第120回国会 商工委員会 第4号
平成三年四月二日(火曜日)
   午前十時四分開会
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   委員の異動
 三月二十六日
    辞任         補欠選任
     吉田 達男君     山田 健一君
 三月二十七日
    辞任         補欠選任
     山田 健一君     吉田 達男君
 四月二日
    辞任         補欠選任
     市川 正一君     高崎 裕子君
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  出席者は左のとおり
    委員長         名尾 良孝君
    理 事
                斎藤 文夫君
                前田 勲男君
                井上  計君
    委 員
                岩本 政光君
                大木  浩君
                向山 一人君
                山口 光一君
                穐山  篤君
                庄司  中君
                谷畑  孝君
                浜本 万三君
                吉田 達男君
                三木 忠雄君
                高崎 裕子君
                池田  治君
                今泉 隆雄君
   国務大臣
       通商産業大臣   中尾 栄一君
   政府委員
       通商産業大臣官
       房総務審議官   高島  章君
       資源エネルギー
       庁長官      緒方謙二郎君
       資源エネルギー
       庁石炭部長    土居 征夫君
       特許庁長官    植松  敏君
       特許庁審査第一
       部長       大塚 和彦君
       労働省職業安定
       局高齢・障害者
       対策部長     征矢 紀臣君
       自治大臣官房審
       議官       遠藤 安彦君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小野 博行君
   説明員
       建設省道路局地
       方道課長     榎波 義幸君
       自治省財政局交
       付税課長     谷本 正憲君
   参考人
       産炭地域振興審
       議会総合部会小
       委員長      笹生  仁君
       九州大学経済学
       部教授・石炭研
       究資料センター
       所長       矢田 俊文君
       北海道産炭地域
       振興対策協議会
       会長       中田 鉄治君
       全国鉱業市町村
       連合会会長    山本 文男君
       地域振興整備公
       団副総裁     田中誠一郎君
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  本日の会議に付した案件
○産炭地域振興臨時措置法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○参考人の出席要求に関する件
○商標法の一部を改正する法律案(内閣提出)
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○委員長(名尾良孝君) ただいまから商工委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 本日、市川正一君が委員を辞任され、その補欠として高崎裕子君が選任されました。
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○委員長(名尾良孝君) 産炭地域振興臨時措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本日は、本案審査のため、お手元に配付いたしております名簿の四名の方々に参考人として御出席願っております。
 この際、参考人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。
 本日は、御多忙中のところ、本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。ただいま議題となっております本案につきまして、皆様方から忌憚のない御意見を承りたいと存じますので、よろしくお願いいたします。
 なお、議事の進め方でございますが、まず参考人の方々から御意見をそれぞれ十五分程度お述べいただいた後、委員の質疑にお答えをいただきたいと存じます。また、発言の際は、その都度委員長の許可を受けることとなっておりますので、あらかじめ御承知おきください。
 それでは、まず笹生参考人にお願いいたします。
○参考人(笹生仁君) ただいま御紹介にあずかりました日本大学の笹生でございます。
 本日は、参議院商工委員会におきまして、参考人として意見を述べる機会を与えられましたことをまことに光栄に存ずる次第であります。
 私は、産炭地域振興審議会の総合部会小委員長として、昨年十一月の答申案の取りまとめに当たりましたことから、ここでは答申の概要を中心に、答申を受けてつくられました法律案についての意見を含めて考え方を述べさせていただきます。本委員会での御審議の参考に供させていただければ幸甚に存じます。
 まず、産炭地域振興審議会の答申の主要な点の第一は、産炭地域振興対策は今後とも継続することが必要であるということであります。
 産炭地域の状況は、国、関係地方公共団体、地元住民など関係者の努力によりまして、人口、財政力など全般的には回復基調をたどっていますものの、全国水準と比較しますと低い水準で推移しております。特に、第八次石炭政策のもとで、炭鉱の閉山などの影響を受けているいわゆる八次策影響地域におきましては、経済的、社会的疲弊が増大をしております。
 このような産炭地域をめぐる状況にかんがみ、答申では、今後も産炭地域振興臨時措置法を延長の上、総合的な産炭地域振興対策を実施していくことが必要としております。また、法延長の期間は、産炭地域の特性や既往の経験、特に八次策影響地域などの疲弊の深刻さを考慮すれば、十年とすることが適当としております。
 これを受けて、産炭法の改正法案におきまして、法の期限を十カ年延長することとしていることは、答申の趣旨からいたしまして妥当なものと考える次第であります。
 答申の主要な点の第二は、八次策影響地域などを中心とした施策の重点的な実施と産炭地域振興対策の対象地域についての見直しの問題であります。
 八次策影響地域及び旧産炭地域のうち、閉山の影響がなお著しく残存し当該地域の発展をなお相当程度阻害していると認められる地域については、重点対象地域として、対策の重点的な実施を図ることが必要と考えます。
 一方、旧産炭地域の中には、財政力及び過去の閉山による影響などから判断いたしまして、閉山による疲弊から回復あるいは影響が著しく希薄化したと認められる地域もあります。こうした地域につきましては、法延長に際して、激変緩和のための一定の猶予期間を置いて、地域の指定を外すことが適当と思われます。
 また、これ以外の旧産炭地域についても、いずれも閉山から長年月を経ていること、産炭地域振興対策が本来有する時限的性格などにかんがみますと、法延長後一定期間、例えば五カ年が経過する時点で地域指定の見直しを行うべきであり、その後は、他の一般的な地域振興施策にゆだねていくことが妥当と考えるわけであります。
 産炭法の改正法案が国会を通過しましたならば、具体的な地域指定の見直し基準が産炭地域振興審議会の場で審議される予定となっておりますが、その際には、こうした答申の趣旨を踏まえた地域指定の見直し基準を策定することが必要と考えます。
 答申の主要な第三点は、八次策影響地域等重点対象地域を中心とした施策の充実についてであります。
 まず、産炭地域振興実施計画の策定方法及び計画の実効性の確保の問題があります。産炭法に基づき策定される産炭地域振興計画には、産炭地域振興の基本的な方向を定める産炭地域振興基本計画及びその基本計画で定められた地域ごとに具体的な当該地域の振興の方向を定める産炭地域振興実施計画の二つがございますが、現行法では両方とも通商産業大臣が定めることとなっております。産炭地域の振興のため国が担う役割はもとより重要でありますが、同時に地域の振興のための地元関係者の主体的な努力と役割が必要不可欠と考えます。
 こうした考え方に立ち、答申では、産炭地域振興実施計画について、計画をより地域の実態及びニーズに即したものにすべきとの観点をも踏まえ、その原案は道県知事が関係市町村の意見を聞きつつ作成し、通商産業大臣が当該原案に基づき、関係省庁とも協議の上、決定することが適当であるとしております。答申の趣旨を踏まえ、産炭法の改正法案にありますように所要の改正を行うことがぜひとも必要と考える次第であります。
 また、産炭地域において鉱工業等の振興を図る上で、工業用地、道路などの基盤整備は極めて重要であります。このため、答申にも述べられておりますように、実施計画の中で道路などのインフラ整備に関する事項についてできる限り明示するとともに、関係省庁間の連絡、協調を従来にも増して緊密化することにより、実施計画に盛られた公共事業等の計画的、重点的実施を図ることが必要と考えます。今後、実施計画を策定し、また実施をしてまいります際には、これらの点につきまして十分な御配慮をお願いいたします。
 次に、国民経済のソフト化、サービス化への対応についてであります。
 近年、国民経済のソフト化、サービス化が進展しつつありますが、産炭地域においても例外でなく、流通、情報産業など鉱工業以外の産業も幅広く取り入れようとする動きが活発となりつつあります。これらの中には、産炭地域の自然条件その他の条件を的確に生かした例も少なくなく、今後の産炭地域の活性化及び雇用機会の増大に大きな役割を果たすことが期待されています。こうした現状を踏まえ、答申では、産炭地域振興対策においても、今後さらに積極的取り組みが必要としております。
 産炭法の改正法案において、そうした考え方に沿って、地方税の減免補てんの対象となる業種について、現行の製造業に加え、政令で定める業種を追加することとしておりますことは、十分評価できるものと考えます。今後、具体的な業種の追加を行うに際しましても、答申の趣旨を十分に踏まえた対応をお願いいたします。
 このほか、答申におきましては、重点対象地域を中心とした施策の具体的な展開として、自治体への財政支援の強化、工業団地の計画的造成、石炭企業等による新分野進出支援などについても述べており、これらの諸点についての今後の施策の充実が期待されるところであります。
 以上、産炭地域振興審議会の答申の主要な点を中心に法律案についての意見を含めて述べさせていただき、私の陳述とさせていただきました。
 御清聴まことにありがとうございました。(拍手)
○委員長(名尾良孝君) どうもありがとうございました。
 それでは、次に矢田参考人にお願いいたします。
○参考人(矢田俊文君) ただいま御紹介いただきました九州大学経済学部の矢田でございます。九州大学の石炭研究資料センター長をも兼任しております。
 大学院生のころから三十年間、日本の石炭産業の動向を研究し、また大学で産業配置論を講義し、地域経済の研究をしております者として、産炭地域振興政策について私見を述べさせていただきます。よろしくお願いいたします。
 今回の産炭地域振興審議会の答申及び産炭地域振興臨時措置法の一部改正について、ただいま笹生先生から概括的な御意見が述べられましたので、なるべく重複しないように別の視点から意見を述べたいと思います。話は、三つの点に集約してお話ししたいと思います。
 第一点は、産業構造調整と地域政策との関連でございます。
 もともと国民経済なるものは、その歴史的経緯の中で、それぞれの置かれた国際的な関係、また科学技術の革新の中で、常に成長する産業と衰退する産業を併存させながら全体として発展していきます。つまり、産業構造の転換というのは不可欠なものと考えております。
 しかし、衰退ないし撤退する産業から大量の労働者が排出され、またその産業に依存して成立していた地域は大きなダメージを受けます。したがって、こうした失業問題や地域問題をできるだけ少なくしながら産業調整を進めていくことが政府の大切な役割だと思っております。
 産炭地域振興政策は、石炭産業が撤退していく過程で生ずる深刻な社会問題に対して、できるだけ被害を少なくするためにとられる社会政策として位置づけられると思います。石炭産業の撤退は、一九六〇年代から本格化しておりますので、八〇年代からのいわゆる国際化に伴う産業調整に先行しており、その意味で産炭地域振興政策は、産業調整政策に不可欠な社会政策としては先駆的な役割を果たしてきたものと評価しております。
 と同時に、旧産炭地域の振興の必要が依然としてあり、また八次答申、さらに来年四月以降引き続き石炭産業が調整政策の対象となる以上、産炭地域振興政策が継続されることは不可欠であり、法律の十年延長は当然のことと思います。
 第二点は、産炭地域間に生じている格差と産炭地域振興政策のあり方についてであります。
 私が手元の資料に基づいて分析したところによれば、現存する六条市町村、つまりいわき経済生活圏を除く百二市町村のうち、一九六〇年から七五年、いわゆるエネルギー革命期に相当いたしますものと、七五年から八八年、いわゆるエネルギー危機以降の時期に当たります、この約三十年間に人口が増加し続けた市町村が十、人口減少が一割程度にとどまったり、その後増加している市町村が八、合わせて十八市町村にも上っております。これをAグループとすると、そのほとんどは東京、札幌、福岡、北九州など大都市周辺に位置しています。
 逆に、エネルギー革命期あるいはエネルギー危機以降ともかなりの減少を続けているのは、夕張、上砂川、高島を代表とする十九市町村で、これをBグループとすると、石狩や高島炭田などの八次策影響地域に集中しております。
 残りの市町村のうち一つを除く六十四は、エネルギー革命期にかなりの人口減少を見たものの、エネルギー危機以降は人口が下げどまり、人口増加に転じています。これをCグループとすると筑豊、唐津、佐世保、山口などいわゆる旧産炭地域の大半がここに属します。
 同じ産炭地域といっても、国あるいは関係自治体の必死の努力にもかかわらず、このようにはっきりとした地域格差が生じてきています。これは簡単に言えば、人口激減地域と人口が下げどまった地域の違いというのは、本格的な閉山の時期の違いでありますし、また人口増加地域と人口下げどまり地域の違いというのは、産炭地域の置かれた地理的位置の違いによって生じたものと見ることができます。北海道の山間部や九州の離島、さらに成長しつつある工業地帯や大都市から遠隔地にある産炭地域は回復が遅いという特徴があります。
 こうした三十年間の地域間の格差を十分に配慮しつつ、さめ細かに産炭地域振興政策を実施することが適当と考えます。その意味で、今回の答申で、重点対象地域、一定の猶予期間の後指定を解除する地域、五年の経過の後見直しを行う地域の三つに分け、異なった方向を追求していることは妥当であると考えます。
 第三点は、産炭地域振興政策についての考え方についてであります。この点についてさらに三つのことを指摘したいと思います。
 一つは、産炭地域振興政策の目標についてであります。我々産業立地や地域経済を研究している者からすれば、特定の産業に依存してきた地域がベースとなる産業が衰退したために人口の減少を見た場合、その地域がかつての人口の規模に回復するということは、他の成長産業の最適立地地域とならない限りほとんど不可能であります。したがって、振興政策の目標を人口をもとに戻すことに置くことは適当ではないと考えております。また、今大都市圏への集中が進みここでの人口増加が著しい状況の中にあって、そこから遠く離れたところにある多くの産炭地域の振興の目標を人口増加の全国加重平均にすることもかなり無理があると思います。
 要は、石炭産業の不況によってもたらされたマイナスの影響、例えば高い失業率や生活保護率、ボタ山、炭住、厳しい財政負担などを解消することで、人口については縮小均衡であってもよいと思います。したがって、答申が、「石炭鉱業の不況という特殊な要因の影響が著しく希薄化したと認められる地域については、産炭地域振興対策を継続するよりは、他の一般的な地域振興対策に委ねていくことが妥当である。」と述べていることは、産炭地域振興政策の基本的な考え方を明示したものと理解できます。
 二つは、今産業構造や国土構造が急激に変化しつつあり、情報化やサービス化、都市化が進んでいる中にあって、その流れに対応した産炭地域振興政策が求められています。この点では、かつてのように産炭地域への工業の誘致、育成一辺倒の考え方は修正を余儀なくされていると思います。石狩の市町村のようなスキー場や石炭博物館、筑豊の飯塚のような研究学園都市などといった製造業以外の分野の誘致、育成で町づくりをしているところがふえています。こうした動きを積極的に支援することが肝要かと思います。こうした観点から、産炭地域においてもその振興の核の一つとして、流通、情報、リゾート産業等、鉱工業以外の産業も幅広く包含していこうという動きが活発となりつつあり、こうした動きを今後積極的に支援していくことと答申が指摘していることは妥当と思います。
 第三に、大きな第三番目の小さな第三でございますが、都市化が急速に進行しつつあり、地方にあっても地方中枢都市や中核都市の成長が著しいことを考慮すれば、産炭地域がこの成長の極の波及効果を積極的に受け入れるような地域振興策を練ることが不可欠かと思います。先ほど指摘した人口増加を続けている市町村は例外なく成長地域周辺に立地していることを考えれば、こうした戦略は非常に具体的で現実的であると思います。具体的には、札幌、福岡、北九州などの百万都市、長崎や熊本などの五十万都市への道路の整備を最重視することが大切と思います。新幹線の直方駅の設置なども大きな意味を持つものと考えております。近年の飯塚の成長、宮田への自動車工業の立地は、急成長している福岡市とのリンケージが決定的な意味を持っているものと見られます。その点では、産炭地域振興実施計画がそれぞれの地域の実情に合った形で広域的にかつ柔軟に作成される必要があり、その原案の作成が国から道県知事に移行することは適切な措置と考えられます。
 以上、大きく三つの点について意見を述べさせていただきました。
 御清聴ありがとうございます。(拍手)
○委員長(名尾良孝君) 引き続き、中田参考人にお願いいしたします。
○参考人(中田鉄治君) 北海道の夕張市長でございます。
 夕張市長でございますので、まず、昭和六十二年の北炭真谷地炭鉱、さらにまた、昨年は三菱南大夕張炭鉱が閉山となりまして、その間、国会、諸先生を初め国の諸機関にいろいろ御支援賜りましたことを、この場をおかりいたしまして、厚く御礼申し上げたいと存じます。
 さらに本日は、この三十年間、閉山に続く閉山、そして災害発生、失業者続出、生活保護者の増大等、過酷な体験をしてまいりました夕張市長といたしまして、この機会に参考人として、現地の報告及び意見を述べさせていただく機会をお与えくださいましたことに対しまして、感謝を申し上げたいと存じます。
 まず、第八次石炭政策によりましてこの五年間に五山の閉山がありました。特に夕張市はそのうち二山の閉山があったのであります。かつて夕張は人口約十二万人、現在は二万九百六十九人、二万を若干上回った程度でありまして、すなわち六分の一の人口となったのでありまして、この三十年間に二十四山の閉山があったわけであります。
 炭都夕張と言われた町から石炭が一切消え去ったわけであります。まさに、ことしも閉山、ことしは災害、そして翌年も閉山と、三十年間毎年その繰り返しとその後の処理に対策を講じてまいりましたが、次から次と合理化、閉山によりまして激動の年月、不安の年月を過ごしてまいったのであります。このことは夕張だけの問題ではなく、全国の産炭地が同じ運命をたどってきたのであります。
 したがって、その間、失業者の続出、生活保護者の増大、地方財政の破綻、地域の崩壊等々と、地域がこうむってきた影響ははかり知れないものがあるわけでございます。しかし、何とか他市町村並みになるための懸命な自助努力を行い、これまで産炭法の援助を受けながら対策を講じてきたところでありますが、自力で立ち直ることには限界があるわけであります。
 私は、全国には産炭地以外の過疎、不況地域が多くあることは存じ上げておりますが、なぜ産炭法が必要かということ、すなわち他と違う点を申し上げなければなりません。石炭の町は九九%石炭だけに依存している町であって、それは戦前、戦後を通して、戦時中は戦争に勝つために、戦後は日本の復興のために、唯一のエネルギーとして石炭を産出する使命を持たされてきたものであり、そのために人を集め、住宅を建て、学校をつくり、道路をつくり、町をつくり上げてきたのでてあります。しかし、エネルギーの変革、構造調整によって、国の政策として国内炭の撤退をせざるを得なくなった。すなわち、石炭九九%依存の町全体が崩壊するという現実、ここが他と違う点であり、産炭法の必要なゆえんであると思うわけであります。
 前回の昭和五十六年、十年延長の際、産炭法は時限立法である、既に二十年の援助が続いている、この際廃止すべきではないかなどの意見もありました。しかし、現実の問題としては、全国二百五の産炭地のうち、当時まとめられた卒業基準により卒業できましたのはいわき一地域だけであり、いまだに二百四地域が残っているわけであります。それは、他市町村並みにいかなくとも、それに近い振興策ができ得なかったことであると思うのであります。すなわち、現行の振興援助策では抜本的な対策になっていないと言わざるを得ません。
 したがって、法の延長はぜひしていただかなければなりませんし、もっと抜本的な援助ができる具体的な内容が必要だと思うわけであります。私は、抜本的な援助策があれば当然自助努力をし、十年かかる必要はない、五年でいい。いや、三年でいい、早く産炭法の援助を受けなくてもいい自治体になりたい心情であります。
 現在の援助方法、みずからの発想や努力だけでは卒業でき得ないのであります。国全体が景気に沸いているとき、私ども産炭地は特に第八次政策によって影響を受けている地域は大不況であります。抜本的な援助をしていただかなければなりません。それはもちろん自治体みずから発想し、行動し、努力をしなければなりません。国、道、県の援助だけに頼る甘えは許されないと思うのです。抜本援助をいただき、重大決意を持って回復する努力をする義務があると思うわけであります。
 そして、抜本策とは何をしてもらえばよいかであります。産炭地振興とは一体何をすればよいかであります。
 まず、何といっても地域経済の復興、活性化であります。その第一は地域環境の整備であります。放置された石炭産業撤退後の跡地の環境整備であります。環境改善を行わなければ、企業の立地もあり得ない、誘致もできない。でありまするから、環境の整備が第一であります。第二に、その環境整備をするための産炭地財政の確立であります。環境整備は公共投資をしなければなりません。閉山の都度、これまで各省庁連絡会議で公共事業の援助を賜りました。公共事業の傾斜配分をいただきました。しかし、せっかく事業の認定をいただきましても、その費用の一部負担金が出せない。公債費比率が高まるから起債が困難である。したがって、財政援助の抜本策が重要なのであります。
 それでは、財政対策の抜本策とは何か。それは大変難しい問題だと十分承知しておりますが、一つの例としてぶしつけな意見でありますが申し上げさせていただきます。
 閉山後五年間は、その閉山された企業に交付金として援助していた補助金相当額をその企業があったとみなして自治体に交付をして、自治体が新しい町づくりに五年間で仕上げるというような財政援助策ができ得ないものでしょうか。または、税収で減となったものに全額補てんするような制度をやっていただけないかと思うわけであります。
 また、私の町で言えば、三十年かかって六分の一の人口になるまでは公共事業へ投資しなければならなかった起債の残金、起債償還金等を合わせますと、閉山に対応する公共事業に投資した起債の元利償還金が一年間に二十七億であります。その現状で新しい町づくりに公共投資をすることは不可能であります。その元利償還金に相当する額、またはその一部を新しい起債を発行して、何とか財源不足とならない、公債費比率が高まらない方途をつくってもらえないでしょうか、こう思うのであります。
 また、産炭地振興債の設定を長年お願いしてありましたが、新しい制度をつくることが困難であるとすれば、過疎債の大幅産炭地枠をつくって公共事業をやれるような体制をやっていただけないかと思うのであります。もう一つは、地域振興整備公団の事業でありますが、かつていわき地域に対しましてニュータウン方式をやりました。五百億の投資であります。それが大きく地域活性化に役立ったという実例があります。でありまするから、卒業ができたと私は思うわけであります。産炭地域振興事業団であったこの地域振興整備公団において、地域振興のための整備を産炭地域振興事業として、公共事業をやっていただくことができないだろうか、これをお願いしたいと思うのであります。
 また、法の延長になりますと、実施される振興計画、実行計画は、実効性のある、具体性のある計画、その中に必ず財政支援策を含めた振興計画、実行計画をつくらせていただきたいと思うのであります。そしてまた、それを国としてお認めいただきたいと思うのであります。それからもう一点は、最近の産炭地の中小企業は立ち直るため最大の努力をしていますが、最近土地投機等の関連において金融の引き締めがあり、金融の総枠の関連で融資がされず困惑している実態にあります。土地投機抑制の関連で中小企業にしわ寄せなどのないように特段の御配慮をお願いしたいと存じます。
 次に、石炭問題でありますが、第八次石炭政策は、需要を前提とする生産計画というふうに変貌いたしました。したがって、これは需要がなければ生産をしても引き取れない政策に変わったわけであります。そういう実態を身をもって夕張市は体験したわけであります。したがって、いわゆるユーザーが引き取れる援助政策を何とかしていかなければ、石炭需要は減る一方だと思います。この八次政策ができた時点で、私は需要はゼロと考えなければならない、そう考えました。石炭特別会計ではなかなか無理な問題があろうかと思いますが、日本のエネルギー確保という関係を考えて、また地域問題を考えて、ユーザーが引き取りやすい援助策をつくっていただかなければならないのではないかと思うのでございます。また、第九次答申には、これから予想される石炭情勢から、産炭地域振興策の抜本策を重点的に加えていただきたいと思うわけであります。
 最後に、私たちは、そういう意味におきまして自治体みずから発想して、勇気を持って実行する決意であります。
 どうか、この産炭法の延長、第九次石炭政策の充実を期していただきますよう特段の御援助をいただきますことを切にお願い申し上げて、終わりたいと思います。(拍手)
○委員長(名尾良孝君) それでは、最後に山本参考人にお願いいたします。
○参考人(山本文男君) 私は、全国鉱業市町村連合会の会長をさせていただいております福岡県添田町長の山本でございます。
 平素から、産炭地域の市町村に対しまして、各先生方には大変な御支援をいただいておりますことを最初にお礼を申し上げさせていただきます。
 なおまた、本日は、参議院の商工委員会で審議されます産炭地域振興臨時措置法案に対しまして、意見を申し上げさせていただきます機会を与えていただきまして、まことにありがとうございました。私は、主として旧産炭地域の市町村の立場より意見を申し上げさせていただきたいと思います。
 まず最初に、三十年間にわたりまして産炭地域振興の施策を実施していただきましたその結果は、それ相応の成果を上げたと私どもは認識しているところでございます。大変ありがとうございました。お礼を申し上げさせていただきたいと思います。しかし、今回改正されようとしております法案に対しましては、幾つか私どもの立場からの意見を持っておりますので、申し上げさせていただきたいと思います。
 まず最初に、今産炭地域として指定されております市町村は全部で二百四ございますが、中でも疲弊の著しい六条市町村は、法を施行いたしましてから三十年を経過した今日においても、人口、財政力、地域を支える経済力など、依然として低い水準にとどまるなど厳しい状況にある市町村も少なくございません。
 一方また、第八次石炭政策のもと、需要に見合った生産体制への移行ということで、厳しい閉山・合理化が実施された地域は、人口の急激な減少、これも先ほど御意見がございましたとおりですが、離職者の滞留など、その閉山・合理化の事後処理に追われ疲弊の度も一層増している状況にある市町村もございます。これら後遺症に非常に苦しんでいる地域の市町村が一般の市町村並みに浮揚するためにはなお相当の期間が必要でございまして、私どもといたしましては、今後最低十年間の法の延長を行っていただきまして、強力な支援をお願いしたいところでございます。
 なおまた、先ほど申し上げました三十年間の産炭地域の振興施策を続けていただいた結果、その成果が上がっているという地域があることはもう当然認められるところでございます。産炭法の改正延長が国会で承認後、産炭地域の指定の見直しのためにできるだけ早い時期に具体的な基準が作成され、その基準によって指定の見直し、解除が行われることはやむを得ないと考えられますけれども、地元の市町村としては、極力現行どおりに指定をしていただいて御支援を願いたいと思っているところでございます。しかし、やむを得ず地域指定を見直す場合は、地域の実情を十分御配慮いただきまして、猶予期間や支援措置に格段の手当てをしていただくようお願い申し上げたいと思います。
 次に、今回の改正の要点の一つになっております第四条のところでございますが、十カ年の法廷長が認められまして行われることになりますと、その期間内に策定されました地域振興計画がそのとおり実行されるかどうか、産炭地域振興の目的を達成されるためには極めて重要なかぎと私は思うのです。このため、最大限計画の実効性を高めるため次のようなことがもう必要不可欠であると思っているところでございます。
 まず、第一点目でございますが、従来の産炭地域振興の計画策定はすべて通産大臣でございましたが、今回の法律案では、振興実施計画は道県の知事が地元の意向を聞いて原案を策定することになっております。特に、産炭地域においては、地域振興の骨格となります道路、交通網、水資源の開発などの基盤整備がおくれております。これらが解決しない限り産炭地域の浮揚は不可能と考えられます。実施計画には当然そうした基盤整備事業がメーンになってくると思われますが、これらの事業の実施に当たっては、地元もその実現に向けて従来にも増して責任を持って対応するつもりでございますが、国も関係省庁と十分ひとつ調整を行っていただいて、積極的な支援をしてくださるようお願い申し上げたいと思います。
 その次でございますが、地元市町村が策定されました振興実施計画に補完事業をしなければならないと思います。その補完事業をやらなければ、地域振興の実効性というのは非常に低くなってくるおそれがあると思います。したがって、その実効性を確保するため、市町村が行います事業が完全に実施できるように財政支援を強化していただきたいと思います。なお、現在でも交付税の中に産炭補正などが含まれておることは御承知のとおりでございまして、これらの措置につきましても何らかの方途を考えていただければと思っているところでございます。
 その次でございますが、一定期間内で振興の目的を達成するためには、国と地元の関係者が一体となって努力を払うことはもちろんでございますが、地元の市町村が最大限の自助努力を発揮することが大変大事なことであると、私どもそう認識しているところでございます。
 その次でございますが、産炭地域の振興の障害となっております炭鉱未利用跡地を再開発することが関係市町村振興のかなめとなると私は思います。このため、自治体や第三セクターがこうした炭鉱跡地などの土地を購入して町づくりのための事業を実施する場合には、利子補給など特別の措置をすることが大変必要だろうと思います。また、産炭地域振興実施計画の振興目的達成を支援するために、地域振興整備公団によりますところの炭鉱跡地の整備、再開発車業を実施するよう公団の機能強化を図ることも大変大事なことであると思いますので、ぜひひとつこれらについてお考えをいただきたいというところでございます。
 次に、石炭後遺症の問題でございます。産炭地域の市町村の多くには、残存鉱害でございますが、これは、今御存じのとおり平成二年初で四千八百億円の鉱害量があるという調査結果でございます。さらに、老朽炭住でございますが、この炭住は全部で一千八千二百戸現在残っておりまして、そのうちに改良を必要とする炭住は一万一千七百八十五戸と計算されております。また、ボタ山が二百五十三カ所ございまして、これらの後遺症が累積しているのはもう事実のとおりでございます。これらが産炭地域振興の阻害要因となっております。この問題を解決しなくては、本当の意味での地域振興が達成されたとは言えないと思いますので、国土保全の面あるいは地域開発促進等の面から、後遺症対策の推進については特段の御配慮が必要ではないかと思います。
 また、産炭地域の雇用状況は決して好転しているとは思いません。またそう言えないと思います。炭鉱離職者もまだまだ多く滞留している状況でございますので、これらの状況から、民生安定と地域活性化に資するものとして、今後も引き続き離職者対策について推進を図っていただくようお願い申し上げたいと思います。
 また、これらの事業を実施していただきます財源でございますが、この財源は御承知のように石炭勘定でございまして、この財源の確保につきましては、今後とも安定的にしていただくようお願い申し上げたいと思います。
 最後になりましたが、この石炭企業の経営者が経営の多角化ということで、あるいはまた離職者を受け入れるというためにも、現在の自分の操業しております炭鉱の跡に新規の事業を展開する場合などがあると思いますし、またしていただきたいと思うのですけれども、そういう場合には思い切った支援をしていただくようお願い申し上がたいと思います。また、それをすることによって、繰り返すようですけれども、離職者の受け入れやあるいは地域振興などが容易になると、こういうことでございますので、それらにつきましても十分な御配慮をいただきますようお願い申し上げたいと思います。
 以上、幾つかを申し上げましてお願いにいたしたところでございます。
 どうもありがとうございました。(拍手)
○委員長(名尾良孝君) 以上で各参考人の御意見の開陳は終了いたしました。
 これより参考人に対する質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○穐山篤君 参考人の皆さんには大変御苦労さまでございます。
 私の質問時間は三十分でありますので、ごく簡単にお伺いします。
 笹生参考人にお伺いしますが、政府が出しております各種エネルギーの長期見通しというものがございます。その中で、石炭につきましてはとりあえず一千万トン体制ということになっているわけですが、さてこれからの問題です。この一千万トン体制というのを維持していくという考え方に立って答申がされたのか。あるいは近い将来ある程度の統合整理、閉山というものも予定に入れながら議論されて答申がされたのでしょうか。まず最初の質問はそれです。
 それから二つ目の質問は、答申全体にも書いてはありますけれども、第八次政策によりまして相当影響を受けるという点を指摘しているわけですが、その対策として強力かつ重点的にやりなさいと、援助を行いなさいと、こう書いてあるわけです。これは今まで政府が、政府がといいますか、それぞれの省庁がとってまいりました具体的な政策あるいは財政援助というもののほかに、特別な施策なり援助を考えるという意味でこの答申がなされたのでしょうか。その点について二つ目の質問をしたいと思います。
 三つ目の質問は、解除及び地域指定の見直しの問題であります。これは需要の量、エネルギーの見通しと無関係ではありませんけれども、こういう基準がはっきりしてきますと、今残っております石炭鉱山が、おれのところが解除になるのではないか、あるいは地域の指定の見直しが行われるのではないかという不安を持つわけであります。したがって、別表で一定の基準を出されてはおりますけれども、これからそれぞれの炭鉱で不安なく仕事を続けていこうという企業なり労働者の立場あるいは市町村の立場から言いますと、その不安を持ち続けながらこれから仕事をしなきゃならぬという心配、懸念があるわけです。その点について一応の基準はできておりますけれども、わかりやすくひとつその点についての説明をいただきたいというふうに思っております。
 それから、この答申の一番最後にこういうことが述べられております。「今回の答申は、第八次石炭政策までの石炭政策の枠組みを基礎に検討を行ったものであるが、平成四年度以降の総合的な石炭政策について、現在石炭鉱業審議会において、検討がなされているところであり、その検討を踏まえ、今後の石炭政策と併せて、産炭地域対策の面で追加的対応が別途検討されるべきである。」、こういうふうに新しい提案、新しいニュアンスが加えられているわけですが、この背景とかあるいはイメージというものはどういう議論がされたのでしょうか。
 以上四点について、笹生参考人から御意見をいただきたいと思います。
○参考人(笹生仁君) お答えをいたします。
 第一の、今回の答申がエネルギー長期予想の石炭一千万トンレベルというものを前提にしてのことであるかということにつきましては、第二の質問とも関連いたしますけれども、私どもとしては、それを期待しつつも前提とすることはしない、一応それは切り離す。あくまでも、八次策の影響のもとにおける産炭地域振興の問題に重点を絞ったというふうに御了解いただければと思います。
 したがいまして、第二の、八次策による影響でさらに強力かつ重点的な施策を答申では盛っておりますことは、これは言うまでもなく、委員会並びに審議会といたしましては、従来以上の措置が関係機関の御努力によって達成をしていただきたいということに強く要望を含めております。
 それから、なお九次策とのかかわり合いの問題につきましては、御案内のように、現行の産炭法は本年の十一月に期限切れになりまして、現在検討中の九次策とは時間的なずれがございます。そういったことを含めまして、私どもとしましては、九次策は今回の議論の対象としては特段に意識しないという枠組みの中で検討を進めましたということでございます。そのことが実は最後の御質問の四点目でございますけれども、答申の最後のところに九次策とのかかわり合いのことを特に明記しておりまして、九次策が出ました段階では、改めて必要とあればもう一度見直すというふうな文言を入れた次第であります。
 なお、戻りまして、第三点の対象地域の指定の解除あるいは見直しということについて、石炭を稼行している地域について指定見直し等についての不安が生じないかということにつきましては、私どもとしましては、政策の最重点地域としてその地域を挙げておりました。これは今の第八次策影響地域であり、さらに一般的に言えば、石炭を稼行している地域ということについては、格別の重点対象地域と今後も考えていくべきであると明記しているつもりでございますので、先生が御心配のようなことは、私どもとしてはまずないというふうに考えております。
 また、その他のこの答申においておおむね三つのグループに分けております。これの基準については、委員会の審議過程でいろいろ議論もございましたが、これは法延長が決まりました後、早急に産炭審議会の場でもう一度見直しの基準等を改めて議論し、実施に入るというふうにしておりますので、委員会としては見直しの基準を確定しておりません。
 以上です。
○穐山篤君 次に、矢田参考人にお伺いしたいと思います。
 産炭法の第一条は、「需要の安定的拡大」というふうに法律では書いてあるわけです。しかし、歴史的に見ますと、減炭政策、戦線の整理ということになっているわけです。先生の研究の中で、国内炭の需要の拡大という問題について御研究がされているとするならば、ぜひひとつその点についての研究の成果といいますか、そういうものをお願いしたいと思っております。
 それから二つ目は、国内炭と海外炭とのコストの分野からいきますと、各企業は国内炭を積極的に使う、使おうという気持ちは、どうしても意欲が減殺されるわけです。コストの面からいえば海外炭の方を、原料炭であろうが一般炭であろうが、欲しいわけです。さて、その国内炭と海外炭をうまく調整して一千万トン体制を維持するには、特別の施策を考えなければならぬと思うんですが、さきの問題に関連してその点をお伺いしたいと思っております。
 それから三つ目の点は、先生が御指摘もされましたが、閉山になる時期だとか、あるいは地理的な条件だとか、鉱害、ボタ山あるいは炭住、未利用地の活用、いろんなものが総合的にあって、振興対策の難易があるだろうと思うわけです。地理的に都市の活性化の影響力を活用できないというところが、調べてみるとどうしてもあるわけです。こういうところについては、どういう事業なり施策で臨むことが好ましいのか、その点について御研究があれば、以上三つをお願いしたいと思っています。
○参考人(矢田俊文君) お答えいたします。
 大変難しい問題ばかりでございますので、私自身も迷っておるところでございます。
 日本の石炭政策というのは、一九五〇年代後半からエネルギー革命ということで、競合エネルギーとの競争の中でほぼ三十年間経緯してまいりました。私が勉強したところによりますと、日本の政策というのは基本的に三つのキーワードのバランスの中で推移してきたんだと思います。一つは、基本的には経済合理性の追求、要するに安いエネルギーをどう使うかということ。二番目は、にもかかわらず、エネルギーの安全保障というのをどういう形で確保するかという点をかなり配慮されてきたかと思います。第三点は、社会的摩擦といいますか、社会問題、失業問題や産炭地域問題というのをできるだけ少なくしながらやってきた。
 この三つのバランスで、あるときは第一の経済合理性を非常に追求してきた。これは六〇年代から七三年までの時期だと思います。しかし、経済性を追求してきただけでなくて、安全保障ということで五千万トン確保をかなりの間追求してまいりましたし、その後、日本の企業による石油の確保ということもかなり追求してまいりました。それから、個々の産炭地域、労働者対策についてもできる限りやってきたと思います。
 しかし、七三年以降しばらくの間、十二年ほど石炭というのは二千万トン維持するということで、そのときの答申が安全保障ということをかなり強調されてまいりました。たまたま石油価格が上がりましたし、海外炭がそれほど安くはなかったということで、価格的にも異常に開きがあったわけではないというところで、業界の御努力の中で二千万トン維持ができましたが、八〇年代後半、八五年以降は円高というものが加わってまいりまして、価格格差が決定的になりましたので、再び経済合理性というのが前面に出てまいりまして、安全性及び社会的問題回避というのがその後の変数として登場いたしまして、現在進められておる。
 そういう点で、私は、フランスやドイツ、あるいはイギリスの石炭政策、日本と地理的条件の比較的似ている三カ国との比較でいきますと、自給率その他という点では日本が一番低いといいますか、それがまた日本の高度成長をもたらしたという側面を一方で持つと同時に、常にエネルギーの安全保障ということで危機といいますか、そういう可能性をはらみながら安いエネルギーを使ってきた。言ってみれば、非常に結果的にはうまくいったけれども、状況によってはかなり危ない橋を渡ってきたというのが日本のエネルギー政策だと思います。
 石炭というのは、原子力が一つございますが、石炭あるいは水力というのは数少ない国内エネルギーの一つでございます。太陽その他が出てくればまた別でございますが、現在のところではそこがポイントかと思いますので、私は可能な限り石炭というのは残していきたいということを考えております。そういう主張をずっとしてまいりましたが、私が可能な限りと言っても、基本的には価格格差をどういう形で負担するかという問題が解決しない限りは、この問題は言うことはやすく、実際は負担をどうするかという問題。今でもわずか三%ぐらいの一次エネルギーでございますが、ゼロにするよりははるかに重要であるということで、依然として残していただきたいという個人的見解を持っております。
 今度ゼロになるということは、技術的な蓄積もなくなっていくという点から、やっぱり今八百万トンないし一千万トンとゼロとでは大分違うだろうと思っておりますので、量的に三%があるから安全保障でかなり重要な役割を果たしているということは、普通言いがたい状況にもありますが、にもかかわらず、ゼロにするということについてはいささか抵抗があるのが実際でございます。それも、だれがどういう形で負担するかというメカニズムの国民的合意がない限りは、単なる願望で終わってしまうというところは、私としてもそれ以上言えないところかと思っております。これが第一点及び第二点のところでお話しさせていただきました。
 第三点の地理的により厳しいところ、私もずっと石狩から高島までほとんどの炭鉱を歩きましたし、中に入らせていただきましたし、ほとんど土地感を持っておりますが、おっしゃるとおりでございます。筑豊、佐世保、唐津というのは、先ほど言いました成長している地帯とどう結合していって、それとサービス産業や住宅地確保や工業立地で結合していくかということがかなり有力な手かと思います。しかし、高島あるいは北海道の奥の方というのはインフラ整備が当然必要ですが、にもかかわらず、インフラ整備したからといって自動的にうまくいくというほど甘いものではないということは重々御指摘のとおりだと思います。
 これに対する対策がだれが見ても納得できる対策があれば、産炭地域政策そのものは苦労はないと思います。実際のところ、非常に難しい状況で、これに代替する成長産業が立地するということは、今のような民間メカニズムのところではあり得ないといいますか、非常に難しい。しかし、産業によっては可能な限りあり得る。電子部品や衣服やあるいは食品加工によってはあり得る。
 私は、可能な限り誘致戦略をやりながら、しかし、そこでバランスがとれた段階で縮小均衡といいますか、やはり人口流出というのはある面ではやむを得ないと思います。そして、できる限りの産業を誘致しながら、大幅な人口減少の中で住みやすい環境をつくっていくといいますか、残った人が住みやすい環境をつくっていくという、簡単に言えば縮小均衡路線ということを大胆にとった方がいいのかなと思っております。
○穐山篤君 中田、山本両参考人にまとめてお伺いします。
 一つは、今度振興策の作成のシステムが変わるわけです。その場合に、北海道それから九州のそれぞれの道県知事が具体的な振興策を関係する方々の意見を聞いてつくるわけです。そうしますと、ざっくばらんに言いますと、最高のものをお互いに計画するわけです。さてそこで、東京にプランが上ってくると、財政的にも規模がでか過ぎるとか、あるいは産炭地だけ面倒を見るというわけにはいかぬぞとか、そういう意見も出てくるのは当然だと思うんです。そうしますと、それぞれの道県で作成したプランというものが生きてこない、力が入らない、将来の展望が薄くなる、そういう懸念を持つわけです。そういう問題について、今までそれぞれの地域なりあるいは知事さんとの間に御議論をされてきたでしょうか。もしやったとすれば、その辺の御意見を伺いたいと思うんです。
 それから二つ目は、離職した労働者がたくさんいたわけですが、相当の部分雇用がされました。大変な御努力だったと思うんです。しかし、まだ離職したまま滞留しているわけです。大変お困りになっていると思うんです。何かこの離職者対策で、こういう法律を改正するときにこういうことをしてほしいと、法律的な拘束はないにしてみても、行政指導で離職者が滞留しないように、あるいは一刻も早く雇用を促進するために、こうしてほしいという注文があれば、二つ目にお伺いをします。
 それから三つ目は、財政援助の問題です。前回の改正のときを起点にして、その後、財政援助もちゃんと理屈をつくりまして交付金が出るような仕組みにはなっているわけです。しかしそれでも、先ほど御指摘になりましたように、援助をもっと強力にバックアップしてほしいというお話があったわけですが、国の政策とすれば、単に必要だからお金を出しましょうという予算補助もありますけれども、法律補助というものがあるわけです。したがって、平成二年まで少しずつ財政援助を拡大してきたわけですけれども、理屈と言っちゃ語弊がありますが、こういう建前で、こういう方法で財政援助をしてほしいという具体的な御提案があれば、ぜひこの際伺っておきたいと思う。
 以上、三つであります。
○参考人(中田鉄治君) まず、第一の問題でありますが、振興計画、実施計画におきまして計画をつくります。これは先生が今おっしゃられましたように、いわゆる希望ある夢ある計画、これをやはりつくりたがります。こういう計画さえやればこの町は立ち直ることができるという計画をこれまでもつくってまいりました。しかし、何といっても、それをやるのには余りにも遠大過ぎる計画でありますから、裏づけとなる財政的に考えてそれはなし得ない。それはしかし、これまでも通産省が、大臣がつくられた振興計画ではありましたが、もちろん現地の意見も聞いていただいてつくった計画であります。
 そこで、先ほど私が意見で申し上げましたように、この計画は実施可能な、しかし実施可能と言えば、財政力の範囲内でやる実施可能であれば、これは何もできないと言った方が早いわけです、本当は。ですから、普通の現行制度の財政力での実施可能な計画ではなくて、いわゆる他の市町村並み、二万人なら二万人の人口のところは、この程度は最小限と言った方がいいと思うんです、最小限しなければならない。しかし、財政的にはこれしか援助ができない。その最小限に対しては、こういう財政援助をすることによって最小限立ち直らせることができるという実施計画をつくらせていただきたいし、それは現実のものになるようにしていただきたいというのが希望であります。
 それから、離職者の問題につきましては、先生がおっしゃるとおりでありまして、現実に夕張にはこの二年間、先ほどの二つの炭鉱の閉山で二千三百人の離職者がありましたが、今夕張に滞留しているのが三百二、三十人、この人たちを何とかしてやらなければならない。私は、何をしてもらいたいかということは、労働省に実は非常に難しい問題を投げかけました。というのは、おかげさまで炭鉱労働者は黒手帳制度があります。三年間は平均十四万円から十五万円で生活できるならば、それでそこに滞留することができる。その間に新しい仕事につく方法をやらなきゃならぬ。しかし、これは三十年の歴史を持っていますが、全く不況の時代はそう言ってもなかなか仕事がない。今は景気がよくてよそへ行く気なら求人で困っている時代である。だから、私は、人口は減ってもいいからそこへぜひ就職してもらいたい、こう言いますが、その町に四十年も五十年も住んでいた人がやはり二、三年はここにいて暮らして、本当に仕事がなければもう少し世の中の様子を見てどこへでも就職、または余りいいことではないが、もっと生活保護が受けられるときが来ればというようなことを考えて滞留しているわけであります。しかし、三年間その黒手帳の給付金の保障で仕事をしないでいると、仕事で働くことが嫌になる人間性をつくることになる。だから、十五万円プラスもう七、八万円この人方に仕事を与えてやれば、その三年間そうするうちに毎日天日に照らされて労働すれば、やっぱり働いて三十万円もらった方がいい、よそへ行って働こうという気持ちになってもらえる。ですから、黒手帳制度にプラスアルファ、市が自治体が公共事業を起こして、草取り一つでもいい、七万か八万、一日二千円か三千円、二千円まではいいことになっています。とにかく、そういう制度で働いても、この三年間は黒手帳制度を打ち切らないでほしいと、随分この五年くらい私は申し上げてきたんですが、なかなか制度上、それはいたずらに失業者に甘えを許すことになるということで、これは許可になっていないわけです。しかし、やはり労働政策として、根本的にはそういう援助をすることによって、その人たちに働く意欲を持たせる政策としては、私は重要な政策ではないでしょうかとこれまで言ってきましたが、なかなかこれが実施していただけないわけであります。
 それから、補助政策の問題は、先ほど二つの問題を挙げました。なるほど、産炭地はありがたいくらいたくさん補助、起債等のかさ上げをやっていただいておりまするけれども、先ほど申し上げたように、それだけでは二百四の産炭地が卒業できないわけであります。私のような町には、抜本的にこの起債の償還金を貸していただけば、先に借金を延ばすだけだと言われてなかなかそうしていただけませんが、先に延ばしていただければ、その町が経済基盤、産業基盤ができて、その借金を返せる自治体になるはずだから、この起債を先に延ばしてほしい、新しい起債を認めてほしい、これを大きな問題点として抜本的なことと、たくさんの細かいことは別といたしまして、私は考えているところであります。
○参考人(山本文男君) 実施計画なんですけれども、これは先生のおっしゃるようにベストなものをつくりたいのはだれも同じことだと思うんですが、ただベストのものは国や県ならばできるかもしれません。ですから、メーンになる実施計画というのはできるだけベストのものをつくった方がいいと思います。ところが、それだけでは圏域全体に波及効果を及ぼすことができるかという問題になりますが、それはどうしてもそれに市町村が補完事業をやらないと効果は高くなってこないと思うんです。ここが問題だと思うんです。ですから、市町村が補完事業ができるようにすることが一番大事じゃないかと思うんです。したがって、先ほど先生からお尋ねになりました財政援助とそこは絡んでくるわけでございます。
 産炭法は、御承知のように大変な財政的な援助を与える措置をすることになっておりますので、六条市町村、言うなら重点地域にこれからなっていこうとする市町村に対しては、かなり手厚い手当てをすることになっておりますから、それでいいじゃないかという見方もあるかもしれません。問題は、義務的負担をしなければ事業というのはできない仕組みになっておりますから、その義務的負担をする能力を欠く市町村が六条市町村の中にかなりあるということでございます。だから、それでどうしても補完事業をやらないと生きてこないその振興計画でございますから、市町村がその補完事業ができるようにすることが大事であるという点でございます。
 したがって、一番目は、国や県のものはベストで私はいいと思いますが、補完事業ができる市町村になってほしい。そのためにはどうしても財政的な援助が必要である。したがって、産炭補正というのを交付税の中でやっていただいておりますが、来年平成四年でこれはなくなります。その平成四年でなくなるというのは、今から五年前は一〇〇であったものがずっと落ち込んできて二〇で、その当時の二〇%で終わるわけですから、平成五年になりますとゼロになるわけです。だから、二〇%では補完事業をやるための必要な財源め確保ということは難しいと思います。ですから、逆に一〇〇に戻っていただくということが大事だと思う。
 ところが、この制度をつくったときのいきさつから考えて、またこれをさらに延長というのは非常に説得力を欠くと思います。したがって、産炭地が抱えている特有のもの、今までは失対事業でしたけれども、特有のものが何かあると思いますので、これらについて十分検討をしていただいて、この産炭地特有のものを対象とした助成をしてやるということを考えていくことが必要じゃないかと思いまして、私ども関係の県なりと協議を今させていただいているところでございます。後日それなりの案ができて御相談をする時期もあるかと思いますので、きょうの場合はそこらあたりしかお答えできません。
 それから、離職者対策なんですけれども、旧産炭地は御承知のように炭鉱閉山後長いのでは三十年たっております。遅いので四十二、三年ごろまでありましたのですが、ほとんど二十年以上の時間がたっておりますので、離職をされた皆さんたちがかなり高齢化していることは事実です。ところが、現在でも直接石炭勘定で開発就労事業と緊就、緊急就労事業、この二つの制度事業を実施していただいておるのですけれども、これもまた見直しの時期に来るだろうと思っています。また来ていると思います。
 しかしながら、先ほども申し上げましたように、雇用状況が産炭地の六条市町村はまだまだ悪うございまして、有効求人倍率が非常に低いです。筑豊あたりになりますとまだ〇・八を超えておりません。そういうような実態でございますので、今後は地域振興を目的とするそういうような離職者の人たちの事業を存続させる、継続させるという、地域振興ということを目的として、そういう離職者の人たちの就労の場をつくってあげるということが大事じゃないかと思います。それをすることによって、二世あたりはもうほとんど他へ就職しておりますから、直接の人たちだけの言うならば雇用の場を与えることができる、こういうふうに思いますので、私どもそういうことでお願いしていきたい、こう考えております。
○岩本政光君 参考人の皆さん方、お忙しいところ御出席いただきまして、御高説を聞かさせていただきましてありがとうございました。私の持ち時間は十五分なものですから、端的にお話を聞かさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
 まず、笹生参考人にお尋ねいたします。
 大変端的な質問でございますが、この産炭法の制定、先ほどお話がありましたが、三十年を経過、さまざまな施策をしまして今回また十年延長することになりましたけれども、今までのこの振興対策の一番の弱点というか不足だったといいますか、そういうところはどの辺だったのか、議論がされておりましたらその議論の中身を、また先生の御意見がありましたら御意見を聞かさせていただきたいと思います。
 それから、先ほどもちょっとお話があったんですが、これが最後といってもいいんでしょうか、それともまだ続くんでしょうか、その辺の議論は何かありましたでしょうか。私は、先生の御意見をもし言っていただけるならば、聞かさせていただきたいと思います。
○参考人(笹生仁君) お答えをいたします。
 最初の、これまで特に、前の五十六年以降十カ年延長について最も大きな弱点というのは何であろうかということでありますが、これは最も具体的な形では、先ほど来参考人の皆さんが言われているような、財政力の支援についての予算的な措置が不十分であったということに尽きるというふうに思います。特に、それが五十年代の後半から六十年代の初めにかけては、国全体が財政抑制政策という状況下に置かれたということが、恐らく影響があるのではなかろうかなというふうに思います。
 それから第二点の、これが最後であるかということについては、明確に議論はしておりません。
 個人的に申し上げますと、今回の施策というものの一番やはりこれまでの違いというのは、旧産炭地域、いわば閉山して相当期間経過した地域と、それから現に石炭を産出している、あるいはつい最近まで産出していた地域というところを区別したということが、一番これまでとは違う特徴であろうかと思います。そういった点から見て、また今後のエネルギー政策の中における国内炭の持つ意味合いからしますと、先ほど矢田先生のお話の中にもありましたけれども、十年前に、ゼロになるということであれば、かなりやはり問題になったと思いますけれども、恐らく私どもはそうあるべきでないと考えております。したがって、今回一番重点と考えていた稼行地域についての産炭地域振興の特別助成というのは、基本的に稼行が続く限りは、私はあるというふうに個人的には考えております。
 以上です。
○岩本政光君 矢田参考人にお伺いいたします。時間がありませんので端的に、恐縮です。
 先生は、先ほど石炭産業については政府の責任が非常に重いよと、そのとおりおっしゃってずっと来られたんではないかと私は思います。私も、日本の高度成長の過程は、同時に日本の石炭から石油へのエネルギー転換、その結果として石炭産業の合理化と引き続く崩壊の過程というようなことを、ちょっと先生のあれ読まさせていただきましたが、結論でこの際お話を聞かさせていただきたいのです。今後の石炭産業の目指す方向としてどんな道があるのか、ちょっとだけ先生の考えを教えていただければありがたいんですけれども、申しわけありません。
○参考人(矢田俊文君) 私も正直に言って確信を持てないところなんですが、全般的には私は、エネルギー問題というのは大体十年単位で価格も需給バランスも激変してまいりますので、六〇年に非常に安い石油と確信を持ったのが七三年に上がってくる。そういう形で、大体国内炭も何とかいけるかなと思ったら、八五年、十数年たったらやっぱりいけなくなるということですので、恐らく、国内資源というのは、エネルギー問題というのは、短期的には価格問題ですが、長期的には十年以上のスパンで考えなくちゃいけないということです。
 日本の石炭技術というのは、特に坑内掘り技術というのは深度掘りについては非常に技術水準が高いので、いろんなエネルギーの変動に対応して再び必要となるという可能性が否定できませんので、技術の温存だけはしっかりした方向でできないかということが最小限言えることかと思います。
○岩本政光君 ありがとうございました。
 それでは、私も穐山先生と同じように、中田参考人と山本参考人、御一緒にまたまぜて質問させていただきますので、端的に教えていただきたいと思います。
 中田参考人には御苦労さまですとまず冒頭に申し上げさせていただきます。昨年の三菱南大夕張鉱の閉山で本当に御苦労をされましたが、私の聞いているところでは、とにかく大変順調に閉山業務が行われておると、市長さんの御努力に対して敬意を表させていただきます。再就職の問題も順調だし、また最近になりましたら、人口の流出も市自体がとまったというふうに新聞紙上で拝見をしているところでございます。そして、先ほどいろいろお話がありました中に、新しい計画をどんどん市長さんはやられておりまして、それが実を結びつつあるというふうに聞いております。
 そういう中で、年間十億程度の市の予算が非常に一番の窮迫してネックの状態だ。先ほどおっしゃっておられませんでしたけれども、大変借金が多いのだというふうに私は聞いておって、何か聞くところによると、総額二百五十億円ぐらいになっている。しかも、産炭法が通るか通らないかによって大変なまた今後の財政運営には大きな影響を及ぼすようになる、それが頼みの綱だ、こういうふうに言っております。
 結論的に、先ほど市長さんは、今後の九次、ポスト八次政策とこの産炭法にかけているというお話があったのですけれども、日ごろ私がお伺いしている頭の中には、先ほどもあったのかもしれませんが、もっと自由な使える金といいますか、そういうものが欲しいな欲しいなとおっしゃっているのが私の頭の中にこびりついておりまして、おっしゃっていたような気がします。具体的に我々がどういう留意をしたらそれが実っていくのか。しかも、もうちょっとお話を聞かさせていただきますと、今度は申請の仕方が道も入ってきますので、それらとの関連で国、道、もちろん国がこれは主体なんですけれども、その辺の意見がありましたらお伺いしておきたいなと思います。
 それから、山本参考人も先ほどお話をされておりましたが、これは同じになりますが、町長としての経験を踏まえまして、下から積み上がって計画が上がってくるわけですけれども、計画ばかりきちっとできておりましても、国でもってこれも計画倒れになったら私たちは非常に責任を感ずる立場で、これから政府を督励しなければいけないと思うんですが、その留意点といいますか、一番大事にきっちりと考えておかなければならぬ点を整理して、もう一遍お話を聞きたいなと思っておるところでございます。
 なお、労働省のことで私たちの管轄外ですが、おやめになった人方が再就職するのに地元に残るような就職をさせる方法が私は非常に大事だと思っているわけです。ただどこかへあっせんすればいいということではありませんが、その辺について何か要望などがあったらこの機会にお伺いしておきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 以上でございます。
○参考人(中田鉄治君) 自由な金がどうかというお話がありまして、実際問題として、これは石炭特別会計の中での仕組みでありますので、実に私自身も石炭鉱業審議会の委員でもありますので、それは無理な話だ。精神についてこんな一例を挙げさせていただいたのは、とにかく百年の歴史、しかし産振法ができて三十年、そして石炭政策がこの第八次政策まで、その間何といっても石炭産業、石炭を出すために援助する国の予算をつくってきたわけでありますから、その企業が政策によってなくなったら、この町を石炭にかわる、出す石炭にかわる産業基盤をつくるためには、その企業が町にもう五年間あったと見て、その金を地域振興、脱石炭の振興策として御援助をいただけないだろうか。この金を私一つの例として挙げて、そういう金があると自信を持って五年間で、真谷地と三菱の例は一年間に四十億、多いときは六十億の補助金をいただきましたので、四十億なら二百億、六十億なら三百億が五年間で入るわけでありますから、その金があって町づくり、再建ができない自治体は、それは首長の責任でもあり、自治体として失格であると考えておるわけです。
 何にしましても、今財政の援助によってできる範囲は、自治体としての補助金、それから起債によってやる公共事業だけであります。そういう事業をやることによって、おかげさまで観光事業を十年前から手がけたことによって、民間ではやってくれないから自治体がやらざるを得ない、莫大な借金をつくってやりました。そうしたら、第一級の松下グループが夕張に観光事業で入ってきた。それは市民みずから観光産業基盤を手がけたということに共鳴をいただいて入ってきた。
 これは、先ほどの実施計画、振興計画には、夢はあくまでも民間企業が入ってこなければ夢になりません。そして、その地域の実際の実施計画は、自治体として国や道県の援助を受けてやれる範疇は実施計画でありまして、それに夢を加えるのには、民間企業が入ってくることによって失業者がなくなり、雇用が確立し、地域経済が確立するということになっていくものだ、こう考えておりますので、その夢になり得るいわゆる振興計画、実施計画を実施させていただきたい、こう考えております。
○参考人(山本文男君) 実施計画をつくる場合の留意点なんですけれども、先ほども申し上げましたように、三十年この産炭法で支援しておりますから、圏域内の計画を立てるのと、それから県が立てるのと、それから市町村の方という三段階に分かれると思うんです。不足しているのは何か、あるいは逆に言いますと、もうこれだけあればこの十年間でこれだけしかできないだろう、これだけあればということとこれだけしかできないだろう、こういうものは市町村みんなわかっているわけですね。ですから、最小限必要なものを、しかも最大限の効果のあるものをねらっていくという、これがまず一番先に私どもとしては注意しなきゃならないことじゃないでしょうか。それがどうしてもできるような財政援助が必要だというのが留意点でしょう。
 それからもう一つは、離職者の残留なんです。これは御承知のように、炭鉱従事者の皆さんでも、技術者と単純労務者と二通りあるわけです。ですから、技術者の皆さんたちはそれなりの道を切り開いていくことができるだろうと思うんですけれども、単純労務の方は職適をやらなければならないでしょう。職適の期間が今一年間なんです。一年間で、言うなら中高年の人たちが新たな技術を身につけて再出発することが可能かというと、これは不可能だと私は思いますね。だから、そこらあたりの手当てが少し薄いんじゃないだろうか。したがって、新しい技術をひとつ取得してそして再出発するような援助策をしていただくと地元に残留する率は高くなっていくと、私はそういうふうに思います。
○三木忠雄君 お二方からいろいろ質問がありましたので、重複は避けて一、二だけ伺っておきたい。
 本当に参考人の皆様御苦労さまです。
 笹生参考人に一点伺っておきたいんですけれども、今回の法改正でソフト化とか、あるいは流通業等の方の問題に適用されるようになったわけでありますけれども、今も町長さんからお話があったように、二世の方々はその地域にはいらっしゃらない、離職者は高齢者になっていく。そういう中で、情報産業だ、流通業だと、こういう問題が果たしてうまく機能していくのかどうか。そういうことについていろいろ議論されたと思うんですけれども、そういう問題点について、いろんな御意見があればお聞かせ願いたいと思います。
 それからもう一点、石炭産業、先ほども山本先生から話がありましたけれども、この措置法十年間で本当に打ち切れるのかどうか、あるいは三十年やってきた問題が果たしてできるのかどうか。こういう問題を考えますと、私は、これをずっと延長しなきゃならないような姿になってくるんじゃないか。日本の国内炭と海外炭との価格格差、こういう問題を考えたときに確かに財政の問題もいろいろな問題点があろうと思うんです。こういう点を考えますと、果たしてこの措置法十年間で大体クリアできるのかどうか、この点についてお伺いいたしたいと思います。
○参考人(笹生仁君) お答えをいたします。
 第一点のソフト化等の新しい経済動向の問題でありますけれども、先ほど矢田先生からのお話もございましたように、現実に空知地域、あるいは筑豊、大牟田等につきましての各市町村の町づくりの根幹の中には、むしろ鉱業以外の今申し上げましたような面を含んだ計画が立てられ、また一部実行に移されているという状況でございます。
 私どもは、産炭地域政策の今日は地域振興政策的な色彩というものを強く持つべきである。それがないとこの目標は達成できないと思っております。地域振興の問題については、大づかみに言えば、これは基盤整備の問題、それから産業振興の問題、それからさらに言えば、そういった事柄を特に産業振興あるいは文化振興というものに絡む住民の参加、またそういった住民の行動計画ということが施設計画に結んでいくということが極めて重要であるというふうに考えております。その意味合いからしましても、サービス産業であるとか、それから情報関連であるとか、あるいは文化産業、イベント産業ということは、住民の意識を変革していくという意味合いで私は重要な意味を持つというふうに考えております。
 それから、第二の問題でありますけれども、これは先ほど穐山先生からの御質問の中でも触れたところでございますけれども、今の産炭地域の改正で十年間というのは、私どもとしては一般的にはこれは十年間で終了することをめどにする。ただ、私見としましては、先ほど申し上げましたような嫁行しているという地域がございます。あるいはまた、先ほど触れませんでしたけれども、鉱害等で非常にやはり後遺症が著しいところが今後十年間で、これまでの経緯から見て、格段にそれが改善される、回復されるということが果たしてできるだろうかということになりますと、十年後も何がしかの措置を考えざるを得ないという状況が出てくることは、これはあり得るのではないか。ただ、それは今日の産炭地域振興臨時措置法というものの改正の中で、さらに延長という形にするか、あるいはもっと特別な制度でした方がいいかというのは、そのときの恐らく議論になるものであろうというふうに個人的には考えております。
 以上です。
○三木忠雄君 矢田参考人に一点伺います。
 エネルギーの安全保障の問題を考えますと、先ほどいろいろ御意見がございましたが、国内炭は大体どのぐらいの程度が適当と、こう考えていらっしゃいますか。この点についてお伺いいたします。
○参考人(矢田俊文君) いつもその問題ばかりで、私も確信を持てないんですが、もちろん輸入炭との競争というのが今の国際社会でこれを閉じるわけにいかない。しかし、その中で一定程度確保するというのは本来今のような三倍の価格ではゼロになると思いますが、にもかかわらず、技術的に云々ということであれば私はかなり生産性の高いのが三つほどございますので、それをどういうメカニズムで温存していくかというところがかなりポイントかと思います。数字的には足せば出てまいりますが、確信を持って言えるわけでございませんが、少なくとも日本の中で坑内掘りの技術としては、生産がかなり確保されている三つほどの大きな炭鉱というのは、何といいますか、電力に転化したときに国民全体がその負担を確保するというメカニズムを入れながらというのは特定の電力会社だけが今、今といいますか、負担する可能性が非常に強いので、それはそっくりそこの地域の住民に転嫁されてくるということが北海道や九州にとって一つの重荷になっています。その辺は、全国民が価格負担をできるだけ少なくして、そして今のような状況のもとでは、三つの炭鉱ができるだけ生き残れるというところが重要かと思います。それが安全保障という大きな話と量的にストレートに結びつくわけではございませんけれども、もともと安全保障にとってエースとなるものが必ずしもはっきりしておりませんので、幾つか可能なエネルギーを、地熱、水力含めましてできるだけ確保するのが精いっぱいかと思っております。
○高崎裕子君 時間がございませんので、恐縮ですが端的にお答えいただきたいのですが、まず笹生参考人にお尋ねいたします。
 答申では、「法延長後一定期間(例えば五年)が経過する時点で地域指定の見直しを行うべきであり、」とあるわけですが、これは五年が経過する時点で見直しを行うということですね。
○参考人(笹生仁君) 法が成立をしました時点で、各地域指定の見直し基準というものを設けまして、重点地域と、重点地域の十年というのは明記してございます。
 それから、その時点で指定地域を解消するという地域、これも一定の猶予期間を置いて指定解除するということになりますが、あと残りの地域の問題については、恐らくその時点で、例えば五年としましたが、五年ということで、実施計画の計画期間というのは五年という時点で発足をするということに相なると思います。ただ、五年後にその全体の地域を指定解除することが妥当であるかあるいはどうであろうかというのは、その時点での見直しといいましょうか、確認というふうに御了解いただいた方がよろしかろうと思います。
○高崎裕子君 五年後に解除される場合もあれば、解除されない場合もある、そういうことだということで御確認してよろしいですね。
○参考人(笹生仁君) 考え方としては、法延長の時点で、原則としては五年なり何年なりということで解除を前提とする。ですから、事実問題として、五年たった後の時点で解除を見直すというのは例外的というと語弊がありますが、むしろそういったニュアンスとしてお受け取りいただいた方がよろしいのではないかと思っております。
○高崎裕子君 やりとりする場ではありませんのであれですが、答申はあくまで見直しという表現で、今おっしゃったことであれば解除というふうに表現しなければならないはずですよね。例外的にということであれば、解除というふうに表現しなきゃならないと思いますが、一応よくわかりました。
 見直しの基準でございますが、圏域について答申は、いずれかに該当すれば解除ということで、総合的に見るようにはなっていないんです。財政力の指標だけでも、それから累積閉山量だけでもおかしいわけで、人口とか生活保護率とか商店の状況、そして自治体の財政状況などを総合的に勘案して基準を設定すべきだというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。
 笹生参考人にお願いします。
○参考人(笹生仁君) 先生言われるとおり、総合的な判断を必要とするということでありますが、ただ具体的にどういう指標をどういう形で組み合わせて施行することが妥当であるかどうかについては、これまでの議論では結論を得ておりません。法延長がなされた直後の審議会で改めて見直しの基準を確定するということにゆだねられているというふうに御理解いただきたいと思います。
○高崎裕子君 次に、笹生参考人と中田参考人にお尋ねいたします。
 実施計画に関連いたします産炭地域振興対策は、地域の経済的、社会的疲弊から脱して、地域経済の回復、活性化を図るということが主要な目的なはずですから、この意味からしますと、実施計画はその目的を達成する上で重要な位置づけとなると思うんですね。実施計画の性格というのは、その地域の人口、生活保護率、商業の動き、工業出荷額、そして財政力など、財政経済指数、指標が回復して、ある水準まで達するということを目標とした計画でなければ、本当の意味での振興対策とはなり得ないと考えるのですけれども、その点はいかがでしょうか。
○参考人(笹生仁君) お答えをいたします。
 あくまでも、産炭地域振興計画の実施計画でございますので、石炭産出あるいは閉山に伴う影響が希薄になるということが目的でございまして、ただ、形としては地域振興的な性格を持たないと、今のような状況というのは十分達成しないのではないかというふうに考えております。
○参考人(中田鉄治君) 先生おっしゃるとおり、これは特に今回この答申の中に出されております振興計画、実施計画は、今まで通産大臣が決める、しかしこれまでも意見は聞いてきましたけれども、現場の、現地の道県が決める、それには市町村長の意見を聞く、まとめたものを通産大臣が最終的に決められる。そのとおりなんですが、問題はどういう計画をつくるかという中身、システムの問題だと思います。ですから、先生がおっしゃったようないろんな要素を含めて、ここまで本当にやられたらこの町はまず他市町村並みになれる、立ち直ることができるという計画をつくらなければならないと思うんです。先ほど申し上げられましたような財政力であるとかなんとかということの御指摘、御指弾を受けると、なかなかその計画が本物にならないということが非常にこれから実際の作業上の問題点であろうかと、かように考えております。
○高崎裕子君 次に、もう一度笹生参考人にお尋ねいたします。
 実施計画の中にインフラ整備を中心とした公共事業などの特別の強化が必要と思われるわけで、この八次影響地域については重点的かつ強力な支援ということになっておりますから、その点に立脚しましても、自治体の財政援助も特別の対策が必要であると、国の責任ある対応が求められてくると思うんですけれども、具体的にどう対応すべきなのかということについての御意見をお聞かせください。
○参考人(笹生仁君) 八次影響地域等の重点対象地域についての具体的な施策の問題については、これは現行の建前では六条地域、十条地域というこれまでの制度的な対象地域と、それから今回の重点対象地域というのが重層的な形で出てきているという形でございますので、制度的に明確に重点地域について特別なものをというのは今後の検討にゆだねられておりまして、当面的には予算の運用というところで優先配慮をする、あるいは新しい施策を実施するという段階でその対象地域をどこにするかというところで、重点地域とその他の地域というもののニュアンスの差というのが出てくるというふうに考えております。
○高崎裕子君 次に、中田参考人にお尋ねいたします。
 現存していた炭鉱に対して社会公共施設整備に投資して、しかし、今は閉山のため不用となってしまった、それにかかわる財政負担は膨大なものとなったというお話でした。八次策による閉山、縮小により各自治体の財政上極めて重要な課題となっているということは、夕張市を初め私は空知の皆さんのところに調査に伺ってこもごも訴えられたわけですけれども、夕張市では真谷地と三菱南大夕張というこの二つの閉山対策だけで総費用が九十四億三千万もかかった。そのうち市の負担が起債で三十七億六千八百万、これは一年間で先ほどのお話でも二十七億ということでしたが、一般財源で八億三千四百万円、合計四十六億二百万円もの負担と聞いて大変驚いたわけですが、平成三年度もこの負担がさらに負担となっていく。芦別でも同様にこの対策で起債分が実に二十一億五千三百万ということでした。炭鉱はなくなって税収は激減する。炭鉱に対するかけた投資は、不用となって借金だけは莫大に残った。しかも、炭鉱周辺の後始末、この対策をしていかなければならないということで、文字どおりトリプルパンチを受けていらっしゃる。大変だと思うわけですが、切実な対策について具体的にお聞かせいただきたいと思います。
 それから、矢田参考人にお尋ねいたしますが、本来国内炭の位置づけをはっきりさせて維持し発展させてきていれば、産炭地振興対策はもっと違うものになっていたはずだと、こう思うわけですが、私たちとしては、後の対策よりは国内炭を守ることが何よりの地域振興対策というふうに考えるわけですけれども、この点のお考えはいかがでしょうか。
○参考人(中田鉄治君) 今先生おっしゃられましたことが、特に八次政策によって影響を受けた地域、自治体が今一番悩んでいる問題であります。したがって、先ほども申し上げましたが、これは石炭産業があって石炭を掘り出すためにかけなければならなかった公共事業の起債残金であります。ですから、これを返済していくためには何らかの方法で援助してもらえればこれにこしたことはない。しかし、国の法律、制度上からはなかなか難しい点がある。とすれば、この起債残金をその自治体が、夕張市ばかりではありません、自治体が産業基盤の整備、経済の活性化によっていわゆる財政力がつくまでの間この元利償還金を先に延ばしてもらいたい。それはこの方法であるという具体策をそれぞれの自治体から出されてあるはずなんです。ですから、そういうことをしながら、先ほど笹生先生のお話にもあった、言うなれば実施計画をつくっても、振興計画をやっても、それではその財政の裏づけをどうするかということを具体的に、このアクセス道路をするのには市の負担はこれだけの負担がある。それならば、国のいろんな何千という制度があります。この制度の中で、なかなか普通の自治体では無理だが、傾斜配分によって特別援助措置でこれを補助金を出してやろうではないか、または効率のいい過疎債でも見てやろうではないかというようなことをこの実施計画の中に、先ほど申し上げた振興計画、実施計画に必ず財政支援策を盛り込んだ計画をつくれば、これは再建することは可能であると、なかなか現実は難しいかもしれませんが、そう考えています。
○参考人(矢田俊文君) 基本的には先生のおっしゃるとおりかと思いますが、二点だけお話をしたいと思います。
 国内産業保護という形をとりますと、やはりいろんな形で国内的には余り合意が得られない。ということは、海外の安いエネルギーとの価格格差という問題が常につきまといますので、これは内部で相当努力して価格格差を縮めていくということを常に伴いながら、なおかつエネルギーの安全保障という視点で一定程度確保するということが両方併存することかと思います。実際石炭生産が落ちたのは、六五年から七三年、五千万トンから二千万トンに落ちたときと、二千万トンから現在の一千万トンに落ちたこの二回だけで、あとは大量な閉山がありながら五千万トンをずっと維持してきた、あるいは二千万トンを維持してきたということがございます。その点はやっぱり競争力問題というのを入れた上での確保ということかと思います。
 もう一つは、地域政策上特定の産業に依存した地域というのは非常にもろい構造であるということが常にありますので、石炭産業が存続すればそれで地域対策になるというわけではございませんで、存続、存在しているうちから多角化戦略を、石炭企業自体の多角化戦略等含めましていろんな成長産業を地域の中に入れていって、いろんな合理化に対してかなり柔軟性のある地域をつくるということが重要かと思います。石炭産業自体を維持するということと、ほかの産業に積極的にその地域が転換していくことは、同時に地域振興にとっては必要かと思います。
○委員長(名尾良孝君) 以上をもちまして、参考人に対する質疑は終わります。
 参考人の方々には、大変お忙しいところ、わざわざ御出席をいただき、貴重な御意見を拝聴させていただきましてまことにありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚く御礼申し上げます。
 午前の審査はこの程度にとどめ、午後一時二十分まで休憩いたします。
   午後零時六分休憩
     ─────・─────
   午後一時二十二分開会
○委員長(名尾良孝君) ただいまから商工委員会を再開いたします。
 この際、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 産炭地域振興臨時措置法の一部を改正する法律案の審査のため、本日、参考人として地域振興整備公団副総裁田中誠一郎君の出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(名尾良孝君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
○委員長(名尾良孝君) 休憩前に引き続き、産炭地域振興臨時措置法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○吉田達男君 かつて黒ダイヤと呼ばれた国のエネルギーの大黒柱でありました石炭も、経済界の技術変革等によってその位置の変更を余儀なくされて石油にかわられるようになりました。また、その業界の中にあっても外炭とのコスト競争の中で不利な位置に置かれて、国内の鉱脈も枯渇しがちという現状だと思います。
 その中で、昭和三十六年に産炭地域振興臨時措置法が制定され、三たび施行されたんですが、このたびの四たび目の延長に当たりまして、この法律の成果の概要について御報告いただきたいと思います。
○政府委員(土居征夫君) 産炭地域振興臨時措置法につきましては、今委員御指摘のように、昭和三十六年に制定されて以来三十年間にわたって対策が講じられてきたところでございますけれども、過去三十年にわたります対策の実施によりまして、産炭地域の全般的な状況につきましては、特に昭和五十年に入りましてから回復基調にあるというふうに見ております。ただ、第八次石炭政策の影響を受けましたいわゆる八次策影響地域を中心といたしましてなお炭鉱閉山の影響の著しいところがございまして、そういった意味での対策については、今回の延長によりましてさらに拡充強化をしていかなければいけない情勢にあるというふうに認識しております。
○吉田達男君 最近の石炭の需要についてお尋ねいたします。
 私は、経済界におけるいろんな技術革新の中で再び石炭がいろいろな課題を克服しながら注目を浴び、また伸びている状況かと思いますが、この辺の石炭の利用の開発、技術の現状について御説明いただけますか。
○政府委員(土居征夫君) 国内炭を含めまして石炭全体につきましては、最近、一九八九年の実績によりますと、日本国内では一億一千四百万トンの需要があるという状況でございまして、昨年十月に改定されました石油代替エネルギーの供給目標の基礎になりますエネルギーの長期需給見通しにおきましても、石炭需要はこの一億一千四百万トンからさらにこの十年間で三千万トン近く伸びて一億四千万トンに達するという状況になっております。
 この石炭の利用につきましては、先生御指摘のように、いろいろとSOxの問題あるいは窒素酸化物の問題、あるいはその他のハンドリングの難しさ等の問題がございまして、この石炭の利用拡大につきましては政府としても各般の施策を講じているところでございまして、特に環境問題に対応する技術開発を中心として短期的課題、中期的課題に鋭意取り組んでいるところでございます。
○吉田達男君 石炭の需要を科学的な技術によってますます喚起する中で将来における需要もまた期待を持っていい、こういう御報告でございますが、先般の三月二十八日の報道を見ましたら、九州電力が石炭火力発電について新しいプラントを入れることによって炭酸ガス対策等も大幅に改善をされる、そのことがまた一つの転機になって石炭火力発電がさらに見直され発展をするのではないかという私どもの観測もあるのでございますが、この点についての見解はいかがですか。
○政府委員(土居征夫君) 石炭の利用につきましては、特に最近地球環境問題という観点から炭酸ガスの発生についてその削減を技術的に進めなきゃいけないという大きな課題が生じております。今先生御指摘のように、電力業界を中心といたしまして、この石炭についての、特に二酸化炭素の排出抑制という観点からの技術開発につきましては、加圧流動床の燃焼複合サイクル発電技術等、排出します炭酸ガスを抑制する、それを熱効率の向上によって達成するわけでございますけれども、そういった技術開発をこれまで進めてきているところでございまして、この水準は今世界最高の水準にあるところまできているところでございまして、さらにこれを進めていかなきゃいかぬという情勢でございます。今御指摘がありました例にありましたように、各電力会社におきましても、こういった技術開発の成果を踏まえて、新しい炉によります石炭発電設備の計画を進めておるという状況でございます。
○吉田達男君 そういうことでもって代替エネルギーとしての石炭の有力さというものが今注目を浴びて進みつつありますが、老朽化した石油発電所、このものを漸次石炭火力に切りかえていこう、こういうような方針は通産省では検討しておられますか。
○政府委員(緒方謙二郎君) 電力の設備につきましては、先ほど先生がお述べになりました代替工ネルギー供給目標に関連いたしまして、電力の中で二〇一〇年までのビジョンを示しております。それによりますと、石炭につきましては、一九八八年末の設備容量が千百十二方キロワットであるのに対して、二〇一〇年には四千万キロワットにする、設備ベースで電源全体に占めます比率が現状の六・七%から一五%まで拡大する、こういう絵をかいているわけでございます。
 石油火力につきましては、御案内のようにIEA等で石油火力についての新増設は抑制するという方針を打ち出しておりますので、私どもとしては、石油に過度に依存することなく、もちろん原子力を中心とする非化石エネルギーの開発も大いに進めるわけでございますが、それらと並んで石炭による火力発電所というのが相当重要なウエートを占めていくものと、このように考えておるところでございます。
○吉田達男君 石炭火力というものは事ほどさように期待をかけて進めていくと。そういうことになれば、また原料炭の需要というものも必要になってくる。こういうことでございますが、国内炭で大体一〇%、外炭で九割入れている、こういうように概要を伺っておりますが、その輸入先といいますか、どういう方面から入れていますか。
○政府委員(土居征夫君) 一般炭につきましては、大体七割が豪州でございまして、そのほかアメリカとか南アとかあるいは中国、ソ連、東南アジア、こういったところから入れておりますが、今申しましたように約七割を豪州から輸入しておるという状況でございます。原料炭につきましては、豪州からの比率はもう少し少なくなっております。五割前後になっておりますけれども、いずれにしても豪州、アメリカ、こういったところの先進国が中心の輸入先になってございます。
○吉田達男君 そういう輸入状況を見ると、石油の輸入先と違って相当分布されておる。こういうことになると、国際的な資源ナショナリズムというものがいろいろ国際紛争の原因になっている現況を見ると、そのような輸入先が分散しておるということは、国際変動の中で日本が将来輸入を仰ぐ場合に石油よりも有利だと思いますが、その点についてはどう考えていますか。
○政府委員(土居征夫君) ただいま先生御指摘の点の、特に海外の産炭国と産油国の差と申しますのは、御指摘のように、産炭国の場合には比較的政情が安定している先進国が中心でございまして、そういう意味での海外からの供給の安定性については、一つ石炭について有利な面があるというふうに考えております。
○吉田達男君 埋蔵量については、世界的に見るとどういう状況になっていますか。
○政府委員(土居征夫君) 埋蔵量につきましては、確認可採埋蔵量という数字でございますけれども、現在歴青炭と無煙炭だけで言いましても一兆トンを超えておりまして、さらにこれに亜歴青炭あるいは褐炭を加えますと一兆三千億トンという埋蔵量でございまして、これは可採年数にいたしますと約三百三十年というふうに見られております。
○吉田達男君 これは石油と比較するとどのくらいになりますか。
○政府委員(土居征夫君) 統計についてはいろいろな機関の統計がございますけれども、世界エネルギー会議の一九八九年の統計によりますと、今申しましたような石炭の埋蔵量に対しまして、石油は、確認可採埋蔵量で八千八百七十三億バレル、可採年数にしますと四十三年という数字になっております。
○吉田達男君 この可採量でアバウトやると、十倍ぐらいは石炭の方が有利にあると、こういうことで現況のようでございますが、埋蔵量の世界的な分布の中で、さきに説明のあった輸入国とまた違った分布であろうと思いますが、その辺について現在わかっているところを御説明いただきたいと思います。
○政府委員(土居征夫君) 主として輸入国別といいますか海外の埋蔵量を国別に見ますと、やはり一番大きいのは中国でございまして、先ほど申しました一兆三千億トンのうち約半分の六千五百億トン、これが中国になってございます。そのほか米国、ソ連、豪州、南ア、こういったところが埋蔵量の多い国でございます。
○吉田達男君 そういう数値を先ほどから伺っておりますと、日本の将来を思うとやはり輸入先も相当広く持ちたい、そしてまた、特に量のあるものでございますから、隣の中国などのように埋蔵量の世界の半分を持つ、こういうところについては積極的なセキュリティー確保の考え方を展開すべきだと思いますが、大臣は、こういう基本的な考え方について、いかがでありましょうか。
○国務大臣(中尾栄一君) 第八次石炭政策答申におきましては、なお国内炭もセキュリティー等の観点から相応の役割を果たすべきものではないかなと、このように考えているわけでございますが、また他方で海外炭の供給の安定化も大事でございましょうし、大幅な内外炭価格差の存在等から、その役割の程度が従来に比べまして変化しているとされておることも事実でございます。
 現時点におきましては、第八次答申時に比べまして我が国石炭鉱業をめぐる環境はさらに厳しくなっているのではなかろうかと思うのでございます。すなわち、内外炭価格差は依然大きく二倍以上で、ある意味においては定常化しているのではないか。ユーザー業界の負担を含めますと、国民経済的負担が大きなものになっていることは否定できないものであると考えざるを得ません。現在、石炭鉱業審議会においては、ユーザー業界や財源を負担している石油業界等からも、石炭政策のあり方につきまして極めて厳しい意見が出されているところでございます。また、ウルグアイ・ラウンド等国際的な議論の場における我が国の石炭補助金に対する批判の動向も十分に踏まえる必要があると考えるものでございます。
 いずれにいたしましても、今後の石炭政策につきましては、現在石炭鉱業審議会におきまして、国内石炭鉱業のエネルギー政策上の位置づけ、産業構造調整上の位置づけ、あるいはまた地域経済社会における位置づけ等、多角的な観点から審議を重ねてきているところでございまして、この六月ごろに予定されておりまする答申の内容を十分に踏まえまして、さらに適切なる対策を講じてまいりたいと考えておる次第でございます。
 以上でございます。
○吉田達男君 大臣となれば、全般的な目を産業界に及ぼして、産業界の構造やあるいは石炭業界の中のいろいろなファクターを総合的に御判断と、こういうことで複眼で見られるということだと思うのでございますが、はしょって言えば、国内炭を本来は維持したい、維持したいけれども経済的な価格差の中で外炭に負ける。しかし、外炭に及ぶ国際情勢もまた複雑なものがある。こういう概括的な御答弁でありましたので、若干改めてみたいなことでありますが、国内炭の維持についてでございます。
 私は、海外炭も仰がなければならぬということは数字を見たら当然のことでございますが、海外炭を仰ぐに当たって、先ほど列挙されたような埋蔵量の分布、輸入先の分布を見ると、日本の輸入に当たりましても、日本の掘進技術、採炭技術というものが大切なんじゃなかろうか、特に日本の保安技術というものはまた世界においても評価されるべき基準にあるんではないかと思うんです。そのもとをつくったのはどこかというと、私は日本の国内炭の採掘現場であったと思うんです。そこが炭価の価格差や資源の枯渇やいろんな状況から衰微しつつあるんですが、この技術というものがなくなると、また海外炭を開発するという力も、輸入する営業上の取引の力もなくなってしまうということを危惧しまして、国内炭鉱の保護についてはそういうような意味でも格別の対策を願わしいと思いますが、この辺についてはどういう考えをお持ちですか。
○政府委員(緒方謙二郎君) ただいま大臣から御答弁がありましたように、現在石炭鉱業審議会で我が国石炭鉱業のあり方について審議をしているところでございます。その場合の観点としては、エネルギー政策上の位置づけはもとよりでありますが、産業構造調整上の位置づけ、あるいは地域経済の観点からの位置づけ等を多角的に検討しているところでございます。その議論の中で、ただいま先生が御指摘になりましたように、日本の国内で培われた石炭の生産あるいは保安の関連の技術というものが海外協力等を通じてこれからの日本のエネルギーの安定供給の一助になるだろう、したがって、それを大事にしなければならないという意見も出ているところでございます。
 しかしながら、他方では、先ほど大臣もお述べになりましたように、日本の石炭鉱業をめぐります環境というものは、八次策を策定した当時に比べましてさらに厳しいものがございます。一つは、内外炭価格差がその後拡大をし二倍以上で定常化しているということ、それに対して、ユーザー業界等から非帯に強い厳しい意見が出ていることでございます。これは審議会の場においても大変厳しい意見が出ているところでございます。また、国内炭を維持するためにいろいろ交付されております石炭の関係の補助金につきましても、ウルグアイ・ラウンドの場においていろいろの議論が出ているわけでございまして、国際的な観点からもそこは十分に動向を踏まえて対応していくことが必要になってくるわけでございます。
 そういうことで、内外いろいろな視点がございまして、目下総合的に石炭鉱業審議会でこの六月に答申を出すことを目途に議論を進めていただいておりますので、私どもといたしましては、その答申をいただきまして、その内容に即して適切に対応してまいりたいと考えているところでございます。
○吉田達男君 八次の答申の中には閉山・合理化の予想されるもの等々が並んできますけれども、その答申の中にはありませんけれども、私は、日本の掘進技術等々をさきに述べた理由によって維持保存し、かつ発展させるために、その炭鉱の経済的なべースによらず、国策としてこれを維持すべしという考えを提案したい。それは模範的な一つのモデルをつくって、そのモデルでこれでもう災害の絶対に起こらぬというものや、コスト低減についてこれだけ機械化してやればいける。あるいは炭層が薄いとか深度が深いとかいうような不利もこれで克服すればやれる。こういうようなことを追求すれば、民間にそのリスクを負わせ切るということはできないのであります。それをやらなければ、資源ナショナリズムの中で基本的なエネルギーの少ない日本の中で維持しようという国家命題の全うができないということになれば、それは違った観点で炭鉱を保護する。現在ある炭鉱の経営を保護するとか育成するというような観点とは違って、国として当然の技術開発じゃないかと思います。この点については、より積極的なお考えを持っていただきたいと思いますが、どうお考えでしょうか。
○政府委員(緒方謙二郎君) 先ほど御説明しましたように、現在進めております石炭鉱業審議会の中でも先生と同じような御主張がされております。それで、先生の御意見も貴重な御意見として承らせていただきましたけれども、また審議会の中ではそれに対して違う意見もあるわけでございます。
 それは、例えば技術と申しましても、日本の場合には坑内掘りが主流でございますけれども、海外炭の場合には大規模な露天掘りが中心になるので、日本の採炭技術というものがそのままの形で海外で生かされるわけではないという議論もあります。あるいは技術を温存するために日本の石炭鉱業を維持するというのは、議論として本末転倒といいましょうか、ちょっと議論の仕方が逆になっているんじゃないかというような厳しい指摘もあるわけでございます。
 目下、そういう御議論が審議会の中でちょうちょうはっし議論されているところでございますので、私どもとしては、そういう御専門の方々の御意見をよく承りまして、その結論に従って対応をとってまいりたいと考えておりますので、貴重な御意見として承らせていただきました。
○吉田達男君 資源がないんですが、実際には可採量がないということでありまして、技術によって可採量はまたふえていくということであろうかと思います。こういう日本の技術が海外開発に生きていると私は思うんですが、長官の方では、また鉱床の状況が日本のような薄い炭層のところじゃなくて露天掘りということであればそれは技術的に余り生かされない、こういうような見解もありましたけれども、保安技術という点では大いに共通するところもあり得るし、また評価されるものも応用としてはあり得ると思うんです。そういう技術が実際に日本の海外炭の輸入について、例えば開発輸入とかああいうもので生きていないんですか、生きているんですか、大体どのくらいの貢献をしているんですか。
○政府委員(土居征夫君) 日本の輸入は、先ほど申しましたように一億トンを超えている輸入をやっておるわけでございますけれども、その輸入のうち約四割がいわゆる開発輸入ということでございまして、日本の資本等が参加して単純輸入ではなしに海外の炭鉱を開発してそれを輸入してくる。そういう形をとっておるわけでございますが、その中には、今長官から申しましたように、海外の場合には露天掘りが中心でございますので自然条件が日本とは合いませんけれども、日本の自然条件に非常に近いような炭鉱について日本の技術が活用されたりするという形で輸入に直結しているものもございます。
 そういった意味で、先ほど審議会の中で一つ議論があると申しましたけれども、海外炭の開発輸入確保にとって、日本の生産保安技術というのが一助になる面はあるんではないかという議論がございまして、この点については、それは事実は事実として認めざるを得ないんではないかというふうに考えております。
○吉田達男君 まあ感じようだと思います。私はやはり日本の技術が開発輸入に生きていると思います。それは見解がどうあっても争うつもりはありません。
 中国の方で埋蔵量が大変多いのに、なお輸入についてはさほどいっていない、アベレージにおいてかなり強いと。この点については、日本の地政学的な位置に比しても、将来のエネルギーとして日本は大変大きい期待を持てる条件にあるんではないかと思いますが、この開発あるいは輸入等については、大臣はどう考えていらっしゃいますか。
○政府委員(土居征夫君) 中国炭につきましては、埋蔵量は非常に大きいわけでございますが、一方では非常に炭田が内陸部に存在いたしまして、海岸との距離が非常に遠いということから内陸輸送コストの問題もございます。したがいまして、埋蔵量だけで判断はできない面があるかと思いますけれども、いずれにしても、日本の業界も中国炭の開発輸入につきましてはそれなりの熱意を持って進めているところでございまして、今後中国からの輸入が非常に大きなウエートを持ってくるという点は、将来の問題としては十分考えられるところであるかというふうに考えておりますす。
○吉田達男君 経営的にリスクを負うものにはこういう探鉱あるいは開発、こういうこともありますが、近年では、鉱害について格別な対策を立てながら、国内炭の採掘に当たってもやっておられるというふうに思います。しかし、これが経営的にはリスクになるわけであります。さらには、休廃止した鉱山についてもなお原因者としての責任もあるわけでございます。この点については、通産省としてどのような対策を立て、また指導しておられるかお伺いいたします。
○政府委員(土居征夫君) ただいま御指摘がございました石炭の採掘による鉱害の問題でございますけれども、これにつきましてはやはり石炭鉱業審議会で今検討がされているところでございますが、昨年通産省が実施しました残存鉱害量調査におきましても、なお四千八百億円程度の鉱害量が残存しておる。これは、現在の鉱害関係の法律の期限が切れます平成四年度以降で言いますと、三千七百億円ぐらいの鉱害がなお残存する可能性があるということでございまして、これについてこれまでいろいろ対策を講じてきたところでございますけれども、今後の問題については現在石炭鉱業審議会でその取り扱いが検討されておるという状況でございます。
○吉田達男君 この鉱山の鉱害のうちには、陥没とかああいう直接原因が明確なものもありますが、例えば坑内水などのほとんど半永久に流れる坑内水も処理しなければならぬ。坑内水の原因を探ってみると、いろいろ短絡には言えないものもあり得る。しかし、原因者責任というものでは、生きている間これを永劫に見なければならぬというのが現在の法律の建前でございます。この辺については、またいろいろ意見があり得ると思うんですけれども、今の通産省としてはこのリスクを負わせ切れると、あるいは負わせればいいというふうに考えておられますか。
○政府委員(土居征夫君) 炭鉱の坑廃水による鉱害の問題につきましては、現在もそれが採掘に直接原因する場合には、石炭鉱害といたしまして現在も賠償と、それから復旧の対象にしておるということでございます。ただ、それが坑内水の問題につきましては、石炭の採掘以外のいろんな理由による問題、複合的な災害という問題もございますので、その辺は因果関係についてきちっとした立証が必要でございますけれども、いずれにしても、石炭に直接原因するというものについては石炭鉱害という扱いで進めているわけでございます。
 ただ、坑廃水の問題につきましては、いずれにしてもその処理についてかなり恒久的な体制を整備しなきゃいけないという問題がございまして、この恒久的な体制の整備につきまして今後の進め方につきまして、先ほど申しましたように石炭鉱業審議会の中で一つの課題として今検討を進めているところでございます。
○吉田達男君 相当因果関係というのがありまして、原因説というもので追求すれば確かに原因はあったと思いますが、相当因果という辺でいかなければならぬものも経営上はあり得ると思うんです。投資をすればそれがやがて生産向上、利益に返ってくるというものであれば、またそれは経済の原理に従って素直に伸びるものでありますけれども、このものは、規模が縮小される、撤退をするということになっても、経営体が存続する限り責任を全うしなければならない。その許認可は、通産省の方で指導して、知事ですか、これは鉱区設定その他やったものであります。
 そういうことの実態を見ると、私は鉱害については最大の注意を払うべしという信念ではおりますけれども、結局、支払い能力、補償能力が事業存続としてできなくなるという危機にさらされると、鉱害が垂れ流しにならざるを得ないような状況もある。そういうことで将来を考えると、国の方でこれらの鉱害対策については、より技術的に軽減されるような方法、あるいは一度集中的にやれば維持費、管理費について軽減される方法、そのようなものを決定的なものとしてできれば一時的にそのことをやって、責任を全うしたということにされるべきものがあり得ると思うんです。その辺について検討を願いたいと思うが、所見をお伺いいたしたい。
○政府委員(土居征夫君) 今委員御指摘のケースは、いわゆる有資力鉱害、生きている石炭山が負担しておる鉱害の処理の問題であるかと存じますが、この問題についても、結論を先に申しますと、石炭鉱業審議会で各団体の意見を受けまして、一つの検討課題として今後の石炭鉱害対策のあり方の一環として、今検討を進めているところでございます。
 ただ、やはり日本の石炭産業も私企業形態でなされております以上、鉱業法の認可等の問題はございますけれども、その前提として、鉱害が発生する場合にはみずから鉱害の処理をしながら、それをコストとして負担しながら経営としてやっていくという建前でございますので、やはり有資力鉱害の場合につきましては、基本的には石炭鉱業に責任を持った形で負担、処理をしていただくという建前は崩せないんではないかと存じます。
 ただ、この石炭の問題はいろいろな自然条件等にもよりますので、鉱害対策につきましては、有資力の企業に対しても各種の助成措置といいますか、支援措置を講じております。石炭鉱害事業団による融資とか、あるいはいろいろな補給金の中での鉱害債務について対象にしていくというような形で、政府としてもできる限りの対策を講じているところでございます。
 今後の問題につきましては、先ほど申しましたように、石炭鉱業審議会の鉱害部会で現在その取り扱いを検討しておる状況でございます。
○吉田達男君 有資力企業の責任をなくするということは、これは言いませんよ、私だって、そんなむちゃなことはあり得ませんから。しかし、さっき言った趣旨に基づいてせっかくの努力を願いたいと思っております。
 時間が来ましたので、一つ最後に質問しますが、このたびの法改正の大きいところは、産炭地の振興実施計画の扱いについて、知事が関係市町村長の意見を徴しながら計画書を策定して通産省に出す、こういう流れに変えたわけでありますね。今までと違ったところでありますが、そういうことになると、この計画をつくるに当たっての通産省の指導、知恵、そういうものの体制は強化されているのか。市町村長における御意見というものは、午前中の参考人の陳述で相当部分伺いましたけれども、かなり直接的な財政的な援助等を含むものもあり、あるいは国の一定地域における産炭地の諸制度の中で、補完的に町村がやらなければならぬ全体的な事業もできてくる。こういうようなことを積み上げてきて知事が出さなければならぬですね。そこの方の計画策定に当たる通産省としての、省としての体制、それからいろんな制度や知恵、指導していく体制、こういうものについてどのような指導を県や市町村になされるのか、お伺いをいたしたいと思います。
○政府委員(緒方謙二郎君) 先生御指摘のように、今回の改正案の中で、実施計画の原案を道県知事に作成をいただくように変えるわけでございます。御案内のとおり実は前回の法改正以来、実施計画そのものは国がつくっていたわけでございますけれども、地元の方で、県の方で産炭地域経済生活圏発展計画というものをつくっていただくような運用を現在も続けておりまして、各道県におきましては、そういう地元の計画をまとめていくことについて、ある程度おなれになってきているような状況ではなかろうかと思っております。
 そこで、今回正式に道県知事に原案の作成をお願いするわけでありますので、私ども通産省といたしましては、関係省庁との連絡会を既に開いておりまして、関係省庁のお知恵もかりながら緊密な連絡をとって、各関係道県と御相談しながら、策定について遺漏なきを期してまいりたいと思っているところでございます。また、必要な関連予算につきましても関係省庁の協力を得て最大限の努力をしてまいりたいと考えているところでございます。
○穐山篤君 最初に、今回法律改正を出されました背景、それから改正の主要な柱ですね、それをまずお伺いいたしたいと思います。
○政府委員(土居征夫君) 御質問がございました今回の産炭地域振興臨時措置法の改正の背景及びその改正点のポイントでございます。
 まず、背景から申し上げますと、産炭地域振興臨時措置法につきましては、御承知のように昭和三十六年に制定以来、数回の延長を経てこの平成三年の十一月十二日に期限切れになるという状況になっております。
 この産炭地対策は、この三十年間実施されてきたわけでございますけれども、産炭地域の全般的状況につきましては、この三十年に及ぶ産炭地対策の実施等、それから客観情勢もございまして、それ相応の成果を発揮してきたというふうに見ております。特に、昭和五十年代以降につきましては、全般的な状況は好転しつつあるという認識でございます。ただ、第八次石炭政策の影響を受けましたいわゆる八次策影響地域における石炭鉱業の不況の影響というのが非常に厳しい状況になっております。
 こういった特定の地域に着目いたしまして、やはりこの際、産炭地域振興臨時措置法をさらに十年間延長する必要があるという指摘がなされたのが今回の産炭地域振興審議会の答申ではないかというふうに考えられるわけでございます。今回の法改正は、この答申の趣旨を受けまして、十年の延長法案を提案させていただいているということでございます。法案の改正点につきましては大きく言いますと三点ございまして、法律の十年延長、現在平成三年十一月十二日になっております期限を十年間延長しまして平成十三年十一月十二日までとするという点が第一点でございます。
 第二点は、産炭地域振興実施計画の策定方式を変更して、従来通産大臣が決めておりました産炭地域振興実施計画につきまして、決定権は最終的には通産大臣が決定するわけでございますけれども、今回の法案では、この実施計画の原案を道県知事が作成するということにした点、これが第二点でございます。
 第三点は、最近の経済のソフト化、サービス化に対応いたしまして、助成対象業種を製造業からその他サービス業等へ拡大するという点でございまして、その点の改正が第三点でございまして、大きく言いますとその三点が改正点になっておるところでございます。
○穐山篤君 今お話があったわけですが、十年間延長する。この十年間延長するという性格、意味合いです。午前中も参考人にはいろいろな質問をしましたけれども、他の法律を見ましても、三十年あるいは四十年にわたって臨時措置法が延長、延長されるというのはまれなことなんです。その意味では特異な性格を持っていると思う。そういう中で、あと十年間延長しましょうという意味合いはどういうものであるのかということが一つ。
 それから、業種の範囲の拡大ですが、政令で定めることになっているわけですが、おおむねどういう業種を予定されているのか。とりあえず二つだけお伺いします。
○政府委員(土居征夫君) 今回の延長の意味合いということでございますけれども、いずれにしても、今政府が提案しております十年延長は、昨年十一月三十日の産炭地域振興審議会の答申を受けたものでございます。したがいまして、この意味合いについて、要するに十年延長でその後どうなるんだということにつきましては、産炭地域振興審議会の答申では明確に触れていないということではあるかと存じます。
 ただ、我々が政府当局として審議会の議論の経過を踏まえて受けております考え方からいたしますと、ここにありますように、八次策影響地域を中心になお十年間の対策が必要だということを言っておりまして、八次策影響地域等以外の旧産炭地域につきましては、むしろ地域の見直しを行っていくべきだという考え方になっておりますということからいたしますと、これまでの石炭政策、第八次石炭政策までの石炭政策を前提といたしますれば、この十年間で八次策影響地域を中心とする産炭地対策を完了するという考え方で答申がなされておるというふうに我々は受け取っております。
 それから、第二点のその他政令で定める業種でございますが、現在、こん包業、それから自然科学研究所、道路貨物運送業、情報処理サービス業でございます。この四業種につきまして現在関係各省と協議をしているというところでございます。
○穐山篤君 政策の問題ですから、大臣に伺います。
 八次政策による振興対策を続けるためには十年延長すると、そういうものが前面に出ているわけです。しかし、残っております旧産炭地問題も依然として問題意識を持っているわけです。今回、改めて解除の基準だとかあるいは指定地域の見直しの基準というものが出てきたわけです。そうしますと、これを受けたそれぞれの地域ではどういうことを考えるだろうかということを我々も心配するわけです。わざわざ解除の基準あるいは地域指定の見直しというものが出なければそれほど問題意識を持たないんですが、片方では十年間延長しますけれども、片方では見直しを厳格にやりますと、できるだけ二条、六条、十条地域を解除ないしは見直していく、こういうことになるわけですから、全体とすれば積極性が少なくなる、こういうふうに見なければならぬと思うわけです。
 ところが、もう一つ大臣、答申にも書いてありますし、先ほどの石炭の需給関係の話を聞きましても、第九次の石炭政策の中で、どちらかといえば合理化あるいは集約、あるいは閉山、優秀な炭鉱だけを残していくのではないかというニュアンスがありありとして出ているわけですね。そういうことを全体的に、総合的に考えてみますと、この十年間という意味が非常に複雑に見えるわけです。その点大臣は、どうお考えになっていますか。
○政府委員(緒方謙二郎君) ちょっと大臣のお答えの前に説明をさせていただきます。
 審議会の答申におきましては、閉山による疲弊から回復したと考えられる地域、あるいは閉山による影響が著しく希薄化したと認められる地域については、法延長に際しまして指定を解除すると。そのほか、八次策影響地域を重点対象地域にするわけでありますが、それ以外の旧産炭地域につきましては、いずれも閉山から長年月を経ていることから、振興対策というものが本来時限的な性格を持っているということにかんがみれば、法延長後一定期間、例えば五年程度が経過する時点で指定の見直しを行うべきである、こういうことも答申で言っているわけでございます。
 したがいまして、答申が指摘をしておりますことは、法律は十年間延長して、八次策影響地域を中心にそこは十年間で対応策をやっていくのだけれども、それ以外のものについては、今申し上げたようなことで要するに卒業といいましょうか、その実態に見合った対応策に切りかえていくと。こういうことで、影響が残る地域については対策を重点化し、そうでないところについては逐次それにふさわしい措置をとっていくと、こういう考え方になっていて全体の長さが十年間である、こういう位置づけなのであろうと思っております。具体的な地域割の問題につきましては、これは地域の見直し基準につきましては、いずれまた法律が可決されました後で、審議会でもう一度議論をいただいて、決定しなければならないと考えておるところでございます。
○国務大臣(中尾栄一君) ただいま資源エネルギー庁長官が多少具体的な問題点について答えましたけれども、私の認識としても、過去三十年間にわたります産炭地域振興対策の結果、多くの産炭地域におきましては基盤整備、企業誘致等の面におきまして相当程度の進捗が見られているところでございます。しかしながら、いわゆる六条市町村、特に第八次石炭政策下で閉山・合理化の過程にある炭鉱の所在するところの産炭地域におきましては、今日なお人口の減少が見られましたり、地方公共団体の財政の窮迫等の問題を抱えているのもこれまた事実と言わざるを得ないわけでございます。
 このために、産炭法をさらに十年延長することといたしまして、また現行産炭法の対象地域の間で財政力、石炭鉱業の不況による影響等に相当の差が見られることにかんがみまして、地域指定の見直しを行うとともに、第八次石炭政策影響地域等を中心とする対策の拡充に努めてまいらざるを得ない、まいるべきであると、このように考えておるわけでございます。
○穐山篤君 解除あるいは地域指定の見直しの問題は、後ほど細かく伺います。
 さてそこで、現状をどう見るかということで伺いますが、時間の関係もありますから、いただきました資料で質問したいと思います。
 国あるいは地方自治体あるいは公団の皆さん方のお力添えで相当回復をしていることも承知しております。ところが、全部資料を調べてみますと、平均的な回復でなくて、格差が非常に地域ごとに、生活圏ごとに格差を持ちながら回復を始めたという状況にあるわけであります。財政力指数は上がったけれども、生活保護率も高い。普通でいけば、財政力が上がれば生活保護世帯率も下がるというのがごく常識でありますけれども、必ずしもそういうふうに均等な回復をしていないというふうに思うわけです。
 こういう点は、どういうふうに現状を分析されているのでしょうか。あるいはそれについて特段の指導を考えられているのかどうか、その点を伺っておきたいと思います。
○政府委員(土居征夫君) 産炭地域の現状でございますが、先生御指摘のように非常に地域によって差があるということでございます。このたび、十年延長の前提として対策の強化が必要とされていますいわゆる八次策影響地域について見ますと、財政力指数がこの八次策影響地域の十市町村平均いたしますと〇・三六ということで、全国の加重平均〇・七五に対しましてかなり低い水準にとどまっておるということでございますし、あるいは生活保護率につきましても全国の平均が千人当たり八・九人ということでございますが、それに対しまして三十一という非常に高い水準になっております。先ほど御説明いたしましたように、産炭地全体といたしましては、特に旧産炭地域を中心としまして昭和五十年代に財政力、人口等が回復基調にございますが、一方ではその後の八次策の影響がございまして、こういった八次策影響地域についてはむしろ疲弊が進んでおるという状況でございます。
○穐山篤君 現状確認という意味でもう一つ伺いますが、特に八次策になるわけですけれども、閉山をした、離職者が出た、しかしいろんな努力で就業をしておりますね。この就業の努力によってある程度は確保しましたけれども、まだ滞留をしているわけです。特別な措置がありませんと、この滞留者はそのまま残ってしまうという懸念を持つわけです。その状況と対策について、通産及び労働省の方から考え方をお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(征矢紀臣君) 第八次石炭政策におきまして、御承知のように昭和六十一年十一月の三菱石炭鉱業高島礦業所の閉山以来現在まで、平成三年二月末時点でございますが、炭鉱を離職いたしまして公共職業安定所に求職の申し込みをしたいわゆる求職者でございますが、一万二千二百七名でございます。そのうち平成三年二月末までに九千九百十五人の方が就職等をいたしまして、一応解決しているということで、なお要対策人員として二千二百九十二名の方が残っておるわけでございます。この方々につきましては、炭鉱離職者臨時措置法に基づきます黒手帳制度による就職促進手当等を支給しながら、その再就職の促進を図っているところでございます。
○政府委員(土居征夫君) 通産省といたしましては、石炭勘定によりまして労働省と一緒になって炭鉱離職者関係の予算措置を講じておるところでございまして、現在の状況は今労働省の方から申し上げたとおりでございます。例えば、地域振興整備公団によります産炭地域における団地の造成、そこへの企業誘致、こういった形で炭鉱離職者の再雇用について通産省としても側面的にいろんな対策を講じておるところでございます。平成三年度につきましては、新しく石炭企業の経営多角化、これは産炭地で行う場合に雇用の増加に着目しまして、これに対して補助をしていくという新しい制度を創設しておるところでございます。
○穐山篤君 地理的な条件がまずあろうと思うんです。例えば、北海道では積雪寒冷地域という特殊事情もあるだろうし、それから都会に近いところは別でありますが、そうでないとなかなか滞留しっ放しになる。そういう意味で、法律で拘束することはなかなか無理だと思いますが、そのもとの企業主の社会的な責任というものを十分に重視してもらって、関係市町村と十分に協力して滞留者を減らす、そういう努力が必要ではないか。
 私は法律で規制をしろとは言いませんけれども、相当の指導性を持たないと今後も閉山なりあるいは縮小計画が出てくるわけです。そうしますと、また同じような問題が出てくるわけですが、そういう点について特別なお考えがあるでしょうか。
○政府委員(征矢紀臣君) 炭鉱離職者の方々の円滑な再就職に当たりまして、親会社を含む関係会社の協力が必要不可欠であることにつきましては先生御指摘のとおりでございます。この点につきましては、炭鉱離職者臨時措置法の第七条におきましても、「鉱業権者は、」「雇用の促進を図るため、公共職業安定所及び雇用促進事業団と協力して、求人の開拓その他就職の援助に関して必要な措置を講じなければならない。」とされているところでございます。石炭鉱業審議会におきます第八次石炭政策に関する答申におきましても、石炭企業及び親会社は離職者の再就職に万全を期す必要があること、離職者の再就職については関連企業グループの協力を得る必要があること等が指摘されているところでございます。
 私どもといたしましては、今後ともこれらの点を踏まえまして、会社側に対し、親会社や関連グループの協力を得ながら、雇用対策に万全を期するよう指導してまいるとともに、関係省庁あるいは関係自治体と密接な連携をとりつつ、閉山に伴う発生する離職者の雇用対策に今後とも最大限努力してまいりたいというふうに考えております。
○穐山篤君 公団の方においでをいただいているわけですが、大変御努力をいただいて感謝しております。
 今まで公団は、各地域で非常に基盤整備を努力していただいたわけですが、今までの実績、それからこれからなおかつ基盤整備に取り組まなければならぬであろうというふうな計画がおありになれば、その点について伺っておきたいと思います。
○参考人(田中誠一郎君) 私ども地域振興整備公団は、先生御存じのとおり、産炭地域振興事業団としまして昭和三十七年に発足したわけでございますが、それ以来三十年間にわたりまして産炭地域振興施策の実施機関といたしまして、ただいま御指摘のありました工業団地の造成あるいは企業誘致、さらには進出企業に対する融資等の事業を行いまして、産炭地域の振興に力を尽くしてまいったわけでございます。
 二つ目のこれまでの実績でございますが、まず工業団地の造成につきましては、昨年十二月までの累計で百三十二の団地、四千ヘクタールの団地を手がけております。そのうち約三千ヘクタールの土地を造成いたしまして、企業への譲渡対象用地約二千五百ヘクタールにつきましては、その九三%に当たる土地を進出企業に譲渡し、企業誘致を図っているところでございます。
 一方、産炭地域への進出企業に対する融資につきましては、昨年十二月までの累計で三千五百五十八件でございまして、貸付金額にいたしまして三千六十九億円に達しているわけでございます。
 このような公団事業の実施によりまして、産炭地域に進出いたしました企業は二千二百七社、雇用者数では約十三万人に及んでおりまして、産炭地域の振興に少なからず貢献してきているというふうに考えておるわけでございます。
 今後の展望、計画はどうかという御指摘でございますが、昨年十一月の産炭地域振興審議会の答申を尊重いたしまして、関係行政機関と密接な連携をとりながら、私ども公団といたしましては、次の事業につきまして重点的に実施してまいりたいと考えておるわけでございます。
 第一には、工業団地の計画的な造成と積極的な企業誘致の実施という点でございます。さしあたりまして、平成三年度には特に疲弊の著しい八次策のもとで閉山・合理化地域で四カ所の新規団地の造成、一カ所の事前計画調査に着手する予定でございます。今後とも、長期的な展望のもとに計画的に新規団地の造成と積極的な企業誘致活動を行ってまいりたい、かように考えている次第でございます。
 第二番目には、出融資事業の拡充強化を図るということであります。八次策影響地域につきましては、平成二年度から、御案内のとおり特別低利融資制度が新たに導入されておりますけれども、今後とも出融資事業の拡充強化を図ってまいりたい、かように考えております。
 第三番目には、総合的に地域の発展に資する新たな事業の展開を図りたいという点でございます。産炭地域振興審議会の答申におきましても、国民経済のソフト化、サービス化に伴うニーズの変化に対応しました事業の拡充強化あるいは炭鉱跡地の環境整備事業の実施等が提案されておるわけでございますが、その具体化につき現在検討を進めているところでございます。
○穐山篤君 今、成果を伺ったわけですが、これから八次政策の地域を中心に、あるいは旧産炭地もそうでありますが、特に公団の皆さん方が具体的に現場で仕事をしてきたわけですけれども、当該の市町村ないしは生活圏でこういう点は十分留意してほしいあるいは検討してほしいというようなことは、本庁には言われているんだろうとは思いますよ、しかし、私どもとして少し勉強もしておく必要があろうという意味で、特別御意見がありますならば、ひとつおっしゃってもらいたいと思います。
○参考人(田中誠一郎君) ただいま申し上げましたとおり、私ども公団は、関係行政機関と密接な連携をとりましてただいままで事業を進めてまいりまして、先ほど申し上げましたような実績を上げているというふうに考えておるわけでございます。したがいまして、今後とも関係行政機関とは密接な連携をとりつつ、かつ地元の御協力を得まして事業の円滑な遂行を進めたい、かように考えている次第でございます。
○穐山篤君 これから振興対策、活性化を図るためにはいろんなことが考えられるわけですが、しかしその前提条件として、一定の次に申し上げます問題をきちっと整理整とんしませんと、幾ら基本計画をつくろうと実行計画を立てようと円滑に事業が進まない。そういう意味で、幾つか問題を指摘したいと思うんです。
 一つは、未利用地の活用の問題で、あるいは基盤整備上問題になりますのは、石炭鉱山の施設が資金繰りの関係で相当担保物件になっているものも非常に多いと思うんですね。これは私的な行為ですから、国が直接かかわるわけにはいかないと思いますけれども、しかしそれも放置しておくわけにはいくまい。そういう意味で問題が一つあります。
 それから、二つ目の問題はボタ山の処理の問題であります。私もかつて国鉄の炭鉱、志免炭鉱の仕事をやっておりましたので、多少その当時の認識を持っているわけですけれども、やっぱりボタ山の処理というのはなかなか困難をきわめております。しかし、きちっと処理をしなきゃならぬ。したがって、その対策が必要になると思うんです。
 それから住宅の問題です。昔からハーモニカ長屋なんて言われておりましたけれども、炭住につきましては、それぞれの地域でも住宅の改良をしたり集約をしたり努力されていると思います。これもある程度の対策をとりませんと、基盤整備あるいは地域振興対策上障害になる問題、あるいは逆に言えば、活用する道もしっかりとらなきゃなるまいというふうに思うんです。
 それから、もう一つは鉱害問題です。どちらかといいますと、九州地方に多いと私どもは見ているわけですが、まだ全体の鉱害の認定が一〇〇%行われていないという点も見受けられるわけです。この鉱害対策をきちっとする必要があると思います。
 今、たくさん問題意識を述べましたけれども、これらについて具体的な対応を伺いたいと思っています。
○政府委員(土居征夫君) 一番最初の旧炭鉱の未利用跡地の問題から申し上げますと、これにつきましては、委員御指摘のように、現在地元の市町村の財政力が脆弱であるというようなことを主な理由といたしまして、非常にその土地がその地域の主要な部分を占めているにもかかわらず未利用のまま放置されている。それが産炭地域の発展の障害になっている場合、こういった場合も少なくないという状況でございます。
 この点につきましては、昨年の十一月三十日の産炭地域振興審議会の答申におきましても、こういった問題については、金融債権者とそれから担保所有権者との間の私法上の問題ではあるけれども、一方では当該地域や産炭地域の振興にとって極めて重要な役割を果たす地域であるという場合には、こういった私法上の関係にゆだねずに、国としても必要なあっせん努力等一層検討を進めるべきである、そういう答申をいただいております。今回の予算措置におきましても、こういった跡地についての活用についての予算措置を講ずるとともに、個別具体的な案件を中心に対策に取りかかっているところでございます。
 それから、ボタ山につきましては、これは地域公団による工業団地の造成等の場合にボタ山利用の団地の造成などもこれまで進めてきたところでございますが、最も問題になります危険ボタ山、ポタ山の崩壊の危険、こういったものに対処するために現在災害防止工事を施工しておるところでございまして、補助対象の二百二十四のボタ山に対して既に百八十三、約八割の着工率で事業を実施しておるという状況でございます。
 老朽炭住につきましては、国の補助事業でこの炭住の改良を行っていくということを進めておるわけでございますが、自治体の財政を支援するため臨時交付金制度によって通産省としてもその支援措置を講じておるということでございます。
 石炭鉱害対策につきましては、現在実施しております十カ年計画であと一年間残っておるところでございますが、委員御指摘のように、申し出があってまだ認定の処理をしていない案件がございますので、この処理を鋭意進めていく。同時に、この一年間の対策については、残された法期限内ということでございますので、最大限の努力をもってこの鉱害処理には努めてまいりたいというふうに考えております。
 ただ、先ほど御答弁いたしましたように、この一年間の対策の実施によってもなお三千七百億円程度の残存鉱害が残るということでございますので、その扱いにつきまして現在石炭鉱業審議会鉱害部会で検討いただいているところでございます。
○穐山篤君 積極的に、今私が提起した問題については、可及的速やかに解消、解決するような努力を要請しておきたいと思います。
 さて、これからの問題に入る前に、この前は昭和五十六年に法律の改正がございまして、そのときに審議会の答申や参考人の意見などもありまして、財政措置が特別に昭和五十六年に特定事業というものが追加されたわけですね、財政措置の問題で。それ以降、幾つかの財政上の問題について改善が追加をされております。年次別にひとつ御紹介をいただきたいと思います。
○政府委員(土居征夫君) 自治体への財政支援措置につきましては、基本的にはこの法律、産炭地域振興臨時措置法に基づきまして、十条では、道県の公債の起債に対します利子補給を行っております。それから十一条では、市町村が行います公共事業につきまして国庫補助率の引き上げ措置を講ずるということでございまして、これは関係各省の予算によりまして実施しておるところでございます。それに加えまして、通産省としまして石炭勘定の中で市町村の財政支援を目的といたします産炭地域振興臨時交付金制度というものを設けているところでございます。
 これら自治体への財政支援措置につきましては、最近時点での対策の強化の内容について紹介させていただきますと、例えば平成三年度に、来年度の予算要求におきましては、この産炭地域振興臨時交付金制度におきまして、閉山基準額あるいは生産規模縮小額のトン当たりの単価を百七十八円から二百四十円にアップいたしまして、いわゆる八次策影響地域への傾斜を強めるという対策を講じております。あるいは、産炭地域の町づくり基盤整備事業について「やはり自治体への財政支援措置を講ずるといったことを考えております。さらには、特定公共事業調整額及び特定事業促進調整額制度、これを再編成いたしまして、やはり八次策影響地域を中心とした市町村財政に対して傾斜配分を実施するといったことを予定しております。
 今後とも、必要に応じてこういった自治体への財政支援措置の拡充を行ってまいりたいというふうに考えております。
○穐山篤君 今度の法律改正で、計画策定のシステムを下から上に持ち上げるという、そういう政策に変わったわけです。
 さてそこで、大臣ね、最終決定は通産大臣がいずれの場合でもやることなんですが、ボトムアップで下から計画を持ってくる、つくるということになりますと、当然のことながら早く回復をしたい、活性化を一刻も早く拡大したい、そういう意味でプランが出てくるわけです。相当きめの細かい、逆に言えば、もっと広範な事業を考えて計画が市町村からいろんな意見を聞いて出てくるわけです。見ようによっては最大なものになるであろうし、見方によっては最低限これ以下には下がれないというものが出てくると思うんです。
 さてそこで、各省庁の意見を聞いて大臣が判こを最終的に押すわけですけれども、地方の懸念、不安としては、持っていったものが計画が半分になった、あるいは六割に抑制されたというようなことがあってはならないという意味で、相当実効性のあるものを考えるだろうと思うんです。しかし、ここの調整は私は非常に困難であろうというふうに思いますが、この基本的な態度は、大臣、どういうふうにお持ちになっているのでしょうか。
○政府委員(緒方謙二郎君) 今回の法改正の趣旨は、地元の御意見を極力生かす、地元のイニシアチブというものを生かしていこうというのが趣旨でございますので、いろいろ地元の実情に見合った、ニーズに見合った計画が提出されてくるわけでございますが、御指摘のとおり、最終的には通産省で関係各省と調整をいたしまして、実行可能なものとしてつくるわけでございます。
 その間にそごを来すことはないか、円滑に策定ができるのかという御指摘であろうかと思いますけれども、そこは先ほどもお答えいたしましたように、私ども関係各省との間の連絡会を既に発足をさせておりますし、関係の道県事務当局とは既にいろいろ緊密な連絡をとり始めさせていただいております。
 また、地元の方でも、これまで発展計画という形で、基本計画、実施計画そのものではございませんけれども、いわばそれに準ずるような形のものを地元のイニシアチブで既におつくりになる経験も積んでおられますので、その辺、地元の御要望というものと国のレベルでの調整が全くかみ合わないでそごを来すようなことにはならないで円滑にいくものと思っております。また、運用上そういうふうにぜひ円滑に進めていかなければならない、こういうふうに考えておるところでございます。
○穐山篤君 抽象的にはそういうことにならざるを得ぬだろうと思うんですが、それも地域によって随分計画内容が違うというふうに思います。
 午前中の参考人の方の意見でも、縮小均衡発展という説を唱える人もあるわけです。したがって、単純な振興対策ではなかろう、そういう意味ではバラエティーに富んだ、あるいは特徴ある計画が大臣の手元に来るだろうと思うんです。そのときに、積極的にそれを支援する、そういう立場で最終的な大臣の判こが押されるということをみんな期待しているわけです。ですから、先ほど御答弁がありましたような余り抽象論でなくして、積極的な姿勢を大臣にひとつ要望しておきたいと思うんですが、どうでしょうか。
○国務大臣(中尾栄一君) これは通産省だけの範疇ではなく、穐山委員御指摘のとおり、関係省庁、なかんずく自治省であるとか労働省であるとか、その他とも話し合いをしなければなりますまいが、これは横の連携をとりながら、先ほどボトムアップという言葉をお使いになられましたように、なるべく地域の声をそのまま吸い上げて、それを実行に移していくというのが私どもの構えでなければならない、このように私ども深く考えているわけでございます。
 まず、産炭地域の振興実施計画に記載されておるような事項、特に道路とか鉄道等のようなインフラ整備に関する計画の実行に当たりましては、関係各省庁の連絡、協調が極めて重要でありまして、実施計画の作成段階で関係省庁との意見調整を十分に図ることが重要であることは、全く御指摘のとおりであろうと思っておるわけでございます。
 昨年十一月末に提出されました産炭地域振興審議会の答申におきましても、実施計画の実効性を高めるために、関係省庁間の連絡や協調を従来にも増して緊密なものとすることが重要である旨、指摘されているところでございます。通産省としましては、こういうような審議会の答申の趣旨を踏まえつつ、また委員から先ほど御指摘賜りましたような、各地域の声を吸い上げてこそ初めて政治そのものに反映されるんだぞというお言葉を体しまして、あくまでも、今後とも産炭地域振興関係各省庁等連絡会の場を初めといたしまして、あらゆる機会を通じ関係省庁との連絡を緊密にし、密着した中における協調の一層の迅速化、緊密化を図ってまいりたい、このように考えておる次第でございます。
○穐山篤君 さてそこで、この答申によりますと、「八次策影響地域に対しては、」「最も重要な施策対象地域として重点的かつ強力な支援策を講ずることが必要である。」と、支援策の中にはいろんなものもあろうと思いますけれども、何といいましても財政的な支援というものをみんな期待しているわけです。
 さてそこで、さっき石炭部長から、基準額についての単価の改定を含めて幾つかの話がありましたが、これ以外に、強力な財政的支援を通産省さんはお考えになっているのでしょうか。あるとすれば、具体的に明示をしてもらいたい。
○政府委員(土居征夫君) 自治体への財政支援措置につきましては、衆議院でも御議論いただきまして、通産省としては、先ほど申し上げました措置につきまして、平成三年度予算で要求をさせていただいて対策の強化を進めているわけでございますが、同時に自治体への財政支援措置につきましては、自治省によります交付税についてのいろんな支援措置、あるいは公共事業のかさ上げということで各省予算によりますいろんな対策、こういったことで自治省を初め関係各省にもいろいろ期待するところがあるわけでございまして、通産大臣からも自治大臣にそういった要請をその後行わさせていただいているというような状況でございまして、総力を挙げて自治体の財政支援措置を強化していきたいというふうに考えております。
 ただ、平成四年度以降につきましても、現在石炭鉱業審議会でポスト八次の石炭政策の一環として、産炭地対策についてさらに追加的な対応の可否を検討しておりますので、そういった中におきましても、自治体への財政支援についての追加的な対応が検討されていくものというふうに考えております。
○穐山篤君 自治省に伺います。
 午前中も参考人の意見を聞きましたが、過疎地域を含め、産炭法の適用を受けております地域でも、過去随分起債をし、借金をしていたわけですね。なおかつ、振興対策をするためには、国の金あるいは代理をして地方自治体がやる、県がやるということはあったにしましても、当該の市町村が全くげんこつでいるわけにはいかないと思う。借金は返さなきゃならぬ、また資金需要はどんどんどんどんふえていく。そういう意味では、相当財政問題では関係の自治体が苦労しているわけです。
 こういう現状から考えてみまして、自治省として財政的な援助の分野では、特別に何かお考えがあるのでしょうか。
○政府委員(遠藤安彦君) お答え申し上げます。
 炭鉱の閉山等による影響を受けます市町村は、やはり基本的には人口が減るということによって非常に大きな財政面の影響を受けるわけであります。この点については私ども、国の一つのエネルギー政策に非常に密接に関連したことで起こってまいった現象でありますので、やはり第一次的には国の関係省庁で適切な対応を図ってもらいたいという希望を強く持っているわけであります。
 しかしながら、現実問題として人口が非常に減ってしまいますと、市町村の財政に大きな影響を与えます主要な原因となりますのは、やはり普通交付税の算定において非常に大きなウエートを占めます当該市町村の国勢調査による人口が減ってしまうことによる基準財政需要額の減というのが非常に大きなダメージになるわけでございます。
 そういった意味で、私ども普通交付税の算定におきましては、三つほどの主要な措置をとっておりまして、一つはいわゆる産炭地補正というものでございますが、産炭地に特有の現象として鉱業人口が減少するといったようなことをとらえて、割り増し需要を算定するという方式。
 それから、一般的に言いますと、人口がかなり長期間にわたって減少してまいりますので、人口急減補正という補正を用いまして、人口が減っても余り基準財政需要額が減らないような算定方法ということ。
 それから、特に最近になりますと、高島町あるいは夕張市といったようなことで、非常に短期間にたくさんの人口が減るというような現象もございました。そういう人口減少をとらえまして財政需要を割り増しするという、私どもこれを短期急減補正と言っておりますけれども、こういった普通交付税の算定、特に産炭地の市町村に非常に効き目のある算定方法を講じて財政需要の割り増しをいたしておりまして、市町村の財政が困らないような普通交付税の算定をしている。
 これに加えまして、毎年度、特別交付税の算定におきましては産炭地特有の事情をいろいろ考慮させていただく、あるいは起債におきましても、大体産炭地は過疎の市町村が多いものですから、過疎債の配分によって事業が行われるように配慮しているところであります。
○穐山篤君 さてそこで、振興対策で重要なのはインフラになるわけですが、建設省さんにお伺いします。
 最近、過疎地域の指定の市町村もふえてまいりました。都市に人口が集中するという反面そういうことになるわけですが、この活性化を図るためにはやはり道路の整備というものが当然必要になってくるし、計画もされていると思うんですが、その点が一つ。
 それから、先ほどから議論されておりますように、産炭法の影響を受けているところも当然基盤整備の一番最初のスタートというのはどうしても道路の整備ということにならざるを得ぬと思うんですが、この点についての建設省さんの考え方をまとめてひとつ伺っておきたいと思います。
○説明員(榎波義幸君) 過疎地域の活性化を図りますためには基盤施設であります道路整備が不可欠であるというふうに考えておりまして、建設省といたしましては、過疎地域における道路の整備をこれまでも積極的に進めてきたところであります。
 今後の過疎地域の活性化の進展に当たりましては、過疎地域とその他の地域の地域間の交流を促す広域的な道路網整備が必要であるというふうに考えておりまして、高規格幹線道路や一般国道、市町村道の整備と連携を図りながら、過疎地域と生活圏の中心都市や高速道路のインターチェンジ等を連絡します広域的かつ重要な都道府県道の計画的な、また重点的な整備の推進を図ることを目的といたしまして、本年三月二十七日に、過疎地域活性化特別措置法に基づきます都道府県過疎地域活性化計画に位置づけられております道路の中から、都道府県知事の申請に基づきまして、全国で五千九十二キロメートルの都道府県道を広域幹線道路に指定しております。平成三年度からは、これらの道路につきまして計画的、重点的な整備を図る所存でございます。
 それから、産炭地域におきます道路整備の取り組みでございますけれども、これまでも積極的にその整備を図ってまいりまして、現在全国の産炭地域で約二千三百カ所、事業費で三千億円をもって事業を展開いたしておりまして、一般国道から市町村道に至ります体系的な道路整備を図っているところでございます。
 この結果、道路の整備状況は、一般国道、都道府県道の合計で見ますと、改良率が七三・一%という水準になっておりまして、全国の六三・二%を相当上回った水準にまで達しております。しかしながら、今後とも地域の振興を図っていくためには道路の整備が重要であるというふうに考えておりまして、地方公共団体とも相談しながら、これからもこの地域の道路整備を積極的に行ってまいりたいというふうに考えております。
○穐山篤君 さて、時間がなくなりましたので、二つのことをまとめてお願いをしたいのですが、一つは解除の基準、それから地域指定の見直しの問題です。
 よく答申を読んでみますと、例えば財政力が相当回復したという表現があるかと思いますと、相当という言葉は消えておりますけれども、一定の回復をしたところ、こういうことが書かれております。いずれ審議会で勉強されるのでしょうが、イメージとして伺いたいと思いますのは、例えば財政力が全国平均〇・七五に全く近いとかあるいは超えるというふうなものを念頭に置いて、基準あるいは見直し基準というものが考えられているのかどうか、その点が一つ。
 それからもう一つは、石炭関係の法律が随分あるわけです。これは十年間延長になりますけれども、来年で期限が来る他の法律もあるわけです。したがって、石炭関係全体の法律の整合性をどういうふうにお考えになっているのか。
 その二つをお伺いして、質問を終わりたいと思います。
○政府委員(土居征夫君) 第一点の地域の見直し基準についての表現の問題でございます。
 委員御指摘のように、産炭地域振興審議会の答申の別紙に地域指定の考え方、見直しの考え方が載っておりまして、これにつきましては、「財政力指数が相当程度高いと認められる場合」という表現と、それから単純に「高い」という表現と二つございますけれども、これにつきましては、審議の経緯からいたしまして、相当程度高いという場合には全国の加重平均以上、それから単純に高いと書いてある場合には全国の単純平均以上、そういうふうに審議の経過から言いますとこの意味合いとして事務当局としては受け取っているところでございまして……
○穐山篤君 加重と単純平均ですね。
○政府委員(土居征夫君) 加重平均と単純平均でございます。それが第一点でございます。
 それから、第二点の産炭地法以外の石炭六法、五法といいますか、こういった全体の法体系の整合性の問題でございますが、これにつきましては法律の期限の問題でずれがございまして、全体の石炭対策、石炭の財源対策、あるいは石炭鉱業合理化臨時措置法とか、あるいは離職者臨時措置法それから鉱害関係の二法、こういった石炭関係の法律につきましては、実は産炭地法よりも期限が少しございまして、来年の通常国会で御議論をいただく前提で、現在石炭鉱業審議会で、その全体につきましていわゆるポスト八次石炭対策ということで、総合的に今検討していただいているところでございます。したがいまして、この産炭地対策につきましても、この延長いただきましたものに、さらに答申にありますようにポスト八次石炭政策における追加的な対応の問題の可否について、そこで総合的に今現在検討していただいているところでございまして、その結果で全体の整合性のとれた対応がさらに図られていくものというふうに考えております。
○三木忠雄君 朝ほど参考人からいろいろな意見を伺いましたし、先ほどから法案のいろいろな審議が行われておりますけれども、私も限られた時間で何点かだけ伺って、基本的にこの法案には賛成でございますので、将来の見通し等を含めていろいろなお話を伺いたいと思います。
 産炭地域振興対策は、非常に通産省としてもあるいは資源エネルギー庁としても骨を折られていると思うんです。三十年近くに及ぶいろいろな石炭政策を進めてこられたわけでありますけれども、この三十年間で炭鉱労働者が約二十五万人ぐらいから今五千人ぐらいですか、ちょっと私の覚えている範囲内で、そういうふうな変遷があるわけでございまして、この産炭地対策とあわせて石炭政策の流れはどういうふうに変わってきたのか、それを通産省としてどういう評価をしているのか、それが第一点です。
 それから、今後の石炭政策というのは、今までの延長なのか、新たな視点に立った石炭政策を考えるのか、この点についてのお考えを伺いたいと思います。
○政府委員(土居征夫君) 石炭政策につきましては、産炭地対策も三十年実施しているわけでございますけれども、エネルギー革命が始まって以来、石炭のプロパーの対策につきましても昭和三十年代以来の長い歴史を持っているわけでございます。
 これにつきましては、きょう午前中、参考人からも御指摘がありましたように、大きく分けますと、昭和三十年代から四十年代にかけての五千万トン体制から、昭和五十年代には二千万トン体制に移行したわけでございます。特に、昭和四十年代の後半に大幅な合理化がなされておりまして、これが言ってみれば産炭地域の疲弊にも非常に大きな影響を与えているということで、石炭対策としては昭和四十年代の合理化の流れというのが一つございます。
 それから、昭和五十年代に入りましてからは、石油危機等で石油の価格が上がってきたことによりまして、石炭と石油の価格差の問題につきましても、むしろ石炭が有利になってくるという状況の中で、二千万トン体制がしばらく維持されたわけでございますけれども、プラザ合意以後の日本経済の体質の変化によりまして大幅に内外炭価格差が拡大した。そこで、現在実施しております第八次石炭政策というものが実施されまして、おおむね一千万トン程度の供給規模を目標とした現在の対策に至っているわけでございます。
 産炭地対策につきましても、そういった石炭対策の裏腹の問題でございまして、産炭地全体としては、昭和四十年代までは疲弊が非常に著しい動向だったわけでございますが、五十年代に入りまして全般的には産炭地域も回復基調ということでございます。その中で、特に集中的に八次策の影響を受けた地域が、全般的な状況とはまた逆行した形で疲弊をうんと強めておる、そういう状況でございまして、このたびこの産炭地対策について、その八次策の影響を受けた地域を中心とした対策の強化と十年延長というものを御提案させていただいているところでございます。
 石炭対策それ自身につきましては、今のように八次策の最終年度に平成三年度にかかるわけでございますが、並行しまして現在石炭鉱業審議会で、こういった長い歴史の流れを前提といたしまして基本的にこの問題をどう考えるかということについて、現在審議会で審議が進められておるという状況でございます。
○三木忠雄君 今後の問題はちょっと後にしまして、先ほどの二千万トン体制から今九百七十万トンですか、内外価格差とおっしゃられましたね。これから二〇〇〇年目指して、一億トン体制、それから二〇一〇年ですか、エネルギーの長期需要見通しからいえば一億四千万トンですか、これを維持すると。むしろ増加する傾向になってくるんですね。
 こういった場合に、内外価格差の問題、あるいは石炭企業の体質の問題、あるいは経営の問題から考えた場合に、このままの体制でいけるのかどうかということについての考え方はどうですか。
○政府委員(土居征夫君) 今、先生御指摘ありましたように、石炭の需要全体といたしましては一億トンを超える状況になっておりますが、さらにこれが一億四千万トンまで拡大していくという状況でございますが、その九割以上は輸入炭、現状においても輸入炭でございます。
 国内炭につきましては、御指摘のように今一千万トンを切っている状況でございますが、一番大きな問題は、内外炭価格差が二倍以上国内炭が高い。これが非常に大きな国民経済的な負担になっておるということでございますし、それの国民経済的な負担をしながらも、なおかつこれを支えておる石炭産業自身も非常に厳しい状況に立ち至っているということでございます。
 いずれにしても、現在石炭鉱業審議会の中でその辺についての議論がなされているところでございますので、当局としては、その答申が出て、その答申を受けた対策に取り組んでいくということになるかと存じますけれども、そういう状況の中でいろいろな意見が石炭鉱業審議会の中で議論されておるという状況でございます。
○三木忠雄君 石炭鉱業審議会の答申は当然出るでしょうけれども、それまでいろいろ意見があろうと思います。
 通産省として、あるいはエネルギー庁として、大体方向性、あるいは審議会でいろいろ議題になっている問題点があろうと思うんですね。この点について、幾分話のできる点はありますか。
○政府委員(緒方謙二郎君) 現在石炭鉱業審議会で議論をしているわけでございますが、これまでの議論の結果を、様子を大きく非常にまとめてみますと、三つの意見に分かれようかと思います。
 第一の考え方は、エネルギー政策上の観点から見て、国内炭の役割はもう終わったという認識に立ちまして、そういうことで構造調整をさらに進めて、国内炭の生産は最終的にはゼロにすべきであるという意見でございます。日本全体で石炭全体の需要はふえていくわけでありますけれども、国内炭の役割は終わった、だから最終的にはゼロにする、そこまで構造調整を続けるべきだというのが第一のカテゴリーの御議論でございました。
 それから、第二の考え方は、これとは反対に、石炭の使用量というものはさらに増加していくんだ、全体の使用量が増加していくわけですから、そういう中で国内炭も一定の供給源としての役割を存続させることがエネルギー政策上必要であるという位置づけをして、構造調整は第八次の構造調整で終了させて、現状で現存の炭鉱の存続を図っていこうという考え方でございます。現状維持という考え方。
 それから、第三の考え方は、いわばその両者の中間にある考え方でございまして、国内炭の役割というものは従来に比べて減少はしているけれども全く失われたというわけではない、そういう認識から、この九〇年代というものを構造調整の最終段階として位置づけをし、第八次対策の後も構造調整の過程を継続いたしまして、しかるべき均衡点まで経営の多角化あるいは石炭企業の新分野の開拓を図りながら国内石炭の生産の段階的縮小を図っていくべきであると、こういう意見にまとめられようかと思います。
 以上三つの御意見にくくられますけれども、現在審議会ではそれらの点以外に、需給・価格問題あるいは合理化対策の問題、それから産炭地域振興の問題、鉱害対策の問題、離職者の問題等々、多面的に検討をし、六月をめどに最終的な結論を出したいということで進めているところでございます。
○三木忠雄君 この傾向で細かく詰める質問はきょうは差し控えますけれども、実際にこの輸入炭、今二倍ですか。
○政府委員(緒方謙二郎君) 二倍以上でございます。
○三木忠雄君 輸入は二分の一でしょう。企業からいってみれば、恐らく輸入に頼った方が得だろうし、いつまでも国の命令というわけにはいかないと思うんですね、民間企業ですから。そうすると、多角的な経営ということが問題になってきています。生産性の向上という問題になってきた場合に、果たしてこの審議会が答申を出しても、また第八次と同じような、あるいはこの暫定措置法が十年間経過しますね、その十年後にまた同じことをやらなきゃいけないのじゃないかと、こういうふうな感じを私は持つんですよ。だから、そこらはこの十年で本当にこの措置法は終わって、新たな石炭政策としてどうするかというようなことを、結果をはっきりしなきゃいけないんじゃないかという、三十年間やってきたわけですからね。
 もうそれは、産炭地域の皆さん方の御苦労もいろいろあるだろうし、先ほども参考人の夕張市長さんから、五年間ぐらいで財政的にばんとやって、早く振興策をやってくれという意見もあります。確かに、それはいろいろ国の財政、何も石炭だけじゃなしに農村地域もあるだろうし、いろんな財政規模があるわけですから簡単にはいかないと思いますけれども、やはりエネルギー政策上この国内炭の問題をどう位置づけるかという問題は、私は非常に大事な問題じゃないかと思うんです。
 これは、やっぱりいろいろ犠牲もあるだろうけれども、いろいろずるずるずるずる引っ張っていってじり貧で落ちていって、結局は離職者ばっかりつくっちゃうと、こういう感じの後手後手の対策がいいのか、あるいはその前のしっかりした見通しを立てて、血は出るけれどもやはりある程度やらなきゃいけないという決断をするのか、ここの問題が私は政治の判断だと思うんです。
 こういう点は、やっぱりどうするかということを、今度審議会でいろいろ答申が出てくるでしょうけれども、まあ答申というのは大体いつも隠れみのみたいなものばっかりなんですよ。大体、合理化審議会にかけてあります、こういう学者、文化人が集まってやっていますという、責任がないわけですよ、極端に言えば。きれいごとが並ぶかもしれないけれども。だから、産炭地域も僕は中途半端な対策で苦しむだろうと思うんですよ。
 そこらの問題は、やはり集中的な財政援助をするとか、あるいは限られたプログラムをどうするかというようなことをしっかりここで、もう三十年もたったんですから、まあ八次策は別にしまして、こういう問題を今回ははっきりしなきゃならないときじゃないかという、私は素人ながら感ずるのですけれども、この点についていかがですか。
○政府委員(土居征夫君) 今度の産炭地法の延長につきましては、これは過去の第八次石炭政策までの対策を前提として十年で対策を講じろ、そういう話になっておるわけでございます。御指摘のように、現在まだ稼行炭鉱がございまして、この稼行炭鉱の今後の問題も含めて、ポスト八次策の方向について現在石炭鉱業審議会で議論が進められておるところでございます。
 議論の内容につきましては、先ほど長官が大きく分けて御説明したようなことでございますけれども、今委員御指摘のように、基本的にこういったいろんな議論の中では、例えば産炭地対策についても、従来のような合理化が進んだ後の事後対策ということではなしに、もっと先手を打って事前の対応を進めるべきだという議論も非常に強く出されております。こういった観点も含めて、今委員御指摘のような点もかなり審議会の中では議論として出てきておるというふうに承っております。
 いずれにしても、六月答申ということで今春議会も議論を進めておりますところでございますので、先生の意向も踏まえながら、この審議会の答申を見守ってまいりたいというふうに考えております。
○三木忠雄君 なかなか難しいことはよくわかるんですよ。我々も政治家としてあちらこちら難しい問題いろいろある。
 例えば、昨日から肉の自由化になったんですよ。自由化になったけれども、これは問題が違いますけれども、関税が七〇%ですよ。生活をしている消費者の立場に立った場合に、肉の自由化になったから相当安いぞ、こういう先入観があるわけです。石炭も同じですよ。国内一割で九割輸入しているわけです。相当生活者の立場に立った場合には、もう少し安いエネルギーが供給できるのじゃないか。いろいろ工夫があるだろう。畜産振興事業団の管理が今度なくなりましたけれども、牛肉の場合は。いろんな問題で、輸入の関税の問題だ、割り当ての問題だ、いろんな障壁があるわけですから、これは国内産業の保護という問題が私は十分あろうと思うんです。
 だから、この石炭に対して、国内炭が本当にこれからやっていける見通しがあるのかどうかということは、エネルギー安全保障の問題がすぐ出てくるのですけれども、これは外交政策上の問題です。やっぱり国際社会の中で生きていかなきゃならないわけですから、何もかもだめだかんだなんて言ったら、これは私はもう何のための貿易政策なのか。通産省は音頭を取らなきゃならない部局じゃないかと私は思うんです。
 だから、そういう点でやはり国内炭の需要の確保の問題とか、あるいはエネルギー政策上国内炭の位置づけをどうするかというようなことを、これは審議会もあるでしょうけれども、エネルギー庁長官の個人の考え方は、どういう考え方を持っているか伺いたい。それを言ったからといって、後でつかまえてどうこうしないから。
○政府委員(緒方謙二郎君) 大変難しい問題でございます。先ほど先生がお述べになりましたように、日本の国内炭はかって五千万トンの規模があったものが、現在では一千万トンを割るレベルまできています。したがいまして、これ以上縮小して、ある規模を維持するということが経済的な単位として非常に難しくなりつつございます。非常に難しいけれども、それを維持していくことがエネルギー政策上本当に不可欠なのかどうか。現状では、日本のまあ石炭の需要がふえているわけですが、その中では一割。それから、日本の一次エネルギー全体から見ますと、国内の石炭というものは一・五%を占めているにすぎません。そうしますと、セキュリティーという観点から、非常に高いコストを払ってこれを維持していくことに全力を挙げなければならないのかというのは、非常に議論のあり得るところでございます。
 したがいまして、先ほど御紹介したように、それではもう国内炭の役割は終了したんだから、最終的には生産をゼ口にすればいいんだというふうに割り切っていいものなのかどうか。そこは、なおやはりエネルギー政策上の問題に加えて、地域政策上の問題もございますし、これまで三十年間進めてきた構造調整の問題があるわけでございますので、そこはもう少し英知を集めて、長官の個人的な知恵というよりは、やはり関係者の衆知を集めて御議論いただかなければいけないなということで、今御議論をいただいているところでございます。
○三木忠雄君 まあそこらの問題いろいろあると思います。
 日本の国内炭生産の技術開発等によって、今の生産性の二倍、三倍に上がるという見通しはあるのですか。生産の技術開発を例えばやったとして、二倍、三倍の効力はあるのですか。
○政府委員(土居征夫君) 日本の石炭鉱業の合理化につきましては、これまでの合理化臨時措置法によりまして非常に大きな進歩がありまして、現在の生産の効率につきましてはぎりぎりのところまできているというふうに考えておりまして、二倍以上ある内外炭価格差を今後の生産能率の向上によって、それだけによって克服するというのは非常に難しいというふうに判断しております。
○三木忠雄君 そうすると、企業の多角的な経営、こういう形になってくるのですね。わかりました。
 それでは、次に財源確保の問題です。やはり輸入炭との格差が相当大きい、石特会計だってこれはちょっと大変じゃないか、こう考えるのですけれども、この落差はどういうふうな形でこれから対応していくのか。石油業界に言わせてみれば、輸入関税だとか石油製品で関税取られてこうだああだという意見もいろいろあるし、消費税のときにも二重課税の問題で随分私たちも石油業界からの陳情も受けたときにいろんな意見もございました。
 そういう点で、やはり内外価格差の分に対する石油関税の問題というのは、このまま維持し続けていかれるのかどうか。あるいは、石油製品の関税という問題、輸入炭が九割を占める中で石炭の輸入に対する関税というのですか、こういう形で新しい財源措置を続けていくのか、こういう点もいろいろ議論しなければならない問題じゃないかと私思うんですけれども、この点はいかがですか。
○国務大臣(中尾栄一君) 先ほど来、三木委員から非常に政策的、政治的、あるいはまた財政的な問題が出ておりますので、感想を含めまして少しく述べてみたいと思います。
 確かに、食糧でも食糧安保という言葉も聞いて古い言葉でもございますし、例えば米のように国会決議をしておるのは、これはある意味においては、日本の国の全体的なパーセントから見て、日本の国自体が自給率として保てるものは米だと、こういう一つの認識が前提にございまして、これだけは守り抜くぞという一つの姿勢があるわけでございましょう。しかし、さはさりながら、同じ農業の問題でありましても、昔グレープフルーツをちょうど私も何か輸入をするときの政務次官で、十八年前かと思いましたが、そのときには、輸入をしたらば相当に日本のほかのみかんやその他が食われる、こう言われましたけれども、十万トン輸入しても十五万トン輸入しましても余り食べる人がおりませんで、結果的には安保にむしろつながっていって、そして助かったような感じもございます。サクランボにしてしかりでございました。
 そのようなことを考えますると、先ほどエネルギー庁長官が言いましたように、三つのカテゴリーがあって、一つは言うなれば安楽死ということもおかしな話でございますけれども、ずっと見守ってこのままいくのが是なのか、あるいは輸入に全面的におんぶにだっこで頼って、そして二倍以上も開かれているという価格差を是正しながらも、なおかつ活力を国際間に求めていくというのが是なのか、あるいはまたその中間をとっていくのが是なのか、これは非常に難しい。いよいよ六月に答申が出たときにも、この点は私ども、相当英知を絞った見解を先生方からもいただいておりますから、これを敷衍的に申し上げなければいかぬという気持ちで私も使命を感ずるわけでございます。
 しかし、財源の問題におきましては、現在、今後の石炭政策のあり方について石炭鉱業審議会で御検討賜っておるところでございますから、これはちょっと私自身もそれを見ないことには何とも言えませんけれども、同審議会の検討結果を待ちまして、関係業界、財政当局の意向も踏まえつつ、なおかつ先般もここで御指摘賜りましたので、早速自治大臣と労働大臣には私からもこのような形で協力を願うということを申し入れておきました。そういう観点において御両者ともどもわかりましたということで、現在鋭意省内で検討中かと聞いておりますけれども、そのすり合わせをしながらやっていきたい、このように考えておる次第でございます。
○三木忠雄君 もう余り時間がありませんので、一点技術開発の問題で伺っておきたいのです。
 先般もNHKのテレビでしたか、CWMですか、コール・ウオーター・ミクスチャー、石炭を粉にして油とか水をまぜて、そして燃やすというのですか、缶に詰めて中国かなんかもこれから合弁企業やって持ってくるというのです。あるいは岡山ではプラント第一号を今やっている。こういうような感じで、一バレル二十五ドル程度でできる、こういうような話、これはどうか知りませんよ、いろいろテレビで私は直観的に見たものですから。
 そういう形になってきますと、石油の危機だと、こういう問題で、今バレル十九ドルか二十ドル前後ですよね。アメリカのテキサス等でやっぱり十八ドルから十九ドルになれば石油掘って採算合うのじゃないかと、こうアメリカも言っているわけです。こういう点から考えますと、二十五ドル、多く普及すればもっと下がるのじゃないか、こういう点から考えたら、この石炭の利用技術開発というのは、非常におもしろいといったら言葉が悪いかもしれませんけれども、非常に重要な問題じゃないか。
 また、国際的な石炭が日本の価格の半分という問題から考え、輸送のコストあるいは石油の中東のこういう問題を考えたときに、やはり危機対策の面から考えても、これは非常に早く進めるべきじゃないかという直観的な問題でありますけれども、こう感ずるわけなんです。
 このCOMだとかCWMとか、こういう問題の技術開発については、どこまで進んで実用化はいつなのか、こういう点について伺っておきたいと思います。
○政府委員(土居征夫君) 先生から御指摘ありましたCOM、コール・オイル・ミクスチャー、それからCWM、コール・ウオーター・ミクスチャーといった石炭についての流体化技術でございますが、特にCWMにつきましては、昭和五十五年から基礎研究に取り組んできたわけでございますけれども、今委員から御指摘ありましたように、もう基礎研究の段階は終了いたしまして実用化段階に入りつつあるということで、実証プラントだとか、あるいは流通中継システムというような形でいろいろなモデル事業が実施されつつあるという状況でございます。
 したがいまして、この辺につきましては、今また委員から御指摘ありましたように、石油価格との相対関係で今後の普及が見込まれていくわけでございますが、いずれにしても二十五ドルあるいは二十ドルを超えるような石油価格になった場合には、コスト的にも十分引き合うという形で普及が大幅に進むというふうに考えておりまして、いろいろなエネルギー政策の中で、石炭の利用拡大の非常に大きな柱としてこのCWMの普及促進については、各種の準備あるいはモデル実験等を進めておるところでございます。
○高崎裕子君 エネルギー政策上唯一の国内資源として貴重な国内炭を維持発展させていくということは重要な課題です。と同時に、いわばその裏腹の関係にある産炭地振興対策も基本的には国内炭を維持発展するということと矛盾する性格のものではないわけです。しかし、現実には炭鉱は次から次とつぶされているということで、産炭地振興対策を考えていく上でこの状況を正確に見る必要がある、こう思うわけです。なぜならば、これはもう国のエネルギー政策上、政府が国内炭を閉山、縮小していった、この路線を進めているということが極めて重要だからなわけです。この点を十分踏まえて振興対策が練り上げられていかなければならないという、この立場から具体的にお聞きしたいと思います。
 まず、八次策の閉山、縮小によって産炭地は大変深刻な状況に追い込まれているという問題ですが、八次策の始まる前年の六十一年ないしは六十年から現在どういう状況になっているか、私ども空知の五市を中心に調査もいたしましたが、人口については、空知五市一町で六十一年度から四年間で約二万五千人、二五%も減少、特に夕張市では九千六百人、四四%も実に減少している。上砂川町でも二千三百人、これは三五%の減少になっています。
 また、商業で見ますと、商店街が大きな影響を受けている。芦別市では四十五件が減少しているし、売上額で見ると実に八十二億円の大幅減少ということになっています。
 それから、財政水準で見ますと、財政力指数、これで上砂川町は〇・一六六、歌志内で〇・一七三。ちなみに、元年度の全道平均が〇・四三二ですから、これの半分以下ということになっています。また、地方債の残高、借金ですね、五市一町の合計が六百六十一億円と、この三年間で百三十億円もふえている。自主財源の地方税が毎年どんどん低下して、歳入に占める割合というのは、上砂川町で見ると一七%から五・八%になって、歌志内市も七・四%。
 特徴的なことをこれだけ見ても、大変深刻な状況になっているというふうに思うわけですけれども、まずこれについての認識はいかがでしょうか。
○政府委員(土居征夫君) 産炭地域全般につきましては、先ほどちょっと御説明いたしましたように、昭和五十年代を境に全般的には回復基調という中で、いわゆる八次策影響地域につきましては、最近の五年間の石炭の合理化、こういったものが影響いたしまして、全体の傾向とは全く逆に非常に厳しい状況になっているということでございます。今お話がありましたような財政力指数その他で見ましても、そういった傾向がこの八次策影響地域については読み取れるところでございます。
○高崎裕子君 産炭地振興対策を真に実効あらしめるためには、裏づけとなる自治体の財政負担の軽減と対策に尽きると言っていいと思うんですが、その対策の中で中心となる臨時交付金についてお伺いします。
 まず、北海道と全国の実績ですが、六十一年度は、北海道は十四億五千五百万、全国で三十六億四千九百九十万、それから元年度で、北海道は十八億三千万、全国で三十九億六千五百万ということですが、このとおりですね。
○政府委員(土居征夫君) 六十一年度、それから元年度についての全国、北海道の数字は、今委員から御指摘をいただいた数字のとおりでございます。
○高崎裕子君 次に、炭鉱に対しての補助金ですが、これも六十一年度、北海道は百九十三億五千万、全国が二百五十九億九千万。元年度で、北海道は九十四億八千五百万、全国が百六十三億六千四百万ということで、このとおりですね。
○政府委員(土居征夫君) ちょっと聞き漏らしましたけれども、昭和六十一年度、全国で二百五十九億九千万、北海道は百九十三億、元年度で百六十三億六千万、これは全国でございますが、北海道が九十四億八千万、そういうことでございます。
○高崎裕子君 最初に述べましたように、国のエネルギー政策で炭鉱がつぶされた。その結果、生きた炭鉱への補助金が、六十一年度と元年度の比較で、全国で九十六億二千六百万、約三七%減少しております。北海道分で見ますと、同様に九十八億六千五百万減少、これは五一%の減少となっています。一方、そのあとの対策としての産炭地振興対策の臨時交付金ですが、全国ベースで、六十一年度から元年度ではわずか三億一千五百万ふえただけで、北海道分で見ますと、同様に三億七千五百万ふえただけという、こういう数字になっております。
 北海道で見た場合、八次策に入って生きた炭鉱への補助金が約九十九億円減らされる。他方、臨時交付金はわずか三億七千五百万円ふえただけである。こう見てきますと、生きた炭鉱の減少分というのは、ある意味では浮いたお金ということになるわけですから、すべてとは言いませんけれども、今度八次策影響地域については重点的かつ強力な支援策ということですから、もっと臨時交付金に手厚く検討すべきというふうに考えるのですけれども、この点はいかがでしょうか。
○政府委員(土居征夫君) 臨時交付金を含みます石炭勘定における産炭地対策の予算は、八十三億円を平成三年度計上しているわけでございます。これは、御承知のように平成三年度予算につきましては、鉱害対策あるいは石炭の合理化対策、全体として石炭勘定における借入金の返済のために百億を超える減少になっているわけでございますが、この臨時交付金を含みます八十三億の石炭勘定の産炭地対策につきましては、全体が減少する中で若干の増加の措置をとっているところでございます。
 実は、この産炭地対策につきましては、石炭勘定の臨時交付金を含むこの八十三億の予算だけでございませんで、御承知のように、先ほど来ございます自治省あるいは関係各省のかき上げ措置、あるいは交付税に対する特例といったものもございますし、さらにはこのたび特に来年度予算では、一六%を超える増加をいたしました地域公団によります団地造成とか融資、こういった措置も八次第影響地域を中心として二百八十一億を計上して、しかも大幅に伸ばすというような状況になっているわけでございます。
 したがいまして、全体として石炭対策の中で、生産合理化関係の予算が一方では生産規模の縮小に伴いまして減少するという状況にあるわけでございますが、相対的に地域対策については、その中でむしろ対策予算は増加傾向にあるというふうに受け取っていただきたいと存じます。
○高崎裕子君 臨時交付金の中で八次策に入ってアップした額を見て約四億ですね、五億弱ということでしょうか、ということで、やっていらっしゃることはそれなりに評価しているわけですけれども、八次策影響地域に重点的かつ強力なということ、そして国の政策で炭鉱がつぶれたということを考えた場合に、所管庁である通産省が本当に財政的に責任を持っていただきたいということがあるわけなんですよ。
 炭鉱がつぶれて影響を直接かぶった五市一町の空知は、本当に深刻で、地方税が約二十億円も減少となっているわけです。加えて、自治体の借金というのは平成一年度で六百六十一億円、これは実に膨大な数字です。もっと具体的な例で見ますと、夕張市ですけれども、自主財源である地方税の低下は非常に著しいもので、六十一年度の二十一億三千八百万円から平成二年度で十四億五百万円、収入総額に占める割合というのは一三・四%から七・八%にもう激減しているのです。これは歳入比率の低下がひどいし、経済的疲弊をも端的にあらわしているわけですね。これが地域振興対策を進める上で自主的な財源不足ということを意味している。地方債の残高が平成一年度で二百十九億です。公債費比率は平成三年にはついに二一%ともう限界になっているわけです。
 ここで歳入の弱さということが示されるわけですが、こういう閉山に伴って自治体の財政力が大きく弱まっていることに対して、第一義的に対応するのが通産省で、したがって臨時交付金であると。ですから、今後一層の基準額のアップと調整額のアップということで、これを拡充する方向でぜひ検討していただきたいと思いますが、この点はいかがでしょうか。
○政府委員(土居征夫君) 臨時交付金の問題、特に八次策影響地域について臨時交付金を中心とした自治体の財政支援の強化を図っていくという話につきましては、今先生からも御指摘がございましたが、産炭地域振興審議会の答申におきましても、今度の延長に際して、一方では地域の見直しを行うと同時に、この八次策影響地域に対する対策を強化すべきである、特に、この八次策影響地域に対する対策の中でも、自治体の財政支援対策を強化すべきであるという答申をいただいております。
 平成三年度予算につきましては、今御説明したように、若干の閉山基準額のアップ等、八次策影響地域への傾斜配分を強めた改正をさせていただいておりますけれども、平成四年度以降につきましては、いずれにしても財源問題等難しい問題がございますけれども、この答申の趣旨を体して、さらに八次策影響地域に対する、特に自治体の財政支援措置については、検討を続けさせていただきたいというふうに考えております。
○高崎裕子君 重点的かつ強力な支援策にふさわしい内容を期待しております。
 次に、自治省にお尋ねいたします。
 交付税の産炭地補正ですけれども、補正額で見ますと、昭和六十三年度から平成二年度の道全体の合計額が五億九千四百万円と、産炭地域にとっては非常に重要な役割を果たしているということがこの数字を見ても明らかなんですが、この産振法の期限が平成三年十一月までということで、それに見合って平成四年までの措置ということになっています。これはもうほとんど交付はゼロに近いのですけれども、もともと国のエネルギー政策上での閉山、縮小ということで、今度地域振興のためということで法律が必要だということで延長になったわけですよね。
 したがって、この延長が決まれば、当然それに見合った措置として、引き続きこの産炭地補正ということが措置されるべきものと考えるわけですけれども、いかがでしょうか。
○説明員(谷本正憲君) 委員から御指摘のございましたいわゆる産炭地補正でございますが、この補正につきましては、産炭地域の市町村の財政状況等を勘案いたしまして、いわゆる鉱業人口の減少、これに伴います財政事情の激変を緩和するということで、私ども暫定措置という形でこれを設けたわけでございます。
 これにつきましては、実は昭和六十三年度にこの制度の見直し等を行いまして、平成三年度までというのを平成四年度までさらに一年延長したという経緯がございます。平成四年度でこの措置が実は終わるということになっておるわけでございます。いずれにいたしましても、平成三年度、平成四年度まではこの措置を継続していくということになろうかと思います。
○高崎裕子君 法が延長されたら、その後のことですけれども、ほうっておくわけにはいかないと思いますが、その点はいかがですか。
○説明員(谷本正憲君) 私ども、この産炭地補正につきましては、ただいま申し上げましたように、いわゆる鉱業人口の減少に伴います財政事情の激変を緩和するという趣旨から、いわば暫定措置という形でこれを設けたわけでございますので、平成五年度以降のこの取り扱いということにつきましては、まだ現在具体的な検討は全く行っていないということでございます。
 仮に、これを検討いたしますことにした場合におきましても、この産炭地補正の制度、先ほど申し上げましたこの制度の経緯なり性格というものを私ども念頭に置きながら、対応してまいることになるんではなかろうかというふうに考えております。
○高崎裕子君 もうぜひ、法が延長になるわけですから、その点を踏まえて検討していただきたいと思います。
 あわせて、短期人口急減補正について、これは毎年省令を改正して平成三年度も検討しておられるわけですけれども、国の政策で炭鉱がつぶれて人口が減るということですので、激変緩和措置という形でこれも必要な措置と思うのですけれども、この点はいかがでしょうか。
○説明員(谷本正憲君) 御指摘の短期急減補正でございますが、これは特に炭鉱ということには私ども限っていないわけでございますが、炭鉱の閉山なりあるいは造船不況等のいわゆる企業不振等によりまして、人口が短期間に急激に減少した市町村につきまして、不用となる公共施設の除去でございますとか、そういう施設にかかります起債の繰り上げ償還等臨時的かつ緊急の需要が生じるであろう、これが市町村の財政を圧迫するということが考えられるということで、単年度限りの措置として設けたわけでございます。
 平成三年度につきましては、現在、別途地方交付税法の一部改正法案を国会にて御審議いただいているところでございますので、具体の中身につきましては今後検討していくということになろうと思いますが、平成三年度につきましては、この短期急減補正につきましては、その存続というものを私ども十分念頭に置いて、今後検討してまいりたいというふうに考えております。
○高崎裕子君 平成三年度はもう当然ということを前提で、四年度以降これもぜひ検討していただきたい。
 次に、指定解除についてお尋ねします。答申では、先ほど緒方長官が言われましたけれども、「一定期間(例えば五年)が経過する時点で地域指定の見直しを行う」、答申でこうなっているわけですから、五年後の時点で、解除ではなくて、見直すということだということですね。
○政府委員(土居征夫君) 地域の指定の件につきましては、先ほど資源エネルギー庁長官からお話を申し上げたとおりでございます。その中で、法延長時の地域の見直しにつきましては、一定の猶予期間を置いて指定を解除すべきである、そういう答申になっております。さらに、それ以外の旧産炭地域につきましては、おおむね例えば五年程度の一定期間経過後に、地域の指定の見直しを行うべきであると答申になっているわけでございます。
 これにつきましては、午前中の笹生参考人の御意見にもありますように、産炭地域振興審議会の審議の中では、こういった旧産炭地域につきましては、閉山から長期間もうたっておるということ、それから産炭地対策が本来有する時限的な性格、こういったものにかんがみまして、この一定の例えば五年という期間について振興対策の目標年次を設定して対策を行い、その期間経過後に見直しを行うべきであるという趣旨につきましては、そういったことからその時点で原則として指定を解除すると。ただ、見直しということになっておりますので、その時点での判断によってなお延長の可能性というのは否定しないけれども、基本的に見直しというのはそういう意味である、そういうふうに我々としても受け取っております。
○高崎裕子君 衆議院の石特で、これは三月七日ですけれども、岡田議員の質問に対して、今言われたように、答申の趣旨は五年後に解除をするという考え方で見直しというふうに言われておりますけれども、答申自体にはそんなことは全く書かれていないわけですね。
 ですから、今そういうことであれば、五年後に解除というふうに書くべきであって、そうではない、あくまで見直しと、法ができてそして審議会でこの見直しについて判断をしていくということですから、通産省として、今言われたようなことではなくて、答申の見直し、答申を踏み越えたことではなくて、見直しということで、あとは審議会の判断に任せるべきだというふうに思うのですが、いかがでしょうか。
○政府委員(土居征夫君) 基本的には、この法律の延長後開かれます産炭地域振興審議会におきまして、最終的にこの基準が確定するということでございますので、その審議の結果にまちたいということでございますけれども、要するに見直しという表現でございますので、解除そのものではないということで、要するに延長される可能性ということは当然中に入っているわけでございます。その見直しの意味につきましては、昨年の審議会の答申までの審議の経過、それから参考人の意見、こういったことを踏まえまして、先ほど申し上げましたように受け取っておるということでございます。
○高崎裕子君 答申があくまで見直しということですから、見直すということで審議会の判断に任せるべきだということを強く言いまして、次の質問に移ります。
 宗谷、留萌の両圏域ですが、宗谷の豊富町、留萌の羽幌町、いずれも六条町村というこの代表例で実態を見てみたのですが、人口の減少は続き、商業の動きも三年間で豊富は六件減少、販売額は三十一億円の減少と二五%減なんです。羽幌も同様に十五件、十五億四千万円の減少。そして財政状況も極めて深刻だと。財政力指数が毎年減って、豊富で〇・一六九、羽幌で〇・二一四、地方税も歳入に占める割合が、豊富で七・八%、羽幌で一一・八%、地方税も毎年低下し続けている。そのため、借金残高が、豊富で四十四億七千三百万、地方税の十倍以上、羽幌も五十五億六百万、地方税の七・二倍と大きな借金を抱え込んでいる。
 これで産炭地指定を外すとなると、豊富は一億四千二百十三万と町の収入の三〇・五%を占めている、羽幌も四千八百三十二万と収入の一二・一%を占めて町の財政の影響は大きいということで、私が指摘した指標など、自治体の財政、経済状況等を総合的に考慮した基準にするよう十分検討していただきたいと思いますが、この点はいかがでしょうか。
○政府委員(土居征夫君) このたびの産炭地域振興臨時措置法の延長に際しましては、十年延長ということでございますが、当然その前提として地域の見直しを行うべきという答申になっておりまして、その炭鉱の閉山からかなり長期間たっておりますいわゆる旧産炭地域につきましては、法延長に際しての解除と同時に一定期間経過後の見直しということが答申されているわけでございます。
 その考え方は、要するに閉山による疲弊からの回復というのも一つのめどでございますけれども、同時にその閉山からの、疲弊からの回復がなされていなくても、炭鉱の閉山による影響がその地域の足を引っ張っているものがどの程度であるのか、そういう観点から、現在の地域の疲弊度にかかわらず、地域の見直しを行うべきである、そういう答申をいただいております。
 具体的な地域の問題につきましては、法延長後の審議会での議論ということになるかと思いますけれども、その後産炭地対策が実施された後、過疎地域活性化法その他一般的な地域振興立法もいろいろできてきているということからしますと、そういう回復の度合いとの問題とは別に、炭鉱の閉山の影響の希薄化といった観点から見て、この影響が著しく希薄化した地域については、むしろ一般的な他の地域振興対策にゆだねていくべきである、そういう答申をいただいておるということでございますので、そういったところを踏まえながら、その法延長後の産炭地域振興審議会での基準づくりについては、審議を見守らせていただきたいというふうに考えております。
○高崎裕子君 それでは、実施計画についてまとめてお尋ねしますが、産炭地振興にとって、疲弊から脱して経済回復させるという点で非常に重要になっているわけで、累積閉山量のみで五年までだということから出発すると、産炭地振興の役割は否定することになって、最大の財政力指数さえ関係なくなってしまうわけですね。
 ですから、実施計画の性格というのは、その地域の人口、生活保護率、商業の動き、工業出荷額、そして財政力など財政経済指標が回復し、ある水準まで達することを目指した計画でなければならない、そういう振興対策でなければならないと考えますが、この点はいかがでしょうか。
 そして、今回知事が原案をつくって、関係市町村の意見を聞くということで、これは結構なことだと思うのですけれども、地元の意見が原則的に反映されないと、尊重されないと意味がないということで、実施計画を策定する過程で国が財政的な裏づけを持つということが極めて大事になっておりますが、この点はっきりさせていただきたい。
 関係市町村が一番危惧しているのは、実施計画は作成したと、しかし財政的な裏づけがないからと、どんどん縮小された計画で細々とした計画に結果的にはならないかと。真の振興にならない計画で、そして十年たっても結局実効性は上がらなかったと。しかし、今度は国がお仕着せたのではなくて、地元が意見を上げて知事が一緒につくったのだと。だから、これで打ち切りになるのじゃないかということを物すごく心配されているわけです。ですから、そうではないということで、その点はっきりさせていただきたいと思います。
 そして、あと大臣に最後にお尋ねしたいのは、旧炭鉱跡地の整備で、抵当権などの担保が設定されている場合に、なかなか土地が利用できないという問題がありますが、国が介入して努力せよという答申をいただいているという、衆議院での御答弁もございました。
 開銀とかNEDOなど、政府系の機関であれば、過去に指導して解決した例もありますし、ぜひ積極的にお願いしたいし、炭鉱所有地の取得など、環境整備についての自治体の負担軽減等々、財政的な支援、重点的かつ強力な支援策にふさわしいものを、関係省庁にも地方債の補充措置とかかさ上げという点で、ぜひ所管庁としての責任を持った対応をしていただきたいということで、最後に大臣の決意もあわせてお願いいたします。
○政府委員(緒方謙二郎君) 実施計画につきましては、先ほどもお答えをいたしましたように、地元のニーズ、実情に一番合いますように、地元の道県知事が関係の市町村の意見を聞いて原案を作成し、それを財政の裏づけが必要でございますので、関係省庁と連絡をとりながら通産省で決定する、こういうメカニズムにしたわけでございます。関係省庁の協力を得ながら、また関係の道県知事とよく連絡をとりながら、地元のニーズを生かし、地元の自主性というものを尊重し、本当に地元の発展に寄与するような実施計画をつくるように、最大限の努力をしてまいりたいというふうに考えております。
 それから、跡地利用に際しての抵当権等の私法上の債権の問題でございますけれども、これらは基本的には私法上の問題ということでありますけれども、審議会の答申におきましても、金融機関と担保所有者との間の債務処理の過程での個別事情を十分考慮しつつ、産炭地域振興の観点から、問題解決の促進に向けてあっせんに努めるべきであるというような趣旨の答申をいただいておりますので、この答申の趣旨も踏まえまして、問題の解決に向けて努力をしてまいりたいと考えております。
○国務大臣(中尾栄一君) 高崎委員の御指摘でございますが、これはもう、しかもなおかつその地域まで大変に御勉強なさり知悉して、そしてこのような御質問に当たっておるわけでございますから、大変に傾聴させていただきました。
 先ほど、穐山委員よりも、また三木委員からも、他の省とも十分連動しながらやれと、こういうことでございましたから、衆議院の石特の話が先ほど出ましたけれども、そのときにも私は早速行動をとらせていただきまして、小里労働大臣あるいは吹田自治大臣等にも早速この点を申し上げまして、このような強い要請があるから、三省だけにとどまらないわけでございますけれども、お互いに三省だけでもこの問題点を結束して、この問題の六月の答申に向かっても解決にいそしんでいこうではないか、こういう申し合わせはしたつもりでございますし、その作業も行われる予定でございます。
 そこで、先ほどエネルギー庁長官の方から、この担保分離の取り扱い等々の問題を含めて、本来の債権者たる金融機関と担保所有者との間の私法上の問題であるとはいうものの、この問題点についてもお話がございましたから、私は多少抽象的にはなりますけれども、この深刻な影響を受けている状況に関しましての考え方、認識なども述べてみたいなと思うわけでございます。
 考えてみますると、過去三十年間近くにわたります産炭地域振興対策の結果、多くの産炭地域におきましては、基盤整備あるいは企業誘致等におきまして、相当程度の進捗が見られているとのことではございますけれども、特に第八次石炭政策下では、閉山・合理化の過程における炭鉱の所在する産炭地域において、今日なおさらなる人口の減少あるいはまた地方公共団体の財政の逼迫などの問題は抱えているものだなということを、先ほど来のいろいろの討論の中でも感じとった次第でございます。
 なおかつ、地元の声を大事にして、地元の地域、市町村あるいは知事等の声を十分に反映する施策を第一原則にしなければいかぬぞというお言葉も身にしみるものでございます。このためには、産炭法をさらに十年延長することといたしまして、また現行産炭法の対象地域の間での財政力、あるいはまた石炭鉱業の不況による影響度等の大きな差が見られることにかんがみまして、地域指定の見直しをまず行おうではないか。そういうもとに、第八次石炭政策影響地域等を中心とする対策の拡充にこれ努めていくことが第一課題であるなと、このような認識に立つものでございます。
 そのような方向で、全力を挙げて六月の答申を待ちながらも、なおかつ先ほどの長官の言った三つのような段階もございますが、踏まえまして、私ども全力を投球することをお約束申し上げたいと思っておる次第でございます。
○委員長(名尾良孝君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
    ─────────────
○委員長(名尾良孝君) 次に、商標法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。中尾通商産業大臣。
○国務大臣(中尾栄一君) 商標法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 近年におけるサービス取引の発展には著しいものがあり、サービス事業者がその提供するサービスについて使用する標章であるサービスマークの重要性が高まっております。
 また、経済活動の国際化が進む中で、サービスマークについて登録制度が導入されていないために外国の事業者の使用するサービスマークが我が国で適切に保護されていないとの海外からの批判も高まってきております。
 このような状況に対応して、商品について使用する現行の商標と同様に、サービスマークを登録制度のもとで保護することにより、サービス事業者の業務上の信用の維持及び需要者の利益の保護を図るため、今般、本法律案を提案した次第でございます。
 次に、この法律案の要旨を御説明申し上げます。
 まず、商標の定義の改正であります。商標の定義を現行の商品について使用をする標章から商品または役務について使用をする標章に拡大することにより、サービスマークについても商標法に基づく登録制度の対象とすることとしております。
 さらに、制度の導入に際し既存のサービス取引秩序が混乱することがないよう以下のような経過措置を講ずることといたします。
 第一は、本法施行後六カ月が経過する前から不正競争の目的でなくサービスマークを使用している者については、登録をしなくてもそのサービスマークをそれまで使用していた業務の範囲内で引き続き使用できることといたします。
 第二は、本法施行後六カ月間内になされたサービスマークに係る商標登録出願については、その出願日の先後は問わず同日出願扱いとすることといたします。
 第三は、本法施行後六カ月間内に、相互に抵触するサービスマークに係る商標登録出願が複数なされた場合には、既に使用されているサービスマークを、いまだ使用されていないサービスマークに対して優先的に登録することとする等所要の措置を講ずることといたします。
 以上がこの法律案の提案理由及びその要旨であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げる次第でございます。
○委員長(名尾良孝君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日行うこととし、本日はこれにて散会いたします。
   午後四時四分散会