第122回国会 運輸委員会 第3号
平成三年十二月十七日(火曜日)
   午前十時開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 十二月五日
    辞任         補欠選任
     粟森  喬君     新坂 一雄君
 十二月六日
    辞任         補欠選任
     関根 則之君     伊江 朝雄君
 十二月十三日
    辞任         補欠選任
     櫻井 規順君     本岡 昭次君
 十二月十六日
    辞任         補欠選任
     本岡 昭次君     櫻井 規順君
     新坂 一雄君     高井 和伸君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         峯山 昭範君
    理 事
                狩野 明男君
                野沢 太三君
                櫻井 規順君
                中川 嘉美君
    委 員
                上杉 光弘君
                鹿熊 安正君
                片山虎之助君
                二木 秀夫君
                稲村 稔夫君
                佐藤 三吾君
                渕上 貞雄君
                堀  利和君
                小笠原貞子君
                高井 和伸君
                寺崎 昭久君
   国務大臣
       運 輸 大 臣  奥田 敬和君
   政府委員
       運輸大臣官房長  豊田  実君
       運輸省運輸政策  大塚 秀夫君
       局長
       運輸省鉄道局長  井山 嗣夫君
       運輸省自動車交  水田 嘉憲君
       通局長
       運輸省海上交通  大金 瑞穂君
       局長
       運輸省航空局長  松尾 道彦君
       運輸省航空局技  加藤  晋君
       技術長
   事務局側
       常任委員会専門  長谷川光司君
       員
   説明員
       警察庁警備局警  兼元 俊徳君
       備課長
       総務庁長官官房  内藤  勇君
       参事官
       国土庁大都市圏  塩沢 俊彦君
       整備局計画官
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  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○運輸事情等に関する調査
 (関西国際空港における自然災害に対する安全
 対策等に関する件)
 (成田空港問題における国の責任等に関する件
 )
 (旧国鉄職員に対する地方労働委員会の救済命
 令に関する件)
 (信楽高原鉄道事故に伴う安全性確保、原因究
 明、補償交渉等に関する件)
 (大都市交通機関の混雑緩和対策に関する件)
 (踏切鉄道事故の防止対策に関する件) 
 (リニア・モーターカーの火災事故等に関する
 件)
 (JR各社の身障者用施設の整備促進等に関す
 る件)
 (地方空港の積極的な活用及び航空行政の規制
 緩和等に関する件)
 (民鉄の運気値上げ及び民鉄への助成問題に関
 する件)
○三重県内の気象事業の整備拡充に関する請願
 (第九八九号)
○継続調査要求に関する件
    ―――――――――――――
○委員長(峯山昭範君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る五日、粟森喬君が委員を辞任され、その補欠として新坂一雄君が選任されました。
 また、去る六日、関根則之君が委員を辞任され、その補欠として伊江朝雄君が選任されました。
 また、昨十六日、新坂一雄君が委員を辞任され、その補欠として高井和伸君が選任されました。
○委員長(峯山昭範君) 次に、理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(峯山昭範君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に櫻井規順君を指名いたします。
○委員長(峯山昭範君) 次に、運輸事情等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
○稲村稔夫君 私は、きょうは私の持ち時間が三十五分ということでございますので、それこそ問題を少し絞って政府の考え方をお伺いしたいというふうに思っております。
 私どもは、去る何月でしたか関西新国際空港の建設状況等、社会党の調査団ということで行ってまいりました。そして、いろいろなことをそれなりに、私どもなりに感じて帰ってきたわけでありますが、きょうはその関西空港の問題について伺っていきたいと思います。
 最初に、関西新国際空港の全体構想とその建設の進捗状況につきましてどのようになっているか、ごく要点をかいつまんでお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(松尾道彦君) 関西空港でございますが、六十二年の一月に現場で工事に着手いたしておりまして、現在順調に工事が進んでおります。空港島につきましては、先週の十二月十三日に五百十一ヘクタールの土地全般につきまして完了いたしたところでございます。
 また、連絡橋でございますが、橋脚の三十一基、橋げた三十区間、すべて設置済みとなっておりまして、かなり順調に工事が進んでおります。今後は滑走路あるいはターミナルビル等の空港諸施設の建設工事、これを鋭意進めまして、平成六年夏ごろの開港実現に向けまして関空会社とともに協力をいたしまして全力を尽くしてまいりたい、このように考えています。
 ただいま御指摘の空港の全体構想でございますが、二十一世紀に向けた空港整備計画の重要課題ということで認識いたしておりまして、先月の十一月二十九日に第六次空港整備五カ年計画を閣議決定していただいたわけでございますが、この趣旨を踏まえまして長期的な収支採算性あるいは空港計画などの諸問題につきまして今後十分調査、検討してまいりたいと考えております。
○稲村稔夫君 全体構想ということを伺いました中で特にどのような規模で考えておられるのか、その辺のところはどうなっていますか、これを伺わないと。
○政府委員(松尾道彦君) 現在工事中のところは滑走路三千五百メートル一本でございますが、横風用滑走路一本と平行滑走路もう一本ということで、全体で約倍の千二百ヘクタール程度の用地を考えておるところでございます。
○稲村稔夫君 これは海上に埋め立てをして建設するという極めて特殊な条件でつくられるものになるわけです。それだけにいろいろメリットもあると思いますが、また問題点も多くあるのではないかというふうに思います。これはメリットとしてはどんなものが大きなものであり、またデメリットとしてはどのようなことを考えておられるのか、それをお教えいただきたいと思います。
○政府委員(松尾道彦君) 関西空港は世界でも初めての本格的な海上空港として建設中でございまして、一番のポイントは航空機に伴う騒音公害、これをなくすという点が一番のメリットだと思います。デメリットは、海上空港でございますので、それに伴ういろんな自然災害を受けやすいかなということでございますが、私どもはそれに対応する十分な対応は考えておるところでございます。
○稲村稔夫君 メリットとして騒音に対する対応ということを言われました。これは私は、必ずしも本当にメリットかどうかには多少問題があるというふうに思っております。少し長い時間かけて調査をしなければならない課題、例えばそれが水産といいましょうか、魚等に及ぼす影響だとかなんとかというようなものもあるいはあるかもしれません、これはまだ実際にやられたことがないわけでありますから。そうすると、こういう大きな規模のものができたときにどういう影響が出るか、これは少し将来研究をしなけりゃならない課題じゃないか、そんなふうにも思うわけです。
 それはそれといたしましても、今デメリットのことで触れられましたが、先ほどの全体構想とのかかわりでちょっと私気になりますのは、この全体構想のもとで現在進められている建設は、これは滑走路一本になるわけですね。先ほどちょっと横風の問題も触れられましたが、海上ですから特にそのことが気になるんですが、横風用の滑走路というのは、これはいつできるんですか。
○政府委員(松尾道彦君) 今一本でやっておりますが、横風用につきましてはこれからの全体構想の調査の中でさらに勉強してまいりたい、このように考えております。
 なお、滑走路一本で処理能力は大体私どもは十六万回程度を予定しておりますので、とりあえず二十一世紀初頭における国際線あるいは国内線の基幹的な拠点としての立場からいきますと十分対応できるんではないか、このように判断いたしております。
○稲村稔夫君 横風対策というのは、私は航空については全く素人でありますからよくわかりませんが、これは安全上の問題として考えていく必要はないものなんですか。
○政府委員(松尾道彦君) 基本的には今先生の御指摘のとおりでございますが、日本の気象条件を、地域によって違いますけれども十分精査をいたしておりまして、大体今の滑走路方向によりますと、横風用を使うケースは恐らく一・数%台というふうに考えておりますが、全体としては確かにそういう横風用の必要性は出てまいるわけでございますので、今後とも十分検討してまいりたいと思います。
○稲村稔夫君 ちょっと、今後検討しなければならない課題というふうに言われたように思うんですが、一・何%にしろ何にしろ、航空機というのは特に安全上の問題は大事な問題になりますよね。そうすると、ちょっとでも可能性とか心配とかいうものがあるときはそのことについては十分対応していかなきゃならないというものでしょう。そうすると、現在一本だけでということと今度の問題と何か安全上の問題が分けられているような感じがして、これはどういうことなんでしょうか。
○政府委員(松尾道彦君) 理想的には同時にやれるのが一番いいわけでございますけれども、全体の工費の関係などございまして、例えば成田空港も現在四千メートル滑走路一本でございますが、横風時のときも若干ございますが、霧とか横風の場合にはやむを得ず、例えば羽田へのダイバートなども実際に若干でございますが出ておりますので、そういう緊急避難的な格好では既存空港で対応せざるを得ない。将来的にはやはり完全な体制でもって進める必要があろうかと、このように考えております。
○稲村稔夫君 そうすると、ちょっと確認で恐縮ですが、現在はまだ横風の滑走路というのはできる形にはならないけれども、もしそういう状況が生まれたときは他の空港を使う等によって安全を確保するというふうに理解してよろしいですか。
○政府委員(松尾道彦君) 先生の御指摘のとおりでございます。
○稲村稔夫君 そこで、安全問題についてさらにもう少しいろいろと伺いたいというふうに思っております。
 これは海の上につくられるわけでありますが、これに対していろんなことが問題になると思います。
 まず、潮害対策とでもいいましょうか、当然海でありますから、高潮の問題とかあるいは風による海水の飛散であるとかいうようなことが一つ問題点としてあるのではないかと思いますけれども、その辺はどのように配慮をされているんでしょうか。
○政府委員(松尾道彦君) ただいまの御指摘の海上空港の特殊性からいろいろございますが、護岸とか空港島あるいは連絡橋等の設計に当たりましては、過去のデータを十分参考といたしまして、御指摘の台風とか地震とか高潮、こういった自然災害に対応する構造ということで設計をいたしておりまして、自然災害に対する安全性は十分確保できると、このように考えております。
 また、高潮対策でございますが、過去最大の潮位よりもさらに高く空港島を造成いたしておりまして、この点からも十分安全であると考えています。
 また、塩害対策でございますが、特にターミナルビルなどの空港諸施設の外部に面する部分でございますが、これにつきましては塩害に強い材料を使いまして、あるいは塗装面で対策を講ずるなどいたしまして、十分こういった対策についても配慮しておるところでございます。
○稲村稔夫君 高潮対策については、これは過去の例が何か三メーターくらいが最高という話も現地で伺いました。ですから、何か四メーターあれば十分大丈夫だという話も聞きました。しかし、飛沫による塩害等については、これは非常に問題が多いのではないかというふうに思います。特に、秋の台風災害のときに山陽地方の海岸地域で起こりました塩害、これは非常に大きな問題であります。それらの経験というのがこの建設に生かされていくんでしょうかどうでしょうか。
○政府委員(松尾道彦君) 今の御指摘を十分私ども考えておりまして、例えばターミナルビルの外面につきましてはステンレス仕様とかあるいは塗装の場合には二重塗装などのクロム塗装といいますか、そういった特殊の方法を使いまして塩害に対応しておると、こういう状態でございます。
○稲村稔夫君 そういたしますと、これは建設をするときに既にそのことを含めてコストの問題として考えておられたのか、あるいはいろいろな経験、新たな経験としてそういうものが加わっていってエスト的には高くなるのか、その辺のところはどうなんですか。
○政府委員(松尾道彦君) 海上空港につきましては、日本の国内で、規模は小さいんですが、例えば長崎県も海上空港の一つでございまして、そういう貴重な体験を私ども持っておりますので、そういうことの体験を十分生かして設計を考えておりますので、陸上の面からいえば、塩害対策より若干割高かもしれませんけれども、全体大きな中ですからそれほど収支面に大きな影響を与えるというふうなことはないんですが、いずれにしてもそういった対応は考えておるところであります。
○稲村稔夫君 ちょっと細かいことで恐縮ですけれども、例えば配管などにステンレスを使うのとそれから普通の鋼材を使うのではかなり違うんですよね。特に配管の非常に多い施設だと思いますけれども、そうすると、それだけでもって随分コストは違ってくる。今あなたは若干という話をされたけれども、かなり違いがあるはずなんですね、そういう面でも。塗装の面についても違いがかなり出てくるということになります。
 これは私は、安全ということは非常に大事だと。同時にまた、利用者の負担増にならないような対応というものも必要だということになってまいりますので、その辺コスト的なものというのはやはり大変気になるわけであります。
 きょうそのことを私は詰めるつもりで申し上げているわけではありませんから、これは私の考え方として申し上げますが、特に安全への対応とコストとのかかわり、もしそれで割高になるというようなことがあれば、それなりに政策的な経費負担だとかなんとかというものを考えていかなきゃならぬというようなこともあわせて検討していただかなきゃならないんじゃないだろうかというふうに思うんですが、その辺大臣、政策としての考え方としてはいかがですか。
○国務大臣(奥田敬和君) 今ほど御意見を承っておったわけでありますけれども、私は先生が漁業環境面や高潮対策、塩害対策、横風対策等々に大変技術的な見地も踏まえまして、御心配なさっていただいている形に対して心から感謝を申し上げます。
 ただ、世界的にも刮目されておる画期的な人工島、そういった条件を日本の最高の技術をもってこれをクリアしてやっていこうという、しかも二十四時間空港というまさに我が国の拠点空港としての、もうすべてをかけて六次空整でも最大のプロジェクトとして取り組んでおるわけでございますし、今仰せのそれらの懸念される技術的な点も万々万全を期すべく、もうあらゆる権威のある立場の皆さん方の意見を集中いたしまして、パーフェクトな立派な世界に胸を張れる空港に持っていくように努力しているところでございますので、先生の先ほど来の御懸念の点等をさらに慎重に検討させて間違いのない形に持っていきたいと念じておるところでございます。
○稲村稔夫君 大臣、私の伺い方が悪かったのかもしれませんが、今お答えいただいたこと、そういう方向でお取り組みいただいているということを一応理解するといたしまして、それでも経費的には、コスト的にはかなりそのたあにかかるでしょう。そうすると、それが利用者の負担ということで大きくなってきても、これまた問題があるのではないか。
 その辺のところはある程度政策的に対応していく。いろいろな形の補助というのもあるでしょうが、いろいろな格好でその対応が考えられるはずであります。政策的経費として、政策的コストとして確保していかれるということが大事なんではないだろうか。コストの格差というかコストが大きくなること、そういうことについての方向性として伺っているんです。
○国務大臣(奥田敬和君) 失礼いたしました。
 もちろん、関西空港は関西財界、関係者挙げてもう大変な熱意で取り組んでおられるところで、今先生も御指摘になったような、滑走路をもう一本どうするとかあるいはターミナルをどうするとかという形で地元負担が相当高い形になってもあえていとわないくらいの熱意は持っておられます。さりとて、そういった形だけででき上がるものとは思っておりませんし、そのことがとりわけ利用者のコスト高につながるというような形をもう政策、行政の担当者としてそのまま見過ごすわけにももちろんまいりません。
 そういった意味合いにおいて、国が挙げてのプロジェクトであるという認識の点に立って、今後ともそういった形で利用者のコスト負担になっていかないように国の積極的な施策を展開してまいりたいと思っております。
○稲村稔夫君 そこで、まだこれから金がかかりそうになるということをいろいろと伺いたいわけであります。
 安全の観点から申し上げるわけでありますが、この連絡橋についての安全性の問題であります。
 これは公団の宣伝文書といいましょうか、これによりますと、摩擦ぐいを使っているから大丈夫である、こういうふうに書かれております。摩擦ぐいということについては、私はこれは全く建設も素人でありますからよくわかりませんが、ただ、普通の都市などで地盤が悪いところで摩擦ぐいを使うというようなときは、その摩擦ぐいそのものがやはり薄い砂の層であろうが何であろうが砂の層、砂れき層というものが一部ひっかからないと摩擦くいも余り効果がないというようなことなどを私どもは言われてきていたのであります。これは随分長い距離をそうした摩擦ぐいという、新しい技術だと言ってもいいんでしょうが、こういう対応をしておられるわけでありますが、橋の強度というものについて、これは心配はありませんか。
○政府委員(松尾道彦君) 今の連絡橋でございますけれども、これは私ども日本の土木関係の技術の粋を集めて工事をしていただいておりまして、今実質的には先ほど冒頭申し上げましたような格好で既に実質は設置済みという格好になっておりまして、今後はそれの完成工事に向けて一生懸命やっておるところでございまして、安全性についても十分強度を確認しながらやっていただいておる、このように理解をいたしております。
○稲村稔夫君 摩擦ぐいということについての問題はかなり技術的なことでありますから、技術畑の人のいろいろな御意見なども私なりに伺っております。現在の知識の中ではこれも一つの方法ということにはなるのでありましょう。
 ただ、万全とおっしゃったけれども、それが万全という保証はどこにもないわけであります。それだけに万が一ということは常に考えておかなきゃならない課題ではないかというふうに私は思うんですよ。その辺はどうなんですか。
○政府委員(松尾道彦君) これは、もう空港との基本的なアクセスで、道路、鉄道の併用橋という瀬戸大橋に並ぶぐらいのものでございまして、安全について絶対ということは言えないかもしれませんけれども、十分対応し切れる。将来の国際ハブ空港としての基本的なアクセスを担当していただく施設でございますので、安全については十分関空会社で配慮して今の状態に設置済みというふうになっておる状態でございます。
○稲村稔夫君 私は、現在の技術でできる範囲の最大の努力をしているということ、これは評価をそれなりにいたします。しかし、一〇〇%万全ということはありませんということを常に考えていかなきゃならない。しかも、これは後ほど伺いたいと思っていることの一つですけれども、かなり大規模な物流がこの空港を中心に展開される、こういうことになってまいります。そうすると、それだけに私は、連絡橋一本で交通関係が維持をされるという形になっているところにいささか不安を感ずるのです。
 万が一などということは起こっては困るわけでありますけれども、例えばその橋が万が一で閉鎖といいましょうか通れないという状況が起こったときに、対策はどういうふうにされるんですか。
○政府委員(松尾道彦君) 今の連絡橋の安全確保については、空港全体の警備あるいは保安対策の一環として万全を期しておるわけでございますが、万一、大事故等の非常事態発生の場合に連絡橋が遮断され、道路、鉄道の併用橋でございますので、これが全面的に不通となった場合でも、これこそ海上空港のメリットという立場から、現在神戸あるいは淡路島、大阪などからの近辺の海上アクセスについても具体的な対応を考えておるわけでございまして、その点については陸関係、海上関係、あわせて対応を考えておるところでございます。
○稲村稔夫君 陸関係、海上関係とおっしゃったけれども、海上はそうすると、岸壁というのはどのくらいあるんですか。
○政府委員(松尾道彦君) 空港島の中に護岸をつくりまして、その中に海上アクセス基地として現在既にフェリーもついておりまして、あそこで仕事をされる従業員の方々の輸送に今活躍をしていただいているところでございまして、十分対応できるのではないかと思っております。
○稲村稔夫君 そこ一カ所だけですか。
○政府委員(松尾道彦君) はい。先生が先般空港を御視察していただいた場所でございまして、一カ所だけでございます。
○稲村稔夫君 私は、それにはまた大きな不安も一つあるんですよ。といいますのは、橋が落ちるような状況が起こっているときに、たまたまそこに高速船がたくさん係留されているならば、それは避難の問題一つ考えていっても、すぐ対応できる部分が、全体はすぐにはできないでしょうがかなりの部分は対応できるということが言えるかもしれません。しかし、常時係留されているものというのはそんなにあるわけじゃないはずであります。応援態勢をとって海上をほかのところからみんな集まってこなきゃならない、そのための時間などというものもかかることにもなります。しかも、それは岸壁が一カ所ということになってまいりますと、やはりそれは私は心配というのは残ると思うんですよ。
 普通の小さな集合建築というんでしょうか、例えばアパートだとかあるいはオフィスビルだとかいうものをあれしたときは、必ず避難階段だとか避難口とかあるいは複数の階段通路だとかいうものをつくるのが義務づけられているというふうに言っていいわけであります。
 これだけたくさんの人が集まるところ、物が集まるところ、場合によっては危険物もかなり貯蔵されているそういう場所について橋が一本だけで、そして海上のものというのはかなりの制約を受けた対応をせざるを得ない、こういうような状況で、これで安全対策が万全だというふうに言えるでしょうか。
○政府委員(松尾道彦君) 私どもの考えといたしましては、今の連絡橋と海上輸送で大体大きな動きに対しては対応できると考えております。
 今のエマーシェンシーの、本当に緊急事態の場合はどうだ、こう御指摘でございますが、これは緊急避難的な場合には救生活動については海上保安庁の御協力もいただけると思います。そういうことは緊急避難の場合には考えざるを得ないと思いますが、通常の事態の場合では何とか対応できるのではないかというふうに考えておるところであります。
○稲村稔夫君 もう時間がなくなってまいりましたので、この問題をもっと伺いたいのでありますけれども、一つだけ私の意見を申し上げ、お考えを聞いておきたいと思いますのは、例えば大村空港のように、海の中といってもすぐ近くに陸のあるところとは違うんですよ、かなりの距離があるんです。こういうものを建設されるときは、少なくとももう一本の橋あるいは二本の橋というものがあってしかるべきなんです。まるでふん詰まりみたいな形になっているというのに問題があるんじゃないか。その辺のところは今後の問題として、今これは建設をとにかく急がれているんですから、その中に入れてまだ時間をかけろとは言いませんが、少なくとも次の計画等では検討していくということが必要なんではないだろうか、そして実現をすることが必要なんではないだろうかというふうに思いますけれども、その辺はいかがでしょうか。
○政府委員(松尾道彦君) 今の空港は北側に連絡橋があるわけでございますが、南側にも連絡橋という地元からの強い御要望も現実にございます。これは海上アクセス以外に陸上としてのアクセスがもう一本、こういう御希望もございまして、今地元でいろいろな観点から検討していただいておるところでございますが、交通容量的には何とか今の通常の事態では対応できるのじゃないかというふうに思っておりまして、新たにもう一本の連絡橋を整備する必要性はかなり低いというふうに考えておりますが、今先生の御指摘の問題も含めて十分勉強はしていきたい、このように考えております。
○稲村稔夫君 私は、今の御答弁ではちょっと納得し切れないのですが、ここは大臣にもちゃんとやっぱりお考えを伺いたいんです。
 というのは、安全ということを考えたときに、必要性が低いとか高いとかという判断だけで物は処理できないのではないかというふうにも思うわけです。もちろん、地元からもう一本のという大きな要望があることは私も伺いました。それはそれで地域の振興問題等、いろいろなものとのかかわりで、そういう観点からの検討、それから交通の容量としての必要があるという検討もあるでしょう。しかし、安全ということから考えたときには、どうしても必要なものとして考えることが大事なんじゃないだろうか、こんなふうにも思うんですけれども、この辺はいかがでしょうか。
○国務大臣(奥田敬和君) 先生の現地視察を踏まえられての御意見で、安全を最大限第一に考えてやっているのかという御指摘については私も全く共感します。
 現実には、一本より二本の方がいいんであって、今言われたコストの面で恐らくまた相当な、地元の要望もさることながら、そういった点を念頭に入れながら今航空局長の答弁を聞いておりましたけれども、航空局長だって先生の言われるとおり、一本より二本の方がいいに決まっているんで、それは海難避難等々の応急処置は仮にできるとしても、それはそっちの方がいいんだろうけれども、また次の経費負担とかいろいろな面を念頭に置きながら、今ので一〇〇%大丈夫だという形で答えられておるんだと思います。
 しかし、地元要望もあります。また、私も先生の御意見のように、やっぱり補助橋的な形でのアクセスも必要だと思います。これらは、ともかく平成六年の夏開港という形に向けて一直線に今走っているわけでありますから、現在の一次計画とその次に来るべきそういった安全面を最大限考慮した対策は当然必要であろう、またそういう方向に向けて努力しなきゃならぬなと思っております。
○稲村稔夫君 もう時間がなくなりましたが、せっかく国土庁にも来ていただいておりますので、国土庁からも御意見を聞きたいと思います。
 これは近畿圏の振興計画というものとどのように空港というものが結合されていくのだろうか、その辺のところのお考え、あるいは近畿圏ばかりではなくて四国地方も、これは関西空港の利用という面では重要な位置づけになってくるのではないだろうか、こんなふうに思うわけでありますが、その辺のところをどのように考えておられるのでありましょうか。
 このことを私が伺いますのは、言ってみれば空港をつくるということはハードということになります。ハードをつくってもソフトが生かされていかなければ大して意味がないということにもなってきます。そういう意味で、地域振興の計画との結びつきが大事だというふうに思いますので、その辺のところをどのように考えておるか伺って、さらにそのことを閣僚会議の一員として一生懸命進めておられる大臣のお考えをお聞かせいただくということで、私の質問を終わりたいと思います。
○説明員(塩沢俊彦君) 御指摘の関西国際空港建設と近畿圏あるいは四国地方におきます振興計画との関連につきましては、近畿圏基本整備計画あるいは四国地方開発促進計画に記述しております。
 まず、近畿圏基本整備計画におきましては、関西国際空港は我が国初の本格的な二十四時間運用空港として早期開港を目指し、空港及び空港関連施設の整備を進めるとともに全体構想を推進するための調査を進める旨位置づけられておるところでございます。また、近畿圏において全国的、世界的中枢機能を担う圏域を整備するため、我が国初の本格約二十四時間空港である本空港のメリットを近畿圏内各地において広域的に活用し、国際交流基盤施設の整備、国際化を支援する体制の整備あるいは国際交流実績の伸長など、多彩な国際交流の展開等を図ることとしております。
 また、四国地方開発促進計画におきましては、関西国際空港と四国との交通アクセスの向上を通じた地域振興を促進するため、関西国際空港と臨接四国圏域の港湾との海上アクセスに資する施設の整備を図っていくことが必要である旨位置づけられているところでございます。
 以上でございます。
○国務大臣(奥田敬和君) 国際拠点空港としてのこの関西新空港の建設が一日も急がれておる。このことは国土政策の上からいっても一極集中排除という大きな使命を持っておりますし、また関西の復権という形の中でまさに一番大事な基幹事業であるという現状認識を踏まえまして、立派な空港整備に邁進したいと思っております。
○佐藤三吾君 わずか三十分でございますので、ひとつよろしくお願いします。
 まず、大臣にお尋ねしておきたいと思うんですが、あなたは就任早々から成田問題で御苦労なさっておりますが、この成田は二十五年間にわたっての抗争ですね。新しい局面ができるかどうか、まさに私は国民が注視をしておる、また期待も持っておることだと思うのでございますが、二回のシンポジウムを終わりまして、じかに出席なさった大臣の感想をまずお伺いします。
○国務大臣(奥田敬和君) 私の大臣就任早々の舌足らずと申しますかの意見が問題になりまして、大変これまで反対運動を続けてこられてまいりました反対派農民の皆さん方の憤激を買ったという経緯もございます。しかし、これは決して私の真意ではございませんで、本当に何とか、現在の成田の現状を思うときに、どうしてお互いにもっと胸を開いた形の中で話し合い解決の糸口ができないのだろうかという思いが強かったわけでございます。
 先般の第一回のシンポジウムにも、そういった発言を超えて出てきてもいいという形で、私も農民側を初めとする皆さんの御意見をじかに聞く機会を得ることができました。この二十五年の不幸なあの対立抗争といいますか不毛な対決とも申しますか、こういった原点を振り返ると本当に胸が痛くなるような思いもしますし、そしてまたあの位置決定をめぐるいわゆる政府側の経緯も踏まえて考えますと、やはり私たちとしては反省するところも多々あったと思っております。そしてまた、農民側の皆さんのあの開拓地にかけて土とともに命をかけてこられた人たちの心情の一端をお聞きするにつけても、そういった形の中でもっと何か、最初からのボタンのかけ違いというものがどうしてこういう長い年月をかけても解消しないまでにこじれてきたのかなという形の中で、私はこのシンポジウムの開催をきっかけに、二回、三回、四回とお互いの立場を理解し合える何かそういった素地が芽生えてきつつあるなと。
 私たちも謙虚な気持ちで、そして過去の経緯はともかくとして、今日の日本の表玄関としての成田を何とか一日も早く世界の皆さんに胸を張って誇れるような完全空港化と申しますか、そういった形で、もうまげて御協力を願える道筋がなかろうかな、そういったことで努力をさせていただきたいと思っておるわけでございます。
○佐藤三吾君 大臣からもお話が出ましたように、ボタンのかけ違いといいますか、成田は初めからそう言われてきたわけです。
 今、大臣おっしゃったように、五十三年開港以来、今でもそうでございますが、ちょうど佐賀県警本部と同じ警察官が成田だけについているんですね、全部で千五百人。私は、こういう空港は世界に例がないんじゃないかと思うんです。まさに異常な状態と言っていいんじゃないかと思うんですね。これは放置したんじゃないでしょうけれども、二十五年間もボタンのかけ違いを直さなかったということの責任は私は政治にあるんじゃないか、そう思うんですが、大臣のこの問題に対する認識はいかがですか。
○国務大臣(奥田敬和君) 先生の御指摘のような認識で私もおります。
○佐藤三吾君 私、三里塚の皆さんと話をした機会があるんですが、この皆さんはお聞きすると大部分の方が満蒙開拓団で戦前に日本の生命線ということでお国のためにということで送られていって、それで敗戦後に、言うなら関東軍に見捨てられて、そして関東軍が逃げるときにソビエトの追及を恐れるが余りに橋を壊し鉄橋を壊して、結果的に袋のネズミみたいに追い詰められて今からがら日本に帰ってきた。帰ってきて開拓地をあそこで開墾して、そしてやっと実りかけたところに今度はお国のために空港でひとつ出してくれぬか、こういう仕打ちを受けておりますから、やっぱりこの人たちが空港反対で命がけで立ち上がる理由はそこにある、そう思うんですね。それを政府権力でもって強行する、この繰り返しか二十五年の歴史じゃなかったかと私は思うんですよ。
 私は、そういうことで、これは今大臣もおっしゃったように、どうして話し合いができないかと言われてみても、仮に大臣がそういう立場になったらやっぱり命がけで闘うと思うんですよ。そういったぐいのものに対してどうして政府は非を認めてわびを入れて、そうして率直に話し合う機会をつくろうとしなかったのか。これが私は、この二十五年間の抗争の最大の原因だと、そう思うんです。
 今、大臣のお言葉を聞きますと、私の言うようにきちんと言っていないけれども、内心的にはそういう事実について率直にひとつ話し合うという姿勢に聞こえたわけでございます。私は、日本人同士ですから、やっぱりそこら辺できちんと折り目がつけば、ボタンのかけ違いを直せば話し合いができないことはないと思うんですよ。政府がそれをやるかやらないか、ボタンをかけ違った政府が、そこに問題はあるわけですから、その点はひとつぜひ私は問題解決を、大臣せっかくそこまで踏み込んだんですから御努力をお願いしておきたいという気持ちでいっぱいですが、大臣いかがですか。
○国務大臣(奥田敬和君) 私は、先生が三里塚の農民の皆さんの心情をよく理解された立場に立ってのお話でございますし、ボタンのかけ違いの原点はやっぱり政府権力側のおごりも率直に言ってあったんじゃなかろうかということも反省をいたします。
 そしてまた、農民側の皆さん方が本当に自分の土地にされるまでにもう血の汗を流してやってこられたという心情もお伺いするときに、先生が今お話しになったお気持ちも私は私なりに推察もいたします。そして、率直におわびすべき点は私はおわびしなきゃならぬと思います。そして、お互いに日本の表玄関として本当に本格的な、わだかまりを超えた空港に持っていくための努力は惜しまないで、何とか日本人同士としてお互いに腹を打ち割って、私たちも反省すべき点は率直におわびする姿勢の中で、この長い不毛な対決は何としても終止符を打つ方向の中で頑張りたい。先生のお力をおかしいただけるならば、私もどこへなりと行ってそういった心情も披瀝してまいりたいと思っておりますので、今後とも御支援のほどを心からお願い申し上げます。
○佐藤三吾君 運輸省は御存じ尤ろうと思います。大臣も御承知だと思うんですが、ドイツのミュンヘンの新空港が来春開港になりますね。これは、たしか成田と同じ時期に計画を発表したんです。そして、二百五十回にわたって対話集会をやっている。それでも、たしか裁判事件になって四年間作業停止を食らってやっと来春開港。その間に権力は一切使っていない、これが私は民主主義だと思うんですよ。今、ロンドンの第三空港もやっぱり廃港に追い込まれましたね。新設を断念せざるを得ぬような状況になっておりますが、空港建設の場合、どの国でもそういう問題があるんです。
 それを日本のように権力でもって抑えつけて、しかも自分の間違い、政府の間違いをなすりつけてやるということは許されることじゃないと私は思うんですよ。そういうことを運輸省は担当の省として、そして今日まで二十五年間黙々と話し合いのきっかけをつくらずにやってきた、そのことが私は異常だと思うんですね。
 ですから、そういう意味で今大臣にせっかく決意をいただいたわけですから、私はやっぱり大臣に全面的な協力をしていただいてこの問題解決に尽くしてほしい。こんな千五百人の警察官が取り囲んで守らなきゃ空港ができないようなばかげた状態というのは、これは日本国の恥でもありますよ。その点ひとつぜひ運輸省にも、局長来ていますからお願いしておきたいと思うんですが、いかがですか。
○政府委員(松尾道彦君) ただいまるる大臣の方からお話がありましたとおりでございまして、現在公開の場でシンポジウムという立場で双方の意見を開陳し合って率直に反省しながら一歩一歩前に向けて解決を図っていきたい、このように考えております。
○佐藤三吾君 こういう答弁を大臣、紋切り型と言うんですよ。もっと心のこもった答弁ができぬのですか、そこが一番大事だと言っておるんですよ。まあいいでしょう、もう大臣からせっかくそういう決意をいただいたんですから。
 そこで、成田問題はその程度に抑えて、ひとつ本題に移りたいと思うんです。
 大臣、運輸省というところはいろいろそういう意味で大きな問題を抱えておるんですが、国鉄の場合が私はよくこれに似ておるような感じがしてならぬのです、成田に。民営移管に伴って今採用差別事件というのが、御案内のとおりに地方労働委員会が救済命令を出したのにもかかわらず四十一地方労働委員会、百二十件にわたって起こっておる。今、中労委に出ておりますね。四十一地方労働委員会といえばほとんど全国です。そのため、昨年四月に清算事業団から解雇された千四十七名の方が家族ともに二度目の冬を迎えようとしている。中労委も、きのう事務局長と電話で話してみますと、何とか年内に解決のめどをつけたいと、こう言っておるわけです。ところが、めどをつけるためにはやっぱり使用者の方が、いわゆる解雇をした方が地方労働委員会の裁定に服するという条件をつくっていかない限り問題解決はできない、そういうところで悩んでおるようでございます。
 そこで、大臣は、衆議院の同僚議員の質問に対しても、この問題については十分ひとつJR各社に対して救済、和解の線で汗をかいてみたいと、こういう御答弁をなさっておるようでございますが、どのような汗をかこうとしておるのか、その点をまずお伺いしたいと思います。
○国務大臣(奥田敬和君) この国鉄退職者の各地労委から救済命令が出された経緯については、今御指摘のとおりでございます。しかし、現在係争中と申しますか中労委にかかっている問題でありますので、余りこれに介入して先走ったお話はいかがかと思いますので遠慮させていただきますけれども、私が衆議院運輸委員会における常松委員の御意見をお聞きして答弁申し上げた中にちょっと心配したことがございました。
 それは、再就職をあっせんするにつけても果たして心配りのある形で全面的にやったのかどうか、二回目のこの冬を控えて再就職も決まらない形の皆さんの心情に対して本当に一生懸命こたえたのだろうか、この点が心配だったものですから、実情を調査した上で何とか私でできる形があれば一汗も二汗もかかせていただきたいということを申し上げました。
 それで、早速清算事業団の石月理事長も呼びまして、そしてあのときは二人の御氏名を例示されましてお話がございました。湯浅さんという方と須藤さんという北海道のかつての国鉄のこのお二人の例を出されてお話がございました。それで私も、清算事業団で過去における就職あっせんの状況の度合い、そして御本人のこれに関する御意向等々を詳細にお聞きいたしました。
 私は初め、清算事業団の対応について本当に誠意に欠くるところがあったのじゃなかろうかという疑念に立って精査いたしました。こういったいろいろな件からいいまして、御本人の希望もあるわけでありますけれども、決して清算事業団側の身びいきで物を言うのではございませんけれども、一生懸命やったという経緯に関しては私も私なりにこの実態を把握することができました。しかし、この冬を迎えられるこういった皆さんに対して、私は今後とも、JR採用が不可能であっても何とか再就職の道、そして現在の居住態勢、何とかこの多そういった寒い思いをしないで住めるようなかえの住宅のあっせん等々も含めて、まだ私としてなすべきことが残っておるなという気持ちでおります。今後とも努力してみたいと思っております。
○佐藤三吾君 大臣のお話を聞くと、まさに私は政治家の声を聞くような感じがするんですが、前の村岡さんの場合にはそれこそ、係争中でございますのでコメントを差し控えたいという事務当局の書いた原稿を読み上げるような大臣答弁でございました。私は、それならもう大臣やめた方がいいんじゃないかと思ったんですね。まあ、事実上すぐやめましたけれどもね。やっぱり政治家というのはそういうものじゃない。行政でできない問題をどう解決していくかというのが政治家の一番大きな要請だと私は思うんですね。そういう意味で、今大臣の言葉はまさにそういった真情が込められておったと受けとめました。
 私も地方労働委員を十年ほど経験しておるんです。率直に言ってこういう事件は、不当労働行為というのは公益委員という第三者の委員が中心になって裁くわけです。大体弁護士とか学者の先生が多いんですけれども、やっぱり不当労働行為は、ある意味では労働裁判所ですから、そういう意味では慎重な、しかも公平な審議をやっているはずです。そこで出された結論、救済命令を、事もあろうに政府機関の持っておったJR、旧国鉄、これが守らない。こういう現象が起こりますと、四十一の地方労働委員会というのは全国の地方労働委員会に等しいわけですから、そこで働いておる中小の労働者にとってみては、これは大変な危惧を抱いておるわけです。
 なぜかというと、地方労働委員会の救済命令を守らないような使用者というのはまさにその地域でろくなやつじゃない、どうしようもない不良事業者が多いんですよ。それと匹敵するようなことをやっておるわけですからね。そういうのが蔓延したら、労働者の救済機関は私は機能麻痺すると思う。
 そういう意味で、この問題は単に労使問題だけでなくて、政府がつくった労働者の救済機関、その救済機関そのものを機能停止に追い込んでおる、こういったぐいの事件です。私はそういう意味から見ると、この問題は放置できないと思うんです。そこら辺はひとつ大臣、ぜひ認識を新たにしていただきたい。そして、やはりこういう不当労働行為の救済命令の解決というのは、結論からいいますと使用者が改めるしかないんです、命令に服するしかないんです。そういう解決をきちっとしていくのがこれまで戦後四十五年間全国で取り上げられてきた不当労働行為事件の処理なんです。
 そういう意味で、私は単なる労使関係の問題ではなくて、今申し上げたように、政府がつくった労働者救済機関を機能停止に追い込んでおる責任、このことをやっぱり重視せざるを得ぬと思うんです。そういう意味で、大臣の御見解も承っておきたいと思うんです。
○国務大臣(奥田敬和君) 救済命令が出ておる、救済命令の形に対してJR側は従うべきである、使用者責任としてという前段の方向はよくわかります。
 ところが私たちは、また国民も含めて、このJR企業、特に今北海道を例示させていただきますけれども、北海道の場合は大変な人員整理をしなきゃいかぬかったという事情にございました。ところが他方、北海道JRの使用者側に立ってこれを見ますと、大変苦痛なことではあったと思いますけれども、現実の点においては大変な赤字営業をしなきゃいかぬ状態の中で六千八百億といういわゆる基金を積み立てて、その果実をうまく運用しながらできるだけ採算点のとれる企業体に持っていかにゃいかぬという悩みもございます。しかも他方、行政監察の方からは、まだ北海道JRに対しては、過剰人員を抱えておってもう少しスリムな形に持っていかにゃいかぬじゃないかという厳しい勧告もいただいておるという現状でございます。
 そういった点の中で、旧国鉄の責任に帰すべき大事な問題でありますけれども、新しいJR企業側にとってみると、一〇〇%受け入れたい気持ちはやまやまであっても、そういった制約条件の中で彼らは彼らなりの悩みも持っておるという実態もぜひ御認識をしていただきたいと思います。
 しかし、その中でも私は、まだ方法があるんじゃないか。北海道JRをスリム化して附帯的な会社といいますか子会社をつくって、いろいろな多角的なサービス分野にも努力しなきゃならぬ状態でございますし、こういったときにこの皆さん方の希望を少しでもかなえてあげられるような形で、系列形態になったとしてもそういった形でかつての国鉄職員の誇りをそのまま地元に定着しながら生かすことができるんではなかろうかなと、そういったことも考えながら対応してまいりたいと思っておるわけです。
 ただ、先生の言われた中労委の調停、こういった法律的なことは先生の方がお詳しいのでわかりませんけれども、JR側としては、やはり一つの制度にのっとって調停がどういう方向にいくのか、これに関しては法的に決められた手続にのっとってやっているんだと思いますので、私としてはもうちょっと勉強させていただきたいと思います。
○佐藤三吾君 今の北海道のJRの場合に、経営形態からいって大変だとか、九州の場合はどうだと、こういうことについてはそれなりにわからぬでもないんです。
 ただ私は、大臣も御承知のとおりに、こういう分割・民営という方法はだれがとったのかということです。分割しなくてもよかったわけですよ。分割の方法だって六つにしなくても三つだってよかったわけです。
 いろいろあると思いますよ。しかし、その一番大きな責任は何かといえば、私はここに運輸省いらっしゃいますけれども、まあ政治がごり押ししたということもあるかもしれぬ。新幹線なり、それからローカル線なり、そういうのを採算を度外視して赤字でもってつくり上げていったという中から、しかも国鉄でありながら借入金でやっていった。そういう二重の結果、いわゆる赤字会社に転落したわけでしょう。それを今度は改革するのにそのまま改革するというか、本来ならこれは私に言わせれば運輸省の責任が大きいと思うんですよ、こんな状態に放置したのは。杉浦さんが国鉄総裁をやっておったけれども、彼なんて一番首をくくるぐらいの大きな問題だと思う。そういうことからこの問題は起こったという経緯を考えていただきたいということが一つ。
 もう一つは、地方労働委員会も指摘しておるように、いわゆる再雇用の方法の中での差別が、例えば労働組合所属を理由にした差別、それがあるということです。この二つの点から地方労働委員会は不当労働行為として救済命令を出したと私は思うんですね。ですから、その点を私は、JR各社対労働組合の労使関係というんじゃなくて政府自身が重大な加害者である、このことを否定はできないと思うんですよ。ですから、あの改革法審議の国会の中で、中曽根総理も三塚さんも、それから杉浦さんの三者とも、一人といえども路頭に迷わすことはしない、それは政府の責任だと言っておる、議事録を見ると。このことは、私はやっぱり明確にしなきゃいかぬ。
 そういう意味で、私は、大臣就任早々に成田あり国鉄ありで大変だと思いますよ。しかし、私は、やっぱりこれを片づけるのは政治家じゃなきゃできないと思うんですよ、官僚では。ですから、そこはひとついろいろありましょうけれども、大臣にはひとつ、さっきの真情をいただきましたが、二度もそういう罪なき労働者が――何もこの赤字をつくったのは労働者の責任でもない、民間移行も労働者の責任じゃない。にもかかわらず、まじめに働いてきた労働者がなぜこういう目に遣わなきゃならぬのか。これは、私は同じ日本人同士としても許すべからざることだと思うんですよ。しかも地方労働委員会が、公益の立場に立つ公益委員の皆さんが救済命令を出しておるんです。これ以上のものはないと思うんですよ。
 したがって、私はいろいろあろうけれども、ここは政府がひとつ乗り出して大臣として問題解決する、その決意を明らかにしながらひとつ対処していただくことが一番大事じゃないかと思うんです。中央労働委員会も何とかして年内にひとつ解決のめどをつけたいとおっしゃっておる。しかし、私は地方労働委員の経験からいって、それには何よりも使用者が法に照らしてきちんとすることが前提だと思うんです。その使用者に対して絶対の権限を持っておるのが政府なんですから、JRの場合には。ですから、ここはひとつ大臣がきちっとしていただく、努力をしていただく、こういうことにならないと問題解決に向かっていかない、こういう気がしてならぬのですが、大臣いかがでしょう。
○国務大臣(奥田敬和君) JR経営者に対しても厳しい節度ある経営を求めていくという立場に今私も置かされております。そしてまた、こういった特に地域性に愛着を持っておられる、特に北海道、九州地域で多いわけでありますけれども、これらの皆さんの心情も踏まえながら、できるだけ一人も残さず路頭に迷わさないと言ったその気持ちは、私も依然として受け継いでまいります。
 ただ、先生のお言葉を返すようですけれども、例えば、一人の須藤さんなら須藤さんに限って言いますれば、二十三件も就職あっせんをした。だけれども、みんなJR以外はだめだという形で断られたという経緯。NTTならいいということだったからNTTの方へお願いしたら、その日は顔をお見せにならなかった、やっぱりだめだと言われた。JR以外のいかなる就職も受け付けないという、そういった姿勢に対しては、やっぱりあの同僚の中でみんなそれぞれ新しい人生開拓で転職され、あるいは本土のJRにも彩られる、そういった形で同じ悩みを克服してお互いの善意を信じ合って協力していただいた皆さんもいらっしゃるんだと。
 そういった形で、今後とも努力は続けますけれども、ひとつ先生もこの例示された、何を持っていってもだめだという方に対しても、ひとつまた私らも努力いたしますけれども、先生もひとつ心情をお聞き取りの上、また御協力していただきたいなと、これは私のお願いになりますけれども、よろしくお願いしたいと思います。
○佐藤三吾君 時間が来ましたからこれでやめますけれども、大臣、私は成田と同じような感じがするというのはここなんですよ。言いかえれば、千四十七名の方が地方労働委の救済命令で、それを使用者が守って復職した。そうして、そこできちんとした上でやめる方もおるかもしれませんよ、率直に言って。それは、使には使、労は労、官は官でもやっぱりそういう節目というのはあるんですよ。それほどこの問題はこじれてきておるわけです。
 ですから、そういう意味では私は、大臣、そこら辺にちゅうちょすることなく、問題解決をする意味で地労委命令だけはひとつ守ろうじゃないか、こういうきちんとした指導をしてほしい。そして、私はさっき言ったように、地方労働委員会というのは中小労働組合労働者の唯一の救済機関ですよ、不当労働行為に対する。ここが政府にかかわるJRの問題で全部はねつけられたというような事例を残したんでは、これは機能がだめになります、地方労働委員会はへそれならもう、ひとつ政府の責任で地方労働委員会はなくしなさいよ。こんなみずから機能を守らないようなものならなくしてしまえばいい、私はそう思うんです。その二つの問題があるんです、この問題には。
 だから、いろいろな片づけ方があるでしょうが、私は、まず地方労働委員会の命令には従うという原則はきちんとしなさいと言っておるんです。それが法治国家としての一番大事な点だと。だから、そこをきちっとして、その上で、さて国労の皆さんや労働者の皆さんかどう判断なさるか。私はやっぱり、いろいろな思いがあるからそれぞれ違った結果も出てくるんじゃないかと思いますよ。そこら辺をひとつ大臣、時間がございませんから、また時間があれば次は予算委員会でやらせていただきたいと思いますが、それまでに片づけばもう予算委員会で取り上げる考えはありませんけれども、ぜひひとつ努力をしていただきたい。成田、国鉄問題、これは重要な問題ですからよろしくお願いして、何かごあいさつあればいただいて終わりたいと思います。
○国務大臣(奥田敬和君) まあJR経営に対して私の権限がどこまであるのか、これもよく検討させて、勉強させていただきたいと存じます。
○佐藤三吾君 十分ありますよ。勇気を出してくださいよ。
○国務大臣(奥田敬和君) その趣旨を体して指導してまいりたいと思っております。
○渕上貞雄君 ただいま同僚議員の佐藤さんの成田、国鉄問題にかかわるお話を聞きながら、運輸省としていろんなものを引きずってきているんだな、そしてやはりここ一番解決をしなければならないのは、やっぱり人間問題をきっちり片づけていかなくてはならないのだなという印象を今の質問を聞きながら持ったところでございます。
 その問題を引きずっている国鉄改革から、来年の四月で満五年を迎えるわけでありますけれども、東日本、東海、西日本の本州三社は本年の三月期で、マスコミ報道によりますと各社一千億円前後の経常利益を出している。かつて赤字の国鉄と言われたことは想像もつかないような状況が生まれてきていますし、このことが逆に、国民一般には大変JRはよかったなという印象を与えていると思うのであります。同時にまた、駅におけるサービス等の改善についても個々人の労働者の努力でかなりよくなってきていると評価をいただいているやさきに、今JRを取り巻いている状況というものについて、ちょっとおかしいんではないかなという印象を国民がどうも持ち始めたのではないか。
 それは、方針としておった株式上場の問題であり不動産の処分の問題であり、長期債務の問題であります。その上、JRの労使問題というのがまた出てきている。そして、今の九州、北海道における清算事業団のそういう人々の扱いについていろんな問題が出ていますけれども、まず、こういう今のJRの状況について、質問通告はしてなかったと思いますが、大臣、どういう思いでございますか、その感想をひとつ聞かせていただきたい。
 そして、国鉄赤字、したがって赤字ローカル線を切り捨てる、そして地元住民の熱意で興してきた第三セクターの信楽高原鉄道の今年の五月に起きましたあの大事故、これもまたその処理をめぐって西日本JR社長の言動を含めて地元のマスコミではいろいろ言われているわけでありますけれども、遺族補償問題等をめぐっており芳しくない状況というのが生まれてきておる。
 そこで、十二月八日から運行を再開したわけでありますけれども、何となくすっきりこない印象を実は持つわけであります。しかし私は、何はともあれ十二月八日から信楽高原鉄道が運行を再開したということについては大変実はうれしく思うわけであります。一日も早くあの事故を片づけていただいて再建に努力をしていただきたいと思うわけです。したがいまして、事故から得ました教訓といいましょうか、その教訓は一体何だったかというのをやはり明確にしていただきたいし、十二月八日から運行するに当たって、再発防止に対してどのような方策、方針がとられたのか御説明を願いたいんです。
○国務大臣(奥田敬和君) 先生の御指摘のように、確かにもう多額の赤字を抱えて、もう国民負担がこれ以上どうにもならないという形の中でやむなく分割・民営化という形になりました。そしてまた、JR各社は、至上課題として経営の黒字、収支の採算がとれるようにという形で心血を注いでおるということも十分理解できます。
 しかし、信楽鉄道の事故例を御引用になりましてのお話でございます。私は、公共輸送の一番大切なことは、それはサービスも大事ですし快適性のあるそういった輸送方式も大事でございますけれども、やはり何をおいても一番基本的に大切なのは安全、人命安全のその措置が一番何物にもまさる基本でなきゃならぬと思います。
 そういった点からいうと、もう第三セクター、分割のあおりでそういった形で地方自治体が責任を持つ第三セクター方式の、信楽鉄道も含めてでございますけれども、そういった形の企業がたくさん出ることになったわけでありますが、考えようもなかった悲惨な事故の発生、そして今日、その補償も含めて大変な御苦労も願わなきゃいかぬことになっておることは大変残念でございます。こういったあってはいけない事故対策、二度と起こしてはならない、そういった観点に立って今後の第三セクター方式の企業のあり方、そして事故に対してのいわゆる補償を含めてのこういった対応、これに対していろいろ考えなきゃならない教訓をこの信楽鉄道の事故は私たちに示唆していただきました。
 目下のところは、自治体側、県、そしてJR西日本が事故責任の追及は追及として、もうその立場を超えて何とかこの事故死亡者、負傷者、この皆さんに対しての補償措置を含めての対応に全く三者一体になって取り組んでおるという実態は御理解いただきたいと思います。
 いずれにしても、こういった安全確保が至上課題であり基本であるという原点に一遍立ち返って、こういった交通経営のあり方について検討を加えなきゃいかぬ、そういう思いでいっぱいでございます。
○渕上貞雄君 やはり私は、こういう過疎地における地方鉄道を守っていくということは、これから先高齢化社会を迎えるに当たって交通弱者というのが、弱者と言っていいかどうかわかりませんが、多く発生してくる状況が生まれてくるわけでありますから、安心して安全に乗れるというものを提供していくことこそがやっぱり一番大事ではないかと思います。大臣の今のお話の中にもありましたように、安全問題を最優先させていくという、今後もやはりそういう姿勢でひとつ臨んでいただきたいと思うわけであります。
 したがって、そういう姿勢で臨むならば、この事故の教訓といいましょうか、検証は調査検討委員会を設置して事故の原因究明に当たっておられると思いますが、もちろん技術的な問題を含めて今一生懸命やられておると思いますが、原因究明についての進捗状況はいかがでございましょうか。
○政府委員(井山嗣夫君) お答え申し上げます。
 原因究明につきましては先般来の委員会でも御説明しておりますが、私どもといたしましては事故の直後に保安監査、そのほか原因追及のための調査、事情聴取などを続けております。
 現段階におきましては、この事故の直接原因は、やっぱり運転の取り扱いの不適切というのが第一の原因ではないかと推測しております。ただ一方、信号機に問題があったということで、これは今先生御指摘のように調査委員会をつくりまして、この信号保安システムが果たして設計どおりきちんと動いていたかどうかとか、この点について調査分析をしているところでございます。
 幸いに、十月の末にいわゆる警察の押収措置が解けましたので、早速現地に人間をやりまして、数回にわたりまして具体的な実際の機器に触れての調査を今やったところでございます。膨大なデータがとれておりますので、これを今詳細に分析しておりますので、先ほど申し上げました委員会に提出いたしまして事実関係の調査分析、さらに確認、これに努めていきたいと思っております。
○渕上貞雄君 その点の調査はひとつ運輸省としても十分やっていただきたいと思うんですが、それに加えて、やはり私は、さっきも問題になりましたように、赤字体質から黒字体質へと、それを一生懸命追求するが余りに安全面が軽視されたのではないか。
 したがって、そこらあたりの経営体質の問題についても運輸省としてはやっぱりきっちりメスを入れてこの問題については追及していかないとだめではないかというふうに一つは思います。赤字路線だからどうやって黒字にしていくかの余りに安全が軽視され、利益第一主義になり、赤字からとりあえず何が何でも黒字へという、そういう経営姿勢が問題になると思うのでありますけれども、そういう問題とあわせて、これから先公共交通を守っていくとした場合の経営政策についてどう考えられておられるのか御説明願いたいと思います。
○政府委員(井山嗣夫君) 先生ただいま御指摘のように、いわゆる転換された鉄道が経営的には大変難しい状況にあるということは御指摘のとおりでございます。
 この鉄道ができました経緯というのは、もうよく御存じでございましょうが、国鉄時代にいわゆる特定地方交通線という指定がございまして、これをバスに転換するかあるいは鉄道として残す、その場合には地方公共団体としてどのくらいの応援ができるか、こういうことを見きわめつつ地元でいろいろ御協議いただいたわけでございます。
 その結果、いろんな選択があったようでございますが、今残された鉄道の地域の方々、県を含めましてでございますが、国からの一キロ三千万円相当の一種の転換交付金といいますか、これと、それから地元で一種の基金をつくって、これで、どうしても赤字になるだろうからその赤字を埋めていくと。それから基金の一部で例えば体質改善のための投資にも充てる、そういう会社もございました。そういうことでスタートしたわけでございます。したがいまして、いわば属性として赤字がずっと続かざるを得ないということを覚悟してお進めになった会社が多いように聞いております。
 しかし、そうは言うものの、赤字だから何も投資しなくてもいい、特に安全投資を全然やらないとかいうことでは大変困るわけでございます。また、従業員教育がきちんとしてなきゃいけないということで、実は来年度予算要求でございますが、私どもとしてはこういう赤字の会社であっても安全関係の投資、今でも近代化投資補助と申しまして補助制度がございますが、これの補助率を何とかアップしてやりたいということを今大蔵省に予算要求中でございます。
 それからもう一つは、経営体質といいますか、従業員の資質向上と言ったらちょっと生意気でございますが、そういうどうしても現在の技術レベルに合わないという場合があるということで、これは専門家に巡回指導をしていただく、あるいは教育をしていただくというようなシステムをとろうと思いまして、これにつきましても来年度の予算で補助をしたいと、こういうことで今大蔵省とやり合っているところでございます。
 いずれにしましても、何といっても安全が第一だということで、私どもとしましても今後とも厳しく指導を続けていきたいと思います。
○渕上貞雄君 やはり運輸省もそのような姿勢でひとつお願いをしたいわけでありますが、ちらちら聞こえてくるのは、そうは言っても赤字ではないですか、もう補助金で打ち切りますよというような形になるようなことですから、どうかここはひとつ、こういう地方の公共交通を守るということは、やはり国の安全を守るということにもなるし、同時にこれから先の高齢化社会になっていく場合、高齢者の方々に安心を与えていく費用というのはある程度負担をしていくことが私は大切ではないかというふうに思うわけであります。
 したがって、今回の事故の場合はJR側が信楽線に乗り込んできたわけでありますけれども、三十五ですか第三セクターがある、それらの線についてやはり経営効率を求めていこうとすれば、第三セクターの路線からJR線へ乗り入れることによって、かなりそこの地域の人たちの利便性を考えることによって第三セクター部分の乗客がふえてくる、こういうようなことになってくるんではないか。今度の事故の場合とは逆に、高原鉄道側が乗り入れていくような政策を考えてほしいというのは各第三セクターの中で幾つかあるわけであります。
 したがいまして、今度の事故を契機にしてJR西日本との乗り入れ協定といいましょうか、そういうものがあるのかないのか、それからどういう変更になったのかが一つと、逆に第三セクターとして、例えば乗り入れをしていきたいというような場合については何か取り決めといいましょうか、そういうものはあるのでございましょうか。
○政府委員(井山嗣夫君) お答え申し上げます。
 信楽鉄道につきましては、先般の事故以降、少なくとも今のような形でのJRとの乗り入れは一応やらないという方針だと承っております。
 それから、全国的に今乗り入れを現にやっているところが相当数ございます。ちょっと今手元に数字がございませんので申しわけありませんが、例えば北近畿タンゴ鉄道というのが、昔の宮津線とかそういう線でございますが、京都まであるいは大阪まで乗り入れているという例もございます。その場合には、相互の安全なり経営なりに関する協定を非常にきちんとしておりまして、その上でやっているというのが実情でございます。
 そういう意味で、私どもの方に届け出がありまして、それなりに御指導を申し上げてやっておりますけれども、その場合でも確かに先生おっしゃるように、それによってお客さんがふえるというケースがあり得ると思いますし、現にあるだろうと思います。その場合でも、やはり乗り入れに伴う安全問題というのは本当に最優先で考えなきゃいけない。信楽の事故にかんがみまして、そういう指導を全国にしているところでございます。
○渕上貞雄君 それでは逆に、乗り入れることについてJR会社と第三セクターの間で話ができれば乗り入れは自由だということですか。
○政府委員(井山嗣夫君) お答え申し上げます。
 制度面では特に乗り入れをしてはいけないとかいうことではございません。
 それで、乗り入れの場合に、これは法律関係でございますが、あくまでも現在通常行われておりますのは、乗り入れしていく会社が乗り入れられる会社の方に車両をお貸しするという契約になっているわけでございます。その場合に、一部、信楽のような場合は運転士さんつきでお貸しする、こういうことで、経営はあくまでもその乗り入れをした地点から先は乗り入れられた側の経営である、こういうことでやっておりますけれども、そこのところで時々何というかぎくしゃくしたものがあるということはあり得ますので、私どもの方は協定をしたときにそれをチェックをさせていただいております。ただ、いわゆる許可とか認可とか、そういう制度にはなっておりません。
○渕上貞雄君 それじゃ、また別な機会に御相談申し上げて具体的には聞きたいと思います。
 では次に、現在、亡くなられた方々との、また負傷された方々との補償交渉が行われておると思いますけれども、その進捗状況はいかがでございましょうか、
   〔委員長退席、理事櫻井規順君着席〕
○政府委員(井山嗣夫君) お答え申し上げます。
 補償交渉の進捗状況でございますが、もう先生御承知のように、信楽高原鉄道側とJR西日本が合同で御相談室というものをつくって、延べで七十八名の体制でやっておるところでございます。きのう現在でございますが、お亡くなりになった四十二名の方々の遺族と一応訪問面談をやっておりまして、このうち既に、亡くなった方のうち二名の遺族の方とは示談が成立しております。
 それから、負傷された方が六百十四名一応いらっしゃるわけですが、そのうち三百七十名の方と示談が成立したという報告を受けております。
○渕上貞雄君 私は、これは何か事故原因とのかかわり合いでいろんなことが言われておったというふうにも思っていましたけれども、事故原因とは関係なく補償問題については進められているというふうに理解してよろしゅうございますか。
○政府委員(井山嗣夫君) 御指摘のとおりでございまして、補償問題は最終的には法律的にどういうふうに、分担割合とかあるいはゼロとか一対九とかいろいろな比率があるようでございますけれども、そこで解決される問題だと思います。しかし、それを待っていたのでは話が進みませんので、私どもとしては前大臣のころからとにかく一緒にやれと、いわゆる責任があるなしはもう最後の問題だということで進めさせていただいております。
○渕上貞雄君 その場合、その補償財源というものは信楽高原鉄道にはないでしょうし信楽町にも限度はありましょうし、いずれかどこかが補償していくと思うのでありますが、それらの補償の財源対策についてどんなふうに考えられていますか。
○政府委員(井山嗣夫君) お答え申し上げます。確かに、先生御指摘のように、信楽高原鉄道側は保険も三億円のにしか入っていなかったということでございます。あそこの大株主というのが、滋賀県が約半分持っておられますが、滋賀県がやはり自分たちの鉄道であるという御認識のもとに、会社の再建とその補償の全面的なバックアップをしようということで県議会とも御相談になって、一種の無利子貸し付けという形をとって会社に貸し付けをして、それでとりあえず補償する。それで、その後の問題についてはまだ詳細は決めていらっしゃらないようでございますが、順次会社がうまくいったらそれで返してもらうとかあるいはほかの方法で何らかの形で県に戻ってくるというようなシステムを考えながらやりたいということで、財源はそういうことで、特にいわゆる心配は今のところはないと聞いております。
 それから、JR西日本の方が仮に補償する場合には、これは日常の収益の中から払えるだろうと考えております。
○渕上貞雄君 この事故の補償問題をどう扱うかということについて、やはり第三セクターだとか中小民鉄をめぐる経営環境の悪化からくる問題からすれば、これから先、二度と起きてはならない事故でありますけれども、事故ですからいつ起こるかわかりませんので、その場合の財源対策として新たにこの事故以降新しい補償制度というんでしょうか保険制度というんでしょうかをつくったと思いますけれども、その補償額で十分だとお考えですか、いかがですか。
○政府委員(井山嗣夫君) お答え申し上げます。
 先生御指摘のとおり、第三セクターは生い立ちがいろいろでございますし、経営環境も違っておったということで、私どもとしては個別に従来から損害保険にそれぞれお入りになっていただいたわけですが、その額が非常に少なかったということを反省いたしたわけでございまして、仮に信楽のような事故が起こった場合、やっぱり数十億といいますか二十とか三十とかいう億単位のお金が要るということで、七月一日でございますが、鉄道事故賠償責任団体保険という制度をつくりまして、これに皆さんにお入りいただくということで御指導申し上げたわけでございます。
 この保険自体は、一応、対人対物の損害をてん補するためでございますが、一事故当たりの限度額が最大五十億円、それからお一人当たりの補償額については無制限、こういう制度をつくったわけでございます。
 これに対しましては、いわゆる地方中小民鉄と第三セクター鉄道、これが入りまして、具体的には第三セクターは三十五社、中小民鉄五十六社、全社でございますが、こういう方が入ったわけでございます。五十億円でございますので、そういう意味では、まずこの種の事故では大丈夫ではないかと私どもは考えております。
   〔理事櫻井規順君退席、委員長着席〕
○渕上貞雄君 ひとつ、遺族の方々の補償の問題については、さっきの話のようにまた年を越すようなことになってはならないと思うし、財源も十分だとあれば誠意を持って交渉すれば私は早急に解決していくのではないかというふうに思いますし、片や十二月八日に運行を再開したわけでありますから、どうかひとつ運輸省としても後押しをしていただいて補償問題が早急に解決できるようにお願いを申し上げておきたいと思います。
 次に、今テレビ、新聞で毎日報道されています長崎県雲仙・普賢岳のふもとにあります島原鉄道の被害に遭われた四百メーターの復旧工事が行われておると思いますけれども、ことしの夏に私ども台風十七号、十九号を経験いたしまして、十七号で屋根が飛んで一生懸命復旧をさせて一安心したところに、すぐさままた十九号が来て屋根を全部飛ばしていったという台風の経験からすると、せっかく島原鉄道は今の制度に従って復旧工事を進められていると思うが、また同じような災害が来た場合に一体どういうようなことをしてくれるのか、そこらあたりの見解をお伺いしたい。
○政府委員(井山嗣夫君) 今、先生御指摘になった島原鉄道は復旧工事をやっと進め始めたところでございます。何とか年内には開通したいなということで努力されていると聞いております。
 今、先生御指摘の、復旧したやつがもう一度同じような被害に遭った場合にどうするかという御指摘でございますが、実は今詰めて議論は――ちょっと今までの私どもの災害復旧工事では例がたいのではっきり答えられないところでございますが、一度復旧をしてまた被害に遭ったというときには、原則一としてはまた同じようなことになるのかなと思っているんですが、ちょっと関係者で詰めさせていただきたいと思います。
○渕上貞雄君 あそこはいつ崩れてくるかわからぬわけですよ、同じところだから。そうすると、急いでやらせた結果、もとどおりの原形復旧だとするとやっぱりちょっと危ないんじゃないかというふうに思うわけです。せっかくお金をかけてやってまた同じような被害に遭ったときに、島原鉄道の今の財力、資力で耐え得るのかどうなのかという問題が出てきますから、その点はひとつ今言われたように十分検討しておいて、またそういうことがないようにしていただきたいと思っております。
 次に、十一月二十日から関東、関西の私鉄大手の運賃値上げがございました。普通の運賃で一一%、通勤定期で一八%に及ぶ運賃値上げがあったわけであります。
 それで、利用者は、この運賃値上げでラッシュ時の混雑が解消されるだろうかなというふうな意見が多いし、同時に、認めた側でも、運賃値上げ賛成の側でも今のラッシユの混雑は耐えがたい、こういうことを言っておるわけであります。また、運政審で答申されたこと、それから物価安定政策会議特別部会で運賃値上げに対する指導項目といいますか指導要領といいましょうか提言といいましょうか、この通勤ラッシュの混雑緩和については必ず提言されているわけであります。
 二年半ぶりに今回の場合運賃値上げ、ローテーション的にやられたわけでありますけれども、どうでしょうか、大臣も運輸行政は生活に密着している場だから改善をしていかなきゃならぬということをあいさつの中でも述べられておるわけでありますが、運賃値上げの一方で一向に解消されない混雑緩和というものについて、大臣、いかがお考えでございましょうか。
○国務大臣(奥田敬和君) 運賃値上げは、私はもう就任早々、前から流れが決まっておったということでやむなくやりましたけれども、余り気乗りはしません。
 ですけれども、ラッシュの混雑緩和、これに関しては事情を聞きますと、運政審の答申もございますし、特に首都圏に関して言えば、この二十年ほどの間に大体複々線とか複線、輸送力向上という形の中で約二・二倍くらいの増強を行っておるようでございます。しかし、通勤通学客もこれに付随して一・八倍くらいのふえ方があるわけですから、緩和といってもほんのちょっぴり緩和したかなどいう形の程度で、依然として通勤通学者に与える苦痛といいますか混雑状況というのは解消されていないというのを認識しております。
 ところで、私は就任早々に鉄道局長にも運輸政策局長にも強く命じたところでございますけれども、この混雑緩和でひとつ何かいい知恵をお互いに出す方法はないだろうか。複々線化も含の輸送力増強で混雑緩和するという技術的な面はさることながら、もう当然のこととして、ともかくラッシュ時というのはたかだか一時間くらいの間にもう大変な一八〇、二〇〇%近い混雑をするわけですから、これに関しての時差通勤は前から言われているところでありますが、企業側の同意も得ながら、官庁もこれに協力するという姿勢でやることももちろん結構だけれども、時差通勤する決め手として少し時間をこのラッシュ時から避けて通る通勤定期に関して割引をうんとするという形の、そういった制度的な導入も含めて何とかこの一時間の混雑を少し分散するという形にお互いに知恵を働かせてやったらどうかという形で、この方法に関しては定額割引をさらに割引しなきゃいかぬということで企業側とも合せっかく交渉に当たらせておるところであります。
 どうかひとつ委員のお知恵もおかりして、何とかこの混雑緩和に関して企業側も通勤側も総力を挙げて取り組んでいく、そういったことでひとつ何かいいアイデアがありますれば、ぜひ当局にお示し願いたいと思います。
○渕上貞雄君 時間ですから最後になりますけれども、私はやっぱり今、運輸行政の中の最大の目玉はこれだと思うんですよ。
 だから、実力大臣としてこれだけはおれがやるということのためには、何か特別対策室か何かをつくって、そこで情報を集中的に管理して、それを具体的に線区別にソフト面、ハード面でやっていくことで、とりあえず目標は、いつでもだれでも駅に行けばやり過ごすことなく乗れる状況というのをつくることがやはり一つは大切なことではないか。その時間帯は、僕は今のところは朝だけでもいいと思うから、そういう対策を早急にやられたらどうかと思うんですが、いかがでございましょうか。
 これで終わります。
○国務大臣(奥田敬和君) そう長い任期だとは思いませんけれども、与えられておる時間内でこの問題に関して、先生のそういった御指導もいただきながらいい方策を何とか見出したい、全力を挙げて取り組んでまいります。
○野沢太三君 ことしの五月十四日に発生いたしました信楽高原鉄道の列車事故につきましては、死傷者が六百五十六名に及ぶという大事故でございました。当委員会としても現地調査を実施し、また対策の協議を重ねてまいったところでございます。このたび地元の皆様の強い御要望と関係者の御努力によりまして営業の再開にこぎつけることができまして、まことにありがとうございました。地元の鉄道利用者の方々にかわりまして御礼を申し上げる次第でございます。
 大臣は御就任に当たりまして、運輸行政の責任者として安全対策に強い決意を示されたところでございます。質問の冒頭に当たり、ここでもう一度鉄道の安全確保に対する大臣の所信をお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(奥田敬和君) 確かに、公共交通機関は鉄道を含めて見直される時期になってまいりました。そして快適性、利便性におけるサービスというものもここ一年の間に目覚ましい向上があった、本当に国民から信頼されるような形に私はなりつつあったと思っておったやさき、こういった御指摘のような信楽高原鉄道のような、もうまことに残念な大きな事故が発生をいたしました。
 こういった時点に立って、科学的に技術面においても安全面においてもこれだけしっかりした施設になってきながらどうしてだろう。やっぱり本当に公共輸送の一番大事な観点というのは、確かにお絞りを持って歩くようなサービスあるいは駅の切符の窓口応対等々のことも大事ではございますけれども、やはり根幹は何といっても安全確保であり人命の尊重であるというこの大事な基本点に立って、運輸行政そのものをもう一遍基本に立ち返って反省をしながら再点検しなきゃいかぬ、そういった形で認識をいたして考えております。
○野沢太三君 どうかそのような御方針によりまして関係者の督励をよろしくお願い申し上げたいと思います。
 信楽高原鉄道につきましては、国鉄改革に先立ちまして特定地交線という指定で第三セクター鉄道によって再出発をした鉄道でございますが、関係者の努力によって、わずかではございますけれども黒字経営もできるようになりましたやさきの事故でございます。まことに残念なことでございましたが、先ほどもお話がございましたように、亡くなられた皆様、おけがをなさった皆様に対する補償交渉も着々と進めていただいておる模様でございますが、どうかこれにつきましては誠意ある対応によりまして、最後のお一人まで御満足のいくようなお手当てをよろしくお願いを申し上げる次第でございます。
 それから、再開はできましたが、原因調査の方がまだ道半ばということでございます。ハード面の対応あるいはソフト面の対応、両方あろうかと思いますが、大学の先生を初めとする調査委員会において今慎重審議中と承ったところでございますが、どうかひとつ徹底的な解明をしていただきまして、このような同種鉄道あるいは保安施設で同じようなシステムを使っております線区について再発しないよう、御指導をよろしくお願い申し上げる次第でございます。
 そこで、この事故に反省をいたしまして、三セタ鉄道の総点検を実施されたと伺っておりますが、この内容と結果について簡単に御説明いただきたいと思います。
○政府委員(井山嗣夫君) 御指摘の事故の再発防止対策でございますが、あの事故の後、直ちに運輸省で事故対策本部というものを設けたわけでございます。ここの決定で、全国の単線区間を持っております百三十三の鉄道がございますが、個々の事業者に緊急的に自主総点検をしなさいという指示を出しました。さらに、一部の事業者につきましては、地方運輸局から担当官が参りましてその総点検結果の確認、立ち入り、必要に応じて指導というものを実施いたしました。これらにつきましては七月末までにはすべて完了しておりまして、報告が上がってきておりますが、現時点で特段の大きな問題はないということにたっております。
 しかし、そうは言いましても、安全につきましては念には念を入れてということでございまして、私どもとしては一層の安全確保を図るということで、特に異常時、今度のような信号にふぐあいがあったとかあるいは災害があったとか、そういう場合の運転取り扱いに関する具体的な作業手順が個々の職員に全部徹底するような一種のマニュアルというんでしょうか、こういうものを整備する。それから、計画的に係員の教育をするとか、それから乗り入れがある場合には相手方との合同訓練、こういうようなことを含めて徹底するようにということで全国に指示いたしまして、具体的に逐次成果を上げているところでございます。
○野沢太三君 鉄道という乗り物は、これまでの努力によりまして乗り物の中では一番安全な種類に入るという実績と信用をから得てきたわけでございますが、今回図らずもこのような事故が出たわけでございます。
 翻ってみると、これまで例えば三河島の事故あるいは鶴見事故、そういった大きな犠牲を伴います事故の都度、反省、研究を重ねまして、三河島事故の反省としてはATSの導入というような大きな進歩がありましたし、また鶴見事故のときには、複合脱線に対する対策ということで狩勝の実験線におきまして大規模な脱線テストを繰り返した結果、今日ではもうその種の事故は根絶されていると言ってもいいわけでございます。どうかこの単線区間における正面衝突という一番基本的な鉄道のイロハに属する問題だと私は思うわけでございますが、この種事故がもう絶対起こらないという歯どめをひとつかけていただきたい、かように念願をいたすところでございます。
 そういうわけで、この事故を契機にいたしまして、この種鉄道が安心して経営できるような支援策を運輸省としてどのようにしていただいたか、さしあたり信楽高原鉄道の再開に当たっての具体的な支援について簡潔に述べていただきたいと思います。
○政府委員(井山嗣夫君) お答え申し上げます。
 幾つかの点がございましたが、第一には、あの鉄道について人的な組織といいましょうか要員の質といいましょうか、これが問題ではないかということでございまして、私どもとしましてもJRの西日本の方に対しまして必要な要員あるいは技術者の派遣をするよう支援をしろという指導をいたしました。その結果、JRから主任技術者クラス、これは先般副社長という肩書をもらっておりますが、それから業務部長、電気関係の課長、それから運転士さん三名ということで具体的に支援が行われたわけでございます。
 それからもう一つは、事故の教訓から、やはり職員の質といいますか教育の問題があるということで、あの会社の場合に運転時の指揮命令系統がどうもはっきりしていなかったんじゃないかということでそれを明確化する、それから組織も充実する、教育訓練も徹底する。それから、運行形態は、再開に当たりましては従来の信号設備は一切使用しないで一つの列車が単純に折り返し運転だけする、こういうことで事故の再発を防止する、こういうことを考えたわけでございます。
○野沢太三君 同様な状況にあります中小私鉄あるいは三セタ鉄道に対する支援策につきましては、先ほども同僚議員からの御質問がございまして明確になっておりますが、やはり経営と事故への安全対策というものは密接不可分の課題でもございますので、今後ともひとつこれらの地方鉄道が国民の皆様の足としてお役に立ちますよう、運輸省の温かい御指導をお願いする次第でございます。
 引き続きまして、もう一つ安全対策でございますが、踏切事故について質問を申し上げたいと思います。
 踏切事故は、昭和三十年代後半から取り組みました総合対策が効果を上げまして、逐年事故件数、死傷者ともに減少の傾向にあるわけでございますが、依然として列車事故の中で過半を占めるという状況にございまして、多数の死傷者が発生していることは憂慮にたえない次第でございます。踏切事故につきましては適切な対策を講ずることによりまして根絶することができる事故と考えられるわけでございますけれども、政府の対応について幾つか御質問を申し上げたいと思います。
 まず第一に、最近の直近の年度におきます事故の件数でございますが、踏切種別ごとにどうなっているかちょっとお答えいただきたいと思います。
○政府委員(井山嗣夫君) 最近事業年度は平成二年度でございますが、この統計を見ますと、踏切の事故件数はトータルで七百五十四件発生しております。踏切の種別に言いますと、第一種踏切で五百三十件、第三種踏切で七十二件、第四種踏切で百五十二件発生しております。
 ついでに事故原因を申し上げますと、やはり列車の直前横断が約五割、半分でございますが、これが最も多くて、あとは自動車が落輪をしてしまうとかエンストを起こすというようなことによる事故も約三割ございます。
○野沢太三君 今のお話を伺いますと、一種踏切における事故が相当ふえてきておる、あるいは落輪その他、多少踏切の構造に起因するような問題もあるように伺うわけでございますが、これにつきましては既に総務庁を中心に第五次の踏切事故防止総合対策を立てておられますけれども、これについてひとつ要点をお伺いいたしたいと思います。
○説明員(内藤勇君) お答えいたします。
 踏切事故の重大性にかんがみまして、本年二月に総務庁長官を本部長といたしまして関係十八省庁から構成されます交通対策本部におきまして第五次の踏切事故防止総合対策を決定いたしたところでございます。
 その内容は、平成三年度から七年度までの五カ年間を計画期間といたしまして、引き続き踏切道の立体交差化、構造改良あるいは踏切保安設備の整備、交通規制、踏切道の統廃合等の措置を総合的に実施するという内容でございます。
 この五カ年間の整備目標といたしまして、約三百キロの連続立体交差化、約二百カ所の単独立体交差化のほか、道路の新設、改築にあわせて約四百カ所の立体交差化を行うことといたしております。また、幅員の拡幅あるいは舗装の改善を内容といたします踏切道の構造改良でございますが、これを約千カ所、そして踏切遮断機等の踏切保安設備の整備を約一千二百カ所行うことといたしております。
○野沢太三君 ぜひひとつ、これを積極的に推進していただきたいわけでございますが、先ほどもお話がありましたように、せっかく防護設備をつけ一種化を進めてきたわけではございますけれども、一種踏切自身の中で相当な事故が出ている。これに的確な対応をしないと事故全体を減らしにくくなっているんではないかと思うわけでございます。
 私は、かつて現場におりましたころ、この一種踏切がなかなかドライバーから見てあるいは歩行者から見て視認しにくい、特に夕方等になりますとさおが見えないというようなこともありまして、これを少しわかりやすくする意味で、いわゆる遮断桿垂れ幕、とまれ、くぐるなという表示がついた垂れ幕をつける、あるいは垂れベルトをつけてくぐり抜けを防止する、こういったアイデアを採用いたしまして、国鉄時代にはこれを全国的な標準として各地にお勧めをした次第でございますが、最近各地を歩いてみますと、どうもこれがついていたりいなかったりということでございます。
 こういった工夫については運輸省はいかがにお考えでございましょうか。
○政府委員(井山嗣夫君) 先生ただいま御指摘のように、第一種踏切自体はチンチン鳴るのと遮断機がついておりまして、通常ならば安全性の高い踏切と考えられますけれども、確かに第一種が非常に普及してきた結果でございましょうが、事故の発生率自体は三種、四種に比べて七割程度、それぐらい低いということ住言えるんですけれども、第一種の絶対数が多いものですから第一種踏切における事故が多くなっております。
 そこで、今御指摘の遮断桿に垂れ幕をつける等の、いわゆる視認性向上と我々申しておりますが、これほどうかということでございますが、確かに先生御指摘のように、最近は踏切の環境といいますか、周りに家が建ったとかいろんなことで踏切が見えにくくなっているという場合があるかと思います。そこで私どもといたしましても、例えば先生今御指摘の遮断桿に垂れ幕をつけるとか垂れベルトをつけるとか、さらにせん光灯を上の方につけて踏切がここにあるぞということを非常にわかりやすくする、いろんなことを試験的に工夫しているところでございます。
 さらに、私どもといたしましては、もっといい方法がないかということで今予算要求をしておる項目としては、踏切の視認性向上についての勉強をやりたいということで予算を要求しているところでございます。
 いずれにいたしましても、一種踏切の事故防止のためにいろんな工夫をしてまいりたいと思っております。
○野沢太三君 あらゆる知恵を絞ってひとつこの事故の絶滅をしていただきたいわけでございますが、もう一つ実は大きな課題が出てまいりました。
 最近、総務庁の行政監察局から出された報告書でございますけれども、JRに対する監督、行政監査の結果報告書、その中に安全問題が取り上げられておりまして、踏切対策といたしまして、踏切の幅員が道路幅員より狭いものがある、あるいは降雪地においてスリップ対策が講じられていないものがあるという御指摘がございまして、具体的に五例の実際発生しました事故の実例もつけられておるようなわけでございます。
 その意味で、道路幅員と踏切幅員をそろえるということが非常にやはり落輸対策には効果があるのではないか。今までかたくなに実は幅員をふやすということについては抵抗していた向きがどうもあるわけでございますけれども、何とかひとつこれは通りやすくするということと車禁を積極的に進める、この両方をあわせ進めながら対策を講じなければならぬと思うわけでございます。
 それから、踏切の舗装がよくなくてエンストあるいはスリップ等が起こるということでありますが、先ほども法指定の箇所千カ所というようなことで指定は受けておりますけれども、これ以外の踏切についてはやらぬでいいということではないと思いますので、費用の捻出、協議の調整等ができ上がったところは法指定以外の踏切でもこういった構造改良が進みますように御指導をお願いいたしたいわけでございます。これは要望ということにしておきたいと思います。
 そういう意味で、これからも、踏切の数は限られておるわけでございますので、現状がどうなっているかという実態調査を進めていただいて、事故が起こった場合にはその分析、原因、対策、こういったものについて一連のデータを蓄積していただく、そしてその結果に基づいての対策を講じていくことにすれば必ず事故は減少していくんじゃないかと確信をしている次第でございます。
 そういう中で、先ほども御指摘がありましたように、連続立体交差三百キロ予定ということになっておりますけれども、これは現在のところまだ基本協定が運輸省、建設省の間で結ばれていないということでございますが、この状況についてどうなっているか、見通しはいかがでございましょうか。
○政府委員(井山嗣夫君) ただいま先生の御指摘は二点ございまして、一つは踏切の実態調査、これは約三年に一回の割合で全踏切について交通量等の実態調査をやらせていただいております。ことしがちょうど三年目に当たりますので、十一月に全国的に調査を行っておるところでございます。
 それから、連続立体交差の協定の問題でございますが、これはかつてはJRと民鉄とが負担割合が若干違っているということがございますのと、最近の情勢に合わせてやっぱり見直しをしようどいうことで、運輸省と建設省の両省間で協議を行ってまいりまして、相当問題点が詰まってきております。
 ただ問題点は、最近の高架下の利用形態が変わってきているとか地域的にも負担割合に差をつけてもいいではないかというところがありまして、ちょっと難しいところがございます。早急に結論を得ますようさらに努力いたしますけれども、要は、今のところは具体的に連続立体に着手するときに従来の協定でとりあえず、暫定協定と言っておりますが始めまして、この協定ができたら一種の清算をしましょうということでやっておりますので、これ自体で連続立交が進まないということはないと考えております。
○野沢太三君 改革以来五年もたっているわけですから、ぜひひとつこれは早急に締結をしていただいて、より一層計画が進捗いたしますよう、これは御要望を申し上げておきます。
 踏切事故につきましては、鉄道事業者、道路管理者、さらには交通取り締まりの警察等々関係者が非常に多いこともありまして、なかなか問題の解決が難しいということではございますけれども、被害を受けることで大変重大な結果が出てくるのは鉄道事業者の方に問題がしわ寄せをされることが多いわけであります。踏切事故防止に関します大臣の御決意をひとつここでお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(奥田敬和君) 御指摘のように、踏切事故がやはり依然として、減少傾向にあるとはいえ事故の大半を占めておるという現状を認識いたしまして、今後とも立体交差化はもちろんでございますけれども、踏切に関する保安施設の整備等々に関しまして関係省庁ともよく連絡をとって、これらの減少傾向がさらにゼロに向かっていく目標で整備に努力してまいりたいと思っております。
○野沢太三君 国鉄の改革からスタートいたしましたJR各社がただいま大変な努力をしていただいて順調な成果を上げていただいておりますのはまことにありがたいことでございますが、改革の、当初に想定いたしました輸送量は横ばいかやや減少くらいかなということでありましたけれども、現状を見てまいりますと、それが順調に上向いておるということでございます。収入の方もしたがって伸びておりまして、運賃値上げをせずにこれまで切り抜けてこれたわけでございまして、やはり努力をし、いいサービスをすればお客様がつくという形が、これまでは循環がうまくいってきたわけでございます。特に、特性分野であります新幹線とか大都市の通勤輸送が三割近い伸びであるということは、これからも鉄道が一層お役に立つ乗り物として使っていかれるんじゃないかという期待を持たせるわけでございます。また、一時赤字の元凶のことく言われました貨物輸送につきましても、コンテナ等を中心に六割近い増加量ということでありまして、目覚ましい立ち直りが見られる。まさに鉄道復権の時代が始まったかと考えられるわけでございます。
 こういう中で、二十一世紀へ向けまして鉄道整備の重要性はますます高まると思いますが、中長期の鉄道整備に対しまして運輸省がどうお考えか、大臣からお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(奥田敬和君) いみじくも鉄道復権という言葉をお使いになりましたけれども、私も最近の環境問題やエネルギー問題、そして一番大事な完全性の問題という形の中から鉄道に対して大変いい傾向が生まれてきておるということを喜んでおります。
 二十一世紀の新しい交通体系構築に当たりましても、何分にも鉄道の場合コストがやはりかかる。したがって、相当中長期的な視点に立っての計画的な整備を進めていかにゃいかぬという問題点もございます。今後とも鉄道復権の名に恥じないように、国民に快適なサービスとともに、安全面においても国民の皆さんに喜んでもらえるような形で中長期的な整備に全力を挙げてまいりたいと存じております。
○野沢太三君 長年の懸案でありました整備新幹線につきましても、長野までの九八年のオリンピックヘの準備、あるいは北陸、東北、九州が同時に着工できるという大変明るい見通しが出てきたわけでございます。おおむね十年程度でこれを完成しようということで御努力いただいているわけではございますが、平成五年度には見直しの機会もまいりまして、ただいまの運輸省の暫定規格についての御議論もまた出てこようかと思います。
 またさらに、新幹線以外の約二万キロあります在来線のグレードアップということもこれからの大きな課題であろうと思います。これを高速化し、さらに便利なものにしていくということもこの中長期的なビジョンの中でぜひ実現をいたしたいと希望をするところでございます。
 これを進めるためには、やはり何よりも財源が必要、こうなるわけでありますけれども、先般おつくりいただきました鉄道整備基金がおかげさまで機能を開始いたしまして、これから当面するプロジェクトにつきましては一通りスタートが切れるということになったわけでございます。ただしかし、あれこれと今各地から出ております御要望、御希望を満たしてまいりますとすると、この基金は必ずしも今のままで十分とは言いかねる面もございますので、これについてさらに一層公的資金の導入等御努力をいただきたく、御要望を申し上げる次第でございます。
 また、鉄道のみならず空港の整備あるいは高速道路の整備、こういった問題もあわせ備えまして、いわゆる私どもの当初描きました多極分散の国土形成ということを実行していかなきゃいかぬわけでございますけれども、その中で、特に今国会の中で私どもは羽田の沖合展開、関西空港の建設現場、成田の二期工事等を見学させていただきました。しかし、なかなか工事も大変でございますし、この実現が仮にできても必ずしもこれですべての問題が解決するとは思われない。やはり、現在既に整備され、あるいは整備中の地方空港の活用というものが非常に大事な要素を帯びるのではないかと思うわけでございます。
 そういう意味で、これからは地方空港の国際化、そして外国の御要望にできるだけこたえていくということ、これをまた裏づけるためのCIQ体制の整備が重要になると思うわけでございますが、これについて御意見をお伺いしたいと思います。
○政府委員(松尾道彦君) ただいま先生御指摘のございました地方空港の国際化でございますが、まず地域経済の活性化を図る見地からが第一点と、それから今御指摘の成田空港、大阪空港といった我が国の基幹的な国際空港の空港能力に現在制約がございますので、運輸省としても引き続き地方空港の国際化を積極的に推進してまいりたいと思います。
 この結果、現実には地方空港におきます路線展開もかなり進んでおりまして、現在過当なり約三百五十便余就航いたしておりまして、全空港の約二割程度を扱っていただいている、こんな状態でございます。それから、地方空港における具体的な定期便の就航についても今後の事業の動向を見ながら積極的に進めていきたい、このように考えています。
 また、御指摘のCIQ体制でございますが、CIQ各関係省庁も厳しい国の財政状況あるいは定員管理にもかかわらず、地方空港の国際化の趣旨を踏まえましてかなり御協力をいただいている段階でございますが、引き続き今後ともCIQ関係省庁の御協力をいただいて積極的に地方空港の国際化を図ってまいりたい、このように考えております。
○野沢太三君 終わります。
○委員長(峯山昭範君) 午前の質疑はこの程度とし、午後零時五十分まで休憩いたします。
   午後零時十六分休憩
     ―――――・―――――
   午後零時五十分開会
○委員長(峯山昭範君) ただいまから運輸委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
○中川嘉美君 まず、成田空港の問題について伺いたいと思いますが、この件については、過日、当運輸委員会としても直接現地を訪問してその実態について視察を行ったところでございます。
 そこで伺いますが、去る十一月二十一日と十二月三日に成田空港シンポジウムが開催された。反対派農民と運輸省が初めて公開の話し合いのテーブルに着いてお互いの意見を述べ合ったわけであります。先ほどこの問題に対しても、大臣から所感なりあるいはまた認識等が御答弁で述べられていたわけですが、反対派農民と運輸大臣がどのような意見をそのときに交換されたのか、概要で結構ですので報告をいただきたいと思います。
○国務大臣(奥田敬和君) 先般のシンポジウムは、本当にこの二十五年の歴史の中では画期的なことであったと思っております。私の気持ちから申しますと、これは全く話し合いのきっかけの第一歩であるという認識に立ちまして、今後とも、この二十五年の不もの対決の中での終止符に向けて実りある形に持っていきたいと心から願っておるわけであります。
 ただ、今先生が言われましたように、意見の内容ということになりますと少し時間が長くなりますので、全く簡潔に基本的な気持ちだけを述べますと、私たち政府側としてこの二十五年の不幸な歴史を反省する、そしてこの原因は何だということになった場合に、ボタンのかけ違いという形、政府側として農民側の皆さんに気持ちの上で通ずること、そういった努力に万全を期したかどうかという基本的な反省の上に立って農民の皆さんに御協力をお願いした次第でございます。もちろん、運輸省サイドとして、日本の表玄関である成田空港の完成が一日も急がれる現状点も踏まえまして、何としても話し合いのきっかけのこの道を実りあるものにしていただきたいというお願いを申し上げました。
 反対派の農民代表として御意見の開陳がございました。これも要約すれば、我々がこういう場を早く持っておれば今日のような事態が回避されたのではなかったろうか。要するに、政府側を含めての対応というのが我々に対して非常に冷酷、無残であったというような形。また、あの土地を開拓された農民の苦労の一端として、本当に子供を育てるような気持ちで土とともに生きてきた形を一片の地域指定によって自分たちのそういった気持ちも踏みにじった形で空港建設が強行されたという点における、政府に対しての厳しい反省を求める御意見等々でございました。
○中川嘉美君 新聞報道では、これは大臣が述べられたお言葉が引用されております。したがって、今おっしゃったことと合致するわけですが、空港の位置決定に当たって地元住民に事前に十分説明し理解を得るための努力が必ずしも十分に尽くされたとは言いがたい。このことは、今日に至るまで解決のめどがつかない大きな原因の一つになってしまった。多くの人たちに苦労や迷惑をかけたのは、空港を建設する側の努力が足らなかったことによるものでまことに遺憾に思うということです。
 大臣が反対派農民に陳謝をされて、そして二期施設の整備への理解、そしてまた協力を要請されたのに対して反対派農民は、シンポは用地問題を討論する場ではないんだ、このように言って両者の主張が依然異なっていたと私たちは理解しているわけですが、私は何よりも国と反対派農民があのように話し合いの場を持って、そして運輸大臣が率直に過去の国の対応を反省されたこと、また成田問題解決の第一歩としてそのこと自体が大きな意義を持つものであること、そういった意味では、大臣を初め関係者の方々の御努力に対して敬意を表したいと思います。なお今後もお互いに心を開いて有意義な対話が続けられることを当然期待するわけです。
 そこで、基本的な質問になりますけれども、現在の成田空港の現状と二期工事の必要性、進捗状況、それから用地の買収状況等についてどのようになっているのか、一応改めて御説明をいただきたいと思います。
○政府委員(松尾道彦君) 成田空港は、昭和五十三年五月に現在の四千メートル滑走路でオープンをいたしております。空港の利用実績は非常に順調に推移いたしておりまして、平成二年度におきましては約十一万八千回、年間航空旅客数二千六十三万人、航空貨物量百三十七万トンと非常に航空需要が増大いたしておりまして、空港施設の処理能力がほぼ限界状態でございます。現在、三十八カ国五十二社の航空会社が既に乗り入れておりますが、既存の会社からの増便要請、さらには新規に四十三カ国から乗り入れ希望が出ておりまして、先ほど大臣が申し上げたとおり、二期施設の早期供用開始が急務となっておるわけでございます。
 このために、買収済みの地域におきましては、工事可能なところから全区域におきまして工事を進めておりまして、現在B滑走路地区におきましては約五〇%の滑走路、誘導路が既にでき上がっておりますし、またC滑走路地区については現在は中央部で造成工事中でございます。また、エプロン地区につきましては、ほぼ全区域におきまして給油設備を含めまして工事的にはほぼ完了いたしておりまして、一部は本年の八月から供用いたしております。また、旅客ターミナルビルの躯体工事は御視察のときにごらんのとおりでございまして、内外装あるいは設備工事を実施中でございまして、このまま順調に進めば来年内には供用可能だと、こういう状態でございます。
 それから、用地買収でございますが、供用時点におきましては、実は六百七十ヘクタールの民有地があったわけでございますが、大体それの九六%強の買収を終わっておったわけでございます。その後、公団の努力によりまして今日では全体の面積の二%程度の二十一・三ヘクタールが未買収状態にたっておる、こんな現状でございます。
○中川嘉美君 土地買収についてですが、村岡前運輸大臣がことしの五月に熱田派に対して、いかなる状況においても強制手段をとらない、このように確約するとの回答を出しておられる。また、奥田運輸大臣も政治決断発言そのものをおわびするとともに、閣議では、前運輸大臣の回答を遵守して、そして平和的に話し合いで解決したいと文書で報告をして了承されている、このように伺っております。しかしながら、この二期工事地区内で熱田派の農家が二戸あるわけですが、それ以外にも小川派が四戸、北原派が二戸、そしてまた一坪運動共有地、これらも残されているわけであります。
 そこで、熱田派以外のこれらの人たちの土地の取得についてどのような方策を考えておられるのか。当然、今や強制収用の道などが残されてはならないと思いますけれども、この点も伺っておきたいと思います。
○政府委員(松尾道彦君) ただいま公開シンポジウムをやっておりまして、来年の一月の中下旬には第三回目のシンポジウムの開催の予定でございます。
 今、先生御指摘のとおり、このシンポジウムは熱田派農民を中心とした公開シンポジウムでございますが、私ども平和的話し合いについては全農民に声をかけておりまして、この運営状態によっては小川派あるいは北原派の農民の方もぜひ御参加をいただきたい、こういうふうなことでシンポジウムの中で努力をしていきたいと、このように考えております。
○中川嘉美君 シンポジウムに参加していない人々、こういう方々についても過去の国の対応を踏まえて、再び流血の惨事を繰り返さないためにも、先ほど申し上げたとおり強制的な手段、こういったものをとらないことを確約して地道に説得を続けるしか方法がないのではないか、このように思いますけれども、運輸大臣のこの点に関してのお考え、確認の意味で伺っておきたいと思います。
○国務大臣(奥田敬和君) 確かに、先生が先に御指摘されたように、最初のシンポジウムでは意見の食い違いと申しますか、それぞれ決してそんな簡単に済む、じゃ和解という基本的な姿勢でなかったことは御存じのとおりでございます。
 しかし、私たちはやっぱり心の何か小さい穴であっても、それは通じ合ったという気持ちでおります。そしてまた、このことがさらに二回目、そして三回目のシンポジウムの開催にこぎつけ、そして地域団体も含め広範な人たちに、だんだんシンポジウムの内容も変わりつつあるということも事実でございます。今、熱田派あるいは小川派云々という形のそういった分析はともかくとして、もう二十五年間対決の中で厳しい形の中に置かれてきた農民の皆さんの気持ちが少しずつほぐれると申しますか、そういう方向の中で機運が出てきていることも私は否定できないと思っております。
 いずれにしても、空の玄関口があのような状況であるということは大変恥ずかしい思いをしておるわけでございますし、今航空局長から話がございましたように、四十三カ国の新規乗り入れ希望もこれとてどうにもならない現状も踏まえまして、世界一の貨物量を扱い、二千万人以上の利用客、こういった現状も踏まえまして、何としても、反対派農民の心情は理解しながらも平和的な話し合いでこの決着の線へ結びつけたいという形で積極的に取り組んでまいりたい一と思います。
○中川嘉美君 今、大臣が御答弁いただいた中で、心を土台としたそういう交渉ということになってきますと、今までのその経緯の中で最も欠けていた問題じゃないだろうか、こんなふうにも思います。そういった意味では、ほんの一抹の明るみが見えてきたというふうに私も思います。そういった心を土台とした交渉、こういった基本的な姿勢というものをこれからもあくまでも維持しながら地道にひとつ交渉に当たっていただきたい、こう思います。
 今回のシンポジウムの間にも、一方でシンポジウム粉砕を叫ぶ過激派の動きがあったこともこれまた事実なんで、ようやく政府と反対派農民の対話の舞台が整ったにもかかわらず、シンポジウム開催に向けて努力された。地域振興連絡協議会の方々あるいはまたシンポジウム運営委員会の方々が、そういうことはないと思いますけれども、過激派のテロであるとか嫌がらせによって妨害されるようなことがあってはせっかくの努力も報われない、こういうことになってしまうんです。
 そこで、警察庁にも伺っておきたいと思いますが、この過激派に対する一層の監視体制の強化、このことをぜひ要望しておきたいと思いますけれども、警察庁の対応について伺っておきたいと思います。
○説明員(兼元俊徳君) お答えいたします。
 警察におきましても極左暴力集団によるテロ、ゲリラを未然に防止するために、この成田空港問題のシンポジウムの関係者を初めといたしまして、こうした極左暴力集団にねらわれるおそれのある方々に対しては千葉県警察、それから警視庁等の関係の警察におきまして身辺あるいは御自宅に警察官を固定で配置をいたしましたり、あるいはパトロールを強化するなどして警戒警備の万全を図っております。
 また、シンポジウムの当日におきましても会場とか関係の場所の警戒警備を行っております。
○中川嘉美君 政府が平成元年の十二月に、「暴力行為を防止するとともにその根絶を図るため、あらゆる法令を適用するなど毅然とした諸対策を強力に推進する所存である。」、このように政府声明を発表しておられるわけです。しかしながら、この過激派によるゲリラ事件は相変わらず頻発しているわけです。しかも、政府声明は何ら実行されていないと言わざるを得ないと私は思うわけです。
 そこで、警察庁にもう一度伺いますが、ここ三年間の過激派によるゲリラ事件の状況、そしてまた検挙の実態等についてここで御報告をいただきたいと思います。
○説明員(兼元俊徳君) まず、過去三年間の極左暴力集団のテロ、ゲリラ事件の発生件数でございますが、平成元年が二十七件でございます。平成二年が百四十三件、そして本年が現在まで二十八件でございます。
 このうち成田の関連の事件は、平成元年が十一件、平成二年が三十六件、そして本年が十八件となっております。
 他方、検挙の状況でございますが、平成元年は秘密部隊員三十九名を含む二百十八人、平成二年には秘密部隊員二十八人を含む二百十一人、そして本年には秘密部隊員十六名を含む八十二人の極左の活動家を検挙しております。
 このうち平成元年と平成二年でございますが、いわゆる成田新法を適用いたしまして、極左暴力集団のいわゆる団結小屋を五カ所撤去いたしております。その際に極左の活動家二十三名を検挙しております。それから、今年の検挙でございますが、九月の十三日に中核派の秘密アジトを滋賀県下で摘発いたしまして、中核派の関西革命軍の最高幹部一名を検挙して約三十件に及ぶゲリラ計画書を押収して、同派のテロ、ゲリラ計画の未然防圧を行っております。
 以上でございます。
○中川嘉美君 今、御答弁いただいたこれらの状況と実態を果たして警察庁としては、それじゃどういうふうに受けとめているか。また、今後どのようにこういったものを踏まえて対処していかれるのか。警察官の数をふやせばいいという問題じゃないと思いますが、そういうことも含めてこの点をまず伺っておきたい。
 また私は、過激派の犯罪行為に対して、やはりこれはもう徹底的に処罰していかなければ何ら効果はないと思うわけで、過激派のゲリラ活動をこれ以上頻発させることのないように、警察庁の先ほど御答弁ありましたが、捜査体制を充実して徹底的に犯人を検挙すべきであるというふうに考えますけれども、重ねて警察庁の過激派対策に対する決意、こういったものをここでやっぱりもう一度伺っておきたいと思います。
○説明員(兼元俊徳君) 警察庁といたしましてもこの成田の空港問題のシンポジウムをぜひ成功させるため、こういったテロ、ゲリラ事件を絶対に起こしてはならないと考えております。
 これまでもそうでございますが、今後情勢の推移に応じて全国の警察からの応援も含めて警備体制の充実強化を図るとともに、特に成田空港、それから空港の関連施設、関係者等に対して所要の警察官を配置をし、パトロールをさせ、警戒警備を実施して事件の未然防止と、それから極左暴力集団の徹底検挙に今後とも努めてまいりたいと思います。
○中川嘉美君 先ほど申し上げたとおり、この警察庁の監視体制の強化あるいは捜査体制のさらなる充実、そしてまた徹底検挙、こういったことを重ねて強く要望しまして、私は次の質問に移っていきたいと思います。
 次に、リニアの事故の問題です。
 超電導磁気浮上式鉄道、いわゆるリニアモーターカーの実用型実験車、これが去る十月三日、宮崎県の実験センターでのテスト走行中に全焼するという事故、もう御承知のとおりの事故でございますが、これが発生したわけです。実験車両の火災というものは、リニア開発の歴史の中でも初めての事態である。また、時期的に宮崎のデータを生かしてより本格的な実験を始めるために建設される山梨の方の実験線の起工式、これが行われたやさきの事故でもあったわけなんです。そういった時点が非常に近づいているわけです。
 そこで、まず、今回の宮崎における事故の概要、これをちょっと簡単に説明しておいてもらいたいと思います。
○政府委員(井山嗣夫君) お答え申し上げます。
 ただいま先生御指摘の車両火災でございますが、十月三日の午後三時三十八分ごろと聞いておりますが、宮崎の実験線で試験走行しております実験車両のMLU〇〇2という型でございますが、これから火が出たわけでございます。
 この日の実験では、午後一時四十五分に無人で走行実験を始めたところ、センターの方に故障があるという情報が入ったものですから、それで現地に職員三名を派遣いたしまして調べたわけでございます。タイヤがパンクをしそいるということは確認いたしましたけれども、その他は異常がないということで、非常に低いスピードで入庫をさせるために自力走行をさせるということで、職員三名がとりあえず乗車いたしまして車の上から監視しながらゆっくり回送のための走行を開始いたしました。途中時々停車を繰り返しながら車庫の方へ引っ張ってきたわけでございますが、途中の午後三時三十八分ごろでございますか、台車の下の方からどうも火が出たということを確認いたしましたので、すぐ消火器で消すなどいたしますとともに消防署に通報して消火活動をしていただいたわけですけれども、午後五時ごろまで燃え続けて、結果的に車両が全焼した、こういう事故でございます。
○中川嘉美君 報道によりますと、宮崎県警の捜査一課あるいは日向署あたりが十月四日に、だから翌日ですね、出火原因はゴム製のタイヤがパンクしたためにロック状態になってガイドウェーのコンクリート床面とこすれて摩擦が生じた、そのためにタイヤから出火したと断定したというふうになっていますけれども、今回の事故の原因が本当にどういう理由で、なぜパンクがそれじゃ起きたのかとかもう少し突っ込んだところ、この辺がちょっと私たちはわからない。どこに本当の原因があったのか、この辺が今の段階で、先ほどから御答弁いただいていますけれども、さらにもう少し突っ込んだ真の原因というものは究明されているのかどうか、もうちょっと詳しくその辺を伺いたい。
○政府委員(井山嗣夫君) 原因につきましては、先生今お話がございましたように、タイヤのパンクというのが直接の原因でございますが、そのパンクがなぜ起きたかというところが私どもも大変疑問でございます。
 そこで、鉄道総合技術研究所、これは実験をやっている主体でございますが、これに対しまして至急事故原因調査、それからどんどん燃え広がったわけでございますので、それがどういう状況でなっていったのかということをできるだけ速やかに解明しろという指示をしたわけでございます。
 この研究所では直ちに対策本部をつくりまして、さらに十一月でございますが、車両火災対策委員会というのを中に設けまして、まず一つは、その原因究明、もう一つは、簡単に燃えてしまったということで、その不燃化対策のための勉強をするということで、とにかく今年度中にその辺の見当をつけようということで今原因調査と火災対策の勉強をしていると、こういうことでございます。
○中川嘉美君 JR総研の関係者の話によりますと、パンクして走らせても大丈夫と判断したという発言がありました。これは人命を預かるという観点から、たとえそれが実験であっても、実験だからこそと言った方がいいかもわからないけれども、人命を預かるという観点からすればまことに大胆な発言で、何が起きるかわからないわけです、パンクした後は。そういうことで、結果的に見れば実験に対する安全への配慮というものがやはり欠けていたんじゃないだろうか、こういうことを感じます。また、車両が全焼したというけれども、今御答弁にあったとおり、私はやはり同じように不燃化対策、こういったことに落ち度があったんじゃないかと当然考えます。
 リニアモーターカーの補助車輪がゴムのタイヤである以上、今回の火災の引き金になったと同じようにパンクするということは今後とも大いにあり得るのじゃないか。現に今回の事故以前にも、今回が初めてのようなイメージがありますけれども、二回ほどパンクした事実があったと聞いております。実際のリニアは時速五百キロ以上の超スピードで走行するわけで、そういう状況の中でパンクとかが発生したら一体どうなるのだろうかと、考えるのもぞっとするような、こういう感がいたします。
 リニアのそういった立場から、安全性ということについてどう理解しておられるか、今後のこともありますので、重ねて伺っておきたいと思います。
○政府委員(井山嗣夫君) 先生御指摘のように、世間の皆様にリニアというのが大変危険な乗り物ではないかという印象をお与えしたのは大変申しわけなく思っております。
 この車両自体は、先生御指摘のように、低速時は車輪を使って走っておりまして、一定スピードになると浮く、こういう形でございますが、その安全対策につきましては、まず通常の電気ブレーキというものがついております。それから、緊急に、例えば電源が切れたというようなときに着地いたしますので、緊急着地シューという一種の靴といいましょうか、こういうものでザーっと滑ってブレーキをかけるというようなこと、その他いろいろな対策は講じておるわけでございまして、実験の過程でも緊急停止の場合の実験というのも既にやったことがございます。
 しかし、火災の方は今まで本格的に火をつけたということはないものですから、今回の場合は非常に我々自身もびっくりしたというのが実情でございますが、調べてみますと、実験車両ということもありまして必ずしも不燃化とか難燃化という対策がどうも施されていなかった。こういうことにかんがみまして、今後つくります実験車両につきましては、今申し上げましたように、火災対策委員会で十分な不燃化対策を取り入れてやっていこうと。
 それから、あわせまして、先ほどおっしゃいました緊急時の安全ブレーキがきくかどうか、これにつきましてもさらに実験を深めていってもらおうと、こういうふうに考えております。
○中川嘉美君 今回の火災事故の前にも、このリニアに関してはクエンチ現象と呼ばれる一時的ないわゆる超電導状態が崩れる現象、これが起こって車体が側壁に衝突するという事故も起きていますね。これはいつごろあれで、またこのときの背景をちょっと説明していただきたいと思います。
○政府委員(井山嗣夫君) ちょっと日付を記憶しておりませんけれども、クエンチというのは、一定の状態で動いていた超電導状態が急に切れるということで、何か言葉の意味としては消すとか消え去るというような意味なんだそうでございますが、この状況があったことがございました。これは、その超電導磁石を組織しております、何といいますか金属の組成といいましょうか比率といいましょうか、これによってまぜ合わせるといいましょうか組み合わせる比率によって起きたり起きなかったりするということで、これも何種類かを試作いたしまして相当実験を重ねたようでございまして、現時点ではいわゆるクエンチはない磁石といいましょうか、これを開発したと聞いております。
 これを今度の、先ほど火災に遭ったやつにつけまして、まさに実験を今始めていたというところでございまして、ちょっとそこで一とんざしたというのは大変残念でございますけれども、これについての対策は、一応研究所としてはもうできたと考えているという報告を受けております。
○中川嘉美君 いずれにしても、まだまだ実用化に向けて克服しなければならない点が非常に多いのじゃないかという気がするんです。バンクだけとか――だけというのは語弊がありますけれども、パンクあるいはクエンチ現象とかいろいろ出てきているわけですから、これからまだまだいろいろな問題点が出てくるのじゃないか。
 主としてどのようなものが将来に向かって実験上出てくるか、出てくる可能性があるか具体的内容についで、想定される内容と言った方がいいかもわかりませんが、この実験についてこの点何か既に上がっているかどうかお答えをいただきたいと思います。
○政府委員(井山嗣夫君) 先生のただいまの御質問は、今後の一種の技術課題というような意味でおっしゃっていただいたのじゃないかと思います。
 まず第一の問題は、先ほどクエンチのお話が出ましたように、超電導磁石の耐女性というんでしょうか信頼性と申しますか、これを向上させなきゃいけない。これはいろんなものを試作して取りつけては実験をやるということでございます。
 もう一つは、一つの線路の上に複数の列車がたくさん入るわけでございますので、そういうものの制御システムというのをきちんと開発しなきゃいかぬ。それから分岐装置、いわゆるポイントでございますが、これが一応開発されておりますが、これの確認試験といいましょうか、こういうものが必要だと思います。
 それからさらに、先ほど御指摘になったような安全関係の緊急の場合とか、こういうときの技術の開発というものをさらに進めていかなきゃいけないということでございます。この辺は、宮崎でもちろんやれるものは基礎的なものはやりますが、やはり山梨の実験線でかなり長距離でやる必要があるものもございますので、そういうものを大いに活用いたしまして実用化に向けて努力する、こういうことでやっていきたいと思っております。
○中川嘉美君 克服すべきものの一つとして磁場の与える影響というものがありますね。こういうことも心配されるわけで、リニア車内の乗客とかあるいは乗員、あるいは駅のホームで待っているところの乗客、さらに沿線住民への影響、そしてまた高圧送電線の下に住んでいる住民に対する影響、こういったことについて、とにかく磁場や高圧送電の生体への影響についても、これはもう確認しておく必要があるわけですけれども、この点についてどのように認識しておられるか。アメリカで指摘されたところでは、白血球がふえるとかあるいは遺伝子に異常を来すとかいろんなことを聞いているわけです。
 これらの点についてどの程度の関心が持たれているのか。そしてまた、もしそうであるならばどう対処しようとしておられるか。この辺も当然先ほどの御答弁の中に出てくるかなという感じもしたのですが出てこなかったので、その点ひとつぜひ伺っておきたいと思います。
○政府委員(井山嗣夫君) 私ども今報告を受けているところでございますが、超電導リニアの開発に伴う磁場の影響ということでございます。
 まず、線路のサイドといいましょうか、いわゆる隣にいる人、これについては自然界に存在する磁力、私専門家でございませんが、地磁気で〇・五ガウスという――ガウスの単位ではかるんだそうでございますが、これとほぼ同じ程度になるだろう。それから、車内に乗っていらっしゃる方がどうなるかというと、山梨型車両で考えれば床面で十ガウスだと。これほどんな値がということで私どもちょっと調べてみましたら、いわゆる磁気健康器で肌に張るものがございます。これが千七百ガウスの磁力を発しているそうでございますが、それで治療する。それから、子供用の磁石で、遊ぶものがございます。これが三百ガウスだそうでございます。それから、これは極端ですが、スピーカーの内部というのは大きな磁石がついております。これが一万ガウスぐらいの磁力を発生するんだそうです。そういう意味で、測定値から見ますと、いわゆる今のリニアの車両自体はそれほど問題はないだろうというふうに言われております。
 なお、御参考までに申し上げますと、さらに今後の車両は連結面の方に、なるべく車体の端の方に磁石を置きまして、お客さんが乗るところには直接磁石はない、それでかつ磁石の上には鉛でシールドをする。こういうことによってさらにいわゆる磁場の影響を低くできるんじゃないか、こういうふうに聞いております。
○中川嘉美君 このことに関連して私が言いたかったことは、今の御答弁はわかりますけれども、しかし車体そのものの実験はもちろん今一番主な項目ですが、やはりそういった人体に対する影響ですね。例えば、何かをここに張るといっても、一時的なある一定の何日間がとかそういうことで、これはもう非常に継続的な問題ですから、そういったことも含めてさらに研究そのものを推進していただきたい、こんな気もいたします。
 そのほかに騒音です。新幹線で今七十五ホン以下に抑えるという基準がありますけれども、リニアの場合は八十五ホンにもなる。普通は物すごく静かに走るんじゃないかというような印象が強かったわけですが、実際の数字はこういうことなんですね。だから、そういうことになると、果たしてこれは事実なのかどうなのか。事実とすれば今後どういうふうにそれに対応していくつもりでおられるのか、この辺もちょっと聞いておきたいと思います。
○政府委員(井山嗣夫君) 大変申しわけございませんが、私ちょっと不勉強で騒音の方まで勉強が進んでおりませんが、いずれにしても、多分空力音といいますか走るときに車体が空気をこするときの音が中心になると思います。これは車体の形状をいろいろやることによりまして、流線形にしたりいろんな形を考えて今やっておるようでございますが、風洞実験などをやりまして音を下げるということで勉強しようということでやっているそうでございます。
○中川嘉美君 実験車両が全焼したために、宮崎においてしばらくの間というものは実験を中止せざるを得ないと思います。実験再開のめどというものは果たして立っているのかどうか。また、今回の事故が山梨県のいわゆる実験線、これに対する影響がどんなふうな形で出てくるか、いろいろこれが原因になって波及すると思うんですが、この点どうですか。
○政府委員(井山嗣夫君) まず、宮崎の実験線における実験でございますが、実は車両が燃えてしまっておりますので、この一代前の車両がございます。これを、今車庫で整備されたまま置いてあるものをもう一度補修いたしまして、これでまず基礎実験をやる。それから、別途新しい車両をつくる。これは宮崎用でございますが、将来山梨で使うものでございます。これを、新しいものをつくる。ただ、これは特注品でございますのでちょっと時間がかかる。場合によっては一年ぐらいかかるのではないかと言われておりますが、これをつくるめどがもう立ちましたので、早速設計、発注を進めていくということでございます。
 それでもやはり工程的にはかなりなおくれが出るわけでございますが、山梨の実験線自体の方を申し上げますと、今の工事自体はトンネル等の構造部をまず建設中でございますので、当面たしか平成四年から五年にかけてそういうものが一部でき上がる。そのときに車両ができていればそこで実験が始まるわけでございますので、そういう意味では、山梨の建設工事自体には全く影響ございません。それから、全体の山梨を含めました実験の工程につきましては、一応平成九年度までに我々は実用化のめどをつけようと思っておりますので、その間に取り戻すことができるというふうに技術さんの方から聞いております。
○中川嘉美君 伝えられるところによりますと、JR東海が中央新幹線に何を走らせるか、山梨実験線の成果を見た上で平成七年度までに決める、こういうふうにしていますけれども、果たしてそういうことなのかどうか、もう一度この点について確認しておきたいし、これまで指摘したように、現段階のリニアについてはまだまだ克服すべき技術があるし、安全性の問題も数多く抱えているわけですね。
 それで、リニアはこれまでにない画期的な技術であるだけに慎重に慎重を重ねた研究というものは、これは当然必要ですけれども、山梨実験線の予定も今のところ平成五年度から九年度という計画ですね。だから、今回の事故によっておくれる可能性も私は当然ある、こう考えたわけです。そうなると、リニア技術の見きわめというものが完全にできない段階でJR東海がリニア新幹線を決定するということはかなり危険性を伴うのじゃないか、このように懸念するわけですけれども、この点はどうでしょうか。
○政府委員(井山嗣夫君) 先生ただいま御指摘のとおりでございますが、実は私、東海が七年度に決定するという話は、申しわけありませんが、ちょっと直接聞いておりません。
 いずれにしましても、我々の実用化のめどというのは九年度でございますので、それは実験が大変うまくいって、開発もうまくいって早目にめどがつけばいいんでございますけれども、そういうめどがしっかりしないまま安易にリニアを採用するとかしないとか決めるというのはちょっと早計だと思います。そこら辺は十分JR東海を指導してまいりたいと思います。
○中川嘉美君 JR東海は、リニア構想と同時に時速三百から三百五十キロの営業運転を目指したいわゆる次世代新幹線三〇〇X系構想を並行して進めているようですけれども、現在の東海道新幹線の輸送力パンクそのものを念頭に置いて、仮に二十一世紀初頭の第二東海道新幹線構想、これを優先するのであれば従来の新幹線方式を選択する方がより現実的なんじゃないだろうかと私ども思うし、少なくともリニア技術が未完成のうちにいわば見切り発車するような形で中央新幹線にリニア採用を決定するということだけは避けるべきではないか、このように考えます。
 安全性確保という点から、もう一度この点について伺っておきたいと思います。
○政府委員(井山嗣夫君) 先ほども申し上げましたとおり、早計にリニアを採用するとかあるいはしないとかいう決断はしないようにしたいと思います。先生のおっしゃるとおり、まず安全を確認することが第一だと思うので、そういう方向で指導してまいります。
○中川嘉美君 一応リニアはこの程度にしておきまして、もう時間がございませんので、先ほどちょっと論議されておりましたが、例の時差定期の問題ですね。時間がありませんので、もう結論的なことだけ伺うようにしたいと思います。
 運輸大臣のお考えは先ほども述べられていたわけですけれども、いわゆるオフピーク時の運賃割引自体による需要平準化、その効果というものは余り期待できないんじゃないかなと思います。ただ、通勤地獄で社員を苦しませている、それで平気でいる企業の姿勢というものを問うには一つのいい機会になるんではなかろうか、このように思います。東京一極集中のメリットを最も受けているのは、実はこれらの東京に立地しているところの企業とか事務所のはずであって、大臣も就任された当初そのようなことを述べておられたように記憶いたしておりますが、問題はこれらの企業とか事務所が時差通勤に取り組むような体制を果たしてどうつくるかというのにあるわけです。そうでないと、従来の時差通勤への取り組みと同じようなことになってしまう、こう思います。
 最後に大臣のお考えも伺っておきたいんですが、政府全体として取り組む方向を、運輸大臣としてではなくして宮澤内閣の国務大臣としてその決意と具体的な方向性についていま一度示していただきたい。最後にこの点をお聞きして、これは一朝一夕にいく問題じゃないものですから、今後のためにもここで問題提起をさせていただいて、質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(奥田敬和君) この混雑緩和はある意味においては国にとっても大変重大な損失と申しますか、こういったことでエネルギーをどんどん使われるという形はまことに残念でございますし、私は時差定期によって、先生が御指摘になりましたように、需要の平準化を考える。そのためには、もう各経営者の諸団体にも大きく呼びかけていただきまして、できるだけ同じオフィスの勤めでありましても生産業務でありましても、やっぱりそれぞれの持ち場の対応によってそれは工夫できることではなかろうか。こういったことで、今御指摘にありましたように、もう機会をとらえてある程度のアイデアと申しますかそういった形の基本方針、これは民鉄にも協力願わなきゃいけません。時差定期をつくってもやっぱり料金の面での価格差をつけないとそういった意味の協力も得られにくいということもございますから、これらの形で説得もし指導もしてまいらたき。やならぬと思います。
 今の先生の御提案の趣旨を踏まえまして、内閣全体としてこの交通混雑緩和にそれがもう一石二鳥にも三鳥にもなっていくような方向で努力してみたい。そのことを担当運輸省ということだけじゃなくて、これは労働省にもあらゆる各省にも関係する点について内閣全体の姿勢としてとらえていくように努力してみたいと思います。
○中川嘉美君 終わります。
○小笠原貞子君 いよいよ国際障害者年も終わりに近づきまして、そしてこの間、当委員会でいろいろ村岡前運輸大臣等々に御努力をいただきまして、精神障害者の運賃割引とか飛行機の搭乗の制限緩和、そしてエスカレーターの対策等いろいろと御努力いただきましたこと、本当によかったと喜んでいる次第でございます。そして、いよいよ奥田大臣の登場で、この障害者年最終年にふさわしい仕上げをしていただきたい、そのことを要望しながら具体的な質問に入っていきたいと思います。
 まず最初に、エスカレーターの整備指針に基づくJRの未設置に該当する駅は各社それぞれ何駅あるかお知らせをいただきたいと思います。
○政府委員(井山嗣夫君) お答え申し上げます。
 先生御指摘のあれは、JR各社の乗降人員五千人以上、それから階段とホームとの高さの差が五メートル以上という基準の訳かと思いますが、その中でJR未設置駅は、各社別に申し上げますが、JR北海道十四駅、JR東日本二百二十五、JR東海四十七、JR西日本百十二、JR四国三、JR九州三十七、合計で四百三十八ございます。
○小笠原貞子君 まだ相当な数が残っていると思います。いろいろお調べいただいて、駅名も事前に御紹介いただいて大変ありがとうございました。
 さて、ここで問題なのは、設置しなければならない該当の駅はわかったんだけれども、これがいつまでにどういうふうに計画を立ててつくられるかということが問題でございます。前回の委員会で井山局長はなるべく早く計画をつくるように御努力いただけるとおっしゃっていましたけれども、来年度を含めて設置計画を早く出していただきたいということをお願いしたのでございますが、その御指導をよろしくお願いしますと同時に、いつごろなら出るのかということも伺わせていただければ幸いでございます。
○政府委員(井山嗣夫君) 今、数を申し上げましたように、大変多うございます。
 それで、各駅ごとにいろんな問題点がそれぞれあるようでございまして、具体的に駅の大改良を必要とする場合、それから何といいますか、土地を相当買わなきゃできないという部分もあるようでございます。
 いずれにしましても、そういう問題点ばっかり言っていても仕方ございませんので、私どもは、先生にたしか九月に御指摘いただきまして以来、至急実態調査をやる。さらに、実態調査というのは単に高さとかそれだけじゃなくて工事の難易度等も含めた調査をやるということで、とりあえず先ほど申しました数字は、できている駅、できていない駅、それから今さらに問題点ほどこにあるかというのを詰めをさせております。それが終わりまして、具体的に計画的にかつ費用効果の点も考えながら計画をつくっておりますので、いつという、何月何日とは申し上げませんが、何とか四年度のあたりから計画的に着手できるように今指導しているところでございます。
○小笠原貞子君 四年度から計画的に着手できるようにと。
○政府委員(井山嗣夫君) はい。
○小笠原貞子君 はい、ありがとうございます。無理を言ってもしょうがないですから、できるところから計画を立てていただきたい、そう思います。
 それで、今度は大臣にお伺いしたいので聞いていただきたいんですけれども、今見た数字というのは、結局高低差が五メートルで乗降客の数が五千人以上ということでの設置該当駅になるわけなんです。私の地元北海道を考えますと、これに該当する駅は十七駅がございます。設置すべき駅というのは。そのうち設置されているのが三駅なんですね。あと対象として残っているのが十四駅にすぎないわけなんです。
 ここで私が申し上げたいのは、高低差五メートル以上の駅ということになれば、その数は物すごく多くなってくるわけでございます。しかし、五メートル以上プラス乗降人員が五千人というのがありますから、高さはもう五メートル以上六メートルなんというのがあっても乗降客の数が五千人に満たないために該当にならないという数がうんと残されてしまうわけなんです。これでは私は障害者というものについての御認識の上で、障害者にとっては人数が、乗降客が多いとか少ないとかという問題ではなくて、高いか低いかで障害があって利用できないということでございますよね。
 そういうことから見て、障害者のための、そのための設置ということを考えていただければ、高低があってハンディでとても大変だという場合には、この乗降客のいわゆる制限というものについて弾力的に考えてということを大臣としてもお考えいただけないだろうかということで、ぜひ御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(奥田敬和君) 確かに、障害者を含む交通弱者に対する対策ということになりますと、我が国の水準は残念ながら決して胸を張って答えられる状況ではないというまず基本的に認識を持っております。
 障害者年の最終年度でありますけれども、できることなら身体障害者の昇降に必要な、あまねくどこの駅でもそういった温かい施設があるというのが理想でございますが、年次計画を立ててやる場合の段階として五メートル五千人という基準を設けたと思います。しかし、その駅が身障者の皆さんにとって非常に利用度の高い駅であれば、五千人にこだわることなく、それが二千人であれ三千人であっても柔軟に対応してまいりたいと思います。
○小笠原貞子君 ありがとうございます。本当にそういうお気持ちでお力添えいただきたい。よろしくお願いをいたします。
 じゃ次に、信楽高原鉄道の問題でございますけれども、運転が再開されて大変喜んでおりますが、まだ原因がはっきりと究明されていないという問題です。
 JRが信楽高原鉄道に乗り入れするに当たって、JR側が列車を優先運行するためにつけた方向優先でこという装置が信楽駅の出発信号を赤にしたという疑問が出されてきていると思います。これは大変重大な問題でございます。
 JRが方向優先でこを設置するとすると事前届け出が必要だと思うのでございますが、JRから。いつ届け出がございましたでしょうか。
○政府委員(井山嗣夫君) 先生御指摘の信楽鉄道の方向優先でこでございますが、信号システム全体にいろんな影響を与えるというものでございますので、これは事前に所定の届け出が必要だったと思います。JR西日本から、実はこれは三月の乗り入れのときから使っていたようでございますが、具体的な届け出は六月七日付でなされたわけでございます。おくれております。
○小笠原貞子君 事故が起きたのが五月十四日でございましたよね。それの届け出が六月七日ということは、三週間以上たっていますよね、六月七日。そのころになってやっと届け出が出たということが、これまた一つの大きな問題だと言わなげればならないと思うんです。
 乗り入れに当たって、当然このてこを操作した場合はこうなるというような教程、いわゆるマニュアルというものがなければおかしいと思うのでございますが、JRと信楽高原鉄道に優先でこのマニュアルというものが存在していたのかどうか、その辺の実態はどうなっておりますか。
○政府委員(井山嗣夫君) まず、方向優先でこの一般論をちょっと申し上げたいと思いますが、方向優先でこと申しますのは単線区間のすれ違いのときに、運転整理といいますかおくれを戻すためにどちらかの列車を優先的に扱うというときに使われるもので、これは全国的に広く割と使われているもののようでございます。
 それで、この乗り入れのときに亀山のCTCに――あそこのCTCは西日本のあの地区を全部扱っておりまして、そこにつけたようでございますが、この取扱者自体は優先でこの機能とか、これ自体は沌うあちこちで使っておりますので、それ自体についてマニュアルをつくるとかそういうことはほとんど必要ない、通常の優先でこの一つとして、責任者がこれはこういう機能であるからこういうときに扱いなさいという指示をして、それで説明をして特に問題があるとは思っていなかったと聞いております。
 ですから、そういう意味で、先生がマニュアルというのはどういう意味でおっしゃるのかわかりませんけれども、紙に書いてどうこうというものは具体的にはなかったというふうに今報告は受けております。なお調べます。
○小笠原貞子君 優先的に走ってもいいという、その装置ですよね。これについて、その扱い方についていろいろと紹介していくというのは大事なんだけれども、これをどう使うかというときの責任において、そのてこのマニュアルというそのものがなければ私はおかしいと思うんです。当然それは相手方に、口で言ったとかいろいろ連絡したとかいうような話は聞きますけれども、こういう問題のときにはきちっと書類でそのマニュアルというものがなければならないと思うんです。ほかでも使っているからわかっているだろうなんていうことではだめですよね。
 やっぱり信楽高原鉄道はそれについての知識も得なければならないし、それに基づいてどういう注意をしなければならないということが知らされていなければならないわけです。それが、いつ、どういう形でそのマニュアルというものがつくられて知らされているのか。電話で言って承認してもらいましたという、衆議院の議事録を拝見いたしましたら、これについてJRが優先でこを使うよということを言ったら、信楽鉄道がそれで結構ですというふうに言ったと、こう衆議院の議事録を見たら答えていらっしゃいますよ。
 子供の言づけじゃあるまいし、こういう物を言った、ああそうですか、どうぞよろしくなんて、そんな簡単なことでは、私は運行上いろいろと問題が出ていると思います。つまり、運輸省に届け出もしていないのに信楽高原鉄道にマニュアルというものができるはずがないということです、言いかえれば。全然なかったというふうに考えていらっしゃるんですか。
○政府委員(井山嗣夫君) ちょっと一つ申し上げたいことがございまして、電話で了解をしたという話は、議事録を私ちょっと確認――申しわけございません、調べさせてください。
 それで、私どももその優先でこを設けた経緯を謝べようと思っていろいろ事情を聞いておりますが、信楽高原鉄道の責任者といいますか、この方がたまたまあの電車に乗っていて亡くなっていらっしゃるわけです。それで、非常にそこの経緯がJR側からの話しか聞けないのでございますが、JR側の話は、一定の会議をやりまして、そこで議論をして決めたというふうに一応私どもは聞いております。この辺はもう少し、警察等もあるいはお調べになっているかもしれませんので、私どもの一存で断定することはできませんけれども。
 それで、そういう意味では、信楽鉄道側にそのいわゆるマニュアルというものはどうもなかったように私どもは思っております。というのは、推測でございますが、てこそのものはJR西日本の亀山センターに扱いを委託していたといいましょうか任せていたということもあって、そういうことになったんじゃないかと推測いたしております。
○小笠原貞子君 じゃ、どっちにしてもマニュアルというのがあるはずないと言わざるを得ないんですよね。
 だから、信楽高原鉄道は、赤になったから故障になったと思って無理して出て事故になっちゃったわけです、あのときは。もしも、これについてきちっとした認識があってマニュアルがあったならば、こういうことがなくて済んだのではないかと。これも今捜査段階の中で私が決定的に物を言うことはできませんけれども、そういう意味で、この問題については相当大事な問題ですから、この問題を具体的に徹底的に究明していただきたいということをお願いしたいと思います。よろしいですね。
○政府委員(井山嗣夫君) 先生今御指摘のように、私どももその優先でこが信楽の駅の方の信号にまで影響しているという話は、たしかNHKの報道で初めて知ったのでございます。
 それで私ども、そういう点もありますので、先ほどちょっと申し上げました信楽高原鉄道の事故に関連しまして、信号保安システムの調査検討会、ここで具体的にこのてこを採用した場合にどういう機能を結果的に果たすか、あるいはどういう問題点があったのかなかったのかということも含めまして分析調査をさせていただきたいと思います。
○小笠原貞子君 お願いします。
 それじゃ次に、JRの宿舎問題について伺いたいと思います。
 国鉄改革法等施行法第三十二条によって来年四月から、JRに承継されていた土地や宿舎を売却するということが自由になった、可能になったということを伺っているわけです。
 宿舎というのは各JRの所有となっていながらも、宿舎の利用は旧国鉄時代のようにJR各社の区別なく職員に利用されておりますね、現在。しかし、宿舎利用については国鉄改革に伴う設立委員会の労働条件の中には明記されていませんでしたね。宿舎利用について各JR間で取り交わした協定も知らされずに労働者は各JRに採用されたわけです。それにもかかわらずJR各社は、協定期間である来年三月末を理由に、他のJR所有の宿舎に入っている職員は当該宿舎を出るようにという働きかけがなされているということでございます。
 特に、JR貨物の東京地区の宿舎利用者の場合には、宿舎で競合しているJR東日本は関連事業の拡大によって地方から職員を東京に住まわせるために一千戸のマンション等の賃貸で賄っているんだということを理由にしてほかのJR職員の追い出しを強めているということを伺いました。JR貨物には川崎、横浜に宿舎がないことから、宿舎から追い出されても宿舎の確保が難しいと。特に、単身ではなくて家族と住んでいたり病人がいたり年寄りがいたり、子供の教育上の問題、通勤の長時間化など、非常に深刻な問題を今抱えているということなんです。
 このような問題は国鉄改革に起因している、起こってきた問題だと。なおかつ、職員の基本的権利である衣食住にかかわり、重要な問題と言わざるを得ない。協定の期限内での解決を急ぐ余り、職員が路頭に迷っては、これは大変だと。本当に自分の身になってみれば、この年の暮れもこの宿舎は一体どうなっていくんだと、非常にみんなも深刻に心配しているわけなんです。
 そういう意味で、きょうは具体的な資料でもってお話ししてお願いできませんけれども、やっぱり労働者には責任ないんだと。就職するときには、この家はいつまでしか確保されていないんだよということも知らされていないんですね。そして、今になって協定がああだこうだということで出ていかなきゃならない。出ていってくださいと言われても、当事者としては困るわけなんですわ。
 だから、そこで大臣に、そういう一人一人の働く人たちが勤めるその協定にも書かれていないと。そして、今になって出ていけと言われたら、本当に路頭に迷うということを考えれば、この問題についてもやっぱりそこにいる、働いている人たちの立場に立っていろいろな道を考えていただきたいということを私はお願いしたいんです。それは大臣の政治的な立場で御配慮いただく問題だと思いますので、よろしくお願いします。
○政府委員(井山嗣夫君) 大臣のお答えの前に、私、一言申し上げます。
 先生御指摘の国鉄改革のときの経緯を簡単に申し上げますと、改革のときには採用される人数が大体決まっておりました。地区ごとにありましたので、そこである宿舎を全部一応管理別に分けました。そのとき、たまたまいろんな会社の人が入っていましたので、その間五年間のうちにいろいろやりくりをしていわゆる本来のところに戻そうと、こういう協定ができているわけです。その期限でございまして、はっきり申しましてこの辺の話はまさにJR貨物の福祉のあれでございますので、ひとつ検討させていただきます。
○小笠原貞子君 その事情はいろいろ伺っています。だけれども、出される方にしたら大変だから、大臣、ちょっと考えてください。
○国務大臣(奥田敬和君) 私もこういった事例については何件か報告を聞いております。清算事業団の方では何かまとまった形で土地処分を急がなきゃいけないという経緯も聞いておりますのですけれども、この冬を控えて、立ち退きの問題に関してはなかなか厳しい内情のある地域もあることも聞いております。
 まあそういった点において、決してこの冬空に路頭に迷わすような形じゃなくて、またお互いに両者が納得してどこかの住宅をあっせんできるなり、そういった方途も含めて御相談申し上げたいと存じます。
○小笠原貞子君 どうぞ温かい心で対処してください。しゃくし定規で切り捨てないでいただきたいということをお願いします。
 もう時間がありません。最後に空港問題で伺いたいんですけれども、北海道も近年観光客の増加でもう空港対策が切実なものになっております。
 例えば、稚内空港、中標津、離島空路で利尻、礼文、奥尻、そして帯広空港というようなところのぜひ対策を強化していただぎたいということをもう切実にお願いをしたいと思います、私は北海道ですからね。
 そして最後に、この間大臣、北海道へいらして、そしてサハリンとの航空路とかフェリー航路というようなものをいらしてごらんになればそう考えていただくの当然だと思います。みんなやっていただけるのかしらと期待をしておりますので、空港問題どこのサハリンとの関係について大臣の御所見をちょっと伺って、終わりにします。
○国務大臣(奥田敬和君) 北海道の空港ネットワークといいますか航空ネットワークと申しますか、この充実は重点的に行っていることは、もう先生御承知のとおりでございます。
 今ほどお話しになりましたように、函館空港、旭川空港、それに釧路空港、これは濃霧の対策がありますから、ここは新しいシステムを導入して、濃霧のときでも入れるような形にいたします。利尻もございます。いろいろ千歳の新しいB滑走路の建設もございます。中標津、女満別、新紋別ですか、釧路も含めて整備を進めてまいります。
 このことはさておきまして、二番目に御指摘になったのは、いわゆる北海道は北方、極東、シベリアも含めての出発点と申しますか入り口として航空ネットワークの整備と同時に港湾整備も急がなければなりませんし、空の便も近く開設されるでしょう。それに海の航路、貨客を運送するフェリーの就航等も検討しなきゃならぬと思っています。
 いずれにしても、現実にはもう既にあの日本側の船会社、そして向こう側のサハリン州なり沿海州の州単位での交渉も行っております。もう現に行って三回目くらいの交渉に移ろうとしておりますのですけれども、御存じのとおり、今あの国の実態というのが、きのうまで交渉していた相手が何かいつの間にかいなくなったというわけじゃありませんけれども、窓口が非常に混乱しているという残念な事情にございます。
 しかしながら、いずれにしてもこれらは早晩解決することでございますし、特に北海道の場合にはそういった採算性の問題もありますけれども、それは別といたしまして、航路、空路の開設に拠点整備を急がせて、実務者レベルでは既に検討段階に入っておるということで、大変先行き明るい希望が持てるんじゃなかろうかと思っています。
○高井和伸君 信楽高原鉄道が再開されるに至った経緯をお尋ねします。
 基本的には責任問題、それから補償問題、原因の究明、そういったものがある意味では後へ、ちょっと横っちょへ置いて再開されたというようなふうに受け取っております。この事情は先ほども少し答弁ありましたけれども、どういう経過があったのでしょうか。
○政府委員(井山嗣夫君) 先生がただいま責任問題、補償問題を残した形で再開したその経緯というのか、これを御説明申し上げます。
 原因の究明と補償というのは、これはできるだけ早く行わなきゃいけませんし、我々も最大限の努力を今しているところでございますが、一方地元の方からは、あそこの地区であの鉄道が小学生、中学生あるいは高校生の通学生が非常に多いようでございまして、冬に入りますとバス輸送は非常に危険度が高い、道路が非常に凍結するのだそうでございますが、それで本格的な冬になる前にぜひ再開したいと、こういう強い御希望がございました。
 まあ私どもの方も警察の還付処分が、差し押さえ処分が終わりましたら安全の確認をいたしまして認めてもいいということで話をしておったのですが、会社の方は、一方、御遺族の方を個別にお回りになりまして、お気持ちは整理がつくまでまだ時間がかかるかもしれないけれども、こういう事情なのでぜひ御了解をいただきたいという御説明を申し上げ、私どもの方は、また二度とこういうような事故を繰り返すことはないということで安全確保に万全の措置をしたということを確認いたしまして十二月八日からの再開を認めた、そういう経緯でございます。
○高井和伸君 今のお話はそれなりにわかりますが、事故の原因がわからずして事故防止の方法もなかろうというのが一つの疑問です。それから補償も、再開されてしまいますと、原因もわからぬままでは補償問題も片づかないのがこれは通例でございます。責任の分担が決まらぬわけですから。こういったことが行われた背景はひとまずわかるとしても、基本的な方法としては私は間違っていると思います。基本的に原因もわからない、それから補償も片づかないという非常に大きな問題として、これはめどが立ったところでやってもらわなきゃ、いずれ証拠が散逸し人の記憶も風化し、時間の流れとともにただ遺族の方だけが泣き寝入りと。原因もある意味ではわかっていませんね。
 こういったことで、やっぱり今のは利便者が中心の発想でございますが、事故に遭った方々が一番たまらぬという方向だというふうな私の認識が間違っておりますか。
○政府委員(井山嗣夫君) あえて間違っているということは申し上げませんが、私どもは、先ほど先生おっしゃった、その原因がわからないまま再開を認めたという御指摘でございますが、確かに安全上の問題としては、あそこで一番基本的なのは、従来のような信号システムを使ってやる運転、これは認めていないわけでございます。単純に、信号機は今度は一切使いません。それから、ポイントも全部錠をかけまして動かしません。そういう意味で、最小限といいましょうかの運行でございますので、そういう意味で原因究明が完全に行われなくても運行を再開してもやむを得ないというふうに判断いたしました。
 それから、補償の問題につきましては、確かに分担割合というのは最終的に出てくるのでございますが、これは滋賀県、それから信楽町、信楽鉄道、JR西日本、この四者で協定をしておりまして、とりあえず内部の分担関係は後にしようと。必要ならばどんどんお金を出していくということで、現に今までの補償金は全部JR西日本が払っております。
 こういうことで、そういうお金がないからとか分担関係がわからないから補償ができないということは一切ないという前提で協定をしてやっておりますし、我々もそれは十分指導をしながら見ておりますので、先ほどおっしゃったようなことにはならないように努めてまいりたいと思っております。
○高井和伸君 あと一つは、本来信楽鉄道に全責任があった場合、これは信楽高原鉄道自身に損害賠償能力があったんでしょうか。
○政府委員(井山嗣夫君) はっきり申しまして、今回の事故が全部信楽の責任だとしましたら、ございませんでした。損害賠償保険は三億円でございます。資本金もたしか二億足らずでございますので、仮にお一人当たりの計算をしまして数十億という単位になると思いますが、そうなりましたら信楽には支払い能力がなかったと思います。
○高井和伸君 私の言いたいことは、こういった損害賠償能力のないような鉄道会社が世の中にいっぱいあったという、潜在的な状況にあったということは、ひとつの行政上から見てそういった会社に認可をおろしちゃいかぬのじゃないかと。端的に制度的な面、政治的な面で申し上げますとそういう立場になりますが、そういった許認可という側面から見た場合、こういった損害賠償能力のないような会社を存在させることはどういうことになるんですか。
○政府委員(井山嗣夫君) 鉄道事業法に基づきまして免許をしておりますので、その免許基準をちょっと申し上げますと、免許基準の一つとして、「事業を自ら適確に遂行するに足る能力を有する」ということが一つの要件になっております。この中に私どもとしては、事故があった場合の、何といいますか対策が十分できるということも「能力」として考えておるわけでございますが、実はこの会社の免許をするときに、やはり一定の保険に入っていることは確認しております。これは三億円でございました。
 当時この会社は二両ぐらいの列車で動いておりますので、先日のような大量のあれだけのお客さんが乗るということは全く考えていなかった。しかし、それでも何かがありましたとき困るということで、私の方は株主さんとかそういう方から、まあ具体的には県の応援をいたしますという、はっきり言いますと念書といいましょうか一札をいただきまして、それでは何かあれば必ず対応してください、こういうことで免許を差し上げたわけでございます。
 ただ、結果的には、ああいう大きい事故が起こったとした場合にあれだけの保険では足りなかったということを反省いたしまして、先ほど申し上げましたが、この七月から団体保険の制度をつくりまして、これに入ってもらいました。最高額は一事故で五十億円までというやつをつくったわけでございます。
○高井和伸君 あと、この原因がわかった場合、行政上の処分があり得ると思うんです。刑事的な責任問題、民事的な責任問題はこれから行われるとして、行政上の処分というのは免許をおろしている以上あるんだろうと思うんですが、これからどんなスケジュールでどういうふうになっていくのでしょうか。
○政府委員(井山嗣夫君) 鉄道事業法で行政上の処分と申しますのは、一番典型的なのは免許の取り消しあるいは一定期間の営業停止という処分が一番重いのはございます。それから、担当の人間について事業改善命令という、これは処分といいましょうかひとつの行政指導の強いものでございますが、こういうもので事業の内容を改善しろという命令をして、それを守ってもらうという方法とあります。
 ただ、先に申しました免許の取り消し、営業の一定期間の停止ということは、まさにこれは地元の御利用者に直接の迷惑のかかる話でございまして、代替の手段も実は鉄道としてはございません。そうしますと、結局人の問題について何らかの改善をしろという御指示を申し上げるということでございます。
 ただ、この点につきましては、既に処分という形ではなくて、あの事故の後、それから今度の再開前、全社員の徹底的な教育をもう一度やっております。さらにこの上、どういういわゆる行政庁としての対応をするかということについては、ちょっと今検討をしているところでございます。
○高井和伸君 早からん解決を、責任問題あるいは補償問題あるいは事故の真の原因の究明を望んで次の質問に移ります。空港の関係でございますが、第六次空港整備五カ年計画に関する閣議決定がせんだって行われた、こういうように聞いております。私の興味は、この内容が一般的にどういう内容かということなんでございますけれども、特に東京一極集中という改善面からこの空港の設置というのは非常に大きな効果も持ち、先行投資的な面でも非常に使うべきカードとしてはすばらしいカードだろう、こう考えているんですが、そういった視点は第六次空港整備五カ年計画の中にはどのように反映しているんでしょうか。
○政府委員(松尾道彦君) ただいまの御指摘の空港整備に当たっての東京一極集中の改善という点では極めて私ども重要なことだと認識いたしておりまして、今般、十一月の二十九日に閣議決定していただいた五カ年計画におきましても、そういう観点から推進をしておるということでございます。
 具体的に若干触れさせていただきますと、まず国内線でございますが、現在東京、大阪を中心とするいわゆる二極ネットワークがございますが、これに加えまして地方ブロックの拠点となる空港、それを活用いたしまして、特に地域間の直行路線を充実させていきたい。したがいまして、空港のネットワーク上は二極構造から多極構造、こういう方向で努力をいたしていきたいということでございます。
 それからもう一点、今度は国際線問題でありますが、地方空港の国際化という観点からも地域の国際交流が積極的に推進できるということで地域の振興を図っていく、このような観点から、今先生の御指摘のような格好で二極構造を多極化していきたい、地域振興を図っていきたい、こういう観点で空港整備を図ってまいりたいと思っております。
○高井和伸君 先ほど大臣の答弁の中に、外国から日本のどこかにおりたいという申し出がたくさんあるけれども、それはこなし切れないんだという話でした。今の地方空港へ分散しておろすというわけにはいかないんですか。いかなければいかない理由と、どうすればおりられるのか、そこをちょっと教えてほしいと思います。
○政府委員(松尾道彦君) 現在、航空交渉で相互利益という立場から空港を指定するわけでございますが、基本的に諸外国は当然首都でございます東京を第一に指定してくるわけでございます。しかし、今空港能力が成田あるいは大阪についても容量がないものですから、今の航空交渉では具体的に、例えば名古屋空港あるいは福岡空港、こういうものを相手国も指定してこられますので、そういう指定についても日本側としては積極的に対応していきたい、現にそういう空港に国際線がかなり入りつつある、こんな状態でございます。
○高井和伸君 続いて、アメリカのパンナムという会社が倒産してしまいました。日本の航空会社で言うと日本航空が倒産したような気分なんですが、日本の航空会社がこういったような事態に陥るようなことはないんでしょうか。ないとすればどういう理由なのか。まず、そういったところから入っていきたいと思います。
○政府委員(松尾道彦君) アメリカのパンナム、非常に伝統のある会社が倒産したわけでございますが、日本の空においては今たまたま航空需要が非常に恵まれておりまして、割合いい方向の環境下で進めておりますが、絶対に将来そういうことはあり得ないという保証はございません。
 私どもは空港整備を図り、かつ効率的なネットワークづくりをやり、かつ乗員養成あるいは機材の購入などをやって需要に対応して供給力を整備する、こういう立場で日本の航空会社を指導していき、日本の航空界の方も一生懸命努力をしていただいておる、このように理解をいたしております。
○高井和伸君 アメリカの場合は規制緩和が行われて、その結果国際線を独占していたパンナムが国内線の強い会社との競争に敗れた、このような解説が一般的でございます。
 日本の場合、そういった国際線と国内線の割り振りということはどのようになっているんでしょうか。
○政府委員(松尾道彦君) 従来は、国際線は日本航空一社、幹線は全日空、日本航空などといった割合狭いシェアでございましたが、その後各種の委員会等でも御指導いただきまして、競争促進策を行うべきだという点がございまして、現在日本航空あるいは全日空あるいは日本エアシステムも国際線に進出していただいています。
 それから、国内路線については、需要の多い路線につきましては複数社化といって、ダブルトラッキングあるいは三社化、こういうふうなことで順次整備を図って競争促進策を通じて利用者利便に供したい、このように進めております。
○高井和伸君 外国の様子を見ますと、ヨーロッパの方の航空会社も幾つか提携して一つのまとまりのある、例えばKLMと英国航空というような話が出ております。そういったグループ化しながら競争力をつける、あるいは生き残りを図るというような事情というのが各国にありますけれども、それと日本の航空行政との兼ね合いはどのように理解したらいいんでしょうか。日本も早晩そういったことに対応して会社を合併しなきゃいかぬというような事態が来るんでしょうか、来ないんでしょうか。
○政府委員(松尾道彦君) 大変大きな問題でございますが、国際線で言えばいわゆる共国運航という方式も採用いたしておりまして、日本と相手先との国の間で、例えば相手先の飛行機を活用して運航いたすというふうなことで協調体制も確立をしつっあります。
 また逆に、国内路線につきましては、特に人件費問題が今後大きな課題になろうかと思いますので、むしろ規模の縮小を図って実態に合ったような格好で子会社による運用といった路線運用についても多極的な、多角的な観点から進めていきたいと考えております。
○高井和伸君 現在の航空会社は、ちょっと数字を見ますとかなりもうかり過ぎているような風情でございますが、これはある意味では手厚い保護をし過ぎてもうけばかりをさせているというようなことはないんでしょうか。
○政府委員(松尾道彦君) 今たまたま航空需要が堅調でございましてお客さんの伸びに何とか対応しておりますが、実は国際線で見ますと、この湾岸戦争のためにかなり需要が減ってまいりまして、日本航空では平成三年度上期の実績、何とか維持をしておりますけれども、対前年に比べると大幅な営業利益の減少というふうなことになっています。
 国内線の方は需要が非常に堅調でございまして、今のところいい方向で動いておりますが、これからは特に三大プロジェクトに対応した航空関係の諸施設の集中的な整備が必要でございますので、金利あるいは減価償却費関係で経営面も決して楽ではないと、このように考えております。
○高井和伸君 十一月の五カ年計画によれば、成田と羽田の沖合と関西とこの三つがはちっとそろった場合は、日本の航空会社の運航状況、経営状況、そういったものはどのような展開が大体予想できるんでしょうか。
○政府委員(松尾道彦君) 現在、今御指摘のとおり、関西あるいは首都圏における空港容量が非常に能力が乏しいわけでございまして、これの能力アップが最優先課題となっておりまして、沖合展開でいけば平成五年の夏、それから関西空港でいけば平成六年の夏と、成田は若干時間がかかるかもしれませんが、割合この五カ年の間に集中的に施設整備ができてくる。こうなってきますと、地方空港との路線展開も十分対応できるわけでございますが、片や乗員養成あるいは機材の確保、こういった会社側の問題もあろうかと思いますが、会社に抽いても中長期的な観点から施設整備に対応できるように今から努力をいたしておりますので、十分対応可能であろうというふうに判断をいたしております。
○高井和伸君 最後に、日本のそういった航空行政は手厚い保護のもとにいろいろうまくやってきたという方向の認識でございますけれども、この手厚さはアメリカの自由競争原理との間にはどのくらいの落差があるのか、行政担当としてどんなふうにお考えでしょうか。
○政府委員(松尾道彦君) 日本の場合には、参入につきましては若干の規制で免許制、運賃については認可制という基本的な規制を行っております。アメリカでは全く自由競争ということで、ダンピングによる競争の結果、寡占体制が今できつつございまして、大手企業による寡占の結果、かえって利用者に対する不便を与えているというふうな状態まで発展しておりまして、日本の実情に合った制度によって航空界は何とか前向きに進展しているんじゃないかというふうな評価をいたしております。
○高井和伸君 最後に、大臣にお尋ねしたいことがございます。
 先ほどの鉄道の事故におきましても、基本的には信楽高原鉄道というのは最後には県の応援を得るという条件で認可したと、ある意味では競争原理から外れているわけですね。さらに、地元の方々は再開してくれぬとほかの代替交通手段がないと、こんなことでまた求められる。それほどに航空路線でも、これは昔からの歴史を振り返ってみる場合、国の保護なしてはある意味じゃできなかった行政の分野だろうという認識を持っております。
 そういったことを見ますときに、運輸行政全般にわたって単に競争原理、JRはもうかっているといいましても、今のような第三セクターの会社は四苦八苦している。しかも、地方公共団体の援助がなければいけない。今の場合、JR西日本がくっついていたから何とか補償ができるというような、そしてアメリカと違って料金が認可制度であるというような保護、そういったことで保護育成という側面と自由競争の原理という側面が非常に絡み合って行われているこの運輸行政を見るときに、私非常に古臭い言い方ですが、国がかなり基本的なこのインフラをきっちり経済原理から幾らか解き放してやらざるを得ない部分が多々あると。先ほど皮肉っぽいことを言っておりましたけれども、そういう実感を持つわけでございます。
 運輸行政全般について国民に対して、例えば信楽高原鉄道のような第三セクターをつくる、私の岐阜県でも三つ四つあります。こういったところはみんな市町村が苦労してやっているわけですね。また五年、十年たったらどうなっていくかちょっとわからないようなそういったところでございます。こういったものを運輸行政から見た場合、JR本体は元気でも周りが大変、犠牲という言葉じゃないんでしょうけれども、制度的におかしなまま抱えながらやらざるを得ないという状況にあるように思うんです。
 そこらについて、運輸行政全般について、国政を預かる国務大臣としてどうお考えなのか御意見を伺って、私の質問を終わります。
○国務大臣(奥田敬和君) 今、信楽鉄道の事故問題を契機にしての第三セクターを含めて全体の御意見であったと思っております。
 民営化、分割化の落とし子と言ったら失礼ですけれども、そういった形で第三セクターは各地にできました。この中で今回の事故が発生したことはまことに残念でございます。しかしながら、いわゆる交通輸送機関として公的な輸送機関を預かる者としての補償責任は明確でございますし、こういった形の中で今第三セクターの当事者ばかりでなく、県そして相乗りをしている西日本に対しても厳しい責任、補償責任も含めてお願いをしているところでございます。
 これの救済策云々についてはまだ別途自治省とも御相談願っておるところでございますけれども、何といいましても交通従事者の資質が向上しなきゃなりませんし、また経営者も今のアメリカの例を御引用されてのお話でございましたけれども、やっぱりモラルも必要です。もう利益追求だけで安全が最後の一番大事な基本であるということも明確にしなきゃなりません。そういった意味では、競争原理は無視しちゃならぬと思います。しかし、競争原理に走ったために、そういったような安全性を無視したり経営のダンピングを行ったりして人命を含めての安全が損なわれることがあってはならない、こういう二つの矛盾した命題を抱えて動いておるのが運輸行政、特に航空行政も含めてのやっぱり大変な、ほかの事業と違う厳しいところである。
 先生は初め、日本の企業は過保護、そういった行政指導下の過保護の中でぬくぬくともうかっているんじゃないかという御指摘かと思っていたんですけれども、最後の結論は、やはり競争原理は重視しながらもこういった行政責任、まあ政治の責任もありますけれども、これらがある程度いい意味で関与していって共存共栄して、しかも本来の目的である安全輸送の実を上げていくということは日本的なやり方としては非常にこれはいいことではなかろうかと。そういった点において、行政指導が競争を脅かすような形までいかなくて、なおかつ一番基本的なものを守っていくような業態に持っていくように今後とも指導してまいりたいと思います。
○寺崎昭久君 まず、大臣に伺います。
 就任早々通勤混雑の問題に関心を示され、また先ほどは時差通勤についてお触れになりました。そして、内閣全体の問題としてとらえて努力をされるという意向が表明されまして、大変意を強くしているわけでございますが、この種の問題というのはまず隗より始めよで、例えば中央省庁あるいは地方公共団体、学校、そういうところから着手すべきものではないかと思うんですが、御見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(奥田敬和君) 週休二日制も含めて労働時間の短縮というよりも、むしろ労働時間を短時間であっても効率的に、非常にそういった意味合いでは、これは国を挙げての施策でございますし、そしてまた企業もできるだけ短時間労働というか労働時間を収縮しながらも一定の企業生産なり事務能率をちゃんと確保しようという方向の中で、いい意味の省力化が図られてきて今日にあるといったことが実態でございます。
 したがって、時差出勤なんという形も科学的というか、ある程度の分析をすれば短時間に集中しているという実態、この形は職種別あるいは各企業の中でもそれぞれの管理形態のさまざまな様態もございますから、そういう形に果たしてこれが最も効率的であるのかどうか。そういった点も踏まえて考えれば、企業協力は必ず得られるであろうと思います。そしてまた、そういった形の中での割引制度等を導入する形によって企業の面においてもプラスのメリットが勤労条件においても経費的な面においても出てくるであろう。
 しかし、これをやるために、じゃ民間企業側だけに押しつけておって、官庁側がそれでのほほんとしているという形はいかがか。やっぱり率先してやるべきではないかという形の御指摘であろうかと思いますけれども、私たちも今内部的には検討しております。一斉出社、一斉に仕事につく、一斉退社というひとつの基本的な面はさておいても、多少そこに時差的なずれがあっても行政分野に支障を来さないという形はどうしたらいいかという形で今それぞれの知恵を集めておるところでありますが、私は先生が御指摘のように、省庁が率先してこういった時差通勤の制度を実効あらしめるためにはやるべきであるという趣旨には全く賛成でありますし、そういう方向で努力したいと思っております。
○寺崎昭久君 命のお話、ますます意を強くしている次第でございますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 それから、企業に協力をしてもらうということでひとつのインセンティブという面もあってか、時差通勤定期なるもののアイデアも示されたわけでありますが、インセンティブということで考えるのであれば、例えば時差通勤を励行した企業に対して税制上通勤手当の損金算入部分をふやすとかあるいは個人に対しては所得税の課税最低限度を引き上げるとか、もっと多角的に考えていただいていいんじゃないかと思いますが、大臣いかがでしょうか。
○国務大臣(奥田敬和君) 今そこまで考えが及ばなかったわけでございますけれども、大変いい御提示でございますし、個人の限度額引き上げ云々という形にまでは割引した上にまたなかなかいきにくいんじゃないかと思いますけれども、税制上そういった形に協力していただくという形の中で、これはある意味においては働く人たちの人権保障にもつながるわけですから、そういった形でもし税制上のそういった恩典措置というか、そういった形が導入できればすばらしいことだなと、今先生の御意見をお伺いしながら大変いい御示唆をいただいたなと思っております。検討してみます。
○寺崎昭久君 鉄道運賃に関連して、去る十一月二十日から私鉄大手十三社の運賃値上げがありましたけれども、運輸省がこれを認めるに当たって考慮した事項及び通勤定期券のアップ率を通学とか普通運賃よりも高くした理由をお尋ねいたします。
○政府委員(井山嗣夫君) お答え申し上げます。
 今回の私鉄の運賃値上げの要素の主なものは二つあると思うんですが、一つは、通常の人件費、物件費等の値上がりにかかわる部分と、それからもう一つは、いわゆる輸送力増強等の工事のための設備投資に伴う資本費、すなわち支払い利息とか減価償却の負担増、この二つが大きな要素でございます。
 十三社平均で申し上げますと一三・八%の改定をしたわけでございますが、そのうちの約半分六・九%が資本費の負担増に伴うものと考えております。
 そういうことでございますので、私どもは当然のことながら運輸審議会からの御要望もございましたし、私ども大臣からも直接民鉄各社の社長に対して、輸送力増強等の一種の約束事がございますので、これは絶対守るということを強く指示をいたしております。そのほか、経営の合理化を進めまして、今の上げてもらった運賃ができるだけ長期間維持できるよう努力をしろと、そのほか二、三の点について注文をつけて認可をした、こういう経緯でございます。
○寺崎昭久君 輸送力増強という考え方は、例えばJRの定期代にも含まれている考え方でしょうか。
○政府委員(井山嗣夫君) JRの定期といいましょうかJRの運賃自体も基本的には鉄道事業法に基づいて原価等を考えながら見て算定するということになっておりますが、現在のJRの各社の運賃は基本的には旧国鉄の時代に決められた運賃、それをそのまま移行しております。若干、割引その他で動きはあるようでございますけれども、原則はそういうことでございますので、仮に次回改定することがあれば、当然のことながらそういう輸送力増強の計画などを踏まえてやってみて審査する、こういうことになると思います。
 現在もしかし、JR自体はいろんな意味で輸送力増強、例えば山手線の十一両化とかいろんな投資をやっていただいている、こういうことでございます。
○寺崎昭久君 都市交通関係の工事費に対する助成というのは、営団だとか公団だとかあるいは私鉄によって割合が違うように思うんですが、その理由は何でしょうか。
○政府委員(井山嗣夫君) 先生、多分営団に対するものと民鉄の場合とちょっと違うのではないか――それはこういうことだと思います。
 営団と申しますのはいわゆる特殊法人でございまして、もともとが地下鉄を専ら東京及び首都圏でつくるということを使命にしておりますので、ある意味で採算というのでいわゆる純粋民間ですとやれないような投資、大規模な投資を続けてやってきております。そういう意味で、非常にたとえ採算が当初悪くてもやる義務が、責務がある。こういうことで、補助金などもかなり、今年度からは無利子貸し付けという制度に変わると思いますが、こういうことでございます。
 それから、民営鉄道の方はやはり生い立ちが私企業でございますので、採算に乗らない投資は原則としてやらなくてもいいと言う生言い過ぎかもしれませんが、いわゆる責務みたいなものは必ずしもないということでございますが、それでは困りますので、私どもが今やっておりますのは鉄建公団に私鉄がやるべき路線をつくってもらおう、あるいは複々線化の工事をやってもらってそれを私鉄に買い取っていただく。そのときに金利が相当高くなりますので、一定の金利、すなわち今は五%でございますが、これを超える分は国が利子補給をしておる。実質五%の金利負担で資金はやれ、こういうようなことで、営団よりもかなり薄いとは思いますが、それなりの工夫をしてやっているところでございます。
○寺崎昭久君 採算性だとか財産の帰属だとかあるいは株主に対する配当ということを、つまりサービスを供給する側からこの問題を見れば、現行行われているような助成制度というのは理屈に合っているんだと思いますが、しかしサービスを受ける方から見ますと、要は込んでいるんだ、これを解消してくれというのが切なる願いであるわけです。
 ですから、この助成という問題についても、ぜひ利用している側から見て混雑緩和につながるという中身に少し考え方を変えて御検討いただければありがたいと思いますし、私はそういう中で、例えば私鉄に対する助成を営団並みに引き上げれば交通緩和が少しは進むということであれば国民の納得は得られるし、財産問題云々というのは別の方法で吸収してもいい問題ではないかと思うんです。ぜひ受益者側に立った交通緩和策というのを打ち出していただきたいなというように思うんですけれども、私鉄に対する助成の引き上げ等を、見直しするお考えはございませんですか。
○政府委員(井山嗣夫君) 先生の今御指摘、非常に私ども厳しく受けとめておりますが、ただ、今までの私どもの伝統的な考え方あるいは学者先生の考え方も、やはり鉄道の整備というのは一応便益を受ける利用者の負担というのが大原則であるという議論は間違いないところであると思います。
 ただ、それだけですと整備がさっぱり進まない。どんなに込んでも私鉄の方はやる気がないというのでは困るので、例えば一つは、先ほど申しました鉄建公団につくってもらって、それを安い利息で売ってもらう。それから、開発銀行から非常に長期低利の融資をするとかあるいは先ほどちょっと出ました税制上の措置をやるとか、それから今は大都市でございますけれども、特定都市鉄道整備積立金制度、若干先に運賃の先取りをさせていただきまして、それは必ず設備投資に使うという約束のもとでいただいている。それででき上がったら、これは益金算入に順次繰り戻していくわけでございますが、こういう制度をつくっていろんな工夫をしております。
 ただ、今の財政事情等々から考えまして、飛躍的に私鉄助成の考え方を大幅に変えるというのはちょっと難しいのではないかと思っておりますけれども、なおたまたま今鉄道に関しましては運輸政策審議会の鉄道部会というところでいろいろ議論をする場がございますので、そういうところでちょっと議論をしてみたいなと思っております。
○寺崎昭久君 時間がないので鉄道運賃の問題については、また別の機会にお願いしたいと思います。
 それから、鉄道関連で十一月二十四日、総務庁がJR旅客六社に対しての行政監察結果を発表しておりますけれども、その中で、JR各社が発足当時に適正要員規模よりも二割方多く配置したという事実を認めながらも、六社合計では二万九千人ぐらいの余力社員を抱えている。あるいは合理化、効率化が不十分である。また、この余力社員の活用というかそういったものについても方針が明確でないという指摘がございましたが、いきさつと今後の方針というのをお話しいただけますか。
○政府委員(井山嗣夫君) 今のいきさつから申し上げます。
 ちょうど六十二年四月の旅客会社の発足時でございますが、このときの要員の考え方は、さかのぼりますと国鉄再建監理委員会の意見というところに立ち至るわけでございますが、この意見では当時の鉄道事業を遂行していくためには十五万八千人程度の人で十分ではないか。しかし、それでは大変にいわゆる失業者といいましょうかが出るので、二割程度のやっぱり余裕を持たせた二十一万何がしという方を採用しなさいということで、それを具体的には六十一年十二月に閣議決定いたしまして政府の基本計画で定めまして、会社別にこの会社は何人を採用するということを公にして募集をしたわけでございます。
 初めからそういういきさつがございますが、その後JR各社におきましては、やはりそういう採用した方につきまして、例えば出向でございますとかいろんな形で関連事業への配置とかをやっていただきました。別途やっぱり鉄道事業としても経営の効率化を図らなきゃいかぬということで、だんだんといわゆる鉄道必要人員といいましょうか、これは減ってきておりまして、したがいまして余力人員も少しふえてきた。その結果が二万九千人という、これは行政監察局の御判断でございますが、二万九千人ほどそういう方がいるという結果になったと思います。
 運輸省といたしましても、確かにそういう余力人員の方につきましては、遊んでいるということではございませんですけれども、今後ともやはりJR各社に関連事業の拡大を図る、あるいはいい出向先があれば出向してそこでまた活躍していただくというようなことで、適切な要員配置を行いなさいということで指導してまいりたいと思いますし、各社もそういうことで努力していただくということで進めていけると思います。
○委員長(峯山昭範君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。
    ―――――――――――――
○委員長(峯山昭範君) これより請願の審査を行います。
 第九八九号三重県内の気象事業の整備拡充に関する請願を議題といたします。
 本委員会に付託されております請願は、お手元に配付の付託請願一覧表のとおりでございます。
 この請願につきましては、理事会において協議の結果、保留とすることに決定いたしました。
 以上のとおり決定することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(峯山昭範君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決定いたしました。
    ―――――――――――――
○委員長(峯山昭範君) 次に、継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。
 運輸事情等に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(峯山昭範君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、要求書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(峯山昭範君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時四十分散会
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