第126回国会 地方行政委員会 第12号
平成五年六月三日(木曜日)
   午前十時一分開会
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   委員の異動
 六月一日
    辞任         補欠選任
     下村  泰君     西川  潔君
     細川 護煕君     寺澤 芳男君
 六月三日
    辞任         補欠選任
     坂野 重信君     矢野 哲朗君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         佐藤 三吾君
    理 事
                石渡 清元君
                久世 公堯君
                岩本 久人君
                有働 正治君
    委 員
                狩野  安君
                釘宮  磐君
                坂野 重信君
                須藤良太郎君
                関根 則之君
                林田悠紀夫君
                矢野 哲朗君
                上野 雄文君
                大渕 絹子君
                山口 哲夫君
                渡辺 四郎君
                続  訓弘君
                吉田 之久君
                西川  潔君
                寺澤 芳男君
   国務大臣
       自 治 大 臣
       国 務 大 臣  村田敬次郎君
       (国家公安委員
       会委員長)
   政府委員
       警察庁長官    城内 康光君
       警察庁長官官房  垣見  隆君
       長
       警察庁警務局長  井上 幸彦君
       警察庁刑事局長  國松 孝次君
       警察庁刑事局保  中田 恒夫君
       安部長
       警察庁警備局長  菅沼 清高君
       経済企画庁調整  柳沢  勝君
       局審議官
       大蔵大臣官房審  岡田 康彦君
       議官
       自治大臣官房長  吉田 弘正君
       自治大臣官房総  遠藤 安彦君
       務審議官
       自治大臣官房審  松本 英昭君
       議官
       自治省行政局長  紀内 隆宏君
       自治省行政局公  石川 嘉延君
       務員部長
       自治省財政局長  湯浅 利夫君
       消防庁次長    吉原 孝司君
   事務局側
       常任委員会専門  佐藤  勝君
       員
   説明員
       大蔵省主計局主  木村 幸俊君
       計官
       大蔵省主税局総  尾原 榮夫君
       務課長
       大蔵省財局国   乾  文男君
       大蔵省理財局資  白石 博之君
       金第二課長
       大蔵省銀行局特  戸恒 東人君
       別金融課長
       通商産業省立地
       公害局環境政策  今井 康夫君
       課長
       海上保安庁警備
       救難部警備第一  津野田元直君
       課長
   参考人
       日本銀行企画局  小畑 義治君
       次長
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  本日の会議に付した案件
○銃砲刀剣類所持等取締法及び武器等製造法の一
 部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○参考人の出席要求に関する件
○地方交付税法の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
○地方行政の改革に関する調査
 (地方自治法の一部を改正する法律案に関する
 件)
 (地方分権の推進に関する決議の件)
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○委員長(佐藤三吾君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る一日、下村泰君及び細川護煕君が委員を辞任され、その補欠として西川潔君及び寺澤芳男君が選任されました。
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○委員長(佐藤三吾君) 銃砲刀剣類所持等取締法及び武器等製造法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は前回既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
○岩本久人君 皆さんおはようございます。
 それでは、銃刀法一部改正案についての質疑を行いたいと思います。よろしくお願いいたします。
 本案の審議に入る前に、二、三警察庁にお願いをしながら質問をしたいと思うんです。
 そのまず第一は、先日新聞で大きく報道されました神奈川県警川崎署の川崎駅前地区警備派出所で起きた警察官による暴行事件、現代の警察でこのようなことがあってよいものだろうかといったような大変な不祥事があったわけであります。この暴行事件については、既に二人の警察官が逮捕され懲戒免職になっているということでありますが、この事実関係についてまずお尋ねをいたします。
○政府委員(井上幸彦君) ただいまお話のありました事件、まことに起きてはならない事件であり、警察の威信を失墜したものとして心から申しわけなく存じておる次第であります。
 この事件の内容でございますけれども、昨年の十二月三十日に発生したものでありますが、お話のありました神奈川県警の川崎警察署の川崎駅前地区警備派出所に、午後の時間帯に通行人である女性から、近くの道路上で労務者のような人が酒を飲んで騒いでおる、何とかならないのかというような届け出を受けまして、早速派出所に勤務している警察官が五十メートルほど離れたところの現場に赴きましたところ、車座になって労務者風とおぼしき人が四、五人で酒を飲んでおったという状況があったようであります。
 それに対して、どこか場所をかえて酒を飲んだらどうだと、道路上は邪魔じゃないかというよう
なことを申したところ、このうちの被害者になる一人がどこで酒を飲もうと勝手だというようなことで、荒い言動を吐きながら手に持っておりましたワンカップを警察官に投げつけるというような状況があったようであります。そのようなことから現場に赴いた警察官は、当人を保護する必要があみというふうに認めまして、派出所に同行を求めて保護に着手したと、こんなことであります。
 しかしながら、派出所に同行をいたしてからも当該保護の対象者は激高の度合いがおさまらず、暴言を吐き、かつ警察官の制止を振り払うというような状況が続いたようであります。あってはならないことでありますが、そのような言動に激高をいたしまして、ロープで手を縛り、あるいは殴る、けるを行い、果ては、やかんのお湯、灯油を浴びせるというような挙に出たようであります。この結果、五十三日間に及びますやけど及び座骨骨折の傷害を与えるに至ったと、中身としてはそういう事件であります。
 なお、これにつきましては、神奈川県警としては、事件の中身を重く見まして、本部長以下の体制を組みまして鋭意捜査を遂げまして、去る五月二十一日に、お話のありました事件に加担をいたしました二人の警察官を特定いたしまして特別公務員暴行陵虐致傷の罪で逮捕いたし、現在勾留して事案の真相究明に鋭意努めておる、こういう状況でございます。
○岩本久人君 今答弁がありましたので重複は避けますが、今言われたようなこと等々が新聞にそのままこう書いてある。酩酊している早川さんをロープで練る、殴る、ける、背中から熱湯をかける、灯油をかける、そして入院五十三日というようなことであります。
 そこで、警察庁長官に伺いたいと。思うんですが、昔と違って、今の警察というのは、まさに民主的な自治体警察、イメージとしては親切なお巡りさんというのが関係者の皆さんの大変な御努力で国民の中にも定着をしてきた。そういう中にあってこういったようなこと、ごく一部の者だと信じておりますが、こういったことが大々的に報道されているということで警察官全体のイメージが下がるということはとても残念なことだと思うんですね。その意味では、迅速に懲戒免職といったような処分をされたということは私は正解だったと思うんですが、いずれにしても、本件についての警察庁長官の基本的な見解はどうか、また国家公安委員長としてはどう思われるかということをあわせお伺いをしたいと思うんです。
○政府委員(城内康光君) 警察官というものは、国民を守るという立場でございます。本件も、通行中の女性から歩道上で酒を飲んでいるというようなことの訴えがあってそこへ駆けつけた、これは当然のことでありますけれども、またいろいろ現場でもトラブルがございましたけれども、派出所へ同行を求めた、これも正しい措置でございますが、しかし幾ら相手が暴れたからといって、プロである警察官が激高してそういう行為をしたということは決してあってはならないことだというふうに思います。まことに遺憾な事案だというふうに考えておるわけでございます。
 今後とも、いろいろな機会をとらえて、業務の適正な執行ということについて指導を徹底して国民の信頼の確保に努めてまいりたいと考えております。
○国務大臣(村田敬次郎君) 今岩本委員が御指摘になりました事案、法を守らなければならない警察官のこうした行動というのは、非常に遺憾なことだと思っております。
 民主主義というものはあらゆる人間があらゆる機会に努力をしていかなければならない大事な大事な制度でございますが、特に警察官の場合、注意が肝要であると思います。ぜひ国民の警察に対する信頼をしっかりとつなげるような努力をあらゆる機会に払わなければならないと思います。
○岩本久人君 今の問題はただいまの答弁でいいようなものではあるんですが、私がそのこと以上に残念に思うのは、上司の方がこの事件をなかったことにするような隠ぺい工作をしたと。そのときに使ったロープを隠したり当日の記録を改ざんしたりといったようなことがあったということが、それから数日たった後の新聞にまたでかでか出ておる。このことはやっぱり体質そのものが問われるんではないかというふうに思いまして、単にその二人だけを懲戒免職にすれば済むといったようなことではないんではなかったかというようなことを思うんですが、そのようなことの事実関係と、今後警察庁としてそういったようなことについてはどのような対応をされていくのか、お伺いをしたいと思います。
○政府委員(井上幸彦君) この事件につきましては、先ほども申し上げましたように、神奈川県警としても大変重くとらえて、特別な体制をとって事案の真相解明に努めているところでありますが、何にいたしましても、昨年十二月三十日の事件であり、逮捕したのが五月二十一日というような状況で大変時間もかかっておる、そういうふうなことで、そこに至るまでの間の内部での取り扱いというものが適切を欠いた面があるのではないかという点も視野に入れまして、現在鋭意全般としての真相解明というものに努めているところであります。
 それから、事件としてまとめ上げその責任の所在を明確にするということと同時に、やはりこれは幹部として、管理者としての監督責任というものも当然問われるべきものであろうかというふうに思いますが、いずれにせよ事件全体の真相を解明した上で厳正に対応してまいりたい、このように神奈川県警にも指示をいたしておりますし、神奈川県警でもそういう立場で今努力を続けている、こういう状況でございます。
○岩本久人君 一昨日の地方交付税法の質疑のときに、私はこの場で、時間はなかったので十分なことになっておりませんが、警察の検挙率が大変に低いといったことを問題にさせていただきました。それなりの答弁もあったとは思うんですが、そのこととそれから今回のこういった暴行事件、あってはならないようなことが起きるというようなことを考えると、日本の警察全体としてやはりどこかたるみがあるんではないかといったようなことは全然無関係ということにはならぬのではないかというように考えるわけでありまして、そういった構造的な問題としてとらまえていく必要があるではないかというふうに思うんですが、警察庁長官はどのような見解をお持ちでしょうか。
○政府委員(城内康光君) 六月一日の当委員会で、検挙率のことについて御説明をいたしまして、検挙率が低下ぎみだということでございますが、その際に申し上げましたように、重要犯罪、重要窃盗のような国民が解決を強く望んでいるような事案については、限られた警察の執行力をそこに集中するようにいたしまして、昨年の実績で言いますと重要犯罪の検挙率は七八・九%ということで、わずかでございますが、その前の年に比べますと〇・二ポイントほど上向きになってきております。ここのところずっと下がってきたんですが、やや歯どめがかかったかなという感じでございます。ただ、重要窃盗犯の方は五六・二%ということで、またこれは低下を続けておる、こういうことでございます。
 しかし、ことしに入りまして一月から四月までのことを見ますと、重要犯罪は八二・八%、それから重要窃盗犯は五四・九%ということで、重要犯罪の方で対前年比七・九ポイントアップ、それからまた重要窃盗犯の方も対前年比一〇・四ポイントほどアップをしておるわけです。今申し上げたように、現場はそういう重点項目について一生懸命令頑張っておる、こういうことでございまして、おっしゃられるような構造的云々というふうには私は考えておらないのであります。
 その際御説明いたしましたように、確かに犯罪そのものが複雑多様化広域化し、また捜査を取り巻く環境というのは大変厳しくなっておるわけでございまして、現場の警察官の業務負担も大変重くなってきておるということは事実でございます。しかしながら、行財政改革の折、増員ということについては厳しく抑制されておりますので、
私どもとしては、やはり警察官一人一人のプロフェッショナル化を推進するなどして能率を向上する、あるいは内部でいろいろな努力をして必要なところに人をパワーシフトするというような合理化の面について、今一生懸命やっておるところでございます。
 しかし、御指摘のように、規律が厳正であるということはやはり警察を貫いて維持されなければいけないことだというふうに考えておりまして、先ほど御答弁いたしましたように、そういった面についてさらなる努力をいたしたいと考えております。
○岩本久人君 今の答弁を聞きながら、ああそうだと思ったんで質問しますが、即出なかったらこの質問の最後でいいですから、ちょっとお願いしたいんです。
 警察官といえども、基本的人権があって健康にして文化的な生活を営む権利がある、これはもう当然のことです。そうであるならば、人間だれしも本質的には楽な方へ楽な方へ行きたいものでありますから、勤務条件とか待遇がどうかということと無関係ではないんですね。だから、例えば平成四年度で結構です、五年度もわかればいいんですが、全国の警察官の採用された人数は幾らか、それに応募された数は幾らか、どれだけの方が警察官を志望しておられたかということを私は知りたいんです。それは後からでいいですから、ひとつお願いしたい。
 というのも、実は私もいろんな関係で約百人ぐらいの方を雇用しておりますが、試験をして、第二次試験をやって聞くとお金のこと、給料が高いということはもちろん第一の条件にしておりますが、同時に、土曜はどうなっていますか、日曜日は完全に休みですかということをもうほとんどの応募者が聞くわけです。したがって、私がここで聞きたいのは、警察官の皆さんの週休二日制という問題は一体どうなっているんだろうかということをまずお伺いしたい。
 それと、先ほど言われましたように、だんだん国民のニーズというものが広く深くなっているわけですから、やはり画一的な定員管理ということではクリアできないのではないかと思いますから、増員ということについてどのような対応を考えておられるかといったようなことも含めてお伺いをしたいと思っております。
○政府委員(井上幸彦君) 昨年の採用人員と応募者の状況については、今ちょっとデータを取り寄せておりますので、後ほど答弁させていただきたいと思います。
 それから、週休二日制の問題につきましては、昨年の段階、警視庁を皮切りにスタートいたしまして、昨年中に全都道府県で週休二日制が制度としてスタートをしておる、こういう状況になっております。
 それから、増員の見通し等でございますが、これにつきましては先ほどの長官から御答弁申し上げましたとおり、御案内のとおり、臨時行政改革推進審議会の方で警察官の増員等につきましても原則凍結という方針が示されておるところであります。
 一方では、今もお話に出ましたように週休二日制を実施しておるというような状況で、週休二日制になると、これは事実上の減員効果、一万数千人の減員効果というのがあるわけでありますが、それを当てにして増員するというのは論理矛盾も生じてまいるわけであります。そのようなことから、将来を展望した場合にはいずれまた御理解をいただいて増員ということも考えられるとは思いますけれども、民間企業で今リストラということが盛んに叫ばれておりますが、私どもの組織、人員の見直し等を行いながら、一線の活動力をそがないという立場での見直しを徹底し合理化を行い、治安水準の維持に当たるという警察に期待されている役割というものを当面十分に果たしていくことが大事なのかなというふうに考えております。
○岩本久人君 完全週休二日制に関連をして、これも後からでいいですが、時間外勤務の実態がわかればあわせてお願いしたいと思っております。
 では、次の問題に入りますが、村田大臣にお伺いします。
 日本国民を唖然とさせた例の交換留学生服部剛父君の無罪評決の問題です。時間がありませんから一々言いませんが、私自身としては、この事件、ピアース被告は正当防衛どころか誤想による過剰防衛ではないか、こう思うんです。ここにある新聞記事に載っておりますが、使ったけん銃というのが四十四口径、大きな熊さえも撃ち殺すという大変大きなけん銃なんですね。そういったようなことを考えると、状況としてピアース被告にはほかにもとる方法は十分考えられたと思うんです。今回の陪審の評決は私はおかしいと思うんですが、大臣はどのような感想をお持ちか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(村田敬次郎君) 今回の服部君のお亡くなりになった事件は大変痛ましいことでございまして、心からお悼みを申し上げる次第でございます。
 実は、テレビでお父様が名古屋空港に帰ってきて記者会見をしておられる模様を何とも非常に痛ましい思いで見ておったわけでございますが、ただ、これはアメリカと日本の国情の差があると思うんですね。日本ではけん銃を持つことは許されません。アメリカの場合はけん銃を一般的に持つ権利があるわけでございますが、裁判自体は、米国は陪審制度が発達をしているとか、いろいろ日本と異なる事情があると思います。日本の国家公安委員長がここでそれに対するコメントを申し上げるのは適当でないと思いますので、それは差し控えたいと思います。
○岩本久人君 しかし、日本の国民が殺された、単に適当でないだけではやっぱり日本国民の感情として私はなじまないんじゃないかと思うんですね。
 それで、この事件を報道したマスコミがいろんな分析をしています。その中には、例えばこれが日本人でなくてアメリカ人だったらどうなのかと、突き詰めれば人種差別といったようなことにも敷衍しておる記事もありましたが、私が唖然としたのは法廷で無罪の評決が出たときに期せずして歓声と拍手があったということ、私たちにとってとても納得できるものではないと言うんです。
 今言われたように、銃を所持することが合法だという国情の違いというのがあるにしても、いずれにしても、全世界的にこの世の中から人殺しのための武器をなくして平和な世界をつくるということはもう大義なわけですから、そういったことを考えると、コメントを避けたいということでなくて、この評決が出たというその瞬間に、今からでも遅くないと思うんですが、銃をこの世から一掃しようといったようなことも含めた日本政府としての基本的な見解を内外に明らかにする必要があったと思うんですが、一閣僚としてどのようなお考えをお持ちでしょうか。
○国務大臣(村田敬次郎君) 私は、岩本委員の御指摘になるところはよく日本国民としてわかるんです。そして、もし日本でそういう事件が起こったとすればとか、そういういろいろな仮定も拝見をいたしました。だから、岩本委員の御指摘になる気持ちは本当に十分私には痛いほどわかります。
 私は、アメリカのこのけん銃所持の問題、それからロストチャイルド、子供がよくいなくなるんだそうですが、こういう問題は日本とアメリカの国情の相違だなということをかねがね思っておりますが、閣僚としてのコメントは、これはアメリカの裁判のことでございますから、この際は差し控えさしていただくのがいいと思います。
○岩本久人君 これ以上やりとりしておっても時間がありませんから、いずれにしても、今後こういった議論があったことを心して頑張ってもらいたいということを申し上げて、いよいよ本題のけん銃の問題に入りたいと思うんですが、今回のこの罰則を強化するという法案自体、私は大賛成でございます。いっときも早くやってもらいたいと
いうことなんです。
 ところで、最近は一般の者にもけん銃の拡散が生じているということのようでありますが、日本の国内で不法に所持されているけん銃の数はどの程度あるんですか。そして、一般の人とはどういった方々でしょうか、お伺いいたします。
○政府委員(中田恒夫君) お答えいたします。
 国内に存在しておるけん銃の丁数等についてお尋ねでございますが、いずれにいたしましても、我が国の治安水準が高いとされておりますことの主要な原因の一つとして、銃器に対する厳格な規制が行われてきたことが挙げられようかと思います。
 ところで、最近のけん銃不法所持数でございますけれども、昨年は過去五年間で最高の千四百五十丁を警察において押収するというようなことで、非常に不法所持が急増しておるわけでございます。それは本年に入りましてからも、五月末の数字で見てまいりますと押収丁数は七百三十六丁でございまして、前年の同期に比べて二百四十三丁、割合にいたしまして四九・三%増でございまして、さらに増加する傾向にあるわけであります。
 また、これまで、けん銃を使用して凶悪事件を起こすというのは暴力団員がほとんどであったわけでありますが、昨年は御案内のように、例えば一月に、東京都の杉並区において発生いたしました元タクシー運転手らによります医師の誘拐事件がございました。あるいは七月には、神奈川県と東京都の都県境にまたがって、大和市と町田市でございますけれども、この両市において発生いたしました指名手配中の無職の男性によります警察官及び主婦の殺傷事件がございました。あるいは同じく七月には、岡山県山陽町におきまして発生いたしましたタイル業者による連続殺人事件というようなことがございましたけれども、このような一連の事件に見られますように、暴力団員以外の者がけん銃を使用して善良な市民を震憾させるような凶悪な事件を起こすケースがふえておるわけであります。
 特にこういった暴力団員以外の者によります凶悪事件のうちのけん銃を使用しての殺人事件について見てまいりますと、平成二年にはゼロでありましたけれども、平成三年には四件、平成四年には八件と急増しているわけであります。
 また、これを統計的にけん銃の押収数の内訳から見てまいりましても裏づけられるところでございまして、暴力団員以外の者からの年間の押収は、過去は全体の構成比で申しまして五、六%程度でございましたところが、昨年は三百七十八丁と実に二六・一%に上っておるわけであります。本年に入りましてからもこの傾向が続いておりまして、先ほど五月末までの押収数七百三十六丁と申し上げましたが、このうちの二百七十二丁、構成比にいたしまして三七・○%は暴力団員以外の者から押収したものとなっております。
 こうしたけん銃の拡散ということがさらに進んでまいりますれば、殺人なり強盗等の凶悪事件あるいは右翼テロ事案等にけん銃が使用されるというおそれがさらに高くなりまして、我が国の治安の根幹を揺るがすような憂慮すべき事態に陥るおそれがあるんじゃないかというふうに危惧をしておるところであります。
 それから、一般人にも拡散している、その一般人とはどのような者かというお尋ねでありますが、暴力団員以外の者と私申し上げましたが、私どもが暴力団員以外の者と言っておりますのは、職業別で見てまいりますと、暴力団員と近しく交遊している者とか、あるいは会社員、お医者さん、大学の教授というようなことまで、千差万別であります。また、その所持を目的別に見ますと、ガンマニアが収集目的で集めて持っておるものや、護身用と称して船員や留学生が持っていた例がございます。なお、犯罪目的に所持していた最近の例は、先ほど申し上げたような事例に見られるところであります。
 そのような暴力団員以外の者からの押収がふえている原因等でございますけれども、定かではないのでありますが、例えば一方では、暴力団員が所持するけん銃が依然として多いと思われるところ、その暴力団員と見られる者からコインロッカーに置いておいたよというような形で通報があって提出されるけん銃がふえていることから、暴対法の施行とあわせて最近における厳しい暴力団取り締まりにより、暴力団関係者の中にけん銃を処分する場合がふえて暴力団員以外の者がけん銃を入手できる機会が広がっているように見られるというのが一方にございます。
 そして、他方では、海外で購入し持ち帰ったけん銃の押収数が増加している、あるいは多数のガンマニアが改造けん銃を購入していた事案があったというふうなことで、けん銃の不法所持ということに対する規範意識が一般的に低下していると見られること、こういったことなどが両々相まちまして、全体として暴力団員以外の者のけん銃所持の実態を押し上げているのではないかと推測しておるところであります。そして、警察の厳しい銃器摘発の結果こうしたけん銃の押収がふえているというふうに考えておるところであります。
○岩本久人君 最近の続発しておりますけん銃を使った凶悪事件等に対処するために、政府では昨年七月にけん銃取り締まり対策に関する関係省庁連絡会議というものを設置されたようでありますが、この中身はどういったものでしょうか。
○政府委員(中田恒夫君) お答えいたします。
 御指摘の会議というのは、昨年七月三十日に内閣の内政審議室及び警察庁、法務省、大蔵省など関係九省庁により開催されました連絡会議のことだと思いますが、そこにおきましては、けん銃取り締まりについて緊急に実施すべき対策が策定されております。
 その内容は三つの柱から成っております。
 その一つは、関係省庁の連携によるけん銃取り締まりの強化であります。総合的な取り締まりを実施するために、取り締まり担当省庁によるけん銃取り締まり対策部会を設けまして、情報の交換、合同捜査の実施を行い得る体制を構築して、昨年九月と十月、二カ月をけん銃特別取り締まり期間に設定いたしまして、政府を挙げてけん銃の特別取り締まりを開始しておるというのが一つでございます。
 第二は、国民の理解と協力を得るための広報啓発活動の推進であります。船舶あるいは漁業関連団体等に対しまして情報提供等の協力を要請するとともに、さまざまな広報媒体を活用した広報啓発活動を行うこととしておるところであります。
 その第三は、法令の整備でございまして、まさに現在御審議いただいておりますこの銃砲刀剣類所持等取締法及び武器等製造法の一部を改正する法律案はこの観点によるものでございます。
 以上、三つの柱が相そろいまして効果的なけん銃対策が推進されるものと了解しておるところでございます。
○岩本久人君 そういった申し合わせに基づいて今回の法律案というものも提起されたと思うんですが、今回の改正によって具体的にどの程度の成果が期待できるのか、それから、いわゆる泳がせ捜査といったようなものが検討されていたということですが、これが今回見送られた理由は何か、お伺いをいたします。
○政府委員(中田恒夫君) 現在のけん銃をめぐる情勢のもとにおいて必要と思われる措置はこの法案に大体盛り込んだと考えておりまして、今後、改正銃刀法を活用した取り締まりを強化してけん銃事犯の根絶に努めてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
 それから、泳がせ捜査のことでございますけれども、先生御指摘のものがあるいはコントロールドデリバリーと呼ばれるあの手法のことでありますれば、いわゆる麻薬特例法にそのような手法が明定されておりますが、これは薬物の関係でございまして、けん銃につきましては、コントロールドデリバリーを実施していく過程で一般人に対する危害の防止というようなことが現在の段階では必ずしもまだ十分担保できないというようなことがございまして、今後の検討課題として、今回取り入れなかったというものでございます。
○岩本久人君 この問題を根絶するために、一つのネックといいますが、十分考えなければならないのは何といっても密輸の問題だと思うんです。いろんな報道では、年々この密輸というものが巧妙化しているということのようでございますが、東京税関では昨年七月現在では押収ゼロだといったようなことも書かれておるわけでありますが、密輸の状況はどうなっておるのか、また、どこの国からどのようなルートで入るのかがわかっておればお答えをお願いいたします。
○政府委員(中田恒夫君) 平成四年中のけん銃の押収丁数を先ほど千四百五十丁と申し上げたわけでございますが、このうちの約九〇%に当たります千二百九十丁につきましては、これはいわゆる真正と言われるけん銃、本物のけん銃でございます。国内で生産されたものではないわけでございますから、そのほとんどは密輸入されたに違いないものでございます。
 これらの銃の製造国別ではわかるわけでございまして、アメリカ製が四百七丁、構成比で三一・六%、中国製が二百三十三丁で一八・一%、フィリピン製が八十六丁で六・七%などとなっておるのでございますけれども、これは製造国のことでございまして、この製造国から実はどの国を経由して我が国に陸揚げされているのかということについては、必ずしも十分判明しないケースが多いわけでございます。過去の密輸入罪等で検挙いたしました事例から見てまいりますと、フィリピン・ルート、次いでアメリカ・ルート等が多いようでございます。
○岩本久人君 ことし二月の新聞報道によりますと、けん銃二十八丁を国内に持ち込もうとしたアメリカ・カリフォルニア州在住の柔道指導員が銃刀法違反で千葉地検に身柄送検をされたということのようで、現在公判中ということのようですからどの程度お答えになれるかわかりませんが、この事件の概要と、こういった事件に対して、今回この法律が改正されたらどういった効果を生むかということについて、あわせてお伺いいたします。
○政府委員(中田恒夫君) まず、お尋ねの事件の概要でございますけれども、この事案は、千葉県警察がことしの二月に東京税関の成田税関支署と共同して日本人の柔道家を検挙いたしまして、銃刀法と火薬類取締法違反などの罪名で逮捕して、けん銃二十八丁、実包七百七十五個というようなものなどを押収した事案のことかと思います。
 事案の概要でございますけれども、この被疑者、日本人の柔道家でございますけれども、昭和三十七年ころから渡米いたしまして米国に居住いたしまして柔道の指導員をしていたということでありますが、ロサンゼルス空港からヴァリグ・ブラジル航空に搭乗いたしまして二月八日の午後成田に参ったわけでありますが、税関の検査所において免税品のワインの箱の中からけん銃十一丁が発見されまして、さらに検索をした結果、今度はウイスキーの箱の中からけん銃三丁と実包七十五個を、それからまたスーツケースの中からけん銃十四丁と実包七百個余りを発見して押収したというものでございまして、密輸入した動機は日本で密売してもうけようと思ったというようなことを本人は語っておるようでございます。
 御指摘のとおり、現在、同人は三月一日に千葉地検から、銃刀法違反、これは営利目的の密輸入でございますが、それと火薬類取締法違反、これは火薬類の無許可輸入というような罪名で公訴を提起されておるというふうに承知しております。そして公判中であるというように承知しております。
 それから、密輸入罪についての関係でございます。けん銃の国外からの供給の遮断ということは、やはりけん銃対策の根源的な問題といいますか課題でありまして、御指摘のとおり、特に営利目的によるけん銃等の密輸入というものはこの観点から最も悪質な行為で取り締まるべきものだというふうに理解しております。
 今回の改正案では、単純輸入罪の法定刑につきまして、ちょっと細かくなりますが、現在一年以上十年以下の懲役となっておりますものを三年以上の有期懲役に引き上げます。さらに、営利目的輸入罪の法定刑につきましても、現在一年以上の有期懲役、それから五百万円以下の罰金も併科できるということになっておるわけでありますが、これを無期または五年以上の懲役、罰金については同じでございまして、五百万円以下の罰金を併科できるということで、大幅に引き上げることにしております。これによりましてけん銃等の密輸入は許さないという国の強い意思を明示いたしまして、刑罰の一般予防効果というものによりましてこういった事犯の抑圧を図ることとしておるわけであります。
 御参考までに薬物関係の密輸入罪の法定刑についてちょっと触れておきますと、ヘロインとか覚せい剤の単純輸入罪は一年以上の有期懲役でございます。それから営利目的輸入罪が無期または三年以上の懲役、一千万円以下の罰金併科ということになっておりまして、今回の改正によりまして、けん銃等の密輸入については、ヘロイン、覚せい剤の薬物の密輸入以上の重罰が科せられることになるということでございます。
○岩本久人君 このような反社会的行為に対して罰則を強化するということはもちろん賛成でございますが、同時にまた、徹底した取り締まりということも重要であります。そのためには、効果的に行うために関係省庁がもっと連携を密にしてやってもらうということがとても大事だと思うんですが、密輸入を阻止するために関係当局、具体的に言うと、警察庁はもちろんですが、大蔵省の関税局あるいは海上保安庁、こういったところではそれぞれどのような対応をなされておりますか、お伺いいたします。
○政府委員(岡田康彦君) お答えします。
 社会生活の安全を脅かす銃砲の取り締まりにつきましては、水際において流入を阻止することがまず肝要だと考えております。このため、今御指摘のような関係省庁間でいかに水際で取り締まり強化を図るかということにつきまして、大蔵省関税局あるいは税関といたしましては、先ほど先生御指摘の昨年七月のけん銃取締り対策に関する関係省庁連絡会議に積極的に参加いたしまして、そこの申し合わせに従いまして取り締まり強化を図ってまいりました。
 さらに、大蔵省関税局、税関といたしましては、中央省庁レベルにおきまして、銃砲等のいわゆる社会悪物品の密輸出入取り締まり対策を協議するため、密輸出入取り締まり対策会議を毎年開催しておりまして、本年も去る五月十七日に、十五年間続いているわけでございますが、第十五回目の会議を行いました。また、地方レベルにおきましても、取り締まり機関及び関係機関による密輸出入取り締まり対策地区協議会というものも開催しておりまして、関係取り締まり機関間の連携を図り、また共同で船舶に対する検査及び張り込みを行う等の取り締まり強化を図っておるところであります。
○説明員(津野田元直君) 海上保安庁におきましては、先生御指摘の昨年七月に設置されましたけん銃取締り対策に関する関係省庁連絡会議での申し合わせに基づきまして、関係省庁と歩調を合わせまして、昨年九月及び十月、それから本年二月、全国一斉集中取り締まりを行ったところであります。また、具体的な事案につきましても、協力して取り締まりを行うなど連携を強化してきたところでございます。
○岩本久人君 ところで、最近は密輸ルートも多角化して、かつては考えられなかった中国から密輸があると。最近出回っているトカレフとかいうんですか、これが急増しておるということでありますが、新聞で見ると、中身はどういうことになっておるかというと、漁船を仕立てて和歌山の勝浦沖などに多数のけん銃が密輸されているということのようですが、こうした事実について警察庁は把握をしておられますか、質問をいたします。
○政府委員(中田恒夫君) 私どもでわかる限りで
お答え申し上げます。
 お尋ねの件は、平成二年の十一月ころに御指摘の和歌山県の那智勝浦港において陸揚げされたと見られるトカレフ型のけん銃の大量密輸入容疑事案のことかと思います。
 この件につきましては、密輸入情報を入手いたしました警視庁におきまして、関係府県警察あるいは税関等の御協力を得まして捜査を行って、密輸入に使用されたと見られる漁船を那智勝浦港において発見したわけであります。その後、追跡捜査をずっとやったところ、暴力団幹部等十六名をけん銃の不法所持というような罪名で検挙するとともに、関係箇所二百カ所近くの捜索を実施して、トカレフ型のけん銃九十七丁、実包約六千五百個ほどを押収しておるということでございますが、不法所持事案として検挙しこの事件で押収されましたけん銃、実包等は、中国の港において積み込まれて、漁船を利用して那智勝浦港に陸揚げ密輸入されたものの一部というふうに私ども見ておるところでございます。
○岩本久人君 こうした事件というのは、この問題を考える上で私たちに新しい提起を行ったと思うんです。つまり、従来予想していたような方法でない方法で入ってくる。そういったことを考えると、我が国日本のように海岸線が物すごく長い、膨大な海岸線があるわけですから、そういったところへどこからでも入ってこれるということですから、従来のような対策だけではなくて、新しい対策を早急に具体的に立ててやっていく必要があるのではないかと思うんですが、そういったことについてのお考えをお伺いしたいと思います。
○政府委員(中田恒夫君) お答え申し上げます。
 今御指摘のような点を重々考えて今後の摘発に臨んでいかなくちゃならないと考えておりまして、先ほどちょっと言い落とした点もございますのでそれも含めて御答弁申し上げますが、先ほど大蔵省等からも御答弁ありましたけれども、関係省庁連携をいたしまして、海外からのけん銃ルートの遮断を図るために、密輸ルートの解明とか密輸事犯の検挙ということを重点としてやっていかなくちゃいかぬということで努めておるところでございます。
 各府県のレベルにおきましても、警察なり検察なり税関等で構成されております地方連絡協議会という場がございますので、ここでいろんな情報交換等についてやっておるところでございますし、また、合同で容疑船舶の視察を行ったり開港地の漁業あるいは港湾関係者に協力を要請するなどいたしまして、水際でのけん銃摘発の推進あるいは密輸ルートの解明に向けて協議を行って、またそれを実行しておるというところでございます。
 また、国外からのけん銃の供給を遮断するためには仕出し国等の関係国との国際的な協力関係の強化が急務でございます。個別事件の国外で行われた部分の捜査のためにあるいは押収されました外国製けん銃の製造販売ルートの調査のために、頻繁にICPOルートにより関係国との情報交換も行っておりますし、そのほか、警察行政上の国際協力を円滑に実施するために、本年二月私ども庁内に設置されました国際協力推進班というものを中心に、国内で多数押収されているけん銃の製造国などの関係国に係官を派遣して密輸関連情報の収集に当たらせたり、またことしの秋には銃器取り締まりに関する関係国間の国際会議を開催するということを予定しておりますが、そのようなことを通じまして国際的な捜査共助体制の確立を図っていきたいというふうに考えておるところであります。
 それからまた、こういうような新手のいろんな手法が出てきたこともありますので、先ほど申し上げました関係機関とか団体との連携とか、あるいは関係国との協力関係を強化するための諸施策に加えまして、本年四月には警察庁に銃器対策室を設置しておりますが、そういうことを初めといたしまして、各都道府県警察においても銃器対策室を置くなどけん銃摘発体制の強化を図っているところであります。
 また、全国的な銃器情報管理システムというものを構築いたしまして、それによって、系統的、組織的な密輸関連情報、それから銃器、弾丸に関するデータの管理分析というものを行いまして、これまで以上に全国警察が一体となって国内へのけん銃の密輸ルートあるいは国内におけるけん銃密売ルートを摘発するための効果的ないわゆる突き上げ捜査を推進するなどいたしまして、けん銃事犯捜査のグレードアップを図るということで頑張っておるところでございます。
○岩本久人君 しっかり頑張って、よろしくお願いいたします。
 ところで、この際ですから、視点を変えて一つほどお伺いしてみたいと思うんです。
 先ほど国内で不法に所持しているけん銃が幾らあるかということを聞きましたが、今度はその反対に、合法的に所持されている銃というのが国内にどれぐらいあるんだろうかと。その一つとして、警察官が何人おられて、けん銃を幾ら所持されておるか。先般、茨城県警の警察官がどこかほかの県に行って短銃で自殺したといったようなことにもつながるわけですから、合法的に所持されているというものであっても使い方によってはどういうことになるかわからない、心配の種の一つでありますから、合法的に所持されておる銃が警察の中に幾らあるのかということをまずお伺いしたいと思います。
 それと、訓練の方法、そして訓練されたおかげで、例えば国体等でどの程度の成績が上がったのかといったようなこともわかればお願いしたいと思います。
○政府委員(井上幸彦君) 警察が所持しているけん銃の数ということでございます。それにつきましては二十二万三千丁ほどでございます。
○政府委員(中田恒夫君) 今、許可等を特に要せず持てるけん銃の数をお答え申し上げたわけでありますが、許可を受けて持てる者ということで、けん銃の射撃競技大会に参加する選手とかあるいは運動競技の審判に従事する人とか、許可を受ければけん銃を持てるという制度になっておるんですが、実際にこれによりまして許可を受けておられる方は、国内で現在三十数名、三十数丁でございます。
○岩本久人君 それでは、時間がなくなりましたので、警務局長に先ほどお願いしました答弁をお願いします。
 そして、最後に村田大臣にこのけん銃問題に対する現状の認識と取り締まり強化に向けた決意をお伺いして、終わりたいと思います。
○政府委員(井上幸彦君) 先ほどお尋ねの警察官の受験者数と採用者の関係等につきましてお答えいたしたいと思います。
 これは、婦人警察官の応募数というのが大変高いのでございますが、それが込みになった話でちょっと恐縮でございますが、平成三年には、全体で四万名ほどの受験者がございまして、採用者が四千八百名でございます。それから平成四年度につきましては、四万七千名ほどの受験者がおりまして、採用者が約四千名、こういうふうなことであります。
 ただ、これは今も申し上げましたように、婦人警察官の数が込みになっておりまして、実は婦人警察官に対する競争率が大変高い、だから男子警察官だけに絞りました場合の倍率は大体四倍ほどというふうに記憶をいたしております。
○委員長(佐藤三吾君) 井上局長、いいですか。
○政府委員(井上幸彦君) やはり男子のみでも十倍ほどの競争率といってとを維持しているようでございます。
 それから、超過勤務の問題でございますけれども、やはり超過勤務は本来的には予算の範囲内で命ずるべきものであろうというふうに思います。しかしながら、警察の仕事というのは待ったなしでその活動が始まるということにもなりますので、どうしても予算の範囲内で超過勤務を調整するというわけにはいかないという事情にございます。
 そこで、先ほど委員のお話にありましたとおり、警察官もやはりある面では社会の実情に応じたゆとりある生活が営めるというのが望ましい姿でありますので、私どもといたしましては、事務の合理化等を図りながらできるだけそういうふうなゆとりある生活が営めるようにという方向で、超勤の縮減というものにも努めてまいりたいというふうに存じております。
 ただ、地財計画上どのくらい今カウントされているかということになりますと、現段階では一般職の行政職の公務員に比べますとその倍の一二%計上されておるということであります。なお、これにつきましては、やはり実態との乖離というのがあるものでございますから私どもの方としてはこれを段階的にさらに上げてくれと、とりあえず一四%ほどに上げてくれと、こういうふうな要求をしている段階でございます。
 以上であります。
○国務大臣(村田敬次郎君) 最近、けん銃等の不法所持事件が急増しておりまして、とりわけ、暴力団以外の者による不法所持やけん銃等を使用した凶悪犯罪が多発をして大きな社会問題となっておる、このように認識しております。
 ただいま御審議をお願いしておる銃刀法改正でございますが、これをひとつ通していただいて、広く国民の理解と協力を得ながら、法施行後さらに強力な取り締まりを推進いたしまして、けん銃の不法所持の根絶を期していきたいと思っております。
○岩本久人君 終わります。
○続訓弘君 私は、具体的な質問に入ります前に、警察庁当局に感謝申し上げます。
 実は、去る四月八日、当委員会で私は質問申し上げました。それは東久留米市の救急赤バイ隊の件でございました。私が東久留米市から陳情を受けたわけではありませんで、たまたま二月二十七日の新聞報道で、三月一日から発足を予定している赤バイ隊がどうも警察庁から待ったがかかった、大変困っていると、そんな新聞記事を見て私は、せっかくの人命救助の善政だと、ぜひ警察庁当局が法令にかなうような措置をしてほしい、こんな要望を申し上げました。
 実はきのう佐藤委員長から私へ連絡がございました。あなたの質問が実っていよいよ今月の中ごろには関係法令の改正があるぞと、こんな連絡をいただきまして、私は大変ありがたい、地元の東久留米市ももちろんでございますけれども、それに続く、それぞれ予定をしておられた消防当局も私は感謝を申し上げているんじゃなかろうか、こんなふうに思いまして、質問に先立ちまして、即断即決をされた警察庁当局に対してお礼を申し上げたい。
 それでは、具体的な質問に入らせていただきます。
 今回の法改正の一つの特徴は、けん銃等を所持する者がこれを提出して自首したときは必ずその刑を軽減しまたは免除するということにあると思います。そこで、このことに絞って、以下数点にわたって御質問申し上げます。
 まず第一は、この提出時の減免規定はどういう趣旨、ねらいは何かということについてお答え願いたい。
○政府委員(中田恒夫君) お答えいたしますし今回、けん銃等の不法所持の根絶をねらいまして大幅な重罰化ということをお願い申し上げておるわけでございますけれども、その御指摘の刑の減免規定、特に必要的減免規定でございますが、これは、この重罰化とあわせて、このような重罪を犯した者に一度犯した罪を中断する道を与える、いささか文学的でございますけれども、いわゆる後戻りのための黄金の橋をかけてやるということによりまして、けん銃等の提出を促してそのけん銃等の以後の使用を防止しようとする趣旨で出たものでございます。
 現在の各種の刑罰法規の中でこれに類似した制度といたしましては、刑法の二百二十八条ノ二というところに身の代金目的誘拐罪等の解放減軽の制度がございます。これは、罪は既遂には達してはいるのでありますが、その後のより悪い事態、つまり、この身の代金誘拐でございますと誘拐された人、被拐取者とか言っておりますが、この被拐取者の身の上にさらに新たな危害が及ぶというような事態が発生することを防ぐというために、この身の代金目的の誘拐罪等を犯した者がその公訴提起前に被拐取者を安全な場所に解放したときには刑を必要的に、つまり必ず減軽するものでありまして、ただ、この制度では自首は要件とはされておりません。
 今回の改正案におきますけん銃等をみずから提出するという行為は、ある意味では身の代金目的誘拐罪等におきます人質の解放行為と同様に評価できるのではないかというふうに思われるわけでありますが、ただ現在でも、刑法に自首の制度がございまして、けん銃等を不法に所持しておる者が自首をいたしますれば、けん銃等を提出するしないにかかわらず、けん銃等を提出しなくても任意的に刑を減軽することができるということになっておりますことから、今回、その両方の要件に該当するもの、つまり、自首もするそして同時にけん銃等も提出するというこの二つの要件を満たした者につきましては、身の代金誘拐罪等の場合について定められております解放減軽の場合は必要的減軽だけでございますけれども、さらにその減免の程度を高くする必要があるんじゃないか、必要的に刑を減軽するだけにとどまらず免除までも考慮することがしかるべきではないかという配慮に立ちまして、けん銃等の提出を促進して以後の使用を防止するという効果をねらってこのような規定を考えたものでございます。
○続訓弘君 けん銃等を提出して自首してきた者の刑を減免する制度の趣旨はただいまの御答弁でわかりましたが、それでは、この制度により、今までに比較してどのような効果が期待できるのか、この点について伺いたい。
○政府委員(中田恒夫君) お答え申し上げます。
 実は、昨年一年間に警察が押収いたしましたけん銃は千四百五十丁と申し上げておりますが、このうち自発的に提出されたものということで見てまいりますと、匿名の電話などがございまして警察にけん銃の所在を明らかにしたものを含めまして二百六十九丁、全体の一八・六%に当たりますが、提出されたものは二百六十九丁もございます。そのうちに、けん銃を所持して自首した人というのが実は四十九人、五十八丁あるわけであります。
 このようにけん銃等を提出して自首いたしましても、今お答え申し上げましたように、刑は任意的に減軽されるにすぎないという現段階におきましても自首する人はこれだけいるということを考えますれば、けん銃等を提出して自首すれば必ず刑が減軽のみならず免除もされることがあるというこの制度になりますと、片やけん銃不法所持等について大幅ないわば重罰化がなされることもありまして、それと相まちまして、不法所持者が当該けん銃等を提出して自首する相当の誘因にはなるんではないか、ただ数量的にこれをどれぐらい見積もるかということについてはちょっとわかりませんが、相当の誘因にはなるものと考えておるところでございます。
○続訓弘君 三番目でございますけれども、改正法で規定された自首と認められるには、一般的にどのような要件が必要なのか。また、次のような場合は自首に当たるのかどうなのか。その第一は、別件で逮捕、勾留されている者が、別件で取り調べを受けている途中に自発的にけん銃等の隠匿場所を自供した場合。二番目には、不法所持罪について余罪として追及を受けたことにより当該不法所持罪に係るげん銃等の隠匿場所を自供した場合。三番目に、けん銃等の隠匿場所及び自己の住所、氏名だけを告げ、出頭しない場合。
 以上です。
○政府委員(中田恒夫君) お答え申し上げます。
 まず最初に、今回の改正法で規定されます自首と認められる要件の関係でございます。この法案の三十一条の四で言っております自首の意義でございますけれども、刑法上の自首と同義だと考え
ておりまして、つまり、犯人が捜査機関に対して自己の犯罪事実を自発的に申告して、その自分の訴追を含む処分を認めることをいうということだろうと思います。
 判例等によりますと、自首と認められるためには、実体面、手続面での両方の要件を満たすことが必要とされておりまして、まず実体的要件でございますけれども、数点ございますが、例えば一つは、自発的に自己の犯罪事実を申告する必要があるということであります。それから二つ目には、申告の中には自己の訴追を含む処分を認める趣旨が明示的または黙示的に含まれていることが必要であります。それから三つ目には、一罪を構成するすべての犯罪事実について申告する必要がある。四つ目に、当たり前のことでありますが、申告内容が虚偽でないことであります。
 それから、手続的な要件として言われておりますのは、例えば一つは、捜査機関、検察官なり司法警察員でございますけれども、この捜査機関に対する申告であることが必要であります。それからまた、書面または口頭でなされた申告であることというような手続的な要件が言われておるところであります。
 なお、刑法の四十二条では「夫タ官ニ発覚セサル前自首シタル者」というような書き方がしてございますけれども、この法案の三十一条の四におきましては捜査機関に発覚する前であることは要件としておりません。この理由でございますけれども、けん銃等の提出あるいは自首を促すことによってけん銃等の使用を防止するという政策上の必要性は、捜査機関に発覚した後であっても変わりはないというように考えたことによるものであります。
 それから、あと具体的な当てはめの問題について三点お尋ねでございました。
 具体的にどのような場合に自首に当たるかということについては、大変失礼でございますけれども、個々の事案ごとに今申し上げましたような要件に当たるかどうかということについて、最終的にはこれは裁判所の判断でございますので裁判所の判断にゆだねなくちゃならないわけでありますが、ごく一般論としてこうではないかというようなことで申し上げます。
 初めに、別件で逮捕、勾留されている者がその別件で取り調べを受けている途中に自発的にけん銃の隠匿場所をお話しになったということが第一のケースでございますし、第二のケースは、余罪として不法所持罪について追及を受けてけん銃等の隠匿場所を自供した場合、この二つのケースでございます。
 これも個々具体的なケースによるわけでございますけれども、一般的には、逮捕、勾留中の者でございましても、捜査機関の働きかけ、例えば尋問なりその他の捜査活動ということで捜査機関の働きかけを受けることはあるわけでありますが、そういった捜査機関の特別な働きかけを受けることなく余罪について自発的に供述をしたんだというような場合には、この改正法案で言っております自首に当たるんだというふうに私ども判断しております。ですから、最初のケースは自首に当たりますけれども、二のケースは余罪として不法所持罪について追及されているという場合でありますので自首には当たらないんではないかと思っております。
 それから、三つ目のケースでございますけれども、けん銃等の隠匿場所なり自己の住所、氏名だけを告げて出頭してこない場合ということであります。犯人がみずから出頭しないままに自分の犯罪事実を申告するケースとしては、例えば他人を介して申告する場合、それから犯人みずからが電報とか電話で申告する場合というような場合があるんだろうと思われます。
 このような場合に、自首について代理が認められるのかどうかとか、電報というのは先ほど申し上げました書面に該当するのかどうかとか、あるいは電話による申告というのは口頭の自首に該当するのかどうかといったさまざま論点があることは承知しておるわけでございますけれども、いずれにいたしましても、法律上、自首に刑の減免の効果を付与している根拠というものが主に自首を促すことによって犯人の検挙を容易にするなどの政策的な配慮にあるということからいたしますと、申告した時点で犯人がいつでも捜査機関の支配内に入る態勢にない限り自首とは認められないのじゃないかというふうに考えます。したがいまして、所在を不明にしたままにしての申告というものは自首に該当しないというふうに考えております。
○続訓弘君 時間でございますので、終わらせていただきます。ありがとうございました。
○有働正治君 私は、まず右翼のけん銃摘発をめぐって質問いたします。
 暴対法施行を契機にいたしまして暴力団が右翼化を進める、そういう事態が進行しています。そうした中で、右翼のけん銃摘発に対してどのような態度と体制で取り組んでいるかということは、とりわけ、けん銃による政治テロを防ぐ上で非常に重要と考えるわけであります。
 しかし、例えばこれは暴対法施行前ではありますが、長崎の本島市長への当時の襲撃事件を起こしました正気塾というのは、八九年三月から九一年三月にかけまして四件の発砲事件を起こして、五人が逮捕され、あわせて十二丁の銃器と実弾四百七十八発が九二年一月に押収されていますが、八九年三月の長崎市役所への発砲事件から二年十カ月、長崎地裁と長崎新聞社への発砲事件からは逮捕まで八カ月かかっているわけであります。犯行当時、多くの人が正気塾の犯行ではないかと考えていたわけであります。こうした右翼への捜査の仕方では見つかるけん銃も見つからないということになるわけであります。
 そこで、私は、暴力団に対して実施しているような徹底した家宅捜査、関係箇所の捜索、それから突き上げ捜査の実施、これらが必要だと考えるわけであります。城内長官は、全国警備部長会議で攻めの警備というのを非常に強調しておられました。それだけにこうした暴力団に対して実施しているような徹底した捜査対応が求められると考えるわけでありますけれども、いかがでありましょうか。
○政府委員(城内康光君) 私はいろいろな会議の機会に攻めの警備ということを申し上げているわけでございますが、いろいろ重要防護対象などを守っているだけでは、守る戦いで勝つということはまずないわけでございまして、せいぜい負けなかったというぐらいのことでございますから、やはり取り締まりを行うのが私どもの任務でございますので、どんどん前へ出ていってやっていかなきゃいけないと思います。
 今、右翼のけん銃の取り締まりについて暴力団などの場合に比べて問題だというようなことの御指摘がございましたけれども、私どもはそのように考えておりません。やはりけん銃というのは日本においては何ら社会的な有用性のないものである、というよりはむしろ大変有害なものであるということで、これについては厳しく摘発をしていかなきゃいけないということでございます。これは暴力団であろうと右翼であろうと左翼であろうと、そういうことは全く関係のないことでございまして、けん銃を一丁でも多く摘発するということが私どもの任務でございまして、そういう考えでやっておるわけでございます。
○有働正治君 城内長官のけん銃摘発についての衆議院での答弁の中で、「警察の中におきましても、麻薬部門それから銃器対策の部門あるいは暴力団の部門、そういうものが一緒になって総合力を発揮するようにしてまいりたい。」と述べられました。その中で警備公安部門への言及はありませんでしたけれども、私は警察の文字どおりの総合力を発揮した摘発体制が必要と考えるわけでありますが、この点いかがでありましょうか。
○政府委員(中田恒夫君) 今の御指摘の質問でございますけれども、けん銃対策につきましては、薬物、暴力団対策、それからまた右翼等いろんなことの関連を念頭に置いて、総合的なものでなくてはならないと私ども考えておるところでありま
す。
 そのようなことで、警察庁におきましては、官房審議官を班長といたしまして、現在、銃器あるいは薬物、暴力、警備等の関係各部門で構成いたしますけん銃摘発班を設置して、けん銃摘発対策の企画調整なり指導なり情報交換なりを行って、総合的なけん銃取り締まりを推進しておるところでございます。また、各都道府県におきましても、同様にけん銃摘発班を設置いたしまして各部門一体となったけん銃取り締まりを推進しているところでございまして、本年五月末現在で、前年同期に比べまして約五〇%増の七百三十六丁の押収数を見ておるのもこういった成果であろうというふうに考えておるところであります。
○有働正治君 城内長官の答弁でありましたので、総合的に総力を挙げるということを確認を求めたいと思いますが、長官いかがですか。
○政府委員(城内康光君) ただいま保安部長がお答えいたしましたように、けん銃摘発班というものを設けましたのは、いろいろな分野のそれぞれの能力というものを結集して、そして総合的に当たろう、こういうことで始めておるわけでございます。
○有働正治君 警察庁は、けん銃押収の数についての毎年の統計で、暴力団と暴力団以外の二つに分類しているだけで、右翼団体については特別に統計をとっておられないようであります。九二年度につきましては、金丸襲撃事件がありましたので特別に統計がとられたと聞いておるところであります。
 我が党は、暴対法の施行を契機に暴力団が右翼団体に衣がえするケースがふえており、特別にその動向を把握する必要があると考えるわけであります。ところが、これまでの歴年の統計がないため、右翼団体からの押収件数等がふえているのか減っているのか、その動向がつかめない。これまではいたし方ないといたしましても、今後は統計上特別にその点を加えるように改善を求めるわけでありますが、いかがでありましょうか。
○政府委員(菅沼清高君) おっしゃるように、ある時期まで右翼団体からの数というのを明確に統計上公表しておりませんけれども、それぞれ右翼団体からの数というのは所管課の方におきましては把握をいたしておりまして、それを先般、平成四年から、内容をよりはっきりさせるために公表資料の中にも内訳を出したということでございますので、今後とも、より明確にそれぞれの所管行政の中でけん銃の摘発を進めていくために、そうした方法でやっていきたいと思っております。
○有働正治君 端的な事例ですけれども、九二年中の右翼からのけん銃押収の数につきまして、公安関係の「治安の回顧と展望」の中では六十六丁となっています。ところが、保安課では二十九丁となっております。この違いについてお聞きしますと、「回顧と展望」の数にはけん銃以外のショットガンなどが五丁含まれ、さらに右翼標榜暴力団の三十二丁が含まれるのに対しまして、保安課の数は、右翼標榜暴力団の三十二丁は暴力団に分類しているので二十九丁となっているということであります。
 この事例から私感じましたのは、警察内部の公安課と保安課さらには暴対部なりが、右翼団体のけん銃取り締まりという点で目的を一つにして意識的に協力し合っている状況にないんではないかということを懸念したわけであります。いかがでありますか。
○政府委員(菅沼清高君) 御指摘のようなことはございませんので、たまたま検挙のときに、着手をしたときに、どちら側の方から入っていったかということであろうかと思いますが、したがいまして私どもの方も、右翼活動をやっている右翼団体から押収した数と、それから右翼標榜暴力団といいますか暴力団と密接な関係を持っている右翼団体から押収した数と、それは内部的にも分けておりますし、またトータルした形として提示をすることもできるわけでございます。
○有働正治君 国民が疑念を持たないようにきっちりと統一的に対応していただくということが私は大事じゃないかと思うんです。そういう点で、さきにも述べましたように、関係部課が統計を統一的にとることによりまして右翼団体のもののみならずすべてのけん銃に対してきっちり対応していっていただきたいと思うわけであります。
 次に、密輸問題についてお尋ねします。
 警察庁は、けん銃の密輸の実態については押収真正けん銃の製造国でしか把握できないということのようであります。相手国に抗議したりあるいは協力を依頼する場合は、その国から入り込んだものということを把握しなければ、製造国だというだけでは根拠がないと言われるわけであります。
 そこで、先ほども若干言及なされていましたけれども、水際での対策あるいは突き上げ捜査などによりまして全力を挙げて入手ルートの原点を解明するというのが非常に重要だと思いますけれども、その対応について、そしてその上に立ちまして、やはり必要があれば相手国に協力を依頼するあるいはちゃんと根拠をもって抗議する等々も必要になるかと考えるわけでありますけれども、見解を求めます。
○政府委員(中田恒夫君) けん銃の密輸ルートの解明に重点を置いた捜査をすべきだということは御指摘のとおりでございまして、国内におきまして不法所持等によって押収されるけん銃のほとんどが外国製のものだと先ほども御答弁したところでございますが、何らかのルートで国内に密輸入されたに違いないと考えられるわけでありますことから、密輸入ルートの解明ということにつきまして、国外からのけん銃供給の遮断を図るためにも最も重要な課題だということで、今後とも最重点として取り組んでいきたいと思っております。
○有働正治君 改正案のかかわりで若干お尋ねします。
 改正案では、銃の譲渡、譲り受けの周旋を新たに罰することになっています。また、けん銃を提出して自首した者に刑の減軽、免除の適用を新たに規定しています。この減軽、免除は、銃を提出しないと適用されません。周旋罪の場合の自首も刑の減軽、免除に加えるということを検討すべきではないかと考えるわけであります。暴力団員以外の一般の人が銃の移動にかかわるようになっている今日、自首をしやすくさせるために効果があるんではないかと私は考えるわけでありますけれども、いかがでありましょうか。
○政府委員(中田恒夫君) お答え申し上げます。
 今回の改正法案にあります不法所持罪及び不法譲り受け罪の刑の減免制度でございますけれども、これは不法に所持されているけん銃等の提出を促すというところに発したものでございます。
 そこで、御質問の譲渡、譲受の周旋罪でございますけれども、そもそもこれはけん銃等を所持していない者に対して適用される罪でございます。この譲渡、譲受の周旋罪を犯した者が自首した場合でありましても、だれかによって現に不法に所持されているというけん銃等の提出には必ずしも直接的にはつながらないというふうに考えるわけでありまして、そういうことから、その罪を犯して自首した者に対して刑を必要的に減軽、免除するというふうにはしなかったものでございます。
 なお、付言いたしますと、譲渡、譲受の周旋罪を犯した者が自首した場合には、刑法四十二条により、任意的にその刑が減軽されることになるのは当然でございます。
○有働正治君 改正案の加重所持罪規定のけん銃と実弾の同時所持について、何をもって同時所持というのでありますか。実弾の装てんか、装てんしなくても、同一の場所にあるということをいうのか、距離的に近ければよいのか、同罪の立法目的との関係でどう解釈したらいいか、簡単にお願いします。
○政府委員(中田恒夫君) お答え申し上げます。
 この加重所持罪でございますけれども、けん銃等が適合実包等とともに携帯等する行為を行った場合には、速やかに実包等の装てん発砲が可能な状態を生じさせたという点で、その他の所持よりも社会的な危険性が高いということから、これを
重く処罰する、立法趣旨はそういうことでございます。
 したがいまして、どのような場合に加重所持罪が適用されるかということは、規定の趣旨にかんがみて、けん銃等と適合実包等との間に、当該適合実包等を速やかに装てんできる状況にあると言えるような場所的な近接性があるかどうかというような観点から、個々具体的に判断すべきだというふうに思うわけであります。
 仮に、具体的なことで数点申し上げますと、適合実包等を装てんしたけん銃を携帯、運搬、保管した場合だけには限りませんで、装てんしていなくても、けん銃等を例えばベルトに挟み、適合実包等はポケットに忍ばせて携帯するような場合、あるいはけん銃等と適合実包とをそれぞれ例えば箱詰めにでもいたしましてトラックの荷台に載せて運搬するような場合、あるいはけん銃等と適合実包とを同じ家屋の中で保管した場合なども当然加重所持罪に当たり得るんだと考えております。
○西川潔君 よろしくお願いいたします。
 今国会の初めの所信表明の中で、村田国家公安委員長は、国際化の進展に伴う捜査環境の困難化に対して、捜査体制の整備充実等の推進を述べておられました。国際化に伴いまして人や物の出入りが活発化している中で、入ってきてもらいたくないのは、我が国にとりましては犯罪組織やこれに伴いますけん銃や覚せい剤であると思うわけです。これまで、我が国は諸外国に比べまして高い治安水準を誇ってまいりましたが、ボーダーレスといった国際化の中で犯罪情勢が複雑化してまいりました。これまでの治安水準を維持するためにはそれなりの体制の整備の充実が必要であると思うわけですが、こうした観点から、まず僕がお伺いいたしたいのは最近のいわゆる海外マフィアというものについてですが、マフィアというような言葉は、僕たちが子供のころはギャング映画だとか外国のニュース等々でしか見たり聞いたりはしなかったんですけれども、最近の新聞、ラジオ、テレビ等の報道によりまして本当に日常にこういうような言葉が生活の中にも入ってまいりまして、大変恐怖におののいているというのが現状でありますが、警察庁のこれまでの把握している実態と、そして警察の対応についてまずお伺いしたいと思います。
○政府委員(國松孝次君) 委員のおっしゃいます海外マフィアといいますものは、要するに海外から日本に来る組織的な犯罪者のグループというようなことをおっしゃっておられるのだと思います。確かにそういう組織犯罪グループ、一般的に申しまして来日外国人の犯罪というのは目立つわけでございます。その中でも、そうした組織的な犯罪者グループによる犯罪というものに私どもとしても重大な関心を払っているところでございます。
 このようなグループとして、具体的には、台湾に拠点を持っております組織犯罪グループ、いわゆる台湾マフィアと言われているようなものがございます。それから、香港に拠点を置きます中国人窃盗グループでございますが、香港爆窃団と私ども呼んでおりますが、そういった大変手荒な窃盗事件を敢行するようなグループもあります。それから、韓国から参りますグループによる暴力的なスリ団というようなものが特に注目されるところでございます。
 私どもといたしましては、関係国と緊密な情報連絡を行いまして、こうしたグループの構成員の実態の解明とその犯罪の早期検挙、それから未然の防圧というものに努めているところでございます。
○西川潔君 戦前から戦後にかけまして本当に頑張ってまいりまして、こんなすばらしい国になって、こういうことで日々の生活を脅かされるということは大変不幸なことだと思うわけです。
 海外マフィアについて続いてお伺いしたいのは、先日放送されました、五月十六日でございましたでしょうか、NHKスペシャル「犯罪捜査・岐路に立つ警察」という番組を僕も見せていただきました。機会がありましたら、ここにいらっしゃる皆さん方もぜひビデオテープが手に入りましたらごらんいただきたいようないい番組でございました。城内長官も出演をされておられましたが、その最後で、海外の組織的凶悪犯罪グループ、特に台湾マフィアの紹介がございました。
 番組によりますと、近年、東京そして大阪、全国的に流入しているのではないかというような報道がされておりました。彼らはけん銃を平気で使用しまして、これまでも抗争事件などによりまして死傷事件が多発いたしております。このルートによってけん銃がかなり国内に入ってきているのではないか。
 そこで、こうした台湾マフィアによる事件、特にけん銃の密輸はかなり行われているのではないかと思うわけですが、台湾マフィアの実態につきまして、警察庁ではどの程度の把握をしていらっしゃるかということをお伺いいたしたいと思います。
○政府委員(國松孝次君) 現在までのところ、明らかに台湾マフィアによると見られるけん銃の密輸事件というのは把握をいたしておりません。ただもちろん、だからといって何もないということでなくて、そういうことについては注目をしてまいらなければならぬと思います。
 特に彼らの行ったと思われます犯行といいますか、殺人事件などの凶悪な事件を見ますと、例えば平成三年の九月十六日には、大阪の中央区島之内の路上で発生をいたしました台湾人同士のけん銃乱射事件がございます。六名を検挙しておりますが、こういった事件。あるいは平成四年の九月十五日に東京の新宿歌舞伎町で起こった事件でございますけれども、職務質問を行おうとした警察官に対していきなりけん銃を発砲したという被疑者は、これはいわゆる向こうの組織犯罪のグループの構成員であったわけであります。そうした事件を見ますと、やはり彼らの行いますけん銃を使用した犯罪というのはかなり多く把握されておるということで、注目をしてまいらなければならぬと思います。
 こうした台湾マフィアの活動につきましては、ただいま委員御指摘もございましたけれども、東京とか大阪といった主要都市を中心に私ども数グループを把握しておりますので、そういったものの実態もより一層の把握に努めまして、やはりこの犯罪、彼らの行います犯行を未然に防圧する措置をとっていかなけりゃならぬというふうに考えているところでございます。
○西川潔君 週刊誌を持ってまいりましたんですが、そういう歌舞伎町の台湾マフィアなどの特集、覆面ライターの宮島さんという方がずっとこういうふうに取材をしておられる週刊誌も見せていただいたんですけれども、日本の暴力団であれば、事務所があったり日ごろの動きもチェックできまして、また情報も手に入るということも可能だと思うわけですけれども、台湾マフィアの場合は、事務所もない、事前の情報の入手もできないということをお伺いしております。
 国内へのけん銃の密輸が巧妙化されているということでありますので、恐れますのは、こうした台湾マフィアと国内の暴力団が結びついて、暗黒社会が国際化することによりまして、多数のけん銃がまた国内に入り込む可能性があるわけです。海外の凶悪犯罪グループが日本に入り込みまして、抗争事件が頻発することによりまして治安が悪化する、こうしたことをまた未然に防ぐ必要があるのではないかとみんなが思うわけですけれども、そのためには情報の入手、特に海外の捜査当局との情報交換による協力体制が必要だと思うわけです。
 せんだってのNHKの番組では、長官もごらんになられたと思うんですが、警察庁の国際課の課長さんでございましたでしょうか、警察といたしましての台湾の方との情報の交換は今のところはない状況にあるというふうに画面でちゃんとおっしゃっておられました。そういう対応をこれから警察といたしましてはどういうふうにされていくのかというのが我々本当に心配なんですけれども、御説明をお伺いしたいと思います。
○政府委員(國松孝次君) 海外のそういう台湾マフィアなどの組織犯罪グループの国内における活動につきまして、いろいろとマスコミ等に取りざたされておるのは私どもも承知をしておるところでございます。
 ただ、台湾マフィアと我が国の暴力団とがはっきり結びついて何らかの事件を行ったというようなことは今までのところはない、ただしかし、これは将来そういうことも当然視野に入れながら我々も取り締まりはしていかなければならぬということでございまして、御指摘もございましたように、日本の国の治安に大きな影響が与えられることになる前にそういったグループの蠢動を押さえ込まなければならぬというように考えておるところでございます。
 そういう意味で、ICPO等を通じまして関係国との捜査あるいは情報交換というのはもう既に緊密な連絡を行っているところでございまして、今後も、それぞれいろんな国際会議の場あるいは二国間における協調というようなことを通じまして、日本に参ります海外の組織犯罪グループの実態の解明には努めてまいりたい、そして犯罪の早期検挙、未然防止に努めてまいる所存でございます。
○西川潔君 それでは、最後の質問にさせていただきますが、岩本先生の方からも御質問がございましたのですけれども、アメリカのルイジアナ州で起きました服部剛父君の事件は、私も三人の子供を持つ親といたしまして大変残念な事件だと思います。先日出た無罪評決には釈然としないものが国民感情としてもございますし、犬死にと言ったお父さんの発言には本当に身を切られるような思いでありましたですけれども、銃のない社会が理想であることは言うまでもないことでありますが、銃規制が厳しい、我が国の治安水準が高い、このことは日本が世界に誇れるものだと思うわけですけれども、こうした状態を保つためにも、さきに述べましたようなこのボーダーレス化に的確に対応した体制の整備が必要だと思うわけです。
 NHKの番組では、警察庁では現在懇談会を設置し警察法の見直しも含めまして犯罪の国際化に対応した警察のあり方を検討中であるということを放送しておられました。この検討の内容を長官にお伺いしたいことと、次に村田国家公安委員長に対しましては、けん銃の取り締まりの体制の一層の整備、特に海外マフィアに対する取り締まりの強化につきまして、これは本当に不安でございます、御決意のほどをお伺いして、質問を終わりたいと思います。
○政府委員(城内康光君) 昨年の九月に、ボーダーレス時代の警察を考える懇談会というものを設置いたしました。会長は亀井正夫住友電工相談役にお願いいたしまして、警察外の委員を含めまして十九名で構成されておるわけでございます。
 検討事項といたしましては、一つは、国内におきまして都道府県の県境を越えるような広域的な犯罪が多発しておるという状況にかんがみまして、そういった状況にどのように対処するかというようなことでございます。実務面におきましては、既に昨年の三月から北関東広域捜査隊、またことしの二月から西東海広域捜査隊という、関係の府県がそれぞれ警察官を出し合ってその県境地域をカバーするような活動をしておるわけでございますが、しかしそれだけでいいだろうかというようなことでございます。つまり、昭和二十九年以来の現行の警察法について、その改正も含めて考えていく必要がありはしないか、こういった面についていろいろと御意見を承っておるところでございます。
 もう一つの問題は、国際化の問題でございます。我が国の犯罪者がいろいろ海外で活動しておるとか、あるいは来日外国人による犯罪の急増、この中には例えばただいま御質問がありました台湾マフィアの問題とかいろいろございますが、そういった状況も踏まえて、こういったものに対処していくにはどうしたらいいんだろうか、制度的にいろいろと工夫する面があるのではないかというようなことについて、いろいろ検討をお願いするということになっております。
 現在のところは、当面の国内の問題についていろいろ御意見を伺っておる、既に数回開催をいたしまして、貴重な意見を私ども拝聴させていただいて、いろいろと検討させていただいております。
○国務大臣(村田敬次郎君) 西川委員の御意見よく承りました。
 政治も非常に国際化しておりますね。そして、まさに地球規模で解決しなきゃならない問題がふえてきておりますが、犯罪についてもそういう傾向がありまして、まさに警察は、国内の広域警察それから国際間の問題、いろいろ対応していかなきゃならない重大な時期が来たと思います。
 御指摘になったICPO、国際刑事警察機構等もございますし、けん銃密輸等いろいろな問題について、国際協力関係を増大してまいりまして、いろいろと御要望にこたえるような警察行政をやっていかなきゃならないと思っております。
○委員長(佐藤三吾君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。1別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 銃砲刀剣類所持等取締法及び武器等製造法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(佐藤三吾君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(佐藤三吾君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 午後二時に再開することとし、これにて休憩いたします。
   午前十一時四十七分休憩
     ――――◇―――――
   午後二時二分開会
○委員長(佐藤三吾君) ただいまから地方行政委員会を再開いたします。
 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 地方交付税法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に日本銀行の役職員を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(佐藤三吾君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
○委員長(佐藤三吾君) 次に、地方交付税法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。村田自治大臣。
○国務大臣(村田敬次郎君) ただいま議題となりました地方交付税法の一部を改正する法律案の提案理由とその要旨について御説明申し上げます。
 今回の補正予算における所得税及び法人税の収入見込み額の減少に伴い、平成五年度分の地方交付税が四百六十四億円減少することとなりますが、地方財政の状況にかんがみ、当初予算に計上された地方交付税の総額を確保する必要があります。このため、地方交付税法附則第三条の規定に基づく特例措置として減額する四千億円を四百六十四億円縮減して三千五百三十六億円とし、これに伴い、平成六年度から平成十三年度までの各年度において当該年度分の地方交付税の総額に加算する額を変更することといたしたいのであります。
 以上が、地方交付税法の一部を改正する法律案の提案理由及びその要旨であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○委員長(佐藤三吾君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
○狩野安君 質問の前に、大臣に一言お話をさせていただきます。
 カンボジアからお帰りになって次の日、この委員会で大臣の答弁を聞きまして、今、日本では人の命は地球よりも重いと言われていますが、その重さは、日本人のみでなく、地球上の国々の人々一人一人も同じ重さであるわけです。一人の犠牲者も出すことのできない日本の参加が悲しいことに二人の犠牲者を出してしまい、それでもなお悲しみを越えて引くことなく前に進む、それは、カンボジアの民主化への道を助けることが世界の国での犠牲者を一人でも少なくすることとの信念を持つ指導者の姿をここで見た思いがいたしまして、大変感動いたしました。本当に何かと御苦労だと思いますけれども、頑張っていただきたいと思います。
 私はまだ初心者でございますので口がもつれるかもしれませんけれども、よろしくお願いいたします。
 まず、ただいま提案されました交付税の補正法案について質問いたします。
 国の政策減税に伴う交付税の影響額を補てんするという内容でありますが、国税の予算計上額が動けば交付税の総額も動くため、当初の交付税総額を確保するということは地方財政の安定性のためにも必要なことであり、評価できるものであります、その補てん方法として、附則第三条、特別措置を講じるとのことですが、形式としては、当初で国に貸した四千億円をいわば返してもらったような形となっております。どのような考えてこの補てん措置をおとりになったのか、その財源の考え方も含めてお伺いしたいと思います。
○政府委員(湯浅利夫君) 今回の補正予算によりまして、国税の政策減税によりまして、所得税、法人税が減収になったわけでございますが、その減収に伴いましてその三二%の地方交付税の減として四百六十四億円が減になりました。この地方交付税が現段階で減になるということは地方財政の運営に支障を来すということで、当初に計上いたしました地方交付税をそのまま確保したいということで、四百六十四億円につきましては特例増額によりまして補てんをいたしまして、当初予算に計上いたしました地方交付税の総額を確保することにしたものでございます。
 形式的には、当初におきまして地方から実質的に四千億円国に対して貸しておりますものですから、その分を四百六十四億円減額いたしまして、そして特例減額の分を三千五百三十六億円にすると、こういう形にさせていただいたものでございます。したがいまして、この財源は国の全体の財源の中から補てんをされたというふうに理解をしているところでございます。
○狩野安君 ありがとうございました。
 平成五年度の交付税にかかわる質問はこれだけですけれども、今回の経済対策は、減税もさることながら、投資の増により景気浮揚を図ろうとするものであります。地方の役割が極めて増大していることは国民経済計算上の地方財政のウエートなどの指標を用いて釘宮議員の先日の質問で明らかにされておりますが、地方財政の役割の増大を踏まえ、この対策に取り組まれた大臣のお考えをお伺いいたします。
○国務大臣(村田敬次郎君) 景気問題は非常に重要です。今、政治改革と並んで景気浮揚が宮澤内閣の大きなテーマとなっておると存じておりますが、今般十三兆二千億に及ぶ経済対策を決定いたしました。そして、公共投資の全体の七七・五%は都道府県と市町村がやるんですね。国の中で行われる全体の約四分の三以上です。これは地方団体がやっていくわけでございまして、しかもその六割が地方の単独事業でございます。
 私は、ずっと自治省で働いておりましたからわかっそおるんですが、昔の地方財政の役割というのは現在ほど増大はしていなかったと思います。したがって、十三兆二千億の景気対策につきましても宮澤総理から特にお話がありまして、ぜひ自治省として全面的に地方団体とよく相談をして協力してほしいということでございまして、そういった意味で地方単独事業を含め補正予算等を組むということになったわけでございますが、この景気対策というのは、私は今非常に持っておる意味が大きいと思います。というのは、公共投資が民間設備投資や住宅投資と並んで最も大きなファクターであるというゆえんでございます。
 そういった意味で、今後地方公共団体が積極的にこの景気対策に取り組んでいけるように私自身の名前でも直接都道府県知事や市町村長にもお願いをしなきゃいけないと思いますし、もちろん依命通達のような形の事務的な処理も必要だと思っておりまして、そういう諸施策を通じて、今、月例経済報告などで見ましても明るい兆しが見え始めておるというところですね。ただ、業種によって非常にばらつきがあります。きのうも私、今通産大臣の臨時の代理をしておりますので通産省に行って幹部の人たちに様子を聞いたのでございますが、事業によっては非常にばらつきがある。そういった諸般の今後の民間の投資等を促進していくように、そして国民生活全般がよくなっていくように最大限の努力を国とともにしていきたいと思っております。
○狩野安君 ぜひ地方団体の努力に期待したいと思っております。
 地方の時代と言われてから十数年が経過しておりますけれども、人口それから機能の東京一極集中は依然として続いております。また、国の地方行政への必要以上の関与も相変わらず存在しています。今、若い人たちの間では地方がドレンディーだと言われるようになってきたにもかかわらず、真の地方の時代が到来したとは言いがたい状況だと思います。真の地方の時代を築く、すなわち、地方がみずからの主体性のもとにその創意と工夫に基づいた施策を展開していくためには、地方に権限を移譲し、地方の自主財源を充実させ、地方の政策立案能力を高めることが不可欠ではないでしょうか。
 一連のふるさと創生施策、地域総合整備事業債を活用した地方単独事業支援策による地方公共団体、特に市町村の事業は、質量ともに飛躍的に充実してきていると思われます。例えば私の茨城県の大洋村では、地域総合整備事業債を活用して事業費約二十億円の健康関連施設を整備し、ソフト政策とあわせて総合的な健康村づくりを推進中であります。人口一万人のこの村にとっては、これまでは到底考えられなかった事業展開が可能になり、村の活性化に大きく寄与して、特に若者を中心に村民の意識もかなり変わってきたと村長は喜んでおります。今までの補助制度ではできなかった事業が地域の特色を生かして実現することができ、市町村長に希望とやる気を起こさせたと思います。
 そこで、地方単独事業支援策は今後とも積極的に続けていくべきと考えます。そしてその際、財政力の弱い団体には特に配慮する必要があると考えますが、いかがでしょうか、お尋ねをいたします。
○政府委員(湯浅利夫君) 今御指摘のように、地方団体がそれぞれの地域の実情に応じまして住民の意向を踏まえて、自主的、主体的に事業をやっていくということが地方の活性化を促す上で非常に重要なことであるというふうに考えているところでございます。
 そういう趣旨から、ふるさとづくりという事業が始まりまして数年たつわけでございますが、ことしからは第二次ふるさとづくりということでまた新たな観点からこの事業を積極的に推進していこうということで、今年度は事業費も地方財政計画で一兆円、前年度に比べて五〇%増の枠を設けまして、それぞれの地方団体の御要望に沿うべく努力をしているところでございます。そういう意味でこの仕事は短期間で終わるものではございま
せんて、ある程度長期的に実施をしていくということによってその地域の活性化を図っていくという必要がございますので、いろいろとまたお知恵を拝借しながらこの事業につきまして充実をさせていただきたいというふうに考えているところでございます。
 また、地方債を活用するということで、今後財政力の弱い団体にとりましてなかなか財政的に難しいんじゃないかという問題もございます。確かに借金でやるものでございますから今後の公債費の問題も出てまいりますけれども、地方交付税でその元利償還金を措置していくというようなことで、できるだけ財政力の弱い団体でもやりやすいようなそういう仕組みを考えているところでございますし、この公債費の償還につきましては、今後の地方財政計画の策定を通じまして的確に財源措置を講じてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○狩野安君 ふるさと創生事業はこれからの地方分権へのとても足がかりとなると思いますので、ひとつよろしくお願いいたします。
 地方交付税の確保は、自主財源の充実に当たって極めて大きな課題であります。国の財政状況が厳しいからといって安易に地方交付税の削減など言うべきでないと思いますが、この点についての自治大臣の基本的な考え方をお聞きいたします。
○国務大臣(村田敬次郎君) これは狩野委員の御指摘になるとおりでありまして、地方交付税というのは、昭和二十年代には地方財政平衡交付金という名前で始まったんですね。これは御承知のように、法人税であるとか酒税であるとか所得税などの一定パーセントを控除して、その後また二品目追加されたんですが、それを地方の自主財源として渡すと。これは昭和四十何年ですか、福田大蔵大臣がそれをはっきりと言明されたのがそのままずっと踏襲をされておりまして、地方の自主財源であるということでございます。したがって、地方の自主財源を勝手に国に貸したり国から借りたりというやりとりはかりそめにもなすべきでないことは当然であります。
 ただ、公経済というのは国の財政と地方の財政とが両翼として成り立っていくものでございますから、国が破産して地方がよくなればいいというわけにはいきません。その点、やはり日本独自の地方自治制度を発展させていくためには、そういったものが年次的にはある場合があるわけでございます。その意味で、四千億をお貸しし、そのうちの四百六十四億円を一部控除するというこのたびの措置になったわけでございますが、これは必ず返してもらうものでございまして、貸しっきりになるんじゃないんですね。したがって、そういった貸し借りが何年かありましても必ず返していただくと、そういう信念のもとに進めているわけで、この間も、大蔵大臣をこの地方行政委員会に呼んでいただいて行われました質疑もその趣旨であると思います。
 ただ、直入制度という問題については、これはもう大蔵省と自治省が全く意見が対立をしておるわけでございますが、全体が総理の統括のもとに進んでおりまして、そういった公経済の両翼という意味で、そして地方分権は絶対に必要な措置であるという信念のもとで地方交付税制度も続けていくべきである、このように感じておるところでございます。
○狩野安君 次に、地方への権限移譲に当たっては、国の権限を県、市町村に、また県の権限を市町村に、それぞれの事務の性格に応じておろしていくことが必要であります。しかし、国からの権限移譲はなかなか進まないのが現状であると思います。これはどのような理由によるものと考えておられるのでしょうか。
 また、地方には能力がないので権限をゆだねることができないという声があります。しかし、単独事業の積極的な実施等により、さきの大洋村の例でおわかりのように、地方に徐々に力がついてきていると認識しています。そのような心配は少なくなってきていると考えておりますけれども、自治体の執行能力に対する不安の声には根強いものがあります。今後、国からの権限移譲を進めていくに当たって、この考え方にどのように対処していかれるのか、お聞きいたします。
○政府委員(紀内隆宏君) 私ども、これまで権限移譲につきましては努力を重ねてきておりまして、あるいは一括法でございますとか、あるいは年々の新しい法律の制定改廃の都度権限移譲に向けて手直しをしていっているということでございますけれども、なお地方制度調査会の答申であるとかあるいは地方公共団体の要望から見ると十分とは言えない状況にございます。
 その理由を考えてみますと、もちろん個別の法律なり権限によってそれぞれの理屈はあろうかと思いますけれども、総じて見ますならば、共通するような要因が二つあるんじゃないかというふうに思っています。一つは、お話にもございましたように、地方公共団体の行財政能力をめぐっての判断の問題でございます。もう一つは、各省庁が自分の担当する事務につきましては細部に至るまでみずからの手で掌握しがちであるという、そういうメンタリティーの問題であろうかと思います。
 その最初の点につきましては、お話にもございましたように、もう地方自治法が制定施行されましてから五十年近くありまして、その間にいろいろと力を蓄えてまいりました。特に最近におきましては、これもお話にございましたように、ふるさと創生事業等を通じまして自主的な事業の展開という経験を重ねていく中で一層力をつけてきたわけでございます。したがって、その辺を正当に各省庁に認識してもらいたいものだというふうに思います。
 また二番目の、細部に至るまで自分の手に把握しておきたいということにつきましては、一般的に申し上げますならば、やはり国は、基本的な制度の枠組みであるとかあるいは方針であるとかそういうものを決定を行って、具体的な事務の実施というものについての機能というのはもっと思い切って地方公共団体に任せていいんではないか、私どもはかねてからそういう考えで各省庁と議論を重ねてきているところでございます。
 なお、その能力の点についてさらに申し上げますならば、そのようにして一般的に能力は着実に私は力をつけてきていると思いますけれども、地方公共団体の能力と言う場合に、その能力は組織能力という意味を持っていることが多うございまして、そういう場合には、例えば組織の専門分化の程度でございますとかあるいはそこに配置できる要員の多い少ないでございますとか、そういう点は比較的団体の規模に左右される点がございます。したがって、規模能力に応じた権限の移譲という考え方がございまして、やはりその点には私ども工夫をしていかなければいけないということで、先ごろ出ました中核市という地方制度調査会の答申がございますけれども、その辺はその一例である、このように考えております。
○狩野安君 地方公共団体の政策立案能力を一層高めるためには、団体間相互の幅広い交流、研さんをきわめていくことが不可欠であります。自治省はその場づくりに積極的にかかわっていくべきだと思われますが、具体的にどのように取り組んでおられるか、また取り組もうとしているか、お伺いいたします。
 また、難しいこととは思いますけれども、地方から要請があった場合に、自治省は人事交流を積極的に行っていただきたいと思います。末端の実績を知ることは、今後地方の権限を論ずることに当たって必要なことと思います。特に民主主義の原点は地方自治と言われており、住民に最も身近な団体でもあります。それゆえ、ふるさと創生施策の主役の座を占めています。また地方分権の受け皿の中心となるべきものであります。この重要な役目を担っている市町村の政策立案能力を高めるとともに、自治省は市町村が現に取り組んでいる行政の実情を把握し的確な施策を展開するべきであり、市町村の政策立案能力を高め潤いのある地軸社会を形成するための自治大臣としての取り組む姿勢についてお伺いいたし、私の質問を終わ
りにいたします。
○政府委員(石川嘉延君) 地方団体の政策立案能力を高めるための場づくり等についての御質問でございますが、各地方公共団体におきましては、本来の使命であります行政の的確な執行を行うための職員に求められるさまざまな資質がございますから、それを身につけざせることはもちろんのこと、御質問の政策立案能力、企画能力を高めるということも目的にいたしましてさまざまな研修を行っております。
 具体的な場としては、都道府県段階では全団体に研修所が設けられておりますし、また市町村レベルにおきましては、共同して、あるいは県に委託をいたしまして県の研修所にその機能を借りるという形で研修を行っております。あるいはまた、そういう常設の研修機関以外にさまざまな場を設けまして研修を実施しているということでございます。
 自治省におきましても、行政需要の高度化とか多様化に対応して、人材育成の推進というのは大変重要なことだということから、先年来このための調査研究をずっと実施しておりまして、各地方団体に対しこの調査研究の成果を情報提供という形でお示しをして、そういう面での参考に資していただいております。また、全地方公共団体を対象にいたしました研修の場として、自治省の機関として自治大学校というものも設けられておりまして、これまでに累計で三万八千人、これは昭和二十八年に開設されまして、これまでの約四十年間で三万八千人の職員の研修をしております。最近では、毎年度約千名の研修生の受け入れをしておりまして、六カ月研修、三カ月研修という長期の研修生の受け入れをして政策立案能力の向上に努めております。
 このほか、全国規模の研修の場としては、全国の市町村が共同して設立をしております財団法人の市町村振興協会という団体がございますが、ここが昭和六十二年度に千葉県の幕張に中央職員研修所を開設いたしました。それからさらに、今年度に入りまして四月から、滋賀県の大津市に全国市町村国際文化研修所を開設いたしまして、それぞれ年間相当数の市町村職員の研修を開始しております。この両研修所に対しまして、市町村が参加しやすいように自治省といたしましても地方財政措置を講じておりますほか、人材というか人的な面でのいろいろ支援、あるいは講師のあっせん等の側面からの援助も行っております。
 自治大学校、それから今の幕張の中央研修所、大津の国際文化研修所、この三つの場におきましては、それぞれの団体では行い得ないような非常に高度な研修を実施することによりまして多くの地方公共団体の幹部職員の養成に重要な役割を果たしておる、あるいは最近できたものは果たしつつあるということで好評を博しております。また、この場に参加いたします研修生は全国規模で人的なネットワークができるということから、それぞれの地方団体へ帰りましてもその人的な関係を活用いたしまして相互に情報交換を頻繁に行うことによって日常の業務処理、業務執行上に大変有益であるということで、これまたそういう面からも好評を得ておるところでございます。
 また、御指摘の地方団体間の人事交流でございますけれども、これは他の地方公共団体の行政手法を実地で学ぶ、あるいは最近は都道府県と市町村の異なるレベルでの交流というのもかなり行われるようになっておりまして、これは地方公共団体の職員にとって大変よい研修の機会だと思います。自治省といたしましても、これを積極的に推進しようということで今年度研究会を設けて、実態の把握とかこれを推進するためのさまざまな行財政的な課題など、どういうことがあるかということを検討いたしたいと思っております。
 また、国の機関と地方公共団体との人事交流でございますが、これもかなりの頻度で行われております。自治省と地方団体との交流について申し上げれば、研修という形で市町村の職員が毎年度自治省に、一年間の期間を限っておりますけれども、大体百名程度の研修生が来ております。それから人事交流につきましても、地方団体の要請があれば、自治省として派遣をする人的な余裕がある限度において積極的に対応しておるところでございます。
 以上でございます。
○国務大臣(村田敬次郎君) 取りまとめて申し上げますが、私は日本の明治以来の地方自治の歴史というのは二つに分けられると思います。一つは昭和二十年までの明治維新以来の歴史、それからもう一つは昭和二十年以降の戦後の歴史だと思います。
 戦前の歴史は、何といってもこれは、明治政府を樹立する際にドイツやフランスの地方制度を模してきたんですね、中央集権なんです。戦後の昭和二十年からの歴史はアメリカやイギリスを模範にしましたから、これは地方分権の歴史だと思うんです。しかし、実際には地方分権がまだまだいっておりません。戦前には、都道府県、市町村、その間にもう一つ郡というのがあった時代もあるんですね。都道府県の知事を中央政府が任命するという歴史をずっと繰り返してきました。だから、地方自治の歴史は、大きく昭和二十年までと二十年以後とはっきり分かれるわけです。
 今、自治省の政府委員から、地方公務員の人事交流やこれからの地方行政の行く末についてのいろいろ具体的な制度の御説明があったわけですが、我々はそれを地方分権という形で今こそそれを大きな流れにしなきゃならぬと思っておりまして、政治改革の一環として地方分権をやっていこうと。そして今は、国、都道府県、市町村でありますから、国と地方の役割は、中央政府は、外交であるとか防衛であるとか、そういった国でなければできないことをやる小さなしなやかな政府、大きくないんですね。地方の政府というのは、市町村が基底的な地方自治団体で住民の要請を直轄をする、都道府県はその上にある、上と言っては語弊がありますね、その中間にある地方自治団体、地方自治団体であってこれは国の機関ではありません、市町村ではできない広域的なものを処理するという機能だと思います。
 今、広域行政がいろんな面で求められておりますから、地方制度調査会でも、申しましたような府県連合や中核市といったような新しい制度も考えられているんですが、基本的な枠組みはそれなんです。その基本的な枠組みの中で、政治改革の中で大きな中心的なものとして地方分権を進めるということであろうと思います。地方行政委員会が追求をしていただいておる理想も我々政府が追求しております理想もその基本においては全く同じであると思っておりまして、それに向かって相ともに努力をする、こういうことであろうと思います。
○大渕絹子君 政府は、平成五年度の経済成長率を実質三・三%にしたいと言っています。この数字は平成四年度の成長率を一・六%と見込んで予定された成長率というふうに伺っているわけですけれども、専門家の間では、もう既に平成四年度はマイナス成長になるのではないかというようなことが言われているわけです。
 経済企画庁にお尋ねをいたしますけれども、九二年度の経済成長率を何%と見ておりますか。
○政府委員(柳沢勝君) お答えいたします。
 先生お尋ねのように、平成五年度の経済見通しの前提といたしまして平成四年度の実績見込みにつきまして一・六%と見込んでございます。
 平成四年の日本経済は、ストック調整などのいわゆる循環的要因のみならず、資産価格の低下などございまして、民間需要を中心といたしまして厳しい低迷を続けてきたわけでございます。こうした厳しい調整過程が継続してまいりましたけれども、本年に入りまして、昨年の八月の総合経済対策の効果がやっと本格的に実現してくるというようなことがございますし、また住宅投資等も回復基調を強めているというようなことがございます。こうした一部に明るい動きが見られますことも事実でございますけれども、総じて、我が国の経済は低迷をしており調整過程にあるというふうに見られているところでございます。
 いずれにいたしましても、平成四年度の我が国の経済成長率は、一−三月期のQEの発表をまって確定されるわけでございまして、現段階で確たることを申し上げることはできないわけでございますけれども、一・六%の実現につきましては厳しい情勢にあるというふうに認識をいたしております。
○大渕絹子君 その一・六%を達成するためには、平成四年度の第四・四半期、平成五年の一月から三月期ですけれども、三・二%の成長率がないと一・六%の達成はできないわけですね。当然三・二%というようなものができないということは経済企画庁もわかっておられて、そして試算ももうできているはずなんですね。
 六月に入ったらということを再三聞いておりました。もうきょうは六月三日でございます。しかも、経済企画庁長官はOECDの会議に出席をするということで今出かけているわけですけれども、その会議に出席をするのに我が国の経済成長率がどのぐらいだかわからないで出席するはずはないのですね。ぜひお答えをいただきたいと思います。
○政府委員(柳沢勝君) 一−三月のQEの発表がございまして、その後平成四年度の経済成長率という数字が確定されるわけでございまして、現在のところ確たること申し上げることはできませんけれども、先ほど申し上げましたような状況にかんがみまして、一−三月期という数字は今までの平成四年の数字に比べますとかなり回復が見込まれると存じますけれども、実績見込み一・六%達成という点につきましては厳しい情勢であるというふうに判断をいたしております。
 こうした状況にかんがみまして、政府といたしましては、この四月十三日に、足元の明るい動きが見られます経済の動きをより確実なものとするために、景気回復をより強固なものにするために新しい総合経済対策といたしまして十三兆を上回るものを決定いたしましたところでございまして、その着実な実施を図ることといたしてございますが、今般その具体化の一つといたしまして補正予算の審議をお願いしているところでございます。
○大渕絹子君 日本経済研究センターというのはどういう性格の団体だか教えてください。
○政府委員(柳沢勝君) 財団法人でございます。
○大渕絹子君 当然、政府も出資をしたりあるいは職員が出向したりという形でございますか。
○政府委員(柳沢勝君) 政府は出資いたしてございませんけれども、政府の公務員がいわゆる研究員という形で出向していることは事実でございます。
○大渕絹子君 そうした政府が関連をしている日本経済研究センターというところが、これはきのうの日経新聞ですけれども、九二年度の成長率は〇・九%、こういうことを発表をしておるわけでございます。こういう中で、日本の一番その先頭で経済の見通しを立てなければならない経済企画庁がいまだ九二年度の成長率について国民に発表できないというようなことでは、これはもう全くなっていない。財団法人のこういうところが先に発表するというような状況ではならないと思うんですね。もう一度お答え願います。
○政府委員(柳沢勝君) 民間のシンクタンクはそれぞれ自由なお立場で予測を発表するものでございますが、それはあくまでも私的な性格にとどまるものであると存じます。
 私ども政府といたしましては、そういった予測結果も十分尊重させていただきますけれども、いわゆる公的な責任を持った数字という点になりますと、先ほども申し上げましたように、一−三月のQEの結果をまって平成四年度の数字というものが確定されるということでございまして、現在のところ確たる数字を申し上げることはできません。
○大渕絹子君 それでは、いつそれを発表していただけるか。それともう一つ、ではこの○・九%、いわゆるマイナス〇・七%という数字についてはほぼ近い数字であるかどうかということだけ教えてください。
○政府委員(柳沢勝君) 一−三月期のQEの今後の作業スケジュールにつきましてはまだ確定しておりませんけれども、しかるべき時期、可及的速やかな時期ということだけを申し上げさせていただきたいと思います。
 それから、日経センターの予測結果の数字についてでございますけれども、具体的なコメントは差し控えさせていただきますけれども、政府といたしましても実績見込み一・六%達成という点につきましては厳しい情勢にあるという認識を持っております。
○大渕絹子君 後でもう一度聞かしていただきます。
 それでは、OECDが一九九三年度の日本の経済成長を一%と見込んで発表したわけですけれども、そのOECDの経済見通しを見ますと、昨年八月の十兆七千億円に上る経済対策、そして今回の十三兆二千億円に上る経済対策、こうして次々と政府が景気をよくしようとして打ち出しているこういう対策について全く評価をしない、そういう形でOECDは日本の経済成長というものを発表しているわけですけれども、それについて何かお考えはございますか。
○政府委員(柳沢勝君) OECD等国際機関の経済見通しというものが行われております。これは最初に技術的な点をお断り申し上げておきますと、OECDの見通し等は暦年ベースでございまして、政府の経済見通しは年度でございますので、その点でかなり時期的なずれによる差がございます。
 先ほど申し上げましたように、一九九二年の一−三月と一九九三年の一−三月と申しますのは、かなり大幅に景気の実態的な状況が変わってまいっております。さらに、後半におきましての政府の経済政策の効果という点につきましても、必ずしも十分にOECDの作業としては盛り込んでいないというふうに私どもは見ております。
 したがいまして、OECDの見通しは見通しといたしまして一つの参考資料として十分尊重いたしますけれども、なおかなり、いわゆる年度ベースの見通しといたしましては若干問題があるというふうに考えておるところでございます。
○大渕絹子君 平成四年度の決算において三兆円規模のいわゆる歳入欠陥が生じるのではないかという見方があるわけですけれども、平成四年度の当初予算は六十二兆五千四十億円、そして補正後には五十七兆六千三百十億円。この中で、三月末までの税収累計が四十二兆三千三百二十七億円、マイナス七・八%、四兆八千七百三十億円の税収が見込まれていないという現実、こういう現実を踏まえて、この決算においてどのぐらいの規模の歳入欠陥が生まれるのかということを教えてください。
○説明員(尾原榮夫君) 四年度税収につきましては、今お話がございましたように、現在三月末の税収までわかっております。進捗率で申し上げますと七割強に当たっているわけでございますしたがいまして、現段階で確たることを申し上げられる段階にはないということを御理解いただきたいと思うわけでございます。
 ただ、先般、国税庁の方から四年分の所得税の確定申告の状況が発表になったわけでございます。この結果によりますと、土地取引の低迷によりまして前年比四割近い減になると、非常に予想を上回った低調さが示されたわけでございます。したがいまして、四年度の申告所得税収が補正後の見積もりを相当下回ることは避けがたいんじゃないか、四年度税収全体についても補正予算の見積もりで想定しておりました税収動向の達成は容易ではない状況であるというふうに認識しているわけです。
 先ほど御説明いたしましたように、四年度税収の具体的な見込みを申し上げるためには、まず四月分税収さらには五月分といたしまして、三月決算法人の法人税さらには消費税と大きな固まりが残っているわけでございます。したがいまして、この四、五月分の納付の状況を十分注視していく
必要があるのではないかというふうに考えております。
○大渕絹子君 五月七日に大蔵省が発表した一般会計租税・印紙収入収入額調べというその中身を精査いたしますと、どうしても二兆五千から三兆円規模の税不足が生ずるというふうになるわけですけれども、もし歳入欠陥が生じた場合、その不足類はどう穴埋めをするのですか。
○説明員(木村幸俊君) お答えいたします。
 四年度の税収につきましては、ただいま主税局の方からお答え申し上げたとおりでございますが、このほか、税外収入それから歳出不用といった要因がございます。ただ、その両者につきましても全体の額がまだ判明しておりません。したがいまして、決算がどうなるか確たることは申し上げられる段階にはございませんが、決算上の不足に対処するための制度といたしましては決算調整資金制度というものがございます。
○大渕絹子君 決算調整資金制度を使うといっても、今、残高ゼロなんじゃないですか。どうするんです。
○説明員(木村幸俊君) 今、先生から御指摘ございましたように、その決算調整資金制度というものを簡単にまず御説明させていただきますと……
○大渕絹子君 いいです。
○説明員(木村幸俊君) そうですか。
 確かに御指摘のとおり、現在高はゼロでございます。
 ただ、これにつきましては、決算上の不足につきまして現在高ゼロでございますからそれで補てんできないわけでございますが、その場合には、国債整理基金から同基金に属する現金を決算調整資金に繰り入れるということができることとされております。
○大渕絹子君 歳出予算の節減であるとかあるいは日本銀行の納付金などの税取外で充てるというような方法とか、あるいは今おっしゃいました国債整理基金からの繰り入れというようなことがあるわけでございますけれども、不足額を補うための国債整理基金、これは平成三年度末での残高はどのようになっていますか。
○説明員(乾文男君) 国債整理基金の残高は平成三年度末で約五兆円でございます。
○大渕絹子君 私の手元では、三年度末の基金残高は二兆七千二百五十三億円となっていますけれども、どちらが正しいのでしょう。
○説明員(乾文男君) 三年度末の二兆七千二百数十億円という数字に加えまして、平成三年度末におきましていわゆる国債整理基金特別会計法に基づきます前倒し債収入というものが約二兆五百億円ございまして、それを加えた数字が先ほど申し上げました約五兆円でございます。
○大渕絹子君 ありがとうございました。
 それでは、平成四年度、償還をしなければならない国債のための準備金を教えてください。償還をする額。
○説明員(乾文男君) 国債整理基金は、国債の償還を行っておりますけれども、一方で、その財源といたしまして借換債を発行しておりますし、その他一般会計からの繰り入れ等がございます。その意味で、御質問には国債整理基金の残高ベースでのお答えが適当かと思いますけれども、国債整理基金の残高は五年度末で約六兆円と見込んでおります。
○大渕絹子君 その中から歳入欠陥のために決算調整資金の方に繰り入れられる額はどのぐらいなんでしょうか。そっくりそのまま、その欠陥として生まれた金額だけを移していくということですか。
○説明員(木村幸俊君) お答えいたします。
 先ほど来申し上げておりますように、決算がどうなるのか現時点では確たることは申し上げられないわけでございますが、整理基金から決算調整資金に繰り入れる、それで決算上の収支不足を補てんするということは、七月に決算を締めるわけでございますが、まさにその時点における基金に属する現金から行うことになるわけでございまして、現時点で具体的にどの程度という金額を申し上げることは難しいということを御理解いただきたいと思います。
○大渕絹子君 いずれにしても、こういう歳入欠陥が生じたときのために決算調整資金というものは常に蓄えておかなければならない状況にもかかわらず、一九七七年度の補正予算で創設をされたこの資金なんですけれども、一九八一年度の決算で大幅な赤字が出たときに全部取り崩してしまったわけですね。一九八一年以後、一銭もこの決算調整資金の方にお金が入ってきていないというのは、これはもう全く資金の運用としてはおかしいのではないかと思います。大蔵省にぜひ、こういう平成四年度のような決算の欠陥が生まれるような事態を招いたときでもきちんと運用していけるような仕組み、そういう目的で立てられている資金であるわけですから、十分に活用して、そして問題のないように運用していただきたいことを指摘申し上げておきます。
 それから、きょうは日本銀行さんに来ていただいております。お忙しいところありがとうございます。
 質問通告をしてなかったんですけれども、きょうの新聞を見ますと、金融白書が発表されたということで新聞に載っているわけです。日本銀行は、昨年の金融白書の中では、バブルの崩壊によった影響というのはそう大きくないということで白書を出しているわけですけれども、実際には非常に大きな影響があったということで、日本の金融をリードする日本銀行として、その見通しの甘さということを指摘しなきゃならないわけですけれども、そのことについてお答えをいただきたいと思います。
○参考人(小畑義治君) お答え申し上げます。
 先生御指摘の金融白書でございますが、これは俗称金融白書と私ども呼んでおるわけでございますが、年一回、私どもの情勢判断及びそれを受けての金融政策の運営を取りまとめてちょうど今ごろ発表する資料でございます。たまたま昨日発表したということでございます。
 先生御指摘の、去年時点で私ども日本銀行がバブルの経済に与える影響を小さく見て、それがその後予想外に大きくなったということで認識の誤りがあったんではないかという御指摘でございますが、私どもといたしましては、去年時点では、まだバブルの影響が今後実体経済にどういう影響を与えるか注意深く見守ってまいりたいということで、去年の白書をごらんいただければ、その時点で実体経済にバブルの影響がどの程度定量的に影響があるか、私どもなりに分析した結果それが小さいというような判断を示したことはございませんで、私どもは去年の段階では、まだ統計資料等々十分にバブルを織り込んだ経済指標はございませんでしたので、率直に申せば判断を留保したと。それで一年たちまして、今回、いろんな経済の動きを勘案しつつ御指摘のような分析結果を発表した次第でございます。
○大渕絹子君 日本の経済を引っ張っていくのが日本銀行であり経済企画庁であると私たちは認識をしているわけです。その経済企画庁や日本銀行がその動きを実際に見てからでなければ見通しが立てられないというのでは、これはもう日本丸どこへ行くのかということになってしまうわけですよ。ここのところはしっかりと認識をしておいていただきたいと思います。
 景気対策ということで、財政と金融ということが両輪だと言われています。財政面では、先ほども申しましたけれども、昨年八月の補正、本年度の当初予算、そして今回の補正予算ということで打ち出されているわけです。金融面では、今年の二月に入りまして金融緩和ということの中で三・二五%から二・五%に引き下げられています。その効果もあったのだと思いますけれども、景気もどうやら底を打ったと言われております。経済企画庁の景気動向指数も二月、三月と六六・七%と上向き、大体の景気の動向を示す目安、五〇%と言われているわけですけれども、そこを二カ月間上回ったということでどうやら底を打ったのではないかと、そういう方向が見えて大変明るい見通
しということで私たちも喜んでいるわけです。
 こういう状況になって、景気が底を打ったと。底を打ったというならば、その二月に緩和をした二・五%の公定歩合はそろそろ考えなきゃならない時期に来ているのじゃないかと思うのですけれども、どうでしょうか。
○参考人(小畑義治君) お答え申し上げます。
 まず、私どもの日本銀行の現在の景気情勢の判断について、少しく長くなって申しわけございませんが御説明申し上げたいと思います。
 まず、私ども日本銀行の景気の現状判断は、一言で申し上げますと、底入れを探る展開が続いている、経済指標で見ますと、まだら模様と申しますか、明暗の動きが入りまじった状態が続いておるというふうに判断いたしております。
 先生御承知のとおり、公共投資とか住宅投資とか在庫投資など、このところ幾つか明るい指標もあるわけでございますけれども、個人消費を見てみますと、百貨店売上高等で御案内のとおり、全体としては停滞基調を続けておると判断いたしておりますし、設備投資もこれまでのところはっきりとした持ち直しの動きが見られるに至っていない、そういう現状認識でございます。
 しからば、今後の景気の見通しについてどう日本銀行は見ているかということでございますが、上期中には、先生御指摘の総合経済対策によります財政需要の効果とか、あるいは住宅投資のしっかりした足取りというようなものに下支えられた景気展開になる公算が大きいと思っておりますが、しかし、設備投資とか在庫投資とか、自動車等の耐久消費材のいわゆるストック調整の動きでございます。これがかなり進捗いたしてきておりまして、景気回復の必要条件が民間経済の中に整備されつつある。こういうことに加えまして、私どもの金融政策あるいは財政政策の両面で民間需要を引き出すための措置が講じられているところでございます。
 こういうことを勘案いたしまして、私ども日本銀行といたしましては、最近の急速な円高の進展が企業のせっかくこのような景気の底入れを探る微妙な段階にどういう影響を与えるかというのは注意を払って見ていかなきゃならない、かように考えておりますけれども、下期にかけまして、民間需要の回復とともに景気は緩やかながらも回復を展望できる、そういう状況にあるということでございます。
 以上申し上げましたような景気情勢判断に立ちまして、私ども日本銀行の当面の金融政策運営のスタンスといたしましては、これまでの金融財政両面からの政策効果、とりわけ、今般の総合的な経済対策の効果が実体経済面にどのような影響を及ぼすか、波及していくかということをじっくり見きわめますとともに、他方で、繰り返しになりますが、このところの急速な円高の影響も視野に入れまして、引き続き情勢の推移を注意深く見守っていくことが肝要ではないか。
 いずれにいたしましても、先生御指摘のとおり、日本銀行といたしましては、今後とも、経済情勢の的確な総合判断に努めまして、金融政策運営の誤りなきを期していきたい、かように思っております。
○大渕絹子君 円高がこれよりもっと急速に進む場合は、もっと緩和をされるようなことがあり得ますか。
○参考人(小畑義治君) お答え申し上げます。
 私ども、前回の長期金融緩和の反省も踏まえまして申し上げられますことは、円高のみを対象として金利政策を考えるということ、為替政策のみに割り当ててその金融政策を運営するということは考えておりません。
 もう少し詳しく申し上げますと、やはりあくまでも円高が実体経済にどう影響するか、実体経済がどういう動きを示しているか、いわゆる景気とか物価とかマネーサプライとか、そういうようなのもあわせ総合判断で金融政策を運営してまいりたいということでございまして、金利政策を為替が円高になったからすぐ方向をいろいろ検討するということではございませんで、あくまでも総合判断で機能的、弾力的に運営したい、かように考えておる次第でございます。
○大渕絹子君 金融引き締め要件がないということの中で、今のこの二・五%というのは相当長期化をするというふうに見なければならないのかなというふうに思うわけですけれども、バブル経済を再び招かないように日本銀行としてはしっかりとやっていただかなければなりません。きょうは、お忙しいところ来ていただきまして、本当にありがとうございました。
 それでは、自治省の方にお伺いをいたします。
 公定歩合といいますと、先日のこの委員会の参考人の公述の中に、地域福祉基金などの地方が基金として積み立てている分があるのですけれども、公定歩合の引き下げによってその運用益が十分に確保できないというような発言があったわけです。そういう発言がある一方で、金融緩和によって公営企業金融公庫などは潤うと言われていますね。そういう公庫が潤う財源というようなものはどういう仕組みでつくられているか、ちょっと教えていただきたいのです。
○政府委員(湯浅利夫君) 公営企業金融公庫は、いわば地方団体の地方債の共同発行機関というような性格で、政府保証をもらった債券を発行いたしまして資金を調達するわけでございます。
 この政府保証債は、期間は十年間という期間での債券を発行して資金を調達するわけでございます。他方、貸し付けの方はできるだけ長期な安定した資金を供給したいということで、最長二十八年、大体平均すると二十五年ぐらいの貸付期間になっているわけでございますが、この貸し付けにつきましては固定金利で貸し付けをいたしております。そういう関係で、金利が低金利の状況のときには、債券で調達いたします資金のコストが安く済むというような関係で借換益などが発生する、逆に金利が上昇いたしますと、固定金利で貸してありますから今度は逆ざやが発生する、こういうような形になってくるわけでございます。
○大渕絹子君 この公営企業金融公庫というのは、地方の公共団体にとりましては低利で事業のお金が借りられるということで非常に便利に使われている公庫だと思うのですけれども、今回のこの景気対策の中にこの公庫の分の資金というのが見当たらないのですけれども、どうなっておりますか。
○政府委員(湯浅利夫君) 今回の総合的な経済対策で地方単独事業を今後二兆三千億円追加をいたしまして、今各地方団体にこの協力方を要請しているところでございます。
 地方単独事業につきましては、年度が始まったばかりということもございますので六月補正で追加をするというところは余りないようでございます。公共事業の方はできれば六月で追加をしたいという意向が強いようでございますが、年度の前半は当初予算で計上いたしました事業がございますから、九月の補正などでこの追加をやっていこうかというような意向が、これは全部調査したわけではございませんが、そういう意向があるところが非常に多いのじゃないかと思います。
 この二兆三千億は最終的には地方債で対応するということでございますから、この資金を財政投融資の政府資金とか今御指摘の公営企業金融公庫の資金で調達をしなければならないと思っているわけでございますが、具体的にもう少し事業の内容がはっきりするまで、この内容につきまして詰めてまいりたい、いずれ公営企業金融公庫の貸付枠もふやしてもらわなきゃいかぬと思っておりますけれども、具体的に今金額的に申し上げるまでの段階にはなっていないということでございます。
○大渕絹子君 しっかりとその資金の準備をしておいていただきたいと思います。
 次に、今お話がありました財政投融資なんですけれども、平成元年度から平成三年度まで財政投融資の中で不用額というものが大変多く計上されています。その不用額、これは平成三年度決算でいきますと、八千五百七十七億円という財政投融資の不用額が出ています。この不用額の中の八千
六十八億円、九四%の不用額が住宅金融公庫からの不用額なんですね。こういう状況の中で、今度の景気対策で住宅金融公庫に八千五百億円追加が組まれているんです。果たして公庫の資金というものが本当に有効に運用されるような仕組みになっているのかというのが大変疑問なんです。過去、不用額を出して、使い切っていない、使わないという状況の中でこういうことになっているんですけれども、その件についてちょっと説明していただきたい。
○説明員(白石博之君) 先生御指摘の住宅金融公庫の関係でございますが、先生御指摘のとおり、平成三年度につきましては約八千億円程度の財投の不用を出しているところでございます。この点につきましては、当時、平成三年度は住宅着工が非常に不調であった、こういう状況にございましたためにこのような不用が生じたものというふうに考えております。
 この点につきましては、四年度に入りまして住宅着工は回復の動きを示してきているわけでございまして、また四年度から五年度、今年度にかけましても引き続き順調な推移を示している状況にございます。
 具体的な計数で申し上げますと、住宅着工件数、四年度全体では百四十二万戸ということで、対前年比五・七%の増ということになっております。また本年、五年に入りましてからも、二月から四月にかけまして、これは季節調整済みの年率のベースでございますが、百四十万戸台を超える計数を示しているところでございます。それからさらに、住宅金融公庫の貸し付けのいわば先行的な指標になるというふうに考えられますが、住宅金融公庫に対する申し込みの受理の状況について見てみますと、これは例えば個人建設住宅について申し上げますと、平成四年度で対前年比二二・九%の増、こういう非常に好調な計数を示しているわけでございます。
 このような実態を踏まえまして、これに的確に対応いたしたいということと、それからまた今申し上げましたような住宅着工の回復の足取りをさらに確固たるものにしていく、こういう観点から、今般の経済対策の中におきまして、住宅金融公庫につきましても制度改正を行いまして融資制度の拡充を行うこととしているわけでございます。具体的には貸付限度額の引き上げということを中心としているわけでございまして、従来行ってまいりました特別割り増し貸付額の引き上げにとどまらず、いわば基準金利でお貸しをいたします基本貸し付けの額につきましても、一部その引き上げを行うというような制度改正も行っているところでございます。
 以上申し上げましたような住宅着工件数をめぐります状況、さらにはこれに対応するための制度改正といったものを踏まえまして、今回の財投の追加をさせていただくということでお願いをしているところでございまして、私どもとしては、今般の財投追加額は円滑に消化されていくものというふうに考えております。
○大渕絹子君 中小零細企業の救済資金として今回の経済対策にも中小企業金融公庫や国民金融公庫の中に資金が追加をされているわけですけれども、この公庫の法律を見ますと、目的の中に、銀行その他一般の金融機関からの資金の融通を受けることを困難とする者や業者に対して資金を貸し付けるんだというふうにうたわれているわけですけれども、この融資を受けることのできる人たちの基準というものは決まっていますでしょうか、ただ単にこの法律にうたわれている範囲内で個々の対応によって決められていくのか、ちょっと聞きたいのですけれども、短くお願いします。
○説明員(戸恒東人君) お答え申し上げます。
 法律の建前といたしましては、先ほど先生がおっしゃったとおりでございまして、国民大衆に対して必要な資金の貸し付けを行うと。そこで、公庫法十八条におきましては、一般論を申し上げますが、「独立して事業を遂行する意思を有し、かつ、適切な事業計画を持つ者」でありますということが書いてありまして、一般に生活困窮者に対する救済資金という意味ではないと法律に書いてあります。
○大渕絹子君 しかし、低利のこういう公庫の資金というのは、実際には、企業を経営している人たちが高利で借りている銀行からの借りかえというような形で消化をされているというようなことが事例としては随分多いのじゃないのでしょうか。
○説明員(戸恒東人君) 先生の御指摘の点ですが、公庫の貸し付けの資金といいますのは、個人または法人に対して貸し付ける設備資金または運転資金でありまして、今の御指摘の中でありました民間の金融機関に対する資金を借りかえるための資金を貸し付けるということは公庫はしておりません。
 これはなぜかといいますと、先ほど御質問ありましたように、政府関係金融機関というのは民間の金融機関を補完するものとしての政策金融機関でございまして、政策金融機関としては、そういう一定の必要な事業資金に対して必要な資金を供給するのであって、民間金融機関から例えば高利で借りたものを借りかえるために政府機関に来る、そういう貸し付けはいたしておりません。
○大渕絹子君 私のところに大変困った御相談が来ているんです。
 建設業界の人、個人の方なんですけれども、自分が仕事をした先の大手の建設業者が倒産をするということで二千万円ほどの負債を抱えたというのです。そして、自分が出している手形が不渡りになったということで、ありとあらゆる知人とかそして銀行とかそういうところで、そのときに公庫に飛んで行けばすぐに手当てができたんでしょうけれども、知らなかったんですね、きっと。そこへ行かなかった。そして、知人から借りまくったり銀行から借りたりということの中でここずっとその資金繰りをしてきていたわけですけれども、たまたまその主人が病気で半年ほど休まなきゃならなくなってしまって、その利子も返していけないような状況になってしまった。家族は、もう行くところがなくてサラ金に行って資金を五十万ぐらいずつ借りては、銀行に返したり自分で生活をしたりという暮らしをしていたわけです。
 だから、そういうサラ金を五軒も六軒も回って借金をするというようなことの中で、いよいよ行き詰まって私のところに泣きついてきたわけなんですけれども、これはもうどうにも手のっけられないような状況です。その借金している先を見ましたら、信用組合とか農協とか銀行とか、それから知人、友人なんですね。そういうところからだけで、公庫というのが一つもないのにびっくりしちゃって、あなた、どうして行かなかったのと言ったら、行ったってどうせつぶれたようなところには貸さないと、そういうことだったんですね。
 私は、さっきのお答えを聞いて、そういうことはないというふうに確信をしているわけですけれども、しかし、返済能力が乏しい、こういう状況に陥った人たちというのは、もう今行ったら絶対貸さないですね。そういうのであると救済というのにはならないんじゃないかというふうに思うのね。今、銀行から借りているのでも利息が一二%も取られているんです。もちろんサラ金ではもう月二二%とか三〇%とかというので払っているわけで、これはもう幾ら稼いでも稼いでも仕方がないほど雪だるま式に広がっていっている状態なんです。そういう人を救済する手だてというのは本当にもうないのかなというふうに思うわけです。
 景気対策がいろいろ出されて、企業等は大きなところで救われていくわけですけれども、こうした本当に零細な小さな人たちというのは、現実に今どうしようかと家じゅうでもう相談して、それじゃ自己破産宣言でもしなきゃだめかというようなことを言っているわけです。きょうの読売新聞にこれだけ大きく自己破産というのが出ていたわけで、銀行などでは自己破産されたら困るから、こういう自己破産防止の法律をつくろうということはわかるわけですけれども、今私が言ったこの実際の事例の人を救う手だてはありませんでしょ
うか。
○説明員(戸恒東人君) 私がお答えするのが適切かどうかわかりませんけれども、実際に、民間の金融機関からお金を借りて、それが事業の失敗とかあるいは経営者の病気とかあるいはその他のいろんなことで行き詰まったりしている人が何人も出ておるということは非常に問題だと思いますし、それはそれとして、そういう個人または企業者がどういう対応をとってくればよかったのか、あるいは事後的にどう救済するか、それぞれいろいろあろうと思います。また私のところにも、直接いろんな方面から、現実に困っちゃって政府関係金融機関に相談に来るケースもございます。
 そこで、銀行局としては、こういう実態でありますので、民間金融機関、政府関係金融機関を問わず、景気対策等でとにかく細々と相談に乗ってあけなさいということで相談に乗るようにしているわけですが、今の先生のお話を聞く限りにおきますと、なかなかそこまでなっちゃったから貸してくれと言われましても、そうですかという格好にはならないと思います。
 ただ、私ども、できるだけ過去の借金の清算をいろんな形でやるように努力をしていただく、そのためには、今の事例でしたら貸し付けをしている信用金庫、農協、それからサラ金、そして新たに貸し付けを頼んでいる例えば国民公庫なり関係金融機関の人たちのだれかにイニシアチブをとっていただいて、そこで再建のためのいろんな検討をしていただくというのが一般的なものではなかろうかと思います。
 私ちょっと担当が違いますけれども、自己破産という形で、個人の場合にはそういう形、あるいは企業の場合には、ある一定のところで全体を締めてみてまた再建に取り組む、そういう形でやった方がよかろうかと個人的には思っております。
 いずれにいたしましても、ずるずると、俗な言い方ですが、深みにはまってしまうのはいかがかなと思いますので、きちっと信用力のある人あるいは相談できる金融機関に再建策について御相談をするというのが一番いい道かと思っております。
○大渕絹子君 その件で銀行の書類を調べていて驚いたのですけれども、五百万円の借金をするのに、大臣、百十三万円もの保険を掛けなくちゃいけないんです、自分の生命の保険を。そして、その五百万借りなきゃならない上に百十三万円貸してもらうんですね。そして、それもあわせて払っていく。自分の命と引きかえに金を借りるというのは、普通の民間の銀行でもこういう手でやっているんです。それにはもうびっくりしました。ぜひ国民公庫がこういう人たちにとって救いの道であるということでうんと宣伝をしていただいて、この公庫を本当に国民がひとしく使われるようなそういう道というのをやっぱり開いてほしいというふうに思います。
○説明員(戸恒東人君) ちょっとよろしいですか。
○委員長(佐藤三吾君) 簡潔にひとつ。
○説明員(戸恒東人君) 国民公庫が御相談に乗るという形はあろうかと思いますが、国民公庫が現実にそういう場合お貸しするかどうかというのは、国民公庫が審査する話でございます。
○大渕絹子君 実際にはなかなか貸してもらえないので、私はきょうこうして取り上げております。
 今度の補正予算では、景気対策関連予算で公共事業が中心で、事業費のおよそ二分の一は地方債に頼るという仕組みになっていますけれども、新潟県の市町村の財政力指数というのを見させていただきますと、一番財政力指数の弱いところが粟島浦村というところなんですけれども○・〇六、それから山古志村では○・○八と、大変低い数字になっています。こうした過疎地を抱えた市町村ほど財政力が弱体で、この補正予算が組まれて総合景気対策が出されたとしても、そう簡単に地方債、借金をして公共事業に取り組める体制にはないと思います。
 こういう状況の中で、財政力の強い限られた市町村ほど公共事業を偏ってできる。だから、そういうところはますます活性化をしていく。そして、力のないところはこうした特別に組まれた景気対策も取り入れることができないのでますます過疎化をしていくというふうに思われるわけですけれども、こうしたことに対して自治省は特別な配慮というようなものをなされていますでしょうか。
○政府委員(松本英昭君) お答え申し上げます。
 まず、今回追加になりました公共事業の裏の地方負担は、総額としては後年度の地方財政計画に盛り込みまして、全体の財源を確保することにいたしております。
 先生今御心配の財政力の弱いところなんかでございますけれども、公共事業の負担裏に起こしました地方債につきましては、かなりの部分を将来の交付税で元利償還金を算入することといたしております。また、そういうところにつきましてはその他の施策につきましても、例えば過疎債とか辺地債とか同じように起債を起こしまして元利償還金を交付税で算入する際にも、そういう財政力の弱いところにより多く算入できるような仕組みもあります。したがって、そういうものを活用して、今御心配のようなことがないようにいたしていきたいと考えておるところでございます。
○大渕絹子君 交付税のことで、最後に大臣にお願いをします。
 ついせんだって地方交付税の法改正を上げたばかりなのに、きょうまたこうして地方交付税の改正ということでやられているわけですけれども、三年連続の特例減額については多岐にわたって議論がなされました。去年までは地方財源に余裕があると言い、ことしは公経済のバランスを勘案してというようなことで、理由が改められたわけですけれども、まさに国の都合によって、国庫の都合によって地方の財政が調整を受けるということはやっぱり考えなきゃならないのじゃないかと思います。
 今回の補正予算でも、減税対策のために当然不足をすると思われる四百六十四億円については、これはさきの予算で特例減額をした四千億円の中から返してくるという、こんなその場その場のやり方がとられているということは全く納得がいかないわけです。交付税の総額の安定的な確保に資するということは、こういうことではないはずなんですね、こんなやり方でやるということではないはずなんですね。だから、将来の財源の不足に備えるというならば、もっと違った形というようなものがあるのじゃないかと思うわけです。どうぞ、地方交付税の確保のために、大臣にきちっと、こうしたその場しのぎの手だてで地方交付税が利用されるというようなことだけはもう今後一切してほしくないと思いますので、御決意をお願いします。
○国務大臣(村田敬次郎君) ただいまの大渕委員の御指摘はよくわかります。これは最大限の努力をするわけでございますが、先ほど来のお話を承って、一言申し上げたいんですね。
 開かれた傷口というか、つまり、救いようのない貧乏とか救いようのない地方団体とかという感じを言っておられましたね。しかし、自治省というのは、そういう過疎の町村、それからどうすることもできないと思われるような農山村、そういうものを救っていくのが仕事なんです。そういうところを救わなきゃ自治省は任務を達成できないんですよ。
 というのは、もう東京のような立派な地方公共団体はおのずから対応する道があるんです。例を申し上げますが、通産大臣をやっていたときに、貧乏な団体から御相談があるんですね、富裕な会社からは御相談なんてそうありゃしないんです。自治省でも、地方で本当に困っておいでになるところが来られるわけで、交付税というのはそれを調整するための措置なんです。端的に言いますよ、お金のたくさんある団体からお金を出していただいて、そしてお金の本当にないところへたくさん上げなきゃいかぬという方針ですよ。これは明治以来ますます過密過疎が広がっているからそ
ういう対応をやっていかなきゃならぬということで、それは一生懸命努力します。
○大渕絹子君 ありがとうございます。
 それでは、全く違う問題で恐縮なんですけれども、私の地元であります新潟県で三十何年来引き起こされています新潟水俣病、この新潟水俣病の解決に何とか皆さんのお知恵をかしていただきたいということで発言をさせていただきます。
 新潟水俣病のこれは二次訴訟の分なんですけれども、第一回口頭弁論がことしの四月二十八日、第二回の口頭弁論は五月二十六日、東京高裁で開かれました。平成四年三月三十一日に新潟地裁で、昭和三十六年末以前には、水俣病の原因物質がメチル水銀であることや、それがどこから発生するのか、さらにその生成過程は明らかでなかった、こういうことで国は第二の水俣病の発生を予見できず、国には法的な責任はないという判決が出たわけですね。しかし、本年の三月二十五日に出された熊本地裁の判決では、昭和三十四年十一月当時、国は、水俣病の原因物質が有機水銀であること、その発生源がチッソ水俣工場であることを知っていたのに、水質二法の適用として排水規制をしなかったということの中で国の責任を認めました。
 この全く同じ原因でつくられてきた公害病、水俣病の裁判で、新潟では国の責任がない、熊本では国の責任があるということで判決がされています。もちろん一年という期間の違いがありますから、これからも新潟の裁判が熊本の裁判のように国の責任ということを明らかにしていくと私は確信をしているわけですけれども、通産省、環境庁、それぞれ所管の法律に基づいて水俣病が発生をしてからの規制を怠ったというその責任についてどう考えていられるか、御発言してください。
○説明員(今井康夫君) お答え申し上げます。
 ただいま先生御指摘の裁判で問題になっております当時でございますが、通産省は工場排水規制法を所管しておりました。工場排水規制法によりますと、工場排水などを政令で定める特定施設から排出するときの特定施設の設置及び処理方法を規制するものでございます。その規制に当たりましては、当時、経済企画庁が所管しておりました水質保全法、これに基づきまして指定水域の指定及び水質基準の設定が前提となっていたわけでございます。
 当時の状況におきましては、新潟水俣病の原因物質が特定されていなかったこと、昭和電工鹿瀬工場からのメチル水銀の排出が明らかでなかったことなどから、阿賀野川水域につきまして、この水質保全法に基づきます水質基準の設定、同水域の指定水域としての指定がされておらなかったわけでございます。その意味で、工場排水規制法によります規制は前提を欠くということでございまして、通商産業省といたしましては、この権限の不行使につきまして責任はなかったというふうに裁判でも主張いたしておりますし、そのように考えております。この点につきましては、新潟地裁の水俣病第二次の訴訟におきまして認められたところでございます。
○大渕絹子君 済みません、質問の用意をたくさんしたんですけれども、ちょっと時間がなくてできませんので、最後に、大体その経過を私の方から申し上げて、大臣にお力をかしていただきたいということを申し上げます。
 新潟水俣病の第二次訴訟の判決で、新潟地裁は原告の九十一名中八十八名を水俣病と認めました。そして昭和電工に対して損害賠償を命じました。昭和電工の経営状態からしても、私は決算書も持っていますけれども、十分に補償する力はあるにもかかわらず、その判決を不服として東京高裁に控訴をしているわけでございます。ここは何とかこの人たちが一日も早く生きているうちに解決をしてほしいという、そういう訴えをずっと繰り返しているわけです。
 この裁判中にも、この判決が出た直後にも、もう三人も四人もばたばたと亡くなっているという現状の中で、何とか解決の道を探っていただきたい。これ以上もう裁判所でその判決をする必要はないと思うのです。熊本でも新潟でも何度も繰り返されてその判決が出ているわけですから、同じ公害病である水俣病に対してもうこれ以上判決を繰り返すというようなことは必要ないと思います。
 今、国会では環境基本法の制定を目前にしています。公害の原点と言われる水俣病の被害者を救済することができないで、どうして環境基本法なのですか。環境基本法ができる今このときこそ水俣病を全面的に解決をして、そして環境基本法というものがしっかりとでき上がっていくということの方が望まれるというふうに私は思うわけでございます。
 湾岸戦争やカンボジアの和平に向けて、あるいは国際貢献という名前のもとで、ODAなどで巨額なお金が国から拠出をされているわけです。こういうことを見ても、自分の国の公害病一つ解決できないで真の国際貢献などできないと私ははっきりとここで申し上げておきたいと思います。国民は私たちの税金があの水俣病の被害者に使われることに何ら異議を唱える人は私はいないというふうに思うわけでございます。
 公害病の被害者が今もあの司法の場で救済を訴えざるを得ないというようなのは全く納得がいかない。そして、気の遠くなるような長い日時を要する裁判、あと何年かかるかわからないこうした裁判に置いておくことはできないと私は思います。
 熊本のチッソ水俣病は早期に和解をしなきゃならない状況になっています。新潟の場合は、原告と被告側の双方が話し合いのテーブル、まだ亡くなってはいないわけですので、その話し合いのテーブルを早急に持って納得ができるような形で解決をする道というようなものを、これは主管大臣が環境庁長官でございます、だから自治大臣としてはなかなかそこのところを自分の力でというわけにはいかないと思いますけれども、閣僚会議等が開かれるときに環境庁長官とも御一緒になると思いますから、御助言をいただく中で、あるいは総理にも御助言をいただく中で、何とかこの際、環境基本法が制定をされるこの機会に水俣病の解決を政府として全力を挙げてやろうじゃないか、そうすることが国民に対する政治不信を払拭する力の一つになるんだということをどうぞ肝に銘じてやっていただきたい、心からお願いを申し上げまして、大臣の御決意をお願い申し上げます。
○国務大臣(村田敬次郎君) 環境基本法がこの国会で成立をする、これは大きいことだと思うんです。事実、リオデジャネイロで地球サミットが行われる、こういうことで環境問題はこの二十数年の間にすごく進展しましたね。その中で、大渕委員が御指摘になる新潟水俣病の問題を伺ったわけです。
 これはあなたが地元におられてその痛切な感情を持たれる気持ちは極めてよくわかります、熊本水俣病においてもしかりでございますが。御指摘になったように、この専門的な所管官庁というのは環境庁や通産省やそういうところが今必死で取り組んでおるところでございます。そして、国会も本会議その他でいろいろな答弁がなされておるところでございまして、私は、この専門的な検討がなされているということで、この問題が早期解決されるように関係省庁における適切な対応を見守っていきたい、このように心から思っているわけです。
○大渕絹子君 大臣、見守るのでなくて積極的に御助言をしていただきたいのです。それは村田大臣、実力もずっとおありになる大臣ですから、言っていただければお力になっていただけると思います。どうぞお願いします。
○続訓弘君 私、大臣に御質問申し上げます。
 それは、六月一日の毎日夕刊に首都移転など三年で結論をと、こんな大臣の閣議後の記者会見でのお話が新聞に報ぜられました。早速、私は複数の都議会議員の人たちから照会の電話を受けました。一体大臣は何を考えているんだ、六月二十七日には都議会議員選挙がある、そんな中で首都移
転など三年で結論をというのは何事だと、こんな話でありました。
 そこで、私は質問者の複数の方々は村田大臣をしっかり理解しておられない面があるんじゃないかと思って、五点にわたって私は大臣の考え方はこうなんですよというお話を申し上げました。これは大臣の考え方を私なりに御説明したわけですから、あるいは間違えているのがあったらこの場で都民に語りかけていただきたいと思います。
 まず第一は、村田大臣は、自民党内でも首都機能移転に関する各種調査会の会長等の要職を務めておられる。そして第二番目に、村田大臣は、長年の行政や政治の御経験から、信念として首都機能の移転論者であると私は思うと。そして第三点として、同時に、村田大臣は真の地方自治確立のための強力な推進論者であると私は理解をしておると。そして第四点として、参議院地方行政委員会で大臣はこんな発言をされた。国は、専ら教育や外交や防衛等の基本的な事項を専管して小さくかつしなやかなそんな政府であるべきだと、一方地方団体は、住民に身近な行政をやる、それは財政もちゃんと伴ったそういう団体であるべきだというのが大臣の持論ですよと、こう申し上げた。
 そして、そのためには大臣はさらにつけ加えてこんなことをおっしゃった、国の現行の仕組みを大胆に変革すべきだと。例えば一万九百件に及ぶ国の許認可権限を向こう三年間で五千件に減らすべきではないか、それは一般の行政の力ではどうにもならぬ、政治の力でやるべきだ、こんなお話をされました、それがたまたまこの新聞に載ったんでしょうと、こういうことも私はお話をしました。そして、一番都民にとって大切なことは、大臣の持論は首都機能移転は単なる首都移転にとどまるものではない、それは都民の幸せを願っての持論ですよと。そして同時に、それは頭越しの移転ではなくて都民の理解と協力を得るという、そういう前提での大臣のお話でしたと、こういうふうに私は申し上げました。
 そこで、きょうは大臣の言葉としてそういう今の大変心配しておられる方々に語りかけていただきたい。
 そして、これはこんないきさつがあるわけであります。五月二十五日の朝日新聞にこんな大きなアンケートの結果が出ているわけであります。それは、今回都議選に出られる有力立候補予定者二百三十六人を対象に十二項目にわたって調査をし、二百三人、八六%から回答をいただいた。その中の一つに、実は首都移転に対する賛成か反対かという意見照会がございます。そしてその結果は、首都移転の質問では、全体で賛成がわずかに一四%、反対五六%、その他二九%、こんなアンケートの結果が出ております。
 したがって、先ほど御心配をされた都議会議員の候補者の方々は、そういうアンケートに答えられた方々と思いますので、その辺のことも含めながら、大臣の本当の真意を都民に語りかけていただきたい、こうお願い申し上げます。
○国務大臣(村田敬次郎君) 大変いい御質問をしていただいてありがとうございます。
 私は、今続委員の御指摘になられた五点、みんな全くそのとおりだと思います。その意味では、続委員は本当に同志だという感じがいたします。
 御指摘の世論調査は、都議会選立候補予定者の二百三十六人なんですね。これは、これから都議会に立とうという人が首都移転に賛成だと言うはずはないですよ。
 私がこの問題を言い出したのは、昭和三十九年、河野一郎建設大臣が閣議で首都移転を言われたときからです。そのときに、亡くなられた桑原愛知県知事に呼ばれて、君はこの問題を専門で研究してくれということがあってから始めたんですね。これを言い出したころは、賛成の方は本当におりませんでした。それから昭和四十四年に国会に出まして、四十八年に、当時の建設大臣に建設委員会で質問したんです。そのときのことは、一部には賛成者もありました。
 でも、とにかく昭和五十年にまた再度の質問をやった後で新首都問題懇談会というのをつくったんですね。これができたときは十三人しか参加していただけなかった。毎月五百円すつ出してくれるんです。十人が国会議員です。現在は二百三十三人おりまして、毎月全部五百円ずつ出してくれるんです。ですから相当のお金が集まるわけですが、そういったわけで、そのくらい、これは国会を優に移転するだけの実力のある方々ですね。それで、国民世論の調査でも首都移転に賛成だという方が目立ってふえているんです。
 昭和五十年にできた後でも、私は忘れてもおりませんが、昭和五十七、八年のころ、先輩の自民党の議員が、村田君、一体いつまで首都移転なんていう頭のおかしくなったようなことを言っているんだと、もうええかげんにあんなものやめちまって、もっと大事な問題をやった方が選挙の票がふえるよと、こう言いました。
 私は、今はそういった欲をできるだけ去ろうと思っておりますので、選挙の票より何よりこれは信念で一生懸命やっているわけですが、今ではそうじゃないんです。実際に、これは二百三十六人の都議会議員の立候補者が対象でございますから、国民全般に首都機能移転をとったら、恐らく賛成が非常にふえていると思います。事実、国会でも衆参両院で国会等移転、何で国会等移転と言ったかというと、首都移転と言うと反対がどうしても出るかもしれないというんで、東京都の方を考えて国会等移転と、こう言っているんです。だけど、中身は明らかに首都移転ですよ。
 それで私は、委員御承知のように、鈴木知事とはもう四十年来の仲でございます。だから、この問題を言い始めるときに、鈴木知事にそいつをそっくり相談しましたら、村田君、本当にそれ考えているのかと言いますから、私は本当に考えておりますと言ったら、よし、よくわかった、私が一回自民党へ行ってそういう話を一回してあげようと言うんで、事実来てくれたんです。なかなかいいところがありまして、自民党の人たちをみんな集めて、わざわざゲストの席に着かないでほかへ着いて話した。それで、首都機能移転は私は賛成だと、だけど首都移転に都知事が賛成するというわけがないと。ただ、この首都機能移転ができる、首都移転ができるというときは革命のときか大災害のときだよと、こう言ったんです。
 それが起こったのが明治維新であり、大災害は大正大震災ですね。それまでに江戸・東京の地というのは、元禄大地震、それから安政大地震ですか、それから大正大震災、その後昭和十九年、二十年の空襲、あれは人災ですけれども、四回起こっているんです。その間わずか二百五十年ぐらいしかたっていません。だから、今度の大災害は、これははっきり申し上げますが、二十一世紀初頭だろうというのが専門家の一致した意見なんですね。もしそうなると、東京をこのままにしておいたらえらいことになる、何としても国を救い東京都を救わなければならぬという使命感があるわけです。
 私は、断っておきますが東京は大好きです。こんな好きなものはない。若いころは、もう東京へ来て住めたら死んでもいいと思うくらい好きでした。今でも好きだから、さっきの大渕さんの質問に対する答えのような、金持ちのところから取り上げて貧乏なところへやるんだなんという、続委員のおることはちゃんとわかっていながらしゃべっている、端的に申し上げているわけです。ですから、首都機能移転が日本を救う道だと思っておるから申しておるのでございまして、今度立候補された方も当選をすれば首都機能移転に賛成されると思います。
 以上でございます。
○続訓弘君 皆さんが今大臣のお気持ちになって理解、協力をしていただければ一番ありがたいんですけれども、なかなか、選挙の立候補者にとってはやはり選挙の争点になるものですから、その理解は今のところ得られないんじゃなかろうか。いずれ、本当に地方自治確立のために、主権確立のためにはこれが必要だということであるとすれば、私は都民は理解をするんじゃなかろうか、こんなふうに思います。
 そこで今度は、ただいま提出されております交付税の補正の関連で具体的に御質問申し上げます。
 今回提出された交付税の補正案は、国の政策減税による影響額を国の財源ではなく地方の財源で補てんする形になっております。特例減額という考え方をとっていると思いますけれども、確かに附則第三条の特例措置は、国と地方の貸し借りで利子をつけないものだから、このような形になるのも一つの結論であろうと思います。しかし、従来、例えば五十二年、五十三年度の戻し税などの国税の政策減税については、国が財源補てんをした実績がございます。そこで、今回その考え方を変更したのかどうか、その辺のことについてお答えいただきたい。
○政府委員(湯浅利夫君) 今御指摘の、年度途中におきまして政策減税などによりまして交付税が減ってしまった場合の取り扱いにつきましては、御指摘のとおり実質的に国が負担したという場合もございますし、それから五十八年度のような場合には、前年度の交付税の自然増収があるものですから、その自然増収の精算分の一部をこの減収に充てるというようなことをやったこともあったわけでございます。精算分を充てるということは自分の財源を充てたということになるわけでございますので、過去の政策減税についてすべて国が補てんをしたということではなしに、やはりそのときどきの国と地方の財政状況というものを勘案して決められたというふうに今私ども理解しているわけでございます。
 そういう観点から見て、今回は国の財政事情等を勘案しましてやはり特例増額という形でこの補てん額を措置するということで両者の間で合意ができたわけでございまして、形式的には、四千億今貸してありますから、そこから四百六十億を減額するということにしたわけでございまして、実質的には特例増額という形で今回は措置させていただいたということでございます。
○続訓弘君 時間ですから、終わります。
○有働正治君 私は、きょうは政府の景気対策と地方財政の関係について質問をいたします。
 昨年八月の総合経済対策に続きまして、今般も地方単独事業のみならず一般公共事業等の裏負担を含むかなりの地方負担があると聞いています。当該年度か後年度負担かという問題はありますが、最終的に地方の負担となるのは具体的にどのくらいの額になるのか、確定的なことは補正が通過前で言えないというんであれば、おおよそどれぐらいという見通しでも結構でありますけれども、いかがでありましょうか。
○政府委員(湯浅利夫君) 今回の総合的な経済対策におきまして、地方の負担として考えられますものは、地方単独事業を二兆三千億円増額するということを予定しておりますので、これは丸々地方の負担になるわけでございます。それから、そのほかに今御指摘の国の公共事業の補正予算に伴いまして地方負担が出てまいります。これは精査をしないとまだはっきりしたことは申し上げられませんけれども、恐らく地方負担として一兆円は超えるんじゃないだろうかということになりますので、合計いたしまして三兆三千億円は超えるのではないかというふうに考えております。
 それから、公共用地の先行取得について一兆二千億円の追加を予定しておりますけれども、これは本来の事業に移行するまでの立てかえのようなものでございますから実質的な地方負担という考え方でカウントする必要はないんじゃないか、こういうふうに考えております。
○有働正治君 この財源は、すべて自治体の借金、地方債であるわけで、三兆数千億、もっと私はふえるんじゃないかと見ているわけですけれども、昨年八月の総合経済対策でも地方負担と借金となっておりまして、この半年ぐらいの間にざっと十兆円ほどの巨額の借金を行うことになるわけであります。特に、景気対策の追加事業に限定されているとはいいましても、昨年八月と今回で合計四兆一千億という巨額の単独事業の財源が地方債一〇〇%というのは、極めて私は常軌を逸したものだと言わざるを得ないわけであります。
 単独事業の財源構成を見てみますと、九一年度決算で、一般財源が六二・九%、地方債が二四・一%となっているようであります。最も財政状況が悪かったオイルショック後の七五年、このときも一般財源で四六・三%で地方債が三八・六%となっていたようであります。自治省は九二年度までは、地方債計画策定方針の中で、近年における地方公共団体の公債負担増高の状況を勘案して引き続き地方債の抑制に努めると、こういうふうに抑制に努めるということをはっきりうたっていたはずであります。
 ところが、ことしになりますと、九三年度にはその文言がなくなっています。これまでの借金抑制の基調の方向を示したそれの縛りを私は解いたという点でこれは極めて重視するわけであります。いわば借金奨励政策に方向を転換したとあえて見ざるを得ないような状況ではないか、これは今後に大きなやはり禍根を残すことにならざるを得ないということを痛感するわけであります。
 今年度九三年度の地方財政計画におきます地方債収入は六兆二千二百五十四億円である。これから見まして、今回の景気対策による、先ほど述べられました借金がどれほど大きいかということは理解されるわけであります。今年度の地方財政計画における地方債の依存度は八・一%であります。新たな地方債増発によって、地方債依存度は少なくとも二けたのパーセントになるんではないかということを私は想像するわけでありますけれども、この点どうなのか。そして、こうした借金について、やはりあくまで自治省といえどもよしというわけにはいかないというふうに考えるわけでありますけれども、見直し、再考が私は求められていると考えるわけでありますけれども、見解を求めます。
○政府委員(湯浅利夫君) 平成五年度におきまして、地方財政計画におきましても、今までの地方債の抑制基調ということから方向転換をしたのではないかということでございますが、税収が順調なときにはやはり地方債を抑制して財政の健全性をそのときに高めておくということをやっておかなきゃならないということで、ここまで数年の間ではそういう基調でいろいろな財政運営が行われました。その結果、特別会計の借入金の繰り上げ償還をいたしましたし、また特例的に発行いたしました地方債の繰り上げ償還措置を地方財政計画でとるというような形で、公債費の重圧をなるべく税収入の好調な間にやっておこうという、こういう措置で今まで来たわけでございます。
 しかしながら、昨今の経済情勢の中で税収入も鈍化してきた、それからこういう経済状況の中ではやはり積極的に経済対策を行っていかなければならないということで、やはりこういう時期には地方債を活用しても景気浮揚のために努力をしていかなければならないんではないかということで、今年度の地方債計画の策定に当たりましては、地方債をむしろ活用して単独事業などを積極的にやっていただこうということにしたわけでございます。
 御指摘のように、さらに追加対策におきまして単独事業を大幅に追加するということをやりますと、地方債の依存度は非常に高くなってまいります。この点は仰せのとおりでございまして、これを長い間続けるということは許せないわけでございまして、最近の経済状況、幾らか明るさも出てきたというようなことも言われておりますので、回復が行われた段階ではやはりこの点はきちんとけじめをつけて財政運営をしていかなければならないというふうに考えておりますし、また、将来におきまして公債費の増高が財政運営の支障にならないように毎年度毎年度の公債費負担を注意深く見守りながら財政計画を策定してまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○有働正治君 借金のツケというのは、結局、最終的には国民にはね返るわけであります。かつての財政危機を通じましてどういうことが起きたか。財政危機をてこにして、第二次臨調、地方財政が大幅圧縮される、それから地方行革が推進さ
れて住民負担増とサービスの切り下げが進められた、住民が体験しているところであります。それのみか、やはり最終的に大衆課税としての消費税導入にこれが結びついていったと私どもは見ているわけであります。結局、借金政策がもたらすものは自治体や住民に犠牲を強いることにならざるを得ないわけであります。
 そこで、大臣にお尋ねします。
 今般のこうした施策の中で、今後そういう犠牲がより強いられる面が出てこざるを得ないと私は考えるわけであります。公共料金の引き上げたとかあるいは消費税率の引き上げ、これにもつながりかねない、そういう点で、こういうことにならない、させないという決意と保障、大臣にお伺いします。
○政府委員(湯浅利夫君) 大臣の御答弁の前に私からちょっと申し上げたいと思います。
 やはり景気対策をやらなければ我が国の経済はいよいよ落ち込んでしまうということで、税収の不足の中でどうしたらいいかということになれば、こういう事態にやはり公債を活用して事業をやっていかざるを得ないわけでございます。しかし、これを長く続けちゃいけない。それは財政を悪くするわけでございますから、ここのけじめはきちんとつけながら財政運営していくということを先ほど来申し上げているわけでございまして、現段階での地方債の活用ということはやむを得ない選択ではなかったかと思うわけでございます。
○国務大臣(村田敬次郎君) 特に委員は地方債のことに非常に重点を置いて言われたように思います。
 国債についても地方債についても、これはまさに借金財政でありますから、そこに一定の限度がなきゃいかぬということで、国債は建設国債ならばという考え方があるわけでございます。地方債も、いわゆる地方債の許可については当分の間政府がこれを行うということになっておって、この「当分の間」が連綿として続いておるわけでございますが、これは地方団体の財政を保障するという意味で地方債の許可を持っておるんだと思います。
 したがって、国債、地方債、おのずから一定の限度がなければならない、ただの借金財政ではならないということでありまして、現在の地方財政が非常に危機に瀕しておるということもよくわかっておりますし、国家財政も大変な難しいときであるということはわかっております。したがって、御指摘の点も対応しながら今後の地方財政に対処してまいりたい、このように思っております。
○有働正治君 昨年に続きまして、今回も自治体に借金を奨励するために地方債の増発分の元利償還分を後年度の交付税で措置するという方式をとっています。最近、極めて安易にこうした方式がとられている感じが私はするわけであります。基準財政需要額におけるその額はどれくらいになっているのか、公債費として算入される場合と事業費補正として算入される場合があると聞いていますが、それぞれ幾らになるのか、そしてその合計額が基準財政需要額の何%ぐらいになるのか、事前に計算をしていただくようにお願いしておきましたので、結論をお願いいたします。
○政府委員(湯浅利夫君) 平成四年度の基準財政需要額しか今のところわかりませんが、この基準財政需要額の算定の中で、道路、港湾などの事業に充てられました地方債の元利償還金分、これを事業費補正によって措置をしている部分がございますが、この分が九千九百五十五億円、それから災害復旧事業、過疎対策事業などの公債費分として措置されたのが一兆五千五百五十八億円、合計二兆五千五百十三億円でございまして、基準財政需要額全体に占める割合は六・三%でございます。
○有働正治君 これは将来の交付税の先食いとなるものにほかなりません。それ自体が私は問題だと言わなければなりません。
 九二年度で、既に答弁のように、基準財政需要総額の六・三%に上っているわけで、昨年度と今年度の巨額の借金によってこの比率はさらにアップすることは必至であります。これは、通常の公債費負担のほかに地方交付税そのものが過去の借金返しに特定されてしまうということになるわけであります。ほかの財政需要を圧迫し、特に投資的経費への影響が大きく新たな事業が制約されるなど、結局、住民へのしわ寄せとなってはね返ってくるものであります。こうした借金返しの費用は、義務的費用の最たるものでありまして、財政硬直化を進めると同時に、使途の自由な一般財源である地方交付税を特定財源化するものともなるわけでありまして、二重三重に本来の交付税制度の趣旨をゆがめるものであると考えるわけであります。
 私は、歯どめなき借金政策を非常におそれます。一たん入り込めば、いわば一種の麻薬のようなもので、気がついたときには取り返しがつかないという事態に陥りかねないからであります。先ほど来、これは本来ではないという趣旨のことも述べておられますけれども、歯どめがあるのかどうか、地方財政全体としても個々の自治体としても、具体的にそうならないという対策と決意を示していただきたい。
○政府委員(湯浅利夫君) 交付税の基準財政需要額の中の公債費のウエートがだんだん高くなってくるということ、このこと自体を交付税の硬直化と結びつけるというのは私はいかがなものかなという気がいたしています。
 というのは、基本的にはやはり借金というのは将来の税負担の先食いでございますから、交付税に入れようが入れまいが地方財政全体の中の問題としてこれは考えていかなきゃならない問題でございます。そういう観点からいきまして、基本的には全体の地方財政の中に占める公債費の割合というものを一定の適正な水準に維持しておくこと、このことが重要なことだというふうに考えるわけでございます。
 その適切な水準というのはどれだけかということは計数的に申し上げるのはなかなか難しいわけでございますけれども、近年におきましては、少なくとも平成三年度までにおきましては公債費の負担比率は逐年下がってきております。そういうことは、毎年度の財政運営を慎重に、しかも税収の伸びに支えられてやってきたわけでございますから、こういう傾向というものをよくこれからも生かしていかなければならないというふうに考えているわけでございまして、たまたま現段階のこういう景気の状況で出しました地方債の分につきましては、これは今後適当な時期にやはり公債費の負担の重圧にならないような措置をとっていくべきではないかというふうに考えているわけでございます。
○委員長(佐藤三吾君) これは大事なことですから、大臣の決意をいただけますか。
○国務大臣(村田敬次郎君) 親が子や孫に借金を残してはいけないというのは非常にわかりやすい原理でございまして、今委員が御指摘になられた点は、今後財政の運営の上でよく考えなければならない基本原理を一部含んでおると思います。各党の御意見をよく承りながら地方財政の運営をしていきたいと思います。
○有働正治君 終わります。
○西川潔君 どうぞよろしくお願いいたします。
 せんだっては、下村委員が障害者の皆さん方の立場から、いろいろ防火、防災について御質問を行われたわけですが、本日私は高齢者の皆さん方の防火対策についてお伺いをしたいと思います。
 短い時間の中ですのでちょっとスピードアップをさせていただきますが、最近、火事によりましてお年寄りがたくさん亡くなっているというテレビや新聞での報道を見聞きいたしますと、本当に寂しい限りです。我が家も親子三代の生活でございますが、これから二十一世紀に向かいまして、ひとり暮らしのお年寄り、そしてまた高齢者がお二人でという、皆さん方本当に大変心配をしておられます。お年寄りを在宅で介護する家庭がふえていくことを考えますと、火災によって亡くなるお年寄りがふえるわけですから、住宅火災による
死亡者の約半数がまた高齢者の皆さんであるというふうに報道もされており、今後消防行政を進めていかれる上においても高齢化対策は大変重要な問題であると思います。
 我が国の火事の発生件数は人口一万人当たり四・九、アメリカでは九十七件ということですから、日本の各家庭における火事に対する警戒、予防というのは非常にすぐれたものではないか、こういうふうに思うわけですが、しかし、いざ毎日の生活を振り返ってみますと、例えば消火器の点検を行ったりカーテンやカーペットをできるだけ防炎製品を使うようにという気持ちはありましても、実行に移すということはなかなか難しいことでございます。あるいは日常生活では、その危険性に気づかないままになっているようなケースが多々あるわけです。
 こうした中で、各家庭に対する特に高齢者世帯に対しての訪問指導や相談窓口を含めました相談指導体制については具体的にどのような取り組みを行われておりますのか。また、二年前からでございますが住宅防火診断の取り組み状況、これはすばらしいことだと思うんですけれども、あわせてお伺いしたいと思います。
○政府委員(吉原孝司君) 今御指摘もございましたように、住宅での死者の約半数が六十五歳以上の高齢者が占めている、私どもそういう意味で高齢者等に対する防火安全対策というのは大変重要だというふうに認識をいたしております。
 そんなことで、従来から、各消防機関におきましては春秋に火災予防運動を行っておりますけれども、こうした機会等を利用いたしまして防火訪問を実施し指導いたしております。加えまして、今委員御指摘のように、平成三年三月に住宅防火対策推進に係る基本方針というものをつくりまして、高齢者や障害者の災害弱者が居住する住宅を中心に防火指導を重点的に実施しているということでございます。
 ちなみに、防火指導の状況でございますけれども、平成四年十二月現在で申し上げますと、全国で九百五十三本部のうち三百六十六の本部、三八・四%でございますが、で既にこうした取り組みに積極的に取り組んでいただいておりますし、そのうち診断された住宅は約十三万件というように今なっているような状況でございます。
 今後とも、ぜひそうした機会をできるだけとらえて、今御指摘のような観点から指導をしていきたいと思っております。
○西川潔君 高齢者世帯などに対する訪問指導等を行う場合に、もちろん緊急時の対応を行う場合にいたしましても、まずどのような人がどこにいるのか、これが本当に大切なことだと思います。実態の把握が不可欠であるということは、災害弱者の防災対策推進に関する調査研究報告書で次のような問題が指摘されております。ちょっと読ませていただきますが、
  問題点と今後の課題
  災害弱者の実態把握の困難とその解消方向
  災害弱者の実態(どのような人がどこにいる
 か)の把握が困難である。各部局(福祉事務所、
 保健所、消防局等)でそれぞれ把握している場
 合もあるが、それぞれ守秘義務がネックとなっ
 てお互いにある特定の人について共同して対策
 を実施することができず横の連携がとれない。
 そこで行政の各部局が協力して特定の人に対策
 を実施できるような体制が制度的にできるよう
 にしてもらいたい。また電算条例等で個人情報
 が保護されることになっているが、例外規定と
 して防災対策上の利用を認めていくことも考え
 られる。ということでございますが、大変難しい問題ではあると思うんですけれども、この点についてもどういうふうなお考えかということをお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(吉原孝司君) 地域の高齢者等に対します防火対策の指導に当たりましては、地域におきます高齢者等の実態把握が何よりも重要なことであるということはもう御指摘のとおりでありまして、先ほどの答弁の中でも申し上げましたように、訪問相談等を通じまして個別の家庭に訪れておりますので、そうした機会を通じて、できるだけ消防は消防なりに情報の正確な把握に努めているところであります。もちろん、そうした中で他の部局の持っている情報も活用できるといいわけですけれども、御指摘のように、プライバシーの問題もございます。
 私どもは、そうした中ではありますけれども、関係部局等、特に福祉とかあるいは衛生という関係でございますけれども、そうした関係部局との連絡調整の場を設置するように、そしてそういう中で情報を共有し合いながらよりきめ細かな対策がとれるようにということで、都道府県を通じまして消防機関を指導いたしております。難しい問題でございますけれども、引き続き努力をさせていただきたいと思います。
○西川潔君 あちらを立てればこちらが立たずという大変難しいことも多々あるかと思いますが、よろしくお願いいたします。
 次に、住宅の防火診断の項目には住宅用防災機器等の設置状況が含まれておるわけですが、暖房、調理器具や寝具、カーテンなどの防災製品については、最近デパートの店頭などで目にする機会も多くなってきているわけですけれども、価格面などを考えますと一般家庭ではまだまだではないかと思うわけです。いま少し時間がかかると思いますが、これからの防災機器の普及、実用化に向けまして、研究開発の現状と、そしてまた、これから大変大切なことではありますが、特に高齢化に向かいまして家庭用スプリンクラー、こういうものなどの研究もあわせて御説明をいただきたいと思います。
○政府委員(吉原孝司君) 安心して使用できるということが基本的に需要を喚起し、そしてまたそれが研究開発を促すという構造になっているわけでございますから、消防庁といたしましては、住宅防火対策につきまして必要な機器をとにかく的確に供給する、そういうことのためにガイドラインというものをつくっております。このガイドラインに適合します機器には住宅用防災機器等推奨制度というものをつくりまして、平成三年九月からそのガイドラインに適合したものを推奨するという制度をつくっております。
 推奨対象品目といたしましては、寝具類あるいは衣服等の防災製品、住宅用火災警報器あるいは住宅用消火器等々でございまして、平成五年五月三十一日現在で十一品目、百二型式を認定いたしております。こうした認定された機器につきましては、住宅防火対策推進のシンボルマークであります住宅防火安心マークというものを貼付することになっておりますから、購入する一つの目安にさせていただいていると思っております。
 それから、なおスプリンクラーの設備の開発、実用化の現状でございますけれども、平成三年三月に、水道の給水管から直結して作動するというようなものを想定いたしました住宅用スプリンクラーの整備に関するガイドラインを定めておりまして、現在これに二社の製品が既に合格をして市場に出ているような状況であります。そうした状況でございますので、本年度からは住宅用スプリンクラーにつきまして住宅金融公庫の割り増し融資の対象にされたというようなこともございます。
 今後とも、大変重要なことと考えておりますので、普及促進に努めてまいりたいと思います。
○西川潔君 ありがとうございます。
 次に、緊急通報システムについてお伺いしたいと思います。
 このシステムにつきましては、ひとり暮らしのお年寄りにとりましては緊急時の不安を解消するという点で大変注目を集めているわけですけれども、在宅ケアサービスの新しい事業といたしましても全国的に普及しつつあるわけです。現実には、このシステムはいまだにまだ完成をされていないという段階にあるようですけれども、いろいろ課題も指摘されておりますが、例えば身近な課題といたしましては、通報の大半が誤報である、ひとり暮らしは大変寂しい、話し相手が欲しい、
何かのときでもすぐに押してしまう、連絡をしてしまうということがあるわけです。
 また、あるいは協力員となる方が身近にいたといたしましてもかぎを預けたりすることを大変、まあこれは国民性というんでしょうか、うちの親もそうですけれども、親子でも通帳を預けてもらったり印鑑を預けてもらったりかぎを預けてもらったりというように、大変難しいことが多々あります。父親なんか腹巻きからすぐに一万円貸してと言ったら貸してくれるんですが、母親は一遍後ろ向いて、中からたくさんこう出したり、決してたくさん現金が入っているわけではないんですが、何かはがきや書類やらいっぱい入っているわけですけれども、なかなか人様が信用できないというようなことがあるそうでございます。
 消防署や老人ホーム、地域によっては直接近所の協力者宅などに、各地域によってさまざまな形で取り組んではおりますが、いずれの場合にいたしましても長所や短所はあるわけです。消防庁が行っている災害弱者緊急通報システムモデル事業の場合は消防機関にセンターを設置されているということですが、この場合には、緊急時の対応という点については大変安心だと思うわけです。消防機関は忙しいわけですが、所管外の福祉面での要請も多くあるということも聞いておりますし、その際の福祉部局との連携が非常に困難であるとも伺いました。事業を進める中で、こうした点も含めましてどのような課題がそちらの方で発生しているのか、お伺いしたいと思います。
○政府委員(吉原孝司君) この緊急通報システムは消防だけでなくて福祉の部門でも行われているわけですけれども、消防において行っておりますのが今質問の中で御説明いただきました災害弱者緊急通報システムモデル事業というものでございます。これも今御指摘になりましたように、やっぱり他のシステムと同じような問題点の指摘がございます。
 例えば誤報が多い、あるいは一一九番を受けつけているときには本システムによる通報に対応できないとか、あるいは今言われましたように、寂しさというんでしょうか、話し相手が欲しいということ、そういうようなケースもあるようでございます。さらにまた、山間部においては隣が遠いというようなことで協力がなかなか得られない、あるいは消防機関から利用者へ音声で呼び返すときに、難視聴でありますとかあるいは雑音等で状況が正確に把握できないとか、そういうようなケースは、こうした通報システムには共通のやっぱり問題があるようでございます。
 そうした問題をいずれも抱えておりますので、私どもモデル事業を三年間ということで始めましたけれども、そうした状況の中で、平成四年度からはもう三カ年やってみようということで、過去の抱えた問題点もさらに含めながら、具体的な改善策を検討するというようなことで今取り組んでいるところでございます。
○西川潔君 二十二分まででございますので、あと三分しかないんですけれども、次に将来の検討状況についてお伺いいたします。
 消防庁の自動通報システム調査研究委員会が二年前にまとめられました報告書の中で、傷病者からの通報なしで異変を知らせることができる自動通報システム、この検討を行うよう指摘しております。具体的には、人の生活のリズムに着目して、水道、そしてまた台所、そして水洗トイレ、そういうところに設置して一定期間反応がなければ通報が入るというようなことでございますが、安否の確認用センサーシステム、あるいは体調の変化、心拍数や体温などを基準にするバイタルサインスシステム、これが紹介されておりますが、その後の検討状況、実際に取り組まれております宮城県の宮城方式など実例を含めましてお伺いしたいのと、最後に大臣に、今後の高齢化社会における防火対策についてどのように推進していかれるのかということをお伺いして、質問を終わりたいと思います。
○政府委員(吉原孝司君) 安否確認用センサーシステムあるいはバイタルサインシステム、これは平成二年の自動通報システム調査研究の中で取り上げたものでございますが、御指摘の報告書の中でもその普及に当たっての問題点が既に指摘をされているわけであります。
 したがいまして、消防庁といたしましては、御報告いたしております緊急通報システム、つまりペンダントを使ったやってございますけれども、ペンダントを使用いたしましたモデル事業を通じて、そうした指摘を受けた課題の把握にも努めております。そうした過程の中で、これからのシステムの全国的な望ましい展開のあり方、さらにその実用化のあり方、そういうものを検討していきたいと思っております。
 なお、宮城県の方式でございますが、これはペンダントや非常ボタンによります緊急通報受信センターへの緊急通報システムというのがまず一次的にございます。そして二次的な手段といたしまして、安否確認用センサーを対象世帯のトイレのドアにくっつける、二十四時間ドアが開閉されたかどうかを調べて自動的に定時通報するというようなシステムが構築されていると聞いております。平成五年三月時点で千七百人ほどが利用されているというようにお聞きをいたしております。
 いずれにいたしましても、全国各地でいろいろな先進的な取り組みが行われているわけでございます。そうした取り組みの実験というのを私どもも大いに歓迎をいたしているところでございますが、そうしたいろいろな取り組みの実験を通じてよりよい施策を今後とも組み上げて、そして消防機関の果たすべき役割も踏まえながら消防としても努力をさせていただきたいと思います。
○国務大臣(村田敬次郎君) 本格的な高齢化社会を迎える我が国にとりまして、高齢者やお体の不自由な方々、こういった方々に対する安全対策は一番重要な問題だと思います。
 そこで、先ほど来西川委員が御指摘になった住宅防火診断の実施あるいは住宅用火災警報機、通報装置など住宅用防災機器の開発普及など、住宅防火対策をさらに充実強化いたしまして、そして災害時における支援、それから避難体制の確立などの防災対策を推進して、高齢者の方やお体の不自由な方々が安心して暮らせるような地域づくりに努めてまいりたいと思います。
○委員長(佐藤三吾君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
    ―――――――――――――
○委員長(佐藤三吾君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、坂野重信君が委員を辞任され、その補欠として矢野哲朗君が選任されました。
    ―――――――――――――
○委員長(佐藤三吾君) 次に、地方行政の改革に関する調査のうち、地方自治法の一部を改正する法律案に関する件を議題といたします。
 本件につきましては、久世公堯君から委員長の手元に地方自治法の一部を改正する法律案の草案が提出されております。内容はお手元に配付のとおりでございます。
 この際、まず提案者から草案の趣旨について説明を聴取いたします。久世公堯君。
○久世公堯君 ただいま議題となりました地方自治法の一部を改正する法律案の草案について、その趣旨及び内容を御説明申し上げます。
 最近における社会経済の進展に伴い、国と地方の双方に関係する行政分野が拡大しており、国と地方公共団体の相互信頼の上に立った協力協同関係の一層の促進が図られることが要請されております。
 そこで、地方公共団体全体の意向を国政に適切に反映するため、都道府県または市町村の長または議会の議長の全国的連合組織で自治大臣に届け出をしたものは、地方自治に影響を及ぼす法令その他の事項に関し、自治大臣を経由して内閣に対し意見を申し出、または国会に意見書を提出することができることとするものであります。なお、この法律は公布の日から施行することといたして
おります。
 以上が、この法律案の草案の趣旨及び内容であります。
 何とぞ、委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
 なお、この際、草案の次の点について、念のため申し添えさせていただきます。
 本案のうち、「自治大臣を経由して」の規定は、事務手続規定であります。
 以上であります。
○委員長(佐藤三吾君) 本草案に対し、質疑、御意見がございましたら御発言を願います。別に御発言もなければ、本草案を地方自治法の一部を改正する法律案として本委員会から提出することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(佐藤三吾君) 御異議ないものと認めます。よって、さよう決定いたします。
 なお、本会議における趣旨説明の内容につきま。しては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(佐藤三吾君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
○委員長(佐藤三吾君) 次に、地方行政の改革に関する調査のうち、地方分権の推進に関する件を議題といたします。
 岩本君から発言を求められておりますので、これを許します。岩本君。
○岩本久人君 私は、自由民主党、日本社会党・護憲民主連合、公明党・国民会議、民社党・スポーツ・国民連合、二院クラブ及び日本新党の各派共同提案による地方分権の推進に関する決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    地方分権の推進に関する決議(案)
  今日、さまざまな問題を発生させている東京への一極集中を排除し、国土の均衡ある発展を図るとともに、国民が等しくゆとりと豊かさを実感できる社会を実現していくために、地方公共団体の果たすべき役割に国民の強い期待が寄せられており、中央集権的行政のあり方を問い直し、地方分権のより一層の推進を望む声は大きな流れとなっている。
  このような国民の期待に応え、国と地方の役割を見直し、国から地方への権限移譲、地方税財源の充実強化等地方公共団体の自主性、自律性の強化を図り、二十一世紀にふさわしい地方自治を確立することが現下の急務である。
  したがって、地方分権を積極的に推進するための法制定をはじめ、抜本的な施策を総力をあげて断行していくべきである。
  右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ各位の御賛同をお願いいたします。
○委員長(佐藤三吾君) ただいまの岩本君提出の決議案の採決を行います。
 本決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(佐藤三吾君) 全会一致と認めます。よって、本決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、村田自治大臣から発言を求められておりますので、これを許します。村田自治大臣。
○国務大臣(村田敬次郎君) ただいまの地方分権の推進に関する決議に対しまして所信を申し述べます。
 一極集中を是正して国土の均衡ある発展を図り、ゆとりと豊かさを実感できる生活大国をつくり上げていくためには、地方公共団体の果たすべき役割は重要であり、地方分権を推進していくことが必要であります。
 また、二十一世紀の我が国のグランドデザインを考えるに際しましても、現在議論されている政治改革、国会等移転にあわせ、地方分権を新時代のキーワードとして、国と地方のあり方を含めた論議が必要であると考えております。
 御指摘のとおり、地方分権のより一層の推進を望む声は大きな流れをなっており、ただいま採択されました御決議の趣旨、委員会の御決意に十分配意して、政府といたしましても今後とも地方分権のより一層の推進に全力を尽くしてまいる所存であります。
○委員長(佐藤三吾君) 速記をとめてください。
   〔速記中止〕
○委員長(佐藤三吾君) 速記を起こしてください。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時三十分散会