第124回国会 決算委員会 第1号
平成四年九月八日(火曜日)
   午前十時十八分開会
    ―――――――――――――
  委員の異動
 八月二十日
    辞任         補欠選任
     喜屋武眞榮君     下村  泰君
 九月七日
    辞任         補欠選任
     尾辻 秀久君     岡  利定君
     合馬  敬君     大島 慶久君
     鎌田 要人君     服部三男雄君
     真島 一男君     久世 公堯君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         大渕 絹子君
    理 事
                沢田 一精君
                鈴木 貞敏君
                会田 長栄君
                西野 康雄君
                常松 克安君
                高崎 裕子君
    委 員
                大島 慶久君
                岡  利定君
                久世 公堯君
                佐藤 静雄君
                清水嘉与子君
                清水 達雄君
                椎名 素夫君
                永野 茂門君
                南野知恵子君
                服部三男雄君
                守住 有信君
                矢野 哲朗君
                中尾 則幸君
                西岡瑠璃子君
                堀  利和君
                村田 誠醇君
                木庭健太郎君
                山下 栄一君
                直嶋 正行君
                井上 哲夫君
                下村  泰君
   国務大臣
       法 務 大 臣  田原  隆君
       外 務 大 臣  渡辺美智雄君
       大 蔵 大 臣  羽田  孜君
       文 部 大 臣  鳩山 邦夫君
       厚 生 大 臣  山下 徳夫君
       農林水産大臣   田名部匡省君
       運 輸 大 臣  奥田 敬和君
       建 設 大 臣  山崎  拓君
       自 治 大 臣
       国 務 大 臣
       (国家公安委員
       会委員長)    塩川正十郎君
       国 務 大 臣
       (内閣官房長官) 加藤 紘一君
       国 務 大 臣
       (総務庁長官)  岩崎 純三君
       国 務 大 臣
       (北海道開発庁
       長官)
       (沖縄開発庁長
       官)       伊江 朝雄君
       国 務 大 臣
       (防衛庁長官)  宮下 創平君
       国 務 大 臣
       (経済企画庁長
       官)       野田  毅君
       国 務 大 臣
       (科学技術庁長
       官)       谷川 寛三君
       国 務 大 臣
       (環境庁長官)  中村正三郎君
       国 務 大 臣
       (国土庁長官)  東家 嘉幸君
        ―――――
       会計検査院長   中村  清君
        ―――――
   事務局側
       常任委員会専門
       員        吉田 尭躬君
   説明員
       総理府国際平和
       協力本部事務局
       長        柳井 俊二君
       警察庁刑事局暴
       力団対策部長   廣瀬  権君
       法務省刑事局長  濱  邦久君
       法務省人権擁護
       局長       筧  康生君
       外務大臣官房外
       務参事官     高野 紀元君
       外務省国際連合
       局長       澁谷 治彦君
       大蔵大臣官房審
       議官       田波 耕治君
       国税庁課税部長  松川 隆志君
       国税庁調査査察
       部長       野村 興児君
       文部省初等中等
       教育局長     野崎  弘君
       農林水産省構造
       改善局長     入澤  肇君
       運輸省自動車交
       通局長      土坂 泰敏君
       労働省労働基準
       局長       石岡慎太郎君
       建設省道路局長  藤井 治芳君
       自治省行政局選
       挙部長      吉田 弘正君
       会計検査院事務
       総局次長     安部  彪君
       会計検査院事務
       総局第一局長   阿部 杉人君
       会計検査院事務
       総局第二局長   小川 幸作君
       会計検査院事務
       総局第三局長   佐藤 恒正君
       会計検査院事務
       総局第四局長   白川  健君
       会計検査院事務
       総局第五局長   中島 孝夫君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○平成二年度一般会計歳入歳出決算、平成二年度
 特別会計歳入歳出決算、平成二年度国税収納金
 整理資金受払計算書、平成二年度政府関係機関
 決算書(第百二十三回国会内閣提出)
○平成二年度国有財産増減及び現在額総計算書
 (第百二十三回国会内閣提出)
○平成二年度国有財産無償貸付状況総計算書(第
 百二十三回国会内閣提出)
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○委員長(大渕絹子君) ただいまから決算委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る八月二十日、喜屋武眞榮君が委員を辞任され、その補欠として下村泰君が選任されました。
 また、昨日、尾辻秀久君、合馬敬君、鎌田要人君及び真島一男君が委員を辞任され、その補欠として岡利定君、大島慶久君、服部三男雄君及び久世公堯君が選任されました。
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○委員長(大渕絹子君) 平成二年度決算外二件を議題といたします。
 まず、平成二年度決算、すなわち一般会計歳入歳出決算、特別会計歳入歳出決算、国税収納金整理資金受払計算書、政府関係機関決算書につきまして、大蔵大臣から概要説明を聴取いたします。羽田大蔵大臣。
○国務大臣(羽田孜君) 平成二年度の一般会計歳入歳出決算、特別会計歳入歳出決算、国税収納金整理資金受払計算書及び政府関係機関決算書を会計検査院の検査報告とともに国会に提出し、また、平成二年度の国の債権の現在額並びに物品の増減及び現在額につきましても国会に報告いたしましたので、その概要を御説明申し上げます。
 まず、一般会計におきまして、歳入の決算額は七十一兆七千三十四億六千八百三十万円余、歳出の決算額は六十九兆二千六百八十六億七千六百四十二万円余でありまして、差し引き二兆四千三百四十七億九千百八十八万円余の剰余を生じました。
 この剰余金は、財政法第四十一条の規定によりまして、一般会計の平成三年度の歳入に繰り入れ済みであります。
 なお、平成二年度における財政法第六条の純剰余金は九千九百八十三億五千三百十八万円余となります。
 以上の決算額を予算額と比較いたしますと、歳入につきましては、予算額六十九兆六千五百十一億七千八百万円余に比べて二兆五百二十二億九千三十万円余の増加となりますが、この増加額には、前年度剰余金受け入れが予算額に比べて増加した額八千四百三億二千六百五十二万円余が含まれておりますので、これを差し引きますと、歳入の純増加額は一兆二千百十九億六千三百七十七万円余となります。その内訳は、租税及び印紙収入等における増加額一兆二千百十九億六千六百五十九万円余、公債金における減少額二百八十一万円余となっております。
 一方、歳出につきましては、予算額六十九兆六千五百十一億七千八百万円余に、平成元年度からの繰越額七千三百八十九億五千九百十六万円余を加えました歳出予算現額七十兆三千九百一億三千七百十七万円余に対しまして、支出済み歳出額は六十九兆二千六百八十六億七千六百四十二万円余でありまして、その差額一兆千二百十四億六千七十四万円余のうち、平成三年度に繰り越しました額は八千四百六十六億六千八十六万円余となっており、不用となりました額は二千七百四十七億九千九百八十八万円余となっております。
 次に、予備費でありますが、平成二年度一般会計における予備費の予算額は三千二百五十億円であり、その使用額は三千二百三十九億八百七十九万円余であります。
 次に、一般会計の国庫債務負担行為につきまして申し上げます。
 財政法第十五条第一項の規定に基づき国が債務を負担することができる金額は二兆四千九百九十七億八千百十二万円余でありますが、契約等による本年度の債務負担額は二兆四千七百七十八億七千四百四十三万円余であります。これに既往年度からの繰越債務額三兆七千八百四十億四百六十九万円余を加え、平成二年度中の支出等による本年度の債務消滅額二兆三千六百九十億六千二百三万円余を差し引いた額三兆八千九百二十八億千七百九万円余が翌年度以降への繰越債務額となります。
 財政法第十五条第二項の規定に基づき国が債務を負担することができる金額は一千億円でありますが、契約等による本年度の債務負担額はありません。
 次に、平成二年度の特別会計の決算でありますが、同年度における特別会計の数は三十八でありまして、これらの決算の内容につきましては、特別会計歳入歳出決算によって御了承願いたいと存じます。
 次に、平成二年度における国税収納金整理資金の受け入れ及び支払いでありますが、同資金への収納済み額は六十四兆三千二百九十億二千六百八十万円余でありまして、この資金からの一般会計等の歳入への組み入れ額等は六十四兆三千二百二億五千六百十二万円余でありますので、差し引き八十七億七千六十七万円余が平成二年度末の資金残額となります。これは、主として国税に係る還付金として支払い決定済みのもので、年度内に支払いを終わらなかったものであります。
 次に、平成二年度の政府関係機関の決算の内容につきましては、それぞれの決算書によって御了承願いたいと存じます。
 次に、国の債権の現在額でありますが、平成二年度末における国の債権の総額は百九十二兆三千百七十六億二千五百四十万円余でありまして、前年度末現在額百七十三兆二千三百九十七億四千四百十二万円余に比べて十九兆七百七十八億八千百二十八万円余の増加となります。
 その内容の詳細につきましては、平成二年度国の債権の現在額総報告によって御了承願いたいと存じます。
 次に、物品の増減及び現在額でありますが、平成二年度中における純増加額は五千六百二十四億千八百九十六万円余であります。これに前年度末現在額六兆九千三百十億四千三百三万円余を加えますと、平成二年度末における物品の総額は七兆四千九百三十四億六千二百万円余となります。その内訳の詳細につきましては、平成二年度物品増減及び現在額総報告によって御了承願いたいと存じます。
 以上が、平成二年度の一般会計歳入歳出決算、特別会計歳入歳出決算、国税収納金整理資金受払計算書、政府関係機関決算書等の概要であります。
 なお、平成二年度の予算の執行につきましては、予算の効率的な使用、経理の適正な運営に極力意を用いてまいったところでございますけれども、なお会計検査院から、二百四十件の不当事項等について指摘を受けましたことは、まことに遺憾にたえないところでございます。
 予算の執行につきましては、今後一層配慮をいたし、その適正な処理に努めてまいる所存であります。
 何とぞ御審議のほどお願い申し上げます。
 終わります。
○委員長(大渕絹子君) 次に、平成二年度国有財産増減及び現在額総計算書並びに平成二年度国有財産無償貸付状況総計算書につきまして、大蔵大臣から概要説明を聴取いたします。羽田大蔵大臣。
○国務大臣(羽田孜君) 平成二年度国有財産増減及び現在額総計算書並びに平成二年度国有財産無償貸付状況総計算書を、会計検査院の検査報告とともに第百二十三回国会に報告いたしましたので、その概要を御説明申し上げます。
 まず、平成二年度国有財産増減及び現在額総計算書の概要について御説明申し上げます。
 平成二年度中に増加いたしました国有財産は、行政財産十兆五千七百三十三億八千七百十九万円余、普通財産五兆二千六百八十一億五千四百九万円余、総額十五兆八千四百十五億四千百二十九万円余であり、また、同年度中に減少しました国有財産は、行政財産三兆四千億四千百四十三万円余、普通財産五千二百十億六百三十二万円余、総額三兆九千二百十億四千七百七十五万円余でありまして、差し引き十一兆九千二百四億九千三百五十三万円余の純増加となっております。これを平成元年度末現在額五十五兆九千二百七十五億五千六百八十三万円余に加算いたしますと、六十七兆八千四百八十億五千三十六万円余となり、これが平成二年度末現在における国有財産の総額であります。
 この総額の内訳を申し上げますと、行政財産三十七兆八千四百六十七億千四十六万円余、普通財産三十兆十三億三千九百八十九万円余となっております。
 以上が平成二年度国有財産増減及び現在額総計算書の概要であります。
 次に、平成二年度国有財産無償貸付状況総計算書の概要について御説明申し上げます。
 平成二年度中に増加いたしました無償貸付財産の総額は一兆七百六十九億四百五十四万円余であり、また、同年度中に減少しました無償貸付財産の総額は二千五百四十七億九千八百八十二万円余でありまして、差し引き八千二百二十一億五百七十二万円余の純増加となっております。これを平成元年度末現在額八千五百五十一億四千五百五十六万円余に加算いたしますと一兆六千七百七十二億五千百二十八万円余となり、これが平成二年度末現在において無償貸し付けをしている国有財産の総額であります。
 以上が平成二年度国有財産無償貸付状況総計算書の概要であります。
 なお、これらの国有財産の各総計算書には、それぞれ説明書が添付してございますので、それによりまして細部を御了承願いたいと思います。
 何とぞ御審議のほどお願いを申し上げる次第であります。
 終わります。
○委員長(大渕絹子君) 次に、平成二年度決算検査報告並びに平成二年度国有財産検査報告につきまして、会計検査院長から概要説明を聴取いたします。中村会計検査院長。
○会計検査院長(中村清君) 平成二年度決算検査報告につきまして、その概要を御説明いたします。
 会計検査院は、平成三年十月四日、内閣から平成二年度歳入歳出決算の送付を受け、その検査を終えて、平成二年度決算検査報告とともに、平成三年十二月九日、内閣に回付いたしました。
 平成二年度の一般会計決算額は、歳入七十一兆七千三十四億六千八百三十万余円、歳出六十九兆二千六百八十六億七千六百四十二万余円でありまして、前年度に比べますと、歳入において四兆四千五百五十六億四千五百七十二万余円、歳出において三兆四千九十七億三千七百六十七万余円の増加になっており、各特別会計の決算額の合計額は、歳入百九十四兆五千四百三十四億四千五百八十九万余円、歳出百六十八兆五千八百三十八億四千百六十四万余円でありまして、前年度に比べますと、歳入において十九兆二千百二十四億四千六百五十四万余円、歳出において十五兆七千八百二十一億九千九百二十万余円の増加になっております。
 また、国税収納金整理資金は、収納済み額六十四兆三千二百九十億二千六百八十万余円、歳入組み入れ額六十一兆一千八百二十七億一千八百十八万余円であります。
 政府関係機関の平成二年度の決算額の総計は、収入五兆七千八百四十三億七千九百七十七万余円、支出五兆一千六百四十九億六千九百六十一万余円でありまして、前年度に比べますと、収入において一千六百十五億四千二百六十五万余円の減少、支出において一千二百二十七億四千五百三十七万余円の増加になっております。
 平成二年度の歳入、歳出等に関し、会計検査院が、国、政府関係機関、国の出資団体等の検査対象機関について検査した実績を申し上げますと、書面検査は、計算書二十三万四千余冊及び証拠書類七千十八万六千余枚について行い、また、実地検査は、検査対象機関の官署、事務所等三万八千五百余カ所のうち、その九・四%に当たる三千六百余カ所について実施いたしました。そして、検査の進行に伴い、関係者に対して九百余事項の質問を発しております。
 このようにして検査いたしました結果、検査報告に掲記した法律、政令もしくは予算に違反しまたは不当と認めた事項等について、その概要を御説明いたします。
 まず、法律、政令もしくは予算に違反しまたは不当と認めた事項について申し上げます。
 法律、政令もしくは予算に違反しまたは不当と認めた事項として検査報告に掲記いたしましたものは、合計二百四十件であります。
 このうち、収入に関するものは十四件、二十二億一千五百八十万余円でありまして、その内訳は、租税の徴収額に過不足があったものが一件、十三億九千八十六万余円、保険料の徴収額に過不足があったものが三件、六億九千三百四十一万余円、職員の不正行為により損害を生じたものが一件、三百九十一万余円、その他、授業料の免除が適切でなかったものが九件、一億二千七百六十一万余円、また、支出に関するものは百九十七件、五十六億七千二百四十九万余円でありまして、その内訳は、予算経理に関するものとして、旅費の経理が適正を欠いていたり、予算執行が会計法令に違背し適正を欠いているものが八件、一億二千三百七十万余円、工事に関するものとして、予定価格の積算が適切でなかったり、監督及び検査が適切でなかったものが六件、一億八千二百七十七万余円、保険給付に関するものとして、保険給付金の支給が適正でなかったものが四件、五億四千三百五十七万余円、医療費に関するものとして、医療費の支払いが適切でなかったものが七十六件,十億八千二百十三万余円、補助金に関するものとして、補助事業の実施及び経理が適切でなかったものが九十一件、三十六億二千五百六万余円、貸付金に関するものとして、貸付金の経理が適切でなかったものが十一件、一億一千二百十二万余円、職員の不正行為により損害を生じたものが一件、三百九万余円であります。
 以上の収入、支出に関するもののほか、郵便貯金の預入金、簡易生命保険の保険料等について、職員の不正行為による損害を生じたものが二十九件、五億五千百九十六万余円ありまして、これらの合計は、二百四十件、八十四億四千二十六万余円となっております。これを前年度の百九十二件、百二億六千八百四十八万余円と比べますと、件数において四十八件の増加、金額において十八億二千八百二十二万余円の減少となっております。
 次に、意見を表示しまたは処置を要求した事項について御説明いたします。
 平成三年中におきまして、会計検査院法第三十四条の規定により是正改善の処置を要求いたしましたものは二件、また、同法第三十六条の規定により改善の意見を表示いたしましたものは六件、改善の処置を要求いたしましたものは一件であります。
 このうち、会計検査院法第三十四条の規定により是正改善の処置を要求いたしましたものは、厚生省の付添看護に係る看護料の支給に関するもの、石炭鉱害事業団の鉱害復旧のための暗渠排水工事の施行に関するものであります。
 また、会計検査院法第三十六条の規定により改善の意見を表示いたしましたものは、農林水産省の市街化区域内に所在する国有農地等の有効な利活用を図るための処分の促進に関するもの、郵政省の第三種郵便物制度の運用に関するもの、住宅・都市整備公団の住宅団地内に施設用地として保有している土地の利用に関するもの、東日本旅客鉄道株式会社、東海旅客鉄道株式会社及び九州旅客鉄道株式会社の直営店舗事業の収支及び管理に関するものであり、会計検査院法第三十六条の規定により改善の処置を要求いたしましたものは、労働省の労働者災害補償保険の費用徴収制度の適切な実施に関するものであります。
 次に、本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項について御説明いたします。
 これは、検査の過程におきまして、会計検査院法第三十四条または第三十六条の規定により意見を表示しまたは処置を要求すべく質問を発するなどして検討をしておりましたところ、当局において本院の指摘を契機として直ちに改善の処置をとったものでありまして、検査報告に掲記いたしましたものは十四件であります。
 すなわち、総理府の防音工事により設置された設備を維持するための補助事業に関するもの、大蔵省の国税の還付に当たって支払われる還付加算金の課税に関するもの、農林水産省の国産材産業振興資金の貸し付けに関するもの、通商産業省の中小企業設備近代化資金貸付事業における余裕金の運用に関するもの、運輸省の防波堤築造工事等におけるケーソン製作費の積算に関するもの、航空機騒音対策における貸付金に関するもの、郵政省の郵便局における現金準備額に関するもの、建設省の公営住宅の建てかえ事業の実施に関するもの、日本道路公団のトンネル工事における掘削費等の積算に関するもの、首都高速道路公団の情報板等の製造及び設置工事における一般管理費等の積算に関するもの、日本電信電話株式会社のアナログ交換機に対する固定資産税の負担に関するもの、電話帳の作成に利用するコンピューターへの入力方法に関するもの、テレホンカードの販売管理体制に関するもの、東海旅客鉄道株式会社の新幹線軌道工事における道床交換費及びまくら木交換費の積算に関するものであります。
 最後に、特定検査対象に関する検査状況について御説明いたします。
 これは、本院の検査業務のうち特にその検査の状況を報告する必要があると認めたものについて記述したものでありまして、検査報告に掲記いたしましたものは二件であります。
 すなわち、政府開発援助に関するもの、御徒町トンネル工事における薬液注入工の施工に関するものであります。
 以上をもって概要の説明を終わります。
 会計検査院といたしましては、機会あるごとに関係各省庁などに対して適正な会計経理の執行について努力を求めてまいりましたが、なお、ただいま申し上げましたような事例がありましたので、関係各省庁などにおきましてもさらに特段の努力を払うよう望んでいる次第であります。
 次に、平成二年度国有財産検査報告につきまして、その概要を御説明いたします。
 会計検査院は、平成三年十月十一日、内閣から平成二年度国有財産増減及び現在額総計算書及び平成二年度国有財産無償貸付状況総計算書の送付を受け、その検査を終えて、平成二年度国有財産検査報告とともに、平成三年十二月九日、内閣に回付いたしました。
 平成元年度末の国有財産現在額は五十五兆九千二百七十五億五千六百八十三万余円でありましたが、二年度中の増が十五兆八千四百十五億四千百二十九万余円、同年度中の減が三兆九千二百十億四千七百七十五万余円ありましたので、差し引き二年度末の現在額は六十七兆八千四百八十億五千三十六万余円になり、前年度に比べますと十一兆九千二百四億九千三百五十三万余円の増加になっております。
 また、国有財産の無償貸付状況につきましては、元年度末には八千五百五十一億四千五百五十六万余円でありましたが、二年度中の増が一兆七百六十九億四百五十四万余円、同年度中の減が二千五百四十七億九千八百八十二万余円ありましたので、差し引き八千二百二十一億五百七十二万余円の増加を見まして、二年度末の無償貸付財産の総額は一兆六千七百七十二億五千百二十八万余円になっております。
 検査の結果、平成二年度国有財産増減及び現在額総計算書及び平成二年度国有財産無償貸付状況総計算書に掲載されている国有財産の管理及び処分に関しまして、平成二年度決算検査報告に掲記いたしましたものは、法律、政令もしくは予算に違反しまたは不当と認めた事項といたしましては、文部省の大学校舎等改修工事の予算執行が会計法令に違背しているものの一件であり、また、意見を表示しまたは処置を要求した事項といたしましては、農林水産省の市街化区域内に所在する国有農地等の有効な利活用を図るための処分の促進に関するものの一件であります。
 以上をもって概要の説明を終わります。
○委員長(大渕絹子君) 以上で平成二年度決算外二件の概要説明の聴取を終了いたしました。
 これより質疑に入ります。
 本日は全般的質疑第一回を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○会田長栄君 会田でございます。
 まず、私は、平成二年度の決算審査に当たりまして、とりわけ今日の情勢を受けて総理と近藤官房副長官に特に出席をしてほしいという要請をいたしました。
 この問題は、なぜ総理の出席が必要なのかというのは、私が言うまでもありません。百二十三国会が終わりまして三カ月になんなんとしております。この間、私ども決算委員の一人といたしまして、実は、昭和六十一年度決算報告から平成元年度まで含めて四年間というのは、我が参議院において決算報告が否認されているということを私どもはやっぱり忘れてはならない、これが一つであります。本来であれば政府みずからがこの実態を受けてどのように次の年度から予算編成すべきかということは非常に慎重に取り組まれると思いますけれども、これは総理自身の当然なリーダーシップが必要でありまして、これが第一であります。
 第二の問題は何といっても景気浮揚策の問題であります。
 今日、経済の見通しというものが楽観的であったものが大変悲観的になってまいりまして、いかにして今日の景気を浮揚させるかということで、それは自民党も政府もそのてこ入れ策というものを立案した。しかし、こういう問題こそ私は少なくともそれぞれの党首会談をやりまして総理みずからが一日も早く国民にこたえるべきだ、こう思っていたんです。
 第三の問題は、リクルート、共和、そして今日大問題になっておりますところの佐川急便疑惑問題であります。
 これは考えますと、佐川急便問題というのが実は昭和六十一年ごろから地域で問題になっておりまして、そのころはここではリクルート問題というものを激しくやり合っていた時期でありました。共和事件と続いて、竹下元総理を初め四人の歴代総理が、こういう状態をつくっていたんでは国民の政治に対する信頼を裏切る、その反省の上に立って政治改革を進めなければいけないと本会議で施政方針演説を続けてきた。しかし、ついに四代にわたって具体的に国民にこたえるような形で出てこないんです。それだけではない。
 四番目。今日の国際的情勢を考えたら、外務大臣みずからがロシアを訪問いたしましてエリツィン大統領に会って交渉してくるというようなものを中心として、東南アジアを含めまして非常に厳しい情勢になってきている。とりわけ、百二十三国会で大変な激しいやりとりの中で自衛隊の海外派兵問題も含めて議論になりました。
 こういう課題を考えれば、決算委員会というのは全般質疑の段階では総理大臣は出なくてもいいんだ、こういうような慣例ということになっておりましたけれども、そういう慣例だけを重視していたんでは今日勤労国民に何としてこたえるのかと、一人の議員としてまことに悲しい。そういう意味ではどうしてもこの決算審査に総理に出てもらいたい。しかし、いかんせん総理は出ない、出さない、こういう結論に立ちました。もちろん私はこの意見を引っ込めるつもりはなかった。しかし、委員長の決断できょうは進めるということになりました。
 このことはぜひ官房長官、やっぱりトップリーダーというのは常に困難なところほどリーダーシップを発揮して国民にこたえるという姿勢がなきゃならぬ、そういう引っ込み思案では今日の国内外の激動の世界にこたえられない、こう思うから要求してきたわけでありまして、その点総理に伝えることを約束してほしい。臨時国会も開かないで過ごそうとしているわけでありますから、そんな逃げの政治をやっている限り絶対にだめですということを官房長官伝えられますか。
○国務大臣(加藤紘一君) 委員会における運営の問題は院で御決定いただくことでございますが、その中でそういう会田先生の御発言がきょうこの場であったということは、もちろん総理大臣にお伝えいたします。
○会田長栄君 時期に応じて私は今後とも要求していきます。いつでもという意味ではありません。そのことを踏まえておいてもらいたい、こう思うんです。
 二つ目の問題は、近藤官房副長官の問題でした。これも自民党さんと物別れになりまして、結局、今後も努力を続けるという委員長の決断が出て今日になりました。
 これは自治大臣、予告してありませんけれども、もう一つ大事なことは、参議院選挙の結果を自治大臣としても分析なさったでしょう。だれが当選して落選したなんという分析をしているんではありません。平成四年の七月に行われた参議院選挙の結果、国民の約半数が棄権に回ったということ、このことは私どもにとっていいかげんな総括をして前に進むことはできない。
 それは何かというと、今まさに国民からすれば、この永田町で行われている政治というものについて重要視しなくなってきているという危機感であります。私は、この流れというのは、このまま推移すると政党政治の滅亡につながると非常に強い危機感を持っているんです。かって私どもは経験したことがあるんです。このことを踏まえまして、実はその大きな要因になっているのは、何といっても政治不信の第一は疑惑事件の連続でありますから、それも日本の政治、国際政治を動かしていると言われる大物の政治家の名が常に挙がるというところに私はあるんだろうと思うから、みんなとは言わないがそれは大きな一つだろうと思うから、自治大臣としてはその点を踏まえてこれからどういう努力をするのかということを改めてここでお尋ねしておきます。というのは、どうも総理が来なかったものですから、この問題もあったので、そこは簡潔に御所見を承りたいと思います。
○国務大臣(塩川正十郎君) 非常に大きい質問でございますから、私から答えるのにはなかなか荷物の大きいことだと思うのでございますが、自治大臣といたしまして、政治改革全般に関係する所管をいたしておる者といたしましてお答えさせていただきたいと存じます。
 仰せのとおり、不祥事件が続くということは我々といたしましても非常に残念でございまして、それにはそれなりのいろんな理由もあるであろう。したがいまして、そこに政治家の姿勢を正していただくためにはやはり選挙制度そのものも大事であろうし、政治資金のあり方につきましてもこれも検討する必要があるだろう。いろいろ多角的に現在の制度を見直して実情に応じたものにしていく必要があろう、こう思っております。
 その意味におきまして、過般来、国会が中心とおなりになりまして政治改革に懸命に努力しておられますこのことを我々も大きく評価しておるのでございますが、近く開会されるであろう臨時国会におきましては与野党合意されました政治改革に関する案件だけでもぜひ処理していただいて、やはり国会が挙げて政治改革への道を歩んでおるという姿勢を出していただくように我々も期待しておるところでございますし、もちろんそれを所轄いたします役所といたしまして、議会並びに政治家全体が政治改革へ進む御意見というものを絶えず謙虚に承りまして、それを集約し、国民との間の非常に大事なパイプになっていきたい、このように心得ておるところであります。
○会田長栄君 政治と金という問題が出てくると、選挙制度と必ずおっしゃって、四代にわたる総理大臣は結果的に手をつけないで今日まで来ている。この間、政治家が入りたいわゆる疑獄事件というのが続いてますます不信が出てきている、私はそう思います。そういう意味で、以下リクルートコスモス株譲渡問題で一つ、それから共和事件で二つ、佐川急便で幾つかの点をお尋ねしていきたい、こう思います。
 まず一つは、リクルートコスモス未公開株譲渡疑惑事件の解明のために、国会ではこういうことを二度と起こさないために激しいやりとりがあった。もちろんその当時から、現総理である元大蔵大臣の宮澤さんも二転三転と答弁が変わって、結果的に責任を負って辞職したという経緯があります。
 そこで、法務大臣にまずお尋ねしたいのは、さきの国会でこの件につきまして、いわゆるリクルート未公開株譲渡事件のような疑惑を二度と起こさないためにも、予算委員会で私どもの同僚である本岡議員の方から、いわゆる全容解明をめぐる捜査資料というものをやはり国会の場に明らかにしてほしいという要求が出されていました。その後どうなっていますか。
○国務大臣(田原隆君) お答えします。
 いわゆるリクルート事件につきましては、平成元年の通常国会における衆参各予算委員会において法令の許す範囲で報告をしたものと承知しております。国会の国政調査権には法令の許す限り協力すべきものと考えておりますが、捜査資料の公開やその資料に基づく捜査の公表については刑事訴訟法の問題もあり、慎重な検討を要する事柄であることを御理解願いたいと思います。
○会田長栄君 ロッキードのときはどうだったですか。明らかにしたでしょう。どうですか。
○国務大臣(田原隆君) 実務にわたることでございますので、刑事局長より答弁します。
○説明員(濱邦久君) 今、委員お尋ねの、ロッキード事件のときに報告をしたではないかという御趣旨のお尋ねでございますけれども……
○会田長栄君 したと言えばいいんだ。しましたならしました、しなかったならしなかった。
○説明員(濱邦久君) だから、そのお答えを今申し上げるわけでございます。
 ロッキード事件の場合もそうでございますが、いつの場合におきましても、国会の国政調査権につきましては法令の許す限り協力すべきものというふうに考えておるわけでございまして、ロッキード事件の場合におきましても、また先ほど大臣がお触れになられましたリクルート事件の場合におきましても、法令の許す範囲内において国会に御報告申し上げておるというふうに承知しているわけでございます。
○会田長栄君 これはもうロッキードのときには全容を明らかにしていった。リクルートのときには大物の政治家が関与したということで、これも特別委員会の中で、時の税制改革と関連をして自民党さんがリクルート社に要請をしてその点も明らかになった。しかし、詳細は、捜査経過の全容というものは明らかにどうしても物足りないものがありました。共和も残ります。だから、この問題というのは常に国民的な立場に立って、それは自民党さんも我々野党も含めて本当にやっていかないと、先ほど申し上げたように政党政治の危機に間違いなくつながると私は言っているんですよ。だから、今単にみずからの党を守るとかだけでこの問題をやっちゃいけないと思ってお尋ねしているんですから、どうぞそこは率直にお答えください。
 それから、二つ目として宮澤元大蔵大臣の前秘書であった方の株譲渡問題で、証明書のやりとり、入金証明書のやりとり、こういったことについて結果的に明らかになりませんでした。刑事局長、これはその後明らかになっていますか。
○説明員(濱邦久君) 先ほどお答え申し上げましたように、リクルート事件の関係につきましても平成元年の通常国会における衆参各予算委員会におきまして、法令の許す範囲内で報告できる限りのことを御報告申し上げたというふうに承知しているわけでございます。
○会田長栄君 今、私は法令の範囲内でやりましたかというのではないんです。具体的なんです。株譲渡をめぐって前秘書であった方の証明書、入金証明書などについておわかりになったんですかと聞いているんです。
○説明員(濱邦久君) これはもう申し上げるまでもなく、委員も御承知のとおりと思いますけれども、捜査資料の公開あるいはその資料に基づく捜査結果の公表につきましては、刑事訴訟法四十七条の制約があるわけでございまして、当時、法務当局から御報告申し上げましたのもこの刑事訴訟法四十七条の趣旨を踏まえて、御報告できる限りのことを御報告したというふうに承知しているわけでございます。
○会田長栄君 未公開株購入払込証明書、売却金入金の証明書というようなものを調査の対象にしましたかと。したならしたでいいんです。しないならしない。その中身は聞いていませんから。
○説明員(濱邦久君) 先ほどお答え申し上げましたように、これは一般論としてお答えさせていただかざるを得ないわけでございますが、捜査資料の公開あるいはその資料に基づく捜査結果の公表等につきましては、法令の許す範囲内で公にすることができるということでございますので、その範囲内で御報告申し上げたということでございます。
○会田長栄君 結果的に、この点についてもいわゆる自民党さんが承知しない限りその点は明らかにならぬ、こういうところでございますな、私はそう思います。
 だから、先ほどから私の考え方を言っているわけで、それは法務省が平成元年五月二十九日をもってリクルート事件の捜査終結宣言をしたということは承知しています。していても、この点は明らかでないからお尋ねをした。それは法令に基づいて秘密ですと。しかし、そこまでは法令では言っていない、やったかやらないかということだけですから。そういう遠慮をしている限り、これは国民に答えられるというふうには私はなかなかなっていかないと思う。でなけりゃ、政権与党の自民党さんが承知してくれなきゃいつまでもだめだ、こういうことになるわけでありますから、この点はお互いに厳しく受けとめておかなきゃいかぬと思うんです。
 次に聞きたいのは、終結宣言の中で、中曽根元首相についても検察当局は調べた、そして不起訴処分にした。私がお尋ねしたいのは、その理由として検察庁が明らかにした中身です。犯罪の成立は認められるが情状を考慮してと、このとおりでございますか。
○説明員(濱邦久君) 平成元年六月十三日にリクルート事件の捜査結果に関する報告を法務当局から申し上げておりますが、その中では、今委員御指摘のような点については触れておらないというふうに承知しているわけでございます。
○会田長栄君 そういう遠回しに言わないでください。
 検察庁が、この問題について国民から指摘があって文書回答しているんじゃありませんか。その回答もないと言うんですか。
○説明員(濱邦久君) 私、今お答え申し上げましたのは、平成元年六月十三日にリクルート事件の捜査結果に関する報告を法務当局から申し上げております。その中では、今御指摘の点については触れていないということを申し上げたわけでございます。
○会田長栄君 その後、そういう考え方を国民の前に明らかにしませんでしたか。
○説明員(濱邦久君) 今のお尋ねの点につきましては、先ほどお答え申し上げました平成元年六月十三日における捜査結果に関する報告については私承知しておりますけれども、それ以外のものについて、今ちょっと突然のお尋ねでございますので、手元に資料がございませんのでお答えを差し控えさせていただきたいと思います。
○会田長栄君 これに時間をとりたくないんです。逃げないでください。
 大阪の方で告発されて、それに検察庁が答弁しているでしょう。そういう事実はないんですか。そういう細かいことは知らないと言うんですか。
○説明員(濱邦久君) 今、委員のお尋ねの中身によりますと、検察庁が答弁しているというような趣旨のお話でございますが、ちょっと突然のお尋ねでございますのでお答えいたしかねるわけでございます。
○会田長栄君 それでは、この問題については引き続きあす行います。
 次に、リクルートコスモス社のところで、一つは、なぜ私がこの問題をやったかというと、この疑惑事件に政治家がかかわってきているときに、既に共和も佐川急便事件も実はこの期間の中でとり行われていたということなんです。そういうことを考えますと、本当に捜査経過というのを、全容を解明していかない限りこれはまた再び起きる。だから、佐川急便事件というのは今大きな話題になっている。話題になっているけれども、別のところでまた似たようなことをやっているのではないかという疑問すら出るでしょうというんだ、国民から言わせたら。そういう意味でお尋ねしたわけでございます。その点はひとつ政府も自民党さんでも、これは単なる当面やり過ごせばいいというんではなくて、本気になって日本の政治をどうするかということを考える共通の土俵にどうしてもやっぱり乗ってほしいという気持ちがあってお尋ねしたわけであります。
 それから、その次にお尋ねしたいのは、官房長官、共和事件で官房長官にかかわって一千万円上げたとかもらわないとか、大変やりとりをしておる。この点につきまして明確に官房長官から国民の前に明らかにしてほしい。
○国務大臣(加藤紘一君) その点につきましては、前国会でもいろいろお尋ねがございまして、またその際も申し上げたんですけれども、そういう事実はございません。
○会田長栄君 いただいていない。まあ、くれた人がある、いただいていない。これは宮澤内閣の姿勢にかかわってくるわけですから、その点は委員長、今後上げたという人を、証人を呼んで、そういうことは宮澤内閣にとっても決していいことでないから、これは我々にとって一日も早く明らかにしていった方がいい、こう思いますから、要求いたしますので、どうぞ協議してほしいと思います。
○委員長(大渕絹子君) 証人の件は理事会で協議をいたします。
○会田長栄君 それでは次に、佐川急便疑惑事件の問題に入らせていただきたいと思います。
 これも決まり切ったお答えしか返ってこないんだろう、こう思いますが、そうではなくて今や国民の重大関心事になっているわけでありますから、法務大臣から捜査の経過について御説明をいただきたい。
○国務大臣(田原隆君) ただいま捜査中の事件でございますから、しかも経過等具体的な話でございますので、刑事局長がお答えします。
○説明員(濱邦久君) 今、委員お触れになっておられますいわゆる東京佐川急便事件につきましては、東京地方検察庁が本年二月に強制捜査に着手いたしまして以後所要の捜査を遂げまして、このうち刑事事件として立件できるものにつきましては起訴した上、現在なお引き続き捜査を続けているというふうに聞いているところでございます。
○会田長栄君 法務大臣、まあ型どおりの答弁をいただきました捜査継続中ですからしゃべられませんと。
 それでは、具体的にお尋ねいたしますから、事実だけ答えてください。佐川急便疑惑事件でガサ入れしたというのはどことどこですか。
○説明員(濱邦久君) 捜査の内容にかかわることについてお尋ねでございますが、お答えは差し控えさせていただきたいと思います。
○会田長栄君 それじゃ、もっと丁寧に聞きます。
 例えば、捜査を続けています、こういうことですから、今は多分に、何というか、東京を中心とした中央政界ルートというのか、それから新潟の方にある新潟ルートというのか、この二つは毎日のように報道されていますね。これだけですか。そうじゃないでしょう。もっと大がかりでしょう。他にルートがあるんですか。ルートだけでも教えてください。
○説明員(濱邦久君) 検察当局においてどのようなことを捜査しているかということについて法務当局からお答えすることはいたしかねるわけでございます。
○会田長栄君 じゃ、私の意見を言いますからよく記憶していてください。
 それは、中央政界ルート、新潟ルート、仙台ルート、沖縄ルート、近畿ルート、まことに広範囲にわたっていると伝えられています。しかし、今は毎日のように、捜査の途中ですという割合には捜査の中身が書かれております。きょうは、新潟県知事が一億円いただきましたということを昨日自供しましたとまで出ている。いよいよ残り二億円のルートをどのように探っていくかというところに焦点が来たなどと言われております。だから、ここは間違いないんでしょう。しかし、他のルートも非常に国民は関心を持っているところでございますから、ぜひその点についても、後ほど捜査経過が報告になるだろうと思いますから、その報告の際には納得できるようにひとつしてほしいという意見を申し上げておきます。
 佐川急便疑惑事件というのは、新潟県議会の中で、昨年の九月県議会から十二月、三月、六月と毎たびのごとく新潟ルートは話題になっておって、今日まで答弁が二転三転県知事がしてきましたけれども、今や追い詰められて、それが結果的に報道のようになっているようであります。このことを考えると、私は、この佐川急便問題というのは国会の中で議論されたということも承知しています。もちろんなぜ佐川急便がこれほど急成長を遂げたのか、佐川急便の手口、やり口、こういったことを考えていきますと、これは政治家抜きには考えられない、こういうことが取りざたされている、こういうことでございます。
 具体的に新潟ルートについてお聞きしますが、建設大臣、どうして佐川急便さんは高速道路の通るところ通るところみんなおわかりになるんですか。私、知らないから聞かせてください。
○国務大臣(山崎拓君) ただいまの質問につきましては、私、事実関係としてそのように認識できるかどうかちょっと詳しくは存じておりません。その点について、道路局長から答弁をいたさせます。
○説明員(藤井治芳君) お答えいたします。
 いわゆる高速自動車国道につきましては、まずその予定路線の中から、国土開発幹線自動車道建設審議会の議を経て、基本計画、さらに基本計画が決まったものの中から、さらに議を経て整備計画を策定し、それが決まりますと建設大臣が調査命令を道路公団に出します。そして、そこで詳細な内容が決まって地方へ公表する、こういうことになるわけでございます。
 その際に、基本計画の段階でも、ルートにつきましては主要な経過市町村名、インターチェンジについては設置市町村名が基本計画の段階で決定されます。さらに、整備計画策定の際にも環境影響評価手続あるいは都市計画手続が実施されますので、その手続において地元住民への説明が事前に行われます。その際にルート及びインターチェンジのおおむねの位置が示されます。そういう形で決まったものを整備計画として国土開発幹線自動車道建設審議会で決めるわけでございますが、そこでそれぞれが明確な形で決められるわけでございます。そうして先ほど言いました調査命令を建設大臣が出しますが、その基本計画及び整備計画で決まったルート及びインターチェンジのさらに詳細な内容につきまして調査をいたしまして、そして決めましたら地元に路線を発表する、こういう三段階でそれぞれ決めてまいります。
 その際に、このそれぞれの内容は土地の条件、例えば地形とか地質とか、あるいは交通量確保のための関係道路との接続性とかいろいろな問題を勘案して決めていく、こういう過程でこのルートは決めているところでございます。
○会田長栄君 高速道路のインターチェンジに行くと必ずこの佐川急便のトラックターミナルができる、これは北陸高速道。これは中央ももちろん知らなきゃならぬし、県も知らなきゃならぬ、町村も知らなきゃならぬ。この佐川疑惑問題というのは中央だけでなくて地方の政治も巻き込んでいる、都道府県の政治も巻き込んでいる、市町村の政治も巻き込んでいるという、まことに構造的なものなんですね。だから、これを断ち切っていくのにはよほどでないとできないということだけは言える。
 したがって、労働基準法違反をやっても大して問題にならないで通る。道交法違反をやっても大して問題にならぬ。貨物自動車運送事業法に基づいても大した問題にならぬ。要するに、事業を拡張し拡大発展していくために、佐川急便の元会長佐川清あるいは東京佐川急便の元社長の渡辺、常務の早乙女、これが政官財に食い込んでいったという経緯があるわけでありますから、この点はやっぱり今後明らかにしていかなきゃならぬ、こう思っているわけであります。
 とりわけ、これはもう毎日のように大きくマスコミを通して国民に知らされている中央ルートの、松沢ルートというやつですね。献金リストと検察メモとして中身の問題です。これは大変なことですよ、堂々とあらゆる新聞あらゆる雑誌に書かれているわけでありますから。本来であれば、これは宮澤内閣がみずからの命題として明らかにして国民に理解させなきゃならないことなんです。大物政治家十二人に二十一億八千万と世上では報道されている。そして、秘書さんがそういうことは一切事実としてありませんと答えて、これが繰り返されている。国民から見たら、どっちがどっちなんだということと、いや、またどっちもうそなんだろうと。こういうやり方が続けられて、考え方が続けられていって、最終的に政治不信が起きるんじゃありませんか。
 そこで官房長官、内閣委員会で官房長官に質問があったでしょう。今やもう宮澤内閣としてこれは自分のものとしてお調べになって、宮澤内閣としてはこうこうですということを国民に言う時期に来ているんじゃないですかと。それに類した質問があったでしょう。いやそれは、官房長官はそれはできません、やりません、調べませんと。これに類したことをおっしゃったでしょう。私はそうじゃないと言うんですよ。これだけ日本の政治家がやり玉に上げられて、今や国民との間に相当な不信が増幅しているときに、内閣自体がきちっと受けとめて国民に理解させるという仕事というのは、私は政府にとってはまことに重要だと見ているから聞いているんです。それに官房長官が意外と刑事局長のようにお答えになったそうですから、改めてここで私はやむを得ずお尋ねする以外にないと思います。
 それで、これはもう要点だけ短くて結構でございます。私は聞きたくて聞くわけじゃないんですよ、これ。本来であれば、官房長官がそういう整理をして調べて聞き当たって、宮澤内閣の関係者には絶対そういうことはありませんと、マスコミが言っていることはうそですと堂々と言っていかなきゃいかぬものを言わないから、私はお聞きします。どうぞお答えください。
 昭和六十年以降、佐川急便元会長佐川清、東京佐川急便元社長渡辺広康、同元常務早乙女潤の各氏と今の宮澤内閣の各大臣は面識があるかないか、これが一つ。これは、あるならある、ないならないでいいです。
 それから、面識があって、この人たちから政治献金をいただいています、いるならいると。自民党の政調会長の森さんのように、いただきましたと、政治資金規正法に基づいて届けました、こう言えばこれで終わりなんです。
 そこでお聞きするんです。献金はあるんですか。あるならある、ないならない。政治資金規正法に届け出ない献金もあるんですか、ないんですか。あるならある、ないならない。パーティー券の購入をしていただいたことがあるかないか。これだけひとつ簡潔に各大臣お答えいただけませんか。
○国務大臣(加藤紘一君) 今、御指摘でございましたけれども、同様の質問は各大臣に一週間ぐらい前、新聞記者会見でありまして、それぞれお答えになっておりますので、繰り返しになると存じますけれども、各大臣から簡潔にそれではお願いいたすことにいたします。
 まず、私に関して言えば、政治献金はございません。佐川清さんと面識があるかということですが、去年ですかおととしですか地元に行ったときに、京都の方と一緒になってお会いしたことは一回ございます。それだけでございます。
○国務大臣(奥田敬和君) 佐川清さん、東京佐川の渡辺社長、面識はございます。政治献金、企業献金、個人献金とも、精査した結果ございません。早乙女とかと言われる人、存じておりません。二人に面識があるということでございます。
○国務大臣(羽田孜君) お尋ねの佐川さんは存じ上げません。それから、渡辺さんは一度会合で御一緒したことがあります。それから、早乙女さんという方は存じ上げません。そして、これらの方々からの献金というのはございません。
 以上であります。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 佐川さんそれから渡辺さん、いずれも面識はございます。二回ないし三回ぐらい会った記憶があります。それから、パーティー券は買ってもらっているかどうかを含めてわかりません、古い話ですから。記録もございません。あるかもしらぬし、ないかもしらぬ。献金はありません。
 以上であります。
○国務大臣(塩川正十郎君) 私は、佐川清さんとは七、八年前に一度お会いいたしましたが、その後会っておりませんので、今会っても顔はわからぬだろうと思っておりますが、そんな程度のことです。それから渡辺さんともう一人の方、面識はございません。献金とかパーティー、そういうことは一切ございません。
○国務大臣(山崎拓君) すべての質問についてございません。
○国務大臣(岩崎純三君) 第一の、三名の方とは全く面識がございません。第二の、政治献金、その他パーティー券の購入等も一切かかわりがございません。
○国務大臣(東家嘉幸君) お尋ねの点は全部ございません。
○国務大臣(田原隆君) お尋ねの点はすべてございません。
○国務大臣(宮下創平君) お尋ねの点は一切関係ありません。
○国務大臣(田名部匡省君) 渡辺社長は、八年ほど前相撲のパーティーか何かで一度お会いいたしました。後から私と立教大学で同期だという話は聞きました。あとは政治資金ございません。パーティーは時々やりましたので、その点はわかりませんが、いずれにしてもございません。
○国務大臣(谷川寛三君) 佐川会長には十何年か前に会ったような記憶があります。渡辺社長さんにも会ったかなと思っております。献金はありません。パーティーはもう何年も開いておりません。
○国務大臣(鳩山邦夫君) 佐川さん、渡辺さん、早乙女さん、面識は全くございません。政治献金もありませんし、パーティー券を買っていただいたこともありません。
○国務大臣(伊江朝雄君) 御質問のいずれの項目にも該当するものはございません。
○国務大臣(野田毅君) どなたとも面識ございませんし、献金などもありません。
○国務大臣(山下徳夫君) 三人の中で渡辺さんだけは一、二回面識がございます。その他は一切ございません。
○委員長(大渕絹子君) 資金についてはいかがですか。
○国務大臣(山下徳夫君) ございません。
○国務大臣(中村正三郎君) どなたとも面識ございませんし、献金、パーティー券等々もございません。
○国務大臣(加藤紘一君) 今、御答弁申し上げた閣僚は現在東京にいる閣僚全部でございまして、三名の閣僚が海外出張中でございますので、きょうはこちらに出席いたしておりません。
○会田長栄君 いや、よくわかりました。
 そういう意味では、官房長官、本当にこういうことが毎日のように報道されているわけでありますから、私がこの場で聞かなくたって、これぐらいのことを聞いて、宮澤内閣はさほど、さほどと言ったのでは語弊があるかもしれないが、関係ない、こういうことをきっぱり言ったらいいんじゃないですか。私は、それぐらいの自信持っていいと思うんですよ、官房長官は。
○国務大臣(加藤紘一君) この問題はいろいろ報道されておったり、御質問がございますので、各大臣はきょうこの場でお答えなさったようにそれぞれの役所の新聞記者会見でメディアを通じて国民にその立場、事実関係を明確にしていただいております。それは御当人から直接お話しいただく方がより正確に伝わると思っておりますし、各大臣はこれまでそういうことを全部なさっております。内閣の方で調べても結果は同じであるだろうと思いますし、また内閣で調べたのとメディアにお話しになったのが違っては困ることでございますので、それぞれの大臣についてはそれぞれの責任で明確に事実関係をこれまで述べてくださっておりますので、きょうもまたその同じ結論であったかと存じております。
○会田長栄君 それでは、その中でおつき合いがありますという方についてお尋ねいたします。
 奥田運輸大臣にお尋ねいたします。
 奥田運輸大臣につきましては、新聞で大変にぎやかですね。とりわけ、北陸佐川の総勘定元帳、帳簿に八九年、九〇年と二年間で総額約一億円資金提供などという話が載っております。奥田運輸大臣はいただいていないと、こういうことになって告発までしているということも承知しています。
 そこで、一つお尋ねしたいのは、石川県留学生協会という団体を知っていますか。
○国務大臣(奥田敬和君) 存じておりません。知りません。
○会田長栄君 全く知らないのね。
○国務大臣(奥田敬和君) はい。
○会田長栄君 それでは二つ目でありますが、政治結社から公開質問状というのが奥田大臣に届いていますか。
○国務大臣(奥田敬和君) その種の質問状は時々右翼団体等々から参ることはありますけれども、目を通してすぐ破いて捨ててしまいます。
○会田長栄君 目を通して破ってしまう。なるほど、そうでしょうね、数多いでしょうから。
 これは思い出してほしいんです。佐川急便問題について八項目の公開質問状が出ているのは平成四年三月六日です。そして、大臣みずから答えてほしいと期限が切られていて、それが三月十日です。こういう記憶はございませんか。
○国務大臣(奥田敬和君) ございません。
○会田長栄君 記憶がないというわけですから、じゃひとつ記憶を呼び起こすために、私、項目だけ簡単に読みます。
 「奥田運輸大臣は、貨物路線の認可、トラック増車認可に関し不正はなかったか」という質問ですよ、一項目は。「関係省庁の労働大臣だった者に対し事件にするなと働きかけたか」。「三、北陸佐川急便および東京佐川急便などより献金、寄附金、お車代などの名目で過去三年でいくらもらい、申告は、どうしたのか」という質問ですよ。「北陸佐川急便より流出した元帳およびメモなどによると多額の寄附金が記載されているが、政治資金として届け出、しているのか」。五番目は、「京都の佐川清宅まで、時々出入りしていたが、なぜ、なに用か」。六番目、「佐川の脱税に関し、宮越馨(渡辺秘書)、林亮、博勝雄、谷弘一(北陸財務局局長)との関係は、いかに」。「七、佐川急便の帳簿が、改ざんされているのを知っているのか」。「佐川急便合併を急ぐ理由は、いかに」。
 こういう公開質問状が大臣に出されているとお聞きしますが、記憶にないんですか。
○国務大臣(奥田敬和君) 記憶にはありませんけれども、今御質疑のあった七項目について簡単にお答えいたします。
 第一点、貨物輸送等々で佐川の便宜を図ったか。私は、当然大臣になってからの期間中そのようなことは一切ございませんし、過去において運輸行政には力のない議員であったことを御認識願いたいと思います。一切ありません。
 第二番、何に働きかけたかということでしたか、二点目は。
○会田長栄君 関係省庁の労働大臣だった者に対し……
○国務大臣(奥田敬和君) もちろんそういったことは一回もございません。
 三点目、これも献金の件であったと思いますけれども、献金は先ほど申しましたように、政治献金、企業献金のたぐい、個人献金のたぐいは一切なしということでございます。
 四点目の元帳について云々ということでございましたけれども、こんな元帳はもちろん信用しませんし、そういうところに何が記載されておるかも関心がございません。
 五番目、京都にちょくちょく行っておるのは何だと言うけれども、ちょくちょく行ったことはございません。一回きり、これはかって参議院の河本嘉久蔵先生のお祝いのときに、お屋敷が隣であったということで、顔を出してごあいさつを申し上げたということでございます。
 六番目、脱税、財務局等々に云々、働きかけたか云々。私はそういったことはもちろんございませんし、一切そのような形で御相談を受けたことはございません。
 北陸佐川における元帳改ざんの事実について云々ということでありますが、そんなことを知るよしもございませんし、改ざんをしたところで、その元帳の存在そのものについて私はもう明らかに不信感も持っておりますし、虚偽の元帳であるという気持ちで見ておったわけですから、そのようなことは一切存じておりません。
 また、最後の合併を急いだ云々という形でございますけれども、佐川の再建合併をめぐっては、慎重にも慎重を重ね、公正に処理したつもりでございます。
○会田長栄君 私が入手した資料によれば、「五〇一〇北陸佐川急便(株) 八三四一交際費 元帳六十二年一月二十一日―六十二年二月二十日」、ページまで詳細にわたって記録されている資料が入ったんです。
 そうすると、先ほどお尋ねしたように、石川県の留学生協会などというのはわからない、知らないと、こうおっしゃいましたね。そうすると、この総勘定元帳などというのを見たことありますか。
○国務大臣(奥田敬和君) 全然見たことはございません。
○会田長栄君 これちょっと見せていいですか。
○委員長(大渕絹子君) はいどうぞ。
○会田長栄君 済みませんね、これひとつ奥田大臣、見てください。これはうそならうそでいいです。本当なら本当と言ってもらえば一番簡潔なんですけれども。(資料を手渡す)実際は、一枚の紙というのは、これは総勘定元帳の一部なんですね。詳細に記載されています。その点について、これはでっち上げの総勘定元帳なら総勘定元帳、でっち上げでないというんならでっち上げでない、わからないならわからないということになるでしょう。
 これは、実は片方は何もないんです。御承知のとおりに、何もないと言ったのは、もう伝票番号から部門名から、あるいは相手科目名から、あるいは摘要から借方金額から残高から含めて。片方の紙はこのとおり三本の線が引いてあります。三本の線というのは黒く塗って消した部分です。この消した部分に実は奥田さんの名前が書いてあるんですね。(「でたらめだ」と呼ぶ者あり)いやいや、今見てください。これ見た上で、全くでっち上げならでっち上げと、こうおっしゃつていただけばいいんです。これは大臣の名誉のためにもですよ。
 これは御承知のとおり、「石川県留学生協会パーティー券」と、こうなっているところと、「現金」「奥田」となって百万円という数字の出ている総勘定元帳ですよ。
○国務大臣(奥田敬和君) 先生にはっきり申し上げておきますけれども、私はそういった点において名誉を人一倍重んじて今日までやってまいりました。したがって、この元帳を大新聞が、具体名を挙げますと毎日新聞でございますけれども、この事実を出して報道したという事実に対して刑事告訴の手続をとったわけでございます、名誉棄損で。この元帳の真偽に関しては、司法当局がこの真偽を明確に黒白をつけてくれるということを確信し、その真偽を晴らすために、いわゆる民事告訴ではなくて刑事告訴の手続をとったという決意の中でそういった形をはっきり御認識願いたいわけでございます。
 したがって、この元帳を消したのがだれかとか、元帳の真偽がどうかとか、そういうことも含めて司法当局は当然取りかかっていただけると思います。私は関係ございません。
○会田長栄君 そうすると、この総勘定元帳というのは実は関係ないと。ところが先生の名前がかかっている。名前がかかっているどころか金額まで入っているけれども、これはインチキだと、インチキ。いや、いいんですよ、インチキと言ってくれれば。
○国務大臣(奥田敬和君) 私は、こんなことではっきり言うわけじゃありませんけれども、この元帳の記載事実云々に関してはっきりした黒白を争うために司法の手続をとったということでございます。したがって、先生の御質問にそういった意味では明確にお答えしておるつもりでございます。
 先生がこういう元帳を――これはだれか、どこか盗まれた元帳のはずですよ、新聞報道によれば。新聞報道ではそういうことになっておりました、地元紙では。
 要するに、この元帳が、どこか捨ててあった自動車の後ろから出てきたとかなんとかという形でこの元帳が世に出たそうでございますけれども、私にあえて言わせていただければ、こういう元帳の真偽もさることながら、これはもちろん当然です。ですけれども、この元帳もどうしてこんなものが手に入ったのか、それは私自身もおかしいなと思いますし、消してあった云々に至っては、これはもうだれがこんなことをしたのか、そんなことはもう一つの犯罪ですからね。そして、この元帳の真偽、そうしてこういう手数をした人の事実、こういうデータ自体が一体どこから手に入ってきたのか僕は不思議だと思いますね。私はありませんよ、こんな内容は。留学生のパーティー券云々とか、あるいは百万円云々とか、そんなことはありません。そんなことがあったらあったと言いますよ。ないからないと言っているんです。
○会田長栄君 わかりました。
 それでは、パーティー券もない。政治資金規正法に基づく献金もない。ましてや、それがないぐらいだから、帳簿に載せることのできない献金もない、こういうことですね。
○国務大臣(奥田敬和君) 私も余り経理は知りませんからあれですけれども、交際費費目の中に、献金費目じゃなくて、寄附費目じゃなくて、交際費費目の中に代議士の名前を使って、まあ何をしたかということも実際は調べてもらわにゃいかぬことです。ですから、こんなものに出ている形をもって真実に渡ったとか渡らぬとかいうことで私にこういうことを言わすだけでも本当は、頭にくると言ったらおかしいですけれども、実際憤慨にたえない次第でございます。
○会田長栄君 頭にくるのわかりますよ。わかるんです、聞く方だって頭にきているんだから。それはどういうことかといったら、それは告発したことでわかりますよ。だけど、実際に献金もない、何もないというんですから、これは身の潔白をきょうは証明したことになるわけですよ。なら、そう怒ることもないんです。
 そこで、法務省にお尋ねします。
 同じこういう資料が警視庁に任意で提出されたことがあると聞いているんですが、あるんですかないんですか。これは捜査でありません。あるならあると答えてくれればいいです。ないならないと。
○説明員(廣瀬権君) お尋ねの件につきましては、北陸佐川から総勘定元帳なるものが何者かによって盗まれまして、その元帳をもとにしまして政治結社の幹部がマスコミに公表したというものでございます。現在、石川県警におきまして、その総勘定元帳の窃盗事件ということで捜査を継続いたしております。当該総勘定元帳は、政治結社の幹部から警視庁に提出されまして、現在石川県におきまして領置をしているところでございます。
○会田長栄君 それでは、前にお話ししたとおり、宮澤内閣の閣僚としてこういうことが毎日、新聞に書かれていたんでは困りますと、そういうことは一切ありません、コメントしませんなどということでなくて、わかりやすく言う必要があるということで申し上げているわけでありますから、まあ頭にきて告発したというわけでありますから、結論は出るでありましょう。その点は私も期待をしておきます。しかし、あのときはあのときだったなんということのないように、ぜひ自信を持ってやってほしい。
 それでは官房長官、実は先ほど申し上げたとおり、次に近藤元次官房副長官の問題についてお尋ねしたがったわけです。
 近藤元次官房副長官が、新潟県知事選と絡んで金のやりとりがあったという話は聞いていますか。
○国務大臣(加藤紘一君) そういう報道があったということは私も読んでおりますけれども、そういう事実関係について私は存じておりません。
○会田長栄君 存じていないと断られたんでは、官房長官さえ出れば、副長官の話も、みんなあなたが責任を持ってするということとは違う。
 官房長官、これ見たことありますか、新潟県報号外です、公紙ですよ。これはぜひ見てください。
○国務大臣(加藤紘一君) 内閣官房に御質問があるとするならば、官房長官の私がお答えするためにこちらに参っております。
 近藤副長官は、私の信頼する右腕でございまして、一緒に公務をやっておりますけれども、今御指摘の点は近藤副長官の一議員としての事実関係についてでございまして、私が今ここでお答えするのは適当ではない、こう思っております。
○会田長栄君 あなたそういうふうに公的私的と区分けしないでください。官房長官、副長官の関係で私はお尋ねしているんです。
 近藤元次官房副長官は、実は新潟県報号外の中で、知事選の後援会から一千万円を寄附されているということを報告書に明記してちゃんと届け出て、新潟県民に知らされているんです。だからこのことを知っていますかと、こう聞いているんです。知事選と絡んでですよ。
○国務大臣(加藤紘一君) 今言いましたように、個人的な事実関係等は存じておりません。
○会田長栄君 それではぜひ、官房副長官は夕方帰ってくるでしょうからお尋ねしておいてください、一体この寄附されていることが事実かと。頼みます。あしたもあるわけですから。
○国務大臣(加藤紘一君) 個人の問題等につきましては、各大臣についてもそうですし、御当人が新聞記者会見等やいろんなところで直接お話しになっているわけでございます。私はここで内閣の官房長官としてお答えいたしておるわけでございまして、公的私的な区別をしてはいけないというようなのは、国会の答弁の中ではそういう御指摘は筋がちょっと違うんじゃないかと思います。私は公的な人間として、官房長官としてここで御答弁いたしております。
○会田長栄君 これは公的なんだ、どんな説明をしようと。官房副長官といったら重要な職なんですよ。東京にいたときは官房副長官、新潟に行ったときには自民党県連会長ではないんですよ。官房副長官というのはどこにでもついて回るんです。これはよくわかるでしょう、皆さんの集会やったって何だって自民党県連会長なんて言って紹介しませんよ。官房副長官近藤元次、これで紹介されますよ。こんなの当たり前ですよ。
 だから、官房長官が一人で来ればここで用が足りると言うんだが、私が足りないと言うのは何かといったら、金子知事選対の幹部がもう既にこの一千万は知事選の御礼ですと言っているんですよ。そしてそこから問題は、本当は受け取っていないのではないかという疑問が出ているんだ。単に届け出の書類の架空領収証ではないのかと出ているんですよ。
 これは、内閣の一員としたらまことに大変な問題なんですよ。全く個人的な問題ですから官房としてはお答えするわけにはいきませんなどということで逃げられたら、もう議論にはなりません。これは公報に載っているとおり事実なんです。ここまでは確かなんです。
 そういう意味で、ぜひ官房副長官近藤元次殿にお伝えして、あしたその点を明らかにしてもらえないか、こういうことです。
○国務大臣(加藤紘一君) 答弁の繰り返しになりますけれども、近藤副長官の個人的、一議員としての事実関係等につきまして、私ここで今御答弁するのは適当ではないと思っております。
○会田長栄君 佐川急便新潟ルートの中で、実は新潟県知事選で一億円を金子知事に直接手渡したというのは、もう本人もそのとおりでしたとなっているんだから間違いないでしょう。同時に、二億がどこへ流れたかわからないといって今捜査を続けているという状況なんですよ。それだけに、まことに近藤副長官というのは、佐川急便疑惑問題では新潟ルートの中心的役割を担ってきた人だと私は見ているんです。だから、ここまで来たら副長官自身がこれはこうでしたと、こう言った方が一番早いから聞いているんです。
 そのことをひとつ伝えて、かわりに答えていただければ幸いでありますし、そういうことがないというのであれば次のことを考えるしかない、こういうことです。どうですか。
○国務大臣(加藤紘一君) もちろんここでの議論は、こういう公式の場での議論は当然国会議員である人間にとりましては全部耳に入ることでございますし、そういう御議論があったということは近藤副長官に伝えます。
 しかし今、繰り返して申しますけれども、私にその事実関係等について答弁しろというようなことでございますが、それはやはり公的私的な区別のあることでないだろうかなと存じます。
○会田長栄君 それでは、これは委員長に要請しておきます。
 やっぱりこの問題は、近藤元次副長官自身が来て明らかにした方がいいと思いますから、ぜひ出席できるように要請いたしますのでお取り計らいください。
○委員長(大渕絹子君) 後ほど理事会で諮りまして、善処いたします。
○会田長栄君 ぜひ休憩にしていただいて、これは次の新潟ルートの質問をするときの非常に重要な箇所なんです。理事会をやらせていただけませんか。
○委員長(大渕絹子君) 速記をとめてください。
   〔速記中止〕
○委員長(大渕絹子君) 速記を起こしてください。
○会田長栄君 それはぜひ要請しておきますので、よろしくお願いいたします。
 では、次に行きます。
 次の問題は、金丸さんがいないわけでありますからこれもなかなか難しいことだろう、こう思います。ただ、一企業家から五億円もの献金を無造作に受け取るという、この状況というのは決して見逃すことができない。もちろん自民党副総裁の金丸さんは、記者会見の中でみずからこの五億円授受の問題は認めている。くれた方ともらった方は期日の違いだけでございます。したがって、この五億円の授受並びに五億円がどのように使われたかというのは大変な問題を実ははらんでいるということですね。
 そこで、これは自治大臣にお尋ねいたします。
 五億円をいただいて、御承知のとおり、記者会見で述べられたとおりだとすれば、それを選挙の陣中見舞いだ、こう言っているんです。こういうことは一体、公職選挙法、政治資金規正法、何にもひっかからないんですか。
○国務大臣(塩川正十郎君) その点については、当事者である方が政治資金でもらったように思うという発言があったまでのことでございますので、まだ内容等につきまして私たちは関与しておるところではございませんが、いずれにいたしましても、政治資金規正法の問題として取り扱われるのかどうかということは今後の問題であろうと思っております。
○会田長栄君 この問題は、金丸先生がおっしゃっているみたいに、なるほど参議院選挙前なのか衆議院選挙のときなのかということに重要なかかわりがあるわけです。しかし、今後この点についても自治省も大きな関心を持っていかなければいけない、私はこう思っているんですよ。要するに、今の政治資金規正法というのはざる法だというところから出てきているわけですから。よくちまたでざる法だ、こう言う。七つの欠陥がある、こう言われている。だからこういうことが繰り返されるんだと、よく指摘されます。
 この点について、自治大臣といたしましてどういう所見をお持ちか、お聞かせください。
○国務大臣(塩川正十郎君) こういう法律は、要するに政治家自身の問題を規定することでございますから、現在与野党が真剣に合意されようと思って協議会を開催し何遍も協議しておられるのでございますから、私たちは政治改革協議会の結論を得てこれを具体的に法案化していきたいと思っております。
○委員長(大渕絹子君) 関連質疑を許します。西野康雄君。
○西野康雄君 加藤官房長官、本当は官房副長官というのはやはり公人でありますし、地位の高い者というのはそれだけの責任というものは負うべきもので、公人、私人というそういうふうな分け方、物の考え方そのものがおかしいんじゃないか。非常に苦しい答弁をなさっておいでだな。後でまた理事会で諮りますけれども、ぜひとも副長官のみずからの弁明というものをしていただきたいと思います。それは約束していただけますか。
○国務大臣(加藤紘一君) 最後の部分、ちょっと聞こえませんでした。
○西野康雄君 近藤副長官がこちらに来ることに努力していただけますか。
○国務大臣(加藤紘一君) 内閣の公的な用向きについての御質疑であれば、私が責任を持ってお答えさせていただきます。
 それから、官房副長官の私的な問題等につきましては、どう扱うかということにつきましては国会の中の理事会での御審議にかかわることであろうと思っております。
○西野康雄君 やはり地位の高い者というのは、一つ一つの発言が公人、私人だとかあるいは一議員だとか、そういうふうに分けるという考え方自身が非常におかしいなと思います。
 私が通告しておりましたのは労働省の方でございまして、この佐川急便というのは大変にたちの悪いところだな、本来ならばきっちりと正当に各運送会社と競争をして、その中からお互いが切磋琢磨していって利益を得ていくというのが当たり前なんですが、この佐川というところは不法、脱法、ありとあらゆる行為をいたしております。
 その中で、私のところに一つ情報として寄せられましたのは、時間外労働だとか超過勤務だとかが非常に多い。その批判を浴びて、正規の運転手さんたちに対してはさせないんですが、その目減り分として、海外からの不法就労者がまことに多うございます、それを非常に安い賃金で雇って、夜の夜中になって仕分けをしたり、あるいはそういう仕事をさせているというふうなことが寄せられているんですが、労働省の方はそれを関知しておいでですか。
○説明員(石岡慎太郎君) 佐川急便の労働条件の問題につきましては、昭和六十二年以来全国的に四回監督指導するなど、その是正に努めているところでございます。
 ところで、お尋ねの外国人の雇用の問題でございますが、私どもいろいろ関係各省とも情報交換に努めて不法就労など外国人問題に対応しているところでございますが、佐川急便についての外国人の就労については情報を得ておりません。
○西野康雄君 情報を得ていないというのならば、また後ほど私のところへ来てください。いろいろ手配をなさっている方等々も情報としてお知らせいたします。
 きっちりとこの業界の中で、佐川急便だけじゃないですけれども、外国人労働者の問題は正常化していかなければならないものがいっぱいあります。その中で、佐川というのは不法、脱法行為が余りにも目立ち過ぎます。労働省サイドでもきっちりとやっていく。もちろん、その不法、脱法行為の中で急速に進展をしてきたし、それを助けるところに地方あるいは中央の政界が一丁かんできているという、こういうふうな構図があるわけですから、その辺だけまたきっちりと労働省サイドからも押さえていただきたいと思います。
 残余はまた村田誠醇議員から質問があるかと思います。
○村田誠醇君 私は、大蔵大臣にお聞きしたいと思います。
 一九八九年に行われた新潟知事選挙で、東京佐川を中心として三億円を各佐川グループが分担してお金を集めた、こういうことが言われておるわけでございます。しかも、その裏づけとして現在仙台の裁判所で行われております東北佐川の前社長の不当解雇に絡んだ裁判の中で、元経理部長が証言いたしまして、いずれも一定の比率に応じた金額を出しているということを証言しているわけでございます。
 そこで、私どもお聞きしたいのは、東京佐川を含む全国の各主管店に対する国税庁の調査では一体この事実を把握しているのかどうか、あるいはこういった部分が政治献金として処理されているのか、それとも使途不明金として処理されているのか、調査した結果どのような答えが出ているのか、大臣にお聞きしたいと思います。
○説明員(野村興児君) ただいまの佐川関係の課税処理といいますか経理処理についてのお尋ねでございますが、本件につきましては個別にかかわる事柄でございますので、まことに恐縮でございますが、具体的な答弁は差し控えさせていただきたいと思います。
 ただ、一般論として申し上げますれば、大法人につきましては他の一般法人に比べまして相当密度の濃い調査をやっている事実がございます。今御指摘のございました政治献金と申しますか上納金と申しますか、こういったものにつきましても法人の帳簿あるいは証憑書類等に基づきましてその支出先あるいはその支出目的、こういったものを十分確認しながら、適正な処理が行われているかどうか調査をすることとしているわけでございます。
 そういうことで御容赦をいただきたいと思います。
○村田誠醇君 国税庁には、二つの点を調査してほしいと思うんです。今、出した方の調査を進めておられるわけです。問題は、受け取った方に対しても調査をしてほしいんです。
 つまり、受け取った方が、自分はさらにこういうふうに使ったんだよということであれば、自分のところは経由しただけだからまだいいんです。しかし、自分が受け取っていながらそこから先の使途について説明できなければ、通常は大体これは個人所得として課税されるんです。中小企業なんかはその調査をいっぱい受けて、親会社に対する贈り届けといいましょうがつけ届けば記載できないものですから、見つかると社長の個人所得ということで全部泣かされているんです。
 ですから、今私が言った、それでは受け取ったと称する人たちが本当にそこから先にどういう形で使ったのか、この点についても調査をしていただけるんですか。その点についてお聞きしたいと思うんです。
○説明員(松川隆志君) 今御指摘の点でございますが、個別にわたる事柄につきましては具体的に答弁することは差し控えさせていただきたいと思います。
 ただ、一般論といたしまして、政治家個人が企業から提供を受けた政治資金につきましては、所得の課税上雑所得の収入として取り扱うこととされております。その収入から政治活動のために消費した金額を控除した残額が課税の対象になります。
 ただ、政治家個人が受けた政治献金の金額を政治活動のために消費した場合には課税関係は生じないということになります。この場合、その政治資金収入が政治活動のために消費されたかどうかにつきましては、個別のケースにおいて実態に即して判断することとしたいと思っております。
○村田誠醇君 大臣にこれは特にお答えいただきたいんですけれども、これだけ問題が大きくなり、国民の関心が非常に高まっているわけです。ただ単なる一企業の脱税とは、あるいは使途不明の経理処理をしたというのとはちょっと違う性質でございます。これは検察庁もお金の流れを追及していくことによってはっきりわかってきているわけです。この一番のスペシャリストを国税庁は持っているわけでございます。
 ですから、国税庁が調べて、そして結果がどうだったのかということについては個別の案件でございますから報告できませんという、これは個々の事例ならわかりますけれども、この事例でそのことを言われてしまったんでは、一番多額にもらった人あるいは一番不正をやった人がもうけるような、巨悪が寝ているようなことでは困るわけでございますので、そのことについては、結果が出て、あるいはきちんと調査が済んだ時点で国会なりあるいは関係委員会の場に報告をしていただけますか。その点はいかがでございましょうか。
○説明員(松川隆志君) 私ども税務職員につきましては、所得税法、法人税法等によりまして国家公務員より重い守秘義務が課せられているわけでございます。
 その趣旨は、申告納税制度のもとで税務執行を円滑に行うために、税務職員が職務上知り得た納税者等の秘密を漏らすということがあれば納税者と国税当局との信頼関係が損なわれる、ひいては税務行政の運営に重大な支障を来すことになりかねないという趣旨でございます。こういう趣旨でございますので、常日ごろから守秘義務につきまして我々としては万全の配慮をしているところでございます。
 そういう意味で、いろいろと今御指摘の点につきましては、こうした国税当局には法律上の守秘義務という問題があるということを十分御勘案いただきたいと思います。
○村田誠醇君 だから大臣、私は大臣の見解をお聞きしたいと言うんです。
 一般論としてはわかるんです。そんな調べたものを勝手にぼんぼん報告されたんじゃ困るというのはわかるんです。しかし、この事件に関してだけその守秘義務を盾にするのであれば、だれも実態がわからないということなんです。わからないようにするんだというのであればそれは別ですよ。実態を解明してきちんと報告をするということであれば、これは、だから全部を報告する必要はないです、主要なところだけをやってくれればいいわけです。
 その点については、役人とすれば自分たちの見解、もしくは自分たちが法律によって縛られているんですから、そのとおりしかできませんという答えしかできないですよ。しかし、政治家の大蔵大臣としてその点についてどうでしょうかと、そのままでいいのかどうか。今言ったように、そういうことをして全部臭い物にふたをしてしまうようなやり方をすれば政治不信がますます強まるだろうというのは先ほど会田議員が言っているとおりでありますし、我々もそう思います。
 ですから、佐川急便グループ全体としてこういった金額が一体幾らぐらいあったのかあるいは具体的にどこに行ったのか。調べた範囲、公表できる範囲内において国税庁の調査結果を待って公表といいましょうか報告をしていただけますか。大臣としての見解をお聞きしたい。
○国務大臣(羽田孜君) 先ほどから担当の方からお答え申し上げておりますように、法律に基づいてこれらを執行していくということでございまして、この場合に限っては特別に扱ったらどうだ、法律というのは元来そういうものでないだろうというふうに思っております。
 ただ、今臭い物にふたをというお話がございましたけれども、臭い物にふたをではなくて、調査すべきものはする、そしてその結果によってもし問題があるものに対してはこれはきちんとした対応をするということでありますし、またこういった資料等につきまして、必要に応じて捜査当局等とも連絡をとり、こういったものに対してきちんと対応するわけでございますから、決して臭い物にふたをするということには当たらないであろうというふうに思っております。
○会田長栄君 この佐川急便と地方自治体の関係というのはまことに今日ゆゆしき問題に発展してきている。
 そこで、最後でありますから自治大臣にお尋ねいたしますが、新潟県などの各市町村で佐川急便との関係の癒着構造というのを一体どのように自治大臣は認識していますか。
○国務大臣(塩川正十郎君) 癒着というのは具体的にどんなことなんでございましょうか。
○会田長栄君 どんなことですかと。具体的に言えば、新潟県の黒埼町の前の町長の青木さんですか、佐川急便からおおよそ一億を超える金を献金されていると伝えられているんですね。もちろん、こういうことが伝えられると同時に、黒埼町の役場職員の方がトラックターミナルの土地買収に直接当たっているんですね、幹部職員を含めて。
 一体、企業と自治体の関係からいって、これはふるさと創生とかふるさとの町づくりとかというようなことを理由にしても私は行き過ぎだと、こう思いますから、自治大臣にその見解、御所見を聞いているんです。
○国務大臣(塩川正十郎君) 今の黒埼町のことに関しましては、献金の趣旨というものが、町に対する献金がどのようなものであったかということは私たちは承知いたしておりません。がしかし、これこそまさに自治体が、議会もあり理事者もおりまして、その中で十分検討された上で授受されておるものだと思っておりまして、もしそれが不明朗なあるいは違法なものであるとするならば、当然その担当のあるいは関係の省庁において指摘されるものだと思っております。
 しかし、私たちは一般に見まして、善意のものであるならばその寄附は私は受領しても別に癒着とは思っておりません。要するに、一億か幾らか知りませんけれども、寄附をされるときの状況、そしてまたそれを受けた町が議会等にいろいろ報告しておりましてその議論等があった。その中身を精査しなければ、私としては何とも答えられない問題であります。
○会田長栄君 それではこれと関連して、そこにふるさと村ができましたね、財団の。この話を例に出すと、佐川急便が十億の資本金を出して無利子無利息、これでいわゆるそのふるさと村が運営されるということについて一体どういうお考えに立ちますか。結構なことですというようなことに立ちますか。
○国務大臣(塩川正十郎君) 第三セクターに対する出資だそうでございますので、これらはやはり地方自治体の中において議論される問題でございまして、今自治の本旨に基づいて地方団体が行政をやれということは国会でもおっしゃっていることでございますので、自治体がそれをやっておりますことにつきまして、もし違法なことであるとするならば、それに対しましてあるいは司直の手の問題もあろうと思いますけれども、今のところそういうことも私は聞いておりませんしいたしますから、その実態につきましてどのようにしておるか十分承知しておりませんので、私から答えることはできないと思っております。
 しかし、ふるさと創生事業というものはいろんな形態で進めておることは事実でございまして、その一つの形態として第三セクター方式をとっておる、その第三セクターに対して佐川急便が出資しておるということを聞いておりまして、そのことについて私は今のところ違法性を聞いておるものはございません。
○会田長栄君 これが問題なのは、第三セクター方式で出資金十億、無利子無利息、こういう運営をしていくというのであれば一層、寄附金というんであれば税金がかかる、そういうことを考えると非常に巧みなんですね。その上に、あるときその十億は無利子無利息でしたが、ひとつ一カ月後に返してくださいなんといったら、その第三セクターは一回でとにかくおかしくなってしまうということだけは言えるでしょう。だから、そういう運営の方法というのは私はあってならないと思うんです。
 この例は、なぜ佐川急便はそこまで自治体に強力に金をばらまいて接近しているかということを考えると、これは非常にゆゆしき問題が内包していると思うからお尋ねしたわけでありますから、その点今後ひとつ気にとめて、今後自治行政を指導する際に頭に置いてもらいたいと、こう思っております。
 それから、佐川急便が国土利用計画法に違反しているような事実は全国で有りますか。
○国務大臣(東家嘉幸君) 国土法違反の疑いのある事案については各都道府県等において調査を行い、違反等の事実が確認された場合には、告発等の措置を含め厳正に対応してきているところでございます。
○会田長栄君 それからもう一つ、これは運輸省にお尋ねいたしますが、昭和六十一年八月二日に建設省経民発第三十三号、すなわち局長通達が出されました。この局長通達を出した理由はよくわかります。しかし、たまたまこの局長通達を発したことをきっかけにして、実は佐川急便の問題と深くかかわってきているというところから疑問視されておりますが、そういうことを当然把握した上でこの局長通達というのは出されたんですか。それとも、まあよかろうと積極的に出されたものなんですか、聞かせてください。
○説明員(土坂泰敏君) トラックターミナルをトラック事業者がつくります場合に、それが市街化調整区域である場合には、もとトラック事業の分類として区域トラック事業というのがございましたが、区域トラック事業はいわゆる開発許可というものを受けなければならないというふうになっておりました。
 これはかなり厳しく運用されておりまして、現実問題として開発許可を取得することは難しかったわけでございますが、当時輸送需要が次第にふえてまいりましたことと、それからやはり市街化区域の中では公害の問題あるいは道路混雑の問題などがありまして適地が非常に確保しにくい、ぜひ市街化調整区域でも物流需要に対応するためにターミナルを確保したい、そういうトラック事業業界からの御要望がございましたし、また国会でもそういうことで、やはり物流の高度化に対応するためにそういうことが可能になるように工夫をすべきだというような御指摘もありました。
 そこで、運輸省といたしましても建設省と十分相談をいたしまして、建設省の方から、それでは一定の要件に該当する場合には開発許可等の審査対象とすることにいたしましょう、そういう通達を出していただいた、そういう経緯でございまして、それに基づいて今まで運用してきておる、こういうことでございます。
○会田長栄君 この通達をよりどころにして直ちに市街化調整区域というものがトラックターミナル建設に変わっていったと、待ってましたというばかりに。実はこういう問題が出てきているから、この問題についても今後私どもは認識を新たにしていかなければいけないというところで、きょうはその問題だけを指摘しておきたいと、こう思います。
 最後になりますが、外務省にお尋ねいたします。
 財団法人の佐川国際経済協力会というものが外務省の特別促進財団として認可され、これも非常に短い期間の中で認可されたというところで注目を集めているところでありますが、これは日中友好協会というところと関連していますから発言には気をつけますけれども、発足以来今日までいわゆる中古トラックを通産省の認可のもとに何台輸出されていますか。――わからない。これは引き続きあしたさせていただきます。
 最後でありますが、特にこの佐川急便と政治家の癒着問題というのは日本の政治にとって大変なところに来ているし、中央はおろか地方の政界まで巻き込んできているという現実を考えると、こういうことが二度とあってはならないというところから、これは法務省に特にお願いしておきます。
 昔から検察の大方針というのは、巨悪を眠らせないというのがもう日本の検察の大方針だったはずであります。したがって、その点ひとつ、二度とこういうことの起きないようにしていくためにも明らかにして、今後、国民に十二分にこたえられるようにぜひしてほしいという要請をして、私の質問はこれで終わります。
 ありがとうございました。
○委員長(大渕絹子君) 午前の審査はこの程度とし、午後一時三十分まで休憩いたします。
   午後零時四十三分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時三十二分開会
○委員長(大渕絹子君) ただいまから決算委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、平成二年度決算外二件を議題とし、全般的質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
○西野康雄君 社会党の西野です。
 PKOあるいはカンボジア、そういう関係についてお伺いをしていきたいと思います。
 宮澤総理は、参議院選挙期間中の七月十五日、PKOの派遣問題で、PKOの第二段階に無事入ることを見届ける、こういうふうなことを述べておられましたし、また七月二十二日には、金丸元、元と申しますか当時副総裁は、ポル・ポト派が武装解除しないと日本は行くわけにはいかない、こういうふうなことを明言なさっておられます。
 そこで、今のところのUNTACの和平プログラムの進捗状況から少しお伺いしたいと思います。
○説明員(澁谷治彦君) UNTACは、パリ和平協定に基づき、明年の春に実施が予定されております総選挙に至る一連の和平プロセスを進めております。具体的には、軍事、文民、両分野における必要な要員の早期展開に努めております。同時に、停戦監視及び行政監視のもろもろの作業、また選挙実施のための準備を行っております。
 このうち選挙の準備に関しましては、八月五日のSNC会合において選挙法を採択し、来る十月より約三カ月かけて有権者の登録を行う予定にしております。
 また、行政監視につきましては、七月以降UNTAC行政監視要員を各分野に配置しております。既にこれらの要員は所要の任務を開始しております。
 軍事部門につきましては、六月十三日より停戦の第二段階に移行し、カンボジア各派軍の再集結、収容、武装解除のプロセスを進めており、既に四万人を超える兵員の収容を完了しております。
 ただ、民主カンボジア等は第二段階に入るに当たりまして幾つかの条件を付しておりまして、事実上UNTACへの協力を拒否しております。これは極めて遺憾であり、国際社会が民主カンボジア等の第二段階入りを促すために種々外交的な努力を行っているところでございます。
○西野康雄君 今、民主カンボジアの対応が極めて遺憾である、いろんな対応をしておるということですが、具体的にはどういうふうなことを行動としてやっておられるんですか。
○説明員(高野紀元君) お答え申し上げます。
 先ほどございましたとおり、ポル・ポト派、民主カンボジアは和平協定に基づく第二段階に対して協力を行うことを拒否しておりまして、具体的にはポル・ポト派の支配地域に対するUNTACの受け入れ等の拒否を行っている次第でございます。
○西野康雄君 いや、その拒否しているのはわかっているんです。ですから、それに対してどんな行動をしているのかと聞いているんです。
○説明員(高野紀元君) 先般来、我が国といたしましては、タイと協力いたしましてバンコクにおきまして三回にわたり第二段階の受け入れに協力するよう説得を行ってきている次第でございます。残念ながら、この段階におきましてはまだポル・ポト派の方からの基本的な立場についての変更はございません。引き続きこういう努力を進めてまいる考えでございます。
○西野康雄君 そこが一番このPKO派遣に関しての大事なポイントではないかな、武装解除を置き去りにして要員を派遣していくという、そういうふうなことになりはしないか。問題はそこのポイントですよね。武装解除をポル・ポト派が拒否している段階で果たしてPKOの要員を派遣してよいものだろうかどうだろうか。その辺の判断はどういうふうになさっておられますか。
○説明員(柳井俊二君) お答え申し上げます。
 先ほど外務省の方からも御答弁ございましたように、いわゆるポル・ポト派がパリ協定の第二段階の一つのステップでございます武装解除に応じていないという状況は極めて遺憾であると考えます。
 しかしながら、現時点でポル・ポト派といたしまして停戦の合意あるいは和平プロセスの枠組み自体を放棄するとか、あるいは全面的に戦闘行為を開始する、再開するといったような行動には幸い出ていないわけでございます。したがいまして、国連平和維持活動が準拠すべき基本原則の一つでございます停戦の合意というものは維持されているというふうに考えている次第でございます。
 このパリの和平協定の考え方といたしましては、私、二つの重要なポイントがあると思います。第一は、通常の意味における停戦でございます。すなわち、敵対行為をやめる、停止するということでございまして、この点につきましてはカンボジアの四派ともパリ協定の当事者になっておりまして合意している。そして、先ほど申し上げましたように、ポル・ポト派も含めましていずれも敵対行為を現在は行っていない。若干、局地的な問題はあるようでございますが、全体としてはこの停戦の枠組みは維持されているという点でございます。これが一つのポイントでございます。
 それから、パリ協定のもう一つの重要な点といたしましてまさに武装解除という問題があるわけでございまして、パリ協定におきましては七〇%の武装を解除するというふうに規定されているわけでございます。すなわち、いわば武器を相当に持ったままで停戦しているというのが現状でございます。しかし、それが望ましいかといえばそれは望ましくないわけでございまして、武器のレベルをそれぞれが武装解除によって下げて、そしてこの停戦がもっと確実なものになるようにするというのがパリ協定の考え方であろうと思います。
 ポル・ポト派が現在協力的でないというのはこの後者の武装解除の点でございまして、まさしくこれを進めるためにいろいろ外交努力をされておる、そういう関係であろうと思います。
○西野康雄君 外交努力をなさっていることもよくわかります。外交努力をなさっている、そうしたらある程度の見通しというものが出てくるかと思いますが、その点の見通しについてはどうお考えですか。
○説明員(高野紀元君) 先ほど申し上げましたとおり、七月及び八月にかけまして三回にわたり日本とタイは共同いたしましてポル・ポト派の説得工作を行ったわけでございます。最終段階では八月二十七日に行いまして、このときには先方からも提案がございまして、これに基づき意見交換を行いました。
 現在は、我が方及びタイの考え方をポル・ポト側が検討しているという状況でございます。現段階では、次の会議、協議をいつ行うかにつきましては、その状況もあり、確定した日時等は決まっておりません。
○西野康雄君 見通しがまだちょっと立たないというふうなことですが、先月来日したUNTACの明石特別代表、あの人が外務大臣とかあるいは宮下防衛庁長官になるべく早く出してくれ、十月ぐらいにはもう出してくれ、こういうふうなことを言っていたかと思います、十月より先では遅過ぎるというふうなことを。片方で武装解除の見通しが立っていない、片方で出してくれというふうなことですが、外務大臣と防衛庁長官、どうですか、その辺の整合性というのですか、私は若干危惧するところがあるんですけれども、お答え願えますか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) ポル・ポト派も停戦を破るとは言っていないんです、パリ協定を守ると言っておるわけでして。ただ、自分たちのSNCにおける立場をもっと有利にしたいという駆け引きもあるのでしょう。今言ったように武装解除について渋っているということは事実でございます。だからといって、それじゃ武力を行使するかというと、そうはしないし、約束は守る、こう言っておるわけです。
 そこで、中国もきちっとこれについては思い直すように助言というか慫慂というかをやってくれておるし、タイも動いておる。日本も同じということですから、今まで後ろ盾になっておった中国とタイが本気になってやってくれることになれば、やはり世界を相手に孤立化していくことは有利でありませんので、私は大体パリ協定が守られる方向に動いていくものである、かように考えております。
 それからまた、UNTACの中で部隊を送るという問題についても、それは戦争を始めるのじゃないんです。武器は持っているけれども停戦には応じているわけですから、その段階においては心配のないものと考えます。
○国務大臣(宮下創平君) 大体外務大臣のお答えになったとおりでございますが、明石さんと会ったときのこれは私の印象でございますが、明石さんも大体基本的には今外務大臣のおっしゃられたような考え方ではないかと存じます。
 ただし、ポル・ポト派が来年の選挙を目標に置きながらいろいろの動きを示すだろうというような感じを持っておられ、それに対してはある程度、包括和平を破るというような状況はないけれども、きちっとした対応もすべきではないかというような感じを述べられたように私は受けとめました。大体外務大臣のおっしゃられているとおりです。
○西野康雄君 そのポル・ポト派ですが、ベトナム軍のカンボジアからの完全撤退の検証、それからベトナム軍がカンボジアへ再入国しないという保証、これがポル・ポト派の基本的な要求だと思うんですが、カンボジア和平に関する基本的な合意にこのことは合致すると思うんですが、見解はいかがでしょうか。
○説明員(高野紀元君) パリ協定は、その附属文書Uの第六条におきまして外国軍のカンボジアからの撤退と復帰しないこと及びその検証について定めております。ポル・ポト派は右に基づき今御指摘の要求を行っていると理解しております。
 UNTAC側も、パリ協定に沿ったポル・ポト派の要求を勘案の上、同派の主張を一部組み入れる形でカンボジアの東部国境に十カ所のチェックポイントを設ける、あるいは各派の代表の視察も認めるという措置をとっていると承知しております。
○西野康雄君 伝えられる明石UNTAC代表ですが、カンボジア和平促進のための提案の中で、外国軍隊の存在及び停戦違反に関する調査、検証、報告や、外国からの支援停止の確認に際して、移動検証チームヘの各派のオブザーバーの配置、移動検証チームの東部国境を含む全土への移動の自由を掲げております。
 さて、この提案に対して各派はどういうふうな評価をしているのでしょうか。また、この要求事項の解決のためにカンボジア四派が合意できる何らかの具体的な施策があるのでしょうか。
○説明員(高野紀元君) 今御指摘の明石代表の提案は、去る六月二十二日の東京におきますカンボジア復興閣僚会議の際、十一項目にわたりましていわゆるノンペーパーというものをつくった内容と理解しております。これは、ポル・ポト派が武装解除を含む第二段階に全面的に協力するという前提のもとに、パリ協定の枠内で認める措置としてUNTAC、それから我が国を含む安全保障理事会常任理事国等の関係国により作成したものでございます。
 この提案に関しましては、その後七月に開催されましたSNC、最高国民評議会の特別会合にて審議されましたけれども、ポル・ポト派を除く三派よりは同意の表明がございました。しかし、ポル・ポト派からはその後もこの提案に関しては前向きの反応がないまま現在に至っております。
○西野康雄君 その前向きの反応がないときはどう対応しますか。
○説明員(高野紀元君) 今御指摘の提案に関しましては、申し上げましたとおりベトナム軍の撤退の検証に関するポル・ポト派の要求を取り入れてなされたものでございますが、現実にUNTACの方では移動検証チームヘの各派のオブザーバーの参加をも受け入れる形で所要の措置が既にとられているというふうに承知しております。
○西野康雄君 ポル・ポト派が一番のポイントになっている。しかしながら、まあまあ停戦合意の中でドンパチはしないだろうというふうなことはある程度わかって、今、条件闘争とでも申しましょうか、そういうふうな時期に入っているんじゃないかな、そういうふうな判断を私も持っておるわけです。
 ポル・ポト派のもう一つの基本的な要求でありますSNC、最高国民評議会のカンボジア最高権力機構としての機能強化、すなわちSNC諮問委員会の設置はプノンペンの行政機構の残存と両立するもののようですが、両立しないんですか。そのあたりのことをちょっとお伺いしたいと思います。
○説明員(高野紀元君) ポル・ポト派の要求は、四派の代表により構成される諮問委員会を各既存の行政機構、すなわち各省庁の内部に設置するという内容でございます。これは実質的に既存の行政機構の管理、監視を四派で行うということを想定しておりまして、このような管理、監視の権限をUNTACに与えるというパリ協定の枠組みから外れるものというふうに考えられております。この点に関しましては、拡大P5と俗に言っております安全保障常任理事国を含めました関係国が一致している見解でございます。
○西野康雄君 明石UNTAC代表が提案の中で、SNCのUNTAC特別代表への助言のためのより活発な役割、各活動分野でのより緊密な協力、四派の行政機構による主要行政分野の平等な管理、外国人要人訪問受け入れや交易、投資やビザ発給などの行政分野でのSNCとの協議など、SNCの役割を非常に明確にしておるようですが、この案に対しては各派どういうふうな評価をしておりますか。
○説明員(高野紀元君) 今御指摘の点も先ほどの六月二十二日のいわゆるノンペーパーの中にあるわけでございますが、これはポル・ポト派が武装解除を行う、第二段階に協力するということをあくまで前提としたものでございます。その上に立って作成されたものでございますが、先ほど申し上げましたとおりポル・ポト派を除く三派は同意の表明をしております。しかし、ポル・ポト派からこれについての反応はまだないという状況でございます。
 なお、今御指摘のような点につきましては、そういうこともございまして、まだSNCとして十分協議する段階に至っていないというのが実情でございます。
○西野康雄君 和平プロセスの促進のために明石さん随分と頑張っておられます。
 明石UNTAC代表の提案、現在どのような扱いというんですか、評価というんですか、それに対してどういうふうなアクションをカンボジア各派は起こしているのか、具体的に承知しているところがあったらちょっと聞かしてくれますか。
○説明員(高野紀元君) 明石代表の提案された十一項目の内容につきましては、その後SNCの会合で累次審議されたわけでございますが、基本的には三派は同意をしている。しかし、ポル・ポト派に関しましては、基本的な、特に先ほど来出ておりますSNCの機能強化の点、それからベトナム軍の撤退の点、外国軍隊の撤退の点を中心に問題を提起しておりまして、それ以上の各項目にわたる議論には至っていないという状況でございます。
○西野康雄君 何というんですか、あいまいもことしているというんですか、非常にあやふやなところへPKOの要員を派遣するんだな、もう少しきっちりとした詰めが本当は必要じゃないだろうか。和平協定は守りますから、まあまあその言葉を信じましょうか、そして行きましょうかというふうな感じがするわけですね。
 きようでしたか、実施計画というのが閣議で了承されたかと思いますが、その内容についてちょっとお聞かせ願えますか。
○説明員(柳井俊二君) ただいま仰せのとおり、けさの閣議でカンボジア及びアンゴラの二つの件に関する実施計画が閣議決定された次第でございます。実施計画の内容につきましては、多岐にわたるものでございますが、特に主な点を申し上げれば次のとおりでございます。
 まず第一に、派遣人員の規模でございますが、分野といたしましては御案内のとおり三つあるわけでございます。
 第一は、いわゆる停戦監視の分野でございまして、この分野におきましては、派遣人員としては八名でございます。ただ、人員の交代を行うことがあり得ますので、その場合には一時的に十六名になる、重なることがございますので、そのように明記してございます。
 その任務でございますが、停戦監視でございますので、これは法律に則して申し上げれば、法律の第三条三号イ、ロ、ハというところに書いてあるいわゆる停戦監視の業務でございます。
 それから装備につきましては、停戦監視でございますのでこれはいわゆる丸腰でございまして、武器は持ってまいらないということでございます。ただ、双眼鏡とか、あるいは健康維持あるいは安全のための個人装備というものは持ってまいりますが、武器は持っていかないということでございます。
 さらに、派遣の地域でございますが、これは当然カンボジアでございます。ただ、国連側あるいはUNTAC側から指図があった場合には、周辺の諸国、すなわちタイ、ラオス、ベトナムに連絡将校を派遣するということはあり得ますので、その限りではカンボジア以外のところにも赴くことがあり得るということで、この点も実施計画において明らかにしております。
 次は文民警察の分野でございますが、派遣人員は七十五名でございます。そしてその任務は、いわゆる文民警察の分野におきまして警察行政事務に関する助言、指導あるいは監視といったものを行うということでございまして、法律の三条三号チというところに掲げている業務でございます。警察の業務でございますからけん銃は持ってまいります。ただ、それを常に携行するかどうかという点につきましては、UNTACの指図等に従って判断するということでございます。それ以外の装備につきましては、健康の維持、安全のための個人装備ということになります。
 それから第三に、道路、橋等の修理等いわゆる後方支援分野でございますが、これは自衛隊の部隊にこの業務を行っていただきます。派遣人員といたしましては、施設部隊六百名、それから陸上自衛隊の部隊の輸送、補給等を行うための海上自衛隊の隊員四百名、それから同じく陸上自衛隊の部隊の輸送、補給等を輸送機で行うための航空自衛隊の隊員百二十名ということでございます。任務はただいま申し上げたようなことでございます。
 装備といたしましては、将校はけん銃を持ってまいります。それ以外の隊員は小銃を持ってまいります。ただ、これも通常携行するというものではないというふうに承知しております。そのほか、建設に必要な大型の車両、それから先ほど申し上げましたような輸送、補給等に使う輸送艦、補給艦あるいは輸送機というようなもの、さらに健康、安全等のための個人装備というものを持っていくということでございます。派遣地域としてはカンボジアは当然でございますが、途中の寄港地等としてフィリピン、タイ、シンガポールというものを附帯業務の行われる地域として掲げているわけでございます。
 大体以上でございます。
○西野康雄君 いろんなところ、タイだけではない、場合によってはベトナムとか周辺諸国にも将校の派遣もあり得るということでございますね。
 派遣をするなら派遣をするで、それぞれの立場もあるでしょうけれども、こういう少しあやふやなところに派遣をするんですから、自衛隊の部隊等の派遣前に一遍臨時国会でも開いて論議をもう少し深めてもいいんじゃないか、こんな気もするんですが、防衛庁長官、どうですか、臨時国会を開くとか、そういうふうなお気持ちはありますか。
○国務大臣(宮下創平君) 臨時国会につきましては私がお答えする立場にもございませんが、きょう決定いたしました実施計画につきましては国会に御報告申し上げるということが法律上義務づけられております。きょうじゅうに議長を通じて国会に報告なさると思いますが、それを受けまして院の方でどういう形で御審議いただけるのか、これは承認ではございませんので、この扱いは院の扱いになるわけでございます。その中で、現に当委員会でこの問題が取り上げられてもおりますけれども、正式に報告を受けた後でどのような質疑が行われるか。院の御決議があればこれはまた閉会中審査でも十分対応できることであると私は考えております。
○西野康雄君 兵庫県の姫路というところがあります。その姫路の歯医者さんがカンボジアの子供たちに歯ブラシを贈る運動をなさっておられます。実際にジャングルの中を分け入ったりして、子供たちの歯を見ると歯ブラシさえあれば、ブラッシングさえすれば歯槽膿漏だとか歯肉炎だとか、また虫歯だとかそういうものも防げるんだということで一生懸命歯ブラシを寄附する運動をなさっておられる方がいらっしゃいます。
 その方がカンボジアに行かれたときに、ちょうどある政党の国会議員さんの視察団にぶつかったそうです。二十人ほどいたそうでございます。この人数を聞いて我が党ではないなと思ったのでございます。五人ほどしか我が党は派遣するお金もございません。その方たちの様子をじっと見ているというと、安全なプノンペンからは一つも出なかった。アンコールワットへ行った。NGOのアンコールワットの史跡復興のために御寄附くださいと、そういう募金箱がある。その政党の方々が二十人も来たんだから、さぞかしたくさん入っているだろうとぱっと後でふたをあけたら、二十ドルしか入っていなかった、そういうふうな逸話を私も知っておるわけでございます。
 それはとやかくは言わないですが、そういうふうな報告、そういうふうな形の調査の仕方というのは私自身は若干問題があるんじゃないかと思いますが、とこではそんな深くは追及はいたしません。
 そのアンコールワットにしたってアンコールトムにしたってそうでございますし、カンボジアのインフラ整備だとかいろんなものにODAというふうなものも十二分に活用できるかと思いますが、とある政党だけが行くとそういうふうな状況にもなります。ひとつ超党派で調査団を派遣して、ODAの可能性を具体的に把握したりとか、そういうふうな作業をする必要があるかと思いますが、どうでしょうか。大蔵大臣、お金の問題も絡んでいますから。
○国務大臣(羽田孜君) 今御指摘のように、こういった現状というのは、国会でいろんな物事を進めていくためにもやっぱりごらんになることが私ども大変好ましいことであろうと思います。ただ、これは院の方でお決めいただく問題で、私どもがどうこうという問題ではなかろうというふうに思っております。
○西野康雄君 ぜひとも、二十ドルしか寄附しないような、そういうことのないようにひとつどこかの政党にお願いをしたいと思います。
 ただ、カンボジアではUNTACが入ってから非常に物価が上がってきている。物価の非常な上昇でカンボジアの庶民が困っている。国連要員がいろんな物を買い占めたりもしておるそうでございますが、その辺の現状の把握は外務省あたりはしておりますか。そういう情報は持っておりますか。
○説明員(高野紀元君) 二万人から成るUNTACが既に配置されている状況を踏まえまして、プノンペンを含めましてカンボジアにおいて各種の活動が行われているわけでございます。そういう状況の中で、今先生御指摘のような点につきましても、報道ないし情報は私どもとしても大使館を通して承知しております。
○西野康雄君 承知しておるということですが、具体的にどういうふうなことを承知しておりますか。情報として持っておりますか。具体的なことは答えにくいですか。知っている範囲で結構です。
○説明員(高野紀元君) これはあくまでいろいろなうわさとか情報に基づく面もございますので、この場で申し上げることが適当かどうかあれでございますけれども、特にプノンペンの市内における経済的なあるいは社会的な問題等についての情報は私ども受けております。
○西野康雄君 外務大臣、私は自衛隊の部隊の派遣、特に武器を持ち込むということは憲法違反の疑いがあって行うべきじゃないという見解に立つわけです、外務大臣はそうじゃないでしょうけれども。そうしたときに、自衛隊が向こうへ行く、そうしたら物価が上がったりいろんなところで社会のひずみが生じてくるというふうなことがある。カンボジアの人にとっては、自衛隊に来てもらって生活が苦しくなったというふうなことがあってはならないわけで、そういうふうな留意というものをひとつお願いしたいなと思うんですが、どうですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 十分に留意します。
○西野康雄君 残余については村田誠醇同僚議員よりいたします。
○委員長(大渕絹子君) 関連質疑を許します。村田誠醇君。
○村田誠醇君 PKO関連の法律が成立したとき、そしてこれはつい最近ですけれども、新聞報道にこう書いてあったので真実かどうか知りませんが、ある外務省の高官が、ようやく日本も世界に冠たる一つの手段を持つようになったけれども、世界の中の情勢の変化というのはもっと速くて、実は日本の想像していたよりももっとはるかにPKOに関しては世界の方が進んでしまった、そのために一周おくれで走っているんだ、こういう発言をしたということが報道されているわけですね一
 これは誰が言ったかとか、どういう意味で言ったかとかいろいろあると思いますが、一つは、ここまで国会で大変な論議をしてやったけれども、世界的には通用しないものを国会や政治家がつくったんだという意味で批判をしているのか。それとも、今ある法律では世界の動きから言うPKOの活動に参加するのには一周おくれで不十分だという意味なのか。一体どちらの意味で言ったのか。言ったことを責めているんじゃなくて、この一周おくれで我が国が走っているという意味はどこら辺にあるのか、ちょっと解説をお願いしたい。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 実は私、これは今初めて聞いた話でして、どなたがそういうことをおっしゃったかわかりませんが、一周おくれで走っているなどというようには考えておりません。おくれたのはおくれたことで事実でございますが、日本には日本の事情もありまして、精いっぱい我々としてはやってきたつもりでございます。
○村田誠醇君 二つの意味で、この高官が言ったのはある程度正しいんじゃないかと僕は思うんですね。
 一つは、ガリ事務総長が国連に報告しました提案書には、我が国が言っている原則をそのままじゃなくてもっと緩めた形で、あるいは場合によったら紛争の未然防止のためには武力の行使もするという報告が出ておるんですね。これがまず危惧する点ですよ。
 それからもう一つ。ユーゴスラビアにおける国連の現在やっているいろんな活動を見ますと、これははっきり言って、コンゴ型の武力紛争を中心としたいわゆる内政の問題に対応していくというスタイルなんですね。これには関係者の合意も何もない。まあその後も一生懸命つくっているけれども、つくったら壊れということをやっているわけでございます。そういう二つの意味で、どうも世界のPKOの活動というものは日本の考えているよりも違う方向へ進んでいるんじゃないかと思うわけです。
 そこで、このガリ事務総長の報告に対して日本政府の見解を表明しているはずでございますが、これに対して、こういう形でPKOを将来国連がやる場合について日本政府としては賛成なんですか反対なんですか、それとも問題点があると把握しているんでしょうか。その点についてお聞きしたいと思います。
○国務大臣(渡辺美智雄君) これはまだ正式に国連で採択されたわけでもないし、真正面からの議論にぶつかったというわけでもありませんから、政府の立場をまだ鮮明にしておりませんが、将来の流れとしては、冷戦という問題があって、米ソ対立しないで、しかも世界の平和を守っていこうと。一方には、しかしそうはいっても、ユーゴに見られるように一つの国が幾つにも分裂しちゃうとか、民族闘争あるいは宗教戦争、地域紛争、いっぱい出てきちゃっていることも事実。野放しにはできない。ということになれば、何か国連として、アメリカだけの力に頼るんじゃなくて、みんなしてやはり国際警察隊のようなものをつくって世界の平和と秩序を守っていくというのは私は一つの考え方だと思うんですよ。
 国連がそもそもできたときにはその片りんが出ているわけですから、国連軍というものも出ておるわけです、ただやったことはないだけで。だから私は、そういうものが出てくれば出てきたときのように、国内の世論といいますか考え方も聞きながら態度を決めていけばいいんであって、今の段階でどうこうということをまだどうも言えない、そう思っております。
○村田誠醇君 大臣、私が聞いたのは、ガリ事務総長の報告書に対して日本政府が、これはちょっと不確かで申しわけないんですが、総会において見解を表明したんですか。文書でこれに対して各国の見解を問うという形で、日本政府はこの報告書に対する見解を表明していると思うんですよ。そのことについてどういう態度を表明しているのかということを聞いているんですよ。
○説明員(澁谷治彦君) この報告書が発表されましてから国連の各種のフォーラムで議論が行われておりますけれども、我が国は八月十八日、国連PKO特別委員会というのがございますけれども、この会合の席上、我が国のとりあえずの態度を明らかにいたしました。
 第一点は、ガリ事務総長の報告を国際の平和及び安全の維持における国連の役割強化のための貴重な貢献として評価するというのが第一点でございます。
 第二点は、事実調査に関する事務総長の見解を歓迎するということでございます。これは従来から我が国が絶えず主張しているところでございます。
 第三点は、国際司法裁判所強化提案にも基本的に賛成しております。
 第四点は、平和維持活動の諸原則は現在のみならず将来のPKOにも妥当するということでございます。
 第五点は、国連と地域機関との協力については原則的に地域機関を活用するという考え方を支持いたしました。他方においては、それぞれの地域の特性を考慮に入れるべきであるということを申しました。
 第六点は、PKO要員の安全の確保は重要である、このために安保理が一層効果的な方法を検討するよう要請しております。
 第七点は、平和強制部隊及び国連の組織の予防的展開の考え方については、興味深い提案ではあるけれども今後さらに検討を要するということを申しました。
 第八点は、PKOの財政基盤の強化が非常に重要であるということを申し上げました。
○村田誠醇君 私は、きょうその報告書の原文を外務省からいただきました。そんなにすらすら読めないもので中身がよくわからないんですが、こういうことがガリ事務総長提案の中に書いてあると思うんですけれども、それは事実なんですか。従来PKOがやってきた諸活動の原則、いろんな原則がありますけれども、これを世界の情勢あるいは地域の情勢に合わせて守るべきものは守るけれども直すべきものは直していく。つまり、当事者間同士の同意の原則だとか武力の不行使の原則だとかというのは状況に応じては直していこうという改革といいましょうか、変化をしようという提案がこの中に書いてある、そういうふうに聞いているんです。まあ本でも読んでいるんですけれども、その点はどうなんですか。
○説明員(澁谷治彦君) ガリ事務総長の報告においては、もちろんPKOの従来の活動原則を否定しているものではございません。ただ、それを補完するために平和の創造、平和をつくり出すためにはどうしたらいいかという考え方を述べておりますし、それで平和維持を強化していく一つの考え方として平和強制部隊の展開ということを言っております。これは確かに委員御指摘のとおり、紛争当事者の同意を必ずしも得ないままに強制的に展開するという考え方でございます。しかし、これは現在のところまだ事務総長の私案という段階にとどまっております。
○村田誠醇君 ユーゴスラビアの状況を見ても、平和強制部隊とガリ事務総長が言っている形態で、形態なのか似通った形なのか、運営しているわけでしょう。これが多分外務大臣が言われるように世界の主流になっていきますよ、これからの世界のPKOの活動としては。そのときに、では日本でできたPKO法の原則を遵守したらこれはできないんです。もし仮の話、参加するんだとすれば原則を緩和しなければできないんです、法律改正するかなんかで。憲法違反だからどうのこうのと論議はしませんよ。
 この法律は現在でき上がったばっかりで、今回カンボジアへ初めて出そうと、PKO法の原則を、仮に日本政府が将来ここの原則は絶対に守らなきゃいけないけれども、この原則は多少緩めても世界の情勢に合わせるためには必要ではないかと思われるような点、絶対的に守らなきゃいけない点と、まあこれなら多少状況が許せば緩めてもいいんじゃないかという点があるのかどうか。それとも、この原則は絶対に日本政府の基本方針でございまして、将来世界の情勢がどうなろうとも、どうなろうともという表現は悪いですけれども、よほど大きく情勢が変わらない限りはこの原則のままいきますということなのか、その辺についての政治的な御判断をお伺いして、質問を終わらせていただきます。
○国務大臣(渡辺美智雄君) ガリ総長の言っていることは、別にそれは決まったわけでもないし、今すぐ決めようとしているわけでもないし、一つの問題提起だと思いますね。ですから、そう受けとめればいいんじゃないか。ただ、法律であろうと憲法であろうと何であろうと、世の中ががらっと変われば変わったものに合わせるのは当たり前のことですよ、原則論から言えば。しかし、いっどこでどういうふうにするかということは現実的な問題でありますから、それはいつどうするということじゃない。一般論を言えば、事態に合わせて適切に対応するというのが、一口で言えばそういうことでしょう。だけれども、具体的にいつどうするんだという問題はこれはまた別な問題として議論をすべきものである、そう考えております。
○鈴木貞敏君 時間の範囲内でいろいろお尋ねしたいと思いますけれども、佐川急便事件につきましては、真相解明あるいは取り組みにつきましては検察当局にお任せする、そしてまた、その黒白というものにつきましては正規の訴訟手続に従ってけりをつける、そして国会におきましては、金のかからない政治をいかにして実現するかということについて大いに議論して立法措置を講ずる、こういったことが私の基本的な考えであるわけでございます。
 私は、二回の選挙の経験等からしまして、現行の選挙制度、中選挙区制度、このままでは金のかからない選挙というのは言うべくしてなかなか難しいなと、こんな感想を持っておる者の一人でございます。
 そういう中で、我が党は三年前に政治改革の大綱を決定いたしました。これに基づきまして、私どもはこの政治改革の原点を踏まえまして、議員としての自覚と責任を持ちまして行動したいと決意を新たにしている次第でございます。
 現在、内外ともに本当に多くの課題を抱えておるわけでございますが、この期に及びまして行政が的確に遂行されるというためには、何といいましても政治に対する国民の信頼、これが不可欠の要件でございます。私は、今こそ政治改革実現の時期であり、国会におきましては政治倫理の向上に努める中で、政治資金規制の強化、議員の資産公開を初めとするもろもろの問題について、ひとつ早急に制度改正の実現を期すべきものであるということを痛感している次第でございます。
 さて、リクルート事件、共和事件に引き続きまして今回佐川急便事件が発生いたしまして、中央、地方を通じて政治不信を増大し、政局を揺るがしている事態は非常に遺憾だと言わざるを得ません。事件の究明は目下検察によって進められておるわけでございますが、すべての真相を国民に明らかにする、これこそ政治に対する信頼を取り戻す前提でございますので、適正な捜査によりまして早期に真相を解明していただきたいということを期待しておるものでございます。
 私は、きょうはマスコミ報道と人権あるいは捜査と秘密保持というふうな問題につきまして見解を述べまして、法務御当局の御見解をお伺いしたいわけでございます。
 現在、佐川事件に関連しましてはさまざまな情報が流れております。その中には作為的なもの、あるいは人権の保障上どうかな、こんな疑いを持たれるような、懸念されるようなものもあるわけでございます。
 そもそも佐川問題の発端、いろいろの見方はあるんでしょうが、私なりにこれは佐川という企業グループの内部における一つの争いであったのかなというふうにも思っておるわけでございます。そういう点で、昭和九年の帝人事件というものが非常に古いあれでございますがございました。そしてまた、最近では昭和五十四年の宮崎県の黒木知事事件というものがございました。こういった二つの事件が想起されるわけでございます。
 帝人事件というのは、もう御承知のとおりでございますが、台湾銀行の帝国人絹株の処分に関する贈収賄事件というようなことで、仲間割れの告発によりまして大蔵次官以下当時十六名ですか、数多くの人が逮捕されまして、虚偽の自白が行われ、斎藤内閣でございましたか総辞職した、こういう事犯であったわけでございます。
 この事件は、背後に政治家の権威失墜を図るというふうな、ファシズム勢力の野望を秘めた右翼なり検察あるいはジャーナリズムが一体となった活躍があったんだと、こういうふうに言われておりまして、大疑獄事件となったわけでございますが、裁判の結果、砂上の楼閣というふうなことで決定した事件でございます。無罪となったときは既に遅く、ファシズムが日本の進路を戦争へ導いてしまった、こういった非常にショッキングな事件であったのは御承知のとおりでございます。
 また、五十四年に発生しました黒木事件、これは当時の宮崎県の黒木知事が贈収賄事件に問われまして逮捕されました。そして十年間七十八回以上の裁判の結果、結局、無罪となったわけでございます。
 この事件を調査してみますと、知事選への立候補に絡む政治的意図といいましょうか、そういったものに基づく告発、これがあったわけでございます。そして、当時のいろいろの記録を見ますと、贈収賄かあるいは政治献金かということが一つの焦点であったようでございますし、また、唯一の物的証拠としての領収書の信憑性につきましていろいろ論議されまして、大変関心が寄せられた事件であったようでございます。結局、無罪ということでございましたけれども、無罪判決が出たときには黒木氏は既に八十五歳、したがって、いろいろの社会的制裁を受けたにもかかわらず、もうそのときは社会的復権もできず、それに対して何らの対応もできなかった、こういうふうな事犯であったということでございます。
 こういった二つの事件を摘示したわけでございますけれども、こんな事件を通じまして人権保障の問題、これは本当に慎重な配意をしなくちゃならぬなということを一つ感ずるものでございます。
 真相とか真実と一口に言いますけれども、これは大変難しいわけでございまして、一方からの供述あるいはたった一本の線でこれが真実だと言うことはなかなか難しい。やはり複数あるいはいろいろの枝葉の情報を照らし合わせて、それが合致するということによって初めてこれは真実だということが確かめられていくのかなと、こういうふうに思うわけでございます。単に一方から出された資料、これをもとにしましてマスコミが黒白を争うというふうなことはやはり人権保障上問題があるんじゃないかと私は思うわけでございますけれども、こういう点につきまして法務省人権擁護局長の御見解いかがでしょうか。お伺いいたします。
○説明員(筧康生君) ただいまお尋ねの情報の件は、いわゆる報道にかかわる情報ということになると思うのでございますが、この報道の自由ということと人権の保障というのは間々対立するところがございまして、これをどのように調整していくかというのは大変難しい問題であるというように考えております。
 ただ、それがいわゆる人権の問題を生ずる、あるいは人権の侵害の問題を生ずるということの基準といたしましては、その報道に際しての根拠といいますか、情報が相当な根拠を持ってなされたものかどうかということが最も大きなポイントとなって判断されるべきであると考えております。特に、今御指摘のような、犯罪にかかわるような情報を提供するということは人権上極めて大きな問題を生ずるわけでございますので、そのような報道をする際にはその報道の根拠についての十分な検討、吟味がされるべきである、かように考えております。
○鈴木貞敏君 昭和二十三年ですか、世界人権宣言というものが発せられました。それでは有罪とされるまでは無罪と推定される、こういうことでございまして、これは国連として採択しました国際的な倫理宣言、こういうふうに理解するわけでございます。これに照らし合わせてみて、いろいろの今の風潮なり動向というものは一体どうなのかな、大げさ過ぎないかなということを私個人として感ずるケースがあるわけでございます。何しろ日本は、一社で何百万部という新聞を発行しておる大新聞社を初めとしまして、全国で中央紙地方紙を合わせて六千万部以上の大変なマスコミ大国である、こういうふうに言われておりまして、その影響力は極めて強大であると私は思います。
 したがって、名前を報道されただけで、その人の受ける社会的な制裁といいましょうか、そういったものは家族を含めて極めて大変なものがある。したがって、もしそれが犯罪に全然関係なかったんだということになりましたら一体その責任はだれが負うのかなということを含めましていろいろ感じさせられることがあるわけでございますけれども、一体アメリカあるいはヨーロッパ、こういった国々では事件関係者の名前をマスメディアに乗せるという場合にどういう基準といいますか、取り扱いがなされておるのか、おわかりの点、ひとつお教え願いたいと思います。
○説明員(筧康生君) ただいまの御質問に対して的確に答えるというのは大変難しいことでございまして、特に外国の制度に関しまして、その運用にまでまたがってお答えするというだけの材料を、大変申しわけないのでございますけれども、ここには持ち合わせておらないという状況にあります。
 ただ、若干私どもの過去扱いましたことに関連して申し上げておきますと、かつて容疑者をまだ容疑者の段階で呼び捨てにするということが問題になったことがございます。この点は最近はやや改善されたというように聞いておりますが、その当時、特にヨーロッパの制度についてどうなっているんだろうというようなことを調べたことがございます。これがまた統一的なことはなかったわけでございますけれども、容疑者の段階ではミスターとかあるいはムッシューとかというような敬称を付して呼んでおるというようなこともあったわけでございます。しかし、これは必ずしも法制度上ごうごうというわけではなくて、いわばそのマスメディアにおける運用の実態に任されておったという状況になっておったというように承知しております。
○鈴木貞敏君 御答弁のように、国々によってそれぞれニュアンスがいろいろあろうと思います。
 次にお尋ねしたいんですが、法律を出して云々するのは余り好みませんけれども、刑訴法では御承知のとおり、「刑事事件につき、公共の福祉の維持と個人の基本的人権の保障とを全うしつつ、事案の真相を明らかにし、刑罰法令を適正且つ迅速に適用実現することを目的とする。」というようなことを刑訴法の第一条にはうたっているわけでございます。その他いろいろ適正捜査といいますか、そういう面についての規定があるわけでございます。また中には、検察官等捜査に従事する者は被疑者その他の名誉を害しないように注意し、かつ捜査の妨げにならないようにしなければならない、こんな規定も訓示規定でございますが書いておるというふうな状況でございます。
 したがって、こういった法律の趣旨を実現するためには捜査は密行が原則である、私はこういうふうに思います。何で密行であるか。捜査自体が効果的に行われるということはもとよりでございますが、やはり捜査の内容または経過の公表というものが人の名誉なりそういったものを侵害してはいかぬ、こういうことが一つの前提でございまして、やはり密行が原則であると私は思うわけでございます。
 ところで、最近の風潮というのは、マスコミ記事が先行いたしまして、いわゆるマスコミ捜査と言われるような事態が現出しておるわけでございますけれども、こういった状況について法務省当局としてはどうお考えなのか。また、そうした中で、政治に関連した事件等に絡みましては選挙というスクリーンを通して選ばれておる、法のもとの平等でございますけれども、とにかく選挙というスクリーンを受ける政治家、こういったものの人権の確保についてどういうお考えをお持ちであるか、御見解をお伺いしたいと思います。
○説明員(濱邦久君) まず、委員最初のお尋ねは、マスコミによるいわゆる犯罪報道をめぐる法務当局の問題意識に関するものと理解しているわけでございます。
 マスコミの報道内容等につきまして法務当局が論評申し上げるような立場にはないと思うわけでございますが、ただ、関係者の人権保護や捜査、公判の円滑な遂行という観点から、今委員御指摘のとおり、捜査密行の原則のもとで捜査に臨んでおる検察当局の立場からいたしますれば、マスコミにおきましても関係者の人権の保護やあるいは捜査、公判の適正な遂行等の観点に配慮しながら報道されることを期待しているものと思うわけでございます。
 委員の御質問の後段の点でございますが、例えば政治家の関連する事案に対する検察の配意はどうであるかという御趣旨のお尋ねかと思うわけでございますが、これは改めて申し上げるまでもなく、どのような事案におきましても、検察当局が捜査を行うにつきましては事案事案の性質に即しまして、関係者の人権の保護と適正手続の保障とに意を用いつつ真相の解明に努めるべきものと承知しているわけでございます。
○鈴木貞敏君 リクルートのときにも経験したわけでございますが、収賄と全く関係のない、学生時代からの友人の株式を時価購入した、あるいは後援会の会費納入があたかも犯罪行為であるかのごとく報道される、そういうようなことで政治的に痛手をこうむった政治家もあったんじゃなかろうかと思います。
 こうしたマスコミ情報の中には、捜査当局でなければ知り得ないような詳細な具体的なものが見られるわけでございます。検察は、政治家名あるいは金額を内容とするいわゆる渡辺供述、これを公表したりあるいはリークしたりしたことがありますか、どうですか、お伺いいたします。
○説明員(濱邦久君) もちろん、検察当局が捜査段階における関係者の供述の内容等を捜査関係者以外の第三者に漏らすというようなことはあり得ないものと確信しております。
○鈴木貞敏君 御答弁をお伺いしました。
 そうしますと、今出ておるそれぞれのマスメディアでの記事は、検察御当局からのソースに全然関係なく、独自の取材に応じてそれぞれ書かれておるものであるということで理解していい、こういうことであろうと思います。
 いずれにしましても、捜査上の秘密ということで、今マスコミの熾烈なる取材競争といいましょうか、そういう実態であろうと思いますが、そういう中で漏れてしまったということもあり得るかもしれません。また、中には意識的に漏らすということもあり得るかもしれない。しかし、いずれにしろ漏れてしまうことと漏らすということには大きな差異があろうと思います。
 私は個人的に、情報をリークし、その反応を見ながら捜査に着手する方法であるとか、あるいはマスコミを通じて世論を操作するというような手法、これは捜査の正道ではなくて邪道だ、こう思います。先ほど申しました密行あるいは隠密な捜査の積み上げの結果をもとにしまして、逮捕等の決定的な時期に初めて明白な事実を摘示する、こういうものがやはり捜査の正道かなというふうに思っている者の一人でございます。
 そういう前提から、政治的に考えましていろいろ考えさせられるわけでございますけれども、政治的な汚職事件、こういったものが出ますと法務大臣の指揮権発動がどうだというふうなことがすぐ議論に上るわけでございます。これも検察庁法の十四条かに書いてある一般的指揮権、特別指揮権というふうなことでございますが、私は問題は特別指揮権なんというのは論外でございまして、これは一般的指揮権がすべての基本だろう、こう思うわけでございます。
 私も長年警察に職を奉じておった者でございまして、捜査も検察官と一緒にやった経験のある者でございます。非常に困難な環境の中で、適正、妥当な捜査を遂行する、そういう面で御努力は大変なものだと本当に敬意を表するわけでございまして、いよいよ検察の信頼を高めていただきたいということを心から祈念する者の一人でございます。
 そういう意味で、不必要な憶測を持たれないためにも捜査上知り得た秘密については絶対漏らさない。これはいわば公務員のイロハのイであろうと思うわけでございます。そういう面で厳格な指揮監督、一般的指揮権というんでしょうか、形式的に言えばそういう中での法務大臣の指揮権、指揮監督、こういったものは大変大切だろう、肝要であろうと私は思うわけでございますが、そういう意味で最後に法務大臣のその点についての御所見をお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(田原隆君) ただいま御質問、御意見がありましたことに関してお答えしますが、おっしゃるように一般的指揮権がございますが、私は一般的に申しましても、今度の事件を見ましても、検察は極めて厳正、公平、中立、不偏不党にやっておると信じておりますので、おっしゃるようなことに指揮権を振るって関与するというようなことは考えたこともございませんし、捜査が適正、厳正に行われるように念願しておる次第であります。
 また、先ほどからおっしゃられておるような守秘義務等についても、公務員としての一般的守秘義務は当然ありますが、さらに捜査という事の性質上、当然守ること自体が生命でありますから、人権はもとよりでありますけれども、それを軽々しく検察の方から漏れるとかいうことはまず絶対ないものと私は法務大臣として信じて疑いませんし、そのように私は考えております。
○鈴木貞敏君 大臣、ありがとうございます。大変強い御決意、御所信を伺って本当にありがとうございました。
 次いで、決算委員会の本来の質問といいましょうか、そういうところに返させていただきますけれども、決算審査につきましてお伺いいたします。
 私も二年ぶりに決算委員会に戻ったのでございますけれども、参議院としましては四年度分の決算を否認しておるわけでございます。国会に提出された決算は、内閣によって確定され、会計検査院によって確認された計数書であるわけでございます。国会審査によりましてその内容が修正されたり削除されたりする余地はありません。
 こうした決算に対し、政治的思惑を優先させようどする姿勢に自民党としては終始反論してきました。決算審査の意義は、税収の実態、予算の使用等をチェックし、また、施策全般の実績の批判を行いまして、それらをこれからの予算編成なり財政運営に生かしていくということにあろうと思います。こういう面から見まして、参議院が否認を続けてきたことについてお互いに冷静に考え直す時期ではなかろうか、こう思うわけでございます。まあしかし、そうは言いましても、参議院では否認が続いてきたというふうな一つの冷厳な事実があるわけでございます。
 新年度の決算の審査に当たりまして、大蔵大臣は今までの経緯なり決算内容の批判をどうお受けとめになっておられるか、まず御所見をお伺いしたいわけでございます。
○国務大臣(羽田孜君) 御指摘がございましたように、参議院におきましては、六十一年、六十二年そして六十三年、また平成元年度の決算について御理解を得られなかったということでございます。まことに遺憾に存じます。衆議院におきましては従来から御理解を得られたことでございますけれども、残念ですけれども参議院ではそうはいきませんでした。
 政府といたしましては、国会の御審議あるいは御指摘を踏まえまして、今後とも予算の適正かつ効率的な執行に努め、国会の御理解をいただけるようにさらに適切な対処に努力をしてまいりたいということを申し上げたいと存じます。
○鈴木貞敏君 ありがとうございます。
 次に、財政問題ということでお伺いしたいわけでございますが、まず公債政策ということについてお伺いします。
 元年七月の参議院選挙、そして翌二年二月の総選挙を経まして平成二年度が始まったわけでございます。二年度の予算の成立は六月七日にずれ込みまして、参議院の否決によりまして両院協議会も開かれたということでございました。平成二年度の経済動向は、長期にわたる好況下にありまして、設備投資、個人消費も高水準に維持されまして、概して堅調であったと思われるわけでございます。
 この年度の財政面における最大の特徴は、十五年ぶりに特例公債依存体質から脱却した、こういうことではなかったかなと思うわけでございます。この目標達成の過程でとられました行政改革なり合理化、適正な財源配分等、政府の御努力に対しまして心から敬意を表する次第でございます。そして、こうした政府の努力の中で現実に特例公債発行ゼロ、これが実現した、まことに意義が深い年であったなと思うわけでございます。
 政府の意図する財政上の目標、これは、昭和五十年の石油ショックを契機として税収に非常に大きな落ち込みがございまして、こういった悪影響から特例公債発行に追い込まれたわけですが、その後、特例公債依存体質から脱却するということを財政再建の目標にして、本当に毎年毎年ずっと努力を続けてきた、そういう目標を掲げて例年の努力、政府のコントロール、これが見事に一応結実した、こういうことであったと思うわけでございます。
 今、赤字国債の問題等もいろいろ論議されておるわけでございますが、公債政策、これはそのときどきの経済、財政問題と密接に関連するわけでございまして、今後も公債発行を余儀なくされる場面に遭遇することもあろうかと思われるわけでございますが、今までのこういった経験、これは非常に大きな参考になるのかなと思うわけでございます。
 二年度の建設国債、これは五兆六千三百億ですか、このくらいあるようでございます。特例債がなくなった結果国債依存度、これが三・五ポイント低下いたしまして八・五%と一けた台になっておるようでございますけれども、この建設国債を含む適正な公債依存度、これは一体どうなんだろう。まあ私は経済といった面で素人でございますが、依存度というものはどうであろうか、そしてどんなに好況下でも国債というものを抜きにして財政は考えられないのかどうか。そんな面につきましてひとつ大臣の御所見を伺いたい。
 そしてまた、今、赤字国債発行問題、不景気、不況、こういったものを踏まえまして論議がいろいろあるわけでございますが、一体いかなる段階になれば赤字国債なりとも政治決断で踏み切らぬといかぬ、そういう決断というか、一つの段階というのはどういう段階が考えられるのかということについてのお考えをひとつお伺いしたいと思います。
○国務大臣(羽田孜君) ただいま鈴木委員の方から御指摘がございましたように、特例公債、これを発行しなくなるまでの間にまさにゼロシーリングですとか、関係各省庁の皆様方にも大変御苦労をいただきましてそこまでやってきたということでございます。しかし、平成四年度末の公債残高、これは百七十四兆円にも達する見込みでございまして、依然として構造的な厳しさが続いておるところであります。また、加えまして税収につきましても極めて厳しい状況が当面続くものであろうというふうに私たちは覚悟しなければならないと思います。
 そういう中で、今後の財政運営に当たりましてはこのような状況を踏まえまして、後世代に多大の負担を残すことなく、再び特例公債を発行しないこと、これを基本として公債残高が累増しないような財政体質をつくり上げていくことが我々にとって緊要な課題であろうというふうに考えております。引き続き、私どもはこのような基本的な考え方に立ちまして、財政運営に当たりましては徹底した制度あるいは施策や歳出の見直しに取り組むなど、行財政改革を強力に推進していく考えであります。
 今、今度の追加措置あるいは平成五年度の予算編成に当たりましても、いろんなところからも赤字国債を発行してこういったことをやったらどうだろうという声がありますけれども、もしこれで特例公債を再び発行するということになったら歯どめがなくなるということになろうかと思っております。その意味でも、私どもといたしましては特例公債というものを発行しないように厳しい姿勢で臨まなければならないというふうに考えておるところでございます。
 ただ、よく公債の残高につきまして、GNP比ですとかそういったこともよく言われるのでございますけれども、この水準がどこが妥当であるかということについては明確な根拠はないんじゃなかろうかというふうに考えておりまして、私どもはその水準をどこどこということではなく、また経済というものは非常に動いていくわけでありますけれども、そういう中にありまして、財政を運営するに当たりましてはともかく後世代にツケを残していかないということを一番頭に置きながら運営を図っていくことが必要であろうというふうに考えております。
○鈴木貞敏君 ありがとうございました。
 次は、公共投資関係についてお伺いいたします。
 日米構造協議を踏まえた四百二十兆円の公共投資十カ年計画というものでございますが、これは私の理解する限りでは、アメリカは当時、向こう三年か五年の間で日本の公共投資のGNP比を六%台から一〇%台に高めるべきだというふうな主張があった。それに対して、こういった具体的な目標値は明示しないかわりに十カ年というふうなことでやったというふうな、そんなことでいろいろ論議があったというふうに理解しているわけでございます。
 当時の閣議で了解されました基本計画等によりましても、この十カ年計画というのはこれからのいろいろな長期計画の中で具体的なものは詰めていくんだ、総枠を示したものだ、こういうふうなことが示されておったわけでございますが、平成二年度の公共投資額、約三十兆円をもとにしますと、これから相当の伸びでオンしていかぬといかぬ、こういうふうに思うわけでございますが、そういった国、地方を含めての負担の伸びというのはどの程度になるのかということをひとつお伺いしたいと思います。
○国務大臣(羽田孜君) 公共投資の基本計画にありましては、本格的な高齢化社会が到来する二十一世紀、これを見据えながら着実に社会資本の整備を図っていくということでございまして、一九九一年から二〇〇〇年の十年の間におおむね四百三十兆円の公共投資を行うということにされております。また、この計画の各年度の運用につきましては、インフレあるいは景気過熱を招かないように留意しながら、それぞれの時点での経済あるいは財政事情、こういったものを踏まえながら機動的、弾力的に対処していくということにされておるところでございます。
 平成四年度の予算におきましては、この計画の着実な実施に資するために国、地方にありましても最大限の努力を行ったところでございまして、さらにその具体的な配分に当たりましても、国民生活の質の向上に結びつく分野にできるだけ配慮しているところでございます。また先般、総合経済対策の中におきまして公共投資の拡大ということで八兆六千億円を含む対策を進めたところでございまして、この公共投資の基本計画、これの着実な実施に資していくものであろうというふうに考えておるところでございます。
 ですから、毎年国ではあるいは地方ではどのくらいの規模ということではありませんで、もちろんこれは余り乱高下するということになりますと、地方あるいは公共事業機関、こういったところにありましても事業がなかなか進めにくいということがありますから、これはなだらかなものでなきゃならぬだろうというふうに考えますけれども、先ほども申し上げましたように、経済情勢の推移ですとかあるいは時代の要請、こういったものを踏まえながら適切な公共投資基本計画の推進を図っていきたいというふうに考えておることを申し上げたいと存じます。
○鈴木貞敏君 わかりました。
 そうすると、大臣のおっしゃったように非常にフレキシブルにそれぞれの情勢に応じてやっていくということでございますが、今生活関連枠、そういった問題を含めまして、例えば下水道とか廃棄物とか住宅とか、そういった一つの生活環境あるいは文化的な関係の予算、こういったものについては、しかし全体の流れとしてそこはひとつ手厚くするよと、こういうふうなフレキシブルだけれどもその中でもそういう面はひとつ大切にしていくよという理解でよろしゅうございましょうか。
○国務大臣(羽田孜君) 御指摘のとおりでございまして、私ども生活大国というものをこういった中で着実に推進していくということで、これからも今御指摘のありましたことを念頭に置きながら対応していきたいというふうに存じます。
○鈴木貞敏君 次は、税収についてでございます。
 長期間続きましたさきの経済好況期、そしてその末期ではいわゆるバブル現象も起こりまして、その間税収の伸びも非常に大きかったわけでございます。何といいましてもこの税収は財政政策の原資でございます。平成二年度、三年度及び本年度、この税収が一体どうなっておるのか、お伺いしたいわけでございます。
 特に、本年度は当初の税収見積もりを大きく下回る、こういったことがもう随分早くから報道されておるわけでございます。それとも関連しての予算編成あるいは臨時国会、こういったものもいろいろ論議されているわけでございますが、この点ひとつ政府の分析、今後の見通し、対応という面についての税収の面でのお考え、御所見をお伺
 いいたしたいと思います。
○説明員(田波耕治君) 税収についてのお尋ねでございますけれども、平成二年度の一般会計分税収の決算額は六十兆一千五十九億円でございました。これに対しまして平成三年度の決算額は五十九兆八千二百四億円でございまして、この数字は補正後の予算額に対して八千三百四億円の増収となっております。しかしながら、当初予算額と比較いたしますと一兆九千五百十六億円の減収になっております。また、先ほど申し上げました二年度の決算額に対しましても二千八百五十五億円
 の減収となっているところでございます。
 この分析でございますけれども、三年度の税収の決算額が補正後予算額を上回った要因といたしましては、法人税あるいは源泉所得税等につきまして、それぞれ企業収益の減少とかあるいは金利が低下していること等を反映いたしまして、昨年末の補正予算を組みましたときの予測を超えまして相当額の減収となりました。一方で、申告所得税あるいは相続税につきましては、それぞれ四年一月から税率が上がるというようなこともございまして、三年末に土地駆け込みの譲渡、あるいは金利が下がっておりますので相続税について延納を利用するという割合が減っているというようなことで、一種の納付の前倒しがございまして、予想外の一時的な増収が生じましてこれをカバーした結果でございます。
 お尋ねの平成四年度の税収動向についてでございますけれども、現在までわかっておりますのが七月末まででございます。それまでの累計の数字を前年と比べますと三・九%の減というふうになっております。
 そこで、四年度の年度を通しましてこの税収動向がどうなるかということでございますが、今申しましたように、まだ七月末ということで本格的な収納が始まったばかりでございまして、今後の税収動向であるとかあるいは経済情勢等を見守ってまいりたいわけでございますけれども、先ほど要因分析で申し上げました三年度の法人税とかあるいは源泉所得税の土台が減っている、こういうことの影響は確実に響いてこざるを得ないんではないか。また、昨年末の予算を編成しましたときより金利水準がさらに低下しておるわけでございまして、その利子源泉所得税への影響というものが四年度に本格化するということを考え合わせますと、状況は極めて厳しいものがあるというふうに考えております。したがいまして、当初予算に比べ相当の税収減が懸念されるところでございます。
○鈴木貞敏君 時間もあれでございますので、次に移らせていただきます。
 次に、検査報告関係について会計検査院にお伺いしたいと思います。
 まず一番目に、平成二年度決算の審査を開始するに当たりまして、二年度の決算検査報告の特徴といいましょうか、これについて御説明を願いたいと思います。
○会計検査院長(中村清君) 会計検査院では従来から社会経済情勢に即応した検査を実施しておりまして、昨年も公共事業、社会保障、ODA、こういったいわば国民の関心の高いものを重点的に検査したわけでございます。
 したがいまして、その特徴について申し上げますと、第一に公共事業につきましては、予算額も多額に上っておりまして、国民の関心も高いということから、計画、設計、積算、施工、まずそうしたものの技術的な内容に深く立ち入りまして問題を取り上げました。
 また、地価の高騰などに起因した宅地供給不足等が大きな社会問題になっておりまして、土地に対する社会的な関心が非常に高いということから、市街化区域内に所在する国有農地等につきまして有効な利活用を図るためその処分を促進するようという意見を表示しましたが、そのほかにも土地に関連した幾つかの問題を取り上げました。
 第二に、社会保障費が増大していることにかんがみまして、医療費、国民健康保険の交付金あるいは労災保険の費用徴収、こういった社会保障費関係の問題を数多く取り上げたわけでございます。
 第三に、ODAにつきましてはその実績も多額になっておりますし、また国民の関心も非常に高いということで、ODAに関する検査状況につきまして取り上げたわけであります。
 第四に、経営効率の観点に立ちましてJRにおける直営店舗事業の収支及び管理、郵便局における現金準備額の適切な保有額、こういった問題も取り上げたわけでございます。
 以上の諸点が主な特徴である、こういうふうに考えております。
○鈴木貞敏君 ありがとうございました。
 次に、会計検査に関連しまして、従来の検査報告というと、いわば有罪判決といいますか一けしからぬ、クロだというふうなところであったと思うわけでございます。これまでも特記事項というふうな形式で問題提起なり検討材料の提供ということが行われてきたようでございますが、二年度から新たに掲記されることとなりました特定検査対象に関する検査状況というのがあるようでございます。これは、国民の関心が非常に高いものに対する会計検査院としての取り組み状況を、調査に限界があったことも端的に述べながら明らかにしておると思うわけでございますが、非常に前向きな報告集でございまして、大変評価されてしかるべきだろうと私は思うわけでございます。特定検査対象に関する検査状況につきましては今後も継続して掲記していくのだろうと思いますけれども、これからどんな検査対象を取り上げていくのか、方針なりあればお伺いしたい。
 私としましては、決算委員会で論議の対象となったような問題につきましては、翌年度に専門家なりを交えて専門的な観点から調査して検査状況を報告するといったような格好で国会と会計検査院との協力関係を発展させていくということも可能じゃないかと、決算委員会のあり方ということを含めまして考えられるわけでございますけれども、そういった面を含めての検査院の御所見もあわせてお伺いいたしたいわけでございます。
○会計検査院長(中村清君) 従来は、検査報告におきまして指摘事項としまして最終的に結論づいたものだけを掲記する、こういう形でやってまいりました。
 しかしながら、ただいま先生御指摘のとおり、それだけでは十分でない場合もあるということを考慮いたしまして、今回の検査報告から社会的関心が極めて高いものにつきましては、従来の検査報告の指摘事項になじまない場合でありましても、業務報告的なものとしまして一連の検査状況や所見を示す、こういう形で社会的な関心に積極的にこたえていきたい、こう考えるわけでございます。そうした観点から、今回は二件を掲記いたしました。
 その一つは、政府開発援助についてでございますが、ODAは先ほども申し上げましたように、その実績が多額に上っておりますし、その使途や効果に対する国民の関心も極めて高いということで、可能な限り実情を明らかにするために検査の実施状況を掲記したものでありまして、調査した五カ国七十六事業につきまして、援助が順調に推移しているものと、援助の効果が十分に発現していない、この双方のものを取り上げまして、総合的に評価した上で我が国の援助実施体制の一層の整備拡充、拡大を図ることが重要である、こういう旨の記述をいたしました。
 その二は、御徒町トンネル工事における薬液注入工の施工についてでございますが、東北新幹線の御徒町トンネル工事における道路陥没事故につきましては、社会的な反響が非常に大きかったということがございまして、その実態について私どもとしても力を入れて検査したわけでございますが、この薬液注入工という工事の特殊性から申しまして、やはりすべてにわたって明確な結論を出すというわけにはいかなかったわけでございます。しかしながら、やはり薬液注入量が不足しているという実態は明らかでございますし、またこうした事態というものは決してあってはならないことである、こういうことから今後の施工管理体制の充実強化をすることにつきまして注意を促したものでございます。
 今後とも、こうした検査の実施状況につきましては、私どもとしては大いに力を入れまして積極的に国民の関心にこたえていくという姿勢を貫いていきたい、こう考えております。
○鈴木貞敏君 持ち時間も切迫いたしました。もう五分でございますが、会計検査の関係で、きょうお配りいただきました平成二年度決算検査報告に関する概要説明、この中での十ページから十二ページ等にわたりまして、検査院法三十六条の規定による改善意見表示及び処置要求というふうなものがございます。私も報告書の中を読ませていただいて非常に意義のあるものだな、こう思ったわけでございますが、時間もございません。それぞれ四省庁に御意見をお伺いしたいと思ったわけでございますが、もう二、三分しかございませんが、農林水産省、市街化区域内の国有農地の処分促進について、この三十六条についてのあれをひとつ簡潔に、代表して御報告をお願いいたします。
○説明員(入澤肇君) 昨年十二月に会計検査院から市街化区域内の国有農地、これは約二百ヘクタールございますけれども、その有効な利活用を図るために処分を促進するように指摘を受けました。これを受けまして、当方といたしましては担当課長名で国有農地の管理と処分の実務を行っている都道府県等に対し趣旨の徹底を図るとともに、是正すべき事案につきましては早期に処置するよう指導したところでございます。
 さらに、今後処分の前提となります旧所有者等の調査を計画的かつ集中的に実施すること、それから国有農地は早期に売り払うべき性格の財産であることを周知徹底させること、さらに公用、公共用利用計画の定期的な把握を行うこと、それから借り受け者等に対して濃密な買い受け勧奨等を行うこと等によりまして、国有農地につきまして一層の有効利活用が図られるよう処置してまいりたいと考えております。
○鈴木貞敏君 終わります。
○木庭健太郎君 きょうは、決算委員会の全般質疑ということでございます。さまざま決算も問題にしたいとも思っておりますが、やはり今ある意味では私たち政治家また政府が一番考えなければならない問題は、私たち公明党は佐川急便の問題だと思っております。ぜひそういう問題にもきちんとした形でやりたいということで、本日はその問題を取り上げさせていただきたいと思っております。
 佐川急便事件、これまで長い間かかりまして、一つは一千億円に上る特別背任の問題がほぼ解明され、また暴力団との癒着の問題についてもある程度解明をしていただきました。そして、以前から指摘されておりましたけれども、いよいよ政界へ巨額な金が流れているというような問題についてもようやく今メスが入ったところだと思っております。検察庁、ここまで一生懸命御努力されてこぎつけてこられたことについては心から敬意を表し上げますし、またこれからもぜひ公明そして公正に捜査を続けていただきたいということを私たちも祈っております。
 しかしその一方で、佐川急便事件をめぐりましては、先日、自民党の金丸副総裁が辞任されるというようなことがございました。また、これに関連して、二十一億円を上回るお金が、政治家といっても特に元総理そして閣僚へ流れたというような実名報道もあっておりました。また、地方政界でもつい最近、新潟県知事が辞任するというような事態が生じているわけでございます。
 私どもは、もちろん捜査当局によって、検察庁によって適正な捜査をしていただきたい、それとともに、やはり同じ政治家として、政治の一番問題になっているこういう問題についても真相解明に全力で努力していきたいという決意を持っているわけでございます。また、ある意味では今国民の皆さんが怒りを通り越してあきれ果てているようなところもあると思いますが、そういったことを本当にきちんとやることが、塩川自治大臣も投票率のことで盛んにうなずいておられましたけれども、今回の参議院選挙でも五〇%という低い投票率を考えたとき、私たちは深刻にこういう問題を考えなければいけないと思っております。
 特に、佐川の問題で私どもが重視いたしておりますのは三つの点がございます。
 一つは、午前中にも指摘がありましたけれども、リクルート事件の最中にこの佐川急便問題ということが起こってきている。まさに私たちが政治改革を一生懸命やろうとしたときに、そのときにこういう事件が背景ではあっていたということがございます。
 もう一つは、政治家へ流れたというお金が特別背任あるいは暴力団が絡んだという、いわば汚いお金によって起こっている。そして、これからの課題になると思いますけれども、政治家へ本当に多額に流れたということになるならば、まさに政治家がそういう汚い金に群がっていたという構図になる、これが第二点であります。
 三つ目は、献金の額について五億という話が具体的に出てまいりましたけれども、非常に巨額な額になっておる、それがいとも簡単に取り扱われているというところが私たちが非常に不審に思うことであり、また一つは本当に庶民感覚から政治家がずれてきてしまっているということを感ぜざるを得ない、この点でございます。
 したがって、きょうたまたま決算委員会がこういう問題を扱う冒頭になってしまった節はございますけれども、ぜひ官房長官にまずお伺いしておきたいのは、宮澤内閣として佐川急便事件と政治家のかかわりという問題について、またこういう問題が政治不信を加速させることに対してどのように認識なさっておられて、そしてこれからどのように対処なさろうとお考えになっているかをまず冒頭お伺いしておきたい、こう思います。
○国務大臣(加藤紘一君) 今度いろいろ新聞等で報道されておりますこの事件につきましては、政治と金という観点から大分論議され、また世間の関心も集めております。その点は我々政府も十分承知いたしております。
 不信感の除去のためにも、まずこの事件の本当の事実関係がどういうところにあるのか、そしてそれが法に照らしていかなる罰則を得べきものなのかということを正確に、かつ厳正、公正に司法当局によって調べられることが重要であろうと思っております。政府としては、その事実関係を司法当局が厳正に調査できるということを保障しながらその推移を見守っていかなければならない、こう考えております。
○木庭健太郎君 そのことももちろんだと思います。ただ、本当にそれだけでいいのかという問題が私は常に残っていると思うんです。
 宮澤内閣の看板はたしか政治改革、政治倫理の確立ということが一つの看板だったと思います。それならば、やはり一つは御自身の党の副総裁が辞任されたという問題もある、そういった問題も含めてこういった動きの中で、じゃ一体今何に取り組まなければいけないのかということをやはり官房長官としてはきっちり明言すべきだと思うんです。
 そうすると、事件が解明されるまでは内閣としてはこの問題は考える必要がない、政治と金の問題についてこれだけ報道もされている、そういう問題についてはこれは事件がきちっと全部終わるまでは一切関係ないですよ、それが終わった上で、何が問題かということになった上で物を考えましょうということなのか。それとも、政治改革を取り組む宮澤内閣ならばその中で何かをやってみよう、特にこういう問題が起きたならば政治改革の方はどれをより加速させるのか、何をやらなくちゃいけないのかということをやはり検討する時期に入っていらっしゃるのじゃないかと思うんです。
 じゃ具体的に、例えば私どもからしてみれば、もちろん一つはこの事件の解明ということで司法の解明を待ちたいということがございます。もう一つは、やはり国民に見えるような形で、新聞報道だけではなくて国会の場でもできる限りこういった問題についての解明に取り組む、そういう姿勢も大切だと思うんです。私たち自身は国会の早期召集ということを求めております。これは国会の問題だとおっしゃるかもしれないけれども、そういう動きに対して政府としてもぜひ協力して早期に取り組むお考えはあるかどうか、まず一点それをお伺いいたしましょう。
○国務大臣(加藤紘一君) 国会の召集につきましては、政府として、現在の経済状況から申しまして、補正予算等も含めた今後の経済対策について御議論いただきたい、こう思っております。そのために税収見積もり等正確な数字の基礎の上に立って御審議をいただかなければならないと考えておりまして、その準備を鋭意進めておるところでございます。
 それから、木庭先生がおっしゃいましたように、佐川急便事件と政治改革の関係をどう見るのかということでございますが、佐川急便事件そのものにつきましては、ただいま私が申し上げましたように、司法当局の厳正な調査を待って、そしてその事実関係、そしてどういうところに法に反したところがあるのかを明確にするということが第一のスタートになるのでないかと考えております。
 しかし、この事件とはまた別途に我々が進めていかなければならないのは政治改革でございます。特に、最近政治と金という問題につきましての議論が多いところでございますので、とりあえずは我々政府としましては、国会の場で政党間協議に今のせられております政治改革の緊急是正の問題について、できるだけ早期の御討議がなされることを政府としては期待いたしておるわけでございます。
 また一方、自民党といたしましては、そういう緊急改革で踏み込めなかったもっと抜本的な問題についての政治改革の論議を九月からスタートしていただいておりますけれども、そこの中核になりますのがどうしたら政党間のいわゆる政策論争の場になるのか、それがどういう制度がいいのか、そういういわゆる選挙制度の問題が一つ議論になるだろうということはよく議論になるところであろうと思います。
 もう一つは、いかにして政治にお金がかかちなくなるようにするのか、またその政治資金の調達についてより抜本的に改革を考えるならばどういうところであるのか。そういった選挙制度とそれから政治資金の問題が今後抜本改正、抜本是正についての党内の論議の二つのテーマになるのではないかなと思っております。抜本改革の問題は、今の段階では自民党内の議論になっております。
○木庭健太郎君 これもまあ政党間の問題と言われればそのとおりかもしれませんけれども、政治改革の問題については臨時国会の冒頭処理というような問題もございました。
 ただ、最後の方で、政治資金の問題、官房長官少し補足していただきましたけれども、何かお話の流れを聞いていると、今度の臨時国会でやらなくちゃいけないのは緊急是正の問題だ、そして選挙制度の問題。私は選挙制度、確かに金がかかるという問題がございますけれども、それ以上にある意味では政治資金規正法のあり方がどうなのか。今の、結局お金が見えない、何か大きなお金をもらったとしてもそれが罰せられないような形が起きている、そういった問題の方にある意味では国民というのは目を向けているという気がいたします。その辺が本当に非常な不信感にもつながっていると思うのであります。
 そういう意味では、本当は真正面から政治資金規正法を含めてどうするかという問題については早期に取り組まなければいけない問題だと、私どもは、ある意味では緊急是正も大事だけれども、それ以上に、こういった問題が出てきた場合、政治資金の問題に取り組むということが大事ではないかと思うんです。そういうやり方の問題について、私は何か官房長官の話を聞いていると、政府としては緊急是正だけまずやっておけばいいんだ、あとの問題はずっと後の話だよというふうに聞こえてしまうんですけれども、その辺はどうなんでしょうか。
○国務大臣(加藤紘一君) 過去一年、二年の政治改革に関する政府の考え方、提案と立法府との関係についてここでもう一度振り返ってみますと、昨年、海部内閣におきまして選挙制度の改革も含めた幾つかの政治改革のパッケージを出したわけでございます。その中には、公的な資金を選挙制度の改正とともに導入するという問題点も含めて出したわけですけれども、その政府の提案は立法府の中で受け入れていただけるものにならずに、そしてそれが廃案となったときに、今後、立法府の中で政党間協議でこの問題に対処していくという合意に至ったわけでございます。
 したがって、今ある意味で重要な論議の場は立法府の中における政党間協議ということになっておりまして、したがって自民党としてもその方向で対処しなければならないし、また政府としては、行政府としては、その政党間協議の中でいい案ができますようにできる限りの御協力を申し上げるというような立場にあるんだろうと思っております。
 しかし、そういうふうなことであるにしても、政府としてはできる限り選挙制度の問題、そしてまた政治資金の問題等について今後考え続けていかなければならないし、また政党間協議の成り行き等にできる限りの御協力をしていかなければならないと考えております。
○木庭健太郎君 もう一つ、午前中から論議になっておりましたが、佐川急便事件という問題が起きた、閣僚の名前も出てきたというような問題があった、内閣としてそれに対してどうやるのかという話がございました。先ほど官房長官は、それぞれの大臣がそれぞれの記者会見でやれば済む話であってというお話をされておったと思います。
 ただ、こういった問題というのは、本当に私どももそれでいいのかなということを感じるわけです。例えばかつてロッキードの問題、リクルートの問題が起きました。その際、どういう形で国会に対する答弁をなさったか。私おぼろげな記憶でございますけれども、たしかきちんとした形で、内閣としてこうだという形を出されたはずだと私は認識しておるんです。やはりこういった問題が起きたときには、内閣として、自分たちとしてはそういう問題がうわさとして出てくれば違いますよということをきちんとやるべきではないのかな、いわば内閣できちんと調査をするということも必要ではないかなと思います。
 その点について、官房長官のお考えをもう一回お伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(加藤紘一君) 新聞報道にいろいろあることは承知しておりますが、その新聞報道もよく見ますとまちまちでございます。私たちは新聞報道がすべてであるとは思っておりません。報道された際に、それぞれの閣僚の方が、仮に名前が挙がったとするならば、その点について正々堂々とお話しくださる。それもメディアというものを通じて国民の前に記者会見で堂々となさっていただきたいと思っておりますし、そうお願いしてございます。
 そしてまた、仮に内閣官房でお聞きするとしても、恐らくというか、紛れもなくその記者会見でおっしゃっていることを我々は集大成することになるだろうと思います。記者会見でおっしゃることと内閣官房におっしゃることが違ってはこれは大変なことでございます。国民の前におっしゃったことと我々に言っていたことが違うことはあり得ないわけでございます。したがって、責任を持ってそれぞれが記者会見でやっていただくという方針をとっておりまして、それぞれの閣僚の方を我々は信頼申し上げておるわけでございます。
 そして、そういう調査ではだめだ、政府の中でもっと厳格に事実関係から何から本当の捜査に似たような調査をやれという御意見で仮にあるとすれば、それは内閣官房でできる問題ではありませんで、それは厳正なる司法当局がやるべき仕事であろうと思っておりますし、その司法当局がやることを厳正に公正にやる条件を完備しておくということが、我々内閣にとって事実究明のために一番重要なことではないかと思っております。
○木庭健太郎君 私は、その考えは正直言ってなじみません。例えば資産公開の問題がある。それは内閣で決められたことで、政治と金という問題で内閣としてはきちんとしていきたいということで、みずから皆さんそれぞれきちんとした形で、内閣でまとめた形でなった時期なった時期になさっている。やはり政治家と金という問題が問われたときはきちんとしていくというのが一つの閣僚としての責任、そういう御自覚のもとにそういうことをまとめてやっていらっしゃると私は思っているわけでございます。
 私は、別段、過去にさかのぼって、リクルートから共和から全部、閣僚にあったことをすべてやれと言っているわけでは決してありません。ある意味ではそれは自民党のお話です。金丸副総裁という方が事実を自分で発表されたそういった時期でもある。そういう今事件が始まった中で、本当にそういう意味じゃ事実を国民も知りたいし、またきょうの問題でも、例えば郵政大臣は残念ながら海外にいらっしゃる。出ていらっしゃれば聞きたいと思ったこともある。きょうはほかの方たちはお話しになられましたけれども、聞けなかった面もあります。また、先ほど近藤副長官の問題も出てまいりました。
 そういった問題を含めて、私はやはりここは内閣として、特に宮澤内閣が政治と金という問題に対して一番本当に厳しくやっていこうという内閣ならば、逆に言えば、それくらいの決意を持ってまず国民の前にそういう問題が出たら最初にお話しをいただく、それが一番必要ではないかと思います。どうですか。違うことを言わないというならそれでもいいです。きちんとした形でまとめていただいて、国民の前に明らかにできませんか。
○国務大臣(加藤紘一君) それぞれの閣僚の方が記者会見において、またきょうもこうやって各閣僚が全員お出になって、国民の前に、議会の前に事実関係を所信に基づいて述べられております。それが各閣僚がおっしゃったことであり、各閣僚がここでおっしゃったことには内閣は責任を持っているわけでございます。
○木庭健太郎君 そうはおっしゃっても、事実きょう出てこられていない方もいらっしゃるわけですから、その辺はやはりぜひとも、内閣でできないとおっしゃるならやる気がないということでしょうから、私たちはそれはそれで別の方法をいろいろ考えるしかないということになっていくんだろうと思っております。こんなことだけやっていてもしようがないので……。
 先日、金丸副総裁は、東京佐川急便元社長渡辺被告からの五億円の献金、いろいろ表現はあるでしょうけれどもみずから認められて、本人のお言葉では政治資金、政治倫理に反したと、そういう記者会見をなさって自民党副総裁を辞任されたわけでございますけれども、この金丸氏の記者会見に対する法務省、法務大臣及び自治省の認識をそれぞれお伺いしたいし、また金丸氏みずからが政治資金に反したというような言葉をお使いになっているんですけれども、これに対してどのように対処をなさるお考えなのか、これもそれぞれお伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(田原隆君) お答えします。
 金丸副総裁の件につきましては、現段階で報道等について、法務大臣としてあれこれ申し上げる立場にないというふうに私は考えております。
○国務大臣(塩川正十郎君) 私は、まだ事実関係を承知いたしておりませんので、この場でその論評をするということは差し控えさせていただきたいと思っております。
 いずれにいたしましても、政治資金に関することは政治資金規正法によって対処すべき問題だと思っております。
○木庭健太郎君 自治省にお伺いしますけれども、金丸氏は献金を受けたとおっしゃっておられるわけでございますけれども、献金を受けたとおっしゃっているその時期、金丸氏あるいは金丸氏の指定団体から届け出はあっておるんでしょうか。
○説明員(吉田弘正君) 御質問のございました金丸議員の指定団体でございます新国土開発研究会の昭和六十三年、平成元年及び二年の収支報告書を調べましたが、寄附の内訳の欄に東京佐川急便及び同社元社長の渡辺氏の記載はございません。
 また、六十三年から平成二年までの金丸議員が個人として受けた寄附について指定団体に対する寄附がなされておりまして、保有金に係る収支報告書は提出されておりません。
○木庭健太郎君 もう一つ、記者会見をされてから日にちがたっておりますけれども、記者会見の後、同じように五億円ということをおっしゃっていますから、五億円について金丸氏あるいは金丸氏の指定団体ですか、そこから届け出というのはあったんでしょうか。
○説明員(吉田弘正君) 現時点でも同様でございます。
○木庭健太郎君 一般的に、政治家本人あるいは政治団体が届け出をしない場合は、政治資金規正法上これは違反となるのか。その際、政治家本人が罪を問われるというようなことは起こり得るのかどうか。一般的な話で結構ですけれども教えていただきたいと思います。
○説明員(吉田弘正君) 具体的事実に関しては私ども承知しておりませんので、それに即してのお答えはできないわけでございます。
 ただ、政治資金規正法上の扱いということでございますので一般論として申し上げますれば、政治資金規正法では、政治団体に対する寄附及び特定の公職に対する金銭等による政治活動に関する寄附については、その収支を報告しなければならないとされているところでございます。
○木庭健太郎君 もう一つ、同じように一般論でお聞きしておきますけれども、一般的に政治家個人あるいは一つの政治団体が五億円というような額を受領した場合は、政治資金規正法上どういう問題が出てくるのかということについてお教えを願いたいと思います。
○説明員(吉田弘正君) これも事実関係に即したお答えはできないわけでございますが、政治資金規正法上の規定について御説明申し上げますと、一般論でございますが、政治資金規正法では、政党及び政治資金団体以外の同一の者に対する政治活動に関する寄附は年間百五十万円を超えてはならないとされているところでございます。
○木庭健太郎君 政治資金規正法がいつもざる法だと言われる原因は、もし違反した場合なんですけれども、違反して上回ったお金というのは、これは結局どういう処理がなされる形になるんですかね。違反を超えた額、これについては政治資金規正法上は何かやりようはあるんですか。
○説明員(吉田弘正君) 規正法違反について、量的規制については罰則がございますし、また収支報告につきましても、政治団体が収支報告をしなかったり虚偽の記載をした場合については罰則があるわけでございます。
○木庭健太郎君 ただ、罰則があるにしても、それを上回った額については、結局、例えば没収するとかそういう問題がないからこそ、この前、政治資金規正法の改正の中でそういう話が出てきたんだろうと思うんです。
 大蔵省にお伺いしたいんですけれども、政治資金規正法上違反となったようなお金というのは課税上どういう取り扱いをされるのか。また、届け出を行ったような金という問題については、これも課税上どういう取り扱いが行われるかということについても聞いておきたいと思います。
○説明員(松川隆志君) お答えいたします。
 政治家個人が企業から提供を受けた政治資金につきましては、所得税の課税上は雑所得の収入として取り扱うこととされておりまして、その政治資金収入から政治活動のために消費した金額を控除した残額が課税の対象になります。それで、政治献金の全額を政治活動のために消費した場合には課税関係は生じないということでございます。そして、その政治資金収入が政治活動のために消費されたかどうかにつきましては、個別のケースにおいて実態に即して判断することとなっております。
 それで、今の御指摘の政治資金規正法上違反したものについてどうかということでございますが、課税上は実質で判断いたしますので、政治資金ということであれば今申しましたような課税処理をすることになっております。
○木庭健太郎君 もう一つ聞いておきたいんですけれども、大蔵大臣、金丸副総裁はああいう会見をなさったわけですけれども、非常に額は大きいです。それは全部それに使ったのかもしれない。陣中見舞いということもおっしゃっているし、そこはわかりません。それはもちろん今からやるべき課題だと思います。ただ、こういった問題に対してもやはり国税としても関心を持つべきだろうと思いますが、その辺についての見解はいかがでしょうか。
○国務大臣(羽田孜君) いずれにしましても、今この問題につきましては、関連の問題についても議論されておるところでございますから、そういったものを踏まえながら我々としては対応すべきであろうと思います。
○木庭健太郎君 もう一つ、大蔵省に課税という面でぜひお尋ねをしておきたいのは、一つは、今回この事件の中で渡辺被告は、これまで報道で読む限りは、例えば稲川会の石井前会長側から資金提供の見返りとして十億円をもらったとか、平和堂グループから四百三十億円の債務保証をした見返りとして十九億五千万円を受け取ったと。これはあくまで新聞報道ですけれども、こういういわば見返りの金が政治家へ流れたという報道が幾つもございます。言葉としては還流金という言葉を使っているようでございますけれども、こういう還流金というのは課税上どういう問題があるのか。わかれば御見解をいただいておきたいと思います。
○説明員(松川隆志君) 個別にわたる事項については具体的に答弁することは差し控えさせていただきたいと思います。
 一般論として申し上げますと、国税当局としては、常に納税者に適正な課税をするという観点からあらゆる機会を通じて有効な資料、情報の収集に努めておりまして、課税上問題があると認められる場合には実地調査を行うなど等によりまして適正な課税に努めているところでございます。今後ともこのような基本的な考え方に基づきまして適時適切に対処してまいりたいと思います。
○木庭健太郎君 もう一点、これは自治省にお伺いしておきます。
 これも会見の中で、同志への陣中見舞いという認識だというようなお話が金丸前副総裁の会見の中でございました。それが、どういうことかわかりませんけれども、派閥の収入となされた場合、例えば、経世会への寄附だったということであるのならば経世会からもちろん届け出があっていると思いますが、そういった事実についてはどうでしょうか。
○説明員(吉田弘正君) 自治大臣に提出されております経世会の昭和六十三年、平成元年及び二年の収支報告書の寄附者の内訳の欄に、東京佐川急便及び同社元社長の渡辺氏の記載はございません。
○木庭健太郎君 今いろいろお聞きしただけで、私は金丸氏の問題、いろんな形で、先ほど自治大臣からもお話がありましたけれども、政治資金規正法上どうなるのかというような問題も残っておると思うのであります。その辺をきちんと明らかにする必要もあると思います。法務大臣は先ほどそういう立場にないとおっしゃいました。これは逆に言えば、やはり法務省、検察庁としては、御自身で金丸副総裁がそうおっしゃっているんですから、それについて関心を持つのは私は当然であると思うのであります。
 それで私の立場ではというのは、私はちょっと先ほどの答弁は納得がいかないんですけれども、本人がそうおっしゃっているならば、本人のためにも、逆に言えばこういった問題をきちんと法務省としても法律的に本当に問題がないのかどうかチェックする必要があると私は思うんですけれども、その点についてもう一回御答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(田原隆君) 私は、現在いろいろ報道がされておりますし、それから御本人が報道機関に発表されたわけでありますが、そのことについて私は法務大臣としていろいろ論評することは差し控えたい、こういう意味であります。どういうふうに述べてもそれは私の主観が入って厳正、公平な検察捜査に一般論として影響を与えるということがあり得るんではないかと考えておるからであります。
○木庭健太郎君 いや、そうじゃなくて、別に大臣の主観を入れろと言っているわけじゃないんですよ。そういう記者会見がなされた、それならば大臣の立場とするならば、本当に法的に問題がないのかどうか、それについて本当に事実関係はどうなのかということを事実として調べるという形というのは、私は司法をつかさどる法務大臣として当然のことだろうと思うし、別に個人の予見を入れてくれとは言っておりません、私は全然。
○国務大臣(田原隆君) 調べるなという指揮権の発動と調べろという指揮権の発動と両方あり得るわけですが、私はどっちもやらないのが公平、公正に現在すべてがいくと思っておりますので、そういうことをお話しされて、それが報道されて我々は知ったわけでありますが、もしそれを検察が捜査する必要があるとすれば検察の判断で捜査するのが一番正しいのであって、大臣たる私が調べて公表せよとか結果的にそうなるようなことを申し上げるべきでないと申し上げておるわけです。
○木庭健太郎君 それでは、検察として興味を持って、興味を持つという言い方はおかしいですね、検察としてきちんとこういう問題については調べていくんでしょうか、刑事局長。
○説明員(濱邦久君) 具体的事案に関しまして検察当局が捜査をしているかどうか、あるいはその内容はどうかということ等につきまして法務当局がこれを公にする立場にはございませんので、答弁は差し控えさせていただきたいと思います。
○木庭健太郎君 刑事局長としてはいつもそういう言い方になると思います。
 ただ、これはやはり金丸氏本人も含めてさまざまな方からいろんな形で話を聞きながら、そういった中で司法として、検察として関心を持ちながらやっていかなくてはいけないんじゃないかなと。ぜひ私どもとしてはやっていただきたいと。それが逆に言えば今雲の中に入って何も見えない状態であるし、そういう意味ではぜひやっていただけることを希望しておりますが、いかがでしょうか。
○説明員(濱邦久君) 同じお答えになるかと思いますけれども、具体的事案について検察当局が捜査をしているかどうか、あるいはどういう捜査をしているかどうかということにつきましてはお答えを勘弁させていただきたいというふうに思うわけでございます。
○木庭健太郎君 今回、あるテレビ局におきまして、佐川急便から何十億ものお金が流れたということの中で実名報道がされた閣僚というのは渡辺外務大臣及び奥田運輸大臣、この二人でございました。ある意味ではこのお二人の方にはぜひきちんとした形でお話をお伺いしようと思ったんですけれども、私どもの手違いでどうも奥田運輸大臣をお呼びできなかったような経過でございます。
 一つは、渡辺外務大臣の場合は一億円という形で額も明確にされて、しかも渡辺外務大臣ということで実名報道をされたわけでございます。その真偽を渡辺外務大臣の口からきちんとお伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 実は、私が訪ロする前にTBSの「ニュースの森」というので今言ったような報道があったという話を聞きました。私自身は見ておりませんからわかりません。そこで、ビデオをほかから取り寄せまして見たところが、まさしく十二名の人の中の一人として私の名前が出てきておるので、私は早速電話をいたしました。責任者はいない、社長もいない。社長室長、それから社会部長というのが出てきたので、その社会部長に、どういう意図で、なぜそういう放送をしたかということを詰問いたしました。ところが、検察庁の方で聞いてきたようなのらりくらりの話だった。じゃ、だれが、何という検事がしゃべったんだと、そこは守秘義務で言えないと。いいかげんなことを言っているなと思ったね。そこで、ともかく取り消せということを私は言ったんですよ。
 ところが、それから何日か過ぎてから、今度は偶然に私はテレビを見ておったんだが、筑紫哲也とかいう何かニュースキャスターみたいなのが、十一時ごろだったかやっておったんですよ、解説しておったね。私の会館にともかく一億円持ってきた、だれもいないので、知らない人が何人かおって、見知らない秘書に申しわけないけれどもと言ってその一億円の紙袋に名刺を張りつけて渡してくれと置いて帰ったと言っておるというような話だった。おとぎ話みたいなことなのでね。私の方としては注意したにかかわらず、そういうことだったらちゃんと説明をしたらいいじゃないかというような話だったよ。ないものの説明というのは難しいんだね、これは。あるものの説明ならできるんだけれども。
 だから、私の方としては抗議をしまして、内容証明でしないと今度だめだから、電話じゃ。内容証明で抗議文を出して返事をよこせ、取り消して謝罪をして、それで間違ったという広告を出せと。賠償金をよこせとよほど書いてやろうかと思ったんだが、余り銭の話をすると品がなくなるから、だから賠償金とは書いてなかったが、ともかく我々は名誉棄損で訴えてやってもいいんだが、これ罪が軽過ぎて、もうどんなに最高いったって五十万円の罰金だから、そういう連中としては痛くもかゆくもない話でね、五十万円ぐらい今どき。だから、それなら謝罪広告の方が金額も張るし、その方がいいんじゃないかと弁護士も言うから、じゃそれでやってくれということで合弁護士に頼んであるので、恐らく今週中には告訴するんじゃないですか、というのが真相です。
 全く柳の下にドジョウがいると思っても、やっぱり人によって違うんだよ、これは。だから、ただそういうことを、根拠のないことをおっしゃれば、私は、何を根拠でそういうことを言うのか、少なくとも国会というこれだけ神聖な中で、ただ風間で聞いてきたとか週刊誌に載っているとか、そういうことは黙って聞き逃すわけにはいかない。我々も議員、皆さんも議員、どちらもそういうでたらめなことを言われたら選挙に重大な影響を及ぼすわけですから、少なくともこの国会で言うからには、あなたそうじゃないかともし責めるんだったら、違った場合は責任をとらなきゃならぬ、お互いに。こっちもやめる、そっちもやめると、議員を。二つに一つだというぐらいの迫力がなきゃだめだよ、それははっきり言って。
 だから、私はそういう意味で、これはありませんということをはっきり申し上げておきます。
○木庭健太郎君 外務大臣から鋭い指摘をいただきましたが、今私たちもこの問題で鋭意調査をさせていただいております。それは調査をさせていただいた段階で、ある一定期間来ましたら、そういうことを真剣にやり合う場を外務大臣もぜひつくっていただきたいと思っています。
 徹底究明のために私は、司法当局のもちろん事件解明はありますけれども、やっぱり国会の場でお互いにこっちの知っている事実はこれだよということは、ぜひそれはそれでやらせていただきたいと思っていますし、どうせ臨時国会が早期召集されると思っておりますけれども、そのときにはまたそれでやらせていただきたいと思っております。
 それから次は、新潟知事選をめぐる事件についてお伺いしておきたいと思います。これも途中だからということですけれども、一応聞きます。知事から事情聴取されましたか。
○説明員(濱邦久君) これも同じようなお答えになって恐縮でございますが、具体的事案に関して検察がどのような捜査をしているかということは法務当局からお答えすることはいたしかねるわけでございますので、御理解をいただきたいと思います。
○木庭健太郎君 ただ、一応知事という公人ですよね。別に細かい内容を私は聞こうとは今のところ思っていません。検察庁に今から詰めなくちゃいけないし、検察庁としては、これまでの報道を見ますと、政治資金規正法の中で虚偽記入という極めて新しいやり方で捜査に臨もうとされているというような報道もございます。それはそれでしょう。ただ、要するに公人の知事を検察庁としてどうされたのかと、このことぐらいは言えないんですか。中身どうこうということを聞いておりません。聞いたのかどうかという事実関係についてどうでしょうか。
○説明員(濱邦久君) 捜査の内容あるいは捜査の手法等にわたりまして、捜査の秘密に属することにわたる事柄でございますので、お答えは差し控えさせていただきたいと思います。
 ただ、せっかくのお尋ねでございますので、一般的に申し上げますと、新聞で報道されているような事柄、あるいは国会で御議論のありますような事柄については検察当局においても十分承知していると思うわけでございます。
○木庭健太郎君 非常に微妙な答弁というか、新潟ルートという問題は今そういう形で一つの政治資金規正法上の問題について多分お取り組みになっているんだろうと思います。
 それだけじゃなくて、やはり知事の一本化というような問題もございます。知事の一本化というのは、ある意味ではどこでもやる話です。しかし、それに金やポストが動けば、これはこれで公職選挙法上の問題が出てくると思うし、第三セクターの問題もある。いろんな角度から多分検察としては取り組まざるを得ないだろうし、そういった意味では今これをしてこうだということは言いにくい立場であろうということは理解しつつ、しかし、私はぜひ幅広い形での捜査をお願いしたいと思っているわけでございます。
 やはり、単に一つだけで終わるんじゃなくて、そこの裏に隠されたもの、今回この知事選、単に新潟だけの問題じゃなくて、もしかしたらそれが中央の政治につながるかもしれない、そういう問題まで含んでおります。そういった意味では、幅広い角度で、おっしゃいませんからわかりませんけれども、事情聴取もなさっておられるのならぜひそういう角度でやっていただいて、幅広い形での捜査というものをお願いもしたいし、またそういう方向できっとやっていらっしゃると思いますが、これについても一言御意見があれば聞いておきます。
○説明員(濱邦久君) 先ほど来お尋ねの具体的事案について、どなたを取り調べたかどうかというようなことも、先ほどから繰り返しお答え申し上げておりますとおり、捜査の秘密に属することでございますので、お答えは御遠慮させていただきたいと思うわけでございます。
 御指摘の具体的事案に関して検察が今後どのような捜査を行うかということにつきましても同様でございまして、法務当局が今ここで公にできる立場にはないわけでございますので、その辺も御理解をいただきたいと思うわけでございます。
○木庭健太郎君 それでは、政治資金規正法の問題で、自治大臣、九月一日でしたか、閣議後の記者会見をなさっておりまして、そのときに、新聞的見出しで言うと、実態に合った規正法をと、そうならなければいけないというような趣旨の御発言をなさっていたというふうに見受けたんですけれども、これの真意は一体どういうことなのか、その辺をお聞かせ願えればありがたいと思います。
○国務大臣(塩川正十郎君) 私は、最近、政治資金の問題と政治資金規正法にうたわれておりますいろいろな規制の関係につきまして、やはり実態に即したようにすべきではないかという気持ちを強く持っております。たまたま各政党間におきますところの政治改革協議会におきましても、政治資金のあり方につきまして、企業献金は廃止したらいいとか、個人献金については税法上優遇して個人献金に移行すべきであるとか、いろいろ議論されております。そういう議論されておる中にあって、その一連の問題として政治活動と政治資金の額、量の問題もこの際検討してもらったらどうだというのが私の趣旨なんであります。
 ということは、すなわち昭和五十一年に現在の政治資金規正法が施行されました。その当時、中央分だけとって申しまして、地方分は別ですが、中央分をとりますと、政治家の申告いたしました総額はたしか六百九十億円だったんではないかと思うのであります。現在平成三年度のその申告の総額を見ますと、中央分だけで千八百五十七億円だったと思いますが、約三倍近くにはなってきておるわけであります。そうであるのにかかわらず、現在政治資金規正法に基づきまして百五十万円が限度額ということで定められておりますし、そしてまた企業の方におきましても寄附の限度額というものが決められておりまして、これが十七年間変わってきておらないということなんであります。
 そういたしますと、政治資金の総量は地方、中央入れたら相当膨れ上がっておるにかかわらず、規正法に言うところの額は依然として十七年間据え置きということになっておりまして、私はこれは非常に無理な状態なんではないか。といって私たち、秘書を十人余り、十二、三大使っておりますけれども、事務員を入れまして、一銭も月給上げないで据え置いておくということはできないわけであります。実情に応じて一般の中小企業並みにはしてあげなきゃならぬ。そうしますと、その当時から比べましたら、私のところは六倍になっております、五十一年度を調べましたら。
 そういうふうに見てまいりますと、費用は相当にかさんできておるなと思われるのでありますけれども、それだけに政治資金はどこかで無理なことをしなきゃならぬということになる。そのことをこの際現実に合ったことにしたらどうだろう。そういうことをすることによって企業献金の問題、個人献金の問題、それから政党助成法の問題、こういうものが一連の議論として沸き起こってこなきゃならぬだろう、こう思うのであります。そして、その政治資金規正法の一角を真剣に突っ込んで深くドリルしていきますと、結局選挙のあり方というところにまで突っ込んでまいるのが当然であろうと思いますし、そうすると選挙のあり方ということは結局選挙制度にも関係するんではないかという、そういうことに広がっていく。
 ですから私は、政治資金規正法をただ単に政治資金だけの問題として考えるんではなくして、政治資金規正法を深く、そして広く検討し取り上げていくことは、政治改革全体に広がっていく一つのきっかけにもなるんだと。いろんな政治改革のアプローチはあるだろうが、そのアプローチの一つとして政治資金の改革というものを考えたらどうだろうということを申しておるのであります。
 そして、改革はあくまでも格好のいい建前ばかり言っているんじゃなくて、きちっとやっぱり現実に合うものにしてやらないとどこかで無理が起こってきて、その無理がある場合によっては不祥事件に発展するというようなことになりましたらこれはますます悲しいことでございますし、また政治不信を招く、そういうことがあってはならぬ。民主主義の原則はやっぱり各人の国民の浄財ということによって政治は運営されるのがいいのであって、そこが社会主義、共産主義と違うところで、社会主義、共産主義はそんな個人の政治活動は許されませんが、しかし今民主主義は、政治家自体あるいは政党自体が民間の浄財によって運営していくということにいいところがあるわけでございますから、そうならばその政治資金もそれに合ったものにしていくべきだと、こういうのが私の考えであります。
○木庭健太郎君 わかりました。
 ただ、自治大臣、そうはいっても、例えばそれは一企業から五億円みたいなことがあったらこれは私はいけないと思いますよ。やっぱりそれは私は常識外れだと思う、そういうことが起きたなら。ただ、自治大臣のこれだけの聞き方をしていると、要するに制限を緩和していくことが大事だみたいに聞こえてしまう。まあ真意は今お話しになられましたけれども。私は、それであってはならないということを思っているわけです。しかも、そういう実態に合った額をどこにするかという問題は別として、結局その上回った額について違反したとしても政治家本人には問えないという問題がいつもこの政治資金規正法には残るんです。そこがやはり一番の問題だと思います。
 確かに、政治家と政治団体を明確に分けるという重要性もある。しかし、少なくとも今回のこの一連の問題を見ていると、指定団体という問題について言うならば、政治家の監督義務というものを持ってこなければやっぱりざる法だと言われ続けるという問題が残ると思います。特に一番問題なのは、違反を知っていながら責任がなくなっちゃうんです。もし、この違反を知っている場合には、やはりきちんと明確に責任がとれるというような法律に持っていかなければいけないと思っております。
 そういった点も留意しつつ、この政治資金規正法の改正というのは考えなくちゃいけないし、また自治大臣とちょっと見解が違うのかどうかわかりませんけれども、浄財という言葉がありました。個人の浄財、大臣、多分企業も浄財だとおっしゃると思います。しかし、私たちはリクルートから共和、佐川の流れを見てくると、企業献金という問題がいつも事件に寄り添っている。どこに原因があるかといえば、私たちはやっぱり企業献金という問題にメスを入れない限りこういう政治腐敗という問題は断てないというふうに考えます。その奥に選挙制度の改革があるかもしれない。しかし、まずは企業献金、団体献金という問題に対してメスを入れていかなければいけないと思っております。
 私たち公明党は、企業献金、団体献金の問題については、ある意味じゃ現実的にまずは政治家個人と企業とのつながりというのをどうにかできないか。そういう意味では企業献金、団体献金、意向としては政党そのものにということであっても、一時はしようがないんじゃないかというところまで現実的に踏み込みながら考えもしております。そういったことをこれからもぜひ主張もし、取り組んでいきたいと思っておりますが、この点についての大臣の考えを聞いて、私の質問を終わります。
○国務大臣(塩川正十郎君) 今お尋ねの中に二つございまして、一つは要するに政治資金の責任の問題があったと思います。これにつきましては現在、政治改革協議会において政治倫理の問題の一環として連帯責任といいましょうか、候補者との連帯制というものを検討しようではないかということで検討されつつあるということを聞いております。これが私はどういう結論になるかわかりませんけれども、そういうふうに検討の材料になってきているということは、私はこれは相当な前進ではないかと思っております。
 それからもう一つ、企業献金の問題でありますけれども、確かにおっしゃるように欧米諸国では企業献金を禁止しておるところもあるように聞いておりますが、しかしまだやはり企業献金を認めておるところもございます。ただそこで問題は、要するに政治家の私はビヘービアが大事なんではないか、こう思っております。したがって、それが一つあることと、もし企業献金を禁止するとするならば、それじゃそれに対応するもの、先ほど私がべらべらとしゃべっておりましたように、それじゃ金のかからない選挙にはどうしたらいいのかということとか、あるいは公的助成はどうしたらいいのかとか、あるいはまた一方におきましては、企業献金はあかんけれども、しかしこっちの個人献金だったらいいじゃないかというのならば、個人献金をどのように助成していくか、むしろ個人献金が伸びるということは民主主義を健全に発展さすことにもつながると私は思うのであります。
 そういうようなものを総合的に検討しないで、総合的に答えを出さないで、ただ単に企業献金だけ廃止しろということになれば現在の時点にとって混乱が起こるのではないか。ですから、そこに一定の経過措置をとるとか、いろんなことがあるだろうと思いますが、そこらが一番大事な問題でございますから、政治家自身で検討していただいて、結論としてといいましょうか、要綱はこのようなことで考えろということを自治省に御下令いただければ、それに伴って完璧な法律案をつくって国会へ差し出したい、こういうふうに思いますが、要するに政党間でまとまらない限りこの問題に我々が積極的に役所として申し上げるわけにいかない、こういうことであります。
○木庭健太郎君 終わります。
○直嶋正行君 民社党の直嶋でございます。
 私も、本日は佐川に関連しまして幾つか質問をさせていただきたいと思います。
 御存じのとおり、近年だけでも政治と金にまつわる事件はロッキード、リクルート、そして共和、佐川問題と発生しておりまして、国民の目から見ますと政治に対する不信感がもう頂点に達している、きわみに達していると言わざるを得ないと思います。過去、こうした事件が起きるたびに常に政治浄化ということが叫ばれていながら、なぜこのような献金疑惑が次から次へと繰り返されるのか。私は、政治家個人の倫理観の欠如、これはもちろんでありますが、現在の政治システムにも大きな欠陥がある、このように思わざるを得ません。
 一つは、朝も指摘がございましたが、各行政官庁の許認可事項が余りにも多く、官庁が業界への強大な指導力を握っている。それに対し、行政と一体となった与党の権限がこのような事件の温床となっているのではないでしょうか。
 また、政治とお金の問題に関して言えば、今も議論がありましたが、現在の政治資金規正法がいわゆるざる法と言われておりまして、抜け道が多く、政治資金の実態が国民の目に明らかにできないばかりか、違反しても政治団体の実質的責任者である政治家の責任が問えない仕組みになっていることが指摘できます。したがって私は、この事件を事件として終わらせることなく、真相解明と同時に政治改革の建設的な契機としていくことが重要であると思います。今回の問題も、億単位のお金を平然と受け取る感覚は国民の立場から見てとても平常とは思えません。政治体質の改善が急務である、政府も政治浄化と改革のため、またこのような献金疑惑が再発しないためにも早期に抜本的な政治改革に本腰を入れるべきではないかと思います。
 佐川問題に関しては、現在捜査当局の徹底的な解明が待たれています。しかし、政治と利権、金をめぐる問題は政界にかかわることでもあります。私たち国会もこの問題に本腰を入れて真相究明をしなければいけないと思います。その意味からもできる限り早期に臨時国会を召集すべきと考えますので、この点を与党及び政府に求めておきたいと思います。
 以下、質問をさせていただきます。
 まず、自治大臣にお尋ねを申し上げます。
 今の議論の中にもございましたが、今回の事件で改めて問題になっていますのは、政治資金規正法に違反しても政治団体の実質的な責任者である政治家の責任が問えない仕組みとなっていることであります。前国会の政治改革協議会でも、我が党を初め、会計責任者が刑事責任を問われた場合、政治家も連座して責任を問われる仕組みを提案しましたが、残念ながら自民党の拒否により先送りされた、このようにお聞きをいたしております。
 今回の事件でも、実際に献金を受け取ったのは例えば秘書であっても、献金をする方は政治家の政治的影響力を考慮して献金をしているのは明白ではないかと思います。秘書や会計責任者のみが責任を問われるというのは明らかにおかしいと思います。先ほども検討の俎上に上ったというふうに言われましたけれども、政治家も連座して責任が問われる仕組みにしなければいけない、このように考えますが、今言いましたように、これは残念ながら政権与党の自民党の反対で先送りされたというふうにお聞きをしております。
 先ほど自治大臣からも政治資金についてお話がございましたが、この点について私は、そのように問題意識をお持ちならば、むしろもっと積極的に政府としても取り組むべきではないか、このように思いますが、まず御見解をお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(塩川正十郎君) 御承知のように、後援会は政治団体でございますが、政治団体と政治家個人とは別の人格者である、別のものであるということは御存じいただいておると思っております。したがって、責任主義に基づきましてそれぞれにおける責任を果たすという立場からいいますと、政治団体の責任者イコール政治家ではない場合が多いのであります。
 そこで、倫理性からいうならば、事実上表裏一体となって政治家の政治活動を支援しておるのであるから、道義的に見るならば政治団体と政治家とは一体のものではないか、そこに連帯性というものを考えるべきではないか、これが民社党さんの大きい議論だったと私は思っております。
 それに対しましていろんな条件が、話が出てまいりましたのは、それでは一体その責任者が、本当にどういうふうな責任者の地位を保証するのか、そしてどのように位置づけるのか。余り知らぬ人がおれが責任者だと言ってぽっとこうやったり、今は週刊誌が発達していますから週刊誌でぱっとそれが責任者と出てしまったら、事実上は法的に責任者ではない、それが責任者の扱いをされてしまった場合、その回復はどういうふうにしてできるのかという問題等があって、したがって責任者というものの法的な、あるいは社会的な団体における位置づけの資格をどうして与えておくかという、そのこと自体が実態が非常に難しいので検討しようということになっておるんではないか、私はそう思っておるのであります。
 そこに人間社会の難しさがありまして、相手方を陥れようと思うたら、幾らでもその責任者を架空につくってしまって架空の宣伝をやったら、随分と、そんなものはどうにでもできますから、そこらが非常に怖いところだ。それを避けるためにはどういう方法を講じて、そして連帯性を持っていくかという、こういうことに私はなるんではないかと思っています。
○直嶋正行君 次にもう一点、政治資金について御見解をお伺いしたいと思います。
 先ほど、政治資金の量的な問題について自治大臣お触れになりましたが、こういった一連の問題が生じるという現下の状況下から見ますと、やはり政治資金の透明性を高めていく、このことが大変大事ではないかというふうに私は思います。
 そういう観点からいたしますと、今の政治資金規正法におきます公表限度額は百万円でございますが、これについてはやはり引き下げていくべきだ、私どもも一万円以上は公表すべきだ、こういうふうに言っておりますが、この点について自治大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(塩川正十郎君) 透明性を高めるということ、私たちも賛成でございます。
 でございますから、透明性を高めるときに、そのときに政治資金の公的な性格をどうするかという、こういうことが同時に並行して議論されてきたと思っておりまして、私は、そういうようなものとの並行、いわば収入の面における透明性、支出における透明性、そしてそこに公的な資金をどのように介在していくか等々、いわゆる政治団体の中でも党あるいは政治資金団体と、それからその政治家個人の政治団体との関係をどうするのか、こういうことが総合的に検討されていくべきときであろうと私も思っております。
○直嶋正行君 もう一点、自治大臣にお伺いしたいと思います。
 先ほど、自治大臣は政治資金の問題について御見解を述べられましたが、やはり政治資金についてこれからそのあり方について大いに議論をしていくべきである、特に、先ほど出ました公的助成のあり方でありますとか、あるいは個人献金にかかわる条件整備でありますとか、企業、団体献金の是非、このようなことについて積極的にやはり議論をすべきである、このように思っています。
 ただ、一説に、お伺いをしておりますと、特に自民党内ではこういった政治資金を中心にした条件整備について選挙制度の改革とセットでなければなかなか実現ができない、このような議論があるやにお聞きいたしております。私、もちろん選挙制度の改革の必要性を否定するわけではございませんが、今のこれだけ疑惑事件が次々と起こっているこういう現状から判断をいたしますと、まずその前に政治と金の問題というのをきちっと構想をつくるべきではないか、このように思っておるのでございますが、それについて御見解をお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(塩川正十郎君) これは自治省としてはお答えするわけにまいりませんが、私自身の個人の問題としてお聞きいただければ、私は、やっぱりそれは何も選挙制度が改正されなければ政治資金は改正されない、前提だということは申しておらなかったと思います。相関連するものだ、要するに一連のものであるからワンセットで解決されるべきものだ、そのように私は先ほど申し上げたと思っております。
 でございますから、昨年の、ちょうど一年前でございましょうか、この政治改革三法案が、あれは議論をするかしないかということでポシャってしまいましたけれども、あの考え方は一連のものとして出ておるということなんでありますが、私は、そのようなお互いに関連するものでございますから、これだけ取り上げてという解決を見出すことは難しいと。しかし、例えば選挙制度の一角を中心にして、それに政治資金を連檐させていくとか、あるいは政治資金に選挙制度を並行させていくという、やり方は幾らでもあるんではないかと思っております。
○直嶋正行君 次に、法務大臣にお伺いいたしたいと思います。質問は、現行の刑法に関してでございます。
 現在の刑法百九十七条、これは収賄、事前収賄の項でございますが、この項では、公務員及び仲裁人でなければ収賄罪の対象とならない、このようにされていると聞いております。そして、政党に関して、あるいは政党の役職者ということに関して申し上げますと、政党そのものあるいはその役職者も法律上何ら規定されていないために私的団体と位置づけられているのが実情である、このように理解いたしております。
 しかし、現状の政治を見ますと、やはり政党政治ということで政党が大きな役割を担っていると思います。また、とりわけ政権与党の場合、行政府の政策判断や政策決定に深くかかわっているのも実態ではないかと思います。しかし、現状の法律では政党幹部あるいはその役職者がその活動で仮に収賄の疑いがあったとしても、職務権限外とされ罰せられることがないのが実態だと思います。私どもの政党では、政党の役員あるいは幹部でも、問題に関与して、法に照らし職務権限ありと認められるケースでは公務員に準じて収賄罪の対象とするよう刑法の改正まで踏み込むべきだと考えております。
 今後こうした政治腐敗を防止していくためにも、また現在の政治の実態を踏まえて法整備を図っていくという面からもこうした整備が必要ではないかと思いますが、これについて法務大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(田原隆君) お答えします。
 お説にありましたように、現在の刑法においては、収賄罪というのが成り立つのは公務員ということが一つ。したがって、権限があって、金が動いて、それが職務に関してであるというようなことでありますが、政党の役員等が金品を授受しても、公務員たる地位をあわせて持っていなかった場合には通常なら収賄罪が起こらないわけですね。おっしゃるとおりです。
 今おっしゃられたように、政党の役員も実質的に権限的なものがあるので、収賄罪が成立するように刑法を改正したらどうであるかという御意見があることは十分承知しております。ただ、刑法を改正して、刑法の中にそういう条項を設けるということは法体系上いかがなものかという意見が相当ありますし、また政党法をつくったらどうかという意見もありますが、政党の基本的なあり方と非常に密接な関係があるわけであります。こういうことをあわせいろいろ考えて検討するときに、おっしゃったように刑法を今直ちに改正して対処するかどうかということは非常に問題があると思いますので、慎重な検討を要すると私は考えております。
○直嶋正行君 いずれにしても、冒頭申し上げましたように、私はやはりこうした腐敗事件をこれから再発させないためにも、法体系を含めた全般的な整備が必要ではないだろうか。政府のこれからの努力をお願い申し上げておきたいと思います。
 最後に、官房長官にお尋ね申し上げます。
 けさほど多くの大臣の方が、佐川からの献金について’ありませんというお話がございました。私はぜひそうあってほしいと願っております。そういったお話をお聞きして、なおかつまた仮定の話で恐縮でございますが、もし今後刑法あるいは政治資金規正法の違反に問われるような閣僚の方が出た場合に、私はその政治的、道義的責任をとって当然辞任すべきだと考えますが、宮澤内閣としてその閣僚の辞任を求めるおつもりはおありでしょうか。宮澤内閣としての姿勢をお尋ね申し上げたいと思います。
○国務大臣(加藤紘一君) もちろんその事実関係、それからそれに基づきます法律に違反しているかどうかにつきまして厳正な調査が行われ、そしてそういうことが起きました場合には、そのときどきの事実関係等にもよりますけれども、それ相応の責任が生じるであろうし、内閣としてもそういう問題を厳粛に考えていかなければならないことだろうと思います。
○直嶋正行君 以上で質問を終わります。
○高崎裕子君 まず、官房長官にお尋ねいたします。
 宮澤首相自身もかかわり、当時の大蔵大臣をおやめになったリクルート事件の反省に立って、八九年の五月三十日自民党総務会で「「リクルート問題」に対するわが党の措置」、これを決定されました。この中には、「わが党全体の責任としてとらえ、強く自戒している。」、「再び類似する問題が起き得ぬよう、今日の事態発生の根源にまでさかのぼって真剣に検討」し、そして「その責任について、司法上の責任の有無にかかわりなく、議員としての名誉を重んじ、良識に基づいて自ら対処する」、こう決意をされたわけです。
 その決意を訴えて九〇年の衆議院選挙に臨んだまさにその時期に、金丸さん自身が五億円を授受していたということは、極めて国民を愚弄する問題だというふうに思います。
 この決定に照らして考えるならば、本来なら副総裁をやめるだけではなくて、金丸さんは議員を辞職すべきだと、そういうふうに思うわけです。現に記者会見では、「今般の献金は政治資金、政治倫理に反することであったと反省いたしている」、みずからこうおっしゃつてもいます。まして、これに対して慰留をするというのはもってのほかだと思いますが、総務会の決定に今回のこの慰留は違反するのではないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(加藤紘一君) その点につきましてはいろんな御議論があろうかと存じます。
 ただ、金丸副総裁の辞任というのは本当に突然の申し出でございましたし、総理大臣にとりましては突然のお申し出であったようですし、それから金丸副総裁自身、本年一月に御就任いただいて以来宮澤政権を支えて、予算それから国際平和協力に関する法律、それからごく最近では種々の景気対策等につき仕事を一緒にし、また総理大臣を支えてくれた、非常に強く支えてくれた人でありましたので、突然の申し出に、すぐそれをお受けできる気持ちになれなかったというのが総理大臣のあのときの状況であったと思います。
 人間の一つの、何といいますか、一つの気持ちとしてまあそういうことが当然あり得るのでないかなと思っておりました。
○高崎裕子君 当時は突然であったので気が動転していた、今は時間がたっているわけですから、そうであれば、慰留をしていたということは大変遺憾であり、それは間違いであったと、そういうふうに理解してよろしいわけですか。
○国務大臣(加藤紘一君) 人間の心というのは、当時そういう気持ちを持ったことがよかったとか悪かったとか、後で反省するとかしないとかという問題ではないんじゃないかと思います。
 そのとき、本当に強く総理大臣は辞表をお受けする気持ちになれなかったというのはあのときの率直な気持ちであられたと思います。
○高崎裕子君 それでは、この上に立って将来どうするかということですけれども、リクルート、共和、そして佐川と、金権腐敗事件が次々と繰り返されています。こうした政治腐敗を根絶するには、我が党が繰り返し主張しているように企業や団体からの政治献金を禁止する、これ以外にはない、そういうふうに思うわけです。‘リクルート疑惑のときには、当時の海部内閣はリクルートに関係した議員は内閣構成の対象から外したという経緯があります。宮澤内閣でも佐川から金銭等の授受などに関係した大臣を内閣改造に当たって同様に内閣の対象から外すべきだと思いますが、そのおつもりはありますでしょうか。
○国務大臣(加藤紘一君) 今、先生おっしゃいましたのは、企業献金はすべて悪であるのでそれは全部廃止すべきであるというのが第一の御質問であったように思いますけれども、我々は企業といっても一つの社会的な存在であって、企業献金をすべて廃止すべきだという立場に立っておりませんし、現行の法律はそういう考えで成り立っておりますので、第一の点につきましては御同意申し上げかねると思います。
 それから、第二の点で、仮に佐川急便という企業と関係があった人間はすべて組閣等から外すべきかどうか。この点につきましては、組閣権者の総理大臣がこれから考えるところでございますけれども、政治資金規正法に基づいて正規の手続を経て正規の資金を受けられた方をもすべてこれから外すというふうに考えるべきではなく、その問題はケース・バイ・ケースで論じられていかなければならないことだと思っております。
○高崎裕子君 これだけ重大な事件ですから、再発防止という点では国民は非常に大きな関心を持っております。すべて外すという立場でその決意を国民に示すということが求められています。そのことを強く要望いたしまして、次に法務省にお尋ねいたします。
 佐川急便事件は異常きわまりない事件です。特に、東京佐川急便元社長渡辺広康の特別背任事件の発端は、八七年の自民党総裁選挙で、竹下総裁誕生をめぐり右翼団体日本自民党が竹下は金もうけのうまい政治家、竹下をぜひ総裁になど褒め倒しといわれる戦術で逆にイメージダウンを図り、全国で街頭宣伝を展開いたしました。これを抑えるために、竹下派は東京佐川の渡辺元社長に依頼し、渡辺は暴力団稲川会の石井前会長を使って動きを中止させたものです。こうして石井前会長に借りをつくったことにより佐川から二千五百億円もの資金が流出しました。
 なぜこんな途方もない巨額の融資や債務保証という奇怪なことをやったのか。つまり、渡辺元社長が犯した特別背任罪の背景には、竹下派が渡辺社長に右翼の街頭宣伝攻撃をやめさせるために依頼したこと、これが大きな動機になっているということになります。このような特別背任罪に至った経緯、動機、背景、これについて事実関係を把握していると思いますし、またしなければならないというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(田原隆君) 具体的な事実にわたる問題でありますので、刑事局長がお答えします。
○説明員(濱邦久君) 検察当局におきましては、既に公訴提起をいたしました特別背任事件の立証に必要な限度で、犯行に至る経緯等につきましても所要の捜査を行ったものと思うわけでございます。ただ、今お尋ねになっておられる件につきましては、今後公判におきまして検察が立証を行うべき事柄でございますので、法務当局がお答えすることはできないわけでございます。
 ただ、先ほど冒頭にお触れになられました日本自民党事件にかかわる事柄につきまして、そのような趣旨の報道が行われていることはもちろん検察当局も承知しているものと思うわけでございます。これも先ほど来お答え申し上げておりますように、検察当局がどのような事項に関心を持ち、またどのような事項を立証しようとしているかということについては法務当局からお答えすることはいたしかねるわけでございます。
○高崎裕子君 具体的な事実については答えられないということですが、当然この特別背任罪の性質からいって、この自民党事件も含めて、一般論としてもこうした経緯あるいはその動機等については当然解明に必要な限度で捜査が行われるというふうにこれは理解していいわけですね。
○説明員(濱邦久君) 冒頭に委員がお触れになられました具体的事件を離れて、一般的に一般論としてお答えをさせていただくわけでございますが、検察当局が既に起訴した事件につきましてその立証のために必要な限度でその犯行に至る経緯等につきましても所要の捜査を行い、また公判におきましてこれを立証するということは当然のことでございます。
○高崎裕子君 それから、この佐川事件では佐川から稲川会石井前会長に流出した二千五百億円のお金は、またこれは政治家にキックバックをしているのではないかと疑われてもいるわけです。当然、この事件を解明する上でこのような角度からも捜査の対象あるいは冒陳等公判でもこのようなことに関心が持たれていくはずだと思いますが、その点もいかがでしょうか。
○説明員(濱邦久君) 今、委員がお触れになられました具体的事実関係を離れて、これも一般的にお答えさせていただかざるを得ないわけでございますが、既に起訴した事件の公判におきまして検察当局が公訴事実を立証するために必要な限度でその経緯等にかかわる事実を立証することは、これは当然のことでございます。
○高崎裕子君 竹下さんの頭に、私は現実には見たことはないんですが、銭っぱげができてしまったとか、もう総裁候補をおりようという当時報道がなされましたが、竹下総裁誕生に当たってこの自民党の攻撃は竹下さんにとって大変深刻な問題であったようです。
 ところで、当時竹下総裁誕生に全力を挙げられた竹下派の皆さんもこの問題には大変重大な関心を持って対応されたことと思われますが、特に派閥を挙げて自民党と接触を図ったと、こう報道もされていますが、奥田大臣、いかがでしたでしょうか。
○国務大臣(奥田敬和君) 正直に申しまして、私たちは竹下政権づくりに本当に一生懸命やっておりました。その過程の中で、今お話しの自民党が街宣車をたくさん繰り出していわゆる褒めつぶし作戦と申しますか、ああいった形の中での都内街宣活動、これに対しては非常に憂慮しておったことは事実でございます。そして、これに対して何とか対策の手だてがなかろうかということで悩んでおったことも率直な事実でございます。
○高崎裕子君 そこで、奥田大臣は現実に自民党の方と接触されたわけでしょうか。
○国務大臣(奥田敬和君) 当時、私は派閥の広報担当というか、ずっとそういうことをやっている。派閥活動の中では一種の情報担当をずっとやっておったわけであります。
 この自民党というのは、記憶をたどるわけですけれども、香川に本拠を持って西日本、福岡一帯を中心に相当な組織を持っておる、はっきり言いますとちょっと筋の通った右翼団体でありました。そういった形の中で、直接接触を図ろうと思っても私には手だてが率直に言ってありませんでした。しかし、私らの仲間も、同志もやっぱり何かいい手だてで話し合いがつけられないだろうかという形でおったことも事実でございます。
 ただ、接触があったかということでございますけれども、当時の自民党の総裁というのは稲本総裁でございます。大島というのが行動隊長であったようでありますけれども、これらの人と私は直接の接触はございません。それで面識もありません。
○高崎裕子君 そこで、奥田大臣についてはサンデー毎日に、奥田敬和運輸大臣や石井一元国土庁長官、さらには裏人脈に強いと言われる浜田幸一衆議院議員まで駆り出されたと書かれています。しかし、街頭宣伝は一向にとまらない。フォーカス九二年八月十四日では、自民党の大島総裁のインタビューで、「浜幸の他にも現職国会議員からの働きかけが多数あった。梶山静六の息子だとか、奥田敬和の関係者だとか経世会幹部につながる名前もあった。奥田の関係筋からは三億円出すからやめてくれという話もあった。我々は、そういう話は全部堂々とテープに録音した。」と堂々と語っているわけですね。毎日新聞の九一年十月九日付で自民党の浦田勝前参議院議員は、「私が会ったのは自民党の現場責任者のような人。他に接触したのはハマコーさん、奥田さん」と、こう語っているわけですが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(奥田敬和君) 私は、接触した事実もないし面識もありません。そして、私の関係者が三億円云々というお話がテープであるということでございますから、どうぞ公開して真実を究明なさっていただいて結構でございます。
○高崎裕子君 法務省にお尋ねいたします。
 各報道に見られるように、竹下派の派閥を挙げての必死の働きかけもはねられ、その結果、渡辺社長に懇願、渡辺社長から二千五百億円の資金が暴力団に渡って今度の犯罪を導き出したと。その渡辺社長を通じて暴力団の石井前会長に右翼の街頭宣伝の攻撃を抑えてもらったと。このお礼として金丸さんが石井会長、渡辺社長と料亭で会食をしたというふうに報道されています。
 これらの関係についても、佐川を介しての暴力団と政治家との癒着という点からも特別背任罪の経緯あるいはこの犯罪の全容解明という点でもこれは十分念頭に置いて捜査しなければならないと思いますが、いかがでしょうか。
○説明員(濱邦久君) 先ほどから委員が報道機関等によって報道されている内容を前提にお尋ねになっておられるわけでございますが、報道された内容等につきまして法務当局としてこれを論評する立場にはないと思うわけでございまして、具体論としての委員のお尋ねにはお答えをいたしかねるわけでございます。
 ただ、先ほど来お答え申し上げておりますように、一般論として刑事訴訟法の手続を申し上げますれば、検察官が公訴を提起した事件について公訴事実を立証するために必要な限度でその犯行に至るまでの経緯あるいは背景事実等を立証するということは、これは当然あり得ることでございます。
○高崎裕子君 これも法務省にお尋ねいたします。
 金丸副総裁の五億円献金は中央政界ルートのほんの一端として明らかになったにすぎません。金丸五億円献金問題を政治資金規正法違反の形式犯で終わらせてしまうという観測がありますけれども、徹底した真相解明が求められています。金丸さんの五億円授受については、渡辺社長は十億円渡したと供述しているようですが、その解明もどうしても必要です。また、この五億円の流れ、一体どこに渡ったのか。それによっては贈収賄事件に発展するということもあり、極めて重大であると考えるわけです。当然、この佐川急便事件という場合にそのような角度から調査を行っているというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。
○説明員(濱邦久君) 何度も同じようなお答えをするようでございますが、具体的事案につきまして捜査を行うかどうか、またどのような観点から捜査を行うかということにつきましては、これは検察当局が決定すべき事柄でございます。したがいまして、法務当局としては今のお尋ねにお答えすることはいたしかねるわけでございます。
○高崎裕子君 ただ、政治資金規正法、公選法違反あるいは贈収賄事件とこの佐川急便事件の全容というのはかなり多面的な角度で網をかけて捜査の関心とならなければならない、これは一般論でも当然だと思うんですけれども、その点いかがでしょうか。
○説明員(濱邦久君) 一般論としてお答え申し上げますれば、検察当局におきましてはいつの場合にも犯罪の嫌疑があると認められます事案につきましては常に厳正公平に、適正に捜査処理を行うものというふうに考えております。
○高崎裕子君 この佐川急便事件というのはもう大変な事件で、その全部に網をかけて厳正な調査が行われることを重ねて要望いたしまして、官房長官にお尋ねいたします。
 本日、カンボジアヘの自衛隊派兵を閣議決定したということは大変重大なことで、自衛隊を海外の軍事行動に派遣することは国際紛争での武力による威嚇や武力の行使を固く禁じた憲法に違反し、しかも政府の言明やPKO法に照らしても発動する前提が成立していません。自衛隊の派遣は強行すべきではないということははっきりしています。
 そこで、お尋ねいたしますけれども、パリ協定に基づく武装解除などの第二段階はポル・ポト派からは拒否されていますね。不履行であるということですが、そのとおりですね。
○委員長(大渕絹子君) 時間が来ておりますので、手短にお願いします。
○国務大臣(加藤紘一君) 現在、ポル・ポト派は武装解除第二段階入りを認めておりません。
○高崎裕子君 PKOの発動に当たって宮澤首相、それから官房長官は記者会見で、自衛隊の派遣は武装解除という第二段階に入っていけるかどうか見届けるのが先決だ、ポル・ポト派がパリ協定の第二段階に実質的に入っているのを見きわめてから派遣を考えていきたいと、こう述べられました。さらに六月二十六日、宮澤首相は我が党の不破委員長との党首会談で、パリ協定が履行されない状況になったときは対応も変わるだろうと公式発言を繰り返してこられました。
 これは選挙中の国民に対する公約でもあり党首への公式発言ということですが、この自衛隊の派遣ということで閣議決定したということはそれを覆すということになるわけですが、そうですが。
○国務大臣(加藤紘一君) 手短に申します。
 冒頭、高崎先生が自衛隊を海外における軍事行動のために派遣するのはゆゆしいことだとおっしゃいましたけれども、そこは違います。我々は軍事行動に、武力行使のために参加させているのではございません。国際平和協力貢献のためにやっているものでございます。
 それから、第二段階入りにポル・ポト派が反対していることは事実でございますけれども、ポル・ポト派といえどもパリ協定の枠組みを崩すということは言っておりません。停戦合意に反対いたしておりません。したがって、我々はそのPKO派遣の第一項目、つまり停戦の合意がなされているか、その点については条件が整っていると思っております。
 第二項、その受け入れ当事者が我が方の要員、部隊の派遣等につきそれを受け入れる同意をするかという問題につきましては、国連の事務局がSNCの議長たるシアヌーク議長に確認し、日本の自衛隊等の派遣を歓迎するということを述べておりますので、この二つから我々は客観的な事実が整っているという判断をいたしております。
 ポル・ポト派が武装解除に入るということは非常に重要なことであって、一日でも早く実行していただかなければいけません。そのために我々はアジア局長を派遣し、ポル・ポト派の説得等に努めるなど外交努力に努めておるところでございます。
○委員長(大渕絹子君) 時間ですから。
○高崎裕子君 時間が来ましたのでこの続きはあしたまたやっていきたいと思いますけれども、第二段階はポル・ポト派から拒否されているというのに自衛隊を派兵するということを決めたというのは、既に記者会見で繰り返し述べていたことを覆すことにほかならないというふうに思います。今のカンボジアの事態を見て、PKO法の建前からいって、法が発動できる状態にあるかどうか検討されなければならないし、その点も重ねてあした質問いたしますけれども、自衛隊が派遣できる状態ではないということでやめるべきであるということを重ねて述べまして、質問を終わります。
○井上哲夫君 私は、連合参議院を代表しまして御質問をしたいと思います。
 ただ、冒頭一言申し上げますが、平成二年度の決算委員会の審議の始まりに、きょう朝から佐川献金疑惑事件をめぐっての質疑が延々と続き、しかも私もその問題を質問させていただくということは、本来の決算委員会の性格からいえばまことに残念なことである、早く臨時国会を開催して、本来佐川の問題を審議する場がありますれば私も決算委員会で本来の質問をすることができる、そのように考えておりますので、あえて早期に臨時国会を開いていただきたいということを申し上げておきます。
 実は、私が事前に通告いたしました質問事項はほとんどこれまでの委員の質問と重複してしまいました。そこで、東京佐川の献金問題と政治改革について、私の通告の範囲を大きく外れることなしに、まず自治大臣にお話を伺いたいと思います。
 一つは、先ほど木庭委員の質問に政府の方から答えがありました金丸議員の五億円についても団体あるいは個人いずれも政治資金の届け出がない。さらに、経世会の方に五億円についての届け出の痕跡もない。そして、政治資金規正法が、きょう朝からの委員の質問の中にたびたび出てきましたように、ざる法といいますか大変抜け道の多い法律で、国民の率直な目から見ると悔しい思いをすることばかりである。
 そういうことを踏まえまして、届け出がないということで自治大臣の感想をまず求めたいと思います。そのことについてどのように受けとめてみえるかということです。
○説明員(吉田弘正君) この件につきましては、収支報告の状況につきましては先ほど申し上げたところでございますが、事実関係を私ども承知しておりませんので、コメントは差し控えさせていただきたいと思います。
○井上哲夫君 法務大臣は今退席をされましたが、実際に総枠規制を大きくはみ出した献金、しかも届け出がないということに対して、あるいは規制を超えた額の没収規定がないわけですね。
 そうすると、先ほど渡辺外務大臣は、名誉を棄損されて名前を傷つけられて法的な措置に入っても、刑罰が軽過ぎて何にもならないという悔しい思いを吐露されましたが、国民から見ると、法的な総枠規制をはるかに超える献金を受け取って届け出もせずに、そしてそれで没収もないということになると、一体これではどうしようもないという思いは、こういう事件が報道され、新聞各紙の読者の声といいますかあるいは投稿の欄といいますか、そういうところを読みますと、このところ連日その趣旨の投稿が載っております。
 そこで、先ほど私は自治大臣に感想を求めるという御質問をしたのは、もう少しその質問の趣旨を敷衍しますと、これも木庭委員が最後にお尋ねになりましたが、自治大臣の今回の佐川問題に対する新聞における所見の中に、時代の変化に合わない政治資金規正法だと。その真意は何かというお尋ねに対して、先ほど企業献金の問題あるいは個人献金の問題とかるる述べられた最後に、額、量についても十七年間変わりないという、それは政治家とお金の問題の面で照らしてみますと現実にはこれでいいのかと思う、こういうふうな趣旨だったとお聞きしました。しかし、国民の多くは途方もない巨額の政治献金、こういう受けとめ方をしているのは事実であります。
 その観点から見ますと、政治資金の届け出のいわば主管といいますか自治省の大臣が、額や量的な総枠規制が少な過ぎる、あるいは小さ過ぎるから時代に合わせて変えないといけないという趣旨に受け取れるような発言をされたということで多くの国民はがっかりしている、そういうふうに私は受けとめておったわけであります。
 したがって、きょうのこの委員会で、問題の献金について残念なことに政治資金の届け出がない、こういういわゆる政府の答弁を前にして自治大臣としての所見をお伺いしたい、こういう趣旨でございますので、重ねて御質問いたします。
○国務大臣(塩川正十郎君) 私は、確かに今おっしゃるように、単純にそれだけとらえて議論されるということは非常に迷惑なんでございまして、何遍も言っておりますように、政治資金全体が見直されるべき時期に来たと、そのことは政治改革全般の中で見直していくべきであるということは再三再四にわたって申し上げておるところでございます。
 私は、実際現在の政治資金規正法と政治資金の実態とは合わないと思っています。あなたは合っていると思っておられますか。合っておらないからこそいろんな、例えば額をはみ出した場合どう処理するかということが、合ってないでしょう、これですから、そういうようなものをこれから議論しようというのが政治改革協議会での議論の中に出ておるわけでございますから、そういうようなものを議論していただきたい。
 それと同時に、必要な額は、必要な額というのはどこで決めるかということは政治家が協議すればおのずから出てくると思いますが、その額についてはやはり収入の面においても合法的にいける道を講じていくべきだと、私はそういうことを言っておるわけでございまして、ただ額だけを上げろと、制限枠を撤廃しろと、そんな単純なことを言っているつもりはないのでございますので、その点はよく御存じだと思いますけれども、御理解いただきたいと思います。
○井上哲夫君 議論を吹っかけるわけではございませんが、もう一つお尋ねをしたいのは、実際にこういう政治資金の届け出があるとかないという場合によく言われるのは、氷山の一角と。本当に政治家に企業なり個人から流れる政治献金の中には、届け出がなされずにそのままになってしまっているところもあるかと思います。そしてまた、正規にきちっと届けられてその出と入りが明確になる、つまり透明性の確保が理想どおり行われている、その部分もあると思います。そうすると、私はどうも隠れてしまっているのも相当の量があるんではないかと、こういうふうに考えます。
 そこで、これは答えを求めてもせん方ないような質問になろうかと思うんですが、自治省に大体現実の政治献金のどのぐらいが届け出をされているんだろうか、そういうことについてどういうふうにお考えでございますか。
 全くわからない、今回こういう形で出るものがすべてとは言いませんが、届け出がないということになると、一般の国民感情から見れば相当に届け出のない、政治やみ資金と言っていいかどうかわかりませんが、そういうものがあるんではないかというふうに思いますから、あえてお尋ねしたいと思います。
○説明員(吉田弘正君) お尋ねでございますが、政治資金規正法上、収入、支出はすべてこれを報告するという規定になっておりますので、私どもとして出されてきたものをそのまま公表しているということでございます。
○井上哲夫君 実際になぜこういう質問をしなければならないかといいますと、きょうしばしば出てきましたが、例えばリクルートあるいは共和、そして佐川と企業献金の例を見ますと、先ほど直嶋委員も指摘されましたが、どうもすべてダーティーなといいますか、ちょっと勘ぐれば勘ぐるほどというような性格の献金のもとになっている。例えば、許認可をめぐって何かがあったんじゃないかとか強大な行政の指導力をどうしたらかいくぐるかということから、いわゆる新興で急速に伸びた会社がそういう巨額の政治献金という形になってきている。これは、共和の場合は倒産をした、佐川の場合も急速統合してやりくりをした、こういうふうなことがあります。やはりどこから見てもいわゆる日本のトップ企業の上からも左からも下からも立派な会社だというところでこういう巨額の政治献金問題は出ていないわけですね。
 そういうことを考えますと、実際に政治資金規正法の届け出がない場合の制裁が余りにもなってないといいますか、少なくとも届け出を怠った場合には、あれは誓約書も出しているんですね、真実の届け出をいたしますという。そういうことから考えますと、没収とかあるいは立法府の我々がそういうことを議論しても始まらないんですけれども、かなり思い切った改革を仮に政治資金規正法だけに絞ってもやらないと、国民から少なくとも信頼を得るということはあり得ないと。
 そういうふうに考えますと、実際に今回の問題で私は、自治大臣というのは、少なくとも政治資金規正法についていえば政府の、自治省という内閣の中の一つよりもむしろこの問題に関しては内閣から半ば独立した機関みたいなそういう機能なり働きをこれからつくっていかないといけないんじゃないかと。そういうところの大臣であるならばもう少しこの問題について国民が願うようなそういう厳しい所感といいますか、政治の現実はこうなんだよということは今大臣から私はお聞きしました。私のようなまだ議員歴の浅い者にとってはなかなか奥行きの深いところまではわからないと言われればそのとおりなんですが、所管大臣としては私はもう少し何といいますか厳しい目を持っていただきたいという願いを持っておりますので、その点お伺いをいたしたいと思います。
○国務大臣(塩川正十郎君) 私も井上さん同様に、もう少しこちらの方もいろいろと意見具申し上げられたらなと思ったりしておりますけれども、御承知のように、ちょうど一年前に出しました政治関連法案三案が廃案になってしまいました。そのときの申し合わせとして国会でお決めになったんです。国権の最高機関でお決めになったことでございます。各党協議の上決める、こうでございますから、自治省なんて出てくるな、こういうことでございますから、一刻も早く国会でお決めになることを期待しております。現在、政治改革協議会の中でおっしゃるような問題が議論に出ておりますので、私はそれをできるだけ早く各党が合意をとっていただければと思っております。
 しかし、私はそこの中で、ただここでいろんな評論的に言っているわけではございませんけれども、現実の政治というものがやっぱりいろんな非常に難しい要素を抱いておりますから、これはもう先生も現に体験しておられることだと思いますが、そういう現実の問題を一歩でも理想に近づけるためにはやっぱり細かい配慮をしていただいて決めていただかないと、また幾ら以下に決めていただいてもそれがまた間尺に合わないようなことになっては困りますので、きちっと私は決めていただきたいということを望んでおるんです。
○井上哲夫君 もうあと一問しか質問ができない時間になってしまいました。
 法務大臣はもう私はきょうは出席要求をしておりませんのであれですが、実際に政治資金規正法の違反でも略式裁判にせずにどんどん正式裁判にすれば、本当は犯罪行為の背景から動機から犯罪性の程度といいますか違法性の程度までるる冒頭陳述何万字といって出せば、これはかなり効果を生み出すものではないかと思います。そういう意味では、今回法務省が、政治資金規正法の届け出違反という、いわば今までで言えば形式犯に近いんだというものをどんどん正式起訴をして、そして何か九月二十二日には特別背任罪の東京地裁での冒頭陳述が日本の政界を大変揺るがすというような新聞、週刊誌の報道がありますが、そういうことをやはり努力していただきたい。
 一方、運輸大臣に最後のお尋ねをいたしますが、先ほど運輸大臣御自身の個人的なことについて大変怒りをあらわして、刑事告訴に踏み切ったというお話をされました。私は個人的なことをお尋ねするつもりは毛頭ありません。佐川急便という会社が一いろいろこれまでの報道を見ますと、路線延長認可をめぐる問題、あるいは従業員の労働基準法を守らない、あるいは超過勤務手当を出さないとか、さらに営業運送において安全義務違反の疑いがあって運輸省から指導監督もあった。こういうふうな会社、先ほどの大臣のお答えでは、合併手続において慎重の上に慎重を期して処理をした、こういうお答えがありました。
 そこで、今この問題に関してやはり国民が皆注目をしているわけですから、運輸大臣として佐川という企業の問題については特に所管庁として今後どのような姿勢で臨まれるか、そのことについて御意見をいただきたいと思います。
○国務大臣(奥田敬和君) 今現在、司法当局が解明中の佐川事件、これは運輸行政の分野をはるかに越えたらち外の一つのケースの問題として今解明されておるわけでありますけれども、本業が物流業界のトップに近い業績を上げておった企業であったと。私自身もこの佐川事件が表面化するまで、佐川というのは躍進に躍進を重ねる――外から見ているとですよ。そして、非常に迅速果敢で、商業物流の面においては他に類を見ない優良な企業である。しかも、そこのオーナーと言われる佐川清さんを含めて個性の強い、政界にも芸能界にもスポーツ界にもいろいろな顔を持っておられる、そういった個性の強い立志伝中の人だなというような印象を持っておったことは事実でございます。
 特に、私の場合も、金沢に北陸本社の拠点を持っておられたという形においても、地元にもいわゆる税金の面でも何でも、はっきり言って本社を置いてもらっておるという関係で大変たくさんの事業的な納税実績等々も上げられておるというところから、全くいい目でずっと見ておったというのが偽りのない気持ちでございます。しかし、私も運輸大臣を拝命して、この佐川事件とは別に佐川のいわゆる再建に基づく合併認可という形を手がけることになりました。そういった過程の中で、これは結構実体的には行儀の悪かった、そして同種業界の中でも、さっきは褒め言葉で言いましたけれども、これはどうも異端児的な形で伸びてきた会社だったんだなという実態を踏まえまして、大変遺憾に思い、残念に思ったわけでございます。
 さりとて佐川グループ、この企業を支えておる従業員がグループ会社、系列を含めると四万人近くなるという形であって、これだけの多額な保証債務を抱えた会社が果たして再建の道を歩むことができるのかどうかということを含め、金融機関等々の事情調査も含めまして大変慎重に、もう自動車局のメンバーばかりじゃなくて非常に精査をいたした結果、再建認可という形にこぎつけたわけでございますけれども、この間はお互いに非常に厳しいやりとりもあったように聞いております。
 そういった形で、私は、再建認可に当たっては慎重かつ公正に行政的には配意したものだと思っておるわけであります。
 ただ、私は、運輸行政を担当する責任者として今日も一番残念に思っていることは、いわゆる毎日新聞を刑事告訴にまで至らざるを得ないぐらいの心境になっておるのは、直接の運輸業を営んでおる佐川、合併佐川も含めて、この行政の責任者として、やはり従業員は四万人近くいるわけでございます。それに運輸業界、物流業界を含めて約三百三十万近い。そういった方たちの生活のよりどころになっている巨大ないわゆる基幹業界でございます。
 こういったことを踏まえますと、私も先般来マスコミ報道の中でちらほら疑惑の中に出たり入ったりしておるような閣僚の一人として今日あるということがそういった行政の停滞、今言った運輸業界全般にわたる人の士気、そういったものに影響する、そういったことがあってはならないという気持ちで先般来、白黒をはっきりする明確な形で国民の皆さんに御理解を得たい。もちろん政治的な生命もかけます。政治的なそういった形における自己責任を全うしたいという気持ちでやっておることを御理解賜りたいと存じます。
○井上哲夫君 終わります。
○下村泰君 やっと出番が来たという感じでございますけれども、午前中から承っておりますと、よくもまあこんなことが次から次へと出てくるものだなと。ついせんだって、国会が始まってから百年というお祝いをした経過がありますけれども、そんなお祝いの百年の中に一体こういう事件が何十回、何百回繰り返されてきたのだろうかな、そんな気がします。
 大体、この国会へおいでになるような方は酸いも甘いもかみ分けた年齢の方々だと思うんですがね。いいも悪いもわかっているはずなんだ。そういう方々が悪いとわかっているようなことをなぜ平気でやるのか。出す方も出す方だけれども、受け取る方も受け取る方。カエルに小便という言葉がありますがね、いけしゃあしゃあという。
 私はそのことについて質問をしようとは思いません。こういった問題が起きている陰に、わずかなお金の工面ができないで治療に専念することもできないような方々がいっぱいいらっしゃる、これが世の中なんです。私はそういう方々の方にお話を移させていただきたいと思います。
 文部大臣にはよく大臣室でお会いをいたしましたり委員会でいろいろと御面倒をかけておりまするけれども、きょうもひとつそういった障害者の教育問題についてお伺いしたいと思います。
 文部大臣は今度の事件は何も関係ないですか。
○国務大臣(鳩山邦夫君) はい、おかげさまで。
○下村泰君 そうですが。リクルートも何も全部。
○国務大臣(鳩山邦夫君) ええ。
○下村泰君 そういうことには蚊帳の外。それは結構でございました。そういうときはいつも蚊帳の外にいてください。
 まず、聾教育について伺いますけれども、昨年から始まった聴覚障害児のコミュニケーション手段に関する調査研究事業、これについての目的、趣旨、スケジュール等、現況について御報告願いたいと思います。
○説明員(野崎弘君) お答え申し上げます。
 聴覚障害児のコミュニケーションに関します教育につきましては、現在、聾学校あるいは小中学校の難聴特殊学級におきまして日本語としての言語を身につけさせることを主眼とした指導が行われているわけでございます。
 近年、聴覚障害児のコミュニケーション手段につきましては口話あるいは手話、キュードスピーチなど多様な方法が用いられておるわけでございます。また、平成元年からは手話通訳士が制度化されるなど聴覚障害者のコミュニケーション手段のあり方が社会的にも重要な問題になっている。こんなことを踏まえまして平成三年から、昨年度から本年度にかけまして、聾学校及び小中学校の難聴特殊学級におきますコミュニケーション手段の指導のあり方について調査研究を行いたいということでございます。調査研究事項につきましては、読話、発言、発語など多様なコミュニケーション手段のあり方あるいは重複障害児のコミュニケーション手段の指導のあり方などについて研究を進めたいということでございます。
 現在までのところ八回の協力者会議を開いております。また、六校の研究指定校を設けておりまして、研究成果につきましては年度末までに取りまとめて報告をいただきたい、このように考えておる次第でございます。
○下村泰君 昨年の七月、第十一回世界ろう者会議がアジアで初めて東京で開かれました。さまざまな問題が話し合われましたけれども、その中で聾学校での手話教育の必要性が再確認されました。
 いろいろとここでも報告されておりまするけれども、大会決議も、「手話の使用はろう者教育の面できわめて重要」とした上で、「カリキュラムに手話を含める」、「親にも手話の指導を受ける機会を」などと訴えておる、こういう報告が出ておるんですけれども、この点文部省の御認識と今後の方向性について教えていただきたい。
○説明員(野崎弘君) 先生御指摘のように、手話は聴覚障害者の間におきますコミュニケーションを円滑に行うという意味で大変有益な方法である、このように考えておるわけでございます。
 ただ、言葉が耳から十分に入らない、あるいは言語の習得に困難のある児童生徒につきましては言語習得時に言葉を身につけていただくということでやっぱり音声言語による教育も必要である、このように考えてございます。日本語の文法なりそういうものができるだけ早い時期に身に入っておりませんと、手話だけで十分なコミュニケーションができるのかどうかという議論もございます。
 ただ、私どもとしては手話の重要性ということは十分考えておりまして、聾学校の幼稚部あるいは小学部におきましては日本語を言葉として身につけさせるということを主眼にして聴覚活用や読話、発言、発語による意思の疎通を図るいわゆる口話法によります教育法が行われておりますが、聾学校の中学部あるいは高等部におきましてはコミュニケーションを円滑に行うための手段の一つとして手話も用いられているところでございます。
 先生御指摘の点につきましては、現在調査研究協力者会議で研究を進めておりますので、その中で適切な方途をまた御議論いただきたい、このように考えている次第でございます。
○下村泰君 今、おたくのおっしゃったいわゆる口話ですな、これは口の形を見てやるわけでしょう。そうしましたら、教育の段階で手を使わせない、時によっては手を縛って動かさせない、手話通訳をさせないようにして口の発声の練習をさせるというような話を聞いたことがあります。動物虐待に近いような教え方をしているという話もありましたが、そういうことを聞いたことがありますか。
○説明員(野崎弘君) かなり昔あるいはそういうことがあったかのようにも、私も具体の事例を承知しているわけではございませんけれども、そういうことではなしに、今の協力者会議でもどうやったら有効な手段があるかということで研究をいただいているわけでございます。
 その手段としまして、手話ももちろん大事なわけでございますけれども、手話だけに頼らずに、やはり心の中に日本語というものをできるだけ早い時期に持っていただくということも大変大事だと思いますので、もちろん先生のお話に別に否定的にお答えするわけではございませんけれども、先生のお話も含めまして、しかしやはり日本語というものの習得もできるだけこれは進めていかにゃいかぬ、こういう観点で指導しているところでございます。
○下村泰君 大臣ね、手話というのも一つの言語なんですよね、今や手話というのは完璧に。手話というものは、聾者にとっては、聴覚障害者にとってこれはある点で聴覚障害者の文化だとも言われているわけですよ。
 ですから、国語教育は日本語だけを教えようとするもので、手話文化をどう考えるのかという視点が欠けているように思うんですね、今のお答えなんか聞いておりますと。これは政見放送に手話通訳をつける問題もそうですし、字幕放送の拡大を考える上でも注意しなければならないことだと思うんです。聾教育の問題はこれまでも指摘してきましたけれども、普通校でのコミュニケーションの保障の問題、それから聾学校の教員のあり方など数多く問題があります。
 きょうは、もう時間もなくて問題提起だけにしておきますけれども、この聾唖者の教育、聾教育というものについて大臣の認識をひとつお聞かせください。
○国務大臣(鳩山邦夫君) 大変重要な分野であることはよく認識いたしておりますし、私も聴覚障害の方というと手話ということしか余り考えたことがなかったわけで、手話というものも大変重要なコミュニケーション手段でございますし、いろいろなところで手話通訳が行われるというのも一つの文化であるという先生のお考えにも心から賛成であります。ただ、手話にすべてを頼ってしまうと、まだ小さい時分に日本語という言語が言葉として完全に入っていかないという面があるということを勉強しまして、この辺はトータルに考えてやっていかなければならないというふうに思っております。
 ただいまの野崎初中局長の御答弁も決して先生が御心配なさるような観点での答弁ではないというふうに思っておりますので、御安心いただきたいと思います。
○下村泰君 できるだけそういう方々のためにどれが一番いい方法なのか、これはあらゆる角度から研究する必要があると思います。よろしくお願いします。
 来年度の概算要求の中に、病気療養児の教育に関する調査研究という新しい項目が出されておるんですけれども、この要求を出された背景、経緯とこの研究の目的と、具体的に何をどのようになさるのか、内容、スケジュールについてもしおわかりならお聞かせください。
○国務大臣(鳩山邦夫君) この件は、先生には参議院の予算委員会でも病院内学級とかそういう御質問をいただいた記憶がございますが、先生が特に病気療養中のお子さんのいろいろな教育について大変深い関心を持っておられることに対して文部省としても大変感謝をいたしております。
 養護学校あるいは小中学校では病弱・身体虚弱特殊学級、そうしたところで教育を行っておりますが、例えば病気の中心が従来は結核のようなものであったものが気管支ぜんそくとか心臓病等に変わってきているとか、あるいは医療技術の進歩によって、従来はずっと入院しておった方が入退院を繰り返すとかあるいは入院も比較的短期で済むとかいろいろな状況が変わってきておりますので、この際この病院内学級等の問題について大いに研究をしてみようということで今先生御指摘のような計画をいたしたわけで、平成五年度から新たな調査研究をスタートさせたいと思っておりまして、約八百万の概算要求をしております。
 この中には、調査研究協力者会議を設け、また十校ばかりの調査研究協力校を設けて研究をしようということで、要するに政治にしても行政にしてもいろいろな話題がありますけれども、要はハンディキャップを持ったり恵まれない方をどのように救っていくかというのが私は政治の最大の眼目でなくてはならないと思っておりますので、このような研究は大いに進めてまいる所存でございます。
○下村泰君 大変これはうれしいお話でございまして、先般も申し上げましたけれども、こういった院内学級とかあるいは病気していて教育を受けなきゃならないお子さんあるいはその親御さんたちにとっては、これは大変な福音だと思います。どういう結果が出てくるかわかりませんけれども、ひとつ頑張っていただきたいと思います。
 さて、先般も申し上げましたミトコンドリア筋症、人工呼吸器をつけた尼崎の平本歩ちゃんというお子さんがおります。この春、近くの普通小学校に入学されました。同じ時期に尼崎の筋ジストロフィーの玉置君の問題も大きな節目となっていました。小学校、高校の違いはあれ、なぜに学校側の対応がこうも違うのかというふうに考えさせられます。片方はとうとう尼崎の市立の方に行かずに、公立の方に行かずに私立の方の学校に行ったらしいんですけれども、もしあれを学校が裁判とかああいう大きなことにならずに最初から受け入れてくれたならば、ああいう問題も起きなかったんだろうと思います。この二人がすべての力を込めて生きようとしていることは、もう私も取材をしていましてその差というものは小学校であれ高校であれ認められません。病気であるからなおさら学ぶことの、いわゆる自分が求めた学びやを選ぶことの必要性、意味があると思います。
  かつて、大臣とお話をいたしましたクオリティー・オブ・ライフ、QOLについても申し上げましたけれども、ある人は命の質と訳します。ある人は命の輝きとも訳しております。このQOLの問題は障害の有無、難病の有無にかかわらず言えることなんですけれども、障害があるというだけで、病気であるというだけで実に多くの制約と制限をして差別の中で生きなければならない現実があります。専門家が客観的に判定するだけの技術論を振りかざしていたんでは、これは越えられない現実があります。
 歩ちゃんについてちょっと御報告させていただきますけれども、歩ちゃんの入学に際しましては決して問題がなかったわけではありません。大きな危惧、心配、不安の中で、この子の人生、命を輝かせるためにはどうすればいいのか本当に真剣な話し合いが持たれました。
 ここに資料もあります。関係者の皆さんの話も伺い、無論、歩ちゃんとも会ってお話をしました。といっても声ではありません。多少は聞こえますから歩ちゃんは今気分がいいですかと言いますと、舌の先を口の先よりちょっと出すんです。音がするかしないかで上唇へ下の唇をぺっぺっぺっと、こう当てるんです。それがはいあるいはいいえの信号なんです。ぺっぺっと当てるんです。歩ちゃん、今気分がいい、ぺっぺっとやるんです。あるいは目ん玉によってそういったようなお話もできるんです。十分に気持ちは伝え合える確信を持ちました。
 彼女はクラスの一員としてみんなと一緒に授業を受けています。制度上は交流なんですけれども、実態があるのに制度によって切り裂かれるということのないようにひとつこれはしたいと思います。このお友だちの中に、こういうつたない字ですが、ここに作文があります。ちょっと読んでみましょう。
 あゆみちゃんへ
 あゆみちゃんこういうこいのぼりつくれる。つくれないかもしれないからわたしたちさんくみがあゆみちゃんにぷれぜんとをつくりました。
こいのぼりをつくっていますよ。
もう一枚は、
 あゆみちゃんへ
 あゆみちゃんをすきになったからこいのぼりをあげたくなったのよ。みんながあゆみちゃんのためにいっしょうけんめいつくったよ。あゆみちゃんだいじにしてね。あゆみちゃんあそぼうね。
これはもう健常者ですね。普通のお子さんです。その普通のお子さんのクラスの中にこの歩ちゃんが入っている。そして、その歩ちゃんの横には一人の先生です。これまた新しい教員、教師らしいんですけれども、まだ先生になって一年、二年ぐらいの方なんです。この先生がつきっ切りで歩ちゃんの面倒を見ているんですが、歩ちゃんとその先生はもう親子以上のコミュニケーションができて話がわかる。そして、先生が黒板に書いていろいろ教育の説明をします。それが一々わかって、それに対して反応して、答えができると手を挙げたがる。そこまで動いているわけです。
 ここまで来ますと、周りの人たちがプールへ入ります、夏ですから。そうすると、歩ちゃんも入ったがる。ところが、この歩ちゃん人工呼吸ですからね。今大臣の手元にお写真を見せておりますけれども、そこには人工呼吸器があります。そこでパクパクパクパクやる。それでバクバクの会というような会があるんだそうですが、バクバクやっておりませんと即、死に至るわけです。もしそこからプールの水なんかが入ったら、これは大変なことになるわけです。ですから、医者はもちろん反対します。学校も反対するだろうと思いました。ところが、校長先生とか教頭さんとかあるいは教育委員会の方々がその大勢の健常者の子供さんたちと同じような思いをさせてやろうじゃないか、どうしたらいいんだろうと考えた末が小さな容器ですね。その容器をミニプールというぐあいにしてその中へ入れて、そしてみんなと一緒に遊ばせた。
 それは、私は現実に初日の日にそこへ行ってきました。もちろん親御さんにはまだまだいろんな要望がありまするけれども、先生方や周りの方が心を合わせますと、人工呼吸でそれだけのお子さんがちゃんと生活の環境の中に入り、しかも生きているというあかしがびしゃりと出てくるわけなんです。
 ですから、今大臣、改めてそのお写真をごらんになって何をお感じになったでしょうか、ひとつ御参考に聞かせてください。
○国務大臣(鳩山邦夫君) 先生から御質問の通告をいただきまして、この六歳のお嬢さんのことをいろいろ資料を取り寄せて、午前中の委員会にも私どもも呼ばれておりましたから、実はずっと新聞記事等を読んでおりました。
 正直言って、みんなで協力して、親御さんが、お父さんが仕事をやめて付き添って、それこそどなたかが人工呼吸を常に続けていく中で、養護学校でないいわゆる普通の小学校に一緒に通っておるというこの記事、そしていろいろな思いや感情を指等であらわしているというような話、私はこういうのに非常に弱い方でございまして、先ほど佐川さんに会ったことがありますかとかなんとかという質問が続いている間に実はこれを読んでおりまして涙が出てしまいまして、冒頭が熱くなってしまいました。
 今、先生からこの写真もお見せいただいて、みんなで本当にこうやって協力しておられる姿というものにはただひたすら大きな感動を覚えるわけでございまして、人間の幸せとは一体何だろうか、教育の機会均等とは何だろうかということをいま一度考え直さなければならないというような思いがいたしております。
 それは、御本人にしても健常児の皆さんと一緒に教育を受けるという中に、例えば新聞にも木琴をたたいている姿がありますが、大きな喜びや満足があると思いますし、また健常児のお子さんがこういうお子さんと一緒に、またそれを助けながら教育を受けるということはお子さんたちの心身障害者に対する理解を深めるという意味でも大きな意義がある。これがいわゆる統合教育とかインテグレーションの大きな効果だというふうに思っております。
 ですから、これはすばらしい一つの例として大いに参考にさせていただきますが、ただ、じゃ世の中すべてでこういうふうな方向に行けるかというと、これはさまざまな意見があると思いますし、それぞれの条件によって、このような非常に厳しいつらい病気でありながら、お父さんが一年じゅう付き添ってくれるというような条件がある場合もあるでしょうし、ない場合もあるでしょうし、その辺にこのインテグレーションという問題はこれから大いに議論をしなければならないことと思いますが、とにかく感動を持って記事も資料も読ませていただきましたし、写真も拝見しました。
○下村泰君 もう時間がありませんから、一言だけ言わせていただきますけれども、私は、別に養護学校というものを否定しているわけじゃございません。養護学校は養護学校で立派な務めを果たしてくれております。
 ただ、普通校を求めた場合、その子のQOLとしてそれがふさわしいならば、ぜひその子にその希望をかなえさせてやりたいなと思うんです。
 大臣も終始おっしゃっておりまするけれども、「政治や行政がそういうお子さんに対してどれだけ温かいことをして差し上げることができるのか。」、「そういうようなところでどこまできちんと温かくできるかというのが文部省にとっても大きな課題」でありますというふうに先般お答えくださっております。
 ですから、一人の教員あるいは介助員が配置できる、あるいはエレベーターなどの施設整備の費用を国が負担するなどということができておれば財政力の弱い市町村に住んでいても希望がかなえられるわけなんです。
 こういったように、申し上げれば数限りございませんけれども、時間でございますのでここでやめることにいたしまするけれども、どうぞひとつこういった子供さんたちの面倒はきちんと見ていただくことをお願いしておきます。
 終わります。
○委員長(大渕絹子君) 他に御発言もないようですから、本日の審査はこの程度といたします。
 次回の委員会は明九日午前十時に開会し、本日に引き続き、全般的質疑を行うことといたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時四十九分散会