第121回国会 逓信委員会 第2号
平成三年九月二十四日(火曜日)
   午前十時開会
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   委員の異動
 八月九日
    辞任         補欠選任
     関根 則之君     佐々木 満君
 八月十三日
    辞任         補欠選任
     佐々木 満君     関根 則之君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         粕谷 照美君
    理 事
                岡野  裕君
                大森  昭君
                中村 鋭一君
    委 員
                沢田 一精君
                陣内 孝雄君
                関根 則之君
                中曽根弘文君
                平野  清君
                及川 一夫君
                國弘 正雄君
                山田 健一君
                矢原 秀男君
                吉岡 吉典君
                足立 良平君
                下村  泰君
   国務大臣
       郵 政 大 臣  関谷 勝嗣君
   政府委員
       郵政大臣官房長  木下 昌浩君
       郵政省郵務局長  早田 利雄君
       郵政省貯金局長  松野 春樹君
       郵政省簡易保険
       局長       荒瀬 眞幸君
       郵政省通信政策
       局長       白井  太君
       郵政省電気通信
       局長       森本 哲夫君
       郵政省放送行政
       局長       小野沢知之君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        大野 敏行君
   説明員
       公正取引委員会
       事務局取引部下
       請課長      本城  昇君
       厚生省健康政策
       局総務課長    伊原 正躬君
       郵政大臣官房総
       務審議官    五十嵐三津雄君
       郵政大臣官房人
       事部長      谷  公士君
       会計検査院事務
       総局第五局郵政
       検査課長     渡辺 孝至君
   参考人
       日本放送協会会
       長        川口 幹夫君
       日本放送協会副
       会長       小山 森也君
       日本放送協会専
       務理事・技師長  中村 好郎君
       日本放送協会理
       事        堀井 良殷君
       日本放送協会理
       事        諏訪 恭也君
       日本放送協会理
       事        中村 和夫君
       日本放送協会会
       長室[経営計画]
       局長       黒川 次郎君
       日本電信電話株
       式会社取締役・
       移動体通信事業
       本部副本部長   佐田 啓助君
       日本電信電話株
       式会社情報案内
       営業部長     福元 俊久君
       社団法人日本民
       間放送連盟専務
       理事       松澤 經人君
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  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○郵政事業及び電気通信事業の運営並びに電波に
関する調査
 (NHKの事業運営方針に関する件)
 (NHK経営委員会の在り方に関する件)
 (不法無線局対策に関する件)
 (電波の有料化に関する件)
 (来年度の郵政三事業の新施策に関する件)
 (郵政三事業の地域振興策に関する件)
 (放送衛星ゆり3号の後継機の調達、利用形態
 に関する件)
 (沖縄県先島地区の民放テレビ放送の難視聴解
 消対策に関する件)
 (ダイヤルQ2通話の適正化に関する件)
 (NHKの放送番組編成方針に関する件)
 (補完衛星BS3H打上げ失敗の原因調査に関
 する件)
 (周波数不足対策に関する件)
 (民間放送事業者とプロダクション間における
 テレビ番組制作委託取引に関する件)
 (郵貯及び簡保の資金運用に関する件)
 (NHKの要員効率化とNHK関連団体の在り
 方に関する件)
 (郵政三事業職員の労働時間短縮に関する件)
 (郵貯ジョイントカードに関する件)
 (点字による内容証明郵便に関する件)
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○委員長(粕谷照美君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。
 まず、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 郵政事業及び電気通信事業の運営並びに電波に関する調査のため、本日の委員会に日本放送協会の役職員、日本電信電話株式会社取締役・移動体通信事業本部副本部長佐田啓助君、同情報案内営業部長福元俊久君及び社団法人日本民間放送連盟専務理事松澤經人君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(粕谷照美君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(粕谷照美君) 郵政事業及び電気通信事業の運営並びに電波に関する調査を議題といたします。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○山田健一君 おはようございます。
 この臨時国会で逓信委員会開催ということになりまして、しかも朝一番ということで気持ちよくやりたいのでありますが、余り気持ちのいい問題でもありませんが、きょうはNHKに御出席いただきまして、まず一連の先般から問題になっております問題、NHKの対応を含めて御質問を申し上げたいというふうに思っております。
 四月二十四日、例の衆議院の逓信委員会での島前会長の虚偽発言、これから七月十五日に辞意を表明される、一連の経過があったわけでありますけれども、大変国民も大きな関心を持って成り行きを見ていた。もちろん、当事者として国会の関与のあり方、こういうものも問われているわけでありまして、私たちも大きなやはり責任を一方で感じております。ただ、経過の中で発言の訂正問題が取り上げられて、それも訂正が二転三転、確かに中身そのもの、いわゆる国会で虚偽の発言をした、こういう内容もありますが、同時にその後の経過、対応の仕方、これは大変不可解なといいますか、見ていて大岩な、そのことが国民に対してまた不信なり疑惑というものを招く、こういう状況で推移をいたしまして島会長辞任と、こういうことになったわけであります。
 つい先般の九月の定例会見で川口新会長も、確かに平成元年度の決算については衆議院で一応お認めいただいたけれども、この発言訂正問題については依然としてこれで決着をしたとは思わない、こういう趣旨の発言をなさっておられます。確かにその通りだと思いますし、やらなきゃいけない課題もたくさんあると思います。
 まず最初に、ああいう一連の経過の中で、いろんな不手際を含めてそうでありますが、今日の事態に至った。新会長としてどういうふうな感想をお持ちなのか。そして、どう受けとめられておるのか。あるいはまた、国民からいろんな不信も寄せられるという中で、国民の信頼にこれからどうこたえていかれようとするのか。その辺について、まず新会長の決意をお伺いいたしたいと思います。
○参考人(川口幹夫君) 七月三十一日にNHKの会長になりました川口でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 まず、私からおわびを申し上げたいと思います。一連の虚偽発言によりまして国会の権威と尊厳を傷つけ、諸先生方に御迷惑をおかけしたことをまずおわび申し上げます。それから、このことによりまして視聴者の御信頼を損なうという結果になりまして、私としては早く視聴者の皆様方の信頼を回復したい、そのために一生懸命全力を挙げてこれからの業務を遂行するつもりでございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 今の山田先生の御質問でございますけれども、そのような反省を込めまして私は今幾つかのことをしようと思っております。
 一つは、やはりまずNHKが開かれたNHKであること。それには何よりも、私どもが何をしようとしているのか、どのようなことが問題であるのか、また今後どうしたいと思っているのか、そういうことを率直にお話をすべきだと思います。それはもちろん国会の場であり、あるいは視聴者との対話の中でそれをできるだけはっきりとしていきたいと思っております。そして、視聴者の声をできるだけ率直に吸い上げてそれに対する対応をしていきたい、このように思っております。言うなれば視聴者と向き合う姿勢というものをしっかりとしていきたいと思っております。
 それからもう一つ大きな問題は、信頼を回復するにはやはり出している番組というものが非常に大事でございます。結果的には、どのような情報を提供し、ニュースを報道し、そして番組を出しているのかということが信頼の根幹にかかわってくるというふうな認識をしております。したがいまして、今後全力を挙げて番組の強化充実に力を尽くしまして皆様方の信頼を回復したいというふうに思っております。
○山田健一君 今、会長の方から、NHKとしてこれから視聴者と向き合っていく基本的な姿勢、あるいはやっぱり番組でこれから勝負をするわけでありますから、そこら辺についての決意をお伺いいたしましたが、私はもちろんそのことによってあの一連の経過というものに対して免罪符が与えられるということにはならぬだろうと思います。
 きょうは特に副会長も出ていただいております。一連の流れの中で、会長を補佐する立場といいますか、役員の方、副会長、理事の皆さん、あの島前会長のいわゆる発言の中身についても当然知り得る立場で、その間二カ月二転三転それもする、こういうことがまた国民に対して大変な不信なり疑惑を与える、こういうことになったわけでありまして、その意味ではあなた方の責任、経営の一端を担う者としてこの責任もやはりあったと思うんです。この辺についてはどういうふうに認識をされておられるのか、きょうは御出席でございますのでお尋ねをいたしたいと思います。
○参考人(小山森也君) まず最初に、私を初めといたしまして各理事が非常に不十分な補佐であったということにつきましての御指摘、真っ正面から受けとめますとともにおわびを申し上げたいと存じます。
 当日の対応その他につきまして詳しく申しますとちょっと若干長くなるのでございますけれども、当日、島前会長の国会答弁、私は放送総局長兼務としておりましたので聞いておりました。そのときにGEのヘッドクォーターとホテル、大体あのとき私は十五分後に連絡をとったんですが、そのときホテルにおりましたので、GEのヘッドクォーターというのは私行ったことがありませんものですから、随分近いところにあると若干奇異の感に打たれたことは確かでございます。しかし、御自分の行動について前会長が確信を持って国会で断言されたということで、私は事実だと思い込んだ次第でございます。
 また、当時同席した技師長は、GEとのいろいろ交渉事がありましたので、ロサンゼルスにはヘッドクォーターはないはずだということで、昼の休憩時間に前会長に注意を促した事実はございます。ところが、その趣旨が十分に伝わらず、また午後に同じような答弁が行われたということでございます。まことにこの間、役員間の連絡が悪かったということでございまして、その当日そのものにつきましてのまずおわびを申し上げなければならない、こう思います。
 次に、その後の経過でございます。
 四月二十四日の衆議院逓信委員会終了後、約二週間後だったのではないかと思いますが、前会長の答弁は事実と違うのではないかという話が私の耳にも入ってまいりました。そこで、私といたしましては、事柄が国会という場で起きた問題でございますので事の重大性を感じましたので、会長を補佐する立場から問題解決のためにぜひ全力を尽くしたいということで、会長に申し出た次第でございます。しかしながら前会長は、これは協会を代表する最高責任者である自分自身のことであるので自分自身で処理したいので、ここのところは手を引いて見守ってほしいという、かなりかたい表明がございました。また、渉外担当役員にも連絡をとりましたが、同様に会長自身からのかたい決意というものがあるためにそれ以上の踏み込みができなかった次第でございます。
 しかし、役員組織の一体的責任体制というのが役員にはあるべきでありまして、これがとれなかったこと、しかも結果的に極めて透明性を欠く経過をたどったということにつきまして非常に申しわけないと思っております。今考えてみますと、渉外担当役員との間だけでも何らかの方法で意思疎通を図るべきだったと思っております。また、そのために役員一体の責任ある執行体制がとれなかったわけでありまして、深く反省しておる次第でございます。
 今後は、国会での発言の重要さというものも十分認識しまして、役員一体の責任体制をとるという組織の原点に戻りまして、再びこのことのないように業務の運営に万全を期して視聴者の信頼回復に最大限の努力をしなければならないと深く反省しているところでございます。
○山田健一君 今、小山さんの方から役員の体制を含めて反省とそれから決意が述べられたわけでありますが、どうもあの間の一連の流れを私たちも見ておりまして、確かに虚偽発言をした、これは国会でうそを言ったということですから問題になることは確かであります。同時に、それに伴っていろんな問題がマスコミや報道機関を通じて流されていたのも事実であります。一連の過程の中で本当にどうも後味の悪いといいますか、そういう思いを実は私自身も持っているわけであります。
 考えてみますと、今回の場合は、特にそういった意味では、自民党のある派閥絡みというような話も堂々と実は書かれておるわけであり、あるいは人事の問題がそういう政治の影がちらつく中で取りざたをされるというようなことが公にいろんな角度から報道されている。もし事実だとすると、これはもう公共放送、不偏不党、公正中立、こういう立場からいって到底こういうことは許されるわけでありません。これは、事実であったのかと言えば、いやそれはそんなことはないと言われるのは当然だろうと思います。
 いずれにいたしましても、こういう形で言論、報道機関、まさにその中枢を担っていく公共放送としての大きな使命というものを考えた場合は、そういった権力の介入をはねつけていきながら報道の自由というものをしっかり守っていく、こういう立場が求められているんだろうというふうに思います。特に今回はそういったもろもろのことがあっただけに、その行き着くところに島会長の辞任、こういう形になっただけに、もちろん発言の中身の問題、一連の不手際、NHKの対応の問題等々あるにせよ、さらに加えてこういう形の問題が出てきておった、ここにやはり私たちも大きな不信を実は持っておるわけであります。
 この点について会長の方から明確に、NHKが今後公共放送としての立場をしっかり踏まえてやるということの決意をぜひお願いを申し上げたい、こういうふうに思います。
○参考人(川口幹夫君) 先生御指摘のとおり、NHKは公共放送の立場で不偏不党、公正中立を旨としております。したがいまして、例えば人事、例えば組織の運営、さらには番組の内容に至るまで、このことが大原則になって貫かれねばならないというふうに自覚をしております。
 今回のことにつきましては、いろんなことを書かれた旦言われたりしましだけれども、少なくとも私のことに関しましてはいささかの不公明なところはないということを断言いたします。
○山田健一君 川口会長個人についてということではありませんので、特にNHKという日本放送協会をめぐる問題として十分留意をされてそうした対応というものを考えていかなきゃならぬだろうし、我々の側もそういった点は十分踏まえた対応というものをこれからしていかなきゃいけないだろうというふうに考えておりますので、ぜひその点についてはひとつ明確なけじめを持って進めていただきたいというふうに思っております。
 同時に、やはりこれもいろいろと週刊誌等で騒がれました経理の問題含めて、NHKのいわゆる経理の乱脈ぶりといいますか、しまいには内部告発までいろいろ飛び交うというような、本来考えられないような事態がどんどん進展をしていくということで、これまた疑惑、不信に輪をかけた、こういうことになっているわけであります。
 聞いてみますと、今経営の規律に関するプロジェクトですか、これが設置をされてやられている。本来であれば国会がこれは関与して中身をチェックするという形に実はなるわけでありますが、この点についても国会の立場として非常に残念だというふうに思っておりますが、今こういう形でプロジェクトが設置をされて検討されている。特に海外の事業展開との関係でいろいろ問題があるというようなことも指摘をされておりますが、一体どういう検討が今なされておるのか、さらにあわせて今後の基本的な経営方針、指針といいますか、経営の姿勢についてお尋ねをいたしたいと思います。
○参考人(小山森也君) ただいま御指摘のありました経営の規律に関する点検実施プロジェクトというのは七月の二十六日に私を責任者として発足させました。これは、先生も御指摘のように、私どもNHKは不偏不党の立場であるということになりますと、一番大事なことは経営自身の、自分自身の自律機能を発揮して、そのことによって視聴者の皆様方の信頼関係を回復するということがまず第一だということから、これを発足させて自分自身での自浄作用というものをまずやるべきである、こう考えた次第でございます。
 ただいまの進行状況でございます。これは、内部処理といたしましては私から会長に報告するということになっておりますが、内部処理としてはまだ終わったわけではございませんけれども、また同時に一部ヨーロッパ総支局との経理事務の点検が終わっておりません。まだそういった全面的に終了いたしましたという段階ではございませんが、今までの調査の概要について申し上げます。
 まず第一に、役員の職務執行体制でございます。これは先ほども若干申し述べたところでございますが、率直に言いまして役員全体のコンセンサスと一体の責任体制、これが必ずしもとれていなかった、そこで経営の一体的執行に問題があったと反省しております。今後、役員間での議論を十分尽くすなど組織本来の原点に立ち戻りまして、会長の適切な判断に資するように役員総体として補佐し、会長の指揮のもと一体となって業務執行に当たっていくということがなければならない、こう思っております。
 次に、経理の事務処理でございます。マスコミに報道されたような指摘事項、これも重要な問題として点検いたしました。かなり有能な人間を絞りまして、ほぼ徹夜に近い状態でございますが、なかなか悉皆調査というのができませんので、一番問題点がありそうな十二月とか三月、こういったものの証拠書等について全部一応調べた次第でございます。今回点検した限りにおきましては、現時点においては指摘されたような不正事実、不正という事実は確認されておりません。
 しかしながら、これはちょっと私見にわたりますけれども、まだ会長にも報告しておりませんが、お尋ねでございます、国会での責任ある答弁をすべきという点から、事務処理等が現在のルール、これに反していないことは確かなんですが、その後、つくった当時のルールが国際化とか情報化、そういったものの時代に合わなくなってきていて、必ずしも透明性が完全に確保できるかどうかといった点についてちょっと古いのではないか、したがってこれは処理方法のルールそのものを変えていかなきゃいけないんじゃないかなというのが二、三散見されました。今後、こうした点については透明性を内外に明確にするように早急に改むべきであると考えております。
 また、これは今月中に一応終わるわけでございますけれども、今回の点検ですべて終わりということではないと思っております。受信料制度に支えられている公共放送でございます。これは見直し見直しの繰り返しを、常に反省点に立っていかなければいけないんじゃないか。
 それから、特に内部監査の点でございますけれども、内部監査は常に厳重に行われなければいけない。なぜならば、内部監査というのは、えてして日常的に非常に習慣に流れやすいものをもう一度原点に戻りまして、自分の仕事が正しく行われているかどうかということを見る非常にいい機会であるということと考えておりますので、今後継続的に海外総支局を含めて、こういった点検といいますか、内部監査を厳重に行うべきである、このように考えている次第でございます。
○山田健一君 一部を除いて今月末といいますか、今月中に一定の結論を出して、そして取り組んでいくという今御回答をいただいたわけでありますが、その中で事務処理のルールについても確かに問題があるという話、特に島前会長が、言ってみれば国際化、情報化、こういう時代の中で特に受信料のあり方というものをめぐってどう対応していくのかということで、随分いろいろと心配をして対応されたけれども、現実には国際化、情報化といいながら、いわゆるその支えていく内部の体制あるいはまた事務処理のルールがなかなかそれに合っていないというような実態が進行していたのかなというようなことも、今つぶさに話を聞きまして感じているわけであります。
 いずれにいたしましても、川口新会長、いろいろと報道機関に対しても述べておられますが、従来の島前会長の路線、やり方、こういうものは見直していくんだ、こういうことをおっしゃっております。どうもある話に、会見上で言われたのは、島前会長は相撲で言ったら押し相撲、突っ張り相撲です、私は四つに組んでしっかりやるんだというような比喩をされていたようでありますが、多少スピードは落ちても着実にやっていきたい、こういうような意向であったように伺っております。
 いろいろ各方面にわたって聞きたいと思うんですが、島前会長に変わってどういうふうに今度、川口会長、路線なりやり方を見直す、こういうふうに言われておるわけですが、まずそのポイントといいますか、どこら辺を一番重点に見直しをされていこうとしておるのか、この辺についてまずお尋ねいたします。
○参考人(川口幹夫君) 私は放送というものは非常に大事な国民の財産であると思っております。したがいまして、それを特に公共放送の立場からどうやって維持し、発展させることができるかということが何よりも大切である、こういうふうに認識しております。したがいまして、その基本にNHKを支える視聴者の存在というものを絶対に無視してはいけない、その視聴者によって出される受信料というものがすべての基本にまずなるべきだというぐあいに思っております。
 受信料の問題は、前からいろいろと論議をされておりまして、受信料だけに頼っていては経営自体がだめになるというふうなことまで言われたこともございます。ただ私は、あくまでも受信者と直面する形でもって経営を運用するには、受信料がやはりすべての基幹にならなければいけない、こういう認識をしております。そのためには、先ほど申し上げましたが、番組の充実ということがまず第一でございますし、いろんなことをそのことを基本にして進めていこう、こう思っております。
 それに加えて、さらに効率化、合理化の点を進めることは同様でありますが、さらにいろんな努力をして、例えば副次収入の増を図るとかいうふうなこともこれまで以上に頑張りたいと思っておりますのでできるだけ受信者の負担を軽減する形でもって実行していきたい。ただ、前会長と違いますのは、そのことでもって、例えば海外へのネットワークの形成だとか、あるいは番組のソフト会社をつくるとかいうふうなことですべて終われりというふうに考えないところであります。そのことは非常に大事でありますけれども、そのことだけがすべてであるというふうな形には絶対に考えられないと思っております。
 したがいまして、現在行われておりますソフト会社、MICOというものがございますけれども、これにつきましては、できるだけ民放各社とも話し合いまして、日本の放送界全体に役立つような組織となるように運営をしていきたいと思っておりますし、それから海外のネットワークにつきましては、十分に成算が立つということを見きわめなければ軽々に踏み出してはいけないというぐあいに思っております。すべてはやっぱり放送第一主義ということを前提にして進めるつもりでございます。特に放送におきましても、いわゆる情報の伝達ということ以外に、放送文化をつくっていくんだというふうなことをもう一方の方で旗印として掲げたい、このように思っております。
○山田健一君 何点か今会長の方から問題点の御指摘があったわけでありますけれども、受信料を基本にということで、この辺が一番の問題がなという気がいたしております。島前会長の場合は、これで二十一世紀を迎える、多メディア化してくる、こういった状況の中で果たして今の受信料でやっていけるのか、大変な焦りというか危機感があったことも事実だろうと思うんです。
 そうした中で、今言われておるわけでありますが、特にこの受信料との関係でいえば副次収入ですね、この辺についてのお考えといいますか、これは既に平成二年度から六年度まで経営計画が示されておりまして、二%ぐらいに持っていくということに実はなっておるわけでありますが、この辺の受信料と副次収入の関係、これについて一つ。
 それから、今お話があったのは、海外のネットワーク、いわゆるGNN構想だと思っておりますが、これについても見通しが立たないとなかなか進められない。CNNに対抗してやるんだというようなことで随分海外で吹き上げられておったわけでありまして、その意味ではもう既にいろんなNHKとしての海外に対する一つの信頼、信用の問題というものもあろうかというふうに思いますが、この点についてもう一度そこら辺の御答弁をお願いしたいと思います。
○参考人(川口幹夫君) 副次収入について申し上げますと、これは実績でありますが、平成元年度は五十三億円、全体の一・四%、それから平成二年度は七十五億円でこれは全体の一・五%という収入を上げております。三年度は予算でございますが、八十一億円を目標にして今実施をしておるところでございます。
 この副次収入は、やはり大きな意味で受信料制度を助ける収入のあり方だというふうに自覚をしております。したがいまして、これが少しでも多くなること自体はその分だけ受信料の負担をかけないで事業が推進できるという結果になりますので、できるだけ推進をしていきたい。これは、BBCというイギリスの公共放送の例でありますけれども、海外に番組を非常によく売っております。それによって上げている収入が百億を超しております。そのようなことを考えますと、NHKももっといろんな努力をして副次収入の増には努めるべきだというぐあいに認識しております。
 それから、GNN構想でございますけれども、これは非常に構想としてはすぐれた構想であるというふうには思います。つまり、世界を三つの地域、日本を中心としたアジア地域とそれからアメリカ、それとヨーロッパ圏を結びまして二十四時間のニュースのネットワークをつくるというふうな構想でありますから、これはだれが見ても大変時宜にかなった構想であるというふうに思います。
 ただ、これを実施するためには幾つかの問題点がありまして、まずやっぱり財政的な問題です。これを実施するためのお金、人、物というものについての検討が十分になされなければいけないというふうに思いますし、さらには三つの地域は実は非常に異なった地域事情を持っております。したがって、アジアのニュースがどの程度例えばヨーロッパで見られるものなのか、あるいはアメリカはどうなのかというふうなことも考えなければいけません。そういう情報の内容についての検討、それの流通の検討といいますか、そういったことも十分に考慮する必要があろうかと思います。
 したがいまして、そういう経費上の問題、それと内容の運営の問題というふうなことなどを十分に検討した上で本格的な計画に進めるべきだと。今は構想の段階でありますから、例えばそのことでどのようなステップを踏むのがいいのか、それを十分私は考えていきたいと思っております。
○山田健一君 今のGNNについては会長の方のそういう意向ということを承りました。
 あわせて、MICOの問題にしても民放との協力関係ということで今お話がありましたけれども、いろいろ民放あたりからもNHKのいわゆる保有メディアについて多過ぎるんじゃないか、九波という状況でいいのかというような話もこれは出ているわけであります。さらにはそのことがまた逆に経営を圧迫しておるんではないかというような話まで出ておるわけであります。この保有メディアについてはどのようにお考えになっていらっしゃいますか。
○参考人(川口幹夫君) 昔、ラジオが一波しかなかったころの状況を私は思い起こしますけれども、あのころからラジオが二波になり、それからテレビが始まり、FMが始まり、そして衛星放送が始まり、文字放送もありというふうなことで、いわば先駆的役割というのをNHKは果たしてきたと思いますが、その先駆的役割のままで現在幾つかの波を保有しております。それがすべて波の性格によって番組の中身も違っておりますし、それからその受け取られ方もまた非常に多様になっております。そのことの効果は十分認めたいと思います。
 ただ、これから後さらに多メディア時代に入りまして、多チャンネルになりまして、そういう時期が来たときは、これはどうしても今までみたいに先駆的役割というものだけを延長して考えるわけにはいかないんじゃないか。それはそういったくさんのメディアの中でも放送の位置づけというものをまずきちんとしていかなければいけないだろう。そのメディアの中の放送の位置づけをはっきりした上で、その上でNHKは、ではどういうふうな波を保有すべきか、またその保有した波をどういうふうに放送に使うべきかということを考えるべきであろうというふうに思っておりまして、必然的にこれまでやってきたことをその延長線の上で単に実施するということだけではもういかないんじゃないか。ですから、多分に強力な形で見直しを進めるべきだという考え方を持っております。
○山田健一君 今、九波についてもいわゆる多メディア、多チャンネル化を迎えて見直しをしていく、こういう会長の方の意向であります。また改めてこの問題については議論をさせていただきたいと思います。
 それから、最後になりますが、やっとこの前衛星も無事に上がったということで、我々もある意味では逆に胸をなでおろしているところもあるんですが、島前会長のときもいろいろ問題になっておりました衛星の補完体制の問題であります。幸いにして今度十一月ごろですか、引き取りをされるということのようでありますが、いわゆる衛星のバックアップについてどのようにお考えになっていらっしゃいますか。
○参考人(川口幹夫君) 本日のたしか十一時過ぎでありますけれども、BS3bの試験の結果がわかるはずでございまして、大体3bは極めて順調に運行されているというふうに報告を聞いております。3aと3bの併用によりまして当分は衛星放送の実施にはそんなに支障はないというふうに思っております。
 ただ、衛星の運用につきましては、いわば予測を許さないというふうな面が必ず起こってくることはもうこれまでの経験で大分わかっております。したがいまして、今後衛星放送のはっきりした責任体制をとっていくためには補完衛星はいずれの時期にか打ち上げなければいけないかなという実感を私は持っております。ただ、何分にも非常に大きな予算がかかりますし、そのことについては十分に考慮した上で国会の皆様方、郵政省の皆様方ともお諮りをして、そしてもしそのことが必要とあれば補完衛星の打ち上げもまたしなければいけないかな、こういう実感を持っております。
○山田健一君 それでは一応NHKの方は、最初に私が申し上げましたように、会長みずからも今回の一連の発言訂正問題についてはこれで終わったわけじゃないというこの気持ちは、やはりスタート、出発点だろうというふうに思っておりますし、今後とも決意を新たにして、その意味では公共放送としての役割を十分担っていく、頑張っていただきたい、こういうふうに思っておりますので、要望を申し上げましてNHKの方への質問一を終わりたいと思います。
 引き続いて、電波行政に関連をいたしましてお尋ねをいたしたいと思います。いろんな角度から電波の問題が今取り上げられておりまして、きょうは私は急増する不法電波の対策についてお尋ねをいたしたいと思います。
 無線局そのものも年率一五%ぐらいでどんどんふえていっておる。先ほどお示しをいただいた電波政策懇談会の報告書によっても、二十一世紀初頭には五千万局ですか、現在約六百二十五万局ということになっておりますが、大変な勢いで無線がふえていくだろう。こういうことの中で、今郵政省も平成五年度の電波利用料の導入、こういうことを目指していろいろ準備を進めるということで、来年度一億二千万ですか、概算要求をされるということになっておるようであります。
 ただ、やはり受益者負担という形で利用料につながっていくわけでありますから、私はそのためにはもちろん幾つがその前提としてやるべきことはきちっとまずやらなければならぬ。この不法電波の問題にしても確かにそうであります。電波の良好な環境というものをきちっと保障していくということが大前提だろうと思います。
 なかなかこの対策が十分でないから逆に利用料をいただいて、それで何とかしますというんじゃなしに、今の現行の電波法の中で、その法律が有効に機能しているのか、あるいはまたその中で十分対策がとられているのか、そのことをやった上で、果たしてこれからどうしていくのかということが議論になってこないと私はいけないだろうというふうに思っております。そういった意味から、この不法無線局による問題点について二、三お尋ねをいたしたい、こういうふうに思っております。
 最近資料をいただきましたが、随分不法無線局もふえてきております。平成二年度で二万六千二百四十五、これだけ何か不法無線局を把握されておるという形になっておりまして、それに対して措置をしたのが措置率一一%、こういうことであります。二千八百六十八件、一一%ぐらいしか措置ができないというような今の現状に実はなっております。
 最近のいろんな新聞報道を見ましても、消防無線とか警察無線とか防災無線、こういったところにいろんな妨害が入るというようなことで、大変な実は危惧を私たちは感じております。場合によっては消防なんかもそうであります。人命にかかわる場合だって出てくるだろうと思いますし、こういうことがずっと依然として措置率一一%というような状況で早く言えば放置をされておるというような現状に今日あるというふうに思っております。
 今日のこういった不法無線局の実態といいますか、状況を一体どういうふうに郵政省として受けとめられて、どういう対策を今講じておられるのか、この点についてまずお尋ねをいたしたいと思います。
○政府委員(森本哲夫君) 先生御指摘のように、不法無線が年々急増をいたしておるわけでありますが、この中身と申しますのは、非常に意図的な形で特定の無線局、例えば警察とか消防とかあるいは鉄道無線だとか、こういったものを意図的に妨害しようとする、例えば過激派等が行います意図的な妨害というのが一つ大きくあるだろうと思います。もう一つは、特定の周波数と意識せずに、専らおのれの都合のために、自分の都合のいい通信を不法な手段でなし遂げる、こういう形の不法無線というのが大別して分けられる、こう思うのであります。
 後者の場合にしても、結局たくさんの公共用の無線に多大の混信を与えたり妨害を与えたりしている事例でございますので、結果的には同じ現象面にはなるわけでありますが、いずれにしても各種のさまざまな不法無線がはびこっておるわけでございます。
 特に、そういう意味では後者に属すると思うのでありますが、先ほど先生から御指摘のありました不法無線局二万六千全局の相当数が市民ラジオという、簡単に免許不要で出力を小さいものにして、それがゆえにしかしできるだけ利便を図ろうという制度でつくったものでございますが、例えば正規の市民ラジオでございますれば通信の距離は一キロメートル程度にしか届かない、出力も〇・五ワットだというものを改造いたしまして、〇・五ワットの基準なのにこれを五ワットにする、あるいは千ワットにする、その結果到達距離が数十キロまで届いてしまう。その間、予定された周波数ははるかに幅を超えて多種のものに妨害を与える。
 こういったくさんのこうした事例が、不法市民ラジオ、不法パーソナル無線あるいは不法のアマチュア無線という形で、免許を取らなきゃならないものをあえて取らない。あるいは、適正な機器であるんですがこれを不法改造する、さまざまな形での妨害が発生しておるわけでございます。
 私どもとしては何とかこれを、放置している、というお話ございますが、実は全国に十四カ所、約三百人の職員が常時監視をする。特に、さっき申しました意図的妨害は外国からのVIPだとかそうした重要人物が国内を移動したりあるいは成田に到着したりしたときに発生しやすくなるわけでございますので、そうしたときには二十四時間体制でやるとか必死の努力をいたしておるわけでございます。いかんせんこの不法の大半が今移動型であるというゆえもあってなかなか根絶しがたい実態にあるわけでございますが、不法の未然防止ということについて特に力を入れて対策をいたさなきゃならないのは先生おっしゃるとおりでございます。
 特に電波は目に見えないものでございますから、犯罪だという認識が比較的ビギナーには弱いわけでございまして、だんだん高じて相当大きな、大がかりなことになってしまうということでございますので、特に広報活動それから機器のメーカーに対して協力を要請するというようなことをさらに続けてまいらなきゃならぬと考えておるわけでございます。
○山田健一君 今、御答弁いただいたとおりだと思いますし、機器のメー力ーに対してもそういうことを指導していかなきゃならぬだろうということであります。メーカーもそうであります。それから販売店の問題もあろうかと思います。
 昭和六十二年度に電波法が改正をされまして、今回のこの不法無線局との関係で言えば電波法百二条の十一、いわゆる勧告制度の問題であります。確かに勧告制度はつくられたわけでありますが、その後もこういうふうに後を絶たない、しかもどんどん逆にふえていっておる、こういう状況なのであります。今実際にこれとられていると思うんですが、勧告をされておるだろうと思うのでありますが、この勧告の内容と勧告を受けた方の事業者、これがどう対応しておるのか、この辺についてもお聞かせをいただきたいと思います。
○政府委員(森本哲夫君) 従前の電波法は、さっき申しましたように、不法に電波を発射するものを主として対象に置いて規制をされてきたわけでございますが、これについて御指摘のとおり百二条の十一という形で製造業者あるいは販売業者に主として自覚あるいは社会的反省を促そうということで生まれた制度でございます。この法律におきましては、具体的には法律で郵政大臣に与えられました権限としては、当該基準不適合設備の販売中止あるいはその他販売計画の変更を勧告する、あるいは既に売ってしまったものを回収するように勧告をする、あるいはその他改造とか修理等を勧告する、こんな仕組みになっておるわけでございます。
 こうした制度が生まれましたのは、初めて製造業あるいは販売業に対する規制を行おう上いうことでございますので、できるだけソフトな規制手段を選択するということに相なっておりますので、具体的にこういう勧告を発動するためには少なくとも法律上三つ要件を備えていないと動かない、適用できない、こういうことになっております。
 この法律によりますれば、まず技術基準に適合しない無線設備の使用によって他の無線局の運用を著しく阻害するような混信その他の妨害が発生しているということが一つ。つまり、具体的に特定をしなきゃならぬということであります。それから、問題の混信妨害を起こした無線設備と同一の設計の無線設備が大量に販売されているという実態にあるということでございます。それから三つ目は、この不適合設備で他の無線局の運用に重大な悪影響を与える、こうした要件を整えなきゃならないわけでございます。
 御指摘のように実態はどうかということで、今までいろんなチャレンジをしてまいったのでございますが、具体的な形ではやはりこの混信妨害がどの無線設備によるものかという、さっき申しました一番の条件がなかなか特定しがたい、こういう点が一つ。仮にまた特定できたとしても、それが同一メーカーによる大量の生産の無線機器かどうかというところの確認ができてないわけでございまして、残念ながら勧告するまでの実態には至っていない実態でございます。
 今後さらに混信源が特定できるように監視体制をより充実させるなどいたしまして効果的な対策に努めてまいりたい、こう考えているところでございます。
○山田健一君 確かに今言われた三つの要件というものがあって勧告が発動できるということでありますが、現実の問題としてこの勧告を発するに至っていない、要するにこれが現実に有効に機能をしていないということなんですね。機能していない。
 結局、考えてみますと、この勧告という制度そのものも、これが仮に満たされていたとしても、勧告ではいわゆる強制力、拘束力がないわけです。仮にこの三要件が満たされていたとしてもそうなんです。その三要件のうちの一つ、いわゆる特定をすることについても今言われたようになかなが難しい。
 こういう状況の中で、今度出されておりますものは政策懇談会の答申の中でもこれは指摘をされております。不法無線局に対する対応、法的な規制のあり方、こういうものもやはり検討しなきゃならぬのじゃないかということで、この中にも「勧告制度の効果や他の類似制度における規制の範囲等を踏まえながら措置することが適切である。」「不法無線局の抜本的な解決を図るためには、製造・販売の段階で規制することが一つの有効な手段であると考えられるがここういった勧告制度についても考え直す必要があるんではないかというような指摘がなされております。
 現実に電波法が改正をされて、こういう条項が設けられたにもかかわらす適合する件がない、しかも勧告制度が発動できない、一方では不法無線局がどんどんふえていっておる、こういう状況の中でこういった法的な規制措置を含めての対応策、これは検討されていると思うんですが、この辺についてはどうですか。
○政府委員(森本哲夫君) 不法無線に対しましては、製造機器だけじゃございませんで、実際の運用いたしておりますものについて、例えば路上での取り締まり、トラックに違法無線を積んでの事態に対処いたしますために、年に百回以上にわたる警察との合同取り締まり等をやっておるわけでございますが、今御指摘の百二条の十一のメーカーの問題につきましては、ひとつ私どもも御指摘のように何とか環状では不十希だということで対応いたしたいと思うのであります。
 諸外国では、こうした基準に達しない無線機器の製造その」もの、あるいは販売そのものを刑罰を伴った形で例外なく取り締まっておるという実態にあることは確かでございます。十分参考にはなるわけでございますが、ただ我が国の法制としては本来製造、販売の自由というものもございますし、そうした営業の自由との関係で、例えば麻薬のように、あるいは不良食品のように、あるいは大変劣悪な薬品のように、それ自体を電波機器と同一視いたしまして、製造の段階あるいは販売の段階で一切刑罰をもって担保してやるというようなことになるかどうかという議論は一方であるわけでございます。
 さらにまた、従事いたします者の立入調査みたいな権限は今私どもにはない、立ち入って捜査するという形にはなっていないわけでございます。例えば、私ども同じ中に郵政監察官というのは、これ郵政関係の犯罪で特別司法警察職員というような身分を与えられておりますし、さっき申しました麻薬とかあるいは国税の一部とか、そうした強制立ち入りをしますという権限はあるわけでございますが、電波の関係の職員にそうしたものを与えることの当不当というような議論のあることも確かでございます。こうした問題点をよく煮詰めまして、おっしゃるようにさらに有効な方策というものを立てられないものか。どうか現在鋭意検討をしておるところでございます。
○山田健一君 私もその点についてもお伺いをしようと思っていたんですが、今森本さんの方から御答弁いただきましたが、この製造業ももちろんそうであります、それから販売の関係もいわゆる基準不適合設備ですか、違法のコードレス電話とかそういうやつならこれはもうわかるんですが、最初から基準不適合ではなかなか売っていないと思うんです。その後いわゆる改造するケースがほとんどなんでありまして、言われたように、最初から不適合だからこれはそこでチェックをするというのは現実問題としてなかなか難しいと思うんです。だから、そういった意味では、電波の監視の体制も含めてここら辺の規制のあり方というものをもうちょっと知恵を出していただきたいというふうに思っております。
 それから、今お話がありましたように、郵政監察官ですか、これと同様のいわゆる立ち入り権限というものを監視官に持たせる方途もあるという御答弁でありまして、私もそうしてはどうかな、こういうふうに実は思っております。お話がありましたように、今いわゆる固定監視施設が全国で十九ですか、それに移動監視車が四十台、これで何万というのをとてもじゃないけれどもそれは押さえ切れるわけがないんでありまして、そういった中でこの電波監視官、どうも三百名程度ぐらいのようでありまして、これも年々逆に減ってきておるような話もちょっと聞いておるわけです。
 こういう状況の中で、適切なしかも迅速に機動的にこういうものに対処できるか、こう言えばなかなかできない。そういった意味では、今お話がありましたように、電波監視官に対してもそういった権限を与えていく。警察の協力を仰がなきゃなかなか対応できない、こういう現状でありますから、そういった意味ではここら辺の対応の仕方を含めてぜひ御検討をお願い申し上げたい、このように思っております。
 最後に、そういったことを含めての基本的な考え方、今申し上げましたが、もう一度森本さんの方からの御答弁をお願いいたしまして、私の質問を終わりたいど思います。
○政府委員(森本哲夫君) 大変今の事態について御理解のある御指摘を賜りまして感謝をいたしております。
 確かに、現状の体制で急増してまいりますこうした不法無線を根絶してまいりますのは、今後の情報社会の構築という上で大変日本の社会にとって大事なことだろうという自覚を持っておるわけでございます。ただ、法律的に制度を強化するということも確かに大事でございますが、問題は法律の適用ができる実態を、つまり摘発の確保ができなきゃならない。実際、不法無線を現実に不法無線として確認できる体制を整えなきゃならない。ところが一方、今も御指摘ございましたように、これを人手でやる形でどんどん増員をしていくというのは、今日の行政簡素化の中では非常に難しい側面もございます。
 そうとすれば、法律の整備をできるだけ図るとともに、人によらない形で発信源を特定できる、これも非常に現実の技術としましてはなかなか難しいんですが、電波でございますので四方八方に飛んでまいりますだけに、こちらの方から飛んできたぞというだけではなかなか把握ができない。混信源自体は少なくとも二カ所、多ければ三カ所から交差した点に、それでしかもある程度の精度を持つた機器でもって対応しなきゃならない。そうした意味で、制度的な準備とともにこうした物的な整備の拡充をぜひ急務とするというふうに考えておるわけでございます。
 冒頭にも御指摘ございましたが、今後の混信の防御のためにいろんな社会的コストがかかってまいりますが、こうしたことも免許人に負担を願う、そのことがまた免許人の利益にも返ってくると考えておりますので、制度面、物的施設面の拡充ともども相まって対処してまいりたいと考えております。
 ありがとうございました。
○山田健一君 ちょっともう一度。
 だから電波利用料云々、こういうことではなしに、それで監視のシステムをつくり上げていかなきゃならぬということじゃなしに、さっきも言いましたように、この百二条の十一だって勧告制度も全く機能していない、有効な手だてが現状の中でとれるだけ。あるいはまた、現状の設備の中あるいは法的な中でやれることはしっかりやる。そうした状況の中で国民の理解を得るということにならないと、だからこれが放置されているからそのためにという議論であれば、これは大いに問題があるところであります。
 そのためにも、最初言いましたように、現状の中でやれるだけのきちっとした電波環境を整備していく、その取り組みをぜひ強めていただきたいということを最後に申し上げまして、私の方の質問を終わりたいと思います。
○及川一夫君 一般質問でございますので、最初に郵政事業、郵政省全体が掌握をしている事業全般についてちょっとお伺いしておきたいと思います。
 総じて、郵政省が所管をする事業については十分満足すべきということはないにしろ、それぞれきちっとした対応をしながら一定の評価をしているという状況にあるわけでございますが、今時点をとらえて、来年に向けて一体郵政事業全般としてどんなことを発想されるんですか。それは具体的には概算要求なるものにあらわれているかというふうに思います。
 そこで、概算要求中なので、郵政大臣に冒頭からお聞きするのはちょっと遠慮しょうがなという気もあるんですが、もし御答弁する気迫があるならぜひやっていただきたいと思いますが、来年度概算要求というのが出ています。つまり、それ自体は来年の郵政事業というものをどこに重点を置いて対応されるかという、そのことのあちわれだと思います。したがって、そういう観点から、本日時点を踏まえて、来年度に向けて一体郵政事業の問題点と重点施策はこの辺に置きたいというようなことがあればぜひお聞かせ願いたい。
○国務大臣(関谷勝嗣君) 及川先生、私の残す期間も余りないというような意味での御質問ではないかと思うわけでございますが、私も今まで十カ月ばかり郵政大臣を務めさせていただいたわけでございますが、その間郵政事業を取り巻く環境は時々刻々変わってまいったわけでございます。またその間に、先ほど山田先生の御質問にもございましたNHKの問題等もいろいろあったわけでございます。
 結論といたしますと、例えば郵便貯金の金利の、自由化がこのように始まっておるわけでございますから、そのこと一つとりましても本当に大きな変革が起こってまいっております。ですから、まずその郵政事業を取り巻く環境の変化に的確に対処をしていくというようなことが一番重要であろうと思います。それから、利用者の皆様方の利便あるいはまたプラスになる方向に対策をしていくというようなことであろうと思うわけでございまして、その点は私は概算要求の中にもるる出てきておると自負をいたしております。
 したがいまして、私はこの大臣の職を終えましても一生懸命今後とも郵政事業の発展のために頑張りますことを、ずっと政治家である限りファイト満々でやりますから、ひとつよろしくお願いいたします。
○及川一夫君 二回もおやめになる話になると大変寂しい限りでございますが、しかし現実はそういった事態にあるかもしれませんが、ぜひ今郵政大臣が申された点は重視をしていかなければならない問題であろうと思います。
 私は、概算要求全体を見まして、一つはやっぱり金利の自由化にどう対応するかということがはっきり出ている。それから、意欲的というふうにとらえていいのかどうか知りませんが、電波の有料化問題とあえて言わせていただきますが、電波行政というものに対して、そろそろ大きなメスというか見直しというか、そういうものをなしていかなければいけないということを強調されているように受けとめました。
 そこで、金利の自由化問題では、別に今度の証券スキャンダル問題では郵政省の名前が挙がっているわけではありません。貯金にしろ簡保にしろ、さらには共済年金の問題にしろ、一切名前が挙がっておりませんから大変うれしく思うわけでありますけれども、ただ金利の自由化ということとの関係では、貯金にしろ簡保にしろやはり資金の運用ということが大変大きな問題になってくるであろう。手っ取り早い話が、証券スキャンダルでやるようなメリットがあるものをばかばかと入れてしまえば余り心配がないということになるんですが、それは許されないし、国営であることを含めて絶対にこれはなしてはならないことなんだろうと思うんです。
 そうすると、民間金融資本がどういう形で自由化に対応するというのか今のところ私も皆目読み切れませんけれども、どちらにしても自由化ですから、簡保と貯金は別だというわけにはいかない。そういう意味で言うと、私は証券スキャンダルにあらわれるようなああいうような手法というのはどんな事態になってもとってはならないことだというふうに思うのでありますが、これは郵政大臣でなくて結構でございますからお答えいただきたいと思います。
○政府委員(松野春樹君) 先生御存じのように、金融自由化が着々と進んできております。現在把握できておりますスケジュールにつきましても、定期性のものは平成五年度目途、それから一年おくれで流動性預貯金のものについても平成六年度にはほぼ金利の自由化の面では完成するというスケジュールに相なっております。そうしますと、やはり資金調達コストが当然のことながら水準的にはアップしてまいるであろう、これはかねてから郵便貯金にとりましても大きな課題であります。
 その対策も兼ねて昭和六十二年に私ども、いわゆる自主運用資金ではありますが、金融自由化対策資金というものを創設していただいて、今日まで運用をいたしてきておるわけであります。そのねらいは、やはり金融自由化に適切に対応して健全な経営を維持するということと同時に、やはり国営事業として郵便貯金サービスを長きにわたって安定的に使命を果たしていくということがあろうかと思うわけでありますが、その運用の基本につきましては、先生今も御指摘いただきましたけれども、やはり第一に自己責任のもとで運用をするという原則であろうと思います。それとの絡みで、やはりみずからの投資判断等に基づいて行うことを旨としてやってきております。
 したがいまして、先ほど御指摘のような今回の損失補てん問題、いろいろなケースがあるようでありますが、もし一言でそのパターン的な特徴を申し上げますと、特定の証券会社に全面的に投資判断をゆだねるようないわゆる一任的な取引に基づく結果としての現象が強く出ておるようでありますが、そういう運用はしておりません。したがって、損失補てんの問題はないということであります。ただ、リスク分散等も含めてやはり今後の運用については慎重な姿勢で臨むという点は御指摘のとおりでございます。
○及川一夫君 頑張っていただきたいと思います。
 さらに、電波の問題にかかわって御質問申し上げたいと思うんですが、もうずばり電波の有料化の問題が法律案の提出を含めて俎上にのってくるというふうに私は現状を理解いたしております。
 そこで問題なんですが、なぜ電波を有料化するのかという前に、現在電波を利用する場合に、政府は一銭もお金を取っていないのかどうかということを考えますと、許認可に絡んで印紙が張られるわけです。これもうお金がなければ買えない、張れないわけでありまして、それが今現在総額で百億というふうに私は伺っております。電波利用に当たって、毎年毎年ではないんですが、五年に一度許認可を求める際には印紙を張らなければいけない、その総額が百億だ、こういう現状にあることを考えますと、五分の一にしてみても二十億という金ですから、そうさしたる金ではないとお思いかもしれませんけれども、意外と各企業、電波利用の企業に聞いてみますと、大中小の無線の利用者がいるわけですから、結構負担になるということをかな旦言っておられます。
 したがって、郵政省が有料化の方針を打ち出そう、その前に答申がそういう意味であらわれたということになると、一体どのくらい有料化されるのか、何のために使われるのかということが気になって気になってしょうがないと。それがコストに大きく影響するような形のものであればなおのこと、NHKはもとより、NTTももとより、さらに民放全体を包んでさまざまな影響が私は出てくるだろうと思うんですね。したがって、極めて政治的な重さを持つものというふうに私は理解をするんです。
 今現在許認可を受ける場合に張られる印紙の代金というのは一体どのぐらいなんですか。それをまず聞いておきたいと思います。
○政府委員(森本哲夫君) 現在、免許の際には免許申請手数料あるいは再免許のときには再免許の申請手数料というのが手数料のお話だと思うのでありますが、これは政令をもちまして一局ごとに細かく定められておるわけであります。
 この趣旨は、これは国の手数料はさまざまありますが、それと同様に国の実費を、新たに申請をしていただきますと各種の混信がまず大丈夫だとか、あるいは検査に参ってその設備がきちっと予定どおりできておるか、さまざまなこうした手数料になっておるわけですが、これはあくまでも今申しましたように手数料でございますので、これは国の各般の手数料とあわせまして、主として同一の基準で、物の考え方で決まっておるということでございます。
 なお、これはさっき百億というお話がございましたが、過去五年間の平均をいたしますと、この手数料の総計は八十億円という実績に相なっております。
○及川一夫君 私が八十億円言うたら百億円と訂正された経緯がありましてね、だれとは申し上げませんが。内部的にいろいろ数字のつかまえ方が違うようですが、これから先はひとつ正確にしていただくようにしていただきたいということを指摘しておきたいと思います。
 そこで、森本局長がおっしゃられるこの手数料手数料というお話なんでありますが、今の電波の利用の実態を見て、とにかく金がかかる、これから何をしなければいけない、あれをしなければいけない。何か五千万局という話がありますね。これは答申の中に出たことなんですが、今現在は二万幾らだが今度五千万局になるというお話がある。
 そんなことを考えると、一体何に金がかかるんでしょうか。今現在の手数料と称するやつで何か不都合なことがあるのかないのかという問題。他国が有料化しているからというお話は別ですよ、これは。そうじゃなしに、現実にそれをしなければ絶対にまかりならないのかどうかという問題が私は一番問われてくるんだろうと思う。その点をちょっと明らかにしてもらいたい。
○政府委員(森本哲夫君) さっき申しました過去五年の平均八十億、ちょっと私どもの説明が不十分だったと思うのでありますが、申しました申請手数料のほかに検査の手数料あるいは技術基準適合証明手数料、その他無線従事者国家試験手数料、さまざまな手数料のことを一括して申し上げました。したがって、年によって再免許が来たり、あるいは試験の形で応募者が変わったりすることになりますと、これは年によって変動があることは事実でございます。
 いずれにしましても、そういう形で実費をいただいておるわけでございますが、私どもが今回お願いをいたそうとして今検討いたしております電波利用料というのは、こうした免許をもらった方々が安定的に周波数を所期の目的どおりに使用していただくためには、いわばその環境づくりをしていくということもまた別途必要なわけでございます。
 一つは、さっきも議論になりましたこうした不法の無線を退治する、そのことによって与えられた周波数が予定どおりきちんと運用できるというようなことがございます。そうした意味で、さまざまな利用者、免許人が安定的に利用できるための環境づくり、それがいわば一種の社会的コストが非常にこれから無線局のトータルがふえればふえるほど大変必要な形になってまいる。
 しかも、利用の方は主として今まで公的な、例えば官庁であるとか公団だとか、昭和二十五年当時はこうした免許人が全体の九割でございましたが、現時点では完全に逆転をいたしておりまして、私的な利用といいますか、営利目的というよりは、もちろん中身は公共的な形であるのはもちろんでございますが、形式上言えば公法人じゃなくて、私的法人が九〇%を超えておるという実態にもなっておるわけでございます。したがいまして、今後こうした円滑な電波利用、しかし決して私的だからといってとやかく言っておるわけじゃありませんで、そうした正本の情報化社会のためにはこうした方々の創意工夫に基づく電波運用というのが日本の情報化社会を構築していただかなきゃならぬわけでございます。
 ただ、電波は先ほども申しましたように、いわば他の人の利用を排除してやらなきゃならない有限な資源でございます。したがいまして、電波の免許を受けた方はその与えられた免許を独占的に、排他的に使用をいたしておるわけでございますので、先ほど申しましたこうした社会的コストを、とりわけこの世界については免許には関係のない方々にまで負担を求めていくということが果たして社会的公平という見地から言えるであろうか。こういう視点から、ぜひひとつ日本の情報化社会のためには、こういう有限な資源を安定的にかつ効率的に、かつ円滑に公用電波を使っていただくような社会のためには、こうした新しい考え方の負担というものも必要ではないか。
 こうした考え方は世界各国に共通でございまして、今ある電波利用料をさらに見直していろいろ新しい工夫もしておるわけですが、一番原因になりましたのは、やはり今申しましたように、電波の使用が急増いたしまして資源が非常に不足をしてまいった、そのためにさまざまな問題が提出されているというような形で、こうした世界各国の状況を見まして今回提案をさせていただこうということで現在検討をいたしておる、こういう趣旨でございます。
○及川一夫君 時間の関係もあって細部にわたってできませんが、ぜひ郵政当局にこれからはっきりさせていただきたいなと思うのは、こういうふうに議論していても一体電波の利用というやつは、どこからどこまで、だれがどこでどんなふうに利用しているのかというふうなことは非常に想像できないんですよね。
 目につくのは、それはNTTであり、それからNHKや民放ということはすぐわかる。しかし、移動体通信もそうだと思いながらもそう思っていない人もいる。普通の電話と同じだと思っているというようなこととかいろんなことがあるわけでして、しかもここに五千万局ということがもう既に答申で出されているだけに、この五千万局、つまり電波の送信と受信をするところが五千万局もあるのか、あるいはそういうふうになるのかということに対して必ずしもすとんと落ちるものが正直言ってないわけであります。
 したがって、まずもって電波の利用実態というものを事細かくやはり明らかにし、そしてその電波利用の中でも利用料金の対象にしなければならないのとそうでないのとそれぞれがみんなコストに関係していくわけですから、それをまずオープンにすることが極めて重要だということが一つと、それから有料化するにしても何に使うためにやるのかということ、どうしてそんなに多額の、総額一千億だとか五千億だとか言われる数字になるのかというようなことを含めて明らかにされなければ、私はなかなかもって有料化という問題に簡単に踏み切れる問題ではなかろう、こんなふうに思っておりますので、そのことを指摘し、随時これから意見を交わしていくということでこの項については終わっておきたい、こう思います。
 次の問題として、郵政省も重視をしておられると思いますが、電気通信事業全体の競争の現状でございます。
 まず私は、NTTやNCCやKDDあるいは国際第二電電と言われるような企業の収支状況というものを一応郵政省からいただいているわけでございますけれども、その現状について簡単で結構ですから、トータル的にNTT、NCC、それから国際電電、国際系NCCなどのことについて触れていただきたいというふうに思います。
○政府委員(森本哲夫君) 数字に絡みますことですから簡潔に申し上げさせていただきます。まず平成二年度ということで、平成三年度はまだ進行中でございますから、二年度の数字を関係各社について申し上げます。
 NTTでございますが、やはり競争やらいろいろと料金値下げ等ございまして、ダイヤル通話料収入が伸び悩んだ反面、電話加入者はまだ二百万を超える勢いだとか、あるいは移動体通信が伸びるとか等々で収益は前年度比三・二%増で六兆三百四十四億円ということでございます。一方、費用の方でございますが、物件費が大幅に伸びまして、対前年度化四・八%伸びまして、結果、経常利益は前年度比一四・五%減、増。収減益ということでありましたが、トータル四千百四十三億円の経常利益を上げまして、全体としては引き続き非常に堅調に推移している、こういうふうに見ておるわけでございます。
 一方、これは大小数さまざまございますけれども、六十四社の新しい事業体、NCCでございますが、これをトータルいたしますと、収益では前年度比七四・六%と大変伸びております。そうしまして四千八百九十五億円の収益を上げました。収益というか売り上げでございます。なお、費用は前年度比六七・〇%の増で四千六百九十八億円の費用がかかっておりまして、結局経常利益は百九十八億円ということで六十四社全体で初めて黒字が出ました。前年度は損失でございます。しかし、事業者別に見ますと、この単年度黒字を計上している事業者というのは六十四社のうちの半分ぐらいの三十三社でございます。六十四社中四十七社はまだ累積赤字を抱えておる、こういう状態でございます。
 そういう意味ではシェア全体、市場全体を見ましてもNTTの五兆六千五百五十三億円の収入に対しまして、NCCは三千九百五十億円でございますので、六十一年からの競争で、六十一年から六十二年、三年、平成元年、二年と実質五年の競争にもかかわらず、NTTのシェアは九三・五%、NCCは六・五%ということに相なるわけであります。
 特に設備投資でございますが、NTTは六兆円の収益で一兆八千二百五十一億円ということで約三〇%投資を行っておりますが、NCC全体の投資は七五%の売り上げに対すも投資を平成二年度に行っておるわけであります。まだこれから、NCCとして全体を見ますれば、サービスエリアの拡大だとか需要の増大のために少なくとも毎年四千億見当の投資は必要だというふうに見ておりますので、さっき申しました全体としての赤字基調から累積赤を抱えていて、なおかつこれからの投資ということを考えますと、全体としての財政基盤はまだ安定していないな、こんなふうに考えるわけであります。
 なお、国際電気通信事業者につきましても、KDDの方は収益は二千五百億円余でございますが五・七%減、それから費用は四・九%減、それで経常利益は一一・九%の減ということで、二百六十億円の経常利益になっております。国際系のNCCは二社でございますが、これは売り上げは前年度に対して七・六倍の二百九十億円でありますが、費用も前年度に対して八九%の増しということで、経常利益はトータル百三十億円のまだ損失になっております。
 同様に市場を見ましても、これは実質平成元年度と二年度だけの競争でございますが、KDDに対してNCC二社は一〇・八%のシェアマーケットを持っておりまして、国内市場に比べれば短期間の間に極めて大きなシェアを持ち出したというふうに言えるかと思います。
 なお、さっきの投資の問題でございますが、KDDも売り上げに対して二二・四%の五百六十九億円の投資、それから国際系については売り上げに対して五九・七%の投資、百七十三億円でございます。やっぱり国際系の方も新しい路線拡大等について引き続き毎年二百億円の投資は必要かと見ておりますので、国内のNCCと同様にまだ財政基盤の安定には相当時間がかかるのではないかというふうに見ております。
○及川一夫君 企業ですから、それぞれ個別に問題点を洗っていけば、大変いろいろな問題が存在していることは事実だと思います。今局長からお話のあったのは六十六社総じての話でありますし、NTTと対比しての御報告あるいはKDDと対比しての御報告ですから、それはそれ自体として受けとめたいというふうに思うのであります。
 要は、これから一体この電気通信事業の競争という問題をどうしていくのか、公正競争という条件をどうつくっていくのかというのは依然として課題としてあるだけに、やはりすべての企業の動向というものを前提にした論議も必要だけれども、何といっても競争に耐えられるという条件があるという前提に立ては、NTTを相手にすれば、このNCCという一つの第二電電的なものであろうというふうに思うんです。
 トータル的にいろんな問題はあるんでしょうが、しかしこの事業の発展というのは日進月歩というふうに私は見ています。それこそ第一種事業者の収入というものを見た場合には、六十二年度で二百億だったものが、現在では四千百億というふうに言われている。それこそ毎年三・五倍、二・五倍、二倍というふうにふえていっている状況です。これはこれとして僕は多とすべきだと思う。NTTの伸びと比較をするとどんどん大きくなっていっていますからね、電気通信事業全体が。その限りにおいても成功の一途をたどっていると言ってもいいだろうと思う。
 ところが、今度は同じ土俵の上でNCC対NTTというとらえ方をしていくと、やはりNCCがふえればふえるほどNTTが、その角度は別ですけれども、どうしても下降傾向を見せるということになるし、同時に比較をする場合に、例えば全体を比較すると、それこそシェアの数字としてはNTTが全国の八八%のシェアを今もって握っている。NCC関係は一二%しかない。こうなるが、それならば政令指定都市所在間ということで把握をいたしますと、NTTが八二%で、そしてNCCが一八%という形になる。そして、東名阪、つまり東京−名古屋−大阪間の通話というものを、市外回線の利用状況というものを見るとどうなのかということになれば、NTTが六一%でNCCが三九%というふうに拡大する。六対四というところまで現実にいっておるわけです。
 しかも、この電気通信事業というのは、どうしても企業とか産業とか人間がいなければ成り立たないところでございますから、そういう集中しているのはどこかといえば、御案内のように東京であり、名古屋であり、大阪でありというふうになる。都市部に集中する。そういう都市部で競争を大いにやっている。
 そういう関係からいえば、それこそ全国的なトータルで比較をして今日の競争の条件というものが一体いいのか悪いのかというふうに論ずることが果たして正しいのかどうか、もうそろそろそういう意味ではそれこそ公正な立場で条件精査というものを私から言えばすべきではないのか、こういうふうに率直に言って思っているわけでございます。その点についていかがなものかということを尋ねておきたい。
○政府委員(森本哲夫君) 競争の実態については、確かにおっしゃるとおり、競争のスタートの時点から今日までの間さまざまな変遷があって次第にNCCが新しい顧客を獲得してきておるということは確かであろうと思うのであります。
 ただ、お話の通話の具体的な中身について先生のお示しの数字、私ちょっと対応するものは持っておりませんが、例えば平成二年度で全通話が、日本じゅうがかけました通話は年間七百五十億回かけておるのでございます。このうちNTTの方は七百二十六億回、NCCが二十四億回ということで、通話全体にすれば三・三%のシェアだというような状態になっております。確かに東阪間、東名阪みたいな御指摘もございましたが、相当のシェアもNCCは新しく獲得はいたしておるようでございます。ただ、日本国じゅうの全トラフィックヘの占める割合というのは、東名阪では一%だということもございますので、そうするとそのうちの何ぼかという理屈になるのかなという気もいたします。
 いずれにしましても、この数字は数字としてよく観察をいたさなきゃならないわけでございますが、私どもとしては別に数字の動向に一喜一憂したり関心を持ったりするのではなくて、もともと六十年の電気通信の改革というのは独占のところに競争を入れる、競争によって料金が下がってくるという利用者の利益を確保するというのが目的ではなかったか。そうした意味では、私どもとしてはおっしゃるように土俵づくりという、公正有効競争条件の整備をすることが我々の仕事だろう、こう思っておるわけでありまして、殊さらシェアが少ないとか多いとかで新規事業者の育成保護を図るというような考え方にはさらさら立っていないところでございます。
 私どもとしては、できるだけ公正な条件での競争が図れるように努力をすることがこの改革の目的であると。ただ、特に我が国の場合の経過からしまして、よその国と違って、NCCはNTTの市内網に接続をして初めて事業展開が可能になる、これはもう長距離であろうが携帯電話であろうがすべてNTTの市内網に依存せざるを得ない、そういう特異な市場構造にございます。したがって、その競争条件の整備というのは相当きめ細かくいろんな面にわたりまして整備を図っていかなきゃならないわけでございます。
 この辺の基本は昨年三月のNTTのあり方に関する政府措置ということでございます。現在、事業部制の導入の徹底だとか、あるいは移動体の分離の問題とか、その他細かいことにわたる公正競争条件の整備についてはさらに積極的に推進を図ってまいりまして、より活発な競争が行われて利用者に利益が還元されることを目的といたしたい、こう考えているところでございます。
○及川一夫君 これもまた電波利用有料化の問題と絡めましてかなり議論をしなければならない問題だと思いますが、率直に申し上げましてやっぱり料金が高いか安いかということになると、安い方に行くのは当たり前ですね。例えば、国会の議員会館なんか見ましても、私なんかはNTT出身なものですからNCCに持っていけないんですよ、義理がありまして。だけども、ほかの皆さんはどうか私知りませんが、かなりの部分やっぱり安い方に流れるのは当たり前ですね、これは。
 そうすると、料金政策上の問題として、なぜ二〇%の差が常にあるのかということが問題になるでしょう。NTTが悪いのならNTTにやっぱり注文つけなきゃいかぬと思いますよ、なぜNCCと同じようにできないんだという。そういうことが具体的な問題に当然なってくるし、同時に、NTTはとにかく明治時代からの事業ですからいろんなものを抱え込んじゃっているし、それでネットワークとしては市内回線も全部持っているわけですから、負の部分というのはたくさん持っているわけです。
 しかし、新しい会社というのはもうディジタルですからね。すべて新しいんです。もう完全に合理化された形でぼんぽんと回線が張られていくわけですから要員も少なくて済む。それから、サービスの問題でも、市外回線ですから端末機まで細かくやるなんということはやらぬでもいい。その部分は全部それこそNTTに対して支払っているんだという発想でいくわけですから、かなり条件的な違いがあるとい一つことを私はとりあえず指摘をしておきたい。時間をかけて論議したいということを申し上げて、次の問題としてNHKの問題に移らせていただきたいというふうに思います。
 まず、同僚議員が基本的な部分について郵政の立場並びにNHKの考えをお聞きいたしました。そこで、私の方から第一に聞きたいのは会長辞任問題と郵政省の関係なんです。
 これは、もうNHKは極めて自主性を尊重された企業というか公共放送ということで存在しておりますから、同じ監督という意味でもちょっと違った対応をしなければいけないし、かゆいところに本当の意味で手が届いてやるような形にはならない。その辺は経営委員会を中心にしてNHK自体がやるところだというふうにまさになっておりますからおのずから限界はあると思うんです。
 ただ、どうしてもお聞きしておきたいのは、一つは四月の二十四日、衆議院で問題が発生をいたしましたね。それで二週間後に、五月の七日なんですが、郵政省からNHKに照会があった。二週間過ぎて郵政省がNHKに、口頭だと思うんですが、照会をしたというのは、一体何が動機でそういうことが起こされたのかということをまず第一点聞きたい。
○政府委員(小野沢知之君) お答えいたします。
 その照会の契機でございますが、四月二十四日の衆議院の逓信委員会におきまして、島前NHK会長のBS3H打ち上げ時の所在に関する答弁につきまして、同委員会の委員長から郵政省に対して調査の要請があるなど、その真偽について疑問が持たれる状況にあったということで、郵政省としては事実関係等を把握する必要があると判断してそういう措置をとったということでございます。
○及川一夫君 時間がそうたくさんありませんから、私の方からちょっとまとめて申し上げますと、その動機が私ははっきりしないというのと、それから七日に照会をして八日に再度照会をして、そして九日の日にNHKがヒューズ管制センターにいたということで前とは違うということをはっきりさせた。そして、それから約四十日間過ぎて郵政省からNHKに再度照会をしている。文書でもって照会をされている。そこで初めてロサンゼルス市内のホテルニューオータニにいた旨の回答があって、いわばうその答弁をしているということが政治的な問題に私はなったんだと思うんです。
 こう時系列的に並べていきますと、郵政省自体なのか、あるいは別の動機があってこういう照会行動に出られたのか、その辺がはっきりわからないわけですよ。この点とうなんですか。
○政府委員(小野沢知之君) お答えいたします。
 当時ちょうど郵政省のそういう人事異動を前後とする時期であったわけでございますが、放送行政の責任者として新たに任命された私といたしましては、その当時の状況を判断いたしまして、やはりNHKと国会との関係、あるいはNHKと郵政省との関係において事実関係をきちんとしておく必要があると。そのためには文書によって質問し、文書によって回答を得る、そのことがいろんな問題を判断し、確定していく上に大事なことであろうという判断で、私の責任において文春で照会をした、こういうことでございます。
○及川一夫君 五月の八日、九日の時点でGEのヘッドクォーターにいたという従来の回答が変わったということがはっきりしましたね。当然これは大きな問題になることは事実でありまして、それが四十日間何で放置されたのかということは、人事異動のせいだと言うが、人事異動のせいでこの問題が郵政省としてそのまま放置をしておくというのは私はちょっと解せない、対応として一体どうなんだろうということが一つの問題であります。
 それから二つ目には、確かに衆議院で起きた事件であります。しかし、会長がやめるというところまで発展するということになれば参議院もただごとじゃない、こう見るのは当たり前ですね。しかし、これまでの間郵政省の方から事態はこうなっていますという報告を受けたこともないし、我々の方も一体どうなのかということについて、それぞれ個別に聞いてはいるものの、まとめて聞いたことが実際存在しません。非常に私はそういった点では郵政省の対応は、一定の限界はあったにしても、委員会での出来事に対してもう少し省として責任ある対応をすべきじゃないのか、事態の状況ぐらいは教えてもらってもいいのじゃないか。
 我々自体は新聞並びに週刊誌だけ見ているという形のものであります。もちろん、我々は読んではいますよ。聞いてはいるけれども、当事者に聞けば、いや、あれはちょっと会長の勇み足でしてぐらいの話しか絶対出てこない、これは。だから、やっぱり責任ある対応ということになると、そういった点を私は、今後もあることでしょうが、ない方がいいんですが、ぜひ郵政省の対応はもっと真剣であってほしいし、我々に対する責任、我々も責任を持ちますから、そういう対応については十分考えていただきたいということをまず指摘をしておきたいと思います。
 それでは、次の問題として経営委員会の問題なんであります。
 経営委員会が最高の責任ある委員会ということになっています。ある意味では株主総会も兼ねていると私は思っているのであります。ですから、経営委員長の責任は非常に重い。経営委員会全体の責任も非常に重い。それだけに私は経営委員会で決めたことに対する責任が非常に重いと思うんです。
 ですから、個人の名前を出して大変恐縮なんですが、前々会長ですか、池田さんが会長をやられて不幸な事態になっておやめになりました。その際には磯田経営委員長もおやめになったんですね。事情は我々よく知っているつもりですからそれ自体とやかく言いませんが、一つの責任のとり方かなと、こう思ったのであります。しかし、今回の問題は不祥事ということがくっついて会長がおやめになるという事態、それに対して一体経営委員会としてはどういう責任意識を持っておられるのかということが非常に心配であります。
 私は経営委員長が、きょうは一般質問でありますからともかくとして、NHKの決算の際には出席をされて、その間の事情とかそういったものについてはっきりと我々に述べるべきではないか、そうして経営委員会自体が命後一体どう対応されるのか、そのことについても経営委員長として少なくともしっかりした方針というものを我々に明示をすべきではないか、こう実は思っているわけでございます。
 郵政大臣、大変恐縮なんですが、この辺はいかがなものでございましょうか。
○国務大臣(関谷勝嗣君) るる今回の問題につきまして御指摘があったわけでございますが、経営委員会の問題がつまた郵政省の対処がいささか遅かったのではないかというような問題等々御指摘があったわけでございます。
 前段の郵政省の対処でございますが、私たちも大変厳しい目では見ておったわけでございますが、委員会での虚偽の発言であったというようなことがございまして、決して責任回避をするわけではないのでございますが、委員会の動きを見ながら対処しようとしたのが私の判断でございまして、世間でおっしゃられますように、いささか遅かったということであったと思います。したがいまして、その点は反省するべきことでもあろうと思いますが、しかし私はやはり国権の最高機関でございます国会の委員会の動きをまず見たということが正直のところでございます。
 かつまた、これはNHKの会長等からもお聞きいただくとそういうような答弁が出るんではないかと思うわけでございますが、確かに今日までの経営委員会のNHK全体に対します。その責任、自覚というものが私は十分でなかったと思っております。ですから、この機会に今後は経営委員会もしっかりとしたNHKのあらゆる分野に対します考え方といいましょうか、努力をしてもらわなければならない、そのように認識をいたしております。ですから、私はこのことは経営委員長にも個人的ではございますが注意をいたしました。
○及川一夫君 経営委員会の問題は、またNHKの決算の際にぜひ出席を求めるようにしたいと私は思っておりますが、郵政大臣からも不十分というお答えをいただきました。我々はなじるだけじゃどうにもなりません。せっかく法律で決められて、そして経営委員会がしっかりやれということになっているわけですから、それに即応したものにしなければいけない。
 聞いてみますと、会長人事を決めるだけが経営委員会だみたいな意識を持っておられる方がどうもおありなようなんですよ、経営委員会自体の中に。そして、そんな状況なものですから、今度はNHKの側は、何にも知らない経営委員の連中にとやかく言われてたまるか、おれたちが要するにやり、やいいんだみたいなお話をされる方もいるんですよ。そうすると、一体経営委員会とは何なんだということが出てまいります。
 物のついでで悪いんだけれども、監事って何なんだということも私は正直言って疑問になるんです。監事のほかに、内部監査だけでも監査室がありますよね。そこでチェックしたものは何一つ我々には出てこないわけ。しかも、監事のお仕事は何か全部をチェックする機能だというふうになっているようなんでございます。普通、我々の常識からいうと監事というのは、俗っぽい言い方だけれども、会計監査的な意味合いが含まれてあるはずなんだけれども、NHKに限っては監事の仕事はそういうものじゃなしに事業全体をチェックしていく、あるいは会長以下の行動をチェックしていくというようなことがどうも含まれているようでありまして、お金の方はどちらかというと内部監査としての監査室、それに会計検査院ということになっているようなんですよお。しかも、その監事が三名おられる、三名。
 こう考えてまいりますと、経営委員会と監事というのは一体何だろう、どういう関係だと。経営委員会が確かに任命はするんですよ。それで、監事の意見書というのを見たら、何と業務報告と同じじゃないですか。業務報告をぐっと縮小しているだけなんです。こうあってほしい、こういう意見を持つというようなことはもう何一つない。三年間読んでみました、三年間の分を。と私は受けとめているわけでして、この辺は改めて我々は検討をしなきゃならぬ問題がなという感じがしていることを申し上げておきたいと思います。
 そこで、検査院に僕はお伺いしたいと思います。
 検査院の報告もずっと三十数年間というか、我々がNHKというものの存在をはっきりさせて、まあ七十数年の歴史はありますけれども、会計検査院の報告書は何一つ問題がないでずっと来ているんです。これは結構な話だと思う。だけれども、そんなに検査院が見ても何一つ問題がないというふうにおっしゃるなら、今回嫌らしい怪文書がわんわんと出てますよね。一体これは何だろうと。NHK自体の締まりのなさかと、あるいは別の要素があるのかないのかということを根掘り葉掘り聞きたくなってしまうんですけれどもね。
 そこで、検査院にお伺いしたいのは、あなたのところにも恐らく怪文書らしきものが私は行っていると思います。そういうのを挙げたら十六ぐらいある。NHKリポートという名称で来ているんです。真偽のほどがわからぬな、これはしかし感覚の違いというか受けとめ方の違いなんというのもあります。
 ですから、全部すべて真実だとは申し上げないんだけれども、例えば外国の番組ソフトですな、これを九百本購入したと、こうあるわけ。そのうちの一部百五十本を特定の国から買っている。二十億円だと書いてある。ということになると、当然会計検査院が目を通す場合に、一年で買ったのか二年で買ったのかということはありますが、しかしやっぱり億単位で出た場合にはかなり目につく支出であることは間違いありませんね。
 あるいはチケットという問題。歌舞伎座、新橋演舞場、何か最近チケットを購入しているということが言われている。それも一枚二枚なら当たり前だが、百枚二百枚という単位で何で新橋演舞場のチケットを買わなきゃならないのか。歌舞伎座のチケットをなぜ買うのか。買ったはいいが、一体それはどう処理されているのかということは、どう見たってこれは疑問が出てきます。NHKは何でそんなことをしなきゃいかぬのか。しかも、それが番組制作費の中で処理されているという話とか、それで飲んだ食ったの話というのは余り格好のいい話ではありませんが、公私混同があるということなんでしょうね。そういうことまで要するにうたわれているのが十六項目あるんです。
 検査院は、今検査中かどうか知りませんけれども、お聞きしたいんだけれども、一体検査に当たっての基本というのがどこにあるんだろうと。そんな多額の、百億になんなんとする、超えるような金額があったら当然検査の対象にはなっているはずだがと、こう思うんですが、いかがでしょうか。
○説明員(渡辺孝至君) お答えいたします。
 ただいま先生から御指摘ございました週刊誌等で怪文書として取り上げられたものと似た内容のものが本院にも送られてきております。御指摘の文書につきましては、本年八月の二十六日から三十日までの間に日本放送協会本部の検査を実施するに当たりまして参考にいたしております。
 なお、検査結果につきましては現在検討中でございますが、私どもの日本放送協会に対する検査は、協会が公共放送事業の実施主体であり、その経営の基礎を視聴者の方々からの受信料に依存しているということを十分に念頭に置いて、厳正に行っておるところでございます。
 ただいま御指摘ございました外国からのソフト購入あるいはチケット購入、特に外国からのソフト購入については、一般的に金額の大きい契約になるのではないかという御指摘でございますが、こういった大きな金額のものにつきましては検査の際に契約関係書類等について調査をいたしております。これらを含めまして現在検査結果を検討中でございます。本年の検査結果の検討に当たりましても、さらに厳正に行ってまいる所存でございます。
○及川一夫君 今、検査で分析中ということですからこれ以上検査院には申し上げませんけれども、少なくとも週刊誌という意味、それからスポーツ新聞であれ一般の商業新聞であれ、もう国民の目に触れている問題です。私は別に怪文書だということを断定して言っているわけじゃない。今何が真実がというのはわかりませんから、そういう意味で怪文書的な言葉の使い方をいたしましたが、恐らくかなりの真実が含まれているであろうと私は逆に想定しているわけです。
 特にソフトの問題などでは、あの内部の指摘によりますと、とにかく三分の二は放映に値しないというふうに実は言われているんです。もちろんこれは、作品をどういうふうに評価するかというのは、それぞれのやっぱり専門、それぞれの知識によって違うと思います。ですが、NHKの内部でそういう議論が存在するという前提であれが出てきているわけです。しかも、このソフトの問題については、会長みずから最初から出ていってソフト購入をしたというわけですから、責任者の意欲としては買うにしても、しかしこういうソフトを買う場合には、そんなに豊かな予算じゃないんですから、当然ソフトのよしあし、どのくらい購入するかという問題を含めて私はなされるんだと思うんです。これはNHK決算の際にでも聞かなきゃいかぬと思ってますが、こういうソフトを買う場合に内部で一体どういう手続とどういう協議があってなされるのかということだって本当に気になりますよね。
 そういうような問題がすべて含まれているし、それでトータル的にはリベートがあるぞみたいな話にもつながっていくわけですよ。こういうものが国民の目についているわけですから、これは一体どうなるんだ、NHKは本当にそうなのか、番組自体についてはなかなかいいものをやってはいるがということで、一応トータル的には理解されておりますが、しかし今出されている問題について一つ一つ、NHK自体も当然ですが、検査院もやっぱりこたえていかないとNHKの信頼回復というのは容易でない、こんなふうに率直に言って思っているわけでございます。そういった点を指摘しておきたいというふうに思うんですが、郵政大臣、この辺いかがですかね、これ。
○国務大臣(関谷勝嗣君) その内部の問題につきましては私もちょっとわかりませんが、いずれにいたしましても、そういうことが内部から流布されることのないようなやはり体質改善、トップのメンバーがなお一層襟を正して対処をしていくというようなことは、また私たちも厳しく見ていきたいと思っております。
○及川一夫君 NHKの問題はきょうはもうこの辺で終わらざるを得ませんが、放送行政局長にちょっとお伺いしたいんですが、局長、郵政省の立場でですな、ソフトのリスト、これは僕はNHK決算の際に要求しようと思っております。九百本ですからね、一体どういう内容のものがあるんだろう、その中で一体放映されているのは何本あるんだということだって非常に気になりますね。
 きのう何かNHKで、七時五十分から、事実上起こった飛行機事故を描いたものがあるんですが、これをめぐっても、こんな映画はしかしNHKで放送すべきものかどうかという議論もあるやに聞いているし、一、二電話がかかってきたりなんかしました。NHKは変わったのかなという話です。そういうふうに受け取る人も、うんすばらしい、いいじゃないかと言う人もいると思います。
 どちらにしても僕らから言えば、そういう多額のものについて、九百本ですから、何に使うのかというようなことを含めて要求をしたい。ソフトのリストを出してもらいたいということを私は要求するつもりでおりますが、局長としては関心ないですか。
○政府委員(小野沢知之君) お尋ねの件ですが、まさに放送番組にかかわるという点で非常に私ども慎重に対処しなきゃいけないんですが、また一方NHKの経理が適正であるかどうかという観点からは、会計検査院の存在等もあることですし、そういう意味で検討させていただきたいと思います。
○及川一夫君 終わりたいと思いますが、どちらにしても、これだけの問題が起きるというのはやはり内部的な体制が一番問題になるんでしょうね。ですから、私もいろんな意味でNHKのこれからの動きを注目したいと思いますが、細かいというか、やはり本当にNHKはどうあるべきなのかということについては次のNHK決算の際に論議させていただきたい、こういうふうに思います。私も問題を指摘しながら、NHKの果たす役割というものが大きいだけに、我々は一体これでいいのかということを含めた意味での質問をさせていただきました。その点を御理解いただきまして、次の機会にまた譲らせていただきます。
 ありがとうございました。
○委員長(粕谷照美君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   正午休憩
     ―――――・―――――
   午後一時三分開会
○委員長(粕谷照美君) ただいまから逓信委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、郵政事業及び電気通信事業の運営並びに電波に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○関根則之君 NHKの会長さんが任期途中で辞任をなさるという事態が発生をいたしたわけでございます。あれから新しい会長さんに御就任をいただきまして二カ月近くになるわけでございます。国民の信頼に与えました影響も少なからぬものがあったと思いますし、また新会長さんも信頼の回復を得るべく一生懸命おやりになっているというお話を伺っているわけでございますが、この際、国民の信頼を回復いたしますためにNHKとして今後どのようにやっていらっしゃるのか、お考え方をまずお聞きしておきたいと思います。
○参考人(川口幹夫君) NHKの会長として改めて国会の権威と尊厳を傷つけましたことをおわび申し上げたいと思います。そしてまた、視聴者に多大の不信感をお与えしたことを率直におわびしたいと思います。
 私は、そういう基本的な姿勢に立ってこの五十日余りを過ごしてまいりましたけれども、何よりもまず信頼の回復ということを前提にしていろんなことをやってまいったつもりでございます。特に、いろんな形でNHKの今やろうとしている方向がどこを向いているのか、あるいはどういうことをやろうとしているのかということをはっきりと率直に申し上げる必要があるというふうに思いまして、番組にも出演をいたしましたし、それかから記者会見等におきましてもそのことを発言いたしました。
 さらに、いわゆる取材というものを受けまして、雑誌、新聞を初めとしていろんな形での取材にほとんど全部お申し込みを受けております。すべてこれに対しては全部お答えするという姿勢を貫いてまいりました。ということは、できるだけ暗いというイメージとか、あるいは信用ができないというふうなイメージがまずなくならないと信頼の回復はできないというふうに思ったわけでございます。そういう点では、この五十日間は、専ら私が外との窓口といいますか、開かれた窓になって、そこでいろんなことをお話し申し上げた方がいいというふうに考えたわけでございます。
 その間に視聴者会議というものを一遍開きました。それから、番組審議会は中央と地方と二回、東京で開いております。いずれも率直な御意見を承りました。こういうものを前提にして今後は具体的な政策、具体的な例えば番組のつくり方等々について積極的に推進していく覚悟でございます。
○関根則之君 この前の午前中の質疑にもございましたように、衆議院の委員会におきましてああいう事実と異なる答弁がなされたということは、議会の運営なり委員会の審議の仕方というものについて多少とも経験なり知識なりある方からすれば、これはもう常識外の問題だと思うわけでございます。ああいう問題につきまして補佐が必ずしも十分でなかったという先ほどの御発言もあったわけでございますけれども、具体的にやはりシステムとして、国会に会長が出てきて答弁する以上は、それの準備もきちんとし、また発言なさったことについてNHKに戻ってからいろんなチェックをしていくということは、これはもう各省もみんなやっていることですし、当然のことだと思うわけでございます。
 先ほどの御答弁では、役員の一体化を図って一致協力して間違いのないようにしていきたいというようなお話がございました。確かに、NHKのような非常に大きな組織になりますと、トップに立つ人がリーダーシップをとらなきゃならないという面は当然あるわけでございますけれども、どうしても神様みたいな形に会長さんがなってしまうということになりますと、裸の王様ではございませんけれども、状況、全体の実情がトップまで上がっていかないという面も出てくるんではないかと思っております。そういう点、おさおさ怠りはないと思いますけれども、十分御注意をいただきたいと思います。
 しかし、これは単に一体化を図っていきますと言うだけではだめなんだと思います。実際それが効力を発揮いたしますためには、それなりのシステムなり組織づくりなりあるいは仕掛け、そういうものが必要になってくるんではないかと思いますけれども、何か具体的なそういった組織的な運営の改善策みたいなものをお持ちなのかどうか、おありになりましたら教えていただきたいと思います。
○参考人(川口幹夫君) 当然御指摘のようにいろんな形をはっきりととって諸事進めていきたいということでございまして、まずは毎週役員会、理事会というのを二回ずつ必ずこれは招集をして、そこでいろんな意見を言ってもらっております。例えば、私の発言をどのような形で実現をしてもらうのか、そういうことまで含めまして細かい討議を進めております。
 一方では、経営委員会との関係というのが、これまでは余りそういう議論をする場ではどうもなかったようなところもあります。したがいまして、これは経営委員長さんといろいろお話をしたんですが、大きな議題のときは、一回、二回ではなくて、三回でも四回でも徹底的に議論をして、NHKの将来方向についてはっきりした目標を定めて進めていこう、こういう話をしておりました。来年度の予算につきましても早速十月からいろんな議論をしてまいりたい、このように考えております。
 それから一方では、現場の意欲というものを吸い上げて、その現場をいかに生かすかというのが経営の大きな役目であろうかと存じます。したがいまして、そういう現場との接触といいますか、的確に私が意見を聞くという場を幾つも設けて誤りなきを期したい、このように思っております。
○関根則之君 ともかく人材が大勢集まっている組織であるわけですから、職員の末端に至るまでそれぞれの能力を十分に発揮して、全体としてのNHKが公共放送としての機能を視聴者や国民の期待に沿って十分発揮していただきますよう、そういう総力体制をつくっていただきますようぜひお願いを申し上げておきたいと思います。
 そこで、ちょっと国民のサイドからよくわからなかったんじゃないかと思うんですけれども、NHKの経営委員会というのが果たしてどこまで、どういう仕事をやっているのかどうも余りはっきりした形で見えてこないという面があるんではないかと思います。先ほど大臣の御答弁の中にも、経営委員会に対しましてもうちょっとしっかりするようにといいますか、今回の事件の問題等につきまして二度と起こらないような形で注意喚起をしておいたというお話がありました。ぜひひとつそういう意味で十分役所のサイドからも経営委員会を通じ、またNHKの会長さん、役員を通じて間違いのない運営をしていただきたいと思うわけでございますけれども、それに臨みます大臣としての所見がございましたらお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(関谷勝嗣君) 先生御指摘のように、経営委員会といいますものが正直申し上げまして今まで形骸化しておったのではないだろうか、あるいはまたその目的、職員を十分に果たしてなかった、そのように思うわけでございます。このことは、先ほど川口会長さんも答弁をされておりましたが、そういうようなことも今回の問題でお気づきになられて、そのようなまた改善も行うというふうにおっしゃっていらっしゃいますが、私もそのことは今後しっかりと指導、監督をしていきたいと思っております。
○関根則之君 ぜひひとつそういうことで大臣にもお願いを申し上げておきたいと思います。
 前の会長さんは、NHKの関連団体の再編成の問題でありますとか、また関連事業を相当積極的におやりになっていたと伺っておりますけれども、新会長さんとして、これらの事業につきまして今後どういう方向で連営をなさっていくのか。前会長の意思に沿っていく面ももちろんあるでしょうし、また逆に多少の変更をしていかなければならない面も多々あるんではないかと思います。
 特にソフトの開発の問題あるいは購入の問題等がございますけれども、こういった問題につきましても、いわばNHKが業界におきますソフトの独占をするんではないかといったような意見も聞こえてくるわけでございます。民放との兼ね合いの問題につきましても、すみ分けをどうしていくのか、協力関係をやはりきちんとしていかなければならない面も多々あろうと思うわけでございますけれども、こういった面につきましての会長さんのお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○参考人(川口幹夫君) 関連団体とのいわゆる協業でありますけれども、大きく分けて二つの面があろうと思います。一つは、番組の制作の面であります。一つは、ソフトの調達の面でございます。
 まず、制作のことについて申し上げますと、これまでのNHKはどちらかというと自己完結型といいまして、自分のところですべてやってしまおう、したがって外部からは一部の映画を買うとか、そういうふうなことしかなかったわけですね。それをずっと続けてまいりましたけれども、時代の進展に伴って、やはりそれだけではとても全部を賄い切れないというふうな内部的な検討の結果、関連団体での番組制作もやろうということに踏み切ったわけです。
 現在、番組制作をやっているところは大きく分けて三つあるんですけれども、そこに出す基本的な方向としては、自分のところでやること以外にそういう関連の会社がつくることによって、いわゆる競争原理というものを働かして、よりよきものをお互いに競争し合ってつくろうという考え方を導入したいということでございます。
 そのほかに、番組自体をいわゆるNHKの関連会社だけではなくてよその製作会社、民放系と言っておりますけれども、そういうところの制作も買い入れることにしたいというふうなところまでいきまして、いわば自己完結型を全面的に守ることをやめて、多分に外部との協力の形でもって制作を充実させていこう、こういう考え方をとっているわけでございます。
 ただ、その番組制作というのはなかなかこれは難しゅうございまして、いわゆる制作の基本にあるのは人でございます。ですから、その人をいかにして育成するのか、あるいはその人にどういう仕事をさせるのかということが当然一番大きな問題になってくるわけでございますから、関連団体をつくったからといって安易にそのことに甘えてはいられない。ですから、そういうところまできちんと私はNHKの経営が見ていかなければいけない、このように考えております。
 それから二番目に、いわゆるソフトの購入、流通の問題ですけれども、これには多分に制作を外注するのと違った考え方をとっておりまして、例えばこの前設立いたしましたMICOという会社なんかは、いわばNHKだけのものじゃなくて、これは広く放送界全般あるいは映像メディア全般のソフトの流通に非常に大きな力を尽くそうということでつくられたというふうに趣旨は聞いております。私もその趣旨は非常にいい趣旨じゃないかと思うんですが、まだそこまでいっておりませんけれども、本来日本の放送界あるいは映像の世界の発展のためによかれと思ってやるのがそういう会社の設立の場合は一番犬事じゃないか、こういうふうに考えております。
○関根則之君 個別の問題になって恐縮なんですけれども、緊急警報放送という名前ですかね、月に一遍NHKはおやりいただいていると思います。これは静岡県の前の知事さんをしておりました山本敬三郎さんという方が大変熱心に推進をして、NHKやほかの、郵政省にも多分入っていただいたんだと思いますけれども、いろいろ御審議をいただいた結果、特に地震のときの警戒宣言でありますとか、あるいは津波警報、火山の爆発、こういったようなときには、特に夜中にそういう問題が起こったときに、寝ている人を起こしてまで情報伝達をするという手段として大変有効ではないかというふうに私自身も考えているわけでございます。
 何かお聞きいたしますと、残念ながら機器の関係で大変普及がおくれているんだということをお聞きいたすわけでございますけれども、今後ともひとつこの放送はできるだけきめ細かにやっていっていただきたいという希望と、それからもう少し普及をさせていくような手段、方法はないのかどうか、その辺につきまして御答弁をいただければありがたいと思います。
○参考人(川口幹夫君) 緊急警報放送につきましては、私が専務理事で放送総局長をやっているころに実現をしたものでございます。あのような緊急の放送というのはできれば使われないのが一番いいんですけれども、ただ本当に万一ということがございますので、できるだけそういうことについては皆様方が安心していられるようにすべきだ。したがって、できるだけ機器も普及させたいし、それから緊急放送のやり方などについても間違いのないようにしようと改めて思っております。
○関根則之君 放送の公共性ということを考えた場合に、やはり災害時に本当に信頼されるような情報を的確に適時流してやるということが大変重要だと思います。直接人命にもかかわる問題でございますので、ぜひひとつ今後そういう面につきましても力を入れてやっていただきたい。お願いを申し上げて、NHKの関係は結構でございます。
 この前八月にBS3bの打ち上げが成功を見たということで、大変関係者の皆様の御苦労に感謝を申し上げるわけでございます。この打ち上げによりまして、衛星放送の三チャンネル体制でありますとか、あるいはハイビジョンの関係の実験放送も可能になってくるということでございまして、力強い限りでございます。
 具体的な問題といたしまして、今後のBS3bの運用のスケジュールにつきましてお話を伺いたいと思います。
○政府委員(白井太君) 打ち上げ後の経過につきまして簡単に御報告をさせていただきたいと思いますが、先月の二十五日に種子島から打ち上げられました。その後、二十七日にはもう三万六千の高度の円軌道に乗りまして、二十八日に太陽電池のパドルと申します羽根のようなものを広げるのにも成功いたしました。順次静止位置の百十度に向かって移動しておったわけですが、九月十日の日に一応東経百十度の静止位置に静止包いたしました。
 そして、たまたま本日から今度は中継器の方のテストというのを開始したわけでありますが、これまでの間すべて正常に働いておるということでございます。さらにこのような実験を続けてまいりまして、うまくいけば十月の上旬には実際の放送に利用できるのではないかというふうに考えておるところでございます。
○関根則之君 今から三十四年前になりますけれども、一九五七年の十月、ソ連の初めての人工衛星スプートニクが打ち上げられました。私、たまたまそのときにはアメリカにいたわけでございますけれども、アメリカ人に与えたショックというのはこれはもう大変なものがあったわけでございます。それをつぶさに経験をさせていただきました。その後、アメリカが追いつき追い越せということで月に人類を初めて送り込んだというような技術開発もなされているわけでございます。
 科学技術が先行しているそういう国だけがやはり世界の中にありまして経済的にも世界をリードすることができると思いますし、また政治的な影響力を行使することもできるんではないかというふうに考えるわけでございます。科学技術の進歩というものの重要さというものを今さら痛感させていただいておりますけれども、日本がこれだけの衛星を自力で打ち上げるまでに至っだということは大変なことだと思います。これからも、こういった衛星をフルに使いまして、衛星放送の分野でますますひとつ発展をしていっていただかなければいけないと思います。
 これから衛星放送というものが国民の生活の中にびっしりと入り込んでまいりまして、なくてはならないものになってくると思うわけでございますが、こういった衛星放送を推進していくに当たりましての大臣としての見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(関谷勝嗣君) 先般、BS3bが無事軌道に乗ったわけでございまして、その後の各部も順調に稼働をしておるようでございまして、本当に安心をいたしておるわけでございます。
 この衛星放送は、言うまでもなく、一つの波、一波で全国をカバーすることができますし、またハイビジョン放送だとかPCMの音声放送などの高品質の多様な放送が可能となるわけでございまして、先生御指摘のように、こういうようなすばらしい技術の発展、科学の発展というものが国民の一人一人の利便さまた幸福にも直結をいたしますし、国としての経済的な発展にも大きく寄与をするわけでございます。また、メディアの方から言いますれば、我が国の基本的なメディアとして今後大いに発展をしていくものと思っております。また、そういうことを達成することができますようにあらゆる角度から郵政省も努力をしていきたいと思っておるわけでございます。
 また衛星放送、今回3bが上がりましたが、その後継機の段階のことももう既に今準備にも入っておるというようなことで、引き続き努力をしていきたいと思っております。
○関根則之君 郵政三事業の問題について御質問を申し上げたいと思いますが、平成二年度の決算におきましても、郵便、貯金、保険、三事業とも大変順調に推移をしているということでございまして一側同慶の至りでございます。しかし、これらの事業が順調に推移をいたしておりますのも、全国津々浦々二万四千の郵便局がございますし、そこに働く三十万にも及ぶ職員の方々の努力の結果であるというふうに思うわけでございます。これらの事業は、私は郵便事業というのはもともと地域に密着をいたしました草の根の事業である、草の根の事業というのが郵便事業の本質ではなかろうかというふうに考えております。今後ともひとつその本質を忘れないで事業の運営に当たっていただければありがたいと思うわけでございます。
 ところで一方、全国の市町村におきましては、村おこしでありますとかあるいは町づくりでありますとか、その地域の振興のためにいろいろ苦労をしているわけでございます。そういった地域振興方策を進める上で、郵政の事務、郵政行政というものは大変私は関係も深いし、力も発揮できる立場にあるんではないかというふうに考えているところでございます。大いに郵政事業にひとつ期待を申し上げたいと思っているわけでございますけれども、郵政事業を行う立場におきまして、地域社会の振興のためにどのような施策を展開しておられるのかお伺いを申し上げます。
○説明員(五十嵐三津雄君) 今、先生からお話しのありましたように、郵政事業というのは本来的に地域にあまねく公平に国民にサービスを提供するという意味ではまさに地域に貢献し、地域振興を図っていこうという事業のねらいであり、性格でございます。また一方、体系的に考えましても、全国に二万四千という拠点を持ちまして、それが地域の皆さんと密着した格好で国の機関として存在しているという意味では、それぞれの地域のコミュニティー活動の拠点になりますとともに、これをネットワーク化いたしますと日本じゅうのいわゆる情報の拠点になるというような側面も持っておりまして、そういった意味では私ども豊かで住みよい地域社会づくりということに貢献してまいりたいと考えておりまして、地域振興に努めているところでございます。
 先生お尋ねの具体的な内容につきまして少しく申し上げさせていただきたいと思いますが、従来から行ってまいりました簡易保険資金の地方公共団体への融資等に加えまして、最近の施策を若干申し上げさせていただきたいというふうに思います。
 郵便局は、先ほど申し上げましたように、全国津々浦々あるわけでございますが、そういった郵便局のスペースを地域の活動の拠点にしていただいて、例えば展示会を行うとか、そういったことのほかに他の公共施設等との合築というようなことも進めつつありまして、地域コミュニティー活動の拠点として今後とも貢献をしてまいりたいというふうに考えております。
 さらにもう一つは、これも先生から御指摘のあったところでございますが、地場の産業と結びつきまして、例えばこれをふるさと小包という格好で全国に売り出していくというようなことでふるさと小包の開拓、さらにはふるさと切手、ふるさと絵はがき、こういったものを発行するとか、あるいは簡易保険のセンターというようなものを設置、運営をいたしまして、地域の住民の皆さんの利便の向上を図りますとともに、観光あるいは地場産業の振興などに貢献していくということでございます。
 さらに、本年度のサービスとして、窓口のサービスでございますが、外貨の両替というようなことも始めました。さらに、トラベラーズチェックの取り扱いも開始をいたしました。また、住民票の取り扱いなど、こういったもので窓口サービスの多様化を図って、地域の皆さんの利便の向上に努めてまいりたいというふうに考えております。
 それからもう一つ、これは衛星を使いました試行的なことでございますが、全国の郵便局というものを衛星でネットワークをしながら、郵便局の情報のみならず地域の特産物あるいは観光、イベント、こういったものを映像情報という格好で流してまいりたいというふうに考えておりまして、これも今試行を開始したところでございます。今年度、来年度に向かいまして、目下拡張すべく予算要求をいたしております。
 郵便事業、郵政事業といたしましては、魅力ある地域づくり、こういったものに貢献してまいりたいと思っておりまして、今後とも地域の振興に役立つような施策の充実に努めてまいりたいというふうに考えております。
○関根則之君 地域の振興のためにこれからも連携を密にしてやっていただけるというお話を伺って大変心強い限りでございます。
 地方公共団体が起債を起こしますけれども、その原資は昭和二十六年までは一〇〇%政府資金だったわけです。政府資金といいますと、その原資は郵便貯金ということで、郵政の皆様方がまさに集めていただいた金をもとにいたしまして、小学校でありますとか、あるいは町の道路等の整備、福祉施設の整備をやってきたというのが戦後の日本の地方自治発展の一番の基盤の状況であったというふうに考えております。最近では、平成三年度で政府資金は四八・一%ということですから、まあ半分に満たないというような状況になってきているわけでございます。
 こういった貯金でありますとか保険の資金の運用に当たりましても、保険と貯金では大分性格が違いますので、その運用の仕方にもいろいろ差別が出てくると思いますけれども、いずれにいたしましても地域の郵政事業が地域に密着して、そこで行われている。その地域の振興のためにこの資金も活用をしていただく、そういうことでぜひひとつ地域を大事にする郵政事業の展開をお願い申し上げたいと思います。
 ところで、郵政事業を順調に進めてまいりますために必ずしも全然問題がないわけじゃございませんで、最近では労働力確保の問題、要員の問題があるとともに、郵便局の局舎が大分老朽化いたしましたり、あるいは狭腱化しているというような問題もあるようでございますが、こういった郵政事業の基盤整備の問題につきましてどのように対処していっていただけるのか、その辺についてのお話を伺いたいと思います。
○政府委員(早田利雄君) ただいま先生お話しのように、現在郵便物数というのは最近の送達速度の向上であるとかあるいは経済の好況等もございまして、最近五カ年間では三三%の伸びというふうになっております。平成三年度におきましても七%以上の伸びを示しておりまして、そういう中から特に首都圏を初めとした大都市におきまして郵便物数が大変ふえてまいりまして、これらの地域におきましては御指摘のように要員の確保でございますとか、あるいは施設の整備充実というものが大変重要な課題になってきておるわけです。
 私どもといたしましては、これまでもそういう郵便物数の増加に対応するための要員の確保あるいは施設の充実というのを最重要課題として取り組んできたわけでございますけれども、要員面では必要な定員の確保であるとか、あるいはそれが不可能な場合には非常勤職員の雇用であるとか、あるいは作業の機械化、省力化あるいは部外委託等をやってまいりまして対応してきたわけでございます。
 局舎の面でございましては、特にその中でも拠点になります郵便局、大都市や近郊の発展地を重点的にやってきたわけでございまして、特に平成二年の八月には新東京郵便局、東京小包局という郵便のネットワークの拠点になる郵便局の改善もやってまいりましたけれども、しかしながらやはり大都市を中心といたします地価の高騰などもございまして、局舎施設の整備につきましては必ずしも物数増加の対応につきまして十分とは言えない状況にあるわけでございます。
 今後とも、これらのことにつきましては最重要課題として要員の確保、施設の充実を図ると同時に、また効率的な事業運営という観点から機械化であるとか、あるいは情報ネットワークのシステムの構築というようなことにつきましてもさらに推進していきたいというふうに思っております。
○関根則之君 答弁の中にもございましたけれども、最近の地価の急激な上昇によりまして、末端で支えていただいております郵便局の中になかなか私有局舎の維持も難しくなってきているという話を実はちょくちょく聞くわけでございます。こういった相続問題に絡んでの借り上げ料でございますか、そういった問題の改善につきましての要望もたびたび耳にするわけでございます。
 我が国の郵便制度というのは、歴史と伝統というものの中でこれだけ大きなものに育ってきたんではないかと思っております。新しいものを取り入れていく必要もございますけれども、古いよき伝統というのはやっぱり守っていかなきゃならない面も多いと思うわけでございます。こういう面につきましても、これからひとつ十分御配慮をいただければありがたいと思いますけれども、何かお考えがありましたら御答弁をいただきたいと思います。
○政府委員(早田利雄君) 先ほどお話がございました私有局舎の関係につきましては、局舎料の改定も時代に沿った形で改定しておりますし、またお話ございました相続税の対策につきましてもこれからもさらに力を入れていきたいというふうに思っております。
○関根則之君 四全総で多極分散型の国土形成をしていこうということが中心的なテーマになって進められてきているわけでございますけれども、どちらかといいますとむしろ一極集中がますます進行してしまっているというのが我が国の実情ではないか。それに伴って四全総そのものの見直しの問題も起こってきているわけでございます。
 地域の発展のためには、人、物、金、情報、この四つが地方ヘスムーズに移動をしていく、また地域間の交流というものが円滑に行われることが何よりも大切でございます。人、物の移動ということになりますと、これは交通手段でございますから、道路でありますとか鉄道でありますとか、こういったものの整備が必要でありますけれども、金とか情報の伝達、移動ということになりますれば、必ずしも道をつくったり土木工事をする必要はないわけでございまして、まさにここに電気通信の機能の強化といいますか、施設整備を進めていく郵政省の仕事の出番が出てくるものというふうに考えております。
 そういう意味で、情報の拠点をつくっていくために、今までもテレトピア等地域情報化に積極的に取り組んでこられたわけでございますが、来年度の予算要求には情報拠点都市の整備の問題も取り上げられているわけでございます。こういった問題につきましてさらに積極的に進めていっていただけるというお話でございますけれども、この情報拠点都市整備につきましての具体的なお考え方と、できましたらそれに対する大臣の取り組みにつきましての所見をお伺い申し上げたいと思います。
○政府委員(白井太君) 最初に私の方から事務的なことについてお答えをさせていただきたいと思います。
 ただいま冒頭先生が御指摘になりましたように、東京圏の一極集中を解消するというのは国の大変重要な課題となっておりまして、私どもとしても、自分の受け持っております情報通信というものにつきましても、多極分散型の国土形成にお役に立てさせていただきたいということで、いろいろな施策を展開してきたわけです。特に来年度予算の絡みでは、これも先生が御指摘になりましたように、情報拠点都市の整備を図るということで予算要求をさせていただいております。
 これは具体的には、実は情報通信を利用した都市づくり、町づくりということで、数年前から私ども具体的な場所につきまして、大学の先生とかあるいはそれぞれの地域の事業者、産業界の方々等々といろいろ勉強会を続けてきたわけでございます。そうして、そのうちの幾つかの地域につきましては、かなり具体的な都市づくりのイメージが固まってまいりましたものですから、いよいよ私どもとしては正式に政府の施策としてこれをもう打ち出す時期に来たのではないかというような考え方で予算要求をすることになったものでございます。
 具体的には、情報通信機能というのを非常に高度化させたような地域づくりをするということでございまして、そのような町を拠点というような形で全国に配置するということができれば、東京圏の一極集中の是正にも何がしかのお役に立つのではないかという考え方からでございます。
 したがいまして、この点につきましては、関係方面との話し合いというのはいろいろ確かに残されているとは思いますけれども、冒頭申し上げましたように、やはり情報通信機能を分散するというか、情報通信機能について地方の機能アップを図るということは、どうしても東京圏の地方分散ということには必要不可欠だというふうに考えておりますので、積極的にそういう施策の実施に向けて努力をしてまいりたいというふうに考えております。
○国務大臣(関谷勝嗣君) 先生御指摘の情報拠点都市計画の問題でございますが、御指摘のように、今までは一極集中を是正するためには、交通網の整備であるとかあるいは道路網の整備であるとか、そういうような角度から入っていったわけでございます。御指摘のように、今後は何といいましても電気通信施設整備というものを進めていきまして、地域間格差を是正していきたいと思っております。
 昨年度郵政省で初めての公共事業で十億三百万、いわゆる生活関連特別枠というので予算化をいたしまして、今それを進めておるわけでございますが、そういうようなのを見ましても、この拠点づくりが進んでおると私は考えておるわけでございます。各省庁間とも十分に連携をとりまして、むだなダブりというものをなくして、この一極集中是正を進めていきたい、そのように思います。
○関根則之君 終わります。
○中村鋭一君 質問をたくさん用意させていただきましたので、簡潔にお尋ねいたしますから、その根幹に触れるところを簡潔にお答えをお願い申し上げたいと思います。
 まず、BS3bの打ち上げが成功いたしまして、ハイビジョンの試験放送がにわかに現実の趣を帯びてきたわけでございますが、まずその実施計画をお示し願いたいと思います。
 それから、BS4の4チャンネルプランもお教えを願いたいと思います。
○政府委員(小野沢知之君) 具体的な実施計画について申し上げます。
 ハイビジョン放送の実施に深い関心を持っておられます放送事業者とかソフトプロダクションなどが、BS3bの中継器を利用したハイビジョン試験放送の実施主体を設立するために、先般九月十七日に社団法人ハイビジョン推進協会、仮称ですが、この設立発起人会を開催されました。このハイビジョン試験放送の開始は間違いなくハイビジョンの将来に大きなインパクトを与えるものでございますので、本年のハイビジョンウイークの大きな柱の一つとしておりまして、同社団法人の設立によりハイビジョンの日であります十一月二十五日から一日八時間程度のハイビジョン試験放送が開始される予定でございます。これを契機としてハイビジョン普及が一層促進されるものというふうに期待しております。
○中村鋭一君 BS4、チャンネルプラン。
○政府委員(小野沢知之君) BS3aとBS3bの設計寿命はそれぞれ七年でございまして、平成八年ごろにはBS3の後継機の打ち上げが必要となる、そういう状況でございます。そこで、BS3後継機の段階における衛星放送につきましては、本年七月十九日、電波監理審議会の答申を得まして、いわゆるチャンネルプランを変更いたしまして、平成九年を目途に国際電気通信条約附属無線通信規則第十五条の規定に基づき、我が国に与えられた放送衛星業務の周波数のすべて、八チャンネルですが、この放送を開始する旨定められております。
 そこで、このBS3後継機の利用のあり方について申し上げますと、一つは公共放送及び民間放送に対する国民の需要動向、二つ目として我が国初の民間衛星放送事業及び有料放送方式の動向、三つ目としてディジタル伝送技術及び帯域圧縮技術の発展動向、四つ目としてハイビジョン放送の普及の動向、こういった動向を十分に把握いたしまして、これらの問題点について十分検討を行った上で決定する必要があるというふうに考えております。
 私ども検討いたしましたが、こうしたもろもろの状況、それから問題点について見きわめをつけることができる時期として、早くて平成五年を想定しておりまして、それまで真剣に検討いたしまして、その検討結果を踏まえてBS3後継機の利用のあり方を決定し、法令に基づいて放送普及基本計画を定めたい、これを方針といたします。
○中村鋭一君 この九七年のBS後継機の八チャンネルにつきまして、地上波民放は大変な関心を持っているわけでございますが、どうなんでしょうね、二十一世紀の地上波民放というものは、いわゆる東京一極集中というものを見直す契機になりはしないかとも思うんですが、その辺についての御見解をお尋ねいたします。
○政府委員(小野沢知之君) ただいま申し上げました平成五年までに最も勉強すべき課題の一つと視点にとらえておりますが、今のところ具体的にどうということは決めておりませんが、一般論として申し上げますと、我が国の放送は衛星放送、多重放送、都市型CATV、ハイビジョン等の放送のニューメディアが実用化されつつありまして、今後多数の放送事業者の出現が予想されるところでございます。
 そこで、今先生の御指摘のとおり、こういう状況のもとで、特定の法人とか地域に放送局の免許や放送事業者が集中するおそれがあるため、そうしたことのないよう適切な施策を講ずることが必要ではないか、これが検討の一つのポイントだろうというふうに認識しております。
○中村鋭一君 このようにたくさんの人が関心を持っているわけですね。ですから、今お伺いしておりますと、平成五年度でありますとか検討を加えているとか研究をいたしますとかということですけれども、常にやはり国民の関心とそれからそういったものに携わりたいと思っている人たちとの利害の接点を探りながら、可及的速やかにこういったチャンネルプラン、いつでも国民の利害ということを考えてぜひ積極的にやっていただくことをお願い申し上げておきたいと思います。
 それから、これから我々逓信委員会で、来月でございますが、沖縄の方へ視察に行く予定があるんです。沖縄の特に離島地域、NHKは今大体沖縄全域、難視聴地域はおおむね解消なさったわけでございますが、民放の難視聴地域がやっぱり大分まだ沖縄の方であるようでございます。これにつきましては補助制度もあるように伺っておりますが、この辺の今郵政省の目指しておられる、特に民放の先島等の難視聴地域の解消についての御計画、その実施の具体的な方向性があればお教え願いたいと思います。
○国務大臣(関谷勝嗣君) 先般私も現地へ視察に参ったところでございますが、この先島地区は今民放のテレビが難視聴になっておるわけでございます。これを解消するためには沖縄の本島と宮古島の間にテレビの伝送用の海底ケーブルを敷設しなければなりませんとともに、その地域にはテレビ放送用の中継局を建設するというようなことでこれを進めております。
 これは、郵政省の重要な施策の一つどいたしておりまして、平成四年と平成五年で完了するようにしておるわけでございますが、その建設費の一部を補助することを目的といたしまして平成四年度の生活関連重点化枠の中で要求をいたしております。これは、その補助を獲得すべく最大の努力をしていきたいと思っておるわけでございまして、先般現地でもそのような答弁をいたしておりますので、きちっととらないとその約束が守れませんので、なお一層頑張ります。
○中村鋭一君 大臣どうですか、その見通しは。幾らぐらいとれそうですか。
○国務大臣(関谷勝嗣君) 昨年が十億三百万でございまして、それの今度は倍をまずは要求をしていいということになっておるわけでございまして、二十億六百万円は要求として出しておるわけでございますが、極力その満額とれるように努力をいたしたいと思います。
○中村鋭一君 次に、朝から各委員お尋ねでございましたが、電波使用料のことなんですが、報道されるところによりますと、民放連はそれはもう御勘弁願いたい、こういうことなんですね。たまたまきょうはNHKの幹部の方もお見えでございますから、ついでといってはなんでございますが、お尋ねしたいんです。
 NHKはこの電波使用料の徴収は基本的には賛成だ、基本的には賛成だが、NHKは公共放送であるからうちから取るのは御勘弁願いたい、こういうような御見解だと伺っておりますが、どうですか、川口会長。
○参考人(川口幹夫君) 賛成であるという表明をぽっきりしたことは実はまだないと思いますけれども、やっぱり相当多額のお金がかかりますので、何とか御勘弁いただきたいという気持ちではございます。
○中村鋭一君 結局、こういうのは最終的には利用者である視聴者等に、ということは国民の負担にはね返ることであります。
 この電波使用料は、これまた報じられるところ、郵政省はもう一刻も早くこれやりたい、そのための法改正の具体的な作業にもう既に入っていて、次の通常国会にはこれを整備して委員会の審議にゆだねたい、こういう報道もされているわけでございますが、その辺大臣、端的に今どうなっているんですか。
○国務大臣(関谷勝嗣君) けさからそれぞれの先生方の御指摘もございました。少し時間をいただきまして私の考え方も述べさせていただきたいと思うわけでございます。
 山田先生、及川先生等もおっしゃっていらっしゃいましたが、この電波利用料を取る取らないというのは、山田先生がおっしゃいましたのは、不法電波を取り締まるためにそれを取るんだということではなくして、まず最初に不法電波をきちっと今の法律のもとで対処をしてからまたそういうようなことも考えるべきではないかという御意見がございました。そういう御意見を伺いながら、私もしみじみそう思ったわけでございますが、この電波利用料を取る取らないの前に今の法律のもとで、また今の郵政省の管轄の中で十分に国民の理解を得るような対策をしてからまた進めていかなければならないと思いましたことが一つでございます。
 それともう一つは、この電波というのは本当に目に見えないものでございますし、電波を使っております方というのは、特定の方と言うと恐縮でございますが、一般のどなたでも知っているような問題でもないわけでございまして、専門の方が電波を利用されている。ただ、そういうようなことで局数が大変大きくなってまいりまして、周波数ももう十分ではなくなってきた、高いところの周波数もまた開発をしていかなければならないというようなことになりましたから、そういうようなことで世間一般では電波料を取るというのはまだ時期尚早ではないかというような感覚があるのではないかと思いました。及川先生の御指摘もそういうところにおありだったと思うわけでございますが、そういうような問題もまた一つございます。
 が、中村先生御指摘のように、郵政省としてはもう来年度予算で準備の予算を要求いたしておりまして、平成五年度でこれを始めたいというふうな今ステップで進んでおることは事実でございます。今もう少しこの周知徹底をさせていただくといいましょうか、あるいはまた電波利用をしていただいておる方々の御意見というものをもっと聞いて、自信を持ってこの制度を進めていくときには進めていけるように基盤をきちっとしてまた進めていきたいと思っておるわけでございますが、正直に申し上げまして、もう平成四年度の予算で準備の予算は要求はしておる、そこまで進んでおることは事実でございます。
○中村鋭一君 じゃ大臣、次の国会に電波法の改正案はお出しにならぬのですね。
○国務大臣(関谷勝嗣君) 私も十月ごろまでの寿命でございますが、それはそれといたしまして、これは通常国会に出す姿勢で進めておることもまた事実でございます。
○中村鋭一君 結果的に国民に負担を強いるようなことは、我々の立場からすれば、これはやっぱり余り感心することではない、こう思います。
 それから、川口会長、ただいまは我々賛成と言った覚えはないということでございましたけれども、基本的には賛成だが公共放送としては適用除外してもらいたいというような見解をNHKとしてはお述べになったということでございます。
 この際、頂門の一針という言葉もありますから申し上げておきますが、NHKはそういう場合に公共放送という言葉を軽々しく使って、都合のいいところだけ我々は公共放送だと言うようなことはおやめになった方がよろしかろう。公共放送というのであれば、天下のNHKの会長たるものが国権の最高機関である委員会でうそを数度にわたってつくというのは、じゃ公共放送の使命に照らしていかがなものかと我々は言わざるを得ませんので、そのことを一つ指摘をしておきたいと思います。
 〇九九〇、いわゆるQ2でございますが、これも今いろんな問題が起きております。どうですか、郵政省が今把握していらっしゃるQ2によるいろいろな悪い影響あるいは負の意味での社会現象等、その顕著なものについて一例ぐらい挙げていただきまして、こういったQ2被害といいますか、それが特に例えば青少年等について余り好ましい影響を及ぼさないとすれば、それをどのように是正をしていくのか、この徴通話の適正化をどのように図っていくかについて簡略に御見解をお尋ねいたします。
○政府委員(森本哲夫君) ダイヤルQ2をめぐって御指摘のようにさまざまな事件が生じております。具体的な問題を殊さら御提示申し上げなくてももう先生十分御案内のとおりでございまして、とりわけわいせつ物陳列罪とか賭博罪、こういうものに該当する事例がある、あるいは親の知らない間に子供が高額の利用をいたしておる、そういう一種の青少年問題というか社会問題、こういった事例になってきつつあるということで、既にこうした事件で逮捕されたのが二十件余あると。
 それから、同時に地域団体だとかあるいは地域の婦人団体から是正方の陳情が私どもにも直接寄せられておるわけでございます。こうした点については、その都度NTTに伝えて対策について聴取しながらこれまでやってきたわけでございますが、ただ基本的にこのダイヤルQ2の性質というのは、御案内のとおり、情報提供業者が有料で情報を提供し、NTTがその情報料を通話料と合わせて徴収する、こういうサービスでございます。これはNTTの本来の事業でございます電気通信サービスと違いまして、法律上認可が要るわけではないわけで、附帯事業だということで郵政省に業務の内容等を届け出でやれる、こういう性質のものでございます。
 ただ、中身は善用すれば確かに有益なサービス化することは十分間違いないことでございまして、先生御案内のとおり、外国人が日本の国際化によって大勢来ておりますが、フィリピン語のタガログ語と申しますが、あるいは。中国語で心細い彼らに情報提供しているとか、あるいは新聞社が随時いつでも日々の新鮮なニュースが聞けるようなサービスを提供しているとか、さまざまないい番組もあるわけでございます。
 こうした中で、私どもとしてはこの悪い問題をどう対処するかということでいろいろ聴取をいたしております。その結果、本年NTTが二月それから六月に、例えば奥さんというかお母さんが嫌だと思ったら自分のうちからかけられないようにするとか、あるいは高額の請求のときにはあらかじめ通知をその請求する前に差し上げるとか、いろんな改善策を講じております。私どもとしても、こうしたことの結果、例の御案内ですが、ダイヤルQ2ホットラインというのをNTTが設けられております。これはいっとき三月、四月ごろには六百件、七百件という件数がありましたが、最近では八月以降こうした措置を講じて百五十件ぐらいに減っておるとも承知をいたしております。
 このサービスがそれなりに有用な側面もあるものでございますから、社会的な批判を受けることのないよう、さらにNTTにおいてその改善措置を徹底してもらいたい、こう、いう視点でNTTの公共にふさわしい、公共事業にふさわしい形で発展をさせてもらいたいものだ、引き続きそうした視点で注視をしてまいる、これが私どものスタンスでございます。
○中村鋭一君 局長、ひとつせっかく御奮闘をお願い申し上げたいと思います。
 ちょっと質問の順番は後先になりますが、今NTTのQ2に言及をいたしましたので、先にNTTさんにお尋ねをいたします。
 実は私、自動車電話を年来愛用させていただいております。関西地区の第一号の契約者という名誉を有しておりますが、これが盗聴なんです、盗聴。二年前の選挙のときに、相手はだれかわかりませんが、選挙運動の最中にいつでも私の後ろに車が密着をいたしまして、それで別の情報によりますと完璧に盗聴をされていると。現にそれが盗聴されていた証拠に、車を通じて話をした選挙の戦術等についての情報が漏れていたということを確認いたしました。えらいことだなとこう思って、現在私はNTTにお願いをして、米印とF印ですか、あれをこう押しますと何かスクランブルがかかって盗聴できない、そういう装置はつけておりますが、あれがまた一定の地域でしか働かないように私は思うんです。
 それでお尋ねは、盗聴を完璧に防止する手段はあるのかないのか。そのことについてNTTは、携帯電話やあるいはまた自動車電話等についてどのような今研究段階にあるのか、その辺をひとつお答えをお願い申し上げたいと思います。
○参考人(佐田啓助君) 御愛用をいただいております先生に大変御不便をおかけ申し上げまして申しわけございません。
 自動車電話並びに携帯電話のシステムにつきましては、旧方式と新方式がただいま混在をしておりまして、一部地域に入っております旧方式につきましては秘話機能がきかないところがございます。この地域をなくすようにただいま鋭意機能追加あるいは新方式にそっくり置きかえる、導入するというような形で改善を進めております。先生の御指摘の点につきましても、本年度中にこの機能追加並びに新方式の導入ということで、そういうことのないように工事を進められるというようなところまで参っております。ただ、この場合でも秘話回線が全回線使用の場合にはこれは使用できない。結論的に申し上げますと、今の本年度中の工事を待ちますとそういう御不便はまずないかというふうに考えております。
 それから、ただいまの盗聴防止機能の問題につきましてでございますが、現在の盗聴防止機能につきましては大変高度のものを使用しております。そういう意味で、これまで盗聴されたという事実は聞いておりません。ただ、今後ともディジタル化方式の導入等を踏まえまして、その中で引き続き技術的な改善に努めてまいりたいというふうに考えておりますのでよろしくお願い申し上げます。
○中村鋭一君 ひとつこれもせっかく御努力をお願い申し上げておきたいと思います。
 それから、私、新し物好きというんですか何ですか、NTTのおつくりになりました一番小型のムーバという折り畳み式の携帯電話ですね、長いことお願いしてやっと手に入りました。使ったら、これが子供のおもちゃでございまして、もう全くほとんど実用の機能を果たし得ない。電話というのはしゃべっているときに切れないということがもう大前提だと思うんですが、あの小型のムーバばっかりは、しゃべっている最中にザーっと雑音が入って、そのままぱっと切れてしまう。それから、東京や大阪のような都心部でもうしょっちゅう通話不能、圏外麦示というんですか出まして、率直に申し上げて三日ほどでお返しをいたしました。
 ですから、NTTが、これは私の勘ぐりかもわかりませんが、他社もたくさんああいう携帯電話をつくっておりますので、小型化、軽量化ばっかりに頭がいってしまって、電話の最も迅速、確実、通話というそういう機能がいわば優先順位においてはちと後回しになったんじゃないかと。結果論としてですよ。特にあのムーバというのはいけませんね。あれ、相当返品が合しきりだという報道も伺ったんですが、評判どうですか。それで、改善はされるんですか。
○参考人(佐田啓助君) ただいま先生の御指摘のございますムーバでございますが、圏外麦示だとかあるいは雑音混入だとか話中切断、これは発生する要因がさまざまございます。この点につきましても、ムーバの改良も含め、利用方法のPRとかあるいは基地局側の整備など鋭意改善に努めていく考え方でございます。
 なお、携帯電話という点で申し上げますと、一般の固定回線につながっておる電話とは異なりまして、御承知のとおり無線を使用しております。したがいまして、トンネルだとか地下だとか建物の中など電波の届かない場所、並びに屋外でも電波の弱いところでは使用ができないことがありますし、使用中であっても電波状態の悪いところに急に移ったりなんかしますとそこでとぎれてしまうというようなことが起こるわけでございまして、お客様にはあらゆる機会を通じてこの点のPRをしておるところでございます。
 また、ムーバにつきましては、先生御指摘のとおり大変小型化、軽量化ということになっている関係もございますが、いわゆる使用状態というものが電話を立てた状態と水平の状態と、あるいは耳にアンテナがすぐ触れるというような、そういうものに構造上なっておりますので、そういう条件で感度が相当変わってくる、違ってくるというところがございます。いずれにいたしましても、大変その点につきましても、今後とも、今のものが完璧なものであるというふうには考えておりません、改善方進めてまいらなければならないと同時に、今申し上げましたように、PRについても徹底をして努めてまいりたいと思っております。
 なお、お申し込みが大変多くて、先ほど先生御指摘のとおりであります、大変お客様に御迷惑をかけておりまして、現在直ちにおつけするというような状態になっておらないことは事実でございます。いましぱらくお待ちいただくようにお願いしたいというふうに考えておる次第でございます。よろしくお願いします。
○中村鋭一君 そのように申し込みが多いのは大変結構なんですが、苦労して申し込むわ、使ってみたら役に立たぬわでは、これは失望以外の何物でもありませんのでね。
 今、改善を約束されましたが、これは私の個人的な見解ですが、大体もとになる出力というんですかね、あれがどうも微弱いうんですかな、何かいかにも頼りない、そう私は思うんですが、それは大丈夫なんですか。
○参考人(佐田啓助君) 出力の関係につきまして、あるいは感度の問題につきまして、ムーバとほかの自動車電話と差異はございません。ただ、利用実態の中で、先ほど申し上げましたような使い方、その処置かれたいろいろの条件によって異なる場合があるということだというふうに我々は解釈しております。
○中村鋭一君 それは、専門家のおっしゃることですからね、そのとおりなんでしょう。実際使っている私はその役に立たぬから返したわけでございましてね。ですから、その辺を大いにひとつ改善をやっていただきたい、お願いをしておきたいと思います。
 NHKにお尋ねをいたしますが、新会長の抱負経綸等は朝来伺いましたので、それはもうお伺いをいたしません。
 大きく分けて番組は、いわゆる芸能文化のジャンルと、それからもう一つはニュース報道、こう分かれると思うんですが、川口新会長は、NHKの番組のパーセンテージですね、大きく言って芸能文化番組とニュース報道番組のパーセンテージ、これまでどおりのパーセンテージを維持するのか、それともこっちの方に少し力を入れていくのか、そういった編成方針についてお伺いをさせていただきます。
○参考人(川口幹夫君) 今の問題に入ります前に、先ほどの中村先生の御質問に、ちょっと私持っておりませんでしたので今御返事申し上げます。
 四月二十四日の衆議院の逓信委員会の中で、島前会長が「電波料につきましては、これが世界の趨勢であるということは私はよくわかっております。」、こういうお答えをしておるわけです。ただ、「願わくば我々は免除していただきたいというのが本音でございます」というようなことも言っておりまして、私はそのことで公式には賛成は表明しておらないというふうに申し上げたわけでございます。ただ、この文章で読みますと賛成をしているようなイメージにもとれますので、それは改めて検討いたします。ただ、公共放送をいわゆる逃げ場所に使うという気はございません。
 今の御質問にお答えいたします。
 NHKの総合テレビにおける放送のパーセンテージというのがございまして、それには報道が二〇%以上、教育が一〇%以上、教養が二〇%以上、それから芸能が、娯楽ですね、娯楽が二〇%以上、こういう放送をすること、それで調和のある編成をしなさい、こういうふうなことを大体義務づけられていると思います。ただ、この報道二〇%というのは、例えば平成二年度を調べてみますと四六・九%も占めております。これは、当然のことながら湾岸戦争を中心として報道の番組が非常に多かったということを意味しておるわけで、二〇%以上というのが時に四六%を超えるということがあってもこれは当然じゃないだろうかというふうに思っております。
 ただ、一般的にいえば放送の内容というものはやっぱり適切なバランスが必要だということは申し上げられると思いますんで、今申し上げました二〇、一〇、二〇、二〇というパーセンテージの方は大体これを基準にしていかなければいけないと思っております。当然テレビの場合は情報の提供それから起こった事柄に対するフォローということはもう一番大きな問題であろうかと思いますんで、報道面についてはこれまで以上に充実をさせていきたい、しかし文化、芸術あるいは娯楽という面についてもきちんとしたパーセンテージは保っていきたい、このように思っております。
○中村鋭一君 パーセンテージがありますね。枠があります。その内容、質、これが大きな問題だと思うんですね。
 たまたま私ここに今新聞の番組欄を切り抜いて持ってきたんですが、先週、NHKの衛星第二、あれは毎晩十時から衛星映画劇場をやっていらっしゃいますね。時間ある限り見せていただいているんですが、これは先週だったと思います。十時から、たまたま楽しみにして見ましたら、「昭和おんな博徒」、こういう映画を上映されました。
 これは相当古い映画です。江波杏子が主演しておりまして、彼女が女のばくち打ちになりまして男のかたき討ちをする。映画の中でしょっちゅう、お控えなさってとたんかを切る、入れ墨をぱっと見せる。それから、自分の男のかたきを打つためにドスを抜いて、お命ちょうだいいたします、こう言って、これでもかこれでもかと血しぶきの中ではっさばっさと突きまくって切りまくる、そういうシーンが連続している映画を衛星第二で十時から映画劇場でおやりになったんです。
 会長とうですか、この映画について言えば、NHKとして実に国民の文化教養に資する、それでいて良質の娯楽を提供したいい番組であったと、この映画がですよ、思っていらっしゃいますか。
○参考人(川口幹夫君) 私は残念ながらその番組を見なかったんですけれども、いわゆる放送番組基準からいえばやはり逸脱をしているんじゃないかというふうに思います。
○中村鋭一君 ですから、会長はごらんになっていない、それはそうでしょう、NHKの全番組を見ることはありませんが、今いみじくも会長自身がやや逸脱をしているとおっしゃったわけでしょう。そうしたら、新会長がそういう抱負をお持ちになって、それこそ公共放送として国民に健全な娯楽を提供する、そういう一面も大事ですね。とすれば、やはりNHKの編成当局におかれても、それは放送衛星なんて大変な苦労の末に打ち上げたものでしょう、それで全編ことごとく血しぶきとやくざのたんかで終始するというような映画をやることがこれはNHKとして好ましくないのであれば、そういう点にも十分な配慮をしてやっていかれないと、全般としてこれはNHKの評判が落ちる一方になりますから、その点もしっかりと要望をさせておいていただきたいと思います。
 川口会長は紅白歌合戦の生みの親、こう伺っておりますが、紅白歌合戦も歴史が長うございまして、その間見ておりますと内容そのものも随分変わってきたと思いますね。去年の紅白、おととしの紅白なんかになりますと、あの昔の美空ひばりさんや三橋美智也さんがトリをとってやっていたいわゆるオーソドックスな紅白から見ると随分変質をしてきている、こう思いますし、それからまた視聴率そのものも、それはまあ五〇%以上おとりになるんですから国民の二人に一人は見ているという大国民番組であることは今も事実なんでしょうけれども、全般としてやはり紅白歌合戦の視聴率そのものも低減の方向をたどっているというのも事実だと思うんです。
 そこで、紅白歌合戦の生みの親としての川口さんにお伺いをいたしますが、どうでしょうか、この辺で紅白歌合戦はその使命を果たし得た、ですからもうこれをやめる、あるいはもう全く趣を一新して、できれば紅白歌合戦というタイトルも変えて新しくこの番組が船出をするとか、その辺についてのひとつお考えをお聞かせ願いたいと思います。
○参考人(川口幹夫君) 私は決して育ての親ではございませんで、実はあれは私どもの先輩が初めてつくりました。私は当時アシスタントで入りまして、いわば支え役みたいな形でもって番組を担当してまいりました。したがって、あの番組がなぜあれだけ大きな番組になったかとか、あるいはなぜ今また少し落ち込んでいるのかというようなことについてはわりかしよく知っているつもりでございます。
 ただ、先生もちろん御承知のことなんですけれども、番組をつくるのはこれは現場でございまして、私ども経営がみずからつくるということではございません。したがいまして、その番組をどうするか、あるいはやめるか、そのままやるのか、あるいは少し改編するのか、いろんなやり方があろうかと思うんですけれども、やっぱり視聴者の反応を見ながら番組の現場が判断すべきことではなかろうかというふうに思っておりまして、私個人がそういうことについて、個々の番組について何らかの結論を初めに出すべきではないというふうに思っておりますので、さように御承知いただきたいと思います。
○中村鋭一君 それはそうですけれども、会長ね、今も申し上げたでしょう、「昭和おんな博徒」というのはNHKにとってふさわしくないと、こうおっしゃっているわけですから、それはやっぱりその結果については会長が責任を持つわけでございます。逆に言えば、そういった全般的な番組編成の方向や番組づくりについて、会長の確たる方針があれば現場の皆さんもそれに従われるわけでございます。紅白歌合戦はこれは現場の制作がっくることですから会長である私はそんなことについて介入も容喙も牽制も一切いたしませんというのは、私から言わせればそれはやや無責任な御答弁であると思いますので、これはひとつ御検討願って、会長御自身も紅白について一つのやっぱり個人的でもいいですから御見解をお出しになっていただきたい、こう思います。
 時間がありませんので端的にお尋ねをいたしますが、最近私こう感じるんです。例えば朝日新聞、読売新聞、産経新聞、こういったいわゆる大新聞が、例えば湾岸戦争で九十億ドル支出することについて賛成であるか反対であるか、消費税の導入について賛成であるか反対であるか、こういうことは比較的明快に打ち出すようになってまいりました。例えば、今申し上げた消費税についても、あの九十億ドルについても、これはもう各紙各様の論説を特に社説等において展開しているわけですね。
 ですから、皆様のNHKといたしましては、なるほど公共であり申立てあり客観であり公正であるということは大事なことではありますけれども、しかもそれは法律によって規定されているNHKの性格かもわかりません。しかし、世の中というのはこのように動いていって、同じように客観であり公正であり真実の報道をするべき大新聞がテーマによってははっきりとその社の主張を打ち出す時代でありますから、私はNHKにおかれても、例えばある一つのコーナーを設けられまして、この問題についてはNHKはかくのごとくに主張いたします、こういう方向をお出しになる時期に来ているんじゃないかなと、こう思いますが、それについて会長の御見解をお尋ねさせていただきます。
○参考人(川口幹夫君) いわゆる社説でございますけれども、各新聞社が自分のところの社の説としてはっきり紙面に出していることはこれはまあ当然であると思います。ただ、NHKが同じような形でNHKという組織の考え方というものを番組を通じて公然と社説の形で出すということについて私は多少こだわりを持っております。それはやっぱり放送法の精神、放送番組基準といったものができるだけ不偏不党でいろんな説を御紹介する、偏らないということを前提にしてやっておりますから、そのためにはみずからの社説を持つことも多少はばかった方がいいんじゃないか、このように思っております。
○中村鋭一君 ですから、私はそれは放送法の規定はあるということを申し上げているわけですよ。これは、以前に乱やっぱりこのNHKの決算のときに申し上げたんですけれども、放送法で規定されておりますからどうこうと言っていたらいつまでたったってNHKは実になまぬるい、微温湯的な、AでもなければBでもない、BでもなければCでもない、皆さん適当に御判断くださいみたいななまぬるい、微温湯的な論説しか持ち得ないわけでありますね。今新聞が社説を持つことはと、こうおっしゃいましたね。新聞だってやっぱり客観で公正なんですから、新聞だって読者がいるんですから。
 ですから私は、そういう方向はNHKが今大胆に、全部というんじゃないんですよ、テーマによっては、NHKとしてこれが国民大多数の利益に合致することであるならば勇気と自信を持ってそのような一定の主張をなさることを検討すべきときに来ているのではないかというのが私の意見でございます。よろしくお願いいたします。
 終わります。
○矢原秀男君 NHKにお尋ねいたします。
 一つは、アトラスロケットの失敗に対する調査、結果、対応、こういう三点について伺いたいと思いますけれども、まず御説明をお願いいたします。
○参考人(中村好郎君) お答えいたします。
 BS3Hの打ち上げは、日本時間四月十九日朝、米国のフロリダにありますケープカナベラルの射場からアトラスロケットによって行われました。しかし、二段目ロケットの二つのエンジンのうち一つが燃焼しなかったため、予定の軌道を外れ、打ち上げ六分後に地上からの指令で爆破され失敗に終わりました。
 原因究明につきましては、ロケット会社及びロケット会社の社外の事故調査委員会で調査が行われまして、その結果、燃料を送るターボポンプが回らなかった形跡があることが判明いたしました。原因は異物によるターボポンプの損傷の可能性が高いと推定されまして、そのように報告を受けておるところでございます。
○矢原秀男君 これらの問題については、これにかかった費用というものは大体総金額どの程度ですか。
○参考人(中村好郎君) ただいま調べております。ちょっとお待ちいただきたいと思います。
○矢原秀男君 じゃ、後で御報告をお願いしたいと思うんですが、こういう多額な金額で、しかも先ほどからいろんなお話があるとおりでございますが、やはり国民の一つ一つの大きな財産というものがここにかけられているわけでございます。私が今御報告を聞くだけでも、ターボポンプの異物が問題になっている。ごみあるいは水分か氷粒、こういうようなことも考えられると思います。
 そういう場合に、NHKの優秀な、私はNHKというのはある面では世界で最高の技術だと思っておりますが、技術者が現地に行って、どこに原因があるかということを、向こうだけじゃなくしてこちらも確かめなくちゃいけない。今の御報告だけを聞くと、向こうだけでやって異物という報告があった。僕は、今後ともこういうことが何回も今から行われるわけですから、やはりそういうふうにリースや補完のために向こうでお願いする場合には、お金はこちらがかかっているわけですから、事故に対しては技術者を派遣されて検討されるべきじゃないか。これは行かれたんでしょう、どうなんですか。
○参考人(中村好郎君) まず、先ほどの幾らかかったかという御質問でございますが、打ち上げ経費といたしましては総額約百三十億円でございます。これをNHK二チャンネル、JSB一チャンネルということで負担をいたしましたので、このうちNHKが負担した分は八十七億円ということになっております。
 それから、ただいまの御質問でございますが、大変残念ながら2Xも同じような事故であったわけでございますが、私どもといたしましては、このロケット会社が設置いたしました社外の委員会にも参加をいたしましていろいろ説明は聞いたわけでございます。
 しかしながら、NHKは、通常タマと申しておりますけれども、衛星そのものにつきましては、過去十数年のいろんな開発研究等の経緯から専門家がたくさんいるわけでございますけれども、ロケットにつきましては専門家がいないわけでございます。したがいまして、このロケット会社をどういう形で選んだかと申しますと、衛星メーカーにロケットの打ち上げも依頼をするという形で契約をしてきたわけでございます。
 もちろん、どういうロケットを選ぶかにつきましては、日本の有識者、ロケットの経験者にいろんな御意見を伺いながら、ロケット会社、衛星メーカーが選んだロケットメーカーの評価もしたわけでございますけれども、先ほど申し上げましたように、何分にもNHK内にロケットの専門家がいないというのが現実でございます。この問題は、今後の課題として私どもも真剣。に取り組んでまいりたいというように思っているところでございます。
○矢原秀男君 もちろん、課題としてこれは今後やはり検討していただかなくちゃいけないと思います。
 最終的にはNHKとしてはどれだけの金額が向こうに行ったのかどうか、その点はいかがですか。
○参考人(中村好郎君) 先ほど申し上げましたように、トータルで百三十億円が製作、打ち上げ経費でございます。もう一度申し上げますが、NHKが負担した分がこのうち八十七億円、JSBが四十三億円ということになっております。
○矢原秀男君 あらあらわかりましたけれども、本当にNHKとしてもすばらしい技術陣を持っていらっしゃるわけですから、ロケットの専門家云々についてはやはりきちっとした今後の対応を、これは会長にお願いしたいと思いますけれども、技術陣の対応ですね、お金だけこちらが出して相手に任せる、これはいろんな問題がやっぱりあるんですよ。我々素人に近い者から見ても、やはりこんな世界で優秀なロケットを打ち上げる会社が、異物がターボポンプの中にひっかかった、これで許されるのかどうかという、私たちもそんなふうに感じるわけです。だから、これについて今後の対応として、会長と大臣に一言だけお願い申し上げたいと思います。
○参考人(川口幹夫君) 衛星は打ち上げに莫大な費用が必要でございます。その後の維持等についても一方ならぬ苦労が必要でございますので、これは受信料で成立しているNHKとしては、国民の皆様の御負担でもってやるという事業でございます。したがいまして、事の重大性をよく認識いたしまして、今後の対応についてはできる限り私どもの万全の対応をしたいと思っております。
○国務大臣(関谷勝嗣君) 今、このロケットの問題、そしてまたタマ自体の問題もあるわけでございますが、NHKが答弁いたしましたように、特にロケットに対する技術者がいないということであるわけでございます。これはまた郵政省といたしましても、この経費の問題、莫大な経費も要る話でもございますし、かといってこれは自国でもきちっとやりたいと思いますし、そういうようなことをいろいろ今考えているところでございますが、早急にしっかりとした対策を打ち出していきたいと思っております。このロケット自体のことをNHKだけでやれというのも大変過酷なことでもあるとは思っております。
○矢原秀男君 もの点、今後の対策をよろしくお願い申し上げます。
 時間の関係がございますので、あとNHKには三点だけ答弁願いたいと思いますが、一つは、今後の衛星放送のあり方、二番目には衛星調達、リース法人の設立について、三番目には補完衛星等について、どういうふうに今後の対応を考えているのか、この点をお願いいたします。
○参考人(川口幹夫君) 私からは今後の衛星放送のあり方について基本的な考え方を申し上げたいと思います。
 私どもは、我が国における衛星放送発展のためにその先駆的な役割を果たしてきたと思っております。今後は、将来の八チャンネルによる本格的衛星放送時代に向けまして、これまで私どもが築き上げてまいりました実績をベースにいたしまして、地上放送とは違った新しい魅力を持つメディアとして定着を図りたい、そしてまたそのことが放送界全体にいい影響を及ぼすような形にしたいというふうに思っております。
 ただし、今後の衛星放送のあり方と申し上げましても、これから多メディア、多チャンネル時代ということに相なりますけれども、そこでどういう放送をやっていかなければならないかという基本的なNHKの役割というものを基本にして考えていきたいと思います。そういう展望の中で、衛星放送がどういったステップを歩むべきなのか、あるいはハイビジョン放送というものをどういう形で実施すべきか、こういうことについてもこれから真剣にかつ着実に討議を進めてまいるつもりでございます。
○参考人(堀井良殷君) 衛星の調達法人につきましてのお尋ねにお答えを申し上げます。
 私どもNHKといたしましては、BS3の後継機、いわゆるポストBS3の計画を早期に具体化し、衛星放送の安定した継続が図られることを願っております。
 ポストBS3の調達、運用のあり方につきましては、郵政省の研究会におかれまして公的性格の一法人とする提言が行われたと承知しております。私ども放送衛星のユーザーといたしまして、何よりも放送の継続性、安定確実なトランスポンダーの確保あるいは衛星調達のリスクの軽減、衛星利用経費の大幅な軽減といったようなものを要件にいたしまして、こうした法人が早期に設立されることを希望しておる次第でございます。
 なお、先ほどのお尋ねの中で、BS3Hの打ち上げについて最終的に幾ら払ったのかというお尋ねにつきまして、事故は全損事故でございましたので、全額保険を掛けておりまして保険で戻る形になっております。保険料は二十六億円でございまして、このうちNHKは十七億円を負担したという次第でございます。補足させていただきます。
○参考人(中村好郎君) 補完衛星についてお答えいたします。
 3bは大変順調に経過をしておりまして、十月末があるいは十一月の初めころ私どもに引き渡される予定というように伺っております。したがいまして、衛星放送は3aと3bによって放送を継続していくということになるわけでありますが、先生御存じのとおり、3aは発生電力の関係から冬至、夏至のときに二チャンネル運用にせざるを得ないという問題がございます。私どもといたしましては、軌道上で完全な二機体制で放送をやってまいりたいというようにかねがね思っておりまして、そういうことから、今後受信者もますますふえる状況にもございますので、関係機関の御理解を得ながら、この補完衛星の打ち上げについて検討してまいりたいというように思っておるところでございます。
○矢原秀男君 次の質問に移ります。
 郵政の方にお願いしたいのでございますが、まず電波に関係する問題でございますけれども、周波数の不足への対応であるとか、そして行政事務増大への対応、電波利用環境悪化への対応等々いろんな現況の問題、今後の問題等々があると思いますけれども、時間の関係がございますから、具体的なお答えを、今申し上げた段階を順次お答えを願いたいと思います。
○政府委員(森本哲夫君) お尋ねについて、まずやはり最近の情報化ということに伴いまして、御案内のとおり光ケーブル等に代表される有線系の需要というのが大変に伸びておりますが、同時にこうした無線というのは線のない通信手段でございまして、ムバイルと申しますか、動きながら通信するにはどうしてもこういう電波が必要でございます。とりわけ、新しい移動通信、主として自動車電話に代表されるものでございますが、これと新しいまた放送メディア、通信衛星で放送を行う新しいメディアの誕生につれてたくさんの周波数が必要になってきておるわけでございます。
 特に自動車電話を例にとりますと、一年に倍伸びるというような形で大変な成長ぶりでございまして、私どもとりあえずこの需要予測に対応しまして、八百メガヘルツ帯を使っておるんですが、これは今アナログですぐ満杯になるだろうということで、新しくディジタル方式での認可をいたそうということで今準備をしております。それでも足りないだろうということで千五百メガヘルツ帯、一・五ギガと言っておりますが、こういう新しい周波数も既に準備をいたしておるわけでございます。ここ二、三年のうちには登場するだろうと思いますが、それでも一九九〇年代の半ばには今のところ自動車電話はこういう格好で満杯になるんではないかという心配をいたしておるわけでございます。
 いずれにしても、そういう形の中で今後需要の伸びに対応しますための周波数の開発というのが非常に大事な視点だということは、先生御指摘のとおりでございます。それには従前使っております。波数をもっと有効に利用する、倍にも使う、あるいは共用して使ってもらう、そんな手段が一つ。それから、全然まだ使われていないわけですが今後の技術開発の期待によって使えるようにして周波数を生み出す。もう一つ、この周波数の使い方を社会全体として効率的な格好で使えるように周波数の再配分といいますか、再配分の移行という格好がスムーズに行われるような体制もとる、こうした点がこの周波数対策について必要だと考えておるところでございます。
○矢原秀男君 結論的に二十一世紀以降というものを私たちが見通すときに、二十一世紀の需要に対する対応はどうなるのかという問題を皆さんのところでいろいろ研究されていらっしゃると思うんです。電気通信分野における今後の最重要課題の一つであるのが新たな周波数資源の開発だと私は思っております。プロの方もそうだ上思っております。
 光と電波の間の広い未開拓の領域、サブミリ波領域あるいはテラヘルツ領域と呼ばれておりますけれども、これらにおける電磁波の発生、検出、この領域の通信技術、分光技術についてはどの程度将来計画が現在進んでいるのか、まずそれを伺いたいと思います。
○政府委員(白井太君) 逼迫しております電波に対する需要の問題を解決するためには、もちろん未利用の周波数につきまして利用技術を開発していくということが大変重要な課題であることは先生のおっしゃるとおりでございます。
 それで、現在実際に電波として利用できておりますのはミリ波と言われております電波まででございまして、それ以上に波長の短いといいますか、高い周波数の領域、つまりサブミリ波の領域についてはまだ利用技術というのは開拓されていないわけでございます。そこで、その領域につきましては、現在私どもの通信総合研究所で周波数資源の研究開発というものの一環といたしまして、電波の伝わり方について昭和五十八年度から研究を続けてきております。
 それからさらに、先生テラヘルツ領域とおっしゃいましたけれども、今度は電波を超えまして光の領域に入る電磁波についてでございますけれども、ある周波数以上のものにつきましては光通信と申しまして、主としてこれはケーブルを使いまして通信をする技術というのが開発をされておるわけですが、一番電波に近いところの、どちらかというと低い周波数の光というものについての利用技術というのがまだこれも未開拓でございます。
 この点につきましては、私どもは電気通信フロンティア研究という呼び名の一連の研究の中で、特に超電導の素子を用いまして利用をするという技術を現在開発するということで、昭和六十三年度から平成六年度までを一応予定いたしまして現在研究を続けておるものでございます。
 なお、この電気通信フロンティア研究と申しますのは、いわば未踏の技術についての開発をするということでございますので、率直に申し上げますと実利用というところにすぐ手が届くというようなものではないわけでありますけれども、しかしこうした研究開発というのはどうしても電波の需要に対応するということでは必要だということで、研究開発に取り組んでおるところでございます。
○矢原秀男君 今、御説明をいただきましたけれども、これは超電導の研究、光ファイバーの研究ともに合併してやらなければいけないと言われております。やはりこういう基礎科学というかの研究に対する予算がともすれば非常に日本の国はいずれの省でも少ないわけでございますけれども、これらの予算確保、研究するための計画、そういうふうなのは五カ年計画というふうに絞ればどのぐらいの予算を使って出発されようとしているのか答えてください。
○政府委員(白井太君) 確かに予算面ではお恥ずかしい状況でございまして、周波数資源の開発ということで取り組んでおります研究については、単年度予算として七百万円だったと思います。それから、電気通信フロンティア研究ということで、超電導を用いた光通信の利用技術につきましては年間で四千四、五百万の予算を組んでやっておるわけでございますけれども、この点については私どもとしても決して十分と言えるような金額ではございませんので、毎年少しずつでも上積みするように最大限の努力をしていきたいというふうに考えております。
○矢原秀男君 大臣、世界トップの逓信すなわち郵政、もちろんNHK、さっきお話し申し上げましたけれども、郵政省として、日本の国民もそうですけれども、世界がこの未開拓の問題を将来日本で開発をされるということになりますと、これは日本や世界のためにも非常に大きな貢献というものができると思うんですが、今お話を聞きますと、平成三年で開発の方の研究を七百万、フロンティアの方で四千五百万と言われております。
 大物大臣がおられたその割にしては、これは本当に施設の一部をつくるというぐらいで、研究陣を世界内外から集めてくるとか、そういうふうな段階を考えるとなかなか寂しい現況だなと思っておりますけれども、大物大臣として、これに対する将来の方針をもう一つ確固と述べていただきたいと思います。
○国務大臣(関谷勝嗣君) 御指摘の問題を大きく改善していく時期に来ておると思うわけでございますが、郵政省の歴史を振り返ってみますと、私も八年前に郵政政務次官を務めましたが、その当初はやはり郵便事業三事業が中心でございました。そういうようなことで、それまで一般会計予算も非常に少なくて、ことしで二百九十幾らで、来年度三百億というような、役所の中で一番小さな予算でございました。それは、郵便事業でございますと特別会計などもございまして、その範囲でやれておったと思うのでございます。
 今のように電気通信分野が大きく花を吹かせておるわけでございますから、そういうようなことを考えましたときには、今度は例えばNTTであるとかそういうようなところ、またNHKなどの研究開発だけに頼っておったのでは本当に日本としての面目もないと思いますし、先生御指摘のように、今や郵政省の予算においてもこの枠を大きく広げていかなければならないときにあるとは思うのでございますが、長い間シーリングが続いておりまして、今日までこういうようなことになっております。本当にそういうようなことは、先生方のまた御支援もいただいて予算の枠を拡大していく。ましてや、その中では研究開発費を十分にとっていくというような流れをつくっていかなければならないと思っております。
○矢原秀男君 それで、当局にお伺いしたいんですけれども、今御答弁いただいているこの新たな周波数資源の開発について、先進諸国ではどの国がどれだけの予算で一番進んでいるか、もしそういうことを把握されておりましたら参考までに伺いたいと思います。
○政府委員(白井太君) 大変申しわけございませんが、外国の研究のための予算あるいは経費についてはちょっと把握しかねております。ただ、これらの先端技術につきましては、もう当然のことでございますけれども、いわば各国競うようにして開発に取り組んでおる領域であろうというふうに考えております。
○矢原秀男君 じゃ、きょうはこれで終わりますけれども、今後ともやはり未開発の部分も全力を挙げて、すばらしい技術を持っていらっしゃる貴省でございますので、国民や世界のためにまず基本的にお願いをしたい、こういうふうに思います。
 以上で終わります。
○吉岡吉典君 私、逓信委員会で初めて質問させていただきます。きょうは放送の基本的なあり方について、幾つかNHKと民放の双方にお伺いしたいと思います。
 最初に、NHKにお伺いしたいと思うんですけれども、私は国民に非常に大きい影響を持つNHKとして、その放送の基本にやはり世界の平和をどう高めていくかということを据えなければならないと思いますし、それはNHKの国内放送番組基準でもうたわれているところであります。
 特にことしは太平洋戦争を開始してから五十年という年になります。十二月八日、あとわずかに迫っております。私、ことし国会、本会議でも予算委員会でもこれまで所属していました内閣委員会でも、五十年前日本が戦争を開始した、これの教訓、反省から改めて出発しなければならないということはもう必ず発言し続けてきましたけれども、きょうもその点でこの問題から入っていきたいと思います。
 五十年前の十二月八日、NHK、当時はラジオですけれども、軍艦マーチ入りの臨時ニュースで、帝国陸海軍は本未明米英と戦闘開始せりとかというような放送を、かつて戦争の番組をNHKは放送し続けてきたわけです。この十二月八日の臨時ニュース、私など当時あの戦争の持つ本質、これが日本と世界にどんな意味を持つ戦争かということもわからないまだ少年でしたけれども、あの放送を血沸き肉躍る思いで聞いたものです。
 会長、あの放送を聞かれたと思いますけれども、聞かれたかどうかという事実関係と、その放送を聞きながら当時、今じゃなくて当時何を思いながらお聞きになったかということをまずお伺いしたいと思います。
○参考人(川口幹夫君) 昭和十六年の十二月八日は、私は中学の三年生でございました。鹿児島の片田舎でございまして、ちょうどその時間、学校に自転車で通っておりまして、その自転車通学の途中であったかと思いますので放送そのものは聞いておりません。
 ただ、学校に行きましたら多くの者がそのことを話題にしまして、アメリカと戦争を始めたそうだというふうなことを言っておりましたので、これは大変重大なことが始まったなということを、当時中学の三年ですから非常に多感な感じで受けとめた記憶がございます。ただし、それから後続けざまにおっしゃるように次々といわゆる戦果というのが発表されましたので、ある種の一種の興奮みたいな感じでもってそういうニュースを聞いたことは事実でございます。
○吉岡吉典君 私と同じ気持ちでどうやら当時のニュースをお聞きになったと思います。
 しかし、その戦争を開始したことが二千万人のアジア諸国人民、そして三百十万人の日本人を犠牲にする大戦争になったわけです。私どもは、これから本当に、改めて半世紀たった時点で教訓を学ばなくちゃならないと思いますし、テレビという国民に影響を与える仕事をなさっているNHKには特にことしをこの戦争からどういう教訓を学ぶかという年にしていただく必要があるんじゃないかと思います。NHKが先ほども触れました国内番組基準で「世界平和の理想の実現に寄与しこ云々ということを述べられているのもそういう趣旨だとは思います。
 しかし、このNHKの番組基準が本当に生きたものになるためには、やはり戦争の教訓を学び取るということが必要で、それがない単なる文章では生きた力にならないと私は思います。
 そういう点で率直に申し上げますけれども、戦後の出発点に当たって、新聞、ラジオともに戦争宣伝の機関になったけれども、戦後の再出発の際、新聞界では戦争責任についてのかなり深刻な反省が述べられた。NHKのラジオ放送に関する部分では、戦争責任は必ずしも明確に打ち出されなかったという指摘をしている放送史についての本も私読みました。
 他人の書いたものだけではだめだと思いまして、私はNHKさん自身がおまとめになっているこんなでかい本も読ませていただきました。読んでみて私は、戦争中のラジオがどういう状況であったかという実態は非常に詳細に述べられていますけれども、しかしNHK自身の反省はやっぱりここから感じ取れませんでした。それと反対に、「戦争の過程を通じて、その事業のすべてが国家目的の遂行に協調し、また、動員されたことは当然の成行きであった。」というふうな非常に客観的な叙述があって、これはとり方いかんによってはやむを得なかったんだというふうにもとられかねない記述もありました。
 当時会長はもちろんこの放送にはいかなる関係もございませんけれども、しかし改めて、五十年たった今日、当時日本の新聞、放送が果たした戦争遂行の上での役割を考えると、半世紀たった時点で、このことについてNHKとしてのやはりみずからの意思表示というふうなことも必要ではなかろうかと思いますけれども、どのようにお考えになりますか。
○参考人(川口幹夫君) ことしはたまたま太平洋戦争の開始から五十年という大きな時期を迎えております。今度の十二月は、真珠湾とは何だったのか、あるいはどうしてあの戦争が起こったのか、またそのことは今どのような意味を持っているのか、そういうものを探ったり考えたりする番組を考えております。これは、実はアメリカと共同制作をやろうということで双方から事実の追求とその細かいデータを集めたいというふうに思っておりまして、また日米の市民レベルで日米関係について率直に討論をし合う、そういう番組をやりたいというふうに思っております。戦争と平和の問題というものについては、特段私は力を入れて編成をしていきたいと思っております。
○吉岡吉典君 ぜひ改めて戦争の教訓を生かしていただきたいと思います。
 このことを前提としてでありますが、NHKの今後の基本姿勢にかかわる問題で、実は私、会長の会長就任のあいさつを読ませていただきました。そして、ジャーナリストらしいいろいろな、そうであってほしいと私自身思う幾つかの点も感じることができました。
 例えば、「全NHKが明るい生き生きとした職場となって、そこから新鮮で充実した放送が次々と送られ、視聴者に大きな共鳴と共感を呼ぶ、そういうふうにしたい」というふうにもおっしゃっております。きょうこれまでの論議の中でも番組の充実というふうなことを繰り返し述べられました。私はまた、そのあいさつの中で会長が、NHKスペシャル特番で出した「核戦争後の地球」という番組に対していろいろな干渉があったというエピソードも交えながも、どんな干渉にも屈しないで放送の自由表現の自由を守るということについての強い決意が述べられているということも心強く読ませていただきました。
 改めてそういう放送法あるいはこういうNHKの基準、そういうふうなものに従って政治的に公平である、意見が対立している問題については中立の態度をとる等々の立場を貫く、そういう決意についてお聞かせ願いたいと思います。
○参考人(川口幹夫君) 放送法の第三条というのがありまして、これは番組編集の自由というものを保障している条文でありますけれども、NHKというものはこの編集の自由というものを不断の努力によって守り抜いていかねばならない、そういうふうに思っております。その編集の自由いわゆる編集権というものを行使するに当たりましては、NHKの経営を預かる者の責任といたしまして、介入とか圧力に対して毅然として対処するということが必要だと思います。番組や報道の不偏不党あるいは自主自立というものを守ることがそのまま公共放送というものの使命を達成するということにつながるというぐあいに思っております。
 もちろん、編集の自由の中にはみずからを律する、独善を排するということも必要でありますから、絶えずいろんな方のいろんなお声をお聞きして、私どもがこれで間違いないと思うことをやっていこう、そのようにかたく心に誓っているところでございます。
○吉岡吉典君 今の決意が本当に貫かれる上で、若干これまであったことで述べておきたいと思いますが、例えば逓信委員会の速記録を読ませてもらうと、繰り返し論議になっております中に、売上税、消費税の世論調査結果を抑えだということです。放送を抑えた。これはNHKが政府の顔色をうかがって不利な結果を放送しなかったのじゃないかという問題です。また、NHK特別主幹の磯村さんが、湾岸戦争をめぐって日本の貢献策で日本も血を流せという趣旨の発言をなさっている等々の問題がこれまで繰り返し論議になってきております。
 この答弁を読んでみますと、非常に苦しい答弁がそこで貫かれています。何回も問題になってきていることですから、私はここでその論議を繰り返そうとは思いませんが、どう読んでみても説得力のない非常に苦しい弁解をしなくちゃいかぬようなこういう態度です。こういうことは今後繰り返さないよう努力していただきたいというふうに思います。その点もう一度重ねて答弁願います。
○参考人(川口幹夫君) 公共放送を預かる者としてその責任は非常に重大であると思っております。もちろん、三条に記されました編集の自由というものを守り抜いていこうということをいつも私は非常に切実に考えております。
○吉岡吉典君 私、今NHKに向けてお伺いしたことは、実はより厳格に守ってもらわなくちゃいかぬのは郵政省自身だと思います。
 大臣に一言お伺いしますけれども、例えば戦争中のNHKの戦争放送にしても、電波はすべて政府の所有物だという見地に立って、事実上放送を戦争遂行のための機関にしたというところにあるわけであって、より根本的には政府が今後新聞、放送等をこういう政府の支配下に置くようなことがあってはならないということだと思います。そういう点で、政府が放送を自分の都合のよいものにしようというふうなことは絶対やらないということをここで約束してけただけるかどうか、というよりしていただかかきゃならないわけですけれども、大臣どうですか。
○国務大臣(関谷勝嗣君) 放送法第三条にございます御指摘の「放送番組は、法律に定める権限に基く場合でなければ、何人からも干渉され、又は規律されることがない。」、こういうことでございますから、これはきちっと守っていきたいと思います。
○吉岡吉典君 次に、会長にお伺いしたいと思うんですけれども、これまでもこの委員会でも論議になってきたことと関連するんですが、NHKと民放との関係にかかわる問題ですが、NHKの超巨大メディア独占体への変質とか、あるいはNHKの商業化、民営化というふうな表現での論評もあるような事態があった。特にNHKエンタープライズの問題あるいは国際メディア・コーポレーション、MICOですね、こういうふうな問題をめぐって論議があり、民放との矛盾ということにもなっていたということですが、こういう経営方針というふうなものはこのまま継続するのではなく、やはり改めて検討していこうという意思表示であると私はこれまでの答弁もお伺いしていました。
 NHKの側から、日本の放送における民間放送の役割をも含めて、今のような点について会長の答弁をお願いします。
○参考人(川口幹夫君) 世界に国はたくさんございますけれども、放送の点で公共放送と民間放送、商業放送とがこれほどうまくやられている国はないと思います。前はイギリスの放送が一つの範になっておりましたけれども、私はこのごろは日本が一番そういう二つの放送体制が同時に成り立っている希有の例になっているんじゃないか、こう思っております。
 その基本には、それぞれの立場から、公共放送には公共放送としての立場から、民間放送は民間放送としての立場から、それぞれ我が国の放送を少してもいい形に持っていこう、内容を充実させようという気があってのものだろうと思うんです。その二つの体制が放送をより豊かにして、より実りあるものにしてくれれば、これはやっぱり二つの放送の体制があってこそのメリットになるわけですから、これをできるだけ長く持続していくべきだ、そう考えております。したがいまして、今後とも民間放送各位とはお互いに話し合い、調和できるところは調和をして、その上でなおかつ競争のある併存という形をとっていきたいと思っております。
○吉岡吉典君 今、NHKの側から民間放送と協調、競争して併存していきたいという見解が述べられました。これを受けて、私、民放の方にお伺いしますが、民間放送の側から民間放送の役割についてどのように認識しておられるか、簡単で結構ですから。
○参考人(松澤經人君) 民放連の松澤でございます。お答え申し上げます。
 ただいまNHK会長もお述べになりましたように、私どもも民放とNHKの併存体制というものは、これは世界的に見ましてもすばらしい制度である。この四十年間お互いに切磋琢磨いたしまして、正確で迅速な報道、豊かで多様な教育、教養、娯楽といった番組の提供などを通じまして、視聴者の利益、福祉の向上につながるように奉仕してまいりましたことは御承知のとおりでございます。
 私ども民放は、今後とも地域に密着し、地域社会に貢献する市民メディアであることを十分認識いたしまして、民主主義の基盤である世論形成に重要な役割を果たすとともに、お互い新しい番組開発のために創意工夫を凝らし、視聴者の期待と信頼にこたえたい、かように思っております。
○吉岡吉典君 今、民間放送の側から民間放送の役割についての自負が述べられました。
 この民間放送を支える一つの力になっているのがプロダクションだと私は思います。私、プロダクション側の人にも会ってお話を聞きましたけれども、日本の民間放送番組の七五%にかかわっている、テレビ文化に大きい役割を果たしているという自負をプロダクションの側もお持ちになっている。そして、プロダクションというのは決して放送事業者の下請機関などではないんだ、対等の立場でテレビ文化を発展させる使命を持っているんだという強い自負を述べられておりました。
 民放とプロダクションとの関係についてはどのようにお考えになりますか。
○参考人(松澤經人君) ただいま先生おっしゃいました七五%という数字、これは番組の制作につきましてはプロダクションはいろいろなかかわり方がございます。民放連として必ずしもその数字を十分把握しているわけではございませんけれども、実態といたしましては、プロダクション制作がふえつつあることは、これは事実のようでございます。電波メディアの多極化、多チャンネル化の中で情報ソフトが今後ますます必要になってまいりますことは、これははっきりとしております。
 二十一世紀は星の時代と言われますように放送衛星、通信衛星の時代でございまして、同時にまた都市型CATVの発達普及も著しいものがあろう、かように考えられます。これからは従来の地上放送とこれらの放送との間で熾烈な競争が展開されることは必至でございます。
 私どもは視聴者の多種多様な情報ニーズにこたえるためにも、外部プロダクションの協力は不可欠でございます。プロダクションもこの十年の間に目覚ましい成長を遂げられまして、今や放送局のよきパートナーとなっております。局としては、このパートナーといい意味での競争を展開していき、よりよい番組をつくってまいりたい、かように考えているわけでございます。
 ちなみに、プロダクションの団体でございます全日本テレビ番組製作会社連盟というのがございます。これはATPと申しておりますけれども、このATPはことし創立十周年を迎えました。ATP各社の御協力によりまして民放が数々の優秀番組を放送できたのも事実でございまして、この功績に対しまして私ども民放連として、この十一月の民放大会、これは四十周年の記念すべき大会でございますが、この大会の席上感謝状をATPにお贈りすることを決めております。
○吉岡吉典君 今、専務理事からプロダクションの役割について非常に重視しているという答弁がありました。
 ところが、現実の状況を見ますと、そうでない事実があるという問題が公正取引委員会からこの四日に調査結果が報告され、民放の方にも要望が述べられているということですね。
   〔委員長退席、理事大森昭君着席〕
この報告、要望を読ませていただきますと、実態として独占禁止法が禁止する優越的地位の乱用行為になりかねない事例があるというふうなことを初め、委託契約が適正でない事例を幾つも挙げられております。私は今の民放連専務理事の答弁のようにしていくためには、幾つか解決してもらわなくちゃならない問題があると思って読ませていただきました。
 公正取引委員会の方から、簡単で結構ですから、この報告、要望の内容について述べてください。
○説明員(本城昇君) 公正取引委員会といたしましては、昭和六十年度から非製造業分野におきます委託取引の実態調査を行ってきております。その一環といたしまして、平成二年一月から本年七月にかけまして、テレビ番組制作の委託取引に関する実態調査を行ったわけでございます。この調査は、なお委託取引における取引条件等を把握するための一般調査でございまして、違反摘発を目的とした調査ではございません。
 この調査の結果、テレビ放送事業者の都合によりまして番組の内容の変更または制作の中止が指示されたにもかかわらず、変更に要した費用の支払い及び中止の指示以前に既に発生した費用の補てんが行われなかったケースであるとか、テレビ放送事業者の都合によりまして当初決まっそいた委託代金を減額されたケース、あるいは物品等の購入を番組発注担当者から要請されたケースなど、場合によりましては独占禁止法上の問題を生じさせるおそれがある行為が見られたわけでございます。
   〔理事大森昭君退席、委員長着席〕
 この調査結果を踏まえまして、公正取引委員会といたしましては、本年九月四日、日本民間放送連盟に対しまして独占禁止法上問題となるおそれがある事項を示しまして、そうした行為が今後行われることがないよう、傘下会員でありますテレビ放送事業者に周知方を要望したわけでございます。
 要望した事項は、例えば委託するときはあらかじめ委託条件等を記載した書面を交付すること、それでありますとか、委託内容の変更または番組制作の中止を行う場合は委託先に対して変更中止に要した費用等を補てんすること、あるいは決められた委託代金を減額しないこと、あるいは委託先に物品等の購入強制をしないことといったものでございます。
○吉岡吉典君 時間の関係がありますから、私、今述べられたもののほかにも幾つか気がつきながら読ませていただいた点もございます。委託代金の決定に不満があるというのだけでも、番組プロダクションの五一・八%という数字が述べられている。そのほかいろいろあります。詳しく述べませんが、今公取から説明された要望というのはもっともなことだと私は思ってこの文書も読ませていただきました。
 受け取られた民放の側としましては、これをどういうふうに受けとめ、どういう処置をとられたか、今後こういうことを解消して適正化の努力を行っていかれるであろうと私は思いますし、またそうでなくてはならないと思いますが、今後どういうふうに努力していくかということも含めて見解をお伺いします。
○参考人(松澤經人君) 民放連といたしましては、公正取引委員会の要望がありました段階で直ちに全テレビ社の社長に文書で出しまして、注意を喚起するとともに、現場制作者にも要望の趣旨を徹底するよう要請をいたしました。先ほどもお答えいたしましたように、プロダクションは放送局のよきパートナーでありますから、したがいまして当然のことながら両者の間に公正な取引の理念に相反することがあってはならない、かように考えております。
 私どもといたしましては、民放の現場に公正な取引の理念をさらに徹底させることが必要かつ重要と考えておりまして、今後とも実態の把握に努め、その上で民放連として何ができるか、その方法について積極的に検討してまいりたい、かように考えている次第でございます。
○吉岡吉典君 委託契約の適正化というのは、テレビ番組作成で大きい役割を果たしているプロダクションの意欲を高めるとともに、プロダクションで働く人たちの労働条件の改善という点でも、また放送技術育成の面、そういうさまざまな面で非常に重要なことだと私は思います。今述べられた方向で民放の方の努力が一層強められ、全体としてテレビ文化が発展する方向への努力を要請したいと思います。
 放送関係のこと、以上で終わりますので、NHKさん、民放さん、どうもありがとうございました。
 最後に、私、時間余りありませんけれども、郵政省の重要な仕事の一つになっている郵便貯金、簡易保険にかかわる資金運用についてお伺いします。
 まず、郵便貯金、簡易保険の総資金量と運用額の規模、数字だけで結構ですから教えてください。
○政府委員(松野春樹君) 最初に郵便貯金の関係から申し上げます。
 いずれも平成二年度末の数字でございますが、郵便貯金の残高は百三十六兆二千八百三億円でございます。それから、昭和六十二年から始まりましたいわゆる郵便貯金の自主運用資金であります金融自由化対策資金の運用残高は十一兆二百三億円でございます。
○政府委員(荒瀬眞幸君) 簡易保険の方でございますが、平成二年度末における運用残高は五十一兆七千八百三十五億円でございます。平成二年度の単年度における運用額は七兆五千二百七十九億円でございます。
○吉岡吉典君 合計すると実に六十三兆に近い膨大な資金運用が行われているわけですね。この規模は日本最大の規模の資金運用だというふうに思います。
 この資金運用のうち、簡保事業団の方は株式もやっているはずですが、それの比重はどれぐらいになりますか。
○政府委員(荒瀬眞幸君) 平成二年度の簡保資金の運用の中で簡保事業団の占める部分でございますけれども、単年度で一兆六千五百億円、累計で五兆五千五百億円となっております。これは指定単運用となっております。
○吉岡吉典君 わかりました。そうすると、約三分の一余りぐらいな株式が運用されているということだと思います。
 ところで、最近株の暴落によって大変な問題が起こっている。新聞を見ましても、企業年金約三兆円の含み損だというふうな見出しの大きい記事が出ている、あるいは野村証券発行のワラント、株安で紙くず同然にというふうな見出しの記事も出ております。こういうような大変な株の暴落で株式市場が冷え込んでいるという状態の中で株を一兆六千億ですか、運用しているという状況であれば、一体全体の動向がどうなっているかということについては、これを指導する郵政省としては責任を持って株価の動向等も調査し、今の評価でいけばどうなっているかというふうなことについても掌握しておられると思いますが、掌握しておられるかどうか、その事実だけまずお伺いします。
○政府委員(荒瀬眞幸君) 簡保資金の中での市場運用につきまして、私ども各種証券、多種多様に上っておりますけれども、金融自由化の時代でございますので、ある意味ではすべてが価格変動するという時期でございます。それに対しまして、仕組みといたしましては、その都度時価評価をするという仕組みにはなっていない。簡保資金につきましては長期運用を原則、短期的な価格変動あるいは含み益や含み損とか利回りといったことを念頭に置くものではございませんで、加入者の共同準備財産として将来のために資金を保有するという見地から資金運用を行っております。
 したがいまして、商品の仕組みや会計原則上、簿価主義というのをとっておりまして、時価評価をいたしますのは実際に売買したとき、購入した際あるいは売却の際に時価で決済をいたすという仕組みでございます。あるいはさらに、簡保の資産構成というものにつきましては常に変化をしておる、あるいは時々刻々と相場も変動いたしております。さらに、投資家としまして市場に与えるインパクト等もございますから、慎重な対処をいたしておりまして、その都度ある時点ある時点におけるところの時価を具体的に計算いたして公表するというような仕組みにはなっていないわけでございます。
○吉岡吉典君 私、公表するかしないかということを聞いていないのであって、時価の評価をやっているかどうかということ、あるいはそれは何らかの形で掌握しているかどうかということだけ聞いていますから、公表するかしないかじゃなくて、聞いたことに答えてください。
○政府委員(荒瀬眞幸君) 近時の各種相場動向といいますか、株式が暴落をいたしまして二年経過をいたしておりますし、その後本来的な回復過程にはまだ至っていないということから、株式の部分につきましては当然ある程度の含み損が発生をいたしております。これについてはその都度、具体的な計算というのは実際に市場に出してみなければわかりませんけれども、把握しながら慎重に運用いたしておるということでございます。
○吉岡吉典君 いや、把握しながらというのはどういうことですか。どうも何をおっしゃっているのかわからないんですよ。何を把握しながら、計算はしていないが把握しながらということは、何もあなた方が計算しているかどうかということを聞いているわけじゃなくて、何らかの形で今の時価評価をやればどれぐらいの含み損になるかならないのか、大丈夫か大丈夫でないか、そこら辺を具体的に開いているわけなんです。
○政府委員(荒瀬眞幸君) 簡保事業団につきまして、指定単運用を開始した当時から、指定単はこれは各種公社債で構成をいたしておりますけれども、その一部に株式運用をいたしておるということで、その時点から株式を購入いたしておりますので、それぞれの相場で購入いたしておりますということでございます。
 現時点でどの程度かということにつきましては、一般的には最高時ダウで三万八千円、現時点では二万三千円という平均値でございますから、それぞれの購入時点によりましていろいろな含み損、含み益というのがトータルではあるということでございまして、その具体的な額については逐一、その都度刻々変動しておりますので、将来に向けまして……
○吉岡吉典君 はっきり言いなさいよ。何言っているかわからない。
○政府委員(荒瀬眞幸君) 現時点では計算はいたしておりません。
○吉岡吉典君 そんな計算したかしないかということを聞いているわけじゃないと何回言ったってあなた妙な答弁をするじゃないか。
 それじゃ、はっきり言いますよ。大蔵省銀行局、信託銀行は毎月運用実績を委託者に報告するようになっている、その時価損益も報告することになっている、こう言明しています。大蔵省銀行局がうそを言っていると言うんですか。もっと我々調べました。信託銀行の側からも聞きました。信託銀行の側は、毎月銘柄別に資産の時価評価をして簡保事業団も含めて報告している、これは郵政省にもちゃんと伝わっているはずですと言っていますよ。
 あなたら証拠を突きつけなきゃ認めないんですか。証拠はちゃんとありますよ、きちっとした。銘柄ごとに今幾らの含み損になっているか、評価損になっているかということは、毎月報告しているということを銀行側もそれから大蔵省銀行局も言っているんです。何でそんなに逃げるんですか。それは大蔵省と銀行側がうそをついていると言うんですか。はっきりしてください。
○政府委員(荒瀬眞幸君) 平成二年度で申し上げますと、年間の指定単運用額は一兆六千五百億円、これを年間にならしまして、相場の動向を見ながら信託銀行に委託をするわけですが、指定単はこれは特定金銭信託と異なりまして、指定金銭信託の単独運用ということで……
○吉岡吉典君 そんなこといいよ。
○政府委員(荒瀬眞幸君) その構成割合につきましては、その都度概略につきましては郵政省が指定いたしますが、具体的な運用につきましては信託銀行が行うという仕組みになっておりまして、その……    
○吉岡吉典君 委員長、質問に答えてもらってください。
○政府委員(荒瀬眞幸君) その運用状況につきましては、年間の時点時点につきましてヒアリング等をしながら把握をいたしております。ですから、計算上刻々毎日変わっておるわけですから、ある特定の時点ということであれば物理的な計算は可能でございますけれども、この辺につきましては公表は差し控えさせていただきたいということでございます。
○吉岡吉典君 あなた、公表せよと僕言っていないんだよ。何でそんなふうに逃げるんですか。今あなたらは国民の金を預かって運用しているわけです。それがどうなるかということは国民から見たら重大な関心です。それを長期運用だから一々計算していないと言ったり、何をあなたら責任逃れするんですか。我々が得た資料をもとにして推算すれば、今の簡保事業団の評価損は数千億円に上る、そういう推定が成り立ちます。そういう状況をあなたら真剣に考えないで、国民から預かった金をいいかげんな答弁で逃げよう、長期運用だから大丈夫だなんというふうなそういうことじゃだめですよ。何でちゃんと聞いて知っていると答えないんですか。僕、公表しろと言っていませんよ。
 もう一回答弁してください。銀行から報告を受けているかどうか、大蔵省の銀行局の言うのが事実に反するのかどうなのか、それだけ言ってください。
○政府委員(荒瀬眞幸君) 一兆六千五百億円を年間に運用する際に、定型的な……
○吉岡吉典君 報告受けているかどうかだけでいいんです。もう時間が来ています。
○政府委員(荒瀬眞幸君) ですから刻々、毎日報告は受けておりません。時期時期に、ふさわしい時期に事務的に報告を受けるという仕組みにはなっております。その時点において時価がどうなっているかということは当然経営上把握をいたしております。
○吉岡吉典君 これで終わりますけれども、何であなた毎日報告を受けたとか受けてないかなんということを言うんですか。大蔵省の銀行局は毎月と言っているんですよ。それをあなた毎日毎日と言って、そんな毎日毎日信託銀行が報告に来て、きょうの評価はこうなっている、さようの評価はこうなっている、そんなばかなことをするはずないですよ。そんなことを私も聞きもしませんよ。なぜ人が聞いていることをまともに答えないで、言い逃れ言い逃れをしようとするんですか。そういう態度にはやっぱり国民は不安を持つだけです。
 私最後に、こういう問題があるわけで、大臣にちょっとお伺いしたいんですが、資金運用、郵便貯金、簡保、これを簡保事業団の株式も含めて今までどおりやろうということなのか、やっぱり例えば株の暴落というふうなことを見れば、株式運用については少し検討してみようというふうなことを考えておられるかどうか。報道によると、そういう公的資金の運用については見直しが必要だということを大蔵大臣が述べたということもありますが、そこら辺はどういうふうにお考えになりますか。今のような態度はだめですよ。
○国務大臣(関谷勝嗣君) 運用の方法におきましては私はまた今後いろいろ考えていかなければならないということもあると思うわけでございますが、郵政省の自主運用の範囲の問題は、私たちが間違いのないように今後とも運用包やっていきたい、そのように考えております。
○吉岡吉典君 終わります。
○足立良平君 既に質問も七人目に相なりまして、当初予定をいたしておりましたといいますか、あらかじめ申し上げていた内容、相当ダブったり出ていたりいたしておりますから、大きくは外さないつもりですけれども、若干少し変化をしながらちょっと質問をさせていただきたいと思うんです。
 それで第一点、きょうはNHKの川口会長さん以下も御出席でございますから、NHKに関しましてまず経営姿勢の関係が一つと、それから二つ目は、従来から報道重視とか娯楽軽視であるとかよく言われていたわけでありますけれども、そういう問題について、この二点について御質問をいたしたいと思うんです。
 それで、第一点目の経営姿勢の問題についてでございますが、実は私、NHKの会長がどのような経緯でかわったかということは、きょうの段階では、この委員会で議論することは余り望ましくないと思いますから、これは一切外します。そうではなくして川口会長にきょう直接お聞きをいたしたいと思うんですけれども、川口会長が七月の三十一日でしたですか、かわられましてから八月の一日前後ずっといたしまして、私実はそれぞれの報道につきまして、マスコミを通じまして大変注意深くいろんな記事をずっと読ませていただきました。
 会長のNHKに対してこれからやっていかなきゃならない、こういう姿勢は、私はある程度理解ができるんです。例えば、MICOの問題一つとりましても、きょうもちょっと答弁をなされておりましたけれども、私も本委員会でずっと以前に提起をいたしたことがございます。民放との関係一体どうなのですかということをお聞きいたしました。そういう面からすると、当時のNHKの答弁としては、民放と十分事前に話をしたんだけれども、その話はうまくいかなくて云々と、こういう話になったりいたしていまして、きょうの川口会長の御答弁の内容と相当違うし、私が当初考えていた方向になりつつあるんかなというふうに私は実はその面においては安心もしたり、ああこれはいいなと、こういうふうに思っているんですね。
 ですから、そういう観点でちょっと私はお聞きをいたしたいと思うんですが、会長の基本的ないわゆるNHKの経営姿勢というもの、それぞれ私はこれはいいか悪いかというのは、一つ一つはそういう面で余りここでは議論いたしませんけれども、ただ一点だけ会長にお聞きをいたしたいと思うのは、七月の三十一日にかわられた、そして八月の一日等の各紙のマスコミ等を拝見いたしておりますと、従来のNHKとしての基本的な姿勢、例えばMICCの問題も、あるいは関連団体の問題も、あるい柱その他のいろんなGNNというふうな問題についても、根本的にずっと否定されました。否定するというか大きく修正をされた。
 私は、例えば一国の政府がかわるというなら、いろんな主義主張なりいろんな考え方があって、そしてこれは政府がかわったと、そうしたらこれから日本の政治はこのようにやっていきますよという点で、全く今までとは違った考え方で提起されるというのは、それはそれなりに理解できるんです。
 ただ、NHKというのは、それは一つの特殊な法人ではございますけれども、一つの企業体として、そしてその受信料というものが、だんだんそんなものそんなにみんなが喜んで出すような状態にならぬぜよというふうなこともあったり、そして今ずっとNHKの経営姿勢というものがこうなってきた。こうなってきたときに、会長さんがかわられたことによって経営、従来のNHKの基本姿勢がごろんと変わっちゃうというのは、私はこれいかがなものなのだろうか。
 考え方が違うというのは私はわかります。けれども、基本的にNHKの基本姿勢というものが、先ほどちょっと議論がありましたけれども、経営委員会が一体どういうふうな作用をするのか、あるいは内部における理事会が一体どういう機能を持っているのか、私十分把握し切れていませんけれども、少なくとも七月の三十一日かわられて、そして八月の一日に大々的にその経営の基本姿勢というものがぐわっとこう変化すると、世間的にすると、かわられたその人事のいろんなことは横に置いたとしても、実は会長、一体これはどういうことなんだろうかな、こんな感じを私は受けるんですよ。
 ですから、MICOの問題だとかいろんな問題について、私は本委員会でずっと以前から問題提起をしてましたから、その方向性は子としながらも、そういう物のやり方というもの、それは一種のある面においては従来が独裁体制とかいろんなことが言われておったけれども、それは逆に言うたら同じことが言えるんじゃないか。きつく言えばね。感じがするんですよ。ちょっとその辺について会長の真意というものをお聞かせ願いたいと思うんです。
○参考人(川口幹夫君) 会長がかわったからがらりと変わったということは実はございません。私は基本的にはいろんな形でもって前からのつながりを受けているつもりでございます。これは、もちろん島前会長だけじゃなくて、その前の川原会長あるいはその前の坂本会長時代からの一種の路線といいますか、NHKをどう持っていったらいいのか、経営としてのいろんな問題点がございました。その路線を引き継いでいることはもう疑いのないことだと。私だけが全く別な道を歩こうというふうには思っておりません。
 ただ、現実に島会長時代にやりましたことが、例えば理想は非常に高かったにしても、現実に進めていく段階でいろんな問題が派生をした、あるいは十分に理解をされないままにいろんなことが行われようとしていた。そういうことのためにかえって摩擦を生じたということもあったかと思うんです。そういう幾つかの点について修正をしようというふうに思っておるわけでございまして、決してNHKの経営についての基本路線ががらりと変わったということはございません。
○足立良平君 そうですか。まあ変わったか変わってないかということは、これは相当主観的なのか、ひょっとしたらマスコミ報道が意識的にそういう書き方をしているのか、ちょっとこれはわかりません。
 わかりませんけれども、例えばの話、私は従来のNHKの考え方の基本の中に、先ほどちょっと触れましたけれども、NHKのこの視聴料、この料金というものをどんどん引き上げていくことはできないんだろう、だからそういう面では効率化もどんどん進めていかなきゃならない、あるいはまた関連団体を含めてそういう、きょうもちょっと一%か一・五か六%か、二%弱の金額でそんな大した金額じゃないんでしょうけれども、例えば副次収入というふうなものをどんどんふやしていかなきゃいけないとか、そしてそういうものを基本に置きながらNHKというものの経営というものを基本に置いていこうという方針だったと思うんですね。いわゆる公共放送であるNHKが一般の民放と違ってお金をいただいているけれども、それが基本的にそんなにはどんどんコストなり費用の割にはふやしていけないとするならと、こういう前提に立ちますね。
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 そうしたら、きょうの会長さんの答弁を聞いておりますと、基本という表現をされていましたですかね、受信料を基本として云々と、こういうふうにおっしゃった。そうすると、実際のところ金額的なり、それがひょっとしたら十億か二十億振れるくらいのことなんでしょう、具体的に実際のところ物を言えば。けれども、基本的な姿勢としてそこに、受信料を基本としてまず公共放送としてのNHKの経営を考えていきますというのと、これからはそういうことばかりに頼るわけにいかないからちょっとこっちを考えていきましょうというのと、相当の私はニュアンスというかウエートの違いというのが現実的には出てくるんだろうと、現場の段階におきましたら報道なり制作の段階で。
 ですから、そういう意味からしますと、私は一つ一つの言葉がどうこうということを申し上げようとは思いませんけれども、今の会長さんの御答弁というのは、そのままお聞きするのはちょっといかがなものかなと、こんな感じがするんですが、私間違っていますか。
○参考人(川口幹夫君) 言葉のニュアンスの問題がありますので、私も十分慎重に発言をしたいと思いますけれども、受信料問題を基本にするというのは、受信料を基本として考えることによってもっとNHKの存在意義とか、あるいは受信者に対する姿勢とか、それから番組をつくる姿勢とか、そういうものを基本的にはっきり考え直した方がいいというふうに思ったからでございます。当然、以前みたいに四年に一遍ずつ値上げをすれば済むんじゃないかという、そんな安易な経営を考えていっては、これはやっぱりNHKだめだと思うんです。したがって、いろんなことをやっていって受信者への御負担はできるだけおかけしない、副次収入も上げていく、そのほか可能な限りの効率的な方法をとるということもしなければいけないと思うんです。
 ただ、一方の方が非常に強調されますと、ポイントの方が実はおろそかになっちゃって、そのためにいろんな弊害みたいなことも起こったんじゃないか。そういう反省をしておりまして、そこのところでやっぱり受信料をまず基本に考えよう、受信者というのが一番大事だよということを絶えず考えながら施策を進めていこうというふうに思っているわけでございまして、もう一方の方、つまり効率化とかあるいは副次収入の増だとか、それ以外の企業努力、営業努力というものを否定するものでは全くございません。
○足立良平君 それでは、ちょっと具体的に少しお考え方をお聞かせ願っておきたいと思うんですが、NHKの場合大変に効率化をしてきたということを今まで言われてきたわけです。それで、平成元年度で約一万五千人体制、実際は一万五千人をちょっと切っていると思いますね。そういう状態になっているわけです。
 これは川口新会長さんの方も、ひょっとしたら空洞化し過ぎたんではないかということもおっしゃっているようでありまして、内部からのいろんな見方が私あるんではないかと思うんですが、ただその中でNHK本体としてはここ数年の間で約千五百名前後くらい減員になっている。ただ、グループ全体といいますか、これは関連団体と言ったらいいんでしょうか、全体から見ますとそれほど減っているわけではないわけです。ですから、そういう面では、NHKさんとしても今まで、効率附にやってきたやってきたとおっしゃるけれども、実際はそうでも、いわゆる関連団体への出向が相当急激にふえてきたんだろうと、こういう感じも実態的にはいたすわけであります。
 そういう面で、これもう少しちょっとゆっくりしなきゃならぬとかいろんな、今もおっしゃいましたけれども、方向性は別としてスピードダウンしなきゃいかぬとか、あるいは空洞化し過ぎているかもしれぬから云々と、こういう御発言を聞いておりますと、例えば出向した人たちをもう一遍NHKの方に戻すとか、具体的なそういうふうなお考え方というものを現実に新会長としてお持ちになった上でああいうマスコミ等における発言をされているのかどうなのか、ちょっとこの点だけお聞かせ願いたいと思うんです。
○参考人(川口幹夫君) 確かに新聞の取材に答えまして、私が現実の問題として起こっていること、その中の一つにいわゆる制作陣の空洞化という言葉を使いました。それは事実です。
 当然のことながら、関連団体で番組制作をしようとしますと、そこにどういうふうな人を置いてどのように仕事をさせるのかということが非常に大きな問題になります。これまでの全体方向としては、余り年とった人が行っても、これは関連団体イコール老朽化みたいなことになってしまいます。それから、若い人が行っても現実の制作はできない。ですから、方向として一番仕事のできるメンバーを関連団体に移そうという発想が一つあったんですね。
 結局そのことをやった結果で、今度は本体の方に高齢の者とそれから若い者、こうできて、それで真ん中が相当手不足になっているというふうなことが起こってきた心配はないだろうか。そういうことを私ちょっと心配しました。それで、それが一つの空洞化をもたらすならば、番組制作というのは人がつくるものでございますからなかなか難しい問題をはらんでいるんで、もう一遍その関連団体と本体との間の人間の異動とか、それからどこでどのような仕事をさせるのかという選別だとか、そういったことを基本的に点検し直す。それで、それがもし必要ならば、例えば若干のまた一修正をしてもいいんじゃないか、そういったことを申し上げたんです。
 ですから、今のところそのことについて具体的な方向、意図というものはまだはっきりしませんけれども、必要があればそれぐらいのことをやらないと将来に大きな禍根を残す、そういうことがあっては困りますので、できるだけ具体的な検討を加えた上で修正をしていこうと、こう思っているところでございます。
○足立良平君 それからまた、NHKの関係としまして最後に一点お聞きをしておきたいと思うんですが、報道の重視、娯楽の軽視とよく従来言われたわけですね。先ほどの中村議員からの質問にもちょっとこの点があったのかと思いますが、会長も御答弁ありましたけれども、平成二年度で報道が四六・九%になっている。これは資料として私承知をいたしております。
 会長が御指摘になりましたように、たまたま平成二年というのはちょうど湾岸戦争で報道が中心になったのかもしれぬ、こういう御指摘であるのかもしれませんが、ここ十年間あるいはまたそういうのをずっと見ますと、報道の占めるウエートというのは漸次高まってきているわけですね。そして、そういう面からいたしますと、娯楽の占める比率というのはこれまた漸次下がってきているという状況だと思うんです。ですから、そういう面では一般的に報道、娯楽とかいうふうな、あるいはまた突発的な世界的な事件によってそれが振れているということばかりも言えないのではなかろうかなという感じをちょっと私は受けます。
 私はそういう面で、私の考え方は、むしろ今のNHKの報道をある程度重視していくという考え方は時宜にかなっているのではないかというふうに実は考えているんです。それは、すべて一〇〇%になっちゃったらこれはまずいんでしょうけれども、従来の娯楽というものに対する概念、例えばビデオが出てくるとかいろんなこういうなにで、国民の娯楽に対するなにというのは相当変化をしてきているのではないかというふうに私は思えてなりません。
 そうすると、それは湾岸戦争が一番いい例ですけれども、国民のいわゆる欲求度合いというものは、ある面においては生のニュースをストレートにやっぱり欲してきている。そういう従来の娯楽と報道とか、よくそういうふうなものに対するウエートのなにが大分変わってきているんではないか。だから、先ほど会長が御指摘になりましたように、例えば二〇、二〇、二〇と、教育が一〇%ですかね、というふうに決まっている今のあの考え方というものの中からも、そういうものをもう少しフレキシブルに考えてもいいのではないかなという感じを実は私は受けているわけであります。
 一律に報道が多過ぎて娯楽が少なくてはいけないということではございませんが、あえて会長の今までの御経歴を拝見いたしますと、いろんな仕事をされてきているわけでありますから、そういう面を含めてちょっと考え方をお聞かせ願っておきたい、こう思います。
○参考人(川口幹夫君) 私は経歴が経歴なものですから、すぐ芸能派とか娯楽派と言われるんですけれども、そんなことは全くございませんで、私自体が、例えば放送というものが持っている機能とか、それからテレビの持っている力とかいうことを考えますと、何よりもまずやっぱり報道が一番重要視すべきメディアだというふうに思っています。
 とにかく、人はテレビを見るときに何を一番見たいかというと、現在何が起こったか、あるいは起こっているか、あるいはその起こっていることがどのように変化していくのか、その結果はどうなるのか、あるいは影響はどのように及ぼしていくのかということだろうと思うんですね。そのことについて放送が何よりも先にいろんな情報を提供する。それはできるだけ幅広くしかも深く追求したものが出ていくという形が一番望ましいだろうと思うんです。
 ですから、報道の強化充実ということについては、これはもう前会長と同じか、あるいはもっと重く私は実は考えているぐらいでございまして、したがって先ほどの平成二年度が結果として四六・九になってもそれは当然じゃないか、あれだけのことが起こったんだからむしろ五〇%以上報道になっても不思議ではなかったろう、それぐらいに国民生活の中に報道というものは大きな影響を持っているものだというふうに自覚しているんです。
 ただ、それだけでいいのかといいますと、今度会長になったすぐのときに、山陰のある視聴者の方から、このごろNHKには見る番組がなくなった、だからぜひ見る番組を、私どもが見て楽しめる番組をつくってほしいということも言われまして、そういうふうな気持ちで見ていらっしゃる方も多い。つまり、テレビが果たす機能というのは、単に知るだけじゃなくて、教わりたいとかあるいは楽しみたいとかいうことがやっぱりあるわけですから、それについてもNHKとしてはあの程度のことは十分してさしあげるべきだ、そういう考え方を持っております。
 したがって、パーセンテージは少なくても、その番組が本当の意味で楽しめるものであるというふうなものをつくることが娯楽番組を編成していく上での非常に大きなポイントであるというぐあいに思っております。
○足立良平君 それでは、NHKの関係はこれで私は結構でございます。
 次に、これも本委員会で前にお聞きをいたしまして、大臣にも答弁していただいた経過があるんですけれども、郵政三事業の時間短縮なり週休二日制の問題に関する点でちょっとお聞きをしておきたいと思うんです。
 私の基本的なスタンスをはっきりしておきたいと思いますけれども、労働条件にかかわる労使間の問題というのは、これはあくまで私は双方でやっていただかなきゃいかぬだろう。本委員会で私が、あえてここで週休二日制なり時間短縮の問題を郵政当局に質問させていただくのは、やはり時間短縮をやるとかあるいは週休二日制の実施を行うということは、基本的に郵政事業そのものの根幹にかかわる問題だろう。ですから、極端に言うなら、週休二日制を完全実施するということは郵政事業のある面においては大きな変化を伴ってこなきゃいけない問題になってくるのではないか、したがって、そういう面ではまさに経営そのものにかかわる問題というその分野に限って私はきょう質問をさせていただきたい。
 具体的な団体交渉なり労働条件問題、そのことについて私はこの場所で全く触れるつもりはありませんし、もし私がそんなことをちょっと口走りましたら、これはもう答弁は外してもらって結構、こういうふうにまず申し上げておきたいと思います。
 その上でお聞きをいたしたいと思うんですが、今度来年度の概算要求、それぞれ郵政省行われているわけでありますけれども、これによって現実的に時間短縮というものを、大体どの程度の時間短縮が図れるものとお考えになっているのか、まずちょっとこの点お聞かせを願いたいと思います。
○政府委員(早田利雄君) 来年度、平成四年度の予算要求におきまして、郵便関係で定員で千五百八名、非常勤賃金で九百五十六億円要求しておりますけれども、これは平成四年度の郵便物数が今年度、三年度に比べまして約五・四%ふえまして二百五十四億通というふうに見込んでおります。郵便物数につきましては、今後ともふえるものというふうに予測しておりまして、そういう点では来年度、平成四年度郵便事業関係予算において要求しております定員と非常勤賃金につきましては、いずれもこういう郵便物の増加に対応するための必要な要員を確保するものでございまして、今御指摘の時短に必要な要員措置はこの要求の中には含まれていないものでございます。
○足立良平君 そうしますと、今御答弁のように、これはもう全く時間短縮のことにはならないというふうに思いますが、郵政三事業という中で保険とそれから貯金の方とはちょっと違うようでありますが、郵便を中心にお聞きしておきたいと思うんです。
 そうすると、千八百時間、完全週休二日制というのは、政府としての経済運営五カ年計画の中ではっきりいたしているわけでありますが、郵政省としてその実施目標というのは一体どこに置かれておりますか。
○説明員(谷公士君) 週四十時間制の実施目標でございますけれども、現在、先生お話しいただきましたように、貯金、保険の職員につきましては四週八休、週四十時間を実現しております。残りました郵便等の職員でございますけれども、これらの職員につきましては非常に難しい問題がございまして、定員を抑制しながら利用者本位、国民生活重視ということでサービス提供も確保しなくてはなりません。その上で週休二日制を実施するという三つの調和を図らなきゃならぬという問題がございます。
 しかし、この問題は日本が国際社会の中でも国際化に伍して国際的なレベルでの事業を行っていく、それから国内につきましても豊かな暮らしをつくり上げるという視点から、政府としても実施に向けて努力すべきだという意識を持っているところでございまして、今申し上げましたようないろいろな難しい条件を調整する中で、今後できる限りその実現に向けて努力していきたいということでございまして、具体的にいつまでということをこの場で申し上げるところまでいろいろな条件は詰め切っておりません。
○足立良平君 今、人事部長の答弁があったんですけれども、その前段の趣旨は私わかるわけですね。定員を抑制しながら、しかも困難な難しい問題を克服しながら、そして国際社会の今の動き、そして豊かな暮らし云々ということでやっていかなきゃならない、こう言われた。これはもうまさにそのとおりなんです。
 問題は、この平成五年四月一日、政府の方針としては平成五年の四月一日ですから、今から約一年半ないわけですね。約一年半先に千八百時間でしかも週休二日制というものを実現させていこう、そういう方向に向かってと、政府としてはそういう方針を決定しているわけです。そうすると、今ここで答弁があったように、将来的には全く何もありませんというふうにおっしゃると、この政府の方針と政府の一機関である郵政省として一体これどうなっていますかというふうな疑問を持つんですが、この点はどうなんですか。
○説明員(谷公士君) お答えします。
 今、先生お示しの政府の考え方と申しますのは、六十三年五月の閣議決定で経済運営五カ年計画を決めました際に、平成四年度までの間に「千八百時間程度に向けてきる限り短縮する。」ということを言っています。この趣旨であろうと思います。もちろん、この趣旨もそうでございますし、先ほども申し上げましたように、私どもといたしましても本件についてはできる限りの努力をしなきゃならぬということでは同じ考えでおるわけでございます。
 従来の時短の実施状況でございますけれども、先ほど申し上げましたように、郵便職員につきましても現在四週六休になっております。四十二時間でございます。それから、貯金・保険関係の職員につきましては四十時間、四週八休を実現しております。こういった過程につきましては、それぞれに過去いろいろな部内におけます効率化、合理化その他の措置を講じまして現在の状態に至っておるわけでございまして、残されました部分につきましても現在作業の仕組みのあり方等につきまして、先ほど先生も労働組合との関係ということをお触れになりましたけれども、そういった点に絡む部分が非常に大きな問題でございますので、関係組合等とも十分意思疎通をしながら鋭意努力をしておるところでございます。
○国務大臣(関谷勝嗣君) 足立先生の御質疑の進め方を伺っておりますと、だんだん追い詰められてきておるわけでございまして、一番最初におっしゃられましたように、平成四年の予算要求においては時短のための予算はどのようにやっておるか、あるいは人員はどのようになっておるかというようなことでございました。郵務局長が答弁をいたしましたが、その人件費におきましては非常勤の職員とかあるいは超過勤務手当のものであって、決して平成五年に向かっての内容ではない、予算の定員の範囲内の超過勤務手当の問題であるということで、これでは解決の方法にはなっていないではないかというようなことでございます。
 それからまた、ちょうど四月の十六日の参議院の逓信委員会で、先生の御質疑でこの時短の問題に御答弁を私もいたしたわけでございまして、先ほど報告がございましたように、一週四十時間そして四週八休のものが、これは貯金とか保険の方では達成はできておるわけでございますが、普通局の共通いたしております郵便局の方におきましては一週四十二時間のまだ四週六休だというようなことで、それが達成をされていない。
 また、時期も刻々と迫っているじゃないかというようなことであるわけでございまして、平成三年五月二十日以降でございますが、部外の有識者の方々で構成をいたしております調査研究会がございますが、そこにおきまして幅広い視点から郵便の利用の動向、そして郵便サービスのあり方というものの御意見をいただきながら、それに合わせて勤務時間短縮のことも考えつつこれをどうやっていくか。
 先生御指摘のように、どうしても時短を求めるためには、逆に言えば、トラスチックにサービスの縮減というようなこともやらなければ実際にできないということが答えとして出てくるかもしれません。そういうときには、果たしてサービスを落として時短を求めるか、しかしまたそれ以外にないということになれば、それはまた私は世論の賛同も得るような方法も講じていかなければならないと思っておるわけでございます。
 確かに厳しい状態に今あるということでございますので、次回の答弁のときには、もうこれこそ最後の最後のところに来ておると思うのでございますが、そのときはまた次の人が答弁をすると思いますが、必ず引き継いでおきますのでよろしくお願いいたします。
○足立良平君 頑張ってください。この前も払お聞きしましたときは、次回の答弁ではうまく答弁できる、こうおっしゃってましたがね。
○国務大臣(関谷勝嗣君) いや、前よりは進んでおるんですから。
○足立良平君 はい、わかりました。
 ちょっと時間もございませんので私申し上げておきたいと思うんですが、これは郵政省の確かに難しい問題があると思うんです。私は労働条件の問題としてとらまえてはいないんです、この問題は。あくまでも経営の問題として、労働環境なりこの種の問題は、ある面においては時間短縮、週休二日制を実施していくということは経営のシステムを転換していくことにつながってきます。ですから、今大臣おっしゃいましたように、時によってはサービスが低下するかもしれないという問題もあるかもしれないんです。しかも、それは期限がエンドレスの先の問題ではなしに、平成五年の四月一日からとにかく一応政府は入ろう、こうおっしゃっているわけです。そうすると、それはもう一年何がししかないわけです。
 そうしたら、きょうの午前中以来の議論の中で、郵政省の答弁の中では、例えば機械化の問題をこういうふうにある程度進めておりますとか、人員を十分確保して云々とか、こういう答弁がございましたけれども、今から一年先にそういうことをやろうとするなら、例えば機械化の問題についてはもう既に完全にやっておかにゃいかぬ。あるいはまた、もう既に予算を獲得してその作業に着手していないといけないわけです。
 それから、民間企業が例えば一般的に週休二日制なりその種の問題をやろうとするなら、国際社会上、経済上、そうすると企業間の競争というのは大変なものを民間の場合持っている。ですから、郵政省が考える以上の困難な状態を克服しながら、民間企業というのは現実的には物事を処理していっているわけです。そうすると、郵政省が今まで難しい難しいと言っているような問題は、難しいかもしれぬけれども、一般の民間企業が問題を処理するに当たっての物の考え方なり詰め方なり、作業を具体的に詰めていくことからすると、私は民間に比べたらそんなに難しいものじゃない、現実問題として。
 ですから、そういう面からすると、私はっきり申し上げておきたいと思うのは、今日の段階に至って具体的に何が問題であるのか、この問題を克服するのには一体どういうふうにしていくのか、そのためにはやっぱり若干、よく言われるようにサービスは低下しない、人員がふえない、あるいは時間外労働がふえないというこの種の問題の三原則については、これはある程度国民の皆さん方に我慢をしてもらわなきゃいけない。
 これはこういうふうにして解決します、こういう青写真をきちんと郵政省が持って、そして具体的にその作業を進めていくというものでないと、この種の問題は長期的にやっていかにゃいかぬわけですから、そういう面ではちょっと私は郵政省側での検討がいささかおくれ過ぎておる。怠慢とは言いませんけれどもね、本当は思っているんですけれども。そういう点で私は、あえてもう答弁要りません、そういうふうに申し上げておきます。
 NTTの関係で次の問題を相当詰めさせていた、だきたいなというふうに思っていたんですが、あと四分ほどしかなくなってしまいました。また次の機会に詰めさせていただくということにして、一点だけお聞きをしておきたいと思うんです。
 電気通信料金、特にNTTの関係について、今まで原価についての認識でよくNTTとそれから郵政省の側で相当違ったり、何かちょっとすれ違いがあったように私は記憶をいたしているわけであります。
 ただ、昨年の九月の郵政省の決定で、平成四年度からNTTが事業部制を導入していこう、こういうことが決定をされたように承知をいたしております。これは長距離通信事業部とか、あるいはまた複数の地域通信事業部とかというふうに一応事業部制というものを考えていこうと。そのことは逆に言いますと、それぞれ今までどんぶり勘定であった電話料金なりその種のものが、現実問題としてきちんとコストをはっきりしていかないとそういう事業部制というふうなものについて推進をしていくことが難しい、こういう状況に私はなってくるのではないが、このように思うわけであります。
 そして、現にことしの七月にNTTの方から出されましたそれぞれの資料というものを見ますと、例えば加入電話の基本料金、基本料というものは、約千八百九十九億円の大変な赤字になっておる。あるいはまた、市内通話ですと約三十二億円程度の赤字だ。それから市外通話は、端数を切り上げれば九千五百四十四億円の黒字になっておるというふうな数字が今提起をされておるわけです。
 そうなってまいりますと、こういうふうな将来にわたってその点をきちんとやっていこうとするときに、基礎的なこういう資料というものが、そして事業部制を将来導入していこうとしたときに、現実問題としてそういう相当赤になったり黒になったりしているものを根本的に見直しをしていかないと、事業部制でどのようにきちんと割っていくのかということがちょっとわかりにくいのではないか、こんな感じもいたすわけであります。
 そういう点について、ちょっとこの点だけお聞きをいたしまして、時間が多分消えると思いますので、これで私は終わりたいと思います。
○政府委員(森本哲夫君) おっしゃるように、来年の四月から事業部制に分ける予定にいたしております。
 これは、もうなぜかと申すのは時間がございませんのであれですが、端的に言えば、新規事業者とNTTとの競争条件をできるだけ透明性のあるものにしたいということでございますので、県間の通信、県内の通信、そういう形でNTTの事業をまず大別いだそうというのが一番大きゅうございます。これについて収入は何ぼ入って、収益が何ぼ入るか、ここはきちんとしてもらって、その結果新規事業者とNTTの長距離事業部門がいわば均等の条件でNTTの市内、県内通信にアクセスができるようにしたいということでございます。
 この問題について、将来赤字になるか黒字になるかという議論は確かに去年ございましたけれども、これはぜひきちっとした配付をいたさないと事業部が成り立たないと思っております。この基準のあり方については、昨年大まかな考え方だけ整理をいたしまして、現在細かい詰めをいたしている最中でございます。
 ただ、先生のおっしゃる部門別収支状況というのは、これは基本的には今の事業規則で昭和六十年からもう既に動かしているもめでございますが、市内、市外あるいは加入電話、公衆電話、移動電話、こうしたものの原価をきちっと押さえようということでやっておりますので、ここで言う市内というのは三分十円のエリアが全体に五百六十七あります。その市内という概念がどうなっているか、それから市外がどうなるか。市外は五百六十七をまたがる通信でございます。また、基本料というのは別に計算になっておりますので、それぞれ赤字黒字があることは御指摘のとおりでございます。
 御指摘のような形で、こうしたものをベースにして、長距離事業部と地域事業部の分から方をきちっとしたものにして、その結果競争状態がさらに進み、利用者にその成果がはね返るような構造にいたしたいということでございますので、これから先の作業にまつこと大だということを申し上げさせていただきたいと思います。
○足立良平君 終わります。
○下村泰君 私の方はNHKさんの方にお聞きすることは何にもございませんので、川口会長とうぞ。ただ、一言だけお願いしておきますけれども、大衆芸能のともしびを絶やさないように。大分民放じゃなくなってきましたのでね。私はもう昭和二十四年からNHKさんにはかかわり合いを持っていますので言いたいことはいっぱいあります。内側の方からつつきたいことがいっぱいあるんですけれども、余りやりますと私どもの弟子が差し支えますので。公私混同も甚だしい。まあどうぞひとつよろしくお願いいたします。お引き取りください。御苦労さまでした。
 この委員会には大蔵委員会からトレードされてまいりまして、何か国会の中のいろいろと委員会の改編で私は放り出されましてこちらへ参りました。ただ、一番最初に法務というところへやられて、社労を六年やって、文教をやり、それから大蔵をやって今度ここへ来たんですが、一貫して難病の方たちとかあるいは重度心身障害者とか、そういった方々の福祉を専門にやってきました。これからもその路線は変えませんしまた変えることのできない立場なので、どうぞひとつ委員長を初めとして委員の皆さん、政府の方々もひとつよろしくお願いしたいと思います。
 実は郵政省は大分いろんなことをやっていただいて、お礼こそ申し上げ、恨みの筋合いじゃないんですけれども、何せ問題が細かく多いんです。それが意外と一つ一つきつく申し上げないとやってくれない、解決していかないんですけれども、四年前に唐沢さんが郵政大臣のときに点字絵本、あれを無料にさせていただきました。予算委員会でいきなり質問していきなりすぐその場で解決されたなんというのはあれが初めてじゃないかと思うんですがね。私は思わず手をたたいて喜んだんですけれども、そこにいらっしゃる中曽根さんのお父さんが大変いい答弁をしてくださった。大体中曽根元総理という方は、こんなことを言っちゃ申しわけないんですが、瞬間湯沸し器みたいな方で、うまいこと乗せりゃ喜ぶし、ちょいときついことを言うとすぐかっかくるんで、そのかっかするのを利用してあの問題は解決したんです。
 大阪の一婦人があの問題を訴えることによって朝日新聞の天声人語に載りまして、それを私がたまたま扱ったんですけれども、それで無料になりまして、その御婦人のおたくでやっていたのが、おかげさまで今はもういろんな方々からの注文がふえまして、とうとうビルの一角に点字絵本だけを取り扱う事務所まで開くようになってきた。そして、いろいろな御奇特な方の御寄附をいただいたり、御要望がふえて大変な今事業的な存在になってきました。これはやっぱり郵政省にお礼を言わなくちゃ申しわけない。その後がだめなんです、だめな方をそろそろいきたいと思いますけれども。
 まず、厚生省に伺いますけれども、昭和六十二年度から平成元年度まで、兵庫県の五色町で保健医療カードシステムというもののモデル実験をしたことを伺っておりますけれども、結果だけで結構ですが教えてください。
○説明員(伊原正躬君) お答えをいたします。
 ただいま先生御指摘になりました保健医療カードシステムと申しますのは、カードに組み込まれましたICチップ等の記録媒体に健康診断の検査結果とかあるいは特異体質の有無といった個人の医療情報を入れまして、保管、携行する、持ち歩くことによりこれらの医療情報を医療関係者に提供し、医療の質の向上を図るとともに、個人の健康意識の向上を図ろう、こういうシステムでございます。
 先生御指摘になりました五色町での効果と申しますか、これによりまして個人の健康意識の向上等によりまして健康診断率のアップというふうな現象が効果の面では出てきております。
○下村泰君 大分これ効果を上げているというふうな記事も出ております。
 今年度は国民生涯健康管理システムの開発に取り組み、来年度からはICカードを使って保健医療福祉の関係情報を一元的に管理するシステムの調査、開発研究に取り組まれるということも伺っていますけれども、一万五月の公衆衛生審議会の老人保健事業第三次計画に関する意見具申でこのことに触れているようですが、その内容をちょっと教えてください。
○説明員(伊原正躬君) お答えをいたします。
 この保健医療カードシステムにつきましての国の方の対応でございますが、先生御指摘いただきましたように、昭和六十二年度から平成元年度までモデル実験を行ってまいりました。さらに、平成三年度からは全国レベルでのカードシステムの普及定着の可能性を探るために保健医療新カードシステムの研究開発を開始いたしまして、カードの配付対象の拡大、医事会計システムなど他のシステムとの連携等について実験を行うこととしております。
 先生御指摘になりましたただいまの審議会の意見の中でも、こういった研究の必要性、重要性、それにつきましての御指摘をちょうだいしているところでございます。
○下村泰君 意見具申では、ICカードを初めとする情報システムの構築の中で、保健、医療、福祉の連携及び情報のデータバンク化などを提唱しているというわけなんですけれども、さて私はこの試みは、実験提唱には賛成なんです、これは。ただ、これが一般化するためには、プライバシーの面それからカードの読み取り機の標準化などが肝要と思います。医師などの協力体制も整えなければならないでしょうし、何か医師によっては余りこういうのを扱うことを嫌がっている医者もいるんだそうで、そうなるとこれちょっと問題になりますけれども、今後の厚生省の取り組み方と方向について御説明ください。
○説明員(伊原正躬君) お答えをいたします。
 ただいま御指摘いただきましたように、この保健医療カードシステムにつきまして、情報の有効活用を今後とも進めてまいりますが、御指摘いただきましたような各種の問題がございます。特に、全国レベルでこのシステムを進めてまいります上では、情報の入出力をどのようにするかといったような問題、あるいは各種のコンピューター、読み取り機器の汎用性、普及、そういった問題がございまして、先ほどお答えいたしました平成三年度からの全国レベルでの新カードシステムの研究開発、こちらの方でそのあたりの問題も詰めてまいりたい、かように思っているところでございます。
○下村泰君 どうもありがとうございました。結構です。
 こういうことをお尋ねしたのは、ことしの六月十日から出雲市で郵便貯金ジョイントカードというのが始まったというふうに承っております。実は今厚生省にこれを聞いたのはここへ引っ張ってくるために聞いたんですが、いかがですか。
○政府委員(松野春樹君) この出雲市とのジョイントカードの仕組みでございますが、最初にまず出雲市の総合福祉カードありきでございます。この機能と郵便貯金のキャッシュカードの機能を一枚のカードにおさめたということでありまして、御指摘のように、このジョイントカードは六月からスタートしております。出雲市はこれに先立ちまして四月からこの福祉カードを発行しております。
 この出雲市の総合福祉カードの機能は、先生もただいまちょっとお触れになりましたが、健康診断結果や病歴等がカードに記録されておりまして、これは適切な医療や健康管理が可能になるというふれ込みでございます。それからあわせて、カードを提出しますと印鑑なしで住民票や戸籍謄本の受領が可能になる。これに私どもの郵便貯金のキャッシュサービス機能を追加したということでありまして、市民の申し出によりまして、この出雲市の総合福祉カードを郵便局へ提出していただきますと、私どもがあらかじめ用意してある磁気ストライプに私どものデータを記憶させるという作業を行ってジョイントさせておるわけでございます。
○下村泰君 それは大変結構なことなんでございまするけれども、その郵便貯金の残高まで全部なんて、これ下手にどなたかに何か悪用されるとか、あるいはプライバシーの侵害になるというような問題は起きませんか。
○政府委員(松野春樹君) この出雲市のカードとのプライバシーの問題、大変大事な問題でございますが、二点にわたって申し上げます。
 一点は、異質なものがジョイントすることに伴って大丈夫かという点でありますが、この出雲市の総合福祉カードにかかわるデータはIC部分が用意されておりまして、それから私どもの貯金のキャッシュカードにかかわるデータは別の磁気ストライプ部分にそれぞれ独立して収納しております。私どもの方が幾らかおくれておる。世の中は今カードIC時代になりつつあります。そういう意味では、郵便貯金も早くIC処理ができるようにしたいわけですが、そういうことで区別してありまして、独立して収納しておりますために相互の情報は相手側には一切開示されない仕組みにしております。
 もう一つは、我々自身のキャッシュカードの安全性の問題ですが、これも年々改善してまいっております。例えば、昨年の十二月から改善しましたのは、従来はカードそのものに、通帳の記号番号は今でも入れておりますが、暗証番号まで実は入れておったわけです。これが実は読み取られるという可能性が出てまいりまして、今この暗証番号は郵便貯金のキャッシュカードには含めておりません。コンピューター本体に記憶させております。したがって、暗証番号がカードを盗まれることによって盗まれるという仕組みにはならないように昨年の十二月から切りかえ始めております。
 以上の二点でございます。
○下村泰君 私こういうの全く弱いんですよ。パソコンなんてこんなの、あれ見るだけでうんざりするんです。自分自身キャッシュ・カードなんてのも使ったことがない。自分で現金払わないと何ぼ払っているかわかりませんからね。あんなカードなんか持ったら私なんかすぐ残高なしになる。そういうおそれが十分にある。ですから、こういうのは余り好きじゃないんですが、好きでないだけにつまらない単純な心配をするわけなんです。ですから、ぜひそういうことのないようにひとつお願いしたいと思います。
 それから次に、もうこれは懸案になっております、私はこの問題で当委員会へ来たようなものなんですが、点字の内容証明問題。これはもう何回でも私はしつこくやれるまでいきたいと思っておりますけれども、きょうだけお答えになってまた言い逃れするようなことのないようにひとつお願いしたいと思っております。
 実は昨年五月の二十三日に、深谷さんが郵政大臣のときにこのことに関してお尋ねしたんです。そのときに、大事なことでございますから、不可能なということは機械においてはこれから先はない、つまり機械が、いろいろと点字判読機なんてのがあるんですけれども、それに誤りがあると郵政省の方の方がお答えになって、私はそれに異論を入れたんですが、不可能なことはないと私は思っていますので、例えば点字を打っていただくときにぴたっと二重に写せみような形で写して、それを郵便局へ持っていって目の前ではがして一通とっておくとかいったようなことも含めて、全力を挙げて実現に向けて頑張ってみたいと思っております。こういうふうに深谷前郵政大臣がお答えになったんです。
 そうしましたら、このときたまたまテレビも中継しておりましたし、それからラジオでもやっております。お目の不自由な方も全部これ耳でちゃんと聞いておるわけです。それで、これは大変な進歩だと喜んでおったんですが、それから先がちっとも進んでおらぬのですわ。課長さんあたりに交渉しでも、ああだこうだ、滑ったの転んだのと逃げてはかりおるんですね。それで、現状では技術的に無理だとかそんなことばかり言っておる。一体どういうメンバ一でどういう検討をどういうふうに進めていこうとしているのか、一緒に考えようとする姿勢が感じられないんですよ。
 そこで伺いますが、先ほどの深谷さんの答弁以後今日まで、何月何日にだれがどういう点についてどういう検討をし、どういう結論になったのか、漏れなくひとつ御説明願いたいと思います。
○政府委員(早田利雄君) まことに申しわけないんですけれども、何月何日ということには私そこまでデータをつかんでおりませんので、五月の二十三日以降どういう形で検討したかということにつきましてまずお答えをさせていただきたいというふうに思います。
 その後、いろいろ関係団体からの提案等もございまして、私ども新たに三点につきまして検討をしたわけでございます。
 第一点目は、先ほど先生が御指摘ございましたように、三枚重ねで点字を打ち、それを郵便局に提出していただくという方法、二点目には、取扱郵便局をある程度限定いたしまして、そこに点字に習熟した職員を配置して取り扱いを行う方法、そしてまた三点目には、それよりさらに少し限定をいたしまして、全国に一局程度照合事務を専門に行う郵便局を定めまして、そこに引受郵便局から内容証明文書であるとかいろんなものを送っていただきまして、照合してそれをお返しして内容証明するというような方法について検討を重ねてきたわけでございます。
 三枚重ねによる方法につきましては、もう既に私どもの方から説明をさせていただいたかと思いますけれども、点字の打ち方によりましては内容文書だとか謄本の点字が不鮮明になり得る場合もあるというようなこともございまして、さらにその再度証明、差出人の方が郵便局から交付された謄本を失われた場合に再度証明するというような制度もございますけれども、そういう取り扱いはできないというような問題点があるというようなこと。
 また、点字に習熟した職員を配置して行う方法につきましては、なかなかその訓練に相当の時間を要するので、現実的には訓練の時間そしてまた取扱局も極めて限定されるというようなことになっていくということになりますと非常に不便ではないかというようなこと。
 そしてまた、照合局を一局あるいは数局定めまして行う方法につきましては、相当文書の授受に時間がかかるというようなことから、現在のところ、この三点につきまして採用することは、内容証明というものが非常に権利義務関係にも重要な影響を及ぼすものでございますので採用は困難ではなかろうか、実施は困難ではなかろうかというふうに思っております。
 そうは申しましても、先ほどお話ございました点字判読機等につきましてもさらに改良されるというようなことを含めまして、何らかの方法でやれるようなことがないものかということで現在所究中というところでございます。
○下村泰君 郵便法には点字による内容証明郵便が出せないという規定はないんですね。
○政府委員(早田利雄君) 郵便法そのものには点字云々という話はございませんけれども、内容証明そのものが非常に、先ほどお話し申し上げましたように、権利義務関係に重大な影響を及ぼしますので、謄本等出されましたものが正しく同じであるということをだれにもわかるような形でするということになりますと、点字というものの場合には非常にその辺が、私ども点字が読めない者につきましては、証明が困難だというようなことから郵便規則の方で限定をしております。
○下村泰君 郵便法にはないけれどもそちらの方で限定している、こういうことですね。
○政府委員(早田利雄君) はい。
○下村泰君 それで、実はこういうことをお願いしている方々の集まりが、それはそれなりにやっぱり研究しているんですよね。私の手元にこれあるんですけれども、こういうふうにしてくれりゃ何とかなるんだがというふうに出されているんですが、今あなたのおっしゃったことが全部これで解決されるみたいなんです。郵便局の窓口に三枚重ねの特別な点字用紙を準備しておく。利用者は点字器を持参し、局員立ち会いのも
と三枚重ねたまま点字を書く。なお点字は片面書きとします。私、これよくわからなかったんです。点字というのは左から右へ打っていくんですが、打った点字とその次の段階のところに間があいていて、今度裏返してその間のところへ打つんだそうですね。それで両面を使う。それを片面にするというんだそうです、立ち会いのもとに。そして、
  局員は物理的同一性――三枚重なっているか
 否か――を確認する。
  局員はこれを朗読し、内容につき双方で確認
 する。
  局員はその一枚をはがし利用者に渡す。
  利用者は局員の前でこれをあらかじめ持参し
 た宛名と差出人の名前の書いてある封筒に入
 れ、封をし、局員に渡す。
  局員は宛名と差出人の住所氏名等を朗読し、
 双方で確認する。
  局員は次の一枚をはがし利用者に控として渡
 す。
  局員は最後の一枚を局の保存用として取り扱
 う。
  以上で手続きを終わるが、局員の点字読み取
 り能力が不十分と思われる時には一定期間を
 限って以下のような便法を講ずることができ
 る。
  前述の「四」を以下のように展開する。「前述の「四」」というのは、「局員はこれを朗読し、内容につき双方で確認する。」というところですね。「局員はその一枚」は「五」になります。「四」を次のようにするわけです。
  局員は預り証を発行し、これを中央読み取り
 センタに送る。
  中央読み取りセンタでは内容を確認し局に返
 送する。
  局は利用者に再度来訪を求め、前述の「五」以
 降の手続きに入る。
  なお、経費については以下のように考える。というふうになっておりまするけれども、今私のお読みした点で何かまだまだできそうもないというところはありますか。
○政府委員(早田利雄君) 関係の皆様方の御提案も含めまして検討してまいりたいと思いますけれども、今考えた限りにおきましては、相当今までの方法をミックスした形で今後の展望を切り開いていこうということでございまして、ただ先ほどもちょっと申し上げましたように、多少時間的なものがかかるとか、非常に面倒であるというようなことがあろうかと思いますけれども、十分私ども検討させていただきたいというふうに思っております。
○下村泰君 幾らか進みましたな。結構でした。
 大臣、ちょっとおもしろいなと思って気がついたんだけれども、関谷郵政大臣も深谷前郵政大臣も、両方、「谷」というのがつくんですね、同じ谷でも深いか浅いかの問題なんですけれども。そんなことはどうでもよござんすけれども、もう少したつとかわられてしまうんで、かわられるというと困るので、せっかくここまで追い詰めて大臣からいいお答えを出していただこうと思っているやさきにかわられるんじゃかなわぬのですがな。今までの私どものやりとりをお聞きくださいまして、大臣としての御見解はいかがでございましょうか。
○国務大臣(関谷勝嗣君) 先生は予算委員会でも福祉のことで大変御尽力をしていただいておるわけでございまして、日ごろから敬意を表しておるわけでございます。
 その中、この点字の内容証明のことでございますが、私も前もっていろいろ担当の者から伺ったわけでございます。まだ越えていかなければならない障害もあるようでございますが、先ほど局長が答弁をいたしましたように、先ほどの提案そのもの自体も含めまして検討をさせていただきたいと思います。
○下村泰君 今の検討というお言葉の中には……
○国務大臣(関谷勝嗣君) 前向きで。
○下村泰君 必ず前の方を向いて、必ず次に申し送ってくださいよ。先ほどいろいろ足立委員からもお話がございましたけれども、申し送っていただかないと、それでおしまいじゃ困っちゃう。
 それで、大臣にちょっと伺いますが、一九八〇年三月十六日というのはどんな日か御存じないと思います。知らなくて当たり前です。別にこだわらないでくださいよ。実はアメリカでテレビの字幕番組がスタートした日なんです、字幕放送が。一九八〇年の三月十六日なんです。当時、三大ネットワークで字幕番組が一週間に十六時間、昨年の数字では五放送局で毎週二百十五時間。
 さて、日本の字幕番組の現状はどういうふうになっていましょうか。
○政府委員(小野沢知之君) お答えいたします。
 NHKと民放全体の現状について申し上げますが、文字放送はテレビジョン放送の電波に重畳して文字、図形または信号を送る放送でございますが、現在NHKと民間放送二十四社で実施中でございます。その放送番組の内容でございますが、ニュース、天気予報、株式市況など趣向を凝らしたものでございまして、受信者のニーズにきめ細かくこたえる多種多様な情報を提供しようという、そういうふうに志向しているというふうに判断しています。
 このうち字幕放送でございますが、これは同時に放送されるテレビジョン放送番組の内容と直接に関係のある文字を表示するものでございますけれども、現在NHKとそれから民放十三社が実施しておりまして、これは耳の不自由な方にとって、人気のあります連続ドラマとかアニメとか映画などテレビジョン放送番組をごらんになる上で大変喜ばれているというふうに思っております。
○下村泰君 時間を全然言われていませんね。何時間やっているか。
○政府委員(小野沢知之君) 例えばNHKでございますと、「君の名は」とか「ひみつの花園」とか「近松青春日記」とか「日曜インタビュー」とかいうふうに大体毎日行っておりますが、一番組につきまして三十分単位だとか十五分単位だとかいろいろさまざまでございます。また、民間放送についてでございますと、日本テレビでございますと「長七郎江戸日記」だとかあるいは「謎学の旅」、東京放送で申しますと「水戸黄門」とか「ドキュメント特集東京91」とかいうことで、十分単位だとかあるいは三十分単位であるとか、それからフジテレビでございますと「サザエさん」で三十分とか、こういうふうな状況となっておりまして、先ほど申し上げましたような社の数でございます。
○下村泰君 結構です、もう。私の方から申し上げましょうね。関東では六放送局で週十二時間、近畿では六放送局で十二時間と五分。ドラマなんかについては、まげ物、要するに時代劇が一番多いわけですよ。「暴れん坊将軍」とか「水戸黄門」とか、こういうのはやっぱり耳の不自由な方だってみんな見たい。
 そこで、昨年の九月、アメリカで画期的な法律が成立しました。テレビ受像機への字幕放送受信装置内蔵を義務づける法律というのができたんです。これを御存じでありましたら、ちょっと説明してみてください。
○政府委員(小野沢知之君) ただいま御指摘の法律でございますが、一九九〇年テレビジョンデコーダー回路法として昨年十月十六日成立いたしまして、一九九三年七月一日に発効することになっております。
 その法律の主な内容でございますが、次の二点だというふうに認識しております。
 まず第一点目でございますが、米国内で製造されあるいは米国内での使用を目的に輸入される十三インチ以上のテレビジョン放送受信機は字幕放送を表示するためのデコーダー回路、字幕放送受信装置のことでございますが、これを内蔵しなければならないということ。第二点が、連邦通信委員会、FCCが定める規格に従わないテレビジョン放送受信機につきましては、州際交易、製造、組み立て及び輸入を行ってはならないこと、それが主なる内容だというふうに認識しております。
○下村泰君 既に技術的にはめどがついていて、コストも従来のテレビに約十五ドル上乗せすれば向こうではこれがきるんだそうです。ですから、ちょうど二千円はさりですね。恐らく日本でもこういうふうになるような気がするんですけれども、これ法律の所管になると通産省あたりかどうかわからないんですけれども、どうですか、郵政大臣としては。私は大変すばらしいと思うんです、こういうのは。どういうふうにお考えになりますか。
○国務大臣(関谷勝嗣君) 私もきょう初めて伺ったわけでございますが一確かにこういうようなことも当然進めていくべきであろうと思っておるわけでございます。また、十五ドルということでございますから、日本でございますればもっと安くなるかもしれませんから、価格が上昇するとか、あるいはまた消費者の負担であるとかいうようなことはそう頭に入れなくてもいいことではないかなと思っておりますが、今後十分に前向きで検討をさせていただきます。
○下村泰君 よろしくお願いします。日本というのはとにかくこういう機械の分野においては私は相当なすばらしいものを持っていると思うんです。それはもう多分に使わなくちゃいけないと思うんです。ですから、郵政省の方もやれ判読機がどうのこうのといつまでもつまらないことを言っていないで頑張ってください。
 今度郵便局舎の上に社会福祉施設を建設するというお話があるんです。これは大変すばらしいと思います。
 郵政省に一つお尋ねしますが、合わせるという字に築と書いてどういうふうに読むんですか。ゴウチクと言うんですか、ガッチクなんですか。広辞苑にも全然書いてないんです、これ。
○政府委員(早田利雄君) 私どもでは「ガッチク」と読んでおりますけれども、よろしくお願いします。
○下村泰君 ああそうですか。それではひとつ説明してください、その合築を。
○政府委員(早田利雄君) 社会福祉と郵便局との合築につきましては、平成四年度予算として具体的には両国郵便局、東京都の中央区にございますけれども、ここを選定いたしまして、その局舎の建設工事費の要求を行っているところでございます。合築される社会福祉施設につきましては、東京都の中央区が設置主体でございまして、施設の内容といたしましては、軽度の心身障害者を利用対象とした会議室、相談室、そして軽作業室などを主な内容とする利用型のものでございます。もちろん、この社会福祉施設の建設に要する費用は東京都の中央区が負担するものでございます。
 これまで郵便局と地方公共団体との施設を合築した例は幾つかございましたけれども、社会福祉施設との合築につきましては、今回計画しております両国郵便局が最初のケースになるものでございます。
○下村泰君 これは私、大変結構なことであって、これは郵政省だけでなくてほかも全部やってほしいと思うんですよ。
 前に社会労働委員会におりましたときに、保育園とか幼稚園の隣に老人ホームをつくれと私は言ったんです、離さないで。そうしますと、お年寄りの方でも中には体の丈夫な人がいましてね、核家族でもって分散されてしまって自分の孫の面倒を見られないなんていう御老人も入っていると思うんです。そういう方が豆粒みたいな子供がころころころころあっち回ったりこっち回ったりするのを見て、かえって子供の面倒を見たくなって健康が回復するんじゃないかなんというお話をしたことがあるんです。そうしましたら、既に東京都の江東区の方で同じようなものができているんですね。ですから、こういう方法もこれから考えていかなきゃならないと思うんで、率先してこういうのをやっていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 今度は、簡易保険についてちょっとお願いします。
 ことしの五月二十八日に出ました簡易保険に関する調査研究会報告書というのがあります。これについてちょっとお聞かせください。
○政府委員(荒瀬眞幸君) ことしの五月に簡易保険に関する調査研究会報告書が提出されておりますけれども、主な内容は次の二点でございます。
 第一が、豊かで活力のある長寿社会の実現へ向けて、簡易保険事業は商品・サービス面、普及推進面及び資金運用面で国民の主体的な生涯生活設計を支援する必要があること。第二が、二十一世紀に向けまして、簡易保険加入者につきまして加入者福祉活動の魅力をより高めていくために、ゆとり、安心、多様性のある生活を支援するため、介護機能つき終身利用型である新カーサ・デ・かんぽ、新都市型加入者ホームと称しておりますけれども、これの全国展開に向けて計画の策定等をすべきであるという内容になっております。
○下村泰君 ついでに、今出たそのカーサ・デ・かんぽというのをちょっと説明してみてください。
○政府委員(荒瀬眞幸君) ことし七月にオープンいたしましたカーサ・デ・かんぽ浦安でございますが、特徴といたしましては、大都市近郊にありまして、家族や社会との交流を保ちつつ、加入者が安心して充実した老後を過ごせるように、日常の健康管理に加え、万一寝たきりになった場合に介護サービスを提供する、終身利用型であるという新しいタイプの加入者ホームでございます。
 施設の内容といたしましては、健康管理室、機能回復室、介護室、レストラン、集会ホール、会議室、趣味・サークル室、茶室、浴室等多様な内容を備えております。サービスといたしましても、定期的な健康診断、栄養バランスを考えた食事の提供、快適で有意義な生活を送るためのサークル活動、イベントの実施、それから万一寝たきりになった場合の介護サービス等を行っていくことにいたしております。
○下村泰君 大変私は画期的なものだと思うんですよ、これは。通常の老人ホームだったら六千万円以上、八千万とか一億なんというのはざらにあります、有料老人ホームは。ところが、ここは二千二百六十万から三千四百四十万円ぐらい、介護つきで終身型、すごいよ、これ。こういうのはどんどんつくっていただきたい。今浦安の方でこれができ上がっているそうですけれども。
 ただ、この状態に民間企業の方から、政府の簡保でこういうものをやられたんじゃ我々の方の業務圧迫であるというような声が出ているんですね、民間の企業から。下手するとどっかでひん曲がりゃせぬかと思って私は心配しているんです。そうでなくても財界とこういう官庁は癒着するとかどうのこうのといろんなことが言われているんですから、そんなことのないように願いたいと思いますが、どうなんですか、これから先。
○政府委員(荒瀬眞幸君) 私どもの国営の簡易生命保険と民間生命保険、共存共栄ということで取り組んでおりますけれども、この新型都市ホームにつきましても、報告書では今後全国主要都市地域に順次設置をすべきであるということになっておりますが、地域社会のニーズの動向を調査研究いたしまして、当面は首都圏、近畿圏等の大都市圏にニーズがあるというふうに考えておりますので、こういった地域から今後予算の確保等を含めまして具体的に検討していきたいと考えております。
○下村泰君 まだほかにも質問したいことがたくさんあるのでございますけれども、時間も時間でございますので、大臣、今のようなあれなんですけれども、今申し上げましたように、変に財界からの圧迫を受けたりなんかして目的がどんどんと変わらないようにひとつお願いしたいと思います。
 それから、これ二分で片づくと思いますが、今一声運動というのが盛んに行われております。ふれあい郵便というのが郵政省の組合の手で始められた。これは結構なことだと思いますな、下の方から出てくる声というのは。そのことについてちょっと報告してください。
○政府委員(早田利雄君) 郵便局の職員によります郵便配達時における高齢者の皆さんへの励ましの声がけにつきましては、昭和六十年の十月、九州管内の大分県の郵便局でスタートしたのが始まりでございまして、現在実施している郵便局は全国で百十八郵便局、市町村の数にいたしまして八十三市町村、対象は六千五百名というふうに把握しております。
○下村泰君 聞くところによりますると、これはヤクルトが一番最初なんだそうですね。そこから始まって、そしてこの方たちが民生委員の役目になっている。ちょっとした何か情報があるとすぐ福祉事務所へ通達をするとか病院に知らせるとかして、大変こういう方々の運動が役立っているというふうに伺っております。中には器用な方が、何か老人がひとりでいらっしゃって、雨漏りがすると屋根に上がって屋根まで修理するなんという方がいらっしゃるそうです。もし郵便局員の方にそんな器用な方がいらしたら、そういうことまでやっていただきたいぐらいに思います。
 それで、実際に配達される方は大変だと思います。こういう方々に対して郵政省としてはどのくらいまでのバックアップをなさるお考えですか。それを聞かせてください。
○政府委員(早田利雄君) 先ほど先生御指摘ございましたように、当初は組合の発想が主となって始まったものでございますけれども、これからの日本の社会を考えましたときに、人口の高齢化というのはさらに進展するというふうに思われますし、高齢者が健康で生きがいのある生活を送るということにつきまして、長寿社会対策の推進というのは、私ども今後とも国の重要な政策課題であるというふうに認識しております。
 そういうことから、今回、二万四千の郵便局ネットワークを通じて省としてもやるということで、さきに施策の実施方針等につきまして全国展開を図るべく指導したところでございます。
○下村泰君 お呼びしていた方々、お尋ねし損ないましたが、ひとつお許し願いたいと思います。
 終わります。ありがとうございました。
○委員長(粕谷照美君) 他に御発言もなければ、本件に対する本日の質疑はこの程度にとどめます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時五十九分散会