第118回国会 災害対策特別委員会 第2号
平成二年十月九日(火曜日)
   午前十時開会
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   委員の異動
 七月三十一日
    辞任         補欠選任
     梶原 敬義君     野別 隆俊君
 八月一日
    辞任         補欠選任
     田渕 哲也君     橋本孝一郎君
 九月二十七日
    辞任         補欠選任
     林  紀子君     神谷信之助君
 九月二十八日
    辞任         補欠選任
     神谷信之助君     林  紀子君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         糸久八重子君
    理 事
                陣内 孝雄君
                竹山  裕君
                山口 哲夫君
                常松 克安君
    委 員
                青木 幹雄君
               大河原太一郎君
                野沢 太三君
                守住 有信君
                青木 薪次君
                野別 隆俊君
                村沢  牧君
                渡辺 四郎君
                片上 公人君
                林  紀子君
                井上 哲夫君
   国務大臣
       国 務 大 臣
       (国土庁長官)  佐藤 守良君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        荒木 正治君
   説明員
       警察庁刑事局保
       安部生活経済課
       長        篠原 弘志君
       国土庁防災局長  鹿島 尚武君
       外務省経済協力
       局技術協力課長  横田  淳君
       厚生省生活衛生
       局水道環境部環
       境整備課産業廃
       棄物対策室長   三本木 徹君
       厚生省社会局施
       設課長      松本 省藏君
       農林水産大臣官
       房参事官     山田 栄司君
       農林水産省構造
       改善局総務課施
       設管理室長    梅崎 哲哉君
       農林水産省構造
       改善局農政部農
       政課長      森永 正彬君
       農林水産省農蚕
       園芸局果樹花き
       課長       上原 達雄君
       林野庁指導部造
       林保全課長    村田吉三郎君
       運輸大臣官房国
       有鉄道改革推進
       部監理課改革推
       進企画官     藤井 章治君
       気象庁予報部予
       報課長      櫃間 道夫君
       気象庁観測部測
       候課長      手塚 雅美君
       気象庁地震火山
       部長       小長 俊二君
       建設省建設経済
       局民間宅地指導
       室長       瀬野 俊樹君
       建設省河川局河
       川計画課長    定道 成美君
       建設省河川局治
       水課長      日野 峻栄君
       建設省河川局開
       発課長      豊田 高司君
       建設省河川局防
       災課長      佐々木賢一君
       建設省河川局砂
       防部砂防課長   松下 忠洋君
       建設省河川局砂
       防部傾斜地保全
       課長       小川 祐示君
       消防庁防災課長  神林 章元君
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  本日の会議に付した案件
○災害対策樹立に関する調査
 (平成二年九月十一日から二十日にかけての台風第十九号の暴風雨及び秋雨前線の豪雨による災害並びに台風第二十号の暴風雨及び秋雨前線の豪雨による災害に関する件)
 (土砂災害対策に関する件)
 (大場川の改修計画に関する件)
 (台風第十九号、第二十号の被害対策に関する件)
 (鉄道災害の復旧対策に関する件)
 (国際防災協力に関する件)
 (森林災害対策に関する件)
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○委員長(糸久八重子君) ただいまから災害対策特別委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る七月三十一日、梶原敬義君が委員を辞任され、その補欠として野別隆俊君が選任されました。
 また、去る八月一日、田渕哲也君が委員を辞任され、その補欠として橋本孝一郎君が選任されました。
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○委員長(糸久八重子君) 災害対策樹立に関する調査を議題とし、平成二年九月十一日から二十日にかけての台風十九号の暴風雨及び秋雨前線の豪雨による災害並びに台風二十号による災害について、政府から報告を聴取いたします。鹿島国土庁防災局長。
○説明員(鹿島尚武君) お手元に配付申し上げております資料に基づきまして、平成二年九月十一日から二十日にかけての台風第十九号の暴風雨及び秋雨前線の豪雨による災害について御説明申し上げます。
 まず、一ページをごらんいただきます。
 Iの気象概況について要約して申し上げます。
 日本付近に停滞していた前線の活動が九月十三日ごろから活発になり、各地で連日大雨となっておりました。
 一方、台風第十九号は十七日には沖縄諸島近海に達し最盛期を迎え、中心気圧八百九十ミリバールの近年まれに見る大型で猛烈な台風となりました。その後、北東に進み、十九日二十時過ぎに和歌山県白浜町の南に上陸しました。台風は上陸後、近畿、東海、北陸、東北を通過して、二十日十二時前に岩手県から三陸沖へと進み、十五時に三陸沖で温帯低気圧となりました。
 台風の接近、上陸によって前線の活動はさらに活発になり、前線と台風による降雨が重なりまして、沖縄から北海道の広い範囲で大雨となったわけであります。特に、四国、近畿の一部で十一日からの総雨量が千ミリを超えたところがございます。
 次に、二ページをお開きいただきます。
 IIの被害の状況についてでございます。
 一般被害につきましては、十月八日現在の調べで、人的被害として死者が四十一人、行方不明者が二人、負傷者が百七十九人となっております。住宅被害として全壊二百四十二棟、半壊七百二十九棟、一部破損二万四千二百五十一棟、床上浸水七千六百四十五棟、床下浸水四万六千七百十二棟となっております。さらに、道路で一万三千三十五カ所、橋梁で三百六カ所、河川で一万五千四百九十カ所において被害が生じており、二千四百五十九カ所においてがけ崩れが、六十七カ所において鉄道の不通が発生いたしました。
 施設等関係被害につきましては、現在、関係機関等において鋭意調査中でございますが、判明しているものにつきまして資料の二ページの中段以降に掲げてございます。
 建設省関係では、公共土木施設で約二千九百八十四億円となっております。同じく都市施設は約十三億円となっております。
 次に、三ページをお開きいただきます。
 農林水産省関係では、公共土木施設で約三百九十四億円、農林水産業関係で約一千六百五十二億円、合計して約二千四十六億円となっております。
 文部省関係では、公立学校施設、公立社会教育施設など約十九億円の被害が、運輸省関係では、公共土木施設で約三十八億円の被害が報告されております。
 厚生省関係では、保育所等の社会福祉施設、水道施設、廃棄物処理施設、医療施設などに被害を受けております。
 四ページの方へ入っております。
 また、通産省関係では、中小企業関係が兵庫県、岡山県等で合わせて約六十億円の被害が報告されております。
 交通関係につきましては、鉄道関係ではJR等についてほぼ全国的に築堤崩壊、道床流出、倒木等の被害が生じましたが、十月八日までにJR東海紀勢本線等の一部を除き復旧しました。不通区間については、バス代行輸送を実施しており、九月二十日に現地災害復旧対策本部を設置するなど復旧に努めております。
 次に、道路関係でございます。台風の通過地域を中心に全国的に被害を受け、全国における一般県道以上の全面通行どめ箇所数は約千九百三十カ所に達しました。これらの箇所については、その後復旧作業を進めた結果、十月八日九時現在九十八カ所となっております。
 電力関係については、北海道電力を除く中部電力、関西電力、九州電力等九電力管内で約百四十八万戸の停電が発生しましたが、復旧作業に努めた結果、九月二十二日には復旧を完了いたしました。
 通信関係につきましては、被害地域は二府三十二県に及び、約四万四千の電話に回線不通等の故障が生じましたが、九月二十五日九時現在で、被災加入者の中で家屋が倒壊している等により敷設不可能な場合を除き、ほとんど復旧いたしております。
 次に五ページをお開きいただきます。
 IIIの講じた措置等についてでございます。
 災害対策本部は、鹿児島県初め十四県と七百三十一の市町村において設置されました。また、災害救助法は、宮城、兵庫、岡山、鹿児島の各県の十八の市町村に適用されました。政府といたしましても、九月十九日に災害対策関係省庁連絡会議を開催し、応急対策に万全を期するため重点的に実施していく事項について申し合わせるとともに、特に、既に各地において多量の降雨となっておりましたので、台風の進路に当たる地域はもとより、その他の地域においても被害の未然防止と軽減を図るため、厳重な警戒を行うなど万全の対応を図るということを申し合わせました。また二十五日、第二回の災害対策関係省庁連絡会議を開催し、引き続き住民生活の安定のための各般の対策に万全を期するため重点的に実施していく事項について申し合わせをいたしました。
 六ページの方へまたがっております。
 また、現地派遣につきましては、特に多数の被害が生じました鹿児島県奄美大島及び岡山県に、災害発生直後、関係省庁の担当官を派遣いたしました。
 次に、財政金融上の措置として、住宅金融公庫は住宅被災者に対し九月二十七日から災害復興住宅資金の融資申し込みの受け付けを開始いたしました。また、宮城県、兵庫県、岡山県、鹿児島県に対し、九月二十八日付で政府系中小企業金融三機関の災害復旧貸し付けの発動を行いました。
 以上でございますが、今後とも関係省庁と緊密な連絡をとりつつ、対策に万全を期したいと考えております。
 なお、台風二十号の関係の被害状況につきましてもお手元に資料をお届け申し上げてございます。
 関係機関等におきまして現在鋭意その被害の状況については調査中でございますが、現在までに報告を受けております主な被害について御報告を申し上げます。
 人的被害といたしましては、死者五名、行方不明者一名、負傷者二十五名となっております。また、住宅被害といたしましては、全壊二十一棟、半壊三十四棟、一部破損六百七十九棟、床上浸水三千四百十八棟、床下浸水一万一千五百二棟となっております。また、三つの県及び二百二十一の市町村で災害対策本部が設置され、宮崎県の三市町に災害救助法が適用されております。
 施設関係被害につきましては、現在、被害額等詳細について調査中でございますが、現在までに建設省関係の公共土木施設で約四百五十六億円、農林水産省関係の公共土木施設で約六十九億円等の被害が出ているとの報告を受けております。
 交通関係につきましては、一般県道以上の全面通行どめ箇所数は約五百十カ所に達しましたが、復旧に努めた結果、十月八日現在三十二カ所となっております。また、JR東海、JR九州等で、築堤崩壊、土砂流入等の被害が発生しましたが、十月八日までにJR東海紀勢本線等の一部を除き復旧いたしております。
 台風二十号関係の被害状況につきましては、簡単でございますが、以上で報告を終わらせていただきます。
○委員長(糸久八重子君) 以上で政府からの報告の聴取は終わりました。
 それでは、これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○青木薪次君 青木であります。声をちょっと痛めておりますので、お聞き苦しい点があるかもしれませんが、ひとつよろしくお願いいたします。
 ことしの台風は近来にない本土直撃をした台風であるというように考えているわけでありますが、きのうも台風二十一号が襲来いたしました。私は静岡県でありますが、静岡県にも襲来し、温帯性の低気圧に変わったわけでありまするけれども、雨量はかなりのものがございました。徳島県では、バスを二メートル大の石が直撃いたしまして、三人の方が犠牲になるというようなこともありました。痛ましいニュースとして聞いたわけであります。
 台風十一号、それから十四号、今説明のありました十九号、二十号というように続いているわけでありまして、五つ目の台風がきのうまでに襲来した。過去四十年間に五回あった。台風が上陸したことについては最多タイ記録という状態にあるわけでございます。二十号までの四つは、中型の並み、そしてまた大型の並み、大型の強、小型の並みの勢力ということで、これらはいずれも本州に上陸いたしまして、本土をくし刺しに進んで、最悪で恐怖を感じた台風の当たり年であったというように言うことができると思うのであります。
 初来襲いたしました台風十一号は、八月十日に静岡県の御前崎に上陸いたしました。この時分は、東京の北部の利根川の上流、いわゆる水がめがからからに渇いているという、日本じゅうが雨ごいの時期だったので、慈雨が降ってきたというように言われておりました。
 率直に言って、相当河川改修も成果を上げているわけでありますが、特に四十八時間の予報体制というものは全般的に非常によかったと思いますが、逆に新幹線がとまる、道床のわきが決壊するというような事態さえ実は起こっております。これだけ雨が降れば地盤も相当緩んでくることは事実でありまするけれども、やはり今日の台風というものは、そういう意味で被害を我々の周辺に深刻にもたらすという点が非常に多いと思うのであります。九月の雨量が、名古屋で平年に比べまして二・五倍、東京で五割増というぐらいに降っておりまして、大体秋の台風が二十五号ぐらいまで襲来するというように予想されますので、きのうで二十一号ということになりますと、まだまだ台風が直撃するというように考えなければならないと思うのであります。
 そこで、今後の対策の中心として、ことしの台風の特徴点について政府はどんなふうに考えているか、説明をしていただきたいと思います。
○説明員(鹿島尚武君) 過去の平均よりも台風の襲来がことし多かったということは、先生仰せられたとおりであろうかと思います。それからまた、コースが非常に似通ったものがここ三つほど重なったということも特徴の一つであろうかと思います。そして、春雨前線、そして秋雨前線と重なりまして多くの雨を催させたということ、こういったことにいろいろ特徴があろうかと考えております。そして、被害の方の特徴でございますが、近年におきましては、だんだん土地利用も進んでまいったことからであろうかと思いますけれども、土砂による災害というものがかなりの割合を占めているというふうに申し上げてよろしいかと思います。
○青木薪次君 冒頭説明がありましたように、十九号台風が相当被害をもたらしたことは事実であります。
 これは、九月十九日、和歌山県に上陸いたしまして通過したのでありまするけれども、十県を中心に広い範囲で死者・行方不明者四十三人、大きな被害をもたらし、二十日午前十一時過ぎに三陸沖の太平洋に抜けたと。この台風は、大きな被害を出した室戸台風並みの大型台風であったにもかかわらず被害が比較的少なかったと言われておりますけれども、これは先ほど申し上げましたように、治水対策が進んだことと各種の防災対策が整備されたことなどによりますけれども、それでも四十三人という物すごい犠牲者を出しておりまして、改めて防災対策強化の必要性を認識した次第であります。
 被害地の皆さんに心からお見舞い申し上げると同時に、国土庁長官に防災対策の強化を要望いたしますけれども、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(佐藤守良君) 青木先生にお答えします。
 御指摘のとおりでございますが、防災対策強化に全力を挙げて取り組んでおります。よろしくお願いいたします。
○青木薪次君 よろしくと言われましても、今後の防災対策についてお聞きしたわけでありますが、今回の台風被害を見ますと、豪雨によるがけ崩れ等の人的被害と、それから中小河川のはんらんや破堤による浸水被害が大部分を占めているのであります。
 そこで伺いたいのだけれども、全国の中小河川の改修状況はどのようになっているのか。大河川の改修が相当進んでいるにもかかわらず、中小河川の整備率が三〇%程度にすぎないと。今後、台風等による災害の被害を大幅に減少させるためには中小河川の改修を大幅に促進する必要があると思うのでありますが、建設省としては今後どのような計画で中小河川の改修を促進していくのか、具体的にひとつ説明をしていただきたいと思います。
○説明員(定道成美君) お答え申し上げます。
 人命、財産を最近のこのように頻発する災害から守り、安全で真に豊かな生活を実現するための基盤を整備するために第七次治水事業五カ年計画を推進しているところでございます。この第七次と申しますのは、昭和六十二年度から平成三年度まで、来年度を最終年度とする治水五カ年整備事業でございますけれども、先生御指摘のとおり、現在の河川の整備水準は四二%でございます。しかし、中小河川は平成元年度末でいまだ三一%にとどまっております。
 現在、大蔵省に平成三年度の予算要求を行っているところでございますけれども、いわゆる生活関連ということだけでなく、治水事業が我々国民の生命、財産を守る生存基盤そのものであるということで強力に要求を行っているところでございます。中小河川につきましても、今後重点的にその改修の促進に全力を傾けてまいりたいと考えております。
○青木薪次君 最近の災害、被害を見てまいりますると、人的被害の大部分はがけ崩れ等の土石流によって発生いたしております。この土石流対策が急務であることは御案内のとおりです。国土庁では総合土石流対策要綱を決定いたしまして総合的な土石流対策を実施しているのでありまするけれども、その土石流対策について実施状況はどんなぐあいか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(佐藤守良君) 先生御指摘のとおり、昭和六十三年の三月に中央防災会議におきまして決定されました土砂災害対策推進要綱に基づきまして、国におきましても関係省庁間で相互に緊密な連絡を図りつつ、研究あるいは治山・砂防事業等のハード面の対策、あるいは気象観測、予警報体制の整備等についてその適切な実施に努めるほか、平成元年度には総合土砂災害対策モデル事業、これは建設省でございますが、これを創設しまして新たな取り組みを開始し、対策の充実強化に努めております。土砂災害対策の重要性にかんがみまして、引き続き対策の充実強化について関係省庁との連携を図りつつ鋭意検討してまいりたい、このように考えております。
○青木薪次君 全国にがけ地や急傾斜地等で崩壊の危険が強い危険箇所が七万カ所あるというように言われているのでありますが、今長官のおっしゃったように、研究、治山、砂防ですか、そういったようなことが総合的に行われることが必要だと。防止工事等が行われている整備率は一八%にすぎないというように言われているのでありますから、早急に危険箇所の指定を行うとともに整備率を高めるための抜本的な方策を講じるべきだと考えます。この点について。
○説明員(小川祐示君) 御説明申し上げます。
 先生御指摘のとおり、全国で急傾斜地崩壊危険箇所、いわゆるがけ崩れの危険箇所でございますが、全国で七万七千カ所存在しているわけでございます。このがけ崩れ災害を防止するということで、私ども建設省といたしまして、急傾斜地崩壊対策事業というのを強力に実施しているわけでございます。昭和六十三年度を初年度とします第二次急傾斜地崩壊対策事業五カ年計画を策定いたしまして計画的に推進、整備しているところでございますが、計画の終年度であります平成四年度末には二五%まで高めるということにしておりますが、現状の整備率を申し上げますと、平成元年度末で二〇%と極めて低い上昇でございます。建設省といたしまして、今後ともがけ崩れ災害からとうとい国民の生命と貴重な財産を守っていくという事業の重要性を十分認識いたしまして、事業の強力な推進に努めてまいりたいと考えているわけでございます。
○青木薪次君 がけ崩れ災害や土石流災害によるところの被害を少なくするためには、防災情報伝達システムの整備がぜひ必要だというように考えておりますが、現在の整備状況はいかがですか。
○説明員(松下忠洋君) 御説明申し上げます。
 国土を保全いたしまして土砂災害から国民の生命、財産等を守るために砂防設備等の整備といったハード対策に加えまして、警戒避難体制等によるソフト対策をあわせて実施することが重要だというふうに考えております。
 このために、土石流につきましては昭和五十九年度から総合土石流対策モデル事業等によりまし
て土石流発生監視装置を設置いたしまして、市町村等に対しまして土石流の発生に関する降雨情報の提供を行ってきているところでございます。現在までに設置いたしました地区は全国で二十五地区でございます。
 また、地すべりにつきましては、昭和六十三年度から地すべり監視モデル事業というのをつくりまして、地すべり自動観測装置というものを現在までに十五地区において設置いたしまして警戒避難体制の整備に努めております。
 さらに、平成元年度からは土石流や地すべり、がけ崩れ、こういったものを含めた総合土砂災害対策事業というものを創設いたしまして警戒避難体制の確立に努めておりまして、ハードな対策とあわせて土砂災害対策に万全を期すように努めているところでございます。
○青木薪次君 住宅地域の安全を確保しながら新しい宅地を提供するというために、中小河川と大河川を放水路で結ぶ首都圏外郭放水路群の建設構想をまとめたと報じられておりますが、この構想についてちょっと説明してください。
○説明員(日野峻栄君) お答え申し上げます。
 先生御指摘の首都圏外郭放水路群の構想を今打ち出しているわけでございますが、これは利根川、江戸川、それから荒川とに挟まれました非常に低平地を流れている中川の流域でございますが、そこが宅地の開発としてはポテンシャルが非常に高いわけですけれども、水害の常襲地帯でございますので、そこに横に結ぶ放水路をつくりまして治水対策を進めて宅地開発ができるようにというようなことで今構想を練っているところでございます。
○青木薪次君 中小河川、特に都市河川の改修対策というものについても相当全国的にいろいろ問題になっているところでありまして、先日も台風十九号の関係で我が静岡県の大場川、御存じだと思うのでありますが、アパートが流れてしまったり家が流れたり、事務所が流れたりした、あの凄惨な状態をしるした大場川でありますが、私どもはいち早く視察団を派遣いたしまして念入りに調査をいたしてまいりました。
 大場川は三島市中心部の東側を流れる幅二十メートルほどの中小河川で、ふだんは水位も数十センチ程度の川でありますが、これが九月十三日からの豪雨によって十五日の午後から見る見る水かさを増して濁流となって住宅街の護岸をえぐり取り、新幹線の護岸さえも相当えぐり取っているという状態をしるしました。今申し上げたように、アパートとかあるいはまた家とか事務所とかというものを丸ごと濁流の中にのんでいってしまったということで、この地域に、川に沿った住宅というものは危ないからよその地へひとつ移転してくれないかということを話しますと、じゃ代替地を欲しいと。代替地を、それじゃ県の土木にしても市の土木にしても国にしても、調べてみると土地が高くなってとても提供できるなんということは考えられない。そのまま放置しておったら今度の災害だということで、これはもう我が静岡県の大場川だけではないと思うのでありますが、県の河川課では千年に一度の豪雨だということを言っておりますが、私どもが当選いたしましたころは、ちょうど七夕台風でした。昭和四十九年の七月七日、これはやっぱり五日間で四百五十ミリと記憶いたしておりますが、どの程度の雨量があったのか、ちょっと説明してください。
○説明員(手塚雅美君) お答えいたします。
 平成二年九月十五日の静岡県三島市大場川流域周辺観測点の降雨量につきまして、気象庁の観測では三島が最大時間雨量四十八ミリ、これが十四時の時点です。日積算雨量百十七ミリ。また、箱根が十三時に最大時間雨量六十五ミリ、日積算雨量二百七十五ミリ観測いたしております。
○青木薪次君 私が行って調べたのによると、時間雨量、九月十五日十二時から十三時、最大七十三ミリ、二時間雨量百三十ミリということになっているわけです。これは現地で調べました。あなたと若干数字が違っているが、それでも大変な雨量であるというように考えております。
 この原因は何か。これは、異常な集中豪雨に見舞われたということはもちろんでありますが、被害を大きくした原因の一つとして、上流の箱根山の西側一帯における大規模開発があると思います。長官、一度この方面へ行って見てください。空き地がないくらい、山という山全部宅地ができております。それからリゾートマンションが建っている。あるいはまたゴルフ場が幾重にも広がっている。このことについては、これは許可したことは事実でありまして、こういう点については三島市だけではないと思うのでありますが、箱根山の団地開発は一ヘクタール以上が二十六カ所、うち十ヘクタール以上の大規模開発は八カ所、ゴルフ場は造成中を含めて三カ所もあります。こうした上流部の開発に治水対策が追いつけなかったということが今回の大きな災害をもたらした原因だと考えますが、上流部の開発との因果関係について建設省はどう見ていらっしゃるのか、お伺いしたいと思います。
○説明員(瀬野俊樹君) 都市計画区域内における開発行為、先生今おっしゃられました宅地開発あるいはゴルフ場の開発等、これは都市計画法上の開発許可あるいはその他もろもろの土地利用規制のもとに行われるものでございますが、こういった地域開発というものを積極的に開発志向でいくかあるいは抑制でいくかといったことは、地域を総合的に所掌する地方公共団体の長が最終的に判断すべき問題ではないかというふうに認識しておるところでございます。
 しかしながら、このような開発というものが行われることによりまして、河川の洪水流量が開発前に比べまして増加するということは事実でございます。したがいまして、私ども開発許可に当たりましては、開発に伴って周辺の地域に溢水等による被害が生じないような排水施設を設計するように求めるとともに、下流河川の流下能力が不足する場合にはその流量増加を抑制するために調整池を設置するように指導しておるところでございます。今後とも開発行為の許可に当たりましては、このような河川下流の流下能力を考慮した適切な流出抑制措置が講じられるように指導に努めてまいりたいと存じております。
○青木薪次君 昭和五十年ですか、それ以前に宅地開発したところについては調整池なんということについては余り考えなかった。それが今日被害を大きくしているということについては御存じだと思うのであります。事後対策になるかもしれませんが、例えば昭和五十年以前といえども、災害が起きちゃ大変なことですから、調整池をつくりなさいという指導をしたり、あるいはまたこれは我が党がこれから案を出すわけでありますが、リゾート開発に対する規制の関係については今考えないとこれは大変なことになってくるというように考えているわけでございまして、今、各市町村、県もそうでありますけれども、ほとんどの地域が毎日の新聞を見ましてもゴルフ場の開設等についてはこれを許可しない、また現在許可したものでもこれを取りやめるというようなところが出てきていることについて、どんなふうな感触を持っていますか。
○説明員(瀬野俊樹君) 二点御指摘があったかと存じます。
 まず第一点、五十年以前の開発の問題という御指摘でございますが、確かに静岡県におきましては、昭和五十年に静岡県の土地利用事業の適正化に関する指導要綱という、いわば開発行為等に当たりましての指導基準を定めまして、これに基づきまして、原則は下流河川の改修を求めるわけでございますが、調整池で代替し得る場合には調整池を設置させることができるということで指導してございます。ということで、先生御指摘のとおり、五十年以前の団地につきましてはこのような状況から調整池の設置ということは求めておらなかったわけでございますので、現時点におきましてこれを法的に求めるといったことは困難ではないかというふうに考えております。
 それから、第二点目の御指摘がございました全国でのゴルフ場開発等のリゾート開発の問題でご
ざいます。これにつきましては先ほども若干触れさせていただきましたが、こういったリゾート開発等という地域開発というのは、一方には地域振興という目的もございます。一方では自然環境の改変を伴うという、両面がございます。このような両面をどのようにとらまえて対処していくのかというのは、それぞれの自治体の長が総合的な判断のもとに御検討をされるのが最適ではないかというふうに考えておるところでございます。
○青木薪次君 大規模開発に伴って調整池をつくるということになっておりますけれども、この調整池の技術基準に問題はないだろうかということを考えているわけでありますが、もちろん設計施工がなされたと思うのでありまするけれども、非常に心配です。今回の大場川の災害に照らして、その技術基準に問題なかっただろうかどうだろうか。建設省では、市の方でいろいろと対策を講ずる、あるいはまた県で講ずるというように考えていらっしゃるかもしれませんが、やっぱり全国的な基準的な指導をするのは私は建設省だと考えているわけでありますから、いわゆる地球環境の変化、地球の温度上昇といったような問題等を中心といたしまして、これから地球の温暖化とともに相当降雨量が増してくるのじゃないかということさえ識者が言っているのでありますが、ここで調整池等についてもう一度再点検をする意思があるかどうか、この点をお伺いしておきたいと思います。
○説明員(瀬野俊樹君) 御説明申し上げます。
 調整池の設置基準につきましてはかねてより建設省の方で技術的な基準を示しておったわけでございますが、先生御指摘のように、いろいろこういった技術というものはどんどん進歩するものでございます。私どもといたしましても関係御当局の関係者といろいろ議論をいたしまして、実は昨年の七月にもこういった宅地開発に伴う防災関係の技術的な指針というものを宅地防災マニュアルというものでまとめまして、これを各公共団体あるいは関係事業者等に通達をいたしました。基本的にはこのマニュアルに則して防災水準の向上に努めてほしいという呼びかけを行っております。
 なお、今後ともこういったマニュアルの適宜見直し等を図りまして、さらに一層防災水準の向上に努めてまいりたいというふうに考えております。
○青木薪次君 今回の災害を契機といたしまして、県では大場川の抜本改修を行うことを決めまして、三島市の北沢の伊豆箱根鉄道の大場川鉄橋からずっと上流の徳倉橋まで約六キロあるのでありまするけれども、これを私どもは見て歩きました。この点については静岡の斉藤県知事も、よくわかりましたということで、大場川の改修は本格的な復旧に取り組むと同時に、流域の開発なども含めたいわゆる改良的な改修を行うという改良復旧、そういうことで蛇行しているところの両側をショートカットするとか、いろんな関係を考えて三島市と提携してひとつ考えましょうと。
 この点については建設省とも話をしているということでありまするけれども、例えば二十メートルの川幅を三十メートルから五十メートルに拡幅いたしましてそういう方向で考えていくということでない限り、今申し上げました箱根山の開発等に伴ってこれからも雨量が相当増してくるであろう、そういう台風並びに秋雨前線を刺激するような低気圧も襲来するということも考えられておるわけでありますが、そういう点について、時間雨量七十ミリに対応できる抜本的改修という問題について考えるべきときに来ていると思うのでありますが、その点いかがですか。
○説明員(佐々木賢一君) 御説明申し上げます。
 先生御指摘のように、大場川の今回の被災、これは一時間雨量七十三ミリ、二時間雨量百三十ミリ、極めて大きいという雨量でございます。とりあえず緊急を要する復旧箇所につきましては、既に建設省また静岡県でコンクリートマット等によりまして応急復旧は終わっておりますが、今後の復旧につきましては、こういった非常に大きな雨量を我々経験いたしました。その被災流量等を十分勘案いたしまして、県の方で現在原形復旧では十分な効果が期待できないという区間につきまして抜本的な治水対策を検討しております。私どももその相談を現在受けております。これにつきましては、とりあえず現在の県の計画の検討の結果を見まして対策を講じてまいりたいと考えております。
○青木薪次君 私は二十五号台風ぐらいまで来ると覚悟しなきゃいけないというように考えておりますが、ことしの特徴は先ほど鹿島防災局長のおっしゃったように大変大型台風、並みで大型というようなものが襲来いたしますし、特にことしは雨量を伴っているという点が特徴であるし、これから宅地を何としても開発しなきゃならぬというときに、もう田んぼも埋められてしまった、木も伐採された、道路は山の手の方まで舗装されるというような条件で、これはやっぱり町の中小河川に向かって怒濤のように土石流が流入するということはもうはっきりいたしているわけであります。
 これはもうきのうあたり、私は甲府から来たわけでありますけれども、この付近のいろんな河川も相当はんらんしそうなくらい水かさが高まっているという状態にありました。ということを考えてみると、これからの対策というものは基礎的な方向を一応また検討し直さなきゃいけないというように考えますので、そういう方向で大場川の根本的な改修について、知事も一生懸命、地元の市長も命かけで今取り組んでいるという状態でありますから、この点についての改修を、早期に本格的な改良工事に取り組むようにお願いしたいと思いますが、いかがですか。
○説明員(日野峻栄君) 御説明申し上げます。
 ただいまの大場川の抜本的な改修をやる必要があるのじゃないかという御指摘でございます。ただいま大場川につきましては、下流の方、二千五百メートルほどでございますが、これは直轄でやってございまして、ほぼ改修が完了をいたしております。それより上流、ただいまお話ございました伊豆箱根鉄道の橋梁、これがネックになっておるわけでございますが、この大場川の橋梁につきましては調査に着手を今いたしておりまして、いずれ本格的にかけかえをしなきゃいけないというふうに考えております。その橋の上流がまだ改修が余り進んでないわけでございますが、ただいま用地買収を鋭意実施しているところでございます。
 それから、直轄区間で狩野川との合流点のところで九月十五日に堤防ののり先が決壊をいたしましたけれども、これは緊急復旧事業によりまして対策をもう既に完了させておりますが、いずれにいたしましてもこの水系全体の抜本的改修、これは県の方でも相当真剣に取り組んでいるというふうに私たちも聞いておりますので、しかも流域の開発を考慮に入れた総合的な治水対策を考えているというふうに聞いておりますので、建設省といたしましても県とよく協力しながら改修を進めていきたいというように考えております。
○青木薪次君 それはぜひお願いいたしたいと思います。
 それから、ミカンの園地再編対策事業が進んでおりますけれども、ミカンの木を切って、それが枯れて、しかもミカンの園地に雑草が生えて、私どもの地元のミカン園は今それこそ各所に真っ赤に畑が崩落をいたしているわけであります。これはミカン類の輸入自由化ということと絡んで、園地再編対策事業、ミカンを切りなさいという指導があって、そのことにこたえているわけでありますが、しかしそのことによって他の作物をつくりますと、そうすると補助金がぐっと減ってしまうというようなこともありまして、今度の台風十一号及びその後の十九号、二十号、今回の二十一号もそうでありまするけれども、大変な畑の崩落を示しているわけでありますが、ここの跡地の転用等について農地転換ができないということで今農家は悩んでいるわけであります。市の方としても、市と一体の関係にある土地開発公社等が実施する場合においても、土地開発公社がすべてそう
いう事業をやっているわけでありますが、これはやはり農地転用ができないというようなことで、このことについても非常に困難にぶち当たっているわけでありますが、この点についてどういうように農林水産省として考えていらっしゃるか、お伺いしたいと思います。
○説明員(森永正彬君) お答え申し上げます。
 ミカンのいわゆる廃園後の扱いの問題でございますけれども、先生御指摘のように災害の原因等のおそれもございまして、極力ほかの作物なり植林なり、そういったものへの転換といいますか、ということを指導しているわけでございますけれども、そういった利用以外にいわゆる住宅なり、農業以外の利用といいますか、そういった計画が適当だというような場合につきましては、農地転用の扱い上いわゆる第三種農地、転用が一番しやすい農地という扱いをしておりまして、具体的事案に沿いまして現場で判断をするということになります。その判断としては、もちろん転用の事業計画が適切かどうかとか目的実現の確実性があるかどうか、こういった面の御判断をさせていただいた上で転用は許可できるという扱いにしているところでございます。
○青木薪次君 ちょっとあなたの説明わからないんだけれども、時間がきょうはありませんから、要するにミカン農業の不振状況の中で実施されている温州ミカン園地再編対策事業にかかわる園地の農地転用と、放任農地の再整備と他用途活用についてということなんですよ。したがって、今他作物に転換といっても、転換について補助金がほとんどなくなってしまう。じゃほうっておいた方がいいんじゃないか、廃園にしてしまった方がいいんじゃないかということなんですよ。だからその点について、農家は今非常に苦しいというときに、農業を主としながら、それから他用途に農地を転用いたしまして、そして生活を守る、雇用も保障してもらうというようなことで真剣に農協を初めとして考えているんですよ。それを、他用途に転換すればいいと一言に言うけれども、そんな簡単なものじゃないということで、低迷する農業対策として温州ミカンの園地再編対策事業を昭和六十三年度から平成二年度まで三カ年事業として実施しておりますが、事業実施要領によって事業実施後の園地については放任状況を呈している箇所が多くございます。
 そんな中で、ことしの八月十日に襲来した台風十一号は最大降雨量五十五ミリ、連続雨量三百九十一ミリということで非常に強烈な雨量がございました。結局、ミカン樹木の伐採した後の他作物への転換が難しいことと、農家が今のところ構っておられないというところから、結局放任になって災害に結びついたということでありまして、農家は活性化を求めて農地を最大限に活用して農業経営を改善して家庭経済を維持安定させるという努力をしているわけでありますけれども、急傾斜地なんかのために適地適作にも限界を感じて、一部の農地を他目的、住宅用地とか工業用地に転換したいということでありますが、集約農業経営と農外所得の道を求めていることも事実であります。
 こんなことから、温州ミカン園地再編対策事業の地域の農地転用についていろいろ現在考えている皆さんを含めて、いわゆる大幅な改善を要求したいということなんですが、この点についてもちろん公共が関与した形でもって指導をするということが前提でありますけれども、これは市で開発並びに転用する場合についての計画と、それから市と同じ立場で住宅供給公社等が行う場合においても同じ考え方で国としても指導するということを要請したいと思うんです。
○説明員(森永正彬君) 先生今御指摘のとおりでございまして、そういったきちんとした計画に基づきまして市なり公社が行うような事業につきましては、円滑な転用ができるように取り計らうようにいたしておるところでございます。
○青木薪次君 これは市なりあるいはまた住宅供給公社なり土地開発公社なり農協なり、いろんな形のもとでこれから具体的にいろいろと相談があると思いますが、前に出した対策要綱なり指導方針についてはもうその当時と今は百八十度変わっていますから、これに適応いたしまして、そして国土の有効利用とそれから農業地帯の生活を守るという立場に立って具体的に指導をして、今農政課長のおっしゃったことが事実としてでき得ることを要請したいと思いますが、もう一度答弁してください。
○説明員(森永正彬君) 具体的事案につきましては県なり市町村等の問題になりますけれども、御指摘のとおり円滑にこういった趣旨の事業が進むように十分に指導してまいりたいと思っております。
○青木薪次君 それから台風十九号の災害については、被害の範囲も全国的にわたっておりますので、農林水産業全般の被害に及んでいることから天災融資法の発動を検討すべき段階だと思うのでありますが、いかがですか。
○説明員(山田栄司君) 御説明申し上げます。
 天災融資法の発動につきましては、先生御案内のとおり、農作物等の被害が著しく、かつ国民経済に及ぼす影響が大であると認められる天災に限って発動するというふうなことでございます。台風十九号及び秋雨前線豪雨による被害につきましては、先生御指摘のような被害状況でございます。そういう点を十分念頭に置きまして、現在被害の状況等について把握に鋭意努めているところでございます。その結果を踏まえまして適切に対処してまいりたいというふうに考えております。
○青木薪次君 時間がありませんので、私は地震対策について非常に関心がありますので、最後に一つだけ質問したいと思いますが、この間、三原山が三、四回爆発いたしました。このマグマが伊豆の東海岸の方と隣接しているし、俗に言う小田原地震帯ともつながっている。おととしは富士山が、ちょっと休んでおりますけれどもこれは活火山でありまして、火山性の地震がありました。
 こういう一帯というものがありまして、この間、手石の海底が爆発いたしました。伊東市のすぐ目と鼻の先にある爆発でありますから、伊東市の市民は震え上がったわけであります。それから地下が鳴動いたしまして大変な事態となったのでありますが、これは三原山が噴火すると伊東が静かになり、伊東が揺れると三原山が静かになるというような因果関係があるのかないのかということを私が一昨年質問いたしますと、明確な答弁はありませんでした。しかし、これはマグマが続いている。地震、噴火というのはマグマが一時的に地上に噴き出る現象を言うわけでありますから、そういう点から考えてみまして、地震がだんだんと北上しているということを実は心配いたしているんです。
 したがって、そういう点について観測データ等についてもお伺いをしたいと思うのでありますが、東大の地震研究所の溝上教授が、震源地は次第に北上していると。私が一昨年実はこのことで質問したのでありまするけれども、内陸付近で地震が発生する可能性があるよということを指摘されておられるのでありますが、こういった点における観測体制の強化の点についていまだしの点があるわけでありまするけれども、やっぱり富士山の活火山活動が活発になっていくということになったら、箱根と伊豆と富士の一連の市町村と、そしてまた我が国のこれからの交通輸送体系等についても大変なそごを来すことになるわけでありまするけれども、この点について最後に質問いたしまして私の質問を終わりたいと思います。
○説明員(小長俊二君) お答えいたします。
 ただいま御質問にありました昨年度の手石海丘の爆発につきましては、昨年七月十三日に噴火いたしましたが、その後噴火はなく、地下のマグマの活動を示すと考えられております微動も昨年七月二十一日を最後に発生しておりません。また、地震活動も昨年九月末にはおさまり、以後一年にわたり現在まで地震が少ない状態が続いており、特に異常な現象は観測されておりません。今後とも関係機関と緊密に連携して、この地域の地震活動を注意深く監視してまいりたいと考えておりま
す。
 それから次の質問で、地震が北上するというようなお話がございましたが、溝上先生のお話と、それから地震が全般に北上しているというお話はちょっと時間的なギャップがあるかと思いますのでちょっとお話しいたしますと、伊豆半島周辺にはマグニチュード六以上の地震が昭和四十九年以来数回発生しておりますが、その地震が大体二年置きに北上して発生して、いわゆる北上説が唱えられましたが、その後昭和五十五年ぐらいで北上がとまり、本年二月には逆に南に当たる伊豆大島近海でM六・五の地震が発生しております。それから、伊豆半島東方沖の群発地震活動につきましても、これが北上して陸上に入るというような説がございましたが、昭和五十五年以後十年間ぐらいの間に伊東市の沖と伊豆大島の間で主たる活動域の位置を変えながら繰り返し発生しておりまして、いずれについても単純に北上しているということは言えないと考えております。
 気象庁としては、いずれにいたしましても当該地域の地震・火山活動については今後とも注意深く監視してまいる所存でございますが、小田原地震あるいは富士山の噴火との直接の関連は、これらの群発地震活動とは関係ないと考えております。
○野別隆俊君 私はさきの十九号台風、二十号台風で災害を受けられました全国の被災者の皆さんに、まずもって心からお見舞いを申し上げます。
 さて、早速質問に入りますが、私の持ち時間が十五分しかございませんので、どうぞ簡潔にわかりやすく御答弁を願いたいと思います。
 まず第一は、十九号台風、二十号台風による全国の被害状況について聞くところでございましたが、さっきの報告書が出ておりますので、これを省かしていただきます。
 最初に建設省関係のことでございますが、宮崎県の問題になってまことに恐縮でございますが、二十号台風では全国で一番被害の大きかった地帯でもございますので申し上げたいと存じます。
 清武町の堤防決壊でございます。これは二級河川に入っておりまして、県が堤防を担当してやっているのでありますが、ちょうど災害時に堤防の一部工事が行われておりましたが、年次計画でやっているために、ちょうど境目のところが壊れて大被害になったわけであります。この状況は、私は九州の災害調査に行きましたが、一の宮町で起こったような状態が、あの清武の黒北という部落は三十八戸が全部やられたわけでございます。ほとんど胸ぐらいまで全部つかって、そして流出、崩壊して流れて亡くなった方もおられるわけでありまして、こういった災害は、これは前からも要請されていたわけですが、工事が非常におくれてきてこういうことになったわけであります。
 特に大きな被害があった原因は、ちょうどこの地帯は二日間で八百六ミリの雨が降っておりまして、一時間単位で最大雨量が百八ミリ、こういう状況でございますから、これは特例のような雨ではございましたけれども、そういったことが原因で被害を受けた。しかも、今度の国の災害救助法にはこの地区は、全体で計算をされるものですから、清武町全体ということになるとちょっと足らないそうでございます。逆に、ただちょっとつかっただけのところが救助法の適用を受けている。例えば宮崎市などは冠水による被害でございます。これはもう当然でありますが、そういった戸数が多かったために受ける。
 こういう激甚的な被害を受けていながらもそういう対応ができないということになりますと大変でございますが、これは町で対応しなければならぬのか、やっぱり極端なこういう局部激甚災害についても何らかの国の対策が必要ではないか。この基準について私は少しこういう面で疑問を抱くわけでありますが、この点についてお答えを願いたい。そして同時に、速やかに改修を急いでやっていただきたい、このことを訴えるものでございます。御答弁を願いたいと思います。
 ついでに、建設省だけ一緒にやらしていただきたいと思います。
 次は小松川流域の問題であります。これは宮崎市内の河川でございます。市内の河川が非常に汚濁流でございましたが、最近建設省の御努力で大変きれいな魚が住むような川にはなったわけであります。ところが、これは一番下流のところでせきをしておるわけであります。逆流しますためにせきをする、このせきは完備しているのでありますが、ポンプアップができていないわけであります。ポンプアップがないために、これが約二千戸近くの家がつかるわけですね。床上浸水が七百戸からここは起こっているわけであります。そういう状態がもう前からわかっているのでありますから、もう少し早目に、特に災害があったからやらざるを得ないということでなくて、これはもう早目にやらなきゃならぬことであったんです。そして、十一月にできると私どもは聞いたんですが、今度の県会でただされたところが、四月ごろでなければできない、こういうことになっているようであります。
 今後こういったことがまだ続いたとすれば大変なことであります。もう十九号でも床上浸水をし、二十号でも床上浸水をし、二度やっているところもございます。全部これは畳をやりかえなければできないんです、泥水が入ってきますから。そういう状態ですから、この小松川はもうポンプアップの問題だけになっているんです。ぜひひとつポンプアップを速やかにやっていただくようにお願いをして、これの答弁を求めたいと思います。
 それから新別府川の上流の花ヶ島であります。この原因は、国道十号線が堤防みたいな状態になっております。下からやってくる河川改修がちょうど国道でとまっていたわけです。今ようやく国道も改修をすることになりましたけれども、これが完全に国道の下が改修されておれば――ここでも約七百戸余りの床上床下浸水が起こっているわけです。これも例年起こっているのでありますが、ずっとおくれてきている。これもひとつ速やかに、国道の下の部分を今やっておりますが、早期完成を図っていただきたい、こういうことを申し上げたいのであります。
 それからもう一点は木津久米川、これは新名爪一帯でありますが、ここも常襲地でございます。これは木津久米川と新名爪川のいわゆる河川改修ができれば、この被害はなくなるわけであります。ぜひひとつこれも促進方をお願いしたいわけであります。
 その他、日南、高岡、高鍋、それぞれ大変な浸水地がございます。これらもひとつ御調査の上、適切なる指導、対応をすべきじゃないかと思いますがいかがか、お答えを願いたいと思います。
○説明員(日野峻栄君) 御説明を申し上げます。
 まず清武川でございますが、この清武川につきましては、昭和二十五年から昭和五十三年度までにかけまして中小河川改修事業で改修を実施してまいりまして、大体完了をいたしております。一部、六十一年度より局部改良事業によって掘削、護岸等を現在行っております。先ほど先生御指摘の台風二十号の出水によりまして黒北地区で浸水被害が生じたわけでございますが、これは我々の事業区間より上流でございまして、ただいま県で対策を検討中でございます。
 それから、二つ目の小松川のポンプ場の件でございますが、これは直轄事業といたしまして現在排水機場の建設を進めているところでございます。排水能力十五トンでございますが、昭和六十二年度に着手いたしまして今年度で大体でき上がりまして、来年度の出水期には完全に稼働ができるようにする予定でございます。
 それから三つ目の新別府川でございますが、四十九年度より国道十号線、先ほど御指摘ありましたこの橋から下流の区間を、それから平成元年度からはそれより上流の区間をそれぞれ中小河川改修事業で築堤、掘削、護岸、あるいは用地買収を進めてきているわけでございますが、御指摘の国国十号線につきましては、今年度、平成二年度にかけかえが完了する予定でございます。そのほかの改修工事につきましては引き続き促進してまい
りたいと思います。
 それから最後の新名爪川でございますが、これは五十六年度より小規模河川改修事業で実施しておりまして、現在、築堤、掘削、護岸等を行っております。これも引き続き促進を図ってまいりたいというふうに考えております。
○野別隆俊君 次に、農作物の被害対策についてでありますが、農水省にお伺いいたします。
 農作物の被害総額が二十九億三千百万円の被害が出ているわけでありますが、それに農業施設が十二億七千万円、こういうことでありますが、米については共済制度がございますけれども、その他のものについては共済制度がありません。私はすべての農作物に共済制度をつくれと言っているんじゃありませんが、少なくとも国が指定産地として指定している主要品目、特産品目、宮崎で言うならば大根であるとかキュウリであるとか、カボチャであるとかトマトであるとか、こういった指定品目等については共済制度をとるべきではないか。なぜできないのか。まあいろいろ理由はあると思いますが、そうして特産品を安定的に生産して安定供給をさせるということは、これは国の政策上も非常に大事なことだと思うわけであります。
 今回の被害はそういう面で施策がないために大変な状況にあり、大根などは二回まいて、三回まいた人もいますが、十九号でやられてまいた、二十号でやられてまく。これを条まきにしますと、大根一反にも五万円からの種代が要る。これは二ヘクタールぐらいやっている人はたくさんいるわけであります。平均一ヘクタールぐらいやっているわけであります。二回まくともう百万円から金が要る。点まきにいたしましても反当三万円かかるのであります。こういったことでもう種もない、植えられない。恐らく今年の漬物大根、それから千切り、生大根とも、これは秋にかけては非常に野菜が高騰するんじゃないか、こういう心配もされるわけでありますが、これらの共済制度は考えられないか。
 また、新富町、都農町は竜巻がございます。新富町は十九号も二十号も竜巻で、せっかくビニールハウスを完成して、これはちょうどメロンの収穫時期に来ているのがやられたわけです。そして、やられたけれどももう一回再起しようということで全員で始めた。ところがまた二十号でやられた。もうやる気を失っているところに、今役場が中に入りまして、町長が何か町役場でも援助しよう、こういう状態に来ていますが、これらの資金対策等についての配慮はできないのか、この点についてお尋ねをします。
 それからミカンの問題でありますが、日南の鵜戸地区に、これは農業構造改善事業でつくりました八十一ヘクタールのポンカン団地がございます。これが今度の十九号と二十号でずたずたになっている。十九号では四五・九%の被害、一億五千万円、二十号では三〇%、九千三百万円、合わせて七五・九%の被害を受けた。この復興は大変なことになります。これはずたずたに山が壊れてきておるわけでありまして、今度はこの収入がなくなりますから生活資金に困る。それから構造改善ですから、この借入資金の返済、この点についても返済資金の繰り延べの方法を考えてもらえないか、この辺についてまずお伺いをいたします。
○説明員(山田栄司君) まず第一点の地域特産物、野菜の共済制度の問題でございます。野菜の共済制度につきましては従来からいろいろ研究しておるわけでございますが、共済制度は災害による収量の変動を共済事故にして共済金を支払うというシステムでございますが、野菜につきましてはむしろ価格変動が大変大きくて、災害を受けてもむしろ価格が下がる、あるいは逆に豊作であっても価格が上がるというふうな問題がございます。そういうふうなことでなかなか共済制度に仕組みにくいというふうなことで、制度化について私ども率直に申して苦慮しているというふうな状況でございます。もう少しいろいろ知恵がないか等につきまして、現在引き続き調査とか検討をさせていただいておるというふうな状況でございます。
 それから、野菜とかポンカン等に対する融資対策、営農資金対策の問題でございます。被害農業者に対する制度資金としましては、農林漁業金融公庫の自作農維持資金、あるいは果樹が災害を受けまして改植したり補植したりしなければならないという場合は果樹植栽資金といったものがございます。これらの資金の枠については確保しておりますので、県とも十分相談させていただきながら対応してまいりたいというふうに考えております。
 それから、既に借りておられます制度資金の償還条件の緩和でございます。これにつきましては、既に九月二十五日に県に農家から相談があれば相談に乗っていただくように指示しております。現地で適切な対応をしてもらうように指導してまいりたいというふうに考えております。
○野別隆俊君 時間かないようでございますから、ほかに林業問題がありましたが、最後に一つだけ国土庁長官にお伺いをいたします。
 先ほど申しましたように、まだ私は林業問題等幾つかあったのでありますが、質問が時間でできませんが、台風十九号に引き続き二十号、これらによる被害はかなり大きな被害が出ております。私もさきの九州、熊本、大分、福岡、佐賀のあの豪雨の災害被害調査にも参りましたが、こういう地帯についても特段の御配慮をいただいて、激甚地指定をしていただいたようでもございます。どうぞひとつ、宮崎も大変な激甚地でございますので、十九号の被害、さらに二十号の被害について、今後激甚地指定について全国的な問題も含めましてお答えを願いたい、このように考えます。
○国務大臣(佐藤守良君) 野別先生にお答えいたしますが、まずお答えする前に、今回の災害によりまして亡くなられた方々の御冥福を衷心よりお祈り申し上げますとともに、被災者の方々に心からお見舞い申し上げます。
 先生も御高承のとおりでございますが、激甚災害の指定は災害による被害の状況に応じて行われるものでございます。現在私の手元に数字をまとめておりますが、まだ確定的な数字は参っておりません。いましばらく時間がかかると思いますが、現在災害対策関係省庁連絡会議等を通じて把握している被害状況からしますと、昨年の災害に対する適用例等から見ましても、農地等の災害復旧事業については激甚災害としての基準を超える可能性が高いのではないか、このように考えております。そんなことでございまして、現在被害額等の精査を急ぎ、指定について早急に関係省庁との協議を進めるなどしてまいりたいと考えております。
○野別隆俊君 時間がありませんからこれでやめます。ぜひひとつ激甚地指定等もしていただいて、それぞれの対策に万全を期していただきますようにお願い申し上げまして終わります。
○野沢太三君 冒頭、台風十九号、二十号によりまして亡くなられました方々の御冥福をお祈り申し上げますとともに、被災されました方々に心からお見舞いを申し上げます。
 また、今回、昼夜を分かたず対策に当たられました長官を初め関係者の皆々様に改めて御礼を申し上げる次第でございます。
 台風十九号に関する質問に入ります前に、去る六月二十八日から七月三日にかけて発生しました梅雨前線豪雨による被害について質問をさせていただきたいと思います。
 先日、私も熊本から大分県にかけまして視察に参り、JR九州の豊肥線の被害状況を中心に見てまいりました。これまで多くの災害を見ておりますけれども、先般の集中豪雨は降雨強度あるいは被害の大きさ等から見まして大変厳しい災害であったと判断をする次第でございます。前回のこの委員会におきまして同僚の委員の方々からも取り上げていただきましたが、JR九州豊肥本線の復旧についてその後の取り扱いについてお伺いをいたしたいと思います。
 現在、豊肥本線は依然として緒方―宮地間が不通でございましてバス代行でつないでおります
が、住民の皆様は大変不自由をしており、また、廃線になるんじゃないかというような御心配もあって一日も早い復旧を期待しておるところでございます。災害の被害が大野川橋梁、それから玉来川橋梁、この二つの大きな橋梁が流失しておるわけでございますが、この復旧がいわば豊肥本線開通のかぎになっておると拝見いたしました。橋げたや橋脚が流されてしまうという大変な洪水でございましたけれども、この洪水の程度といいますか流量、これほどのくらいのものであったか、河川管理者は大分県と聞いておりますが、建設省さんの方に洪水流量の今回の状況についてお伺いしたいと思います。
○説明員(佐々木賢一君) 大野川は一級水系ということで建設大臣が指定しております。このうち下流部それから上流部はダム計画のあるところでございますが、これにつきましては直轄管理、そのほかは県管理ということになっております。
 先生御質問の大野川鉄道橋付近での現況の流下能力というのははっきりしませんが、現況の断面から推定いたしますと約三千トンくらいであろうというふうに見ております。今回の被災流量でございますが、当時の水位から推定いたしますとおおむね四千三百トンくらいではないかというふうに報告を受けております。今後の計画流量等につきましては現在まだ県の方で検討しておりまして、私どももその報告を受けてさらに検討を進めたいと考えております。
○説明員(日野峻栄君) 玉来川の方は改修計画がございますので、私の方から御説明をさせていただきます。
 玉来川も一級河川でございまして、大野川の支川でございます。大分県知事が管理をいたしております。流量の方でございますが、計画流量千三百七十トンで今計画をしております。今回の被災流量は大体千六百五十トンが流れたんじゃないかということで、上流にダム計画がございますので、これによりまして現在の計画流量になるように調節をして稼働開始を進めていきたい、このように考えております。
○野沢太三君 今お話しのように、計画流量をはるかに上回る、あるいは現在の能力をはるかに上回る水が流れたということでございます。これからこれを復旧していかなければならないわけでございますが、御承知のとおりJR九州は民営化して間もなくでございまして、経営安定基金によりまして辛うじて黒字になっているという状況でございます。今回の豊肥線だけでも四十五億、全体で五十一億という被害の金額には到底耐えられないのではないかと心配をしておるわけでございますが、今回のようなまさに計画あるいは予想を超えるような災害に当たりましては、何としても公共の御支援をちょうだいしなければ復旧が進められないのではないかと関係者がまことに今腐心をしておるわけでございます。
 前回の委員会でも御議論いただいておりますが、建設省と運輸省との間には河川改修の協定がございますけれども、今回のこの流失橋梁に対してこれを適用することについてはいろいろと問題点があるようでございますが、ひとつそこをさらに御工夫をいただきまして、例えば原形を復旧するまでは鉄道事業者がやる、あるいはさらに必要な改良を加える分については公共の側からの御支援をちょうだいする、こういうような考え方も可能ではないかと拝察する次第でございます。こういった点につきまして、建設省さんの方からお考えありましたらお願い申し上げたいと思います。
○説明員(佐々木賢一君) 先生の御質問、大野川橋梁と玉来川でございますが、まず大野川橋梁について私から御説明いたします。
 大野川橋梁を含む区間は現在まだ改修計画がございません。しかしながら、今回の被害が極めて激甚であったということで、大分県において改良復旧計画を検討しております。私どもも既にいろいろ相談を受けております。この大野川橋梁でございますが、今回の出水で流失しておりまして、いわゆる建運協定による河川費の投入ができないというのは先生ただいま御指摘のとおりでございます。しかしながら、現在JR九州において大野川橋梁の復旧計画を立案中であるというふうに聞いております。JRの橋梁の復旧は地域の振興に極めて重要であるというふうに私どもも考えておりまして、その内容をよく見た上で改良復旧事業の内容と突き合わせまして、改良復旧事業で協力できるものがあるかどうか検討してまいりたいと考えております。
 また、玉来川については治水課の方で計画がございますので答弁いたします。
○説明員(日野峻栄君) 玉来川橋梁を含みますこの区間でございますが、現在小規模河川改修事業で改修を進めているところでございますが、御指摘のとおりこの七月非常に激甚な災害を受けましたので、激甚災害対策特別緊急事業、通称私ども激特事業と言っているわけでございますが、これに先般採択をいたしまして再度災害の防止を図っていこうということにいたしております。そこにかかっておりますJRの玉来川橋梁でございますが、先ほどの大野川橋梁と同様で考えてございます。
○野沢太三君 どうかひとつよろしくお願い申し上げたいと思います。異例かつ重大という意味で、これまでの経緯にとらわれず御工夫いただければありがたいと考えるわけでございます。
 それから、鉄道災害一般についてちょっと御質問をしたいわけですが、国鉄時代には災害にかかわる経費につきましては予備費を流用するのが通例でありまして、大体二百ないし三百億の予備費の枠内で何とかすべておさまるということもこれあり、被害を受けますと直ちに応急復旧をし、最終的には本格復旧を図って開通をさせるわけですが、その意味で昔は、民営化以前には直ちに復旧に取りかかれるという、お金の心配をしなくて済んだわけでございますが、今回の場合、やはりJR九州は大変財政規模が厳しいわけですが、それ以外の民鉄あるいは第三セクター鉄道においても同様な事態がこれは想定されるわけでございますので、何とか災害に関しましては安心して即復旧ができるような防災の仕組みをつくっておくことが今非常に大事ではないかと思うわけでございます。
 その意味で、鉄道防災に関しましては鉄道軌道整備法というのがありますけれども、これは大変適用が難しい法律ということで、なかなか前例、事例も少ないように伺っております。また、今回鉄道整備基金を活用するというような御提案もあるわけでございますので、この点につきまして運輸省のお考えをお伺いしたいと思います。
○説明員(藤井章治君) ただいま御指摘のように、鉄道災害につきましてはこれまでの旧国鉄時代におきまして先生御指摘のように大きな財布の中で対処ができたという融通性があったわけでございますが、それぞれ分割・民営化いたしまして、特に経営基盤の弱いいわゆる三島会社、北海道、四国、九州、こういったところにつきましては予備費といいますか、設備投資余力なりあるいは修繕費といった面での余力が少のうございまして、これらに対応する対策が必要と考えております。
 今般の豊肥本線の災害におきましても、こういったものの事情を参考といたしまして、私ども鉄道軌道整備法の中で何とか対応ができないかということで検討してまいったわけでございますが、今後の鉄道災害につきましては、まずこの法律がございますので、この法律を円滑に運用できるような仕方で災害復旧を図っていこう、このような考え方に立ちまして所要の予算要求を来年度に向けまして現在関係財政当局等と調整をいたしておるところでございます。
○野沢太三君 ぜひこれを実現できますよう、私どももこれは努力をせねばならぬことと考えております。
 それからもう一つ、防災にかかわる制度といたしまして鉄道防災事業補助金の制度が既に十年以上機能しておるわけでございますが、今回の災害にもこれを適用できるところが相当あるのではないかと見受けられますが、これにつきましていか
がでございましょうか。
○説明員(藤井章治君) 現在の鉄道防災事業費補助、これは予算補助でございますが、これにつきましては、一般の公共事業の例に準じまして、JRが施行いたします治山事業とか治水事業といったようなこれら類似の事業に対して助成を行っておるところでございますが、いかんせん、これにつきましては防災ということが主眼でございますので、鉄道本体そのものの災害復旧というものには適用ができない状況ではございます。しかしながら、災害復旧事業の一環といたしまして、例えば落石・雪崩対策等の事業を行う必要があるというようなことにつきましては、現在の制度の中でできるだけ適用できるように運用を図ってまいりたいと思っております。
 具体的な豊肥本線の被災箇所についてもこの補助制度の適用について現在検討を行っておりますが、これまでの検討によりますと、おおむね十カ所程度の被災箇所、工事費でおよそ三億円、補助金額でおよそ一億七千万円ぐらいが適用できるのではないかということで現在詳細な詰めを行っておるところでございます。
○野沢太三君 この制度は、いずれにいたしましても鉄道事業者の能力とか責任を超える範囲から出てきた災害あるいは出てくるであろう災害を防ごうという趣旨で制定されたわけでございますので、どうかひとつその趣旨を十分に生かした運用をお願い申し上げたいと思うわけでございます。
 それでは、十九号の関係の質問に入らせていただきます。
 台風十九号は久々の大物台風と言われておりますが、昭和四十六年の二十三号以来十九年ぶりというような報道もあるわけでございます。先ほどの御報告によって大型で猛烈な台風、こういうことでございますので、三百キロ前後の暴風雨半径あるいは九百ミリバールを切り込む八百九十というような中心気圧、それから最大風速で五十五メートル以上、こういつた事柄が発生しておったというのが先ほどの御報告にもあったわけでございます。ただ、動きを見てみますと、沖縄の近海で大変ゆっくりと足踏みをしまして、どちらに向かうか大変気をもんだような時期がございました。
 気象庁では、昨年の七月でございますか、二十四時間予報に加えて四十八時間予報というのを発表していただくようになりまして大変便利でございますけれども、これがどのくらいの確からしさで当たるのか、この点についてお伺いいたしたいと思います。
 それから、先ごろまでは扇形の予報をしておりましたけれども、これを円形に変えたのは五十七年当時と言われておりますが、この理由ほどのような理由からか、あわせましてひとつお願い申し上げます。
○説明員(櫃間道夫君) お答え申し上げます。
 気象庁では、三時間ごとに二十四時間先まで、それから六時間ごとに先生御指摘のように四十八時間先までの進路予報を行っております。一昨年までは二十四時間先までの予報でしたが、スーパーコンピューターの導入によりまして去年から四十八時間までの予報が可能になりました。台風の進路予報は気象の予報の中でも最も難しいものの一つでありまして、常に不確実さがつきまとうということから、予想される誤差を半径として予報円という形で表現して発表しております。現在、台風の中心が実際にその予報円の中に進むという確率はおよそ六〇%となっております。予報は、予報時間が長くなるに従って精度が落ちるものですから、したがって予報円の半径というのは二十四時間先までですと約二百キロ、四十八時間先までですと四百キロというようになっております。
 それから、御質問の扇型から予報円、円に変えたということに関して申し上げますと、扇型というのは方向の誤差をある程度その中に含むことはできますけれども、進路方向の、つまり速度方向の誤差というのがそこのところに表現できないということで、そこを表現するために円という形にいたしました。
 以上です。
○野沢太三君 私ども、毎日の天気予報で「ひまわり」の映像というものを目の当たりにできるわけでございますけれども、これが導入されましたのは昭和五十二年と言われておりますけれども、それ以前と以後で天気予報の技術水準あるいは確からしさ、そういったものがどの程度変わったのか、もしそういった違いがありましたら教えていただきたいと思います。
○説明員(櫃間道夫君) お答えいたします。
 台風の予報には、まずその台風の実況を正確に把握するということが大切でありまして、この目的のために気象衛星「ひまわり」あるいは気象レーダーを導入して、発生から消滅までを見落としなく、かつリアルタイムに把握できるようになりました。さらに、スーパーコンピューターを昭和六十二年に導入して、先ほどもちょっと触れたように、台風予報の数値モデルが向上した結果、予報時間の延長とかそういったことが可能になりました。
 それから、精度の問題につきましても、先ほど二十四時間で二百キロ、あるいは四十八時間で四百キロという数字を申し上げましたが、これは大き過ぎるのではないかというふうに一般には考えられるようですけれども、実際には日本の台風予報技術というのは世界のトップのレベルにあるということを御理解いただきたいと思います。
○野沢太三君 今後この予測の精度をさらに上げる、あるいは予測時間をさらに延ばすというようなことができるならば、相当これは価値のあることではないかと思うわけですが、これに関しまして今後どんなことを努力すればいいのか、わかっていてほしいこと、あるいは希望があれば申し述べていただきたいと思うわけでございます。
 また、ごく局地的な気象として竜巻現象というのが相当な被害を今回も栃木県あたりで出しておりますが、このような現象の予知予測というものは可能かどうか、あわせてお願い申し上げます。
○説明員(櫃間道夫君) お答えいたします。
 台風の予報というのは、先ほども申しましたように非常に難しいものでありますので、その精度を上げるためには観測それから解析、数値予報モデルというものが全体としてバランスのとれた改善が必要であるという状況にあります。したがいまして、それぞれの分野で研究開発を進めていくということが精度向上への近道であると考えられます。
 それから、竜巻の予報、発生予想ができるかという問題ですが、竜巻というのは非常に局地的な現象であり、かつ寿命も短いということでありまして、特に日本の竜巻というのは発生頻度も少ないということで、現象の実態とか発生のメカニズムとか、そういったものが解明されていない部分が多いのであります。したがって、現在の技術では発生を予測することは困難な状況であります。
○野沢太三君 今度の台風を見ますと、雨による被害が非常に大きいわけでございます。猛烈なという、風ももちろんございましたけれども、雨がやはり予知予測できれば大変これは対応が楽になるわけでございますけれども、現在の技術水準で降雨の予想というものはどのくらい先まで可能なのか、それからまた降雨量、どのくらい降るかという点の予知予測がどのくらい可能か、これにつきましてお願い申し上げます。
○説明員(櫃間道夫君) お答えします。
 雨というのも、御存じのようにかなりばらつきのある降り方をするわけです。そういうわけで、雨の予測としては前日、例えばあすの予報というようなもの、そういうものに対しては一つの府県を二ないし三の地域に分けて降水確率とかあるいは降水量の予報もしておりますけれども、その程度の詳しさが現在の限界というところであります。それから、災害をもたらすおそれのある大雨に関しては、大雨や洪水についての注意報、警報ということでやはり同じような地域に対して発表しております。それからもう少し時間が迫ってまいりまして、三時間前というふうなことになりますと五キロ四方ごとの雨量を、これは一時間雨量として一時間刻みにアメダスとレーダーを用いて
行っております。
○野沢太三君 大変御努力をいただいており、また技術の進歩が予報の精度を上げているということがわかるわけでございますが、雨に関しましては今お話のありました地域気象観測システムのアメダスがもう発足十五年を経て、大変これが活用されていると伺っておるわけでございますが、ただこれが市町村レベルの地方の段階でどの程度活用されているか、わかっております範囲で結構でございますが、お話しいただきたいと思います。
○説明員(手塚雅美君) お答えいたします。
 アメダスの観測値、観測結果につきましては気象庁の予報、警報にリアルタイムに利用されておりまして、特に大雨時の場合にはアメダスデータの実況値もこれらの情報の中に含め発表されまして、地方自治体等防災機関に伝達されております。また、アメダスデータは面的に連続で量的な雨の実況把握並びに降水短時間予報を行うためのレーダー・アメダス合成図としまして活用されておりまして、この情報も関係防災機関に伝達され利用されております。
○野沢太三君 この十九号の被害は、先ほどの御報告のように死者四十一名、行方不明二名、負傷者が百七十九名、あるいは住宅全壊が二百四十二戸というような大きな被害でございましたし、道路の不通箇所が千九百三十カ所、いまだに百十カ所が不通、また鉄道も六十七カ所不通で、現在一カ所不通、被害総額で五千億を超えるという大変な被害になっておるわけでございます。この中で特に私ども注目しなければならないのが奄美大島の瀬戸内町古仁屋地区の被害、それから岡山の横井上のいわゆる斜面災害による人身災害、これについては相当検討を重ねあるいは対策をしっかり立てていかないとまた同じことが繰り返されるのではないかという心配がございます。
 瀬戸内町の古仁屋高丘地区につきましては、時雨量で九十一ミリ、十六日から十九日にかけて五百四十七ミリという雨が降っておるわけでございますが、死者十一名、全壊十九棟、半壊三棟。こういう中で町の当局の皆様は危ないだろうということで消防車を出して避難勧告をしたようでございますが、もうそのときには時既に遅く土石流が発生して逃げる時間がなかったと伺っております。
 また、岡山の横井上の場合にも、十六日から十九日にかけて三百十四ミリの雨が降って裏山が崩れて死者五名、負傷五名、全壊三戸、こういう被害になったわけでありますが、この地区につきましては、この地域防災計画の中におきまして土砂災害の危険地域としての指定があったのかないのか、そしてまたそれを住民の皆様が周知徹底されておったのかどうか、この点について、消防庁さんおいででございますか、お願い申し上げます。
○説明員(神林章元君) お答え申し上げます。
 瀬戸内町の古仁屋高丘地区はつきましては、県の地域防災計画では県指定の土石流発生予想危険箇所といたしまして仲金久川指定区というのが掲げられておりますけれども、瀬戸内町の地域防災計画には掲げられておりません。ただし、町が今年度梅雨期に行いました危険箇所の防災点検の対象には当該箇所も入っていたと聞いておりますので、住民の皆さんも知り得る可能性があったと考えられます。
 岡山市の横井上地区につきましては、急傾斜地崩壊防止等の要件に当てはまらないということもありまして、危険予想箇所には指定されておらなかったと聞いています。
○野沢太三君 災害対策基本法では、指定をきちんとするということ、それからそれを住民に徹底するということがうたわれておりますし、またそのためにさまざまな手段、方法を用意しておるわけでございます。何といたしましても、危険であるということに関しましては住民の皆様方がみずからやはり意識を高めるということがまず第一でございますけれども、同時に防災関係者がいかに与えられた情報を生かして活用するかということが大事でございますので、先ほどからもございますようないろんな予報システムがございますので、これを活用していただきたいと思うわけでございます。
 そこで、今回亡くなられました四十一名の皆様でございますが、この内容を伺いますと、二十五名の方、約六割の方が土砂災害で亡くなっておる。こういうことで、台風の被害というのは実は大半が斜面災害と言っても過言ではないと思うわけでございますが、過去の災害で死亡者がどのくらい出て、そのうち土砂災害による割合あるいは人数がどのぐらいあったか、これにつきまして国土庁の方からよろしくお願いします。
○説明員(鹿島尚武君) 過去の災害におきます死者、行方不明者の中で土砂災害によります方々がどのくらいかというお話であろうかと思います。必ずしも統計が定かに対比できるようになっておりませんので、まことに恐縮でありますが、ひとつ比率をもって申し上げさしていただきたいと思います。
 年平均におきまして昭和四十二年から四十九年まで二百五人の土砂災害による死者、行方不明者を見てございます。全体に占めます割合が約六四%。次に五十年から五十九年まで平均いたしまして九十一人土砂の災害による犠牲者を出してございます。全体の災害による被害者の約四八%を占めてございます。同じように六十年から平成元年まで三十人、約四三%というような状況にございます。
 いずれにいたしましても、近年の自然災害におきます死者、行方不明者の状況を見てまいりますと、なお土石流、地すべりによります土砂災害による犠牲者というのがかなりの割合を占めているということが言えると思います。
○野沢太三君 それではもう少し時点をさかのぼっていただきまして、戦後ということで昭和二十年代からの死者、行方不明者の数についておわかりでございましたらお願い申し上げます。
○説明員(鹿島尚武君) 二十年代以降の自然災害によります年平均の死者、行方不明者数は、昭和二十年代でございます、年平均で千八百二十名、三十年代では千三百七十名。これを見てまいりますと、昭和三十四年、伊勢湾台風がございましたが、それまではほぼ毎年千人を超える人命が失われておりました。四十年代は三百五十人、五十年代は二百四十人、六十年以降につきましては百二十人でございますけれども、昭和六十二年には六十九人、六十三年には九十三人、平成元年は九十六人と、最近三年連続して百人を下回っているというような状況でございます。
○野沢太三君 マクロ的に見ると大変なこれは激減と言ってもいい数でございまして、やはりこれまでの防災関係者の皆様の御努力がこういりた形であらわれているんじゃないかと思いますが、減少の理由としましては、第一に予報技術が進んであらかじめの備えができるということ、それから二つ目はやはり警報避難のシステムが大分発達をして、これによってやっぱり事前に避難もできるようなシステムになっておる、こういうふうにも考えられるわけでございます。また三つ目には、防災基盤施設の整備が進みまして、洪水とかがけ崩れ、そういった現象そのものも少なくなっていることがやっぱり一番効いているかと思うわけでございます。
 その中で特に警報避難のシステムというのは大変大事でございまして、後ほど伺いますけれども、この基盤施設の整備の水準を一〇〇%にするということはなかなか金と時間がかかって間に合わない。とすれば、やはり「三十六計逃げるに如かず」ということでありまして、危なくなったら安全なところへ避難をするということを日常からもうこれは心得として備えておかなければならぬだろうと思うわけでございます。
 そのために一番大事なのは、住民の皆様に周知徹底をさせるという意味で、今お進めいただいております防災無線の整備というものが大変有効であると各地の災害事例からも報告が出ております。今この防災無線の普及状況、それから整備の見通し等についてお伺いしたいと思います。
○説明員(神林章元君) 今お尋ねのように、予警
報、避難指示等の伝達手段といたしましてはいろいろ複数の手段がございます中で、防災無線の有効性につきましては今回の事例等についても言われているところでございます。
 そこで、整備の見通しでございますが、まず都道府県から市町村へ伝達します防災行政無線につきましては、現在、四十四団体が整備済み、二団体が計画中、一団体が検討中でありまして、遠からず一〇〇%整備が達成できる見込みでございます。
 次に、市町村の防災行政無線につきましては、被害状況等の情報収集を主要目的といたします移動型については約七〇%近い整備率となってございますが、御質問の住民への情報提供を主要目的といたします同報型に着目いたしますと、現在の整備率は五〇%に満たないわけでありまして、両者を備えました全体的整備にはなお相当の期間を必要とするわけでございます。そのため、消防庁といたしましては、特に台風常襲地域等におきます早期整備を目指しまして、みずから持っております無線等のほかに、防災町づくり等のさまざまな起債事業あるいは他省庁の方のいろんな補助制度もございますので、そういうものを活用しましてあらゆる手段によりまして整備を進めるよう都道府県を通じまして市町村を強く指導しているところでございます。
○野沢太三君 大変に御努力をいただいていることはわかるわけでございますが、これは防災施設基盤整備に比べればけたが幾つも違うくらいいわば安く整備ができるわけでありますから、何としてもひとつ早急に整備が完了し、かつこれによって日ごろからの訓練が行われる、それからまた行政のサービスその他にもこれが活用できるわけでございますので、どうかひとつ最重点項目としてお進めいただきたいとお願いをする次第でございます。
 さはさりながら、やはり基盤施設の整備というものが何としても安心の一番の基礎でございますが、この災害にかかわります治水関係、それから砂防関係、それから急傾斜地の保全といった、この三つのテーマを取り上げてみたいと思うわけですが、この整備水準が現在どのくらいのレベルにあるか、建設省さんお願いします。
○説明員(定道成美君) 現在、先ほども申し上げましたが、治水事業につきましては第七次治水事業五カ年計画、それからがけにつきましては第二次五カ年計画を推進しているところでございます。
 現在、平成元年度末までの整備状況でございますけれども、いわゆる河川のはんらんに伴います浸水の整備率でございますが、約四十二%でございます。それから土石流、地すべり等の土砂災害対策でございますが、約一八%となっております。それから急傾斜地崩壊対策、いわゆるがけでございますけれども、約二〇%の状況にございます。
○野沢太三君 大変心配な状況にございますので、先ほども申し上げましたような情報伝達のシステムとあわせてひとつ総合的な推進を図っていただきたいと思うわけでございます。
 今回の公共投資十カ年計画、十年の間に五割増し以上の水準でやろうということで始まっているわけでございますが、これまでの防災予算を見てみますと、金額の方では横ばい、そして公共事業全体の中ではむしろ比率が低下しているという状況にあるわけでございますが、これで心配はないのかどうか。何としても今までのシーリングの枠を外してしっかり頑張っていただかねばいかぬと思いますが、この点についての取り組みをひとつお願いしたいと思います。
○説明員(定道成美君) 先生からの励ましの言葉をいただきました。
 現在、来年度に向けまして治水事業全体の予算を要求しているところでございますけれども、生活関連枠、例の二千億円の中に、建設省は全体を生活関連枠と考えまして全額を要求しております。そのうち建設省の河川局所管事業、現在三つの事業がございますけれども、それにつきましては二百八十五億円を要求しております。二千億分の二百八十五億円でございます。現在大蔵省に、生活関連という枠はもとより、もともと生存基盤そのものであるという認識のもとにあらゆる資料を駆使して説明を行っているところであります。一円たりとも減らされないように全力を傾けているところでございます。
○野沢太三君 御健闘をお祈りする次第でございます。
 そこで、今回の台風で犠牲になられました方々の中に土砂災害によるものが多いということで、先ほども青木先生の方からも御質問がありましたように、土砂災害をどうこれから防ぐか、さらにはそれを未然にどう避けていくか、こういった対策が非常に大事だと思います。その意味で、六十三年に制定されました土砂災害対策推進要綱というのは大変よくできた要綱であると私も大変評価をしているわけでございます。また、それに基づいて土石流の危険渓流総合整備事業等、しっかりと今お進めいただいておる。これは先ほどの質問と重なりますので省略いたしますが、その中で土石流発生監視装置というものを開発されまして、これを今活用しておる市町村も出てきたということでございます。伺いますと三千万くらいあればできるんだということでございますので、これを一層普及をさせて、危ないところから大いにひとつ活用をしていただきたいと思うわけでございます。
 それからもう一つ、国土庁さんと気象庁さんが大変勉強していただきまして、豪雨と災害に関する基礎調査というレポートをまとめていただいております。これは全国の災害の発生状況と雨量の関係の相関をとりまして、百ミリ降ればどのくらいの災害が発生するか、あるいは二百ミリになったらどうか、こういうことを各県別程度の条件を入れて出しておるわけでございます。大変これはよくできたシステムだと思いますが、しかしこれだけではなかなかうちが危ないかどうかというところまで結びつかないわけでございます。これにひとつ降雨強度を加味した分析、さらには市町村単位くらいまでのローカルコンディションを入れまして、もうそろそろ逃げた方がいいなというようなことが予知予測できるような仕組みにさらにこれを完全なものにしていただけるとありがたいのではないか、かように思うわけでございます。
 土石流の危険渓流あるいは地すべり危険箇所あるいは急傾斜地の崩壊危険箇所の該当の市町村というものが全体三千二百五十二市町村の九〇%にも相当すると言われておるわけでございますし、ただいまのシステム、三千万というとちょっと手の出ない村もまだ相当あるんじゃないかと思うわけですが、その意味で、気象庁が出しておりますアメダス情報、これは全体的にいつでも活用できるわけですが、もう一つ大事なシステムが私見落とされているんじゃないかと思うわけでございますが、建設省で河川局を中心に開発していただきました河川情報システムというのがございます。
 全国に二十五カ所程度のレーダーサイト、あるいは雨量の観測所というものを二千五百カ所ほど設けまして、これから得られましたデータを分析、解析して端末まで即時に流していく、こういったすばらしいシステムをつくり上げておるわけでございますけれども、これが残念ながらまだ十分活用されているとは言いがたい状況にございます。市町村レベルでまだこれを使っておるところが九百三十ほどしかない。都道府県の土木事務所等で六百四十ということでありまして、全体でまだ二千六百五十台しか端末がないということでありますが、これは一台当たり年間百五十万あればレンタルで利用できるということでございます。各市町村にはみんな入っていてもおかしくない。パートの人を一人雇うかどうかという程度の費用で大変貴重な防災情報が得られるわけでございます。
 そういったことで、最初から申し上げてまいりましたとおり、防災にかかわります技術水準というものは大変上がってまいりまして、利用、活用できる手段、方法というものが実に多く開発され
ているわけでございますけれども、この活用がまだ実は十分とは言えない、あるいはまたそれを運用、利用する人材の育成もどうもはっきりしない面がございます。そういった面からひとつ、何はともあれ情報化時代でございますので、この防災情報というものを十二分に活用して、できる限り人身事故を減らし、また災害を未然に防止するということが大事ではないかと思うわけでございます。
 そういうことで、総合的に見ましてこの土砂災害を含め防災に取り組みます最高責任者といたしましての長官のひとつ御決意をお伺いしたいと思いますが、よろしくお願いします。
○国務大臣(佐藤守良君) 野沢先生にお答えしますが、先生の御指摘のとおりでございまして、台風等による被害の軽減を図るためには総合的な防災対策が必要であります。そのため、従来より治山治水の施設整備といったハード面での対策と、防災情報の伝達とかあるいは警戒避難体制の充実強化、防災意識の高揚等のソフト面での防災対策を総合的に推進してきているところでございます。今後とも、防災対策に万全を期するため、国土庁としても防災行政を総合的に推進する立場から関係省庁と密接に連携をとりつつ全力を尽くしてまいりたい、このように考えております。
○野沢太三君 ありがとうございました。
 これまでも既にいろいろと出てきておりますけれども、道路関係なんかでも、降雨と通行規制というものを連携をとってやるということを過去の飛騨川災害等に教訓をいただきましてもう四十四年ころからこれを実施しておる。また鉄道に関しましては、雨量と降雨強度、この組み合わせに対しまして災害発生の予想を幾つかの事例から集約をいたしまして、速度規制あるいは運行規制というものをやりまして大事故を未然に防いでおるということであります。今回も台風十九号、二十号、二十一号と新幹線等も随分被害を受け、かつ御迷惑をおかけした分があろうかと思いますが、人身事故だけはこのシステムの活用によって一切出ていないということでございます。どうかそういった先発、先行の分野の成果を市町村住民の皆様方まで及ぶような御配慮を今後ともひとつ国土庁を中心に御指導をいただければありがたいわけでございます。
 それでは、最後に国際防災協力について少し質問をさせていただきます。
 一九〇〇年代、二十世紀に入りましてから既に災害によりまして四百万人の方が死亡しておる、それから九百億ドルの損失が出ておるということでございますが、その大部分が、八五%がアジア・南西太平洋の地域で出ておる。地震が五〇%、洪水が三〇%、暴風雨で一七%くらいということでございますが、こういった災害に対して日本は災害のいわば多発国、先進国としていろいろと協力できるものがあろうかと思います。
 平成元年の七月の世論調査を見ましても、防災の国際協力について積極的に進めるべきだという方が五二%もおるわけでございます。そしてまた、進める力点はどういうことをするかといいますと、緊急援助隊を派遣するのがいいという方が五五%もあります。それから技術協力、科学的なノーハウの提供というのが四七%、それから復興の資金協力がやっぱり四六・八%ということで、並んで大きなこれは三つの協力のやり方ではないかと思うわけでございます。
 ただ、この中で大変期待されております緊急援助隊のあり方でございますが、これがうまくいっているかどうか、ひとつこれにつきまして相手国の評価なり派遣した方の御意見なりあるいは帰ってきてからの反省点なりございましたら、ちょっとお伺いいたしたいと思いますが、外務省さんお見えですか。
○説明員(横田淳君) お答え申し上げます。
 緊急援助隊の相手国からの評価でございますけれども、例えば今年度におきまして六月にイランで地震がございまして、そのときに緊急援助隊を派遣いたしましたわけでございますが、イラン外務省は我が方の駐イラン大使に対しまして、日本政府による速やかな援助隊の派遣等物資及び資金の供与に感謝する旨表明いたしております。それから、その後に起きましたフィリピンの地震におきまして再び緊急援助隊を派遣いたしましたわけでございますけれども、その緊急援助隊が帰りますに際して、マラカニアン宮殿でアキノ大統領に表敬する光栄を賜ったのは皆様新聞等で御承知のことと思います。
 そのほかに、緊急援助隊の派遣ではございませんが、緊急援助物資といたしまして、いろいろ医薬品ですとか毛布ですとかその他の物資を送ったりしていることがあります。そのような場合にも、さまざまな形で援助された国からの感謝が表明されているところでございます。
○野沢太三君 これまでの二十件余りの中身を見ますと、そのうちの大半、十四件以上が一人で行っているということで、援助隊と言うからには隊長さんがいてそのまた部下がいてというふうに我我は思うんですけれども、一人で仕事をするというのは大変心細いんじゃないか。特に災害の当地というものは大変な混乱状態にあると思われますので、その点につきましてはもう少しこの辺をしっかりした要員編成を組んでいくことができないかどうか、これについてひとついかがでしょうか。
○説明員(横田淳君) これまで一人で派遣しております場合でございますが、この一人の役目と申しますのは、物資がちゃんと相手方に届くかどうかというのを確認する役目でございまして、私どもが緊急援助隊として考えておりますのは、例えば緊急援助隊の派遣に関する法律の中に任務としてあります医療行為ですとか救助活動ですとか、災害に対する応急的な復旧活動ですとか、それらを行う隊員を派遣する場合と考えております。
○野沢太三君 今お話ありました物資でございますが、成田、シンガポール、メキシコ、それからイタリーのピサでしょうか、ここのあたりに集積地をつくって手近なところへ運ぶという形をおとりいただいているようでございますが、問題はそれを運ぶのに、とにかくリュックサックに入れて持っていかれる量というのは知れているということでございますので、どうしても民間機をチャーターするとかあるいは一般の定期便を使うとか、こういうことにならざるを得ないのが実態であろうかと思うんですが、そのために時間的に間に合わない。すぐ欲しいという医薬品等もあるわけでございますので、何としても輸送手段をもう少し裏づけをつくらなければならないのではないかと思うわけでございます。
 また、現地へ行きました方が、通信手段が途絶しているケースが多いものですから、何としても仕事がやりにくい。今衛星放送も活用できるような時期になっておるわけでございますので、輸送手段と通信手段についてもう少しこれは法を改正してもしっかりとした対応をしなければならぬのじゃないかと思いますが、いかがでございましょうか。
○説明員(横田淳君) 輸送手段と通信手段の件でございますが、例えば今年度に入りましてから行われました緊急援助は既に六件ございますけれども、そのうちの四月に行われましたタンザニア洪水災害被災民救済、それから五月のペルーの地震災害、六月の中国洪水災害被災民救済、これらの三件につきましては日本からの救援物資の到着が現地で一番であったというふうな事実関係もございます。
 私どもは、従来から緊急援助隊及び援助物資を被災国に対して迅速に輸送して、それから被災国における通信手段を確保することは私どもが行っております援助を一層効果的なものとするために極めて重要だと考えております。
 輸送手段につきましては、商業定期便とともにチャーター機を利用しておりまして、今後ともこれらの手段により迅速な輸送に努める考えでおります。また、御指摘のように通信手段につきましては、最新の通信機材の利用を図る等いたしまして体制の整備を図っていきたいと考えております。
○野沢太三君 ぜひひとつ心のこもった、相手の国の方から本当にありがたいと思ってもらうような協力方法をとれるように、そのために必要であれば予算であるとかあるいは法律の手直しであるとかいうことについてはやぶさかでないと思いますので、国連平和協力法も間もなく議論されることになるわけでございますけれども、それ以前に緊急援助隊という立派な仕組みがあるわけでございますので、これをさらにひとつ充実をさせていただきたいとお願いをいたします。
 それから、ことしから国際防災十年ということで、世界的な規模でいろんな行事があって、これに対する日本の役割も大変大きいと思いますけれども、これに対するお取り組みをこれからどうされるか、簡単で結構ですから触れていただきたいと思います。
○説明員(鹿島尚武君) 国際防災十年に関します国際連合での決議に基づきまして、日本国内ではいち早く、昨年の五月でございますが、総理を本部長とします政府の推進本部を設置いたしました。十一月の第一回の会合におきまして、これからの推進方針を既に決めてございます。そういう中で、早速でございますが、ことし最初のスタートの年ということで、過ぐる九月二十七日でございますけれども、最初の年に当たりますから国際防災十年の記念式典というものを関係者のお集まりをいただきまして盛大に実施をさせていただきました。それに続きまして、四十三カ国からおよそ外国人を含めまして千数百人の関係者を集めまして式典を終えました後、国際会議を横浜、鹿児島で実施もいたしました。
 いろいろ諸事業をこの関連の中で今後とも続けさしていただくというようなことになってございます。
○野沢太三君 どうかひとつ積極的にリーダーシップを持ちまして、必ずやってくる災害でございます。忘れたころにやってくるという時代ではもうなくなっておりまして、本当にこれから災害に対してどう取り組むかということはまさに全人類的な大きな課題でありまして、日本がその中で働ける役割というものは大変大きいと考えるわけでございますので、どうかひとつ国土庁さんを中心に大いにリーダーシップを発揮してお取り組みいただきたいと思います。
 以上で質問を終わります。どうもありがとうございました。
○委員長(糸久八重子君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時十分まで休憩いたします。
   午後零時二十一分休憩
     ─────・─────
   午後一時十一分開会
○委員長(糸久八重子君) ただいまから災害対策特別委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、災害対策樹立に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○常松克安君 何はともあれ、今回の台風並びに集中豪雨でとうとい命をなくされた方にお悔やみ申し上げ、かつまた災害を受けられた方々に心よりお見舞い申し上げます。
 冒頭より長官にお尋ね並びに御指導を賜りたいと存じます。
 いろいろ午前中から御指摘ある大きな災害、数字的にも起こっておるわけであります。よって、これは復旧に一日も待つことのできない予算措置という問題でございます。漏れ承りますと、十二日より始まる百十九国会におきまして、どうも補正予算が組まれてくるのかこないのか、これは先先のことでございますが、どうにもそういう措置を、いち早くこういう問題は補正予算をもって多くの復旧に御安心いただくようにせねばならぬところであります。これに対して各部道府県あるいは各市町村、いろいろそのときどきに頭を痛めておるわけでありますけれども、いずれにしても予算措置についての長官のお考えをここでお聞かせ願いたい、かように存じます。
○国務大臣(佐藤守良君) 常松先生にお答えいたします。
 その前に、まず今回の災害によりまして亡くなられた方々の御冥福を衷心よりお祈り申し上げますとともに、被災者の方々に心からお見舞い申し上げる次第でございます。
 先生の御質問というのは、十九号、二十号、二十一号と台風の被害が続いているが、これら災害復旧に係る経費についてはどうか、こういう御質問だと思います。実は今まで、従来の例からいいますと、年度途中に発生した災害は係る復旧上の経費については、災害査定等の手続を経た上で既定予算の不足分について予備費、補正予算で対処していくことになろうかと考えておりますが、国土庁としましても、財政当局に対し万全な災害復旧が図られるよう予算上の措置をお願いしてまいりたいと考えております。
○常松克安君 どうかひとつ遺漏のないように御措置をお願いいたしておきます。
 なお、午前中、私いろいろな先輩の先生方の御質問をお聞きいたしましたが、野沢先生の的確なる論理的でかつ逐一それを積み重ねていかれる御質問をお聞きいたしまして、まことに敬意を表する、ああ、質問というのはこうあらねばならぬのだなと、こういうふうに伺ったような次第でございます。その中で、やはり御指摘と私同感いたしますところは、自然災害とはいえ事人命に関することに関してはどうしても事前の万全の対策、措置というものが、これは英知を結集して対応していかなきゃならない、かように考えております。
 よって、いろいろありますけれども、やはり最近の災害は非常にさま変わりと申しますか、非常に注目に値するのは、やはり何といいましても土石流災害が非常は大きくなってきております。そのことにおきまして、建設省におきましては既にこういうふうな問題を取り上げて、昭和六十二年から推進していらっしゃいます土石流発生監視装置、こういうふうなものに対して鋭意努力していらっしゃると耳にいたしております。よって、その概要及び設置状況、その効果面についてまずお尋ねいたします。
○説明員(松下忠洋君) 御説明申し上げます。
 土石流発生監視装置についてでございますけれども、これは土石流危険渓流に設置されました雨量観測局、これは雨量観測所あるいは雨量計でございますけれども、そこで観測いたしました雨量のデータを無線または有線で監視局、これは例えばその地域の市役所であるとか役場であるとかあるいは建設省等の出先の機関というところに伝達いたしまして、現在の降雨量の状況がどうなっているかということを示しますとともに、警戒または避難を行うべき基準の雨量というのをあらかじめ決めておりまして、それとの関係でどうたっていくかということを刻々防災関係機関に提供するというシステムでございます。昭和五十九年度から総合土石流対策モデル事業というのを起こしておりますけれども、それによりまして全国で鋭意進めるようにしておりますけれども、現在では全国二十五地区に設置されているという状況でございます。
 それで、この事業によってどのような効果があるかということでございますけれども、例えば事前に情報を知るということと、それを地域の住民の方々にお知らせするということで、事前に、災害の起こります前に警戒、そして安全な場所はあらかじめ避難することができるというようなことがございます。現に、今回の十九号台風でも幾つかの地域ではそのようなところで生命の安全が図られたということがあったわけでございます。
○常松克安君 例えば具体的に、香川県池田町においてはこれが設置されていたのでしょうか。
○説明員(松下忠洋君) 設置されておりました。これは小豆島でございますけれども、昭和四十九年それから昭和五十一年に連年の災害を受けまして島全体が土石流災害で多くの方々が被害をこうむられたわけでございますけれども、それを契機にいたしましていろいろな土石流に関する総合的な施策を進めてまいりましたけれども、今回こういった発生監視装置等も機能いたしましたし、そ
れから事前につくっておりました砂防施設というものの効果もございました。そういうことで地域の安全が図られたということでございます。一千名を超える方々が避難されたというふうに聞いております。
○常松克安君 来年度に向けて概算要求の増額を今していらっしゃいますか。
○説明員(松下忠洋君) 午前中にもございましたけれども、地域の安全それから安定ということでございます。我々の事業は生命の安全にかかわるものでございますので、そういう面での充実を図るべく、力いっぱい予算要求をさせていただいて大蔵省当局と交渉させていただいております。
○常松克安君 まさしくこういうふうな装置というものが生活関連に最も必要であると胸を張って主張していただきたい、こういうふうに心より応援申し上げておきます。
 その効果の点でございますけれども、今おっしゃいました池田町、確かに過去数年にわたっていろいろ災害でとうとい人命を失った。よって、こういうふうな装置というものをそこに設置され、効果がはっきりとここに出てきた。これはもう行政の最たる努力の効果でございます。
 また一方、今度は逆に、最近はいろいろな場所で起きております点は、過去にそういう経験のない、まさかそういうことはと。その一つが鹿児島県奄美大島で、いつももう五百ミリ、どんどん降っておるけれども、そんなことはというふうなところで災害というものが非常に、土石流でとうとい人命をなくした。当然その市町村では監視体制、そこへ行っていたやさきの目の前で起こった事故。こういうふうに両面があるわけでありますけれども、しかし土石流に対しては、もはやよほどの強固な安全対策の設備を行う以外においてはもう逃げるしかない、逃げることが一番である、こういうふうに指摘する人もいるわけでありますが、この避難勧告を出すタイミングというのが非常に難しい。こういうことに関する御見解はいかがにお持ちでしょうか。
○説明員(松下忠洋君) 土石流災害にどのように対応するかということは、これは単なる技術の問題だけではなくて、それに加えましてその地域の方々の意識の問題、それから地域の防災担当者との連携プレーといったいろんなことも含めてやっていかなきゃいかぬだろうというふうに思っおります。
 その根底には、土石流が発生しないように事前の対策工事をしておく、あるいは発生いたしましてもそれを住民の方に被害が及ぶ前に食いとめるというような施設をしっかりとつくっておくということがまず基本でありますけれども、それに加えまして、やはり地域の方々にどのようなときに土石流が発生する危険性があるのかというようなことをできるだけ我々が知り得る限りの情報を流して、そして雨の状況をお知らせして、そしてこのようなときには避難していただきたいというようなことを徹底するようなことをやっていかなきゃいかぬだろうというふうに思います。このタイミングは非常に難しいというふうに思います。
 それで、これは例えば台風が南の方の海上に発生したその段階あたりからいろんな気象情報等をみんなで注意して見ていくことも大事でございますし、いよいよ雨が強くなり出したころには、そのような地域の方にどのぐらいの雨が降っているのかということをよくわかるように教えてあげる、そして危ないなというようなことを、事前にできるだけ繰り返し繰り返し土砂災害の起こりやすいような状況になっていることを皆さん方にお知らせしていくということが大事だろうというふうに考えます。
○常松克安君 確かに御指摘仰せになるように難しさはありますが、このことによってとうとい人命が助けられるという可能性は非常に効率が高いわけであります。よって、何回も何回もやっておるとオオカミ少年みたいに、またまたと、だんだん避難する人が勧告に従わずに家におるというようなことも当面地域では起こり得るだろうし、そのことによって一つの指針は既にお持ちであります。御立派な指針だと野沢先生御指摘になりました、お持ちであります。
 しかし、これは全般的に言ってその箇所づけと装置のガイドラインと申しますか、こういうところを市町村というものが一つ目安に置いておけばいいという、何といいますか精神的な支柱と申しますか、これも科学的な裏づけは必要でありましょうが、そういうふうなガイドラインをこれから考えていく必要があるのではなかろうか、かように思いますが、いかがでしょうか。
○説明員(松下忠洋君) 先生のお話のとおりだというふうに考えます。土石流という災害が我々の事業の中心になりました一つのきっかけになりました災害がございまして、これは昭和四十一年に富士五湖の西湖というところで土石流が発生いたしまして、その集落全体が全滅したというような災害が起こったわけでございますけれども、その翌年の昭和四十二年から本格的に土石流対策に取り組んだわけでございますが、何といいましても、どのような箇所に土石流が発生しやすいのかというような危険な場所を十分は知っておく、それを地域の皆さん方にまず知らせるということが一番大事だろうというふうに思います。
 その地域にやはり工事を実施していくということとあわせまして、今申し上げましたソフト対策としての警戒避難体制の確立を急いでいくということがあるわけですけれども、やはりそれにあわせてどうしても、どのような状況のときに土石流が発生しやすいのかということをできるだけ皆さん方にわかりやすいようなものをいろんな機関を通して連絡していく、あるいは通知していくということが大事だろうというふうに考えております。
○常松克安君 考えるのはいいんですけれども、そのガイドラインなるものを少し明確にこれからしていくための研究会といいますか、そういうふうな設定のところまでのお考えはございませんのですか。
○説明員(松下忠洋君) 昭和五十年代からそのような研究を組織としてやっておりまして、ガイドラインということはやはり土石流がどのような状況のときに発生するかということをわかりやすく皆さん方に知らせるものでございまして、そのような技術書はできております。
 それから、毎年六月を土砂災害防止月間ということで、土砂災害に対するいろんな予防措置といったものの啓蒙活動をやっておりますけれども、そういうところを通しましてそういうことの啓蒙に努めているというふうにしております。
○常松克安君 ただいま申し上げておりますのは、土石流のみならず、毎回この委員会でも取り上げられておりますけれども、土砂災害も含めてのお考え、これはどういうようになっているんでしょうか。
○説明員(小川祐示君) 御説明申し上げます。
 先生、土石流以外にがけ崩れ、地すべりということについての警戒避難体制についての御質問だと思いますが、御説明申し上げます。先ほど午前中の委員会でも御説明申し上げたのですが、現在、建設省の調査によりますと、急傾斜地崩壊危険箇所、これはがけ崩れの危険箇所でございますが、全国に七万七千カ所あるわけでございます。そして、地すべり危険箇所については約一万カ所あるわけでございます。近年、地すべりの被害やがけ崩れの被害が頻発しておるわけでございますが、私どもとしても対策工事を実施しておるわけでございます。その整備率というのが平成元年度、がけ崩れの危険箇所については二〇%でございます。地すべりの危険箇所につぎましては一八%と、いまだ十分な状況にはなっていないわけでございます。
 このような状況にかんがみまして、従来からの工事を主体とするハード面の対策の推進はもちろんのこと、警戒避難体制の整備といったソフト面の対策も含めて重要だということは私どもとしては認識しております。ハード対策とソフト対策を含めました総合的な対策を進めるということで考えておるわけでございます。
 具体的には、地すべり対策につきましては昭和六十三年度から地すべり自動監視システムというものを開発いたしまして、現在これを使いまして地すべり監視モデル事業というのを全国で十五区の地区で実施しまして、警戒避難体制の整備に努めているところでございます。一方、がけ崩れにつきましては、前兆現象が見られる地すべりと若干違いまして、非常に局所的、局地的ということでございまして、いつ、どの場所で、どのぐらいの規模のがけ崩れが発生するというような的確な予知予測というのが現段階では極めて難しい状況でございまして、現在土木研究所を中心に研究を進めているところでございます。
 いずれにいたしましても、警戒避難体制の整備につきましてはその重要性につきましては十分認識しておりまして、今後とも積極的に研究あるいは調査を続けて推進してまいりたいと考えておるわけでございます。
○常松克安君 では議題を変えまして、長良川の河口ぜきの件につきまして財政的な面からお尋ね申し上げます。
 総工費が一つ。第二番目、これは何年かかっておるのか。三、特に金利負担総額、これは複利でありますが、半年複利なのか一年複利なのか。過去数十年にわたっております最高のピークの金利は幾らなのか、最低の金利は幾らであったのか。この辺のところからお尋ねしておきます。
○説明員(豊田高司君) 御説明申し上げます。
 総工費につきましては、六十年単価で約千五百億というふうにしております。それから年限につきましては、これは昭和四十三年度から実施計画調査というものに着手いたしまして、本格的に工事に入りましたのは昭和六十三年からでございます。この間は用地交渉、漁業交渉等で時間が経過したわけでありますが、竣工は平成六年度、平成七年三月ということを予定しております。
 それから金利につきましては、一番安いところと一番ピークのところは幾らかという御質問でございますが、まず水資源開発公団の事業の仕組みでございますが、これは多目的ダムでございますので、治水事業分と利水事業分から成り立っております。この利水事業分につきましては、それぞれ関係の省庁の行政によります補助金等があるわけでございますが、残りの分につきましては利水者、ユーザーと称しておりますが、ユーザーがそれぞれ負担することになるわけであります。水資源開発公団の施行する事業につきましては、このユーザー負担分をせきの工事が完成するまでは水資源開発公団がいわゆる金利のある資金を借りて立てかえ施行するという制度になっておるわけでありまして、この資金源は主に財投資金でございます。そのときどきの財投の資金によるわけでありまして、一番安いところがどれぐらいか、一番高いところがどれぐらいかというのを今ちょっと記憶しておりませんが、また後ほど調べましてお持ちしたいと思っております。
 いずれにしましても、そういう国の財投資金が中心でありますので、もちろん一般市中金利から比べれば若干安いのではないか、私はちょっとその辺詳しくはありませんが、若干政策的に減らすのではないかというふうに思っております。
○常松克安君 金利は総額で幾らになるか、答弁が漏れておるのです。
○説明員(豊田高司君) ちょっと御説明漏れがございましたが、金利の総額は、先ほど申し上げましたように工事が竣工した平成六年度で金利がどれぐらいかというのを計算するわけでありまして、今のままでまいりますと元利等も含めますと相当な金額になると思っておりますが、ちょっと……
○常松克安君 幾らになるんですか。
○説明員(豊田高司君) ちょっとお待ちください。――ただいま申し上げました利息のかかる費用は水道用水分と工業用水分でございますので、これにかかる利息を今試算してみますとおよそ百三十八億円と試算しておるところでございます。
○常松克安君 済みません、先ほどダムとおっしゃいましたが、ダムというわけじゃないんですから、長良川河口ぜきの問題は。答弁は間違えないように的確におっしゃってください、時間だけ延ばせばいいというものじゃございませんので。
 私が申し上げたいのは、余り細かいことを言い過ぎて御迷惑をかけたかもしれません、しかし国家的なプロジェクト、閣議決定までしてやる。ところが、今二十年とおっしゃいましたけれども、実質的には二十五年かかっておるわけです。いろいろ国家的事業だから、いや困難性があるといいながら、地元にとりましては、新しく家を建てれば借金がふえるのは当然であります。新しく生活環境を広げていただく、これも結構お金が要ります。しかし、この金利負担というものが少なくとも一千万の借金で十年かければ二千万払うというのは一般常識論であります。それより財投の資金は安い、これはわかります。しかし、運用の仕方いかんによっては、例えば完成時を少し早めることによって、皆県民税を払っているお金で金利負担するわけですから、この負担が軽くなるではないか。もはやいろいろの制度上の問題としましては、何と申しますか金属疲労というふうな、拡大解釈をしても、運用の妙を得ても現実の対応には対応し切れない、そういう疲労がきているということも現実行政に携わる皆さんが実感を持って感じていらっしゃるわけであります。それ以上に県民の方は今に至って、当委員会とは直接関係ありませんが、三重用水と長良川河口ぜきを合わせて年間百億という償還が目と鼻の先に来ておるわけでありまして、百億円ずつ、国家的な決意といいながらそれが二十年も二十五年も前からの金利負担がどんと五百億、六百億にもなってそれを払っていかなきゃならないとしたならば、これはもう大変なことと考えを一にするわけであります。
 確かに、こういうことで国が全部やれないということで水資源公団が先行された。ところが、そのときに毎年度これ着実に――予算委員会の問題になります、もうこれからは。そういうふうな中部支社の人件費までも計算の枠に入って、そして借金借金。親方日の丸で幾ら借金しようとこれは返してもらえるはずのものでありますから、そういうところまで最近地域住民といいますのは、非常に通信網が発達しまして知識が向上しまして、政治感覚が向上しまして、非常にこだわりを持つわけであります。だからこそ、あんなもの片一方で反対だというのに、総理がわざわざ一宮へ来て環境アセスというものをどうももう一遍やってみるかなというふうなことを書いてある新聞もあれば、全然違った、そこまで踏み込んでいないというものもあります。借金も背負うわけでありますから、高校一つ建ててくれと陳情しても一億は財政的になかなか出ない。それが、これから百億というふうな問題を二十年も二十五年も前のお考え並みでここへずれ込ませると、非常に違った面での納得性、信頼というものが事業に違った面で差し挟まってくるということ。
 それで、この金利負担でございますけれども、この辺のところはもはや、省令か政令かそれは知りませんが、それはそうだ、筋が通っておる話だ、少し早いところ省令、政令を改正して、財政が景気のいいときも悪いときもあるけれども、返せるんだったら、少なくとも二年でも三年でも五年でも食い込んで先に払わなきゃならないものだったら払いつつ金利負担を軽減していこうではないか、そうしてもらえぬかというふうな話に、こうして改正準備に入られていると聞きます。
 課長さんのお立場上、それ以上のことはあとは予算委員会で言ってくれとおっしゃるでしょうから、それはこっちの仕事ですからやるとしても、その地元の金利負担というものが制度の少しの改正において、私はたとえ一億でも五千万でも、細かいことを申し上げますが、払うのは皆県民税で払っていくわけでありますから――工事にかかるものには仕方ないです、政令でもうきちっと政府で決められているんですから。しかし、金利負担のやりくりというものは、もう少し違った、行政サイドの温情ある考え方の変更は私は当然しかるべきだ、かように思いますが、いかがですか。
○説明員(豊田高司君) 長良川河口ぜきは、先生
おっしゃいましたように、治水の塩害の防除と中部圏の発展に不可欠な水、この水につきましては、三重、愛知、名古屋市というふうにわたるわけでありますが、この事業にかかります三重県分の負担につきましては、今後の金利等を含めますとどれぐらいの金利、今後変動するかわかりませんが、一応現時点の金利が続くと予定して計算しますと、長良川河口ぜき関係ではおよそ三十億円ぐらいになると試算されております。このような負担をできるだけ極力軽減しなければならないというふうに思っております。そのためには、まず工事の実施に当たりましては経済的にできるだけ合理的に実施しなければならないというふうに思っておるところでありまして、水資源開発公団を指導してまいりたいと思っております。
 それからもう一つ、利息を含めました費用負担の軽減につきましても、現行の諸制度のもとでは今すぐというのは非常に難しい問題ではございますが、関係省庁と力を合わせて十分連絡を行いながらいろんな勉強をしてまいりたいというふうに考えております。
○常松克安君 老婆心ながらあと一つ申し上げておきますけれども、愛知だとか岐阜が水を買うてどうのこうの、議会の承認もなければ何もないんですよ、よろしゅうございますか。これはこっちで描いている言うならば償還をする計画に入れておるだけ、今の段階は。そういうこともひとつ頭の隅に置いて、また当委員会での別な論議にしてまいりたい。
 質問は以上で終わります。
○林紀子君 私は、まず今回の台風十九号、二十号、秋雨前線の被害によりまして亡くなられた方方にお悔やみを申し上げるとともに、被害に遭われた皆様方に心からお見舞いを申し上げます。
 日本共産党といたしましても、調査団を組みまして奄美大島、岡山県に調査に入りました。私は岡山県に参りましたが、邑久郡の牛窓町では海に面した一面のキャベツ畑は山からの土砂で埋まっておりました。田中町長は、農作物は全滅に近い、数億円の被害だ、また邑久町の木村町長は、四百五十町歩がまるで黄河のように水につかってしまった、五億円の減収になると、それぞれ訴えていらっしゃいました。一刻も早い激甚災害の指定と災害復旧をお願いしたいと思います。
 そして、具体的な問題に入らせていただきますが、私どものところに奄美大島の方から要望が来ております。
 今回の災害により亡くなられた方で、瀬戸内町の四十一歳のひとり暮らしの方がいらっしゃいます。家族がいないために近くにおられる妹夫婦が遺体を引き取り、遠方に出ておられる弟さんが喪主となって葬儀を済ませられました。当然、多額の葬式費用というのは兄弟たちが負担することになったわけです。
 災害により死亡した方の遺族に対しまして弔慰金というのが支払われますが、その遺族の範囲というのが、死亡した者の死亡当時における配偶者、子、父母、孫及び祖父母となっています。遺族の兄弟には支給されないということになっているわけですね。ぜひ兄弟にも支給されたいという要望が強く出ております。土砂崩れなどで不幸なことに一家全員が犠牲になるというようなことも今までの例にもあるわけですので、ぜひ弔慰金の支給対象について再考をお願いしたいと思います。
 あわせて、災害援護資金の貸し付けについてですが、現行法では家屋の全壊の場合二百五十万円程度と非常に少ないわけです。毎回これが改正はされていると言われますけれども、この枠の拡大というのも今見直さなければならないときだと思いますが、いかがでしょうか。
○説明員(松本省藏君) 御説明を申し上げます。
 災害によりましてお亡くなりになられた方、大変お気の毒だと存じます。それで、そもそも個人の災害というのが生じました場合には、これは先生も既に御承知のとおりでございますが、世の中の一般的な考え方としては、個人みずからの、あるいはその関係の方々それぞれの個別の問題として対応し、いろいろな問題の解決に当たっていただくというのが実はいわば原則になっているわけでございます。
 ただ、自然災害によります死亡というようなことになりますと、原因が何せ台風とかその他の自然災害でございますので、遺族の方々はその肉親の死についてどこにも苦情を持っていけない、あるいはいろいろな損害賠償を請求しようもないという事態がございます。そういう状況がありますので、かねてよりその救済といいますか弔慰の仕方について公的な制度ができるかできないかといういろいろな議論がございまして、四十八年に議員立法という形で、さらに全会一致という形で、いわゆる特別な個人救済制度といたしまして自然災害により亡くなられた方の遺族に対して災害弔慰金を支給する制度ができたわけでございます。
 そういう特例的なといいますか、特別な公的給付制度をつくるということでございました関係で、そういう趣旨でできたものでございますから、例えば一つ申し上げますと、その支給の対象となる災害についてもある程度一定規模以上の自然災害でなければならない、こういう条件が設定されました。例えば落雷などによりまして不幸にもお亡くなりになられる方とか、そういう方々は通常の個人原則ということで対応していただかざるを得ない。それと同じような趣旨で、立法制定当時から議論があったかと思いますが、支給対象の遺族の範囲につきましても極めて身近な肉親の方々ということで、配偶者と、いわゆる直系血族の中でも両親、それから祖父母、子供、孫、こういう範囲に限定された形で制度ができているということで御理解を賜りたいと思っています。
 それからもう一つの災害援護資金の貸し付けでございますが、今お話にございましたように、従来からその都度社会経済情勢の変動を考慮しながら改善を図ってきているわけでございます。直近で申しますと、昭和六十一年の十二月に限度額百八十万円を二百五十万円ということで引き上げを行ったところでございまして、その後物価上昇等もやや安定しているということもございますし、またそもそも福祉資金としての性格を持って被災者の生活のつなぎ資金というような性格もございまして、現行の額に至っているということでございます。
○林紀子君 趣旨からいっても、兄弟にもということもぜひ御検討いただきたいと思います。
 今回の秋雨前線、十九号台風、二十号台風では全国各地で多くの土砂崩れがありました。岡山県下で十人もの死者が出たわけですが、そのうち八人までが土砂崩れに巻き込まれての犠牲者となっています。そのうちの五人の犠牲者を出した岡山市横井上での土砂崩れの場所は新興住宅地にありますが、産業廃棄物の不法投棄による人災ではないかと言われています。この横井上の二カ所の土砂崩れの箇所には昭和五十二、三年ごろ産業廃棄物が捨てられた、もう一カ所では五、六年前に宅地造成をするときに建築廃棄物などが捨てられていたと地元の住民は言っていますが、この事実関係はどうなのか、お答えいただきたいと思います。
○説明員(篠原弘志君) 御説明いたします。
 御指摘の点につきましては、九月十八日のあの災害の現場につきましては、土砂崩れの現場の被害者宅の上方十メートルから十五メートルの地点において崩れ落ちた土砂の中にコンクリート片等の建設廃材が散見される状況でございます。岡山県警察において調査しましたところ、関係者の話では、崩れた山林の頂上付近に十年ほど前から小型ダンプ三、四台分程度のコンクリート片等の建設廃材が放置されて、その上に雑草が生い茂っているという状態だったということでございます。
 それから九月二十日のその現場におきましては、被災地の斜面等において主として残土があったというような状態であったというふうには聞いております。
○林紀子君 新聞でも、崩れ落ちた土砂の中には浴槽や鉄パイプなどの廃棄物がまざっていたと報道されています。
 警察白書によりますと、昨年の産業廃棄物の不法投棄は八十六万九千トン。産業廃棄物の不法投棄による環境破壊は今大きな社会問題になっています。このような産業廃棄物の不法投棄や不適正処理から国民生活を守り、岡山県のような人災を再び起こさないように、排出企業の責任を明確にし、政府が廃棄物の資源化、再利用化を図ることなど、こういうことがどうしても必要だと思いますが、どのような対策を考えていらっしゃいますでしょうか。
○説明員(三本木徹君) 御説明申し上げます。
 ただいま先生御指摘の建設廃材の不法投棄の問題でございますが、これにつきましては廃棄物の処理及び清掃に関する法律という法律で厳しく規制しているところであるわけでありますが、私どもこの法律に沿いまして、各都道府県が監視、指導を強化したり、あるいはまた健全な処理業者の育成といったようなことで総合的な対策を実施してきているところでございます。
 具体的な対策といたしましては、ことしの四月には、発生から処分までの廃棄物の流れをきちんと管理するという意味におきまして、マニフェストシステムによって排出事業者が正しく処理されたかどうかを管理する、そういったようなことを内容といたしました指導を行ってきております。さらにはまた、排出事業者に対しましては、例えば建設業の場合ですと建設廃棄物が大量に出てまいりますので、それの適正な処理をしていただく必要がありますので、適正な処理の仕方についてガイドラインを示すとかそういったことを実施してきております。
 さらに、先生御指摘のように再生利用の問題であるとか資源化の問題であるとか、産業廃棄物をめぐります現在いろんな形での御意見、御要望が全国各地から出ておるわけでございます。私どもそれを受けまして、この七月十八日には厚生大臣の諮問機関であります生活環境審議会に対しまして今後の廃棄物対策のあり方につきまして諮問をいたしました。そして、不法投棄の予防対策、こういったことも含めまして廃棄物の現在抱えている処理制度全般にわたる見直しを現在行っているところでございます。
○林紀子君 時間がありませんので、次の問題に移らせていただきます。
 滋賀県下でも、台風十九号による大きな被害がありました。二十日の未明に愛知川の下流の能登川町の今地区、八幡橋下流の二カ所で決壊いたしました。この決壊によって一人の方が亡くなられ、家屋の浸水や田畑の冠水など大きな被害があったわけです。これは予想を超える雨量、また河川整備のおくれが根本にはあったわけですが、地元の新聞報道によりますと、この愛知川の決壊も人災ではないか、つまり、この愛知川の上流に農業用ダムである永源寺ダムがあり、このダムの放流に問題があったのではないかと指摘しています。
 農水省の資料によりますと、ダムの放流の状況は、十九日の十二時までに毎秒十三トン、最高時、二十日の午前零時には何と千四百八十一トン放流しております。能登川町はダム管理事務所から、十九日の正午、午後五時半、午後十一時五十五分の三回の通知があったということですが、このときには河川の下流はどのような水位になっていましたでしょうか。農水省にお聞きしたい。
○説明員(梅崎哲哉君) ちょっと私どもの方では河川の水位、下流の地点の水位は……
○林紀子君 わからないんですね。
○説明員(梅崎哲哉君) はい。
○林紀子君 それでは、私がこの新聞報道で見たところによりますと、十九日の午後十一時二十分には既に警戒水位を突破した、二十日の午後零時四十分にはなお水位は上昇している、こういうふうに能登川町からダムの管理事務所の方に連絡があったと確認しています。下流の水位は、ダムからの大量の放流を行う以前にもはや警戒水位を突破している状況だったわけです。大量に放流する旨の連絡を受けまして、町側は放流制限を求めたが聞いてもらえなかった、こういうふうに言っているわけです。決壊は今地区が二十日の午前一時半、八幡橋下流では二時。この二十日の零時に千四百八十一トンが放流されたわけですが、この一時間半後、二時間後に決壊した。水が流れてくる速度を考えますと、放流に全く関係がなかったとは言えないと思うわけです。永源寺ダムの常時満水位と予備放流水位、これは管理規則ではどうなっているか。放流したときの水位の関係はどうかということを伺いたいと思います。
○説明員(梅崎哲哉君) お答えいたします。
 まず、永源寺ダムの常時満水位でございますが、これはエレベーションで二百七十メートルになっております。それから予備放流水位につきましてはそれから五十センチ下がりまして二百六十九メートル五十センチということになっております。
 それから第二点目の放流時にダムの水位はどのような状況にあったかということでございますが、放流を開始いたしましたのが十九日の十三時でございますが、この時点の水位の標高は二百六十九メートル二十一センチ、その後流入量に相当する流量の放流を行いまして、ダムの最大貯水位は二十日零時の二百六十九メートル九十一センチということで常時満水位まで高くなっておると、こういうふうになっておると聞いております。
○林紀子君 お話を伺いましたら、規定どおりのダム操作を行ったということだと思いますけれども、しかし下流では洪水が起こってしまったわけです。超えてはならないという水位、常時満水位と、そこまではためなければいけないという予備放流水位との差がわずか五十センチでしかない。調節できるのはたった五十万トン、全貯水量の一・五%でしかない。住民たちから、十九号台風については早々とテレビなどでも予報があったわけだから、なぜせめて前日から放流してくれなかったのか、こういう疑問が出されておりますけれども、当然ではないかと思います。管理規則の第九条にも、洪水時または洪水の発生するおそれのあるときには事前に放流することができるとなっているということですけれども、どうでしょうか。
○説明員(梅崎哲哉君) 永源寺ダムにつきましては、先生御案内かと思いますが、農業等を目的としました利水専用のダムでございます。したがいまして、いわゆる洪水を調整するために貯留水を放流して空き容量をつくるというような、いわゆる事前の放流と申しますか、そういうものはこのダムの性格上できない、操作規程上もできないというふうになっておるわけでございます。
 それから管理規則第九条だと思うわけでございますけれども、ここで洪水時または洪水の発生するおそれがあるときというふうに書いておりまして、放流ができると、こう書いておるわけでございますが、具体的にダムの操作等をやっておりますのは、特に河川構造物ということでダムの操作規程というものが河川法上定められておるわけでございますが、これに基づいてやっておるわけでございます。それによりますと、洪水吐きゲートから放流することができますのは、ダムが先ほど申しました二百七十メートルという常時満水位を超えてしまうそういう場合、それから洪水が起こっているとき、それにさらに洪水の警戒時というものにつきまして放流ができるというふうに規定しておるわけでございます。この場合につきましても、放流量が貯水池への流入量相当と、いわゆる自然状態と同じような形で流すというふうに規定しておりますので、先ほど来の、事前に洪水調節のために洪水吐きゲートをあげて大量に水を放流するというようなことは規定上できない、こういうことでございます。
○林紀子君 確かにこれは利水ダムということはわかるわけですけれども、しかし農民にとっては、また地域の人たちにとっては、日照りのときには確かに水をためてそれを利用した。しかし、洪水のときに流れ込んできた水をそのまま流したということは確かなわけですけれども、それによって洪水が起こって一人の方が亡くなったということはどうしても納得できないと思うわけですね。
 これは建設省にお聞きしたいんですが、河川法
の第五十二条には「洪水調節のための指示」として、「河川管理者は、」「ダムを設置する者に対し、当該ダムの操作について、その水系に係る河川の状況を総合的に考慮して、災害の発生を防止し、又は災害を軽減するために必要な措置をとるべきことを指示することができる。」となっています。永源寺ダムは河川法の適用を受けるダムであり、愛知川は一級河川です。永源寺ダムの管理者、また愛知川の管理者、ともに県知事であるわけですね。同じ管理者でありながらどうしてこのような災害が発生したのか。この河川法の第五十二条というのを発動するべきときではなかったかと思いますが、いかがですか。
○説明員(豊田高司君) 御説明申し上げます。
 先生御指摘のように、河川法五十二条の指示につきましては、利水ダムのうち洪水による災害が発生あるいは発生するおそれが大きいと認められる場合に、災害の発生を防止し、または災害を軽減するため緊急の必要があると認められるときに、その水系にかかわります河川の状況を総合的に考慮して行うというふうになっておる、そのとおりでございますが、実際には利水ダムに洪水調節機能を持たせるためには降雨予測というものを確実にしなければなりませんし、ダムの流入量というものを確実にしなければなかなか難しいわけでございます。
 実際にはそういったものが非常に難しいわけでありまして、安全な操作と確実な調節効果を上げるというためには事前に十分な検討をしておかなければなりませんです。そのときになって、さあというわけにはなかなかまいらないというのが実情でございまして、そのためには個々の具体的なダムにつきまして、ダムの規模だとか流域面積だとか、過去に降った雨の地域分布だとか偏りだとかというようなことを十分調査研究しておかなければならない。実際にはそういうことでやるわけでございまして、できるだけ利水ダムにつきましてもそういうふうに検討しておるところでございますが、このダムにつきましてすぐにできなかったというのも、ダムの規模、降雨の強度、地域分布等を勘案して緊急には困難であったということでございます。
○林紀子君 時間ですので、終わります。
○井上哲夫君 私は、二十分の与えられた時間でございますので、まず最初の質問から始めたいと思います。
 その前に、今回の災害でお亡くなりになられた方に本当に心からお悔やみを申し上げますとともに、けがをされた方、被害を受けられた方にお見舞いを申し上げたいと思います。
 これまでの御質問では土石流による被害、災害の状況等が中心でございましたが、きょう私は、自分の出身地のことを言って申しわけありませんが、十九号台風による風の被害、これはほとんど新聞等で取り上げられておりませんが、非常に甚大なものであるという点で、長官もお見えでございますが、ぜひ風の被害についての御認識を新たにしていただきたいことと、その復旧のための御援助、そしてさらに今後、非常に予想もつかない風が吹きましたことによる反省から、風対策も考えていただかなければならないのではないかと考えております。
 前置きが長くなりましたが、実は三重県は和歌山県等と同じで、十九号、二十号、そして二十一号と三連続台風が上陸した県でございます。一昨日から私も三重県の南部に入りましたところ、昨日は台風と追っかけっこをして帰ってきたということでございますが、その中でも林業が非常に大きな被害を受けておりましたことをまざまざと見てまいったわけでございます。
 御承知の方も多いと思いますが、三重県の南部の尾鷲という地帯は最も雨の多い地帯でありますが、一方では尾鷲ヒノキということで非常に有名な林産地でございます。しかも、三百六十年の伝統を持つヒノキの造林の山というのは見事な山で、かつ民有地の林業家は非常に前向きに外国の技術や機械まで導入してヒノキ材の生産に従事しておるわけでございますが、これが大変な被害を受けました。
 それで、まずお尋ねをしたいのでございますが、きょうの防災局長の御説明では、林業の今回の被害額というのがいつの時点の数字かわかりませんが、五十六億円というような数字も出てまいっておりますが、現時点で林業の被害、とりわけ三重県の被害について把握してみえる状況がございましたらお聞かせを願いたいと思います。
○説明員(村田吉三郎君) 御説明申し上げます。
 今回の台風十九号によりまして、三重県の尾鷲市、それから熊野市などにおきましてヒノキ、杉の造林木に相当の折損、倒木被害が生じているという報告を受けているわけでございます。林野庁におきましては、災害の発生いたしました後に、先般、担当官を現地に派遣いたしまして、被害の概況の把握と現地指導に当たらせたところでございますが、何せ林道が切断しておりましたり、それから調査する対象が面的にかなり広範に上りますことから、まだ全貌をつかみ切っておりません。現在、県、市町村等の協力を得て被害状況の把握に鋭意努めているという段階でございます。
○井上哲夫君 今のお答えの中に出ました点で、私がきのうの時点で把握してきたところを申し上げますと、尾鷲市、それから海山町、紀伊長島町、さらに熊野市、紀宝町を含むかどうかは別にしまして、その地帯で一千ヘクタール以上、被害額も、いわゆる風によるヒノキ、杉の倒木でその損害額が八十億を超えているというような報告を受けております。
 そこで、私としては、森林災害における激甚災害指定でございますか、この場合の規定が適用になるのではないか。今申し上げました二市三町でございますが、少なくとも激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律の十一条の二でございますか、あるいはそのほかの法令の規定を見ましても、一地区で一千五百万円以上、九十ヘクタール以上の災害ということに当たるのではないか。したがって、もちろん現地からの実情把握と災害額の認定を必要とするとは思いますが、激甚指定のための調査もぜひやっていただきたいと思っておるわけでございます。
 そこで、この激甚指定の前提といいますか適用の可能性について、今現在の判断で結構でございますのでお答えをいただきたいと思います。
○説明員(村田吉三郎君) 御説明申し上げます。
 先生御指摘のとおり、森林災害の激甚災の適用の問題といいますか、これにつきましては、林業の被害見込み額と、それから林業の生産の所得との割合といいますか、林業の生産の所得に対してどの程度の被害があったかというようなことで判断をされるわけでありますけれども、今回のこの森林災害にかかわる激甚災指定の問題につきましては、現在、先ほど申し上げましたように、被害の実態につきまして関係県の協力を得ながら鋭意取りまとめを急いでいるという段階でございまして、この結果を待ちまして関係省庁で判断されることになる、こう考えております。
○井上哲夫君 ぜひ長官にも、激甚指定の閣議決定の際にはひとつお骨折りをお願い申し上げたいと思うんですが、きょうの御報告にあってはほとんど雨が強調されました。ところが、先ほどの防災局長の御説明でも資料の中を見ますと、実は風については六十一メーターとか五十九メーターとか相当に強い風が吹いております。尾鷲市の場合も、測候所の記録によりますと五十六・一メーター、現地に入りますと八十年から百年のヒノキが雷に打たれた後に真ん中で割れて折れる、こういういわゆる真ん中からポキンと裂けて折れている銘木がもう本当にごろごろ転がっておる。そして一方では、根返りといいますか、根のあれでひん曲がって弓のように倒れている。これがもう弓状になっておりまして、しかも熊野市では、その倒木の整理のために入った人が木を切っているときに木の反転ですかで一人亡くなっているということも私は聞いております、直接確認はしておりませんか。
 こういうふうなことからいいますと、今直ちに風倒木の除去等の整理もしないといけないところ
が実はありまして、これは紀伊長島町の海野隧道というんですか、このトンネル、あれは県道か国道か確認をしなかったんですが、トンネルの入口では左右の山並みが全部倒木をしておりまして、二十号の台風でやはり尾鷲地区は四百九十七ミリの雨が降りましてずり落ちまして、しかし途中でひっかかっておる。そうすると、上の方は山肌がもう見えておるわけでございます。
 そうすると、さらに次の台風といいますか、新しい委員長になって台風が多いという声もありますが、さらに次の台風なり豪雨が来た場合に、日本でも有数の多雨地でございますので、次の災害が実は心配になる。しかし、たまたま跡取りがいない林業の所有のところでありまして、聞いてみますとどうしようもできない。私が見にいったときにたまたま森林組合長が見えましたので、あなたが責任を持ってすぐ除去やったらどうだと言ったんですが、我々ではどうしようもできないというようなことで手をこまねいている状態でございまして、こういう場合に次の災害を防止するためにも、応急的なといいますか今すぐできるようなことは治山上ないのかどうか、この点も一度お尋ねをさせていただきたいと考えております。
○説明員(村田吉三郎君) 今回の十九号台風によります風倒木の被害の復旧に当たりましては、跡地に造林をいたしますことを前提としまして造林補助事業などの制度を適切に活用いたしまして万全を期していきたい、こう考えておりますが、その際に、風倒木、折損木の中で人家とかあるいは交通等に危険を及ぼすおそれのあるもの、あるいは谷筋などで二次災害誘発のおそれのあるものなどで造林事業になじむものにつきましては、可能な限り早急に適切に措置をしていくように県を通じて指導しているところでございます。
○井上哲夫君 続けざまに御質問して恐縮でございますが、風倒木についてさらに申し上げますと、激甚指定に基づく財政援助をお願いしているところで次なることをまた申し上げるのはいかぬのですが、実際に林業のダメージを受けた場合には、そのスパンが長いといいますか、そういうことからそれだけで本当に十分なことができるか。あらゆる補助行政といいますか、あるいは融資、天災融資法の発動云々という話が先ほどの先輩議員の質問でも出ましたが、そういうふうな点もぜひ考えていただきたい。
 私、くどいように申し上げているのは、実は非常に意欲的にやってみえる山林の方にお会いをしましたところ、左右全部倒れている四十年から四十五年のヒノキの山を歩いて私を案内しながら、井上さん、これ実は左右の山は昭和十八年、十九年に戦時徴用で全部伐採をさせられた。その後自分が復員で帰ってきてそれから植えたヒノキだ。ようやく間伐その他も全部して、尾鷲地区は密植造林なんでございますが、適度の間伐もしてもうこれでいいと思っていたところ、四十年、四十五年のヒノキが見事にやられた。こういうふうな長いスパンであるから、今災害を受けたからしょぼくれてしょんぼりし、あるいはあるとき木材が値上がりをしたからにこにこする、そういう心境にはなれない。自分の代よりもう次の、三十六歳の息子さんを従えて案内してくれましたが、次の息子の代まで考えてやらなきゃいかぬ。したがって、こういう災害を受けたときに、行政の方にそういう長いスパンの復旧しかできないということをぜひとも訴えていただきたい、こういうふうな陳情を受けたわけでございます。
 それで、その点の補助あるいは助成、そういう点で今当局の方で考えられる点がございましたらお尋ねをしたいと思っております。
○説明員(村田吉三郎君) 御説明申し上げます。
 今先生からお話ございましたように、三重県のこの尾鷲、熊野の地方は人工造林の歴史が古うございまして、日本でも有数の先進的な林業地帯でございます。技術的にも、杉とかヒノキの密植によります優良しん持ち柱材などの生産を主体といたしました特殊な施業体系を持つことでまた全国に知られているところでもございます。
 このような特殊性を踏まえながら、今回の森林の被害の復旧につきましては、早期復旧の立場から関係県それから市町村等と綿密な連携をとりまして、また被害の態様に応じまして、造林の補助事業でありますとかあるいは林業改善資金等の制度もございますので、こういったことも含めまして復旧対策に万全を期してまいりたい、このように考えております。
○井上哲夫君 次に、風による被害でどういう実態があるかをもう一、二点お尋ねしたいといいますかお訴えをしたいと思います。
 実は、三重県の中西部では中部電力の送電塔が二基倒れました。送電塔、四十七、八メーターのいわば鉄骨で組んだ風通しのよい、まさにそういう塔が途中からとか根元から倒れた。風の威力がすさまじい。付近の方に言わせると七十メートルぐらい吹いたのではないかというようなこともおっしゃる方もおったわけでございますが、こういう風で、たまたま人身災害にはならなかったのでございますが。
 熊野市のミカン畑を見に行きますと、出荷直前の熊野の温州ミカンが、あるいは中晩カンのミカンが落ちている。落ちているだけじゃなくて、風のまともに行ったところの向きだけ葉っぱがほとんど全部ないんです。もう落葉してしまっている。さらに高台になっているところでは、木の根っこからミカンの木がもう倒伏しているわけであります。こういう事態は土地の方もちょっと記憶がないと。ミカンはたわわに実りますから実が落ちるというのはあり得るけれども、それでも普通はカキとかミカンというのは風に強いものでありましてなかなか落ちないんですが、ミカンの実が落ちるのはやむを得ないとしても、葉っぱまで落ちちゃう。葉っぱが落ちると翌年、翌々年の収穫が見込めないんじゃないか、どれだけ樹勢を回復できるかというようなことを言っておりました。
 こういう場合に、先ほどの質問でも共済制度の御説明がありましたが、実際に長期的に助成なり補助なりというふうな場合には、どのようなこれまでの例といいますか、どのような内容が考えられるかどうか、これは極めてお答えしにくいことをお願いしておりますが、よろしくお願いしたいと思います。
○説明員(上原達雄君) 御説明申し上げます。
 三重県下における台風十九号によります果樹の被害金額は、現時点の県からの概況報告によりますと、生産物とそれから樹体被害を合わせまして約三十七億円と聞いているところでございます。このうち特にひどいのは熊野市と御浜町ということでございますが、特にこれらの中で倒木とかあるいは枝折れなどは先生御指摘のように来年以降の生産にも影響を及ぼすわけでございますが、これらの被害は特に御浜町で発生が多いわけでございまして、樹体被害が甚大といいますか、七〇%ぐらい以上被害を受けているというものがミカンで十四ヘクタール、中晩カンで十六ヘクタールというように聞いております。
 農林水産省の災害対策といたしましては、被害園の技術営農指導なんかはもちろんやっておりますけれども、おっしゃいましたように果樹共済とか農林漁業金融公庫資金の自作農維持資金、それから果樹植栽資金、農林漁業施設資金等があるわけでございます。なお、災害復旧を直接目的としているものではございませんが農業近代化資金というものもございまして、これなどでも活用が可能でございます。
 今回の果樹の被害につきましては、現在、国といたしましても被害実態を精査、把握に努めているところでございまして、その調査結果を踏まえまして県も含めまして関係機関とも緊密に連携をとりながら今後の必要な対策について検討してまいりたい、こう思っております。
○井上哲夫君 もう時間がほとんどないのでございますが、しかも御通告を申し上げなかったのでございますが、この風の被害について長官に最後にお願いを申し上げたいのは、一度担当官の派遣等もお考えいただいて、風、風と思っていたら大変なことだということで、風対策を今後やっていただけるようにお願いを申し上げたいと思いま
す。
 以上にて質問を終わりますが、よろしくお願いいたします。
○国務大臣(佐藤守良君) 井上先生にお答えします。
 先ほどから風につきましてのいろんなお話、興味深く聞いておりまして、私も特に実は、先ほど農林省の果樹花き課長答えましたが、果樹振興議員運の会長をしておりまして、そんなこともございまして絶えず心配をしているわけでございますが、よく十分調査しまして、大変いろいろ難しい点たくさんあると思いますが、最善の努力をしたい、こう思っております。よろしくお願いします。
○井上哲夫君 どうもありがとうございました。
○委員長(糸久八重子君) 本日の質疑はこの程度とし、これにて散会いたします。
   午後二時二十五分散会