第121回国会 証券及び金融問題に関する特別委員会 第4号
平成三年九月四日(水曜日)
   午前十時開会
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   委員の異動
 九月三日
    辞任          補欠選任
     大島 慶久君     谷川 寛三君
     上田耕一郎君     諫山  博君
 九月四日
    辞任          補欠選任
     三治 重信君     寺崎 昭久君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         平井 卓志君
    理 事
                大浜 方栄君
                斎藤栄三郎君
                山岡 賢次君
                北村 哲男君
                久保  亘君
                白浜 一良君
                近藤 忠孝君
                池田  治君
    委 員
                井上 章平君
                石井 道子君
                石川  弘君
                石原健太郎君
                合馬  敬君
                狩野 明男君
                陣内 孝雄君
                須藤良太郎君
                高橋 清孝君
                谷川 寛三君
                西田 吉宏君
                野末 陳平君
                岩本 久人君
                種田  誠君
                野別 隆俊君
                前畑 幸子君
                村田 誠醇君
                本岡 昭次君
                安恒 良一君
                吉田 達男君
                木庭健太郎君
                和田 教美君
                諫山  博君
                古川太三郎君
                寺崎 昭久君
                喜屋武眞榮君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        下村 純典君
   証人
       野村證券株式会
       社相談役     田渕 節也君
       日興證券株式会
       社副会長     岩崎 琢彌君
       大和證券株式会
       社代表取締役社 
       長        同前 雅弘君
       山一證券株式会
       社代表取締役社
       長        行平 次雄君
      (田渕証人補佐人 山田  尚君)
      (岩崎証人補佐人 伊達  昭君)
      (同前証人補佐人 渡辺 留吉君)
      (行平証人補佐人 久野 盈雄君)
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  本日の会議に付した案件
○証券及び金融問題に関する調査
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○委員長(平井卓志君) ただいまから証券及び金融問題に関する特別委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 本日、三治重信君が委員を辞任され、その補欠として寺崎昭久君が選任されました。
○委員長(平井卓志君) 証券及び金融問題に関する調査を議題とし、田渕節也証人から証言を求めることといたします。
 まず、委員長から確認させていただきます。
 あなたは田渕節也君御本人ですか。
○証人(田渕節也君) 田渕節也本人でございます。
○委員長(平井卓志君) この際、一言ごあいさつ申し上げます。
 本日は、御多忙中のところ当委員会に御出席いただきましてありがとうございました。
 証言を求めるに先立ち、証人に申し上げます。
 議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律によりまして、証人には、証言を求める前に宣誓をしていただくことになっております。
 宣誓または証言を拒むことができるのは、次の場合に限られております。
 自己または自己の配偶者、三親等内の血族もしくは二親等内の姻族または自己とこれらの親族関係があった者及び自己の後見今後見監督人または保佐人並びに自己を後見今後見監督人または保佐人とする者が刑事訴追を受け、または有罪判決を受けるおそれのあるときは宣誓または証言を拒むことができます。また、医師、歯科医師、助産婦、看護婦、外国法事務弁護士を含む弁護士、弁理士、公証人、宗教の職にある者またはこれらの職にあった者が業務上委託を受けたため知り得た事実で他人の秘密に関するものについて証言を求められたときも宣誓または証言を拒むことができますが、本人が承諾した場合はこの限りではありません。
 正当の理由がなくて証人が宣誓または証言を拒んだときは、一年以下の禁錮または十万円以下の罰金に処せられます。
 また、宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは、三月以上十年以下の懲役に処せられることになっております。
 なお、今回の証人喚問についての当理事会の決定事項については、証人には既に文書をもってお知らせしたとおりでありますが、この際、その主要な点について申し上げておきます。
 その第一点は、証人が補佐人に助言を求める場合についてであります。
 証人は、補佐人に対し、宣誓及び証言の拒絶に関する事項について助言を求めることができますが、これらの助言は、いずれもその都度、証人が委員長にその旨を申し立て、その許可が得られた後に認められるものであり、補佐人の方から証人に対し助言することはできないことになっております。なお、補佐人は発言することはできません。
 その第二点は、資料についてであります。
 証人は、既に通知いたしましたとおり、証言を行うに際し、あらかじめ当委員会に提出された資料を用いることは差し支えありませんが、委員長の許可が必要であります。
 その第三点として、証人のメモ筆記は尋問の項目程度に限られております。なお、補佐人はメモをとることが許されます。
 以上の点を十分御承知願います。
 それでは、法律の定めるところによりまして、田渕節也証人に宣誓を求めます。
 全員御起立願います。
   〔総員起立〕
○委員長(平井卓志君) 議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律第五条の三の規定により、これより田渕節也君の証言が終了するまで撮影は中止してください。
 田渕節也君、宣誓書を朗読してください。
   〔証人は次のように宣誓を行った〕
    宣 誓 書
 良心に従って真実を述べ、何事もかくさず、又
 何事もつけ加えないことを誓います。
             証人 田渕節也
○委員長(平井卓志君) 全員御着席を願います。
 証人は、宣誓書に署名捺印してください。
   〔証人、宣誓書に署名捺印〕
○委員長(平井卓志君) これより証言を求めることといたしますが、証人の御発言は証言を求められた範囲を超えないこと、また、御発言の際はその都度委員長の許可を得て御発言なさるようお願いいたします。
 なお、質問を受けているときは御着席のままで結構でございますが、お答えの際には起立して御発言を願います。
 この際、委員各位に申し上げます。
 本日は、申し合わせの時間内で証言を求めるのでありますから、不規則発言等、議事進行を妨げるような言動のないよう特に御協力をお願い申し上げます。
 また、証人には、委員の尋問時間が限られておりますので、答弁は要点を的確に簡潔にお願いいたします。
 それでは、まず委員長から証人に対しお尋ねいたします。
 今回の一連の証券不祥事はまことに遺憾でありますが、野村証券が行ったとされる損失補てんは、去る七月二十九日、日本証券業協会によって公表されたリストのとおり相違ありませんか。
○証人(田渕節也君) お問い合わせの損失補てんの公表に関しまして、七月二十九日、証券業協会に届け出て、協会から発表されたものに相違ないというふうに聞いております。
○委員長(平井卓志君) 公表された補てんの実態は、昭和六十三年九月期から平成二年三月期のものでありますが、それ以前またはそれ以降においても行われましたか。
○証人(田渕節也君) お答え申し上げます。
 それ以前におきましては、野村証券とお客様とのトラブルが単発的にございまして、今の時点におきましての解釈によりますと損失補てんと言われるものが幾つがあったかと存じます。
 それ以後におきましては、先日の衆議院の私の証言におきまして、それ以外は、それ以後は損失補てんはないと思うと聞いているというふうに証言いたしましたが、先日国会において証券局長がそれ以後の検査の過程で、それ以後補てんの疑いのあるものがあるというふうに申されているのを聞きまして、会社のスタッフの者に確かめました。会社のスタッフの者は、本年初めごろから野村証券に大蔵省の定時検査がございまして、その定時検査が終わらないうちに現在も特別検査が続いているわけでございますが、その検査の過程において損失補てんに疑いのあるものが幾つかあるという指摘を受けているが、現在ただいまも検査官と手前どもの総務のスタッフの者とが議論を続けているところであるという報告を受けましたので、私としてはそれ以後に関しては今のところ、何といいますか、損失補てんの事実は正確に聞いていたいというふうにお返事をさせていただきたいと思います。
○委員長(平井卓志君) 野村証券は、法令や行政指導及び諸規則をどのように受けとめて営業を行ってきましたか、お尋ねいたします。
○証人(田渕節也君) それから、最初におわびを申し上げようと思っていたことでございますが、ただいまの御質問の前に一言おわびを申し上げたいと思います。
 今回の野村証券の一連の不祥事に関しましては、全国民の皆様、全国の投資家の皆様に大変御迷惑をおかけし、かつお騒がせをいたしております。本当に申しわけないことで、現在私は心から反省いたしておりますし、今後二度とそういうようなことが起こらない決意でございます。
 なお、立法府の皆様にはこのようにお手数をお煩わせ、大変申しわけなく心からおわびを申し上げます。
 委員長の御質問に対してお答えをいたします。
 野村証券は免許をいただいている会社であり、かつ日本のまさに社会における企業でございます。当然法令、行政指導、諸規則を守る義務がある会社でございます。私もそれから我が社の経営者も当然いつもそう考えて、自分でもあるいは従業員にもそれを徹底するというふうに努めてきたと思っております。しかしながら、現在このような一連の不祥事が発生しているということを見ますと、まさに今まで一生懸命に言ったつもりであったことが実は口先だけのことに終わっていたんじゃなかろうかと甚だ反省いたしております。
 しかし、これだけ御迷惑をおかけしましたし、野村証券も今後とも一生懸命国民経済の中で相努めるつもりでございますので、今後は今申しました法令、規則、御指導というものは厳重に遵守いたすつもりでございますし、なおそのために今いろいろ反省しているわけでございますが、野村証券の社内における検査体制あるいは管理体制、そういうものがいささか質量ともに弱体だったんじゃなかろうかと、そういうものを今からもっともっと強化していく。もちろん社会倫理ということに関して従業員に徹底的な教育をするということ、それから自主規制機関の証券業協会がいろいろと今決められておりますが、そういうことは当然守る、野村証券そのものも自分のところで次々にやっちゃいかぬことというのを具体的につくっていくと、それを守ると、そういうふうなつもりでございますが、いずれにしましても、大変皆様に御迷惑をおかけしたということはまことに申しわけないと反省いたしておる次第でございます。
 以上でございます。
○委員長(平井卓志君) ありがとうございました。
 委員長からのお尋ねは以上でございます。
 それでは、田渕証人に対し質疑のある方は順次御発言を願います。
○野末陳平君 本日は御苦労さまです。
 私は野末陳平です。自民党を代表してお尋ねします。
 証人は、平成二年四月以降補てんは聞いていないということを衆議院で証言されまして、今、委員長の質問にもお答えになりましたが、そのときに本当に大蔵省の検査でそういう指摘があったという報告すら受けていなかったんですか。
○証人(田渕節也君) 定時検査の後大蔵省の講評というものがいつもあるはずで、今回もあったと、そういうふうに私は思っております。私、社長のときにはその講評の席にいつも出ておりましたが、会長になってから講評の席に出ておりません。したがいまして、今お尋ねの件は全然存じませんでした。
○野末陳平君 それでは、その後大蔵省講評の内容を受けて、そこで大ざっぱに知るところをお答えいただきたいのですが、全体でどのくらいの金額を大蔵省に指摘されたのか、一番の大口はどのくらいか、あるいはどんな手口が主で、どこの団体または企業にそういうことをしたのか、損失補てんに当たるかどうかという解釈は別として、そういう指摘の内容、講評の内容について、今私のお尋ねしたことで知る範囲をお答えください。
○証人(田渕節也君) お尋ねの件、まことに申しわけありませんが、今回来るに当たってスタッフの責任者から補てんの疑いのあるものが幾つかあるということだけを聞いてまいりまして、その内容に関しては聞いてまいっておりません。
○野末陳平君 いずれ、大蔵省で明らかになると思いますから、その時点でまた議論になると思います。
 それでは、公表された損失補てんの問題で聞いていきます。
 平成元年十二月の大蔵省通達の後、あなたの証言によると、役員会では百七十三億の補てんはやむを得ない、いわば損して得とれというような気持ちでやったと、こういうようなお答えでしたけれども、このときに役員の皆さん方は、あなたも含めて大蔵省通達に違反するということを当然承知だったわけですね。お答えください。
○証人(田渕節也君) 平成元年十二月の通達がありました。その後、この間申し上げましたように、総務担当の副社長が大蔵省の通達が事後の補てん禁止、それからいわゆる営業特金を早急に解消しろということ、その他の項目もあったと思いますが、私の頭に一番あったものは、いわゆる営業特金を早く解消しなくちゃいかぬと、これは私に限らず、当時の社長もいわゆる営業特金は相場の変動によってこれは事故につながるというふうな感じを持っていたんだと思うんでございますが、ともかくいわゆる営業特金を早う解消しようと。その後平成二年が始まって、それで株が一−三月の間に一万円ぐらいの大暴落をしたわけでございますが、その間やはり営業特金はともかく解消しなくちゃいけないということが、補てんをするというよりか先に非常に頭にあったという雰囲気であったことを私は思い出します。
○野末陳平君 それでは、その席上で、大蔵省の通達が出ている。これについてはというような議論は役員の間ではなかったということになりますね。
○証人(田渕節也君) 役員会、私、申し上げましたのは取締役会ということではなくて、三月中旬の専務会という、これはいわゆる非公式の機関でございます。専務以上が集まっているという会合を毎週火曜日に開いているということでございますが、その席において、総務担当の副社長が全国からの状況を全部集めまして、それで合わせて百六十一億円でございましたか、これだけのものは補てんをせざるを得ないと自分は思いますが、よろしゅうございましょうかと、これは皆、営業特金を早期に解消するということでお客様との間でいろいろなトラブルもあった結果ですと、たしかそういう報告だったと、そう思っております。
○野末陳平君 衆議院で証言なさった内容は私も覚えておりますから、カットなさって結構です。
 さて、その通達を結果的に無視したというところたんですが、私は思うに、あなた方には罪悪感というものが、これ損失補てんについてですよ、なかったんではないかと思うんです。というのは、昔から証券会社というところは大口のお客様には、個人法人を問わず、損をさせたらCBや公開株などで埋め合わせをするという、これは暗黙のルールでずっと長いことやってきた。いわばこれは常識ですね。この日本的商慣習といいますか、これが好ましくないというのが大蔵省の通達で、以前にも何回も出ているんですよ。にもかかわらず、そういう商習慣にどっぷりつかって、ばれたらそのときどきの処分で間に合わせてきたと、損失補てん行為に余り罪悪感を持っていなかったというあたりが真相じゃないかと思うんですけれども、それについてはどうですか。短く答えてください。
○証人(田渕節也君) 野末先生の御質問に関して、大口投資家に補てんをすることは罪悪感がなかったかということでございますが、決してそのようなことはないと思います。やはり非常にまずい行為であるという議論が社内で随分あったけども、やはりここで、暴落の最中だけども営業特金は将来に問題を起こすから、これをよそうじゃないかという議論の方が勝ったようでございます。
○野末陳平君 それでは角度を変えて聞きます。
 もし、損失補てんをやめろというのが大蔵省の通達でなく法律で禁止されていたとすれば、専務会あるいは役員会の席上であなた方は営業優先で補てんをやるという決定にならなかったんではないかと思うんですよ。法律で禁止されたら絶対これはやれませんね。どうですか。通達だからやってしまったんでしょう。
○証人(田渕節也君) 御質問の、証取法でもし禁止されていたら補てんをやったかどうかという質問でございますが、私は法律で禁止されていたら絶対にやっていなかっただろうと、そういうふうに思います。
○野末陳平君 そうすると、やはり大蔵省の通達というものの重みを余り感じていたかった、俗に言えば大蔵省を甘く見ていたというようなことも言いたくなるんですね。
 あなたは、損して得とれと、お客が大事だからといってサービスをなさった。長いつき合いを考えて通達まで無視してお客に補てんしたんだけれども、補てんされた相手側の企業、団体はほとんどが認識がないと言っている。トップは当時知らなかったとしても、担当者はそれとなく相手に教えて、説明して了解をとったと思うんですよ。だからこそまた、このままでは済まないぞという専務会、役員会の発言があったわけですから。結果的に補てんが終わった後で相手方には説明はきちっとしてあるはずでしょう。そうですね。
○証人(田渕節也君) 相手方の認識度ということに関して、私も、我が社の担当者全員ではございません、一部の人に聞いてみたわけですが、相手方は御存じのように非常に大きい会社、大中小といろいろあるわけでございますが、いわゆる小規模の会社の場合は担当者がそのまま社長に直結しておりますから、経営そのものが大体知っておられたと、そう判断いたします。全く認識がない企業は私はほとんどないと思うんでございますが、ただ、いわゆる大企業でございますね、日本を代表するような大企業、これ先生も御存じのように、その財務部というのは恐らく百人以上もいて、担当専務がいて取締役がいて、部長、次長、課長云々と。一日に貿易の決済とかいろんな金が動いているわけで、その中の特金ということに関してどういう人が担当されていたか私宅かではありませんが、係長、課長さんというところが担当されていたと思うのでございますけれども、そういう方は認識されていたと思います。しかし、何といいますか、私も四十年サラリーマンをやってきた身でございますが、いわゆるサラリーマン社会のつらさというようなものがこの認識あるなしという問題にもつながっているんじゃなかろうかと、これは私の類推でございます。間違っているかもしれません。
○野末陳平君 損失補てんと手数料の関連でお聞きしたいんですが、二月三月というあたりでも百何十億という補てんができた。これは大口のお客から莫大な手数料をもうけさせてもらっているというこれがあるからであって、手数料収入をくれるお客を失うのはもったいない、もうけの一部を吐き出しでもお客をつたいでおくという。俗な言葉で言えば。これがすなわちあなたの証言した損して得とれの補てん動機だと思うんですが、損失補てんとか利回り補てんとかいう芸当は手数料でもうかり過ぎているからこそできたことで、もし手数料が今の固定制でなくて自由化で、それほどもうかっていたいという事態だったらあんな芸当はできなかったように思うんですね、私は。
 そこで、やはりこの手数料で莫大なる収入がある、この背景が損失補てんを生んだという、ここの関係について一言お答えください。
○証人(田渕節也君) 手数料は現在日本の場合には固定手数料でございます。今、先生がおっしゃられたようなお言葉は、仏その後、経済雑誌その他でも有力な経営評論家の方が書かれたもので読んだことがございます。
 証券会社、これは非常に何といいますか、銀行と違いまして昔からバブルがあろうがなかろうが浮き沈みのある業界でございまして、プラザ合意の後から五年間ぐらい非常に利益があったことは事実でございます。その間の固定手数料というのは何度か引き下げられてきたわけでございまして、固定手数料の論議というものは、今皆さんがいろいろやっておられますが、今の御質問には、ともかくその間の利益は、バブル経済といいますか、トリプルメリットといいますか、そういうことで非常にたくさんあったということだけ御返事をさせていただきたいと思います。
○野末陳平君 私もその点については、平成二年では四大証券で二兆円を超える手数料があって、野村だけでも八千億、九千億ぐらいあったんじゃないかと思うので、この中から一部をバックするならば損失補てんたど大したことではないというようなそんな認識もあったように思うんですが、手数料とそれから免許制などについては、時間があったら後で御意見を含めてお聞きします。
 次の問題は、例の東急の株のことですね。稲川会の石井前会長が六十一年秋におたくで口座を開設した。その客がその筋の人であるということをあなたはいつごろどんなきっかけで知りましたか。
○証人(田渕節也君) 私が知りましたのは、昨年の十二月の下旬に当社の法人担当の副社長、責任者でございますが、その者が私の部屋に参りまして、石井氏が東急の株を二千数百万株持っているという報告があったときに私は知りました。
○野末陳平君 先日の証言で、この東急株の営業販売に野村としては行き過ぎがあったということを反省しておりましたが、具体的にはどういう行き過ぎの営業行為があったのか。これは手短にお答えいただきたい。
○証人(田渕節也君) 東急株を野村が取り上げましたのは、私が調べさせましたところ、平成元年の十月の十八日から大体三日間でございます。その取り上げました十月の十八日から四日間と、それから後二十何日でしたか、ともかく五日、締めて五日、手前どものマーケットシェアが三〇%を超えているということが一つと、それから同一の顧客が東急株を反復売買しているという事実、この二つを私は調査の結果聞きまして、やはりそれは行き過ぎじゃないかと思った次第でございます。
○野末陳平君 それよりももっと末端においてはいろいろあったと思うのが当然想像されるんですが、例えば支店単位の強引なセールスなんというのは別に東急に限らずあると思いますが、関西方面では東急に関しては非常にこれが激しかった。あるいは、お抱えの評論家とか株式記者などを動員しまして、これはあなたは知らないかもしれませんが、マスコミでちょうちん証事を随分書かせた、あるいは講演会で誇大なるPRをして積極勧誘をした、あるいはいわくつきのグループがずらりとまとめ買いをしているとか、そういう事実も、野村と直接関係はないかもしれませんが、かなり踏み外した商いの結果生じたことであろうと思うんですが、これについてはどうですか。
○証人(田渕節也君) 東急を取り上げた店というのを先日の衆議院でも調査結果を御披露いたしましたけども、近畿、四国、東部地区というのが非常に多いわけで、今先生がおっしゃられました関西の支店、ここで講演会を開いております。関西だけじゃなくて、当時しょっちゅう講演会というのは開いているわけでございますが、そのときのテーマの何といいますか、アメニティーと豊かさというようなテーマで十カ店ぐらいの大口懇談会をやっていることは事実でございます。
 それから、新聞の記者云々ということをおっしゃられましたけれども、私、いわゆるいろんな新聞がございますが、この間申し上げましたのは一流の一般紙ということでございまして、そういう何といいますか、ちょうちん記事を書くというような記事ではないと。その後、私もう一回先日読み直しましたけれども、そういうふうに思っております。
○野末陳平君 行き過ぎとか踏み外したというような商いについては主観も入りますからこの辺でやめますが、その結果、野村が力を入れたその結果、東急は予想どおり上がりましたね。もう三千円前後で高値づかみをしていた個人投資家というのは少なくありませんね、現実に。彼らは踊らされた善良な子羊のようなものでして、ばばをつかまされて損しているわけですが。しかし、尾上縫などは、ああいう一連のいわくつき人物はうまくもうけているようですね。
 その辺わかりませんが、少なくも表向きの情報しかない小口の投資家はこの値下がりの東急株を今も抱えて、あるいは損を覚悟で売って、結果的にはだまされたと、野村の口車に乗せられたと言って怒っている。悔しかっている。事実ですね、これは。これも行き過ぎや踏み外し商いのツケが来たわけですから、こういう道義的責任というものもこれはあると思うんですが、どういうふうに感じますか。
○証人(田渕節也君) 決してすべてを相場のせいにするわけではございませんが、五年間にわたって右肩上がりで一万円が二万円、二万円が三万円、三万円が三万八千九百円というふうに上がり続けた相場。なおかつ、そのときの大方の予想と言うと語弊があるかもしれませんが、例えば平成二年の一月の三日でございますか、毎年日本経済新聞紙上でことしの株式相場の予想というものが出るわけでございますが、正確には覚えていませんけれども、いや四万二千円だとかあるいは四万何千円というような予想が出ていたわけでございますが、ともかくマーケットの幕を開いたら、その日からどんどんどんどん下がっていって現在に至っているわけでございまして、その間投資家が大変御損をしていると。ひどく損をされているということに関しては全く私も胸の痛む思いがしますし、甚たお気の毒でもございますが、今何とか、一つはこういうような不祥事も現在株安の原因にもなっておるかもしれません、株の原因という要素は山のようにあるわけでございますが、いずれにしても、こういう不祥事をきちんと解決して何とか、株価がもどのように戻るかどうかはともかくとして、戻っていってほしいと、そう思うのが私の気持ちでございます。
○野末陳平君 反省がちょっと足りないと思いますね。というのは、大衆をカモにして証券会社と一部の大口投資家が太るというのは、これは株の世界では珍しくないことだから、あなたの長い証券マンとしての歴史の中ではこれは恐らく連続していたというような、そういう意味で麻痺していて反省が足りないと思うんです。
 ともあれ、しかし、自己反省をするほどの行き過ぎとか踏み外した営業行為によって東急株の動きはかなり人為的な腕力相場というような様相を呈していたと、私などは客観的に見てそう思っていた。四大証券の寡占化という状況の中では、最大手の野村がその気になればあの程度の相場形成は楽に実現したんだろうと思うんですが、こういう事実は少なくも野村が株価をマイペースで演出しようとしたというようなことになると思うんですね。そういう自覚はあるわけでしょう。
○証人(田渕節也君) お答えいたします。
 まあまあ野村証券、総合証券でございまして、引き受け、ブローカーレージやっているわけでございますが、営業に関しましてはあくま。でもブローカーに徹しているつもりでございます。
○野末陳平君 しかし、あなたはっきり言いませんが、少なくも東急に関しては野村は主幹事会社ですからね。となると、この動きについては相当神経質に敏感になっていなきゃおかしいわけでして、こういう不自然な腕力相場をやっているというのは主幹事会社としても非常によくないことだと僕らは思っていたんです。だけれども、それについてはお答えにならないでしょうけれども、少なくも株価を演出しようとする動きは見えた。これを株価操作と言えるかどうか、証券取引法の。これについては立証はなかなか難しいと思うんです。時間もかかると思うんです。あなたは絶対そうでないと断言なさいましたけれども、しかし大蔵省は、通達に違反していることは明らかであり、しかも証取法にも違反の疑いが濃いと、こういうことを言っているわけです。
 もう時間がないですから私が最後まとめて言いますと、やはりこれだけの荒っぽい、データを示せば一番いいんですけれども、とにかくあなたはプロですからわかるはずなんですが、十月、十一月はかなり荒っぽい相場なんですね。これについて営業担当だけでできることではなくて、これは会社ぐるみで幹部がみんな知っている相場演出で、あなたもその中で一役買っていたと思うんです。全く知らなかったということではないと思うんですが、それについてお答えください。
○証人(田渕節也君) 自分だけ言いわけするわけにはいきませんが、まず私自身はほとんど業務を執行しておりませんでしたので全く知りませんでした。
 しかし、ほかの社長以下の中枢の経営者でございますね、これで知っていたかどうかという御質問でございますが、手前どもの専務会あるいは取締役会で個々の銘柄に関する報告というのはございません。全く経営政策、経営方針、あるいは専務会はそのときのいろいろな会計の数字の報告ということでございまして、少し組織的にし過ぎた嫌いがあるかもしれませんが、営業店それから株式部、それからそういう銘柄を選択する投資調査部というその組織がすべて責任を持ってやっていたことでございまして、今先生がおっしゃられた、知っていたに違いないということに関しては、私はそうは思ってないということをお返事させていただきたいと、そう思います。
○野末陳平君 じゃ、私の見方を最後にあれします。
 大蔵省は、百二十五条の相場操縦はなかなか難しいというふうに言っていますが、証取法の第五十四条に触れる疑いがあると、こう言っていますね。
 私は、野村の東急をめぐる強引な営業は、これは石井前会長らその筋の人たちに対する利益供与というのも目的の一つであったというそういう行為だと、そう思っていましで、石井前会長の買い集め、それからマル暴関係の買い集めとおたくの推奨レポートの間にもうひとつ因果関係がはっきりすれば、これはむしろ証券取引法の五十八条の違反の疑いが濃厚なんですね。すなわち五十八条というのは不正取引行為の禁止というところでして、そこには、不正の手段、計画または技巧で有価証券の売買などをしちゃいかぬと、こうあるんですよ。まさに野村が東急を手がけたあのいきさつは、この営業行為、姿勢は計画的、技巧的な部分が随分ある、そういう手段によっていると断定せざるを得ないわけで、反論があればそれをお聞きしておきます。
○証人(田渕節也君) 私が社内でいろいろ聞いたところによりますと、今の五十八条、法律にそう詳しくはありませんが、たしか五十八条はいわゆる詐欺行為、まあ不正行為という項目、法律だと思いますが、それには当たらないというふうに聞いております。
○野末陳平君 当たらないかどうか、そこまで検討なさったのかどうか知りませんが、そういう疑いが濃厚で、これからもデータに基づいて議論していきたいと思うんですが、ときにあなたは東京地検の事情聴取を既に受けたそうですが、どのくらいの時間受けたか、そして何をポイントに聞かれたか、それを最後にお答えしてください。
○証人(田渕節也君) 私は、八月ですか、八月の二十二日に東京地検の特捜の検事さんに呼ばれまして、午後一時から三時まで、四時ですか、三時間、休憩も含めまして三時間でございましたが、私自身が今二件の告発の被疑者といいますか、対象になっております。特捜の検事さんはその告発の内容、一つは補てんの問題、それから株価操作の問題、それからさらにそれを敷衍した稲川会の問題、この三つの問題が中心にいろいろと御質問をお受けいたしました。
○久保亘君 私は日本社会党の久保亘です。早速質問をさせていただきます。
 今、野末委員から東京地検の事情聴取についてお尋ねがありお答えがございましたが、東京地検に対して東急電鉄株に関する資料は全部提出してあるという証言をなさっておりますが、この資料はいつ、どういう形でお出しになりましたか。
○証人(田渕節也君) 正確な日にちは聞いておりません。ただ、東京地検から御要請があって、総務担当の者が今先生がおっしゃられた資料を地検にお持ちしたということを、私が事情聴取を受ける前にそれは聞いております。事情聴取を受けるよりかうんと前ではなかったと、そう思いますが、正確な日にちは覚えておりません。
○久保亘君 兵庫県警の任意捜査を野村の本店並びに野村ファイナンスがことしの四月に受けているはずですが、御存じですか。
○証人(田渕節也君) 先日、衆議院で喚問を受けた際に、兵庫県警の捜査を四月に受けたんじゃないかという御質問がございまして、私それは存じておりませんと返事したわけでございますが、帰りましてその件について聞きましたら、一月、一月がどうかわかりませ九が、年初来何度か兵庫県警から書類を、事情に関しての書類でございますね、それを求められているという話を聞いてまいりました。だから、まあ何といいますか、その捜査という、書類を求められたことが捜査ということであれば、何度か書類を求められたということでございます。
○久保亘君 あなたの会社は、本店やファイナンスに対してそういう重要な任意捜査が行われても、社長や会長のところには報告されないような仕組みにたっておるんですか。
○証人(田渕節也君) ここ数年、いささか肥大化したせいがあるのかもしれませんし、私が社長のときからもあるいはそういう点があったのかもしれませんが、非常に縦で組織化しまして、まあ中にはファイアウォールとかチャイニーズ・ウォールとかいうようなこともあったかと思いますが、まあまあ今先生がおっしゃられたようなことはうちの法務部というところが一切取り仕切っておりまして、少なくとも会長のところにはそういう問題は一切上げてこないと、あるいは僕が社長のときも余り上がってこなかったような気がいたします。
○久保亘君 兵庫県警の合同捜査本部は、東急電鉄株の相場操縦容疑も含めて捜査をしているんです。本店にその書類の提出を求めたり任意の捜査があったりして、それが会長に今日に至ってわからないというところに大変私は問題があるように思いますよ。
 それでは、次にお聞きしますが、補てんやむなしということを決定された専務会の日にちを三月中旬と言われておりますが、特定していただけませんか。
○証人(田渕節也君) 三月中旬のいつも火曜日に開いておりますので、その日にちは記憶しておりませんが、三月中旬の火曜日であることは間違いないと存じます。
○久保亘君 平成二年の三月の火曜日というのは、十三日と二十日ですが、どちらですか。」
○証人(田渕節也君) もし間違っていたら御容赦お願いしたいんでございますが、私は十三日のような気がいたしております。
○久保亘君 私がそれをお尋ねいたしましたのは、大蔵省から提出された資料によれば、野村証券が補てんを特殊な取引によって行われた日にちが日立製作所の場合には三月十六日であります。それから、年金福祉事業団の場合には三月八日であります。もし三月十三日だとすれば、年金福祉事業団の方は専務会の決定に先立って行われている。それから日立製作所の場合には、十三日であったとしてもその直後に行われている。これはその専務会の決定を待たずに年金福祉事業団等に対しては補てん措置を行われたということですね。
○証人(田渕節也君) 今の御質問の状況に関しまして私が確たるお答えをする自信がございませんが、年金福祉事業団に関しましては、これはたしか私が聞いているところでは、三月末の自主報告の段階で損失補てんというふうに自主報告をしてないと、そう思います。ということは……
○久保亘君 わかりました。
 それでは、その年金福祉事業団の分はあなたの方ではこれを補てんとは考えられなかったということになるわけですが、自立製作所にしても年金福祉事業団にしても、その他例示されている野村証券にかかわるこの補てんの方法を見てまいりますと、これはすべて同日中に処理されて、数億の利益を還元されるという形になっておりますが、このような取引というのはこれは非常に異常な取引なのですか。その道の専門家のあなたにぜひお聞きしたいと思うんです。こういう取引は通常の取引であるか、異常な取引であって、取引を装う利益の供与なのか、そこのところをお聞きしたいと思います。
○証人(田渕節也君) 私もその点に関しまして今、久保先生がおっしゃられたような疑問を感じまして、同じことを我が社の社員に聞いた覚えがございます。
 日立の損失補てんはワラントを使っておりますし、これは明らかに当方側でございますよ。野村証券側としては損失補てんをはっきり意識した商い、すなわちワラント債が相対取引であるということでございますので、まさに通常取引でないということがはっきりわかるような形で売買を行ったと、補てんのために行ったというふうに聞いております。
○久保亘君 君専務会が補てんやむなしということを決定されるに当たっては、これは将来、そのときにおいて大蔵省の承認を得ていなくても、必ずそういう措置をとったことを、大蔵省通達に反することをやったことを大蔵省に報告しなければなりませんね。そのままにしておくことはできないと思うんです。通達は守らなければいかぬとあなたはおっしゃった。それを守れない事態が起きたんだから、専務会の決定とその決定に伴う処置については当然に大蔵省に報告すべきものだと思いますが、いかがですか。
○証人(田渕節也君) 通達違反行為でございますから、その専務会の席上で、私もはっきりと万事記憶しているわけではございませんが、こういう補てんを百六十億、百六十一億をやらざるを得ないということを報告した担当副社長、これは水内副社長でございますが、彼は、これは大蔵省に届け出ます、それから通達違反をやることになるとなれば当然社内処罰はこれに伴いますと、その三つは一緒に水内君が報告したのを聞いた覚えがございます。
○久保亘君 よくわかりました。
 それで、大蔵省に報告しなければならぬということを含めて通達に違反することを御決定になった。大蔵省にはいつ報告されて、大蔵省はそのことに対してどう言いましたか。
○証人(田渕節也君) 残念ながら、大蔵省にいつ何日に報告したかということは聞いてまいっておりませんが、多分三月末だと思います。
 それから、そのときに大蔵省の担当官がうちの者にどういうことを言ったかという事実は、本日現在聞いてきておりません。
○久保亘君 それを証言してもらわにゃいかぬのですよ。それだから、ここへおいでになるのなら、そんなことは調べてきてもらわにゃいけませんね。
 しかし、聞いていたいと言われれはこれ以上聞きようがないので、ただ、その専務会の決定を大蔵省に報告した、つまり報告したということは了解を求めた、こういうことです。それで、その大蔵省がどう答えたかはあなたは御存じない。このことについては、大蔵省からそのことに対してどういう指導が行われたか、そのことについては御報告いただけますか、改めて。
○証人(田渕節也君) 検討させていただきたいと思います。
○久保亘君 それでは、この百六十一億の補てんをやむを得ないということを専務会でお決めになりましたことについて、その基準はどこにあったんでしょうか。百六十一億というのは、損失が出ているのは野村ほどの会社ですから膨大な額でしょう、投資家の方の損害は。その中で百六十一億の補てんはやむを得ないとお決めになった、その相手方の選定の基準、それからその補てんのやり方の基準というものはどういうことで専務会はお決めになりましたか。
○証人(田渕節也君) この補てん先、たしか百六十一億に関しての件数は、正確に覚えていませんが、全部で四十九件、公表分は四十九件だったと記憶いたしておりますが、まさに全国にわたっております。もちろん、主として東京地区それから大阪地区、関西地区でございますか、そちらの法人に多いわけでございますが、相手の基準というのは、これは全く個々のセールスマンいいますか、担当者と相手先との話し合いで、相手の何ていいますか、担当の方の御性格にもよると思いますし、それからうちの担当者の性格にもよると思います。うんと気の弱いセールスマンも気の強いセールスマンもいろいろございますから、なかなか相手の基準という、これ別に基準を全然示しているわけじゃないわけで、そういう報告があって、それで最終的に総務担当の責任者がその事情を聞いてやむを得ぬなというふうに決めたものでございまして、きちっとした方眼図に入るような基準というのは私はたかったような気がいたしております。
○久保亘君 それでは、顧客の方からの要求が強かったり、あるいはあなたが行き過ぎもあったかもしれぬと言われた営業マンの行き過ぎの度合いとか、そういうものでこれはやむを得ぬなということで拾い上げていったら百六十一億になりましたと、こういうことなんでしょうか。
○証人(田渕節也君) 今の御質問にお答えするのは本当に何ていいますか、恥ずかしい気持ちが私自身するんです。というのは、きちんとした基準もなしにそういう個々の事情で決めるのは何事だと。これは一月からの大暴落の中で、これは本当に大暴落でございました、私の四十年の経験でも。その中でいささか担当者も右往左往するという面もあったと思います。決して相手先に責任を押しつけるようなつもりは毛頭ございませんが、そんなようなことでなかなかきちんとした基準というのがないじゃないかとおっしゃられると、どうも私自身もそういう気がいたしておる次第でございます。
○久保亘君 通達や法令は遵守されなければならぬ、これはもう取引の基本のルールです。それから、補てんをやってはならぬということもその道に携わる責任者としては当然の認識としておありになったがどうにもならぬ状態にたった、ここは大蔵省に認めてもらわなければもう自分たちの方もこれ以上はどうにもならぬよというお考えの上で、専務会はそれを承知の上でおやりになった、こういうことでしょうか。
○証人(田渕節也君) 十二月二十六日に出た通達でございますし、そういう専務会が三月の中旬に行われているわけでございますから、この間出た通達を破って勘弁してもらえるというふうにはだれも思ってなかったと、少なくとも私も思っておりませんでした。
 ただ、その暴落の過程で何ていいますか、人間というのは妙なもので、そのまま上がっていますと営業特金の整理もこれやらなくちゃいかぬぞと、急げよということがありましても割にゆったりとした気分で、そのときこそ本当は早くやらたくちゃいかぬのですが、のんびりしちゃう。ところが、もう暴落すると一体どこまで下がるんだろうかという恐怖心みたいなものがあって、何としても営業特金を早うやめようというのが、これ経営から末端まで先に立ったんじゃないかと、そういうふうな気がいたしております。私自身もそういう気がいたしました。
○久保亘君 時間が大変短いので、この問題については一応それだけ伺っておきます。
 次に、野村証券と暴力団との関係でありますが、あなたのところに稲川会の石井前会長を紹介した総会屋の名前は、きょうは覚えていらっしゃいますか。
○証人(田渕節也君) その人の名は菅野と申します。
○久保亘君 菅野何ですか。
○証人(田渕節也君) 興家というふうに聞いております。
○久保亘君 その方は野村証券とは大変深い御関係の総会屋ですか。
○証人(田渕節也君) その方は相当以前から野村証券に時々出入りされていたようでございます。
 それから、何ていいますか、改正後も時たま、知り合いがずっと我が社の渉外係などにいるんで訪れてきたというふうに聞いております。
○久保亘君 その菅野という総会屋が稲川会の石井前会長を秘書担当役員に紹介して、そしてその秘書担当役員が本店営業部長に、この人は大事な人だから取引をやってくれ、こういうことで相談をしたというのが今までの御発言のようですが、ぜひ伺いたいのは、暴力団と取引をする、つまり暴力団の口座を野村証券あるいはその関連のファイナンス等に開設するということについては、これは普通のことだとお考えですか。
○証人(田渕節也君) もう全くよくないことであると、もちろん普通のことでないと、そう存じております。
○久保亘君 それだけの認識を会社としてお持ちでしたら、仮に秘書担当役員が紹介を受けたとしても、その人との取引を本店営業部長にやるように紹介をするに当たっては、会社のトップであるあ氏た方に対して相談し、指示を仰ぐべきものだと思いますが、全然御承知なかったんでしょうか。
○証人(田渕節也君) 私はもちろん、社長も、いわゆる経営のトップは全然知らなかったというふうに聞いております。
○久保亘君 それは大変私どもにとっては不思議た話を聞くことになりますが、それならば仮にあなたのおっしゃることをそのまま認めるとしても、既に一年以上前にこの石井という人、このファミリーの口座を開設している人たちは暴力団の関係者だということをあなたがお知りになった、その時点でこの口座を閉鎖する努力をされましたか。
○証人(田渕節也君) 私が昨年の年末に法人担当の責任者の者から先ほど申し上げた報告を聞いたときに私の頭によぎったことは、当時非常に買い占め事件のようなことが相当件数行われていて、しょっちゅう新聞をにぎわしておりました。いわゆる買い占め事件の仲介は、これはもう野村証券としてはすべきでない、そういうふうに私は思っておりまして、法人担当の者からそういう報告があったときに思わず言ったことは、絶対に東急に対しての仲介は、君、やってないだろうなということだけがとっさに口に出た覚えがございます。
○久保亘君 あなたのお答えを聞いていると何かもっともらしく聞こえるんだけれども、しかし平成元年の十一月に、たった一週間の間に野村ファイナンスから百六十億円の融資が行われておりますね。そして、この百六十億円の融資は全部石井さんのメーンバンクに、住友銀行高輪支店に振り込まれると同時にこれは小切手化されて、自己あて小切手化されて野村証券に渡っていますね。それで野村証券は東急株の代金として受け取っておりますね。だから、これは完全に暴力団と野村証券と、そして野村ファイナンスを通してそういうことが目的意識的に行われてきたと言わざるを得ないんです。きょうは時間がたいから、そのことだけ私は指摘をしておきたいと思うんです。
 そしてこの暴力団が、ゴルフ場何とかというのがありますね、会員資格保証金預かり証、これを平成ファイナンスに引き取らせて二十億の融資を受けたのはいつのことですか。
○証人(田渕節也君) 私が聞いたところでは、平成元年六月というふうに聞いたと覚えております。
○久保亘君 六月一日にはそのことが既に明らかになっておりますね。
 そして、この平成ファイナンスというのは、時間がございませんから私の方から申し上げましょう、平成ファイナンスというのは六月六日につくられておるんです。それで、設立準備中のファイナンスが二十億の融資がどうしてできるんだろう。しかも、平成ファイナンスというのは野村ファイナンスの中に同居しておりまして、独自の電話も持っていない。これは野村ファイナンスがお出しになったんじゃないんですか。
○証人(田渕節也君) 平成ファイナンスは、先生のおっしゃられましたように、野村ファイナンスが計画してつくった会社でございます。ただ、株主構成に関しましては、たしか野村ファイナンスが一〇%ぐらいで、その他金融業者ほかで株主構成になっておると思いますが、私は、野村ファイナンスの子会社と申しますか、関係会社と申しますか、そういうふうに理解をいたしております。
○久保亘君 これは、あなたが最初に暴力団と取引をすることはよくないことだと言われたが、実際には暴力団と知りつつ取引を拡大し、そして特に今から御質問いたします東急株の一本買いに大変協力をされた、そういう点においてはあなたがお考えになっていることは実行されなかった、このことは私どもにとってはぬぐいがたい不信感であります。
 それから最後に、東急電鉄株の株価操縦の疑いについては、多くの方からこの委員会においても質問があり、また衆議院の証人喚問においてもあなたからも御説明があっておりますが、東急電鉄株の野村証券の自己売買による損益を平成元年の十月期について御説明をいただきたい。
○証人(田渕節也君) 私、これは社内で聞いてまいりましたが、十月期の自己売買の利益はたしか九億円強というふうに聞いております。
○久保亘君 それで、衆議院の御証言の中でも、十月十九日からこの集中売買が行われていることを言われておりますね。ところが、私が持っております資料では、十月十九日から東急株の野村証券における売買並びに自己売買が急激にふえていることはこれはもう数値がきちんと示しておりますが、大変私が疑問に思いますのは、十月十七日までは野村証券による東急株の自己売買はほとんどゼロであります。ところが、十九日からの各支店における集中売買を行うに先立って、十月十八日に野村証券が自己売買において売り五十万、買い二百万株の東急株を扱っていることはどういう意味があるのでしょうか。
○証人(田渕節也君) 十八日に自己売買、差っ引き百五十万株、先生のおっしゃられるとおりだというふうに聞いております。
 私が聞いたところによりますと、非常にその二、三日ぐらい前から東急の売買もふえてきて機関投資家なんかも注目している。そのうんと前に京成とか東武とかいろんな電鉄株がマーケットをにぎわしたというようなこともこれあり、どうもマーケットあるいはうちの店あるいはうちの店のお客様、あしたぐらいに相当な東急株の注文があるんしゃなかろうかというようなことを株式の売買のディーラー当事者というのはまさにこれプロでございますから、そういう感覚のもとに、何といいますか、大きく株価の上下を防止する、株価補完の意味で私は自己買いをしたんじゃなかろうか、そういうふうに聞いております。
○久保亘君 わかりました。
 あなたの今の御説明を聞いても、また一般的に東急株の売買の状況を見ても、これは株価操縦の疑いを持たれてもやむを得ない結果がある、そのことはお認めになりますか。
○証人(田渕節也君) 何度も申し上げましたように、私自身が今まで社内で説明を聞いたところでは株価操縦の疑いはないというふうに自分では判断いたしておりますが、これはまさに法律にかかわることでございますから、もちろん司法当局の御判断ということに相たる、そう思い、非常に常識的なことを申し上げて済みませんけれども、いろいろ久保先生には大変御迷惑をおかけして申しわけありません。
○久保亘君 どうもありがとうございました。
○和田教美君 先ほどの証言で、あなたは石井進桶川会前会長との大口の取引があるんだということを担当の副社長から聞いたのは昨年の十二月下旬とおっしゃいました。ところが、東急株の集中売買を野村証券が率先して行ったのは八九年の十月、十一月だったと思います。
 そこで、もう東急株の取引は八九年中に大体済んでおるということだったわけでございますが、そうすると、あなたはそれから一年以上もたってからやっとそのことを聞いたということになりますが、その点で間違いございませんか。それから、社長はいつの時点でそのことを知ったのか、つまり稲川会との関係があるということを知ったのか、その点もお答え願いたいと思います。
○証人(田渕節也君) 私が知りましたのは、先ほど久保先生にお答えを申し上げたとおり、十二月の下旬であることは間違いございません。社長がいつ知ったかということに関して、確と社長には聞いてまいっておりませんが、少なくとも私よりかは先に報告を受けただろうと、そう思います。
○和田教美君 あなたは、石井稲川会前会長の取引はずっと代理人が行ったというふうに証言されましたけれども、代理人の名前と属性を答えてほしいと思います。隆寿興産の相島功氏ではないかと思いますが。
○証人(田渕節也君) 今、和田先生がおっしゃられたとおりの方だと私も報告を受けております。
○和田教美君 あなたは、先ほど東京地検の特捜の事情聴取を八月二十二日に受けたというふうにおっしゃいましたけれども、告発それから告訴、合わせて三件出ておるわけですけれども、特捜から事情聴取をされたのは一回だけですか。それとも今後その予定があるんでしょうか。
○証人(田渕節也君) 告発人とか告発の理由というのは、これは私自身が告発されているわけで、それがだれであるか、どういう理由がということは私自身はわからないわけでございまして、ただ新聞紙上で見たところでは、告発人の一人は例の「ザ・ハウス・オブ・ノムラ」という著者のアレツハウザーというふうに聞いております。
 私が東京地検の特捜部に呼ばれたのは、八月二十二日一回だけでございます。
○和田教美君 あなたは先ほど、今回の発表リスト以前にも補てんがあったというふうにおっしゃいました。大体どのくらいあったのか、件数、金額、御承知ならお答え願いたいと思います。
○証人(田渕節也君) 以前と申しますのは、今回の発表が平成二年の三月末までの二年半分という。ことでございまして、そこからさらに二年半以前のことでございますが、今までの大体大蔵省の検査の過程でそういう指摘があったんだと思いますが、私自身そのいわゆる中身とか件数とかいうものはただいま承知しておりませんが、しかし委員長さんからの御質問に対して我が社の担当者に聞いたところでは、単発的に顧客とのトラブルがあったと。しかし、そのときはまあまあトラブルのあるいは解決金とか和解金とかいうような処理だったと思うんでございますけれども、今現在の補てんの定義でございますね、常識的な定義ですね、今現在の。それに照らしたら、それは補てんに当たるんじゃなかろうかというふうに聞いてまいったわけで、詳細調べてこなくて申しわけありませんでした。
○和田教美君 私の時間は極めて限られておりますので、東急株の集中売買について一、二お尋ねいたします。
 あなたは証取法百二十五条の株価操縦の疑いは絶対にないというふうにおっしゃいましたけれども、なぜ絶対にないとおっしゃるのか。私の調べたところによりますと、これは大蔵省から資料を提出いただいて、売買状況その他を克明に調べたわけでございますけれども、東急株を稲川会がまず買って、その後野村がそれを売って大量の推奨販売をして集中売買をやっている。さらに大蔵省の答弁によりますと、定期検査の結果、多数の野村の営業店で短期間に東急電鉄株の反復売買をした客も多いというふうなことを答弁しておりますけれども、そういう全体の流れから見ると、これはやはり百二十五条違反の疑いが極めて濃いんではないかど私は思いますが、その点お答え願いたいと思います。
○証人(田渕節也君) 石井氏が東急株を買われたのは、平成元年の四月から最終は九月一日というふうに聞いております。その過半数といいますかは四、五月ぐらいに買われているわけでございますが、その四、五月の状況を私説明を聞いたところでは、一番たくさん買われているのが百五十万株、それからある日は、五月の一日は百五十四万株というふうな日が一番たくさん買われている。それは三回ぐらいに分かれているわけですが、そのときのマーケットの出来高は、四月のときはたしか十二億株で、五月のときは八億数千万株だったというふうに聞いておりますけれども、当時、今でしたらもう想像もつかないわけでございます。今二億ぐらいしかできないんですが、十二億株、十億株とかいうものができている間のときのいわゆる一方的た客注でございます。だから、石井氏との商いというのは手前どもの東急の十月以降の売買とは切れていると、私はそう信じているわけでございます。
 株価操縦の疑いはなぜないんだと。これは第百二十五条で、先生の方がお詳しいかと存しますが、いわゆる仮装売買、それから虚偽の風説を流布して、何というんですか、実勢を伴わない株価を形成すること、その他あるわけでございますが、そういうような事実に関しては、手前どもの中で私が幾ら説明を聞いてもそういうものはないと。ただし、先生がおっしゃられました、多数の顧客がある期間に集中しているといいますか、マーケットシェアが三割以上になっている、それから反復売買をしているという事実に関しては、私自身これは行き過ぎだ、非常にまずいことだというふうに思っていると。
 長々としゃべりましたが、大体それが認識している全部でございます。
○和田教美君 一言だけ。
 それでは、証取法五十八条それから証取法五十四条、これに違反するということはありませんか。
○証人(田渕節也君) 五十八条に関しましては、先ほど久保先生からも御質問が、野末先生でしたか、ちょっとどちらの先生か忘れましたが、先ほどの御質問がありまして、私は五十八条は犯してないと思うということを申し上げたわけでございます。
 五十四条は、これはいわゆる営業姿勢の省令と五十四条がつながっている、省令に違反した場合に、是正命令というような条文だと記憶しておりますが、私自身行き過ぎたところはあると、非常に申しわけないというふうに思っておりますが、五十四条に触れる行為ではないと、自分ではそういうふうに判断をいたしております。
○諫山博君 日本共産党の諫山博です。
 今一番望まれていることは、損失補てんの手口をきちんと明らかにすることです。多くの国民がそのことを求めているし、当委員会の中心的た任務もそこにあります。
 きょうの毎日新聞に手口の一部が大蔵省の内部資料として公表されています。この中には野村の日立に対する補てんの手口も出ています。紹介しましょう。
 銘柄、ワラント・双葉電子。買い付け日、一九九〇年三月十六日。売り付け日、同日。買い付け価格、省略します。売り付け価格、省略します。差益十億三千万円。国民が知りたがっているのはこのことです。このことをきちんと明らかにすることが再発防止のための土台にもなります。
 以上、私が指摘したような点について、野村の関係したすべての損失補てんについての資料を当委員会に出していただきたいということをお願いしたいんですけれども、いかがでしょうか。
○証人(田渕節也君) 日立製作に限らず全部おのおののお客様にかかわる点でございますので、もしお許しかできれば、お客様の秘密事項になりますので御勘弁をいただきたいと、そういう気がいたすわけでございます。
○諫山博君 補てんの手口を明らかにする、これがこの問題を解決するすべての前提です。顧客の個人的な問題にかかわると言われますけれども、これを国会で明らかにしないで、どうして防止策を講ずることができますか。そして、既に恐らくすべての資料が大蔵省には出されているのではないかと思います。きょうの毎日新聞に、各社の補てんの手口の幾つかが抜き出して記載されているわけです。ぜひこれは出してください。そして同時に、これは証人として証言を拒否できる内容には入ってないはずです。
○証人(田渕節也君) 検討させていただきたいと存じます。
○諫山博君 結論はいつ出していただけますか。
○証人(田渕節也君) 委員長と御相談をしてもよろしゅうございましょうか。
○諫山博君 はい。
○証人(田渕節也君) 委員長と相談させていただきます。
○諫山博君 委員長、真相を明らかにするというのが防止策の土台だということはもう一致しています。ぜひこの問題を明らかにしていただいて、さまざまな問題がここから派生するはずですから、委員長の方としてもそういう措置をぜひとっていただくということを要望して、次に移ります。
 あなたは衆議院で、岩間カントリーに関する二十億円について佐藤茂名義の確認書が入っていると述べられました。しかし、これは違うようです。この確認書の名義は岩間開発株式会社代表取締役佐藤茂、つまり法人です。佐藤氏個人の確認書ではないと思いますけれども、いかがですか。
○証人(田渕節也君) 私は、実はその現物を自分の目で確かめずに、ただ当社の関係者に聞きましたところ、その名義人は佐藤茂と聞いたわけでございますが、今先生御指摘のことは、私、今想像をいたしまして間違いないような気がいたします。
○諫山博君 確認書の写しは今私の手元にあります。これは明らかに株式会社岩間開発です。ですから個人じゃないわけですよ。重大なのは、岩間開発株式会社がこの問題について責任を負うというのは当たり前です。確認書があろうとなかろうと関係はありません。そして、佐藤さん個人は責任を負うようにはなっていない。さらに、佐藤さんは今ではこの会社の代表取締役ではない、こういう事実は御存じですか。
○証人(田渕節也君) 佐藤氏がいつやめられたかというようなことは、実は聞いておりません。
○諫山博君 この問題では確認書が入っているから余り心配はたいんだというような言い方が広がっておりますけれども、確認書には個人保証はないんです。
 つまり、野村が出した二十億円については何らの人的保証も、何らの物的な保証もない。暴力団が経営している岩間開発だけが信用の担保になっている。こういう金の出し方というのはあり得ないと思うんです。
 こういう異常な金の出し方をしたというのは、相手が暴力団であった、そのために相手方にこの異常な方法で利益を与えたのではないかという疑問を持ちますけれども、説明してください。
○証人(田渕節也君) 岩間ゴルフクラブの会員権預かり証を買ったことに関しまして、先日も衆議院の喚問の席上で御説明申し上げましたが、買った当人といいますか、平成ファイナンスの社長長沢とそれからそのスタッフの者は、暴力団であるという属性を全く知らされずに、このゴルフ場がコマーシャルベースに乗れば投資したらどうかというふうに言われて、それでまことにお恥ずかしい話でございますけれども、現地を見ずに、ただそのときの目論見書というんでございましょうか、会社の紹介書、私の用語で言うと目論見書でございますけれども、それは非常にきちっとしていたと。建設資金もきちんとした銀行が出している。それから、その今の佐藤茂氏でございますか、彼がたしかやっていると。佐藤茂氏を恐らく非常に信用していたというようなこともあり、それから周囲のマーケットの事情が、そういう場所のゴルフ場はでき上がったらあるいは四千万とか六千万とか八千万とかいうふうに上がるんじゃなかろうかと勝手に想像した前もございます。
 しかし、今先生がおっしゃられたようなお言葉私自身ももっと早く知ってこれをとがめ立てすべきだった、しなくちゃいかぬかったなと非常に反省もしているし、実際に恥ずかしい思いを合している次第でございます。申しわけありません。
○古川太三郎君 損失補てん一点に絞ってお聞きします。
 平成元年十二月二十六日に出された大蔵証券局通達には、証券会社にとっては二つの大きな問題があったと思います。
 一つは、証券取引法五十条に言う法律上の禁止行為である損失保証による勧誘は無論のこと、事後的な損失の補てんも厳に慎むこと。いま一つは、取引一任勘定を中身とした、いわゆる営業特金の禁止であったと思うんです。
 そこで野村証券は、損失補てんは法には触れないが、後者の一任勘定を常とする営業特金については罰金も科せられる。そのほか証取法三十五条によって免許の取り消しとかあるいは業務停止、そういった処分もあり得ると考えられ、平成二年三月の専務会で営業特金整理のため、やむを得ず通達に違反するか、トラブル防止のための損失補てんを選んだというのが真相だと思います。
 しかし、私に言わせれば、証取法五十条一項三号や四号で禁止しているのは、例えば東急電鉄株や本州製紙株といった個別の有価証券の売買に関する個別取引の損失補てんであって、一任勘定の場合にはこの条文に当たらないと思うのです。それは同条が「当該取引について」というように文言限定していることからもうかがえるごとく、個別取引形態を指しているのであって、顧客の個別の同意を得ないでする取引一任勘定の場合には初めからこの条文の適用が無理だと、こう思うのです。今問題にたっている営業特金は、一定期間、一定金額を一括して一定利子の支払いについての約束であって、個々の株式その他の投資行為についての損失補てんの約束ではございません。したがって、その損失補てんは特金契約解約のための違約金であって、五十条に言う損失保証ではない、そういう解釈も成り立つと思うんです。だからこそ、営業特金の運用成績が元本割れでないのに補てんを受けた企業が一割にも達しているというのが事実だと思うんです。
 そこで証人にお尋ねしますが、証取法五十条で禁止しているのは個別取引であって、一任勘定の場合はそれがたとえ損失の保証であってもこれに該当したいと考え、三月の専務会で大蔵省の通達に違反して損失補てんを決定した。それは大蔵省の通達そのものが法律に根拠のない通達であったということでございましょうか。
○証人(田渕節也君) 先生が非常に証取法お詳しいわけで、私現在余り自信がございませんが、五十条のいわゆる保証、たしか事前の保証行為をやっては絶対いかぬということだと思います。手前どもも今までお客さんに対してもし保証行為をした場合は、これは社員をもう厳重に処罰しています。極刑に近いようだ処罰の仕方をいたしております。今回の補てん問題はこれは全く保証行為とは、保証していたものでは全くございません。もし保証をしていた場合は、これは保証した当社の担当者その者の問題になると、そう思っております。
○古川太三郎君 それでは、三月の専務会あるいはまたいつだかわかりませんが、法務部門でこの大蔵省の通達が法律の根拠のない通達や行政指導だから、これに従わないでもいいんじゃないかというような議論がその場で行われたかどうかをお聞きしたいんですが。
○証人(田渕節也君) 今、先生がおっしゃられたような議論は全くなかったと私は記憶いたしております。
○古川太三郎君 それでは、この十二月の通達を受ける前、営業特金をやめたいというように証人はお考えだったですか。
○証人(田渕節也君) 当然、株はいつかは必ず下がるものでございますし、あれほどの暴落があるとは思いませんでしたが、いわゆる営業特金がふえていくということはどうも将来問題が起こるから、なるべくこれは自制した方がいいなと思っていたことは事実でございます。
○古川太三郎君 通達を受けて、これは助かったと思ったですか。
○証人(田渕節也君) 助かったというと非常に語弊がございます。しかも、その前、暴落の前でございますので、これはもう通達どおり営業特金はきちんと、むしろ内心はそんな慌ててというよりか、こういう通達が出たんだから、今まで単に自分が思ってそれで僕が会長として言ったって、それほど余り言うことも聞かないというふうな気もしてましたので、この通達はむしろいい通達だなと、営業特金に関してはそう思ったことは事実でございます。
○寺崎昭久君 私は民社党の寺崎でございます。持ち時間がわずか四分ということでございますので、とても意を尽くした尋問はできませんが、事情を賢察の上、簡潔なお答えをお願いいたします。
 国の行政機関が通達を出す場合、当該事項についてその省庁が関係者から事前にヒアリングを行い、意見調整をした後通達を送付するのが通例だと承知しておりますが、八九年十二月二十六日付で大蔵省より「証券会社の営業姿勢の適正化及び証券事故の未然防止について」という通達が出されるに当たり、野村証券は大蔵省にどのような意見を述べられたのか、お聞かせください。
○証人(田渕節也君) 今、先生の御質問に関して、実は社内でも全く調査してきておりませんし、私自身全然承知しておりませんので、ちょっと御返事のしようがなくて申しわけないと思います。
○寺崎昭久君 私の記憶違いでなければ、この通達が出された当時、証人は日証協の会長をされていたんではないでしょうか。
○証人(田渕節也君) 平成元年――ちょっと時間とらせて済みません。もし先生のお調べがそうでございましたら間違いないと思いますけれども、ちょっと今数字が、平成と昭和との間でこんがらがって……。
○寺崎昭久君 それはともかく、長年証券業界の発展に尽力されてきた証人が、こういう市場や経営に重大な影響を及ぼすような内容の通達を出すに当たって意見を述べないことの方が私は不自然だと思うんです。むしろ意見を述べるべきだと思います。証人は、ヒアリングイコール癒着という受けとめ方をされているんではないかと思いますが、私はそういうことは別にしまして、どういう意見を述べられたのか、あるいは述べられたかどうか記憶がなければ、お持ちだったのか、お聞かせください。
○証人(田渕節也君) もちろん証券業協会には通達が、業者と同時か、あるいは通達、行政指導に類するものは一番先に証券業協会の事務局に参ります。協会の事務局は、それをまず業者に連絡するということが使命でございまして、協会長に一番先に本当はすっ飛んで来なくちゃいかぬということなんでございましょうけれども、そのときの記憶は余りございません。
 それから、通達以前に今の補てん禁止問題、それからいわゆる営業特金を早目にやめて、それで顧問つきに直すか、もう一つの判をたくさんもらえということに関しての相談は、私は、もちろん私自身は全然関与しておりませんが、これは大蔵省が自分で判断してやったことじゃないでしょうか。これは勝手な想像でございますけれども。
○喜屋武眞榮君 私は参院クラブの喜屋武具榮でございます。
 今回の証券各社の補てん体質とも関連いたしますが、田渕証人に伺いたいと思います。
 野村証券は、国鉄から民営化されたJR各社の短期資金の入札に応じ、またCDあるいは債券現先などの売買を通じてその運用に協力しておられるかどうか。また、運用レートは市中平均のレートを上回っているかどうかお尋ねしたいんです。
 私の調べでは、市中平均を二%以上も上回る相当高いレートに応じられたこともあると聞いておりますが、それはなぜですか。それは将来のJR株の上場の際の主幹事会社をねらってのことではないのでしょうか。いかがでしょうか。明確にお答え願いたい。
○証人(田渕節也君) 喜屋武先生にお答え申し上げます。
 国鉄、現在のJRでございますが、JRの資金の運用というものに野村証券が携わっているかどうかということ、今全く先生の突然の御質問でございまして、私自身は存しておりません。しかし、私が想像するところでは、全国のJR、たくさんあるわけでございますが、もし資金の余裕のあるところは野村証券あるいはそれ以外、あるいは複数の証券会社で資金の運用をされているということは類推をいたします。
 それから今、市中平均より二%高い運用をしているということに関しては、そういうことで私全然存じません。しかし、恐らく一生懸命に各社とも運用成績を上げたいと思ってやっているだろうと想像いたします。
 それから、JR株の幹事関係はまだ現在全く決まっていないし、私自身何にも聞いておりません。運用に関して一生懸命にやることが幹事関係を特に考慮しているかどうかということは関係ないと思います。ということは、JRは全くの民間会社ではございますけれども、やはり国民のための公共的な会社で、その資金の運用を一生懸命にやるというのは当然だと思います。JRに限らず、どことも一生懸命にやっているつもりでございますが、今回の補てんのようた問題が起きたということを責められることに関しましては全くこれもう申しわけない始末で、もう喜屋武先生はか皆さんに謝るしかないという始末でございます。
○委員長(平井卓志君) これをもって田渕証人に対する証言の聴取は終了いたしました。
 田渕証人には御証言いただきまことにありがとうございました。
 それでは、御退席いただいて結構でございます。
 午後一時まで休憩いたします。
   午後零時十二分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時開会
○委員長(平井卓志君) ただいまから証券及び金融問題に関する特別委員会を再開いたします。
 証券及び金融問題に関する調査を議題とし、岩崎琢彌証人から証言を求めることといたします。
 まず、委員長から確認させていただきます。
 あなたは岩崎琢彌君御本人ですか。
○証人(岩崎琢彌君) 岩崎琢彌本人でございます。
○委員長(平井卓志君) この際、一言ごあいさつ申し上げます。
 本日は、御多忙中のところ当委員会に御出席いただきましてありがとうございました。
 証言を求めるに先立ち、証人に申し上げます。
 議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律によりまして、証人には、証言を求める前に宣誓をしていただくことになっております。
 宣誓または証言を拒むことができるのは、次の場合に限られております。
 自己または自己の配偶者、三親等内の血族もしくは二親等内の姻族または自己とこれらの親族関係があった者及び自己の後見今後見監督人または保佐人並びに自己を後見今後見監督人または保佐人とする者が刑事訴追を受け、または有罪判決を受けるおそれのあるときは宣誓または証言を拒むことができます。また、医師、歯科医師、助産婦、看護婦、外国法事務弁護士を含む弁護士、弁理士、公証人、宗教の職にある者またはこれらの職にあった者が業務上委託を受けたため知り得た事実で他人の秘密に関するものについて証言を求められたときも宣誓または証言を拒むことができますが、本人が承諾した場合はこの限りではありません。
 正当の理由がなくて証人が宣誓または証言を拒んだときは、一年以下の禁錮または十万円以下の罰金に処せられます。
 また、宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは、三月以上十年以下の懲役に処せられることになっております。
 なお、今回の証人喚問についての当理事会の決定事項については、証人には既に文書をもってお知らせしたとおりでありますが、この際、その主要な点について申し上げておきます。
 その第一点は、証人が補佐人に助言を求める場合についてであります。
 証人は、補佐人に対し、宣誓及び証言の拒絶に関する事項について助言を求めることができますが、これらの助言は、いずれもその都度、証人が委員長にその旨を申し立て、その許可が得られた後に認められるものであり、補佐人の方から証人に対し助言することはできないことになっております。なお、補佐人は発言することはできません。
 その第二点は、資料についてであります。
 証人は、既に通知いたしましたとおり、証言を行うに際し、あらかじめ当委員会に提出された資料を用いることは差し支えありませんが、委員長の許可が必要であります。
 その第三点として、証人のメモ筆記は尋問の項目程度に限られております。なお、補佐人はメモをとることが許されます。
 以上の点を十分御承知願います。
 それでは、法律の定めるところによりまして、岩崎琢彌証人に宣誓を求めます。
 全員御起立願います。
   〔総員起立〕
○委員長(平井卓志君) 議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律第五条の三の規定により、これより岩崎琢彌君の証言が終了するまで撮影は中止してください。
 岩崎琢彌君、宣誓書を朗読してください。
   〔証人は次のように宣誓を行った〕
   宣 誓 書
 良心に従って真実を述べ、何事もかくさず、又
 何事もつけ加えないことを誓います。
             証人 岩崎琢彌
○委員長(平井卓志君) 全員御着席を願います。
 証人は、宣誓書に署名捺印してください。
   〔証人、宣誓書に署名捺印〕
○委員長(平井卓志君) これより謹言を求めることといたしますが、証人の御発言は証言を求められた範囲を超えないこと、また、御発言の際はその都度委員長の許可を得て御発言なさるようお願いいたします。
 なお、質問を受けているときは御着席のままで結構でございますが、お答えの際には起立して御発言を願います。
 この際、委員各位に申し上げます。
 本日は、申し合わせの時間内で証言を求めるのでありますから、不規則発言等、議事進行を妨げるような言動のないよう特に御協力をお願い申し上げます。
 また、証人には、委員の尋問時間が限られておりますので、答弁は要点を的確に簡潔にお願いいたします。
 それでは、まず委員長から証人に対しお尋ねいたします。
 今回の一連の証券不祥事はまことに遺憾でありますが、日興証券が行ったとされる損失補てんは、去る七月二十九日、日本証券業協会によって公表されたリストのとおり相違ありませんか。
○証人(岩崎琢彌君) 委員長の御質問にお答えする前に私から、申しわけございませんけれども、一言おわびを申し上げたいと思います。
 このたびの証券不祥事、今委員長の御指摘のとおりでございます。本当に、我々が担当しております日本のマーケット、それから社会の公器である証券会社におりまして、その憲法と言うべき市場の公平性、透明性、それから自己責任等の憲法を裏切っだということは大変重い責任を痛感しておるわけでございます。これにつきまして、本当に深く、いたく反省しておるわけでございます。今後、こういうような不祥事が起こらないように、絶対に起こらないように私は決意しておるわけでございます。
 それで、御質問にお答えいたします。
 証券業協会で発表されました補てん額、六十三年から二年の四月、二年の四月までの額は三百三十一億円でございます。間違いございませんと聞いております。
○委員長(平井卓志君) さらにお尋ねいたします。
 公表された補てんの実態は、昭和六十三年九月期から平成二年三月期のものでありますが、それ以前またはそれ以降においても行われましたか。
○証人(岩崎琢彌君) 六十三年の九月以前に補てん行為が行われたかということでございますけれども、はっきりしたことはわかりませんけれども、そういうことはあったであろうというふうに聞いております。しかしながら、今回のような広範囲で大量に行われたというふうなことは聞いておりません。
 また、二年三月以後、補てんはなかったかという御質問でございますけれども、この件に関しましては我々は、九一年三月期につきましては日興証券といたしましては自主申告もいたしておりませんし、それから自己否認もいたしておらないわけでございまして、補てんがあるというふうには聞いておらないわけでございますけれども、しかしながら現在、今大蔵当局から特別検査が入っております。そして、それに並行いたしまして、我々自身でもってそういう補てん行為が二年四月以降なかったかどうかということを現在非常に厳密に調べている途中でございます。
 そういう意味からいいまして、はっきりしたことがまだわからない。そういうことで、委員長に現在そのことにつきまして明確にお答えすることができないということを御理解賜りたいと思っておる次第でございます。
○委員長(平井卓志君) 日興証券は、法令や行政指導及び諸規則をどのように受けとめて営業を行ってきましたか。
○証人(岩崎琢彌君) この法令、それから行政指導、通達、これにつきましては、我々は免許会社でございます。そういうことから、これの遵守につきましては取締役会初めいろいろな会議を通じて、これの内容、それから趣旨についてそれぞれの担当の部署から説明があるわけでございます。また、その問題につきましては社員においても徹底を図るべくいろいろた会議、またいろいろな研修、教育筆でもって浸透を図っておるわけでございます。
 しかしながら、それが十分に行われていたい。行われていない。そういう結果が今回の大変申しわけない大きな不祥事を生んだことであるというふうに反省しておりまして、今後こういう面につきましても抜本的に対策を考えて、制度に魂を入れるようにしっかりやっていこうと、そういうふうに決意しておるわけでございます。
○委員長(平井卓志君) ありがとうございました。
 委員長からのお尋ねは以上でございます。
 それでは、岩崎証人に対し質疑のある方は順次御発言願います。
○斎藤栄三郎君 私は自民党の斎藤栄三郎でございます。
 岩崎さん、最初にお伺いしたいのは、なぜあなたが社長をおやめになったかということです。
○証人(岩崎琢彌君) 私は、ことしの六月の二十四日に辞意を表明いたしまして社長をやめたわけでございます。これははっきり申しまして、いわゆる稲川会の問題が新聞紙上に出てまいりました。それから、その後でもって損失補てんの問題が出てきたわけでございます。
 私は、証券会社、天下の公器である証券会社というのは、これは法律それから法令、通達、そういうものを守ることは全く当然のことでございます。その以前に守るべきことがある。これはやはり倫理、それから倫理という、まあ非常にかたい話でございますけれども、社会通念、良識といいますか、やっていいことと悪いこと、そういうようなはっきりしたけしめのある物の考え方、これに日興証券が反した、そしてそこの最高責任者というのは社長である、そういうふうな考えに立ちまして、そういう面からはっきりした形で責任をとるのが社会の公器である日興証券のあるべき姿だと、こういうことで辞任したわけでございます。
○斎藤栄三郎君 岩崎さん、まだ今でも暴力団とのつき合いは続いていますか。あなたが責任をとったのはそこにあるというんですから、その後の処置はどうですか。
○証人(岩崎琢彌君) その暴力団との取引というものは現在ございませんけれども、取引があった後の後遺症といいますか、そういうものは解消しておりません。しかしながら、これは早急に解消すべくそれぞれの関連会社、それからそれに対して日興証券が一緒に協力して現在鋭意といいますか、何よりも早く早急に勇気を持ってやると、そういうことで現在進めておるわけでございます。
○斎藤栄三郎君 日興クレジットが二百二億円の金をお貸しになっている。当然担保をとっている。ところが、その担保不足が五十億円ということをあなたは衆議院で述べられた。その担保不足をその後どう処置しておりますか。
○証人(岩崎琢彌君) 先生のおっしゃるように、石井氏に対して二百二億円日興クレジットの方から融資していることは事実でございます。そして、直近のところで担保不足というのは四十八億円くらいございます。これにつきましては七月三十一日が期日でございました。それにつきまして担保不足が生じたのは六月の終わりでございます。それから我々といたしましては担保を入れるように督促をしております。それで、何度も関係者に会って、そして日興クレジットと協力してやっております。
 遺憾ながら、向こうの方のあれは不動産を含めて考えていると、こういうことは言っておりますけれども、いまだもって入っておるわけではございません。したがいまして、これを三カ月延ばしまして十月三十一日を期日と、これは最終的な期日ということで向こうの了承を得ているわけでございます。もしもその担保が期日のときまでに弁済できない場合は担保の処置も考える、そういうふうなことで現在も非常に懸命にといいますか、執拗に我々は担保を充足するように交渉しているわけでございます。もしもその期日に、その十月三十一日の最終的なところでもって融資が返済にならなければ、最終的には担保の処置も考えるし、その足りない分につきましては、法律の専門家とよく協力しましての助言も仰ぎましてこの回収に全力を挙げるという方向でやっておる次第でございます。
○斎藤栄三郎君 三カ月も待ってあげているのは、これは暴力団に対する経済的援助と同じですよね。その間の損失をどういうぐあいに処置しますか。
○証人(岩崎琢彌君) 先生御指摘のように、暴力団であるから担保のことに対して特別に甘くしているということはないわけでございます。むしろ、そういうことではあればあるほど我々はもっと厳しく勇気を持って対応しなければいけないと、こういうことで本当にできる限りのいろいろな手を使って接触しておるわけでございます。そういう面で、今でも一般の担保充足についての問題、融資返済についての問題はもっときつくやっているというふうに聞いておるわけでございます。
○斎藤栄三郎君 ぜひそういう毅然たる態度で処置なさることをお勧めしたいと思います。
 それで、担保は何ですか。東京急行株ですか。
○証人(岩崎琢彌君) 東京急行電鉄の株が、あれは四千五百万株がこれが主力でございます。そのほかに九銘柄、例えば新日本製鉄が、株数はちょっと忘れておりますけれども、三井金属だとかそれからNTTですか、そういう株が九銘柄入っておるわけでございます。
○斎藤栄三郎君 この東急株は、平成二年四月では千三百五十円、現在ではもう八百四、五十円になっちゃっているわけですから、当然担保割れが出てきているわけで、これをきちんとなさることが望ましいと思います。
 これで第一の質問を終えますが、第二は、本州製紙の株が非常に乱高下をしております。統計を見ますと、東急株が下がった平成二年四月、東急株が千三百五十円でしょう。そのころから今度は本州製紙の方が非常に活発に動き出しておって、取引所周辺の方々は本州製紙はぼろ株だと言っている。それが上がりに上がって、何と平成二年八月三十日には五千二十円まで上がっている。それがきょうあたりは七百円になります。七分の一に下がっている。恐らくその株をつかまされた大衆は本当に証券不信の念に駆られているだろうと思います。
 その本州製紙の株売買に日興も加担していると承りましたが、真実はいかがですか。
○証人(岩崎琢彌君) 本州製紙につきましては、二年から相場が動きまして、チャートを見ておりますと、八月に高値をつけて五千円を乗せているということで、これが大変ピークで、その後大体あや戻しはあるんでございますけれども、一気がせいに下げていると、そういうことでございます。
 それで、日興証券が本州製紙に本当にどのくらい営業体がかかわっているかと、どのくらいの本州製紙の買いシェアがあるかということで調べさせたわけでございますけれども、日興証券は買いの中で大体六%くらいでございます。六%くらいでございます。六%というのは、日興証券は東証の売買高におきまして大体平均して八%から九%ということでございます。ですから、そういう面では巡航速度以下でございます。
 そして問題は、本州製紙に自己売買が絡んでいるかどうかということを調べました。そして、平成二年は大体平均いたしまして一%いってたいわけです。ですから、例えば先ほども申し上げました本州製紙がピークをつけた八月前後というのは〇・一とか二くらいなんです、自己は、商いの中で。そういう面では自己は全く関与していないと。それで、株数で見ましても、一カ月でもって最大が二十五万株くらいでございます。それから、八月高値のときは自己というのは二万とか三万株くらいでございます。
 そういう意味からいいまして、全体を見ますと、日興証券が本州製紙の商いにかかわったと、大きくかかわったということは私はたいであろうと、こういうふうに信じているわけでございます。
○斎藤栄三郎君 では、東急株の売買にはどうですか。
○証人(岩崎琢彌君) 東急株は平成元年からの問題で、稲川会の石井氏が買い出したのは元年の四月からでございます。そして、これが高値をつけたのが、あれは十一月でございます。
 そして、東急株をずっと見てみますと、日興証券は、東急株の売買の中で一年を通して平均いたしますと、石井氏の買いを除きますと一一%くらいになっております。一一%くらいになっております。そして特に東急株というのは、これはチャートを見ますと九月から大きく上がっているわけでございます。九月から大きく上がっている。そして十一月の中ごろに高値をつけている二二千円を超えて高値をつけると。それまでは大体千五百円から二千円くらいで、十月から上っ放れをしている。我々の言葉で言うと上っ放れをしているわけです。そういう上っ放れをしている九月、十月、十一月を精査いたしますと、日興証券の売買、買い方の方でございますけれども、これは八%前後ということでございますか、そのくらいだと思います。
 そして、自己がどのくらい関与しているかということでございますけれども、九月、十月というのは日興証券は、売り買いの株数を見ますと、上がる過程でもって売り物の方が多い、売り越しになっているわけでございます。そして自己の方は、私、十月だと思いますが、これは全体の関与では〇・二%くらいじゃないかと。そして、上がってきた九、十、十一というのは、自己の関与というのは一・何%、二%を割っているように記憶いたします。
 そういうことを総合して考えますと、東急電鉄株につきましては、日興証券が突出して推奨)一律して集中販売をやったとか、そういうことが数字的には言えないと思いますし、事実、営業体なんかにも聞いておりますけれども、そういうことはないというふうに私は聞いて理解しておるわけでございます。
○斎藤栄三郎君 稲川会の石井さんが亡くなられて、証券取引業界はどう受けとめていますか。
○証人(岩崎琢彌君) 先生、証券業界がどうということは私はわかりませんけれども、私個人の感覚で申し上げますと、やはり一人の命が亡くなったということに対しては、そういう一個人としては哀悼をするということでございます。
 しかしながら、その稲川会の不明朗といいますか、そういう取引につきましては、今までこれは非常に倫理にもとる商いであるということは再三申し上げておりますし、それにつきましてはいささかも姿勢は変えるものではございませんし、先ほど先生に申し上げました非常に強い気持ちで解消に向けて努力をするということは全く変わっておりません。
○斎藤栄三郎君 特別に暴力団を私は悪く言うつもりもたいし、何ともなしにただ暴力団として考えているだけですけれども、証券界の第一線の諸君に聞いてみると、非常な迷惑をこうむっている例が、例えば買い注文をつける、それで実際は引き取らない。そうすると、証券会社にしてみれば、市場から買っちゃっておいて決済がつかない。四日後に現金を持ってきて引き取ってくれるのが普通なのにそれをやらない、そういうような事件が間々あるようであります。証券界の自律のためにも、また健全なる発展のためにも、暴力団との関係ははっきりして、暴力団とはつき合わないというような態度が望ましいと考えますが、御意見いかがですか。
○証人(岩崎琢彌君) 先生のおっしゃるとおりでございまして、我々この非常に大変な申しわけない経験をもとにいたしまして取締役会で、暴力団に対しては極力ということでしゃなくて絶対にこれは排除するということを取締役会で決定したわけでございます。そして昨今、警察庁でございますか、証券業協会の方に証券取引に関する暴力団の排除ということについて御警告があったわけでございます。それを受けまして、協会の方からもいろいろな要請といいますか、要望というものが来ております。
 そういうことを踏まえまして、我々は、それよりも以前に倫理作定委員会というものをつくっておりまして、この委員長というのは社長がたっておりまして、そして倫理綱領をつくると。その中の一項目におきまして、暴力団対策というのが出ております。それは水際の問題、それから後でもって気がついた途中のときどうするかということで、基本的な精神というものは、果敢に、勇敢に、毅然としてこれを排除するという精神でございます。
○斎藤栄三郎君 暴力団関係はこれくらいにいたします。
 次に、補てんをなさった基準をお示しいただきたいのであります。
○証人(岩崎琢彌君) どうして補てんを行ったかという、その経緯をいろいろとお話ししないと補てんの基準までたどり着かないわけでございます。はっきり言いまして、補てんじて、いろいろと聞いておりますけれども、補てんの基準というはっきりしたものは全くないわけでございます。それでございますから、そこの経緯がちょっと長くたるものですから、そこを……
○斎藤栄三郎君 しゃ、それは結構です。
○証人(岩崎琢彌君) はっきりしたものはないのでございます。
○斎藤栄三郎君 基準はないということがはっきりすれば、またそれで結構ですが、公立学校共済組合が補てんを受けておりますね、三十七億円。ところが損失が十九億だと。補てんというのは大体損失を埋めるのが補てんだと考えておりましたが、この公立学校共済組合の場合の三十七億出したその根拠をお示しいただきたい。
○証人(岩崎琢彌君) 公立学校の共済組合というのは、どういうような組織であり、そういう使命を持ってどういうようなお金の性格であるということは、我々は知っておるわけでございます。そして、それに対してどうしなければいけないということも知っておるわけでございます。別に、そうかといって利益保証があったわけでございませんけれども、これは公立学校の共済組合というのは、そのときの実質利益が配当といいますか利益といいますか配分といいますか、そういうものに回るわけでございます。そうすると、損が出ているまんまで、実質その期間利益が得られないものでございます。そういうような公立学校の共済組合の使命とかそういうものをそんたぐいたしまして、そして今先生の御指摘の損を埋めて、損金を埋めて、そして十何億でございますか、それに上乗せして、その実質的な配当といいますか、利益を払えるような、そういうような形にしたというのが実情でございます。
○斎藤栄三郎君 そうすると岩崎さんは、衆議院では、顧客との取引推進費用と、こういう御説明をなさって、お客様との取引を滑らかにするためのもの。そうすると補てんも含まれているが、同時に大口の取引だからこれを大事にして、これからもよろしくと、こういうことなんですね。
○証人(岩崎琢彌君) 先生のおっしゃるとおりでございまして、今、公立学校のことをちょっと断定的に申し上げましたけれども、私はこれは伝間でございます。そして、この相手先に対して補てんをしたおまえの目的は何なんだと、どういうような意思でやったんだと、こういうことでございます。これはやはりそこのところ、相手方とのいろいろな今まで取引の関係があるわけです。公立、公的機関も含めてそういうものがあるわけでございます。それですから、そことのおつき合いの過去をやっぱり振り返ってみ、現在を考えて、そして将来の展望も踏まえて、そしてそういう補てんをすることが日興証券のためになるだろうと、今なくても将来なるだろうと、それから取引の継続もスムーズに行えるだろうということで日興証券で判断してやったわけでございます。
○斎藤栄三郎君 そうすると岩崎さん、大蔵省から慫慂されたことはたいんですか。それからもう一つは、そういう事実を、取引先との滑らかな交際のためにやりますよということを大蔵省に了解を求められましたか。
○証人(岩崎琢彌君) これは八九年の十二月の二十六日に通達が出ているわけでございます。これには、損失補てんはしてはいけない、してはいけないとこれははっきりうたってあるわけでございます。そして、いわゆる営業特金なるものを解消せいと、適正化せいと、そういうことでございます。
 それで、我々は、我々というか日興証券は、これは私と言ってもよろしいわけですけれども、ブラックマンデーが八七年にございまして、そして見ていますと八八年の三月にいわゆる営業特金が日興証券で非常にふえたわけでございます。はっきりした数字はまたすぐ忘れちゃうんですが、一兆円、いわゆる一兆一千億くらいになっていると思います。そういうことで、これはもしも証券市場にいわゆるガラですね、大きな下落があった場合、これは大変なことになるということで、私自身も営業特金を減らせと、そういうふうなことをやっておりまして、事実それがどんどんどんどん減ってきまして、一年くらいの間に三〇%くらい減ってきているわけです。そういうところにあの通達が出たわけでございます。
 それで私は、その通達を踏まえて関係者を呼びまして、こういうのが出たと、これはそういうふうにすべきであるということでやったわけでございます。その間に大蔵省と、減らすためには、先生も本当にもう御専門家でいらっしゃいますから私が言うまでもないわけで、大変な下げに遭っちゃったわけです。あんな下げというのは珍しいような下げなんですね。つるべ落としで、途中とまるところがないようた下げでございます。二八%も。あれは私も四十年の証券界のあれでは珍しいような下げに遭いまして、そこでも大変難航した。そういうことで、それじゃ大蔵省と相談したか、そういうことは、一切そういうことはしておりません。
○斎藤栄三郎君 大蔵省をかばってそうおっしゃるんじゃないかと邪推しておりますが、本当に相談しないんですか。
○証人(岩崎琢彌君) これは私、良心に誓って相談しておりません。
○斎藤栄三郎君 それからもう一つは、そういう補てんをしたという事実は大蔵省に.いつお知らせになりましたか。
○証人(岩崎琢彌君) 三月の末と聞いております。
○斎藤栄三郎君 わかりました。これはもう確証がないことですから、水かけ論になりますからこれくらいにいたします。
 五%協定ということを私は聞いたことがありますが、あなたは聞いたことありますか。
○証人(岩崎琢彌君) 五%協定というのは、先生、CBの引き受けに関するルールといいますか、慣習みたいな、そういうことでございますか。済みません。
○斎藤栄三郎君 あなたのような証券界で生涯をささげた方にこんなことを言うのはまことに失礼ですけれども、証券界が寡占状態になっていて、増資の手続はいわゆる幹事社になれば三・五%の手数料が稼げる、どなたでもだからみんな幹事社になりたがる。四社がしのぎを削って争う。しかし、不幸にして、例えば野村が幹事社になったと、日興さんは副かあるいは全然それにあずからないかわからぬ。そこで、カルテルみたいなもので、たとえどなたが幹事社になっても、ほかの三社には五%の仕事を与えます、すなわち五%協定というのがそれで、私はある証券マンからそのことを承りました。しかし、これは絶対言ってもらっちゃ困ると口どめされて聞いたんです。その辺どうでしょうか。
○証人(岩崎琢彌君) これは私は、先生の御質問があったときに、五%ルールというのは私は転換社債のCBの引き受けに関する話じゃなかろうかなと。これはルールではございませんけれども、慣習といいますか、前からのそういうようなことがずっと続いているということがあるわけです。
 というのは(転換社債というのは生まれたのはどこかというとアメリカで生まれているわけです。それを資金調達の手段として日本に持ち込んできて、これが大きくなったのは日本なんでございます。そして、それがいつから始まったかというと四十一年に始まった。だから、証券の大不況の後にこれが始まった。ですから、新しい商品でございますから、そうすると引き受けなければ発行かできないということで、販売力のある四社があのときは、よくわかりませんけれども、一〇%ぐらいずつ引き受けたと思います。これは新しい商品を生まれて育てるためにそういうことになっている。それはそういうような慣習みたいたものが出ていまして、それがだんだんだんだんこういう自由競争の時代になってきて、これは当たり前の話なんですけれども、それが一〇%が七%になって、だんだんだんだん減ってきて五%になっている。それが現状でございまして、これはルールではなくて、そういういきさつから続いているということでございまして、この問題については、やはり自由化の問題でございますから、これがフェアな競争でございますから、そういうことはこれから改めていかなければいけない、こういうふうに思っているわけでございます。
○斎藤栄三郎君 それと、四社の寡占体制をどうお考えになりますか。私は、非常なメリットもあるが、同時にデメリットが非常に多くなってきていると思います。今度の事件なんかも、やっぱり四社寡占体制に一つの大きな原因があると考えますが、岩崎さんの御意見を拝聴したい。
○証人(岩崎琢彌君) 寡占の問題でございますけれども、実情はどうかと申しますと、株式の売買、ブローカーの方は、四社の売買におけるシェアというのは非常に下がっておりまして、ここの八五年以降も四〇%台に下がっておりまして、昨今のような薄商いでは四仕合計でもシェアは二〇%台になっておるわけでございます。足して二〇%台ということで、そういう面では寡占の弊害という、例えばそれによって価格決定力があるとかないとか、そういうことは私はないと思います。
 それから、債券市場の売買でございますけれども、これは四社足して三二%ぐらいがこれはコンスタントに続いておるわけでございます。それで、そういう意味からいいますと寡占の概念には当てはまらない。ただ、今先生御指摘の引き受けの件でございます。これに関しましては四社の引き受けシェアというのは下がっていきつつありますけれども、今やっぱり六〇から七〇くらいになっている。
 そこで私、ひとつこの引き受けのことについてちょっと申し上げたいわけでございますけれども、アメリカはそれじゃ、これはフェアな競争がベースでなけりゃ、これは先生のおっしゃるような寡占だとか弊害だとかこういう問題が出るわけでございますけれども、ーアメリカはどうかと。これは私前に見たようなことでございますけれども、アメリカでも引き受けの分野に関しては大体アメリカの五社、上位五社でもって大体ここ十年ぐらい見ますと六〇%から八〇%のシェアである。そして、ナンバーファイブの中に入っている会社、例えばメリルリンチだとかゴールドマン・サックスだとかモルガン・スタンレーだとかシェァソン・リーマンとか、こういうのはレギュラーメンバーになっているわけです。そして、アメリカでもそういう意味で言いますと五社で六〇を割ったことがないということで、これが寡占というふうにアメリカでは言われていないわけで、日本ではそういう意味では引き受けのところが高いなと、こういうようなことはあろうかと思います。
○斎藤栄三郎君 きょうは大変お忙しい中を御出席いただいてありがとうございましたが、私は証券界とのつき合いは古いので、遠山元一さんの時代から存じ上げております。それから、証券民主化運動のときには、今、日興の会長をやっておられる梅村さんと一緒に佐久間ダムの方まで行ったことを覚えております。
 岩崎さんが日興に入ったのは昭和二十九年だそうですね。そうすると、証券界のことは私の方がちょっとばかり古く知っているんですが、旧日興の本社の前に兜橋がある。あの橋のたもとに、この近所は危ないから要注意と書いた立て札が立っていたものです。ごらんになったことがありますかね。
○証人(岩崎琢彌君) 残念ながら、もうそれは、要注意というのは見たことがないのでございます。
○斎藤栄三郎君 残念ながら、半世紀たってそのとおりになりましたね。証券界は危ないよということが国民の常識になったと思うんです。
 私が見たのは昭和十一年であります。私は学校を出て初めて証券市場というものを見学しました。そのとき危ないよというのは、川が危ないんじゃないんで、この近所は兜町だからうまい口に乗るなよ、こういう意味であります。どうも今日の証券界を見ていると、やはり国民の多くは不信の念を持っています。この不信の念を払拭するにはどうしたらいいとお考えになりますか。
○証人(岩崎琢彌君) 先生のいろいろなお言葉というものは、本当に骨身に刺さるわけでございます。
 本当に私も、先生のおっしゃるように、二十九年に日興証券へ入りまして、私はセールスをやっておりまして、それで先生のお話を聞いたり、先生の本を読みながら証券マンとして育ったということでございます。そういう意味で、先生の今けいがいに接しまして、先生からおまえはなっていたい、不肖の弟子だと言われても返す言葉がないわけでございます。そのとおりでございます。
 それで、これはやっぱりこれからどうしなければいけないかということで、これが一番私は、反省の上に立ってどうしなきゃいけないか、これはもう本当に反省して、そして新しい方途を考えないと、これはその市場のため、それから日本経済のために非常にマイナスである、そういう私は自覚をしているわけでございます。そのためにはどうかといいますと、やはり一番今問われているのは何か。おまえのところは収益至上主義じゃないか、お客を忘れているじゃないか、倫理を忘れているじゃないか、そういう良識がないじゃないか、そういうこと、まずそういう物の考え方、それをまず改めることが私は非常に大切じゃないか、それが一つだと思います。
 それから二つ目は、日本の経済の中で、もう完全に証券市場、我々の仕事というものがビルトインされている、そういう自覚を持つべきである、そのほかにいろいろな施策が生まれてくるだろうと思うんです。
○斎藤栄三郎君 大変いろいろとお教えいただいてありがとうざいましたが、結論だけ申し上げます。
 私は、証券に対する信頼回復は従業員の訓練だと思いますよ。今まで、売っちゃった、下がっちゃうとそれをほかの店へ回しちゃう。だれも責任をとらないんですね、証券界では。もっとやはり責任を持った販売をなさるということをお勧めしだい。
 第二は、今度国民が憤慨しているのは、あの一千七百二十八億という膨大なる金額をお出しになっている、しかも個人は全く無視されている。私はやはりもらった方が自発的にそれを返すのが一番望ましいと思いますけれども、証券界もこの問題をもっと具体的に、どうしたら国民の怒りをおさめることができるかという具体策を考えてくださることを要望して、私の質問を終えます。
 どうもありがとうございました。
○北村哲男君 私は、日本社会党の北村でございます。
 早速、質問に入らせていただきます。
 まず、先ほどもありました本州製紙の株の問題でございますが、これは九月一日のNHKのニュース、そして九月三日の朝日新聞に大きく掲載されたことでありますし、また既に先ほど斎藤先生から御質問がありました。この本州製紙の株は、一九九〇年の七月ころには旧誠備グループらの買い占めによって急騰して、そして注意銘柄として指定されたといういわくつきの株でありまして、しかも日興さんは、既に八七年八月には石井氏が暴力団であることを知りながらこの株をお買いになったということは一体どういうことなんでしょうか。
○証人(岩崎琢彌君) これは先生、お答えいたしますけれども、その石井氏の取引というのは、先生御指摘の六十一年の、あれはいっでございますか、九月でございますか、これから商いが始まっているわけでございます。そして、その東急というのが、元年の四月から東急電鉄、その間も商いがあるのでございます。商いがあるのでございます。そしてその間に、多分、銘柄は忘れましたが、新日鉄だとか東急車両だとか三菱商事とか、そういうのを十万単位でそのときずっと買っておりまして、そして元年になりまして、ちょっと今度は単位が大きくなってきまして、そこで新日鉄ですか、この辺が百万単位の商いになった。そして、四月から東急を賢い始めた。買い始めたって、四月、五月がほとんど買って、後は全然買ってないわけでございます。そしてその後、昨年、あれは本州製紙というのは、さっき申し上げましたように、八月が昨年の高値でございます。そして、実際買ったのが十月、十一月に四百万株買っているわけです……
○北村哲男君 ちょっといいですか、もう一回質問し直します。
 暴力団と知りながら本州製紙を買ったのはどういうことかということです。それは、知りながらやったということに間違いないわけですね。
○証人(岩崎琢彌君) はい。
○北村哲男君 次の質問に移ります。
 証人は、東急株については石井氏の注文を聞いて販売したと、いわば受け身の商いであったということを先日証言されたようですね。この本州製紙については、日興さんは石井氏に積極的に勧めて買わせたんではありませんか。
○証人(岩崎琢彌君) そういうことはございませんで、向こうの意思で買ったわけでございます。
○北村哲男君 この株購入には百億円もの購入資金が必要、出されておるというふうに報道されておりますが、この資金はどこから出されたか御存じですか。
○証人(岩崎琢彌君) 間違いなく百億円でございますけれども、その資金というのはどこから出たか、私承知しておりません。
 それで、うちの、例えば東急に日興クレジットが融資したという話が先ほど出ましたけれども、そちらからは一切出てないと聞いております。
○北村哲男君 先ほど斎藤先生からの質問に対して、日興は本州製紙については大きくかかわっていないと信じているというお話がありました。私は、先日早速東証に本州製紙の月別手口表というものを取り寄せてみました。それによりますと、九〇年一月から十二月までの月別手口表の中で、日興は、まず一月には買い株数六百八十万七千株でトップ、これは比率一六%、二月には三百九万五千株でまたトップ、そして三月は飛んで四月には七百二十二万八千株でトップと続いて、八月には千二百三十四万九千株でトップというふうにいきまして、一年間で第一位が七回もあって第二位が二回、年間を通じてほとんどトップでの買いをされておるわけです。
 こうして見ると、日興は本州製紙の市場価格形成の中で極めて大きい位置を占めていると言えるんではないかと思いますし、決して大きくかかわっていないと信じるということはにわかに信じられたいんですけれども、その点はいかがなんでしょうか。
○証人(岩崎琢彌君) 先生のお調べのとおりだろうと思いますけれども、その東証における本州製紙の売買高のシェアというのが六%とか、そういうことを先ほど平均して申し上げたわけでございます。そして、月々のことにつきましては先生のお調べのとおりだろうと思いますけれども、我々は、何が突出しているかといいますと、株価に関与、大きく関与している、そのためには出来高が通常の商い以上に我々が出てきたぞと、そういうことで判断せざるを得ないわけなんでございます。
 そうしますと、さっき言いましたように、日興証券の東証全体における売買のシェアというのは八%から九%、全体ならすと六%ぐらいだと、そういうことで、全体としては大きくかかわってない、そういうような認識を申し上げたわけでございます。
○北村哲男君 いずれにしろ、この本州製紙の関係についてはまだはっ。きりしない点がありますが、質問はこのくらいにします。
 しかし、事実がはっきりしないけれども、はっきりしていることは、日興さんが暴力団が関係した株売買に関与した、これはもう明白なことでありますし、これによって、今世界的に問題になっておりますマネーロンダリング、すなわちアングラマネーを表に出すことにこれは結果的に加担していることは間違いないわけなんでありまして、その点については、これはこの問題だけでなく東急株も同じでございますし、また岩間カントリーの問題も同じでありますけれども、このマネーロンダリングに協力をしていることについて、これを排除するためにどうする覚悟をされておるのか、その点について一言お願いしたいと存じます。
○証人(岩崎琢彌君) 暴力団のいわゆるマネーロンダリングに関与したということは事実でございます。それにつきましてはもう重々おわびを申し上げて、絶対ないようにしたいと。
 それで何をやったかといいますと、さっき斎藤先生の御質問にもはっきり申し上げましたけれども、倫理綱領をまずつくって、そして絶対にこういうことが二度と起こらないようにやらなけりゃいけない。そのためにどうすればいいか、具体的にどうすればいいかということでございます。それで、今まで営業体の中にもそういうチェック機能というのがあったわけでございます。しかしながら、やっぱり営業体にだけあるとそのチェック、監督というのはどうしても緩くなるということがございます。それで今度は、営業管理本部というのを我々がつくりまして、これが客観的に、このトップというのは筆頭の副社長を置きまして、それで違うところから管理監督をしていく。そして絶対に、水際でもそうだし、それから途中でわかったときも本当に果敢に勇気を持ってもう早急にこれをやるということを取締役会でも決議しておりますし、その社員教育もやっておる次第でございます。
○北村哲男君 この問題につきましては、日興さんとしては、東急電鉄株あるいは岩間カントリーではまだ関係が切れてないと思いますので、その辺はしっかりとやっていただきたいと存じます。
 次の質問に移ります。
 補てんの問題でありますが、証人は、先日の衆議院での謹言の中で、補てんの決定はあくまで日興の自主的判断に基づいて行ったという抽象的な言い方をされておりますが、一方、田渕証人は、九〇年、平成二年の三月中旬の専務会で百六十億の補てんの決定をし、そして社長がこれを決定したと、はっきり具体的に述べておりますが、日興証券ではそういう形の、専務会あるいは取締役会ではっきりと決定したという事実はあるんでしょうか。あるいはないとすると、どういう形で決定をし、社長の責任だと、あるいは経営幹部の責任だとおっしゃるのか、その点について御説明を願いたいと存じます。
○証人(岩崎琢彌君) 私のところは、専務会とかそれから取締役会という機関で補てん、特金を適正化する段階で補てんを承認すべしという決定はいたしておりません。
 それならおまえどうしたんだと、こういうことになるわけでございます。これは、一般の個別案件につきましてどういう形で旧興証券が行っているかということにつきましてお話ししなけりゃいけないし、それから今度の補てんのそういう決定までの流れというものを申し上げなきゃいけないので、ちょっとお話しさして……
○北村哲男君 簡単にお願いいたします。
○証人(岩崎琢彌君) 済みません、ちょっと複雑たところがあるものですから。
 私が、これは特金というのはもろ刃の剣だから減らせという話はさっきからずっと申し上げていましたですね。そういう話が、特金を運用しているのは、携わっているところというのが法人資金運用本部というのがありまして、本部長がいるわけです。そうすると、それが下におりますわけですね。そうすると、そこの担当者というのが一番初めに相手の担当者に行って、特金を減らしてくれと、解消してくれ、適正化してくれと、そういうことになりますですね。そうすると、ああいう段階、ああいう市場の環境でございますから、かなりいろんな問題が出てきますわね。おまえら期間の利益をもう少し、あるのにどうしてやるんだとか、損しているのをどうしてくれるんだとか、おれはそんなこと言ったって怒られちゃうよとか、泣き君もあったりいろんなことがあると思うんです。そして、そういうようなことを担当者がまず話し合いますですね。そうするとこれは、こういうことをやっておくと今までの取引関係が非常に問題なんじゃないかというふうな、これはもう担当者同士で長い間のあれですからわかるわけです。
 そうすると、上の方に報告いたしますわね。すると、上の方というのは部長でございます。運用本部の部長になります。それで、部長なんかも折衝するわけで、そしてそういう問題が出てくると、今度はそこの担当の本部長というのがいるわけです。本部長に話します。そうすると本部長が、これは運用状態がどうなっているんだろうと、それから関係はどうなっているんだろうと、お金の性格はどうなっているんだろうと、そういうことを勘案して、それで本部長が、これ本部責任制ですから、まず決めます。ところが、全体の話ですから相談相手がいるわけです。そうするとこれが、営業企画というのがございます。ここの組織というのがございまして、組織というのは営業体のいろんな問題に対して相談する、調整するという、そういう組織的な役割をしているわけです。そして、ここが全体的にそういう話を調整して、そしてその運用本部長の方におろすわけです。それで、そこが商品部と話し合ってやったと、こういうような図式になっていると思います。
○北村哲男君 ほぼわかりましたけれども、そのラインについてはもちろん前社長以下取締役の方々が責任を持つということになるわけですね。
○証人(岩崎琢彌君) その段階で私は補てんをやってもいいから営業特金減らせということは言ってないわけでございます。ところが、それはああいうような大あらしの中でやっているわけですから難航しているというようなことは知っておりますけれども、そういうことについて十分な注意、解消する段階で補てんがあるとかそういうことに対して私自身が十分な注意を払わなかったということにつきましては、おまえが責任あるぞと言われれはこれは素直に受けざるを得ないと、こういうふうに自覚しておるわけでございます。
○北村哲男君 八九年十二月二十六日に補てん禁止の通達が出ております。そして翌年三月に日興は大蔵省に、三月かその直後に自己申告をしておりますですね。このとき大蔵省から補てんありと指摘されて日興は責任を問われていると思うんです。この結果、社内処分が行われておりますが、どのような形の社内処分が行われているんですか。
○証人(岩崎琢彌君) 自己申告をいたしまして大蔵省の方から、おまえのところはその補てんをしてはいけないという通達に違反しているということで厳しい御叱正がございまして、これ、私以下七名の者が処分――されません、自主的に処分いたしました。
○北村哲男君 処分の内容似どのようなものでしょう。
○証人(岩崎琢彌君) 実際に法人資金運用本部長は退職ということでございます。あとの六人は、私以下が一カ月から三カ月の減俸でございます。
○北村哲男君 その後に、またことし五月に至って国税庁から更正決定を受けて、そして、あわせて暴力団の問題が浮上しております。社長がおやめになったということは先ほども証言があるんですが、このときにそのほかで処分をされた人の人数、そして処分内容、どういうものかということについて御説明を願いたいと存じます。
○証人(岩崎琢彌君) これは更正決定されたものなんかについて後でもって自己申告をしたわけでございます。そういうことを含めまして監督責任――経営責任というのが一つございます。それから監督責任というのがございます。それから実行行為責任といいますか、そういうものがございまして、それから補てん関係で九名ですか、それから暴力団関係で十九人ですか、都合、これはダブっているのがありますから二十八人。それから、件数と言っちゃおかしいんですが、人数で言いますと、ダブリを除きますと多分二十二人だと思います。
○北村哲男君 その処分二十二人、特に取締役に関してで結構ですけれども、その方の処分の内容ですね。先ほど退職とかあるいは減給とか言われましたが、その種類はどういうものをされたんでしょうか。
○証人(岩崎琢彌君) 一番重い処分というのは取締役の退職でございます。これは二名おります。これは本業の日興証券だけじゃなくて岩間カントリーに関連する社長でございます。それから降格でございます。降格が三名でございます。それから、私のことで恐縮でございますけれども、私は一〇%減俸の十二カ月と。これは私社長――私社長というのはおかしいですね、会長、私社長と、これは十二カ月でございます。あとはそれぞれでございます。
○北村哲男君 それぞれということですが、それはどういうことなんでしょうか。
○証人(岩崎琢彌君) 済みません。三カ月から十二カ月の間ということで、それぞれその人たちが違うので、だれがどうというのは忘れているものですから。済みません。
○北村哲男君 まあ減俸ということでお伺いしておきますが、それでは、今まで起こった自主申告に対する責任とそれから更正決定を受けあるいは暴力団との関係の責任は、これは今まで述べられた取締役の方々が責任をとったと。これですべて責任は終わったというふうにお考えなんでしょうか。というのは、その後判明した今回の本州製紙の暴力団との関係とか、それについてはまだ責任はとられていないということになると思うんですけれども、それはどうお考えでしょうか。
○証人(岩崎琢彌君) 暴力団との関係については、要するに暴力団とわかっていながら商いを続けたということに対して、これは暴力団関係ということで一括して責任をとらしたわけでございます。そういうふうに御理解賜りたいと思います。
○北村哲男君 というと、今後新たに、本州製紙を含めて今までわかってなかったこと、新たに判明しても、それは既に処分済みというふうにお伺いしてよろしいんですか。
○証人(岩崎琢彌君) これは、私はまあエクスキューズするわけじゃございませんけれども、私、処分のことに対しては、今は代表権もございませんのでそういうことを明言するということがわかりませんけれども、もしも本州製紙の問題で非常に本当にイレギュラーなこととか、それから暴力団に対してフェーバーを与えたとかそういうことになれば、現経営陣といいますか、トップが厳正には対応すると思いますけれども、そのことについては私は明言できないわけでございます。
○北村哲男君 それでは次の質問です。
 補てんの方法について若干伺いますけれども、証人は前の衆議院の証言の中で三つの方法ということを言われましたが、そのほか、私どもが大蔵省に日興さんが報告された補てんの内訳を見ますと、この中に販売費・一般管理費として十億円以上とか、それから営業外費用として二十億円以上、こういうのが計上されておるんですが、これは株などの売買ではなくて、現金で直接支払われたものと思われますけれども、この現金による直接の補てんというのは具体的にどういう形で補てんされるわけですか。
○証人(岩崎琢彌君) 営業外における補てんというのは、これはお客様と商売、売り買いやっていますですね、その商いに対してお客様が否認すると、買ってたものは、おれはそんなもの買ってたいよとか、そういう否認した場合に、これは反対売買して決済するわけですね。我々で言うと差損金処理ということになりますか、そういうことの損を埋めたということでございますね、これは営業外というのは。
 それから一般管理費、これにつきましては、商いが終わったことについてやっぱりトラブルが起きて、そしてそれを取引の中じゃなくって現金で補てんしたと、そういうことで、その経費といいますかね、そういう形でやったものと聞いております。
○北村哲男君 要するに、現金を直接送金したというふうにお伺いしてよろしいわけですね。
 そしてもう一つ、この表の中に国債の先物あるいは株価指数先物取引を利用した自己売買による利益をお客さんに付与するという方法をとったということはあるわけですね。
○証人(岩崎琢彌君) 先生がおっしゃるとおりですね、そういう形のものがございます。
○北村哲男君 これは簡単に言いますと、本来日興さんが自分で自己売買をして自分のもうけにたったものを、それを直接お客さんに与えるというか、いわば現金を与えたと同じような意味合いに近いやり方だと聞いてよろしいでしょうか。
○証人(岩崎琢彌君) 自分のところで自己売買をやるというのは、自分の会社でもってもうけるという意思があってやるわけでございます。そして、この今先物を使ってやるのは、これは補てんをしたければいけないというシステムの中で考えてやったわけでございます。それですから、物の目的、動機というのは違うということでございますのですけれども、結果的にそういう先物でもうけたと、ある程度、何といいますか、利益がある程度、取引の中なんだけれども、これはお金でやったわけで、取引の中なんだけれども、その利益がある程度確実にたったものをお渡しするという、そういうようなことにたろうかと思います。
○北村哲男君 いずれにしろ、取引を通じてお客さんに利益を与えたということには間違いないし、その額の総額が三百三十一億円というふうに伺ってよろしいわけですね。
○証人(岩崎琢彌君) さようでございます。
○北村哲男君 この三百三十一億円の中で、まず最初に九〇年の三月の段階で自己否認をして大蔵省に自己申告をされた額は幾らだったんでしょうか。覚えておられますか。
○証人(岩崎琢彌君) これ、数字ははっきりわかりませんけれども、二百六十億か二百六十五億くらいだろうなと、こういうふうなことで、数字は済みません。
○北村哲男君 そうすると、その後に今年になって更正決定を受けた額というのが三百三十一から二百六十を引いた額ということになるんでしょうか。
○証人(岩崎琢彌君) そういうふうになると思います。
○北村哲男君 そうしますと、この合計三百三十一億円というのは通達違反によって支払われたお金になるんですが、これに対して税務当局に対して支払われた税金の額はおおよそどのくらいになると思いますか。
○証人(岩崎琢彌君) はっきりした数字、間違っているかもしれませんけれども、百三十五億円くらいというふうに記憶しております。
○北村哲男君 ところで、日興さんの九〇年三月期の当期利益、会社の利益は、聞くところによると約六百億円だというふうに聞いておりますけれども、大体そういうことでよろしいんでしょうか。
○証人(岩崎琢彌君) そのように思っております。
○北村哲男君 そうしますと、もし補てんなかりせば、この当期利益が六百億円ならば、補てん金額が三百三十一億円、そしてそれに支払われた税金が百三十五億円、そうすると四百六十億円ぐらいが、これはもし補てんなかりせば当期利益に加わった額だと。そうすると、日興さんの九〇年の利益は一千億を超えるということになるんでしょうか。おおよその計算で結構です。
○証人(岩崎琢彌君) 九〇年の、これちょっと当期利益が六百じゃなくてもっと多いんじゃないかと思うんですよ、経常が二千六百億ですから千二百ぐらい出ているのかなと、これはそういうふうに記憶しておるわけです。
 そして、先生のおっしゃいます。その数字は、決算数字はともかくとしまして、補てんなかりせばもっと上乗せになるんじゃないかということで、余計な税金を払ったんじゃないかと、こういうお話でございます。これが、私はこの税金の話というのはよく経理にも聞いているわけですよ。損失がたかったなら、その損失補てんしなかったらおまえのところじゃ、日興証券はどのくらいなんだと、これを聞いているんですがね、先生のおっし。やるように、千二百としますとそれよりは上にたることだけは、これは間違いないというふうに聞いております。
○北村哲男君 いずれにしても、補てんという通達違反行為によって会社がそれだけの損害を受けた。そして、それによって一般株主、会社のオーナーである一般株主は本来得べかりし配当利益を失ったということは事実だと思います。そして、この補てん行為に関与した取締役の方々は一定の処分を受けておられます。それは確かにそうなんですけれども、日興さんはそういう今までの会社の損害に対して、先ほど述べられた取締役の方々のとられた責任をもってそれで終わりとされるというふうにお考えなんでしょうか。
○証人(岩崎琢彌君) この日興証券の株主さんに対しては大変御迷惑をかけて、また心配をおかけしているということは事実でございます。それでございますから、今後こういうことが絶対にないようにしていく七、そしてこの失われた信用ですね、これはやっぱり大変な重い責任であると、覆水盆に返らないようなそのくらいの重い責任だろうと私も自覚しておりますし、日興証券の役員はみんなそう思っております。
 そして、それに報いるためにはどうするかということは、この間も衆議院で申し上げたんですが、襟を正すだけではだめだと、衣を脱ぎかえて、そして信用の回復をすると、そういう決意がなきゃだめだと。こういうふうなことで一生懸命に経営に努力しまして、顧客本位の経営ですね、私はパワーシフトしなきゃいかぬと、量じゃなくて質だと、そういうことで経営をやって、日興証券の株主さん、また投資家の信頼を失ったことに対しては、本当に重い笈をしょっておるわけでございますけれども、まあこれをもう本当に地道に努力して、皆さんの、株主さんにお報いしたいと、こういう決意でございます。
○北村哲男君 今後の決意についてはお伺いしました。しかし、私は日興の役職員の責任はそれだけで済むものではないと思います。
 では、どういう責任があるかといいますと、まず一つは、この補てん行為に関与したすべての取締役が会社に対して、会社がこうむった約四百五十億円以上にも上るその損害を賠償する責任があると思うんです。それが第一ですね。第二に、刑事犯罪として特別背任罪が成立するんではないかということであります。
 そしてもう一つ、三つ目には、この補てん行為は独禁法による不公正な取引行為に該当することになって補てん行為が無効となって、その支払われた額は回復されなけりゃならない、そういう法律問題があるというふうに考えます。
 そこで、まず証人に伺いたいんですけれども、この最初の損害賠償責任の問題ですが、これは商法二百六十六条に、取締役が定款とか法令に違反する行為を行って、それによって会社が損害をこうむったときは、その会社がこうむった全損害を賠償する義務を負うという規定があります。今まであなた方の取締役、役員の方々は、この規定によって会社に対して、あるいは会社のオーオーである株主に対して損害賠償義務があるということをお話しになったり、そういうことをしようとすることを協議されたりということはあるんでしょうか。
○証人(岩崎琢彌君) 先生のおっしゃる法律の問題でございますが、先生は著名な法律家でいらっしゃいますので、私、法律については本当に無知蒙昧といいますか、そういうことについて、私、申すだけの知識がないわけでございます。それですから、そこのところはお許しいただきまして、私は何としても、先ほどもちょっと決意を申し上げましたけれども、信用の回復、これは国内外の投資家に対する信用の回復、日本の市場の健全化、そういうものを身を粉にしても、地をはってでもやることが私は一番大切だと。法律問題のことにつきましては、私はわかりません。
○北村哲男君 それではちょっと先を急ぎますが、聞くところによりますと、四大証券の株主の中には、既にこの商法の二百六十七条による株主の損害賠償を請求する訴訟を準備するあるいはしたということも聞いております。そういうこともあるかと思いますが、それを知っているかどうかということを聞きたかったんですが、それは結構です。
 次に移りますが、第二の特別背任罪の成立の問題なんですが、これはやはり法律で言うと商法の四百八十六条に規定されておりまして、取締役は自己または第三者を利し、その任務に背いて会社に財産上の損害を加えたときは七年以下の懲役または三百万円以下の罰金に処すという規定がある。こういうことはもちろん、富士銀行の問題とか興銀の問題とかありますので、当然証人としては御存じのようですけれども、私は、今までの証人の証言によって、あなた方のいわゆる任務違背の行動によってお金を社会に出した、そしてそれは第三者の利益のためにやった、会社は逆に損した、そしてそれは取締役の任務に反する行為だという三つの要件によって立派に特別背任罪の犯罪が成立するというふうに思うんですけれども、それについてはあなたはどういうふうにお考えになりますか。
 それともう一つ、時間がありませんけれども、先ほどの田渕証人は既にこの犯罪容疑によって東京地検に呼ばれ、そして被疑者として取り調べを受けておられるんです。そうすると日興は、野村さんとこの補てん行為において違う行為があったんでしょうか。私は同じだと思うんですけれども、その点についてどうお考えでしょうか。
○証人(岩崎琢彌君) 特別背任罪の問題でございますけれども、これは法律的に先生に詰め寄られますとちょっと先ほど言ったようなことでございますけれども、私どもとしましては、こういうふうな補てんをするということは、相手さんとの過去、現在、将来を見据えて会社のためになれかしと、そして自分の判断でやったわけですが、それは会社のためということなんで、私自体としてはその特別背任にはならないんじゃないかと、こういうふうに自分なりには理解しておりますけれども、これ、そうだどうだという話になると、これはやっぱり当局があれする話で、これはひとつよくわかりません。
○北村哲男君 そしてもう一つ、最後に。
 これも最近出てきたことで御存じと思いますけれども、先日、国会において梅澤公正取引委員会の委員長がお見えになって、補てん行為は証券業者間の公正取引の観点から第三者に対する利益供与ということになって、これは不公正の取引に当たることが十分考えられるということを言っておられますね。これに対しては証人はどういうふうに考え、どういうふうに対処されるおつもりでしょうか。
○証人(岩崎琢彌君) 梅澤公取委員長のあれは新聞記事で読んだわけでございます。そういうような疑惑を招いたということに対して大変反省しておるわけでございます。そして、それが不公正取引に該当するかどうかということにつきましては、これはやっぱり御当局の判断にゆだねざるを得たいということで、私はそれよりも今先生のおっしゃった特別背任にしても賠償訴訟の問題にしても、こういうことをやらかしたということは大変申しわけないと、こう思っているわけでございます。
○北村哲男君 終わります。
○木庭健太郎君 公明党の木庭健太郎でございます。
 証人に、まず暴力団絡みの件について数点伺います。
 現在、この問題は、やはり市民にとって非常に倫理にもとったというようなことを言われていますけれども、まずお伺いしたいのは、広域暴力団稲川会と関連する口座というのが日興証券に何口座あったのか。石井前会長の名義だけではなくて、ほかに稲川会に関連する口座があったと思いますけれども、どうでしょうか。
○証人(岩崎琢彌君) 先生、私が聞いているところでは、石井進口座と、それからあとはその関連の世信と絆堅というんですか、そういう口座があるというふうに聞いております。
○木庭健太郎君 その二つの口座は、大蔵省が通達で禁止したいわゆる借名口座ではないですか。
○証人(岩崎琢彌君) それは、絆堅という難しい名前なんですけれども、それはどっちがどこにあるのかわかりませんけれども、熱海と横須賀にあるのでございます。そして、これはその石井氏の扱い者が熱海と横須賀まで行って本人を確かめております。ですから、借名口座ではございません。
○木庭健太郎君 現在この石井前会長名義の口座も含め三つとおっしゃったわけですね。その三つの口座は現在どんなふうになっておりますか。
○証人(岩崎琢彌君) 石井進氏の口座は、六月に全部商いが終わっております。
 それから、世信と絆堅でございますか、これについては商いはいつごろ終わったのでございますか、かたり前に終わったと聞いております。そして、株券は東急電鉄の株が残っておる、そのままになっておるというふうに聞いております。
○木庭健太郎君 先ほども指摘がございましたけれども、現在もこの暴力団の関係では二百二億円の融資が残っていると。これについては最終期限十月三十一日、これまでに解消する最大の努力をするとおっしゃいました。
 もう一つ残っているそういう株の問題がございますね。
 それと、ぜひお聞きしたいのは何かといいますと、例の岩間カントリークラブの会員権預かり証の件でございます。これについて証人としてどういうつもりでいらっしゃるのか。価値あるものだからずっと持ち続けるのか、もしくは暴力団との関係を切りたいということで努力をするお考えがあるのかどうか、お伺いしたいと思います。
○証人(岩崎琢彌君) その岩間カントリーの会員権を今所持していることは間違いないわけでございます。そして、昨年の十一月に確認書が入りまして、三年間そのゴルフ場というのはパブリックでやって、三年後にメンバーシップになる。そりときにこちらが申し出れば、向こうの方が買い戻すといいますか、こっちが売る、そういうこの確認書があるわけでございます。
 それじゃ、三年間おまえは黙って見ているのかということでございます。非常に事態がはっきりしてきたわけでございます。その岩間ガントリークラブというのは、我々はその暴力団がやっていると思わないで、に関連するというふうに思ってないわけでございましたけれども、これだけいろいろと世上を騒がせたし、またいろいろと何かうさん臭いというようなことがございますので、そういうような確認書にかかわらず、現在向こうの岩間開発という会社にその融資返済方といいますか、それを今強力に申し入れているわけでございます。
○木庭健太郎君 ところで証人は、前回の衆議院の証人喚問のときに、石井氏の口座を開設に来たのは大場という税理士であるとおっしゃっていますけれども、間違いございませんか。
○証人(岩崎琢彌君) 大場という税理士というふうに私は聞いていたわけです。それで、本当に税理士名簿に登録されているかどうかということを後で調べたわけでございます。いやこれは、私が衆議院で証言した後に調べたわけでございますけれども、はっきり言って定かではないんでございますけれども、名簿にどうも載ってたいということが最近わかったわけでございます。これは、はっきりこれそうだという断定はできないわけで、調べたことは事実でございます。
○木庭健太郎君 私も調べさせていただき。ました。税理士の連合会の方からは、そういう税理士さんはいないということをはっきり言っておりましたりそうなると私は非常に不思議に思うんですけれども、取引を始める際に最も基本的な相手の身分というのを本当に確認されているのかどうか、もう不可解でならないんですけれども、いかがですか。
○証人(岩崎琢彌君) そのままストレートに信用して税理士であるということを信じ切っだということは、入り口の段階で大変な管理ミスをしたというふうに言わざるを得ないということで、大変それは申しわけないと思っております。
○木庭健太郎君 ですから、今回の問題を見たときに、相手が暴力団と判明してからも社内にそのことを全く徹底していない、取引相手の調査をそれこそ現在まで怠っていた。しかも、そういう意味じゃわけのわからない人ですよ、税理士でもない人に融資をしてみたり、ゴルフ会員権を頼まれればそれも応じてみたり、一体こういう証券会社の倫理とは何かというのを私も痛切に感じます。
 先ほど証人は、今後の対応として倫理規則をつくり、なおかつ耕しぐつくった営業管理本部で対応する、そういうことをおっしゃいましたけれども、例えばそういうことだけじゃなくて、具体的に暴力団と判明した場合は融資はどうされるのか、その相手に対する融資をどうするつもりでいらっしゃるのか。また信用買いの問題もございます。これは証券会社の判断でできます。こういうものをまだ暴力団とわかっても今後も受け付けるつもりなのかどうか教えていただきたいと思います。
○証人(岩崎琢彌君) これはお誓い申し上げますけれども、絶対にそれは、融資の問題にしても物件の紹介についても受け付けない、排除する、拒絶するという。ことでございます。
○木庭健太郎君 それでは、私持ち時間が少ないので補てんの問題で一つお伺いしたいんです。
 先ほど証人は、今回補てんを日興かどこで決めたかという問題について種々お話をされました。それでは、証人側自身が今回日興証券で補てんがあっていたという事実を報告を受けるたり確認されたのはいつのことになるんですか。
○証人(岩崎琢彌君) 三月末に、その補てんについて大蔵の方へ自主申告せよと、そういうことがございまして、そのときに私のところに報告があって、そのときに全体像を聞いたわけでございます。
○木庭健太郎君 納得がいかないんですよね。これだけ大きな問題、しかも先ほどおっしゃいましたけれども、法人資金運用本部の本部長はこのことを知っている。もちろん、この方は役員だと思います。それから営業企画、この方もトップの方は役員だと思います。いわば中枢にいらっしゃる方だけが知っている。それを社長だ付外しておいて自分たちだけでやる。一つの組織の中でそんなことができるだろうか。私はそんなことは信じられません。一体、その点どうなっているのか。小耳に挟んだこともないのか注意したこともないのか、全く三月まで知らないままだった。それは論理として通らないと思うし、逆に言えば、証人はずっとおっしゃいました、通達が出て以来、営業特金をなくさなくちゃいけない、その中でいろんなあらしかあるだろうと、そういうことは長年証券会社にいらっしゃる証人たらば当然気づいていいことです。何が行われるかは気づくはずです。その点について見解を伺いたいと思います。
○証人(岩崎琢彌君) 先生の御指摘のとおりで、おまえは社長として何をやっていたんだと、そういうおしかりはもう本当に正座して受けとめるわけでございます。そして、やっぱり私は権限の委譲というものを強力に言っているわけでございます。しかし、権限の委譲というのが、必ず今先生のおっしゃったように特異事項、大きなことについては報告義務があるはずなんでございます。それが欠けていたということについては私の不明の至りであるということでございます。
 それから、やっぱりそういうことだけしゃなくて今度はそういうことで営業体と別のところにチェック機能をつくらなきゃいけないと、営業管理本部をつくったのはそれたんでございます。そして、経営というのがチェック・アンド・バランスで進むような組織にしておかないと、口だけで権限委譲すると、特異事項は報告せよと、こういうことじゃだめだと、こういう反省に立ってやったわけでございます。先生が、おまえはそんなこと知らないというのはけしからぬと言われればそのとおりでございまして、大変申しわけございません。
○木庭健太郎君 終わります。
○近藤忠孝君 日本共産党の近藤忠孝であります。
 お答えは、イエスかノーか、あるいは一言でお答えできるような質問をいたしますので、さようお願いしたいと思います。
 先ほどの証言で、ブラックマンデーの後、一兆円を超える営業特金があるのを見てこれは大変なことになるということで縮小するように指示をして三〇%以上減らした、そこへ大蔵省の禁止の通達が出た、こういう御答弁でしたね。
 そこでお聞きしたいのは、大変なことになるというのは、要するに営業特金は一任勘定だから補てんしなければならないので整理する、こういうことにたったんじゃないでしょうか。
○証人(岩崎琢彌君) 補てんしなければいけないという認識じゃございませんけれども、大きな相場の変動があった場合にお客さんに大変迷惑をかけると、そういうことでございます。
○近藤忠孝君 お客さんの迷惑ですか。会社として、やはり先ほどの証言で、過去、現在、将来、これを見据えて会社のためにやったと。要するに会社のためですからね。だから、やはり補てんしなきゃならない、こういう事例が出てくる、だから縮小しよう、こういうことだったんですか。お客のためばかりですか。
○証人(岩崎琢彌君) これは相場っていつ何どきどういうことが起こるかわからないわけでございます。それですから予防的にそういうことはやるべしと、こういうふうに思っています。それが日興証券の信用を維持することだろうということで、先生がおっしゃるように、具体的に保証まですることが出るとか、そういう頭は、先生、ございませんでした。
○近藤忠孝君 じゃ、お聞きしましょう。
 補てん禁止が出る前にかなりり補てんを行っておりますよね。そこを聞きたいんです。この間で営業特金で損失の出たものの整理は、これはすべて補てんを行ったんですかどうですか。
○証人(岩崎琢彌君) これは先生、はっきりわかりませんけれども、九三年の九月期、元年の三月期は報告を我々がしているのは三百三十一億のうちの両方とも三十億台だと思います。そして、補てんしているのはそれでございます。
○近藤忠孝君 質問にお答えいただきたいんです。
 損失の出たものについてはすべて補てんしたのかどうか。お答えは三つあるんです。全部やった、全部やらなかった、一部やった。どうですか。
○証人(岩崎琢彌君) そこまでは詳しく精査してございません。
○近藤忠孝君 それはおかしいですよ。大変だと思ってやったんだから、全部やったのか、部分だったのか、わからぬというはずないですよ。それは答弁逃れだ。
○証人(岩崎琢彌君) 私はそれについて本当に調べておりませんし、そういうことを聞いておりません。報告を受けておりません。
○近藤忠孝君 じゃ、だれがわかるんですか。
○証人(岩崎琢彌君) だれが担当しているかということになりますとはっきりわかりませんけれども、これは多分でございます。多分でございます、これは経理担当はわかる可能性があるというふうに思っております。
○近藤忠孝君 それは単に経理担当の話じゃないんですよ。会社の基本的方針として補てんしようというんだから、全部やったのか、一部なのか。こんなことわからないということは、私はこれは答弁拒否だと思います。後でお取り計らい願いたいと思います。
 きょうの毎日新聞、補てんの手口、たくさん出ています。その中で日興に関するものにつきましては、丸紅に対して株式先物・日経二二五を使って五億四千万円、国債先物を使って八千万円の補てんを行っています。公立学校共済組合に対して、株式先物を使って九〇年二月二十一日、百五十五億円余で買い付け、百五十九億円余で売り付け、差益三億五千三百万円を生み出したと、この事実は間違いありませんか。
○証人(岩崎琢彌君) 先生、大変申しわけたいんですが、一々の個別のことについて私は存じておりませんし、きょうの毎日新聞は私は本当に読んでないわけでございます。
○近藤忠孝君 それじゃ、帰って調べてもらって報告いただけますね。そして、その場合、売買報告書など詳細な資料があることはこれは確実です。それを提出していただきたい。
 それで、これは先ほど宣誓されたとき委員長から言われた証言拒否ができる場合の中には入りませんから、ひとつこれは出していただきたいと思うんですっどうですか。
○証人(岩崎琢彌君) 私は証人に喚問されたのは初めてでございまして、どういうふうにこういうときは判断していいのか、本当のことを言って、先生、迷っているわけなんでございます。
○近藤忠孝君 だから、今お答えできないんだから、帰って調べて、そして報告していただくという発言を合していただければ、そして出していただければいいんです。
○証人(岩崎琢彌君) 先生おっしゃる意味はよくわかるんですけれども、本当に今、急にそういうことを言われても私は戸惑っていることが本当に事実なんでございます。
○近藤忠孝君 後ろの補佐人に聞いてごらんなさい。後ろに補佐人がいるから、その辺が拒否できるのかできないのか、ちょっと相談してください。あるいは、委員長が出せとおっしゃれば、一言で済むんだが。
○委員長(平井卓志君) 御相談してください。
○証人(岩崎琢彌君) 今、補佐の人とお話をしたわけで、私、先生に大変申しわけたいんですけれども、即答できないということを申し上げたわけでございますが、これは会社に帰って、やはりどうするかということを相談しないと明確な答えができないたろう、こういうふうに思っております。
○委員長(平井卓志君) 時間です。
○近藤忠孝君 相談している間に時間が来ちゃったんで、しょうがない終わりますが、大変短かったということを申し上げておきます。
○古川太三郎君 連合参議院の古川でございます。
 まず、損失補てんに限ってお聞きします。
 お客さんから損失補てんの要求があったところもあるわけなんでしょう。ないところもあるわけなんですか、どうなんですか。
○証人(岩崎琢彌君) お客さんの方から補てんを要求されたという事実につきまして私は聞いておりません。
○古川太三郎君 補てんの要求もないのにどうして補てんをしなけりゃならぬというふうに考えられたですか。
○証人(岩崎琢彌君) お客さんとの取引は長いわけで、また深いわけでございます。それで、そのお客さんの取引のやっぱり今までの継続性、維持、それから、これからもっと大きくなるとか、そういう拡大とか、そういうことを判断いたしまして、これは我々が判断いたしまして、そして我々の気持ちで決めたわけでございます。
○古川太三郎君 証券会社の方で決めたと、こういうことなんですが、ならばそれほど相手が要求しないのにそういったことまで決めるんですから、逆にこれこれこういうわけでこのとおりこういう方法で何日に幾らくらい補てんしましたというようなことは、やっぱり相手に告げたいんですか。
○証人(岩崎琢彌君) これは、補てんをするという行為につきましては、今その面では申し上げましたわけですが、具体的な話になりますと、もう先生御承知のように、ああいう大暴落ですので、歴史的な大暴落ですから、ああいう中でやっても、大あらしの中でやりますから、それはいろいろと波風が立ったり泣き言が入ったり、いろんなことがございますわね、そういうことの中でやるわけでございまして、あくまでも主体はそういう向こうの気持ちをこちらの担当者がそんたくしてやったということでございます。
○古川太三郎君 そういうあらしで非常に皆さんがかっかとしている、そういうときこそ、いつこれだけこういう方法で補てんしましたよと、これはもう言うのは当然じゃないですか。それも言わずに、何も言わずに相手方の口座にお金だけを振り込んでおくとか、あるいは株式の売買とか先物をやってその差額をそこに残るようにするとか、そういうような相手方が知らない方法でするわけがないと思うんです。今、証人がおっしゃるような形で、お客さんにこれはもう補てんしなきゃたらぬという気持ちがあるんなら、なおさらその説明をするんだろうと思うんですけれども、いかがですか。
○証人(岩崎琢彌君) 担当者段階というのは、これ取引でございます。長い取引ですからお互いにやりとりとかそういう気質がわかっているわけでございます。そして非常に、さっきキャッシュでもって補てんしたというのは非常にレアケースでございまして、ほとんどが取引の中でやっているわけでございます。それですから、要するに相手がいろいろなことで泣き言を言ったり、おれは困るよとか、そういうことは言われますですね。
○古川太三郎君 それは言われたんですか。
○証人(岩崎琢彌君) そういう相談とか希望というのはあると思うんですよ、これは相談とか希望というのはですよ。それで、商いの中でやるわけですね、商いの中で。それで、その異例なようだ形というのは非常にないというふうに聞いておりますんで、商いの中でやってきたと。このごろ少し頑張ってくれているなと、そういう感触というのは、扱い者に、向こうの扱い者にですね、これは感触はないとは言えないんじゃないかと、これは想像なんですが。
 それで、問題は、それがトップの方まで行っているかどうかというのは、感触ですから、だからそこはそれぞれのございますから、別問題であろうと私は思っているわけでございます。
○古川太三郎君 トップの者まで行っているとは私は聞いてないんでね。相手方の担当者に、これこれこれぐらいの金額は補てんしましたと、相手方もこれだけの、何といいますか、私は利息と考えているんですけれども、これくらいの利息で回るようにという一任勘定されていたと思うんですね。それで、じゃ、やりましょうと、そういったことがあるだけに、これだけは、だったら困るとか、あるいはもう少し約束どおりにしてほしいとか、いや、こういう事情だからその約束の半分で勘弁してほしいとか、そういう話し合いがあったと思うんですよ。だから、それはやっぱりその前提にこれだけ保証しますという約束があったんではないんですか。
○証人(岩崎琢彌君) 保証とかですね、約束があったというふうには私は聞いておりませんのでございます。
○古川太三郎君 大蔵省の通達を受けましたね。それで野村証券の前会長さんは、ああよかったと、助かったというような感想を述べられているんですがね。
 証人はあの通達を見て、先ほどから聞いていますと、もう営業特金はどんどん縮小していかなきゃならぬと、これは大変なことになると。大和証券の問題もあるし、ブラックマンデーみたいなものが来たら大変だというような気持ちであの通達が欲しかったんじゃないんですか、どうですか。
○証人(岩崎琢彌君) 私は先ほども申し上げましたように、一年くらい前が、ブラックマンデーの後から非常にそれは強く言っているわけですね。これは何も言われたからということじゃなくて、経営方針としてそういうふうなことをやってきたわけで、それに我々がそういうことをやっているときに、たまたまと言ったらおかしいんでございますけれども、ああいうことが出たということなんでございます。ですから、ありがたいとかそういうことじゃなくて、我々は前から、我々というか、私は前からそういう考え方でいたわけでございます。
○寺崎昭久君 証人は、先ほど暴力団関係者との株の取引について、六十一年から十万株単位で行われていたと、そのように重言されましたが、取引開始から六十四年十月に日興クレジットが多額の融資を行うまでの三年間にどのような取引が行われたのか。銘柄、規模、取引形態及び売買益についてお話しいただきたいと思います。
○証人(岩崎琢彌君) これは、先ほどちょっと先生触れましたんですが、六十一年の九月から商売があって、それから元年ですから、六十三年まではそんなに、十万単位ですね、十万とか三十万とか、そのくらいの商いで、銘柄は三菱商事とかそれから新日鉄とか何とか、これわからないんですよ、私、忘れちゃっているんですよね。
 それから、商いが多くなってきたのは元年なんですよ。そして、元年の二月、この辺から商いが百万単位になっているんですよ。そして、NKK、鋼管なんかがやっぱり百万単位とか買っているわけですね。そして、それで元年の三月までにそういう一般的な商いが終わりまして、四月から東急一本になっちゃっているんですね。
 そういうような状態で、銘柄と株数というのは定かにはわかってはないわけでございますが、そういう感じでございます。
○寺崎昭久君 今の三年間について、後日でもその内容を明らかにしていただけません。でしょうか。
○証人(岩崎琢彌君) これも先ほど先生がおっしゃったように、中身の話でございますんで、全部公開していいものかどうか、証人という立場の板挟みでまた迷っちゃうわけなんでございますけれども、その辺はとどういうふうにしたらいいか、また迷っておるわけでございます。うそを言うつもりは全くないわけでございます。
○寺崎昭久君 それから、暴力団関係者と日興クレジットの取引はどういう経緯で始まったんでしょうか。
○証人(岩崎琢彌君) 元年の三月と聞いておるんでございますけれども、さっき正体がよくわからない大場さんという人ですね。この人が全部代理人で今まで商いして、商いの指示をしていた人なんですね。その人がどこかから借り入れられるところがないかということが担当者にあって、そして担当者が、これは本店の営業部の担当者でございます。それが営業部長ですね。それから地区担当というのがあるわけです。それで相談して、それだったら、日興クレジットじゃなくて、あのときは日興GCカードという会社なんですね。後でそれ合併してクレジットになったわけですが、そこにその石井氏の属性を言わないで大手客ということで紹介して、向こうの責任者に紹介して、そして大手客だということで、初め五十一億円借りたんですね。それがもとになっているわけなんでございます。
 これは全部聞いている話でございますので、まあ念のために。
○喜屋武眞榮君 参院クラブの喜屋武眞榮でございます。
 私は、午前中田渕さんにもお伺いしましたが、今回の証券各社の補てん体質とも関連する、こう思いまして岩崎証人にお伺いいたしますが、日興証券は、国鉄から民営化されたJR各社の短期資金の入札に応じ、またCDあるいは債券現先などの売買を通してその運用に協力しておられるかどうか。また、その運用レートは市中平均のレートを上回っているかどうか、お尋ねいたします。
 私の調べでは、市中平均を上回る相当高いレートに応じられたこともあるとお聞きしておりますが、それはなぜでしょうか。思うに、将来のJR株の上場の際の主幹事会社を目指してのことではないですか。以上、明確にお答え願いたい。
○証人(岩崎琢彌君) 先生、大変乱不勉強でございまして、JRが資金運用をして、日興証券が預かって資金運用しているかどうかという事実について不勉強で、私、お答えする報告を受けてないんでございます。それ本当に申しわけございません。
○喜屋武眞榮君 それはまことに残念に思うわけですが、それでは、そのJRの短期資金の運用とか入札について、あなたの会社の幹部会で話が出なかったかどうか、重ねてお伺いいたしたい。
○証人(岩崎琢彌君) 私のところで経営の、運用の実際的な実務をやっているのは経営連絡会という専務以上の会でございますけれども、私が社長に在任中にJRの資金運用について議題として出たことはないというふうに記憶しております。
○喜屋武眞榮君 ますます私は不満に思うわけですが、そうおっしゃいますなら、それでわかりましたというわけにはまいりません。
 それでは、JRの短期資金への入札状況についての資料を当委員会に提出していただきたいと思いますが、証人、いかがでしょうか。
○証人(岩崎琢彌君) これは、先ほどから先生に資料の提出について、いろいろと御要求が出ていることも事実でございます。それにつきましては即答を避けさせていただきまして、さっき補佐人とも、陪席人でございますが、とも相談したということで、会社に帰りまして態度を決めさせていたたいて、また御連絡させていただきたいと思います。大変申しわけございません。
○委員長(平井卓志君) これをもって岩崎証人に対する証言の聴取は終了いたしました。
 岩崎証人には御証言をいただきまことにありがとうございました。
 それでは、御退席いただいて結構でございます。
    ―――――――――――――
○委員長(平井卓志君) 次に、同前雅弘証人から証言を求めることといたします。
 まず、委員長から確認させていただきます。
 あなたは同前雅弘君御本人ですか。
○証人(同前雅弘君) はい、同前雅弘本人でございます。
○委員長(平井卓志君) この際、一言ごあいさつ申し上げます。
 本日は、御多忙中のところ当委員会に御出席いただきましてありがとうございました。
 証言を求めるに先立ち、証人に申し上げます。議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律によりまして、証人には、証言を求める前に宣誓をしていた。だくことになっております。
 宣誓または証言を拒むことができるのは、次の場合に限られております。
 自己または自己の配偶者、三親等内の血族もしくは二親等内の姻族または自己とこれらの親族関係があった者及び自己の後見今後見監督人または保佐人並びに自己を後見今後見監督人または保佐人とする者が刑事訴追を受け、または有罪判決を受けるおそれのあるときは宣誓または証言を拒むことができます。また、医師、歯科医師、助産婦、看護婦、外国法事務弁護士を含む弁護士、弁理士、公証人、宗教の職にある者またはこれらの職にあった者が業務上委託を受けたため知り得た事実で他人の秘密に関するものについて証言を求められたときも宣誓または証言を拒むことができますが、本人が承諾した場合はこの限りではありません。
 正当の理由がなくて証人が宣誓または証言を拒んだときは、一年以下の禁錮または十万円以下の罰金に処せられます。
 また、宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは、三月以上十年以下の懲役に処せられることになっております。
 なお、今回の証人奥間についての当理事会の決定事項については、証人には既に文書をもってお知らせしたとおりでありますが、この際、その主要な点について申し上げておきます。
 その第一点は、証人が補佐人に助言を求める場合についてであります。
 証人は、補佐人に対し、宣誓及び証言の拒絶に関する事項について助言を求めることができますが、これらの助言は、いずれもその都度、証人が委員長にその旨を申し立て、その許可が得られた後に認められるものであり、補佐人の方から証人に対し助言することはできないことになっております。なお、補佐人は発言することはできません。
 その第二点は、資料についてであります。
 証人は、既に通知いたしましたとおり、証言を行うに際し、あらかじめ当委員会に提出された資料を用いることは差し支えありませんが、委員長の許可が必要であります。
 その第三点として、証人のメモ筆記は尋問の項目程度に限られております。なお、補佐人はメモをとることが許されます。
 以上の点を十分御承知願います。
 それでは、法律の定めるところによりまして、同前雅弘証人に宣誓を求めます。
 全員御起立願います。
   〔総員起立〕
○委員長(平井卓志君) 議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律第五条の三の規定により、これより同前雅弘君の証言が終了するまで撮影は中止してください。
 同前雅弘君、宣誓書を朗読してください。
   〔証人は次のように宣誓を行った〕
    宣 誓 書
 良心に従って真実を述べ、何事もかくさず、又
 何事もつけ加えないことを誓います。
             証人 同前雅弘。
○委員長(平井卓志君) 全員御着席を願います。
 証人は、宣誓書に署名捺印してください。
   〔証人、宣誓書に署名捺印〕
○委員長(平井卓志君) これより証言を求めることといたしますが、証人の御発言は証言を求められた範囲を超えないこと、また、御発言の際はその都度委員長の許可を得て御発言なさるようお願いいたします。
 なお、質問を受けているときは御着席のままで結構でございますが、お答えの際には起立して御発言を願います。
 この際、委員各位に申し上げます。
 本日は、申し合わせの時間内で証言を求めるのでありますから、不規則発言等、議事進行を妨げるような言動のないよう特に御協力をお願い申し上げ。ます。
 また、証人には、委員の尋問時間が限られておりますので、答弁は要点を的確に簡潔にお願いいたします。
 それでは、同前証人に対し質疑のある方は順次御発言願います。
○山岡賢次君 自由民主党の山岡賢次でございます。
 証人は、きょう、御苦労さまでございます。
 まずもって社長にお伺いを申し上げたいのでございますが、社長は御社の社長にいつ御就任になって何年におなりになったか、略歴書はいただいておりますが、念のためにお答えください。
○証人(同前雅弘君) ただいまの山岡先生の御質問にお答えさせていただく前に、この機会をかり清して一言おわびさせていただくことを許していただきたいと思います。
 私ども、今回のこのいわゆる損失補てんという問題が内外の投資家、また国民の皆さんから本当に厳しい御批判をいただいておりますことを痛感いたしております。また、証券市場の信頼を損ねた、揺るがしたということで、その責任を痛感いたしております。証券市場の一角を担う者といたしまして、その社会的使命と責務の重さを改めて痛感いたしておる次第でございます。
 今私が、あるいは私どもがやらなければならないことは、経営上の最優先課題としてやらなければならないことは、役職員は、役員はもとより現場の営業の一人一人に至るまで、公正で透明であるべき証券市場の担い手としての倫理意識を貫徹させることだろうと考えます。そのために、私ども社員一人一人の教育問題から始めまして内部管理体制に至るまで、不退転の決意で臨みたいと思います。今回のこの不祥事を絶対忘れてはならないことといたしまして、公正で透明性のある市場のために全力を尽くして頑張りたいと、かように思っております。まことに申しわけございませんでした。
 済みません、先ほどの御質問にお答えさせていただきます。
 私は、社長を拝命いたしまして一年と十カ月になります。
○山岡賢次君 私がお答えをいただきたいのは、との事件があったその間も社長でいらしたのかと、こういうことでございます。
○証人(同前雅弘君) 今度の事件の九〇年の三月末というまでの二年半の間で申し上げますと、最後の五カ月間を担当いたしたことになります。
○山岡賢次君 最後の五カ月間を担当されたそうですが、今、極めて殊勝に申しわけなかったと、こういうふうに述べていらっしゃるわけでございますが、しかし今回、野村証券、日興証券、この両社は暴力団の事件にも関与したと、こういうことでおやめになっていらっしゃるわけでございますが、あなたは損失補てん、この問題だけであると。したがって、おやめにならずに、きょうはここにおいでになった、こういうことでございますか。
○証人(同前雅弘君) 今、私が社長としましてやらなければいけないことは、ここで御批判いただいております市場の問題、営業姿勢の問題、こういったことを片づけることが私の社長としての一番大事なことだと、このように考えております。
○山岡賢次君 問題を片づけることも大切なことだと思いますが、今までのことに対する責任はどうするのかと、こういうことを問うているわけでございます。
 それでは社長にお伺いいたしますが、野村証券と日興証券の暴力団に関与した問類、これは証券会社の一員としてあなたはどうお考えになられますか。
○証人(同前雅弘君) 証券会社の一員として、いろんな状況はあったと思いますが、あってはならないことだと考えております。
○山岡賢次君 損失補てんもあってはならないこと、暴力団に関与することもあってはならないこと、両方ともあってはならないことではないんですか。
○証人(同前雅弘君) おっしゃるとおりだと思います。
○山岡賢次君 社長のキャリアを見させていただきますと、四十五年三月に外国部課長、同年七月にはアメリカ大和証券に出向しまして、五十二年には国際営業部次長、五十四年に部長、そして五十五年には国際営業部長、また六十三年には専務取締役国際営業本部長と、ほとんどが国際畑であったと思うわけでございます。そういう意味では世界の情勢というのはほかの皆さんよりも熟知していらっしゃるはずでございます。そういう意味において、今日我が日本国の置かれている立場、このこともよくおわかりであると思うのでございます。
 今、日本は、なれ合いであると、系列化だと、官財の癒着だと、日本独特の商慣習だと、こういう批判を世界じゅうから受けている。だれよりもあなたはよく御存じであるはずと思うわけでございまして、そういう点から考えましても、今回の事件に関します責任をどういうふうにお考えになりますでしょうか。
○証人(同前雅弘君) 私もニューヨークに八年間勤務いたしまして、また帰りましてから五年間、国際部畑で活躍してまいりましたわけでございますが、やはりあちらの、特に私はアメリカでの生活が長かったわけでございますが、アメリカの生活の中で、私が日本とあちらとの違いの中で、やはり個人の責任ということが非常にあちらでは重大なこととされてきていると、それから、フェアという言葉が私は彼らの間で非常によく使われていたと、そういったことであったかと思います。このフェアとそれから個人の責任というようなことに今回の問題のある意味での問題も今回の件に関しましてそういう意味での問題もあったかと思います。私のこういった経験を生かして、できる限りこういったことの国際的な整合性という面から一正しい方向に努力していきたいと、かように思っております。
○山岡賢次君 よくわかっていらっしゃるわけですね。
 今、フェアが一番たっとばれると、こう言われているわけでございますが、日本の中だけがフェアがたっとばれない、こういうことではないと思うわけでございまして、しかし、現実には御社はフェアでないと。こういう行為を行った最高責任者でいらっしゃるわけでございまして、そういう点ではこの責任についてはどういうふうにお考えでございますか。
○証人(同前雅弘君) 責任を痛感いたしております。
 国際的な整合性、国内でのフェアと、そしてクリーンとオープンというような、そういった皆様に信頼される証券市場、証券会社をつくっていこうと、かように思っております。
○山岡賢次君 御案内のとおり、御社は衆議院では証人喚問にお呼ばれになっていないわけでございます。参議院でおいでをいただいたと。本院では、暴力団と関係がたかった、こういうことであったとしてもまさに同罪である、こういうことでおいでをいただいているわけでございまして、暴力団に関係なかったから自分の方は罪一等を免れてやめることはたいんだ、こういうふうには我々は思っていないということを最初によく御認識いただきたいと思うわけでございます。
 それでは、本来でしたら委員長から基本的なことをお尋ねするように進めてまいったわけでございますが、今回はその御質問がなかったので一応基本的なことをお伺いさせていただきますが、この公表された補てんの実態が昭和六十三年九月から平成二年三月までのものであるのかどうか、それ以前それ以降においても行われていないのか、念のためにお伺いを申し上げます。
○証人(同前雅弘君) お答え申し上げます。
 それ以前の問題につきましては、既に新聞等で報道されておりますが、三協エンジニアリングの問題がございまして、これが本当にどういう事実関係であったのか、五十年、五十一年を中心に行われてきたということでつかんでおりませんが、やはり補てんのようなものが当時もあったんじゃなかろうかと思っておりまして、そういった事件がございました。以降、厳しく社内体制はとってまいったわけでございますが、また今回このようなことになりましたことはまことに返す言葉もございません。
 また、九〇年、平成二年三月期以降のことにつきましては、現在大蔵省の特別検査をいただいております。
 社内でも、今回のこういった不祥事のことがございますので、もう一度徹底的に洗い直してくれるように今頼んでおりまして、それらの報告を待って皆様にまた御報告申し上げたいと、かように思っております。
○山岡賢次君 結果はこれから正確に出ると思うのでございますが、私がお伺いしたのは、特にそれ以降にあったのかなかったのか、こういうことをお聞きしているのでございます。
○証人(同前雅弘君) 今までと同じ意味での補てんと言えるのか、それとも通常の商いであったのか、今いろいろと我々の社内、それから大蔵省の検査で検査いたしているところでございます。
○山岡賢次君 それでは、今までと同じ補てんはあったんですか。
○証人(同前雅弘君) 我々の認識では、そこの判断に苦慮しているものが散見されてはおります。
○山岡賢次君 判断に苦慮しているものが散見されているということは、そうであろうというものもあると、こういう意味ですね。そういうふうに受け取らしていただきます。まあこの件はいずれ明らかになると思いますから。それでは、このことがどの証人に対しても大きな問題になるのでございますが、各社で報告をする、自主報告でありますと、こういうことなんですね。各社が良心的にあるいはそれぞれが考えたとおりにと、こういうことなのでございますが、この結果を見ると良心があったと、こういうふうには思えない結果が残念ながら出ているわけでございます。そうなりますと、各社がその基準を設けたと、こう言っても、何がどういう基準なのか、率直に言えばわからないわけでございまして、自分のところの基準に合わなければシロで合えばクロと、こういうのでは本当の基準にはならないと思うんですが、御社はどういう基準で報告をなされ、それがどういう根拠でいいと、こういうふうにお考えなのでございましょうか。
○証人(同前雅弘君) 何が今回の損失補てんであり何がそうでなかったか、その基準ということにつきましては本当に我々も悩んだ部分がございます。ただ、私どもは当時、三協エンジニアリングの問題を抱えておりましたので、できるだけ幅広にそういう、結果としてそれは補てんではないかもわかりませんけれども、しかしそういうふうに見られるもの、ないしは補てんの意思はあったにしても結果的にはそうでなかったもの、できるだけ幅広に自主報告させていただきました。
○山岡賢次君 それでは余りにも抽象的で、証人としておいでいただいても何だかさっぱりわからない、こういうことになるわけでございます。
 きょうの新聞にもトヨタ自動車と、もう具体的に出ておりましたが、トヨタへの補てんはされているんですか。
○証人(同前雅弘君) いたしております。
○山岡賢次君 どのような基準でどのような補てんをされたのか。急な話ですから社長の頭に入っているかどうかわかりませんが、それぞれの会社の基準というのがおありになると。一般的にはおわかりにならないでしょうから、トヨタに関してはどんな基準でどんな補てんが行われているかお答えをいただきたいと思います。
○証人(同前雅弘君) 本当に、基準と言われましても迷うわけでございます。
 やはり、その損失の発生とそれを何とか補てんしていただきたいという現場の要請と、それからトヨタ自動車と当社とのいろんな関係を考えましてそういった補てんがなされたものと思っております。
○山岡賢次君 今、いみじくもトヨタ自動車さんと我が社とのいろいろな関係、こういうお答えでございました。時間があれば顧客の方を詳しくお聞きしたいんですが。
 それでは、その決定をなされた、意思決定をしたというところに社長は当然関与していたと。御存じであったわけですね。
○証人(同前雅弘君) 今、ちょっと思い出しまして、それが事前であったのか事後であったのか、そこのところが私ちょっとわかりませんのですが、そういった報告は受けた記憶がございます。
○山岡賢次君 御社は平成元年十一月に多額の損失補てんを行ったと、こういうことが明らかになりまして、大蔵省が損失補てんの禁止をする通達を出す契機となったわけでございます。そうですね。
○証人(同前雅弘君) どのような契機になったかは詳細に存じているわけじゃないですが、一つの要素にはたったと自覚いたしております。
○山岡賢次君 こういう証人喚問の委員会が設けられた、そういう意味でもある意味じゃ歴史的な立て役者であったと思うわけでございます。また、こういうことを契機に本当に証券会社がよくなっていく、このためにこの委員会も設けられていると思うわけでございますが、そういう点では御社がまさに契機であったと。そのことに関する御感想を承りたいと思います。
○証人(同前雅弘君) 本当に今回のこの事件、いろいろ言いわけはする必要はないかと思いますが、今までの右上がりの、言ってみればバブルの形成された相場環境、経済環境の中で、ああいった事件の後ではございましたので我々はもっと社内規律も考え、いろんな管理体制も考え、もう二度とこういうことはやらないということでまいっていたわけでございますが、ああいった環境、考えもしなかった激変の中で、また一方で一任勘定、特金いわゆる営業特金の禁止ということと、一方で暴落の中で、いろんな問題を抱えました中での苦渋の決断をしなきゃいけない場面もあらゆる部門であったんだろうと思います。
 きょう、こういうふうにして山岡先生の御質問に答えさせていただきまして、今回のことを本当に厳粛に受けとめまして今後の経営に当たっていきたいと、こんなふうに考えております。
○山岡賢次君 厳粛に受けとめていただいているのはありがたいのですが、その際に社内では厳粛な処分をなされたと、再発防止策をとられたと聞いておりますが、それは事実でございましょうか。事実でありましたら、どのような処理あるいは再発防止策を講ぜられたか、お聞かせをいただきたいと思います。
○証人(同前雅弘君) まず、処分でございますが、会長、副会長、社長含めまして、たしか十二の関係者の減俸、これは三カ月から一年にわたっておると思います。それから、役員賞与の一切のカット、それから会長、副会長の公職停止、それから当時の関係役員の大和グループからの辞任とか、そういった処分をさせていただいております。
 また、社内改革という点におきましては、業務改善委員会を社内でほとんどトップの役員でつくりまして、管理部門の増員、徹底、それからいろんなチェック体制、そういったものの強化をいたしております。
 それから、教育の面でも一層の教育の徹底ということをいたしておりました。
○山岡賢次君 大和グループから退職をした、そういう者もいた、こうお伺いをいたしましたが、その方はどこへ行かれたんですか。大体でいいですよ。
○証人(同前雅弘君) どこにも行かれなかったと思います。それぞれ無職で過ごされたと思います。
○山岡賢次君 何かこういう事件を起こした後ですと、それなりにまたこういう義勇軍みたいなつもりで別のところに行っていただいたんじゃないか、こういう邪推もしたくたるわけでございますが、わかりました。
 それではお聞きしたいんでございますが、そういう防止策を講じたにもかかわらず、なぜ再び損失補てんを繰り返されたのか、その点についてお伺いをしたいと思います。
○証人(同前雅弘君) お答え申し上げます。
 そういった処分もあり、社内の管理体制の徹底ということをいたしました後で、先ほど山岡先生もおっしゃっておられましたように、大蔵省通達が出たわけでございまして、この通達の中でいわゆる営業特金の廃止と、それから損失補てんの禁止と出たわけでございますが、これはカレンダー年、カレンダーで平成二年以内に特金の適正化を図るようという指示でございましたんですが、大和証券はこの特金の適正化というものを十二月末でなくて三月末でやろうと。これが我々の、三協エンジニアリング、こういった事件のあった我々の責務だということで、全社員を通しましてそれの適正化にかかったわけでございますが、そういった適正化を、三カ月以内にやろうという特金勘定の適正化の中で、御存じのような暴落があったわけでございます。もう今さらその暴落の大きさを私ここで御説明申し上げることはございませんですが、そういった暴落のさなかでいろんな問題が出てまいりました。
 それは、我々営業員の中でやはり右上がりの、そして何でも結果的に解決してくれるという意味での倫理の欠如が次第に、欠如とは言いませんが、薄れていった部分もあったでございましょう。それから、お客様のミスリード、相場観その他いろんな意味でお客様のミスリードという面で案外これは当社の方の責めになるような部分もあったんじゃなかろうか、ミスリードという面で。そういった部分もございましたし、そういったことと、やはりお客様とのいろんな今までの取引関係、今後の取引関係というようなこどもございまして、そういった一つ一つの補てんがいろんなところからいろんな方向で処理されていったわけでございますが、そういった特殊な条件、状態の中、バブルのああいった景気の特別な、特異な、本当に未曾有の特異な中でそういったことを解決した中で、これはある程度補てんを黙認しなきゃいけないという意味での苦渋の決断をしたわけでございます。
 本当に、さはさりながらどんなに言いわけしましても言いわけできることでもございませんで、深くおわび申し上げる以外に方法はなかろうかと、こんなふうに思います。
○山岡賢次君 かなり厳しいことを申し上げましたが、私自身は自分の意思で株を買ったということはまだないのでございますが、しかしどういう世界であるかということは少しは人よりは存じている者であるつもりでございます。そういう意味では、たまたまタイミングが悪かったと、いやまさにそうかもしれません。そうしようと思ったやさきに、もう何十年来考えられなかったような大暴落がたまたまそこで起きた。こういうことは私もよく理解をするわけでございまして、それが今回の事件につたがったということもわかってはいるわけでございますが、しかしやはり先ほども話にありましたが、法律であったら無視しなかっただろうと、しかし大蔵省の通達だったから無視したんだと、こういう結果になっているわけでございます。
 最後に、証人が大蔵省の通達についてどうお考えになり、今後この通達に対してどう対処なさるのかを簡単にお述べいただきたいと思います。
○証人(同前雅弘君) もう山岡先生の御指摘のとおりでございまして、ただし通達の持つ重みは十分痛感いたしておりますし、通達に盛られました特金勘定の適正化と損失補てんの禁止の問題につきましては、今後もこれを遵守していくつもりでございます。
 今回のこの事件が、我々は我々なりにこれだけの管理体制をとったんだと、これだけの教育はしたんだと、そういうことでやってはきましたんですが、それがやはり現場にまで徹底していなかったという意味では非常に責任を痛感している次第でございます。
○山岡賢次君 ありがとうございました。社長についていらっしゃるわけでございますから、その社長生命をおかけになってこの改善、今後こういうことのないように、国民の信頼を裏切らないように、証券界の発展、国民のまた証券界に対する信用を回復することを図っていただきたいと思います。
 終わります。
○種田誠君 私は、日本社会党の種田誠でございます。
 ただいま山岡先生の質疑を伺っておったんですが、冒頭社長よりおわびの言葉がありましたが、私はこの社長の言葉が非常に何かそらぞらしく、申しわけございませんが聞こえてしまいました。と申すのも、同じことを社長は八九年の十二月二十六日、マスコミを前に申し述べていると思うんですね。そしてそのとき山岡先生の質問に答えたように、業務改善委員会をつくって対処してこられたわけでもあります。そして、実は社長がマスコミ発表で謝罪をしたそのときに同じような形で、では大和証券には損失を補てんするようなことは今日においてもやっていることはないのかというこういう質問に対して、関係部長さんが、一切現在はやっておりませんと、こういうことも国民に明らかにしていたわけですね。
 そういう中での社長のきょうの言葉ですから、私は何かその言葉が非常にそらぞらしく感じたわけなんですけれども、そのような過去を顧みてもう一度現在の心境を述べていただきたいと思います。
○証人(同前雅弘君) まことに申しわけなくおわび申し上げます。私の目的とし、私がやろうとしたことが現実の中でこのような結果を招いたということにつきましては、本当に申しわけなく思っております。弁解の余地のないことだと深く反省いたしております。
○種田誠君 私は、今までのような形で何ぼ国民の前に謝っても証券業界の公明さというのは確保されないんじゃないかと思うんです。
 と申すのも、大和証券はまさに現在こそ四大証券の中で第二位のランクを得ているわけでありますけれども、それまでの間にたくさんの外務員を含めた全社員の熾烈きわまりない競争があって、そういう中で今日の地位をつくってきたんだと思うんですが、まさに先ほど来もちょっと話に出ておりましたが、昭和五十年代から営業成績がぐんぐん上がってきたわけですね。この営業成績を上げる手段として、まさに大口取引先の法人に対するいわゆる株式損を穴埋めしてくるという手だてをとってきたがゆえに今日の大和証券があったんだと言っても私はおかしくないんじゃないかと思うんですが、その辺のところを社長としてどう思いますか。
○証人(同前雅弘君) 私は、その間を支店の個人営業とそれから国際部で働いてきたわけでございますが、御質問ではございますが、大和証券の発展は単にそういう部門だけの発展でここまで来たと、そんなふうには思っておりません。
○種田誠君 八九年の十一月二十六、七日ごろの新聞の記事によりますと、まさに今私が述べたようた形で報道がなされているわけです。そして、このときの事件はまさに三協エンジニアリングという会社を使っての、これは飛ばしとか引っ越しとか言われるような手だての損失補てんであったわけでありますが、このことに関して、先ほど来のような反省があるならば十二分な解明手段をとってこられたと思うんですが、これがどうして起こったかということに関して大和証券としてはどのような結論を得たわけでしょうか。
○証人(同前雅弘君) この事件の全容を今ここでもう一度繰り返して説明するということは避けたいと思いますが、簡単に申し上げますと、五十年から五十二、三年にかけてだったと思いますが、法人部の中での顧客の損失補てんだったのだと思いますが、そういったものがあって、それが三協エンジニアリングの口座に移っていっていたということの報告を当時の社長が受けましたのが五十六年でございます。既に何年かの日時がたっておりまして、しかももう既に会社の外にいわゆる簿外の損失としてその損が出ておりましたということのために、それの処理をいたしましたのが五十九年、まあ私どもは実際に元年になりまして事件が表になるまで実際知らなかった事件でございます。
 ただ、起きましてからは先ほども御説明申し上げましたように、あらゆる体制の整備をしてそれの再発のないよう手を打ったわけでございますが、それがこのたびのようなまた事件になって申しわけないことになっていると、こんなふうに思います。
○種田誠君 これは、後の今回の損失補てんにもつながりますから、また伺いますが、二十六日に大蔵省の通達を受けまして、そして大和証券の場合にはあわせて大蔵省の方から業務改善命令も出ているわけですね。これは社長自身が受け取ったわけですか。
○証人(同前雅弘君) 直接間接というより私が受け取ったわけでございます。
○種田誠君 社長自身はこの通達と命令を二つ受け取ったと。そうしますと、この命令と通達を受けて社内で何らかの協議をしましたか。
○証人(同前雅弘君) 早速社内のあらゆる機関でこれの対策をとるよう指揮し、私も業務改善委員会に参加いたしまして、その改善に全力を挙げました。
○種田誠君 その社内における集まったメンバーというのは例えば取締役会とか、さらにはもっと上の団体があるならば、機関があるならば、何らかのしかるべき機関でしょうか。
○証人(同前雅弘君) 今、どの機関という特定はできませんが、あらゆる役員の集まる機関にこのことは説明し、みんなの協力は求めました。
○種田誠君 そうすると、社長を初め重立ったメンバーは、まず今回の大蔵省の通達の内容、損失補てんはやってはいけないということ、営業特金は緊急に整理をするというふうなことは周知をしたわけですね。
○証人(同前雅弘君) 私は周知したと思っております。
○種田誠君 証券界では、四大証券の社長が大蔵省の証券局長と定期的な懇談会を持っておるということでありますが、その懇談会に社長はこれまで出席しておりますか。
○証人(同前雅弘君) 海外への出張とかいうことで欠席はしたことがございますが、できる限り出席してきております。
○種田誠君 八九年の十二月には社長懇談会は開かれておりますね。
○証人(同前雅弘君) 日にち等については覚えておりませんが、例月一回ということでございましたので、十二月もそういう会はあったかと思います。
○種田誠君 その懇談会で当然大蔵省からの今回の通達の中身というのが話されると思うんですが、そういうことはあったんでしょうか、なかったんでしょうか。
○証人(同前雅弘君) 今、御質問で一生懸命思い出そうとしておりますんですが、そのときにそういう話題があったかどうかどうしても思い出すことができません。
○種田誠君 さらに九〇年の一月、二月、三月と毎月あるわけですから、社長懇談会はもとより、株式本部長と大蔵省との懇談とか、さらには副社長と大蔵省の懇談、こういうのは毎月一回開かれるわけですから、一カ月の間に三回、四回と社のだれかが大蔵省と懇談を持っておるわけですので、この八九年の十二月から九〇年の三月までの社長懇談会の中で、一切この通達の実施の仕方とか通達に関する内容などについて懇談会で話し合われたことはありませんか。
○証人(同前雅弘君) 通例この懇談会は、四社の社長会というのは昼食会でございまして、食事をしながらいろんな話題が出ます。基本的には情報の交換会というふうに受けとめておりまして、そういった詳しい業務の内容を報告すると、また議論し合うということではなかったかと、なかったと、こんなふうに思います。
○種田誠君 まさに情報の交換だから、今ここでどうも株が急落しそうだと、また急落したと、一体証券業界として今回のこの相矛盾することを求める通達に対してどうしようかという真剣な話し合いをしてこそ当たり前であって、しなかったらそれは逆に業務を全く考えていないという不謹慎な立場になると思いますが、いかがでしょうか。
○証人(同前雅弘君) 本当に申しわけありませんが、そのときにどんな話をしたかということが今記憶にございません。当時は、まあその開かれたかどうか、開かれたはずだとは思うんですが、そこの内容につきましては本当に記憶にはございません。まことに申しわけありません。
○種田誠君 記憶にないと言われてしまえばやむを得ないんですけれども、ただここは私、社長もこれから証券業界を真剣に立て直そうという考えを持っておるんなら、こういうことこそはっきりと国民の前に明らかにしなきゃならない、私はそう思いますので、このことだけは社長に今ここであえて述べておきたいと思います。
 それから、問題は、今回の大蔵省の通達に関して、先ほど山岡先生の質問で、平成二年以内に特金を解消していこうという方針だったけれども、大和の場合は三カ月で解消しようとしたと、そう考えたんだと、こう述べられましたね。一体、どこで平成二年のうちにその特金を解消しようというような方針が決められておったんですか。
○証人(同前雅弘君) その解消という言葉は、私ちょっと不用意に使ったんじゃないかと思うんですが、特金の適正化を図ろうと、いわゆる一任勘定のない、しかも損失補てんを約さない、そういう確認書をできるだけ早くとるようにという指示でございまして、その十二月までというのがどこから私自分の頭に入ったのかわかりませんですが、ともあれ三月末までに特金勘定、特金口座をすべて洗い直して、お客様に一任勘定ではありませんと、それからまた損失補てんを約するものではありませんということの確認書をとるようにやろうということをお話ししたかったわけでございます。
○種田誠君 大和さんの今の心意気はいいんですよ。ただ問題は、私がさっき伺ったのは、社長も今どこからか耳に入ったかわからないけれども、平成二年のうちにその一任勘定なり営業特金などを適正化していこうと、こういうふうな方針があったと言う。ということは、どこかから社長の耳に入っだということは、社長より上といえば証券業界の集まりか大蔵省しかないわけですよ。そうしますと、大蔵省の方からこの二律相反する問題に関して、営業特金の方はできる限り適正に早めにとこう言われて、大体二年ぐらいというような方向があったのかどうかということを伺いたかったわけなんですが、どこから入ったかわからぬと言うものですからこれ以上伺いません。
 それじゃ問題は、その大和証券においては三月までに営業特金をできる限り解消したいということで努力をしたということなんですが、そのために当然営業特金を解消すれば株の暴落の最中ですから損失が発生しますね。じゃ、これについてどうしようかということを社長はどなたかと相談しましたか。
○証人(同前雅弘君) もちろん先生はもう御存じだと思いますが、営業特金がいわゆる一任勘定を伴っていました営業特金から一任勘定なくしかも損失補てんの約束もしない、普通の売買口座というふうに、我々としても適正化と申しておりますが、その適正化を図ろうとしたわけでございまして、ただ当時の特金勘定には、大変な暴落の中でございますから、普通に株式が入っておりますと、四月二日までの値段をとりますと年初から二八%値下がりしているわけですから、株式の特金であれば含み損もあったでしょうし、そういったことがなかなかすぐ、それじゃ特金を投資顧問合社に移そうとか、いろんな手を打つにはいろんな問題を抱えていたと、とりあえずそういった適正化を図ろうと、確認書をもらう作業を通じてということをまず最初に始めたわけでございます。
○種田誠君 それはいいんですが、問題は私は、その特金を、一任勘定をやめていこうというそういう中で、当然暴落の中で顧客先の損失を補てんしなきゃならないという、こういう話というのは、社内であなたはどなたかから相談を受けたり、またどなたかと相談をして対応したかということです。
○証人(同前雅弘君) 特金の解消に伴う損失補てんのデシジョンメーキングということでは、それぞれその機関の中でいろんな過程で出てまいるいろんなケースもございました。金額の大小もございましたし、いろんなことがございましたわけで、その都度担当の部長のところ、本部長のところで決められたものもございましたし、私のところに相談に来たのもあったように思います。
○種田誠君 きょうの毎日新聞に、大和関係ではトヨタ自動車に関する補てんについての一つの取引事例が出ております。先ほどこれ、山岡先生が伺ったとおりです。
 これと同じように、私、実は過去の大和さんの資料などを見せていただきましたら、伊藤忠商事関連がかなり損失補てん額としては大きいわけであります。この伊藤忠商事に限ってちょっと伺いたいと思うんですが、伊藤忠商事九億三千万、クレフィンという子会社約十億七千八百万、それだけの補てんを受けているわけでありますが、この補てんを受ける方法というのは、果たしてきょう毎日新聞に出ているようなトヨタ自動車並びにほかが行ったようなやり方と同じものだったでしょうか。
○証人(同前雅弘君) 補てんの方法につきましては、先物取引、債券売買、ワラントの売買、公募株の配分、そういったものが含まれていたんではないかと思います。
○種田誠君 私が伺っておるのは、きょう発表になっておるのは、ほとんど一日の間にそれだけの利ざやが生まれそれを補てんに回しているというケースのものが発表になっておるというんです。これ、伊藤忠の場合も同じですか。
○証人(同前雅弘君) 同じようなケースもあったと思います。
○種田誠君 そうしますと、この伊藤忠商事の行為にしても同じ行為だとすれば、例えば先物の国債を朝売って夕方貫い取る、買い戻すと、こういう形でなされたんだと思うんですね。そうすると、この行為は会社にとって社長がこれを容認するということは得をする行為なんですか、それとも損になる行為なんですか、一体どっちだと社長は考えたんですか。
○証人(同前雅弘君) 損失の補てんをしたという結果から判断いたしまして、やはりいろんな状況を勘案して、大和証券にとってその方がプラスと判断したことによるものと思います。
○種田誠君 今のこの伊藤忠の取引形態などについて、これは証券会社は証取法五十三条で、大蔵省の方に大蔵省令の様式に従って損得の勘定などについてすべて、しかも詳細に報告を毎営業年度ごとにしなきゃならないんですが、そういうことの中に、今のような商取引というのはどういう形で載っておるんでしょうか。
○証人(同前雅弘君) まことに申しわけございませんですが、どこまで報告がどういう形で行っているのか、私ちょっとここでは存じ上げません。
○種田誠君 八九年の十一月の三協エンジニアリングのときにも、いわゆる営業報告書の虚偽記載ということが問題になりまして、その容疑も立ったと思うんですよ。ただ、余りにも古いということで、そのことは立証が難しかったわけでありますが、やはりこの営業報告書に率直に今回の伊藤忠商事の取引形態が反映されていなければ、今回出してある九〇年の三月期に出した営業報告書も内容が虚偽記載と、こう言わざるを得ないわけなんですよね。
 そうなりますと、これは証取法の二百五条という条文があって、かなり厳しい罰則もあるわけたんですが、この営業報告書を大蔵省には出していると思うんですが、今知らないと言いましたけれども、私、あらかじめ伊藤忠商事に関しては調べてきてほしいと、こう述べておったんですが、いかがなものでしょう。
○証人(同前雅弘君) そういうところまでの調べはついておりませんでした。まことに申しわけございません。
○種田誠君 そうしましたら、この点についても後日捜査並びに大蔵省などにおいて取り扱われるようになるのだろうと思います。
 さらに、先ほどいわゆる先物国債にしてもワラント債にしても取引として売り買いがあったということなんですけれども、これは結果として社長は会社にとってはいわゆる利益になった、なるだろうと判断したということですけれども、問題は、商法とか証券取引法上の犯罪というのは、トータルとして三年、五年のサイドで会社にとってプラスになるかマイナスになるかということによって犯罪を決めているんじゃないんですよ。その当期において、今期ですね、今期会社の代表者がとった行為が会社や株主に対して損害を与えたか与えなかったかによって犯罪が決まるわけですね、特別背任罪にしても背任罪にしても。そういうことで見れば、明らかに今回の損失補てんでとりた行為というのは、将来的に会社にプラスになるにしても、その時点ではこれは会社に損害を与える行為であって犯罪を構成すると言わざるを得ないわけなんですが、そういう認識というのは社長を初め会社ではありませんでしたか。
○証人(同前雅弘君) 社内の部署でそういった議論があったかどうかはわかりませんですが、私自身は、これが背任罪に当たるんだという先生の御指摘につきましてはそういうふうに思ってなかった、やはり継続した取引の中での行為であったということで私自身はそんなふうに考えておりました。
 法律上の御解釈はどういうふうになるのかにつきましては、私お答えするものを持ち合わせておりません。まことに申しわけございません。
○種田誠君 大和さんの場合、アメリカに子会社がございますね。このアメリカの子会社に対してアメリカのSECから過日問い合わせがあって、それに対して八月の二十六日に詳細な回答を出したということですが、この問い合わせと回答の中身を簡単にちょっと述べていただきたいと思うんです。
○証人(同前雅弘君) その回答を出し、お答えをしたということにつきましては聞いておりますが、詳しい中身については存じておりません。ただ、その中で、アメリカ大和証券が東京のこういった一連の不祥事には関与してなかったという報告をしたということは聞いております。
○種田誠君 終わりの方になってきましたけれども、一つ確認しておきたいこと。大和証券は暴力団関係においては口座は持っておりませんね、これが一つ。
 もう一つ、今回の補てん行為に関して大蔵大臣もまた総理大臣も、できれば損害を補てんされた会社の補てんは自主的に還元してもらいたい、そういうふうな考えを持っておるということ、証券会社の社長として、そういう立場に立って行動をとられることの考えはございませんか。
 二つお願いします。
○証人(同前雅弘君) 最初の御質問にございましたそういった口座につきましては、私ども全顧客を調査いたしましたですが、そういった事実は判明いたしておりません。
 それから最後の御質問でございますが、これは今度の補てんもいろんな多岐に、いろんな範囲にわたっておりまして一律にどうこうと言える問題ではないんじゃなかろうかと、こんなふうに考えます。
○種田誠君 終わります。
○木庭健太郎君 公明党の木庭健太郎でございます。
 まず、先ほど種田委員もおっしゃっておりましたけれども、大和証券は八九年の十二月に十五年前の損失補てん事件が発覚して、この際処分をされた。記者会見を確かにされております。その中身どきょう証人が言われた中身はほとんど同じです。ちなみに、このときどんなことをおっしゃったか。直ちに業務全般を見直し、適切な営業態度、営業姿勢を確立する所存だと、こうもおっしゃいました。また、こんなこともおっしゃっています。これからは新しい透明度の高い健全な大和証券をつくる、この事件をばねにしていきたいともおっしゃいました。ですから、今回の補てんの問題に関して言うならば、私は大和の場合極めて責任が重い、一番重い、そう言わざるを得ません。
 そして、私がまずぜひ聞いておきたいのは、この問題で大蔵省の通達が出ました、その通達後に大和証券としてどれくらいの補てんをなさっているのかということをお聞きしたいと思います。
○証人(同前雅弘君) お答え申し上げます。
 先生の御指摘のとおりで、こういった事件を起こしました、しかも私が記者会見でそういう自分のこれからの所信を表明したのに、またということでございますが、私が記者会見しましたのも十二月の末でございました。そこからあらゆる手を打つ、その打つ手が、もう既に暴落の中にございまして、それが徹底しない、しなかったといううらみは自分自身で持っております。
○木庭健太郎君 あとを教えてください。
○証人(同前雅弘君) はい。次の質問はどんな質問でございましたか。
○木庭健太郎君 通達後に補てんをされたのが幾らだったのか、二百二十一億……
○証人(同前雅弘君) 通達後に補てんいたしました金額は百八十七億強と心得ております。
○木庭健太郎君 まさにこれは社長が在任中の問題でございます。そして、先ほどこの損失補てん、どうやって社内でやったかということの説明をされました。それぞれの期間、ケースがある、金額の大小がある、その都度担当部長、本部長で決めたものもある、私のところに相談があったものもあるとおっしゃいました。この私のところに相談があったものがある、証人はこうおっしゃっていますけれども、今回の補てんの場合一番早いケースは、社長のところにいつ補てんの相談があり、そのときに社長としてせざるを得ないと決定されたのか、いつの段階なのか教えてください。
○証人(同前雅弘君) まことに申しわけございませんですが、その時期等につきまして、余りにも混乱の中、それから私も社長を拝命して間がないいろんなことの中で、きょうここでお答えするのにはっきりした答えを持っておりません。申しわけございません。
○木庭健太郎君 それでは確認しますけれども、相談して決めたケースがあるということは、社長の責任で補てんを決めたことがあるということなんですね、よろしいでしょうか。
○証人(同前雅弘君) 相談を受けましたときにもいろいろなケースがあったと思います。もっとお客さんといろんな情勢を判断してみる、いろんな情勢についてお客さんと相談してみろというふうに相談に乗った場合もございますし、もう少しいろんな努力をしてみてくれといって、努力といいますのは、あらゆる相場環境とか、そういったことによりましてもっと何か他の商品とか、いろんな形の投資の工夫でございますが、そういったことをしてみてはどうかとか、そういったサゼスチョンをした場合もございますし、それから中にはある程度当方の責めに帰するような部分については、ある程度その責任を果たす部分もあったんじゃなかろうかというふうなアドバイスをしたように考えております。
○木庭健太郎君 私は、証人は非常に正直だと思っているんです。野村証券田渕証人は、知ったのは三月下旬ごろとおっしゃる、中旬ごろとおっしゃる。日興の岩崎証人は、自己申告するときにようやく知った、私は知らなかったとおっしゃっている。そういう意味じゃ非常に正直におっしゃっているのじゃないかと思うので、本当はいつの時期でやられたかというのはぜひ聞きたいし、ある意味では損失補てん問題で一番悩んだのが大和証券のはずです。その大和が損失補てんをせざるを得ないような状況に追い込まれたら、当然それは大蔵省と相談してしかるべきだと私は思いますけれども、社長会は別として、大蔵省とこの問題で相談なされたことはたいですか。
○証人(同前雅弘君) 当社の、そういった通達の出た後で、しかもそういう業務改善命令とかいろいろやらなきゃいけない、そういう立場でそういったことを相談する立場にはなかったのじゃなかろうか、こんなふうに思います。
○木庭健太郎君 もう一つだけ別のことを聞かしてください。
 きょうも載っておりますけれども、大和証券から二十一億八千八百万円の補てんを受けたトヨタは、大和とは営業特金の取引はなく、大和の投資顧問を通して二百億の特定金銭信託を運用した中で補てんが出ていると言っていますけれども、そのとおりですか。
○証人(同前雅弘君) トヨタ自動車さんとのアカウントは、投資顧問合社との契約のアカウントでございました。
○木庭健太郎君 日立も同じように投資顧問を通したと言っているんですけれども、これも事実でございますか。
○証人(同前雅弘君) 日立もたしか投資顧問契約になっていたと心得ております。
○木庭健太郎君 そうすると、先ほどから証人は、営業特金をなくすための苦渋の決断で補てんが行われたのだということをずっとおっしゃっておりました。ただ、トヨタにしても日立にしてもどうかといえば、そういうケースではない。一体この補てんというのは大口投資家であればだれにでもする、そういう印象を受けざるを得ません。営業特金をなくすために投資顧問をやったはずです。その投資顧問でなおかつ補てんをされる。まことに一般投資家を裏切り国民を裏切った行為だと私は思いますけれども、なぜ補てんをしたのか、最後にはっきりしていただきたいと思います。
○証人(同前雅弘君) もう本当におわびの言葉がざいませんが、投資顧問契約ではありましても、顧客のいろんな立場をおもんばかり、そこまでやってしまったことは本当に申しわけなく、本当におわびのしようがございません。申しわけございません。
○木庭健太郎君 終わります。
○諫山博君 日本共産党の諫山博です。
 今、国民が一番望んでいるのは、損失補てんの手口や実態をきちんと明らかにすることです。本委員会の主要な任務もここにあります。
 きょうの毎日新聞に補てんの手口の一部が大蔵省の内部資料として公表されました。そこには大和証券のトヨタ自動車に対する補てんのやり方も記載されています。読み上げます。銘柄、国債先物。買い付け日、一九九〇年三月十九日。売り付け日、同日。買い付け金額、百八十六億二千万円。売り付け金額、百八十七億八千六百万円。差益、一億三千八百万円。このような事実を国民は明らかにしてもらいたいと望んでいるわけです。
   〔委員長退席、理事斎藤栄三郎君着席〕
こういう手口や実態をまず解明する川これが再発防止の大前提です。
 きょうの毎日には各社の同様の事実が書かれていますけれども、こういう資料はすべての損失補てんについて大蔵省に提出しましたか。
○証人(同前雅弘君) 本当にまことに申しわけない仕儀でございますが、今回の補てんの全部を……
○諫山博君 前置き性結構です。提出したかどうか、
○証人(同前雅弘君) 報告したかどうかにつきましては存じておりません。申しわけございません。
○諫山博君 残念ながら答弁を得られません。
 この事実を明らかにすることが我々の今の中心的な課題です。すべての損失補てんについて、せめて毎日新聞で書かれているような事実を示すだけの資料、これを当委員会に提出してください。
○証人(同前雅弘君) どういうふうにこれはお答えしていいのか、ちょっと私判断に苦しみますが……
○諫山博君 隠す事項ではないでしょう。
○証人(同前雅弘君) 判断を仰ぎましてまた御連絡することでいかがでございましょうか。申しわけございません。
○諫山博君 我々は、今私が指摘したような事実を明らかにするために委員会を開いているわけですよ。あなたのところには資料はある。大蔵省には出しているはずです。委員会に出すのは当然ではないかと言っているんです。
 委員長の方でぜひこれは理事会で取り計らって提出をさせていただくようにお願いいたします。
○理事(斎藤栄三郎君) 理事会で相談をいたします。
○諫山博君 証券局長を交えた四社会昼食会について、業務の内容を話し合ったり議論したりするようなところではなかった、補てんや通達について話し合ったかどうかは記憶にない、こう答弁されましたね。間違いないでしょうか。
○証人(同前雅弘君) 間違いないと思います。
○諫山博君 これは全く信じがたい証言です。言いにくいことは忘れたという態度をとっているとしか思えません。私は、さっきの答弁を聞いて、ロッキード事件の小佐野証言を思い起こしました。忘れました、記憶にございません、これは日本での流行語になったんです用こういうことを忘れるはずはないしゃないですか。
 重ねて質問します。証券局長がこの点について何回も答弁しました。証券局の政策などを話した、証券行政のあり方について大蔵省の立場を述べたし、業界の意見も聞いた、こういう答弁が繰り返されました。きのうもこの場所で、我が党の上田耕一郎議員の質問に対して同じようなことを答弁しました。思い起こしませんか。答えてください。
○証人(同前雅弘君) 私は、基本的に情報の交換はしましたと、そんなふうに申し上げました。
○諫山博君 幾らか変わりました。
 通達とか補てんについて話し合いませんでしたか。答えてください。
○証人(同前雅弘君) その件につきまして先ほども御質問いただきましたわけですが、本当に定かでございません。申しわけございません。
○諫山博君 委員長に私は注意を喚起します。
 これは明らかに証言拒否です。忘れるはずはないじゃないですか。あなたは、何回もこれに出席したと言われる。私が推察するに、ここで大体補てんについては内々の了承が与えられた。だからこそあなたたちはこれをやったんでしょう。ところが、これを言うと後で大蔵省からしかられそうたから忘れたと言ってごまかしている。私はこうとしか思えませんから、これは後で検討してください。
 終わります。
○理事(斎藤栄三郎君) 理事会に諮ります。
○池田治君 連合参議院の池田でございます。
 今回はちょっと見方を変えまして、別の角度からお尋ねをいたします。
 九一年三月までの二年六カ月の間に損失補てんをされた金額、大和証券では十四億六千万、更正決定を六億五千万受けているということですが、間違いございませんか。
○証人(同前雅弘君) まことに申しわけございません、もう一度。
○池田治君 十四億六千万の虚偽申告があったと。
○証人(同前雅弘君) 何年でございますか。
○池田治君 九一年三月までの間です。
○証人(同前雅弘君) 更正決定が十四億です。
○池田治君 更正決定が十四億六千万ということでございますか。証言してくださいよ、それは。
○証人(同前雅弘君) 更正決定の方が十四億六千万でございました。
○池田治君 これは更正決定を受ける前には有価証券の売買損として計上されていたわけですか。
○証人(同前雅弘君) いろいろなケースがあったと思いますが、大部分はそうだったと思います。
○池田治君 これとはまた別に大手四社では合計四百億円余の自己否認として申告された分もあるとのことですが、大和証券ではどの程度自己否認をされておりますか。
○証人(同前雅弘君) 百二十六億だったと思います。
○池田治君 二百億とか百二十六億だとかいうのは大変な金額に当たるわけですが、売買損とかもともとの自己否認は、使途不明金というのは認められているようでございますが、損失補てんということがはっきりしていて自己否認をしておるというのについて、社長は今どういうお気持ちでおられますか。
○証人(同前雅弘君) まことに申しわけたいことと思っております。
○池田治君 こういう虚偽申告の方法を発案したといいますか、提案したといいますか、どこでこういう協議をして虚偽の申告をなさったんですか。
○証人(同前雅弘君) 私も社長を拝命しまして生懸命勉強しておりますが、そういう経理のことにつきましてはそんなに詳しくはございませんが、自己否認と申しますのは、今までもいろんな接待費それからいろんな経費の中である程度それをオーバーしているとか、いろいろの特別の理由があったときに使っている口座だと、そんなふうに聞いております。
○池田治君 交際費その他といいますが、その中には政治献金も含まれておりますか。
○証人(同前雅弘君) 申しわけありません、政治献金がそこの口座に入っているかどうか、ちょっと私寡聞にして知りません。申しわけございません。
○池田治君 では、その口座に入っているかいないがは別として、大和証券では年間どの程度の政治献金をなさっておりますか。その相手方もわかれは相手方もおっしゃってください。
○証人(同前雅弘君) 前々期で七千万円、前期で九千万円ぐらい、若干の端数ございますが、そのくらいの金額でございます。よろしゅうございますでしょうか。
○池田治君 相手方。
○証人(同前雅弘君) 相手方については、そこまでちょっと存じませんですが、国民政治協会でございますか、には約三分の一ぐらいが各年行っている、このように理解いたしております。
○池田治君 国民協会三分の一、あとの三分の二の相手方というのは記憶にないわけですか。それとも会社へ帰ればわかりますか。
    〔理事斎藤栄三郎君退席、委員長着席〕
○証人(同前雅弘君) 会社に帰ればわかると思います。
○池田治君 それでは、また後日お教えを願いたいと思います。
 あと一分しかなくなりましたが、本来、損失補てんの禁止の通達と、特金を廃止して投資顧問契約をせよという両方の相矛盾するような通達しゃなかったかと私は思うんですが、大和証券ではこの問題については本当は困ったということで協議をなさったことは本当にないんですか。どうですか、これは。
○証人(同前雅弘君) どちらもあってはならないことだったと承知いたしておりますが、あのバブルのはじけたあのときのあの特殊状況の中で図らずも一万の通達を軽んじたことに対しまして、まことに申しわけなく思っております。
○池田治君 時間ですので、終わります。
○寺崎昭久君 民社党の寺崎昭久でございます。
 今回の補てん問題に関して、損失補てんを受けたとされる法人の中にはその認識がないと答えたところが少なくありません。公表するからには、証人は補てん先を納得させるだけの事実あるいは確信を持っておられるはずだと思いますが、どう説明しているのか、お話しください。
○証人(同前雅弘君) 私、損失補てんの形態の中にいろんな種類のものがあったと思います。例えば公募株の配分といったような場合に、こちらでは一般にお渡しするよりは過分なものをお渡ししたという意識があっても、受け取られる側の方で自分のところはこれだけのものはもらえるんだなというふうな、そういう認識といったようなものも今回の損失の補てんの中に入っております。
 それからまた、損失補てんいたしまして、非常に悪い営業、運用成績のものが少しでもよくなったわけで、必ずしも損失補てんや、そういった元本まで戻っていないケースもありまして、そういったものが上に報告はなかなかいかないケースもあったんしゃなかろうか。そういったことが認識がないとおっしゃられた中にはあったんしゃなかろうか。
 最後の御質問でございますが、そういったことをはっきりせずに公表したのかという御質問でございますが、公表がああいう形でなった以上、そういったところがきっちり詰めてなかった部分もございました。
○寺崎昭久君 補てんをしたテロとして、先ほど来、先物だとかワラント債を使い、また日ばかりというような手段で特定のお客に利益を供与したということをおっしゃっておりますけれども、言ってみればこれは不自然な取引である。したがって、それを言えば相手が納得するはずであるという前提に立っているんだと思いますが、これをやったということは市場価格あるいは債券相場に対して影響を与えるはずだと思います。それを承知でやったということになりますと、補てんしただけではなくて不公正な取引、不正な取引をしたという意味で証券法五十八条に該当するのではないかと思いますが、そういう認識はお持ちですか。
○証人(同前雅弘君) そういった補てんの行為はいろんなケースがございまして、そういった行為が本当に市場の株価形成に影響したかどうかという部分につきましては非常に難しい問題もあろうかと思います。私、個々の一々のことの取引の影響度については、それが本当に市場に影響したかどうかという点では確信を持っておりません。申しわけございません。
○喜屋武眞榮君 参院クラブの喜屋武眞榮です。
 三分間は答えなさることより聞くことがかえって難しゅうございます。きょうは午前中から私は皆さんにお聞きしておりますが、今回の証券各社の補てん体質とも関連しますので、同前証人に伺います。
 大和証券は、国鉄から民営化されたJR各社の短期資金の入札に応じ、またCD、債券現先などの売買を通じてその運用に協力しておられるかどうか、またその運用レートは市中平均のレートを上回っているかどうかお尋ねいたしたい。
 私の調べでは、市中平均を上回る相当高いレートに応じられたこともあるとお聞きしておりますが、それはなぜでしょうか。思うに、将来のJR株の上場の際に幹事会社として有利な扱いを受けるためではないのでしょうかということに対して明確にひとつお答え願いたい。
○証人(同前雅弘君) JRの資金運用の取引に御協力しているかどうかというまず最初の御質問でございますが、大和証券も取引はさせていただいている、かように思います。
 それから取引の方法では、公正を期すために、間違っていたら申しわけございませんが、入札制度をとっているやに聞いた記憶がございます。そのレートが普通のレートから高いんだろうかとの御質問でございますが、そのときどきの環境、相場観の見通し、そういったものから考えましてそのジャッジは非常に難しいジャッジじゃなかろうか、こんなふうに考えております。
○喜屋武眞榮君 今の二つの問題のお答えに対して私が特にお聞きしたいことは、下部組織での話よりも上部組織に通ずることが最も大事でありますが、その点いかがでしょうか・
○証人(同前雅弘君) そういうことにつきまして、JRの幹部と議論したりお話ししたりしたことはございません。まことに申しわけございません。
○委員長(平井卓志君) これをもって同前証人に対する証言の聴取は終了いたしました。
 同前証人には御証言いただきまことにありがとうございました。
 それでは、御退席いただいて結構でございます。
○委員長(平井卓志君) 次に、行平次雄証人から証言を求めることといたします。
 まず、委員長から確認させていただきます。
 あなたは行平次雄君御本人ですか。
○証人(行平次雄君) 行平次雄本人でございます。
○委員長(平井卓志君) この際、一言ごあいさつ申し上げます。
 本日は、御多忙中のところ当委員会に御出席いただきましてありがとうございました。
 証言を求めるに先立ち、証人に申し上げます。
 議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律によりまして、証人には、証言を求める前に宣誓をしていただくことになっております。
 宣誓または証言を拒むことができるのは、次の場合に限られております。
 自己または自己の配偶者、三親等内の血族もしくは二親等内の姻族または自己とこれらの親族関係があった者及び自己の後見今後見監督人または保佐人並びに自己を後見今後見監督人または保佐人とする者が刑事訴追を受け、または有罪判決を受けるおそれのあるときは宣誓または証言を拒むことができます。また、医師、歯科医師、助産婦、看護婦、外国法事務弁護士を含む弁護士、弁理士、公証人、宗教の職にある者またはこれらの職にあった者が業務上委託を受けたため知り得た事実で他人の秘密に関するものについて証言を求められたときも宣誓または証言を拒むことができますが、本人が承諾した場合はこの限りではありません。
 正当の理由がなくて証人が宣誓または証言を拒んだときは、一年以下の禁錮または十万円以下の罰金に処せられます。
 また、宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは、三月以上十年以下の懲役に処せられることになっております。
 なお、今回の証人喚問についての当理事会の決定事項については、証人には既に文書をもってお知らせしたとおりでありますが、この際、その主要な点について申し上げておきます。
 その第一点は、証人が補佐人に助言を求める場合についてであります。
 証人は、補佐人に対し、宣誓及び証言の拒絶に関する事項について助言を求めることができますが、これらの助言は、いずれもその都度、証人が委員長にその旨を申し立て、その許可が得られた後に認められるものであり、補佐人の方から証人に対し助言することはできないことになっております。なお、補佐人は発言することができません。
 その第二点は、資料についてであります。
 証人は、既に通知いたしましたとおり、証言を行うに際し、あらかじめ当委員会に提出された資料を用いることは差し支えありませんが、委員長の許可が必要であります。
 その第三点として、一証人のメモ筆記は尋問の項目程度に限られております。なお、補佐人はメモをとることが許されます。
 以上の点を十分御承知願います。
 それでは、法律の定めるところによりまして、行平次雄証人に宣誓を求めます。
 全員御起立願います。
   〔総員起立〕
○委員長(平井卓志君) 議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律第五条の三の規定により、これより行平次雄君の証言が終了するまで撮影は中止してください。
 行平次雄君、宣誓書を朗読してください。
   〔証人は次のように宣誓を行った〕
    宣 誓 書
 良心に従って真実を述べ、何事もかくさず、又
 何事もつけ加えないことを誓います。
             証人行平次雄
○委員長(平井卓志君) 全員御着席を願います。
 証人は、宣誓書に署名捺印してください。
   〔証人、宣誓書に署名捺印〕
○委員長(平井卓志君) これより証言を求めることといたしますが、証人の御発言は証言を求められた範囲を超えたいこと、また、御発言の際はその都度委員長の許可を得て御発言なさるようお願いいたします。
 なお、質問を受けているときは御着席のままで結構でございますが、お答えの際には起立して御発言を願います。
 この際、委員各位に申し上げます。
 本日は、申し合わせの時間内で証言を求めるのでありますから、不規則発言等、議事進行を妨げるような言動のたいよう特に御協力をお願い申し上げます。
 また、証人には、委員の尋問時間が限られておりますので、答弁は要点を的確に簡潔にお願いいたします。
 それでは、行平証人に対し質疑のある方は順次御発言願います。
○山岡賢次君 自由民主党の山岡賢次でございます。
 先ほど大和証券の同前社長にもお伺いを申し上げたので、行平社長にもお伺いを申し上げるわけでございますが、たぜきょう証人としてここにお立ちになっていらっしゃるか、その御認識についてまず最初にお伺いをしたいと思います。
○証人(行平次雄君) ただいま先生の御質問に関連いたしまして、先生のお許しをいただきまして、一言国民の皆様、それから投資家の皆様に心からおわびをさせていただく機会をいただきたいと思います。
 今回当社が行いました損失補てんという行為は、これは今まで全国の投資家の皆様からちょうだいしておりました大変な御信頼を裏切る結果になりました。そして、ひいては活力あるべき証券市場に対しても皆様の大変な御不信を招いたわけでございます。私に対しましても、毎日、とんでもないと、まことにけしからぬというお話や御叱正が連日ございまして、私としても本当に身を切られる毎日でございます。このような事態を招いたということにつきまして心からおわびを申し上げます。
 また、今回に関連いたしまして、立法府の皆様方にも大変な御迷惑あるいはお手数をおかけいたしまして、大変申しわけなく存じております。一言おわびを申し上げます。
 それから、ところで先生御質問の、お前の基本的認識はどうなんだというお話でございますが、もともと証券取引というのは投資家の方々が自分の御自由な判断で投資をなさる、その結果については自己責任でやっていく、これが本来の筋道であると思うわけでございます。そういった中にありまして、手前ども証券会社自身がこの辺の基本の筋道を踏み外したということにつきまして、私ども一言の弁解もたく、非常に大変不適切な行為であったと心から反省している次第でございます。
 それで私、今回いろいろ突き詰めて考えてみますに、やはり経済の成長あるいは金融の緩和、そういった中にありまして証券マーケットは大変拡太いたしました。したがいまして、現在の反省でございますけれども、やはり拡大路線がとられた、そしてお客様は一人でも多く、そしてもっともっとその関係を強くしていくというようなところに知らぬ知らぬ間に経営の座標軸が社会の座標軸とずれてなっていったんじゃないか、このように痛切に反省しているわけでございます。証券経営を預かる者としてまことに恥ずかしい思いでいっぱいでございます。
 いずれにしましても、そういう基本的認識で今後再発防止策に取り組んでまいりたい、それから一般投資家の皆様の御信頼を何年かかっても取り返していきたい、このように考えているところでございます。ありがとうございます。
○山岡賢次君 御所見と御決意のほどはわかりましたが、野村証券、日興証券の社長は既に辞任をしていらっしゃいます。御存じですね。証人は、損失補てんがこれほど大きな社会問題になった、こういう事態であるにもかかわらず引き続き社長の職にとどまっていらっしゃる。それはどういうわけでいらっしゃるか、御説明をいただきたいと思います。
○証人(行平次雄君) お答え申し上げます。
 ただいま社長職にお前はまだとどまっておるというお話でございました。先ほども申し上げましたように、本当に言葉だけでなくて毎日身がすくむ思いがしております。それで、私自身といたしましても自分の責任の重大さ、これをつくづく思いますときに、いろいろな方面から、いろいろな角度からいかにあるべきかを思い悩んだわけでございます。そして結論としては、大変僣越た言い方になりますけれども、やはり失われた一般投資家の皆様方の御信頼を魅力ある有価証券市場に取り戻させていただく、そのために当社のいろいろた社内体制あるいは教育研修、すべての筋道をつけて、そういったことが可能な状況を見きわめるまで自分の努力を結集していくべきであると、大変僣越でございますか、現在思い定めているわけでございます。
○山岡賢次君 この際、参議院を代表しまして、最初でございますから申し上げさせていただきますが、今証人は、身も切られる思い、心から反省をしていると、こう言っておられましたが、そうでいらっしゃると思います。しかし、切られる思いだけで現実には切られていないわけでございまして、そういう点ではきょうここにおいでいただいたのはなぜか。これは御社が暴力団にかかわっていなかった、こういうことがあったといたしましても、しかし証券会社として、国民全体にまた世界にも与えた影響は極めて大である、そういうことで証人としておいでいただくことに野村、日興の御両社といささかも変わらないと、こういうことでおいでいただきましたので、そのつもりでお答えをいただきたいと思います。
 それでは、これもやはり一応基本的なことを先にお伺い申し上げておきます。
 本来、委員長からの御質問があるはずでございますが、公表された補てんの実態は昭和六十三年九月期から平成二年三月期までのものでありますが、それ以前またはそれ以降においても補てんは行われていたのかいたかったのか、お答えをいただきたいと思います。
○証人(行平次雄君) お答え申し上げます。
 六十三年九月以前、つまり六十二年九月期以前はいわゆるお客様との間のトラブルといった程度の問題はあったと思います。ちょっと私、細かいことは確認しておりませんけれども、これはあったと思います。ただ、六十三年九月から元年、平成二年の三月までというような大きな状況ではなかったと。
 それから、先生お尋ねの二年四月以降でございますけれども、現在、うちにあったという報告は今のところは受けておりませんけれども、御承知のように大蔵省の特別検査を現在受けております。それから、手前どものスタッフも総動員いたしまして精査中でございますので、最終確認はまだでございます。
 以上、お答え申し上げます。
○山岡賢次君 今のところは受けていないと、そういうことをおっしゃっておりますが、あなたの会社であり、あなたが社長でいらっしゃるわけでございます。そして、これだけの重大事項でございます。まさか関心がないはずはないわけでございまして、この成り行きについては逐一報告があるはずでございます。そういう会社でなかったら、今日のような四大証券にはなっていらっしゃらないと思います。そういう点では、今大蔵省からの検査が入り、どんな状況である、どんなぐあいである、そんなことは百も御承知ではないかと思うわけでございますが、その点は大体の状況はどうなっているか、こういうことも御推察つきませんですか。ついていらっしゃいますでしょう。
○証人(行平次雄君) お答え申し上げます。
 私は、証人という立場を本当にきょうは十分心得て参ったつもりでございます。
 それで、今度の問題のいろんなことに追われまして、それぞれの部署で今先生お尋ねの問題を精査中でございますので、報告は正直のところ聞いておりません。これ、まことに申しわけございません。
○山岡賢次君 それを論じ合うていても、いずれはっきりすることであると思いますから、またそのときに論じさせていただきたいと思います。
 ちなみにお伺いしておきますが、公表された補てん先と大蔵省に報告したものは一致しているのでございましょうか。
○証人(行平次雄君) お答えします。
 一致しております。
○山岡賢次君 山一証券さんの補てん額は、今回明らかになった証券会社の中では最大でございます。一番多い。これはどうしてでございますか。
○証人(行平次雄君) お答え申し上げます。
 まず、手前ども公表させていただきました数字は四百五十六億でございます。
 それで、先生御指摘のように、全体の中で最大でございまして、まことにその点管理が甘かったということにつきまして心からおわびを申し上げたいわけでございますが、いずれにいたしましても、これは税務否認、税務上交際費的だぞということで更正決定を受けた分、それから自己否認した分、それから自主的になるべく広く補てんではないかと思われるものを拾い集めた、この合計でございます。
 まことに多額で申しわけないと思っております。
○山岡賢次君 今、更正決定を受けたものとか自己査認したものあるいは自主的に発表したものと、こうおっしゃいましたが、それではこの発表の前後に何かそういう大蔵省等の検査があったんですか。
○証人(行平次雄君) お答えいたします。
 私の記憶では、たしか今、大蔵省の検査は二年から二年半ぐらいに一回ございます。それで、今度のは特別検査だと思いますけれども、先生お尋ねのその前ということになりますと、元年の九月か十月ごろ、たしか九月か十月ごろであったというふうに記憶しております。
○山岡賢次君 私は、こんなことをお聞きしましたのは、どういう基準でおたくが出したのか、こういうことはもうあえて聞きません。各社がそれぞれ出した、こういうことになりますと、もう実際にはどういうことかさっぱりわからないわけでございまして、統一された基準がないわけでございますから。
 わかりやすく言いますと、非常に厳しい基準で出したところはたくさん出た、内部で甘くなったところは少なくなった、こういうこともあることですね。
○証人(行平次雄君) お答えいたします。
 今の先生の御指摘は大変ある意味ではありがたいのでございますが、手前ども、実は六十三年九月期が約三百二十億ぐらいだったと思います。この分がブラックマンデーの後に株価が急落いたしましたときにかなり行われた。そこのところをかなり厳密に集めたと、こういう報告といいますか、社内で報告を聞いております。
○山岡賢次君 こういう証言の場で山一さんが最大ですねと、こういうふうに申し上げたのは、もちろんけしからぬという意味もございますが、しかし、やはり各社がもっと同じような基準でやっていればもっとたくさん出てくる会社があったんではないか、こういうふうに私は推察をして申し上げているわけでございまして、したがって平たく申し上げますと、この絶対数というのは必ずしも判断できない、こういうことが言えるわけでございます。
 そこで、社長にお伺いいたしますが、いずれにしても最大のものが出たわけでございますが、その補てんをする決定には証人みずからかかわったのでございますか。つまり、御存じの上でおやりになったことでございましょうか。
○証人(行平次雄君) お答え申し上げます。
 二年三月期は、先生も御存じのとおり、元年の十二月二十六日に特金の適正化に関する通達が出ておりまして、それに基づいて社内総点検、それから特金をなるべく適正化せよという動きがあったわけでございます。そうして平成二年の三月に大蔵省に全部まとめてたしか所定の報告をさせていただいております。手前どもの形では、関連の副社長たちが集まって、これはやむを得ないなということで私も報告は受けております。
○山岡賢次君 そういうふうに本人もわかっている。またその後も、私はあえて聞きませんが、この後御質問があると思います。きょうの毎日新聞にも出ておりますし、続々と具体名も挙がっているわけでございまして、私がここでお聞きしておきたいのは、なぜこのような補てんをしなければたらたかったんだろうか、こういう点ためでございます。補てんをせざるを得ない、こういう理由があったのか、すなわち極めて不適切なことだ、こういうことはわかっていたが補てんをせざるを得ない、こういうどうしようもないということがあったのか。それとも、大口の顧客に対するサービスで補てんをするのは、これは商売の上で当たり前のことである、こういうふうにお考えになってやったのか、いずれでございますか。
○証人(行平次雄君) お答え申し上げます。
 先ほどのお話に出ましたけれども、元年の十二月に通達が発出されまして、ともかく特金を投資顧問会社へ持っていくか、あるいは確認書を入れて、一任勘定でも何でもないよというようなことで確認書を入れなさい、そういう二ついずれかの道をとるように言われたわけでございますけれども、ところが御承知のように、その翌年一月四日から史上まれに見る暴落に見舞われたわけでございます。たしかゴルバチョフ死亡説か何か出まして、私の記憶では一月から三月の間に史上最高値から約三〇%弱下げたんではないかと思います。そういった中で特金を整理していく、お客様といろいろお話ししていく中でぎりぎりの決断として損失補てんが行われた、このこと自体はおわびのしようもございませんけれども、結果としてはそういうことであったということでございます。
 先生御質問のように、大口だから当たり前という感覚ではございませんでした。これは言いわけでも何でもたくて、本当に手前ども個人投資家の皆様が大事だ、その方々が市場を形成なすっている、いろいろな判断が集まって初めて有価証券市場の価格が適正に形成される、そんなことを考えておりますので、大口だから当たり前とは考えておりません。
○山岡賢次君 それはそのまま一応受けとめておきます。
 それでは、大口だから小口だからということは別にいたしましても、どうして補てんをしたかといえば、私も先ほど前証人のときにも申し上げましたが、プロの皆さんでも想像のつかないような大暴落があった、このことは私もよく理解をいたします。そのとおりだったと思います。しかし、そうなったらすぐばばっとこういうふうに補てんをしていくというのには、それだけのもう既にその前から土壌があったんではないか、こういうことを言いたいわけでございまして、会社の方にも補てんをするのが当たり前、こういう考えもあり、今までずっと会社の方が非難をされてまいりましたが、しかし顧客の側の方にも補てんをしてもらうのが当然だ、こういう常識があったのではないかと思いますが、その点はいかがでございますか。
○証人(行平次雄君) お答えいたします。
 損失補てんを受けた方の企業は当然損失補てんを受けるべきだというそういう感じというのはなかったと思います。完全に断定はできないかもしれませんが、ここはまことに推量でお許しをいただきたいのでございますが、個々たくさんの取引がございますので、いろんな取引の中で当然だという取引先もあるいはあったかもしれませんけれども、ともかくこの数年間の経済とかあるいは証券市場というのはやはり日本にとっても未曾有の事態であったんではないか、大変構越ながら私そのように考えるわけでございます。
 そういった中で特金の適確化、適正化という問題が出まして、したがって大変申しわけないんですが、補てんという結果が出たんですけれども、お受けになる方がこれは当たり前だぞと、もともと余りそういう物の考え方というものが、思想的たものが歴史としてはなかったように。思うわけでございます。
○山岡賢次君 もちろん歴史とか思想とかいうようなものじゃないわけでございまして、そういう未曾有の暴落だということもわかっています。しかし、そういう土壌があったんではないか、こう申し上げているわけで、顧客をかばっていらっしゃるということはわかりますが、具体的にお客様から強く補てんを求められた、そういうケースはないんですか。
○証人(行平次雄君) お答え申し上げます。
 当然担当者の間でもういろいろと話し合いがあって、それでもうちょっと頑張ってくれとか、僕はもうちょっと期待していたよとか、いろんなことがあったと思います。そういったことはございますけれども、最終段階で強制的に会社対会社として何とかしろ、そういうようなフォーマルなお話はほとんどなかったというふうに聞いております。
○山岡賢次君 あったとも言いにくいでございましょうが、それじゃ、この補てん先リストに載った企業は既にたくさんあるわけでございますが、その補てんを受けた認識がないと企業の皆さんは大半そう言っているわけでございまして、私はそのことは考えられないことだ、認識がたい、自分の大切なお金を委託しておきながら、とうたっているか認識がたい、そんたことが考えられますですか。
○証人(行平次雄君) お答え申し上げます。
 もちろんもう資産運用ということは大変大事なことでございまして、もちろん非常に重大な御関心をお持ちでございましょう付れども、多種多様なあるいはいろんな形の取引がある中で、そういったことがいま一つはっきりしてたかったというふうに私は理解しておるわけでございます。
○山岡賢次君 もちろん顧客の方は株の売買が本業の会社ではないと思います。それはいろんなほかのこともやるし、多種多様なこともやっていると思いますが、しかし大事な財産の話ですから。
 それでは、具体的に損失補てんされた、あるいは利益供与した、こういう相手にぼ取引の都度に売買報告書、こういうのをおたくから顧客に送っているんではないんですか。
○証人(行平次雄君) 送っております。
○山岡賢次君 その売買報告書には、売買された有価証券の銘柄、価格、取引の日時、こういうものがすべて書いてあるはずでございますが、その点はいかがでございますか。
○証人(行平次雄君) 先生のおっしゃるとおりでございます。
○山岡賢次君 これは普通のビジネスマンとしての感覚で、証券会社の社長さんだということを除いても、このようなものが送られてきた、自分の会社の財産に関する明細が送られてきた、そのことは一つの会社であれば、大口契約者なんですから当然財務の担当者がいるはずでございます。いますですよね。その財務の担当者が損失補てんを受けた、あるいは利益供与を受けたその認識を持っていない、そんなばかな会社があるはずないわけでございまして、証人から見たら、そういう認識を持って自分からこの売買報告書を送れば相手がそういう認識を持つはずだ、こういうふうにお考えになりますでしょう。
○証人(行平次雄君) お答え申し上げます。
 ちょっと繰り返しになりますけれども、取引もいろんな種類があると思います。債券もございますし株もある。それで債券の中でもまた転換社債とかワラントとか外債とかいろいろございます。それから、先物とか現物とかそういったものもございましょうし、そういった多種多様なあるいは大量の取引の中で、しかも外債というのは先生も御存じだと思いますが、ワラントもやや値段が不明確な点があるのは事実でございました。そういった中で値段がこれは確かにこうだぞというようななかなか認識というのはあるいは難しい場合もあったと思いますし、それから担当者はわかってもトップに言わないとか、あるいはいろんなそういったケースがまざりまして、私どもも一概になかなかとらえ切れないというのが実情なんでございます。
○山岡賢次君 確かに一般の方にしてみればワラントとかストリップス債とか何のことかいた、こう思うのはよくわかります。しかし、ちょっとその知識のある者でしたらもうそのからくりなんというのはこれはすぐわかることでございまして、いやしくも財務を担当している、それがどんなちょっと複雑になったからくりがあるか、そんたことは全く知らない、そんなばかなことは考えられないと思うわけでございますが、そういう財務担当のいる会社がよくあれだけの大きな会社になっている、私はこう思うのでございますが、売買報告書を出した方の当人としてはどう思いますか。全然相手はわかっていないと思いますか。
○証人(行平次雄君) お答え申し上げます。
 先ほども申し上げましたように、大量の取引がございますので、わかっている人も中にはもちろんいらっしゃったと思いますし、それを上に上げないとか、あるいは実際わからなかったと、それで後でこちらから申し上げたとか、あるいは何とかうまくやっておきましたと、そんなケースも相当あったのではないかと、こういうふうに推量されるわけでございます。この点は申しわけございません。
○山岡賢次君 お客様ですから、おかばいにならなきゃならないというのはよくわかります。よくわかりますが、今抽象的な聞き方をしているわけでございますが、それでは、具体的にどこの会社に損失補てんをし、そして利益供与をしたのか、それは何をもってしたのか、どういうやり方でやったのか、こういうことをまずお聞きして、そしてされた方に、あなた、それを本当に知りませんでしたかと、本来でしたらこうやっていかなきゃらちが明かないと、こういう話にもなるわけなんでございます。
 いま一つだけつけ加えてお聞きしますが、一般の顧客もそうでございますが、公的機関、こういうような国の制度で集められた多額の資金を運用しているわけでございますが、こういう公的機関に対しては利益供与をしてくれ、あるいはしなきゃならないと暗黙のそういう圧力があった場合には、なかなか実際には断り切れないんではないでしょうか。おたくであると言っているんじゃないです。そういうことはいかがですか、おたくでしたらどうですか、こういうことをお伺いしているんです。
○証人(行平次雄君) お答え申し上げます。
 事実関係からいいますと、先生もおっしゃっていただきました、手前ども要求されたわけではございませんけれども、まあこのぐらいはどうだろうかというような感じというのは、当然公的資金でございますからあったと思います。それから、そういった関係もありまして、私どもいま一つ公的団体につきましてちょっと弱い面もあったかなというふうに考えているわけでございます。
○山岡賢次君 もう時間がありませんから、私が申し上げたいのは、これはもう皆さんはプロです。しかし、日本国のアマチュアというか、おっしゃるとおりアマチュアは知らないかもしれません。しかし、大体日本人の特徴であることはみんな定食好みでございまして、一任勘定、うまく任せるよ、うまい物食わしてくれや、何だこんたまずい物食わせて、これが日本の国民感情でございます。そういう皆さん国民感情、全体とは言いませんが、大体そういう感覚。そういう皆さんを相手にしてやっておられれば、当然そういう強制も多々あったのではないか。
 私は、最後に申し上げたいのですが、今回のようだ事件が起こりましたのは、言うなればそういうお客さんの方からの強い圧力があり、次おかつもう一つ言えば、通達の話はきょう申し上げませんでしたが、あるいは大蔵省の通達をなめ切っていたか、あるいはもうそういうことは恥も外聞もなく金もうけさえすればいいんだと、こういう体質であったか、いずれかの結果であると思うわけでございまして、そういう意味では四大証券の一つとして、どうかこの証券業界を国民の皆様の期待にこたえられるような証券業界にお育ていただきたいと思います。
 終わります。
○村田誠醇君 社会党の村田誠醇でございます。
 証人にお聞きしたいのでございますが、各社それぞれ損失補てんの基準が違うためにいろいろ混乱を起こしているわけでございます。大手四社を比較してみますと、おたくの基準とか範囲、それから補てんをしたという種類についてはほかの会社と随分違うたという印象を受けるのでございます。
 具体的に三点ほどお聞きをいたしたいわけでございますが、通常、株による損失補てんを受けた民間の人に聞きますと、新規上場債とか公募債とかこういうもので新規割り当てを受けた、それで補てんを受けたんだとか、あるいはそういうもので利益供与を受けたという人が結構多いわけでございますが、このおたくの発表しました有価証券報告書を四社の間で比較してみますと、新発証券割り当てによる利益供与、損失補てんの場合もありますし、特別な利益供与を与えたというケースの数字が載ってくるのでございますが、おたくの会社と野村証券だけはこの欄にゼロという記載になっているわけでございます。
 世間的な一般的な評価からすると、ここの欄に載って当たり前だと思うんですよ。よそ様の話を聞いてもしようがありませんので、おたくの会社でなぜこの欄がゼロになったのか。つまり、損失は起こしていないけれども、特別な利益供与を与えたというものは御社の基準でいきますと損失補てんの範囲に入らなかったから除外したのか。つまり、該当する人はいたんだけれども、おたくの基準からいうと外れるのでこの欄は記載しなかった、こういう記載をしたかったというより公表したかった、こういうふうに理解してよろしいんでしょうか。
○証人(行平次雄君) お答えいたします。
 実は、大変申しわけないんですが、有価証券報告書の今先生御指摘の欄の数字その他につきましてどういうものが記載されるか、実は勉強不十分でございまして、私ちょっとわからないのでございます。たた、補てんの中に、おまえのところは公募株とかあるいは新発の転換社債とかそういうものが入ってないではないかということに関しましては、手前ども損失補てんを自主申告いたしますときに拾い集めましたときに、要するに、もちろん新発の転換社債とか公募株はございますけれども、一般的な割り当てでございまして、特別に損失補てんという気持ちで入れてない、要するに普通の取引であると、そういう報告を受けております。
 ただ、これは損失補てんの問題に関連してだけでございまして、先生一番初めの御指摘の、まことに申しわけないんですが、有価証券報告書につきましては私もちょっと理解しかねるわけでございます。
○村田誠醇君 少し訂正しておきますけれども、この欄は有価証券報告書に記載する必要もないし、訂正する必要もないんです。大和証券と日興証券は、証券業協会を通じて発表したときに数字に落差が出たので確認をしたら、新発証券の割り当てによる部分だと言っているんですね。だから、どこの欄にも、各社とこを見てもこの数字は出てこたい。だから、黙っていてもわからない部分たんですが、そういう意味で一応聞いたんですけれども、ないということであれば、それ以上追及する必要はありませんので終わります。
 次に、また一つ不思議な点は、通常、十七社、普通の一般の手口としてするときには、株券、債券、ワラント債を通じてやったというのが各社ずっと出てくるんですが、これもおもしろいことに、野村証券とおたくだけが株券の売買を使った損失の補てん方法というのはゼロという記載になっているんですね。これも何か理由があるんでしょうか。
○証人(行平次雄君) お答え申し上げます。
 ただいま先生から株を使った補てんはないという御指摘ございまして、これは全く結果としてこういう結果にたっていると私は理解しております。
○村田誠醇君 それと、もう一つおもしろいといいましょうかおかしいのは、おたくの関連会社というんでしょうか子会社、山一総合ファイナンスに約三十六億円の補てんが行われているわけでございますが、これと同じ行為をブラックマンデーの際に銀行か行った。欧米にあります現地法人の損失を補てんすもために有価証券売買を通じて利益を移転した。子会社の経営を助けるためにということで有価証券報告書を訂正しているんですが、おたくのケースも手口は補てんでございますが、その目的意思は明らかに子会社の経営を助けるため上いうことになっておりますので、本来、取引関係維持のために行った行為とは明らかに範囲が違うと思うんですけれども、その点についてはいかがでしょうか。
○証人(行平次雄君) 現在、このYGFという会社は昭和四十八年に設立されまし本いわゆるファ、イナンスカンパニーでございます。現在、あと二社を、山一の関連会社二社を合併いたしまして、現在山一ファイナンスカンパニー、YFCという格好になっておりまして、現在、当時もそうでございますが、山一証券が五%出資している会社でございます。それで、この補てんが起こった当時は山一証券の関連グループで約三八%ぐらい持っておったわけでございますが、同時に金融機関さんを初め株主さんが数十社おられたわけでございます。現在も三社合併して名称変更、それから資本金も違っております。それでももちろん外部資本がまだ四〇%ぐらいたしかあったと、このように記憶しております。
 いずれにしても、先生御指摘のまず第一点、経営を助けるためかというお話でございますが、このYFC、当時のYGFがちょうど創立十五周年にかかっていたそうでございます。十五周年記念ということで、今では考えられないんですが……
○村田誠醇君 簡単にしてください。
○証人(行平次雄君) 済みません。考えられないんですが、当時としてはひとつ収益拡大の一つの柱にしようということで、山一の方に運用助言を頼んで株式運用をやって、その結果失敗して、それで補てんしたと、こういう報告を受けてまいっております。
○村田誠醇君 二つほどお聞きしたいんですけれども、損失の補てんのリストを公表したときに、このファイナンス会社になぜ補てんしたのか理由を説明しているのですが、その場合に、放置しておくと赤字経営に転落をするから補てんしたのだと、こういう説明をなさっているわけでございますが、この会社の決算期間を見てみますと、この補てんされた期間、八八年四月十一日だろうと思うのですけれども、ちょうど中間期でございまして、決算している最中でも何でもないので、赤字が出て補てんしなきゃいけないという理由があるのかどうか、それが一点でございます。
 それから、これは明確にお答えをし、否定していただきたいのでございますが、というのは、死亡された方の名誉にかかわる問題でございますので明確にお聞きしたいのでございますが、業界の関係者の話として、九〇年の二月に死亡しましたおたくの専務さんが扱っておりました特金の運用の発生した損失を隠すために、この山一総合ファイナンスを利用して全部その損害額を集めて一遍に補てんした。本日の新聞に、山一総合ファイナンスにこの三十六億円の補てんが一回の取引で一日の間に補てんされたということの記録が出ているわけでございますが、それらを考えてみますと、どうも他との取引によって発生した損害額を子会社に集めたのじゃないかと疑われるのですけれども、もしそういう行為がないとすれば、これは亡くなられた方の名誉の問題でもございますので、明確にひとつそんなうわさは間違いだということを説明していただきたいと思います。
○証人(行平次雄君) お答え申し上げます。
 実は私、決して言いわけではなくて、証人喚問を受けまして私なりに猛勉強はしたつもりでございますが、その運用の中身そのものをなかなか全部立ち入って聞く時間もございませんでした。それで、このYGFにつきましては、さっき忘れましたけれども、ともかくやはり関連会社に対して補てんを行ったということは大変恥ずかしいことでございますし、まずおわびを申し上げたいと思います。
 それから、先生御指摘の、要するに中間だからその決算を助ける必要はないではないかというお話でございますが、私の受けた報告では、ブラックマンデー直後の昭和六十二年暮れに特金を設定してそれで運用して失敗したと。それで、いずれにしてもファイナンス会社でありますので、このままでは困るということをファイナンス側が強硬に主張して、それで今先生がちょっとお触れになられました永田元専務が決定して実行したというふうに報告を受けてまいっております。
 それで、そういった意味で、ちょっと先生御指摘のいろいろなものを、損を集めてきたんではないかということにつきまして、私はちょっと株式の運用の状況とか中身とか報告を受けておりませんので、その点ひとつ的確にお答えできないことをお許しいただきたいと思います。
○村田誠醇君 先ほど言いましたように、亡くなられた方の名前が出ている、うわさされているものですから、その辺については事実関係をきちっと調べていただいて報告をしていただきたいと思うわけです。そうしないと一方的に言われ損ということになりますので、その点についてはきちんと調べて報告していただきたいということをお願いしたいのですが、いかがでしょうか。
○証人(行平次雄君) お答え申し上げます。
 また、社に戻りましてよく整理させて先生の方に御連絡に参りたいと思います。
○村田誠醇君 これは、八月二十二日の衆議院の予算委員会で松野証券局長がこういう答弁をしておるんです。御社のことに関してですが、八九年十月の証券検査でほぼ現在公表されている補てん額に近いものをこの検査で把握していた、わかっていた、こういう説明をしているのですね。これは事実でございましょうか。
○証人(行平次雄君) お答え申し上げます。局長が御発言になったことは、実は私ちょっとよく聞いていなかったもので、今突然その、頭の中混乱しているんですが、さっきちょっと申し上げましたけれども、元年の九月か十月に検査が入ったはずです。そうすると、大体二、三カ月で検査を大方終了して何らかの結論みたいのが出てくると思います、通常のスケジュールですと。そういった判断では局長のおっしゃったような意味合いがあったかなというふうに、これはかなり推量が入りますけれども、そういうことでお許しいただければありがたいと思います。
○村田誠醇君 問題なのは、このときに大蔵省がおたくの会社に対してどういうふうにしろという指導があったのかなかったのか。あるいは検査に入っているのですから、講評を通じて大蔵省の見解というのが表明されているはずだと思うのです。表現が悪いのですが、社内処分さえすればいいのだということにたっていたのか、それとも黙っているというふうに言ったのか、これは大変微妙に違うところがございますので、問題は大蔵省がこの事実をつかんでおたくの会社にどういうふうな行政指導といいましょうか、指導をしたのが、そして御社がどういうふうにそれに対応したのかを聞きたいのです。その辺はわかりませんでしょうか。
○証人(行平次雄君) お答え申し上げます。
 先生、もうまことに推量が入って本当に申しわけないと思うんですが、その辺の感じは、例えば検査で指摘されたものが全部入っていたのか、あるいはそれに加えて自主的な、自主申告的なものが入っていたのか、この辺のところは正直私自身、あるいは報告受けたかもしれませんが、記憶にございません。
 ただ、常識的に考えますと、元年の十月に、九月か十月に検査が入っておりますから、そこで大体三月末、翌年三月末に自主報告させられてますんで、大体その数字はほとんど入っていたというふうに常識的には私は理解いたします。
○村田誠醇君 推測で言われてもちょっと困るんですが。
 それでは、ちょっと別の意味でお聞きをしたいのでございますが、損失補てんを自主的に報告しろ、当然その基準が大蔵省から出されていたいわけでございますので、御社で基準をつくられた。そのときに、先ほども山岡議員の質問に、なるべく広く集めた、疑わしそうたものは全部集めたのだ、こういうことでございますが、結果として発表されましたリストの補てんされた最低額を比較いたしますと、御社のランクが一番高いのですね、つまり三千万で切っちゃった。集まってきたもののリストの中で結果として一番少ない額が三千万だったのか、それとも基準でここから下は、表現は悪いのですが、ごみみたいなものだからまあ少なく隠しておこうやということだったのか。
 この三千万というラインは、だれが、どこでといいましょうか、指示しないと基準というのは出てこないと思うんですが、その点に関しては社内でどのような検討あるいは方針が決められたのか、御説明いただきたいのですが。
○証人(行平次雄君) お答え申し上げます。
 ただいま先生三千万とおっしゃいましたが、たしか、これは調べてまいりますが、三千七百万でございます。
 それで、先生御指摘のような足切りということは全くなかったと、当社として疑わしいものを集めたと。ただ、これはだれがどのようにしてやったかということは、総点検のときでございますから、自主申告を二年の三月末にしたわけでございますんで、要するに会社のラインといいますか、普通の組織で集めてやったと。それで、先ほど申し上げましたように私も報告を受けたわけでございます。
○村田誠醇君 その基準は、それぞれの部署なり担当者が勝手につくって勝手に上げてきたものを集計して出したというのは、それでは会社組織にはならないのじゃないかと思うのですよね。どう考えてもわからないのですよ。だから、その辺はもっとはっきりと、だれがやったかわからないとか、基準がないというのであれば、その点だけもう一度きちっと説明していただけますか。
○証人(行平次雄君) お答えいたします。
 私の説明が大変不十分でございました。もう一度きっちり言わせていただきますと、元年の十二月末に通達が出ました。それから当然検査もダブっていたわけですね。それで、手前どもの組織といたしまして中枢部門に企画室がございます。大体大蔵省とそういった関係の通達の問題とか受けとめて、それでそれぞれ組織を、必要な組織を動かしてやると。そういう形では全くそれぞれの分野で勝手に任意にやったんではないかということだけはぜひ御理解をいただきたいと思います。
 大変説明が不十分で申しわけありませんでした。
○村田誠醇君 まだほかにちょっと聞きたい点もあります。何か釈然としない点が一つございます。
 それは、昨年、旧三井銀行との関係で御社の補てんの問題が一部報道されました。嘉悦学園とかつムラとか、あるいは津村建物を含む六法人の報道がなされたわけでございますが、この処理について不可解なことがあるので、御説明をいただきたいのです。
 損失の補てんについて、旧三井銀行と折半をして五十億ずつ、金額は少し端数があるのか知りませんが、旧三井銀行も有価証券報告書の訂正をして損失を認め、損失といいましょうか損害を引き取って、おたくも五十億引き取った。通常、株の取引で、御社が運用しているのでございますからおたくが補てんをするというのならばわかるのですが、何で銀行か、旧三井銀行か出てくるのか、一体この取引というのは、旧三井銀行との間にどういう話し合いがあって、したがって損失の補てんに分担というのでしょうか、これについて結果として折半する形になったのだということになったのか、この経過について、また取引の実態について御説明いただけますか。
○証人(行平次雄君) お答え申し上げます。
 昨年の七月に税務の更正決定がございまして、当社の、先ほど先生御指摘の債券分が更正決定されたと、そういう報道があったわけでございます。この件でございますが、実はこれらのお客様はすべて旧三井銀行さんから御紹介を賜ったお客様でございまして、どうも報告によりますと、たしか五十九年、昭和五十九年ごろからそういうお取引が始まったと。それでいろいろな関係は旧三井銀行さんを通じて、いろんな例えば運用内容だとかあるいは運用結果とか、もちろんその御了解を得ながらですが、そういうようなものが行われていたということでございます。
 そして、六十二年九月に債券の大暴落がございました。そのときにそこで損失が出まして、それで何とかせぬといかぬと。で、結局今は非常に反省するわけでございますが、体制的に責任体制はどうなっていたんだという問題がございます。
 ですから、お客さんに対しては旧三井銀行さんがすべて当たっておられたと。それで手前どもは旧三井銀行さんにいろんな必要書類その他をお届けし、通じて必要な本人確認も行っていたと。その点では、営業の秩序としてはこれで特に通達違反とか法令違反は出ませんけれども、ただ、営業のあり方といいますか、そういうものとしては私ども不適正であったなということを現在痛感している次第でございます。まことに申しわけありません。
○村田誠醇君 これもまた不可解でございますよね。だってお客さんと直接やるというのが普通でございますし、やらないとすれば、それは信託銀行を経由しているとか何かあるわけでございますが、都市銀行の旧三井が絡む。そこにすべての報告を行かせて、そしてそれからお客さんの方には三井がやる、こんな形態というのは普通考えられないのですね。
 先ほど山岡議員の質問に対しても、お客さんには必ず有価証券売員報告書というのは送っているのですよということなんですが、問題は、新聞報道によると、この有価証券の報告書は三井銀行あてに送っていたと、今もあなたが言われたとおり。三井銀行かまとめてこっちにお客さんに説明する、こんな営業形態は考えられないのですけれども、ここで問題になっている俗に営業特金という言葉があるとすれば、こういう営業形態は他社で多分やっていないと思うのですけれども、どんなふうな形なのか。もうちょっと資料なり御説明を、なかなか細かい問題で、社長さんはすぐにここでこうですああですということは多分言えないと思うので、社内に帰ってこの形態とか顧客の意思管理といいましょうか、売買の意思確認は一体だれがやっていたのだ、お金はどこで持っていたのだとか、そういうようなことをきちっと調べて御報告いただけますか。そうしないとこれわからないのですよ、損失金を二つに分けるという意味が。旧三井銀行さんが責任の一端を負わなきゃいけない理由がちょっとよくわからないものですから、そのことだけ強くお願いをしたいのです。よろしゅうございましょうか。
○証人(行平次雄君) お答え申し上げます。
 先生御指摘のとおり、まことに不勉強で申しわけないんですが、細かい点はちょっと言及を避けるといたしまして、旧三井銀行さんから紹介された、それから旧三井銀行さんが御融資になっていたということでございまして、それだけはここで御報告しておきます。それで、あとまたできる範囲で先生に御報告したいと思います。
○村田誠醇君 もう一つ、取引関係でおたくの場合トラブルが起こっておるのが、トーネン・エナジー・インタナショナル社との取引があるわけでございますが、当初にぎやかに、いやうちは口座を開いた覚えがないとか、いや口座があるとか、いやそのうち取引一任をした覚えはないとか、いろいな論争がございましたが、そのうちに両社とも黙りこくっちゃったようです。どうもその話を聞いてみますと、この取引、双方でやり合うと事実関係がはっきりしてきまして、アメリカの三四年証券取引所法第十五条に違反する行為に該当するのじゃないか。特に東燃のアメリカ子会社、このエナジー・インタナショナル社は直接アメリカのSECから聞かれる可能性が出てきた、そこで黙ったというのがどうも業界のうわさでございます。
 そこでお尋ねしたいのですが、この取引についてアメリカのSECから御社なりに調査なり資料の要求というものが来ているのでしょうか。あるいはこの問題に関して御社はどのような考え方を持っているのか。時間がたいので簡単にお願いをしたい。
○証人(行平次雄君) お答え申し上げます。
 幾つか、今先生からお話がありました。一つはSECでございますけれども、現在この件についてのお問い合わせはないと聞いております。
 それから一九三四年法の十五条という件に関しましては、ちょっと私も法律の方は詳しくございませんので何とも申し上げられませんけれども、ただ一つだけ言えるなと思い増すのは、私どものやっぱり運用といいますか、その辺に行き過ぎがあったと。行き過ぎがあったということでこれはいろいろその後御説明もして、お互い調整、了解はいただいておるというふうに報告を聞いております。
○村田誠醇君 委員長、ちょっと三十秒だけ、済みません。
 この補てんを調べておりますうちに、業界の中でこういうような用語があって、花買いという方法があって、それを通じて補てんを行ったという証言をする人がたくさんいるのですが。問題は、この花買いという方法について我々は詳しくわからないもので、物の本とか定義とかというのを教えてもらいまして、こういう行為をすることが花買いというのかということでちょっとお尋ねをしたいのです。
 自分の会社のディーリング部門の取引により成立をした取引を、取引伝票の書きかえ等によりブローカー部門で取り扱っている特定の顧客が行った取引にかえる行為を指して言うのだと、こういうふうに業界の人が言ってるのですが、これは間違いございませんでしょうか。
○証人(行平次雄君) お答え申し上げます。
 花買いという言葉は私が入社したころは時々聞いたんでございますが、多分、これは私の推定も入りますが、コンピュータリゼーションが進んでおります。いろんな取引関係はどんどん時系列でコンピューターで入ってきますので、最近花買いという言葉はほとんど聞きません。
 ただ、手書きの部分というのはまだ残っていますから、全部コンピューターじゃありませんから、あるいはそういうこともあるのかもしれません。ちょっとその程度の回答でお許しをいただきたいと思います。
○白浜一良君 ただいまも村田委員からお話ございましたが、東燃の子会社トーネン・エナジー・インタナショナル、米国籍でございますが、二億九千三百万円の補てんをされたということでございます。今少しお話しされたのですが、当初は東燃側と山一さんと立場が違いまして、一任だ一任しゃない、補てんだ補てんはないと対立していたのでございますが、現段階で山一さんとしてはどういう認識にたっていますか、この問題は。
○証人(行平次雄君) お答え申し上げます。
 この認識、いろんな次元がございますけれども、一つはお話し合いがついたといいますか、要するに、出発のときからちょっとあるいは誤解があったのかもしれません、その運用のやり方につきまして。それで、手前どもは先ほど申し上げましたように、営業の行き過ぎがあったということで、これは損が出て、それで私どもが独自の判断で補てんをして、それで先方さんは全然その認識がなかった。ところが、これが自主公表で出て、おかしいじゃないか、そういう話であったわけでございます。
 それで、現在の認識としては、先生のお尋ねの次元とあるいはちょっと違うかもしれませんが、要するにお互い大体わかったということにたっておるわけでございます。
○白浜一良君 わからないから聞いているのです。要するに、こううやむやにたっていることを言っているわけでございまして、私たちが理解する範囲では山一さんの方がもう折れた、これは補てんではございません、山一が勝手にやりましたと、こういう結論になっているということでございますが、それで正しいですか。
○証人(行平次雄君) お答え申し上げます。
 山一証券の方で独自に判断して独自に補てんしたということでございます。
○白浜一良君 先ほど証人は御存じないとおっしゃいましたが、これが問題なんです。これは特別一任勘定を任されたものではございませんし、債券の売買ということでございまして、それがいわゆる東燃さんの意向を受けたいで、いわゆる米国籍の会社の売買を勝手にやったという、これがアメリカの法十五条に、証券取引所法に違反する、こういうことにたっているわけでございますが、その点認識ございますか、そういうふうになるんだということが。
○証人(行平次雄君) 私の受けております報告で申し上げますと、要するに現先運用的に、現先運用として相手の指示を受けるという形で契約をお受けしております。それに対して、これは東京の本社に口座がございます。これはもちろん正規の手続を経て御本人名義で御本人の売買ということでございますが、そういった中におきまして当社の担当者の方でその運用に若干行き過ぎが出て、それでこれはいかぬというので手前どもの方で独自に判断して補てんした、こういうことでございます。したがって、ちょっと言い過ぎかもしれませんが、一任勘定でもございませんし、また無断売買でもないということで御了解をいただいているわけでございます。
○白浜一良君 そこまでして、要するに法律上の問題も微妙な問題がある、まして知らぬ知っているという問題もある、そういう事実がありながらたぜ補てんしなきゃならないかということが、これは国民が非常にわかりにくいから私あえて申し上げているわけでございまして、一刻も早く明確にわかりやすい形にしていただきたいと要望しておきたいと思います。
 次に、これも先ほど御質問ございましたが、衆議院の委員会の審議の中で証券局長がおっしゃっていること、山一は額が大きくほぼ全額把握していた、いわゆるブラックマンデー以後の定期検査で、そういうふうに明確に局長がおっしゃっているわけですね。ですから、先ほどおっしゃいましたが、検査、これは十月になっています、報道によりましたら。二、三カ月して結果が出るということであれば、二、三カ月たってからこれだけの補てん内容があると大蔵省はつかんでいるわけですから、何か御社に対して、山一に対して何か指示か通知がなんかあるというのがこれ普通なんですけれども、これはなかったわけですか。重ねて確認したいわけでございますが。
○証人(行平次雄君) お答え申し上げます。お答えの中にはやや私が確認してない部分も入りますのでお許しをいただきたいと思いますが。
 十月に検査が入って、例えば三、四カ月実際にいろんな手続があって、それから大蔵の方でまとめられてそれで結論が出てくるというのは、やっぱりかなり通常例えば四カ月とか半年ぐらいかかるように思います。それで、たまたま先ほど申し上げましたように、三月末まで同時に自主点検だという動きが出てまいりまして、それで三月末に大蔵省にほとんどその検査も含めて報告した、こういう結果にたっておると思います。
○白浜一良君 その辺がどうも不明瞭で、今後また明らかにしてまいりたいと思います。
 最後に、大阪に起こっております尾上縫容疑者の事件がございまして、そこで御社の方が非常に深くかかわっていらっしゃるので御質問したいわけでございます。
 大阪支店の早田さんという法人資金営業部長さん、この方が尾上容疑者が大信販また島之内土地建物という、これノンバンクなんですが、ここから融資されるときに、仲介業務を一緒にされているというこの事実、理解されておりますか、承知されておりますか。
○証人(行平次雄君) お答え申し上げます。
 今、先生おっしゃったように、御指摘のとおり、早田部長は尾上縫さんと証券業務の上では大変密接な関係、いろいろかわいがられたと思います。それで、直ちにこの問題が起こったときに、大阪支店で精査するように、それでその報告、概括的な報告でございますけれども、証券業務上は全く法令、通達に違反するようなものはない。
 それで、あと今御指摘の島之内あるいは大信販との関係でございますけれども、大信販はこれは大信販さん自体が手前どもの大阪店のまたお客さんでございまして、手前どもが御紹介申し上げたようです、頼まれて。この尾上さんに頼まれて。それで、実際仲介したかどうかということは……
○白浜一良君 もういいです。
 時間がございませんので最後に言っておくけれども、これは仲介しているんです。また、尾上容疑者が資産管理会社として設立いたしましたオー・エヌ・インターナショナルの発起人にも彼はなっているわけでございまして、なぜ山一の一部長さんがここまで尾上容疑者に深くかかわっているか、ここを何としても解明していきたいと私は思っております。時間がないのでやめますが。
 最後に、この尾上縫との取引を通しまして山一さんが得られた収入、手数料、この合計を御報告いただきたい。わけでございます。
○証人(行平次雄君) いろいろお騒がせしたのは本当に申しわけありません。
 それで、最後の御質問の尾上さんからの手数料でございますが、ちょっと現在把握しておりませんので、お許しをいただきたいと思うんですが。申しわけございません。
○白浜一良君 私、御社に確認しましたら、調査中でわかり次第私に報告する、こういうことで理解させていただいております。
 以上で終わります。
○近藤忠孝君 ことしの七月二十九日、記者会見で、今回山一が公表した補てんリストの中でこういう質問があったんですね。相手方から補てん要求があったのはどれくらいあるのかと。これに対してあなたのお答えは、以心伝心のようなものもあり、また感じとしては半分ぐらいというお答えです。ということは、補てんのうち半分ぐらいは相手企業側からの要求によるものだ、こう受けとめてよろしいんですな。
○証人(行平次雄君) お答え申し上げます。
 この日、実はもう大変急な記者会見でございまして、決して言いわけでなくて、生まれて初めてライトを浴びまして大変上がりました。それで、次から次へと質問がありまして、乱そういう言葉を使ったかもしれませんが……。
 それで先生、一言だけ申し上げたいんですが、この以心伝心ということはあり得る話でございますが、今先生のお話をお聞きしまして改めて感じるのは、要請があったのが半分かというのは、ちょっと先ほど触れさせていただいたかもしれませんが、ともかく頑張ってくれよとか、あるいはおれはこう期待しているんだけれども頼むよとか、そういった意味のお話として、つまり担当者ベースとしてよくある話としての感じで申し上げただろうと思います。これは大変自分の申し上げたことをだろうで申しわけないんですが、実は本当にそのとき夢中でよく覚えておりません。ただ、現在冷静になりますと、そういうことでございます。
○近藤忠孝君 急なときで夢中なときほど本当のことがぽっと出てしまうんです。
 今もお話がありましたけれども、まあ程度の差かもしれぬけれども、相手方から要求が強かったというのだってあるんだと思うんですよ。そこで、ここで調査されまして、その辺をえり分けて、全くあなた方の方から自発的に出したのと、それから先方からそういう要求があって出したのと、私は二つあると思うので、それをえり分けてひとつ御報告を当委員会にしていただきたい。
 あわせて報告していただきたいことがもう一つあります。きょうの毎日新聞の一面トップ、「ワラント 異常取引」という中で、具体的手口も含めまして全体で十三出ていますが、山一がそのうちの六社、半分補てんをしております。ジェーシーバールとか学習研究社など、松下電器も入っておるわけであります。そこで、これは具体的な資料があると思うんです。具体的ないろいろな取引報告書など、これもひとつあわせて当委員会へ御提出をいただきたいと思いますが、いかがですか。
○証人(行平次雄君) 先生、私は証人という立場もよくわきまえているつもりでございますけれども、この段階で、それはもちろん国民的大きな課題だということはもう重々承知しておりますけれども、相手様が強制したあるいはそうじゃないということにつきまして、やはり個別のお客様に関することでございます。ですから、補てんの金額を申し上げているということだけでひとつ資料はお許しをいただければありがたいと存じますが、いかがでございましょう。
○近藤忠孝君 これ見ていませんか。毎日新聞。
○証人(行平次雄君) まだ毎日新聞は、実はここへ来る車の中で電話がございまして、きょうはもう、ちょっと予習に追われまして、原稿ばかりやって、本当に毎日新聞は読んでおりません。ただ、社長これ随分出ていますよということで、多分御質問が出るだろうと思いながらやってまいりました。
○近藤忠孝君 出しますか、資料。
○証人(行平次雄君) いや、この辺の資料につきましてはちょっと、今申し上げましたようにお客様の問題もございますので、お許しをいただければありがたいと思うのですが。
○近藤忠孝君 これは証言を拒否する理由にはなりませんので、私はお許しするわけにはまいりません。ひとつ委員長、これ理事会で諮っていただきたい。
○委員長(平井卓志君) 協議いたします。
○近藤忠孝君 この中にも出ておりますが、さっきも名前が出た山一総合ファイナンス、やはりこれはおかしいんですね。どうしてここに補てんしたのか。補てんする必要はないところ。
 それで考えられますのは、利益隠し。それから、大体この会社は証券担保金融などを業としているわけだから、その融資先への補てんという意味があるんじゃないかと思うんです。そうかどうか。そして、その融資先に仕手グループ、暴力団関係あるいは政治家がいる可能性もあるんじゃないかと思うんですが、その辺どうですか。
○証人(行平次雄君) 現在のYFCにつきまして私の知る限りでは、これはもちろん独立の別の企業経営体でございますので直接私が全員を呼んで聞くわけにはまいりませんけれども、私はないと信じております。
 それから、当時YGFと申しました。六十二年あるいは昭和六十三年当時でございますけれども、暴力団云々は私は全くないと確信、私は現在の段階で聞いている限りでは確信いたします。
○近藤忠孝君 ないとあなたが思うだけであって、実際これは全く不可解なんですよ。だから説明がつくように、これは後日、どうしてそうなったのか、これはひとつ御報告をいただきたいということを申し上げて、時間が来ましたので質問を終わります。
○池田治君 私は、損失補てんの事後処理の問題についてお尋ねいたします。
 九一年三月期の前二年半の間の損失補てんをなされた金額はどれだけですか。九一年三月の前二年半。
○証人(行平次雄君) 六十三年九月期、元年三月期、それから平成二年三月期でございます。合計四百五十六億円でございます。約でございます。
○池田治君 税務処理上の更正決定を受けた金額は幾らでございますか。
○証人(行平次雄君) お答え申し上げます。
 四百五十六億円のうち約百五十六億円でございます。それから、別に自己否認が約七億ございます。
○池田治君 この更正決定を受けましたのは、有価証券の売買損として計上されていたのが実は大口顧客との交際費であると、こう認定された分でございますね。それから、それとは別の自己否認をされた金額というのは、本来自己否認というのは使途不明の金額であって、もともとわからない金額だけれども、損失補てんというのがはっきりしているじゃないかということで否認されたわけですか。
○証人(行平次雄君) お答え申し上げます。
 この七億何がしの件は、先生御指摘のとおり、これは通常の税務では売買損失とは認められないというふうに考えて、自分で否定したものでございます。
○池田治君 この自己否認した分の中には、これは損失補てんだけでございますか、それとも政治献金等の分も含まれていますか。
○証人(行平次雄君) お答え申し上げます。
 この七億何がしは全くそうでございます。
 それから、政治家に対する献金のときに自己否認する、私はそういう、少なくとも手前どもの経理では全くそういうことを聞いたことはございませんので、通常の形で、要するに政治団体とか、要するに法律の許す範囲でやっているはずでございます。
○池田治君 政治献金は正常な形でなされているということですが、九〇年以降、年間どの程度の政治献金をなさっていますか。
○証人(行平次雄君) お答えいたします。
 大変概括的で申しわけないんですが、私の記憶している範囲では、九〇年、九一年、六千万円ないし七千万円ぐらいというふうにたしか記憶しています。
○池田治君 その献金先でございますが、団体の寄附と個人の献金とがあると思いますけれども、名前のわかった記憶されているものだけでもおっしゃっていただけませんか。
○証人(行平次雄君) お答え申し上げます。
 これはもう本当に私ちょっと記憶しておりません。と申しますのは、手前ども多くなくて、いろいろ割と分散しておつき合いさせていただいているんだろうと思います。それで、その担当するところで継続的にやっておりますので、正直に、まことに申しわけないんですが、それはもうほとんど記憶にございません。
○池田治君 それでは、記憶ないのを記憶を思い出せと言っても無理ですから、これ以上追及いたしません。
 会社に帰ればわかりますか。
○証人(行平次雄君) お答え申し上げます。
 帰ればわかります。
○池田治君 それでは、後で教えていただくようお願いをしておきます。
 それから、この自己否認をした金額、虚偽申告で更正決定を受けました金額ともばかにならない何百億という大金ででざいますが、これらは会社の利益のうちから損失補てんをなされたと思います。しかし、利益というものはもともと株主に対して配当するのが本来の利益金の使い方じゃございませんか。どうですか。
○証人(行平次雄君) もう先生御指摘のとおりでございまして、全く一言もございません。
○池田治君 配当すべき金を大衆株主には配当を少しにして大口顧客に対してのみ損失補てんをするというところに不公正を我々は感じるわけです。証券会社も会社である以上は社会的な存在でございますので、この点をひとつ今後十分気をつけられるようお願いをして、私の質問を終わります。
○寺崎昭久君 民社党・スポーツ・国民連合の寺崎でございます。
 山一証券が大蔵省から最初に損失補てんに関する指摘を受けたのはいつでしょうか。
○証人(行平次雄君) お答え申し上げます。
 ちょっと先ほども申し上げたかと思いますが、六十三年九月期以前、つまり六十二年九月期前に時々証券トラブルのような意味の損失補てんがありたんではないかと思います。そういうときは検査でも指摘されますし、そういう意味では大蔵省にその分は指摘されているといえば言えるわけでございます。
 それから、現実にきちっと出てまいりましたのは結局自主点検、総点検で自主報告をしたときでございます。ですから、平成二年の三月に手前ども四百五十六億という数字を報告したわけでございます。
○寺崎昭久君 八月二十七日の参議院予算委員会で、大蔵省証券局長は私の質問に対して、損失補てんを発見した都度証券会社に対し個々に厳しく改善指導を行ったと答弁しております。これに対して証人は、先ほど八九年十月の定期検査でどのような指導があったか記憶にないと言われました。定期検査は八七年八月、八九年十月にも行われているわけでございます。しかし、その後も損失補てんが行われてきたということは大蔵省の指導が形式的なものである、したがってそれを守らなくても経営上支障はないという指導の実態と証人の認識を物語っているんではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○証人(行平次雄君) お答え申し上げます。
 八九年十月に検査が入りまして、そのまま八九年の十二月に今度は営業特金の適正化通達が出まして、それで自主点検と、それで自主報告と、三月末に。約半年間の間にそういった一連のことがございました。したがいまして、検査をずっと受けていたわけですから、そのときは必要な御指摘は受けたと思うのでございます。それで、あるいは私は報告を受けたかもしれませんが、幾つかの個々のケースでこれは正直言ってちょっと記憶にございません。ただその三月のところの自主報告のときに、私なりにきちっと報告を受けて、もちろん大蔵省の方から厳しい御指摘は受けております。
○喜屋武眞榮君 私、参院クラブの喜屋武眞榮でございます。
 私は、今回の証人に対しまして一貫して同じ問題をお尋ねしております。と申しますのは、午前中から皆さんにお聞きしておりますことは、今回の証券各社の補てん体質とも関連するもので、行平証人に伺いますことも次のことであります。
 山一証券は、国鉄から民営化されたJR各社の短期資金の入札に応じ、またCDあるいは債券現先などの売買を通してその運用に協力しておられるかどうかということ。また、その運用レートは市中平均のレートを上回っているかどうかということを聞きたい。
 私の調べた範囲では、市中平均を上回る相当高いレートに応じられたこともあると聞いております。それはなぜでしょうか。将来のJR株の上場の際に幹事会社として有利な扱いを受けるためではないでしょうかということについて明確に御答弁を願いたい。
○証人(行平次雄君) ただいま先生お尋ねの民営化したJRでございます。これが将来上場するときにどういった証券会社が幹事になるんだと。これはやはり市場にとっても大きな問題だと思いますけれども、また同時に、JRさん、今先生お尋ねのとおり、余裕資金も時々運用されているというふうに私は伺っております。ただ、市中レートより高いものを持ち込んで幹事に結びつけるという話は本当に私は聞いておりません。
 ただ、私どもも経営としてはJRさんの例えば幹事にしていただければありがたいというような営業活動はやっておりますけれども、一方、運用は運用で動いておると思いますので、その点はちょっと私もつまびらかにいたしませんが、ただどういうような債券運用でどうなっているんだということは、必要であれば私のわかる範囲でまた先生に御報告に伺うようにします。
 以上でございます。
○委員長(平井卓志君) これをもって行平証人に対する証言の聴取は終了いたしました。
 行平証人には御託言いただきまことにありがとうございました。
 それでは、御退席いただいて結構でございます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後六時二十七分散会