第120回国会 商工委員会 第9号
平成三年四月二十五日(木曜日)
   午前十時開会
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  出席者は左のとおり。
    委員長         名尾 良孝君
    理 事
                斎藤 文夫君
                前田 勲男君
                梶原 敬義君
                井上  計君
    委 員
                岩本 政光君
                大木  浩君
                合馬  敬君
                藤井 孝男君
                向山 一人君
                山口 光一君
                穐山  篤君
                谷畑  孝君
                浜本 万三君
                吉田 達男君
                広中和歌子君
                三木 忠雄君
                市川 正一君
                池田  治君
                今泉 隆雄君
   国務大臣
       通商産業大臣   中尾 栄一君
   政府委員
       通商産業大臣官
       房総務審議官   高島  章君
       通商産業大臣官
       房商務流通審議
       官        坂本 吉弘君
       通商産業省産業
       政策局長     棚橋 祐治君
       中小企業庁長官  高橋 達直君
       中小企業庁小規
       模企業部長    江崎  格君
       建設大臣官房審
       議官       内藤  勲君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小野 博行君
   説明員
       自治大臣官房審
       議官       松本 英昭君
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  本日の会議に付した案件
○大規模小売店舗における小売業の事業活動の調整に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○輸入品専門売場の設置に関する大規模小売店舗における小売業の事業活動の調整に関する法律の特例に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○特定商業集積の整備の促進に関する特別措置法案(内閣提出、衆議院送付)
○民間事業者の能力の活用による特定施設の整備の促進に関する臨時措置法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○中小小売商業振興法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
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○委員長(名尾良孝君) ただいまから商工委員会を開会いたします。
 大規模小売店舗における小売業の事業活動の調整に関する法律の一部を改正する法律案、輸入品専門売場の設置に関する大規模小売店舗における小売業の事業活動の調整に関する法律の特例に関する法律案、特定商業集積の整備の促進に関する特別措置法案、民間事業者の能力の活用による特定施設の整備の促進に関する臨時措置法の一部を改正する法律案、中小小売商業振興法の一部を改正する法律案、以上五案を便宜一括して議題といたします。
 五案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○梶原敬義君 五法案に入る前に、通産大臣に掃海艇の問題で見解をお伺いしたいと思います。
 政府は、二十四日の夜、安全保障会議に引き続きまして臨時閣議を開いて、海上自衛隊掃海艇のペルシャ湾への派遣を正式に決定をされた、このように伝えられております。
 私は、海部総理の政治姿勢をずっと見ておりますと、その他の項というのを非常に拡大解釈をしてみたり、あるいは今回自衛隊法の三条と九十九条というのはこれは無関係だ、こう言っておったり、非常に法律の拡大解釈というかあるいはねじ曲げというか、そういう姿が次々に見えてならない、国会軽視も本当に甚だしい、このように怒りを覚えております。
 私は、ペルシャ湾に掃海艇を出す必要があるというならば、当然法律改正をし、国会に諮って堂々とやるべきだ、このように考えておりますが、通産大臣としてはいかがにお考えでしょうか、お尋ねします。
○国務大臣(中尾栄一君) 掃海艇の今回の措置そのものは、我が国のみならず各国の船舶の航行の安全の確保とか、あるいはまた被災国の復興に寄与するものであるということで、大きな意義を持つものではないかと私どもは考えておる次第でございます。
 何といいましょうか、今いろいろと委員から言われた御指摘はわからないわけではございませんが、既に戦争は終結をしたという認識の中において、そのような意味で世界各国がそれぞれの立場で、航行路線においては協力をしていこうという意識がいやが上にも高まっておるようでございます。それで、特に日本の姿が見えない。見えないというからこそ、私どもは百二十億ドルと、全部換算すれば、そういうような形で御支援をさせていただいたということにおいて、ブッシュ大統領を初め二十八カ国、それぞれの多国籍軍も感謝をしていただいたということはあるわけでございますが、それにしましても、貢献度における不満度が高まっておったこともこれまた事実でございます。
 したがいまして、戦争は終わったことでもあるし、なおかつ航行路線の中に千五百個とも二百個とも言われておる機雷が敷設されておる。それも大体七百個くらいはもう既に摘出されておるのではないか。これはどうもいろいろの筋から聞き及びますると、大体五百個ぐらいがまだ浮遊しておる。そこで、それに対して一刻も早く航行路線の安全性を図ってもらいたい、こういうことの各国からの希望もあり、またもう既に各国はやっておるわけでございますから、そこで何といいましょうか、海部総理並びにその関連する省庁としても意を固めた、このように私は解釈をしておるわけでございます。
 いずれにしましても、私も通産省の関係としましては、航行の安全の確保あるいは被災国の復興に寄与するものである、この大きな意義づけというものの中においてこのような形が生まれたものである、このように思っておるわけでございます。法解釈その他の点においては、私も万が一つにも間違いがあってはなりませんので、これは防衛庁長官その他担当している人間に統一して見解を発表しろということを私も実はきのうの中でもその点は発言しまして、そして防衛庁長官も、その点はしかと私どもの方で法的措置の問題などは責任を負ってこたえます、こういうことでございました。
 以上、通産大臣としての個人的な見解でございますが、まことに僣越だと思いましたが、答えにならぬ答えかもしれませんが、どうかその点で御了解のほどを願いたい、こう思っておる次第でございます。
○梶原敬義君 私は、この九十九条の範囲というのは、第二次世界大戦直後、要するに日本海周辺に機雷がたくさん存在をしておる、そういうことを背景にして、地域的には限定をしている。それが立法のときの大体の趣旨といいますか、そういうことだ、このようにとらえるのが常識じゃないか。
 したがって、今回の場合においては、やはり法律改正をして、国会で議論をして、そして決めるなら決める、送るなら送ると、こういう手続というのをぜひやってもらいたい。もう御答弁要りませんから、大臣の方からもその精神についてはやはり閣議で主張していただきたい、このようにお願いをしたいと思います。
 次に、本論に入りますが、大規模小売店舗における小売業の事業活動の調整に関する法律の一部を改正する法律案、いわゆる大店法の一部改正案、そしてこの関連五法案が出ておりますが、主にきょうは大店法の改正案と輸入品売場に関する特例法案を中心にして以下お尋ねをいたします。
 まず最初に、我が国の小売商業政策の流れといいますか、我が国の小売商業政策の歩みといいますか、百貨店法に始まりまして大店法を立法し今日に至るまでの、通産省の政策並びに指導の変遷について述べていただきたいと思います。
○政府委員(坂本吉弘君) 大型店と中小小売商業とのいわゆる商業調整の歴史は、古く戦前にさかのぼる大変長いものがございますが、戦後に関して申し上げますと、昭和三十一年五月に百貨店法を制定いたしたところでございます。これは、売り場面積千五百平方メートル以上の店舗の設置について許可制を導入いたしました。その後、いわゆる大型スーパーといった百貨店の形態とは違う店舗形態というものが全国的に展開をいたしましたことを踏まえまして、百貨店法による許可制というものを改めかつ大型スーパーを取り入れるということを内容とするいわゆる大店法、現行の法律でございますが、これを昭和四十八年十月に制定をいたしたところでございます。
 さらにその後、大型店の出店と中小小売商との調整をさらに強化するという見地で昭和五十三年十一月、大店法を改正いたしまして、いわゆる種別境界面積というものを設け、調整対象面積をそれまでの千五百平方メートルから五百平方メートルに引き下げ、かつその権限を都道府県知事にゆだねたものでございます。
 法改正としてはこれまででございますけれども、その後の経済社会情勢を反映いたしまして、昭和五十七年一月にいわゆる運用による規制強化ということを行いまして、ここで第一種大規模小売店舗につきまして、事前説明及び特定市町村という概念を暫時当面の措置として設けたところでございます。ただ、その後の商業調整の状況にかんがみまして、昭和五十九年の二月にこの措置を継続するということを確認いたした次第でございます。
 その後、昨年の五月に日米構造協議、あるいはその前年の九〇年代流通ビジョン、さらに行革審による規制緩和推進要綱といった内外の規制緩和への要請を踏まえまして、いわゆる運用適正化措置というのを平成二年五月三十日以降実施するという措置を導入いたしまして、今日に至っているわけでございます。
○梶原敬義君 大店法の立法の趣旨と運用面では非常に波を打って変わってきている。対応に大きなずれが生じてきている。それにはそれなりの理由があったと思いますが、そういうそのときそのときの情勢によって政策、指導が変わってきた。これらの点について問題はなかったのかあったのか、その点について、もう一度お尋ねをいたします。
○政府委員(坂本吉弘君) 大店法の運用に関してでございますけれども、昭和四十八年にそれまでの旧百貨店法の許可制を届け出制に改めたこと、先ほど申し上げたところでございますが、今日までいわゆる届け出制を基本とする調整というメカニズムを私どもとしては基本的に維持するということをその立場としてまいったわけでございます。
 しかしながら、御指摘のようにいわゆる商業をめぐる時々の環境というのは、御承知のとおり景気でございますとか、あるいは消費者の購買のレベルないしはその嗜好の変化、また交通体系の変化、それぞれ商業を取り巻くもろもろの要素の変化というものに影響されざるを得ないところでございます。
 そういう意味で、いわゆる大型店と中小小売商業者の立場というものがあるときは深刻な利害対立に全国的になるというような現象もあったわけでございまして、やはりその法の目的とする周辺中小企業者の事業機会の確保というものを守りつつ、しかしながらやはり新たな消費者の消費需要の変化というものもまたこの本法の目的でございますので、それにもまた何らかの貢献をしなければならないという二つの要請を踏まえつつ、場合によっては、大型店のいわば出店ラッシュ的なものがあった場合にはそれを抑制する側に回り、またあるときは、余りにも厳しい商業調整が行われた場合には、それに対して大店審によって修正を求めるといったことを、そのときどきの情勢に応じて対処をしてまいったというのが私どもの実情でございます。
○梶原敬義君 私は、今回こういう改正案、そして二年後にまた見直しをするということでまた大きく変わるわけですが、今少し触れられましたが、これまでのとってこられた行政指導においても、評価をできる面とやはりできない面とあると思うんですが、もう一度その点について、プラスマイナスはどうだったのかと、率直にお聞きをしたいと思います。
○政府委員(坂本吉弘君) 主としてお尋ねは、大店法そのものよりは、それを実際に運用してまいった行政指導その他の措置についてかと存じますけれども、例えば先ほど申し上げました事前説明、あるいは実質的に届け出を自粛してもらった特定市町村、また省令に根拠は置いておりますけれども、法律には明記されておりませんいわゆる商調協、こういったものを一連の行政措置として導入いたしましたのは、まさに商業調整が地元の意見というものを可能な限り反映するべきであるという考えに基づくものであったかと存じます。そういう意味では、地元の意見を反映するいわば商業調整におけるプラス面というものであったと思いますし、また現実にそれぞれの地域において、こういうシステムの中で大型店と中小業者の利害の調整というものがそれなりに事実行為として図られてきたという積極的な側面を私は持っていると思うわけでございます。
 しかしながら、一方におきまして、例えば事前説明と申しましても、単にその関連の中小小売業者に説明をするというのみならず、地域によりましては、結局は周辺の商店街ないし商店街組合の同意まで取りつけなければならないというところまでいくことがございました。また、余りにもその利害調整が、直接的に利害関係が絡むものでございますから、商調協の結論というものが大変出しにくいということがございまして、平均して約三十五、六カ月、また長いものでは八年とか十年といった、いたずらに長期化するというような弊害もあった。その点は、今日から振り返ってマイナス面ではなかったかというふうに今思うわけでございます。
 また、我が国の市場というものが全く国内だけで独立して考え得た時代はともかくといたしまして、今日のように我が国の市場というものが国際的に大変大きな意味を持つマーケットになってまいりますと、そこにおける行政システムというものが諸外国の目から見てどのように評価されるべきかという観点も、やはり新しい観点として考えねばならない時代が参ったのではないか。そういう意味では、いわゆる透明性が欠けるシステムになっていたという点も指摘できるのではないか、こんなふうに評価をいたしているところでございます。
○梶原敬義君 非常によくわかりました。
 問題の事前説明から通産大臣の勧告、命令に至るまでの経路といいますか、この辺の流れを簡単に説明していただけますか。
○政府委員(坂本吉弘君) お尋ねは、現行のシステムということかと存じます。
 現在、昨年の五月三十日以降実施をいたしております運用適正化措置におきましては、まず出店表明ということを通産局に出していただくということにいたしておりまして、それから六カ月間いわゆる事前説明期間というものを設けまして、通産局が商工会議所や地元の状況を見まして、こういったところに出店の趣旨を事前説明してほしいということを要請いたすわけでございます。これは現在のシステムにおきましては合意までを求めるものではないということで、説明は説明であるということにいたしておるわけでございますが、これを六カ月間行いまして、法三条に基づく建物の設置の届け出というのをその後行うことにいたしておるわけでございます。
 法三条の設置の届け出はいわゆる建物の届けでございまして、ここで行われようとする店舗の面積が何平方メートルであるかということを届けるわけでございます。それにつきまして、第一種小売店舗の場合でございますけれども、通産大臣がこの建物に入る小売業者の人はその面積調整を受けることあるべしという旨の公示をいたします。これは一定の行政手続でございまして、何カ月というふうに決めているわけではございませんけれども、公示に必要な相当な期間を経まして、そこでいわゆる事前商調協というところにかかるわけでございます。
 現在のシステムでは、各商工会議所または商工会に置かれております事前商調協におきまして、この大型店と地元の小売業者、消費者、学識経験者の意見を聞いて、実質的な調整がこの場で行われるということにいたしているところでございます。ここにおいて調整が行われる期間でございますけれども、現在これを最長八カ月というふうに考えておりまして、そこでいわゆる結審を得まして法五条に基づく小売業の届け出がなされることになっております。
 この内容は、この結審を受けた建物の面積の中でどういった人がどういう種類の商品を販売するかということについての小売業者の届けでございまして、いわゆる五条届け出と申しておるものでございますが、実質的には先ほど申しました事前商調協における結審におきまして調整がなされておりますので、あといわゆる正式の商調協と申し上げておるところにかかります。
 そこで問題がなお決着がつかない場合には、大店審に上げ、大店審の議を経て、場合により通産大臣が勧告をいたすわけでございますが、この五条の届け出から通産大臣の勧告までの期間は現在四カ月ということにいたしております。
 事前説明の六カ月、それから事前商調協の八カ月、それから最後の調整期間の四カ月というものを足しまして、一年半以内に調整を終えてもらうようにということを指導いたしているわけでございます。
○梶原敬義君 これまで非常にわかりにくいのは、事前説明、あるいは事前商調協または正式な商調協、これは法的な根拠というか、なかなかあいまいな形の中でこういうものが行政指導のもとで出てきた。この点については、一体どういうわけでしょうか。
○政府委員(坂本吉弘君) 事前説明は、御指摘のとおりいわゆる行政指導というものに属するものでございまして、大店法上に明確な何条何項といった根拠を持つものではございませんけれども、この大店法を施行するに必要な、いわば通産大臣の権限の範囲内で、現実の運用過程を通達にして流しているものでございます。
 また、商調協につきましては、以前にはこれは通達行政の範囲であったわけでございますけれども、現在では商業活動調整協議会規則という省令を設けまして、その省令に根拠を有しているわけでございます。これの法的な根拠につきましては、これまた明文に何条というわけではございませんけれども、ただ実質的に商業調整を行わねばならないという大店法の趣旨にかんがみ、その意を体して、通産大臣の権限としてこの規則を定めているわけでございます。
○梶原敬義君 事前説明、事前商調協は、それなりに先ほどからお話がありましたように積極的に評価をされる面もあった、しかしマイナス面もあったと。
 特に、私は地方の商工会議所というのを見ておりますと、これは商工会議所が非常に絡んできますが、皆さんが想像しているように民主的な組織ではないわけです。非常にボス支配的なものがはびこっておる。商調協やそういう事前商調協等の中で影響力を及ぼす。これは贈収賄にならない中でいろいろ力が暗躍する、そういうものをやっぱり内蔵しているところに非常に問題があったんではないか、客観性を欠いて。
 これは、本当に地域の皆さんは余り関係のないところで議論され、そして非常に中身は不透明感が強い。こういうことが繰り返されてきたように私は一般的に思うし、ここに問題があるように感じておりましたが、この点はいかがでしょうか。
○政府委員(坂本吉弘君) 現在までの商業調整を、その運用の過程で、実質的に商調協というものにゆだねてきたというのが今日までの体制でございます。
 その中心的な役割を果たしてまいったのがただいま御指摘の商工会議所で、または商工会であるわけでございます。商工会議所につきましては、改めて申し上げるのも恐縮でございますけれども、その地域の小売商業者を含め商業者の利益をやはり守るということのほかに、もう少し枠を超えて地域の福祉の増進に寄与するということが商工会議所法にも明記されておるわけでございます。
 そういう意味で、確かに地域によってはその運用においていろいろな御指摘もあろうかと存じますけれども、いわば地域全体の商業及び商業を超えた利益という点に目を向けまして商業調整に当たってこられたという意味において、私は、今日までその関係者は大変努力をされてきたというふうに思っておるわけでございます。
 なかなか外からわかりにくいという点もあるいはあったのかもしれませんけれども、単に地域の利益を守るというのみではございませんで、やはり消費者と申しますか地域の消費というものの実態にも触れながら、大型店の進出を調整してきたという積極的な側面も多かったのではないかというふうに考えているところでございます。
○梶原敬義君 いずれにいたしましても、今回この大店法の改正案を出すに至ったわけでございますが、法律案の提案理由の説明をお聞きいたしておりまして、ここに持っておりますが、ここに書いておられるのは、「消費者ニーズの多様化等小売業をめぐる最近の諸情勢の変化の中で、昭和六十三年の行革審規制緩和推進要綱や昨年六月の日米構造問題協議報告等に示されるように、内外からいわゆる大店法の規制緩和への要請が高まっていたところであります。」云々と、こういうことをずっと書かれております。
 昭和六十三年の行革審規制緩和推進要綱、これが出るときに、この時点では相当、前川レポートも出ておりましたし、貿易摩擦のあったころで非常に外圧が強まっておった段階ではないかと思うのです。要するに、内外からいわゆる大店法の、内も外もというような書き方をしておりますが、確かに今事前説明や事前商調協やそこにいろんな問題があったとしても、まさに行革審の関係も外圧でやっぱり相当これは出たと、このように見れるわけで、内外の内より外の方にウエートが非常に高かったのではないか、このように読み取れますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(中尾栄一君) 今回の大店法の改正は、消費者ニーズの多様化等小売業をめぐる最近の諸情勢の変化の中にありまして、昭和六十三年十二月の規制緩和推進要綱、あるいはまた平成元年六月の「九〇年代流通ビジョン」の提言及び昨年の日米構造問題協議最終報告を踏まえて提案したものであるわけでございます。
 したがいまして、本法案は、このような内外からの規制緩和の要請にこたえますために、出店調整処理制度につきまして、消費者利益への十分な配慮と、いつも申し上げて恐縮でございますが、手続の迅速性、明確性あるいはまた透明性の確保等を図るということが趣旨でございまして、我が国が自主的判断として大店法の改正を行うに至ったものであると、こう御認識賜りたいと思う次第でございます。
○梶原敬義君 大臣が言われるように、自主的判断と言われるにしては非常に大きく波打って変わってきておりますから、そういう立場で頑張っておられるのはわかるんですが、要するにやっぱり外圧の問題、少し後でお尋ねをしたいと思うんです。
 ただ、私どもが地方に帰ってみまして、一つの町なら町の商圏といいますか、そこにあるスーパーあるいは小売店、そういうところの一年間の売り上げというのは大体決まっている。次の年にわずか何%伸びるかということが決まっている。そういうところに一つの大きな大型店が出ますと、急には影響が出ないかもわかりませんが、一年たち二年たちするうちに、もうその町の売上高というのは大体決まっておるものですから、それは時間がたつにつれて中小を駆逐していく、こういう傾向になってくるのはもう明らかであります。
 そういう点では、そういうところを私はいつも回っておりますから幾つも見ておりますが、戦後これまでずっと非常に華やかだった商店街というのが、今度は非常に寂れてくるとか、そういう傾向がずっと出ておりまして、これは一体どうなるのかなと。我が国の社会制度というか社会の仕組みが、大店法がこれから規制緩和をして、今度の法律改正、そして二年後の見直し等によりまして、十年あるいは二十年たったときに随分変わってくるような感じがしております。非常に大きな社会問題になるだろう、そういう中小小売店等の就労人口というのがやっぱりどこかで今度吸収されるような形にも恐らくなっていくだろう。このように見ておりまして、社会問題として扱っていかなきゃならない、そういう目でとらえる必要もあるだろうと思っております。
 結論的には、そういう地域地域の特性、状況も判断しながら緩やかな構造変化を導いていくような政策というのは、たとえ外圧があったとしても、我が国国内ではしっかりそういう姿勢を貫いてほしい、このように思うのですが、いかがでしょうか。
○政府委員(坂本吉弘君) 委員御指摘の点につきましては、基本的に私どもといたしましても異論のないところでございます。
 ただ、従来の商業調整のシステムにつきましては、やはり現在の時点に立ちまして反省すべき点も幾つかあったかと存じます。アメリカから指摘されるまでもなく、やはり国内において商業調整のシステムがやや密室性を帯びて非常にわかりにくい、あるいは先ほどちょっと御示唆がございましたところでありますけれども、何か特定の人だけで決められているといったような批判が滞在的に強くあったことも事実でございます。
 そういう意味で、大型店の進出が地域の社会というものを壊滅させるようなことになることは私どもとしても避けるべきことであると存じますし、何とか大型店と地元の中小小売商というものとの共存共栄が図れる道がないものかというふうに我々としても常日ごろ考えてまいったところでございます。
 とりわけ、大店法のいわば意思決定のシステムを今回のように運用面で改善をいたすといたしましても、従来の運用とはかなり違ってまいるところもございますので、梶原委員御指摘のように、社会の仕組みそのものにまである程度影響するというところは私は否めないと思うのでございます。中小小売商業の側におきましても、ただ大型店の出店というものを理屈抜きに否定するというようなことでは一方においてまた発展性がないように、釈迦に説法でございますけれども、思います。
 最近の消費者の嗜好というのは日々大変変化いたしておりますし、また交通体系が非常に発達したために都市の発展形態というのは大変変わってきております。その結果、いわゆるよく言われるカーショッピングということで、三十分くらい運転するところの店にはどんどん主婦の方が出かけていかれるといったような、都市環境の変化というものもあるわけでございます。そういう意味で、今回大店法の改正とともに中小小売商業の振興措置につきまして、中小企業庁を中心として抜本的な支援措置を講じようとしているところでございます。
 さらに、そういう小売店あるいは組合の対策を超えて、町全体として特色を持った商業市街地あるいは商業集積というものをどう形成していくべきかということが大変重要になりつつある現局面にかんがみまして、新たに商業集積の整備に関する特別措置法という法案を御提案申し上げているところでございます。
 そういう関連五法案を通じまして、大店法の調整の仕組みはいわば法の原点に立脚して非常にわかりにくかった点を改めるとともに、それによって起こり得る経済社会現象、想定される社会現象に対しては、この二法を中心として、地元の地方公共団体もまた中小の組合も含めて、積極的に対応してもらいたい、そのための基本的なフレームワークを我々として提供いたしたいというふうに考えて、この関連五法案を御提案申し上げておる次第でございます。
○梶原敬義君 今ちょっとお話が出ましたから、ついでにもう先に聞いておきますと、今度は大店審そして地方にある十六の部会、これらで対応しようということでございますが、地元の中小小売商や消費者の意向を十分そこで聞く、こういうことになっているようです。
 一方では、商工会議所の方が商問協というんですか、こういうものをつくっていこうと日商が言っているのですね、朝日新聞に出ておりました。こういうように法律改正をするけれども、したけれども、またそこがそういうような形になるのかならないのか。問題は、一年でもう期限を切るということですからそうはならないと思うんですが、地元の中小小売商や消費者、そういう皆さんの意見、地方自治体の意見も聞くようになると思うんですが、その辺のことはうまくいくのですか。
○政府委員(坂本吉弘君) 今回、法改正とともに、この商業調整のメカニズムに関する運用について抜本的に改正をいたしたいと思っております。核心の部分は、いわゆる商業調整の権限を法に基づく大規模小売店舗審議会に一元的に集中いたしたい、こういうことでございます。
 お尋ねの地元の消費者及び小売商の意見という点でございますけれども、御示唆のような点を私どもも考えまして、新たに法律を改正いたしまして、この大店審が地元の消費者、小売商業者及び学識経験者の意見を直接聞くという道を聞こうと考えているところでございます。
 それから、大店審そのものの機構を私どもとして抜本的に拡充いたしたいというふうに考えているところでございます。ただいまその詳細につきましては、大規模小売店舗審議会の総会に諮りまして議論をいたしているところでございます。
 おおむね私どもといたしましては、この大店審のブロックを通産局ごとにまず設置をいたしまして、それから従来大店審のブロックは十六に分かれておったわけでございますけれども、この体制では大店審中心の調整には対応できないと考えておりますので、それぞれの通産局のブロックごとに、原則としては各県の単位というものを頭に描きながら、大店審の地方の審査会というものを設けたいと思っておるところでございます。ただ、県によりましては関東近県のように大変出店案件が多いところがございまして、これは場合によって一県に二つないし三つくらいの審査会を置く必要があろうかと思いますし、地方によりましては大変出店案件が少ないところがございますので、そういった場合には二県あるいはもう少し広域的な処理ができる審査の体制というものを考えていくべきではないか、こんなふうに思っております。
 そういう意味で、ただいま御指摘の十六の地方部会というものを審査会のレベルまで下げて、かなり数的にも増加させて対応する必要があるというふうに考えているところでございます。
 最後に、御指摘のいわゆる商問協なるものにつきましては、一部新聞に報道をされたことは私どもも承知をいたしているところでございますけれども、新たな調整のメカニズムの中で調整は先ほど申しましたように大規模小売店舗審議会に一元的に集中をいたしたいと思っております。あとは、商工会議所あるいは地元の小売商業者、そういったところから地元の実情というものを把握する必要は、これまた大変重要なポイントであると思っておるわけでございます。そういう意味で、実情をできるだけ大店審に伝えていただくという点に関する商工会議所の機能というものは、これは引き続き活用をいたしたいというふうに思っておるわけでございます。
 商問協という名前は、その名称のいかんにかかわらず、何か新たにここでも調整を行うという響きを持つものとすれば、私ども全くそういうことは現在頭にはございません。また、日本商工会議所におきましてもここが新たな調整を行う場というふうに考えておられるとは、私は思っておりません。いずれにせよ、その名称のいかんを問わず、大規模小売店舗審議会における調整以外の場での調整ということは新しいシステムのもとでは考えていないと。
 そのためには、御示唆のように大店審というものを抜本的に拡充強化する必要があるだろう。こんなふうに考えまして、おおむねその骨格をできるだけ早い機会に示したいというふうに対処しているところでございます。
○梶原敬義君 非常に配慮されていることにつきまして、よくわかりました。
 特に、商工会議所あるいは商工会も言われているほど民主的でもないし、非常に一部の利益を代表する、そういう立場に今なり切っている。商工会議所に入っていない中小小売商の方が圧倒的に多いわけです。そういうような状況の中で、また商間協たるような、あるいは調整のための一つの何かをつくっていくような動きに対しては、通産省としては、頑としてやっぱり今言われたように大店審を中心にして進めていっていただきたいと思います。
 次に移ります。
 これまでの大型店の出店届け出件数及び大店法に基づく調整済み件数のそれぞれの推移について、簡単で結構です。また、ややこしかったら、後で皆さんに資料をいただきたいと思います。二番目に、昨年五月末のいわゆる運用適正化措置導入後の出店表明の動向は、どのようになっておられますか。出店ラッシュとの報道もありますが、どのようになっておられるのか。そして、今後、本法律が成立した暁には、一体またどのような状況になってくるのだろうか、そういう心配もありますので、その三点についてお尋ねします。
○政府委員(坂本吉弘君) まず、第一点でございますが、大型店の出店届け出件数は、昭和四十九年に本法が施行されまして以来平成三年三月末までの届け出件数は、いわゆる第一種小売店舗で六千八百七十二件、第二種小売店舗で一万五千九十三件、都合二万一千九百、約二万二千件が届け出されておるわけでございます。最近五年間の推移を見てみますと、昭和六十一年度の五百二十七件から平成元年度の七百九十四件まで増加の傾向をたどっております。平成二年度におきましては、昨年五月の運用適正化措置により、出店表明から六カ月以内に事前説明を行えば届け出が確実に受理されるというシステムになりましたので、千六百五十八件ということで前年度に比べて約二倍の高いレベルで推移いたしているところでございます。
 調整済み店舗件数ということで申し上げますと、これは毎年六月一日に集計をいたしておりますのでちょっと古い数字になりますが、平成二年六月一日現在におきましては、第一種小売店舗が四千四百五十一件、第二種小売店舗が一万二千二百四十六件、都合計一万六千六百九十七件ということになっております。最近五年間におきます調整状況でございますけれども、第一種小売店舗、第二種小売店舗、それぞれ毎年百件ないし二百件というものの調整を行っているという実情にございます。
 第二点のお尋ねの、昨年五月三十日以降の出店状況でございますけれども、平成二年の六月からこの三月末までの数字を申し上げますと、いわゆる新規出店表明という数字で、第一種五百三十件、第二種六百八十件、計千二百十件という出店表明がなされている状況にございます。
 この全体のこれまでの傾向についてでございますけれども、確かに、新たな規制緩和措置が導入されました直後の昨年の六月、七月、八月、こういった三カ月につきましては、例えば七月で一種、二種合計で二百二十五件という大変高いレベルの出店表明がございまして、ただいま梶原委員御指摘の出店ラッシュというに近い状況も出たことは事実でございますけれども、その後九月以降、月を追いまして出店状況は鎮静化いたしておるというふうに思います。例えば、ことしに入りまして、一月では一種、二種合わせて百件、二月が九十六件、三月が七十九件、漸次減少してきているという状況であろうかと存じます。
 最後の御指摘の点でございますけれども、法改正あるいは運用の改正によって今後どういった大型店の出店傾向になるかという点につきましては、増加すると思われる側面とまた慎重になる部分がある側面と両方の側面がございまして、一概に断定的なことを申し上げるのは現在の時点で難しいわけでございます。
 一つ申し上げられますことは、従来と違いまして、大型店の側で出店の予測可能性というものがかなり明確化されるということによりまして、従来のように何年かかるかわからないけれどもまず出店の表明だけはしておこうということで表明がなされているというようなことは、これからはかなりなくなるのじゃないか。
 これは例えば、ちょっと長くなって恐縮でございますけれども、昨年五月三十日に、それまでに出店表明はなされておりました千三百数十件のうち三百数十件が取り下げというようなことがございました。こういったことも、言ってみれば、ある程度予測可能性を持って出店が行われるということになりますと、前広にいろんなところのものを出しておくというような傾向は、非常に少なくなるのじゃないかというふうに思うわけでございます。
 それから、店舗として考えますと、通常言われます大型スーパーといったナショナルチェーンのチェーンストアというものの出店もあるわけでございますけれども、最近では、どちらかといえば、地元の中堅ないし中小のスーパーが比較的店舗を拡大しようという動きがございますのが一つ。それから、いわゆるワンストップショッピングという、スーパーではなくて、一つの商品に限定したいわゆる専門店というものが最近大変大型化してまいりまして、こういう専門店の大型化傾向といったようなものがあるわけでございます。私ども、ここら辺につきましては、従来よりはかなり出店が増加するのではないかというふうな予測を内々持っているところでございます。
○梶原敬義君 ありがとうございました。
 六大スーパー、大型スーパーですね、それらの出店というのは、我々地方においては一息ついた感じが今しているのですが、その下にある中堅の、特に地元に本社を置くような、そういうスーパー等が、私は九州ですが、九州の関係を見ても、今言われましたようにたくさん出ております。そういう傾向がやはりこれからある程度さらに強まってくるような感じをもっております。
 ただ、過当競争にこれからどんどんなると、また途中で引き揚げたりつぶれたり、社会的な混乱を起こしかねない問題もこれから想定をしなければいけないと思います。そういうような業種みたいなもの、たくさん私も今持っておりますが、やっぱりその辺のことも非常にこれから大事なことになるのではないか、このように考えております。
 次に、日米構造協議とこの大店法の関係でございますが、そもそもアメリカの構造的な赤字、財政赤字、貿易赤字、これらの問題を話し合いをしておった中で、一体何でこの大店法の問題が日米構造協議を代表するような非常に大きなテーマになっているのか、どうしてそういうふうになったのか。そういういきさつ、あるいは現実にどのようなやりとりというか生の議論、皆さん交渉に当たっておりますから、先方は強く大店法のあり方に対して要求をしてきているのか、その点についてお尋ねをいたします。
○政府委員(坂本吉弘君) 御承知のとおり、日米構造協議は、この何年かにわたります日米の貿易不均衡というものをいかに是正するか、そのためには、手近な問題もさることながら、それぞれの不均衡をもたらす基本的な原因、またそういうことをもたらす社会的なシステムにまでさかのぼって、いわば構造的な側面にまでメスを入れまして問題を解決していこう、こういうことで日米両国政府で始められたものでございます。
 そういう意味で、我が国といたしましても、現在の大幅な貿易不均衡ということを考えますと、できるだけ輸入の拡大を図りたいという要請はございますし、またアメリカサイドから見ますれば、何とか日本のマーケットに対するアクセスの拡大というものを図りたい、こういうふうに考えてきたところでございます。
 そういう意味で、我が国への輸出に当たって障害となり、あるいは何か阻害要因になっているようなものについて、洗いざらいそのシステムについても双方で勉強してみようということがテーマになっているわけでございまして、大店法もその一環として取り上げられたものであろうかと存じます。
 そういう角度でこのシステムを見てみますと、これは大店法を読んだだけではなかなかどういうふうに大型店を開設していいかわからない、行政指導あるいは通達、そういった大変諸外国から見ますと透明性の高くないシステムによりまして商業調整が運営されているという点について、これをもう少し明確化、透明化をしなければ、なかなか外国からこのマーケットに来てお店を開こうとしても、手続が煩瑣でかつわかりにくいのじゃないかという点もございます。また、もう少し輸入品を売ってもらう大型店を開きやすいようなシステムに変えるべきじゃないか、こういったような指摘があったわけでございます。
 そういう意味で、日米構造協議の中で、いわば我が国に対するマーケットアクセスを少しでも拡大する。構造協議の過程では、アメリカサイドからは、日本のマーケットのいわゆる閉鎖性といったようなことも指摘を受けているわけでありますが、閉鎖的であるか否かにかかわらず、もう少しマーケットアクセスを拡大するための手だてを講じてほしい。こういったことで、大店法という問題がいわば市場をさらに拡大するための措置として重要であるという位置づけを受けた、そういう結果であると考えておるわけでございます。
○梶原敬義君 実際に、大店法を改正するあるいは規制緩和をする、そういうような状況になったとしても、日米構造問題協議で向こうが言っているような、そういうアメリカの商品が一体売れるのかといったら、これは全く余り関係ないと。
 それで、なぜそうまで言うのか、その辺のことがどうもわからない。それは、交渉の話し合いの中でそこの辺の問題というのは当然出てきたと思うんですが、そこら辺をちょっと教えていただきたい。
○政府委員(坂本吉弘君) 貿易をめぐる二国間の話し合いの中で、いろんな問題が指摘されるということでございますけれども、やはりアメリカと申しますか諸外国と申しますか、そういった諸外国の目から見まして、参入機会というものが開かれているかどうかという点は、その効果もさることながら、経済ないし産業ないし市場というものを運営するシステムの問題として、議論の対象になることは避けられないのじゃないかというふうに思うわけであります。
 御指摘のように、それぞれの措置が現実に輸入の拡大に数量的にどの程度寄与するかという点につきましては、効果の大きいものもございますし、それほど効果の期待できないというものも現実の問題としてはあろうかと存じます。
 ただ、世界の貿易制度というものを運営していく中で、ある国だけが特別のルールに沿ってマーケットアクセスを阻害している、その結果、参入機会が平等に開かれていないという問題があるとすれば、双方の国々の間で指摘し合ってその改善を図っていくということは、これまた貿易の拡大に向けての貴重な一歩ではないかというふうにも見られるわけでございます。
 この大店法の改正及び措置の改善を通じまして、私どもといたしましては、外国からの流通資本というものが、我が国においてできるだけ店舗展開しやすいような環境というものをまず整える。その結果、お店が現実にどの程度開かれるかという点につきましては、現在の時点で幾つかの想定はしておるのでございますけれども、そういう一つの貿易をめぐる制度といたしまして、国際的に普遍性を持ったシステムというものを相互に持ち合うということが、翻ってその貿易を相互に拡大する基礎を提供する。
 そういう意味で、この制度面についての議論というものにどうしても集中をし、またその改善を図るということに双方が関心を抱くということは、私は大いにあり得ることではないか。また、そういうことによりまして双方の不信感というものを取り除くということも、これまた両国間では大変大切なことではないか、こんなふうに考えるところでございます。
○梶原敬義君 話が飛びますが、私はアメリカのことはよくわかりませんが、例えばアメリカ、フランスへ行って大型店を開店しようとすれば、即座にというか、いわばここで言われているように、非常に短い間にそういう手続から一切完了して、出店できるのでしょうかね。
○政府委員(坂本吉弘君) 諸外国におきます大型店の出店の問題でございますけれども、どちらかと申しますと、英米系、ドイツも含めて、これは直接の商業調整というのはやっておりませんで、いわゆる都市計画に基づきまして、こういう大型店のみならず、例えば劇場とかあるいはスポーツ施設とか、その他人や車の出入りの大きいもの、都市の公共負担の大きなものについては、その開発許可といったようなシステムを通じてその調整をしているようでございます。
 アメリカの場合は、大体八カ月から一年以内に、各州によって異なるわけでございますが、その開発許可を行います場合に、例えば公聴会を行いまして、そして一種のカウンシルと申しますか審議会のようなところで決定をするというようなシステムをとっておるようでございます。
 それから、典型的に商業調整をやっておりますのは、ただいま御示唆のようにフランスのロワイエ法というのがございます。これも最長一年といったところで、現実には八カ月から十カ月程度で処理をいたしているようでございますし、イギリスの都市計画におきましても、都市計画委員会その他の議を経まして最終的には環境省といったところで決定をいたすようでございますが、これも大体九カ月から十二カ月くらいのところで決定をいたしているようでございます。
 そういう意味で、諸外国のすべてを網羅しているわけではございませんけれども、大体一年以内にその可否を決めているというのが諸外国の実情のように見受けられるところでございます。
○梶原敬義君 それぞれ、お国の事情によりまして、地域的な制限があったり、町づくりの観点から制限があったりいろいろある。我が国は我が国なりに、幾ら言われたからといって何でもかんでも丸のみというのはちょっと、皆さんはそうじゃないと、こういう大臣のあれでしょうが、そこら辺は私はやっぱり日本の自主的な姿勢というのを貫いていただきたいと思うんです。
 この改正案の附則第二条、「政府は、この法律の施行の日から二年以内に、この法律による改正後の大規模小売店舗における小売業の事業活動の調整に関する法律の規定及び新法の各地方公共団体の区域における実施状況その他の実施状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずる」、これは本院の本会議において我が党の吉田委員が質問をしていることに関連をするのですが、この点については、二年後に見直しをするということは、これは約束事ですか。
○政府委員(坂本吉弘君) 日米構造協議の最終報告に書いてございます約束事でございます。
○梶原敬義君 これは、去年の衆議院の予算委員会やなんかで、当時の武藤通産大臣、それから海部総理もいろいろと答弁をされております。本会議の答弁等もありましたが、これは、大体考えられることはどういうことでございますか。
○政府委員(坂本吉弘君) 日米構造協議の最終報告書におきまして、二年後、今回講じますいわば第二段階の措置、それから昨年五月三十日に講じました第一段階の措置、こういったものの実施状況というものをまず見守る、そういう措置の効果というものをアセスいたしまして、その上で、大店法改正後二年後にさらに大店法を見直すということでございます。
 この文章を若干引用させていただきますと、「消費者及び小売分野における競争に対する大店法の影響に関する分析並びにこれを踏まえ、」「更なる行動をとることの必要性に関する分析」も行う、こういうことでございます。特に、「改正法の施行状況の有効性を吟味し、その結果に基づいて特定地域に関する規制の撤廃を含め必要な検討を行う」ということを最終報告書で合意をいたしているわけでございます。
 そういう意味で、その内容をどうするかという点につきましては、予見を持って臨むべきではないと思いますけれども、少なくとも、この法が施行されまして以降二年以内にこの法の実施状況というものを分析、評価いたしまして、新たな措置をとる必要があるかどうかという点を検討しなければならないというふうに考えておるところでございまして、これがただいま御指摘の本法附則の条文の趣旨とするところでございます。
○梶原敬義君 我が国でも、自主的な判断というか地域の状況、そういうものをぜひしっかり貫いていただきたいと思います。
 次に、大店法の規制緩和によりまして、先ほどもお話がありましたが、海外企業の大型店の出店が、元来なかなか難しいと思うんですが、これが可能性が非常に強まる。でも、思っておられるのかどうなのか、アメリカの方で。それが一つ。二番目に、外国企業による大型店の出店の状況、実績、これをわかれば教えていただきたい。三番目に、トイザラスの関係ですね、これはどうなっておられるのか。
○政府委員(坂本吉弘君) 諸外国の流通大手資本と申しますか大型店の出店状況につきましては、ただいま最後に御指摘のいわゆるトイザラス社、これが現在まで各地におきまして十店舗ほどの出店表明というのを行っているところでございます。これが最近の外国企業による出店といたしましては大きな要素でございます。
 アメリカは、やはり単独であるいは日本の企業と合弁を組んで、我が国の成長する消費分野に参入をしたいという希望を非常に強く持っておりまして、現実の出店表明、あるいは出店という現象までには至っておりませんけれども、我が国の百貨店業界あるいはスーパー業界にいろんな意味で打診をしてきているという実情は、潜在的にはたくさんあるわけでございます。
 例といたしまして、現在まで出店いたしておるものといたしましては、高級衣料品や雑貨を扱うバーニーズ・ジャパンとか、あるいはタイヤとかバッテリー、オイル等を扱うタイヤプラス社、また高級家庭用品を扱いますウイリアムズ・ソノマ・ジャパンといったようなところが出店をいたしておるわけでございます。
 私ども、スーパーあるいはデパートといったようなところから伺うところでも、アメリカのかなり有名な流通業者が日本への進出を、合弁が非常に多いようでございますけれども、うかがっているという環境にはあると承知いたしているところでございます。
 それから、お尋ねのトイザラス社の出店表明及びその調整状況でございますが、先ほど申し上げました十件中四件につきまして、いわゆる事前商調協での調整を済ましたところでございます。いずれも地元の商調協において、諸般の状況を勘案して、今その他の案件も調整を進めているという状況にございます。
○梶原敬義君 私も、何年か前に農産物の関係の調査で西海岸に行きまして、それからデンバーに行って畜産肥育牧場等を見てきまして、その後郊外のスーパーに行きました。大変大きな肉の塊をそのまま値段をつけて売っておりました。
 ですから、将来のねらいといたしましては、牛肉やオレンジの完全自由化、そして農産物の自由化、米の自由化等、どんどん迫ってきておりますが、そういうような状況を見計らって出店を将来考えていくという戦略的な意図みたいな、非常に先をにらんだものが一体あるのかないのか、その辺はいかがでしょうか。
○政府委員(坂本吉弘君) 大変難しい御質問でございまして、ただいま委員御指摘のような食料品と申しますか、そういうもののアメリカの方で考えておりますタイムスケジュールとこれとが合致しているのかどうか、その点は定かでございません。
 例えば、トイザラス社に即して申し上げますと、これはおもちゃの売り方として大変特徴のある会社と言われておるものでございます。おもちゃのみならず、それ以外に子供用品、別名子供スーパーというふうに呼ばれておりまして、子供の洋服あるいは身の回り品、そういったものも含めて考えておるわけでございます。これなんかはどちらかというと、我が国の輸入自由化とは余り関係を持たずに、我が国へのアクセスを拡大していこう、こういう意図に出るものではないかと存じます。
 例えば、肉が自由化されたわけでございますけれども、これなんかはアメリカの資本が我が国で回転するというよりは、どちらかといえば、日本の既存のスーパーあるいはデパートなどにアリメカの農業団体あるいは各州から直接アプローチをしてまいりまして、販売をしようとしているというような点も見られるわけでございます。
 必ずしも、直接的な輸入の自由化と外国資本の出店と関係しているとばかりは、言い切れないのじゃないかというふうに思うわけでございます。
○梶原敬義君 もとに返りますが、日米構造協議における三段階のプログラムにおいて出店調整期間を昨年の五月に一年半にして、そして本法律案が改正された後、またこれを行政指導で一年にする、こういう一年という妥当性はどういうことなのか、お尋ねいたします。
○政府委員(坂本吉弘君) 本件につきましては、先ほど諸外国の例も申し上げたところでございますが、私ども昨年の五月から、それまでの商業調整の実績、また現実にどの程度の期間でやれそうかという見通しをつけて、一年半という現在の期間を設定いたしたわけでございます。
 ただいままで約一年近い期間を経まして、その実情を見てみますと、事前説明の期間というのは六カ月とっておりますけれども、大体四カ月程度で終わっている状況にございます。法律の建前といたしまして、いわゆる五条届け出というものが行われまして以降、通産大臣が勧告するそれまでの間が、最大限八カ月ございます。それにプラスするところを、事前説明と申しますか、今回の新しいスキームでは地元説明というふうに呼んでおるところでございます。
 大体、一年間という期間をとりますと、地元の意見を吸収した上で調整し得るもの、それが現在のシステムの中で実施可能であろう。こういうふうに考えまして、見通しをつけて一年という期間を設定いたしたわけでございます。
○梶原敬義君 次に、大店審及び都道府県大店審といいますか、今十六の部会がありますが、これらの体制、機構、先ほども少しお話が出ましたが、これをどのようにしようとしているのか。また、構成メンバー、選任方法。こういうのも、今までの大店審や商調協のあり方の問題点、不透明さや、あるいは本当にごく一部のところでやっていた、こういうあり方を反省していただきたいと思うんですが、どのように持っていこうとしているのか、簡単で結構ですから、お尋ねします。
○政府委員(坂本吉弘君) 大店審のこれからのあり方につきましては、梶原委員御指摘のとおりと私どもも考えております。
 何と申しましても、中立性及び公正を保つということがこの商業調整の基本であるべきであるということで、今回の調整を大店審に集中したわけでございます。十六の地方部会がございますが、先ほど申し上げましたが、これをさらに拡大する。ちょっと現在の地方部会の管轄の範囲とは違ってまいるのでございますけれども、例えば県に一つないし二つ、あるいはその出店件数の多寡によりまして、二県あるいは三県に一つといったようなことで、その配分を考えていきたいと思っております。
 大店審の委員の各地域での人選でございますけれども、これはこれまでの反省を含めまして学識経験者の中から選ぶということで、直接の利害関係のない人が調整に当たるということを基本にいたしたいと思っております。この大店審の委員というのは、通産大臣の任命にかかる公務員でございます。そういう意味では、公務員の義務、例えば職務専念でございますとか秘密保持でございますとか、あるいは贈収賄における刑法の適用でございますとか、そういったものを受ける人によって構成をする機関にいたしたいというふうに考えておるわけでございます。
 メンバーの選任でございますけれども、学識経験のある者から通産大臣または都道府県知事が任命をするという仕組みをとりたいというふうに考えておるところでございます。
○梶原敬義君 身分の位置づけが非常にはっきりいたしました。
 それは、県単位に先ほど言われました部会をつくっていくとすれば、部会というのか何ですか、それも同じような扱いと考えてもいいのですか。
○政府委員(坂本吉弘君) そうでございます。
○梶原敬義君 次に、非常に大事なのは、後の町づくり法との関係もありますし、その地域の実情というのは地元の県知事や市町村長さんが一番よく知っているわけでございまして、この辺にある程度の判断力というか、これは当然聞くようになっておりますが、ここに非常に大きなウエートを私はかけるべきだ、これは一種においても、このように考えておりますが、その点はいかがでしょうか。
○政府委員(坂本吉弘君) 御指摘の知事や市町村長が出店調整に関して意見を申し出る点につきましては、私ども従来からいわゆる法五条の届け出が行われますと、その調整が終了するまでの間に、随時市町村長及び都道府県知事が意見を申し出るということが可能であると考えております。
 今回の法改正及び措置の改正に当たっては、この点については触れなかったわけでございますけれども、御指摘のように地元の実情というものを都道府県知事または市町村長において十分把握しておられるというのが実態でございますので、今後とも、こういった意見が大店審の中に反映され、調整に反映されるというふうに考えておるところでございます。
○梶原敬義君 ぜひ、そうしていただきたいと思います。
 次に、輸入品専門売場の設置に関する法律の特例法案の問題に入りますが、一つは、千平方メートル以下の輸入品専門売り場の新増設について無調整、このようにした根拠は一体何なのか。そうなった場合の輸入品専門売り場面積の全国的な増加の見込み、これは一体どのように考えておられるのか、最初にその二点をお尋ねします。
○政府委員(坂本吉弘君) 輸入品売場特例法におきまして千平米というのを大店法の特例措置として確定いたしましたのは、先ほど来御議論いただいております輸入拡大というものの要請に可能な限り沿いたいということが基本的にございます。しかしながら、余りにそれを拡大いたします場合には、地元の中小小売業への影響ということも無視できなくなってまいりますし、また大店法による調整という基本的な枠組みが無意味化することもあり得べしというような観点から、千平方メートルというものを輸入拡大に資し、かつ地元への影響を可能な限り必要最小限のものにとどめるという趣旨で、ぎりぎりのものとして千平米を一つの目安といたしたわけでございます。
 今後、輸入品専門売り場というものがこれによってどの程度出てくるかという点でございますけれども、一つの参考かと存じますが、昨年五月に大店法の運用におきまして百平方メートルまでの輸入品専門売り場につきましては、これを調整不要というふうにいたしたわけでございますが、今日まで約六十件輸入品専門売り場の店舗が全国で設けられているところでございます。
 それらを考えますと、私見もございますけれども、地方都市におきましてはなお輸入品というものの持つ集客力というものは大都市に比べて比較的高いところがあると思いますし、また大都市におきましても、専門店といったようなものに対する需要というものが非常に大きくなっおりますので、こういった特例措置を開くことによりまして、こういった輸入品を専門に扱うお店の展開というものが非常に容易になるという見通しを内外の事業者に与えることができますので、私どもといたしましてはなかなか定量的な見通しをつくるのは現時点で難しいのでございますけれども、例えば衣料等のブランド品とかあるいはお酒とか、そういったようなもので、輸入品の専門売り場というものが、従来に比べて、かなり容易に展開し得る基礎を提供し得るのではないかというふうに考えておるところでございます。
○梶原敬義君 そういう場合、輸入品コーナーというのが六十ぐらい、ほとんどフランスとかの商品で、今大変日米構造協議で問題になっているアメリカの商品のウエートというのは非常に少ないのではないか、このように感じるのですが、その点はいかがでしょうか。
○政府委員(坂本吉弘君) 御示唆のように、やはり消費物資、ブランド品といったような点になりますと、どうしても我々の身の回りのものも含めて、ヨーロッパ指向というものが強いというのが実情であろうかと存じます。
 しかしながら、我が国の企業もできるだけアメリカからいろんなものを輸入しようということで、ミッションを送るとかそういったことで努力もいたしておりますし、またアメリカの政府、各州も対日輸出努力というものをここのところ大変熱を入れておるところでございます。
 基本的には、いわば参入機会というものを開放するというところに制度の改善というところがございますので、その結果までを我々としてなかなか保障できるものではないのでございますけれども、しかし、こういった売り場を通じて何とか、ヨーロッパ品のみならずアメリカ品につきましても、輸入が拡大するという環境になってもらいたいものというふうに我々期待をいたしておるところでございます。
○梶原敬義君 逆に考えますと、日本に専門コーナーを向こうがあちこちからつくってもらうということは、裏返すとそういうことをやってくれ、こう言ったっていいような問題で、ただ、しかし現実性がどうもない。法律をつくったからといって、なかなかそう簡単に向こうが言っているような方向にはなりにくい。このように考え、先のことを考えると、これは非常にこっけいな話になるのでは、落ちつくのではないか、こういう心配をします。
 そこで、法の第一条に、「当分の間、」「特例を定める」、このようになっておりますが、この「当分の間」というのもこれまた非常にくせ者でありまして、一体どういうことなのか。それから、この大店法の中にひっくるめるべきじゃないか、このように思うんですが、これはあえて独立法にして、特例法としてやっている。その点について、少し納得ができませんが、いかがでしょうか。
○政府委員(坂本吉弘君) 「当分の間」でございますけれども、我が国の貿易収支の動向等を踏まえまして、やはり輸入拡大に関する国際的要請にこたえていく必要がある、そういうことを意味いたしておりまして、そういう国際的な要請にこたえることが我が国の政策として大変重要な期間という意味でございます。
 第二点の、特例法を大店法で書きませんで別法にいたしましたのは、ただいま御指摘の「当分の間」といういわば一種の暫定法であるということ、恒久法である大店法と性格的に入れないところがあるというのが一点。
 それから、やはり千平方メートルまでの特例措置、調整不要という措置を導入いたしたわけでございますが、大店法は御承知のとおり五百平米を超えるものにつきましては、例外なくこれを調整するというのが基本的な枠組みでございます。千平米の輸入品専門売り場といえども、やはり大店法の基本的枠組みたる調整というものを外すということになりますと、なかなか大店法の中にこういった異例の措置を書くということは難しいと法制的に判断いたしたものでございますから、特例法にいたした次第でございます。
○梶原敬義君 それから、勘ぐって、これはもう千平米は無調整だ、だから一時的に輸入品を置いていて、そしていっときして日本の商品を売る場合、そういうように非常にあいまいというかごまかしが生ずる可能性もあるわけです。そういう歯どめというのは一体どのように考えておられるのか、お尋ねします。
○政府委員(坂本吉弘君) 本法においてまさにこの特例の対象になりますのは輸入品の専門売り場でございまして、もしその場に国産品を置くというような事態が生ずるとすれば、法的には当然それは改めて大店法の調整を受けるべきものでございます。
 私どもといたしましては、輸入品専門売り場というものは、まず物理的にそれが専門売り場であるということを認識し得るような標識を置くことということを政令で定めたいと思っておりますが、その上に、報告徴収または立入検査ということによりまして、輸入品専門売り場が輸入品専門売り場として活用され、他に流用されていないかどうかということを常々監視してまいりたいというふうに考えております。
○梶原敬義君 最後に、大店法の関係に戻りますが、こうしてどんどん規制緩和をして、これから大型店、スーパー等が進出してくる。そうすると、既存のデパート等、そういうところとの競争が激化をしてくる。とりわけ、営業時間のあり方が問われてくる。なかなか休日には休めない、デパートの従業員は。土、日は休めない。
 そこで、これから先は、こういう一日立ちっ放しの仕事ですから、百貨店あたりは人の雇用がこれから恐らく難しくなってくるだろう。こういうことに加速度をつける可能性があります。年始に三日休業制、週一回休業制というのは最小限必要だ、このように思いますが、この点はきちっと守れるのでしょうか、いかがでしょうか。
○政府委員(坂本吉弘君) ただいま御指摘の休業日数の点でございますけれども、我々の規制緩和措置で昨年から導入しておりますのは、年間四十四日以上ということを定めているわけでございます。
 御指摘のように、いわゆるチェーンストアとデパートとの競争といった点は、これから激しくなるというふうに思うわけでございますが、何月に何日休業日数をとれといったことを私どもとして強制するのは、なかなか難しいことではないかというふうに考えます。そこは、その地域の実情、地域の環境と申しますか、そういったことについて、それぞれのスーパーマーケットがいわば一種の常識と申しますか良識、そういったもので個々に判断をしてもらいたいというふうに考えるところでございます。
○梶原敬義君 特に、百貨店等に働いている労働組合の皆さんの意向というのは、競争が激化することによって労働条件が悪くなるのじゃないかと。要するに、交代で休むことにはなるのでしょうが、営業時間が私の近所ももう随分延びているのですよね、周りの影響を受けましてね。そういうしわ寄せが働く人にくる可能性がやっぱりありますから、その辺のことはまたよく指導していただきたいということでございます。
 それから、我が党も対案を出しながら議論をしてきたのですが、大店審による審査の前段階において、一体町づくりとの関係で、地方自治体の意見というものがどれだけ生かされるのか。
 我が国の商業政策のあり方というのは、言うたら都市計画とはこれまで無縁の形というか無計画に、あっちがいい、こっちがいいということで出店がされたり、道路とか上下水道とか、そういうものとは余り無関係に、あるいは地域の町の景観とかそういうものとは無関係にやられてきた、そういう非常にアンバランスな町づくりというのがやられてきた。
 これをするためには、後審議もあると思いますが、どうしても地方自治体で責任を持っている県知事やあるいは市町村長の意見というものを十分に取り入れるように、この精神だけはぜひ生かしていただきたい。
 そのことを申し上げまして、質問を終わらせていただきたいと思います。
○委員長(名尾良孝君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。
   午前十一時五十三分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
○委員長(名尾良孝君) ただいまから商工委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、大規模小売店舗における小売業の事業活動の調整に関する法律の一部を改正する法律案、輸入品専門売場の設置に関する大規模小売店舗における小売業の事業活動の調整に関する法律の特例に関する法律案、特定商業集積の整備の促進に関する特別措置法案、民間事業者の能力の活用による特定施設の整備の促進に関する臨時措置法の一部を改正する法律案、中小小売商業振興法の一部を改正する法律案、以上五案を便宜一括して議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○岩本政光君 大店法改正関連五法案につきまして質問の機会をいただきまして、感謝申し上げたいと思います。
 最初に、ちょっと感想を私述べさせていただきたいと思うんですが、振り返ってみますと、昨年の六月に日米構造協議について最終報告が出された時点では、そこで合意された大店法規制緩和が中小企業に対しまして相当厳しいもの、相当深刻、な影響を及ぼすのではないかという私は心配を持っておりました。
 これに対しまして、今回の五つの法案は、大店法の規制緩和のための措置のみならず、これを機会に推進すべき魅力ある商店街、商業集積づくりもあわせて提案をされております。全体としましては、時代の要請にこたえてバランスのとれたものと私は非常に評価をしておりますし、大変うまくやっていただいたということで感心もしている次第でございます。
 質問の機会をいただきましたので、幾つかの点につきまして確認をしておきたいものですから、早速質問に入らせていただきます。
 まず最初に、大店法改正について質問させていただきます。
 今回の大店法改正案は、昭和四十八年以来の大店法の二十年近い歴史の中でも、非常に大きな転換となる内容を持ったものと考えられますが、このような改正法案の作成までには、日米構造問題協議を初めとして、相当な議論や交渉があったと存じます。午前中にも説明がありましたけれども、まずもって法改正に至った経緯及び法改正の目的について、今は大臣がおられませんので、通産省からで結構でございますから、御説明をしていただきたいと思います。
○政府委員(坂本吉弘君) 大店法等改正案を御提案申し上げております背景でございますけれども、やはり商業環境及び消費者のニーズというものをめぐる内外の要請というものにこたえたいというのがその基本でございます。
 小売業をめぐる最近の諸情勢の変化の中で、大店法も制定以来二十年という月日が経過いたしたわけでございます。その間、その手続に関して、その出店調整の期間が例えばいたずらに長期化するとか、あるいは出店の調整のプロセスが不明確であるといったような点、また地元の実情に根差したものとはいえ、出店調整に関して行き過ぎた独自規制というようなものを実施している地方団体の数も約四百に上っている。そういったいわばこの法が本来予定していた以外の現象も随所に起こってまいったわけでございます。
 これに対しまして、まず昭和六十三年十二月に行革審によりまして規制緩和推進要綱、それから平成元年六月に産業構造審議会及び中小企業政策審議会によりまして「九〇年代流通ビジョン」というものを受け、また対外的には昨年六月の日米構造問題協議の最終報告書などを背景といたしまして、大店法の規制に関します内外の要請が高まってまいったわけでございます。
 こういった背景を踏まえまして、私どもといたしましては、昨年七月から産業構造審議会及び中小企業政策審議会の合同会議におきまして、法改正を含めた規制緩和のやり方について諮問をしてまいったところ、十二月にその答申がまとめられまして、こういった検討を踏まえました上、まず第一に消費者利益というものに対して一層配慮すること、第二に手続の迅速性、明確性、透明性と言われるものを確保すること、第三に輸入拡大の国際的要請への配慮ということを踏まえまして、今般大店法の改正案及び輸入品売場特例法案の制定を行いたいということで御提案申し上げたところでございます。
○岩本政光君 続きまして、大店法改正の具体的な内容について伺いたいと思います。
 今回の大店法の改正によって、出店調整手続は一体どのようなものになるのか、審議はどのようになるのかについて、関係者の関心は非常に高まっております。そこで、法改正により出店調整手続と調整の実施方法が従前と比べてどのように変わるのか、具体的に説明していただきたいと思います。
○政府委員(坂本吉弘君) 法改正及びこれの実施に関します運用につきましては、まず基本的な考えとして、可能な限り法律に沿った手続に即して行うということで、法律外の行政指導その他の手続は可能な限りこれを改めるということを目指したものでございます。
 まず、手続のフローから申し上げますと、現在の出店表明というものにかわりまして、手続のスタートは、法三条に基づく建物設置者の届け出というところからこの手続を始めたい、そう考えておるところでございます。
 その後、公示を経て、一定の地元説明を出店予定者に要請をいたしまして、これを四カ月といたしたいと思っておるところであります。
 その後、その建物の中に入ります小売業者のいわゆる五条届け出というものを受けまして、実質的な調整に入るわけでございます。この商業調整の核心部分とも言うべき調整のメカニズムにつきましては、従来省令によりまして、商業活動調整協議会規則というもので、いわゆる商調協というところで実質的な審議を行ってきたところでございますが、これを廃止いたしまして、五条届け出以降は、法に定める大規模小売店舗審議会において調整をいたすということに一元化をいたしたいと思うわけでございます。
 これに要する手続といたしましては、法に定める、必要ならば大臣勧告を行うことになりますが、その勧告まで含めて最長八カ月という期間がとってあるわけでございまして、地元説明の四カ月とこの調整期間の八カ月というものを足しまして、一年以内に終えるように手続を進めたいというふうに考えておるわけでございます。
 したがいまして、手続を現在の一年半といたしておりますものから一年にすることによってその迅速化を図り、また一方において、先ほど申し上げました消費者の意見を聞くという点では、従来ございませんでした大店審の意見聴取の対象といたしまして消費者を加えることによりまして、消費者への配慮というものを加えたわけでございます。したがいまして、端的に申し上げますと、出店調整の根幹を大規模小売店舗審議会に置いたといったところが特徴ではないかというふうに考えておるところでございます。
○岩本政光君 大型店の出店調整に当たって、従来から、店舗面積、開店日、休業日数及び閉店時刻の四項目について調整されていますが、法改正後の新しい出店調整スキームにおいても、これら四項目について調整をするということになるのでしょうか。その際の審査基準についてはどうであるのか。
 また、かつて五十七年ごろ大型店の出店抑制を図るということで総量規制が行われたと私は思っていますが、この調整の考え方はとり得るのですか、どうなりますか。その点明確に御説明願いたい。
○政府委員(坂本吉弘君) 第一点の調整四項目につきましては、今後も変えるつもりはございません。
 また、その大規模小売店舗審議会における審議に必要な審査要領でございますけれども、これは昭和五十九年にいわゆる審査要領として、大規模小売店舗審議会の審議の目安を与えるためのものをつくったわけでございます。また、これを商調協における審議の参考に供しているところでございます。
 これは御承知のとおり、調整に当たっての基本的な認識と、さらに調整に当たって考えられる数量的な指標というもの、さらに配慮事項、この三つの大きな構成要素から成り立っておるものでございますけれども、その後さらに、いわば出店の大型化という現象が出てまいりましたし、また商圏がそれに伴って従来に比べて格段に広くなるというようなこともございまして、現在この審査要領の抜本的な見直しを行いたいと思っております。ただいま大規模小売店舗審議会に審査指標部会というのを設けまして、この審査要領の抜本的な見直しをお諮りしているところでございます。
 いずれにしろ、数量的な基準だけですべてを律するということは、この問題の性格上難しいところがございますけれども、しかしながら、できるだけ客観性を持った基準というものにいたしたいというふうに考えております。
 なお、最後に御指摘のいわゆる各企業ごとの総量規制的なものは、今回の大店法規制緩和の趣旨にかんがみますと、我々としてはそれをとる考えはございません。
○岩本政光君 続きまして、新しい調整スキームは大店審が中心になって行うということですが、先ほども午前中に質問があったのですが、全国に十六部会しかない大店審において、問題は、十分に地元の意見を吸収して調整が行えるかどうかということに非常に関心を持っております。
 それを行うためには、大店審がどのようにして意見聴取を実施するのか。特に、意見聴取の相手方の選出の方法、いわゆるちょっと先ほど話があった商問協ということなんですが、この辺について、少しはっきりと私にも御説明を願いたいと思います。
○政府委員(坂本吉弘君) 岩本委員御指摘のように、新しいシステムに移行するに当たりまして、地元の関係者の中に懸念をする声があるのは事実でございます。
 そういう意味で、大店審の体制というものを抜本的に拡充し、地元の事情にも十分配慮ができるように、よく顔の見える大店審というふうに言われておりますけれども、そういう意味で大店審の機能を拡充いたしたいと思っております。現在、その内容は大規模小売店舗審議会に諮問をいたしているところでございます。
 基本的な枠組みといたしましては、従来の十六の地方部会では御指摘のとおり全く足りないわけでございます。そういう意味で、例えば各県を一つのベースにいたしまして、出店案件の大変多いところは一つの県に二つぐらいの審査会と申しますか、大店審のいわば下部機構でございますが、そういったものを置く必要があるのじゃないか、しかし出店案件が非常に少ない県もあるわけでございますので、そこは例えば二県で一つといったようなことも考えられるのじゃないかというようなことを中心といたしまして、その骨格を夏ごろまでに我々としても答申を得て決めたいというふうに考えております。
 地元の意見を十分反映できるかという点につきましては、先ほど申しましたが、大店審が直接地元の商業者あるいは学識経験者、消費者というものの意見を聴取するということを新たに法律改正いたしまして盛り込もうといたしているところでございます。
 それから、意見聴取の相手方の選定でございますけれども、大店審が、出店計画に即してその考えられる商圏というものの中から、その消費者、小売業者及び学識経験者の代表としてふさわしい方を選定いたしたいというふううに考えております。
 それから、地元の意見聴取の方法でございますけれども、大店審の下部の機構として考えております、私どもこれは審査会といったような名称で呼んではどうかと思っておりますが、そういった審査会の委員が地域の担当を決めまして、その地域に赴いて地元の消費者や小売業者の方々の意見を聞くことに当たるのが適当ではないか、こんなふうにおおむね骨格を考えているところでございます。
○岩本政光君 期待をしておりますので、よろしくお願いいたします。
 これに伴いますが、今後、法改正に伴い、出店調整の迅速化を図るため、先ほども話がありましたように、処理期間を現在の一年半以内からさらに一年へと短縮するとのことでございますが、本当に一年間で調整をすべて完了できるのだろうかという疑問が残ります。しかも、期限が来てもできない場合、これは余り仮定がきつ過ぎるかもしれませんが、見切り発車にならないだろうかというまたこれは不安があるものですから、その辺の様子もちょっとお知らせをしていただきたい。
○政府委員(坂本吉弘君) 委員御承知のとおり、ただいま昨年の五月三十日から一年半で調整を終えるという手続を進行させているところでございますけれども、従来までの出店調整の期間などから考えて、一年半の措置で果たして処理し切れるのかどうかという点は、出発当初、確かに関係者の間に懸念もあったわけでございます。
 今日まで約一年近くこの措置を運用してまいったわけでございますが、私どもの方で把握しておりますところでは、大体平均的に事前説明と申しますのが約四カ月で終わっておりまして、いわゆる事前商調協の調整のプロセスに入っているというのが大数的に観察されるところでございます。
 したがいまして、今回の新しいスキームにおきましては、地元に対する説明の期間というものを四カ月とれば一応足りるのではないかと考えまして、あと五条届け出が出されまして以降は、法律で最大限勧告まで八カ月という期間が定められておりますので、この四カ月プラス八カ月を都合通算いたしまして一年以内に処理をしてもらおう、こう考えておるわけでございます。
 昨年の五月三十日段階では、みなし出店表明も含めて約千三百件という多数に上ったわけでございますけれども、今日まで各地における関係者の皆様方の大変な御努力によりまして、ほぼ全案件が予定どおりのプロセスで運用されております。そういう意味で、この一年という期間もそれほど懸念なく進めてもらえるのじゃないか、こういうふうにただいま現在私ども考えておるわけでございます。
 そして、見切り発車という点でございますけれども、やはりこの点は、その調整を大店審にゆだねるといたしましても、大店法の基本的な枠組みは私どもこれを維持いたしておるところでございますし、また地元の事情というものは、地元説明の段階からまた商工会議所等の意見の整理、集約の段階において、十分この大店審に反映されるものというふうに考えておりまして、見切り発車というようなことはあってはならない、こういうふうに考えているところでございます。
○岩本政光君 どうかひとつ、見切り発車にならないように運用をしていただきたいと申し上げておきます。
 続きまして、最初に申し上げましたけれども、今般の大店法改正はまさに制度の大きな変更になるものと考えられます。現在、全国で二千五百件の案件が調整中とも伺っております。こういう状況の中で、現行の体制から、今度は期間が短くなりますけれども、新しい出店調整スキームへ円滑に移行していくためには、かなりしっかりと準備期間をとっておかなきゃその辺はスムーズにいかないのではないか。現行スキームで出店表明した人が、新しいスキームのもとの人よりも、後回しになったりいろいろなそういう不公平が出てくるのではないかという心配もちょっとありますが、その辺の運用はどうしていかれるのか、ここでまた確認をしておきます。
○政府委員(坂本吉弘君) 新スキームへの移行についての御懸念は御指摘のとおりでございまして、私どもも、いわば経過措置的なものにつきまして、十分意を用いていかなければならないというふうに考えております。そういう意味におきまして、今御審議いただいております法案の施行時期に関しまして、法律の施行を公布の日から起算して「九月」という他の法案に比べて長い準備期間というものをお願いいたしているわけでございます。
 それから、ただいま岩本委員から御指摘のように、一年半という現在の手続で出店表明をした人が、その後の一年という短い調整期間で届け出をした人よりも、遅く結果が出るというようなことはあってはならないことだろうと存じておりまして、その間の適切な橋渡しの仕方について事務的に工夫をいたしているところでございます。
 それから、例えば改正法施行時に既に事前説明に入っておる案件がございますが、こういったものは、新スキームにおきましてこれまでの事前説明の実績を勘案して地元説明の期間の短縮に充てたらどうかということを考えております。また、既に事前商調協において結審がなされているというものにつきましては、大店審の審議におきましてその審議結果というものを極力尊重して大店審の調査審議というものを速やかに進めていくということを考えるなど、スムーズな移行に十分意を用いねばならないと考えておるところでございます。
○岩本政光君 これも午前中にあったのですが、大店法改正に関して、二年後に見直すという点についてであります。
 議論は聞いておりましたが、日米構造問題協議では、この二年後の見直しについては、「特定地域に関する規制の撤廃を含め必要な検討を行う」とのことですが、政府としては、この二年後の見直しについては、どのような内容のことを想定されているのでしょうか。
○政府委員(坂本吉弘君) 二年後の見直しという点は、ただいま委員御指摘のとおり、日米構造協議の最終報告において合意をいたしたところでございます。しかしながら、この法を施行させていただくに当たりまして、新しいスキームによりまして出店がいかなる効果になってくるのか、この法の改正及び措置の運用の改善の目指したところが各地方公共団体においてどういうふうに施行されていくのかということを十分分析し、それに基づいて必要な措置を講ずるということでございます。
 ただいま御指摘の調整不要となる特定の地域につきましても、少なくとも検討はしなければならないということではございますけれども、そこにつきましては、現在の段階では、新しい法の施行及びこれに基づく行政措置の運用の成果というものを見守った上で判断をしてまいりたいというふに考えておるところでございます。
○岩本政光君 次に、特定商業集積の整備の促進に関する特別措置法案のことについて質問いたします。
 魅力のある商店街をつくっていくためには、商業者の側の自助努力だけではなくて、市町村においても積極的にこれに対応して、町づくりの一環として商店街整備を図っていく必要性が増大しております。
 このような時代背景の中で今回政府から提案されました特定商業集積法案は、商店街を核とした町づくりを進めていく上で大変意義の深いものだと考えております。この法案が制定された場合に、従来と比べてどのような商店街づくりが行われていくことになるのか、この辺の感じを御説明いただきたいと思います。
○政府委員(棚橋祐治君) 特定商業集積法案によります特定商業集積の整備は、先ほど来いろいろ御質疑をいただきましてその中でお話がいろいろありましたように、大店法の規制緩和が中心になります我が国の流通構造の変革の中でいろいろの影響を受けるわけでございます。他方、また消費者ニーズも非常に高度化し多様化しておりまして、消費者に好まれる商店でなければこれからは発展していかないわけでございます。そういうような要請を踏まえまして、商業集積の整備を通じて魅力のある地域の町づくりを推進していこう、こういう考え方で御指摘のこの法案を御提出申し上げているわけでございます。
 やや具体的に申し上げますと、この法律案の第三条第一項において「特定商業集積」を定義いたしておりますが、これは、小売業の事業の用に供される商業の中核であります店舗あるいは倉庫等のそういう商業施設と、それを支えるいろいろの商業基盤施設、例えば駐車場、最近特に駐車場が重要視されておりますが、それからコミュニティーホールとかイベント広場とかアーケードなどの顧客その他の地域住民の利便の増進を図るための多様な施設、こういうものを商業施設と一体的に設置する、それを「特定商業集積」として位置づけまして、この法律案の五条以降におきます市町村が作成をする基本構想に従いまして、特定商業集積を道路、公園、下水道等の公共施設と一体的に整備をする、こういう考え方でございます。
 そういう意味で、従来の商店街づくりとは大幅に機能が違う。具体的に申し上げますれば、お客を集める集客力の機能が大幅に向上し、そのためのコミュニティー機能あるいはアメニティー機能という快適性といいますか、そういうようなものがたくさんあります商業地帯を地方公共団体の町づくり事業と連携をさせて、かつ都市環境との調和を図りながら進めていこう、こういう考え方でございます。
 この法案につきましては、地方公共団体、地元商業関係者あるいは流通企業等から大きな期待と要望が寄せられていると思っておりますが、通産省といたしましては、建設省、自治省と一体になりまして、今後、これら関係者が特定商業集積法案を活用されまして商業集積を核とした町づくりを行っていかれる場合には、積極的に支援していきたい、こういう考え方でおるわけでございます。
○岩本政光君 ありがとうございました。
 今お話が出ましたので、建設省さんにもちょっと確認をしておきたいと思います。
 商店街に買い物に行くと、道路は渋滞しておったり、やっとの思いで商店街に着いたと思ったら駐車場がないとか、そういう関係のこともよく耳にします。また、最近のモータリゼーションの進展を考えれば、商店街の魅力を向上させていくためには、道路事情の改善が不可欠だろうと思います。
 特定商業集積法案においても、この第十七条で、「公共施設の整備の促進に配慮する」こととなっておりますが、具体的にはどのような配慮を行うのでしょうか。建設省さんの御意見、考え方を聞かせてください。
○政府委員(内藤勲君) 御指摘いただきましたように、商店街の活性化を図っていくためには、単に商業振興の観点から店舗等の商業集積を整備するだけでは足りませんで、良好な町づくりの観点に立って、道路を初め関連する公共施設等を一体的に整備し、その立地条件や都市環境の改善を図っていく必要があると考えております。
 今回、三省共管で御提案申し上げました特定商業集積整備法案第十七条は、こうした観点に立ちまして、国及び地方公共団体が基本構想を達成するために必要な公共施設の整備促進に配慮するよう努めることを規定したものでございます。
 具体的には、この法律の運用の過程で、市町村が策定する基本構想に従いまして、道路、公園、場合によっては河川などもございますでしょうし、区画整理とか再開発などがございますが、各種公共施設整備事業を推進していきたい、関係の事業を商店街、活性化すべき地域に重点的に行っていきたい。そういうことでございます。
○岩本政光君 ちょっと具体的に聞かせていただきますが、例えば駐車場整備については、どのような支援策を持っているのでしょうか。通産省は通産省でどんな考えを持っていますか。あるいは建設省はどんなことをするのですか。あるいはまた、自治省さんはどんなお手伝いの仕方をするのですか。それぞれお答えをいただいて、確認させていただきたいと思います。
○政府委員(江崎格君) 駐車場の整備でございますけれども、二通りの支援策がございます。
 まず、駐車場の中でも、商店街の組合ですとかあるいは第三セクターなどの民間業者がみずから駐車場の整備を行う場合と、それから商店街の区域におきまして地方公共団体などが公共駐車場として整備を行う場合と、その二種類があるわけでございます。
 まず、最初の民間事業者が整備を行う場合ですけれども、これについてもまた二通りございます。
 第一のカテゴリーがいわゆる今御提案しております商業集積法の枠組みの中で整備をされていくものでございます。これは、民活法上の特定施設ということで位置づけまして、これによりまして民活の補助制度によりまして、国それから都道府県の合計で土地代を除いて五%までの補助金の制度により支援をすることとしております。
 また、補助金以外の所要資金につきましては、これは土地代を除きまして五〇%までのNTTの無利子融資制度が利用可能でございます。それから、土地代を含む所要資金全体について、日本開発銀行からの低利融資、これをNTTの分と合わせまして七〇%まで利用可能というふうになっております。
 それからさらに、その駐車場のために民間からお金を借り入れる場合には、これは産業基盤整備基金などから債務保証が受けられるようになっているということでございます。
 また、税制面におきましても、特別償却の制度ですとか、あるいは地方税であります事業所税ですとか、特別土地保有税の非課税措置といったものを準備しております。
 それから次に、同じく民間事業者が整備するものですけれども、一般の商店街で駐車場を整備するという場合でございまして、これは小売商業振興法の認定計画に従って整備をするわけでございます。この場合の支援策としましては、商業基盤施設整備補助制度というのがございまして、これによりまして、国と都道府県合計で土地代を除きまして補助率二分の一で補助をするという制度がございます。
 それからさらに、この補助金以外の、これは土地代を含む所要資金でございますが、その八割までは無利子で中小企業事業団を通ずるいわゆる高度化融資で融資をするという仕組みがございます。
 それからさらに、これにつきましても民間から資金を借り入れる場合には、信用保険の制度の特例を設けてございまして、民間からの資金を円滑に調達できるようにするという制度を用意してございます。
 また、税制面におきましても、特別償却の制度ですとか、あるいは事業所税、特別土地保有税の非課税措置といったようなものを用意しております。
 それから、最初に申し上げましたもう一つの、いわゆる公共施設として、公共用駐車場として整備する場合でございますけれども、これは今回御提案させていただいております特定商業集積法において市町村が策定いたします基本構想がございますが、その中にこの駐車場を位置づけまして、建設省とかあるいは自治省さんの御所管の各種の支援策で、この施策を整備するということを期待するわけでございます。
○政府委員(内藤勲君) 建設省におきましても、商店街の活性化のために駐車場整備が特に重要だと考えております。
 従来も各般の施策を講じてまいりましたけれども、平成三年度から新しい駐車場整備施策といたしまして、まず第一に、商店街における民間の方々が共同して整備する駐車場に対する補助制度を新しく創設することにいたしました。
 二番目に、市街地再開発事業等の面的整備事業における駐車場整備にかかわる補助制度の拡充を図りました。
 三つ目には、道路管理者が駐車場の整備を行う場合の新規の補助制度の創設を図ったところでございます。
 さらに、税制面では、駐車場整備促進のため、所得税、法人税の割り増し償却制度を新しく創設いたしましたし、地方税では、固定資産税、不動産取得税の特例措置の大幅な拡充を行ったところでございます。
 さらに、駐車場の重要性にかんがみ、今国会に駐車場法の改正をお願いしておりまして、これができますと、駐車場整備地区の拡大、市町村による駐車場整備計画の策定など、計画的な駐車場整備が進められることと思います。
 以上でございます。
○説明員(松本英昭君) 自治省といたしましては、公営の駐車場を推進するという観点から財政支援措置を充実することといたしております。
 具体的には、まず第一に、従来は都市計画決定がございました都市計画駐車場を主に対象にしておったわけでございますが、それに加えまして、今回の大店法の規制緩和に対応いたしまして商店街振興のために緊急に整備が必要となりましたような駐車場等につきましては、都市計画駐車場に準ずる駐車場と位置づけまして、これを起債の対象にするということといたしたいと考えておる次第でございます。
 それから第二番目には、御案内のように、最近都市部におきまして、大変地価高騰でいわゆる広場式駐車場の建設が困難となっております。そこで、立体式または地下式の駐車場の建設が必要となっておるわけでございますが、そのためには、駐車場の建設事業費が大変高額になっておりまして、これをそのまま料金水準等にはね返らしますと利用者の負担や周辺の駐車場との均衡等の問題もございます。そこで、構造が立体式または地下式で建設投資額の回収が長期間にわたるものに対しましては、いわゆる地方公共団体の一般会計からの出資または利子補給の支援措置を講ずるとともに、この財源として出資債及び特別交付税による財政支援措置を講ずることといたしております。
○岩本政光君 今具体的な説明がありましたが、自治省さんもいらしておりますので、もうちょっと議論をしたいと思います。
 商店街を核として町づくりを推進していくためには、地域の実情に即した施策の実施が必要でありまして、市町村の積極的な関与が不可欠である。こういうことで、今もお話がありましたが、この基本構想を市町村が作成することになっているなど、地域の実勢を踏まえた制度となっております。
 しかし、市町村の中には財政的に大変苦しいところも例えばあるじゃないか、町づくりもままならないところがありますから、国として有効な施策を用意しても、市町村が財政負担をしていくことについて大変難しいところがあっては困るので、その辺の支援策を考えていたら、お話を伺わせていただきたいと思います。
○説明員(松本英昭君) 御指摘のように、商業集積を図っていきますためには、地方公共団体が負担いたします経費に適切に対応していけるようにしなければならないわけでございまして、特に御案内の市町村の財政状況というものを十分勘案してまいる必要があろうかと思うわけでございます。
 そこで、自治省といたしましては、特定商業集積法に基づきます施策の遂行のために必要となります市町村の財政負担につきましては、第一に、基本構想の策定に要します経費について地方交付税により措置を講ずることといたしております。
 それから第二番目には、市町村が地方税法六条の第二項によりまして固定資産税に係る不均一課税を行いましたもののうち、一定のものにつきましてはその減収部分を地方交付税によって補てんする措置を講じることといたしております。
 それから第三番目には、いわゆる公共施設の整備に伴います財政負担の地方の裏負担でございますけれども、これも地方債等で適切に対応していくということといたしたいと考えているわけでございます。
 さらに、市町村が独自に行いますいわゆる商店街の振興整備につきましては、新たに商店街等振興整備対策といたしまして、市町村が単独で商店街等の振興整備を図るための計画を策定されます際には、その経費につきましては交付税で措置をする。あるいは商店街等の魅力を増すためにイベント等のソフト事業等を行われるための経費に対しましても、同じく地方交付税で措置をしてまいる。それからまた、単独で実施されます、今度はハード事業でございますが、公共施設の整備事業等に対しましては、地域総合整備事業債という起債を充てまして、その元利償還金の一部を財政力に応じて交付税で補てんをしていくと、かような施策を準備いたしまして、積極的に支援してまいる予定でございます。
○岩本政光君 どうも大変ありがとうございました。
 それでは、少し基本問題に戻って、通産省と議論をさせていただきます。
 大店法規制緩和を初め、小売業については大きな環境変化が生じつつあり、中小小売商業についてはその影響が大変心配をされております。
 最近の情勢を見ましても、小売商業をめぐる構造変化が非常に起きておりまして、中小商店数は、昭和五十七年の百七十二万店をピークにして減少がずっと始まって、昭和六十三年には百六十二万店と十万店減少しております。特に、従業員二人以下の零細商店の減少がもう著しくて、昭和五十七年に比べて十六万商店減少だと。中小小売業者の事業活動の機会の適切な確保を図ることを目的としている大店法が存在しながら、五十七年以降の中小小売商店数が大幅に減少しておりますが、その点について通産省は、どんな見方というか考え方で行政を行っておられますか。
○政府委員(高橋達直君) 確かに、ただいま岩本委員からお話のございましたような中小商店の数の推移になっておるわけでございます。
 この減少傾向がいかなる事情あるいはいかなる原因によるものかということでございますが、お話のように、大店法が存在しているということでございますけれども、大店法につきましては、これは大型店と中小小売商業の事業調整をする法律でございまして、その大店法の存在する以前の問題といたしまして、我が国の社会経済の構造の変化というものがあるように思うわけでございます。中小小売商業の方々は、そういった意味で近年非常に激しい経済社会の構造変化に見舞われているということが言えると思うのでございます。
 具体的には、やはり消費者ニーズに対応したようないろいろな小売業態も出てきておりまして、そういう小売業態との競合状況、あるいは、消費者ニーズそのものが非常に多様化しあるいは高度化していく中で、そういう高度化あるいは多様化にどう対応していくかという問題、それから、よく言われます車社会でございまして、交通事情や都市構造が前とずっと変わってきたというような変化もあるわけでございまして、そういった経済的社会的構造の変化を反映したものというふうに言わざるを得ないのではないかという見方でございます。
 また、小売店側の事情といたしましては、最近特に後継者難ということが言われているわけでございますが、そういう後継者の方々がなかなか育たないというような問題、あるいは従業員の方々がなかなか集まらないというような事情から減少につながっているという面もあろうかと考えております。
○岩本政光君 昨年の日米構造問題協議の報告を受け、五月末に実施された大店法の運用の見直しによりまして、大型店の新たな出店表明が非常にたくさんなされております。今後さらに、今の大店法の改正が行われれば、相当数の大型店が出店する状況になるのではないかと、中小小売商店側からはそういう懸念が広がっているわけです。
 こうした中小小売商業者は、資金がない、もう御存じのとおりであります。ノーハウは乏しい。経営資源の面でいろいろとハンディキャップがあって、とても大型店と対等に渡り合えない。自由競争にどんどんなってくる。どうするのだろうということで、もちろん、中小企業政策は、日本はそれで大変頑張ってやってきましたが、やっぱりハンディキャップはまた広がるのではないか。二重構造のことも心配のあった時代がありますので、さらに一層その施策が必要ではないかと考えておりますが、その辺について通産省さんは、何か将来に向かってお考えがありましょうか。
○政府委員(高橋達直君) 確かに、昨年の四月に日米構造協議の中で大店法改正問題が出てまいりましたときに、我が国の中小小売商業の方々は、これはなかなか大変なことになるのじゃないかという御心配を持ったことは事実でございます。
 しかしながら、平成二年度の補正予算あるいは平成三年度の予算におきまして思い切った措置をこの際講じていただいたこともございまして、現在で私どもが認識している中小小売商業の方々の大半の意識というものは、今の機会をむしろ前向きにとらえて積極的に自分の商店街を魅力ある商店街に改造していこうじゃないかというお気持ちを持っておるものと認識をしているわけでございます。そういった方々の、やる気のある方々に対しまして、私どもとしても精いっぱい強力に御支援を申し上げようという考え方でございます。
 お話がございましたように、大企業に比べまして特に経営資源の面でのハンディキャップがあるわけでございます。御案内のとおり、商店の場合には、やはりいわゆるマーケティングと言われます消費者の方々がどんなものを買うかという購買動向を把握する、そしてそれに見合う仕入れをするいわゆるマーチャンダイジングと言われておりますけれども、そういった仕入れの面、こういった面がやはり大企業に比べてかなり弱いということもあるわけでございます。それと同時に、店舗の状況がやはり消費者に魅力のある形で改造、整備をされていなきゃいけないという問題もあるわけでございます。
 今回私ども予算でお認めいただいた対策、あるいは今御審議いただいております法律の成立を待ちまして、御支援を申し上げていこうという考え方の中では、特に商店街活性化のための計画をどうやってつくっていくかということにつきまして、資金面でも御援助申し上げますし、また知恵の部分でもアドバイザーというものを中小企業事業団に置きまして、これは専門的に高度に商業の問題に精通された方々でございまして、求めに応じましてそのアドバイザーの方々を派遣いたしまして、今申し上げましたマーケティングの問題あるいはマーチャンダイジングの問題、それから店舗の改造、あるいは全体の商店街をどうするかという問題について細かいアドバイスをいただきながら、その商店街に合った計画を立てていただくことによりまして、大型店と対抗でき、拮抗できる姿を私どもとしては期待しておるわけでございます。
○岩本政光君 そんな中で、アドバイザーとも協力いただいて御指導いただきたいと思いますが、商店街の振興を図っていくために、商店街全体が協力して全体の魅力向上を図っていくことも必要ですし、また今は事業に多額な資金がかかり、商店街の構成員が多額の資金負担を全体で分担することも必要になってまいります。
 ただ、商店街を構成する商店は業種や規模も非常にいろいろなタイプがありますので、商店主も独立心の旺盛な人も多いですが、これをリードしていく、そして意思統一を図って一つにならないと、なかなか商店街全体が発展していかないということで、地域の方でもそれを引っ張っていくためのそういう体制が必要である。したがって、優秀なリーダーが、私はいつも話し合うのですが、大変重要な意義があると思うんです。
 こうした商店街のリーダー養成のことについても、ここで通産省の考え方をお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(高橋達直君) 今回の小売の総合対策を立案するに当たりまして、私も商店街の幾つかを視察、拝見をしに出かけたわけでございますが、やはり御指摘のように優秀なリーダーがおられるところはかなりしっかりと繁栄をさせる方向でいろいろ物事を考えておられるということでございまして、商店街の振興を図る上で優秀なリーダーの存在というものは非常に重要であるということでございます。
 この点については、昨年の十二月の産業構造審議会流通部会、中小企業政策審議会流通小委員会の合同会議の答申にも、卓越した調整力あるいは指導力を持ったリーダーが輩出されることが期待されるというふうに指摘をされているわけでございます。
 しかしながら、このリーダーの育成というものは、なかなか容易なことではないわけでございますが、いろいろな知恵を絞って、その重要性にかんがみまして、意を用いてまいりたいと考えているわけでございます。
 私どもの対策としましては、地元のリーダー養成のための講習会を既に開催しておりますし、また今後も充実をさせていきたいと思っております。また、中小企業事業団に各地に中小企業大学校というのがございますが、この中小企業大学校の研修事業の推進を通じてリーダーの養成に努めたいというふうに思っております。また、都道府県におかれてもかなりの研修事業をやっておられますので、そういった都道府県と連携をとりながら、何とか商店街の優秀なリーダーを育てていく方向で我々も努力をしてまいりたいと思っております。
○岩本政光君 これは、最後の質問にさせていただきますが、中小小売商業の進展を図るため、商店街の集積の整備が必要であるということはもう今お話があったとおりですが、このような面的な整備だけでは十分ではない。
 特に、情報関連の技術の進歩が進んでおりますので、大型店ではコンピューターを利用した非常な合理化が進んでいる。そういう中で、中小小売商業においても体質の強化を図っていくためには、プリペイドカードの事業だとかクレジットカードの事業だとかスタンプカードの事業だとか、情報機器を使った顧客管理、商品管理、受発注管理を行うなど、カード化や情報化を推進していくことが非常にまた中小企業にとっては大事ではないか。
 政府としては、こうしたカード化や情報化などの面について、特段の措置をしていただきたいと思いますが、その辺の通産の考えをお伺いする次第でございます。
 そしてあわせて、恐縮ですが、大臣おられませんでしたので、最後に大臣から。
 私は長い議員生活をさせていただきまして、この中小企業、特に大店法の問題については、法律は法律で非常に滑っていきますが、むしろ通産あるいは政府の運用によって非常に結果に著しく差があるんですね。そういう意味で、全体のバランスがとれた状態でこの法律全体はいいよと、こう私は申し上げたのですが、私はきょうは中小企業の立場であれしているので、結局は、そして最後には消費者に対するいいサービスをさせるということで、逆になったら困りますが、その競争の中から健全に育っていくサービスをきっちりさせて、全体が法律の目的に合うように運用の方でしっかりとしてやっていただきたいなということです。
 決意のほども後で聞かさせていただいて、この質問は終わらさせていただきます。
○政府委員(江崎格君) 委員御指摘の中小小売業のカード化、情報化の問題でございますけれども、御指摘のように情報機器の急速な発展、普及あるいは消費者ニーズの多様化といったようなことを背景にいたしまして、小売業の経営管理の合理化の非常に有力な手段といたしまして、電算機を中心とする情報機器の導入という課題が重要になっているわけでございます。また、今御指摘のようなクレジットカードとかスタンプカードとかあるいはプリペイドカードといったような事業について、小売業者が導入するということも非常に重要な課題になっているわけですけれども、これも御指摘のように大型店に比べまして、資金面、人材面で中小の小売業者はいろいろ制約がございまして、必ずしも十分な対応ができていないというのが現状でございます。
 このために、今回の小売商業振興法の改正案におきまして、中小の小売商業者が共同で情報機器を導入いたしまして、共同の計算事業を行う、あるいは商店街でカード事業を行うとか、さらにはオンラインによる受発注ですとかあるいはPOSシステムの導入といったような、こうした事業を法律の高度化事業計画の範疇に追加をいたしまして、これらに必要な設備のための資金につきまして、高度化資金による無利子の融資ですとか、あるいは特別償却の制度ですとか、あるいは信用保険の特例といったような支援措置を用意して、情報機器の導入を支援しようというふうに考えております。
 それから、中小の小売商業者が共同で情報のネットワークの構築をするとか、あるいはカードシステムの導入を図るに当たってのフィージビリティースタディーを行うわけでありますが、こうした研究ですとか、あるいはシステム設計、これらに対しまして、これは組合ですとかあるいは商工団体に対しましての補助制度の拡充を行っておるところでございます。
 それからさらに、個々の商店で情報機器を導入するケースがあるわけですが、こうしたケースに対しましても、設備近代化貸し付けの拡充ですとか、あるいは政府系の中小企業向けの金融機関によります低利融資制度、これを創設して、これらを使いまして積極的に情報化、カード化の推進を図っていくということを考えております。
○国務大臣(中尾栄一君) 岩本委員にお答えさせていただきます。
 運用によって多くの中小小売業者等が信頼できる期待どおりの方向で成果が得られるように何とか指導方針を持っていってくれと、こういう仰せでございますが、これはもう私よりもはるかに岩本委員、中小問題やその他の問題に対して商工問題では通暁されている方にお答えするのもどうかと思いますが、私もこの問題は非常に真剣に考えておるわけでございます。
 そして、今般御審議をいただいておりまする五法案そのものが、商業をめぐる環境変化に対応するために、内外の要請を踏まえまして、そして大店法の規制緩和を図るということと同時に、中小小売商業振興策の抜本的な強化と大型店と中小小売店との共存共栄を旨としているという、この新しい商業振興策の実施を総合的に推進しようとしているものであることは申すまでもないかと思うのでございます。
 したがいまして、これら五法案の成立の暁には、この各法案の円滑かつ適切な運用に十分配慮させていただきまして、そしてまた、私ども自体も委員同様に負けず劣らずひとつこれに配慮をする方向に全力投球させていただきまして、そして全体として、中小小売業者あるいはまた消費者など関係各方面の信頼を確保することが何といっても一番大事だと思いますので、その方向づけの中に私どもは全力投球することをかたくお誓い申し上げたいと思っている次第でございます。
 覚悟の一端を述べさせていただきました。
○岩本政光君 どうもありがとうございました。
○広中和歌子君 日々の家庭生活で消費をつかさどるのは主として女性でございます。そして、多くの女性は買い物好きです。女性にとって買い物はいかによい物を安く買うかの真剣な経済行為でありますけれども、またより便利でサービスがよく買いやすい商店を好みます。そして、親しみのある顔なじみの小さな商店も好きですし、活気のある市場、それも好ましい。あるいは高級感のあるデパートやショッピングモール、そういうところに行きますと、単に買い物をするというだけではなくて、気分転換になります。そうした選択の自由、そうしたものを消費者は求めているわけでございます。
 私は、この委員会におきまして唯一の女性でございますが、こうした消費者の視点から、大店法関連法案について質問させていただきたいと思います。
 今回の大店法改正についてでございますけれども、まずこれが日米経済摩擦の視点からの改正であり、そして外圧に屈したようで大変に何というんでしょうか、消費者の側といたしましても釈然としないものもございます。
 一方、商店街の繁栄とか存続というのは地域の商店が住民とのかかわりの中で決めることであって、つまり商店の立場としては客によい物を安く提供する、便利さとか楽しさとか立地とか経済性、そうした消費者のニーズにこたえること、そういうことだろうと思います。そして、どのような商店が望ましいか、どのような商店が繁栄、存続すべきかといったようなこと、商店街そのものの立地につきましても、工場であるとか商業、住宅、学校等の公共文化施設、そういったものを総合的に地方自治体が決めるものである、そんなような気がいたします。
 この大店法並びにさまざまな今回の法案のかかわりですけれども、中央の官庁が介入すること自体に私は何か疑問を持っているものなんでございますが、大変ぶしつけな言い方でございますけれども、大臣は、どのようにお考えでございますか。
○国務大臣(中尾栄一君) 確かに委員御指摘のとおり、本当に女性のお立場で考えられ、全くお買い物とかそういうものはどちらかというと女性の方が多いわけでございますから、大変御関心を持って、しかもなおかつただいまのお言葉を聞くまでもなく、本当にそういう点では大変建設的な御意見を聞かせていただいているわけでございます。
 ただ、大店法の規定及びその運用に当たりましては、大型店の出店の実情に応じまして、国及び地方公共団体の適切な役割分担を図りながら、全体として全国的な整合性を確保していくことが不可欠なのではなかろうかというように思うわけでございます。
 一方、大店法の調整権限をすべて都道府県にゆだねる仕組みとしてしまいますことは、その運用に当たりまして地域的なアンバランスをもたらす場合もないわけではない、むしろ公平さを欠くことのおそれがあるということもないわけではないという観点から、余り適当ではないのではないかと考えておるものなのでございます。ときに、各商店でも小さな町になりますると、大変な力のあるいわゆる俗に言うボス的な存在の方もおられるというようなことから、意見そのものが偏ったアンバランスの意見が出されてはならない。
 そういう中にあって、今度の場合は改正の中に盛り込まれておりますように、その方々の御意見も十分聴取をする、意見も吐いていただく、また吸収もする、同時に、中央の方でもそれをまた半分くらいシェアをして語り合う、そういう全体的なバランスのとれた方向が一番いいのではなかろうか、こういうところからこの発想が生まれた、こう考えていただければありがたいと思うわけでございます。
○広中和歌子君 先ほど同僚委員から百貨店法に始まる大店法導入のいきさつ、歴史を伺ったわけでございますけれども、今までのこうした法律の中で、消費者の意見というのはどのような形で反映されてきたのでしょうか。そして、これの導入は、だれの依頼によって、だれの要望によって行われたのでしょうか。
○政府委員(坂本吉弘君) 大店法の運用におきまして消費者の意見という点でございますが、出店予定者が事前説明をいたすその対象として地域の消費者団体を一つの説明先ということにいたしておりまして、そこで地元の消費者の御理解を得るという努力をまず出店者側においてなされることを期待しておるわけでございます。
 それから、現在商業活動調整協議会におきまして、商工会議所が事務局になって運営しておりますこのメンバーの中に地元の消費者の代表の方々を加えて、そこで商調協の中での意見のバランスと申しますか、消費者の意見というものを伺って、それも参考にいたしまして現在の商業調整を行っておるわけでございます。
 このシステムは、大変恐縮でございますが、どの時点か定かではございませんけれども、商業活動調整協議会規則というものを定めましたときに、商調協の中にそういう人を入れて意見を聞いてもらうということを定めたわけでございます。また、現在のシステムは、昨年の五月三十日から、事前説明の対象に消費者を加えてよくその理解を得るようにというふうに指導してまいっているところでございます。
○広中和歌子君 具体的に伺います。重なるところもあると思いますけれども、お許しいただきたいと思います。
 大店審ですが、法改正の中心は、大店審の調査審議を充実させ、出店調整期間を一年以内に短縮することとなっております。しかし、大店審の体制がどのようなものかということで、いろいろ御説明いただいているわけですけれども、まず運営方法、人員の選定、期間などについて、具体的に御説明いただきたいと思います。
○政府委員(坂本吉弘君) 現在の大店審は、中央に総会がございますほかに、各地方に十六の地方部会というものを置いておるわけでございますけれども、新しく大店審を中心とした一元的な調整を行うに当たりましては、現在の体制では不十分であるというふうに思っておりまして、これを抜本的に拡充強化いたしたいと思っております。
 拡充強化の方法といたしましては、出店案件の多寡というものを考慮いたしまして地域的な配分を考えたいと思っております。例えば、大変出店案件の多い関東近県、こういったところでは一つの県に二つ、場合によっては三つくらい大店審の下部機構としての審査会を必要とするのではないか。また、そうでない大変少ない案件の地域もございますし、そういうところは少し広域的に処理をすることが可能ではないか。こんなふうに考えて、その骨格を今大規模小売店舗審議会で御審議いただいているところでございます。
 その運営方法でございますけれども、まず大店審の審議会の委員は、学識経験者の中から選ばれ、通産大臣が任命をいたすということになるわけでございます。具体的な出店案件が出てまいりますと、地元説明を終えまして出店予定者は五条届け出を出すわけでございます。その時点で、本案件は大規模小売店舗審議会の審議にかかるわけでございます。
 まず、大店審といたしましては、地元の消費者、小売業者、学識経験者の意見を聴取するということにいたしまして、ただその段階で直ちに見解が出せるというものでもございませんで、その場合には、地元の実情把握というものを商工会議所または商工会に依頼をいたしまして、その実情の把握とともに意見の整理、集約というものをお願いしたい、こういうふうに思っております。そこで、実態の把握が行われましたものは大店審に報告をされて、そこで審議をいたしましていわゆる調整を行うということにいたしておるわけでございます。
 大店審の審議期間でございますが、これは、五条届け出以降最長八カ月間の間に必要があれば通産大臣の勧告を出すという規定がございますが、それを勘案いたしますと、八カ月間の中で今の運営方法に基づいて調査審議が行われることを予定しているわけでございます。
○広中和歌子君 民間人として消費者、学識経験者とおっしゃいましたけれども、男女の比率というようなことは具体的に考えていらっしゃいますでしょうか。私が冒頭に申し上げましたように、消費をつかさどるのは八割方女性でございますので、ぜひ八割ぐらいお入れになるおつもりで御配慮いただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○政府委員(坂本吉弘君) 消費者につきまして特に男女の別ということを基準としているわけではございませんけれども、現実に委員御指摘のとおり消費者団体の代表の方は女性の方が多うございます。
 したがいまして、これから大店審が意見を聞きます比率も恐らく女性の比率が従来よりはふえるのではないかと思っておりますし、また大店審のメンバーでございますが、現在総会に七人委員をお願いいたしておりますが、うち二人は女性の方にお願いをしているところでございます。
○広中和歌子君 大体政府関係の審議会ですと、女性が一割に満たないのでございます。もうちょっと色をつけてということでございますけれども、どの程度になるのか。私は、この問題に関しましては少なくとも半数ぐらい、しかも今までの人選でございますと、何か町の顔役的な方が選ばれる、いつも同じ顔というようなことがよくあるようでございますので、これもいわゆるボランティアというのか、公募をいたしまして公正に選んでいただきたい、そんなふうに思うわけでございます。
 それから、大店審での意見聴取またはこうした下部機構での意見聴取の結果ですが、今回の法案の透明性という視点を考えれば、それぞれの意見は情報公開されるのでしょうか。
○政府委員(坂本吉弘君) この審議会は、時として大変複雑な利害関係が入り組んだものになるおそれが多分にございます。時として深刻な対立関係になることもございまして、そういう意味では、審議会の中立、公正というものを維持いたす建前から、審議は原則として公開をしないということにいたしておるところでございます。
 しかしながら、従来は、審議会の委員の名前も、不測の事態が起こることを考慮いたしまして、公表いたしておらなかったわけでございますけれども、昨今の商業調整をめぐる環境が従来よりはマイルドなものになってきたということにかんがみまして、少なくとも委員の名前の公開はすべきではないか。ただし、議事内容につきましては、事後的に議事の概要を公開するということを考えております。しかし、やはりだれがどういう意見を言ったかということは、原則として公開をしないでまいりたいというふうに思っておるところでございます。
○広中和歌子君 公聴会はお開きになるおつもりはございますか。
○政府委員(坂本吉弘君) 公聴会につきましては、ただいまのところ考えておりません。
○広中和歌子君 私は、必要だと思うのでございますけれども、ぜひ御配慮いただきたいと思います。
 今度は、商問協、商業問題協議会と大店審の関係について、位置づけについてお伺いしたいと思います。
○政府委員(坂本吉弘君) ただいま広中委員御指摘の商問協なるものにつきましては、一部の新聞にそのような名前が報道されたことがございます。ただ、私どもといたしましては、大店審に商業調整の場を一元化するということを考えておりまして、その名称のいかんを問わず、大店審以外の場で調整が行われることを予定しているわけではございません。
 ただ、先ほども申し上げましたのですが、実情の把握を行うために地元の商工会議所や商工会というところに生の意見をぶつけていただく、そこで可能な限り実態を把握していただくという必要性は今後もあるわけでございまして、そういう場が商工会議所に設けられるというそのこと自身を否定するつもりはございません。
 あるいは一部の報道におきまして、そういう場が何か従来の商調協のような審議というか調整を行う場として、誤解されて報道されたようなところはございますけれども、私どもといたしましては、実態把握は商工会議所または商工会において行い、その結果の報告を受けて、調整は大店審が行うという体制で臨みたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
○広中和歌子君 私は、やはり地元の問題でございますから、地元の商工会議所が中心となるところの商問協のような役割というのは、非常に大切ではないかなと思いますけれども、従来の商問協と違う形をとるとしたら、それは公開性ではなかろうかと思います。そういうことでぜひ御配慮をいただきたいと思います。
 大店審についてですけれども、先ほどから御説明がありますように十六ブロックで審議されているわけですが、平成元年の出店希望件数は既に千二百ございますよね。これだけの数を審査すると、幾ら下部機構がいろいろ設けられても十分対応できるのかどうか。そして、この大店審のメンバーというのは、フルタイムなのでございましょうか。同時に、この審査経過というのは公開なさいますのでしょうか、お伺いいたします。
○国務大臣(中尾栄一君) 広中委員にお答えいたします。
 大店審につきましては、審査体制の強化が必要と考えておりまして、このために大規模小売店舗審議会の総会におきまして具体的検討を開始したところでございますけれども、基本的には、調査審議に当たる組織数をふやすことをいたしまして、大店審の審査体制そのものの抜本的強化というものを図る必要があるのじゃなかろうか、このように考えております。
 また、大店審における調査審議に当たりましては、公正なおかつ自由な審議の確保をまず念頭に置かなければなるまいと。そのような自由濶達な甲論乙駁の論議を通じまして、なおかつ委員名、審議結果等の公開を含めまして調整手続の明確性と透明性と、それから可能な限りその透明性や明確性というものを確保していくという心算がなければいけないと、こう思っておるわけでございます。ただし、大店審の審議自体を公開することはやや不適当なのではないかな、このように考えておるものでございます。
○政府委員(坂本吉弘君) ちょっと補足させていただきます。
 ただいま御質問の中にフルタイムかどうかという御質問がございましたが、学識経験者を予定しておりますので、通常フルタイムではないというふうに考えております。
○広中和歌子君 今、フルタイムじゃないとおっしゃいましたか。
○政府委員(坂本吉弘君) フルタイムじゃないのが普通でございます。
○広中和歌子君 実際に、どのように機能するのか、どのような時間的な要請があるのかわかりませんけれども。
 では、現在、日本の大規模店の海外の出店状況についてお答えください。それから、日本の企業が外国のデパートなどを買っておりますけれども、その状況も。
○政府委員(坂本吉弘君) ただいまちょっと正確な数字を手元に持っていないのでございますけれども、従来から、百貨店またスーパーは、アジアの地域を中心にしてその店舗展開を図っているというのが大部分ではないかと思っております。ただ近年、例えばあるスーパーマーケットが、もともと出資を受けておりましたアメリカの親元のスーパーマーケットを買収するというようなことが最近あったわけでございますし、また、デパートにおきましてアメリカのデパートを折半で出資するというような現象が近時先進国においても見られているところでございます。
 大変恐縮でございますが、具体的な数字はちょっと手元に持っておりませんので、概要で御勘弁願いたいと存じます。
○広中和歌子君 国際化の中で、相互主義というのは当然のことだと思いますけれども、我が国といたしましては、そうした出店というのでしょうか、そういうものを抑える方向に向かわれるのでしょうか。それとも、日本の国内をもっと自由化する、すなわち二年後に大店法などを見直すというお考えだそうでざいますけれども、その方向は、どちらの方に向かうのでしょうか。
○政府委員(坂本吉弘君) 我が国のマーケットは現在も開かれておるわけでございますけれども、一層これをオープンにしていくというのが私どもの方針でございまして、外国の流通資本が我が国に単独であるいは合弁で進出してくることは、我々としてこれを抑えるつもりは全くございませんし、また参入の機会がふえるということば、我が国の国際関係を良好にするという意味でも歓迎すべきことではないかというふうに考えております。
○広中和歌子君 商業集積法、民活法、小振法などでさまざまな税制措置とか補助制度というのが出ておりますけれども、それが将来国際摩擦の火種にならないかななんというようなことを心配するのは、ちょっと心配し過ぎかもしれませんけれども、それはそれといたしまして、大店法関連といたしまして一つ例を申させていただきます。
 愛知県豊田市では、市長の諮問機関豊田市商工業審議会の答申に基づいて、町づくりの視点から計画商業地を設定し、商業振興を図り、他の地域への大型店の出店を抑制するという豊田市独自の出店調整方式を打ち出したと伝えられております。豊田市がゾーニングの手法を取り入れて町づくりを推進していきたいという意欲を持っているわけですけれども、この方式については、通産省、建設省から御見解を伺いたいと思います。
○政府委員(坂本吉弘君) ただいま御指摘の豊田市における一種の規制でございますけれども、私どもの承知しておるところでは、いわゆる五百平方メートルを超える大型店の出店調整については大店法の調整にゆだねる、五百平米を下回るいわば大店法の対象外のところについてただいま委員御指摘のようなゾーニングの手法による出店の規制を行う、こういう手法で行われておるものと思います。
 まず、基本的な考えといたしまして、大型店の出店調整のみを目的としてゾーニングの方法により大型店の出店を規制するということは、規制緩和の基本的な方向に反し、私どもとしては好ましいものではないというふうに考えておるのでございますけれども、この五百平方メートル未満のお店を調整するというのは、いわゆる横出しと言われている独自規制の方法でございます。ただ、この大店法のいわゆる横出しの規制をするに当たりましても、豊田市の説明によりますれば、五百平米以下のものについても大店法の趣旨に沿ってこれを調整するというふうに言われております。確かに、ゾーニングによりまして計画商業地というものにお店をできるだけ誘導するということでございます。
 この点は、私どもとして、そういう地域に立地する商店について自由にするとしておられますのは好ましいことであると思いますが、それ以外の地域に立地するというものを全く認めないとかというようなことになりますと、これは大店法の趣旨に反するのではないか。ただ、そういった計画商業地以外の地域への立地については大店法の趣旨に沿って調整をするということでございますれば、我々として、これについて異議を唱える立場にはございません。しかしながら、実態的には、その運用が具体的にどうなされるのかというものを見ながら対処していくというふうに考えているところでございます。
○政府委員(内藤勲君) 豊田市の例でございますが、私ども建設省都市計画関係の立場でお話をいたしますと、商業地の立地につきましては、各都市のマスタープランがございます。そのマスタープランで商業地の位置づけ、これは強制力があるというものではございませんが、構想としてマスタープランがございます。そして、商業地の配置それから整備の方針などをそこで記述してございます。それを受けた形で各用途規制が我が国の場合にはあるわけです。商業地域等の用途規制もありますし、一種住専、二種住専など、商業地、大規模商業集積の立地しにくい、そういうゾーニングもございます。そういったゾーニングがある、あるいは具体的に大店に絡めては再開発事業絡みで具体的な事業を実施しながら大店を入れていく、そんなこともあるわけでございます。
 そういう仕組みでやっているわけですが、御指摘の豊田市の方式、これは、商業活動調整の関連で先ほど通産省からお話があったとおりでございますが、都市計画の立場で考えますと、先ほど申しましたような枠組みに適合するということであれば、特に都市計画サイドとしてこうだというコメントをする立場にはないということでございます。
○広中和歌子君 この豊田市の場合ですけれども、仮称新コミュニティーマート構想と言っているそうでございますが、つまり豊田市はゾーニングによる規制を優先しようとしている。ですから、大店法の出店の抑制との関連が生じて問題があるかもしれませんけれども、そうしたときに、通産省は、民活のゾーニング計画によるコミュニティーづくりの一環としてのこうした商業集積地域をどのようにとらえておられるか。
 それからもう一つ、大店法関連五法案の中のいわゆるあめの部分、さまざまな税制上の措置とか優遇措置などは、こうした民活の場合には受けられるのでしょうかお伺いいたします。
○政府委員(坂本吉弘君) 通産省といたしましては、大店法の存在にもかかわらず、その趣旨に反した行き過ぎたいわゆる独自規制というものが大型店の出店において行われる限り、その是正を求める立場にございます。今回大店法を一部改正して、いわゆる独自規制の抑制を求めておるのもそういう趣旨に出るものでございます。
 しかし現実に、いわゆるゾーニングの手法も一つの方法でございますけれども、いろいろな手法が合理的な規制であるかどうかというような個々具体的なケースに即して、何が行き過ぎた規制であり、何が合理的なものであるかというのは、個々のケースについて判断をしていくということになろうかと存じます。
○政府委員(棚橋祐治君) 先ほど来、大店法の規制の中で逸脱しておるのではないかとか、あるいは都市計画法の中でゾーニングとしてどうだという問題については、坂本商務流通審議官あるいは内藤審議官がお答えになったとおりでございます。
 今、広中委員御質問の、例えば民活法の対象としていろいろな助成策が講ぜられるかどうか、あるいは今度の高度集積、特定商業集積のいろいろな助成が受けられるかどうか、この点につきましては、小売商業振興法の改正法案を含めまして、それらの要件を充足するということであれば、一般論でございますが、その対象になることは当然あり得ます。
○広中和歌子君 いわゆる大店法の緩和に対応しました商業施設を活性化する新しい法整備といたしまして町づくり法といったようなものをつくって、つまり美しい町並み、町づくりを形成すべきではないか、そのような気がいたします。
 私も、大店法の緩和というものは、そういう方向に行くのは当然だろうとは思いますけれども、やたらに大きな店が軒を並べるというような状況も果たして住民のサイドからいって好ましいかどうか。やはりむしろ地域でどのような町に住みたいかといった住民サイドからの町づくり法、そういう中で大店法も考えられるべきじゃないか、そのように思いますけれども、建設省はどのような御意見でいらっしゃいますか。
○政府委員(内藤勲君) 広中委員の町づくり法というのは、町を美しくしながら大店の立地も図りつつという、そういう意味かと思うのですが、現に私どもが所管しております都市計画法も、やはり美しい町づくりというのが一つの目的の中にあるわけで、都市計画法体系の中で各種の公共事業を行うとか、ゾーニングを行っていくとかございます。緑化の絡みでも、風致地区制度とか緑地保全地区とか、そういったゾーニングなどを含めてゾーニングなどもございますし、そういう限りでは、都市計画法体系の中でかなり町づくり法の性格はございます。
 特に最近は、地区計画制度という全国で五百カ所を超えてございますけれども、地域の住民の方々がこの地域をどういう形で町づくりをするか、建物の形態とか色彩とかセットバックだとか、そんなことを決めながら町づくりをする、そういう制度なども含め都市計画法体系の中にそういうものがございますので、都市計画法自身が一つの町づくり法だと思っております。
 それから、このたび提案させていただきました商業集積の法律も、商店街を中心にしたこれも一つの町づくり法ではないかと思いますが、そんなことで大店法絡みで三省で提案させていただいた法案は、大店絡みの話としては新しい町づくり法が一つ加わったというふうに理解しております。
○広中和歌子君 ときどきでございますけれども、法律はあれども、実際にはうまく機能していないというようなことがあったりするのを目にするわけでございます。
 これは、単に大きなスーパーだけじゃなくて、さまざまないわゆる娯楽施設というのでしょうか、それが畑の真ん中に忽然としてネオンまばゆいばかりに立ち上がるというようなこともございますものですから、ぜひ町を中心とした用途規制、それに関しましてはもっと厳格に推し進めるように、私は、先ほど中央からの指導というのが好ましいというような意見を言ったわけではなく、むしろ反対のような意見を最初に冒頭述べたわけでございますけれども、ぜひそういうようなことで権限移譲をやっていただき、そしてその権限を十分発揮できるような体制にしていただきたい、そのように希望するわけですけれども、いかがでございますか。
○政府委員(内藤勲君) 二つほど御質問があったかと思います。
 日本の都市計画法制度におけるゾーニングが、美しい町づくりを進める上では、十分ではないのではないかというお話かと思います。
 ヨーロッパの例などがよく出てきたりして、アメリカの場合どうとかドイツの場合どうとかございますが、まず用途地域、形態規制を含め都市計画制度というものは、その国の都市化の進展の状況とか土地利用の現況とか、あるいは都市政策に対する考え方の違いなどがありますから、そう簡単に諸外国との比較もできないかと思います。
 特に、我が国の場合にはかなり混在用途を認めている体系でございまして、都市づくりというものが美しい町づくりという意味では大きな一つの目的でございますが、都市の活性化とか効率化とか、そういったことも目的にはあるわけで、我が国は我が国の制度を考える必要があろうかと思います。
 しかしながら、地域性を含め新しい都市計画制度をどうしたらいいかということで、この一月、建設大臣から都市計画中央審議会に今後の都市計画制度のあり方についてということで諮問しておりまして、一年ほどかけてさらに勉強したいと思っております。
 それからもう一つ、権限移譲の話かと思いますが、現在でも都市計画は主として市町村の業務になっておりまして、やや広域的なもの、あるいは国として関心を持つようなものについては都市計画決定主体が県知事ということがありますけれども、基本的には今の都市計画法体系も地方自治体、市町村中心の体系になっているかと思っております。
○広中和歌子君 特定商業集積法案について、ちょっと具体的な例を出して質問させていただきます。
 これは、千葉県のしょうゆで有名な野田市でございますが、八九年三月に大型ショッピングセンターのノアが完成、そして二年たっているわけですけれども、順調な業績を上げていると伺っております。このショッピングセンターの敷地は約九万平方メートル、売り場面積が三万二千平方メートルという県内でも有数の大きなもので、その中に大手スーパー一社を核にして、ほかにも地元商店を中心とした野田ショッピングセンター事業協同組合等百店、百社ですか、そうした専門店が加わり、さらに二つの映画館、それからドライビングシアター、それからボウリング場、各種スポーツ施設、さらには郵便局、自動車ディーラー等を含む大きな町というものにふさわしいものとなっているそうでございます。さらに、直径六十五メートルという超巨大観覧車や千八百台を収容する大駐車場も備えられて、森の中で一日じゅう買い物とレジャーを満喫できる大仕掛けとなっている。
 長々と御説明いたしましたけれども、今回の特定商業集積法案というのは、こうした野田市のノアといったようなもの、そういった種類のものをイメージし、こうしたものを促進しようとされているのでしょうか、お伺いいたします。
○政府委員(棚橋祐治君) 形としては、ここで私どもが特定商業集積法で考えて御提案しておりますものと確かに似ておると思います。私どもも、物を売り買いする店舗、倉庫を核に、それを支援するいろいろのコミュニティーホール、イベント広場とかアーケードとか、この法律にございますように、顧客その他の地域住民の利便の増進を図るための多様な施設が一体的に整備される施設を特定商業集積施設と、こういうふうに名づけておるわけでございます。
 今先生御指摘のノアは、ここにも大変カラフルなパンフレットがございますが、本当に一つの小さな森の中の憩い場のような雰囲気の中で、大手スーパーと地元の小売商業の有志約六十店、それにそのほか数十店加わった大きな商業集積になっております。ただ、率直に申し上げまして幾らかというかかなりの差異があることも事実でございまして、一つは、ノアの場合はあくまで民間の方々が、野田市の中の旧商店街が、近隣のあの地域は春日部とか流山とかいろんなところに、ちょうど茨城県と埼玉県と千葉県の合流地帯という接点で、そういう新しい市ができてどんどん野田市の旧商店街から顧客が流出してしまうというので、これじゃ寂れてしまうということから、野田市それから野田の商工会議所と御相談をされて、自然発生的というか民間の方々の活力でできたわけで、我々もそれに敬意を表しているわけでございます。
 私どものこの構想は、やはり市町村が構想をつくるということで、決して官主導型ではありません。あくまで、民間の方々の熱意が中心ではありますが、それにあとの公共施設の一体性、場合によると文教施設その他とのバランス、さっき先生がおっしゃった魅力ある町づくり、そういうものとの全体構想の中でそういうプロジェクトを進めていくわけでございますので、何といいましても、市町村がいろんな角度からの配慮をしてやっていくという点で、相当地方自治体の意図がまず大きく入るわけでございます。
 それから、もう一つ中身としまして、このノアは言うなればスーパーと参加された商店の方々の共同施設でございますが、私どもの考えております高度商業集積地域といいますのは、あるいは特定商業集積地域といいますのは、周辺の、つまりそのプロジェクトに参加をされないが、そこに国のあるいは地方自治体の支援で設けられたいろいろの商業基盤施設、駐車場とか先ほどのイベント広場とかコミュニティーホールその他は、周辺の中小事業者も、もちろん適正な使用料を払っていただきますが、できるだけ活用をしていただく、それによって、直接参加をされない小売業者も大いにメリットを得る、こういうような点でまた違いがあるかと思います。
 それからもう一つは、何といいましても公共施設と一体的に整備をするということで、建設省、自治省の力で道路とか公園とか、先ほども午前中の御答弁で、場合によると河川のいろんな改修とか、そういうようなことまで考えていくわけでございます。公共駐車場はもちろんでございます。そういう意味で、言うなれば、商業の振興を図ることは当然でありますが、全体を良好な都市環境の形成というところにも力点を置きます。この特定商業集積の法律の目的にもそれがはっきりうたわれておる。こういう点で、違いといいますか構想の大きさといいますか、そういう違いがあろうかと考えております。
○広中和歌子君 ノアの場合なんですけれども、近隣の大きなスーパーとかそうしたものとの競争で負けて悔しい、悔しいという言葉は当たっているかどうか、それでおつくりになったわけですけれども、今度つくりましたらばそこが非常によく発展した。そこは、それで結構なんです。
 そういたしますと、今度野田市の商店街、旧商店街ですね、市街化地域のその商店街のお客が大幅に減ってきたということで、この動きを見ておりますと何かゼロサムゲームみたいな感じがいたしまして、一つ大きいところができるとそこで顧客をとってしまう。そういうようなことで、つまり人口が一定であり、そして消費というのがもう永遠に伸び続ければよろしいわけですけれども、そのパイが決まっておりますと、新しい物をつくればまた新たな動きが起こり、それは自由競争ということで呼べばよろしいものかもしれませんけれども、それが民活で行った場合には自由主義経済のもといたし方ない、世の常ということで言えるかもしれません。
 通産省のような強力な官庁が支援する形で一大ショッピングセンターができたような場合には、周辺の商店街としてはかなり傷つくのではないかというような気がいたしますけれども、いかがでございましょうか。
○政府委員(棚橋祐治君) 広中先生はノアの御視察になって大変いろいろ御調査いただいておりますので、その点についても敬意を表する次第でございます。
 あの周辺の地域は、御承知のように野田市を中心にすれば、春日部市とか柏市がそれよりもうんと人口が多い、それから流山市があるというところで、新興の住宅地がどんどん東京近辺から人が移っていったりあるいは地方から来て膨れ上がっておりまして、古いしょうゆの町のむしろ宿場町であった野田市は停滞してしまったということで、野田市の中の人たちが何とかしなきゃいかぬということで始まったわけでございます。
 確かにおっしゃるように、言葉じりをとらえるわけじゃありませんが、全国一円、あるいはそこまでいかなくても県単位で考えれば、人口の伸びあるいは消費者の消費性向の高まりぐらいの伸びしかないわけですから、まあゼロサムというと変ですけれども、どこかが栄えればどこかが寂れていくということは一般的に言えますけれども、この地域につきましては、野田市がほっておけば、名前を挙げて悪いんですが、春日部とか柏とか流山の新しい商店街、スーパー等にどんどん食われてしまうという意味においては、ここの今度のノアといいますか一大商業センターは大成功ではなかったかと思います。
 ただ、野田市の旧商店街が若干衰退したのではないかという御指摘の点につきましては、これは閉店等若干そういうお店は当然あるわけでございます。私どももその理由を関心を持って商工会議所その他からいろいろ伺っておりますが、やはり後継者難とかいろいろのことで寂れていったお店もあります。もう一つ興味のあるのは、地元のお店が五十七店ノアに出店しておりまして、それで本店を野田市の旧市街地に置いて、支店の形で出ておられまして、支店で参加された方のほとんどは今のところ成功されておりまして、本店が若干振るわないのを支店が補っておるという点で、全体としてはノアに参加されている方々は、私どもが得ております情報では今のところ御満足、むしろほかの市に流れたお客さんをブロックできた、こういう点で非常に今のところビジネスの点でも意欲満々のように伺っております。
 それからもう一つ、私どもの構想は、通産省といいますか、建設省、自治省と一緒ですが、国は基本的な指針だけで最低限の全国共通の指針をつくって、あくまで具体的にプロジェクトごとに、例えば野田でいえば野田市のような地方自治体、特に市町村が中心になってプロジェクトをつくりますので、どこにそれをつくってどの程度の規模のものをつくるかということは、当然その周辺の中小小売商業全体の盛衰をよくよく見られながらプロジェクトをつくっていく。
 そういう点において、地域の特性、事情を十分熟知しておられる関係者の方々の構想によって、私どもの考えております特定商業集積を――特定商業集積に二つあって、一つはスーパーが入った今のノアのような高度商業集積と、それからスーパーが入らなくて既成のいわゆる小売業の方々だけが同じ場所を再開発するとか別の場所で大きな商業団地をつくるとかいろいろありますので、二つのパターンがありますが、いずれのパターンであっても、その地元の関係者のやっぱり英知を集めて、みんなが栄えるというか、全部栄えるわけにもいかないのでしょうが、全体的に栄える方向でこのプロジェクトを進められるという点で、私どもはこの構想に大いに期待をしておる。
 先生御指摘の点も全くないとは言えませんが、できるだけそういうことがないようにしてこのプロジェクトを進めていきたい、こう考えている次第でございます。
○広中和歌子君 私は、大店舗関係のことでアメリカの関係者とお話ししたことがあるのですけれども、アメリカの場合もかつて小さな店がいっぱいありまして、しかしながら大店舗が、スーパーマーケットだけではなくてショッピングモールとかさまざまな大商店街が郊外にあちこちにできまして、これは車社会に対応したものでございますから、かつての町の中心地の商店街とかそれから昔汽車が通っていた駅を中心として発展していた商店街というのはつぶれてしまった。
 そのことなんですけれども、その人たちは、困ったかどうかということを伺いましたらば、適当に方向転換をしていると。今御説明もありましたノアの商店街の人たちのようにショッピング街の方に出店をして古いところはたたんでしまうといったような形の転換もありますし、また後継者難とか自分で店を自発的にたたんでしまいたいといったようなことで、うまく対応しているので、日本の場合も決して心配ないのじゃないかというようなことを言っておりました。
 それで、今度の法律なんでございますけれども、リゾート法とかいろいろ通産省は御計画いっぱいおつくりになるわけですが、商業の発展も大変すばらしいし、そしてそれが今おっしゃいましたような商業集積法によって、私たち消費者にすばらしいショッピングパラダイスみたいなものをおつくりくださるのはありがたいのですけれども、そこに使われるさまざまな補助金、税制上の措置でございますが、例えば八〇%ぐらい無利子で融資するというようなのがございましたよね。これは何年の月賦なのでしょうか。そして、それは事実上補助金に等しいものになるのじゃないですか。
○政府委員(棚橋祐治君) 今、広中委員おっしゃいましたいろんな助成の中で、補助金のほかに、事業団の融資、無利子融資、開銀等の融資等がございますが、原則二十年の期間に返済をしていただくということを考えております。
○広中和歌子君 そういたしますと、例えば商業施設は、事業団高度化融資、無利子、八〇%と書いてございますよね。これは、二十年借りるということは、例えば百万円借りるとどのくらいもらうことになるのですか、補助金としては。私は利子の計算よくわからないのですけれども、たしか七年で倍に……。
○政府委員(高橋達直君) 今、広中委員から御指摘のあったケースでございますけれども、商店街を整備していく場合にいろんな資金がかかるわけでございます。そして、その資金がかかるうち、いわゆるハードなものの整備ということで舗装道路を整備するとかあるいは商業施設を整備するとかいうことになるわけでございますが、商業基盤施設ということでみんなで使うというところにつきましては、国と県でまず二分の一の補助ということ、両方四分の一ずつで合計で二分の一の補助ということになります。ただ頭打ちがございまして、最大限三億円、県と組み合わせまして三億円でございますが、頭打ちがございます。それは例えば土地代などは入らないわけでございますけれども、その総事業費の残りの部分につきまして、ただいま産政局長からお話し申し上げましたように、その総事業費の残りの八割につきまして無利子で御融資申し上げるという制度が、中小企業事業団のいわゆる高度化融資という制度があるわけでございます。
 したがいまして、無利子でございますから、何年たちましても利子はないわけでございます。ただ、二十年で年々返していただくということでございますが、そのうち冒頭の五年は据え置きということでございまして、つまり六年目から二十年目まで年々返済をしていただくという格好でございますので、金利はつかないというふうに御理解いだだいて差し支えないと思います。
○広中和歌子君 今、金利は年によって違いますけれども、もし商業ベースで二十年お金をお借りするとしたらお返しするまでに、例えば百万円借りれば何百万円お返しすることになるのか。二百万円ぐらい、三百万円ぐらい返すことになるのですか、三倍ぐらいになるのじゃないですか。
○政府委員(棚橋祐治君) 複利計算でやれば、恐らく二倍ないし三倍になろうかと思います。
○広中和歌子君 そのお金は、銀行がチャリティーで、慈善で出してくれるわけじゃなくて、国から出るわけでございますから、要するに税金ということになりますよね。そういうことを我々の税金からやるということは、どういうものなんでしょうか。お考えはいかがでしょうか。
○政府委員(棚橋祐治君) 確かに、おっしゃいますように、補助金とそれから無利子といえども融資とは基本的に違うことは御承知のことだと思いますが、この原資は、補助金の場合は税金である場合もありますし、それからNTTの無利子融資というのは、NTTの例の株のいろいろの益金をプールいたしまして、産業投融資特別会計から出融資をするという制度の一つでございます。
 それから、開銀の場合には、財投が原資でございますので郵便貯金等が運用される形態で、ほとんど普通というか、特利はありますが、融資でございますが、郵便貯金が原資になっておるわけでございます。
 ただ、大変僣越なことを申し上げますが、国の政策として例えば中小企業を育成することが我が国の産業基盤といいますか、経済基盤の非常に重要なかなめであるということで、それがひいては国民経済全体に重要であるという政策目的で、そういう税金である場合もありますし、いろんな資金の活用である場合もありますが、それを運用する。ひいては、広い意味で消費者にもその利益が還元もしていくということで、こういう政策が採用されているのだと私は理解をいたしております。
○広中和歌子君 こんなこと言いたくないのですけれども、自由競争の原則の中で、こうした補助金に頼り出しますと切りがなくなるのじゃないかということで、私は日本の商業の将来のためにちょっと心配なんでございますけれども、いかがですか。
○政府委員(棚橋祐治君) 商業とか農業とかそういう分野におきましては、生産性が非常に低い分野でございます。こういう分野につきましては、濃淡いろいろございますけれども、各国においてやはりそういういろいろの政策手段によって助成を行っているわけでございまして、もちろんその助成が行き過ぎた場合には、国内的には大きな財政負担になりますし、財政赤字の原因にもなります。また、対外的、国際的には、それが貿易障壁にもなって批判をされるということであります。私ども、商業政策についてのこういう助成については、必要最低限のあくまで自由主義、市場原理を前提にした助成であると考えておりまして、私どもの考え方では経済の市場原理の基本をゆがめるようなものではない、こういうふうに理解をいたしておるわけでございます。
○広中和歌子君 ちょっと別の視点で伺いますけれども、日本の商業に従事している人口、店の数です。それは、日本の人口例えば十万人につき何店ぐらいの割合なんでしょうか。
○政府委員(高橋達直君) 商業に従事している就業者の方々、これは六百四十万人ぐらいいらっしゃると思います。これは小売でございます。それから、卸はまた別途四百万人ぐらいいらっしゃいますので、全部で一千万人ぐらいかと記憶しております。
○広中和歌子君 諸外国と比べますと、非常に多いのじゃないですか。ここに数字がございます。小売業の国際比較、日本、アメリカ、イギリス、フランス、西ドイツの例がございますけれども、人口一万人当たりの小売店数は、日本が百三十二、アメリカが六十五、イギリスが六十一、フランスが八十七、西ドイツが六十七。ですから、諸外国に比べて約倍以上あるわけでございます。
 それから、今確かに大型店が出ましたためにどんどん商店の数が減っていると伺っておりますけれども、そのおやめになる理由の主なものを四つ挙げていただけませんか。
○政府委員(高橋達直君) 私どもの商業統計によりますと、昭和五十七年から六十三年までに十万店ぐらいお店の数が減っているわけでございます。
 その原因は区々でございまして、なかなか一概にはわかりませんし、またそれぞれの事情があるかと思いますけれども、一般的に、社会経済構造の変化に対応して、いろいろなお店の業態が出てきて競争が激しくなったことに伴って、その競争についていけないというケースが多いかと思うわけでございます。
 それから、それと関連するわけでございますが、消費者のニーズが非常に高度化、多様化してまいりまして、いろいろな欲求があらわれてまいりまして、そういうものに対して供給サイドで対応できない、お店の品ぞろえができないというような事情でやはり競争についていけない、こういうこともあろうかと思います。
 それからあとは、大きな理由でございますが、後継者難でございます。これは非常に大きいと思うのでございます。
 それから、最近の私どものアンケートなどでは、大型店との競争になかなかついていけないという理由も多いかと思います。
○政府委員(棚橋祐治君) 先ほど中小企業庁長官から申し上げました数字について、若干補足を申し上げます。
 統計の国際比較の関係でちょっと数字が古くて恐縮ですが、一九八五年時点での卸、小売業の国際比較につきまして、私が持っております通産省の九〇年代流通ビジョンの参考資料でございますが、日本が卸売、小売業就業者数全部合わせまして千七十八万人、八五年当時でございます。米国が二千二百三十万人、米国の人口が日本の二倍強ですから、米国の場合も相当に卸、小売に従事しておる就業者が多いわけでございます。特に小売が多いわけでございます。西ドイツは三百十七万人、人口は東独を併合する前ですから日本の半分でございますが、それにしても確かに西独は日本よりもかなり低い。フランスも大体三百五十万人でございます。日本とアメリカとの比較においては、日本が必ずしも就業者数が少ないということではないと思います。
○広中和歌子君 わかりました。
 廃業の理由でございますけれども、まず第一に売り上げが横ばい、余り売り上げが上がらないというのが第一の理由、それから高齢化、後継者不足、それから将来の見通し、これが廃業の四つの大きな理由でございます。そのほかにも、近所にコンビニエンスストアができたとか、そういうようなことがございます。
 そういうようなことで、やめたい人は、後継者不足とか高齢化ということでおやめになるということもやむを得ないというのでしょうか、無理にお引きとめすることもないのじゃないかという気もいたします。それから、日本は今人手不足でございますよね。ですから、次第にサービス産業の人口の一部が生産その他の分野に、それからサービス産業でも例えばハイテクの分野などにシフトしていただきたいというふうに思っていらっしゃる通産省の方は、いっぱいいらっしゃるのじゃないかと思います。そうした就業人口のシフトという観点からいたしまして、無理やりに保護をしていくということもどうかと思います。
 それから、アメリカとの比較をおっしゃいましたけれども、アメリカの場合は、工場生産に従事する人の割合が減り、そしてサービス産業の方で就業者が多いわけでございます。それは、やはりアメリカの産業構造の変化によるものと、それから移民その他、就業人口が非常に多くて、手っ取り早い就業先がサービス分野であるというようなこともあるのではないかと思います。
 そういう中で、保護をされるということは消費者の視点からいうとほどほどにしていただきたいというふうに思うわけですが、こうした自由競争によらない商業集積地域をあちこちにおつくりになると、それは今商業の分野でも国際化が言われている中で、新たな貿易摩擦の火種になるようなことはございませんか、お伺いいたします。
○政府委員(棚橋祐治君) 広中委員御指摘のように、確かに後継者難とか、それから売り上げが伸び悩んでもう嫌気が差したとか、当然いろんな理由があってやめていく方々は、これはもう自由競争ですからあり得ると思います。
 私ども、今回この関係では、大店法の規制緩和のほかに、特定商業集積法、それから民活法と小売商業振興法の改正法の三法の支援措置は、衰退していく小売商業を無理やりに保護主義の形で支えるということでは我々の哲学では決してないつもりでございます。我々は、特に急激な流通構造の変革、なかんずく大型店の進出規制緩和がありますので、そういうことで進出がここ数年急激にふえていくであろう中で、後継者もおり、やる意欲も旺盛な商業者、それがお店の姿を一新して商店街としてこれから生き残っていこうあるいはもっと発展していこうという方々を地域の特性を勘案しながら支えていこうというわけでございます。そういう意味で、時代の流れで衰退していく、それを無理にブロックする保護主義的な観念でこの商業政策を展開しているつもりは、委員も御承知の上でお尋ねになったのだと思いますが、毛頭ないわけでございます。
○広中和歌子君 最後に、ノアの計画だけではなくて、さまざまな地方での画期的な独自の取り組みなどもあるわけでございまして、そうしたものを掘り起こし、応援する意味でも過度な保護政策というのはお控えいただきたい、そういうふうにお願いして、私の質問を終わります。
 どうもありがとうございました。
   〔委員長退席、理事前田勲男君着席〕
○市川正一君 最初に、今回の大店法改正、輸入品専門売場の特例法案の意図するところについて伺います。
 この法案の根拠になっている産構審流通部会、中政審流通小委員会、この中間答申では、一つ、消費者利益への十分な配慮、二つ、手続の迅速性、明確性、透明性の確保、三つ、輸入拡大の国際的要請への配慮という三点を挙げておりますが、これを具体化したものと理解してよろしゅうございますか。
○国務大臣(中尾栄一君) まず、大店法改正の内容や理由ということでございますから、冒頭に私もお答えさせていただきたいと思います。
 今回の大店法の改正そのものは、昭和六十三年十二月の規制緩和推進要綱、あるいは平成元年六月の九〇年代流通ビジョンの提言及び昨年の日米構造問題協議最終報告を踏まえて提案したものであるということは申し上げたわけでございますが、その理由、内容といたしましては、まず内外からの規制緩和の要請を踏まえまして、出店調整処理制度について、消費者利益への十分なる配慮等、手続のまずは迅速性また明確性あるいは透明性というものの確保というものに力点を置いているわけでございます。
 第一に、国が調整を行うものと都道府県知事が調整を行うものとの境界面積、すなわち種別境界面積を現在の二倍に引き上げるとともに、調整に際しましては、通商産業大臣または都道府県知事から意見を聞かれた審議会が消費者等から広く意見を聞くこととするというわけでございます。
 第二に、地方公共団体が独自規制を行う場合には、大店法の趣旨を尊重して行うこととしているわけでございます。
 第三は、附則第二条において、改正法施行後二年以内の検討その他所要の改正を行うこととしております。
 なお、今回の法改正に伴いまして、出店計画に関する調査審議につきましては、商調協等の制度を廃止しまして、法に基づき大店審が行うことといたしまして、また出店調整処理期間を全体として一年以内とするということにしているわけでございます。これは、この産構審、中政審の答申を具体化したものでございます。
○市川正一君 懇切に御答弁ありがとうございました。
 そうしますと、今の最後におっしゃったこの趣旨というのは、実は、日米構造協議の中でアメリカが流通問題について要求したことと内容的にも一致している。それから、また経団連が要求しております流通問題での規制緩和内容とも一致しております。したがって、今回の改正はこういう要求にもこたえたものと、こう受けとめておりますが、それでよろしゅうございましょうか。
○政府委員(坂本吉弘君) そういった要請にもこたえたものであると考えております。
○市川正一君 ところで、この大店舗の進出で大きな影響を受ける中小小売業者やその団体などからは、今回のこうした法改正の趣旨で大店法を改正してほしいという要望はございましたでしょうか。
○政府委員(坂本吉弘君) 先ほど市川委員お触れになられました産業構造審議会及び中小企業政策審議会の合同会議におきましては、数人あるいはそれ以上の中小企業関係者、商店街組合、そういった方々の御参加を得ておりまして、そういった方々にも十分御審議をいただいて、答申を得たところでございます。
○市川正一君 先ほども広中委員からだれの要望でという御質問があって、坂本審議官から明確なお答えを伺えなかったように記憶しておりますが、私は、今そういう審議会の構成を申し上げているのではなしに、中小小売業者側の要望に基づくものではなしに、一問、二問で質問いたしましたように、日本、アメリカの流通大企業の要求にこたえたものであるというのが実態だということをまず指摘しておきたいと思います。
 そこで、この法改正のねらいとしているところの三つの点を冒頭申しましたが、まず、消費者利益への配慮ということについてでありますが、中間答申は、「大店法の規制緩和により、小売業における一層自由な競争条件が整備され、十分な業態展開や地域的展開が図られることを通じて、消費者の選択の幅の拡大に寄与していくことが重要である。」、こう述べています。
 そこで伺いたいのは、消費者利益とは即大型店に対する規制を緩めること、つまり出店を自由にすることなのだろうかという疑問を私は持つのですが、その点はいかがでしょうか。
○政府委員(坂本吉弘君) 消費者の利益というのをどうとらえるかというのは、さまざまな角度からとらえることができるのじゃないかと思います。購入する物品の品質、価格、あるいは最近特に重視されております消費者の選択の幅の拡大、こういった消費生活及び消費者の意識の変化というものに商店側が、大型店であれ中小小売店であれ、どうこたえていくかということがやはり消費者の利益を図るということではないかと存じます。私どもといたしましても、大型店のみがそういった消費者の利益に貢献しているものとは考えておりません。むしろ、中小の小売店もいろいろな工夫をされて消費者のきめ細かなニーズに対応されるというのは、消費者への利益の確保であるというふうに思っております。
 いずれにしろ、大型店の進出を余り抑えることによって消費者の選択の幅を抑えていくということは、消費者の利益に反することでもあり、我々としては、できるだけ大型店につきましてもその規制を緩和して、そういった消費者の要望にこたえたい、こう思っておりますし、また法におきましても、出店調整に当たりまして消費者の意見を聞く機会を広げたい、こんなふうに考えておるわけでございます。
○市川正一君 しかし、今度のこの改正案は、要するに出店の自由化です。規制緩和というふうに今おっしゃったけれども、規制の撤廃だと私は言いたいのです。
 よく、引き合いに出される、出店に十年もかかるという話がありますが、武藤前通産大臣が、それはレアケース、まれな例だとはっきり言明なさいました。また、流通マージン率は、アメリカに比べて日本の方が六・二%も低い。これは、通産省の日米国際産業連関表でも明確なところであります。大店法はまた内外無差別に適用されてもいるし、開かれています。さらに、大型店の価格が中小小売店の価格より高いことも、これまた政府や東京都の資料で示されているところであります。
 そうしますと、大店法の規制緩和即消費者利益という図式への疑問を持つのは私だけではないと思うのですが、この点は再度伺いたいのですが、この図式はいかがでしょうか。
○政府委員(坂本吉弘君) 先ほどもお答えを申し上げたわけでございますけれども、やはり最近における消費者ニーズの変化というのは、供給サイドの小売側の対応よりも間々急激に変化しているというところもございます。できるだけそういう意味では、中小小売商でいくとかあるいは大型店でいくというふうにサプライサイドで余り決めないで、やはり消費者の選択に任せていく、できるだけそういうことを重視していくというようなことが、商業政策における消費者の選択の幅を広げるということになるのではないかというふうに考えております。
 従来、例えば大型店を出店するに当たりまして、やはり平均的に出店調整に三十数カ月というものを要しておるのは、安くてあるいは品ぞろえの豊富な大型店を望む消費者の声に即応できない部分があるのじゃないかというような点も考えまして、できるだけ迅速な手続で出店が可能なようにと考えているところでございます。ただ、これで委員御指摘のように、もう大型店の出店は全部自由になるとか、実際上出店調整の廃止であるとか、そういった点については、我々はそうは考えておらないところでございます。
○市川正一君 その問題は後で問いかけたいと思うんですが、今、坂本さんも消費者の声ということをおっしゃった。
 例えば、これは日経流通新聞ですが、去年の八月十一日に、東京の地婦連、地域婦人団体連盟の田中里子事務局長がこういうことを投稿されております。「限られた地域に大型店が集中出店して寡占化するのは好ましくない。」「さまざまな小売り業態があって、適正な競争をし、補完し、共存していけるように政策誘導すべきだ。その方が消費者の選択の幅が広がる。」「大量生産品で、スーパーが安く仕入れているはずの商品が中小商店より高い。腹立たしい思いがする。」というふうに指摘しております。
 これは、もちろん田中里子さんの御意見ですけれども、私は消費者の声として耳を傾けるべきだと思うんです。つまり、消費者は単純に大型店の出店を野放しに自由化することを決して望んではいない。大型店だけが消費者利益を保障するものでない。地域の商店が栄え、そういうことによって地域が活性化することを望んでいるというところにこそもっと光を、もっと目を注ぐべきだということを私は強調いたしたいのであります。
 次に、輸人拡大の国際的要請への配慮について伺いたいのでありますが、大型店が欧米の商品輸入に果たして寄与できるのだろうかという疑問を私は提起せざるを得ぬのです。実態を見ましても、スーパーの輸入の大部分はNIES商品です。アメリカとの貿易不均衡是正にはほとんど役立っておりません。なのに大店法の特例法で、一千平米までの輸入専門売り場の設置に対して、これを調整対象から除外する特例を新設することになっているわけです。この措置で、日米の貿易不均衡に実際的効果があるとお考えでしょうか。
   〔理事前田勲男君退席、委員長着席〕
○政府委員(坂本吉弘君) 輸入品専門売場に関する特例法を設定いたしました背景は、我が国の貿易の不均衡を少しでも是正したいという国策の要請に基づくものでございます。
 かねて、日米の間におきましていろいろな機会の貿易協議を通じまして、我が国に対するマーケットアクセスを少しでもふやそうということに我が国としても努力をしてまいったわけでございます。そういう意味で、やはりマーケットアクセス、参入機会というものをできるだけ広く拡大し、そしてアメリカからの輸出あるいは諸外国からの輸出に対して障害になり得るところを開放していくということが我が国の国是であろうかと思っておるところであります。
 委員御指摘のように、これによって例えば何ドル改善するかという点については、今定かに見通しを立てにくいわけでございますけれども、少なくとも、参入機会というものに対する阻害要因というものをできるだけ緩和することによりまして、国際関係を良好に保っていくということは、輸入の拡大あるいは国際関係の形成に大変積極的な要素になり得るのじゃないか、こんなふうに考えているところでございます。
○市川正一君 結局、実効というよりも、精神的な効果みたいなことにならざるを得ぬと思うんです。
 はっきりさせたいのは、アメリカの貿易インバランスは現行の大店法によってもたらされたものなのか、そうじゃありません。ノーです。対米貿易で莫大な黒字を出しているのは、自動車やエレクトロニクスの二業種四品目が中心であるということはもう明白です。そうしますと、大店法の特例措置で貿易インバランスの解消を図るということが日米構造協議で俎上に上ってきた、それは全くお門違い、筋違いだ。しかも、思ったようにアメリカの対日輸出がふえないということで、さらなる大店法の規制緩和へとエスカレートしていくことは不可避ではないかと思うんですが、この点はどういう御認識でしょうか。
○政府委員(坂本吉弘君) 具体的な効果という点に関しまして、一つの参考かと存じますが、昨年の五月三十日以降、百平米までにつきましては運用で、調整不要で各お店ごとに輸入品専門売り場を設置していいということにしたわけでございますが、現在まで六十件の輸入品専門売り場が形成される状態になっておりまして、全くこれがノミナルなものであるとも私どもは思っておらないわけでございます。それからまた、これからこういったことによりまして、我が国へのマーケットアクセスというものが容易になるということを踏まえまして、外国の商店その他も進出してくるというようなことも考えられるのではないかと思います。
 ただ、これによって何ドルしかふえなかったあるいは予想したよりも低かったというようなことを米側に言われるということは、私想像を今いたしておりません。むしろ、この参入機会というものをできるだけ広くし、かつ我が国において大店法という枠組みを維持しながら、しかし輸入の拡大については特段の配慮をするということについて、現在までのところ、アメリカは積極的に評価しているというのが実情でございます。
○市川正一君 アメリカの通商代表部の次席代表であるリン・ウイリアムズ氏がいろいろ述べた上で、大店法でさえ実現のための具体的なタイムテーブルを設置している、もしこれらの制度がうまく機能しない場合には、その一つ一つについてもとに戻ってやり直しがきくことになる、これによってプレッシャーをかけ続けることになるという発言をいたしております。私は、事の成り行きは、効果が上がらなければ、アメリカは大店法そのものに対する要求をエスカレートしてくるということを指摘せざるを得ぬのですが、今坂本さんは、大店法という枠組みを残してということをおっしゃいました。
 大臣にお伺いいたしたいのですが、今回の改正で大店法の二年以内の見直しを条項の附則として入れているのです。そうしますと、日米構造協議の中では大店法の廃止とかあるいは大都市地域の特定地域での大店法の規制撤廃などをうたっておりますが、大店法廃止は考えていないというふうに衆議院ではお答えいただいておりますが、私もその点は明確に確認をさせていただきたい。
○国務大臣(中尾栄一君) ただいまるる御質問賜りましたけれども、また内容も承りましたが、御指摘の大店法の見直しにつきましては、大店法改正法の附則第二条に示されておりますように、法改正の規定及び実施状況につきまして、改正法施行後二年以内に「検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずる」こととしておるわけでございます。「必要な措置」の内容につきましては、二年以内に検討を加えた結果評価されるものでございまして、現段階においては何ら決まっているものではございません。
 また、「必要な措置」の内容といたしまして大店法の廃止を考えておるのかどうかという点についてもちょっと触れてみたいと思うのでありますが、通産省としましては、今回の大店法改正によりまして日米構造問題協議において議論された所期の成果が得られるものと期待しておりまして、したがいまして、二年後の見通しの中で大店法そのものの廃止を検討するということは全く現在は考えておらない、こういう立場をとっております。
○市川正一君 よくわかりました。
 次に、具体的な内容に入るのですが、まず手続の迅速性、明確性、透明性の確保についてであります。
 今回の改正は、今までの大店法及び運用通達の二本立てから、大店法の法律に基づく出店調整だけにするということになります。すなわち、地元説明とか商調協を廃止し、特定市町村制度を廃止するということが伴ってまいります。出店調整についての法律上の改正は行われておりません。
 とすると、法律に基づく手続きは、開店日の七カ月前までに三条の建物届を出し、開店日の五カ月前までに五条の小売業の届けを出すことになります。通産省はこの法律による出店調整期間は十二カ月にすると説明しておりますが、三条届け出後の四カ月間が地元説明、五条届け出後の八カ月間が大店審での調整ということが法律上明確になっていないのです。
 これでは、手続の明確性といいながら、改めて運用通達を出さざるを得ないのではないか。結局、今までどおり法律と運用通達の二本立てで出店調整を実施することになって、政府の言う透明性の確保ということには相ならぬと思うんですが、この点はいかがでしょうか。
○政府委員(坂本吉弘君) 今回手続を明確化し透明性を高めようといたしましたのは、従来大店法の法律以外にさまざまな行政指導及び運用通達による仕組みを考えておりまして、その点が対外的に見ましても大変わかりづらいというところもあり、また、国内からも非常に密室による調整ではないかといったような指摘をかねて受けてきたところでございます。
 そういう意味で、法律そのものは、ただいま市川委員御指摘のように、期間において定めておりますのは、各条項、営業開始日の制限あるいは出店の制限というところでございます。私どもといたしましては、今回できる限り法律の手続に忠実にこれを行おうということで、例えば出店調整のスターティングポイントを法三条の建物設置者の届け出というところからスタートをしようということにいたしたわけでございますけれども、御指摘のように期間に関する条文そのものは、今回改正をいたしておりません。
 最長八カ月問の大店審における審議は、これは法律上定められた期間でございますけれども、全体としてこれを一年にするという一つの常識的な線というものを考えまして、地元説明という行政指導を導入したわけでございまして、完全に御指摘のとおり法律手続のみに調整のプロセスをゆだねたわけではございません。
 そういう意味で、地元に対する説明というものを何とか確保して、大型店の出店に対する地元の理解を得るための期間というものをあえて設ける必要があると判断いたしました。そういう意味では、地元説明というものを重視した結果、四カ月間という期間を行政指導において設定するということになったわけでございます。
○市川正一君 続けて、明確にしてほしいのですが、出店調整は、五条の営業届が出されてから八カ月以内に大店審で調整することになったわけですね。今までは、事前商調協で慎重に調整して地元合意を形成した上で、五条の届け出後正式商調協を実施したので、四カ月で調整は可能だったのです。今度は、そういうプロセスなしにストレートに五条届けが出されるのですね。しかも、それを処理するのは、たった七人の大店審の委員でやるというわけでしょう。この七人で全国各地の実情を考慮した調整をやるということは、およそ不可能じゃないですか。もしできるというのだったら、それを結局うのみにするということしかないのですね、実際問題として。
 しかも、大店法の七条では、勧告は四カ月以内と決められております。四カ月進んでしまえば、変更勧告も、それに基づく命令も行うことはできません。この四カ月間に地域の実情を十分に把握し、それを出店調整することは事実上不可能じゃないですか。これでもあえてやれるというのですか、そこをひとつお聞きしたい。
○政府委員(坂本吉弘君) 大店審における調整を中心といたしまして新しい商業調整のシステムを考えるに当たりまして、ただいま市川委員御指摘のように、大店審の総会の委員七人ですべてを処理するということではございませんで、私ども、大店審の機能及び人員を抜本的に強化いたしたいと考えておるわけでございます。
 特に、地元の実情を十分把握するという点では、大店審のただいまの十六のブロック別の地方部会でも不十分であると思っておりまして、例えば非常に出店件数の多い県では一県に二つないし三つの大店審の下部機構を設ける必要があるのじゃないか、また原則的には県に一つくらい考える必要があるのじゃないか。こういうことによりまして、地元の意見というものが十分大店審において把握できる体制というものをこの法の施行までに整えたいということを考えておりまして、現在その骨組みにつきまして大規模小売店舗審議会に諮問をいたしているわけでございます。
○市川正一君 僕は、そんな無責任な話はないと思うんですよ。
 これは、おとといの日経流通の二面に出ておりますので、大臣もお読みになったと思うんですが、大店審の委員長である中村孝士東経大の名誉教授がこう言っておられるのですね。「実は改正大店法にはいくつかの問題点がある。出店調整の審議を大店審に集中するのがその一つだ。」「審議の停滞は免れない。それに中央審議一本では地方特有の事情や声も反映しにくい。私自身、大店審の委員長をやっているので痛感するが、商問協のようなものがなければ大店審での調整の判断基準が得にくい。」と言っておられるんですよ。
 私は、こういうことがやはり実情だと、その実情にどうこたえるかということをもっと真剣に考えてほしいと思う。
 時間が参りましたので、私最後に一問お伺いしたいのですが、大店審の調整結果について、不満のある消費者や小売業者は不服申し立てができるのか、また救済措置があるのか。あるのかないのかだけを伺って、そしてそのお答えによって一言だけ言わせてもらって、質問を終わりたいと思います。
○政府委員(坂本吉弘君) ございません。
○市川正一君 ないというのが大問題なんですね。
 だから、消費者や周辺中小小売業者は、大店審の調整結果について物を言うことができぬのです。何も保障されていないのです、大臣。他方、出店側は不服申し立てができるのです。まさに片手落ちです。
 今までは、第七条で、大店審が意見を定めるときに、知事、市町村長、商工会議所、商工会の意見及び申し出者双方の意見を聞くことになっていた。今回の改正で、意見を聞く範囲は若干広がったものの、その意見は聞きおくだけで、採否は大店審の判断に任され、出店によって被害が予想される小売店などには何の救済措置もないというのでは、私はこれは片手落ちだということを指摘し、次回に、引き続き各論的にさらに質問をさせていただきたいと思います。
 きょうはこれにて。
○池田治君 大店法の改正につきましては、一昨年の十一月、日米構造協議の真っ最中でございましたが、決算委員会で私は質問したこともございます。その際には、通産省は、まだどちらになるか、どういうふうになるかわからないと、こういう御答弁でございました。しかし、今回の改正を見ますと、アメリカ側の要望が強く影響しているのは間違いないと思っております。
 そこで、日米構造協議の合意内容と今回の法改正の内容がどのように対応しておるのかをお教え願います。
○政府委員(坂本吉弘君) 日米構造協議の最終報告におきましては、四つの点が指摘してございます。
 第一に、一層の輸入拡大を目指した出店調整手続における輸入品売り場に関する特例措置の導入。これにつきましては、私ども輸入品売場特例法案を御提案申し上げているところでございまして、一定の面積、千平方メートル以内の輸入品専門売り場を設置する場合には、大店法の調整を不要としたいというふうに考えておるところでございます。
 また第二点、一年程度を努力目標とする出店調整処理期間の短縮という点につきましては、法律のみならずこれに伴います運用を通じまして、ただいままで行っております三条の届け出以前の事前説明を廃止いたし、法三条の建物設置者の届け出以降最大限一年以内に調整を整えるべく新しいシステムを考えているところでございます。
 また、出店調整手続及びその機関の明確化、透明化につきましては、従来ややもすれば、法律で定められております以外の諸手続、例えば事前説明あるいは商調協あるいは出店表明といった諸措置を指導いたしていたところでございますが、これらにつきまして不明確なものを廃止し、できる限り法に忠実な手続に持っていきたい、こういうふうに考えているところでございます。
 第四点は、地方公共団体の行き過ぎた独自規制の抑制についてでございますけれども、これにつきましては、今回大店法第十五条の五といたしまして、地方公共団体は、小売業の事業活動の調整に関し施策を講ずる場合に、大店法の趣旨を尊重する旨の規定を置いて御提案申し上げているところでございます。
○池田治君 今御答弁願いました点につきましては、昨年の五月三十日より、行政指導の形で出店期間の短縮、輸入品売り場の拡張とか規制緩和とか、こういう措置を講ぜられてきておるようでございますが、これだけではアメリカは納得しなくて、今回の法改正になったのでしょうか、どうなんでしょうか。そしてまた、法改正に対する米国の評価とか反応はいかがでしょうか。
○国務大臣(中尾栄一君) まず、私の立場で、法改正に対する米国側の反応という点について申し上げたいと思います。
 日米構造問題協議の最終報告発表後におきまして、既に昨年十月及び本年一月の二回にわたってフォローアップ会合が開かれたところでございます。大店法につきましては、これらの会合を通じまして米国側に対しまして、昨年五月に導入されました運用適正化措置の実施状況、昨年十二月の産業構造審議会流通部会・中小企業政策審議会流通小委員会合同会議中間答申及びこれに基づく法改正の方向等について説明してきたわけでございますが、米国側はこれらにつきまして、日米構造問題協議最終報告に沿って着実な進展が見られるものとして積極的な評価を行っております。
 したがいまして、先ほど私が自主的な日本の立場でやっておると言いましても、当然日米構造協議の中の一つの局面を担っておることは事実でございますから、そういう点ではお互いに、先ほど坂本審議官が答えましたように、アメリカ側の見解、またそれによって輸入の拡大促進という一つの大きな現象面、またそのニーズ、これにこたえていくということも、これまた考慮の中に入れていることだけは間違いございません。
○政府委員(坂本吉弘君) 補足をさせていただきますが、先ほど池田委員御指摘の、昨年の五月三十日に導入しました運用についてアメリカが評価した上、法律改正案を提出しておるということではございませんで、日米構造協議において三段階の規制緩和措置というものを考えておりまして、昨年の五月三十日は、まず運用でできるだけのことをやろうと。そして第二段階として、法改正を含めた手続の明確化その他の諸要請を実現していこう、こういう流れになっていることを補足させていただきます。
○池田治君 それでは、構造協議の中で、まず第一段階は運用面で図っていく、あとは法改正をすると、こういう話し合いもなされたわけでございますか。
○政府委員(坂本吉弘君) そうでございます。
○池田治君 わかりました。
 次に、今回の法改正は、商調協による調整を廃止して、大店審による調整にすることが主眼となっておるようでございますが、この大店審の現状、特に組織及び構成員がどうなっているかをお教え願います。
○政府委員(坂本吉弘君) 大店審は、総会と十六の地方部会というのに分かれてございます。総会は、会長を含め七人で組織されておりまして、通産本省に設置されてございます。また、地方部会につきましては、通産局の所在地にそれぞれ置かれておりまして、全国で十六の地方部会がございまして、地方部会は会長の指名する委員及び特別委員五人をもって組織されておるところでございます。
 いずれにおきましても、委員及び特別委員につきましては、学識経験のある者を通産大臣が任命するという形式をとっておるところでございます。また、各都道府県におきましても、同様に各県の条例に基づきまして都道府県大店審が設置されておりまして、知事の任命により、会長を含め七人以内で組織することとなっているのが現状でございます。
○池田治君 この点は市川委員も御指摘なさいましたけれども、大店審のメンバーは学識経験者をもって充てるといいましても、いろいろ学識経験者もございまして、原書ばかり読んでいてしゃばのことは何にも知らない学者もあれば、学者ばかと言われるような人もあるわけでございまして、学者を選んだからといって公正にすべて物が運ぶとも限らないわけでございまして、本当の経験の豊かな人たちも、学校は出ていなくても、こういう人たちも選んでもらいたい、こう思っております。
 そこで、大店審のメンバーを選考する基準は、通産省の方でもお考えになっておるわけでございますか。
○政府委員(坂本吉弘君) 大店審の委員は、現行どおり学識経験のある者の中から通産大臣が任命するということにいたしたいと思っておりますが、ただいま委員御指摘のような点も踏まえまして、できる限り商業事情に明るい方になっていただきたいというふうに思っているところでございます。
○池田治君 特に、地方の大店審におきましては、県知事が任命するということでございますが、知事に一任しても、知事さんもまたこれ政治的に支配されて、自民党に有利な人ばかりやって社会党の人は入れない、こういうようなことがあっても困りますので、政治的中立性ということも加味して御任命をしていただきたい、かように要望しておきます。
 それから、大店審中心の調整といいましても、結局審議会のメンバーいかんで、メンバーを例えば学者ばかみたいな人ばかりを選びましたら、国や都道府県の行政主導型の調整となって官僚支配になってしまうのではなかろうか、こういう危惧の念もいたしますが、この点はどう把握されておりますか。
○政府委員(坂本吉弘君) 大店審が調整に当たるに際しましては、今回の法改正によりまして地元の商業者及び消費者及び学識経験者の意見をまず聴取するという体制をしくことによりまして、大店審の調査審議に当たって地元の実情というものが十分反映できるようなまずステップを踏みたいというふうに思っておるわけでございます。
 ただ、その三者の意見を聞けばもって足りるということではないと考えておりまして、例えばなかなか複雑な意見の対立が生ずるような問題につきましては、地元の商工会議所または商工会に地元の商業者の意見が十分反映されますように、そこで商工会または商工会議所に意見の整理と集約ないし実態の把握というものを大店審から依頼いたしたいと思っておるところでございまして、調整は公正中立な学識経験者をもって充てたいと思いますが、そういった手続を経まして地元の実情というものが十分大店審に反映され、単なる理論的な調整の結果だけに終わらないように、我々として最大限努力をいたしたいと思っておるところでございます。
○池田治君 どうぞ、言葉だけでなくて、そのような実践をやっていくようお願いをしておきます。
 次に、法律改正案第十五条の五は、条例制定権の侵害という、地方自治の侵害と、こういうおそれがあるようでございますが、これはどういう見解でございましょうか。条例制定権というのは憲法で与えられた地方自治の大きな権限でございますので、不用意に法律で破ることもできないのではなかろうかと、こう考えますが、この点の御配慮はどうなさっておりますか。
○国務大臣(中尾栄一君) 大店法は、消費者利益と地元小売業者との関係で、大型店の事業活動を調整するための基本的な枠組みを設定するものでございます。
 今般、その規制緩和が図られます中で、地域の実情を考慮してなお行き過ぎた地方公共団体の独自規制が存在するようなことは決して好ましいものではない、このように考えるわけでございます。かかる観点から、今回の大店法改正案におきましては、地方自治にも配慮しながらなおかつ地方公共団体の施策に関する規定が盛り込まれていると、このように御承知おき願いたいと思います。
○池田治君 自治省はおいでになっておりますか。
○説明員(松本英昭君) ただいま大臣の方から御答弁のあったとおりでございますが、十五条の五の規定は、大店法による施策のほか、地方公共団体が独自の施策を講ずることができることを前提といたしまして、その地方の独自の施策は地方公共団体の側においてこの法律の趣旨を尊重して行うものとする旨の規定を置き、この地方の独自の施策と国の法律による施策との関係を規定したものであると理解しております。したがいまして、地方の自主性にも配意された規定ではないかと私どもも見ている次第でございます。
○池田治君 そのように自治省がおっしゃるなら私もそれ以上は申しませんので、ひとつ地方の独自性を尊重しながらやっていただきたいと思います。
 次に、輸入品売場特例法においては、日米構造協議がなされた当時と違いまして、今は貿易収支の黒字がだんだん減少傾向にあるわけでございますから、この協議当時のことをそのまま取り入れて輸入品に対する特例を設ける必要があるかどうか。私はそこまでする必要はないのじゃなかろうかと、こうも考えますが、通産省はいかがでございますか。
○政府委員(坂本吉弘君) 委員御指摘のとおり、我が国の貿易収支は、かなり変化してきていることも事実でございまして、黒字がいわゆる減少過程に入っているかと存じますが、なお六百億ドルを超える黒字が存在するような状況でございまして、引き続き国際的な不均衡というものの一つの原因を構成しているという事実は否定できないのではないかと思います。そういう意味で、引き続き輸入を促進することによって、貿易の均衡に向けて努力をすべきではないかというふうに通産省としては考えているところでございます。
○池田治君 現在の日本人は、九三%が何らかの輸入品を所持していると、こう言われております。九三%といいますと、選挙のときの投票率でいけば最高の投票率でございまして、ほとんどの人間が持っているということになろうかと思います。
 そこで、売り場面積を千平米以下までは自由にさせても、それほど輸入拡大になるとはもう限らないのじゃないでしょうか。今までにほとんど輸入品は持っておりますし、欲しいものはどこへ行っても買ってくる、こういう状況でございますので、わざわざこういう規定を設ける必要はないと私は思います。
 統計がございましたら、規制を撤廃されました昨年の五月以来の輸入品売り場の売上高が伸びているかどうか、この点だけでもお教え願えませんか。
○政府委員(坂本吉弘君) 昨年五月の措置によりまして、百平米以内の輸入品専門売り場というのは調整不要にいたしたわけでございますが、今日まで約六十カ所が輸入品専門売り場を設置しているわけでございます。
 確かに、輸入品の出回りや使用比率というのは高まっているわけでございますけれども、ただ東京や大阪といったいわば大都市圏と地方都市とはかなり様相が変わっているのじゃないか。今日でも、地方都市におきましてはなお輸入品専門売り場というのがいわば一種の集客力を形成する機能を有しているように思われるところでございまして、やはり大都市ほど輸入品が出回っていないというのが実情ではないかと私どもは考えております。
 こういった措置を通じて、輸入品を置こうという意欲が各地に高まり、結果的には参入機会の増大、また輸入の拡大に資するものというふうに考えておるところでございます。
○池田治君 そういうお考えでしたら制限を除外されても結構でございますが、除外されたからといってそう輸入品は増大するものではないと思っておりますので、アメリカを怒らさぬためにもその方がいいでしょうね。
 私は、若干残りましたが時間でございますので、終わります。
○今泉隆雄君 先ほどから大臣のお口からとか市川先生からもたびたび出ましたけれども、審議会の会議、そのほかの書類なんかにも消費者利益の重視ということが盛んに言われております。ところが、どうもこの法律を読んでみると、消費者のことはほとんどと言っていいほど書いてなくて、言葉としてしか書いていないという感じがするわけです。
 それで、中小小売業でも消費者の多くの支援を受けているケースが非常にあると思います。私も下町で生まれて今下町みたいなところに住んでおりますけれども、スーパーなんかより安いし、いいものもたくさんありますし、ちょっと頼めば配達してくれますし、八百屋なんかすぐ一割ぐらいまけてくれますし、やはりそういう何か人間的交流がある商店というのも育てていかなきゃいけないのじゃないかということを考えるのですが、その消費者の利益の保護というものは具体的にどういうことをお考えになっているか、どなたでも結構ですから、ちょっと教えてください。
○国務大臣(中尾栄一君) 基本的な政治的課題でもございますから、私が多少寸足らずな説明になりますが申し上げてみたいと思います。
 私は、そもそも、今泉委員の今おっしゃるような個々の商店が、ある意味においてキャラクタリスティック、個性的というのでしょうか、そういうような個性を持ったものが我々自身がなれ親しみなおかつ非常にいいことだなといつも思っておるわけでございます。そういう中にありましても、また今回の大店法の問題は、それの個性は生かしながらもなおかつ有機的にグローバルにこれが大きく伸びていくということに意味もある、こういう意味で発想されたのであろうと思うわけでございます。日米構造協議の最終報告においても示されておりますように、消費者利益への十分な配慮、これは法律改正に当たっての大きな視点の一つに据えて行っていると、先ほど御指摘のあったとおり、我々もそれには力点を置いていくつもりでございます。
 この消費者利益への配慮につきましては、まず第一点としましては、大店法の規制緩和により小売業における競争条件が一層整備をされまして、さまざまな業態展開や地域的展開が図られることを通じまして、消費者の選択の幅の拡大に寄与するという側面もこれまた忘れてはなり得ないものかな、このようにも考えるわけでございます。
 このために、今回の法改正に伴いまして、出店調整処理手続の明確化であるとか透明化であるとかあるいは先ほど来申し上げている迅速化というものを図るためには、運用で実施してきた事前説明あるいはまた商調協などを撤廃するとともに、出店計画に関する調査審議というものは法に基づいて大店審で行うというところにまたこの意味も出てくるのであろうと思うのでございます。
 第二点には、出店調整の過程において消費者の意見や利益を一層反映し得る手続を確保するという側面が考えられるわけでございまして、このため今回の法改正において、大店審が必ず地元の消費者等の意見を聴取するというところに大店審のこれまた意義と存在価値もあろうと思うのでございます。それを調査審議に的確に反映させることとしているわけでございます。
 以上によりまして、全体としては消費者利益の保護を一層進めるための措置となっているものでございますし、そこにまた今日セットしてきました大店審等のレーゾンデートルもあり得る、このように考えるものでございます。
○今泉隆雄君 お話は非常によくわかるのですが、この法律を読めば読むほど、何か消費者の利益というのが二、三カ所ぐらいしか載っていないみたいな気がしますので、非常に不満だったわけです。
 それで、町づくりの問題というのはさっきから問題になっていますけれども、町づくりはやっぱり都市計画法のことが非常に難しいとまず思います。これは、現在土地の強制収用権があるとも思えませんので、実施計画ができたにしても机上の空論なんじゃないかという気がしますので、非常に時間がかかるからできないのじゃないかなという気もします。それから、やはり消費者、市民がどの程度の意識を持っているのかという、そういう点も問題点があるのじゃないかと。
 それから、さっきから地方自治体がこれを中心になって推進するということを盛んにおっしゃっていました。これは、結果的には都市計画法がある限り、主要な権限というのはやはり国のレベルにあって、地方自治体というのは国家事務の何か下請的な色彩が濃くなってしまうのじゃないかという心配があるのですが、その辺の町づくりの問題についてちょっとお聞きしたいと思います。
○政府委員(内藤勲君) 先ほど来議論をいただいていることでございますが、都市計画制度が不備とだけ言えないところもありまして、商店街の活性化の事業化のためには、商店街の権利者がふくそうしているとか、あいている土地が非常に少ない、そういう中で事業を進めていくことに伴う大変な制約があろうかと思います。しかしながら、都市計画制度の上でも、行政権限を背景とした制度として、法律に基づく再開発事業などがございますし、区画整理事業などの実施がある。公共事業などについても収用権はあるということがございます。
 しかし、そういうことも行うということはございますが、基本的には地域の方々の合意で進めていくべき事業かと思いますので、例えば都市計画制度の中では、既に制度ができて十年を超えましたが、地区計画制度というものがございまして、そういったものの活用を図りながら商店街の整備などがあり得ると思います。
 それから、先ほど国レベルですべてを決めるという話がありましたが、昔の都市計画法は違いますけれども、現在の都市計画法は市町村が中心で都道府県知事が補完的な役割を果たす、そういう体系でございますので、国主導型というわけではないと思っております。
○政府委員(棚橋祐治君) 今泉委員のもう一つの御質問の消費者等がどういう期待を持っておるのかということでございますが、これは、今回の私どもの特定商業集積、あるいは中小小売商業振興法の改正については、もちろん当該者である小売商業界の方々はこれによって消費者ニーズに合致した商店街づくりができるということで大変大きな期待を持っておられると理解いたしておりますが、同時に、やはりイベントホールとかコミュニティーの施設とか、単に物の売り買いだけでなくて、いろいろなこういう商業基盤施設を環境のいいところにつくっていくということでありますと、そこに夫婦で子供連れで来てショッピングをしながら、またいろいろな楽しみを得るというふうなことで、やはり消費者の期待も相当高いし、多様化する、高度化する消費者の期待にこたえられるものではないかと思っております。
 それからもう一つは、地方との関係で、地方自治体に大きく権限を任せてやらせるべきではないか、国がやるのはどういうものかなというお考えだと思いますが、これは特定商業集積法の場合は、国は全国共通の必要最小限の指針だけを基本指針としてつくりまして、それで具体的プロジェクトはあくまで市町村単位で行います。先ほどのノアのようなケースがありますが、何々市、何々町というところで、地域の商業者あるいは地域の住民その他いろんな周辺の道路事情、場合によってはそこにつくったら、先ほど広中委員の御質問にありましたように、逆に別のところの中小企業者が衰退することになるのじゃないかということを含めて、非常によく実態を知っておられます市町村で地元業者等を中心に話し合いをされて場所を選ぶ、こういうことになっていこうかと思います。
 そういう構想ができますと、これをさらに都道府県知事に提出をいたしまして、そこで都道府県知事が承認をするというプロセスがあります。なぜこれをやるかということは、やはり行政圏といいますかそれは広域的になっておりますので、市町村だけの判断がすべて正しいわけではない、やはり隣接市町村との関係も都道府県知事が全体的に判断をした方がいいということで、市町村構想を都道府県が判断をして承認をするという、いずれも地域の自治体で御判断いただき、プロジェクトをつくっていただくという意味で、むしろ国の関与というのは基本指針の策定という最低限のところでございます。
 ただ、支援策につきましては、国と地方が一緒になってやっていくということで、積極的な役割を果たしていきたいと考えておる次第でございます。
○今泉隆雄君 最後の質問です。
 町づくりを進めるに当たっては、消費者とか地域住民の意向を十分に反映してあげてほしいと思うんです。
 世界的に大店法といいますか大店舗に関して、フランスはロワイエ法というのがあるそうです。イタリア、ベルギーには日本の大店法とよく似た法律がある。それで、日本より非常に厳しい自治体の許可制で規制されているということを聞きました。英国は田園都市計画法、西ドイツの建築法は自治体による商業立地規制という形で大店法の規制を行っている。
 それで、一番問題のアメリカなんですけれども、まず州の環境法によってすべて大型建築物の新設計画について、交通の影響、冷暖房、大気汚染、そのほか環境へのアセスメントチェックが非常に綿密に行われる。それから、都市の商業立地規制が待っている。ですから、ショッピングゾーンの形成が既存の商業集積に与える影響なんかも全部チェックするそうです。それで、コミュニティー委員会というのがあって、ここのチェックが一番うるさくて、このコミュニティー委員は区長によって任命された一般の市民であって、交通、土地利用、環境、町並み、建築許可、開発許可、すべてに住民の意思を反映させている。
 これだけうるさい世界の大店法があり、アメリカにもこれだけうるさい規制があるのに、ですから私わからないのは、平成元年の六月九日に流通部会とか中小企業の審議会なんかで大店法の問題を二年とかいろいろお話し合いになったというのに、何でアメリカの要請で途端に一年になるのか。自分の国のことを棚に上げて、日本にだけ何でこういう要求を押しつけるのか、これがどうしてもわからないのです。どなたか教えてください。
○政府委員(坂本吉弘君) 諸外国におきますいわゆる商業調整につきまして、これを直接行っておりますのは今泉委員御指摘のフランスのロワイエ法でございます。ただ、これも私ども昨年流通市場の調査団を出しまして各国における出店調整の実情を調べたところでございますけれども、ECの中で統合に向けた動きがございます。このロワイエ法を現在のまま維持すべきかどうか、むしろ緩和をもう少し基本的にやるべきじゃないかという声もございまして、このロワイエ法もECの他国並みとの関係でどうするかということでただいま議論がなされておるところでございます。
 また、御指摘のアメリカ、イギリス、ドイツにおきましては、商業調整を直接の目的とする規制というものはございませんで、御指摘のように都市計画の見地から、商業施設のみならずスポーツ施設とかあるいは劇場とか、そういった車の出入り、人の出入りによりまして公共的には付加の大きい施設を開発許可その他の規制にかけまして、環境に対する影響、また場合によっては都市の美観、景観といったことまで規制しているというのが実情でございます。
 この大店法につきましては、そういう都市計画ということではございませんで、大型店と中小企業者のいわば経済的な側面における利益調整ということを旨としてきたものでございます。この点につきましては、私どもも例えばこれを廃止するとかといったことを考えているわけではございません。その運用の手続において、いたずらに長期化したり、あるいは内外から見て大変不明確でわかりにくいといったようなところもございます。また、判断をするにも、一定の手続を経て地元の意見を十分聞き得る期間というのも、諸外国ではやはりそんなに長くはございませんで、大体八、九カ月から一年くらいの間に判断をいたしておるわけでございます。
 したがいまして、私どもが今回目指しておりますのは、大店法の枠組みというものを残した上でそれを手続として迅速化、明確化しよう、こういうところに一つの主眼があるわけでございますので、ほかの国は出店調整を非常に厳しくやっているのに我が国だけが緩和する、必ずしもそういうことではないというふうに考えておるところでございます。我が国には我が国の出店調整のメカニズムというのがあっていいと考えております。しかしながら、それはある程度内外の合理的な目に照らして、批判に耐え得るようなものでなければならない、こんなふうに考えるのが今回のいわゆる規制緩和の背景となる基本的なものであると考えておるところでございます。
○今泉隆雄君 終わります。
○委員長(名尾良孝君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後四時二十分散会