第126回国会 決算委員会 第5号
平成五年五月十二日(水曜日)
   午後一時四十八分開会
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   委員の異動
 四月十九日
    辞任         補欠選任
     翫  正敏君     西野 康雄君
 四月二十一日
    辞任         補欠選任
     喜屋武眞榮君     下村  泰君
 五月十一日
    辞任         補欠選任
     常松 克安君     荒木 清寛君
 五月十二日
    辞任         補欠選任
     森  暢子君     三重野栄子君
     山下 栄一君     風間  昶君
  出席者は左のとおり。
    委員長         大渕 絹子君
    理 事
                沢田 一精君
                鈴木 貞敏君
                会田 長栄君
                西野 康雄君
                木庭健太郎君
                高崎 裕子君
    委 員
                鎌田 要人君
                北澤 俊美君
                木暮 山人君
                佐藤 静雄君
                清水 達雄君
                椎名 素夫君
                陣内 孝雄君
                永野 茂門君
                南野知惠子君
                藤江 弘一君
                守住 有信君
                矢野 哲朗君
                菅野  壽君
                中尾 則幸君
                西岡瑠璃子君
                堀  利和君
                三重野栄子君
                村田 誠醇君
                森  暢子君
                荒木 清寛君
                風間  昶君
                山下 栄一君
                直嶋 正行君
                井上 哲夫君
                下村  泰君
   国務大臣
       大 蔵 大 臣  林  義郎君
       国 務 大 臣
       (内閣官房長官) 河野 洋平君
       国 務 大 臣
       (総務庁長官)  鹿野 道彦君
        ―――――
       会計検査院長   中島  隆君
        ―――――
   政府委員
       人事院総裁    弥富啓之助君
       人事院事務総局
       任用局長     吉川 共治君
       内閣総理大臣官
       房審議官     高岡 完治君
       内閣総理大臣官
       房管理室長    石倉 寛治君
       国際平和協力本
       部事務局長    柳井 俊二君
       国際平和協力本
       部事務局次長   萩  次郎君
       公正取引委員会
       委員長      小粥 正巳君
       公正取引委員会
       事務局審査部長  糸田 省吾君
       警察庁長官官房
       総務審議官    田中 節夫君
       警察庁警務局長  井上 幸彦君
       宮内庁次長    宮尾  盤君
       皇室経済主管   河部 正之君
       総務庁長官官房
       長        八木 俊道君
       総務庁長官官房
       審議官
       兼内閣審議官   陶山  晧君
       総務庁長官官房
       会計課長     瀧上 信光君
       総務庁行政管理
       局長       増島 俊之君
       総務庁恩給局長  稲葉 清毅君
       外務大臣官房審
       議官       津守  滋君
       大蔵大臣官房会
       計課長      中川 隆進君
       大蔵大臣官房審
       議官       薄井 信明君
       大蔵省主計局次
       長        武藤 敏郎君
       大蔵省銀行局長  寺村 信行君
       大蔵省国際金融
       局長       中平 幸典君
       大蔵省長官官房
       国税審議官    窪田 勝弘君
       国税庁調査査察
       部長       野村 興児君
       厚生大臣官房審
       議官       佐々木典夫君
   事務局側
       事 務 総 長  戸張 正雄君
       常任委員会専門
       員        吉田 堯躬君
   裁判官弾劾報判所事務局側
       事 務 局 長  生天目忠夫君
   裁判官訴追委員会事務局側
       事 務 局 長  澁川  滿君
   国立国会図書館側
       館     長  加藤木理勝君
       図書館協力部視
       覚障害者図書館
       協力室長     秋山 芳明君
   説明員
       総務庁行政管理
       局行政情報シス
       テム参事官    大橋 豊彦君
       外務省アジア局
       南東アジア第一
       課長       山本 忠通君
       外務省北米局北
       米第一課長    小澤 俊朗君
       社会保険庁総務
       部経理課長    池田  登君
       会計検査院事務
       総局次長     白川  健君
       会計検査院事務
       総局事務総長官
       房総務審議官   天野  進君
       会計検査院事務
       総局第一局長   阿部 杉人君
       会計検査院事務
       総局第二局長   小川 幸作君
       会計検査院事務
       総局第三局長   佐藤 恒正君
       会計検査院事務
       総局第五局長   中島 孝夫君
   参考人
       国民金融公庫総
       裁        平澤 貞昭君
       日本道路公団理
       事        山下 宣博君
       日本開発銀行総
       裁        吉野 良彦君
       日本輸出入銀行
       総裁       山口 光秀君
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  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○平成二年度一般会計歳入歳出決算、平成二年度
 特別会計歳入歳出決算、平成二年度国税収納金
 整理資金受払計算書、平成二年度政府関係機関
 決算書(第百二十三回国会内閣提出)(継続案
 件)
○平成二年度国有財産増減及び現在額総計算書(
 第百二十三回国会内閣提出)(継続案件)
○平成二年度国有財産無償貸付状況総計算書(第
 百二十三回国会内閣提出)(継続案件)
○平成二年度一般会計予備費使用総調書及び各省
 各庁所管使用調書(その2)(第百二十三回国
 会内閣提出、第百二十六回国会衆議院送付)
○平成二年度特別会計予備費使用総調書及び各省
 各庁所管使用調書(第百二十三回国会内閣提出
 、第百二十六回国会衆議院送付)
○平成二年度特別会計予算総則第十一条に基づく
 経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書
 (第百二十三回国会内閣提出、第百二十六回国
 会衆議院送付)
○平成二年度特別会計予算総則第十二条に基づく
 経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書
 (その2)(第百二十三回国会内閣提出、第百
 二十六回国会衆議院送付)
○平成三年度一般会計予備費使用総調書及び各省
 各庁所管使用調書(その1)(第百二十三回国
 会内閣提出、第百二十六回国会衆議院送付)
○平成三年度特別会計予備費使用総調書及び各省
 各庁所管使用調書(その1)(第百二十三回国
 会内閣提出、第百二十六回国会衆議院送付)
○平成三年度特別会計予算総則第十三条に基づく
 経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書
 (その1)(第百二十三回国会内閣提出、第百
 二十六回国会衆議院送付)
○平成三年度一般会計予備費使用総調書及び各省
 各庁所管使用調書(その2)(内閣提出、衆議
 院送付)
○平成三年度特別会計予備費使用総調書及び各省
 各庁所管使用調書(その2)(内閣提出、衆議
 院付)
○平成三年度特別会計予算総則第十三条に基づく
 経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書
 (その2)(内閣提出、衆議院送付)
○平成四年度一般会計予備費使用総調書及び各省
 各庁所管使用調書(その1)(内閣提出、衆議
 院送付)
○平成四年度特別会計予算総則第十四条に基づく
 経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書
 (その1)(内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
○委員長(大渕絹子君) ただいまから決算委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る四月十九日、翫正敏君が委員を辞任され、その補欠として西野康雄君が選任されました。
 また、去る四月二十一日、喜屋武眞榮君が委員を辞任され、その補欠として下村泰君が選任されました。
 また、昨日、常松克安君が委員を辞任され、その補欠として荒木清寛君が選任されました。
    ―――――――――――――
○委員長(大渕絹子君) 次に、理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が二名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大渕絹子君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に西野康雄君及び木庭健太郎君を指名いたします。
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○委員長(大渕絹子君) 次に、平成二年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)、平成二年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書、平成二年度特別会計予算総則第十一条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書、平成二年度特別会計予算総則第十二条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その2)、平成三年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)、平成三年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)、平成三年度特別会計予算総則第十三条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その1)、平成三年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)、平成三年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)、平成三年度特別会計予算総則第十三条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その2)、平成四年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)、平成四年度特別会計予算総則第十四条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その1)、以上十二件を一括して議題といたします。
 まず、これらの説明を聴取いたします。林大蔵大臣。
○国務大臣(林義郎君) ただいま議題となりました平成二年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)外十一件の事後承諾を求める件につきまして、その大要を御説明申し上げます。
 まず、平成二年度一般会計予備費予算額三千二百五十億円のうち、平成三年一月八日から同年三月二十九日までの間において使用を決定いたしました金額は六百七十一億円余であります。
 平成二年度各特別会計予備費予算総額二兆一千三億円余のうち、平成三年三月五日から同年三月二十九日までの間において使用を決定いたしました金額は三百二十七億円余であります。
 平成二年度特別会計予算総則第十一条及び第十二条の規定により、平成三年三月二十日から同年三月二十九日までの間において経費の増額を決定いたしました金額は四百四十三億円余であります。
 第二に、平成三年度一般会計予備費予算額一千五百億円のうち、平成三年四月二日から平成四年三月二十七日までの間において使用を決定いたしました金額は一千四百四十五億円余であります。
 平成三年度各特別会計予備費予算総額二兆三千五百二十九億円余のうち、平成三年十月二十五日から平成四年三月二十七日までの間において使用を決定いたしました金額は四十六億円余であります。
 平成三年度特別会計予算総則第十三条の規定により、平成三年九月二十日から平成四年三月三十一日までの間において経費の増額を決定いたしました金額は二百九十八億円余であります。
 第三に、平成四年度一般会計予備費予算額二千億円のうち、平成四年四月三日から平成五年一月二十二日までの間において使用を決定いたしました金額は二百九十七億円余であります。
 平成四年度特別会計予算総則第十四条の規定により、平成四年九月十一日から平成五年一月八日までの間において経費の増額を決定いたしました金額は百二十二億円余であります。
 以上が予備費使用総調書等についての大要であります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御承諾くださいますようお願い申し上げます。
○委員長(大渕絹子君) 以上をもちまして説明の聴取は終了いたしました。
 それでは、ただいま聴取いたしました予備費関係十二件及び平成二年度決算外二件のうち、皇室費、国会、会計検査院、内閣、大蔵省、総理府本府、総務庁、国民金融公庫、日本開発銀行、日本輸出入銀行の決算を便宜一括議題とし、審査を行います。
    ―――――――――――――
○委員長(大渕絹子君) この際、お諮りいたします。
 議事の都合により、これらの決算の概要説明及び決算検査の概要説明は、いずれもこれを省略して、本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大渕絹子君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
    ―――――――――――――
○委員長(大渕絹子君) それでは、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○会田長栄君 会田でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 四月十九日の本決算委員会におきまして、私は、日本人国連ボランティア中田厚仁さんに心から哀悼の意を表して決算審査に入りました。こういうことが二度と起きないようにということを念じつつ、御遺族に対しお悔やみを申し上げながら入ったわけであります。したがいまして、きょうはカンボジア問題とPKO活動の問題についてまず最初にお伺いしていきたい、こう思います。
 本日もまた、カンボジアに派遣されておりましたところの文民警察官高田警視がとうとい命を落とされて、そしてまた仲間が負傷されまして、言葉に言い尽くせないものを残してこの審査に入るところでございます。その意味では、故高田警視に対しまして国会議員の一人として哀悼の意を表すると同時に、御遺族に対して心からお悔やみ申し上げるとともに、何といっても故高田警視はまだ若い奥さん、いたいけな子供を残しての、とりわけみずから命を落とす寸前に仲間の安全を気遣って亡くなっていったことを思うとまことに言葉もない、こういう心境でございます。その意味ではこういうことが二度三度と起きないように念じつつ、以下質問に入っていきたい、こう思っております。
 あわせて、故高田警視とともにポル・ポト派と言われる集団の攻撃に遭い、負傷されて今入院されておりますところの文民警察官の方々に対してもお見舞い申し上げると同時に、一日も早く回復されるように御祈念を申し上げる次第であります。
 さてそこで、今日のカンボジア情勢、とりわけカンボジア和平のパリ協定というのが一九九一年の十月に成立して今日あるわけであります。日本政府がこのパリ和平協定ができる一年前に、東南アジアの平和と安定を日本がリードしてつくっていくという気持ちの上に立って、実は九〇年六月にカンボジア和平のための東京会議というのを開かれた。だから、カンボジア和平のために日本政府の果たした役割というのはまことに大きい。先導的役割を果たしてきた。しかし、今日のような状況であります。
 第一に、今日のカンボジア情勢につきましてどのように実態を把握し認識しているのかということについて、外務省にお尋ねいたします。
○説明員(山本忠通君) お答えいたします。
 現在、カンボジアにおきましては、五月二十三日から二十八日に行われます制憲議会選挙をめぐりまして最後の選挙へ向けての選挙運動、そしてまたUNTACにおきます選挙の準備等が行われております。しかし、そのような準備を行う中、残念なことでございますけれどもさまざまなテロ、暴力事件等も起きておりまして、当初私どもが予想していたような形では必ずしもその選挙準備の和平プロセスが進んでおりません。しかしながら、カンボジアにおいてはまだ全面的な戦闘が再開されたというような状況が生じているわけではございませんので、パリ和平協定の枠組みは依然維持されているというふうに認識いたしております。
 現在、UNTACを初め関係諸国も予定どおり選挙が安全裏に実施されるように努めておりまして、我が国といたしましてもUNTACや関係諸国と協議しつつ努力してまいりたい、情勢と我が方の考え方でございますが、このように御説明させていただきたいと思います。
○会田長栄君 今の答弁に関連をいたしましてお聞きいたします。
 私は、残念ながら言葉にも言い尽くせないと言って二つの例を挙げて、三たびこういう問題が起きないようにということを念じて質問したんです。日本政府は、パリ和平協定が調印される一年前に既にカンボジアの和平についての東京会議というものを招集して、何とか成功させたいということでやってきたんでしょう。ところが、その後というのはすべて国連主導型になっちゃったでしょう。UNTACになっちゃったでしょう。そのために、実はその後のカンボジアを取り巻くところの、とりわけ四派を取り巻くところの実態なりあるいは総選挙まで取り組む諸施策の上で、もろもろの問題が起きていることをどのように分析して把握しているのかということを聞いたわけです。
 今まさに総選挙は一歩手前に来ています。何とか成功させたいというのはわかります。しかし、私は日本政府がもっと積極的にカンボジアの四派が合意に達するようにやっていったらいいんじゃないかという気持ちの上で質問しているんです。日本政府が一年前から積極的に東京会議まで招集して取り組んできているのに、その後日本の政府、日本の外務省が積極的にその平和を築くために努力されてきているのかということについて、本当は真意を聞きたかったんです。
○説明員(山本忠通君) 御説明させていただきます。
 先生の御指摘のポイントは非常に大事なポイントだと思います。外務省と申しますか日本政府も、まさしく六月に東京会議を開いて、それが一つのきっかけとなりまして国際的な和平のための枠組みでございますパリ協定というのが九一年十月に成立いたしました。これは、カンボジア人同士だけの間ではお互いが対立して和平、そして和解がなかなかできない中で、国際社会として、安保理の常任理事国をもちろん初めといたしまして、日本、それから近隣諸国でございますタイ、インドネシア、そういう国が一致協力して和平を助けてやろうという枠組みをつくったわけでございます。それに従いまして武装解除、そして選挙ということで、今和平プロセスが進んでおります。
 この過程で、委員御指摘のとおり、彼らだけに任せておくわけにはいきませんし、日本が主導的役割を果たしてきたこともございますので、例えば去年の六月でございますけれども、東京で閣僚会議を開きました。これは、一つは復興支援ということが大きな目的でございましたけれども、そのときに主要関係国、そしてカンボジア人の主要な方々、指導者、シアヌーク殿下を初め参りましたが、これらの方々を集めて、そして和平を促すための会議もしまして、そこでの合意がまたさらに和平プロセスを進めるための基礎となっております。
 それから、ポル・ポト派が武装解除いわゆる停戦の第二段階に応じないという態度を去年の六月十三日に明らかにいたしましたけれども、それを受けまして、ポル・ポト派が和平プロセスに協力するよう、日本政府はタイ政府と協力いたしまして去年の七月から十月にかけまして数度バンコク等におきまして働きかけを高いレベルで行っております。この働きかけというのは、後に安保理事会におきましても国際社会を代表した大変意義のある動きであるということで評価を受け感謝を受けておりますけれども、遺憾ながらそれによってポル・ポト派が意向を変えるというわけにはまいりませんでした。
 しかし、その後も、カンボジア各派に対して安全かつ公平な選挙ができるように自制をずっと呼びかけてきておりますし、また安保理事会の国々、そして近隣諸国とも話し合いつつ、日本は主体的に話しかけを行って、和平のために、そして今の環境ができるだけ安全なものとなるよう努めておる次第でございます。
○会田長栄君 東京会議というのがあってパリ和平協定が調印されて、国連決議があっていわゆるカンボジア暫定統治機構というのが生まれて今日に来ているんです。この四つの課題というのは関連しているわけですね。そして今、五月二十二日の総選挙を迎えて今日の混乱があるわけですから、その点で日本政府が果たした役割というのは私はすばらしかったと思うんですよ。それだけ申し上げておきます。
 このすばらしい取り組みをしたのにもかかわらず、その後は一向に日本政府の積極的な和平のための外交というのが表面に出てこないというところに今日あるわけでしょう。それだけじゃないでしょう。ポル・ポト派が武装解除を拒否する、プノンペンのSNCからひとまず自分の本拠地に下がる、後はSNCの会合には参加しない、こういう状態に来ているときに、実は日本政府とベトナム政府との経済協力関係がまたこの集団に微妙な影響を与えている。こういうことを考えると、私は、外務省は東京会議を招集したときの気持ちを忘れずに積極的に対策していかなければいけないんじゃないかといって第一にお尋ねしているんですから、その点はひとつ心しておいてください。せっかくの努力が水の泡になる危険性すらある。
 あわせて、内閣官房長官にお尋ねしておきます。
 今、外務省にお尋ねしたように、先導的に日本政府がアジア、東アジア、東南アジアの和平、平和というものを築くためにやってきたにもかかわらず、どうも国連中心主義という言葉で、その後日本政府の積極的な外交が展開されなかったんではないかという危惧を持つんです。皆さんは恐らく一生懸命やってきたと思う。危惧を持つから、今後はそういう点で政府を挙げて取り組む姿勢があるのかどうか、東京会議のような積極的な姿勢があるのかないのか、ひとつ聞かせてください。
○国務大臣(河野洋平君) 先生の御指摘になりました東京会議に大変高い評価をいただいて、まことにありがとうございます。私も、先生が御指摘になりましたように、アジア・太平洋地域の中で重要な位置を占めるであろうカンボジアの和平に対して日本の政府が払った努力は戦後の日本外交の中でもやはり将来特記されるべき大きな仕事であったというふうに、私も全く同感でございます。
 ただし、ここで先生にも御理解をいただきたいと思いますことは、東京会議も、国連を中心とする国際社会の中にあって国際社会の平和、安定、そういったものを目指す国連中心の一つの大きな流れの中で我々は仕事をしたということもまた間違いのないことであろうと思います。しかし、その東京会議が、御指摘のとおりカンボジア和平の一つの大きなプロセスであって、それがパリの和平協定をつくり出しUNTACがカンボジアで仕事を始めるという段取り、手順の中で大きな役割は果たしているわけでございますが、今も申し上げましたように、カンボジアの和平実現に向かって進むためには何といっても国際社会が一致してこれに当たるということが重要なのであって、どこか特定の国が突出してイニシアチブをとるというわけにはいかない。これは先生も御承知のとおり、カンボジアの中にある四派といいますか幾つかの集団が、かつてその背景に幾つかの国の影がちらついたということがございます。今、カンボジアの和平を達成するに当たって特定の国の影がちらつくということであってはカンボジアの和平は達成をしないのであって、カンボジアの和平達成のために表面に出て仕事をするのは国際社会が一致して行動をする、その一つの具体的な形としてUNTACというものがあるのであって、我々はそのUNTACを積極的に支援をしていくということが重要なのだと思います。
 したがって、先生御指摘のとおり、我が国がUNTACの活動に対してでき得る限り積極的にこれを支援していくということは大事なことであるというふうに認識をいたしまして、先ほど外務省からも御答弁を申し上げましたように、我々は外務省あるいはその他関係省庁と協力をいたしまして、まさに東京会議で果たした我々の役割が実るように全力を挙げて目下UNTACの活動を支援しているところでございます。
○会田長栄君 二番目にお聞きしたいのは、パリ和平協定あるいは国連決議の重要な役割というのは、これはもちろん武装解除。しかし、先ほど答弁があったように、昨年、四派のうちの一派は武装解除はいたしませんともう既に拒否した。前提が一つ崩れちゃったんですね。そういう意味では日本が国際舞台の中で果たすべき役割というのはもっと重要なものがあるんではないかという視点に立って実は聞いたんですよ。
 これは外務省に端的にお聞きします。
 カンボジアでみずから武器生産できるの。
○説明員(山本忠通君) お答えいたします。
 カンボジアでは、高度な武器は生産できません。したがいまして、外国から購入しております。
○会田長栄君 それじゃ、もう一つ教えてください。
 主にカンボジアの四派に武器を売っている国というのは、どことどこですか。
○説明員(山本忠通君) お答えいたします。
 現在はバリ協定によりまして外国からカンボジアに武器を売ることを禁じられておりますので、昔この協定を守って、現在は売っている国はないと承知しております。そのパリ協定ができる以前におきましてはいろいろな国の武器が入っているようでございまして、中国製のもの、ベトナム製のもの、ソ連製のもの、アメリカ製のもの等があるようでございます。まだこのほかにもいろいろな国の武器があるようでございます。
○会田長栄君 今、パリ和平協定によってカンボジアの四派に武器が入っていないと言ったでしょう。それは、外務省が現地を調査して情勢を分析して、今もそのとおりだと思っているんですか。
○説明員(山本忠通君) お答えいたします。
 海外、外国から武器が入っていないということを確かめる、検証するのはまさしくUNTACの軍事部門の一つの重要な役割でございまして、そのために相当の人を充てておりますけれども、彼らが今まで武器が入っているというようなことを言っているようなことはございません。ないと承知しております。
○会田長栄君 今、カンボジアの四派に、とりわけこのポル・ポト派と言われている集団に武器が続々と入っているというのは、現地からの報告でしょう。続々入るというのは、自分のところで生産する力がないんだから、それは他国から入っているんですよ。これは一つ認識する際に非常に重要な課題です。
  せっかくとうとい命を投げ出して今日のPKO活動をやっている方々がいるわけですからね。これはあなた、一方で武器を売って一方で仲よくなるようなことを言う、とても私どもには想像もつかないようなことで、実は国際社会、国連の中で一番先に手をつけなきゃならないことなんですよ。ところが、この問題について日本政府は、武器を輸出してはならぬ、売ってはならぬ、これをきちっとさせようという主張をしていることはわかりますよ。しかし、えてして国際舞台の中では、国連の中ではこれは最重要課題としては取り上げられないという現状にある。そういう中にある今日のカンボジアの情勢でありますから、日本の派遣されているPKOの活動などというのもそれは生易しいものではないということだけは事実なんです。
 これだけで時間をとれませんから、最後に意見だけ申し上げておきます。
 五月十一日、後藤田副総理・法務大臣が閣議後の記者会見で次のように言っている。カンボジアでの日本人文民警察官殺傷事件に伴って、PKO活動から撤収するかどうかについて、「撤退ということは、この時点においてやるべきことではないと確信している」、特に問題は、「もともとPKOは絶えず危険と隣り合わせの極めて厳しい活動だから、場合によっては避けられない犠牲が起こり得ることは、やむを得ない面があるのではないか。政府としては安全について万全の対応をし、不幸にして避けられなかった事件の後始末については、遺族、関係者に対して十分な対応をしなければならない」と述べたと伝えられているんです。
 私は冷静だと思いますよ、その意味では。PKOの法案審議の際にこれだけの冷静さがあったらもっと違ったものになったんではないかという気持ちを私は持っているんですよ。犠牲が出て初めてこういうことが表面に出るというのは私は残念でたまりません。紛争地域に最前線も後方地域もないんです。ましてや東南アジアの地域というのは戦闘全面展開なんでいうことば歴史上あり得ない、常に局地なんです。
 そういう意味から言えば、私もその一人として実に甘かったし、本音を出して議論しなかったことが今日の犠牲を生んでいるんだと、こう思う。これは至ってはっきりしています。カンボジアの最高国民評議会、SNCでもこの事実を認めていますから。同時に、国連のガリ事務総長も、カンボジアにおけるUNTACの活動は厳しい、情勢分析、認識、これは甘かったんだという自己評価を下しているんですよ。国連もそういう評価をしている。カンボジアの最高国民評議会、SNCもそういう評価をしている。日本に来るとその危機感がなくなっちゃう。もっと率直に、国民にそういう点では共通認識が得られるように、政府が正面から当たるべきだと私は思うんです。
 宮澤総理が五月十一日に同じく言っている。こんな認識ではどうにもなりませんよ。カンボジアの情勢について、局地的な停戦違反はあるが全面的に戦闘が再開されたわけではない、パリ和平協定の基本的枠組みは維持されており、停戦合意を含む政府の国連平和維持活動、PKO活動の参加五原則は満たされている、集団撤収を検討すべき時期とは考えていないと言っている。だからカリ事務総長の認識とも違う。SNCの作業部会の情勢認識とも違う。
 何で日本政府だけがこれだけの甘さがあるんですか。何か国民に本当の気持ちを訴えるというその誠実さがないんじゃないですか。私はそう思う。これだけお願いしておきます。三たびこういう紛争が起きないように派遣部隊の安全というものをやってください。
 最後に、もう一言だけ言っておきます。
 故高田警視の派遣されている文民警察隊長は何とおっしゃっています。派遣された以上私はこの任務は果たします、しかし今回の殺傷事件、故高田警視の痛ましい、命をなくしたことで、みずからの生涯の責任として帰国したら私は警察官をやめますと言っているんです。こういう言葉を聞かせられればもっと慎重に、日本政府が国連の舞台でもあるいはアジアの舞台でももう少し先頭を切って認識を正しく国民に訴えながらリードすべきではないんですか、こういうことが言いたかったことなんです。
○国務大臣(河野洋平君) 会田先生のお気持ちは私も十分理解できますと同時に、お考えにかなりの部分賛成でございます。ただ、事実関係で幾つか、大変恐縮ですが、私からも申し上げたいと思いますことは、今日パリの和平協定の枠組みが崩れているかどうかという点については、私は先生と若干認識を実は異にいたしております。
 五月六日、北京でシアヌークさんの呼びかけによってカンボジアの四派の人たちが会合をするということがございました。残念ながらいわゆるポル・ポト派と言われるグループの方々が出席をされずに、他の三派が出席をされてシアヌークさんとの間で会合が行われ、会合の後共同コミュニケが出されました。十項目にわたる共同コミュニケでございますが、そこではパリ協定を忠実に遵守すること、そして和平プロセス及び選挙に完全にコミットするということが共同コミュニケとして出されたわけです。
 しかし、この会合には御指摘のとおりポル・ポト派と言われるグループは参加をいたしておりませんでした。翌七日に、今度はポル・ポト派と言われる集団、ポル・ポト派のスポークスマンが別の場所で、これはカンボジア国内だったと思いますが、プレスブリーフを行いました。これはポル・ポト派だけのプレスブリーフでございますが、ここでポル・ポト派はパリの和平協定がもっと忠実に正確に実施されるべきだということを言っておるわけでございます。場所が違いましたし、日にちも違いました。つまり一日違いでございましたが、三派及びポル・ポト派はいずれもパリの和平協定を遵守するということを五月の六日、七日にそれぞれ述べているわけでございます。こうしたことから、パリの和平協定というものは四派によって遵守が確認をされているわけでございます。
 ただし、こういう大きな枠組みはそれぞれが遵守するということを述べておりますが、実態としてこのバリ和平協定の中に書かれてございます停戦協定に違反するような事犯が散見されることもまた事実でございます。こうした事実を我々は大変残念に思うと同時に、選挙に向けてカンボジア国民及びカンボジアの将来を考えた世界の国々が献身的にその作業に取り組んでいる中で、カンボジア国内でこの停戦協定違反が生ずるということは極めて残念なことだというふうに思うわけでございまして、UNTACに対しても、さらに我々の気持ちとしては四派の人たちにそれぞれ自制自粛を促したいというふうに思うわけでございます。
 したがいまして、そういう事実を考えれば、今、先生おっしゃったとおり、宮澤総理が述べられた答弁は全く残念ながら現状はそういうことだということでございまして、我々は、この場面では二十三日から行われます制憲議会選挙の投票に向けて力を合わせてこの制憲議会選挙が成功するように努力をしていくことが今重要なことだと思っているわけでございます。
 また、若干言葉は過ぎるかもわかりませんが、先生御引用なさいました現在カンボジアで日本から行っております文民警察の中では最もハイレベルの山崎氏が、この人は責任感の大変強い立派な方でございますが、この山崎さんがその責任感からいろいろおっしゃっておられることは私も承知しております。先生がお述べになりましたように、この問題が一段落したら日本に帰って警察もやめるというようなことを言ったということを先生おっしゃいますが、私どもも確認をいたしておりますが、そのような発言はしてはおられないということは我々は確認をいたしております。しかし、そういうことを言っていないということが山崎さんのこの問題に対する強い責任感というものにいささかも別の意味を持つとは私は思いません。山崎さんは今日でもなお極めて強い責任感を持って文民警察の安全対策のために献身的に努力をしておられるということはそのとおりでございます。
○会田長栄君 もう最後ですから、どうぞよろしくお願いしますよ。
 それは、PKO法案審議の際にはこの法律さえ通ればいいというのではなくて、政府の大臣の方々が答弁したように本当にしなきゃいかぬ。例えば前外務大臣の渡辺さんがどういうことをおっしゃっていたか、この一言を述べれば今日政府が実態に基づいて本当に安全を求めてやらなきゃいかぬ、こういうことがおわかりだと思うんですよ。
 渡辺前外務大臣のおっしゃっていたこと、実に要を得た説明をしていましたよ。そのことがあるから日本政府は、いろんな悩みはあってもはっきりと協定違反、危険、四派が合意に達していないという状況の大枠の中では、活動は一時休止するとか撤収するとか言わないと犠牲がふえるなんということをなかなか言われないでいるんじゃないですか。
 最後でありますから、だから頼んでおきますよ。ひとつ現地を指導し、なおかつ政府部内でもささいなところまで慎重に検討して、こういう問題が三たび、四たびと起きないようにお願いしておきます。
 次の問題に移ります。
 次の問題は、指名競争入札に関する大蔵省の見解をお尋ねしたいわけであります。公共工事の入札問題では建設省があるいはシール談合では社会保険庁がやり玉に上げられてきました。今も上げられつつあります。実は、国の会計制度がどうあるべきか、国の行う契約はどのように行うべきかについて最大の責任を負っているのは大蔵省ではないかと、私はこう見ているんです。当然金を出すところですから。
 そこで伺いますが、会計法では一般競争入札が原則ですね。これはもうお互いに御承知です。そして、指名競争にしようというときには、あらかじめ大蔵大臣に協議しなければならないことになっているんでしょう。大蔵大臣に協議せずに指名競争に付せるのは、そもそも契約の性質、目的から競争に加わるであろう者が少なくて、わざわざ一般競争の手続をとるのはむだだ、意味がないという場合、それから特殊構造の建築物の工事、特殊品質の物件の購入等に限定されていますね。建設省が言っているような、公共工事は指名競争が基本だということがどこから出てくるか私はわからない。
 そこで、会計法を所管する大蔵省の立場として、どのようにこの問題について説明するんですかということをお聞きしたい。
○政府委員(武藤敏郎君) お答えいたします。
 ただいまお話がありましたとおり、国の契約は機会の均等あるいは予算の効率的執行等の見地からできる限り広く競争入札に付されることが望ましいという観点から、会計法令におきましては一般競争入札が原則とされているところでございます。ただし、個々の契約の性質等から必要と認められる場合には指名競争入札あるいは随意契約によることも認められている、こういう仕組みになっております。
 それぞれの契約につきましては、各省各庁の長が契約に関する事務を管理するということとなっております。したがいまして、個々の契約についてどのような方式をとるかにつきましては、それぞれの契約の実情に応じまして各省各庁が適正に判断して行うべきものであると考えておるわけでございます。
 いずれにいたしましても、大蔵省といたしましては、透明かつ公正な契約の執行という制度の趣旨に沿った運用が行われることが肝要というふうに考えているわけでございます。
○会田長栄君 端的に聞かせてください。指名競争にしようというときには、あらかじめ大蔵大臣と例外を除いて協議しなければならないというのは普通でしょうと聞いている。だから、そうです、協議してますというならそう言ってくれればそれでいいんです。協議してませんというならこれは会計法上ちょっと欠陥があるということでありますから、そこを率直に短く答えてください。
○政府委員(武藤敏郎君) 今お話し申し上げましたとおり、各省庁の判断におきまして指名競争入札が行われているものというふうに考えておるわけでございます。
 指名競争入札に付する場合にどういうことでやるかということにつきましては、御承知のとおり一定の基準が定められておりまして、適正に執行されるということになっておるわけでございますが、大蔵省の承認ということをおっしゃいましたけれども、会計法上はそういう一定の要件があれば指名競争入札を行うことが認められている、そういう仕組みになっておるわけでございます。
○会田長栄君 私聞いているのは、指名競争入札のときには大蔵大臣と協議しなければならないとなっているんでしょう。だから、協議しているんですかと、こう聞いているんですから、協議していると言えばいい。わかりやすく言ってちょうだいよ。
○政府委員(武藤敏郎君) この予決令の規定のことをお尋ねのことと思います。予決令の百二条の四におきまして、各省各庁の長は……
○委員長(大渕絹子君) 答弁者に申し上げますけれども、質問の趣旨をよく踏まえて端的にお答えを願います。
○政府委員(武藤敏郎君) ただいまの御質問の趣旨が、指名競争入札にする場合には大蔵大臣に協議しなければならないのではないかということであると思いますが、一定の場合にはこの限りでないということが予決令にございます。例えば、一般競争に付することが不利であるという場合にはこの限りでないということで大蔵大臣の協議を得なくても各省庁の判断において指名競争入札を行うことが可能であると、こういうことでございます。
○会田長栄君 私は、公共工事入札をめぐるときの問題として、表献金、裏献金のやりとりということで大きな騒ぎになっているでしょう。そういうことで、これは建設省の問題です、社会保険庁の問題ですという形だけではなくて、税金なんだからと、こう言っているんだから。税金だとすれば、その使い方について大蔵省の立場だってもう少し対応の仕方があるんじゃないですかということが結論ですよ。
 それでは、次に移ります。
 これは昭和五十五年、航空機疑惑問題等に端を発したときに現在の総務庁、もとの行政管理庁が行政監察報告というものを出しているんですよ、こういうことがあってはいかぬと言って。そういう報告をしているにもかかわらず改善されないまま今日まで来ているものだから、また出てきたんですよ。報告した以上、総務庁としては改善されるように各省庁をフォローしていかなきゃいかぬ。報告だけすれば事が済むというのだったら、そんなことはだれでもできる。
 そういう意味で、公共工事入札にかかわるところの不正問題とかかわってこの報告を出した総務庁長官としては、現在一体どういう所感をお持ちですか。これは昔のことですということですか。
○政府委員(瀧上信光君) ただいまの行政監察のお尋ねでございますが、総務庁としましては、そのような行政監察を実施をした場合には二正期間経過後、それぞれ相手方の省庁に対しまして、その結果についてどのような措置を講じたかといったことについての回答を求めて、改善の推進を図っているところでございます。
○会田長栄君 それでは三つ目に、端的にお聞きします。
 シール談合の経過と事後処置の問題に関連をして、社会保険庁のその後のとった措置を端的に聞かせてください。
○説明員(池田登君) お答えをいたします。
 シール談合事件でございますが、私ども具体的な措置といたしまして三つに分けられますが、処置をとってございます。
 まず第一点といたしまして、この事件に関係をいたしました業者、五社ございますが、これに対しまして予算決算及び会計令第七十一条第一項、それから第九十八条に基づきまして、この条文の最長期間である二年間の指名停止をしたところでございます。
 それから二点目といたしまして、今後二度とこのようなことが起こらないように、私ども庁内に入札方法等改善委員会を設置いたしましてさまざまな点から検討を加えました。具体的には、対象業者をできる限り拡大を図る。それから、見積価格につきまして、これを適正に設定するために取引実例価格を徴収します対象業者をできるだけ広く拡大していく。それから、契約事務につきましてチェック体制を強化する。それから、一括の下請ということは原則として認めないというような措置をとったところでございます。
 三点目といたしまして、このシールは平成元年から始まってございますが、この平成元年から平成四年五月までに関係業者が得た不当な利益の返還につきまして、これは業者と自主的な交渉を行いましたけれども調いませんでしたので、訴訟を提起すべく現在関係省庁と具体的に協議を進めているところでございます。
○会田長栄君 それではその次に、社会保険庁のシール談合問題と関連をいたしまして、東京地検から印刷物の納入契約について談合が行われていたという通知を大蔵省は受けておりますか。
○政府委員(中川隆進君) 今御指摘の点でございますけれども、地検から検査院への通知に関しての御指摘でございますが、大蔵省といたしましては、今おっしゃったような通知は全く受けておりません。通知の内容についても承知しておりません。
○会田長栄君 受けていない、その内容も知らないというわけでありますから、今度は公正取引委員会にお尋ねします。
 社会保険庁以外の各省庁が発注した印刷物でも談合があったという指摘に対してどのように対処されていますか。通知がなかったんですか。口頭でも文書でも結構です。あったらあった、このように措置しましたなら措置しましたと聞かせてください。なければないでいいです。
○政府委員(小粥正巳君) ただいまのお尋ねは、社会保険庁発注のいわゆるシール問題以外に、社会保険庁以外の官庁について検察庁から通知等があったかというお尋ねでありますが、私どもは、社会保険庁発注のいわゆるシール供給業者についての問題については通報を受け、それに従いまして結果的には刑事処分を求めて検事総長に告発を行ったところでありますが、それ以外の点については特に通知を受けておりません。
○会田長栄君 なかったんですわ、社会保険庁以外の省庁については口頭でも。口頭でもですよ。これは後からわかることですから率直に言っておいてください。ないならない、あったならあったと。
○政府委員(中川隆進君) 大蔵省としてはございません。
○会田長栄君 はい、わかりました。
 それでは、会計検査院の検査状況についてこれと関連をしてお聞きをします。
 会計検査院といえばこういう談合問題について無関心ではいられないはずでありますから、東京地検から印刷談合について会計検査院にはお知らせがあったんですか。
○会計検査院長(中島隆君) 私どもへは東京地方検察庁から昨年の十二月に社会保険庁に係るシール談合問題があったということを初め、そのほか六省庁につきまして同様の問題があったというふうな情報、通知をちょうだいいたしております。
○会田長栄君 わかりました。あったんです、口頭でね。これは明らかになっていくんです、だんだん。ありませんでしたという話になっていくとだんだんおかしくなっていくんです。あったらあったと言った方がいいんです、こういうのは。
 だから、会計検査院としても官庁契約のあり方に関する検査というものについて今後どうしていくのかということが重要になってくるわけですね。関係する六省庁とまで言われているんですから、あったと言っているんですから。まあ伝え聞くところによると文書ではない、口頭でと、親切な方法で伝えたらしいんです。
 しかし、口頭であろうと文書であろうと、官庁契約のあり方について、そういうところは非常に念入りに注意してくださいと言われているんですから、それに対して今後はこうしますと言ってフォローしない限りおかしくなっていくんだ、これは。
 今までの議論を聞いていて大蔵大臣、多分に社会保険庁のシール談合の問題について関係する省庁とともに公正取引委員会、会計検査院とも、私が伝え聞くところによれば東京地検から、そういう談合があった、したがって今後呼ぶという御指摘があったというわけでありますから、これは官庁の契約のあり方をめぐりまして、その総括省庁であります大蔵省といたしましてもこれからぜひ気をつけていってもらいたいと、こう思うんです。
 この話を聞いていて大蔵大臣はどういう所見をお持ちですか。
○国務大臣(林義郎君) 社会保険庁の事件は、私は事件としては大変遺憾な事件だったと思いますが、既に事件として刑事告発がされましたし、また公正取引委員会、独禁当局におきましてもいろんな手続を進めておられるように承っているところであります。そういった意味で、私はそれぞれのことについては事態は適正に今やられているんじゃないかなと、こういうふうに聞いているところでございます。
 いろんな入札その他のものにつきましては、先ほど当方の事務当局の方から御説明しましたように、案件によりまして各省庁において適正に判断をしてやっていかなければならないものである、こういうふうな形でやってきた。その中で、省庁でやったのにもかかわらず談合が行われたというような形だろうと、私はそういうふうな認識を持っているところでございまして、これからもそういったことの起こらないようにいろいろと考えていかなければならない。これはもう言うまでもない当然のことでありまして、国民の税金をいただいてそれでいろんな仕事をしている役所としては厳正な上にも厳正な態度でもってやっていかなければならない、これは一般論として私ははっきりと申し上げることができる問題だと思うところであります。
○会田長栄君 次に、九十億ドルの補てん問題と予備費の七百億円の問題について一つだけお尋ねいたします。
 一つは、NHKの前ワシントン特派員で手喝竜一さんという方が、「追跡「百三十億ドル」 どこへ行った?日本の湾岸戦争拠出金」として詳細にわたって報告されていることについて御所見ありますか。いや、見たことないなら見たことないで結構です。
○国務大臣(林義郎君) いろんなお話があるということは聞いておりますが、今の先生の御指摘のその論文は残念ながら私見ておりませんので、何ともお答えすることができません。
○会田長栄君 ぜひ時間をとって読んでみてください。残念ながら時間がありませんから、これに関連する質問は後にいたします。
 一つだけ教えてもらいたいのは、平成三年度一般会計の予備費でGCCの基金に七百億円追加拠出している。その理由に「湾岸地域における近時の新たな状況に応じ、」と、こういう言葉が入っているんですが、この「近時の新たな状況」というのは具体的に何を指すんですか教えてください。
○説明員(小澤俊朗君) 御指摘のとおり、七百億円の追加拠出を日本と湾岸アラブ諸国協力理事会との第四回目の交換公文に基づきまして平成三年七月に拠出しております。これは第三回目の交換公文に基づきます一兆一千七百億円の拠出を行った時点で想定されていなかった新たな資金需要が発生していたことにかんがみて拠出を行ったものであります。
 この新たな資金需要とは具体的に何かという御質問でありますが、難民の救済等人道目的のための活動、あるいは機雷、地雷その他爆発物の除去、あるいは対イラク経済制裁の実効性を確保するための活動等にかかわる資金需要でございます。
○会田長栄君 時間が来ましたので終わります。
 ありがとうございました。
○中尾則幸君 中尾でございます。
 ただいまも同僚の会田委員からカンボジアのPKO問題について質疑がありましたけれども、私も最初にこの問題を取り上げたいと思います。
 その前に、さきに国連ボランティアの中田厚仁さんが亡くなられました。そして、今度は政府派遣の文民警察官高田晴行さん。本当に痛ましい事件でございます。心から御冥福をお祈りしますとともに、御遺族に本当に心からお悔やみ申し上げたいと思います。
 さて、本日の参議院本会議での宮澤総理あるいはこれまでの政府の答弁を聞いておりますと、PKO派遣五原則の一つであります停戦の合意の枠組みは崩れていないと言っております。その理由としまして、ポル・ポト派がパリ和平協定を破棄していない。さらには、今カンボジア各地で起きている武装グループの襲撃事件等はあくまでも地域的なものであって全面戦闘状態にない、これを理由に挙げております。
 改めて伺います。昨年来からのPKO派遣の国会論議で、政府は、安全な場所での平和維持活動であると言い続けてきたのではなかったでしょうか。二人のとうとい犠牲者を出し、かつ数名の負傷者を出した現状と政府の認識は、ここに来て大きくずれていたと言わざるを得ません。
 まず長官に、今回の事件を含めて政府の責任について、私はあると思うんですが、御見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(河野洋平君) まことにとうとい人命を失ったことは痛恨のきわみでございます。
 中尾委員に私からあれこれ申し上げるのはいかがかと思いますが、世界が冷戦の終えんを迎えて新たな国際の平和秩序を模索する、そういう時代に移って世界各地で民族間による紛争があるあるいは宗教上の紛争がある、あるいはその他貧富の差による紛争でございますとか長い歴史を引きずったさまざまなトラブルがあって、それは国連を中心に国際社会が協力してそうした紛争を解決して、それぞれの地域に恒久的なといいますか永続的なといいますか、平和な状況をつくり出すために国際社会がそれぞれ応分の役割を果たそうという状況の中で、我が国もまた先年国会で大変長時間にわたって御議論をいただいて国際平和協力法という法律をつくって、その法律に基づいてカンボジアに国際貢献というもとで七百名の若い力が送られたわけでございます。
 もちろん、御承知のとおり、この国際平和協力法に基づいて和平協定、停戦協定というものがしっかりと結ばれて合意ができて、しかも当事者から来てほしいという合意があって、しかもその中に立つ組織は中立的であるという前提を踏まえて我が国は七百人の方々をカンボジアに派遣したわけでございます。
 しかしながら、確かに和平協定は存在をいたしておりますが、長年にわたるさまざまな戦闘あるいは内戦といいますかあるいは憎しみ合いといいますかそういったものは、和平協定という枠組みはありますけれども、その中にあってその和平は残念ながら脆弱なものであったということ、現実問題としてそう言わざるを得ない状況でございました。
 そうした中で、全く不測の事態と申しますか、思わぬ状況の中で若いすぐれた二人の人命を失ったことはまことに残念で、御遺族の方々には何とも申し上げようのない状況となったというのが私の率直な感想でございます。
○中尾則幸君 大変失礼ですけれども、持ち時間が余りありませんので、簡潔にお答え願いたい。
 私が伺ったのは、政府に責任があると私は思っている。それについて、あるかないか、どう思われているのかということをまず一点、簡潔にお伺いしたい。
 そして、最近新聞報道でも、先ほども会田委員からもありましたけれども、大変なし崩しの論理、これは各種世論調査を見ても、長官、十分御存じだと思います。国民はよく見ております。つまり、政府はこうした今の事態を、PKO活動には生命の危険がつきものと今考えているのかどうか。
 先ほどの責任と、それからPKO活動には生命の危険がつきものと考えているのかどうか、その二点について簡潔にお答え願いたいと思います。
○国務大臣(河野洋平君) 若い命を失ったということについては、私どもとして、私は大変責任を感じております。
 後段のお尋ねでございますが、なし崩してはないかという御意見でございますが、確かにカンボジア各地においてテロ活動といいますか、私は停戦協定違反とも思える事案が出ておることも承知をいたしております。
 ただ、ちょっと長くなって恐縮でございますが、これらの事案の中には政治的な意図あるいは組織的、計画的な意図が感ぜられるものと、それから何といいますか、平たく言えば物取りといいますか夜盗集団によるものも中にはあるんではないかということなどを考えて、総理からも本会議でお答えを申し上げたと思いますが、まだ全面的な戦闘が再開されたと、すなわち和平協定、停戦協定が破られている状況だというふうには考えておらないところでございます。
○中尾則幸君 今、カンボジアの情勢は全面的な戦闘状態でないと言っておりますけれども、私はその判断は大変甘いんではないかと思います。
 御存じのように、ポル・ポト派は、これは詳しく一万人という方もいらっしゃいますし、一万五千人あるいは一万六千人ということも言われております。私は、カンボジアに二十年間ジャーナリストとして、名前は伏せます、生命の危険がありますからこれは伏せてくれということで、一九七三年からカンボジア問題を一手に引き受けている私の友人のジャーナリストと電話連絡を昨夜もとりました。日本政府、UNTACの対応の仕方は非常にまずいと言っております。
 なぜならば、その一つは、このポル・ポト派に対する認識、今回も地域的な紛争だと言っている、それについての認識が非常に甘いと言っています。彼の言葉をかりてちょっと紹介します。
 現状の混乱はポル・ポト派によるものと決めているようだが、認識は非常に甘い。私は、彼のことです。犠牲になった中田さんとは亡くなる直前に会っているが、そのとき中田さんは、ポト派とはうまくいっている。プノンペン政府軍は、今指摘したとおりです、武装強盗をしょっちゅうやっている。現実にはその方が怖いと彼は言っていたそうです。
 問題はもう既に御存じだと思います。だから、国民がわからないんですよ。給料遅配、いろいろな問題が起こっている。あるいは給料を渡さない、政府軍の中ですよ。日本の考え方の中で考えるからとらえられないんです。そういうはけ口がいろいろ各地で出ている。長官はよく御存じだと思うんです。その問題もとらえない限り、単なる地域的な紛争にすぎないという見方は非常に甘い。ポル・ポト派を、いい悪いは別ですよ、一人だけ敵に見立ててやる今のUNTACのやり方について妥当、適当ではないと言っているんです。
 そして、彼もつい先日、これも日付は言いません、大変危険ですから。タイ国境の北西部に行ってポル・ポト派の幹部と接触しています。そのときに私は、日本の文民警察官を含め日本人をどういうふうにポル・ポト派は思っているのかということを聞きました。そしたら彼は調査してくれました。そのポル・ポト派の幹部の言うには、今まで日本人を特定してねらったことはない。これはあくまでも私の得た情報です。ねらったことはない。しかしこれ以上、彼が言うのは、UNTACに肩入れするとそれも保証できないと言っているんです。大変心配なんです。
 そしてもう一つ、皆さん御存じなんですよ、ポル・ポト派はあくまでもゲリラ戦です。全面戦争があり得ますかと私は聞きたい。ほとんどあり得ません。そして、村々の拠点で彼が調査しただけで五万人から六万人がいるというんですよ。これは支援です、農民であり。そういう事実をわきまえてやらないと大変、ですから今危険な状態に置かれているということを彼は言っています。パリ協定の和平の枠組みは崩れていない、そんな悠長なことを言っておられないと彼は指摘しております。
 今の私の信頼するジャーナリストから得た情報について、一言だけ、どういう御感想を持っているかをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(河野洋平君) 事件があって、少し時間がたちますと、だんだんいろいろなことがわかってくるわけでございます。中田さんが殺害をされた事件についても、当初はポル・ポト派の犯行ではないかというようなうわさが強うございましたけれども、その復そうではないということが言われておるということを私は承知をいたしておりますし、今委員がいろいろ言われたことは、情報としては私も承知をしております。
 ただし、これらの情報は、どれが正しい情報でどれが正しくない情報であるか、これは選挙の投票日が追ってくれば一方でさまざまな情報合戦ということもあるわけでございますから、我々はでき得る限り情報を収集して、その中の情報のどれが正しい情報であるかどれがそうでない情報であるかということを判断する必要もあると思います。
 そして、今委員が御指摘になったように、かなりデリケートな状況だというふうに、それは私も全くそのとおりだと思います。ここで我々がどの事案がどうでどの事案がどうだということ三言うことがまた次の引き金を引くことになりかねませんから、私どもは十分情報を集め分析をしながら、細心の注意を払ってUNTAC要員の、これは日本人を含むすべてのUNTAC要員の安全ということのためにでき得ることをあとう限りの努力をしたい、そういうふうに考えております。
○中尾則幸君 余り持ち時間もありませんので、UNTAC自体の情報も大変混乱している、いろいろその背景にあることは今時間がありませんので申し上げません。
 それで今一番問題になっているのは、村田大臣がきようお帰りになりましたけれども、現地で日本の文民警察官から命の危険にさらされているという状況や、また何人死ねば帰れるのかといった悲痛な叫びを聞いているはずです。UNTAC側は、日本だけ例外を認めるわけにいかないと言っておりますけれども、今状況を申し上げましたように、業務移動中襲撃のおそれは十分あります。前回もそうです。オランダ海兵隊に守られていたにもかかわらず、ゲリラにもう手もなくしてやられる、そういった状況であります。生命の安全は守られていない状況にあると私は思います。
 私は、ですからここで日本文民警察官を危険地域から一時撤収をすべきだ、これは国民の多くの声であります。国際社会のメンツにこだわって、余り犠牲者をこれ以上断じてふやすわけにはいかない。後から調べたらそうだった。そのうちにとうとい犠牲が、次々亡くなっていったら、だれが責任持ちますか。その都度、お悔やみ申し上げますじゃ、これは長官が一番よく知っていると思います。この安全対策についてもし確保ができないとしたならば、私は撤収すべきだと思うんです。最低限業務の一時中断をすべきだと思いますけれども、これについて御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(河野洋平君) 先ほども申し上げましたように、安全の確保は極めて重要な、極めてというか、最も重要な問題だと思っております。しかし、その安全の確保は、ただ単に日本人の安全だけを確保するのでは十分ではない。我々はUNTAC要員、日本人を含むUNTAC要員すべての安全を確保する最大の努力をする必要があるというふうに考えているわけでございます。
 今、委員はせめて日本人の要員だけでもという御発言で、そのお気持ちは十分わかります。私どもも気持ちの中でそういうことを持っております。持っておりますが、しかし危険な地域がある、ここに置いておいては危険だということであれば、日本人だけを引き揚げるのではなくて、そこにいる要員全体の引き揚げを考えなければならないというふうにも思うわけでございます。したがいまして、村田自治大臣が現地へ参られましたときにも、村田大臣の現地での御発言の原則は、UNTAC要員全体の安全について発言をするということでございました。したがって、もし地域として極めて危険であるということがはっきりわかれば、その地域に配置されているすべてのUNTAC要員について考えなければならないのではないかということを申し上げているわけでございます。
 例えば、Aという地点に日本人のUNTAC要員がいるけれども、それ以外に例えばスウェーデンの要員もいる、オランダの要員もいるということであれば、日本人だけが引き揚げるということにはなかなか国際的な理解は得られないでしょう。むしろスウェーデンもオランダも一緒に引き揚げるといいますか、地域を変えると。つまり本来の職務がきちんと遂行できる、効果的に遂行のできる地域に変わるというような、例えばそういうような議論をする必要があるのではないかということを私どもは考えているわけでございます。
 話が長くなって大変恐縮でございますが、一点だけお答え申し上げます。
○中尾則幸君 長官、ちょっとおかしいじゃないですか。
 今の長官のお話を聞いていますと、オランダだとか各地のPKO参加国が一緒に引き揚げない限り日本は引き揚げられない。そうしますと、戻りますけれども、先ほどの日本の派遣五原則はどこに行ったんですか。独自の判断をしないということですか。できないということですか。それだけ伺いたい。それは問題ですよ。
○国務大臣(河野洋平君) そんなことを私は申し上げておりません。
 私は、気持ちとしてそういうものではないか、日本人だけ引き揚げてほかの人の安全は考えなくてもいいというわけにはいかないではないかと。私はそこをぜひ理解していただきたい。法律上、国際平和協力法の法律の建前からいえば、日本独自の判断ということでできるということを私は否定をいたしません。しかし、安全を確保するために我々がUNTACに対して申し入れをする、要請をするときには、ほかの国の要員はいいけれどもうちの要員だけ危ないから引き揚げるというような申し入れは今はするべきでないということが私の気持ちだということを申し上げたのであります。
○中尾則幸君 先ほどの答弁と今とは違います。
 私だってそんなこと言っていませんよ、日本だけ安全であればいいなんて。こんなところで国際社会に通じない、そんな、ちゃんと聞いてなさいよ。(「そう言ったじゃないか」と呼ぶ者あり)そんなことを言っていない。基本を言っている。基本をきちっと見直しながら、だからすぐ日本に祖国に帰れなんて私は一つも言っていない。ただ、今の国民の大多数、八〇%から九〇%、私も五月五日この事件の直後に街頭で独自調査をやりました。新聞もそうです。テレビもそうです。八〇%から九〇%、国際社会に貢献しなければならないという人たちはいるんです。大変悩んでいるんです、国民も。しかし、今のようななし崩しの論理がある限り、これは国民不信に陥るんですよ。だれも日本だけ安全だなんて言っていませんよ。
 時間もちょっと、次の質問もありますので、ただ長官の最後のところだけもう一度確認してください。日本独自の判断で撤収できる、その周辺のことは置いておいてください、それだけを確認させてください。
○国務大臣(河野洋平君) 法律にはそういうことが書いてございます。
○中尾則幸君 はい、確認いたしました。ありがとうございました。
 次に質問を移します。
 今カンボジアの問題を取り上げましたけれども、次に取り上げたいと思いますのは、日本で終戦直後に起きたある事件でございます。戦後補償の問題を取り上げたいと思います。
 この事件の概要について、時間もありませんので私から御説明いたします。
 終戦直後の八月二十二日、北海道の日本海留萌沖であった事件でございますけれども、サハリン、当時の樺太からの緊急引き揚げ船の遭難事件であります。事件の概要は、八月二十二日、小笠原丸、第二新興丸、泰東丸の引揚者を乗せた船が相次いで留萌沖でソビエトの潜水艦の砲撃で二隻が撃沈され、一隻が大破、推定千七百八名の犠牲者を出しました。
 この事件は、御存じのように、昨年まで国籍不明の潜水艦の攻撃となっておりました。しかし、昨年、拓殖大学の秦教授の調査で、旧ソ連太平洋艦隊の潜水艦の攻撃だったことがロシアに保管されていた資料でわかったわけです。この事件の真相究明になぜ手がつけられなかったのか、これは当時のソビエトと日本の外交上の問題がいろいろございました。とりわけ、日本の対ソ外交が北方領土優先であったと言わざるを得ないと思います。
 また、遺骨収集につきましては、大破しました第二新興丸を除いて小笠原丸という船は、これは地元の民間人が昭和二十七年から三年がかりで自分の手で遺骨を収集いたしました。さらに泰東丸に至っては、やはり地元の民間人あるいは全国樺太連盟の方々の調査等によります。その独自調査を受ける形で、厚生省がようやく昭和五十二年と五十九年二回行っております。特に泰東丸につきましては推定犠牲者六百七十名、生存者が百十名と言われる。本格的に遺骨収集に乗り出したのが大変遅かったわけです。ですから、船体を海底六十メートルに見つけたときには、既に遺骨は一片も見つかりませんでした。犠牲者のほとんどが、御存じのようにお年寄り、それから十三歳未満のお子さんでございました。そして樺太の戦火から逃れるように来たものですから当然乗船名簿もないんです。ですから、遺族会そのものも結成されるわけがないんです。
 そういった状況の中でこの事件は私は置き去りにされていたんではないかと思うんですが、この事件についてどう受けとめていらっしゃるか、一言御感想を伺いたいと思います。長官と厚生省。
○政府委員(佐々木典夫君) ただいま泰東丸の問題を初めとする留萌沖三船の問題についてどういうふうに考えているかということでございます。
 実は、この問題につきましては、先生大変お詳しく今も御紹介をいただいておるわけでございますけれども、私どもも特に厚生省の任務といたしまして、戦後、戦没者の遺族の援護等をやってきたというようなことから、実は特に一番残された問題でございました泰東丸の問題につきまして遺骨収集に取り組んだわけでございます。五十二年時点で遺骨収集をやるべくやりましたが、情報が十分でなかったということでございまして、その後樺太連盟の方々からの情報提供等がございまして、間違いなく泰東丸であるというようなことがわかりました。その時点で調査を実施いたしたわけでございます。昭和五十九年七月末から八月にかけまして、一週間ほど潜水夫を投入していろんな調査を実施いたしましたわけでございますけれども、先生の方からも御紹介がございましたが、泰東丸の船内あるいはその周辺に乗船者の遺骨が残存している可能性はないというふうな調査結果でございました。
 それで、五十九年時点の遺骨収集で、私どもとしては、厚生省の任務として遺骨収集については率直なところやるべきことは尽くしてきておるというふうに思っております。
○中尾則幸君 長官にもひとつ聞いておきたい。
○国務大臣(河野洋平君) やがて半世紀を迎えるという今、ポツダム宣言受諾前後の問題、あの混乱期にこうした問題があるということを改めてこのたび知ったわけでございまして、長い間この問題に取り組んでおられた方々、御苦労も大変多かったことと思いますが、私は、この際ロシア政府が資料を一日も早く公開して、こうした問題をさらに明確にわかってほしいということをひたすら願いたい、そう思っております。
○中尾則幸君 外務省に伺います。
 今、長官のお答えにありましたけれども、当時のソビエト、現在ロシアでございますけれども、当時のソビエト潜水艦の艦長から上級司令部に攻撃の報告書があると聞いております。その調査はしているのかどうか。
 そしてもう一つ、日本とロシアの友好関係を願うのは当然でございますけれども、これは歴史上の事実としてロシア政府に謝罪あるいは陳謝を申し入れるのは私は当然だと思うんですが、現状とロシアの対応について簡単に伺いたいと思います。
 これは、たしか四月十五日に武藤外務大臣がコズィレフ外相に申し入れたと私は伺っていますけれども、簡単に一言百現状を伺います。
○政府委員(津守滋君) この件につきましては、昨年十月一日に日本の報道機関で報じられまして、その情報源はロシア国防省戦史研究所のジモーニン副所長から拓殖大学の秦邦彦先生にあてた手紙でございます。先生御案内のとおりでございますが、この後すぐ我が方のモスクワ大使館からジモーニン副所長に直接照会をいたしました。
 ジモーニン副所長の説明によりますと、同副所長の情報は、公刊されております書籍「ソ連における潜水艦の建造」、こういうものを根拠にして
○中尾則幸君 簡単にお願いします。時間がありませんから。
○政府委員(津守滋君) それで、私どもその公刊物を手に入れまして調べましたが、どうもそれが我が国の樺太引き揚げ船に該当するのかどうかはっきりしないということで、今御指摘ございました潜水艦艦長からの上級司令部に対する攻撃の報告書、こういう文書があるという報道がその後なされましたこともありまして、この文書、その他関連の第一次資料を見せてほしいということをモスクワの関係当局に申し入れたわけでございます。しかし、累次督促をしたにもかかわらず回答がないということで、今御指摘のとおり、四月十五日の日ロ外相会談で武藤外務大臣からコズィレフ外務大臣に同様の申し入れをしましたところ、コズィレフ外務大臣の方から協力しますという回答を得ております。
○中尾則幸君 この遺族会が結成されたのは何と四十八年ぶりでございます。ことし一月でございます。請願という形でようやく私の手元に参りました。
 時間もありませんのでちょっとはしょって御説明を申し上げますけれども、当然、乗船名簿もないわけですから、遺族名簿もほとんど完備しておりません。僭越ですが、私は昭和四十八年から十三年間にわたってこの問題を取り上げてまいりました。全国各地のほとんどの生存者に会いました。その中の大多数はもう亡くなっております。
 それで、軍属と民間人の犠牲者については大変冷たい。それはいろいろ報告書とか見ておりますのでそれについては触れませんが、その中に引揚者給付金等支給法がございますけれども、これも時効でございます。あるいは引揚者に対する特別交付金の支給に関する法律、これも今名乗ってももう時既に遅しということでございます。
 それであれば、その遺族の方々の思いを伝えるために、私は、何としてもせめて国の手で名簿調査を含めて、あなたたちはこの船で死んだんだよと。確かにある程度はできておりますけれども、私もこの十三年間かかって調査いたしました。調査というものは位牌の一つ一つに当たり、お寺の過去帳を調べるんです。この間、土葬にされた漂着遺体もございましたから、四人ほど無縁仏の中から遺族が泣きながら引き取っていった例もございます。当時の、戦後の混乱期を考えますと、情報が発達しておりません。全国各地から泣きながら来ました。その思いを、最後にこれだけはぜひ一言と思うんです。確かに泰東丸は遺骨収拾できませんでした。もう一度やると確かに国の予算もあります。それであればせめてこの遺族名簿を国の手で、この船で亡くなったんだよということで遺族の思いをかなえさせてやりたい。あるいは戦後四十八年の結末、何だ、たった一編の遺族名簿じゃないかと言うかもしれませんけれども、遺族たちにとってはどれだけの重みがあるかということを私は申し上げたいのであります。
 ここで長官、いろいろ私も調べました。平和祈念事業特別基金に関する法律、昭和六十三年、この目的、第三条、私はこれをよすがとしておるんですが、「平和祈念事業特別基金は、今次の大戦における尊い戦争犠牲を銘記し、かつ、永遠の平和を祈念するため、関係者の労苦について国民の理解を深めること等により関係者に対し慰藉の念を示す事業を行うことを目的とする。」と書いてあります。何とかこの事業の一つに、今回のこの留萌沖の悲劇を名簿という形で記録していただきたい、名簿づくりをやっていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。長官の御見解を賜りたいと思います。
○国務大臣(河野洋平君) 中尾委員が大変苦心をされ、またこの問題について大変な努力をなさったということに心から敬意を表したいと思います。
 今御指摘の事例について平和祈念事業特別基金がどういう役割を果たせるかまずこの特別基金についてどういう御要望があるか、今名簿というようなお話がございましたが、正確にどういう御要望があるかということを一度私どもお話をよく伺いたいと思います。事務方、事務当局の判断は、名簿ということになるとこの基金の法律の精神からいってなかなか難しいかもしれない。しかし、慰藉の念をどうやって示すかという、この法律の趣旨に基づいて何か基金ができることがあれば、関係者の御労苦を慰藉する事業、こういうことでございますから、これに適当なものがあるかどうかをひとつ十分検討させていただきたい。そのためには基金にどういうことが適当かというようなことについても、ひとつよく御要望を伺いながらさせていただきたいというふうに思っているわけでございます。
 これまでの御努力には、心から改めて重ねて敬意を表したいと思います。
 事務方でさらに私の答弁に補足なりなんなりあれば御説明いたさせます。
○政府委員(高岡完治君) ただいま官房長官からお答えになりましたように、事務的に申し上げますと、予算的にも限られておるということがございまして、現在基金で助成をいたしておりますのは、関係団体が行われます慰霊祭でございますとかあるいは慰霊訪問、こういったものに若干の補助をさせていただいております。
 そういったことでございますので、そういう先例にもかんがみながら、基金として助成をさせていただけるような内容のものであれば私ども十分御相談に応じられるのではないかと思っておりますので、ぜひひとつ事務的に接触をさせていただきたいと存じます。
○中尾則幸君 こういったかかわりもありまして、私自身は遺族でないんですが、私もその遺族の思いをこの場で伝えに参ったというような形でありまして、この嘆願書の中には確かに戦後補償に対しての話もございます。私は遺族の代表じゃありませんけれども、その気持ちの前に、法律上手続は大変難しいと。例えば予算にも非常に限りがあると言っておりますけれども、莫大な予算がかかるわけじゃありません。これは、私は議員としてこういうことをこの場で言うのは適当かどうかわかりませんけれども、私も今まで十数年歩いた名簿がございます。お金の問題というよりも、国の手で弔ってあげて、それこそ遺族に慰藉していただきたいという観点であります。そのことを十分お酌み取りいただきたいなと思います。
 今後とも遺族の方々に今の前向きな御答弁、これから御相談させていただいてという形で長官、前向きに検討するというふうに一言お答えいただきたいのでありますけれども、どうぞよろしくお願いします。ぜひひとつ長官の口から最後にお願いしたいと思います。
○国務大臣(河野洋平君) ただいま政府委員が申し上げたとおりでございます。
 重ねて御努力には敬意を表し、御苦労をなさった方々のお気持ちを十分考えながらなお法律の精神、その他事務方の努力を私も横から支援したいというふうに思います。
○中尾則幸君 質問を終わります。
 ありがとうございました。
○堀利和君 国際的問題としてカンボジアにおけるPKO活動の問題やら国内においては政治改革、経済問題、国としても大変重要な政策が多くあるわけですが、私は、地道な問題ではありますけれども、国会図書館における視覚障害者のサービスについて取り上げたいと思います。
 そこで、まず国会図書館の設置目的とその役割についてお伺いしたいと思います。そして、最近の国会図書館の職員数の動向、さらには視覚障害者のサービスが実施された時期とその契機となったことについて、及び視覚障害者のサービスの現在の業務内容がどのようなものか、また今後どのような展望を持ってこの業務に当たっているか、まずお伺いしたいと思います。
○国立国会図書館長(加藤木理勝君) ただいまの御質問でございますが、まず国立国会図書館の目的、これは国立国会図書館法の二条に規定してありまして、「国立国会図書館は、図書及びその他の図書館資料を蒐集し、国会議員の職務の遂行に資するとともに、行政及び司法の各部門に対し、更に日本国民に対し、」「図書館奉仕を提供することを目的とする。」、そう規定してございます。いわば目的はこれに尽きると言ってもよいと思います。
 それでその役割というお話でございますが、このような目的を敷衍する意味におきまして、国立国会図書館法には幾つかの規定が書かれております。それを概略申し上げますと、国会議員の先生方に対する職務の遂行のお役に立つというような、そういうような仕事といたしましては、国立国会図書館の中に調査及び立法考査局という一つの部局を置きまして、法律案の立案の準備であるとかあるいは法案審査のための資料の収集であるとか、そういうような仕事を行っております。そしてさらに、専門調査員というような職を置きまして、この職が各常任委員会の各分野に関連するような範囲に置かれております。
 それから行政、司法、各部門に対する図書館奉仕といたしましては、行政府及び裁判所の図書館を支部図書館といたしまして、これらの図書館と緊密な連絡をとりましていわば立法、行政、司法それぞれが共通の資料によって仕事ができると、そういうような仕事をしているわけでございます。
 それから一般国民に対しましては、国立国会図書館の図書館奉仕は国会議員の職務の遂行に支障のない限り、また行政、司法の各部門の仕事を妨げない限り、広く公立の図書館その他の図書館を通じてまたは直接に図書館奉仕を行う、そういうように規定してございます。そういうのが大きな役割でございます。
 そのために、全国から国内出版物を、国の機関あるいは地方公共団体の機関から発行する出版物、それからその他のいわば民間の出版物の納入をしていただいているわけでございます。その納入に対しましては、民間に対しましては一定の代償金をお支払いしている。そういうような形で、国内出版物はいわば網羅的に国立国会図書館に納入されるという仕組みが法律の中で規定されております。
 そういうことから、国の機関から出版されるものにつきましては公用それから国際交換の用に当てられますし、その他の出版物につきましてはいわば文化的所産として蓄積され、さらに利用される。そういうようなことで、その利用のために全国の書誌情報といいますか、出版物についての情報を毎年作成して配付いたしているような次第でございます。それから法律につきましては、出版に適する方法で日本の法令の索引をつくるというので、そういうような法令索引の仕事も行っております。これがいわば国立国会図書館の役割の主なものでございます。
 それから、ただいま視覚障害者に対する図書館奉仕はどうなっているかということでございます。そういうような仕事の一環といたしまして国内出版物、これを学術文献に関するものは当図書館において、点字図書館その他視覚障害者の図書館奉仕を行っている各図書館からの御要望も入れながら、録音図書を作成しております。それから全国的な点字図書、録音図書につきましては、年に二回その目録を作成して、これも関係の、といいますのは視覚障害者に対する図書館奉仕をやっております図書館、点字図書館はもちろんでございます、そういうような図書館に配付をして、視覚障害者が調査研究をされるのに役立てるような基礎的な仕事をしているわけでございます。これらはいずれも昭和五十年あるいは五十六年からそのような仕事をしている、そういうことでやっております。
 こういうような仕事を通じて、いろいろと視覚障害者の方からは御意見もあるようでございますので、そういうような御意見を聞きながら、特に日本盲人社会福祉施設協議会の御意見も聞きながら、そういうような作業をこれからもさらに進めていきたい、そうして視覚障害者の方の御要望にも十分に沿っていきたい、そういうように考えておる次第でございます。
 以上でございます。
○堀利和君 時間もありませんので、簡潔にお願いしたいと思います。
 館長として御意見をお伺いしたいんですが、障害者の雇用ということについてどのように認識されていらっしゃいますでしょうか。
 一昨年から国家公務員職員採用試験も点字受験が実施されるようになりました。これも最初は、各省庁で視覚障害者が働くところがない、したがって人事院としては点字受験を実施できないんだというようなことだったんですが、しかし国として障害者の社会への参加、そして今や職場のいろいろな環境改善、工夫次第ではもちろん視覚障害者が働けることも認められてきております。そういうことで、国家公務員の職員採用試験も点字で行われております。
 こんなことを考えた上で、館長の雇用についてのお考えをお聞きしたいと思います。
○国立国会図書館長(加藤木理勝君) 障害者の雇用につきましては、障害者の雇用の促進に関する法律が制定されましてから、当館もその基準には常に沿っております。そういうことで障害者の一般の雇用につきましては努力しているつもりでございますが、視覚障害者ということに限定いたしますと、その分野に関しましては現在特段の採用を行っておりません。
 人事院におきまして点字の試験を行っているということもお聞きしているわけでございますが、当館は何せ定員が限られておりまして、しかも行政改革の定員削減にも御協力をいたしておりますし、そういうことで必ずしも定員が十分とは言えないと思います。そういうことから、仕事の面でも視覚障害者の方に活躍していただく分野が見つかりませんので、現在は視覚障害者の方に働いていただく機会をつくるということには至っておりません。
○堀利和君 時間がありませんので、急ぎたいと思います。
 今から二十年ほど前、都立日比谷中央図書館に全盲の視覚障害者が第一号として職員として雇われたわけです。現在は、全国公共図書館において十五、六名の視覚障害者が職員として採用されております。これは採用する任命権者の方も、視覚障害者は働きが悪い、言うなればお茶を飲んでいるだけだということではなくて、図書館の職員として非常に活躍しているということを認めたからこそ採用がこういう形で進んできたと思うんですね。したがって、以前ですと視覚障害者が図書館で働くというのは考えられなかったことです。しかし、働くことはやはり可能です。職員同士が協力し合ったり足りないものを補ったり、あるいは視覚障害者が働くということで健常者、目の見える人たちとまた違った役割なり意義というものがあるわけですので、そういったことから視覚障害者の公共図書館における採用というのも進んできたと思うんですね。この辺の評価についてはどのようにお考えでしょうか。
○国立国会図書館長(加藤木理勝君) 公共図書館におきまして視覚障害者の方が働いておられるということもお聞きしております。
 公共図書館は、いわば図書館法に基づきまして社会教育の精神にのっとって運営されている図書館でございますので、視覚障害者の方に対する直接の図書館奉仕もその一つだろうと思います。そういうことから、視覚障害者の方が御活躍になる分野も広いのであろうと思います。
 それに対しまして当図書館は、ただいまも申し上げましたように、いわば間接サービスと申しますか、視覚障害者に対する図書館奉仕を行っている図書館に対する資料の提供というような、そういう間接奉仕を中心としておりますので、視覚障害者の方が直接活躍される分野がなかなか見つけにくいという、そういう状況でございます。そういうことから、当館ではなかなかそれを拡大するというわけにもまいりかねているわけでございます。
 地方公共団体のいわゆる公共図書館のそれぞれの御努力に対しましては、敬意を表する次第でございます。
○堀利和君 直接であろうと間接であろうとそのサービスとして考えた場合に、特に国会図書館の場合には議員なり行政、司法関係の職務遂行の支障にならない限りということがもちろんあります。ならない限り、視覚障害者を含めた一般国民への図書館奉仕を行うということであるわけですね。
 その中身を見ますと率直に言いまして、録音された図書といいますか、録音されたものを聞いても利用する視覚障害者の側からすると十分とはとても言えないわけです。聞くにたえないようなものも率直に言ってあります。間接的であろうが直接的であろうが、最終的に利用する者はやはり個々人なんですね。その個々人が国会図書館の利用についてどういうふうに考えているのか、もちろん陳情はあると思いますけれども、果たして国会図書館の側からそういった利用者の方々の声を聞こうということをこれまでしたことがあるんでしょうか。
○国立国会図書館長(加藤木理勝君) 中からその視覚障害者の方の御意見を聞くというのは必ずしも十分ではなかったと思いますけれども、日本図書館協会が大会を行いまして視覚障害者の部会を開いております。そういう部会であるとかあるいは図書館の視覚障害者の関係の集まりであるとか、そういうのには積極的に参加いたしまして視覚障害者図書館奉仕に関するいろいろな御意見をお聞きしているところでございます。ただそれではなお十分ではないということは、私もまた認めざるを得ないと思います。
 そういうことで、今後はさらに日本点字図書館その他そういうような視覚障害者図書館奉仕を行っているそれぞれの機関とも十分に御連絡をしてそれらの御意見も入れて、ただいまお話が出ました録音サービスの内容につきましても改めるところは改めてまいりたいと、そういうように考えております。
○堀利和君 私、視覚障害者の当事者が職員としているということがやはりまずこれは基本的に重要なことだと思います。また必要なことだと思います。
 そこで、ぜひここで前向きの御答弁をいただきたいんですが、どういう形かはまた別途考えるとしまして、視覚障害者の利用者の側から直接声を聞くという機会を館としてつくるというふうにはお考えにならないでしょうか。
○国立国会図書館長(加藤木理勝君) 内部で視覚障害者の方の御意見を聞くということは、ただいま申し上げましたような日本点字図書館であるとか、そういうところでいろいろ活動をしておられる視覚障害者であるベテランの方がおいでになりますので、そういう方の御意見を聞くことから始めたいと存じます。
○堀利和君 そこに何が欠如しているかというと、国会図書館に視覚障害者の職員がいないということでの不十分が私はかなりあるんだろうと思うんですね。もちろん、現在視覚障害者のサービスに携わっている方々がお力がないということではないわけです。そこにやはり目の見える人たちとしての限界というものを私は感じざるを得ないわけです。
 制作された録音テープを聞きましても、これはそこに視覚障害者がいればまさかああいうような録音テープを利用者にそのまま貸し出すようなことは恐らくないだろうしそのような作成もしないだろうということで、サービスの質を利用する国民一人一人の立場に立ったものにつくろうとするには、やはり私は視覚障害者がそこにいるということが極めて重要だし、目の見える方とは違ったまたそこに存在意義を感じるわけです。
 次に、主にテープによる図書サービスをしておりますけれども、特に国会図書館では学術文献の資料の閲覧なり読書ということになります。そうしますと、学術文献となりますとそれなりにやはり内容も非常に難解です。あるいは、特にその正確さも必要になってきます。そういうことからいいますと、本来テープよりも点字がいいわけです。自分の指できちっとなぞりさわって読むというこの認識が重要なんですね。テープで聞いただけでは非常にわかりにくいのも事実です。
 そういう点では、一冊の本を全部点字ということもありましょうし、あるいは重要な箇所を点字にする、こういうこともあると思います。私も一度図書館で経験したのが、録音を頼んだところどうしてもこれは録音にできない、図表があったりいろいろ文献として録音は難しいということで、そこの部分は点字で点訳してもらうということも経験しました。そういうことからいえば、学術文献を取り扱う国会図書館としてはやはり点字サービスが必要だと思いますが、その点はいかがでしょうか。
○国立国会図書館長(加藤木理勝君) ただいまの点字が必要であるというお話は、これは部分的には私もそのとおりであろうと思います。録音ではなかなか理解しにくいような図表であるとか、そういうものはおっしゃるように点字による方があるいはわかりいいことになるのではないかなと思います。ただ、学術文献と申しますので、どうしてもそれの専門の方で点字を扱える方ということで、なかなか人を得ることが難しい現状でございます。
 ただ、最近は自動点字機が開発されて大分発達しているということを耳にしております。そういうことで、この自動点字機を研究してこの信頼性が十分に確認できましたならば、こういうような機械の導入を考えて今先生のおっしゃいましたような方向に進んでまいりたいと思っております。
○堀利和君 私も実は国会図書館から資料をいただくときは点字で欲しいんですが、まだもらったことがないんですね。録音という形でもいただいたことがなくて、通常コピーなんですね。書物を貸していただくということで、あとは秘書なりその他に読んでもらう形をとっています。そうしますと、そこで重要なところはそれをみずから点字にするわけですね。やはりテープ録音だけではこういう文献というのは非常に不十分です。ですから、そのサービスを行うということになった場合には、それを読む者ももちろん必要になってきます。その辺もお考えいただきたいと思います。
 さらには、来館していろいろな文献を閲覧するわけですけれども、見える方は文献は自分でその辺は閲覧し資料を探して調べたりするわけですが、視覚障害者の場合にはもちろんそれはできません。そうしますと、今は国会図書館の側ではそういったものを読む方を用意されていないわけです。したがって、視覚障害者がみずから自分の目となる人を同行して閲覧するということにならざるを得ないわけですね。
 そうしますと、国会図書館ですから別に都内の方ばかりではありません。遠く関西あるいは九州や北海道からも来館される方がいます。そうしますと、読み手を連れていくかあるいは東京の知り合いの人に頼んでやるかというようなことになるわけですね。単に一冊の本を一ページから最後まで読むというだけではないわけです。あくまでも学術文献等の資料ですから、一冊を読みながら関連した他の資料を今度は探してその必要な部分をまた読むというように、自分の目であると同時にある程度のかなりの知識なり判断を持って一緒に調べるということが非常に必要なことなんです。そういう点では、視覚障害者が来館した際に自分で読み手を連れていくということが非常に困難であるし、今言いましたように、図書館へ行って単に一冊の本を最初から最後まで読むということでもありません。
 そういう事情からいいますと、視覚障害者が来館していろいろなものを調べる際には、やはりぜひ図書館の側でそういった読んだり調べたりすることのサービスを行っていただきたいというように思いますけれども、その点はいかがでしょうか。
○国立国会図書館長(加藤木理勝君) おいでになった方に読んでさしあげるというような、そういうような方針は現在の人員の上からいきましてどうしてもできない、残念ながらできないという状況でございます。ただ、おいでになりました方が介添えの方をお伴いになりませんときには、それは職員がそういうような御案内をしているわけでございます。
 ただ、御案内をいたしましても、貸し出した本をその場で読んでさしあげるというようなところまでは至りませんので、できることならば現在、先ほども申しました日本全国書誌がございます。そういう出版物が全部網羅してございます。それから録音、点字図書についてもそういうような全国書誌を出しております。目録を出しております。そういうのもお近くの身近な図書館で御利用になりまして、必要なものは図書館間の貸し出しで当館からも貸し出されることになりますので、身近なところでどうぞ便宜な御利用をしていただくようにお願いしたいと思っております。
○堀利和君 研究なり論文を書く際には、単なる一冊読めばいいというわけじゃなくて、まさにその場でいろいろひっくり返して調べるということが重要なんで、そういう点でやはり国会図書館の方に行くわけですね。そういう際に、やはりそういうようなサービスもぜひ考えていただきたいということをお願いしたいと思います。
 いずれにしましても、視覚障害者へのいろんなサービスを見ておりますと、さっきからも繰り返すように、やはり視覚障害者がいるということで利用者のいろいろな問題またいろいろな解決すべき方法も身をもってわかるわけです。そういう点で、サービスを充実するためにぜひ視覚障害者を職員として迎えていただきたい。
 どうも館長のお話ですと、定数の中では難しいけれども、定数がふえるといいますか、人がふえれば雇ってもいいと。何やら何かのおまけのような発想がどうもあるかのように見えてならないわけですね。視覚障害者も定数の中で一つの部署の役割を十分果たすだけのまた意義があるわけですので、そういうことをお考えの上で、ぜひ視覚障害者の雇用について前向きのお考えをいただきたいことをお願いして次の質問に移ります。
 時間がありませんので、簡単に伺いたいと思います。
 総務庁の管理、運用しているものに法令検索システムというのがあります。これがどういうものか簡単に御説明願って、なぜこの法令検索システムというすばらしいものが立法の場であるこの国会、そして国会議員あるいは司法サイドに利用できないのか、簡単に御説明願いたいと思います。
○説明員(大橋豊彦君) お答えいたします。
 法令検索システムというのは、私ども昭和五十四年度から運用を開始いたしまして、これは専ら国の行政機関におきます法令の立案だとか執行だとか、そういう行政事務を迅速、的確、効率的に行うためにつくられたシステムでございます。
 このシステムは、指定した用語で検索いたします該当条文検索システムとかあるいは条文と条文の関係を検索いたします引用文検索システム等から成り立っておりまして、検索結果につきましてはディスプレーあるいはプリンターに出力されているものでございます。現在、この法令システムに蓄積されている法令は、憲法、法律を初めといたしまして約四千件の法令が蓄積されているわけでございます。
 具体的に、この利用者は各省庁でございますが、省庁内に設置されました端末機によりオンラインで必要な検索を行うことができますが、平成四年度の利用実績を申し上げますと、利用件数は約五万八千件の利用になっております。
 なぜこれについて立法府等で利用できないかということでございますが、今申し上げましたように、この法令検索システムは専ら国の行政機関における法令の立案だとかあるいは執行ということでつくられたものでございます。そういうことから、これまで私ども行政内部の事務処理の問題を処理するためのシステムとして活用しているところでございます。
○堀利和君 これは、立法活動をしている議員にとっては大変重要な、利用度が高いものだと思うんですね。聞くところによりますと、法制局の方もこれは直接利用できないということで、私もそういうことで驚いているんですが、やはりこれは行政府だけが利用するのではなくて、我々国会議員、国会関係者もアクセスできるようにすべきだろうと思うわけです。
 それで、文部省の学術情報センターの方を通して少しは利用可能かというようにも聞いておりますけれども、このことも含めて総務庁にお考えをお願いしたいのは、各省庁のいろいろな情報は、もちろん重要な機密保持のようなものは別としまして、我々国会議員にとっても立法、政策立案について非常に重要な情報になります。こういう情報センターのようなものを、国会議員及び関係者が利用できるような情報センターをぜひつくっていただきたいと思います。
 まず、その辺について総務庁としてはどういうふうにお考えか、最後にお伺いして終わりたいと思います。
○説明員(大橋豊彦君) 大臣が後ほどお答えするかと思いますが、その前に私の方から事務的なお話を申し上げたいと思っております。
 先生御指摘の質問は二つあったかと思いますが、一つは学術情報センターの検索システムを衆参の事務局なり法制局でも利用できないかどうかということでございます。これにつきましては、私ども総務庁といたしましては、学術情報センターの業務として利用ができるように私ども法令データ自体は提供しているわけでございます。そういうことで、先生の御質問については、まず第一義的に学術情報センターがその業務の内容あるいは業務の目的あるいは設置目的等を総合的に勘案してそれが可能かどうか検討することが適当ではないかと思っておりますし、また総務庁といたしましても、学術情報センターが国会の事務局なり法制局に出すということについては特に反対をするものでは二ざいません。
 それから第二の問題は、各省庁の公開情報を収集して一元的に提供するいわば行政情報センターみたいなものを設立すべきではないかという御質問ではないかと思いますが、私ども、行政情報の公開についてはこれまで重要な課題だということで取り組んでまいったわけでございます。しかしながら、情報の提供というのは、基本的にはそれぞれの省庁がその責任において提供窓口の充実だとかあるいは提供サービスの整備に努めるのがまず第一にすべきことではないかと思っております。総務庁といたしましても、これまでと同様に、文書閲覧窓口というのを全国に約七百五十カ所ぐらい整備しておりますが、そういうところにおけるサービスの強化充実あるいはそこに置かれております目録の整備などを積極的にやっていただくよう、各省庁にこれまでと同様にお願いしていきたいと思っております。
○国務大臣(鹿野道彦君) ただいま大橋参事官の方から御答弁申し上げたわけでございますが、いわゆる行政ニーズに対応するところのシステムとして開発をしておるわけでございますので、行政機関以外に法令検索システムの利用を拡大する場合におきましては、データの正確性なりあるいはサービスの提供時間といった運用に関する権限とかあるいは責任についての問題がどうしても残ってくるわけであります。また総務庁の電子計算機システムの処理能力にも限界がございまして、国会におきましてまたそのほかの機関におきまして行政機関と同様に利用していただくということにつきましては、待ち時間の問題等々というふうな問題も起きてくるわけであります。
 そこで、国会図書館等におきまして大型電子計算機が設置されておるわけでございますので、国会会議録検索システムを初めとして各種システムが運用されていると、このように承知をいたしておるわけでありまして、その必要性に応じた独自の法令検索システムを開発、運用されるというようなことにおきましては、ノウハウ等の提供等、いろいろな問題につきまして御協力できることがあるんではないか、このように考えておるところでございます。
○堀利和君 終わります。
○村田誠醇君 私は、大蔵省を中心にお伺いをしたいと思います。
 この間、地価の高騰が続いておりましたときに、金融面から地価対策を講ずるという意味でトリガー制度という制度を総量規制にかわって導入したわけでございます。これについていろんな委員会で二、三質問させていただきましたが、先般、このトリガーでつくられたと言いましょうか、規定された基準をオーバーして民間金融機関の土地融資が行われたという報道がされました。しかも問題なのは、基準をクリアしているにもかかわらず大蔵省としては金融機関に対して注意を喚起しないという決定をしたというのもその報道の中にあるわけでございますが、これは一体どういう理由でそのトリガーの発動を見送っているのか、そのことについてまず冒頭にお伺いをしたいと思います。
○政府委員(寺村信行君) 本年二月末時点の計数でございますが、金融機関の不動産業向け貸し出しの伸びが総貸し出し、金融機関の全体の貸し出しの伸びを四・二%上回っております。この結果、一月末もそうでございますが、二カ月連続をいたしまして不動産業向けの貸し出しの伸び率が金融機関の総貸し出しの伸び率を三%以上上回ることとなったわけでございます。これは、連続して二カ月以上総貸し出しの伸びを三%以上上回った場合にいわゆるトリガー方式におきます注意喚起の要件を形式的に満たしているということになるわけでございます。
 ところで、このトリガー方式というのは本来この制度の趣旨が、金融機関の土地関連融資が急増しまして地価高騰のおそれが生じた場合に、総量規制のタイムリーな発動を確保するための行政運営上の指針としてまとめたものでございます。したがいまして、その適用に当たりましては、従来からでございますが、機械的に適用するのではなくて、不動産業向け貸し出しの伸びの背景等金融経済情勢を総合的に勘案した上でその適切な対応をするということが必要だとしてきたところでございます。
 こういった状況が続きましたので、当局といたしましても金融機関からのヒアリングをしたわけでございます。現在増加しております。その貸し出しは、実は地方公共団体の地方公社向け先行取得に伴います貸し出しが相当増加をいたしておりますし、あるいは不動産業等の円滑な事業継続を可能にするためのものといったものでございまして、いわゆる総量規制発動の要件となります不動産の投機的な取引を背景としたものではない、こういうふうにヒアリングの結果認識をされたわけでございます。
 それからまた、先般発表されました平成五年の地価公示に基づきます地価動向におきましても、大都市圏におきます地価は顕著な下落を示しておりますし、地方圏におきましても総じて横ばいまたは下落となっているという状況でございます。
 このような情勢を総合的に勘案いたしますと、地価高騰のおそれがあることを前提として金融界への注意喚起を行う必要は現時点ではないと判断されたわけでございまして、ただいまお尋ねのような判断を示したということでございます。ただ、当然のことでございますが、このトリガー方式の意義というのは十分ございますので、状況を当局としては十分に注視してまいりたいと考えているところでございます。
○村田誠醇君 今局長さんが言われましたように、融資がふえたからすぐ地価がぽんと上がるような性質のものではないんですね、このバブルの時期を見ていますと。お金がどんどん入っていって、ある程度入ったところで急激に地価が上がっていったという過去の経験からすれば、まさにこの基準をオーバーしたということはこの状態がある程度続く可能性がある。そうしますと、地価がまたもう一度上がってくるんではないだろうかということを私どもは心配しているんですね。国土庁の判断では、まだ地価は下がるべきだ、もう少し下がるはずであるという前提条件ですけれども、金融面から見たお金の行き方ではもう下支えを完全にしている。株価のPKOの政策をとったのと同じような形で、どうも地価の下支えをしているのではないだろうかという心配を私はしております。
 ただ、これは今すぐ出てくるような問題じゃございませんから、この状況を見ながら、また今般政府が実施しようとしています大型補正等を通じて、ほうっておきますとまたバブルが発生したあの状態と同じような状態になるんではないかという疑問を、疑問といいましょうか先行きの不安感を持っているものですから、そのことだけをとりあえず指摘しまして、やがては半年後ゆっくり、まさにこの時期から始まったんじゃないかということについては質問をさせていただきます。
 それで、前の方から突き出されてきまして十分以上少なくなっちゃったもんですから、これはこれで終わらせていただきまして、大蔵省が持っている権限の緩和の問題についてお伺いをしたいと思うんです。
 大蔵省が持っている権限の中で多分一番強いものが酒類の小売免許の許可の問題だろうと思うんですが、この部分が一九八九年に改正というんでしょうか、通達で基準を変えられているわけでございます。
 この免許基準を変えた政策目的というのは一体どこら辺にあるのか、まず冒頭にそれをお聞きしたいと思います。
○政府委員(窪田勝弘君) お答え申し上げます。
 先生御高承のように、酒類の販売業免許制度といいますのは、酒税の保全とアルコール飲料としての商品特性を持つ酒類の社会的な管理上非常に重要な役割を担っておりまして、主要諸外国でもこの免許制度を採用されているところでございます。
 平成元年の改正と申しますのは、一つにはそれ以前の取扱要領というのは昭和三十八年に制定されたものでございまして四半世紀たっている、その間経済社会の変化が非常に目まぐるしかったということが一つございます。もう一つは経済制度を国際的なものと調和をさせたいというこの二点から、平成元年六月に免許の取扱要領を改正したところでございます。
 その目指すところは、この制度運営をできる限り簡素化し明確化する、そして運営の透明化を図る、こういうことを目的としております。
 その内容といたしましては、二、三例示をいたしますと、一つは、大型小売店舗に対します免許要件を緩和する。あるいは、諸外国でも取り入れております基準といたしまして人口基準というのがあるわけでございますが、これを採用したというようなこともございますし、また審査はまず抽選によることにいたしまして、非常に透明、明確にいたしたというような諸点があるわけでございます。
○村田誠醇君 それで、免許基準を変えたその時点を境にして、前の基準とそれから一九八九年に改正した時点と、一体免許の総枠というんでしょうか、これはどのくらい広がったんですか。既存の免許との比較でどのくらいの数がふえたのか、ちょっと具体的に数字を教えていただけますか。
○政府委員(窪田勝弘君) 平成元年の取り扱いの改正前の数字を申しますと、昭和六十一年度、六十二年度、六十二年度、それぞれ年間八百件台の免許付与件数でございました。毎年その程度であったということでございます。
 取扱要領改正後は、平成元年度においては千八百件弱、平成二年度及び平成三年度はそれぞれ千二百件程度免許を付与しております。
○村田誠醇君 この数字は結構なんですけれども、そうじゃなくて人口割等を使って、全体の枠が日本全国の中で例えば旧基準でいけば十五万件分しかないのに新基準でいったら二十万件分、五万件分の枠がふえたということなのか、それともそうじゃないのか、そのことをふえた枠についてちょっとお聞きしたいんです。
○政府委員(窪田勝弘君) 全体の枠と申しますか、これは取り扱いを変えておりますのは、従前はそれぞれ小学校区を一つの単位とした枠でございましたが、今、流通が非常に大きく変わっている、あるいは自動車でかなりお買い物をするというようなことから、市町村単位にそれを変更しております。それに伴いまして全体として、これはかなり地域によって差があるわけでございますが、相当程度拡大をいたしております。
○村田誠醇君 相当程度拡大しているんであれば、各地の小売の免許申請をする人から、いつまでたっても私のところはもらえないなんて話は多分出てこないと思うんですね。
 地域的に聞いてみますと、それぞれ税務署に聞いてみますと、自分のところはもう枠はないんですと。中にはひどいときには、もう八九年の段階で新しい基準で計算したって既存業者の方が多くて自分のところはもう枠がありませんということを言われるんですね。そうすると、一体何のために免許基準を変えたのかわからない。これが一つでございます。
 それからもう一つお聞きしたいのは、日米構造協議で日本側の最終報告書の中に、一九九四年までに大型小売店舗はそのすべてに対して、それ以外の一般の店舗については約五千店に対して免許を付与すると、日米間でこういうことを約束しているんです。この約束は一体どこまで実行されたのか。まずその二点についてお聞きをしたいと思います。
○政府委員(窪田勝弘君) まず、免許枠の話でございますが、平成元年度の改正というのは、それ以前の免許付与の実情と整合性が保たれるような、そういう制度改正を行っております。それで、今先生御指摘のように、小売販売地域のうち免許枠のない地域もかなりの程度あるわけでございます。各市区町村別で見ますと、約二割程度は免許枠があるということに相なっております。私どもは、今、人口が非常に多いところでは人口基準で一店舗約千五百人、こういうことをめどに免許を付与しておるわけでございます。その結果、全国で既に酒の小売販売場数は十七万件を超えているわけでございまして、消費者の利便という観点からかなりのものになっているというふうに判断しておるところでございます。
 それから日米構造協議長終報告を引用されたその問題でございますが、これについては平成五年までの取り扱いということになっておりまして、大体そこで目標とされた数字は達成できるものというふうに考えております。
○村田誠醇君 私は、酒類というアルコールを含んだ飲料の性質からいってすべて野放しで無条件でいいという、そういう立場で物を言うわけじゃありません。もちろん、社会政策上の問題もありますでしょうし、ドライバーに酒類を売ってはいけないという規制もあるでしょう。あるいは、未成年者に売ってはいけないとか、そういう規制は私は必要だと思いますし、これはもっと厳格にやらなければいけない問題だと思うわけです。
 しかし、片方で酒類を売ることの自由というものをある程度保障してあげませんと、これは職業選択の自由との関連で非常に重要な問題が出てくる。しかも、今の御説明でいきますと、市区町村では既に二割ぐらいですかが満杯になっている。要するに、極端な表現をしますと、その地域に関しては幾ら申請したって許可がされない、こういうことになってくると若干問題が出てくるのではないかということでございます。
 そして、そのことについて触れた判決が平成四年に最高裁で出ているわけでございますね。これは許可を出すか出さないか、許可制度がいいかどうかという論議をしたのじゃなくて別の目的でやりましたけれども、この酒販の許可制について当時この判決を下しました裁判長が全体の意見とはちょっと違って、判決そのものに異議があるわけじゃなくてこの酒販の許可制について自分の見解というのを述べているんです。これは、酒税法の目的以外の目的のために利用するものにほかならず、酒税法の立法目的を明らかに逸脱し、ひいては職業選択の自由の規制に関し、適正な公益目的を欠く場合にはこの制度の運営については憲法違反だ、職業選択の自由を侵害する許可制度であるということを自分の意見として言っているわけですね。
 そうしますと、先ほどの答弁でいくと、かなりの地域で既に新規免許が付与できないような状態だということであれば、ここで裁判長が触れている憲法との関係についてはもう一度行政当局としては再検討する必要があるんじゃないかと思うんですけれども、その点についてはどういう御見解をお持ちなんでしょうか。
○政府委員(窪田勝弘君) 酒類の販売業の免許制度の運営についてでございますが、これは酒類の販売業者の乱立を防止いたしまして取引の混乱を防ぎ適切な需給の維持を図る、それによって酒税の収入を安定的かつ効率的に確保する、こういう制度の趣旨を踏まえまして適切な運営を図っているところでございます。
 今、先生御指摘の最高裁の判決、昨年十二月に出たものを引用されておられますが、そこでも個人的な意見ということで裁判官が触れておられます。そういうことについてのコメントは差し控えたいと思いますが、私どもといたしましては、既存の酒販業界の権益の保護をみだりに重視するというような免許の運営は行っていないわけでございまして、あくまで最終目的は酒税収入の確保というところにございます。
 今後、私どもといたしまして、やはりそこを見ながらかつ消費者のニーズがどうなっているか、その利便という観点も踏まえまして適切な運営に努めたいと思っております。
○村田誠醇君 この許可制度をとっている最大の理由は酒税の確保だと、こういうことですね。
 中央酒類審議会の中間報告が出ておりまして、その一番後ろの方に参考資料という形で載っております。これで見る限り、一日当たりの酒税の額というのが五十五年から平成二年度まで書いて表になってございますけれども、ずっとふえているんですね。許可免許を与えても酒類の税目の確保という点ではこの数字は明らかにずっと確保されている。つまり、小売免許の数と税金の確保というのは明らかに違うんではないだろうか。それは現在の許可制度に持っていくのに、戦前の制度が税目を確保するということだったけれども、これは今や酒税の確保という一つの行政上の目的と同時に酒類販売業における自由競争の原理との調和ということをもう一方で考えないとまずいのではないかということが言われているわけですね。しかも、酒税の確保という点でいけば、大型店つまり売り場面積一万平米以上の大きい店舗がどんとそこに出てくれば、既存の中小業者といいましょうか酒類の販売業者の売り上げが下がるということはもう火を見るよりも明らかなことです。ところが、大型店に関しては経済条項も無条件にとにかく全部渡しますということになっている。
 片方で競争を激化させておいて、そして酒税の確保のために一般小売免許だけは与えないんだというその説には私はどうも納得できないんですけれども、酒税の確保と酒販営業の自由の原則というものとを大蔵省はどういうふうにバランスをとって行政を進めていこうとしているのか、もう一度お聞きしたいと思います。
○政府委員(窪田勝弘君) 酒類についてでございますが、これは大変高率な酒税も課されておりまして今後とも免許制度は必要ということでございますが、また一方でアルコール飲料としての商品特性を有しておるということで国民の保健上の観点からも寄与しているというふうに考えております。
 今後の方向でございますが、昨年六月に出ました臨時行政改革推進審議会の答申がございますが、私どもとしては、現在進められている緩和方策がございます。これをやはり着実に実施するということがまず大事だと思いますが、中長期的に考えますと、消費者重視の観点から緩和の方向で運営すべきものと理解しておるわけでございます。そういうことも踏まえまして、一方でアルコール飲料としてしっかり社会的に管理すべきであるというような議論もございます。そういう議論の動向も踏まえ、また既存の酒類業者の経営の状況でございますとかあるいは流通実態の推移というのも見きわめつつ、大きくは臨時行政改革推進審議会で答申されている方向に沿いまして検討を進めてまいりたいと思っております。
○村田誠醇君 規制を緩和していく、少し緩めに運営をしていくということになると、それは、要するに酒類の免許というのは三つあるわけですね。一般小売と大型小売と通信販売の免許と三つあるわけですけれども、念のために、多分私が聞いているんだから言っていることは同じだと思いますが、一般の酒類の小売業の方の免許の運営を緩くするという意味でしょうね。それとも、この三つの基準を全部緩めるという意味なんでしょうか。ちょっとそこのところだけ確認をさせてください。
○政府委員(窪田勝弘君) 今私が申しました中長期的に緩和の方向で運営すべきものというのは、いわゆる一般小売店について申し上げております。
○村田誠醇君 そうすると、今現実に一般酒類小売業の免許を与える基準を、人口基準とかあるいは人口密度、一平方キロ当たりですか千五百人とか千人とか七百人とかという、こう三段階に分けているこの基準を考え直す、もしくは少し基準に満たなくても緩目に判断していくというふうに理解してよろしいんでしょうか。それとも、今年間大体一千店ぐらいの割合で新規免許をどんどん付与しているのを、もう少し率といいましょうか数を上げて千五百店とか二千店ぐらいを目途に新規免許をどんどん付与していくということなんでしょうか。その辺はどちらでございましょう。
○政府委員(窪田勝弘君) この酒類の免許制度は、先生よく御承知のように国民生活に非常に深い関連性を持っているわけでございます。これは昨年の臨時行政改革推進審議会の答申にも触れられておりますが、急激な変化に伴う混乱はできるだけ回避しなければならないわけでございまして、私どもといたしましては、まずは現在進めている緩和方策を着実に実施する、そういうことが重要だと思っておりますが、中長期的にはやはり大きな方向として緩和の方向である、そしてその場合にアルコール飲料としての酒類をめぐる議論の動向、酒類業者の経営状況等を見きわめながらそういう大きな方向で検討をしてまいりたい、こういうことを考えておるわけでございます。
○村田誠醇君 それでは、最後の方でございますので確認なんですが、私が聞いている範囲内では、酒類の通信販売免許というのは、これはこういう制度をつくったけれどもまだ基準がよく決まっていないので現実的には免許を与えていないというふうに聞いておりますけれども、それは事実なのかどうか。もしそれが事実とすれば、なぜこの免許が付与されないのか、そのことについてお聞きしまして、時間でございますから私の質問を終わらせていただきます。
○政府委員(窪田勝弘君) 酒類の通信販売についても基準は制定いたしております。
 そして、実際にそれに基づく免許の状況はどうかと申しますと、むしろそういう道は開いたけれどもなかなか実際のニーズ、需要が少ないというような状況になっております。
○藤江弘一君 まず最初に、予備費についてお伺いをしたいと思います。
 私が申し上げるまでもなく、予備費は予見しがたい予算の不足に充てるものということであります。そこで、一つは、何らかの事態が生じたときに応急の対応が可能であるということ、そしてもう一つは、国費支出の国会の事前議決のルールというもの、これは大変大切なことであるということであります。この二つの点を充足しながら相当な額あるいは必要な額というものを積算するということは大変に難しいことであると思います。
 財政当局は慎重に対応しておられると思いますけれども、予備費ではなく当初予算に計上すべきであるものがあるという論議があるところでありますが、これについての大蔵省の対応、そしてまた今後どのようにお考えなのかをお伺いしたいと思います。
 それからなおもう一つ、平成三年度予算で計上されました給与改善予備費であります。御承知のように、給与改善費につきましては昭和四十四年から六十年まで率はともかくとして計上され、さらに平成四年度以降はこれまた一定率を各省予算に含めて計上しているところであります。
 そこで、なぜ平成三年度においては予備費でなければならなかったのか、その後の対応も含めまして大蔵省のお考え方をお伺いしたいと思います。
○政府委員(武藤敏郎君) 御指摘のように、予備費は「予見し難い予算の不足に充てるため、」ということが憲法に書いてございますが、財政法では予備費として相当と認める金額を予算に計上するということだけ書いてございます。もともとこの予見しがたい予算の不足に充てるという性格上特別の基準があるわけではございませんものですから、一般会計の予算規模に対する計上割合とかあるいは流動的な諸般の情勢等を総合的に勘案して相当と認める金額を計上するものということでやってまいっておるわけでございまして、ここのところ、最近では三千五百億円ということに結果としてなっているわけでございます。
 予備費につきましては、本来予見されるものは当初予算に計上すべきではないかという御指摘があることはそのとおりでございまして、私どもそういう御指摘をいただいたものにつきましてはできるだけ当初予算で対応すべくいろいろ努力をしてきておるところでございます。
 それから、平成三年度につきましてのお尋ねがございました。
 確かに、御承知のとおり、昭和六十一年度から平成二年度までは給与改善というものは計上してまいらなかったわけでございますが、平成三年度に給与改善予備費という形で計上したわけでございます。このときは財政事情にやはり大変厳しいものがあったわけでございますけれども、人事院勧告制度尊重の基本姿勢ということは従来から政府として申し上げているわけでございまして、その基本姿勢に立ちまして、さらに財政の対応力をできるだけ確保するという見地から一・五%相当分を給与改善予備費として一括計上をしたわけでございます。それで、この三年度の人事院勧告はその後完全実施ということになりましたので、平成三年度の補正予算におきましてこの給与改善予備費を減額修正いたしまして給与改善に充当したところでございます。
 今度、四年度以降につきましては、予算上の取り扱いはやはり一・五%相当分の給与改善費を各省庁の既定の人件費に含めて計上するということにいたしました。四年度、五年度同様の方法でございます。
 給与改善費をどのように予算上見込むかということにつきましては、公務員の給与改定に備えるための財源措置でありまして、その具体的な計上等の取り扱いにつきましては従来から各年度の財政事情等を総合的に勘案して決定してきたわけでございまして、四年度、五年度につきましては、昭和六十年以前と同様に、今申し上げましたとおり各省庁の給与費に含めて計上するということにしたわけでございます。
○藤江弘一君 そうしますと、今の給与の予備費については、これは考え方の問題じゃなくて処理手続上の問題であったというふうに理解してよろしいわけですか。
   〔委員長退席、理事会田長栄君着席〕
○政府委員(武藤敏郎君) 考え方の問題でなくて手続上の問題かということでございますが、基本的にそういうことで御理解いただいてよろしいかと思います。
 しかし、言葉の問題といたしましては、単なる手続上の問題と言うとあるいは適切でないかもしれませんのであえてつけ加えさせていただきますが、結局人事院勧告をどのように実施するかということは、これは給与改善費をどのように計上するかということとは別途の問題として、人事院勧告制度を尊重するという基本姿勢に立って考えていかなければならない問題でございます。したがいまして、例えば一・五%の給与改善費を計上いたしましても給与改善所要額がそれをはるかに上回るようなこともあるわけでございますので、そういう意味で改善費を事前に予算上どのように取り扱うかということにつきましては、その都度の財政事情等を総合的に勘案して決定していく、こういうことになっておるわけでございます。
○藤江弘一君 考え方は理解できますし、また評価できるわけでありますが、どうも私の質問に対しましてお答えいただいていないような感じがいたします。なぜ三年度だけが予備費であったかということをお聞きしたわけでありますが、ただ、今のお答えの中で酌み取れるわけでありますから答弁は結構でございます。
 そこで、次に総務庁にお伺いをいたしたいと思うわけであります。
 臨調の第三次答申に即応いたしまして総務庁というものが発足いたしましてからもう既に九年を経過するわけで、ちょうど満十年を来年に迎えるわけであります。そこで、総合管理機能の強化ということでうたわれた総務庁の発足というものが行政改革の一環としてどのように評価されるのかということをお伺いいたしたいと思います。
 行政の一体性、整合性あるいは効率性というものがどの程度確保できているのか、その点についての自己評価と、そして今後どうありたい、どうあるべきとお考えなのか、この点についてお伺いをいたしたいと思います。
○政府委員(八木俊道君) ただいま藤江委員のお尋ねの点でございます。
 総務庁は、御指摘いただきましたように、昭和五十七年の臨調第三次答申を受けまして五十九年の七月に設置された組織でございます。
 臨調の第三次答申におきましては、我が国の行政組織、これは社会経済の発展に伴いまして行政の専門化、複雑化が進む、こういう事態にある、その機能分担が高度化、硬直化しておるので行政の総合性を高めるための対策が必要であるということが臨調答申の指摘の第一点でございました。第二点は、したがってそのために行政改革の重要なポイントとして行政の総合調整機能の強化を図る必要がある。そして第三点といたしましては、具体的な運用として行政の一体性、整合性、効率性を確保する見地から、セクショナリズムによる行政の停滞を回避するということのキーポイントとして人事管理と組織管理、行政監察、この統一的な運用が必要であるという御指摘でございました。まさに藤江委員の御指摘のとおりでございます。
 これを受けまして五十九年の組織改革がなされたわけでございます。その結果といたしましてどのような成果があったのかというお尋ねでございます。
 私ども、臨調答申の趣旨を体しまして、例えば行政改革におきましては、JR、NTT等の行政改革の課題、さらには最近鹿野大臣の指揮のもとにおきます規制行政、地方分権、こうしたものの改革の問題等につきましては、行政改革の大きな取り組みといたしまして行政管理局を中心に行政監察局その他総務庁の持っておりますいろいろな力を結集いたしましてこれに取り組んでおるということが一点ございます。
 若干さらに過去のことになりますけれども、国鉄改革、これが第二次臨調の大きな行政改革の課題でございました。その国鉄改革の実質的な裏づけ措置といたしましては、実を申しますと、委員まことに御指導いただきまして御承知のとおりでございますが、国鉄の旧職員の再就職対策というのがあったわけでございます。これを行政改革の一環といたしまして実現する見地から、行政改革の主役であります行政管理局とそれから人事行政を担当いたします人事局が連携をとりまして、再就職対策のあっせんに努力をいたしたわけでございます。旧国鉄職員のいわば余剰人員対策、六万一千人と言われたわけでございますが、そのうちの一万三千四百二十人を国、特殊法人が引き受ける、こういうことによりまして国鉄改革がその実現を見たということもございました。
 さらに近年におきましては、国家公務員の週休二日制の実現が政府の大きな課題でございましたが、これは人事局が主役という行政でございますけれども、あわせまして行政管理局の担当いたしております定員管理、さらに行政監察局が担当いたしております行政サービスの改善の問題、これらと連動いたしまして何とか国家公務員の週休二日制というものが今日、平成四年の五月に実現を見たわけでございまして、これまた私どもの役所の内部の連係プレーによるところが正直なところ大きかったのではないかと考えている次第でございます。
 一、二の例を申し上げましたけれども、しかしながら今日総務庁の統合再編成によります行政管理、行政改革、そしてまた人事管理、政府部内の総合管理のための体制が果たして今日十分な機能であるかどうか、相互連携が全く望ましい水準にまで来ているかどうかにつきましては私どもまだ若干の反省を持っているところでございまして、今後とも一層努力をしてまいりたいと考えている次第でございます。
○藤江弘一君 確かに臨調答申におきましては今お話のありましたような人事管理、また組織・定員管理あるいは監察というものの一体性というものを指摘しているわけでありますけれども、実際の総務庁の発足に当たりましてはそれ以上に拡大されたわけであります。
 したがいまして、今お話のありました以外の総合調整機能についてはどのように評価されておられるのか、その点についてもお伺いをしたいと思います。
○政府委員(八木俊道君) ただいま御答弁申し上げましたのは、人事局、行政管理局、行政監察局、このいわばマネジメントの機能の部分の連携でございましたが、さらに委員から御指摘いただきましたように、総務庁といたしましては青少年対策、交通安全対策あるいはまた老人対策、北方問題等の特定分野の行政施策の総合調整という責任を担っているわけでございます。その相互間の連携は極めて重要な課題であることは御指摘いただいたとおりでございまして、人事局、行政管理局、行政監察局の三局とあわせまして連係プレーを強化していきたいと考え、かつ努力を積み重ねているところでございます。
 さらに、実を申しますと統計局、これがなかなか重たい仕事でございます。再編成におきましては、我が国統計行政の中枢的機能を確立するという御指導をいただきまして、国勢調査、事業所統計調査、基本統計をつくっております旧総理府の統計局、これに政府全体の統計基準、統計の総合調整を担当いたしております旧行政管理庁の統計主幹部局、この二つを統合再編いたした次第でございます。
 統計行政の中枢的機能を確立するというのが私どもの統計行政に関する再編の考え方でございまして、かつて委員の御指導も多々いただいたところでございますが、こうした分野におきましても一体化と連携の強化、総合的な統計行政運営が今日徐々に図られつつあるのではないかと考えている次第でございまして、足らざるところはさらに一層努力をしてまいりたいと考えているところでございます。
○藤江弘一君 私が特に申し上げましたのは、実は私は国民生活調査会に属しているわけでありまして、そこで高齢者対策を柱として各省の御意見を伺っているところであります。しかしながら、御意見を伺った結果においては、どうも総合調整ということが果たしてどの程度効率的に実現されているのかやや疑問に感じざるを得ないという点もあるわけであります。したがいまして、今後、そういった各般の面についての総合調整についてもさらに力を入れていただくように心から御期待を申し上げたいと思うわけであります。
 いずれにせよ、総務庁というものがうまく運営できるかどうか、行政改革として成功したものであるかということは、これは今後必要な行政改革の推進に当たっていわばかなめになることでもありますので、この点についての総務庁長官の御決意を伺いたいと思います。
○国務大臣(鹿野道彦君) まさしく総務庁は、ただいま官房長からも申し上げましたとおりに、政府におけるところの総合調整機能の活性化とその総合的発揮を図るために臨調答申の基本的方針に沿って設置されたわけでございますので、そういう意味におきましてもとにかく事務を一体的に遂行することというふうなことが大事だということで、その任務として設置されたわけでございますから、私どもといたしましては来年の七月で十周年を迎えるわけでございますけれども、関係部局がさらに連携を深めながら各種施策に取り組んでいき、そして所管行政の一体的な遂行に一層努力をしてまいりたいと、このように考えているところであります。
○藤江弘一君 次に、情報化の問題についてお伺いをいたしたいと思います。
 先般の経済対策閣僚会議における総合的経済対策につきまして、「社会資本整備の新たな展開」という項目の中で、「情報化に対応した各種施設、システム等の整備、」あるいは「情報化に対応した行政機関や学校、試験研究施設等の整備こというふうなものが掲げられているわけでありまして、このことについてはお伺いしたところ総務庁長官の御意見が強く貢献したということであります。まさに御卓見については心から敬意を表したいと思います。
 そこで、この問題につきましては景気対策が主眼とされていると思いますけれども、行政的な視点に立ちましても、一つは、現在御承知のように情報化というものが社会全体として大きく進展をしている。したがって、行政として対応しなければならない情報量というものも次第に膨大なものになりつつあるということでありまして、その中で積極的に行政として対応するということは、国民的な視点に立ちますと、行政処理の迅速化あるいはその質の高度化というものに資するという意味で大変望ましいことであろうかと思うわけであります。この点については、現在総務庁で準備しておられますところの行政手続法が国民のために行政の透明性、公正性を確保するという意図を持っておられるということと軌を一にするものではなかろうかと思います。そしてまた、先ほども申し上げました行政の総合調整機能というものをさらに一層強く求めていかれるとするならば、この問題は一つのかなめであろうかと思うわけであります。
 そのような意味から、総務庁長官の基本的なお考えをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(鹿野道彦君) ただいま先生が申された基本的な考え方、私どもも同感でございます。
 今日の社会経済全般にわたりまして情報化への要請が高まってきているわけでありますから、行政面においても当然行政の効率化や行政サービス向上のために情報化の推進に積極的に取り組んでいかなきゃならないと、こういうふうなことだと思っております。今日までは、先生御案内のとおりに、どちらかといえば、いわゆる行政情報システムの整備やOA化の推進には努力をしてきたわけでございますけれども、電子計算機の利用というものは大量型の業務処理が中心であったと思います。例えば、社会保険とかあるいは運転免許とかという決まり切ったものに使われてきたわけでございますけれども、今後は一般行政事務を含めてより一層広い範囲での活用というふうなものを目指す必要があるのではないかと、こういうふうな考え方を持っておるわけであります。
 特に今後、生活大国五カ年計画にもありますとおりに、利用者の立場に立った公的サービスの確主を目指す必要があるわけでありますから、このためには一層の国民に対するサービス提供の必要ということからも情報化の推進が不可欠でございます。このような認識に立ちまして、先般の経済対策の策定に当たりましても行政情報化の促進のための基盤づくりに積極的に取り組む必要があると、こういうことで総務庁といたしましても各省庁に対して働きかけを行ったわけでございます。具体的な内容につきましては、今後補正予算の編成などを通じまして順次具体化されるというふうなことを承知いたしております。
 基本的には、今回の措置にとどまることなくより中期的な視点から行政情報化の一層の推進に向けて政府全体としてさらに積極的に取り組む必要があるものと、こんなふうに受けとめさせていただき、今後取り組みを強化する方策につきましても総務庁といたしまして御期待にこたえるべく努力をしていきたいと、このように考えておるところであります。
○藤江弘一君 ただいまの長官の御答弁につきましては、大変に心強く感じた次第であります。今申されましたように、国民に対するサービスの視点から、そしてまた総合管理機能の充実という視点から眺めた場合、実は今総務庁で確かに予算を計上されておりますけれども、システムに組み込まれております省庁は必ずしも全部ではないというようなこともございます。しかしながら、総合調整機能のためには各省庁が完全に相互にデータが交換できるようなシステム、こういうものでなければならないと思うわけでありまして、今後も一層の御尽力を賜りたいと思います。
 また、OA機器につきましては、これも臨調の第五次答申で触れておるところではございますけれども、御承知のように、現在OA機器につきましての技術革新がありまして大変に安くなっている、また使いやすくなっている、また性能も高くなっているというふうな利点もございます。そのような意味からいいますと、かってに比較いたしまして予算化しやすいような環境というものができつつあるのではなかろうかと、このように考えている次第でありますので、今後総務庁の一層の御尽力をぜひ御期待を申し上げたいと思うわけであります。
 ところで、もう一つ恩給関係につきまして通告をいたしておりますけれども、これにつきましては時間の制約上、別の機会に譲らせていただきたいと思います。御苦労さまでありました。
   〔理事会田長栄君退席、委員長着席〕
○木庭健太郎君 まず冒頭、カンボジアのPKO問題をお聞きしようと思います。
 官房長官がお見えになってからとも思ったんですけれども、今向かっている最中ということでございますので、まず実際の現地の状況の認識あたりを先にお尋ねしておこうと思っております。
 ともかくこの問題については、国連ボランティアの中田さんが亡くなられて、そして今度高田さんの殉職という問題がありました。もちろんこの問題に対して私たちは、亡くなられた方たちに対して何より衷心から本当にお悔やみ申し上げたいし、なおかつ、またけがをされた方たちもいらっしゃる。平和の中で闘われて仕事をされ、その中でそういう傷つく方が出られたということに対して、私もPKO法案のときにかかわった一人でございます。そういう意味では、今回の事件について本当に非常に痛ましいことだし、二度とこういうことを繰り返さないようにしたいという思いは政府と一緒だろうと思っております。
 ただ、私が冒頭お聞きしておきたいのは、現地の今の状況の問題についてでございます。午前中も参議院の本会議でもございましたし、また先ほども社会党の質問に対しまして現地の状況についての報告がありました。その報告というのは、私が聞いている限りでは、外形的な枠組みは崩れていない、パリ協定からポル・ポト派は外れていないし、記者会見の中でこの枠組みを守るということもおっしゃっている、そのことについて政府が評価をし、停戦の合意という大枠は崩れていないということをおっしゃることに関しては私たちも理解はいたします。
 ただ、実態面を見ていったときにどうなのかということについては、先ほど官房長官がおっしゃったように、官房長官の言葉で言うならば、和平協定の枠組みはあっても脆弱なものと言わざるを得ない、こう官房長官はおっしゃったわけでございます。そういう意味では今事態が随分変化をしている。その現地の実情というのをぜひ政府の口から話していただきたいわけでございます。
 例えばどんなことか。停戦違反事件というのが一体何件相次いで起きているのか。二十三日からいよいよ選挙が始まるわけですけれども、これについて、今の状況の中ではUNTACの態勢が変わるような話も出てきている。どんなことか。例えば三派に対して武器を返却しようという話も出てきている。投票が行われる州が何州になるかも、少なくなる可能性も出てきている。また、投票所の設置の仕方も、UNTACが派遣している基地の周辺に置こうというような考え方も出てきている。極めて状況の変化がある、緊迫した度合いを増していると私は認識しておるんですけれども、そういう実態に即した現状について、政府からまず見解を求めたいと思います。
○国務大臣(河野洋平君) 前途有為な青年の貴重な人命を失ったことはまことに残念なことでございますし、心から御冥福をお祈りすると同時に、さらに一層安全対策等についてあとう限りの努力をしなければならぬものと考えております。
 今、委員お尋ねの状況についてどういうふうに申し上げていいか、余り整理をしておりませんので申しわけありませんが、幾つか申し上げますと、確かに停戦協定違反と思われるような事案が四月半ば過ぎからかなりあちこちで起きております。確かに、これは選挙の投票が近くなるに従ってそうした事案が多いということを私どもも感じておりますが、先ほど中尾委員にお答えを申し上げましたように、これらの事案がいずれもどういう背景を持つものかということについてすべて確実に確認がとれているわけではございません。計画的、組織的に政治的な背景をもって行われているものだというふうには確認ができないわけでございます。以前ポル・ポト派に所属をしている人としておつき合いをしていた人が突然鉄砲を持って撃ったという事案がございますが、この事案についてはかなりはっきりと、ポル・ポト派に属する人の銃弾が事故を起こした、人を殺害したということで、こうした事案は確認がとれるわけであります。そうでない事案については、待ち伏せをされたあるいは宿営地が襲撃を受けたという事案についても、そこで相当大がかりな物をとっていったということになりますと、果たしてそれが物取りを目的としたものであるのか、あるいは政治的意図を持ったものであるかということは確認ができないという状況もございます。
 したがいまして、今、木庭委員は一体何件ぐらい協定違反があったかというお尋ねでございますが、この停戦協定違反というものが何件ということを実はなかなか正確に数え上げることは難しい。ただし、どれだけの人心に影響を与える事案があったかということ等については数えることは可能だと思います。そういう状況でございます。
 それから、投票所がまんべんなく二十一州に配置できるかどうかということについて、これはUNTACの判断でございますが、いろいろと努力をしておられるようでございます。選挙部という選挙を担当する部があるわけで、オースチン部長を中心にこれらについても相当詰めた議論が今行われていると聞いておりますが、私どもが承知をいたしております限りでも、おおむね千八百カ所に投票所を設置する予定であったものを、やはり幾つかは削減をするということを今考えておられるようでございます。しかし、それらについても、例えば、ある州から完全に投票所をなくすということを考えるのか、若干移動をするということになるのか、これらについてもまだ最終的な決定は出ていないと聞いております。
 さらに、各国の大がかりな部隊の宿営地などの近くに投票所を移すというようなことも、これもまた一つの知恵として必要に迫られてそうしたことを考える。これらはやはり投票所の安全を確保するという意味でこれはそういう判断がきっとあるに違いないと私どもも思っております。選挙が安全に行われる、公正に行われるということは何より重要なことでございますから、そうしたことを考えた判断というものがこれからさらに詰めて議論され決定されていくものというふうに見ております。
○木庭健太郎君 私たちも選挙の成功というのは心から祈る者の一人でございますけれども、そうすると官房長官は、UNTACからそして現地の状況から聞いた限り、現状いろんな事態があるにしても公正な選挙というものが行い得るという判断を今していらっしゃるということですか。
○国務大臣(河野洋平君) 選挙が公正に、そして多くの人に正しい選挙が行われたと認めていただける選挙が行われることを願っております。
○木庭健太郎君 今、官房長官から少し実態論をお聞きしたんですけれども、私どもは、国民に今の政府の御説明なさっている停戦の合意が守られていますよという説明は非常にわかりにくい。
 外形的には確かにそうであるにしても、やはり実態から見ればUNTACに対して攻撃が行われている。物取りかもしれない。でもそうじゃない政治的な部分で確かに攻撃が行われている部分もある。なおかつ貴重なお二人の命が日本の場合は奪われたということがある。それならば、私は脆弱というような言葉の表現ではなく、現時点で地域をよく見れば、地域によっては一部停戦の合意が崩れつつあるという危惧をやはり私たちは抱かざるを得ない。その辺の認識をきちっとしておかない限り日本の対応というのはできないんではないか。
 実態としてじゃどうなのかということについて、官房長官、国民にわかりやすく説明できるならば、形式だけじゃなくて実態としてこうです、合意は崩れておりません、そう言い切れるのかどうか、御説明できる部分があるならば説明していただきたいと思うんです。
○国務大臣(河野洋平君) 停戦の合意というのは、当事者の合意という意思を表明するものでございます。したがって、当事者がこの停戦の合意を守るという意思を表明される以上、その停戦の合意というものは守られているというふうにまず認定をする以外にないわけでございます。
 ただ、残念ながら、その停戦の合意がありながら停戦の合意に違反する事案があるということでございますから、カンボジアのそれぞれのグループ、集団に対していよいよ選挙も行われる、あるいはカンボジア国民が和平を願ってこの和平協定が結ばれ、そしてそれに基づいて国連、国際社会が一致してそれを達成する、永続的な和平を達成するために国際社会が一致してこれを支持しようとしてUNTACを、つまり暫定的な統治のためにUNTACをプノンペンに持っていったわけでありますから、そのためのプロセスを進める意味で全カンボジアの人たちに協力を訴える、選挙に対する協力を願うということが今我々がやらなければならない一つの問題だと思います。
 もちろん、その一方でUNTAC要員の安全を確保するための手だてを、そのためにでき得る限りの、我々がなし得る限りのことをやらなければならないというふうに考えておりまして、先般日本人を含むすべてのUNTAC要員の安全を確保するという見地から村田大臣は明石特別代表と協議をされて、そして我々もまたその村田大臣の帰国の報告を受けて本日も安全対策会議をやりました。
 その結果、総理の決断もあって、UNTACに対して安全確保という見地も含めてもっと輸送手段の強化その他に対して日本ができる支援を行おうということでございますとか、あるいは配置の変更等について関係各国との協議を早急にすること、さらには邦人文民警察の方々に対して個別的な状況の聞き取り、さらには支援のために巡回を早急に行うことなどをけさの会議で決めて直ちにその作業に入っているところでございます。
○木庭健太郎君 今の官房長官の答弁を聞いておりますと、そうすると我が国の基本的停戦の合意という考え方については、ポル・ポト派がいろいろ今言われていますけれども、結局パリ協定を遵守するということを言う。なおかつSNCから抜けないと。この二点さえあれば、たとえ停戦違反事件であっても、大規模なものが起こったとしても、それは停戦の合意は崩れたとは言えないという判断だということでございますか。
○国務大臣(河野洋平君) しばしば政府が申し上げておりますように、全面的な戦闘状態に入るということであれば、これは停戦の合意が崩れたという認定は当然あってしかるべきだというふうに思います。しかし、現状ではまだそういう状況になっていないということから、私どもはこれまでとってきた基本的な考え方を変更する意思はないということを申し上げているわけでございます。
○木庭健太郎君 私は、先ほど社会党の方も御意見を申されておりましたけれども、国内全面的な展開ということではなくて、官房長官の言い方になれば停戦合意違反という言い方になりますか、その違反事件というものが地域によって大規模なものであり、なおかつ私たち日本から出された要員に対して攻撃なりそういう問題があった場合は、それはやはり五原則に基づいて検討すべき課題であると思います。全面戦争がない限り一切考える必要がないんだというその考え方だったら私は誤りだと思うし、それは実情実情に合わせてその点は検討すべき課題だと思っておりますが、その点はいかがですか。
○国務大臣(河野洋平君) 私も、地域によって、この地域では本来の活動が行えないあるいは生活に必要な最低限の条件も整わないというような地域があれば、その地域を移動するということは考えなくてはいけないというふうに思います。
 ただ、先ほど中尾委員にも御答弁を申し上げましたが、それぞれの地域にはいろいろな国からのUNTAC要員がおられるわけでございまして、そうした各国からのUNTAC要員それぞれについて、やはり安全の確保の見地から議論がなされるに違いない、当然そういう議論がそれぞれの国においてもなされているに違いないし、なされるに違いない、こう思っておりますので、そうした国々とも連絡をとる必要があるのではないかということがけさの安全対策会議にも出ておりまして、外交ルートを通じて各国との連絡もとるべく指示をしております。
○木庭健太郎君 私は中尾委員に対する官房長官の答弁の中でやや心配した点がございます。なぜかというと、一番最初におっしゃったことが、安全確保という問題、危険な問題が起きたときまずUNTACすべての安全を考えているという御発言をなさいました。日本人の要員だけということじゃだめなんだ、もしそういう問題が起これば当然UNTACと同様、全体の引き揚げでしかないんだというような御発言をなさいました。私はそれは第二義的な問題であると思っておるんです。
 現地のいろんな危険な状況が起きる、例えば大規模な停戦違反事件が起きる。そのことをまず判断すべきは日本の判断である。日本が独自にやはりその問題について判断する。そして、全体状況が危ないのであるならばUNTACにそのことを言い、UNTACとともども一緒になってその土地から撤退することはあり得ると思います。しかし、少なくともこのPKOの法案を議論し、やったとき、やはり日本独自の判断で判断できるということをまず最初に論議したはずであります。
 官房長官が国際社会の中での位置づけということで苦慮なさっていることも十分わかる。わかっているけれども、法の運用ということに当たってはやはりまず日本独自の判断を下す。その中で、全体が危なければ一緒に引き揚げる問題が出てくるだろうし、もしそうでなくて、各国と協議してみ、UNTACと協議してみたけれども、日本だけが独自の判断で、いやここは危険だからどうしても引き揚げさせてもらいたいということは、私は起こり得ることはあると思うんです。
 それが基本的な考え方であって、おっしゃるように、全体がそういう状況になればもちろん各国とも協議し、UNTACとも連絡をとる、全体状況を考える、これは当たり前のことであって、その前に官房長官の頭の中に一番入れておいていただきたいのは、私たちは法案を通すときに賛成しました。しかし運用するのは政府なんです。その運用の際に法をないがしろにしてやるというような考えが頭をもたげつつあるんじゃないか。国際社会の問題が一番中心である、まずそのことだけを考えるということでいいんだろうか。
 私は、この問題、国際世論とともにやはり国内世論ということを官房長官には考えていただきたいんです。初めてのPKO参加なんです。もし国際的にもこれが失敗すれば日本の大変打撃になる。それとともに、もし国内的に訴えることがPKOを国民に誤解させれば、これは日本における、国内における失敗ですよ。その両面があるということをぜひ認識をしていただきたいと思っておるんです。
 私の基本的認識でいいかどうか、官房長官にお伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(河野洋平君) 木庭委員の御見識を判断するほど私には能力はございませんが、私が申し上げていることと木庭委員のおっしゃることとはそう違わないのではないかと思います。
 ぜひ誤解のないようにお願いをしたいと思いますが、UNTAC要員の安全というものは、基本的には、第一義的には実はUNTACが考えるというのはこれは当然のことでございます。ただ、我々は、横から見ていて我々が得る情報がUNTACの判断を超えて心配なものがあるというときには、UNTACに対しても、あなたのところにこういう情報は行っていないのか、こういう問題があるのではないかということを、我々はまずUNTACにそういう情報を提供したりあるいは提議するということは当然あってしかるべきだろうと思うんです。そして、我々は、UNTAC全体の安全を考えるということが実は日本の要員の安全を考えることであって、本当に誤解のないようにお願いをしますが、私は、日本の要員の安全というもの、それは私の頭の中には一番重要なものだというふうに考えております。
 ただし、私がそのことだけしか考えない、あるいはそのことだけを言い募るということで果たして本当に日本のUNTAC要員の安全が守れるかといえば時にそうではなくて、やはりUNTAC全体の安全ということを考えなければ実は日本のUNTAC要員の安全も守れないのではないかというふうにも思ったりするわけでございます。
 今まさに木庭委員もおっしゃいましたように、UNTACの認識と我々の認識に差があってはなりません。認識をいつでも一つに合わせて、つまり我々が持っている情報もすべてUNTACにできる限り知らせて、UNTACの認識と我々の認識を合わせていくという努力もしなければなりません。
 そして、UNTACに対して安全のために我々が言うべきものは言うということが大事だと思います。そして、UNTAC全体の安全を守るという努力をするということが、繰り返しになりますが、重要であって、皆さんに御議論をいただき、皆さんに御理解をいただき、御支援をいただいてでき上がった国際平和協力法の枠内で、法の趣旨を逸脱するような、曲げるようなことをすべきではない、してはならないということをもちろん私は考えながら、その範囲内で我々はとるべき安全策を、あとう限りの安全策をとるというつもりでおります。
○木庭健太郎君 ですから、私が一つ言っておきたいことは、今、日本政府としてUNTACに対しても安全対策というのは要請された、協議された。受け入れられるものもあれば受け入れられないものもある。受け入れられないものについては日本政府として今ぎりぎりのいろんな努力をされている。これも理解しましょう。
 ただ、いろんなものをやるときにUNTACとの意見の食い違いがどうしても出てしまうときがあるかもしれない。日本がこれとこれとこういうことだけはぜひ安全対策としてしたい、やりたい、でもどうしても合意できないというような場合は、もしそういうことが起こった場合には、地域によっては、これは文民警察、選挙監視員といういわゆる文民の方々に限っての問題でございますけれども、やはり実施要領でいえば休止、わかりやすく言えば任務の中断――撤収でなくてやっぱり中断ということを、第一義的にはそういうことも起こり得るということを政府として検討を今始めておかなければならないと私は思っておりますが、官房長官の見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(河野洋平君) 急迫する、あるいは逼迫すると言った方がいいんでしょうか、緊急事態ということがあれば、これは自身の判断で緊急避難をするということは当然あると思います。それが、今委員がおっしゃる休止といいますか、緊急避難ということを委員が休止という言葉でおっしゃっているとすれば、それは当然あるというふうに思います。
 現に、五月五日だったと思いますが、非常に逼迫した状況もあって、たしかスウェーデンの方だったと思いますが、地域のリーダー、サブリーダーのオーケーをとって任務地を離れて緊急避難をしたという例はございます。そういうことは十分あり得るということだけ申し上げておきます。
○木庭健太郎君 ちょっとまたそれはニュアンスが違う部分があるんですけれども、私が言いたいのは、UNTACに日本政府として要請をしていく安全対策について、ぎりぎりいろいろやる。でも、日本政府としてどうしてもこの対策だけはやってほしいけれどもUNTACとしてはできないというようなことが起こり得る可能性もなきにしもあらずだ。もしそういう事態になった場合は、任務のその地域で、我が国が考えているこれについての安全対策をお願いした。しかしなかなかできない、どうしてもできないという状況においては、基地というのが文民警察の場合はありませんけれども、今安全な場所はプノンペンですから、プノンペンに一時引き揚げてくるというようなことも、やはりこれは検討の課題の中に入れておかなくちゃいけないんじゃないかという趣旨でございますけれども、その点いかがですか。
○国務大臣(河野洋平君) いろいろなケースがあると思いますので余り仮定の話は意味がないかもしれませんけれども、一つの全くの仮説として、極めて厳しい状況、例えば生活することができる最低限の条件すら整わないということになれば、これはその地を離れざるを得ないというようなことが仮にあったといたします。今、木庭委員がおっしゃるように、そこを離れてプノンペンに戻るということを考えたとした場合には、UNTACの応援がなければなかなか実は動けないだろう、陸路をなかなか動けない、ヘリの応援を頼む、あるいは陸路を動くときにはエスコートを頼まなければならないというようなことがあれば、それはUNTACの了解がなければ実は動けないということも考えられるわけです、場所によってでございますけれども。
 したがって、私が先ほどから申し上げておりますのは、そうした場合にでもUNTACの理解を得るということが日本のUNTAC要員自身の安全を考える上でも大事なんだということを申し上げたのはそういう意味もあるわけでございまして、そういうヘリの緊急出動を要請するとか陸路をエスコートをつけて別の地域に移動するということは、仮定としてはあるというふうに申し上げているわけです。
○木庭健太郎君 官房長官、極めていろんな情勢の中で答弁をお苦しみながらやられているという状況だなということ、またこの問題は論議もさせていただかなくちゃいけない問題なんですけれども、もう一つ聞いておきたいのは、午前中の参議院本会議で、村田自治大臣が帰ってこられた、そこで現地の文民警察官の生の声の話をただされたんですね、議員から。その際に、例えば新聞によると、私もこれ非常にショックを受けた記事なんですけれども、あと何人死んだら帰れるのかとか、それから日本にいる人たちは実情を知らないとか、そういう報道が日本の報道では大きくなされたわけです。これについて、生の声を聞きたいということで聞いてみたわけですけれども、そういうのは知らないとおっしゃってもおりました。
 官房長官、どういう生の声を文民警察の方たちが訴えられたのかという実情をもし御存じなら、先ほど何か山崎隊長の話を少しされておりましたけれども、私も一回現地でお会いしましたし、本当に責任感が強い方だなと思いましたし、ただともかく生の声というのが、一体どんなことが日本に対して実際訴えられたのか。今、文民警察はこういう状況に置かれている、こうなんだ、この点は考えてくれということを、どういうことを生の声で訴えたのかというのをわかる範囲でお答えいただきたいと思うんです。
○国務大臣(河野洋平君) 村田大臣は確かに現地でかなり多くのUNTAC要員と話をしておられるようでございます。文民警察の要員の方、たしか十人を超える方々と話をされたというふうに聞いておりますし、また翌日にはそれ以外の方々ともお話をされたというふうに聞いております。私も新聞の記事を見て、あの新聞の記事ではかなりショックを受けました。
 村田大臣に文民警察の方々との話についてどんなぐあいでしたかと私も伺ってみましたけれども、村田大臣は、大変責任感も強いし友人を思う気持ちもあって、自分も時に感銘を受けたりいろいろであったというやや抽象的なお話でございまして、直接だれが何を言ったかというような具体的なことをまだ伺っておりません。
 したがって、ここで御披露をするだけの私にはデータがございませんが、いずれにせよ村田大臣は直接話を聞いておられますし、もっと言いますと、UNTAC要員、文民警察の方々あるいは停戦監視要員の方々には、例のインマルサットという宇宙衛星を使ってかけられる電話システムをできるだけ多くの方に持っていただくと。これも全員でないことが甚だ残念でございますが、かなり多くの方に持っていただいておりますので、これは直接実はプノンペンからはもちろん連絡がかなりひっきりなしにとれておりますし、日本からもその何人かの方とのやりとりはいたしておりまして、日を追うて食料の問題、水の問題等についても、今はある、きょうは水を手に非常に入れにくいというような話は聞いておるところでございます。
○木庭健太郎君 このPKO問題の最後に一つぜひお尋ねもし、また私の意見も言いたいのは、文民警察官、選挙監視団というのを、選挙団は今から出ていくわけですけれども、正直言いまして、PKOの論議のとき、どちらかというと自衛隊の問題を主でやった。文民警察という問題については、PKOができれば出せばいいんじゃないかというような議論になってしまったということがあります、実際に。
 実際に私ども去年の十二月、文民警察の方たちにも会ってきましたけれども、国としては三十二番目ですよ、最後に行った。実際行くときは、日本としては例えば一つの警察署、一カ所にまとまるような配置のつもりで出ていったところはあります。しかし現地に行ってみると、ある意味では各国合同の形でやらざるを得ないような状況になった。配置先も御存じのとおりアンビルがあってみたり、シエムレアプがあってみたり、厳しい地域もあった。以前からも厳しい状況の中で仕事をされたことも事実です。本当にその中で必死で作業をされてきた。そのことについて、私は現地へ行って非常に活動については感動もいたしました。だから余計悔しいんです。何が悔しいか。個別で行った方たちについては、そのインマルサットの問題も、国会でいろんな話をした後にようやくついたんです。最初は通信するだけで一週間かかったんですよ。そういう実情もあったという。
 特にこういういろんな変化が起こるときに一番大事なのは、個別に、まあ個別という言い方が正しいかどうかわかりませんけれども、集団、部隊で行ったんじゃなくて個々で行った人たちのことを本当にどう掌握をし、どう常に意見を聞き、その人たちの意見の中からどう対応するかを決めるということが一番大事ではないのかなということをも思いました。
 文民警察という問題、これからほかのPKOでも起こる話かもしれません。そうなったときに、やはりある意味ではより慎重に、なぜかというと、自衛隊の場合もそれぞれ個人の意思は反映されています。ただ、この文民警察、選挙監視というのは、ある意味では自主的に個々の意思で行った方たちなんですよ。それならば、その個々の意思が行った先でもより反映されるような形、もちろん任務のために必死にやっていらっしゃるけれども、それをぜひ念頭に入れておいていただかなければ、本当にこれは一生懸命やっている方たちをむやみに、ある意味では見捨てた形になってしまうと思うんです。
 その点について本当に十二分の留意をしていただきたいと思っておるんですけれども、それについての官房長官の答弁を求めておきます。
○国務大臣(河野洋平君) 御指摘は全くそのとおりだと思います。文民警察あるいは選挙要員、停戦監視要員、これらの方々については、今御指摘のとおり個人参加といいますか、個別に行動をなさるというケースが多うございます。
 この場合にはやはり何といってもUNTACの組織の中で、例えば選挙部門に我々の主張が反映する、あるいはUNTACの選挙部門が今一体何を考えているかということができるだけ早くわかる、つまり本部要員をどうやって入れるかということが大事なんです。
 文民警察部門についても実はそういうことが必要だったんではないか。今、山崎さんがそういう役割を果たしてくれているわけです。もちろん彼は十二分に責任感を持ってやってくれていますけれども、組織図からいえば、もっと高いレベルにだれか人がいればもう少し別のことがあるいはあったかもしれないというようなことをあれこれ考えながら、今できる限りの安全対策について、日本として今緊急に何ができるかということを考えているわけでございます。
 実は、萩次長はけさ帰ってきたところで、私が申し上げるよりは萩さんからお答えをいただいた方がよかったかもしれませんが、約一週間ほど緊急に現地へ行ってもらってけさ帰ってきたわけで、当然のことながら国際平和協力本部は現在不眠不休でこの問題に当たっております。御指摘ごもっともな点が多うございます。まだまだやらねばならぬことも今後の問題としてあるということを今の御指摘の中で感じながら、御質問を伺った次第でございます。
○木庭健太郎君 ほかの問題をいろいろやりたかったんですけれども、随分長くやって、官房長官も丁寧な御答弁でございましたので、残りの問題については少しはしょってやらさせていただきたいと思います。
 一つはODAと世界銀行の問題でございます。世界銀行は一応、一応というか貧困の撲滅と環境の保全ということを名分にいたしまして業務をずっと行ってきたわけでございますけれども、最近になりまして世銀の中にある業務評価局というところが報告書を出しております。これを見ると、プロジェクトのうちの三七%が失敗だというような問題、そういう指摘がなされてみたり、またプロジェクトの満足度ということでもやはり六〇%程度にしかならないというような問題が出てきている。
 もう一つは、これを受けて世銀が同じように、実際にやっている業務というかプロジェクトがうまくいっているかどうかということで、ワッペンハウスという方にお願いして、ワッペンハウス報告書と世銀では言われておるんですけれども、そういう報告書が出ました。その中でも不満足な実施状況のプロジェクトが一九九一年には三七・五%にもなっているというような問題が出てきている。
 そしてその中の指摘には、例えば世銀の審査プロセスの信用性が問われている。世銀スタッフの多くが審査をどのように眺めているかといえば、貸付承認を得るための売り込み材料として、また個人的評価を高めるための手段としてしかこれを見ていないというような指摘も実際なされている。こういったことが指摘されているわけでございます。
 日本もこの世銀には多くの融資をしているわけでございます。そういう意味で、こういう世銀のやっているプロジェクトが世界じゅうの開発国で開発をし、その問題が実際に環境に与える影響、人権に与える影響というのはどうなのかというのは、さまざまにこれはNGOの方たちから指摘もあるわけでございます。
 そういうのを受けた形で、日本として世銀にも大蔵省の方から理事を送っておりますから、これについてどのように報告書を評価し、こういう問題に対して日本としてどのように世銀に対して物を申していこうとしているのか、その点について見解を伺いたいと思います。
○政府委員(中平幸典君) ただいま御指摘がございましたように、世界銀行はその内部におきまして、行っている業務が果たして所期の効果を上げているかどうかという評価をやっているわけでございます。
 世界銀行は、ただいま先生からお話がありましたように、途上国の開発を支援するためにさまざまな業務をやっているわけでございまして、かつては我が国もその大きな借入国として、戦後の高度成長の過程において世界銀行からの融資というのが大変大きな役割を果たしたわけでございますけれども、最近非常に拡大してきております世界銀行の融資につきまして、それが本当に所期の効果を上げているかどうかということを世界銀行の中で事後評価をいたしております。
 また、毎年やっております事後評価に加えて、ただいま御指摘がありましたように九二年の二月、昨年の二月にワッペンハウスという世界銀行の当時の副総裁でございますけれども、彼をヘッドにしましたタスクフォースをつくりまして、昨年の九月にその結果を取りまとめたわけでございます。そして、その結果を分析して、どこに問題点があるのかということを分析し、今後その問題点をさらに克服するためにどうしたらいいかと、こういうことを中でやっているわけでございます。
 もちろん、ただいま御指摘がありましたように、最近必ずしも所期の目的どおりいかないというものがふえていく。その状況としては、ただいま評価をしておりますのは主として一九八〇年代に融資をしたもの、それがプロジェクトとして完成をしてまいる。その完成をしたプロジェクトが果たして所期の目的どおりのものであるかどうか、こういうことで評価をするわけでございます。
 その過程において、一次産品価格の低迷あるいは累積債務がふえた等々、外的な要因もあってそれはまた大変大きなウエートを占めているということではありますけれども、同時に借入国自身がプロジェクトの準備、実施能力について不十分な点がある、また世界銀行自体がプロジェクトの審査、管理能力において不十分な点がある、こういうことが指摘をされているところでございまして、ただいまこれらについて具体的にどういうふうに改善をしていったらいいのか、そういう改善のための具体的な行動計画、そういうものを作成するという作業が世界銀行の中で行われているわけでございます。
 私どもとしては、世銀みずからがこういうふうに事後評価をし、そして問題があるということを表に明らかにし、そしてそれへの対応をやっていこうということ自体は大変健全なことだというふうに考えておりまして、ごく最近もIMF・世銀合同開発委員会というのがワシントンでありました。林大臣が出席をされましたが、そこでの大臣の演説の中でも、単に量的に拡大をするというばかりではなくて質的な面での向上を図る、そのために具体的な措置をとっていくということが重要であるということを指摘し、そういう要請を行ったところでございます。
○木庭健太郎君 問題を途中随分はしょりまして聞きますけれども、私はインドのナルマダ・ダムの問題を随分国会でも取り上げたことがありましたけれども、インド政府自体が移住計画を世銀が要請するとおりにできなくなって結局停止という事態を招きました。環境それから先住民の移住問題、そういう点を本当に慎重にやっておかなければこういう結果を招くということを痛感した次第なんです。
 それで、私はやはりこの世界銀行に対して影響力のある日本としては、次の三点をぜひ日本として要請していきべきではないかと考えております。
 一つは、ナルマダ・ダムの例をとりましても、やはり世界銀行と国という関係でございますので、なかなか情報自体が現地の人に伝わらないという問題があります。それと、例えばこういう業務報告にしても世銀内部の情報でございまして、一般の方たちが知り得ることがなかなかできないような形になっている。情報を本当にわかりやすく公開していくことを世銀に働きかけていかなくちゃいけないんじゃないかというのが一点です。
 それから二つ目は、まさに林大臣もおっしゃったんでしょうけれども、量から質への転換という問題は極めて大事です。その質という問題の中で特に重要なのは、やはりこれから日本が環境問題、それから人権の問題、こういう問題に本当に真剣に取り組んでいかれるというのであれば、そういった問題を最優先順位として、案件をいっぱいつくるよりもそういう環境、人権という問題についてやはりしっかり日本として物を申していかなくちゃいけないんじゃないか、これが二つ目。
 もう一つ大事なことは、やはり地元住民の意見をどこかで開陳できる、世銀の場になるでしょうか、それとも世銀が調査した場になるでしょうか、いずれにしても地元住民、関係住民、開発を受ける人たち、その人たちが意見を開陳できる場というのがぜひ必要だ。このナルマダの問題についても、実は新たに世銀が調査団を設けて、現地インドに行って関係住民に詳しく話を聞いたときに問題点が浮き彫りになったわけであります。その意味では、関係住民が意見を開陳できる場というのを世銀の内部につくっていくという必要性があるんじゃないか。
 この三点をぜひ日本として世界銀行に訴えていくべきであると私は考えております。この問題は、本当は日本のODAについてもやらなくちゃいけない問題なんですけれども、ある意味ではより調査機能の整った、より大がかりな世銀だからこそまずできる部分があると思うんです。そういう問題について、日本として私は積極的に発言していくべきだと考えておりますが、これについての見解を求め、また大臣にもこの点について御意見を伺って、本当は予備費の問題もいっぱい聞きたかったんですけれどもそれについては取りやめまして、今言ったことに対する当局としての御見解、大臣として今指摘したことについてどう考えられるかについての見解をお二人に伺って私の質問を終わりたいと思います。残りの方たちにはまことに申しわけありませんでした。
○政府委員(中平幸典君) 世界銀行が融資活動を行っているわけでございますが、その活動内容について情報がなかなか十分現地に伝わらない、表に出てこない、そういうことについて情報公開するようにというのが第一点だったと思いますが、基本的な考え方として、世銀みずからの業務については可能な限り情報公開をし、説明を行う機会を設けるということは先生が今おっしゃったとおりだと思います。そういうことで、世界銀行自体も基本的にはそういう考え方をとっているわけでございますけれども、これからもその趣旨に沿って私どもとして情報提供が十分行われるように努めていきたいと思っております。
 ただ、実際のプロジェクト自体のことになりますと、これはやはりプロジェクトの実施主体というものが各借入国にありまして、そしてその借入国の実施する上でのプロジェクトの内容等についての情報公開というのは、基本的に一義的にはその国がやらなければならないということであろうと思いますけれども、そういうことを踏まえた上で、世界銀行がみずからの業務についての情報公開というのはできる限り努力をするように私どもとしても働きかけを行ってまいりたいと思っております。
 それから第二の点は、量から質への転換ということについて先ほどもちょっと御答弁申し上げましたけれども、私ども量は要らないということを言っているわけではございませんで、やはり途上国に対する資金フローの確保というのは極めて重要でありまして、特に今世界が、例えばロシア等新たな市場経済への移行というようなことで資金がどうしてもそちらの方で必要になる。それに対して、途上国の中には自分たちの方に必要な資金が回ってこなくなるのではないか、こういう危機感もありますから、もちろん量の確保の方も私ども努力しなければならないと思いますけれども、量だけではとてもいけないわけでありまして、特に質の面で、先ほど御指摘もありましたように世界銀行の業務が必ずしも質的な面でこのごろ改善しているというよりは、むしろ問題も出てきているということについては十分考えていかなければなりません。
 また、特に今先生からお話がありました環境面あるいは住民の移転等のそういったような問題についてはかねて、例えばナルマダのダムにつきまして私ども理事会でも発言をし、適切な措置がとられなければならないということを言ってまいりましたけれども、今後ともそういった考え方に立って世界銀行に働きかけをしてまいりたいと思います。
 第三番目に、地元住民の意見が反映するようにすべきであるということであったかと思いますが、この点も世界銀行はこれまで必要に応じまして関係住民の方々から意見を聞くということを、ケース・バイ・ケースですけれども実際にやってまいりました。このことは極めて重要なことだと私ども思っておりますが、この点につきましても、プロジェクトを実施する上での地元の住民の方々の意見の調整あるいは住民の方々の意見の同意を得る、こういうこと自体はこれは借入国なり借り入れの地元の州政府等々そういったところの責任が第一義だと思いますけれども、当然のことながら世界銀行が融資判断をする上で地元の住民の方々がどういう意見を持っておられるかということは極めて重要な要素になる場合が多いわけでございますから、ケース・バイ・ケースだとは思いますけれども、そういう面での配慮が十分行われるように私どもとしても働きかけてまいりたいというふうに思っております。
○国務大臣(林義郎君) 今事務当局から御説明したとおりでありますが、私が思いますのに、日本もかつて世銀から金を借りたことがあります。今や貸す立場の方の国になりました。やはり世界の平和のために、特に発展途上国などの貧困なところを救っていくために日本は応分の国際貢献というのはしていかなくちゃならない。日本が直接にやる場合もありますけれども、世界銀行等を通じて貢献していくということは、私はひもつきでないところの融資、世界のための平和というものを考えたときに、世界銀行であるとかアジア開発銀行であるとか、そういった国際機関からの融資というのは私は非常に大切なことだと、こう思っているんです。
 ただ、それは御指摘のようないろんな諸問題があります。人権に配慮しなければならない問題であるとか環境に配慮しなければならない問題であるとか、いろんな諸問題がありますから、そういったことは率直にやっていかなければならない話だろうと思うんです。
 そうした意味で、ワッペンハウス報告であるとかいろんな報告が出て、世銀の内部でもいろんな反省が出て私は非常に結構なことだと思いますし、融資サイドとして、融資をする銀行として内部からそんないろんな議論が出てくる。また、いろんなことを取り入れていかなければならないということは私は非常にいいことだと思いますし、そういった方向はぜひ推進をして取り入れてやっていかなければならないものだろうと思っております。世界銀行にも、日本は大変大口の出資者でありますからそういった立場からも、そういった形で健全な融資というものをやっていくということを考えるべきものだろうと思っています。
 こうした物の考え方というのは、日本が日本独自の立場におきまして、発展途上国に対して援助する場合についての大きな指針になるだろうと、こう思っています。日本独自でやるといったところでなかなか難しい問題もありますから、世界銀行のそういったノウハウやその他のものを大いに活用して私たちはやっていかなければならないんじゃないか、そういうふうに考えているところでございます。
○木庭健太郎君 終わります。
    ―――――――――――――
○委員長(大渕絹子君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 ただいま、山下栄一君が委員を辞任され、その補欠として風間昶君が選任されました。
    ―――――――――――――
○直嶋正行君 まず最初に、大蔵省の方にお聞きしたいと思います。
 内答は予備費についてでございますが、予備費の国会への提出の問題でございます。以前は、通常国会が十二月開催でありましたが、今は一月開催であります。それで、普通は予備費の国会への提出の仕方としましては、常会の審議に間に合うように一つの年度を(その1)と(その2)に分けてこれまで提出されていたと思うのでありますが、国会が一月開催になりまして会期末も六月までということになりますと、例えば今回提案されております平成四年度で申し上げますと、(その1)が昨年の四月から一月までのものを今回提出されています。しかし、そういう意味ですと二月と三月が(その2)になるということでありますが、これまででいきますと、これは来年の、次の常会に提出される、こういうことになるわけです。しかし、三月までの(その2)についても作業を終えて、例えば五月の中ごろぐらいには事務的にも提出が可能ではないかと、このように判断するわけでございます。
 そうしますと、国会としても約一カ月の検討期間が残っておりますから、(その2)も審議ができるのではないか。何よりも、従来の決算委員会の審議を見ていましても、審議がどうしてもおくれがちでございます。そういう意味で言いますと、審議促進にもつながるし、またあえて言えば同じ年度のものを二年に分けて出すというのも、やる方も出す方も大変わかりづらいんではないかと、このように思うわけでございます。
 したがいまして、今回からとは申しませんが、今後(その2)についてもできるだけ(その1)を出した当該の常会に御提出をいただく、こういうことでお願いを申し上げたいなと思っているんですが、この点についていかがでございましょうか。
○政府委員(武藤敏郎君) 予備費の使用調書の国会提出の時期についてのお尋ねでございます。
 御指摘のとおり、四月から翌年一月分につきましては、(その1)として三月に国会に提出されておりまして、二月、三月分につきましては翌年の一月に召集される常会の冒頭に提出するというのが現在の扱いであるのは御承知のとおりでございます。
 なぜこのように取り扱われるのかということに関しましては、財政法の三十六条で次の常会において国会に提出しろというふうに規定されております。財政法の三十六条の趣旨が一体どういうところにあるのかということでございますが、やはり二月、三月分について十分な会期と審議期間を有する常会が提出の場として適しているというのがその三十六条の趣旨ではないかということでございます。
 そういうことでございますので、現在の取り扱いはまさに財政法の趣旨に沿った適正な取り扱いだということにつきましてはぜひ御理解をいただきたいと思うわけでございます。
 ただ、御指摘のとおり、会期が六月までという現時点におきまして、例えばできるだけ早く国会に提出するということも考えてはどうかという御指摘でございます。この早期提出につきましては、従来からそういう御議論もいただいておりまして、私どもといたしましてはこの財政法の趣旨等もございますけれども、どういうふうにやっていくのがいいのか、引き続き検討をさせていただきたいというふうに考えております。
○直嶋正行君 私も財政法をチェックしました。ですから、法律上見ておかしいということではなくて、多分財政法ができたときは常会は十二月開催だったんではないかと思います。
 そういう意味で、法律的にどうこうということよりもむしろ年度としてまとめて仕上げる、これは行政も国会もそういう責任があると思いますので、この件に関して突然ですが、大臣から何かあればちょっとコメントをいただければと思います。
○国務大臣(林義郎君) 憲法には「予備費の支出については、内閣は、事後に国会の承諾を得なければならない。」と、こう書いていますね。それを受けて財政法は、今お話がありましたように「次の常会において国会に提出して、その承諾を求めなければならない。」、恐らく憲法の解釈を私は財政法で規定をしているんだろうと思うんです。
 御指摘のような点はありまして、全くそうだと思うんですね。財政法をつくったときには常会は十二月から始まる、これが一月からと変わりました。そういうこともあるんだろうと思います。
 それから、もう一つ申しますならば、なぜ国会の承諾を得るか。承諾を事後にというのは、遅くなって二年も三年もたってからということじゃないんだろうと思うんですね。やはり国会でいろいろ御議論いただくというのが建前でありましょうから、私はそういった点を含めましていろんな点を考えていかなければならないものだろう、こう思っているところでございます。
○直嶋正行君 ぜひよろしくお願い申し上げます。
 それでは続きまして、政府の規制緩和についてお伺いしたいと思います。鹿野長官にはきょう私初めて質問させていただきますが、ぜひよろしくお願いを申し上げたいと思います。
 まず、最初にお聞きをしたいのは、この規制緩和を進める上での考え方といいますか、目標の立て方みたいなことなんですが、例えば行革審の答申をちょっとさかのぼって読ませていただきました。その中には規制緩和に関して、例えば九一年の答申では「公的規制の実質的半減」、「実質的半減」と、こういう言い方をしているわけです。それから、九二年以降の答申では、規制のもたらす国民や企業の実質的な負担や制約の半減、こういう表現をされています。つまり、もうちょっと私なりに解釈してみますと、例えば許認可の数をどうこうということももちろんありますが、数も含めてその実質的な中身について減らしていこう、こういう方向でこれまで答申されてきたように思うんです。
 ところが、最近の議論を見ていますと、これは新聞紙上で拝見したわけでありますが、例えば長官の御発言を見ましても、許認可の件数を早期に一万件以下にしたいとか、あるいは鈴木行革審会長の発言の中でも、十年くらいで許認可の数を半減したいと、こういうような御発言。つまり、この発言の中を見ますと、従来の実質的な中身を含めてというところから数をむしろ表面に出してお話をされていると、こういうふうに承ったのであります。
 私は、数を出してやることに反対ということで申し上げているんではなくて、国民から見ても数を目標として掲げてやるということは大変わかりやすいことでありますし、そういうやり方もむしろ中身のわからないことをやるよりも数を明確にしてやった方が目標としてはいいかなと、こういうふうにも思っているわけであります。この点で、これまでの行革審の答申を含めた考え方と、最近特に長官の御発言等を含めてその考え方において変化があったのかどうか、まず御確認をしたいと思います。
○政府委員(増島俊之君) 長官の御答弁の前に、行革審の考え方といいますか、あるいは会長の発言ということで御説明させていただきたいと思います。
 昨年、平成四年六月十九日でございますが、第三次答申が行革審から出まして、先生の御指摘のような「十年間で公的規制の実質的半減」というのを出されまして、この「実質的半減」ということにつきましては御答申の中で「その趣旨は、必ずしも許認可等の件数のみに着目するのではなく、社会経済情勢の変化等を踏まえて規制の廃止を含めた抜本的な見直しを行い、規制が必要な場合においてもできるだけ弱い規制への移行、許認可等の有効期間の延長、申請書添付書類の削減等を図ることで、規制がもたらす国民や企業の実質的な負担や制約を半分くらいになるまで軽減しようとするものである。」という御答申がございまして、鈴木会長の御発言もこの趣旨を述べたものというふうに私どもは理解いたしております。
 総務庁長官の経済対策会議におきます御発言といいますのは、この厳しい見直しというものをやはり明確に示すということが見直しをやっていく上で必要であるという御発言がありまして、それで総理がそういう趣旨を踏まえまして進めるべきであるという、そういうものでございます。
○国務大臣(鹿野道彦君) 今行政管理局長からいわゆる行革審の答申の趣旨につきまして御説明申し上げたわけでありますが、そのいわゆる行革審の答申を受けながら昨年の十二月に平成五年度の行革大綱を策定いたしました。
 その中で、規制緩和を進めていくというふうなことにつきましても、例えば御案内のとおりに運転免許の期限延長とか、パスポートの有効期間を延長するとか、あるいは独禁法の適用除外制度というふうなものを期限つきでこれを見直します。あるいは再販価格維持制度というふうなものもこれまた期限つきで見直します。こういうふうなことで、具体的に計画的にそういうふうな問題について取り組んでいきますというふうなことを行革審の答申に沿って私どもは打ち出させていただいておったところでございます。しかし、今日そういう中でさらにこの規制緩和を思い切って進めるべきではないか、こういう非常に強い国民の要請、要望等もございまして、そのことがいわゆる国民生活の中に活力を与える、また国民生活の負担軽減に結びつく、こういうふうな観点からこの際行革というものは基本的には時代の変化への対応という視点から取り組んでいかなきゃならない。こういうことで、この規制緩和問題もその中枢をなす許認可の問題、ここに思い切って踏み込んでいかなきゃならないのではないか。
 こういうふうな考え方から、初めてこの許認可件数を数えましたのは昭和六十年のときでございますけれども、このときは一万五十四件、こういうことでありましたが、今日それが一万九百件を超しておる。ここまで毎年ふえているというふうな現状からいたしまして、ここは思い切ってやはり見直していくというふうなことも踏まえて、一万件を切るというところを目標に置かなきゃならぬのじゃないか。こんなことで、改めてそこに一つの目標を打ち出させていただいてこれらの問題に取り組んでいきたい、こういう考え方でおるところでございます。
○直嶋正行君 大変熱っぽく今お話しをいただきまして、心強い思いをいたしました。私もこの規制緩和についてはもう全く同感でございます。
 それで、そういう意味でさらにちょっと踏み込んでお伺いしたいのでございますが、さっき申し上げましたように今長官のお話にも目標として一万件を切るんだと、こういうお話があったわけでございます。ただ、そのときに、これも新聞の記事でございますが、早急に一万件以下と、こういう言い方をされております。
 ところが一方、行革審の会長あるいは会長代理の御発言を聞いておりますと、十年間で半減というような発言をされております。この十年間で半減、長官のおっしゃった早急に一万件以下、約一割減らす、こういうことになるわけですが、この間にはかなり開きがあるんではないかな。もちろん、これは答申をまとめてお出しになる立場とそれを受けて実際にやっていかれる立場と、これはもう立場の違いというのは当然あり得るかなとは思うのでありますが、それにしても少し開きが大きいような気がいたします。
 まことに私見で申しわけないんですが、私の立場から申し上げますと、むしろもうちょっと行革審の会長の方に寄っていただいて、より旗を振っていただけると心強いんだがなと、こう思っておるんですけれども、いかがでございましょうか。
○国務大臣(鹿野道彦君) 先ほど、行政管理局長からも御答弁申し上げさせていただきましたが、いわゆる鈴木会長、宇野会長代理がおっしゃっておられる許認可数を十年で半減したいというふうなこのことは、いわゆる昨年の行革審答申でも、「十年間で公的規制の実質的半減を目指すという」提言については、「その趣旨は、必ずしも許認可等の件数のみに着目するわけではなく、」、いわゆる「規制がもたらす国民や企業の実質的な負担や制約を半分くらいになるまで軽減しようとするものである。」と、このように指摘をしておるわけでございまして、この指摘から会長、会長代理の発言もこの趣旨を述べておるのではないかと、こういうふうに私どもは理解しておるのであります。
 ですから、私どもが一万件を切るというふうなことは、またそれなりに評価もちょうだいしているものと、こんなふうに思っておりますので、いわゆるおっしゃっておられる趣旨は、そのような考え方に立って鈴木会長、宇野会長代理は御発言をなされておるのではないかと、こんなふうな認識をいたしておるのであります。
○直嶋正行君 それでは、今のお話を受けて、では今長官の方からお話しされました一万件を切るということについて、これから具体的にどのように進めていくのか。
 これも率直に申し上げますと、先ほど長官からお話がありましたように、六十年から統計をとり始めて実は九百件ぐらいふえている。しかも、内容的にも私もちょっと調べさせていただきましたが、内容が例えば免許等の非常に厳しいものから報告等の緩やかなものまであります。厳しいものが減って緩やかなものがふえているということであればまだしもでございますが、押しなべて厳しいものも緩やかなものも件数がふえているというのが実態でございます。
 そういう面から見ますと、国民の中にはやはりそんなことを言ってもなかなかできないんではないかというような声もあることも事実でございます。そういう点で、これから具体的にどういう形で進めていかれるのか、この点についてお伺いをさせていただきたいと思います。
○国務大臣(鹿野道彦君) 今、先生おっしゃるとおりに、この許認可件数を削減するということは、これはもうまさしく大変なことであります。どんどんふえてきたということでありまして、またふえる理由もあるわけであります。御案内のとおりに、救急救命士というふうな制度を設けた、今まではなかったわけでありますから。しかし、その設けることによってやはり規制というふうなものが新たにここに生じてくる、このようなこともございました。
 それだけに、私どもといたしましては一割程度削減をしたいというこのことは大変なことだと認識しております。各省庁の御理解と御協力がなければならない、しかし国民の期待にこたえていかなきゃならない、こういうふうな考え方に立ってこれからやっていこうといたしておるわけでございます。そういう意味におきまして、この基本的な趣旨なりをそれぞれの各省庁に理解していただくべくその見直しの実施を、これから進め方を今相談させていただいているところでございます。
 あえてここで踏み込んで申し上げさせていただきますならば、七月から八月にかけて中間報告を求め、十一月末には最終的な検討結果の報告を求めることにしたいと、このように考えているところでございます。
○直嶋正行君 あと一点、簡単にお伺いしたいと思います。
 先ほど来の御答弁の中でも、行革審の考え方というのは実質的な制約を減らしていく、こういう思想だと。長官のおっしゃっているのは件数で一万を切る、これは総務庁としての目標を掲げられています。私思いますのは、例えば実質的なものも含めて制約を減らしていくということになりますと、目標としてはもちろんこの件数ではなくて実際の中身が問題になるということになるわけです。そうしますと、本当は望ましいのは、例えば内容も含めてもう少しわかりやすく何か目標のようなものを指標化する。といいますのは、今は行革審の言っていることと総務庁で目標と出していることとは考え方がやや違うわけですね、内容的に言いますと。ですから、そこを整合性のあるものを今度は目標として整理してやっていくということの方がむしろ国民的にもわかりやすいし成果にもつながってくるんではないか、このように思うんです。
 この点をお伺いいたしまして、本当は行政手続法に関してもちょっとお聞きしたかったのでありますが、時間がもうございませんので最後の質問にさせていただいて、私の質問を終えさせていただきます。
○国務大臣(鹿野道彦君) いずれにいたしましても、この許認可件数を削減するというふうなことは、先ほども申し上げましたとおりに、国民や企業の実質的な負担や制約を軽減する、こういうふうなことでありますから、私どもがやろうとしていることも行革審で言われていることも共通の認識と共通の趣旨に沿ってのものだ、こういうふうに考えております。
 しかし、そういう中で私どもは今各省庁といろんな進め方について検討をさせていただいているわけでありますから、一〇%というふうな数の許認可を削減するということは、その中には当然いわゆる経済的な規制と社会的規制がございますけれども、おのずとそれだけのことをやるということは国民の期待に沿ったものもその中に当然含まれてくるわけであります。そういうふうないろいろな進め方というものを各省庁との検討の中で、いわゆる行革審の目標としているものと私どもが考えていることはそこに一致した一つの結果というものが生じてくるものと、私どもはそのような考え方をしているわけであります。
○直嶋正行君 終わります。
○高崎裕子君 最初に、PKOによる自衛隊の海外派兵は憲法の平和原則に対する真正面からの攻撃で、戦後の日本の進路の根本的変更にかかわる重大問題です。これらの内容を持つ自衛隊の派遣費用の予備費支出は、したがって認めるわけにはいきません。きょうは、予備費にかかわってカンボジア問題について質問をいたします。
 四日、日本人文民警察官の死傷者が出ました。その直後にはフィリピンの文民警察官の犠牲者も出ており、既にポル・ポト派と見られる武装勢力に襲撃され死亡した人は十五名、負傷者は約三十名に達しています。カンボジア和平が重大な危機と破綻に直面をしている。私たちの党は、文民警察官を初め自衛隊の撤退を含め、抜本的に再検討すべきと何度も主張してまいりました。
 今度の死傷事件でポル・ポト派の銃撃を受けた文民警察官は、地獄だったと当時の状況を語り、カンボジア入りした村田自治大臣に対して、我々が何人死んだら帰れるのか、戦場のようなところで仕事をする訓練は受けていない、大臣に現場に行ってもらいたい、との痛烈な訴えが相次いで出たと聞いています。村田自治大臣も、衝撃を受けたと、こう述べざるを得ない状況でした。
 官房長官、あなたは自治大臣をカンボジアに派遣されましたが、UNTACへの安全対策三項目の申し入れをしたわけですが、その結果はどうだったでしょうか、端的にお答えください。
○国務大臣(河野洋平君) 国際貢献を果たすために、国際平和協力法に基づいてカンボジアに行っておられる日本のUNTAC要員を含むすべてのUNTAC要員の安全は、だれしもがその安全のために最大の努力をするというのは当然のことだと思います。
 我々は、かねてからUNTACに対しても安全対策を提案し、申し入れをしてきたわけでございますが、さらなるUNTACに対する協議を求める、そういうことで村田大臣にカンボジアに行っていただきました。これは、先ほども御答弁を申し上げましたが、あくまでもすべてのUNTAC要員の安全、UNTACの目的達成ということが村田大臣の現地での御発言であったというふうに聞いております。
 その中で、今御指摘になりました三つの提案というのがございまして、要員に対する警護の強化、地域の実態に応じた要員の配置転換、そしてこれは我が国の問題でございますが、日本の文民警察をプノンペンに集めて安全問題についてその徹底をする、あわせてそれぞれの地域の実情についても聞くということで安全対策の会議をプノンペンで開きたい、この三点を村田大臣から提案しお話をしていただいたわけですが、要員の警護についてはさらに十分配慮するという意味のお話があり、地域の配置の再検討、そういう問題については選挙を目前にして今なかなか難しいという御認識のようでございました。しかし一方で、投票所の削減その他を考えるという場面でそうしたところを考えよう、こういうお話がございました。さらに、プノンペンでの安全対策の会議についてはいろいろな状況から考えてこれはやめてほしい、了解できないということでお断りがありましたが、そのかわりだれかが現地を回ったらどうか、こういう御提案があったように聞いております。
○高崎裕子君 次に警察庁にお尋ねいたしますが、日本の文民警察官の配置の中で危険な地域に配置されている人はどのくらいで、現在そこではどういう状況でしょうか、簡潔にお答えください。
○政府委員(田中節夫君) ただいま御指摘のカンボジアにおきます文民警察官は七十五名が配置されておりまして、うち一名は先ほどお話しのように高田晴行警部補、殉職したわけでございます。現在七十四名が配置されております。
 今、危険な地域にというようなお話でございますけれども、具体的に今ここが危険だということにつきましてはなかなかに難しい問題がございまして、これは確かな数をここでは申し上げることはできませんけれども、私どもの情報を得た範囲内では、食料の問題とかあるいはいろんな意味で時々刻々情勢は変化しているというようなことを聞いておる次第でございます。
○高崎裕子君 日常活動ができない地域で二十人から三十人、夜間避難命令が出ていて、昼間も家の中にこもりっきりという状況があるというふうに聞いていますが、そういうことではないんですか。
○政府委員(田中節夫君) 今お話しのような状態が、いろんな状態が想定されるわけでございますけれども、地域によりましてはそういう場合があるかもしれませんけれども、押しなべてそういうところがあるということでもございませんので、先ほど申し上げましたように、情勢は日々刻々変わってきておりますし、情勢が悪くなった場合でもまた回復をするというようなことで、一概にここが危険だということにつきましては言い得ない、こういうふうな状況でございます。
○高崎裕子君 私が指摘したようなところもあるということは、非常に私は重大なことだと思っております。
 そこで、官房長官、お尋ねいたしますが、文民警察官の中に帰国したいという希望があった場合、これに対して本人の意思を尊重し帰国の措置をとるのか、具体的にお答えください。
○国務大臣(河野洋平君) 具体的に今帰国したいという意思を表明されておられる方がいるとは伺っておりません。仮定の問題についてお答えをすることは大変難しいわけでございますが、一つの言い方をすれば、もしそういう方がいらっしゃる場合には、その理由についてもよくお伺いをしなければならないだろう。つまり、積極的な御意思を持って現地に国際貢献のために行っておられる方々でございますから、もうここにはいられないというお気持ちがあれば、そのいられない理由をよく伺って、その理由を取り除く努力をするということがまず第一ではないかというふうに考えております。
○高崎裕子君 その努力をされても、帰国したいという希望がある場合ですよ、それはどうされるかということです。
○政府委員(萩次郎君) 今、官房長官からお答えがありましたように、現在そういう方はいらっしゃらないのでまことに仮定の話になってしまうのでありますが、理論的に申せば一般の国家公務員がおやめになりたいといったときと同じ扱いになろうかと思います。
○高崎裕子君 ということは、辞表を出す、退職をするということでなければ帰れない、端的に言えばそういうことですね。
○政府委員(萩次郎君) 一般の公務員と同じでございまして、一般の公務員の場合も辞職したいと言えば自動的におやめになれるわけではございませんで、そのときの周囲の状況、本人の事情等を勘案して御相談をしてその結論を出すということになっておりますから、同じ扱いであろうと思います。
○高崎裕子君 ですから、本人が結論的に退職をするということでなければ帰国できない、結局そういうことになるわけですよ。行くときには自由で本人の意思を聞くけれども、結局は帰国ということについては退職をしなければ帰れないということで、これは大変な問題だというふうに私は思うわけです。
 そこで次に警察庁にお尋ねいたしますが、帰国した文民警察官の身分ですけれども、地方公務員としてこれは当然原職復帰をし、身分上の不利益はないというふうに伺ってよろしいですか。
○政府委員(田中節夫君) 文民警察官で派遣されている者の身分でございますが、これは御案内のとおり、総理府の国際平和協力本部に身分を置いております国家公務員でございます。そのおのおの七十一名は都道府県警察から出向しております。任務を終了した場合には、私どもはそれぞれの出身警察に復帰できる、そういうふうにさせたいというふうに考えておるところでございます。
○高崎裕子君 次に、官房長官にお尋ねいたします。
 先ほども触れましたけれども、官房長官を副本部長とする対策本部で安全対策三項目をUNTACに申し入れる、再配置と一時集結は拒否したということで自治大臣を派遣されたということですが、PKO審議の際、政府は、文民はもちろん監視要員を危険なところには派遣しない、万々一の場合一時的に安全なところに退避することは現場の判断でできる。宮澤首相は、中断、撤収についても、この原則は我が国としては譲ることのできない憲法の配慮から出たものと、こう答弁されています。ほかの国が中断や撤収をしない場合でも日本独自の判断で中断、撤収はできると繰り返し説明をされてこられました。要員の再配置や安全対策のための一時集結すら、日本だけ認めれば五十数カ国全部に認めざるを得ないから不可能だと拒否された。つまり、危険地域にとどまれというわけで、これは私は非常に重大だというふうに思うわけですね。
 先ほど官房長官は、各国との協調がある一協議をする、こう言われました。もし協議をして足並みがそろわない、つまり協議がうまくいかない場合には、日本の独自の判断で中断、撤収はできるわけですね。端的にお答えください。
○国務大臣(河野洋平君) どうも私の説明が上手でないせいか、多少誤解があると思います。少し長くなりますが、プノンペンで安全対策の会議を持ちたいという提案に対してこれが拒否されたというふうに少し強く受けとめていらっしゃるようですが、UNTAC側は、今は移動することが危険ですよ、移動することは危険だからそう移動しない方がよくありませんか、こういう意味も一つあったようでございます。
 さらに、これはつまり安全対策のための会議をやるからプノンペンに集めたいということに対する御返事ですが、移動する場合にはヘリで移動しなければならぬ地域もありましょうし、陸路を移動する場合にはそれなりの護衛がつかなければ移動は危ないということであります。今の状況で安全対策のためのプノンペンへの集合にヘリを、現在UNTACには三十機しかヘリはないわけですから、その三十機しかないヘリをそのために使うということは、もう選挙を十日後に控えた今なかなか難しい、そういう意味で言っておられるのであって、日本だけがやることを認めるわけにはいかないというような意味ではないというふうに私は理解をしておるわけでございます。
 話が少し長くなりましたけれども、我々は国際平和協力法を審議していただき、その法律が成立をしました今、その法律に基づいて運用をするわけでございますから、その法律の中に、もし国連側といいますかUNTAC側との意見が食い違っている場合には、我々は我々の判断でおっしゃるようなことはできるというふうに法律の審議の中でも申し上げておりますし、我々はそういうふうに考えております。
 しかし、UNTACとの合意がなければ今申し上げたように移動することだって、もちろん地域によるわけでございますが、実態としてはなかなか難しい地域もあるわけですから、これはUNTACと我々とが認識を同じくする、意見を同じくする、合意の上で作業を進めるということが一番事を運ぶのには安全であり、合理的なわけでございます。
 したがって、私は法の精神、法の趣旨からいってそういうことはできないなどと言っているわけではございません。そうではございませんが、しかしそうした状況になるときには、そこにいることが非常に危険だということが起こる場合には、一つはもちろん一時的な緊急避難としての移動は当該地域で考えられる手段によって行われることはあると思います、理論的には。しかも、そういうことが実際にもあったわけですから。
 そういうことはありますけれども、実態として我々がUNTACに提案をしUNTACと相談をするときには、もしその地域が明らかに危険だということがわかれば、その地域は我々にとってだけ、日本の文民警察にとってだけ危険なのではなくて、そこに一緒にいるであろう他の国から派遣されている文民警察の方々にとってもきっと危険な状況であるに違いないということであれば、そうした国々とも相諮ってUNTACにもそういう申し出をすることが一番いいのではないかということを申し上げているわけでございます。
○高崎裕子君 ですから、協議が調わなかった場合、危険だと、安全を確保できないというふうに判断した場合は、日本としては独自の判断で中断、撤収できる、法律的には可能だと今長官もおっしゃられました。警察官が、これは戦争だ、殺されるのを待っているようなものだ、地獄だった、あるいは政府が具体的に安全対策をUNTACに申し入れなければならない、これは先ほど警察庁の方も危険地域、昼間家に閉じこもらなければならない、夜は避難しなければならない場所も実際にはあるという、そういう認識も示されました。こういう危険地域が実際にあるわけです。
 安全確保対策の協議が調わなくて、しかし日本の判断で安全ではない、安全対策が思いどおりにならないという場合には、私は日本はそういう地域について独自の中断、撤収はしなきゃならないと思うんです、すぐに。そういう場合に、するかしないか、はっきりさせてください。
○政府委員(萩次郎君) 一時休止と中断と業務の終了、いわゆる撤退という三つの概念があるわけでございますが、この一時休止の場合には、当該隊員が本国ともあるいはUNTACの上級司令部とも連絡がつかないような状態で安全の確保を図るときに、その本人の判断でもって安全な地域に退避をすることができるという考えでございますので、これは本人の判断で十分行動が可能であろうと思われます。中断と業務の終了と呼んでおりますが、撤退につきましてはこれは本国と連絡がとれて、したがって本部長たる総理大臣の判断と指示に基づいて行われることになるわけであります。
 具体的に危険な状態でどういう場合が考えられるのかということは、実態を予測することは大変困難でありますけれども、大変危険であるかないかというのはまずもって私どもよりも一番現場の人、その次には上級司令部ひいてはUNTACが危険かどうかの判断をするのが事の次第であろうと思います。現地が危険でないと思っているのを、私どもが勝手に危険であるとか、現地が危険だと思っていることを私どもが危険でないと言うことは実際問題としてはないと思われます。したがいまして、危険な地域で業務を中断したり撤収をするということについて、私どもは実際問題としてUNTAC、国連とほとんど考え方の相違は出てこないのではないかというふうに考えております。
○高崎裕子君 日本は独自の判断で中断、撤収はできると言いながら、現実問題としてはやらない、今の段階でやらないということは私は非常に重大な問題だと思います。第三、第四の犠牲者が出てからでは遅過ぎるので、そのとき本当に政府は責任がとれるのか国民に納得のいく説明をしてほしいというふうに思うんです。
 官房長官は、パリ協定の破棄宣言はポル・ポト派はしていない、全面的戦争になっていない、だからパリ協定の枠組み、五原則は崩れていないと繰り返し言われました。しかし、ポル・ポト派は現にUNTAC、日本を敵とし、武装解除もしていない。SNCに対する拒否もしている。選挙不参加どころか選挙妨害さえ唱えている。事実で協定違反を犯しているわけです。カンボジアに真の和平をもたらしていく上で、私たちはポル・ポト派の暴力は最大の障害になっているというふうに思います。三百万人の虐殺など、このポル・ポト派の蛮行を厳しく批判もしてまいりましたけれども、このポル・ポト派に対し経済制裁の徹底を図ることなど、きっぱりとした姿勢を、批判を日本政府はとるべきではないかと思います。この点いかがですか。
 そして、このようなポル・ポト派の状況がカンボジアの和平に向かっていくためには障害になっているというふうに考えるわけですけれども、この点の御認識をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(河野洋平君) 今、UNTACが、あるいは国際社会が、もちろんカンボジア人の大多数が目指している制憲議会選挙というものをポル・ポト派と言われる集団が否定するといいますか、ボイコットするという状況にあることを極めて残念に思います。
 この原始共産主義と言われる考え方を持つ人たちが、一体カンボジア人全体の中で今どういう立場に立っているかということも我々はよく見なければならぬというふうに思います。そうではありますが、一方で、今委員御指摘になりましたが、このポル・ポト派と言われるグループが日本を敵として日本に対しているというふうにも、実は私はそう明確に言っているとも思えないのでございます。確かに日本の態度というものに対して不快感を示すということはあったと思います。しかし、UNTACを敵と言い、日本を敵と言って現にそうした行動をしているかどうかということについては、私は一概にそう決めつけられない部分もあるんではないかというふうに思います。
 私どもは、繰り返しになりますが、カンボジアのすべての勢力に対して、選挙に向けて、それぞれ自制をしてこの制憲議会選挙に臨んでほしいということを繰り返し要望をいたしますし、期待をしているわけでございます。こうした極めて大事な場面でございますだけに、ぜひカンボジアの方々の選挙に向けての一段の努力とそして自制を促したい、こう思っております。
    ―――――――――――――
○委員長(大渕絹子君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 ただいま、森暢子君が委員を辞任され、その補欠として三重野栄子君が選任されました。
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○井上哲夫君 民主改革連合の井上でございますが、私は持ち時間がたくさんありません。そこで、総務庁長官と官房長官にお話を伺いたいと思っております。
 まず、先ほど直嶋委員がいろいろ規制緩和に絡んで、行政の透明性あるいは公正性をどのように確保するかということでいろいろ総務庁長官に質問をされました。その続きをやりたいと思っております。
 先ほど来出ておりますので重複しては申し上げませんが、行政手続法が今国会でかなり早い時期に上程され、かつ内閣から出されて審議をされる、こういうふうな新聞報道があったわけでございますが、承りますとまだ出てこない。閣議決定もまだなされていないようでありますが、行政手続法についてこのような上程、そして審議へのせることのおくれ、おくれではないとおっしゃればそれまでですが、おくれについて何が原因なのか、お尋ねをしたい。
 と申しますのは、今回出されるという政府提出の行政手続法の内容については、必ずしも賛成ばかりではないように思われますが、しかし何といっても、今日では規制緩和なり行政手続の透明性、公明性というのは国民の願いでもあると先ほど総務庁長官もおっしゃいましたが、そういう時期でありまして、いささかのおくれもこれは許されないのではないか、そういうことを思いますとき、まずこの問題についてお尋ねをしたいと思います。
○国務大臣(鹿野道彦君) ただいま井上先生の御指摘の行政手続法の提出のおくれというふうなものにつきましては、私ども過般来、まことに申しわけございませんという一語に尽きますと、このようなことも申し上げさせていただきました。
 どうしておくれるかということになりますと、弁解のような形になるわけでございますが、先生が一番御案内のとおりに、いわゆる行政手続全体に関しましての初めての基本法でございます。また、この行政手続法の施行に合わせて約三百五十本の関係法律を改正する必要があるというふうなことでございまして、膨大な作業でございまして、いろいろおのおのの法律で類似をしている事項をどのように統一的に整理をしていくかというようないわゆる立法技術的な面の作業に予想外の時間がかかっておるというふうなことでございます。
 率直に申し上げまして、この連休中も毎日、何としても一刻も早く提出をしなければならない、こういうふうなことで鋭意努力をしてきたわけでありますけれども、現在若干の作業が残っているわけでございまして、これを何とか最終調整を完了いたしまして早急に国会に法案を提出したい、このように考えておるところでございます。
○井上哲夫君 今のお答えですと、今国会には間に合う、こういうふうに承っていいかと思うんですが、どうも本当にそうなのかとちょっと心配も残るわけであります。
 そこで、これに関連してですが、私は前々から、行政手続法の制定による行政の透明化だけでなくて、行政機関が持っている情報もできる限り国民に開示をすべきだ、さらにいろんなもろもろの審議会や、会議等も、行政機関の純然たる内部会議以外はやはり会議についてすら開示をすべきだ、俗に言うサンシャイン法なんて言われますが、そういう考えを持っているわけでございます。
 総務庁として、行政手続法は今いろんなおくれがあるにしても出すように努力をしておりますと。では行政機関が持っている情報の開示法、俗に行政情報公開法案、こういう法案を出すようなお考えがあるのか。あるいは、それについては平成二年の九月ですか、中間報告書が出ましたが、全くそういう考えはないのか、その点はいかがでしょうか。
○国務大臣(鹿野道彦君) 今先生の申されたいわゆる行政情報の公開につきましては、公正あるいは透明性を高めていくという、そういうふうな意味におきまして民主的な行政運営を図る、また国民の信頼を確保する、こういう観点からも積極的に取り組むべき課題である、このように認識をいたしております。
 そのような意味で、総務庁といたしましても、御案内のとおり、文書閲覧窓口制度を一層充実するなどによりまして国民の必要とするところの行政情報の公開に努めてきておるところでございますが、今先生の申された情報公開の制度化の問題というふうなことにつきましては、今おっしゃられたとおりに、平成二年九月の情報公開問題研究会報告でもいろいろと御議論をいただいたわけでありますけれども、まだ国民の合意としてなかなかできておらないのではないかという、これから解決をしなきゃならない問題あるいは検討をしなければならない問題等々、多くの検討課題が指摘されておるわけでございますので、引き続き調査研究を進めているところでございます。
○井上哲夫君 総務庁長官がおかわりになるたびに私は次々に同じ質問を繰り返してきたわけでございますが、私どもの考えによれば、今国民は情報公開法案といいますか情報公開制度を望んでいる。したがって、何とか野党で議員立法で法案を出したいというふうに考えを持っておるものでございます。
 今、時代の要請であるという、先ほど来の規制緩和等から始まりまして、行革審で再三提言がなされているもろもろの行政の手続及び情報に関する透明性確保ということに関しては、今総務庁長官がおっしゃったように、いろいろな形で国民に窓口はつくってあるということでございますが、国民に今こういう問題についてどういう要望というか願いがあるか、もっと大きな窓口をつくったらどうか。行革審でいろいろ国民の代表ということで審議をされている、規制緩和その他についていろいろな提言を行革審でなしているということはありますが、私に言わせれば、もっと総務庁は、行革審の答申を待つという姿勢じゃなくて、国民の声を聞く窓口をつくったらどうかというふうに常々思っているわけですが、この点はいかがでしょうか。
○国務大臣(鹿野道彦君) 今先生が御指摘のような国民の声を聞く窓口をさらに広めていくというふうな考え方で、御案内のとおりに、総務庁におきましては、管区行政監察局なりあるいは行政監察事務所なり、そして全国に配置されております約五千人の行政相談員というふうな方々が、複数省庁にまたがるいろいろな問題を含めまして国の行政全般にわたる苦情や意見、要望を受け付け、その解決を促進しておる、こういうふうなことでございます。
 さらに、このような中で今先生申された国民のいろいろな関心事、問題等も含めまして、窓口を広くしていくというふうな基本的な考え方で国民の声、要望にこたえていきたい、このように考えておるわけであります。
○井上哲夫君 次に、官房長官にお尋ねをいたします。
 きょうは、朝の本会議以来カンボジアのPKOの問題でいろいろ質問、答弁がなされております。この委員会でも木庭委員あるいはいろいろな委員の方がカンボジア問題について質問をされました。私もPKOの委員会にかつて参加をした者として二点ほどお尋ねをしたいと思います。
 今カンボジア情勢というのは極めて深刻な事態である、これは撤退すべきだ、いやこのままでは直ちに撤退できない、いろんな御議論があると思うんですが、私はこの間の高田警視の殉職事案を見まして、実はカンボジアの今の状況は極めて異常な状況であるという感を強くしております。
 確かにこれまでの国連PKOのケースでは、PKOに一つ一つ全部違って全く同じ形態のものはないと言われております。しかし、学者はそれを類型化して、PKOのパターンとしていろいろ定型化してきた。そしてそれをもとにマニュアルがつくられておるわけでございますが、この高田警視の殉職の態様を見ますと、これまでのPKOの二十八例ですか、その中で、例えば歩兵大隊の車に守られて文民警察も列をなして移動して、さらに選挙監視員も最後尾についている、そういうところでポル・ポト派と言われる武装勢力からまるで待ち伏せを受けたような形でロケット砲を打ち込まれる、こういう事態は私はこれまでのPKOではなかったんではないか。
 いわゆるPKFの歩兵大隊が待ち伏せ攻撃を受けて非常に悲惨な事件になるということはあったにしても、個人参加の文民、いわゆる民間人である文民警察官、さらには選挙監視員の方がその職務を行うために移動する、そのときに警護に頼んだ歩兵大隊のUNTAC、本件ではUNTACの先導隊に待ち伏せ攻撃がなされて、個人参加の民間の方が取り返しのつかない死亡あるいは負傷、重傷を負う、これはやはり異常な事態である、これまでになかったPKOの状況であるということを強く認識を持っていただきたい。
 これは先ほど来質問に出ておりますが、こうした惨事は二度三度決してあってはならない。これはもうだれしも同じ思いでございます。そういう中で、ともすれば、PKOというのはこういうものだとか、そういう決めつけをせずに、極めて非常に特異なケースである、こういう認識を持って今後の対策を考えていただきたい。
 UNTACにすれば、日本政府が警護をしっかりしてほしいと言えば、それはわかります、やりましょうと。しかし、配置転換なり特別な安全対策をお願いしたいと言えば、それは全体の問題ですということは私どもよくわかります。しかし日本政府としては、私は繰り返しませんが、そういう強い認識を持って対処をしていただきたいと思うわけでございますが、長官はいかがでしょうか。
○国務大臣(河野洋平君) 井上委員御指摘のとおり、UNTACはUNTACなりに誠意を尽くして安全のための対策は講じているわけです。今お話しのように、文民警察の移動についてオランダの海兵隊、マリンが警護という意味でコンボイ、自動車の車列をつくってその先頭を走るということで護衛をするという状況は、そこまでは配慮をしてくれているわけですが、そうした配慮にもかかわらず今回のような事件が起きたことは、まことに申し上げようもない残念な気持ちでございます。
 六台の車列の先頭にオランダの海兵隊がいたわけですが、恐らく待ち伏せのような形だったんでしょう、いきなり先頭のオランダ海兵隊の車両が襲撃に遭う。したがって、その一台目は、六人乗っていたオランダの海兵隊は六人のうち五人が負傷するというような状況で、さらに二台目、三台目に乗っていた我が国文民警察が被害を受けたというわけでございます。当初は、移動に当たって十分注意をしろ、やがて、移動に当たっては必ずエスコートをつけて動いてくれというように次々に安全対策は強化をしているわけですが、それを上回るこういう事態が発生をしている。私どもとしてもまことに残念であると同時に、さらなる対策はどういうものがあるかということを考えているわけでございます。
 そうした時期に、配置を転換ですか、移動をするということ以外にないんじゃないかという御意見もありまして、UNTACに対してそうした意見を申し入れているわけでございますが、まだ若干その考えにはUNTACと認識がいません。我々は、水、食料の供給ができない、生活をするのに最低限度の条件が整わない、こういう地域はそこにいるわけにいかないから、これは配置をかえてもらいたいということを言っているわけですが、まだUNTACの方はそういう認識をしていない。つまり、水や食料がない場合には最寄りの軍隊の最寄りの拠点に行けば必ずある、こう言うんですが、我が方が聞いている情報では、なかなか最寄りのところに行っても手に入らない場合があるということなどがございます。
 これらは毎日のように状況が変わるものですから、認識がなかなか合わない部分もあると思います。しかし私どもは、やっぱり危険な状況があれば、それはもうそれに対応しなければなりませんから、さらにUNTACに対して安全対策の知恵を出してほしいということを申し入れさせていただいたわけでございます。
○井上哲夫君 時間が余りないんですがもう一問だけお尋ねしたいのは、実はきょうですか、選挙監視員、これも民間人及び地方公務員あるいは国家公務員の方が成田から出られたようであります。四十一名ですか。選挙監視も私は今回のカンボジア情勢の極めてその異常さの中で非常に危険な面があるんではないか。二年前に私は実は超党派でバングラデシュの国政選挙の視察に行ってまいりました。そのときの状況から思うのに、詳しくは申し上げませんが、今回の選挙監視は極めて危険が多い。
 例えば、私どもが見に行ったときのバングラデシュの国政選挙は非常にスムーズにいきました。しかし、その前の国政選挙あるいはその前の国政選挙ではバングラデシュでも二百人、三百人の方が死傷しておりますし、投票所がいわゆる武装集団に包囲される。ではどうしたら安全な選挙が行え、かつ選挙監視団と言われる人たちがそれを監視できるかということになると、結局は投票所を二重三重に、例えば国境警備隊あるいは一般の警察官、さもに民兵、そういう人が二重三重に取り囲んで初めてできる。
 ではカンボジアにおいてそういう状況が本当に期待できるか。プノンペン政府やそのほかの者、兵隊が投票所を守るわけにいかない。選挙の公正を期するならばUNTAC要員で投票所の安全を図らなければならない。だとしたら、二重三重にそういう警備ができるか。しかもその中で、バングラデシュでもそうですけれども、二時間から三時間行列して待って投票するわけですね。それだけ多数の人がカンボジアに集まって投票の点検を待って、そしてそこへ監視団が入ってというと、これは俗に今言われております、ポル・ポト派勢力はねらうんではないかというような、これも全く根拠のある話ではないとは思うんですが、そういうことがあるかもしれないと言われる状況の中では、日本からけさ立たれたという選挙監視員の方も私は非常に憂慮される状況に置かれるかもしれない。
 そういうことを考えると、政府としては、決して無理をしないように、ただ、これは国際協力の中で各国の選挙監視員が集まってきますから、その辺は大変苦渋に満ちた決断と選択をしていかなければならないことかと思いますが、その点について、官房長官にどういう形で今後臨まれるかを含めてお尋ねをして、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(河野洋平君) 選挙監視要員の安全の問題については、実はその選挙監視要員の安全の問題について現地に行った萩次長がおりますので、萩次長から御説明をさせていただきたいと思います。
○政府委員(萩次郎君) 選挙要員の安全問題につきましては、まさに御質問のとおり丸腰の民間人でございますから、その安全対策につきましては十分に考える必要があるわけでございます。私どもは前々から選挙要員につきましては、日本だけではなくて、どの国もその自国の派遣部隊のいる近辺というのが実態的にも精神的にも安全対策上大変いいことではないかということで、前々からそのようなお話をしてまいりまして、今般自治大臣がそれをお決めいただいてきた、こういう経緯があるわけでございます。したがいまして、私は基本的な安全対策というのはまずは整っているんではないかと思います。
 それで、UNTACと相談をしておりまして、UNTACが現在のところ考えております選挙要員の安全対策、今先生がいみじくもおっしゃいましたように、投票所を取り巻くということでございますが、できるだけそれに近い形をとることを今UNTACの方では考えております。ただ、UNTACの言葉でハイリスク、それからローリスク、それからその真ん中ということで三段階に分けておりますので、その取り囲み方はもちろんハイリスクであればあるほど厳重になるということでございます。
 そのほか、またこれも先生が御指摘になられましたが、プノンペン政権軍とかそれからそのほかの二派、いわゆる三派の兵力をどうするかという話がありまして、三派の勢力に直接投票所を守らせるということでは中立性、公平性が保てないので、直接はだめなんでありますが、取り囲んだUNTACの部隊のさらにその遠方を取り囲むような形で、自分の支配地域において他派の勢力が選挙妨害に来ないような方法を考えている、こういうようなお話でございます。
 いずれにいたしましても、先ほど言いましたように、選挙要員というのはそういったことに対しては全くのいわゆるずぶの素人ということでございますので、これはもういわゆる警護の任務を有する歩兵大隊に全面的に頼らざるを得ないんですが、タケオの場合、自衛隊の部隊は施設大隊でございますので、自分の得意な施設、それから輸送といった面でできるだけの支援をすることによって少しでも安全対策に寄与することができればという考え方でやっております。
○井上哲夫君 終わります。
○下村泰君 まず、参議院における点字受験の実施ということについてお伺いしたいと思います。
 既に人事院も点字受験にはもう踏み切っておるわけです。参議院が何で点字受験の実施ができないのかその理由、それから現在点字受験が実施されていない理由、この二つをまず聞かせてください。
○事務総長(戸張正雄君) 御指摘のように、参議院では点字の受験は実施いたしておりません。
 実は、御承知のことと思いますが、私どもの参議院事務局の一番大事な仕事は直接間接議員の皆さんのお手伝いをすることでありますが、現在これら職員の資質の向上といいますか調査能力の向上といいますか、そういった現実の対応に力を入れておりまして、視覚障害者をどこにどういう形で私どもの職場に受け入れるかという問題につきまして十分に検討するに至っておりません。
 私どものところは採用試験を実施するとすれば合格すれば採用しなきゃなりませんので、受け入れることが決まらない者を対象にした試験を実施することはできないというのが理由でございます。
○下村泰君 何かそういった視覚障害者の方々に参議院においてやれるような仕事というようなものをお考えになったことはございますでしょうか。
○事務総長(戸張正雄君) 今御指摘のように、そういうものを考えなきゃいけないとはかねて考えておりますが、先ほど申し上げましたような理由でそれを十分に考えるに至っていないのが現状でございます。
○下村泰君 例えば、私どもがこういったことができると思うんだけれどもどうだろうかというような知恵を出した場合、考えていただけますでしょうか。
○事務総長(戸張正雄君) 既に視覚障害者を職員として採用しておられるところもあるそうでございます。また今、下村議員の方から知恵を出そうというお話もございました。既にやっておられるところの経験とかあるいは今おっしゃいましたような知恵をおかりいたしまして、これから私どもの職場にどういう形で視覚障害者を受け入れることができるのか、十分に考えてみたいとは思っております。
○下村泰君 ありがとうございます。
 やはり国会という立場にあるこういう役所がそういったことに踏み切っていただけるならば、その流れは自然と私は日本全国へ行くような気がするんです。既に民間の方が先に走っていて国の方の行政機関が走らないというのは、これは大変悲しいことじゃないかと思うんですよ、私は考え方によっては。やはり日本という国があってそして行政府というのがあって、その中にある人たちがそういう方々を採用することによってその範がもって示されるということが、私は一番筋の姿ではないかと思うんです。その点について、ひとつよろしくお願いをいたします。
 国家公務員試験における発達障害者と精神障害者、難病者、こういう方々への対応について伺いますけれども、現在の採用試験では発達障害者、これは知的障害とも今まで言われておりますけれども、精神障害者、難病の方々が実際に採用されるのは大変困難で、昨年伺ったところでは全省庁で発達障害者の採用はたった二人でした。そして、労働省ではゼロでした。就労への困難度という点では身体障害者以上に厳しい状況にある例えば先天性免疫不全症あるいは軟骨異栄養症、レックリングハウゼン病などの難病の方で障害者手帳のない方などの状況は、大変なものだと思います。
 国として果たしてこういう方に積極的に働きかけることがあるのかどうか、またする気があるのかないのか、ちょっとお伺いしたいと思います。
○政府委員(吉川共治君) お答え申し上げます。
 障害者の雇用の促進につきましては、障害者の雇用の促進等に関する法律を所管しております労働省で公、民間ともに指導、提言を行っているところは、委員御承知のとおりでございます。現在までのところ、ただいま御指摘になりました発達障害者それから精神障害者、難病者などにつきましては、この障害者の雇用の促進に関する法律上の雇用義務の対象とはされておりません。
 したがいまして、私ども人事院といたしましては、身体障害者と同様に、今申し上げた人々の雇用のあり方につきまして社会的なコンセンサスが形成されこれらの者についての位置づけが明確になれば、それに従いまして私どもとしても全面的に協力をしていきたい、そういうふうに考えております。
○下村泰君 大阪で四月一日から発達障害者、いわゆる知的障害者の方々を非常勤職員として採用している、知的障害者、こちらの記事の方は知的障害になっておりますけれども、府立病院の非常勤職員として採用しました。採用されたのは、大阪障害者職業訓練校を卒業した十九歳と二十二歳の男性なんです。二人は、正式採用前から府立病院で洗濯物の運搬やクリーニング業務に試験的に従事している。府の方としては、知的障害者の就労を推進するため平成三年度に府立特別養護老人ホームなど社会福祉施設で実習を試験的に実施したほか、四年度は研究会で職員としての採用を検討している。実際にこれも二人採用しているわけです。
 それから労働省の方では、精神障害者の雇用対策をより充実したものとするため、本年度から学識経験者から成る精神障害者の雇用に関する調査研究会を組織し調査研究を開始したと、こういうことも出ておるのでございますけれども、こういうふうに労働省あたりも一生懸命やってくれているわけです。この間、骨髄バンクの登録に当たって特別休暇制度を導入しましたし、七年前に私がこの問題を取り上げたときは担当する場もなかったんですね、骨髄バンクなんというのは。大変つらい思いをしたことがありました。こういったときにこの休暇制度に触れてくださったんですが、今回の決定まで随分待たされたことを考えますと、これは大英断だと思います。
 こういうふうに労働省も前向きになっていて、それでいてゼロというのはどうも解しかねるんですが、今後一体どういうふうにお考えになっていくんでしょうか、ちょっとお聞かせください。人事院の方どうぞ。
○政府委員(吉川共治君) 確かに、採用に至るためにはやはり職域の拡大が図られる必要があるわけでございまして、実際には採用いたしますのは任免権者としての各省庁でございます。各省庁におきましてただいま御指摘の方々にふさわしい官職があるかどうか、あるとしたらそれに採用したいということでお話がございますれば、これは競争試験によらないで個別の選考採用によって採っていくという道はあろうかと思います。
 いずれにいたしましても、まずその仕事があるかどうか、職域を開拓できるかどうかというところが基本だろうと思っております。
○下村泰君 先ほども堀委員の方から国会図書館の視覚障害者へのサービスその他雇用についてお伺いしました。できるだけ重ならないようにしたいと思いますが、現在国会図書館で行っている視覚障害者に対するサービスですね、このサービスというのはどういうことなのか、ちょっと御説明ください。
○国立国会図書館長(加藤木理勝君) 国立国会図書館の視覚障害者の方に対する図書館奉仕という意味でございます。
 これは、国立国会図書館はいろいろな面での図書館奉仕を行っておりますので、その中に日本国民に対する図書館奉仕ということがございます。その図書館奉仕の一環として、視覚障害者の方に図書館奉仕を行っております。それをサービスと言われているのであろうと思います。
 その内容は、これは視覚障害者の方ができるだけ身近に、国立国会図書館は御承知のように東京都にだけございますので、できるだけ身近な公立あるいはその他の図書館で必要な資料をごらんになれるように、国立国会図書館では現在学術専門書の録音を行って、これをそういうような図書館奉仕を行っている公立の他の図書館に提供している、そういうことを行っております。そういうことがただいまおっしゃいました視覚障害者に対するサービスということであろうと思います。
○下村泰君 うっかりしていました。こういう言葉がありますね、対面朗読サービス。この対面朗読サービスというのは、うっかりしていますと一冊の本を読んでくれるサービスかというような認識になるんですが、この対面朗読サービスというのはどういうことなんでしょうか。
○国立国会図書館長(加藤木理勝君) それは、一冊の本を面と向かってといいますか、おいでになった方に向かって読んであげるということが対面サービスでございます。それはおっしゃるとおりでございます。それは現在国立国会図書館では行っておりません。
○下村泰君 晴眼者にとっては閲覧というのがありますね。そうすると、この対面朗読サービスというのもやっぱりその閲覧の中に入るんじゃないですか、目の御不自由な方に対しては。
○国立国会図書館長(加藤木理勝君) それはおっしゃるように広い意味の閲覧だと思います。閲覧だと思いますけれども、ただいま申しましたように、近くの図書館でごらんいただけるようにということで録音サービスを行っているところでございます。
○下村泰君 そうしますと、今度その録音サービスなんですが、録音サービスの手順についてはどういうふうになっていますか。
○国立国会図書館司書(秋山芳明君) お答えをいたします。
 点字図書館、公共図書館、大学図書館等を通じまして録音テープ制作の依頼を受けますと、私どもではまず原本を確認いたします。蔵書があるものにつきまして録音テープを作成するということになっております。次には、著作権の許諾を処理いたします。その上で、許諾の得られた文献より順次録音図書制作を開始するというふうになっております。次に、朗読者を選定、依頼いたします。この際には、選定に当たりましては専門分野を特に考慮いたしましてお願いをするようにいたしております。それから次は、朗読者による下調べの後、担当職員と具体的な読みについての打ち合わせを行い、朗読が開始されるわけでございます。次に、朗読完了後は職員による点検、校正を行った上で録音図書が完了となるわけでございます。
 録音図書のテープができましたものは、マスターテープといたしまして業務委託をしております日本点字図書館に送りまして、貸し出し用のカセットテープにダビングをいたしまして、それを申し込み図書館を経由してあるいは個人に直接郵送して御利用いただくというふうな手順になってございます。
○下村泰君 だから御説明を聞いていると実にすばらしいものができ上がってくるなという感覚なんですね。ところが、実際には物すごい。
 「日本芸能史」というのがあります。その「日本芸能史」というものをテープにとって、そしてお聞かせしているテープがここにある。これをひとつ聞いていただきましょう。
   〔録音聴取〕
○下村泰君 今お聞きになったように、ここにいらっしゃる委員の方々にはちょっと音が小さいが、これ以上上がらないそうです。係の方にやっていただいたんですけれども。かぎ括弧だとか何括弧だとか、何だか知らないけれども釣り糸を垂れて針を探しているみたいなんだ。何括弧、かぎ括弧って、全然わからない。
 今、最初に聞いていただいた文を、後の方がしゃべったわけですよ。わずかな文章です。ところが、後の方のがわかりましたでしょう。大臣わかりましたか。前のは何だかわかりませんね。この前の何だかわからないのが国会図書館がつくったやつなんですよ、まことに情けないことに。その後のよくわかる方が都立の中央図書館でつくったテープなんです。ここなんですよ、私が申し上げたいのは。
 先ほどから館長もそれからおたくも一生懸命御説明なさって、これこれこういうふうに視覚障害者の方々ーサービスしていますよと言ったって、でき上がったものはこれなんですよ。これ、勉強できますか。これ、かぎ括弧だ、やれ何括弧だと、こういうわけのわからないテープができちゃう。これに対してどういうふうに思いますか。
○国立国会図書館司書(秋山芳明君) かぎ括弧の問題につきましては、私どもはレコーディングマニュアルというのがございまして、これは日本盲人社会福祉施設協議会の点字図書館部会でつくったものでございますが、これに基づいて録音図書を制作しております。したがいまして、かぎ括弧の問題につきましては、正確に録音図書をつくる上ではやはり省けないというふうな事情もございます。
 ただ、このマニュアルは昨年改正いたしまして、かぎ括弧につきましては読まなくてもいいというふうな部分も出てきておりますので、最近のものについては多少改善されていくのではないかというふうに思っております。
○下村泰君 自民党の先生方もそんなものは省けと言っている。これね、耳で聞くものというのは聞いてたえられるものじゃなきゃいかぬわけですよ。そして、しかも聞いている人が気持ちよく聞ける文章、気持ちよく聞ける音感、語感、これでなかったら何の意味もなさないんです、これでは。やれかぎ括弧だ、滑ったの転んだのでは。ですから、ここのところをよく考えていただきたい。
 ではそういうものをなくすにはどうしたらいいんだということになるわけでしょう。そうすると、視覚障害の方を雇用しておれば、前の委員も言っていましたよ、視覚障害の方がもし国会図書館にいたならば、こういう問題は視覚障害者自身の問題なんですからね、もう少し処理がうまくいくんじゃないかというふうに私は思いますが、館長、どうですか。
○国立国会図書館長(加藤木理勝君) ただいまのテープを拝聴しますとそういうような感じがいたしますけれども、学術文献の録音ということになりますと、先ほど申しました日本盲人社会福祉施設協議会がいろいろの御意見を集めて、括弧もゆるがせにしないというようなことからつくったのであろうと思います。そういうことで、私たちとしましては、先ほども申しました点字図書館にこれを差し上げてダビングしたりしているわけでございますから、点字図書館等の御意見も聞きながら、ただいまのガイドラインといいますか、その手引をよりよいものにしていただくように改善をしていきたいと思っております。
○下村泰君 もう時間ですから何も申し上げませんが、ここに「国立国会図書館案内」と、こうあるんですね。ここに文章がある。
 「国立国会図書館は、国会のために奉仕する図書館であると同時に日本国内で刊行される全ての出版物が納本され、それにもとづいて国内出版物のデータベースが作られ、そしてこれらの資料が広く国民一般に公開されている、わが国唯一の国立図書館です。 言いかえれば、当館は、国会に対する調査機能を併せもつ、国民のための大総合図書館です。」と言っているんです。「国民のため」ですよ、これ。国民のためになってないじゃないですか。視覚障害者は国民じゃないんですか。差別待遇ですよ、これ。そういうふうに私は感じるんです。お答えは要りません。
 まことに申しわけない。突如大臣の方に行きますけれども、予定には入っていません、質問にも何にも入っていません。ですけれども、こういう現状をごらんになって、大蔵大臣は財布のひもを握っていらっしゃるんですから、こういうことをお聞きくださって国会図書館に一人でも視覚障害者の職員がいてもいいんじゃないかというふうにお感じになりませんでしょうか。採用しろとは言いません。
○国務大臣(林義郎君) 下村委員の御意見も聞かしていただきまして、先ほどもそういった御質問がありました。私も聞いておりまして、障害者対策というのは本当に改めていろんなところでやっていかなければならない。私は国民的なコンセンサスがだんだん上がってきているように正直言って思っております。国際障害者年というのもありましたし、いろんな点で私は上がってきているし、やはりそういったいわゆるハンディキャップピープルに対して、私は社会の中で同じような生活ができるようになっていくということは、豊かな国日本のために絶対必要なことだと思います。またいろいろと図書館その他のところとは御相談してみますけれども、私も何かこれはしなくちゃいかぬなという感じを率直に受けたことを申し上げておきたいと思います。
○下村泰君 ありがとうございました。
○委員長(大渕絹子君) それでは、他に御発言もないようですから、皇室費、国会、会計検査院、内閣、大蔵省、総理府本府、総務庁、国民金融公庫、日本開発銀行及び日本輸出入銀行の決算の審査はこの程度といたします。
 予備費関係十二件につきましては質疑を終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大渕絹子君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより予備費関係十二件を一括して討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○西野康雄君 私は、日本社会党・護憲民主連合を代表いたしまして、ただいま議題となりました予備費関係十二件のうち、平成三年度一般会計予備費(その1)、平成四年度一般会計予備費(その1)の両件については承諾を与えることに反対、残余の十件については賛成することを表明し、以下討論を行います。
 一般会計予備費は、憲法及び財政法の規定にのっとり、予見しがたい義務的経費あるいは災害関連経費として使用されることには異論ありません。しかるに、本日議題となっている十二件中、その使用内容がこうした予備費本来の姿からかけ離れており、承服しがたいものが一部見受けられます。
 その一つは、平成三年度一般会計予備費(その1)での湾岸平和基金に対する七百億円の追加拠出であります。政府は、その理由を湾岸戦争後の新たな状況に応じと説明しますが、この拠出は、中東湾岸戦争時の多国籍軍の活動に対する協力として支出された一兆一千七百億円、いわゆる九十億ドルの目減り分補てんの疑いが極めて濃いものであります。
 湾岸戦争時における多国籍軍の戦闘行動に対する資金提供は、たとえ湾岸平和基金を経由したものであっても、我が国の平和憲法の上から許されるものでは断じてありません。むしろ、政府のやり方は、湾岸基金というまやかしのトンネル機関を経由させることによって、平和憲法の遵守を願う国民の目をごまかそうとしたものであります。
 政府は、いわゆる九十億ドル拠出後の為替変動に伴う目減り分の補てんはしないと国会で明言しております。しかしながら、目減り分に相当する約五億ドル、日本円で七百億円を三年度の一般会計予備費から支出し、湾岸基金を経由してその全額が米国に提供されていることが一連の質疑の中で明らかとなりました。
 この結果、政府の答弁に反して、米国への補てん分である疑いが極めて強くなりました。これは国会に対する重大な約束違反を示すものであって、国民の到底納得するところではありません。
 承服しがたいもう一つは、平成四年度一般会計予備費(その1)でのカンボジアにおける国連のPKOに協力するための経費の支出であります。この派遣要員には自衛隊の部隊が多く含まれており、隊員は武器を携行しておりますが、これでは戦闘に巻き込まれる危険があり、さらに部隊が交戦する事態になれば、我が国の平和憲法に抵触する疑いがあります。
 今、カンボジアでは、パリ和平協定に基づく武装解除が行われぬまま、UNTAC主導のもとに選挙が強行されようとしております。その中で、次々に多くの犠牲者を生んでおります。
 事ここに至ってもなお停戦合意が崩れていないと強弁する政府の態度には許しがたいものがあり、このような危険きわまりないカンボジアへのPKO派遣に予備費を使用したことには強く反対であり、国連への協力とか国際貢献を御旗にした国民への犠牲強要は即刻中止すべきであります。
 以上るる申し上げましたが、他の十件についての予備費使用はやむを得ないものと判断し、承諾することに賛成いたします。
 最後に、総理大臣の外国訪問経費が一般会計予備費から相変わらず支出されていることについても触れておきたいと思います。
 国際化の進展に伴い首脳外交の重要性が一層増す中、一国の総理の外国訪問が予見しがたいものとしてその都度予備費で処理されることは、我が国外交のあり方からいっても疑問があります。首脳外交は国民に計画を明らかにし、当初予算に計上して対処すべきであります。
 本年度から総理の外国訪問経費を当初予算に計上し、この点についての改善を見たところではありますが、これは政府みずからこれまでの予備費使用の不適切さを認めたことにほかなりません。
 このことを強く申し上げて、私の討論を終わります。
○鈴木貞敏君 私は、自由民主党を代表いたしまして、ただいま議題となりました予備費関係十二件に対しまして、いずれも承諾を与えるべきものと議決することに賛成の意を表明し、以下討論を行います。
 申し上げるまでもなく、予備費は憲法第八十七条及び財政法の規定に基づいて、予見しがたい予算の不足に充てるために国会の議決に基づいて設けることを認められた予算であり、内閣の責任において支出された後、国会の事後承諾を求めるものであります。
 まず一般会計の予備費使用の内容を見ますと、雲仙岳噴火災害及び平成二年九月、同三年九月の豪雨災害の復旧事業に必要な経費、義務教育費等の国庫負担金の不足を補うために必要な経費、結核医療費負担金に必要な経費、参議院議員補欠選挙に必要な経費といった災害関連経費あるいは義務的経費がその大部分を占めております。
 また、対外的には湾岸地域における停戦後の新たな状況に応じた湾岸平和基金への追加的拠出、クルド人等への救済活動に対する国連災害救済調整官基金の拠出、国連カンボジア暫定機構に対する分担金の支払いなど、我が国の置かれた国際的責務を果たし国際貢献を緊急に行うために必要な経費であります。
 これらの予備費使用は憲法及び財政法の規定に照らしていずれも適正かつ妥当なものであり、国民各位の納得を十分いただけるものと確信いたします。
 次に、特別会計の予備費及び特別会計の予算総則の規定に基づく経費の増額について見ますると、農業共済再保険特別会計における再保険金の不足を補うために必要な経費、交付税及び譲与税配付金特別会計における交通安全対策特別交付金に必要な経費の増額などであり、これまた適正かつ妥当なものであります。
 政府は、当委員会でのこれまでの論議を踏まえ、平成五年度から総理の外国訪問経費を当初予算に計上するなど予備費の使用についての改善措置を図り、真摯に対処してきた姿勢がうかがえ、評価できるところであります。
 政府は憲法に基づいて内閣に与えられた予備費支出権限を今後も厳正に行使することと思いますが、このことを改めて確認し、私の賛成討論を終わります。
○高崎裕子君 私は、日本共産党を代表し、ただいま議題となりました予備費承諾案件のうち、平成二年度一般会計予備費使用調書(その2)、同年度特別会計予備費使用調書、平成三年度一般会計予備費使用調書(その1)及び(その2)、平成四年度一般会計予備費使用調書(その1)の五件について、不承諾の意を表明いたします。
 その最大の理由として、PKO法に基づく自衛隊等のカンボジアへの派遣費用、UNTACへの分担金が含まれていることです。国際紛争への軍事的関与と武力行使を禁止した憲法の平和原則に違反するカンボジアへの自衛隊の海外派兵を認めるわけにはいきません。しかも、カンボジアの情勢は、PKO法が明記した停戦合意の遵守など参加五原則に照らしても発動する条件には全くありません。現に日本文民警察官が殺害される事態を見ても、明確なことであります。
 また、総理の一連の外国訪問に要した経費は、米輸入自由化を初め、日米経済摩擦にかかわりアメリカの特権的要求を受け入れた日米首脳会談の訪米費等々が含まれており、容認できません。さらに、日本経済に深刻な影響を与える円高危機を誘導しかねない外国為替等売買差損の補てん経費、米軍の軍事行動等に対し提供される湾岸平和基金拠出金や、皇室外国訪問費などの不当な予備費使用を含むこれらの調書を承諾することに我が党は反対です。
 しかし、これら予備費以外に、退職手当、災害経費、社会保障関係費、教育関係費、損害賠償経費、選挙経費等々については、いずれも必要な経費であり、予備費の使用目的は承諾できるものであります。
 同時に、平成二年度特別会計予算総則第十一条に基づく経費増額総調書外七件は、郵政省職員の能率向上によって業務収入が当初予算より増加したため、その増加額の一部に相当する金額を特別給与の支出に充てるため等のものであり、使用目的、予備費使用等の理由は特に問題がないと認められるので、承諾いたします。
 以上で私の討論を終わります。
○井上哲夫君 私は、民主改革連合を代表いたしまして、ただいま議題となりました予備費関係十二件のうち、平成三年度一般会計予備費(その1)、平成四年度一般会計予備費(その1)の両件については承諾をすることに反対、他の十件については賛成の意を表明し、以下討論を行います。
 まず平成三年度一般会計予備費(その1)でございますが、この中には湾岸平和基金への拠出金が含まれております。これについて、政府は停戦後の新たな状況に対応するためと説明しますが、たまたま今回はそうした使途であっても、基金へのこれまでの拠出金がいわゆる多国籍軍の運用経費、すなわち戦費として支出されたことを思えば、この一連の拠出全体が問題と言えます。
 国際機関への分担金拠出の中でも、本件のような軍事的要素を持った拠出は、軍事的用途に充てることを禁止する平成元年六月の本院決議の趣旨に反するものであります。
 反対する残余の一件は、平成四年度一般会計予備費(その1)であります。これには、カンボジアにおける国際平和協力業務の実施等に必要な経費が含まれておりますが、武器を携えた自衛隊の部隊がPKO業務で海外に赴くことは我が国の平和憲法に反するものと考えます。
 特に、最近のカンボジア情勢を見ると、我々がPKO協力法案に強く反対し、そこで心配したことが現実となって次々とあらわれてきております。
 PKO協力法案成立時にも国論が二分されたわけでありますが、そうした日本の国際貢献のあり方の根幹にかかわるこうした政策的経費を内閣限りで決定して予備費から支出することには問題があります。補正予算に計上するなど、国民の代表である国会議員が議論に加われるようにし、国会の事前議決が必要だと考えるわけであります。
 以上の理由で、両件については反対であります。なお、残余の十件については特に異論がなく賛成をいたしまして、私の討論を終わります。
○委員長(大渕絹子君) 他に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大渕絹子君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより採決に入ります。
 まず、平成二年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)、平成二年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書、平成三年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)、以上三件を一括して採決を行います。
 これら三件について承諾を与えるべきものと議決することに賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(大渕絹子君) 多数と認めます。よって、これら三件は多数をもって承諾を与えるべきものと議決されました。
 次に、平成二年度特別会計予算総則第十一条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書、平成二年度特別会計予算総則第十二条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その2)、平成三年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)、平成三年度特別会計予算総則第十三条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その1)、平成三年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)、平成三年度特別会計予算総則第十三条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その2)、平成四年度特別会計予算総則第十四条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その1)、以上七件を一括して採決を行います。
 これら七件について承諾を与えるべきものと議決することに賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(大渕絹子君) 全会一致と認めます。よって、これら七件は全会一致をもって承諾を与えるべきものと議決されました。
 次に、平成三年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)、平成四年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)、以上二件を一括して採決を行います。
 これら二件について承諾を与えるべきものと議決することに賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(大渕絹子君) 多数と認めます。よって、これら二件は多数をもって承諾を与えるべきものと議決されました。
 なお、これらの案件の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大渕絹子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後七時五十八分散会
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