第123回国会 商工委員会 第4号
平成四年三月二十六日(木曜日)
   午前十時二分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 三月二十六日
   辞任          補欠選任
    吉田 達男君      谷畑  孝君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         岩本 政光君
    理 事
                中曽根弘文君
                松尾 官平君
                福間 知之君
                井上  計君
    委 員
                秋山  肇君
                合馬  敬君
                倉田 寛之君
                斎藤 文夫君
                前田 勲男君
                山口 光一君
                穐山  篤君
                谷畑  孝君
                対馬 孝且君
                吉田 達男君
                広中和歌子君
                三木 忠雄君
                市川 正一君
                古川太三郎君
    国務大臣
       通商産業大臣   渡部 恒三君
       労 働 大 臣  近藤 鉄雄君
   政府委員
       通商産業大臣官
       房長       内藤 正久君
       通商産業大臣官
       房総務審議官   渡辺  修君
       資源エネルギー
       庁長官      山本 貞一君
       資源エネルギー
       庁石炭部長    土居 征夫君
       労働大臣官房審
       議官       岡山  茂君
       労働省職業安定
       局高齢・障害者
       対策部長     征矢 紀臣君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小野 博行君
   説明員
       厚生省年金局企
       業年金課長    伍藤 忠春君
       自治省財政局指
       導課長      木挽 孝紀君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○石炭鉱業の構造調整の推進等の石炭対策の総合
 的な実施のための関係法律の整備等に関する法
 律案(内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
○委員長(岩本政光君) ただいまから商工委員会を開会いたします。
 石炭鉱業の構造調整の推進等の石炭対策の総合的な実施のための関係法律の整備等に関する法律案を議題といたします。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○対馬孝且君 きょうは石炭関連法案一括の審議であります。私は戦後四十五年間石炭に携わってまいりまして、第九次の政策を審議するに当たりまして、私にとっては感慨無量であります。特に第一次は、これは昭和三十八年でございまして、ちょうどことしで三十年です。第一次から新政策まで三十年の歴史をたどっておりまして、当時、当委員会に石炭資源活用法案という法律を出しておりまして、その法案を思い出しながら、自分なりの歴史を振り返って非常に感慨ひとしおでございます。そういう意味で、私にとりましては最後の審議ということになりますので、渡部通産大臣にひとつ誠意を持って答弁をお願いしたいと思います。
 実は、第一次の段階で見ますと、私は当時法案も出しているわけでありますが、当時の状況を見ますと、これは御案内のとおり、三十八年には炭鉱数は四百十八あった。それから、炭鉱労働者がこの時点では十九万五千人、約十九万人の就業労働者がおりました。当時の生産能率というのは、一人当たり二十四トンでした。今日、山は六つになって、生産は七百万トンから八百万トン台でございまして、能率は今九十八トンから百トン近くになっている。当時から見ますと、二十四トンが今はもう百トンに一人の能率が上がり、これだけ向上している。一方、山の数は四百十八あったけれども、そんなのは露のようになくなった。炭鉱労働者は七千人の段階になってしまった。私にとりましては、石炭産業というのは非常に衰退の極に達しているというふうに考えます。それだけに、今後の日本の石炭のあり方について、私なりにこういう政策をとってもらうことが一番いいんじゃないか、こういう考え方でまず一つは政策的な課題を三つ申し上げたい。
 まず前段はエネルギー庁長官と石炭部長で、本来私はこの法案は反対なんでありますけれども、全部反対じゃなくて、七法案賛成、あとは最後の調整法は反対なんです。それはなぜかというと、縮小撤退していくのに我が方は一貫してこれまで反対してきた法律でありまして、しかし通産省が提案をまとめて出してきたものだから、これ一本で反対したら、これはここで成立しなくなるわけですから、まして保革逆転をしている参議院ですから、これには公明党さんも同調していただけるということになりますと、これは成立を見ないわけであります。方やむなくこれは苦肉の策として、できれば法律の修正を願いたいという気持ちでございますが、時間的な余裕もございません。石炭部長、エネルギー庁長官とも十分努力をしていただきましたので、ひとつそういう意味で私は最終的には後段で大臣との一問一答で最後を確認させていただきたい、これを冒頭申し上げておきます。
 そこで第一点は、石炭政策というのは、もちろん国の内外によって格差がございますが、やはり緊急非常時のエネルギー対策ということで位置づけをすべきじゃないか。なぜ私はこれを申し上げるかというと、この前も資源エネルギー調査会で学識経験者の参考人の方に申し上げたわけでございますが、やはり湾岸戦争を教訓にした方がいいと思います。湾岸戦争の教訓として、戦争は早く終わりましたけれども、戦後、戦争がないというときはないのでありまして、我々は一切この世から戦争を廃絶するという基本理念は変わっておりませんが、やはり湾岸戦争のときに、日本は四十八年の第一次石油ショック、五十四年の第二次石油ショック、あの教訓がありまして、百四十二日という備蓄があったからなんですよ。もし湾岸戦争が長引いて長期化したらパニック状態が来たと思いますよ、一次でさえパニック状態になりましたから。だから、それは何かといえば、やはり官民備蓄を含めて百四十二日あった、このことをいま一度考えてみる必要があるのではないか。
 そうしますと、国内唯一の資源は一体何だ。通産の白書でも石炭は現段階でも我が国は五億トン
ある。きのうもちょっと参考人に申し上げましたけれども、五百万ずつ掘っても百年ある。私は八億トンと言って、後で申し上げますけれども、そういうことから考え合わせまして、やっぱり石炭は、緊急非常時の場合に、それは余りないと思いますけれども、そういうふうになった場合には非常時のセキュリティーとして、もちろん全体のエネルギーの一・五%ですからそれは微々たるものであるが、国内資源としては唯一の資源である。こう考えますと、緊急非常時の湾岸戦争の教訓を生かしてそういう中長期の将来展望を考えておく必要がある、これが第一の認識でございます。この点について政府側としてどういう認識を持っているかということを一問お伺いします。
○政府委員(山本貞一君) 私どもエネルギー政策を預かる者にとりまして、今先生御指摘のエネルギーの安定供給、特に緊急非常時に備えての対策、あるいは常日ごろからその努力をしておくということが一番大きな課題だと思っております。まさに先生御指摘になりましたように、先般の湾岸戦争のときもやはり石油備蓄というのが大きな役割を果たしたと思っております。
 そういう意味で、先生今言われましたように、わずかとはいえ、日本で資源を持っておるということについての意味を考えるという御指摘はまさにそのとおりだと思います。先般いただきました石炭鉱業審議会の答申におきましても、その点、国内のエネルギー供給源、そのセキュリティーとしての意味づけというのをやはりメンションしておりまして、そういう意味から、今後石炭政策を考えるということも指摘を受けております。
 私どもとしてもそのことを積極的に評価して、今後石炭政策あるいはエネルギー政策を考える際の重要な視点としてとらえてまいりたいと思っておる次第でございます。
○対馬孝且君 今山本長官から認識については一致しているということでございますから、今後中長期を展望した場合に、そういう視点を持って石炭政策に取り組んでもらいたいということを強く要望しておきます。
 第二点として、私はやはり資源愛護論に立つ必要がある、国内唯一の石炭資源は資源愛護論という基本に立つべきではないか。なぜこれを申し上げるかといいますと、当時西ドイツのシュミット首相の残した言葉で、みずからの資源はみずからが使うべきである、みずからの資源を粗末にする民族は必ず国が滅びると、こういうシュミット首相の名言がございます。
 私は今これを日本も大事にしていく必要があると思いますのは、一九八八年、IEA会議で石炭の埋蔵量というのは世界でどういう趨勢になるかということを検討した課題がございます。私ももちろん西ドイツに行っておりますけれども、坑内にも入っております。私はひとつ率直に申し上げるのでありますが、このときの論議のポイントは、世界のエネルギー分布を見ますと、中近東は七〇%まで石油資源国である。それから、石炭の資源といいますと、ソビエト、中国、カナダ、アメリカ、豪州、東南アジアではもちろん日本も入っていますけれども、大体世界の分布はそういう趨勢になっている。したがって、そういうことを石炭だけで見ていきますと、一九八八年にIEA会議が総括して出した石炭埋蔵量というのは一兆三千億トンなんです。今一年に世界が掘っている石炭の量を年で換算してみますと、大体今のベースでいった場合には三百年です。これは八八年のIEA会議で出した結論であります。三百年間石炭が採掘可能であるというあれを出しています。
 とりわけアメリカの戦略、これを今私は古いのを持っているんですが、第六次政策のときだと思いますけれども、時のカーター大統領がこう言っているんです。これは二十一世紀を展望した場合に、アメリカはむしろ石炭というのは二十一世紀の有力な資源である、有力な資源として位置づける、石油は枯渇をしていく、しかし石炭を二十一世紀の有力なエネルギー源とすべきであるということは、時のカーター大統領が残した言葉です。これ、ここにございます。
 そういう問題をちょっと私は総合的に考えますと、我が国はそれじゃどうなんだと。ここにありますのは昭和二十五年にドイツの地質学者がボーリング調査をしたもので、当時は十億トンということだった。理論炭量三十二億トン、可採炭量十億トン。そして、政府が発表した十億トンというのは五十二年です。これは第六次政策です。きのうもちょっとずっと自分でやったことを整理してみました。そうすると、我が国はそれからずっと掘ってみて大体一千五百万トンか二千万トンなんです。まだ二十年になっていないんです。今政府が五億トンと盛んに言っているけれども、私は八億トンというのにこだわるわけじゃないが、十億トンというから計算してみると、当時大体二千万トンをずっとキープしていたんです。第六次政策以降は二千万トン体制ですから、はっきり言って。そうすると、まだ八億トンあるんだけれども、私はあえてここでその論争は今時間もありませんのでやりません。だから、可採炭量五億トンという国の考え方からいったとしても、五百万トンベースでいくと百年あると私は思う。
 そういうことを考えた場合に、大臣も御存じのとおり、二十一世紀、海外から入るのが一億四千二百万トンですよ、国の長期需給見通し計画によれば。一九八九年でもう既に一億一千三百万トンも入っているんですよ。この間ちょっと参考人のときにも申し上げましたが、エネルギー調査会で参考人で来ておりました埼玉大学の室田先生も言っていました。国のあるべき石炭の姿というものは、海外から入る石炭の一割程度は国の資源の一つの最低のやっぱり国家保障といいますか、国の資源保障というのは必要だ、そういう意味では一千万トン程度ということは堅持をすべきである、これは私が言っているのではない。埼玉大学の室田先生が言っている。経済学者です。
 そういうことを考えますと、今もう自然に八百万切っているわけだ、これでいくと。だから、私はあえて申し上げたいのは、何も今すぐのことを言っているわけじゃない、これからの中長期を展望した場合に、我が国のそういう資源論、これを生かしていくという、経済合理主義ということも大事だけれども、その資源論というものを持つべきだと。今西ドイツは現に褐炭を含めると五千五百万トン掘っているんですよ、同じ自由主義、資本主義国で。もちろん海外炭も入っています。
 私は、そういうことを踏まえて、やっぱり中長期の日本の国内唯一の資源である石炭というものを、資源愛護論という言葉を私は使っているのでありますが、考えて対応するという考え方について政府はどうお考えになっていますか、こういうことをお伺いします。
○政府委員(山本貞一君) 先生御指摘の日本の石炭の埋蔵量について、理論炭量三十二億トンという数字、昭和二十五年から三十年に調査した結果、埋蔵炭量炭質統計調査の数字でもそういう数字が出ております。その際、現存炭鉱及びその周辺区域、それから消滅鉱区等の再開発可能なものについてやりますと、そのうち八億トン、それから現在の六つの炭鉱の現存の鉱区内で約五億トン、そういう勘定だと承知しております。御指摘のとおりだと思います。
 まさに、先ほどもエネルギーセキュリティー論からもございましたが、日本にある唯一最大の資源は石炭でございます。そういう意味で、私どもとしてこれを戦後非常に大事に使って、これで日本の復興ができたわけでございますが、今後確かに量的には少なくなりますが、これを大事に使い、セキュリティーとしての位置づけも考えていこうと思っておる次第でございます。
 ただ、何せ深部化している、あるいは事故の問題とかそういうような問題もございまして、いろんな意味で配慮をして私どもとしては今後適切な均衡点と申しますか、そういうことを答申でもいただいておりますが、今先生御指摘の資源愛護という言葉を伺いましたが、私どもとしても今後石炭政策をやっていく基礎として、私は少なくとも個人的にはそういう気持ちで、また私ども基本的にはそういう気持ちでやってきておると自負をし
ておるわけでございます。
○対馬孝且君 今長官からそういう気持ちでこれからの認識も一致しているというふうな答弁でございましたから、ぜひひとつそういう方向で、今後の政策を推進する場合にその考え方を生かしていただきたいということを申し上げておきます。
 第三には、やっぱり世界の炭鉱技術というのはもちろんそれぞれの国にはありますけれども、私も昭和二十八年来、ソビエトのドンバス炭田、それから中国の龍宝炭鉱、それからチェコスロバキアのベットムという炭鉱、それから西ドイツの炭鉱にも入っています。もちろん時代の変化がございますから、当時はカッペ採炭というのが世界のまだ水準ではいっていなかったですね。私は三十五年ごろに行ってみましたけれども、まだそのときにはカッペ採炭方式をとっておりません。日本はそのときもうカッペ採炭ですから。それから、四十年代後半というのは自走枠採炭というのが入っていますから、これはもう向こうではびっくりしておったです。
 だから、そういうことを考えますと、この問もカナダから来ておりましたけれども、やはり日本の技術をぜひひとつ導入したいということを盛んに言っておりますし、カナダあたりも露頭はもう限界に来ていますから、大体坑内掘りに入っています。この間私もオーストラリアヘ行きましたけれども、確かにオーストラリアはまだ露頭をやっていますけれども、あと二、三十年後はやっぱり坑内掘りに入らざるを得ない、こういう趨勢です。
 だから私は、この機会に日本の技術というものを海外のノウハウに生かす必要があるし、同時にここらあたりも、これからも海外炭の共同開発に出ていきますから、そこにもちろん生かすことも必要だけれども、日本の国内の炭鉱があって初めて技能が発展するのであって、国内の石炭をつぶして技能を発展させましょうといったってこれはできるわけじゃないんですから、そういう意味では国内の石炭が現存して技術が高揚していく。同時にまた、海外の共同開発は必要なことですから、今度の予算にも出ています海外開発出資五億円というのは、これは大変私は賛成であります。
 そういうことを考えますと、お互いに技術の涵養といいますか、技術の維持ということのためにも私はあえて言うんだけれども、現存炭鉱というものを維持していくことが日本の技術の高揚につながり、海外技術との交流、提携につながっていく、こういう私は考えを持っております。
 かつて、これは五十二年だと思いますが、今中国に技術指導に行っていますが、鉱山学者で北大の磯部教授が商工委員会で参考人として言ったことがありますけれども、このときにやっぱり磯部教授も言っておりましたように、日本の技術を温存するためには比較的坑内掘りの深いところ、あえて言うと、今たまたま残っておる山が赤平、芦別、もちろん空知炭鉱というはこれはずっとフィフティー。フィフティーになっていますけれども、比較的深い段階にいっている。私の山は美唄でありましたけれども、閉山になりましたが、七百、八百メーター入っておりました。そう考えますと、やっぱり今残っている稼行炭鉱は比較的そういう技術開発、技能高揚の炭鉱としての位置づけに非常にいいんじゃないか。そういう意味で、私はあえてこの山を試験炭鉱として将来ともやっぱり堅持をしていくべきだ。
 だから、もちろんそれは技術だけで一定枠を残せと言っているんじゃなくて、先ほど言った緊急非常時のセキュリティーの考え方あるいは資源愛護論、今私が言った技術の高揚、技術の国際交流、提携という点からいくならば、先ほど言ったように、二十一世紀は一億四千万トンですから、そのベースは別にして、せめて現行の七百万トンぐらいは維持していく。後で私は申し上げますけれども、それを生かしていくためには、現存の炭鉱というものはやはり必要ではないか、維持存続が必要である。こういう技術面からの認識を一面加える必要がある、こう思いますが、いかがでしょうか。
○政府委員(山本貞一君) 今御指摘いただきました日本の炭鉱技術というのは、やはり厳しい条件の中で坑内掘りを進めたという実績もございまして、日本のハイテクノロジーもございました。大変世界的にも高いすぐれたものだと私どもも認識しております。
 答申にもそのことはやはり指摘されておりまして、やはり日本の石炭生産関連技術の基盤を国内で維持するということは、国際協力等を通じまして今後の海外炭の安定供給確保にとっても一助になるという意義も認めております。あるいは今後の発展途上国への国際的なエネルギー資源協力という意味でも、日本の技術を提供するという意味でも意義があろうかと考えるわけでございます。
 やはりこの答申におきまして、今後こうした国内炭の役割というのと、それから国民経済的負担のあり方との均衡点を探っていくことが必要であるということを指摘されておるわけでございますが、この均衡点を探っていくという過程で、今先生御指摘の試験炭鉱という考え方につきましても、その過程で検討をしてまいりたいと思っておる次第でございます。
○対馬孝且君 これは昨年の十二月に、実は当時の中尾通産大臣が、土居部長もおりましたけれども、私は提言しているんです。これに対して中尾前通産大臣は、積極的にこの面をやっぱり生かす方向でひとつぜひこれからの石炭政策に生かしてまいりたいと、こういう答弁もございます。後でこれは大臣にも確認とるときに申し上げますけれども、ともあれ、一つは今長官からございましたけれども、私はある意味では名前にこだわることはございませんで、あえて試験炭鉱と言ったのは、技術の試験を継続的に発展させる、こういう意味で私は申し上げたわけでございます。
 今そういう一面を検討するという長官の答弁ですけれども、ぜひここらあたり、私は何も国内だけ言っているんじゃない、海外炭を開発していくという方針が出ているわけですから、その意味でもこれから内外の技術の高揚あるいは提携ということがやっぱり重要であるということを一つ特に私は強調しておきたいということでございます。よろしゅうございますね、その点は。長官、いま一度ひとつこのことに関しまして。
○政府委員(山本貞一君) 先ほども申し上げましたが、現時点で私どもそのあたりのアイデアについて、まだきっちり構想にはなっておりませんが、御指摘いただきました点について、あるいは試験炭鉱というアイデアにつきまして、今後の石炭政策の中で検討させていただきたいと思っております。
○対馬孝且君 それで、今長官からも出ましたけれども、均衡点という、きのう参考人の皆さんから貴重な御意見が出ましたけれども、均衡点とは何ぞやということがどうもわからない。わからないというよりむしろ均衡点というのは、これでもう石炭は新答申で終わりではないのか。総撤退で、はいさよならということではないのかという非常に不安感がありましたし、また各委員の皆さんからも均衡点とは一体何ぞやということがどうもいま一つ明確でない。私もやっぱりそう思うんですよ。
 だから、これまでの石炭政策、先ほど言ったように、私も国会で石炭問題をやって十八年になりますからね。今までも第四次の植村甲午郎さんの答申以来ずっと携わってきましたけれども、あのころはむしろそれこそ民間ベースから国家計画に移行したらどうかなんという議論も出たころですけれども、それは言いませんが、均衡点とは一体何なんだ、こういうことなんですよ。
 いわゆる経済的視点で均衡点と言われると、これは大変なことになりますよ。例えば国内炭で考えると、一万二千も三千も差があるんだから、この均衡点ということを基準にされたら、あした閉山せいということですよ。構造調整十年どころか一年で、はい終わり、閉山ということになりますよ。そうではないと私は思うんです。やっぱり均衡点とは、私の認識が間違いなら間違いでいいです、指摘してもらっていいが、経済原則だけでは
なくて、やはり一定の生産枠、つまり七百万トンとか生産、需要のベースというものが一つの均衡点が高いか低いかということ、そのことが一つの起点になっている。だから、十年間ということを出してきているのであって、経済原則でいったら倍以上の価格差があるんだからとてももつものじゃないですよ。後から申しますけれども、その間に炭価の引き下げなんということが出てくるわけだから。
 それは別にして、均衡点とは一体何ぞやという、何が均衡点か、何を指すのか。私は、少くとも生産、需要枠の高さ低さがやっぱり基本であって、経済原則は次の問題である、こういうことから考えますと、この答申をもって石炭は終わりではない。ここも間違っていたら指摘してもらいたい。やっぱり次の政策に展開をしていかなければならない。そういう構造調整十年であって、したがってこの答申をもって石炭は終わりではない。撤収ではない。むしろこれからもやっぱり石炭は持続的に国内資源として計画を追求するものである、こういう点はいかがですか。
○政府委員(土居征夫君) 先生御指摘の均衡点につきましては答申でも触れておりますけれども、これは先生御指摘のように、必ずしも総撤退ではないという前提でございまして、エネルギー政策上の役割とそれから国民経済的な負担、これが現状ではやっぱり均衡していない。そういう判断で国内炭の段階的縮小が必要であるということなんですが、どの時点がでそれは均衡するであろう。そういうことでございますので、国民経済的な役割、エネルギー政策上の役割に相応する国民経済的な負担はあり得るという前提でございますから、したがって海外炭との価格差といった経済性の観点だけで決まるものではないということは、御指摘のとおりでございます。
○対馬孝且君 今の土居石炭部長の答弁であれば、それで結構です。どうも経済原則だけが先行されたんじや、これはとてもじゃないけれども、それこそ石炭はこれをもって終わりというよりも、十年どころか三、四年で終わりじゃないか、二、三年で終わりじゃないかという感じがしたものですから、そこが不安なんです。だから、これをもって撤退ではないということは今部長からもございましたので、後ほど大臣からもひとつ私も確認答弁をお願いしたいと思っています。
 あくまでもそれをできるだけ高くというのは、きのうも参考人が異口同音に言っていましたが、できるだけ高い均衡点にしてもらいたいと。それがやっぱり不安をなくする道である。そのとおりだと思うんです。この点、できるだけ高い均衡点で堅持する政策的方向にひとつ努力をしてもらいたい。これはどうですか。
○政府委員(土居征夫君) いずれにしても、いろいろ立場がございまして、審議会の中でも均衡点についてのイメージはそれぞれ委員で違うわけでございますが、答申で指摘されていますように、やはりエネルギー政策上の位置づけというものと、それから国民経済的な負担というものが本当にバランスするかどうかというところについては国民全体のコンセンサスも必要でございますので、そういうことで均衡点が決まってくるということでございまして、これにつきましては、石炭部といたしましては、先ほど長官からお話しいたしましたような資源愛護等の観点も十分踏まえて、検討を続けてまいりたいというふうに考えております。
○対馬孝且君 それでは、次の問題に入りますけれども、今度の新石炭政策の特徴というのは新規事業、新分野の開発、そして御案内のとおり構造調整の中で新しい分野の受け皿をつくりながら転換をしていく。つまり縮小、なだらかなソフトランディングに入っていく、こういう答申になっていますね。
 それで、問題はここなんですけれども、やっぱり十年間というけれども、きのうもちょっと参考人に伺いますと異口同音に言っていますね、とてもこれを二、三年や五年で受け皿なんかできるものじゃないですよ。
 私の山は昭和三十八年に閉山しました。私は美唄ですけれども、かつて美唄炭鉱というのは中小で二十三あったんです。私は今でも記憶があるんです。私はまだバッジをつけていませんでしたが、当時は田中通産大臣で、副議長をやった今は亡き岡田春夫大先輩と一緒に私は田中邸に行ったことがあるんです。そのときに田中通産大臣が、後の総理がこう言ったことがあるんです。炭鉱というものは、これはもちろん物体エネルギーですからやっぱり限界があるんだ。だから、限界があるということは山の寿命が来るんだ。それは君ら専門家だからわかっているだろう。しかし、いつまでもそういうことじゃだめだ。やっぱり炭鉱を閉山したときの事前の準備なり体制が必要なんだ。産業転換、雇用転換、町の活性化。大変立派なことを言ったんです。本当のことを言うと、私は感動したんです。それでこう言ったんだ。やっぱり五年や十年かかる、この炭鉱閉山後の受け皿というものは。そのとおりなんですよ。だから対馬君、私に言ったんだけれども、君らの考え方はわかるけれども、これは美唄にたばこ専売工場、今は民間たばこになったが当時専売工場、それから造幣工場を持ってきてやる、君のところの美唄に持っていくよ、それには五年、十年かかると。それまでの間何とか炭鉱維持してちゃんと存続しながら、閉山、はいそれまでよじゃなくて、ちゃんとやっぱりそういうものができあがってから閉山するということが君、理想じゃないかと。君は労働組合の幹部だけれどもそれに反対するのかと言われまして、全くそれは通産大臣ごもっともな話でございまして、それは意を体して保証してくれるなら、私はこれから帰って美唄の市民大会で、一万人集会を目前にしておったですから、乱やりますよと言ったことがある。結果は、後になったら政治の動向が変わり経済情勢が変わった、君、勘弁してくれないか、それで終わったんだけれども。
 それは別にして、なぜそう言ったかというと、時の通産大臣、後に総理大臣になりましたけれども、その時代から新分野という考え方は出ておったんですよ。私は今思い出してなぜこれを言ったかというと、そのことで言っているんですよ。後の総理大臣、田中総理大臣が言ったんです。だから、新分野と簡単に言うけれども、これはとても二年や三年でできるものじゃないですよ。その認識を政府側に聞きたいんですよ。私はあえて言いたいのは、構造調整十カ年のうちの五カ年、むしろ最低でも五年前に新分野体制というものはやらないと、前半の五年ぐらいが勝負だと、私はこういう考え方で対応すべきであるというふうに考えますが、いかがでしょう。
○政府委員(山本貞一君) 石炭企業が新分野に出るということにつきまして、やはり一つは産炭地域であるということもあるかと思いますが、非常に簡単にすぐできるというものではないことは私どもも十分承知しております。
 昨年十月に石炭各社に構造調整についての基本的な考え方というのをまとめていただきましたが、その中では、今後例えば新分野ではこういう方向を考えるというのを具体的な業種名も挙げて書いておられます。一つはやはり海外炭に出るということ、それから従来の石炭の技術とか、そういう機械技術を活用した関連分野へ出ていくということ、あるいは今のその地域の特性を活用した事業に出ていくという、そういう案を書いておられます。その点、私は従来の石炭企業の取り組みに比べて非常に自主的かつ積極的に方向づけを出すようになったのではないかと思っておるわけです。これに対して関係の親会社あるいは関係の企業グループも支援をしようということで、私ども通産省・資源エネルギー庁としても関係親会社にもそこは強く要請をしております。
 そういう意味で、私どもとしては今後従来に比べてさらにしっかりと速いスピードで新分野への転換を図りたい。そのために、御説明申し上げたと思うんですが、来年度からさらに新分野開拓補助金とか、あるいは無利子融資というような施策も強化するというか講ずることにしております。
しかも、それをこの十年間ゆっくりやるということじゃなくて、やはり私どもとしては前半五年にそれを重点的にやっていくという姿勢で、もちろんそれで終わりということじゃなくてその十年間でやるわけですが、できるだけ前倒しして前半の五年で努力していくということを、施策も重点的にそういうふうにやってまいりたいと思っておる次第でございます。
○対馬孝且君 五年という認識は一致し、また前倒しをするという意欲的な答弁ですから、ぜひそうしてもらいたいと思う。
 私はそこで申し上げたいんですけれども、土砂川の無重力実験構想、あれは成功したと思うんですよ、当時の田中通産大臣の教訓を得まして。ちょっと余談になりますけれども、当時、田村運輸大臣時代に函館ドックの造船対策がございまして、本来なら函館ドックは今日存在しなかったんです。造船不況のときに時の田村運輸大臣が三万二千トンの船を函館に緊急発注したんです。あれで今日の函館ドックはあるわけでありますが、そういう教訓もありまして申し上げるのでありますけれども、そういう発想があって、土砂川炭鉱の跡地に世界一の十秒フラットで到達する無重力実験をぜひ土砂川に持ってきてくれという誘致を私はしました。今度もやりましたが、あのとき田村運輸大臣は一発で態度を決めてくれという経緯がございます。
 だから、今答弁があったんだけれども、企業の新分野というだけでなくて、エネルギー庁長官ね、率直に言って、国のレベルでの無重力実験とかああいう構想も相まって新分野を開拓しないと、これは民間だけではやはり限界がありますよ。それは土砂川だって縫製工場だとか私も知っていますけれども、あるいは多少の機械工場ということもありますよ。それは規模は五人とか二十人の規模であって、その規模が小さいからだめだと私は言っているんじゃないが、しかしやっぱり民間の企業では一定の限界がある。
 それと並行して、やはり国のレベルあるいは道県のレベルでも同時にそういう新分野開拓の考え方、第三セクター方式でも結構でございますけれども、そういうものも相まってひとつ取り組んでもらいたいということを申し上げたいと思いますが、この点いかがですか。
○政府委員(山本貞一君) 今先生御指摘いただきました無重力実験センターも、通産省として産炭地域でのということを意識して、あそこで設置させていただいたわけでございます。さらに、今後ともそういうアイデアなり具体的な構想があれば、ぜひとも関係各局にもそこはお願いして、努力をしてまいりたいと思っております。
 一方、産炭地域振興対策につきましても、今後稼行炭鉱地域にさらに重点的に対策を講じていくという答申もいただきましたし、そういう産炭地域対策の重点対策、重点配分ということで、産炭地域、稼行炭鉱地域の振興にさらに努めるということでやってまいりたいと思っております。
○対馬孝且君 ぜひそういうことで促進方をお願いしたいと思います。
 そこで、今度の新政策の中で、つまりNEDOの三百億融資ね、新分野開拓のための三百億という融資、これは非常に私は評価をいたします。単年度六十億ですから、五年間で三百億ということですね。
 ただ、それぞれの企業はかなりこのプロジェクトの計画を立てていますから、端的に申し上げるならば、仮に企業側からそういう要求が出てきますわね、あるいは赤平の住友炭鉱であれば五十億お願いしたいとか二十億お願いしたいとかということが出てくるでしょう。そして、その融資枠は一応三百億とこうなっているんだけれども、もちろん単年度で五年間ありますから、これはやっぱり企業側の要求があった場合には、この枠にこだわらずに拡大をしてもらいたい。この点をぜひひとつやってもらいたい。それでなかったら、新分野新分野といったって、やっぱりそういうものができなければ、これは前半五年といったって言葉で終わっちゃうんですから。
 そうじゃなくて、やっぱり三百億にこだわらずに、積極的に谷山ごとに出てきた要求に対応するためには、三百億が四百億になってもしょうがないんじゃないか、五百億になってもいいんじゃないか。私どもは、そう簡単に言うわけじゃないけれども、そういうことがなければ新分野の面も成功しないと、こういうふうに考えますので、これはいかがですか。
○政府委員(土居征夫君) ただいま御指摘ありました新分野開拓事業を支援する予算措置でございますが、三百億と先生おっしゃいましたけれども、平成四年度設備資金無利子融資六十億、それからこのほかに有利子の長期運転資金に五億の枠を用意しておりまして融資枠としては六十五億、それからあと海外炭の開発についての出資ということで七十億になります。したがいまして、単純にこれが七十億の五年間ということになりますと三百五十億という数字もあるわけでございますが、ただ、これは予算単年度主義でございまして、毎年毎年その必要に応じて財政当局と相談して決めていくという性格のものでございます。
 いずれにしても、すべての新分野開拓必要資金を国がすべて見るということでは必ずしもないわけでございますけれども、ただ新分野開拓は成功させなければいけないということでございますので、その実態に応じまして必要な融資規模を確保していくということでございます。
○対馬孝且君 そこはまあ弾力的運用という言葉になりましょうけれども、ぜひひとつそういう要望にこたえてもらいたい。それが新分野開発の成功につながると、こう私は思いますので、ぜひそういう方向でやってもらいたい。
 それから次は、炭価の問題なんですけれども、きのうも参考人からお伺いしましたけれども、炭価を当面千円下げるというわけでしょう。それから露頭は二千円と私聞いているんだが、そこは間違いであれば言ってもらっていいけれども、そうなると、現状やっぱり物価は上昇していく、賃金の上昇はある、これはどこの企業だってコストがアップするのは当然のことであって、だからそういう点からくると、千円下げる、そして露頭炭は二千円ということだけれども、千円下げた場合に経営を圧迫する影響が大きいんじゃないかと私は考えるわけですよ。もちろん基準炭価制度、かつての石炭鉱業合理化臨時措置法三十四条の二に基準炭価という制度もございますけれども、一応ここらあたりがね、やっぱり千円やった場合に端的に私が心配するのは、今炭鉱労働者の賃金というのはほかの他産業に比べたら二分の一と低いんですよ、ボーナスは二分の一の半額。それは結局やっぱり経営への圧迫がそこにしわ寄せされているわけですから。ことしの春闘だって、これは四月これからやるんだけれども、この千円に炭価が抑えられるために経営を圧迫して、結果は労働者の賃金のしわ寄せにならないか。
 きのうも河原崎参考人が申しましたけれども、政府としてもちろんそれは個々の労使の交渉に内政干渉するということはあり得ないけれども、ただそういう懸念を私は持っているわけです。というのは、一つは経営圧迫につながり、やがては労働条件のしわ寄せになるということのないように、最大限のやっぱり政府の配慮です。
 これまたいつごろまで千円あるのかね、千円の炭価引き下げ。ずっと当分十年間いくということじゃないでしょう。当面千円下げるということであって、見直しはやっぱりしなきゃならない段階も来ると思うんだけれども、そこらを含めてひとつ、炭価の引き下げが経営者に及ぼす影響、また今後の見通しとしてどういう炭価の推移をたどるのか。それから、労働者にそのことがしわ寄せにならないのかという懸念を持っておりますので、そこを申し上げたいと思います。
○政府委員(土居征夫君) 石炭鉱業審議会の答申におきましては、炭価の引き下げの方向は答申されておりますけれども、同時に、新分野開拓を含めました構造調整の円滑な推進ということも言われておりますし、さらには炭鉱労働者の労働条件、これの改善ということも指摘されておりま
す。これらを総合的に進めていかなきゃいけないということでございます。
 炭価の引き下げについては、答申に従いまして、平成四年度に平均トン当たり千円下げるという方向で答申の段階から調整が進んでおりますけれども、これは千円下げて当分の間据え置くという前提でございます。この中身につきましては、既に石炭企業とも十分相談をして、炭価引き下げ分が企業の経営努力と、それから政府の支援継続、拡大によって十分吸収できると、そういう判断をしているわけでございます。
 露天掘りの炭につきましては、これは坑内掘りと違いまして、炭価についてはかなりコストが安いということから、基準炭価制度の取り扱いを弾力化することになっておるわけでございますけれども、ただ石炭鉱業の構造調整の円滑な推進という観点がございますので、こういう観点から問題が生じないように適切に政府が関与しようというふうに考えておる次第でございますが、この問題は、今二千円というお話でございましたけれども、この法律が通りました後、四月の審議会、四月に予定していますが、それに向けて検討をするということになっております。
 いずれにしましても、先ほど申しましたように、炭価引き下げと雇用状況の改善あるいは新分野開拓の成功、これを総合的に進めていくということでございまして、昨日の石炭協会の会長、参考人の御発言にありますように、石炭業界としてもこれらの問題の克服が可能というふうに御発言ありましたけれども、こういった発言を受けて、政府としてもできるだけの支援をしていくということでございます。
○対馬孝且君 炭価の影響というのは、このことで私はかえって心配しているのは、それが長くなっていくと経営上のしわ寄せが来て、それは確かに新政策では受け皿ができなければ閉山しないなんて、こう言っていますけれども、やっぱり背に腹はかえられない、経営が行き詰まればこれは閉山を提案せざるを得ないということで、この炭価の引き下げが閉山への引き金になるのではないかという私は懸念もしているものだから、今答弁ありましたけれども、そういうことを含めて関与していくということですから、積極的にひとつ政府等の立場で支援をしてもらいたいということを申し上げておきます。
 それから次に、私は、国内炭の需要確保の一環策として、例の松島、竹原の関係を教訓として生かした方がいいんじゃないか。それは、苫小牧の北電は第三号機に三十五万トンの火力発電所というわけですが、出ていますわね。だから、なぜこれも言うかというと、国内炭の需要拡大策の一環として、つまり石炭専焼火力、これをもっと現在あるものは国内炭との混焼に変えていくとか、あるいは新しくできる火力発電所は国内炭を優先に使うとか、優先までいかなくてもいいから混焼火力発電所にするというようなことを、私はぜひ通産はとるべきだと思うんですよ。そうすることがやっぱり石炭の国内炭の需要というものに一面つながっていくわけですね。私は専焼とはあえて言いません。国内炭の専焼と言わない。
 もちろん炭質もありますよ、そんなことは私も専門家だからわかっていますけれども、サルファの多い三池のような炭質もあるし、粘結性の山もあるし、そういうのがございます。比較的火力発電所に相当する炭質、カロリーからいって五千前後のカロリーというのが大体一つの採用の方法ですけれども、そういう問題を考えた場合に、やっぱり長崎の松島あるいは竹原の教訓を生かして、北海道ではとりわけ三十五万トンできれば空知の炭鉱は生きるのですよ。北電が三十五万トン入れて国内炭を十五万使うと、混焼で国内炭が十五万、海外炭二十万でやるとなれば十五万でも炭田は生きるのですから、今芦別が二十万トンそこそこなんだから。そうすると山は伸びるんです。生きながらえるんですよ。
 そういうことも政策の一つなんで、そういう方向をぜひ検討し、またそういう方向を追求してもらいたいというふうに考えますが、いかがですか、この点。
○政府委員(土居征夫君) 国内炭の需要、特に電力における需要確保の問題でございますが、御承知のように、現在八百五十万トンということで電力に引き取りをしていただいているわけでございます。
 これにつきましては、今度の法律によります政策では国内炭の段階的縮小ということになっておりますので、現状よりも大きく引き取るという可能性はないわけでございますが、いずれにしても電力業界は完全に石炭鉱業の構造調整に協力するという今立場でございますので、したがいまして、現在野にたいておるわけでございますので、そういった中でそれぞれ炉の特性等、いろいろ各電力においては個々の炭繰りの問題についてはいろんな調整の問題があると思いますけれども、基本的にはそういうことで現状から対応できるということでございます。特にこれを拡充するということでもございませんが、個々の火力発電についての問題ということはそれほど心配をしていないわけでございます。
 先生御指摘の国内炭と海外炭の混焼につきましては、港湾でかなり海外炭の場合は大型船で入ってきますので、なかなか混焼はやりにくいという問題もございますので、その点も含めて今後検討されることになると思いますけれども、基本的には前にお話ししたとおりでございます。
○対馬孝且君 部長、やっぱり北電の場合なんかは、私もただ皆さん方に申し上げるだけじゃなく、北電の社長にもこの前もお願いしておりますけれども、ぜひ三十五万トンを、仮に三号機をやるとしたら、それは何ぼ何ぼと、我々はお願いする立場ですからあれですけれども、ぜひそういうことを生かしてもらいたい。特に露頭なんか一番適当な炭ですから、だからその点は露頭炭でも結構です。要は、量を拡大していくということで、それはいいことなんだから。
 ただ、そこで出てくるのは北電の戸田社長が言っているように、九電力の中で北電だけが国内炭、これは歴史的にしょうがないんだけれども、北海道には石炭が蓄えもあったから仕方がないんだけれども、北電だけが北電だけかと押しつけられると非常にしわ寄せになる。だから、九電力全体でこのバランスをとってもらって、国内炭と海外炭の競合関係というものをやっぱりやってもらいたい。この間戸田社長に、先月ですよ、私は北電に要請したのは、そういうこと宣言っていますので、そこらあたりは政府の立場でないとできない。これは企業だけで、九社の中で争ってああせいこうせいということはできないので、ここをやっぱり政府の行政指導として国内炭の九電力の取引の扱いというものをできるだけバランスをとっていく。これは政府がやってもらわぬと、大臣、できませんよ。こういうこともあわせてやっていくと比較的やっぱり山の延命につながるということになりますので、これは特に答弁は要りません。そういうことに積極的にひとつ取り組んでもらいたいということを要望しておきます。
 それから次の問題で、これまでの石炭山に対する縮小交付金、これは今までは私も知っていますけれども、前にできた制度が百五十人、五%というのができたのです。つまり閉山縮小交付金ですよ、山が百五十入減らして五%の出炭の規模を減らせばこれを適用すると、こういう制度だったんです。
 ちょっと確認の意味なんだけれども、こういう理解でいいですか。石炭鉱山交付金の場合は、従来、私が言ったように、百五十人、五%で適用条件になりましたと、しかし今度は百五十人ではなくて五人以上だってよろしいと、ただし一年のどこをとるか、一年の年度末だと思うんですけれども、そういう理解で今度は改正をされたと、むしろそれが一つのこれからの手だてである、こういうふうに理解していいのかどうか。その点を確認の意味で一つ申し上げたいと思います。
○政府委員(土居征夫君) 規模縮小交付金は、これは閉山交付金ではなくて途中段階の規模を縮小するものでございますけれども、御指摘のよう
に、百五十人以上、五%以上の減産というものについては要件を緩和いたしまして、五人以上の離職だけが対象要件になっております。
○対馬孝且君 それからもう一つ、今度の新分野開拓の促進補助金ですね、この内容についてちょっと説明してください。
○政府委員(土居征夫君) まず、新分野開拓促進補助金につきましては、平成三年度からスタートいたしましたけれども、抜本的に金額を増加いたしまして十一億二千万要求をしております。
 内容は二つございまして、一つは、新分野開拓事業で特に産炭地を中心に新事業を実施する場合、工場、事務所等の設備の新設を行う場合にこの床面積に応じまして補助金を交付するというものでございます。第二点は、炭鉱経営に伴って蓄積された技術を活用した技術開発の補助制度でございます。基本的には経費の二分の一補助ということでございます。
○対馬孝且君 これは産炭地地元と産炭地外でもいいということだね。その点はどうですか。
○政府委員(土居征夫君) 稼行炭鉱地域の所在市町村、それから八次策影響地域、この地域については重点地域ということで、単価は平米当たり五千円から一万円、これは雇用する雇用効果によりましてということでございますが、それ以外の地域についてはこの半分の単価になっております。
○対馬孝且君 わかりました。ぜひひとつそういう内容で推進をしてもらいたいと思います。まだ通産の関係があるが、時間の関係がちょっとありますので、それではひとまず通産の関係を終わりまして、労働省にお伺いいたします。
 今度の新政策の新分野開拓という一つの新しい政策が出てまいりまして、これとタイアップして労働省側としては、つまり縮小していくわけですから、転換をしていくわけですから、それに伴って促進的な役割を果たしてまいりたいというのが今度の提案だろうと思います。これによりますと、新分野開拓に出向あるいは派遣する、芦別の山から大阪の自動車工場に行くとかあるいは神奈川県に行くとかという場合に、これによりますと一人当たり三分の二賃金の助成をするというのが、つまりこの新分野開拓に伴う労働省側の立法措置である、こういうふうに私は聞いております。
 そこで問題は、私も不況地域で、社労をずっと長くやっておりましたからわかっていますけれども、不況地域の場合、それから例の特定不況業種、当時造船だとか鉄鋼もありましたけれども、今は解消しましたけれども、そのときに四分の三という措置があったのですよね。この点、四分の三、三分の二について、むしろ四分の三の特定不況地域、私も質問しておりますけれども、特定業種のあの四分の三をどうして採用することができないのかなというふうに私は考えますので、この点はいかがでしょうかというのが一つ。
○政府委員(征矢紀臣君) 今回御審議をお願いしております法律で、新しい考え方といたしまして、ただいま先生御指摘のように、炭鉱労働者雇用安定助成金制度と言っておりますけれども、そういう形で新分野開拓に合わせて労働者の方が職業訓練あるいは異動する場合にこれに対する助成措置を行う、こういう考え方をとっております。
 これは申し上げるまでもなく、石炭企業を取り巻く厳しい現状、あるいは炭鉱労働者の方々の実情等を踏まえまして、配置転換、出向を行う鉱業権者及び出向、再就職あっせんで炭鉱労働者を受け入れる事業主に対しまして対象となった炭鉱労働者の賃金の三分の二を一年間、それから職業訓練を行う場合につきましては、それを行う事業主の方に対しまして対象となった炭鉱労働者の賃金の四分の三を、これは最大限一年を限度といたしまして職業訓練期間中支給する、こういう制度を考えているところでございます。
 そこで、先生御指摘のとおり、かつての不況時におきまして各種助成金について高率の助成を行ったことがあるわけでございますが、これにつきましても三百人以上の規模の企業、これを大企業と言っておりますけれども、これにつきましては出向、再就職あっせん、あるいは配置転換等に関しましては三分の二を上限といたしております。それから、職業訓練につきましては、四分の三を上限といたしておりまして、現行の各種助成金の助成率との均衡も考えて最大限の助成率としてこの三分の二、四分の三を設定いたしたものでございます。
 いずれにいたしましても、この助成金につきましては今後の石炭企業の新分野開拓の実情に応じまして有効かつ機動的に活用されるよう、適切に最大限の運用を図ってまいるというふうに考えております。
○対馬孝且君 今答弁ありましたけれども、先ほども申しましたように、この新分野開拓の促進の役割ということが労働省が出した新しい目玉商品ですけれども、これは非常に私は結構だと思うんです。賛意を表しておきたいと思います。
 これは甘えの構造を言っているのではなくて、もう少し新分野の開拓が促進されないと、先ほど言ったように、炭鉱のこれからの構造調整が進まない。こういう結果につながっていくわけですから、そういう意味合いでいくならば、やはり不況地域の教訓、不況業種の教訓でやった例が多少あるんですから、あれだって緊急非常時ということだったんだから、私今までも質問してわかっているけれども、そういう認識に立つとするならば、この一年間というのは非常に大事なときではないか。あのときの認識、労働省の認識は今緊急非常時のこの対策が重点であると、まして今景気が悪くなってきているということを考え合わせれば、あの時点のときもそうだったけれども、そういう認識を持っていいんじゃないかなと思うんですよ。
 だから、きょうこれが三分の二出されていますけれども、地方にはそういう意見があるということを踏まえて、今後改善の方向に努力をしてもらいたいと、これを申し上げておきます。
 それから次の問題は、きのうも参考人に芦別の東田市長さんが来ておりましたけれども、強くありますのは、やっぱりできるだけこの新分野開拓に国のレベルの恒久施設をぜひ設置してもらいたいということで、芦別の市長さんからもきのうもございました。あれはごもっともだと思うんですよ。私は全部聞いていますから。私は昨年十一月に松本龍力開発局長に申し上げていますし、岡部事務次官にも要請してありますけれども、中空知の稼行炭鉱は三つありますが、赤平、歌志内、芦別、この三つを一つの拠点にした、そういう中長期を展望した場合に、国レベルの恒久対策として二足の拠点としての能力開発センターというものがあっていいんじゃないかということで私は要請しております。
 ここらあたりはきのうも強く芦別の市長から出ておりますけれども、そういう点でひとつぜひ労働省は積極的にこれに取り組んでもらいたい、こういうふうに考えますので、この点について答弁を求めたいと思います。
○政府委員(岡山茂君) ただいまお話ございましたとおり、新しい分野の開拓に伴います人材の育成ということは大変大事なことだというふうに考えております。
 それで、ただいまお話ございましたとおり、炭鉱労働者の雇用安定助成金制度も新しくつくっていただこう、こういうことでやっておりまして、この活用を図りつつ、その在職しております炭鉱労働者の就業転換のために必要な技能を付与していくための職業訓練、これは大変重要なことであるというふうに考えておりまして、私どもも積極的に対応していく必要があるというふうに考えておるわけで、こぎいます。
 産炭地域とかあるいはその近郊におきます職業安定機関あるいは職業能力開発機関、これと密接な連携を図りまして今後の具体的な訓練ニーズを十分把握をさせていただき、特に高齢者の方が多いといったような実情も考えながら対応していきたいと思っております。
 当然のことながら、従来の訓練校への積極的な受け入れ、あるいはそれによって十分でない場合
には他の施設を借り上げて速成訓練をやるとか、あるいは各種学校への訓練を委託する、あるいは事業主団体への委託訓練するなど、いろいろ多様な方法をとって機動的な訓練を実施していきたいと思っているわけでございます。
 今お話ございましたとおり、今後の将来のことを見た訓練施設のあり方ということにつきましてはこれからいろいろと考えていかれると思いますが、その産炭地域の開発計画など将来における雇用の見通し、訓練ニーズ、そういうものを十分把握いたしまして、地元の道その他の関係機関と相談しながら十分検討させていただきたいと思っております。
○対馬孝且君 閉山のないことを私も願っておるわけでありますが、数字が多くなったからつくるとか、少なくなったからつくらないということでなくて、きのうも私も芦別の市長から言われたのはごもっともだと思うのでありますけれども、あそこは林業地帯ですから単に炭鉱労働者だけの職業訓練じゃないんですよ。今あの地域全体が問題になっている。高年齢者ですけれども、林業労働者の問題がやっぱり問題になっているんですよ。そういう民間林業労働者を含めてやっぱり非常に離職者が多発しているという現象もこれありますので、単に炭鉱労働者だけも言っておるんじゃないんですよ。林業労働者も含めて将来的な、恒久的な一つの能力開発センターという必要性があるということを市長から強く訴えられまして、これはまことにごもっともだと思うんです。だから、その点で強い要望があるだけに、いま一歩ひとつ積極的にそういう方向に向けて努力をしてもらいたいということを申し上げておきます。
 次に、炭鉱離職者援護制度協会に対する支援につきまして労働省の考え方をお伺いしていきたいと思います。
 炭鉱閉山以来、炭鉱離職者援護制度協会に対しても労働省はこれまで多大な積極的な支援を行っておりますことにつきましては高く私ども評価をしております。それがまた今日、就職指導あるいは就職の世話にそれなりの成功をおさめている、こう私は聞いています。そういっても今なお八百人、きのうもありましたように八百人の離職者対策が求められているということでございまして、この点についてはこれまでもやってきましたけれども、相談員の重点配置、それから炭鉱の離職者の追跡調査、実態調査、どういう実態になっているのか追跡調査もやっていますが、これは大体委嘱で調査をしていただいていますけれども、ここらあたりでさらに継続的にひとつ強化をしていただいて促進していただきたい、こういうふうに考えます。いかがでしょうか、この点。
○政府委員(征矢紀臣君) ただいま先生御指摘の点につきましては、これは来年度予算は新たな十年間のスタートという位置づけであるわけでございますが、従来のような同様の考え方に基づきまして来年度予算において積算し、予算をお願いしているところでございます。
○対馬孝且君 それから次に、厚生省、来ていますか。――石炭年金のことで厚生省にぜひひとつお伺いしたいと思います。
 それはどういうことかといいますと、石炭年金の制度が発足したのは昭和四十二年で、これは企業がトン当たり四十円あるいは七十円ということで出し合って、それで一定の資金として、これまで炭鉱労働者の坑内の場合は一万円、それから坑外の場合は五千円という制度がございまして、もちろんこれは二十年勤続した者について支給する、こういう制度になっておるわけです。これをつくるときに我々もやりましたけれども、現在二百二十億近く基金がたまっているということだけれども、かなりその基金が出てきているということもございます。
 現行の給付金制度は勤続二十年を超えた者は一万円、坑外は五千円とこうなっているんだけれども、きのうも出ましたように、特に炭鉱労働者は高年齢で四十三歳以上となっているわけでございまして、これから二十年どこういったって、あなた、とてもじゃない。これから二十年というそれはありますけれども、私の言っているのはそういう意味ではなくて、もう該当者が非常に少なくなってきている。私自身も二十八年ばかり勤続しましたけれども、そういうことを考え合わせますと、給付の財源がないなら別だけれども、二百二十億の百十億ぐらいが特別資金になっているということを考えますと、給付の見直しをしてもらいたい、これは炭鉱労働者の強い意見ですよ。特にこれは強い要求になっておりますので、やはり百十億も余裕があるんだから、私の考え方を一回厚生省としては見直し、検討してもらいたい。一つは、給付条件の見直し。
 それから二つ目は、それでもなおかつ一定の財源がございますので、例えば炭鉱地帯における地元の離職者の福祉施設をつくるとか、そういう財源の寄与に役立っていいんじゃないか、こういうふうに考えますので、ここらあたりひとつぜひ検討していただきたい。
 この点について厚生省の考え方を伺っておきたいと思います。
○説明員(伍藤忠春君) 御指摘のとおり、石炭鉱業年金基金は、特殊な労働環境、それから早期退職といった特性を有します炭鉱労働者の老後の所得保障というのを目的にできたものでございまして、給付条件のお話がございましたが、現在、勤務期間五年以上から五年刻みで四段階に分類をいたしまして、それぞれの年金額を設定しておるところでございます。
 御指摘のとおり、いろいろ給付改善を重ねてまいりまして、昭和四十七年それから五十一年、六十二年と逐時改善を図ってきておりまして、さらに実態に合ったように改善を図ってまいりたいというふうに考えておりますし、当該基金とも十分相談をしてまいりたいと思っております。
 それから、もう一点の福祉施設の問題でございますが、この問題は、法律そのものでは当初から予定をされておらなかったところでありまして、法律改正が必要な事項でございますが、こういう老後の所得保障を図っていくという観点での制度でございまして、財源見通しといいますか、それから一方で掛金が今後どうなるかといったところを十分踏まえて検討しなければならないことでございますので、そのあたり等よく総合的に慎重に検討すべき事項ではないかというふうに考えております。
○対馬孝且君 今改善の見直しをしたいということと、それから福祉施設について慎重な検討はしますということですが、これは実態が合っていないので、金を積み立てていってふえればいいというものではないので、有効に活用し、またそのことが労働者、高齢者のためにも生きていく、あるいは炭鉱の地域の活性化にもつながるということですから、そこらあたり、むしろ石炭協会なりあるいは石炭労働者の関係の団体なりやっぱり十分意見を聞いてもらって、私の方に強く出ていますから、だからそういう点でひとつ積極的に対応していただきたいということを強く申し上げて、ぜひ改善をしてもらいたいと思います。
 そこで、時間もまいりましたので、大臣、先ほど随分石炭の政策的課題、それから答申を受けての今後の法案改正に伴う問題点というものを私は提起いたしました。まだあるんですけれども、時間が制約されております。今まで詰めて、もちろんエネルギー庁長官、石炭部長、それなりの努力もされています。したがって、私としてはこの時点で本来なら修正を求めたいという考えを持っているのでありますが、時間的にそれが余裕もないし、日切れ法案という一面の性格を持っておりますし、またそれは冒頭申しましたように、ここで否決すれば参議院は通らないわけよ、三月三十一日までに通っていかないと予算不在になってしまう。(「否決してもいいんです」と呼ぶ者あり)いやいやそうはいかないので、それはあなた方の方はできてもこっちはできない。それは、幸い公明党さんも一緒にこの考え方に立っておりますので、そういう点でひとつ大事な点を修正の気持ちを込めて私は申し上げますので、大臣の確たる答弁を一問一答で確認していきたいと思います。
 まず、第一点として、先ほど来論議をした点をまとめますと、次の六点でございます。
 私としては、第一点としては、均衡点を設定するに当たっては高い水準を維持すべきという意見も多いと思います。きのうの参考人からも出ております。答申策定に至るまでいろいろな意見があったと思うが、その点について通商産業大臣の見解をお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(渡部恒三君) ただいまお尋ねの均衡点のあり方については、今後、量的に拡大する我が国の石炭需要とその安定供給確保の必要性、そのための国内炭技術の活用の可能性などを踏まえ、国民経済的負担のあり方の問題を含め、さらに検討を続けていくことにいたしております。均衡点の水準をできるだけ高いものにすべきであるという御意見があることについては十分これを念頭に置いて、エネルギー政策上の役割と国民経済的負担の程度とを十分踏まえ、その水準が合理的かつ十分なものとなるよう努力してまいりたいと存じます。
 いずれにしても、私としては、関係者に不安を与えることのないよう、万全を期してまいります。
○対馬孝且君 第二問として、それでは炭鉱の閉山や規模縮小については、今後の新たな石炭政策の展開や需給計画の決定に要する時間も考えると当分ないものと理解しているが、通商産業大臣の見解をお伺いいたします。
○国務大臣(渡部恒三君) 石炭鉱業の構造調整については各社は既に昨年十月に各社ごとに基本的な考えを示しておるところであり、当省としても国内炭の縮小の前に、まず新分野開拓、雇用対策、地域振興対策などの事前対策が必要であることは十分認識しております。
 当省としては、石炭企業に対し新分野開拓に係る諸政策を活用しつつ、事前対策について最大限の努力をするよう指導するとともに、関係省庁、地方自治体とも緊密な連携をとりつつ、関係者に不安を与えることのないよう万全を期してまいりたいと存じます。
○対馬孝且君 第三問として、石炭会社等の新分野の開拓は新しい政策の方向であり、重要な柱になるので、石炭会社等の新分野開拓への支援は今後とも強化していくべきと考えるが、通商産業大臣の見解をお伺いいたします。
○国務大臣(渡部恒三君) お尋ねの件について、通産省としては先般の石炭鉱業審議会答申を踏まえ、新分野開拓に対する補助金、出融資等の施策を新たに講ずることとしたところでありますが、今後とも石炭鉱業の構造調整の円滑な推進の点から所要の施策の充実に努めてまいります。
○対馬孝且君 第四問として、産炭地域振興計画を各省庁との連絡をしつつ実現していくということはもちろん、各般の産炭地域振興策の拡充をも図るべきと考えるが、通商産業大臣の考えをお伺いいたします。
○国務大臣(渡部恒三君) 産炭地域振興実施計画の実施に当たっては、従来にも増して関係省庁等と緊密な連携をとりつつ、その実効性の確保に最大限の努力をしてまいりたいと存じます。
 また、各般の産炭地域振興施策等についても、今回大幅な拡充を行ったところでありますが、今後とも各地域の実情を踏まえつつ、所要の施策の充実に努めてまいります。
○対馬孝且君 第五間として、今後の中長期的な石炭政策の展開に当たっては、第一に、緊急時におけるエネルギーセキュリティーの確保、第二、資源愛護論、国内唯一の資源の活用、第三、石炭関連技術の保存及び海外との技術提携といった政策課題のあることを認識しつつ進めていくべきと考えるが、通商産業大臣の考えをお伺いいたします。
○国務大臣(渡部恒三君) 御指摘の点については、石炭鉱業審議会答申においても述べられております。今後、量的に拡大する我が国の石炭需要とその安定供給確保の必要性、そのための国内炭技術の活用の可能性等を考え合わせると、国内炭のエネルギー政策上の役割は縮小して、きておるとはいえ、積極的に評価されるべき余地も残されておると考えております。
 当省としては、今後の石炭政策の展開に当たっては、かかる考え方を十分踏まえつつ施策を進めてまいる所存であります。
○対馬孝且君 第六問として、現在の稼行炭鉱を維持するためには、需要業界、石炭業界、政府の三者による現在の需要枠最低七百万から八百万トンを維持することを政策策定の基本とすべきと考えますが、通商産業大臣の見解をお伺いいたします。
○国務大臣(渡部恒三君) 今後の石炭政策については、九〇年代を石炭鉱業の構造調整の最終段階と位置づけ、均衡点までは経営の多角化、新分野開拓を図りつつ国内炭生産の段階的縮小を図ることが必要であり、このような石炭鉱業の労使一体となった自主的な構造調整努力に対し需要業界等が協力し、政府としても責任を持って対応していくことを基本的な考え方としておるところであります。
 国内炭の需給については、このような基本的考え方のもとで、石炭鉱業審議会の場などを通じて、構造調整の遂行上必要な生産計画と、これに対応する需要業界の引き取り協力を踏まえた需要見通しを毎年度策定することにより、引き取り協力の実効を確保したいと考えているが、いずれにしても需給の基本的枠組みについては、必ずしも市場原理のみにゆだねることなく、構造調整の円滑な推進の観点から、政府として責任を持って関与していくことにしておるところであります。
○対馬孝且君 以上、六点の問題について今大臣と確認をいたしました。したがって、この六点の課題を基本にいたしまして、ともあれ、先ほど申しましたように、国内唯一の石炭資源というものを、みずからの資源でありますから、それをやっぱり国の基本として、石炭政策をこれからも政府は責任を持って遂行することをひとつ特に強く要望しておきまして、私の質問を終わりたいと思います。
○穐山篤君 ただいま対馬議員の質問及び確認でほとんど足りてはいるとは思いますけれども、基本的な問題についてやや不透明な点が残っております。それを逐次指摘をしながら確認をしたいと思います。
 きのうの参考人の意見を聞いておりますと、高い水準で均衡点を求めてもらいたい、相当強い要望であったわけです。それに対しまして、きょう皆さん方の答弁は、これは撤退、撤収ではない、あくまでも構造調整であるというふうに力説をしているわけです。そうしますと、受けとめます立場からいいますと、どちらかといえば、高い均衡点を求めているのではないか、あるいはそういうふうに行政当局も考えているのではないかというふうに思いがちであります。しかし現実は、国内炭はまあ八百万トンから九百万トンでありますね、炭価はこれから下がる。そうなりますと、一体この十年間で、もっと細かくいえば前半の五年間では、国内炭の生産量はどの程度のところを念頭に置いているのか。最終的な十年後にはおおむね何万トン程度に置いているんだろうかということは、全体の問題としてもみんな疑問を持っておりますし、六つの山に、炭鉱にしてみますと、おれのところはいつどういう構造調整になるだろうか、こう思うのはごく自然な成り行きだと思うんです。
 答申では、今後の検討に待つと、こうなっているわけですが、この検討に待つというのは、通産大臣の政策いかんにかかわらざるを得ないというふうに思うわけです。余り詰めると、また問題が起きるかもしれませんから、今私が申し上げました点からいって、どういうイメージを念頭に持っているのか、まず、そこから伺っておきたいと思います。
○国務大臣(渡部恒三君) 石炭鉱業審議会答申においては、国内炭のエネルギー政策上の役割は縮小してきておるとはいえ、全く失われたわけではないと評価した上で、現時点の問題はその役割とそれを支える国民経済的負担の大きさが均衡して
いないことであり、今後国内炭の国民経済的な役割の程度に対応する均衡のとれた国民経済的負担のあり方を探ることがエネルギー政策としての国内炭政策の課題とされておるわけであります。
 このように均衡点のあり方、最終的な石炭鉱業の姿については中長期的な検討課題とされておるところであり、今後、国際エネルギー情勢や内外炭価格差などの動向及び石炭鉱業構造調整の進展状況などを見ながら、引き続いて検討を行うことといたしてまいりたいと存じます。
○穐山篤君 抽象的に言えば、それ以上言えないのかもしれません。しかし、具体的に手順を考えてみると、次のように多分なるだろうと思うんです。
 撤収ではない、構造調整。構造調整とはいっても、具体的に言えば出炭量を逐次下げていく、縮小していくということにならざるを得ないわけです。ただ、それだけではよくないから新しい分野の開拓をしていく、そのために国もあるいは地方自治体も親会社も懸命な努力をしよう、しかしこれも時間がかかる。そういうふうにそこの部分は見ざるを得ないんです。
 新分野を開拓するといいましても、まず親会社に意欲がなければできないんです。あるいは、そこの地域の条件が努力次第では新分野の開拓が可能かどうかという問題意識が二つ目に起きるわけです。
 三つ目は、親会社の熱意と同時に資力に相当影響することが考えられるわけです。それから、やはり地域の応援体制。
 ところが、五社六山の生産量を精密に計算してみますと、それぞれの山によって出炭量は違いますし、従業員の数も違うわけです。去年の実績で計算をしてみますと、一人当たりの出炭量はそれほど変わらない。どこに変わりがあったかということを調べてみますと、財務関係なんです。それぞれの会社の、あるいはそれぞれの山の経理状況を調べてみますと、極端な赤字の山もあればすれすれの炭鉱もある。そうなりますと、頑張れ頑張れと言っておりましても、そこの親会社あるいは炭鉱会社に、よしやってやろうという気が起きる前に、もはや財政的にどうにもならなくて累積赤字で閉山せざるを得ない、こういうことも一面調べてみますと問題が出てくるわけです。
 しかし、きのうのお話、先ほどの対馬先生のお話でもありましたように、均衡点を高いところに求めてもらいたいとなりますと、同床異夢の感がしないわけじゃないんです。したがって、皆さん方は一千万トン体制が実際は八百二十万トンの実績で、それをどの程度までにしながら、それ以上は絶対に減らさないという先行きのお話も全然ないわけです。
 そうなりますと、気持ちの上では非常に政府は意欲的であっても、現実に進んでいく話というのは非常に冷たい材料しか残らない、そういう問題意識を私は持っているわけですが、皆さん方の分析はその点いかがでしょうか。
○政府委員(土居征夫君) 今回の石炭鉱業の構造調整につきましては、石炭会社は労使ともに明るい展望を持って、意欲を持って構造調整に取り組むと小う決意でございまして、これは実は国がそう言っているわけじゃなくて、昨日の参考人の意見でもお聞きになったとおりでございます。
 出炭目標の明示の問題につきましては、これも石炭の労使とも議論をいたしました。石炭鉱業審議会でも議論をいたしました。もう一千万トンを切っている状態でございますので、個々の山ごとの経営の問題に直接関係してくる問題になっております。これは、先生御指摘になりましたように、山ごとに炭量も違いますし、自然条件も違います。そういったいろいろ個別事情の要素もございますので、一義的に審議会とか国が決めてしまうような性格のものでも必ずしもないわけでございます。
 いずれにしても、不安があるんじゃないかというお話でございますが、これはもちろんの、いろいろ厳しい状況がありますから、そこは厳しいという前提ではございますけれども、その現実の上に立って共通の意識を持って明るく取り組んでいこう、そういうことで労使ともに決意をし、国も支援をしていこう。したがって今回は、国内炭の縮小というのが先にあるのではなしに、むしろ経営の多角化とか新分野開拓とか地域振興とか、こういったものが先にあるんだということで、これは石炭関係者一致して取り組んでいこうということでございますので、先生がおっしゃったような冷たいものというふうに我々は理解はしておりません。
○穐山篤君 まあそれを信頼するよりしょうがないと思うんですが、もう一つの問題意識を持たざるを得ない。それは、原料炭は事業者の間で相談をして、要りませんよということで、排除というか、引き取らないんですね。一般炭は引き取ってもらっているわけです。数量から見ると、北海道電力が二百四十二万トン、東北電力が五十万トン、中部、北陸、関西はゼロ、中国八十四万トン、四国電力十八万トン、九州六十七万トン、合計で四百六十一万トンなんですね。国内炭の生産量の約半分を電力会社で受け持ってもらっておる。それからもう一つは、電源開発が三百五十一万。まあこれが大宗ですよね。残り幾つか一般炭を引き取っているところもありますけれども、これはごく少量であります。
 そこで、仄聞するところでありますけれども、各電力会社及び電源開発株式会社が、できるだけ早く引き取りの量を少なくしたい、そういう声が漏れてくるわけです。各社とも構造調整に協力するという話と同時に、引き取りの量を少なくしましょうという話が符合するわけですよ。先ほど対馬議員からも指摘しておりますように、北海道はかなり無理をしているわけですね。あるいは電源開発も、今まで好意的に引き取ってもらっているわけです。しかし、何といいましても海外炭の方が安いんです。経済的に安いわけです。どうしてもこの国内炭消費の量が、引き取りの大宗をなしている電力会社と電源開発がもう私のところでは要りませんよと言えば、片方の鉱山会社が一生懸命に出炭を上げたといたしましても、そこがどうしても食い違うわけです。
 したがって、今私が個別に数量を言いましたけれども、電力会社と電源開発に対する行政当局の指導といいますか、あるいは要請といいますか、政策的な見地から必要なことはお願いをする必要があるだろう、こう思うわけです。その点についてはいかがでしょうか。
○政府委員(山本貞一君) 昨年いただきました石炭鉱業審議会の答申、その答申をつくる過程でいろんな需要業界との接触というか御意見もいただきました。
 確かに、先生おっしゃるように、コスト面からいうと少なくという発想も当然あることは事実でございます。ただ、昨年の答申の石炭鉱業の労使一体となった自主的な構造調整努力ということに対して、需要業界、特に電力業界がこれに協力するということ、同時に政府としても責任を持って対応していくということも答申で書かれました。電力業界もこのことは十分その過程で承知しておりまして、私どもとしては今後の適正な引き取りについて既に理解を電力からはいただいていると思っておるわけでござかます。
 それから、今後毎年の国内炭の需給につきましては、石炭会社の方で生産計画をまず立てていただきまして、それに対応して需要業界が引き取り協力をする、そういう形での需要見通しを石炭鉱業審議会の場でやることになっております。そういう場を通じて、私ども通産省・資源エネルギー庁としてもその引き取りの協力ということについて関与というか、関係業界に協力を求めていくということにしておるわけでございます。
 電力業界も私ども通産省・資源エネルギー庁の所管企業でございます。資源エネルギー庁として、先ほどから出てまいっております石炭鉱業の位置づけ、あるいは今後行われる構造調整努力が適切にいくように、あるいは地域の問題、雇用の問題、そういうことを踏まえて私どもとして関係業界に要請をしてまいりたいと思っておるわけで
ございます。
○穐山篤君 経緯はわかりましたけれども、大臣、私が先ほど数字を言いましたね、全くゼロのところもあるんですよ。国内炭を引き取りたくないんですよ、みんな。だけれども、電力会社はある意味で言えば独占企業であると同時に公共事業なんですよ。したがって、やっぱり全面的な協力を政策的にしてもらうということがなければならない。電源開発は、御案内のとおり国の資本金が六十数%も入っている、ある意味で言えば国策会社なんですね。わがままは過度になってはいかぬと思いますけれども、それぞれ二つの大きな企業が当分の間積極的な応援をしてもらうということでなければ、この厳しい石炭問題は解決できないんじゃないか、私はこう思うんです。
 それから、もう一つ指摘しておきたいんですが、私は科学技術の特別委員もやっておりましてエネルギー全般についても多少勉強させてもらっているんです。一昨年あるいは昨年来からエネルギーの問題についてのパンフレット、機関誌がたくさん出ています。その中の石炭の部分を拾い読みしてみますと、今世紀末一億四千二百万トンという洋々たる需要が、石炭の話は国内炭の話がほとんどゼロで海外炭に対します分析だとか評価だとか需要供給の関係が物すごく載っているわけです。それほど外国の石炭については魅力を皆感じているわけですね。それは専ら経済的な分野であるし、あるいは技術開発の分野であるというふうにあらゆる雑誌から見えるわけです。そうなりますと、それが媒介になりまして、なおかつ国内炭の供給問題については念頭からどんどん薄れていってしまう、こういうふうに私は業界全体を見ていると非常に不安を感ずるわけなんです。
 くどいようですけれども、これはやっぱり通産大臣の主体性の問題であるし指導性の問題である、こう思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(渡部恒三君) 先ほども私は石炭問題に三十年取り組んでこられた対馬委員との応答の中で深い感慨にとらわれておったんですけれども、私がまだ中学生の時代、片山内閣のときに、時の商工大臣水谷長三郎さんがふんどし一つになってあの地下でむせるような暑さの中で石炭を掘っておられる人を激励した大きな新聞記事を思い浮かべましたけれども、戦後の日本の経済復興のまさにエネルギーの原動力が国内炭であり、またその石炭の仕事にかかわっておる人たちのこれは努力でありました。そういう意味では、産炭地域の人たち、また石炭産業に携わっておる人は、戦後我が国経済復興のエネルギーの分野における糟糠の妻とも言うべき立場の人である、私はそういう考えております。
 しかし、その後国際化の中で、残念ながら国内炭と海外炭の価格差が広がるばかりになってまいりまして、かつて炭鉱でいんしんをきわめた町が残念ながら過疎の町、衰退の道をたどってきたわけであります。このままでいいのかということで、もう一遍あの炭鉱で栄えた町ににぎやかさと夢と希望を取り戻したい、これが先般もこの委員会で申し上げた産炭地振興の私の考え方であります。
 自由主義経済の中での内外炭の価格差が広がった中で、新しい分野でこの産炭地域に新しい夢と希望を持っていくような地域振興策、そしてきょうまで石炭産業で働いてきた人たちに不安を与えることのないように政策の中でこの問題を進めていきたい、これが私の今回提案しておるところの考え方でありますので、私は、その私どもの考え方を御理解していただいた上での先ほど対馬委員の私どもの提案した法案に御賛成をいただくという苦悩の選択であるということで感銘を深くして聞いておりましたので、今の穐山先生からの御心配もしっかりと私はもとより、通産省も頭に入れて、皆さん方がやはりあのとき通産省が提案した法案に賛成したことが正しい選択であったと、こう五年後、十年後に地域の人たちに言っていただけるような政策を進めてまいりたいと存じます。
○穐山篤君 実力大臣に信頼をして、構造調整諸問題はやってもらいたいと期待をしています。
 二つ目は、中小炭鉱の問題です。
 これは意見だけ申し上げておきますと、第八次の構造調整、合理化に付随をして、あるいは時を同じゅうして今年度末にやめるところ、あるいは去年の三月でやめたところもあるわけであります。まあやむを得ざることだとは思いますけれども、やめるに当たって、閉山をするに当たっての事後措置については、十分にひとつ大手と同じような気持ちで対処をしてもらいたいということを、二つ目に意見として申し上げておきます。
 三つ目の問題は、鉱害の問題と跡地利用の問題です。
 今度の法律で鉱害対策につきましては意欲的に提案をされておりまして、非常に私どもも感謝をしております。特定の鉱害復旧事業を行うための法人の指定等というふうな新しいものもありますので、遺漏なきを期してもらいたいんですけれども、過去のものをずっと調べてみますと、やはり鉱山の特殊性でありましょう、閉山をした後どうしても鉱害がつきまとうわけです。鉱害復旧をしたとしましても浅所の陥没、陥落というものがあちこちに起きる。それから、ボタ山の整理という問題がまだまだたくさん残っているわけですね。今回の予算の中にもかなり予算化はされておりますけれども、まだ当分の間続くと思うんです。
 しかし、この跡地なりボタ山の整理をした跡地につきましては、計算をしてみますと膨大な土地になるんです。これを遊ばせておく手はないというふうに思いますので、できる限り早くこの鉱害対策あるいはボタ山の整理、浅所陥没についての対策を短期間の間に進めてもらいたい。これが一つです。
 二つ目は、地域振興にも関連をするわけですけれども、十分に整地をされた後の広大な土地の利用、活用について、そこの地域なり、あるいは会社にお任せをするのでなくて、一極集中排除という政策的な見地から、私は政府自身がみずから努力をしてもらいたいなという強い意見を持っておるわけです。
 これは例え話ですから必ずしも固執をしませんけれども、今成田空港では旅客と貨物と両方扱っているわけです。カナダ、アメリカの北米行きの貨物も全部成田で扱っているわけですね。ところが、これを札幌、千歳空港で扱うとするならば往復千四百キロの燃料は要らないんですよ。一例ですけれども、例えば北米向けの貨物、エアカーゴについては北海道の千歳あるいは旭川空港に政策誘導をする、そうすることによって北海道にまた新しい産業が発展をする、あるいは通信機能が充実をしてくる、そのために必要なものが東京あるいはその他の大都市から移転をしてくる、そういうでっかい話をもうちょっと考えてもらいたいと思うんです。どこどこのスーパーをどこかに持っていくというようなちゃちな話ではこの種問題は解決がつかないし、広大な跡地の活用、利用には私は発展をしないと思うんです。
 そういう意味で、少なくとも通産省の傘下に今ありますいろいろな業務機関、出先機関を二つや三つとりあえず先行的に北海道に持っていくとか、あるいは北九州に持っていくとか、何か知恵があってもよさそうなものだと思うんです。一極集中はまた専門的に別な所でやるにしても、そういう政策誘導がなければこの石炭問題についての解決はしない、私はそういうふうに思うんです。幸いに、スパンは十年あるわけです。その間に今私が申し上げましたようなことを一つや二つ大臣の責任において着手をしてもらいたいなと思いますけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(渡部恒三君) 若干私の体験を申し上げさせていただきますと、私の福島県の常磐炭鉱はかつて北海道、九州に次ぐ戦後のエネルギー供給の大きな役割を果たしておったわけですけれども、かなり早い時期に新分野への切りかえを行いました。いろいろそのときは問題がありましたけれども、今行ってみますと、かつてのボタ山が立派な工業団地になって、未来を輝かせるハイテク産業その他の企業が誘致され、非常なにぎわいを今取り戻しておるのが現実でございます。
 私は、九州の炭鉱地域、また北海道の炭鉱地域、これも今回の政策を行うに当たって、やはり五年後、十年後、今あの常磐炭鉱が新しい分野で生き生きと未来に希望を持って皆さん方がにぎわいを取り戻しているような姿にぜひなってほしいし、また、政治というものはそれになっていただくようなお手伝いをしていくものだ、こう考えております。
○委員長(岩本政光君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時十分まで休憩をいたします。
   午前十一時五十九分休憩
    ―――――――――――――
   午後一時十二分開会
○委員長(岩本政光君) ただいまから商工委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、石炭鉱業の構造調整の推進等の石炭対策の総合的な実施のための関係法律の整備等に関する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○合馬敬君 最初に、通商産業大臣にお伺いいたしたいと思います。
 超経済大国の日本といたしまして、その産業の原動力になりますエネルギー問題は大変大事な問題でございます。今回のポスト八次策、石炭合理化対策事業で大変な御苦労で取りまとめをお願いしたと思うわけでございます。その中で石炭、特に国内炭の位置づけの問題でございますが、私も実は北九州重化学工業地帯、筑豊炭田をバックにいたしました出身でございまして、日本経済発展の大変恩恵を受けてまいりました者でございます。大臣も常磐炭鉱で有名な福島の御出身でよくおわかりと思うわけでございます。
 そういう日本のエネルギー対策の中で、これから国内炭をどのように位置づけていくのか、それについての御見解、そしてこれまでこれだけ日本の産業発展に貢献してきた石炭鉱業でございますが、その後のいわゆる旧産炭地といいますか、産炭地の振興、これにつきましても格段のまた御配慮をお願いいたしたいと思うわけでございますが、その二点を踏まえまして大臣の御見解なり御所見あるいは決意なりをお聞かせ願えればありがたいと思います。
○国務大臣(渡部恒三君) 昨年の六月に出された石炭鉱業審議会の答申において、国内炭の役割は縮小しておるとはいえ、エネルギーセキュリティー、技術の国際的展開のための基盤等の観点から積極的に評価されるべき余地も残されているとの認識が示された上で、九〇年代を構造調整の最終段階として位置づけ、経営多角化、新分野開拓を図りながら均衡点まで生産規模の段階的縮小を図ることが必要であるという旨が指摘されております。
 今、合馬先生からふるさと筑豊炭田のお話がございましたけれども、まさに戦後の日本経済復興のエネルギーの原動力としての筑豊炭田の果たした役割を、私どもは永遠に忘れてはなりません。しかし残念ながら、国際化時代が急速に進んでおる中で、国内炭と海外炭の価格差は広がるばかりであります。そういう中で、きょうまで石炭産業で働いてこられた人々に不安を与えるようなことがないように、またかつて石炭でにぎわいを見せたふるさとがこれから新しい時代の新しい産業の分野で大きく飛躍、発展していかなければならないという前向きの姿勢でこの政策に私どもは取り組んでおります。
 今回御審議をお願いしておる法律もそういう私の考え方で、かつて石炭でいんしんをきわめたこの町を、今も石炭はあるが、新しい時代の中で新しい産業分野で次の子供たちの大きな未来が展望されておるという方向に持っていくための地域振興政策というものにも力を入れながら、今後の石炭政策を進めてまいりたいということでございます。
○合馬敬君 ただいま大臣の御決意を聞きまして、私もいささかなりとも安心をいたしたわけでございます。
 国内炭につきましては、私はやはり日本国におきます数少ないエネルギーの自給源として何とか最小限残してもらいたいという気持ちがあるわけでございますが、第八次の計画におきましても石炭の生産量は平成三年度では八百二十万トンということになっております。
 これからこのようなお考えで対策を進めていくということになりますと、やはりある程度の規模を維持していきませんと、技術者の確保の問題だとかあるいは労働力の問題だとか、そういったようなことで歯どめがなくなって最終的には国内産炭はゼロになるんではないか、こういう心配もあるわけでございますが、それにつきまして何かお考えがありますればお聞きしたいと思います。
○政府委員(山本貞一君) 今後の石炭対策についての私どもの取り組みの基本的な考え方は、ただいま大臣からお話があったとおりでございます。
 その中で、確かに国内炭の位置づけは小さくなっている、それから今後のポスト八次におきましても、答申でも示されておりますけれども、国内炭生産の段階的縮小という方向が出ております。それは同時に、あるいはその前に経営の多角化、新分野開拓を同時に進めるという前提で物を考えておるわけでございます。
 ただ、この答申でもやはり書いておりますが、国内炭の役割なり位置づけは小さくなっているとはいえ、やはりまず第一には、エネルギーセキュリティーという点から一定の役割があると、合馬先生から今御指摘がありましたが、唯一あるいは最大といっていいと思うんですが、唯一最大の純粋な国内エネルギーであるという点、それからやはり御指摘がありました将来海外において海外炭を確保する、あるいは途上国に協力するという意味で、日本の国内炭技術、関連技術というのは非常に価値が高いものでございます。
 それの基礎となる炭鉱という意味でも位置づけがなされておりまして、私どもとしては主としてそういう観点から、国内炭の意義づけというのは、少なくなったとはいえ、今後ともある。そういう意味で、段階的縮小という方向ではございますが、総撤退ということを意味するものではない。必ずしもそういうふうには考えておらないわけでございます。
○合馬敬君 ぜひその方向で今後も御努力をお願いいたしたいと思います。
 何といっても、もう全くそういった産炭技術がなくなった、そういう体制がなくなったということになりますと、国家百年の計と申しますけれども、国際情勢がどう変わるかわかりませんし、そういう意味で、そのときになってさらに産炭を開始するというのはもう不可能であると私も聞いておりますので、そういう方向でぜひお願いいたしたいと思います。
 それから次に、ポスト八次策では石炭会社の経営多角化、それから新分野の開拓というのが政策のポイントであるということになっておりますが、私もこれは非常にいい対策であると思っております。できたら、もっと早くやるべきであったと思っておるわけでございます。
 私も常磐炭鉱の跡のハワイアンセンターにお伺いいたしまして、あんなに早くあれだけのものを仕上げたということは、本当に時期を見る目があったというように思っておりますが、なかなかいろんな情勢があって非常に難しいと思います。特に、このようなハイテク化、情報化、それに一極集中化、こういったような時代でございますから、石炭会社の経営多角化、新分野の開拓といっても非常に難しい問題があると思いますが、これにつきまして通産省としてどのようなイメージを持っておるのか、具体的にどのような方向で育成していこうとしておるのか、それをお聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(山本貞一君) やはり基本的には民間企業あるいは石炭企業あるいはその親会社を含むグループで考えていただくことでございます。
 実は、昨年の十月、石炭鉱業の構造調整に対する各社の取り組みというのを提出していただきましたが、その中で、経営の多角化、新分野開拓に
つきまして、一つはやはり海外炭開発を中心に据えて考えたいというのが異口同音というか、ほとんどのすべての企業にございます。それから、現在の炭鉱で培ってきた技術を活用して新分野へ出ようと、例えば機械製造とか新素材でございます。機械製造でいえば建設資機材事業あるいは環境関連事業あるいは自動包装機あるいは金属加工、さらにはコンピューター関連企業というのが例に挙げられておりますが、そういう積極的な方向づけが今民間の企業の方から出ております。
 私どもとしては、そのような方向が正しいというか、現実的な今後の方向だとも思いますので、ぜひこれを支援してまいりたいと思いまして、新分野開拓促進補助金を新たに今度要求しておりますし、それから新分野開拓のための出融資制度、無利子融資制度をお願いしておりまして、そういうものを活用して積極的に支援をしてまいりたいと思っております。
○合馬敬君 もちろん、これまでもそういった経営多角化、新分野の開拓ということで石炭会社も努力をしてきたとは思いますが、今回こういったようなことでポスト八次策という抜本的な対策になるわけでございますので、さらに格段の努力をお願いいたしたいと思う次第でございます。
 次に、これまでの鉱害復旧事業についてお伺いいたしたいと思います。
 私どもの福岡県におきましても膨大な鉱害を受けた地帯がたくさんあるわけでございます。これまでこれは数十年にわたりまして大変な御努力をいただいてやってきたわけでございますが、全体を見まして、地域の復興といいますか、活性化にどのくらい役立ってきたのか、本当に町づくり、村づくりといったものが進んだのかどうか。これはもちろん鉱害復旧でございますから、原状回復すればいいじゃないかといった言い方もあると思いますけれども、もちろんそういった鉱害復旧を踏まえて、それができた後に今度はどうするかという話でございますので、やはりこれはどうしても完成してもらわなければならない事業でございます。そういう面も含めまして、御見解をお伺いいたしたいと思います。
○政府委員(山本貞一君) 石炭鉱害につきましては、従来から石炭鉱害関係二法に基づきまして復旧事業を進めてきております。前回の鉱害復旧長期計画、これは昭和五十七年度から平成三年度まででございますが、その計画によりますと約五千九百億円という計画でございますが、五十七年度から平成二年度までの間で約五千三百億円相当の事業を行っておりまして、復旧は進捗しておるというふうに思っております。
 地域別に見ますと、本州の各地域ではおおむね累積鉱害は解消されつつありますし、先生の九州地域につきましても佐賀県、長崎県についてはこれから法延長していただければおおむねその後五年程度で解消される見込みですし、最も鉱害量の多い福岡県につきましても十年間以内には累積鉱害が解消されるという見込みでございまして、そのために万全の努力をしてまいりたいと思っております。
 それから、どの程度地域振興あるいは活性化に役立ったのかという御下問でございますが、鉱害復旧は国土の有効な利用保全、さらには民生の安定を図ることを目的として私どもやってきております。そういう意味で、さっき申し上げましたような事業をやってきておるわけでございますが、私どもとしては産炭地の疲弊解消と活性化に大きく貢献したと認識しております。同時に、産炭地振興対策をあわせて講じておりまして、その両方の施策でかなりの効果を上げてきたものと思っております。
 もちろん、ただ現時点でまだまだ問題のあることは私ども認識しておりますので、今後ともさらに今度のポスト八次策を認めていただければ一層の努力をしてまいりたいと思っております。
○合馬敬君 よくわかりました。鉱害復旧事業はそういう意味で前向きの面もありますけれども、ちょっと言いにくいことではありますが、この鉱害復旧事業自体が一つの産業になっておるといった面も私どもの地元ではあるわけでございまして、非常につらいところではございますが、ただこれがポスト八次、最後の対策ということでございますので、この鉱害復旧をパーフェクトにやっていただきたいということでございます。
 その完全完了を目指して具体的にどのような対策を講じようとしておるのか、お伺いいたしたいと思います。
○政府委員(土居征夫君) 被害地域での石炭採掘が行われなくなりましてからもう二十年以上経過しておりますので、原因となりました沈下鉱害というのはもう新しくは生じないという実態でございます。したがいまして、今後十年以内には累積鉱害は完全に解消し得る見込みがあるということでございます。
 その具体的な手段といたしましては、御提案しております法律案にありますように、工事が進捗していない案件につきまして、主務大臣、通産大臣あるいは自治体等が連携をとりまして調整を行うという仕組みを整備する、これは従来施行者に若干ゆだねられた傾向がございますけれども、国も乗り出してこういった個別問題について復旧促進の措置をとっていく、こういうことを中心といたしまして、その他の諸般の対策を通じまして、いずれにしても十年以内の累積鉱害の完全解消を目指して具体的な努力をするということになっております。
○合馬敬君 そういうことでぜひお願いいたしたいと思うわけでございます。
 これまで鉱害復旧事業は膨大なお金を投じてよくやっていただいたというように思っておるわけでございますが、なお残存鉱害量が三千七百億円というように積算されております。鉱害の原因それからそれの復旧のあり方等々、非常に難しい問題があると思いますが、この三千七百億円という数字はどのような方式で算定されたのか、これについてお教え願いたいと思います。
○政府委員(土居征夫君) 石炭鉱害復旧法の対象となっております農地等、公共施設、家屋等の鉱害を対象にいたしまして、先ほど申しましたように、もう既に安定しておりまして新たな発生はないということでございますので、既発生鉱害残存量の把握、それから浅所陥没につきましては、今後とも将来発生の可能性がありますのでその鉱害量の予測を行ったわけでございますが、これにつきましては、現地調査あるいは炭鉱等の鉱業権者からのヒアリングあるいは自治体からのヒアリング、その他関係資料を総動員いたしまして鉱害量の把握を行ったところでございます。
○合馬敬君 なかなか原因が特定できないという鉱害認定の難しさはよくわかるわけでございますが、この認定漏れに対して十分な説明がされていない、こういったような認定制度についての問題があることも事実でございます。
 それから、私が見聞した事例では、なかなか原因がわからないというのでそれなら別の公共事業で、例えば新幹線が通るとか高速道路ができるとか、そういったようなときにそちらの方でやってしまおう、こういったところもあります。
 そういうようなことでなかなか認定が非常に難しい要素もあると思いますが、ただ私は、これが最後の対策になるということでございますので、本当に鉱害なのかどうか、そこら辺を新たな観点からいま一度調査していただいて、この認定漏れ案件というものを救済してもらいたい、こういう希望でございますが、これについてのお考え方をお願いいたします。
○政府委員(土居征夫君) 現地におきます沈下鉱害等の現象につきましては、もちろん石炭鉱害、石炭採掘が影響しているところもあるわけでございますが、ほかの原因による沈下もあり得るわけでございまして、石炭採掘が主たる原因であるかどうかというところからどこかで一線を引かなきゃいけないということでございます。
 したがいまして、現在石炭採掘の影響線内にあるかどうかといった審査基準を設けまして、それで鉱害と認定されたものについて責任を持って鉱害復旧をするということでございますが、石炭採
掘の影響が仮にあるとしましても、ほかの要因による沈下があるというものにつきましては、むしろ他の公共事業等で対応するということが必要な場合があるのはやむを得ないところだというふうに判断しておりまして、いずれにしてもこの基準に基づきまして必要な鉱害復旧事業については責任を持って対応するということでございます。
 ただ、否認された物件についての説明が被害者に対して十分ではないという御指摘はいただいておりまして、国会でも何回か指摘されておりまして、この申し出者が否認理由を御理解いただけるような処理通知の様式を改めまして、ことしの一月から実施に移しているところでございます。
○合馬敬君 それから、鉱害復旧はあくまでも原形復旧が原則と考えておるわけでございますが、ポスト八次策におきましては金銭補償制度を創設するというように承知しておりますが、この原形復旧にかえて金銭補償を行うというのはどのような場合に行われるのか、御説明をお願いいたしたいと思います。
○政府委員(土居征夫君) 鉱害復旧の状況によりますと、関係者の権利関係の調整がなかなか進まないということで復旧工事に着手できない案件がかなりふえてきておるわけでございますけれども、その復旧工事が進捗しない理由は多種多様でございますけれども、例えば被害者の都合で工事を望んでいないもの等もございます。いずれにしても工事実施になじまないものがいろいろございますので、そういったものについてはむしろ解決の道をふやすということから、効用回復のための復旧を原則とする方針に何ら変更はありませんけれども、そういった金銭補償措置の制度をメニューとして用意するということでございます。
○合馬敬君 それから、仮に累積鉱害が解消できたといたしましても、五十メートル以浅での採掘を原因とする、江戸時代なんかそういうことでやっておったところがたくさんあるわけでございますが、こういった浅所陥没というものは半永久的に出現するというように聞いておりますが、この浅所陥没に対します対応策としてどのようなものを考えておられるのか、お知らせ願いたいと思います。
○政府委員(山本貞一君) 今、合馬先生御指摘がございましたように、累積鉱害の処理が完了した後でも浅所陥没というものは、もちろん漸減傾向にはいくと思いますが、やはり中長期的にあるいは断続的に発生し続けるというおそれがございます。
 それで、実は先般の石炭鉱業審議会の答申におきましても、この浅所陥没等被害に関しまして、地域ごとの中核的推進母体をつくってそこに基金を設けまして、その運用益でより簡素な手続のもとで処理を図るべしという提言をいただいたところでございます。私どもとしては、この答申を受けまして、予算要求それから今回お願いしております関係法の改正案の中にも今申し上げましたような仕掛けをお願いしております。
 中身は、通産大臣が地域ごとの公益法人を指定する、これは累積鉱害がなくなった場合、その場合に指定するということになるわけですが、その当該指定法人に基金を設けまして、国と都道府県が従来の鉱害復旧事業の負担割合に応じまして基金を負担して、その基金により浅所陥没等被害の処理に今後とも当たっていくということを考えておるわけでございまして、予算としても平成四年度で十七億円の要求をさせていただいておるところでございます。
○合馬敬君 私はこの制度は非常に現状に合ったいい制度だと思っております。これからもこのようにきめの細かい対策を講じていただきたいと思うわけでございますが、この基金制度につきまして的確な運用ができますようにお願いいたします。
 それから、特に私どものところは鉱害関係では漁業資源の宝庫であります有明海の陥没、これはノリ漁業なんかに大変な影響を与えておるわけでございます。一般にこういった広範な地域におきます陥没対策は非常に難しいわけで、原因解明を含めまして難しいわけでございまして、私も農林省におりましたときに、大和干拓ですね、前に稲富稜人先生が一生懸命やっておられた対策でございますが、なかなかこの原因を追求するのが難しいわけでございますが、有明海の場合は一応責任者は三井石炭鉱業ということになっておるようでございますが、その点も含めまして、この三井石炭鉱業がどのように対応し、さらに国としてどのような対策をとっておられ、これからとろうとしておるのかを御説明願いたいと思います。
○政府委員(土居征夫君) 石炭鉱害の復旧の対象は農地、家屋等ということになっておりまして、海底は対象になっていないということでございます。これは国土復旧という観点から非常に限定して復旧をしておるということでございます。
 ただ、鉱害賠償、要するに鉱業法上の当事者間の鉱害賠償の問題としては、この有明地区の海底沈下については複合的な要因がいろいろ考えられるわけでございますけれども、石炭の採掘に伴う影響もあるということで、これは当事者でございます三井石炭鉱業が地元の関係者、具体的には漁連でございますけれども、その立ち会いのもとに毎年調査を行いまして、必要な補償あるいは工事というものをやっておるわけでございまして、石炭政策としても、この鉱業権者の対応に対して融資その他の措置によりまして支援をしておるという状況でございます。
 ただ、これは鉱害の復旧の対象では現在ないということでございますけれども、やはり地域振興という観点から非常に重要だということで、福岡県の音頭によりまして、水産庁、資源エネルギー庁も入りまして有明海水産振興対策協議会が昨年設けられたところでございまして、この漁業の振興という観点も含めて関係省庁が協力して当たっていこうということになっておりまして、産炭地振興の観点から、資源エネルギー庁といたしましてもこれを積極的に支援していこうということでございます。
○合馬敬君 最後になりますが、自治省にお願いいたします。
 産炭地域の財政再建団体といいますか、財政が非常に苦境に立っております市町村でございますが、私も特に筑豊炭田を回りまして町の役場を見ましても、みんな木造の大正時代に建てたような本当に廊下がぎしぎし鳴るところなんですよね、もう別世界に来たんじゃないかと。ほかのところの市町村の役場というのは今はもう壮大な建物が建っておりますが、その庁舎一つとりましても私は本当に御苦労されておられるなと思うわけでございます。
 産炭地域の市町村は立地も内陸でございますし失業者も多い。これといったかわるべき産業もなかなか今まではなかった。そういったようなこともありまして非常に御苦労をされておられると思うわけでございますが、現に赤字再建団体があるのかどうか。それから、そうでなくても地方財政が苦境で苦しんでおる団体に対しましてどのような配慮がなされておるのか。それからまた、その再建の方途等について具体的にお教え願えれば幸いであります。
○説明員(木挽孝紀君) 地方公共団体の財政状況を判断いたします指標は幾つかございますけれども、その代表的なものといたしまして財政構造の健全性を示す指標に経常収支比率というのがございます。これは経常的支出に経常的な収入がどれぐらい充てられておるかというものを見るものでございますので、したがいまして低いほど財政構造の健全性があるということでございます。
 平成二年度の決算で申し上げますと、市町村の平均では七一・四%ということになっております。しかしながら、この比率が一応の目安とされております七五%以上となっております団体は、市町村で八百八十六団体でございまして、全体の約三割強ということでございます。それからさらに、この比率が九〇%以上と極めて財政構造が硬直化している市町村、これは二十四ございます。
 また、お話にございました地方財政再建促進特別措置法、これを準用いたしまして財政再建に取
り組んでおる団体は三年度現在三団体でございます。このうち二団体につきましては計画的な赤字の解消が図られまして、本年度をもちまして財政再建が完了する見込みでございます。他の一団体につきましては、本年度を初年度といたしまして十二年間の財政再建計画を作成して、赤字の解消、財政構造の改善に取り組むということにいたしております。
○合馬敬君 終わります。
○広中和歌子君 石炭構造調整の関連法案を質疑いたします前に、他のエネルギー源だる原子力発電についてちょっと御質問させていただきます。
 三月二十四日、ロシアのレニングラード原子力発電所に放射能漏れの事故がありまして、チェルノブイリ事故を体験した後でもあり、しかもこれが、つまりレニングラードの発電所の原子炉がチェルノブイリのものと同型であるということのためにショックが世界じゅうを走ったということがあるわけでございます。
 まず、これに対して日本政府はどのような対応をなさったのかということについてお伺いいたします。
○政府委員(山本貞一君) 今先生御指摘の件につきまして、私ども情報収集に努めておるところでございます。
 情報収集したところによりますと、まずロシア連邦共和国からIAEA、国際原子力機関に対しまして四回にわたり通報がございまして、それが私どもの方へも届いております。それを総合いたしますと、今御指摘のようにチェルノブイリ型と同型のRBMK、黒鉛減速軽水冷却炉でございますが、このレニングラード三号機におきまして、現地時間三月二十四日午前二時三十七分に、通常運転中に一つの燃料チャンネルの損傷により、原子炉保護装置が作動して自動停止したわけでございます。その後、原子炉は冷態状態に移行しておるということでございます。
 この事象の評価につきまして、IAEAの国際原子力事故評価尺度、INESにおきまして、レベルがゼロから七までございますが、その下の方、軽い方から見てレベル2というふうに分類をされているというふうに承知しております。なお、発電所敷地あるいは周辺地域における放射能の状況は自然放射能レベルであるということのようでございます。現在、事故の原因の調査を進めるとともに、復旧のための作業を実施中というふうに聞いております。
 私ども、今後とも原子力の安全あるいは公衆の安全を図る上に非常に重要でございますし、かつ今後原子力発電の開発、利用を進めていく上でも、世界全体の原子力発電の安全性が確保されることが極めて重要であると認識しておりまして、この事故につきましても引き続き積極的に関連情報の収集にまず努めてまいりたいと思っております。
○広中和歌子君 大変いいお答えをちょうだいいたしましてうれしいんですけれども、私も二年前でしたか当委員会におきまして原子力発電所における故障とか事故、そういうものに非常に関心がございまして、そうした事故とか故障とかというのは、単に一国の関心、一地域の関心だけではなくて、全世界的な公害につながるんだという視点で申し上げたわけでございます。
   〔委員長退席、理事松尾官平君着席〕
そのときに通産省のお答えは、少なくとも日本におきましては非常に技術が高くて、そして故障の段階で事故に至ったことはないというようなことで非常な自信を示されまして、それであれば、チェルノブイリのような例もあることだから全世界的な視野に立って、この分野において日本が、特に通産省がリーダーシップをとりやってほしいというようなことを、そのときに私はお願いしたわけでございます。
 その後、こうした事故に対する危機管理というんでしょうか情報ネットワークシステム、今多少お話が出たわけでございますけれども、どのようになっているのか。そして、そこで日本が今現在そして将来どのようなリーダーシップを発揮していくおつもりなのか、お伺いいたします。
○政府委員(山本貞一君) まさに今先生おっしゃったとおり、ソ連の原子力発電の安全性、もちろん炉型が違うわけでございますが、そういうことについて私どもとしても身を引き締めて日本の原子力発電もさらに一層安全にしていくという努力が必要であると考えておるところでございます。
   〔理事松尾官平君退席、委員長着席〕
 まず、今御指摘の国際的なシステムでございますが、一つは、情報ネットワークシステムがIAEAでございまして、これはIRSという仕組みになっておりまして、各国が事故があったときに通報する事故通報システムでございまして、一九八四年から運用しており、既に今二十四カ国がそれに参加しておる次第でございます。
 それから、先ほど申し上げましたINES、国際原子力事故評価尺度でございますが、これにつきましても一九八八年からIAEAが検討を進めまして、今年三月に運用開始を決定しておりまして三十一カ国が参加しております。御承知と思いますが、三つの基準に分けまして、ゼロから七までの八つのレベルで評価をしておるわけでございます。
 ただいま申し上げましたその通報につきましては、まず通報条約というのができておりまして一九八六年に発効しております。それからもう一つは、緊急時について他国に対して援助を要請する、あるいはそれに協力するという援助条約ができておりまして、これも一九八七年に発効しております。我が国はこの両方の条約に一九八七年署名して発効をしておりまして、今申し上げましたようなスキームで、国際的というか多国間というか、IAEAを中心とする仕組みができておるわけでございます。
 一方、私ども日本としても独自に旧ソ連あるいは東欧、発展途上国における原子力発電所の安全運転のためにいろんな協力をしていこうということから、研修員を受け入れるということで来年度の平成四年度から十年間で千人程度の運転員、研修員を受け入れて、セーフティーマインド、セーフティーカルチャーを植えつけていくというか研究していただく、あるいは技術的な訓練をするというようなことを考えておる次第でございます。あるいはまた、各国の原子力安全の確保のために、今申し上げました日本が独自に行うもの、さらにIAEAあるいは先進国等が協力して、より今後そういう努力をしていかなきゃいけないということで私どもも今いろんな検討をしておりまして、関係各省とも協力しながら世界に対しても提言というか、一緒にやろうということを呼びかけていくことが必要ではないかと思っておる次第でございます。
○広中和歌子君 どうもありがとうございました。
 まだ世界じゅうには、特に旧ソ連など、例えばチェルノブイリ型の原子炉が旧ソ連に十六基、ほかに安全性に強い懸念が持たれている第一世代の旧ソ連製加圧水型軽水炉などがソ連に六基、ブルガリアに四基、チェコスロバキアに二基、旧東ドイツに四基あるそうです。そういうようなことで、この炉の安全点検だけでも一基二十万ドルかかるそうでお金の点でも大変なんですけれども、ともかく世界共通の安全のためには手を抜くことができないということで、ぜひ前向きな対策をお立ていただきますことを、そして世界の中でこういう分野でも国際貢献ができるというところでリーダーシップをお示しいただきたいと存じます。
 さて、本題の石炭に移らせていただきますが、午前中の審議の際、通産大臣は御答弁の中で、石炭産業は戦後の日本経済にとっての糟糠の妻だというふうにおっしゃいましたけれども、大変に含蓄のあるお言葉だというふうに受けとめました。つまり、糟糠の妻を高く評価する社会通念、そういうものがございまして、それをお認めになったということでございますけれども、同時に糟糠の妻の運命というものあるいは幸せというものは、夫の成長とともについていかなければ決してあり得ないのだといったような思いも女性の立場から
しきりにしたところでございます。
 そこで、ある産業がいわゆる構造転換あるいは合理化の過程をとりますときに、やはり何といいましても一番被害を受けるのは雇用者ではなかろうかと思います。これまでのさまざまな段階での閉山とかそれから炭鉱の縮小、そういう中でこれまで雇用問題はどのように扱われてきたのか、そしてどのような再雇用の道が開かれていたのか、そして現在残されている失業者というのでしょうか、再雇用を待っている人たちの問題点は何か、お伺いいたします。
○政府委員(征矢紀臣君) ただいま炭鉱離職者の問題を御指摘でございますが、第八次の石炭政策に伴います炭鉱離職者対策についての概要を申し上げたいと思います。
 この間に約一万二千三百名程度の方が合理化離職者として公共職業安定所に参りまして求職活動を行ってきております。この方たちにつきましては、御承知のように炭鉱離職者臨時措置法に基づく手帳制度がございまして、この手帳を発給して雇用保険に基づく失業給付、それが切れた後は手帳に基づく就職促進手当等を支給しながら三年間生活の保障をしつつ再就職について一生懸命努力をしてきている、こういうことでございます。現在、その中でさらに対策が必要な方が千三百名、約一割程度になっておりますが、なお北海道、九州等でそういう方がおられまして、再就職に一生懸命努力をしている最中でございます。
○広中和歌子君 きのう参考人に来ていただいての御質問の中で、残された千三百人の方たちがどちらかというと高齢であり平均四十三歳、今まで年功序列という賃金体系が当てはまっていたのかどうか存じませんけれども、比較的高賃金であり、そして地元を離れたくないというような方々だと伺ったわけです。
 そうなりますと、どうしてもその地域に何か産業を興さなければならない、または誘致してこなければならないというようなことになるんじゃないかと思いますけれども、可能性としてはどういうものがあるんでしょうか。
○政府委員(土居征夫君) 産炭地域振興対策で稼行炭鉱地域、あるいは炭鉱が生産を減少あるいは生産をやめた地域への地域振興対策を講じているわけでございますけれども、なかなか石炭以外に資源がないということから必ずしもうまくいっていないケースもあるわけでございますが、例えば最近では、九州地区にトヨタの工場が進出するということで自動車関連の産業がかなり筑豊を中心として定着していくという見通しもありますし、北海道ではやはりこれまではリゾート開発とか、午前中に議論がありましたような無重力実験センター関連のハイテク関係の産業とか、いろんな産業が定着している例がございます。
○広中和歌子君 きのうもちょっと参考人の方にお伺いしたのですけれども、日本の炭鉱技術というのは非常に進んでいるし、それから生産性も高いと伺っておりましたけれども、海外に出向いたりしまして、例えばODAの一環として技術移転、あるいは技術指導をするような道というのは開かれているのでございましょうか、お伺いいたします。また一方、炭鉱技術者の中にそのような希望者がいるかどうか、あわせてお伺いいたします。
○政府委員(土居征夫君) 我が国からの発展途上国への石炭関係の技術者の派遣、これは毎年二、三十人やっております。需要もあるということでODA予算でやっております。
 それから、海外からの受け入れもやはり同様の規模でやっておりまして、それなりに日本の技術が海外に役立っておるという状況でございます。
○広中和歌子君 構造調整の中で失業対策事業がいろいろとられてきているわけですけれども、緊急就労事業、開発就労事業、これの実績について、それから今後の行方についてお伺いいたします。
○政府委員(征矢紀臣君) いわゆる就労事業につきましては、これは御承知のように、旧産炭地域におきまして実施しているものでございます。
 現在、炭鉱離職者緊急就労事業と産炭地域開発就労事業が旧産炭地域において実施されておるわけでありますが、緊急就労事業につきましては炭鉱離職者に暫定的に就労の機会を与えるために実施している事業でございまして、事業内容といたしましては道路整備あるいは土地整備等の事業を行っております。一日の紹介対象者数につきまして最近の事情を申し上げますと、昭和六十年度で千八百五十人でありましたものが、平成三年度には七百二十人ということでございます。また、予算につきましても、昭和六十年度五十二億円でございましたものが、平成三年度においては約二十八億円というふうに減少しております。
 産炭地域開発就労事業につきましては、これは産炭地域の振興を図るということとあわせまして、離職者の就労の機会を与えるという観点から昭和四十四年度以降実施しているものでございますが、事業内容といたしましてはやはり道路整備あるいは土地整備事業等の基盤整備の事業を行っております。一日の紹介対象者数につきましては、昭和六十年度三千百人、三年度、若干減少しまして二千九百四十人ということでございまして、予算規模は、六十四年度の百十億円、平成三年度におきましても九十九億円という状況でございます。
 この事業の今後の方向につきましては石炭鉱業審議会におきましてさまざまな角度からいろんな御意見がございまして、結果といたしましては、この旧産炭地域におきます諸事業につきましては、これを取り巻く環境の変化あるいは地域の実情等に配慮し、所要の見直しを行いつつ、適正な実施を図る必要がある。特に緊急就労事業につきましては、ただいま申し上げましたような紹介対象者の減少の状況を踏まえ、可及的速やかに終息を図る必要がある。その場合におきまして、就労者の実態等の実情を踏まえまして、事業の終息に係る検討を行う必要があるというふうな指摘がされているところでございまして、私どもといたしましては、この答申を踏まえまして適切に対処すべく、今後検討してまいりたいというふうに思っております、
○広中和歌子君 この失業対策事業に関しましては、非常に地元からの関心が高いわけでございますけれども、これは鉱害復旧事業とは全然別に行われているのでございますか。それから、これを地域対策と一体化して行うといったようなことが考えられていないんでしょうか。それについてもお伺いしたいと思います。
○政府委員(征矢紀臣君) これは、石炭におきます雇用対策の経緯で申し上げますと、旧産炭地域における就労事業ということでございまして、したがいまして、現在稼働している地域あるいは炭鉱離職者臨時措置法に基づく手帳制度が整備されて以降、この事業は実施しておりません。それ以降は手帳制度に基づきます、先ほど申し上げました手当等で再就職について一生懸命努力する、こういうことでまいっております。
 そういう意味で、旧産炭地域における諸事業につきましては、前回の八次策のときも所要の見直しを行いつつ実施するということでまいりまして、今回も、いろんな議論がある中で、ただいま申し上げましたように、見直しを行いつつ適正な実施を引き続きしていく、こういう考え方でございます。
 で、その観点としましては、先生御指摘のように、旧産炭地域の地域の振興を図るという観点から、この事業について引き続き活用するというようなことも含めて検討することといたしております。
○広中和歌子君 それでは次に、石炭鉱害対策について伺いたいんですけれども、これはいつごろから始められてきているんでしょうか。
○政府委員(土居征夫君) 臨時石炭鉱害復旧法に基づきます鉱害復旧事業は、昭和二十七年の同法制定以来開始されたものでございます。
○広中和歌子君 昭和五十七年の時点で鉱害二法の延長が行われました。その時点での鉱害量の予想でございますけれども、五千九百億円となっております。ところが、平成二年の鉱害量調査の結
果として、新たに今後四千八百億円必要である、そのように報告されていますけれども、これからどれくらいの予算が必要で、いつ終わる見込みがあるのか、このことについてもお伺いいたします。
○政府委員(土居征夫君) 御指摘のように、残存鉱害量調査、一年前の数字は四千八百億余でございますが、その後の復旧の進捗によりまして、平成四年度以降、現在のところ三千七百億円程度というふうに考えておりまして、これについてはこの十年間で復旧を完了させるということでございます。
○広中和歌子君 石炭鉱業審議会の答申によりますと、鉱害復旧と地域振興の一体的推進をすることがよろしいのではないかということが述べられているわけですけれども、これに該当する地域はどのくらいの数に上るのか、あるいはどのような数を見込んでいらっしゃるのか、お伺いいたします。と同時に、地域振興と町づくりのビジョンはどのような規模であるのかということもあわせて、お答えいただきたいと思います。
○政府委員(土居征夫君) 地域振興と鉱害復旧事業の一体的推進ということで石炭鉱業審議会の答申で触れられておりますけれども、石炭鉱害の復旧につきましても、これまで四十年にわたって実施してまいりましたが、その結果相当程度進捗をしておりまして、今後十年間が最後の十年ということになるわけでございまして、そういう原状復旧という事業もようやく終局を迎えつつあるということでございますが、問題は、原状復旧だけじゃなくて地域振興が必要だということで産炭地振興対策をやっているわけでございまして、むしろそういう前向きの地域振興との一体的な事業の実施が鉱害復旧事業については必要だということで、こういう提言になっているわけでございます。これにつきましては、先ほど来御答弁申し上げているように、九州を中心としました残された鉱害地につきまして、こういった事業を展開していくということでございます。
○広中和歌子君 ということは、今通産省の中でも石炭関係の部署だけではなくて、幅広く他省庁あるいは他の部署との広い関連の中で総合的になさる、ですから予算の面でもかなりふえる。そのような可能性があると理解してよろしいでしょうか。
○政府委員(土居征夫君) 地域振興対策につきましては、産炭地振興対策ということで、これはやはり今後十年間、実施計画をつくって今進めているところでございますが、これは通産省だけではございませんで、関係各省の協力を得ながら地域振興事業を実施しておるということでございます。
○広中和歌子君 では、よろしくお願いいたします。
 次に、国内炭の引き取り協力要請についてお伺いいたしますけれども、産業界、なかんずく電力業界におきましては、国内炭の引き取り協力要請をずっと受けてきているわけでございますけれども、平成四年度以降も続いていくのでしょうか、まずお伺いいたします。
○政府委員(山本貞一君) 今度のポスト八次策で目標年度で幾らという数字は出しておりませんけれども、毎年石炭企業の方から生産計画を提出いただきまして、これは合理化努力と、それから同時に新分野への開拓をされる。あるいは雇用条件、いろんなことを配慮して、まず生産側の方から生産計画の案をいただきまして、一方、主として電力業界になるわけですが、需要業界の引き取りを要請というか協力を得まして、それを石炭鉱業審議会の場でオーソライズというか議論をしていただいて、毎年生産量、引き取り量を決めていく、そういう仕掛けになるわけでございます。
 そういう意味で、今後とも電力業界に対する引き取りの協力というのは続くということでございまして、この前の答申の過程でも、電力業界はそのあたりについて御理解をしてくれているものと考えておりますし、今後とも私ども、石炭鉱業審議会の場を通じて、あるいは行政の場を通じて、電力業界にそういう要請をしてまいりたいと思っております。
○広中和歌子君 先ほど午前中の審議で、電力業界はある意味では公共事業であるから協力も当然であるというようなお言葉が出ましたけれども、特に北海道電力では電源構成に占める国内炭火力の比率が非常に高い。恐らくその結果として電力料金が割高になっているということがあるわけでございますが、もちろん私どもはいわゆる炭鉱にかかわる方の立場からもこの問題を審議しなければなりませんけれども、一方で消費者というんでしょうか、電力を利用する側の立場に立っても問題を考えていかなければならないと思うのでございます。
 石炭鉱業審議会の答申の中には、消費者代表というんでしょうか、地域代表、そういう方が入っていらっしゃいますでしょうか、例えば主婦とか。
○政府委員(山本貞一君) 地元の代表の方が入っておられますし、消費者の代表の方も入っておられます。
○政府委員(土居征夫君) 補足を申し上げますと、石炭鉱業審議会は、各自治体、関係道県の知事、それから市町村長等、地元住民を代表する方が入っておられますし、それから消費者代表につきましては、今回石炭鉱業審議会の審議の取りまとめの過程で現地の説明会をやりまして、答申の前に現地の消費者からいろいろと御意見をお伺いして答申に至っております。
○広中和歌子君 私もこの委員会の前で告白しなければならないんですけれども、石炭産業については本当に知識がなく、そしてこのように私のような者が意外と日本の中には多いのではないかと、そのように思われます。ですから、ぜひこういう審議の際にも専門家だけではなくて、一般の人も入れた審議の場にしていただきたいし、それを通じて石炭産業の現状とか、それから将来性などについての御理解を広められるように、ぜひお願いしたいと思います。
 地球規模での環境問題から考えますと、CO2の削減は地球に住む全市民の関心事であることは言うまでもございませんが、ヨーロッパではEC委員会というのがございますけれども、そこでは炭酸ガス排出量を抑制するための一方途として炭素税を提案しております。
 これは地球環境に関心を持つ者にとっては大変に関心のあることでございますけれども、その構想によりますと、九三年に石油換算で一バレル三ドルの税を導入する。その後一ドルずつふやしていきまして、西暦二〇〇〇年には十ドルにするというものでございます。これは石油でございますけれども、その他のエネルギーについても同様の処置をしようということで、原子力は二〇〇〇年にはバレル換算で五ドルと、石炭は十四ドル。だから、石油が十ドルだったら四ドル高いんですよね。天然ガスは七ドルと、そんなふうになっています。
 で、今後の我が国のエネルギー対策、なかんずく石炭についてどのような方針を持たれているか、このCO2の排出、つまり十四ドルというのは何を示すのかと申しますと、石炭の燃焼効率は石油やLNGなどに比べて二、三割悪いという。ですから、エネルギー変換効率が悪いというようなことで、これは試案にすぎませんが、高い税額が試案されているんじゃないかと思いますけれども、石炭消費に対する長期見通しはどうでしょうか。これは国内炭を離れて一般的な質問でございます。
○政府委員(山本貞一君) 今先生御指摘のECの試案というか、まだECが全体として意思決定したというわけじゃないようですが、一部の案でございます。御指摘のとおりの案が出されております。
 私ども、聞いているところでは、まあ炭素税的な発想でございますので、もちろんこれはエネルギー税というのと炭素税と二つを合わせて考えておりまして、炭素税という発想の中では、今先生おっしゃいましたやはりカロリーを得るのにどれだけCO2が出るかという計算から、これは化学式から出てくるわけですけれども、石炭の場合は
Cが、炭素が多いわけでございますが、石油は比較的水素も多い。そういうことから、同じエネルギーを得る際に出てくる炭素の量が石炭の方が多いということから差がついているというふうに聞いております。
 確かに、石炭の場合はそのようなまあ物理的な性質があるわけでございます。ただ、私ども日本では、欧米諸国に比べて燃焼効率が非常にいいという点から、燃焼効率がよくなればやはりCO2の排出量も相対的には減るわけでございます。そういう技術を持っております。かつ、炭酸ガスとは違い、SOx、NOxの問題については、日本は世界に冠たる公害防止技術装置を持っておりまして、そういう点で非常に先進国だと思うわけでございます。
 今後、私ども日本としては、クリーン・コール・ユースあるいはクリーン・コール・テクノロジーを使って、今申し上げましたような燃焼効率の向上、それからNOx、SOxの除去といったようなことを進めていこうと考えております。
 石炭の位置づけについて今御下問がございましたが、総合エネルギー調査会が一昨年出しました見込みでも、二〇〇〇年までやはり三千万トンぐらい石炭の需要は日本でもふえると見込んでおりますし、それから国際的にも、発展途上国を中心にまた石炭の需要がかなりふえていくと思われます。そういう意味で、それに伴う炭酸ガス問題というのが当然出てくると思いますが、私どもとしては、クリーン・コール・テクノロジーをまず日本で確立をしつつありますので、これを確立して、発展途上国あるいは先進国にもそれを移転していきたいと思っております。
 石炭の位置づけは、午前中もございましたが、埋蔵量が非常に多いということから、非常にやはり重要なエネルギー源として今後とも依存していくことになると思いますので、一方でそういう技術の開発、移転に努めていかなければいけないと思っております。
○広中和歌子君 今長官から私のお伺いしようとしていたことを先にお答えいただいちゃって、まあ余りないんですけれども、CWMですか、コール・ウォーターこミクスチャーという、多分粉にして水とまぜて、つまり液体化して利用するなり、それは運搬なり、掘るのはどうなのかよくわかりませんけれども、こういうふうに固体の石炭が液体化する、液状化すると非常に使いやすくなるというようなテクノロジーがあるというように聞いたんですけれども、それについてもし情報がございましたら教えてください。
○政府委員(土居征夫君) 今御指摘のCWM、コール・ウオーター・ミクスチャーといいますけれども、石炭七に対して水三という割合で、それに添加剤を加えますと墨汁のようになります。これはパイプラインで輸送できるし、タンカーで輸送できるということで昭和五十五年から研究に取り組んでおりまして、もう実証試験の段階に来ております。
 コストの問題がございますけれども、相当有望な技術ということで日中台弁でもCWMの製造試験事業を始めておりまして、これは中国にテストプラントを置きまして、中国でつくったCWMがつい最近三月の二十四日に第一船が出まして日本に来るというようなことにもなっております。そういう形でいろいろと研究を進めておるという状況でございます。
○広中和歌子君 午前中もいろいろ御意見が出ましたように、石炭の埋蔵量というのはもう世界じゅうに分布しておりまして日本にもまだ少なからずある、そういうことでございまして、石炭は幾つかの問題点さえ解決されれば利用価値というのは非常にあるのではないか。
 その一つが、いわゆる燃焼効率ですか、エネルギー転換効率の向上であり、もう一つは運搬とかその他だろうと思います。それから、日本で既に非常に進んでいる脱硫脱硝装置、そういうものも技術を海外に移転する、そういう形になりますと、石炭の用途が世界じゅうで非常に広がってくるのではないか。そしてまた、私が非常に関心のある分野でございますけれども、地球環境問題への日本の貢献という点で非常に役に立つものでございますので、ぜひ石炭産業を大切にすると同時に、こうした新しい石炭の利用、技術移転、そういうものに取り組んでいただきたいとお願いいたしまして、質問を終わらせていただきます。
 大臣、もしコメントがございましたら、よろしくお願いいたします。
○国務大臣(渡部恒三君) 先ほど午前中の答弁で私が、かつては石炭でにぎわった町が将来は新しい分野に飛躍して、なおかつ石炭もある町として未来に繁栄していただきたいと言ったことは、これから十年間の産炭地振興政策と石炭政策に尽きておるわけであります。
 さっき糟糠の妻という話で、石炭産業が日本の今日の経済発展の原動力であったことは間違いないわけですけれども、ところが残念ながら、その後国際化が進んでいく中で、内外炭の価格がこういう大きな開きになってしまって国内炭というものが減少の一途をたどってしまったので、さっき先生がおっしゃったように、やはりだんなさんが伸びれば糟糠の妻も一緒に伸びていかなくちゃならない。日本の経済があの戦後の復興期、石炭のおかげでこれだけ発展したんですから、やはり産炭地域の人たちもこれから新規に新しい分野で大きく発展していかなければならない。先生のところのように、やはりだんなさんはノーベル賞で、今度奥様は参議院議員と、こういうふうに持っていきたいと思っております。
○広中和歌子君 どうもありがとうございました。
○市川正一君 昨年六月の石炭鉱業審議会答申は、「九〇年代を構造調整の最終段階と位置付け、今後においても構造調整の過程を続け、均衡点までは経営の多角化・新分野開拓を図りつつ、国内炭生産の段階的縮小を図ることが必要である。」と、こう述べております。
 政府は、現在の石炭政策が終了した場合、国内炭の生産水準はどの程度だと見ていらっしゃるんですか。
○政府委員(土居征夫君) ただいま先生が御指摘になりました答申に引用されていますように、国内炭の段階的縮小は均衡点まではということになっているわけでございまして、国内炭維持の均衡点をどこに求めるかにつきましては引き続き検討を続けていく、そういうことになっております。
○市川正一君 それでは、この答申の言う均衡点というのは、どういう内容を持つんですか。
○政府委員(山本貞一君) これは答申にも書いておりますけれども、小さくなったとはいえ、やはり国内炭にエネルギーセキュリティー上の意義づけがあると。それから、将来の海外炭確保というようなこと、あるいは途上国支援ということも考えれば、将来の海外炭確保のための、あるいは途上国支援のための技術の温存という意味での意義づけ、そういう点が今後ともそれは残るということを評価しておりまして、そういう意味でその役割というか評価ということと、もう一つはやはりそれを守る際の国民経済的負担が幾らあるかということ、それとのバランス、それを均衡点というふうに答申では考えておるわけでござ、います。
 御案内のとおり、現在日本の国内炭に対しては政府の会計でほぼ年間一千億円、これは産炭地対策なり公害対策も含めてでございますが、それから需要家が海外炭に比べて国内炭を買うということによって一千億円、合わせて二千億円の負担をしておるわけでございます。それに対して、今申し上げましたようなセキュリティーという点では、これもよく数字が出ますが、石炭の中でほぼ九%、海外炭が九一%、国内炭が九%と、それから全エネルギーの中に占める比率が一・五%弱というような状態でございます。そういうセキュリティー上の意義というのはもちろんあるわけでございますが、数字が今申し上げましたように小さいので、それとのバランスが現時点で若干とれていない。したがって、石炭鉱業審議会の答申では、今後の構造調整の過程で関係者が努力してその均衡点まで段階的に縮小はしていくということを書
いておるわけです。
 ただ、先ほど申し上げましたように、やはり国内炭の意義づけというのがあるわけでざいますので、どんどんゼロになっていくという、均衡点というのはそういうことじゃなくて、そこのしかるべきところに今後の石炭企業の努力と、それからいろんなそういう政策的配慮と、あるいはセキュリティー上の意義づけというようなものを配慮しながら決めていくべきものだと考えておるわけでございます。
○市川正一君 長々しくも苦渋に満ちた今の答弁を聞きますと、素直に解釈するとこういうことになるんです。
 石炭をめぐる現在の情勢のもとでは、例えば内外炭価格差が二倍というような状況のもとでは均衡点まで縮小する、すなわち限りなくゼロに近づく、つまり国内炭はなくなるということを意味するんじゃないですか。しかるべきところというのはそういうところじゃないですか。
○政府委員(山本貞一君) この均衡点の考え方は、そういう価格差とか経済的なことだけではないわけで、もちろんそれも一つの配慮事項ですが、やはり先ほどから申し上げましたように、エネルギーセキュリティー、緊急事態にどう考えるか、あるいは供給源をたくさん持っているという意味づけ、緊急時に日本にあるという意義づけ、あるいは技術の温存というようなこと、いろんなことを総合的に判断して均衡点を考えるということを申し上げたわけです。
○市川正一君 政府は、今おっしゃったようにセキュリティー、あるいは国内炭技術の国際的移転、温存とさっきおっしゃったけれども、相当程度残るような言い方をなさっているんです。じゃ将来的には一体どうなるのか、具体的に確かめたい。
 まず、国内炭の需要が確保できるかという問題なんですが、答申は「構造調整に伴う生産の段階的縮小の期間と程度に応じて需要業界の引取り協力が期待される。」、こう述べていますね。具体的にその保証はあるんですか。
○政府委員(山本貞一君) これは先ほど来も申し上げましたが、昨年の答申を作成する段階でも、電力業界はそのあたり十分認識しておると思いますが、毎年石炭企業が生産計画をつくり、それに対して電力業界が引き取り協力をするという、そういう大きな枠組みの中で答申ができたわけでございます。
 今後のやり方としては、先ほども申し上げましたが、石炭鉱業審議会の場でそのあたりを議論していただく、同時に私ども通産省資源エネルギー庁としても、電力業界は所管業種でございますので、そういう行政の場を通じても先ほど申し上げましたような国内炭の意義づけ、あるいは構造調整の進展度合いあるいは地域の状況、雇用の状況等を踏まえながら、電力業界に対して引き取りの要請というか協力を求めていこうと、私どもはそういう方針でおりまして、大臣の御指示を得てそういうことをやってまいりたいと思っております。
○市川正一君 エネ庁もよく御承知のように、石炭の主な需要先の鉄鋼、電力などを見てみると、原料炭を使う鉄鋼業界は海外炭の方が安いということで国内炭の引き取りを拒否して今日に至っているのは、御承知のとおりです。そうでしょう。一方、電力はどうかといったら、一般炭は確かに引き取っています。しかし、これも喜んで引き取っているんじゃないので、折あらば海外炭に転換したい、こういういわば意図を持っていることは、これはもう隠れもない事実です。
 こういう中で、利益を追求する鉄鋼や電力がこの答申の言う「期待」だけで、今長官は要請とおっしゃったが、期待する、要請するということだけで引き取るという保証はないじゃないですか。やっぱり具体的な引き取り保証の仕組みを考える、つくる、そういう必要があるんじゃないでしょうか。
○政府委員(山本貞一君) もちろん、電力はコストが安ければ安い方がいいと考えるのは、それは自然でございますけれども、ただ、やはり電力はその地域の企業としての大きな顔が一つございます。例えば北海道電力であれば北海道の経済、雇用全体にやはり重大な関心をお持ちでございますし、かつ公益事業としての意義づけがございます。
   〔委員長退席、理事松尾官平君着席〕
 電力料金につきましては、先ほどちょっと御説明から漏らしましたが、電力料金を改定する場合には、その当該地域の方々から公聴会をして電気料金を決めていくというような仕組みにもなっており、地元の方々の御意見も聞くことになっております。
 昨年、石炭鉱業審議会の答申を出す際にも、先ほど土居部長が申し上げましたが、地元の方々の消費者の御意見も北海道、九州で伺いましたが、やはり安い方がいいと、なぜ負担しなきゃいけないのかという御意見ももちろんございますが、そういう方々の中にも、やはり石炭企業というのは我々――我々というか、地元なり県なり道で従来から大きな産業としてあった、そこに働いている人たちのことも考えるとやはりそう簡単に割り切れる問題じゃない、協力もすべきだという御意見もございます。
 そういう意味で、電力会社は利益ということはもちろん考えますが、コストということは考えますが、その他の配慮というのもあってしかるべきですし、昨年の答申の段階でもそうです。私どもどもそういう考えで対馬先生の御質問に対して先ほど通産大臣がお答え申し上げました、政府として責任を持って関与していくと、市場原理のみにゆだねることなく構造調整の円滑な推進の観点から政府として責任を持って関与していくということについて、これは引き取り協力について申し上げたわけで、そういう大臣の決意表明もしておりますので、そういう指示を受けて私ども今後努めてまいりたいと思っております。
○市川正一君 ですから私は、需要業界の善意だけに期待するというのでは展望はない、だからどうしてもやっぱりそういう仕掛け、仕組みを通産省として考える必要があると思うんです。
 炭価の方を見てみますと、答申は石炭企業の経営状態を赤字基調で推移していると分析しておりますが、同時に国内炭の価格をさらに引き下げることも求めております。加えて、基準炭価の引き下げも求めております。これではますます石炭企業は赤字の出る石炭鉱業から撤退せざるを得ないではないかと思うんですが、この点はいかがでしょうか。
○政府委員(土居征夫君) 石炭鉱業審議会の審議の過程におきまして、石炭鉱業についての国民経済的な負担、これが非常に大きいのではないかという議論もございまして、そういう観点から関係者の合意として炭価の引き下げというものが提言されているわけでございますが、これは炭価の引き下げだけじゃございませんで、石炭鉱業の構造調整の推進のための新分野の開拓とかいろんな政策がパッケージで提言されておりまして、これらにつきましては石炭の経営者、石炭の労働組合、こういったものも入って審議会で議論をして、全体としてこれならやっていけると、きのうの参考人の御意見にもございましたけれども、経営者としてもこれは克服できる、そういう前提に立ちまして政府も全面的な支援をしていこうということでございます。
 炭価の引き下げにつきましても単純にこれ下げるということじゃなしに、トン当たり今一万円近い格差があるわけでございますが、トン当たり平均千円下げましてしばらくこれを据え置くという形で、全体の構造調整の円滑な実施、成功に向けて関係者が努力していくということでございます。
○市川正一君 価格についてもう一点お伺いしたいんですけれども、露頭炭あるいは雑炭、この価格は当事者間での自由取引にゆだねるということで事実上買いただきを容認していると、私は思考いたします。これまでは経済的にある程度成り立っていた中小の露頭炭の生産業者も経営が成り立たなくなることはもう明白でありますが、これも国内炭の切り捨てに拍車をかけることには相なら
ぬでしょうか、いかがでしょうか。
○政府委員(土居征夫君) 露頭炭は非常にコストが安く採掘できるということで、かなり収益が上がった事業として従来実施されてきているわけでございまして、したがって答申では抗内掘りの石炭と違って石炭政策上の位置づけが違うので、基本的には自由取引にゆだねることが適当である、そういう答申をいただいているわけでございます。
 ただ、答申全体として構造調整の円滑な実施という観点もございますし、環境が変わることによります中小露天業者の困難ということも予想されますので、今回、予算措置におきまして炭鉱整理促進交付金の対象にする、あるいは露天掘りにつきましての準備金制度を設けるといった対応策を実施する予定にしておるところでございます。
○市川正一君 価格問題の側面から今幾つかお聞きしたんですが、そこで、先ほどから政府の言っていらっしゃる国内炭の位置づけとしてのセキュリティーと国内炭技術の国際的展開の問題について触れたいと思います。
 まず、セキュリティーでありますが、答申は、八次策以降、海外炭、LNG、原子力等々さらに確保されつつあり、海外炭については価格のトラスチックな上昇は見込まれにくいなどと、こう述べて、あたかもセキュリティーは確保されているように述べているのでありますが、ということからうかがえるのは、政府のおっしゃるセキュリティーというのは、平常時で言うならば、金を出せば手に入る程度のことという認識なんでしょうか。まず、そこから伺います。
○政府委員(山本貞一君) 海外炭につきまして答申でも書いておる点については、確かに今後、海外炭のというか、世界における石炭に対する需要は相当ふえてくる、同時に供給ソースもかなりあることも事実でございます。そういう意味ではかなりあると思います。しかしそれに対して、いろんな意味での開発の努力、企業努力、支援、それからクリーン・コール・ユースのための技術開発、流通の努力、そういうことがもちろん必要になりますが、そういう努力が相までは私どもは不可能ではないと思っております。
 ただ、先ほど来申し上げております国内炭のセキュリティーというときに、セキュリティーと申しましたのは、やはり一朝事あるときというか、緊急非常事態時に日本でエネルギーを持っている、あるいはそのために石油備蓄を持っているとか、そういう意味での緊急時のためのエネルギーソースとして、量は少なくてもやはり価値があると、そういう意味でエネルギーセキュリティーという言葉を申し上げたわけです。
○市川正一君 やはりこの点でも経済効率だけから物を見て、自国のエネルギー資源を軽視する、安易に海外の石油に依存していくというような結果が、さきの二回にわたる石油危機でも明らかなように極めて悲劇的な結果を招来いたしました。ですから、セキュリティーというのは、もちろん私も経済性を無視しろというふうなことはさらさらありませんけれども、しかし均衡点などという経済性優先の基準ではセキュリティーそれ自体も守れないという、今までの教訓を生かすべきだ、こう私は考えます。
 さらに、日本のすぐれた石炭技術で国際貢献をするという答申の位置づけについても、続けて申し上げると、こうした産業技術はそのベースになっている産業を継続することの中で継承され、そして琢磨されるというものだと思います。政府の石炭政策のように縮小方針のもとで技術をはぐくむフィールドである炭鉱をなくしていく、そういう環境の中では衰退せざるを得ぬのじゃないか。
 それは、石油危機直後に石炭液化プロジェクトを進めようとされました。しかし、かつて世界的な技術水準を持った我が国のこの技術は雲散霧消しており、私も本委員会でこの問題を取り上げました。長官も御承知だと思いますが、SRCUプロジェクト、その結果を見ると、結局アメリカの石炭液化プロジェクトの、言葉は悪いけれども、いわばだしに使われたという、そういう苦い経験を私自身本委員会で問題にいたしました。ですから私は、国内炭の積極的な復興、開発、利用、そういう方針を掲げてこそ、石炭技術の保存、そしてその本当の国際的展開も可能だという原点を重視すべきだと思うんですが、長官、いかがでしょうか。
○政府委員(山本貞一君) 答申で書いておる趣旨も、あるいは私ども申し上げておることも、市川先生が今御指摘なさったことと基本的にはほぼ同じことだと私どもは思います。
 そういう意味で、まさに先ほどの国内技術の温存という意味でも、やはり何もなくなりゃ温存できないじゃないかという発想であるわけですし、均衡点というのは、答申にも書いておりますが、それから先生も今おっしゃったように、経済性を無視しているわけじゃないと先生御自身もおっしゃいましたが、そういう経済性も一方の頭に置いて、エネルギーセキュリティー、国内技術の温存ということを頭に置いて、両方考えて今後均衡点を考えていく。ただ、その均衡点は現時点よりは段階的に縮小していく形ではあると。それはゼロになっていくということでは必ずしもない、そういう認識でございますので、私は基本的には同じだと思います。
 それからなお、付言させていただきますと、石炭液化技術につきましてはSRCU、先生のおっしゃるとおりというか、そういう経緯がございましたが、日本は今、私どもNEDOに委託しお願いしておりまして、NEDOで日本独自のNEDOL法ということで歴青炭液化の技術開発を今進めつつあるところでございますし、さらには豪州で褐炭液化の技術をやりまして、もうこれは一応データをとり終了する段階でございますが、日本としてもその復そういう石炭液化技術に大いに努力をしてきておるわけでございます。
○市川正一君 本当に限りなくゼロに近づけておいて、いわばなくしていくというこの路線上で技術の保存ということはあり得ないので、これはもう事実の問題として、ほぼ基本的に一致とは、厚かましくもようおっしゃるなということだけは申しておきたい。
 時間がないので、次に雇用問題で私伺いたいんですが、労働省、お見えになっていますか。――答申では緊就、開就の見直し、特に緊就について「可及的速やかに終息を図る必要がある。」と、こうしているのでありますが、現在就労者はいないのかどうか。いるとすれば何人ぐらいいるのか。ちょっとまずそこからお聞きしたい。
○政府委員(征矢紀臣君) 緊就事業につきましては、先ほどお答え申し上げましたように、平成三年度ベースで七百八十名程度おります。
○市川正一君 私のところへ現に就労している方々から手紙やはがきが大量に参っております。ここにその二部を持ってまいりましたが、事業が打ち切られたら生活がどうなるか心配である、育ち盛りの子供を抱えた者もおり深刻です、あるいは、今の社会情勢では年齢的に再就職は絶望的です、命と暮らしの破壊です、ということで本当に悲痛な訴え、叫びが寄せられ、事業の存続を切実に求めてきております。
 答申の「就労者の実情等を踏まえて」という意味は、法律の条文としては形式上削除したが、働く意思と体力のある者は引き続き就労できるということを意味しているのだろうと思いますが、具体的に確認をいたしたい。
○政府委員(征矢紀臣君) 私どものところにも先生のところに参りました手紙と同じようなお手紙をたくさんいただいております。
 この事業につきましては、石炭鉱業審議会におきまして、その答申において「特に、炭鉱離職者緊急就労対策事業については、紹介対象者の減少の状況を踏まえ、可及的速やかに終息を図る必要がある。その場合において、就労者の実情等を踏まえて事業の終息に係る検討を行う必要がある。」と、このような指摘がされておるところでございまして、私どもといたしましてはこの答申を踏まえて適切に対処すべく検討してまいりたい。この適切に対処すべく検討するということに関連
いたしましてただいま御指摘もございましたが、就労者の実情等を踏まえて検討する、こういうことを頭に置きつつ対処してまいりたいと思います。
○市川正一君 御答弁の意のあるところは積極的に酌み取っていきますが、この緊就などは、御承知のとおり、産地対策で産地の鉱害被害やあるいは地域振興に大きな役割を従来からも果たしてまいりました。就労希望者には引き続き働けるようにするとともに、転職を希望する場合は適切な再就職ができるようにするとか、退職する場合にはそれにふさわしい退職金を支払うなど、法改正を機会に不利益をこうむる人が出ないように適切に対処されることを希望いたしますが、確認してよろしゅうございますか。
○政府委員(征矢紀臣君) 答申で指摘されておりますように、就労者の実情等を踏まえまして適切に対処してまいりたいと思います。
○市川正一君 最後に、鉱害問題についてお伺いします。
 残存鉱害の三千七百億円を十年で解消する方針のようでありますが、未認定申請が一万二千件もあると聞いております。精算の根拠にこの部分も含まれているのかどうか、またこの部分も含めて十年で解消できるとお考えなのかどうか、お伺いしたい。
○政府委員(土居征夫君) 残存鉱害量調査で、平成四年度以降三千七百億の数字については、諾否の処理がされていない御指摘の未認定案件も全物件対象にしております。ただ、これは諾否の認定がされていないということでございますから、否認される可能性があるものもございますので、いずれにしても、そういったものを含めてすべての鉱害量を把握しているということでございます。
○市川正一君 そうすると、仮に十年たって解消されない場合にはどういうことになるんでしょうか。その時点で再検討して期限を延長するということも考えていらっしゃるというふうに受けとめてよろしいんですか。そうでないとすれば、残存鉱害、もう政策としては切り捨てるということに相なるんでしょうか、お伺いしたい。
○政府委員(土居征夫君) いずれにしても、石炭鉱業審議会の答申では、先ほど来議論がありますように、佐賀県、長崎県等につきましては五年後終了という見込みでございますし、九州の福岡県だけはなかなか五年では終了できないかもしれないけれども十年以内に鉱害復旧は完了できる見込みと、そういう状況になっておりまして、今回の法改正でさらにこれを促進するための措置も設けましたので、この答申の判断も含めまして、我々としましては十年で鉱害復旧は完了できるというふうに考えておりまして、そのための最大限の努力をするということでございます。
○市川正一君 時間が参りましたので。
 私が先に聞いたのが今の土居さんの御答弁。二回目に聞いたのは、仮に十年頑張るんだけれども、その場合、残った場合には再延長ということが含まれているのかどうか、その点はどうなんですか。やってみぬとわからぬということだったら、それはまたあれですが、それだけ最後にお伺いして、質問を終わります。
○政府委員(土居征夫君) いずれにしても、審議会の答申でも専門家の判断も含めまして十年以内で完了は可能であるという判断をしておりますし、さらにそれに加えて、普及促進のための措置を今回の法改正でお願いしておりますので、この十年以内に鉱害復旧は完了されるものというふうに考えております。
○市川正一君 終わります。
○古川太三郎君 きょう一日聞いておりますと、本当に有意義な質問ばかりで私があえてもう質問する必要はないような思うんですけれども、残念ながら、お答えを聞いていると、そのいい質問がまたわからなくなる。本当に政府の石炭政策があるのか、本当に政策と言えるのかどうかということになりますと非常にもうわからなくなりまして、そういう意味から、私にわからせていただくためにも二、三質問せざるを得なくなったわけなんですが、一つは、日本の国内炭をどのように考えていられるかどうか。
 これは大ざっぱな言い方で大変恐縮なんですけれども、市場原理、これだけをやっていくつもりはないと政府はおっしゃっております。確かに、市場原理だけで石炭を考えればこれはもうあすにでもつぶれるだろう、こういったことはしない、これはわかるんですけれども、しかし、それはもう重要な要素になっているからそれは無視できないよと、こういうことも言われています。そういう意味からどんどん縮小する方向だ、ここもわかります。
 じや、縮小していったら、先ほどの質問にもありましたように、本当に限りなくゼロに近づいていくんじゃないか、いや、そうじゃないんだ、セキュリティーの問題があるから最低これだけは残すんだと言われるならば、その数字というかパーセンテージというか、国内需要についてのパーセンテージ、何%まで残さなきゃセキュリティーと言えないんだと。米に例えれば日本の国民が一年食べる分、これだけは必要なんだというようなことなのか。石炭にすればこれから需要はどんどんどんどん伸びるんだと。伸びるけれども、日本の国内炭の供給はどんどん少なくなってきている。どのあたりがセキュリティーと言えるのかどうか、この数字が出てこないんですね。数字が出てこないということは、それだけ私は責任ある政治が行われるのかどうかということの一つの大きな心配をするわけなんです。
 まあ、日本の慣行といいますか、あうんの呼吸で、腹と腹とのつき合いだからこのあたりでいいじゃないか、余りやかましいこと言うなと、そのような形でやっていくのも一つの方法かもしれませんけれども、しかし、これに携わる方がどれだけ真剣に物を考えるかというのがやっぱり大事な方向だと思うんです。そういう意味から、セキュリティーならどのぐらいが必要なのかということ、それからまた試験炭鉱として技術を保存するんだというならば、セキュリティーと別に考える枠というのがあるのではないか。もしそういう枠があるならばそれはどこら辺の数字なんだということを示さないで十年間とにかくやってみろと、こういうことだけでは国の石炭政策というのがあるのかないのか、やっぱり非常に疑問になってくると思うんです。
 先ほど課長さんがおっしゃいましたけれども、きのうの参考人の方は非常に意欲的に生き生きしておられたと、とんでもないんで、私もきのう参考人の方にお聞きしたんですが、それは確かに答申を意欲を持って受けとめます、実行しますというようなことをおっしゃってはおりましたけれども、それは石炭を掘るという意味での意欲を持った明るい顔ではないので、逆にそれからどうほかの産業に転換するか、そのことで恐らく頭がいっぱいだったろうと思うんですよね。なるほどその方向での方向は若干示してはありますけれども、日本の石炭、先ほどセキュリティーだとか、もうそういう技術だとかおっしゃらないならば、これはこれでまた物がわかるんですが、そこでそういう価値観を持っていられるということで、非常に混乱するわけなんですね。ということは、これから石炭産業に携わる方の安心感といいますか努力目標といいますか、やはりそういったものがあれば、ここら辺でとまるんだよというようなことをもし政府で考えていらっしゃるならお示しいただきたい、こう思うんですが。
○政府委員(土居征夫君) 一千万トンを切って今八百万トンということでございまして、生産の目標等については、この八百万トンを六つの炭鉱で掘っているわけでございますが、六つの炭鉱ごとにそれぞれもう自然条件も違いますし、残されている炭量も違います。いろんな問題がありまして、基本的にはこれはマクロ的に幾らと決めつける問題というよりも、むしろ個々の炭鉱が今一生懸命検討しておる、今後どういうふうにやっていくのか、そういう個別のミクロの問題にもはやなってきている、そういう実態はあります。
 一億トンの中での八百万トンということでござ
いますので、したがいまして、むしろこれは石炭の労使とも入って石炭鉱業審議会の中で議論したわけでございますが、そういう何か一義的な決めつけを、大きな枠組みでエネルギー政策だということで数字をあらかじめ決めてしまおうというのは、むしろ妥当ではないというのが石炭の労使も入った審議会の議論でございます。
 実は、この答申はそういうことで非常にわかりにくいわけでございますけれども、もう各社は労使を含めて昨年の十月に長期的な方針を出しておりまして、長期的に新分野は何をやっていくのか、国内炭はどういう形でやっていくのかというのを六つの炭鉱ごとにいろいろと方向をもう出し始めているわけです。そういうものがだんだんと集約されていって、一方ではエネルギー政策上の位置づけと一緒になって今後の均衡点が決まってくるということでございまして、繰り返しになりますけれども、決して政府ばかりが先行して暗い話を一生懸命明るくしているということではございませんで、みんな一心同体になって、今石炭関係者はこういう方向で努力を始めようという気になっているところでございます。
○理事(松尾官平君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、吉田達男君が委員を辞任され、その補欠として谷畑孝君が選任されました。
○古川太三郎君 言わんとすることはわかりますけれども、しかし政府としてまあ十年間やってみればいいじゃないかと。
   〔理事松尾官平君退席、委員長着席〕
皆さんが考えられるようなことをその方向でどんどんやってくださいと。目標も設定値も何もないというようなことになりますと、これは一方ではやっぱり非常に大きな税金のむだ遣いになり得る場合もあり得るし、やはりこれはどうしてもこれだけの分は守らなきゃならぬというものがあると思うんですよね。そういうようなものがそれは今出せないんだとおっしゃるんだったら、何を根拠に石炭政策というものをおやりになっているのか、その辺が本当にまた見えなくなってしまう。もう一度答弁願います。
○政府委員(土居征夫君) 六つの石炭鉱山、五つの企業によって石炭は八百万トン掘られているわけでございますが、これは国が幾らと決めるわけではなしに、私企業体制でやっておりますので、個々の企業が今後の経営の問題としてどうやっていくかという判断が非常に重要なわけでございまして、そういったものとあわせて均衡点が決まってくるという要素があるわけでございます。
○古川太三郎君 企業の経営の問題だとすれば、今は黒字になる炭鉱はないんでしょう。先ほども答弁されていましたけれども、あるんですか、たくさん。六つ残っていると言われても、それの幾つが悠々として千円の炭価にされても生き残れるのかどうか、その辺を。
○政府委員(土居征夫君) 先ほどお話ししましたように、昨年十月の六炭鉱石企業の長期的な構造調整の基本的な考え方の中では、新分野開拓の方向も出ていますが、国内炭の段階的縮小につきましてもそれぞれ六炭鉱ごとに方針が出ております。
 例えば、数年間現状の生産規模を維持するという方向を出しているところもございますが、平成四年度以降、生産の段階的縮小を考えるという方向を出している山もございます。いずれにしてもその辺は、答申だけじゃなしに、答申を受けた、今申しました労使一体の方向で石炭企業の経営者が出している方向ということで、だんだんとそういう方向が出てきておるという状況でございます。
○古川太三郎君 少なくとも今の生産量を維持することはもう無理なんですね。それははっきりしていますね。では、どのくらいの生産量を維持するという企業からの報告がありましたか。
○政府委員(土居征夫君) 個別企業の問題にわたりますので詳細は差し控えさせていただきますけれども、六炭鉱のうち三炭鉱につきましては、当面数年間現行の生産規模を維持する、そういう方針を出しております。
○古川太三郎君 今までは国内炭のことばかりの話でしたけれども、とにかく国内需要から見れば生産は非常に低くなってきている。大きな意味でのセキュリティーを考えた場合、石炭がこれからどんどん国内でも需要は多くなってくる。少なくとも十年後には三千万トンぐらいは余分に輸入していかなきゃならぬだろうというようなことも言われますけれども、これは先進国ではどんどん石炭の生産量を減らす方向にあることも事実です。しかし、発展途上国ではこれの需要も非常に多くなっていることも事実ですね。
 確かに、世界には石炭埋蔵量はたくさんある、こうおっしゃいますけれども、石油と違って固まってあるんじゃなくて、ほとんどのところから取れるんだというようなことも言われておりますけれども、本当に日本がどんどんこの需要を大きくしながら世界からその分量が買えていくんだろうか。世界からの供給が本当に途絶えないでいけるかどうか、その辺もお伺いしたいと思います。
○政府委員(山本貞一君) 今先生御指摘のように、これから発展途上国を中心にまた石炭の需要はふえていくと思います。御指摘いただきましたが、日本もやはり二〇〇〇年までにさらに三千万トンぐらい需要が増加するという想定をしております。
 一方、供給の方でございますけれども、豪州、アメリカ、カナダ、中国、旧ソ連あるいは南アといったようなところで、あるいは途上国の一部、インドネシア等で今後開発を進めれば相当な供給増は可能であります。ただ、もちろんそのためには、相当な企業努力あるいは関係の政府への支援も日本としてもしなきゃいけない。そういう前提で、私どもとしては、日本が少なくとも今後十年で必要になるというか、ふえる三千万トンは確保できると想定しております。
 そのために、今申し上げましたが、やはり海外炭の開発輸入のために、今NEDOを通じまして基礎調査段階の補助金の交付とか探鉱資金の低利融資とか、開発資金の債務保証というようなことをやっておりますが、今後さらに平成四年度から成功払い融資制度というものを探鉱につきまして導入するというようなこと、あるいは海外炭の中継機能を有するコールセンターに対して税制上の支援措置を導入するといったような、新たな政策努力をしていきたいと思っておりまして、そういう努力を行うことによって、今後の需要もふえますが、海外炭の確保あるいは世界全体の供給の確保ができると考えております。
○古川太三郎君 日本の石炭企業が海外に出ていっている、こういった形がどこの国に行ってまたどのぐらいの開発をしているのか、もし事情がわかれば、お伺いしたいと思います。
○政府委員(土居征夫君) 日本の石炭企業は国内炭にかなり精力をこれまで傾注してきましたのでなかなか海外炭には出おくれておりまして、日本全体で三十三プロジェクトございますけれども、そのうち石炭企業が参加しているものは四プロジェクトでございますし、これは親会社も含めてでございますが、石炭企業の輸入取扱量は六百万トン程度でございます。開発輸入自体は四千万トンのうち百万トンぐらいということでございます。地域としてはオーストラリア、カナダでございます。
○古川太三郎君 終わります。
○委員長(岩本政光君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○市川正一君 私は、日本共産党を代表して、石炭鉱業の構造調整の推進等の石炭対策の総合的な実施のための関係法律の整備等に関する法律案に対し、反対の討論を行います。
 本法案に反対する理由の第一は、貴重な国内資源である国内炭を放棄することになるからであります。
 一九六〇年度には五千二百万トンを超えた国内炭の生産は、九〇年度には七百九十八万トンに、稼働炭鉱数は六百二十二から二十一に、労働者数は二十三万人以上から八千人弱に激減しています。こうした事態に立ち至った原因は、エネルギー革命の名のもとに、貴重な国内資源を切り捨て、相対的に安い輸入石油に転換していったからであり、その結果、一九七〇年代の二回の石油危機で日本経済と国民生活は大きな打撃を受けたことは歴史的な事実であります。この根底には、経済効率だけを優先し、エネルギーの自主的供給基盤を確保するというエネルギー政策の基本に対する著しい軽視があります。
 本法案は、この苦い教訓に学ばずに、構造調整と称して石炭企業を国内炭以外へ転換させるため、若干の助成を行いつつ、さらに均衡点まで生産を縮小する方向を明確にし、最終的に国内炭の息の根をとめてしまうことになるものであります。
 その第二の理由は、産炭地域の環境に重大な影響を与えている石炭鉱害はなお多く残存しているにもかかわらず、法律に基づく復旧事業の期限を十年に限り、事実上、国の責任を放棄しているからであります。
 産炭地域における鉱害復旧は大幅におくれており、認定後十年を経過してもなお復旧工事が実施されていないばかりか、末処理の申請が一万件を超えている事態にあります。こうした事態を熟知していながら、期限を十年に限定することは政府の責任を放棄することであり、地域住民に大きな不安が広がるのは当然であります。加えて、新設された金銭賠償方式は、被害者住民の意に反して金で解決させられる危険性が極めて大きいのであります。
 その理由の第三は、炭鉱離職者対策である緊急就労対策事業を廃止することは、長年にわたって産炭地域の振興にも大きな役割を果たしてきた就労者の生存権を脅かすばかりか、国内炭の完全放棄と相まって、産炭地域を一層疲弊させることになるからであります。
 最後に、石鉱審答申は、「一国の基幹エネルギー産業の構造調整が、相対的にみてこれだけ短期間に、かつ結果から見て比較的円滑に実施されてきたことは、世界でも例がなく、国際的にも高く評価されうるもの」と自画自賛しておりますが、事実は、貴重な自国の資源を、かくも無残に、かくも性急に放棄していった愚かな政府があったことを、世界でも希有な経験として、長く歴史の記録にとどめるであろうことを指摘して、反対の討論を終わるものであります。
○中曽根弘文君 私は、自由民主党及び民社党・スポーツ・国民連合を代表して、ただいま議題となっております法律案に対し、賛成の討論を行います。
 御承知のとおり、国内石炭鉱業は、昭和六十年秋のプラザ合意以降の為替調整等に起因する大幅な内外炭価格差の定常化等により、従来にも増して厳しい環境の中に置かれております。
 国内炭生産については、八次策開始時には約千五百万トンであった生産量が平成三年度の計画では約半分の八百万トン台まで縮小するとともに、採炭条件はより厳しくなり、また、炭鉱労働者についても大幅に減少するとともに高齢化が進んでおります。さらに、石炭会社の経営は総じて赤字基調で推移しております。
 こうした状況を踏まえて、昨年六月、石炭鉱業審議会から今後の石炭政策の在り方についての答申が出されました。この答申の基本的考え方は、再三政府側から説明がありましたとおり、「九〇年代を石炭鉱業の構造調整の最終段階と位置づけ、均衡点までは経営の多角化、新分野開拓を図りつつ、国内炭生産の段階的縮小を図ることが必要であり、このような石炭鉱業の労使一体となった自主的な構造調整努力に対し、需要業界等が協力し、政府としても責任を持って対応していく」というものであります。また、答申では、石炭鉱業の構造調整に即応した先行的な産炭地域振興対策及び雇用対策並びに石炭鉱害の早期復旧のための措置を講ずることの必要性についても指摘されているところであります。
 私は、今回の答申は、石炭業界、需要業界、労働組合、地域代表等、基本的立場の異なる石炭鉱業関係者の御意見を十分踏まえた上でまとめられたものであり、それらのほとんどすべての関係者が答申に至る経過と内容を受け入れて、前向きに積極的な努力をしていこうとされていると認識しており、この答申に盛られた諸対策の実施に最大限の努力を払う必要があると考えます。
 本案は、この石炭鉱業審議会答申でその必要性を指摘された諸対策を実施するためのものであり、石炭鉱業の構造調整の円滑な推進等の諸目標を達成するためには必要不可欠のものであります。
 先般の参考人の方々の意見陳述においても、石炭業界、労働組合、地域代表も含め、皆、異口同音に本案の早期成立と諸施策の速やかな実施を強く要望されていたところであります。
 今回の法改正の主な内容としては、まず、石炭鉱業の構造調整を円滑に推進するため、従来の合理化安定対策に加え、新たに、石炭会社等の経営多角化、新分野開拓のための諸施策を講じることとしたことが挙げられます。
 第二に、炭鉱離職者に対する従来からの手厚い援護対策に加え、新分野の開拓に伴う炭鉱労働者の雇用安定施策の創設が行われます。この新たな措置により炭鉱労働者が失業することなく新たな雇用の場に円滑に移行することが可能になると思います。
 第三に、鉱害対策として、復旧の促進や今後も中長期的に発生する局所的被害のための対応体制の構築等に必要な措置が講じられており、この措置により累積鉱害の早期解消及び浅所陥没等の被害に対する中長期的対応が可能となると思います。
 このほか、法律事項ではありませんが、稼行炭鉱対策、閉山対策等の従来の諸措置も充実されるとともに、産炭地域振興対策についても現行稼行炭鉱地域を中心に支援策の強化が図られております。
 以上のように、答申を踏まえた石炭鉱業構造調整対策、構造調整に即応した地域対策及び雇用対策並びに鉱害対策を柱とする総合的な石炭対策が実現することは高く評価できるところであります。石炭企業の労使を初めとした関係者の努力に加え、政府による適時適切な措置が講じられていけば、石炭鉱業の構造調整の円滑な推進等の諸目標を達成することは可能であると考えます。
 今後とも弾力的、機動的に事態に対応するよう政府に強く要請いたしまして、賛成の討論を終わります。
○対馬孝且君 私は、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議及び連合参議院を代表しまして、ただいま議題となっております石炭鉱業の構造調整の推進等の石炭対策の総合的な実施のための関係法律の整備等に関する法律案につきまして、意見を付し、その態度を明確にした上で賛成の討論を行います。
 我が国の石炭政策の展開は、エネルギー革命のもとに石油、石炭の消費量が等量に達した翌年の一九六一年に第一次石炭鉱業調査団の答申を受けて政策が策定されて以来、第八次政策までに及び三十年を経過しました。その結果、九〇年度末には主力炭鉱六山、常用労務者四千六百五十一名と大幅な規模縮小となりました。
 今次新政策は、新たに今後十年間を構造調整の最終段階と位置づけて石炭会社等の事業の新分野の開拓を促進しつつ、炭鉱労働者の雇用安定のための措置を図るとして、均衡点の明示のないままさらに縮小、閉山を進めようとするものであります。
 そのために、法律の名称変更をも含む石炭鉱業構造調整臨時措置法案及び炭鉱労働者等の雇用の安定等に関する臨時措置法案並びに石炭鉱害関係二法案外四法案、合計八法案を束ねて、その期限を二〇〇二年三月末までと定めたものであります。
 ここで指摘しなければなりませんのは、第一に、成立の歴史過程や期限の異なる、また、所管省を異
にする八本の法律案を束ねて一本の法律案として便宜的に提出したことで、このような態度は政府の国会を軽視する姿勢も甚だしいと言わざるを得ず、ここに厳重な反省を求めるものであります。
 第二には、政府は、過去三十年間の政策を通して、一貫して、石炭鉱業の合理化、縮小、閉山に当たって離職を余儀なくされる労働者の雇用には、万全を期すると約束してきましたが、その期待を大きく裏切る結果に終わっていることであります。炭鉱労働者と家族及び地域住民の政策に対する不安は今も増幅されていることでもあり、この問題に対しては今や失敗は許されないということであります。
 第三は、我が国のエネルギー政策としての石炭政策を明確に位置づけることが必要であることであります。
 このため、国内の石炭資源を愛護するという観点に基づき、中東湾岸危機の発生等緊急非常時の場合における安全保障の確保、我が国の採炭技術の国際交流の実現、国内炭需要拡大の一環としての専焼火力及び海外炭との混焼火力発電所の設置拡大のほか、国内炭の生産目標の明確化、基準炭価の維持等を含めた国内炭に係る政策の見直しを強く指摘せざるを得ないのであります。
 これ以外の見解は時間の関係上省略いたします。
 本法案については、以上の諸点から問題なしとしがたい面がありますが、三会派が八法案中一法案に反対する態度を表明しますと他の賛成する七法案が未成立となるおそれがあり、その場合の関係業界及び産炭地域経済社会の混乱、または、先年成立して既に道県を中心に策定された産炭地振興計画の実施への影響等が懸念されます。また、今回の対策は八次策と異なり、石炭業界の自主的な構造調整がベースになっていること、生産縮小が先にありきではなく、政府や需要業界の支援協力が先にありきとなっていること、経営多角化や地域振興対策、雇用確保対策の事前対応を強化することなどが強調されており、今後の国内炭対策については、必ずしも総撤退ではなく、需要の安定確保、技術活用の可能性などを踏まえて、均衡点についてはエネルギー政策上合理的かつ十分なものとなるようさらに検討を続けるとしています。
 したがって、今後の政府の誠意ある対応に強い期待を込めて、大きな見地に立って本法案に賛成する意を表明し、討論を終わるものであります。
○委員長(岩本政光君) 他に御発言もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 石炭鉱業の構造調整の推進等の石炭対策の総合的な実施のための関係法律の整備等に関する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   一賛成者挙手〕
○委員長(岩本政光君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 福間知之君から発言を求められておりますので、これを許します。福間君。
○福間知之君 私は、ただいま可決されました石炭鉱業の構造調整の推進等の石炭対策の総合的な実施のための関係法律の整備等に関する法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、連合参議院及び民社党・スポーツ・国民連合の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
 石炭鉱業の構造調整の推進等の石炭対策の総合的な実施のための関係法律の整備等に関する法律案に対する附帯決議(案)
 政府は、本法施行に当たり、関係法律の目的が十分実現されるよう最大限の努力を払うとともに、特に次の諸点について適切な措置を講ずべきである。
一、稼行炭鉱に対し今後とも所要の支援を講じつつ、需要業界の国内炭の引取りについての協力が円滑に得られるよう努めるとともに、均衡点を設定するに当たっては、国内炭の安定供給性等にも留意しつつ、エネルギー政策上合理的かつ十分なものとなるよう努力すること。
二、石炭会社のコスト引下げ努力が保安の確保に支障をきたさないよう、保安対策には万全を期すること。
三、石炭会社等が実施する新分野開拓事業については、積極的に支援するとともに、炭鉱労働者が当該事業に円滑に職種転換できるよう、教育訓練等を十分実施すること。
 また、雇用安定計画についても、地元での職種転換が図られる等その実効性が確保されるよう的確な措置を講ずること。
四、旧産炭地域における就労事業の実施については、炭鉱離職者の雇用確保に重要な役割を果たしていることにかんがみ、特段の配慮を行うこと。
 また、今後とも炭鉱離職者に対する再就職援護措置及び職業訓練を的確に実施すること。
五、石炭鉱業構造調整補助金の運用に当たっては、下請労働者の退職金の改善について支援制度の検討を加えること。
六、累積鉱害の早期復旧を図るために、滞留案件及び効用未回復案件についての認定作業等が可及的速やかに進められるよう鉱害処理体制の改善を図ること。
 また、遅延している有資力鉱害の早期復旧が図られるよう実効ある措置を講ずること。
七、施行困難な案件等の鉱害処理については、主務大臣等による調整が円滑に行われるよう努力するとともに、金銭による補償を行う場合には鉱害被害者の意向を十分配慮しつつ、公正・公平に行うこと。
八、特定鉱害復旧事業を行う法人を指定するに当たっては、浅所陥没の発生実態等を考慮して当該事業が適正かつ確実に実施されるよう十分配慮すること。
九、新石炭政策を計画的かつ着実に実施するために、必要な財源の確保に努めるとともに、産炭地域における地方公共団体への財政支援の強化を図ること。
 また、産炭地域振興実施計画の実効性を確保するため、関係各省庁・地方公共団体間の連携・協力を強化し最大限の努力を払うこと。
右決議する。
 以上であります。
 何とぞ、委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(岩本政光君) ただいま福間知之君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(岩本政光君) 多数と認めます。よって、福間君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、渡部通商産業大臣及び近藤労働大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。渡部通商産業大臣。
○国務大臣(渡部恒三君) ただいまの附帯決議につきましては、その御趣旨を十分尊重いたしまして、今後とも石炭政策の推進に全力を尽くしてまいる所存でございます。
○委員長(岩本政光君) 近藤労働大臣。
○国務大臣(近藤鉄雄君) ただいま御決議のありました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重いたしまして、炭鉱労働者の雇用の安定に努力してまいる所存でございます。
○委員長(岩本政光君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岩本政光君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時三十一分散会