第118回国会 予算委員会 第7号
平成二年五月十五日(火曜日)
   午前十時開会
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   委員の異動
 五月十四日
    辞任         補欠選任
     野村 五男君     北  修二君
     及川 順郎君     和田 教美君
     立木  洋君     諫山  博君
     粟森  喬君     磯村  修君
     足立 良平君     勝木 健司君
 五月十五日
    辞任         補欠選任
     西田 吉宏君     藤田 雄山君
     井上  計君     猪木 寛至君
     勝木 健司君     足立 良平君
     秋山  肇君     星野 朋市君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         林田悠紀夫君
    理 事
                伊江 朝雄君
                石原健太郎君
                下稲葉耕吉君
                平井 卓志君
                穐山  篤君
                矢田部 理君
                安恒 良一君
                太田 淳夫君
                吉岡 吉典君
    委 員
                井上 章平君
                石井 道子君
                遠藤  要君
                小野 清子君
               大河原太一郎君
                合馬  敬君
                片山虎之助君
                北  修二君
                斎藤栄三郎君
                関口 恵造君
                田中 正巳君
                谷川 寛三君
                中曽根弘文君
                藤田 雄山君
                二木 秀夫君
                稲村 稔夫君
                梶原 敬義君
                久保  亘君
                國弘 正雄君
                竹村 泰子君
                角田 義一君
                堂本 暁子君
                村沢  牧君
                本岡 昭次君
                山本 正和君
                猪熊 重二君
                白浜 一良君
                和田 教美君
                諫山  博君
                池田  治君
                磯村  修君
                井上  計君
                猪木 寛至君
                勝木 健司君
                下村  泰君
                星野 朋市君
   国務大臣
       内閣総理大臣   海部 俊樹君
       法 務 大 臣  長谷川 信君
       外 務 大 臣  中山 太郎君
       大 蔵 大 臣  橋本龍太郎君
       文 部 大 臣  保利 耕輔君
       厚 生 大 臣  津島 雄二君
       農林水産大臣   山本 富雄君
       通商産業大臣   武藤 嘉文君
       運 輸 大 臣  大野  明君
       郵 政 大 臣  深谷 隆司君
       労 働 大 臣  塚原 俊平君
       建 設 大 臣  綿貫 民輔君
       自 治 大 臣
       国 務 大 臣
       (国家公安委員
       会委員長)    奥田 敬和君
       国 務 大 臣
       (内閣官房長官) 坂本三十次君
       国 務 大 臣
       (総務庁長官)  塩崎  潤君
       国 務 大 臣
       (北海道開発庁
       長官)
       (沖縄開発庁長
       官)       砂田 重民君
       国 務 大 臣
       (防衛庁長官)  石川 要三君
       国 務 大 臣
       (経済企画庁長
       官)       相沢 英之君
       国 務 大 臣
       (科学技術庁長
       官)       大島 友治君
       国 務 大 臣
       (環境庁長官)  北川 石松君
       国 務 大 臣
       (国土庁長官)  佐藤 守良君
   政府委員
       内閣法制局長官  工藤 敦夫君
       内閣法制局第一
       部長       大森 政輔君
       人事院総裁    弥富啓之助君
       人事院事務総局
       給与局長     森園 幸男君
       公正取引委員会
       委員長      梅澤 節男君
       公正取引委員会
       事務局官房審議
       官        矢部丈太郎君
       公正取引委員会
       事務局経済部長  糸田 省吾君
       公正取引委員会
       事務局審査部長  柴田 章平君
       総務庁長官官房
       審議官
       兼内閣審議官   杉浦  力君
       総務庁人事局次
       長
       兼内閣審議官   服藤  収君
       総務庁行政管理
       局長       百崎  英君
       総務庁統計局長  井出  満君
       防衛庁教育訓練
       局長       米山 市郎君
       防衛庁人事局長  畠山  蕃君
       防衛庁装備局長  植松  敏君
       防衛施設庁総務
       部長       吉住 愼吾君
       防衛施設庁施設
       部長       大原 重信君
       防衛施設庁建設
       部長       黒目 元雄君
       経済企画庁総合
       計画局長     冨金原俊二君
       科学技術庁科学
       技術振興局長   角南  立君
       科学技術庁研究
       開発局長     須田 忠義君
       環境庁企画調整
       局長       安原  正君
       環境庁自然保護
       局長       山内 豊徳君
       環境庁大気保全
       局長       古市 圭治君
       環境庁水質保全
       局長       安橋 隆雄君
       国土庁長官官房
       長        北村廣太郎君
       国土庁長官官房
       会計課長     森   悠君
       国土庁土地局長  藤原 良一君
       法務省刑事局長  根來 泰周君
       法務省入国管理
       局長       股野 景親君
       外務大臣官房審
       議官       川島  裕君
       外務省アジア局
       長        谷野作太郎君
       外務省中南米局
       長        瀬木 博基君
       外務省欧亜局長  都甲 岳洋君
       外務省中近東ア
       フリカ局長    渡辺  允君
       外務省経済局長  林  貞行君
       外務省経済協力
       局長       木幡 昭七君
       外務省条約局長  福田  博君
       外務省国際連合
       局長       赤尾 信敏君
       外務省情報調査
       局長       佐藤 行雄君
       大蔵大臣官房審
       議官
       兼内閣審議官   谷口 米生君
       大蔵省主計局長  小粥 正巳君
       大蔵省主税局長  尾崎  護君
       大蔵省国際金融
       局長       千野 忠男君
       国税庁次長    岡本 吉司君
       文部大臣官房長  國分 正明君
       文部省初等中等
       教育局長     菱村 幸彦君
       文部省高等教育
       局長       坂元 弘直君
       文部省高等教育
       局私学部長    野崎  弘君
       文部省学術国際
       局長       川村 恒明君
       文部省体育局長  前畑 安宏君
       厚生大臣官房総
       務審議官     加藤 栄一君
       厚生大臣官房老
       人保健福祉部長  岡光 序治君
       厚生省健康政策
       局長       仲村 英一君
       厚生省保険局長  坂本 龍彦君
       農林水産大臣官
       房長       鶴岡 俊彦君
       農林水産大臣官
       房予算課長    山本  徹君
       農林水産省経済
       局長       川合 淳二君
       農林水産省構造
       改善局長     片桐 久雄君
       農林水産省農蚕
       園芸局長     松山 光治君
       食糧庁長官    浜口 義曠君
       林野庁長官    甕   滋君
       通商産業大臣官
       房商務流通審議
       官        山本 貞一君
       通商産業省貿易
       局長       内藤 正久君
       通商産業省立地
       公害局長     岡松壯三郎君
       資源エネルギー
       庁次長      深沢  亘君
       中小企業庁長官  見学 信敬君
       運輸大臣官房審
       議官
       兼内閣審議官   井上徹太郎君
       運輸大臣官房国
       有鉄道改革推進
       総括審議官    大塚 秀夫君
       運輸省国際運輸
       ・観光局長    宮本 春樹君
       運輸省地域交通
       局長       早川  章君
       労働大臣官房長  若林 之矩君
       労働省労政局長  岡部 晃三君
       労働省労働基準
       局長       野崎 和昭君
       労働省婦人局長  佐藤ギン子君
       労働省職業安定
       局長       清水 傳雄君
       労働省職業安定
       局高齢・障害者
       対策部長     七瀬 時雄君
       建設大臣官房総
       務審議官     福本 英三君
       建設大臣官房会
       計課長      小野 邦久君
       建設省建設経済
       局長       望月 薫雄君
       建設省都市局長  真嶋 一男君
       建設省住宅局長  伊藤 茂史君
       自治省行政局長  森  繁一君
       自治省行政局選
       挙部長      浅野大三郎君
       自治省財政局長  持永 堯民君
       自治省税務局長  湯浅 利夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        宮下 忠安君
   参考人
       日本銀行総裁   三重野 康君
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  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○平成二年度一般会計予算(内閣提出、衆議院送付)
○平成二年度特別会計予算(内閣提出、衆議院送付)
○平成二年度政府関係機関予算(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
○委員長(林田悠紀夫君) 予算委員会を開会いたします。
 平成二年度一般会計予算、平成二年度特別会計予算、平成二年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。
    ─────────────
○委員長(林田悠紀夫君) まず、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 平成二年度総予算三案審査のため、本日、日本銀行総裁三重野康君を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(林田悠紀夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
○委員長(林田悠紀夫君) それでは、これより総括質疑を行います。池田治君。
○池田治君 まず第一に、消費税の問題について大蔵大臣にお尋ねいたしたいと思います。
 既に消費税の見直し法案は国会に提出されておりまして、まだ審議には至っておりませんが、この法律がちょうどイギリスの人頭税に似て、貧乏人の子だくさんほど税金をたくさん払わなければいけない、こういった逆進性というものが含まれていて欠陥税制であったことは、見直し法案を提出しなくちゃいけないという政府の態度にもあらわれていると思います。
 そこで、五月四日の朝日新聞を見ますと、大蔵省当局は見直しの再見直し案を始めたという記事が出ておりますが、この点、事実であるかどうかをお尋ねいたします。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今委員からの御指摘でありますが、まず第一に、消費税について大蔵省が再見直しをということにつきましては、私どもは再見直しという考えを持っておりません。今回、消費税を見直し、その結果としてまとまりましたものを国会に御提出いたしまして御審議をお願いいたしておりますそれぞれの項目につきましては、我々はそれで完結をいたしたと考えております。
 ただ、これは昨年来、本院におきましても何回か同種の御質問がありました際に申し上げてまいりましたことでありますが、例えば免税点の問題でありますとか簡易課税の問題につきましては、実施後一年の実績を見た上で検討するということをお約束いたしております。そして今月いっぱいでこれが一年を迎えるわけでありますから、これを集計し調べた上で今後対応する必要があるかないか、これにつきましてはなお問題を残しております。ですから、その部分について見直しをしないということではありませんが、今例えば非課税範囲の拡大でありますとか、審議をお願い申し上げております内容というものは、私どもとしては我々なりに検討した上で最善のものとして御審議を願っております。
○池田治君 簡易課税の問題につきましては一年間の税収を見た上でなければ検討できないということでございますが、ただ、新聞の記事によりますと、消費税という名前を廃止して国民福祉税にするという点もございますし、また逆進性の問題も見直しておるということが書いてあるんですが、この点はいかがでございましょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 昨年の国会におきまして消費税についてさまざまな御論議がありましたときにも、その消費税の名称についての御意見がございました。そして、その当時、福祉税あるいは福祉目的税といった言葉が論議の中に出ておりましたことを私も記憶いたしております。
 ただ、その当時私からお答えを申し上げましたのは、福祉関係の方々の御意見も率直に私は聞いてみたと。そしてむしろ、福祉税あるいは福祉目的税という名称について、肝心の福祉を受ける立場の方々、その方々のお気持ちにもそれはそぐわない、そういうことを、その方々とお話をしました上で私は本院でも御報告をした記憶を持っております。今私どもとして名称を変更するといった考えは持っておりません。
○池田治君 消費税問題は、特別委員会もあることですからこの程度にします。
 次に、私立学校振興助成法というのが昭和五十年に制定されております。これによりますと、父兄や学生の負担を軽減するために国庫補助金を給与しようという法律だと理解しておりますが、この法律が本院で成立した際、将来は経常経費の二分の一まで国庫で負担せよという附帯決議がなされております。ところが、私が見る限り、助成金は二分の一まで増額するんでなくて、逆に毎年減っておるという状況のように思いますが、文部省、ここ五、六年間の統計を示してください。
○国務大臣(保利耕輔君) 私学、特に私立大学の補助につきましては、御承知のように昭和五十年にこの制度が発足をいたしておりますが、その当時は先生御指摘のとおりほぼ二〇%の補助率でございました。さらに、昭和五十五年当時にピークを迎えまして二九・五%まで上昇いたしておりますが、その後いわゆる財政再建の路線がスタートいたしましてマイナスシーリングで抑えられる中、また片方でいわゆる私立大学の経常的経費が増大をしていくという中にございまして、その比率が残念ながら次第に低下をいたしていっております。
 近年の数字で申し上げますならば、昭和六十三年が一六・〇%というぐあいになっております。これは大学に関するものでございますが、数字をそのように御報告をさせていただきます。
○池田治君 六十三年だけでなくて、六十年以降の平成元年度までの数字を全部示してください。そして平成二年度の数字と対比してください。
○国務大臣(保利耕輔君) 五十六年度から申し上げまするならば、五十六年度が二八・九%、五十七年度が二六・六%、五十八年度が二四・四%、五十九年度が二〇・三%、六十年度が一九・二%、六十一年度が一八・二%、六十二年度が一七・〇%、六十三年度が先ほど申しました一六・〇%でございます。平成二年度はまだ大学の経費の集計が出ておりませんので、あるいは元年度についても集計が出ておりませんのでパーセントの対比は出ておりませんが、総額そのものは若干ずつ努力をしてふやしていっておるところであります。
○池田治君 それは、パーセントで言われましたけれども、現実の数字は若干ずつふえたどころか、予算としては削減されていると理解しております。その点はどうですか。
○国務大臣(保利耕輔君) 数字で申し上げますると、昭和六十三年度が二千四百五十三億、平成元年度が二千四百八十六億、平成二年度予算案でございますが、二千五百二十億となっております。これは御承知のとおり、この項目につきましてはいわゆるマイナスシーリソグが掲げられておりますが、それで抑えられておりますけれども、先ほど御引用いただきました委員会決議におきますその内容を体しまして、これはぜひ確保していかなければならないものであるということで、やりくりをいたしましてふやしていったという経過がございます。その意味で、委員会決議の趣旨を体して頑張っておるということを御理解いただきたいと存じます。
○池田治君 将来二分の一まで増額せよという附帯決議でございまして、〇・何%程度の増額を見たって二分の一にはこれはなかなかならないわけでございまして、この意味で附帯決議というものがどういう意味を持っておるのか、この点について文部大臣でなくて総理ひとつ答えていただけませんか。
○国務大臣(海部俊樹君) 御指摘の私学振興助成法につきまして、年々いろいろな努力を重ねてきたこともこれは事実でございますが、他の政策との整合性の中において、附帯決議で示された経常費の半額に達しておらないということもまたそのとおりでございます。私はこれらのことを十分踏まえて、私学振興助成法ができたときの原点の精神を忘れないように今後とも一層の努力を積み重ねていかなければならない、こう考えております。
○池田治君 総理のお言葉はわかりましたが、この問題は私学助成金の問題だけではございません。百十六回国会以来、私たちが参議院に出てきまして以来、農水委員会でも運輸委員会でもすべて附帯決議という形をとっておるのが通常の法案の成立の仕方になってしまっております。しかし、幾ら附帯決議をつくっても政府が守ってくれなければ意味がないのでございまして、その点総理、附帯決議を行政はどう見ているかをもう一度お願いしたいと思います。
○国務大臣(海部俊樹君) 附帯決議の御趣旨は国会の意思であると私たちは大切に受けとめております。今後とも附帯決議の趣旨は十分に生かされていくように政府として努力をいたさなければならないと心得ております。
○池田治君 次に移ります。
 次に農業問題でございますが、四月六日の衆議院予算委員会で自民党の先生から、米は一粒たりとも輸入しないという自給の方針に変わりはないかという質問に対して、総理の方は、国会決議に照らして国内産で自給するという基本方針で対処すると答弁されております。しかし、実際には米は若干輸入されておるようでございますが、この点農水省の方で御回答願います。
○政府委員(浜口義曠君) 先生御質問の、現在におきます米及びそれに関連いたします加工品の輸入の実態というものを御説明申し上げたいと思います。
 現在、一般の主食用や加工用の米の輸入は行っておりませんけれども、沖縄の泡盛の原料につきましては、その伝統的な味、香りを維持するため、タイ米の輸入を毎年一万トン程度行っております。このほか、米の加工品の形で約四万トンの輸入が行われております。
 具体的な数字で簡単にその点を御説明させていただきますと、昨年度の貿易関税統計によりますと、政府が先ほどの泡盛の関係で輸入しておりますものが一万四百九十二トンでございます。それから米粉、あるいは昭和四十六年から自由化になっております米のお菓子、あられでございますけれども、あるいは昭和三十七年から自由化になっております米粉調製品等々を含めまして、玄米換算をいたしますと三万六千五百四十六トンでございます。それを相互に足してみますと四万七千三十八トンという数字でございます。
○池田治君 総理も国内産で自給するという基本方針で対処するということでございますが、基本方針というのは、基本については派生化、例外化というものが出るわけでございますが、総理は、基本的には自給でいくけれども、若干のものは、派生的なものは輸入しても仕方がないというお考えでございましょうか、お尋ねいたします。
○国務大臣(山本富雄君) お答えいたします。
 今食糧庁長官らか、従来の例外的な泡盛などの例を申し上げたわけでございますが、重ねての御質問でございますけれども、これは国内産で自給をするということの方針については全然変わりはない、また私もこれをひとつ引き続いて貫いていきたい、こういう考え方で進んでおります。
○池田治君 それじゃ、一粒たりとも輸入しないという輸入絶対反対の立場で臨まれるわけですか。
○国務大臣(山本富雄君) 衆参の国会の御決議もございます。これは非常に重いというふうに受けとめておりまして、その御決議の趣旨を踏まえまして、ただいま申し上げたような国内産で自給をするということでしっかり貫いてまいりたい、こう考えております。
○池田治君 五月六日の読売新聞によりますと、一粒たりとも輸入しないという自由化絶対反対が五年後も続いていると見ている農協は四割にも満たない。農協が一番心配しているのは、自由化反対がいつまで続くのか、その勝算はあるのかについて政治の立場から説明が何らなされていないということであるという記事がございました。外国との関係もあってなかなか政府としても本音は言いにくいのだろうと思いますけれども、牛肉やオレンジの自由化のときのように、絶対自由化反対と言いながら翌日には自由化してしまった、農民に対する裏切りのような政治不信の行為のないよう私は今心配しております。
 そこで、可能な限りウルグアイ・ラウンドの交渉結果も国民の前に披瀝していただきたい、かように念じております。四月の貿易交渉委員会で、農業の支持、保護について相当程度の漸進的削減を目指すべきことについては合意するということを合意されておりますが、我が国はどの程度の補助金の削減を目指しているのか、またアメリカはどれだけの農業補助金の削減を要求してきたのか、交渉に直接当たられた外務大臣に御答弁をお願いします。
○国務大臣(中山太郎君) 政府委員から先に事務的な経過について御報告を申し上げます。
○政府委員(林貞行君) 昨年四月の貿易交渉委員会におきまして、ウルグアイ・ラウンドの中間レビューということで、十五の分野について一応の今後の交渉方針ということで交渉の中間的な文書をまとめた次第でございます。その中におきまして、農業につきましては、先生今御指摘のとおり漸進的な保護の削減ということで基本的に合意いたしましたが、これを各国の政策にどのように適用していくかということは今後の交渉の問題でございまして、現段階で決まっていることではございません。
○国務大臣(中山太郎君) 今政府委員から御答弁申し上げましたとおり、先般の四月、メキシコにおきまして行われましたガットのウルグアイ・ラウンドの非公式閣僚会議では、国会の御決議また政府の閣議における申し合わせ等もございまして、私は日本政府を代表して次のように発言をいたしております。
 農業についても、我が国はこれまで多くの品目について輸入アクセスを拡大してきており、世界最大の農産物純輸入国として安定した市場を提供し、農業貿易の安定的発展に大きく貢献をしてきております。しかしながら、その結果、我が国の自給率は四九%と著しく低い水準となっており、食糧安全保障への配慮の必要性が不可欠となっております。国内における農業の役割にはさらに国土・環境保全、雇用、地域社会の維持等極めて重要なものがあり、食糧安全保障を含むこれら非貿易的関心事項への配慮は不可欠と考えます。このような状況にあることから、昨年末我が国は、基礎的食糧に関し所要の国内生産水準を維持するために必要な国境調整措置をとることが認められるべしとの提案を行ったところであり、各国の理解を得たいと思います。
 こういうふうな発言をいたしました。これにつきまして、この非公式会合ではコミュニケという形はとらずに、この議長を務めましたメキシコの商工大臣が議長の報告ということを発表いたしております。その中には、いろんな文書がございますが、何人かの閣僚は食糧安全保障問題はついて懸念を表明した、こういう報告をいたしております。なお、食糧安全保障につきまして、出席をいたしました二十六カ国の閣僚からは、スイス、オーストリア、韓国、日本が食糧安全保障というものを強く主張いたしました。
 なお、今後の経過につきましては、十二月の最終の会議がブラッセルで開かれる予定でございますが、現状の会議の進行状況ではなかなかこの十二月に合意を見るに至らない可能性が強い。そういうことで、七月の末のTNCの会議に向けて各国政府がそれぞれ大枠で合意するように努力をすべきであるという申し合わせが行われました。なお、この申し合わせの中には、御承知のように十五項目の分野がございまして、新分野と言われる知的所有権の問題とか、あるいは繊維協定、MFA協定をこのガットのルール化にはめ込むべきではないかというようないろんな意見がございます。これをマキシマムパッケージとして十二月にこのガット・ウルグアイ・ラウンドを成功させるように努力しよう、こういう議論が出ました。
 なお、会議ではECとアメリカの間に農業の保護問題について激しい議論が行われたということでございます。
○池田治君 激しい御議論があったようでございますが、アメリカ側の削減要求というのをもう少し詳しく御説明願いたいと思います。
○政府委員(川合淳二君) お答え申し上げます。事務的な問題でございます。
 米国の考え方といたしましては、一つは関税化がございます。これは貿易障壁を内外価格差をもとに関税に置きかえまして、十年間でこの関税をゼロまたはそれに近い水準に削減するというものであります。
 それから補助金につきましては、輸出補助金あるいは国内の補助金について撤廃するというような考え方を提案しております。
○池田治君 米の輸出補助金は我が国には関係ないことでございますが、国内補助金を農業に対してどれだけ削減するかというのが今農家の関心事でございます。けさの新聞を読んでみましても、消費者犠牲の農政を転換する、OECDではこういう話も出ているということで私は尋ねているわけですから、そんなそつない回答をしないでもう少し身を入れて農水省は回答願いたい。
○政府委員(川合淳二君) 国内支持につきましては、貿易の影響度に応じまして三つのグループに分けまして、貿易歪曲効果の大きいものについては十年で廃止するというような提案を行っております。
○池田治君 農水省はその程度しかわからないから、外務大臣、もう一度その点についてお尋ねします。
○国務大臣(山本富雄君) 池田委員、いろいろ報道などをお聞きになって、また生産者の方々がこの点について、特に補助金の問題、国内でカットされるんじゃないかというふうなことを極めて心配しておられるというふうなことでの御質問だと思いますが、そういう考え方を現在持っておりません。
 これは従来どおり、しっかり日本の農政が将来に向かって足腰強くやっていけるようにさまざまな施策をさらに加えていきたいというふうに考えておりまして、いかなる国際情勢がございましても現段階で私どもは補助金をカットするというふうなことは考えておらないということをはっきり申し上げておきます。
○池田治君 現段階でそういう気持ちでおられるということはよくわかりました。
 ガットのウルグアイ・ラウンドでは日本の農業交渉グループは食糧安全保障等の非貿易的関心事項も挙げて御説明をされた様子でありますし、かなりの努力をされていることは御苦労だと私も思っております。しかし、国家貿易品目は民間貿易に適用している輸入数量制限禁止事項の対象にはならないということで日本の要求も切られた事実がございます。また、生産調整時の輸入制限はミニマムアクセスを前提にしているということで、最低限輸入枠というのはかなり外国の方は厳しい線で対処しているように報道関係で承っております。そういうこともあり、最近では貿易関税品目にして関税をかけながら輸入の自由化をしようというヤイター発言もございました。
 こういうことで農民は今非常にその点を不安がっております。私自身もミニマムアクセスは認めざるを得ないんではなかろうか、外務大臣も頑張っておられるが、体も元気そうでたくましいけれども外国勢には押されるのではなかろうか、こういう心配をしております。どうど外務大臣、もう一度この点について希望的観測でなくて現実に即した発言をお願いします。
○国務大臣(中山太郎君) 今農林大臣から御答弁申し上げましたように、現在政府のこのような意思を受けて、ネゴシエーターと言われる交渉者が各国とそれぞれ協議をやっている最中でございまして、現在のところ政府の方針に何らの変更はございません。
 なお、伝えられるところによりますと、このガット・ウルグアイ・ラウンドの非公式閣僚会合というものはこの十二月に最終ラウンドを迎えるに直行するのでなくて、なかなかまとめが、各国とも利益を主張して激しく対立している、こういうことでアジア・太平洋地域における関係国のいわゆる非公式の閣僚会合を九月ぐらいにもう一回設ける必要があるんじゃないか、あるいはヨーロッパではイタリーがそのようなことを申しておるというような状況でございまして、これから年末にかけましてこのガット・ウルグアイ・ラウンドの交渉というものは各国間で相当激しい議論をやりながら、しかも自国の権益を擁護しながらの激しい会議が続けられるものと私は認識をいたしております。
○池田治君 外務大臣、御苦労ですが最後まで頑張ってください。
 次に、深谷郵政大任、きのうからいろいろリクルート問題で追及をされておりますが、あなた自身の答弁がはっきりしない。私も弁護士ですから追及をするのは上手なんですが、外で聞いていても何だかオブラートに包まれたような発言しかなさらない。だからいろいろ疑惑が出るわけだと思っております。そこで、はっきりしたことを言っていただいて白黒をはっきりつけるべきだと私は考えております。
 そこでまず、私は時間がありませんから簡単にお尋ねしますが、秘書がリクルートから金をもらっていたというけれども、出向社員であったというような形になっておりますが、実際は秘書の給料だけもらって、秘書は現実には議員会館にいなかったんじゃないか、こう言う人がおりますが、この点まずお尋ねいたします。
○国務大臣(深谷隆司君) 今のお話は、秘書が議員会館にいなかったということでございますか。
○池田治君 仕事をしていなかったと。
○国務大臣(深谷隆司君) 私の方の。
○池田治君 そうです。
○国務大臣(深谷隆司君) いえ、彼は、この前申し上げたように、後援会の世話役として、自分の政治家修業も含めて、地元でいろいろ動いてくれたということでございます。
○池田治君 やっぱり議員会館では仕事をせず地元で仕事をしたということでございますから、そういう疑いが出ても仕方がございませんよ、秘書と言ったけれども秘書じゃないじゃないかと。地元秘書だということははっきりなさった方がよいと思いますよ。(「東京が地元なんだ」と呼ぶ者あり)東京でも結構ですよ。だけれども議員会館が地元じゃないでしょう、議員会館で選挙運動をやるわけにいきませんからね。
 そこで、退会届も出しておられるようですが、この日付もさかのぼらせてつくったものではなかろうか、こういう疑いもあるようですが、この点もはっきりしていただきたい。
○国務大臣(深谷隆司君) この間も申し上げたことでございますが、当時私どもの事務所の者が気をきかせて、念のためにそういうものがあった方がいいだろうという判断で退会届を預かっていたようでございまして、私どもとしてはまさかこういう事態になるとはそのときは思っておりませんから、別にそれを振りかざして自分の立場を守ろうというふうな形の退会届という認識は全くございませんでした。したがいまして、よく聞いてみましても、それほど重要というか、正確に受けとめてきちんと保管していたというものでもなかったようでございます。
 あいまいのように聞こえるかもしれませんが、それが事実でございます。どうぞよろしくお願いします。
○池田治君 もう一点。お金も初めのうちは少し、後の方からだんだん、数字は忘れましたけれども、社会党、公明党、共産党の先生方から追及されるたびに少しずつふえたように私は記憶しておりますが、もうこれが全部かどうか、はっきりしていただきたいと思います。
○国務大臣(深谷隆司君) ただいまの御質問にお答えいたしますが、官房長官にすべての調査をいたしまして全額載せましてから、質疑に応じてふえたとかいうことは全くありませんで、それがすべてで、今日まで一貫して申し上げてまいりました。それ以外にはございません。
 なお、まことに申しわけないことでありますが、私の自主申告の漏れた、おくれたことから多大の御迷惑をかけたことについては深く反省していることを申し添えさせていただきます。
○池田治君 反省するのは当然でございますが、政治倫理綱領によりますと、事実関係を明らかにして、そしてみずからがその疑惑について回答しなくちゃいけないというのが要求されております。また、政治家はお金の問題でいろいろ言われ始めれば、みずからの地位はみずからで処していくべき必要があろうと思います。
 リクルート事件では、郵政大臣はまだ小さなひよこみたいなもので、大きな人たちがいっぱいおるわけですから、その人たちも、責任をとってやめた人、うまく逃げた人、裁判にかかった人、いろいろあるわけですから、郵政大臣も郵政大臣らしく自分の進退を決めていただきたい、かように思っております。大臣の御答弁をお願いします。
○国務大臣(深谷隆司君) 私は、このたびの一連の問題で大勢の皆様から批判をされ、あるいは質問を受けてまいりました。私といたしましては、自主申告のおくれから多大の御迷惑をおかけしたことに対して心からわびるとともに、私の与えられた政務に精励することによっておこたえする以外にはないと心得て、今一生懸命やらせていただいております。
○池田治君 選挙区の変更の問題、政治改革の問題、いろいろな問題がございますが、これに関連して、磯村議員が参っておりますので、関連質問をさせていただきます。
○委員長(林田悠紀夫君) 関連質疑を許します。磯村修君。
○磯村修君 総理にお伺いいたします。
 昨夜からけさにかけての報道を見ていますと、韓国の慮泰愚大統領が日本を訪問するに当たりましていろいろと論議が出ております。昭和天皇の、植民地統治時代のあの反省のお言葉です。これをさらに一歩踏み込んだ天皇のお言葉、これを韓国側は期待しているかのように見られる報道がなされているわけなんですけれども、政府としてはこれにどう対応していくのか、まず総理の考えを改めてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(海部俊樹君) 政府の考えを率直に申し上げますが、隣国であり、しかも民主主義の価値を共有する国として、アジアの安定、アジアの平和のために、日韓両国間には安定的な関係を打ち立てていかなければならぬというのが基本でございます。過去の歴史の正しい認識に立って、日本の犯したいろいろな問題については、私は率直に反省をして、済まなかったということをわびる、そういったことは、首脳会談があるわけですから、私の率直な気持ちを表明しようと、政府の代表としてはそう考えております。
○磯村修君 昨年七月の参議院選挙以来、消費税の問題と並びまして、政治改革ということが大変大きな課題になってきております。私どもも、やはり政権が長期化すると大変政治の腐敗を招きやすい、そういう意味において、常に政治には緊張感がなければならない、こういうふうな考えを持っているわけなんですね。
 今回、その一つとして、選挙制度審議会から答申がなされました。この答申につきましては、またいろいろな意見もあるようでございます。私どもも、国民が期待している新しい政治の方向、こういう意味合いにおいては、やはり政治というものは政権が交代できるような土壌がなければならない、こういう意味合いにおいて、私どもの連合参議院としましても、その要件というものをどういうふうに満たしたらよいかというふうなことを大変模索しているわけなんですけれども、今回の選挙制度審議会の答申につきましては、与党の中にもいろいろな慎重論も出ているようでございます。あと野党側にも大変これに反対の意見も強いようでございます。
 こういう中で、総理は不退転の決意を持ってこの問題にも取り組んでいくんだということを表明しております。こういうふうに意見が相対するこういう中で果たしてそれが可能なのかどうか、果たして総理はどういうふうにこれをまとめるのか、大変これは私は難しい問題ではなかろうかと思うんですけれども、この制度を変えればいいというものではなくて、やはり政治腐敗というのは、政治資金の透明度を高めるということが一番大きな役割を果たすと思うんですね。そういう意味において、現行の制度の中でもやはりそういうことにまず取り組んでいく。国会の決議がございます、定数是正の問題がございます、まずそういう問題から手をつけてやはり政治改革というものをなしていくのが一つの方法ではなかろうかと思うんですけれども、その辺の総理の考えをお伺いいたします。
○国務大臣(海部俊樹君) 御指摘のように、一昨年来のいろいろな不祥事件の反省に立って、また政府としては、与党の中におけるいろいろ政治改革に対する大綱をつくろうという考え方、それから、今委員御指摘のように、政治家一人一人がきちっとみずからの心の中に政治倫理を確立することが大前提でありますけれども、しかし制度、仕組みの中でどうしても改めなければならない問題が出てきておるならば、これは率直に、難しい問題であっても取り組んでいかなければならぬのではないか。また、日本の選挙制度の現状というものは、先進工業国と言われる諸外国でめったに行われていない極めて希有なケースではないかと、私はそう見ております。そして、国民の皆さんが政治に対する不信感を持った最大の問題点が今御指摘の政治と資金の関係にあったことはこれは率直に認めなければならぬことだと思います。
 そうであるなれば、政治と資金の問題をどうしていったらいいのか。この前の国会で、これはその反省に立って与野党の御理解もいただいて、公職選挙法の一部を改正する法律案が成立しまして、お金の使い方の面については一応の歯どめができて、これは第一歩であったと私は思いますけれども、しかし、それだけで片づく問題では決してございません。各界の有識者の皆さん方、学者やマスコミ代表や労働組合代表や、いろいろな方々にお集まりをいただいて政府は選挙制度審議会に諮問をいたしました。そこで御承知のように、選挙制度そのものに問題があるのではないか、政治資金の問題についてはもちろん改正しなきゃならぬ問題もあるぞといういろいろな幅の広い御指摘を答申の形でいただきました。
 私は今のこの状況の中で国民の政治に対する信頼をより一層確立していくためには、できるだろうかできないだろうかとか、賛成の意見や反対の意見がいっぱいあるからといって、しかし今のままの状況でこれでいいんだということにはどうしてもなりませんので、与野党の皆さんにもお願いし、同時に国民の皆さんの信頼を一層確立するためには、選挙制度審議会の真摯な御議論の結果をそのまま率直に受けとめさせていただいて、制度や資金やいろいろな問題について思い切って改革をすべきである。ただ、政府は答申をいただいた立場でありますから、これに対する作業に積極的に取り組んでまいります。議員の皆さんのお立場に直接影響のある大きな問題でありますから、国会において各党各会派の皆さん方の御意見も闘わせていただきながら、それを十分尊重しながら進めていきたいと、こう決意をしておるところでございます。
○磯村修君 消費税に見られますように、余りにも拙速なことをしますとまた国民の厳しい批判も受けるわけでございます。十分に慎重に検討していくべき問題ではなかろうかと私は思います。
 それから政治と資金の問題、これが要するに国民の不信感というものを買ったわけでございますね。リクルート事件に象徴されますように、政治腐敗をなくしていくために、やはり何といっても私どもは企業とのかかわり合いというものを絶っていかなきゃならないんじゃないかと思います。そういう意味において、政治資金というのはやはり原則として個人献金、そして企業献金は禁止すべきである。その上に立って公的助成制度というものを確立していく必要があるんじゃないか、このように私は思いますけれども、総理のお考えを伺います。
○国務大臣(海部俊樹君) 一般論で申しますと、私はいつも、企業も社会的存在でありますから許される透明性の高い段階における献金行動というものは頭から否定するのはいかがなものかと思いますと、企業も雇用はちゃんとしておってくれるわけでありますし、社会のために税金も払うわけでありますから、社会的存在だということを言い続けてまいりました。
 しかし、今度の選挙制度審議会の答申をずっと読んでおりますと、経過措置はもちろん置いてもいいけれども、公的補助の制度を導入するとともに、企業の献金、団体の献金というようなものは、政治家個人にはやめて、政党に限定したらどうかということも検討するという大きな示唆が一つ出てきております。同時に、お金が政治に要るということはこれは委員も率直にお認めがいただけると思うのですが、毎年自治省に届け出ます政党の収支というものは、これは自民党ももちろん出しておりますけれども、野党の皆さんの中にも、一部には自民党よりたくさんの献金をお届けになる野党もある。いい悪いと言うんじゃありません、お金が現実にかかっておるんだということを申し上げたいんです。
 これは公の問題でありますから、諸外国なんかでは公の行為には公費の助成の制度が行われておる。例えばアメリカの公費補助制度は、下院議員は十八名の常設の議員秘書、四人の常勤の議員秘書のお金は全部国が出す、こう現に行われているわけですよ。上院では、人数ではなくて金額をまとめてスタッフの費用として国が出しておる。
 また、その他ドイツの制度なんかでは、一時は取得票に対して一人三・五マルクの割で補助しておったのが、最近調べ直しましたら五マルクに上がって、棄権をした人も全部入れて、有権者の頭数掛ける五マルクで政党の得票率ごとに分けてこれを公費補助にするというような政党助成制度というものもあるわけで、それをするには今の日本では政党とは何ぞやという公的な立場や仕組み、公費の助成をするときには、今おっしゃったように、企業から個人への献金はせめてそのときにやめたらどうだというような審議会等の御指摘もありますと、政治資金の問題というのはなるほど公の立場で、ナショナルサービスならば、公費もあるかわりに透明度ももっと高めろという審議会の御議論も、これは十分に御検討願うに値するものだなと私どもも受けとめさせていただいているわけでありますから、そういう幅広い示唆、指摘を受けて全般的に一体どのようにしたら国民の皆さんの信頼を受けとめていくことができるか。個人であれもこれもすべて全部やれということにするよりも、政党本位の、そして政策本位の選挙や日常活動ができるようにどうやったら仕組みを変えていくことができるだろうか、この角度から取り組ませていただきたいと、こう考えておりますので、御理解と御協力をお願いいたします。
○磯村修君 政治に必要なこと、また政治改革の一つの大きな柱としまして、私どもは国民の知る権利というものを、この制度を確立する必要があるんではないかと、こういうふうに考えております。
 今自治体ではいろんな情報公開条例というものがございまして、一般の住民に対しまして行政の持つ情報というものを公開して、できるだけ同じ水準のもとに物が判断できるというふうな状況をつくり上げてきております。しかし、残念ながらまだ国にはそういう制度がつくられておりません。やはり政治を判断していくためには、何といっても憲法で保障されておりますところの基本的人権、これに基づくところの知る権利というものを最大限に保障していく必要があるんではなかろうか。情報を知ることによって政治を正しく判断することができる。そういう意味合いにおいて、今自民党以外に各野党はこの情報公開制度というものを提起しております。
 総理、この情報公開制度というものはやはり国でもつくるべきだ、こういう考えについてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(塩崎潤君) 委員御指摘の行政情報の公開につきましては、国としてもこれまで大変努力してまいりましたところでございます。御承知のように、国の官庁ごとに、出先機関ごとに文書閲覧窓口制度を設けまして、国民の要求に応じて支障のない文書、情報については提供をいただいているところは御案内のとおりでございます。
 そしてまた、最近統計の整備によりまして、統計法の規定によりまして、政策形成に役立つような資料については統計の公開を通じて行政情報の公開が実現できていると思うところでございます。
 問題は、今御指摘のありました地方団体でも少し進めておるようでございますが、開示請求権を持つところの行政情報法の制定でございます。この問題につきましては、総務庁においてもう過去六年間に四十回ばかり会議を設けて、大学の教授等に御参集を願って意見を求めて検討しているところでございます。しかし、問題はその公開する情報の範囲等についていろいろの意見がございます。地方と違って国防上の機密とかというような問題も国には大きな責任としてある問題でございます。これらの問題について研究をしているところでございます。
○磯村修君 過去四十回ほどいろんなことをしているという話なんですけれども、なぜこの制度化というものがおくれるんでしょうか。何が障壁になるんでしょうか。やはり国民が知りたいということを、いわば開示請求ですね、こういったものをなぜ認めようとしないんですか。白書とか統計なんというものは、もうこれは情報公開の入り口の問題なんです。私どもが求めているものは、やはりいろいろな政策立案から決定までのそういうものを国民の皆さんは欲しがっているわけなんです。そういう制度を確立しなさいということを言っているんです。にもかかわらず、過去から何回もこういう勉強会あるいは研究会、いろんなことをして検討しているとおっしゃいますけれども、なぜいまだにその制度というものが諸外国と比べておくれているんでしょうか。その辺の理由をお聞かせください。
○政府委員(百崎英君) お答えさせていただきます。
 私どものところで、ここ数年来、いわゆる情報公開の制度化の問題について学者先生その他にお集まりいただいて研究を進めてきておりますが、何せ国のレベルでは初めての制度でございますので、例えば一つは裁判の公開制度などほかのいろいろな関連制度との関係をどう考えるか。
 ほんの一例をちょっと申しますと、御承知のとおり、我が国の裁判は公開制度ということが原則になっておりますが、そういった公開の裁判の席で例えばある情報の開示、不開示をめぐって争いが行われました場合に、例えば行政機関の側では、この情報はかくかくしかじかの理由でこれは公開できないということを立証する必要があるわけでございますが、その立証の過程でその情報の中身があるいはその公開の法廷でいわば表に出るというようなおそれもあるわけでございます。そういった点につきましては、例えばアメリカでは、先生御承知かと思いますがインカメラ制度というのがございまして、裁判官だけでそういった問題を扱うということになっておりますけれども、我が国の場合には憲法でそういった裁判の公開制度というのがしかれているわけでございますが、そういうもとでそういう問題をどう考えたらいいのか。あるいはまた、国家公務員に守秘義務が課されておりますけれども、そういった守秘義務とこの情報公開制度との関係をどこでどう線引きするか等々各省全般にわたる行政の実態を踏まえた研究をする必要があるということで、かなり時間はかかっておりますけれども、いろいろ御意見を出していただいているということでございます。
○磯村修君 外交とか防衛の問題で私どもはすべて公開しろと言っているんじゃないんです。国の外交とか防衛で必要最小限度の漏らしてはならないということは私ども認めなければならない。
 いろんな考え方があると思うんです。ですから、検討検討ではなくて、やはり前向きに、積極的にこの制度というものをつくってみようじゃないかという姿勢を示してほしいんです。総理、いかがですか。
○国務大臣(海部俊樹君) 行政に対する国民の信頼を確保するという観点から行政情報の公開を政府はできる限り進めておるところでございまして、例えば各行政機関ごとに文書閲覧窓口を整備するなど、国民が必要とされる行政情報を簡便迅速に入手できるよう現在できる限りの努力をしておるところであります。
 一方、情報公開法の制定など制度化の問題につきましては、いろいろ検討すべき課題もございますので、引き続き調査研究を進めていくつもりでおります。
○磯村修君 これは国民の知る権利、基本的人権にかかわる問題でございますから、ぜひとも積極的に考えてほしいと要望します。
 時間がございませんので前へ進みます。
 今地球の環境問題、これが非常に国際的な世論を巻き起こしております。私たちの生活に便宜を与えております化学製品というものが、今は逆に環境汚染とかそういう問題をも引き起こしている現状ですね。国は、国民に余暇を与える、こういういわば政策というものを推進しております。しかし、その裏側を見てみますと、環境の問題が今大変クローズアップされてきております。
 例えばリゾート開発の柱になっておるゴルフ場の問題がございます。環境庁のまとめによりますと、ことしの三月現在、既設のゴルフ場だけで千七百カ所、今造成中のものが完成しますと全体で二千カ所、さらに今手続中のものをすべて認めるとすれば二千七百カ所、だんだんふえてきているわけですね。こういうふうに、例えばゴルフ場をつくる場合においても、自然の状況というものを崩して一つのものをつくっているわけですね。こういう意味において、自然が大変破壊されるというふうな心配もあるわけであります。
 環境庁長官にお伺いしますけれども、こうしたリゾート開発、そして自然との調和、こういう自然環境を守っていくという、保全していくという基本的な考え方をまず伺っておきます。
○国務大臣(北川石松君) ただいまの磯村委員の御質問でございますが、環境を損ねることはこれは許せないことであり、生きとし生けるものが全部大自然の環境の中で生かされているのでございますから、御指摘のゴルフ場の問題につきましても、リゾート法という法律の中で自然の環境にみんなが楽しんでくれることはいいと思いますけれども、私は、大臼然を破壊し、あるいは水資源を侵すとか、そういうことではよくないと思っております。決してゴルフ場を否定するものではありませんが、そういう自然環境を破壊するということについては好ましくないという考えを持っております。特に国民皆々様の御理解とそして御自覚を得た上に立っての御支援に立って環境行政を積極的にやっていかなくては我々の生きとし生ける地球が損なわれてしまう、こういうことを考えておる次第でございます。
 なお、ゴルフ場の詳しいことについては政府委員をして説明させます。
○政府委員(安橋隆雄君) ゴルフ場から流れ出る農薬の問題についていろいろ問題が出ているわけでございますが、環境庁では本年の三月末現在でその状況を取りまとめたわけでございます。
 三十都道府県から一万三千八百検体の調査結果を集計したわけでございますが、ゴルフ場の農薬、そのうち九四%は流れ出ていないということでございます。残りの六%につきましては、農薬自体は検出されましたけれども、レベル自体につきましては、従来の知見から見まして今すぐに影響が出るというようなものではないという調査結果になっております。しかしながら水質の面から、やはりゴルフ場に対しまして都道府県が農薬使用の適正化でございますとか農薬の削減指導の目安となるようなものをぜひ示したいというふうに考えておりまして、そういう目安を早急につくるべく検討を急いでいるところでございます。
○磯村修君 ゴルフ場が使う農薬、殺虫剤とかあるいは殺菌剤とかいろいろあるわけなんですけれども、これが付近の河川に排水されているわけですね。ゴルフ場というのは川の上流にあるわけなんです。農作物に使う農薬とは違うわけなんですよ。上流にあるわけなんです。上流にあるということは水源なんですよ。閣僚の皆さん、農薬の成分が含まれている。これは健康的には害がないと言われても、害がない数値という結果になっても、そういう成分が含まれているという水を毎日毎日飲まなきゃならない、使わなければならないという生活環境の中でお暮らしになった場合に、どんなお気持ちになりますか。これは大変嫌なものなんですね。
 ですから、そういうことがあってはならない。各自治体では今一番農薬を使う時期とか降雨期とか、そういう一つの時期にいろいろ水質検査をしているようなんですけれども、この農薬は、水質汚濁防止法で定められている四種類以外の農薬というのは安全基準とか何らないわけなんですね、排出される場合に。そういう水質検査をする場合でもなかなか目安がない。ですから、行政指導もなかなかしにくい面もあるようなんです。担当の方に聞きますと、WHOで定めておりますところのADI、一日の許容摂取量ですね、毎日毎日人が飲んでも害はないであろうと推定される数値と比べて安全とか安全でないとかということを定めているようなんでございますけれども、やはり一つの目安というものは国がきちっと定めて、そして何といいましょうか、明確な基準というものを国自体がつくって行政指導をしていくということ、これは自治体に対しても大変必要なことであろうと思うんですね。
 今恐らく環境庁の方でもそういう目安をつくる作業を進めていると思うんですけれども、それは一体いつまでにできるんでしょうか。
○政府委員(安橋隆雄君) 現在、関係省庁との間で協議を進めております。できるだけ早くつくりたいということで検討を急いでいるところでございます。
○磯村修君 できるだけ早くというのが定説のようでございますけれども、これは一地域の問題じゃないんです、全国的な問題なんですよ。そういう流域に住んでいる皆さんの生活を考えた場合、やはり不安というものは常につきまとっているわけなんですね。ですから、そういう意味においてもやはり早く、できるだけ早くではなくて即刻そういうものの検討を進めて、そういう明確な安全基準というものをつくり上げていく、これがやはり環境行政の姿勢ではなかろうかと思うんですね。どうも余暇を提供することに御熱心であっても、こういう安全対策というものが非常におくれがちである。これが今の政府の環境行政ではなかろうか、こういうふうにも思うわけなんです。ぜひともこれは早くしてほしいと思うんです。もう一度環境庁長官お願いします。
○国務大臣(北川石松君) 委員の重ねての環境に対する御質問でございまして、私は、やはり農薬を含む、あるいは酸性雨にいたしましても、その土がもとへ戻る還元力がある間の、これをよく考えなくちゃいけない。人間の体もまた、害悪のものを飲んでもまたもとへ戻すところの力のあるうちにこれを、許容量をよくわきまえなくちゃいけない。そういう点におきまして、農薬を初め環境を損ねるいろんな問題につきましては、今関係各省庁と積極的に前向きに今後とも環境行政をやっていきたい、こういう思いでございます。
○磯村修君 もう一つ、地下水の問題をお伺いしたいと思うんですけれども、今非常に工業団地が造成されまして基幹産業が地方に進出をしております。あるいはかつて工業団地があったところもございます。どこが汚染源かということは特定はなかなかしにくい問題もあります。自治体ではいろいろと井戸水の水質検査などもしまして、地下水がどのくらい汚染されているのかというふうなことを検査して環境対策をつくっているようでございますけれども、去年の六月の国会の環境特別委員会での水質汚濁防止法の一部を改正する法律案に対する附帯決議の中でもいろいろと書かれております。地下水汚染の未然防止とか、地下水が汚染された場合は速やかに汚染源を究明するとか、いろいろなことが書かれておりますけれども、これは今どのように具体的にこの附帯決議が実行されているのか、お伺いしたいと思います。
○政府委員(安橋隆雄君) 先生今御指摘になりました水質汚濁防止法の改正によりまして、有害物質な含みます地下水の浸透の禁止でございますとか、あるいは地下水質の監視体制というものが整ったわけでございますが、先生御指摘の汚染原因の究明でございますとか、あるいは汚染回復対策といったものが重要な課題だというふうに私どもも認識しているわけでございます。環境庁では、従来からこのために地下水の汚染機構の解明でございますとか、あるいは汚染原因解明手法の確立を図るために種々の調査を実施してきたわけでございます。一部の自治体におきましては、そういった成果をもとに調査をいたしまして汚染原因が究明できたという事例もあるわけでございます。
 地下水の挙動というのは非常に未解明な点も多うございますし、まさに地下という人の目に見えないところでの水の流れの問題でございますので、その解明につきましては種々問題も残されているわけでございますが、平成二年度の予算案をお認めいただけますれば、私どもまたその中で新たに、汚染された土壌でございますとか地下水の回復対策手法の検討というようなものもさらに進めていきたいと思っておりますし、こういったことで明らかになりました知見を自治体の方にもさらに提供するというようなことも含めまして、原因究明あるいはその回復対策の進展に資するように環境庁としても積極的に取り組んでまいりたい、こういうふうに考えているところでございます。
○磯村修君 じゃ次の問題で一つ伺います。
 四全総では、一極集中から多極分散ということで、その大きな役割を果たすのがやはり高速交通網の備整であろうと思うんです。そこで運輸大臣にお尋ねいたします。
 今、この高速交通網の一つの例としてリニアモーターカーの新しい実験線が山梨県につくられることになりました。ありがとうございます。ただ問題があるんです。このリニアモーターカーというのは、走る機能の実験だけではなくて、何といってもこれの磁気というものが人体に及ぼす影響があるんではなかろうか、こういう心配もあるわけなんですね。この新実験線では走行と人体への影響調査、こういうものを含めておやりになるんでしょうか、お伺いします。
○政府委員(大塚秀夫君) 山梨におきましては四十三キロの新実験線を五年かかって建設することになっておりますが、それと同時に、従来の宮崎の実験線を使い、また国立の研究所におきまして総合的に基礎実験、また今先生御指摘の安全性の問題等を引き続き研究していき、安全でかつ快適なリニアの実用化を目指していきたいと考えております。
○磯村修君 このリニアモーターカーの実験線というのは、将来、今東京―大阪を結ぶ沿線の各地域で中央新幹線ということでよく促進運動が行われておりますけれども、実験の後、中央新幹線にはリニアの新しい技術というものを導入するお考えのもとにこの実験をするのかどうか。そしてまた、新しくつくられる、新年度から着手されますこの実験線というのは将来営業線として使うことも考えているのかどうか、運輸大臣にお伺いいたします。
○国務大臣(大野明君) お答え申し上げます。
 このリニアの新実験線のルートをどこにするかということに当たりましては、将来やはり有効活用できるということを選定基準といたしておりますので、それが将来的に今申し上げたように有効活用できるということを前提にしておりますが、いずれにしても、先ほども審議官からお答え申し上げましたように、とりあえずこの実験線のためのルート等を五年かかってやるわけですから、今の時点ではその実験に心血を注ぐということに力点を置いております。
○磯村修君 この実験線のルートは予算成立直後に公表できるのかどうか、確認したいと思います。
○国務大臣(大野明君) 平成二年度予算成立後速やかに新ルートを決定し、そしてあらゆる工事の準備にかかるわけですから、近い将来に公表をすることはできます。
○磯村修君 最後にもう一つ国土庁にお伺いします。
 リゾート開発というふうなことで、今首都圏あるいは大都市圏の地価の高騰ということが地方にも大きく及んできております。各自治体では国土利用計画法に基づくところの監視区域の設定、こうしたことで地価の抑制に汗を流しております。問題は、この監視区域の設定という一つのガイドラインというものが必要ではなかろうかと思いますね。この高騰がなかなかやまない、そういう場合にはどういうふうにするのか、あるいは面積の問題等がございます。自治体では、全国共通のガイドラインというものを設定してほしい、こういうふうな要望も強いようでございますけれども、最後に国土庁のお考えをお伺いしておきます。
○国務大臣(佐藤守良君) 磯村先生にお答えします。
 先生の御指摘のとおりでございまして、実は地価の上昇を防ぐために監視区域を設定しましていろいろやったわけです。若干後手に回ったように言われておりますが、これは基本的には、一口に言いますと、役人がまじめ過ぎて民間の知恵と力が上回ったという結果だと思っております。そんなことでございまして、現在監視区域の強化に努力しておりますけれども、基本的にはやはり先生の御指摘のとおり地価上昇がとまらないものですから、例えば今ガイドラインの設定ということでございまして、例えば地価が一〇%上がれば監視区域を設定するとか、あるいはその場合には監視の届け出面積を百平米にするとか、いろんなことにつきまして実は検討中でございまして、近いうちに厳しい基準をもって公表できる、このように考えております。
○磯村修君 終わります。
○池田治君 全国の勤労者、連合加盟の勤労者八百万、未組織の労働者を入れますと三千四百万、その家族を入れれば七千万とも八千万とも言われております。この国民の過半数を占める人たちの切なる願いは住宅の安定ということでございます。春闘で年に五%や六%賃金アップをしてもらっても、なかなか持ち家を購入することはできません。一生働いてためた貯金と退職金を合わせても家の購入ができません。EC諸国では五年間働けばマイホームがつくれる、こう言われております。我が国でも、勤労者が五年働けば持ち家が、制度ができる。そしてまた、持ち家ができない者は家賃生活を余儀なくされているわけですが、家賃もまた高くて三〇%、四〇%と言われております。
 そこで、一五%以下の家賃で賄い得るような住宅政策が必要であろうと思います。政府はいろいろ政策を立てておられるようですが、建設省、住宅建設計画をひとつお示し願いたいと思います。
○政府委員(伊藤茂史君) お答えします。
 住宅建設につきましては、四十年以来、毎五カ年ごとに住宅建設五カ年計画というものをつくっております。現行の第五期五カ年計画は昭和六十一年度から平成二年度までということでございまして、来年度予算で計上しておりますものが最終年度の建設になっております。全体で六百七十万戸の住宅を建てることといたしております。
 今御指摘の大都市におきます地価高騰に伴いまして、中堅勤労者を中心にして住宅取得あるいは賃貸住宅の入居が非常に困難になっております。そういうことで、次の第六期の五計に向けまして大都市地域におきます住宅政策を抜本的に見直すということで、ただいま住宅宅地審議会の方で御審議をいただいておりますと同時に、今国会におきましても大都市圏の住宅供給についての法律の改正案というのを二つ、二種類でございますが、御提案申し上げて御審議を願いますと同時に、平成二年度予算で優良住宅に対します供給に対する助成その他万々の予算措置もお願いしているところでございます。
○池田治君 住宅政策を見直したり万々の政策だと言われますが、今の地価高騰、建設費の高騰、それよりも宅地の供給がなかなか思うようにできないところでは万々の政策というものはなかなかできないんじゃなかろうかと思いますが、建設省、それは大丈夫でございますか。
○政府委員(伊藤茂史君) お答えいたします。
 今、万々の政策と申し上げましたのは、私どもがとり得ます住宅対策上のいろんな制度の見直しということもございますが、あわせまして、私どもは土地税制その他この周辺の問題、例えばインフラ整備の問題とか土地税制の問題とか、そういうものも非常に重要だと思いますので、万々の政策をお願いするということで申し上げた次第でございます。
○池田治君 万々でなくて二つか三つの政策のようですが、具体的には三大都市圏の市街化区域内の農地に対する相続税や固定資産税の宅地並み課税、この問題は言われて久しいのでございますがなかなか実行に移されておりません。そして、一説ではどうも自民党政府は農協団体の圧力が強いのでなかなかこの政策が実行できないと、かようにも承っておりますが、国土庁か建設省、その点事実をお教え願いたいと思います。
○政府委員(藤原良一君) お答えいたします。
 大都市地域の市街化区域内に存する農地の有効利用は、土地政策の上でも非常に重要な課題の一つだと考えております。そういうことで、さきに閣議決定されております総合土地対策要綱におきましても、また昨年末の土地対策関係閣僚会議の申し合わせにおきましても、市街化区域内の農地の利用につきましては、保全すべき農地とそうでない農地の区分を都市計画上明確にした上で、後者の農地につきましては住宅地等への適正な土地利用転換を順次図っていくということにしております。そういう方針のもとに、既に税制調査会でも土地税制小委員会が設置されまして、こういった問題も含めて御審議願っておるところでございます。
 国土庁といたしましても、土地利用の円滑な転換を図る上でも、また公平の確保、そういった観点からもこの農地の適正利用及びそれに関連する適正な課税のあり方について積極的に関係省庁とも御相談してまいりたい、そういうふうに考えております。
○池田治君 ぜひ早期実現をお願いします。
 もう一つの土地政策としましては、大都市の遊休地、活用されていない土地、これの二千平米以上といった大土地に対して課税をする、これも宅地並み課税をして、資産を持っていても余り利益にならない、どうせならもう住宅地として供給しよう、こういう気持ちを起こさせるために大土地保有税というのを新設してはどうか、我々はこういう考えを持っておりますが、これについて大蔵大臣ひとつ御所見をお願いします。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今まで何回か本院でも私は御答弁を申し上げてきたところでありますが、今まで土地政策というものについての基本的な理念が確立しない中で、土地についての税制というものに非常に隘路があったことは委員もよく御了承のとおりであります。今国土庁土地局長の方からもいろいろなお話がありましたように、土地基本法によりまして公共の優先という理念が確立をされました中で、土地に関する政策全体を踏まえた中で税負担の公平を確保しながら、取得、保有、譲渡という各段階における適切な課税のあり方というものが今見直しの対象となっております。そして、税制調査会の小委員会の中で既に本格的な御論議をいただいておりますが、今委員が御提起になりましたような視点からの検討というものも当然私は小委員会の中において議論をしていただけるものとかたく信じております。
 私どもとしては、この問題に限らず土地税制というものを御論議いただく上で、小委員会に二つの視点を持っていただきたいとお願いをしてまいりました。一つは、資産格差の拡大という点から適正な資産課税という視点で土地税制というものを見直していただく観点、もう一つは、大変素朴な言い回しですけれども、先ほど委員も他国の例を引かれて述べられましたように、大都市部においても本当にまじめに国民が働いていけばいつか自分のうちが持てる、そういう夢をかなえるための土地政策というものはいかにあるべきなのか、その中での税の役割はどうあるべきか、こうした二つの視点だけはぜひ根底に据えて税制調査会における御審議もお願いをしたい、そのように申し上げておるところであります。
○池田治君 結構な御審議をお願いしたいんですが、若干これはずれておりまして、もっと早くにそういうことをやっていただければ大きな問題にならなかったと思いますが、今になってはもうサラリーマンというのは大都市圏内のマイホームというのは夢物語です。
 総務庁の住宅統計調査によりますと、東京の持ち家率はわずか四割にすぎないわけです。残りの六割の人たちは賃貸住宅に住んでおります。そして、その家賃が高くて大きな負担となっておる。我が国は経済大国になったと言われておりますけれども、豊かさが実感できない、ゆとりのある生活ができないというのはここらの家賃に苦しまれる勤労者の声がもとになっていると思っております。したがって、賃貸住宅の居住者に対しても月十万を上限とした家賃の所得控除の措置を講じていただければ勤労者全体が豊かさを感じる時代になるんじゃなかろうか、こう考えますが、大蔵大臣の御所見をお願いします。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今委員から立ち上がりが遅いという御指摘をいただきましたけれども、私はそれを否定はいたしません。ただ、一つ御理解をいただきたいことは、例えば非常に大きな敷地を持たれておるおらないにかかわらず、従来私どもが非常に悩みましたのは、例えばその土地で非常に長い間御商売をしてきておられる、そして相当程度の土地を持っておられるその方々が引き続いてその場で商売をしていけるような税制を考えるべきなのか、あるいはその方々が他に移られて宅地を再開発ができるような方向に誘導すべき税制を考えるべきなのか、実は土地基本法ができますまでは常にその二つの考え方のはざまに税制というものは立たされておりました。私どもが土地基本法の御審議に対して非常に感謝をいたしておりますのは、そういった中における公共の優先という一つの基本理念を確立していただいた、その前提のもとで今後は土地税制というものを考えていけるということでありまして、こうした点についての国民的な合意というものが必要であるということについては御理解をいただけるものと存じます。
 そこで、今家賃控除について上限設定をして御提起があったわけでありますが、従来から家賃控除というものについて、これは税理論の上からは食費でありますとか被服費と同じような典型的な生計費というとらえ方をしておりまして、家賃だけを取り出して特別な控除を設けることには基本的に問題があるということをお答えしてまいりました。それと同時にもう一つお考えをいただかなければなりませんのは、上限を設定されましても、一つはより高額所得の方、高い家賃のお支払いにたえられる方ほど有利に働く税制というものはいかがなものかということと同時に、そういう限界設定をすることが逆に家賃の高どまりを招く危険性はないだろうか、こうした心配を私どもは持っております。
 むしろ、先ほど国土庁土地局長あるいは建設省住宅局長が述べられましたような、いかにして宅地の供給を促進しそしてそこを開発していくか、そうした中でやはり国民の需要にこたえる本格的な取り組みの方が優先すべきではなかろうか、私どもはそのように考えております。
○池田治君 宅地供給を促しながら住宅建設も促進しながら上限を定めて家賃控除をする、こうすれば高額所得者ほど利得をするということは考えられないんじゃないでしょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) しかし、やはり上限設定をされました限りにおいて、その上限設定が家賃の高値安定を招くのではないかという懸念、同時にその限界内における高額所得者並びに高額家賃の負担にたえられる方ほどこれが有利に働くということは、私はその範囲内において同様の現象が出ると思います。
 むしろ私どもは、今回見直しをお願いし御審議をお願いしております消費税法案の中におきまして、家賃に対する消費税を非課税にするという手法をもって、家賃の負担をしておられる方々のその家賃のすべてが非課税という形で恩典に浴する方法を講じておるのが一つの考え方として御判断をいただきたいことであります。
○池田治君 ぜひ消費税についても適用除外をさせていただきたい、かように思っておりますが、我々勤労者の立場に立つ者としましては、そう高額負担をして家賃を三十万、五十万払えるような人たちのことは想定しておりません。一般国民大衆というのはせいぜい家賃が五万か十万、この程度のところへ住んでおるわけでございますので、この勤労大衆の立場に立った制度をいま一度大蔵大臣にお考え願いたいと思います。答弁は要りません。
 先日の当予算委員会で自民党のある議員さんは、予算委員会に出席するのに田園調布から国会まで自動車で一時間半もかかると、交通地獄の解消を訴えられました。しかし、一般サラリーマンにとっての通勤は距離や時間の双方においてそんな生易しいものじゃございません。東京圏に住むサラリーマンは通勤で約一時間ないし一時間半、これが普通でございます。しかも満員電車でございまして、朝夕のラッシュは苦痛を伴う通勤地獄を味わいながら来ているわけでございます。
 そこで、運輸大臣は満員電車に乗ったことはございますか、どうですか。
○国務大臣(大野明君) 最近は残念ながらございませんが、学生時代あるいはまた会社へ勤めておった時代は十分経験いたしておりますけれども、当時からやはり今と同様なことは感じておりました。私は、運輸大臣になってから実は視察に行きたいと思って事務当局に言っておるんですが、何しろ予算委員会で縛られておりましてまだ機会を得ませんが、予算が上がったら早速参ります。
○池田治君 予算委員会は十時からだそうですから、朝八時ごろ新宿駅へひとつぜひ行っていただきたい、かように思っております。冗談はともかくとしまして、そういう一般大衆の立場に立って運輸行政を進めていただくことをお願いする次第でございます。
 次に日米構造協議につきまして、総理は所信表明において、日米構造協議における協議事項は前川レポート以来我が国の経済構造の変革を求めて取り組まなければならない問題が多いと言われましたが、国民の間にはこれはアメリカから一方的に押しつけられて貿易赤字解消のためにだけ協議しているものだ、こういう認識が依然として強いのでございますが、総理としての御所信をもう一度お願いします。
○国務大臣(海部俊樹君) 日米構造協議がどのような理由で始まったかということは、それまでのいろいろな日米間の関係を思い起こしていただきますと、例えばスーパー三〇一条の問題なんかはアメリカの立法によって一方的な制裁を背景としての交渉でありますから、そういったものは二国間の関係で応ずるわけにはいかない。しかし、日米関係というのは、世界の自由主義貿易を行っておる国として、世界の経済力の四割近くを日米両国で占めるというお互いに大きな立場と責任を共有するものでありますから、そういったことは一度別の角度からお互いに意見を述べ合って、日米両国の経済の調和を図っていかなければならぬというスタートに立って、このスーパー三〇一条の問題とは別の枠組みとして日米首脳会談で行おうということが決まったのがそもそものスタートでありました。
 委員よく御承知のように、日米の貿易のインバランスが五百億ドルという数を超えておったということは確かに異常であり、それが三年間連続して続いたということでございました。その間日本としても、前川レポートというもので御承知のように内需を拡大しなきゃならぬ、そして輸入を拡大していこう、そうすることが日本が国際化時代にいろいろな国との相互依存関係を高めていくためには必要なことなのだという自覚に立って日本側も努力を続けておったのでありますが、結果として、極めて残念なことに五百億ドルというマジックラインはなかなか消えなかった。過去二年間に六百十億ドルも輸入はふやしたんですけれども、輸出の方もふえておりますから、対米関係だけ例にとっても四百九十億ドルということになっておったわけです。
 そこで、それらの原因をお互いにアイデアを出し合って話し合うことによって両方の納得のいくような認識を得るようにしていきたいということでございますから、双方の努力によって日米の経済関係をまず開かれた市場にして自由なものにしていきたい。それは日本も必要性を既に発見して、前川レポート等によって努力を続けてきたその延長線上に立つわけでありますし、国民生活の質を高めるあるいは豊かさの実感を国民の皆さんに知ってもらうためには、消費者の立場に立ったいろいろな施策等についてもこういったことは構造改善をすべきであるということで一致いたしましたので、鋭意努力を続けてきたところでございます。
○池田治君 経済大国となった我が国が公正な国際社会の一員となるためには、公正な競争原理のもとで経済活動をなさねばならないということは言うまでもございません。と同時に、今までの産業優先、企業優先の政策から、生活者すなわち消費者に配慮した政策への転換も必要であると考えますが、総理の御所見をお願いします。
○国務大臣(海部俊樹君) 戦後の我が国の歩みを見てみますと、豊かになってそして国民生活を欧米先進国並みのものに何とかしていかなきゃならぬというのが国民的合意であり、我々も初めて国会の選挙に臨むころには、先進国に追いつけ追い越せというスローガンのもとに一生懸命努力をしてきたことを思い起こします。
 当時の社会の背景、当時の国民世論の指さす方向というものは、平和な中にもやっぱり豊かな日本をつくれということがあったと思います。そのときの政策努力はそれなりに間違いなかったと私は今でも思っておりますが、ただ、それが御指摘のように世界で大きな立場と責任を負わなきゃならぬ立場になってまいりますと、日本だけが小ぢんまりとつじつまを合わせて自分の国のことだけ考えておったんでは世界経済に与える影響も大きいわけですから、国際的なルールに従った開かれた経済国家としての責任を果たさなきゃならぬという委員の今御指摘の考え方も私は同感でありまして、やっぱり国にとって物を生産するということは基本的に大切な基盤でありますけれども、同時に、国民のすべてがある意味では消費者でありますから、すべての消費者の立場に立って、せっかく豊かになったならばその実感の伴うような消費者の立場に立った施策も大いに行うべきである。私も全く同じ考え方で政策努力をしておるところでございます。
○池田治君 ありがとうございました。
 そこで、アメリカから構造的障壁として改善を求められた内外価格差の解消、流通制度の改善、企業系列の関係、排他的取引慣行の排除等、これは皆独占禁止政策に関係することばかりでございまして、中間報告によりますと、独禁法の運用改善、公取の審査部門の増員、機構の拡充、予算の増額などが記載されて、努力されることが約束されております。ところが、具体的な法律改正につきましては、独禁法違反の課徴金の引き上げが予定されているだけでほかのものは何一つ予定されていないと理解しておりますが、これで間違いはございませんでしょうか。
○政府委員(梅澤節男君) 独占禁止法の問題につきましては、今おっしゃいましたように、今回課徴金を中心とする法律改正が政府として予定されておるわけであります。当面、残余の独占禁止法の改正問題は予定されておりません。私どもはあくまで運用を強化することによって対応したいというふうに考えております。
○池田治君 課徴金はどの程度に引き上げを予定されていますか。
○政府委員(梅澤節男君) 具体的な制度の内容につきましては、これはいずれ最終的には立法府で御決定いただく問題でございますけれども、政府の作業といたしましてはこの課徴金の現行制度の法律性格の問題、それから課徴金の効果を発揮するためにどういう制度の仕組みがいいのか、いろんな問題を含んでおりますので、私どもは関係方面とも十分連絡をとりつつ、やはり専門家、学識者の濃密な意見あるいは御討議を経て政府案というものがつくられることを希望いたしております。
○池田治君 学者の意見をお聞きになるのも結構ですが、消費者の意見も聞いてひとつ決定していただきたい、かように思っております。
 次に、独禁法二十五条は違反行為者に対する損害賠償制度が規定されております。ところが、消費者である原告が勝訴したためしは一例もない、こんな規定でございます。裁判を行うことができるといっても、全部負けてしまうような規定を置いたんでは何のための法条文かわかりません。裁判を起こしても時間と労力と費用がかかるだけであとは何も残らぬという制度をごまかしに残しておるだけでは意味がないと思いますが、この制度も改正する予定はございませんか。
○政府委員(梅澤節男君) 現在の二十五条の規定は、準司法機関と言われる公正取引委員会の審決が行われました事件について、一般の民法の不法行為による損害賠償とは異なりまして無過失賠償責任、同時に損害額について裁判所は必ず公正取引委員会に意見を求めなければならないということで立証責任の負担の軽減を図る、そのことによってひいては違反行為に対する抑止力を高めるというのが立法趣旨でございます。
 おっしゃいましたように、余り長くならないように申し上げなければならないと思いますけれども、この二十五条による訴訟事件というのは、現在まで件数で言いますと延べ約九件でございますが、中身を見ますと訴訟適格等がないということで却下されたものもございまして、実質上は四件が内容について裁判になった。そのうち二件は判決に至るまでに和解、あと二件はおっしゃいましたように原告敗訴ということになっております。
 この制度自身は民法の特例として簡易、迅速かつ公正な救済を図るという制度でございますから、我々としてはむしろ今後学説とか判例の発展にまたなければならない部分もございますけれども、この制度を生かすために公正取引委員会は一体何をなすべきかということが現実問題として一番大事だと思うわけであります。先般の委員会でもお答えいたしましたけれども、現在学者だけによる研究会をつくってもらっておりまして、この六月にはその報告が出ます。その場合に、裁判所から実損額に対する意見を求められた場合に公正取引委員会として具体的にどういう対応をすべきかということなどを中心にその報告をいただきまして、早速今の制度を実効あらしめるために公正取引委員会としては何をなすべきかということを中心に私どもは考えるべきであるというふうに考えております。
○池田治君 何をなすべきであるか、それはしかし、取引委員長、何をじゃだめだから、私はこういうことをやりたいと思うという所信があろうと思いますが、お答え願います。
○政府委員(梅澤節男君) これは今研究会で議論してもらっている話でありますから、その内容について申し上げる立場にはありません。
 ただ、私どもが期待しておりますのは、実際に裁判所から実損額についての請求を受けた場合に、例えばこれはアメリカの判例法等ではかなりこの実損額についての考え方が判例的に定着をいたしております。そういったものも視野に入れて今議論してもらっておるわけでありますから、具体的に裁判所から損害額の請求があった場合に公正取引委員会としては制度の趣旨に沿ってどのような意見を申し上げるべきか、それが被害者の救済に役立つものであるとすればそれは実行していく、こういうことでございます。
○池田治君 なかなか公取委員長も慎重で御発言なさらないようでございますが、まず、今訴えを提起するには公取の審決を経なければ裁判上これが主張できない、これが民事関係でございます。消費者がこれを自由に提訴できるような法改正をしてはどうかと考えます。
 もう一つ、ちょっと飛びますが、告発を前提としなければ刑事手続は開始しません。その告発というのは公収の告発でございます。これも公取の告発をやめてこれは消費者に自由に告発もできる、民事賠償の請求もできる、こういう改正をしたらいかがかと私は思っておりますが、御所見をお承りします。
○政府委員(梅澤節男君) せっかくの御提案でございますけれども、私は幾つか問題があると思います。
 まず最初におっしゃいました消費者が自由に裁判を請求できる、これは現在でもできるわけでございます。民法七百九条の損害賠償の請求ができるわけであります。二十五条の規定は、公正取引委員会の審決があった場合に無過失賠償責任、あるいは先ほど申しました実損額の問題等について立証責任が軽減されているというところにこの制度の特色があるわけでありまして、この制度を有効に活用するために基本的には判例等の発展も私は期待すべき面があると思いますけれども、行政庁たる公正取引委員会としては何をなすべきかということを真剣に考えるのが一番現実的であるということを先ほど来申し上げているわけであります。
 それからもう一つ、告発の問題でございますけれども、これはあるいは半分は法務省当局の問題にもかかわるわけでありますけれども、現在の独占禁止法における公正取引委員会の専属告発権というのは、先ほど申しました準司法機関としての公正取引委員会の審決というものを中心に、それによって検事総長に公正取引委員会委員長が告発をする、そのことが起訴条件になっておるわけでございまして、これは今後とも、現在法務省当局とも具体的な運用について協議をいたしておりますけれども、重大な国民生活あるいは国民経済に影響のあるものにつきましては積極的にこの告発権を行使するという方向で今準備をしておるわけでございます。
○池田治君 刑事手続についてもいろいろ考慮されているようですが、まず私は、この刑事告発について、公正取引委員会が検事総長に告発して検察庁が捜査して起訴する、不起訴の場合は検事総長が不起訴理由を文書でもって法務大臣を経由して内閣総理大臣に報告せねばならない、こういう規定がございます。このような厳格な手続がどうして必要なんだろうかと不思議に思っております。
 我々は政治家でございますので、違反を起こせば公職選挙法違反事件というのに問われます。これは選挙の公正を害しひいては民主主義の根幹を揺さぶるものだとされておりまして、これまた重大な犯罪でございます。独禁法違反というのは経済自由市場の秩序を乱した犯罪でございまして、これまた重大な犯罪でございますが何ら公選法違反とその犯罪性において私は変わりない、こう思っております。それをなぜ仰々しく公取の事件だけは法務大臣を通じて不起訴の場合総理大臣に報告せにゃいけないか、ここまで固める必要があろうかと思っております。これを公取委員長の御所見をお願いします。
○政府委員(梅澤節男君) この制度の趣旨は、若干私は委員の理解とは異なるわけでありますけれども、専属告発権と申しましてもその告発権が起訴を強制する権限はないわけでございます。それはあくまで検事総長が御判断になる問題。したがいまして、もし不起訴という判断をされる場合には内閣総理大臣にきちんとした理由を示すということは、検察の方も公取の告発に対して厳正な処理をするという私はむしろ制度上の歯どめとしてあの規定はあるんだろうと思っております。
○池田治君 私の質問には答えになっておりません。
 法務大臣、どう考えますか。
○国務大臣(長谷川信君) 委員お尋ねの点につきましては、法律問題が中心になっておりますので、まず法務省の刑事局長を出席させてありますので、一応お聞きをいただきたい。その後、また若干もしあれば私からお話しいたします。
○政府委員(根來泰周君) 御承知のように、刑事訴訟法の二百六十条と二百六十一条に告訴・告発人に対する検察官の通知というのがございます。それにパラレルな一つの制度だと思いますが、問題は、こういう独禁法違反というのは要するに公正な事業活動あるいは消費者保護を図るという専門家の立場の告発でございますから、それに対する回答をきちっと出すということでそういう制度が設けられているわけでございまして、その制度があるから検察がまあ手を抜くというよりもむしろ厳正にやるという先ほどの公取委員長のお答えが正しかろうと思っております。私どもの方はそういう制度を踏まえて適正に対処するつもりでおります。
○池田治君 何だか聞いていると、検察官が普通の事件で不起訴にしたのは公正じゃないから勝手に不起訴にした、公取の場合は公正を担保せにゃいかぬから総理大臣に報告が必要だ、こういうように聞こえますが、そのとおりですか。
○政府委員(根來泰周君) 先ほど申しましたように、告訴・告発事件については本人にするわけでございます。この独禁法違反の事件につきましては公正取引委員会から告発があったわけでございますから、その所轄をしておられる総理大臣に不起訴の理由を言うというだけでございまして、その辺は制度としては整合性があると思います。ただ、先ほど申し上げたのは、そういう専門的なお話でございますから、あるいはそういうことについては公正取引委員会が刑罰をもって臨まなければならないという御主張でございますから、それに対する回答としてきちっと回答を申し上げる、こういうことでございます。
○池田治君 納得できませんけれども、時間がございませんので次に移ります。
 昭和五十六年九月、公正取引委員会が静岡県の建設業団体に対して、談合による違反事件で立入検査をして、翌年九月、勧告審決をされて課徴金の納付を命じられた事例がございます。これが政治問題化しまして、建設業界の強い働きかけで自民党独禁法特別調査会が建設業界に対する独禁法の適用については適切な配慮を加えるべきであるとの希望表明をしたことに対して、公取の方は翌翌年の五十九年、「公共工事に係る建設業における事業者団体の諸活動に関する独占禁止法上の指針」というガイドラインを発表されました。
 これによりますと、競争入札の場合、資材の価格等積算の基礎、発注予定工事に関する情報等の話し合いは独禁法違反にならない、こう書かれています。この許容された情報交換活動というのは余りにも抽象的表現であって、情報交換という名のもとに入札価格や入札予定価格を話し合う機会をつくるもので、これが談合的体質を温存する原因になった、こう言われております。現にこのガイドラインを発表した後、昨年の横須賀米軍基地建設に関する談合がアメリカによって告発されるまで何ら公取の審決事件がなかったということは何か後ろ暗いものを物語っておると思いますが、このガイドラインを再検討する用意はございませんか。
○政府委員(梅澤節男君) 現在のいわゆる建設事業団体のガイドラインでございますけれども、これは今委員がおっしゃいましたように自民党の独占禁止法調査会でございませんで、五十七年に建設業等の契約問題に関する小委員会というところから今おっしゃいましたような趣旨での各省庁に対する要望がございまして、これを受けましてこのガイドラインが五十九年にできたわけであります。
 これは巷間たびたび誤解があるわけでありますけれども、一般的な事業者団体のガイドラインというのがその数年前にできております。ここでは入札予定価格の決定それから受注者の決定というものは独占禁止法に違反するという一般ガイドラインがございまして、この建設業のガイドラインはむしろ建設業者の実態を見ますと中小企業者が非常に多い、それからもう一つは単品の請負市場であるというところで普通の商品取引と非常に違う、それから公共事業の場合にはそのほかに入札制度等がございまして、特殊な業態であるがゆえに特に中小企業者に独占禁止法の違反が行われないようにその正しい知識をわかりやすく示すというのがこのガイドラインの性格でありまして、このガイドラインが独占禁止法の運用を緩和するという趣旨のものでないことは過去の経緯から見ましてもそうでございますし、現在の文言を読みましてもそのこと自体に私どもは問題があるとは考えておりません。
 ただ、委員の今の御指摘の問題でありますけれども、ただいまたまたま我が国の公正自由な競争秩序をわかりやすくしかも透明性をもってルールを確立する、その作業を今検討委員会でやってもらっておるわけでありますけれども、その場合に基本的な考え方は変わらないといたしましても、とにかくわかりやすく明確にということで、各種のガイドラインの見直しあるいは作成作業をこれからやります。その過程におきまして、建設業のガイドラインあるいは一般事業者のガイドラインも含めまして、わかりやすくという観点からもし見直すべき点があるとすればこの機会にいろんな作業に取り組むということは考えておるわけでございます。
○池田治君 ガイドラインの見直しをぜひ行っていただいて、公取の立場からは何ら後ろめたさは感じられていないかもしれませんが、ガイドラインを発表して以来昨年のアメリカによる談合が摘発されるまでの間一件も審決事件がなかったというところが問題でございますので、その点も考慮して公正な取引と公正な競争のできるような公正取引委員会の運営であってほしいとお願いしまして、私の質問を終わります。
○委員長(林田悠紀夫君) 以上で池田治君の質疑は終了いたしました。(拍手)
 午後一時まで休憩いたします。
   午前十一時五十七分休憩
     ─────・─────
   午後一時五分開会
○委員長(林田悠紀夫君) 予算委員会を再開いたします。
 平成二年度総予算三案を一括して議題といたします。
 それでは、これより勝木健司君の総括質疑を行います。勝木君。
○勝木健司君 海部総理、党首会談御苦労さんでございます。まず冒頭に、この党首会談のねらいは一体どこにあるのか、お伺いをしたいというふうに思います。
○国務大臣(海部俊樹君) 各党の党首の皆さんに私の方から、過日選挙制度審議会からいたださました答申の内容についてお話をし、そして御理解と御協力と御指導をいただきたいということでお呼びかけをしましたところ、きょうこの時間に二党、それからこの委員会が終わった後ですべての党首の方が応じてくださいますから、誠意を持って御説明をし、御理解をいただきたい、こう思っておるところであります。
○勝木健司君 選挙制度改革につきましては、やはり国権の最高機関である国会の構成を決めるという意味で、民主主義にとって最も重要な制度であろうというふうに思います。したがいまして、その改革に当たりましては、消費税のときにもありましたように、拙速を避けて、国民の合意形成を図りつつ正しい手順をとって進めていくべきだというふうに私は考えるわけでありますが、総理の見解をお伺いしたいというふうに思います。
○国務大臣(海部俊樹君) 政府は、各界の代表の皆さん、そして有識者の皆さんに選挙制度審議会にお集まりいただいて、そこで精力的な御議論をいただいた答申をいただきましたが、事は議員の皆さんのお立場に関する極めて重要な問題でありますから、私もそのことは御指摘の趣旨と同じような気持ちで考えて、特にきょう私からは党首の皆さんに直接お願いもいたしますし、同時に、国会で各党各会派の皆さん方がこれらの問題についても十二分に御論議をいただきますように、前向きに、建設的に御議論を賜ればありがたい、こう思っておるところでございます。
○勝木健司君 各党首の皆さん方の御反応はいかがでございましたか。
○国務大臣(海部俊樹君) それはまだ途中の段階でございますので、ここでお答えしちゃう方とお答えできない党とができてもいけませんし、私の受けとめ方をここで一方的に申し上げてもやっぱりいけませんので、これは各党首の皆さんがそれぞれ帰って記者会見をなさいましょう。ただ言えることは、お金のかかり過ぎる選挙を政策本位、政党本位の選挙制度にしていきたいという審議会の皆さんの答申に対して、私がそのことを御説明しましたところ、その点については皆さん認識は一致で、なるほどお金がかかっては、これ以上かかるのはよくない、対外的にも政治改革はしなければならないというところの意見は一致でございますが、その先についてはいろいろございましたので、ここで申し上げることは差し控えさせていただきたいと思います。
○勝木健司君 海部総理は、不退転の決意でこの選挙制度改革を行うというふうに言明をされておりますけれども、この現行制度下の定数の抜本是正、これは違憲状態となっておるわけでありますので、昭和六十一年五月の国会決議を無視してまでもこの選挙制度審議会の答申に沿った改革を行うおつもりなのか、お伺いしたいというふうに思います。
○国務大臣(海部俊樹君) そのことにつきましては党首会談でも議論に出ましたので率直に申し上げましたが、国会決議の趣旨や精神を無視するのじゃなくて、私は、審議会の答申をよく見ますと、我々の常識の中では今日まで一対三以上に格差が開くことが憲法違反の疑いがあるという御指摘を受けてきましたから、それを直していかなきゃならぬというので随分一対二・九五におさまるとかなんとか努力をしてきたんですが、審議会の答申はさらに踏み込んで選挙区ごとに一対二以内におさまるようにせよと、こうなっております。
 それから、定数の問題にしましても、今五百十一名でありますけれども、審議会の答申は五百名程度と、これも身を削る努力を我々がしなきゃならぬということをきちっと示しておられますから、国会決議のときの趣旨の内容、方針、定数の問題、いろいろ含めて、これは最大限に尊重してこれの実現をするということは、その趣旨、精神を踏まえてそこに含まれておるものだと私は受けとめさせていただいております。
○勝木健司君 共通のルールづくりでありますこの選挙制度の改革ほど、一党一派とか党利党略で行ってはならない問題だというふうに思うわけでありまして、定数の抜本是正、あるいは政治倫理法、政治資金規正法等の政治改革関連法案の策定とか、あるいは将来の選挙制度のあり方をテーマといたしまして、今後の政治とか選挙制度改革について、やはり党首会談もその一歩だというふうに思いますけれども、与野党間における協議する場を設けて進めていく必要があるのじゃないかというふうに思うわけでありますけれども、総理の見解を承りたいというふうに思います。
○国務大臣(海部俊樹君) この審議会の答申をきょうよく御説明もさせていただきましたけれども、政治改革というものはやはり政治家一人一人が政治倫理をきちっと確立するということに大前提は尽きるわけでありますけれども、制度、仕組みの中で、今の制度というのは諸外国、特に先進工業国でこういう制度で選挙をやっておるところはないわけでありまして、政策本位、政党本位の選挙戦になっておらないというところの御指摘が答申の中にきちっと出ております。ですから、政治倫理の問題は御指摘のとおり、それから選挙制度の問題、それから政治資金の問題についても厳しく触れてございます。
 引き続いて、選挙制度審議会の方で、政党というものが公の仕事をしておるときに、例えばアメリカの政党に、あるいはアメリカの議員に公的補助がどのように行われておるのか、ヨーロッパでどのようなことになっておるのか。それらの政治活動の公的な面をとらえて公費の助成がされておる。この審議会の答申はそれを踏まえて、企業と個人と、あるいは団体や組合と個人との政治資金の関係は、これは断ち切るようにしたらどうかというような指摘もなされておるわけでありますから、相当幅広く奥深く政治改革の問題についての議論をおやりにならなきゃならぬ内容になっております。
 私は、今政治改革をやらないで今のままでいい、制度も仕組みも、お金のかかり方も、公的な面についての関与も今のままでいいとはどうしても思いませんので、この議会百年の節目に各党の皆さんで十分御議論もして、これに対して前進を続けていっていただきたいという願いを持っておりますから、各党間の協議機関ということになりますと、これは国会において各党、各会派の皆さんで十分にお話し合いをいただいたらいいのではなかろうか、こう考えております。
○勝木健司君 我が党の考え方は、今夕方、党首会談が開かれるということでありますので差し控えたいと思いますが、よろしく慎重に運んでいただきたいというふうに思うところであります。
 次に、新行革審の最終答申にもありましたように、国民負担率の問題でございますが、財政制度審議会また臨時行革審議会等々の報告によりますと、国民負担率の抑制あるいは国債依存度の抑制等々が盛り込まれておるわけであります。ところで、平成元年度の国民負担率が三八・八%から三九・九%に上方修正をされておる、しかも平成二年度は四〇・四%と初めて四〇%を超える見通しであるということであります。
 ここで、臨調答申ほか各答申にある国民負担率は五〇%をかなり下回る水準というのは一体どの程度を考えられておるのか、お伺いしたいというふうに思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) これはもう今さら申し上げるまでもなく、租税負担と社会保障負担とを合わせまして国民負担の今後のあり方として考えてまいります場合に、究極的には国民が必要とされる公共支出の水準と裏表ということになります。受益と負担のバランスを眺めながら、最終的にはその折々の情勢の中で国民の御選択ということにならざるを得ません。ただ、今後の高齢化社会の進展というものを考えてまいりますと、国民負担率は長期的にはある程度上昇していくものとこれは考えられます。
 そしてまた、今委員が御指摘になりましたように、行革審としては五〇%を下回る程度という目標を示しておられるわけであります。これは私はなかなか大変な課題だと思いますけれども、我々はこの課題を守るために全力を尽くさなければなりません。やはり本格的な高齢化社会というものが参りましても五〇%以下というためには、少なくとも我々は財政運営の立場から考えます場合に、公債依存度の引き下げを図る努力をすること、同時に特例公債の早期償還に努めて国債残高の累増を抑えていくこと、国と地方の歳出のあり方を常に見直しその規模を極力抑制する努力を必要とすること、さらに社会保障につきまして、受益と負担の公平という視点から十分な検討をしながら絶えず制度、施策の見直しを行う努力というものを我々はしなければならないと考えております。
 今委員が御指摘になりましたように、平成二年度において四〇・四、非常に高い水準になってきている。従来の我が国から見ればそのとおりでありますが、しかし幸いにまだ先進ヨーロッパ諸国の水準よりははるかに低い水準にあるわけでありまして、今後ともに施策全体の見直しを図りながら、五〇%を超えるといった事態を招かないための努力をしていきたい、そのように考えております。
○勝木健司君 五〇%をかなり下回る水準とは一体どれぐらいを想定されておるのか、お伺いしたい。どれぐらいの水準なのか、具体的に。
○国務大臣(橋本龍太郎君) ちょうど臨時行政調査会が発足をいたしまして、たしか第一次の答申を出されました直後に、本院でありましたか衆議院でありましたか忘れましたが、当時参考人として出席をされました瀬島龍三委員が、その当時としては、二十一世紀初頭において四〇%そこそこ、四〇%台の半ばというような言い方をされたんではなかったかと思っております。
 いずれにいたしましても、やはり私どもとしては、第二次臨調の答申において将来の国民負担の目標というものが示されました当時から今日までの足跡をたどりながら、努力を積み重ねていくということであります。
○勝木健司君 政府はまた一方では、昭和六十三年の五月に経済運営五カ年計画を閣議決定されておるということで、その中で国民負担率について、二十一世紀初頭においては四〇%を上回るものというふうに考えられるけれども、計画期間中はその上昇を極力抑制するというふうにうたっておるわけでありますので、最近の急上昇はこの閣議決定に反するものというふうに思われるわけですけれども、反しないものかどうか。どういう認識をお持ちなのか、お伺いしたいというふうに思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今委員が述べられましたような考え方、あるいは新行革審の最終答申が掲げました目標、すなわち高齢化のピークが到来すると思われる二〇二〇年ごろにおきましても五〇%を下回れという目標は、既に平成二年度見込みの水準が四〇%強という状況を考えますと、今後の高齢化の進展等のピッチを考え合わせますと非常に厳しいものでありますし、その目標達成についてはなかなか大変なことであると思いますけれども、私どもはやはりこうした数字を常に頭に置きながら、究極的には国民が必要とされる公共支出の水準と表裏をなすものとして今後とも努力をしてまいりたいと考えております。
○勝木健司君 ここで大きな課題として、国民負担率を抑制していく、そしてまた、健全財政の確立ということが言えると思いますけれども、最近の税収見積もりによる大幅な決算剰余金、これを国債償還に優先的に充てるということにすれば財政は当然健全化するわけでありますけれども、また一方では税の取られ過ぎということで、この方面から手をつけないでいると租税負担率は高くなるんじゃないかということで、国民負担率はおのずから上昇をしていくということだろうというふうに思います。
 そこで、整合性のとれた財政運営というものを実現するためには、やはり国と地方とそして社会保障基金をカバーする、そういう財政運営計画というものが必要じゃないかというふうに思うわけでありますので、その点につきましての御見解をお伺いしたいというふうに思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 毎年度の税収見積もりを策定いたします場合、見積もり時点における政府経済見通しなどをもとにして利用可能な資料を最大限活用しながら努力をしてまいったところでありますが、今委員から触れられましたように、このところの数年間、大幅な税収の見積もり誤りが生じておりますことについては今までにも本院においておわびを申し上げましたけれども、その見積もり誤りそのものについてはおわびを申し上げなければなりません。
 しかし、経済情勢などが当初全く予見できなかったような変化をした場合におきまして、なかなか当初予算の編成時点で予見できないような税収の増減、これは増ばかりではございませんで減の場合もかつてあったわけでありますが、増減を生じる可能性というものは否定できないわけであります。私どもとしては最大限確実な税収見積もりをするその努力を傾けた上で予算編成をしておるわけでありますけれども、結果として当初予見し得なかった税収増というものが決算剰余金として出てまいりました場合には、これは委員御承知のように、財政法六条の規定で二分の一を下らない額は翌々年度までに公債の償還財源に充てなければならないということであります。
 またさらに、先般の財政制度審議会の報告におきまして、国債残高の累増抑制のための一つの方策として、「決算剰余金について全額国債整理基金繰入れを行う等当初予算において見込み得なかった財源が生じた場合には、特例公債の償還財源として活用を図る」べき、こうした御指摘もいただいているわけであります。そして、私どもとしては、やはり公債残高の累増に何らかできるだけ早く歯どめをかけたいという気持ちは持っておりますから、やはり適切な活用を図ってまいりたいと考えております。
 何と申しましても、今後の財政運営を考えます場合に、今後の高齢化社会が本格化するその時期に多大の負担を残さない、そして特例公債に再び頼ることのない財政構造をつくる、そういう視点から全力を尽くしていかなければならないと考えておりまして、委員の御指摘と多少方向を異にするかもしれませんが、私どもとしてはそのように考えているところであります。
○勝木健司君 高齢化社会がどんどん進んでいくそういう過程の中では、ある程度の社会保障負担の上昇というのは確かに避けられないというふうに思います。しかし、そういうことであっても、租税負担率の引き下げないしは凍結の方針というものも打ち出してもしかるべきじゃないかという考え方もあるんじゃないかというふうに思うわけでありますけれども、見解をお伺いしたいというふうに思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) これは率直に申しまして、理論的に私は凍結というものができないとは申しません。しかし、それは相当多大な影響を各方面に与えるということをお互いに理解の上でなければできないことであろうと思います。
 今、私は正確な数字を記憶いたしておりませんけれども、仮に凍結あるいは水準を切り下げるということを仮定いたしました場合に、今、年々年金の受給者の数はふえておるわけでありますし、年々その一人一人の年金受給者の加入期間は延びております。また、新たに老人医療の対象になられる年齢の方々の発生数というものも相当程度に上ります。そうして、新しくふえてきます方々の数というものを頭に置きました場合にも、我々は国民負担率の上昇をできるだけ抑えていく努力というのが限界であり、凍結あるいは切り下げということになりました場合には、制度の仕組みまでメスを入れての検討を必要とすることになり、それは例えば年金受給者の生活に多大の影響を及ぼす、あるいは老人医療の質の低下につながりかねない、そういった問題を招く危険性を私としては心配せずにおれません。
○勝木健司君 国民負担率を抑制して健全財政を確立していく、このバランスの問題だろうというふうに思うわけでありまして、健全財政の確立のために全部そちらの方に回すんだという考え方よりも、国民負担率も抑制していくということであれば、決算剰余金が生じた場合にはそういう方策も打ってしかるべきじゃないかということで私は質問しておるわけでございます。
 時間の関係で次に進ませていただきたいと思いますが、高齢者保健福祉推進十カ年戦略というものが出されております。大々的に政府は宣伝をされて、選挙宣伝も含めて宣伝をされておりましたけれども、本質的にはやはり既存の施策の羅列じゃないのかというふうに思います。
 そこで、この十カ年戦略の性格は一体どういうものなのか、また政策上の位置づけはどういうふうになっておるのかということを簡潔にお伺いしたいというふうに思います。
○国務大臣(津島雄二君) 我が国社会が当面しております問題の中で、国際化への対応と並んで最大の課題が高齢化に対する対応でございます。そのような認識に立ちましてこれからの十カ年間、二十一世紀までの間に国民にまずまず評価し、安心をしていただけるような体制をつくろうということで打ち出しましたのが高齢者保健福祉推進十カ年計画でございます。
 これは七つの柱になっていることは御承知のとおりでございまして、特にその七つの柱の中で力を入れておりますのは、在宅のお年寄りに対する介護に力を入れょう、まあ俗な言葉で申しますと介護の出前をさせていただきたい、そして家庭機能はこれからも重視をしてまいりますけれども、家庭機能にばかり依存できない点については社会のお互いの助け合いでやっていこうという考え方でございます。
 この十カ年戦略は、個々の七つの個別政策の羅列ではないかという御指摘でございますが、私はそう思っておりませんので、全体として貫く精神はやはり総合的な対策、つまり片方では高齢化に伴ういろいろな科学的な研究をすると同時に、各種の制度について、少し思い切った言い方をさせていただきますと、国民の皆様方の意識改革までしていただいて高齢化社会に備えていただきたいという一つの線が貫かれておると同時に、もう一つは、やはり地域社会を重視したいという考え方でございまして、老人福祉法を今提出させていただいてございますので、これはいずれ当院においても御議論いただきたいと思いますけれども、それぞれの地域社会におきまして皆様方の創意工夫を発挿していただいて、それを国が育てていくということから日本型の福祉を定着させたいという考え方がもう一つ貫かれていると思います。
 こういうことで、我々としては全体として成功に導かなければならないということで取り組んでおりますので、どうか御理解をいただきたいと思います。
○勝木健司君 余りよくわかりませんけれども、この計画が戦略というふうに名づけられている以上、その戦略がある以上は具体的に裏づける戦術というものもあろうというふうに思うわけでありますが、この戦略を実現させる具体的な将来の見通しについてお伺いをしたいということで、特に先ほどもありましたように、在宅介護の問題でマンパワーの確保ということが問題になろうかというふうに思うわけでありまして、計画的にそれを行わなければ一方的にしわ寄せというのが地方に及ぶことになるんじゃないか。そしてまた、この平成二年度におきましてはその計画が示されておりますけれども、平成三年度以降の明確な段階的な実施計画が示されておらない。そういう実施計画を示すことが必要じゃないかというふうに思うわけでございますので、この段階的な実施計画、戦術というものもお聞かせをいただきたいというふうに思います。
○国務大臣(津島雄二君) 十カ年戦略はいよいよ本年度から十カ年の目標を掲げて出発したわけでございまして、まず本年におきましては、予算でお願いしております初年度の施策について御理解をいただくということでございますが、今後の各年度における実施計画につきましては、事業の進捗状況を勘案しながら毎年具体的に設定をすると同時に御議論をいただく、そして十カ年の目標の実現に逐次前進をしていくという考え方でございます。
 私の考え方を申し述べさせていただきますと、十カ年というのはかなり長い期間でございますから、中途の適当なときにおきまして、その目標全体がどうだろう、達成できるであろうか。それから、先ほどから御議論ございます負担との関係でございますね。それから同時に、年金とか医療保険とか大きい制度の改善がこれからも行われる。そういうことを勘案しながら、やはりトータルでもう一遍達観してみるという機会があってもいいんじゃないかというのが私の個人的な考え方でございます。
○勝木健司君 十カ年戦略の直接の担い手はやはり地域住民でありますし、そしてまた身近な市町村であろうかというふうに思うわけでございます。
 そこで、権限とか財源というのは国に今握られておるということでありますので、市町村では各種の自主的な施策はなかなか実行しにくいというのが現実じゃないかというふうに思うわけでございます。そこで、市町村に単に責任のみを押しつけるという意味ではなく、各市町村が各地域の実情に応じて対応ができるような権限、財源というものを考えていかなければ絵にかいたもちに終わるんじゃないかというふうに思うわけでありますが、それについての考え方をお聞きしたいというふうに思います。
○国務大臣(津島雄二君) 本計画の推進に当たりまして、市町村そしてまたそれぞれの地域社会の状況を尊重しながら進めていただきたいという委員のお考えでございまして、私も本当に意を得たというか全く同感でございます。実はこの問題が老人福祉法のこれから御議論いたださます法律改正のときにやはり最大の焦点になりました。地域計画を出してください、それから将来にわたりまして、例えば福祉施設への入所権等について、市町村に大幅に権限を移してひとつ積極的にやってくださいという反面、財政的にはどうであろうということでいろいろ御議論がございましたけれども、自治省の方の御協力も得まして、現在では、現在の市町村の財政で対応できるように進めていっていただける、御協力をいただけるということでございますけれども、今後とも折に触れて市町村財政が対応できるような角度からの御議論はしていかなきゃならないなというふうに私は今考えております。
○勝木健司君 今回の十カ年事業では、在宅福祉事業の実施主体を全市町村に普及させることについては、従前には市町村主体でやるべきだというふうに言われておったわけでありますけれども、今回のこの計画では財団法人たる公社等によるものということに変更されておる意図はどこにあるのか、お伺いしたいというふうに思います。
○国務大臣(津島雄二君) 委員御指摘の公社のやり方でございますけれども、これは大都会におきまして地域社会の創意によりまして福祉公社をおつくりになって、そしてそこで在宅の介護をおやりになる。また、私も非常に感心をしたのでございますけれども、まだお元気なうちは無料で介護される、その介護された時間を貯金をしておきまして、登録をしておきまして、万が一自分がそういうサービスが必要になったときには今度は無料でサービスをしていただくというような、まさに地域ぐるみの工夫をしておられる。私は非常にこれを高く評価しておるわけでございます。
 ただこれは、それを導入された地域、例えば東京都の武蔵野市等でございますけれども、こういう地域では非常に適切な進め方であると思いますけれども、しかしそれはあくまでも地域社会の創意工夫でやっていただくことでございまして、例えば全国の多くの郡部において同じ方法がそのまま妥当するとは思っていないわけでございまして、言ってみれば地域社会の工夫の一つのあり方としてそういうものも評価をするというふうに受けとめていただきたいと思います。
○勝木健司君 地域によって福祉の重点はすべて違うんじゃないかということで、国の計画を押しつけていく、あるいは補助金で縛るということじゃなしに、各市町村が計画をつくって国が後押しをするという姿勢が必要だと考えるわけでありまして、そういう考え方からいきますと、ふるさと創生資金もありましたように、例えば高齢者対策に自由に使える財源を高齢者創生事業のような形で一億円ずつ全市町村に出すとか、あるいは高齢者一万人当たり一億円ずつ出すとか、そういう工夫をすべきであるというふうに考えるわけであります。そういった意味で、市町村により福祉対策の進んでいるところとおくれているところもあるわけでありまして、予算の使途も確かにおのずから違うわけでありますので、例えばそういうことも考えられるんじゃないかというふうに思うわけでありますけれども、これについての考え方をお伺いしたいというふうに思います。
○国務大臣(津島雄二君) 十カ年戦略の柱になりまする在宅の公的サービスを大幅に拡充するというのは新しい分野の仕事でございますから、そういう意味において市町村の財政について格段の配慮が必要だという委員のお考えについては十分理解ができるところでございます。
 私どもは先ほど申し上げましたように、一応出発点の現在の段階では、市町村財政で、あるいは地方財政全体で対応していただけるということでございますが、さらにこのたび創設を予定しております長寿社会福祉基金というものを活用いたしまして、地域性や創意工夫を生かした民間団体や住氏参加型のモデル事業に資金面で協力をする。この間の補正予算までで七百億の蓄積を認めていただいているわけでございますから、これの運用益を生かすという面でそういうことを積極的にやりたい。それからまた、将来、地域の実情に応じた高齢者対策が促進できるようにきめ細かい対応をしつつ、これから検討してみたい。そういうこの基金の利用によって何か市町村のお仕事をお手伝いできる面はないだろうかということも考えてまいりたいと思っております。
○勝木健司君 この十カ年戦略が実現できるかどうかということは、やっぱりマンパワーの確保あるいは福祉需要の喚起、そしてまた地域事情に応じた福祉対策がポイントになってくるだろうというふうに思うわけであります。
 まず、このマンパワーの確保についてでありますが、今後十年間で十万人のホームヘルパーを確保するということがうたわれておりますけれども、現状の実人員、常勤非常勤の割合についてはどうなっておるのか。そして、現在この求人難の時代に果たして目標を達成することが本当に可能なのかどうか、お伺いしたいというふうに思います。
○国務大臣(津島雄二君) ホームヘルパー十万人という目標が、確かに柱であると同時に一番難しいところだと思っております。現在の数は、昭和六十三年度末現在で二万五千八百六十人ということになってございます。なお、予算数字は二万七千百五人ということでございまして、元年度では予算で三万一千四百五人というものをお願いしておるわけでございますが、毎年着実に増加をしておりますので、これを期待していかなければならないと思っております。しかし、同時に大変な労働力不足が予想されるわけでございますから、待遇の改善その他勤務形態の工夫等をいたしまして、相当の努力をする必要があるというふうに思っております。
○勝木健司君 今の現状のトレンドでは、なかなかこういう時代の中では十万人はとても厳しいんじゃないかということで、今も触れられておりますように、やはりマンパワーを確保するためには、補助単価が低いということ、あるいは社会的評価も低いんじゃないか、そしてまた仕事がつらいという三重苦を克服していかなければならないんじゃないかというふうに思いますので、やっぱり今までの施策だけでは足りない、そういうところにメスを入れなければ十万人の達成は難しいというふうに思うわけでありますけれども、その改善の計画がありましたら示していただきたいというふうに思います。
○国務大臣(津島雄二君) ホームヘルパー十万人の目標達成のために本年度までにいろいろ具体的にやってまいりましたのは、まず平成元年度においてホームヘルパーの手当額の大幅な引き上げをいたしました。さらに、二年度、本年度の予算案でも引き上げをお願いしておるところでございます。
 それから、今委員がおっしゃったように、社会的評価を上げなきゃならないし、そして多くの方方が進んで参加をしていただけるという意味で、イメージアップを図るためのPRが必要でございますが、現在介護士という制度が新しくできましたので、そういう専門的に訓練を受けた方を育てていく、この制度を拡充していくとともに、こういう方々を中心としたチームで組織的に仕事をしていただく。
 それからまた、これまでの市町村における実施や社会福祉協議会への委託といったようなやり方のほかに、特別養護老人ホームでもまたホームヘルパーを持っていただいて、地域に、外に出て仕事をしていただくという供給体制を考えるということ。
 それからまた、これは外国の例に見られるわけでございますけれども、非常勤の方で勤務時間の工夫をしていただきますとかなり参加していただける。また、そういう例がヨーロッパにもあるわけでございますから、そういうこともこれから考えていかなければならないというふうに考えております。
○勝木健司君 今介護士制度ということでやられていますけれども、この時代は横文字の時代ということですから、もっと社会的評価を上げていくためには、介護士という横文字なのか漢字なのかわからないようなそういうことよりも、もっと横文字でスマートに、そういうことをしていただきたいというふうに要望をしておきたいと思います。
 次に、福祉需要をどう喚起していくのかということでありますが、福祉サービスをどう一般化させていくかということでありますけれども、現状のホームヘルパーの利用率についてはどうなっておるのか。それと、福祉サービスを一般化させるためには、国の機関であります保健所というものを有効に使うべきじゃないか、そのためには、やはり保健所の市町村移譲ということを検討してもいいんじゃないかというふうに思っておるわけでありますが、御見解をお伺いしたいというふうに思います。
○国務大臣(津島雄二君) ホームヘルパー等の在宅福祉サービスについて現状を見ますと、必ずしも利用率は高くないのでございます。これはいろいろ理由があると思いますけれども、お元気な高齢者の場合、例えばひとり住まいの方の場合も、とにかくホームヘルパーの手伝いを受けずに自分で頑張ろうという方もかなりいるわけでございますが、しかしいかにも今の利用率では不十分であって、将来はもう少し利用率が上がるという前提で実は今度の十万人というのは組み立ててあるわけでございます。
 それで、これを利用率を上げていくためにいろいろな世帯の現状をよく見きわめて、そしてそれぞれの世帯の求めておられるサービスが適切に提供されるようにしなければいけない。そして、平均的には今ではホームヘルパーを週一、二回利用しておるというのが現状でございますけれども、これを目標としては必要な方には週四回ぐらい利用していただくということ。
 それからまた、毎回申し上げておりますけれども、施設に短期間お入りになるショートステイとか、一日だけお入りになるデイサービスというようなものも適宜利用していただくということを今考えておるわけでございます。そういういろいろなサービスを組み合わせるということによって、おおむね必要な方については今よりも利用率を上げて、なおかつ需要を満たすことができるということを今目標に掲げているということを御理解いただきたいと思います。
 なお、地域に即したサービスをするために、もう一方の保健事業の方の保健所を市町村に移譲してはどうかという御意見でございます。保健所は人に対する保健サービスに加えまして、食品監視とか試験検査等かなり広域的な業務を行っておりますので、この面を考え、かつその業務にこたえるにふさわしい行財政能力を考えますと、現段階では保健所を市町村に移譲することは適当でないというふうに思っております。
 そこで、これまで保健所が市町村の保健医療サービスを支援するためにいろいろやっておりますから、これをさらに充実していく。保健医療情報システムを整備して、その情報を市町村へ還元していく。あるいは地域保健医療計画の作成推進を市町村の意見を聞いて都道府県にやっていただいて、それを計画的に保健所が支援していくとか、それから市町村職員に対して研修を強化するとか、こういう支援機能を充実することによって委員御指摘の目的を達したいというのが私どもの今のアプローチでございます。
○勝木健司君 ちょっと老人保健制度について触れさせていただきたいと思いますが、五十七年に創設されて、六十一年度の老人保健法の改正の際に、平成二年度までに見直しを行う、そして、その結果に基づいて所要の措置を講ずるということでされておりましたけれども、これは一体どうなっておるのかお伺いしたいというふうに思います。
○国務大臣(津島雄二君) 老人保健制度につきましては、御案内のとおり老人保健審議会で検討が重ねられてまいりましたけれども、費用負担のあり方について関係者間の意見が分かれている部分が多いために、引き続き検討を行うことが適当であるということになっておるのが現状でございます。
○勝木健司君 昨年十二月の老人保健審議会で、「老人保健制度の見直しに関する中間意見」が出されておるわけでありますが、基本的な方向というものは示されておりますけれども、概して抽象的じゃないかというふうに思います。特に拠出金とか公費負担、あるいは一部負担のあり方の問題についてははっきりとした結論は出ていないように思うわけであります。こういう高齢化社会が急速に進展する中での老人医療費をどうするかということは極めて重要な問題であろうというふうに思うわけでありますので、今年度中に何らかの結論を出すべく努力をすべきじゃないかというふうに思うわけでありますので、見解をお伺いしたいというふうに思います。
○国務大臣(津島雄二君) 御指摘のとおり、明確な御意見が出なかったために延びておるわけでございますが、しかしこれは最重要課題でございますので、今国会におきまする本院の御意見等も十分踏まえまして、引き続き老人保健審議会の場を通じて論議が行われることを期待しておりまして、このままにしておいてはいかぬというふうに思っております。
○勝木健司君 そこで、この制度改正が一年見送られたことによりまして按分率というのが一〇〇%になっておる、平成二年度から一〇〇%になり、国庫負担が六百億円の負担減、そして健保組合等被用者保険が千二百億円の負担増となっております。ここで政府は元年度補正予算で厚生年金国庫負担繰り延べ措置の返済見合い額財源、この一兆五千億円の運用益の七百五十億円を用いて、老人保健の基盤安定化等の事業を行うことといたしておるわけでありますが、この厚生年金国庫負担の繰り延べについては、従来から政府が、特例公債依存体質脱却後できるだけ速やかに繰り戻すというふうに答弁をした経緯があります。そういった意味では即刻全額年金勘定に返すべきじゃないか、そして老人保健の基盤安定化のための措置は一般会計で行うべきではないかというふうに思うわけであります。
 そこで、当分の間、厚生保険特別会計に資金を設けるということにしておるけれども、この「当分ノ間」というのはいつからいつまでのことなのかということでお伺いをしたいというふうに思います。
○国務大臣(津島雄二君) 委員御指摘のとおり、この被用者保険がいわゆる老人保健制度の加入者按分率の一〇〇%の実施の関係で影響を受けるということから、一兆五千億の積み立てをいただいて、いわゆる特別保健福祉資金というものをいただき、これの運用益をもって安定を図っておるわけでございますが、私どもとしては非常にありがたい現状にある。しかしながらこれは恒久的制度ではございませんので、これからのことについては、先ほど申し上げましたように、制度全体を議論して結論を出していただきたいと思っております。
 なお、厚生年金の国庫負担の繰り延べ分の返済につきましては、保健事業の財政の安定が損なわれることのないよう、できるだけ速やかに返済の完了をしていただけるように今後とも適切にお願いをし、対処していただきたいと思っております。
○勝木健司君 この加入者按分率の引き上げで、老人医療費の負担を国保から被用者保険にツケを回すものであるということで、言ってみればサラリーマンにとっては実質増税となっておるというふうに思います。また、按分率というのが一〇〇%になりますと、一九九九年には健保組合の収入の過半数が拠出金になるというふうに推計をされておりまして、既に五〇%弱の健康保険組合が赤字に転落したという経緯からも、健保組合は存立の危機に直面していると言っても過言じゃないというふうに思われます。
 こうした状況では、加入者按分率が一〇〇%という拠出金の仕組みを変える以外には根本的な政策はないんじゃないかというふうに思うわけであります。こういう状況についてどのように認識をされておるのか、そしてどのような対応策をとろうとされておるのかお伺いをしたいというふうに思います。
○国務大臣(津島雄二君) 先ほどから委員にもお答え申し上げておりますけれども、現状は先ほど申し上げたような形で一応基盤の安定化の目的は達しておると思います。しかし、このままにしておいてはいけないということで、老人保健制度全体の議論とあわせましてさらに一層の安定措置を求めていかなければならないというふうに思っております。
○勝木健司君 老人医療費の増加は、高齢化社会に伴う社会構造的要因によるものじゃないかというふうに基本的に思うわけでありまして、個々の保険者の責任ではないのじゃないかというふうに思われます。多くの保険者が老人医療の拠出金の負担にはもはやもう限界があるというふうに思われますので、公費負担の引き上げが急務となっているというふうに思うわけでありますが、大蔵大臣、いかがお考えですか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は、老人保健制度につきましては、基本的には国民負担の著しい増大を生じないようにするために、まずやはり医療費をむだ遣いしないように、そして抑制を図っていただくということが先行すべきものだと思っております。そしてもう一つ、それ以前の問題としては、いかにして健やかに老いるか、あるいは在宅福祉、こうした総合施策というものがまず前提にあるべきだと思います。そうした面からまいりますと、先ほど委員が厚生大臣との間で御論議になっておられました高齢者保健福祉推進十カ年戦略等のもう一つ前の段階で我々はもっと努力すべきものがあるのではなかろうか。そして同時に、これは老人医療のみならず医療というもの全体を考えますときに、医療費というものをよく減らす減らすという議論がありますが、私はやはり高齢化がある程度進展していく限りにおいて、医療費を減らすということは非常に無理があると思います。しかし、そのむだを省く努力は我々として当然なさなければならないことでありまして、次にそういう努力が当然あるべきものであろうと思っております。
 現在の老人保健制度というものは、老人医療費の無料制度というものがもたらしました老人医療費の膨張に対する反省の上に、受益と負担の関係が明確な社会保険システムの中において各保険者の共同事業として仕組まれたわけであります。にもかかわらず老人医療費というものが非常に膨脹を続けていくとすれば、その前段階におけるまず健やかに老いる、そして健康の自己責任というものを含めながら在宅福祉というものを考える、続いて医療費の中におけるむだを排除する努力、まずこうしたものを考えていくべきものではなかろうか。そうした点にメスを入れぬままに公費負担の拡大という考え方は、私は残念でありますがすぐに賛成を申し上げるという気持ちにはなりません。
○勝木健司君 政府は、定率五%の導入を初めとするこういう一部負担の引き上げという方向を何か示唆されておるように思いますけれども、そういうことは受診を抑制していく、また医療費の面からいっても早期受診、早期発見というものを妨げて、かえって医療費は膨らんでくるのじゃないかというおそれが生じる可能性もある。またお世話料というそういう保険外負担が依然として改善されていない状況での一部負担の引き上げというのは大変問題が大きいのじゃないかというふうに思うわけでありますけれども、御見解をお聞きしたいというふうに思います。
○国務大臣(津島雄二君) 医療費のあり方につきましては、大蔵大臣の御答弁、私も全く同感でございます。何と申しましても、医療費が有効は需要にこたえていくということが第一でございます。しかし、医療保険としての安定の必要性もまたございますし、そういうことを含めまして、今患者の一部負担、公費負担、各医療保険保険者からの拠出金で構成しております老人医療について老人保健審議会の場で幅広い観点から議論が行われ、これを踏まえた上で対策を打ち出してまいりたいと思っております。
○勝木健司君 昭和六十年代後半のなるべく早い時期にと言われておりました医療保険の一元化の件でありますけれども、これは一体いつのことなのかということ、その姿を明確にしていただきたいということと、この一元化を考える場合の老人医療をどう位置づけるかというのが大きな課題になってくるだろうというふうに思うわけでありますので、この一元化をにらんだ老人医療の費用負担のあり方についてもお伺いをしたいというふうに思います。
○国務大臣(津島雄二君) 今御議論がございます老人保健制度の創設自体が一元化へ向けての一里塚であったということは御理解をいただけると思いますが、この老人保健制度を含めて、国民皆保険体制の基本を維持しながら各制度間の給付と負担の公平化を図り、その長期的安定を確保していくということは大きな課題でございまして、これは当面の老人保健制度の議論を考えながらも、その先のところに私どもははっきりと掲げて進んでいきたいというふうに思っておるところでございます。
○勝木健司君 医療保険の一元化の時期は、昭和六十年代の後半ということでありますけれども、昭和は終わりましたわけですけれども、一体いつごろを想定されておるのか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(津島雄二君) 現在の段階では、私としてはいつまでと自信を持って申し上げられないのはまことに申しわけないと思いますけれども、一つ一つの問題を詰めていくということによって目標に近づいていけるというふうに考えております。
○勝木健司君 海部総理にお伺いしたいというふうに思いますが、この十カ年戦略のように、高齢者対策というような狭い対応の仕方ではもう対応できないんじゃないかというふうに思われます。やはり農地改革に匹敵するようなそういう国民の意識を伴うような、住宅問題、教育問題、雇用、行革も含めた幅広い見地からの、言ってみれば高齢化社会対策というものでなければならないというふうに考えるわけであります。
 高齢化社会をこれから迎えるということであれば、厚生省だけの問題じゃないんじゃないかというふうにも思われますので、もっと幅広い各省庁にまたがる対策というもの、戦略が必要だというふうに思うわけでありますけれども、こういうことに対する総理の御見解をお伺いしたいというふうに思います。
○国務大臣(海部俊樹君) 今まで経験したことのないような非常に数多くの高齢の皆さん方を抱える社会になってきました。そして、当面高齢化対策というと、御高齢の皆さん方に健やかに毎日を暮らしていただきたい、不幸にしていろいろな介護の必要な方にはできる限り介護の手を差し伸べていくようにしなければならないという面でこの十カ年計画ができており、厚生省中心で今それに全力を挙げて取り組んでおるんですが、御指摘のようにそれですべてではございません。
 もっと言うなれば、厚生省のお世話にならなくても済むような健康なお方の心の持ち方、そしてそれはもっと豊かに、もっと幅広く人生というものをエンジョイしていただくためにいろんなことがあるだろう。これはやっぱり生涯学習と言うんでしょうか、心が豊かになっていくようにいろいろ教育面で御協力しなきゃならぬ問題もあるでしょうし、あるいは社会教育の面でそれらの方々が御経験なさった体験を後世や近隣に伝えてもらうようなそういった場所とか、そういったあり方を考えていくとか、いろんなことがあると思うんです。
 御指摘のとおりでありますから、できれば生涯はつらつ、生涯健康でやっていただくためにはどうすればいいかというので、新しい人生設計計画というようなものも今いろいろな立場から御議論を願い、考えておる次第でございます。御指摘のとおりだと思います。
○勝木健司君 そういう生涯はつらつ、健やかに老いるというのはどこの管轄で、厚生省の管轄じゃ私はないんじゃないかというふうに思うわけでありますので、それはどういうことで、具体的にはどこで取り組んでいかれるのか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(塩崎潤君) 私が総務庁長官として高齢者問題についての本部長になっておりまして、各省にまたがることについて私のところで総合調整をいたしておるところでございます。
 今総理大臣が言われましたようなことは、もう既に、昭和六十一年六月に長寿社会対策大綱を決定いたしまして、もう勝木委員御承知だと思います。雇用・所得保障、第二は健康・福祉、三は学習・社会参加、四は住宅・生活環境等全般にわたる総合施策を打ち立てて推進しているところでございます。これは作文倒れじゃないか、こんなことを言われないように、もう既に六十二年の十月、六十三年の十二月に二回にわたってフォローアップをいたして、さらにさらにこの方策を積極的に進めてまいりたい、こんな方向で努力をしているところでございます。
○勝木健司君 次に、臨時行政改革推進審議会、いわゆる新行革審が本年四月をもって終了した。お昼のニュースなんかでもやっていましたけれども、また新しく行革審がスタートするということでありますが、今回のこの三年間の新行革審の活動について、どのように評価をされておるのか。また、この三年間に行われた六つの答申について総理はどう具体的に実現を図っていこうとされておるのか、決意を含めてお伺いしたいというふうに思います。
○国務大臣(塩崎潤君) 先般新行革審から答申をいただきました。私どもはこれを早速最高限度に尊重いたすことを閣議決定したところでございます。さらにまた、近く新しい行革の推進機関としての行革審を設置する法案を御審議願うことにしておるところでございます。
 新行革審は、三年間にわたりまして大変精力的に御審議をいただきました。そして、臨調、行革審九年にわたる実績等を十分に反省、検討をしながら、六つの答申、そして一つの意見を出させていただいたわけでございます。それはいずれも大きな目標のほかに、具体的にも土地対策、規制緩和、そして勝木委員が今たびたび言われました国と地方の行政配分の関係など最喫緊の問題について処方せんをいただいたところでございます。
 私どもは、これらの答申を受け取りますとともに、その都度実施計画を策定し、答申の具体化に努力してまいりました。しかし、まだまだこれでも残された問題がたくさんあるところでございますので、新しくまた行革審ができ上がりました点におきまして、私どもはこの残された問題についても、具体化の努力を続けていきたい、こんなふうに考えているところでございます。
○勝木健司君 行政改革は今なお道半ばであるということで、私たち民社党も、かねてからポスト新行革審の設置は提唱してきたところでありますけれども、この点総理は、ポスト新行革審を設置するということでどういう見解を持っておられるのかということと、どういう今後の行政改革の重要課題があるのか。また、事務局体制、委員を七人から九人にされた理由等も含めて、国民合意を形成していくためにはどのような措置、どういう委員桐成を考えれらておるのか、海部総理に決意も含めて見解をお伺いしたいというふうに思います。
○国務大臣(海部俊樹君) 行政改革は、これまで三公社の民営化や平成二年度における特例公債依存体質からの脱却を初めとして、大きな成果を上げてきております。そして、まだやっぱりいろいろ残っておりますから、当面国と地方を通ずる行政改革の推進、規制緩和の推進、これが最大の課題であると私は考えております。
 去る四月十八日の新行革審の最終答申は、二十一世紀を展望した行政改革の基本的方向を示したものであります。政府は、直ちにその答申を最大限に尊重する旨の基本方針を定めましたし、この方針に基づいて第三次行革審設置法案の提出を初めとして、今後とも答申の具体化に努力をしていかなければならぬと考えております。
 そしてそのためにも、いろいろテーマがございますから、今後どのようなことにしていくのか、委員の数だけが問題だとは思いませんけれども、やはり幅広くいろいろな御意見を尊重しながら答申を実現していくように努力をしたい、こう考えております。
○勝木健司君 次に、日米構造協議問題ということで、土地問題についてお伺いをしたいというふうに思います。
 この土地問題を招いたことでさまざまな元凶が指摘をされておるわけでありますけれども、根本は計画的な土地利用、土地供給についての抜本的な対策を講じてこなかったことにあるんじゃないか、後手後手に回ったということにあるんじゃないかというふうに思われます。日米構造協議への対応ということももちろん重要でありますけれども、土地問題の解決は、公共投資の国民生活を重視したものへの転換と同じように、国民生活の質の向上にとっても大きな柱じゃないかというふうに思われます。この点、政府としても小出しの政策、小出しの対策ということじゃなしに、将来を見据えた対策というものを講じていかなければいけないというふうに思いますので、まず総理の土地問題に対する認識をお伺いしたいというふうに思います。
○国務大臣(海部俊樹君) 土地問題というのは、これは我が国の国内政治の中で今大きく我々が問題意識を持って取り組んでおる政策でございまして、たまたまというと言い方が悪いかもしれませんが、日米構造協議のときにもいろいろ議論になったということであって、日米構造協議のためにやるんじゃなくて、これはやはり御指摘のように国民生活のことを考え、そして取り組んでいかなきゃならぬ重要な問題であると私は思っております。
 そういった意味で、昨年土地基本法が制定されました。需給両面にわたる各般の施策をより一層強力に推進していかなければならぬと考えております。具体的措置としましては、土地対策関係閣僚会議において昨年末に申し合わせました今後の土地対策の重点実施方針に従い、大都市の地域における住宅宅地供給の促進、土地税制の総合的見直しについて、特にその重点的な推進を図っていく所存であります。
○勝木健司君 韓国では土地保有に当たっての面積の制限とか税の割り増しとか、企業保有土地の強制的な吐き出しという思い切った対策を講じたように報じれらております。法体系の違いとか国の実情の違いとかはあるわけでありますけれども、そういった思い切った対策を講じるという姿勢というものが大切じゃないかというふうに思うわけでありますけれども、この点の基本認識についてもお伺いをしたいというふうに思います。
○国務大臣(佐藤守良君) お答えいたします。
 先生の御指摘のとおりでございまして、韓国は三つの点に重点を置いて土地税制をやったわけです。一つは開発利益の問題、一つは超過所得に対する課税の問題、それからもう一つは自分の家を二百坪以上土地を所有した場合の課税の問題、この三つの点を中心に、最初の二つは一月一日から、家の所有制限については三月一日から実施いたしました。その後九%ぐらい価格が上がったということでございまして、この間、韓国の慮泰愚大統領が九大財閥に対して遊休地を出すように、こんなこともテレビで報道されているわけですが、実は一番問題は、私権の問題をどうするかという問題がございます。そんなことでございまして、韓国の土地政策に取り組む姿勢は非常に高く評価しております。実はこの間も連休中、五月の四日、五日、六日、土地局長を韓国に派遣しまして実情調査をさせたわけでございまして、その姿勢を高く評価しながら大いに参考にして土地政策に取り組みたい、このように考えているわけでございます。
○勝木健司君 国土庁の調査を見てみましても、法人は投機的に土地を取得しておるんじゃないか、また利用計画がないのが約半数を占めておるというような実態が示されております。我が国の保有税というのは諸外国に比べて極めて低い、そしてこれが適切な利用あるいは供給を妨げているということで、この企業の土地保有についても、取得段階で利用計画について厳しくチェックをする必要がある、そしてまた適切な利用を講じていない者については、特別土地保有税の例外規定の見直しあるいは課税対象面積の引き下げといった思い切った検討をしていかなければいけないというふうに思うわけでありますし、また適切な利用を講じていない者については宅地あるいは住宅など有効利用へ転換させるようなそういう計画あるいは助成措置というものをあわせて講じていくべきだというふうに思うわけでありますけれども、考え方をお伺いしたいというふうに思います。
○政府委員(藤原良一君) 先生御指摘のとおり、大都市地域における住宅宅地対策に対処するためには、工場跡地等の遊休地の有効利用を促進することが非常に重要な課題だと考えております。このため遊休地を特定いたしまして一定水準の利用をすべきことを明らかにする制度、こういった土地利用の制度を設けまして、この制度とあわせて有効利用を促進するための税制の見直し等も検討していくことが非常に重要だと考えております。
 たびたび申し上げますが、土地税制小委員会等でそういう問題も含めて今後真剣に検討されると期待しております。私どもも、関係省庁間で連携を密にしながら、そういう方向に向かって努力してまいりたいというふうに考えております。
○勝木健司君 従来、土地の保有税というのは地方の財源であるということから、土地政策の観点から手を加えることになかなか反発もあったわけでありますが、新たに国税としての保有税の創設を検討すべきじゃないかというふうにも考えます。例えば保有土地の利用状況とか面積などで勘案して累進的に課税をしていく、あるいはこれを住宅や都市基盤整備、施設整備の財源とするような方法とか、あるいはそういうものに対する課税システムというものを構築してもよいのではないかという考え方もあるわけでありますが、どのような認識を持っておられるのか、お伺いしたいというふうに思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 委員が今お述べになりましたような視点から、私どもは土地税制につきまして税制調査会の中に小委員会を設けていただき、既に論議を開始していただいております。小委員会としても、本格的な論議を既に数回繰り返されたと承知をいたしております。そして御指摘になりましたようなお考えというものも当然私はその中において論議をされる対象になるものと、そのように考えております。
○勝木健司君 土地保有については、個人は代がわりをして、そういう代がわりの際に相続税という形で税金を支払っていく、法人についてはいつまでも簿価のままでいいということで、これが含み益を生んで土地投機に走った原因の一つだというふうに指摘をされておるわけであります。経済界ではこの含み益課税については反対という声があるわけでありますけれども、やはりいつまでもバブルとなったそういう経済状況の上に企業活動を続けるということでは日本経済にとっては決して好ましいことではないんじゃないかというふうに思われます。
 そこで、いきなり実勢価格と簿価の差額に課税するということは当然無理が生ずるわけでありますけれども、将来の日本経済、また国民生活の基盤づくりにプラスとなるようなそういう課税方法、また使用目的についての検討を開始することが必要じゃないかというふうに思うわけでありますけれども、見解をお伺いしたいというふうに思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 土地基本法が制定されますまでの間、同じような御質問が出ましたとき、私どもは従来の税制調査会の答申の考え方をそのままに御答弁を申し上げてまいりました。それは、仮にその土地に対する課税を所得課税として考えた場合にはいまだ実現していないキャピタルゲインに対する課税だという考え方、保有課税として考えた場合には現行の固定資産税や特別土地保有税との関係の整理の必要がある、また同時に、その企業の生産活動に使用されている土地に.対して課税をいたします場合には資本集約型の産業を中心として企業活動にかなりの影響を及ぼす、そうしたことを申し上げておったわけであります。また、古くから持っている土地にはかなりの税負担が求められるが、近年新たに取得をした土地については非常に課税が低いといったような問題点の指摘もございました。
 しかし、そういう問題点の論議を超えて現在土地税制というものの見直しを迫られている状況でありまして、私はこうした問題点の指摘は踏まえながらも、土地政策の観点だけではなく、いわば資産格差の拡大というものに対し国民が適正な資産課税を求めておられる声というものも含めながら、当然検討の対象になっておる、また検討の対象になるべきである、そのように考えております。
○勝木健司君 土地問題の解決に当たりましては、土地供給を促進していく、そしてまた土地税制を改革していく、そしてまた金融面での規制というのも必要だろう、こういうことで、総合的にかつ国民生活を大切にするという、そういう視点からメスを入れていっていただきたいというふうに思うわけであります。
 特に地価対策には需要と供給の原則からするなら大量の土地供給をやっていく、そしてこういう法的規制の中で実態に合わないものは見直していくという姿勢が必要じゃないかというふうに思われるわけであります。宅地に転用したくても農地法等で厳しく縛られている現状、こういうものを改めていただきたい。そしてまた、宅地に転用しやすくすることで相当分の宅地供給が進むという、そういう指摘もあるわけであります。この点、役所等の既得権保護のために土地供給が進まないという、そういう意見もあるわけでありますので、こういう点についての認識をお伺いしたいというふうに思います。
○国務大臣(山本富雄君) 農地の方から参ります。これは委員御承知のとおりでございまして、市街化区域内農地は農業委員会に届け出をすれば宅地になるということで、これは届け出でございます。従来の状況を見ますと利用転換を進めている形が随分ある、こういうふうに思っております。
 それから市街化区域外の農地、これは昨年三月の農地転用許可基準の大幅緩和と、それから農業振興地域制度の運用の改善というのがございまして、これらによって宅地への農地転用の円滑化を図ってまいった、こういうことでございます。ですから、今申し上げました農地転用許可基準等の周知徹底を今後ともできるだけ図ってまいりまして、一方では優良の農地は確保しなければならないということは当然でございますが、農地の農業以外の用途への利用ということを十分考えながらこれは円滑に進めてまいりたい、こういう立場を農林水産省としてはとってまいりたいと考えております。
○勝木健司君 この点、建設省に宅地化が進んでおりますかどうか実態をお伺いしたいというふうに思います。
○政府委員(望月薫雄君) 市街化区域内農地の利用規制につきましては、ただいま農水大臣から御答弁がありましたように、届け出で足りるわけでございますが、最近の大都市圏の市街化区域内農地の転用状況を首都圏について申し上げさせていただきますと、大体年間三%程度の割合で他への転換が進んでいるという状況になっております。
○勝木健司君 何に対する三%ですか。
○政府委員(望月薫雄君) 布存量に対して三%程度ずつ減っているという意味でございます。
○勝木健司君 大都市部の市街化区域内農地の宅地並み課税については九二年から実施されるということでありますが、ポイントはいかに計画的にまた円滑に宅地化していくかということが大切だろうというふうに思います。その計画というものを国民の前にきちんとやっぱり示す必要があるんじゃなかろうかというふうに思われます。
 ただ農地の宅地並み課税ということだけでは則宅地化につながるものではないんじゃないか、また農民、土地所有者の理解がなかなか得られない、また得られなかったということが今日の状況を招いているというふうにも思います。
 そういった意味で、これから計画面とかあるいは税制面での誘導をしていくことが重要じゃないかというふうに思われます。例えば宅地として公的機関に譲渡する場合には減税をしてやるとか、あるいはこれなどは面積、その地域の実情等を勘案するにしても相当に効果があるんじゃないかというふうに思われるわけでありますので、この点も含めまして特定市街化区域内の農地の宅地化について再度お伺いしたいというふうに思います。
   〔委員長退席、理事平井卓志君着席〕
○政府委員(望月薫雄君) 現状での転用の状況は先ほど申し上げましたとおりでございますが、率直に言いまして、今少しくスピードアップした転用が進む必要があると私ども考えております。そういった観点から今国会にも御提案申し上げさせていただいておりますが、市街化区域内農地の計画的秩序ある都市化、宅地化ということに焦点を合わせた関係法制の整備をお願いしているところでございます。
 率直に言いまして、現在転用が進まない要因というのはいろいろあろうかと思いますが、何よりも地主さんの方の土地保有志向が強くなっているとか、あるいはまたどういうふうに転換したら将来的に見て有利、有益であるかということについての自信が持てないとか、いろんな事情があろうかと思いますが、一つはっきり申し上げたいことは、市街化区域内農地というのは現在、都市計画法上、大体ほとんどが一種住専地域になっております。ということは、二階建ての土地利用しかできないという土地利用規制もかかっているわけでございまして、こういったところについて私どもは地区計画制度を導入することによって集合住宅を積極的に誘導したい、また現状の地価水準等から考えてもそれが最も有益である、こう考えておりまして、率直に言いますと、従来は十メートル高さ制限のところを二十メートル程度、言うなれば六、七階建てのマンションが建つような土地利用計画を導入したい、こういうふうに考えております。
 いずれにしましても、そういった制度面での充実をまず進めてみたい、これを軸にしましていろいろな面での支援措置も考えてまいりたいと私ども考えているところでございます。
○勝木健司君 特に大都市圏での地価高騰というのは、庶民の住宅取得の夢を非常に絶つものとなっておるということで、こうした情勢の中で、労働界の連合が、よりよい住宅の供給を促進するために、日経連と構想をまとめて共同で社宅を建設しようという計画を発表されております。その実現に努力をしているところでありますが、この際、住宅用地の確保に当たっての都市内農地の活用とか、あるいは未利用地を活用するという提案をしてきておるわけでありますので、このような宅地供給とか住宅供給について、政府としても各省庁が積極的な対応を図っていくべきだというふうに思うわけでありますけれども、考え方をお伺いしたいというふうに思います。
○国務大臣(佐藤守良君) 先生にお答えしますが、先ほど総理も申し上げましたけれども、今度の土地対策は政府の取り組みが違っております。
 一つは土地基本法ができたということ、それからもう一つは土地対策関係閣僚会議を開きまして、総理の指示で海部内閣の最重要課題として取り組んでおるということが違っておるわけでございますが、宅地の供給には三つあると思います。
 一つは国公有地をどう活用するかという問題、それからもう一つは企業の持っている低・未利用地をどうするかという問題、それから市街化農地と三つございますが、私は今一番の問題は、国公有地をどう活用するかということ、これを早急に今考えている。それから第二番目には、実は私この間ヘリコプターで東京都内を約一時間飛びましたが、企業の未利用地がいっぱいございます。これをどう活用するか。少なくとも企業内の組合員その他にどう報いるか。こういう形の中から住まいを持ちたい人に住まいを持たせることができるんじゃないかということで、これをもっと進めたい。したがって、昔言われている企業の何といいますか、経済道徳合一主義といいますか、こんな形で社会理念性に訴えて企業の低・未利用地をもっと活用したい。それとともに農地を活用したい。この三本柱でこれから宅地供給に進みたい、このように考えております。
○勝木健司君 私の言っておりますのは、労使でそういう夢を実現させるためにやっていこうじゃないかということを言っておるわけですので、政労使、政府も、行政もそれに協力をしていくという姿勢が必要じゃないかということで言っておるわけでありますので、改めて見解をお伺いしたいというふうに思います。
○国務大臣(佐藤守良君) お答えいたします。
 御指摘のとおりでございまして、そういう形で進めたい、このように考えております。
○勝木健司君 御指摘のとおりが具体的にどうなのかということは後でまた時間があればお伺いしたいわけでありますが、時間の関係で、そこで財形融資制度の問題についても触れさせていただきたいというふうに思います。
 現在、財形持ち家融資制度について雇用促進事業団を中心に運用されておるわけでありますが、その利用状況は大変低いものというふうに聞いておるわけであります。そこで、この財形融資の利用率が低い原因は一体どこにあるのか、お伺いをしたいというふうに思います。
○政府委員(岡部晃三君) 財形融資の枠、現在三千億円でございますが、実際には四百億円ぐらいしか使われていないという点でございます。
 財形融資につきましては、数次にわたる制度改善あるいはPRを行ってまいりまして、六十三年度二百二十八億でございましたのが、平成元年度には四百六十億円と倍増を見たところでございます。しかしながら、六十二年改正の制度がまだ十分知られていないということもございまして、この三千億の融資枠の活用の余地がまだ残っているということは御指摘のとおりでございます。したがいまして、今後さらに勤労者のニーズの多様化に対応しながらこの制度の充実を図ってまいりたいというふうに考えております。
○勝木健司君 私は原因はどこにあるかということをお伺いしたわけでありますが、利用率の低い原因はいろいろあろうかというふうに思いますが、一番大きい原因は住宅金融公庫あるいは日本勤労者住宅協会との金利差にあるんじゃないかというふうに思われます。住宅金融公庫が五・三〇%であるのに対し、また日本勤労者住宅協会も五・三〇%であるのに対し、財形の持ち家融資は五・六五%である、この金利の格差が問題じゃないかということであります、やっぱり勤労者の住宅取得促進を阻害しておるんじゃないかというふうに思われますので、大蔵大臣、また建設大臣とか労働大臣、それぞれ見解があれば述べていただきたいというふうに思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 雇用促進事業団の勤労者向け住宅の貸付金利、これは資金の調達先であります銀行あるいは信託、証券会社、それぞれの財形貯蓄の残高シェアに応じて借入金利と債券金利から合成される調達金利と同水準ということとなっておりまして、そういう意味では、市場金利の水準いかんによりましては住宅金融公庫の金利と水準を異にすることが確かにあり得ます。
 しかし、これは雇用促進事業団の住宅貸し付けが変動金利制なのに対しまして、住宅金融公庫の貸し付けというものは固定金利制といったように、貸付制度そのものが基本的に異なっておりますところに原因があるわけでありまして、その基本の部分を抜きにして機械的に同一にするというのは必ずしも私は適当なことではないと思います。そうして金利の引き下げというものは、これは財政負担を伴うことでありますし、私どもの立場からすれば慎重な考慮を必要とすることである、そのように思います。
○国務大臣(塚原俊平君) 以前はやっぱり一%か二%差があったんですけれども、だんだん縮まってきて、今御指摘のように〇・三五%ぐらいにまでなってきました。
   〔理事平井卓志君退席、委員長着席〕
そういう状況の中で、中小企業の勤労者の方に対しては、五年間ということなんですけれども、利子補給で同じ金利になるようにというようなことで、住宅金融公庫と同じ金利になるように今しているわけでございますけれども……
○勝木健司君 聞こえない。
○国務大臣(塚原俊平君) じゃ、読んじゃいますね。
 中小企業勤労者に対しては利子補給により当初五年間は住宅金融公庫の金利と同じ利率としているということなんです。そういうような形で現在も努力をしているんですが、これは勤労者の方ができるだけ低利で融資を受けることができるようにさらに努力を続けてまいりたいと決意をいたしております。
○勝木健司君 今ありましたように、中小企業の労働者には五・三〇ということでそういう措置が設けられておりますけれども、これはよく大蔵省と調整をされて、僕は当然それも住宅取得促進の一環だろうというふうに思いますから、ぜひそういう方向で、同じ率になるように、また同じ率よりももっと低目に設定できるように調整をお願いしたいというふうに思っております。
 次に、流通制度について、時間も余りありませんけれどもお伺いをしたいというふうに思うところであります。
 日米構造協議の中間報告を受けてこの二十三日に通達を出される、そして三十日から大店法の運用緩和を実施に移すというふうに聞いておりますが、現時点でのその通達の内容についてお伺いをしたいというふうに思います。
○政府委員(山本貞一君) 先生今御指摘の点ですが、五月の下旬に省令と通達を出すように今準備中でございまして、月末に施行をいたしたいと考えております。
 内容でございますが、一つは出店調整処理期間を短縮するということでございまして、全体で一年半以内にするために事前説明あるいは事前商調協といった一定の期間を設定するということが一つ。
 それから輸入品売り場に係る特例措置を講ずるということを考えておりまして、一定の面積を増加する場合、考えておりますのは百平方メートレでございますが、百平方メートル以下のものについては、届け出はしていただくが調整手続は実質的には不要にするということを考えております。
 三つ目は、今ある店舗面積を増加する場合に、現在の面積の一〇%あるいは五十平方メートルのいずれかより小さい面積であれば手続を全く不要にするということを考えております。
 それから閉店時刻、休業日数につきましても規制を緩和する。そのために、現在、午後六時以降ということになりますと規制の対象になっておるんですが、それを午後七時ということにする。それから、休業日数は月四日未満ということにしておりますが、年間四十四日未満に規制を緩めるということでございます。
 それから出店調整処理手続の透明性を向上するために、商調脇の審議内容を一層開示するということ、あるいは四半期ごとに状況を公表するといったようなことも今度の内容にいたしたいと考えておるわけでございます。
○勝木健司君 そこで、出店調整処理期間の短縮についてでありますが、現在のところ、出店表明から知事による勧告までの間を一年半以内ということでありますけれども、そもそも出店表明という概念というものがあいまいじゃないかということでありまして、このままではやっぱり再び事々前商調協、そこでうまくまとまらなければ受け付けないというような、そういう不透明な運用が繰り返されるおそれがあるというふうに思いますので、この出店調整処理期間は具体的にどこからどこまでを指すのか明確にしていただきたいというふうに思います。
○政府委員(山本貞一君) 出店調整処理期間は、私どもは入り口というか、起算点は出店表明が通産局になされた時点と考えておりまして、その時点から事前説明が始まると考えております。
 通産局に出店表明をするということでございますが、具体的な出店の趣旨とかあるいは店舗面積あるいは建物の構造、もちろん場所とか設置者の名前とか、その他必要な基本的な事項を書類にしたものを携えて御説明を通産局にしていただく、その時点をもって出店表明というふうに考えております。
 あとは、先ほど御指摘がございましたが、事前説明の後、事前商調協、それから法律上の手続である、場合によっては勧告、命令まで行きますが、全体のオーケーあるいはその結果が出るところまでを一年半というふうに考えております。
○勝木健司君 行政指導の形で不透明なものと指摘されている典型の一つに出店抑制地域というのがあるわけでありますが、これも昭和五十九年三月の通産省の通達によって出店抑制地域が出されておるわけでありますけれども、実質的には出店許可制になってしまうということで、法律以上に厳しい内容となってしまっておるというふうに思うわけであります。こういうことも今後とも継続するという考え方のようでありますけれども、これはまさに大店法の運用の明確化、透明性の確保という観点からは非常に問題がある、問題が残るというふうに思うわけでありますので、このままもし継続するならば、法律的に明確な基準というものを設けるべきじゃないかというふうに思うわけでございますので、その点についての見解をお伺いしたいというふうに思います。
○国務大臣(武藤嘉文君) 私は、今度の大店法の問題につきましては、そういう通達などで非常にわかりにくい、あるいは場合によれば法律以上の効力を持っているような点は決して好ましいことではない、できる限り法律の中に盛るとか、あるいは政令にしっかり書くとかいう形で、だれでもがわかるような仕組みにすべきだ、こういう考え方で大店法の問題に取り組んでまいりました。正直、なかなか時間的な問題もございまして、それから過去の経緯もございますから、昨年六月の流通ビジョンに基づいていろいろの運用改善が考えられてきておったものでございますから、今回はとりあえずそれをやるときにはすぐその問題について手をつけるわけにはなかなか過去の経緯からいって難しかったのでございますけれども、引き続いて法律改正に向かって何らかの法律改正案をこの国会で御理解いただかなきゃなりませんけれども、次の通常国会に向けて法律改正に取り組んでいきたい、その中ではぜひこの問題は解決をしたいというふうに考えております。
○勝木健司君 次に、いわゆる上乗せ規制、横出し規制の問題でありますけれども、地方自治体による独自規制について政府としても適正な改正を求めるということでありますけれども、こういう適正な規制というものの基準をどのように判断されておるのか。いわゆる上乗せ規制、横出し規制と呼ばれる二つの規制があるけれども、この規制の違法性ということで通産省と自治省との間では若干のずれがあるというふうに聞いておるわけでありますけれども、その辺の見解についてお伺いをしたいというふうに思います。
○国務大臣(武藤嘉文君) 自治省との関係がございますし、地方自治法との関係もございましてなかなか難しい点がございますけれども、先ほどの話と同じことになるのでございますが、法律でしっかり書いてあればやはりそれ以上のことはできないということは私は地方自治法からはっきりしていると思うのでございます。ただ、今通達でやっている部分が相当ございますために、その辺が地方自治法との関係で違法性があるとなかなか断定できない点も正直あるのでございますけれども、しかし、例えば上乗せの中には相当のものもあるようでございますので、そういう点は違法性と言えるかどうか非常に疑問のあるところはあると思うのでございます。
 そういうこともございますので、今回とりあえず運用改善のときにおきましても、私の方から各地方自治体に対して上乗せあるいは横出しの規制についてはできるだけこの趣旨にのっとって緩和をしてもらいたいということをお願いすることを自治省も了解をしていただいておりますから、そのようなことをやらせていただきますし、また、今度の法律改正に当たりましてはその辺のところは何とか明文化していって、できるだけそういう上乗せあるいは横出しのことができるだけないような形に持っていきたい、こう思っております。
○国務大臣(奥田敬和君) 今通産大臣も詳しくお話しになりましたが、基本的には全くそのとおりであります。
 ただ、ここでちょっと法の問題になりますから明確にしておかにゃなりませんのは、法に反しない限り地方自治体は独自の条例を制定することはできます。そして、じゃ運用に反してもし自治体が横出しなり、言われている上乗せなりをやった場合、これが法的に違反かということになりますと、これは私は違反とは言えないと思うんです。ということは、運用通達によってのそういった形で自治体を縛る、法的に縛るという形で条例制定権まで否定するということは私はできないんじゃないかと思います。
 ただ、今までの日米のそういった交渉経緯あるいは今後あるべき生活者、消費者重視のそういった大きな世論、そういう形を背景にして、自治体も今まで必ずしも――行き過ぎもあったんです。もう店へ入るのは上下水道までとめてしまうとか、あるいは門前払いといいますか、申請した時点でもう受け付けないというようなケースもあったことは事実であります。ですから、これらの行き過ぎ、見直しに関しては私は今日までの経緯、国会の御論議等を踏まえて自治体の方では協力的に配意していただけるであろうと期待をいたしております。しかし、これは完全に規制してけしからぬと言われる形には、今通産大臣が言われたように、こういった運用通達ではなくて、きちっとした法の改正によって当たってほしいというのが自治省の願い、考え方であります。
○勝木健司君 それでは内閣法制局にお伺いしたいと思いますが、地方自治体による国内法を上回る独自規制の違法性につきまして、内閣法制局としてはどのような見解を持っておられるのかお伺いしたいということ。あわせて、大店法が今後一切出店を規制しないという趣旨で廃止された場合においても、地方自治体によって独自の条例を持って出店規制を継続することが可能なのかどうかについての判断もお伺いしたいというふうに思います。
○政府委員(工藤敦夫君) 実は大店法関係につきまして個別、具体的な事案を私承知しておりませんので、一般論を申し上げる形になって恐縮でございますが、ただいま両大臣からお答えがございましたように、まず地方自治法の十四条一項におきまして、「普通地方公共団体は、法令に違反しない限りにおいて第二条第二項の事務に関し、条例を制定することができる。」、こういうことになっているわけでございます。ところが、ある国の法令がございます場合に、その国の法令と条例とが違反の関係に立つかどうか、これは明文の規定がある場合は別といたしまして、国の法令の趣旨に照らして判断される、かようなことになろうと思います。
 今申し上げました趣旨といいますのは、例えば国の法令におきましてある一部分について規制を行っている。そうすると、地方公共団体が同じ目的のために条例でその残りの部分について規制を定め得るかどうか、こういう問題でございますが、まずそういう意味で、法令の趣旨がその法令で行っている規制で必要かつ十分だと、こういうふうな場合にはそれ以上の規制は行うべきでない、こういうことで逆にも言えるわけでございますから、地方公共団体としてそういう条例をつくるときにはそれは制定することができない。逆に国として法令がいわば最小限度の趣旨を定めたものだ、こういうふうな場合には、地方公共団体がその地方的な実情によりまして、合理的な理由によりまして特別の規制を加える、これは禁止されるものではない。かように個別、具体的な事案で判断されるというのが基本でございます。
 そういう意味で、例えば地方公共団体におきましてどういう目的で、あるいはどういう方法で、今回の場合ですと、私極めて漠然としか承知しておりませんが、例えば条例によるものもあれば行政指導によるものもある、こういうふうな、どういう方法によるか、あるいはどういう内容の規制が行われているか、そういうふうなことを個別、具体的に判断するということになろうかと思います。したがいまして、そういう意味で、先ほど通商産業大臣あるいは自治大臣からお話のあったのも私はさように理解しているところでございます。
 それから二番目のお尋ねでございますが、大店法が出店規制をしない、廃止されたというふうな場合のお尋ねであったかと思いますが、実は今度の中間協議、私の承知している限りでは出店規制をしないとか廃止されるというふうな形ではなくて見直しであったというふうに理解しておりますが、そういう意味で仮定の問題についてお答えするのはいかがかというふうな考えはございます。
 見直しにつきましても廃止につきましても、その残りの部分については同じ問題点でございますので、そういう趣旨で申し上げたいと思いますが、今申し上げましたような法令と条例との関係、かような一般的な考え方に基づきますと、その見直しの結果残された規制、あるいは現行から見直しによって廃止されたその趣旨、それと条例との関係がいかなる関係に立つだろうか。あえてもう一歩踏み込んで申し上げれば、例えば現行法におきましても、さっき法令の規定が明らかでない限りというふうに申し上げましたが、例えば売春防止法が制定されました場合に、その附則の四項であったかと思いますが、そこで条例との関係を明確にしている。あるいは公害関係の法律におきまして、例えば水質汚濁防止法におきまして横出しとか上乗せというふうなことにつきましての明確な規定を置いている。こういうふうなこともございますので、いわゆる立法政策的にそこを解決するというのがその両者の関係を明確にする一つの手段ではなかろうか、かように考えている次第でございます。
○勝木健司君 時間の関係がありますので、そういう事例が起きたときにまたお伺いしたいというふうに思いますが、次に進ませていただきたいと思います。
 税制問題で消費税について若干お伺いしたいと思いますが、この政府の消費税見直しによる減税額は、平年度で一兆一千三百五十億円となっておる。そして平成二年度の税制改正で、消費税の仕入れ税額控除の制限等で二千八百三十億、また租税特別措置の整理合理化等で千百六十億円の増収が含まれておるということでありまして、これから判断いたしますと、消費税見直しの部分に対する代替財源はほとんどないとも言えるんじゃないかというふうに思います。
 昨年の本院における税制改革特別委員会で、与党の自民党議員から野党案は自然増収頼みでけしからぬという論調が多かったことを考えますと、少なくとも見直し分ぐらいは全部税制改正で代替財源を賄ってしかるべきじゃないかというふうに思うわけでありますけれども、結局自然増収頼みになるのではないかというふうに思われますので、この辺に対する回答をお伺いしたいというふうに思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 政府は、これまで毎年度の予算編成過程におきまして、歳入面については、予算編成の一環として、その時点までの課税実績や政府経済見通しの指標というものを基礎にいたしまして個別税目ごとの積み上げによって税収の見積もりを行い、それと同時に歳出面につきましては、経費の徹底した節減合理化に取り組むといった手法を用いながら、そのときどきの経済情勢、財政の事情などを踏まえて歳入歳出全体を一体として展望しながら予算編成を行ってまいりました。
 平成二年度予算につきましては、歳入面において消費税の見直しによる減収を含んで税制改正によります減収というものをまず織り込み、これまでの課税実績などを基礎にして税収の見積もりを行い、また歳出面におきましては、財政改革第一段階であります特例公債依存体質脱却というものを実現すると同時に、公債依存度の引き下げなどに対して取り組み、さらに徹底した歳出の節減合理化に取り組んだわけであります。
 要するに、平成二年度の予算編成におきましても歳入歳出全体を展望した上で一体として予算編成を行っているわけでありまして、平成三年度以降におきましてもその予算編成におけるやり方というものは根本的に同じでありまして、消費税の見直しによる減収というものを織り込みながら、課税実績などを基礎とした税収の見積もりを行う。一方は歳出の節減合理化に取り組む。歳入歳出両面を一体として編成していくということであります。今の委員の御指摘とは少し事態は違っておる、そのように思います。
○勝木健司君 いやいや、私たち民社党も大蔵省に対して、衆議院の予算委員会で提出した資料、その資料によっても、やっぱり今大蔵大臣が言われたとおり、「減収分については、予算編成過程で、歳入・歳出全体を展望して責任をもって」対処するという説明にとどまっておるわけでありまして、一兆一千三百五十億の減収がなぜカバーできるのか、また最近の税収動向等も含めてもっと詳細な資料も提出すべきじゃないか、もっと具体的に明確に示すべきじゃないか、そういう責任があるんじゃないかというふうに思っておるわけでありますので、どのように考えておられのか再度お答えをお願いしたいというふうに思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) その予算編成に先立って、委員の今の御指摘を逆に返しますと、例えば自然増収というようなものを最初から見込んでいるんじゃないのかねというお尋ねなのかもしれないんですが、私どもは、今申し上げましたように、予算編成の時点までにおける課税実績、また政府経済見通しの指標というものを基礎にしながら個別の税目ごとに積み上げて税収の見積もりをつくっていくわけです。その時点において制度改正を行うとなっておりますならば、その制度改正を織り込んで税収見積もりはつくっていくわけであります。そして、歳出というものがそこで固まり、それによりまして年度間の増収が出るあるいは減収になるという見積もりを立てております。
 ですから、当初から一定の数値というものを自然増収として当てはめていくといったやり方ではないということを御理解いただきたい。事実の予算編成の作業というものをそういうふうに行っているということであります。
○勝木健司君 昨年のやりとりの中でも、我々もやっぱりそういうことがあり得るんじゃないか、行財政改革で始末した分はそこが浮いてきますよということであって、そういうことではやっぱり納得できないというやりとりがあったわけでありますので、やっぱり明確に……
○国務大臣(橋本龍太郎君) やりとりはこっちとですか。
○勝木健司君 こっちと――。いや、それはそういう状況があったわけでありますから、この分については明確に、ここでこうしましたよということはやっぱり示すべきじゃないか。それがなければ、自然増収に頼るんですなということを言われてもおかしくはないんじゃないかというふうに思うわけですけれども、全体でやるんだったら、どこで調整しましたということをはっきり、一兆一千三百五十億から、二千八百三十億あるいは千百六十億を足した分の残りはどこで捻出されるんですかということをやっぱり明確にすべきじゃないかというふうに思っておりますが。(発言する者あり)
○国務大臣(橋本龍太郎君) そんなに怒らないで聞いていただけますでしょうか。
 もしその税収見積もりについての数値を述べろということでありますなら事務方から御答弁をさせますけれども、私どもはまさにその時点における使える限りの指標を使って個別の税額についての積み上げをして歳出歳入額を確定している。その作業の実態というものは御理解をいただきたい。私は事実の問題として申し上げます。
 積み上げによる数字そのものにつきましては、事務方から御説明をいたさせます。
○政府委員(尾崎護君) お答え申し上げます。
 一兆一千三百五十億という御指摘がございましたのは消費税の非課税範囲の拡大の総額でございますが、そのほかに、今度の見直しに当たりまして逆に増収となる分もございまして、平年度で八千五百二十億のネットの減収というように見込んでございます。ところが、先ほど来大臣から申し上げておりますように、平成二年度の歳入見積もりに当たりましては、実はこの八千五百二十億というその平年度の減収額が初年度、平成二年度では八百七十億ということに相なります。
 委員も御記憶のとおりでございまして、当参議院におきます議論におきましても、減収見込み額が平年度と比べましてたしか当初の初年度の方が逆に大きくなるというようなケースであったと思いますが、今度はそうではございませんで、初年度の方が平年度の約十分の一というようなことに相なります。したがいまして、通常の歳入見積もりそして歳出の見積もりの間で八百七十億でございますから処理ができているということでございます。
 ただし、平成三年度に参りますと平年度化が起こるわけでございますから、平成三年度の予算編成におきましてはそういう事情にあることをよく考えまして慎重に収支バランスの問題を考えていきたいと存じます。
○勝木健司君 よくわかりません。やっぱり予算編成者が責任を持ってやるということだけじゃないかということで、どこがどうなっているのかがさっぱり、頭が悪いせいかわかりませんので、もうちょっと具体的に説明してもらわなきゃいけないんじゃないかというふうに思います。
 余り時間もありませんので、そのほか世界に類例のない複雑な食料品税制とか、小売業者へのしわ寄せが結構あるのじゃないかとか、小売非課税によって出てくるじゃないかとか、あるいは消費者への税隠しがやっぱり明らかに出てくるという問題、あるいは果たして本当に逆進性緩和になるのか、あるいは生産者、農漁民に対しての不安ということで、農業団体等の強い反対で全段階非課税というもの、見送られたというふうに聞いておるわけでありますけれども、これで果たして本当にその不安は全く解消されるのかどうかということも疑問でありますし、その点はまた自後に譲りたいと思います。
 簡易課税制度とかあるいは限界控除制度、免税点制度あるいは帳簿方式等々の消費税のこの四つの制度というのは、すべて事業者に配慮された制度じゃなかったかというふうに思います。そういった意味で、消費者の利益をある程度犠牲にしてこれはつくられておるというふうに思うわけでありますので、大蔵大臣もよく一年間実施した上でサンプル調査をしながら見直すべきは見直しをしていくということでありますけれども、現段階でのこの簡易課税制度、限界控除制度、免税点制度あるいは帳簿方式も含めてどういう状況なのか経過報告をお願いしたいというふうに思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 食料品の小売段階における非課税の問題あるいは逆進性の緩和の問題についてはまた後日ということでありますので、あえて私の方からも御説明は控えさせていただきます。
 そこで、簡易課税あるいは事業者免税点制度等につきましては、先国会におきましても、一年間現実に実施した上でその実績を見て私どもは検討しますということを申し上げてまいりました。今月いっぱいがちょうど納付の期限であり、現在進行中であります。私どもとしては、この納付が完了いたしました時点から、すべての税務署からその資料を取り寄せてそれを解析し、作業に入っていく。その結果において、また御審議をお願いいたすような状態が出てくるかとも思います。今進捗しつつある納付の途中でありますので、完了次第その集計等々の作業に入りたい。その集計をいたしますのにも、恐らく全税務署からの資料を集めてということになりますと二月ぐらいかかりはしないだろうかという事務方からの報告を受けておりまして、できるだけそうしたことについても急いでまいりたい。その上での見直しを続けてまいりたいと、そのように考えております。
○勝木健司君 税制特別委員会で審議をされるということで、衆参両院に置かれるということでありますが、ここで慎重に徹底して論議をされるということは私たちも評価をするわけでありますけれども、何せ時間が足りないんじゃないか、会期末は六月二十六日ですから、時間が足りないんじゃないかということであります。そういう状況の中で、やはり今回のこの与野党ねじれ現象の中で政府案、野党案とも相打ちになって、今ある問題のこの消費税が、現行消費税がそのまま続行する、存続するということについては問題が残る。
 そういった意味で、与野党間のこの税制問題特別委員会の審議とあわせてやっぱり協議を図っていくべきじゃないかということで、もはや秋の臨時国会だとかそういうふうに言われておりますけれども、この会期中にきちっとした、どうするんだというはっきりとした見解を与党の責任において、政府の責任においても示すべきだというふうに思うわけでありますので、総理の見解をお伺いしておきたいというふうに思います。
○国務大臣(海部俊樹君) 政府といたしましては、見直し案を提案して御議論をいただき、それが定着するように強く願っておりますけれども、今御指摘のように、それはそれで評価をするから議論はさせるが、ほかに各党間の協議機関を置いたらどうかという御指摘でございました。私は、各党の御意見がそのことで合致するならば、いかなることにおいても定着をして、税制は国民の皆さんのためにあるわけでありますから、御議論が深まることを心から御期待させていただきます。
○勝木健司君 やっぱりこの問題でそういうことではっきり約束ができないのであれば、会期を延長してでも徹底してやるというのが僕は国民の真意だろうと、民意を受けて国会で徹底してやるということであれば。時期を置いてやるということは、現状の消費税が存続されるわけですから、この会期末はもうあと知れておるわけですので、もっと徹底してやるそういう場をつくるためには、そういう与野党の協議の場がやっぱり必要じゃないかということで、この会期中に約束がされなければ、今までですと、ここ三年間はずっと延長国会延長国会でやってきたわけですけれども、今回はなぜか秋の臨時国会まで回そうかというような話がどうもちまたでは聞こえるわけであります。そういうことでは国民の代表として納得できないんじゃないかというふうに思いますので、要望としてぜひそういう協議機関を早急に設置するように約束をしていただきたいというふうに思います。これは、猪木先生に関連質問ということでお任せしたいと思いますので、要望ということでお聞きをしたいと思います。
○委員長(林田悠紀夫君) 関連質疑を許します。猪木寛至君。
○猪木寛至君 前回、総理にはスポーツ省の設置ということでお伺いをいたしましたが、スポーツ関係者以外からも強い大きな反響がありまして、ぜひその設置について御理解をいただきたいと思いますが、その可能性についてひとつお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(保利耕輔君) 御指摘のスポーツ省でございますが、スポーツの持つ意味は大変重要だと私も考えておりまして、私自身スポーツで体を鍛えた人間でございますから、スポーツの持つ意味というのは非常に大事だと思っております。しかしながら、同時に行政改革からの要請もございまして、こういったことも政府としては勘案をしていかなければならないということを考えますと、大変大事なことでございますが長期的な観点から慎重に検討すべき課題であろうと、こう思っております。
 なお、文部省といたしましても、最近のスポーツの振興等に絡みまして六十三年七月に機構改革をやりまして、今までスポーツ課という一課だけでやっておりましたのを、生涯スポーツ課という、いわゆる保健体育、保健的な観点からの生涯スポーツ課と競技スポーツ課の二つの課を設けてこれに対応しているところでございます。なお、その他いろいろな施策等を講ずることによってスポーツの振興を今後とも図ってまいりたい、このように思っております。
○猪木寛至君 大変大事なことなんでよろしくお願いいたします。
 私も議員になってちょうど十カ月、ソ連の方に五回、また中南米を含めて三回訪問してまいりましたが、三月にブラジル大統領の就任式に出席した後、アマゾンその他の公害問題を視察してまいりましたが、その後メキシコ、ニカラグア、キューバと回りまして、カストロ大統領と四時間ほど会食を交えながら会談をしてまいりました。私はぜひ即位の礼に日本に来てもらえないかということを申し上げましたら、大変興味を示してもらいました。いろいろ問題があるかと思いますが、その可能性についてお伺いしたいと思います。
○政府委員(瀬木博基君) 委員御存じのとおり、即位の礼に対し外国から代表者をお招きするということについては既に通報いたしているところでございます。これは正式に招待を申し上げるというのは、この予算が通過をさせていただいた後正式に招待を申し上げたいということでございます。
 各国がいかなる方を代表として出席させるかというのは、これは全く各国がお決めになることでございまして、キューバがカストロ議長をお送りになるということであれば、これは日本として喜んでお迎えするということになると思います。
○猪木寛至君 大変時間がないのですが、もうちょっとお聞きしたいのです。
 また、先月私はニカラグアのチャモロ大統領の就任式に行ったときに、かねてから要請がありました、国民がおなかをすかせて、そして国民が野球が好きなのでどうか野球をやらせてあげたいということで、野球の道具を百セットプレゼントしてまいりましたが、大統領も大変喜んでもらったわけです。
 経済援助は必要なときに必要なものを必要なだけ支援するということが一番大事じゃないか、その辺で大型プロジェクトだけではなくきめの細かい援助をお願いしたいと思いますが、ニカラグアに対してどのような支援を考えておられるか、よろしくお願いいたします。
○政府委員(瀬木博基君) ニカラグアに対しては、これまでいろいろな事情がございまして余り大きな援助は行っておりません。しかしながら、現在の事態の急変に伴いまして、政府といたしましても援助を行いたく、ただいまミッションを送って先方の政府と協議を行っているところでございます。
○猪木寛至君 こうして世界を歩いておりますと、本当に外務公務員の役割というのは大変大きいと思います。日夜頑張っておられるわけですが、本当に行くたびにいろんな陳情を受けます。そして、まさに世界のこの大きな変化の中でいろんな正確な情報を得て、またそれを処理していく、それには今現在の在外職員の数あるいはその待遇について十分だとお考えでしょうか、外務大臣。
○国務大臣(中山太郎君) 委員お尋ねの外務省職員の定員数につきましては、私はこのように多極化し、しかも変化のスピードの速い国際情勢の中では極めて不十分であるという認識を率直に申し上げたいと思います。
 ちなみに、他省のことと比較して恐縮でございますが、予算面では北海道開発庁が八千人、外務省の職員が四千二百人、このように私から見ると極めてアンバランスな数字が予算書の上に出ております。
 これから日本が国際社会の一員としてやっていくために、外務省の職員たちが全力を挙げて闘えるような数字をぜひ確保させていただきたい、これをこの機会に与野党の先生方にお願いを申し上げておきたいと思います。
○猪木寛至君 ぜひそうしていただきたいと思います。
 また、連日新聞紙上に載らない日がないという地球的環境保全あるいは人口問題、CO2の問題、これはCO2に関してはアマゾンとのかかわり合いが大変大きいと思いますが、せんだって私もアマゾンを視察してまいりました。いろんな公害問題を抱えておりますが、このアマゾンを守るという部分について日本はこれからどのような姿勢をとっていくのか。これは総理にお聞きしていいですか。
○政府委員(瀬木博基君) 事実関係だけまず私から申し上げさしていただきます。
 アマゾンの問題というもの、また環境の問題というのは全地球的な問題でございまして、我々としても非常に真剣に取り組まなければならないと思います。ブラジルとは昨年環境問題に関しても協議をいたしました。また、環境に関するミッションも派遣いたしております。御存じのように、ブラジルに新しい政府が生まれまして、中でどういうふうな対策をとっていくかということを検討中であるというふうに我々承知しております。そういうような状態を踏まえまして新たな協議をまた続けていきたいというように考えております。
○猪木寛至君 本当にそのような環境を、アマゾンを守るという部分で……
 もう一つは動物の保護ということで私がこの間視察してきた問題で、大変かわいいライオンタマリンという猿が絶滅寸前にあるわけなんですが、このライオンタマリン、日本としてもそういういろんな、小さなことかもしれないですが、きめの細かい情報を得てそういうことを守っていくという、それについてどれぐらい総理は情報をお持ちでしょうか、ちょっと。
○国務大臣(海部俊樹君) ライオンタマリンといいますのは、正直に申し上げますと、猪木委員からの質問の中に入っておるということで私も率直に調べてみました。それはお猿さんの一種で、ライオンと言うけれども、ライオンのようなたてがみを持っておることにおいてそのニックネームがつけられた非常にかわいい猿である。それが保存地の土壌の関係でいろいろとガスが発生する。そのガスが自然に発火する状況になっておって、自然に発火しますと、自然の火でもそれによって今度は猿の存続に非常に影響がある。それを何とか防いでいかなければならないというような問題が起こっておるんだということまでは私も理解を深めております。
 そして、それらの問題についてコロル政権がどのような取り組みをしていくのか。この間、大統領就任直前に私もお目にかかってお話はいろいろしておりますけれども、残念ながらこのライオンタマリンの問題は話には出ませんでしたけれども、しかし、非常に重要な世界の環境問題の一点として委員もお取り上げになってこうして御質問もいただくわけでありますから、我が国としては今後いかなる協力が可能か、それを検討してまいるつもりでございます。
○猪木寛至君 ぜひよろしくお願いいたします。
 最後に、総理が命運をかけておられる選挙制度の問題ですが、私も海外を歩いてみますと、今在留邦人が大変多くなっておりますが、その人たちの選挙権ということについてお伺いをいたします。
○政府委員(森繁一君) お尋ねの在外の邦人にかかわる選挙権の問題でございますが、かねがね政府部内でも多面的な検討をいたしております。ただ、投票日が接近しておりますことやら、周知徹底の問題やらいろいろ技術的な問題がありますので、なお今後検討を進めてまいりたい、かように考えております。
○猪木寛至君 もう時間もありませんので、これから国民の一人一人が今本当に危機的な状況にある地球上の問題に取り組んで、また政府からもそういう運動を起こしていただきたいと思います。
 これで終わります。ありがとうございました。
○委員長(林田悠紀夫君) 以上で勝木健司君の質疑は終了いたしました。(拍手)
 午後三時三十分まで休憩いたします。
   午後三時十九分休憩
     ─────・─────
   午後三時三十五分開会
○委員長(林田悠紀夫君) 予算委員会を再開いたします。
 これより谷川寛三君の総括質疑を行います。谷川君。
○谷川寛三君 日銀総裁にお越しを賜っておりますから、まず総裁にお尋ねをいたします。
 アメリカの経済でございますが、景気、成長率ですね、二・七%程度と言われておりますが、ただいまではそれを下回っているというのが皆さんの一致した見方のようでございます。一方でこの間の四月の卸売物価、これは対前期〇・三下がった。それから小売売上高も下がった。それから一方では、失業率は三月の五・一%から五・三%に上がっている。あしたは消費者物価が発表になりますね。そういうことで、指標を見ますと非常にばらつきがありまして、アメリカの連銀の理事さんの間でも意見が分かれていると聞いております。警戒的な見方をしておって、金利の引き下げもどうかなということのようであります。私から申し上げるまでもありませんが、アメリカの経済の動向によりましては日本も相当な影響を受けますが、日銀ではどういうふうにごらんになっておりますか。
○参考人(三重野康君) お答え申し上げます。
 たまたま先週国際会議のためにワシントンに行っておりましていろいろの方から話を伺ったわけでありますが、確かに委員から今お話がありましたように、ごく最近の指数は割に弱い指数が出ております。その少し前は割に強い指数が出ておりまして、非常にミックスした感じの指数が出ているわけでありますが、マーケットはそれぞれにちょっと過剰に反応しているようではございますが、多くの人たちから伺いますと、今のアメリカ経済は大体成長率で申しまして一・五ないし二・五の間を走っていると。これはアメリカの経済にとっては今は比較的心地のよい巡航速度の由でありまして、現在はいろいろな支障が出ているけれども、大体緩やかながら拡大が続いているということでございました。
 ただ、物価がなかなか下がらない。今委員が御指摘のように、先月はやや下がりましたけれども、長い目で見ますと四ないし五%というのからなかなか下がらない。したがって、これからも物価については目が離せないということでございまして、連銀当局の金融政策に私の立場からあれこれ言うのは適当ではございませんけれども、そういった状況からしまして、連銀は引き続き慎重な政策を続けていくんではないか、こういうふうに見ております。
○谷川寛三君 金利の引き下げも微妙なところにあるわけですね。
 そこで我が国の金利でございますが、常識的に見ますとちょっと円安になっている、後であれしますが。そうしますと、物価に対する圧力があって、やはり引き下げはちょっと無理なような感じがする。それから、黒字が減っておりますから国内の円資金が減っている。そうすると金融市場もタイトである。それから先日来ここでも問題になっておりますが、物価、地価対策の面からいいまして金融を緩めるわけにはいかない。そう考えますと、金利がやはり高どまりというのが私の見方でございますが、どうでございましょうかね、先行き。
○参考人(三重野康君) 委員御案内のとおり、金融政策はいろんなものの総合的判断でございますが、現在の日本経済の実態を一口に申しますと、物価もまず今のところまでは安定、落ちついた動きを続けておりますし、内需中心の好ましい経済発展を続けていると思いますが、ここで気にしなければなりませんのは、年初来のトリプル安といったものがファンダメンタルズにどういう影響を与えるかだと思います。
 結論を先に申しますと、私どもはすぐに景気が腰折れすることはないと思っております。なぜならば、今まで景気を支えておりましたのは設備投資と個人消費でございますが、設備投資につきましては、確かに株の急落、長期金利の上昇ということで、一部の企業で先の見通しがやや不透明になったということから、不急の設備投資を繰り延べする動きがございますが、大多数の企業は前広に資金調達を行っていたということもありますし、この時代を乗り切るためにはどうしてもやはり設備投資をしなきゃならないということで、引き続き設備投資は強い。個人消費につきましては、いわゆる逆資産効果が心配されるところでございますが、今のところは個人消費も強いということでございまして、もちろんある程度の景気のスローダウンは免れないと思いますが、私どもから見ますと多少スローダウンした方が物価に対するプレッシャーがやや弱まってかえって景気は長続きするんではないか、そういうふうに考えております。
 そういった景気の実態から判断しまして、もちろん今まで金利を上げてきた効果は今から出るわけでございますから、引き続き注意深く見てまいらなければなりませんが、そういった状況から見まして私どもの今のスタンスは、そういった今までの金利を上げました効果の浸透過程をじっくりと見てまいりたい、そういう立場でございます。
○谷川寛三君 わかりました。
 それでは、最近の円の動きを見ていますと、連休前は百六十円直前までいきました。それからきのうは百五十円ぐらいまでいって百五十三円で終わった。きょう午前の終わり値を見ますと百五十一円でございますか、これは乱高下でございましょうか。
 それから、さっきお話しのこの間のG7では円の水準が心配だという共同声明がございましたね。それではどの程度が、これはなかなか言いにくいと思いますけれども、適正な水準であるか、こういうことをお聞きしたいと思います。
○参考人(三重野康君) 委員御案内のとおり、先月のパリのG7におきましては、これ以上どんどん円安になるということは非常にぐあいが悪いということがコミュニケに書かれまして、今御指摘の今回のワシントンにおけるG7では、今のレベルがやはり対外不均衡の調整には望ましくない影響が出る可能性があるということをうたったわけであります。それを一つのきっかけとしまして、それにアメリカ経済の先行きに対する思惑も加わりまして円レートは円高の方向へずっと動いているわけで、私が出てまいりますときには百五十一円三十銭のところで動いておりましたが、いずれにしてもこの二、三日の働きは少し激し過ぎる。したがいまして、もう少しこの方向で安定するかどうかについては様子を見なければならないかと思いますが、しかし私どもとしましては、G7のコミュニケにも言われておりますように、今後の為替レートが円高の方向で展開し安定することを望んでおりまして、ただ、今委員御指摘の具体的にどのくらいかということでございますが、中央銀行の幹部が具体的なことを申しますとマーケットに不測の影響を与えますのでその点は御遠慮申し上げたいと思いますが、御理解いただきたいと思います。
○谷川寛三君 大体印象はわかりました。
 そこで、僕はこの間、さっき申しましたような共同声明を出しますにつきましては、総裁初め大蔵省の方々、御出席になった代表の方々、大変苦労されたことを伺いまして敬意を表するものでありますが、ところがああいうものを出して果たして効果があるだろうか、まあ失礼でございますけれども。と申しますのは、声明が出てすぐ反応が示されなかった。しばらくは音なしでいっていて、くしくも当委員会の開会の日、十一日に百五十五円になって、そしてさっき申しましたようにきのうきょうの働きである。どうもそれから見ますと、あの声明の効果じゃなくてアメリカ経済、さっきお話がありましたように、若干警戒ぎみであるというのが影響しておるんではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
 それから、大体今までは円高円安の是正の場合には各国の共同介入だったわけですね。ところが、これは最近は各国お家の事情があって、なかなかもう期待できないんじゃないか。アメリカは中間選挙をにらんでおるし、ドイツは統一いたしまして一対一で通貨を交換すればインフレの心配もせないかぬということで、なかなか日本のために円のためにというわけにいかぬじゃないかと。
 それから、僕はいつも思っておりますが、千億ドルからお金が働いているところへ二十億ドルとか三十億ドルほうり込んだってこれは何にもならぬじゃないかと思っておるんです。そういうことをちょっとお聞きしておきたいと思います。
○参考人(三重野康君) 円レートが最近円高になりましたのは、委員御指摘のとおり、何もG7の声明があったからだけではなく、一つのきっかけであったと思います。
 先ほど申し上げましたように、日本経済のいわゆるファンダメンタルズというのは、先進諸国の中では最もバランスのとれた発展をしているわけでございまして、意味なくどんどん円安になるわけではございません。にもかかわらず、やはり多くの資金が投機と申しますかとにかく動いているわけでございますので、ファンダメンタルズを離れてレートが動くことはあるわけでございます。ただ、このところずっと公定歩合も上げ、日本の金利も上がってまいりまして、実質金利で申しますとアメリカの金利より若干高いところまできております。それが続きますと、やはりいわゆる金の流れに変化が起きてきております。
 それは例えば年初来株が悪いのでどんどん株を売って逃げていった金がとまっている、あるいは今までどんどん海外に対して債券投資その他をやっていた金が今のところはほとんど動いていない、あるいは今までどんどん円安に参りますので、リース・アンド・ラグズというものがここまできますと巻き返しが起きるとか、そういう為替レートの裏にある金の流れがどちらかというともう円高にいってもいい方になっていたわけであります。そこにG7のあれもありましたし、今委員も御指摘になったようなアメリカ経済の先行き、どうも日本の方がよさそうじゃないかということもあって、円高になってきているというのが真相だと思います。
 それから、介入につきましては、たとえ協調でありましてもあるレベルでとめるとか、あるいはあるレベルを実現するということは、御指摘のとおりできないと思います。しかしながら、そういう不測の動きをするときにマーケットに対してそれはおかしいぞというシグナルを示すためにはやはり有効であろうと思いまして、何もあるレベルを維持したいというわけではなくて、そういうマーケットの動きがおかしいときには国際協調してそういう介入をするということは意味があるし、ある程度効果がある、こういうふうに考えております。
○谷川寛三君 これもちょっとあれかもしれませんが、円安にいっていたのが修正のあれになったと見ていいんでしょうか。
○参考人(三重野康君) 私は今までの行き過ぎた円安の方向がここで修正の過程に向かいつつあると思います。ただこの二、三日の動きが余りにも激しいものですから向かったと断言はできませんけれども、向かいつつあるというふうに期待しております。
○谷川寛三君 向かいつつあると理解しておられますね。
 そこで大蔵大臣に伺いますが、経常収支でございますが、黒字減らしの施策が功を奏しまして、六十一年度九百四十一億ドルであったものが八百四十四億ドル、七百七十二億ドルと減って、平成元年度には対前年三割も減って五百三十五億ドルになったと。これは大変各国からも評価をされておりますが、一般の人々も、私もそうでありますが、このままいっていいのだろうかなと。一方で、東欧とかアジアの諸国からジャパンマネーに対して経済援助につきまして非常に要求が強くなっている。金額もふえておりますね。このまま減っちゃって果たしてそれに応じることができるであろうか、こういう心配をするんです。
 そこで、見ていますと、長期資本収支はマイナスの千億ドルですね。黒の倍も旅行とかさっきお話がありました海外投資とか、これは僕はとめることがもうできないと思うんですね。そうしますと今のような心配を非常にするのでありますが、どのあたりが適正な水準でしょうか。警戒水準みたいなのがあるんだろうと思うのでありますが、ちょっとその点が心配になりました。
○国務大臣(橋本龍太郎君) ちょうど四月七日のパリのG7の際に円の問題について共同声明に言及を求めた私に対し、ある国から日本の経常収支の黒字幅が非常に減少しているではないかという議論がありました。そのときに私の方から申しましたことは、それは国際経済の中において日本の経常黒字の縮小を求められ、その中で我が国が内需を拡大し輸入を拡大し安定した成長を遂げている証左であり、国際的な約束に従い国際経済のルールの中で行動してきている証明であるという反論をいたしたことがございます。
 確かに、今委員が御指摘になりましたように、堅調な内需の拡大また現地生産化などによる構造調整の進展などによりまして、着実に経常収支黒字は縮小してきております。また、これは運輸省に大変御協力をいただいているわけでありますけれども、旅行収支における赤字幅の拡大というものもこの中に大きな役割を果たしております。
 経常収支黒字の好ましい水準というものが一体どの程度か、これはもう委員がよく御承知のようにさまざまな議論がありますし、一概に言えるものではございません。ただ、基本的には我が国の経済運営に支障がない、しかも国際的に調和のとれた水準というものをある程度めどとして考えていくということに尽きるであろうと思います。
 たまたま先日、日銀総裁からもお触れになりましたワシントンにおけるIMFの暫定委員会の席上、IMFから公表されました世界経済見通しの中には、今委員から御指摘になりましたような視点で、最近及び今後のドイツ、東欧の動向に関連して、世界的に貯蓄需要が高まる可能性があり、このことは特に国民貯蓄を減少させる措置を通じて、今後二、三年のうちに日本がその対外黒字を解消させることは望ましくないかもしれないということを示唆しているという表現があったわけでありまして、こうした御議論もまた私は一つの視点であろうと思います。
 日本は、一方におきましては日米構造協議の中において、我が国として引き続き着実に輸入を拡大しながら我が国の経済を内需中心で発展させていく責任を負うているわけでありますし、一方では今のような御論議もあるということを考えてみますと、やはりまさに我が国の経済運営に支障がない、しかも国際的な責任を果たす調和のとれた水準というものをおのずから模索していくということに尽きる、そのように考えております。
○谷川寛三君 かじ取りが大変難しいと思いますが、ひとつ慎重にお願いしたいと思います。
 通産大臣に伺います。私は黒字をすぐ減らせとは申しませんが、黒字減らしの一環としての大きなあれとして、今までたしか個別の企業につきまして輸入をしなさいという行政指導があったように思っておりますが、これはどうなんでしょうかね、これからも続けていかれるんですか。私はこれはやっぱりこの際見直しをせぬといかぬなという気がするんですけれども、どうでしょう。
○国務大臣(武藤嘉文君) 行政指導で輸入拡大をするなんてことは大変おこがましいことでございますし、あくまで自由貿易が建前でございますから、しなさいというような表現を私は使った覚えはございませんけれども、いずれにしても今の日本の貿易収支、確かに今御指摘のように、ここ二、三年前と比べればだんだん減ってきております。特に一九八九年は減ってきておるのでございますけれども、しかし、今なお世界の中ではこれだけの貿易黒字を大きく持っている国というのは余りないわけでございまして、そういう面ではやはりもう少し黒字は減らしていかなければいけないんじゃないかということで、輸入拡大について私の方としてはこういうことを考えているから皆様もお考えいただきたいということでそういうような会議を持ったわけでございまして、決して強制的にしようというような気持ちはございません。
 将来においてそれじゃこの会議を続けていくかどうかということでございますけれども、黒字が余り減らないときには、やはりこれはそういうような会議を持って、民間の皆様方の何といいますか注意を喚起すると申しますか、そのようなことはお願いをしなければならぬと思っております。
○谷川寛三君 そうですね、注意喚起、大変いい言葉だったと思います。わかりました。
 それで私、総理に伺いたいんですが、例の前川レポートが出ましてから早いものです、四年たちました。当時、各国から大変高く評価されましたですね。私もあれを当初読みましてなかなかいいレポートだ、これを実行するとなると大変だなと思っておったんですが、四年間のあれを見ますとマクロ的な面におきましてはレポートが提起した問題の方向に行っているように思います。例えばさっきの黒字減らしなどですね。ところが、地価対策とか制度面におきましてはまだまだであったと。これを四年間にしっかりやっておけば経済摩擦も今日のようなことにはなっていなかったんじゃないんだろうかなという気もするんですが、ひとつ所見をお聞きしておきたいと思います。
○国務大臣(海部俊樹君) 経済構造調整をして、世界経済と日本経済との流通といいますか門戸開放といいますか、内需を振興して輸入をふやしていくことが大切だという前川レポートにずばり書かれてある結論的な問題は、私は全く正しかったと思っております。そして、それなりの努力も続いてきましたからこそ過去二年間で日本の輸入も六百十億ドルふえたということになっておるんですが、御指摘のように物ごとにどうも十分でなかった、不十分でありたという点もあるわけでありますから、あれが一〇〇%完全にできておったならばということを思いますとあるいはもう少し前進をしてもう少し改善に近づいておったんではなかろうかと、そんな気持ちも私には率直にいたします。
○谷川寛三君 今お答えがありましたように、提起した方向に緩やかではありますが進んでおることは私も認めます。一方で私考えますが、日米構造協議、この問題もこれが成功しますためにはやっぱり国際協調が必要だ。お互いにやりとりをしておりましたしね。そういう意味では、いろんな面で世界的な軍縮の高まりも起こってきた。軍事費の見直しの状況にもなってきた。アメリカも双子の赤字が、なかなか難しいですけれども少しずつ改善されるような格好に来ているように見える。そういう意味では、環境としてはだんだんよくなっておるし、それからまた、この間日米構造協議の中間報告が出ましたが、これもいろいろ問題はありますけれども大筋で評価できる方向に進んでいる、こういうふうに思います。
 一方で、前川レポートに携わった方々が見ると、日米構造協議と言うけれども、何だあのときに提起した問題が向こうから言われぬでもたくさん入っておるじゃないかということもおっしゃるかもしれません。そういう意味で考えますと、やっぱりこれからこれをやるということが一番大事だなと、議論するよりは実行だ、こういうふうに私は思います。
 それから、例えばそういう構造協議の中でアメリカは、土地基本法の制定を評価していますけれどもなお厳しい視線を向けているということは、やっぱりいろいろ文章では書いておるけれども実行だなというふうににらんでいるんだと思いますね。だから、ここで七月にいよいよ最後の報告、結論が出るんでしょうか。そのときに不退転の決意でこれを実行しなかったらかえって僕は相手方の非常な不信を買って、またトラブルが起こってくるんじゃないかという気がするのでございますがね。この点ひとつ御決意といいますか、お気持ちを。
○国務大臣(海部俊樹君) 御指摘のとおりに、七月に最終報告の文書がまとまりますけれども、これはあくまで日本だけの問題じゃなくて、日米双方アイデアを出し合い共通の認識に立ち日米双方でやろうということの協議でございましたが、日本側の立場に立てば、日本として最終文書にまとめたことはこれは着実に実行していくということが大切なことであろうかと、私もそのように考えております。
○谷川寛三君 構造協議もいろいろお聞きしたいこともございますが、大分議論がなされたようでございますから、かつ時間もせかされておりましてね。
 公共事業につきましてお聞きします。
 この間うちから、同僚議員からも大分質問がありました。また経済企画庁長官の話ですと、きょうあたりから具体的にヒヤリングが始まるということですから、また本決まりになってから機会を見ていろいろ細かく聞きたいと思うんですが、私が考えることは、アメリカの期待は大規模プロジェクトへアメリカの土建屋さん等が入ってきたい、企業が入ってきたい、率直にこういうところにあるんじゃないか、消背者のためとかいろいろ言っておりますけれども、という気がするんです。
 そうしますと、問題は対象の地域だと。幾ら一極集中排除とか言っても、そこでいろいろ問題が出てくるんじゃないか。余り地方で細かいことをやっていてもアメリカの気には入らぬでしょうね。やっぱり大きなプロジェクト、中央空港とか、そこが心配なんです。地方の時代ということが叫ばれ出しましてから年久しいわけですが、なかなか地方の時代になっていません。それから、ふるさと創生といういいアイデアが出てやっと緒につこうとしているときですから、なお大事。地方といいましても、私が言うのは北海道のように大きなプロジェクトのあるところは別でございます。とにかく公共事業に命を証しておる四国とか九州が問題なんですね。
 この前の予算委員会で当時の渡部自治大臣が超傾斜配分をやるとお約束してくださったんですが、リップサービスじゃなくて、私本当に心配なんです。超傾斜配分をしていただきまして、このアメリカのあれに応ずることは結構ですからやっていただかぬと、これは大変な問題が起こる。反感が起こってきますよ、公共事業をこういうふうにすることによって。と思いますので、大蔵大臣のお言葉を。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 構造協議以前の問題といたしまして、御承知のように関西空港の工事に着手いたす前後からアメリカ側の企業の建設市場参入問題というものが起こりました。そして、これについては基本的に我が国は内外無差別という方針を堅持しつつ、その日本市場に対する参入の習熟のためのプロジェクトとして関西国際空港あるいは東京湾横断架橋等幾つかのプロジェクトが提示をされ、今ちょうどそのフォローアップの時期を迎えていることは御承知のとおりであります。
 同時に、今回の構造協議の中におきまして、数回の協議の中にアメリカ側からさまざまなアイデアが提起をされましたことも事実であります。そしてまた、委員が御指摘のように大規模なプロジェクトを例示し、あるいは都市に集中してはといったアイデアがその途中で論議をされたことも私は否定をいたすものではありません。
 しかし、中間報告におきまして、今後の中長期的な公共投資のあり方については、本格的な高齢化社会が到来する二十一世紀を見据え着実に社会資本整備の充実を図っていく、公共投資の配分に当たっては国民生活の質の向上に重点を置いた分野にできる限り配意していくという文章で日本側の考え方をまとめましたとおり、公共投資を大都市中心に行っていくという考え方を我々はとっておりません。
 これは、公共事業の地域別の配分というものを考えます場合には、従来から地域の活性化を図ることが重要であるという認識に立ち、地域経済の実情、それぞれの地域における社会資本の整備の状況等に十分配慮して実行してまいったところでありまして、殊に高齢化社会を展望しつつ国民生活の質の充実を図るという視点から考えます限りにおいて、この方針を変更する必要はないものと考えております。
○谷川寛三君 くれぐれもひとつよろしくお願いをしておきたいと思います。
 それから、構造協議の中で出ております土地住宅の問題にちょっと触れておきたいと思います。
 この間うちから議論されておりますように、もう本当にサラリーマンの方々が一生かかっても家が持てない。大変なことだと思います。それから、御案内のとおり、住宅・都市整備公団で三十年代につくりました住宅につきまして老朽住宅の建てかえをやろうとして、そして平成元年度からは本格化して毎年一万戸ずつ建てかえる予定でありましたところが、地価の問題にひっかかりまして千九百戸ですか、去年は取り残しがあっているんですね。そういうふうになかなか、きょうもありましたが、政府で住宅整備だとか言っていてももう地価対策で詰まっちゃっている。大変僕は残念に思っております。審議会でその審議をしております、審議会にかけますということじゃ、もうこれはとても間に合わぬところへ来ているんじゃないでしょうか。そんなことを言っていたんじゃとてもいかぬところへ来ておるのであります。
 この間国土庁長官はヘリコプターに乗って上からごらんになったそうですが、企業が持っている土地なんかもちょっと新聞なんかで地図も出ておりますから、遊休地もはっきり御確認になったと思うのでございますが、御感想はいかがでしょうか。
 それから、どなたか局長を韓国にやって、韓国はドラスチックなことをやっていますね、土地公概念法とかなんとかいう法律がありますが、こういうのを見てこさせて大分参考になったと思いますね。それからまた、最近は超党派の議員団の方方がその間の視察にお行きになっておられるように聞くのでありますが、ひとつそういう上から見られた御感想とか韓国の状況等を御視察になった結果を踏まえまして、そして議員団のあれもお聞きになりまして、清水の舞台から飛びおりるつもりで、まあ韓国どおりというわけにはいきませんでしょうけれども、ドラスチックな施策を講ずべきときに来ているんじゃないでしょうか。検討中じゃもう済みませんです、これは。
 都がいろいろやっておりますね。都内の土地所有者から都営住宅用地を募って、自主的に売却をしてくれた土地を全部買い上げましょうと。相当思い切ったことをやっていますが、こんなのを後から見習って追っていくようじゃつまらぬと僕は思います。御決意のほどを承っておきたいと思います。
○国務大臣(佐藤守良君) 谷川先生にお答えいたします。
 実は、谷川先生の御指摘のとおり私も思い切ってやりたいんですが、なかなか難しいのは、私権の問題もございますし、これをどうするかという問題でございます。実は、今度は今までと違いまして、先生御高承のとおりでございますが、二つの問題で違うと思います。
 一つは土地基本法の制定でございまして、これは公共優先の原則をつくりました。それからもう一つは、海部内閣の最重要課題として土地対策関係閣僚会議を開きまして十項目の重点事項を決めました。これはまた日米構造協議の中間報告の答申に示されたとおりでございまして、早期にやろうということが違ってきたわけでございます。
 先生が御指摘のとおり、先月ヘリコプターで東京都内を視察しました。これは実は宅地供給ということでございまして、国公有地がどうなっておるかあるいは企業が持っておる工場の低・未利用地がどうなっておるかという問題、それからもう一つは農地がどうなっておるかという問題で飛びましたら、随分土地がありますね。問題は先ほどの国公有地の問題ですが、一つは、マンションが建っておりますが、昔は六階建てです。これは十五か二十か建てられますが、家賃の問題が非常に難しいようでございます。仮に建て直すと、家賃が高くなるわけです。そこで、家賃控除の問題その他が出ておると思うんです。それからもう一つは工場の低・未利用地、ほとんど青空駐車場ですね。
 ですから、私はむしろこういう低・未利用地を活用しまして住まいを持ちたい人に住まいをどうして持たせるかということで、むしろ企業が労使挙げて組合員に利益を配分するような形、そんなことでモデルケースができぬだろうか。そうすると所得の五、六倍で楽にできると思います。そんなことで、これも何とか活用したい。あと農地の問題。したがいまして、宅地は首都圏でも大体六万三千ヘクタールございますが、そういう候補地がこの二割出れば、家は約一万ヘクタールで二百二十万戸できますから、ということで大体二万ヘクタール出れば実は四百万戸できるということで、住宅問題は心配ない。
 ただ、問題はどうして地価を安くするかという問題でございます。そんなことでございまして、総理の強力な指示もございまして今やっていますことは、地価をどう安定させるかということです。そして、安定させながらどう下げるかということで、ここに政治的配慮と政策的配慮が必要だと思っています。そんなことで、首都機能移転の問題とか国会移転の問題等の政治的配慮、その中に宅地供給をどうするかということで頑張っておるわけでございます。
 先般、韓国に実は藤原土地局長が五月の連休四、五、六日に行ってきました。実は韓国も土地問題について非常に悩んでおりまして、一月一日から超過利益に対する課税の問題、開発利益に対する課税の問題、それからもう一つは自分の住まいを持ったとき、約二百坪以上持ったときの課税の問題、三つございましてこれをやりましたけれども、土地は上がりました。
 そんなことでございまして、いろんなことがテレビで報道されていますが、基本は私権をどうするかという問題ですね。恐らく今度は各党の代表の方が韓国に行かれましていろいろ調査してお帰りになるということで、楽しみにしております。というのは、局長が行けば役人が行ったわけで会う範囲が狭いと思いますが、政治家の方が行けばもっと幅広い形でお話が聞けるんじゃないか。そんなことでございまして、したがって韓国の土地に取り組む姿勢はよく知っております。大いに学びたいと思っていますが、私権をどうするかという問題、これを踏まえて今先生がおっしゃるような住まいを持ちたい人が住まいを持てるような政策をやりたい、こんなことで総理の強力な指示を得ながら頑張っております。
 ただ問題は、私も清水の舞台からやりたいです、そしてここでたんかを切りたいですが、切りにくいのはその辺に問題がございまして、その点御理解願いまして、これからも御支持、御後援を心からお願いする次第でございます。どうぞよろしくお願いします。
○谷川寛三君 御苦心のほどよくわかります。しかし、方向はわかっているんですから、税制にしてもこういうのをやればいいなというのはわかっているんですから、飛びおりるかどうかですよ。今お話が出ました内閣の最重点、僕もそうだと思います。今一番重要な問題は土地問題だと思うんです。総理からも一言御決意を。
○国務大臣(海部俊樹君) 土地問題が極めて重要なことは、これは委員御指摘のとおりでございます。土地対策閣僚会議においても、与党のいろいろな政調会内部の作業と協力をしながら、未利用地を利用するとか、あるいは土地対策については基本法の示した理念に従って強力に前進していくということを決めまして、鋭意取り組んでまいる考えでございます。
○谷川寛三君 ひとつ思い切ってやってください。
 それから、科学技術庁長官にお伺いいたします。
 この間アメリカへおいでになってNASAの長官ともお話をなさったそうですし、それから私は大変夢を持っておるんですが、日本人初の宇宙飛行士も決まった。毛利さんですか。それから、あさってからは京都で国際宇宙年の関係機関の国際会議がございますね。そういうこともありますから、宇宙の問題につきましてちょっと上の方を飛んで。
 日本の宇宙開発は米ソに比べますと大変おくれて出発しました。しかし、四十年代の初めに宇宙開発委員会、宇宙開発事業団が発足しまして二十年間、大変な進歩を見まして今や欧米諸国に匹敵する、あるいは物によっては上回っておると僕は思うんです。アメリカが心配しているぐらいですから。これまで経験がなかった今の有人宇宙飛行につきましても、毛利さんがスペースシャトルに乗ることが決まった。大変うれしいことでございます。有人宇宙活動を開始し得るようになったんですからね。
 とりわけ宇宙ステーション計画は、これは日米欧機関が協力して実施する分野の最大のプロジェクトと言えます。それから米国、欧州宇宙機関等と対等の立場で日本が独自の実験モジュールと搭乗科学技術者をもって参加する、こういうことになりました。これは今まで欧米への依存度が強かった我が国の宇宙開発がいよいよ本格化したんだと強く印象を受けておるものでありますが、有人宇宙活動に必要な技術の習得や開発にはこれからもなお一層の努力が必要だなということも痛感をいたします。
 さらに、最近喫緊の課題となっております、後でお伺いしますが、地球環境問題につきましても、グローバルに地球環境を観測できる人工衛星が重要な役割を果たすことになる、こう思っております。積極的に国際的な貢献もしなきゃならぬ、また期待も高まっておる、こう考えております。
 それからまた、三〇一条で問題になりました日米間の衛星問題に関しましても、研究開発衛星以外の商業目的の衛星等の調達はオープン、透明かつ内外無差別の手続によるというふうに原則については実質合意をいたしましたが、これによっても我が国の国際的地位にふさわしい国際協力活動に必要な自主技術開発基盤の確立に影響を与えないようにやっていかなきゃならぬと思いますので、これはよろしくお願いをしたいと思います。
 それから、先ほど申しましたようにNASAの長官にお会いになったようでございますので、毛利さんのほかに向井さんと土井さんが残っておりますが、このお二人もひとつ早くスペースシャトルに乗せていただくようにやっていただきたいと思います。
 宇宙開発につきましての長官のお考えと今の問題をお聞きしたい。
○国務大臣(大島友治君) お答え申し上げます。
 谷川委員、宇宙問題特に科学技術庁関係の問題について大変御勉強をいただいたんで私恐縮に存じているわけでございますが、まさに今御指摘いただきましたように、この間のゴールデンウイークのときにちょうど日米協定の中での第二回の高級委員会というのをやりまして、去年は我が国でことしは米国でということで私も行ってまいりました。そのときにやはり感じましたことは、今御指摘になったように日本も若干スタートはおくれましたけれども、しかしアメリカといえども、日本の技術あるいは科学という面から見て決してこれは世界に引けをとるものでないというような意識から、非常に関心を持ってきておるということを私は率直に感じてまいりました。
 そういう点からして、とりあえず宇宙の問題につきましては今後基本的な考え方というようなもので申し上げ、同時に先ほどもお話しになりました我が国において宇宙にふわっと日本人が行くことにつきましては既に新聞等でも御承知のとおりになっておりますので、その点につきましても直接関係者ともお会いしてお話をしてまいったわけでございます。宇宙開発の問題は、もちろん、今後我が国が発展していくとともに国際貢献を果たしていく、そういう上で非常にこれは重要な施策であるというふうに私は認識しておるのでございまして、谷川委員にまさるとも劣らない気持ちで私もやっているつもりでございます。
 そこで、今回の日米間の衛星問題に関する実質合意に関しましては、研究開発の積極的な推進それから民間における宇宙開発活動の促進等の充実に努めてまいりまして、宇宙開発活動を自在に遂行する能力を保持するために必要な技術基盤の確立を図ってまいりたい、こういう考えでおるわけでございます。
 そこで、御指摘の有人宇宙活動については、先般日本人といたしまして初のスペースシャトル搭乗員が決定されたところでございますが、御参考に申し上げますというと、多分五年ぐらい前だったでしょうか、全国から五百三十名の応募者がありまして、その中から三名、女性一人、男性二人、合計三名がアメリカで長いこと訓練を受けて、ついこの間こっちに参っておりまして、さらに去る四月の二十九日に、御承知のように毛利さんが来年六月のスペースシャトルに乗るということで人選されまして、そして三人とも一応アメリカにただいま参りまして訓練を受けているというようなことでございまして、そういうような現状になっておりまして、搭乗員を今度は送れることになったわけです。そしてスペースシャトルの来年の名前は、これは募集しまして「ふわっと91」というんです。来年が九一年ですから「ふわっと91」という名称の宇宙船に乗って来年スペースシャトルがアメリカから飛び立つ、それに日本人が一名だけ搭乗できるということになっているのが現状でございます。
 また、宇宙ステーションにおける有人飛行活動に備えるために、平成二年度から第二次国際微小重力実験室計画、これはIML2と言っておりますが、これに参加するために必要な経費を政府予算案に計上していることもまたこれ事実でございます。こういう点、前向きにはやっておるんですが、決して十分とはまだ言えないのでございます。
 そこで、日本人の搭乗につきましては、私が先日訪米いたしました際に直接米国のNASAのトルーリー長官にお会いいたしまして、現在訓練中の残る二人の搭乗員候補者につきましても、この二名にもぜひ搭乗の機会を与えていただくように強く私も要請してまいったところでございます。これが実現されるならば、平成五年に再びスペースシャトルの日本人搭乗員が具体化するものと私も期待しておるのでございますが、なかなかそう簡単にはまいりませんけれども、私も強くお願いをしてまいりました。私の真心が通じて、ややまじめに受け取って御協力の意を表していただいたということを改めて御報告申し上げます。
 それから、さらに地球環境問題における国際貢献にも積極的に取り組んでいく所存でありまして、平成二年度から地球観測プラットホーム技術衛星、これはADEOSと申しますが、この開発に着手することとして、必要な経費を政府予算案に計上しているところでございます。本衛星には、我が国の観測機器のみならず、オゾン等の観測に大きな威力を発揮すると期待される米国それからフランスの観測機器も搭載する予定になっておるようなわけでございます。
 このように、まさに谷川委員の非常な関心と御協力に感謝しながら申し上げたわけでございますから、ひとつ十七日、十八日も、先ほども言った国際宇宙年の国際会議を京都でやりまして、二十四カ国それから機関が五十ということで、約百名の専門の人たちが京都に集まりましてこの問題を協議するということになっておりますので、日本といたしましても積極的に我々はこれに参加していくべきじゃなかろうかということでございます。どうぞ今後とも絶大なる御協力をひとつお願いします。
 以上でございます。
○谷川寛三君 ひとつ頑張ってください。向井さん、土井さんにつきましても平成五年には乗れる、若い人に夢を持たせるようにせっかく今後とも御尽力をお願いいたします。
 それから続いてもう一つ伺いますが、基礎研究の問題でございます。今まではどうも日本は応用開発研究を中心にして科学技術振興を図ってきた。その結果、自動車とか半導体とか世界を制覇するまでになった。しかし、その源泉になりますオリジナルのところでは欧米の基礎研究に乗っかってきておった。だから科学技術ただ乗り論、今でもまだちらほら外国の雑誌には出ております。残念なことでございます。
 前川レポートでもこれは強く指摘されておったところでございますが、科技庁長官、この間日米科学技術協定に基づく合同高級委員会に議長として出席されまして、基礎研究の推進につきましても大分やってこられたように伺っておりますが、今後の基礎研究の推進方策についてお伺いしたいと思います。これは大変重要なことでございますので、総理からも御決意を承っておきたいと思います。日米構造協議ではGNPの一割を公共事業にとか言っておりますが、GNPの何%というのも見識のない話でございますけれども、少なくとも科学技術予算を、今は〇・五ぐらいですが、一%ぐらいは思い切って張り込むというぐらいでなきゃ僕はいかぬじゃないかと思うのでございますが、そういう点も含めて、これは総理からも伺います。
○国務大臣(大島友治君) 大変重要な問題でございますので、申し上げたいと思います。
 まず第一に、二十一世紀に向けてより豊かな社会の構築を図り国際社会に積極的に貢献していくためには、創造的な基礎研究の推進が極めて重要であるというふうに私も考えておるわけでございます。この点が一つ御指摘なされたこととして私も承知しております。
 それから二番目には、基礎研究については大学や国立試験研究機関に期待するところが極めて大きい。また科学技術庁といたしましては、これまでにいろいろやっておりますが、まず第一に、ベネチア・サミットにおいて我が国より提唱した生体の持つすぐれた機能を解明して難病の克服等に資することが解明されるいわゆるヒューマン・フロンティア・サイエンス・プログラム、これを初めといたしまして、次には全く新しい知見を発掘するためのフロンティアの研究ということで、この間この問題もやってまいりました。
 それからその次に、革新技術の芽を創出するための創造科学技術推進事業、さらにまた科学技術振興調整費の活用による国立試験研究機関等における基礎研究、これらの基本的な研究を積極的に進めていくということが一つでございます。
 次に、平成二年度の予算政府原案におきましては、これらの充実を図るとともに、新たに創造性豊かな若手の研究者を国立試験研究機関に基礎研究の推進を図るための科学技術特別研究員として受け入れることを予定いたしておるのでございます。また、先般の日米科学技術協力の協定に基づく合同高級委員会におきましても、人類全体に貢献するとの観点から、基礎研究を日米両国がさらに協力をしつつ推進することで合意もいたしました。そして、アメリカからもこの点につきましては若い大学院生といいましょうか、そういうのを二十五名日本に必ず送るというような約束も取りつけて、非常に日本に対する関心を強力に示していただきました。
 そういうような以上の状況でございまして、今後とも我が国の基礎研究の強化のためには一層努力を払ってまいりたい、こういうことで進んでまいりたいと思うのでございます。
 以上でございます。
○国務大臣(海部俊樹君) 丁重な説明が担当大臣からございましたので私は考え方を一言だけ言いますと、基礎学問研究の峰を高くしていくことが日本が国際化時代に諸外国から期待される問題の一つである、こう考えておりますし、応用段階とかあるいはもう少し基礎の学問研究の方に力を入れていって、バランスのとれた学問研究の貢献をしていきたい、これは大事なことだと考えております。
○谷川寛三君 宇宙の話を聞きましたから、今度は地球の問題をちょっとお聞きしておきたいと思います。
 地球環境問題は御案内のとおり昨年アルシュ・サミットで主要な議題として取り上げられました。また、せんだっての世銀・IMF合同開発委員会でも地球環境基金が設立されることを盛り込んだ共同声明が出されることになったというようなこと等で、今世界的な最重要課題になっておると私は考えております。科学的な因果関係の立証はともかくとしまして、地球の温暖化で海面が上がるというようなことで、オランダあたりでは大変な危機感が持たれておるようでございます。この地球環境問題の重要性につきまして政府ではどういうふうに認識をされておるか、お伺いをしたいと思います。
 それからまた、この際各省ばらばらに環境行政をやっておりますことを反省いたしまして、やっぱり環境生活省といいますか、何か省をつくってそこで一括して環境行政をやるべきときに来ておるんじゃないかとも思いますが、これは総理大臣からもできたらお伺いしたいと思います。
○国務大臣(海部俊樹君) 地球環境の問題は極めて重要な問題だと心得ておりまして、環境庁という役所もございますけれども、地球環境問題担当大臣にわざわざ環境庁長官を命じましたのは、環境庁のみならず多くの役所に関連する事項も多いわけでありますから、それを取りまとめて環境問題に関する限りは担当大臣が責任を持ってやっていくようにということになっておりますので、今後も力を合わせて前進をさせていきたいと心得ております。
○谷川寛三君 総括はするかもしれませんが、やっぱり定期的にやっておりませんのでいろいろあれが出てくる面もありますので、そこはお含みを賜りたいと思います。
 そこで、そういうこととも関連しますが、せんだってアメリカでいわゆるホワイトハウス会議というのが行われました。ここでは、新聞等でも御案内と思いますが、アメリカとヨーロッパ諸国で考え方に大分対立がありまして、日本はその谷間に埋没してしまったというようなことが言われておりますが、この会議で日本はいかなる役割を果たしたのであるか、どんな主張をなさったのであるか、また会議の成果はどうなったのかというようなことをお聞かせいただきたいと思います。これは北川長官でしょうか。
○国務大臣(北川石松君) 谷川委員の御質問にお答え申し上げたいと思います。
 せんだって四月十七、十八日、ホワイトハウスにおきまして世界の環境関係の各大臣が寄りましていろいろ環境に関する問題が提起され、討議をいたしました。決して日本は埋没はいたしておりませんから、この点をまず冒頭にお答えを申し上げておきたいと思います。
 ただ、その会議の間におきまして、EC、オランダを初めとするドイツ等が、昨年十一月のオランダ会議のノルドベイクの宣言があるじゃないか、これを早くやらなくちゃいかぬじゃないかという意見を出してまいりました。この中でアメリカは、やはりまだ不確実性があるからこれを研究しなくちゃいけない、こういうところの意見が出てまいりまして、その中で日本は一日も早く実行しなくちゃいけない、この意見を出しました。特にオランダ会議においては各国の意見がばらばらになったのを日本がまとめて先進国のCO2対策を確定したものでございますから、欧州諸国の意見を踏まえまして、一日も早く行動しなくちゃいけないという意見を申し述べました。また、その反面アメリカが言っておりまする研究ということも重大でありますから、経済の発展を損なうことなく環境をよりよくしなくちゃいけない、この意見も出しまして、特にそういう点で議長を務め政府代表として三たび演説をいたしまして、特にアメリカと欧州の間に立ちまして中和的精神を持って各国に環境の重要性を認識させたと思っております。
 以上であります。
○谷川寛三君 そうすると、その会議で二酸化炭素の排出抑制と経済成長との関係につきまして日本政府の代表間で意見の相違があってごちゃごちやしたというのは、そういうことはありませんでしたですな。
○国務大臣(北川石松君) 谷川委員の重ねての御質問でございますが、そういうことはありませんが、ただ三ブロックに分かれましたから、通産省関係でCO2対策に対する意見がありました。しかし、そのことについては日本の代表といたしまして意見の相違は全くありませんでしたことを申し添えておきます。
 以上でございます。
○谷川寛三君 そこでお伺いしますが、長官が発言されたと報道がありましたが、経済成長を損なうことなく環境政策を推進することができるということの、僕らが考えたら余りあれすると経済成長もそれだけ制約されるんじゃないかと思うんですけれども、根拠をお知らせ願いたいと思います。
 それから今後どのような方針で温暖化問題に対応していくのか、これまた長官のお考えを聞いておきたいと思います。
○国務大臣(北川石松君) 委員の重ねての御質問の温暖化対策については、これも一応先ほど申し述べましたが、なおこの点につきましては手おくれにならないということが重要なことであろうと考えております。
 また昨年十一月の先ほど述べました大気汚染におけるノルドベイクの会議の件もありまして、温暖化対策は重要なことであると同時に、御承知のように外務省の桜も一カ月半ほど早く咲きました。そのように地球全体に温暖化が寄せていくことは事実であると思っています。これの対応をしなくては、海水面その他においての上昇ということも考えられます。そういう点においてアメリカと欧州各国のCO2政策がいかに大事かということはみんな承知しております。しかし、これは私は企業も各家庭もそして世界各国が一つになって対応しなくちゃいけないと思っております。特にそういう点で国は異なれども地球は一つということを申し述べまして、日本の意見を申し述べました。
 その間に私は、CO2を抑えることのみに走ってしまうならば経済の伸びはこういうふうに落ち込むのではないかという日本の意見があったので、それが相違点だということを指摘されました。そういうことでなしに、日本はいろいろ過去の中で公害を克服しながら経済を伸ばしてきた実績がありますから、そういう点を申し述べたのでありまして、地球温暖化に対してはなおなお研究をし、前向きで対処しなくちゃいけない、こういう考えを持っておりますし、足らざる点につきましては政府委員に答弁をさせます。
○谷川寛三君 我が国としましては、地球環境問題の解決に向けまして積極的に貢献をしていかなきゃいかぬと考えておるのでありますが、今回のワシントン会議を受けまして温暖化対策、特にCO2対策、二酸化炭素の排出抑制につきまして環境庁ではどういう対策を考えておられますか、お聞きしておきたいと思います。
 それからこの会合で通産省は再生計画というのを発表されたようでございますが、これの概略をお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(古市圭治君) 環境庁の方では地球温暖化対策といたしまして幾つかの点を考えております。
 まず第一番目には、IPCCの作業が国際的に進んでおりますが、これに全面的に協力して積極的な役割を果たしていく。我が国におきましては、ただいま長官が話をされましたように、過去において公害対策の国際的な先進的な実績におきまして、経済成長を損ねることなく燃料の省エネルギーを世界で一番進めた、こういう実績がございます。それに基づきまして各種の省エネルギー対策をまずやっていく。それからまた、天然ガス等の二酸化炭素の排出の少ない燃料への転換を図っていく。また、新エネルギー、そういうものの開発を行っていく。こういうことを総合して省エネを進めていきたい。
 さらには産業構造全体の変換、また国民のライフスタイルの変換、そういうものを通じて国際的な炭酸ガスの排出抑制に向かっての率先的な対応をしていきたい、このように考えております。
○政府委員(岡松壯三郎君) 先生御質問の地球再生計画という計画の件でございますが、これは地球温暖化対策といたしまして現在産業構造審議会で検討しております一つのアイデアでございます。そもそも地球温暖化問題といいますのは、産業革命以降長い年月を経て生じてきた問題でございますし、また科学的にも未解明の分野が多いわけでございます。かつ、対応の仕方いかんによっては経済活動を含む人間の諸活動全般に大きな影響があるものというふうに考えておりますことから、長期的、計画的かつ世界的に取り組んでいくことが必要であるというふうに考えておるわけでございます。
 地球再生計画といいますのはこのような考え方に立ちまして対応のあり方として検討されているものでございまして、具体的には省エネ計画でございますとか代エネ計画でございますとかあるいは技術開発、CO2の吸収源の拡大等の対策を計画的に進めていこう、特に前半五十年で各種の技術開発計画を進めてまいりまして、後半五十年でこの成果を生かしていこうという計画でございまして、百年というレンジでこの地球をまたもとの地球に戻していこう、こういう計画でございます。
○谷川寛三君 今お話がありましたように、地球環境問題につきましてこれから調査研究をしていかなきゃいかぬ部面がたくさんあると思いますが、どう取り組んでいくか。それから温室効果ガスの排出規制等を含めました法制度の確立がどうしても必要であると思いますが、この点についての環境庁の考えを聞いておきたいと思います。
 時間がありませんのであわせてお伺いしますが、省エネルギー、代替エネルギーはこれまで以上の新たな手法を考えていかなきゃいかぬと思いますが、通産省どうでしょうか、これは都市廃熱等の未利用エネルギー活用システムにつきましてもお答えを賜りたいと思います。
○政府委員(古市圭治君) 前半の御質問でございますけれども、国際的にこの秋に開かれますIPCCにおきまして報告が出されますと、それに引き続きまして条約の作成についての協議が米国のリードのもとに始まる。これは一九九二年の国連の会議においてCO2を含めて温暖化ガスの削減のための条約を締結しよう、こういう動きがありますので、先ほど申し上げましたようにこのIPCCの作業、それに引き続く条約、それに積極的に貢献する、その中で国内法の整備の対応も検討をしていく、このように考えております。
○政府委員(深沢亘君) お答え申し上げます。
 御指摘のように省エネルギー、代替エネルギー、これから今まで以上に進めていかなきゃならない。その必要性につきましては非常に高くなっているところにつきましても、御指摘のとおりでございます。
 今、エネルギーの安定供給の確保という観点に加えまして、御指摘のような地球温暖化問題を初めといたしました地球環境問題に対する関心というものが非常に高くなってきておりますものですから、そういう観点から未利用のエネルギーの活用を初めといたします省エネルギー対策、それから原子力にしましても、新エネルギーやら再生可能エネルギーにつきましての開発、導入、言うなれば環境に対する負荷の小さいエネルギーの開発、導入ということが特に注目されてきておるところは御指摘のとおりでございます。それで、従来通産省といたしましては、省エネルギーなりそういった再生可能なエネルギーに対しまして、各種の技術開発等を通じまして鋭意努力をしているところでございますし、また導入を鋭意推進しているところでございますけれども、この辺の努力が倍加されなければならないというふうに考えております。
 それから、具体的に先生御指摘の未利用のエネルギーにつきまして、御案内のとおりのところでございますが、国民生活のアメニティーの向上、これが非常に高まってまいります。そういたしますと、民生用の熱の需要というものが非常に急速に拡大してまいります。これは民生用のエネルギー、熱の需要ということになりますと、これは大体百度C未満の非常に低温の熱の利用でございます。
 これにつきましては、もう御承知のところでございますけれども、都市の周辺をごらんいただきますと、例えば海水にいたしましても河川水にいたしましても、それから都市廃熱にいたしましても、そういう未利用のエネルギーが大量に存在してございます。例えば河川水でございますと、大体、冬でございますと河川の温度が……(発言する者あり)その辺のところにつきまして具体的なことにつきましては今検討中でございますので、その辺のところを一生懸命やってまいります。
○谷川寛三君 お聞きしたいことはいっぱいありますが、時間の制約がありますので総理にお伺いいたします。
 この間うちの同僚議員の御質問で先般の南西アジア諸国訪問の御感想、御所見は承りましたが、インドの国会で「日本と南西アジア――平和と繁栄のための対話と協力関係を求めて」という政策演説をなさいまして大変な評価をされたと伺っておりますが、この中でカシミール問題を取り上げておられましたが、インド、パキスタン両国首脳とお会いになりまして、この問題につきましてはどういうお話をなさいましたでしょうか。立ち入ったお話をされたかどうか、伺っておきたいと思います。
○国務大臣(海部俊樹君) アジアの平和と安定を考えますときにあの地域においてはカシミール問題に私は非常に懸念を持っておりましたので、インドの首相にも率直に、力の解決を考えないで話し合いによって解決をする努力を続けていってもらうように、力の解決だけは絶対にしないようにということを強く希望いたしました。インドの首相は、パキスタンがこの問題の解決に一歩前進すれば二歩前進する用意があると、そこまで発言されましたので、それを相手方に伝えてもいいか、同時にその気持ちにこたえるような努力を私はパキスタンにも行くからお願いしてくると言いました。パキスタンでも全く同じようなことを要請しましたが、結論として、インドがそのように一歩前進してくれればパキスタンも二歩前進する用意がある、力に頼らないで話し合いで自制をしながらカシミール問題を解決したいということに対する意欲を双方の首脳が示されましたので、私はそのことについては大いに期待をし、そのように事が運んでいくように強く要請をしてきたところでございます。
○谷川寛三君 これから首長国連邦の大統領さんとお会いになるそうですから私も早くやめますが、朝日新聞を見ておりましたら、ザイド大統領が中東和平の問題につきましては日本の積極的、効果的な役割を期待する、こういうことを言っておられました。今晩もそれが出ると思うのでありますが、考えてみますと、さっきの演説にもありますように、日本外交の大きな柱であります平和のための協力、これは思い出していただきますとイラン・イラク紛争の際に両国の橋渡しを積極的に行おうというようなことで、国際社会の諸問題に積極的に取り組んで日本独自の外交路線を展開していこうという安倍外交で基礎が築かれたと私は承知をしております。
 その後、何かイラン、イラクの問題もどうも立ち消えになっているみたいな感じがするのでありますが、今こそもっともっと積極的に政治的な役割を果たす必要がこれだけの大国になった日本でございますからあるんだと思うのでありますが、そのような取り組み、さっきザイド大統領のインタビューのお話も申しましたが、中東の問題等も含めましてどういうふうに御努力をなさっていかれるのか、外務大臣からお伺いしたいと思います。
○国務大臣(中山太郎君) お尋ねの中東和平問題につきましては、昨秋日本を訪問されましたアラファト議長にもお目にかかり、テロ的な行為はもう今後一切やめてもらいたい、そして一日も早くパレスチナとイスラエルの間の和平の構築に向けて協力をしていただきたいということを日本政府としても申し入れました。
 引き続き来日されましたイスラエルの外務大臣に対しましても日本政府の同様の強い希望を申し述べておりまして、この両首脳とも日本政府がそのような考え方でいることを極めてありがたいという御意見がございました。当時エジプトのムバラク大統領の提案がございまして、その提案をめぐっていろいろと双方話し合いが現在も続いているという認識を持っておりますが、パレスチナにおける和平ができました後は、日本も日本なりの精神的あるいは経済的な協力をいたすこともその際に明確にお約束を申し上げております。
○谷川寛三君 もう一つ外交問題につきまして。
 来年いよいよゴルバチョフ大統領がおいでになる。日ソ交渉が重大な時期を迎えるわけでございますが、新聞報道等によりますと、ソ連の学者等の中には北方領土問題につきまして大分柔軟な発言が見られるようであります。反面、ゴ大統領は非常にかたい姿勢を、大統領だけではありません、ソ連の指導部も依然として持っておる。
 そこで日本でありますが、いろんな方がいろんな発言をされている。雑音が入ってきている。私はやっぱりこの際こそ北方四島一括返還という立場をこれは堅持していかなければ乗ぜられる、こう思っているものでありますが、総理いかがでございましょうか。
○国務大臣(海部俊樹君) 平和条約を締結するそのために北方領土の返還問題が大きな宿題になっておりますけれども、お説のように四島一括の返還というのが私どもの目指しておる北方領土問題解決のあるべき姿である、私はこのように考えております。
○谷川寛三君 日本の国論が動いているような印象を与えるとこれは大変なことになりますので、これからも注意をしていかなきゃいかぬと思っております。
 外務大臣に伺いますが、北方領土問題につきましては米ソ外相会談においても米側から取り上げてくれたというふうに聞いておりますが、今月末を予定されております米ソ首脳会談におきましても取り上げられるものと期待をしておるところでございますが、どういうふうに見ておられましょうか。
○国務大臣(中山太郎君) 委員お尋ねの米ソ外相会談における北方四島の問題は、アメリカの方からシェワルナゼ外相に対して、これは日本とソ連の問題ではない、これは戦後の東西問題の一つであってこれを解決することによって世界の平和がさらに一層促進されるという趣旨の発言があったという連絡を受けておりまして、私どもといたしましては引き続き米ソ間においてもこのような話し合いが積極的に行われることを期待いたしておるものでございます。
○谷川寛三君 最後に伺っておきたいと思いますが、ことしは国会が開設されまして百年目でございます。我が国はこの百年の間欧米各国に追いつけ追い越せということで大変な近代化の努力をしてまいりました。そして押しも押されぬ経済大国になった。あと十年たったら二十一世紀だ。さて、これからあと百年をどう乗り切っていくか。今の体制、制度のままでいいのか、ちょっとばかり手直しをしたらいいだろうか、それとも根本的な改革をしていかなきゃならぬか。一方で高齢化も世界に類を見ない速度で進展をしておる。
 そういうことで、この間第二次行革審から最後の答申が出ました。この中でも言っておりますが、新たな機関をつくってさらに検討を進めてくれということでございますが、まず私は総理に、次の百年を乗り切るため第三次の行革審をどういう決意でやっていかれるのか、それから審議機関をおつくりになるようでありますが、私お願いしておきたいことは、今までの惰性にならないようにもっと何と申しますか、仕組みにしても審議会の人選にしましても斬新なことをお考えいただきたい。実現できることを審議するんじゃなくて、実現しなければならぬことをこれから百年を生き残っていくについて審議する。それから人選も今までの産業とか労働とかだけじゃなくて、世代の交代がはっきり認識できるような方にやってもらう。それから地方の声を、財界の人も例えば経団連とか日経連の方を選んでおりますが、地方の実業家の方も入れるとかそれから消費者の代表も入れるとか、地方、消費者の声を聞くこと、もう本当に発想を改めて思い切った人選をやっていただきまして、そしてこれからの百年を乗り切っていくための行政改革審議をやっていただくことをお願いしたいと思うのでありますが、そういう点も含めまして総理の御決意、お考えを伺っておきたいと思います。
○国務大臣(海部俊樹君) 御承知のように新行革審の最終答申をいただいて、その基本的な考え方は、活力があり公正で住みよい福祉社会を二十一世紀に築き上げていく、世界に融合し世界の平和と発願に貢献していくという大きな目標、これが立てられております。さらに各論については、行政の課題として土地住宅問題の解決と国民生活の質的向上、スリムな政府と民間の活力の活用、地方分権の推進、いろいろなことが書かれております。そういったものは引き続いて私は取り組んでいく必要があると考えて、きょう内閣でその新しいスタートのための法案の用意をし始めたところであります。
 人選その他についてはまだでございますが、今委員の御質疑の中にありました考え方も十分受けとめさせていただいて今後作業を進めていきたいと、こう考えます。
○谷川寛三君 最後に、この間十二日がナイチンゲールの誕生日にちなみまして国際看護婦の日でございましたので、それにあれしましてちょっと看護婦さんの問題を申しておきたいと思います。
 有名な医師会長さんでありました武見太郎先生が、病に倒れてお亡くなりになる直前に病床でおっしゃったという言葉を私聞かされたことがあります。こういうことを言われたそうです。人間にとって医者も大事だが、自分がこうして入院する立場になって、これほどまでに看護婦さんの立場が重要な地位を占めているのかと入院してみて初めてわかったと。私非常に感銘を受けました。きのうかおとといの新聞でも出ておりましたが、今の看護婦さんは、休みはとれない、重労働、賃金もそう高くない、責任だけは大きいと、二重、三重に苦しんでおられる労働環境におるわけでございます。これからさっき申しました高齢化社会に向かって、奉仕の精神だけでは対応できないこの現実を政府はどういうふうに見ておられますか、厚生大臣に伺っておきたいと思います。
 厚生省も需給の見通しとか十カ年計画を立てましていろいろやっておられるようでございますが、なかなか看護婦さんの供給が需要に追っつかないという状況のようでございまして、これは大変な問題だと思っております。
 処遇改善とか地位向上関係などにつきましても、関係官庁と協議していただきまして、できることはもうすぐにやるという姿勢をどうしてもとってもらわなければ困る、こう思っております。
 それから、病院ができても看護婦さんが不足して全面開業ができないという公立病院の話も時々報道されております。僕は、これは幼稚でございますが、国税庁で租税教育というのをやっておりますが、これは看護婦さんが大変大事なんで子供にやっぱりこれは学校のときから教えておかなきゃいかぬじゃないかという気もするんです。
 もう一つ問題がある。診療報酬の基準の中に看護料というのが含まれておりますが、これは国立病院は人事院勧告がありますからいいのでありますが、看護婦さんの給料、民間の病院におきましてはきちんと給料を適正にやってもらっておるという保証がなかなかないんじゃないかということを心価しております。
 それから、労働基準法の特例で認められております小規模病院の労働時間の延長の制度も今度なくなると聞いておりますが、などなどをよく考えていただきまして、看護婦さんの問題をこの際真剣に考えてもらわなきゃならぬ、高齢化社会に入っていきますものですから。これを伺っておきたいと思います。
○国務大臣(津島雄二君) 高齢化社会に向けまして看護職員の確保は重要と考えており、その対策を大幅に拡充する等、全力を挙げて取り組んでまいりたいと思います。そのため、処遇の改善や社会的評価を高めることも重要であり、先般の診療報酬改定における看護料の引き上げがその改善につながるものと期待をしております。
 もし必要であれば残余の点は政府委員から答弁させます。
○谷川寛三君 大体以上で終わります。
○委員長(林田悠紀夫君) 以上で谷川寛三君の質疑は終了いたしました。(拍手)
 明日は午前十時に開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後五時五分散会