第129回国会 大蔵委員会 第6号
平成六年六月二十二日(水曜日)
   午前十時開会
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   委員の異動
 六月二十日
    辞任         補欠選任
     瀬谷 英行君     鈴木 和美君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         上杉 光弘君
    理 事
                須藤良太郎君
                竹山  裕君
                前畑 幸子君
                山本 正和君
                牛嶋  正君
    委 員
               大河原太一郎君
                片山虎之助君
                佐藤 泰三君
                清水 達雄君
                楢崎 泰昌君
                増岡 康治君
                梶原 敬義君
                志苫  裕君
                鈴木 和美君
                堂本 暁子君
                池田  治君
                寺崎 昭久君
                野末 陳平君
                白浜 一良君
                吉岡 吉典君
                島袋 宗康君
   国務大臣
       大 蔵 大 臣  藤井 裕久君
   政府委員
       大蔵政務次官   北橋 健治君
       大蔵大臣官房長  小村  武君
       大蔵大臣官房総
       務審議官     田波 耕治君
       大蔵大臣官房審
       議官       薄井 信明君
       大蔵省主計局次
       長        竹島 一彦君
       大蔵省理財局長  石坂 匡身君
       大蔵省銀行局長  寺村 信行君
       大蔵省国際金融
       局長       加藤 隆俊君
       国税庁次長    三浦 正顯君
       国税庁長官官房
       国税審議官    窪田 勝弘君
       国税庁課税部長  若林 勝三君
       国税庁徴収部長  吉川  勲君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        下村 純典君
   説明員
       沖縄開発庁振興
       局振興第一課長  田村 仁人君
       国土庁土地局地
       価調査課長    藤田 博隆君
       厚生大臣官房政
       策課長      横田 吉男君
       厚生省社会・援
       護局施設人材課
       長        吉武 民樹君
       厚生省老人保健
       福祉局老人福祉
       計画課長     水田 邦雄君
       郵政省貯金局業
       務課長      浅岡  徹君
       自治省税務局固
       定資産税課長   板倉 敏和君
   参考人
       国民金融公庫総  尾崎  護君
       裁      
       日本開発銀行総  吉野 良彦君
       裁      
       日本輸出入銀行  南原  晃君
       副総裁    
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○平成六年度一般会計予算(内閣提出、衆議院送
 付)、平成六年度特別会計予算(内閣提出、衆議
 院送付)、平成六年度政府関係機関予算(内閣提
 出、衆議院送付)について
 (大蔵省所管、国民金融公庫、日本開発銀行及
 び日本輸出入銀行)
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○委員長(上杉光弘君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る二十日、瀬谷英行君が委員を辞任され、その補欠として鈴木和美君が選任されました。
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○委員長(上杉光弘君) 去る六月十七日、予算委員会から、本日一日間、平成六年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、大蔵省所管、国民金融公庫、日本開発銀行及び日本輸出入銀行について審査の委嘱がありましたので、本件を議題といたします。
    ―――――――――――――
○委員長(上杉光弘君) この際、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 委嘱審査のため、本日、参考人として国民金融公庫総裁尾崎護君、日本開発銀行総裁吉野良彦君及び日本輸出入銀行副総裁南原発君の出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(上杉光弘君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
○委員長(上杉光弘君) それでは、委嘱されました予算について大蔵大臣から説明を聴取いたします。藤井大蔵大臣。
○国務大臣(藤井裕久君) 平成六年度一般会計歳入予算並びに大蔵省所管の一般会計歳出予算、各特別会計歳入歳出予算及び各政府関係機関收入支出予算について御説明申し上げます。
 まず、一般会計歳入予算額は、七十三兆八百十六億六千九百万円となっております。
 このうち主な事項について申し上げますと、租税及び印紙収入は、五十三兆六千六百五十億円、雑収入は、五兆六千四百十一億六千万円、公債金は、十三兆六千四百三十億円となっております。
 次に、当省所管一般会計歳出予算額は、十七兆七千三百四十億円となっております。
 このうち主な事項について申し上げますと、産業投資特別会計へ繰り入れは、一千七百二十五億四千百万円、国債費は、十四兆三千六百二億四千二百万円、政府出資は、三千四百十四億円、予備費は、三千五百億円、決算調整資金へ繰り入れは、一兆五千四百四十七億六千八百万円となっております。
 次に、当省所管の各特別会計の歳入歳出予算について申し上げます。
 造幣局特別会計におきましては、歳入三百二十二億三千二百万円、歳出三百二十三億三千二百万円、差し引き一億円の歳出超過となっております。
 このほか、印刷局等の各特別会計の歳入歳出予算につきましては、予算書等をごらんいただきたいと存じます。
 最後に、当省関係の各政府関係機関の収入支出予算について申し上げます。
 国民金融公庫におきましては、収入五千百七十四億四百万円、支出五千五百十八億七百万円、差し引き三百四十四億三百万円の支出超過となっております。
 このほか、日本開発銀行等の各政府関係機関の収入支出予算につきましては、予算書等をごらんいただきたいと存じます。
 以上、大蔵省関係の予算につきまして、その概要を御説明申し上げた次第でございます。
 なお、時間の関係もございまして、既に配付しております印刷物をもちまして詳細な説明にかえさせていただきたいと存じますので、記録にとどめてくださるようお願いいたします。
 よろしく御審議のほどをお願い申し上げます。
○委員長(上杉光弘君) 以上で説明の聴取は終わりました。
 なお、お手元に配付しております詳細な説明書を本日の会議録の末尾に掲載することといたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(上杉光弘君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○楢崎泰昌君 当委員会において平成六年度予算を審議させていただくに当たって一番大きな問題は、本当は税制改革の話だと思いますが、この話、やり始めると時間がかかっちゃってあれなものですから、まず最初に、少しずつ若干の問題点から入らさせていただきたいと思います。
 最初に、ことしの三月二十九日に採択をいたしました税法のうち、酒税の改正法、これは五月一日から施行するということで、平年度千四百億円、当年度千二百六十億円の歳入増を立てておられます。
 酒税というのは典型的な間接税でございまして、消費者に転嫁するというんでしょうか、そのようなものとして負担を転嫁させていただくということになっているわけですけれども、どうもおかしなことが起こってきて、ことしの四月十四日にダイエーが国産ビールを値下げするという発表を増税にタイミングを合わせてなすったということで、さらにこれにスーパーであるとかあるいは百貨店が追随をされて、実態としてはどうも酒税の転嫁がなされていない。
 ということは、これはビール等を初めとした酒の業界に酒税をあべこべに転嫁しちゃった、そんな現象すら起こっているように思いますけれども、こういうことで酒税の値上げはよろしいんでしょうか。まず最初にお伺いしたいと思います。
○政府委員(窪田勝弘君) 御指摘のとおり五月一日から酒税は増税となったわけでございます。酒税は典型的ないわゆる間接税でございまして、メーカーから税金はいただきますが、それが卸、小売、そして最終的には消費者に転嫁され、価格の一部分をなす、こういう税であろうと思います。基本的に私どもは酒税というものについてはそのように考えております。
○楢崎泰昌君 ダイエーさん初めいろんな方がなすっておられるわけですけれども、酒税の値上げを転機としてというのか、これをチャンスとしてというのか、宣伝効果というんでしょうか、どうもそういうような意図のもとになされたように思うんですけれども、結果的には酒税の増税というものが間接税じゃなくなって、ある意味では直接税的なものになっちゃったというようなことが憂えられるわけです。
 スーパー、百貨店等々が値下げをなさるに際して、自分の利益を吐き出してやっておられるんだと思いますけれども、もし自分の利益を吐き出して消費者のためのサービスということでおやりになるなら、それはそれで一つの考え方だと思いますけれども、同時に、これはスーパーであるとかあるいは百貨店等々に限らず、その他の小売店に大きなしわ寄せがいっているんですね。
 先日の新聞を見ますと、目黒区の某小売店が公正取引委員会に対して調査を要求したというような記事も出ています。その窮状は目に余るように思っているところなんです。しかし、これが今はやりで言えばいわゆる価格破壊の一環として取り上げられ、それが税法にも別段抵触しないということであれば、それはそれとしてどういうぐあいに物を考えるかということを十分考えていかなきゃいけないんですけれども、一部には酒の卸等々がどうも大規模の店舗に対して大きなリベートあるいは割引をやっている、こういううわさがあるんですけれども、いかがでしょうか。
○政府委員(窪田勝弘君) ごく最近の動きというのはまだ国税庁としては把握しておりませんが、一昨年から、ディスカウントストアなどの値づけにおいて不当廉売のおそれがありはしないかということで過去に調査をしたことがございます。それによりますと、大型のディスカウントストアに対して知あるいはメーカー、ある程度の差のあるリベートが出ていた事実はございますが、それが差別的な取り扱いである、不当であるというような程度までには至っていなかった。これは一年ぐらい前の実態でございますけれども、そのときの状況はそういうことがございました。ごく最近の状況は承知しておりません。
○楢崎泰昌君 本件は中小企業いじめみたいな感じもするものですから、さらにウォッチングを十分続けていただきたいというぐあいに思います。
 このようなことの結果として、酒の小売業は相当収益を減らして中小企業いじめというような感じになっているわけですけれども、時あたかもそれに際して、政府の方では行政改革推進本部をつくられて、行政改革推進をするのは結構なことなんですけれども、その中で規制緩和ということが打ち出されております。
 さらに申し上げれば、その中の流通作業部会におきまして、いろいろな規制緩和の話が出ているのは新聞をにぎわしているところでございますが、その中で一つ気になることがやっぱりあるんですね。それはお酒の免許の話なんです。
 お酒というのは財政物資でもある。後でまた申し上げたいと思いますけれども、ちょうだいをすると酔っぱらっちゃって、度が過ぎると社会的な問題も起こすというような物資であるわけです。そういうために従来免許というのがつくられているわけですが、その流通部会のお話を仄聞いたしますと、経団連が大変強い主張をなすって、一般酒類の小売業免許については需給調整上の要件を早期に廃止、需給調整上というのは、需給をもとにして各店舗が相当の安定度を持って経営ができるようにということで需給調整上の要件があったわけですが、これを廃止しろ、意欲と能力のある事業者には販売を認めるべきである、さらに大型店舗における酒類販売免許については、大型免許というのはスーパーとか百貨店の話だと思いますが、消費者の利便性の向上を図る観点から、その面積基準を三千平方メートルに引き下げなさいというような意見が出されているやに聞いているんです。
 これは経団連の御主張ということにお伺いをしておりますが、どうも中小企業に対する配慮が経団連には少しお足りにならないんじゃないか。特にこの部会では中小企業者の代表が入っていないんですね。そのような状態の中でそういう意見が出てくるということは、中小企業者にとっては大変強い打撃を与えるものであり、また、酒の免許が先ほど申し上げましたように財政上の理由あるいは致酔性の飲料であるということに対する配慮から免許というものがあるという従来の考え方から比べると、自由競争は全く正しいんだ、自由競争をすれば価格が低下する、そうすれば販売量がふえるんだから業績が上がってくるんだと、よいことずくめの議論の上にそのような議論がなされているんじゃないか。特に経団連がそれを強く主張していることについて私は危惧を持っておるんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(藤井裕久君) ただいま楢崎委員のお話のように、酒類というものが特別の商品である、これはもう否定できない事実でもございますし、そういうことに基づいて販売店までを含めての免許制度があるというのも御指摘のとおりであります。私どもは、そういう実態と申しますか物の考え方の基本の問題には触れていないつもりでございますが、これもお話のように行政改革推進本部の流通部会において専門員の方からいろいろな御意見が出ていることも承知をいたしております。これは運用の問題についてだと考えております。
 私どもといたしましては、そういう御意見も伺うと同時に、また今楢崎委員のおっしゃったような各方面からの意見が大蔵省にも寄せられていることは事実でございまして、これらをよく検討しながら結論を出していかなければならない。その結論を出す時期は、これも国会で総理初め私どもがお答えいたしておりますように、今月末ということを予定しているところでございます。
○楢崎泰昌君 日本の酒の免許については、世界的に見てもだんだん酒について規制が厳しくなっていくというような時代でございますので、ぜひ御考慮を願いたいというぐあいに思います。
 次に、問題を変えまして、これまた三月二十九日に議決したものでございますけれども、相続税法におきまして昭和六十三年の一月から平成三年の三月までの間に相続された方についての特例が認められました。それは従来延納申請をしたものが物納への切りかえが認められるという特別措置でございます。これは社会党の前畑委員、それから私等々強く御要望を申し上げたものを御実現いただいたことで、大変結構な施策であったというぐあいに思っております。
 そのとき七万三千件の対象があるというぐあいにお伺いいたしましたが、どのように実行されておりますでしょうか、お伺いをしたいと思います。
○政府委員(吉川勲君) 特例物納の創設に伴いまして、当局といたしましては、施行と同時に対象者全員に対しまして要件とか手続等を記載いたしましたお知らせを送付いたしますとともに、受け付け相談体制を十分かつ適切に行うために、職員の研修とかあるいは手引の作成、税理士会への説明、受け付け相談体制の整備などの措置を講じたところでございます。現在のところ順調に申請手続が行われていると考えております。
○楢崎泰昌君 私は、税金というと怖いことばかりなんですけれども、これは割合ににこっとしたいような感じの施策で大変よかったと思うんです。順調と申されますが、現時点でどの程度の申請がございますか、あるいは問い合わせがございますか。
○政府委員(吉川勲君) 問い合わせについては把握いたしておりませんけれども、特例物納の申請につきましてはその申請期間が四月一日から九月三十日の六カ月でございます。現在その申請状況を見守っているところでございますけれども、サンプル調査によりますと、この二カ月余りで通常の物納に加えまして件数で約三千件、それから金額にして約三千億円程度の申請があったものと見込んでおります。
○楢崎泰昌君 まだ二カ月しかたっていないわけですから、その割には随分進んでいると思いますし、非常にいい施策でございましたので、ぜひやりたいというようなことが私の耳にも入っております。ぜひこの施策を拡充していかれて、お続けいただけるようにお願いをいたしたいというぐあいに思います。
 ところで、物納になるのはいいんですけれども、物納になったものが現金にかわらないと、財政当局としては何のために物納をやったのか、要するに土地の管理を大蔵省で引き受けるだけというのでは役に立たぬわけです。それで、物納財産の引き受け状況について、まずちょっとお知らせください。
○政府委員(石坂匡身君) 物納不動産の引き受け実績、土地についてでございますけれども、平成元年から三年ぐらいまでの間は大体一年間に五万平米ぐらいでございましたが、平成四年度にはこれが三十一万六千平米、平成五年度につきましては、現在計数を取りまとめ中でございますけれども、概数で申し上げまして約百八十万平方メートルとなっております。
○楢崎泰昌君 相続税がなかなか払いにくいということが世上言われているわけですけれども、その結果としてやっぱり物納がどんどんふえていっているということだと思います。
 ただ、物納についてのいろいろな御不満が納税者の方からもございまして、なかなか物納を受け付けてくれないというような不平はありますけれども、それはきょうはちょっと時間の関係で除外をいたしまして、問題は、その物納された財産をどんどん処分していかなきゃいかぬわけです。そうでなければ財政は参っちゃう。これは税金の一部なんですから、現金にかえるということが根本なんです。ところが、国有財産の不動産処分についてはどうも遅々として進んでいないという声が高いんですけれども、いかがでしょうか。
○政府委員(石坂匡身君) 物納はここのところ急増しておりますので、処分にはいろいろ努力をしておりますけれども、おっしゃるような面はぬぐい得ないと思います。
 ちなみに売却実績を申し上げますと、平成四年度は四十六億円、それから平成五年度、これは現在取りまとめ中でございますが、およそ六十八億円程度の売却実績でございます。
○楢崎泰昌君 ぜひ売り払いの促進を図っていただきたいと思うんですけれども、国有財産法あるいは予決令等々で制限されている面は多いと思うんですね。何か今のような売り払い方法ではなくて御工夫はないんでしょうか。
○政府委員(石坂匡身君) この点につきましては前回も委員から御指摘があった点でございます。
 御案内のこととは存じますけれども、一般的に申し上げますと、借地人等がおる土地はこれはその人に売るというのを基本としておりますし、更地につきましては公用、公共用を原則としつつ、その要のないものについては一般競争入札で売っていくというのが原則でございます。
 ただ、御指摘のように非常に物納不動産というものが累増しておりますし、またこれは割合に小規模のものが多いわけでございます。そういう点から考えまして、確かに御指摘のように新しい売却方法について検討しなければいかぬという自覚を持っておりまして、現在その検討を行っているところでございます。小規模な土地ということでございますので、個人の住宅等としてのニーズが強いというふうに私どもも考えるわけでございまして、そういう観点から個人の参加しやすい売却方式、これの導入について検討を進めております。
 やや具体的に申し上げますと、具体的な価格を提示いたしまして、その価格で買い受け希望者を公募いたしまして、希望者が複数の場合には契約相手方を抽せんて決定するといった方法で、そういうやり方を実施するという方向で内容を詰めておるところでございます。なるべく準備を急ぎまして早く実現したいと考えております。
○楢崎泰昌君 大変いい答弁をいただいたと思うんですけれども、一般競争入札というのはどうも庶民にはなじみがないんですね。今言ったような方法が会計法上も可能であればそれをぜひ促進して、そして何十億というような国有財産売り払いじゃなくて、やっぱり何千億にならないと物納財産の処分が間に合わぬということを頭に置いてやっていただきたいというぐあいに思っております。
 次に、ちょっと質問を変えますが、大臣、税制改革というのは非常に大切なんですけれども、税制改革の前提として、税制調査会その他で指摘されておりますけれども、課税の公平とかそれから行政改革ということが言われているわけですね。課税の公平という点からいうと実は二つ問題があって、一つは税制上の問題がございますけれども、同時に執行上の問題があるわけでございます。世にクロヨンとかトーゴーサンピンと言われておりますけれども、その問題を解決していかなきゃいけないと思っているんです。
 私は、今国税庁の職員一丸となって一生懸命やっていただいていると思いますけれども、どうも調査対象に対する調査が低下をしているというぐあいに思っているんです。法人並びに所得税に対する実調率は現在どうなっているでしょうか。
○政府委員(若林勝三君) お答えいたします。
 まず所得税の関係の実調率でございますが、平成二年度におきましては三・七%ということになっております。これを五十五年度と比較いたしますと、当時四・三%でございますので若干低下をいたしておるわけでございます。
 それから法人につきましては、これは四年度の数字でございますが、実調率が六・八%。やはり十年前と比較いたしますと、十年前には一〇・九%ということでございます。
○楢崎泰昌君 実調率が年々低下をしているんですね。私も実は過去に経験がございまして、実調率が低下をしていく、要するに百人対象があるけれども三人しか調査をやっていないという状態で、その中でクロヨン、クロヨンということが言われているわけですね。
 それで、調査をなすった件数のうちどれだけが脱漏所得、申告漏れがあったんでしょうか。国税庁はよくワースト何とかと言って発表なすっておられますけれども、調査をした中でどれくらい問題点があったんでしょうか。そして一件当たりどれくらいの脱漏があったんでしょうか。脱漏と言うんでしょうか、申告漏れと言った方がいいかもしれません。
○政府委員(若林勝三君) 所得税につきましては、調査いたしました件数が年度間で十五万七千件でございました。その中で申告漏れのあった件数が十五万二千件ということでございますので、申告漏れのあった割合は九六・三%、これは重加算税というような不正の場合と、そうでない過少申告加算税を課す場合と両方含んでございますが、九六・三%でございます。そして、その年度間における申告漏れ所得金額は八千三百四十七億円というふうになっております。
○楢崎泰昌君 ということは、調査をした方に大変申しわけない話ですけれども、調査なさるとどうも申告漏れがぞろぞろ出てきちゃう。これがクロヨンの実態なんですね。これはやっぱり政府の、あるいは国税庁の税務執行の体制を強化していく、まあ税務調査を強化しろなんと言うと評判が余りよくないかもしれませんけれども、私は税制改革を行う上ではやはりこのクロヨンの汚名を返上しなきゃいけない。税制調査会では納税者番号を採用したらどうかと。しかし納税者番号というのは、どうかというだけで、なかなかまだ議題に上っていないという状態であると思いますけれども、これはどうしても解消していかないといけないと思うんですね。
 ところで、けさ読売新聞の朝刊を見ますと、郵政省の郵便局が「脱税マネー隠し」、名古屋、神戸、埼玉などで摘発されているということがございました。郵政省、事実をお教えください。簡単で結構です。
○説明員(浅岡徹君) お答え申し上げます。
 ただいま先生御指摘の点につきましては、査察があったことは事実でございます。今回、一部の郵便局が架空名義による貯金を受け入れまして、法人税の脱税資金の隠し場所として利用された事例があったことをまことに残念なことというふうに考えてございます。
○楢崎泰昌君 郵政省といえば国の機関ですから、それが脱税に手をかすというのはとんでもない話なので、もちろんのことながらもう十分御通達等々なすっておられると思いますけれども、特に郵便局は、特定郵便局もあるんですけれども本局があるんですね。本局が二カ所あるようにこの新聞では書いてあります。それはゆゆしき一大事なので、これはやはり監察局をお使いになって徹底的に御調査をいただくと同時に、これについてどうしたらそれが排除というんでしょうか、とめられるかということを十分お考えにならないとぐあいが悪いんじゃないかと思いますが、そのおつもりはありますか。
○説明員(浅岡徹君) まさに先生御指摘のとおりでございまして、こうした利用のされ方というのは国営機関としてあるまじきことということでございまして、私どもの指導の不足、浸透の不十分さといったものは深く反省をしておる次第でございます。
 こうしたものの防止に力を入れていかなければならないということでございますが、金融機関は預け入れられる資金の出所とか性格とかいうものは知り得ませんし、かつ正当な理由もなく預け入れを拒否するということもできない立場にあるということは御理解願いたいのでございますが、ただそうした中でも、そういった制約がございましても、架空名義で貯金を受け入れるということはやはり言語道断、許されることではないということで認識しております。
 こうした事例につきましては、本人確認ということで、その強化ということをずっとやってきておるわけですが、今回それが指導不十分でこういったものがまだ起きている。大変反省をしております。そういうことで、本人確認手続を内部手続で定めておるわけでございますが、それの違反ということでございまして、こういった事例につきましては内部手続違反として厳しく問責をしたところでございます。
 今後のことでございますが、これまでも力を入れてまいったわけでございますけれども、なお一部の局でこうした事例がなくなっていないということは先ほど申し上げたとおりで、本人確認指導不十分ということで深く反省をしておりまして、早速に本日、全郵政局に対しましてもその旨文書指導を発する予定にしてございます。さらに今後とも、各種会議等あらゆる機会をとらえまして、本人確認の励行、その点につきましてさらに一層の指導徹底を図っていく所存でございます。
○楢崎泰昌君 郵便貯金は本来的に、庶民の零細な少額のお金をお預かりする、そのための便利な機関ということで金融機関と並列をしているわけですから、その本旨を十分わきまえておやりにならなければならぬ。いやしくも架空名義というものを国の機関がやるというのは大変なことだと思います。今後とも十分注意をして徹底を図っていただきたいと思っております。
 さてそこで、そのような形でクロヨンがなかなか根絶されないわけです。やはり調査というものがある意味ではバックになって、そして納税者がみずからを戒め、そして納税をお願いをしているわけですから、私はやはり国税職員がきちんとした態度で国税の調査に当たり、管理に当たっていかなきゃいけないと思うんですけれども、いかんせん、さっきお伺いしたように調査の件数がどんどん減っていっているんです。
 いわゆる実調率も減っている、調査の実際の件数も減っているというようなことを考えますと、行政改革推進本部で行政改革ということでいろんなことが議論されているんだと思いますけれども、総体として行政改革をきちっとやらなきゃならないのは当然でございますが、税務に関してはおととい前畑委員が若干の御質問をなさいましたけれども、私はその中においても国税職員の充実が図られていかなければならぬというぐあいに思っておりますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(藤井裕久君) ただいま多くの納税者の方、国民の皆様の御不満の中に執行があるということ、これは私はそのとおりだと思っております。予算委員会でも当大蔵委員会でもそのことはたびたび申し上げているところでございます。
 一つは人員の問題があると思います。御指摘のように行革の中で、特に平成六年は二千人の公務員を純減いたしましたけれども、重点的に重要な、かつ緊急なポストにはふやしておりまして、国税職員も増加させていただいております。ただ、私ども身内といえば身内なもので、みずからに一番厳しくなければいけないという気持ちは常に持たなければいけないと思っておりますが、しかし今御指摘のような緊要度の高いという意味において国税職員の充実は図ってまいらなきゃいかぬと思っております。
 同時に、合理化ということも大変大事なことだと思っておりまして、今KSKという仕組み、恐らくちょっと時間がかかりますが、平成八年ぐらいからいわゆる総合的なコンピューター化でございますが、こういうことなども入れることによって人の足りない分を補っていく。それからまた、税理士会の皆様方にも大変お力添えをいただきまして、こういう方々のお力添えもあって税務の執行の万全を期していくことが必要だと思っております。
 それからもう一つ、楢崎委員とは私ども一緒に税の執行もやったのであえてざっくばらんに申し上げますが、実調率という意味におきましては、国税の調査対象の選び方もよくやっているかも九十何%の脱漏率になるわけでありまして、これをそのまま一〇〇%に伸ばして、このくらい世の中に脱漏があるというふうには考えるべきじゃないし、またそのとおりだと思うんでございます。
 そういう意味において、今の機械化と、それからいろんな資料をもとにして実調対象を選ぶ選び方ということ、これもよく考えるべき時代だと思っております。
○楢崎泰昌君 大蔵大臣としてはそう言わざるを得ないというぐあいに思いますけれども、私も税務執行に携わったことがありますけれども、やはり低い実調率というのは納税者の心に若干の緩みを生じ、問題がある。まあ実調率を高くして苛斂誅求すればいいんだとは申しませんけれども、ぜひいろんな手段を使ってクロヨンの汚名をぬぐっていかなきゃいかぬ。
 と申し上げるのは、今大きな税制改正をやろうとしているときなんですね。そのときに、みずからの身を正すというならクロヨンを正すんだというきちんとした姿勢がなければ、やはり庶民の納得はなかなか得にくいんじゃないかというぐあいに思っているところでございます。
 さてそこで、余り時間がなくなっちゃったんですが、税制調査会の答申並びに連立与党の税制改革協議会の答申が昨日出ましたので、ちょっと詳細にまだ全部読み切らないんですけれども、ポイントだけお伺いをいたしたいというぐあいに思うんです。
 税制調査会の答申の中で、幾つかポイントがあるわけですけれども、特に「税負担増加の必要性」という項目がございまして、一つは、高齢化が進んできた、社会資本の整備等の公共サービスの増加に適切に対応しなきゃいかぬというような視点から、「税負担の増大については、その必要性を国民に率直に訴えていくべきである。」、「訴えていくべきである。」と書いてあるんです。
 その次に第二点として、「つなぎ公債の償還のための財源についてはこ将来に負担を残しちゃいかぬという意味で、「税制改革の中で適切に対応すべきである。」、ここは「すべきである。」、必ず入れろと書いてあるんです。第一項目は訴えていけと書いてある。ニュアンスが違うんですね。
 それから第三番目に、税の自然増収も念頭に置くべきだけれども、「高齢化に伴う経済成長の減速」、要するに経済成長が機械的試算では三兆円、この間も言いましたけれども、五%という前提で三兆円をはじいておられるわけですけれども、そういうのは減速するかもしれないじゃないかと。
 それから「構造的な財政収支ギャップ」、これはどうもはっきり書いてありませんけれども、これもおととい説明をいたしました国債整理基金への繰り入れ停止等を含む五兆円の実質赤字、多分それを考えてこう書いておられるんだと思いますけれども、そういうことを考えれば、自然増収があの機械的計算では三兆円ということになっているけれども、これに余り期待をかけるのは適当でない、このようなことが書かれているわけです。
 どうも読んでみてもよくわからないんです。増税をどうするか、これが一番新聞等々国民の焦点の的なんですけれども、負担の増大は必要があるけれども、どこまでどうするのか、はっきりおっしゃっていないんですね。
 けさの新聞を見てみると、会長である加藤さんは七%以上というぐあいに、会長個人としてお答えになったんでしょうけれども、会長個人じゃ、別段決めたわけじゃないんで、協議会としてはよくわからぬ。要するにはっきり言えば政府にげたを預けた、税調としては決めないよ、政府で決めてくれ、こういう話だと思うんです。
 それからさらに、連立与党の税制協議会の方の文書を読んでみますと、若干書いてあるんですけれども、おもしろいんですね。「現行消費税から新しい消費税への改革」と書いてあるんです。何か新しい消費税をつくるんですかね。非常に疑問に思いながら読んだんです。
 その中で、「社会保障給付の増加」、これは社会保障費の増加のことでしょうね。それから「快適で質の高い生活基盤の構築」、これは公共事業のことを言っているのかなというぐあいに思いながら読みましたが、「必要と見込まれる歳出増」、これは歳出増が書いてあるわけです、それを賄うように増税しなさいと書いてあるわけです。それから「個人所得課税等の減税による税収減」、これは六兆二千億ですね。「および今年度分を含む減税先行のためのつなぎ公債の早期償還」、これは恐らく十八兆円のことを言っているんだというぐあいに思います。「といった財政需要等を十分念頭に置いて現在そして将来の財政を支えることのできる税収が得られるよう、現行三%の消費税率を引き上げる。」と書いてあるんです。七%にしろとも八%にしろとも書いてないんです。三%を引き上げろ、これは結論になっていないですね。
 そういうようなことを見ますと、今の連立政権としては、羽田内閣総理大臣の所信表明演説、それから新たな連立政権樹立のための確認事項等々を見ますと、「間接税の税率引き上げを中心とした税制の抜本的改革について国民の理解を得つつ六月中に結論を得てこですよ、今の二つの答申は全然結論になっていないですね。ただ引き上げる必要があるよと、それは一般的な評論にすぎない。「結論を得て、本年度中に関連法案を成立させる。」と書いてあるんです。いかがでしょう、大臣の御感想を伺います。
○国務大臣(藤井裕久君) この税制調査会の答申、二十一日、昨日いただきました。また連立与党の税制改革協議会の結論、これも二十一日にいただきました。私はこの二つは物の考え方の基本をきちっと言っていただいておると思います。したがいまして、私どもはそれぞれ大変ありがたい御答申をいただいたと思います。
 今の御指摘は、税率はどうするんだ、あるいはその裏として減税規模は一体どうなんだとか、いろいろな問題が含まれているのがもう一つ数字に出てこないではないか、こういう御指摘だと思います。これにつきましては、今のようなお答えをいただいて、今後政府において連立与党の皆様方、特に社会党の皆様方はこの税制協議会にずっと加わっていただいて大半は御一緒に御議論をいただいたことでございますが、特に楢崎委員の属しておられる自由民主党の方々の御意向、これも予算委員会なりあるいは大蔵委員会においていろいろ承っております。これらをいろいろ十分に考え合わせて、御指摘のように六月末までに一つの結論を得ていきたいと思っております。
 私といたしましては、これも予算委員会等でお答えいたしておりますように、税率についても数字を出していただくことを望んでおります。
○楢崎泰昌君 数字を出すのは代表者会議で出すということになるんですか。
○国務大臣(藤井裕久君) 具体的にどこの場ということは党の問題でございますので私ども承知をいたしておりませんが、今申し上げましたような皆さんの合意を得て決めるということだと思います。党の内部の問題については行政府としては余り立ち入ってお答えできないと思います。
○楢崎泰昌君 税制協議会並びに政府の調査会の中でいろいろ御議論を詳細にしていただいております。ですから、税制改革をおやりになるのならば、増税をなさらない、要するに従来とイコールフッティングというんだったらそんなに問題はないのかもしれませんけれども、増税をなさるのならば、社会保障どうするんだ、公共事業を今六百兆というぐあいに新聞に出ていますけれども、公共事業の増額はやるのかどうか、それから五兆円の今歳入欠減があるわけですから、これをどうするんだというようなこと、これは数字の問題ですから、それをはっきりさせてお決めにならないと、うやむやのうちにいやいやこれもあれもこれもと。
 大変有効な方向を示唆していただいたと言うけれども、それは示唆しただけじゃだめなんです。数字で出てくるんですから、その数字で出てくるもののうち、社会保障はこれだけ見込みました、公共事業はこれだけ見込みましたというようなことが明らかになるべきであるというぐあいに思いますけれども、いかがでしょう。
○国務大臣(藤井裕久君) 今のお話でございますが、機械的計算ではありますが、私は福祉ビジョンのケースUというのを使わせていただいております。これは、過去においては一番勉強が進んだということ、もう何十年見ていてもこれは明らかだと思います。これだけ勉強してはっきり一つの方向を出された福祉ビジョン、何回かありますけれどもないと思います。恐らく昔からの積み上げの結果だと思いますが、そこで私はやはりある方向を相当具体的に出しているということは申し上げていいと思います。
 そして同時にまた、それらを踏まえながら、機械的計算というのはそれを全部賄いかつ云々ということになっておりますけれども、いつも申し上げておりますように、そこいらも御議論していただき、また各党の御議論がいろいろあったことを考えながら一つの結論を出す。私は、福祉ビジョンというものは相当しっかりした方向を出している、したがってこれも一つの議論の前提だということはあえて申し上げたいと思います。
○楢崎泰昌君 時間がありませんからもうこれで質問やめますが、あの機械的計算では十八兆の債務償還を十年とか二十年とかあいまいに書いてございますけれども、ぜひこれは十年で償還をしていただきたい。税制改革の中ではそれをやはり明確にお示しを願わなきゃいかぬだろうというぐあいに思っております。
 いずれにしても、税制改革を手がけるということは大変なことでございますから、これから十年間ぐらいのビジョンをきちっとお立てになって税制改革をやっていただきたい。与党であろうが何であろうが責任は大蔵省ですから、その点は明らかにしていただきたいというぐあいに要望しておきまして、質問を終わらさせていただきます。
○清水達雄君 時間が非常になくなってしまいましたので、端的なお答えをお願いいたしたいと思います。
 今回の消費税の税率引き上げ問題に関連しまして、いわゆる社会福祉ビジョンの問題が非常に大きな問題点でございます。そこで厚生省にお伺いをしたいんですが、今回のビジョンの中身を見てみますと、いわゆる高齢者に対する介護対策問題、それから児童に対する対策問題、この二点について私はかなり疑問を持っているわけでございます。というのは、いわゆる高齢者や子供を家庭から隔離したような形でいろいろ面倒を見るというふうな感じに非常になっているわけでございます。
 もう時間がありませんので余り詳しく説明をいたしませんが、私は、もっとやっぱり家庭の中で家族ができるだけ愛情を持って高齢者の面倒を見る、あるいは子供も育てるという基本的な考え方というのを捨ててはいけない。今度の場合にはどうもそういうものをかなり捨てているような感じが非常にするわけでございます。
 そういう観点からいきまして、いわゆる住宅の問題というのが非常に大きく影響すると思いますけれども、この社会福祉ビジョンにおきまして、厚生省は住宅の今後のあり方についてどんなふうなお考えをもっておられるか伺います。
○説明員(横田吉男君) 側説明申し上げます。
 今回の福祉ビジョンにつきましては社会保障のあり方を中心といたしておりますけれども、それに関連の深い雇用システムあるいは住宅対策についても触れておりまして、特に住宅対策について申し上げますと、高齢者が在宅で介護を受ける場合におきましても、やはり住宅の整備というものは極めて重要であるということで、住宅についてもさまざまな提言が行われております。
 また、子育て関係につきましても、住宅が狭いということで、本来はもう一人産みたいけれども住宅ができないというような場合もございますので、そういった少子化対策といたしましても住宅対策が重要である、あるいはさらに町づくり全体の観点からもいろいろ考えていく必要があるというふうな提言が行われているところでございます。
○清水達雄君 それで、まず老人介護対策について伺いますけれども、施設サービス、在宅サービスとも、一人一カ月事業費ベースで二十五万円の給付を考えて積算がされているわけでございます。高齢人口がどういうふうになっていくかというのを見ますと、二〇〇〇年には一九九三年に比べまして三〇%程度高齢人口がふえる、それから要介護老人は四〇%ぐらいふえるということになっているわけですが、その老人対策にかかる公的負担は、一九九三年の一兆円から四兆円にふえる、四倍になるということになっているわけでございます。
 私は今回のこれを見まして、要介護老人が今は入れないで待機をしておるというのを解消するということは、確かにこれは非常に大事なことであるとは思います。そういうことがどうしても必要な人は入れてやらなきゃいけない。施設サービスをやらなきゃいけない。しかし、いわゆる在宅介護なんかにつきましても、ヘルパーとか訪問看護サービスとかデイサービスとかというのを毎日だれかが行ってやるというふうな、そういういわゆる在宅ケア対策を考えているわけですね。こういうやり方が本当に必要なのかどうか。
 私は、やっぱり家族ができるだけ面倒を見るというやり方を考えて、家族にも大変負担がかかるから、例えばドイツでやっているような介護保険みたいなものを考えるとか、あるいはもし必要があるならば在宅ケアの給付金のうちから家族に対する何かの手当みたいなものをやったっていいんじゃないかと思うんですけれども、一人月額二十五万円も使う必要があるのかというふうな感じが非常にするわけでございまして、福祉はちゃんとやらなきゃならないけれども、やり方というものについてまだ幾つかのいろんな選択肢とか考え方があるような気がしているわけですが、その辺についてはどうお考えでしょうか。今後さらに検討される考えがあるかどうか。
○説明員(水田邦雄君) 老人介護についてのお尋ねでございますけれども、私どもも、高齢者が住みなれた地域や家庭で暮らし続けるようにするという観点から、御指摘のように介護が必要になった場合におきましても在宅でケアをするということが基本であると考えております。
 しかしながら、同居率が最近ぐんぐん低下をしておりまして、高齢者のひとり暮らしでありますとか高齢者のみの世帯がふえている、あるいは女性の社会進出ということで、同居ということであっても日中独居で暮らしておられる方がふえている、あるいは介護者自身が高齢化する、こんなようなことで家庭の介護力というのは全般的に低下してきておりますので、私どもとしては、お金を出すというよりはやはりサービスという形で高齢者でありますとか家族を社会的に支援する、こういう必要性が高まっているというふうに考えておりまして、厚生省としても在宅サービスの拡充というものに努めているわけでございます。
 それから、サービスの水準につきましてお尋ねがございましたけれども、やはり高齢者の心身の状況、介護者の状況によってそれぞれ相当違いがございます。したがいまして、そのサービスを提供する場合にも、一律の提供ではなくて、それぞれの状況に合ったサービスを過不足なく提供するということでいかなければいけないというふうに思っております。
 福祉ビジョンにおきまして毎日何らかのサービスが受けられると言っているのは、要介護度が高く、かつ家族等による介護力が弱い場合といったケースを言ったものであるというふうに理解しておりまして、過剰なサービス提供を行うということを目指したものではございません。
○清水達雄君 今後さらに検討するかどうかという点についてはお答えはありませんでしたけれども、私はやっぱり家庭との関係というようなことでもっと検討が必要であるというふうに思います。
 それから児童対策の問題ですけれども、小学校三年生以下の子供については、家庭に母親がいない場合は保育とかいろいろなことをやる。例えば小学校一年生から三年生の子供については放課後保育を七〇%やる。何で七〇%かというと、お母さんが、外へ出て働く人が、今五〇%ちょっとだけれども、将来七〇%にふえるからだというようなことを言っているわけですが、小学校の低学年の子供なんというのは、もっと野や山で遊び、あるいは町の中なら町の中を歩いたりして、どういうときが危ないかとか、いろんな体験を経ながら成長していくものだと思うんです。こんな小学校ぐらいの広さのスペースに小学校三年生まで押し込んでやるというふうなビジョンというのは、私はどうも妥当じゃないというように思うんです。それによってやっぱりこれも経費が四、五倍にふえるんですね。
 子供の数はそんなにふえないのに、経費は一兆円から四、五兆円にふえるというようなビジョンになっているわけですけれども、この点についてはどうでしょうか。
○説明員(横田吉男君) 御説明申し上げます。
 最近、高齢化に加えまして、特に少子化が急速に進行しております。合計特殊出生率、これが一・五〇ということで、このままで参りますと、二十一世紀には我が国は人口減少型社会が到来するというような状況が見込まれているわけでございます。今回の福祉ビジョンにおきましては、こうした少子化に対応した対策といたしましては、子育てを家庭だけでなくて地域全体、あるいは社会全体で支えていくような仕組みをつくっていくことが必要であるというような提言が行われているわけであります。
 特に、最近は共稼ぎの世帯がふえている、あるいは三世代の同居率が減ってきているというようなことで、家庭の中における育児機能というのが非常に低下してきているわけであります。そういったことで、特に就業と育児が両立できるような育児支援対策を整備していくことが重要であるとビジョンでは指摘されております。
 その際、ビジョンの試算におきましては、今御指摘がございましたように、二十五歳から三十四歳ぐらいまでの出産・子育て期の女性の労働力率が、現在は五〇%台半ばでございますけれども、二〇〇〇年には六六%、二〇一〇年には七〇%程度にまで上昇していくというふうに見込んでおります。これは平成五年における労働省の労働力の将来推計をもとにした数字でございます。
 御承知のとおり、我が国の女性の労働力率というのは出産・子育て期に低下いたしまして、四十歳ぐらいから上昇するといういわばM字型になっておりますが、これをビジョンにおけるようなさまざまな対策を講じることによりまして、欧米型は高原状態になっておりますので、七〇%程度まで上昇していくのではないかと見込んでおるわけであります。
○清水達雄君 一方で高齢化が進む、一方で子供を産まなくなるという状況になってきているわけですね。ですから、家庭の主婦が外に出て働くよ、税金はたくさん払わなきゃならないから、そのために稼がなきゃならないから外に出て働くよというふうな、そういう構造に持っていくのは私は間違いだと思っているんです。
 老人を介護しながら、しかも自分も子供を産んで育てるというふうな、やっぱりそういうのをある程度基本にしなきゃならない。それでだめなものはちゃんと面倒を見なきゃならぬというふうにしていくべきであって、やっぱり住宅をちゃんとしっかりし、それからいろんな公的給付につきましても、家庭にいて働く人たちについてどういう手当てをしていくかということもかなり重要視をして、単に人を雇って、それをどんどん派遣したりなんかすればいいという形のビジョンになり過ぎているという感じが非常にいたしますので、そういう点は今後十分検討していただかなきゃならぬというように思います。
 ところで、今回のビジョンを見ますと、これは膨大なケアのパワー等が必要だと思うんですけれども、必要なマンパワーの数とか、そういうものはちゃんと計算してありますか。
○説明員(吉武民樹君) 少子化でありますとか、あるいは高齢化の進展によりまして今後大きな社会環境の変化が見込まれるわけでございまして、例えば介護を要する、あるいは非常に虚弱なお年寄りの数は……
○清水達雄君 いや、計算してあるかないかということ。
○説明員(吉武民樹君) はい。二〇二五年には五百二十万人ということで、二・六倍に増加するというふうに見込んでおるわけでございます。ただ、一方で、二〇二五年という三十年以上先のマンパワーの需要につきましては、これからの介護技術でございますとか、あるいは介護機器の発達でございますとか、あるいは業務体制の変化、こういう変化をどのように見込むかということは難しい点がございますので、ビジョンを基礎とした具体的なマンパワーの必要性の推計までは今行っておりません。
 ただ、ビジョンの中でも、マンパワーの問題といたしましては、一番中核となります施設職員、あるいはホームヘルパー等の勤務条件の改善を進めたり、あるいは研修の充実あるいは人材の積極的な登用を進めるということを一方で行いますとともに、専門的な資格といたしまして既に社会福祉士という資格制度がございますので、これの養成力の拡充に努める。そして、こういう方々が中核的な存在になっていくということを進める方向で御提言をいただいております。
 さらに、例えば子育てを終えた女性の方々でありますとか企業で事務経験を積んだ方などにつきまして、その御希望に応じまして研修でありますとかあるいは再訓練、職業あっせんを行いまして潜在的なマンパワーの発掘に努めるということも考えております。
 以上のような方向で私どもとしてはマンパワーの確保に努めてまいりたいというふうに考えております。
○清水達雄君 私、この委員会前もちょっと厚生省の人に会館に来てもらって聞いたら、マンパワーの数は計算していない、これは新ゴールドプランのときに計算するというふうな話も聞いたわけですが、やっぱりもっとそういうところをきちっと詰めてやらなきゃビジョンにはならないんですよ。そういう点につきましてやっぱりちゃんとしたものをつくって、それに基づいて税金の計算もしなきゃならぬというふうに思っているわけでございます。
 それから次に、固定資産税の問題でございますけれども、いわゆる公的評価の一元化というふうなことで、地価公示と固定資産税の評価と国税庁の路線価、これの評価を一体化しようということをやったわけでございますけれども、ただ課税標準についてどの程度の割合にするのかということについては、私がいたころはそんな議論にまだなっていなかったんですけれども、まず国土庁にその辺について、適正化した後、課税標準についてどういうふうな考え方をするのかというふうな話し合いは三省庁の間で行われたんでしょうか。
○説明員(藤田博隆君) 公的土地評価につきましては、先生御存じのように地価公示、相続税評価、固定資産税評価、三つあるわけでございますが、経緯といたしましては、平成元年に制定されました土地基本法、これによりまして相互の均衡と適正化に努めるよう定められたところでございます。
 これを受けまして平成三年、総合土地政策推進要綱が定められたわけでございますが、その中では、課税評価につきましては地価公示価格の一定割合を目標として均衡化、適正化を推進するということになったわけでございまして、具体的に申し上げますと、相続税評価につきましては平成四年の路線価の……
○清水達雄君 要するに国土庁は何かそういうものを言ったのかということを聞いているんです。
○説明員(藤田博隆君) 経緯を今ちょっと御説明申し上げさせていただきます。地価公示価格の八割を目標として評価が行われまして、固定資産税評価につきましては平成六年度の評価がえから地価公示価格の七割程度を目標として評価が行われたわけでございます。
 なお、今申し上げました七割、八割の具体の課税評価につきましては、税の性格を踏まえまして課税当局において決定されておるということでございます。
○清水達雄君 もう時間がなくなっちゃってまことに申しわけないんですけれども、一つだけ自治省にお伺いしますけれども、結局今度の固定資産税の評価によっていわゆる評価額と時価との関係が逆転をしている。つまり今の七割掛けたものが時価よりも高いというふうなことが言われて不服審査が大分出ているわけです。
 これは平成四年の十二月にこのルールは決めたわけですよ。そのころはもう地価も相当下がってきている。そういう段階において七〇%なんというものを掛けたものをベースにしたらこういうことになるのはわかり切っているわけで、課税標準の安定性という点から考えると、将来はそれは七〇でもいいですけれども、とりあえずは四〇とか五〇とかにまず第一段階はやって、その後またやるというふうなことがなければならなかったというように思うんですが、そういう点については今後私は見直しをしなきゃならぬというふうに思っておりますけれども、いかがでしょうか。
○説明員(板倉敏和君) 先ほど国土庁の課長の方からも御答弁いたしましたけれども、そういう長い議論の経緯を経まして固定資産税の評価を公示価格の七割で評価をするということでやってまいったわけでございます。
 御指摘のとおり、時間的なずれというのが出ておりまして、一年間に三割以上公示価格が下がったところにつきましては形式的にはそういう逆転現象というふうなことが起こっておるわけでございますけれども、私ども長い経緯を経てここまでやってまいったこの評価がえでございますので、これにつきましては現在のやり方をしっかりと守っていきたいというふうに考えておるところでございます。
○清水達雄君 この発言で終わりにしますけれども、当時、自民党の税制調査会長をやった武藤嘉文先生も、要するに七割にするということは金科玉条というふうに押しつけられたというのか、受け取っちゃって、やってやっぱりまずかったなというふうなことも言っているわけで、やっぱり我々としてはこれは見直しは必要だというふうに思っておりますので、その辺については御検討をお願いしたいと思います。
 それから、もう質問ではありませんが、住宅金融公庫の基準金利の変更の問題なんですけれども、とにかく去年はたしか七回ぐらい金利が変わっているんです。これは最終需要者にとっても事業者にとっても非常に困るわけで、年二回ぐらいに変更する。その変更の全体の程度が利子補給に影響を与えないというようなことは私はできると思いますので、そのことをぜひ検討していただきたいということをお願いして、質問を終わります。
○前畑幸子君 私も昨晩遅くこの税制改革についての答申をいただきまして、きょうはまだ全部目を通していないので、もう少しお聞きしたいことがありますが、その前に大臣に、きょう私は新聞の一面にほとんどこの問題が出るのではないかなと思いましたところが、円が九十九円台になったということで、大変なことではないかなと思います。
 昨年八月に記録した百円ちょっとをまた突破してしまったわけですけれども、この三カ月の経済成長率を見ましても、景気は少し底入れをしたというような問題が出ておりまして、私どもも精神的にも喜んでいるわけですけれども、そうしたやさき、景気回復に向かう日本経済に大変大きな影響を及ぼすことではないかと思います。
 来月七月にはナポリ・サミットにもお出かけになるわけですけれども、この円高をどのようにとらえられるのか。十時五十分現在を今調べていただきましたら、やはりまだ百一円十三銭ということのようでございますけれども、今後の見込みはどのようにとらえられているのでしょうか。
○国務大臣(藤井裕久君) 最近の動きは、もう御承知のようにドイツ・マルクが高くなって、それに引きずられてもちろんドルが安くなったわけですが、昨日の動きは円がやはりドルに対して高くなった、こういう動きをしたと思います。結論から申しまして、私はこれは投機的な思惑が入っているということは言わざるを得ないと思います。
 G7の通貨当局が常に合意をしていることは、このような思惑的な動き、不安定な動きということは、そのおのおのの国の経済のみならず世界経済のためにも望ましいことではない、こういう合意があります。そして、そういうような事態に対してはお互いに連絡をとり合って適時適切に対応していく、こういう合意がありますが、私どもといたしましては、適時適切と申しますか密接にこれは連絡をいたしております。それによって確固たる対応をいたします。
○前畑幸子君 大変今明るさが見え始めたというところに冷や水をかけられるような状況ですけれども、日銀の買い支えも考えられているとは思いますけれども、早い対応を考えていただかなきゃいけない。そして、この六月中には日本の所得税減税とか、それから先ほど質問にありました公共投資の枠とかいろいろなものが考えられていると思いますけれども、そういうこととの兼ね合いも含めてどのようにサミットで経済方針を出されるのか、もしありましたらお聞きしたいと思います。
○国務大臣(藤井裕久君) これは総理がお集まりになる最高首脳の会でございますので私がとかくのことは申し上げづらいのでございますが、やはり日本経済が、これは世界経済のためにとっても日本経済のためにとっても内需の拡大ということは非常に重要な施策である、それが政策協調の結果、昨年の宮澤総理の時代の東京サミットでも合意されたことでありまして、そういう一つの流れにさお差すようなことはしてはいけない。そういう意味からいって、内需拡大のため、既に決まっていることではございますが、適切に対応していくということは当然総理は言われると思います。
○前畑幸子君 せっかくのチャンスですので、正しい方向に導いていただくようにお願いをしたいと思います。
 そして、今の税調の出された答申についてちょっとお聞きしたいと思いますけれども、大蔵省が望まれた国民福祉税の七%より低い率にすれば国民の同意が得られるのではないかというようなニュアンスもありますけれども、先ほどからお話のありましたように、加藤税調会長は七%は基本的な率だと思うという御発言をされておりますけれども、この辺についてはどのようにお考えですか。
○国務大臣(藤井裕久君) 率については現在まだ何も決まっていないわけでありますが、恐らく加藤会長が言われたのは、私どもが機械計算として出すようにと言われたその前提の一つに、財政体質を悪くしないように、そしてまた、福祉のためにもある程度財源が割けるように、こういう前提の計算の中で七という数字が出ております。それを恐らく会長は言われたのではないかと想像いたしておりますが、私どもといたしましては、先ほど楢崎委員にもお答えいたしましたように、この答申及び税制改革協議会の御意見というものを踏まえながら、連立与党の皆さんともよく相談し、また各党の御理解もいただきながら一つの立場を政府として決定してまいりたいと思います。
○前畑幸子君 新聞によりますと、消費税率上げ幅は二十三日の午前にもまとまるというふうに書かれております。もうほとんど決まっているのではないかなと思うわけですけれども、消費税を論ずる前に、先ほどから先輩の先生からお話がありましたように、これからの日本の将来の福祉ビジョンなり行政改革なり、そうしたものをどのようにしていくかという論議が余り見えてきていないわけです。
 先ほど大臣もおっしゃっていただいたように、私どもも連立与党にいましたときには勉強を始めさせていただきましたけれども、各省庁のレクを、過去のデータを御説明いただいているうちに私ども肝心なところになって発言をする機会を失ってしまいましたものですから、これから議員同士の討論、意見が言えるところへきましてはじき出されてしまったわけで、私としては本当に残念なんです。
 私は、税理士として中小企業の申告書を書いてまいりました。その声をこれから上げられるところへきたわけで、本当に自分としても残念なんですけれども、今回の答申を読ませていただきますと、中小企業者の益税とかそういうものに関することもきちっとうたわれていないような気がするんです、先ほどから御指摘のあったように。やはりそういうことをきちっと一つずつ、いつまでも逃げているのではなくて出していただかないと、もう一週間足らずで今月が終わるわけなんですけれども、多少の方向性というものはきょう現在大臣としてはどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(藤井裕久君) 益税という言葉を使うとちょっと私どもと感じが違うので、あえて中小企業特例とこう言わせていただきます。
 中小企業特例につきましては、税制調査会において検討するようにということを言われておりますし、私は予算委員会等を通じましてこれは重要な検討事項であるということをお答えしたつもりでございます。
○前畑幸子君 今回の税制改革といいますのは、平成元年に消費税導入、そして次に四年でしたか地価税導入と、いろいろな新税が入ってまいりまして、また今回抜本的な税制見直したという声なんですけれども、税というものは余り二年、三年で次から次から変わるというのは私はどうかなという気がいたします。もう少し中期的、長期的なビジョンというものを出していただく。
 その根本には、将来の福祉が中福祉・中負担なのか、高福祉・高負担なのか、年金、それから医療、福祉のあり方をもう少し具体的に国民に訴えていただく謙虚な政府の態度に国民も納得をするという形が必要ではないかなと思います。
 大内厚生大臣のしていらっしゃる福祉ビジョンは、個人的な懇談会にすぎないと思います。それがあたかも政府の出したような案として出されると、私どもはそれに対してまだ審議をする機会も得ていないわけで、それによって福祉ビジョンがもうわかっているだろう、ある程度の概略はわかっているだろうというのはちょっと私どもの議論になっていないのではないかなと思います。
 その数字を厚生省が出してきたからと、ぽんと五兆二千億と乗せて、そして、これだけ七%はどうしても要りますというふうに訴えられても、私ども幾ら大目に見ましても理解しがたいので、もう少し納得のいく、要るものは要る、減らすものは減らすというところを見せていただきたいなと思うわけです。
 そうしましたら、今度は国家公務員を半分にするというような案がとっぴに出てまいりましたけれども、私はそれがいいとは申しません。特殊法人の見直しなんかも出ておりますけれども、やはり行革するものと手厚くしていかなきゃいけないものといろいろなパターンがあると思う。三十年同じパターンできてしまったことがいけないのであって、一概に全部をいけないということは言えないと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(藤井裕久君) まず第一の御指摘のように、税制というものは毎年毎年変わるのはおかしいものである、これは全くそのとおりでございます。特に地価税のお話が出ましたが、私はあれは、資産インフレ期において、貴重な我が国の経験に基づいて土地税制ができたものと思っております。したがいまして、いろんな御意見がございましたが、今国会でも前国会からもございましたが、この基本は守り通しているつもりでございます。
 また、消費税についてのお話でございますが、これに福祉ビジョン、この福祉ビジョンも先ほど楢崎委員にお答えいたしましたように過去二回ほどつくったことがあるんでございますが、そういうベースを踏まえながらだからだとは存じますが、それから比べると極めて進んだといいましょうか、よく厚生省は勉強なさった結果だと思っております。
 同時に、そういう中で、また国会でいろいろ御議論のあるように、少し公的なものに偏り過ぎているのではないかとか、もっと自助努力をふやせとかいろいろ御意見ありました。これも謙虚に伺うべきことだと思います。
 ただ同時に、この福祉ビジョンというものはそういうものでございますので、将来のあるべき方向を相当具体的に私は出していると思います。過去においてこれだけ具体的に出したことはないと思います。そういう意味で一つの方向づけ、一つの材料としてお使いをいただくということではないかと考えております。
○前畑幸子君 税体系にとどまらず、国民の負担率をどこに置くのかとか、それから国と地方の財源バランスをどこに置くかとか、それから行財政改革をこの程度に進めるということ、将来推計をどのレベルに置くかということをきちっと示していただきたいと思います。
 ここ数日で一気に決着をしてしまうような雰囲気もありますし、また、政治が大変混乱の中にありますのでまた埋没してしまうような気もいたしますし、大変不安定な中ですけれども、可能な限りお示しをいただいて国民の納得を得ていただきたいと思います。
 私はこれで終わります。
○国務大臣(藤井裕久君) 大変貴重な御意見でありますし、私どももそういう気持ちで謙虚に受けとめさせていただきます。
 ただ、一つ申し上げたいのは、過去から福祉計画をつくりなさい、財政計画をつくりなさいといういろんな御議論が常に出ておりました。しかしこれは、今の自由経済の体制では、計画という意味においてはなかなかできなかったというのが過去の政府も一生懸命勉強した結果でございまして、これがやはり計画ではなく、ビジョンだとか見通したとか、そういうことにならざるを得ないという現在の日本経済の姿だけはひとつ御理解をいただきたいと思います。
○堂本暁子君 堂本でございます。
 初めて大蔵委員会で質問させていただくわけですが、今前畑さんは中小企業の人の気持ちをとおっしゃいましたが、私はきょう初めてなので、一番素直に質問できる時期かと思いますので、村に住むおじいさんおばあさんや、団地に住んでいるお母さんお父さんの感覚できょうは御質問申し上げたいと思っています。
 私は、税制協議会の中で行財政改革の、しかも公共事業の問題と取り組んでおりました。与党のとき、そして野党になってからも続けております。これからはどっちになるのか知りませんが、いずれにしても、どちらになっても今のところはずっと公共事業なので、その点を中心に伺いたいと思っております。
 八〇年ごろから公共事業の予算のシェアが固定化した、これは非常にどこでも指摘され、しかも公共事業の最大の問題として取り上げられてまいりました。一方で産業構造、さらに人口の構成も変わってまいりましたし、自然環境も大きく動いてきました。こうした社会の現状、それは国内的にもですが、同時に国際的にも大きく動いている中で、どうしても時代に対応したシェアの組み方が必要だということで、これは細川内閣の公約でもございました。にもかかわらず、九四年の予算においては道路も、それから下水道も、港湾も、そういった主な項目についてはほとんどがコンマ以下の変更しかございませんでした。大変残念に思っております。
 ずばり大臣に伺いたいんですけれども、八〇年以後のこうした事業別のシェアが非常に固定化してしまったその原因はどこにあったのか。それから、これからトラスチックに国民が求めているような抜本的な是正はどうしたらできるのか、端的にぜひお答えいただきたいと存じます。
○国務大臣(藤井裕久君) まず、公共事業のシェアの見直しということは昨年の連立与党を組むときの一つの重要な柱でございました。そういう御意向のもとに私どもは全力を出してこれをやったつもりでございます。
 いろんな御意見もありましたが、これも国会で何度もお答えしているのでございますが、私は公共事業はみんな大事だと思うんです。それはお金が高いとかいう問題はあるにしろ、事柄としてむだなものはないんだと思います。しかし、現在の時点で今堂本委員おっしゃったように何が一番おくれているのか、この問題だと思うんです。
 そういう意味からいうと、やはり生活環境が一番おくれているという判断は全く正しいという前提で私どもやらせていただきました。したがいまして、これは都会と地方の問題では全くありません。下水道の農村版であるところの農村集落排水は一六%伸ばしております。これは一番であります。あるいは廃棄物処理が一四%伸ばしておりますが、これも都会の問題であると同時に地方の問題でもあります。都会の問題としては、都市の幹線というような地下鉄などは非常に伸ばしたわけでございます。そのほか上水道、公園等々伸ばしました。それは一〇%近く伸ばしております。
 だけれども、全体のシェアは余り変わっていないのではないかと。これも予算委員会で端的に感想はどうですかというのにお答えしたんですが、一般の方から見るとおっしゃるとおりです、余り変わっていませんねという御意見でありますが、その道をずっとやってきた者からすると、よくここまでできたねという話もあるのでございまして、私どもとしてはこういう伸び率を何年がやることによって、何年か後にはああやっぱり目に見えてちゃんと連立与党の合意のとおりに行ったなと言うことができると思っているんです。それにはことしやったようなことを毎年やっていかなければいけないと思います。そういう意味での御理解、御支援をぜひいただきたいと思っております。
 なぜこれがというお話なのでございますが、今までの十年、十五年をとりましても、私は道路が悪い公共投資とは思っておりませんが、道路のシェアというのはぐっと落ちておるのでございます。それはそれなりにそのときどきの政府の皆さんがいろいろ努力されたと思うんです。私はそれなりに動いてきていると思いますが、もし御質問の趣旨がそうであるとすれば、いろいろなグループというものがあって、省というものがあって、そこの立場から見ればみんなまじめにやっているんですね。自分の仕事が大事なことだという信念でやっていると思います。
 ですから、そのシェアをどうしても守りたいというお気持ち、これはわかるんですね。しかしそれを直すには別の立場で、今初めの方に申し上げたような観点からこれを直すという大きな努力が必要だということをあえて申し上げたいと思います。
○堂本暁子君 それぞれに各省が一生懸命やっているというお話がございましたけれども、まさにそこが問題なのではないか。各省のための財政なのか国民のための財政なのかといえば、これはもうだれもそれに対して異論はないはずでございますから、役所のためにたとえ一年といえども財政が本当に国民のためにならないような組まれ方をすることは、これはやはり私たち政治の責任は非常に重いというふうに私は認識しております。
 そのことで言えば、シーリングのあり方、シーリング方式を続ける限りはそれが是正されないのではないかというふうに思います。ですから、今は所管別の縦割り、しかも積み上げ方式型で予算を編成しているわけですけれども、公共事業の場合でもいろいろございます。
 例えば、どこかの地方の村へ行って、そこに公民館がある。隣に保育園があったり。それは例えばスカンジナビアの国だったらば、障害者の施設の給食センターを使って小学校の域内で老人のための宅配もやり、隣の学校の給食もつくりというようなプロジェクトでやっているわけですね。それが日本の場合は、各省伺いましたけれども、例えば厚生省の中同士ならまだやりやすい。しかし、それが例えば環境庁と厚生省と文部省というふうに横になると大変にやりにくい。しかしそれのためにどれだけの大きなむだがあるか。それから使いにくさというのもあるわけですね。
 もし本当に給食の宅配さえあれば、在宅でおられる、家で過ごしたいという老人が施設収容されなくて済む。あえて施設収容と申します。精神病院に行かなきゃならないおじいさんおばあさんもいるわけなんですね。やはりその土地で幸福に生涯を送るということを考えたらば、役所の方の縦割りが大事なのか、本当にそこで日本を支えてきた老人がより大事なのかといえば、あくまでも老人でございます。
 そういうことで言えば、今のような縦割りのあり方というのをもっと横断的なプロジェクトに切りかえて、財政の目的本位のやり方というものを持ちながら、それがどんなに大蔵省にとって各省にとってやりにくかろうと、国民の要求はそこにあるというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(藤井裕久君) 私が申し上げた中に、役所のためというふうに使った気持ちはないのでありますが、まじめな公務員たちは、やはり自分のためではなく国民のために自分の立場で考えるとこれが大事だ、こういう気持ちでやっていると思うんです。ですから、役所のためという感じとはまたちょっと違います。
 だけれども、おのおののポストでこれが国民のためになっているんだと思った結果が、今堂本委員おっしゃたように縦割りという形に出てきている、これが私は実態ではないかと思います。特に、地域のセンターに公民館あり何々ありというのは全くおっしゃるとおりなんです。実にむだだというふうに財政の立場でも思っております。
 そういう意味で、財政でできる範囲はございますけれども、財政の立場でできる範囲で今のような縦割りによる財政のむだ遣いについては、私どもは全力で今やっているつもりでございますが、今のようなお話はなお外しまして一層頑張ってまいりたいと思います。
○堂本暁子君 具体的に申しますと、例えば三十年後を考えた場合に、小中学校の校舎を使ってのデイサービスとか給食サービスは恐らく二万五千カ所できるだろうというふうな試算があります。さらに老人のための施設というのも、今までの学校や何かを修復するということも可能だということなんです。しかし、公共投資の場合は余り修復とか修繕ということには使っていただけない。その辺も、今まである資産をどう活用していくのかという点も大いに考えていただきたい。
 それから、確かに省庁とおっしゃらなかったんですが、やはりシェアの割合がコンマ以下であったということは、省庁の中の移行、例えば都市から農村とか、下水道の場合なんかはそういうことがあるわけですが、そういう省庁の中では動いても別の省庁の間で動かないということがまさにあるので、私はあえて省庁というふうに申し上げました。
 次に移りたいと思いますけれども、今政府は総額四百三十兆、この公共投資計画の見直しを始めていらっしゃいます。そして、新聞の報道によりますと六百兆程度とするというようなお話が進んでいるようですけれども、これは量的な拡大なのか、それとも今伺っているような時代のニーズにこたえた質的な転換なのか。少なくとも、その分野の中で、今までの公共事業の枠では入らないような問題も今の時代のニーズとしては多々ございます。
 特に私が感じているのは、もちろん福祉は一番大きく感じていることですが、次に感じているのはやはり自然環境です。去年の予算ですが、自然公園が初めて公共事業として認められたということは非常に評価しているんですが、これも国立公園なんかの中でトイレをつくるというようなそういったインフラストラクチャーについての公共投資。しかし、実際には自然自体も私たちにとっての大きな資産です。しかし、自然の保全に使うようなそういったものは決して公共事業とは認めていただけない。
 これは金融の方の論理と申しますか、あくまでも建設公債を出してのことなので、そこのところの金融の論理はわからないわけじゃございませんが、乱暴にあえてそこを破って申し上げさせていただければ、そういった教育、文化、あるいは情報通信といったような分野、そして文教なんかでしたら、四千万以下のプロジェクトといったようなものに対しては公共投資として適用されない。こういった点の質的な転換を図ることをなさりながらこの六百兆の計画を立てようとしていらっしゃるのかどうか、ここが大変大事だと思いますのでぜひお聞かせてください。
○国務大臣(藤井裕久君) まずちょっとさっきのことに関連してでございますが、今おっしゃったことは大変大事なことで、その一つの解決策が私は地方分権だと思うんです。私ども政府で今地方分権を非常に推進しております一つの大きな面はそれでございます。地方の団体から見れば一つの仕事なんです。それが国に行くとこう分かれるので今のような弊害が出てくる。なるたけ住民の身近な問題は地方で解決するということが、今の問題にお答えする一つのというか、極めて基本的な政策として地方分権があるということをお答えさせていただきたいと思います。
 次に、四百三十兆問題でございます。これはもう既に明らかにしておりますように、積み増しのみならず、中の入れかえ、見直しということが重要な柱になっておりまして、ただいま御指摘のようなことをあわせて、これは経済企画庁でございますがやっております。
 そして、これまた技術論になるので最後の話はこういう場で適当なのかどうかあれでございますが、財政法四条で言う公共事業というものはどうしても一つの基準があると思います。
 もう何度もお聞きと思いますけれども、一定の耐用年数を有する場合に公債の対象になるということは、これはやっぱり守らざるを得ないと思います、財政法ですから。しかし同時に、公のいろんな施設や何かをやるということは大変大事なことだと思うんです。この間予算委員会でも出ておりましたように、情報化社会のための基盤整備だとか、おっしゃったような福祉だとかいろいろあるわけでありますが、そういうものは国の予算の中で国のやるべき分野についてはきちっとやっていくことは当然なのでございますが、公債対象経費という物の考え方をとりますと、どうしても財政法の考え方によらざるを得ないということはひとつ御理解をいただきたいと思います。
○堂本暁子君 今の地方分権の件については、やはり補助金と大変絡んでくると思います。ですから、私ども検討していたときには、第二地方交付税のような形でそれぞれもっと独自に地方が使える財源が必要ではないか。それからさらにメニュー化というような案も出ました。いろいろなメニューがあって、北海道から沖縄まで同じようなことをするのではなくて、それぞれの地域の特性に即したプロジェクトを持つことが大事であろうというふうに思いますが、そのことですと先へ行かれないので、まさに今大臣おっしゃいました四条公債ですけれども、私はその六十年の期間自体に大変疑問を持っています。
 どういうふうにしてこれが決まったのかという議論までさかのぼると余りにも長いと思いますが、先ほど申し上げたごく普通のお母さんの感覚で言えば、借金を返すのに六十年間のローンを組んだ。しかしもっと今必要なのは、例えば今こういう水道を使っていたけれども、この水道じゃなくて違う蛇口にしたいとか、こういうトイレだったけれどもそれを違う蛇口にしたい。しかしそれは六十年のローンを組むのではなくて、そこのところは十年のローンでいいんだというようなことだってあるわけです。
 そういたしましたならば、六十年から十年ぐらいまでの間で償還の時期を変える。これは大変面倒くさいかもしれませんが、例えば道路とかそういう大きい六十年と見なされているもの、果たして道路が六十年なのかどうなのか、私はそのことにも疑問を抱きますが、ダムだって十年でだめになってしまうダムだってあるわけですから、そこの期間というもの自体をもう一回考え直す必要がある。財政法の四条そのものをもう一度考える必要があるのではないか。
 それから、予算書についているいろいろ項目がございますけれども、そこの項目の入れ方も変えていくべきなのではないか。ごく普通の家庭の家計の感覚から言えば、余りにもここのところ自体が硬直しているのではないか。それがシェアの問題と同じに一つの公共投資の硬直を生んでいるのだろうというふうに考えます。
 そこで、はっきりその点を逆に伺いたいのですが、そもそも赤字公債と建設公債の償還の時期が一緒になってしまって、それ以来ずっと六十年に固執していらっしゃるわけですけれども、このことを一律六十年ではなくて、もっと公共事業を私が今まで申し上げてきたような非常にソフトな中身に変えた場合、二通りあると思います。一つは今ある公共事業の中でいわゆる三分野に分けられている中の生活環境という分野。これは下水道などまさに今充実しようとしていらっしゃる、そこの部分を充実するのか。それともその分野に入っていない、よりもっと私の言葉で言えばソフトといいますような自然の保護とか、それから人材育成までも含めたような領域が果たして借金に見合うかどうか非常に疑問はありますけれども、公共投資の中に入るか入らないかによっていろいろ決まってしまう。
 箱だけはできたけれども中身がないというのが今の日本の現状だとすれば、やはりここのところを再検討する必要があるんではないかというわけで、この六十年というのをもっと短期的なものと組み合わせて考える、そのことによって時代のニーズに即応するような大変大胆な改正がなければ、これから十年間の投資、それは道路も大事ですけれども、道路できて山河がなしというような国になっては困るわけでございますので、よろしくお願いいたします。
○政府委員(竹島一彦君) 御指摘は二つの話が含まれておると思うのでございます。
 公共事業がどういう内容でそれぞれの時代の変化に応じてどう変化していくべきか、どこまでをソフトとかいうことも含めてやっていくべきかという御議論が一つある。それはそれで私どもも議論をさせていただいているわけでございます。
 一方、財源をどういうふうに賄うかという問題がございまして、公債発行対象経費というのは財源をどう賄うかという次元の話でございます。これは、御案内のとおり財政法で基本的には借金で予算を組んではいかぬということになっていまして、その例外として公共事業とか出資金とか貸付金の財源はよろしいと、こういうふうになっているわけです。
 その公共事業費の範囲をどうするかということにつきまして、いろいろ御議論があるかもしれませんが、実態的なこれは財政節度の問題でございまして、今までは償還期間の長いもの、そういうことでやってきておるわけでございますが、それを短いものでもいいよということになりますと、これは今までであれば赤字公債で賄わなければならないものを建設公債でもいいよということに実態上変えるだけの話でございますので、財政の節度からいってそういうことをすべきではないというふうに考えているわけです。
 ですから、やらなければならないものをどういう適切な財源でやっていくかという問題でございますので、すべて建設公債にしてしまうということは財政運営からいって適当ではないということでございます。
○堂本暁子君 その点で伺いたいんですが、一昨日の委員会で、楢崎委員の御質問に対する御答弁で、後世代の負担とならないようにしたいという御答弁がございました。この内容にその点はかかわってくると思います。公債をできるだけ抑えたい。
 確かに、八〇年代にシーリングというやり方で、ゼロシーリング、マイナスシーリングということで赤字を減らしてきた。そのことの実績はあったわけですけれども、今必要なことは新しい時代に対応したことなんですね。今はむしろ、その八〇年代に引いた線路の上をさらに線路を延ばしてその六百兆をまた組み立てていくとすれば、これはその時代の要求とそれから予算の編成との間に非常に大きなギャップがある。これは国民も見ております。
 ですから、どんどん橋はできるけれども私たちはどこへ行って老後を暮らすのかなあという話になるわけでございまして、先ほど最初に申し上げたように、金融の論理をわからないでこの乱暴な言い方をしているわけではありませんけれども、こういうような申し上げ方をしない限りは、その論理の上に乗って話をした場合にはやはり解決しない。
 おとといおっしゃった後世代に負担を残さないということは、恐らくむしろ税金といいますか、一般会計を大きくしようということだろうと私は思いますけれども、そうだとすれば、もう少しそこのところの柔軟性を何らかの形で工夫していただく方法がないのか。建設公債は今おっしゃったとおりでございます。百も承知して伺っているわけですけれども、でもそれは、その論理の上に乗ってそのままでいけば八〇年代の線路を延ばすようなことになってしまう。質的な転換が不可能であるという点についてはいかがでしょうか。
○国務大臣(藤井裕久君) 今、法律解釈はお話を申し上げたとおりであり、かつ法律解釈はそれなりにわかるというお話をいただきました。
 まず、公共投資の中身でございますが、私は今のように大胆に中身を変えていくということは大事だと思います。公共投資というのは公債対象という意味じゃなく、公の投資の中身を変えていくということは大事だと思います。ただ、道路が全く世の中の人からそっぽを向かれているかというと、これは違うように私は思うんですね。例えば身近の街路などは、私どもの選挙区に行きますと一番やってほしいというぐらいのこともありまして、今代表的な例でおっしゃったんだと思うんですけれども、地元の街路などは大変なまだ需要があるという、そこいらも御理解の上だと思いますけれども、思っております。
 それから、一般会計の幅を大きくしてというのは、必ずしもそこまで言っているわけではございませんけれども、いわゆる一般会計の負担において今お話が出たような新しい公がやっていかなければならない分野、そういうものには対応するということは私どもは考えていることでございます。
○堂本暁子君 おっしゃるとおり、どこへ行っても道路が欲しいという声は聞いております。しかし、例えば、私ども日本も気候変動の枠組み条約を批准いたしました。そして二〇〇〇年までのCO2の排出量も規定しているわけですね。その場合に、道路がどんどんできていく、そのこととどういう整合性があるのかという、そういった地球規模の問題もございます。
 ですから、そこはやはり中央で考えなければいけないことだと思うんです。それは地球規模で言えばそうでございますし、それから国内的な問題で言えば、やはりお父さんお母さんから見れば道路も必要かもしれません。しかし、例えば電信柱一つとっても、車いすが通れるような今歩道にはなっていない。地下にそれを入れるとすれば、今度は道路の使用料が大変高いとか、いろいろ聞けば限りなくあるわけですね、そういう問題が。そして、きめの細かいそういう施策がございません。
 例えば文化財にしても、修復の費用が四億円しかない国なんていうのは本当に文化的に貧しいと思いますし、二日に一つずつ植物の種が減っている。もうフジバカマはない。そうすると秋の七草ではなくて秋の六草になるわけですし、もう二〇〇〇年に入ったら、昔は鶴が日本はいたそうだというような国になりかねない。
 そういったような総合的なことで考えると、道路も確かに必要です。私も道路はいい方がいいんです。ですけれども、そこのところのバランスで考えますと、もっと福祉や環境や情報やそして教育、文化という点をどうしたら実際に充実していけるのか、そこのところだと思いますので、よろしくお願いいたします。
○国務大臣(藤井裕久君) 御指摘の趣旨はよくわかります。私はだからあえて道路を街路と、こういう言葉を使ったんですけれどもね。身近な道路という意味で街路と使ったわけです。そして、環境というものが非常に大事だということ、これもそのとおりでありまして、そういうものに公がもっともっと対応していかなければならないというのもそのとおりだと思います。
 ただ、物によって公債発行の対象なのかどうかという点だけは、先ほどうちの事務方が説明したようなことでございまして、公の投資していくべき分野が変わっていかなければならない、それに公は対応していかなければならない。御指摘のとおりと考えております。
○堂本暁子君 どうもありがとうございました。
○牛嶋正君 もう十二時にそれほど時間がございません。十二時までやらせていただきたいと思います。
 私、税制改革について取り上げたいと思いますが、こんなに時間が限られておりますので、むしろ御質問をさせていただくよりも私の意見をまず述べさせていただいて、最後に御感想をいただくというふうな形にしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 私も昨日答申をいただきましてざっと目を通してまいりました。第二章にありますように、「税制改革の具体化のための指針」ということで、今回のこの答申は、前回の中期答申で示された方向に沿って税制改革を具体的に進めていくかということで私はまとめられたものというふうに思っております。
 そういうことで読ませていただきますと、先ほど楢崎委員、あるいは前畑委員からありましたように幾つかの疑問点が出てくるわけですが、その中で特に私は消費税の課税方法についてちょっと御意見を述べさせていただきたいと思います。
 もう一度中期答申で示された方向を私なりにまとめさせていただきますと、こんなことではないかと思っております。
 公正で活力ある高齢社会を実現するため、公平、中立、簡素の課税の基本原則に基づいて、社会全体の構成員が広く負担を分かち合う税制を目指して、現行税制の所得課税に偏った税制から消費課税に少しずつ重点を移していくような方向で税制改革を進めていく、こういうふうにまとめることができるのじゃないかと思います。私はこの方向で高齢社会を当然迎えていかなければならないと思いますが、この方向が出された前提に私は二つの前提が置かれているんじゃないかと思っております。
 その二つの前提と申しますのは、一つは所得税に関してなんですね。所得税というのは公平の原則には適合するけれども、納税者の労働インセンティブとかあるいは貯蓄インセンティブに対して非常に抑制的な効果を持っている、だから中立の原則には必ずしも適合しないんだという前提です。もう一つの前提は、これは消費税に対する前提です。消費税は公平の原則については多少問題はあるけれども、しかし中立の原則に非常に適合するんだ、こういうふうな二つの前提があって先ほども申し上げたような中期答申の方向が出てきたんだと思うんです。
 私は、この前提の中できょうは特に中立の原則について、所得税は問題がある、しかし消費税は中立の原則に適合するんだということについて少し問題を取り上げてみたい。そういうふうな前提で議論を進めていいのかということでございます。
 所得税にいたしましても消費税にしても、納税者のインセンティブにどのような影響を与えるかということですね。これは恐らく納税者が感じる税負担感、あるいは税痛と言ってもいいですが、それを通して納税者の経済活動というものが影響を受けるんだと思うんですね。そうだといたしますと、税の重さ、あるいはその税が公平に取られているかどうか、あるいは課税方法がどうであるか、あるいは納税者の税に対するモラル、あるいは納税者の所得水準、こういったいろんな要素が絡み合って、そして今申しました納税者のインセンティブに対して税がいろいろな影響を与えてくるということだと思うんです。
 そうだとしますと、先ほど私が申しました二つの前提、こういうふうに決めていいだろうか、もう少しやっぱり議論をここのところは進めていく必要があるんじゃないかというふうに思います。
 今申し上げました要因をすべて取り上げて議論をいたしますと時間がありませんので、この中から課税方法だけを取り上げて議論させていただきたいと思います。
 納税者の側からいいますと、一番いい課税方法というのは、同じ税負担を負うとするならばできるだけ分けて納めたい、そしてできれば知らず知らずに納めることができたらというふうに思っているわけであります。この課税方法に関しましては、今から二百年前のアダム・スミスの有名な租税四原則の中で三番目に挙げております便宜の原則、これは納税者が支払いやすい、納税しやすいような方法で課税しなければならない、こういうふうなことを言っているわけであります。
 今、仮に年収六百万のサラリーマンを考えてみたいと思います。この人が非常にたばこが好きで酒も好きということで、今彼に一日たばこと酒に平均千五百円使うといたしますと、年間五十万円支払うことになります。
   〔委員長退席、理事竹山裕君着席〕
ですから、今、税負担が半分といたしますと二十五万ですね。この二十五万というのは、この年収六百万のサラリーマンにとりましてはちょうど所得税と同じ税負担なんですね。そういたしますと、この人はたばこを吸ったりお酒を飲んで二十五万も払って税負担を負っているのに、恐らくそれについては税痛を全然感じていないと思いますね。それに対して、所得税の二十五万というのは非常に高いというふうなことで税痛を感じる。こういうふうに考えていきますと、課税方法というのは非常に重要な問題であります。
 所得税についてもそれは言えるわけでして、申告納税なのかあるいは源泉徴収なのかということであります。これにつきましても私はちょっと具体的な例を挙げたいんですが、大蔵省が機械的試算ということで消費税一〇%というのを挙げられました。私、これを見たときにこんな一つの情景を思い浮かべたのであります。
 これは私のことでございますけれども、今原稿を書きまして原稿料が五万円入った、五万円入ったものですから前から欲しいと思っていた五万円の万年筆を買おうというふうに決めたといたします。その場合どういうことになるかといいますと、今、所得税の源泉徴収は一〇%ですね。ですから五万円の原稿料が入るはずのものが四万五千円しか入らないわけです。ですから、欲しい万年筆を買うためには小遣いから五千円足さなければなりません。それを足して、そして文房具屋へ行って前から欲しかった万年筆を買う、そうしますと消費税一〇%ですからまた五千円を追加しなければなりません。そのときに、同じ所得税五千円、消費税五千円ですけれども、どちらに税負担を感じるでしょうか、税痛を。私は、もらうときよりも欲しい万年筆を買うときに追加しなければならない五千円の方がかなり重く感じるのではないか。
   〔理事竹山裕君退席、委員長着席〕
 こういたしますと、先ほど申しました中立性の原則に関しましては、今の三%の税率では私は妥当だと思いますけれども、これがだんだん引き上げられてきた場合に、今の課税方法のままでは先ほど申しました前提は成り立たないのじゃないか。ですから、課税方法をやっぱり物すごく検討しなければならない。ところが、答申を見ますと従来どおりの仕入れ税額控除という方式を踏襲すると書かれておる。ここのところが一番の私はポイントじゃないかと思いまして、御意見を述べさせていただきました。
 もう時間が来ましたので御回答は要りませんけれども、感想だけちょっといただきたいと思います。
○国務大臣(藤井裕久君) 税目ごとに長所短所がある、いつもお答えしているとおりで、全く私はそのとおりだと思っております。もしある税だけが絶対であれば、一税目になってしまうわけでありまして、必ず相補っているということだと思います。そのとおりだと思います。
 そこで、課税方法についての便宜性の原則でおっしゃいました。私はおっしゃる意味がわかるんです。その問題は、例えば消費者の方との関係でどういう価格表示をするかとか、そういう問題にかかわっているように思います。今この委員会でお答えしていることは、これは各業者の方の自由でございますというふうにお答えをしているわけであります。そこの点の御指摘であるという問題意識はよくわかりました。
○委員長(上杉光弘君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時四十分まで休憩いたします。
   正午休憩
     ――――◇―――――
   午後二時四分開会
○委員長(上杉光弘君) ただいまから大蔵委員会を再開いたします。
 平成六年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、大蔵省所管、国民金融公庫、日本開発銀行及び日本輸出入銀行を議題とし、休憩前に引き続き、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○吉岡吉典君 大臣にお伺いしますが、税制改革は、結果としては増税ということだと思いますが、どれぐらいのことを期待しておられますか。
○国務大臣(藤井裕久君) けさほどからお話しいたしておりますように、今税制調査会の答申が出た段階でございます。税制調査会に私どもが機械的計算を出したのには、これによって財政体質が悪化しないように、そして福祉にそれなりな対応ができるように、こういう前提でありますから、吉岡委員のお言葉をかりるならば、実質増税というものを前提とした機械的試算を出してくるように、こういうことだったと思います。その結果、税制調査会の結論は、はっきり具体的にそこまでおっしゃっていないわけでありますが、そういうニュアンスもあることはお読み取りいただけていると思います。
 ただ、私ども機械的計算を出した際に申し上げておりますように、これをもとにしていろいろな方々の意見があることを当然のことながら期待をいたしておりまして、そういう中に沿って今後政府としての最終態度を決めたいと思っております。
○吉岡吉典君 事実上、実質増税ということをお認めになったと思いますけれども、減税もある、その上で実質増税ということになると、だれが負担するかという問題が出てくるわけですが、これは政府税調の答申を見ても、連立与党の最近のまとめられたものを見ても、所得税率の二〇%のブラケットの幅を広げるということになっておりますね。大体千三百万円ぐらいでは二十万円の減税になるだろうということであります。
 そうすると、そういう部分は消費税が七%になっても大いに減税が期待できる。しかし、きょうの幾つかの新聞でも出ていますけれども、七百万円から八百万円以下は増税ということだということになっておりますが、そうすると結果として逆進性が強まるということになると思いますけれども、その点は大臣どのようにお考えになりますか。
○国務大臣(藤井裕久君) これも先ほど来から議論の出ておりますように、おのおのの税目には長所と短所があると思います。消費税はそれだけをとらえれば逆進性をやや持っているということは否定いたしません。しかし、所得税等々とかみ合わすことによって、全体としての累進構造というものはまだまだ日本の国民の皆様に理解していただける形になっていると思います。
 現在でも、第一分位と第十分位を比べますと、消費税の負担が第一分位では一・八%、第十分位では一・四%。そこだけとれば今御指摘のようなことになっておりますが、全体として見ると相当な累進度が残っているということがまず申し上げたいことであると同時に、また、税を納めていらっしゃらない方々を中心として、当然のことながら福祉の年金等々は物価スライドをやるというのが機械計算にも入っております。真に福祉の、社会保障の必要な方には、当然これに対応するということはもちろんのことだと考えております。
○吉岡吉典君 この問題は時間の関係でこれ以上突っ込んでいきませんが、次の問題は大蔵省の天下り問題についてお伺いします。
 帝国データバンクの調査によると、全国の上場している銀行・証券会社百四十社に対し大蔵省から八十七人、日銀は六十九人、合わせて百五十六人の天下りの役員を送っている。東京商工リサーチの調査によると、全国の百五十の銀行の頭取のうち大蔵省、日銀出身の頭取は三十九名で、全体の四分の一を占めております。これは全く異常なことであると思います。
 また、大蔵省が衆議院の予算委員会に提出した資料によりますと、昨年一年間の本省の課長クラス以上にあった者の退職後の就職状況が示されており、これを見ますと、事務次官以下三十名の職員が国民金融公庫総裁など政府系金融機関、特殊法人などの重要役職にあたかも通常の人事異動の一環であるかのように再就職しております。そして、その中の何人かは幾つかの政府系金融機関などを渡り歩き、そのたびに巨額の退職金を手にすることができるという仕組みになっております。日銀総裁ですら生え抜きと事務次官のOBとが交互につくという暗黙のルールがあると言われております。
 これらの天下り人事は、ジャーナリズムの指摘するところによれば、大蔵省の事務次官、官房長、秘書課長の人事三役が取り仕切っているというように言われております。こうなると組織的な天下りであり、さきの金融スキャンダルの教訓としての業界との癒着を根絶するという教訓が生かされていないとしか言いようがございませんが、大臣、こういうことこそ政治改革の最優先事項として正していくべきではなかったかと思いますが、どうお考えになりますか。
○国務大臣(藤井裕久君) 今の数字そのものについては、正確には、もしあれば事務方から答えさせますが、物の考え方についての御指摘と存じます。
 金融機関、特に政府関係金融機関については、政策金融でありますために、そういう意味での経験を有する者が必要であることは事実であり、大蔵省の職員の中には金融であるとか経理とかいう点を専門的に何十年もやってきた人間も多いわけで、それなりの適性ということもあると思っております。
 御指摘の一つの、俗に言う渡り鳥という言葉がございますが、そういうものは厳格に今抑えているというのが最近の事例から御理解をいただけると思います。しかし、このことに御批判があるという事実は率直に私どもも承知をいたしております。同時にまた、このことがいやしくも行政との関係においてゆがむような形があってはならない、これは常に戒めておるところでございます。
 それから最後にお話のありました、大蔵省の幹部がこの人事を動かしているというようなことは、これはございません。相談というか、そういう人がいませんかというふうな相談があるということは私は事実だろうと思っておりますが、そういうようなもので民間の人事が行われるはずがないのでございます。民間の人事というものは、その民間機関がやはり生死をかけて経営をやっているわけでありますから、人の言うことを聞いて人事をやるのでは経営そのものが曲がるわけで、そういうことは私はないと考えております。
○吉岡吉典君 今の最後の部分は、それにもかかわらず多くの人々が指摘しているところであります。
 私、ここを時間の関係で飛ばしますけれども、天下りだけでなく天上がりということで、金融機関から天上がって大蔵省に出向しているという問題も指摘されているところです。こういう問題も含めて、金融機関と大蔵省との癒着というふうなことが話題になるようなことがないようにきちっと、大臣、今後指導していただくようにお願いいたします。
 次に、バブルからの教訓という問題について幾つかの点でお伺いします。
 バブルが破裂してからの後遺症というものは極めて深刻であります。私のところもたくさんの問題が持ち込まれ、その一部は大蔵省にも持ち込んでいろいろ相談にも乗ってもらっている問題もあります。私はここでその一つ一つを取り上げようということではありません。私が横っちょから見ていて感ずる点は、大蔵省のバブル後の対策というのは金融機関救済に重点が置かれているような感じをどうしても受けます。しかもそれが成功していない。その一つは、この間の東北三銀行の合併が失敗したというふうな形でもあらわれていると思います。
 私は、大蔵省が銀行救済を考える場合にも忘れないでほしいことは、銀行や証券会社、生命保険会社等の口車に乗せられて株式投資に走った結果、バブルの破裂で全財産を失い、あるいは失いかねない危険に直面している、泣くに泣けない、死ぬに死ねないという悲劇が至るところで起こっていることであります。大臣はこういう実情を念頭に置いておられるかどうか。
 金融機関の問題について指導する場合には、その先のいわば金融機関との関係で言えば、被害者の立場にある人のことも念頭に置いた対策、また金融機関の指導が必要であって、それは自己責任だというようなことで片づけるわけにはいかない問題があると思います。
 この点、まずお伺いします。
○国務大臣(藤井裕久君) バブルといいますか、資産インフレというものは、私はもう極めて残念な話だったし、貴重な反省の材料だと、そういうものに基づいていろんな政策をやっていくべきだというふうに考えております。
 金融機関についてお話ございましたが、金融機関救済という言葉を吉岡委員は使われたのでございますが、やはり金融機関も健全化しないと、日本の経済は総需要政策だけではなかなか回復しないという観点があり、金融機関の不良債権問題には私は積極的に取り組ませていただいた次第でございます。決してこれは金融機関をただ救済するという観点ではなく、当時、公的資金も使うべきじゃないかという一部の意見があったにかかわらず、現在に至るまで公的資金は使わずに、金融機関の自己努力によってやらせていることも御承知いただきたいと思います。
 また、融資態度でありますが、おっしゃるとおりのことは私はあったと思います。そういうことの非常な反省の上に立って今金融機関の幹部たちは対応していると思います。このことが逆に融資の貸し渋りという現象を起こしていることも否定いたしませんが、これも各委員会で私はいつも申し上げておりますように、貸し渋りという中には、過去のああいう金融機関の経営者たちの反省もあるので、その点だけは認めて、また評価を我々はしているので、わかっていただきたいということを御質問者の方には申し上げております。
 このことは非常に大事なことであって、金融機関経営者の反省というものは私たちはそれなりに評価しなきゃいけないと思いますが、同時に、過去に起こったいろんなことは私どももそれなりに承知いたしております。いろいろ訴訟になったりしているようなケースもあるわけでございますが、訴訟のようなケースについては私どもこれは入れないわけでございますけれども、こういう貴重な反省の上に立って、公的な色彩の強い、金融機関らしい融資、経営をやってもらうように強く指導しておるところでございます。
○吉岡吉典君 私の知る、たくさん持ち込まれている例に共通してあらわれている問題は、一攫千金の夢をあおって、巨額の融資つきの株式投資に走らせているということです。それは銀行がかんでおり、証券会社がかんでおり、生命保険会社がかんでおる。いろいろあります。きのうレク取りに来られている最中にも、そういう被害者の一人の人が私の会館に来ておられて、その人にどう受け取られるかと思って、レクの説明もなかなか難しくて困ったという状況でもありました。
 それらの問題は、聞いてみますと、それらの人が共通して言うのは、あのときに株を買えばもうかると言われたあの言葉さえなければ私の人生は違ったんだ、どんなことを言ったかということを共通して訴えているわけですね。私は、それは証拠はもちろん残っていないけれども事実だと思います。
 それはいろいろあるわけですけれども、変額保険というふうなものも含めてこういう例がたくさんあるわけです。金融機関がこういう問題について解決する場合に、裁判に介入してくださいなどと私も申しませんし、私自身も介入はいたしませんけれども、考え方として、やはり銀行はこういうことから教訓を学んで、まずそういうトラブルが起こっている問題の事件の解決については、担保をとればいいんだというふうな態度、あるいは証拠があるかというふうな態度ではない態度をきちっととること。それから同時に、一攫千金をあおるようなことは今後絶対ないように大蔵省としてきちっとした指導をぜひやっていただきたいと思います。
○国務大臣(藤井裕久君) 初めにも吉岡委員言われたように、自己責任などということで片づけなさんなよというお話ありました。やっぱり金融機関とか証券会社というのはそれなりに社会的な信用があるわけでありますから、単なる自己責任ではない。やっぱりそれだけの責任のある人たちが言ったんだから信用しちゃったんだよというような話が現実にあると思います。また私もそういう例を知っております。これも金融機関、証券会社等の経営者が強く反省していかなければならない点だと思っております。
 また、有担保主義についてのお話がございました。日本は極度に土地担保、それの有担保主義に偏り過ぎているということも事実であって、その言葉が土地本位制とかなんとかという言葉に関連していると思います。こういう点についても、銀行局長ここに来ておりますが、銀行局長の行政指針によりまして、担保に偏重するな、事業の将来性のあるものをよく見きわめて融資するようにと銀行局長の通達も出しておるところでございます。
○吉岡吉典君 時間になりましたので終わります。
○島袋宗康君 沖縄振興開発公庫の平成六年度の各目明細書を委嘱審査の資料としていただきました。同公庫の事業に関連して、沖縄の都市モノレールの問題について二、三お尋ねしたいと思います。
 御承知のとおり、沖縄では全国で唯一の鉄軌道のない県であります。戦前までは軽便鉄道があったわけでありますが、今次大戦ですべてのものが焦土と化し、今はただその形跡のみが地図上で残っているというふうな状態でございます。
 戦後、沖縄の陸上交通の整備は、土地が軍用地に接収されるなどで著しくおくれております。とりわけ那覇市内の慢性的な交通渋滞は、小手先の対応ではもういかんともしがたい状態に陥っております。
 本土復帰後策定された第三次にわたる振興開発計画の中でも、その政策の目玉として盛り込まれたのが、県民の熱い視線が向けられております都市モノレールの事業計画ではないかと思っております。この事業にはこれまで約四百億円の国費が先行投資されております。用地取得、あるいはまた街路関連事業がほぼ完了しておる状況であります。
 しかし、このモノレール本体事業の進展は思うように任せぬ状態であるというふうに聞いております用地元では、来年度の概算要求が近づいているこの時期、先行き不透明なこの事業計画に焦りを感じておるとさえ言われております。
 現在この事業の焦点は、このモノレールの本体事業を来年の国庫予算に盛り込めるかどうかということにかかっているのではないか。その前提として沖縄振興開発公庫から融資を受けられるかどうかというふうなことにかかっていると思っております。
 その事業は現在との程度進展しているのかどうか、進捗状況についてちょっとお尋ねしておきたいと思います。
○説明員(田村仁人君) 御説明申し上げます。
 沖縄の都市モノレール事業の進捗状況でございますが、那覇市の交通問題に対処するため都市モノレールの導入が構想され、これまでに実施計画調査、さらには関連する道路の整備が進められてきております。こうした中で、最近の状況としまして、本年の一月二十六日には県、市と地元のバス事業者四社の間でモノレール建設へ向けたバス網再編等につきましての基本協定が結ばれております。このことは、モノレールの建設に向けまして大きな前進を見たものと考えております。
 しかしながら、モノレール工事の着手につきましては、主なものとしまして事業収支の見込みの問題ですとか、さらには資金調達の見通し等、地元におきましてなお解決すべき重要な問題が残されている、これが現在までの状況でございます。現在、県が中心となりましてこれらの問題を解決すべく鋭意調整作業が進められている、こういうふうに承知いたしております。
○島袋宗康君 この事業推進について、沖縄開発庁としてはどういうふうに推進を考えておられるのか、あるいはまた開発庁のこの問題に対する基本的な姿勢、それをひとつお聞かせ願いたいと思います。
○説明員(田村仁人君) 御説明申し上げます。
 先ほど申し上げましたように、バス路線の再編成等の問題につきまして関係者間で協定書が結ばれまして大きな前進を見たわけでございますが、なお解決すべき重要な問題が残されております。現在、県が中心となりまして、これらの問題を解決すべく鋭意調整作業が進められているところであります。沖縄開発庁といたしましては、当面はこれら県が鋭意進めておられます調整の状況を見守ってまいりたい、このように考えております。
○島袋宗康君 最近の地元新聞の報道によりますと、今御答弁がありましたように、開発庁首脳がこの問題についてしばらく見守りたいというふうな意向で論調されておりますけれども、沖縄開発庁のこれまでの努力は非常に私も認めるところでありますけれども、この時点では、いま一歩踏み込んで県に対する助言や、あるいはまた関係省庁に対する連絡調整等についてひとつ主導的に御努力いただきたいというふうに思っております。
 私がここで発言するということも、そういうお願いを込めて、開発庁のさらなる御努力をひとつ期待して、もう一遍御答弁願いたいと思います。
○説明員(田村仁人君) 御説明申し上げます。
 沖縄開発庁としましては、さきに述べました諸問題を解決した上で、都市モノレール事業が円滑に進められ、何よりも経営として成り立っていくことが那覇都市圏の交通渋滞の緩和のために必要なことと考えております。このような基本姿勢に立った上で、先生から御指摘を賜りましたように、必要な協力、支援を行ってまいりたい、このように考えております。
○島袋宗康君 沖縄開発金融公庫の設置された趣旨が沖縄振興開発金融公庫法の第一条に明記されております。すなわち、沖縄における経済の振興及び社会の発展に資するためというふうにうたわれておるわけでございます。このモノレール事業に対する融資などは、それこそ沖縄振興開発公庫の設置目的に合致するものであると私は思っております。
 この事業が進展すれば、単なる通勤の手段としてのモノレールではなく、開発がおくれている沖縄の北部の振興にも寄与するでしょうし、また、戦争で焦土と化した沖縄の陸上交通を総合的に見直し、いわゆる公共輸送システムの誘導を考える沖縄県や那覇市の政策が急を要する事業であると私は理解しております。
 確かに、公庫は金融機関としての性格上、採算性を度外視しての事業に融資するわけにはいかないというふうに思いますけれども、事業スタートの経営という問題もありますけれども、一方沖縄の政治的、歴史的事情もあるわけでありますので、その背景もまたしんしゃくしていただかねばならないというふうに考えるわけであります。加えて、さきに申しましたように、この事業のために既に国庫から四百億円のインフラの整備もされております。
 そういうわけですから、国費の効率的な運用として、そういう観点からぜひこの事業に対しては大蔵省も、各省庁も最大限早期執行の配慮をいただぎたいというふうに要望するわけでありますのできたら、お答えを願いたいと思います。
○政府委員(寺村信行君) ただいま委員のお話にもございましたように、政府関係機関の融資の財源は厚生年金あるいは郵便貯金の資金でございまして、当然返済が確保されなければいけないという問題がございます。そのために、政府関係機関の融資につきましては、その融資先の事業に一定の採算性が見込まれることが前提になっております。
 ただいま開発庁からも説明がございましたように、このモノレール事業につきまして現在沖縄公庫において検討いたしておりますが、現在の段階ではまだ採算性が確保されない可能性が高いという問題がございます。そういう段階であると認識をしております。大蔵省といたしましては、この融資に関する原則が確保されるように今後の関係者の調整を注目してまいりたいと考えているところでございます。
○島袋宗康君 那覇市内の交通渋滞、いろいろ考えていく場合に、どうしてもモノレールが必要であるというふうなことで、二十四年にわたって大きな懸案でありますので、ぜひ開発庁とされても主導的に取り組んでいただきたい。また、大蔵省にしてもぜひそのことを踏まえて、沖縄県民のために、沖縄公庫の融資関係について御尽力願いたいというふうに要望して、終わります。
○委員長(上杉光弘君) 以上をもちまして、委嘱審査は終了いたしました。
 なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(上杉光弘君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
  午後二時三十二分散会
     ―――――・―――――