第129回国会 地方行政委員会 第3号
平成六年三月二十九日(火曜日)
   午前十時開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 三月二十九日
    辞任         補欠選任
     三重野栄子君     瀬谷 英行君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         岩本 久人君
    理 事
                石渡 清元君
                岩崎 昭弥君
                釘宮  磐君
                有働 正治君
    委 員
                太田 豊秋君
                狩野  安君
                鎌田 要人君
                久世 公堯君
                関根 則之君
                松浦  功君
                大渕 絹子君
                大森  昭君
                瀬谷 英行君
                三重野栄子君
                安永 英雄君
                長谷川 清君
                山崎 順子君
                続  訓弘君
                西川  潔君
   国務大臣
       自 治 大 臣  佐藤 観樹君
   政府委員
       自治政務次官   冬柴 鐵三君
       自治大臣官房長  遠藤 安彦君
       自治大臣官房総
       務審議官     松本 英昭君
       自治省行政局長  吉田 弘正君
       自治省財政局長  湯浅 利夫君
       自治省税務局長  滝   実君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        佐藤  勝君
   説明員
       厚生省保険局国
       民健康保険課長  石本 宏昭君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○地方税法及び地方財政法の一部を改正する法律
 案(内閣提出、衆議院送付)
○地方交付税法等の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
○地方行政の改革に関する調査
 (地方財政の拡充強化に関する決議の件)
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○委員長(岩本久人君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。
 地方税法及び地方財政法の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案を一括して議題といたします。
 前回に引き続き、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○鎌田要人君 私からは、地方分権に関する事項、それから地方税法等の一部を改正する法律案につきましての若干の質疑を行いたいと存じます。
 まず、第一の地方分権に関する事項でありますが、地方分権に関する自治大臣の率直な御見解をお伺いしたいのでございます。
○国務大臣(佐藤観樹君) 住民にとりまして最も身近な業務というのはできるだけ住民の近いところでやるべきであるという地方自治の思想というのは、地方分権への国民の期待が大きくなるまでにも先輩各位がいろんな形で努力をされてきたことだと思うわけでございます。
 しかし、何といいましても、これだけ日本の経済が発展をしたにもかかわりませず、住民、国民の皆さん方から見れば充実感と申しましょうか、豊かさ、ゆとりというものが感じられないというのは、国を中心といたしまして行政というものが極めて統一的、一律的、画一的ではなかっただろうかという反省のもとに今地方分権の大きな期待というものがあるんだと思っております。
 その意味におきまして、冒頭申し上げましたような、できるだけ住民に身近なところで行政事務をやっていただく、それが総合行政主体であるところの地方公共団体がその担い手になるべきであるということでございまして、国と地方との仕事の役割の分担というのを、国をもっと減らし、そして住民の身近な業務というものを地方公共団体に移していくというのが私は地方分権の根本的なところだと思うわけでございます。
 そのために今後も努力をしてまいりますし、また、東京一極集中ということになって東京にいろいろなものが集中した、これもいい点もございますが、一方では大変な弊害が出てきておるところでございまして、これも別の角度からいえば地方分権ということに通じてくるんではないだろうか。
 そして、地方分権を推進するに当たりまして、今の四十七都道府県、三千三百の地方公共団体というこのあり方自体もいろいろな角度から検討を加えていかなければならぬのじゃないだろうかというふうに考えておるわけでございまして、この一年間というのはその意味では本格的な地方分権の出発点の年にしていかなければならぬという決意でおるところでございます。
○鎌田要人君 そこで、世上、この地方分権の必要なこと、地方分権の有意義なこと、これについて力説されることを聞くのでありますが、その場合に往々にして陥りがちな欠陥というのがございます。それは、地方分権の長所と中央集権の短所とを無意識の間に比較をしてしまうんです。それで、中央集権は悪だ地方分権は善だという議論が、まともな議論としてはちょっと首をかしげたくなることでも、地方分権、中央集権の議論になりますとその議論が大っぴらで横行するということを私はこの五十年の人生において一再ならず見聞しております。このことについてどういうふうにお考えなのか、率直な大臣の御見解をお伺いいたしたいのでございます。
○国務大臣(佐藤観樹君) 先ほどの答弁の中で当面の問題をちょっと落としましたのですが、当面、二十三次の地方制度調査会の答申に基づきますところの地方自治法の改正及び関連法案、つまり中核市制度、それから広域連合制度というものを含めました法案を出させていただきますので、その点もよろしくお願い申し上げさせていただきたいと存じます。
 今の鎌田委員の御質問でございますけれども、国というのは、国というよりも国家と言った方がいいのかもしれませんが、国家というのは国と地方公共団体で成り立っている、行政的にはそう言っていいのではないだろうか。
 その際に地方分権と言いますときに、国と地方との仕事上の役割分担の問題であって、それを戦後五十年近くたちまして、国が統一的にやってきた部分、これは一定の時期、一定の社会情勢、経済情勢のときにはこれなりの私は効果があったと思いますけれども、今や豊かさ、ゆとりというものを感じさせるためには、国のやってまいりましたこの統一性というものの部分についてもっと地域で地域性を持ってやった方がいいのではないか、個性や愛着を感ずるような地域づくりという面の部分については国の権限から地方公共団体に移した方がいいのではないかということが私は本旨だと思っているわけでございます。
 その意味で、国のやるべきこと、外交なり防衛なり、あるいは司法なりその他の問題及び統一的に国民ひとしくやらなければならぬ部分、これはこれとして私は国の役割だと思います。
 一方、地方公共団体の方は、いわば生活にかかわります、地域にかかわります問題というのは地方公共団体により一層範囲を広げてやっていくということでございまして、国が箇所づけなりあるいは細かい補助金なり、そこまでやらなくて、それはむしろ地域を一番熟知していらっしゃる地方公共団体、具体的には知事及び市町村長の方々を中心にしてやる方が、地域名が入ったものというのは一番効率よくまた住民が望むようなことができるのではないだろうかということでございまして、中央集権の短所と地方分権の長所を比べるというよりは、おのおの国と地方公共団体の役割分担、やるべき課題というもの、国はもっと権限を減らして地方公共団体に任せる部分を多くする、そういう視点から私はこの問題を考えていくべきだというふうに思っております。
○鎌田要人君 あなたのおっしゃることは全く我々も同じなんですよ。
 ただ、私がここで言いたいことは、この議論がこの委員会だけで、一歩隣の委員会へ出ますと、総論は地方自治はとうとぶべきだ地方自治は大事だと言いましても、各論になりますと、それじゃ自分の行政を地方自治体にやらせるかということになりますと、さあその段階になりますと、滑った転んだ言って絶対に寸土たりとも渡さないというのが各省庁の実情。そういう状況について、あなたがそこでおっしゃり我々がここで言うことは実に立派なことを言っているつもりなんですが、ただ、それが現実には弊履のごとく投げ捨てられておるということについてどういうふうにお考えなのか。そこのところは、もうそろそろ議論の段階じゃなくて実行の段階だということを私は考えるものですから、その点について自治省を後ろに率いられている大臣の御決意のほどを伺いたいんです。
○国務大臣(佐藤観樹君) 第三次行革審の最終答申の中にも、鎌田委員が今御指摘になっているようなことが指摘をされておりまして、「国の地方に対する不信と地方の国への過度の依存傾向が、地方分権への積極的な取組を妨げる一因となっていたことは否定できない。」ということが指摘をされております。これは一方では、ほぼ五十年間、国が手とり足とり地方公共団体にかなり細かくいろんな指示を出してきたことの裏表であるような気もするわけでございます。
 尽きるところ委員御指摘の問題は私は二つあると思うわけでございまして、一つは、地方公共団体の行政能力につきまして国から見ると不信というか不安というか、これが一つある問題だと思います。二つ目には、各省庁は自分が担っている分野というのを全部細かいところまで一々自分の手に掌握をしようという傾向が今日まではあったといいましょうか、その傾向があるということにいわば集約をされるんじゃないかと思うわけでございます。
 一番目の各地方公共団体の行政能力につきましては、ほぼ戦後五十年間たちましてかなり成熟をしてきているのではないだろうか。ただこれからの場合に、三千三百の地方公共団体というこのサイズというものが大きな権限を国から移譲するときに一体今のままでいいかどうか、これからまたこれはいろいろと議論を必要とすると思いますけれども、個々人のいろいろな意味での行政能力というのは私はかなり向上してきたというふうに考えておるわけでございます。
 二つ目の各省庁が何でも自分のところの権限というものを事細かに掌握してやらせたいというこの傾向につきましては、まさにこれを排除、排除という言葉まで使っていいのかどうかわかりませんが、直していくことが地方分権の最も基本的なところだと思うわけでございまして、第三次行革審の最終答申にもございますように、国は統一的に必要な施策の基本だけを論議して示し、そして具体的な実行については地方公共団体が担っていただくというあり方がこれからの国と地方のあり方の基本ではないかということが指摘をされておりますが、まさにそういう方向でこれからやっていく、これが非常に重要なことではないか。
 あわせて言わせていただきますれば、かなりもう論議としては尽きているのではないか、これから霞が関の各官庁挙げてどうやってこれを実行に移していくかということだというふうに思っておりまして、後で御質問がありますれば具体的に今後の進め方につきまして御答弁をさせていただきますが、私の認識といたしましてはもうそこまできているのではないかというふうに考えております。
○鎌田要人君 私も全く同様です。
 その前にもう一つお伺いしておきたいことは、私も含めてそういう嫌いなしとしないわけですが、地方分権イコール善、中央集権イコール悪、この考え方はどうしても私の胸の中からは抜けないわけです。そこで地方分権をやれば、まさに昔の言葉じゃないですが、王道楽土がそのままでき上がるようなそういう錯覚に陥りがちで、これは私だけじゃなくて、私どもの周りを見ていましても地方自治論者と称せられる人にはそういう傾きがあるんですね。王道楽土論者が多いわけです。労せずして地方自治を言えばそれでいいんだ、こういう考え方の論者が非常に多いように思います。
 その点について、これは自戒の意味も含めて、大臣がそういうお気持ちであるかどうかは存じませんが、私の周りにある人の意見はどうもそういう傾向があるんです。地方自治は労せずして善だ、そういう考え方の人が非常に多いということに対する反省も込めまして、大臣がどういうお気持ちでおられるか、その点をもう一遍お伺いいたしたいのでございます。
○国務大臣(佐藤観樹君) 長く地方自治を担当していらした鎌田委員にぴたりとしたお答えができるかどうかわかりませんけれども、地方分権がこれから各省庁のいろいろな、抵抗という言葉を使っていいのかどうかわかりませんが、中でやっていく、これはある意味では近くは明治維新以来の中央集権できた日本の社会というものを本格的に変えていく私は大変な改革だと思うわけでございます。それをするときに、いいことはかなり誇張してといいましょうか、大きくいろいろな点から言うことはやはり私はあるだろうというふうに思うわけでございます。
 しかし、本質的には委員今御指摘のように、結局、国の役割と地方公共団体の役割との仕切りというものを地方公共団体の方にもっと権限を移していくというものであって、国の統一的にやらなきゃいかぬこと、このこと自体を全否定をするということでは国家は私は成り立たないということをまず一つ考えております。
 それから、地方分権と言うときに、じゃ、ここの委員会あるいは政府として国会として国の権限なり財源というものを審議の上移せばそれですべてが王道楽土かというと、いま一つ大きなものが欠けているんじゃないか。
 それは、地方分権と言うときに、やはり自治体自身が自治の精神を持ち、権限を持ち、財源を持ち、人材を持ってやることはもちろん大事でありますけれども、その中にやはり一番大事な住民の自治と申しましょうか、住民自身が自分たちの自治体は自分たちで運営をするんだ、財源的にも自分たちの税金でやっていくんだ、納税していくんだ、拠出していくんだという、その最も重要な住民自治という観点を忘れてはいかぬのではないだろうか。ある意味では、これは財源論の問題にも結びついていくと思いますけれども、その点がどちらかというと、今団体の自治ということはかなりいろんな意味で言われますけれども、住民自治という点が落ちているというか非常に薄いのではないだろうか。みずからの反省を含めまして、このことを今後の地方分権の中でより大きくしていかなければならないのではないかというふうに考えております。
 ぴたりとしたお答えになったかどうかわかりませんが、こう考えております。
○鎌田要人君 そこで、若干問題の角度を変えてみたいのであります。
 新聞の報道ですので真偽のほどはわかりませんが、行政の縦割りの弊害の除去を図るために、例えば厚生省と労働省を合わせて国民生活省というようなものをつくるという構想が細川内閣のよるべき構想の一つとしてうたわれているようでございます。これは一昨々日の日経新聞でございますかに出ておりました。そういう構想も大切なことであり、検討されるべきことだと思うんですが、私はその前に、国と地方との関係、この問題が新聞記事になることが少ない、それだけ論議されることが少ないということが非常な不満でございます。この点についてどういうふうにお考えになっておられるのか、あるいは国民生活省的な構想をお聞きになられましたことがおありなのかどうか、その点も含めてお伺いいたしたいと存じます。
○国務大臣(佐藤観樹君) あの国民福祉税構想が出されたときに、一体政府自身が血を出し汗を出してスリム化しようとしているのか、そういうことの前提の上に税というものが成り立っていかなきゃいかぬ、国民から見ますとまだまだ国の行政は肥大化しているのではないかということがございますので、そういった意味で中央官庁の行革、統廃合というものもやっていかなければならぬということは間違っていることではないと私も思っておるわけでございます。
 御指摘のような具体的な問題につきましては、与党の方のその部門の協議をする場でいろいろな方がいろいろな各省庁の統廃合というものを考えていらっしゃる段階でございまして、いずれそれは具体的に与党の案として出され、そして政府としてもその対応をしていかなきゃならぬというふうに考えております。
 その際に、今具体的な例を挙げられましたが、鎌田委員が挙げられました厚生省と労働省がただ一緒になるだけではいけない。これはこれなりにスリム化という面ではいいかもしれませんが、それだけではいけないのでございまして、きょう二十一世紀の福祉ビジョンも閣議で決定をされましたけれども、その中で例えば社会福祉の地域福祉の担い手といえば地方公共団体が大きな部分をやっていくわけでございますから、厚生省、労働省が持っておる仕事というものも地方公共団体がかなり担っていく、そういう体制と人材と権限というものについての移譲をしていかなきゃいかぬということもございますので、単なる省庁が一足す一は二になるだけでは意味がないのでありまして、それはそれなりの意味があるにしても、さらにそこにある住民の身の回りにかかわる問題を地方公共団体に移していくということがあわせてなければならぬというふうに考えておるわけでございます。
 このごろその意味でのそういう議論が足りないではないかという御指摘でございますけれども、私は先ほど言いましたように、地方分権というのはある意味では議論はある程度のところは来ているのではないだろうか、むしろ国は一体どれだけのことを最低限やるんだということもある程度いろいろな意見が出てきているのではないだろうか、それ以外は全部地方公共団体が担うということで議論は来るところまで来て、これからどうこれを実現をさせ実行していくかというところではないかというふうに考えておるところでございます。
○鎌田要人君 御趣旨の大綱はわかるんですが、今おっしゃった言葉じりをつかまえるわけじゃないですが、議論はもう尽きて実行の問題が目の前にぶら下がっているんだという認識は、私は国、地方を通ずる行政改革では全く実情に即さないと思うんです。この場の議論は私はおっしゃるとおりだと思いますが、先ほどから言っていますように、一歩出まして隣の委員会に参りますともう全然この場の空気の意見とは違った意見ですから、私はその点は、大臣のお考えは非常に頼もしいけれども楽観的に過ぎるということを御注文申し上げておきたいと思います。
 それで、本論に返りまして、今おっしゃいましたように、国と地方団体を通じまして行政事務が煩雑化しておるあるいは複雑化しておる現状を極力簡素化しまして、住民の日常生活に関係の深い仕事は地方自治体に任せる 国の仕事はよく言われます幣制とか外交とかあるいは全国的にまたがる国土、内政上の問題に限定して、住民の日常生活に関係の深い仕事は地方自治体に任せるべきだというのは、これは極端なことを言いますと、昭和の新制度になりまして私どもも自治省の立場で本当に寧日なくそれを申し上げてきたつもりです。現実には地方行政委員会の中ではその議論は通りますが、一歩隣の委員会に参りますと通りません。その現実を見ますときに、現実と理想との開差というのは非常に大きいということを痛感するわけであります。
 それで、今おっしゃいましたように、もう議論のときじゃない、行動すべきときだということであれば、あなたは非常に私が尊敬する大臣であります、あなたの大臣のときにこの行動を一歩でも二歩でも現実に移してもらいたい。それを特に強く要望する次第でございますが、何かそれに関連して御意見がございましたらお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(佐藤観樹君) 地方公共団体がこれからどういうふうになっていくかという問題になりますと非常に法律的に細かくなってまいりますので、逆に鎌田委員が今言われましたように国がどれだけ担うべきかということから言い、かつ身の回りの問題は地方公共団体にという論議の方が非常にわかりやすい。
 そこで、言うまでもなく第三次行革審の最終答申でも、国は外交、防衛、あるいは全国的に統一的にやる基本的なルールを決める部分というふうな書き方にしてあるわけでございますけれども、その意味では、その統一的に担うところというのがどういう内容を含んでいるか、具体化の中ではいろいろ議論があるかと思いますが、もうこれは大体私は尽きているんじゃないかと思うのであります。したがって これから我々がやるべきことは、国会におかれましても地方分権の決議をされ、また与党の方でも地方分権推進基本法の骨子を今国会中につくろうということでいろいろな角度から研究に取り組んでいただいておられます。
 それから、自治省といたしましても、地方分権の問題になったときに、先ほどもちょっと触れましたけれども、今の地方自治体の大きさ、サイズというものが今のようなありようでいいのかということもございますから、市町村合併特例法、これは御承知のように来年三月に切れるわけでございますので、今後の市町村合併のあり方の問題についてもほぼ一年間研究してまいりまして、これからいろいろな市町村合併のあり方についてさらに研究していくということになっておるわけでございますが、市町村合併の問題についてもそういうことをあれしております。
 それから、二十四次の地方制度調査会もこれから間もなく発足をさせ、これは総理の諮問機関でございますけれども、ここでもいろいろな格好で議論をさせていただきたいと思っておるわけでございます。
 政府の行政改革推進本部、これにつきましても、四番目の課題として地方分権ということで作業部会を発足させようということで、取り組みをより一層強化をしてまいるわけでございます。
 その際に、地方分権の原点と申しましょうか、もうそれは議論は一種いいのではないか。具体的に国がやるべきことの規定を、統一的な基準なり基本的なルールというようなことではなく、さらに具体的なものを限定いたしまして、国がやるべきこと、国がやる方が望ましいこと、この範囲を限定いたしまして、そしてこれをできる限り地方分権推進大綱を政府といたしましては十二月末までに決めようということになっておるわけでございますけれども、もうそこからひとつ出発をしていいのではないか。もう今まで三次にわたります行革審の中で最終答申をいただいておるわけでございます。そこを出発点にしていけばいいのじゃないか。
 その際に、鎌田委員御指摘のように、各省庁もこれを出発点にすることをひとつ御了解をいただいて、そしてどのぐらいのスピードで国の権限というものを地方公共団体に移していくのかというようなことを、これは私は国会の役割というのは非常に大きいと思っております。もう御承知のように、各省庁で政府が成り立っておる、こういう言い方は正しいかどうかは別でございますけれども、それをいわば監視をし監督をしていただくのは国会でございますから、その意味では例えば都市計画の部分、農地法の問題等々、地方公共団体から非常に権限を移してもらいたいという要望の問題についてはむしろ国会の方からいろいろな御意見を出していただく。基本だけは我々の方で政府の方として出しますけれども、具体的な問題の権限移譲についてはひとつ国会の方の御意見も十分出していただく。我々はそれを実行に移していく、それが基本的に政府の役割だというふうに考えておるわけでございます。
 そういう意味で、また今ゼロから地方分権というものを議論する時期ではないのではないか、むしろ第三次行革審で最終答申されているものを具体化をし、それが各省庁認知をしていただいて、総理のリーダーシップのもとに具体的に基本的なことを決め、そして各省庁の権限を地方公共団体に移していくということを国会と一緒にやっていくという段階であるというふうな認識でおるわけでございます。
○鎌田要人君 自治大臣の高邁なる御意見はお伺いいたしましたが、私が言いたいことは、この議論がこの部屋だけで終わってはだめだということを言いたいんです。この大臣の高邁な御意見が国会を支配し行政府を支配しなければいかぬということを申し上げておるわけでありますので、一応この問題につきましては大臣の御決意のほどがわかりましたので、大いに意気壮なりということでエールを送りまして、次に進ませていただきます。
 次は、当面の問題になっております地方税法等の一部改正に関する事項でございます。
 まず第一に、当面の経済情勢に対応するために平成六年度限りの特別措置として個人住民税について定率による減税を実施する、こういうことでございますが、当面の経済情勢は平成六年度限りの特別措置で解消するとお考えでございますか、その点をお伺いしたいのでございます。
○国務大臣(佐藤観樹君) 結論を先に申しますと、平成七年度のありようについてはまだ何らの決定を見ておりません。
 私たちといたしましては、レーガン減税を上回るようなかつてない五兆四千億円の所得税、住民税の減税というものは国民総支出の中に占めます割合からいいましても大変高いものでございますし、今個人消費にも若干の明るさも出てきたという中で、秋ぐらいにはもう少し明るさが増してくるんではないだろうかという中におきまして、この六月に所得税もボーナスでぽんとお返しをする、あるいは住民税についても徴収をしないという形で、六月にひとつ大型のお金が国民の懐に入るという格好になっておりますので、私たちはかなりの効果があると思っております。
 そして七年は、もうある程度景気が上昇気流に乗るのかどうかという見きわめはこれからまだいろいろな要素を見ていかなければならぬのじゃないか。確かに住宅着工なりあるいは公共事業、この部分は着実に出ておるわけでございますが、大きな割合、六割近くを占めます個人消費も明るさは出てまいりましたけれども、まだまだ決して安心できるというものでもございませんし、それから日本経済を引っ張ってまいります設備投資につきましてもまだ少し時間がかかるのではないかということを考えますと、その辺は秋以降の状況を見て七年度の減税をどうするかを考えるということではないだろうか。
 ただ、それまでにこの財源措置、平成六年度の減税をしましたこの財源につきましてもあるいは今国が二百兆、地方公共団体が百兆になろうとするこの借入金の残高をどうしていくのか、地方分権のときに必要なお金をどういうふうにしていくか、こういった財源措置につきまして連立与党の方にも考えていただいておりますので、平成七年の減税というものはそういったことと相まってどうするべきかを考えることではないかというふうに思っております。
○鎌田要人君 そういうお考えでありますと、いただいた資料では「当面の経済情勢に対応するため、個人住民税について平成六年度限りの措置として定率による特別減税を実施するとともに」云々と書いてあるんですよ。いいですか。平成七年度のことは何にも触れておられないんです。また、それは触れるべきじゃないでしょう。そこのところを私は伺っているわけです。
 平成六年度限りの措置としてこの特別減税をおやりになっておる。それ以外は政府としては全く無為無策ですね。と言うとお気にさわって首をひねられるんですが、無為無策なんですよ。それは僕は正直言って、今の国税、地方税合わせまして五兆円余りの減税をおやりになられるその財源対策をどうするかというのは、私ども本当に地方財政の小さい節穴でしか天下を見てない者においては気の遠くなるような数字ですけれども、その数字をどういうふうにして埋められるのか。これはそこで笑い顔で答えられるような問題じゃないと思います。そこのところをくどいようですがもう
 一遍お答えいただきたいと思います。
○国務大臣(佐藤観樹君) 平成六年度限りのというのは、これはいわば平成六年度の予算あるいはそれに関連をいたします法案という限りにおきまして国会に単年度主義で審議をお願いするわけでございますから、当面今議論しますのは平成六年度限り、また住民税減税 所得税減税につきましても平成六年度限りということでこれをやらせていただくということでございます。七年度、八年度の問題につきましては、これはやはりしかるべき時期に情勢を見て考えられることだというのは当然だと思うわけでございます。
 それから財源につきましては、御承知のように、与党の方の税制協議会の中でこれらの財源については考えるということになっておるわけでございますので、当面は借入金をもってこれは賄うということにしているわけでございまして、与党の責任におきましてこれは税制改革協議会の中でいろいろな条件を整えながら、つまり福祉ビジョンの中におきます国民の負担のあり方とか不公平税制の問題とかあるいは消費税の欠陥の見直しとか、そういったようなことを総合的に議論する中でこの財源についても結論をいただく。合意文書におきましては、年内の国会において法案の成立をさせるものとするということになっておるわけでございまして、財源につきましてはそういったことで対処していくわけでございます。
 ただ、これは確かに平成六年度限りということでございますけれども、じゃ直ちに七年度にこの六年度の財源を手当てをするかどうかという問題もまだ確立されたものではないわけでございまして、これまた経済情勢を見ながら対応していくということでございます。
 ただ、税制改革協議会のやっていただく課題というのは、いつからそれを実行するかは別といたしまして、税制のあり方、財源のあり方については協議をして年内に法案が成立するようにするということになっておるわけでございます。
○鎌田要人君 大変私は無責任なお答えだと思うんですよ。
 現実に国税、地方税通じまして五兆円を超える減税が行われようとしている。これは間違いないですね。それに対する財源手当としては何にもない。借金で越えていくだけでしょう。そこのところで今おっしゃることは言葉の上だけの問題でありまして、現実の問題として、それは二円や三円じゃないですよ、五兆円という巨大な金をどういうふうにして穴埋めをしようとしていかれるのか。しかも、来年度もさらに減税をやろうとされるわけでしょう。これはアメリカとの約束になっているんじゃないんですか。お立場はわかりますが、大臣として先のことはわかりませんと言うに等しいお答えでは、これは私は一国の経済を預かり一国の地方自治を預かられる大臣としては適当でないお答えだと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(佐藤観樹君) 繰り返しになりますけれども、確かに具体的にそこにお金があってすればこういう形にはならぬわけでございますけれども、言うまでもなく、税収自身も歳入欠陥が生じているという状況でございます。
 したがって、経済を浮揚させるために景気回復のためにやる減税でございますので、今そこに財源自身が見えるわけでございませんが、これは政府与党の責任において、いろいろな角度、福祉ビジョンなり不公平税制なりあるいは消費税の欠陥なりというようなことも全部含めまして検討の上、財源を見つけるということになっておるわけでございますので、確かに現金がそこにあるわけじゃございません、あるいはそれによって法律的にどのように税制が変わるという意味での担保があるわけではございませんけれども、それは政治的に与党の責任において財源は捻出をするということでこれを実行したわけでございます。
 それから、七年度以降の減税の問題については、与党の代表者会議の合意書にもいつから新しい税ができたときにやるかという問題について「その際、経済情勢、財政事情を勘案しつつ」と、こう書いてあるわけでございまして、先ほどちょっと触れましたように、じゃ平成六年の穴を平成七年の税制改革で穴埋めするのかどうかということにつきましては、これまたそのときの経済情勢、財政情勢というのを見てやるということになっておるわけでございまして、とりあえず平成六年の所得税、住民税の減税によって消費を喚起して景気回復を図っていきたい、財源については与党が責任を持って税制協議会において結論を出す、こういうことになっているわけでございます。
○鎌田要人君 私はここであなたをとつつかまえていろいろのすべての結論をあなたに負わせるつもりはありませんが、早い話が、今のような状況のもとで五兆円余りの減税をやられましても、一年限りということでありますと、これは消費に回るか節約に回るかといいますと、これはもう節約に回ることは間違いないと思います。特に日本の場合には高度成長が続いていますから、経済政策も楽になっていますから、だから私は特定階層の人を別にしますと貯蓄に回る額が多いと思うんです。そうなりますと、経済は縮小再生産の一途をたどるばかりですね。その点も十分に御勘案になられて、ただその日暮らしてはだめだということを申し上げておるわけでございますが、何かそれに関連しておっしゃることがございましたら、お伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(佐藤観樹君) 減税をした場合にそれが消費に回るか貯蓄に回るか、いろいろかねてから議論があるところでございます。しかし今、日本の経済を構成している中で、住宅は年平均百六十五万戸という体制でかなりハイレベルできている。それから公共事業も、国と地方公共団体で借金が多くなってはまいりますが、今景気の下支えをしているという中で、あとやるべきことは個人消費と設備投資だという中で一番大きなウエートを占めます個人消費を刺激するということになると、やはりこれしかないということで実行するわけでございます。
 ただ、それは二年やり三年やれば当然のことながらより一層個人消費を刺激することは間違いないわけでありますが、一方、借金の方も言うまでもございませんがたまってくるわけでございますから、やはりそのあたりは慎重に経済情勢あるいは財政情勢というものを勘案してやっていくのが正しい経済運営ではないかというふうに思っておるところでございます。
○鎌田要人君 この点については幾ら議論をしても水かけ論でありますから 次に進みます。
 個人住民税について定率百分の二十の額をもって特別減税をする、二〇%相当額が二十万円を超える場合には二十万円でとめ置くということとしておられますが、そうなりますと所得割額が百万円の人も二十万円、百万円をちょっと超えても無限大の人も二十万円ということになるわけです。そうなりますと、これはいわゆる悪平等のそしりを免れないと思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(佐藤観樹君) これは細かくは税務局長の方から補足をしていただきますけれども、その部分だけ言えばそういう御議論もあろうかと思いますけれども、一方、金持ち減税につながってくるではないか、いや金持ちの方が消費は多いはずだというようないろいろな議論があることはあるわけでございます。
 しかし、住民税の場合に二〇%で最高額を二十万円とすることによりまして九十何%の納税者を住民税としてはカバーすることになるわけでございますので、財政事情も考えますと二十万というのは適切な数字ではないかというふうに考えてこのようにしたわけでございます。
○鎌田要人君 二十万円という額で九十何%ですか。
○国務大臣(佐藤観樹君) 九七でございます。
○鎌田要人君 九七%ですか。はい、わかりました。
 次に、本年は地方税制改正の日程が大幅におくれております。それへもって三年にわたります固定資産の評価がえの年に当たります。加えて、こうした異例のやり方の減税ということになりますが、その実施に当たりまして市町村の税務執行に過重な負担を強いる結果となるのではないですか。その点についてお答えをお願いいたします。
○政府委員(滝実君) 今回の特別減税につきましては、従来の住民税のこの種の扱いとは違った方式を取り入れているといり意味では市町村の関係の皆さん方が多少の戸惑いがあったと私どもは推測をいたしております。また、時間的に非常に厳しい中での準備をしなければいけない、そういう中でございますので、やりくりにはそれなりの御苦労をいただいていることは、私どももそのような思いをいたしているわけでございます。
 ただ、おかげさまで今のところ、実際やってみますと、この特別減税の仕方につきましてもそれなりに簡便な方式をとらせていただいておりますので、そういうことも相まちまして思ったよりは順調にいっているんだ、こういうようなことも私どもは情報として受けとめております。
 しかし、いずれにいたしましても本格的な作業は四月に入ってからでございます。この法案が成立した段階で地方団体としては直ちに条例の専決処分なりそういうようなフォローをしていただく、それから、それをまちまして四月の初めから当然のことながら本格的にコンピューターの最終調整をするとか、あるいは四月の中旬からはそういうような点検の上でそろそろ納税通知書の実際のコンピューターの打ち出しの準備をするとか、そういうようなことを控えておりますので、これからがいよいよ本番の作業に入っていく、こういう段階でございますから、先生のおっしゃるようにかなりの御苦労をいただいているということは事実でございますけれども、私どもは少なくとも今のところはそういうような準備は順調にいっている、こういうようなことで理解というか認識をいたしているわけでございます。
○鎌田要人君 それで、もう一遍大臣にお答えをいただきたいのでありますが、今回の減税は今議論をいたしましたように臨時異例のものでございますが、連立与党では先ほどおっしゃいましたように今年中に本格的な税制改革について成案を得ることとしているという報道がございます。この点については大臣はどの程度関与され、また御存じか、その点をお伺いいたしたいのでございます。
○国務大臣(佐藤観樹君) 今、大臣という政府における立場でございますので、合意は与党でなされたものでございますので直接的には私は関与していないのでございますが、いやしくも政権を支える与党として天下に公表した合意書ということでございますから、当然その実行を天下に約束したような形でやっていただけるものというふうに考えておるところでございます。
○鎌田要人君 それはおかしいんではないですか。大臣は与党の大臣でありますから、与党の意向を受けて大臣はやはり判断をされ行動をされるんじゃないですか。その点、ちょっとお伺いいたします。
○国務大臣(佐藤観樹君) 当然一の結論を得ればあるいは政府の意見を聞かれるときもあると思いますが、そういったときには当然私の方の意見を申し上げ、かつ与党と政府の間で合意ができればそれに基づいていろいろな意味で施行していくのは当然だと思います。
 今ちょっと御質問を私その前段の税制のあり方の審議の場というふうに受け取ったものですから、そのような答弁をさせていただいたわけでございます。
○鎌田要人君 そこで、連立与党の本格的な税制改革の場で成案を得ようとしておられる考え方は先ほどおっしゃったことの繰り返してございますか、そこのところだけお伺いいたしたいのでございます。
 さっきおっしゃいました明年度以降の税制改革の問題、これについては、連立与党の中で議論をしておられるその結論をもとにしておつくりになるつもりですかということをお伺いしているのでございます。
○国務大臣(佐藤観樹君) 当然、連立与党がいろいろ結論を出すに当たっても、政府の意見を申し述べる機会もあろうかと思います。政府、与党は一体でございますので、そういった意味では我々の方の意見もある程度入れられて、そして一つの成案を得ればそれに基づいて来年度の税制改正あるいはその他のいろいろなこと、減税も含めまして、そういった意味でやっていくというふうに考えております。
○鎌田要人君 そこでまず大臣から、現行地方税制の問題点をどのように認識しておられるか、お伺いいたしたいのであります。
 これは地方税制の根本問題にかかわるわけでございますが、地方税においても、将来を見通した上で本来の地方分権あるいは地方自治のあり方に即した税制が構築されるべきものであると考えております。また、私どもも含めましてそういう意図のもとに税制の構築をやってきたつもりでございますが、いまだ不十分のそしりを免れないことは何よりも私自身が痛感をいたしておるところでございますが、そういうことで、少なくともそれに対して第一歩を踏み出していこうという大臣の強い御意向もあるようでございますので、お伺いをいたしたいのでございます。
○国務大臣(佐藤観樹君) 私は、地方税制の中で最大の問題は、一言で言えば間接税の割合が極めて低い、国が三割に対しましてわずかに一割しかないということに尽きるんだと思っておるわけでございます。歳入の方、税収構造がそうなっているということは、直接税が九割ということでございますから景気の影響というのをもろに受けるということでございまして、今度これが県の段階におきまして法人所得税が非常にウエートが高いということで、県の場合に税収が非常に悪いということにもつながってくるわけでございます。
 一方、支出の方は、言うまでもございません、これは景気変動にかかわりなく住民生活に不可欠な問題ということを取り扱っておるのが地方公共団体の支出の主なるものでございますから、そういった意味ではこの経常的な支出がいわば地方公共団体の支出の基本であり、かつ、これから高齢化社会に向かっていく中におきまして地域福祉、福祉の充実ということをマンパワーとしてもあるいは施設をつくる上においてもやっていかなきゃならぬという需要もまた大きくなってくるわけでございますので、税制構造と支出の間の乖離をどう埋めていくかということになれば、どうしても安定的、恒久的な間接税をウエートとして高くする。そういう税構造に直していきませんとこれから地方公共団体が求められる支出というものに税構造がこたえていかないということになろうかと思いますので、私は最大の問題というのは、この直間比率の間接税のウエートをさらに高める、安定的、恒久的な財源を地方公共団体が持つ、このことが最も重要なことだと考えております。
○鎌田要人君 そこで、今、直間比率の問題、これは私も問題だと思うのでございますが、その問題に入ります前にもう一遍大臣のお気持ちを伺っておきたいと思います。
 今後の地方財政の運営、特に地方税制の将来を考えますときに、地方自主財源の強化、特に地方税源の充実強化の必要性が説かれるのでございますが、現実は他の面と同様に東京一極集中が顕著でございます。でありますから、平成六年度の場合に不交付団体、都道府県の場合でございますと東京都だけのはずでございます。また、市町村の場合も三千余りの市町村のうちその約五%程度ではないかと思います。このような状態のもとで地方自主財源の強化を説かれましても、しょせんは東京都を初めとする不交付団体に財源は集中してしまうということで、このようなことから、地方自主財源の強化と言いましても限られた団体だけの自主財源の強化になって、そのほかの団体についてはまさに二階からか三階からかビルディングの上からの雨垂れみたいなもので、口頭禅に堕してしまうんではないか。
 でありますから、地方自主財源の強化と言われる場合に、漠然と抽象的な言い方ではなくてもっと具体性のある言い方でないと国民はついてこないという気がいたすわけでございますが、この点についてはどうでございましょうか、お伺いをいたします。
○国務大臣(佐藤観樹君) 委員御指摘のように、地方財政におきます地域的な偏在というもの、これも結局よって立つところの間接税のウエートが少ない。逆に言えば、直接税、特に所得課税に偏り過ぎているということがこの根本の税構造にあるためだというふうに考えておるわけでございます。
 したがいまして、やはり所得課税というもののウエートを下げ、そして各地域にあまねく課税される税目が存在します、つまり地域的な偏在性というものを税制にも直していかなければならぬ。そういった意味では、間接税といってもその中の一番高いウエートの消費課税というものを直していきませんと地域的な偏在というのを避けることができないのではないか。
 地方分権を実行していく上におきましてもこのことは非常に重要だというふうに考えておりますので、そういった意味では、今後税目とかあるいは税の仕組みとかこういったもので地域の偏在というもの、つまりその主たる原因であるところの直接税、特に所得課税のウエートを減らして間接税、その中でも消費というものに着目をしていくというウエートを上げていかなきゃいかぬ。こういうことが成って初めて消費と資産と所得のバランスのある税制というものが地方税制の中でも確立をしていくというふうに考えておるわけでございます。
○鎌田要人君 そこで、いよいよ地方消費税の問題に移ってまいるわけでございますが、大臣の地方消費税にかけられる情熱の深さはよくわかりました。私もさきの国会で、今申し上げておりますように地方分権が時代の大きなうねりである、そういうことを踏まえまして将来の地方税制のあり方について質問をいたしました。地方団体からの強い要望が出されております地方消費税の必要性についても指摘したところでございますが、再度お尋ねをいたしたいと思います。
 まず、地方の財源として譲与税よりも地方税という税の方が好ましいとされる理由を改めてお伺いいたしたいのでございます。
○国務大臣(佐藤観樹君) 消費税の場合には譲与税という形でもいただいておるわけでございますけれども、地方自治の本旨というのは、課税権の問題についてはきのう関根委員からもいろいろと御議論ございましたが、課税権の問題もございますけれども、せめて徴収権を持つこと。これは、自分たちの町は自分たちの税金で成り立っているんだということ、まさに住民自治の精神を発展させるためにも非常に重要ではないか。そういった意味では、まず徴税権というものについて地方公共団体が持つ。
 もちろん、それにはその課税額の基礎になるものを一体どうするかということはちょっとわきに置いておきまして、いわば徴税権を持つということが一つは地方自治、住民自治の発展のために不可欠であるという考えに基づきまして、譲与税よりは独立財源としての地方消費税の方が地方分権という大きな流れに沿う考え方であるということでございます。
○鎌田要人君 次に、政府税制調査会の中間答申で、地方消費税の問題点として指摘されていました税の帰属地と消費地との関係、それから国境税の調整の関係、それから納税コストの問題、こういった点について、地方税にすることについては論議の余地があるような表現になっておったと記憶いたします。この諸点についての考え方、また解決をされる方向としてどういうことが考えられるのか、税務局長さんの方にお答えをお願いいたします。
○政府委員(滝実君) 御指摘のよりこ、昨年の十一月の税制調査会の中期答申では、地方消費税に関しまして、今仰せのような諸点につきましてなお今後議論すべきだというような趣旨のコメントがあったわけでございます。
 私どもも、この問題については税制調査会でもそう深く議論はされておりませんので、ただ単にいわば問題点の指摘というような程度にとどまっている段階でございますから、今後こういった点について十分な議論をしていただけるものと、こういうふうに思っております。
 ただ、これは当然のことながら消費税につきましても、あるいはもう少し一般的な表現で申しますと付加価値税全体についても言えることでございますけれども、かつて日本の地方税の付加価値税について答申をおまとめになりましたシャウプ博士がいみじくも言っておられますように、こういった税についてはいろんな態様、いろんな形があるんだ、こういうことを言っておられるわけでございますけれども、地方消費税に関してもそういうようないろんなあり方がある、私どもはこういうような前提で認識をいたしております。
 そこで、今御指摘になりました中で一つだけ例を申し上げますと、いわば議論の一番の問題は何かと申しますと、税の帰属地と消費地との関係がどうだろうかというのが一つのポイントになっているわけです。
 要するに、現在の国税たる消費税もそうでございますけれども、消費税は最終たる消費者が物を買うときに三%の消費税を払うということでございますけれども、その前段階として流通の各段階で実はこの消費税をいただいているわけです。工場から卸問屋におりるとき、その段階で三%をもらい、今度卸問屋から小売商に移るときに三%をもらい、最終的に小売商から消費者に行くときに三%をもらう、こういうような格好になっておりますから、基本的には消費者がこの消費税の最終負担者だ、こうなるわけでございます。
 実際問題として、地方税で税を課しますときにどういうことになりますかと申しますと、例えば北海道の製造業者、北海道のメーカーが宮城県の卸問屋に売るときには北海道でもって三%の税をもらう。それから、今度は宮城県の卸業者が東京の小売業者に売るときには宮城県でその三%分をもらう。それから、東京の小売業者が消費者に売るときには、小売業者が東京でございますから、当然東京都がその三%分をもらう。こういうように各段階でもらうものですから、そのもらう段階ではこれは消費とは関係ないじゃないか、要するに税の最終的な負担者と実際の課税地で食い違いがある、これは少なくとも消費という名前の税としてはそぐわないんじゃないか、こういうような御指摘があるわけでございますけれども、地方税はまさしくそこのところが大事なところでございます。
 例えば、最終的な税の負担者はなるほど消費者でございますけれども、消費者がその商品を買うに当たっては、各地域でその商品をつくり出すまでにいろんなサービスをしているわけです。北海道でもって製品をつくり出すときに、北海道はそこなりに道路とか港湾とかあるいは鉄道とか、そういうような多かれ少なかれ何らかのサービスをしている。それから、宮城県の卸業者がそこでもって卸活動をするためには宮城県のいろんな公共サービスを受けている。あるいは東京の小売業者も同じように東京都のサービスを受けている。
 したがって、サービスを受けているところでもって税がいただける消費税というのはまさしく地方税にふさわしいだろう、こういう見方があるわけでございまして、税制調査会が税制についての問題点をコメントさせていただいておりますけれども、私どもは、それはむしろ地方税の性格をはっきりさせるという意味では大変これからの議論として地方税にとってはまさしくぴたりとするものがあるんだ、こういうような認識をいたしております。
 いずれにいたしましても、この問題は今後具体的な問題としてさらに税制調査会あるいはその他の段階でいろいろ御議論をいただいて、地方税としてふさわしいものに持っていくための知恵を出し合っていただくということがこれからの問題として必要なんであって、要するに少なくとも理論的にこの問題が地方税にとって解決できない問題ではないというふうに私どもは認識をいたしております。
○鎌田要人君 まさにそのとおりでありまして、私も今伺っておって元気が出たんです。
 ただ、今お触れにならなかったですが、例えば国境税としての調整措置の問題とかこういう問題がありますので そういう点についてそごのないような対応をして、国税である消費税と地方税である消費税とが両方存立してちっとも差し支えないと私は思いますので、応援します、大いに頑張ってください。
 そこで、次の問題でありますが、地方消費税について、その導入に当たっては現実の困難と混乱が生ずることも事実だろうと思います。今後、地方消費税の実現に向けまして国民の理解を深めることが基本だと思うわけであります。その点、どのように取り組まれるのか、これは大臣からでも税務局長からでもどちらからでも結構でございますが、締めくくりとしてお伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(佐藤観樹君) 税金は国民に負担をお願いする、いわば納税、納得していただいて納めていただく税ということでございますから、連立与党の代表者会議の合意書にもございますように、なぜそれだけの負担が必要なのか、これから高齢化社会に向かう中での福祉の全体像というものをやっぱりお示しをして、そしてそれは税によるべきものなのか料金によるべきものなのか、こういったことの国民的な合意も得なきゃいかぬと思います。
 それから、国民の皆さんの御負担をさらに重くするという結論になるならば、これは政府自身がかなり肥大化をしておるんじゃないか。先ほどちょっと触れられましたように、行政改革なり省庁の統廃合なり、そういったことに血も出し汗も出しているということが国民の皆さんにわかりませんと、これはまだまだ削るところがあるのではないかということになってくると思います。
 それから、やはり税に対して不公平だという問題があります。それは制度上の問題もございますし徴収上の問題もありましょう。そのあたりの不公平だというものについて逐一我々としてもなくしていかなければならぬというふうに思っておりまして、その辺の不公平な税制のあり方について、これを改善していくことも国民の納得を得る前提としてぜひ必要だと思います。
 それから、消費税自身につきましても、益税の問題とかあるいは逆進性の問題とか、国民の皆さんが思っていらっしゃる不満というのがあるわけでございますので、やはりそういったことについてもこたえていかなきゃならぬ。
 まず私は、国民の皆さんが持っていらっしゃるこういった税に対する不満や不公平性、あるいは税金を使って何をやっているかということについての特に行政のあり方、もっと効率化できるんじゃないかということに対する不満というものを解消していくことが大前提ではないかと思います。
 それから、地方消費税の場合には、何といいましても国民の皆さんにわかりやすい、やりやすい形での地方消費税ということも考えていかなきゃなりませんので、その際に地方の職員の方が課税金額というものをまた新たに計算し直すあるいは調査をし直すということは、これはなかなか納税者の納得が得にくいのではないだろうか。その辺の配慮もしなきゃいけませんし、納税コストというものは極力下げていかなきゃならぬということもございましょうし、そのあたりのことを十分納得をいただく中で、地方消費税というのは地方行政委員会の委員の皆さん方、地方団体関係者はある程度わかっていらっしゃいますが、じゃ住民の皆さん方が一体どれほど率直に言って御理解いただいているかということになると、これまたまだまだ時間がかかることではないかと思います。
 本年、税制改革につきまして大きな議論を呼ぶ中で、やはり地方税源、独立財源という面からも、そういった大きな税制改革の議論の中でこの地方消費税というものはどういうものであるということを十分住民の皆さんにもわかっていただくこともぜひ必要ではないかというふうに考えておるところでございます。
○鎌田要人君 それでは、一応消費税の問題は以上で終わりまして、平成六年度の固定資産税の評価がえの問題でございます。
 現在、各市町村におきまして新評価額が大方確定をいたしまして、四月に入りますといよいよ固定資産課税台帳の縦覧が始まるわけでございますが、今回の評価がえでは評価の上昇はどの程度と見込まれますのか、税務局長にお伺いいたします。
○政府委員(滝実君) 今回の評価がえにおける平均的な上昇割合でございますけれども、現在のところいろんな作業はいたしておりますけれども、各都道府県の県庁所在地の中で一カ所だけ基準宅地というのを選定して、まずそこでもって中心になる地価の評価をする、こういうような仕組みをとっているわけでございますけれども、四十七県庁所在地のこの基準宅地の平均が三・〇二倍、こういうことでございますから、この数字が基本的に今回の評価額の上昇割合の一つの代表的な数字と、どういうことになろうかと思います。
○鎌田要人君 全国平均は三・〇二倍ということでわかりましたが、全国平均というのは、これは固定資産税の評価の場合には何にも意味がないわけです。
 それでは、固定資産税の評価で一番高いところと一番低いところと真ん中ぐらいの一番ボリュームの多いところと、大体の感触をつかむ意味で、その点はおわかりでしょうか。
○政府委員(滝実君) おっしゃいますように、これは平均値でございますから、そのこと自体が決定的な意味を持っていないということも言えるかと思います。
 大体どんな感じかということで申し上げますと、この三倍を中心にして、三倍前後のところが二十カ所ぐらい、そこまでいかずに非常に低いところ、今回の評価額のアップが二倍までいかないというところが四カ所ぐらい、それから逆に少し高いところというのが六カ所ぐらい、こういう感じでございますけれども、やはりさすがに平均値なだけございまして三倍前後のところが半分ぐらい、こういう感じだと思います。
○鎌田要人君 今回の評価がえは土地の評価の均衡化、適正化を図っているわけでございますが、これは固定資産税の評価がえの信頼を維持するのが第一歩と言えます。今後、評価がえの信頼を一層確保していくために、いわゆる路線価等の公開を進め、守秘義務に反しない範囲で評価の結果をガラス張りにしていく必要があるというふうに当局はおっしゃっておられるようであります。
 そこで、平成三年度の評価がえのときには全国の市町村で約四万地点の公開がなされたと聞いておりますが、今回の評価がえにおいては路線価等の公開についてどのような指導を行っておられるのか、また、この点について平成九年度以降の評価がえにおいてはどのように対処していかれるのか、この二点について滝税務局長の御見解をお伺いいたしたいのであります。
○政府委員(滝実君) 平成三年度の場合には、ただいまも仰せのとおり、全国で四万カ所の地点について公開をしてまいりました。
 こういったものは、いきなり公開するといってもその準備が必要でございまして、いきなりでは難しい点もございますので、今度のこの平成六年度の評価がえについては、今申しました基準宅地を含め全標準宅地、これは全国で合わせて四十万カ所あるわけでございますけれども、四十万カ所について公開をする、こういうことを三年前に言ってまいりました。したがって、今回のこの平成六年度の評価がえにつきましては、少なくてもポイント数としては四十万カ所の公開ができるというふうに私どもは考えております。
 次の問題は、次の三年後の平成九年度のことについてもお尋ねがございましたけれども、これにつきましては昨年から既に各地方団体には申し上げているわけでございますけれども、すべての路線価について公開できるように今から準備をしていただくようにということを申し上げておりますので、ここら辺のところも平成九年度はもっと多くの地点が公開できるように、こういうふうに私どもは努力をしてまいりたいと思っております。
○鎌田要人君 しっかり御指導方をお願いいたします。
 そこで、この固定資産税の評価がえによりまして、固定資産税の評価額を課税標準とすべき価格としております不動産取得税、国税では登録免許税について、そのままにしておきますと負担が急激に大きくなってまいります。それに対応いたしまして、宅地評価土地の取得に対する不動産取得税の課税標準は、政府案では、当該取得の時期が平成六年一月一日から同年十二月三十一日までのものに対しては価格の二分の一、取得の時期が平成七年一月一日から平成八年十二月三十一日までのものにありましては価格の三分の二の額を課税標準とすることになっております。
 これに対しまして、私どもは課税の簡素化等の見地から課税価格二分の一ということを提案いたしておるのでございますが、この点についてどうお考えなのか、お伺いいたします。
○国務大臣(佐藤観樹君) 不動産取得税というのは、その税の性格からいいまして、過去一度も評価がえのときに負担調整をするということをやってきたことがないことは委員御承知のとおりでございます。
 しかし、滝局長からも今お話しございましたように、今度の評価がえは大変多くの地点もとり、またバブルの影響等もございまして大体平均三倍程度になるというふうに見ておりますので、昭和三十九年を除きまして今までは二倍程度の伸び率ということで済んでいたわけでございますので、したがいまして、今回、今御指摘をいただきましたような措置を政府といたしましてはとりまして、上昇率を二倍程度に圧縮するように措置したわけでございます。
 ただ、平成六年中の分につきましてはさらにこれを一・五倍程度に圧縮するという措置をしたわけでございまして、大体今までやってまいりましたことの延長線上の措置だというふうに考えております。
 もし自民党さんの提案どおりに三年間全部二分の一というふうにいたしますとしますと、各都道府県によりまして上昇率が違いますけれども、平成六年度から八年までの間の税収が平成五年度の税収に比べまして減ってしまうという団体が生ずるおそれがございますので、私たちとしましては提案をさせていただきましたようなことでいいということで提案させていただいたわけでございます。
○鎌田要人君 これは、物事の考え方の問題だと思います。減税はできるだけその恩恵が広く深く及ぶ方がいいという考え方の者と減税はできるだけ削る方がいいという考え方の者と、絶えずこれは議論になるんです。
 こう言うとあれですが、むしろ社会党さんは野党のときには減税幅は大きく増税幅は小さくというのがモットーだったように思うんですが、まあこれは聞かなかったことにしておいてください。私はこの減税というのは思い切ってやるべきだということを主張いたしておきますので、これ以上深くは追及いたしません。
 次に、長期譲渡所得でその基因となる土地等の譲渡が平成六年一月一日から平成七年十二月三十一日までの間に行われるものに対しましては、道府県民税の所得割に係るものを百分の二、市町村民税の同じく所得割に係るものの税率を百分の四とする税率の特別措置を講ずべきものと考えますが、この点についてのお考えもあわせてお伺いいたしておきたいと思います。
○国務大臣(佐藤観樹君) 今のこの不況の中で、土地の流動化対策、土地税制のあり方ということはいろいろな格好で議論をされてきたところでございます。
 昨年十一月の税制調査会の中でも、景気対策の観点から軽減をすべきじゃないかという意見もございましたが、一方では、これに対しまして、やはり現行の税制の枠組みの基本というのは維持すべきであるというのが大勢であったという税制調査会の答申といたしましては報告が出されておるわけでございます。ことしの二月のものも基調としましてはそういうことでございます。
 したがいまして、その枠内でこの答申に基づきまして私たちの方としては対処をさせていただいたわけでございまして、自民党さんの案の場合には基本のところの三九%の九%の地方の部分を六%にということでございましたけれども、税調の答申もいろいろな角度からの御議論をいただいたことを受けまして現行の枠内の三九%ということについて基本的には変えなかったということでございます。
 しかし、現在の土地をめぐる情勢や経済情勢等をかんがみまして、優良な建築物を建設する事業等のための土地譲渡というものにつきましては五%の軽減税率がされておりますけれども、この適用対象とするところを広げようではないかということで業務用のものを広げたり、あるいは大きく言えば三項目、さらに細かく言えば五項目についてこの適用範囲を広げたということで現在の税制、この土地をめぐる情勢の中でこたえ得ていると確信をしてこのような提案をさせていただいたわけでございます。
○鎌田要人君 もうこれ以上は申し上げませんが、これだけは申し上げておきます。大蔵省の事務当局のおっしゃるとおりにやられるんじゃ政治家は必要ないということだけを申し上げておきます。
 最後に、これも与党間の一部にギャンブル税の構想があると伺っておるのでありますが、このギャンブル税構想についてはいまだ責任ある説明をいただいていないのであります。事地方税について申しますと、まずこの税の有力な一翼を担うと考えられますパチンコにつきましては、従来地方税の娯楽施設利用税として効果を発揮しておったわけでございますが、国税の消費税創設に伴いまして吸収されまして消費譲与税の形で地方に渡されておる。その他のギャンブルについては、地方の公営ギャンブルの財源を侵食するという見地から行われていないのでございます。
 これは自治大臣にお伺いしますが、自治大臣としてこの間の消息について御承知であるのか、また現時点においてどのようなお考えをお持ちか、これをお伺いいたしたいのでございます。
○国務大臣(佐藤観樹君) 基本的には与党の税制協議会の中で議論されることとは思いますけれども、現時点におきます私の考えと申しましょうか、考えというほどまだ深く検討しておらぬわけでございますけれども申し述べさせていただくならば、パチンコにつきましては、委員御指摘のように、平成元年の消費税導入前までは一台二百八十円を娯楽施設利用税ということでいただいておったわけでございますけれども、消費税の中に吸収された格好になっておるわけでございます。
 そして、今ギャンブル税ということが新たな税源ということで話題になっておるわけでございますが、ギャンブルの範囲の中で中央競馬、地方競馬、競輪、小型自動車競争、モーターボート競争につきましては納付金をいただいておりまして、そしてこれはいろんな格好で施設をつくる等々公共的な目的のものに使われておるということでございますので、こういったものとの関係を一体どうするのかということが一つ大きな問題だと思っております。
 それから、私たちの方からいいますと、これはギャンブルじゃございませんけれども宝くじを発行しております。これも御承知のように、その益金につきましては公共施設等をつくるのに地方自治体に分けているということもございますので、やはりこういった既存の制度とのかかわり合いについてどうしていくのか。
 例えばパチンコというものにした場合に、じゃパチンコだけなのかどうなのか、あるいはパチンコの場合には消費税がかかっておりますが、それとの関係はどうするのか、既存の税制とのかかわり合いについてこれをどうしていくのか、ギャンブルといったときにどこまで範囲を広げていくものなのか、そんなような観点から、自治省といたしましてもまだどちらの方向の結論を出したわけじゃございませんけれども、さらに議論が進んで問われた場合には一定の考えというものを言えますようにさらに検討を進めておきたい こういうふうに考えております。
○鎌田要人君 私は今の大臣のお答えがもう少し積極的であることを期待いたしております。
 今おっしゃいましたように公営ギャンブルという言葉が大体おかしいんで、その言葉を私自身が使っておることを反省しておりますが、今おっしゃいましたように、ギャンブル的な性格がどれだけあって、それがギャンブル課税として対象になり得るのか、あるいは公営競技の場合には五%の分がちゃんとあるわけですから、その分に食い込む形になるのか、そういったことも見きわめて、私として希望いたしますことは、地方自治体の財源として確保されておるものは守っていただき、これをさらに拡大していただくということが大臣としての最大のお務めであろうということを申し上げまして、以上で私の質問を終わります。
○有働正治君 今回の地方税法及び地方財政法改正につきまして、我が党は個々の内容に問題点を痛感するものも多々ありますことから衆議院段階では法案内容を分離するよう要望いたしましたが、受け入れられませんでした。住民の減税の要望から見まして、一本化して法案が処理されることから賛成の態度をとるものでありますが、一方、交付税法の問題については討論の中で明らかにすることにいたしまして、本日は法案内容とのかかわりで国保料、国保税について質問したいと考えます。
 この問題は、所管は厚生省でありますが、地方自治体のほとんどと言っていいほど自治体で大きな問題となっているところであります。そういう点では地方自治をつかさどる自治大臣としても解決に当然大きな責任があると考えまして、自治大臣として、国務大臣として幾つかお尋ねする次第であります。
 まず大臣にお尋ねしますけれども、国保料・税を考える場合、創設の趣旨から申しまして、第一義的には国の責任であるというふうに考えるわけであります。これは、創設に当たりましての堀木国務大臣の趣旨説明、あるいは安孫子、梶山、最近では前任者の村田の各自治大臣もそうした点を明確に確認されているところであります。佐藤自治大臣はそのとおりとお考えだと思いますが、いかがでありましょうか。
○国務大臣(佐藤観樹君) 答えを簡単にというのならば、そのとおりでございます。
 もう少し説明をしろというのなら原則を申し上げさせていただきますが、言うまでもございませんけれども、国保制度というのは、各種の被用者保険の適用を受けていない一般国民を被保険者としておりますので市町村営を原則としているものでありますが、その財源は保険料と国庫支出金で賄うことを基本原則としておりますので、国がその運営について責任を有している制度であるという認識に立っておるわけでございます。
○有働正治君 国保法第一条には、「社会保障及び国民保健の向上に寄与することを目的とする。」と書かれています。この目的に照らしますと、国は国保加入者の人たぢすべてに安心して医療を受ける権利を保障しなければならないと私は考えるわけであります。ところが、実態はそうではないと率直に指摘せざるを得ない面があるわけであります。
 例えば高い国保料・税に中小業者から大変悲鳴が上がっています。全商連、全国商工団体連合会が昨年五月から六月にかけまして五万二千人の中小業者を対象に行いました営業と生活実態調査というのがございます。私もお聞きしました。国保料・税を払いたくても払えずに、やむなく滞納している業者が一四・七%、一五%ほどに達しています。そして、国保料・税の引き下げを求めている方々は二一%に上っていまして、消費税廃止という要望に次いで高い要望内容となっています。
 近年、国保料・税は所得の伸びを上回る形で値上げが行われてきています。厚生省の国保実態調査によりますと、一九八四年から九〇年までの推移を見ますと、八四年対比で平均所得指数が一三四に対しまして国保料・税の指数が一三九、所得の伸びを上回る保険料・税のアップとなっているわけであります。九一年に所得の一定の伸びがありましたので、この年は事情が変わりましたが、その後の不況によりまして所得を上回る保険料のアップという実態が進んでいるようであります。とりわけ、保険料が低所得者ほど重い負担となっている。そして高齢化、所得格差の拡大、今日の不況の深刻化の中で抜き差しならぬ状況にきていると私は考えるわけであります。
 そこでまず、厚生省に前提としての事実確認を求めます。
 低所得者の国保保険料・税につきまして、一世帯当たり調定額、年所得二百万円の世帯は保険料が幾らであるのか、年所得二十八万円未満の世帯では保険料は所得の何%相当となっているのか、それから、正規の保険証が渡されずに資格証明書あるいは短期保険証となっているケース、全国の数字をお示しいただきたい。
○説明員(石本宏昭君) お答えいたします。
 平成三年度におきます所得階級三十万円未満及び二百万円から二百五十万円の世帯におきます一世帯当たりの平均保険料調定額及び所得に対する保険料の割合は、平成三年度の実態調査報告によりますと、三十万円未満で二万九千八十四円、対所得比一八・七%、二百万円以上二百五十万円未満の所得の方については十九万八千八百十三円、対所得比八・九%でございます。
 それから、二点目の被保険者資格証明書等につきましてでございますが、国保の保険料の滞納あるいは督促してもなかなかお支払いにならないという方々につきまして資格証明書等を発行しております。この被保険者資格証明書の交付状況は、平成四年六月一日現在で、交付市町村数七百二十市町村、全市町村の二二・一%、対象世帯数三万九千二百七十四世帯、全世帯の〇・二%。それから短期被保険者証の交付状況、同じく四年六月一日現在でございますが、交付市町村数五百七十市町村、全体の一七・五%、対象世帯数六万二千五百九十五世帯、対象全世帯の〇・三%でございます。
○有働正治君 今述べられましたように、三十万円未満世帯は所得の中で一八・七%と二割近い保険料になっています。それから、資格証明書あるいは短期保険証は十万を超えているという状況であります。
 国保保険料・税というのは低所得者ほど負担率としては高くなっている。私は滞納をよしとする立場ではもちろんありません。しかし、滞納者がふえるのもそれなりの背景と理由があるということだろうと思います。政府発表でも十万世帯を超えている。正規の保険証をもらえない、病気になっても医療を受けられるかどうか不安におびえているという状況であります。
 そこで大臣にお尋ねします。
 一九八六年十月二十八日の衆議院の地行、社労の連合審査の中で、当時の斎藤厚生大臣はその当時の保険料負担の問題につきまして、保険料も相当引き上げられて極限に近い状況だと答弁されておられます。現在は事態が進んでいるというふうに私は考えるわけであります。今の国保料・税と住民の負担能力とのかかわりについて問題なしと考えているのか。とりわけ、低所得者には一割から二割近い保険料の率ということで負担能力を大変超えているという状況があると私は考えているわけでありますが、大臣の認識をお伺いする次第です。
○国務大臣(佐藤観樹君) 国保制度は、御承知のように、高齢者の加入者が多いあるいは所得の少ない方の加入者が多いということで、他の被用者保険に比べまして相対的に重くなっているということは私は事実だと思います。
 それから、こういうことで、国保が相互扶助共済の精神に基づく医療保険の一種でありますのでこれに要する費用は加入者が相互に負担すべきものであり、最近のように医療費が年々増加をしている場合に国保税の負担が増加することは避けられないというふうには思いますが、その負担水準のあり方につきまして国保制度全体の中で考えるべきではないか。どこまで負担できるのかということにつきましては今厚生省の医療保険審議会におきましていろいろと議論していただいておりますので、自治省といたしましては、その結果を踏まえて関係省庁とも御協議をして適切な対応をしていきたいと思っております。
 ただ、平成六年度の改正におきまして、低所得世帯の国保税の負担の軽減を図る観点から、所得の合計額が一定金額以下の世帯については応益割の額が減額されることに改正するようになっておりますので、四割軽減の適用を受ける世帯の所得を計算する場合の被保険者一人当たりの加算すべき額を二十三万円から二十三万五千円に引き上げるということにしておるわけでございます。
 いずれにいたしましても、医療保険審議会でいろいろな観点から今の現状について結論を得べく議論していただいておりますので、それに基づいて我々としても対応していきたい、こういうふうに考えております。
○有働正治君 端的に申しまして、ほかの保険等から見て相対的に高くなっているということは述べられたわけですけれども、かなり負担が大きい部分もあるし、十万を超える方々がさきに述べたような正規の保険証をもらえないという、これはやっぱり異常だというふうにはお考えになりませんか。
○国務大臣(佐藤観樹君) したがって、今申しました医療保険審議会の方で議論をしていただいておるその認識の前提がなければそういうことにはならないというふうに考えていただきたいと思います。
○有働正治君 厚生省は、国保予算編成方針で年間保険給付の五%を上回る基金の積み立てをということで指導されています。その結果、一九九〇年以降この基準を大幅に上回る基金が積み立てられています。市町村国保を全国合計で見ますと、一九九一年度では三千四百八十九億円の基金保有額となっています。これは保険給付の五%、二千七百六十三億円を七百二十五億円上回っているわけであります。私に言わせれば積み立てし過ぎだと言ってもいい。九二年度はそれがさらに大幅に増加いたしまして、四千百七十五億円に達したと私は聞いています。
 そこでお尋ねしますけれども、第一に、住民が高い国保料・税に苦しんでいるときに、必要以上の積立金は取りまして国保料・税の引き下げに回してほしいという切実な要望があります。こういう要望に対応することは、私は地方自治の本旨であります住民の命や暮らし、健康を守るという立場からいって当然だというふうに考えるわけであります。厚生省は安易な保険料引き下げに充てるなというようなことは指導しているようでありますが、五%が一つの目安としている以上、実態はそれを上回っているということで五%を超えているようなところは実情に応じて引き下げその他をすることは別に問題ないというふうに考えるわけでありますが、厚生省、端的に答えてください。
○説明員(石本宏昭君) 委員御指摘のとおり、私ども局長通知をもちまして予算編成方針につきまして、平均年額の五%を最低限としてそれ以上の額を積み立て、いざというときの医療費の支払い準備等に充てたらいかがでしょうかという指導をさせていただいておりますが、基本的に今後とも老人を中心に医療費の増加傾向が続きます中で、将来の明確な財政見通しがないまま安易に保険料引き下げというふうなことは適当ではないというふうに考えております。
 また、御案内いただきました相当規模の基金を保有するに至った場合はどうかということでございますが、取りますというふうなときに、やはり十年二十年先を考えます場合に一体何が必要なのかということを考えていただきまして、私どもとしては優先的に保健施設事業に充てたらどうか、また、それを通じて国保財政の長期的な安定に資するような考え方をしてはどうでしょうかという指導をさせていただいているところでございまして、こうした方針を見直すことは考えておりません。
○有働正治君 五%を一つの目安として安易な保険料引き下げはやるなという指導をやっている。私は熊本当身ですけれども、実態は五%を超えて一割、二割、二五%ぐらいの積み立てを実際上あなたたちの指導方針のもとでやられているんです。そういう五%を超えるようなところは非常に深刻な事態になっています。五%を超えているところは、少なくとも五%という一つの基準を示している以上、安易な引き下げとは言えないと思うんですが、どうですか。
○説明員(石本宏昭君) 私ども積み立て規模は五%を最低限としてそれ以上という指導をさせていただいておりますが、各市町村の医療費の動向あるいは国保財政の状況等々を総合的に各市町村保険者で御判断の上対処されるべきものだろうと思います。
 いずれにしましても、保険料の引き下げというふうなものにつながる形でのこの基金の積立金の取りましというものはやはり慎重に総合的によく御判断されて、行う場合はそういうこともあるのかなというふうな印象を持っております。
○有働正治君 市町村独自の判断でやるべきであります。ほかの附則的なものは不要であります。大臣もこういう問題は地方自治体の責任で対応することは当然だとお考えになると思いますけれども、いかがですか。
○政府委員(湯浅利夫君) 国保財政の基盤を安定強化するということは、これは大変大切なことだと思っております。特に国保問題は地方財政にとりましても大変な問題を含んでいるものでございますから、これまで厚生省から御答弁のございましたような基金の扱い方というものが適切ではないかというふうに考えているところでございます。
○有働正治君 地方自治体が独自に判断すべき問題かどうか、それだけ答えてください。
○政府委員(湯浅利夫君) 財政運営はそれぞれの自治体が自主権を持っているわけでございますけれども、国の立場から国保財政というものを健全化するためにこういうことをしてほしいということを厚生省から申し上げているんだと思うわけでございますから、そういう趣旨で地方団体も対応していただければありがたいということでございます。
○有働正治君 大臣、先ほど述べられたように、自治体がいろいろとそれは指導をされている。自治体が独自に判断するのは当然じゃないですか。大臣、一言。
○国務大臣(佐藤観樹君) 今申しましたように、独自の判断でそれじゃ財政が危機になった場合にどうするかということもやはり考えていかなきゃならぬわけでございます。
 何といっても、国保財政の場合には高齢者の方が多い、あるいは低所得者層の方が多いという財政的に極めて脆弱な基盤を持っているというのが国保でございますので、そういったことを長期的な視点、安定的な医療の供給という観点から考えて直接の担当でございます厚生省が指導されているわけでございますから、そういった意味でやはりその指導のもとにやっていただくのが望ましいのではないか。
 ただ、いろいろな問題がございますから、全体的に医療保険審議会でいろいろ根本的なあり方を今検討しているというところでございますので、独自ばらばらということで、確かに基本的には自治体にあるわけでございますが、我々としては住民の方々に安定的な医療を供給する責任もございますから、両省相協力をしながら住民の期待にもこたえていかなきゃならぬというふうに考えておるところでございます。
○有働正治君 最終的には自治体の判断だと、当然国の問題もあるということは言われましたが、厚生省自身が市町村の判断にということを言っているわけです。
 厚生省に聞きます。
 この五年間で国保料を引き下げた市町村は全国で幾つあるのか、年度ごとに数字だけを教えてください。
○説明員(石本宏昭君) 順次申し上げます。
 平成元年度、六十八市町村が保険料・税の引き下げを行っておりますが、二年度百五十七、三年度二百五、四年度三百四、五年度二百四十三でございます。
○有働正治君 今のを計算いたしますと九百七十七の自治体になります 全国の自治体の三分の一近くにも達するわけです。過去七年間で見ますと、一千自治体を超えて一千七十九自治体ということになります。
 先ほど厚生省は、基金を取ります際、優先的に保健施設費に充てるというふうに述べられましたが、安易な保険料引き下げには充てないと指導しているわけでありますが、私は画一的にやるべきでないというふうに考えるわけであります。
 例えば石川県の松任市では、国保会計の積立金が三億五千万円ありましたが、そのうち二億円を取りまして建設費総額十億円近い温泉施設をつくっています。二億円の基金を五千七百八十世帯に当てはめますと、一世帯当たり三万四千円の国保料・税の減免ができる金額でありまして、そのことを強く求めているという状況であります。
 したがいまして、こういう深刻な国保料・税がある場合には一律に施設に充てる等画一的な指導をやるべきではない、その自治体の判断等も考慮すべきであるというふうに私は考えるわけでありますが、この点はいかがですか。
○説明員(石本宏昭君) 誤解のないように一言申し上げておきますが、保険料・税引き下げは各年度ごとの数でございまして、累積がいかなる意味を持つのか私はよくわかりません。
 それから、先ほどの石川県の温泉施設のケースでございますが、なお詳細を承知しておりませんけれども、それがいわば被保険者の健康教育あるいは被保険者の保健施設事業として真に適切なものであれば基金を取りまして充てることもあり得るものかと考えております。
○有働正治君 私も一律にこういう施設を否定するというわけではありません。しかし、こういうのは一般会計で充てるとか、少なくとも国保会計として積立金を取りまして行う場合にはこういう保険料引き下げ等にも配慮すべきだということを強く主張しておきます。
 ところで、先ほども大臣お話しございましたけれども、現在政府は問題が多々あるということを前提に医療保険審議会で検討中だということのようであります。その課題の一つはやはり低所得者対策だというふうに私は聞いています。その点で国保制度の改革が必要なことは、自民党政府時代の臨調行革によって切り下げられました国庫負担金の問題があるわけであります。
 歴史的に見ますと、一九六二年度の社会保障制度審議会の答申、国保は企業主負担がなく低所得者が多いことから相当の国庫負担が必要である、こういうことを明記いたしました答申を受けまして、一九六六年度に国庫負担率が四五%に定められたという経緯があります。こういうふうに引き上げてきた。ところが、八四年に国庫負担率が四五%から三八・五%へと削減されて、これを契機に各市町村での国保財政悪化に拍車がかかり、保険料の引き上げが各地で相次いで大問題になっているというふうに私は承知しています。
 そこで、厚生省に事実確認を求めます。一人当たりの保険料が当時と今日では幾らから幾らになっているのか。同じ時期の比較で収入に占める国庫支出金並びに保険料の割合、ウエートはどのように変化しているのか、数字だけお示しいただきたい。
○説明員(石本宏昭君) 昭和五十九年に医療保険制度の全体的な改正がございまして、その影響が出ておりますのが昭和六十年度でございますので昭和六十年度と平成四年度とを比較させていただきますと、保険料の対全体の収入比は三五・九%、国庫支出金は四六・〇%でございまして、ちなみに総収入が四兆八千六百四十六億でございました。平成四年度総収入六兆五千七百五十六億でございますが、そのうち保険料・税の全収入に占める割合が三七・五%、国庫支出金が三六・五%でございます。
 なお、国庫支出金が割合として若干減しておりますのは退職者医療制度の創設に伴いまして退職者が増加してきたということがございますが、一般被保険者に係ります国庫支出金割合は当時と変更はございません。また、国庫支出金の額そのものとしましては、これまで一貫して増額が行われております。
 それから、世帯当たりの保険料でございますが、六十年が十一万二千六百円、所得に占めます保険料の割合は六・四八%、平成三年度世帯当たり保険料は十四万八千六百円、対所得比は五‘六四%ということでございます。
○有働正治君 保険料も相当高くなっているし、国庫支出金はやはりウエートとしては減っているし、保険料の収入の中での占める比率が上がっていること、これはいろいろ理屈は言われましたけれども明白なんです。それから、低所得者層の増加も非常に進行して、職業別世帯数の構成割合を見ますと非常に高くなってきています。私がさきに述べました一九六二年の社会保障制度審議会の答申、国庫負担の拡大の内容を示して、これを受けて政府が実施した市町村国保への国庫負担率の拡充措置の持つ意義というのは、今日これだけ大きな問題になっている中で改めてこの問題が重要で緊急になっているというふうに私は考えるわけであります。
 そこで、国務大臣としての自治大臣にお尋ねするわけでありますが、住民の保険料負担の引き上げ、滞納者に対する保険証取り上げという相互扶助を基本とした住民犠牲の方向では国保財政の矛盾は深まるばかりだと私は考えるわけであります。憲法と国保法本来の趣旨に基づきまして、社会保障制度として国の責任と負担を強化するということこそ国保財政の危機を打開する根本的な方向だと考えるわけであります。
 例えば国保新聞をひもといてみますと、市町村の関係者からもそうした声が非常に強く出されています。とりわけ、政府管掌の健康保険あるいは組合健保などの負担割合というのは保険者、被保険者が五分五分ということになっている点から見ても、また先ほど来述べています高齢者を多く抱えている実態等々から見ましても、国の負担率の引き上げというのは国民から十分納得が得られる、合意が得られるものだと私は考えるわけであります。我が党としては、当面もとの四五%に回復させて、将来は五割に引き上げるべきだというふうに考えているわけでありますが、これについて積極的な対応を求めるわけであります。
 時間がありませんので、大臣、端的にお願いします。
○国務大臣(佐藤観樹君) 繰り返しになりますが、御指摘のように国保の場合には、加入者の方に高齢者が多いあるいは低所得の方が多いということでございますので、財政基盤が脆弱であるということが絶えず問題になり、その運営の安定化に常に心がけてきたところであります。したがいまして、真の安定化のためには医療費の高騰というものを一体どういうふうにしていくべきなのか、あるいは医療保険制度におきます給付と負担のあり方という根本的な基本的な問題を解決していかなきゃいかぬということでございますので、本来国において適切な対策が講じられるべきである問題だと考えています。
 したがいまして、既に医療保険審議会で負担のあり方について検討が開始をされておるわけでございまして、自治省といたしましても国保問題の根本的な解決に向けまして関係省庁とともに検討を進めてまいりたい、こういうふうに考えておるところでございます。
○委員長(岩本久人君) 有働君、簡単に。
○有働正治君 一言だけ。
 その検討の中に当然国庫負担問題も加味されるということだと思うんですけれども、その点だけ、大臣。
○国務大臣(佐藤観樹君) 被保険者がどういう格好でどれだけ負担をすべきかという問題、それは当然入ってまいりますし、国保の問題も当然その中で入ってくる その中でといいましょうか、審議会の中での御議論になる、これは当然だと思います。
○有働正治君 終わります。
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○委員長(岩本久人君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、三重野栄子君が委員を辞任され、その補欠として瀬谷英行君が選任されました。
    ―――――――――――――
○西川潔君 どうぞよろしくお願いいたします。
 今回、連立政権といたしまして初めて地方財政計画を策定されたわけですが、現在財政状況が非常に厳しい中でございますが、細川政権としてのカラーを出すにも大変な御苦労があったと思うわけです。
 そうした中で、昨日お伺いいたしました大臣の概要説明の中でも、「生活者、消費者の視点に立った」という言葉で表現されておられます。財政状況が厳しい中ではあるわけですが、やりくり次第ではこういう新しい内容もできたというふうな細川政権としてのセールスポイントなどをまず最初にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(佐藤観樹君) 地方財政の円滑な運営のためには何といっても地方交付税の金額というものを確保するということが非常に大事でございますので、借金まみれではないかという御質問もいただきましたけれども、私どもとしては十五兆五千億円の地方交付税、前年より若干多いということ、それから景気対策というものを配慮いたしまして地方単独事業十八兆六千億ということで、これまた一二%の伸びということで、地域経済を支える地方公共団体の役割というものを十分考えるということであります。
 それから、支出につきましても、今日までいろいろな格好で国際化の問題等もやってまいりましたが、山村あるいは漁村対策、あるいは森林対策というように大変各地方公共団体から喜ばれている問題もございますし、きのうも御質問の中にございましたけれども、都市における地下鉄というのは大変国の投資額が少ないものですから建設がおくれてその間結局金利負担に追われてしまうという状況になっておりますので、これも地方公共団体がやりやすいように第三セクターのものを許しましたし、あるいは地方単独事業として地下鉄等もやれるようにするというように、生活者、消費者重視という観点から、その視点を十分踏まえて地方財政計画をつくった次第でございます。
○西川潔君 そして、財政局長の補足説明の中では社会福祉関係を充実するというふうにおっしゃっておられました。
 昨年の暮れあたりからでございますが、報道記事などを読ませていただきますと、大蔵省は来年度の地方財政が厳しい状況に置かれるために地方財政計画の歳出を厳しく抑制する考えである、特に国庫負担を伴わない一般行政経費の圧縮、そしてまた福祉施策の単独事業に充てられる社会福祉系統も抑制対象とする方針であるという内容を大分目にいたしました。福祉をやる人間といたしましては大変心配でございまして、陰ながら自治省頑張ってくれというふうにお祈りしておったわけですけれども、自治省といたしましては近年この社会福祉に大変力を入れておられまして、毎年度二けた前後の伸び率を示すなど、この点を高く評価する声を私もたくさん耳にいたします。
 来年度の伸び率は約八%増と今年度の伸び率より下回っていることは財政状況が厳しい中やむを得ないと思うわけですが、その分内容の充実が注目されると思うわけですけれども、このあたりについて御説明をいただきたいと思います。
○政府委員(湯浅利夫君) 明年度の地方財政計画の中で、社会福祉系統の経費につきましては御指摘のように八%の伸びを確保したところでございます。地方財政計画上では、社会福祉系統ということで一括計上したわけでございますけれども、この数値を受けまして、地方交付税の基準財政需要額を算定するに当たりまして今御審議いただいております交付税法の単位費用の積算の内訳の中でいろいろな福祉施策の内容を充実させていただいているところでございます。
 具体的には、ホームヘルパーの活動促進事業でございますとか老人の在宅福祉対策とかあるいはマンパワーの確保対策など、そういうものについての単位費用の積算基礎を充実して計算をするというようなことをやっているわけでございます。
○西川潔君 また、平成三年度から地方財政計画で計上されてきました地域福祉基金について来年度の積み増しが見送られております。
 この地域福祉基金につきましては、自治体においても積極的な基金の積み立てが行われ、この運用益によりましてそれぞれの地域の実情に応じた福祉事業を今まで展開してこられたわけですけれども、我々身近な福祉をやっておる人間といたしましてはかゆいところに手が届く福祉といいますか、本当に身近な福祉事業の推進に大きな成果が上がっております。いろいろ我々現場を回らせていただいてもそうですけれども、子供からおじいちゃんやおばあちゃんに至るまで大変皆さん喜んでおられるわけです。
 来年度についてこの基金の積み増しを期待しておった自治体も少なくなかったと思うわけですけれども、来年度この地域福祉基金が廃止されるに至った経緯をぜひお伺いしてみたいと思います。そして、今後どのような方向で取り組んでいかれるのか、僕らも細かい福祉をいろいろやらせていただいておるんですけれども、この部分もしっかりと御説明いただきたいと思うんです。
○政府委員(湯浅利夫君) この地域福祉基金は、地方財政計画で平成三年度、四年度、五年度の三カ年にわたりまして総額で九千六百億円の措置をしたところでございます。これを措置することによって各自治体にこういう基金を積んでもらって、その運用益によりまして今御指摘のようなきめの細かい地域の実情に合った福祉施策をやっていただこう、こういう期待でこの経費を算入したわけでございます。この措置を受けまして、地方団体では平成五年度末の見込みで約一兆一千億円の積み立てが行われたというふうに調査結果が出ているところでございます。
 それで、一応この一兆円という規模のものが積み立てられたものでございますので、これを一つのベースにいたしまして自主的にいろいろな施策が展開できるんじゃないだろうかというようなこともございますし、また財政状況も極めて厳しいということもございまして、当面この一兆円余りの積立金を運用することによりましてきめ細かな福祉施策をやっていただこうか、また、これに先ほどお話しございました社会福祉系統の経費を八%増額いたしましたから、こういうもの等をうまく使っていただくことによって当面の福祉施策は充実できるんじゃないだろうかというふうに考えているところでございます。
 今後の方向につきましては、この福祉基金のこれからの運用状況あるいは財政状況等をよく検討いたしまして今後の方向というものを詰めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○西川潔君 ぜひまたよりよい方向に向けていただきたいと思います。
 次に、地方交付税の算定基準の見直しにつきましてお伺いしたいと思います。来年度の交付税額の算定基準に高齢者保健福祉費という項目が新たに設けられております。その理由と内容についてお伺いいたします。
○政府委員(湯浅利夫君) 地方団体は、これから高齢化社会に対応いたしましていろいろな高齢者に対する対策を行っていく必要があるわけでございますが、そのためにはそれに必要な財源というものを的確に措置する必要があるだろうというふうに考えております。
 従来ももちろん高齢者対策につきましては、福祉に関する部分については社会福祉費、それから保健医療に関する経費につきましては保健衛生費という費目で措置をしたわけでございますが、これは測定単位を人口でやっておりました。人口でやっておりまして、そしてこの高齢者人口で複雑な補正をかけてその地域の実情に合うような基準財政需要額を算入していったわけでございますけれども、だんだんと経費が大きくなってきておりますので補正で対応するには限界が来たんじゃないだろうか。
 むしろこの際、社会福祉費なり保健衛生費の中に算入されております高齢者対策分についてはそれを取り出しまして、一つの費目を独立させて、そして測定単位も人口ではなしに高齢者人口、六十五歳以上の人口というものを測定単位にすることによりましてその地域地域のこういう経費についても的確に算入することができるんじゃないか。この経費はこれからも充実していかなきゃならない経費でございますから、複雑な補正をかけるというよりも経費をきちんと独立させて、そして具体的な内容というものが単位費用ではっきり見えるようにした方がいいんじゃないか、こういう趣旨で今回改正をさせていただきたいと思うわけでございます。
 これから高齢者の保健、医療、福祉というものを一体的に実施していくという上におきましても、この経費を独立させるということは意義があるものではないかというふうに考えているわけでございます。
○西川潔君 各自治体では高齢化を背景に既に相当な高齢化対策に取り組まれておるわけです。
 そこで、そうした中で例えば私の地元の大阪では、大阪府の高齢化率というのは全国で四番目に低いわけなんですけれども、今回のこの見直しによりまして今までの取り組みに支障が生じるようなことがあってはならない、こういうふうに思うわけですけれども、この点を自治省といたしましてはどういうふうにお考えなのか、お伺いしたいと思います。
○政府委員(湯浅利夫君) 高齢者保健福祉費等の主体というものは高齢者に対する施策の充実のための経費でございますから、これを的確に算入するためには、高齢者の人口というものを基準にして需要額を算入するということが最も的確に算定できるのではないかと思うわけでございます。
 御指摘のように、高齢者の比率の低い団体につきましても従来からこの社会福祉費なり保健衛生費の中で措置をしていたわけでございますから、このレベルを落とすということじゃないわけでございます。これをベースにしてこれから充実していこうということでございますから、そういう地域はそういう地域なりに今後も取り組みができるような財源措置というものはやっていかなければならないというふうに考えておりますので、この点の御心配はまずないんじゃないかというふうに考えておりますけれども、よくこの点は注意をして運用してまいりたいと思います。
○西川潔君 安心をいたしました。それでは安心をして次に移りたいと思います。老人保健拠出金の算定に用いる老人加入率の上限の問題について、今度は厚生省の方にもお伺いをしたいと思うわけですが、昨年の十二月十五日にまとめられました老人保健審議会の意見書の中で、医療費拠出金の老人加入率上限二〇%問題について提言がなされておりました。その内容と、現在この点についてどのような問題が生じているのか、昨年示されました国民健康保険中央会の調査結果も含めまして御説明をいただきたいと思います。
○説明員(石本宏昭君) 西川委員御指摘のとおり、昨年の十二月十五日に老人保健審議会の意見書の中で、医療費拠出金の老人加入率上限二〇%問題についてま、今後速やかこ関係者間で協議の場をつくって幅広く議論を進め、国保制度の動向も見つつ具体的な対策を講じることが求められるということが指摘されておりまして、そういう方向で現在事務的な準備にかかっておるという状況
 でございます。
 なお、老健拠出金の二〇%問題は国保にどう影響するのか、また中央会の資料はどうなっておるかという御指摘でございますが、御案内のとおり、老健拠出金の算定に際しましては、個別の保険者について極端に大幅な調整を避けるという観点から、七十歳以上の方々の加入率が幾ら多くても二〇%ということで上限を設定しているところでございます。
 しかしながら、他の健保組合あるいは共済組合に比べまして加入者の高齢化が進んでおります国保におきましては、平成三年度でこの加入率二〇%を超えます国保の保険者は千五百二十一保険者に達しておりまして、この二〇%を超えたところが財政を圧迫している保険者も多いということで、国保関係者からは上限措置の撤廃が強く要望されているところでございます。
 なお、国保中央会は平成四年度の資料をとっております。その中で、この二〇%を超える市町村国保保険者数は千八百、それから拠出金の影響額、いわば二〇%上限がなかりせばどういうことになるかという影響額を約七百億円と試算しているところでございます。
○西川潔君 そこで、老人加入率が上限を超えている市町村に対しましてはどのような処置が今まで講じてこられたのかというのを厚生省と自治省にお伺いしたいと思います。
○説明員(石本宏昭君) 昨年度の平成五年度の国保制度改革におきまして、平成四年の暮れに自治、厚生、大蔵三大臣合意がございまして、この中で老人加入率の上限措置二〇%の影響について、この問題に対する制度的な対応が講じられるまでの間の当面の措置として、老人保健拠出金に対する影響分の四分の一つまり半分が国庫負担でございますので、残りの保険料負担部分のその半分を調整交付金によりまして補てんするという措置をとっておるところでございます。
○西川潔君 そこで、今後の最大の課題は国保側と被用者保険側との意見調整だと思うわけですけれども、これまでその両者というのはどういう見解を示しておられるわけですか。
○説明員(石本宏昭君) お答えいたします。
 先ほど申し上げましたとおり、これから老人保健審議会におきまして幅の広い御議論、御意見を賜りながらこの問題について積極的に解答を出していくという姿勢でございます。
 国民健康保険サイドにおきましては、先ほど申し上げましたとおり、この二〇%上限の存在が老人医療費の公平な共同負担という老人保健法の趣旨を実質的に損なっている、また該当する市町村の国保財政に甚大な影響を及ぼしておるということから、早急にこの措置は撤廃すべきであるという意見でございます。
 他方、健保組合を中心とします健康保険サイドは、二〇%上限の設定は加入者按分率など老健拠出金のあり方に関するほかのルールと一体的に設定されたものでありますことから、二〇%問題のみを取り上げて撤廃を論じることに強く反対をしております。
 こうした両者の意見を調整するために、今後とも老人保健審議会におきまして幅広く議論が進んでいくことを期待しているところでございます。
○西川潔君 大変不安で心配で、皆さん方大変な問題であります。
 この老人保健審議会の意見書では「今後速やかに関係者間で協議の場を作り、幅広く議論を進め、国民健康保険制度の動向も見つつ、具体的な対策を講じることが求められる。」、こういうふうに提言されております。また、大蔵、自治、厚生の三省は国保制度を平成七年度から抜本的に改革することを了解しているという報道を僕も読ませていただきました。
 今後、この問題解決のためにはどういった具体策が望ましいと考えておられるのか、厚生省には後日予算委員会等を通じて詳しく御説明をいただきたいと思うんですが、本日は自治省に、地共済としてどのようにお考えであるかも含めまして御見解をお伺いしたいと思います。
○政府委員(湯浅利夫君) 財政局としては、国保財政を健全化したいという立場と、それから地方公務員の共済制度もまた健全な運用をしてもらいたいという両方の立場がございまして、国保の苦しいところを聞きますと、これは何とかこういう問題、二〇%も撤廃できないかと思うのでございますけれども 今度は片一方の地共済の立場に立ちますと、これをやると今度は財政の運用がうまくいかなくなるとか、なかなか難しい選択だというふうに考えております。
 先ほど先生も御指摘のように、老人保健審議会でいろいろ今御論議をいただいておりますので、何かいい解決策がないかということで今まだ思案投げ首というところでございます。両方が何とかうまく折り合えるような解決ができないかということでこれからも努力をしてまいりたいと思っております。
○西川潔君 本当に難しい問題でありますが、今この時点で質問をするという自分自身も何か大変不安な状態です。でも、人間といたしまして死はだれにでも訪れてまいりますが、やっぱり老後の不安な生活というのが一番寂しいかと思います。それぞれ省庁は大変でしょうが、どうぞいい方向に向けていただきたいと思うわけです。
 これからの超高齢化社会を迎えるに当たりまして、その必要となる費用をだれがどのように負担していくのか、そしてその仕組みはどのような姿が望ましいのかということを大きなテーマとして国民一人一人が考えなくてはならない大変重要な時期にあるわけです。地方自治を預かる佐藤自治大臣といたしましては、この問題をどのようにお考えであるか、難しい答弁になろうかとは思いますが、お聞かせいただいて、最後の質問にしたいと思います。
○国務大臣(佐藤観樹君) 御指摘のように、大変難しい幅の広い問題でございまして、きょう閣議でも厚生省の方から、厚生大臣の私的諮問機関である二十一世紀の福祉ビジョンのあり方につきまして一定の見解が出されたわけでございますので、そのあたりを十分勘案しながら、かつ国民が一体どのくらいの福祉の水準を望むのか、それを負担するのはどうすべきなのか、そういった観点から受益と負担の関係というものはいろいろ考えていかなきゃいかぬ、また国民の皆さんの御理解もいただかなきゃならぬということでございまして、そういった意味では、税の政策としてどうあるべきなのか、社会保障の観点からどうなのか、あるいは財政がどうそれに対応すべきなのか、そのあたりが総合的に検討していかなきゃいかぬことだと思っております。
 それで、今度の与党の税制改革協議会の中でもそのあたりの一定の方向を出す中で、税制協議会でございますので、税につきましてはどうあるべきか、社会福祉についてはどうあるべきなのか、国民負担のあり方をどうすべきなのか、そのあたりを総合的に勘案していくテーマだと思っております。一自治大臣としてこうだというよりは、やはり国民的な合意なくしてこの高齢化社会というものをいい意味で過ごすというわけにはいかぬわけでございますので、そういったあらゆる観点から国民の合意が得られるように我々としても対応していきたいというふうに考えております。
○委員長(岩本久人君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 地方税法及び地方財政法の一部を改正する法律案の修正について石渡君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。石渡清元君。
○石渡清元君 私は、自由民主党を代表いたしまして、ただいま議題となりました地方税法及び地方財政法の一部を改正する法律案に対する修正案の趣旨につきまして御説明申し上げます。
 我が国の経済が最長、最悪と言われる不況から依然として脱却できない原因の一つとして土地取引の停滞が挙げられております。このため、景気対策の観点から、税制面を中心に土地の流動化を促進するための積極的な施策の展開が求められておりますが、今次税制改正における措置では極めて不十分であります。
 まず、現行の土地の譲渡益に対する課税は、平成三年度に地価高騰に対処するためとられた極めて高い税率がそのまま残されております。土地取引の実態について見ますと、平成三年の土地の譲渡所得は十八兆円だったものが、翌四年には七〇%も急減して五兆四千億円となっております。これは土地の譲渡所得に対する重課によるものであります。
 また、固定資産税の評価額引き上げに伴い、この評価額を課税標準とする不動産取得税の税額が急激に上昇することに対し、今回の政府の改正案ではそれぞれ負担の調整措置をとることとしておりますが、土地取引の活性化が重要な課題とされている今、思い切った対策が必要であります。
 次に、修正案の内容について御説明いたします。
 第一は、不動産取得税の特例についてでありますが、宅地評価土地の取得に対して課する不動産取得税の課税標準を、その取得が平成六年一月一日から八年十二月三十一日までの間に行われた場合に限り、価格の二分の一の額とする特例措置を講ずることといたしております。
 第二は、長期譲渡所得に係る道府県民税及び市町村民税の課税の特例についてでありますが、長期譲渡所得でその基因となる土地等の譲渡が平成六年一月一日から平成七年十二月三十一日までの間に行われたものについては、道府県民税の所得割に係る税率を現行の百分の三から百分の二に、また市町村民税の所得割に係る税率を現行の百分の六から百分の四に、それぞれ引き下げる特例措置を講ずることといたしております。
 以上が本修正案の提案理由及びその内容であります。
 何とぞ、慎重審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○委員長(岩本久人君) これより地方税法及び地方財政法の一部を改正する法律案並びに修正案について討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○狩野安君 私は、自由民主党を代表いたしまして、ただいま議題となりました政府提出の地方税法及び地方財政法の一部を改正する法律案に反対、修正案に賛成の討論を行います。
 御承知のように、我が国経済は現在戦後最大の不況下にあり、個人消費や民間設備投資の低迷に加え、急激な円高等の影響から、極めて深刻な状況に置かれております。政府は、これまで数次にわたり経済対策を講じてきたところでありますが、依然として景気回復の足取りは重く、その速やかな回復を図ることは緊急の課題となっております。
 こうした状況の中で、内需拡大による本格的景気回復の実現を図るため、減税に期待する声が国民の間で強まっていることは周知のとおりであります。政府が今回平成六年度限りの措置として五兆四千七百億円の所得税、住民税の特別減税の実施を提案しておりますのも、こうした国民の声にこたえようとする努力のあらわれと思われますが、単年度限りの措置であることや、恒久的な減税財源の手当てがなされていないなど問題が多いことは申し上げるまでもありません。しかし、現下の内外の情勢を考えれば、政府原案にある減税に対しては臨時特例の措置としてやむを得ない点もあり、必ずしも反対するものではありません。
 しかしながら、景気回復への大きな手がかりの一つが土地取引の活性化にあることは多くの識者が指摘するところであります。地価が鎮静化した今日、土地取引の流動化により景気対策の徹底を図るため、修正案による土地譲渡益課税の大幅な軽減や不動産取得税の現行負担水準での据え置きなど、土地税制での減税をさらに強化することが求められていると考えるのであります。
 政府原案は、一応土地の評価がえに伴う不動産取得税の課税標準の特例措置等土地に対する税負担の軽減措置を設けてはおりますが、土地取引の活性化に対する十分な配慮がなされておらず、景気対策として徹底を欠くものであると言わざるを得ません。
 修正案は、こうした政府原案の不徹底さを改め、土地税制に大胆な政策減税を導入し、所得減税と相まって国民の期待にこたえ、景気の速やかな回復を図ろうとするものであり、その考え方には多くの方の御賛同を必ずや得られるものと確信するところであります
 私は、この修正案が長期にわたり低迷を続ける我が国経済の回復にとって不可欠なものであることを改めて明確に申し上げ、政府原案に反対し、修正案に賛成する討論といたします。
○岩崎昭弥君 私は、連立与党を代表して、地方税法及び地方財政法の一部を改正する法律案に賛成し、自民党から出された修正案に反対の立場で討論いたします。
 御承知のように、今日の不況はひところ昭和初年の恐慌に似ていると言われた経済現象でありまして、今日なお複合不況下の影響下にあるのであります。専門家に言わせますと、一時は資産デフレが日本全体で五百兆円にも達すると指摘をされました。すなわち、この不況の克服には今消費の拡大が当面の最重要課題であり、政府の減税措置はこの政策によるものであります。
 すなわち、今回の地方税制の改正は、当面の景気対策として約一兆六千億が一年限りの特例措置として減税され、あわせて、最近における経済情勢に対応し、住民負担の軽減合理化等を図ろうとするものであります。しかも、この減税は単年度の減税規模としては過去に例を見ない最大規模なものであり、かつできるだけ早いタイミングで、しかもまとまった形で減税が実施できるよう工夫されており、当面の景気対策としての効果を十分に配慮したものと思われるのであります。
 また、教育費など諸支出のかさむ中堅所得層の税負担を軽減するため、特定扶養親族に係る控除額の引き上げを行うほか、土地取引の現状にも十分配慮し、土地の評価がえに伴う負担増を軽減するため、不動産取得税の課税標準の特例措置を創設するなど所要の改正を行うこととしております。
 また、個人住民税の特別減税等による減収額を埋めるための措置として地方債の特例措置を講じ、平成六年度の地方団体の財政運営に支障を生じないよう配慮し、措置されております。
 したがって、これらの改正は、最近における社会経済情勢、住民負担の現状、地方財政の現況等から見て、いずれも適切妥当なものであると考えるのであり、原案は可決成立させるべきものであると考える次第であります。
 以上をもって、私の原案賛成、修正案反対の討論といたします。
○委員長(岩本久人君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより地方税法及び地方財政法の一部を改正する法律案について採決に入ります。
 まず、石渡君提出の修正案の採決を行います。
 本修正案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(岩本久人君) 少数と認めます。よって、石渡君提出の修正案は否決されました。
 次に、原案全部の採決を行います。本案に賛成の方の挙手を願います。
    〔賛成者挙手〕
○委員長(岩本久人君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、石渡君から発言を求められておりますので、これを許します。石渡清元君。
○石渡清元君 私は、ただいま可決されました地方税法及び地方財政法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲民主連合、新緑風会、公明党・国民会議及び二院クラブの各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    地方税法及び地方財政法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、地方団体の行政需要の増大、引き続く厳しい地方財政の状況等にかんがみ、左記の事項についてその実現に努めるべきである。
  一、平成六年度の特別減税等に伴い発行する特例地方債の償還財源については、税制改革の実現を図る中で地方税源の充実によって適切に確保すること。
  二、税制改革に当たっては、地方財政の健全化を図るとともに、地方団体が高齢化の進展等に伴い増大する行政需要に的確に対応し得るよう、地方税源の充実を基本として、地方分権の推進に即応した安定的な地方税体系を確立すること。
  なお、恒久的な個人住民税減税とその財源問題についても、地方税の直間比率の是正等の観点を踏まえた税制の改革の中で結論を得ること。
  右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
○委員長(岩本久人君) ただいま石渡君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
○委員長(岩本久人君) 多数と認めます。よって、石渡君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、佐藤自治大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。佐藤自治大臣。
○国務大臣(佐藤観樹君) ただいまの附帯決議につきましては、その御趣旨を尊重し、善処してまいりたいと存じます。
○委員長(岩本久人君) 次に、地方交付税法等の一部を改正する法律案について討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○有働正治君 私は、日本共産党を代表し、地方交付税法等の一部を改正する法律案に対して反対の討論を行います。
 第一は、政策減税による減収分、通常の財源不足分について、いずれも地方の負担としており、国の責任を全面的に放棄していることであります。政策減税について言えば、従来いずれも特会借り入れで補てんしていますが、その償還は全額国が行い、国の責任による財源補てんの処理がなされてきました。ところが、本改正案は、大量の建設地方債を発行した上で、減税分と財源不足を補う交付税特別会計借入金の償還はすべて地方負担とされ、十八年ぶりという赤字地方債の発行ということまで行っています。かつての自民党政権のもとでもなかったこうした法案は到底賛成できません。
 第二は、地方財政の健全化のためには、昭和五十九年度以降交付税特別会計における新たな借り入れ措置は原則として行わないとした政府方針を踏みにじり、二兆九千百七十九億円もの特会借り入れを行っていることであります。年度当初からというのは自民党政権下でもなかった初めてのことであります。地方財政計画では、赤字地方債や公共事業債を初めとして、前年度の一・七倍もの大量の地方債を発行し、地方債への依存度を八・一%から一三・一%へと急激に上昇させています。地方財政の健全化とは全く逆の方向を認めるわけにはいきません。
 第三は、地方へ実際に配分される地方交付税総額が前年度比わずか〇・四%の増額の中で、保健所運営費を初め三百三十億の国庫補助金等を新たに一般財源化、私学関係者の反対を無視した高校以下の私学助成の二五%カットなど多数の国庫補助金の削減が行われ、これに対し、わずか六百六十八億の交付税総額の増額で財源措置をしたにとどめていることであります。自治体にとってみれば、他の財政需要を圧迫するか一般財源化した補助金そのものの財源措置を縮減するしか選択肢がないことになり、重大な影響は避けられません。
 また、政府は、法律等に基づく地方交付税総額への繰入加算額については、七千八百八十億円を先送りし、わずか千七百六十億円のみを加算しただけにとどめました。国が繰り入れるべき額の多くを先送りすることによって留保されている交付税の額は四兆円をはるかに超えており、事は重大です。
 最後に、交付税法案につきましては、例年日切れ法案として扱われておらず、法律から見てもそれは明白であります こうした重要法案を日切れ法案として短時間で十分な審議を保障しないまま処理することは極めて遺憾であり、その改善をも求め、反対討論を終わります。
○委員長(岩本久人君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります
 地方交付税法等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(岩本久人君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岩本久人君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
○委員長(岩本久人君) 次に、地方行政の改革に関する調査を議題といたします。
 石渡君から発言を求められておりますので、これを許します。石渡清元君。
○石渡清元君 私は、自由民主党、日本社会党・護憲民主連合、新緑風会、公明党・国民会議及び二院クラブの各派共同提案による地方財政の拡充強化に関する決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
     地方財政の拡充強化に関する決議(案)
   政府は、今日の厳しい経済情勢のもとにおいて、地方行財政の長期的な安定と発展を図り、地方行財政の課題に的確に対応し、諸施策を着実に推進するため、左記の事項について措置すべきである。
  一、百兆円を超える多額の借入金が将来の地方財政を圧迫するおそれがあることにかんがみ、地方一般財源の充実強化により、その健全化を図ること。特に、税制の抜本的見直しに当たっては、平成六年度における交付税及び譲与税配付金特別会計の借入金及び増発された地方債の償還を含めて、地方分権の時代にふさわしい地方税財源を確保すること。
 二、高齢化社会に対応し、地域福祉を推進するため、地方団体が単独で行う社会福祉経費の充実を図ること。
 三、地域の実情に応じた生活環境及び住民生活に密着した社会資本の整備を推進し、自主的・主体的な地域づくりを更に進めるため、地方単独事業の一層の充実を図ること。
 四、地方団体が積極的かつ主体的に取り組むことが求められている環境問題、農山漁村対策、森林・山村対策、国際交流、地域文化、消防等の諸施策については、財政措置の充実を図ること。
  右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
○委員長(岩本久人君) ただいまの石渡君提出の決議案の採決を行います。
 本決議案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
○委員長(岩本久人君) 全会一致と認めます。よって、本決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、佐藤自治大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。佐藤自治大臣。
○国務大臣(佐藤観樹君) ただいま御決議のありました事項につきましては、その御趣旨を尊重し、善処してまいりたいと存じます。
○委員長(岩本久人君) 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時五十五分散会
     ―――――・―――――