第128回国会 運輸委員会 第1号
平成五年十月二十六日(火曜日)
   午前十時開会
    ―――――――――――――
   委員氏名
    委員長         和田 教美君
    理 事         二木 秀夫君
    理 事         松浦 孝治君
    理 事         喜岡  淳君
    理 事         矢原 秀男君
                伊江 朝雄君
                鹿熊 安正君
                河本 三郎君
                坂野 重信君
                林  寛子君
                山崎 正昭君
                穐山  篤君
                櫻井 規順君
                渕上 貞雄君
                安永 英雄君
                直嶋 正行君
                高崎 裕子君
                泉  信也君
                下村  泰君
    ―――――――――――――
   委員の異動
 九月十七日
    辞任         補欠選任
     坂野 重信君     井上 吉夫君
 十月二十一日
    辞任         補欠選任
     井上 吉夫君     藤田 雄山君
 同日
  委員藤田雄山君は公職選挙法第九十条により
  退職者となった。十月二十五日
   辞任          補欠選任
    安永 英雄君      堀  利和君
    ―――――――――――――
 出席者は左のとおり。
   委員長         和田 教美君
   理 事
               二木 秀夫君
               松浦 孝治君
               喜岡  淳君
               矢原 秀男君
   委 員
               伊江 朝雄君
               鹿熊 安正君
               河本 三郎君
               林  寛子君
               山崎 正昭君
               穐山  篤君
               櫻井 規順君
               渕上 貞雄君
               堀  利和君
               直嶋 正行君
               高崎 裕子君
               泉  信也君
               下村  泰君
  国務大臣
      運 輸 大 臣  伊藤  茂君
  政府委員
      運輸政務次官   二階 俊博君
      運輸大臣官房長  黒野 匡彦君
      運輸大臣官房総
      務審議官     和田 義文君
      兼貨物流通本部
      長
      運輸省運輸政策  豊田  実君
      局長
      運輸省鉄道局長  秦野  裕君
      運輸省自動車交  越智 正英君
      通局長
      運輸省海上交通  尾松 伸正君
      局長
      運輸省海上技術  戸田 邦司君
      安全局長
      運輸省航空局長  土坂 泰敏君
      気象庁長官    二宮 洸三君
  事務局側
      常任委員会専門  長谷川光司君
      員
  説明員
      警察庁刑事局捜  南雲 明久君
      査第一課長
      建設省道路局道  有賀 長郎君
      路交通管理課長
      建設省道路局有  井上 靖武君
      料道路課長
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  本日の会議に付した案件
○国政調査に関する件
○運輸事情等に関する調査
 (新東京国際空港の整備に関する件)
 (関西国際空港の全体構想に関する件)
 (東海道新幹線の老朽化及び安全対策に関する
 件)
 (空港使用料等の見直しに関する件)
 (貨物運送の効率化の促進に関する件)
 (軽油引取税の転嫁問題に関する件)
 (離島航路事業に対する国庫補助に関する件)
 (規制緩和に対する運輸省の方針に関する件)
 (整備新幹線の整備に関する件)
 (交通施設における身体障害者対策に関する件
 )
 (外航海運対策に関する件)
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○委員長(和田教美君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る九月十七日、坂野重信君が委員を辞任され、その補欠として井上吉夫君が選任されました。
 また、今月二十一日、井上吉夫君が委員を辞任され、その補欠として藤田雄山君が選任され、同日、藤田君は参議院議員を退職されました。
 また、昨二十五日、安永英雄君が委員を辞任され、その補欠として堀利和君が選任されました。
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○委員長(和田教美君) 国政調査に関する件についてお諮りいたします。
 本委員会は、今期国会におきましても、運輸事情等に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(和田教美君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(和田教美君) この際、伊藤運輸大臣及び二階運輸政務次官より発言を求められておりますので、順次これを許します。伊藤運輸大臣。
○国務大臣(伊藤茂君) 運輸大臣の伊藤茂でございます。
 委員の皆様におかれましては、平素から運輸行政の推進に格段の御理解、御支援をいただきまして、厚く御礼を申し上げます。
 運輸委員会の開催をされますこの機会に、一言ごあいさつを申し上げたいと存じます。
 運輸は国民生活と密着をしており、豊かで活力ある社会を築き上げていくために期待されている役割はまことに大きいものがあると考えております。私も就任以来三カ月足らずでございますが、日々、この仕事の重要性について思いを新たにしている気持ちでございます。
 私といたしましては、これまで先輩各位が積み重ねてこられました実績を踏まえまして、運輸行政の基本であります陸上、海上、航空における安全の確保に万全を期し、国民の皆様に鮮明な青信号、ブルーのシグナルを出せるよう運輸をめぐる多くの課題に積極的に取り組み、問題の解決に最大限の努力を果たしてまいります所存であります。
 以下、運輸省として取り組んでいくこととしている各種施策の概要について御説明をさせていただきたいと思います。
 まず、交通網の整備と豊かな国土づくりでございます。
 国土の均衡ある発展、大都市問題の解決に寄与する運輸関係社会資本整備を着実に整備する必要があります。
 幹線鉄道につきましては、引き続き高速化事業等を進め、ネットワークの質の高度化を図ってまいります。
 整備新幹線につきましては、現在建設中の三線五区間の整備を今後とも着実に推進してまいります。なお、整備新幹線の見直しにつきましては、その取り扱いを検討していきたいと考えております。
 都市鉄道につきましては、通勤通学時の混雑緩和等により快適な通勤環境を確保し、また優良な宅地の供給を促進するなどのために新線建設や複々線化等を進める必要があります。これは生活者の利便の向上に直接つながるものでありますので、強力に推進してまいります。
 空港につきましては、第六次空港整備五カ年計画に基づき、航空ネットワークの量的及び質的な拡充が図られるよう、新東京国際空港の整備、東京国際空港の沖合展開の完成及び関西国際空港の開港の三大空港プロジェクトを最優先課題として推進するとともに、地方空港についても所要の整備を推進してまいります。
 港湾・海岸につきましては、第八次港湾整備五カ年計画及び第五次海岸事業五カ年計画に基づき、効率的な外内貿ターミナルの整備や国土保全等の事業を着実に推進するとともに、民間活力の導入も図り、市民に開かれた豊かなウオーターフロントづくりを促進することとしております。
 また、地域住民の日常生活を支える地域交通につきましては、都市、地方におきましてその維持整備を図ってまいります。
 次に、豊かさとゆとりを実感できる国民生活の実現についてであります。
 特に厳しい首都圏を初め大都市圏における鉄道の通勤混雑の緩和対策として、都市鉄道整備の推進と時差通勤の促進とを車の両輪と位置づけて取り組んでまいります。また、社会の急速な高齢化、障害者の自立と社会参加の要請等に対応するため、高齢者、障害者などの利用に配慮した施設、車両の整備等を促進します。
 次に、経済社会の変化に対応した運輸行政の新たな展開についてであります。
 まず、規制緩和を初めとする許認可事務の改革の推進についてでありますが、社会経済情勢の変化に応じるとともに、安全でより安く、より快適にという利用者の声を十分反映した運輸行政を展開するため、許認可等の規制のあり方について常に見直す必要があります。このような許認可事務の改革については、今後の運輸行政そして運輸省のあり方の根幹をなすものであり、新しい時代をつくっていくとの意気込みを示すという姿勢で推進してまいります。
 タクシー事業につきましては、運輸政策審議会答申を踏まえ、運賃料金の多様化、需給調整の運用の緩和等の措置を講じてまいります。
 自動車の検査及び点検整備につきましては、運輸技術審議会答申を踏まえ、自家用乗用車の六カ月点検の義務づけの廃止等所要の措置を講じてまいります。
 航空事業につきましては、近年の世界的な航空不況の中で航空企業は深刻な経営状態にありますが、我が国航空企業の果たす役割や利用者の立場から、我が国航空企業の競争力の向上を図っていく必要があり、先般、航空審議会に対し、その方策について諮問を行ったところであります。
 さらに、国際化の一層の促進と国際社会への貢献、地球温暖化など環境問題への取り組み、長期的な労働力不足を初めとする経済社会横道の変化を踏まえた経済社会の構造的課題への対応、安定した海上輸送の実現を図るための海運業など運輸産業の健全な発展、リニアモーターカー、テクノスーパーライナーなど次世代に向けた技術開発の推進、その他災害対策の充実等々の重要課題に取り組んでいく必要があります。
 いずれにいたしましても、これら諸施策の推進につきましては、何と申しましても本委員会関係各位の一層の御理解と御助力を賜らなければなりません。何とぞ本委員会の先生方のよき御指導と御助言を賜りますようお願い申し上げまして、私のごあいさつといたします。どうぞよろしくお願いいたします。(拍手)
○委員長(和田教美君) 二階運輸政務次官。
○政府委員(二階俊博君) 運輸政務次官を拝命いたしました二階俊博でございます。
 当面する運輸政策の基本方針については、ただいま伊藤運輸大臣からお述べになられたとおりであります。豊かさとゆとりを実感できる国民生活の実現、さらに国土の均衡ある発展を図る上で、国民生活と深いかかわり合いを持つ運輸行政の役割は、近年特に重要なものがあると考えております。この重責を全うすべく、微力ではありますが、全力を傾注してまいる所存であります。
 和田委員長を初め委員各位の御指導、御支援のほどを心からお願い申し上げまして、ごあいさつとさせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
○委員長(和田教美君) 運輸事情等に関する調査を議題といたします。
 これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○松浦孝治君 過般の総選挙において、三十七年間続きました自由民主党の政権から八党派による連立内閣が成立したわけでございますけれども、その重要な運輸大臣に伊藤大臣が就任されましたことについて心から期待を申し上げるわけでございます。我が自由民主党における歴代の内閣においても、国民の生活と非常にかかわりのあるこの運輸行政、特に陸海空の交通ネットワークの建設について渾身の努力をし、現在のような近代国家につくり上げたと我々は自負しておるところでございまして、どうか伊藤大臣におかれましても、今お話にありましたように積極的に運輸行政に取り組んでいただいて発展を期していただきたいと、心からまず期待を申し上げておきたいと思います。
 そこで、ただいまもお話がございましたが、日本の空の表玄関であります成田空港問題についてお話をお聞かせいただきたいと思います。
 御承知のように、成田空港は五十三年の開港以来今日まで、日本の表玄関として重要な使命を果たしてまいりました。もしこの成田空港の開港がなければ、現在のような国際国家日本に発展できなかったと私は考えるものでございます。昨年の十二月にようやく第二旅客ターミナルビルが完成し、供用を開始しておるわけでございますが、最近の成田空港における輸送の現状及び増便要求やまた新規乗り入れの希望などがあり、それに十分対応できておるのかどうか、まずお伺いをいたしたいと思います。
○政府委員(土坂泰敏君) 五十三年に開港いたしまして、平成四年度で申し上げますと旅客が約二千百万人でございます。貨物が約百三十万トン。発着回数は十二万回でございます、しかしながら、滑走路一本で運営をいたしておりますので、これが既に限界をやや超えたという状況でございまして、これ以上の増加には耐えられない状況でございます。現在、三十八カ国から成田に乗り入れをしておりまして、増便の要請が各国からございますが、今申し上げたようなことで対応が不可能でございます。また、それ以外に四十五カ国から乗り入れの希望が新規にございますが、これも同じ理由で対応ができないというのが現状でございます。
○松浦孝治君 ただいま、成田の輸送状況あるいは各国からの乗り入れ希望状況等についてお話がございましたが、今お聞きをいたしますと、もう成田空港の適正能力はオーバーしておる、そのように私は理解をいたしたわけでございます。そうした需要に応ずるためには早期に二期施設を完成しなければ方法がないんじゃないか、こう思うわけでございます。そして、昭和六十一年に二期工事に着工をいたしておると思いますが、今その二期工事の進捗状況はどのようになっておるのか、お聞かせをいただきたいと思います。
○政府委員(土坂泰敏君) 六十一年に二期工事に着工いたしまして、昨年の十二月に第二旅客ターミナルビルの完成を見たところでございますが、B滑走路とC滑走路につきましては、用地の手当てができないということもありまして、現在未完成の状況でございます。
○松浦孝治君 今、旅客ターミナルは十二月に完成した、しかし用地等の問題等があって、B、C滑走路はまだ工事に着工できておらない、こういうお話でございましたが、それでは未買収地の現状や一坪地主の状態等について御説明をいただきたいと思います。
○政府委員(土坂泰敏君) 成田空港全体で千六十五ヘクタールの計画でございますが、このうち未買収地は二十一ヘクタールでございます。そのうち、いわゆる一坪運動の共有地になっておりますのは一・四ヘクタールでございまして、二十九件、約千二百人の方の共有になっております。正確に言いますと、千二百六十九人の方の共有でございます。
○松浦孝治君 そこで、私は伊藤大臣にお伺いをいたしたいと思いますが、大臣は九月七日、成田空港視察後の記者会見におきまして、未完成のB、C滑走路を早期に完成させ、立派な国際空港に仕上げたい、こういうようなことを明言されておりまして、みずから二期工事の推進役を担っていく旨の報道が新聞でなされておるのを私は見たわけでございます。非常に大事な成田空港でございます。本委員会におきましても大臣の力強い決意を聞かせていただきたいと思います。
○国務大臣(伊藤茂君) 御質問の冒頭にお励ましを賜りましてありがとうございました。
 御質問にお答え申し上げますが、成田空港二期工事、そしてB、C滑走路、完成した空港にするというためにぜひ力を尽くしてまいりたいというふうに思っております。
 視察に参りまして、それから第一回の円卓会議にも出席をいたしてまいりました。お話を伺いながら、また現場のさまざまな状況を説明をいただきながら、この二十数年の長いさまざまな経過につきまして、私も当初かかわった者の一人として思い新たなものがございました。長い期間の中に、さまざまな不幸なまた激しい対立の時代がございまして、完全にまだ解決を見ておりません。こういう状態をどう越えていくのかという努力をして、そしてこの問題の打開をしなければならない。航空日本の我が国の表玄関として、また航空事情からしてもまさにそのときであると思っております。
 幸いにいたしまして、隅谷さんを初めとする調査団の方々、公開シンポジウム、約一年余り御努力をいただきまして、今円卓会議という段階に至りました。このような皆さんの御協力をいただきながら、何とかして早い機会にこの問題の打開の糸口をつかむように、これは心からそれをやりたいというふうに念じておりますので、いろいろ御協力をお願い申し上げたいと存じます。
○松浦孝治君 今大臣より成田空港の完全空港化に向けて努力をするという、そういう決意が述べられたわけでございますが、伊藤大臣も、ただいまも若干それらしき御答弁というかお話がございましたが、九月七日に成田空港を視察された折に、昭和四十六年の第二次代執行のときに殉職をされた三人の警官の碑に献花をされておられます。新聞に写真が載っておりましたので、私、見させていただきました。
 今大臣が当初かかわったというような、そういうお話もございましたが、大臣は当時と申しますか、第二次代執行時に現地で代執行阻止闘争に加わっておられたのかどうか、また今回どのようなお気持ちで殉職された三名の警察官に献花をされたのか、お聞かせをいただきたいと思います。
○国務大臣(伊藤茂君) 御指摘ございました九月七日の日に大臣として視察に参りまして、そして殉職された三人の警官の皆さんの碑に献花をさせていただきました。献花をしながら、私といたしましては何か感慨新たなあるいはまた気持ちの引き締まる思いがいたしました。
 私は当時、社会党のたしか国民運動局長として大衆運動の一端を担っておりましたが、あの事件が起きまして、特に神奈川県警の皆さん、若い年齢でああいうちょっと残酷だと言いたいほど悲惨な状態でございました。その御家族の皆さんなどを含めまして、当時私は談話を出しまして、どのような意見の違いがあろうと、このようなことは、人の命を亡くするようなことは絶対あってはならぬと思う、心からお悔やみ申し上げますという私の談話を出した覚えがございます。
 また、伺いますと、殉職された三人の警官の皆さん、そしてまた長い経過の中で反対同盟の関係などでもお亡くなりになった方とか、いろいろいらっしゃるようでありまして、そういう霊を弔う合同の集いをおやりになったということも伺いまして、非常に感慨深いものがございました。このような不幸な時代を振り返りながら、そうでない新しい時代に向けてぜひ努力をしなければということで、思いを新たにしたところでございます。
 いずれにいたしましても、当時はいろんな社会条件その他からいたしましても、何か全国でいろんな形で激しい衝突が起きるという不幸な時代であったと思いますが、今まさに状況は変わったと思います。総選挙後の総理の所信表明演説の中でも、対立と抗争の時代が終わり、今協力と建設の新しい時代がという言葉がございましたが、そういう気持ちを真剣に皆様にお願いをしながら、完成した空港、そうして地域の皆さんが農業、農村、そういう面も含めまして、空港と共生共存する新時代というものをぜひつくっていきたいということで力いっぱいの努力をしてまいりたい、そういう気持ちでございます。
○松浦孝治君 先ほど円卓会議のことについて大臣が触れられたわけでございますが、新聞報道等を見ますと、円卓会議が二回にわたって開催されたようでございます。しかし、その円卓会議には反対同盟の熱田派だけの参加であったと聞いておるわけでございます。この円卓会議は今後どのようなスケジュールとなるのか、あるいはまたいつごろまでに今掲げておる空港と地域住民との共存共生の道を見出して二期工事の完成を図ろうとしておられるのか、その見通しについてお聞かせをいただきたいと思います。
○政府委員(土坂泰敏君) 円卓会議、二回やらせていただきまして、一回目は国と反対同盟の方から意見の陳述を行いました。二回目は地元の市町村の方々、県それから地域代表の方々、こういった方々の御意見の陳述がございました。
 三回目以降をどういうふうに進めていくかというそのスケジュールというか、そういうことは現時点ではまだ決まっておりません。円卓会議の運営会議という幹事会のようなものがございますが、十一月にここで今後の進め方について御議論をいただくことになっております。したがいまして、現時点でスケジュールあるいは見通し、それを申し上げることはできませんが、十一月には今後の段取りが決まるのではないだろうかというふうに思います。それを受けて国として議論を尽くして合意を目指してまいりたい、こう思っておるところでございます。
○松浦孝治君 それでは、円卓会議が二度にわたって行われたけれども、十一月に運営幹事会ですか、それをやって今後の取り運びを決めたい、そういうことでございますが、そうなるとなかなか、シンポジウムは十五回も一年半にわたって実は開かれたわけでございまして、その間いろいろなお話し合いがなされたと思いますが、それはそれとして、今つくり上げたこの話し合いの状態を努力をしていただいて、できる限り早く二期工事が着工できるように御努力をいただきたいと思います。
 その一方で、反対同盟の中に小川派、北原派があるわけでございます。大臣は空港の記者会見で、円卓会議に参加していないこの北原派、小川派に対しまして別の場をつくって話し合いたい、こういうように表明されたようでありますが、いつごろ、どのような形で話し合いの場を持とうとなさっておるのか、お聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(伊藤茂君) 御指摘のとおりに三つの反対派と申しましょうか、という方々がいらっしゃいます。
 そのうちの一つは円卓会議に着いていただきまして、現在さまざまの前向きの話をしていただきたいというふうに私ども考えております。
 あとの二つにつきましては、私どもも、ぜひテーブルに着いて、そして二十数年の過去を誠意を持って話し合いながら打開の道をつかみたいと思っているわけでございます。表現といたしましては、円卓会議に追加してあなたもいらっしゃいという形が、御参加いただく方がいいのか、あるいは別にミニ円卓と申しましょうか、形の御相談が始まるのか、いろんなケースがあると思います。そしてまた、それが実現するためにはさまざまの表裏の努力もしなければならないというのが現実だと思います。今、いつどのような形でと申す段階ではございませんが、私としては何とか早い機会にその打開を図りたいという気持ちでございます。先ほどの先生のお話にもございましたが、この二十七年間の経過と、それから私自身もかかわってきた自分の命までの経過と、いろいろ重ねて振り返りながら今やはり新時代をつくらなければならないという気持ちでございます。
 昨日も私のところに、成田市を初め関連の十幾つかの市町村の議会の議長さんがそろってお見えになりまして、さまざまの御要望がございましたし、それから共存共生という意味でのいい時代での空港も含めて町をつくりたいという御意見がございまして、いろんな意味で私はやはりそういう条件といいますか、環境はだんだん進んできているというふうに思います。
 この間、円卓会議の第一回の前の日でしたか、報道が出ておりましたが、成田空港で子供たちとジャンボの綱引きがあって、三百人の子供たちがえいっと力を合わせて綱を引っ張ったらジャンボが動いたという話がございましたが、ああ、こういう時代になったのかという思いもいたしました。いろんなそういうことを含めまして努力をさせていただきたいと思っております。
○松浦孝治君 記者会見で小川派、北原派に対しても大臣としては過去のいろいろな経験のもとに呼びかけていく、こういうようなことを言われておるわけでございますが、また今もお話ございましたが、確たる方策というものを大臣には持っておられぬと、私はそう感じました。と申しますのは、小川派にしても余り関知しない、あるいは北原派に対してはかなり厳しい状態で批判をされておる。これは私は報道でしか知り得てないのでございますが、そういうことがあるわけでございます。
 そういう点で私は、今大臣はいろいろと過去二十七年間の問題というような形でお話がございましたが、この成田空港建設反対運動に対する社会党の方針というものを私は若干開陳したいと思います。
 昭和四十一年七月に御承知のように新東京国際空港の建設の位置が成田市三里塚に決定をされました。社会党はその年の第二十八回の党大会において空港建設の反対決議を行い、反対闘争方針を決定されておるのであります。
 それは、一つ、国会における闘いはもちろんのこと、現地での実力阻止を含め断固粉砕するまで闘う。一つ、現地における実力阻止闘争を強めるため、委員長を初め、執行部、国会議員はもちろん、全党を挙げて建設予定地内の共有地運動、すなわち一坪地主運動に参加する。一つ、現地における闘争を強め、中央本部三里塚空港設置対策委員会を強化し、現地の指導に当たる。以上のような反対闘争方針を社会党は党大会において決定されておるのであります。
 なぜ私がこのような質問をするかと申しますと、先ほど来お話がございましたように、成田空港建設の二期工事がかなりおくれておる。その要因の一端を私は社会党、そして伊藤大臣もおつくりになられたと考えるものでございます。私に言わせれば、社会党は空港反対運動の火つけ役であり、強力な指南役であった、こう理解をいたしております。現に、五十五人もの社会党国会議員が加わって、まだ残っておる全国に散らばる千二百人もの一坪地主をつくり上げておるのであります。しかし、学生などが加わり運動がだんだんと激化してくるにつれて、いつの間にか社会党は反対運動から手を引いてしまわれたのであります。
 当時の国民運動局長、また社会党の政審会長も歴任された伊藤さんが今担当大臣に御就任されておるのでありますから、今いろいろな反省的なお話もございましたが、この際、なぜ社会党は反対運動から手を引いたのか、またいつ建設反対の方針を変更したのか等について国民に対して御説明をし、その見通しが誤っておるならば陳謝をされるべきだと私は考えております。それは申すまでもなく、純粋な気持ちで反対運動に参加された人々、特に農民の方々に対する大臣としての責務でもある、こう私は思っております。御見解をお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(伊藤茂君) 率直な御質問でございますので、私も気持ちを率直に述べさせていただきたいというふうに思います。
 私もこの大臣に就任をいたしまして、私の担当分野の大きな仕事でございますから、ただいま若干御紹介もございましたが、この間の社会党のとった態度、そしてこの二十数年間にわたって自分は何をしてきたのか、どういうことだったのかということを含めましていろいろと振り返り、資料も読み直し、また考えてみました。
 考えてみますと、社会党がこの問題についてとった態度は三段階あったと思います。御紹介ございました当初の段階ですが、いずれにいたしましても現実は、地元の農民からいたしますと、空港計画が天から降ってきたみたいな印象をお持ちになったという状況であったわけでありまして、私どもは、やはり安定した農業を営みたいという気持ちで抗議と反対運動が起こったという経過だったと思います。
 あのときに、当時の運輸委員会の先輩の皆さんとも私ども大衆運動にかかわる者も必死に勉強をいろいろやった覚えがございますけれども、空港にそもそも反対という気持ちではありません。あそこに空港をつくるのが適切なのか、空路その他の問題も勉強して、そして羽田をもっと広げる方がいいのか、別のところがあるのか、いいのがあるのか、航空政策あるいは空港、特に首都圏におけるところの日本の玄関としての空港のあり方などについて、いろんなことを勉強した覚えがございます。頭からそれを否定するというふうな気持ちではございませんでした。政党としてはある意味では当然のことだと思います。
 もう一面では、火つけ役という気持ちはございませんで、やはり政党ですから、現地で抗議、反対に立ち上がるさまざまな地元の皆さん、農民の皆さんを支援するというのが基本であろうということでございまして、言葉その他いろんなこと、文章の中にあったと思いますが、そういう二つが基本にあったというふうに私は振り返っております。
 同時に、空港が現実に進んでいくという状況の中で、これを白紙に戻すことはできないというのも現実でございまして、また一面では非常に少数のといいますか、幅の狭い過激な運動の方が表面化するという状況がいろいろございました。私どもは当然そういう性格の運動と共同でやるという立場ではございませんので、その面での区切りと申しましょうか、立場はきちんとすると。また、その前後に私ども、多くの議員の皆さんが一坪地主になっておられたわけでございますけれども、それも解消いたしまして、所有者の皆さんに全部お返しするという措置をとったわけでございます。
 そうして、最近と申しましょうか、この数年来でございますけれども、地元の社会党の皆さんあるいは私どもも含めまして、やはりいろんな意味で新しい段階になった。一番大事なことは、地元の皆さんとのやはり共生共存という関係でこれをどう仕上げるのかということではないだろうかということで、そのほか騒音問題や落下物やいろんな問題もございますけれども、大まかにはそういう方向で今考えているというわけでございます。
 過去の誤りその他という御発言がございました。私は、政治家としてもまた担当大臣としても人間としても素直にこの経過をある意味では真剣に振り返ってみるわけでございまして、やはり一つの不幸な時代だったなという思いを深くいたします。前大臣も、それから先輩の前々大臣も向こうにいらっしゃいまして、そしてこの二十数年間の経過の中で政府のやり方も非常に御迷惑をかけましたということを率直にお認めになりまして、反対同盟の方が、まあ一派ですけれども、その一言を早く聞きたかったと言って何か感動して二人で握手をしたというような姿も、話を聞きまし て、またテレビでも見まして、ああ非常にいいことになったというふうに思っております。
 過去をどう振り返るのかという場合に、片っ方がすべてよくて片っ方が全部悪くてという関係ではない、何か一つの時代の反映としてあったというふうに私は思っております。その経過の中で、もっとどうすべきだったのか、どうあるべきだったのかということを、常に過去を素直に振り返りながら、今やるべき新しい展開について力を尽くして努力をするというのが政治家としても人間としてもあるべき態度ではないだろうかというふうに思っているわけでございます。
 そういう意味でのことを考えますと、過去にそういうかかわりを持ち、過去を振り返りながらどうするのかというだけに、私はやはり特段の大きな責任というものを持ちながらやらなければならないという気持ちでおります。
○松浦孝治君 今、いろいろな時代の流れと申しますか、時代の背景があったと、そういうお話で、率直に反省しなければいけないという言葉はございましたが、聞いておりますと、何かこの二十七年間の運動は当然であったかのような印象を今私は受けるわけでございます。今大臣も申されましたように、政府の空港建設について、過去のいろいろな中でそれに対して過ちがあったという、それをシンポジウム等の段階で率直に前大臣は認めたわけでございます。
 そういう中で、今回のこの円卓会議を順調に進めていくためにも、また先ほどもまだ見通しが十分でないと私は言いましたが、小川派、北原派に対してその方々の心を解きほぐすためにも、担当大臣としてまた社会党に籍を置かれていろいろ成田空港の問題にかかわってきた伊藤大臣として、率直に過去のいろいろなことについて反省をして、そしてこの建設のために私は努力をしていただきたい。もう答弁は求めませんけれども、強く要請をしておきたいと思います。
 それでは、もうきょうは空港問題中心にさせていただきますが、先ほどもお触れになりました関西新空港の問題についてお伺いをいたします。
 着工から六年半、お話にもございましたように、来年九月にはいよいよ我が国初の二十四時間使用の関西国際空港が開港することになりました。東の成田空港と並び立つ二大空港の幕あけと言っていいと思います。特に、関西新空港は二十四時間の海上空港で、従来の日本の空港にはないさまざまな工夫が凝らされていると聞いておりますが、どのような特徴を持った空港なのか、航空局長より御答弁をいただきたいと思います。
○政府委員(土坂泰敏君) まず、仰せになりましたように海を埋め立ててつくりましたので、二十四時間運用可能であるというのが一番大きい特色でございますが、そのほかにもいわゆる国際ハブ空港という考え方でございまして、多数の国際線のほかに国内の幹線のネットワークもここに充実をするようにしたいというふうに思っております。
 それから、ターミナルビルなんかも普通、国際線と国内線というのは、外国の例なんかでもそうですが、別のところにあるわけですが、これは同じ建物の中で上下で移動ができる。四階が出る、スタートのところでございます。一階が到着てございまして、二階が国内線ということで、上下移動で国内と国際の乗り継ぎができるようになっております。
 それからまたアクセスについても、泉州沖でございますので、JR、南海、それから阪神高速、近畿自動車道、それから各港、神戸などに対する船の便、こういうようなものも整備をされておりまして、いろんな意味で非常に便利な空港になるものと思っております。
 日本だけでなく、アジア全体の中心になるようにぜひ育てていきたい、こういう気持ちでございます。
○松浦孝治君 ただいま御説明いただきましたが、非常に立派な空港であるということで、一日も早い開港を待ちたいと思います。
 ただいまお話もございましたが、関西空港は東アジアの主要都市と二時間で行き来できる日帰り圏であります。アジア諸国の経済交流の活発化によって二時間経済圏の誕生が期待されておるのでございますが、国際線の乗り入れ予定会社は順調に進んでおるのか、また、現在あります大阪空港との関係において国内線はどのようになるのか、お聞かせをいただきたいと思います。
○政府委員(土坂泰敏君) まず国際線でございますが、現在大阪空港に十カ国乗り入れておるわけでございますが、このうち四カ国との間で増便の合意をいたしました。それからアメリカ、ドイツ、フランス、中国、こういったところとは現在交渉中でございます。それから、現在大阪に乗り入れておりませんが既に我が国と協定を締結している国があるわけですが、そのうち二十一力国が新たに関西空港に乗り入れることになりました。さらに、現在協定を締結していない国の中から七カ国との間で、関空への乗り入れを前提に協定の締結ないしその準備を進めているところでございます。
 それから国内線でございますが、これは伊丹と関空とのすみ分けということが問題になるわけでございまして、この点については基本的な考え方を地元の十一市協などに協議をするということになっておりまして、この二十一日に国としての考え方を地元に提示をいたしまして、今協議をやっておるところでございます。この協議によりましてすみ分けの基本的な考え方を確立をし、それを受けてエアラインの方から航空法に基づく事業計画認可申請という格好で具体的な路線、便数の申請が出てまいる、それを九月までに確定するということで作業しております。
 一言で申し上げて、いろいろ問題はあるが一生懸命やっておるという段階でございます。
○松浦孝治君 ただいまも申しましたように、東アジアの主要都市と二時間で結ぶ、非常に経済交流を活発にあるいは文化交流を活発にできる関西新空港でございますので、今お答えもございましたが、積極的に乗り入れ国といいますか、乗り入れ会社との交渉をやっていただいて、そして来年の九月の開港時には目的以上の航空会社が乗り入れてこられることを私は期待をしておきたいと思います。
 御承知のように関西新空港は民活で行われておるわけでございまして、海上でございますから地盤の沈下などもございまして建設費が予想外に膨らんでいると聞いておりますが、そのために着陸料やテナント料に大きな影響を与えるのではないかと私は心配をいたしております。今、関西国際空港の着陸料はどういう見通しを持っておられるのか、お聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(土坂泰敏君) 海の中で埋め立てをしてっくったものでございますから、本来高いものでございます。それが地盤の関係で沈下をして工期がおくれたりしてさらに高いものについておるわけでございまして、御指摘のようにそのコストをそのまま反映すると大変高い着陸料になるわけでございます。かといって、それを下げていきますと今度は関空会社の収支がとれないということでございまして、非常にきつい状況になるわけでございますが、ほかの空港の事例なども参考にいたしまして、ぎりぎりのところで現在着陸料を設定をいたしまして、IATAという国際航空運送協会の方に今協議をしておるところでございます。
 具体的な金額は、国際線については成田の一割増し、国内線については伊丹の一割増しということで現在IATAと交渉しておるところでございまして、関空の置かれている厳しい状況からぜひこれで御理解をいただけるようにこれから努力をしていきたいと思っておるところでございます。
○松浦孝治君 関西国際空港のキャッチフレーズ、これは経済成長を続けるアジアと欧米をつなぐハブ空港であると。しかし、ハブ空港をねらっておるのは関西国際新空港だけではございませんで、近隣のソウルや香港も既に動き出しておりまして、東アジアの空というのは大きく変わろうとしております。
 今、関西国際新空港は一本の滑走路であります。そして今、成田空港の着陸料等の一割増したと言われましたけれども、私の知る範囲では成田空港の着陸料等は世界一高い。したがって今、国際航空運送協会ですか、ここに出しておるその数字で認められると関西国際新空港が着陸料は一番高い空港になるわけでございまして、そういう点を考えると、アジアのハブ空港として発展できるかな、そういう実は懸念もあるわけでございます。
 したがって、そのためには早急に全体構想をまとめるとともに、公的な助成等もできる限り投入をして着陸料等の引き下げも行っていく必要があると私は考えるわけでございますが、御見解をこれは大臣にお答え願いたいと思います。
○国務大臣(伊藤茂君) 御指摘ございましたように、アジア近隣諸国などなどの状況を今見てまいりましても、やはり我が国で立派なハブ空港が完成をするということは、本当にこれは全力を挙げて急がなければならない課題という状況だと私どもも認識をいたしております。そうなりますと、関西国際空港につきましても今さまざま議論、検討が進んでおりますが、全体構想をどうしていくのかというふうな問題、これも大きな課題でございますし、公的助成という面もこれは真剣に考えなければならないと思います。
 かつては、昔は、航空、エアライン、飛行機というものは国民の中でも一部の方々が御利用されるという時代があったと思いますが、今は内外ともにまさに国民的な重要な足と申しましょうか、運搬手段になるわけでございまして、それにふさわしい考え方を持つべきであろうというふうに思っております。
 また、私就任以来ささやかな勉強の中でも思うんですが、さまざまの交通手段の建設財源、整備財源というものにつきまして、もっと総合性のある、あるいは全体のバランスのある、そういうやはり発想、プランというものをもうこれは持たなくてはならぬ時代になっているのではないだろうかということを痛感をするわけであります。さまざまの交通手段、これはエアラインもあります。それから高速鉄道のネットワークもつくらなくてはなりません。高速道路のネットワークも必要だと思います。そういう全体の国土利用の基礎条件をつくる分野について、もっとやはり総合性のある視点というものが必要ではないだろうか。これは運輸省だけではございませんで、政府全体として検討すべきテーマであろうと思います。また、公共事業の配分について硬直性が指摘をされ、次の時代の目標は何だろうかということもいろいろ議論が始まっている段階でございまして、大事な点だと思いますので、私も勉強してぜひ取り組みたいと考えております。
○松浦孝治君 大臣から答弁をいただきました。そういう考え方に立って関西国際新空港の全体計画と申しますか二期構想と申しますか、これについて前向きでそして積極的に公共資金等も導入していただいて建設を行っていただきたい。そうすることによってやはり今日本の国で問題になっております東京一極集中の是正もできるわけでございまして、そのためにはどうしても関西国際新空港を日本の西のハブ空港として発展をさせていかなければいけない、そういう位置にあると私は考えておるわけでございます。今大臣も公共事業あるいはその他の段階で積極的にこの問題についても考えて取り組んでいかれる、こういうような御返事をいただきましたので、大いに期待をさせていただきたいと思っております。
 それでは次に、新幹線についてお伺いをいたしたいと思います。
 今、新幹線といえばもう整備新幹線に目が向けられるのでございますが、私は既存の東海道新幹線について少しお尋ねをいたしたいと思います。
 東海道新幹線は、東京と大阪を結ぶ夢の超特急として一九六四年に運行が開始されまして、本年の十月一日で三十年目に入っておるところでございます。東海道新幹線は、東京、名古屋、大阪の三大都市圏を結ぶ交通の大動脈として、文字どおり日本経済の発展とともに歩んできた鉄道であると私は認識をいたしております。
 そこで、三十年間を検証する意味で、列車運行の推移とか輸送実績、事故の発生状況等について、簡単で結構でございますから御説明をいただきたいと思います。
○政府委員(秦野裕君) 開業いたしました昭和三十九年の一日当たりの輸送人員は六万一千人、列車の運行本数は六十本でございました。これが昨年度、平成四年度におきましては輸送人員が三十六万二千人ということで約六倍、それから運行本数は二百七十六本ということで四・六倍ということで、いずれも大幅な増加をいたしております。
 また、開業以来、おかげさまでこれまで乗客に死傷を生じた事故は発生しておりませんし、また列車の遅延につきましても、昨年一年間の実績を見ますと、一列車の平均で一分を切っております。四十八秒ということでございまして、ほぼ定時運行を確保しているというふうに考えております。
○松浦孝治君 今局長よりお聞きいたしますと、東海道新幹線はまさに国民の足でありますし、スピードではフランスの何とおっしゃるんですが、それに若干抜かれてしまったけれども、今申されましたいろいろな状態から見て私は世界一の高速鉄道と自負をいたしたいと思っております。
 しかし、今後も長く夢の超特急として安全で、今申されましたように正確に走り続けるためには、数多くの重要な問題を解決していかなければならな、いと思います。
 聞くところによりますと、老朽化した鉄橋の若返り策とか、あるいは輸送力を増強するための新駅の建設とか、あるいは保線要員不足を解消するための方策とかが検討されておるようでございますが、どういうような内容なのか御説明をお願いいたしたいと思います。
○政府委員(秦野裕君) まず第一点の鉄橋等の若返り策でございますが、昭和三十九年に開業いたしまして以来、レールとか架線は別といたしまして、施設そのものの取りかえというのは行っていないわけでございます。
 現在、JR東海の方で、学識経験者の方々にお集まりいただきまして、構造物の老朽化についての調査検討委員会を開催いたしまして検討をいただいております。少なくとも当面、鉄橋等につきましての安全性については全く問題がないという御提言をいただいております。
 ただ、当然のことでございますけれども、長期的にはこれらの施設を取りかえなければならないという問題が当然参りますので、その時期につきまして事前にどういうふうに予測するかということについての体制を整えるように、今JR東海の中で準備をしておるというふうに承知いたしております。
 それから二番目の新駅の設置でございますが、各地でいろいろ御要望がございまして、これは当然のことでございますけれども、JRの経営判断にゆだねるべき問題でございます。考え方としましては、利用者がどれくらいあるか、あるいは技術的に問題はないか、あるいは新幹線の速達性と申しますか、余り駅の数が詰まってまいりますと速達性にまた問題が出てくるというようなことで、そういうことが阻害されないか、あるいは地元の御協力が得られるかというような点を勘案して、JRの方で判断すべきことであるというふうに考えております。
 それから保安要員のお話でございますが、現時点では少なくとも要員不足という状況は生じておりませんけれども、当然将来的には作業員の高齢化あるいはいわゆる三K職場と言われておりますようなことから、労働力の不足ということが想定されるわけでございまして、各鉄道事業者に共通する問題でございますけれども、保線作業の機械化の一層の促進でありますとかあるいはその他の省力化の対策について、各事業者において十分検討するように指導してまいりたいと考えております。
○松浦孝治君 今、東京と新大阪間に千四百七十一本もの鉄橋がある、こう聞いておるわけでございまして、今は老朽化の心配はないけれども、長期的にはそれの補強なりかけかえを行っていかなければいけない、こういうようなお話であります。そうなりますと、千四百七十一本もの鉄橋をどのように補強し、かけかえていくかということになるといろいろな問題があるし、財政的にも本当に大変だと思うわけでございます。
 また、保安要員の不足の問題については、今充足をしておるけれどもということでございますが、夜間等においてその作業をしなければならない、やはり非常に過重な労働であるわけでございまして、そういう点から考えても、スラブ式に切りかえた方が走行時の揺れが少ないとか、あるいは今申されました保守とか管理とか、そういう面で非常に省力化につながってくる、こういうこともありますので積極的にやっていただきたい、このように思います。
 しかし、いずれにいたしましても、これには多額の財政的な経費の問題があるわけでございますので、そういう点につきましても先ほど大臣が全体的な問題として総合的に考えていくべきだと、公共事業等についてそうおっしゃられたわけでございまして、そういう面でもこの歴史、国民の足、それを考えたときに特に三大都市圏をつなぐ東海道新幹線については十分な配慮をなさっていただきたい、このように私はお願いをしておきたいと思います。
 次に、列車の事故についてお尋ねをいたしたいと思います。
 たまたま偶然であったのでしょうが、去る八月六日に二つの事故が起きております。一つは、復旧に十三時間も要し、東海道新幹線を終日混乱に陥れた保線車両同士の追突、脱線事故であり、もう一つは、のぞみ一八号のパンタグラフ非固定による千五百キロメートル運行事件でございます。
 報道によりますと、いずれも運転士の居眠りや作業員のミスが原因である、こういうように報道されておるのでありますが、実態はどうなのですか、お聞かせをいただきたいと思います。
○政府委員(秦野裕君) お話しのとおり、八月六日に二つの事故が起こりまして、大変残念に思っております。
 まず、保線作業車の方でございますけれども、ことしの八月六日の四時五十分に、東海道新幹線の掛川と浜松の間におきまして、保線作業車が停止中の別の保守用の車両に追突をいたしましてともに脱線をいたしたものでございます。これによりまして始発から当日の十七時四十六分まで新幹線が不通となりまして、その結果、運休が百六十九本、遅延が百二十九本ということで、約三十万人の方に御迷惑をおかけいたしました。
 この原因は、追突いたしました車両の運転士とそれから並びに作業責任者が同乗いたしておったわけでございますが、保守用の車両の接近の警報装置というものがついておりますが、その電源を入れないままで運転をいたしておりまして、その途中でともに居眠りをいたしましたために追突したというふうに見られておるわけでございます。
 そこで、この再発防止といたしまして、当然のことでございますが、作業員の定期的な指導を行うあるいは訓練を強化するといったようなソフト面の対策を講ずるとともに、本年度中に、一定の時間ブレーキあるいはアクセルを操作いたしませんと警報が発せられ、かつブレーキが作動するといういわゆるハード的なバックアップシステムを設けるということで、今対応をいたすことといたしております。
 それから、もう一つの「のぞみ」のパンタグラフの方でございますけれども、これは車両基地を走行中にいわゆる三〇〇糸車両、「のぞみ」の車両でございますが、このパンタグラフが破損をいたしまして、身体というパンタグラフの一部の部分が落失をいたしました。
 原因といたしましては、前日にパンタグラフの身体を取りかえをいたしますときに、取りつけのピンを所定のピン穴に通さなかったということで、しかも作業後の確認をうっかりしておったというミスがあったというふうに聞いております。
 そこで、これはJR西日本の方でございますけれども、作業とそれから作業後の確認の具体的な方法について改めて社内教育を徹底いたしまして、再発の防止に万全を期するということで指導しているところでございます。
 以上でございます。
○松浦孝治君 今、両事故の内容をお聞きしますと、本当に整備点検体制というのが整っておるのかなと驚くところでございますし、(「整備しない方がいい」と呼ぶ者あり)そのとおりで、整備しない方が安全かもわからない。本当にパンタグラフの事故にいたしましても、二百七十キロで「のぞみ」が走っているときに起こっていたならばどんな事故になっただろうかということを考えますと、ぞっとする気がいたすわけでございまして、(「望みがない」と呼ぶ者あり)本当に望みがない。
 そういう点で、どうかJR各社に対しても安全教育、整備体制の充実ということについて運輸省としても十分指導監督を行っていただきたい、このように要請をしておきたいと思います。
 もう時間がございませんのでこれは最後になるかもわかりませんが、もう一点、東海道新幹線の問題でお伺いをいたしたいと思います。
 私は、この十月十日付の週刊読売を見て本当に愕然といたしました。それは「新幹線が狙われている」、「ワイヤ、鉄鎖の妨害…縫い針の恐怖」、実はこういう報道であります。
 この報道にもありますが、もし「のぞみ」が脱線でもしていたら、航空事故以上の被害が起きたであろうと想像されるのであります。一体、ワイヤロープとか鎖事件とか縫い針事件とはどんな内容であったのか、きょう警察庁にも来ていただいておりますので、その内容について御説明いただきたいと思います。
○説明員(南雲明久君) お尋ねの事件でございますけれども、本年六月九日、十日にかけまして、岐阜県の関ケ原町の東海道新幹線上り線、さらに八月二十八日に滋賀県の彦根市の東海道新幹線下り線に、いずれもシャックルと称されます連結金具、これを置きまして、これを岐阜事件ではワイヤロープで、滋賀事件ではチェーンでレールに固定するという妨害事件でございます。
 岐阜、滋賀両県警におきましては、事案の重大性、危険性にかんがみまして、直ちに捜査本部を設置しまして、不審者、不審車両等の目撃者の発見、これを目的としました聞き込み捜査、シャックル、チェーン等の遺留品捜査、こういった所要の捜査を強力に推進するとともに、同種事案の再発を防圧するために、新幹線浴線の関係府県警察並びにJRとも緊密な連携を図りながら、パトカー及びヘリコプターを用いまして鉄道沿線の警戒活動等を現在実施しているところでございます。
 また、新幹線の座席等に縫い針、こういったものを差し込む事案は、十月二十三日までに東海道、山陽各新幹線の列車内の座席及びその周辺から縫い針等計百二十一件、百二十五本ほど発見されたと承知しております。警察におきましては、鉄道施設内における各種犯罪の予防、鎮圧のために全国の警察に設けている鉄道警察隊により、列車への警乗であるとか、また駅やホームの警戒警ら、これを実施しているところでありますが、今回の事案発生に伴いまして、この列車警乗の回数をふやすなどして事案の拡大防止と犯人の検挙に努めているところでございます。
○松浦孝治君 今御説明をいただきましたが、この関連の事件等はいたずら犯や愉快犯で私はないような気がいたしまして、本当に身震いをしておるところでございます。今警察庁の方からも、それぞれの事件について捜査本部も設けられて、関係者と密接な連携をとりながらその事件の解明に当たられておるということでございますので、どうか徹底的な調査を行っていただいて事件の解決を図っていただきたいと心から期待をいたしておきます。
 また運輸省においても、このような鎖事件、ワイヤロープ事件があった場合でも十分な安全対策をそれぞれの列車に講じておかなければいけないと私は思うわけでございまして、そういう点について、この事件等を踏まえて運輸省としてはどういうような指導なり監督をそれぞれ行っておるのか、お聞きをいたしたいと思います。
○政府委員(秦野裕君) ただいまの御指摘の、特にワイヤですとかあるいは鎖をレールに巻きつけたということは、極めて重大悪質だというふうに私ども認識をいたしております。ただいま警察の方からもお話がございましたように、JR東海におきまして十分警察とも連絡をとりながら、いわゆる再発防止と申しますか、妨害されにくいような環境の整備、例えば巡回を強化するとか、あるいは夜間にライトを当てるとかいろいろな対策を講じております。そうしたことも含めまして、こうした悪質な妨害に対します対策について万全を期するように十分東海を指導してまいりたいというふうに考えております。
○松浦孝治君 もう時間が来ましたので、いろいろお伺いしたい、特に大臣に国鉄改革の問題についてもいろいろとお聞きをしたいことがあったわけでございますが、次の委員会等でまた御意見なり御質問をさせていただきたいと思っております。
 それでは質問を終わります。
○林寛子君 細川内閣が誕生して、そして新しく伊藤運輸大臣を迎え、参議院では初めての運輸委員会でございます。冒頭に大臣から大変前向きなごあいさつをいただきましたけれども、先ほど同僚議員から少し過去の話が出ましたけれども、伊藤大臣をお迎えしての初めての運輸委員会でございますので、私も冒頭に二、三お伺いしたいし、また大臣の所見も伺わせていただきたいと存じます。
 まず、四十一年七月四日閣議決定されまして、今の新国際空港、成田でございますけれども、決定されました。そしてその後、四十一年十二月十二日、当時の運輸大臣から新東京国際空港公団の総裁にあてての決定がございまして、当時滑走路は三本、そして全工事の完成は昭和四十八年度末を目途とするということが決まったわけでございます。けれども、新東京国際空港は御存じのとおりに五十三年に開港いたしました。
 四十八年の予定がおくれた理由は大臣は何であったと認識されておりますか。当時の運輸省の責任でしょうか。
○国務大臣(伊藤茂君) 率直に申しましてさまざまの条件があったと思います。
 一つは、やはり空港を建設するという大きな仕事、そうしてまたそのためには粘り強く関係地元の皆さんの合意を図るというのがやはり第一歩なんだろうと思います。それが非常に急いで、まあ言うならば権力的という言葉がございますけれども、強くそれをやろうというのが一つあった。
 それからもう一つは、当然ながらそれに対して反対その他の運動が起きる。それに付随をしてと申しましょうか、当時の社会条件ですが、非常にラジカルな、そういうさまざまなものがついてくるといいますか、というふうな当時の状況がございました。そういうような両面を含めまして、私は不幸な時代だったと思っております。
 私もその経過をずっと詳細に改めて振り返りながら、私も含め私どものそのときとった態度はどうだったんだろうかということを正直にいろいろと考えます。何もすべてよかったと言うつもりは全然ございませんし、反省しなければならないいろいろな問題があることは事実です。しかし、相互の関係を含めてそういうことをどう理解をしながら、あるいは省みながら、今やるべきことをどう考えるのかということが私の務めではないだろうかという気持ちがいたします。
 先ほど申しましたように、幸いにして隅谷調査団の皆さんの御努力、あるいは前大臣も前々大臣、その前もそうですが、先輩の運輸大臣もこの問題の打開のために誠心誠意努力をされたという上に私が引き継いでいるわけでございまして、それらの過去をいろいろと省みながら、今やらなければならない打開をぜひとも図っていきたいと思っております。
○林寛子君 私は、大臣の過去が責任あるとか、今ここでそのことを申し上げるつもりはないんです。ただ、こういう現実があったということだけはやはり再確認しながら、今大臣のお言葉の中に過去には自分で反省しなければいけない点もあったとおっしゃっていますから、私はぜひ前向きに大臣が取り組まれることを望む一人であります。
 ここにも過去、衆議院あるいは参議院において社会党の諸先生が反対された議事録をたくさん私も読ませていただきました。なぜ反対されたのか、またなぜなんだろうか、私も私なりに理解しようと思っていろいろ読ませていただきましたけれども、やはり正直言って理解できる部分と、これが国会議員として一坪運動だとかそういうことに走ってよかったんだろうかなという、単純な国民の一人としての疑問も持っております。しかも、あれだけ反対なさって、じゃ反対した人たちは成田から飛行機にお乗りにならないのかなという単純な疑問もこれは一般の国民は持ったわけでございます。
 けれども、曲がりなりにも、あるいは反対した皆さん方の善言葉をかりれば、先ほどもございましたけれども、欠陥空港のまま開港したというのが議事録の中に出てまいります。参議院の目黒先生の議事録でございます。その欠陥空港だと社会党の先生に決めつけられて開港した成田、今私が冒頭に申しましたように滑走路は三本、そして現在も先ほど同僚議員が言いましたように一本のままで、先ほど答弁ございましたようにもう満杯だ、許容能力の限界を超えているのではないかとさえ言われているのですけれども、大臣が前向きに現地を視察されたり円卓会議に出向かれたり、その姿勢は私は多としております。
 そうすれば、過日、九月二十日、第一回の円卓会議でどういう感触を大臣はお持ちになりましたでしょうか。
○国務大臣(伊藤茂君) 九月二十日、第一回円卓会議に出席をいたしまして、率直な印象で申しますと、私も何か共生共存ということで空港と地元の関係を打開したいということを強くお願いを申し上げまして、そういうことの私どもの気持ちについての御理解は相当進んだのではないだろうかというふうに思っております。
 同時に、第一回のときにも若干の議論がございました。その議論を伺っておりますと、何かやはりもう一つ真剣な努力をどうやって図るのかということが必要だなという感じがいたします。
 先ほど航空局長からも今日の円卓会議の事実経過のお話がございましたが、時期的にことし、来年という過程の中で、いつかということまではまだ申し上げる私も確信ございませんけれども、とにかく早い時期に打開を見たいというふうに考えております。
○林寛子君 先ほどからもお話ございましたように、やはり円卓会議が今大臣がおっしゃるように前向きな雰囲気であったかというと、必ずしもそうではなかったという地元の皆さんの声とか、あるいは地元の記者がそう感じているのがここにるるございます。ただ、私はもうそれをあげつらうつもりはありません。
 けれども、ただ、私たちとしますと、私は家庭の主婦ですから、今までの過去を考えておりまして、自分の子供がとても反抗期であるいは登校拒否、家庭内暴力、そういうことを起こしていた子供が、ある日突然学校の生徒会長に選ばれたら喜々として学校に行って一変していい子になった、たとえきっかけはどうあろうと私はそれは喜ぶべきことだと思うんです。
 ですから、私は大臣に期待しておりますことは、過去の反対なさったことはいろいろ理由があるでしょう。けれども、反対していた方が大臣になったからこそ、より自然体に欠陥空港の欠落した部分がすべて健全な空港に生まれ変わるであろうという期待を持っているんですけれども、いかがですか。
○国務大臣(伊藤茂君) 後段のお話にございましたが、私もさまざまのかかわり合いを持ち、その経過を振り返りながら、今この問題を真剣に打開するという意味では、私は特段の責任を持った努力をしなければならない立場ではないだろうかという気持ちでおりました。円卓会議の第一回の様子も今御指摘ございましたが、一段のさまざまな努力をしなければならないというふうに考えております。
 先ほどもお話ございましたけれども、一本の滑走路での現状。この間もよその国の運輸大臣がお見えになりまして、関西国際空港の見学に行ってまいりました、成田に着陸をいたしました、こちらも一本ですね、あなたの国はもし万一そこで故障したときにはどうするんですかと、冒頭そんなごあいさつをされましてたじたじといたしましたが、先ほど来御指摘がありましたようなやはり立派な空港として完成をさせるというために努力をしたいと思います。
 また私は、お言葉がございましたが、何か一転して変わるという気持ちでは実はないわけでありまして、私も社会党でさまざまな大衆運動を担当してまいりましたが、それから後、党の政策担当の仕事もやってまいりました。その間に思うことは、どちらにしても政権交代がない日本の政治を変えなければならない。それが変わらない大きな責任は社会党にあります。それをどうできるのかということについて、やはり反対、阻止とかというイメージの政党ではなくて、ほかのどこよりも未来を担う政党に変わらなければならないということを党内でも常に強調して、努力は足りませんでしたがやってまいったわけでありまして、そういう延長線と申しましょうか、気持ちの延長の中で、今当面するさまざまの問題も考えていくという気持ちでございまして、その点も御理解いただければと思います。
○林寛子君 急に変わったわけではないというお言葉でございますけれども、一般ではやはり変わられたなという印象がなきにしもあらずで、それは御自身だけが急に変わったつもりではないとおっしゃっても、一般にはそう目に映るということだけ申し上げておきます。こんなことで時間をとりたくありませんので、そのことだけ申し上げておきたいと思います。
 先ほどお言葉の中にも出ましたけれども、外国の大臣がいらして大阪の空港をごらんになったというお話ございましたけれども、少し料金のこと、運賃のこと等をお伺いしたいと思うんです。
 関西国際空港の開港と、それから事業費がどれくらいアップしたかというのをちょっとお知らせください。
○政府委員(土坂泰敏君) 関西国際空港は昭和六十二年に着工いたしまして、来年の九月に開港ということで、現在最終的な仕上げをやっておるところでございます。総事業費は約一兆五千億程度に上ろうかというふうに思います。
○林寛子君 予定ではなくて、当初の目的の開港時と当初の予定費用を聞いたんです。
 当初、本年の三月に開港予定、その予定でした。そして当初は一兆円のはずでした。それが今お話では局長は一兆五千億とおっしゃいました。今の段階では一兆四千三百億。地盤沈下等々、先ほどの同僚議員のお話で弁明がございましたけれども、そうしますと、第六次の空整にも盛り込まれました全体構想についてはどれくらいの事業費の見込みがされますか。
○政府委員(土坂泰敏君) 全体構想につきましては、今その建設工法なりいろいろ内容について調査をやっているところでございまして、建設費をなるべく少なくする工夫などもしなければいけないということでございます。したがいまして、現時点で国として幾らであるということを申し上げられる段階ではございません。
○林寛子君 聞くところによりますと、さらに二兆円を超える事業費が必要だと言われております。私は、先ほど大臣がおっしゃったように、関西の地盤沈下を浮上さすための大阪あるいは近県の住民たちの最大の夢であるこの関西国際空港が、今言われておりますように、予想以上の地盤沈下でした。そのために開港もおくれました。
 先ほど申しましたように、大臣自身がおっしゃった。外国の人が来ても、成田も一本ですか、大阪も一本ですか。私は大臣にもお伺いしたいんですけれども、やっぱり成田の轍を踏まないというのが関西国際空港の常識だろうと思うんですね。特に海に突き出しておりますから横風が来るんです、関西の国際空港は。そのためにもどうしても第二期工事の少なくとも二本の滑走路ができてから開港すべきなんです、常識的にも。それが今おっしゃったように、一本で開港して二期工事はううんという話。
 また、全体構想の私が二兆円を超すと言っても、当局からはわかりませんと言う。今申し上げられない。ということは、二兆円をもっと超えるであろうと予測していらっしゃるから数字が今出せないんだろうと思いますけれども、その辺担当大臣として、完成にまで至らなくても、少なくとも成田の轍を踏まないように二本は滑走路を完成させて開港したいとお思いにはなりませんか。
○国務大臣(伊藤茂君) 成田の轍を踏まないようにという意味のお話がございましたが、私も視察に参りまして本当にそう思いました。というのは、成田の場合には残念ながら機動隊に囲まれたスタートという不幸な状態であったわけでありますが、それを反面教師としてという気持ちがみんなにあったのかどうかは別にいたしまして、地元の皆さんの御理解と参加と御協力でということが見事に私はできていると思います。
 来年九月オープンのときには、関係の自治体あるいは経済界などなど、みんなが一斉にお祝いのイベントをどう組むのかというお話がもう既にさまざま起こっているということも伺っております。みんなの空港だとみんなが思っているということでございまして、やっぱりそういう大事な状況を、構図を前提に置きながら、御指摘がございましたように、経費がかさむ、これからの見通し、全体構想の具体化、その他さまざまな問題がございます。また、別な意味での難しい問題も持っております。
 私は、来年度予算概算要求の中にもボーリング調査その他、全体構想に向けての調査をするという費用を大蔵省にお願いをするということで提出をいたしております。と同時にまた、そう長い時間この完成に向けて残されているわけではないというふうに認識をいたしております。恐らく、これから一年、二年と申しましょうか、どこかの一定の時限の中に計画をどう詰めるのか、あるいはどういう計画にしますか、そしてまたどういう費用になりますかというふうなやはり構想を固めなければならない。そして次の第七次空港整備計画のところにどう持っていけるのかということがあるわけでありまして、ですからそれらも念頭に置きながらこの問題の具体化を進めていきたい。
 航空局長が申しましたように、現実で言えば、とにかくどういう形にしますか、お金が何ぼかかりますか、その他ということは、さまざまの構想が今議論されている途上でございますから、今にわかに確定的な算定をするというわけにはまいりませんが、申し上げましたようなことを念頭に置きながら努力をしてまいりたいと思っております。
○林寛子君 私大変不思議なんですけれども、大臣の御答弁に逆らうわけではありませんけれども、担当省として今完成時の予測もできないというお言葉がありましたけれども、そんな情けない日本の運輸省なんでしょうか。これだけの国際空港をつくるといって、しかも私先ほど申しました、完成時の予測まで日時を最初は決めたわけですね。しかも、設計図もできた。設計図ができたからC滑走路まであるわけですね、ABCと三本。そして最初に、浮かすのか埋めるのかといったあの問題になったときにも、埋め立てるということでお決めになったのは運輸省なんです。それが、今構想もまだ発表できません、第七次があるからとか、金額もまだって、それで開港するんでしょうか。ちょっと腑に落ちません。もう一度。
○政府委員(土坂泰敏君) 先生が仰せになりましたように、全体構想につきまして運輸省としての案というのはあるわけでございます。それは、全体の面積は一千二百ヘクタールで、滑走路は三本、横風用の滑走路も備えたものというのが全体構想の運輸省の案でございます。
 ただ、そのうち、政府として閣議決定をいたしまして現実に工事を進め、準備が整っておりますのは一期分でございまして、残りの部分をどうするかにつきましては、やはり具体的にどこまで安くできるだろうかとか、どういう手順でやったらいいだろうかというようなことについて十分政府部内で議論をして、そして予算措置も講じた上でやっていくという手順になっております。そういう意味で、全体の部分が政府としての正式決定にはまだなっておらない、そのための準備の調査をしておる、こういうことを申し上げたわけでございます。
○林寛子君 さっき局長も同僚委員の質問に値段をはっきりおっしゃいませんでした、IATAと今後ということで、着陸料の話なんですけれども。私がなぜしつこく聞いているかと言いますと、この新聞報道は間違いなんでしょうか、関西空港着陸料一機百四万円にという十三日の新聞が出ているんです。百四万円にというのは、さっき局長はまだ金額はこれからだということですけれども、成田の一〇%アップというお答えだけでございました。けれども既に新聞報道では、成田空港を一割上回る額で世界航空会社百九十社で組織するIATAに十三日に提示したと。株式会社関空会社では、一兆四千四百億円にも上る空港建設費を考えると国際線着陸料は一トン当たり三千円を超える計算になり、それに開港五年で単年度黒字、九年で配当、二十三年で借入金返済という経営目標がある。ですから、今回の料金もぎりぎりの線だということがこの百四万円の弁明になっているんです。
 私は運輸省に決まったことを今さらどうこう言うつもりはありませんけれども、株式会社にして、かかった費用をすべて今申しましたような五年で単年度黒字、九年で配当、二十三年で借入金返済。日本の国際空港という名に恥じるような、経営目標に余りにもこだわり過ぎている。私はそういうふうに感じるんですけれども、伊藤大臣はどうお考えになりますか。
○国務大臣(伊藤茂君) 今の御質問、どう受けとめるかと考えてみますと、やっぱり空港に対する整備財源、建設財源というものをどう調達をするのかということに関連をすると思います。今の場合には、恐らく大部分に近い部分が御指摘のように使用料を中心に充てられているという構造になるわけでありまして、もっとパブリックな応援の部分が多くできないのかという声を伺っているところであります。しかし、それを何とか改善をしようということになりますと、新幹線でも、今の運輸省の予算のシステムの中では三線五区間が精いっぱいと申しておりますが、同じような事情があるわけであります。ただ、そういうこともございまして、航空審議会にも空港の整備財源のあり方についてということも含めて諮問をさせていただきまして、御審議をいただいているということでございます。
 それから、これはやはり運輸省の努力はもちろんありますけれども、さまざまの部面での社会的な御発言、国会での御議論というものがいただけませんとなかなか実現しにくいということではないだろうかというふうに思いまして、気持ちといたしましては申し上げたような方向で、新たなさまざまな努力はぜひやっていきたいと考えているところでございます。
○林寛子君 今、着陸料百四万円ということで世界一高いと言われているんですけれども、世界的な標準はどの程度なのか、また外国の主要な空港と比較して何割ぐらい高いのか、ちょっとお知らせください。
○政府委員(土坂泰敏君) ジャンボを想定いたしまして、一トン当たりの着陸料で申し上げますと、成田が二千四百円でございます。関空はその一割増してございますから、二千六百四十円でございます。これを先ほど松浦先生に申し上げたところでございます。
 外国の例を申し上げますと、同じ飛行機の一トン当たりがニューヨークで六百四十五円、フランクフルトで千三百十二円、韓国の場合には六百三十六円などとなっております。
○林寛子君 今お聞きになりましたように、いかに日本が高いかということを局長みずから言っていただいたようなことなんですけれども、航空事業者の経費のうちにこの空港使用料の割合はどれくらいになっておりますか、ちょっと教えてください。
 また、燃料費や消費税を含めた公租公課の割合はどれくらいになっているのかも、わかりましたら一緒にお伝えください。
○政府委員(土坂泰敏君) この空港使用料のエアラインの総経費に占める割合は、国際線で約五%、国内線では約一九%でございます。
 公租公課につきましてはちょっとお待ちいただきたいと思います。
○林寛子君 公租公課がまだ後ですので、それでは先に進ませて、後でわかったら教えてください。
 私は、今おっしゃいますように、公租公課というのは今ここでおっしゃいませんでしたけれども、手元に私持っておりますけれども、本当に高いという印象は否めないんです。航空事業者の一部では空港使用料の引き下げを求める声だってあるわけです、常識的に。国内の航空会社は極端に経営悪化しておりますけれども、九二年度の決算で日本航空は五百三十八億円、日本エアシステムは四十八億円、それぞれ経常赤字を出しているんです。全日空だけが辛うじて百五十八億円の経常黒字を確保しておりますけれども。
 そこで、国内航空運賃の値上げの動きがあるんですけれども、その中で空港使用料の引き下げを行う、それをするといいんじゃないかという声もあるんです。私もこれ見ておりまして、ある航空会社の社長さんが、着陸料など日本国内の空港使用料が韓国並みに引き下げられれば、国内航空運賃は一〇%ほど引き下げられると言っていらっしゃるんです。
 ですから、今私が申しましたように、基本的な改善をしないで、ただ赤字であれはすべて値上げを促進するというようなことは、一般国民にとってはもはや今飛行機というのはぜいたく品ではないんです、日常生活の足になっているわけなんです。それだけ航空行政というものを促進してきたわけですから、すべて国民が平等に享受できるようにやはり私は考えるべきだと思うんですけれども、今申しましたように、世界一高い着陸料というものを何らかの形で考え直すというようなことは考えられないんでしょうか。
○政府委員(土坂泰敏君) 着陸料が高くなりますのは、やはり我が国の空港がどうしても高い用地費あるいは高い造成費、これに基づいてつくられておるというのに一番基本的な原因があるわけでございます。ただ、それに加えまして、それを基本的には受益者に負担をしていただいている。一般財源からもお金をいただいておりますが、基本的な部分が受益者負担になっておる。それが使用料などの形で結局高いものになったというのが今までの経緯でございます。
 ただ、これからの空港整備ということを考えますと、特に国際空港などはこれからもやっていかなければいけませんが、やはり同じやり方で今後ともやっていくというのはなかなか難しい問題があると思っております。これからはそういう意味で一般財源をなるべく確保する努力、利用者の負担ももちろん大事でございますが、それとの関係を十分考慮しながら一般財源を入れていく努力もこれからはしていかなければいけないというふうに思います。
 それから、先ほど先生、お許しいただきまして公租公課の割合ということでちょっと補足的な御説明をさせていただきますと、公租公課という意味が必ずしもはっきりしないわけでございますが、空港使用料、特別着陸料、それから航空機燃料税、これを公租公課というふうに言われることがあるわけでございまして、そういう意味で公租公課というものをとらえますと、実は先ほど私が申し上げました国内が約二〇%、国際は約五%、平均で約一三%という数字になっております。
○林寛子君 今局長のお話の中に出てまいりましたけれども、公租公課の中での環境に対するというお話ございましたけれども、空港使用料のうちの特別着陸料、要するにさっきおっしゃいました航空機による騒音対策にも充てるために昭和五十年からジェット航空機に対して徴収しているわけですけれども、現在のジェット機というのはかなり技術的にも騒音が小さくなっています。まだまだジェット機はジェット機で当然大きいのはわかりますけれども、かなり空港周辺の環境整備ということも、対策事業として随分丁寧に行ってきた今までの姿勢から考えますと、この関係予算も昭和五十七年をピークにだんだん減少した傾向にあるんです。まだ環境対策事業が残っています以上、直ちにこれを全部廃止するとは言いませんけれども、少なくとも料金の軽減はすべきだと思うんです。
 平成五年度の場合、特別着陸料の収入と環境対策事業費の支出はどうなっているのか、示していただきたいと思います。
○政府委員(土坂泰敏君) 申しわけございませんが、ちょっと手元に数字がございませんので、今調査をいたしておりますからお待ちいただきたいと思います。
○林寛子君 では、これは後で金額を教えていただきたいと思います。
 私どもが成田を出ますときに、旅客サービス施設使用料として一人二千円お払いしていますね。成田空港の施設の整備運営、公団方式で独立していると言われておりますけれども、もともと独立しているんですけれども、施設整備の負担が大きかったときはやむを得ない措置だったと思うんですね、これは当然、当初ですから。けれども、既に先日第二ターミナルも完成しておりますし、残りの滑走路の整備と貨物の取り扱い設備の整備、あるいは第ーターミナルの補修等で、既に施設整備費のピークは過ぎたと私たちは理解しているんですけれども、公団の損益が開港から六年間は赤字基調でございました。ところが、昭和五十九年度以降は公団が黒字となっています。一時は累計欠損が大変大幅にあったんですけれども、それも減少しているんです、これを見ていますと。
 そこで、収支状況の好転とか施設設備の減少、今申しましたように既にピークを過ぎているんではないか。そういう観点から、旅客サービス施設使用料の減額または廃止の方向に持っていけないんだろうか。
 今お答えにありました来年九月の関西新空港でも同じように旅客サービス施設使用料をお取りになるおつもりでしょうか、あわせて教えてください。
○政府委員(土坂泰敏君) 空港施設利用料につきましては、成田は今二千円ずついただいておるわけでございますが、確かに成田の工事は山を越えました。しかしながら、その維持管理というのは必要でございますし、これから二期が完成すればまた維持管理費がふえるわけでございます。そういう意味で、この空港施設利用料につきましてはやはり今後ともいただく必要があろうかと思います。
 それから関空の施設利用料につきましては、現在着陸料についてIATAと交渉中であると申し上げましたが、その状況も見ながら施設利用料をどうするか、現在部内で検討しておるところでございます。
○林寛子君 関西の方は。関西は取るつもりですかと聞きました。
○政府委員(土坂泰敏君) 今申し上げましたのは関西空港の施設利用料のことでございまして、関西空港も施設利用料をちょうだいするつもりでございますが、具体的な金額につきましては部内で検討中であるということを申し上げました。
○林寛子君 同じように、成田空港で航空機の燃料油を給油する際にパイプラインの施設の設備コストを加えているんですね。航空事業者は、他の空港では取られていない給油施設使用料、それを支払わなくてはならないんですけれども、他の空港と比較してどの程度の差があるんでしょうか、成田の場合。
○政府委員(土坂泰敏君) 実は他の外国の空港は、ヨーロッパやアジアの空港でいきますと、これは石油会社が燃料の調達あるいは施設の整備、これを一括してやりまして、そしてエアラインからそれにかかった費用を徴収するというやり方をしております。アメリカではエアラインがコンソーシアムをつくりまして、やはり同じようにそのコンソーシアムで燃料の調達から施設管理を一括してやる、その費用をエアラインがそれぞれ使用量に応じて分担する、こういうやり方をしております。
 したがいまして、実は外国にはいわゆる給油施設利用料に相当する部分を分割して、その分だけ取り出して整理したというものがございません。したがって外国との比較は難しいのでございますが、成田では今一キロ当たり五千円の施設利用料を燃料の関係ではちょうだいしております。
○林寛子君 日本の空港では収入を施設料に依存している割合が大変高いんですね、今いろいろとおっしゃっていただきましたように。
 それで、外国の主要な空港では既に施設整備が終わったところが多いかもわかりませんけれども、私が疑問に思いましたのは、先日できました東京のターミナルビルですね、羽田の。要するに、成田でも羽田でも立派なレストラン、ショッピング街がございます。それは公団であり、例えば羽田の場合にはビル管理会社ですか、あれは。違うんですけれども、見ておりましたら、すばらしく立派なものが羽田にできて、すべてそういうものはテナントから家賃を取って、利益が何年か後には出てくるわけです。
 私がわからないのは、羽田でもデパートが四つですか入り、そしてレストランができ、空港へ来た人たちが飛行機に乗らなくてもそこで家族で一日じゅう遊べるように、あるいは楽しめるようにという、意味はわかるんですよ。けれども、あれだけ大きなものを建てるからコストが多くかかってすべて着陸料等々に転嫁していく。赤字なんだからということなんですけれども、それを許可するのは運輸省ですね、建物の設計が出てきた段階で。大きくなれば大きくなるほど費用がかさむのは当然のことです。
 そして、何年か最初は赤字でも利益が上がってくるものをすべて、公団だったりビル管理会社にもうかる部分は渡すというのがどうしても私の素人の頭でわからないんです。もうかる部分は公団だったりあるいはビル管理会社で、今はそれは、当初は赤字かもしれませんけれども、やがてはもうかるという部分を含めて広大な立派なビルを建てて、大理石も使ってそれはもう立派です。日本の玄関だというのに恥ずかしくないようなすばらしいターミナルビルです。けれども、大きなものを、設計でできたときには運輸省がそれを許可し、そして費用がかかったかかったといってテナントから家賃を取るのは公団であったりビル管理会社というのはわからないんですけれども、ちょっとそれ説明できますか。
○政府委員(土坂泰敏君) 認可をしておるのは運輸省でございますが、ターミナルビルをつくるお金は当然ターミナルビル会社が出しておるわけでございます。したがいまして、それを回収するためのテナント料をテナントからちょうだいする、そういう関係になります。国はターミナルビル会社とは土地を貸すという関係でございまして、これは土地の貸借料を国はターミナルビル会社からいただく、ターミナルビル会社はかかったお金を今度はテナントからいただく、そういう関係で羽田は成り立っておるわけでございます。
 それから、先ほど先生がお尋ねになりました特着料と環境対策の関係でございますが、平成五年度で申し上げますと、特着料が四百六十五億、環境対策が三百二十九億、こういうことになっております。特着料の方が若干多いわけでございますが、これはやはりそのときそのときではプラスマイナスがあるものでございまして、長期的な整合性を保って考えていくべきものというふうに思っております。
○林寛子君 今、仕組みをおっしゃいましたけれども、その仕組みはわかっているんですけれども、一般から考えれば、まことに立派なものができても、もうかる部分は公団だとか管理会社に移してしまって、国はいつまでたっても国際的にも発着料とかを安くしないという、世界一だと言われる。基本が、何か改善策がないかと思って私は聞いているわけで、公団が最初から赤字を押してそれを借りているから勝手に返すのは当たり前だというのでは、それは身もふたもない話なんで、大臣苦笑いしていらっしゃいますから後で御意見聞きますけれども、その辺のところがやはり素人から考えれば不思議だな、なぜこんなに世界的に高いんだろうなという、どこかで何かできないかということから申し上げたんで、仕組みを聞いたわけではないんです。
 また、全国の空港の整備は空港整備特別会計によって賄われておりますけれども、平成五年度のその歳入の中で空港使用料はどの程度を占めているのか、あるいはまた一般会計からの繰り入れはどの程度なんでしょうか。そのうちの一般会計の繰り入れの分のかなりの部分は航空機燃料税の相当額と聞いているんですけれども、それを除いた一般会計からの繰り入れ分はどの程度なのか、ちょっとお伺いしたいと思います。
 さらに、同じように交通運送施設事業である港湾整備事業及び道路整備事業と比較して、例えば平成五年度分を見た場合、一般財源の繰入額とその全体の割合がどの程度になっているか、ちょっと教えてください。
○政府委員(土坂泰敏君) 平成五年度で申し上げますと、一般会計からの受け入れは空整特会千八十三億でございます。このうち、仰せになりました純粋一般財源はこれは二百九十三億でございます。空港使用料は千九百二十五億円、そのほかに借入金が千四百六十八億円あります。その他雑収入などがありますから、全体で五千二百八十九億円となっております。
 港湾と道路につきましては、ちょっと調査をいたしますのでお待ちいただきたいと思います。
○林寛子君 資料がおくれるそうですけれども、私がなぜこのようなことを聞きますかというのは、空港整備事業に対して一般会計からの繰り入れが極めて少ないんですね。
 これは先ほどからもお話が出ていましたけれども、かつて航空機の使用というのはぜいたく品であった。施設整備に利用者負担は当然というふうな考えられ方がされていた。けれども、先ほども私申しましたように、今は一般国民の気軽な交通手段と考えられているわけです。そして、にもかかわらず、ここに私持っていますけれども、港湾整備や道路整備と比較して不公平な扱いを受けているかに思える部分があるんです。かつて日本が、海洋大国日本でございますから港湾に力を入れ、そして安全性のためにしてきたということはよくわかるんです。
 私も神戸生まれの神戸育ちですから、港が大好きですから、それで反対するわけでもございませんし、港湾にお金を使い過ぎだと言うつもりもございませんけれども、きょうは航空に関しての運賃あるいは世界的水準から見て果たして国際的な顔ができるだろうかということを大変心配しているものですからどうしても、先ほどからも大臣もおっしゃいました。みずからの空港をハブ空港化しようとして激しい競争が行われているわけですけれども、空港整備のおくれと空港使用料の高さによっておくれをとっている。そう言っても仕方がないと思うんです、両方とも。
 公共事業予算のシェアの見直しが問題になっているんですけれども、運輸省は空港整備特別会計の財源確保について利用者の負担を少なくする方向で私はやっぱり努力すべきだと。こんなにみんなが飛行機を利用するようになったんですから、その基本的な考え方はやはり利用者の負担だけでという時代はもう時代おくれではないかと思うんですけれども、その辺の感触を教えてください。
○政府委員(土坂泰敏君) 空港整備は利用者の負担を中心にやってまいったわけでございますが、やはり一般財源からもお金を入れていただいております。
 しかしながら、先ほどから御議論がありますように、やはりエアラインの経営状況などが大変厳しい、あるいは国際的な比較からいって着陸料が高い、こういうようなことが出てまいりまして、これからも空港整備をやっていかなければなりませんが、同じようなやり方でやっていくというのはやはり難しいと思います。
 したがいまして、今後の問題としては、利用者負担もお願いすると同時に、一般会計からの繰り入れについてさらにふやしていただく努力を運輸省としてはいろんな形でやってまいりたいというふうに思っております。
○林寛子君 一生懸命やっていただくのは当然だし、ありがたいことだと思いますし、またそうなければならないと思うんですけれども、空港整備特別会計というのも、まず収入ありきという考え方、それがやっぱり経済大国日本という考え方の中で私はいいんだろうか。施設整備が必要だからそのために必要な費用を確保するという考え方が、もちろん当然のことかもしれませんけれども、それが全部利用者負担という考え方になっているということも、外国から見ればどこが経済大国日本だろうなという、首をかしげたくなるような点もなきにしもあらずなんです。
 また、運輸省の政策として一県一空港、さらに所によっては一県二空港という総花的な整備が計画されているんです。果たしてそれでいいんだろうか。根本的に見直す必要があるのではないかと思うんですけれども。あるいはそれによってもうからない航空会社、あるいは東京や大阪などへの乗り入れの枠がないことから定期便の路線数や便数が極めて少なくなって、地方自治体が大きな費用の負担を負っている。これからはJRの在来線の高速化、あるいは新たな整備新幹線の整備、高速道路の延長等がますます。あるわけです。先ほども大臣からお話がありました。そのように進めていきたいという談話がございましたけれども、それであれば今までの一県一空港、所によっては二空港、そういうものを少しこの際見直していかなきゃいけないと思うんです。
 というのは、私ここに持っているんですけれども、既に「「県内二空港」持て余す」、あるいは今後の条件整備が進んだ段階で今五カ年計画中に着工を始めるはずの予定事業六空港の中に、静岡県、滋賀県、空港空白県を入れてあるんですね。しかも、たとえ新幹線など他の交通機関との競合が予想されても各県一空港。そういう政策を伊藤大臣は今後もお進めになるつもりなのかどうか。
 あるいは、四十七都道府県のうち公共空港のないのは今十二府県あるんです。けれども、それはすべて関東ですとかあるいは東海道ベルト地帯なんです。それは御存じのとおり、新幹線の通っているということ。あるいは現在でも新幹線の駅がないという県もまだあるわけです。それは茨城、山梨、三重、奈良四県。
 ですから、私は、このもてあましているという空港、地方自治体に経営的負担というものが多くなっているということから考えますと、空港の空白県でも鉄道等の他の交通機関で補完できることがあるだろうと思うんです。また、開いて、そして運賃が高くなる。受益者負担。
 そういうふうに、新しくなって便利になるけれども、今の航空運賃が世界的レベルで見ても本当に恥ずかしい、経済大国日本と佳言えないような料金を乗る人からどんどん取って、それで賄っていくということに対しての私は基本的な、さっき大臣が総合的なとおっしゃいました。そういうものに対して大臣はどういうお考えをお持ちでしょうか。
○国務大臣(伊藤茂君) 御指摘ございました気持ちは私は共通でございまして、総合性とさっき申しましたが、私は二つの総合性が今求められていると思います。
 一つは、先ほど来お話もございました整備財源ですね。主要な交通手段につきまして、港もあります。空港もあります。道路もあります。鉄道もあります。いろんなものについて、何かそれぞれのやり方とそれぞれのシステムで今までやってきたということなんですが、これから先考えてこれでいいんだろうか、これでもつんだろうかという気持ちを私も深くいたしております。
 これは道路は建設省ということもございますから、省庁間を超えたさまざまの議論、あるいはこれからの時代のさまざまの基礎条件をつくるという意味でのやはり運輸の部面ですから、そういう意味でのやや高いレベルでの幅広い議論なども起こさなければならないし、起こしていただきたいというふうに実は思っているわけであります。そういうものがありませんと、それぞれやはりバランスある発想あるいは構想というものができない、そういうところにだんだん来たんじゃないだろうかという思いを深くいたしております。
 それから、もう一つの総合性と申しますのは、今御指摘ございましたさまざまの交通機関のバランスの問題だと思います。例えば将来、鹿児島から札幌の間に日本列島を縦断する新幹線ができたと、それを目標にしているわけですが、その場合に、それでは新幹線を御利用になって札幌からどこまでいらっしゃいますかということですね。そうなりますと、どこまでは新幹線、どこはエアラインというふうな、いろんなあれがあると思います。
 ですから、おっしゃいましたような交通機関それぞれの総合性という意味から、やはりポリシーを立てるという面も大事になっていると思います。
○林寛子君 ぜひそういうふうに大臣に頑張っていただきたいので、たまたま大臣から高速道路の話も出ましたので――建設省、来ていますか。
 ちょっと時間が足りなくなりましたので、あとのことはまた次回にしまして、大臣のせっかくの口火でございますので建設省に。
 今、日本じゅうの高速道路、何キロ走っていますか。
○説明員(井上靖武君) 我が国では、非常に厳しい財政事情のもとに、諸外国に比べて大きく立ちおくれました道路の整備を緊急に推進するために、昭和三十一年に有料道路制度を導入いたしまして、高速自動車国道を初め、我が国の道路網のうち基幹的な役割を……
○林寛子君 何キロかだけで結構です。
○説明員(井上靖武君) わかりました。
 こういったことで、有料道路は現在一千百三十一キロメートルが供用中でございます。
○林寛子君 時間がありませんので簡単で結構です。
 不思議だと思うんですね。皆さんは奇異に感じられないかもしれませんけれども、私はとても奇異なんです。なぜかというと、今委員長がおっしゃいました、有料道路課長と。外国には余りこういう役職はないんです。
 今までに有料道路からスタートして無料になったところ、どこがありますか。
○説明員(井上靖武君) 有料道路のうち、一般有料道路につきましては単独採算制を採用しておりますので、この償還が終わりますと無料開放されます。そういった例として申し上げますと、群馬県にある草津道路、和歌山県にある白浜道路など、現在まで約百十の路線が無料開放されております。
○林寛子君 諸外国の高速道路で料金を徴収しているところはあるんでしょうか。
○説明員(井上靖武君) 高速道路ということでお尋ねでございましたけれども、我が国の高速道路に相当する道路の整備に当たりまして有料道路制度を採用しておりますのは、欧米諸国のうちフランス、イタリア、スペインなどでございまして、アメリカにおいても一部の橋やトンネルなどが有料道路というふうになっております。また近年、ドイツにおきましてはアウトバーンの有料化について検討されているというふうに報道されております。
○林寛子君 総務庁の勧告がございました。御存じのとおりでございます。「高速道路の着実な整備を推進するためには今後とも、基本的には利用者に料金負担を求めざるを得ないが、採算性の確保のために利用料金をあまり高水準に設定するようなことになれば国民全体の財産としての高速道路が一部の国民しか利用できないこととなり、道路網整備本来の趣旨が損なわれることも予想される。」と勧告されているんです。
 また、自動車会議所では、今後整備を進めていく地方高速道路線が、全国プール料金制度のもとで償還路線に組み込まれていくに従って必然的に料金水準の引き上げが行われるため、この際、料金制度のあり方についてメスを入れ、あるいは高速道路への国費の負担拡大を図るべきではないかと指摘されているんです。
 もう一点、利用者に費用のすべてを負担させる日本のやり方は、先進諸外国ではほとんど例がない。歴史的な経緯や社会的基盤として道路に対する考え方の違いがあるとはいえ、利用者の負担増をこのまま放置するのは国家の怠慢と言わざるを得ないという論調もあります。
 時間がありませんのでこれくらいにしますけれども、大臣、建設省のことなので運輸大臣には酷かもしれませんけれども、私は、連合政権ができて垣根がなければ、運輸省、建設省等々の垣根を外して、大臣も国家的な見地でもって日本の道路行政も含めた運輸行政、先ほども御意見がございましたけれども、連合政権だからできるという部分はどうお思いなのか、最後に伺って質問を終わります。
○国務大臣(伊藤茂君) 実は、今林先生からお話があったようなことを社会党出身の例えば建設大臣、運輸大臣、自治大臣などで、そんなことをかんかんがくがく議論したりなんかすることもございまして、それぞれ職務に忠実にしかも活発な議論をするというようなこともあるわけでございます。
 私は、政治の部面でも大きな変化がございましたが、それだけではなくて、今御指摘ございました交通運輸も含め、それからこれからの経済社会も含めまして、何かやはり次の時代への新しい設計図を考えなければならないときということではないだろうかというふうに思います。そういう中では、やはりこれからの時代の基礎条件をつくる。例えば分権、それから均衡ある国土の発展、そういうことを考えますと、その基礎条件をつくる大事な分野ということであろうと思います。ぜひ政府としても全体として力を入れてもらいたい分野だということを痛感いたしております。
 また、連立政権としての話がございましたが、いろんな意味でやはり自由濶達に次の時代の構想を議論し合いながらよりよき発展を図っていく、それが私どもの使命ではないだろうかと思っておりますので、ぜひ御協力をお願いしたいと思います。
○委員長(和田教美君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時二十分まで休憩いたします。
   午後零時十七分休憩
     ――――◇―――――
   午後一時二十分開会
○委員長(和田教美君) ただいまから運輸委員会を再開いた上ます。
 休憩前に引き続き、運輸事情等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○櫻井規順君 大変長きにわたった自民党政権に次いで細川連立政権が生まれまして最初の運輸委員会で、まことに意義深い委員会だと思っておるところでございます。
 細川総理の所信表明にもございました、生活者優先の視点から行政を推進していくという基本姿勢が打ち出され、国民の大変高い支持を集めているところでございます。海外からもまた大変な期待が寄せられているところでありますが、私自身といたしましてもこの細川政権に大きな期待感を持っているものでございます。
 伊藤運輸大臣におかれても、きょう運輸行政全般についての所見が表明をされました。昨年一年間振り返ってみただけでも、東京佐川問題などで停滞がちでありました運輸行政でありましたが、これをどうぞこの機会に大いに活性化をさせるために、あるいは連立政権の生活者優先の視点から運輸行政をまた活性化するために、伊藤運輸大臣に対する期待は大きいものがありますし、大変私自身も期待をするものでございます。
 最初に、運輸行政にとって非常に大きな物流問題を取り上げながら、大臣の所見、運輸省の政策を伺いたいというふうに思うわけであります。
 従来、運輸行政は、自由化、規制緩和ということが中心になりまして、物流面で言いますと、平成二年十二月に実施されました貨物運送事業法並びに取扱事業法という物流二法に自由化、規制緩和というものは集大成されたというふうに思います。
 問題は、生活者視点に立った物流行政のあり方ということについては、実は平成三年四月に出されました運輸政策審議金物流部会の答申、「二十一世紀に向けての物流戦略」、この中に、労働力不足の深刻化にどうこたえるか、道路混雑緩和にどうこたえるか、温暖化やNO、環境問題にどうこたえるか、エネルギー問題にどうこたえるか、こういうことを基調にして二十一世紀に向けての物流政策が展開されているわけであります。その後引き続きまして、通産省からも同様な、労働省からも同様な、建設省からも同様な、一々申し上げませんが、こうした観点からの物流行政のあり方に対して答申がなされているわけですが、大臣、抱負をひとつお聞かせいただきながら、法制化等の展望等についてお答えいただければありがたいというふうに思います。
○国務大臣(伊藤茂君) 冒頭、新政権にもお励ましをいただきましてありがとうございます。
 御指摘がございましたように、物流の問題、人を運ぶのと同様に物を運ぶということの重要性ということを痛感いたしますし、それから人を運ぶ方は日常目の前に見えるわけでありますが、物を運ぶという方はどうしても日常社会生活の裏側にあるという感じがいたします。それをもっとやはり重要視をいたしまして、国民の皆様の目に見えるようにと申しましょうか、御認識をいただけるようにこの問題にも力を入れて取り組まなければならないというふうに考えております。
 御質問の中でございました運政審の答申、二十一世紀物流戦略、この詳細をお読みの上でございますから釈迦に説法かもしれませんけれども、そういう気持ちを込めまして、今当面する大きな問題ということにどう取り組むのかということが大切であろうというふうに思います。労働力不足の問題もございます。あるいは環境問題、また道路交通の混雑緩和の問題、省エネルギーというものを含めましてこれからの重点を決めなければならないと考えております。
 三つございますけれども、一つは、幹線輸送という面ではトラックからより効率的な大量輸送手段である鉄道あるいは海運、それに転換するモーダルシフトをどう進めるのかということに取り組みたいと思います。また二つ目には、地域内の輸送につきましても、営業用トラックを積極的に活用した積み合わせ輸送という問題もございますし、またこれらの取り組みを支援するためにも物流拠点の整備ということが大事だろうと思います。
 さまざまの今後の運輸行政を含めましてこれらの問題に積極的に取り組んでまいりたいというふうに考えておりますので、よろしくお願いいたします。
○櫻井規順君 大綱的な御答弁ありがとうございました。
 問題は、平成四年度の運輸白書が一番新しいわけでありますが、非常に今の基幹交通のモーダルシフト、そして都市内、地域内のいわば積み合わせ輸送の推進、それに応じた共同配送センター、物流センターの設置ということが大きな柱になっているわけであります。しかし、現実の行政に戻ってみた場合に非常に寂しいものがあるわけであります。
 最初に具体的にお聞きしますが、その要求にこたえる形で、実は運輸省でなくて通産省が平成四年十月一日施行で中小企業流通業務効率化促進法による物流効率化支援というのを始めたわけであります。この中小企業の効率化事業というのは現実に進んでいますでしょうか、いかがでしょうか。これは通産省のことなんで運輸省に聞くのはどうかと思いますが、あらかじめ質問してございますので、共管事項でございますので、どうぞ運輸省サイドから御答弁願いたい。
○政府委員(和田義文君) お答え申し上げます。
 中小企業流通業務効率化促進法に基づきまして、効率化計画の認定を受けて事業に着手した事業協同組合等は現在まではございませんけれども、中小企業の流通業務効率化に対するニーズは非常に高こうございまして、最近に至りましてようやくこの効率化計画策定に向けての具体的な動きが見られる状況となっております。
○櫻井規順君 時間がないので余り細かく追及できませんが、ちょうど法が施行されて一年たちました。しかし、その事業の展開が見えてきたというお話で、一年間の間にはなかったわけであります。準備はなされていたということを承っております。
 これは一つはやはり運輸省と通産省の共管事項になっている。実際に共同化事業を展開する場合に、私もこれは商工委員会に出向いて議論してきたところでありますが、そのときの政府答弁を子細に検討するとおもしろいんですが、運輸事業者だけが事業体をつくっても事業として認める。あるいは荷主さんたちが事業体をつくっても認める。荷主主導、運送会社主導というように整理されたお話がございました。しかし、現実に制度化されてみますと、どうしても荷主さんの協力がなければ円滑な運営はできないことはよく承知しておりますけれども、運送事業者だけでもできるように、運輸省の方のもう少し発言力を強めて運用されるように私はこの際要望をしておきます。
 時間がないのでどんどん進ませていただきます。
 次に、問題は、物流の革新に今我が国の行政の中で取り組んでいるのはどちらかというと通産省、建設省であります。運輸省の取り組みがやや私はここ数年の動きを見ていますと弱いものを感じます。
 そこで、運輸省として、これだけの特別積み合わせ事業を含めた事業推進を二十一世紀に向けて展望し、この法律もできているわけでありますが、新たな法律の制定と具体的な展開が必要だというふうに思うわけであります。平成六年度の予算に向けて準備をされているそうでありますが、その点をひとつ輪郭を示していただきたい、こういうふうに思うわけであります。
○政府委員(和田義文君) 先ほども申しましたように、中小企業の配送の共同化につきましては中小企業流通業務効率化促進法で対応してきたわけでございますけれども、そういった成果がやっとあらわれてきております。
 ただ、オフィスビルでございますとか、大規模の商店街、問屋街、こういった商業業務機能が集積いたしております都市の特定地域におきましては、近年、交通混雑によります集配効率の低下ですとか、都市環境の悪化といった制約要因が深刻化しておりまして、この地域におきましては集配効率に対するニーズが特に高まっております。これらの都市内の物流効率化の問題につきましては、荷主、物流事業者のいずれにも大企業が含まれますため、中小企業だけでは対応できない側面がございます。こういった大企業も含めた新たな対応手段が必要と考えられております。
 こういった意味で、運輸省といたしましては、大手の事業者も含めた全員参加型の地域共同集配システムの整備にあわせまして、地域環境の整備の促進を図ることを目的とした新たな法制的な手段の整備を検討中でございまして、現在その実現に向けて最大限の努力をしておるところでございます。
○櫻井規順君 来年度の予算要求の中に、特定地域における貨物運送の効率化の促進等に関する法律案というものが概算要求の説明の中でなされております。いま少しこの中身の説明をいただければありがたいわけでありますが、時間がありませんので次の質問とあわせて簡潔に御答弁いただけたらというふうに思います。
 今、トラックターミナルや物流センターが数々ございます。中小企業の皆さんを中心に共同配送センターもできてきております。だけれども、ほとんど貸しバース事業にとどまっておりまして、いわば物流情報のもとでもって積み合わせ輸送、共同配送という実態はゼロに等しいのではないでしょうか。そういう意味では、物流情報システムのこれまた減免税あるいは融資の対象にするような法整備、物流情報システムの整備とあわせた共同配送センターというものが新法のもとで盛り込まれるべきものと思いますが、いかがでしょうか。
○政府委員(和田義文君) 法律に関しましては現在検討中でございますけれども、ただいま考えております概要を申し上げますと、特定地域内におきまして、相当数の事業所の貨物に関しまして集荷なり配達なりの業務を共同化するために実施する事業、一応、地域共同集配システム事業と考えておりますけれども、これについて主務大臣が認定いたしまして、この認定を受けました共同集配システム事業に対しまして、法律の特例でございますとか、資金の確保、課税の特例、指導助言等、こういったことをやっていきたいというふうに考えております。
 また、情報システムとの関連につきましては、地域共同集配システム事業の主たる事業の一つといたしまして、集配システムセンターをつくるというようなことを考えておりまして、このセンターの中でそういった情報機能も含めて整備していきたい、こういった面に財投等、税制上の優遇措置等を講じてまいりたい、こう思っております。
○櫻井規順君 ありがとうございました。
 物流効率化の面で中小企業対策が今前進しようとしております。とにかく物流の大宗はやっぱり大生物流業者が大きく影響するわけでして、そういう地域的に大手も中小手も含めた効率化事業は非常に適切な措置だというふうに思います。
 特に、物流情報システムにつきましては、まずは中小企業が共同の情報システムが確立できるよう重点的に推進を願いたい、これを希望しておきます。
 次に、軽油取引税の関係の質問を二、三させていただきます。
 私は、七十兆円を超す第十一次の道路整備財源として、なぜ軽油取引税だけ値上げをしたのかまことに問題であるということをことしの三月の予算委員会でも指摘をしたところですが、ここのことはもう蒸し返さないことにします。
 いよいよ十二月一日から施行ということで地方自治体では作業が進んできているわけであります。十二月末になれば、秋、暮れの繁忙期を迎えて荷動きも活発になって支払い能力もできてくるであろう、こういう見通しも一つはありました。しかし問題は、相変わらず大変な不況が進行している。例年に見られるような秋冬の繁忙期というものは形成されそうもないという状況を迎えて、運送事業界は大変ピンチな状態になっているところであります。
 それで、業界の全般的な空気は運輸省御案内のとおりだと思いますが、私どもも現場を見まして、もうこの軽油取引税は実施を延期してくれないかという素直な意見があります。私はそれをお伝えいたしますが、問題は、今の不況、そうして荷動きが非常に少ないというふうな状況、そうしてそこへ軽油取引税が業界全体では千百億円というような増税がかけられていく。今のこの実情を見て、どうこの深刻な事態をごらんになっているのか。
 今私の手元に、その事業団体の対応する労働組合の運輸労連が調べた四十四社の調査がございますが、そのうち、転嫁できない部分が多い、あるいは現状はほとんど転嫁できないという会社が四十四社のうち三十二社、中でも現状はほとんど転嫁できないというのが二十社、約半数に近い会社が支払えないという窮状を訴え、転嫁できるというのは一社もないという状況があらわれております。この今の深刻な事態を運輸省はどうごらんになっているのか、お聞かせいただきたい。
○国務大臣(伊藤茂君) 御指摘ありました問題は、当面する大変大事な問題であるというふうに認識をいたしております。
 いずれにいたしましても、十二月一日から七円八十銭上がる。総額一千億円余りということになっているわけでございますけれども、総選挙の前、この春からもう、これが決定いたしました後も随分各界から、トラック業界などの皆様から切実な話を伺ってまいりました。そうして、最近になってまいりまして、十二月一日も目の前に来る。そういう中で深刻な不況、そしてまた物流にも深刻に影響するという状態が深まっているという中でどうしてくれるのかと、大変切実な声を伺っているわけであります。また、御指摘ありましたように、トラック業界は特に中小零細業者が多いわけでございますから、そういう方々にとりましてはとりわけ深刻であるというふうに伺っております。
 適切な転嫁をどう実現するのかということがもちろん大宗の対応になるわけでございますけれども、それら転嫁につきましては、石油業界、それから運輸業界、また荷主団体の皆さんを含めましたさまざまの協議、御相談も繰り返し行われているということを伺います。また、それぞれの分野でどうしたらいいかということの対応も実は伺っているわけであります。
 当然ですが、私どもとしては、ことしの予算で決められましたこの線は、税収、税制の問題は途中で変えがたいという実情にもございますので、適切な転嫁ができますように、また、あわせまして輸送効率の向上とかあるいは事業者負担の軽減を図るためのさまざまの規制緩和の対応ということも努力をしてまいりたい。もう日にちが目の前でございますので、そういうことを含めました努力を最終的にさせていただきたいと思っております。
○櫻井規順君 バスもまた大変なわけであります。平成三年の乗り合いバスの欠損というのは全国で六百億と数字が発表されているところです。このバスの方の窮状並びに打開策はどういうふうに行政指導をされていますか、簡潔に御答弁いただきたい。
○政府委員(越智正英君) まず、乗り合いバス事業につきまして御説明いたしますと、当然軽油取引税の引き上げに伴いますコスト増があるわけでございますが、バスの場合は燃料油脂費の割合というのが経費の四・五%でございます。今回の値上げ分は、計算いたしますと〇・六%に相当するということになってございまして、そういたしますと、バスの運賃というのは確定額で決まっているわけでございますけれども、やはり〇・六%の運賃の値上げというのが現実的ではないということもありまして、一方、今先生御指摘のように大変その経営状況が悪いという中で、その次の運賃の改定のときに原価の中でこの値上げ分を十分見て、問題のないように処理したいと考えております。
 それからもう一つ、貸し切りバスにつきましては、ここはやはり貸し切りバス事業者と旅行業者の関係になるわけでございますけれども、適切な転嫁が行われるように関係のところにいろいろ要請をいたしております。
○櫻井規順君 物流に戻りますが、あるいは乗り合いバスも同じだと思いますが、特に物流に関して言いますと、こうした大変な不況、荷が少なくなってきた、そこへ軽油取引税がかけられてくる、荷主さんからは大変なダンピングを迫られる。そういう状況の中で、この軽油取引税の支払いというものは、結局はそこに働いている労働者の皆さんにかけられて、貨物輸送事業、道路運送事業の長時間労働、残業というのは大変なものだということは御案内のとおりであります。
 これ、きょうは労働省の出席は求めておりませんが、運輸省として、こういう慢性的な長時間労働で大変に労働環境が悪化してきている。過積載運行や過労運転というのが非常に増長してくるおそれが生まれておりますが、そういう労働省あるいは労働サイドの各事業者に対する指導をいま少し具体外的に御説明いただきたい、対応を。
 そしてあわせて、荷主団体は主として通産になるわけでありますが通産、あるいは軽油の円高差益の還元を含めて、原油は横ばい、やや低下傾向にあるわけでありますが、それをこの転嫁対策の一環として考えるべきだと思います。いま少し具体的に御答弁いただけますか。しかし、短い時間で御答弁いただきたいと思います。
○政府委員(越智正英君) 初めの過労運転あるいは過積載等によります輸送の安全の問題でございますけれども、これにつきましては貨物自動車運送適正化事業の実施機関というのがございますけれども、これを有効に活用いたしまして、また過労運転あるいは過積載の防止を重点項目といたしました事業者の監査を実施したい。さらに、違反事業者に対する厳正な処分ということをやってまいるということで、いわゆる過労運転、過積載の防止を図ってまいりたいと考えております。
 それから、荷主団体等に対しますいわゆる軽油取引税の値上げ分の理解を求める件でございますけれども、私どもといたしまして、九月になりましたけれども、関係の荷主を所管しております関係省庁に、この転嫁分の適正な転嫁対策ということについて理解を求めるように要請をいたしました。各関係省庁では、関係の荷主団体等に対しまして所要の指導をしていただいたというようなことでございまして、これにつきましては今後私どももさらにこれのフォローアップをしていきたいというふうに考えておりまして、転嫁対策に万全を期したい、かように考えております。
○櫻井規順君 問題は、過積載あるいは過労運転、長時間運転を強いられる、それはそういう経済状況の中からしわ寄せされるおそれが十分あるわけであります。それを、ただ労働省が路上において取り締まりを強化することによって対応するというのは余りにも能のないやり方だというふうに思うわけであります。これはあくまでもやっぱり運送業者あるいは荷主サイドに適正運賃が転嫁できることを大前提として、それに集中することを強く求めておきます。
 軽油取引税を値上げした。しかし、それの運賃への転嫁については独禁法違反で、各事業者が申し合わせをやってはいけないというふうな指導がある。消費税は適用除外になって一斉に値上げを認めたわけでありますが、この軽油取引税については業者が共同してやれないような状況に追い込まれているわけですから、そこへまた過積載、長時間運転を強いられたあれが路上で取り締まりを強化すれば解決するものではないということを、ひとつ基本的なところを押さえて対応されたいというふうに思います。
 それで、運輸省からも適正運賃が転嫁できるような数々の指導や各省に対する働きかけがなされているわけでありますが、それはお聞きをしているところであります。通産省もお呼びすればよかったですが、実際に通産省から荷主さんのところへあるいは荷主団体のところに果たして、これだけかまびすしく取り組みを強調されるわけですが、一通くらい文書をお出しになって荷主団体に通産大臣の名前で行っているでしょうか。
 それから、軽油の値段の問題ですが、これも今はローリー買いで五十四円くらいの水準にあるというお話です。しかし、いろいろな業者、流通業界の話を聞きますと、今の円高差益の中では四十八円くらいまでは十分ダウンさせることができるけれども、円高差益の還元も軽油関係においてはなされていないと。こういう二つの面のもう少し具体的な御指導はいかがでしょうか。
○政府委員(越智正英君) 第一点の、関係省庁から荷主団体等へそういう指導がなされているかという点でございますけれども、私ども例えば通商産業省につきましては、十月十九日付で官房にあります商務流通審議官名それから関係局長名で二十六団体に対しまして指導をしたというふうに聞いておるわけであります。それから、農林水産省につきましても、十月四日付で食品流通局長名で食品流通関係四十六団体、それから物資所管局庁の長に対して同じように発信をされたというふうに伺っております。
 それから、今の軽油の値段につきましての問題でございますけれども、円高差益の還元の問題につきましては、私どもも通商産業省のエネルギー庁にしかるべき適切な対応をしてほしいという申し入れをしたわけでございますけれども、軽油の値段そのものにつきましては、これは先生御承知のように、石油業界と荷主というか、トラック業界とが相対で決まるというようなことになっておりまして、実際には時々刻々変わってまいります為替相場等を勘案して、そこでもう値段が決まっていくというのが実態でございまして、そこを改めて幾ら引き下げろというような形になかなか出てこないというふうに理解しているところでございます。
○櫻井規順君 最後に大臣に、この物流革新というのが冒頭に言いましたように、ここ数年運輸省から余り出されなくて、通産や建設省の方でむしろお出しになっております。この際、運輸サイドから積極的に物流革新の政策、法律を御提起いただきたい。
 それからいま一つは、今のようなわけで、七十兆円を超す道路財源をバスとトラックを主に使うこの運輸産業に、それのみにかけてくるというのはいかがなものか。非常にやっぱり運輸省の発言力がないがためにこういう結果になったのではないかというふうに思うものですから、その辺の抱負をひとつ運輸大臣に聞いて、質問の終わりにしたいと思います。
○国務大臣(伊藤茂君) 御指摘ございましたように、物流関係また物流政策について、大事な分野でございますから、私ども運輸省も積極的にやはりイニシアチブをとって努力をする、当然のことと思いますので、改めてさらにそういう努力を強めるように気持ちを表明しておきたいと思います。
 また、さまざま、道路その他含めた財源などに関係する御議論も午前中にございました。そういうことも含めまして、これからの時代に対応できる、これからの時代にふさわしいやはり総合的な設計と申しましょうか、政策の展開が大事だと思います。
 なお、私も通産大臣にも何遍もお願いしまして、何とかこの軽油取引税の転嫁の問題、お互いに努力をしたいし、御協力をお願いしたいということも申しまして、そしてまたあわせまして軽油の値段についても、円高差益にかんがみまして少しでも、とにかくあと一円何とかならぬかとかいうようなこともいたしてまいりましたし、私どもの方で先般首都高の料金値上げの半年延期を決めさせていただきましたが、それらを決めますときにも、念頭にはやはりこういう状況のときに業界の皆さんにさらに負担が大きくなるということは避けた方がいいではないかということを含めまして考えたわけでございまして、一層の努力をしてまいります。
○櫻井規順君 どうもありがとうございました。終わります。
○喜岡淳君 当委員会には立派な女優の方もいらっしゃいますので、ひとつ最初に大臣にお聞きをしたいと思いますが、大臣は佐田啓二さんが主演をされた映画「喜びも悲しみも幾歳月」、この映画をごらんになったことはありますか。また、その歌はよく歌われておりますけれども、関心ありますですか。
○国務大臣(伊藤茂君) 実は、もう古い歌でございますけれども私の大好きな歌でございまして、こういう政治の仕事をしながら、夫婦仲よく力を合わせるということがございます。それから、そういう意味で洋行く船に灯をともす、あるいはまたこれからの安全な将来、それから日本の将来に向けて灯台をともすようなつもりで夫婦力を合わせてやるというような気持ちを込めまして、私も歌は下手ですけれども好きな歌でございます。
○喜岡淳君 この映画、私も小さいときに死んだおやじに連れられて見たことを覚えております。
 この映画の舞台になりましたのは、男木島という島です。高松の沖の瀬戸内海に浮かぶ男木島というところが舞台になっております。この島は、今人口が三百六十六人。今から十五年前には六百十九人ということになっておりますから、十五年間で人口が四割も減ってしまったということでございます。この島は離島でございますので、唯一の交通の足は船だけという状況でございます。この男木島の航路がひょっとしてどうなるんだろうか、こういう不安が関係者の中に急速に広がっておるわけです。
 調べてみますと、ここだけではなくて、全国百二十五の国の補助金を受けておる離島航路は、ほとんどがよく似た状況だというふうに伺っております。
 さて、大臣に続けてお尋ねをいたしますけれども、この離島航路というものは非常に私は重要だというふうに認識をいたします。生活者重視の細川内閣、とりわけ離島の住民は私たちのことを聞いてくれるんではないかというような期待が強まっておる昨今でありますけれども、この離島航路の重要性について大臣はどのように御認識をされておるのか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(伊藤茂君) 御指摘ございましたように、離島対策、これは大事な分野でございます。そしてまた、離島航路整備法なども含めまして、これらの対応を怠りなくやっていくということも大事なことだと思います。
 そういう御質問通告がございましたので、改めてきのうの夜、離島関係の法律、今まで余り読んだことなかったんですが、ざっと目を通してみまして思いましたのは、やっぱり離島対策でさまざま議員の皆様含めまして努力をなさっている。これを努力する。同時に、私みたいに大都会にいる政治家から見ますと、また大都会の市民にとりまして、やっぱり非常に新しく大きな価値のある自然の分野でございますから、何かいろんな意味でそういう方々のところの発展、振興と申しましょうか、新しい知恵が出ないものだろうかなという思いも深くいたしました。
 いずれしても大事な分野だと存じます。
○喜岡淳君 それでは、委員長にお願いしたいんですが、これからの質疑の関係の資料を配付いただきたいと思います。
   〔資料配付〕
○喜岡淳君 私は、その離島航路の確保に当たって、国の役割というものは非常に大きいというふうに認識をいたしておりますけれども、この点について大臣はどのようにお考えでしょうか。あるいは運輸省の見解でも結構ですが。
○国務大臣(伊藤茂君) 大切さは当然のことと存じます。
○喜岡淳君 そこで、離島航路の実態について私なりに調査をしたものがございますので、今配付をさせていただいております。この離島航路の状況について、私は非常に危機的な状況を今迎えておるのではないか、そういうような深刻な認識を持っておりますけれども、大臣はどのように現状を認識されておるでしょうか。
○政府委員(尾松伸正君) 離島航路につきましては、赤字航路に対しまして離島航路整備費補助金というものを出しまして維持してまいっておりますけれども、その実情をちょっと御説明いたしますが、この離島航路整備費補助金の予算額、厳しい財政事情のもとではございますが漸次ある程度増額には努めてまいりました。しかし、離島航路においては基本的に輸送需要が低迷をいたしておりますし、また諸経費の増加は避けられないというようなことがございまして、特に最近欠損額が急に増加してくる、こういう状況になっております。そのために離島航路の経営が苦しくなっておりますが、同時にまた補助金を交付しております航路の欠損、赤字でございますが、これに対する補助金の交付額の割合というものも低下いたしております。
 もう少し御説明をいたしますと、この国庫補助対象事業の航路を経営している事業の実態でありますが、純粋な民営あるいは第三セクター、あるいは公営航路というふうに分かれておりますけれども、先ほど申しました国庫補助の不足分につきまして、公営航路につきましては自治体の一般会計から補てんをされている場合が多うございます。しかし、民営航路につきましては、自治体によりましてはその全部を補てんしている場合もありますれば、その一部を補てんしている場合もありますし、また、このような補てんがなされない場合もございます。そこで、やはり自治体等から補てんがなされない場合には、事業者におきまして他事業部門あるいは他航路部門から補てんされる場合もありますが、しかしそれができない場合には累積欠損として処理せざるを得ないというような厳しい状況もございます。
 このように、実情は種々異なってはおりますけれども、多くの場合、離島航路事業者の方々がいろいろと御苦労をいただきながら離島航路の維持を図っているという状況であるというふうに思っております。
○喜岡淳君 去る十月十四日ですけれども、全国から二十四の都道府県の方が参加をいたしまして全国離島航路対策連絡協議会というものが発足いたしております。
 これは各県庁の方から来られておりましたので、私も関心を持っておりますからこの結成総会に参加して勉強させていただきました。はっきり言いますと、地方はこのまま放置しておくと航路がなくなってしまうという認識でその会合は一致いたしております。また、高知県の方がこんなことを言っておりました。離島航路の補助金については、足もずを自治体自身で補助しておるけれども、その自治体自身が年々過疎化が激しくて自治体の援助も限界に来ておるんだと。私の香川県の県庁の方がおっしゃっておったのは、業者が営業を投げ出してくるのではないか、それが一番心配だと。つまりやめたいということです。
 さらに十月十八日、私は地元の業者の皆さんのところを回ってまいりました。こう言うんですね、はっきり言って赤字を出してまでやっているんだ、むだ遣いの一円もやっていない、裸になるまでやっておる、経営は最後のところに来ておると言っておりました。
 それからもう一つ、今言いました男木島を走っておる航路の社長さんは、国が出すべき補助金がずっとカットをされておると、そのカッ十分が積もり積もって七千万円近くなっておる、株主総会ではこの仕事をいつまで続けるんだというふうに言われるともう立ってもおれない、こういうふうな声でございました。
 また、ある船会社の社長さんは、運賃の値上げをせよと言われても、島のほとんどの人が国民年金の皆さんだ、限度がある。さらに、船員の関係労働団体の皆さんは、離島航路の場合、今なお週休二日制のめどは一切立っていないと。ボーナスについても他航路の皆さんよりは三割減少のところでしか支払えないけれども、それで我慢していただいておる、これも堪忍袋には限度がありますよと。こういった関係者の声が次々と聞かれておるわけです。これは資料の二枚目の下のところにその代表的な声はつけております。
 私はこういう意味で、非常に離島航路は今日危機的な状況を迎えておるという認識を持っておりますけれども、大臣の御認識を伺いたいと思います。
○国務大臣(伊藤茂君) 今のお話も含めまして大事なことだと思い、注意深く伺っております。
○喜岡淳君 さて、どうしてこういうことになっておるかという問題であります。
 お手元の資料の一枚目にS社の決算状況、それから国庫補助予算の推移について書かせていただいております。離島航路整備法に基づきまして、事業者の欠損の七五%、これは国が補助をする、残りの二五%は地方自治体がそれぞれ補助金を助成することになっております。しかし、ここ数年間、事業欠損額はどんどん膨らんできておりますけれども、それに見合う国の補助すべき補助予算額、確かにこれも年々増加はしておりますけれども、国が用意しておる補助金だけでは業者の赤字を補てんできない。こういう事態が年々深刻化しておるということであるわけですから、運輸省としてこの問題についてはどういうふうに対処されるおつもりなのか、お伺いしたいと思います。
○政府委員(尾松伸正君) 非常に難しい御指摘でありますが、まず一般論として申し上げますと、航路ごとの実情により、年度によりまして欠損額はふえることもあれば逆に減ることもあるわけでありますが、最近では御指摘のとおり、全体として欠損額が増加してきて予算額が追いつかないという状況にございます。
 私どもとしましては、こういう事態に対しまして、まずは離島航路整備費補助金の確保に努めますのは当然でありますが、同時に、航路の集約統合あるいは運賃改定による収入の確保、また余地があれば経費の節減等、離島航路事業の経営改善について努力をし欠損額の抑制をできるだけ図ってはまいりたい、こういうふうに思います。
 しかし、また同時に、離島の産業振興あるいは観光開発等の離島振興全体の中で離島航路の活性化もまた図っていくという考え方も非常に重要ではなかろうかというふうに考えておりまして、離島振興計画等に基づくいろいろな離島振興施策と連携を図りながら離島航路の維持に努めていきたい、こういうふうに考えております。このため特に地元の公共団体等と積極的にこの問題につき協議、協調して離島航路の維持に努めていかないといけないのではないか、こういうふうに考えているところであります。
○喜岡淳君 じゃ、具体的にお尋ねをいたします。
 平成六年度の概算要求を見せていただきました。離島航路補助金については四十一億九千万円、平成六年度の概算要求が行われております。平成五年度が四十一億八千四百万円だったわけですから、その伸びはわずか六百万円です。百二十五の航路、一航路当たり四、五万円で勘弁してくださいということの概算要求になっておりますけれども、私は大臣にぜひ、この六百万円じゃだめですよ、増額して年末の本予算の編成に当たっては奮闘していただきたい。これが生活者重視を掲げる細川内閣の屋台骨である伊藤運輸大臣への大きな国民の期待だろうと思いますけれども、この六百万円ということでずっといかれるおつもりですか。
○国務大臣(伊藤茂君) 大変切実な気持ちを込めましての御要望、御質問でございます。
 先ほど来答弁しておりますように、やはり離島にいらっしゃる皆さんと何か交通が低下し途絶するようなことは絶対あってはならぬわけですから、これを維持するために最大の努力をしなければならない、これは大前提だと思います。
 同時に今、概算要求がたった六百万円増ではないかという御指摘がございました。その部面はそのとおりです。同時に、委員も御承知のとおりに、離島航路船舶近代化建造費補助というものを新設いたしまして、二億円近い部門をここで要請させていただきました。
 私どものその気持ちは、小さい船で短い距離の方もあります。それから、やや長い距離をちょっと大きめの船で、何百トンかという船でもってつなぐというところもございます。特に後者の方につきましては、古い船の更新その他などを含めました会社経営で全体が赤字になる。その赤字をどう補てんするのかということになるわけでございますから、そういう船を、もっと近代的ないいものをとにかくコストも安くつくれるというための応援をしましょうと。そうすれば会社経営全体の方にも相当の改善措置があって、そして大きな赤字が出なくなる。ですから、赤字にただお金を上げるということよりも、そういう分野の方々についてはそれが非常にお役に立つことではないだろうかという意味で、実は知恵を絞って二億円近いものを新たな項目を立てたと。まあその関係とは申しませんが、全体が総枠が非常に厳しい中ですから、今までの補助の方は六百万円増にしかなっていないというわけ。でございます。
 私も今御発言を伺いながら考えてみますと、やはりさっき申し上げたような新しい船、近代化する、建造費を補助しましょうという方でカバーして助かる部面の方々が、自治体とか業者がいらっしゃいます。と同時に、そうはいっても、そんな近代化で立派な船をつくる、いい船をつくるというんじゃない、小さな船で短距離を行くという部面で、しかも伺いますとやはり百何十人かの人口のところへそれでつないでいる。これがまた生命線につながっているんだというわけでございますから、両面含めてこれをどうするのかということを考えなければなりません。
 そういう意味をもちまして、今お話もございましたので、今予算の立て方として約二億円の新設もそういう発想のところと。そしてまた、これはとにかく支出減ではありません。今までの補てん、補助のためのお金に六百万円しかふえていないということです。実額が減ったりしておるのでは全然ありませんから。その両面を含めまして、これから予算の大詰めのところに向けまして、それらの心配、御不安に対してどう対応したらいいのかということを真剣に検討させていただきたいというふうに思います。
 なお、同時にお願いなんですが、七五%の赤字補助というのは、これは国の補助としては恐らく最高のレベルの分野に属するんだろうと思います。いや、それが最高だからどうこうという意味ではもちろんありませんよ。国の補助のレベルとしてはそういうレベルにあると思います。
 やっぱり、こういうものの将来をどうしていったらいいんだろうか、あるいは地域の発展、振興を含めてどうしたらいいんだろうかというようなことを、中央レベルでも関係省庁の話はもちろんございます。お願いでございますが、地域のレベルでも、ぜひ自治体とか業者とか含めました御相談があって、何か将来に新しい希望を立てるプランはないものか、御検討いただければというふうに思いますが、いずれにいたしましても御要望の点は、予算の大詰めにおきまして勉強、検討させていただきたいと思います。
○喜岡淳君 時間が余りありませんので、私も短く聞きますので短くお答えいただきたいというふうに思います。
 確かに、今おっしゃったように、高速艇を新しくつくって、そのために補助金を出しましょう。そうすると、高速化することによって増収につながり、展望の開ける航路もあるわけです。そこはいいですよ。そんな島ばっかりじゃないということをぜひ御理解いただきたいんです。
 ですから私は、今特別高率補助がどうのとおっしゃいましたけれども、これは確かに離島航路整備法の第一条で、離島航路の整備に当たって「特別の助成措置を定める」と明確に書いておるでしょう。これは議員立法の全会派一致の法律ですから、与党も野党もなく、このとおり高卒でやる、特別の法律がここにあるわけですから、七五%云々というのは私は余り言うべきじゃないと思います。
 さらに、六百万円しかふやさないということでは離島航路の赤字補助は一切解決しないと思います。
 運輸省にお尋ねいたしますけれども、ことしの春、離島振興法が改正されました。この第十四条について御説明ください。
○政府委員(尾松伸正君) 新しい離島振興法の第十四条で「交通の確保」について触れております。読み上げさせていただきますが、「国及び地方公共団体は、離島振興対策実施地域における島民の生活の利便性の向上、産業の振興等を図るため、海上、航空及び陸上の交通の総合的かつ安定的な確保及びその充実に特別の配慮をするものとする。」、こういう規定が入っております。
○喜岡淳君 ことしの春、離島の交通確保については国及び自治体が「特別の配慮をするものとする。」と。「特別の配慮」ということがことしの春できた法律なんです。この法律に基づいて概算要求が組まれたのに、わずか六百万円しかふやしていない。この表を見てください、私の配ったのを。今まで一億数千万円ふやしてきたでしょう。三十分の一にどうして落としたんですか、こんな法律ができたのに。私は六百万円では絶対納得できないですよ。ふやしてくださいよ。こんな増額では法律と矛盾しますよ。
○政府委員(尾松伸正君) 先ほど来御説明しておりますように、来年度の予算要求におきましては、厳しいシーリング状況の中ではありますが、離島航路対策全体といたしまして約二億円増の要求をさせていただいておるわけであります。
 おっしゃるとおり、赤字補助の部分につきましては六百万円増でありますが、新しい積極的な施策をぜひ離島航路対策の一環として講じたいというふうに考えまして、船舶近代化建造費補助を要求させていただいているところでございまして、その実現に努力をしたい、こういうふうに考えているところであります。
○喜岡淳君 新造船を高速化して収益の上がる航路はいいです。そうでない航路はたくさんあるということだから問題にしているんですよ。「特別の配慮をするものとする。」という法律が春にできて、夏にできた概算要求は突如増額が三十分の一に落ち込んでいる、航路補助がですね。こんなのはだれが考えたって理解できないことですよ。本当に六百万の増額でいいんですか。
 従来も、例えば昭和四十一年度、七五%の補助率が五〇%に実際は落ち込んでいます。したがって、翌年の四十二年度の予算においては三六%の補助金が増額されております。昭和四十七年度、補助率が五五・六%に落ち込んでいます。したがって、翌年度の予算では四九%増額されています。昭和四十九年度、補助率が五〇%まで落ち込んだ。したがって、翌年度はさらに五〇%増額してもとに戻しているじゃないですか。
 ですから、ことしもこれだけどんどん赤字がふえるんだったら、来年度予算では増額されるというのが常識だろうと思いますが、どうして六百万に落とすんですか。
○国務大臣(伊藤茂君) 御質問のお話の筋はよくわかりましたし、あるいはまた春に改正した十四条という趣旨もよく承りました。誤解ないようにお願いしたいんですが、私どもの方は概算要求の中身をつくるに当たりまして、今までより何か一歩進んだ政策的視点を持とうではないかということで、新たに船舶近代化建造費補助という項目をつくって努力したわけでありまして、言うならばそういう分野でカバーされる部面がある。ところが、今おっしゃるように、そういう部面ではカバーされない、赤字が存在する、また足を奪われてはならぬという層があるという事情もよくわかりました。
 要するに、今までは昨年度、一昨年度と一億円ふえてまいりましたが、ことしはそれら全体を含めて二億円ふえている。二億円のふえた中で、近代化、船の方のサイドでカバーできる部面と、カバーできない今あなたがおっしゃるような部面と、これを片っ方にしわ寄せしないように、また両方を含めて安心できるようにどうするのかという知恵をさらに絞らなければならないということだと思いますから、その組み立て方、実態を含めまして予算の詰めに向かってさらに検討させていただきます。
○喜岡淳君 概算要求をつくって以来、事情は大きく変化しております。生活者重視の政権の発足、さらには離島振興法の改正、それから従来も補助卒が大きく下回ったときには翌年度の予算で増額、上増しをしておる、これも今言ったとおりです。
 今までも石原元運輸大臣ですか、就任した直後に、概算要求になかったリニアの調査費、一億六千万だったでしょうか、昭和六十二年に大臣として増額したという経過もございますから、石原さんにできることならば当然伊藤運輸大臣にもできる、これが世間の声でありますので、ひとつ頑張っていただきますように、運輸大臣、大蔵大臣との折衝に努力していただくことをお願いしておきたいと思います。
 最後になりましたので、一つだけお伺いしておきたいと思います。問題は離島航路の今後の将来展望です。やはり早く将来展望をつくりださなければ、業者の我慢や忍耐も限度があると思うんです。自治体もそうでしょう。そこに働く人もそうでしょう。島の皆さんも、もしなくなったらどうしようか。そこで早く将来展望を打ち出さなければなりません。その一つとして新造船の際の高速化するときに補助金を運輸省でつけましょう。非常にこれはいい施策だと思いますので、頑張っていただきたいと思います。
 もう一つは、過疎バスの例を見てもわかるように、過疎バス対策も非常に構造的です。これについては関係者による活性化委員会というのがつくられて、中央と地方で対策を検討されておると思いますけれども、ひとつ離島航路の問題についても、何かそういった踏み込んだ、今からやろうと、腰が上がるような方向を打ち出していただきたい。関係者による対策の機関を設置していただきたいと思いますが、大臣の御決意を伺いたいと思います。
○国務大臣(伊藤茂君) 今までも関係のところでの横断的な御相談はございましたが、大事な分野ですからさらに努力するようにいたします。同時に、やっぱり地域のレベルでもさまざま横断的な知恵を絞り、対応を講ずる努力をしていただきまして、御不安のないように努力をしたいと思っております。
○政府委員(尾松伸正君) 私どもも先生御指摘のように、将来に向かいまして新しい予算要求もいたしておりますし、これを活用いたしまして前向きの施策を講じていきたいものと考えております。
 そしてまた御指摘のように、中央、地方で関係省庁あるいは地方公共団体等と私ども十分に協議調整をして、いろんな知恵を出しながらみんなの力で何とか離島航路を維持するために努力をしたい、こういうふうに思っております。
○喜岡淳君 どうもありがとうございました。終わります。
○矢原秀男君 まず、四点にわたりまして簡単に質問させていただきたいと思います。
 まず最初の第一点は、運輸大臣も政策のすばらしい方でございますのでお伺いをするわけでございますが、二十一世紀における総合交通政策というものを長い間、当委員会でも国会でも論じてきているわけでございますけれども、非常にスピードの速い国際社会、国内、そういうふうな問題に対して非常に財源の巨大なものがかかるわけでございますからなかなか追いついていかない、こういうのが現況でございます。
 しかし、国民の方々の交通に対する要請というものは非常に大きく変化をいたしております。国際間の移動が日常化しておりますし、日常的にも利便性というものの非常に質の向上というものを求めて国内では移動している。そういう行動領域の中でございますけれども、運輸の場合は陸海空にわたる、本当に国民の生活の立場から見ても、経済の活性化の立場から見ても、すべてから見ても非常に中長期にわたる、そして近くは短期的なそういう諸施策を、この東京を中心とする一極集中、地方の過疎化の問題、そういうふうな非常にバランスのとれない状況の中で今後どうしていくのか、こういう大筋で結構でございますけれども、大臣の所信を伺いたいと思います。
○国務大臣(伊藤茂君) 御指摘ございました気持ち、私もこれは同様です。これから間もなく二十一世紀時代に入る。年代が変わるだけではなくて、いろんな意味でやはり次の時代設計が求められているというときだと思います。またそういう中で、生活者の時代とか分権時代とか一極集中を排除するとか、さまざまのことが語られている。またしかし、それらの全体の具体的な設計というものは必ずしもまた全部つかめていないというのも率直な現状であろうと思います。
 しかし、何かやはり次の時代を考えますと、いずれにしろ大きな柱は、均衡ある国土の発展、一極集中でない国土の発展というようなことが求められる。そういうものの基礎条件、交通運輸、それから人、物流を含めまして、やはり基礎条件をどうつくっていくのかという大事な仕事であろうというふうに思うわけでございます。そういう意味では、日本列島の基幹部分には二百五十キロ、三百キロという時速での高速鉄道の時代とか、あるいはそれと付随いたしました、それと相補う形での高速道路の時代とか、そしてそれと各地域の中での交通手段がどうなるとか、そういうやっぱり大きな夢と申しましょうか、将来目標を念頭に置きながら何かそういう新しい時代のベースをつくるという意味で意欲的にやらなければならない。恐らく、この五年か十年か知りませんが、この期間には大きな社会投資も含めてやることが求められており、望ましいというふうに私は考えております。
 また、そういうものをやる中でも、交通体系全体の総合的な視点及びそれぞれのやはり総合的な財政対応の視点及びそれらのさまざまの交通体系のバランスチェックと申しましょうか、相互の関係を含めた構想、そういうことが求められている時代だなというふうに思っております。
○矢原秀男君 ひとつよろしくお願いしたいと思います。
 この問題に対して具体的な点を当局の方へちょっとだけお伺いしてみたいと思います。
 一つは、具体的な問題でございますのでJR関係だけにとってみたいと思いますが、交通体系を構築する上での問題点として当局でもいろいろ検討をされておると思います。一つは需要の予測、二番目にはネットワークポリシーの確立、三番目は異種機関の組み合わせ、四番は旅客と貨物の組み合わせ、五番目には財源の用途の弾力化、こういう視点の中で当局も御検討されていらっしやると思いますけれども、時間の関係がございますので簡単にまとめて要約して答弁いただきたいと思います。
○政府委員(秦野裕君) 鉄道の関係について申し上げますと、私ども在来線におきます全国のネットワークというものは一応構築されておるというふうに思っておりまして、これをあといかに高速化と申しますか、質の充実を図っていくかということが今後の課題であろうというふうに認識しております。それぞれ、今先生もお話しのとおり、需要に応じたスピードと申しますか、質の改善というものを順次図っていくことが適当だと思っておりまして、そういう意味で現在、一番典型的な例が整備新幹線でございますけれども、新幹線はもとよりでございますが、いわゆる在来線の活性化、高速化というものも、今のお話しのような需要に合わせまして順次整備を進めていくべきものというふうに考えております。
 それから、あともう一つは、客貨の問題で今、特に旅客の方はそういうことでございますけれども、貨物につきましては現在貨物会社がネットワークを全国一元で運用いたしておりまして、最近の景気の動向でかなり苦しい状況にはなっておりますけれども、鉄道でなければやはり運べない貨物、鉄道の方が有利な貨物に極力特化をした形でネットワークを組んでいくということで検討していくべきものと思っております。
 いずれにしましても、いわゆるハード的な整備をいたします場合にはかなり財源問題というものが厳しいわけでございますけれども、そういう苦しい財政の中でございますが、極力優先順位をつけてめり張りをつけた整備をやっていきたいというふうに考えております。
○矢原秀男君 どうか頑張っていただきたいと思います。
 質問の第二でございますけれども、公的規制緩和の問題についてでございます。
 この公的規制という問題の中には、法令上の定義はないと思いますけれども、昨年六月の行革審第三次答申、これにいろいろと定義をされておりますけれども、公的規制の見直しの必要というものはやはり国民生活の立場、そして経済活性化の立場、いろんな形の中で今必要になっております。
 そういう中で政府の取り組みが必要となっているわけでございますが、先ごろも新聞紙上でも総務庁長官から御報告等がなされておりますけれども、運輸省として規制緩和実施を現在までにした問題、そして今後どうしてもこれとこれとこれは真っ先に手をつけなくてはいけない課題であって取り組んでいる、そこまでで結構でございますので御報告をいただきたいと思います。
○政府委員(黒野匡彦君) 私ども、今先生の御指摘のとおりの視点から従来より行政改革といいますか、規制緩和に取り組んでまいっております。
 一番最近では、緊急経済対策といたしまして政府全体が九十四項目の規制緩和措置をまとめましたが、その中に十項目運輸省関係が入っております。
 また、これからの方向といたしまして、運輸省はいわゆる許認可件数が一番多いという余りうれしくない評価をいただいているものですから、これを何とか減らそうということで、これは政府全、体の方針とも合致するのでございますが、今年度中にその一割、さらに二年後にはそれに加えて一割を減らすということで今鋭意作業中でございまして、なるべく早い時期にその内容につきましてこのような場におきましてまた披露させていただきたい、かように思っております。
○矢原秀男君 どうか、この公的規制につきましても、そのときどきの社会情勢に対応するために、また不断に現在の情勢に照らしての必要性、そのためには内容等を検討し見直していかなければならない状況に今あるわけでございます。不必要となった規制を緩和することによりまして、それぞれの弊害を取り除き、国民生活の質の向上、民間活動の活性化、国民負担の軽減、行政事務の簡素合理化、また国際的な調和を進める、そういう問題というものは既に御承知のとおりでございますので、非常に大変な立場もあろうかと思いますけれども、どうか国民の立場で努力をしていただきたいと思います。この点について大臣にも一言決意というか、お願いしたいと思います。
○国務大臣(伊藤茂君) 規制緩和、これは新内閣の大きな政策目標の一つでございます。
 私は二つ発想があると思います。具体的な内容は官房長から今申し上げたとおりなんですが、一つは、やはり何か今の自由活発ないわば経済の活性化などを、あるいは社会活動の活性化を抑えてきたものを緩和をいたしまして、そしてさまざまな部面で経済あるいは社会的な活力が生まれるようにしなくちゃならぬということです。
 もう一つの発想は、やっぱり今までの仕組みからもっと社会の発展に合った新しい仕組みに移っていくという面とあると思います。例えば車検なんかもそうなんですが、今までやはり行政、国のコントロールということに非常に依存してきたというものから、もっとユーザーやメーカーを含めた皆さんのコントロールの中で安全な車社会に持っていきましょうというような面もあると思います。
 そういう両面を含めまして、申し上げましたように今年度一割、三年間中に二割と、含めました努力をやってまいりたいと思っております。
○矢原秀男君 どうかよろしくお願いいたします。
 第三の質問でございますけれども、整備新幹線計画見直しというものが、今与野党ともにこれによって活性化をいかにするかということで論議をされておりますけれども、巨額の財源をどう確保するかというのは客観性としてこれはやはり真剣に討議をなされていかなければいけない問題でございます。
 五年前、当時の前政府は、選挙の前ごとにこういう大きなプロジェクトの一つ一つを強引に計画を打ち出した、そういう形もあるんでございますが、当時の林義郎大蔵大臣も、今以上に手を広げる余地はないと、大蔵としては断固厳しい姿勢を示しております。
 そして、今日は当時より非常に厳しい財政状況になっておりますので、我々は地域をまた全国を見ても、与野党の議員ともに何とかしたいと思って前向きに皆考えておりますけれども、財源というものをどういうふうにしていくかということは、三線五区間の問題とその後の整備新幹線の問題と二つの問題に分かれていることは明確でございますけれども、これは大臣、簡単で結構でございますので、ひとつよろしくお願いいたします。
○国務大臣(伊藤茂君) 御指摘のとおりに、昭和六十三年八月の当時の政府・与党申し合わせということで三線五区間がスタートいたしまして、そしてその後の問題あるいはそれに関係する問題について五年後見直しという条項がございまして、ことしの八月だったわけでございます。それらの内容を引き継ぎまして、来年度の予算編成の中でぜひともこの問題について私どもとしては打開を図りたい、その努力をぜひいたしてまいりたいと思います。また、各党議員各位におかれましても御協力をぜひお願いしたいと思います。
 財源の問題、私は発想として、先ほど来申し上げておりますようなこれからの時代の社会目標、あるいはこれからの時代の国民目標と申しましょうか、そういう中で次の時代の基礎条件をつくるこれは非常に大事な分野なんだということをぜひとも強調してまいりたいと思います。
 あわせまして、公共事業の硬直性の見直しということも各界で今言われているところでございます。今までの社会目標から次の公共事業の目標へどう持っていくのかという中で、やはりこの問題をきちんと大きく位置づけるということができればと念じているわけでございまして、いずれにしろ、それらの整備新幹線の解決の問題にいたしましても、五年、十年とか十年あるいは十五年とか、相当長い展望を持たざるを得ない。そういう長い展望の中では、今言ったやはり公共投資のあり方についても当然変化していくべきであろうというふうに思いまして、それらの点も含めまして知恵を絞ってまいりたいと思っております。
○矢原秀男君 非常に大変な状況がございますけれども、ともに検討してまいりたいと思いますのでよろしくお願いします。
 最後の質問でございますが、先ほども御質問が出ておりましたけれども、関西国際空港の問題でございますが、私は二つの角度から質問をしてみたいと思います。
 この法案ができますときに、二十四時間国際空港ですから、一挙に埋め立てをして、滑走路一本でなしに二本か三本にすることがトータルで見ると非常に経済的であるという主張はあったわけでございます。しかし、当時の財源、成田空港との関連の問題、そういうことで滑走路が一本になったのでございますけれども、世界をにらんだ二十四時間空港という面から見れば、滑走路をやはりもう一本か二本ふやさなくてはいけない。そうなってくると、財源の問題が一つは大きく出てまいります。
 十年前も浮体工法というものが造船関係から出ておりました、それは経費が安くなるとか。だから、埋め立てをして現在のような工法でやって二兆円に近い金額というものを費やしていくか、それとも浮体士法によって百年は大丈夫であるという七千五百億程度、こういうふうなことで、将来どちらを選ぶかということは避けられない技術的な諸問題だと思うわけでございます。そういう意味で、運輸省としてはどういうところまで今そういうふうな検討に、また現地で調査をさせていらっしゃるか。そういう進行ぐあい、検討ぐあいをまず第一点お伺いしたい。
 もう一点は、台風とか天候によりまして、外国から着陸をする場合に、極端に言えば日本に台風が来た、そして着陸ができない。そういうときに第二の避難空港をどこに指定しているかということは、国際的にも既に明確にしなければいけない段階にあるわけでございます。そのときに、我々日本としては、関西新空港におりてくるそういうふうな国々の飛行機に対してどこにコントロールしていくのか。そういうことの検討というものはどの程度なされていらっしゃるのか、伺いたいと思います。
○政府委員(土坂泰敏君) 最初の浮体工法のことでございますが、全体構想をどういうやり方でやったらいいか、いろんな調査をしなければなりません。土質調査あるいは需要予測調査、建設工法調査、いろいろございます。その建設工法調査の一つといたしまして、今の御指摘がありました埋め立てでいくのか浮体工法でいくのか、これは避けて通れないとおっしゃいましたけれども、そのとおりであると思っております。具体的には、来年度代替工法調査というものを要求しておりまして、この一環として今の問題について技術的に検討して決着をつけるようにしたいと思っております。
 それから二番目におっしゃいましたのは、代替空港と私ども言っておることでございますが、どんな空港にも代替空港が指定をされます。これを開港の時期の一定の前に余裕を持って各国にお示しをしなければなりません。現在私どもは複数の代替空港を選定いたしまして、今具体的に、やはり代替空港になりますと例えば夜間、こちらは二十四時間でございますから、こちらがだめで夜間別の空港へ行く。そうすると、その空港にはカーフューといいまして、夜のこの時間は飛んじゃいけないという時間があったりいたします。それでもほかに適地がなければやはりお願いをしてそこを使わせていただかなければいけない。そのためにはどうしても地元と調整をしなければいけないというようなことがございまして、現在代替空港について、そういう地元の御意見なども伺いながら内々に準備を進めているところでございまして、近く公表できるようにしたいというふうに思っておるところでございます。
○矢原秀男君 時間も参っておりますので、今の二点について大臣の所見を伺って質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(伊藤茂君) 局長から答弁をさせていただきましたが、いずれにしろ、当面する非常に大きな課題でございます。これらの課題についてまださまざまの議論とか知恵はある中でございますけれども、もうこれから先の展望の中ではそう時間があるわけではありません。できるだけ限られた時間の中で知恵を絞って、そして具体的な活動に入れるように努力をいたしてまいります。
○矢原秀男君 終わります。
○直嶋正行君 私、まず規制緩和について、その進め方について運輸大臣の御所見を承りたいと思います。
 運輸省としての公的規制の緩和目標、今年度一〇%、二年後二〇%、これは今答弁の中で、目標として努力をするということで承りましたので、そういう前提で、具体的に進める上での考え方についてまず大臣にお伺いしたいと思うんです。
 先般、衆議院の運輸委員会、今月の二十日にございまして、その中で大臣は許認可を目的別に三つに分類をされました。一つが事業規制、二つ目が安全・環境規制、三点目がその他登録規制、それぞれが有効に機能を果たしているかどうかを見直していく。また、具体的な件数の削減に当たっては、一つは許認可以外の手段で同様の目的を達し得ないか、二つ目に社会経済情勢にそぐわないものはないか、三つ目として複雑な手続を簡素化できないか、こういう切り口で努力をしたいという御答弁をされまして、そういう一つのお考えを示されたわけでございますが、この規制緩和がなかなか進んでいかないということについて最近よく言われる議論がございます。
 これは何かといいますと、同じ規制の中でも社会的な規制、安全・環境等の社会的な規制はやはり必要であろう。しかし、経済的な規制については、緩和を進めるためにもいわゆるゼロベースといいますか、原則廃止という視点に立って実行すべきではないか、こういう考え方がよく言われておりますが、まずこういう考え方について、さっき私が紹介しました大臣の分類とどう考えればいいのか、御見解を承りたいと思います。
○国務大臣(伊藤茂君) 規制緩和につきましては、大きな政府の政策課題としてやっているわけでございますが、そして先般の九十四項目を決めまして、さらなる努力を日夜やらなければならないというふうに存じているわけでありますが、ある意味では、今御指摘ございましたような規制緩和どばとか、それから内容、考え方をどうするのかという部面については必ずしも何か形式化したものがあるわけではありません。やっぱりいろんな考え方を、これらの具体化を審議することも私は興味ある大事なことだと思います。
 衆議院でもいろいろ申し上げましたが、今お話がございました社会的規制、経済的規制というのも、取り扱いとしてはわかりやすい分け方であろうと思います。ただ、社会的規制は特に安全性を基礎にということ、これはわかりやすいですね。それから、経済的規制の方もゼロベース、原則自由とございます。それによって経済が競争があって活性化するんだという発想がございます。それもわかりやすいと思います。
 同時に、先ほど来御議論ございましたトラック業界、運輸業界を見ましても、船の業界、内航などを見ましても圧倒的部分が中小零細企業。じゃ、そういう部分がどうなってくれるのかなということも大事な要素でございまして、分け方としてはわかりやすいと思います。
 ただ、ゼロベースとかいうことを申しますが、緩和する場合でも活性化する方向にうまくいけるように、その現実の産業構造などをどう配慮するのかを含めまして、一面では注意深く、一面では積極的にという努力をしなければならないことではないかなと思っております。
○直嶋正行君 難しいということはよくわかったんですが、御答弁伺ってなかなか整理しづらいなというふうに思いましたが、この点、また私なりに考えまして別の機会で議論させていただきたいと思います。
 その中で、今お話の中にもございましたが、先般の政府の九十四項目、この中で運輸省関連十項目だったと思いますが、これについては、では、今お話しされたような関連でどう整理すればいいのか、この点が一点と、それから正直申し上げて、今回の十項目の中を拝見いたしますと、既に審議会の答申等でもいろいろ指摘をされた項目が結構入っておりますし、口の悪い人は余り新味がない、こういうような言い方もされております、
 また、今の規制の削減ということで言いますと、今回の十項目は緩和であって削減ではないので、いわゆる先ほどの目標には該当しないと思うんですが、今申し上げました三つぐらいの点について、恐れ入りますが簡単に御見解賜れればと思います。
○政府委員(黒野匡彦君) 私ども、行政改革につきましてはかなり前から真剣に取り組んでまいってきているつもりでございます。したがいまして、この九十四項目中の十項目をまとめたのも、そういう声がかかったから慌ててまとめたということではなくて、従来からやっている作業の過程においてまとめられたものを出させていただいたということでございまして、その作業の過程におきましていろいろなマスコミ等で報道されておりますから、何となく陳腐化した印象を受けていただいているかもしれませんが、我々といたしましてはちょうど区切りよくこの十項目をまとめることができたというのが正直なところでございます。
 それから、この十項目の中身でございますが、先ほど先生御指摘のとおり、許認可以外の手段で同様に行政目的が達せられないかとか、あるいは許認可の手続が複雑で国民の方々あるいは業界の方々に不要な負担をかけていないかどうか、そういう観点からまとめたのがこの十項目でございます。
 それから、例の一割削減あるいは二割削減との関係でございますが、許認可件数を一割削減するというこの目標は、いわば国民の方々にわかりやすいためにそういう目標を掲げたのでございますが、この件数の数え方は、一件ごとの評価をしない、法令の条文に一つあれば一件だと。例えば車検というのはこれは一件なんですね。そういう非常に大胆なまとめ方をした件数でございます。
 したがって、私どもはこの法令に従った件数を一つ一つつぶしていくことと、プラス、仮に一件にはならなくても、その同じ一件の中のことを若干でも緩和することによって、件数としてはゼロであっても国民あるいは事業者の方々に評価されるものならやっていきたい、かような観点からやっております。
 したがいまして、先日の十項目はこの件数とは関係ないものでございます。
○直嶋正行君 では次に、今回の十項目の中の一、二について、具体的な内容についてお伺いしたいと思います。
 建設省、いらしていただいていますか。
 今回の運輸省の規制緩和の項目の一つに、トラックの車両総重量の二十トンから二十五トンへの緩和というのがございます。私は、この点は物流効卒化等いろいろ考えましても歓迎すべきことだというふうに受けとめております。ただ、運輸省の方で車両の諸元の規制を緩和されましても、現実に道路の方で建設省の方に車両制限令という形で規制がございます。したがいまして、こちらの方も緩和をしないと実際には実効が上がってこない、こういうことになるわけであります。
 今回の二十五トンについて二つお伺いしたいと思うんですが、運輸省と建設省の方で事前に話し合いをされてきて、それが具体的に実効が上がるような手だてといいますか、これを建設省の方でも御検討されているのかどうか、これが一点であります。
 それからもう一点は、車両制限重量が二十トンから二十五トンに変わりますと、今の例えば橋梁の強度あるいは道路の路盤の問題等ありますので、やはり補強をしたり修理をしたりということが必要になると思うんですが、この点について建設省の方での道路整備計画の中に反映をされているのかどうか、この二点お伺いしたいと思います。
 それからもう一点、ちょっと時間の関係でまとめてで申しわけないんですが、もう一点は、前二つは重量の問題ですが、もう一つやはり緩和を要望する声の中で大きいのが特に高さ制限、長さと高さとあると思うんですが、高さ制限について日本の場合には今三・八メートルになっておりまして、これは国際基準から見てもかなり厳しい数字であります。数年前に背高コンテナ問題というのがありまして、四・一メートルのコンテナが通れないというようなことがございましたが、そのコンテナの問題の経緯は別にしまして、高さについて今建設省の方でどういう御見解を持っておられるのか、お聞きしたいと思います。
○説明員(有賀長郎君) ただいまのお尋ねの中のまず最初、どのように実効を上げるかの手だてということでございますけれども、規制が緩和されましても、緩和後の車両が通行できるところがなければ実効が上がらない、そういうことではないかなと思うわけでございますが、そのとおりでございまして、現在運輸省と連携をとりながら車限令の改正につきまして詰めの検討作業を行っているところでございます。
 その中で一つは、車両の側につきましては、これは車両の形によりまして、橋梁に与えます影響を考慮いたしまして、長目の車両についてはその長い分だけ制限を緩和するという考え方をとりたいと思っております。具体的には、車両の長さでありますとかホイールベースとか、そういったものによりまして、一番長いものでトラックの場合二十五トンまで制限を緩和したいというふうに考えておるわけでございます。しかしながら、この二十五トンの車両がどこでも通行できるような道路の構造に今のところはまだなっていないわけでございまして、特に橋梁の補修、補強といったことが当面大きな課題になってくるわけでございます。
 ただし、できるだけ早く実効を上げなきゃいけないということから、当面、現在の道路の構造でも問題の少ない、対応が可能な部分というようなことで、高速道路とか一定の自動車専用道路などにつきましては、これは直ちに二十五トンの車両が通っていただけるように緩和いたしたい。また、高速道路や自動車専用道路だけではなかなかすべての通行が完成しないものでございますから、そうした高速道路を通った際には、高速道路をおりた一般道路の部分につきましても、現在道路法に基づきまして特殊車両の通行許可制度というのがございます。これは通行する経路によりまして個別に審査をいたしまして、支障がなければ通行を認める制度でございますが、この制度を活用いたしまして、個々の審査をしながらできるだけ通行を認めていきたいということでございまして、現在、どこがどの程度通行できるのかといった詳細を、実態を照査しておる最中でございますけれども、特に物流上重要な役割を果たしますような幹線道路についてはおおむね通行を認めることができるのではないだろうか、かように考えております。
 また、さらにそれ以外の道路につきましても、物流上重要な主要な道路から逐次橋梁の補修、補強といったようなことを計画的に進めてまいりまして、これによりまして二十五トン車が通行できる道路網を逐次拡大していきたいというのが橋梁の整備に対する考え方でございます。
 それからもう一つ、高さ、長さといったような問題がございましたけれども、まず長さにつきましては、現在通常のトラックですと十二メートル、それからセミトレーラーにつきまして十六・五メートルまでというのが制限になってございまして、これは国際的にも整合のとれた水準であるというふうに思っておるわけでございます。ただ、ブルトレーラーといったようなものもございますので、これについてはもうちょっと長くてもセミトレーラーと同じような軌跡で交差点を曲がれるわけでございます。これについては十八メートルまで制限を緩和したいというふうに考えております。
 それから高さの問題でございますが、これは非常に重量以上に難しさがございまして、現在の我が国の三・八メートルの制限、やや国際的に見劣りするのは事実でございますけれども、これは基本的には現在の我が国のトンネルの構造を、既存の構造物を改造するという非常に困難を伴うわけでございまして、どうしても制限の緩和自体は長期的な課題とならざるを得ないと認識しております。
 ただ、今後新設しますトンネルなどの構造物についてどういった構造にしていくのか、これはまた別の問題でございますので、現在、道路審議会で道路の構造全般につきましても御審議していただいております。その中でも高さについても御審議いただいておるわけでございますけれども、こうした審議会の答申なども踏まえまして、今後どうしていくかということについては検討しなければいけない、かように考えておるところでございます。
○直嶋正行君 今の高さの問題について簡潔に運輸省の方の御見解をお伺いしたいと思います。
○政府委員(越智正英君) 運輸省の方といたしまして、やはり車両の高さというものが緩和されますとまさに物流の効率化その他大変役立つわけでございます。私どもが所管しております道路運送車両法に基づきます保安基準におきまして三・八メートルというものが、もちろん道路の関係でもありますが、決まっておるわけでございますが、車両の方からだけ見ました場合には実は余り問題がないということでございます。ただいま建設省の方から答弁ございましたように、主としてトンネル等による問題があるというふうに理解しておるところでございます。
○直嶋正行君 よろしくまた御検討をお願いしておきたいと思います。建設省どうもありがとうございました。
 それで、時間が余りありませんが、最後に車検制度、今度定期点検制と車検制度の緩和の方向が出されていると思うんです。この中で特にポイントは三つあると思うんですが、一つが六カ月定期点検の義務づけの廃止、二つ目としまして十二カ月及び二十四カ月点検の項目の削減、それから三点目が、特にこれは車検整備との関係で前検査後整備を取り入れていこう、こういう方向づけがされているわけであります。さっきの規制緩和の姿勢の問題とも絡んでくるわけでありますが、この答申等を見ましても、これまではどちらかというと国がこういう整備をしなさいということを事細かくユーザーに示していたのを、基本的にこういう方向になってくるとやはり国はどちらかというとそういう関与はむしろ極力抑えて、ユーザーの自己責任といいますか、こういう部分を重視をしていく、考え方としてはそういう方向になってくるのではないかというふうに思うわけであります。
 特に、運輸技術審議会の答申の内容を見ますと、例えばこういう緩和に伴って、いわゆる一般的な自動車の保守管理責任についてもユーザーの責任を法令の中で明確にする必要がある、あるいは将来的には点検整備はユーザーの自己責任にゆだねる方向が望ましい、こういう文言が入っております。
 それで一つお聞きしたいのは、来年、年がかわりますとこれに関連して法改正を御検討されているやにお聞きしておりますが、当面、この点検項目の緩和等のかかわりで、特にユーザーの保守管理責任についてどういう方向で取り入れようというふうに考えておられるのか、現状をお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(越智正英君) 自動車ユーザーの保守管理責任について法律を仮に変えるとしたらどうかということでございますが、自動車の摩耗劣化の進み方というのは、まさに自動車の使い方によって大変違うものでございまして、当然使っている人が一番よくわかるというような観点から、ことしの六月にいただきました運輸技術審議会の答申におきましても、いわゆるユーザーが使用状況に応じて自主的に保守管理を行うことが自動車の安全確保、公害の防止を図る上で最も望ましいというような、そういう観点から答申をいただいたわけでございます。私どもといたしましてはそういう自主的な保守管理を促進するという観点から、今回法律を見直す場合におきまして、道路運送車両法において規定する仕方というのは今まさに検討中なのでございますけれども、そういった考え方を何とか盛り込みたいということで検討を進めている段階でございます。
○直嶋正行君 時間が来てしまいましたので、あと幾つかお尋ねをしたいということで予定をしておりましたが、私の質問はこれで終わらせていただきまして、残りの分はまた次回にお尋ねをしたいと思います。どうもありがとうございました。
○高崎裕子君 金丸さんから始まったゼネコン汚職事件はとどまるところを知らず、自治体首長や大手ゼネコンの業界トップに次々と及び、政官財の癒着、金権腐敗構造を断ち切るということがいよいよ重大な課題となっております。
 そこで、まず最初に運輸大臣にお聞きしたいのですが、既に新聞報道で明らかになっておりますけれども、先月、徳島県知事に当選された圓藤さんは、つい最近まで運輸省の審議官をやられていた方だということで、私もよく存じ上げているんですけれども、その知事選に向けて運輸省のOBでつくられた政治団体が、運輸省の許認可下にあるJR、航空、自動車、港湾など運輸省関係企業、そこからパーティー券、献金、選挙資金を集めていたということが報道されており、報道によれば約七千万という多額のお金を短期間で集めているという問題があります。
 まず、大臣はこの問題をどのように受けとめていらっしゃいますか。
○国務大臣(伊藤茂君) この間も予算委員会でもちょっと話題になりましたが、先日も圓藤新知事が参られまして、大変御迷惑をかけましたというごあいさつがございました。
 今お話しございましたように、このパーティー自体は「二十一世紀を担う円藤としお君を育てる会」という後援団体が、郷里の徳島県知事選挙に当たって激励するとして有志が計画して催されたということでございますから、運輸省が直接関係をしたりなんかしているものではございませんし、それから、このこと自体は本来的にはやはり政治資金規正法というルールに関係する問題ですから、そういうルールに基づいて判断をされるというふうなことであろうというふうに思います。
 ただ、気持ちといたしましては、運輸省の御出身、これは運輸省に限りませんが、どこかの官庁の御出身か、そういう方々が選挙に出られるときに、その業界をいっぱい集めて多額のお金を集めるというのは、やっぱりこれからの社会、それから今問われている状況からしていかがなものかという気持ちがいたしますし、これも今国会の最大の課題である政治改革のテーマの一つであろうというふうに思います。いい政治改革が実現いたしましたら、もっと国民の皆さんに御理解が得られるようなことに必ずなるのではないかと思っております。
○高崎裕子君 具体的にお聞きいたしますが、資金集めに七月十六日、赤坂プリンスホテルでパーティーを行っている。私、ここに案内状の写しを持っておりますけれども、(資料を示す)もっと大きい会場で予定していたけれども余り大げさになるのはどうかという意見があって狭い会場に移った、それでも参加者は千五百人を超えるという大盛況であったというふうに言われております。
 運輸省の幹部もここに出席し、こう言っているんですね。「昔からのつながりで各局ごとに動員をかけられた。無風選挙」、これは私どもの党は候補を立てておりますので、こういう言い方はにわかに容認しかねるんですけれども、「と聞いていたのに、なぜ、あんな大がかりなパーティーを企画したのか」、こう言われている。
 私どもの調査でも、動員をかけられた、こういうふうに聞いておりますが、この点について事実調査されましたでしょうか。
○政府委員(黒野匡彦君) 私どもその新聞記事を見まして、本来、この種のものに現職の行政官がタッチすることは全くあり得ないわ付でございますが、念のため調べてみましたが、このパーティーの計画、開催について現役の者が関与したということは一切ございません。
 ただ、先生もう御存じのとおり、彼は大変ああいう明るい人柄でファンが多いものですから、開くといろんな人が集まってくるということ、ここのところはやはりなかなか否定しがたいところでございまして、少々結果として大げさになったところはまたいろんな御批判の種かと思っております。これからも十分気をつけたいと思います。
○高崎裕子君 そうすると、次官や局長クラスも行かれた。これは動員したわけではないけれども結果として行かれたと。官房長も行かれたんですか。
○政府委員(黒野匡彦君) これ、しかられるかもしれませんが、実は私は行かなかったんです。たまたまほかに出張がございまして、残念ながら行けませんでした。
○高崎裕子君 結果としてという言い方をされましたが、私どもの調査では、動員されて次官や局長クラスが参加をしたということなわけです。
 そこで、大臣にこれはお伺いしたいのですけれども、私が一番問題だというふうに思うのは、運輸省のOBだからいいだろう、やめた人だから運輸省とは関係ないということには決してならないというふうに思うのです。この圓藤さんの東京後援会の会長をされている杉浦さんにしても事務次官までやられた方です。運輸省の最大の権限を持っていたという人たちばかりだと。それらの人に、運輸省の許認可を受ける立場にある運輸関係業界から献金を集めるということに疑惑が生じるんだという、そこの問題が私は大変重要だと思うんです。言われた業界の立場からこの問題をとらえてみでほしいというふうに思うんです。
 特に運輸省にとって大いに関係してくることとしては、献金をした、あるいは出さざるを得なかったこの運輸関係業界の方は、例えばバスにしてもトラックにしてもJR各社にしても、運輸省や県からさまざまな形で補助金とか交付金などを受けている企業なんです。だから、これらの企業が献金するということは、例えば補助金や交付金とか利子補給とかそういうことを受けていれば献金できないということで、公選法あるいは政治資金規正法で禁止をされているという、それにかかわってくる、その問題が直接問われてくることになるということなんです。
 これも私どもの調査で、JR四国もパーティー券などを購入しているというふうに聞いています。
 先ほどお示ししましたが、この案内状を見ますと、「会費は当日会場でもお受けいたしますが、左記口座へお振込いただければ幸甚です」ということで、「口座名「円藤としお東京後援会」第一勧銀云々と口座番号がここに書かれていて、これは、お受けいたしますが、どちらかといえば口座に振り込んでいただいた方がありがたいということで、パーティーに来ていただくよりはこの二万円という会費を振り込んでもらいたいという趣旨がありありと伝わってくる御案内状にもなっているということです。
 JR四国で言いますと、例えば踏切とか、これ改良するときに補助金が出ます。あるいはバスについてもいろいろとバス協会を通じて国から県から補助金がある。これは県知事ですから県からの交付金、補助金が問題になってくるわけですけれども、国と県からいろいろな形で補助金、交付金をもらっている企業が献金をしているという、こういう問題にやっぱり発展しかねないところにこの問題の重大性があるということなんです。
 反省していますということで先ほど官房長もおっしゃいましたけれども、大臣、これは運輸省としてやっぱりこういう問題なんだという角度から厳重に私は調査をしていただきたいというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(伊藤茂君) こういうものはやっぱりフェアルールでいかなくちゃならぬと思います。あるべきフェアな選挙、あるいは資金の面でもフェアなルールという形で運営されなければならないと思います。それはどこの省庁かどこの業界が、そういうことを問わずあるべきであり、これがまた国民の代表として活躍しようとする者のやはりあるべき態度ではないだろうかと思います。
 したがいまして、例えば運輸省に関連をして長年そこで活動されおつき合いをされたという関係の中で、そういう、その方のやはり考え方とか政見に共鳴し、支持し、あるいは友人として友情としてそれぞれお集まりになるということはそれなりにやっていることだと思います。ただ、何かやはり役所の持っている権限と結びついた形でとか、あるいは利害か何かを誘導するみたいな立場でとかいうふうな形で人を集めたり、あるいはまたお金を集めたりというのはフェアなルールでは私はないと思います。その辺のことをやはりお互いにきちんとやっていくというのが今国会で、あるいは今国民から問われている政治改革の趣旨でもあろうというふうに思います。
 ただ、催しなど、例えば出版の記念会のときなんかも、会費のお振り込みを当日御持参されない方は口座へどうぞとかというのはよくあるケースでございまして、そのこと自体私はどうとか、そうは思いませんけれども、しかし今申しましたようなフェアなルールでフェアな政治をつくり、担当していくという気持ちが大事であろうと思っております。
○高崎裕子君 ただ、今私がお話ししましたのは、県から補助金、交付金を受けている業者は献金ができない。しかしそういう業者が、例えば大手の航空会社がこの不況時に、許認可権のある運輸省の肝いりの団体から要請されれば断り切れないというような話もしながら、結局、結果として献金をして総額七千万が集まっているというこの事実。私が今繰り返し指摘しましたように、県から補助を受けている、それは献金できないんです。ですから、公選法とか政治資金規正法に直接かかわってくる重大問題になってくるのでその事実を調査してほしい。いや、これは自治省だ法務省だということではなくて、佐川の問題のときもそうですけれども、所管の官庁である運輸省として、そういう他のかかわる省庁の調査とかをまつまでもなくて、やっぱり率先して調査をしていただきたいということで、その事実も含めて調査をしていただきたいということなんです。
○国務大臣(伊藤茂君) 先ほど官房長からも事実経過を申されました。私は信頼しておりますから、このこと自体について何か省内で改めて厳しく調査をするとかいうふうなことまでは今考えてはおりません。
 ただ、御指摘ありましたが、何か直接やはり補助金をもらっているとか、いろいろなところの方から政治資金を出すとかパーティー券を大量に買うとかというようなことはちょっとあるべき形ではないだろうというふうに思いますし、私も二十年ほど政治家をやっておりますが、そういう目に遭ったことは一遍もありませんし、やろうとは思いません。今お伺いしながら、やっぱり最初申し上げたような社会であるべきフェアなルールで、フェアな形でお互いにやらなければならないということではないでしょうか。
○高崎裕子君 あるべき姿ではないというふうに大臣今言われたとおり、やっぱりこれは大変私は、実際にお金を払っているわけですから、そして先ほども言いましたが、現にこれ踏切などの改良とかでは補助金を受けているわけです。ですから、やっぱりそれは運輸省にかかわる問題としてこれ調査していただきたいと思うんです。
 そして、とりわけ、八月二十七日に連立与党の合意事項の中で、企業・団体献金は政党に限り認めるとしたはずです。つまり、政党以外の企業・団体献金は禁止しますよということが合意された直後に、その連立与党の皆さんが推す候補者に対してこういうやつ方でお金が集められたというのは、金丸さんから始まったこういういろいろな汚職で政官財の癒着がどうなんだということが社会的な問題になっている。刑事問題はもちろん、社会的に国民がここをこそ是正してほしいということになっていて、こういう構造を断ち切る必要があるということが今期待されているという点でも、やっぱり当の運輸省の所管にかかわることで私は今こういう問題点を指摘したわけですから、ですからそういう立場からでも大臣の政治姿勢も問われると思いますので、ぜひ運輸省としてそこは御調査いただきたいというふうに思います。
○政府委員(黒野匡彦君) 先生の御指摘の趣旨はわからないでもないんですが、政治資金関係の法令というのは大変難しい法律でございまして、私ども素人から見ると、まあミスをしかねないぐらい大変難しい法律でございますから、やっぱりこの種の調査が必要ならばその専門家の方にやっていただくのが公正中立な結果が出るんではないか、かように思っております。
○高崎裕子君 これは本当に非常に重大な問題ですので、あるべき姿ではないということで大臣も何度も言われました。本当にこういう問題というのがある限り、こういう金権腐敗構造というのは断ち切ることができないわけで、運輸省は所管ですし、その点については私はぜひやっぱり調査をしていただきたいということを繰り返し強く御要望をして、次の質問に移りたいと思います。
 障害者対策ですけれども、障害者が健常者と同時に社会参加をしていくということはもうこれ当然のことですけれども、実態としては依然として同等に参加できない環境に置かれています。特に社会参加する上で欠かせないのが交通手段、そしてその周辺の整備だということなんですが、それだけに運輸省の役割というのがますます期待もされ、重要になってきているというふうに思うんです。
 こういう角度から、障害者等の対策のため、交通施設の改善、整備に関する法律を早く制定する必要があるというふうに思いますが、例えばエレベーター、エスカレーター設置について何度も小笠原前議員以来繰り返し私も取り上げてきましたけれども、鉄道で言いますとJR、私鉄、地下鉄含めてすべての駅は六千九百二十四あるんですけれども、そのうちエスカレーターが設置されているのが八百十、エレベーターは三百と非常に少ないということで、これがまたなかなか進まない状況にもあるということで、法的にこれを促進させる手だてというものが今強く求められております。例えば点字ブロックとかそれに関連する設備も含めての法律ですね。その点についてどうなっていますでしょうか。
○政府委員(豊田実君) 今後高齢化が非常に急ピッチで進むというような現実、また障害者の方のいろいろな社会活動に当たって交通分野でそれらの活動が阻害されないようにいろんな対策をとっていくということは、これまでも私どもも努力してまいったつもりでおります。
 今御指摘の法律の問題は、アメリカにおいて障害者法、いわゆるADA法というものが成立しておりますが、交通分野におけるこういうような高齢者、障害者のための対策というものについて、法律的な措置も含めまして今勉強している最中でございますので、もう少し時間をいただきたいと思います。
○高崎裕子君 勉強しながら、その法律をつくる方向で検討しているということで伺ってよろしいわけですね。
○政府委員(豊田実君) 施策の展開に当たって、法律措置がどの程度必要かどうかという点を含めまして検討させていただいております。
○高崎裕子君 それでは具体的な問題についてお尋ねいたしますが、聴力障害者の方の切実な問題として、私どものところにも繰り返し御要望が来ているんですけれども、公共交通ターミナルにファクスを設置してほしいという問題があります。
 交通関係で聴力障害者の方の最大の悩みというのは、例えば事故があったとかダイヤが乱れたという場合に、健常者の場合であれば電話をかければすぐ連絡できるんですけれども、関係者の方とか自宅などにそういうことでおくれるよというような、そういうことが連絡できないわけです。聴力障害者にはどうしてもそういう意味ではファクスが必要だということですけれども、JR、大手私鉄の設置状況はどういうふうになっていますでしょうか。
○政府委員(秦野裕君) JRでございますけれども、平成五年の四月現在で全部で百十二駅、百十九台が設置されております。それから、大手民鉄につきましては四社で二十九駅に二十九台ということでございまして、トータルで百四十一駅に百四十八台が設置されております。
○高崎裕子君 JR東日本がそのうち百五駅も設置されているんですけれども、あとのJRというのはほとんど設置されていないんです。JR北海道は私の地元ですけれども、札幌駅にもない。四国も一駅もないんです。私鉄もほとんどない。地下鉄は全くないということで、そういう意味ではまだ本当に設置されている駅が非常に少ないということで、これは全部の鉄道の駅にやっぱりぜひ設置されるように運輸省としても強力な指導をしていただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○政府委員(秦野裕君) これは一義的には当然のことでございますが、JRにおいて判断されるべきものだと思いますけれども、なるべく利用者の利便を図るという観点からも私どもとしても推奨してまいりたいと思います。
○高崎裕子君 今鉄道のお話をしましたけれども、鉄道以外の例えば空港、千歳空港も新しくなりましてファクスはどうかと見ましたら、一階にNTTの業務と兼用のものしかなくて、なかなかやっぱり知られてもいないし、使えない、不便だという声も上がっておりますし、主要なバスターミナルなどにも設置すべきだと思うんですけれども、この点はいかがでしょうか。
○政府委員(豊田実君) ただいま鉄道駅の状況を御説明申し上げましたが、ほかの空港とかバスターミナル、いわゆる公共交通ターミナルにおきましても利用者の利便に対応できるように、鉄道駅の状況を踏まえながら対応していきたいと思います。
○高崎裕子君 これはもう切実な、本当に社会参加をするための交通手段の主要な駅にということですので、ぜひ前向きにお願いしたいというふうに思います。
 このファクスの料金なんですけれども、これも調べてみたんですが、JR東日本の使用料というのが三十秒で百円、市外は三十秒で二百円、その後三十秒ごとに百円ずつ加算されるというふうになっております。それで、これちょっと高いなというふうに思っていろいろ調べたんです。一般家庭とか企業で使われている料金というのは三十秒で十円なんです。東京−札幌間でも三十秒で三十円ということでは、JR東日本の使用料というのは約十倍ほどになっているんです。
 これは個人だから違いはやむを得ないんじゃないかなというふうに思うかもしれないんですけれども、今度はコンビニエンスストアの料金を調べてみたんです。そうしましたら、コンビニエンスストアのファクスはもう全国一律、市内でも市外でも三十秒ごとに五十円というふうになっているんです。JRの場合は約二倍高いということになっています。もう少し安く利用できるようにならないのかということを検討してほしいと思いますし、せっかくファクスが設置されても、それがあるのかどうかということも知らないという利用者が多いということで、あわせて案内板もつけるというようなきめ細かなことも含めてその点はぜひやっていただきたいというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。
○政府委員(秦野裕君) 決して縄張りのことを申し上げるつもりではございませんけれども、このファクスの料金と申しますのは電気通信事業法で定まっておりまして、いわゆる電気通信施策の中で御検討いただくべきものでございますので、ちょっと私の方からお答えするのはいかがかというふうに思います。
 今、後段のお話の、要するに利用者にわかりにくいということがもしございますれば、これはもちろん具体的に御指摘いただければ注意をいたしますし、また地方公共団体等を通じましてPRの方法を考えるとか、いろいろな手だては講じたいと思っております。
○高崎裕子君 これはNTTに払う料金の問題ではなくて、それはそれとして、JRが活用させるときに上乗せも含めて利用者に百円ということは、コンビニエンスがそれを三十円でやれているわけですから、そこをそれに近づけるように安くならないかという指導は運輸省としてもできるんじゃないかというふうに思うんですけれども、いかがですか。
○政府委員(秦野裕君) 重ねてお尋ねでございますが、例えば三十秒百円という料金をJRの方で郵政省の方にお届けをするという仕掛けになっております。
○高崎裕子君 何かそこを安くというのは、JRを指導はできませんか。
○政府委員(秦野裕君) 先ほど来申し上げておりますようなことで、これは郵政省の方で御検討いただくのが至当だと思っております。
○高崎裕子君 それでは次に、リフト付バスでございますが、リフト付バスの導入というのは各自治体で今……
○委員長(和田教美君) 大体時間が参りましたけれども、簡単に。
○高崎裕子君 済みません、簡単に。
 大阪駅で二十二両、全国で五十九両導入されているということで、広まってきているんです。しかし設備費が高くて、通常の車両より一千万負担がかかるということで、車いすの方にとって社会参加するには重要な手段だということで積極的に推進していくべきものと考えるわけです。車両購入補助など助成のための検討ということで、もう検討の時期に来ていると思うんですけれども、その点いかがでしょうか。
○政府委員(越智正英君) リフト付バスの運行につきましては、身体障害者の方々に開かれた交通体系を構築するという意味で大変重要な手段の一つと考えておりますけれども、それにつきまして今先生御指摘のように大変設備費がかかるということもあって、またバス事業の経営が大変苦しいという中でなかなか多くのバスに取りつけるということが進んでいないという実情にあることはもちろんでございますけれども、やはり私どもとしては経営者にさらなる努力は求めるわけでございますが、それだけではどうしても足りないという中で、地域におきます福祉行政とも連携をとりながらいろいろ努力してまいりたいと考えております。
○高崎裕子君 終わります。
○泉信也君 大臣におかれましては、御就任以来、運輸行政の推進に大変積極的にお取り組みをいただいておりますことに敬意を表するものでございます。
 けさほどの御発言の中にも、陸海空あるいは海上保安庁、気象庁等を含めます幅広い運輸行政の推進に向けての御所信を伺わせていただきました。
 来年度予算の詰めに入る時期になってまいりましたので、特に運輸省の平成六年度概算要求に対します基本的なお考えをお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(伊藤茂君) 来年度の概算要求に対する基本的な考え方ということでございました。
 大きな柱を申し上げたいと思いますが、いずれにいたしましても、今日、これからの運輸行政、当面するいろんなこともたくさんございます。それと同時にまた、将来に向けて何か新たな一歩を具体的に踏み出すという意味での措置というものも非常に大事だと思います。
 そういう意味で、先ほどの御議論にもいろいろとございましたが、人に優しいあるいは環境に優しい、あるいは言葉遣いはなんですが弱者に優しいと申しましょうか、というような視点も必要だと思います。また、次の時代への大きな着実な政策展開ということも必要でございます。そういう意味で、今後の時代にふさわしい交通網の整備というものを焦点にした考え方、それから豊かさ、ゆとり、これを実感できるいわば生活者の時代への対応、それから安全な生活の確保、それから次に向けましては技術開発の推進などにつきまして柱を立てまして推進をいたしてまいりたいと考えております。
○泉信也君 御説明をいただきました当面の課題あるいは将来に向けての対応策の中で、運輸関係の社会資本の充実ということは大変重要なことだと思っております。例えば、新幹線の整備を除きましても、鉄道においては通勤通学対策あるいは在来線の高速化、こうした問題がございますし、空港は、けさほど来御議論ございました関西空港等の国際空港問題あるいは地方空港の拡充等の課題がございます。また、港湾にあっても輸入インフラの重要な施設としての整備がございますし、これまた御議論ございました離島の港の整備等も大変重要な課題だと思っております。
 そうした意味におきまして運輸関係社会資本に限って、概算要求の段階においてどのような点に特に力を注がれたのか、注いでおられるのかにつきまして御説明をいただきたいと思います。
○政府委員(黒野匡彦君) 今先生御指摘のとおり、運輸省の社会資本といたしましては鉄道、空港、港湾、海岸等がございます。
 そのそれぞれが重要でございますので、特に絞るというのはなかなか難しいわけでございますが、あえて申し上げますと、鉄道につきましては、整備新幹線についていわゆる基本スキームに従って着実に整備を進めていくこと、あるいは大都市鉄道につきまして、大きな問題になっております通勤対策という観点からその整備を進めること等を重点を置いております。
 また、空港につきましては、いわゆる三大空港プロジェクトをなるべく早期に円滑に進めるということで力点を置いておりまして、さらには多極ネットワークの形成という観点から地方空港の重点的整備も推進させていただいております。
 また、港湾・海岸につきましては、第八次の港湾整備五カ年計画あるいは第五次の海岸事業五カ年計画がございますから、この計画にのっとりまして、外貿ターミナルあるいは内貿ターミナルの整備なり、さらには大規模地震対策等の安全対策等につきまして鋭意推進している、かような状況でございます。
○泉信也君 社会資本の整備も大変質的にも高度化あるいは内容も複雑になってまいりました。今回運輸省が生活基盤整備基金、こうしたものを新しい観点から取り入れようとしておられることを私としては大変大きな期待を持っておるものでございますので、ぜひ御努力をいただきたいと思います。
 社会資本とは若干異なりますが、同じ運輸省の中で気象庁の関係につきましても私は予算の要求にやや不足があるのではないか、このように思っておるところでございます。
 御承知のように、ことしの冷夏あるいは連続いたしました台風、集中豪雨、このようなことによりまして大きな災害を受けました。また、七月には北海道南西沖地震という、津波あるいは地震による被害も大きかったことは御承知のとおりでございます。毎日の生活あるいは私どもの日々の行動、こうした事柄がこれまで以上に気象情報あるいは地震、津波といった情報の重要性を認識せざるを得ない、このことがことしの気象あるいは地震等の現象ではないかと思っております。また、米の作柄につきましても大変ことしはできが悪いわけでありますが、事前に気象情報を活用することによって、平年並みとはいかぬまでも影響を最小限に食いとめた、こうした事実もあるわけであります。
 そうした関係から見ましたときに、要求をしていただいております台風・集中豪雨対策等の予報体制の強化といったお金も実は三十六億余り、あるいは地震・火山対策等のお金はわずか三億七千万程度でございます。こうした事柄に対しまして気象庁としてはどのようなお取り組みを来年度予算あるいは今後に向けてなさるのか、お伺いをいたします。
○政府委員(二宮洸三君) お答え申し上げます。
 気象庁は、台風・集中豪雨雪対策等観測予報体制の整備の強化が極めて重要であるというふうに認識いたしております。所要の施策を講ずる考えでございます。
 特に台風の監視、進路予報等に重要な役割を果たしております気象衛星ひまわりの安定的、継続的運用を行うために五号衛星を平成七年一−二月に打ち上げるとともに、五号衛星の後継機の開発に必要な経費をお願いしているところでございます。
 また、集中豪雨等に対応いたしました適切な気象情報の高度化あるいは長期予報精度の改善を図るために、スーパーコンピューターを中核といたします気象資料総合処理システムの充実強化を図ることも計画いたしております。
 また、地震、津波対策の強化が必要でございまして、先生御指摘のとおり重要課題でございます。これにも鋭意取り組むことになっております。特に北海道南西沖地震の発生にかんがみまして、小地震観測装置及び遠隔自記検潮装置の整備を日本海側を重点にして行うべく所要の経費をお願いしているところでございます。
 気象災害や地震、津波災害の軽減を図るために、気象庁の各種情報の適時適切な情報提供の一層の高度化を図ることが当庁に課せられた責務であると考えているところでございまして、今後とも努力していく所存でございます。
 なお、昨今、地球環境問題への対応が我が国におきましても重要な課題となってきております。気象庁といたしましても、大気中あるいは海洋中の二酸化炭素等の温室効果気体のモニタリング、気候変動の予測の高度化に取り組んでおりまして、この一層の充実に取り組む計画になってございます。
○泉信也君 先ほど申し上げましたように、大変国民生活に密着した業務を取り仕切っていただいておられます気象庁にあられましては、ぜひとも安定した国民生活ができますような気象情報の提供に一層の御尽力をお願いする次第でございます。
 次に、外航海運の問題について少しお尋ねをいたします。
 世界の海上の荷動き量の約二〇%は日本に関係したもの、日本に着地あるいは発地を持つという大変海運国として大きな役割を担っておるわけでありますが、その日本商船隊の船腹量は、そうした重要な役割を担っているにもかかわらず、一九八二年の千百七十五隻から九一年にはわずか四百十九隻、そして九二年にはさらに減りまして三百六十七隻、こういう状況に至っております。
 こうした中で、さらに昨今の円高は大変日本の商船隊を維持していく上に大きな影響を与えておるわけであります。船会社自身はそれなりの努力をしておられると思いますが、こうした私どもの生活の大変重要な輸送手段であります日本の外航海運の対策についてどのようなお取り組みをしておられるのか、お尋ねをいたします。
○政府委員(尾松伸正君) 外航海運の状況と対策について御説明をいたしますが、先生御指摘のように、今日本の外航海運事業は非常に厳しい状況に置かれております。
 一つには、この不況の中で海上荷動き量そのものが減少しているということ、そしてまた外航海運業の収益の大半がドル建てであるということもございまして、円収入が減少するという状況にございます。私どもがヒアリングをした中でも、会社によって違いはございますが、一社当たりで対ドル一円の円高で年間二、三億円もの影響が出るという会社もございますから、このまま今年度現在の為替レートが続くというような場合には、五年度では相当大幅な減益を余儀なくされるのではないか、こういうふうに言われております。また、定期航路での非常な国際競争の激化ということも厳しい環境の一つになっているわけでございます。
 こういう中で、企業としての努力は当然でありますが、同時に、例えば定期航路でございますと、北米定期航路に見られますように、外国の船会社も含めまして主要船社間で過剰な船腹量の一部凍結というようなことを話し合いをして効果を上げるということをやっておりますし、また企業としての努力の中にはコストのドル化ということもございます。また、日本籍船そのものの国際競争力を強化するために混乗の強化ということも努力をいたしておるわけでございます。
 私ども行政におきましても、こういう企業の努力というものが円滑にいきますようにその環境の整備に努める、これが一つでございますが、一方で、企業の経営基盤強化あるいは日本籍船の確保ということを目指しまして日本開発銀行からの長期低利融資を確保すること、あるいは船舶の登録免許税の減免を初めとしました税制上の措置等について今後とも努力をしてまいりたい、こういうふうに考えているところであります。
○泉信也君 この問題は、単なる一船会社の課題というような認識だけでは私は我が国の安定的な発展を図る上に問題があるという思いを持っております。日本籍船の保有ということは私どもの存立にもかかわるような大変重要な課題であると思っておりますだけに、ぜひとも運輸省としてもこの努力をさらにお続けいただきたいと思いますし、国民に対しましてもこうした大きな課題があることを積極的にPRをしていただく必要があるのではないかと思っております。
 さらに、話題を変えますが、同じ円高の中で大きな課題になってまいりました造船業の問題についてお尋ねをいたしたいと思います。
 一時期の造船不況の中から立ち直ったかに見えた当業界が、最近の円高によりましてまたもや苦しい立場に追い込まれようとしておるわけであります。平成五年一月から六月までの受注高を見ましても、ついに韓国に抜かれ、かつては五七%ほどの受注をしておりましたものが、わずか二六%ほどに落ちてしまっております。
 造船業の現状、そしてまた今後の造船対策についてはどのようにお考えでいらっしゃいますでしょうか。
○政府委員(戸田邦司君) 造船業につきましては、今先生からもお話ございましたように、現在大変苦しい状況にあるということであります。これまでのところを見ますと、長い不況にあえいでまいりまして、昭和五十四年に三七%ほどの設備の廃棄をしておりますが、さらに昭和六十二年に特定船舶製造業経営安定臨時措置法、こういう法律の立法をお願いしまして、これに基づきまして設備を二四%ほど削減し、さらに余剰設備の買い上げなどをさせていただきました。こういったこともありまして需給が非常にバランスしまして、その後海運市況の好転もありまして、日本の造船業は非常に順調に経営が安定してきていたということであります。今後の需給問題などを考えますと、これは海運造船合理化審議会その他で検討したところによりますと、大体二〇〇五年ぐらいまでは需給の面では大きな問題がない、これから徐々に一九七〇年代の船舶の代替が進められていくというようなことで、需要はむしろ増加傾向にあると我々は考えております。
 ただ、先生御指摘のとおり、最近の急激な円高によりまして、対韓国などで考えますと約三〇%の価格差といいますがコスト差を生じてきている。これは円高だけでありませんで、韓国のウォンの切り下げなどもありまして、それが両方で効いてきたというようなことで、我が国の造船業というのは世界の能力の約四〇%を占めているわけでありますが、そういう大きなシェアを持ちながら、一方でそういう価格競争力の面で敗退いたしまして、マージナルサプライヤーといいますか、韓国の造船の船台がふさがらないと日本が船がとれなくなってきているというような状況になってきております。
 これからの対応でありますが、我々今考えているところでは国際競争力の回復をいかにして可能にするかということでありまして、これには大体三点あるかと思っております。
 一つは、資材費が非常に高くなっているというようなことですので、資材費の調達価格、これの内外価格差を是正するといいますか、そういったことで海外調達も含め資材費を大幅に削減させる。
 それからもう一つは、生産性を向上させるということでありまして、我が国の造船業は現在世界の各造船国の中でも非常に高い生産性を誇っているわけでありますが、これをさらにコンピューターなどの統合的なシステムの導入などによりまして大幅に生産性を向上させたい。そのための開銀融資制度の活用なども考えているところであります。
 第三点としましては、現在各造船所間での協力関係といいますか、各会社とも設計部門などを独自に持っている。そういったところでの協力、ジョイントベンチャーあるいは何らかの形での協力、そういうようなことによりましてコストを下げていく、こういったことが必要になろうかと思っております。
 一方におきまして、競争力という点から考えますと、技術的な力、技術ポテンシャル、そういったことも非常に重要でありまして、そういった点から考えますと、現在進められておりますテクノスーパーライナーの開発、こういったことが我が国の造船のポテンシャルを引き上げていく、そういう点で非常に重要なプロジェクトではないかと思っております。
 以上です。
○委員長(和田教美君) 時間が来ましたから簡単に。
○泉信也君 造船業界は、今のお話のように新しい取り組みをお願いをいたしたいわけですが、自動車業界と同じように大変すそ野の広い産業でございますので、中小企業対策の意味からもぜひとも安定した造船の技術の維持と、そして安定した産業の活動ができますようにお願いをして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○下村泰君 大臣がおかわりになりましたので、まず大臣に伺いたいんですが、私はもう障害者専門でございます。
 まず、障害者の交通アクセスというものへの対応について大臣の御決意のほどを伺いたいと思います。
○国務大臣(伊藤茂君) 障害者の皆さん、高齢者の皆さん、あるいはまた妊産婦の皆さんとか、ハンディキャップを持たれた皆さんが社会に平等に参加できるようにというのが今日の社会の大きな目標でございますから、やはりさまざまな交通手段についてそれに対応するようこの際積極的に取り組む。来年度の予算の概算要求でも柱にしてやってまいりたいと思っております。
○下村泰君 この交通アクセスの問題は、数年前までは障害者の施策の中で最もおくれていたんです。殊に、運輸省の取り組みも極めて消極的に見えたんです、私には。ただ、この三、四年、担当者の話を伺っていても、やる気といいますか、問題意識を持って取り組んでいるのが伝わってくるようにはなりました。といっても、具体的な成果はまだまだ出てきておりません。出てきていないところか、まだいらいらしております、私は。不満がいっぱいあるわけなんですけれども、当事者の方々からすれば極めて重大な問題が未解決のままなんです。
 大臣は一体この点、交通アクセスの問題でどこが一番問題だと思われますか。この問題意識がきちんとしませんと、幾ら言葉で言っても実行が伴いませんから。どこが一番問題だと思われますか。
○国務大臣(伊藤茂君) 具体的には、車いすを御利用になっている皆さんが私のところにも参られまして、ぜひやはり駅にエレベーターをという強い希望がございます。また、エスカレーターということにつきましても希望はございますが、例えば最近の車いすは電動式になって随分重くなった。エレベーターのない駅では駅員さんが数名がかって運んであげるということになります。今の技術をもってすればもっと軽くて丈夫で便利な車いすの開発とかできるはずだと思いますし、たくさん課題はございますけれども、やっぱり日常目の前のまずこれをやってくださいという御要望の強いものから取り組んでいくということではないかと思っております。
○下村泰君 今のお答えは大変結構なお言葉だとは思いますけれども、だれにでも優しいとかというようなことが大変最近言われているんです。だれにでも優しいと言うけれども、こんなものは当たり前のことなんです、本来は。大体、日本の今までの施策というものは、障害者というのはのけものなんです。もっと極端な言い方をすれば、障害を持った老は遊びにも行くな、どこへも行くな、買い物にも行くな、デパートにも行くなというようなやり方ですよ、今までが。道路一つ歩いても段差があって車いすは動けない。それが現状なんです。ですから、幾ら優しい優しいと言っても、本来はそれが当たり前のことなんです。
 障害児、障害者、難病児、難病者の人々が就労、就学などという基本的な権利を侵害されてきた大きな理由の一つに、この交通アクセスという問題があるわけです。ですから、例えば交通一つ動くにしても、スムーズに動けるならばこの方たちの悩みというのは即座に解消するわけです。駅一つ上がりおりするだけでも大変なんです。ですから、こういった方々をむしろ排除してきたというのが従来のやり方だと私は思うんです。この問題をそういうところに出発点を置かないと、交通アクセスの整備というのが事業者を初めとして社会全体の義務だと思うようにならなければこの問題は解決しないと思うんです。
 これが私の問題認識なんですが、大臣はどういうふうにお受け取りになりますか。
○国務大臣(伊藤茂君) ただいまお話がございましたような気持ちに私も同感でございます。言葉ではなくて、どうやってそういう時代の社会にできることを積極的にやっていくのか、あるいはそういう気持ちにやはり社会全体がなっていただけるようにどうするのかということだろうと思います。
 個人的なことを申しまして恐縮でございますが、私のところでもさまざまな、大都市でございますからいろいろなボランティアのサークルがございまして、そういう方々が障害者の子供さんをお持ちのお母さんと一緒に月に一遍は集まって、みんなでにぎやかに話をしたりしましょうというのもございます。
 それから、一人息子が障害者の担当の多い医者といいますか、医者のまだ卵ですが、についておりまして、また三十年間連れ添った妻がもう二年近く重病で病院におります。病院に毎日のように行っておりますといろいろな方々が、車いすに乗った方、おけがをなさった方、またハンディをお持ちの方、その家族の皆さん、いろいろな方々に毎日のように私はお会いします。
 特に最近、こういうことを皆さんに何かやはり明るさをともにすることができるような、言葉ではノーマライゼーションとか共生の社会とか連帯と申しますけれども、そういうやはり気持ちを一歩でもできるようなことを何とかするのが今日の政治の大きな目標であり、使命であろうという思いを深くいたしております。
○下村泰君 自民党の方が大臣になったときの言葉とは大分違うようですね。
 具体的にお伺いしたいと思いますが、八月にエレベーターの整備指針というのを策定されましたけれども、このことによって具体的にどのような効果をねらっておられるのか。もちろんこれは必要なことですけれども、運輸省の考えをお聞かせください。
○政府委員(秦野裕君) 特に移動制約者の方々から御要望の強い駅の段差の解消の問題でございますが、これは先生御案内のとおり、これまでエスカレーターの整備指針ということでエスカレーターを中心として整備をしてまいったわけでございます。ただ、車いすの利用者の方々あるいは高齢者の方々から、やっぱりエスカレーターでは十分でないというお話もございましたし、またこの委員会でも種々御指摘をいただいたところでございます。
 そういう点を踏まえまして、ことしの八月にエレベーターの整備指針というものを作成をいたしまして、事業者に対しまして具体的な目標を明確に示したというつもりでございます。今後、事業者をこの指針に従いまして指導をしてまいりまして、エレベーターの整備が着実適切に進むように取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○下村泰君 まだ二カ月ですから、そう目に見えて急速にどうのこうのと言うわけじゃありませんけれども、実際にどのようにいつごろ出てくるのかというところが我々は知りたいわけなんです。例えば、東京で言えば新宿、上野、池袋といった、ところがどういうふうに変化してくるのか。
 今月の十一日、車いすの方たちが新宿の西口と東口の両方で、午前中が西口、午後が東口でそれぞれ皆さんがエレベーターをつけてくれという訴えを一日じゅう行ったんです。私もそれに参加しましたけれどもね。
 そのときに、本当に私は大臣にお願いしたいのは、運輸大臣に就任なさるとよく乗るのが山手線ですね。それで通勤状態を味わうというようなことをやるんです。そのときに、失礼ですが大臣は、点字ブロックとかあるいは視覚障害者がこの階段は何番線に行ってどういうふうになるかというような点字ブロックとかというのがありますけれども、そういうのをお調べになったことがありますか。実際に私調べ歩くんですよ、そういうところを。ところが、確かに階段を上がるところの手すりには点字が打ってあるんです。ところが、その途中がないんです。途中にもし階段の上がり口の左側通行なら左側にちょっと手すりをつくっていただいて、そこへ点字ブロックを打っていただくと行く先がわかるんです。階段を上がりかけなければ点字にさわれないんです、新宿は。
 新宿駅の駅員に、ここでは車いすの方たちはどこのエレベーターを使うんだと言ったら、改札口にいるJRの職員はけんもほろろですな。知らないんだ。職員が知らないんですよ、どこにあるのか。今度は助役に聞いたんです。そこを左に行っていただくと右側にありますと言う。私は左に行って右側を見たら、ないんですよ。実にいいかげんなんです、対応が。車いすの方たちにじゃ一体どうせいというんですか。こういうこと。
 大阪の新幹線の駅へおりまして、車いすの方が出迎えに来てくれたんです。どこからおりるんだいと言ったら、ここにエレベーターがある。貨物用のエレベーターですが、それでおりてくる。うっかりおり口を間違えると改札口に出ないんですよ。私なんか一番下まで行って、またもう一回上がって改札口に出ましたがね。
 そういったように、あれだけの大きな駅でさえも車いすの方たちにとっては不便この上ないわけです。そうすると、今こういう施策が出たにしても果たして、新宿、上野、池袋というふうな大きな駅で乗ったりおりたりすることはできるけれども、さあ今度ほかの駅へ行ったらどうなるんだろうかという心配が出てきますね。
 ですから、現在お答えになったようなこの施策がいつごろどういう結果が出てくるのか、それを私は知りたいんですけれども、今お答えは無理でしょうな。
○政府委員(秦野裕君) 先ほど申しました整備指針におきましては、いわゆる新設あるいは大改良をします場合にはこれは当然エレベーターの設置が義務づけになるわけでございます。問題は、今先生が言われましたような既設の駅の改良の場合、新しくつくる場合でございまして、これはやはり御利用の多いところから逐次計画的につくっていくということは当然の前提になるわけでございまして、今先生もおっしゃいましたように、できました指針に基づきまして各事業者の方で具体的な検討を今始めたところでございますので、もうしばらくどうかお許しをいただきたいと思います。
 それから、先ほどお話ございました点字その他につきましては、駅で例えばエレベーターなりあるいは点字ブロックなりあるいはトイレなり、そういうものを整備します場合にモデルと申しますか、こういう形で整備するのがよろしいんじゃないかという一種のガイドラインを設けておるわけでございます。ただ、これが十年前にできましたのがちょっと古くなっておりますので、現在見直しの作業をしておるところでございます。したがって、今お話しのような点も含めてガイドラインの中に新しく盛り込んでいきたいというふうに考えております。
○下村泰君 もっとも、晴眼者の中にはわざわざ点字ブロックをはがすばかがいるんです。この間、東京都庁の中で大分ありましたでしょう。エレベーターの中に点字ブロックがあるのをみんなはがしちゃった。あんなものを家に持って帰ったって何の役に立つかと思うんですが。大根おろしにもなりませんからね、あんなものは。そういうばかなやつがおるんです。
 来年度の概算要求の中で生活基盤整備基金というものが考えられているようなんですが、その内容等を具体的にちょっと教えてください。
○政府委員(豊田実君) ただいまいろいろお話がございましたように、高齢者の方、障害者の方の社会活動に当だって交通機関、特にターミナルにおけるネックと申しますか障害を除去するために、エスカレーターとかエレベーターというような施設を整備するよう努めておるところでございます。
 こういう施設整備につきましてはかなりの資金が必要になるというようなことで、その施設を導入するに当たって安い金利の資金を調達するという手段としましてこの生活基盤整備基金というものを設立しまして、例えば開銀等に対してこの基金から利子補給をするということで低利の融資を確保するとか、あるいは交通事業者が資金調達する際に債務保証をするというようなことで、資金面から今のような施策を支援していきたいと考えております。
○下村泰君 去る十七日の日経新聞にこんなのが出ていたんですが、
  運輸省は高齢者や体の不自由な人が利用しやすい駅を整備するため、JRや地下鉄事業者が新たに建設する駅などにエレベーターや障害者用トイレなどの設置を義務づける法律を制定する方針だ。
 自治省、建設省など関係省庁と調整のうえ、次期通常国会に法案を提出、来年度の施行を目指す。
 新たに制定するのは「高齢者、障害者のための公共交通施設整備促進法」(仮称)。具体的には、新設駅や高架化などの大規模な改良を実施する事業者に対して、@段差解消のスロープかエレベーターを設置するA障害者用トイレを整備するB目の不自由な人向けの誘導ブロックを設ける――などを義務づける。鉄道駅だけでなく、空港やバスターミナルなどを対象にすることも検討している。既存駅についてもエレベーター設置を努力義務にしたい考えだ。こんなような記事が出ておったんです。
 これは本気で実効を上げるためには財源の手当てとか法的裏づけが必要だと思いますけれども、冒頭申し上げましたように、優しさといったような問題ではなくて、本当に厳しい現実に暮らす障害者への責任と義務をどうするのかが問われていると思いますけれども、法制定についてどういうふうにな。っているんですか、御説明をいただいて、大臣のお考えをお聞かせ願えれば幸いです。
○政府委員(豊田実君) 今回のいろいろな対策の中で、今申し上げましたような資金面の話と同時に、いろいろの制度面で工夫をしていくという必要があると思っております。
 今お話しの法律的な措置自体についてはまだ検討中でございますが、いずれにしろ、いろいろな手段を十分検討した上で、この高齢者、障害者のための公共施設の整備が推進されるように努力してまいりたいと考えております。
○国務大臣(伊藤茂君) ただいま御答弁申し上げましたように、下村委員に法律の準備も堂々とやっておりますからと胸を張って言えないのは残念なんですが、ただしかし、何かそういうことが大事だという気持ちで鋭意勉強、取り組みをやっているという気持ちは御理解をいただきたいと思います。
 いずれにいたしましてもやはり、長年おくれてきたという御指摘が前にございましたが、政権交代を機にというわけではありませんけれども、それはそれとして、本当にこれは具体的にできるところから鋭意着手しなければならない。運輸省もそうですが、各省庁協力をして大事な分野としてやらなければならないということだと思っております。そういう気持ちを持って、来年度の予算編成の中でも注目をしてといいますか、大事な点として大蔵省とも交渉してまいりたいと思います。
 またそういうものをベースとして、やっぱり年をとることと病にかかることなどは人類にとって避けられない宿命なんですね。連帯型というと言葉ががた苦しくなるんですが、何かそういう市民のつながりの気持ちを大事にする社会をどうつくるのかという、本当でしたら政治が未来を語る、権威を持ってこれからの社会を語るというのが本当だと思いますけれども、そういうことを広げていくというのが非常に大事なことではないかと認識をいたしております。
○下村泰君 あと、しゃべくると時間をオーバーしますからこれだけでやめておきますけれども、この次の回にまたいろいろとお尋ねすると思います。
 大臣にひとつお願いしたいんですが、この間も盲導犬のことが問題になっておりました。国家公務員等共済組合連合会ですか、ここが全国で六十八の宿泊施設があるんだそうですが、ここを回ることになったある方が盲導犬を連れていいったら、どうにも盲導犬はあかんと言われて、いろいろとお話をした結果、バスルームヘ盲導犬を入れることによって納得してもらったということです。
 すぐこれは大蔵省へかけ合いましたところが、大蔵省では通達を出しました。つまり、盲導犬はペット扱いしてはいけない、これはあくまでも連れている方と一心同体のものであるというふうな趣旨で通達を出してくださったそうですが、もちろんこれは厚生省もきちんとやってくれなくちゃ困るんですけれども、ひとつ大臣の朝お話をするときにでも、関係する省庁の宿泊施設がありますよ、たくさん。ですから、当然運輸省関係の看板を掲げたホテル、旅館もあります。
 私も知らないで盲導犬に声をかけたことがあるんですよ。そうしたら怒られましてね。余計なことをしちゃいけないんですって、盲導犬というのは話しかけたり何かしては。盲導犬は盲導犬なりの訓練をされていますから、一日に何回、つまり便をするとか尿をするとかというふうにきちんと時間を守ってやるそうですよ。ですから、普通の人間よりはむしろ始末がいいくらい。そういう話を聞きまして、なるほどえらい訓練をするものだなと思いました。
 ですから、盲導犬として役に立つまでは相当な費用がかかるそうですよ。そこまで訓練されている盲導犬ですから、ホテルの方も今までのような観念はなくしていただきたい。そういうことをひとつ閣議のときにでもみんなにお伝え願えますか。約束してください、お願いします。
 これで終わります。
○委員長(和田教美君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後四時十分散会