいろな施策をそれぞれ、郵務局長も御苦労してやっておることはわかるんですが、しかしそれだけで果たして一体どうか。
 この間も、何か電気通信のお話の中では、結局郵便局をネットワークにして、ですから郵便があって貯金をやって保険をやって、三事業をやって、今度また通信関係もネットワークの形で郵便局を運営していくということでしょう。だからそういうふうになってくると、もう少し郵便局のあり方について長期的にやっぱり検討する必要があるんじゃないかと思うんです。今たまたま目的規定を改正して、今局長が大分述べられましたけれども、そういうことと同時に、もっと直す法律がたくさんあって、やる必要があるんじゃないか。ですからそういう意味でいきますと、今本省があって郵政局があって、各県に統括局がありますね。この間も何かNTTは組織制度の改正をしまして、そういう中間機構じゃなくていわゆる支社に権限を持たせていこうじゃないかというようなことで事業の運営を図っています。
 ですから、そういう意味からいきますと、少しこういうことを、郵務局で目的規定を変えるというような機会をつかまえて、今の機構でいいのかどうするのか。個々にサービスしておることはわかりますよ。それから三事業で郵便局舎を廃止だとか設置をやるというようなことも悪いことじゃないんですけれども、もう少し抜本的な対策をやる必要があるんじゃないかと思うんですが、官房長のあれだと検討しますとまでいくかどうかわからぬですけれども、これどう考えますか。
○政府委員(小野沢知之君) お答え申し上げます。
 かつて官房文書課長時代に抜本的な機構改革を担当したのでございますが、電気通信行政の三局体制とかあるいは郵政事業の内部機構の改革とか、あるいはいわゆる当時の附属機関とか、当時臨調答申に掲げられた項目はほとんど改正したわけです。地方郵政局等もかなり改正しましたけれども、あれからまた数年たっておりますから、一年一年で世の中は変化いたしますから一度改正したからいいというふうに安住することは許されないので、今先生御指摘のとおり、さらに改革すべき点はないかということを各部局とも真剣に考えなければいけないと思います。
 それから、当時から、また貯金局の次長時代に特に考えましたことは、今先生御指摘のように、各部局が一体的に仕事をしなきゃいけないのでございますけれども、例えば三事業一体的ということを法令上かっちりと書いた規定はございません。そこで、私どもが仕事をしていく場合にそういった根拠規定をしっかり書いておくと一つの指標ができる、手だてができるということが必要だろうということで、先ほど先生ちょっとお触れになりましたけれども、このたび郵政省の組織令を改正いたしました。
 と申しますのは、やはり郵便局というのは郵便、為替貯金、簡易保険・郵便年金の三事業の営業拠点ですから、そこで、郵便局の設置等を行うに当たりましてはそれぞれの事業の経営の理念と政策が反映されて、かつ調和されたものでなければならない。ところで、今まで郵便局の設置というのは郵務局の専管事項というような感じになっていたんですが、貯金局時代に痛感しましたことは、やはり郵便局はそういう郵便物の運送という観点だけじゃなくて、貯金、保険の店舗性とかそういった観点から郵便局の設置等を計画する必要があると感じておりましたので、郵務局長に着任したのを機にここら辺に着手したということで、貯金局及び簡易保険局につきましてはその辺のことが規定されていなかったんですが、結果的に今度の改正で、貯金局、簡易保険局が郵便局の設置等に関し、為替貯金、簡易保険・郵便年金の見地から調査及び企画を行うこと、それから、それらを踏まえて、郵務局が郵便局の設置等に関して為替貯金、簡易保険・郵便年金の見地から調査及び企画を行う事務を調整し並びに計画を作成し及び実施するということで、そういう組織令の改正を六月初旬に実行したわけでございます。
 そういう意味で、郵政三事業の一体的経営を法令上初めて具現したわけですが、そういう意味では経営主体の意向が郵便局の設置の面で一点に収れんされた理想の郵便局づくりの組織法令の根拠ができたというふうに考えております。今先生がおっしゃいましたように、この考え方をあらゆる仕事について反映して生かしていきたいというふうに考えます。
○大森昭君 いや、ですからそれはいいことなんですけれども、もう少し抜本的に直せないかと僕は言っているわけです。その組織なら組織を、統括局にもう少し権限を与えてやるとか。例えば本省であなた方省議とか部局長会議とかやっているでしょう。ところが、民間なんかを調べましても、NTTの例もそうですけれども、近畿の支社、東京の支社とかの支社長というのが出てくる。僕は、東京だとか関東なんというのは旅費もかからないんだから、東京にあるんだから、いろいろ議論するときは東京とか関東の局長なんというのはやっぱり呼んで、施策を行うときに一体東京の状態はどうなのかと。
 それは、いや、おれだって東京郵政局長もやったし、関東郵政局長もやった人というのもいるわけだけれども、これだけ激しく現場の状況は動いているわけですから、そうすれば、何か悪いけれども二年前に――桑野さんのことを言っているわけじゃないんだけれども、特にまたこう見ていますと何か最近は郵政局長もやらずに重要なポストにつく人もいるんで、まあ悪いことじゃないんですけれども。僕は、そういう東京郵政局長とか関東郵政局長なんかは、やっぱり実際問題としてね。
 これは局舎の設置だとか廃止の例でいってもそうですよ。本省段階における郵務局と貯金局と保険局、まあ一つの前進ではありますけれども、やっぱり東京郵政局は一体どうなっているんだ、
関東はどうなっているんだ。あるいは物が非常にいろんなことで各局ごとに滞留しているところもないわけじゃないんです。だから、そういうところはどういうふうに手を打っているんだとか、本省はどうしたらいいのか、こういうようないわゆる部局長会議のあり方とか、統括局のあり方とか、もう少し抜本的に、これは法案とは直接関係ないけれども、せっかくそういう発想で逐次直していくんだということがあるのならば検討してもらった方がいいんじゃないか。
 これは回答要りません、いつも言ったってろくな回答いただいてませんから。少し発想の転換をしてもらったらどうかという意味で提言していますから、実現するまではいつも質問しますのでよろしくお願いします。
 それから、この法案をつくる際に、現在、全国の簡易郵便局連合会がありますね。いろいろ要求が出ていると思うんです。私も手元にその要求を持っておるのでありますが、この要望だとかあるいは意見、特に受託者の処遇の問題等についていろいろ言われておりますが、どういう実情になっているんですか。
○政府委員(小野沢知之君) お答えいたします。
 全国簡易郵便局連合会から陳情書が毎年一回郵政大臣あてに提出されているわけですが、最新のものとしては昨年の八月に提出されました。その内容は、全簡易郵便局をオンライン化することなど業務改善に関する事項、それから取扱手数料の増額を図ることなどの処遇改善に関する事項、その他の事項に分けられておりまして、合計二十九項目ございました。
 そこで、本省としましてはこのような要望に真剣にこたえるということで、例えば次のような簡易郵便局の業務の改善と受託者の処遇改善を実行いたしております。そこで同連合会からは一定の御評価といいますか、御満足をいただいているわけでございますが、簡単にその内容を申し上げまと、主な点ですが、まず簡易郵便局のオンライン化につきましては、平成元年度末で三千百七十二局の簡易郵便局をオンライン化してきましたけれども、平成二年度からは三年計画で全局のオンライン化を完成させる方針でございます。
 次に、受託者の処遇についてでございますが、平成二年度予算でその取扱手数料を次のとおり引き上げました。まず、基本額ですが、平成元年度に比べて郵政職員の人件費のアップ率四・九%よりも高い五・二%増額いたしまして八万八千八百円に引き上げております。次に、取扱料の単価でございますが、郵便が六十四円から三円増額して六十七円に、郵便貯金、郵便為替、郵便振替等が百五円から五円増額して百十円に引き上げております。
 このように努力しているわけですが、郵政窓口サービスの普及を図るという点で簡易郵便局の果たす役割は重要であるということを今度の法律改正を機にさらに肝に銘じまして、同連合会の要望につきましては常に真剣に受けとめて今後ともその業務の改善と受託者の処遇の改善を図っていきたいというふうに考えております。
○大森昭君 じゃ、そういうことで、誠意を持って処置をしたいということでありますから。全国の連合会の方々も大変御苦労していただいて、まさに前はどっちかというとちょっと補足的な意味で簡易郵便局があったんですけれども、今日の現状は簡易郵便局も大変数もふえておりますし、そういう意味じゃ郵政事業を担う人たちでありますから、ぜひひとつ要望だとか要求を誠意を持って解決をしていただきたいと思うんです。
 さて、せんだっての新聞によりますと大分物数もふえておるようでありますが、まだ正式な決算はしていませんが、決算の見通しはどういうことになりますか。
○政府委員(木下昌浩君) お答えいたします。
 平成元年度の決算につきましてはただいま取りまとめ中でございまして、あらかた整理はできたのでございますが、最終的には七月の中旬を目途にいたしまして取りまとめることにいたしております。
 現在のところの見通しでございますが、収入につきましてまず申し上げますと、現場を含めまして積極的な営業活動を展開いたしました。さらにまた各種の制度改善もいたしまして、その効果があらわれまして引受郵便物数が前年度よりも十二億通多い二百十五億通に達しております。そのようなことで郵便業務収入が前年度に比べまして一〇・七%の増加でございます。大変好調でございます。もっともこの中には元年度は消費税分が入っておりますが、この一〇・七%という数字はそれを引きましても、六十三年度が五・一%増、六十二年度が四・五%増でございますので、それらと比べましてもかなり好調であると思っております。
 それから費用でございますが、これも郵便物数が増加することに伴いまして、超過勤務手当あるいは集配運送費の増加あるいは仲裁裁定の実施に基づく給与改定というようなことで前年度より費用は増加いたしております。約一〇%増加の見込みでございます。しかしながら、こういった物数増と費用増と勘案いたしまして現在の見通しといたしましては、平成元年度の郵便事業の損益計算におきましては前年度、つまり昭和六十三年度が百三十九億円の黒字決算をいたしておりますが、この前年度を若干上回る黒字を計上できるのではないかと予想いたしておるところでございます。
○大森昭君 好調はいいんですけれども、それだけ職場の働いている人たちは大変なことなんです。同時にまた、物がふえれば局舎がどうあるべきかということが重要な課題です。
 そういう意味からいきますと、信書の場合にはいろいろ制約もありますけれども、ふるさと小包だとか書籍の小包とか、こういうものももちろんそれは大事なお客様のお預かり物ですから粗末にするわけにはいきませんが、いつも私どもは大臣に定員の要求をやってもらいたいと要望しているんですけれども、今国全体の状態からいきますとそういうことになかなかならない。したがって、定員増を予算要求してやることはもちろんでありますから当然でありますけれども、しかしその前に、例えば副務というか、いわゆる逓送会社だとか、ふるさと小包には何か子会社ができたんだかどうかわかりませんが、あるいは弘済会なんかもあるんだけれども、この物数増に対して要員がなかなか埋まっていかないということについての何か特段対策みたいなのは立てているんですか。
○政府委員(小野沢知之君) 物増に見合うだけの定員をぜひ確保したいということで、それに全力投球を平成二年度注ぎましたが、引き続いてそういう姿勢をもって平成三年度に臨みたいと思っております。しかし、今先生御指摘ありましたように、厳しい要員事情の中では郵便物の処理のために必要となる労働力のすべてを定員で措置することは困難ですので、行革審の答申等も踏まえながら従来から郵便業務の一部について外部委託を行っているわけですが、今後ともその推進を図っていきたいというふうに考えております。
 そこで、今具体的なお話があったわけでございますけれども、ふるさと小包を初めとする小包郵便物の業務処理体制を確立するために、従来から外部委託を実施している取り集め、配達の業務については、平成二年度においては取り集め業務は百六十区、小包配達業務は三十局の業務委託を拡大することといたしておりまして、平成三年度以降についてはさらに先生の御指摘の趣旨を踏まえて検討していきたいというふうに考えております。なお、小包郵便物の集荷につきましても、御指摘を踏まえて今後外部委託することを検討したいというふうに考えております。
 一方、郵便の業務を外部委託する場合においてはいささかでも業務支障が生じてはいけないわけでございますので、受託者は受託業務を安全、正確、迅速に執行し得るすぐれた業務遂行能力を有していなければいけないわけですが、そういったことで逓送会社各社について個々の会社の業務遂行能力を個別に判断し、すぐれた能力を有しているところにつきましては今申し上げましたような方針で今後活用していきたい、こういうふうに考
えております。
○大森昭君 郵便事業というのはなかなか合理化するといっても人手に頼るのが多いから、物数がふえれば当然職場は労働強化になるということなんですよね。だからいろんな工夫をしませんと、一生懸命やっているんですけれども、なかなか容易じゃないことですからいろんな工夫を、本体だけで物の処理ができない場合には、一回、日逓なら日逓の場合、ただあそこで受け渡しをしているけれども、少し中まで入って県別ぐらい区分してもらうとか、何かこれは郵便法にひっかかれば別なんだけれども、法律にひっかかるんじゃないと思いますのでいろいろ工夫してみてください。
 次に局舎ですが、いつも予算要求で説明を受けるときに局舎問題については重点項目だと言われておるんですが、どうもこの計画書を見ましても、もちろん個々の局は大分改善されまして、これは建築も大分いろんな工夫しているんでしょう、ユニークな局舎もできております。全体として五カ年計画を逐次やっていますが、予算の成立と実行とに大分ずれがあるような感じがするんですけれども、一体この局舎計画というのはどういうふうに考えていますか。
○政府委員(小野沢知之君) これだけ郵便の業務の重要性が高まり、また郵便物もふえているわけで、その中で郵便関係職員に頑張っていただいているわけですが、それだけに御指摘のように郵便局舎の改善に努めなきゃいけないというふうに考えております。
 ところで、今先生御指摘のとおり、普通郵便局の改善局数について見ますと、確かに昭和五十九年度から昭和六十三年度までとってみますと、毎年度平均約四局減少してきている状況にあります。ところで、また別に角度を変えてみますと、ちょっと先生もおっしゃりかかりましたけれども、普通郵便局一局当たりの局舎面積は昭和六十三年度末現在三千八百二十七平米だったのですが、これは昭和五十年度末の二千五百五十五平米に比べますと五〇%増しとなっております。したがって、局数は減少しているけれども一局当たりの局舎面積ではかなり充実してきているということでございます。
 また、特定郵便局でございますけれども、それまで改善局数が七十局であったものが、昭和六十二年度以降六十五局に減少してきている状況にありますが、特定郵便局一局当たりの局舎面積は昭和六十三年度末現在で百四十七平米で、昭和五十年度末の百十八平米に比べますと二五%増となっております。そのように普通郵便局と同様に局数は減少しておりますけれども一局当たりの局舎面積ではかなり充実してきているという数字が出ております。
 ところで、ここで分析しますと、なぜ局舎改善局数が減少したかという理由を考えてみますと、小包郵便物の引受物数が昭和五十四年度の一億九千九百万個をピークに以降年々減少いたしまして、昭和五十八年度にはピーク時の約六七%に相当する一億三千三百万個まで落ち込む、それと同時に、郵便事業財政上巨額な累積赤字を抱えたために局舎改善予算がずっと減少してきたことによるというふうに考えております。しかし、昭和六十年代に入りまして景気の拡大が顕著になってきたこと、郵便物数が急激に増加してきたこと、それから都市再開発とかニュータウン計画などが全国各地で進展していること、こういった観点から改めてこれらの状況に対応した局舎改善施策を進める必要があるというふうに判断いたしております。
 特に平成二年度予算におきましては、省の重要施策としてこの点を掲げまして要求実現のために真剣な折衝を財政当局と重ねたのですが、対前年度比で二〇%増の大幅な増額が認められております。平成三年度の予算要求におきましても、平成二年度予算と同様に郵便物数の増加に対応した局舎改善を可能とするため、普通郵便局及び特定郵便局の局舎改善を省の重要施策の一つとして掲げ、今お話のありました改善局数とそれから改善面積の両方の増加に向けて真剣に取り組みたいと考えております。
○大森昭君 時間がありませんから。これだけやっていたって二時間や三時間になっちゃうんだけれども、いつも聞いていますと、平米がどうだ、局数がどうだ、こういう話を聞くんですけれども、私も地方に出たら必ず郵便局を回りますから、見ますと、それは確かに旭川の局だとか長野の局だとか、ユニークなものができていますよ。それは僕は否定しません、大変変わった建て方をやっていることはわかりますが、全体的にはまだまだ申しわけないけれども薄暗い郵便局があるんです。
 だから、どうもこれは数字の上の議論じゃなくて、今度どこかへ出張でもされたときには、予告なんかしなくったっていいんです、中に入ると、偉い人が来ると掃除したり何か大変だから、表から見ればいいんだから。いや、もちろん表だけ見たんじゃ、表はきれいに化粧してあって中に入ると全然汚いというところあるから、厚化粧しているのはまずいけれども。
 人の問題と局舎の問題が郵便事業の最たるものだと思うんですが、そこで少し人事部長に伺います。この間も主任制度を実施したりあるいは各種の手当などについてもいろいろ工夫しているわけでありますが、私は、一番局を歩きまして目立つのが単身赴任なんですよ。東北なんか特にそうですけれども、局へ行って聞きますとほとんどの管理者が単身なんです。そうすると、まあ皆さん方はどういう生活をしているかわかりませんが、東北の人たちの話を聞きますと、やっぱり地元へ帰るときは奥さんだとかお子さんだとか年寄りの方が世話になっているから手ぶらじゃ行けない、大体お土産物を買って隣近所に、私、どこどこへ行っていて留守していますけれどもいつもお世話になっていますとね。何かひょこっと行ってひょこっと帰ってくるというわけにはいかない。だから経済的にも負担が大きいし、それから単身ですからもちろん健康上もよくないし、職場は忙しいし、もうとにかくいらいらして、まさか家へ帰ってテレビと話しするわけにいかないから、人と話をしないというのが一番ストレスたまるんです。これが多いんですね、非常に。
 まあ意地悪く単身赴任をさせているんじゃないと思います。昔はそういう傾向もあったんですけれども、余りなれなれしくやったんじゃうまくないから、わからないところへ行かしてひとつ成績を上げたら戻してやる、だから旅に行ってこいというようなこともあったように聞くんですけれども。まあこれだけの事業ですから、単身赴任もやむを得ないです。これ全部なくせとは言いません、これはなくせるわけないんですけれども、一体どういうことでこの人事異動を、特に今人事異動の季節ですけれども、これどういう方針なんですか。
○政府委員(桑野扶美雄君) 先生御指摘のように、単身赴任問題というのは職員の精神的にもまた経済的にも負担が大きくなるわけでありまして、決して好ましいとは思っておりません。私どもも重要な問題として受けとめております。しかしながら、先生もこれ御指摘のとおりでございまして、ポストの配置状況と通勤状況などを考慮いたしますと、全くこれをなくすというのもまた不可能でございます。したがいまして、長期にわたる単身赴任者の解消を少しでも図るとか、あるいは週末に帰宅できる地域への配置を検討するとか、単身赴任を少しでも減らしていくようなきめ細かい人事的な配慮を行うことが必要であろうというふうに考えております。
 また、かたがた転勤をしなければならない管理者の方の意識の問題もございます。例えば百人の郵便局から百二十人の郵便局に異動するのが栄転だといったようなことではこの単身赴任のケースを減らすということはなかなか難しいわけでございまして、例えば昇格に絡む三級官から二級官に昇格するようなケースとか、あるいはあと一年、二年で定年をお迎えになるということが予想されるような方々の最後の処遇というときには、もうこれは待ったなしでございますから仕方がないと
いうふうに思うわけでありますけれども、ただ、そうじゃなくて少しでも職員数の多い郵便局に移るのが栄転だといったような評価はせずに、なるべく家族に近いところで勤務できればそちらの方が幸せなんだといったようなことをみんなが認め合うようなことになれば、もっと単身赴任のケースを減らしていけるんじゃないかというふうに思っております。いずれにいたしましても、この問題につきましては私ども人事部といたしましてもきめ細かく配慮していきたいというふうに思っている次第でございます。
○大森昭君 いろいろ論文なんか読むと、人事部長も、なるたけ単身赴任をしないようにという論文なども時たま見るんですけれども、実際、各局歩いたらすぐわかるんですよ。私は、いつも局へ行ったら、すぐにどちらの出身ですかと。大して変わっていませんからね、日本というのは江戸時代と同じでね。何々県出身だ、何々学校同期だなんといったら、みんなもう百年も前から一緒にいたような顔をしているわけですから、大体私は出身県と単身か奥さん連れてきているかといつも聞くんです。だから、もういっそのこと、官舎というのはみんなぶっ壊しちゃったらいいんじゃないか。官舎に合わせて人事やっているんじゃないかと思うんですよ。五つの管理者の官舎がありますと、大体あいてないですな。それで、あれ、課長四つ単身で埋まるけれども、一つあいているんじゃないかと言ったら、いや実は主事が単身で来ていますのでと。何か宿舎に合わせて人事をやっているんじゃないかと思うんですね。本当に苦痛ですよ、そういう状況は。ですから、全部できないけれども、人事部長残るか残らないかわかりませんが、さらにひとつ御努力をお願いしたいと思うんです。
 それと、私はもう常々これも感じているわけでが、この間、東京都庁のあれが出ていました、新聞記事で。四百何人辞退したでしょう。この記事によりますと、民間企業の初任給と東京都庁の初任給との格差があったり、いろんなことがあると思うんですが、しかし、悪いけれども、賃金の問題、説明があったら説明してもらいたいんだけれども、東京都庁でさえ内定後に四百十人もやめるという状態というのは、これから郵政事業が、非常に今何か希望者が多いようなことを言われていますが、守住先生ね、九州地方なんかは別としても、もう大変な競争率のようですけれども、東京なんかでは果たしてこのままで要員の確保ができるかどうかというのが非常に問題だろうと思うんです。一体この要員の見通しなんというのはどういうふうに部長判断していますか。
○政府委員(桑野扶美雄君) 先生御指摘のように、最近の経済情勢を反映いたしまして労働力の需給関係は厳しくなってきております。郵便局におきましても、特に大都市を抱えます東京、関東、東海、近畿の四郵政局管内について見ますと、採用試験の応募状況など、その影響があらわれていることが如実にわかるわけであります。ただ、しかしながら現在のところは、例えば東京での採用試験の応募状況は、内務に関しましては四・二倍、外務に関しましては二・三倍ということで、必要な労働力は確保できている状況でございます。
 さりながら、今後の状況を見通しますと、ますます労働力の需給関係というのは逼迫することが当然予想されるわけでありまして、職員採用の促進に資するために郵政事業のPRに一層努めるとか、あるいは学校等の応募勧奨を各郵便局を通じて行うとか、きめ細かい施策を実施する必要があろうというふうに思います。
 また、ただ問題と思いますのは、昨今の若い人の公務員離れというふうな現象を見ておりまして感ずるわけでございますけれども、今後の公務員の人材確保ということと、公務員の処遇のあり方につきましては、私ども国といたしましても大きな問題であろうというふうに思われますので、先生方の御意見もお伺いしながら、あるいはまた先生方の御支援、御協力もいただきながら職員のイメージアップや処遇改善についても今後総合的に検討していかなければならないんじゃないかというふうに存じている次第でございます。
○大森昭君 これがまた、管理者の単身の方が多いのと同じに職場へ行きますと、九州の人とか信州の人とか東北の人とかいるんだな。私は、東京都庁でなぜ辞退したかというのを、新聞記事しか見ていませんが、まだ東京で要員が今部長が言うように確保できているのは、東京都内だけで働く人を東京から選んだら全然これはもう間に合ってないんです。ところが九州や、さっきのお話のように百人に一人ですか、五十人に一人か、とにかくすごい競争率ですからね、これみんな東京へ来るわけですよ。しかし、そのイメージとは何かといったら、ある一定の年数が来たら九州へ帰れるんじゃないか、あるいは信越へ帰れるんじゃないか、東北に帰れるんじゃないか、だからとにかく東京の郵便局へ若いうちは少し辛抱しておこうということだと思うんです。ですから、職場に行ってみますと、本当にもう多種多様な出身県の人がおられます。そうなってくると、この状況というもの、東京で入っているけれども、ある一定の年数が来たらふるさとへ帰りたいという人たちがおるんだという前提で今度は要員政策をしなきゃいけないと思うんですね。
 私も、実は、東京の出身者が採用がどの程度かといったら、いろいろの関係があって今本籍がどこだから採用したとかなんとかというわけにいかないから、だから大体高校ならわかる、何々県の県立何々高校を出たというと、大体彼はその辺じゃないかと。ところが大学なんかだと、東京へ来ているわけだからどこの出身の男かなんというのはわからない。別に僕は全部調査しろとは言いませんが、大体職場の中で話をしていれば、この人は東京の大学を出ても九州の人かとかあるいは東北の人かとか四国の人かとかということは大体わかると思うんです。だから、僕は恐らく東京の中の郵便局で東京だけで人員を確保していこうというのはとても容易ならざることじゃないかと思うんだ。これも時間がありませんから、どうかひとつ、今非常に競争率が高いといってもそう楽観できません。私はそう思います。
 同時にまた、そういう問題をいろいろ研究していきますと、職員がどういう気持ちで今働いているのか。だから、ある一定のところへ来たらなるたけふるさとへ帰すということになると、今度は九州で採用する人間を、減らすというとこれはまた九州の郵政局の人に怒られちゃうわけですけれども、どういう形で要員の配置をしていくかという問題が大きな問題じゃないか。とりわけ、東京なんかは大変な土地が高いわけですから、もうほとんど宿舎を完備しなきゃならないという問題が重要な課題です。
 ですから、どうかひとつ今職場に働いている人の士気が落ちないように、先手先手と宿舎の確保の問題とかいろんなレクリエーション経費、細かい話だから私余り言いませんが、昔は郵政省の中で床屋なんかは少し割り引きで、食堂へ行けばライスカレーも十五円くらいで食えたんです。今はなかなかうるさい時代ですからそうはいかないんでしょうけれども。必ずしもそういうものも、これは恐らく各省共通だと思うんですね。各省共通なものだから郵政だけ上げるというわけにはいかないんだけれども、郵政というのはやっぱり現業官庁ですからね、大多数の人が。ですから、一般の行政官庁に勤めている人たちと少し違うわけですから、腹も減ればどんぶり物もいっぱい食うわけですから、食堂もきれいにして安くしてやる、少しは補助してやるぐらいのことをもう計画しませんと仕事になりません。いろいろな問題努力をしておりますが、さらにひとつ御努力をしていただくことをお願いしたいと思います。
 そして、いろいろ日米貿易摩擦だとかいろんなことがあるわけでありますが、我が組織内にも資材部という組織があって、何か今度組織の改編などもしたようであります。組織の改編の中身を聞こうということはないんでありますが、特に外国製品の調達などについて郵政省の資材部は変化をしておるかどうか、御質問したいと思います。
○説明員(福味徹君) お答えします。
 昨今の国際情勢にかんがみ、郵政省といたしましても外国製品の購入にはこれまでさまざまな努力をしてまいっております。具体的に申しますと、ガット対象契約、これは一品目の契約額が二千二百万を超える場合、去年までは二千四百万でございましたが、こういう契約につきましては和英両文で官報に公示いたしております。そしてまた、本省や地方郵政局にも掲示板を設けまして、この官報を拡大しましてコピーを掲出するなど、周知徹底に努めているところであります。それから本省や地方郵政局に政府調達相談窓口を設置しまして、そして外国企業などからの照会とか相談に応じてきております。また、手引書も和英両文のものをつくりまして関係の企業に配付いたしたりしております。
 そういう努力の結果、平成元年は五十億円購入いたしました。これは前年と比較しますと、二十二億円でございましたから倍増いたしましたけれども、今後一層努力してまいりたい、このように考えております。また、お年玉年賀はがきの二等賞品に外国製品を充てるなど、そういう面でも努力をしてまいっております。今後とも一層努力してまいりたいと思っております。
○大森昭君 この法案を総括しますと、反対じゃないんですが、賛成しているわけですけれども、余り実は積極的に賛成する法案じゃないというと失礼なことになるかもわからぬけれども。私は、もっとこれをやるとすれば予算要求して、郵務局長も努力したんだけれども認められないからやむを得なかったんだが、本当は郵便局の土地の高度利用と結合しながらこの対処をするということはよく理解できるし、またそれの方が有効的に窓口がふえていくんじゃないかという考えなんですよ。そうかといって、やりたいというやつを無理やり反対というのはあれだから消極的な賛成なんだけれども、これだけでは非常に私は問題が後で起きないか。これ経済的じゃなくて、郵政事業全を活性化する一助としてとらえてやるということですよ。これ経済性も何もないでしょう、とは思いますよ、原価計算しましたら。だけれどいいじゃないかと、何もかも計算しながら事業図っていくんじゃない、やっぱり郵政事業全体を活性化するためにこういう施策をやってみようじゃないかということだろうと思いますから賛成しますが。
 これ最後は大臣に聞くんですけれども、この法案で、さっき冒頭に郵務局長が言ったように四十年来のやつを直したという話もありまして、至るところに郵政事業全体として新しい時代に即応するという、変化を求めていることについては、私はいつも提言しているんですけれども、そういうこと。とりわけ経営形態の問題もいろいろ議論されているし、それから郵便局舎の利用についても地域の活性化にとにかく一助としてやろうじゃないか、東京一極集中の問題も電気通信の議論の中ではされていますし、いろんな問題がたくさんあるわけです。私も限られた時間で議論だけしているんですけれども、大臣、何か決意がありましたら決意のほどを伺って質問をやめたいと思うんです。
○国務大臣(深谷隆司君) 大森委員の御質問や御意見をずっと承りながら、非常に郵政事業に意欲を持っておられることに感激をいたしましたが、特に人の問題に深い御意向を示されたことは大事なことだと承りました。
 郵政事業は何といいましても現業中心で、人が中心でございますから、量がふえるということを誇るだけではなしに、それに対応する人をどう処遇しているかということなどは極めて重要な関心を持っていかなきゃならぬことでありますし、これらについての御意見はきちんと拝聴し、生かさせていただきたいというふうに考えております。
 それから土地の高度利用についてはもう全くごもっともでございまして、私どもも省を挙げてこの問題に取り組もうというので、平成二年の予算ではそのための調査研究費を計上させていただきまして、実際には調査研究会を部外の有識者によってつくり、検討を行っておりますし、省内の幹部による検討機関も発足いたしまして、何とか平成三年度の予算要求の重点項目にこれらが入れられるように努力をしてまいりたいというふうに思っております。
 いずれにしましても、明治四年に郵政省が発足以来百十数年という、百二十年近い年月がたっておりまして、今までの歩みに満足することなく、これから本当に大きく前進をさせていかなければならないと思っておりますので、御意見を大事に受けとめて省を挙げて頑張っていきたいと思っております。
○大森昭君 どうもありがとうございました。
○岡野裕君 いただいた時間はわずかに十五分であります。簡潔にお答えをいただくことを前提に二つ三つお尋ねをしたい、こう思います。
 きょう審議をいたしております簡易郵便局の場合は全くの部外者に郵政業務をゆだねるということになるわけでありますが、国民に対するサービスだとか業務連行にそごがあってはこれはぐあいが悪い。だということでありますならば、こういう簡易郵便局に対する指導監督というのはどんなふうになっているのか。局長さんはトウシロウさんだ、職員の皆さんもよその局から国家公務員、郵政職員を持ってくるわけにはいかないだろう、だんだん窓口あたりも先端機器が入ってくる、法、約款も複雑だ。うんと大変だと思うのです。在来、無集配局じゃなくて集配局の方から監督をなされておられた。今度は集配局に限らぬぞ、無特さんにもやらせようじゃないかと。一歩前進をしたようでありますが、無特は定員も少ないだろう、どうなるのかな、その辺をお尋ねをしたいわけでございます。
○政府委員(小野沢知之君) 簡易郵便局制度を抜本的に変えまして大都市に導入するわけですので、今先生御指摘のようにいろいろな問題があろうかと思います。
 そこで、こういった窓口事務を担当する職員に対する指導、訓練、あるいは局に対する監督を徹底してまいりたいということで今準備に着手しているわけでございますけれども、今回大都市に設置される簡易郵便局につきましては、無集配郵便局の近くに設置される場合があること、無集配特定局長の指導監督能力も向上していると考えられること、その業務内容が無集配郵便局の場合に類似していることなどから、監督者としては無集配郵便局長を指定して監督させる方がより効率的で適切である場合が多いというふうに判断いたしております。また、特定局長の皆さん方もこうするということで、張り切っていらっしゃいます。したがいまして、地方郵政局長または沖縄郵政管理事務所長の指定する郵便局の長が委託事務の監督を行うこととしまして、無集配郵便局長が委託事務の監督を行う道を開くものでございます。
 このような措置によりまして、無集配特定郵便局長から集配普通郵便局長まで監督者を幅広く指定できるようになり、その中から最も適切な者に監督を行わせることが可能になってくるということで、各種別の各郵便局長さんが切磋琢磨し、ひいては郵政サービス全体を向上させる刺激になるものというふうに判断いたしております。以上でございます。
○岡野裕君 遠く離れている集配局の方からの指導監督と、すぐ近間の無集配特定局の監督では、遠くの集配局ならば新しくできるミニポスタルオフィスみたいなのと商売の競合関係は出てこないと思うのでありますけれども、すぐ隣の無集配の方が監督をするということになると、競合関係にある者がその相手を監督だというようなのはなかなか難しかろうと思うわけであります。やはり郵政局の方でその面も十分踏まえた上での全体的な指導をなされることであろうなと安心はしているわけでありますが、ひとつよろしくその辺御配慮を賜りたい、こう思います。
 それから、四十年前云々のお話もございましたが、なるほど四十年前に簡易局を始めるときには受託者といいますか委託先、これはやっぱり地方公共団体あるいは農協その他の組合みたいなもの
だ。後になって個人というようなものも許されるようになったことは御承知のとおりであります。最初は、やはり国の仕事だ、だから国の仕事をゆだねるのだから機関委任といいますか、やっぱり地方公共団体がいいのだろう、地方公共団体ばかりじゃいかぬから農協その他もだということだったと思うのであります。
 今日は民間活力を大いに鼓吹して利用しようという世の中でありますので、個人に委託先を広げるというのは、あの当時の判断が本当に適切だったなと思うのでありますが、今回の法改正によりますとこれは個人以外の団体等も対象になるのかなと。しかし個人以外の団体というと、営利企業さんも入ってくるということになれば、本来余り採算が合わないような仕事を簡易局でやってもらっていた、その非採算的なことを企業が請け負ってやるというならば、その企業さんの方にも何かメリットがあってこそよし来たと、こういうものじゃないかと思うのです。
 そうすると、公の仕事である郵便貯金・保険のサービスを一私企業といいますか、というようなものにまでメリットがあるというような意味合いでは、さて我々の建前としてやっていいことであろうかどうであろうかというような面についても疑念が生じないわけではありません。
 しかしながら、やはり大都会の一番中心部だということであれば、市場価値がうんと高いところだと、そこに店舗が置き得ないというようなことは経営的にもマイナスだし、地域の皆さん、利用者の方々にとってもマイナスだから、非常に新しいいい発想だなと思うのでありますが、その辺の抱負について郵務局の御見解を承れたらまことにありがたい。
○政府委員(小野沢知之君) この構想を発表しまして、具体的に法案等をまとめまして世に問うたわけですが、私が感じた以上に、当初思っていた以上にこの制度改正の真価といいますか、わかってくださる方がだんだんふえてまいりまして、今便局の窓口サービスについてこういう抜本的方策を講じて道を開いておかないと、この機を逸すると大変なことになるということを省内だけじゃなくて部外の方もかなり理解が深まってきております。先ほど大臣のお話にもありました調査研究会その他でもこのことがかなり話題になっております。そういう意味で、大都市対策の一環として意義あるものにさらに深めたいと思っております。
 また、民間の方々たちも単にこれが利益を生ずるかどうかということじゃなくて、今非常に郵便局各事業とも評判がよくて順調な運営を行っておりますが、そういったものの業務の委託を受けるということは、その民間企業にとっても全体のイメージとしてかなり価値があるという意見なども耳に入ってきております。
○岡野裕君 お話はわかるような気がするわけでありますが、その企業もこういう仕事を果たして採算が合うかどうかわからないが引き受けるという点については、デパートの中に郵便局があればお客さんがうちで買ってくれたものを郵便局で遠くまで配送をしてもらえるなという、そのデパートならデパートのメリットがあるからだと思うのでありますが、そういうようなものをどこまでこれから進めていっていいかというのはなかなか判断が難しいと思うのであります。
 そういう意味合いでは、やっぱり大都会地といえども本来の直轄機関で郵政サービスをやるというのが建前なのではないかと思うのでありますが、大都市における直轄機関でのサービスについては今後どんな方針で臨まれるのでありましょうか。
○政府委員(小野沢知之君) お答えいたします。
 私ども、大都市型の簡易郵便局を導入するに当たりまして、既存の普通郵便局とか特定郵便局との位置づけ、これをやはり一番大事に慎重に考えました。そこで、郵便局を補完する制度だということをかちっとむしろこの機会に関係者の間で意識統一いたしておりますから、今先生御指摘のとおり、直轄の郵便局によるサービスの提供ということを原則に置いてさらに一層努力したい。むしろこの機会に各種別の郵便局の総体的な位置関係を明確にすることができたかなという感じがいたしております。
○岡野裕君 一度大臣にお尋ねをしてみたい、こう思っていたわけでありますが、この間あるテレビを拝見をしておりました。郵政大臣がにこやかに御登場をなされたわけでありますが、テレカードをこう持たれて、ここがへこんでいるというのを示されました。これは視覚障害者の皆さんのためにへこんでいるのだという大臣のお話で、私はそれまでへこんでいることは知っておりましたがなぜだかはさっぱり知りませんでした。そうしたら大臣が、これは非常にいい着想で、テレカードにこのへこみがあって視覚障害者の皆さんがわかるのに、はがきにへこみがないというのはまことにおかしい、直ちにやれというようなことで郵政省の事務局に命令をした、こう伺ったわけであります。我々が本当に気づかなかったことについて、逓信委員長もおやりではありますが、着任早々その辺までお気づきになられるというのはこれは本当に発想が豊かなのだなと感服をしたわけであります。
 ちょうどこの簡易局の場合も同じだと思うのです。簡易局といいますのはやっぱり山間僻遠の地だ、そしてその地域の皆さんに最低このぐらいのサービスはしなきゃ申しわけがないからということで、独立採算という建前もあり、四十年前苦肉の策で設けられたそういう機関だ、こう思うわけでありますが、今日御提案をいただいているこの法改正は、山間僻遠の地じゃない大都会のど真ん中に一番古い機構を、機関を持ってくるんだ、しかも、最低のサービスではなくて、大都会の中心ですから先端機器がいっぱい入ってくる最も先端的なサービスというものをこれにゆだねるのだ、言うならば一つの革命だというように思うわけでございます。
 ひとつ大臣、大臣の選挙区は東京の大都会の中心であります。そういった御出身の大臣が、これからの大都会地におけるところの郵政の窓口サービスについてどんなふうな抱負でこれからおやりになられるのか、その辺について一、二お伺いできればまことに幸せと、こんなふうに思っております。
○国務大臣(深谷隆司君) 簡易郵便局が初めてできたころというのは都会の今日のような過密が全く予想されない時代でございました。ですから、国民の皆様にあまねく公平に郵便事業が行き渡るようにということで範易郵便局というのができたわけでありますが、今日では余りにも過密になった都市において逆にサービスが徹底できないという弊害を生んでまいりまして、それでは従来のへんぴな地域に考えていたものを都会に持ってきたら、あまねく公平なサービスができるのではないかという発想でございました。ですから、いつも新しいことを考えるだけではなしに、古き時代の先輩たちのよき知恵というのも今日的に生かすということは効果があるなということをひそかに考えております。ただ、あくまでも既存の郵便局にマイナスにならないような配慮というのは非常に大事だと思っておりまして、この点については特に十分な考慮を払ってまいりたいというふうに思います。
 それから、さまざまな企業、そういうところに設置いたすものでありますから、例えばデパート等も含めて人の出入りの多いところに恐らくこれから設置要求がなされるというふうに思いますが、そうなってまいりますと、単に簡易郵便局ができてお客にサービスするだけではなしに、そういうところで郵政事業のPRもできますし、いろんな意味で効果を上げることも可能だろうと思うんのあります。せっかくできたことでございますので、あらゆる可能性をさぐって効果的な運営をしてまいり、同時にあまねく国民の皆様に公平に郵政サービスができますように努力をしていきたいというふうに考えております。
○岡野裕君 衆議院の方の逓信委員会の審議を議事録で拝見をしておりましたら、郵便外務員の諸
君が配達の途上で、言うならば介護を要するような御家庭、寝たきり老人でありますか、というような皆さんに声かけ運動をしたらどうだというような話が出ていたように私見ているわけでありますが、その辺につきまして、言うならば郵政事業と福祉対策というような面につきましては大臣いかがでございましょうか。
○国務大臣(深谷隆司君) 衆議院の逓信委員会で武部文先生からの御発言の中に、ひとり暮らしの老人の方に一声かける、実際にそういう運動をやっている地域の御紹介がございまして、これを全国的に広げていくということのお考えも含めて御質問がなされたわけであります。私ども伺いまして、かねてからそういうことがあることは知っておりましたが、改めて非常に感激的な思いでその御発言を聞いておりました。
 その中には、例えば愛の往復はがき運動といって、行政の行き届かないところにおられる老人に往復はがきを送ってお元気かどうかの返事をいただくというような運動を展開しているところもあるやに聞きました。郵便局の特に外交の担当の職員の方々に極端な負担をかけてはなりませんけれども、毎日の仕事の中でそういう愛情のあるサービスといいましょうか、声をかけるような運動がもし全国的に広がってまいりますと、郵政事業に対する国民の期待とかあるいは信頼というものが一層増すのではないかというふうに私は思います。
 これからの郵政行政の中で、二万四千とにかくネットワークがあるわけでありまして、しかも三十万の人々が頑張っておるわけでございますから、そういう中でちょっとした思いやり、ちょっとした愛情が、国民の皆様の御理解と御協力を得られるとするならば、大いにその知恵を発揮していくことは大事ではないかと思いまして、つまり愛や思いやりのある郵政行政の一つの象徴的なキャンペーンにもなっていくのではないかと受けとめて、ぜひいろんな角度からそういう運動も起こしてみたいというふうに考えております。
○岡野裕君 ありがとうございました。質問を終わります。
○磯村修君 郵政の窓口サービスという点で簡易郵便局を大都会にも設置するというふうな趣旨は理解できます。そこで、こうした郵便局を、窓口サービスを設置する、具体的にどういうところに、都市、あるいはどういう場所に設置していく考えなのか。先ほどからデパート云々というふうな話も出ております。そしてまた、設置する窓口の必要な人の数というのはどの程度見込んでいるのか。あるいはまた面積、どの程度のスペースがあればその窓口業務ができるのか、その辺についてお伺いしたいと思います。
○政府委員(小野沢知之君) お答えいたします。
 まず、どういった地域に設置するかというお尋ねですが、先ほど来申し上げましたような趣旨でこういった制度を導入したわけでございますが、平成二年度予算におきましては東京都区、横浜市、名古屋市及び大阪市の四つの大都市の中心部に大都市型簡易郵便局を設置するための所要経費ということで、十局、一億一千六百万円が計上されております。
 そこで、今検討を進めておるわけですが、初年度ということで実験的という意味合いで十局だけなんですが、その管内別の配分につきましては郵便局の不足の実態、これが一番判断の基準になるわけですから、やはり東京都区への設置が中心になるだろうと考えております。そして、そのほかの三つの大都市についても少なくとも一局は設置する方針でございます。
 具体的な委託先といたしましては、今考えておりますのは、人々が大勢集まるあるいは往来する、そして郵政窓口サービスを利用する、そういったことが考えられますデパート、ターミナル駅周辺のショッピングセンター、それから大規模なテナント、こういったものを考えております。
 そこで、それではこの大都市型簡易郵便局にどの程度の職員が配置されるかといいますと、二人ほど考えております。それからスペースでございますが、約五十平米のスペースを考えております。
 以上でございます。
○磯村修君 こういう簡易郵便局を設置することは結構なことなんですけれども、大変今人手不足ということが言われております。企業によってはなかなか人が集まらない、仕事はたくさんあるんだけれども人手不足ということで、中には人手不足によって企業が倒産するという事態もあるわけなんです。例えばデパート等に委託するというふうなお考えのようなんですけれども、デパート自体も今人が足りない、なかなか集まらないという状況を聞いております。あるいはまた、売り場面積を広げたいというふうなことに必死になっているわけですね。そういう状況から考えますと、簡易郵便局の設置ということは、そうした今の好況の時代の中の新たな問題に直面してなかなか設置するのに困難さがあるんではなかろうかと思うんです。そういう意味において、この簡易郵便局の設置を具体的に進めていく、こうした問題にどういうふうに対応していくのか、その辺のお考えを伺いたいと思います。
○政府委員(小野沢知之君) 今先生から御指摘のありました大都市における人手不足とかスペースの狭隘等の実態、そういったことが私どもがこの制度を実施するに当たって最大の問題でございます。
 そこで、この新しいタイプの簡易郵便局の全郵便局における補完的な役割等を踏まえまして、それから今先生のおっしゃられました事由等を踏まえまして取扱事務の範囲を基本的でかつ取り扱い容易な事務に限定いたします。それから、郵便切手とかはがきの発売機とかATM、そういった各種の機器を配備する、そういったことでできる限り少ない人数で、それから必要最小限のスペースでもって郵政窓口サービスを提供できるように創意工夫していきたいというふうに考えております。
○磯村修君 こうした簡易局を設置する場合、その窓口で働く方は専従になるんでしょうか。あるいはまた、その業務を委託されるに当たっての何か一定の研修というものがあるんでしょうか。
○政府委員(小野沢知之君) ここの窓口事務に従事する方は、例えば法人ですとその法人の正規の職員ということになります。
 それから、新しい大事な仕事ですから、今まで以上に事前の訓練を郵政省も主体になって当該法人に対して、それからそういった仕事を予定される職員に対して事前に十分に行いたい。それから、業務に従事を開始した後もそういったことを絶えず行いたいというふうに考えております。
○磯村修君 この簡易郵便局を設置する対象の中には大きな規模の書店ということも考えておられますでしょうか。私もよく本屋へ行くんですけれども、雰囲気から考えまして、たまたまこの簡易郵便局の設置ということを見まして、大きな規模の本屋、書店にこうしたものを置けば比較的条件がいいのではないかというふうな感じもするんですけれども、その辺のお考えがあるかどうか。あるいはまた、今非常に車を利用する方がふえております。買い物に行くにも車というふうなことで、大規模な駐車場も設置されております。そうしたきちっとした管理がなされている駐車場等も窓口業務を進めていく上で利用者側からいえば便利なものになるんではなかろうかというふうなことも印象として考えられるんですね。そうしたところも一つの対象として考えられるかどうか。
 もう一つは、今大都市には大きなホテルもたくさん出ております。そうした意味で、仮に例えばホテルの中にこういう窓口業務を委託するといった場合、聞くところによると国際郵便の扱いというのはいろいろ手続的に難しい問題があるようなんですけれども、この国際郵便の扱い、こういうものを国際化時代にふさわしい一つの郵政窓口のサービスとして考えられやしないか、その辺のお考えを伺いたいと思います。
○政府委員(小野沢知之君) 今具体的な委託先を検討しているわけですが、正直申し上げまして、
先生の御提言が物すごいヒントになりました。私ども実は書店とか駐車場を考えておりませんでしたけれども、非常に有意義な御提案をいただいたというふうに感じております。
 例えば大規模な書店につきましては、とにかく多くの人が集まるということで立地条件が非常によいところに置かれているということです。しかも、その利用者の層がサラリーマンから主婦から学生まで非常に幅広い。ということは郵便局の利用の対象として考え得る有力な委託先ではないかというふうに考えております。
 また、きちんと管理するところを備えている駐車場ですが、これまた多くの人々が利用している実態ということで、恐らく調べてみますと私が感じている以上に大勢の人が出たり入ったりすると思いますが、そういう意味でこれから業務委託先の具体的な検討に当たりましては真剣な検討の対象に加えたいというふうに考えます。
 お尋ねの最後の一点、漏らしましたので補足させていただきます。
 外国人等を対象とする大都市型の簡易郵便局の設置は考えられないかというお尋ねですが、国際化が現在急進展しておりますし、私ども国際関係が重要だという認識は日々感じておるわけですが、そういう意味で、外国人の多い都市部の大きなホテルに大都市型の簡易郵便局を設置してそこで国際郵便を取り扱うという御提言ですが、国際化への対応を的確に行うという視点から真剣に拝聴させていただいたわけでございます。
 外国郵便については難しい細かい手続の対応等もございますが、事務内容が複雑で取り扱いが難しいという特性が国際郵便にあるわけで、その辺の問題点をどう解決できるかについて検討する必がありますけれども、結論として、初年度は恐く準備期間が短いので十分検討時間がなくて無かと思いますが、そういった初年度の実践経験積んだ上でもって平成三年度以降先生の御提言検討対象に加えたいというふうに考えます。
○磯村修君 私ども法律を読む場合に、大変難しい言葉にぶつかるんですね。非常に読みにくい、理解しにくいというふうなことにも時々直面するんです。この法律、この法律だけではないんですけれども、特に郵政省のよく見られる言葉に「役務」という言葉が出てくるんです。この「役務」という言葉の意味とそれから「業務」という言葉、これは何か意味があるんでしょうか、お伺いします。
○政府委員(小野沢知之君) 郵政省に勤務している歴史の中では比較的法令に携わった方でございますが、私の経験等から若干御説明させていただきますと、法令用語的な使い方として私どもまず真っ先に見る辞典類が歴代内閣法制局長官が編さんしております「法令用語辞典」なんですが、これを見ますと、「役務」というのはサービスそのものを意味する、「業務」というのは継続して行う事務または事業を意味するというふうに承知しております。
 ところで、例えば私が所管しております郵便法における具体的な用語例を見てみますと、「役務」という言葉は、同法第一条の規定の中の「この法律は、郵便の役務をなるべく安い料金で、あまねく、公平に提供することによつて、公共の福祉を増進することを目的とする。」というふうに使われております。これに対しまして「業務」は、同法の第九条第二項の規定の「郵便の業務に従事する者は、在職中郵便物に関して知り得た他人の秘密を守らなければならない。」というふうな規定ぶりがございます。
 こうした用語例に従いますと、郵便の役務というのは郵便事業の組織によって郵便法令に基づいて信書その他の物件の送達とかそれらについての証明とかそういったサービスそのものを意味するというふうに解釈しております。一方、郵便の業務というのはこうした郵便のサービスを提供するための事務を意味するというふうに解釈しております。
 そこで、簡易郵便局は、特定郵便局を補完し郵政窓口サービスを提供することを目的として設置するものでございますので、以上申し上げたような用語例に従いまして「役務」という法令用語を用いさせていただいた次第でございます。
 なお、当然のことながら、今御指摘のありましたように、今後とも法令用語の使用に当たりましては、正確を期すると同時に一般的にも理解されやすい平易な用語を用いるように心を配ってまいりたいと思います。
○磯村修君 よくわからないんです、非常にわかりにくいんですけれども。時間がありませんので、別に国語論争するわけじゃございませんけれども、やっぱり法律というのは国民のためにあるものであって、役所のためにあるんじゃないんです。そういう意味において私はこういう言葉をあえて使う必要があるのかどうか疑問を持つんです。何も「役務」なんという明治時代の何か時代を思い起こすような言葉を使わなくたって、平たく「業務」でいいんじゃないですか、こういうふうに私思うんです。
 例えば、これ読み返してみますと、「郵政事業の役務の一層の普及」なんということよりかも、「役務」なんて、今の若い人たちに役務という言葉わかりますかと言ってもわかりません、これははっきり言って。郵政事業の業務の一層のでいいんじゃないですか、これは。わかりやすい方がやっぱり国民になじまれるんですよ。法律というのは国民が理解しなかったら意味がないわけなんですから。そういう意味において私は言葉というのはやはり平易でわかりやすい言葉を使った方がいいんじゃないかと思うんです。特に小野沢郵務局長は俳句をなさっているそうですけれども、大変言葉の表現には心を砕いていると思うんです。そういう意味においても、これから法律をつくる場合にはみんなになじみやすい、理解しやすい言葉を使ってほしいということを私望んでおきます。
 それから、次の質問ですけれども、ちょっと時間がなくなってまいりました。
 省資源の問題がよく言われておりますけれども、私は前々から思っていたんですけれども、官製はがき、これを再生紙でもってつくれないものだろうか、こういうふうに思うんです。コストは高くなるかもわかりませんけれども、やはり省資源ということから考えた場合、国が率先してこの問題に取り組むという観点から考えても、再生紙を使って官製はがきをつくったらどうかというふうに思うんですけれども、いかがでしょう。
○説明員(福味徹君) お答えします。
 森林資源保護等環境問題が非常に重要になってまいっておりまして、今や世界的にも最大の問題だと、こういう今日、先生が御指摘なさいました省資源という問題は先進工業国の我が国にとっても大切な問題である、このように基本的に考えております。また、国民の皆様に親しまれ、そして身近に日常御利用いただいております郵便はがきに率先して再生紙を使用するということは、省資源、そしてひいては環境保全の重要性について人々の認識を深める上でその効果も大きいと思われます。そういうわけで、私どもといたしましてもこれから前向きに検討してまいりたい、このように考えております。
 しかし、郵便はがきはこれまで百年余、国民の皆様に親しまれてまいっておりますし、私どもといたしましても研究に研究を重ねて非常に書きやすい、そしてインキなどがにじまない、そして長期保存にも耐えるなど紙質の改善に努力をしてまいっております。したがって、古紙が入りますと紙質の面で国民の皆さんの期待にこたえられるかどうか、そういうような問題、それから価格の問題も確かにございます。そういうわけで、今後古紙の混入率の割合とかあるいは強度の向上とかあるいは印刷の適性等研究を重ねまして、さらにコストの低減とか偽造、変造防止策等、そういうものを総合して研究してまいりたい、このように考えております。
○国務大臣(深谷隆司君) ちょっと済みません。一言つけ加えさせていただきます。
 今部長からお答えしたとおりでございます。余
分なことでありますが、この間通信白書という厚いものを出させていただきました。あれは再生紙を使わせていただきました。初めての試みでございます。
○磯村修君 終わります。
○鶴岡洋君 最初にお伺いいたします。
 今回のこの法の改正によって簡易郵便局のいわゆる設置方針が変わったのかどうなのか。従来は、田舎の方ですか、各地方へつくっていくという大方針があって今日まで来たわけでございますけれども、この法改正によって大都市に十カ所、四大都市にというお話でございますけれども、この設置方針が変わったのかどうなのか、これが一点。
 それと予算が一億一千六百万、十カ所、四大都市に、東京が中心というお話でございますけれども、この一億一千六百万、これは何に使うのか。機材や事務用品いろいろあるでしょうけれども、予算というものはこれに幾ら使ってこれに幾ら使って、設置のためにこういう機材を使うから十カ所で一億一千六百万、こういうことで積み上げられた予算だと思いますけれども、その点について。二点お伺いいたします。
○国務大臣(深谷隆司君) 前段の御質問について私から申し上げます。
 郵政事業を全国あまねく徹底して行うために、過密化した都市の利便を図るために、まさに辺地から都市の過密化した地域にまで国民にあまねく郵政事業を提供するために今回目的規定を改正したわけでございます。
 ただ、改正後の簡易郵便局法においても、簡易郵便局は特定郵便局を設置すれば著しく不経済になる場合に設置する方針で、簡易郵便局は特定郵便局の補完としての位置づけでございます。したがいまして、従来からの設置の方針を変えるというわけではございません。従来型簡易郵便局の役割は変わらずに、今後ともへんぴな地方にまで郵政窓口のサービスを広めるという従来型の簡易郵局の設置の基本方針は申しましたように変わらないということでございます。
 予算関係は局長からお答えいたします。
○政府委員(小野沢知之君) お尋ねの第二点の予算の一億一千六百万円の内訳でございますが、まず取扱手数料の月額単価の方、それがまた二つの予算に分かれまして、建物の借料とか事務準備の人件費とか光熱水料等の基本額、これが百三十万円でございます。それから取扱件数とか取扱金額に応ずるものですが、取扱料、加算額ということで六十四万円。これ合計しますと百九十四万円ですが、平成二年度の予算上六カ月ということになっておりますので、それからまた十カ所認められておりますから、百九十四万円掛ける十カ所掛ける六カ月ということで一億一千六百万円になる、こういう積算根拠でございます。
○鶴岡洋君 次にそれに関連して、最近簡易局は個人受託者が大変多くなってきております。この表を見ても簡易局は総計ではふえておりますけれども、個人がふえ、そして団体、地方公共団体の数が大分減っている。総体ではふえていますけれども。昭和四十五年当時の数字から見ると全体の九九・一%、これを地方公共団体それから協同組合等が占めているわけです。それが昭和六十三年度では全体の三三・七%ですか、こういうふうに減少しているわけでございますけれども、その分個人の簡易局の受託者が増加しているということはどういうことなのか。また地方公共団体が減少しているのはどういうわけなのか、この辺の理由はどういうことでございましょうか。
○政府委員(小野沢知之君) 先生御指摘のような現象があるわけでございますが、地方公共団体及び協同組合の受託が減少して、一方個人の受託が増加している理由としまして、私どもの分析によりますと、地方公共団体の場合は、事務の合理化のために地方公共団体の職員で窓口事務を取り扱っていた者が定年を迎えた際に個人受託に切りかえる、そういうケースが非常に多くございます。それから地方公共団体の事情でもって個人受託に切りかえる場合がまた多い。また協同組合の場合には、簡易郵便局を設置している協同組合の支所が事務合理化によって廃止される、そのため当該地域の郵政窓口サービスを確保する必要があることから個人受託に切りかえる、そういうケースが多く見られております。
○鶴岡洋君 現実的には私よくわかりませんけれども、そういう、いわゆる片方は廃業する、したがって個人がふえてくる、こういうことは、数の上では変わってはおりませんけれども、むしろふえている方なんですけれども、私が心配するのは、先ほど岡野先生からお話があったように、それを専従にやるというのですか、個人でも専従にやるんでしょうけれども、いわゆる本省の方からの通達とかそれから仕事の内容、これが社会が多様化し複雑化してくると非常に多くなってくるわけです。
 そういう面で、例えば先日私お話ししましたNTTの横浜のいわゆる料金の取り過ぎとか、ある地方公共団体では固定資産税の取り過ぎであるとか、そういうケースが出てきて、内容はもちろん違いますけれども、そういったことで個人の訓練というんですか、教育、指導、この辺について私心配するんですけれども、この辺はどういうふうになされるつもりなんですか。
○政府委員(小野沢知之君) 全く新しい制度の発足でございますし、先生の御心配のような点、私も心配しておりますので、当該職員に対する訓練、全く新しい訓練要領を作成するべく今準備いたしております。そういった感じで万全を期したいというふうに考えております。
○鶴岡洋君 もう一つ、今後郵政事業が今申しましたように社会経済の変化を的確にとらえ、多様化、高度化するニーズに対応するいろいろな郵便サービスを提供するために郵便のネットワークを活用して事業展開を図るようでございますけれども、平成二年度では具体的にどのような施策を新たに展開するという考えを持っておられますか。
○政府委員(小野沢知之君) 私、この一月から一カ月ほど郵務局の若い補佐クラスと真剣に議論いたしまして、今お尋ねのようなことを私も感じておりましたので、「二十一世紀に向けた郵便事業の展開」ということでまとめたのですが、その場合に留意しましたことは、一九九〇年代の社会経済の変化とそれが郵便事業に及ぼす影響を見通す、それとともに郵便事業の現状と課題を分析し、郵便事業がその基本的役割を果たしていくために目指すべき基本的方向ということで、三つを定めました。
 第一が、多様化、高度化するニーズに対応した多種多様な郵便サービスの提供ということです。第二点が、急増する郵便物を円滑に処理して正常な業務運行を確保するとともに、こうした多種多様な郵便サービスの提供を可能にするための郵便ネットワークの情報化、効率化という点です。第三が、過疎地域の振興等の我が国の重要な政策課題の解決に寄与し、豊かで活力のある社会の実現に貢献するための郵便ネットワークを活用した地域社会、国際社会への貢献ということです。
 このような基本方針に基づきまして、平成二年度におきましては次の六つの柱のもとに各種の具体的な施策を展開しつつあります。
 まず一つですが、サービスの開発、改善ということで、具体的には利用者のニーズに対応するためカラーレタックスの開発とか超特急郵便サービスの実施地域の拡大等のサービスの開発、改善を行うことでございます。
 第二点目が効率的、効果的な営業活動の展開ということで、営業活動体制の充実強化を図るとともに、郵便商品の積極的な販売促進活動等を展開するということです。
 第三点が事業運営基盤の整備充実ということで、首都圏における郵便ネットワークを整備充実して郵便物数の急増に対応するとともに、お客様サービスを向上させることを目的といたしまして本年八月に新東京郵便局、東京小包郵便局を開局いたします。また、郵便局の土地の高度利用のあり方等郵便事業の運営基盤の整備に関する基礎的な基本的な調査研究を実施しております。
 第四点が地域社会への貢献ということで、地域住民の利便向上を図るために郵便局で住民票やパスポートの交付事務を行うなど窓口サービスの多様化に関する調査研究を既に実施しております。
 それから第五点目が国際社会への貢献ということで、開発途上国郵政庁の郵便関係職員を我が国に招いて人材育成のための長期研修を行うほか、外国郵政庁との郵便情報ネットワーク、国際郵便追跡システムの構築を図っています。
 最後に郵政行政全体との連携ということで、郵政事業一体のサービス開発の推進など郵政行政全体の視野に立った施策を進めつつございます。
 ということで、平成二年度は一九九〇年代の最初の年でもありますので、郵便事業が二十一世紀に向けてその真価を発揮し、事業に対する国民の信頼を確固たるものとするために今申し上げたような施策を中心として積極的に取り組んでまいりたいというように考えております。
 なお、郵便事業の本省、地方郵政局、現場一体となった本年度のスローガンは、「二十一世紀に向け翔く郵便!郵便局を国民の安心の拠所に」というスローガンを掲げております。
○鶴岡洋君 住民サービスは結構でございますし、そうしてもらいたい、利用者の方もそれを望んでいるわけでございますけれども、今言われたように盛りだくさんのサービスがあるようでございますが、盛りだくさんのサービスはサービスとして、聞くところによると窓口へ行って三十分も四十分も待たされる、こういうケースも多々出てきている。こういうことをお聞きしますと、サービスするのは結構でございますけれども、いわゆる業務の拡大ばかりやるのではなくて、待たせないというようなことも考慮に入れて、そういう点を考えておられると思いますけれども、その点はどうなんですか。
○政府委員(小野沢知之君) 窓口サービスの点について申しますと、まさに先生のおっしゃるとおりお客様をお待たせしないということが私どもが心がけるべき基本だというふうに考えております。
○鶴岡洋君 郵便利用の構造調査によりますと、個人用の通信に利用されている郵便物数は全体の約一六%、年々その比重が低下をしている傾向にあるわけです。郵政省としては、この個人間通信の普及については何か施策、考えを持っておられますか。
○政府委員(小野沢知之君) まず私どもの基本的な考え方として、郵便による個人間の通信は郵便の原点である、そして郵便の持つ教育的、文化的重要性を改めて今の世の中でもって考え直す必要があるんじゃないかというふうに私自身考えております。
 そこで、郵便事業を取り巻く環境は極めて厳しいものでございますけれども、将来の郵便事業運営を展望すると、個人間通信の振興を図っていくことが一つの重要な要素だというふうに考えております。
 また、文字離れが云々されているそういう風潮の中で、昨年十一月一日の本委員会におきまして「手紙のもつ文化的・教育的意義にかんがみ、文通活動の啓発等をとおして、手紙文化の普及・振興に一層努力すること。」という附帯決議をいただいているところでございます。このような趣旨から、私ども、切手文通の振興を図るために、多様な郵便切手類の発行政策の策定だとかお年玉つき年賀はがき、さくらめーる、かもめーる、そういったものの抜本的改正とか、世界で初めての郵便切手デザインコンクールの実施、郵便イメージキャラクターの策定、ふみの日キャンペーンの積極的な展開、手紙作文コンクールの内容の充実など、そういった施策を実施してきたところでございます。さらに、これから郵便切手類の発行や文通の促進を通じた地域社会の振興、国際化への対応、高齢化社会への対応などが必要と考えまして、ふるさと切手とかふるさと絵はがきの発行、国際文通の積極的推進、日本国際切手展91の開催、シニア郵便友の会の育成強化などの具体的な施策を進めているところでございます。
 なお、そういった施策を実行する場合にやはり体制づくりが必要ですので、切手文通振興のための諸施策をさらに充実強化するために、先般、本年の六月八日、今までは公達レベルの組織であった切手文通室を改組充実いたしまして政令レベルの切手文通振興課をつくりまして、要員を強化して、これらの重要な課題に真剣に取り組んでいるところでございます。
 また、こういったことを機会といたしまして、新たに郵便切手類に関する本格的な需用動向の調査だとか、あるいは手紙文化の振興等に関する懇談会、こういったものを実施して、時宜にかなった有効な施策を新たに展開していきたいというふうに考えております。
○鶴岡洋君 私も見せていただいたんですが、六月一日に第一回の郵便切手デザインコンクールの表彰式が行われましたけれども、このコンクールは世界で初めての試みだということでもございますし、国内国外多数の作品の応募があって大変反響を呼んだと聞いておりますけれども、どういう状況だったのか教えていただけますか。
○政府委員(小野沢知之君) 昨年夏着任して、はっとひらめいて直ちに実行に着手したわけですが、結果的に実施してよかったというふうに考えております。周知期間が二、三カ月という短い期間でございましたけれども、やはりこういった意義を感じ取ってくださる方が世界にいっぱいございまして、海外八十九カ国から約一万一千点、国内約二万一千点、合計約三万二千点に上る作品が寄せられております。
 それで、これらを厳正な審査を行った結果、郵政大臣賞二点(海外国内各一点)、優秀賞十点(海外国内各五点)、入選百一点(海外三十六カ国五十二点、国内四十九点)を決定したわけですが、ちなみに郵政大臣賞の受賞者は海外では西ドイツの二十六歳の女性でございます。国内では熊本市の三十六歳の男性です。それから、優秀賞の海外受賞者は結果的に非常にバランスよくなっておりまして、アルゼンチン、スイス、中華人民共和国、東ドイツ、フランスというふうになっております。
 なお、これらの郵政大臣賞の受賞作品二点につきましては特殊切手のデザインとして採用いたしまして、我が国が万国郵便連合UPUに加盟した日、一八七七年、明治十年六月一日ですが、この日にちなんで既に六月一日に発行いたしました。また、当日の表彰式とかあるいは祝賀会の状況を見ておりますと極めて盛況でして、私どもの予想した以上に評価が高くて、こういったコンクールをなお続けてほしいということでございます。
 そういう意味で、私どもかなり自信を得ましたので、さらに世界の人々の郵便切手に対する関心を大いに高めるとともに、小さな外交官というよりもむしろ立派な大きな外交官だという印象を深めました。国際文化交流の面でも非常に大きな役割を果たすものというふうに考えておりますので、これからさらに充実させながらこのコンクールを継続的に実施していきたい、こういうふうに考えております。
○鶴岡洋君 最後に提案ですけれども、このコンクールも結構でありましたし、このコンクールの大臣賞、優秀賞、非常にきれいなデザインで、いずれこれは切手として発行されるわけでございますけれども、私が思うのには、私のところへ来ているこれ二枚、大臣ごらんになればわかるようにこれは使ったという印なんですけれども、余りにもちょっと醜いというか何というか、このあれなんかまるっきり元の切手がないぐらいに川印か何印か知らないけれども塗りつぶされている。これは使ったということがわかればいいんであって、もうちょっとこの辺を考えたら、せっかくいいデザインをつくって、中にはしまっておこう、記念にしておこう、思い出にしようということでとっておく人もあると思うんです。そういった面で、再び使われるのはちょっと困りますけれども、使ったということだけわかればいいんであって、このスタンプをもうちょっと何とか考えてもらえないかな、こういうふうに思うんですけれども、
この点は何かいいアイデアありませんか。
○政府委員(小野沢知之君) 全く同感でございまして、私きれいなものが大好きですので、郵務局長に着任して以来、すばらしい日本の切手を発行することに心血を注いできたつもりでございます。例えば趣味週間で「星を見る女性」というのを発行しましたり、去年はシンザン切手を発行したり、また今度は世界切手デザインコンクールを発行したんですが、それを使って私のところへ手紙をくれる人が大勢おりますが、それを見ますとかなりその切手の持つ美しさが汚損されている状況をしばしば見まして、私自身非常に悲しい気持ちになりました。
 そこで一カ月ほど前、これは何とかならないかと、今先生おっしゃったように消印というのは使用済みであるという確認がきちんとできればいいんじゃないか、あとはそれをシンプルにしてできる限り切手のよさを消さないようにしなきゃいけないんじゃないかということを実は担当課に対して一カ月ほど前指示していたところでございます。
 今先生の御発言を聞きまして、私の考えと全く同一でありまして、我が意を得たという感じでございます。先生の御提言を契機にいたしまして、使用済みである確認が得られればよいものであるということを念頭に置きながら、小さな芸術品と言われる郵便切手のよさを尊重するという観点に立ちまして、印影を可能な限りシンプルなデザインとしてつくり直したいということで今鋭意検討を行っています。できましたならば、本年の秋あたりには新しい創意工夫したものでもって本年秋を目途として改善したい、こういうふうに考えております。
○鶴岡洋君 終わります。
○山中郁子君 私は、たしか一九八六年でした、昭和六十一年の三月二十五日の当委員会で、当時佐藤文生郵政大臣であったと記憶しておりますけれども、例えばJRなどと協力して駅に郵便局をつくることを進めるというお約束もあったし、またそのように努力をするというお話がありました。その後だったと思うんですけれども、やはり逓信委員会の視察で北海道のたしか函館の近くだったと思いますが渡島当別というところで、JRの駅と郵便局と一緒になって――郵政省の方に伺ったら、写真を見せていただいて思い出したんですけれども、そこなんかも見せていただきました。この辺のことは今前進しているんでしょうか。
 私も実は今練馬区に住んでいまして、中村橋という西武池袋線の駅から歩いて十分はかからない、七、八分かかるんですけれども、歩いてくる途中に、通勤途中に何も郵便局の施設がないんです。ポストもない。どこか少し横町に入って探せばあるのかなと思うんですけれども、とにかく遠回りしないと郵便局もないしポストもないし、いつでも何か投函しようと思って出てきても困っちゃって、結局国会まで持ってきて国会で投函するんです。たまたま私が住んでいるところがそうであるというだけじゃなくて、やっぱりそれなりの確率でそういう不便な思いをしていらっしゃる方が多いと思うんです。
 こういうことを申し上げるのは、特に大都市の生活になりますと今もう共働きが多うございますし、専業主婦という立場で家に大体いらっしゃるという方はほとんどもう少なくなっていますから、だからどうしてもやはり通勤とかそういう意味で交通機関との接点が必要だと思っているんです。初めにお伺いいたしましたが、佐藤文生大臣がそのように発言をされていたということとも関連いたしますので、ひとつ郵政大臣から現状あるいは今後のお考え方などをお伺いいたします。
○国務大臣(深谷隆司君) 細かい現状につきましては局長から申し上げることにいたしますが、先生御指摘のように、駅舎というのはあるいは駅というのは大勢の人たちがとにかく集まる場所でございます。そういうところに郵便局を一緒に設置させていただくということはこれはもうお客様の利便にもかないますし、郵政省としても大変大事なことでございますので、これからも一層努力をするように督励してまいりたいと思っております。
 現況については局長から申し上げます。
○政府委員(小野沢知之君) 先生から御提言いただいた以降の郵政省の取り組み状況について御説明いたします。
 駅に郵便局を設置するべくJRの各社と折衝を重ねた結果、現在までに札幌駅、旭川駅、名古屋駅、名古屋の金山駅、金沢駅の五つの駅に郵便局を設置することができました。それから、駅に郵便局を設置するための具体的な交渉等の取り組みを各地方郵政局等が行っておりますが、そのうち交渉が具体化している案件が、現在大阪駅とか熊本駅など約十件ございます。
 それから、先生のお尋ねの第二点でございますが、今非常に肝に銘じましたのは、交通機関と郵便局の接点を一つの大きな要件としてはどうかというお話ですが、非常に大事な要素だというふうに考えております。それから、私の通勤の経験等からいたしましても、忙しくて夜帰って、わずかな時間に手紙を書く、それを翌朝通勤途中のポストに投函する、そこで一日を迎えるような気持ちになったことを思い出しておりますので、非常に大事な御指摘だと思いますが、現実には駅やその付近に郵便局の設置に必要な土地や建物を確保することが困難であるため利用者の希望に沿った郵便局の設置が進んでいない状況にあります。
 郵便局の設置に当たりましては、郵政三事業が一体となって最も効果的な設置場所を選定することが必要だというふうに考えておりまして、そういう意味で先般郵政省組織令を改正しまして、貯金のサイド、簡保のサイドからいろいろな意見をまとめてもらう、それをまた郵務局が総合調整するというのは、単に郵便局を郵便の運送等の観点じゃなくて店舗性という観点から見詰める必要があるんじゃないかということで、そういう組織令の改正を行ったわけでございます。そういった点を法令に明確にしたんですが、これは先生の御指摘の趣旨にもつながるんじゃないかというふうに考えています。御指摘の点を踏まえながら一層努力してまいりたいと思います。
○山中郁子君 そのこととかかわりがあって本法案が提起されてもいるわけなんですけれども、今度の法案関連で具体的に場所を打診したところが実際にあるのか。例えばどこの駅とかどこのデパートだとか、大きなスーパーだとか、そういうことが想定されていると思うんですが、実際に打診されているところがあるのか。まだ法律が成立していませんから、そういう意味では準備作業としてということだと思いますけれども、それをお伺いしたい。
 それから、営業時間だとか業務内容はどういう形になるのでしょうか、お尋ねいたします。
○政府委員(小野沢知之君) まだ法律が施行されておりませんから、当然のことながら関係方面に対する正式の打診は行っておりません。しかし、平成二年度予算編成の大臣折衝の報道発表以来、デパートとか鉄道会社等の法人から手数料とかスペースとか人数等についてかなりの照会が寄せられております。そういった照会に対して、私どもが知っている限りの資料だとか考え方を恐らく担当者が応答していると思います。そういう意味ではいろんな感触をつかみ合っているということもあろうかと思いますが、まだ私段階での正式な打診、私が承知した上での正式の打診というのは行っておりませんが、法律が施行されましたならば、今までの準備作業、内部的に進めておりましたものを皆具体的に現実化してそういった折衝等を行ってまいりたいというふうに考えております。
 それから、第二点のお尋ねの事務内容等でございますが、とにかく大都市に設置するということでかなりの事務量が予想されますので、郵政窓口サービスを円滑に提供するために基本的でかつ取り扱いの容易な事務に限定することにいたしております。具体的な事務内容としては、郵便ですと郵便切手、収入印紙の販売、書留、小包等の郵便
物の引き受け、貯金の場合ですと郵便貯金の預払い、郵便振替の受け入れ、簡保ですと保険料の受け入れ、そういったものに限定してスタートさせたいというふうに考えています。
 また、事務の取扱時間とか営業日についてでございますけれども、利用者の利便の向上と委託先の効率的な運営ということを勘案いたしまして、委託先の営業日や営業時間と合わせるということを考えております。
○山中郁子君 先ほどもどなたか言っていらしたんだけれども、東京なんかで考えてそういうものを受けるところがあるのかなとか、そういうことを考えるんです。それで大体当たっているのでしょうかということをお尋ねしたんですけれども、要するにそれなりの見通しはあるということなのかな。いざ法律はできたけれども、いや、あのもうということになるのかどうか、その辺がよくわからないなということなんです。ちょっと簡単に教えてください。
○政府委員(小野沢知之君) 何事もとっさにお答えすること、今ちょっと戸惑いますが、今まで数多くの制度改正を行ってきておりますが、心血を注いだ数多くの制度改正で世の中に受け入れられなかったり普及しなかったことはないという自負を持っておりますので、真剣に対応していきたいと思います。
○山中郁子君 突如としてすごい精神主義が出てきた。心血を注げば事はすべて成るということなら世の中苦労はないと思いますけれども、何か期するところがあってのお答えなのでございましょう。
 いずれにいたしましても、私が一つ心配しますのは、先ほども大森委員が余り賛成じゃないけれどもしようがないというような感じのことをおっしゃって――間違えていたらごめんなさい。私もいろいろ問題あるけれどもしようがないという面があるんだなというふうに思うんです。なかなかこれ難しいところで、実際に業務に当たるのは、例えばデパートならデパートで引き受けたとなればそこのデパートの職員の人が業務に当たるわけでしょう。だけれども、そういうところに、デパートへやっと入ったのにデパートの職員が何か郵便局の仕事をするというふうに、そこへ回されちゃうとみんな喜ばないのか喜ぶのか、その辺もよくわかりませんけれども、それは交代でやるわけにもいきませんでしょう。そういう重要ないろんなお金絡みのものも扱うわけだから、ちゃんとした訓練をして、そして、みなし公務員じゃないけれども公務員の守秘義務なりなんなり、そういうものも必要になるわけですね。だから、適当に交代でやらせるというわけにもいきませんでしょう。
 そうすると、例えばアルバイトを雇ってアルバイトにやらせるみたいなことをしたり、あるいは定年間際の、俗に言う窓際族じゃないけれども、そういう方たちの、そこの会社の中に何か一種のそういう差別的な場所というか勤務の場所を持ち込むみたいな結果になってしまわないかとか、いろいろ見当がつかなくてさまざま心配される問題があるんです。そういうようなことはどういうふうに考えていらっしゃいますか。
○政府委員(小野沢知之君) 委託先が十カ所ですから、私どもかなり丹念に個別的案件に即応して準備ができるというふうに判断いたしております。そういう意味で自信を持っているわけでございますが、今お尋ねのうちの一つのアルバイト云々の問題ですが、この大都市型簡易郵便局で事務に従事する者というのは委託先の法人の正規の職員でして、したがってその法人が雇用するアルバイトには従事させないことといたしております。いずれにしましても大事な仕事ということを受託先も十分承知することになりまして、魅力的な生き生きとした職員を恐らく配置してくれるだろうというふうに考えております。
 それから、訓練等につきましては全力投球して万全を期したいというふうに考えております。
○山中郁子君 そうすると、今度の法律でもって十カ所ということで大いに成算あるという局長の御答弁なのですが、これはそれじゃうまくいったら今後またさらにふやしていくというお考えがあるのかどうか。それは一つの面からいうと、そういうことで解決しなければなかなか都心部に、東京に限りませんけれども大都市の都心部に郵便局の施設ができないという一面はあるんですね。だけれども、逆に安易に今度は簡易郵便局、そういうもので解決をしていくという側面を考えないでいいのかどうか。つまり、本来ならばきちんと特定局なり普通局なり配置計画がなされてそのように前進させていかなきゃいけないものが、今申し上げたような観点とのバランス、この辺はどういうふうに見ていらっしゃるでしょうか、基本的にはどういうふうに考えていらっしゃるか。
○政府委員(小野沢知之君) 私どもの基本的な考えと申しますのは、郵政窓口機関の設置に当たりましては郵政事業は国がみずから役務を提供することを原則とする、これを大切に守っていきたいというふうに考えております。したがいまして、簡易郵便局は、特定郵便局の補完として事務量とか取扱時間とかいろんな観点から見て不経済になる場合に設置するということでして、こういった意味で特定郵便局と簡易郵便局との関係についてはこれまでの関係、基本的な考えに何ら変化がないということでございます。
 それから、当然私ども大都市にこういったものを設置するという趣旨が散漫にならないように注意いたしますから、安易に拡大するという考え方は全くございません。初年度が十カ所でもって、全国でこれだけ需要がある中でとりあえず十カ所からスタートするというその意義は、慎重に考えていく、いろんな問題点を検討する、それを積み重ねながら今後の計画を固めていくということでございます。
○山中郁子君 土地事情だとかあるいは国民のニーズだとか、そういう複雑な問題が絡み合っていますから一概に言えない面はあるんですけれども、いずれにいたしましても今局長が言われた基本、その基本のところを押さえて安易に流れないようにすることはどうしても必要なことではないかと私も思います。
 この問題についてもう一点お伺いいたしますのは、郵便局の土地の高度利用、効率的利用、この点について調査研究費が予算化されたそうでありますけれども、その検討の状況、どういうことを課題として、あるいは問題点としてどう把握されていらっしゃるか、方向性はどうなのか。現在具体的に高度利用、効率利用の対象として検討している局所があるのかどうか、その辺をお知らせいただきたい。
○政府委員(小野沢知之君) 郵便局の土地の高度利用という施策ですが、平成二年度の予算要求の最重要項目の一つとして掲げた結果、至難のわざと言われた課題ですが、結果的に世の中の流れを見きわめたという恐らくそういう評価を得たと思いますが、そのための調査研究費が一千百万円ついてございます。
 そこで、塩野宏東大法学部教授、行政法の権威でいらっしゃいますが、この方を座長といたしまして「郵便局の土地の高度利用の在り方等郵便事業運営基盤の整備」というタイトルで調査研究会を設置いたしまして、既に去る六月八日に開催し、幅広い視野のもとに専門的な見地からの御検討をいただいております。要するに、私どもは昨年初めて要求したんですが、これに各界の有識者の御意見を入れる、さらに客観性、公平性を加える、こういう観点でございますが、その調査研究会における検討項目、課題の主なものは次のとおりでございます。
 一つが国公有地の有効利用に関する政策、提言における郵便局の土地の高度利用の意義、第二点が合築や土地信託、事業信託など土地の高度利用の事業方策、第三点が大都市を中心とする民間活力を活用した公有地の高度利用の実態と問題点、第四点が土地の高度利用を行う郵便局の選定の具体的基準ということで、これらのテーマにつきまして現行法制の枠にとらわれることなく幅広い視野のもとで多角的に議論をしていただく。またそ
れとあわせて地方自治体初め各界からのヒアリングを実施したり、各種の文献調査も行うということを考えております。そういうことで鋭意検討を進めておりまして、これを平成三年度予算要求に的確に反映していきたいというふうに考えております。
 なお、どの郵便局の土地を高度利用するかという具体的な問題でございますが、現行法制上郵便局の土地の高度利用のあり方が極めて限定されているし、また法律制度が改正されていない、現在、先ほど申し上げましたような調査研究に着手したばかりの段階でございますので、具体的な対象の検討には入っておりません。
○山中郁子君 確かに郵便局は全国にたくさんありますし、今土地問題のこういう状況の中で、ねらわれるといえばねらわれるという大きな問題がいろいろあるんですね。私はこの点はまだ本当に端緒についたばかりでそう具体的なことも挙がってないというお話で、局長が親切に答弁してくださるんだけれども、ちょっと聞きづらくてよくわからないところがあったんですけれども、もう時間がないから聞き直さないで後でよく伺うことにします。
 要するに、私がこの問題をやはり考えなきゃいけない、重視していかなきゃいけないなと思うのは、どう考えても例えば東京の大手町の東京駅のど真ん中の中郵なら中郵、ああいうところの高度利用みたいなものになっていけば、それは幾ら公的な利用とかいろんなことを言ったって結局あの辺の大企業の事務所をつくる、高層ビルかなんかつくる、そういうようなことは容易に考えられるわけです。中郵だけじゃありませんよ。郵便局の土地高度利用とか効率的利用とかといったら、そういうことはどうしても考えられていくわけでしょう。それらの問題と、また住民要求の問題とか国民的な公的な郵便局というか郵政省というか国の施設にふさわしいそういう使い方とのせめぎ合いというのはやはりかなり大きな今後の課題になるというふうに私は予感をいたしましたのでこのことをちょっとお尋ねしたわけです。
 もう一つ、きょうあと残された時間で職員の健康の問題というよりはもっと深刻な過労死の問題、このことについて、これは私ひとつぜひ大臣にもお考えいただきたいと思ってお伺いするわけであります。
 過労死というのが今国際語にもなっていて、重要な国民的な社会問題になっているんですけれども、特に郵政事業における中間管理職の人たちの過労死というのはかなり重視しなきゃいけない状況が生まれていると私は認識しています。中間管理職の方たちは労働組合にも入ってない、上にはたくさん偉い人がいる、そしてその中間的なところで本当にひどい仕事をさせられています。もちろん労働組合に入っている人たちだって大変な仕事です。郵政大臣というのは、私も随分何人もの郵政大臣の方とこの委員会の席上でいろいろ質疑してきましたけれども、必ずおっしゃるのは、郵政事業というのは人間が主体である事業であると。それはきょうもさっき郵政大臣おっしゃいました。そこのところを本当に言葉だけじゃなくてやはり考えてほしいというふうに思いました。
 一つの具体的な例としてちょっと申し上げますので、このことは事実だと思うのでそれで確認していただきたいんですけれども、東海郵政局管内の昭和郵便局の郵便課の副課長でいらした山内治一さんという方が、一九七七年、昭和五十二年十一月十六日に仕事中に倒れて、その次の日の朝亡くなったんです。
 簡単にこの経緯を述べれば、この方は脳出血死で、それで公務上死亡に当たるとして申請をしたけれども公務外と判定されて、公務上の死亡に認定されなかったんです。その後、一九八二年、昭和五十七年に名古屋地裁へ提訴なすったわけです。そして一九八九年に、つまり昨年十月六日、公務上死亡の判決が出たんです。ところが十月二十五日、郵政省が、東海郵政局が控訴しているんです。これで現在まで至っている。こういう大きな筋書きは間違いないと思います。把握していらっしゃると思いますが、したがいまして現在これは係争中であるということなんです。
 ですから、私は具体的な事例について裁判で争っているものについてここでどうこうあなた方に言ってもらおうということではないのです。一番肝心なところの一生懸命働いて病気で亡くなった人たちについて、郵政省の態度というのは私は本当にこれ関連のいろいろな資料を見まして怒りが込み上げてきました。というのはさまざまなことを言っている。
 例えば、「社会通念上又は医学一般的に慎むべきとされているアルコールを好み、喫煙、食餌等をしていたものであり、自己の健康管理を自ら怠っていたものというほかはない。」「本来労働者は雇用契約の締結により「債務の本旨」に従った労務の提供義務があるものであり、当該労働の遂行ができる心身ともに良好な状態を保持する義務がある。」、ほかにもいっぱいありますよ。要するにお酒飲んでたばこ吸ったから自分の責任だと、こう言うんです。そんなばかな話がありますか。郵政大臣もお仕事柄毎晩五回も六回も覚えられないぐらいいろいろそういう席をあれしたとおっしゃっているぐらいに、日本人の当たり前なことですよ。ここにいらっしゃる皆さんだって、郵政省の幹部の人だってお酒飲んだりたばこのんだり、しない人も中にはたまにはいらっしゃるかもしれないけれども、そんなの当たり前のことなんです。
 それで、この方はどういう勤務の状況をしていたかと言えば、これは判決の中で明らかにされているんですけれども、「午前一〇時から午後一〇時までの間、食事時間を除いてはほとんど無休憩、無休息であったといっても過言ではない。したがって、実質労働時間は一一時間に及び通勤時間一時間を加えると一三時間の拘束時間となっていた。」「昭和郵便局へ配転後年休は一日も取得せず。死亡直前の週休日とされる昭和五二年一一月一二日にも出勤している」。
 この方は告一という、私よく知らないんですけれども告一という管理職のランクがあるんですね。一時から九時までの勤務なのにそれが毎日十時に来ている。そして十時までの間ずっともう十二時間実質労働でしょう。それで食事する以外には休まないというんです。多くの方がそういうことは証明しているんです。そういう人が一生懸命働いてそれで死んで、たばこ吸ったからいけない、酒飲んだからいけない、自分で勝手にやっていたんだと、そんなひどい姿勢を郵政省はとって、それで人間を相手にする、人間が中心になる仕事なんだからなんてよくも言えたもんだと私は思うのです。
 そのことは今次々にいっぱい出ていますよ。これは本当に郵政局管内で私なんかが外から知る範囲でちょっとざっと見ても、八九年十月二十日保険部の営業課長さんが急性心不全で死亡、貯金事務センターで八八年三名亡くなっています。それから八九年四月だけで二名亡くなっている。八七年三月、昭和郵便局貯金課の主事がクモ膜下出血で亡くなっている。それから松阪局、吉原局、それぞれ四十一歳、四十三歳という働き盛りです。やはり主任とかそういう中間管理職とかそれに近い人たちです。そのほか昭和郵便局長は現在脳梗塞で入院中です。それから中村元郵便局長は、八九年八月に退職されたけれども、退職を前にして七月に入院して、病気になっている。熱田郵便局郵便課長の永田さんという方は五十四歳で死亡されている。みんな心筋梗塞だとかクモ膜下だとか、そういう容易に過労死につながることが推定される死因が多い。年齢的にこういう年齢ですから、まだそんなに年をとってはいない、働き盛りということです。
 それで、こういう手紙が来ているんです。
  私は三十年余り勤めた郵便局を本年三月、五十二歳で退職しました。
  一般的にはまだ退職を考える年齢でもなく、私の場合もあと三年ほどは勤める気持でいました。
  私が退職を決断した理由はいろいろありまし
たが、主として健康維持に対する不安があったからです。
  一日当り勤務時間平均十二時間(休憩時間は除外)最長十四時間。
  一週間当り七十時間以上。時間外勤務は一月当り百時間以上であるが手当支給対象は三十時間以下。
  休暇は週休のみで非番日、年次休暇は取得できる状況ではありませんでした。
  在宅時間が七、八時間のため睡眠できるのは平均四時間。常に睡眠不足の状態であったこと。
  食事時間が朝食は午前五時頃、夕食は午後十一時頃となり、常識的な時間に出来なくなったこと。
  週休日は睡眠不足と疲労の回復にのみ費す状態となってしまったこと。
  現在の郵政事業は、定員減はあっても定員増はなく、一方で事業運営の効率化と営業活動をはじめとした各種施策の増加、取扱物数の増加、
そういうことで、
 職員の労働密度は高くなってきていますが、対応には限界があり、その結果、「告一」職員や管理者にしわ寄せが行くことになり「働き過ぎ」の現象となって現れます。
 私は個人的に存じ上げている人ではありません。まじめに郵政事業の中で働いてきた方だということが容易にわかります。そういう方がこういう手紙を下さるということは、これは労働組合にこういう手紙をよこしたんです。自分は五十二歳であと三年は働こうと思ったけれども、このまま働いていたら死んじゃうから、だからやめるという。
 私は、やっぱり本当に深刻に考えるべき状況に来ていると思って、短い時間で、細かい詰めをして郵政省にいろいろと反省もしていただいたり対応していただいたり、お約束をいただく時間が今ないんですけれども、大まかなところでいいです、大臣、人間の、人の事業だとおっしゃるんだから、まず一生懸命働いている人たちをこういう病気なり死なりに追い込むような、そして追い込んだ上でなおかつこんな裁判をして、酒を飲み過ぎたからいけないんだとかたばこを吸ったからいけないんだとか、勝手に働いていたんだとか、本当に死んだって死に切れないですよ。そういう人格を傷つけるようなことは郵政省としてもう絶対にしてもらっては困るし、根本的に姿勢を改めていただきたい。これはもうぜひ郵政大臣の誠意あるお約束をいただきたい。
○国務大臣(深谷隆司君) せっかく郵政事業に参加している職員の皆さんが、過度な仕事やあるいは過労で倒れることのないような深い配慮をしていくことは当然のことだと思います。ただ、今御指摘のございました裁判にかかわる問題については両方に言い分があることでありますから、私どもはここでコメントを言うことはいかがかと思っております。
 しかし、先ほど申したように、郵政事業というのは、やっぱり人にかかわる事柄を中心とした事業でありますので、人を大切にするというその考え方は郵政省全体で常に頭に置いておかなければならないというふうに考えております。
○山中郁子君 最後に、大臣がただいまおっしゃいましたように、私は本当にこういうことははっきりさせてほしい。中間管理職でそういうある意味では弱い立場にある人たちが、長時間労働をやったり残業をやったり、無限定のサービス超勤、それから休日出勤を自分の意思でやっているというふうに言っても、そうじゃない、そういうふうにさせられちゃうんです。だけれども、そういうふうに言ってそれを見逃すとかほうっておくとか、そういうようなことだけは絶対にしないで、今大臣がおっしゃったようなそういう立場で郵政の仕事に携わっている人々を、職員を、労働者を本当に大切にする、そういうことをはっきりあなた方の業務の運営の中でやっていっていただかなければ郵政事業の将来にもかかわる重要なる禍根を残すであろうということを申し上げて私の質問を終わります。
○足立良平君 この簡易郵便局法の改正の考え方で、既にこれは議論もされているわけでございますが、大都市において郵便局の設置が難しい、いわゆる地価の高騰を含めて、それが大きな一つの原因のように聞くわけであります。私、ちょっとこの点から今までの議論と少し視点を変えてみたいと思うんですが、我が国の状況あるいは世界的に見ましても、急激に世の中全体の活動といいますか、経済活動それから社会活動を含めまして二十四時間の活動に今変換をしてきているというふうに考えております。そうしますと、郵政事業というものは人を中心にしたものでありますけれども、サービス産業という観点から考えてみると、二十四時間社会に世の中が転換をしていく、それに応じて郵政の業務というもの、このサービス業務というものもそれに対応していくような方法を考えていかなければならないのではないか、このように実は私思ったりいたします。
 そういう観点から見ますと、今回の法の目的改正に当たりましては、単にそういう地価の高騰であるとかというようなことで郵便局そのものが設置できないからこういうふうな法改正をするという物の考え方は、大変に後向きになってきているような感じがしてなりません。むしろ、社会がこのように変化してくるなら、郵政事業として一体これからどのような二十四時間社会のニーズにこたえていこうとするのかという視点が実は欠けているのではなかろうか、大変失礼ですけれども、こんな感じを実は受けたりいたすわけでございます。そういう面で、二十四時間社会に対応する窓口の取扱時間、今後どのように郵政省としてお考えになっているのか、まずこの点をお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(深谷隆司君) 足立先生の御指摘はまさに今日的な視点にお立ちになって、そのとおりだと私も思います。郵便局の窓口取扱時間は原則として全国一律で設定しております。しかし、いつまでもそのことにかたくなにこだわっているのではなくて、今日のライフスタイルというんでしょうか、国際化、情報化の時代を踏まえて弾力的に対応していくということは極めて大事なことだ、このように考えます。郵政窓口の取扱時間の設定について、平成二年度の一つの重要な施策と考えまして弾力的にどのように対応できるかについて鋭意検討をしたいと思っております。
 なお、本日御審議いただいている法案につきまして申し上げれば、その委託する相手先の営業日や営業時間に合わせるということでございますので、そういう意味では一歩前進するという可能性を有していると私は思っております。どちらにいたしましても時代とともに変化は必要でございますし、国民のニーズにこたえていくことが我々の仕事でありますから、御指摘の点を踏まえて検討してまいりたいと思います。
○足立良平君 大臣の方からその方向性について確認をいただきましたので、私はそういう面で積極的にひとつ取り組んでいっていただきたい、このように考えます。
 それで、その上に立ちまして、委託する業務の内容といいますかその範囲の問題について、ちょっと細かい問題であるのかもわかりませんがお聞かせを願いたいと思うのでございます。
 それは、この委託をする業務の考え方、どの程度の範囲を業務として委託していくのかということについての基本的な郵政省の考え方をまずお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(小野沢知之君) この法律の改正案の趣旨が、大都市における郵政窓口サービスに対する需要に応じ切れていないので、そこでその辺の郵便局不足を解消しようという趣旨ですので、やはりそういったところにも郵便局を設置できれば一番いいのですが、昨年八月着任しまして全部調べ上げてみましたところ、例えば東京でもって今郵便局が必要だとされているところは数十カ所あったのですが、民間金融機関は設置が進んでいるにもかかわらず郵便局の場合は全く設置が皆無
という状況でした。そこでとっさに決心しましたのは、郵便局の設置がやはり原則ですから、挙省体制でもって全力投球しようということで努力しました結果、この十カ月ほどで四カ所既に設置済みです。それから十カ所ほど設置予定が決まっております。それから折衝中が十数件とか、この十カ月ほどでそういう成果が上がったのですが、挙省体制で死に物狂いに取り組んでやったわけですが、それでもまだいろんな郵政需要に応じることができません。
 そこで、一定の割り振りをいたしまして、とにかく手をこまねいているわけにいかないので、いろんな工夫をしなきゃいけないということで、合わせわざ的に補完的な手段として業務委託方式による小規模店舗の設置という制度をつくったわけです。そこで、ここでは先ほど申しましたように一定の割り振りを取扱業務についてもいたしまして、とにかくお客様にとって基本的なサービス、それから局側にとって取り扱いが容易なそういった事務に限定してサービスを提供しよう、そういったことでもいろんな事態の打開に向かっていこうという決意でこの法改正に臨んだわけでございます。
 そこで、具体的な事務内容といたしましては、郵便切手、収入印紙の販売とか書留、小包等の郵便物の引き受けとか、郵便貯金の預払いとか郵便振替の受け入れとか簡易保険の保険料の受け入れとか、そういった先ほど申しましたような基本的でなおかつ取り扱いの容易な事務に限定しているということで一定の割り切りをいたしております。こういう施策を講じることが手をこまねいているよりは実質的に大事なことだと判断をした次第でございます。
○足立良平君 これは私の実態認識が間違っていれば後ほど御指摘を願いたいと思うのですけれども、今局長の方から御指摘ありましたように、例えば切手、印紙の発売、これを一つとって見ますと、議論いたしておりますように、実際的に既に切手というのは割合各所で発売をされているわけです。それから印紙というものを見ましても、これは特別な状況以外はちょっと一般的には使用は余りない、こういう状況だと思います。それから書留、小包の関係にいたしましても、これはふるさと小包の発送とかはありますけれども、本法律の改正にねらういわゆる都心部の状況の中でこの種の需要というものが本当に生じてくるのかどうなのかということはちょっと大変考えにくい状況だと。それから郵便貯金の受け払いにいたしましてもあるいは簡易保険の受け入れにいたしましても、実際的にはそれぞれ外務員の皆さん方なりいろんなところがずっと歩いていくわけですから、特定郵便局のこの中で委託する業務としてどれだけ一体業務があるのかということになってまいりますと、実は私はそれほど期待するほどないのではないか。
 結局問題は、今十カ所というふうに当面予定をされているところはいわゆる大都市地域です。大都市地域というのは居住者がいなくて通勤者、いわゆる昼間の人口だけが中心になっているところであります。そうなってまいりますと、そういう限定的に委託業務というものをある程度絞られた今の郵政省の原案の中で、しかも居住者は全くいないようなところの場合に一体どういうことになるのだろうか、現実的に施行された場合にということを考えてみましたときに、私ちょっとはっきりとイメージとして実は浮び上がってまいりません。
 したがって、そういう面で今郵便局の窓口というのは大変ふくそう化いたしておりますし、それぞれもう少し郵便局を各地につくっていかなきゃならない、地価が高騰してうまくいかない、したがってこういう法律の改正というのは私はそれはそれなりに肯定をいたしますけれども、その肯定をする立場に立っても、具体的に業務の内容を詰めてまいりましたときには本来の郵政省が考えておられることとはちょっと違った状況が出てくるのではなかろうかという危惧を持つのでありますけれども、その点につきまして、もし私の方の認識が間違っておれば御指摘を願いたいと思います。
○政府委員(小野沢知之君) 私ども、窓口で取り扱う事務をどう決めるかという場合にかなり慎重な調査を行いまして、東京都の中心部における無集配特定郵便局、例えば千代田区でしたら神田駅前とか神田北神保町、中央区でしたら銀座六丁目とか中央新川、新宿区でしたら新宿野村ビル内とか四ツ谷通りとか、この辺の調査をしたわけですが、そういう本当に東京都の中心部と言えるところの取扱量は、十局を平均したんですが、書留通常で言いますと一日平均四百二十八通です。一方、東京郵政局管内一局の平均が八十四通です。それから全国平均ですと三十通になります。これでも書留の需要がかなりあるということをおわかりいただけると思います。それから今度は切手類の販売ですが、今申し上げたような基準で選んだ十局の平均が約二万枚ございます。東京郵政局管内一局平均が三千二百六十四、全国一局平均で言いますと千八十五ということで、かなり需要があるという調査の結果に基づいて取り組みを決めさせていただきました。
○足立良平君 それでは、もう時間もございませんので最後に一点だけ質問いたしておきたいと思います。
 先ほど私は二十四時間社会に対応する郵政業務ということで冒頭申し上げたわけですけれども、委託先企業の選定の問題でございます。これは郵政事業の公共性からすると委託先というのは相当慎重に考えていかなければならない。これはもう私も十分認識をいたすわけでございます。したがって、そういう観点からこの委託先企業として一体どのような要件が必要と郵政省としてお考えになっているのか。それから委託先の選択基準、そういう点についてどのようにお考えになっているのか。それから将来的な計画としてこの種の委託先というものは、当面十カ所と言われておりますけれども、さらにこれをふやしていく考え方があるのかどうなのか、こういう点でちょっとお聞かせを願っておきたいと思います。
 それで、あえて私の考え方を申し上げるなら、二十四時間社会ということになってまいりますと、普通の包括雇用契約をしている場合に、例えば郵政省の職員の皆さん方が二十四時間体制できちんとそういう対応をするということは一般的に労働条件側から見ても極めて私は難しい無理のある状態になってくるのではないか、このように思っているわけであります。一方ではそういうニーズが社会的には出てきているということを考えてみましたときに、例えば現在二十四時間ストアとかそういうふうないろんな企業なりあるいはまた営業形態というものが発生をしてきているわけでありますから、そういう面からいたしますと、郵政業務の公共性というものを考えながら、しかし一方でニーズというものがあるわけですから、大胆にその種の企業との契約ということもあり得るのではないか、そしてそれが郵政事業として本当に国民のサービスという、サービス産業としてさらに変身をしていく、そういう体質改善を考えていくこともいいのではないか、こんな感じもいたすわけでございます。そういう観点から郵政省の考え方を最後にお聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(小野沢知之君) お答えいたします。
 まず、委託先としての法人の要件ですけれども、改正後の簡易郵便局法第三条第一項第五号の規定に基づきまして、十分な社会的信用を有し、かつ、郵政窓口事務を適正に行なうために必要な能力を有する法人であること、及び改正後の簡易郵便局法の第三条の二に規定する受託者の欠格事由に該当しないことでございます。
 それから委託先の業種でございますけれども、法令上は限定しておりませんけれども、目下のところ、実態として多くの人々が集まってあるいは往来して郵政窓口サービスを利用することが考えられますデパートとかターミナル駅周辺のショッピングセンター、大規模なテナント等が考えられるわけでございます。法律の公布後、関係方面に対しましてこの制度の説明を行ったりいたします
が、その結果、例えば審査基準的な問題ですけれども、同一区域でもって幾つかのデパートから仮に申し出があった場合には、今申し上げたような法律上の要件に該当しているか審査するほかに、そのデパートの立地条件とか大都市型簡易郵便局の設置場所の状況等を総合的に勘案して最も適当と認められるデパートに選定することにいたしたいというふうに考えております。
 それから第二点のお尋ねの、これからどういうふうに設置箇所とか件数とか将来計画はどうかというお尋ねでございますが、平成二年度予算におきましては東京都区、横浜市、名古屋市及び大阪市の四つの大都市の中心部に設置するための所要経費が認められたわけでございますが、当面この平成二年度の十局の管内配分につきましては、郵便局の不足の実態だとか予算編成の経緯等からしまして東京都区への設置が中心になりますけれども、そのほかの三つの大都市につきましても、かなり貴重な実験ですから、少なくとも一局は設置する方針で臨みたいと思います。
 来年度以降における設置件数についてでございますけれども、予算の制約、受託者の確保などの面からその設置件数を急激に増加させることは困難ではないかというふうに考えております。そこで、当面は今申し上げたような大都市に簡易郵便局を設置することに最大限の努力を重ねたい、そしていい運営の結果を得たいというふうに考えております。また、これらの大都市において郵政窓口サービスに対する需要を満足していただくだけでも相当の期間が必要になるんではないかというふうに考えております。
 なお、それ以外の都市を対象とするかどうかにつきましては、逐次拡大したいという気持ちはありますけれども、何しろ絶対数が少ないですから、拡大したいという考え方を持っておりますけれども、客観的なデータに基づきまして四大都市における郵便局不足の状況の打開について一定の見通しが得られた段階で検討したいということで、当面は今申し上げたような地域に全力投球したいというふうに考えております。
 それから、最後の先生のお考えですが、二十四時間社会になっていくときに郵政省、郵便局、要するにどう対応するかということですが、そういう意味ではこのような方式の大都市型簡易郵便局の設置というのは、民間の方々といろいろ折衝しながら、いろいろな知恵を絞り合いながらお互いの条件をまさぐりながら結論を下して、今先生がおっしゃったような世の中の推移に対応するための活路の一つになる可能性があるんじゃないかというふうに感じております。
○委員長(青木薪次君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(青木薪次君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、これより採決に入ります。
 簡易郵便局法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(青木薪次君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 松前君から発言を求められておりますので、これを許します。松前君。
○松前達郎君 私は、ただいま可決されました簡易郵便局法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲共同、連合参議院、公明党・国民会議、民社党・スポーツ・国民連合の各派及び各派に属しない議員沢田一精君の共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    簡易郵便局法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、次の各項の実施に努めるべきである。
 一、郵便局の窓口サービスの多様化、郵便局の土地の高度利用等の施策を積極的に推進し、国民の利便の向上と地域社会の振興に貢献すること。
 一、近年における郵便物の急激な増加に対処するため、必要な要員の確保と局舎施設の改善を図り、郵便事業の運営基盤を整備充実すること。
 一、郵便局のネットワークに着目して、地域の活性化や社会福祉の増進に寄与する各種施策を講ずること。
  右決議する。
 以上でございます。
 委員各位の御賛同をお願いいたします。
○委員長(青木薪次君) ただいま松前君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(青木薪次君) 全会一致と認めます。よって、松前君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、深谷郵政大臣から発言を求められておりますので、これを許します。深谷郵政大臣。
○国務大臣(深谷隆司君) ただいま簡易郵便局法の一部を改正する法律案を御可決いただき、厚くお礼を申し上げます。
 本委員会の御審議を通じて承りました貴重な御意見並びにただいまの附帯決議につきましては、その御趣旨を十分に尊重して、さらに郵政事業の運営に万全を期してまいりたいと存じます。
 まことにありがとうございました。
○委員長(青木薪次君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(青木薪次君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 午後一時三十分に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時三十六分休憩
     ─────・─────
   午後一時三十分開会
○委員長(青木薪次君) ただいまから逓信委員会を再開いたします。
 放送法及び電波法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案については、既に趣旨説明を聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○山田健一君 それでは、放送法及び電波法の一部改正に関して数点質問をしたいと思います。
 今回、この法改正によって受信障害対策中継放送という一つの考え方といいますか、そういうものが導入をされたわけであります。この法案の中でいろいろ書いてあるわけでありますが、まず最初にちょっと確認をしておきたいと思うんですが、受信障害対策中継放送を行う放送局の免許を受けた者、これは放送法、電波法を含めて、有線テレビジョン法もそうでありますが、出てくるわけであります。郵政省の方からいただいた資料によりますと、今申し上げました無線局としての中継放送を行う免許を受けた者、これは具体的には放送事業者以外の者、こういうふうに受けとめているわけでありますが、この資料によりますと「放送事業者以外の者」、これは都市部の方では「建築主等」、こういうことになっておりますし、あるいは辺地における難視聴対策の関係で言いますと「地方自治体等」、こういうことでこの中に御説明いただいておるわけですが、具体的に何を指しているのか、まずちょっと確認をしておきたいと思います。
○政府委員(大瀧泰郎君) 今回の放送法及び電波法の一部を改正する法律案の中で、受信障害を迅速に解決する方法をいかにして私どもは確立して
いくかということが基本にあるわけでございます。したがいまして、今回の改正によりまして、従来放送局でなければ中継局を設置できないという大原則がございましたけれども、受信障害を解消するために設置する中継局のような場合には、これは放送局、放送事業者以外の者でもできるようにいたしまして、実質的に受信障害を解消していくスピードをスピードアップしていかなきゃならないんじゃないか、このように考えているわけでございます。
 したがいまして、都市受信障害の場合でありますれば、ビルの建築主がこのたびの改正によりまして中継放送局の免許人になるということができますし、一方また、辺地におきますればいわゆる地方公共団体が行うであろう、これは予測でございますけれども、ほとんどが地方公共団体が免許人になってこのような受信障害対策のための中継局を設置するための免許人になろうかと、このように思うわけでございます。
○山田健一君 この「建築主等」、「地方自治体等」というのの「等」というのはどういうふうなものを含んでいるんですかという質問です。
○政府委員(大瀧泰郎君) 「地方自治体等」と書いておきましたのは、地方自治体以外ではできないというわけではありませんし、受信組合とかそういうようなものの場合でも免許人になることができる、こういうことでございます。
○山田健一君 恐らく地方自治体、地方公共団体といいますか、このところが大体想定をされているんだろう、いろいろ後で出てくるかもしれぬから「等」というのが入っておるんだろうと思いますが、一応そういう前提で話をさせていただきたいというふうに思っております。
 まず、都市の受信障害対策についてなんでありますが、現在、都市部で約六十七万世帯というふうに言われておりますが、今日までこの受信障害対策、どういう対策がとられてきて、一体その効果はどうだったのかということについてまずお尋ねをいたしたいと思います。
○政府委員(大瀧泰郎君) 都市受信障害に関しましては、従来から基本的には原因者負担の原則に基づいて当事者間の協議によって解決が図られるように指導しているところでございます。私ども国の立場といたしましても、受信障害の円滑な解消を図るために、各地方電気通信監理局における受信障害に関する苦情であるとか相談への対応をするほか、各地方電気通信監理局や電波障害防止協議会等を通じまして電波障害防止施策の普及、啓蒙及び建築主への指導等を行っているわけでございます。また、受信障害解消の設備に対する財政投融資制度を活用するとか、あるいは基盤技術研究促進センターによる電波吸収体の高性能化等の開発研究への低利の融資など、支援策を講じているところでございます。
 その結果、都市受信障害に関しましては、共同受信施設により約三百三十万世帯、それからSHF放送方式によって約一万二千世帯、電波吸収体によりまして約六万八千世帯、傾斜壁面によるもので約七千世帯の解消が図られているわけでございます。今回の受信障害対策中継放送局の制度の整備も都市受信障害対策の一環として行われるものでありまして、今後とも都市受信障害の円滑な解消のために努力してまいりたいと存じます。
○山田健一君 ただいまいろんな共同受信施設なりあるいはSHFあるいは吸収体の関係とか状況をお話しをいただいたわけです。SHF帯を利用しての中継といいますか、一万二千世帯、こういうことなんでありますが、昭和五十二年からこSHFのテレビジョン放送局の免許方針、これが示されて電波監理局長の通達も出されておりまして、いろんな指導要領が盛り込まれている。こういうことで、五十二年度から実はSHF帯を利用してやられているわけであります。一万二千世帯ということでありますが、この設置状況、放送局そのものについては私の持っている資料では現在まで三局しかできていない。一万二千世帯がこれでカバーをされておるということになるわけでしょうけれども。五十二年から、もう十年以上前から実はこれが行われているわけでありまして、今回こういう形でSHF帯を使って、しかも今度は免許の主体が放送事業者ではなくして建築主等、こういう形になるんだろうと思うんですが、一体、今まで十年以上経過してわずか三局しかない、ここら辺は何か原因があったのか、あるいはまたそれなりのメリットというのが薄かったのじゃないかというふうにも考えるわけでありますが、その辺はどのように把握をされておりますか。
○政府委員(大瀧泰郎君) 御指摘のように、このSHF方式がこれまで普及していないわけでございますが、その理由といたしましては、CATV方式に比較いたしましてSHF方式のいわゆる対策事例が少ないがゆえに検討の資料が不十分であるというようなこと、あるいは現行法では対策を行うべき建築主と放送局の免許を受けるいわゆる放送事業者が異なることから、SHF放送設備の維持管理等の責任分担についての協議が必要であることなどで設置するまで非常に長時間かかるというようなことから、なかなかこれらのSHF方式が普及をしない一つの大きな原因でなかったと思うわけでございます。
 このように、従来はCATV方式を中心といたしまして都市受信障害の解消が図られてきたわけでございますが、最近ではSHF放送の有効性が見直されつつあるのでございます。その理由は、都市再開発に伴う建築物の高層化によりまして受信障害の地域が広域化しまた大規模化しておりますし、一方ではまた、都市の環境整備のための電線類のいわゆる地中化の推進によりますCATVの建設費の高騰という原因もございます。それから、一番大きな問題といたしましては、衛星放送と同じような周波数帯でSHF放送というのは行いますものですから、現在の衛星放送受信機の普及が著しいものでございますので、SHF放送方式のいわゆる受信設備が非常に低廉化してきたというような背景がございます。このようにSHF放送の有効性が見直されているというのが現在の状況でございます。
 そういう中で、本制度は、SHF放送について建築主など放送事業者以外の者でも免許取得を可能にし、受信障害の解消を図ろうとするものでありまして、今後の都市受信障害の有効な解消方策として大いに活用されるものと期待しておるわけでございます。
○山田健一君 今お答えいただいたわけであります。最近はまたSHFがかなり見直されてきたということのようでございまして、ただ、これはついこの前の例の機構法の改正のときに、関連をして、都市の受信障害の関係ですが、大臣もお答えになっておるわけであります。今まで都市型のCATVとかSHF放送などいろいろやってきた、しかしどうもこれじゃ解消の促進がなかなか十分でない、やがては衛星放送ということになるかもしれないけれどもこれといった決め手がないんだという大臣の御答弁が実はつい先般なされているわけです。
 そうした中で、今回すぱっとSHFがまた出てきておるわけなんです。果たして、今言われるようにそこら辺のいろいろ建築主と放送事業者との関係、今度はその分だけ少し建築主の方が免許の申請ができるということになって、有効に活用されるんではないかというようなことが言われておるわけでありますが、一体、本当にこれから将来どういう形で都市における受信障害の解消を図っていこうとするのか。委員会においてせんだってはどうも決め手がない、いろいろ検討してやっていきますという御答弁をいただいて、そしてまた今回この法改正で、いや実はSHFが見直されておるのでこれでいきたいと思うと、こういうふうに言われておるんですが、ここら辺の一つの流れといいますか一貫性といいますか、そういった受信対策の基本的な考え方、これをまずお伺いをしたい。
 それともう一つは、有効性がこれでかなり発揮できるんではないかというふうに言われておりますが、そこら辺をそれじゃ一体どのぐらいの見通
しというものをお持ちになっておられるのか、あわせてお尋ねをいたしたいと思います。
○政府委員(大瀧泰郎君) 先般、いわゆるNHKのテレビジョン放送の難視聴解消の問題で衛星放送受信対策基金というものを創設させていただいたわけでございますが、これは衛星放送によらなければ対策が困難な地域、特にNHKの受信が困難な地域というようなところに衛星放送の受信機を設置する際の助成を行おうというような考え方でこの受信対策基金というものを創設させていただいたわけでございます。
 これに対しまして今回の施策は、SHF放送によりまして都市受信障害対策とともに辺地の難視聴対策を行うわけでございますが、辺地の難視聴対策に関しましては民放の対策を主としてやることになるわけでございます。これは放送事業者が中継局を設置するということが当分見込めないような地域におきまして、地方公共団体等がみずから難視聴解消のための中継局を設置して免許取得ができる道を開こう、こういうことでございます。したがいまして、基金制度というものがNHKのテレビジョン放送の難視聴に関しまして衛星放送の普及によって解消の促進を図るものであるのに対しまして、今回の施策は、主として民放のテレビジョン放送を中心として地上放送による対策を講ずるという点で、その目的と内容等において大きく異なっているわけでございます。これらの諸施策を組み合わせまして、そしてテレビジョン難視聴対策を一層促進してまいりたいと思うわけでございます。
 それでは、このSHF放送による受信障害対策中継放送局の設置の見通しでございますが、今度の法改正によりまして、ビルの建築主等が受信障害対策を円滑に実施することが可能となり、SHF放送はCATV方式とともに今後の都市受信障害の有効な解消方策の一つとして大いに活用されるものと期待しております。
 それで、予想される地域でございますが、これはあくまでも可能性のある例としての例示でございますけれども、渋谷区にありますところのサッポロビールの跡地の再開発地域あるいは板橋区の志村坂下の再開発地域、あるいは地方にまいりまして浜松市の浜松駅前の再開発地域等が考えられているわけでございます。
○山田健一君 後段の部分の見通しはわかりました。
 前段で私が申し上げたのは、いわゆる都市の受信障害、辺地のやつは後で私お伺いしますけれども、今都市の受信障害の対策についてお伺いをしているのでありまして、私が先般の機構法の改正のときのと言ったのは、何もそのものを基金三十億つくってやるということじゃなしに、そのときの審議の中で、これは確かに辺地のあれもあるけれども都市の受信障害対策はどうなんだという話がこちらにいらっしゃる先生から御指摘をされました。鶴岡先生の方から、いろいろあるけれども都市の方はどうなんだという話が出て、大臣が、私も都会の出身の議員であって都市における難視聴問題というのは大変だ、いろいろやっぱり抱えている。その中でCATVもSHFもいろいろやっておるけれども、衛星も含めて、やがて衛星ということになるかもしれぬ、しかし今決め手を欠いておる、なかなかうまいこといかないんだという話をされて、そして今回SHFでいわゆる都市の受信障害、いろいろ限界があってなかなか決め手がないという状況の中で出されてきたというのが話の筋といいますか、今日までの政策を展開されていく経過からすればどうなんですかというのを前段でお尋ねしたわけです。局長、わかりましたか。大臣の方からあればひとつお願いします。
○国務大臣(深谷隆司君) 山田先生御指摘のように、今の御質問は都市の難視聴対策に抜本的な対策があるのかないのか非常に難しいという話がこの間も出たかどうなのかという御指摘でありました。
 御案内のように、テレビジョンの映りが悪い、その場合にはあくまでも原因者がその責任を負われて話し合いによって解決するということを原則としてまいりました。これはこれからももちろん変わらないわけでありますが、ただ複合的な非常に複雑な状況が次々と生まれまして、恐らく今後原因者を突きとめにくいような場面も出てくるのではないか。そういうことを前提にして考えてまいりますと、今からあらゆる手だてを打っていかなければならない。その一つにはCATVもあれば今回のSHFもあれば、あるいはやがては衛星もあるというそういうふうな、つまりあらゆる角度から攻撃をしかけていきませんと解決できないという状態だということを申し上げたいわけであります。
 衛星によって即じゃ解決できるのかというと、この間もちょっと調べたのですが、パラボラアンテナの角度とか、それだけでも高層ビルが並んでいる場合にはうまくいかない場面もあるということでございます。どちらにいたしましても、あらゆる可能性を探りながらその対策を講じていくということ以外にはないのではないか、そういう意味の有効な手段の一つとして今回のが考えられるというふうに御理解いただきたいと思います。
○山田健一君 そういうふうにお答えをいただければわかるわけであります。
 次に、おっしゃいました辺地の関係をお伺いしますけれども、都市の受信障害は、確かに今言われましたように大変発生源を特定していくというのが困難になっておるし、恐らく原因者負担主義を貫いていくというのも一つの限界が来るのではないかというふうに思っております。これが抜本的な対策だというのはなかなか難しい部分もあろうかと思いますが、大臣がおっしゃいましたようにいろんな角度から総合的に対策をとっていくという中で今回のSHFを位置づけをしていくということで理解をさせていただきたいというふうに思います。
 それで、辺地の方の難視聴対策についてでありますが、ちょうど大瀧局長今言われましたように、先般辺地において、これはNHKの特に難視聴地域を解消していくということで三十億の基金をつくって運用しながら衛星で解消をやっていこう、こういうことになったわけですが、今回またこういう形で出された。その関係をお伺いしようと思ったら、先ほど御答弁ありましたように専ら民放を対象にということのようでございまして、そうしますと今言われておりますNHKで約十万世帯、民放で約四十万辺地における難視聴というふうに言われておりますが、ここら辺の解消に向けてのまず基本的なスタンス、考え方、こういうものをお尋ねいたしたいと思います。
○政府委員(大瀧泰郎君) 今回のいわゆるSHF放送を普及させたいということの大きなねらいは、やはり都市難視の重要性というものを少しでも解決していくということのためにやらせていただきたいと思っておるわけでございますが、今回いろいろと問題提起されておりますものは、建築主がなかなか私が原因だというようなことを認めるということが難しい状況が非常にたくさんできてきているわけでありまして、そういうためにいろいろな方法がある中でこれをやっていきたいと思っているわけでございます。先ほど私申し上げましたのはそういう気持ちから申し上げたわけでございます。
 自然難視の場合になりますと、辺地の解消というものは中継局の設置でやらざるを得ないわけでございます。したがいまして、民放におきましてはその普及をさせていく努力義務があるわけでございます。しかしながら、民放はやはり私企業でございますし、それぞれの経営の事情等もございます。それを経営上段階的にやっていかなきゃならない、そういうことでございますから、早急に設置をいたしたいというような地域については、市町村やあるいは受信組合等がみずから難視聴解消のための中継局を設置するということを希望する例が非常に多いのでございます。事実、現在でも民間放送会社では市町村からの援助を受けてやっている例が多々ございます。
 しかしながら、先ほどもちょっと申し上げまし
たように、免許を受けるのは放送事業者だということになっておりますものですから、その辺の打ち合わせがなかなかうまくいかないというようなことが大きな欠点としてあったわけでございます。その辺を今回の法改正によりまして解消していき、そうして辺地難視におきましても迅速な中継局の設置を進めてまいりたいと思っておるわけでございます。
○山田健一君 今局長の方からも民放の放送普及の努力義務といいますか、そういうものについてもお触れになりました。今回のこの改正によりまして、ソフトとハードを一体として放送事業者がやるという例外規定を設けて、受信障害対策中継放送という形を一つ入れて、これでもっていわゆる市町村なり今お話のありました受信組合なり、そういう形でやれるようにする。こういうことになりますと、いわゆる民放が中心なんでしょうけれども、NHKの場合は衛星でやるということでもうそこら辺の努力義務というのは一定段階達しておるという認識に政府は立たれておるのだろうと思いますが、民放の方にしてみればまだまだおくれておる。中継局の設置もおくれておる。やらなきゃならない。こういうときに、いわゆる地方自治体なりそういうところが、言ってみれば今回中継局の開設ができる、こういうことになれば、民放のいわゆる放送普及の努力義務というものをこのことによって免除していくことになりはしないのかというふうな気がいたしておるわけでありますが、この点についてはいかがでございますか。
○政府委員(大瀧泰郎君) 民放の難視聴解消についての努力義務が失われていくのではないかという御指摘でございますが、私どもは放送法においても放送対象地域内における普及努力義務を民放に対してきちっと規定しているわけでございますし、再三私どもは民放に対して中継局の設置によって難視聴解消を行うようにということを申し上げているところでございます。
 NHKは現在、総合放送、教育放送におきまして約七千局の中継局を持っております。一方、民放は六千六百局程度の中継局を持っているわけでございます。それで、置局の格差というものを考えてみますときに、NHKと同程度の地域をきちっとサービスしようとするためにはさらに六千局程度の中継局を民放が設置しなければならないのでございます。したがいまして、この民放の努力義務にもやはり限度があるんではないかというベースに立ちまして、地域の住民の方々の希望にできるだけ早くこたえるためには市町村レベルでも免許人になって中継局を設置するとか、あるいは受信組合による中継局の設置なども大変有効ではないか、このように考えましてこの改正案を作成したところでございます。
○山田健一君 民放全体で六千六百局、NHKが約七千局ということで、大変民放の方がおくれておることは事実なんですね。こういう中で、民放にしても経営上の問題を含めていろいろ御指摘がありましたように一定の限界があるというふうに今おっしゃって、だからと、こういうことになっておるんですが、もちろんこれは言ってみれば放送法のまず大前提として国の責任もあるわけです。これは一体どのように認識をされておるのか。そしてまた、今言われたように民放にもそれなりに中継局設置、こういうことをいろいろ指導してきた。現実に財投の特利融資の道も開かれておる。これも一体どのぐらい利用がされてきておるのか、その辺についての国の責任と、そして民放で融資制度を利用しておる利用状況、この辺についてもわかればお示しいただきたいと思います。
○政府委員(大瀧泰郎君) いわゆる民放が積極的に難視聴解消に取り組んでいくということが基本でございますので、今後とも我々は民放各社に対しましては難視聴解消を大いにやるべきという指導を積極的にやってまいりたいと思うわけでございます。その財政面とかあるいは税制面等での必要な支援措置も図ってまいっておりますし、今後ともまた図ってまいりたいと思うわけでございます。
 また、本年四月に施行されました新過疎法におきまして、民放事業者が設置する難視聴解消のための中継局につきましては、新たにその整備に対する助成経費が過疎債の対象となりました。したがって、その元利償還の七〇%が地方交付税で補てんされることになったのでございます。結果的には国が七〇%を負担してあげるということになるわけでございまして、国としても辺地の難視聴解消に積極的に寄与してまいりたいと思っておるわけでございます。
 今回の改正では、何度も申し上げますけれども、とにかく地方自治体等が中継局の設置をいたしたいというような場合には、免許人としてきちっと免許を与えますということにしておるわけでございます。それですから、放送事業者の普及努力義務が基本的に変わるというものでは決してございません。郵政省としても引き続き中継局の設置の促進を民放の各社に対して指導してまいり、必要な支援措置の整備に努めてまいりたいと思っております。
○山田健一君 きょうは余り時間がないのではしょってお尋ねをいたしておりますが、一つは、さっきお尋ねをしたいわゆる民放の中継局設置についての特利融資の利用状況、これどうなっておるのかということ。引き続きそういう形で民放の中継局設置についてはきちっと指導していく、積極的にやるようにやる、こういう今お話でありました。具体的にどのように民放の放送普及努力義務、これを担保していくのか、そのことについてもあわせてお尋ねをしたいと思います。
○政府委員(大瀧泰郎君) 先ほどお話し申し上げました新過疎法の適用とは別に、従来から日本開発銀行とか北海道開発公庫による民放に対する難視聴解消のためのテレビジョン中継局の建設の融資というものは行われているわけでございますが、これは昭和四十二年度から行われまして、四十年代には多い年度で十社程度、五十年代に入りましてからは毎年ほぼ一、二社の融資実績があったわけでございます。しかしながら、基準金利で適用されていたということのためにその利用が余り活発ではなかったのでございます。昭和六十三年度からはテレビジョン放送事業の放送設備の整備といたしまして特別金利が認められ、元年度は四社の利用がありまして、融資の金額も増加傾向が見られます。
 このように、今後とも財投の融資制度その他いろいろな支援措置を私どもは提供いたしまして中継局の設置の促進を図ってまいりたいと思っております。
○山田健一君 結局、これから地方の自治体といいますか、そっちのサイドにしてみれば、地方自治体も要するに中継局の開設ができる、民放もしっかりやれと、こういうことでしょう。そこら辺の、これから将来どうせ出てくると思いますが、調整の問題が必ず出てくるわけですよね。
 地方自治体の方にしてみれば、つい先般、例の機構法改正でNHKの関係についてはこれでいきます、地方自治体もそれぞれ助成制度をつくりなさい、こう言ってやった。そして今度はまた、辺地の分については民放の中継についてはこういう形で地方自治体も開設できますよという形。いずれにしても地方自治体の方にとってみれば同じように、あの当時できましたが、無理して補正予算でやりましたけれども、地方自治体も皆三月議会終わって、新年度から入るわけでしょう。そういうことになりますと、自治体の方がいろいろこれからどういう取り組みをやろうかということになれば、これは中継局でいくのか、自治体がやるのか、あるいはまたこの地域は衛星放送でやるのか、あるいはまた、市町村からいろんな陳情が出ておるというのは、民放に対して中継局をつくってくれ、こういう要望がたくさん出ていることは恐らくそのことを言われておるわけだろうというふうに思います。私もそれは承知をいたしております。
 そういうことで、むしろ民放に対してその責任を果たしてもらいたい、こういう気持ちは地方自
治体あるいは住民持っているわけです。その中で、一方では自治体も開設をできますよ、そして民放もやらせますよと。自治体の方にしてみればどういうこれから判断をしていけばいいのか、対策にやっぱり苦慮する部分が出てきはしないか。そこら辺の地方自治体の立場、あるいはもっと言えば受信者の立場、それとこういった民放の関係、中継局の設置、ここら辺の調整をこれからどうやっていくのかということがやはり大きな課題として出てくると思うんですが、基本的な考え方をお示しいただきたいと思います。
○政府委員(大瀧泰郎君) 民放の難視聴解消に関しましては、放送事業者みずからが積極的に取り組んでいくということが必要であるということが大前提でございます。したがいまして、まずは民放が中継局をこしらえるべきである。若干投資効率等いろいろな面から見て難しいようなところは新過疎法等によって助成をいただいてやるところがまず出てくる。それから、最後になりますが地方公共団体みずからが中継局を設置するという場所が出てくる。こういう三つの段階、あるいは三つの地域というものが生じるということであろうかと思うわけでございます。
 いずれにいたしましても、民放がこれらのいろいろな施策によって難視聴を解消するということのためのいわゆる努力義務がなくなるということではないんでありまして、私どもは再免許時であるとかあるいは検査に参りました際とか、いろいろな時点をとらえまして民放に対しまして指導してまいりたいと思うわけでございます。結局、先ほども申し上げましたように、NHKと民放の中継局設置の格差というものが約六千局ほどあるという厳然たる事実をいかにして早く解消していくかという、そういう努力を今後とも積極的にやってまいりたいと思います。
○山田健一君 今民放がやるべきだ、その前提のもとでと、こういうふうに考え方として言われました。それは一体、これは民放がきちっとやるべきだ、あるいはまたこれは地方自治体で中継局を開設しなさい、だれがその判断をするんですか。
○政府委員(大瀧泰郎君) これは民放自身、それから私どもも調整役として、それから地方公共団体も地域住民の皆さん方の御要望にこたえるという、それぞれの立場でやはり調整をしていかなければならない問題ではないかと思うわけでございます。
○山田健一君 そこが一番やっぱりこれから問題になると思うんです。いわゆる受信者の立場といいますか、辺地の難視聴という場合に、一般的な辺地難視聴、要するに電波がなかなか届かない、あるいは届いていても一定のレベルに達しないから見えない、あるいは今回のように届いているけれども自然の受信障害があって見えない。その場合の受信障害があるかどうかという判断をどうするのか、私もよくわかりませんが、いずれにしても住民の方は障害があろうとなかろうと見えないことに変わりない。これは受信障害があるから中継放送でいくんだ、あるいは今回は受信障害がないからあなた共同受信でいきなさい、あるいは衛星でいきなさい、こういう形で、住民にとってはそこら辺の障害があろうとなかろうとそんな区分をしたって余り意味ないわけですよ。要するにいろんな手段でもって難視解消が図っていければいい、こういう立場でありますから、そういった点を踏まえてこれからの行政といいますか、方針を出されるときに考えていただきたいというふうに思っておるんです。
 いずれこれもどんどん中継局やっていく、そうしますとある程度カバーできる、そしていよいよ何軒か小さな世帯が残っていくということになります。そういった場合に、それはもうあなた衛星放送で受けなさいと言うのか、あるいはそういう場合は中継所をつくればと、そうもいかない。民放はましてややらぬでしょう。そういうことになれば、自治体にやってください、こういう住民の要求が出てくるのは当然です。そういうことになればだんだん、先ほど言ったように民放はもうここまでですよということになれば、後は結局地方自治体に肩がわりをされていくということになりはしないかということを大変心配をいたしておりますので、もう一度そこら辺のところを整理されて、地方自治体に対してもきちっとした指導をしていただきたいということをお願い方々申し上げますが、意見があれば申していただきたいと思います。
○政府委員(大瀧泰郎君) 私どもも、これらのいろいろな施策を通して地方自治体とは連携を密にして、地域の住民の方々の御希望に沿うような形でできるだけ早く民放のテレビ番組がお届けできるように積極的にやってまいりたいと思います。
○山田健一君 きょうはちょっとNHKにも、お忙しい中御苦労さまです。ひとつ、今回の放送区域という関係もありますので。放送区域が原則的には県単位でセットされているという状況の中で、若干ローカルな問題になりますが、私の山口県の下関、ここの受信状況についてちょっとお尋ねをし、これから対応できる部分があればお願いをしたい、こういうことできょうお願いをしたわけであります。
 これはローカルではありますけれども、放送行政といいますかその観点からも、いわゆる県境、これは何も私のところだけじゃなしにこれは全国皆そうだろうというふうに思います。下関の場合で申し上げますと、一応本州の一番端っこです。ここで、大体従来からいえば北九州の県域とほとんどダブっておるわけなんです。いろいろありましてUHFをつけていただくということになりまして、火ノ山というところに中継所をつくっていただいた。だから、原則的には山口県の県内放送は見えるわけです、本当から言えば。ただ、何せ民放が山口県はまだ二社しかないんです。ほとんど北九州にアンテナが向いておるわけです。ですから、指導はNHKもされておるのだろうと思いますが、ほとんど九州の番組です。下関でチャンネル入れましてNHKへやりますと、ローカルニュースになると福岡のニュースがぱっと入るわけです。あれ、ここは山口県だけれどもどうなっておるのだ。いや、皆こうですよということで、苦情だけがどんどん出てくる、こういうような状況に実はなっているわけです。
 こういう現状の中で、何とか皆さんがちゃんと地元のニュースが見たい、こういうことで随分苦情も出ておるのですが、NHKとしてはどのように認識をされて、そしてどういう対策をとられているのか、ちょっとお尋ねしたいと思います。
○参考人(中村好郎君) 今先生の御指摘のように、下関の受信実態から申し上げますと北九州局を受信しているという状況にあるということはよく承知しております。しかし、私どもといたしましては、貴重な電波をいただきまして県域サービスを重点に今まで置局もやってまいりましたので、そういう意味では受信者の御理解を得ながら、具体的には受信指導に尽きるわけでありますけれども、県域放送を見ていただくということが地元の利益につながるという観点から引き続き受信指導を重点に地元の理解を得てまいりたいというように思っております。
 ただ、地域的に下関は北九州に臨接しておりますので、できる範囲でニュース等の共通の話題を両局から持ち出し合って交互に番組を交換するというようなことも一部やっております。そういうようなことで対処をしてまいりたいというように思っておるところであります。
○山田健一君 そこで、今それぞれ共通する部分なり交互にというお話がありました。その受信指導が徹底をすればいいんですが、なかなかそうなってない。そういう状況の中で、少しでもメディアの多い方にどうしてもアンテナが向くということで、それぞれ共通する部分をやるし、ローカルな部分はそれぞれが見れるようにしたいということでやっておられるのであれば、むしろ私はあの県域の一帯の、放送行政上の放送区域というのもあるのでしょうけれども――それは今回の受信障害の場合でもそうですよ。局長さん、受信障害の場合でも県域を超えて、例えば下関で九州のを見ていて受信障害が発生した、だから中継所を
つくれといったって、普通は県域以外だったらやらぬでしょう。恐らくそういうふうに言われるだろうと思う。だけれども、そういう県域でぴしっぴしっと区切っていくのが本当に時代に合ったやり方なのかどうなのか、これもやっぱり一方で問われておると思うんです。
 そういった意味からいえば、むしろ関門地域、門司を含めて、あの地域での一帯のサービスを考えていけないものだろうか。いわゆる関門放送局的な考え方はとれないものかどうか、そこら辺もあわせてお尋ねをいたしたいと思います。これは両方、できればNHKと大瀧局長の方とお願いいたします。
○政府委員(大瀧泰郎君) 先生御指摘のように、下関の地域では福岡県側からの民放が現在は四社見れるわけですし、六月十五日でございますが、民放の第五局目が予備免許されまして、今後は五社の番組を見ることができるようになったわけです。山口県の方も現在、一月のチャンネルプランの改正によりまして三局、三社目が認められるようなチャンネルプランになっておるわけでございますけれども、実行的にはまだ二社でございます。そういう格差がございますものですから、一般の家庭はやはり福岡側の中継局にアンテナを向けて見ているというのが多いのは事実でございます。
 しかしながら、私どもも県域放送という大きな原則のもとに放送行政をやっております観点から、県域外からの放送ということになりますと、それはそれでもいいですよというわけにはまいらないのでございます。事実、関門地区といいますものが昔はございました。昭和四十三年でございますか、まではあったわけでございますけれども、その後関門地区というような放送区域はやめまして、山口県、福岡県という県域放送のサービスエリアで分けたわけでございます。したがいまして、現在のところはやはりできる限り山口県の民放を四局化する、全国四局化という方針に基づいて民放の放送の充実を図っていくということしか地域の方々が山口のローカル放送を見るということで向けてくださるのはなかなか難しいのじゃないかというのが実情ではないかと思うわけでございます。
○参考人(中村好郎君) いずれにいたしましても、下関は山口県でありますので、下関に住んでいらっしゃる方がやっぱり山口の放送局の電波を見ないと損をするというような番組をNHK自身がつくって、自然にそちらヘアンテナが向いていくというような方向をとることがNHKの責任だろうというように思っております。今後努力したいと思っています。
○山田健一君 もう時間があれですが、最後にぜひ努力の要請をしておきたいと思います。
 山口県の方も三局目の許可を一応枠だけはいただいておるんですが、まだ民放二局ということ、しかもその民放もどこでどうなっているのかどうもわかりません。大体番組も九州の方で流すよりか二、三週間おくれの番組、「大岡越前」なんというのは実際遅いんですよ。時間帯も随分また違いまして、どうしても九州の方に向くという状況があるものですから、ぜひNHKの方も今言われた、山口県の言ってみれば県民から愛されるような番組づくりをということのようでありますので、ひとつ努力をいただきたいということです。
 それから、放送行政の立場でも、県単位での今のああいう形、これは恐らく各県でも県境の部分に行くとそれぞれあると思うんです。そこら辺の実態をきちっともう一度把握していただいて、時代に合ったような一つの放送のあり方というものをぜひこれから考えていただきたいというふうに思っておりますので、一応要望をさせていただいて私の質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
○及川一夫君 これまでは難視聴問題であるとか放送の県域のお話でございましたけれども、私の方はあるべきものがない、したがってあるようにしてもらいたい、こういう立場での要請をしておきたいと思うんです。
 まず一番先に、局長にお伺いしておきますが、UHF放送の免許を、郵政省の立場に立てばチャンネルプランを検討してこうしたいというふうに書いて具体的に提起をしていただく、そのための条件というのは一体どういうものなのかということをお聞きしておきます。
○政府委員(大瀧泰郎君) 放送普及基本計画におきまして新たに放送対象地域であるとかいうようなものを設定するとか、あるいは各地域の放送系の数というもの、目標というものを変えるというような場合には、周波数の事情であるとかあるいは放送に関する需要の動向であるとか、それらいろいろな経済的あるいは自然的な条件というものを勘案いたしましてチャンネルプランというものを変えていく、あるいは新しく周波数を追加するというようなことをやっていくわけでございます。そういうチャンネルプランの変更を行いました後に放送局の免許の申請というものを受け付けます。そして郵政大臣は免許の基準に適合する申請者に予備免許を与えまして、その後建設をしていただく、そして検査に合格したら免許を与えて放送開始を行うというような手順を踏みまして放送局が開局されるわけでございます。それですから、私どもは、地域の需要動向というものを見きわめてまずチャンネルプランというものを決定していくというのがまず第一のスタートなのでございます。
○及川一夫君 そうすると、東京の場合はどうなんですか。
○政府委員(大瀧泰郎君) 東京は現在五つの民間放送局がキー局として全国にいろいろな番組を流しております。東京にもう一局欲しいというようなお話も現在都知事さんの方から大変陳情があるという事実はございます。これらの東京都域というような放送のサービスエリアはないわけでございますが、関東広域圏ということで現在はそれらのキー局がサービスを提供しております。東京都庁の方からの御要望では、東京都域というようなエリアでのサービスをいたしたいというような御要望があることは事実でございます。
○及川一夫君 きょう与えられた時間が十分ですから、それぞれただしていきたいことはいっぱいあるけれども、ひとつきょうのところは要請ということにしておきたいと思うんです。
 局長、あなたがおっしゃられたことの中でも、関東広域とこうおっしゃるけれども、現実に広域というふうに言うてみても、東京以外の関東六県は一応チャンネルプランの中には載っていますね。開局しているのも四局あるわけでしょう。ですから、関東広域という理由のもとに東京にはローカル放送は必要ない、こうはなかなかなりませんわね、これは。だから、帯域の問題であるとか放送局の数の問題であるとか、そういったものは考慮せにゃいかぬでしょう。しかし、それは需要動向との関係とかあるいは経済的な条件とか、自然的という意味はどういう意味なのか僕はようわからないけれども、どちらにしても関東というエリアの中では東京だけがUHFとしてのチャンネルプランがないということだけは事実だというふうに私は指摘をしておきたいと思うんです。
 そこで、実際に東京という問題がVHFにしろ何にしろ出てくるのは事件的なものが非常に多うございまして、東京の持っている文化とかあるいは東京のよさとか、さまざま起きてくるいろんな地域社会の出来事、あるいは地方議会の動きなどということについて事細かに放送するなどということはまずVHFはないんです。出てくるのは私は事件帳簿的だ、こういうふうに言うているんですけれども、東京の名前が出てくるのは全部事件にひっついて出てくるという状況だと私は見ているわけです。
 ですから、そういう意味でも恐らく東京都議会でも議論になったんでしょうが、五十九年に問題が提起をされて、一年間論議をして、最初は何か郵政省が断っているということを前提にしてそれを盾にして防戦これ努めたようですよ、東京都議会側は。しかし、一年間の論議の中でその必要性を認め合って、全会一致で決めているわけです。
六十年から皆さんのもとにも足を運んだというふうに私は聞いていますが、私が数えてみただけでも要請書、要望書十四回、総理大臣とか郵政大臣に出されているわけです。知事自身も何とかしてくれ言うて十一回も足を運んでいるという記録も私は見ているわけです。ですから、やはり東京都というのは、中央政府との関係では、交付金一つとらえて別に言うわけじゃないけれども、それだけ自立、独立するだけの経済的条件があるからそうなっているだけにすぎないという物の言い方、考え方もあるかも知らぬけれども、いずれにしても中央政府のもとで東京がごたごたしたんではこれはもうたまらぬ話でありまして、そういう問題等も含めて東京におけるUHFの問題についてはぜひ考えてもらいたいというふうに私も実は思うわけであります。
 それぞれUHFの放送番組などを見ますと、地域文化の問題はもとより、地域における社会の出来事、スポーツであるとか県や市の行事、あるいは地方行政の周知、広報といいますか、そういったことなど多様な、やっぱりニーズもそのほかにあるわけでありまして、そういうことが大体ローカル放送としてかなり重点的に行われているということを私自身は例えば千葉放送というものを見て感じているわけです。
 したがって、そういう意味でも既に東京都の場合にはアンケートを実施したり、あるいはまたアンケートの中では、東京ローカルということで非常に関心があるかないかということに対しては五七・六%関心があるという調査も寄せられておりますし、ローカル放送は必要か必要でないかということに対しては六一・一%の人たちがぜひ必要だ。しかも、必要とする理由の中には、東京にも所があるはずだ、旧跡があるはずだ、そういうものの紹介などを何とかしてくれないか、五二%の人たちがそういうふうに望んでいる。特に、一極集中になっておるものだから、よそ者言うたら怒られるけれども、いわば郵政大臣のように江戸っ子でない人たちがたくさんおるわけで、その人が江戸っ子になろうとするからには、名所旧跡何でもやっぱり知りたいところですな。そういうことなどを含めて、東京地方のニュースについても四〇%近く知りたいとか、いろんなことがあるわけですよ。
 ですから、この際郵政省もぜひ検討していただきたいと思うんですが、いずれにしても関東六県で八百四十三万世帯に対して東京都だけで四百七十七万世帯もあるわけですから、そういう人たちが要求しているということが都議会の決議あるいは行動としてあらわれているということを考えますと、郵政省もそろそろチャンネルプランの変更について考えられてもしかるべきではないか、こういうふうに思います。という前提に立ちまして、ひとつ郵政大臣、最後に、この問題どう受けとめられているか、先の見通し、言いにくい点もあることは百も承知ですが、ひとつ誠意ある回答を望みたいというふうに思います。
○国務大臣(深谷隆司君) 私は純粋な江戸っ子でございまして、代々でございますが、東京から出ている政治家としてはただいまの御意見、本当に感激的に聞いていたんですが、はっと我に返ると郵政大臣でありますので簡単には申し上げることはできませんが、東京都を中心といたしまして六局をぜひつくれという声が熱心に起こっていることはよくわかっております。ところが一方では、日本民間放送連盟などがそれはまずいんだということで猛反対をしている実際もございます。
 そこで、その及ぼす影響等も十分に配慮の中に入れまして、地域住民、マスコミあるいは経済界など各方面からひとつ意見をじっくり聞きまして、広い視野に立って検討を進めてまいりたい、このように思っております。
○陣内孝雄君 私はテレビジョン多重放送に関する体制について若干お尋ねしたいと思います。
 さて、今回の改正の契機ともなっておりますテレビジョン・ファクシミリ多重放送というのは、テレビジョン放送の電波を利用してといいますか、すき間を活用して、文字、図形、写真等の情報を伝送して、そしてこれを受信者側では主としてハードコピーでプリントアウトするという新しい放送メディアだと聞いておるわけでございます。この新しいメディアの特性を生かした多様な情報ニーズにこたえていくことが恐らくこれから大いに期待されるところだと思うわけでございます。
   〔委員長退席、理事松前達郎君着席〕
 そこで、一体これがいつごろから実用化に入るのか、またどういう利用の方法があるのか、お聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(大瀧泰郎君) テレビジョン・ファクシミリ多重放送は技術的には実用化の段階を迎えております。今後、所要の技術基準の策定、制度面の整備を行いまして、おおむね一年後には実用化の見込みでございます。
 テレビジョン・ファクシミリ多重放送を利用したサービスといたしましては、いろいろなものが考えられるわけでございますが、現段階におきましては、テレビジョン放送の番組に関連したものといたしましてはニュース番組の詳細な内容であるとか、料理番組の材料表であるとか、あるいは教育番組のテキストの提供等が考えられますし、また、テレビジョン放送の番組とは独立したものといたしましては、ニュース、天気予報、市況、金融情報、催し物、旅行案内、各種学術情報の提供等が想定されているわけでございます。そういうことでございますので、私ども、おおむね一年後を目標にいたしまして実用化を図ってまいりたいと考えております。
○陣内孝雄君 今回の改正案によりますと、テレビ・ファクシミリの多重放送というのは補完利用努力義務規定が適用されないというふうになっておるわけでございます。確かに、テレビジョンの文字多重とかあるいはテレビジョンの音声多重に比べますとその有用性というのは少ないかもしれませんけれども、放送事業の社会的な使命を果たすということになりますと、やはりテレビ・ファクシミリの多重放送には努力義務を課してもいいじゃないか。今お話しになりましたような関連放送、例えば主放送のニュース番組をファクシミリで詳細に伝えるというようなことなどは、むしろ努力義務を課した方が視聴者にとってはありがたいというふうに思うわけでございますが、あえて努力義務を課さないというふうになされた理由についてちょっとお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(大瀧泰郎君) 現在行われておりますところのテレビジョン音声多重放送は、二カ国語放送であるとかあるいはステレオ放送とか目の不自由な人々のための解説放送とかが行われております。さらにまた、テレビジョン文字多重放送におきましては、耳の不自由な人のための字幕放送というような多重放送としてテレビジョン放送の主番組を同時に補完する利用方法、すなわち補完利用というものが大変有意義であるということで、それらを私どもは積極的に行うようにというような努力義務を課しているわけでございます。
 何と申しましても、現在ファクシミリということになりますと、確かに私も先ほどお答え申し上げましたようなニュース番組の詳細な内容であるとかあるいは料理番組の材料とか、あるいは教育番組のテキストなど、確かに本番組に関連した利用にも一定の有用性は認められるのではございますけれども、いわゆるテレビジョン放送の画面や音声と同時にファクシミリを見るというようなものよりも、むしろ独立的な利用というのを積極的に認めまして、記録性であるとかあるいは保存性というほかの放送メディアにはないすぐれた特性を生かして情報を提供した方が視聴者の多様な情報ニーズにこたえることになるのではないかと思うのでございます。したがいまして、むしろ補完利用努力義務というものは義務としては課さずに、放送事業者の創意工夫が最大限に発揮されて多様な情報ニーズに対応できるようにして、多彩な番組が提供できるようにした方が普及、発達に資するのではないかというような観点から今回は補完利用の努力義務を外しているわけでございま
す。
 そういう意味でございますので、私どもは放送事業者がやりたいということに関しましては何も否定をしているわけではないのでございます。
○陣内孝雄君 今のことに関連しまして、これは私の意見としてひとつ述べさしていただきたいと思うのでございますけれども、テレビ・ファクシミリの多重放送というのはテレビジョン放送を行う放送事業者の施設を借用して、これに重畳して放送を行うニューメディアであるわけですので、NHKの地上系の二波の利用形態、これがどうなるのかなという関心を持つわけでございます。恐らくテレビ文字多重放送の場合のように一部はNHKがみずから使うというふうになるのかもしれないなというふうにも想像するわけでございます。
 そこで、仮にそのような場合には、NHKは公共放送にふさわしい、テレビジョン放送の内容を豊かにしたりあるいはその効果を高める視点から補完的利用に限られてこれは使われるべきじゃないかというふうにも思うわけでございます。と申しますのも、NHKはこれまで地上系二波とか衛星系二波とかいろいろ多様なメディアを持っているわけでございます。むしろこれを大いに活用する形で、例えば地方活性のためにもっと地方局を活用するとかあるいは国際放送を充実するとか、あるいはまた経営の合理化に努めるとか、こういうものにむしろ進んでいってもらいたい、こういうふうに期待するからでございます。これは私の意見でございますので、お聞きとめいただければと思うわけでございます。
 そこで、情報化社会を迎えて、いろいろと今話題に出てきましたようなテレビジョンの文字多重かあるいはテレビジョンの音声多重、そして今度はファクシミリというふうに進んできておるわけでございますが、この情報化社会を支えるニューメディアとしてこれからさらにまたいろいろなものも、もう研究中かもしれませんけれども、現段階でどんなものが考えられるか、ちょっとわかる範囲で教えていただければと思います。
○政府委員(大瀧泰郎君) 先生おっしゃるように、技術の発達は日進月歩でございます。将来的にどのようなものが出現するのか確たる見通しを得ることは非常に困難でございますけれども、現時点で一般的に想定されますところのファクシミリ多重放送以外の多重放送として考えられますものには、コンピューターデータを伝送いたしましたり、楽器の自動演奏等に用いられるデータ放送という分野のもの、それから非常にきめの細かい画面、高精彩度と申しますけれども、この高精彩度な静止画を伝送する静止画放送などが考えられるわけでございます。これらのテレビジョン多重放送はおおむね独立利用に適したものでございます。そういう意味で今後のファクシミリ多重放送以外のものもおおむね独立利用が主だというような利用形態になろうかと存じております。
○陣内孝雄君 時間もありませんが、経営の面についてちょっとお伺いしておきたいと思います。
 このテレビジョン・ファクシミリ多重放送というのは専門的な情報を流すのに適したメディアじゃないかと思うわけでございます。従来のような地上系のテレビジョンとかあるいはラジオ放送ほど基幹的なメディアにはなり得ないかもしれない、そういうことを考えますと、このようなメディア環境のもとではどうしてもこの事業を円滑に普及、発達するためにはその支援とかあるいは推進体制の整備とか、こういうものが当面不可欠になってくるのではないかと思うんですが、この点について何か考えておられることがありましたらお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(大瀧泰郎君) 新しいメディアということで、まだ受信機も普及していないわけでございますし、揺籃期におきましては、多メディア時代という非常に厳しいメディア環境のもとにおきましては事業化が必ずしも容易でないということは予想されるわけでございます。したがいまして、郵政省といたしましてもこの円滑な普及、発達を図るためにはその支援、推進体制の整備が不可欠と考えております。
 したがいまして、実用化当初からの有料放送の導入ということや、あるいはいろいろな事業者の方々が新規に参入するということも大変大事なことでございますが、現在マスメディアの集中排除原則というようなことで厳しく制限をしておりますけれども、そういう制限なども緩めて、放送事業者の創意工夫が最大限に発揮されるような制度をきちっと確立してはどうかというようなことも考えておりますし、また普及推進協議会というような組織も設立したり、財投等の支援措置なども確立したいというようなことで実用化に向けた支援体制の整備を進めたいと存じております。
○陣内孝雄君 ぜひよろしくお願いしたいと思います。
 それでは、最後の質問にしたいと思いますが、このところ社会経済や国民生活におきます情報化の進展というのは目覚ましいものがあり、通信量は着実にふえているわけでございます。これを支える放送メディアとして今いろいろと出てきました地上放送に加えて衛星放送とかあるいはCATV、テレビジョン・ファクシミリ、こういったものがだんだん実用化され、普及していくということになってきたと思うわけでございます。しかし、その一方では受信障害の問題とか、あるいはまだ自然難視聴が解決されていない、あるいは国際化に備えて国際交流の必要性も出てくる、いろいろ課題もあろうかと思うわけでございます。技術開発も必要になってくると思います。そういう中で、ひとつ今後の放送に関する将来展望といいますか、こういうものについて最後にお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(深谷隆司君) 近年の放送技術の進歩で、地上放送だけではなしに衛星放送、ハイビジョン放送、CATV、そしてファクシミリ多重放送などさまざまな放送メディアが生まれてまいりました。
 郵政省といたしましては、国民のニーズにこたえていくためにはこういう多様化した高度化したそういう技術の革新を応援する、つまり各種ニューメディアの導入や普及に積極的にその推進に当たるという立場をとってまいりますが、御指摘のように一方では、光と陰の部分があるとすれば、それに伴うさまざまな問題点もございますから、難視聴の問題もそうですが、そういう問題もあわせて解消しながら普及に努めていくという努力が大変必要ではないかというふうに思います。どちらにいたしましても、それぞれの放送の特性を生かして、さらに調和のあるメディア体系ということを考えていかなきゃなりませんので、先生の御指摘もあわせて伺いながら、省を挙げてこれらの問題に取り組んでまいりたいと思っております。
○陣内孝雄君 ありがとうございました。
○磯村修君 都会での受信障害を解消していくために、ビルの建築主は建物をつくる場合、工事の着手前とかあるいは工事中とか工事後のその付近の状況というものを把握して受信障害のないようにしていく、そして地元の関係の住民の方々と話し合ってその対策をするというふうなことが一つの指導の柱にもなっているようなんですけれども、事業主がその地域での受信障害の状況の把握について実際どういうように努力しているのか、あるいは建築主と住民との話し合いは実際に行われているのかどうか、その辺の実態というものを郵政省は把握しているでしょうか、お伺いしたいと思います。
○政府委員(大瀧泰郎君) 建築物を建築する場合の受信障害対策に関しまして、建築主は一般的にはこのような手順で行っているわけでございます。
 まず第一に、建築設計書等をもとに受信障害の発生範囲を予測いたしまして、事前調査を行います。この事前調査に基づきまして、建物の向きだとか配置、高さの変更、電波吸収体の採用など、設計変更等による未然防止を行うわけでございます。その後、共同受信施設、いわゆるCATVで行うかあるいはSHF放送による対策にするか等
の判断をするわけでございますけれども、建築工事の進捗状況によりまして受信障害が発生することがあるわけでございまして、そういう場合には仮設のアンテナ等によって応急措置をするとかいうことも必要でございます。建造物の完成後には事後調査をきちっと行いまして受信障害の範囲を確定し、そして対策の方法であるとか維持管理の方法等について地域住民に説明をいたしまして対策工事を実施する。こういう一連の手続を行いまして、対策工事を行っているわけでございます。
 私どもは、地方の電気通信監理局や建設省、運輸省等関係省庁、それから放送事業者等で構成されます電波障害防止協議会等を通じまして障害防止についての周知、啓蒙や防止対策の指導等を行っているところでございます。地方公共団体におきましても、条例等を制定いたしまして、建築確認の際に建築主に対しまして受信障害防止対策等についての必要な指導、調整を行っているところが多いのでございます。
 このようないろいろな方法によりまして、受信障害を極力少なくし解消するような方策をとっているわけでございます。
○磯村修君 受信障害というのは、非常にビルが高層化して本当にあちこちに高いビルが建てられる、そうすると障害の原因者を特定しにくくなってくるというふうな問題も生じてきていると思うんです。一番困るのは視聴者の方であって、早く難視聴を解消してくれと言っても、原因者が特定できないとなかなか原因者と見られる関係者の間の話し合いもうまくいかないだろうしするんでこの対策がおくれるというふうな問題もあると思うんです。そういう複数の原因者による受信障害という問題につきまして、郵政省は今どういうふうに取り組んでいるのか、その辺のことをお伺いしたいと思うんです。
○政府委員(大瀧泰郎君) 受信障害の主要な原因となっております建築物を、原因調査について経験と技術的能力を持っている例えばNHKの職員の方々等の御協力によりまして、客観的に原因となる建物を特定をする。そして、受信障害の主要な原因と認められる建築物の建築主が中心となって対策を行うということになっております。
 しかしながら、先生御指摘のように、最近の都市の再開発等に伴いますところの建造物の高層化によりまして、遮へい障害、さらには反射によるゴースト障害というものはますます広域化し複雑化しているわけでございまして、原因者の特定が非常に困難な複合障害というものも数多く発生しつつあります。しかしながら、できる限り私どもはその原因というものを究明いたしまして、原因となっている建築物を特定する努力をやっておりますが、この辺先生御指摘のように大変難しい問題がございますので、今後とも都市受信障害についてもこれらの難しい問題を解決ができるように努力してまいりたいと思っております。
○磯村修君 原因者が複数の場合の障害というのは、今はもうこの障害の方が多いんでしょうかね。今までは大体特定できたはずなんです。しかし、こういうふうに高層化が盛んになってきますと、なかなか特定しにくい問題がある。こういう特定しにくい障害の方が多いということが言えるでしょうか。
○政府委員(大瀧泰郎君) いわゆる反射によるゴースト障害と申しますと、非常に遠いところまで電波が届いてしまうというようなことから非常に広範囲になりまして、しかもいろいろな建物からの反射が重なってまいりますものですから、特定することが非常に難しいということで、これらの問題の方が深刻であるということであろうと思います。世帯数といたしましても、我慢ができる範囲のぎりぎりのところにおられる方がかなり多いということで、表には出ないんですけれども御不満をお持ちの方がたくさんいるというふうに私は理解しております。
○磯村修君 この難視聴解消のためにつくられる障害除去の施設、受信施設、これが老朽化して保守あるいは管理というふうないろんな責任が出てくると思うんですけれども、法の改正前と改正後ではどういうふうに変わるんでしょうか。
○政府委員(大瀧泰郎君) 具体的な老朽化対策というものはそれぞれのケースによって異なってまいると思いますけれども、CATVなど共通の受信設備による場合には十年とか二十年とかいうような一定の期限を定めて原因者が負担している例が多いのでございます。今回のSHF放送の設備に関しましては放送局の免許を取得して行われるものでございますし、原因者である建築主の負担によって行われるのが一般的でございます。さらに、受信設備も差し上げるというような例が非常に多いものでございますので、例えば足立清掃工場のケースでは東京都が設置する、そしてその性能を十年間保証するというような形で行っております。
 受信障害対策が安定的に継続的に行われるためには、私どもそういう老朽化対策というようなものも大変重要なことでございますが、それらはやはりそれぞれの当事者の協議によって決められていくんではないかと思いますが、この設備の更改等もやはり原因者が負担をしていくという、そういう例が多いようでございます。
○磯村修君 先ほど地方での難視聴解消のお話の中で、自治体も何といいましょうか、障害対策中継局というものをつくる、そして民間放送などの放送が受信できるような一つの取り組みをしていく、郵政省も指導していくというふうなお話もありました。
 そこで、私ちょっとお伺いしたいんですけれども、仮に地方自治体がこうした仕事をする場合にその財源はどういうふうになるのか、改めて聞きたいんですけれども。
○政府委員(大瀧泰郎君) それはそれぞれ地方自治体によってまちまちではございますけれども、生活環境の整備という面から地方自治体も真剣に対応しておりますので、そういう点での財源をもとにやっているというふうに私は理解しております。
○磯村修君 つまり、一般財源から支出するということになるんでしょうか。
○政府委員(大瀧泰郎君) 地方自治体が行うような場合に、先ほど新過疎法というような法律によりまして行われるということを御紹介いたしましたけれども、やはり民放が行うような場合におきましては何といいましても財源を地方公共団体の方にお願いするという例が非常に多くなってまいりましたものですから、このたび新過疎法の制定に当たりましてテレビの中継、それからラジオの中継というような中継局の設置の場合にも過疎債が適用できるようにというような形を整えていただいたところでございます。
○磯村修君 民放は公共性ということと、それから営利性といいましょうか、両面あると思うんですね。番組を放送するということについては公共性が非常に強いと思うんです。一方、利潤も追求しなければならないという経営の面からいくと営利性というものもあるわけなんです。
 そういう意味において、例えば民放の番組が非常に見にくい、聞きにくいというふうなところにそれぞれの、民放は今各県に複数あるわけです。そういう局がお互いに力を合わせてお互いに民放の番組が見られるような施設をつくるということも積極的に進める必要があると思うんです。しかし、採算の面でどうしても自治体の力もかりなきゃならないということも出てきましょう。そういう意味からいって、私は、公共性が強いという面からとらえましてやはり民放に対する何といいましょうか、難視聴解消のための努力義務というものを一層強めていく必要があるんじゃないかと思うんです。やはり地方自治体がやるにも一つの税金から出るわけですからね。そういう意味において私はそういう努力義務というものをやはり指導の面でも強化していく必要があるのではなかろうかと思います。そのことと、それから現実に民同士がお互いに協力し合って難視聴解消にどのように取り組んでいくのか、その実態をあわせて伺いたいと思います。
○政府委員(大瀧泰郎君) いわゆる灘視聴解消の
努力義務は今後とも民放に対しまして機会あるごとに私どもは申し上げ、指導をしてまいりたいと思っております。
 それから、現実的に、民放も中継局を設置するような場合には共同建設というものをやっております。後発の民放はおくれておりますが、そういう先にこしらえた、民放がこしらえた中継局をお借りするとか、いろいろな方法をとりまして積極的に中継局の設置を進めているのが現状でございます。
○鶴岡洋君 法律が法律でございますのでダブる点が大変あると思いますけれども、御了承いただきたいと思います。
 最初に、今回この法を整備するということで、SHF帯の電波を利用する、こういうことでございますが、都市受信障害にSHFを使う場合に、この電波は波長が非常に短い、その性格から雨にも弱い、それから建築物によろいわゆる遮へい障害も発生しやすい、こういうことでございますけれども、波の性質による問題点が出てくるのではないかな、このように考えられますけれども、それならばCATVの方が安全で確実である、間違いがない、こういうふうにも逆に思われますし、経費の点からSHFの方がいい、こういうことでございますが、まず第一にその経費の点について、CATVよりもかからないと、具体的にどうしてかからないのか、この点と、それから今言った波長が短いために雨に弱いとか、そういうことで心配ないのかどうなのか、この二点についてお伺いします。
○政府委員(大瀧泰郎君) 雨に対するSHF帯の弱さということでは、衛星放送などでも若干我々経験をするのでございますけれども、豪雨になりましたときには非常に画面が乱れてしまうというような欠点があることは事実でございます。しかしながら、今回の都市受信障害対策用のSHF放送は、衛星放送と同じ十二ギガ帯の周波数を使用しているわけではございますけれども、使用する範囲が数キロの非常に限られたエリアでございますので、そういう点で距離が非常に短いわけでございますので、降雨減衰の影響はほとんどないというふうに考えております。
 それから、経費の面でございますけれども、CATVよりもSHFの方が経費が安いという場合は、やはり世帯数が三千世帯以上ぐらいになりましてサービスエリアが広範囲になった場合にはSHFの方がコスト的に安くなるという調査結果が出ておりますし、そういう調査結果をもとに私どもは今後SHFの採用に当たりましての指導の基準にしてまいりたいと思っておるわけでございます。
○鶴岡洋君 先ほども話がありました都市受信障害世帯数ですけれども、六十七万世帯とも六十八万世帯とも現在言われているわけです。この六十七万世帯というのは六十一年度の統計で六十七万世帯、私そういうふうに聞いておりますけれども、実際にはどうなんですか。もちろんふえているとは思いますけれども、この六十七万という数字はどういうふうに掌握しておられますか。
○政府委員(大瀧泰郎君) 平成元年度末の都市受信障害のいわゆる障害を受けている世帯数というものが六十八万世帯というふうに推定されているわけでございますが、これはNHKにおきましてサンプル調査の結果により推定しているものでございます。毎年確かにかなりの新たな障害が発生しているとは思いますが、そのほとんどが原因者の負担等によって解消されておりますので、従来のデータ等からもおおむね妥当な数字ではないかというふうに存じております。
○鶴岡洋君 そこで申し上げたいんですけれども、電波障害の世帯数ですけれども、今NHKのサンプル資料からというお話ですが、そちらの電気通信監理局、ここでは調べられないんですか。
○政府委員(大瀧泰郎君) 私どももぜひこのような調査をやらなきゃならないというようなことで、大変人員、予算上の制約もあり難しいのが実情なのでございますが、都市受信障害の実態調査に関しましては、平成三年度に東京とか大阪、名古屋など政令指定都市について実施するように検討を行っております。また、さらに辺地の難視聴実態調査を平成二年度と来年度の平成三年度にわたって実施するように予算要求等も行っております。
○鶴岡洋君 これも先ほど出ましたけれども、高層建築物によろいわゆる受信障害でございますが、ビルの陰だとか高架道路、それから大規模な橋、SHFの電波の利用によってこの六十七万か六十八万か推定される世帯数のどの程度までこの法律ができた場合に解消できると予想されておりますか。
○政府委員(大瀧泰郎君) 都市受信障害というものは年々増加していくのではないかと思いますので、大変この解消には積極的な努力をしなきゃならないと思いますが、CATVであるとかSHF放送、それから電波吸収体、傾斜壁面の採用というようないろいろな解消方策によって対応してまいらなけりゃならないかと存じております。
 このSHF放送についての解消の度合いということになりますと、今までよりはかなりのスピードでこれが採用されていくんじゃないかと私どもは思いますので、CATVとともにSHF放送が都市受信障害の方策として大いに活用されるものと期待をしているところでございます。
○鶴岡洋君 関連して、この受信障害世帯に対する原因者負担の原則、これはずっとそういうことは言ってきて、現在も原因者が負担するのは当たり前だ、当たり前というんですか、そういうことになっているわけですが、それには当事者間の協議による、こういうことになっておりますが、地方電気通信監理局には今どのぐらいのトラブル、問い合わせ等が寄せられているか、その辺の数字はわかりませんか。
○政府委員(大瀧泰郎君) 昭和六十三年度におきまして各地方電気通信監理局で受け付けました受信障害の申告は、全国で四千四十八件となっております。
○鶴岡洋君 そこで、この解消策ですけれども、辺地の難視聴対策と今問題になっているいわゆる都市受信障害対策とを比較してみますと、どちらかというと対応がちょっと違うような感じがするわけです。いわゆる辺地難視聴の対策は放送事業者による置局措置や衛星放送受信設備の設置経費の助成、この間法案が通りましたけれども、そういうことでやるわけでございますが、都市受信障害は原因者負担の原則、これがありますので、辺地の難視聴対策の方がどちらかというと優遇されているような感じがいたしますけれども、郵政省としてはこのことについてどういう見解を持っておられますか。
○政府委員(大瀧泰郎君) 都市受信障害は、ビルや高速道路など人為的に建築された建造物による障害でありますものですから、建築主などの原因者によって対策を行っているわけでございます。一方、辺地における難視聴ということになりますと、人為的な原因によるものじゃありませんで、山間地等地形的な条件に恵まれないところによるものでありまして、原因者負担というものの適用ができないわけでございます。また、一般的に都市部と比べまして情報格差によって恵まれない場合が多いわけでございますものですから、難視聴対策は生活環境の整備という点からも大きな意義があるというふうに私どもは理解しております。
 しかしながら、難視聴対策という中でどちらか重点的にやっているということではございません。都市と辺地のそれぞれの状況に応じて私どもは行っておりますし、両者の差をどうこうするということではなくて、この難視聴解消というものに向けまして今後とも最大限の努力をしてまいりたいと存じます。
○鶴岡洋君 辺地であっても都市であっても難視聴であることはこれは間違いないわけでございますし、原因者負担ということで都市受信障害世帯に対しては解決しよう、こうしているわけでございますけれども、先ほどお話あったように、こういうふうに大都市は特に建築物が錯綜してきて大規模なものができ、また林立してくる建築物の中
にあって、原因がはっきりしない、こういう点が大分出てきているわけです。私は、この電波法や放送法、建築基準法について見ても、受信障害についてのはっきりした規定がないわけです。したがって、国に強制力がないというか、そういう状況になっているわけです。
 昭和五十一年の三月六日に、郵政省の電波監理局長通達文書の「高層建築物による受信障害解消についての指導要領」、これが出されておりますけれども、この文書通達の中で言っていることは、「受信障害の制度的解消を図ることが必要である旨指摘されている。郵政省は、同調査会の検討結果をも参考として受信障害解消の具体的方策を検討しているが、制度的解消を図るためには、立法上の措置等が必要であるため、なお相当の日時を要するものと考えられる。」、こういうことになっているわけです。したがって、立法上の措置が必要であるということは認めておるわけですけれども、ただ「相当の日時を要する」、こういうふうになっておりますけれども、これは五十一年に出したわけですから、今平成二年ですから十五年ほどたっているわけですね。「相当」という日にちが、これは私もちょっと解釈するのに難しいんでございますけれども、本当に、立法上のいわゆる措置が必要であるということで言っておりますけれども、実際に立法上の措置をしなければならないということで今日まで監督官庁である郵政省が積極的に各省に働きかけて、こういう事態になるということを想定してやってきているのかどうなのか、これは非常に私疑問に思うんです。
 それと、今もって障害が出た場合には当事者間の協議でやる、こういうことを言っているわけですけれども、この文書の中を見ると、「したがって、受信障害の解消については、当面、当事者間の協議にまたざるを得ない場合が多いものと考えられる。」、当面というのは当面ですから、それが今日まで続いてきている、こういう非常に矛盾しているような感じがするわけです。いずれにしても、立法上のいわゆる措置を考えたらどうなのか、またそれを今日までどのように対処してきたのか、その辺がよく私わからないんですけれども、どういう態度で、またどういう積極的に立法措置を考えてきたのかどうなのか、その辺はいかがですか。
○政府委員(大瀧泰郎君) 五十一年のこの指導要領に関しましては、これをもとにいたしまして条例あるいは指導要綱というものを地方公共団体において策定していただいているというのが実情でございます。いわゆる受信障害に関しましては、都市のような場合には原因者負担という原則によって行われておりまして、この考え方はほぼ定着しつつあるものと考えております。先生御指摘の受信障害対策の法制化に関しましても、郵政省においても検討を重ね、関係省庁にもいろいろとお話を持ってまいった経緯もございますが、建築主と放送事業者など関係者の責務、それから費用負担のあり方等についていろいろな議論がございまして、なかなかまとまらないというのが実情でございます。
 しかしながら、最近では本当に複合障害というようなことで、大変原因者の特定が難しい事例が多く出てまいっているわけでございまして、私どもも何らかの手を打っていかなけりゃならないというふうに痛感しているところでございます。今後とも関係者の御理解が得られるように努力をいたしまして、都市受信障害等、一生懸命に解消に向けて努力してまいりたいと思います。
○鶴岡洋君 それでは、まとめて大臣に最後にお聞きしますけれども、こういったことでSHF帯の電波を利用することも私は結構だと思うんです、当面の問題として。しかし、これからますます受信障害世帯というんですか地域は私はふえるんじゃないかな、こういうふうに考えるわけです。当事者間のいわゆる協議ということはこれは定着したと今おっしゃいましたけれども、定着したのはそれはそれでいいとしても、これからの問題としてやはり抜本的に何か考える必要があるんじゃないかな、こういうふうに対策を立てなきゃいけなんじゃないかな、こういうふうに考えられますけれども、大臣としてはこの点についてどう考えておられますか。
○国務大臣(深谷隆司君) テレビジョンのメディアというのはもう今や生活に欠くことのできないことであります。一方で、都市化も含めて、あるいは過密集中も含めて複合的な電波障害が起こっている。当事者間で話し合うという原則をそのまま続けていくにも限界がある。先生御指摘の法制化の問題でも、例えば建設省との話し合い等々問題点はたくさんございますが、しかし、積極的に話し合っていくこともやっていかなきゃなりませんし、また、このSHFだけではなしに、他の例えば先ほど申し上げた衛星による映像を鮮明化するといったような手段もあわせて技術的な開発もしなければなりません。総合的にあらゆる角度から対応していかなければならないと思っておりまして、これは重要な問題でありますので、心して御期待に沿うような努力を続けなきゃならぬと思っております。
○鶴岡洋君 終わります。
○山中郁子君 都市難視解消のための法改正提案でございますが、関連いたしまして、今毀誉褒貶というか、物議を醸しているというか、都庁の新庁舎の問題での電波障害の対策について初めにお伺いいたします。どういう概要になっているかということをまずお知らせいただきたい。あわせて郵政省とNHKそれぞれ。
○政府委員(大瀧泰郎君) 新宿に現在建設されております新都庁舎の受信対策でございますが、CATVでもってこれに対応しようということで都庁も積極的に対応をいたしております。
 どのような地域が障害になるかということでございますが、まず遮へい障害の場合でございますけれども、中野、杉並、練馬の各区の一部がひっかかりますが、中野一丁目から石神井池までの約九・七キロ、幅にいたしまして約三百メーターの細長い地域が遮へい障害の地域となりまして、対策の世帯数は約一万二千七百世帯に及んでおります。これは、新都庁舎が建設後さらに再調査をいたしまして、実際に受信障害が発生している地域についてはさらに地域を拡大してやってまいりたいと思っております。また、反射障害に関しましては、今のところ電波吸収体を使用しておりますので大きな障害にはならないであろうというふうに予測しております。
○山中郁子君 今の把握はNHKも御調査なさっていると思うんですけれども、それは一致いたしますか。
○参考人(高橋雄亮君) 今郵政省の方からお答えしたことと一致しております。
   〔理事松前達郎君退席、委員長着席〕
 若干補足させていただきますと、新庁舎の建設の話が出ましたのはたしか昭和六十年ころだと思うんですが、NHKに技術的な相談がございまして、私どもは都の方と連絡をとりながら技術指導をした結果、今郵政省の方からお答えになったような影響は予想されるだろうということで、それに伴いまして工事の進捗状況に合わせて特にビルにより遮断される地域、ビル陰と言われる地域でございます、ここにつきましては対策を講じていただきまして、この三月までで一応のところは終わっております。
 それから電波の反射の方でございますが、電波吸収パネルというものを壁面に埋め込みまして、これによって反射が起こらないようにいたしまして、その結果、今の段階で既にそういう影響はないということがわかっておりますが、外観工事が全部終わった段階でもってトータルな感じでもう一度実地調査をするということになっております。
○山中郁子君 これはちょっと念のためにお伺いするという面もあるのですけれども、都庁の場合都市型CATVではないわけですね。それでそういう計画も将来考えられているということがあるのかどうかということ。つまり、再送信のみであるということだと思うんですが、その辺はいかがでしょうか。
○政府委員(大瀧泰郎君) このCATVは、東京地区で放送されておりますところのテレビジョン放送波、Vチャンネルが七チャンネルと放送大学のUチャンネルの一チャンネルとが再送信されているわけでございまして、純然たる受信障害を解消するための再送信のCATVでございます。
○山中郁子君 そうしますと、衛星放送の受配信はこれはできないということになりましょうか。NHKは衛星放送の問題について何らかの要望を持っておられのかどうか。今までの過程のことでも結構でございますが。
○参考人(高橋雄亮君) 今回の障害対策はビルの建設に伴いますいわゆる受信障害ということでございますので、それに伴うものを重点的に対策を講ずるということが大前提でございますので、そういう意味で今郵政省の局長からお答えがありましたように、地上の各チャンネルと放送大学が一応入るようになっております。
○山中郁子君 先ほどの障害の対象になる杉並、練馬、中野それぞれのところとの覚書が結ばれているわけなんですけれども、これの中に今後の、これからの更改、グレードアップなんかの場合が予想されたものがうたわれてないんです。その場合の費用負担はどうなるか、その辺の御指導はどうでしょうか。
○政府委員(大瀧泰郎君) このCATVは受信障害を解消するための設備ということで、容量としては三百メガヘルツの幅の伝送容量ということでございますので、そういう意味ではかなりグレードは高いものでございます。したがいまして、現時点での能力ということについてはかなりいい設備ではないかと私は存じております。そういう意味でグレードアップについての規定というものがないのかなというふうに推測しておるわけでございます。
○山中郁子君 でも、グレードアップの必要は今後ないというふうに郵政省がある意味では責任持って考えていらっしゃるということですか、判断していらっしゃるということですか。
○政府委員(大瀧泰郎君) 東京都としては受信障害を解消するために設置したものだということでありますので、その後の予定というようなものに関しましては規定をしてないんだろうと思いますけれども、更改という時期になりますれば、これはまた当事者間の協議によって当然お決めになることであろうと私は存じます。
○山中郁子君 その場合でも、ずっと一貫して議論もされてきたし、長い経過のある原因者負担というところが、郵政行政の指導としてはそこははっきりしているということになりますわね。やはりその辺は費用負担の問題が当事者間ということになると、これはまたトラブルが起きる可能性のあるというか、危惧がある問題なんですけれども、そこのところはどうでしょうか。
○政府委員(大瀧泰郎君) 受信障害の原因者負担というものは、新設する場合におきましても更改する場合におきましてもやはり同じような考え方でやるべきだと私は思っております。ただ、それらを今からこうするああするというようなことじゃなくて、当然更改の時期に関係者が協議してお決めになるということで私どもは理解しておるわけでございます。
○山中郁子君 要するに東京都が責任を持つということであるわけですね。
 それで、この覚書の中にはこのようになっているんです。「(接続工事の対象者)」「平成三年三月三十一日までに予測地域に新たに居住し、かつ、平成三年六月三十日までに東京都へ接続申込みをしたものに対して、」「実施するものとする。」、こういう趣旨になっています。しかし、まだその後、つまりここでいう平成三年六月三十日以降転入する人たちはたくさんいると思うのです。幾ら土地が上がって土地がなくてなかなかマイホームが建てられないということが一方にあっても、それにしてもこの地域に転入してくることは考えられるんですけれども、その場合はやはりきちんとした東京都庁の責任において解決をするように郵政省として指導なさるべきだと思っておりますけれども、その点はいかがでございましょうか。
○政府委員(大瀧泰郎君) 完成後に新たに受信障害地域に転入してきた場合には、やはり東京都としても共同受信のCATVの設備を可能な限り転入した方にも利用していただくということが大事だと思います。しかしながら、この場合に要する費用に関しましては転入者等の責任と負担で配線の接続等を行うことになるわけでございます。しかしながら、この共同受信施設の予備端子というものを十分にとっておくように指導しておりますので、配線の接続が可能ではあると思いますけれども、その費用負担等については転入者の責任でやっていただきたい、このように考えております。
○山中郁子君 既にやはりこういうふうに都市難視としてエリアがはっきり明確になって、それでもってNHKの方も、技術的に都庁の建設段階から郵政省もそれぞれ任務に応じて指導なすって、それで原因者負担ということできているものですから、私は当然のことながら新しく転入された方も含めて原因者負担ということで都庁の責任において難視が解決されるように郵政省が御指導あってしかるべきだと思いますけれども、今の局長の御答弁だと、余裕を持った技術的な工事がされているから実質的には問題にならないで解決できるだろうという御判断だと承りましたが、それでよろしゅうございますか。
○政府委員(大瀧泰郎君) 実際の配線等は屋外でほとんどでき上がっておるわけでございますので、そこからの引き込み線ということになりますので、転入者に御負担をしていただければと思うわけでございます。実際この設備をやる場合でも、室内の配線等はやはり受信者が負担をしてやっておるわけでございますので、その辺の経費の分担というものはやはり相応の分担をしていただくということが必要ではないかと思っております。
○山中郁子君 私が申し上げているのは、だから新しく転入される方が既にもう住んでいる人との間での格差というか差別が起こるような状況になってはならないだろうということを申し上げているんで、それはそういうことができるであろうという見解だと伺いました。
 それで、複合の問題がさっき出たんですけれども、複合障害ということでいろいろ複雑になってわかりにくいという状況があるということが一方にありますけれども、この新宿の副都心の場合に、新都庁舎をめぐる問題で言いますと、複合が予想されるものがかなり明確にあるんです。東京ガスです。東京ガスの超高層ビルの建設計画がありますでしょう。これは明らかにやはり都の新庁舎と複合になる可能性があるのですけれども、この辺の対策の方式はどういうことでとられるのかということです。当然新しい障害の部分は東京ガスが原因者として負担するべき障害として認識するべきであろうと私は考えておりますけれども、その点の御見解をお伺いしたい。
○政府委員(大瀧泰郎君) あらゆる場合でも、原因者負担の原則によりますと主要な原因となる原因者が負担をするということになるわけでございますので、後発の方々の建造物によって障害が発生したということになれば、その後発の方が負担をして受信障害を解消するということになるわけでございます。
○山中郁子君 今CATVの問題で新都庁舎の問題で伺ったわけですけれども、同じことでSHFによる新しい対策が実現する場合、これから先の超高層ビルなんかはそういう施設でもって対応することになると思いますけれども、その場合のコンバーターやパラボラアンテナなどの受信設備の費用負担、これは先ほどCATVのことで局長が答弁なすったものと同じように理解してよろしいですか。つまり区分ですね、原因者とそれから被害者というか実際の受信者の費用負担はどういうふうになるでしょうか。
○政府委員(大瀧泰郎君) SHF放送を行っております例として足立の清掃工場の場合がございますが、この場合には東京都が受信設備に関しまし
ても受信障害を受けている方々に差し上げまして、それをお使いになっていただいておるということでございます。
○山中郁子君 CATVの場合と同じように、SHFの場合のグレードアップの費用負担、それから転入の場合、そういうようなことも先ほどの御回答と同じように理解をしてよろしいか。
○政府委員(大瀧泰郎君) そのとおりでございます。後発の場合には、やはりそれ相応の経費の負担をしていただくことが必要じゃないかと思っております。
○山中郁子君 私ちょっと気になるんだけれども、後発の場合、今伺ったのは転入者の場合で申し上げたんだけれども、それはあれでしょう、最初からのときと同じということでしょう。受信者が屋内配線のごく一部分を負担ということはあり得るけれども、それはもともと皆さんそうですよというのと同じことですね。そういう意味でしょう。何か転入者は新たに、前からいる人と別な負担をしなきゃならないということになるんですか。そこが先ほどのと関連してよくわからないところがあるんだけれども。
○政府委員(大瀧泰郎君) SHFの場合ですと、いわゆる受信機とコンバーターというのがアンテナについているわけですから、コンバーターの後をずっとケーブルを引っ張ってきて通常のテレビジョン受像機に接続いたしますと受けることができるわけでございまして、そのアンテナ系を後から転入してこられた方はやはり負担していただく必要があろうかと思います。
○山中郁子君 そうすると、転入者の場合はどこから新たな負担になるんですか。コンバーター、パラボラアンテナが自己負担だということですか。それらのことについては何らかの解決がされるべきだと思います。というのは、もともとが原因者というのは、新しく来た人たちが来るか来ないかに関係なく原因者ははっきりしているわけだから、原因者負担ということの原則を貫くという上での御指導があってしかるべきだと思いますが、きょうは時間も足りませんのでまたその問題については引き続き御考慮いただきたいと思います。
 それから、CATVもそうですしSHFもそうなんですが、衛星放送に関しての受信障害というものは考えられるのでしょうか。先ほどちょっとお話があったんだけれども、その点は郵政省、NHKそれぞれお伺いしたいんですが、都庁の場合の対策にそのことがあるかどうかということです、新都庁舎の場合。
○政府委員(大瀧泰郎君) 衛星放送の場合にはパラボラアンテナで衛星の電波を受けているわけでございますが、仰角というのが三十八度ぐらい東京ではあるわけでございます。したがいまして、高さの約一・三倍ぐらいのところまではどうしても影になるようなところが出てくるわけでございますけれども、幸い東京都庁の場合でございますとそれらの地域がすべて新宿の高層ビル群の中にすっぽりと入っておりまして、一般の住宅に対する被害というものはありませんので、今回の場合には衛星放送に対する受信障害対策というものは考えておりません。
○山中郁子君 今回の場合たまたま、たまたまというか、そういう状況になるんだけれども、私はやはり衛星放送についての受信障害対策というものも技術的にも考えていくべき時期に来ているというか、準備を始めるべき時期に来ているのではないかと思っているんですが、NHKはその辺はどのように考えていらっしゃいますか。それから実情の把握。
○参考人(高橋雄亮君) 東京都の新庁舎については今大瀧局長がお答えになったとおりでございます。今回その対象になっておりません。ただ、私どもは衛星放送もNHKの業務としてやっておるわけでございますので、将来そういう問題が出れば、お考えいただきたく要望していきたいと思います。
○山中郁子君 もうちょっと伺いたいのは、出ればというのじゃなくて、出ることがいろいろの意味で大いに今予想されるんだけれども、実際にはそうすると出ればすぐできますよ、技術的にも何もそういう準備は進んでいますよというふうに理解してよろしいんでしょうか。
○参考人(高橋雄亮君) 受信障害対策はあくまでも現在起こっている放送の障害を取り除くということが前提でございますから、それに伴う障害があれば、それに対する原因者としての対応を我々としてはお願いしていくということでございます。
○山中郁子君 局長、何かあるんでしたら。
○政府委員(大瀧泰郎君) 都市受信障害は従来から基本的には原因者負担で対応しているわけでございますので、衛星放送の場合には地上放送と比べまして受信障害が発生するというような場合が非常に少ないわけでございますが、しかしながらゼロではございません。そういうことから、やはりそういう問題が起きましたら従来どおりの原因者責任主義に基づきまして対応させていただきたいと存じております。
○山中郁子君 NHKもあれだけ衛星放送の宣伝もなすって、それからまた有料にもなすったわけなんだから、もうちょっと誠意のある、そして視聴者に対する責任ある態度でもって御答弁もなすっていただきたかったと思って、大変遺憾に思います。
 それで、ファクシミリ放送についてお伺いいたしますが、ファクシミリ多重放送に関する調査研究会、この報告の中では「NHKのかかわりの在り方」として、「NHKが独立的利用を行うことは適当でない。」というふうに述べられていますが、要するにNHKはファクシミリ放送はおやりにならないということになるわけですか。
○参考人(中村好郎君) NHKのテレビジョン放送の電波に重畳してファクシミリ放送を行うことにつきましては、電波資源の有効活用でありますとかあるいはNHKの施設の有効活用という面から、文字放送と同じように第三者法人に利用させる方向で積極的に取り組んでまいりたいというように思っております。
 なお、NHKといたしましては、ニューメディア開発の先導的役割を、公共放送の立場からその役割を果たす必要があろうかと思っておりまして、このファクシミリ放送が記録性、簡便性、速報性等にすぐれた特性を持っておりますので、これを検証するために当面調査研究の一環としての試験的な放送を行うことが必要であろうというように考えております。
○山中郁子君 そうすると、具体的にはどういうものになるのでしょうか、試験放送。ちょっとファクシミリ放送というのは私たちもなかなかイメージがわかないんです。いろいろ詳しく伺って、ああそういうものかなとも思うんですけれども、今おっしゃった試験放送というのは具体的にはどういうものでしょうか。
○参考人(中村好郎君) ファクシミリ放送というのは、今家庭に普及しつつあります一般的なファクシミリと同じようなセットで、電話線のかわりに電波に重畳してきた信号を受けて紙に印刷をしていくと、こういうものでございます。
○山中郁子君 それはわかるのです。具体的にどういうものを試験放送でなさるのか。
○参考人(中村好郎君) したがって、そこに送る番組なり、それから電波で送りますからどういう状況の中で安定的に受信できるかとか、そういうようなことをいろんな場所でいろんなケースでいろいろ実験をさらに続けてみるということが必要だと、こういう観点から試験的にというように申し上げたわけでございます。
○山中郁子君 一般事業者の場合は最初から有料放送になるわけなのですけれども、これはあれですか、結局お金払っても入手したい放送情報ということが予想されているわけだけれども、株の市況だとか債券だとか円相場だとか、そういうようなことが考えられるのでしょうか。
 それともう一つは、こういうものがブラウン管に今何やっていますよと表示されるというか、やっているかどうかわからないと、受信の装置、何かきっとボタン押すか何かするわけでしょう、何やっているかわからなきゃ押しようがないんだけれども、つまりそういうものは、今何かやっていますよと、こういうものをファクシミリ放送でやっていますよというのがブラウン管に表示されるというような、そういうことになるんでしょうか、その辺はどうなのか。
 それから、ファクシミリ放送というのは実際に行われるとすると、今テレビ放送、テレビジョンはかなり二十四時間とまでいかないケースもあるけれども相当長時間何チャンネルもでずっと放送していますね。そういうこととの関係ではファクシミリ放送というのはどういうイメージで考えたらいいんでしょう。
○政府委員(大瀧泰郎君) ファクシミリ放送は、主番組の補完的な利用という場合と主番組とは全然関係ない独立的利用と二通りがあろうかと思います。補完的利用の場合ですと、やはり画面にファクシミリ放送で補完的なサービスをやっていますというような表示を何らかの形でやることが必要だと思いますし、独立的な利用であれば別の問題でございますので、これは常時別の放送形態としてやっているわけですからわざわざ表示をする必要はないかと思うわけでございます。
 それから、その内容でございますが、補完的な利用ということになりますと、ニュース番組の詳細な内容を送るとか、料理番組の材料表だとか、あるいは教育番組のテキストなどを送るというようなことがあろうかと思いますし、独立的な利用ということになりますと、いわゆる株価とか市況、金融情報とか経済動向等の予測であるとか、あるいは教育番組でもかなり高度な教育番組、いろいろな番組があろうかと思いますが、専門的な番組とかいろいろなもののテキストなども送るというようなことで、やはりお金を支払うに値するような情報価値のある番組にしていかなければならないのではないかと思うわけでございます。
○山中郁子君 だから独立した番組の場合に、視聴者は何によって今こういう情報がファクシミリ放送で行われているかを知ることができるのかということなんです。そこがよくわからないんです。何かそれは特別な、だって新聞のテレビ欄にわあっとそういうのが載るわけでもないでしょうと思いますし、それが一つよくわからないということです。
 それから、時間がありませんので別なことですけれどもあわせてお答えをいただくという意味で質問いたします。最後になりますけれども。
 都市型CATVのいわゆる許可の問題なんですけれども、具体的に今江東区で三つの会社のCATVの設立の話が進んでいるんですね。郵政省も御承知だと思います。この辺についてはどういうふうに把握していらっしゃるか、あるいは免許の方針としてはどういうお考えをお持ちになっているのか、先ほどのものとあわせてで結構でございますがお答えいただきたい。あわせてというのは、一緒に質問しちゃったから一緒にお答えいただくのでいいんですけれども。
○政府委員(大瀧泰郎君) ファクシミリ放送の方でどういう放送が行われているかというようなことがわからないという問題に関しましては、ファクシミリの非常に便利なところは記録性があるわけでございますので時々番組表というものを送るというようなことも考えられるわけでございますので、そういう意味では従来のものよりは便利なガイドがちゃんとついているというふうに考えております。
 それから、都市型のCATVの許可に関しますことで、幾つもの申請が出ているというような場合の調整でございますけれども、これは私どもはできるだけ同一地域でやるような場合には一つの会社がやはりサービスを提供するというのが住民の方々に対するサービスじゃないかと思っているわけでございます。何本も線を引き込むということは物理的にも不経済ですし、不可能ではないかと思うわけでございます。したがいまして、審査をいたしまして、施設計画が合理的であるとか実施が確実なものであるとか技術上の基準に適合しているというようなことを審査いたします。しかしながら、そういう経済的、経理的と申しますか財政的と申しますか、そういう財政的な基盤、技術的能力を有するものというようなことで審査をするわけでございますが、やはり非常に何と申しますか、そういうのでぴしっと割り切るのはなかなか難しいという面が多分にあるわけでございますので、そういう点で一本化するようにというようなことでの指導を行っているところでございます。
○山中郁子君 終わります。NHKの方、ありがとうございました。
○足立良平君 受信障害、この解消については先ほど来既にたくさん話が出ているわけですが、いわゆる責任者負担といいますか原因者負担という原則ははっきり考え方としては確立をしている、このように考えております。ただ問題は、この費用の具体的な負担をめぐりましては当事者間で話をしていかなきゃならないということになってまいりますと、現実的には大変な労力と時間、そしてある面におきましては話をするのになかなかうまく話がいかないとかいうふうな問題が実は起きているのではないか、このように考えております。
 したがって、そういう観点で今日まで郵政省の方におかれましても、関係省庁あるいは、具体的には建設省を中心としてでありましょうけれども、先ほど鶴岡委員からも指摘がされておりますように、具体的に立法化の問題についても話がされているやに仄聞をいたしているわけでございまして、今日までの協議を進めてきて、そしてそれが十数年たっていまだ立法化することができない、できなかった理由、あるいはまたそういう協議の内容、経過、その辺のところにつきましてお聞かせを願いたい、このように存じます。
○政府委員(大瀧泰郎君) 関係省庁と従来から法制化の問題も含めまして協議をしておるわけでございますけれども、やはり一方的に建築主に負担を強いるというようなことはいかがかという御意見やら放送事業者も負担をすべきじゃないかというような御意見やらいろいろございまして、それら関係者の責務と申しますか、受信障害に対する責任というようなものを明確にすべきだとか、費用負担はどうあるべきだというようなことになってまいりますと、非常に複雑な問題となりましてなかなか解決が行われていないわけでございます。それで、従来からの原因者負担ということで関係者が協議をするという前提のもとでの原因者負担というような考え方で事を処しているというのが現状なのでございます。したがいまして、今後とも関係省庁との話し合いも十分行ってまいりたいと思いますし、解決に向けての努力をしてまいりたいと存じます。
○足立良平君 昭和五十四年の十月十二日、建設事務次官通達が出されているわけでございます。それを拝見いたしますと、「公共施設の設置に起因するテレビジョン電波受信障害により生ずる損害等に係る費用負担について」というのが出されております。その中で、考え方としては、直轄の公共事業の施行に係る公共施設の設置による受信障害について、受忍限度を超える障害等が生ずると認められる場合には国がその障害解消のための負担を行うこととしているということでございます。
 そうしますと、考え方として、当事者間が話をするということを前提といたしましても、いわゆる関係省庁においても基本的な考え方は責任者負担といいますか原因者負担という考え方が一応貫かれているのではないか。そして、郵政省側のいわゆる電波を監理していっている省庁においてもその考え方があり、基本的な考え方として原因者が負担をしていくんですよということは確認をされているにもかかわらず、今局長が御答弁になりましたように話が合わないというところに私はちょっと納得といいますか、少しわかりにくい。具体的にはなるほどいろんなものを詰めていったらいろんな問題が出てくるだろうということは想像できるわけですけれども、やはり基本的な考え方は一致していて、それが一体どうなのかなという感じを私は率直に言って受けるわけでございます。この点についてさらに考え方があればお聞かせを願いたいと存じます。
 それから、これからはいわゆる地価がこういう状況になってまいりますと、高いビルというのはやっぱり必要になってくるわけであります。これは公共的な面から必要だろうと思うわけでありますが、そうしますと、先ほども話が出ておりますように、複合的な障害というものは相当さらに発生してくるだろう。これはもう先ほどもお話がございましたように原因者、責任者というものを特定しがたいような場合に、従来の責任者負担という概念だけですべて律し切っていくことができるんだろうかという感じも持つわけでございます。将来的に、こういう現実には電波障害が発生をするわけでございますから、そういうものの解消に当たって従来の概念だけで当事者間で話をしていけということではぐあいが悪いのではないか、こんな感じもいたしますが、そういう面でこの費用負担等のあり方について基本的に今後のあり方についてどのようにお考えになるか、再度お聞かせを願いたいと思います。
○政府委員(大瀧泰郎君) 私ども、建設省が原因者になるような場合には当然建設省が費用を負担します。例えば郵政省が原因者になるような場合には郵政省も費用負担をやっておるわけでございます。そういうやはり社会的にある程度認められた方法でやらざるを得ないということでの責任を感じて原因者としての分担をしているわけでございますけれども、やはり法的に、例えばでございますけれども、いわゆる電波公害だとかというような形で規定をして法的な規制をするということになりますと、非常に事を重大視してそれぞれの官庁が自分の立場というものでの御発言をなさるものですから、なかなか法的な解決というのができないというのが事情なのでございます。
 それから複合障害でございますが、これは御承知のようにやはり原因者を特定していくということが必要でございますので、最大限の努力をするのでございますが、どうしても原因者がはっきりしないというものが必ず出てまいります。わかった範囲では複合障害であっても、原因者がわかればきちっと分担をしていただいておるわけでございますけれども、そういうふうなわからないものに関しましては今後とも私どもは何らかの抜本的な対策というものを考えていかなきゃならないんじゃないかということで今後努力をしてまいりたいと思っておるわけでございます。
○足立良平君 今各省庁がそれぞれの立場で話をされるということは、それは省庁の立場からするとそのとおりなんでしょうけれども、実際的には電波障害が起きて困っているのは住民、市民あるいは都民であるわけでして、その都民の立場から見ますと、本当にもう少しきちんとしてもらわぬとこれは話がどうにもまずいではないか、こういうことに私はなってくると思うんです。
 それで実際的に、先ほどもこれ若干話が出ていたわけでありますが、それぞれの地方公共団体あるいはまた市等におきましていろんな条例等を制定されております。東京都の場合も、これは郵政省御承知かと思いますけれども、知事がいわゆる建築主と近隣の住民とのあっせんを行うとかあるいはまた調停を行うとかというふうな条例が既に決定をされているわけでありますし、あるいはまたこれは例えば府中市におきましては、建築の確認申請を出しますときに誓約書を出して、そして一切これから紛争が生じないように努めるとともに紛争が生じたときには誠意を持って云々というような誓約書を建築確認書と一緒に提出をするというふうな、むしろ現実に地方公共団体なりそれぞれの自治体におきましては、やはり住民のそういう電波障害の実態というものに目をつけて何らかの手を打たないとどうにも話が進んでいかない。こういうところからいろんな手を現在の法体系の中で、若干いろんな問題はあるんでしょうけれども、取り組みをされているのが私は実態だと思うんです。
 そういう面からいたしますと、国レベルにおいてもやはり当事者間だけで話をしなさいというよりももう少しそういうきちんとしたものをつくっていかないと、ますますこの電波障害というものが近代都市の中で発生をしてくるという状態の中では、もう必要になってきているんではないか、このように思えてならないわけでございます。そういう観点で国として今後早急に立法化していく、郵政省あるいはまた関係省庁、それぞれ調整をしていかなければいかぬわけでありますけれども、この問題につきまして郵政省としてどのようにお考えになっているのか、これはできたら大臣の考え方をお聞きかせ願いたい、このように思います。
○国務大臣(深谷隆司君) 足立先生おっしゃるように、原則は、一切原因者負担というその原則は曲げないで徹底してこれからもやってまいりますし、各都道府県もそういう条例なんかをつくって現にやっているわけでありますから。しかし、それだけでは賄い切れない複合的なさまざまな複雑な影響による障害というのが現実に出ておりますから、これらについては郵政省を中心として国が考えていかなければならないと思っているわけであります。
 法律化の問題については先ほどもお答えしたんですが、大変な難しさがあるようでございます。しかし、建設省とか該当する省庁とは本当にそんな時間をかけないで話し合っていきませんと対応が間に合いませんから、そういう意味では積極的な話し合い、制度化に向けての話し合いなどは一層努力していかなければならないというふうに思っております。
○足立良平君 時間もございませんから最後の質問にいたしたい、こう思います。
 SHF放送の方式でいわゆる受信障害というものを解消したといたしましても、これは仮に一たん解消してみましても、新たに超高層ビルが横にできますとまたその障害というものは生じる、こういう状態だろうと思います。したがって、そういう面では無計画な都市の再開発が続けば常にこの種の問題というのは繰り返し起きてくるということではないかというふうに思います。
 したがって、そういう面からいたしますと、六十二年三月の都市受信改善促進調査研究会の報告の中にもうたわれているわけでありますけれども、このCRC構想は私はそういう面では妥当な考え方ではないかというふうに実は思っているわけであります。いわゆる受信障害、これは単に受信障害の問題だけでなしに、日本の都市そのものがもっともっと計画的にきちんと都市計画を持ちながらやっていかなきゃならないという一つの、これは電波の障害においてもそのことは言えるんではないか、このように思っているところでございます。そういう観点でこのCRC構想の推進の状況、今日の状況等につきまして最後にお聞きをいたしたいと思います。
○政府委員(大瀧泰郎君) CRC構想と申しますのは、クリーン・レセプション・シティーという言葉を縮めたものでございまして、いわゆる受信障害のない町づくりというのを目的としたものでございます。したがいまして、現在行われているように受信障害のある地域を点としてとらえて受信障害対策を行うのじゃなくて、町全体を面として考えて整備を行っていこうというようなことでございますので、大変雄大な構想でございました。しかしながら、やはりまだCATVによる対策というものがかなり高額な費用が必要だというような現実を考えますと、なかなかこういう構想でもって一気にやっていくというのは非常に難しいことでございます。
 したがいまして、六十二年の三月に報告書として提出をしていただいたのでございますが、その後これらの問題に向けまして私どもも公共投資というような面でCATVの開発と申しますか、CATVの設備をきちっと面的に設置するというようなことをやれれば大変結構なことじゃないかということで、ぜひこういう線に沿った解決方法というものがないものかと今でも考えているわけでございますが、そういう意味で今後大都市におきます都市受信障害がますます複合化してまいりますし広域化してまいりますので、このような構想を今後とも持ちながら受信障害対策に対応してまいりたいと思っておるわけでございます。
○足立良平君 終わります。
○委員長(青木薪次君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(青木薪次君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、これより採決に入ります。
 放送法及び電波法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(青木薪次君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(青木薪次君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
○委員長(青木薪次君) 次に、郵便貯金法の一部を改正する法律案、郵便貯金の利子の民間海外援助事業に対する寄附の委託に関する法律案の両案を便宜一括して議題といたします。
 まず、政府から順次趣旨説明を聴取いたします。深谷郵政大臣。
○国務大臣(深谷隆司君) 最初に、郵便貯金法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 我が国における金融自由化は急速に進展しており、郵便貯金事業におきましても、金融自由化に適切に対応し、健全な経営を確保する必要があります。
 郵便貯金の自主運用資金である金融自由化対策資金は、このような必要性により設置されたものでありますので、資金の一層の有利運用を図り、金融経済情勢の変化に機動的かつ的確に対応し得るよう、運用範囲を拡大しなければなりません。
 この法律案は、こうした要請にかんがみ、金融自由化に適切に対応した郵便貯金事業の健全な経営の確保に資するため、金融自由化対策資金をもって取得した債券を貸し付けることができることとするものであります。
 なお、この法律案の施行期日は、公布の日としております。
 次に、郵便貯金の利子の民間海外援助事業に対する寄附の委託に関する法律案につきまして、その提出理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 この法律案は、民間の発意に基づく開発途上にある海外の地域の住民の福祉の向上に寄与するための援助の充実に資するため、郵便貯金の預金者がその利子の寄附を郵政大臣に委託する制度を実施しようとするものであります。
 次に、この法律案の概要を御説明申し上げます。
 第一に、通常郵便貯金の預金者は、その利子の全部または一部を民間の海外援助事業を行う団体に寄附することを郵政大臣に委託することができることとするものであります。
 第二に、郵政大臣は、寄附の委託に係る通常郵便貯金について、利子を元金に加えようとするごとに、その利子から寄附の委託に係る部分を控除し、民間の海外援助事業を行う団体を公募してその申請を受けた上、寄附金を配分する団体及び配分する金額を決定することとするものであります。
 なお、郵政大臣は、寄附金を配分する団体等の決定をするには、関係行政機関の長と協議し、かつ、政令で定める審議会に諮問しなければならないこととするものであります。
 また、郵政大臣は、寄附金を配分した団体に対し、配分した寄附金の使途について監査を行うこととするとともに、寄附金を配分した団体がその事業の全部または一部を行わない等のときは、配分金の全部または一部の返還を求めることとするものであります。
 第三に、郵政大臣は、寄附金を交付するまでの間、これを資金運用部に預託することができることとし、預託した結果生じた利子は、寄附金に充てることとするものであります。
 また、郵政大臣は、寄附金に関する経理状況を公示することとするものであります。
 なお、この法律の施行期日は、公布の日から起算して九月を超えない範囲内において政令で定める日からとしております。
 以上が、これら二法律案を提出いたしました理由及びその内容の概要であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
○委員長(青木薪次君) 以上で両案の趣旨説明の聴取は終わりました。
 両案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後四時二十一分散会