第123回国会 法務委員会 第4号
平成四年三月二十七日(金曜日)
   午前十時二分開会
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  出席者は左のとおり。
    委員長         鶴岡  洋君
    理 事
                野村 五男君
                林田悠紀夫君
                北村 哲男君
                中野 鉄造君
    委 員
                加藤 武徳君
                斎藤 十朗君
                下稲葉耕吉君
                中西 一郎君
                福田 宏一君
                山本 富雄君
                深田  肇君
                橋本  敦君
                萩野 浩基君
                紀平 悌子君
   国務大臣
       法 務 大 臣  田原  隆君
   政府委員
       法務大臣官房長  則定  衛君
       法務大臣官房司
       法法制調査部長  濱崎 恭生君
       法務省民事局長  清水  湛君
       法務省刑事局長  濱  邦久君
       法務省矯正局長  飛田 清弘君
       法務省人権擁護
       局長       篠田 省二君
       法務省入国管理
       局長       高橋 雅二君
   最高裁判所長官代理者
       最高裁判書事務
       総局総務局長   上田 豊三君
       最高裁判書事務
       総局家庭局長   山田  博君
       最高裁判書事務
       総局人事局給与
       課長       萩尾 保繁君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        播磨 益夫君
   説明員
       警察庁刑事局刑
       事企画課長    泉  幸伸君
       総務庁青少年対
       策本部企画調整
       課長       永島 泰彦君
       外務省国際連合
       局人権難民課長  吉澤  裕君
       文部省初等中等
       教育局中学校課
       長        福島 忠彦君
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  本日の会議に付した案件
○裁判所の休日に関する法律の一部を改正する法
 律案(内閣提出、衆議院送付)
○国際海上物品運送法の一部を改正する法律案
 (内閣提出)
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○委員長(鶴岡洋君) ただいまから法務委員会を開会いたします。
 裁判所の休日に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。田原法務大臣。
○国務大臣(田原隆君) 裁判所の休日に関する法律の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明いたします。
 政府においては、平成三年八月七日付の人事院勧告の趣旨にかんがみ、行政機関において完全週休二日制を実施するため、すべての土曜日を行政機関の休日として勤務を要しない日とする必要があると考え、一般職の職員の給与等に関する法律及び行政機関の休日に関する法律の一部を改正する法律案を提出しているところでありますが、裁判所においても、これと同様の趣旨で完全週休二日制を実施する必要があります。
 そこで、この法律案は、裁判所において完全週休二日制を実施するためにすべての土曜日を裁判所の休日としようとするものでありまして、その要点は、次のとおりであります。
 第一に、現在、土曜日については、毎月の第二土曜日及び第四土曜日を裁判所の休日と定めておりますが、これを改め、すべての土曜日を裁判所の休日とし、その日には裁判所の執務が原則として行われないことを明確にすることといたしております。
 第二に、民事訴訟法及び刑事訴訟法における期間の計算について、所要の改正を行うことといたしております。
 以上がこの法律案の趣旨であります。
 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
○委員長(鶴岡洋君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○北村哲男君 北村でございます。
 この法案についての質疑を行いたいと存じます。
 外国からは働き過ぎと批判の多い我が国の労働界あるいは労働事情でございますけれども、長年私どもの要求しておりました公務員への完全週休二日制が来年度から実施されるという運びになりましたことを、まず率直に喜びたいと存じます。
 法案につきましては後ほど尋ねてまいりますが、まず私どもが日切れ法案に準じて扱うよう要求しました最大の眼目は、一日も早い完全週休二日制の実施であります。せっかく本案が早期に可決されましても、政令で定められる施行期日が早くなければ何の意味もありません。昨年八月の人事院勧告でも「平成四年度のできるだけ早い時期」に実施するよう勧告しております。
 そこで、まず法務大臣にお尋ねしたいと存じます。「平成四年度のできるだけ早い時期」とは、できれば四月から、少なくとも第一・四半期中と理解するのが常識であると思います。早期実施へ向けての法務大臣の特段の努力をお願いしたいと存じますけれども、まず大臣のその辺の御決意をお聞かせ願いたいと存じます。
○国務大臣(田原隆君) この法律には、附則の第一条に書いてございますように、「公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。」、そういうふうに書いてありますが、おっしゃるようにできるだけ早い方がいいと思いますけれども、ただ実施時期につきましては、法案が成立してからも裁判所において国民への周知のための措置を講ずる期間を必要としたり、裁判所としてもいろいろこれに伴う準備等運絡協議して、また他の行政機関の実施時期に合わせたりして、いろいろ都合があると思うのであります。ですから、できるだけ早くやろうと思いますが、そういうどうしても必要な物理的なものがありますので、その間はお許し願いたいということで、それが今はっきり何月何日になるかというのはここで特定は払いたしかねますけれども、
気持ちは一日も早くと思っております。
○北村哲男君 確かに、さまざまな準備があると思いますけれども、しかし逆に言うと、今までこういうことは、もう二年前あるいは三年前から隔週の土曜閉庁というのは実施されておりまして、そして今日のことは当然予測されてきたと思います。
 そこで、最高裁におかれましてはさまざまな問題点があると思いますが、特に国民の裁判を受ける権利との調和を図りつつ一日も早い完全週休二日制を実施できるよう、部内あるいは部外の諸般の準備あるいは周知徹底に遺漏のないようにしていただきたいと存じますけれども、最高裁当局からもその御決意のほどをお聞かせ願いたいと存じます。
○最高裁判所長官代理者(上田豊三君) 委員御指摘のとおり、最高裁判所においても鋭意努力をしたいと考えております。
○北村哲男君 確かに、この週休二日制実施までには長い道のりがありました。昭和五十六年の四週五休制の試行から始まって四週六休制の実施、さらには昭和六十三年の裁判所休日法の制定、土曜閉庁方式の四週六休制の実施と続いてきました。
 休日法の審議のときも一番心配された点ですけれども、国民の裁判を受ける権利の保障という観点から裁判所当局も問題点の克服にいろいろ努力されてきたわけですが、例えば休日における緊急事務の処理等についてどのように対応してこられたのか、また、完全週休二日制になっても従前以上に対応していくことが国民から求められていると思いますが、これまでの対応策を含めて、細かな各論は後ほど聞きますけれども、抽象的な意味で今後の決意のほどをまずお聞かせ願いたいと存じます。
○最高裁判所長官代理者(上田豊三君) 弁論ですとかあるいは公判手続ですとかあるいは調停ですとかいそういった裁判所の事務の中核となるものは行っておりませんが、受付事務あるいは令状事務等緊急に処理を要するものについてはこれを行っているところでございます。
○北村哲男君 現行の土曜閉庁方式の四週六休制はおおむね順調に施行されていると思います。最高裁当局としましては現在までの週休二日制の実施にどのような認識と評価をされておるのか、まず最高裁にお伺いしたいと存じます。
○最高裁判所長官代理者(上田豊三君) 先ほど申しましたように、受付事務あるいは令状事務等真に緊急な処理を要する事務は遺漏なく行っていると認識しておりまして、日弁連からも、このたびいろいろ協議をいたしましたが特に裁判所に関しては問題がないと、こういうふうに聞いております。
○北村哲男君 同様のことですけれども、法務省当局についてはこの間の実施状況をどのように認識し評価しておられるでしょうか。
○政府委員(濱崎恭生君) 裁判所の土曜閉庁に伴ういろんな施策というのは、ただいま最高裁の方で答弁されたように、第一義的に最高裁判所の方において適切に対応していただいていると存じております。裁判所の事務処理に対応する法務省の関係の検察庁でありますとか、その他の事務につきましても裁判所の事務処理に支障のないように適切に対応してきたものと承知しておりますし、またその点についてもこれまでの閉庁土曜日の運用について特段の支障があったということはなかったものと承知しております。これからも休日がふえるに伴いまして、同様の努力を一層行っていくべきものと考えております。
○北村哲男君 今、法務当局としてすべてを代表して説明されたかと思うのですけれども、特に人数において限度のある検察庁あるいは入管、とても忙しい、そして大変な御努力を願っている入管当局等についてはどのような、全般的なことで結構ですけれども一応の認識と評価についてお伺いしたいと存じます。
○政府委員(濱邦久君) 検察庁の被疑者または被告人の勾留あるいは接見に関、する問題との関係で、私の方からお答え申し上げたいと思います。
 休日における被疑者の勾留請求や執行指揮は、これはもうあらかじめその必要が予測できることでございますから、適宜検察官等が出勤するなどして当該事務を処理しているわけでございます。
 一方、保釈請求や勾留執行停止請求のうち、緊急を要するものにつきましては、休日に裁判所から意見を求められることもあり得るわけでございますが、このような場合にも検察庁内部の連絡体制を整備するなどいたしまして、できる限り速やかに対応できるよう配意してきたところでございます。今後もそういうことで万全を期していきたいと思っておりますし、それから勾留執行停止決定等による釈放の執行指揮につきましても同様でございます。
 次に、刑事訴訟法三十九条三項による接見指定の関係で申し上げますと、接見等の指定に関する通知書を発した事件におきましては、弁護人等が直接監獄に赴いて被疑者との接見を求められるということがあるわけでございますが、そのような場合には弁護人等を必要以上に待機させることがないように検察官に対する連絡体制を整備するなどしているところでございます。また、接見指定に係る準抗告を申し立てられた場合に意見を求められることがあるわけでございますが、この求意見に対しましても検察庁内部の連絡体制を整備するなどして、できる限り速やかに対応できるように配意しているわけでございます。
 これら休日における勾留及び接見に関する執務体制は、今申し上げたような検察庁内部あるいは検察官への連絡体制の整備等の方法で適正に機能しているものと考えておるわけでございまして、完全週休二日制導入後も同様の体制を維持徹底していく考えでございます。
○政府委員(高橋雅二君) お尋ねの入国管理局関係についてお答え申し上げます。
 当局所管業務のうち、休日に勤務を要するものといたしましては、出入国審査業務及び被収容者看守業務がございますが、いずれも交代勤務により対処をしておるところでございます。
 今日までの四週六休制の実施状況を通じまして、特に行政サービスの低下を来したことはございません。また、職員の余暇の有効活用及び疲労回復等健康管理面での効果も上がっているというふうに考えております。
 完全週休二日制が導入されました場合には、これまで実施いたしました週四十時間制の試行結果を参考にいたしまして、業務の省力化、人員配置の積極的見直し、OA機器の活用などによりまして人員の有効活用を一層推進するなどいたしまして、行政サービスの低下を来さないように努める所存でございます。
○北村哲男君 かなり具体的な点についてもお触れになったのですが、まず検察庁なんですが、検察官及び事務官の人たちの休日出勤というのは、例えば一つの庁をとりましたら、普通、平日と休日出勤というのはどのくらいの差があるのか。例えば十人、まあ十人というのはないけれども、十人体制の検察官のいらっしゃる一つの序としますと、休日なんかに休日出勤されるのはどういう形でされ、そしてその後の休みの体制とかそれはどういうふうな形になるのか、ちょっと大まかで結構ですけれども御説明願いたいと思います。
○政府委員(濱邦久君) 例を挙げて申し上げますと、検察庁で休日出勤をする場合と申しますのは、あらかじめ休日を予定して仕事の段取りを予定できる場合には、もうなるべく休日は出勤しないようにして事務手続を進めていくわけでございますけれども、例えば身柄拘束中の被疑者を持っておりまして、その取り調べあるいはそれに関する捜査をしなければならない、休日に出てきてなおその取り調べを含めた捜査をしなければならないという場合には、それを担当しております検察官、あるいはそれと一緒に行動しております立会事務官が休日に出勤をしてその捜査を行うというようなことは随時やっているわけでございますが、休日出勤を特にあらかじめ割り当てて行うとかいうような形ではございませんので、休日が決
められればできるだけその休日は出勤しないようにして検察庁の事務を行っていくということで、先ほど申しましたように、例えば検察官が休日で出勤していない場合でも連絡体制がとれるような体制を整備するというような必要が当然出てくるわけでございます。
○北村哲男君 これは特殊かもしれませんが、例えば東京地検特捜部なんかが一つの事件を担当しますと、いろんな報道によりますと、三カ月間休みなし、早朝から夜遅く深夜ぎりぎり、要するに十二時近くまでぶっ続けてやるという、それは恐らく検察官一人じゃなくて、その周りの事務官の方も、それ以外の方々もあるいはいらっしゃると思うんですけれども、そういう三カ月間ぶっ続けというのは本当かどうかわかりませんが、そういう報道がなされていますね。その場合に、二日制との関係といいますか、これはどこでどのように補い、どのように調整をされるのでしょうか。
○政府委員(濱邦久君) 例えば、検察庁で一つの事件の捜査に入りまして、身柄拘束の被疑者を抱えておるという状態で捜査が続いております場合に、今委員がお話しになられましたような事態、すなわち何週間があるいは何カ月かの単位で捜査を続けるということがこれはもうよくあるわけでございます。その場合に、検察官あるいは検察事務官といたしましても、休みなしにぶっ続けで仕事をするということは、これは体力的にも限界があるわけでございますので、例えば班ごとに交代をして休日に休むようにするとか、あるいはどうしても休日に休むことが捜査の都合でできないというような場合には、例えば代休ということで休みをとらせるというような形で行っているわけでございます。
○北村哲男君 次の質問に移りたいと存じます。
 今のような特殊な一つの事件を担当している場合は別にして、通常の場合でも裁判所あるいは検察。庁なんかには、通常の緊急事務の処理体制というのはあると思うのです。それについては、先ほど言われましたように、宿直あるいは日直方式が基本になっているということでしょうが、そうなりますと、一方では完全週休二日制実施による時間短縮がありまして、他方では宿日直体制強化による労働増が起こるわけですけれども、職員の労働過重による週休二日制であっては、休日法制定当時のこの委員会での附帯決議の趣旨に反することにもなりかねないわけです。この時間短縮と労働強化ということの二律背反の事態についてはどのような考えを持っておられるでしょうか、まず裁判所の方にお伺いしたいと思います。
○最高裁判所長官代理者(上田豊三君) 委員御指摘のとおり、週休二日制によりまして労働時間を短縮する、こういう要請が一方でございます。他方、国民の裁判を受ける権利を実質的に保障しなければいけない、こういった観点からも何らかの措置をとる必要があるわけでございまして、委員御指摘のとおり、一見二律相反する要請があるわけでございます。
 それに対しまして、私どもとしましては、やはり国民に対する司法のサービスを低下させないようにするためには、ある程度の措置が必要であるという考えを持っておりまして、原則としましては宿日直体制をとって、これで処理しております。なお、宿日直体制をとっていない庁におきましては、当番待機制というものをとっておりまして、それで対応しているところでございます。
○北村哲男君 法務省当局についても。
○政府委員(濱邦久君) 検察庁における休日における緊急事態の処理体制につきまして申し上げますと、裁判所、警察等関係機関との間及び検察庁内部の通報連絡体制を整備することによりまして、緊急事態に的確に対応できるように努めているわけでございますが、そのほかに地検、本庁等におきましては、宿日直勤務を行ってこれに対応するということにしておるわけでございます。
○北村哲男君 完全週休二日制の実施には、職員組合あるいは弁護士会等の理解と協力は欠かせないと思います。その辺の協力体制についてはどうなっておるのでしょうか。裁判所、それから検察庁にお伺いいたします。
○最高裁判所長官代理者(上田豊三君) まず、弁護士会との関係から御説明させていただきます。
 今回の完全週休二日制の導入に当たりまして、私ども日弁連の方と数回にわたり協議をいたしました。その結果、日弁運の方からはおおむね御理解を得ていると、こういう状況でございます。おおむねと申しますか、御理解を得ていると、こういうふうに承知しております。
 そして、日弁連の方から特に御要望がありましたのは、緊急を要する事務については、現在の土曜閉庁方式と同じように対応してほしい、こういう点でございまして、この点につきまして、私どもも今まで同様、緊急を要する事件については支障がないように対応していきたい、こういうことを述べているところでございます。
 また、職員組合に対しましても十分説明をしまして、理解を得ているところでございます。
○政府委員(濱邦久君) 検察庁の関係で申し上げますと、例えば勾留、接見指定等、いろいろ個々の場面を取り上げて先ほど御説明申し上げましたけれども、例えば保釈あるいは勾留の関係で意見を求められるというのは主として裁判所の関係でございますので、これは裁判所との間で十分協議して、円滑に遂行するように行っておりますし、また接見指定の場面につきましては、これは主として弁護士さんとの関係になるわけでございますが、これはそれぞれ日弁連あるいは各単位弁護士会との間で随時協議をさせていただいて、先ほど申しましたように、私どもの方の執務をする上で対応の弁護士さんに必要以上の御迷惑をかけないように努力しているところでございます。
○北村哲男君 具体的な点は後で聞きたいと思いますが、もう少し一般論としまして、国民の間では最近、公務に対する週休二日制の実施にはある程度理解ができ上がっているというふうに思いますが、その閉庁方式の完全週休二日制の実施につきましては周知徹底を図り、その協力を願うための広報活動というものが必要だと思うのです。その辺について裁判所あるいは法務当局あるいは検察庁、法務当局も民事関係あるいは刑事関係、両方あると思うのですが、それぞれ簡単で結構ですけれども、どのようにして、土、日続けて休むことになるのですから、しかも一方、サービスを受けたい方は、一般の省庁も当然なんですけれども、特に裁判所の関係あるいは法務省、検察庁の関係というのは非常に身に迫るといいますか、抽象的に言うと、人権にかかわる問題に波及するわけですけれども、その辺の理解を求めるためにどのような広報活動等をしておられるのかということをそれぞれお聞きしたいと思います。
○最高裁判所長官代理者(上田豊三君) 平成元年にいわゆる土曜閉庁方式が導入されたわけでございますが、その際、裁判所におきましても土曜閉庁広報用ポスターというものをつくりまして、各裁判所の玄関、受付等、利用者の目に触れやすい場所にこれを張りまして、国民に対する周知を図ったことがございます。
 今回の完全週休二日制を導入するに当たりましても、同様の措置を講ずることを現在検討しておりまして、国民に対する司法サービスの低下を招かないように十分配慮をしていきたいと考えているところでございます。
○政府委員(濱邦久君) 検察庁におきましても同様でございまして、先般の土曜閉庁制度実施の際には、政府広報ポスターを検察庁の掲示場等に掲示するなどいたしてまして、国民への周知に努めたところでございます。今回の完全週休二日制が実施された場合にも同様の方法をとることなどを考えているわけでございます。
○政府委員(高橋雅二君) 入国管理局に関しましてお答えいたします。
 完全週休二日制の実施につきましては、政府による共通ポスターを全官署の窓口等に掲示するほか、当局におきましては諸申請窓口等におきまして、外国語による専用ポスター及びリーフレットを掲示、配布するのを初めとしまして、広報誌への掲載あるいは代表電話の夜間・休日用テープに
よる周知など積極的に広報活動を行い、制度の円滑な導入に向け努力する所存でございます。
○政府委員(清水湛君) 先生御承知のように、法務局、特に登記所には毎日多数の一般国民の方々が来られるわけでございまして、そういう方々に対する行政サービスの低下とか、あるいは窓口混乱というようなものがあってはならないということで、私どもこの点についても非常に関心を持って対応しておるところでございます。
 これまでの隔週週休二日制の実施の状況等につきまして見ますと、おおむねと申しますか、順調に推移しておりまして、特に問題は生じておりません。今回の完全週休二日制につきましても、これは公務員全体の問題でございますので理解は得られると思いますけれども、なお登記所の窓口での混乱が生ずることのないよう、先ほどいろいろ出てまいりましたようなポスターの掲示とかそういうものによりまして一般利用者への周知徹底を図る、あるいは関係司法書士会を通じて周知徹底を図るということで、同様に混乱が少なくとも生ずることがないように努めてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○北村哲男君 最高裁にお伺いしたいのですが、先ほどから弁護士会といろいろ協議をして話がついているというふうに話もされました。
 少し具体的に聞きたいのですが、昭和六十三年の隔週週休二日制のときに、日弁連から最高裁判所当局に対してかなり強硬な意見の申し入れがあったと思います。すなわち裁判所が国の行政機関ではなくて、国民の裁判を受ける権利を保障する機関であることにかんがみ、緊急性を有し、国民の裁判を受ける権利に重大な関係のある次の事項については人的物的体制を確保して、単に申し立ての受理のみならず、それに対する裁判所側の処理についても特段の配慮を願いたいというふうな申し入れがあったはずです。それについては御協議がされたと思うのですけれども、再度今回についても同じ問題が起こると思います。順次尋ねてまいりますので、その点について簡単で結構ですけれども見解をお話し願いたいと思います。
 まず、保釈手続、それから令状の手続、それから勾留の執行停止、準抗告手続、それから勾留理由開示手続、さらに第一回公判後の保釈の場合は担当部が担当しますね、係属している部の問題になると思います。さらに準抗告の場合は、担当部でありながらさらに三人構成という問題も起こると思うのですけれども、それについてはどのように対処される御予定なんでしょうか。
○最高裁判所長官代理者(上田豊三君) 委員御指摘のとおり、今回も日弁連からは保釈手続、勾留関係の事務等々につきまして、緊急を要する場合にはぜひ処理をしていただきたい、こういう要望を受けております。
 それに対しまして裁判所としましては、こういった事務で真に緊急を要するものにつきましては従来の土曜閉庁の場合と同様に対処していきたいと御説明し、御理解を得てきたところでございます。
 ただ、土曜日を休日といたします場合には、平日と全く同様な処理ということはこれは非常に困難なことでございまして、例えば保釈の場合につきまして、保釈金の納付というものがございますが、これは法令上会計課等の歳入歳出外現金出納官まというものが指定されておりまして、こういった出納官吏が担当しなければなりませんし、また多額の現金を扱うということにもなりますと、必ずしも休日における処理は容易ではないと思われます。
 そこで、こういった事務につきましては金曜日に処理できるものは金曜日の執務時間外にもこれを受け入れて処理していきたいと、こう考えているところでございます。しかし、どうしても金曜日に処理できなくて、しかも真に緊急の必要がある場合には、前日まで、金曜日までにお申し出があった場合には休日におきましてもこれを取り扱うように検討をしていきたいと考えているところでございます。
○北村哲男君 人身保護法による救済手続というのがありますけれども、これは休日についてはどのようにお考えでしょうか。
○最高裁判所長官代理者(上田豊三君) 人身保護法による救済手続につきましても、真に緊急な処理を要すると判断した場合には休日においても処理していきたいと考えているところでございます。
○北村哲男君 保全手続がございます。例えば、破産、和議、会社更生法などによる保全手続等ございますけれども、そういうものも一日一刻を争う問題だと思いますけれども、どのように考えておられますか。
○最高裁判所長官代理者(上田豊三君) 保全手続につきましも、真に緊急な処理を要すると思われる場合にはやはり処理をしていきたいと思っているところでございます。
○北村哲男君 証拠保全手続、さらに執行停止手続についても同様のお考えというふうに聞いてよろしいでしょうか。
○最高裁判所長官代理者(上田豊三君) 同様でございます。
○北村哲男君 確かに裁判所の考えはそのとおりだと思うのですが、考え方が違う場合がございますね。その申し立て側はきょうじゅうにぜひやってくれという場合と、もうその必要がないと裁判所がお考えになるような場合がございますですね。その点については今までとはまた違った意味でサービスという観点からお考えになっていただかなくてはならぬことがあると思うのです。日曜日だけしかない場合は間が一日しかあいていません。今度は金曜日から月曜日、日曜また国民の祭日が重なれば三日間、週の半分ぐらいが休みということもあるのですけれども、その点については今までと同じ考えでいくのか、さらに特段の配慮をされるのかということについてはどう考えますか。
○最高裁判所長官代理者(上田豊三君) 真に緊急な処理を必要とするかどうかということは、結局は個々の事件を担当される裁判官の判断ということになるわけでございますが、私どもといたしましては、日弁連に対しましてお答えしているところを各裁判所に周知徹底して、その方向で考えていただきたい、こういうふうに考えております。
○北村哲男君 もう一点ですが、これもかつての弁護士会からの申し入れですけれども、保全手続における保証金の供託に関して法務局代行の金融機関について例外を認める方法、あるいは保釈保証金と同様裁判所が保証金を受領する手続を検討してほしいということもあったと思いますけれども、それについてはどのようにお考えでしょうか。
○政府委員(清水湛君) 裁判上の保証金の供託の受け入れの問題につきましては、隔週週休二日制の導入の際にも御議論がございまして、私どもといたしましても、特に緊急やむを得ないものについては裁判所とも十分協議して適切な対応をいたしますと、こういうことになっているわけでございます。このことにつきましては、今回完全週休二日制が導入された場合におきましても同じように対応してまいりたい、かように考えている次第でございます。
○北村哲男君 さまざま聞いてまいりましたけれども、昨日定員法の審議をいたしました。恐らくあの原則は、例年変わらない人数で、ほとんど変わらない体制で裁判所は進めていこうというお考えであったと思います。その昨日の定員法の考え方と、きょう審議しております完全週休二日制だと、休みに対する労働は非常に多くなってくると思います、特に裁判所の関係はですね。そうすると、あの定員法の考えはきょうのこれからの完全週休二日制を考慮に入れた考え方であるのか、考慮に入れる必要はないのか、あるいはこういうことを踏まえて定員法についてはさらに考えなくてはならぬというふうなお考えなのか。その定員法との考え方の比較というか関連についてどのようにお考えなんでしょうか。
○最高裁判所長官代理者(上田豊三君) 委員御承知のとおり、今回の完全週休二日制は、現在勤務
日とされておりました土曜日を休日とするものでございまして、例えば第一土曜日、第三土曜日、場合によっては第五土曜日がございますが、今まではこういった土曜日には全職員が裁判所へ出勤して勤務をしていたわけでございます。このたびの完全週休二日制が実現できますと、今まで勤務していた土曜日には全職員は出勤しなくてもよろしい、こういうことになるわけでございます。ただ、先ほど来御説明しておりますように、あるいは宿日直の関係で宿日直要員が必要となるという点が出てくるわけでございますが、全体として見ますと職員の労働時間は少なくて済む、こういうふうに理解しております。したがいまして、今回の完全週休二日制の導入に当たりまして特別増員等の措置は必要ないと、このように考えている次第でございます。
○北村哲男君 裁判所については大体これぐらいですが、次に検察庁、特に拘置所の関係についてお伺いしたいと思います。
 監獄法施工規則百二十二条というのがございます。これは被拘禁者との接見は執務時間内に限られてお名ということのようですが、土曜閉庁が導入されると執務時間外となって弁護人との、そのほかの一般も同じなんですが、接見が認められなくなってしまうという懸念がありますけれども、そうしますと弁護人との接見交通権、これは憲法上の要請でありますし、さらに刑事訴訟法三十九条一項の趣旨に照らしても現在の接見の権利が大幅に制限されるという懸念があると思いますけれども、そこら辺の対応はどのように考えておられるのでしょうか。
○政府委員(飛田清弘君) お説のとおり、確かに監獄法施行規則百二十二条は、「接見ハ執務時間内に非サレハ之ヲ許サス」と、こう規定しておりますから、完全週休二日制の実施によりまして土曜日が行政機関の休日となりますと一日曜日と同じような法律的性格になりますので、監獄法施行規則百二十二条に規定する執務時間内とは解釈ができないことになりまして、原則としては面会は実施できないことになってしまうわけでございます。
 しかしながら、例えば憲法で規定しております弁護人とそれから被疑者、被告人の接見のような重要なものについては、これは監獄法の改正がないからといってしゃくし定規にやるわけにもまいりませんで、やはり弁護士会ともいろいろ御相談しながら対応を考えているわけでございますが、現在のところは弁護人と被疑者との接見につきましては、当該被疑者が拘置所に入所してから最初に弁護人が接見なさる。まあ被疑者にとっては拘置所に入って不安である、弁護人としてもどういうことだろうと、こう思っておられるその一番最初の接見というのは一番重要である。この初回の接見については、例えば土、日と連続して休みがある、あるいは場合によっては三連休になることもございますが、その休日のいずれの日でもあらかじめ事前の申し出があった場合には面会をすることができるように執務体制等について準備を進めているところでございます。
 それから、起訴された後の被告人につきましては、第一回の公判期日が起訴されてすぐというのは余りございませんので、被疑者の場合の十日間でというような場合とは少し違うと思いますが、このような場合でも、例えば休日明け早々に公判期日が指定されているとか、それから上訴期限、または控訴趣意書等の書類の提出期限がもう翌週に迫っているとか、そういうことで弁護人が被告人とどうしても合わなきゃならぬと、そういうふうな事情があるようなときには、原則としてこれは土曜日の午前中にお願いしているんですが、午前中に限って弁護人との接見をすることができるように準備を進めている、こういうふうな状況でございます。
○北村哲男君 保釈手続なんですが、最近もさる大きい事件で、きょう出るところがあさってに延びだとか、時々あるのですが、特にまた完全二日制になると大幅に延びる。保釈に関しては、特に被疑者の方あるいは被告人の方は本当にもう一日一刻を争って要求し、非常にその時間を大事にしておられるんですけれども、その保釈手続が遅延しないようにするにはどのような配慮をしておられるのでしょうか。この保釈手続は、特に裁判所の決定ではなくてその後の問題の方が大きいような気がするんです。ですから、検察庁の関係になるでしょうか。
○政府委員(濱邦久君) 保釈の関係で、検察庁が関係する部分についてお答え申し上げたいと思いますが、まず保釈請求が出た場合に、裁判所から検察官の意見を求める求意見の手続がとられるわけでございます。これにつきましては、先ほど申し上げましたように、休日に裁判所から意見を求められたような場合でございましても、検察庁内部の連絡体制を整備しておりますので、これはできる限り速やかに検察官の方で意見をつけて回付するということができるように配意しているところでございます。
 それから、釈放の執行指揮につきましても、同じ方法で対応するということにしているわけでございます。
○政府委員(飛田清弘君) 拘置所といたしましても、検察官からの釈放指揮が届けば、これはもう直ちに釈放できる体制は整っております。
○北村哲男君 拘置所の場合は結構です。
 今言われた検察庁の方ですけれども、意見ですね、検察官意見、これは事件担当検事が意見を付すと思うのですけれども、休みでいらっしゃらないような場合、検察官意見が金曜日に保釈請求をして、それが月曜日、火曜日に延びてしまうということはないのでしょうか。
○政府委員(濱邦久君) 先ほど申しました検察内部の連絡体制を整備して、検察官が意見を速やかにつけられるようにすると申しましたのは、これは一つは主任検察官がつけられる場合にはもちろんつけることになりますし、主任検察官が当該意見をつけることができないような場合には、これはその上司たる検察官、例えば副部長、部長、次席という上司たる検察官があらかじめ検察官から意見の内容を聴取しておくなどしまして、当該主任検察官以外の検察官でも意見がつけられるように体制を整えているということでございます。
○北村哲男君 ということは、休みであって担当者がおられなくても、そういう連絡体制は休みの間でもすべてとれているということと聞いてよろしゆうございますか。
○政府委員(濱邦久君) そういう趣旨でございます。
○北村哲男君 刑事記録の閲覧とか謄写については土曜日曜ということはもう不可能というふうになるのでしょうか。あるいはそのほかの配慮はあるのでしょうか。検察庁。
○政府委員(濱邦久君) 通常は記録の閲覧、謄写ということは、特に緊急を要する事由がある場合というのは余りないんではないかなと思いますけれども、例えば月曜日に公判が迫っておるとかいうような場合に、弁護人から前週の、例えば金曜日あたりに御連絡があるとかいうような方法を講じていただいて適切に対処するというようなことは可能ではないかと思うわけでございます。
○北村哲男君 今度は、法務省の民事局の方に若干聞きたいんですが、仮差し押さえなどの強制執行事件における裁判所の嘱託登記の問題なんですが、これも一日を争うようなことがあると思うのですけれども、その点についてはどのようにお考えでしょうか。
○政府委員(清水湛君) 登記につきましては、これは申請書あるいは嘱託書の受け付けの順位に従いまして登記をするということになっているわけでございます。したがいまして、これは金曜日までに申請あるいは嘱託書が登記所の方に届いておりますと、休日の間に登記をいたさなくても登記をする順位というのは月曜日の最初の段階になるということで、その保全処分の関係の登記の債権者は害されるということにはならない、かように考えております。
○北村哲男君 それでは次に、法案そのものについてなんですが、まずこれは裁判所にお聞きする
ことになると思いますが、刑事訴訟法の改正条項の中で、五十五条三項に土、日及び国民祭日の場合、期間に算入しない、ただし時効期間についてはこの限りでないという規定がございます。この限りでないものには、勾留期間とか刑の執行期間などほかにもあるというふうに考えられますけれども、この期間算入する場合の主な例、そしてしない場合の主な例、そのメルクマールといいますか、この例外に当たるものと当たらないものとは何をもって決めるのかということを一応示していただきたいと思います。
○政府委員(濱邦久君) 今委員お尋ねになっておられますように、刑事訴訟法に定める期間につきましてはいろいろなものがあるわけでございます。その期間の性質に応じて刑事訴訟法五十五条三項の適用があるものとないものがあるということになるわけでございます。
 例えば、刑事訴訟法三百七十三条に定めております控訴の提起期間につきましては、刑事訴訟法第五十五条三項の適用が認められるのでございますが、例えば刑事訴訟法二百八条に定める被疑者の勾留期間につきましては、刑事訴訟法五十五条三項の適用が認められないということでございます。したがいまして、今の例で申しますと、今回の刑事訴訟法五十五条三項の改正後におきましては、控訴期間の末日が土曜日に当たる場合におきましては、その翌日が日曜日がでございますから、翌週の月曜日が控訴期間の末日ということになるかと思われます。
 また、被疑者の勾留期間につきましては、その末日が土曜日に当たる場合におきましては、刑事訴訟法五十五条三項の改正前と同様にその土曜日が末日になるということになると考えております。
○北村哲男君 民事訴訟法の関係では刑訴五十五条三項に当たるものがありません。民訴ではそれを考えなくてもいいということでしょうか。その辺を私も、時効、取得時効とか消滅時効とかというのは関係があるのかないのか、ちょっとはっきりしないのですが、その辺ちょっと御説明を、例外はないのでしょうか。
○政府委員(清水湛君) この百五十六条二項の規定でございますけれども、これは民事訴訟法上各種の訴訟行為をする期間というものがあるわけでございますが、今回の完全週休二日制の導入によりまして、さらにその期間の繰り延べの規定を置く、こういうことにいたしたものでございます。前回の隔週週休二日制のときも同じようにしたのでございますけれども、これを一般的に土曜日に拡大したと、こういうことになるわけでございます。
 例えば、先ほど刑事局長の方からもお話がございましたけれども、控訴の提起期間というのは法律で決まっているわけですが、その最終日が土曜日に当たるという場合にはその翌週の月曜日に繰り延べられるということになるわけでございます。そういった控訴状とかあるいは上告状の提出は、これは休日でも受け付けるわけでございますけれども、一般国民の方から見て、土曜日だからこれは受け付けてもらえないというようなことを考えることもあるかもしれないということから、このような繰り延べ措置をするのが適当であるということで、従来もこのような繰り延べの改正規定を土曜休暇制の導入のたびごとにいたしているわけでございます。
 このような期間の規定でございますが、一般の例えば時効期間とかそういうようなものについては、これはそもそもこの法律の規定が民事訴訟法の規定でございますので適用の余地がないということになろうかと思いますけれども、性質からいたしましても、そのような期間を繰り延べてその期間内になお所定の行為ができるというようなことはする必要がないのではないかというふうに思う次第でございます。
○北村哲男君 私もちょっと勘違いをしていたかもしれません。
 それでは次に、これは昭和六十三年の休日法の審議の際に同僚の千葉景子委員からの質問に関連するのですが、これは当時まだ土曜休日にならないころと隔週に入ったときとの比較の問題で聞いておられるのですが、いまだ土曜休日にならない時代の土曜日と平日の接見あるいは面会、差し入れに見える人々の数の比較を千葉景子委員が質問しておられるわけです。
 それで、それに対してお答えが、昭和六十三年十月一日から三十一日まで一カ月間の平均で、既決囚に関しては平日の一日当たり七百二十六人で、土曜日については一日当たり四百四人で約五五%。それから未決に関しては、平日が千九百七十八人に対して、土曜日については千三百八十八人で約七〇%。それから弁護人の接見は、平日は三百三十三人に対して土曜日は二百四十七人と、これはまだ土曜休日がないころの話でありますが、そういうふうに約七〇%、土曜日が数が少ないということ。それはどうも土曜日が半日であるからということも考えると、土曜日というのは非常に多いのではないかという質問、だから土曜日を休日にすることによって国民のそういう接見とかあるいは面会の機会が失われてしまうという質問があったのです。
 それではその後、隔週の土曜日の休日が施行されて後に、土曜日と平日とのいわゆる面会の比較というのを、急な質問ですが、すべて接見、面会、差し入れというふうに分けなくて結構ですけれども、わかる範囲で、どのように違いがあるかを御説明願いたいと思います。
○政府委員(飛田清弘君) 受刑者との面会については、ちょっと数字を持ち合わせておりませんが、一番配慮されなきゃならない被告、被疑者と弁護人との接見の件数については数字がございますので、御説明申し上げます。
 これは、隔週土曜日が閉庁になってから後の、平成三年一年間について調査したもので、平日の一日平均の弁護人の接見回数が幾らかと申しますと、平均になっていますから端数が出ますが、三百二十七・〇〇件でございます。それから、開庁している土曜日にどのくらい接見があるかと申しますと、平均で百六十一・五二件。それから閉庁土曜日、本来は休日と同じような扱いになっているこの閉庁土曜日でも十・七〇件。それから、その他の休日、日曜日とか祝日にもどうしてもこれは会いたいんだということで、緊急性があるということでお会いしていただいているのもないわけではございませんで、しかし〇・七七件と、こういうふうな数字になっております。
○北村哲男君 今の数字を簡単に見ますと、前のパーセントよりもむしろ下がっている。ということは、土曜休日がかなり徹底してきたというふうな見方をすることができるわけですね。
○政府委員(飛田清弘君) そのように考えてよろしいかと思います。
○北村哲男君 さて、最後になりますけれども、閉庁方式の週休二日制の実施について、訴訟遅延ということが起こるのではないかという一般的な不安がありますけれども、その辺については、なかったこの問二年間とそれから今後の問題についてどのようにお考えか、訴訟遅延との関係について裁判所にお伺いしたいと思います。
○最高裁判所長官代理者(上田豊三君) 従来、裁判所におきましては、一般に土曜日には民事事件、刑事事件とも法廷を開かないという慣行ができておりまして、したがいまして土曜閉庁方式によって、そのことにより訴訟が遅延しているということはないと考えております。
○北村哲男君 それでは終わります。
○中野鉄造君 本案については私いろいろ質問を用意しておりましたけれども、ほとんどただいま同僚議員からも同じ質問が出ましたのでこれを省略して、二、三点お尋ねいたします。
 いわゆる週休二日制になった場合、監獄法施行規則の五十八条一項に基づく大臣訓令を改正し、結果としてその作業時間の短縮というようなことになるのではないのかなと、こう思うんですけれども、その点どうなるのか。また、どういうように考えられているのか。そうして、作業時間を短縮した場合に余暇時間が当然出てくるわけですけれども、それはどういうように指導されるつもり
なのか。その点をお尋ねします。
○政府委員(飛田清弘君) 受刑者の作業時間がどうなるかということについてのお尋ねでございますのでお答えいたしますが、ただいま御質問にございましたとおり、受刑者の作業時間は監獄法施行規則五十八条第一項の規定に基づきまして法務大臣が定めることとなっておりまして、現在は一般社会の労働時間を勘案いたしまして、国家公務員の勤務体制に準じて平日は八時間、土曜日は隔週ごとに四時間とされております。
 ところで、国家公務員の完全週休二日制が導入された場合に、受刑者の作業時間がいかにあるべきかということについては種々検討しなければならない問題があると考えておりますけれども、我が国における労働時間の短縮化の動向などを踏まえまして、どちらかといえば、行政機関の休日には受刑者の作業も免業としてはどうかというような方向で現在検討を進めているところでございます。
 そこで、もしこのような結論に達した場合は、受刑者の作業時間は二週間で四時間短縮されるということになるわけでございます。そうすると、その短縮により生じた受刑者の余暇時間をどのようにしようと考えているのかということになりますけれども、現在それぞれの刑務所で受刑者が受刑をし、それから所定の時間外は余暇時間ということになっておりますが、現在そういうふうな余暇時間をどのように利用しているかということについて御説明いたしますと、それぞれ施設の実情がございますから必ずしも一概にこういうふうにやっているとは一律には言い切れないのでございますけれども、各施設ともその実情に応じて受刑者がその余暇時間を健全に過ごすことができるようにテレビ放映、それから娯楽関係を含めた各種の行事、それからクラブ活動などを実施することでいろいろ工夫を凝らしているところでございますが、何と申しましても、個々の受刑者が自発的にその余暇時間を社会復帰に向けて有効に使うようになることが望ましいのでございますので、読書の習慣を身につけさせるということを初め、意欲のある者には通信教育を受けるよう指導しておりますし、また部外のボランティアにより人生上の悩み事や、出た後の進路等の相談を受ける機会をも設けているのが実情でございます。
 余暇時間が今後ふえた場合にどうするかということでございますが、受刑者の余暇時間が増加するということになれば、各施設においてこれまで実施してまいりました、今申し上げたような方策が一層効果を上げるように、図書の充実あるいは通信教育の活発化、視聴覚機器等の整備を図ることなどを考えておりますが、そのほかにさらにボランティアの方々による活動をより積極的に取り入れる条件を整えたい、こういうふうに考えております。
○中野鉄造君 警察庁にお尋ねいたします。
 こういうように週休二日制になりますと、当然そこにはいろいろな公務員の方々も、また一般の方々もそういう傾向になりまして、やっぱりどうかすると、人間暇ができると羽を伸ばしてみたり、いろいろよからぬことをしてかすような機会が多くなりがちなんですね。今まで日曜日から土曜日までの何曜日が一番犯罪が多いかということを警察庁から資料をいただいておりますけれども、この資料によりますと、もう格段に土曜、日曜が犯罪は多いわけなんです。今まででもそういうことなんですけれども、これが完全に土曜日も休みになるというようなことになると、今度は俗に言われるハナキンなんかもそれに準じてくるのかなというような気もするわけですけれども、こういう週休二日制になった場合の警察庁としてのいろいろな対応の姿勢、何か考えておられますか。
○説明員(泉幸伸君) 刑法犯につきまして御説明申し上げますと、過去十年ほどのデータで分析しますと、土曜、日曜、それから金曜の発生が他の曜日と比較して若干多くなっております。罪種別では、万引、すり、乗り物盗などの窃盗犯、それから暴行、傷害等の粗暴犯にこのような傾向が出ております。しかしながら、凶悪犯、殺人などの凶悪犯については、これらの曜日以外の発生、土、日以外が多いというような個々の犯罪形態、地域の実情等によって必ずしも一律には言えないという状況がございます。一 しかしながら、週休二日制が実施された場合に、今申し上げましたように、曜日ごとに犯罪発生傾向がどのように変化するかということについては全部の犯罪一概には申せませんが、先ほど申し上げました犯罪についてはふえるということが十分予想されます。また、都市部の繁華街などでは週末に警察事象が多発するという傾向はただいま御質問のとおりでございます。これらに関しましては、今後とも地域的な要因、時間的な要因等の犯罪発生状況についてその傾向を分析し、その地域の実情に応じた効果的な警察力の配置運用を図っていくということが必要になってまいろうかと考えております。
○中野鉄造君 終わります。
○橋本敦君 土曜閉庁ということに関連をして裁判所と入管にお伺いをする予定でございますが、まず入管の業務の関係からお伺いしたいと思います。
 入管業務ということになりますと、入国審査を含めまして、土曜、日曜もその職務自体はなかなか休むということのできない性質を持っておりますので、土曜日を閉庁とすることについては大変な御苦労をなさっていると思うわけでございます。
 たまたまきのうの読売新聞を見ますと、仙台空港でタイの観光団十五人が入国のときの特別審査ということで十二時間待機をさせられたということが問題になりました。慎重な審査は結構ですが、余り時間がかかり過ぎたのではないか、これも人手不足が原因ではないかということも言われておるようなことでございますが、土曜日、日曜日には入国者の数は減るどころかふえるということにもなろうかと思うのですね。
 そういう意味で、入国審査手続について、週休二日ということを実施することが現体制でどのような対応で可能なのか、私は基本的には、入管当局には今でも人員が足らなくて御苦労願っておるわけですが、これを本当にやっていくためには思い切った人員増が裏づけられなくてはならないのではないかという気がしておるんですが、局長の御見解はいかがですか。
○政府委員(高橋雅二君) 入管業務は、先生御指摘のとおり、土、日も、特に審査部門及び被収容者の警備につきましては通常と同様行わなければならない状況にございます。特に、入管業務の出入国に関しましては土、日に集中するという傾向も出てくる場合もございます。そういう場合に円滑にやるということが必要でございますけれども、そのためには有効的な人員の配置とかそれから人員の手当て、そのほかOA化による事務の近代化、そういうところに努めてきたところでございます。
 先ほど御指摘のございました、昨日の新聞で報道されましたタイ人団体旅行者の件でございますけれども、これも十二時間も審査に時間がかかったというのは非常に遺憾なことでございますけれども、実はタイの……
○橋本敦君 簡単。で結構です。人員増が必要ではないかということについてだけ。
○政府委員(高橋雅二君) それで、地方入国管理官署におきましては、完全週休二日制の導入に備えまして、空港等の交代制勤務職員に対する週四十時間の試行を実施するなどいたしまして、業務処理体制のあり方を検討してきたところでございます。それで、完全週休二日制が実施される場合には、試行の結果を参考にいたしまして、人員の配置の見直し、OA機器の活用等による事務の合理化を積極的に図るなどして要員の確保に努め、行政サービスの低下を来さないように対処する所存でございまして、先ほどの御指摘のようなこともまあ事情はございましたけれども、そういうことがないように鋭意努力していきたいと思っております。
○橋本敦君 裁判所が土曜日閉庁になって一斉に職務が基本的にはなくなるというのと違って、局長おっしゃるように、土曜、日曜は逆に入国者が
ふえるというような状況もありますので、土曜日を全部閉庁にするという週休二日になりますと、私はやっぱり思い切った人員増ということがないと職員の皆さんが、週休二日ということは基本的には確保できないということもあり得ると思うのですね。
 だからそういう意味で、この部分について特に今後慎重な検討をして、必要な人員要求が当然職員の皆さんから出てくる、あるいは職員だけではなくして入管当局から出てくるということもあり得るので、そういう場合には局長も法務大臣もこの点についての人員増については今後の課題として特段の御配慮をお願いしたいと思うんですが、大臣いかがですか。
○国務大臣(田原隆君) 一生懸命頑張りたいと思います。
○橋本敦君 急にお尋ねして申しわけなかったんですが、一生懸命よろしくお願いしたいと思います。
 これに関連して私この際聞いておきたいのは、いろいろ報道されておるんですが、御存じの統一協会の教祖の文鮮明氏が入国を許可されて日本に入ってきておられるという問題でございますが、これはこれまで入管当局は入国を許可されなかったわけですね。今度許可をされたというのは特段の理由があるんですか。
○政府委員(高橋雅二君) 文鮮明氏の今回の入国に際しましては、目的として今後の朝鮮半島及び北東アジアの平和のあり方について我が国の「北東アジアの平和を考える国会議員の会」のメンバーとの意見交換ということでございました。文鮮明氏は、過去米国において所得税法違反で一年を超える刑に処せられていることでございますので上陸拒否事由に該当しておったわけでございますけれども、同列の確定役既に七年経過しているということと、また今回の入国目的を考慮しまして上陸を特別に許可したものでございます。
○橋本敦君 御存じのように、法務委員会でもいわゆる霊感商法という問題だとかあるいは集団結婚、人権問題、いろいろ議論されまして、いまだにそういった統一協会、国際勝共連合関係の反社会的行為に対する批判というのはかなりやっぱり国民の間に強い、今回の入国についても抗議集会が予定されているやに報道もあるわけですね。
 それで、出入国管理及び難民認定法第五条によりますと、「次の各号の一に該当する外国人は、本邦に上陸することができない。」ということを明記いたしまして、その第四号で「日本国又は日本国以外の国の法令に違反して、一年以上の懲役若しくは禁錮又はこれらに相当する刑に処せられたことのある者。」という規定がございますから、文鮮明氏がアメリカで脱税によって一年六月の有罪判決を受けてアメリカからも退去を命ぜられたことは、これはもう周知の事実ですから、法令の規定からいうならば入国を原則的には認めないという、法律上はそういう人物であることは間違いないんでしょう。
○政府委員(高橋雅二君) 法律的には、今先生御指摘の条項に該当することになります。
○橋本敦君 したがって、特別の許可ということになりますとよっぽどそれをクリアしてさらに許可を正当化する理由がなくちゃならぬのですが、今の話ですと「北東アジアの平和を考える国会議員の会」との懇談会とかいうことをおっしゃるわけですが、そういったものがどういう実態なのか、そしてその懇談会で一体どういうことが行われるのか、どれほど審査をされたのか私は疑問だと思うんですが、そういうことが一つ。
 それから、七年も経過している、こう言いますが、法の規定は何年経過しようとも過去において一年以上の刑に処せられたということを入国拒否理由として明定しているわけですから、期限がたったらいいということが簡単に言えるわけのものではないですね。
 しかも、今日、統一協会関係の反社会的行為――霊感商法、詐欺まがいの商法や人権侵害に類する行為が一切ないというなら別ですが、逆に文鮮明氏が入国することによってそうした反社会的団体を励ますということにもなるという意味において、この入国の特別許可というのは、社会的に見ても法制的に見ても、今日の国内でのそういった行動について厳しく対処しなければならない法務当局の立場から見ても、この許可はやっぱりすべきではなかったのではないかという厳しい批判を私は申し上げざるを得ないんですが、局長、その点どうお考えですか。
○政府委員(高橋雅二君) 確かにこの規定には期限がございませんが、他面、今国際化している時代にございましていろいろ流動的な時代背景を考えますと、この規定に期限がないからといって永久に該当する人は入国できないということは法の趣旨ではないと考えております。したがいまして、別の規定にあります特別許可ということもあり得るということではないかと思います。
 今回の文鮮明氏の入国目的が、朝鮮半島及び北東アジアの平和のあり方について我が国の国会議員の会の方々と意見交換をするということで、今回の滞在期間が極めて短期であるということから上陸を認めたものでございますけれども、これには問題はないと考えております。
○橋本敦君 今おっしゃった国会議員の会というのはいつごろできて、そして、これは自民党の議員の皆さんだけの会だと承知しておりますが、どういう構成で、どういう目的の行動をなさっている団体なのか、局長は御存じですか。いつごろできたんですか。
○政府委員(高橋雅二君) 自民党の中の会でございますので私はそんなに詳しいというわけでございませんけれども、朝鮮半島、北東アジアに関して非常に深い関心を有する国会議員の方の集まり、グループであると承知しております。
○橋本敦君 いつごろできたと承知されていますか。
○政府委員(高橋雅二君) いつごろできたか、そういうところまでは特に承知しているわけでございません。
○橋本敦君 重要な問題について私は調査が足りないと思うんですね。文鮮明氏が何とか入国を果たそうということで自民党の先生に働きかけて、それでこの会を急いで利用してこれとの懇談をやるということの名目をつくって今回入国の許可をとったという疑念さえ私は抱かざるを得ないんですね。
 今おっしゃったように、それは実態もまだ具体的に調査されていないということですけれども、基本的に法律上は入国を拒否する人物だということははっきりしているんですよ。答弁されたとおりでしょう。だから、それを入国させるということについてはもっと慎重な検討が必要だということを私は厳しく言わざるを得ないし、そして現在統一協会関係の霊感商法を含む反社会的行為は依然としておさまっていない、これを激励するようなことを法務当局も政府もやるべきじゃないという立場から、この点について私は厳しく検討されることを改めて強く要望しておきます。もう入ったものはしようがありませんけれども、今後はこういう問題について厳しく法に基づく検討をされるということを要求しておきますが、いかがですか。
○政府委員(高橋雅二君) 出入国の管理行政につきましては、常日ごろ厳格にやっているつもりでございますけれども、今先生の御指摘の点も踏まえまして、今後とも公正に、厳格に実施していきたい、こういうふうに考えております。
○橋本敦君 それでは、入管局長、これで質問終わります。
 時間がありませんが、最後に裁判所に土曜閉庁に関する件でお尋ねをしたいと思います。
 日弁連から平成三年十二月六日付で、上田総務局長あてに裁判所の土曜閉庁に関する件という要望書が文書で出されているのはごらんいただいていると思いますが、これに対する回答は具体的には文書でなされたんでしょうか、口頭でなされたんでしょうか。
○最高裁判所長官代理者(上田豊三君) 口頭でさせていただいております。
○橋本敦君 その内答については、北村委員からも御指摘があって、裁判所の姿勢は一応わかったわけですが、私がいただいた資料でも閉庁日における令状請求件数は、東京地裁で、勾留請求が六百十七件、逮捕状請求が二百十一件ということでかなり多い。大阪地裁でも二百件を超えております。これは捜査の側の緊急の要請ですね。これにはこうしてこたえられている。弁護人の側からいきますと、保釈の請求だとか勾留理由開示請求だとか、あるいは接見拒否に対する準抗告、こういったことが出てくるわけで、これも同じように緊急性を持っている。
 先ほどの御答弁で、真に緊急な場合とか特に緊急な場合とか、こうおっしゃって、私はそれが気になるんです。その判断は現場の裁判官の判断だと局長おっしゃるんですが、一般的に、現場の判断だけに任せて、真に緊急なのか、緊急だけれども特にではないとかいうことになりますと、せっかく国民の権利保全、弁護権の行使に支障がないようにするといっても、そこでトラブルが起こってうまくいかないということがあってはならないわけですね。そういう意味で日弁連は局長に対する申し入れ書でも、真に緊急な場合、特に緊急な場合ということをとりわけ区別しないで、緊急な問題についてはという形で迅速な処理をすることを特に要望しておりました。こういう点について基本的なお考えをきちっとお示しいただいておきたい、こう思うんですね。その局長の答弁いかんが、今後現場でいろいろな問題のときに私は非常に大事な一つの問題方向を示すことになると思います。
 時間がありませんので、一般的にはこの要請におこたえいただく答弁をいただきましたけれども、今私が言った現場に任せるというのは、それ自体そうであろうけれども、特に緊急な場合ではやらぬでよろしい、真に緊急な場合だけやったらよろしいという趣旨でおっしゃったのかどうか、そこのところを日弁連が大変心配しておるし、私も心配しておりますので、明確な御答弁をいただいて、私の質問を終わりたいと思います。
○最高裁判所長官代理者(上田豊三君) いわゆる土曜閉庁方式による現行法のもとにおきましても、この緊急性の有無の判断につきまして裁判所側と弁護人側との間にトラブルは起こっていないと承知しております。この真に緊急を要するというふうに御説明しましたものは、日弁連との協議におきまして、その過程で日弁連側から土曜日に保釈等の請求があったものは原則として緊急があるものとして扱ってほしいと、こういう御要望があったわけでございまして、それに対して私どもは真に緊急の処理を要するものはということを申し上げたわけでして、これは用語の問題であるわけでございます。要するに、各裁判官が緊急な処理を要すると判断される場合には対処していかれる、こういう趣旨であろうと思っております。
○橋本敦君 終わります。
○萩野浩基君 裁判所の休日に関する法律の一部を改正する件については、平成三年八月十七日付の人事院勧告に基づいたものでありまして、諸外国と比較しましても日本はどうも働き過ぎバチだ、こういうぐあいに言われております。もっとゆとりある生活といいますか、そういうものや、また国際的観点からしましても、これは当然のことであり、遅きに失した感さえ私は感じております。そうした意味におきまして、趣旨、大綱において本貫は子とするものであります。
 しかし、裁判所に関するもので、例えば観護措置決定、特に私が申し上げたいのは少年法十七条第二項等、こういうものは、私、教育とか福祉に携わっておる者としまして当然だろうと思いますが、休日であってもなさるんでしょうか。一言で結構でございます。
○最高裁判所長官代理者(山田博君) 休日でも行っております。
○萩野浩基君 ありがとうございました。ぜひそのようにお願いします。
 そこで、法務大臣にお尋ねしますが、大臣の所信にもありましたが、公務員による涜職事犯が相次ぎ発覚し悪質巧妙化している云々というのを所信表明でございました。まことに私も公職の議員のなりたてでございますが、議員として常に自戒の念を持って議員活動を行わなければならないと思うのでありますが、また、その所信表明にもありましたが、子供をめぐるいじめ等の犯罪についても触れられておられまして、このいじめ等についても関係省庁と大臣は密接な関係をとると述べておられます。その決意のほどを一言でいいですからお願いいたします。
○国務大臣(田原隆君) 先ほどの涜職罪のことでございますが、刑罰法令に触れる犯罪があると、それが何びとであってもこれは厳正、公正、不偏不党の立場に立って捜査をしなければいけないということで、私は、そのことに対して検察庁が従来から厳正、公正、不偏不党、中立にやってきているものと信じておりましたが、法務大臣になってみて改めてその辺を痛感しておりますので、信じて見守っておるわけでありますし、今後ともそのつもりでおります。
 それから、いじめの問題でありますが、御承知のように、いじめについてはいろいろ話題になっておりますし、これは我々の人権の問題でございますが、人権の問題というのは強制力を伴わない心の問題ですから、非常に重要な問題であると同時に、気長く繰り返し繰り返しやらなければいかぬという気持ちでその点真剣に考えております。
○萩野浩基君 ありがとうございます。
 さて、私、もう少し別のアングルから質問させていただきたいと思いますが、私は、これまで十数年間、ミシガン大学の最も権威があると言われているスティーブンソン教授と共同研究を続けてまいりまして、ニューヨーク・タイムズやリーダーズ・ダイジェストにも紹介されておりますが、特に日本のいじめ等につきましては非常に外国でも関心を持たれておるわけです。数年前に大手の新聞に頼まれていじめについて私書いたことがございます。いじめとは大人社会の縮図である、私の文章の中からそのようなタイトルにされましたが、私は、まさにこれは非常に残念なことなんで、そうなってはならないのがそうなっておるというところに大きな問題があるんではないかと思います。子供が未来というものをのぞく鏡、また自分の将来を見る鏡、こういうものはどうしても、何といいますか大人が問題になるんですね。だから、彼らが将来に対しての生き方とかそういうものを学習するのには、自分よりも年上の、すなわち大人社会のそれぞれの生きざまというものが一番大事だろうと思います。
 いわんや、今日の俗に言われております金権腐敗政治が、いかに未来を背負う子供に悪影響を与えているか、これははかり知れないんじゃないか。宮城の参議院補選におきましても、私はいろいろと苦労いたしました。真相のほどはわかりませんけれども、政治腐敗ということが言われておりますし、そして政治不信ということが言われております。
 ですから、政治倫理、そして政治改革、これはもう当然のことで、これをやはり推し進めなければ解決にならないんじゃないか。そういうことに対しての、一言でいいですから、法務大臣の誠意ある答弁を期待いたします。
○国務大臣(田原隆君) 児童の問題から、最後に政治改革の問題に行かれたわけでありますが、政治改革については国会の中で協議会を設けられてやっておられるわけでございまして、法務大臣がこの場で意見を申し上げるのは適当でないかと思いますので、御勘弁願いたいと思います。
○萩野浩基君 やはりこれが縦割り行政であって、あらゆるものがリンケージされていく。子供が将来を見るのには大人の社会というものが、先ほども申し上げましたように、一つの鏡であるので、私は、これはお願いですけれども、関係省庁と連絡をとっていろんなことをやるというのは、子供にやはり大人が模範を示さなきゃならない、そういう意味で申し上げたので、つけ加えておきます。
 次に、先ほども申し上げましたが、関係省庁との連絡をとると大臣はおっしゃっておられますので、やはりこれは、そこを読んでいただけばわか
りますけれども、いじめについても関係しているんです。現在起こっておる犯罪数は、確かにある程度減っておると思われます。昨日の質問でも同僚の委員からありましたが、確かに減ってはおりますが、質の上においては非常に大事だろうと思います。ですから、いじめも決して消えたわけではなくて、大事な問題じゃないかと思います。平成四年三月二十三日発行で、「現代の若者たち」という、これは総務庁の方の青少年対策本部から出ているんですが、こういうPRも非常に私は大事だろうと思うんです。
 それから、今回私のこの質問に関しては連絡を既にとっておきましたので、文部省をちょっと中心にお答えもいただきたいと思うんですが、このいじめの問題、ちょっと読みますけれども、
  「校内暴力」「いじめ」「子供の自殺」と次々
 に事件が発生する。そうすると、これに関連し
 て、すぐに即効的解決が求められたり、またそ
 れに対して皮相的な対処策が論じられたりす
 る。その中で目立つのは「どうしたらいじめら
 れないか」といった方法論が多く、問題の本質
 に迫るものは少ない。
  一例を挙げると、某教授は「家庭教育で、い
 じめられっ子はかなり直せる、いじめられっ子
 は、動作のにぶい子などに多く、親の注意で家
 庭でもかなり直すことができる」と。
  またテレビやラジオでお馴染みの某教育評論
 家は「とにかく、かみつきなさい。しっぺ返し
 をしなさい」と言う。
  たしかに今、現にいじめられ、苦しみ、自殺
 に追い込まれるかもしれない子供やその親に
 とって、現実に対処するための、親と子の防衛
 策が救いの手である。しかし防衛策はどこまで
 も防衛策であり、見落せないのは、いじめる側
 の論理からつくられた、いじめから逃れるため
 の防衛策に過ぎないのである。それは「しかえ
 し殺人」をいじめっ子にさせる原因となった。
それから、
  戦後の日本の過渡期のバリエーションの中に
 スケープゴートを立てることによって、責任転
 嫁がみごとに成功したと見ることもできる。日
 本を大戦へと導き滅ぼし、戦後はまた、物質的
 には大国となりながら、心の栄養不足に悩む国
 にした
 文部省の方はこの本御存じですか。参考までに言っておきますが、これはオックスフォードのボドレアンライブラリーの保存版になっていますが、今私が持ってきたのは八版で、もしあれでしたら読んでおいてください。
 私が言いたいのは、事件の質の問題なんですね。関係省庁と連絡をとると大臣はおっしゃっておられましたので、ぜひとも文部省等とも関連をとりながら、また文部省は、今来ていただいていますので意見を求めますけれども、やはり子供に未来のない日本に未来はないわけであって、そういう観点から真剣にひとつ取り組んでいただきたいと思います。
 これは総務庁は青少年行政に関する総合調整、マネジメント・アンド・コーディネーションというタイトルで、創刊号のとき私も頼まれて随想を書きましたけれども、特にPR、そして各省庁とのゴーディネーティングというようなことの観点におきましても、もしできましたら大臣、それから文部省、総務庁とお願いいたします。
○国務大臣(田原隆君) 人権に関しては、言葉をつづめて申しますと、いじめというのは児童の人権、子供の人権ですが、これは先ほど申したように、法務省で心の問題として大変深くかかわり合っておりますけれども、ただ文部省その他おっしゃるように、関係機関も多うございますので、関係機関と定期的な会議を開いたりしながら前へ進むようにやっているわけでございます。
○説明員(福島忠彦君) いじめの問題、まさに先生がおっしゃったように、いろんな原因があると思いますが、家庭の教育力が低下してきているとか、社会が非常に都市化現象になっているとか、それから学校も非常に受験中心の教育をやっているとか、いろんなひずみがこのいじめの原因になっているのじゃないかと思っております。
 私ども、いじめ、校内暴力、登校拒否等、生徒指導の問題を最重点でやっておりまして、おっしゃったように、いじめの件数自体は最盛期の十五万件から二万四千件というふうに六分の一になっておりますが、これもまさに御指摘のように、いじめ、登校拒否、暴力、いろんなものが複合したような非常に陰湿といいますか、例えば先年起きました豊中十五中の事件なんかもまさにその典型的な例だと思いますが、そういう事件が起きておりますので、必ずしも数が減ったからといって私どもは安心しているわけではなくて、やはりこれは私どもの仕事の最重点としてやっていかなければいけないと思っております。教員の研修会をやったり、講座をやったり、研究指定校をやったり、モデル地区をつくったり、いろんなありとあらゆるアイデアを出してやっておるわけでございますが、そういう対症療法的な問題だけじゃなくて、子供を自然に親しませるというような自然教室というようなものもかなりの件数私どもやっておりまして、そういう長期的な子供の健全育成という、そういう面からも今後は力を入れてやっていきたいと思っております。
○説明員(永島泰彦君) 青少年にかかわります行政につきましては、教育、福祉また保護、矯正、多様な分野にわたっておるわけでございます。そういうことから各省庁を通じます施策の相互の緊密な連携というものが大変重要であると私ども思っております。総務庁では従来から青少年対策推進会議、これは関係の十四省庁の局長レベルの会議でございますが、こういう会議を従来から開催しております。また、その会議等におきまして、青少年対策の推進要綱、これは総合的な健全育成、非行防止、各面にわたる推進要綱でございますが、そういう基本的な要綱を決定しております。このようなことをいたしまして、政府全体といたしまして総合的かつ整合性のとれた施策の推進に努力しているところでございます。そのほか、青少年の育成の国民運動の展開でございますとか、非行から青少年を守る全国強調月間、こういうものも実施しておるところでございますし、広報啓発活動にも努力しております。今後とも青少年健全育成という立場から関係省庁と緊密な連携をとりながら施策を推進していきたい、こういうふうに思っております。
○萩野浩基君 皆さん一生懸命取り組まれるという発言でありましたので、ぜびともそのようにお願いします。
 とにかく、子供に未来のない日本に未来はないわけであって、各省庁、自分たちのこれは範囲だというのではなくて、お互いにコーディネーティングしながらやはりマネジメントは進めていくということで、やはり子供の育成ということを一生懸命考えていただきたいと思います。
 本貫の質問を終わります。
○紀平悌子君 最後になりまして大変お疲れでございますが、よろしくお願いいたします。
 裁判所の休日に関する法律の一部を改正する法律案でございますが、まず最高裁にお伺いをしたいと思います。
 この法律の一部を改正する法律案について御説明のとおり、平成三年十二月二十七日の閣議決定に基づいて国家公務員の完全週休二日制を実現するものということで、これは一日も早い施行というものを私も心から希望するものでございます。ただ、その施行に当たりまして、裁判所を活用するというか、裁判所は国民のためにあるというふうな立場から国民の権利を最大限に確保することもまた大事なことだというふうに思っております。
 その立場から、まず、土曜完全閉庁について国民に対して、これは直接、間接にはなりますが、国民にということでどのような広報を行われるかということをお伺いしたいのです。何よりも、裁判所を利用しようとする国民はそれなりに切迫した事情を抱えております。例えば、簡易裁判所などには地域住民から民事、刑事の法律問題について御相談が入ってくるということですけれども、今後も高まるであろう裁判によるトラブルの解決
という国民のニーズにこたえるためにも、土曜日閉庁の分、月曜日から金曜日の間でどのような方策をお心がけになるのか。あるいは、国民のための配慮をされるのか、そして、例えば閉庁時の留守番電話による電話相談の案内などを行われるというふうなきめ細やかなお心遣いというものはどんなふうに考えていらっしゃいますでしょうか、お伺いしたいと思います。
○最高裁判所長官代理者(上田豊三君) まず、国民に対する広報の関係でございますが、平成元年に土曜閉庁方式を導入しました際に、裁判所におきましても土曜閉庁広報用ポスターというものを作成いたしまして、各裁判所の玄関でございますとか、あるいは受付等、利用者の目に触れやすい場所にこれを張って広報をしたところでございます。今回の完全週休二日制を導入するに当たりましても、同様の措置をとることをただいま検討しているところでございます。
 それから委員御指摘のとおり、裁判所は国民のためにあるわけでございまして、国民の側から利用しやすい裁判所であることが必要だろうと考えております。そこで、新たに休日となる土曜日につきましても、これまでの閉庁土曜日と同様に受付事務ですとかあるいは令状関係の事務、その他緊急を要する事務につきましては宿日直体制、あるいは場合によりましては必要な職員に出勤させる、あるいは宿日直を廃止している庁におきましては職員の自宅待機等の方法によってこういった事務を処理してまいりたい、このように考えているわけでございます。
 なお、委員御指摘の電話相談でございますが、何分宿日直要員が登庁してはおりますけれども、十分ないろんな相談には応ずることが難しいのではなかろうか、このように考えております。
○紀平悌子君 特に地方、いわゆる東京周辺は別かもしれませんが、地方の地域におりますと裁判所というところは非常に遠いところだというふうに考えていらっしゃる住民の方が多いわけです。このことは好むと好まざるとにかかわらず事実でございまして、なかなか裁判所の窓口に行くのも非常におっくうというか、だれかついていってもらわなければとか、弁護士さんに一緒に行っていただければいいんですが、それもかなわぬような状況もございますので、その辺のところの細かい御配慮、温かい御配慮をぜひ賜りたいというふうに思います。
 いろいろ同僚の委員の方々から本案に対する御質問、微に入り細をうがってお話がございましたので、最高裁への御質問まだ私ございましたけれども、これは飛ばさせていただきまして、次に移りたいというふうに思います。
 次は、法務省そして外務省それから法務大臣に最後に伺いたいということで続けて申し上げますので、よろしくお願いいたします。
 前回といってもこれはきのうでございますが、きのうお伺いいたしました児童の権利条約問題について再び申し上げてみたいというふうに思っております。
 私がって女子差別撤廃条約が批准をされるまで、その十年以上前から起こっております婦人運動の中におりまして、このたびの児童の同じような人権の問題を扱いました条約との一つの違いというか、扱いの違いのようなものを、これは感じ過ぎかもしれませんが感じております。女子差別撤廃条約の場合は一九八五年の六月に批准された際には、さかのぼって十年前の七五年のメキシコで開かれました国際婦人年世界会議で世界行動計画というものが採択されております。その後に、総理府に婦人問題企画推進本部が設置されたこと、は御案内のとおりでございます。非常に大がかりなものでございまして、当時非常にこの婦人問題、いわゆる女子というか婦人というか、いろいろその呼び名にも問題ございましたけれども、この差別撤廃条約が批准されるまで、そして今日二〇〇〇年に向けてということで七五年から今日まで歴代の総理が本部長となられまして、婦人問題担当室が推進業務に当たっております。今なお活発に各省間で共通の土俵の上でお話し合いをし、かっ少しずっと申し上げてはいけないんですが、大きな問題もございましたけれども、女性の社会参加、政治参加などはそれぞれに前進をしているところでございます。
 この条約の批准までメキシコ大会からいって十年間かかっておりますし、また政府がその前に署名をなさってからも五年という時間を慎重にかけられているわけです。国内法及び制度の整備も、国籍法とか家庭科の男女共修問題、それから最大のものが男女雇用機会均等法の制定という新制度ですね、それも行われたわけなんです。そして女子差別撤廃条約になだれ込んだというか、まさに完璧を期せられたという部分が差別撤廃条約のときにはあったわけです。
 こういう姿勢は日本は特に厳しいということを聞いておりますし、特に法務省がその線を非常に堅持されているというふうに私は聞かされてまいりました。昨日も当委員会で触れたことですけれども、児童の権利条約もいわば子供差別撤廃条約というようなものではないかと思うのですね。それで、女子差別撤廃条約どこの重要性においては何ら異なることはない、むしろ未来の子供、力のまだまだ十分ではない子供たちのためにということで非常に重要な問題を抱えた条約の批准だということでございます。
 今風の批准に際しては留保条項も多い、そしてその留保条項に付随すると思われる国内法規整備は、昨日のお答えではそれは今のところ必要でないというふうに承りました。後回しになるわけでございますけれども、留保条項等については今後どのように国内法とのすり合わせというかいろいろな事象に対する問題もあわせてすり合わせをされていくのでしょうか。また、その御予定は全くないのでしょうか、それともおありなのでしょうか。また、批准をする以上国内法をきちんと整備して留保条項なく受け入れていく必要があるのではないかという考え方もあると思いますし、私もそのような考え方を基本的には持っております。
 今いろいろ申し上げましたけれども、まず法務省のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(田原隆君) 一般論だけ最初にお話ししますので、詳しい点は政府委員から答弁させます。
 結局、検討されましたけれども、留保と解釈宣言をやるということで法を変える必要はないという結論に達したものですから、法務省としては、これで問題はないという解釈をしておるわけでございます。
 留保については少年の問題、それから解釈宣言については入管との関係となっておりますので、それぞれ政府委員が来ておりますから答弁させます。
○政府委員(則定衛君) 今回の児童の権利条約の批准に際しまして法務省所管の各法令との整合性を慎重かつ詳細に検討いたしました結果、ただいま御指摘の留保を一点行わせていただくということになったわけでございます。
 これは少年法の規定で御案内のとおり、我が国では二十歳以下の者が少年である、そういう少年につきましては非行事件を起こしました場合には原則としていわゆる保護処分ということで少年院等に収容されるということになるわけでございます。今回の条約の三十七条の(c)項で児童とその他の拘禁者との分離ということになりまして、この条約におきましては十八歳以下の者が児童ということになりますので、そこで若干矛盾する点がございます。ただ、我が国の少年法制におきまして二十歳までをいわゆる少年、未成年ということで、これにつきまして先ほど申しましたような措置を講じておりますのは、この条約におきましても精神といたしまして、できるだけ非行度の少ない児童とそれから非行度の一般的に進んでおります成人とを分離して悪性がより進行することを防止するという趣旨だろうと理解しておるわけでございまして、そういう意味では我が国の現行法制の方が児童といいましょうか若年者の保護にむしろ一歩進んでいるというふうに解釈できると考えておるわけでございます。そういう意味で条約の
精神には合致するわけでございますが、十八歳という児童の上限とそれから我が国の少年の上限の二十歳との乖離がございますので、この点につきまして留保する必要があるというふうに考えたわけでございます。
 それから次のお尋ねの、じゃ十八歳から二十歳の間につきましていわゆる分離をすることについて今後見直す必要はあるか、こういうことになりますと、先ほど申しましたように、趣旨といたしまして我が国の現行少年法制の方がより若年者の保護にむしろ進んでおるという点もございますし、さらにそれが仮に、その問題を抜きにいたしまして、十八歳と二十歳、それから十八歳以下の者、それから二十歳を超える者というふうに細分化いたしました場合には、現行の少年処遇の面におきましていわば非効率的な執行になりますし、またそれが適正な少年保護の問題について現場の混乱を来すというマイナス面も考えられますので、現在のところその留保事項につきまして今後国内法整備を行うという考えは持っていないわけでございます。
○紀平悌子君 じゃ、外務省の方から私申し上げたことに御感想でも結構でございますのでお願いいたします。
○説明員(吉澤裕君) 先生からお話がございました女子差別撤廃条約を含めまして条約を批准するときにはこれを誠実に実施するという観点から、我が国といたしましては主要な国内法等を必要があれば事前に整備してから条約を締結するということにしているところでございます。ただし、国内法制の根本的な点に抵触する等のために、留保を行ってでも締結することが留保に拘泥して締結できずにいるよりも望ましいというふうに考えられる場合等には条約の規定とか我が国の法制度、実情等を総合的に勘案した上で対処することとしているところでございます。
 この児童の権利に関する条約につきましては、我が国の憲法あるいは我が国も既に締結しております国際人権規約と軌を一にするものでございまして、本件条約によって課される義務の履行を確保するために現行の国内法の改正あるいは新規立法は必要ないという結論に達したわけでございます。ただ一点、自由を奪われた児童の成人からの分離についての規定、この条約の三十七条の(c)でございますけれども、これにつきましてはその内容にかんがみまして留保をすることが適当というふうに考えられましたので、この点については所要の留保を付してこの条約を締結したいということで国会に提出させていただいているところでございます。なお、この留保を付することはこの条約の趣旨及び目的に何ら反するものではないというふうに私ども考えているところでございます。
○紀平悌子君 時間もなくなりましたので、最後に一言お願いというか要望を申し上げたいと思います。
 きょうは申し上げませんでしたけれども、教育関係の問題のところで、現状とそれから条約とが矛盾をする部分が教育の現場におけるさまざまの問題で国民の間で心配をされているのは御承知のとおりだと思います。私は、この条約の一日も早い批准そして締結ということを支持いたしております。かつ、締結をされた条約が実際に条約の精神に基づいてスムーズにというか非常にふさわしく日本の社会あるいは子供の現状というものが前向きになっていくようにするためには、各省間でその後のフォローをしていただきたいというふうに思うわけです。
 例えば、推進本部ほどのことができなくても、各省間で、この批准にかかわる問題でどこかの省が中心になられて連絡会議をお持ちになるとか、実質的な意味でのそういう問題が世論として出てきた場合に、きちんとしたお答えが出てくるような、また改善をされるようなそういうふうな機関というか、それを希望いたしますのできれば大臣にお気持ちを伺いたいと思うんですが。
○国務大臣(田原隆君) 先生のお話お気持ちよく理解できましたので、それを踏まえて今後進めてまいりたいと思います。
○紀平悌子君 ありがとうございました。
○委員長(鶴岡洋君) 他に御発言もないようでございますから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 裁判所の休日に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(鶴岡洋君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(鶴岡洋君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
○委員長(鶴岡洋君) 国際海上物品運送法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。田原法務大臣。
○国務大臣(田原隆君) 国際海上物品運送法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。
 現行の国際海上物品運送法は、一九二四年船荷証券統一条約に基づいて昭和三十二年に制定されたものでありますが、その後、この条約を改正するため、運送人の責任限度額の引き上げ等を内容とする一九六八年議定書が成立し、さらに、運送人の責任限度額を計算する単位を国際通貨基金の定める特別引き出し権とすることを内容とする一九七九年議定書が成立を見るに至り、これらの議定書は、これまでに英、仏等主要海運国が締結し、既に発効しております。
 そこで、政府におきましては、この改正議定書を批准するため、今国会においてその御承認を求めているところであります。
 この法律案は、この議定書の批准に伴い、国際海上物品運送法の一部を改正しようとするものであります。
 この法律案の要点を申し上げますと、第一に、運送人は事実と異なる船荷証券の記載について過失の有無を問わず善意の船荷証券所持人に対抗することができないこととし、船荷証券の効力を強化することとしております。
 第二に、運送人の責任限度額を引き上げるとともに、責任限度額を計算する単位を国際通貨基金の定める特別引き出し権とし、また、コンテナ等を用いて運送される場合の責任限度額等についても明らかにすることとしております。
 第三に、運送人及びその使用する者の不法行為による損害賠償の責任についても、運送人の契約違反による責任と同様の免除及び軽減を認めることとしております。
 第四に、損害賠償の額の算定、運送人に故意等がある場合の特例、運送人の責任の消滅等について、議定書に合わせて、所要の規定を整備することとしております。
 以上がこの法律案の趣旨であります。
 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願いいたします。
○委員長(鶴岡洋君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後零時十三分散会
     ―――――・―――――