第122回国会 厚生委員会 第1号
平成三年十二月十七日(火曜日)
   午前九時四十分開会
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   委員氏名
    委員長         田渕 勲二君
    理 事         西田 吉宏君
    理 事         前島英三郎君
    理 事         竹村 泰子君
    理 事         高桑 栄松君
                小野 清子君
                尾辻 秀久君
                木暮 山人君
                清水嘉与子君
                田代由紀男君
                田中 正巳君
                宮崎 秀樹君
                菅野  壽君
               日下部禧代子君
                浜本 万三君
                木庭健太郎君
                沓脱タケ子君
                粟森  喬君
                勝木 健司君
    ―――――――――――――
   委員の異動 
 十二月四日
    辞任         補欠選任
     粟森  喬君     新坂 一雄君
 十二月五日
    辞任         補欠選任
     新坂 一雄君     粟森  喬君
 十二月十三日
    辞任         補欠選任
     尾辻 秀久君     鈴木 省吾君
十二月十六日
    辞任         補欠選任
     鈴木 省吾君     尾辻 秀久君
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 出席者は左のとおり。
   委員長          田渕 勲二君
   理 事
                西田 吉宏君
                前島英三郎君
                竹村 泰子君
                高桑 栄松君
   委 員
                小野 清子君
                尾辻 秀久君
                木暮 山人君
                清水嘉与子君
                田代由紀男君
                田中 正巳君
                宮崎 秀樹君
                菅野  壽君
               日下部禧代子君
                浜本 万三君
                木庭健太郎君
                沓脱タケ子君
                粟森  喬君
                勝木 健司君
  国務大臣
      厚 生 大 臣   山下 徳夫君
  政府委員
      文部省生涯学習   内田 弘保君
      局長
      文部省体育局長   逸見 博昌君
      厚生政務次官    園田 博之君
      厚生大臣官房長   古川貞二郎君
      厚生大臣官房総   大西 孝夫君
      務審議官
      厚生大臣官房老   岡光 序治君
      人保健福祉部長
      厚生省健康政策   古市 圭治君
      局長
      厚生省保健医療   寺松  尚君
      局長
      厚生省生活衛生   玉木  武君
      厚生省薬務局長   川崎 幸雄君
      厚生省社会局長   末次  彬君
      厚生省児童家庭   土井  豊君
      局長
      厚生省保険局長   黒木 武弘君
      社会保険庁運営
      部長        奥村 明雄君
      兼内閣審議官
  事務局側
      常任委員会専門   滝澤  朗君
      員
  説明員
      人事院事務総局
      給与局給与第一   松浦 知彦君
      課長
      文部省初等中等
      教育局中学校課   福島 忠彦君
      長
      文部省初等中等
      教育局特殊教育   霜鳥 秋則君
      課長
      文部省高等教育   喜多 祥旁君
      局医学教育課長
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  本日の会議に付した案件
○国政調査に関する件
○社会保障制度等に関する調査
 (保健医療・福祉マンパワー対策に関する件)
 (血液製剤によるHIV感染者問題に関する件
 )(障害者・児対策に関する件)
 (診療報酬改定に関する件)
 (在宅福祉サービスの推進に関する件)
 (国民健康保険制度に関する件)
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○委員長(田渕勲二君) ただいまから厚生委員会を開会いたします。
 議事に先立ちまして、山下厚生大臣及び園田厚生政務次官から、それぞれ発言を求められておりますので、順次これを許します。山下厚生大臣。
○国務大臣(山下徳夫君) 先般、厚生大臣を拝命いたしました山下徳夫でございます。
 一言、就任のごあいさつを申し上げます。
 このたび厚生大臣を拝命し、大変光栄に思いますとともに、責任の重大さを痛感いたしているところでございます。私は、かつて厚生政務次官及び衆議院の社会労働委員長を務めさせていただきました。これからは大臣として、初心に立ち返って精いっぱい職員を全うしたいと存じておりますので、よろしくお願いをいたします。
 我が国の最大の課題の一つは、二十一世紀の高齢社会に向けた明るく活力ある長寿・福祉社会の建設であります。このため、高齢者保健福祉推進十カ年戦略の策定、福祉関係八法の改正、老人訪問看護制度の創設など、さまざまな改革を推進してきております。今後とも、住みなれた地域において高齢者や障害を持つ方々が安心して暮らせるような保健、医療、福祉施策の充実に努めてまいります。とりわけ、これらのサービスを担う人々の確保は急務であります。そこで、現在、各関係方面の御意見も賜りながら、人材確保のための法律制定の準備を進めているところでございます。
 また、出生率が低下するなど、子供を取り巻く環境が大きく変化いたしております。子供たちが健やかに生まれ育つための環境づくりを進め、子育てに喜びを感じることができる社会の実現を目指してまいります。
 さらに、物質的な豊かさを追求する中で、廃棄物の処理対策は深刻な問題となっております。さきに改正されました廃棄物処理法に基づき、積極的な施策の展開を図ります。特に、解決が迫られている産業廃棄物対策の確立に努力してまいります。
 このほか、良質な医療を適切に提供するための医療供給体制の整備を図る医療法の改正、年金や医療保険制度の運営の安定化を初め、厚生行政には重要な課題が山積いたしております。私は、厚生行政に対して寄せられる国民の大きな期待にこたえ、健康で心豊かに暮らせる社会の建設に向けて誠心誠意努力する決意です。どうか厚生委員会の皆様方におかれましても、御支援、御協力を賜りますことをお願い申し上げます。
 以上、まことに粗辞でございますが、ごあいさつといたします。(拍手)
○委員長(田渕勲二君) 続きまして、園田厚生政務次官。
○政府委員(園田博之君) 先般、厚生政務次官を拝命いたしました園田博之でございます。
 二十一世紀の本格的な高齢社会を目前に控えて、厚生行政は保健、医療、福祉サービスの着実な展開やそのための人材確保など、多くの重要な課題を抱えております。私は、委員の皆様方の御協力をいただき、大臣を補佐し、明るく活力ある長寿・福祉社会の建設に尽力してまいる所存でございます。
 何とぞ皆様方の御指導、御鞭撻をよろしくお願い申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
○委員長(田渕勲二君) 次に、国政調査に関する件についてお諮りいたします。
 本委員会は、今期国会におきましても、社会保障制度等に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(田渕勲二君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(田渕勲二君) 次に、社会保障制度等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○竹村泰子君 今大臣のごあいさつをお伺いいたしましたけれども、あなたはずっと社労族でいらっしゃり、そして今もございましたとおり、厚生政務次官もなさり、また社労の委員長もなさったという大変厚生行政、労働行政に詳しい方でいらっしゃる。私たちは期待を持って、心強く思っている次第でございます。
 きょうは私は、福祉ヒューマンパワーの問題でしばらく質問させていただきたいと思います。
 先日、社会党の田邊委員長と神奈川県にあります特別養護老人ホームなどにお邪魔をしてまいりました。その施設では十五人の寮母さんが働いていらっしゃるんですけれども、病気休暇、年次休暇、夜勤シフトなどで実際に昼間働いている人は半分になりますよね。七、八人になるということでした。このことから主任の寮母さんはここ二年間ほど有給休暇をとっていらっしゃらないという状態で働いておられる。それからまた、寮母さんを募集しようとしてもなかなか集まらない。募集広告を出しても応募ゼロという状態が続いているんだそうです。
 これはなぜなんだろうか。このようなきつい労働環境では応募する人がいないというのもうなずけるのですけれども、このような状態になった原因はどこにあるのか。人手が足りないことが主たる原因なのでしょうけれども、それではどのように人手を確保すればいいのか。労働環境の改善が課題であろうと思われますけれども、大臣はその点どのようにお考えになりますでしょうか。
○政府委員(岡光序治君) 先生御指摘のように、特別養護老人ホームなどの社会福祉施設の現場においては、職員の皆様方は大変な御苦労をいただいているわけでございますが、まず私ども、それぞれの施設におきましてどういった職員体制にするかということでございますが、それにつきましては、それぞれの施設にふさわしいサービスが提供されるようにサービスの状況を考えまして、入所者の処遇に直接携わる寮母さんであるとか看護婦さんであるとか生活指導員であるとか、あるいは施設の運営管理に携わる施設長さん、事務員、調理員等の所要の職員の配置をしているわけでございます。そういったそれぞれのニーズに応じまして職員の配置基準を定めておるわけでございまして、そういった体制を整えるために、先生御存じのとおり、措置費でもってその人件費を賄う仕組みにしているわけでございます。
 おっしゃいますように、最近の求人環境というんでしょうか労働環境というのは人手不足の状況でございまして、こういった施設においても働く人たちを確保するのはなかなか苦労をなさっているわけでございますが、私どもできるだけ処遇の改善なり、あるいは働きやすい職場をつくり上げるというふうな工夫をいたしまして、そういった現場でできるだけ人が働きやすいように、確保しやすいように工夫をしているところでございます。
○竹村泰子君 岡光さんのお答えありがたかったんですが、私は、大臣にこのような状況をどのようにお考えになりますかという御所見をお聞きしたのでございまして、社労に強い大臣、どうぞ少し御意見を聞かせていただきたいと思います。
○国務大臣(山下徳夫君) ただいま主としてマンパワーの問題についての御質問がと受け取りましたが、このことにつきましては、私は所信表明でも申し上げましたように、今となたに聞いてもこれで一番悩んでいると看護婦さんを初めおっしゃいますし、十分承知をいたしております。
 そこで、今政府委員から申し上げましたとおり、処遇の改善であるとかあるいは職場のあっせんであるとか、勤務条件の改善であるとか、いろんなことをこれからやっていく、現在もやってきておりますけれども、さらにそれらの問題点に、拍車をかけて喜んでこういう職場に来ていただけるように一日も早くやらなきゃならぬ、かように思っております。
○竹村泰子君 まず、その第一の問題として、給与の問題、今ちょっと岡光さんお触れになりましたけれども、給与の問題が挙げられますね。社会福祉施設職員の給与について、どのように政府は考えておられますか。
○政府委員(末次彬君) 社会福祉施設の職員の給与につきましては、従来から施設の運営費に当たります措置費におきまして、国家公務員に準拠した人件費の算定を行っております。特に寮母等の直接処遇職員につきましては、国家公務員におきますいわゆる本俸に、さらにその職務の困難性に応じまして特殊業務手当、これは本俸の四%から一六%、段階によっていろいろございますが、特殊業務手当等の加算を行っております。さらに毎年、人事院勧告がございました内容につきまして、国家公務員と同様の改善を行ってきておるところでございます。
 今後とも高齢化の進展に対応しまして、十カ年戦略に沿った計画的な体制整備を進めていくためには、給与の関係が大変重要な問題であるというふうに考えておりまして、引き続き給与を含めましたもろもろの勤務条件等の改善等に取り組んでいきたいというふうに考えております。
○竹村泰子君 特養などの社会福祉施設の運営においてはその財源を措置費に負っているわけですね。その措置費には生活費と運営費とがあると思いますけれども、その運営費においては施設職員の人件費もその算定の基礎に入っているわけですね。どのように計算されるんですか。その積算を示していただきたいと思います。
○政府委員(岡光序治君) 先ほども申し上げましたように、施設ごとの職員の配置基準を定めておりまして、その各職種ごとの勤務内容であるとか、全国的にその職員の人たちの平均的な勤続年数、こういったものを調査、把握いたしまして、勤務内容、それから勤続年数等を勘案いたしまして、その人が国家公務員でありせば何等級の何号俸に当たるんだろうか、こういう計算をいたしまして国家公務員の俸給表に準拠して所要の格付をして、それを人件費積算の基礎といたしまして算入をする、こういうふうな仕組みをとっているわけでございます。
○竹村泰子君 それではお伺いいたしますけれども、積算において施設長は行政職俸給表の何級になっていますでしょうか。寮母は何級になっていますでしょうか。
○政府委員(岡光序治君) 特別養護老人ホームで申し上げますと、施設長は行(1)という俸給表を使っておりますが、その格付は六級の三号俸、六の三ということになっております。それから寮母さんは行(1)の三級という格付になっております。
○竹村泰子君 施設長さんは行(1)の六の三、これは本省でいえば係長クラスでいらっしゃいますね。それから寮母さんという呼び名はよくないと前から出ておりまして、私も余り使いたくないのですが、でも今は寮母さんと呼ばなければならないのですが、寮母さんは三級四号俸などといいますと、これは主任クラスですか、となっていますけれども、このように格付された根拠は何なのでしょうか。
○政府委員(岡光序治君) 先ほども申し上げましたように、それぞれの職種ごとの勤務内容、それから平均的な勤続年数、こういったものを根拠に考えておりますのと、それから特別養護老人ホームの施設長さんにつきましては、私どもは地方の出先機関の困難な業務を分掌する課長相当、こういう位置づけをした上で六級という格付にしているわけでございます。そしてもちろん施設の規模に応じましては、この六の三という基準も高い基準に張りつけるというふうなことをしておりますのと、あわせまして、寮母さんにつきましては、業務の特殊性にかんがみましてこういった格付のほかに特殊業務手当であるとか、あるいは主任寮母といういわば寮母さんの中のチーフに当たる人につきましては一号俸アップをするなど、それぞれの職種に応じた処遇ができるような、そういう予算上の対応をしているつもりでございます。
○竹村泰子君 五十人定員の特別養護老人ホームでは寮母さんが十人いることになっていますね。常勤の方でもいろいろな勤続年数の方がおられると思います、今もお話ありましたけれども。これを単一の三級四号俸に格付するのは、今いろいろな手当とかというふうなお話がありましたけれども、しかし一応その三級四号俸に格付してしまうというのは少々粗いのではないかと私思うんですね。人によっていろいろと違いますし、勤続年数も違いますし、社会的な人生的な経験も違うわけですから、もう少しきめ細かな積算が必要なのではないでしょうか。このことにより人件費をより正確に積算できるのではないかと思いますが、いかがですか。
○政府委員(岡光序治君) 御指摘のとおりでございまして、今の格付と申し上げますのは措置費の予算上の対応でございます。現実にはこの三級の四号俸というそれにぴったり当てはまる方は非常に少ないわけでございまして、これを一つの財源にいたしまして、それぞれの施設におきましては国家公務員の給料表等を勘案しまして給与規程をつくっていただく、この給与規程に基づきまして、それぞれの方々のおっしゃいますような経験年数であるとか、こういった状況に応じまして給与の支給が行われるように、現実に即するような格好で支給が行われるように、こういう対応をしているわけでございまして、まさに先生おっしゃいましたように、それぞれの方々の状況に対応した支給が私どもなされているというふうに理解をしているところでございます。
 あくまでもこの格付といいますのは、措置費を積算する場合のいわば予算の積算上の基礎でございまして、現実には職員の状況に応じて配分されるように、こういう指導をしているところでございます。
○竹村泰子君 それではお尋ねいたしますが、非常勤の寮母さんをどの程度と考えていらっしゃるのでしょうか。そもそも特別養護老人ホームにおいては常勤の寮母さんが大多数で、非常勤という方は例外と考えるのが施設運営における基本的な考え方ではないかと思いますが、いかがですか。
○政府委員(岡光序治君) 御指摘のとおりでございまして、まず、直接に入所者を処遇する職員、直接処遇職員というふうに私ども言っておりますが、こういった人たちは原則としましては常勤職員で対応すべきであるというふうに考えております。しかしながら、あわせまして入所者の処遇の確保という観点からいろんな配慮をしておるわけでございまして、非常勤の職員を充当する場合は全体の直接処遇職員のうちの二割までというふうにとりあえずの制限をつくっているわけでございまして、措置費の積算上、例えば年休をとってもらう場合、その方がお休みになりますので別の職員を充てる必要がありますが、そういった年休代替職員の確保、あるいはそのほかいろんな処遇改善を考えて対応しておりますが、そういう場合に非常勤職員の雇い上げということを措置費上計上しておりますが、そういった場合でも全体の職員のうちの二割までにしてください、基本的には直接処遇職員は常勤でお願いをしますという指導をしているところでございます。
○竹村泰子君 それを調査してごらんになったことがありますか、全体の二割になっているかどうかということを。
○政府委員(岡光序治君) 全国的な一律的な調査というのは何年に一回かでございますが、私どもそれぞれの施設に入らせていただきまして、職員の処遇の状況であるとか定員がどうなっているかということを一応チェックしておりますので、例外はあみかもしれませんが、この基本方針は貫かれているというふうに理解をしております。
○竹村泰子君 今のはちょっとおかしいと思いますが、一年間にどのくらい厚生省の方が実際にその施設にお入りになって調査をなさるかわかりませんが、それでもって全体がそうなっているというふうに思っておられるんですか。私がなぜそう言うかというと、実際にはかなりの部分を非常勤の方の力に頼らざるを得ないという現実があるわけですよ。私たちがお訪ねした神奈川県の施設で。も、夜はもうすべて非常勤の方にお願いしようかと思っていますというふうな声も聞かれるくらいですというふうにおっしゃっておりましたけれども、そのことで一度きちんとした調査をして、常勤の方と非常勤の方とがどのような役割分担をしていらっしゃるかというのはお調べになっていただきたいと思いますが、いかがですか。
○政府委員(岡光序治君) 夜の体制というのは、私どもは特別養護老人ホームにおきましては夜勤一名、宿直一名、こういう二名の夜間の体制をしいております。夜勤の方は要するに入っている人たちの処遇に当たらなきゃいけないわけでございますが、宿直というのはまさに防火、防災の観点から配置をされておる、こういうことでございまして、こういった宿直の人につきましては、直接処遇をする寮母さんが当たるのではなくて、夜間宿直専門の非常勤の人、いわばガードマンのような人を雇い上げて、それで防災の観点から十分な対応をしてもらうというふうに指導しておるところでございまして、こういった人たちにつきましては非常勤の人が多いのではないかというふうに見ております。
 先生おっしゃいますように、それぞれの施設においてきちっとした入所者の処遇が必要でございますし、また職員の処遇も必要でございますから、私どもは県と厚生省の職員とでそれぞれの施設の内容をチェックしておるとこみでございまして、そういう意味では万遺漏なきを期せているのではないだろうかというふうに考えております。
○竹村泰子君 それでは、福祉職の俸給表の作成についてはどのように考えておられますか。
 平成三年の人事院勧告に向けて厚生省は要望書をお出しになっていますね、前の下条厚生大臣のお名前で。「医療、社会福祉及び社会保険等の業務に従事する公務員の給与改善について」という要望書を出しておられます。それによりますと、「社会福祉関係職員に関する要望」というところでは、「その職務の専門性を考慮した特別な俸給表を新設すること。」というふうに要望していらっしゃるんです。この中に、福祉職の特別の俸給表の制定ということがあるんですが、これが実現できていませんね。その理由は何ですか。
○政府委員(末次彬君) 福祉職の俸給表の創設につきましては、ただいま御質問のとおり、私ども平成三年度に人事院に対して要望したわけでございます。
 この問題につきましては、対象職種の範囲あるいはその他の施設の類似職員との関係、こういった点につきましてさらに多角的な検討を要するということでございまして、私どもといたしましては、社会福祉に従事する職員の待遇改善を図るという見地から、この福祉職俸給表の新設については引き続き人事院に要望をしているところでございまして、人事院当局と引き続き協議を進めてまいりたいと考えております。
○竹村泰子君 厚生大臣、おかわりになりましたけれども、また新たに厚生大臣のお名前でこの要望は続けていかれますね。
○政府委員(末次彬君) 私ども基本的にはこの方向を引き続き続けていくつもりでございまして、可及的速やかにこの実現を図れますように人事院と協議を重ねてまいりたいと考えております。
○竹村泰子君 福祉職の俸給表の策定というのは、単に国立の施設に勤める職員のことだけではなく、民間の社会福祉施設の職員の給与をリードするという意味で非常に重要であると私は思うんです。福祉施設職員の給与面での処遇改善、これが大いに役立つものと考えられます。早急に平成四年の勧告においても策定すべきであると思いますが、そのことについて人事院はどう考えているんでしょうか。
○説明員(松浦知彦君) お答えいたします。
 現在、国立の福祉施設に勤務いたします保母、児童指導員等につきましては行政職俸給表の(一)、それから介護員等につきましては行政職俸給表の目が適用されているという実情にございます。
 これらの職員には、さらにその職務の特殊性を考慮いたしまして、施設の種類でございますとか職務内容に応じまして俸給表の金額の約三・七%から最高一八・五%、五段階に分かれておりますが、俸給の調整額をプラスして俸給水準の補完、調整をいたしておるということでございます。
 そういうことで、現在国の福祉関係職員の処遇につきましては、相応の配慮がなされているというふうに私どもは考えているわけでございます。
 ところで、福祉職俸給表の新設の御要望、これは私ども承っておるわけでございますが、その背景といいますか、を考えてみますと、恐らく、主として公立てございますとか、民間の施設への波及ということを念頭に置いて要望なさっているんではないかというふうに私ども受けとめているわけでございます。
 この問題につきましては、まずは厚生省におかれまして、福祉職員の処遇に非常に強い影響力を持っております措置費におきましてこの問題をどういうふうに方向づけるかというような点につきまして、所管の事項につきましてひとつ方向性といいますか、事柄の方向性をお示しいただきまして、それでこの問題は自治省等とも関連いたす問題でございますので、関係する方面等の御意見を聞いていただく必要があるんではないか。それからさらに、先ほど厚生省の局長の方から御答弁がございましたが、厚生省管轄下の国の社会福祉施設におきまして同様に取り扱うべき職員の範囲、あるいは国立病院、それから療養所等に勤務します看護助手等、いろいろ類似の職員の取り扱いをどうするのか、それからあと、職務上開運いたします他職種への影響についてもどういうふうに考えるのかといった点につきまして検討が必要であるというふうに考えておりまして、これらの点につきまして厚生省の方にこれらの問題点の検討、整理をお願いしているという状況でございます。
 人事院といたしましても、これらに対します厚生省の検討状況を踏まえまして今後引き続き協議をしてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○竹村泰子君 お答えいただきましたけれども、これは非常に今社会的な問題になっていることでありまして、厚生省がもう必死になって人材確保をやらなければならない。十カ年戦略ですとか、この周の老健法の審議の中でもいろいろと申し上げましたけれども、どうやってヒューマンパワーを確保なさるんですかという私たちの疑問に答えるためには、やっぱり給与面で、人並みのと申し上げちゃなんですけれども、そういう待遇が受けられなければ人は集まらないということですね。
 先日、長野市だったかと思いますが、ヘルパーさんを正規職員としたことにより男の人もたくさんわっと応募してきたということが新聞で紹介されましたが、寮母さんを含む福祉施設職員にも同様なことが言えると思われます。この点について厚生省はどう思っておられますでしょうか。
○政府委員(岡光序治君) 長野市で市のヘルパーさんの募集に当たりましてそういう反応があったというのを私も知っておりますが、先生も御存じのとおり、ヘルパーさんは正規の職員、常勤の職員というタイプと非常勤というタイプがあるわけでございます。一応平成三年度までのヘルパーの手当金につきましては常勤、非常勤一本の手当金になっておるわけでございますが、この辺につきましてはもう少し勤務の実情に即した手当の体系に変えていかなきゃいけないんじゃないか。常勤の人には常勤に対応できるように、それから非常勤の人には、例えば時間給のような格好で非常勤の職種に対応できるように、こういう必要があるということで現在財政当局と事前折衝をしているところでございますが、そういうふうな仕組みを一方で講じながら、やはりヘルパーさんにつきましても常勤職員でカバーすべきところはカバーするという格好で対応したい、こういうふうに考えております。
 ヘルパーさんの仕事そのものは諸外国の例におきましても一つの例としてわかりますとおり、職務内容からいたしまして非常勤で対応するという形はヘルパーさんの仕事にある意味では即しているという面もありますので、そういう意味では常勤の職員と非常勤の職員とをうまく組み合わせながらニーズに対応するように体制を整えていくべきではないだろうか、そういうふうに理解をしております。
○竹村泰子君 いろいろあるんですが先に進みます。
 さきの特別養護老人ホームの主任寮母さんは、この二年間有給休暇をとっていないということでした。二年間有給休暇をとっていないというのは大変なことだと思うんですけれども、このような過重な労働に頼らざるを得ないということは、特養の設置基準における定員が実態に合っていないということではないのでしょうか。もっと定員をふやすべきではないかと思います。今五十人で十人と。
 このようなことを言いますと、結局は金の問題である、財源の問題になるというふうに言われると思うんですが、福祉はお金が必要なんですよね。福祉施設ではそこに働く人たちの奉仕に寄りかかっている部分が余りにも多過ぎたのではないですか。もうそういう時代じゃないんじゃないかと私思うんですね。若い人たちのニーズも働き方も本当にさまざま変わってまいりました。施設に入所しなければならない人が飛躍的にふえたということ、これもありますね。今までどおりの考え方では福祉施設を運営することができないという状態なのはもう大臣も岡光さんもよく御存じのとおり。たくさんの人を入れるためにはたくさんの職員が必要である、この職員を確保するには今までの考え方を改めなければならないと私は思うんですけれども、その点はどうなんでしょうか。それでなくても人手不足、人がいない人がいないと言っておられる現状ではなおさらではないかと思うんですが、いかがでしょう。大臣はどうお思いになりますでしょうか。
○国務大臣(山下徳夫君) ただいま御指摘の点でございますが、特別養護老人ホームの寮母を含む常勤職員の年次休暇の平均の取得日数は、平成二年七月の調査によりますと大体平均で八・一日となっておりまして、企業の規模の三十人以上の産業の年次休暇平均取得日数七・九日でございますから、おおよそほぼこれに並ぶ水準になっているのではないかと思われます。
 特別養護老人ホームの措置費におきましても、従来から寮母等の職員が年次休暇をとりやすくするために、年休代替要員費の算入等も行うとともに、寮母の業務が過重にならないように配慮はしてきたところであります。そのために業務省力化のための経費の算入あるいは痴呆性老人等重介護を要する入所者の割合が多い施設に対しましては寮母の配置をさらに多くするとか、そういう措置はとってまいりましたが、今後とも職員の勤務が過重にならないように必要に応じて適切な措置をとっていかなければならないと思っております。
○竹村泰子君 私がお聞きしたのは、年次休暇のことだけではなくって、こういう状況になってきて高齢化社会が急ピッチで進んできている、社会もそれから施設も厚生省の考え方もすべて変わってきているのではないか、これまでどおりではいけないのじゃないか、そういう厚生大臣としての御所見を伺ったのですけれども、その点はいかがですか。
○国務大臣(山下徳夫君) 冒頭にも申し上げましたように、今厚生省がやるべき大きな点を私は羅列いたしまして、例えば十カ年戦略におきましても、その他、要はそういうものを実行するためにはそこに働く人を適切に配置する、確保するということでございますから、そういう意味におきましては、給与のみではなくて勤務条件であるとか、あらゆる面に配慮をしながらこの配置についてさらに努力をしてまいりたいと思います。
○竹村泰子君 十分頑張っていただきたい、私たちも応援しますので、どうかよろしくお願いします。
 次に、介護における性による負担の問題ということをお聞きしたいと思うんです。
 御存じのとおり、今回福祉施設の職員の方々の働きぶりを見ていて思い出したんですが、現在厚生省がゴールドプランによって進めている在宅福祉政策、家庭においてお年寄りを介護しなければならない人、このことは、前回の老人保健法改正の際の訪問看護制度の創設に関していろいろと審議をさせていただきましたし、お答えもいただきましたので詳しくは申し上げませんが、厚生大臣が山下厚生大臣にかわられましたので改めて大臣にちょっと伺ってみたいと思うんですけれども、介護における性の問題というのがあるのでしょうか。現在は残念ながら家庭においてお年寄りを介護するのは女性である、八〇%以上が女性である。すなわち娘さんかお嫁さんか妻である。大臣は、介護においては女性がそのほとんどの負担を負わなければならないとお考えになりますか。介護に向いた性があるとお思いになりますか。介護においてはどのような分担が望ましいと考えていらっしゃるか、お聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(山下徳夫君) 介護についての性につきましては、私は別にそれはあるとは申し上げませんが、ただ個人差といいますか、あるいは個人差というよりも男女間でもって、ある程度はなれた方は女性の方が多いということは言い得るかもしれません。住みなれた地域や家庭でできるだけ家族や友人と暮らし続けていく、高齢者、その家族が望んでいるというような点からしました場合に、社会全体が在宅の人を介護していくという意味におきましては、どうしても女性の方が介護に適している、一日の日課と申しますか、そういう面からすると、そちらの方が比較的に多いんじゃないかという感じもいたしますので、そういう意味におきましては女性の方が、今あなたのおっしゃった性というのはそういう意味だろうと思うのでお答えしたのでございますが、足りない点は局長からお答えします。
○政府委員(岡光序治君) 大臣もただいま申し上げましたように、お年寄りをお世話する、それに性の差というのはないと思いますが、私どもの進めております施策は、先生も重々御承知のとおり、そういった家族の方を含めて支援するということでございまして、決してお世話をしている家族の方々にお年寄りを押しつけている、そんな発想ではないわけでございまして、あくまでもお年寄り自身、それからお世話している家族を社会全体で支えようではないか、こういう発想でございまして、そのために十カ年戦略に基づきましてヘルパーさんの派遣であるとかデイサービス、ショートステイ、こういった在宅福祉サービスを行いますと同時に、先般の老人保健法の改正で来年の四月からでございますが、老人訪問看護制度を創設していただきましたので、看護婦さんも家庭に行っていただく、こういう意味で、福祉のサイド、それから医療のサイドからそれぞれ在宅へ必要なサービスをお届けする、そういうことによって家族を支えていこうではないか、こういう発想をしているつもりでございます。
○竹村泰子君 大臣、お答えいただきましたけれども、今の大臣のお答えのような考え方が問題なのでございます。どうして女性が介護や看護に適した性だとお思いになるんでしょうかね。
 これは確かに現実はそうなんです。私もよく知っていますけれども、もういたし力なく娘さんやお嫁さんや奥さんが、しかも高齢になってきて、九十の方を七十の人が見ているという例だってざらにあるんですね。自分が見てもらわなきゃならない年齢になっていらっしゃるのに、まだその上の人たちを見なければならない。大変な労働が強いられているわけでして、そのために過労死で死んでいく女の人たちもたくさん出ている、表には余り出てきませんけれども。職場の過労死だとすぐ新聞などにも取り上げられるけれども、そういった社会の片隅で、家庭の片隅でひっそりと死んでいく女の人もいるわけです。こういうことをなくさなくちゃいけないと私たちは思っているわけです。もちろん厚生省もそう思うのは思っておられると思うんですけれども、なぜ女の人にばかりしわ寄せがいくのだろうか、そこのところが問題なのだ、介護に適した性はないのだと大臣は言っていただきたいんです、私たち。いかがですか。
○国務大臣(山下徳夫君) 先ほどそれは申し上げたつもりでございますが、現状においてはただ差があるというふうに私は申し上げたつもりでございます。
 実際私が知っております人でも、お年寄りのお母さんを一人抱えて、母親一人、娘一人ということで、生計も立てなきゃならぬということからその娘さんは働きに出る。帰ってきてから夕食をつくる、朝は昼御飯まで用意していくというふうな生活がずっと長く続いて、気がついてみたら四十幾つになっていて、とうとうお嫁に行けないというような実例を聞きますと、やっぱり女性の方がこういう点においては確かに犠牲になっているなということを実感として現状において私は感ずるわけで、それをそのまま申し上げたつもりであります。
 したがいまして、先般の老人保健法の改正等によりましても、そういう家庭に対してひとつ国家、社会がみんなでこれを助けていくといいますか、みんなで家族を支援していくという体制をとろうということで、老人保健法の改正で老人訪問看護制度というものを取り上げたのもそこにあると私は思っております。
○竹村泰子君 少ししつこいようですが、ヘルパー確保の具体策はどういうふうに持っておられますか。
○政府委員(岡光序治君) 先ほど申し上げましたように、まず基本的にはヘルパーの手当額につきまして、その勤務条件に対応して常勤、。非常勤という格好で現実に即するような体系に直さなければいけないということが一つでございます。それからこの仕事に社会全体の理解をしてもらって、そしてできれはこの仕事に自主的に参加をしてもらうような、そういういわば普及というんでしょうか、社会的な御理解をいただくということが必要でございます。
 それとあわせまして、いろんな養成、訓練のチャンスをつくりたい。この訓練につきましても、今までは三百六十時間という長い訓練時間だけのコースしか用意をしておりませんでしたが、九十時間コースなり四十時間コースということで、それぞれ受けやすい、そういう訓練体制もしいてまいりたいというふうに考えております。
 いずれにしましても、社会全体の理解を得ながら、そして携わる人につきましてはしっかりした処遇改善をしながら、そしてまた受ける側の方におきましてもこのヘルパーさんの仕事のシステム、仕事の内容、こういったものを理解していただいて、語弊があるかもしれませんが、上手にヘルパーさんの仕事を活用していただく、受ける側の御理解も必要であろうというふうに考えておりまして、そういう万般の対応をしたいと考えておるところでございます。
○竹村泰子君 人口十万当たりのホームヘルパーの配置人員というのを私ここに持っているんですけれども、日本は十万人に対して三十・四人なんですね。もう言うまでもありませんが、デンマーク五百二十七・一人、スウェーデン八百八十三・九人、ノルウェー九百八十三・二人、何と日本の何十倍というヘルパーさんを持っているわけでございます。そういう意味で、きょうはそういった許しと」とをお聞きしませんが、ぜひヘルパーサン確保についても頑張っていただきたいと思います。
 次に、ちょっと視点を変えて三つほど、私の提案も含めてお尋ねをしたいと思います。
 先日も神奈川県に参りましたときにヒューマンパワーの地域内交流ということが出たんですね。福祉施設に働く職員の処遇の問題の一つに、特に民間施設においては退職しないと別の福祉施設で働くことができないという、そういう閉鎖性があります。このことが施設職員の処遇改善のネックとなっていると思われます。これについては都道府県、大都市あるいは複数の市町村を単位とした人事交流を行えることができるシステムをつくることが有効であると考えるんですが、いかがでしょうか。
 もちろん人事管理、人件費の費用負担、通勤などの問題があることはわかりますが、社会福祉協議会などの一元管理によって可能であると思いますが、例えば一つの地域をつくりまして、ゾーンといいますか、その中での地域内交流ということができたら非常に処遇改善あるいは情報の交流、そういったことで有効ではないかと思うのですが、どうお考えになりますか。
○政府委員(末次彬君) 基本的な方向といたしましては私どもも同感でございまして、福祉マンパワーという面からいいますと、職員の資質向上を図らなければならぬ、そのためにはいろんな職場を経験するというようなのが大変有効な手段であろうというふうに考えております。そういう面からいいまして、当面私どもとしましては社会福祉法人の施設の複数経営化と申しますか、一つの法人で何種類かの施設をできるだけ経営していただくということによりまして施設間の人事交流を図るということが一つあろうかと思います。また、状況に応じまして人材情報センターも現在整備いたしております。こういう機能を利用いたしまして、法人間の交流を促進するというような方向もこれから進めていかなければならないというふうに考えております。
 社会福祉協議会で一元的に人事管理を行ってはどうかという御提案でございますが、これも確かに一つの方法でございますが、他方、民間社会福祉施設そのものの人事権あるいは人事管理上の問題もあるということもございまして、この点につきましてはなお慎重に検討しなければならない問題であろうというふうに考えております。
○竹村泰子君 遠くない将来に小中学校、幼稚園は週休二日制が導入されると思うんですけれども、導入されたらいずれかの休日を高齢者、障害者、子供たちが学校、幼稚園などで出会って集える日を考えてみたらどうかと私思うんですが、いかがでしょう。
 子供たちは今もうお年寄りをそばで見なくなっています。障害者も町に大分出てきてくださるようになりましたが、ノーマライゼーションという意味ではまだまだという感じがいたします。そういうときに週休二日制の一日を利用して学校などでそういう豊かな人間、人格形成に役立つような触れ合いの場をつくるということ、これは厚生大臣、それから文部省にもおいでいただいていると思いますが、文部大臣になったおつもりで答えていただきたいと思いますが、どうぞよろしく。
○国務大臣(山下徳夫君) 二十一世紀に向けての長寿・福祉社会を建設するためには、国民の一人一人が若いときからそういう一つの福祉に対する関心と理解を深める必要があると思うのであります。したがって、積極的にボランティア活動に参加するような基盤づくりをまずやっていかなければならぬと思います。特に最近は子供がお年寄りと一緒に暮らすという機会が非常に少なくなっていると思います。したがって、学校教育の場においても、施設における体験学習とかそういうことをひとつ大いにやっていただきたい。
 こうしたことから、厚生省としましては、従来から文部省と折に触れずっと協議をいたしてきておりますし、さらに今おっしゃった御趣旨につきましては、福祉教育の推進について我々は文部省とさらに密に連絡をとって進めてまいりたいと思っております。
○政府委員(内田弘保君) 御指摘のとおり高齢化が進んでおります。この中で活力と生きがいのある社会をつくる必要があると思います。このため各地域でお年寄りと子供とか若い世代の方々との交流がもっと活発化することが必要であろうと思います。お年寄りはその経験とか知恵を若い世代に与え、また若い人たちはお年寄りを大切にし、お世話、お手伝いをするということが非常に必要であると思いますし、極めて有意義なことと認識しております。
 これまで文部省は、例えば老人ホームヘの訪問のほか、公民館、青年の家あるいは少年自然の家あるいは学校において、こういうような交流のさまざまなプログラムを実施してきているところでございます。例えば青少年の地域活動事業というものがございますが、その中で青少年が老人ホームを訪問したり、おひとりの老人の家庭を訪問したりする事業、あるいは高齢者の生きがい促進総合事業というのがございますが、これで老人クラブや子供会あるいはPTAなどが協力して……
○竹村泰子君 ちょっと時間がなくなりましたので、短く答えてください。
○政府委員(内田弘保君) はい。共通のいろいろな事業をやっております。
 このようなことで、これからも高齢者と若い人とのプログラムをさらに促進していくことが必要であろうと思っております。
○竹村泰子君 済みません。時間がなくなってしまいました。今の提案、どうか文部省と厚生省と御検討くださって、いいとお思いになりますでしょう。いかがでしょうか。
 次に、もう時間がなくなってしまいましたので一つ、看護婦配置基準の精神科特例に関する質問を用意したんですが、一、二間、時間のある限りさせていただきたいと思います。
 四十三年前、一九四八年に制定された医療法、その施行規則によって看護婦の配置は入院患者四人に一人とするという基準を設けています。しかし、その規則は精神、結核、らいなどの患者を収容する病院、病棟については特例措置をとるようにということができるとしましたね。一九五八年には厚生事務次官通知によって看護婦は六人に一人とする現行の特例措置が適用されて今日に至っています。このような理解でよろしいでしょうか。――いや、お答え結構です、時間ないので。
 それで、この特例措置の根拠なんですけれども、精神、結核、らいなどに対しては四人に一人以下でもよいという考え方、そしてまた六人に一人でよいとする配置基準は、これらの患者さんに対する看護の量がそれだけ少ないと考えておられるんですか、軽くてよいと考えておられるのでしょうか。このような従来の考え方の背景や根拠を医療法の施行当時にさかのぼって示していただきたいと思います。
○政府委員(古市圭治君) 精神病にかかわります特例的な職員配置の基準、これは六対一でございます。入院患者。また、外来患者は三十人に対して一人。これは患者さんの疾病の特徴から見まして、症状の変化の状況等を、治療していく上で一般病棟の看護婦さんの配置基準四対一よりは少なくてもいい、こういう観点からこれができたというぐあいに承知しております。
 その根拠といたしましては、この当時、国立医療機関の内部におきまして看護職員の配置されている実情というものとも照らし合わせましてこの基準が決まったと承知しております。
○竹村泰子君 これらの患者さんに対する看護はこれからも一般の病棟よりも軽くてよいと判断していらっしゃるのかどうか。また、医療法の施行当時にどういう判断をされたのか、そのデータを示していただきたいと思います。
○政府委員(古市圭治君) 後段の御質問の方でございますが、その当時の根拠のデータというのは、調べてみましたけれども明確なデータは残っていない。ただ、そのときの記録といたしまして、今申し上げましたように、国立医療機関内部としての定数基準的なものを定めており、国立医療機関において精神、結核につきましてはこの程度の数を配置してもいいという、衛生部長会議で例に挙げだというような記録が残っているということでございますが、さらにちょっと詳しく調べてみたいと思っております。
 それからもう一つの、今後のことにつきましては、これは一応医療法におきましては職員配置の標準として決めておりますので、必要な場合に医師、看護婦等の人員がそれよりも厚く配置されて、いい医療が提供されていくということは今後の問題として望ましいことだと承知しております。
○竹村泰子君 それでは、この国会が終わるまでにと言うと非常に厳しいでしょうか、その当時の判断基準になったものをお出しいただけますでしょうか。
○政府委員(古市圭治君) さらに調べて御報告させていただきたいと思います。
○竹村泰子君 いろいろ伺ってきましたが、一般病院四対一でも不足と思えますのに、これら専門病院の六対一の割合での看護というのは一体どのように厚生省は考えられているのか、私は非常に不思議に思うんですね。早急に一般病院のミニマムレベルを確保するべきなのではないかと思うのですけれども、これは明らかに、差別とまで言ってはあれかと思いますが、どういう判断基準で、どういう患者さんの状態があるから六対一でよいとされたのかというところが、看護の量の差が調査されているのかどうか。その辺の現実の問題と、それから大臣の御所見を伺って、私の質問を終わりたいと思います。
○政府委員(古市圭治君) 前段のお話でございますが、現に医療法でそういうことになっておりますが、現実の推移を見てみますと、この間に、ここ十年、二十年間に看護婦の数というのはふえてきておりますし、また看護婦だけでなくて看護補助者という者、それからまたOT、PT、さらにはMSW、そういう人たちが総合的にチーム医療を提供していくという方向に精神科の医療というのは進むんではなかろうか、そういうことから看護婦だけということでもないんじゃないか、全体的な医療陣営を強化していかなかったらいけない、このように考えているわけでございます。
○国務大臣(山下徳夫君) 医療機関における看護婦の確保は、患者に適切な医療を提供するという意味におきまして大変重要であることは先ほど申し上げたとおりでありますが、しかしながら一般病床と精神病床においての看護婦の人員配置の基準、これにつきましては、今局長からるる申し上げたとおり、ある程度違ってもいいんではないかという認識に立ってこういう基準がなされておるんでありまして、ただ下回ったといえども下回ったその基準には必ず合致するような定数を配置するということはもちろん守らなきゃならないと思いますが、その基準自体については今申し上げたとおりであります。
 今後は、そういう標準的な人員配置基準、これはもちろん下回ってはいけませんし、医療監視等を通じて病院に対する指導監督はよく図りながら、この基準を少なくとも下回らない範囲内において十分看護ができるような体制は確保していかなきゃならないと思っております。
○竹村泰子君 この問題につきましては、またゆっくり次の機会にと思いますが、先ほどお願いしました調査をよろしくお願い申し上げたいと思います。
 ありがとうございました。
○日下部禧代子君 看護職員の問題についてお伺いいたします。
 まず、前回の九月十日の本委員会におきましてお尋ねを一度いたしましたけれども、厚生省健康政策局長からの通達によりまして、都道府県知事あてに「看護職員需給見通しの見直しについて」という通達が出ておりますが、これは六月末日までに結果をまとめるというふうに伺っておりますけれども、その集計の結果がかなりおくれているというふうに前回承りました。現在どのようになっているのでしょうか、そしてまたおくれている理由はどういうことでおくれているのでございましょうか、お伺いいたします。
○政府委員(古市圭治君) 現在の状況でございますが、四十七都道府県中四十四まで正式な回答をいただきました。あと残りわずか三でございますが、これも近日中に正式回答となることでございますので、年内にはトータルを発表させていただきたいと思いまして、現在鋭意作業を進めているところでございます。
 ここまでおくれた理由でございますが、二つほどあるんじゃないかと思います。一つは、今までの机の上で数をはじくということでなくて、各都道府県でも実際の可能性、それからまた関係者の意見というものをいろんな協議会で聞いて詰めたということで、非常に真剣にやっていただいた。その間に各関係団体との意見の調整等もあって提出がおくれたというのが一点でございますし、もう一点は、全国推計をいたします医療施設調査等によります関係者の数が厚生省の方で入るのが少し遅い、それを見てから最終の数字を固めたいということもございまして今日に至った。
 いずれにいたしましても、年内には全国の集計、また都道府県の報告、その数を報告させていただきたいと思っております。
○日下部禧代子君 今のお話を承りますと、かなり信頼のおける結果というものが期待されるというふうに受けとめたわけでございますが、その結果がどのような形で反映されるのでございましょうか、お伺いいたします。
○政府委員(古市圭治君) 保健、福祉、医療に従事いたしますマンパワーと申しますか、これの確保というのは厚生省の最大の重要課題でございまして、この中の看護職員というのは大きな柱をなしているわけでございます。したがいまして、私どもはこの需給見通しというものの結果を踏まえまして、来年度の養成校に対する予算の要求、さらには来年通常国会に予定いたしております法案作成、そういうものにこの数字をもとにいろんな作業を進めたいと思っているわけでございます。
 具体的には、既に来年度予算要求いたしております看護婦等の養成所施設整備費の増額につきましても、今まで得られている数字をもとに予算要求をしているという状況でございます。
○日下部禧代子君 集計の結果がきちんと出ていない、非常におくれている中で、確実にこの結果が今おっしゃいました来年度の予算要求、あるいはまた来年二月に予定されていると伺っておりますが、人材確保法、そういったものに反映されるそれだけの十分な時間というものがおありになるのでございましょうか。
○政府委員(古市圭治君) 現在作業をいたしておりますのは、どの程度の各県ごとの需要があるのかということと、それからもう一点は、それに対して供給、養成計画というのをどうしていくのか、こういうことから成り立っているわけでございます。平成三年を起点といたしまして平成十二年までを見通して、そこでどのようになるかということでございます。そういうことで全体の数字というのはまだ集計しておりませんが、来年度どの程度の養成校をまた新設するか、増改築するかというような部分的な数字というのは十分把握できる部分もございますので、そういうできるところは使いまして、来年度予算要求に反映させているという状況でございます。
○日下部禧代子君 見通しがないということになりますと、その対策というのは立てられないというふうに思いますので、ぜひともその集計結果を早く出していただくということをここで強く要望しておきたいと思います。その集計結果というのは、私どもは今年度じゅうに拝見できるのでございますか。
○政府委員(古市圭治君) 厚生省の主な調査等は一般に公表いたしますので、年内には先生のお目にとまりますし、またお持ちしたいとも思います。
○日下部禧代子君 わかりました。よろしくお願いいたします。
 それでは次の質問に移ります。
 看護職員対策で改善されるべき大きな課題の一つは給与問題だというふうに思います。平成三年八月七日、人事院から給与勧告が出されておりますが、看護職員の給与についてどのような改善がなされたのか、人事院にお尋ねいたします。
○説明員(松浦知彦君) お答えいたします。
 看護婦の給与につきましては、その職務の特殊性を考慮いたしまして、過去にも種々の改善を図ってきているところでございますが、看護婦の人材確保の問題にも配慮いたしまして、公務部内の他職種との均衡も考慮しながら、本年は以下のような水準、構造の両面にわたります幅広い改善を行っております。
 まず第一点でございますが、初任給につきましては、他の職種と同様に高い改善を行っているということでございます。
 それから第二点目に、看護婦の昇格実態等を念頭に置きまして、中堅層を中心にいたしまして、医療目俸給表の二級全般にわたりまして高い改善を行っているということがございます。
 それから第三点といたしまして、准看護婦、これは医療目の一級でございますけれども、その処遇の実態に配慮いたしまして、昨年に引き続きまして一級の後半号俸について高目の改善を行った。
 第四点でございますが、極めて規模の大きい医療機関におきまして、看護部長の職務の困難性、それから医療機関内部におきます他職種、事務部長でございますとか薬剤科長との処遇の均衡を考慮いたしまして、現在最上位級が六級ということでございますが、その上に七級を新設したというのがございます。
 それから最後に、医療日適用職員の約九九%につきましては、俸給の調整額の調整数一が支給されている。医療の適用職員の約九九%には俸給の調整額が適用されているということでございますが、その調整数一相当分につきまして、これを俸給月額に繰り入れたということで、実態としての看護婦の給与水準がかなりわかりやすく理解できるようになった。それと同時に、あわせて現在俸給の調整額の支給を受けておりません診療所等の看護婦の処遇改善を行ったというのが本年の医療。につきましての改善の内容でございます。
○日下部禧代子君 医療職俸給表というのは、なかなか普通の人にはわかりにくいのでございますが、この医療職俸給表日について説明をもう少しお願いしたいというふうに思います。一級それから七級まで大体何人ぐらいずっということ、そしてまた特に新設されました七級というのは、その七級に相当するのは何人ぐらいということなんでございましょうか。
○説明員(松浦知彦君) 医療職俸給表のでございますが、これは先ほど申し上げましたように、現行は一級から六級までございます。今回の勧告におきまして七級の新設を勧告いたしたということでございますが、一級といいますのは、これは准看護婦の職務でございまして、現在一級に在職しております人数は六千七十一人、こういうことでございます。それから二級、これは看護婦の職務でございますが、二級につきまして本年の在職人員が三万七百六十五人ということになってございます。それから三級でございますが、これは看護婦長の職務を中心にいたしておりますが、これが現在の人数が三千五百十八名ということでございます。四級が同じく人数が千八百七十五名、それから五級が二百九十七名、六級が百六十名という実態でございます。
○日下部禧代子君 今、新設されました七級に相当するのは何人ぐらい出てくるだろうかということも御質問申し上げましたけれども。
○説明員(松浦知彦君) お答えいたします。
 七級といいますのは、先ほど申し上げましたように、極めて規模の大きな病院、療養所につきましてその看護部長の職務にある方について格付けるということでございまして、現在考えておりますのは、およそ十八名くらいという数字を考えているところでございます。
○日下部禧代子君 先ほど俸給の調整額の調整数一相当分を俸給月額に繰り入れるということになっておりましたが、これのメリットというのはどういうことで、ボーナスにも反映されるということになるんでしょうか、もう少し具体的に御説明ください。
○説明員(松浦知彦君) お答えいたします。
 俸給の調整額と申しますのは、これはいわば非常に端的に言いますと、本俸とほぼ同様の性格を持っているものでございまして、したがいまして、当然俸給の調整額を支給される職員につきましては、それは本俸が基礎になる諸手当、例えば調整手当でございますとか、いわば本俸と全く同様の扱いになるということでございまして、したがいまして、期末手当でございますとか勤勉手当、これの基礎にも当然入ってくるということでございます。
○日下部禧代子君 それでは、今回の給与勧告によりまして、具体的に看護婦さんの俸給月額というのはどのくらい上がるというふうにとらえればよろしいんでございましょうか。
○説明員(松浦知彦君) 医療(三)の本年の引上率でございますが、一級から七級まで級の平均でごらんいただきますと、調整額繰り入れを含めましてトータルで九・二%という数字になってございます。調整額繰り入れ分を含めてでございますが、一級が七・九%、二級が一〇・一%、三級が七・二%、四級が六・八%、五級が六・八%、六級が六・八%。それで、調整額繰り入れ分を除きまして計算いたしますと、これは人によって若干違いますので推計になるわけでございますが、トータルで五・三%、紋別に申し上げますと、一級が四・〇%、二級が六・二、三級が三・三、四級から六級までが二・九%と、こういう改善になるわけでございます。
○日下部禧代子君 今、パーセンテージでお答えいただきましたけれども、具体的な額でお答えいただきたいと思います。例えば看護婦さんの一番多くの方々が属しているのが一級及び二級でございますが、この一級、二級の、つまり一級の准看護婦さん、二級の看護婦さん、正看護婦の方ですね、その方々の平均月収がどのくらい上がるのでございますか。パーセンテージでなくて実際の数字でお願いいたします。
○説明員(松浦知彦君) トータル、給与の平均で申し上げますと、今回の措置によりまして、これは調整額込みでございますが、医療目の一級の金額がこれによりまして一万八千二十七円、それから二級でございますと二万七百八十三円、これが改善になったと、こういうことでございます。
○日下部禧代子君 今おっしゃいました一万八千二十七円、あるいは二万七百八十三円でございますか、これを非常に大幅な上昇というふうにとらえるということは難しいというふうに思うわけでございますが、これは人事院としては大幅な増額だというふうにとらえていらっしゃるのでしょうか。
○説明員(松浦知彦君) トータルで先ほど御説明いたしましたように、行政職と比較いたしますと、行政職(一)の改善が四・〇%ということでございまして、それに対応いたします医療目の改善が俸給の調整額を除きましても五・三%ということでございますので、私どもといたしましては、医療目の俸給表につきましてはかなり大幅な改善を、力を入れた改善をしているというふうに認識をいたしております。
○日下部禧代子君 先ほど医療職俸給表の日につきまして御説明をいただきましたけれども、他の行政職と看護職の場合にはかなり昇給が違うというふうに考えるわけでございます。一定の勤続年数、つまり勤続年数がふえればふえるほど一般の行政職ですと昇給ということになるのでございますけれども、看護職の場合ですと、やはり准看護婦から看護婦へと、あるいは看護婦さんから看護婦長へというふうにならなければ給与も上がらないという、そういうシステムというのは、これはなかなか何年勤続しても昇給にはつながらない、あるいは働きがいかないというふうなことにもつながるのではないかというふうに思いますが、こういった点に関しまして、何か人事院から厚生省に対してこういうことをやった方がいいんじゃないかというふうな御提案がございましたら、お願いいたします。
○説明員(松浦知彦君) 医療目の俸給表は、先生御案内のように、看護婦というような非常に高度な資格を有する、資格を取得しているということを前提とする、いわば非常に専門職的な内容でございます。そういった専門的な仕事の内容に対しまして、業務を行う人に対して適用するという俸給表ということになってございます。
 そういう内容でございますので、いわば職務評価という観点から考えてみますと、看護婦さんというのは、いわば非常に最初高く、初任給近辺でもかなり高く評価をいたしておるわけでございますが、そういうことで、いわば一定の年数がたってもその中で、一つの級の中で処遇をしていくというのが基本的な建前でございまして、職務給の原則というような面からいいましても、現在のところ看護婦さんで何も役付といいますか、そういったものについていない方につきましては一応二級でいっていただく、こういうことになっているわけでございます。
○日下部禧代子君 今御質問申し上げましたのは、厚生省のこういうような仕組みというものが変わらない限りにおいて、昇給ということはシステムが変わらない限りにおいて、人事院としては何もすることができないということを前提といたしまして、何か厚生省に対して、こういうことをするともう少し看護婦さんの俸給の仕組みというものを働きがいのある、励みになるような仕組みに変わるんじゃないか。例えば何か新しい職種といいましょうか、職名というんでしょうか、そういうものを提案するとか、そういうお考えはございませんでしょうか。
○説明員(松浦知彦君) 現在大変看護業務といいますのは複雑化、高度化しておるわけでございまして、実は昭和五十年以来、各看護単位におきまして、婦長の指揮のもとにチームリーダーというような形で、実務上指導的な役割の看護婦さんがいるということに着目をいたしまして、看護婦長を補佐いたして、看護婦長が不在のときにはこれを代行するというようなものといたしまして副看護婦長というようなものを設け、そういう方につきましては三級格付の道を開いてきているということで、現在その数も増大してきておるということでございます。
 ただ、国立病院・療養所等におきましては副婦長、主任看護婦という名称でこれまで発令してきておられるというふうに伺っておりますが、その運用の実態を見ますと、必ずしも看護婦長の補佐、代行という本来の趣旨が達成されていないんではないかという例もあるようでございますが、いずれにいたしましても、人事院といたしましては、この副看護婦長、副婦長という道を設けて三級への道を考えている、こういうことでございます。
○日下部禧代子君 どうもありがとうございました。
 次に、厚生省に伺いますけれども、民間の医療機関に勤務する看護婦さんの平均月額給与、そして今問題となりました国立の医療機関に勤務する看護婦さんの平均月額給与の違いというものがございましたら、数字でお答えいただきたいと思います。
○政府委員(古市圭治君) 国立病院看護婦、それから民間の看護婦の給与の比較と申しますのは、国の立場では人事院が一義的に調査をして、その数値を発表して給与改定に反映するということかと思います。
 私どもは幾つかの数値を持っておりますが、比較が非常に困難でございまして、これは勤務年数、それからまた地域によっても異なるということで、単純な比較ができない。しかし、一般的には若いときは民間の給与が高くて、それから年数がたち、経験を重ねるに従って国立の方が逆に比較的高くなってくるということかと思います。この場合には、やはり国立には継続して勤務される看護婦さんが多く、民間には一たんやめてまた入ってこられるということもございまして、単純に平均年齢幾ら、こう比較いたしましてもそれは余り正確な反映ではない、このように思っておりまして、人事院の数値というものを参考にさせていただくという立場でございます。
○日下部禧代子君 それでは、今回の人事院の勧告に関しまして、厚生省といたしましてはどのように受けとめていらっしゃいますでしょうか。なお、これ以上の改善をさらに望むというふうなお考えでございましょうか、御見解をお伺いいたしたいと思います。
○政府委員(寺松尚君) 今人事院の方からいろいろ御説明がございました。私どもも看護婦さんの待遇の改善の問題につきましては、鋭意努力をいたしておるわけでございますが、いろんな制約があることは今人事院からのお話しのとおりでございます。しかしながら、私どもは、三級につきましては「医療機関の看護婦長の職務」、こういうふうに位置づけられておりますけれども、国立病院・療養所におきましては、従来から一般の看護婦長、それに加えまして経験年数の比較点長い者を施設の実情に応じて優先的に充ててきたというのが実情でございます。
 しかし、この問題につきましては、先ほどの人事院からのお話しございましたいろいろ問題があるというようなことで、ひとつこれからは本来の趣旨を十分踏まえて、現在婦長を補佐するものとしての三級定数の拡大を要求いたしておるところでございます。
○日下部禧代子君 この俸給の仕組みそのものについての何らかの改善というふうなことは、厚生省としてはお考えになっていらっしゃいませんでしょうか。例えば、何級何級というふうになっていても、ずっと働き続けても准看護婦さんは准看護婦さんであり続けねばならないというふうな、そういう仕組み自体についてのお考えはどのようになっていらっしゃいますか。
○政府委員(寺松尚君) これは先生御承知でおっしゃっておるかと存じますけれども、准看護婦は保健婦助産婦看護婦法という法律がございますが、その法律におきまして看護婦等の指示を受けて業務を行う、こういうことになっております。また、人事院規則である紋別の標準職務表におきましても、医療職俸給表目一級とされておりまして、管理職としての格付がなされておりません。
 したがいまして、国立病院・療養所では准看護婦の資格では管理職になれない、こういうことになるわけでございまして、私どもは准看護婦の方々に正看護婦の資格を取るようにいろいろ指導をいたしておりまして、その上で処遇してまいりたい、このように考えております。
○日下部禧代子君 同じ問題は正看護婦の方々についても言えると思うんです。その方々は試験を受けたりなんかしない限りにおいて、何年勤続しでもいわゆる看護婦さんである。看護婦長になっていらっしゃる方々、つまり三級に属する方々が三千五百十八名しかいらっしゃらないわけです。その十倍以上の方が二級、いわゆる看護婦さんでいらっしゃる。こういうことに関しましても、これはやはり働きがいをなくしてしまうということにつながるのではないかというふうに思いますが、厚生省、いかがでございましょうか。
○政府委員(寺松尚君) 御承知のように、看護婦さんの処遇につきましていろいろと考えておりますのは、一つは職務の内容あるいは経験年数、在級年数等をいろいろ勘案して行っておるわけでございます。したがいまして、そういうものによりまして二級、三級という上位の級数をできるだけ広げていくという努力はもちろんやっておるわけでございます。
 しかし、婦長とかというふうな管理職的な職務の場合に、それに適する何と申しますか、適性というようなこともございましょう。それからまた、公平の見地からそういう機会を与えるということもございますので、やはり試験ということで任用していくということが適当ではないか、このように考えております。
○日下部禧代子君 何らかの形での仕組みそのものを変えていただくような、その方向に進んでいただきたいということを望みまして、次の質問に移らせていただきたいと思います。人事院、ありがとうございました。
 それでは次に、准看護婦問題について質問いたします。
 現在就業している看護婦さんの身分取得の方法というのは多種多様でございますが、どうしてこのように多種多様になってしまっているのかということについてお伺いしたいと思います。
○政府委員(古市圭治君) 准看護婦の養成につきましては、当初、中学校卒業後二年間の養成課程ということで昭和二十六年にスタートしたわけでございます。しかし、高校への進学率が高まりまして、全国的に看護婦さんが不足したということ、それからまた、高等学校の高校教育の中に准看護婦教育を組み込むことがその時代から要請されたということがございまして、昭和三十九年に高校の衛生看護科というものが創設されました。またその後、志望者の要請に応じまして、さらに高校衛生看護科の定時制というのも設けだというような背景がございまして、そのときどきの要請に合わせて養成校の形ができたということで、結果的には中卒の准看というところが、中卒から准看学校に行く、それから全日制の三年コースの高校衛生看護科に行く、また定時制の四年制の高校衛生看護科に行く、こういうようなことになったわけでございます。
○日下部禧代子君 今、私御質問を申し上げましたのが言葉不足だったと思いますけれども、准看護婦さんだけではなくて、看護婦さん全体の身分取得の方法というのが本当に多種多様である、准看護婦さんのことも含めまして、なぜそのように多種多様であるのかということを包括的にお伺いしたつもりでございますが。
○政府委員(古市圭治君) もう一方、高校卒で看護婦養成所あるいは看護婦学校に進むというのが一番大きな流れでございますが、これを卒業いたしますと看護婦の国家試験を受けまして、とれに合格すると看護婦の資格が得られるという道でございます。
 これに対しまして、先ほど申し上げました准看護婦さんの方は、都道府県の試験を受けて、それに合格して准看護婦の資格を取るということでございます。この人たちが看護婦さんの道に進むというためにこの制度ができておりまして、看護婦学校の養成所、これは二年コースでございます。また、定時制の場合には三年というコースでございます。ここに入学いたします資格は、三年以上の准看の業務経験を有する人、それからまた高卒で准看を受けた人は業務経験は要らないということで、この二年制の養成所を出ますと受験資格ができるということになっております。
 そういうことで、前段に申し上げました准看の資格を取る道が幾つかあります。そういう人たちにまた正看護婦というんですか、看護婦の資格を取る道を開くというために看護婦養成所ができた、こういうことでございます。
○日下部禧代子君 多種多様であるということは、いろいろな道を開くということのために多種多様であると。私、多種多様であることはなぜかというふうに伺ったのでありますが、それは看護婦さんたちにさまざまな道を開くということなのですか。
○政府委員(古市圭治君) 戦後の大変な中から医療従事者というものができてきたわけでございまして、医者について申しましても、例えば沖縄では医介輔という方がおられたのを現地の状況に合わせてある時期医師に切りかえたり、切りかえなかった人は限定開業と認めたということがあったようでございます。それと同じように、看護婦さんの場合もいろんな形でもう既にスタートをしておりまして、いろんな資格を持った人、いろんな学歴を持った人がおられる。この人たちに看護婦さんの資格を取る道を開くということでこういろことができたということだと思います。
○日下部禧代子君 それでは、今准看護婦さんと正看護婦さんの割合はどのくらいでございますか。
○政府委員(古市圭治君) 平成元年の末におきまして、看護婦の就業者数が約四十万一千人、それから准看護婦の就業者は約三十五万三千人、合計で七十五万四千人でございますから、その比率は看護婦五三%に対して准看護婦四七%ということでございます。今申し上げました数値には男子の看護士、准看護士も含んでございます。
○日下部禧代子君 それでは、正看護婦への道というのはどのように講じられているのでございましょうか。准看護婦から正看護婦への道がどのように講じられているのかということについてお伺いいたします。
○政府委員(古市圭治君) 先ほど御説明いたしましたように、准看護婦の資格を取った方が看護婦学校養成所、これは二年課程と称しておりますが、ここを卒業されまして国家試験を受ける、このルートでございます。繰り返しになりますが、その二年課程に進むには、高等学校を卒業して准看護婦になった方はストレートで行けますし、それから中卒の准看護婦さんの場合には三年以上の業務経験を有してこの学校に入る、この二年を終わった段階で国家試験を受ける道が開かれているということでございます。
○日下部禧代子君 看護婦さん不足ということから何か新しい道というものは開かれていないのでございましょうか。それは従来あったことだと思いますけれども。
○政府委員(古市圭治君) 今お尋ねの件につきましては、実際問題として、向学心に燃えて看護婦の資格を取りたいと思う人にとっても今のルートは非常にきっいという話がございました。例えば二年間仕事をしながら通うというのは非常に大変だと、また三年の定時制というのもあるわけでございますが、それもなかなか大変だと。それからまた、この学校に入りますときに一般教養科目的なものがある。例を引きますと英語、数学というものもあったりする。そういうことが実際の何年間か准看の業務をやった人にとっては非常に一つのバリアー、障害になるということもございまして、来年度の予算で看護婦さんへの道をどのようにすればさらに拡大して准看の人たちがこちらのルートに米やすくなるか、二年制のあり方について検討会を開きたいと思っております。
 その中には、具体的に申し上げますと、ある程度学校に来なくても通信教育でカバーできる面があるんではなかろうか、それからまた英語、教学の試験というのも見直してもう少し実態に合った形にできるんではないだろうか、さもには推薦入学制というものもあり得るんではなかろうか、そういうものも含めまして、来年度具体的に検討をしたいと思っておるわけでございます。
○日下部禧代子君 現在、准看から毎年何人ぐらい正君への道、つまり進学をしていらっしゃるのでしょうか。
○政府委員(古市圭治君) 先ほど申し上げました二年制の看護婦学校養成所が四百十二校ございまして、そこに一万七千名が進んでいるということでございます。
○日下部禧代子君 次に、正看護婦とそれから准看護婦と分けて、年間国の運営費の補助というのはどのくらいございますでしょうか。
○政府委員(古市圭治君) 看護婦等養成所の運営費でございますが、これは教員の数等によりまして個々の養成所ごとに異なるものでございますが、大まかに申し上げますと、看護婦養成所の年間運営費は約九千万円、一人当たりにいたしますと年間七十万円。それから准看護婦養成所の年間運営費は約六千万円、一人当たりにいたしますと年間五十万円程度ということでございます。
○日下部禧代子君 今お伺いいたしましただけでも、やはりかなり経験を重ねてもなかなか管理職にはなれない、給与体系も変わらない、そしてまた資格というのは正看護婦と違いまして知事の免許というふうなことでございますが、臨床検査技師だとか管理栄養士、OTなどは国家試験、いわゆる厚生大臣の免許取得が今できるわけでございますが、かなり准看護婦の制度ということについて問題があるというふうに思うわけでございます。
 既に、昭和三十八年の三月二十三日の医療制度調査会答申、「医療制度全般についての改善の基本方策」という中におきましても、「現行准看護婦制度は必ずしも合理的なものとは考えられないので、根本的に再検討する必要がある。」というふうに述べられております。さらに、昭和四十八年十月二十五日の「看護制度の改善に関する報告」におきましても、「中学卒業者を基礎とする准看護婦教育制度の存続には無理がある。」、「切替計画達成の見通しのついた時点で現行の准看護婦教育制度の廃止を考慮することとする。」というふうに述べられております。また、昭和六十二年の「看護制度検討会報告書」を見ましても、「准看護婦学校養成所の指定基準を」「早急に見直すべきである。」というふうに出ておりますけれ、ども、厚生省は、これらの答申、報告に対しましてどのように対応をなさってきたのでございましょうか。
○政府委員(古市圭治君) 今御指摘の各種の検討会が行われましてそれぞれ報告書が出され、幾つかの意見が見られるわけでございますが、四十八年の「看護制度の改善に関する報告」の場合には、いろいろ私どもも検討したわけでございますが、このときの意見というのには、例えばこの問題に深くかかわります日本医師会の関係者の意見が十分反映していなかったんではなかろうかということも言われているわけでございます。そういうことから、一番直近では六十二年の「看護制度検討会報告書」、これが現状を一番よく分析して報告をされているわけでございますが、この中におきましても、この准看制度につきましては存続と廃止と両論、さらにはもう一つその他の道、三つの意見が出されているような次第でございます。
 このために、准看護婦制度の今後のあり方につきましては、このような経緯、状況を踏まえまして、今後医療関係者の御意見も聞きながら、慎重に対応するという必要がございますが、当面は大方の意見が一致しておりますこの推薦入学の拡大や通信教育の採用等によりまして、准看護婦の看護婦への進学の道を広めていくということが一番現実的な施策ではなかろうか。それからまた、最近非常に要請が強い看護婦さんの養成学校につきましても、准看護婦養成所の数は年々減ってきておりまして、現在六百十三校、それに引きかえまして正看護婦の方の養成所というのはふえてきている、こういうものを加速していくということが必要ではなかろうかと思っております。
○日下部禧代子君 それでは、准看護婦制度というのは次第に廃止の方向に向かっているというふうにとらえてよろしいのでございましょうか。
○政府委員(古市圭治君) 制度の廃止というようなことはまだ今後の検討課題でございましょうけれども、実態としてこれからはいわゆる高卒三年課程の看護婦さんがふえてくる。また、ふえるのが望ましい。現在おられます准看護婦さんはできるだけ進学の道を広くしてそちらの方で資格をとっていただく、こういうことから改善が進むというふうに思っているわけでございます。
○日下部禧代子君 それでは、次の質問をいたします。
 看護婦養成施設における養成校の定員数につきまして、昭和六十二年とそれから平成三年を比べましてどのくらい伸びているのでございましょうか。
○政府委員(古市圭治君) 看護婦等の養成所の一学年定員で申し上げさせてもらいますと、御指摘の六十二年は七万三百七十二人、それから平成三年度が七万二千八百六十九人でございますから、約二千五百人この間に増加している。ちなみに四十八年ごろは六万人でございました。
○日下部禧代子君 今看護婦さん不足ということが盛んに言われているにもかかわらず、何年間ですか、昭和六十二年から平成三年までの間にわずか二千五百人というふうに私は思うのでございますが、余り伸びがないように、大幅な増員というふうにはとれないように思います。
 この看護職員の養成校の定員増ということがなかなか実現しないということの大きな理由の一つに、教員の確保が非常に難しいということがあるのではないかと思うんですけれども、これは文部省にお伺いしたいと思いますが、今の国立大学における看護学科の教員の構成につきまして、特に教授ポストにつきまして医師免許の取得者と看護婦免許の取得者の割合をお聞かせいただきたいと思います。幾つかをアトランダムにピックアップしてください。
○説明員(喜多祥旁君) お答えいたします。
 助手まで含めました専任教員で申し上げますと、国立が六大学ございまして教員数が百六十七名でございます。医師免許を持っておりますのが三十五名、二一%でございまして、看護婦免許を持っておりますのが八十八名、五二・七%でございます。
○日下部禧代子君 私がいただきましたのによりますと、例えば弘前大学の教育学部の教員養成課程ですと、教授ポストでは医師が一〇〇、看護婦割合ゼロということになっております。それからまた、千葉大学看護学部の看護学科、教授五三%ということでございます。それからまた、東京大学医学部の保健学科におきましては、教授ポスト。六七%に対して看護婦免許の方は一一%。そしてまた、京都大学医療技術短期大学部の場合ですと、教授ポスト、医師が一〇〇%であるというふうな資料を私文部省の方からいただいておりますが、これは間違いないんですか。
○説明員(喜多祥旁君) 御指摘のとおりでございます。
○日下部禧代子君 といたしますと、看護学部の教授ポストにおきまして、医師免許取得者が非常に割合が高いということだというふうに私資料から判断いたしておりますが、そうなりますと、例えば看護職員の看護婦さんの養成、教育効果ということでかなりの問題が出てくるのではないか、いわゆる学生の臨床看護離れというふうなこともあるかもわかりませんし、いわゆる看護への関心がはぐくまれないというふうなこともあるかもわからないし、看護制度、いわゆる看護研究というものが発展しにくいというふうな問題もあるかもわからないというふうに思うわけでございますが、この点についてどのように考えていらっしゃいますか。
○説明員(喜多祥旁君) 御指摘のとおり、看護婦免許を持った教員、特に教授クラスが少ないことは事実でございます。看護教員、極めて不足いたしておりまして、その確保が非常に困難な状況でございますが、各短大、大学に現在おります講師、助手、助教授クラス、この方々に業績を積んでいただきまして早い時期に教授まで昇格していただくということを期待いたしておるところでございます。
○日下部禧代子君 看護学部教授養成のプログラムというのは特別にないわけでございますか。
○説明員(喜多祥旁君) 文部省といたしましては、今後の看護婦養成機関の整備につきましては、看護教育の充実と大幅に不足いたしております看護教員の養成ということに力を入れたいという観点から、大学学部レベルでの整備というものを図っていきたいというふうに考えておるところでございます。
 平成四年度でございますが、国立大学におきましては、広島大学医学部に保健学科入学定員百二十人、三年に編入学定員二十人の設置を概算要求しておりますし、東京大学医学部保健学科、これの看護系講座を充実いたしまして名称を健康科学・看護学科に改め、そして編入学定員二十人の要求を行っておるところでございます。
 また、私立大学につきましては、来年四月開設ということで二校につきましてこの二十日付で認可する予定でございます。また五年度開設で二年審査の一次を一校がパスいたしておりますし、そのほかに公立大学で十一校、私立大学で六校、現在設置の相談を受けておるところでございまして、これらにつきましても、できるだけ早い時期に実現できるよう指導、援助していきたいというふうに考えているところでございます。
○日下部禧代子君 今お伺いいたしましたけれども、私前回の質問でお答えをいただいたんですが、四年制の看護課程のある大学というのは全国で十一校しかない。それで定員が五百五十八人、マスターコースの場合は定員が六十八人、ドクターコースに至っては十三人しかないという、余りにも医師の場合とは違う数字で改めて驚くわけでございますけれども、なかなか数字としては難しいかもわかりませんが、医師あるいは看護婦さんの養成のために国が使う費用の比較ということをしていただけるとありがたいのでございますが。
○説明員(喜多祥旁君) 国立学校の予算でございますが、附属病院、研究所を含めまして国立学校特別会計に計上いたしております。三年度の予算額がおよそ二兆円でございまして、その中でどの学部、医学部、看護学部に限らず文学部、経済学部すべて同じなのでございますけれども、学部の予算につきまして正確に算出することは極めて困難でございますが、学校基本調査から推計いたしますと、元年度の数字でまことに恐縮でございますが、医学部につきましては年間一人当たり三百七十万円、看護学部につきましては年間一人当たり百七十万円程度になるかと推計いたしております。
○日下部禧代子君 看護教育の必要性につきましては、先ほど私が申し述べました三つの答申あるいは報告におきましてもるる述べられているわけでございまして、国の責任ということでそれらはなされなければならないというふうにいずれの報告あるいは答申にも書かれているわけでございます。この国の責任ということにつきまして、どのように考えていらっしゃいますのでしょうか。
 そのことも含めまして、そしてまた、これからのいわゆる看護職が本当に魅力ある職場であるためにはどのようなことを国の責任として考えていらっしゃるのか。これからの高齢化社会に向かいましてのいわゆる看護職が専門職としての地位を確立てきるのかどうか、どのようにしたらその地位が確立てきるのか。そしてまた、これから高齢化社会におきましては、医師中心というこれまでのあり方から、いわゆる看護婦さん、保健婦さん、助産婦さん、あるいはその他のいわゆるコメディカルスタッフとの連携ということがこれからの医療ということでは非常に重要になってくると思いますが、それらのことを考慮に入れまして、これからの医療のあり方、資格制度、それから処遇、システム、そういったことを今再構築するべきときに来ていると思うのですが、大臣の御所見を伺って私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(山下徳夫君) 国民に適切な医療を提供するということから、資質の高い、そういった看護職員等の確保が重要であるということはもうるる御説明申し上げているとおりでありまして、このため国としては、従来から看護婦等職員の養成所の整備、運営について補助を行ってきたところでございますが、現在看護職員の不足が大きな問題となっておりまして、このことについて平成三年度には、細かには申し上げませんが、できるだけの予算の増を図ってきたところでございますが、今後とも必要な職員の養成についてできるだけの予算を獲得してまいりたいと思います。
 二十一世紀の本格的な高齢社会においても適切な保健医療サービスが提供できるようになるためには、先ほどから申し上げますように、マンパワーが何といっても一番必要でございます。極めてこれは重要な課題だと私も認識をいたしております。したがいまして、勤務条件の改善や社会的評価の向上等を図るべく、予算、融資あるいは税制等についても幅広い対策を着実に積み重ねていく必要があると思いますし、次期通常国会においてこれらに必要な法律案を提出しなければならない、かように理解をいたしております。
 しかしながら、保健医療・福祉マンパワーの確保の問題は、今後の保健医療・福祉サービスに対する需要の急激な増加や若年労働力の減少などを考えますというと、中長期的な見地からの対応が必要であると認識をいたしております。これは今後の状況の推移を見ながら息の長い取り組みをしていかなければ簡単には解決できない問題だと、これから長期にわたってしっかりと取り組んでいくということでございます。
○菅野壽君 質問に当たりまして、山下先生の厚生大臣就任を深くお祝いを申し上げるわけでございます。何と申しましても、国会においては衆議院で社労委員長、内閣においては束ね役の官房長官をされた大変な功績のある大臣でございますので、国民の期待するところ非常に大なるものがあると思います。その期待を込めまして、時間が十分間というふうに制限されておりますので、二点だけ大臣からお答えをいただきたい、こう思っております。
 御存じのとおり、先ほど来看護婦さんの問題については大変なことを先生方から御質問ございましたが、何と申しましても今五万人ぐらい看護婦さんが不足しているんじゃないかというふうな点でございます。それで非常に過酷な職場で、年々看護婦さんを志望する方も減っていくんじゃないかということを憂慮するものであります。その中で、看護職員の方は全国で大体五十九万。国公立の方々はその中で二十三万人ぐらいいる、私的医療機関においては三十六万、すなわち二対三の割合でございます。
 同僚議員から先ほど来、看護婦さんの給与の問題についてぜひ是正をしてもらいたいというお話がございました。国公立病院は何と申しましても人事院勧告のベースでその都度上がってまいります。しかし、残された私的医療機関に勤務する看護職員の方々は、健康保険のいわゆる診療報酬の引き上げ、私は引き上げと言いたくないんです、これは後追い是正です。諸物価が上がった後に何年か据え置かれた医療費が上がる、いつまでも追いつかれない。後追い是正の医療費。それから看護婦さんの給料を人事院勧告に沿って私的医療機関は決めていかなきゃならぬ。それが全部診療報酬につながっていく。あまつさえ、このごろは医療機関から出る廃棄物、これも診療報酬の中からいただいている、その中から捻出せざるを得ないということで、私的医療機関においては財政的に非常に苦しい。そこここから医療機関をやめた、言葉は悪いがつぶれたというふうな話も聞いております。
 どうかひとつ、この看護婦さん尊いわゆる医療担当従業員の賃金を上げるのには診療報酬をどうしても是正していただかなきゃならぬということでございます。その点を大臣からお聞きしたいと思います。
○国務大臣(山下徳夫君) 御案内のとおり、診療報酬の取り扱いにつきましては、中央社会保険医療協議会において今日まで鋭意御審議をいただいたところでございます。きのう診療報酬の取り扱いに関する同協議会としての意見がまとめられたところでございます。
 同協議会の意見におきましては、良質な医療の効率的な供給、看護対策の充実、この点の必要性を指摘されているところでありまして、先ほど来るる看護問題についても御議論、御意見がございましたように、私もことしは従来にない決意を持って診療報酬の改定には臨まなきゃならぬなという、決意を新たにいたしておる次第でございまして、十分な措置がとられるように、さらに予算の編成時までに残された日数この問題に対して精力的に対処していきたいと思っております。
○菅野壽君 ただいまの大臣の決意に感銘しておる医者の一人でございますし、また、国民の医療を預かっている者の一人でございます。
 診療報酬の改定をまた申し上げますが、日本医師会を中心といたしまして医療料金、いわゆる診療報酬の引き上げを緊急課題として出しておられまして、きのうも、大臣が申されたとおりに意見が出ているようでもございますが、どうかひとつ、私的医療機関は国公立と違いまして、その敷地、それから設備、設備の中でも医療設備、それをやはり充実して国民医療にこたえていくためには、どうしても先ほどに戻りますが、診療報酬でいただいたものから捻出せざるを得ない。それで年々歳々、国公立病院は立派な施設をつくっていらっしゃる、それに我々私的医療機関は追随していかなきゃならぬ。それもこれもみんな診療報酬からいただいて、血の出るような、看護婦さん、職員さん、そしてまた医者の使命がそこにあるのでございまして、そしてその人たちの懸命なる努力によって支えられておるのでございますことは御承知おきのとおりでございます。すべての点について診療報酬にしか頼ることのできない私的医療機関のこと、先ほどの大臣の御決意を力強く拝聴したわけでございますが、開業医もそういうわけで年々減っていくというふうな状態でございますので、どうか国公立並みの医療設備ができるように、我々がついていけるような診療報酬の引き上げを大臣も御記憶いただいて、大蔵省もなかなか査定がきっいようでございますが、どうかひとつ大臣のたゆまぬ御努力によって、私的医療機関、先ほどは公的医療機関の看護婦さんの確保の話がありました。私的医療機関のためにも十分にその診療報酬のことについて重ね重ねお願いいたしまして、私の質問を終わりますが、大臣、一言お願いいたします。
○国務大臣(山下徳夫君) 先ほどから申し上げておりますように、適切な保健医療・福祉サービスをやるためには、現時点において何といってもマンパワーを十分確保することであると思います。そしてこのマンパワーを確保するためには、今の時点においては診療報酬で十分内容的にこれを盛ることが一番大事だと思いますから、私今後とも、一応の先ほど申し上げましたような意見の調整がきのう図られておるようでございますが、さらに最終決着まで一生懸命頑張ってまいりたいと思っております。
○菅野壽君 ありがとうございました。よろしくお願いします。
○委員長(田渕勲二君) 本調査に対する午前の質疑はこの程度にとどめ、午後零時三十五分まで休憩いたします。
   午前十一時四十三分休憩
    ―――――――――――――
   午後零時三十五分開会
○委員長(田渕勲二君) ただいまから厚生委員会を再開いたします。
 午前に引き続き、社会保障制度等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○高桑栄松君 それでは、質問をさせていただきますが、質問に先立ちまして、山下大臣には私は大臣が運輸大臣をなさっておられたときに、昭和六十年三月の十六日の予算委員会でしたが、私は輸送機関の安全確保がいかに重要であるかと、それを主要ライフワークにしてきた人間なものですから、そういうソフト面を含めてお話をしました。ところが、大臣の御答弁がもう私以上に何でも知っておられて、今議事録を見て、もう私以上に御返事をいただいたというので非常に私が喜んでいるという文章が載っておりました。
 そして、そのときにJALの、特にアンカレジのカーゴが落ちたのと、それから羽田沖事故があったでしょう。あれの話を特にJALについて取り上げたんです。ところが、その五カ月後の同じ昭和六十年八月十二日にJALのボーイング747の御巣鷹山があったんですね、五百二十名亡くなった。ところが、たしか後で伺うと、大臣はあの東京行きの便に乗っておられた、その引き返し便が落ちたというふうに僕は承って、いや大臣は本当に間髪の差で命を、そういうことがあり得たんではなかろうかと、非常にそれも私の記憶にも残っている大事なお話でございます。そのときのことを思い出しまして、大臣はこれについてはもう私以上の御見解がございまして、私は大変喜んだ覚えがあります。
 きょうもあのときと同じように、エイズについて質問させていただきますが、どうぞあのとき以上にひとつ御賛成の御意見をいただきたいと、こう思って実は前置きをさせていただきました。よろしくお願いいたします。
 エイズ関連は、私何度か質問をさせていただいておりますが、ことしの五月、総理府の世論調査がございました。そのデータを見ますと、今後も増加するだろうという国民の認識は七割の人が持っている。しかし八割の人は私だけは大丈夫だと、こう思っているというのが出ておりました。この辺非常に重要なところでございまして、そこへあっという驚くほどいわゆる世界での有名人が次々とエイズに感染したとか亡くなったとかという記事が出ました。
 真っ先に挙げるのはマジック・ジョンソンというプロパスケットボールのレイカーズのもう本当花形選手です。私はバスケット好きなものですから、時々夜中の一時、二時でもバスケを見て寝不足したりしておりましたが、そのマジック・ジョンソンですが、私はよくテレビで知っている人でございます。この人が三十二歳でございますが、九月に結婚をした写真も新聞に出ておったんですけれども、それがこの十一月の話であります、感染をしたので引退をするということでございました。そして彼の言葉は、自分はホモではない、麻薬中毒でもない、それなのにうつったということを言っているわけです。したがって、ホモでも麻薬中毒でもない、つまり普通の意味での異性間接触でうつった。だから、きょうの私はあすはあなたかもしれませんという警告を彼は発したということでございます。これは私も知っているマジック・ジョンソンです。
 そのほかには英国の映画監督トニー・リチャードソンという人が、やっぱりこれはことしの十一月でありますが、六十三歳、米国ロサンゼルスで死亡している。もう一人、同じく十一月、何かこの十一月に全部殺到しておりましたね、フレディ・マーキュリーという、英国のロックバンド、クイーンのリードボーカルだと書いてございましたが、四十五歳、ロンドンで声明を発表した途端にか翌日かに死亡したというのが出ております。
 年齢も重要であります。マジック・ジョンソン三十二歳、トニー・リチャードソン六十三歳、フレディ・マーキュリー四十五歳。つまりいわゆる生殖可能年齢を六十までといってよくとっているんですけれども、六十三歳の監督もエイズで死んでいるということでありまして、これは年をとっている人が安全であるということではないようでございますから、これが非常に問題になっているわけですね。
 そこで、ブッシュ大統領の言葉を引用いたしますと、ことしの十一月の二十七日のNHKでこれがたしか出ておったんですが、ブッシュはこういう一連の事件を見て、その原因究明と患者救済に全力を挙げたいということを表明しております。これらのことを考えますと、アメリカ、ヨーロッパよりももっとアメリカの方が危機感が高まっているんじゃないかと思うんですが、危機感の高まりは我々日本人の予想以上に非常に高いということが挙げられると思います。
 そこでもう一つは、「エイズ不安広がるスポーツ界」というのが見出しで新聞に載っておりましたが、私は前々からそう思っていて、これはまだ質問には入れていなかったと思いますが、流血を起こすような格闘技については我が国は何にも対処していない。これほどうか。出血をいたします。そして殴り合う。例えばボクシングなんかは傷がついているから血が出るわけであります。それがもし感染者と対戦をいたしますと、もう血液には大量のウイルスがあって、一〇〇%うつると考えていい。殊に傷がついた相手ですと傷からはもう間違いなくウイルスは感染すると見なければいけない。その流血の起こるような格闘技、例えばボクシング。プロレスリングなんというのはわざとだという話ですが、あっちこっち血を出すことがレスリングのショーの一つであるというようでありますが、そのほかにラグビーだとかアメフトだとかサッカーだとか、ぶつかって血を流すようなことがいっぱいございます。そういうのについて厚生省はどういう対策を考えておられるのか、伺いたいと思います。
○政府委員(寺松尚君) 今高桑先生からいろいろお話がございました。確かに最近、有名なスポーツ選手とか俳優とか、そういう著名な方々が亡くなられるということが外国から報道されております。
 それで、実は今の先生の御指摘の格闘技のお話でございますが、私ども英国あるいはアメリカにおきまして、そういう格闘技のいろんなスポーツ団体からエイズの検査をしなければ格技をやらせないとかいろいろなお話が出ておるようなことは承知いたしております。
 我が国につきましては、先生も御指摘いただきましたように、全般的な国民の啓蒙ということはやっておりますし、また関係各省庁ともそれぞれ関係の傘下のことの御指導をお願いしたいということで連絡会議をつくってそしてさらに専門家の専門家会議あるいは関係閣僚会議というようなものを通じましてやっておるわけでございますが、ちょうど先生が御指摘いただきましたことにつましては、まだ十分な対応をしていないと考えております。
 そこで、私ども格闘技におきます具体的な感染防止対策につきましては、感染の危険度でありますとかあるいは諸外国での取り組み等を参考にいたしまして、あるいはスポーツ団体等の意見あるいは実態等も把握しながら、関係省庁ともこの問題について前向きでいろいろ御相談をして対応してまいりたい、このように考えております。
○高桑栄松君 英国のプロボクシングの世界ではボクサーにエイズ検査を義務づけているということなんですね。今のお話で日本はまだ、今考え中のようでありますが、医学的な立場から言えば、流血を見るようなものを禁止しない限りはやっぱり検査を義務づけなければいけないんじゃないかなと、これが嫌な人はやめるしかないんじゃないか、私はそう思うんです。
 後でまた、これとは違いますけれども医者の問題も出てきますので、お考えをいただきたいことがいっぱいあります。
 それで、その次でありますが、つい最近、ことしのやっぱり十一月十六日の新聞及びNHKのニュースに出ましたが、東京地裁に第三次エイズ、血友病患者の提訴があったと。きょうは血友病患者の感染者救済についての私の意見を述べさせていただくつもりで今いるわけですが、東京地裁に第三次提訴があった。大半の陽性感染者が息を潜めて難病と闘っていると。この表現が非常にエイズ患者の実態、エイズの感染者の心をあらわしていると思うんです。息を潜めてという表現が非常に問題の部分だろうと思うんです。そして新聞でもテレビでも出ましたが、その方々が皆さんの前に姿をあらわしても影絵で物を言っていますよね。やっぱりこれは考えてあげなければいけない部分である。こういうことで今までたびたび申し上げましたが、きょうは少しきつく厚生省に物申したい、こう思ってやってまいりました。
 この提訴をしている人のポイントというのは何でしょうかね。何を求めているんでしょう。
○政府委員(川崎幸雄君) 今先生おっしゃいましたHIV感染者の方々が訴訟を提起されております。そういった訴訟のポイントについて、いろいろあろうかと思いますけれども、私どもとして整理させていただくといたしますと、一つは、血液凝固因子濃縮製剤の承認についての過失の有無、それから濃縮製剤にHIVが混入し、製剤の使用者がウイルスに感染することを早期に予見することが可能であったか否か、さらに加熱処理等によりウイルス感染のおそれのない製剤を早期に供給することが可能であったか否か、こういったようなことが訴訟のポイントであるというふうに考えております。
○高桑栄松君 ところで、最近非常に新聞紙上をにぎわしている、私はこういう記事は特に注目をして点検したつもりでございますけれども、フランスで同じような問題が出て、フランスでも血友病患者の人たちが集団訴訟を起こしている。つまり国の責任があるかないかを今争おうとしているわけでございますが、これについての情報をひとつなるべく簡単に教えていただきたいと思います。
○政府委員(川崎幸雄君) 私どもの承知している範囲内でお答えさせていただきますけれども、フランスにつきましては新聞報道を見る限りにおきますと、エイズ対策の知見が相当に確立されました一九八五年半ばにフランス政府が血液によるウイルス感染について十分な対策をとらなかったといったことの問題提起がなされているようでございまして、この点は我が国とは事情を異にするのではないかという印象を受けております。しかしながら、フランスの状況につきましては、新聞に掲載されたところのみしか承知しておりません。その他につきましては、詳細を十分把握していないところでございます。
○高桑栄松君 情報源が新聞で、同じであるということがよかったか悪かったかわかりませんが、私の読んだのでお話をさせていただきますと、本年十一月二十八日でありますが、フランスのツールーズ裁判所が、きれいな血液製剤供給義務を怠って血友病患者にエイズの感染を起こしたということで、国立中央血液センター等に対して、原告患者三人に計六百三十万フランを、日本円換算一億五千百二十万円の賠償金支払い命令を出したと明快に書いてございます。そして、日本と事情が異なるとおっしゃいましたが、同じなんですよね。血液製剤で感染したかどうか、国がそれに責任があるかどうか、これが問題なわけですからね。
 そこで、との争点でありますが、争点は、国はいつ非加熱製剤から加熱殺菌製剤へ切りかえるべきであったか。やっぱりそれが補償の問題になってくるわけです。国は大幅な補償を行う方針を打ち出して、基金を設ける法案を国会に提出することを承認したと。これは朝日のことしの十二月三日の新聞でございます。
 そうかと思っておりましたら、国会かと思っておりましたら、同じく十二月七日の新聞に、フランスのクレッソン首相は四日、輸血によるエイズ感染者救済のための課税法案を見送ると発表したと。これは身内の社会党がノンというのを出したからであると書いてあります。しかし、その説明には、国のミスを国民の税金で負担させるのはだめだ、予算措置でやれ、こういうことで見送りになったというふうに書いてあります。しかし、一たび法案を国会に提出することを承認した、ただ、それを税金でやるかどうかが今問題になっているように、今までの新聞情報では私はそういうふうに理解をいたしました。
 したがいまして、これについて基金をどれぐらい考えているのか、今伺おうと思ったんですが、その前に今のデータをちょっとお話ししますと、フランスはエイズに感染した血友病患者は千二百人、これは人口が日本の半分ぐらいでしょうから、まあそんなものなのかもしれませんね。一般の輸血感染者も含めてというからこれは大変な数に上るんじゃないかと思いますが、約五千人ということであります。これに対して基金を百億フランを考えている。いいですか、百億フラン、二千四百億円でありますから。
 そこで、我が国に戻って質問をさせていただきます。我が国が凝固因子製剤の加熱製剤を開発指導をしたのは何年何月か、アメリカはどうか、まずこれを伺います。
○政府委員(川崎幸雄君) アメリカが加熱凝固因子製剤を承認いたしましたのは……
○高桑栄松君 承認じゃないです。開発指導です、聞いているのは。
○政府委員(川崎幸雄君) 開発指導でございますか。
○高桑栄松君 はい。指導して、後で承認しているんです。
○政府委員(川崎幸雄君) それでは、日本の場合を申し上げますけれども、我が国におきましては一九八三年、昭和五十八年の八月に加熱凝固因子製剤の早期開発を関係企業に指示しております。そして一九八五年の七月に承認をいたしております。
○高桑栄松君 アメリカのはお持ちでないんですね。
○政府委員(川崎幸雄君) アメリカの承認は、一九八三年の三月でございますが、これはエイズ対策というよりも肝炎対策として開発されたものでございます。
○高桑栄松君 開発指導はアメリカは一九八三年五月です。これは厚生省からもらったデータですから御存じないはずがない。八三年八月は日本。三カ月のおくれです。アメリカが承認したのが八四年二月。さっき違いましたよ。八四年二月。そして日本が八五年七月。一年五カ月がおくれております。開発指導が三カ月おくれた。もし同じペースでいけば、日本も三カ月おくれでいいはずであります。一年五カ月というのは、その差が一年二カ月おくれています。
 あなたは今肝炎のことをおっしゃいましたけれども、肝炎が、まあ答弁はそうなったんでしょうが、肝炎で結構です。肝炎でもなぜおくれたかということが問題なわけです。一だから、肝炎ならうつっていいのか。肝炎は肝がんに至りますからね。汗顔の至りじゃありませんか。それは肝炎だからいいなんという考えは、僕は厚生省としてはまことにこれはだめだと思いますよ。人の命にかかわることなんだから。肝炎の治療薬はないんですからね。エイズほどきつい病気ではないかもしれない。しかしきついです、これは。肝臓がんが行く先に待っているんだから。それはパーセントは少ないかもしらぬ。パーセントが少ないから死んでもいいというわけにはいきませんよ、それは。ですから、同じです。私はそういう答弁をもらうと思わなかったけれどもね。肝炎で逃げようというのはだめですね。これは逃げるわけにいかぬのです。だから、これは加熱しなければいけない。
 そうすると、いいですか、八三年五月と八三年八月、三カ月おくれたが、日本はアメリカに追随したのか、自己の独自の見解でやったのか、まず伺いたい。
○政府委員(川崎幸雄君) 別に肝炎で逃れているわけじゃございませんで、事実を申し上げているわけでございまして、アメリカにおいて加熱製剤が開発されたといいますのは肝炎対策のために行われたもので、また承認もそれで行われているわけでございます。ただ、エイズ対策としての加熱製剤の有効性につきましては、アメリカ政府の機関でございますCDCにより評価されましたのは一九八四年の十月でございます。さらに、広く認められるようになりましたのは、一九八五年の四月のエイズ国際学会でございます。当初は、加熱によりますたんぱく変性等によります副作用というものが大変危惧されまして、米国におきましても、承認はされましたけれども、加熱製剤が広く使われるようになりましたのは一九八五年ころ、こういうふうに聞いております。
○高桑栄松君 いや、そういう副作用が危惧されたから開発指導をしていたわけですよ。その線でどっちがいいかということで承認になったはずなんですね。それはもう間違いない事実だと思います。
 それから、まるで八三年、四年、五年のあたりエイズは関係なかったというふうに聞こえましたので、もう一度別な反論をさせていただきますと、大阪エイズ訴訟の弁護団が、これはことしの十一月二十三日の北海道新聞に載っておったんですけれども、弁護団が、米国の製薬会社の内部文書でエイズの危険を九年前に指摘していたと。内部文書は一九八二年の十二月であります。だから、今からそれほど昔ですね。つまり今から九年前ということで、既に指摘している。この情報は厚生省はつかんでいましたか。伺いたい。
○政府委員(川崎幸雄君) 御指摘の文書につきましては、存在することは聞いておりますが、文書の性格など詳しいことは存じません。文書が出されました一九八二年十二月の段階では、エイズの病因等について不明でおった時期でございますし、血液凝固因子製剤からのエイズ感染の危険性については明らかでなかったものと考えられます。
○高桑栄松君 それは、明らかでないから危険は知らぬ顔してもいいというものじゃない、そんなことはないんですよ。危険であるかもしらないとなったら、これに対する対策をとらなかったら責任は問われるわけだ。当たり前のことじゃありませんか。全く無知なのなら話は別だ、これはね。それは確かに一九八一年に初めてアメリカで五例の不可思議な病気の者が出た「五名。これが公式に出たエイズ患者の最初の例、五例であった。八一年です。そして八三年に初めてHIVが確認されたわけです。その確認されたのはフランスのパスツール研究所のモンタニェです。一年おくれてアメリカのNIHのギャロですね、彼が発表したわけだ。争ったのは御承知だと思いますね。
 ついでに批判をさせていただきますと、日本国際賞というのをこの二人に与えたんですね、フランスのモンタニェともう一人アメリカのギャロです。二人に日本が国際賞を出したんです。私は興味津々で行ったですよ、朝日講堂に。この講演はどういう話になるか、火花を散らすんじゃないかと思ったわけです。ついでに言わせていただきますと、このときに山下大臣の奥様の弟さんがやっぱり国際賞をもらわれたんです。私も喜んで参上したんですよ、蟻田功さんですね。とてもうれしかったです。私は興味津々聞きました。さすがに日本人と違って切ってしまえみたいな論争はないんだな。ヨーロッパ、アメリカ人のエデュケーションを受けた人たちの論争というのは聞いていて非常に気持ちがいい。
 しかし、モンタニェは絶対に譲らなかったな。私が一番だとは言わなかったけれども、譲らなかった。僕は学者ですから、一年前に出た人がやっぱり最初の人間だと思っています。ノーベル賞をもらうのはこの人だと思っています。そしたらどうですか、ことし大統領がこの二人の中に立とうとしたんですね。しかし結局はモンタニェにアメリカの先生が譲ったんです。譲るというのは、自分が認めたんです。モンタニェが送ってきたHIVを、自分のところに置いてあったのをうっかり使って自分も発見した。それは遺伝子か何かいろいろなことをやったら同じものだとすぐわかっちゃったわけです。同じものであった、私が間違っていたと。
 そのときの新聞の批評は何と出ておったと思いますか。新聞評といっても私もそう思います。やっぱり第一発見者、モンタニェですよ。もう一人のギュロは偉いんだけれどもだめなんだ、これは。学問を偽った人は恐らく学界から消えていくだろうと言っていますね。
 その次に出ているのが私は本当に情けなかった。日本はなぜこの二人に賞を出したんだ。日本のノーベル賞、いや、あなた方の責任じゃないですよ、私の意見で言っているんです。学者としての僕の意見を言っている。なぜ二人に出したんだ。日本の学会は恥をかいたんじゃないかと言うんだ。おれに相談してくれと言うんだ。そうしたら僕は一年さきの人が最初の発見者で、二番目は何といったって二番せんじですよ。どんなことを言おうと二番だと僕は思っています。しかし、同じものを使ったということがもう遺伝子でわかるんですよね、遺伝子をずっと分析してみると。そういうことがあったですよ。
 厚生省がこれに知恵をかしたんじゃないかという疑いもなきにしもあらずですけれどもね、国際賞ですから。そうすると、厚生省の見識が問われているかもしらぬ。相談があったら返事を何かしなかったか。いや、これは聞いているんじゃありませんから。厚生省の責任というのは逃れられないんだな、何でも。
 ですから、そういうことでもうHIV感染が当時あると、あなた方は肝炎だと言っているけれども、肝炎よりもエイズのことをみんな頭に入れているんだ。ただ、はっきりしなかったというか、自信がなかったというか、とりあえずは肝炎で答弁ができるわけだ。あのとき何でもそうですよ。エイズの感染は全部肝炎を手本にしてくれと。したがってあのときは、エイズの感染を予防するのに同じ洗面器を使うな、同じ手ぬぐいを使うな、ひげをそるにも使うな、歯ブラシも別にしろなんというのはみんな肝炎のとおりでいいと思ったんです。ただ、エイズが抵抗力が少し菌としては弱いだろうという、それだけの話です。
 ですから、私が言おうとしているのは、私は高桑公害原論というのがございまして、学生に講義しているんです。もう二十年も前の話です。公害といっても知らないときがあったわけです。それは未知の時代です。それがだんだん解明されて既知の、だれでも知っているところへ入る。それでもわからないのを無知という。未知のときの責任は問えない。だれでも知らないんです。既知のときに、知っていて知らぬ顔をしたら犯罪である、高桑原論でございますから。無知、これはむちをもってひっぱたくしかない。しょうがないものね。無知なやつに責任あるポストにいてもらっちゃ困る。だから、そういう人が責任あるポストにいれば、無知はむちを持って追い出せということだと思うんです。
 厚生省は、エイズについてはどっちであったか。肝炎で、エイズは知らなかったとおっしゃるのか。知っていてそういうことをおっしゃったのか。僕は、開発指導したときには肝炎が表向きであって、エイズが一番のポイントであったと思っていますから、それを知らなかったとすれば、これはひどい話だ。無知に近いんじゃないか。あるいは既知なのを知らぬ顔をしたんでないか、こう思います。どっちですか。無知なのか既知なのか、それとも未知なのか、どっちなんですか。
○政府委員(川崎幸雄君) 私どもは肝炎対策として開発が行われたというふうに聞いております。
○高桑栄松君 エイズについて無知か既知かを聞いているんですよ。僕は肝炎のことを言っているんじゃないんだ。どっちだったのか。知らなかったんですか。考えてないのか。
○政府委員(川崎幸雄君) 当時ですか。
○高桑栄松君 はい。
○政府委員(川崎幸雄君) ですから、アメリカが開発いたしましたのは肝炎対策として開発されたというふうに聞いております。
○高桑栄松君 それでは、既知のものを無知だと言っているわけだ。これは国の責任は絶対ですよ。そんなことをおっしゃるなら国の責任は極めて重大だ。知っていたけれども、少しあいまいであったんだということかなと思ったんだけれどもね。知らないわけないじゃないですか。もう私が質問したときには天下周知のころ、昭和六十一年ですけれどもね、やっているわけですから。そんなことは周知のときですよ。それでも日本人はほとんど知らなかったんですよ。
 厚生省の答弁をもう一度ひっくり返してもいい。僕は当時十万人に一人ぐらいの感染率があると、単なる統計で言ったんです。僕の仮説が入ります。単なる統計で、千四百人の患者が出たときに、私が言ったのは統計的には恐らく十万人に一人の感染者がいる。そうすると輸血で無華感染が起きる。九百万人のサンプルがあるわけですからね。十万人に一人といったら九十人ですよ。半分で四十五人です。三分の一でも三十人です。これが毎年必ず感染してきたんです。それで僕は急げと言ったんです、献血血液検査を急げと。厚生省の答弁は何でした。私たちは二年にわたって二万四千人のモニタリングをやったらゼロでした、だからいいみたいな言い方をし丈、ゼロでしたと。僕はそのとき怒り心頭に発したですよ。私は十万人に一人だと言ったんです。二万四千ではゼロてあっても統計的に不思議はない。しかし百万人に一人でもこのエイズ感染血液を輸血に使うか使わないかを判定できる人はいませんから、国がこれをチェックする以外責任は持てないということを言った。厚生省の答弁は、私これは無知の限りだと思ったよ。統計も知らぬのだ。
 そうしたら、後藤田正晴さんが、当時官房長官でした。私の質問の終わった昭和六十一年三月十四日、終わったその日に記者会見をなさって、いい議論であったと。これは文章のとおりですよ。予防は重大である。銭金を惜しんではいられない。参議院の予算委員会というのは予算ないようなものですからね。だから銭金を惜しんでいられない。なければ政治決断でつける。私は後藤田正晴さんを非常に尊敬しています。普通ならば、高桑が言ったってあれは誇張しているかもしらぬから、厚生省の専門家に聞けと言うのだと思うんだ。言わない。その日ですよ。翌日の朝刊に載ったんです。もっともあのとき居眠り閣僚なしとも書かれましてね。
 それで、どれぐらいかかるか、当時厚生省に聞いたとき、一件千円だと。九百万というと九十億円です。いいですか。昭和六十一年十一月一日、初めてこの日から全日本で献血血液のエイズチェックが始まったんです。私が言わなかったら何年がおくれましたぞ。それまで毎年何十人か統計は統計であってデータではありませんから、推測でありますが、少なくともゼロではない。それまで毎年何十人かが輸血血液でうつっている。そのチェックを厚生省はしなかった。明らかだ、これは。はっきりしています。これは逃れられない。フランスは輸血血液でうつった人も救おうとして五千人と言っている。経済大国日本がこれを救えないのか。私はもう情けなくて情けなくてね。私は、厚生省は身内だと思って今まで言ってきたし、今も身内だと思って言っているんですよ。これ以上責任逃れしていちゃいけない。
 私が言おうとしているのは、データは幾らでもあるけれども、一体日本はこのエイズの血友病患者の基金には今どれぐらい出していますか。時間がなくなっちゃった、大演説ぶっちゃったから。時間がないから急いでください。済みません。
○政府委員(川崎幸雄君) エイズに関します救済制度の基金といたしましては、平成二年度で三億三千四百万円、これは血液製剤供給企業五社等によって拠出されております。
○高桑栄松君 先ほどフランスの話をいたしましたね。フランスは二千四百億円と言っているんですよ。いいですか。日本に比べて人口が半分、GNPは何ぼか調べていないけれども、日本は世界第一位じゃありませんか。三億の四億のというのは、一体そんなもの数になるんですかね。
 スモンのときはどうでした。幾ら出しました、スモン。
○政府委員(川崎幸雄君) スモンにつきましては、スモン訴訟におきます和解一時金の負担割合といたしまして国が三分の一の負担をいたしております。これまでの支給総額は、国の負担分は四百六十八億円、メーカー負担分が九百五十二億円でございます。
○高桑栄松君 私の方でもう少し正確にお話しします。国庫負担が四百六十八億円とおっしゃっていた。これはまあそうでしょう。メーカーは田辺が五百億、武長、チバガイギーで四百五十億、計一千四百十九億円です。スモンのときはそれだけ出している。どうしてこのエイズの、血友病患者という、本人がやむを得ず注射をしなければならなかった、血液凝固製剤でうつった人に対して、たかが三億だか四億でいいんですか。
 もう一つは、発症者だけに月額二十二万一千円を出している。発症しない人はゼロなんです。もらいたいのは陽性者ですよ。しかし陽性者は息を潜めているんです。名のり出るのもはばかっているわけだ。この人たちに対して一銭も出ていない。しかも、エイズ感染をしたときのその人たちのストレス――息を潜めている、生きていくのがやっとなわけだ。そういう人たちには発症しなければ出さぬと言っているわけだ。フランスは違うようだ。しかも血友病だけじゃない。輸血感染も入れている。我が国は輸血感染も絶対にあるんですよ。いいですか。僕の言う前からあるんですよ。私が言った後は輸血感染はなくなったと僕は信じていますけれどもね。信じているというのは、そうでない部分があるということを言っているんですよ。余り言うとみんなもう不安になるからね。僕はそれを言っている。
 ついこの間、法政大学の教授が自殺しました。五十二歳です。十二月八日、真珠湾のときだね、これ。山下さんという方が英国留学をして、途中で体調を崩して帰ってきた。エイズだと思ったわけだ。テレビの取材で同僚が言っていますよね。言いにくそうにして、何だかエイズみたいなつもりのようでしたと。話を総合しますと、二回検査をしてマイナスであった。化学的にはそれでいいと僕は思うんだけれども、本人はどうしても不安だったんでしょうね。奥さんと別居していた。そして自分は自殺をした。奥さんが、何か電話があったんで行ってみたら、死にかかって、死んでいないと思って奥さんは――悩んでいた、別居していただんなさんでしょう、かわいそうだと思って刺したと書いてある。しかし生体反応がなかったから、死後刺したんだということがわかった。
 これはエイズのストレスですよ。生きていかれないんだよ。だから、外国ではエイズ患者に対して、要するに安楽死協会だ、エイズ患者が安楽死を希望するんですよ、もう生きていられない、希望がないと、そう言っているんだから。オランダで十一名かの患者を医者が黙って安楽死させたのがあるんだ、新聞に出たからね。もう何年も前ですよ。我が国が肝炎だとかなんか言っているころじゃないですか。向こうはもう既にエイズで死んでいくのを安楽死させているというのが出ましたものね、医者がですよ。結局は不問に付されたようだよ。
 ですから、私が厚生省に言いたいのは、なぜ発症者だけに限っているのか。陽性者は全部数えと。エイズ患者さんの代表は私には言っていました。いや、私だけにじゃない。名前を挙げれば、小沢辰男さんも一緒でした。自分たちは名のり出られないんだな、やっぱり。それはそうだと思う。でも、これだけ苦しんでいるんだから国は補償してもらいたい、国の責任があるのではないかと言っていました。
 これからは、今度大臣にお願いしたい部分でございます。だから、私はこう言ったんですよ。私は厚生省の若干味方をするんだよね、皆さんは仲間なものだから。厚生省の言うのも、病気である人に金がかかるから出すと、これはもうちゃんとした理屈だと。しかし、ない人というのは、本人はいつ発症するか、発症したら希望のない人生になりますからね。だから、準ずる形の補償ができないかと。変な言い方ですけれども、例えば半分、そういうことでもできないのかと。全員入れたって二千人いないんですよ。大したことはないんだ、人数で。
 そして、二度と血友病患者からは新患者が出ないはずだ。肝炎のためにやった加熱製剤がエイズに有効だからですよ。そうじゃありませんか。エイズには効いてもかえって肝炎はだめかもしれませんよ。だって、肝炎は百二十度に熱しなきゃ死なないんだから。そうでしょう。それでディスポーザルになったんだから。注射器も全部捨てているのは百二十度でなきゃ有効でないからだよ。エイズは百度でいいんだから。加熱製剤は六十度でしょう。六十度で何日間か。もう今や七十二時間だかなんか。それは、あなたの言うたんぱく変性を起こすからだ。だから六十度以下でなきゃだめなわけだ。それで五時間や八時間じゃだめだと、初め七時間とかと書いてあったけれども、実際聞いたら七十何時間、もっと聞いたら十日間とかとあって。ですから、あなたのおっしゃる肝炎は今のパストリゼーションを時間を幾ら延ばしたって死なないんじゃないかと僕は思いますよ。有効であるのはエイズだけですよ。僕はそう思う。自分で実験しませんからわかりませんが、頭で考えればそうですよ。
 ですから、あなたのおっしゃる肝炎が偶然にもエイズに効いたわけだ。しかし偶然でもいい、効いだということは私はよかったと思っています。法政大学のお方のこと、触れた方がいいかな。しかも、エイズにはサイレントエイズというのがあるんだよ。何遍マイナスであっても、出ないだけでウイルスがあるかもしれない。だから、一〇〇%はないですよ。だから自分は不安で不安で、マイナスが二度でも、ああと思って死んだんじゃないでしょうか、亡くなったんじゃないでしょうかね。それはかわいそうだ。
 まあ、これはこれでいい。しかし、血友病は国に責任がある、医療の責任は国が負っているんだから。安全な血液を供給しなかった。それは未知であったときでも、起きたら道徳的な責任を負ってもらいたい。未知だからほうっておけというんじゃないと思う。そして、いずれはそういう人は発症したら理論的に間違いなく死の道をたどるんですからね。それはやっぱり見込みがなければ自殺した方がいいとひょっとしたら思うんでないかな。健康な人にはわからない心理かもしらないです。そういうことです。
 ですから、私は今はっきり申し上げたいのは、ただ申し出る人がいるかいないか。だって、陽性者に対しては、あなたは陽性だと言わないと言っているんだからね、そうでしょう、血友病には。だれかも知らぬが四〇%だとかと言っているというんだ。ひょっとしたらおれはうつったんじゃないかと思い込ませているわけです。そして発症したときに初めてあなたがというのがわかる。私は、血友病患者に私は大丈夫がもしらぬがかかっているかもしらない確率四〇%だと思って暮らさせるよりも、全員にやったらいいと思うんだ。知れてますよ。日本の財政がつぶれるわけじゃない。こんなときに湾岸援助の金を言いたくないけれども、ああいうものから見たら問題にならぬじゃありませんか。まず我が国の福祉優先ですよ。僕はそうだと思う。しかも、医者の立場としてはこういう人を見逃せない。
 厚生省の責任は僕は絶対あると思っています。今まで少し遠慮していましたけれども、きょうは、あれだけ新聞に出て、日本だけが知らぬ顔していると、日本には科学者がいないのか、国会にはそれに匹敵する人物がいないのかと。はばかりながら私は少しは知っているつもりだ。だから、この責任は僕は問います。出さない限り出すまで僕は質問し続けていきます。いいですか。
 今の加熱製剤は肝炎でやったとおっしゃるから、偶然にエイズに効いだということを今大体お認めになったようだ。百度で死なないんですからね、肝炎は。百二十度なんだ。だから、みんな注射器でも全部ディスポーザルにしたのは肝炎のためです。そうなんです。だから、そんな六十度七十二時間なんていったって死な老いと僕は思うな。知りませんけれどもね、死ぬかもしれませんけれどもね、わかりません。しかし、エイズがやっとやっとのところでないかな。それでも加熱製剤でも感染したとアメリカでデータが出ているんですよ。僕は持っているんです。それでも出るかもしれないんです。
 そういうものなんだから、私は今の段階で考えると、患者さん方の希望を僕はよくのみ込めなかったんだけれども、陽性者に出してくれと言っていたようだったけれども、陽性者で息を潜めている人たちに、あなたは陽性だと告知できるのか。告知することは医者にとってもきついと思うんだ。そのときからこの人は社会から疎外されるかもしらない、そういうものなんだ。だから息を潜めている。発病すれば病院にかからなければいけない、だからこれは名のり出ているわけだ。
 だから大臣、私、ここで考えが少し変わったです。しゃべっている間にね。やっぱり患者は二十二万一千円そのとおり出してもらいたい。残った凝固製剤を間違いなく加熱をする以前に受けた人――以後はいいんですよ、以後はもういいと思うんです。仕方がない、どこかで区切るから。それは帳面見ればわかるんだから、この人は以前に受けたか以後に受けたか。以前に受けた人は全員、あなたが陽性であろうがなかろうが、例えば半額、僕は額はわからないです。僕は経済はだめなんです。わかりませんから、金額は大臣お任せします。半額なら半額。そして全員に出してあげる、あなたは陽性でないかもしらぬ、陰性かもしらぬけれども、国としては申しわけないという気持ちを含めて。いいと思うんですよね、それは国が責任認めたくなかったらいい。しかし道徳的責任、道義的責任は国はしょってもらいたい、そう思っているんです。医者も患者もわからない病気なんだから。未知であったときでもいいです。日本厚生省は未知であった期間が長かったと僕は思いますが、そう思います。
 時間になっちゃったもので、大臣、私もっとあったんですけれども、もう一問の五分の一ぐらいでございますが、大臣に本当にお願いしたいのはそこです。患者に出すのはそのとおり、発症者。そうでない人は、加熱製剤を最初から受け出した人は除外してもいいです。それ以前の人は例えば半額、例えばでございますから、患者さん方の希望はよくわかりません。全額と言っていましたけれども、私はそれは無理だろうと言ったんです。だって病気になっていないんでしょうと。だから、そいつは何とか大臣努力してもらいたいんだな。
 この続きは別な機会にまたさせていただきます。大臣、前の航空機のときと同じように、私の思いを何倍もひとつ含めて大臣の御答弁いただきたいな、お願いいたします。
○国務大臣(山下徳夫君) エイズの患者の方々はその発生の原因のいかんにかかわらず将来に向かって希望がない、救いかないということに対しては本当にお気の毒だなと私もそれはよくわかります。ましてや血液製剤により感染された方、本当に殊のほかもうお気の毒と言う以外にありません。したがって、遺族の方々につきましては、法的責任の問題は置いておいて、医薬品副作用被害救済制度という制度によって救済事業を行っておるわけでございますが、ただ、このエイズの患者に対しましては、発症はしていない、感染者の多くが特段の症状がないということで、医薬品副作用被害救済制度のいわゆる障害年金に準ずる特別手当の対象と今のところなっておらないというところに非常に難しい面が私はあるかと思います。
 ただ、水炊済制度とは別に、感染者を含めて血友病患者の医療については負担が行われているわけでございますが、先生が今お話しになりました問題等、これはやはり過去において厚生省としてもその時点においてはとにかくベストと思われる措置を私どもはとってきたと信じております。私もまだ大臣になって間もないんですが、私は厚生省は一生懸命努力したとそれは確信をいたしておりますが、ただ、今の問題、先生の御意見ごもっともでございまして、将来に向かって真剣に検討すべき問題だなということを申し上げておきたいと思います。
○高桑栄松君 どうもありがとうございました。よろしくお願いいたします。
○沓脱タケ子君 初めに新大臣にお願いをしておきたいと思いますが、バブル経済が破綻して税収が減って、予算編成が大分難しくなってきたなどと言われております。高齢化社会を迎えまして、大臣もおっしゃいましたように、社会福祉やあるいは社会保障や医療の充実というのは大変国民から切望されております。バブル経済が終わったとして国民的な要望を安易な圧縮の方法で、そういう方向をとらないように厳に大臣にはお願いを申し上げ、御指摘を申し上げておきたいと思うんです。
 本題に入りますが、報道によりますと中小企業労働者の加入する政府管掌健康保険に対する国庫補助率を現行一六・四%を二、三%下げるなどということが検討されているようでありますが、これは事実でございますか。
○政府委員(黒木武弘君) お尋ねの政管健保につきましては、近年財政が安定基調で推移しているわけでございまして、二千億あるいは三千億の剰余金を見ているわけでございますし、積立金も相当規模に達しておりまして、一兆円を超える積立金を有しているわけでございます。
 そこで、来年度予算編成に向けまして、これからの政府管掌健康保険のあり方をどう考えるかということで、私どもの審議会にも相談をしながら今検討をいたしているわけでありますけれども、基本的には単年度単年度の財政方式から、せっかくの積立金もございますので、中期的な財政運営安定方式に変えてみたらどうかということで検討していることは事実でございます。
○沓脱タケ子君 私は、政管健保に対して国庫補助率を引き下げるというのは許されないなと思うんですね。というのは、現行の一六・四%の決定の経緯から見ましてもこれはおかしいというふうに思うんです。というのは、五十五年改正のときには保険料率は上限を千分の九十一までにすることができるという、範囲にするということで、その際国庫補助率については、政管健保の財政状況に応じてということを前提ですけれども、一六・回ないし二〇%の間で政令で定める、当分の間は一六・四とするとされたものでしたね。率の引き下げというのはその際には何にも論議がされておりません。
 政管健保の黒字と簡単におっしゃいますけれども、一覧表を見せていただいたら、九〇年度に保険料率の引き上げを千分の八十三から八十四に引き上げていますね。すっとこの改正以来本人の十割給付を九割にするということ、あるいは診療報酬を抑える、そういういろんな結果が、九〇年度が三千四百億の黒字になっておるというだけなんですね。暦年を見てみますとわずか二億円の黒字の年もあります、数年前には。そんなに安定しているとは思えないです。ですから、私はこんなやり方は許せないなと思うんです。
 大体、考えてみると、財政事情が厳しくなってくると、国民生活に直結する分野に焦点を当ててどうやら政府がこそくな細工をやり出すということを感じてしょうがないんです。こういうやり方というのは許すことができないなというのを率直に思うんです。既に厚生年金積立金から平成元年度に一兆五千億、これは国庫負担を繰り延べましたね。また、借り上げたけれども元本ともに厚生年金基金には返されていないんです。返さないで、しかも何をやったかというと、老人保健財政に、組合健保の掛金が高くなるということで、それに対する手当てということでこの前にやったんですね。これはまだ返されていないんです。
 今度は政管健保、黒字をうまく出して、それで国庫補助率の引き下げをやろうというんですね。私はこれはおかしいと思うんです。同僚議員からも大変厳しく追及されておりますように、看護婦の確保を初め、あるいは医療経営が極めて深刻になっている中での診療報酬引き上げの要求、そういうものを、ここらを率を削ってその補助分を診療報酬の引き上げ財源に使うなどというこそくなやり方というのは絶対だめだと思うんです。
 宮澤総理も今度は生活大国だとおっしゃっておられましたけれども、こんなタコの足を食い合うようなこそくなやり方というのじゃだめなんで、本当に看護婦の確保をし、待遇を改善していく、医療経営もまともにやって国民が安心できる医療経営の体制ができるというために十年間ほとんど据え置きに等しい診療報酬を何としてもこの際には、これはこんなこそくなやり方ではなしに一般財政、税金からばっちりつぎ込ませるという体制を絶対とらなければだめだと思うんですが、大臣に強くこのことを御要望申し上げておきたいと思います。説明を聞いたら長くなると思うんで、そのことをぜひ実現していただけるようにお願いを申し上げたい。本当にタコの定食っているのと一緒じゃないですか。こんなあほうなやり方はやめてもらいたい。厳に強く御指摘を申し上げておきます。
 時間がきょうは余りありませんので、今同僚議員からも出ましたが、私もエイズについて少しお伺いをしたいと思います。
 十二月一日は世界エイズデーが設けられましたですね。世界各国でエイズは爆発的な増加の状況だと、このままの推移でいけば人類はエイズによって存亡の危機にさらされるとまで言われておるわけでございます。したがって、対策の強化と治療法の開発というのは急務であるということはもう論をまちません。しかし、私はきょうは血友病患者の血液製剤によってエイズにかかった方々の問題に限ってお伺いをしていきたいと思います。
 我が国の患者数の七割、これはことしの十月の発表によりましても、我が国の患者数の総数が四百十五人、そのうち血友病患者のいわゆる凝固因子製剤によって発病している患者が二百九十二名、七割ですね。いわゆるHIV感染者の報告数を見ますと、これは全体で千八百九十八人中凝固因子製剤による血友病の方が千五百二十九名、これも八割以上ですね。こういう状態になっておるわけでございます。我が国の血友病患者というのは約五千人でございますけれども、そのうちの約二千名が治療のために使った、国が承認をした血液製剤が原因になってHIVに感染をしているわけでございます。
 一九八九年、大阪地方裁判所と東京地方裁判所に厚生省と製薬企業五社を被告とする損害賠償訴訟が起こされております。こうしたものについては厚生省は被告の立場ではありますけれども、誠実に対応すべきだなと思います。ちょっとお聞きをしておきたいんですが、提訴後約二年を経過しておりますが、この間に何人の原告、血友病患者が亡くなられましたですか。ちょっとわからぬですか、わからぬかったら……。
○政府委員(川崎幸雄君) 今ちょっと数字を持ち合わせておりません。
○沓脱タケ子君 それじゃ、私、資料を持っておりますが、大阪で二名です、東京で四名亡くなって、計六名でございます。
 そういう実態の中で、まず、製薬企業の責任と姿勢について最初にお聞きしたいんですが、薬事法は言うまでもなく医薬品等の有効性や安全性の確保を目的といたしております。したがって、当然のことに製造業者や販売業者にもこの目的達成を義務づけておるわけです。
 私は昭和六十三年十二月の百十三国会でいわゆるエイズ予防法の審議の中で血液製剤のトップメーカーでありますミドリ十字社の販売姿勢を企業の文書を用いて追及をいたしました。私が御指摘したのは、当時ミドリ十字社は、「血液製剤とAIDS」というのを「ミドリ十字 医学博士須山忠和」、現在の社長の名前で出ておる文書でございますが、これを出して指摘をしたんですが、この文書によりますと、
  日本は血漿分画製剤および原料血漿の八〇%以上を米国からの輸入に依存している。しかしそれによるAIDSの日本上陸・発症の可能性は皆無に近い。ほとんど考えられない。以下にその理由を述べる。というふうに書かれておりまして、これは全部読むわけにもいきませんけれども、最後の「結論」のところには、
  輸入血漿およびその製剤による日本でのAIDS発症はほとんど考えられない。なお、米国疫学対策センターの最近の見解によればAIDSが蔓延する可能性を示唆する証拠はないとのことである。ということで、心配がないという文書をつくりまして、これを七十部、これは当時の業務局長北郷さんがお認めになったんですが、こういうものを使って危険がないんだということで売りまくっているのはけしからぬではないかということの指摘を私はしたんですね。対外的にはこれは安全だと言って売りまくっていた。
 しかし、そのときに私はこういう指摘をしておいたんですね。社内的にはそうではなくて、危険があるんだということで、文書でも社内に指摘をしてるということの社長の発言があると、これは雑誌財界でみずからおっしゃっておられるんで、その資料をぜひ提出をさせて調査して報告してもらいたいと、こう言っておったわけでございます。
 ところが、その後資料が手に入ったのかと言ったら、いや五月ごろに何かあったようだと言うだけであったんですが、その後、今回その当時のいわゆる問題の資料を手に入れてみますと、社内的にはこう言っておったんですね。これは「AIDS」ということで、「後天性免疫不全症候群 一九八三年五月三十日 株式会社ミドリ十字 (社内資料 須山忠和)」、こういうものが出ておるんです。さっき申し上げたのは一九八三年の八月なんですね。
 ところが、その年の五月には既に社内向けでどういうふうに言っておるかというと、この資料の中を見ますと、「感染経路」というのが4に書いてありますが、それは「男女間のSexualContact」、それから二番目が「AIDS患者からの血液および製剤」というふうに明確に感染経路を書いておられます。
 それからその最後に、「米国政府の対処」というのが書かれてございますけれども、これを見ますと、非常に厳密にこの当時にはもう既に勧告をしておられまして、その「要約」を見ますと、これは最後のところにも書いてありますけれども、「注射しない製品の製造のみに使用すること」、「これらの勧告は、AIDSの血液をスクリーニングするためのspecific laboratory testsが可能となるまで、血液および血液製剤の注入を受ける人を、AIDSから守るための手段である。」ということまで書いてある、大変危険があるんだという内部資料を内部に、これはたくさんじゃなくて七部だそうですけれども、配付をしているわけですね。
 こういう企業姿勢を一体どう思うか。販売用には、いや、心配はないんですという文書を出して、そして社内的にはこういう危険があるんですと、アメリカ政府ではこういうふうな対策をとっていますということを言っておるわけですが、こういう無責任と言うしかないようなやり方というのは、私は患者さんにとっては犯罪的だと思うんですよ。だって、明らかに危険があるというのがわかっておるんです、社内では。だけれども、その製剤がつくられてどんどん売られている。外に対しては安全だと言って売っている。こんなことは許せないと思う。局長、これどう思いますか。
○政府委員(川崎幸雄君) 今御指摘になりましたミドリ十字の社内資料というのもちょっと拝見をいたしました。これは私どもも事情聴取いたしましたところ、今おっしゃった先ほどの何といいますか、エイズに関する何か危険性を述べた資料というのは五月ですか、につくられた資料につきましては、現在の須山ミドリ十字社長が昭和五十八年五月当時において、同氏の手元にあった海外の文献をもとにエイズに関する知見をまとめたものであると、こういうふうに受けとめておるのでございます。
 それからまた、もう一つ今先生がお取り上げになられました八月の資料、これは各支店に配付されたという社内資料と思いますが、これにつきましては、特に今先生がちょっとお読みになりましたように「AIDSの日本上陸・発症の可能性は皆無に近い。」といったような表現は、今から見ますと多少踏み込み過ぎていると思われる点も見受けられますが、全体的にはおおむね当時のエイズと血液製剤との関連性についての知見に基づいて記述されているというふうに考えられます。
 前者は、五月のものは疾患としてのエイズを具体的に紹介したものであり、後者はエイズの発症状況を中心に対策をまとめて紹介したものと、こういうふうにいずれも当時のエイズに関する知見を取りまとめたものと、こういうふうに見受けられます。
○沓脱タケ子君 時間がもうなくなりましたので、ちょっとあれなんですが、この問題は、あなたも同じようにおっしゃるんだけれども、五月の文書と八月に出されたと言われる対外向けの文書の中身は一緒だと、同じようなものだというふうにおっしゃるんだけれども、こんなものが一緒なのかなと思うんですね。片方は全然心配ないんだと言っている。
 これは、私時間かかると思って読みませんでしたけれども、第一回の私が八月として指摘をしたものなんかはこう書いていますよ。アメリカでは「一九八三年四月現在十一人のAIDS例が報告されている。しかし全米での血友病患者が二万人と言われているところから計算するとその発症率はわずか〇・〇五%であり、その危険率は非常に小さい。またそれが第[因子製剤によるとする証拠は全くない。」ということで否定しているんですね。八月に出して、販売用に使ったのは。
 二番目に私が今指摘をしました五月に社内向けに出した分にはちゃんと書いてあるんですね。感染経路は「AIDS患者からの血液および製剤」だと明確に書いてある。これ同じものですか。それをそんなあいまいなことを言ってもらったら患者さんはたまらない。
 私はこういう最も人間の命にかかわる大事な薬事行政の監督下にある製薬企業が外向けと内向けと違うような、外向けには大丈夫だと言ってどんどんどんどん危険なものを売って、内部では危険なんですというようなことを言ってまかり通っているというようなことは許されないと思うんです。
 これはもう時間がないので、ほかの資料もありますが、カッタージャパン社ですか、これも同じような内容です。これはもうもっとひどいんですがね。そのことは省略しますけれども、問題なのは私厚生省の姿勢だと思うんです。こんなひどい企業姿勢に厚生省がかんでいると言わざるを得ないんです。さっきも随分同僚議員から厳しい御指摘がありましたけれども、薬事行政の分でも許せないと思えるんですね。
 私、なぜそのことを申し上げるかというと、きょうは業務局、厚生省の責任追及の時間がありません。特に私が申し上げたいのは、この六十三年十一月二十二日に、最初に申し上げた八月の文書がこうあるけれども、社長が言っているんでは、既に五月に社内には危険だということを報じてあると。そのことを雑誌でみずからしゃべっているからその資料をとってきちんとやってくれということをお願いしたんです。そして、その結果を十二月二十日の委員会で再度お聞きをしたんですね。そしたら、当時の北郷業務局長がどう言うたかというと、これだけ明確に違うものを「五月の時点で出したものが一部ございますが、この八月に配布されましたものとはぼ似たような内容の文書でございまして、会社あてに危険ですというふうな、注意を喚起するというようなものとは私どもは受け取れませんでした。」と、こういうことを御答弁になっているんです。
 私は、こんなものがほぼ似たようなものか、それほど節穴みたいな判断をするのかということを言いたいんですが、これは本当に裁判だったら偽証になるんと違うかと思うほどですよ。私どもが資料を持っていないからというので、国会でいいかげんな答弁をして、現物を見てみたら全然違うじゃないか。こういうことは許せない。時間がありませんから、私はきょうは、業務局あるいは厚生省の責任追及は別の機会に譲りますけれども、少なくとも委員会で、国会で、私どもが資料を持っていないからといっていいかげんな態度をとって、いいかげんな答弁をするなんというような不誠実なことがあってよいものではない。これは本当に誠実な対応で国会では答弁をするべきだと思うんですが、その点大臣、こんなひどいことがあったので、今お聞きになったばっかりだと思いますけれども、御見解を伺っておきたいと思います。
○国務大臣(山下徳夫君) 率直に申し上げて、この病気は歴史は新しいし、私どもも余り知識はございません。ただ、私どもが聞いたり読んだりした範囲では、アメリカ自体がこの病気は当初の段階ではホモの間の奇病くらいにしか考えていなかったということですし、そういうアメリカの理解が今度は日本に伝わってくるときはまたかなりおくれていたという段階ですから、やはりその時点でとらえても既にもう事態は変わっているということはあり得ると思うんです。
 したがって、日本の場合、一段階おくれているし、外国の文献を中心にこれは答弁する以外にないということですから、決して先生方にうそをつくつもりじゃなくて、そのときに知り得る範囲内の資料に基づいて言ったとしか私は受け取れないと思っています。
○委員長(田渕勲二君) 時間ですから。
○沓脱タケ子君 時間ですから終わりますが、大臣、私は物と物とが同じようなものだというふうにごまかされるということについては、国会の立場としてはこれは容認できない。そういうことのないように誠実な対応を心から切望します。よろしいですか。そのことのお返事を聞いた上で終わります。
○国務大臣(山下徳夫君) ただいまの御趣旨はよく理解いたしました。
○粟森喬君 私はまず、在宅福祉政策を中心にして厚生省並びに厚生大臣の姿勢についてお尋ねをしたいと思います。
 厚生省が大変な肝いりでゴールドプランを言い、そしてこれからの福祉政策は在宅といいますか、できる限りノーマライゼーションとか地域社会の中で福祉政策を充実させよう、こういう考え方が言葉としてはかなり私は突出をして出されていると思います。ところが、私は今、平成四年度の予算へ向けて厚生省のさまざまなことが新聞報道や関係者から伝えられる話を聞きますと、新たな施策、新たな分野へそういうことが本当に着実に前進していくのかどうかということについてかなり疑問を持っています。
 と申しますのは、例えばゴールドプラン一つをとりましても、先ほどから同僚議員からもどこにどのぐらいということや、どういう確保の方法がということの指摘がありましたが、私は基本的に制度の中で在宅福祉をやるには余りにも人材確保の展望が貧弱過ぎるというか、展望が乏しい。現実に私どもが在宅でいろいろやっている人の話を聞きますと、確かにゴールドプランが始まって、それが十カ年戦略と言われるんですから十年たったらだんだん人がふえて完成をするということと、絶対数がそういう意味で高齢化社会になってふえていく人数、それから今の単年度予算の中で一つ一つ財政的な措置が行われる、そういう全体の状況を考えると、現状の水準以上のものを確保できるという展望を本当に厚生省はお持ちなのかどうか。この辺についていささか私は疑念を持っているところでございます。
 そうなりますと、在宅福祉というものをやろうとすると、お年寄りや障害者を抱えた家庭への負担になって、結果的に根本解決にならない今の現状ですね、それが本当に解決できるというふうにお考えなのかどうか。その辺についてひとつ見解をお尋ねしたいと思います。
○政府委員(岡光序治君) 在宅対策の重要性を私ども叫んでいるわけでございまして、その在宅対策のポイントは、おうちで介護に従事しておる家族を支援しなき神ならない、ここにポイントを置いているわけでございます。そういう意味で、ホームヘルパーの増員であるとかショートステイ事業の展開、デイサービスの拡充あるいは老人訪問看護制度、こういったものを創設しまして対応しておるわけでございまして、先生おっしゃいますように、そこでのポイントは介護をする家族の負担をできるだけ軽減するようにというところに置いているわけでございます。
 いろいろ御指摘のような人の確保を中心にした問題があるわけでございますが、これを一つ一つ解決して十カ年計画を計画どおり達成したい、それが結果として家族の負担の軽減につながるであろう、こういう認識をしているわけでございます。
○粟森喬君 大臣、今の答弁をお聞きして、状況はおわかりだと思うし、努力されるということはわかったんだけれども、私は在宅福祉をやるときにデイに当たる部分、この部分を少なくとも家族の者じゃない人が何らかの介護を必要な者についてはするという前提で物を考えないと、大変実態を申し上げてなんでございますが、週に一回来てくれるとか一日に一時間来てくれるということでは私は在宅福祉できないと思うんです。さっき女性に負担がかなりかかっているという話もございました。私は、例えば家庭の主婦の方だったら昼間パートに行くとか別のことをやるとか、そういうことまでできるように、在宅福祉をやるときの基本的な政策の理念として完結しなけりゃならぬと思うんですが、大臣、その辺はどうお考えでございますか。
○国務大臣(山下徳夫君) おっしゃるとおり、高齢者や障害者の方々、この方々が身近なところでそういったサービスを受けられるようにするということが、これは施策の基本でなきゃならぬと私は思っております。この観点から、従来からホームヘルパーについては老人に対するサービスと身体障害者に対するサービスを一体化してきたんでございますが、仰せこういった制度につきましては、率直に申し上げて我が国においてはそんなに古い歴史はないんでございまして、急速にこれらの制度がここまで進み、そして徐々に完備されているということでございます。
 したがって、御指摘のような不十分な面はあるかと思いますが、今後とも、特にデイサービスにつきましては、老人と身体障害者の相互乗り入れということを今既に行っておりますが、これをもっと拡大していくという方向に力を入れていきたいと思います。
○粟森喬君 私は、財政上の問題もあると思いますが、社会政策理念としていろいろなことをやっていただきたいと思います。
 一つの例で申し上げると、さっきもちょっと同じような趣旨の発言がありましたが、例えば小学生から中学生、高校生、大学生を含めて学校でどうするかという問題もあるんだけれども、国民の一人一人が自分の家庭にばそういう福祉を受けなきゃならぬ人とか、病気で、言ってみればデイケアしてもらう人がいなくても当然そういうことをその時期にちゃんと、さっきは交流教育とか体験入学と言われたけれども、もうそんな範囲じゃなく、むしろ大学生で言えばそれは必須の科目に入れて、それをやることが徴兵制というのは余り私はよくないと思いますが、ヨーロッパヘ行くと徴兵か福祉かという選択でどっちかやるということがあります。そういうことを厚生省が、お金の面じゃなく、社会の仕組み、構造として積極的に問題提起をしていかないと、私は人の問題は解決できない問題がたくさんあると思います。
 例えば、ある程度核になるところに専門的なスペシャリストは要ると思いますが、あとはそうでなくてもだれでも普通の人ならできるという範囲に本来あるべきだ。そうすると、その人たちを確保するのは一つの国家の理念であり社会の理念であるという、そこに突っ込んでいかなかったらこの問題は解決できない、そういう現状にあるというふうに私は考えているわけですが、その辺いかがなものでございましょうか。
○国務大臣(山下徳夫君) おっしゃるとおりであると思います。
 ただ、徴兵なんというようなあれは、私は徴兵検査を受けたんでございますけれども、ついでに申し上げると、私の場合、教育勅語を金科玉条として教わってきたその年代でございますが、今全くゼネレーションが変わっておりまして、ですから、もう一回一つの家族制度というものを今の若い人たち、子供たちが身につける必要があると思うんであります。特に現在は核家族化という状態でございますから、年寄りに対する考え方もよく持っておらないということで、ちょっとおっしゃいましたけれども、教育の現場においてもそれは私はもっと指導していくべきであると思いますし、人間関係、家族関係ということはもっと強く知らしめなければならぬと思っております。
○粟森喬君 私、徴兵をやれと言っているんじゃないんで、いわゆる義務概念から出ながら義務と奉仕の精神というのはある意味では紙一重というところがありますので、そこを変えていくのが長期政策であり社会政策だということで、これからぜひともそういう制度の検討をお願いしたい、こういうふうに思います。
 そのこととも関係をしますので、あえて申し上げておきますが、豊中で起きました中学生いじめ殺し、これは障害児が普通学級に入って、その人がたまたまいじめに遭って死んだという、もう私はやった人を含めてこれは大変反省しておると思うんです。
 ここで大きな問題なのは、この豊中がいわゆる統合教育方式をとったことが一つの制度としてよかったか悪かったかということにつながっていると思う。例えばノーマライゼーションであるとか障害者の問題を考えたりするときに、そういう統合教育、これがすべてとは私思っていません。養護で専門的に受けたいという人の立場もあったり両方あります。私がこの問題について質問をすると言ったら、文部省を呼びましょうかという、こういう話。この辺がちょっとピントが狂っておるという感じがしたんです。
 というのは、これから本当に地域でノーマライゼーションを定着させるというのは、この種のことを積極的に、先ほど言ったことを含めまして進めていくという原点が厚生省になければならぬ、そういうことが本当にあったのかどうか。文部省と話し合いしておると言うけれども、話し合いの問題じゃない。根底的にそういうふうに今変えようとしているんだから、豊中で起きたことは一つの悲劇的なことかもしれないけれども、こういう方式、これは文部省の立場から見たら全国的に認知していないというふうに言っている制度でございますが、ぜひとも厚生省サイドから新たな視点でそういうものを推進するという姿勢を文部省に働きかけるべきだと思いますが、そのことについて見解をお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(山下徳夫君) 御趣旨、よくわかりましたし、私も全く同じ意見でございますから、機会あるごとにそういう態度で進めてまいりたいと思います。
○粟森喬君 それで結構でございます。文部省の態度は大変頑迷でございまして、私はそういう意味では厚生大臣とともに、そういうことについて地域社会の仕組みを変える意味でみんなで積極的に問題を考えていくという、ぜひともお願いしたいと思います。
 そこで、ちょっとお尋ねをしたいと思います。一九九二年で国際障害者の十年が完結をいたします。今国連でもさらに十年という話が出ているというふうに聞いております。日本政府の立場というのも非常に大切だと思います。といいますのは、私はこの十年、障害者の人たちがさまざまな立場で自分たちの権利を言い、そして自分たちの問題が提起をされ、そして日本としても本部が総理府につくられまして本部長が総理、それなりに前進してきたことは評価をいたします。しかし、先ほどの豊中の例を申し上げるまでもなく、まだまだこの問題の対応はおくれている、こういう感じで受けとめています。
 そこで、厚生大臣にもこの際このことに発言をしていただきたいわけですが、さらに十年を延ばすということについて、積極的に受けとめるのか消極的に受けとめるのか、そういうことについて御意見をお聞きしたいと思っています。
○国務大臣(山下徳夫君) このようなことは相当長期にわたって取り組んでいかなければ、短期間に解決づけられるような問題ではありません。したがって、私もいろいろな面でタッチしてまいりましたけれども、障害者の十年で五年たったら折り返し点とかいろいろ言いながらやってまいりました。しかし、既に十年たってみると、いやこれからがなお大事だなという、そんな感じを私も持っておりました。
 ただ、厚生省としましても、心身障害者対策協議会、来年度予算でこれは予算計上をいたしましてさらにやっていかなきゃなりませんが、国全体として、あるいはまた国連等でさらに十年終わった先にどういう方向で行くのかということを我々は大いに見きわめながら、もちろん継続してやらなきゃならぬという考え方には変わりありません。
○粟森喬君 改めて論議をする機会もあると思いますので、きょうはこのぐらいにしておきますが、一つだけ国内法の関係で、この国際障害者の十年の中で国際的に見ても非常に大きな問題は、アメリカでADAといわれる障害者基本法が制定されたことだと思います。
 この法律は、いわゆる障害者に対する差別の禁止であるとか障害者の人権を守るという意味で、私は国際的にもあるいはアメリカの建国二百年の歴史の中でも画期的な法律であったと思うんです。再三にわたってこのことについて、いろんなところで日本でも同じような趣旨の法律をつくるべきではないかというのは、私だけではなくすべてそういうことに関係して関心を持ち、そうあるべきだという人から意見が出るんですが、日本政府の考え方は、今でもさまざまな心身障害者法とかいろんな法律があるからそれで事足りると言うけれども、私は基本的理念が違うと思うんです。今ある日本の法体系というのは保護が前提だと思うんです。障害のある人を人権として、権利として認め、そしてそこから物を出発させるという、人権という立場から物を考えるという意味では、多少現行の法律は、私はこれは全面否定する性格じゃないと思うんだけれども、基本的な理念で違うから、これからの日本社会にあって、さっきもいろんなことを申し上げたことの中で、そういう仕組み、構造の、金の話になるともう厚生省大変困るわけですので、基本的な理念としてそういうものを確立していかないと、例えば在宅福祉の問題であるとか統合教育の問題であるとか、そういう問題は、国民世論を統一して、そういう立場に立っていかないと、結果としてどこかで隆路が出てきたり矛盾が出てくるのは、法体系上の一つのここは欠けている点ではないか、こういうように思っているんです。
 もちろん、ADAに対する批判や御意見も全くないわけじゃないし、そのこともそれなりに受けとめなきゃならぬ。少し人権という立場からオーバーだという意見もあります。そういうことも受けとめながらも、日本のこれからの障害者福祉なりのあり方の問題で考えたときに、この問題はいずれにしても厚生省サイドとしても何らかの格好で検討をしていただく段階にもう来ているんではないか、こういうように思いますが、その辺について見解をお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(山下徳夫君) 今のお話のとおり、ADAにつきましては、先にできた法律だけに世界各国からいろんなこれに対する称賛、意見あるいはまた批判等があると思いますが、ある意味においては先進国の中でもこれは一歩進んだ法律だと、そのように私は理解をいたしております。したがって、我が国においてもこれは早くやらなきゃならぬ。そこで中央心身障害者対策協議会というのがございまして、ここに検討をいただいているわけでございますが、そういう協議会に検討を任せればいいというんじゃなくて、厚生省はきちんとした理念を持って、その理念に基づいてこういう機関にお願いする、そういう気持ちでやっていきたいと思います。
○粟森喬君 今、大臣の答弁で結構でございます。
 いずれにしても、一つの専門分野が問題提起するというよりも、私は社会の枠組みの中で障害者というか、それから老人福祉も、結局健常な人がどこかで肉体的な障害を持つ、知的障害を持つということが障害者でございますから、そういう理念、概念を含めて広く国民にそういうものを問いかけるという場を近い将来つくっていただくことを要望しておきます。
 あと一つ、厚生行政の中でも検討してほしいんですが、さっきの在宅福祉の問題とも関係するんですが、私はデイサービスの施設のつくり方の問題についていま一度検討を願いたいと思います。といいますのは、デイサービスの施設をつくるとなると、まず市町村段階から始まって、国も補助をつけたりいろんなことをやっています。平成五年からさまざまな措置権が市町村までおりるわけでございます。税金の話一つ聞いても、地方交付税だとか、交付をどうするのかというのは、これは五年まで向けて私たちもきちんと論議をして解明したいことは解明したいと思うんですが、地域の中で今ある施設を十分に活用する方向をつくってもらいたいと思うんです。
 例えば公民館ですね。公民館というのは、今どこの公民館へ行っても昼間はもちろんいろんな教室を開いているところもございます。しかし施設の利用でいったら、それはもう昼間なんというのは、今もう女性の方も仕事に出るという機会が多いということや、子供たちも、これがいいかどうかは別にして、塾へ行くとか、そんなことがあって、公民館だとか農村文化センターだとか集会場、いろんなところがあいておるわけです。それに何かしろと言うと、必ず出てくるのは、公民館はこれは文部省だ、農村文化センターはこれは農水省の管轄だ、それで地域の集会場といったらこれは自治省だとか、とにかくそういうそれぞれのバリアーごとの話が出ちゃって、いわゆるその施設にそんなにお金をかけるんなら、もっと人の確保の問題にお金をかけたらどうかとか、教育の分野でそういうことについてお金をかけたらどうかという、お金の使い方一つ見てもかなりむだがある。
 私はお寺を使ってもいいんじゃないか、普通の民家を使ってもいいんじゃないかというぐらい、できるだけ地域にそういう施設がたくさんあるということが、余り大きな単位でなくて、人の確保をちゃんとさえしておけば、あとは地域にボランティアで参加してくれる人なども、比較的そういうところは行きやすいし、人間社会における一つの地域社会のコミュニケーションもあるわけでございますから、そういうことを通じて社会が変革をしていくんではないか。
 それから福祉法人の問題も改めてまたやりたいと思いますが、福祉行政もいろいろ言っても認可基準が厳しゅうございます。私らの目から見れば。この辺も含めまして、これからのあり方としてそういう空き施設を皆さんの方で使うという考え方があるかどうか、ちょっとお尋ねをしたいと思います。
○政府委員(岡光序治君) 先生御指摘のような方向で進めたいと思っております。現在もデイサービスセンター、千五百カ所余りございますが、単独で設置しているのが百五十余りで、あとはいわば施設と併設でございます。
 例えば特別養護老人ホームであるとか、老人福祉センターとかというのが多いわけでございますが、そのほかの施設としましては、社会福祉センターとかふれあい会館とか隣保館とか町民センターとか保育所とか、こういうのをやっておりますが、先生御指摘のようにこれは大体厚生省所管の施設でございまして、そういう意味では、今投げかけられた問題は重要な問題でございますので、社会資源としてはそういったものを活用するべき方向だと思っております用地域においてそういった具体的な問題があった場合にうまく調整をしていかなきゃいけないと思っておりまして、関係省庁ともよくお話し合いをさせていただきたいと思います。
○粟森喬君 最後に、全く別の問題で薬事行政の問題についてお尋ねをしたいと思います。意見も含めて申し上げます。
 大塚製薬のアーキンZ鏡60の症例報告が捏造されている。不幸なことにこれが原因というか、それは断定するのもまた皆さんの立場からしたらできないんだと思いますが、そういう点が出ました。私は薬事行政のあり方と現実に起きていることの中でかなり差異がある。例えば症例報告を、これはたまたま捏造があったから大問題になったんだけれども、私は中身としても問題があると思う。
 それから製薬業界全体のことを見ても、私このベスト五十社のもうけぶりなどを拝見して、厚生省としても薬事行政全体についてもう少しメスを入れるところは入れていかないと、何となく薬価基準だけ下げていって、その矛盾がほかの格好で出てくるというのは社会的に悲劇でございますから、このことの経過と今後のあり方について若干意見を聞いて、私の質問を終わります。
○政府委員(川崎幸雄君) 今御指摘いただきました大塚製薬のデータの問題でございます。これは既に御承知と思いますので、改めて申し上げませんけれども、これはアーキンZという薬が死亡例も含みます重篤な副作用がございまして、これにつきまして緊急安全性情報を医師に配付いたしまして、厳しい使用上の制限を設けた。それに加えまして、特別の措置といたしまして、大塚製薬に対しまして全使用例について報告をしなさい、こういったようなことを指示したわけでございますけれども、その報告の中に実在しない症例というものが含まれて報告されたということでございます。
 これは御指摘ございましたように、製薬メーカーに協力を求めて報告を求めたわけでございますけれども、こういった事態が発生したということは、メーカーの医薬品の安全性に対する認識の欠如、社内体制の不備、こういったところに起因するものでありますし、私どもといたしましても、これらに対しましては、もう企業も指導いたしますとともに、必要に応じまして症例調査票も提出させるなどしてデータのチェック体制も強化してまいりたいと思います。
 いずれにしましても、医薬品の安全性、有効性の確保ということについては、これからも私ども最大限の努力をしてまいりたいというふうに考えております。
○勝木健司君 文部省おられますか。
 それでは、さきに粟森委員からもありましたけれども、豊中の問題について若干お尋ねをしたいというふうに思います、文部省だけの問題ではないというふうに思いますが。
 十一月二十一日の豊中の事件につきましてどのように把握しておられるのか、まず文部省にお伺いしたいというふうに思います。
○説明員(福島忠彦君) まず、事件の概要でございますが、既に先生も御承知と思いますので簡単に申し上げますが、十一月十五日五時半ごろ、豊中第十五中学校で三年生の女子生徒が同級生の男女四人から暴行を受けました。そして十一月二十一日夜十一時四十五分、硬膜下血腫のため病院で死亡したものでございます。中学校でかかる重大な事件が起きましたこと、私ども大変残念に思っております。
 これを機会に、私ども十一月二十日の全国の生徒指導推進会議、あるいは十一月二十七日の全日本中学校長会理事会でこの事件を反省いたしまして、学校においては真の人権教育を行っていただきたいということ、さらには生徒指導につきましては、担任の先生や生徒指導主事だけに任せるのじゃなくて、校長がリーダーシップをとって全校を挙げて生徒指導体制を再確立いただきたいということ、さらにいじめ尊いろんな問題行動に対しては即時即刻対応体制をとっていただきたい、こういう指導を私ども今まで行ったところでございます。
○勝木健司君 豊中市がこれまで文部省の慎重な意見にもかかわらず、障害のある子とない子とが一緒に学ぶような、そういう交流教育を推進してきた実績があるわけでありますが、今回のようなそういう事件が起きますと、障害のある子とない子との相互理解を図るという理想からしてもまことに残念なことであります。しかし私がここで強調したいのは、この教育を豊中市が二十年間推進してきたにもかかわらず、ことし七月になってようやく文部省は、調査研究協力者会議の提唱によって、来年度から実験校で研究が始まるという対応の遅さであります。なぜこれまでこの問題が放置されていたのかについて、文部省の見解をお聞きしておきたいというふうに思います。
○説明員(霜鳥秋則君) 先生ただいまお話しの件は通級学級による関係だと思いますが、通級による指導と申しますのは、教科等の授業は主として通常の学級で受けながら、障害の状態に応じた特別の指導を特殊学級で受けるという形の教育の一形態でございます。現在では言語障害とか難聴等の教育において一般的な形になりつつございます。通級による指導につきましては、臨時教育審議会、教育課程審議会の答申においてもその充実について指摘されているところでございます。
 文部省では、ただいまお話しになりましたようなことで、平成二年六月に通級学級に関する調査研究協力者会議というのを設置いたしまして、研、究指定校の協力を得ながらその充実策について検討いただいておりまして、本年の七月に中間まとめを得たところでございます。この中間まとめでは、通級の対象というのを、通常の学級で学習するのが適当であるが一部特別な指導を行うことが必要な者として、精神薄弱を除外いたしまして、通級による指導が円滑に行われるような体制の整備というのを求めておるところでございます。
 文部省では、中間まとめを踏まえまして、平成四年度概算要求において指定された学校で試行的に通級による指導を行うための経費を計上しておるところでございます。その本格的な実施に関しましては、平成四年春にこの調査研究協力者会議から最終的な報告を得まして検討してまいりたいというふうに考えております。
 いずれにしましても、通級の対象となるような軽度の障害児の教育の充実につきましては、学校教育上の大きな課題の一つであり、できるだけ早期にその充実が図られるよう努力してまいりたいと考えております。
○勝木健司君 私の聞きたかったのは、二十年間もこういう実験がやられておって、なぜ今出てきたのかということであったわけであります。どっちにしてもこの統合授業を進めるということについては、障害児教育の一環として一歩も退くことのないように進んでもらいたいものだというふうに思います。
 また、先ほどもありました調査研究協力者会議についてでありますけれども、今後この事件を省みて、交流教育とかあるいは通級に対して具体的にどのような方針を持って指導を行っていくのか、お伺いをしたいというふうに思います。
○説明員(霜鳥秋則君) 先生お話しの障害児の交流教育という問題でございますが、現在、心身障害児の教育につきましては、障害の種類とか程度に応じましてよりよい環境を整え適切な教育を行うということが大事であると考えてございます。そのため、日本では障害の重い子供は盲聾養護学校で、それから障害の程度が比較的軽いという子供につきましては小中学校の特殊学級で教育するか、あるいは通常の学級で留意をして指導するということになってございます。
 現在、多くの特殊学級におきましては、学校行事とかあるいは一部の授業を通常の学級の児童生徒とともにする交流学習というのを実施しております。また、盲聾養護学校につきましては、近くの小中学校あるいは地域の人々と活動をともにする交流教育というものを実施しております。こうした交流というのは、障害のある児童生徒の社会性の育成に役立つのみならず、交流の相手側の障害のない児童生徒、地域の人々の障害児の理解に資するものとして高く評価をしておるわけでございます。
 文部省では、盲聾養護学校と近隣の小中学校、地域の人々との交流に関しまして、研究指定校を設けるとともに、教師用の指導書を発行したりしてその推進を図っております。また、平成元年度に改訂いたしました学習指導要領では、小中学校につきましても、盲聾養護学校を含め学校間の交流を奨励するということで行っております。
○勝木健司君 障害者教育の問題は、先ほどもありましたように、文部省だけの問題じゃないだろうということで、厚生大臣としても今の問題について感想があればお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(山下徳夫君) 私もこれを知りましたときに、何かこう本当に胸の切ないような思いがしたわけでございますが、文部省からも御答弁がございましたように、今後ノーマライゼーションの理念が社会全体に普及するように一層心がけていかなければならぬと思っております。
○勝木健司君 問題を本題に戻したいというふうに思います。
 昨年、国民健康保険法の改正がされたわけでありますけれども、この中で財政調整機能の強化あるいは国庫助成の充実によります保険財政基盤の安定化措置等々が図られたわけでありますが、依然として市町村では相変わらずこの事業運営に苦慮しているとの声が聞かれておるわけであります。期待どおり国保の体質改善が進んでおるのかどうか、お伺いをいたしたいというふうに思います。
○政府委員(黒木武弘君) 平成二年の国保法改正以後の国保の財政の状況につきましては、現在集計を行っておりまして、申しわけございませんけれども、まだ現時点で公表できるものを持っておりません。
 ただ、先月、全国市長会から公表されました平成二年度の都市国保の決算状況によりますと、都市国保全体の収支は、黒字額が平成元年度の三百十八億円から二年度には六百三十三億円に増加するとともに、赤字都市が元年度の百十から八十に減少いたしておりまして、その赤字額も七百四十七億円から六百七十六億円に減少いたしております。したがいまして、平成二年度の財政状況を至急集計いたしておりますけれども、私どもは国保財政の状況は元年度に比べまして改善されているものと見込んでおる次第でございます。
○勝木健司君 全国約三千三石弱の市町村において、年齢構成の違いもありまして、一人当たりの保険料が最も高い市町村と最も低いところでは七倍近くも地域格差がある状況だというふうに聞いております。このため政府内においては、この制度内の負担の公平化を目指して、保険料の平準化方策について検討しているということでありますが、どういった内容で検討されておるのか、お伺いをいたしたいというふうに思います。
○政府委員(黒木武弘君) 国保の保険料の負担をどう平準化するか、公平にするかというのは、私どもの大事な政策テーマだと考えておるわけでございます。その意味するところは、どの市町村におきましても、医療費だとか所得の水準が同じであれば同一の保険料になるような具体策ということを目指して検討いたしておるわけでございます。
 御指摘のように、昨年、関係省庁と詳細に検討を行ったわけでございますけれども、現時点では残念ながら市町村ごとの医療費の格差が非常に大きいということと、個々の市町村によりまして保険料の賦課の方式が、つまり応益保険料と応能保険料の割合が大きく分散しているといったようなことから、現時点において一気に実施するというのは非常に無理があるという結論になったわけでございます。
 しかしながら、非常に大事な政策課題でございますから、今後とも高医療費市町村の運営安定化対策の推進とか、医療費格差の是正、応益保険料の分散度合いの是正状況を見ながら、この保険料負担の平準化については鋭意検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
○勝木健司君 国民健康保健制度では、給付と負担の両面においても不均衡が生じておるのが現状じゃないかというふうに思われます。
 この給付と負担の公平化を図るために、政府においても、昭和六十年代の後半のなるべく早い時期に、給付と負担の公平化、すなわち医療保険制度の一元化を図るというふうに表明をしておるわけでありますけれども、この一元化を図る意思があるのかどうかということで、あればその時期と手順あるいは内容についてお尋ねをしたいというふうに思います。
○政府委員(黒木武弘君) いわゆる一元化、負担と給付の公平化を各医療制度間通しましてどういうふうに均衡あるものにしていくかというのが、これまた大事な課題であると認識をいたしておるわけでございます。
 御案内のように、平成二年度に国保法の制度改正を行いましたし、それから、最も国保の財政に影響を及ぼしております老人医療費にかかわる問題としましては、老人保健拠出金に係る加入者按分率が一〇〇%に移行したというようなことで、国保の抱えております構造問題、つまり高齢化の問題とか低所得者の問題とかいうようなものほかなり大きな改善が図られたものと私どもは考えておるわけでございます。
 したがって、そういう構造的な問題に対応する仕組みが国保制度の中に整備されたということを踏まえまして、これから将来に向けて医療保険全体をどういうふうに調整をしていくか、私どもは一元化のテーマの中で真剣に考えてまいりたいと思っておりますけれども、これからの大きな一つのステップとしては、どの場で、つまりサラリーマン側の保険と、それから地域保険であります国保の関係者が共通の土俵で審議する場をつくっていくかということを今鋭意いろいろと考えているという段階でございまして、できるだけ早くこれら検討に着手いたしたいと思っております。
○勝木健司君 次に、先般の会計検査院の平成二年度の決算報告におきまして、札幌市など十六市町村が国保の財政調整交付金を不正に受給していたことが指摘をされております。しかもその総額が九十五億五千六百万円にもなるわけでありますが、もとはといえば私たち国民の税金であります。歳入欠陥による増税がうわさされておる中で、国民の税金を不正に取り扱うとはどういうことなのか、まず事実関係について明らかにしていただきたい。
 そして、当然この不正受給額は国が回収されるのでありましょうが、どのように扱っていかれるのか。さらにこの問題についての財政調整交付金については、厚生省が国保法に規定されているこれらの責任を十分果たしていないということじゃないかということでありますので、ここを一体どのような監督あるいは監査体制をとってきたのか、原因は何なのか。そしてさらには、こういう不正を発生させない仕組み、あるいは監査体制など、再発防止策などについてお伺いをしたいというふうに思います。
○政府委員(黒木武弘君) このたびの国保の財政調整交付金の不正受給が会計検査院から指摘されまして大変申しわけなく思っておるわけでございます。
 事実関係等についてお尋ねでございますけれども、札幌市ほか八保険者において約三十億五千万円の交付金が過大に交付されたということが会計検査院から指摘され、平成二年度の決算検査報告に出ておるわけでございますが、財政調整交付金の交付は、保険料の納付割合が一定率以下の場合には、収納率の高い保険者との均衡を図るために一定の割合で減額を行うこととしているわけでございますけれども、九保険者におきまして保険料の収納割合を事実と相違いたしました高い割合で財政調整交付金の交付申請を行っていたため、その減額すべきものを免れまして過大な交付となったわけでございます。
 この保険者が不当に受給しました交付金につきましては、その全組を今年度末までに補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律に基づきまして返還させることにいたしております。
 さらにお尋ねは、市町村に対する指導監査のお尋ねでございます。
 私ども国が直接の場合と、それから都道府県をして毎年定期的に実施している監査指導があるわけでございます。国は主として財政状況に問題のある市町村等を中心に指導監査を重点的にやっておりますけれども、都道府県におきましては、管下の市町村全体につきまして年次計画により指導監査を行っているわけでございます。私どもはこういうことが起こらないように指導監督をしてまいらなきゃならないわけでありますけれども、これまではまさか自治体が補助金が不当に執行されるような形での、例えば二重帳簿をつくるとか、そういうような形で不正な受給をするとはよもやと考えておりまして、その辺につきましては、健全な運営の観点からの総合的な指導監査を、平成二年度と三年度にかけましては特別指導監査という形で私どもはマニュアルを県に示しまして、これに沿って指導監査をやるようにということで、再発防止を含めまして、このようなことが二度とないように指導監査の徹底に現在国と地方両方相まって実施をいたしているところでございます。
○勝木健司君 最後に、大臣にお伺いしたいというふうに思います。
 現在の我が国の社会保障政策の最大の課題は、いわゆるゴールドプランの成否にかかっておるだろうというふうに思います。そしてこのゴールドプランの実現のかぎを握っているのが保健医療・福祉マンパワーの確保問題であろうかというふうに思います。病院で働く看護職員、在宅介護のためのホームヘルパー、特別養護老人ホーム等の施設職員の人材確保は一段と現在深刻化いたしております。この保健医療・福祉マンパワーをめぐる問題は今日極めて急を要するものとなっております。
 私ども民社党も、その対策の柱となるべく保健医療・福祉人材確保法の制定を今現在提唱しておるところでございますが、この民社党の法案につきましての大臣の見解、そしてこのゴールドプランの成否がかかっております保健医療・福祉人材確保に向けての大臣の決意のほどをお伺いしたいというふうに思います。
○国務大臣(山下徳夫君) 民社党から御提案がございました保健医療・福祉人材確保法案、このことにつきましては示唆に富んだ内容の御提案と受けとめております。厚生省における法案の検討に当たって十分参考にさせていただきたいと思います。
 なお、これからの方策として、二十一世紀の本格的な高齢社会を迎えるに当たって、適切な保健医療あるいは福祉サービスが提供できるようにするためには、必要なマンパワーの確保、これは皆さんも質問等において御指摘されておるとおりでございまして、この点十分考慮しながら、今後の厚生行政極めて多端でございますので、予算の確保には全力を傾注してまいりたいと思います。
○勝木健司君 終わります。
○委員長(田渕勲二君) 本調査に対する本日の質疑はこの程度にとどめます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時四十二分散会
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