第120回国会 運輸委員会 第1号
平成三年五月三十日(木曜日)
   午後一時開会
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   委員の異動
 五月八日
    辞任         補欠選任
     野沢 太三君     仲川 幸男君
 五月九日
    辞任         補欠選任
     仲川 幸男君     野沢 太三君
 五月二十七日
    辞任         補欠選任
     粟森  喬君     中村 鋭一君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         中川 嘉美君
    理 事
                谷川 ェ三君
                渕上 貞雄君
                片上 公人君
    委 員
                伊江 朝雄君
                狩野 明男君
                鹿熊 安正君
                片山虎之助君
                野沢 太三君
                喜岡  淳君
                櫻井 規順君
                瀬谷 英行君
                安恒 良一君
                小笠原貞子君
                中村 鋭一君
                寺崎 昭久君
   国務大臣
       運 輸 大 臣  村岡 兼造君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        長谷川光司君
   説明員
       警察庁刑事局捜
       査第一課長    石川 重明君
       運輸大臣官房国
       有鉄道改革推進
       総括審議官    大塚 秀夫君
       運輸省地域交通
       局長       佐々木建成君
       運輸省地域交通
       局陸上技術安全
       部長       松波 正壽君
       自治省財政局指
       導課長      中里 清敏君
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○理事補欠選任の件
○運輸事情等に関する調査
 (信楽高原鉄道列車衝突事故に関する件)
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○委員長(中川嘉美君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。
 議事に先立ち、去る五月十四日発生いたしました信楽高原鉄道列車衝突事故により遭難された方々並びに御家族の方々に対し、本委員会として謹んで哀悼の意を表します。
 ここに、犠牲者の方々の御冥福をお祈りし、黙祷をささげたいと存じます。
 どうぞ御起立を願います。黙祷を願います。
   〔総員起立、黙祷〕
○委員長(中川嘉美君) 黙祷を終わります。御着席願います。
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○委員長(中川嘉美君) 委員の異動について御報告いたします。
 去る二十七日、粟森喬君が委員を辞任され、その補欠として中村税一君が選任されました。
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○委員長(中川嘉美君) 次に、理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(中川嘉美君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に二木秀夫君を指名いたします。
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○委員長(中川嘉美君) 運輸事情等に関する調査を議題といたします。
 去る十九日、信楽高原鉄道列車衝突事故に関し、本委員会として視察を行いましたので、委員長より報告をいたします。
 本委員会は、今回の信楽高原鉄道列車衝突事故の重大性にかんがみ、理事懇談会における合意に基づきまして、去る五月十九日に現地調査を行いましたので、その概要について御報告申し上げます。
 現地調査に参加されました委員は、谷川理事、渕上理事、野沢委員、瀬谷委員、櫻井委員、小笠原委員、粟森委員、寺崎委員、そして私の九名であります。
 信楽高原鉄道の列車衝突事故は、去る五月十四日の午前十時三十五分ごろ発生し、四十二名の犠牲者と五百七十六名の負傷者を出した近年に例を見ない大事故でありました。
 私どもは、まず、信楽町役場におきまして、稲葉滋賀県知事及び杉森信楽町長から事故の概要、県及び町が実施した対応策等について説明を聴取いたしました。
 これに対して各委員からは、事故の発生に至る経過、事故の原因、今後の補償問題への対応方針、JRの乗り入れに当たって講じた安全対策、信楽高原鉄道の信号・安全システム等について質問が行われました。
 これらの諸点につきましては、警察等による捜査が行われている状況下でもあり、詳細なお答えをいただくことは困難でありましたが、滋賀県知事及び信楽町長からは、補償問題や鉄道の再開に向けての検討を行っているが、今後とも地方鉄道の育成のための支援をお願いしたい旨の要望がありました。
 次に、私どもは、西日本旅客鉄道株式会社の現地対策本部において角田社長を初め幹部の方々から、事故の概要、会社側のとった措置等について説明を聴取いたしました。
 これに対して各委員からは、事故原因についてのJRの考えと今後の対応方針、JR列車の運行経過、乗り入れに当たっての協定の内容、小野谷信号場におけるJR列車の判断等について質問がありました。
 次に、私どもは、列車の衝突現場と、JR列車の乗り入れと運行本数をふやすために設置された小野谷信号場を視察するとともに、衝突現場において、亡くなられた方々の霊に献花を行いました。
 現地調査の概要は以上でありますが、政府及び関係機関におかれましては、原因究明の可及的速やかな実施と、このような悲惨な事故の再発を防止するための措置を講ずるとともに、亡くなられた方々に対する十分な補償措置、負傷者に対する医療に万全を期していただくよう強く要請いたしまして、報告を終わります。
 この際、信楽高原鉄道列車衝突事故について、村岡運輸大臣より発言を求められておりますので、これを許します。村岡運輸大臣。
○国務大臣(村岡兼造君) 私は、輸送機関の最大使命は安全の確保にあると確信して、従来から安全確保に最大限の努力を傾注するよう関係者を指導してきたところでございますけれども、去る五月十四日、信楽高原鉄道株式会社信楽線において、列車の衝突により多数の死傷者が生ずるという悲惨な事故が発生しましたことは、運輸行政を預かる者としてまことに遺憾に存ずる次第でございます。
 この事故により亡くなられた方々の御冥福を心からお祈りいたしますとともに、御遺族の方々に衷心よりお悔やみ申し上げる次第でございます。
 また、けがをされた方々の一日も早い御回復をお祈り申し上げる次第でございます。
 運輸省といたしましては、今回の事故の重大性にかんがみ、運輸大臣を本部長とする信楽高原鉄道事故対策本部を設置したほか、私自身が現場に赴き、事故の状況を調査いたしますとともに、亡くなられた方々に対する弔問、入院中の方々へのお見舞い並びに関係機関への協力をお願いしてきたところであります。
 今後は、徹底的な事故原因の究明と同種事故の再発防止対策、さらには被害を受けた方々に対する支援に万全を期してまいる所存でございます。
 事故の内容及び対策の実施状況等につきましては、地域交通局長より説明させますので、よろしくお願いを申し上げます。
○委員長(中川嘉美君) 引き続き、事故について概要の説明を聴取いたします。佐々木地域交通局長。
○説明員(佐々木建成君) 去る五月十四日、信楽高原鉄道信楽線において発生しました列車衝突事故に関しまして、お手元の資料により事故の概要と対策の実施状況について御説明申し上げます。
 まず、事故の概要につきましては、信楽高原鉄道株式会社からの説明によりますと、信楽高原鉄道の上り列車五三四Dは、信楽駅の出発信号機に進行信号が出なかったため、定刻より十一分おくれて十時二十五分同駅を手信号により出発しました。一方、西日本旅客鉄道株式会社から乗り入れの下り列車五〇一Dは、定刻より六分おくれて十時二十二分貴生川駅を出発した後、複線区間、すなわち小野谷信号場を通過し、さらに単線区間を通行しておりました。その後、紫香楽宮跡駅と小野谷信号場との間で双方の列車とも対向列車を認めてそれぞれ非常停止手配をとりましたが、及ばず、十時三十五分ごろ貴生川駅より約九・一キロメートルの地点において正面衝突をしたものであります。
 運輸省といたしましては、今回の事故の重大性にかんがみ、ただいま運輸大臣より説明のありましたとおり、同日付で運輸大臣を本部長とする信楽高原鉄道事故対策本部を省内に設置したほか、運輸大臣、政務次官以下が現地に赴き、事故の状況を調査いたしますとともに、亡くなられた方々に対する弔問、入院中の方々へのお見舞い並びに関係機関に対する協力のお願いをしてまいったところであります。
 また、五月十五日には第一回信楽高原鉄道事故対策会議を開催し、次の五項目について決定したところでございます。
 まず第一に、全国の単線の路線について緊急に安全確保のための自主点検を行わせ、その報告を求めること。
 第二に、特定地方交通線転換路線及び地方鉄道新線について、運輸省係官の立ち入りによる総点検結果の確認及び必要な指導を行うこと。特に、直通乗り入れを行っている路線については、相互の連絡体制及び教育体制を重点として確認及び指導を行うこと。
 第三に、信楽高原鉄道株式会社及び西日本旅客鉄道株式会社について、可及的速やかに、一週間以内を目途に保安監査を行うこと。
 第四に、今後の事故再発防止の見地から、本件事故の原因究明を徹底的に行うこと。
 第五に、亡くなられた方及びけがをされた方に対する補償については、誠意を持って当たるよう関係者を十分指導すること。
 対策の内容は以上でございます。
 本対策本部決定に基づき、まず、各地方運輸局に対し、五月十五日付の運輸大臣通達により、鉄道事業者における人的側面、施設面、両面の安全対策全般にわたって見直しを実施し、安全確保に万全を期するよう管下の鉄道事業者を指導するよう指示するとともに、同日付の局長通達により、単線の路線を有する鉄道事業者に対する安全総点検の実施及び特定地方交通線転換路線及び地方鉄道新線に対する運輸局の職員の立ち入りによる安全総点検の結果の確認を指示したところでございます。
 さらに、五月十七、十八日の二日間にわたりまして、信楽高原鉄道株式会社及び西日本旅客鉄道株式会社に対し、運輸省及び近畿運輸局による保安監査を実施いたしました。現在、この監査結果等を踏まえ事故原因等の究明を行っているところであり、今回のような事故が二度と起こらないよう鉄道事故再発防止対策についての最大限の努力を行ってまいる所存でございます。
 また、亡くなられた方々及びけがをされた方々に対する補償問題につきましては、五月十七日に信楽高原鉄道株式会社の筆頭株主である滋賀県に対し、被害者救済に全力を挙げて取り組むよう要請したところであり、今後とも、被害に遭われた方々に対する補償については、関係者に対し、遺漏のないよう指導してまいる所存であります。
 なお、お手元の資料でもう一つ「信号保安システムについて」という紙がございますが、これの一ページ目の一番、「信号保安システムについて」と、それから二番の「自動列車停止装置及び誤出発検知について」というところは、信楽高原鉄道において使用されております常用閉塞方式の概要が書いてありますのでお読みいただくことにしまして、説明は省略させていただきたいと思います。
 それから、次のページの三番の「代用閉そく方式(指導通信式)について」というくだりは、信号機の故障等がありました場合に常用閉塞方式にかわって行う方式でございます。
 図をごらんいただきますと、S列車をA駅から無人のB信号場へ進行させる場合の例でございますが、「指導通信式を施行する場合の条件の整備」としまして、無人B信号場へ閉塞取扱者をまず派遣しまして、A―B間に列車がないことを確認した上で赤腕章を着用しました一人の指導者を選定するということがございます。
 それから次に、「列車の運行上の条件」としまして、A駅のS列車が閉塞区間に進入するため、B信号場の閉塞取扱者の承認をまず得るわけでございます。それから、S列車運転室に指導者が添乗しましてB信号場へ向かって進行しまして、信号場にS列車が到着した後、閉塞取扱者が指導者の降車を確認する、こういうやり方を代用閉塞方式と称しております。
 以上でございます。
○委員長(中川嘉美君) これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
○渕上貞雄君 ただいま、去る五月十九日に調査に行きまして、委員長から信楽鉄道とJRの正面衝突事故に関する視察の報告、運輸大臣並びに運輸省からも事故の概要、運輸省としての決意や取り組みについての御説明がございました。
 この事故で亡くなられました方々の御冥福をお祈り申し上げるとともに、負傷された方々の病院での一日も早い御回復を祈っているところであります。
 同時にまた、私は、今回このような事故で運輸委員会を開かなければならないような事態になったことについて非常に残念に思います。あわせて、二度と再びこういう事故があってはならないと思っているところであります。
 なお、運輸大臣の事故対策本部長としての事故発生当時からの御努力に対し感謝を申し上げる次第でございます。
 この事故の原因につきましてはいろんな形で報道されていますけれども、基本的にはやはり安全軽視が一番ではなかったのかと思います。同時にあわせて、営利を優先とした運行体制に問題があったのではないか。その結果が、四十二名という多数の死者を出し、五百七十六名という負傷者を出したと考えられます。このような重大な事故が起こりまして、この種の事故はやはり二度と起こしてはならないというのが基本でなければならないと考えています。大量輸送機関、交通事業を預かる者としての使命は、大臣申されましたように、何よりもまず安全が第一であり、二重三重の安全対策が必要だと思います。
 重大事故が発生をした場合に、いろんな方がいろんなところで発言されていますけれども、この重大事故の責任にかんがみ、やはりみずからが明確に責任を持つ、そういう事故に対する、大量輸送機関を運営するに当たっての倫理観というものが私は必要であろうと思います。これからこのような事故を二度と再び起こさない、こういう決意と強い道徳的な倫理観がなければ経営はやれないと思うのでありますけれども、その点についての御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(村岡兼造君) 先ほども申し上げましたが、五月十四日に信楽高原鉄道信楽線において多数の死傷者が生じるという悲惨な事故の発生を見ましたことは、運輸行政を預かる者としてまことに遺憾に存ずる次第でございます。
 本事故で亡くなられた方々に対しましては、心より哀悼の意を表明いたしますとともに、けがをされた方々に対しましても一日も早い御回復をお祈り申し上げる次第でございます。
 運輸省といたしましては、今回の事故の重大性にかんがみ、同日付で運輸大臣を本部長とする信楽高原鉄道事故対策本部を設置したほか、先に今枝政務次官を派遣し、その後、私自身が現場に赴きまして、事故の状況を調査するとともに、亡くなられた方々に対する弔問、入院中の方々へのお見舞い並びに関係機関に対する協力のお願いをしたところでございます。
 さらに、五月十五日に開催されました第一回信楽高原鉄道事故対策本部の決定に基づき、徹底的な事故原因の究明をし、今後二度とこのような事故の起こらない防止対策、さらには被害を受けた方々の支援に万全を期して、遺漏ないようにやっていかなきゃならない、こういうふうに決意をしているところでございます。
 今後とも先生方の御指導をお願い申し上げたいと、こう思っております。
○渕上貞雄君 事故の発生後、事故原因の究明がそれぞれの機関の立場で行われていますけれども、この種問題については時間の経過とともに事故の風化を恐れるわけであります。やはり事故が社会に与えた影響、また、社会の不安などを考えますと、今言われたようなことだけではどうも納得がいきかねるわけであります。
 したがいまして、再度、運輸大臣から事故原因の徹底的な究明とあわせて安全対策の取り組みの強化についての決意をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(村岡兼造君) 現在も我が省で事故原因の調査をいたしておりますけれども、警察関係の状況がございまして、なかなか全部、現在では事故の原因というものは調査できない状況でございます。
 いずれにいたしましても、まだ警察の方も事故の原因その他についてはしばらく時間がかかる、こういうような状況でございまして、それを待ちまして我が方でも徹底的な事故原因の究明をいたし、例えば、マニュアルどおりやっていればこういう事故はなかったのでございますが、現在のところ私ども、人為的なミスによると推測をしておりますけれども、今までのマニュアルで本当によかったのかどうか。あるいはまた、いろいろこういうような脆弱な会社について人的なことの総点検その他を行ってまいりたいし、また、今後地元の方でも再開という要望あるやにも聞いておりますし、これについても検討を加えて御協力を申し上げたいし、補償問題については、先ほども申し上げましたが、まだ事故原因の方がしっかりいたしませんのでございますけれども、私どもの方としては滋賀県もお呼びを申し上げ、また、JRにもそういう面で協力するようにということを申し上げておりまして、事故の補償につきましても万端遺漏のないようにやらなきゃならないと、こういうふうに考えているところでございます。
○渕上貞雄君 ひとつ、積極的に運輸省としてもそれらの問題について取り組んでいただきたいと思います。
 今回の事故を思いますときに、全国に三十五の第三セクターの会社がありますけれども、もとより中小民鉄の場合も経営環境というものはそう変わらないし、合理化も限度ぎりぎりいっぱいのところまで行って経営をやっているというのが実態でございまして、第三セクターでも三十五のうち九つの会社が黒字で、あと二十六は全部赤字、こういう経営の実態であります。一たび事故や災害が起きますと、路線の休廃止、会社倒産、こういうことになるわけでありますが、今回の事故の教訓から安全対策の指導強化はもとより、利用者の生命財産を守るという立場から、やはり大量公共交通に対する信頼と安全確保のために安全施設面での税制上の問題、また、経営基盤を強化していくための財政支援について検討すべきだと考えますけれども、いかがでございましょうか。
○国務大臣(村岡兼造君) 旧国鉄特定地方交通線から転換いたしました第三セクター鉄道等については、国は転換に際しキロ当たり三千万円を限度として転換交付金を交付するとともに、転換後五年間、その運営により生ずる経常欠損の二分の一以内の額について国が補助することといたしております。
 また、経営困難のため老朽化した鉄道で、国民生活上維持することが不可欠な中小民鉄に対しては、国はその運営により生ずる経常欠損の二分の一以内の額について補助することといたしております。
 さらに、地方中小鉄道における設備の近代化、踏切保安設備の整備及び災害復旧事業の施行を促進するため、鉄道軌道近代化設備整備費補助、踏切保安設備整備費補助及び災害復旧事業費補助の予算措置が講じられているところであります。
 なお、税制上の措置につきましても各般の軽減措置が講じられているところでありますが、特に、第三セクター鉄道等に係る固定資産税については、中小民鉄では認められていない課税標準を二分の一とする特例措置を講じているところであります。この固定資産税の軽減措置については、なお負担が重く、経営に影響する場合があるという問題が指摘されておりますので、今後検討していきたいと考えております。
 このような措置により第三セクター路線の維持発展を図ってまいりたいと、こういうふうに考えております。
○渕上貞雄君 ぜひともいろいろ検討されて、ひとつ安心して乗れる第三セクターや地方の中小民鉄の経営に指導を強化していただきたいと思います。
 次に、今回のように臨時運行を行う場合、やはり今後こういう異なる会社の線路に乗り入れていく場合の安全運行対策として何らかの基準を設定することが必要ではないか。それぞれの会社の持っているそれぞれの違った施設で乗り入れていったところに今回の事故を惹起した大きな原因の一つがあると思いますので、これらの点について何らかの基準を示しながら安全対策を講じていくべきだと考えますけれども、いかがでございましょうか。
○説明員(松波正壽君) お答えをいたします。
 今、先生御指摘のございました基準を設定すべきではないかということでございますが、御案内のように、鉄道事業者間の乗り入れに際しましては、従前からでございますが、両鉄道事業者が具体的な乗り入れに係る事項につきまして、例えば、列車の運行計画の調整とかあるいは乗務員の運用あるいは運転取り扱いに関しまして基本的な事項を協定という形で定めまして我々の運輸局長に届け出る、こういうシステムになっておるのでありまして、これらの協定につきましては乗り入れの安全運行の基本となるものでありまして、例えば、今御指摘がございました乗り入れでありましても、この届け出のございました協定の内容に基づきまして、必要に応じ関係事業者を適切に指導いたしているところでございます。
○渕上貞雄君 今、適切に指導いたしておりますと。今回の事故の場合はどういう感想を持っていますか。
○説明員(松波正壽君) お答えを申し上げます。
 今回の事故の場合につきましては、先ほど来話がございましたように、我々といたしましては事故の原因につきまして現在徹底的な究明を行うべく、まず、事故が起きた場合に現地に担当官を派遣するほか、当該事業者に対しまして保安監査をするなど、今、鋭意原因を究明しておる、こういうところでございますので、これらの究明を待ちながら、また適切な対応をさせていただきたいと考えております。
○渕上貞雄君 事故の原因の問題については、また後ほどお伺いしますけれども、警察庁の方にお伺いいたします。
 信楽高原鉄道の乗務員が亡くなっておられること、衝突した車両の損壊が激しいこと、マスコミの中でも報道されていますけれども、専門的な知識が必要で科学警察研究所の応援を得ながら事故の原因の究明調査を進めている、そのために相当な時間がかかるというふうに言われていますが、遺族を初めとして当事者の方々も一刻も早い原因の究明を望んでいる。この原因究明こそが今後の安全対策並びに亡くなられた方に対する最も重要な責任のとり方であろう。現在までどの程度この事故原因が明らかになっておるのか説明を願いたい。
 もう一つは、長くかかると言われるけれども、大体どれぐらいの期間かかることになるのか、その見通しがわかれば明らかにしていただきたいと思います。
○説明員(石川重明君) お答え申し上げます。
 本件につきましては、単線上で列車が正面衝突をするという本来起きてはならないことでございまして、運行上何らかの人為的なミスがあったのではなかろうかというふうに考えられるわけでございまして、現在滋賀県警察におきまして、業務上過失致死傷容疑事件というふうに位置づけまして、捜査本部を設置いたしまして、二百十三名の捜査体制によりまして、乗客、列車運行関係者等からの事情聴取、それから、現場及び事故車両等の検証あるいは関係施設に対する捜索等、関係資料、物件の押収、こういうことを全力を挙げて実施しているわけでございまして、この過程で事故原因究明等のための捜査を推進中のところでございます。
 ただいま、先生御指摘のとおり、今回の事故原因の解明につきましては、信楽高原鉄道の運行関係者五名の方がお亡くなりになっており、被害関係者が大変多数に上っておられる。それから、鉄道交通特有の専門知識、技術を要するという捜査上困難な要因があるわけでございます。今後、さらに押収資料の分析あるいは部外の専門家の意見聴取、鑑定といったような所要の捜査を丹念に積み重ねることによりまして、これらの捜査結果を総合的に判断して刑事責任の有無、所在、こういったことについて明らかにする必要があると考えているわけでございます。
 捜査は、現在、初動捜査と申しますか基礎捜査の段階でございまして、いまだ事故原因について御説明できる段階には立ち至ってございません。
 それから、事故原因の解明のために捜査期間がどのぐらいかかるかということでございますが、警察といたしましても今回の事故の重大性にかんがみまして、できるだけ早く解明してまいりたいというふうに考えておるわけでございますが、先ほど申しましたような事情もございまして、事案の解明にはかなりの期間を要する。そのかなりの期間というものについて、現在特定して申し上げることはできないような状況でございます。
○渕上貞雄君 最後の方ちょっとわからなかったのですが、どのくらいの期間がかかりますかという質問に対して、かなり時間がかかる。かなり時間がかかるということはどういうことだと考えればいいんですかね。
○説明員(石川重明君) 例えば、半年とか一年とかそういう時間を限って申し上げるような期間ではないということを御理解いただきたいと思います。
○渕上貞雄君 この事故で亡くなられた方や負傷された方、同時にあわせてこれから先の運行に対する安全対策を考えていく場合に、事故原因の究明が最も必要なわけです。最も大切なことなんですよ。そのことがかなりの時間だとか半年とか一年だとかという非常にあいまいなことではいけないのではないでしょうか。もう一回御答弁願いたいと思います。
○説明員(石川重明君) ただいま御答弁申し上げましたように、できるだけ早く解明してまいりたいという気持ちは、事故防止対策に寄与する事故原因の解明といったようなことからも私ども当然認識をしておるわけでございますが、先ほども申し上げましたように、これからの捜査につきましては専門的な鑑定とかいろいろ基礎捜査、それから、被害者が多数に上るところから供述の突合といったような分析が必要でございます。これについて、現在の段階で相当期間がかかるということは言えるわけでございますが、一年か半年かということについては今のところ申し上げるような状況にないということで御理解をいただきたいと思います。
○渕上貞雄君 できるだけ、刑事上の責任は責任として事故原因究明に全力を挙げていただきたいと思うわけであります。
 今回の事故に関しまして、刑事責任の追及は警察、検察のそれぞれの立場で行っていますし、同時に運輸省も両鉄道に対して恐らく原因の調査を行っていると思いますが、再発防止のための事故原因の解明は一体どこが主体的に行おうとしているのか。信楽高原鉄道の場合は、鉄道関係者が十七名中五名の方がこの事故で亡くなっておるわけでありますから、恐らくや事故の調査をしていくような実態にはないと私は思うわけであります。
 そこで、このような同じ鉄道事故に対して大塚審議官が平成二年の六月一日の本委員会で、鉄道事故の原因究明は、航空事故や海難事故に比べて比較的物証が残されており、原因究明は容易であるという旨の答弁をされているわけでありますが、恐らく大塚審議官もこのような事故を想定してそういう発言をされたと私は思わないわけであります。
 そこで、恐らくこのような事故を想定して答弁したことではないと思いますけれども、同時にあわせて運輸省が保安監査を行っておりますね。その結果を見てみますと、「関係資料及び関係設備の大部分が警察の押収を受けており、また、警察により鉄道関係者の事情聴取が行われていたため、十分な資料及び供述を得ることができなかった。」、こういう監査報告をしておるわけであります。
 このような状況の中で、事故原因の究明をどのように進めていくのか。今警察庁の方から答弁がございましたように、いつ原因究明が終わるかわからない。そのときに皆さん方の態度としては、全部証拠書類は押収されている、関係者も警察の方に行っている、わからない、こういうようなことでいいのかどうなのか。安全に対して運輸大臣は、再発防止のために全力を上げるという答弁をされています。再発防止のために、やはり私は、運輸行政の立場からは事故原因の究明を徹底的にすべきであろう、また、するという運輸大臣の決意に共感を覚えるものであります。
 したがいまして、JR西日本の主張の問題点や信号施設やATSの状況の結果、それから、幅広く今回の事故の原因について問題提起をしながら、あたかも人為的なミスであるようなことにして現場の労働者にその責任をかぶせるようなことのないように、事故再発防止の観点から調査をすべきである。やはり、みずから調査能力のない第三セクターや地方の中小私鉄の場合の重大事故の調査については、調査体制を改めて鉄道事故調査委員会等を空の事故や海の事故のように設置すべきだと考えますけれども、いかがでございましょうか。
○説明員(佐々木建成君) ただいま先生御指摘のとおり、私どもの方で五月十七、十八日と保安監査を実施したわけでございますけれども、必ずしも御指摘のように十分な資料、供述を得ることができなかったわけでございます。しかし、その後も引き続き近畿運輸局を中心にしまして、関係者への問い合わせをやるとかあるいは事情聴取等によりまして調査を進めているところでございます。
 先生御指摘のように、できるだけ原因の究明を急ぐという必要があるわけでございますので、警察庁の御協力も得ながら運転取り扱いの実態だとかあるいは教育訓練の実施状況だとかあるいは信号保安設備の作動状況等についてさらに調査、解析を続けて、先生御指摘のような方向でできるだけ早くその原因の究明をすべく努力したいと思っております。
 今、御指摘の事故調査委員会のようなものを設けてはどうかというお尋ねでございます。
 確かに、航空機の事故につきましては航空事故調査委員会の制度がございますし、また、船舶の事故につきましては海難審判制度がそれぞれ設けられて、事故原因の究明とともに再発防止のための勧告等を第三者機関として行う仕組みがあるわけでございます。鉄道事故につきましては、確かに今回はめったにない大規模な事故で、関係者が亡くなっているというようなこともありますが、航空機や船舶と比較しまして、やはり証拠となる物件が相対的に多く残されている。それから、証言等も比較的乗客などからも得られやすいというようなことで事故原因の究明が比較的容易であるということは事実でございますし、また、専門的な知識につきましては、交通安全公害研究所とかあるいは財団法人の鉄道総合技術研究所等にも相談をしながら原因究明の信頼性を高めるということは可能だと思います。
 そういうことで、事故の調査、原因の調査をやるのは信楽高原鉄道であったり、あるいはJR西日本鉄道がやったものを結果としてもらうということじゃなくて、やはり私ども運輸省としてきちっと詰める。そのためには、より専門的な知識を持っている者の鑑定なども得ながら進めるということで、できるだけ早く原因究明を図りたいと思っております。
○渕上貞雄君 今、警察庁の方からも答弁をいただいてお聞きのように、なかなか事故原因の究明については時間がかかる。しかし、一方では証拠書類というのはたくさんあるし、海や空と違って比較的やりやすい。では、なぜもっと早くできないのですか。
 私は、今回の事故のような場合に、警察と皆さん方の調査というのはやはり一体的なものとして取り組まれるべきであろう、それがなかなか難しいとするなら、いわゆるそういう事故調査委員会みたいなものを設置して、こういう地方の第三セクターや地方民鉄などの重大事故の場合に限ってそういうことをしていくべきではないか。身内的な発想よりも第三者を入れることによって、より客観的にその原因の追及を早急にやっていく、こういう姿勢が事故原因の追及の姿勢でなければならないと思いますけれども、いかがでございますか。
○説明員(佐々木建成君) 今お尋ねのような、こういうような事故に限って事故調査委員会を設けてはどうかということでございますが、事故原因の究明がおくれておりますのは調査委員会のようなものがないからおくれているというよりは、やはり関係した方が亡くなっておられるのでなかなか供述が得られにくいというようなことと、それから、機器類等についてやはり専門的な知識を有する者の鑑定なども得る必要があるというようなことが原因だろうと思うわけでございます。
 調査委員会を設けましても、亡くなった方がおられるということについての特別の効果のある方法というのはないだろうと思いますし、現在の体制の中で専門的機関のノーハウを活用しながら、かつ警察庁にも今いろいろ協力をお願いしているわけでございますけれども、御協力を得ながら捜査の方もスムーズに進むし、私どもの原因究明も早くいくようにということをぜひ努力させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○渕上貞雄君 私は、やはり警察の方は、事故の原因がどこにあり、その捜査の過程で刑事罰をどうしていくかという目的が明確になっていると思うのです。しかし、運輸の場合は、やはりこれらの事故を二度と再び起こさない、こういうことが事故調査の原則であるべきだと思うわけです。
 そういう立場からすれば、なぜ第三者を入れて公平に警察の協力を得ながらやっていくことについてそんなにこだわりがあるのですか。私は、やはり今回のような重大事故の場合は、早急にそういう体制をつくって事故原因を究明していくことこそが大事であろう。そういうことが全然なかったかといえば、交通安全公害研究所や鉄道総研などを人れて事故原因究明をやっている。恐らく、これらもある程度身内みたいな形でやっている。
 ですから、私は、これだけ大勢の方が亡くなられ、多くの方々が負傷しているこのような事故について、大量輸送機関は安全ですよということを国民の前に知らしめる、その原因追及を公平な第三者を入れて調査していくということについて何らこだわることはないと思うのでありますが、そこら辺はいかがでございましょうか。
○説明員(佐々木建成君) 運輸省の交通安全公害研究所の方は、まさに私どもの方の組織でございますので、そういったところのノーハウを活用するということについては公平な立場での見解が得られるというふうに思っております。
 それで、政府全体としてこの原因究明に取り組むという点につきましては、事故対策本部で再発防止のための事故原因の究明を徹底的に行うということを決めておりますので、保安監査あるいはその後のいろいろな調査の結果につきましては大臣のもとでの会議に報告をしまして、いろいろ御指示を受けながら必要な手段を講じていくという考え方でいきたいと思っております。
○渕上貞雄君 では、これらの事故の原因の調査の主体というのは運輸省なんですか。
○説明員(佐々木建成君) 鉄道事業者による運行の安全の確保という観点からの行政を私どもがやっておるわけでございますので、運輸省が調査をするということでございます。
○渕上貞雄君 その第三者を入れるという考え方については、はしにも棒にもかからないということなんでしょうかね。
○説明員(佐々木建成君) 特別の委員会を設けるかどうかは別としまして、第三者的なこういった技術的なことについての専門的な知識を有する方あるいは機関の御意見なり鑑定というものは、必要に応じどんどん活用していくべきだというふうに思っております。
○渕上貞雄君 やはり私は、事故の原因究明についての運輸省の立場というのは、事故が起きた反省と同時に再び起こさない、そして国民の信頼を得る、こういう立場で今後とも事故原因の究明に当たらなければならないと思いますから、どうかひとつ検討していただきたいと思うわけであります。
○国務大臣(村岡兼造君) ただいま渕上先生から御指摘ございましたが、事故対策本部でもこの事故の原因の徹底究明ということで、今までの答弁では身内だけではだめだというような御意向だと思いますので、私のところでやりますけれども、第三者も入れまして、どこに原因があったかどうかということをひとつやりたいと、こう思っております。
 なお、警察の方にも私どももお願いをいたしておりまして、発表して差し支えないデータであるならぜひとも教えていただきたい、こういうことを今後も警察の方にお願いをしておきたいと思っておるわけでございますし、先生の今の趣旨を踏まえて徹底究明をしていきたい、こう思っております。
○渕上貞雄君 ぜひともひとつ、運輸大臣、よろしくお願いを申し上げておきます。
 次に、他社他線への相互乗り入れというのは、もう大都市ではそれぞれ日常化されていますけれども、今回のように信楽鉄道線に乗り入れていくような運行のあり方の場合の事故の補償問題については、どこに責任があるのか。ただ単に、原因が明らかになればそれで終わりなのか。例えば、JRが貴生川駅から信楽駅まで乗り入れる。その場合、信楽線で事故が起きる。そういうような運行の場合の事故の責任と言っていいかどうかちょっとわかりませんが、事故の補償の問題などについてはどういうふうに考えたらいいのでございましょうか。
○説明員(佐々木建成君) 補償の責任はどこにあるかというお尋ねでございますが、この点につきましては、ただいま事故原因の究明をしているわけでございますので、その結果を待たないとどこに責任があるかということはわからないわけでございますけれども、貴生川駅と信楽駅の間の運送については、JRの車両とJRの運転士を信楽高原鉄道株式会社が借りまして運行していたという形態になっていることを申し上げておきたいと思います。
○渕上貞雄君 では、自治省の方にお伺いします。
 運輸大臣もたびたび申されていますし、滋賀県知事、それから信楽高原鉄道の社長も申されていますけれども、誠意を持って対応していきたいと。運輸大臣も滋賀県に対しては被害者救済を要請している。自治省におきましては、県、町の関係者の間で検討が行われ、自治省の方に財政支援の相談があれば関係省庁としても相談をしながら検討してまいりたいというふうにいろんなところで述べられておりますが、具体的にこれらの問題についてどういうように補償をしていこうとしているのか、どのような財源をつくっていこうとしているのかお伺いします。
○説明員(中里清敏君) お答え申し上げます。
 信楽高原鉄道列車事故につきましては、現在それぞれ関係者が中心となりまして事故原因の究明や御遺族あるいは入院者、負傷者の方々等への対応がなされている、そういう最中でございますし、滋賀県といたしましても信楽高原鉄道に五月二十四日付で人材を派遣するなど、信楽高原鉄道を支援していくとともに、事故処理対策等の体制をようやく整えつつある、そういう状況であるというふうに承知してございます。
 また、遺族等への補償交渉はこれからの状況でございますし、衝突事故を起こしました当事者であります信楽高原鉄道及びJR西日本等におきます財政負担等についていまだ具体的な内容が固まっておりませんので、残念ではございますが、現時点では御質問いただきましたような補償問題につきまして、今後における具体的なことは申し上げられる状況にはないわけでございます。
 しかしながら、いずれにしましても、今後、遺族等への補償問題が信楽高原鉄道や地元滋賀県あるいは信楽町等、関係者の間で検討がなされるというふうに考えられます。財政支援等を含めましても具体的な方策につきまして滋賀県からの相談も当然あろうと思いますので、それを踏まえまして関係省庁とも協議の上、誠意ある検討を行ってまいりたい、そのように考えております。
○渕上貞雄君 大変難しい問題だとは思いますけれども、どうかひとつ自治省の方も滋賀県並びに信楽町、それから信楽高原鉄道に対するそういう支援につきまして検討していただいて、十分な補償ができるようにひとつお願いを申し上げておきます。
 これらの被害者の補償の問題について、運輸省はどうお考えでございましょうか。
○説明員(佐々木建成君) 今回の事故の場合の補償の点でございますけれども、五月十五日の鉄道事故対策本部の会議におきまして、「亡くなられた方及び怪我をされた方に対する補償については、誠意をもって当たるよう関係者を十分指導する。」というふうに決定したわけでございます。
 それで、損害賠償の責任がどこにあるかということはわかりませんけれども、当面、五月十七日に信楽高原鉄道株式会社の筆頭株主、四九%の株主であります滋賀県に対しまして被害者救済に全力を挙げて取り組むように要請をしたところでございます。これに対しまして滋賀県が、これは知事さんでございますが、大臣に対しまして、誠意を持ってこの問題に対応するとの意向を表明しておるわけでございます。
 また、JR西日本におきましても、信楽高原鉄道株式会社に協力する意向を有するというふうに聞いておりまして、さらに昨日、被害者救済等に的確に対処するために、滋賀県、信楽町、信楽高原鉄道及びJR西日本で信楽高原鉄道事故対策四者協議会というものが設置されたところでございます。
 今までの動きはそういうことでございますが、今後とも、被害に遭われた方々に対する補償につきましては遺漏のないように指導してまいりたいと考えております。
○渕上貞雄君 ぜひとも、ひとつ自治省と緊密な連携をとりまして、亡くなられた方々やまだ入院されている方々に対する十分な補償について、協議の上、誠意を持ってひとつ行っていただきたいというふうに考えているところであります。
 次に、簡単なことですが、このワンマンの申請について何両で申請があったのか。
○説明員(松波正壽君) お答えをいたします。
 旅客列車をワンマン運転する場合には、運転を行うのに支障のない程度の編成両数であること、あるいは運転士さんが扉の開閉時に旅客の乗降状況を全部の扉について明瞭に確認できますように、鏡とか工業用テレビ等を設けること等、こんな条件を満足するようなことで我々指導いたしておりますが、今御指摘のございました信楽高原鉄道の列車につきましては、車両確認の際にワンマン運転は二両編成以下であることが条件となっております。
○渕上貞雄君 それ以上に何か条件はありませんか。
○説明員(松波正壽君) 今お答え申し上げました条件でもって認めさせていただいております。
○渕上貞雄君 ワンマン運行を認めていく場合に、多客特における取り扱いなどというのもあると思うんですが、私は、この場合は恐らく四両で運転していますから、信楽鉄道の場合は、その日は車掌さんが必要であったと思います。
 それで、事故当時乗務をしていた人は旅行センターの事務員というふうに伺っているわけでありますけれども、ではこのように、いわゆる大量輸送を行う場合に、旅行センターのそういう事務員の方に車掌をさせていく。だれかどこでそういうことを指示して――車掌の役目というのはきっちり運転管理に対してあるわけでありますけれども、そこらあたりの教育など、安全運行に携わる者のあり方について信楽鉄道がどういう対応をされておったのかをお聞きします。
○説明員(松波正壽君) 今回の場合には四両編成でございまして、したがいまして、この鉄道の列車に車掌をということで、今先生御指摘のございました方が乗っておられたわけであります。その人に対してどのような教育が行われたかにつきましては、まだ現状におきましては確認ができない状況でございますけれども、今後とも関係者から事情聴取等を進め、その実態の把握に努めてまいりたいと思います。
○渕上貞雄君 では、最後の質問になりますけれども、このような事故が起きますと第三セクターや地方の中小民鉄はすぐ経営危機に陥り、会社倒産か路線の廃止かということが実はすぐ問題になるわけであります。大臣は他の委員会の中で、再開の問題についてはJRにも相談に乗るよう指示する、指導するという答弁をされております。
 私は、やはりこれから先、JRが新幹線をずっと全国に張りめぐらせていく場合に、恐らく多くの路線で第三セクターというものが生まれてくるであろう、こういうことを想定いたしますと、やはり地域が一生懸命になってその地域の大量輸送を守っていこう、鉄道を守っていこう、自分たちの土地も出そう、汗もかこう、こういうことで第三セクターで残していく。同時に、地域振興とあわせて住民の足を守っていこう、こういうことが一たび事故が起きますと、路線の存続にかかわってくる。今回の信楽高原鉄道の場合も、私は、やはり地域の活性化や大衆の足を守るとすれば、残すべきだと考えるのが妥当であると思いますけれども、いかがでございましょうか。
○国務大臣(村岡兼造君) 信楽高原鉄道は、滋賀県を初めとする地元地方公共団体等の出資により設立されました地域の鉄道でありますので、会社の再建については、基本的には会社、出資者たる地元地方公共団体等、関係者の努力と協力、支援により行うべきものであると考えております。
 信楽高原鉄道の再建につきましては、この前私のところに副知事さん、あるいはまた信楽町の議長さん等が参りまして、何とか再開の方向で検討しているので御協力をお願いしたいということで、再開の意向が強いものと私ども思っております。
 その際に、何しろ会社の事故の補償については、県からとかいろいろな者を派遣したけれども、再開するについては、五名も亡くなっておりますので、西日本から御協力を得たい、こういう申し出がありましたので、早速JR西日本にこの旨を話しまして、まず、JR西日本と信楽鉄道とよく相談していただきたい、JR西日本もこれに協力する意向でありますので、そういうことがまとまりますれば再開できるものだと、こう思っているところでございます。
○渕上貞雄君 質問を終わります。
 ありがとうございました。
○瀬谷英行君 先ほどテレビニュースで見たのですが、けさ新幹線の上野駅構内で信号故障等があってダイヤが乱れたという報道がございました。この信号の故障というようなことは鉄道の事故では非常に重大な問題で、こういう信楽鉄道だけではなくて新幹線の上野ということになりますと、ちょっと、事もかなり重要だろうという気がするので、どういうわけで故障を生じたのか、その経緯とかその後の措置とか原因、そういうことがわかりましたなら御報告をいただきたいと思います。
○説明員(大塚秀夫君) まだ、情報を取り寄せたところで、詳細については調査中でございますが、けさ七時四十六分ごろ上野駅構内の軌道短絡が発生し、この軌道短絡というのは、そこに列車がいるような電流が新幹線の指令所に流れるわけでございますが、直ちに関係社員が出動して復旧に努め、八時二十三分に復旧しております。八時三十二分に社員の待避を確認し、また、信号設備に異常のないことを確認して運転を開始いたしました。その結果、列車への影響としては、三十分前後遅延したものが七本ございます。
 以上でございます。
○瀬谷英行君 今度の信楽鉄道事故でも、信号機が故障していたのかどうかといったようなことは、事故原因を究明するに当たって非常に重要な問題になってきているわけですね。こういうわずか十四キロの区間の単線で、もう一たび正面衝突といったような思いもかけない事故が起きるとこんな大惨事になるわけです。それが、新幹線のように二百キロ以上のスピードで現に走っているわけですけれども、そういう状態の中で信号機故障といったようなことから事故が発生をすると、これは信楽鉄道事故の比ではないというような、ちょっとそら恐ろしい気がするんですね。
 特に、東海道新幹線なんかの場合は、もうひかり号が四分間隔でもって走っているといったような状況があるわけです。したがって、信号は万全であるというような考え方だけでいくと、事と次第によってはえらいことになってしまうという気がするわけですね。したがって、こういう信号機の故障が生じた、何で生じたのか、どうしたらいいのかというようなことは、安全対策からいうとゆるがせにできないという気がするんですが、その辺のところをけさの事故のその後の経過なり対策なりを含めて、もっと具体的に御説明いただけませんか。
○説明員(大塚秀夫君) JRの営業線の中でも新幹線は、輸送量、また、輸送能力ともに大きいものがございますので、ふだんから事故防止には特に格段の注意を払っておるところでございます。幸い、JR各社の新幹線についての運転事故、これは私どもの分類で列車衝突とか列車脱線、列車火災、踏切障害、人身障害、物損をいうのでございますが、平成二年度においてはゼロでございます。
 ただ、けさの事故のように、これは結果的に運転阻害になるわけでございますが、事故につながる可能性のあるような信号システム等の故障については十分JR東日本において原因究明をさせ、私どもも調査したいと考えております。
○瀬谷英行君 委員会を開いても、目下調査中というだけの報告だと困るんですよ、何にもわからない。信楽鉄道事故でも書類は押収されているといったようなことで、調査中。この前の参議院の決算委員会、それから衆議院の運輸委員会、それぞれ二十一、二十二日あるいは二十三日に開催された委員会でも、現在、警察も調べているが、今の段階では断定できないとか目下慎重に検討中であるとか、そういう答弁があるんですよね。だから、一週間前に慎重に検討中であり調査中であるものが、きょうの委員会でも相変わらず検討中であり調査中であるというのじゃ、これはどうしたらいいんですかね。いつになったらそれがはっきりできるのか。これは困ると思うんですよ。
 問題は、手を広げれば、何百人もの人がけがもしている、四十二名の人が亡くなった。だから、その原因等について慎重に調べるということは、それはわかりますけれども、この事故のそもそもの発生した原因というものを突き詰めていけば、そんなに手広く何百人のけが人まで一々見舞って調べなくたってわかることなんですよ。だから、もうきょうの段階では、私は、当然こうした事情でもってこのような事故が生じてしまったということの報告があると思っていたんですね。ところが、それがない。
 では、この先、先ほどの質問じゃありませんが、半年、一年というわけじゃないけれどもというような話がありましたが、そんなに長い時間をかけて調べなければわからないということは、どう考えてもそれこそわからないですよね。その点は大臣、どうお考えになりますか。
○国務大臣(村岡兼造君) こういうような事故に対しての、どういうことか私も素人でございますが、素人なりに考えますと、我が方でも、信号機がなぜ赤になったのか、あるいはまた、貴生川から来た方が青になっていたのか、正式に作動したのか作動していないのか、こういうようなことも調べなければならないわけでございますが、現在それを調べるにつきましても警察の方から許可が出ておりませんので調べることができない、こういうことで、我が省の方で調べるについても、早急にこれはお願いをしないと、実際にそれぞれの方々に会うにいたしましても現在は会えないというふうな状況でございまして、まことに申しわけないのでございますが、できるだけ早く我が省でも、二度とこういう事故が起こらないような調査に入るべく、警察の方にもお願いをしたいと、こう思っております。
 同時に、我々運輸省としては、こういう点がどうかということについて、単線部分あるいは第三セクターについて総点検をし、その他考えられることについて今やれるように指示いたしまして、例えば、無線の問題につきましても検討を始めまして、そういうふうなことをひとつやろうと、こういうことをしているような状況であります。
 できるだけ早く警察の方にもお願いをして、そういう例えば信号機系統の実験その他、正常に動いておったのか故障しておったのか、あるいはまた、マニュアルどおりやっているのかどうか。当日の私が聞いた状況ではマニュアルどおりやっていない。しかし、関係者の方々もまだ私の方が直接会ってお聞きできるという状況でありませんので、今瀬谷先生から言われましたけれども、なかなか歯切れの悪い状況であることを御了解願いたいと、こう思っております。
○瀬谷英行君 警察が犯罪事件を捜査する場合には警察の立場があるでしょう、殺人だとか強盗だとか誘拐だとか、この種の問題では。これは警察がその専門であるから、専門の立場でもって調査もするし証拠も押さえるということがあるでしょう。しかし、この事故は警察の担当する犯罪事件とは違うわけですよ。これは明らかに事故なんですね。事故が結果として多数の人の命を奪うということになったのであって、犯罪事件とはまた違うわけですね。
 そうすると、調査の主体は、むしろ専門家である運輸省の方が主体にならなきゃいけないんじゃないかなという気がするんですよ。警察の人が調べたところで専門的な知識は、特にこういう信号であれあるいは運行であれ、こういうダイヤであれ、これらの問題については警察は素人なんですね。素人の方が大事な資料を全部押さえちゃって、それで専門家の方がそれがないからわからない、こういうことになるとなかなか原因の究明ができないんですよね。警察の方は運輸省以上に専門家がそろっていて、運輸省に任せるより警察の方で引き受けた方がこの問題の解明について自信があるというならば話は別なんです。
 その点、ちょっと警察庁の方にもお聞きしたいんですが、運輸省は後でもって知らせりゃいいんで、もう事件の解明は警察の方が責任を持つ、こういう見解に立っているのかどうか、その点をお伺いしたいんです。
○説明員(佐々木建成君) ちょっとその前に。
 警察庁と私どもが原因の調査で対立しているというふうなことはございませんで、私どもの方も警察庁の方にいろいろ協力をお願いしておりますし、警察庁の方でも捜査は別途あるわけでございますが、その間、人に会わせてもらう問題だとかあるいはいろいろな書類を見せてもらう問題だとか、時期を選ばなくてはいけないと思いますが、御協力をいただけるということになっておりますことをちょっと申し添えさせていただきたいと思います。
○瀬谷英行君 だから私は警察の方に聞いたんですよ、警察の方が自信ありげだから。運輸省は、どうもみんな警察の方に持っていかれちゃってうちの方じゃわからない、一言で言えばそういうふうな答弁なんです、今までの議事録を見ても。だから、それならば警察の方が確証を持っているのか、自信を持っているのか。これは警察庁の方にお伺いしたい、こういうふうに思います。
○説明員(石川重明君) 自信ということはともかくといたしまして、警察の責務といたしましてこの捜査を実施しておるわけでございまして、この捜査の目的は、事故原因を究明いたしまして、業務上過失致死傷という犯罪が成立するかどうか刑事責任の有無、所在を確定するということが私どもの責務でございます。
 一方、関係機関が行います本件事故調査の重要性ということも十分認識しておりまして、今後、関係機関が行う事故原因究明のための調査におきましては、可能な限り協力してまいりたいと考えております。
○瀬谷英行君 刑事的な責任を追及したい、だから警察の方で調べているんだというふうに聞こえますが、例えば、前の決算委員会のやりとりの中でも、滋賀県警の発表では、事故はATSを解除して赤信号で発車した人為的なミスで起こった、信号は故障していなかったのではないかということになっているがどうか、こういう質問に対して、調査を待たないと何とも言えない、こういう答えになっているんですよね。だから、県警の方では一つの見解を持っている。じゃ、そのとおりなのかというと、今調査中であると。要するに、どこが主体になってこの事故の本当の原因究明をやっているのだか、聞いている我々の方は何だかさっぱりわからないということになるんですよね。それじゃ困るんですよ。
 だから、その点、刑事責任を追及するということと事故原因を明らかにして安全対策を早急に実施することとどっちが大事なのか、どっちが先なのかということも考える必要があるでしょう。警察とすれば安全対策なんかは後回しでいい、それよりも刑事責任を何とかして追及できるのかできないのかはっきりしたい、このように聞こえるんですよね。
 あなたの方では、安全対策のことを考えたのなら本当の事故原因というものはやっぱり専門家の方に考えてもらう、調べてもらうということをしてもらわないというと、警察の方ではできないと思うんですよ、県警の頭ではね。それは県警の頭は、犯罪捜査は運輸省よりはすぐれていると思いますよ。だけれども、今泥棒を追っかけているわけじゃないんですからね、殺人犯を追っかけているわけじゃないですからね、この事故原因は何かというところを何とかして突き詰めようとしているんですから。その場合には、警察としてもすべての書類を押収した、警察独自で調べている、これだけじゃ困るんですよね。
 だから、その点どうなんですか。よくあることなんだけれども、交通事故の場合でも、被疑者が捕まって勾留されているので事情がわからないという例も今までありました。今回の場合は、勾留、逮捕といったようなことはない、事情聴取だけなのか、あるいは証拠書類等についてはどの程度まで警察の方で押さえているのか。それについて、また、運輸省側の方から請求があるのかないのか警察庁側からの御答弁をいただきたいと思います。
○説明員(石川重明君) 現在、事情聴取、あくまでも事情聴取でございまして、強制で身柄を拘束しておるという者はございません。今回の捜査は、現在、被疑者不詳ということで、裁判所の令状に基づいて検証とか捜索差し押さえという手続をとっているという状況でございます。現在、その解明を行っておるという状況でございます。
 それから、捜索差し押さえにつきましては、これまで事故列車あるいは関係駅等九カ所に対して実施をしておるわけでございまして、それから、検証につきましては七カ所について実施をしておるということで、現在、手続的に押収をしておるというものにつきましては、関係の書類あるいは証拠物、合計一千点余りを押収しておりまして、これの分析を現在行っておるという状況でございます。
○瀬谷英行君 運輸省の方では、今のような御答弁なんですけれども、どうなんでしょうか。
 例えば、JRのおくれが何分か、信楽鉄道のおくれをどのように考えていたのか。この時間の違いなんというのはそんなに長いこと調べなくたってわかるはずなんですよ、これは。極めて単純な問題なんですからね。
 ただ、衝突なんというのは、一分間前後しただけで衝突をしないで済んだかもしれない。これはちょうど我々視察をして感じたんですけれども、カーブのどっち側から来ても先が見えないところなんですよ。最も悪い場所でぶつかっちゃったわけです。もうちょっと時間的にずれていれば、どっちかにずれていれば、もっと早く直線のところで見つけることができた。見つけることができれば、居眠りでもしていない限りは急ブレーキをかけてぶつからないうちにとめるということはできただろうと思うんです。ああいうふうにカーブのひどいところで出会い頭に、廊下の角で出会い頭にぶつかるような格好でぶつかっちゃっているわけです。だから、この場合に三十秒なり一分なりの遅延というものは、事故を回避するというためには非常に大きな条件になってくるわけです。
 したがって、遅延の何分といったようなことも正確に調べなきゃならないし、わかるはずだと思うんですけれども、前回の決算委員会の答弁でも、突き詰めてみないとよくわからないようなちょっとあいまいな回答が行われているんですね。そういう点、今もってわからないということでは半年たったってわからないと思うんですよね。
 だから、その点どうなっているのか、どちら側の言い分が正しかったのか、間違っていたのか、その点をお答えいただきたいと思うんです。
○説明員(松波正壽君) ただいま御質問のございました列車の出発時刻につきましては、JRの列車の場合でございますと、信楽高原鉄道側からでは貴生川駅を所定より六分おくれの十時二十二分に出発したという説明を受けておりますし、また、西日本旅客鉄道側におきましては貴生川を所定より二分おくれの十時十八分発と説明しておられるわけでありますが、今先生御指摘のように、この時間につきまして同じでないわけでございますので、我々といたしましては関係者からいろいろ聞きながらこの事実確認を進めたいと、こういう状況でございます。
○瀬谷英行君 そんなに複雑な問題じゃないんですよね、時間の違いというのは。今の答弁でいくと半年たったってわからないんですよ、これは。一年たってもわからないものはわからないですね。この間の話なんですからね、どうもその辺が釈然としません。
 また、西日本旅客鉄道会社側の事故報告等について見ますと、「所定ダイヤでは、気第五〇一D列車と気第五三四D列車は、小野谷信号場で行き違い(五三四D列車先着後発、五〇一D列車は通過し」、こういうふうになっております。ここのところを見ますと、五三四Dは先に着いて、五〇一Dが通過をするのを待って発車するようになっているわけです。そうすると、信号場では行き違いをするようになっているんだから、お互いにその存在を確認するようになっているんですね。
 それで、ダイヤをちょっともらって、見ました。このダイヤを見ますと、時刻表の方だとちょっとわかりにくいんですけれども、ダイヤの方で見ると小野谷信号場、ここでもってクロスするようになっているんですよ。このダイヤを見れば、双方の乗務員は、貴生川を出た列車も信楽を出た列車も真ん中の小野谷信号場でもってチェンジをするということは頭に入っていたのじゃないかと思うんです。ところがJRの方は、この信号場へ行ってみたけれどもいなかった。だけれども、信号が青だったから行った。そうしたら、そこまでまだ来ていないで、ついにあの悪いところで衝突しちゃった、こういうことになっていますね。
 この前の衆議院の運輸委員会でもそういう質問があったんですが、小野谷信号場ではJRの方の運転士も変だと思った。結局、信楽鉄道の列車が入っていなかったから変だと思ったけれども、信号が青だったから、青なら走って当たり前というそういう方針でもって行っちゃったと、こう言うんですね。だから、信号だけが一番大事なので、ダイヤは頭に入っていなかったということになっちゃうんですよね。
 このダイヤだって、例えば、青だから走って行かなければならないといったって、東京の山手線やなんかと全然事情が違うんですからね、これは。後続電車なんかありゃしないですよ、当分の間、このダイヤを見ると。向こうから来る列車とすれ違うから、両方とも後続列車なんというのはありゃしないんですからね。そうすると、この行き交うところでもって会わなかったならば、その先にいるはずなんですよ。その先にいるはずなら、とまっていればいいけれども、向こうから出てこなきゃいいけれども、出てくりゃ途中でぶつかるというのは、これは物理的に考えて当然なんですよね。
 その点を考えると、信号を守ったからJR側の気動車は間違いなかったというふうに断定をするわけにも、これまたいかないような気がするんですね。
 それで、京都新聞には、「運輸省が保安監査「安全意識やや欠けた」」と、こう書いてあります。「やや欠けた」というようなものじゃないような気がするんですね、これは。「安全意識やや欠けた」のじゃなくてまるっきり欠けちゃったんじゃないですか、これは。「やや欠けた」のなら、ぶつかる前にとめるということができたと思うんです。列車の遅延だけで済んだと思う。ぶつかっちゃったんですからね。これは新聞の表現だから、運輸省側がそのとおり言ったかどうか、それはわかりませんがね。
 しかも、つぶれてしまった信楽鉄道側の車両は十三人中十一人が犠牲になっている。しかも、我々の調査に対してここまでの報告はなかったんですよ。なかったんですけれども、新聞の方の記事を見ますと、車両の中にだれが、どこにいた人が死んだのか、どこにいた人が助かったのかということまで書いてある、京都新聞ですけれどもね。それを見ると、運転室にいた運転士とそのわきに会社の人が四名最前部に乗っていたんですね。最前部に運転士と並んで乗っていたんです。その人がみんなぶつかってつぶされて亡くなった、こういうことになっています。
 何で会社の幹部が最前部にいたのか、これはみんな亡くなったから聞きようがないですけれども、どうも後でいろいろ話を聞いてみると、運輸省の方の監査の人を迎えに行く途中だった。迎えに行く途中だったんだが、時間がおくれた。おくれたままで行くと、これは迎えに間に合わない。そうすると、運転士のわきにいたのは会社の事実上の最高幹部ですよ、これはね。社長の場合は町長と兼務だから、実務については事実上の責任者ではない。課長だとか常務取締役とかいう会社の最高幹部が四人運転士と一緒に並んで乗っていてぶつかっちゃったということになるんですから、これは監査の問題といろいろかかわりがあるんじゃないかなという推定もできるんです。
 こういうのは、我々の方の報告の中にはないですよね。どこにだれが乗っていて責任者がどういうわけで亡くなったかということはわからないんですね、この新聞を見ないと。だから、こういうことまで正確に、やはり報告の場合には新聞よりも正確なというか確実な報告をしてもらう必要があったんじゃないかなと、こういう気がしますが、これはどうですか。
○説明員(佐々木建成君) 乗客あるいはその他の関係者がどの場所に座っていたか立っていたかということについては、私どもの方は詳細な情報を持っておりませんでしたものですので、委員会の方には御報告をしなかったわけでございます。
○瀬谷英行君 京都新聞の方は、生き残った人と亡くなった人と、みんなどこの場所に乗っていたかということまで書いてありますよ。これは、事故原因を究明する場合にはやっぱり非常に大事なことだろうと思うし、我々だってそんなことは型どおりの報告を見ただけじゃさっぱりわからないんですよね。
 そうすると、いろいろ推察をすると、運輸省の方からの査察といいますか、こういう人が来る、それを迎えに行く。だけども、この列車はおくれてしまった。時間がおくれたから急がなくちゃならないといったような焦りが信楽鉄道側にもあったんじゃないかなと、こういう推定が出てくるわけですね、これは。ところが今お聞きすると、そういうのは運輸省側にはわかってなかったということになるんです。しかし、わかってなかったのなら、やっぱり調べる必要あるんじゃないですか。これは運輸省が新聞社に聞くのも格好悪いかもしれない。だけれども、知らないよりはいいですよ、これはね。そういうことも、やっぱり我々には教えてもらわなきゃいかぬと思う。
 それから、運輸省の近畿運輸局の人が自殺をしたという報道がありましたね。この自殺をした方はどういう仕事をやっていたのか。信楽鉄道の信号機やなんかの関係の仕事をやっていた方なのかどうなのか、その点についても御報告いただきたいと思うんです。
○説明員(佐々木建成君) まず、先ほど近畿運輸局の職員が監査で来るのを出迎えるために乗っていたのではないかというようなお話がございましたので、その点について申し上げたいと思います。
 事故当日に近畿運輸局の職員三名が、五月十一日から二十日まで実施されます春の全国交通安全運動の一環として、信楽高原鉄道及び近江鉄道の安全運動の実施状況、取り組み状況の査察を行うということが予定されておりました。当該職員三名は、当日JR草津線経由で十一時九分にJR貴生川駅着の予定でございました。同駅において信楽高原鉄道の担当者と落ち合いまして、そのまま十一時十六分発の信楽高原鉄道の列車について添乗査察を行った後に、信楽町にある本社の査察を行うということとしていたものでございます。
 当日、信楽高原鉄道の職員が乗車した列車、すなわち衝突した五三四Dでございますが、貴生川駅到着予定時刻は十時三十八分でございますので、十一時九分との関係でいきますと三十分以上の余裕があったということでございます。乗った方がどういうふうに思っていたか私どもわかりませんけれども、時間的には余裕が三十分以上あったのではないかというふうに認識をしております。
 それから、近畿運輸局の職員が自殺をしたという件でございますけれども、この職員は鉄道部の調整官というポストにいる人でございました。
 調整官の職務は、運輸省の組織規程によりまして、「部長を助け、命を受けて部の所掌に属する事務の一部を整理する。」というふうになっておりまして、実際には、今回の信楽高原鉄道に対するJRの乗り入れに際しましては、近畿運輸局に対しまして運輸に関する協定、乗り入れをやる場合に運輸に関する協定を締結して届け出ることになっておりますが、その運輸に関する協定、それから運行計画の変更の届け出、これはダイヤの変更の届け出でございます。並びに小野谷信号場の行き違い設備、信号保安システム等に係る鉄道施設変更認可申請が行われたわけでございますけれども、調整官は部長のもとでこれらの許認可等の事務全般の処理を行っていたということでございます。
 自殺をした理由、原因についてはよくわからないということで、原因はわかっておりません。ただ、この事故が起きまして十四日から十九日までずっと泊まり込みで仕事をしていて大変疲れていた様子であったというようなことを聞いております。
○瀬谷英行君 この事故と無関係ではないというふうに感じますね、それは。死人に口なしだから、これは聞きようがないわけですよ。だけれども、心労のために自殺をしたんじゃないか。まあ、よくわからないけれども、くたびれたんで――くたびれたから自殺するということもないと思うんですけれども、何かやはりこの事件とかかわり合いがありそうな気が第三者にはするんですよ。とすると、四十二名の犠牲者プラス一人の犠牲者ですよね、この方も。この事故がなければ、恐らく自殺をするようなことはなかったんじゃないかなという気がするんですよね。大変に私は気の毒だと思うんです、その心情を察すると。だから、やはり、この人の仕事とそれから責任感からみずからの命を絶つということになったのかどうかということも、もっと親切に調べる必要があるのじゃないのかと、こういう気がいたします。
 それから、この事故を視察に行ったときに車で行きましたら、この事故現場の近くに、道路が非常に渋滞をするんでしょうが標識が立っていまして、その標識には、「人生は長い旅路だゆっくり走ろう」と、大きな看板が出ているんですよ。ゆっくり走ろうという標識とは裏腹に、これはおくれを取り戻そうとして急いだというようなことがこういったような事故にもつながったんじゃないかなという気がいたします。
 だから、信号オンリーでいくと、けさほど上野の駅でも信号の故障があったといいますが、その故障の原因だってよくまだはっきりわからない。わからなくても故障は生ずるんです。故障が生じた場合にはどうしたらいいのか。安全を優先するならば、すれ違う場所でもって相手の列車が来なかった場合には、その先にいるということはわかっているんですから、そうすると、そこでもって連絡をとるということが常識じゃなかろうかという気がするんです。
 その面からいうと、変だとは思ったけれども、信号が青だから行っちゃったというJR側にも、これは責任がないということにはならぬような気がするんですね。一方的に信楽鉄道だけの手落ちだということで片づけてはいけないという気がします。その点をもっと綿密に調べる必要があるんじゃないかと思うんですが、その点どうですか。
○説明員(松波正壽君) お答えをいたします。
 信楽高原鉄道の路線に入りました西日本の列車がその信号場を通過するときに、運転取扱心得によりまして、今先生厳しい御指摘がございましたが、信号に従って進行するのが普通ではございますけれども、我々、今回の事故のように大変残念な事故の場合に、この信号場におきますところの対向列車がなかった場合においてこの乗務員が運転指令との連絡をとるべきであったかどうか、今後さらに実態を調査した上でいろいろ検討してまいりたいと考えております。
○瀬谷英行君 それは、連絡をとっていれば事故にならなかったとはっきり言えるんですよ。このダイヤを見ても過密ダイヤと違うんですよね、ここは全然。この真ん中の信号場でもって全部クロスするようになっていますよ、上りも下りも。それ以外の場所でこういうすれ違う場所はありませんよ、ここだけですよ。
 そうすると、恐らくここを走っている乗務員は、向こうから来た列車がここで待っているなということが頭に入ってなきゃうそだと思うんですね。いなかったならばその先にいるんですから、間違いなく。だから、そうすると、その先にいるのか。もし走っていたら正面衝突になりますから、お互いがお互いの列車の存在を確認する方法というものがなければうそだと思うんです、これは。そうでないと、自動車で追っかけたりなんかして間に合うものじゃないですよ、あの渋滞をする道路でもって。
 そういう設備あるいは電話といったようなものがないとすると、今後もこのままの状態でいくと同じような事故が起こる可能性というものはあると思うんですが、その点はどうなんですか。そういう設備が考えられるのかどうか、その点もお伺いしたいと思うんです。
○説明員(松波正壽君) お答え申し上げます。
 すれ違い箇所におきますところの運行の問題についてでございますが、通常は常用閉塞という中で信号に従いながら運行するというのが運行マニュアルでございますけれども、今御指摘のございましたようなダイヤ等の関係におきまして、列車の運行時間が乱れている場合においてどう対応するか。それで、先ほどお答え申し上げましたように、我々もよく実態を踏まえながらどうすべきか勉強したいと思っておりますが、あわせて、今の時点で何ができるか、こういう問題が一つあろうかと思います。
 そういう意味では、先ほど来大臣の方からもお話がございましたが、列車無線という一つの手段もございますけれども、そういうものを含めて、より安全な運行をするために、その列車無線を在来の鉄道路線の中に既に地上に無線設備があるような場合におきまして、そこへ他の会社の列車が乗り入れてくる場合においては、その列車に周波数の同じ無線装備を設置することにつきまして検討をいたしております。
○瀬谷英行君 検討をして実施するのはいつなのかさっぱりわかりませんけれども、こういう事故が起きてから検討いたしますではやっぱり遅いですね。
 やはり、「安全意識やや欠けた」と信楽鉄道の甘さを運輸省は指摘している。全部信楽鉄道が悪いんだというふうに受け取れるような記事が出ております。だけれども、詳細に点検をしてみると、そうは言えないという気がするんですね。ここのところはダイヤもそんなに至極込み入ったダイヤじゃないし、単線だし、信号場は一つしかないし、列車本数は少ないし、後続列車はないし。つまり、事故なんか起き得ないような条件のもとで起きてしまったということは、このダイヤを頭に入れてさえいれば、これは回避できる事故だったんじゃないかという気がいたします。だけれども、たまたまこういうことが起きてしまった。
 そうすると、やはり考えなきゃいけないことは、信号だけで、信号が青であればもう進むんだ、それ以外のことは考えるなといったようなことでは方針としては正しくないんじゃないか。我々調査団が行っていろいろと話を聞いた中で言われたことは、JRなりあるいは運輸省側の意見は、信号が青だから間違いないんだ、青信号に従えということであって、それ以外のことは考えなくてもいいというふうに聞き取れたんですよ。恐らく、一緒に行かれた方はみんなそういうふうに聞かれたと思うんです。
 だけれども、それではよくなかった。それは間違いだった。もっとダイヤのことを考えて安全に対する配慮をすべきであった。そのような指導の方が正しい、安全が優先するんだ、信号が優先するんじゃなくて安全が優先するんだということの認識がなければいけなかったんじゃないかという気がいたします。その点、大臣も現地に行かれたので状況等については御存じだろうと思うんですが、大臣、どのようにお考えになりますか。
○国務大臣(村岡兼造君) 私も列車運行の問題については全くの素人でございますけれども、今先生から御指摘があったように、従来、この信楽線ばかりでなく他の第三セクターに乗り入れする場合も、ATSでございますか、そういうような運行でマニュアルを守っていれば、当然衝突は起こらない、素人でございますけれども。信楽駅の方が信号が赤であった。これを手動にして、本来は線路の上を確認して信号場へ行って、それから連絡する状況であったのが、それをしていないで、車で走って信号場へ行かないうちに正面衝突した。こういう、これは総務課長さんの話でございますけれども、そういうようなことであったと思います。
 いずれにしても、考えてもみない事故が起きたわけでございますので、今後、今までとっておったマニュアルでいいのかどうかということも十分これは検討をしていかなきゃならない事項であると、こういうふうに考えております。
○瀬谷英行君 それともう一つ、JR側の問題になりますけれども、ぶつかった車両は、信楽高原鉄道の方は長さが十五メートル半で重量が二十五トン、JR西日本の場合は長さが二十メートルで三十九トン、座席定員八十四名になっていますね。ところが、実際にはその定員をはるかにオーバーして、乗車効率が二四〇とかいうふうに超満員の状態で走っていた。この超満員の状態で走っていたということがそもそもやっぱり問題だったと思う。そんなにすし詰めにして走らせなければならない、これは一つの営業政策だったかもしれないけれども、そういう場合には、やはり利用者が多ければ多いようにもっと臨時を出すなりあるいは方法を考えるべきじゃないでしょうか。
 この超満員の気動車がぶつかった、正面衝突したということになると、これは大変なことになるのは当然だと思うんですよ、そういう営業政策。
片方の信楽鉄道の場合は、一番前部の車両はもう原形をとどめないくらいくしゃくしゃになってしまっております。こちらの方が軽いせいもあったでしょうが、車両の破損自体はJRの方は少ないような気がしますけれども、すし詰めになっていた状態でもって圧死をした人も、それはまあ死因はいろいろあるでしょうが、犠牲者が多かったという点もあると思うんです。
 こういうすし詰めの列車を運転するということにも営業政策上の問題があったような気がするんです。その点はJR側の責任もあると思うんですが、どういうふうに考えたらいいですか。
○説明員(大塚秀夫君) このようなイベントの際に定員の二・四倍の乗客を運ぶということにつきましては、現在の定員が旅客船等と異なり、基準的な定員で、それ以上乗せてはならないという規制された定員ではないということから、どこまで乗せられるか、それ以上は乗せてはいけないかというような判断材料がないわけでございます。
 通勤電車などもすし詰めの状況でございますが、そういったものとこのような行楽地における輸送力と輸送需要との関係、どれだけ以上は乗せないか、この点については車両の構造等とあわせてこれから私どもも定員というものについて、この事故原因究明の過程で検討させていただきたいと思います。
○瀬谷英行君 イベントだけに限らないんです。今、はしなくも通勤の状況のことを言われましたが、通勤の電車の状況、例えば、上野から東京駅までわずか三・六キロですよね。この三・六キロの区間だって二百何十%の乗車効率でもって超満員になりますよ。時間帯が悪いと、これはひどいものですよ、この間私も体験しましたけれどもね。まあ一体どのくらい詰め込まれるんだか、駅では一生懸命しりを押していますよ。中へ入ったら最後ですね。もう、つり革につかまったら最後、上げた手はおろせない。すりも商売にならない、こういうようなひどい状態なんですよ。
 こういう状態、この信楽高原鉄道はたまたまこういうお祭りのときだけだけれども、東京周辺の運動電車の場合は日常茶飯事、毎日毎日なんです、これね。この毎日毎日の状態で幸いにして事故がないけれども、あれで事故が起きたら、これはえらいことになっちゃいますね。新幹線のような高速鉄道の場合も、あるいは通勤電車のような超満員の場合も事故がないからいいけれども、事故と紙一重なんですね、本当のこと言うと。だから、利用者は集団で危険な状態を知ってか知らずか乗っているだけなんですよね、これは。考えてみると怖いですよね、集団サーカスみたいなものです、これは。
 だから、これらの点を根本的に考えなけりゃいかぬと思う。信楽鉄道に限らない、現実にそういう危険は我々もう日常体験をしてるんだということを意識したならば、根本的な解決策ということは安全対策を念頭に置いて行われるべきであるというふうに思われますが、その点についての大臣の所信、方針をお伺いして、私の質問を終わります。
○国務大臣(村岡兼造君) 今、先生が御指摘なされました通勤通学の朝のラッシュで二〇〇%以上というような状況でありますことは、私もこの前見まして承知をいたしております。
 したがいまして、これは今輸送力の増強といいましてもなかなかでき得ない、進捗状況もはかばかしくないわけで、時差出勤ということもお願いをしているわけでございますが、これをしても二〇〇%以上ということで、これらをこの事故にかんがみまして、それらも含めて検討してまいりたいと、こう思っております。
○野沢太三君 質問に先立ちまして、このたびの事故でお亡くなりになりました方々に心から哀悼の意をささげ、謹んで御冥福をお祈り申し上げます。
 突然の災難によりまして御家族を失われました遺族の皆様に衷心よりお悔やみを申し上げる次第であります。
 また、負傷されました皆様方にお見舞いを申し上げ、一日も早く回復されますようお祈り申し上げるものでございます。
 このたびの衝突事故は、死傷者の数において鶴見事故以来の大事故と言われております。長年、鉄道事業に携わってきた一人といたしまして、応急対策に当たられました方々、関係者の皆様方の御労苦は大変なものであったと拝察し、改めて御礼を申し上げるものでございます。
 運輸大臣におかれましては、運輸行政の最高責任者としていち早く現場に入られ、陣頭指揮をおとりいただき、まことにありがとうございました。現地で事故の実態を視察されました感想と、今後運輸省として果たすべき役割は何であるか御認識をお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(村岡兼造君) 信楽高原鉄道の事故でございますけれども、私も現地に参りまして、亡くなった方々のひつぎに一人一人弔意をささげたわけでございますが、家族の方々の突然の悲嘆、悲しみ、慰めを申し上げる言葉もないような状況でございました。
 こういうような多数の死傷者が生ずるという悲惨な事故の発生を見ましたことは、運輸行政を預かる者としてまことに遺憾に存ずる次第でございます。
 なおまた、負傷者の方々、遺族の方々から、この事故の徹底原因追及を必ずしていただきたい、同時にまた、補償についても逃げることなくやっていただきたいというような申し出もございましたし、それを心に入れまして、今回の事故の重大性にかんがみ、事故対策本部もつくりまして徹底的な原因追及をいたしたいと、こう思っております。先ほど、先生方からいろいろ御指摘もいただきました点も含めまして、私どもとして二度とこういう事故が起きないようにしていかなければならない。
 また、信楽高原鉄道再開の意向があるわけでございますけれども、警察の方にもお願いをして、信号がどういう状況であったのか、こういう原因追及もしなければなりませんし、また、今度は、信号が正常であるかどうかということを行わなければ再開もできない、こういうような状況でございますので、それらの点も急いでやりたいと思いますし、警察当局の方にも私の方から、これこれの分についてはひとつお知らせを願いたい、こういうようなことも早急に出してまいりたい、こう思っておるわけでございます。
 亡くなられた方々あるいはまた、けがをされた方々につきましては、私どもの方として関係する方々に十分に指導を申し上げ、補償について万端遺漏なきようにしていきたい、こういうふうに考えているところでございます。
 以上でございます。
○野沢太三君 ぜひ、被災者の皆様のお見舞いあるいは手当て、さらにはやがて問題になると思われます補償等につきまして、あとう限りの御支援をよろしくお願い申し上げるものでございます。
 私どもも十九日に現場の視察をさせていただきましたが、現場で伺いました状況で死傷者の数について大変まちまちな状態で、発表によって随分数に違いがあるようでございます。現時点で特定できる死亡者並びに負傷者の数あるいは入院されておられます方の人数は、今どうなっておりますでしょうかお伺いしたいと思います。
○説明員(松波正壽君) お答えをいたします。
 信楽高原鉄道事故によりまして亡くなられました方は、信楽町信楽高原鉄道列車事故対策本部によりますと、男性の方が二十三人、女性の方が十九人、合わせまして四十二人の方であります。
 また、けがをされた方は、信楽町信楽高原鉄道列車事故対策本部、滋賀県信楽高原鉄道列車事故対策本部等関係機関の調査によりますと、五月二十七日現在判明しておりますところの負傷者の数は、五百七十六人でございます。
 また、入院されている方は、さきに申し上げました信楽町事故対策本部調査によりますと、五月二十九日午後三時現在でございますけれども、三十九の医療機関に男性の方が十九人、女性の方が五十三人、合わせまして七十二人の方が入院をされている状況でございます。
○野沢太三君 まだ大勢の方が入院中ということでもございますし、また、自宅に帰られた方も後遺症等の問題もあろうかと思いますので、どうかひとつフォローをしっかりしていただきまして、今後の対応に備えていただきたいとお願いするものでございます。
 問題は、なぜ事故が起こったかということで、私どももあとう限りの御協力を申し上げたいわけでございますが、現地に参りました中で手に入りましたスライドが少々ございますので、これをごらんいただきながら質問をさせていただきたいと思います。(スライド映写)
 これは信楽の駅にございましたおわびとバス代行の御案内の掲示でございます。
 これは時刻表でございますが、十時十四分発の列車が問題を起こしたわけでございます。
 信楽駅の一番ホームから出発信号機を見ているところでございます。これが赤であったわけですが、故障しているということで、赤信号のまま代用手信号でスタートをした模様でございます。
 これは反対側にある手動のポイントでございます。このような形でポイントが返っておれば、運転席からも明瞭に進路が認識できるわけでございます。
 これは衝突現場でございまして、信楽高原鉄道の残された二両の車両でございます。これを使って現場検証等を行っているところでございます。左の方が祭壇でございます。
 これは衝突列車の二両目を後ろから見たところでございます。左の端に見えますのがJRの車両の前頭部でございます。
 これは信楽高原鉄道の二両目の前頭部と一両目の後部が映っております。
 二両目の前頭部の破損状況でございます。
 これが一両目を前方から見たところでございまして、ほとんど原形をとどめない状況まで傷んでおります。なお、後ろに見えます三両目の前頭部も連結器等が相当傷んでおりまして、このままでは営業に利用できる状態とは思われません。
 これはJR列車の前頭部でございますが、運転席がここにございますけれども、運転士が生き残ったというのはまさに奇跡的であったかと思います。
 これはJR列車の破損状態を後方から見ていますが、この断面は車両がもう一つこの部分がくっついていたものを切り離したところを映しております。
 側面の座屈状態がおわかりいただけるかと思います。
 これが切り離した後方の座席でございまして、こちらが前頭部でございます。
 列車の見通しはいかばかりのものであったかということですが、衝突現場からこれは信楽側を見たところでございます。百メートル程度と言われております。
 現場で見たところもそのような状況で、ほとんど出会い頭の衝突であったということがうかがわれます。
 これは小野谷信号場の場外にございます継電器室でございますが、ここで小野谷の信号の操作が伝えられる、こういうことになっておるわけです。
 小野谷信号場を貴生川の方を向いて見ておるわけでございます。ポイントは待避線の方へ開いているのがごらんいただけるかと思いますが、常時こういう形で待避列車が左に入り、それが完了すれば通過列車が通り抜けていく。下りのJR列車は通過定位というふうに伺っております。
 これが、ポイントの詳細でございまして、自動的に切りかわるという仕組みになっております。
 これが、小野谷信号場のJR列車が青であったと言っております信号機を映しておりますが、これが青であれば、ここにATSが設置してございますから、これは当然作動しない。逆に、もし赤であれば、これが作動して停止措置がとられたと思われます。なお、ちょっと見にくいですが、ここに黄色回転灯というのがついております。後ほどまた、御質問の中で議論させてもらいます。
 これがATSの地上子でございます。
 これは待避線を貴生川方に向かって見たところでございまして、これが赤になっているのがわかると思います。なお、ここにも黄色回転灯がついております。
 以上でございます。
 今ごらんいただきましたような状況の中で、信号がしっかり作動しておればこういう事故にならない。仮に間違って列車が出ましても、それをフェールセーフの形で安全に停止させるという思想で一連の信号保安方式が設計され、また施工されておるはずであるというのが我々の常識であるわけですけれども、今回それが機能していなかったということが一つ大変気になるわけでございます。
 そこで、まず、この信楽高原鉄道の信号保安方式がどのようなものであったかというのを簡潔にお示しいただきたいと思います。
○説明員(松波正壽君) お答えをいたします。
 今、先生、既に写真でもって御紹介されましたのでおわかりかと思いますが、重複するかと思いますが、お答え申し上げます。
 信号保安方式は、全線を貴生川―小野谷信号場間と小野谷信号場―信楽駅間の二つの区間に分割をいたしまして、駅及び信号場の信号機を自動的に制御いたしますところのいわゆる特殊自動閉塞式によりまして、それぞれの閉塞区間には一編成の列車しか入れないような仕組みになっております。
 また、今も御指摘がございましたが、赤信号にもかかわらず列車が進行した場合には、自動的に列車を停止させることができます自動列車停止装置がございます。また、さらには、列車が自動列車停止装置を解除して進んだような場合にも自動的にこの列車を検知する誤出発検知装置が働きまして、相対する駅の出発信号機を赤にするシステムになっております。
○野沢太三君 考え方はそういうことで設計され、実際利用されていたはずでございますが、それがうまくいっていないということでありますけれども、故障を起こしたとかあるいは接触不良があったとかというような報道も一部にはあるわけです。この方式は、この会社が発足したときにはただ往復連行をするだけ、行き違い設備がなくて票券閉塞というごく簡単な方式であったものを今回特殊自動閉塞にかえたということでありますが、この仕事をしましたメーカーあるいは施工業者、それから、実際保守管理をしております体制はどうなっておったか、ちょっとお話しをいただきたいと思います。
○説明員(松波正壽君) お答えいたします。
 今、三点について御質問がございましたので、順を追ってお答えをしたいと思います。
 この信号保安システムにつきましては、従前は国鉄時代からの、先生触れられました票券閉塞式でありましたのですが、平成三年四月より滋賀県が開催します世界陶芸祭によります輸送需要の増大に対応するとともに、地元住民の利便性の向上を図るため、輸送力増強対策といたしまして行き違い設備を設置し、同時に、先ほど御説明しました特殊自動閉塞式を導入したものであります。
 この信号保安システムのお尋ねの件でございますが、工事は信栄電業株式会社が一括受注をしております。機器につきましては、この会社が日本信号株式会社から購入をしたものであります。
 また、信号保安システムのメンテナンスにつきましては、施設課長と施設整備主任が担当し、点検と軽微な作業を行うこととなっていましたが、導入からこれまでの間におきましては、この工事請負業者でございますところの信栄電業株式会社の無償サービスによっていたと聞いております。
○野沢太三君 メーカーは、これはもうJRや私鉄各社が使っている日本信号ということですから、まず製品に間違いはないだろうと思うんですが、工事を請け負っております信栄電業がしっかりした会社であったかどうか、また技術者であったかどうか、この辺について今後も検討が要るんじゃないかという気がするわけであります。
 そしてまた、メンテナンスを無償で引き受けるということも、いつまでもそういうわけにはいかないんじゃないか。いわゆる瑕疵担保責任という範囲で、ある期間を区切ってのアフターサービスという程度のものであったかどうかということが気になることでございます。そういうことで、やはり業者に関しましては国鉄時代もやっておりましたが、技術者の数とか安全講習会の受講等を義務づけて、ある程度の資格を定めた会社にやらせる等の配慮が要るのではないかという気がします。
 それから「電気の技術者がいないということで、どうもよくわからないということがいろんな報道の中でも出ておりますけれども、そういうことからいたしましても、しっかりしたメンテナンス契約を結んでおかないとこういった信号保安装置のお守りができないんじゃないか、これを恐れるわけですが、いかがでしょうか。
○説明員(松波正壽君) 先生、御指摘がございましたが、やはり一番の生命をなしております信号保安システムがいつも確実に機能するためには、日ごろのメンテナンスが大変重要なことでございまして、今御指摘がございましたように、より確実にやる方法につきまして今我々すぐ浮かぶものはございませんが、御指摘のような点もございましたので、これを踏まえながら今後どうすべきかにつきまして検討をさせていただきたいと思います。
○野沢太三君 信号システムについて新しいものが入ってくる、経験のある人がいないということであれば、やはり必要な知識、技能、経験を持った職員を配置するということも大事なことだと思うわけです。そういった職員がいないということもわかっておるわけでございますけれども、それであればなおさら、社員の皆さん、責任者の方々を含め教育訓練がどのように行われていたか、この点が大切なポイントになろうかと思いますが、この点はどの程度おわかりでございましょうか。
○説明員(松波正壽君) お答えをいたします。
 いろいろ担当する者に対しましては、運転規則によりまして教育をしなければ作業についてはならないという規程がございます。今御指摘のございました当該関係の方々の教育について、我々といたしましてはかなりの教育はされていたと思いますけれども、現時点では詳細な内容について承知をいたしておりませんので、今いろいろ調べている中においてこの問題についても取り組んでいきたいと考えております。
○野沢太三君 新しい行き違い設備ができましてこの信号保安システムが動き出したということで、乗り入れにかかわる今度はJRに対する周知徹底あるいは運転士に対する教育訓練、こういったものが十分であったかどうか先ほどからも議論が大分出ているわけでございますが、この点についてはいかがでしょうか。
○説明員(大塚秀夫君) JR西日本におきましては、今回の信楽鉄道への乗り入れに際しまして、かつて信楽線の運転経験を持っております運転士の中から八人をこの綿区を運転する運転士として選任し、これらの運転士に対して教育訓練を行ったわけでございます。
 信楽高原鉄道におきましては、ことし三月から小野谷信号場を新設し特殊自動閉塞式を採用いたしましたので、今回の教育訓練に当たりましては、これらの施設の内容及び運転取り扱い方法を重点としまして、資料に基づき机上教育を行うとともに、一人一往復以上の線路見学、そして、一人三往復以上の操縦訓練を行っておりまして、教育訓練は十分に行われていたものと考えております。
○野沢太三君 長年、信楽線に乗っていた運転士ということで地形等についての問題はなかったと思うわけでございますが、この信号はいわばJR等でも常用されておるシステムということでありますので、問題は、こういった考えられない事故が発生した、常識であり得ないことが出てきた、そこに問題の本質が隠されていると思うわけでございます。
 そこでひとつ、なぜこのような事故が起こったかということにつきまして、現時点で考えられます問題点、これにつきまして運輸省としてはどのようにお考えかとお聞きをしたい。
○説明員(松波正壽君) お答えをいたします。
 信楽高原鉄道信楽線の事故の重大性にかんがみまして、先ほど来出ております我が省内に設置されました対策本部の決定に基づきまして、この五月十七、十八日の両日にわたりまして鉄道の保安監査を実施したところでございます。
 この監査は、先生御承知のように、事故発生状況等を把握するために、事故当時の運転取り扱いの状況とかあるいは信号保安設備の状況等を中心に実施をいたしたものであります。
 その結果の概要を申し上げますと、一つといたしましては、会社全体として安全に対する意識の涵養の面で不十分の占州があると感じられたこと。次に、第二点でございますが、信楽駅におきますところの代用閉塞方式、いわゆる信号が故障した場合に使うところの代用閉塞方式の一種でございます指導通信式の実施に関しましてマニュアルどおり、規程どおり実施されていない可能性があるなどの問題点が見受けられたのでございます。
 しかしながら、現在、捜査との関係から十分な資料及び供述を得ることができなかったので、今後我々といたしましては、運転取り扱いの実態とかあるいは教育訓練の実施状況とかあるいは信号保安設備の作動状況につきまして、さらに十分な調査、解析を行う必要があり、引き続き事故原因の究明に努力してまいる所存でございます。
○野沢太三君 その中で、報道等によりますと、列車無線を活用すれば各列車の呼び出しなりあるいは停止なり、これができたのではないかという見解も出ていますが、この列車無線の役割あるいは安全確保の関係、それから、信楽駅から出た列車を何とか途中でとめるようなことができなかったかどうか、この点いかがなものでしょうか。
○説明員(松波正壽君) お答えをいたします。
 この信楽高原鉄道におきます列車無線の設置状況につきましては、信楽高原鉄道の全車両に無線機を搭載しまして、全線でもって通話可能となる地上設備を設けられているのであります。
 次に、列車無線と、先生御指摘の安全確保の関係についてでございますけれども、列車の運転保安の確保につきましては、本来、、信号保安設備による常用閉塞方式に基づくことが原則でございますが、仮にこれが故障した場合におきましては代用閉塞方式を実施することになっておりまして、安全を確保するシステムとなっておるのであります。これに対しまして列車無線が設置された場合には、客扱いの利便だとか、あるいは異常時、緊急時の連絡等の場合におきまして補助的な手段として使われるものの、その通信は地形だとかあるいは天候などの影響を受けるため、必ずしも絶対的なものではないと考えております。
 このような理由の中で、列車無線はすべての鉄道に設置を義務づけられているものではありませんが、既に地下鉄とかあるいは高架式構造の鉄道につきましては、事故等が発生した場合に線路外への避難が困難であることから、走行してきますところの他の列車の早期停止並びに切断いたしました電車線等の電気供給の早期遮断などを図る必要性がございますので、列車無線を義務づけいたしているところでございます。
 また、今回の事故列車につきましては、信楽駅を発車してから信楽駅の運転指令との間で事故に至るまでの間に列車無線を使用して情報交換等ができたと思われますが、実際に情報交換を行ったかどうかにつきましては、現在調査中でございます。
○野沢太三君 せっかく積んでおりました無線が、今回そういう意味で役に立っていないというのはまことに残念であったわけですが、今後の改善の中でこの活用方についてひとつ御研究をいただき、一層安全の歯どめをかけていただきたいと思うところでございます。
 先ほどごらんいただきましたフィルムの中で、小野谷信号場においては黄色回転灯というのが設置されておりまして、対向して出てくるであろうJR列車をそこでとめることも可能ではなかったかと思われるわけでございますが、この取り扱いがどうなっていたか、いかがでございましょうか。
○説明員(松波正壽君) お答えをいたします。
 先ほど、写真の中でも見させていただきましたが、小野谷信号場の上り下りの各出発信号機の下部に黄色回転灯が設置されてあるわけでありますけれども、この黄色回転灯は、信楽駅の信号制御盤上のスイッチを入れることによりまして点灯することとなっております。
 この機能といたしましては、乗務員に対する呼び出し灯と聞いておりますけれども、どのような場合に具体的に使用するのか、また、日常実際に使用していたのかどうかは現時点では明らかではありませんので、今回当該回転灯を使用してJR列車をとめることができたかどうかを含めまして、今後とも事実関係の確認を進めていくことといたしております。
○野沢太三君 とにかく、信号機が赤なのに出た、ここに一つ問題があるんですが、これは故障時にはよくあるということで代用閉塞という手続が決まっておるわけですけれども、この代用閉塞の取り扱いがどうも十分でなかったのではないかと思うんですが、この手順、手続についてちょっとお話をしていただきたいと思います。
○説明員(松波正壽君) お答えをいたします。
 今、運転取扱心得によりますと、通常の場合は特殊自動閉塞、この方式によるのでございます。したがいまして、信号の現示に従い運転することとされておりますが、今御指摘のございましたように、信号機の故障、こういうような場合には代用閉塞方式の一種でございますところの指導通信式で運転されることになっているわけであります。
 この指導通信式の実施に当たりましては、一つは、無人でございますところの小野谷信号場への閉塞取扱者の派遣がございます。二つ目には、信楽駅と小野谷信号場間に列車がないことの確認が必要でございます。さらに、一人の指導者の選定を行う必要がございます。
 次に、信楽駅の列車が閉塞区間に進入することにつきましては、小野谷信号場の閉塞取扱者の承認を得ました上で、かつ、信楽駅から出発させる列車の運転室に赤腕章を着用いたしましたところの指導者を添乗させた上で列車を小野谷信号場へ向かって進行させることになります。そして、小野谷信号場に列車が到着いたしました後に、閉塞取扱者が指導者の降車を確認することとなります。
 この方式によりまして列車が運行されることになっておるのでありますが、信号機が故障した場合における代用閉塞の実施につきましては、社員に周知徹底が図られたと思いますけれども、その詳細については現在調査中でございます。
○野沢太三君 基本の手続がどうも守られていなかった模様でございますが、鉄道の安全というのは、もしそういった間違いがあってもさらに歯どめがかかるというのが大事なポイントであります。
 今回、JR列車が青信号を見て入ったと言っておりますけれども、本来、信楽高原鉄道の列車が仮に誤って発車をいたしましても、その先にある信号機は赤を表示しなければならない。これがもう信号の大原則であろうかと思いますが、これが今回青だったというまことに不思議な現象があるわけでございます。これは何か確認ができているのかどうか。新聞では目撃者がいたということでありますし、また、赤であれば、先ほどもごらんいただきましたATSによってとまるとかあるいは誤出発検知装置がやはり小野谷にもあるというふうに聞いておりますので、それの表示が出ていたのではないかと思われますが、いかがなものでしょうか。
○説明員(松波正壽君) お答えをいたします。
 今、御指摘のございました事故時におきますところの小野谷信号場の出発信号機の作動状態につきましては、JRの運転士さんは青であったとJRの関係者に対して話していると聞いておりますけれども、確かに青であったかどうかにつきまして、まだ確認はできておりません。
 また、小野谷信号場の出発信号機が赤信号であるにもかかわらず列車が進行した場合には、先生も御指摘ございましたが、ATSによりまして自動的に列車が停止するシステムになっております。さらに、列車がATSを解除して進行した場合には、これも御指摘がございましたが、誤出発検知装置が働きまして信楽駅の出発信号を赤にするとともに、小野谷信号場の制御盤には赤ランプが表示されることになります。
○野沢太三君 いずれにいたしましても、この辺が事故解明のポイントになろうかと思います。どうかひとつ徹底的に解明をしていただいて、将来営業再開ということになりますれば、この辺の原因と対策が明確になっておりませんと危なくて再開ができないということでありますので、警察庁との御協力を進めていただいて、一刻も早く問題の解明をしていただきたいと思うわけでございます。
 そしてまた、全国を見ると第三セクター鉄道がたくさんできて、今頑張っておるわけでございますが、こういった問題に対して第三セクター鉄道に省としてどのような指導を行っておりますかお話しをいただきたいと思います。
○説明員(松波正壽君) お答えをいたします。
 鉄道事業者は、行いますところの事業を適確に遂行するに足る能力を有する必要があるわけでございますけれども、列車運行の安全確保のために必要とされますところの基本的な要員あるいは施設の確保が図られるということが免許を受けます条件の一つとなっておりますことは先生も御承知でございますが、国鉄当時のローカル線を御指摘ございました第三セクターに転換する際には、要員面だとかあるいは設備面につきまして安全性のチェックを行っているわけであります。
 なお、要員面におきましても、運転のワンマン化とかあるいは業務の兼務とかあるいは専門的な技術分野の作業につきましての外注化などによりまして業務運営の効率化が行われておりますけれども、これらの措置につきましては安全に支障を生じない範囲で認められているものであります。
 さらに、事業開始後におきましては、要員面とかあるいは施設面におきまして安全に支障を生じないよう我々保安監査等、あらゆる機会を通じましていろいろ指導を行っておるところであります。
○野沢太三君 全国の第三セクター鉄道を調べていただきましたところ、ATSの未設置の線区、会社がまだ相当残っておるようでございますので、これにつきましてはできるだけ早く設置を完了するよう、どうか御指導をよろしくお願いいたしたいと思います。これは御要望でございます。
 続きまして、補償問題について若干触れたいと思いますが、信楽高原鉄道の当事者能力は非常に厳しいということでありますと、当然株主である県あるいは関係市町村、さらにはJR西日本がどういう役割を果たすか、この辺の補償に対する取り組みはどのようにお考えになりますかお伺いします。
○説明員(佐々木建成君) ただいまの段階ですと事故の原因の究明が終了しておらないわけでございますから、最終的な責任の所在は確定していないわけでございますが、事故の被害に遭われた方々への対応については、信楽高原鉄道、滋賀県等関係自治体、それからJR西日本等が協力して当たるべきだという考え方でおります。
 JR西日本におかれましては、さしあたり、亡くなられた方々及びけがをされた方々に対する見舞い金等を信楽高原鉄道の立てかえ分も含めまして支払うなど必要な対応をしておるわけでございます。また、五月二十四日には、補償に十分対応するために、県、町等から信楽高原鉄道に対して十名の増員が図られたところでございますし、JR西日本においても信楽高原鉄道に協力するという意向を有するというふうに聞いているところでございます。
 さらに、昨日、被害者救済等に的確に対処するため、滋賀県、信楽町、信楽高原鉄道及びJR西日本で信楽高原鉄道事故対策四者協議会という協議会が設置されましたわけでございまして、今後さらに関係者により体制強化が行われていくことになると考えられます。
 途中を省略というか抜かしてしまいましたけれども、その前に補償問題につきましては、事故対策本部決定に基づきまして、「誠意をもって当たるよう関係者を十分指導する。」というようなことを決めたわけでございます。滋賀県が四九%の株主でございますので、株主の立場でできるだけのことをするようにという要請を大臣の方から滋賀県知事にしまして、滋賀県知事の方が誠意を持って対処するという御返事をいただいて今のような展開になっているわけでございます。
 今後とも、被害者に対する補償等の問題については遺漏のないように努めてまいりたいと思います。
○野沢太三君 なかなか大変な額に及ぶようでございますので、どうかひとつ関係の皆さんで協力をして遺漏なきようお願いしたいと思います。
 なお、自治省においでいただいておりますが、先ほどの御質問にもありましたように、自治体等からの御相談がありましたときには温かい御配慮をお願いいたしたいと思います。
 それから、今回見てみますと、保険制度を活用するということが考えられるわけでございますが、第三セクター鉄道が個々に入っております保険を拝見いたしますと、三億とか五億、大きいところでも二十億程度の保険ということでありまして、これではどうも対応が十分ではないという感じがいたします。どうか全体を包括した保険制度等をご検討いただいて、今後に備えるということをお願いいたしたいと思います。これは御要望ということにいたしておきたいと思います。
 最後に一つ、この鉄道がこういった打撃を受けた中で、地元の皆様の御要望を伺いますと、何とか営業再開を早くやりたい。それから、一刻も早く安心した再建施策を確立したいという要望がございますが、これにつきまして大臣のお考えを聞きまして、質問を終わります。
○国務大臣(村岡兼造君) 先ほどもお答えを申し上げましたが、この前、滋賀県の副知事と信楽町の議長が参りまして、再開の方向で検討いたしたい。つきましては、五名も亡くなっておりますし、車両もないので、ひとつJR西日本の協力をお願いできないかということで、直ちにJR西日本に伝えまして、JR西日本もこれに協力いたしますということでございますので、目下、信楽鉄道とJR西日本で協議中だと、こう思っております。まとまれば再会できると、こう見ておるわけでございます。
 しかし、再開するにいたしましても、先ほどもお答え申し上げましたが、信号機その他、いろんな問題がございますので、できるだけ早い機会に警察にも今後要請をいたしまして、信号機その他、そういうものができるようにしていきたいと、こういうふうに思っておるところでございます。
○野沢太三君 ありがとうございました。
 以上で終わります。
○片上公人君 このたびの信楽高原鉄道事故は、四十二名の死亡者と五百七十六名の負傷者を出した近年にない悲惨な大事故でございます。
 私は、まず、亡くなられた皆様に哀悼の意をあらわすとともに、負傷された皆様の一日も早い御回復を心からお祈り申し上げます。
 運輸省は、信楽高原鉄道事故について、五月十七日、十八日の両日にわたりまして、信楽高原鉄道、JR西日本の保安監査を実施したわけですが、どのような調査を実施し、その結果はどうであったのか、まず御報告願いたいと思います。
○説明員(松波正壽君) お答えをいたします。
 今、御指摘がございました五月の十七、十八日の二日間にわたりまして、両会社に対しまして保安監査を実施したところであります。
 監査は、事故発生状況を把握するため、事故当時の運転取り扱いの状況あるいは信号保安設備の状況等を中心に実施をいたしたものでございまして、結果といたしましては、一つは、会社全体として安全に対する意識の涵養の面で不十分な点があると感じられたこと。もう一つは、信楽駅におきますところの代用閉塞方式の一種でございますところの指導通信式の実施に関しまして規程どおり実施されていない可能性がある等の問題が見受けられたのであります。
 しかしながら、現在、捜査との関係から十分な資料とか供述を得ることができなかったのでございまして、今後、運転取り扱いの実態とかあるいは教育訓練の実施状況、信号保安設備の作動状況等につきまして、さらに十分な調査、解析を行う必要がある、こういうふうに考えております。
○片上公人君 先ほども話がありましたけれども、この信楽高原鉄道に近畿運輸局の職員の方が査察に行かれた、この理由を伺いたいと思います。
 世界陶芸祭の開催の非常に多忙な時期にわざわざ査察が必要であったのかどうか。また、陶芸祭の始まる前に、本来は事前に実施するぐらいの配慮が必要であったのではないかと思うが、この辺はどうですか。
○説明員(佐々木建成君) 信楽高原鉄道に近畿運輸局の職員が査察に行った理由でございますけれども、先ほどもお答え申し上げましたが、春の全国交通安全運動の一環としまして、五月十一日から同月二十日までの間、踏切道の安全確保、それから鉄道妨害の防止、鉄・軌道の安全確保、広報活動の推進という四項目の実施項目を重点としまして事業者の安全運動の実施状況を査察することとしておりまして、信楽高原鉄道に対する査察はその一環として行うこととしていたものでございます。
 それからその次に、こういう時期に査察をするのかというお尋ねでございますが、鉄道の安全対策をしっかりやる場合には、本来、業務が多忙であるときの安全性の確保の状況を査察することが一般論としては望ましいというふうに考えておるわけでございます。しかしながら、従業員の少ない事業者に対しまして査察の実施が事業者の負担となって安全確保上問題が生ずることのないように、査察の実施方法等については、例えば、時間をそれほどかけないように、負担にならないようにするとかというような適切なやり方をとる必要があるのかなというふうに考えております。
 それから、急いでいたのではないかというようなお尋ねでございますけれども、その点につきましては、先ほどもお話し申し上げましたけれども、ダイヤ上からしますと三十分以上の余裕があったわけでございますので、御本人がどう思っておられたかわかりませんけれども、時間的余裕はなかったわけではないというふうに考えております。
○片上公人君 この職員を迎えに行く、こういうことで無理したことが事故の発生に相当影響を与えているのではないかというような意見を、各地でこれは聞いております。この点をどう本当にとらえていらっしゃるのか、形の上の話じゃなしに。そして、今後、このような各地でイベントがありますよね。そういう時期における査察のあり方というのは考え直さねばならぬと思いますが、この点についてはいかがですか。
○説明員(佐々木建成君) 多忙な時期における査察につきましては、ほかに年末年始の総点検などは年末年始のラッシュのときに交通機関に出向いていって安全を確認するとかというようなことをやりますのが通例でございますけれども、今そういう、もう少し工夫したらどうかという御指摘もございましたので、その点は検討させていただきたいと思います。
○片上公人君 今回のJRの乗り入れに至った経緯について簡単に説明してください。
○説明員(松波正壽君) お答えをいたします。
 今回、JRが乗り入れに至りました経緯について述べたいと思いますが、本年四月二十日から五月二十六日までの予定をもちまして、信楽町一帯で開催されます世界陶芸祭の入場者によりますところの輸送需要の急増に対処いたしまして輸送能力の増強が必要であると考えられたために、昨年三月の二十二日に正式に世界陶芸祭実行委員会会長でありますところの滋賀県知事の方から、西日本旅客鉄道あてに直通運転の依頼を含めた協力要請が行われたと聞いているわけであります。
○片上公人君 この乗り入れに関する協定書の内容はどんなものが定められておったのか。また、その中の安全対策上の取り決めはどのようになっていたのか、これを伺いたいと思います。
○説明員(松波正壽君) お答えをいたします。
 乗り入れに当たっての協定書等、どうかという点についてお答えをしたいと思いますが、西日本旅客鉄道と信楽高原鉄道は、西日本旅客鉄道の列車の乗り入れに際しまして、運輸に関する協定を締結しております。
 この協定の内容でございますけれども、三つございまして、一つは「車両直通運転契約」、二つ目には「直通乗り入れに関する協定書」、三つ目には「運転作業協定書」であります。これらによりまして、列車の連行の取り扱いを定めているのであります。また、信楽高原鉄道の路線に乗り入れますところの西日本旅客鉄道の列車は、基本的には信楽高原鉄道側の運転取扱心得、いわゆる運転マニュアルでございますが、これに従うこととなっております。
 したがいまして、通常の場合におきましては、信号機の現示に従い運転することとされています。また、信号機等の故障の場合には、代用閉塞の一種でございますところの指導通信式によりまして、運転されることとなっております。
○片上公人君 この高原鉄道は第三セクターに転換し、人員については大幅なもう合理化をした。その結果、専門的技術職員、安全に対する体制が人員の上からも大変不十分な状態になっていたのではないかと、こう言われておりますが、この点についてはどうですか。
○説明員(松波正壽君) お答えをいたします。
 国鉄当時のローカル線を第三セクター鉄道に転換する際には、運転のワンマン化や業務の兼務あるいは専門的な技術分野の作業につきましては、外注化などによりまして業務運営の効率化を行っておりますが、これらの措置は安全に支障を生じない範囲で認められているものであります。
 なお、免許後におきましても、これらの措置について安全に支障を生じないよう、保安監査等の機会を通じまして指導を行っているところであります。
○片上公人君 各地第三セクターへの安全対策につきまして、運輸省としてはどのような指導監督をしてきたのか。また、この高原鉄道の安全管理は、事故までは十分チェックされていたのかどうか、ひとつお伺いしたいと思います。
○説明員(松波正壽君) お答えをいたします。
 鉄道事業を行う者、こういう者につきましては、先ほど来申し上げておりますように、事業を適確に遂行するに足りますところの能力を有する必要があるわけでありますけれども、列車の連行の安全の確保のために必要とされますところの要員とかあるいは施設の確保が図られていることが免許を受ける際の条件の一つとなっているわけでありますが、国鉄当時のローカル線を第三セクター鉄道に転換する際には、要員面や施設面で安全性のチェックを行っております。
 さらに、事業開始後におきましても、要員面とか施設面におきまして、安全につきまして保安監査等の機会を通じ、指導を行っているところでございます。
 また、安全管理について十分な指導を行っているかと、こういうお尋ねでございます。
 今、申し上げましたように、免許の際にいろいろ条件を満たしている、これに免許をいたしているものでございますけれども、先ほどもちょっと触れましたが、事業の開始後におきましても要員面とかあるいは施設面等々につきまして、安全に関するところにつきまして保安監査等の機会を通じて指導をさせていただいているところであります。
○片上公人君 先ほども話があったのですが、この高原鉄道の場合、待避線にいる以上は正面衝突は起こり得ない。JRの運転士は、ダイヤの上では待避線において行き違うはずだが青信号であったため進行した、こう言われておるわけです。トラブルの発生等を考えて、信号場に設置されている電話で信楽駅と連絡をとることができたはずでありまして、このような行動をとらなかったことに対して、これは問題はないんですかね。
○説明員(松波正壽君) お答えをいたします。
 今、列車が運行する場合には、基本的には乗り入れた車両につきましては、信楽高原鉄道側の運転取扱心得、いわゆる運転マニュアルでございますが、これを基本にして運転をいたすことになっておるわけであります。
 今回のように、信号のみでなくて、今先生御指摘のように、信号場におきますところの対向列車がなかった場合、こういう場合において乗務員が運転指令との連絡をとるべきではなかったかという意見もあるわけでありますけれども、この辺につきましては、今後さらに調査をした上で検討してまいりたいと考えております。
○片上公人君 疑問の一つは、列車の運行は信号に従うのがこれは基本原則と思うわけですが、補完的な、先ほど話がありました措置とはいえ、相互に連絡がとれる列車無線が装備されていたら起きなかったこれは事故だと思うんですね。
 JR西日本の信楽線への直通乗り入れに際して、列車無線のシステムを補完システムとして措置しておくべきではなかったかと、こう思いますが、この点についてはどうですか。
○説明員(松波正壽君) お答えをいたします。
 列車無線の設置の問題でありますけれども、JR西日本の当該事故列車につきましては、列車無線が設備されておりましたが、これはJRの運転指令との通話を目的としたものでございまして、周波数が信楽高原鉄道線区に使うものとは異なっておりまして、当該綿区において使用することは技術的に不可能であったわけであります。
 列車の運転保安の確保につきましては、本来、先生も御案内のように、信号保安設備によることが原則でございますけれども、列車無線というのは、客扱いの利便とかあるいは異常時、緊急時の連絡等の場合におきますところの補助的な手段として使われるものでございますが、その通信は地形や天候などに影響を受けるため、必ずしも絶対的なものではないと考えております。
 しかしながら、列車無線があれば、異常時、緊急時において列車との連絡手段として有効であると考えておりますので、列車無線を有しますところの第三セクターの線区にJRの列車が乗り入れる場合には、この線区の列車無線を使用することができますように、同じ周波数の無線機を搭載することにつきまして検討してまいりたいと考えております。
○片上公人君 緊急のときと事故のときに備えて、現にあったわけだから、このときに同じ周波数でなかったら意味がないわけで、同じ周波数にしたかったんだけれども、信楽の方は、もう予算関係でなかったというような話も聞きました。
 これからの分につきましてもそうですが、JRみたいな大きなところと第三セクターとやるとき、その小さいところにJR側に合わすような周波数にせいと、こんな言い方じゃなしに、むしろJR側が第三セクターに乗り入れる分についてはそれぐらいのことを考えるとか、いろんなその辺のことも考えなかったら、この辺のちょっとした行き違い、ちょっとした予算が苦しいという形が逆にこういう事故のもとになったと思いますので、その辺も注意してもらいたいと、こう思います。
 次に、衝突事故を起こした両列車の発車時間の問題ですが、これは各地でいろいろ質問もされておるところでございますけれども、信楽高原鉄道の報告ではJRが出たのは六分おくれ、JRの報告では二分おくれと、このように言うていますですね。真相は、これはもう霧の中、やみの中といいますか、今後の調査をそれこそ御答弁のとおり待たねばならぬところでございます。
 私が伺いたいのは、このJRの報告というのは、亀山指令所の計器によって確認されたものと、このように聞いているわけですけれども、これはJRの列車が信楽線に入った時点で捕捉できない仕組みになっているはずじゃないか。正確なものと言えるのかどうか疑問に思うわけですが、この辺はどうですか。
○説明員(大塚秀夫君) JR西日本は、亀山運転指令所で草津線などの列車の運行状況の監視及び転轍機、信号機の制御を集中して行っているわけであります。
 信楽線の貴生川駅でこのJR西日本が乗り入れます車両というのは、JRが管理しております駅構内にいるわけでございますので、その列車の発着時刻につきましても亀山運転指令所で監視しており、その遅延時刻が亀山運転指令所の指令員により運行図表上に記録されております。
 この亀山運転指令所の記録によりますと、当該列車の貴生川駅の発車時刻は、定時より二分おくれとなっておりまして、今回の当方の保安監査においてもこの記録は確認しております。
 なお、亀山運転指令所では貴生川駅の出発信号機を通過するまで列車の位置が軌道表示盤に表示されており、先ほど申し上げましたように、出発時刻の確認を行うことが可能となっているわけでございます。
○片上公人君 きょう運輸省にもらった資料では「六分遅れ」と書いておるわけです。これは信楽が発表した分だと思いますけれども、それをそのまま書いておるのだと思います。
 例えば、発車時間が五分を超えておくれた場合、おくれた方は連絡しなければならない、こうなっておるわけですが、信楽発の第五三四D列車のおくれは、この貴生川駅のJRには報告されていたわけですね。
○説明員(松波正壽君) 今、先生御指摘のおくれにつきまして関係双方から事情を聴取いたしましたところ、列車のおくれにつきましては連絡はした模様であるということでございますけれども、その詳細につきまして今後さらに確認を進めていくことといたしております。
○片上公人君 早くやってもらわないかぬことだと思うんです。この五分を超えるおくれの情報は、もうマニュアルどおりいつもやるんだから、正確に報告し合っておけば、こういうことは絶対に起こらなかったと思うんですね。
 だから、マスコミなんかの報道を見ますと、六分おくれということになりますと報告せにゃいかぬ義務が出る、二分おくれと言うておけば報告せぬでいいような、そういう意味からやったのではないかという、私もわかりませんけれども、憶測まで出ておる。どちらが真実か、そういうことを私は判断する立場にはございませんけれども、これは非常に重大な問題だと思います。
 JR列車の発車時刻が四分異なっていたらあの魔のカーブで、これはもう会わなかったはずという、こういうことになると思いますけれども、この辺を速やかにもうしっかりと事実関係を確認していただきたいと思います。もう一度答弁をお願いします。
○説明員(松波正壽君) 今、先生御指摘の出発時刻については大変重要な課題だと思っております。したがいまして、今、関係者から事情聴取等によりまして、この確認を進めていく強い覚悟でございます。
○片上公人君 何というんですか、いろいろ隠したい面もあったり、何かいろいろあるかしらぬけれども、将来のためには、今何があっても本当のことをちゃんと言うておいた方が後で私はええと思うんですよ。事故をなくすために、人命を大切にするために、一時的なことを言うんじゃなしに、先ほど瀬谷さんも言うていましたけれども、西日本の説明でいくと、ただ信号を守ることが一番なんです。信号どおりやったらいいんですということばかり説明して、うちは何にも悪うないような言い方を随分されておった。これは皆の印象でございます。にもかかわらず事故は起きたのだから、もう何かおかしいことがないかなということを素直な目で見るようなことにならなかったらいけないと、私はこう思います。
 運輸省の事故対策本部の活動についてでございますが、運輸省は五月十五日の第一回事故対策本部決定に基づきまして、「全国の単線の路線について、緊急に安全確保のための自主点検を行わせ、その報告を求める。」等、五項目の措置を講ずることとされましたけれども、今日までの実施状況について御報告をいただきたいと思います。
○説明員(佐々木建成君) 五月十五日に決定されました対策の実施状況でございますが、まず、全国の単線路線についての事業者の自主点検につきましては、現在実施中でございます。
 また、そのうち、特定地交線転換路線及び地方鉄道新線についての運輸局係官の立ち入りによる点検結果の確認と、それから、必要な指導という点につきましては、事業者による自主点検結果を踏まえて今後実施する予定でございます。
 それから、信楽高原鉄道及び西日本旅客鉄道株式会社についての保安監査につきましては、先ほどから御答弁申し上げていますように、五月十七、十八日の二日間実施したところでございますが、さらに引き続き、今後も必要な調査、解析を行いまして事故原因の究明を行いますとともに、鉄道事故防止対策につきまして最大限の努力をしてまいる考え方でございます。
 また、亡くなられた方々、それから、けがをされた方々に対する補償問題につきましても、先ほどからいろいろ御説明申し上げておりますけれども、関係者に要請をしたり協力を求めたりしまして、関係者が誠意を持って当たるよう、これからも引き続き指導してまいりたいと考えております。
○片上公人君 直通乗り入れを行っている路線につきまして相互の連絡体制を確認、指導するという点につきましては、今回の事故と極めてこれは関連が強い問題だと思います。
 指導を行うにいたしましても、運輸省として明確な指導基準がなければならないと思うわけでございますが、今回の事故の教訓から、これまでの連絡体制をどのように改善しようとしているのか伺いたいと思います。
○説明員(松波正壽君) お答えをいたします。
 先ほど来申し上げております信楽高原鉄道事故対策本部の決定によりまして、単線において直通運転を行っておりますところの路線については、相互の連絡体制等につきまして事業者がまず自主点検を行うこととなっております。
 特に、そのうち、直通運転を行っておりますところの特定地方交通線転換路線及び地方鉄道新綿につきましては、運輸局の係官が立ち入りまして、乗り入れに関しますところの連絡体制等を重点に確認するとともに、必要に応じて指導を行うことといたしております。
○片上公人君 これは素人の考えですが、これだけ通信手段が発達している今日であるにもかかわらず、四キロメートルを超えると列車間の通信手段がないというのは、これは極めて問題だと思うんですね。そして、自然災害の発生等への対応も考慮しますと、何か有効なシステムを導入すべきであると、こう思いますが、この点についてはどうですか。
○説明員(松波正壽君) お答えをいたします。
 今、先生御指摘の異常時とかいった場合におけるいろいろの連絡体制についてのお尋ねでございますが、今回の事故等を顧みますときに、先ほどもちょっと御説明申し上げましたけれども、いろいろな手段がある中の有力な一つの方法といたしまして相互連絡などの列車無線、こんなものにつきましてもやれるものからやるべき方向で今検討をさせていただいているところでございます。
○片上公人君 やれるものからというか、完璧にやるべきだということですよね。いざに備えて必ずできるような手段、対策を早急に練って、そういうものを導入する考えを進めてもらいたい、これを一つお願いしておきます。
 次に、教育訓練の問題ですが、今回の事故に関しては、JR西日本の直通乗り入れ列車が信楽高原鉄道線を走行するに当たって十分な訓練が行われていたかどうかということを指摘する向きもあると思います。
 私もこの問題について調べましたけれども、JR西日本の鉄道本部が平成三年三月に出しました「信楽高原鉄道株式会社線内への直通乗入れについて」によりますと、京都電車区の関係運転士八名については、机上講習は二時間、線見一往復、ハンドル訓練三往復を行うこととされております。一方、運輸省が国鉄の民営化に伴い定めました鉄道運転規則の実施のために昭和六十二年四月一日に行った通達「鉄道運転規則の取扱い等について」によりますと、「就業する区間の路線見学及び五往復以上の操縦訓練を実施すること。」とされております。この五往復の操縦訓練は、「就業する区間の長さ、線路、信号の現示の複雑さ等を考慮して、」「適宜増加すること。」と、こうなっています。
 ここで問題になるのは、JR西日本は、運輸省の通達で五往復以上の操縦訓練を実施すべきとされていたにもかかわらず、あえて三往復の訓練しか行わないという鉄道本部の決定を行っていることです。このような教育訓練の手抜きが直接事故につながったとは申しませんけれども、通達を無視して直通乗り入れを行っていたことはこれは問題ではないかと、こう思いますが、この点についてはいかがでしょうか。
○説明員(大塚秀夫君) 運輸省では鉄道運転規則の第十条、この第十条というのは「係員の教育及び訓練」を規定した条文でございますが、この実施の通達におきまして、運転士が新たな線区、すなわち、その運転士が過去に運転の経験のない線区を運転する場合には、線区の状況に応じたブレーキ開始位置の把握等、あるいは操縦技能の習熟のため五往復以上の操縦訓練を行うことを指導しているところであります。
 今回の乗り入れに当たりまして、JR西日本では、担当する運転士をすべて国鉄時代に信楽線の運転経験が豊富である八人に限定しておりまして、経験のない線区を運転するものではなく、この通達の直接の適用はないと判断して、小野谷信号場が増設されたこともありますので、通達の趣旨に準じて三往復以上の操縦訓練を実施したものでございます。
○片上公人君 それは、逆にちょっとおかしいんじゃないですかね。新しく単線の横に線を出したわけでしょう。だから、今までたとえ長年国鉄でやってきて信楽線やっておっても、単線でやっておった人なんですよ。そういう感覚の人が急に、信楽の陶芸祭によって引き込み線みたいな形にしたというのは初めてのケースやから、ついつい真っすぐ行ってしまうといいますか、そういう習慣がある。だからこそ、五を三にするのじゃなしに、五往復を十往復ぐらいにするような感覚、その辺の感覚のずれがあったと思いますが、これはいかがですか。
○説明員(大塚秀夫君) 三往復以上の操縦訓練を実施しておりますし、この運転士については直通乗り入れ以来三十二回この線区を行っておりますので、三往復の操縦訓練しかしなかったことが直接事故につながっているというわけではないと判断しておりますが、この通達の中身が必ずしも明確でないという点については、今後検討させていただきたいと思います。
○片上公人君 そのあいまいさが私は事故になったと思うんですよ。国鉄以来、通達どおりまじめにやったから余り事故なかった。それが、五往復以上と言うとるのに三往復にした。しかも、なれとるからええだろうというあいまいさ、知っとるだろうというあいまいさ。そしてまた、それは三往復でずっとうまいこといったから、直接事故にならないという発想。
 そうじゃなしに、こういうときにこそ、何というんですか、第三セクターみたいな小さいところへ入っていくわけですから、こっちは大きいんですから、よほどやっておかなかったら何が起こるかわからない。こういうときにそのあいまいさが大きな事故になるということは、日ごろおっしゃっておることだと思うんですね。
 だから、その辺の考え方、原則どおりやるということが抜けておったことに対して、今後の指導においてもきっちりやってもらいたいということをお願い申し上げているんですが、どうですか、これは。
○説明員(大塚秀夫君) 第三セクターへの乗り入れに当たりましての操縦訓練等につきましては、今回の事故原因究明の過程でもう一度十分調査、検討させていただきたいと思います。
○片上公人君 どうか、人命にかかわっておる仕事をしておるわけですから、であろうじゃなしに、何でもきちっとやるというくせをお互いにこの事故を契機につけていかぬと、私は大変だなと。先ほどの話もありましたけれども、イベント、イベントと言いながらイベントに目をとられて、また、査察の問題もあったし、思わず安全を忘れて走った面も、これはあったんではないかというような気もいたします。
 このようなJR西日本の信楽高原鉄道への直通乗り入れに当たっての訓練実態があったにもかかわらず、JR西日本に対する保安監査の概要を拝見しますと、「特段の問題点は見受けられなかったが、他社との直通乗入れを行う場合には、異常時に対する他社との共同訓練を行うなど、細部にわたる対応が必要であると感じられた。」と記述されるにとどまっておるわけです。どうして「特段の問題点は見受けられなかった」というような監査結果になったのか御説明願いたいと思います。
○説明員(大塚秀夫君) 今回のJR西日本の保安監査に当たりましては、直通乗り入れを行うに当たっての運転士、駅の運転関係従業員、運転指令員に対する教育訓練の状況、直通乗り入れに関する協定書及び附属資料の内容、JR西日本直通列車運転士の信号現示の確認の有無及び当該運転士の勤務状況、特殊自動閉塞式導入後の異常時の取り扱い状況等を重点的に調査したわけでございます。
 今回の監査の対象となった事項に限って言いますれば、今回の監査におきましては事故に直接結びつく要因は見出せなかったので、御指摘のような表現を用いたわけでございますが、この表現が誤解を招く面もございますので、説明では、今私が申し上げましたような内容で説明させていただいております。
 今後とも、JR西日本を含めて事故原因の究明は徹底して行い、必要に応じて再調査等を行ってまいりたいと考えております。
○片上公人君 JR西日本に対する監査では、今申し上げましたように、直通乗り入れを行うに当たっては、異常時に対する他社との共同訓練の実施が必要である旨を指摘しておりますが、これは「鉄道運転規則の取扱い等について」という通達を補完するものとして具体的な指針を新たに通達すべきであると、こう考えますが、いかがでしょうか。
○説明員(大塚秀夫君) 先生御指摘のとおり、通達を行いたいと考えております。
○片上公人君 今回の事故は、四月二十日から開催されました世界陶芸祭に向けてJR西日本が直通列車を乗り入れるという、それまでの信楽高原鉄道の運行形態が大きく変化した状況のもとで発生したわけでございます。
 そこで、私は、最近におけるイベントの開催と事故との関係を注意して見ますと、さきの大阪の花博におけるウオーターライドの落下事故、アジア大会を目指して工事が進められていた広島新交通システムにおける橋げたの落下事故というような例もございます。今回の場合も世界陶芸祭のイベント騒ぎに浮き足立っていたという、こういう報道もございますけれども、このような状況の中で、安全性確保の問題は特に慎重に考えられる必要があると思いますが、この点についてはいかがですか。
○国務大臣(村岡兼造君) イベント等の開催に当たりましては、一時に多くの輸送需要が生ずることから、その旅客の輸送手段として鉄道等の公共性の高い輸送機関が利用されることが多くなっておりますが、輸送機関の最大の使命は安全の確保にありますので、御指摘のとおり、安全確保については特に慎重な対応が必要と考えておりまして、この事故の原因の徹底究明を急がなければなりませんけれども、それらを踏まえて、先ほど御指摘もあったように、そういうことも通達を出すかあるいはマニュアルを変えるかということも含めて安全対策を推進してまいりたいと、こう思っております。
○片上公人君 最後に、御遺族への補償問題ですが、御遺族の方々への補償問題につきましては、現在、事故原因の究明中でもありますし、具体的なことは答えられないと思いますが、監督官庁たる運輸省として、両社が誠意を持って補償要求に臨むよう十分な指導を行ってほしい、このことをお願いいたしまして、質問を終わります。
○国務大臣(村岡兼造君) 今回の事故の被害者に対する補償につきましては、先ほども申し上げましたが、運輸省につくりました信楽高原鉄道事故対策本部において、「亡くなられた方及び怪我をされた方に対する補償については、誠意をもって当たるよう関係者を十分指導する。」と決定いたしているところでございまして、五月十七日に信楽高原鉄道の筆頭株主である滋賀県に対し、被害者救済に全力を挙げて取り組むよう要請したところであります。
 これに対し、滋賀県も誠意を持ってこの問題に対応するとの意向を表明しておりますし、またその際、知事の方から、いろいろ今後自治省にもお願いをしなきゃならぬことがあるので、運輸大臣からもよろしくお願いしたい、こういうような話も出ましたので、今後、まだ事故原因はわかっていないのでございますが、そういう時点で自治大臣の方にもお願いもしなけりゃならぬ、こう考えております。また、JR西日本においても信楽高原鉄道に協力する意向を有すると聞いております。さらに、昨日、被害者救済等に的確に対処するため、滋賀県、信楽町、信楽高原鉄道及びJR西日本で信楽高原鉄道事故対策四者協議会が設置されたところでもあります。
 今後とも、被害に遭われた方々に対する補償につきましては、遺漏のないよう指導してまいりたいと考えております。
○片上公人君 終わります。
○小笠原貞子君 まず、亡くなられた四十二人の方々の御冥福を祈ると同時に、おけがをなさった五百七十六人という、たくさんの方々が一日も早く回復なさいますことを心から祈りたいと思います。
 こうした不幸をなくすためにも、やっぱりここでしっかりした原因究明を一日も早くやっていただくこと、そして誠意を持った補償をされることを最初に要望いたしまして、具体的な質問に入っていきたいと思います。
 今回の事故が起きました。しかし、この事故は単に起きたというのではなくて、やっぱり原因があって起こった事故、そして、その背景をなしているものが大きな原因だということから考えますと、不採算性路線だということでローカル線が廃止された、そのことが根本的に大きな問題をなしていると言わざるを得ないと思います。こういうことによって、やむなく地方の足を守るためには、自治体を中心として第三セクター方式でどうしても鉄路として残し、厳しい経営を強いられているのが実情となっております。
 具体的な質問ですけれども、転換鉄道、第三セクター等の営業損益並びに経常損益で赤字は何社になっておりますでしょうか。それから二番目には、経常損益の赤字と黒字はどうなっておりますか。三番目には、各社の累積欠損は幾らになっておりますかお答えください。
○説明員(佐々木建成君) 特定地交線から転換鉄道に転換しました鉄道路線三十八線に地方鉄道新線を合わせまして、現在運行が行われております転換鉄道等は四十綿でございますが、これを運行する三陸鉄道等三十五社の平成元年度の決算について見ますと、三十五社合計の経常損益は十二億八千万円の赤字となっております。
 これを赤字会社、黒字会社別に見ますと、黒字会社が九社、合計三億二千三百万円の黒字でございます。それから、赤字会社が二十六社、合計十六億三百万円の赤字となっております。
 それから、累積欠損の額でございますが、これは経常での累積欠損でございますが、二十六社、これは今の平成元年度の二十六社とは必ずしも一致しないで一社ずつ入れかわったりしている部分がありますけれども、累積赤のあります二十六社の累積欠損額が二十二億一千二百万円というようなことになっております。
 失礼しました。累積につきましては営業損失という、利益があります場合には、税金を払った後の累積というふうに訂正させていただきたいと思います。
○小笠原貞子君 今、数字をいろいろおっしゃいましたけれども、三十五社中営業損益、赤字二十八社出していますね。経常損益も赤字二十六社出しています。そして、経常損益の赤字額と黒字額を見た数字も先ほどおっしゃいました。赤字額が二十六社で十六億三百万円、そして、各社の累積欠損というのは二十六社で二十二億一千二百万、こういう膨大な数というのが出てくる、これは頭に入れておいていただきたいと思います。
 信楽高原鉄道は、営業損益は六十三年度百四十五万円の赤字でございます。元年度は、わずか十八万ですが黒字になりました。要するに、基金の運用益や利子で何とか経常利益を百万円まで持っていったというにすぎないので、他の第三セクターの場合も黒字といってもほぼ同様な実態になっております。全体で、営業損益では赤字は八〇%です。経常損益では赤字は七五%に上っております。第三セクターの地方鉄道の場合、一般企業や他の鉄道事業者と比較にならない劣悪な経営を強いられているというのをこの数字が示しているところです。そのことが安全輸送に影響を与えていないか、この機会に詳細に調査して具体的な根本対策の参考にしなければならないと、そう思います。
 そこで、安全対策に直接かかわってくる点について伺っていきたいと思います。
 まず、要員体制です。
 第三セクターのうち、信楽高原鉄道の場合は、平均年齢が五十二・三歳、第三セクターの場合は四十八・五歳、こう平均年齢がなっております。それから、現業部門の平均給与額です。その給与額は、六十三年度、信楽鉄道の場合は三百三十四万八千円という数でございますが、そのほかの会社で大体百八十万円台は何社あるか、二百万円台、三百万円台、最高はどうだというふうに数字で分けて御説明いただけますか。
 教えるの今大変だったら、同じ資料だと思います、いただきましたから。もう数えてありますから、時間を節約するために、私の方から申し上げたいと思います。
 先ほど言いましたように、信楽高原鉄道の場合は三百三十四万八千円。百八十万円台だという会社が二社ございます。それから、二百万円台になっているのが十二社です。そして、三百万円台が十五社、最高は四百八万八千円、合計三十社になっております。
 大臣にちょっと伺いたいんだけれども、大事な現業部門の平均給与額というのが百八十万円というのが二社ございまして、そして、二百万円台が十二社というような数が出て、大変普通の感覚からすれば低い額なんですね。こういう実態を御承知だったのかどうかちょっと伺いたいと思いま
す。
○国務大臣(村岡兼造君) この第三セクターの給与問題については、全体的には私承知しておりませんが、私どもの方にも第三セクターがございまして、非常に低位な、安い、こういうような状況でございますことは承知をいたしております。いろいろそれを運営するに当たりまして、県とかあるいは町とかでやっておりますもので、これについて従来運輸省の方で言及できたのかどうかはわかりませんけれども、今回の総点検その他についてもこれらの面でも総点検をしていきたいと、こういうふうに考えております。
○小笠原貞子君 平均年齢も高い、それでいて給料は大変安い。これはOBやJRの出向などという形で給与額が通常の三分の一くらいというふうになっているわけなんです。
 実は、これにつきまして、去年の九月十三日の交通新聞というのに甘木鉄道の専務がこう発言していらっしゃるわけなんですね。
 それはどういうことかというと、「三セク鉄道の経営が今のところ、なんとか格好がついているのは、社員の低賃金である」、そしてまた、「一般企業並み」にすると、「三セク鉄道が成り立つまい。」というふうにもおっしゃっていますし、「また社員を犠牲にして企業に永続性はないことを悟るべきである。」と、自分が甘木鉄道の専務としての立場から、こういう発言をされていたんです。これが去年の九月十三日のことだったんで
す。
 賃金体系だけではございませんで、現業部門のうちで電気職員がゼロ、一人しかいないという会社はどれくらいあるんでしょうか。車両職員、すなわち検修だと思いますが、これがゼロのところ、車掌がゼロのところというふうなのがございますけれども、その会社の数字、お示しいただけますか。
○説明員(松波正壽君) 今、手元に資料を持っているのですが、すぐ全体をまとめたのが出てまいりませんけれども、今先生御指摘のあった電気だとかなんかで担当職員がいないものが会社としてございます。
 ちょっと、今整理をさせていただきます。
○小笠原貞子君 じゃ、また私の方で言いましょう。
 それじゃ、申し上げますけれども、電気職員がゼロ、一人しかいないという会社を調べますと、ゼロというのが八社もあるんですね。それから、一人しかいないというのもやっぱり八社ございます。それから、検修なんかの車両職員というのが、これも全然いないのが五社です。それから、車掌が全然いないというのが二十四社。
 こういうことが私は、やっぱり今この事故の背景としてはっきり見せなければいけないのだと思います。賃金体系の低さ、そして、要員も、今度の事故の引き金になった信号故障などを担当する電気職員が信楽高原鉄道にはいなかった。他の第三セクターも専門家が一人もいないとか一人だけとか、今言ったような数になっているわけです。
 こうした状況で、安全対策は十分だと私はとても言い切れない、不安だということが言えると思うのですけれども、大臣、こういう数字をごらんになってどのようなお感じをお持ちですか。
○国務大臣(村岡兼造君) この第三セクターを運営するに当たりまして、いろいろな基準とかなんかで運輸省の方としてこれでいいということで認めた、こう思っておりますけれども、今後の、この事故にかんがみまして、いろいろ御指摘の点等も踏まえて総点検をさせていただきたいと、こういうふうに思っております。
○小笠原貞子君 さらに、安全投資そのものに関する物件費というのを調べてみますと、転換前と現在を比較してみますと、信楽高原鉄道の転換前、六十年度の物件費は九千五百万円でした。転換後の六十三年度は四千五百万円と、半分以下になっております。他の第三セクターの場合もほとんど同じ傾向でございます。由利高原鉄道で、転換前の五十九年度二億円から六十三年度は六千二百万円と、三分の一になっております。大臣のところの秋田内陸縦貫鉄道も、六十年度四億五千四百万円だったのが、六十三年度は一億九千百万円と、半分以下にこれもなっております。極限的な人減らし、合理化、徹底した経費の削減などが経営を辛うじて支える基となっているのがこの実態のようでございます。こうした背景の中で、安全部門に支障はあり得ないのか、どうしてもこれが大きな問題として不安を残しているわけでございます。
 こういうことをいろいろ見ておりましたから、四月二十五日、先月のこの委員会で、私は、第三セクターの厳しい経営状態というものを皆さんにも知っていただきたい、自治体が懸命に支えているけれども、二百数十億の膨大な負担をしているということをそのときに申し上げました。国の特別の手だてを大臣に何とか考えていただきたいとお願いしたばかりでございます。
 図らずも、この間にこういう事故が起きました。全国の第三セクターは今必死になって各地で奮闘しているところでございますし、自治体もかなりの負担をし、さらに負担を続けなければ、危機的経営すらもう維持できないというところまできていると言わざるを得ないと思うのです。国がこの問題で支援措置を含めて根本的な対応をなされるべきであるというところにきていると思います。例えば、JRの資金面、人的面からの強力なバックアップ、そして欠損補助の継続、減免措置の自治体への援助、三番目には、第三セクターへの安全対策にかかわる特別な援助等、このことが今度の事故の痛烈な教訓ではないかと、私はそう考えているわけでございますが、大臣、いかがでございますか。
○国務大臣(村岡兼造君) この第三セクター、国鉄時代に大変な赤字を抱えて、現在も二十六兆幾らの赤字を抱えているわけでございますが、このままでは国鉄自体やっていけない、こういうことで、いろいろ反対等もございましたが、この地方交通線はバス等に転換路線ということで、俗に言う切り離し、こういうようなことで提案をしたのでございますけれども、地元の強い要望によりまして、どうしても生活路線のためにこれは残したいということで、そのためには三千万円とかあるいは五年間に限り赤字に対して半分の補助をする、そのまた赤字については地元も負担して存続していただきたい、こういうことの経緯になっておると思います。
 まだ、三年とかあるいは四年とかということでございますが、五年しますとこの半分の補てんもなくなるわけでございまして、今回の総点検、先生方からいろいろな御指摘がございました。それらも含めて判断材料にしてまいりたい、こう思っております。
○小笠原貞子君 時間がなくなりましたので、また私の方から数字を申し上げますけれども、今回の事故の大きな原因になりました第三セクターとJRの乗り入れの数でございますけれども、季節に出すというものは除きまして十四社ございます。そして、そのうちJRが第三セクターに乗り入れているというのが十一社あるわけなんです。相互に乗り入れすることは利用者の利便性とか、また、収入確保等から私は結構だと、そう思うわけです。ただ、安全保持の確立が前提とならなければならないというのは当然のことです。ただ、廃止した路線、つまり、第三セクター十一社にJRは乗り入れしていると、ここは数として覚えておいていただきたい。これは何を意味しているのかという問題なんです。
 交通政策のあり方としてこの問題を見ますと、これはもう利用者がないんだ、役に立たないんだ、だからもう鉄道を切っちゃうんだということで鉄道網をみずから寸断しておいて、そして、今になって十一社もJRが第三セクターに乗り入れているということは、やっぱり矛盾を証明していることではないかと思います。廃止した路線に乗り入れするということは、利用者の需要がある、ニーズがあるということを認めているものだと思うんですね。この点からも、本来、JRが引き続き運営すべきであったと、私ははっきりここで言いたいわけなんです。
 信楽高原鉄道でも臨時的とはいえ、十六本もJRから乗り入れているわけですよね。国鉄のときは三十六本の運営だったのが、その四五%分に当たるJRからの乗り入れと、こうなっているわけなんです。
 ほかの各地を調べてみましたが、お伊勢さんの伊勢線、これはまたはっきりしているんです。転換前は十四本の運行状況であったのが、JRがここに何と三十二本も乗り入れをしているわけなんです。JRだけで転換前の二・三倍の運行状況になっているわけです。また、問題がありました宮津線でも、調べてみますと、JRが転換前四十四本運営した。そのJRが既に二十本乗り入れしていると、こういうわけなんです。
 こうしてみますと、廃止せずにJRが運行すべきだったのではないかと。廃止してしまって、そして、弱い苦しい第三セクターにさせておいて、そして、JRがどんどん乗り込んでいくというような状態、その実情を考えますと、やっぱりJRできちっとやってりゃよかったんじゃないかと言わざるを得ないんです。それは、今そう言ったからどうということにはなりませんけれども、そういう経過を踏まえて問題を考えてみますと、単純に別の民間施設に移したというのではないんですね。その経過がありますね。そして、今言ったような実情があるわけですよね。
 そういうことから考えたら、先ほど私は、きちっとした国としての援助などを考えてくれと言いました。この前は、大臣が欠損補助の継続とか減免措置の自治体への援助ということについては自治省に相談するまでもなく、運輸省自身としてまず検討したいというよな前向きな御答弁いただいたわけでございますけれども、やっぱりこの時点に立ってこの点はもっと積極的にやっていただきたいし、JRの資金面、人的面からの強力なバックアップも――全然知らない会社にやっているんじゃない、JRがこうやって切り離して、今乗り込んでいるという経緯を考えたら、当然強力なバックアップをすべきではないかと重ねて私は申し上げたいし、要望したいと思うわけなんでございます。
 もう時間で、これで終わらなければなりませんけれども、そういう、単なるほかの民間企業に援助しろというのじゃなくて、国鉄時代からJRになって、そしてそのいきさつから考えても、今これだけ問題になっている第三セクターのあり方を考えても、当然のなすべきことではないかと、なしていただきたいということを大臣に再度ここで申し上げて、御検討もお願いしたいと思うのですが、いかがでございますか。
○国務大臣(村岡兼造君) 今、先生からJRが相当乗り入れをしていると、こういうような状況、私も今初めて聞いたような状況でございますが、これらも含めましてひとつ検討してまいりたいと、こう思っております。
○小笠原貞子君 それで、援助の問題についても研究だけしたんじゃだめなんです。援助についても積極的に。
○国務大臣(村岡兼造君) まあ、調べさせていただきます。
○中村鋭一君 初めに、今回の事故に際しまして
お亡くなりになりました方々あるいはおけがをなさった方々に対しまして、心からお悔やみとお見舞いを申し上げたいと思います。
 さらにまた、今回の事故に際しまして、大臣以下政府の、また運輸省の皆さん、さらに当運輸委員会の諸先生が滋賀県にいち早くお運びをいただきまして、心からの弔意やお見舞いをいただき、また二度とこういう事故を起こさないためにはどうしたらいいかということについて、御視察をいただきましたことを滋賀県選出の議員として、心から厚く御礼を申し上げる次第でございます。
 では、質問に移らせていただきます。
 これは、ただいまも片上委員から質問があったのですけれども、運輸省の報告によります五〇一Dの発車のおくれは六分、それから、JR西日本の通報によります発車のおくれは二分、こういうことで、その間四分のずれがありますけれども、このずれはどういう理由で発生をしたのか、御理解をお聞かせ願いたいと思います。
   〔委員長退席、理事谷川寛三君着席〕
○説明員(大塚秀夫君) JR西日本側では二分おくれであったとしておりまして、この点については先ほども申し上げましたが、亀山運転指令所の記録にそのように残っているということは私どもの監査で確認しております。しかし一方、信楽高原鉄道側では、これは総務課長の発言でございますが、「六分遅れ」であると言っており、それぞれ相違するわけでございますので、その原因については私どもも現時点ではわかりませんで、鋭意調査中でございます。
○中村鋭一君 では、運輸省が「六分遅れ」というのを採用といいますか、そのように発表をしておられるわけでございますが、その根拠はどこにあるわけでございますか。
○説明員(松波正壽君) お答えをいたします。
 今、「六分遅れ」の根拠でございますが、きょうお渡ししました資料の中にも下段に明記してございますけれども、五月十五日におきまして、信楽高原鉄道の広岡総務課長の説明によって「六分遅れ」という数字を使っているのでございます。
○中村鋭一君 その総務課長の報告をそのまま採用したと、今こうおっしゃったわけでございますが、しかし、運輸省は、これは国の機関です。国の機関が「六分遅れ」ということを発表された以上は、その「六分遅れ」という情報の入手先がどこであれ、「六分遅れ」がまさに確定的なものであるとして国民に報告をされたんだと、こう思います。
 とすれば、JR西日本が言っております二分おくれというのは、そこに論理の矛盾が発生すると思いますが、その点についてどうお考えかということをお伺いしているのであります。
○説明員(松波正壽君) お答えをいたします。
 今申し上げました数字は、私も現地へ行ったわけですけれども、ちょうど十五日の未明でございますが、そのときに御報告を承った数字が「六分遅れ」でございまして、したがいまして、いろんな数字がございますので、現在、鋭意事実について調査をしている段階でございます。
○中村鋭一君 少なくとも、あなたは「六分遅れ」というのは発表しておられるわけですから、JRが言っている二分おくれという点に疑問は感じておいでですね。
○説明員(松波正壽君) JRの二分おくれにつきましても、先ほど来報告のありますように、亀山指令所の数字の中から出てきたわけでございますが、今申し上げましたように、差があるわけでございますので、現実、事実がどこかそれを調べる、これが今重要なことかと考えております。
○中村鋭一君 もう、これも水かけ論になりますからやめますけれども、それは、あなたがおっしゃるようなそういう言い方は、ちょっと私は通用しないと思いますよ。
 きょうずっとここまで伺っていましたら、失礼ながら、政府委員の皆さんのお答えは、鋭意調査中でございますとか、これからもしっかりと調べますとか、そんなことばっかりおっしゃっているわけですね。事故が起きてから何日たっているんですか。しかも、JR西日本は二分おくれと、とっくに言っていることですよ。あなたが発表になった「六分遅れ」、これもとっくに発表していることなんでしょう。だったら、これからそれについてしっかり調べますとか総務課長から聞いた言葉をそのまま発表しましたとか亀山がどうこうとか、そういうことは、私は、この責任ある委員会の発言としてはとるべき道ではない、このように思います。そのことを指摘しておきたいと思います。
 しかも、片上委員御指摘のように、五分以上おくれたらJR西日本は相手方に通報の義務があった。だから、もし運輸省が発表している「六分遅れ」であれば、じゃ、なぜJR西日本は通報をしなかったか。その責めを負わなければなりませんから、巷間伝えられるところでは、二分というところに固執しているのではないかと、このような情報が既にあるわけでありますから、そういう点もしっかりとこれからお調べを願って、やっぱりそういう点はしっかりとやっていかないと国民に対して申しわけない結果を運輸省としても招来しはしないか、そういうことを恐れますから申し上げます。
 それから、JRは、例えば、私、今度の無線電話でも、列車間の連絡に無線電話を積んでいるんだったら、周波数が同じであるべきは当たり前でしょう、これは子供でもわかる理屈ですね。周波数の違う通話のできないような電話を百合積んでいたって、こんなもの何にもならない。それを、いやこれは周波数が違いますので、これから研究してなんて言っている場合でもなかろう。私は、やっぱりその点にこれまでの、例えば運輸省の姿勢そのものにも抜かりがあったのではないか。これはまた後ほど指摘もさせていただきますけれども、そのことを申し上げておきたいと思います。
 それから、当日、この五〇一Dは二四〇%の乗車率であったと、こういうことなんですね。随分JR西日本さんも熱心で切符を売るのに一生懸命におなりになっていたと伺います。
 それで、当初、陶芸祭は三十五万人の入場者見込みをしていたのが、あの事故当日既に六十万人近い人が入りまして、信楽町当局からすれば、あるいは陶芸祭の事務局からすればうれしい悲鳴であったのですが、私、JR西日本はうれしい悲鳴だけでは済まないと思いますよ。そうでしょう、一生懸命切符を売って、二四〇%の乗車率で現実に列車発車しているんです。そうしたら、もう既にこれは満杯でどうにもならぬような状況であるわけです、輸送手段としてはですね。であれば、当然ながら、そこに二四〇%も人を乗せて物すごく人が詰めかけているんだから、安全対策についてもJR西日本は十二分な配慮をしているべきであったと、こう私は思います。
 その点について、ただたくさん運ぶ、大量に切符を売る、来てくれた、うれしい、JR西日本乗り入れた、さあ運びましょう。しかし、もし事故が起きた場合の安全対策についてもう一遍点検しよう、これは起きたら大変なことになるぞというような考慮をJR西日本はしていたのかいなかったのか、そういう点について私は、運輸省も十二分にその点をお調べ願いたい、こう思いますが、それについての御意見をお伺いさせていただきます。
○説明員(大塚秀夫君) このようなイベントが行われるために乗り入れたのでございますから、当然輸送人員がふえることは前提となっておりますので、この乗車定員の二・四倍であるかどうかは別として、十分に事前にそのような対策は講じたかどうか、今後調べたいと思います。
○中村鋭一君 相変わらず、私は一生懸命お尋ねをしているつもりですが、お答えが失礼ながら紋切り型、常套的、オウム返しに終始しているような感じがいたします。ほとんど、私はもう質問する勇気を失いかねない。もっとひとつ積極的に、もう二度とこういう事故を起こさないためにはどうしたらいいんだと、だったら起こったことについてどういう反省をすればいいんだと、JR西日本に対して我々は何を言うべきかという点について積極的な答弁をするようにしてくださいよ。お願いを申し上げたいと思います。
 先ほど、片上委員もお尋ねだったんですが、それに関係して、この保安監査ですね。これを見ますと、「監査結果については、特段の問題点は見受けられなかったが、」「細部にわたる対応が必要であると感じられた。」「異常時に対する他社との共同訓練を行うなど、」、私は、割にこれはのんきな監査結果であると言わざるを得ない、こう思いますが、もう一遍お尋ねいたします。今私が申し上げたような観点に基づいて、ひとつこの監査結果をどのように評価しているか運輸省当局の見解をお示し願います。
○国務大臣(村岡兼造君) いろいろ先ほど先生方から今回の事故に対しまして、原因の究明その他手ぬるいのではないか、あるいはまだこんなことがわからぬのかと、こういうような御指摘をいただいているわけでございます。私自身もそれを感じております。
 聞きますと、実際に人に会いましても、正直に言いまして、それは警察当局に言っていると、こういうことでなかなか口を閉ざして言ってくれない。したがいまして、なかなか行きましても、皆さんの言われているとおり、御不満な点があろうと思います。保安監査にいたしましてもそのような状況でございますから、今後引き続きやらなきゃいけないと、こう思っております。
   〔理事谷川寛三君退席、委員長着席〕
 いずれにいたしましても、警察の方にもこれこれの資料はくれと近くお願いをして調査を進めていく、二度と事故を起こさないようなことをしていかなきゃならぬと、こういうふうに感じておりまして、先生方から指摘されるのはもっともだと感じておりますが、行きましても、現状では警察の方も初動捜査だと、こういうことでなかなか容易でない状況であることも御理解を願いまして、決してあいまいにするとか隠すとか、そんなことは私ども毛頭考えておりませんので、どうぞひとつその点は御理解をいただきたいと、こう思っております。
○中村鋭一君 大臣、今おっしゃったその観点でお願いをしておきたい。それは信楽高原鉄道に対しても、それからJR西日本に対しても全く同じ姿勢でその点は貫いていただきたい、こう思います。
 つい私は、滋賀県出身でございますからね。JR西日本は象ですよ。信楽高原鉄道はアリですよ。全社員二十人です。そのうち枢要な地位にある現場の実務の責任者、運転士さん方含めて五人を失っているんですね。それで、信楽高原鉄道の社長であります信楽町長さんは、資料は全部警察に持っていかれまして我々は説明のしようもない、皆さん方に入る情報は全部JR西日本からですと、このようにおっしゃっているわけでございますので、その辺の資料の収集等も含めて、大臣、ひとつよろしくお願いを申し上げておきたいと思います。
 先ほど来、これは何回も他の委員方お尋ねでございましたが、今も御専門の野沢先生にもお伺いしたんですが、五〇一Dの運転士さんは、青信号で通過した。待避線を見たら、いるはずの列車がいなかった。念頭に、あらおかしいな、こう思った。思ったが、青信号だから進行を続けて衝突した。こういうことなんですが、私、マニュアルはどういうものがあるか知りませんけれども、一本の線路で真っすぐ進めば絶対に正面衝突をする、するから待避線を設けているわけでしょう。
 そうしたら、私、やっぱりそこで幾ら青信号でも、青だから進め進めというんじゃなくて、待避線に対向する列車がいなかった瞬間に、例えば、ごく微速で前進をするとかあるいはそこで停止をするとか、そういう配慮もあってしかるべきでなかったかと思いますが、これは一つの前提をいたします。信号が青であって待避線に列車が入っていないことを妙だと思って前進を続けたということを仮に可とするならば、どういう印象を今運輸省はお持ちでございますか。
○説明員(松波正壽君) お答えをいたします。
 今、先生仮定のもとに、信号が青で、そして待避線に人っていなかったということでどういう印象を持つかという御質問でございますが、この列車の場合にはあそこの信号場でダイヤ上すれ違うようなダイヤになっているわけでありまして、したがいまして、信号を基本にして運転はされていますけれども、多分あそこに到着した場合に、プロでございましたら若干の違和感があって、どうするべきか、こういうようなふうにひょっとしたら頭の片隅をよぎったのではないかなと思います。
 いずれにしましても、こういう事故があったがゆえにどうするかということにつきまして、やはりよく勉強をさせていただいて、先生の御指摘のございましたような方法もございますが、どういう方法がとれるのか研究すべき課題だと考えております。
○中村鋭一君 これは、私は指摘をするにとどめておきます、現在調査中のことでありますからね。
 いよいよ、補償でありますけれども、滋賀県は四九%の大株主です。そして、大臣、私、もう端的に申し上げますけれども、これね、結局、信楽町というよりも、大臣先ほどから仰せのように、滋賀県がよほど性根を据えてかからなければいけません、補償の問題。
 そこで、先ほど来大臣は、よく指導をする、こうおっしゃいましたね。あるいは要請をする、滋賀県にしっかりせよと要請をする、こうおっしゃいました。大臣は、その指導、要請でよろしゅうございますけれども、ここに自治省の方来ていただいておりますが、現実に立脚して考えた場合は、やはりいわゆる特別交付税ですね、地方交付税の百分の六を占めておりますところの特交でございますね。この交付を滋賀県から要請があれば、思い切ってひとつしていただくということを私は心からお願い申し上げたいと思うんですが、それについて自治省のお考えをお尋ねさせていただきます。
○説明員(中里清敏君) お答え申し上げたいと思います。
 信楽高原鉄道列車事故につきましては、先ほども申し上げたわけでございますが、現在、関係者におきまして事故原因の究明や御遺族への弔問ですとか入院者の方へのお見舞いなどの対応がなされている最中でございますし、また、滋賀県などが信楽高原鉄道に人材を派遣する、あるいは先ほどから運輸省の方から御答弁がありましたように、信楽高原鉄道、JR西日本、滋賀県……
○中村鋭一君 ちょっと、簡単にしてください。
○説明員(中里清敏君) 及び信楽町の四者の協議会が設置されるなど、事故処理体制が整いつつあると承知してございます。
 ただ、御遺族等への補償の話し合い、対応につきましてはこれからの状況でございますし、衝突事故を引き起こした当事者であります信楽高原鉄道及びJR西日本における補償責任あるいは負担額等につきましては具体的に決まっていない、煮詰まっていないわけでございますので、現時点では恐縮ながら具体的な事故処理の補償問題……
○中村鋭一君 はい、結構。結構です。
○説明員(中里清敏君) しかしながら、いずれにしましても……
○中村鋭一君 いや、もう時間がないんだ。
○説明員(中里清敏君) 今後、補償問題等が関係者の間で検討される、そういうことが考えられますので、具体的な方策について滋賀県からの相談もあろうと思いますので、そうしたことを踏まえまして関係省庁とも協議の上、御指摘のような具体的な財源措置についても検討してまいりたいと、かように考えております。
○中村鋭一君 そんな答えを私は期待して言っているんじゃないんです。あなた同じことばっかりおっしゃっているが、気合いの問題だ、気合いの問題。そうですよ、現実に四十二人の人が亡くなっているんです。これから滋賀県は一生懸命やっていかなきゃいけないんです。県知事以下、死に物狂いでやっているんですよ。だから、県から要求があれば国としては一生懸命助けてやってくれ、その一つの手段として特交があるじゃないか、特別交付税があるじゃないか。そういうときは、ひとつ格段の計らいを頼むと言っているんですからね。我々は一生懸命やりますよと一言言ってくださればいいんですよ。お願いをしておきたいと思います。
 それから、もし赤字が出た場合は地方債の起債もひとつお認めいただくことを、これは陳情をさせていただきたいと思います。また、あなたにお答えいただくと長々になりますので、私の方からお願いを申し上げておきたいと思います。
 それから、今回の信楽高原鉄道の加入しておりました保険、限度は三億円でございました。これは運輸省は、信楽高原鉄道が三億円の保険に入っている、いや三億円しか入っていないと言うべきだと思うんですが、それは知っておられましたか。
○説明員(佐々木建成君) 信楽高原鉄道が総額三億円の保険に入っているということは、一般的には行政指導しておりましたので、入っているとは思っておりましたけれども、具体的内容については承知しておりませんでした。
○中村鋭一君 その点、もう時間がないので私の方から申し上げますけれども、ここに鉄道事業法があるんですね。第二十三条、「運輸大臣は、鉄道事業者の事業について利用者の利便その他公共の利益を阻害している事実があると認めるときは、鉄道事業者に対し、次に掲げる事項を命ずることができる。」。その第七号、「旅客又は貨物の運送に関し生じた損害を賠償するために必要な金額を担保することができる保険契約を締結すること。」、こういうことについて運輸大臣は改善命令することができるわけですね。
 だれが見たって、今度の信楽高原鉄道の事故で三億円限度の保険じゃ足りないことははっきりしているわけですね。それを、報告がありません、我々は報告を受ける義務もありません、知りませんじゃ私は済まないと思います。ここに、鉄道事業法にそのような改善命令が明確に規定をしてあるんですから、ですから、今回の事故を文字どおり貴重な他山の石として、例えば、今ほかに第三セクターを抱える数十の自治体ありますけれども、こういったところを指導される場合も、例えばこの鉄道事業法の規定を準用すれば、その保険額では少ないじゃないか。もっと多く加入しておきなさいという改善命令は、これは大臣の命令でできるわけでありますから、その点もあわせお願いをしておきたいと思います。
 もう一つ具体的な提案があったんですが、時間が参りました。省略をいたします。
 最後に、大臣、お願いでございます。
 滋賀県の皆さん、信楽町民の皆さんは、一生懸命つくってきた信楽高原鉄道が今存廃の岐路に立っていることを本当に懸念しています。心配しています。みんなで守ってつくってきた高原鉄道です。少々ながら黒字でもありました。皆さん喜んでいたんです。今度の陶芸祭の成功も本当にみんな心から滋賀県民喜んでいたんですね。残念なこういう事故ではありますけれども、県民の総意でありますから、この第三セクターによります信楽高原鉄道が一刻も早く営業を再開して存続することができますように格段の御尽力を、大臣、心からお願いを申し上げ、できれば一言約束していただいて、私の質問を終わらせていただきます。
○国務大臣(村岡兼造君) 今の御質問にお答えする前に、保険のことでございますけれども、個別に入っておりまして、お聞きをしたら、いろいろ保険料の問題もあり、全体で入るというようなことはなかなか容易でなかったとも聞いております。しかし、今回の事故を契機といたしまして、こういう事故に対して今までは全く想定しておりませんので、三億あるいは最高三千万と、こういうようなことでございますが、保険制度も改善を加えていきたいと、こう思っております。
 再開問題につきましては、もう既に意向が表明されておりまして、私どもの方としても西日本に協力を申し上げるように、西日本もそれに協力すると聞いておりまして、今相談中であろうと思います。来ますればそれに対応していきたいと、こういうふうに考えております。
○中村鋭一君 よろしくお願いします。
○寺崎昭久君 最初に、今回の事故で被災され亡くなられた方には、心から痛惜、哀悼の念をあらわすとともに、加療中の方には一日も早い御回復を祈っております。
 また、今回の事故を反省の材料として、二度とこのような事故が起こらないように万全を期さなければいけないと決意を改めている次第でございます。
 事故の原因については、先ほどから各委員からの質問もあり、また、政府から調査中であるという答弁が繰り返されておりますので、今後とも原因の究明は徹底して行っていただくようにお願いして、私は、補償問題に絞って質問をさせていただきます。
 まず最初に、先ほど淵上委員の質問に答えて運輸省から、乗り入れ部分を走っているJRの列車については、車両も人も信楽高原鉄道側が借り入れているんだという答弁があったように思います。これは受けとめ方によりましては、指揮命令系統はJR西日本側にないんだと、したがって、原因が何であれこの区間で起きた事故についてはすべて信楽側だというようにも受けとめられかねないのですが、そういうことではないと思うんですが、いかがでしょうか。
○説明員(佐々木建成君) 私が先ほど淵上先生に御答弁申し上げましたときに、今寺崎先生が御指摘の点を申し上げました趣旨は、運送契約の当事者として信楽高原鉄道が当事者であるという趣旨で申し上げたわけでございまして、損害賠償責任とかそれについて言及したつもりはございません。
○寺崎昭久君 今後、原因究明の中で、JR西日本側に一端の責任があるということが判明すれば、それに応じた賠償責任も負うというように考えてよろしいですね。
○説明員(佐々木建成君) その民事上の責任がどこにあるかは、おのずから法律的に原因究明の結果によって決まってくると思いますので、その結論に従って、今御指摘のような場合が起これば、その責任を負うということになろうかと思います。
○寺崎昭久君 ただいま信楽高原鉄道が加入している保険の内容の御説明がありましたけれども、この保険契約というのはJRの乗り入れを前提にした契約になっていますか、どうですか。
○説明員(佐々木建成君) JRが乗り入れる、乗り入れないにかかわらず加入している保険でございます。
○寺崎昭久君 これは、一部のマスコミの情報によりますと、保険というのはJRが乗り入れる前に締結されたもので、もしJRが乗り入れるということで条件変更になれば、全額支払われないおそれがあるんじゃないかという記事も拝見しておりますが、その懸念はないと言ってよろしいんでしょうか。
○説明員(佐々木建成君) 責任がどこにあるか、これから解明されるべき問題でありますので、私どもの方もそこまではまだ突っ込んで勉強しておりません。
○寺崎昭久君 いや、責任がどこじゃなくて、JRが乗り入れることが保険の条件に入っていますかという質問です。
○説明員(佐々木建成君) JRの乗り入れの有無ということについては言及されていない保険契約だと理解いたしております。
○寺崎昭久君 そうしますと、条件が違うということで保険金額がおりないというおそれもあるわけですね。
○説明員(佐々木建成君) 詳細は調査をしたいと思いますが、そういう免責条項のようなものは入っていないと、少なくとも入っていないということだと思います。
○寺崎昭久君 よく事実を調べていただきたいと思います。
 それから、だれがどのように補償するかは別にして、今までの災害とか事故によって死亡された場合あるいは被災された場合の補償額というのはかなりの金額になるわけであります。これからそういう問題については詰められると思うんですが、過去のそうした事故に照らして、およそどれぐらいだと判断されておりますか。
○説明員(佐々木建成君) 今回の事故の賠償額につきましては、先生は十分御承知だと思いますが、現段階でお答えするのは極めて困難でありますことを御理解願いたいと思います。
○寺崎昭久君 原因は違いますが、また時期も違いますが、日航機事故の場合はどの程度でしたか。
○説明員(佐々木建成君) 日航機の事故による賠償額につきましては、事柄の性質上公表されておりませんし、私どもも数字をつかんでおりませんので、御了解願いたいと思います。
○寺崎昭久君 私は、製造企業でもと働いていたことがありますけれども、そういうところの事故の例を見ましても、一億円ぐらいが通常の賠償額、補償額になるというのが昨今の状況ではないのだろうかと思っております。そういう観点からしますと、原因がどこにあるかというのはこれから詰めるにしても、やはり信楽鉄道に賠償能力があるのか補償能力があるのかというのが大変心配されるところなんですが、その辺はいかがお考えでしょうか。
○説明員(佐々木建成君) 信楽高原鉄道につきましては、先ほど来出ておりますように、保険金という意味では三億円を限度というようなことでございますから、もし賠償責任を負うということであれば、すべてに対応するということは極めて困難だというふうに思っております。
 ただ、先ほどから、大臣からもお話し申し上げておりますけれども、事故対策本部の決定に基づきまして、五月十七日に筆頭の株主である滋賀県に対しまして被害者の救済に全力を挙げて取り組むようお願いをしまして、滋賀県も誠意を持ってこの問題に対処するというような意向を表明しておるところでございます。
○寺崎昭久君 私も、知恵を出しながら補償については万全を期していくべきだと考えているわけでありますけれども、それについてもやっぱり筋を通さなければいけない部分があると思うんです。
 先ほど、局長の御答弁の中に、補償に関して滋賀県に対し、株主の立場から誠意を持って対処するよう要請しているというお話がございましたけれども、株主に一般的にいってそういう賠償責任はあるんでしょうか。
○説明員(佐々木建成君) 株主に直接賠償責任が発生するということはないかと思いますが、この信楽高原鉄道という第三セクターの発足に当たって、鉄道事業の免許を行いますときに滋賀県に対しまして、いろんな面で適時適切な支援協力措置を講ずるということを要請しまして、そういうことについて滋賀県も了解されて発足をしたという経緯がございます。そういうことで、そういうことも踏まえまして、こちらからも対応するようにというお願いをしたということでございます。
○寺崎昭久君 今のお話の中から、万一こういう事故が起きた場合の補償についても滋賀県は相当の負担を負いますという意味が含まれていると理解していいわけでしょうか。
○説明員(佐々木建成君) そこまで実際問題として予測をしたかというと、そういうことはないかと思いますけれども、第三セクターが発足するときに、かなり経営的に、相当地元がバックアップしていかないと苦しいだろうということは一般的に予想されていたわけでございますので、そういった観点から、私どもは免許をするときにその点に不安があったものでございますので、全面的にいろいろバックアップする、いろいろな問題に対応してということで、他の第三セクターも含めてそういう御了解をいただいた上で免許をしたということでございます。
○寺崎昭久君 私は、余り軽々に株主として責任を負ってくれという言い方はするべきじゃないと思うんです。滋賀県だけではなくてほかにも株主になっている市町村はたくさんあるわけです。これからびびっちゃって、私は株主やめますというような話が万一出てきたら大変なことだと思うんです。そうさせないためにも、やっぱりこれからそういう懸念が起きないような措置を講ずるということを考えることが大事なんではないかと思いますし、株式会社ということでいえば、本来でいえば社長以下役員は連帯して責任を負わなければいけない立場だと思うんです。あえてきょうはそういうことは申しませんけれども、もっともっと株式会社とか民営化についてはシビアな目で見なければいけないと思うんです。
 それから、県や、あるいは場合によっては国が財政援助その他てこ入れをする、あるいは肩がわりをするということになるかもしれません。私は、何とかして補償に万全を期してあげたいと思うわけであります。しかし、この問題は、払えないからとか、かわいそうだからとか、そういうことだけで決めてはいけない問題なんだろうと思うんです。三十四社もほかにあるわけです。
 そういうことから考えますと、援助をするにしても補償をするにしても、やっぱりそれ相応の理由、根拠ないしは因果関係というものがきちんと説明され、それが国民に受け入れられなければいけないと思うんです。私は、株主だからというのはぜひおやめいただきたいと思うんです、別の理由で説明されないとほかの株主はみんな困っちゃいますから。いかがでしょうか。
○説明員(佐々木建成君) 本件の場合は、滋賀県は株主であると同時に地域の振興のいわば責任者というような広い意味も含めてというふうに考えております。
○寺崎昭久君 ぜひ、知恵も出していただきたいとお願いする次第でございます。
 それから、先ほど中村委員から鉄道事業法第二十三条七号についての言及がございましたけれども、こういう補償に万全を期していない状態で認可を与えたということになりますと、行政上の瑕疵という意味で運輸省にも損害賠償の責任の一端が生じるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○説明員(佐々木建成君) 私どもが免許をいたします場合に、信楽高原鉄道がいろんな場合に対応して支払い能力があるということを担保する必要があったわけでございますので、先ほどからお話し申し上げておりますように、やはり第三セクターの実質的な指導者である県知事、県に対してその点は大丈夫だろうなということを確認してやったわけでございます。
 なお、今後の問題としましては、付保を強化する、保険の加入の中身を強化するというような保険制度での対応というのが必要だろうと思って、今検討に取りかかっているところでございます。
○寺崎昭久君 法律がないからとかあるいは慣行がないからとか、そういうことだけにとらわれずに、ぜひ国民の納得できる解決を目指して御努力いただきたいと思います。
 それから、被災者の中には業務で電車を運転し、乗っていた人も大勢いるわけなんで、その意味では、JRの従業員あるいは信楽鉄道の従業員で亡くなられた方あるいはけがをされた方については、どういう補償が今現在予定されているんでしょうか。
○説明員(佐々木建成君) 今、御指摘の問題は、その後まだ、具体的に動いているかどうかつかんでおりませんけれども、JR西日本と信楽高原鉄道の職員に対する補償という問題につきましては、それぞれの会社の内規ということもございますでしょうし、また、労災を初めとします各種の社会保険制度というものがあるわけでございますので、それによって適切に対処されるというふうに考えているところでございます。
○寺崎昭久君 今、わからないということですか。
○説明員(佐々木建成君) 申しわけございませんが、今具体的なことをちょっと把握しておりませんが、一般的にこういう場合には、従業員に対して労災保険を払うとかあるいは会社の内規に基づく見舞い金を払うとかいろいろな手段があるだろうと思うので、そこを申し上げたわけでございます。
○寺崎昭久君 私は、これらの方にも、被災者なんですからきちんと補償をしなければいけないと思うんですけれども、それを決める場合に乗客の賠償との関係、そういったものは大変微妙だと思うんですね。そういうこともぜひ頭に入れてやっていただきたいと思いますし、それがゆえに被災者の方の補償が十分できないから、こっち側はもう割り引いてなんということには絶対ならないようにお願いしたいと思っております。
 それから、先ほど、今後の損害賠償のあり方ということで保険のお話が出ておりましたけれども、第三セクターの保険の加入状況を先日お聞きしましたら、一事故一億円から、あるいは一人当たり二千万円というのもありまして、これではとても補償にたえられる内容ではないと思ったわけでございます。
 そういう意味では、今後、とりわけ経営が不安定な中小の鉄道とか特に第三セクターの事業者については、補償総額に制限のない民間の保険に強制的に加入させることは大変負担になると思いますけれども、半ば自動車における自賠責のような強制的な公共が関与した損害賠償保険制度を考える必要があるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○説明員(佐々木建成君) 第三セクターやその他の中小民鉄のように、損害賠償能力がそれほどないであろうと思われるような鉄道事業者に対する補償能力の付与の手段としまして、より内容の充実した保険制度、額の面でもより充実した保険制度によって対応することが必要と考えておりますので、その具体的内容について検討し、さらに事業者を指導するということを考えております。
 ただ、強制保険ということになじむかどうかという問題がございます。強制保険といいますと、ある保険の対象者をグループ化して、それについては同額の保険料を払わせて同額の保険金の限度額を決めてというようなのが普通のやり方だと思うわけですが、鉄道の経営の実態、施設の実態、人的な実態はいろいろ千差万別の点があると思いますから、強制保険というものになじむかどうかという点があるかと思います。
 いずれにしましても、保険の内容の充実を図っていきたいというふうに思います。
○寺崎昭久君 時間もありませんので、あと二つ質問いたします。後ろの方の質問は、ぜひ大臣にお答えいただきたいと思うんです。
 第一番目は、バスだとかタクシー、鉄道、飛行機、船、その他、そういう輸送機関ごとの事故被害者に対する保険というのは今どのような状態、加入状況になっているのか教えていただきたいと思います。
 それから二点目は、先ほども少し触れましたが、自動車に関してはいわゆる自賠責で、対人、同乗者すべてに対して被害があった場合に、死亡で言えば最高三千万円が保険金として支払われることになっております。ほかの輸送機関ではこのような最低の補償が必ずしも法的に担保されているとは限らないと思うんですけれども、そうした公共の乗り物であっても、半ばここまでは最低でもう保険で補償されるというふうな仕組みをつくることが大事なのではないかと思っております。先ほどの質問と若干重複するところがありますけれども、すべての輸送機関に同様の強制的な賠償保険というそういう制度を考えていってはいかがかと思いますが、大臣の御見解を伺わせていただければと思います。
○説明員(佐々木建成君) バス、タクシー、鉄道、航空機、船舶といった輸送機関の賠償保険の実態はどうなっているかというお尋ねでございますが、こういった賠償保険につきましては、交通機関の運行の態様等の特性、それから、従来の傾向から見た事故の頻度とかあるいは規模等の蓋然性などから、その実態に即した適切な賠償保険に加入しているところでございます。
 例えば、バス、タクシーにつきましては、御承知の自動車損害賠償責任保険には必ず強制保険ですから入っておりまして、この保険は、被害者一人当たりの死亡の場合の限度額が三千万円、総額については限度額はございません。
 それから、また、任意保険にもほとんどのバス、タクシー事業者が加入しておりまして、特に個人タクシーにつきましては、任意保険に加入することを確認して事業免許を行っているということでございます。
 また、航空につきましては、万一、事故が起こった場合の被害額が莫大になる可能性が高いところから、各社におきまして多少の差はありますけれども、大体一事故当たり約十億ドル、日本円で約千三百億円相当を限度とする保険に加入しております。
 それから、さらに、船舶につきましては、旅客一人当たりのてん補限度額が三千万円、一事故当たりのてん補限度額が三千万円掛ける船客定員または五百億円のいずれか低い額という保険に加入をしております。
 なお、鉄道につきましては、第三セクター鉄道及び中小民鉄については、先ほどから出ておりますけれども、一事故当たり数億円。JR、大手、準大手につきましては、その事業規模に応じて十億円から百億円の賠償保険に加入しているということでございます。それで、一人当たりのてん補限度額は三千万円から五千万円といったところでございます。
○国務大臣(村岡兼造君) 今の保険問題につきまして、第三セクターなり鉄道事業者、それぞれ各社でやったというような状況でございますけれども、御承知のとおり、三億円しかやっていない。それから、もともとそんな大事故が起きないというような各社の状況でもありましたし、今三億円で四十万円と、保険金はそうだと聞いておりますけれども、今後この事故にかんがみまして、保険をそういう第三セクターとか脆弱な会社の方とも相談をし、また、これは保険会社とも相談をしなければならぬが、改善をしてまいりたいと思っております。
 いずれにいたしましても、それは今後のことでございまして、今、当面起きました信楽鉄道の事故に対しましては、今後いろんな問題が、まだどこが原因かはっきりしておりませんが、起きましても、私の方で誠意を持って万端遺漏なきよう措導して補償問題に当たっていきたいと、こう考えております。よろしくお願いいたします。
○委員長(中川嘉美君) 本日の調査はこの程度にいたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時二十分散会