第129回国会 建設委員会 第7号
平成六年六月二十日(月曜日)
   午前十時二分開会
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   委員の異動
 六月十七日
    辞任         補欠選任
     吉川  博君     陣内 孝雄君
 六月二十日
    辞任         補欠選任
     陣内 孝雄君     吉川  博君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         前田 勲男君
    理 事
                鈴木 貞敏君
                永田 良雄君
                種田  誠君
                直嶋 正行君
    委 員
                上野 公成君
                遠藤  要君
                坂野 重信君
                陣内 孝雄君
                松谷蒼一郎君
                吉川  博君
                青木 薪次君
                小川 仁一君
                磯村  修君
                木庭健太郎君
                広中和歌子君
                上田耕一郎君
                西野 康雄君
   国務大臣
       建 設 大 臣  森本 晃司君
       国 務 大 臣
       (国土庁長官)  左藤  恵君
   政府委員
       国土庁長官官房
       長        藤原 和人君
       国土庁土地局長  原  隆之君
       建設大臣官房長  伴   襄君
       建設省建設経済
       局長       小野 邦久君
       建設省都市局長  黒川  弘君
       建設省住宅局長  三井 康壽君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        駒澤 一夫君
   説明員
       大蔵省銀行局金
       融会社室長    松元  崇君
       農林水産省構造
       改善局農政部農
       政課長      小畑 勝裕君
       自治省行政局行
       政課長      中川 浩明君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○建設事業及び建設諸計画等に関する調査
 (水源地域対策特別措置法の一部を改正する法
 律案に関する件)
○農住組合法の一部を改正する法律案(内閣提出
 、衆議院送付)
○都市緑地保全法の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
○建設業法の一部を改正する法律案(内閣提出、
 衆議院送付)
○不動産特定共同事業法案(内閣提出、衆議院送
 付)
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○委員長(前田勲男君) ただいまから建設委員会を開会いたします、
 委員の異動について御報告いたします。
 去る十七日、吉川博君が委員を辞任され、その補欠として陣内孝雄君が選任されました。
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○委員長(前田勲男君) 建設事業及び建設諸計画等に関する調査のうち、水源地域対策特別措置法の一部を改正する法律案に関する件を議題といたします。
 本件につきましては、陣内孝雄君から委員長の手元に水源地域対策特別措置法の一部を改正する法律案の草案が提出されております。内容はお手元に配付のとおりでございます。
 この際、まず提案者から草案の趣旨について説明を聴取いたします。陣内孝雄君。
○陣内孝雄君 ただいま議題となりました水源地域対策特別措置法の一部を改正する法律案の草案につきまして、その趣旨及び内容を御説明申し上げます。
 水源地域対策特別措置法は、ダムまたは湖沼水位調節施設の建設によりその基礎条件が著しく変化する地域について、生活環境、産業基盤等を整備し、あわせて湖沼の水質を保全するため、水源地域整備計画を策定し、その実施を推進する等特別の措置を講ずることにより関係住民の生活の安定と福祉の向上を図り、もってダムまたは湖沼水位調節施設の建設を促進し、水資源の開発と国土の保全に寄与することを目的として、昭和四十八年に制定されました。
 これにより、水源地域整備計画に基づく各種整備事業が実施され、水源地域の計画的かつ集中的な整備が図られてまいりましたが、近年、水源地域を取り巻く社会・経済状況が大きく変化しており、ダム貯水池の水質の汚濁を事前に防止するための対策及び水源地域の活性化対策が強く求められております。
 このような状況にかんがみ、このたび、法の目的の改正、整備事業の拡充、固定資産税の不均一課税に伴う措置の新設及び水源地域の活性化のための措置の新設を内容とする本草案を提案することとした次第であります。
 次に、本草案の内容につきまして御説明申し上げます。
 第一は、目的の改正についてであります。水源地域対策特別措置法の目的に、ダム貯水池の水質の汚濁を防止することを加えることとしております。
 第二は、整備事業の拡充についてであります。指定ダムに係る整備事業として、ダム貯水池の水質の汚濁を防止するため必要と認められる事業を加えることとしております。
 第三は、固定資産税の不均一課税に伴う措置の新設についてであります。地方公共団体が、水源地域内において水源地域の活性化に資する一定の事業の用に供する設備を新設し、または増設した者について、その事業に係る償却資産またはその事業に係る家屋もしくはその敷地である土地に対する固定資産税に係る不均一の課税をした場合は、三カ年間、その減収額について地方交付税により補てんすることとしております。
 第四は、水源地域の活性化のための措置の新設についてであります。国及び地方公共団体は、水源地域対策特別措置法に特別の定めのあるもののほか、水源地域の活性化に資するため必要な措置を講ずるよう努めなければならないこととしております。
 以上がこの法律案の草案の内容であります。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(前田勲男君) 本草案に対し質疑、御意見等がございましたら、御発言願います。――別に御発言もなければ、本草案を水源地域対策特別措置法の一部を改正する法律案として本委員会から提出することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(前田勲男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、本会議における趣旨説明の内容につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(前田勲男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(前田勲男君) 次に、農住組合法の一部を改正する法律案及び都市緑地保全法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。
 前回、両案の趣旨説明は聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○上野公成君 私は、自由民主党を代表いたしまして、農住組合法について御質問をさせていただきます。
 今回の改正は農住組合の設立の要件を変えるということでございますけれども、この改正する前の農住組合、これまでの設立の状況につきましてちょっとお伺いしたいと思います。
 特に、住宅問題は三大都市圏ですね、首都圏、中部圏、近畿圏、そういうところはどのくらいになっているかということもあわせてお答えいただきたい。
 そして、住宅がどのくらいこの組合によって建設されているかというその点につきまして御説明をお願いしたいと思います。
○政府委員(原隆之君) 農住組合法は、先生御案内のとおり、住宅需要の著しい地域で市街化区域内農地の所有者が自主的に協同して農住組合という組織を設けまして、必要に応じて当面の営農の継続を図りながら市街化区域内農地を円滑かつ速やかに住宅地に転換するという事業でございます。
 御案内のように、昭和五十五年に制定されまして翌年の五月から施行されているわけでございます。したがいまして、施行以来十三年を経過しておるわけでございますが、これまでに二十四組合が設立をされておるわけでございます。ただ、施行後十年間の昭和五十六年から平成三年までの間では十五組合が設立をされているわけでございますが、一方、平成四年以降で二十四組合の約四割に相当する九組合の設立を見ているわけでございます。
 それから、お尋ねの三大都市圏でございますが、平成三年度の法律改正前までは三大都市圏の既成市街地と近郊整備地帯までを対象といたしておったわけでございまして、平成三年の改正によりまして三大都市圏の都市開発区域と県庁所在都市、人口二十五万以上の市の区域というような地方部にまで拡大をされてまいったわけでございまして、最近におきましてはそういったところでも設立の機運が高まっている、こういうことでございます。
 さらに、お尋ねの住宅建設の状況でございますが、これまで独身寮と申しますか、そういったものまで含めまして約六百六十戸ほどの賃貸住宅の建設がなされておるわけでございます。
○上野公成君 今の局長の答弁の中にもあったわけでございますけれども、平成三年までは余り進まなかったわけですが、ここに来て非常に活発な動きが出てきておるということでございますけれども、一つはその理由をお聞かせいただきたい。
 それから、その活発になっている動きが多分まだ続いているんじゃないかと思うんですけれども、ここに来て設立を予定しているところとか、あるいは今後今までのままで幾つぐらいを設立てきそうなのか、また、変えるとどういうふうになるかということも含めてお聞きしたいと思うんです。特に平成三年度以降につきましては、三大都市圏とそれから地方圏とを別にちょっと教えていただければと思います。
○政府委員(原隆之君) まず、最初の十年間に農住組合の設立が比較的不活発であった理由でございますが、農地所有者にとってみますれば、それまで長期営農継続農地制度というのがあったわけでございまして、そういった制度のもとであえて計画的な土地利用転換を行うというインセンティブが農地所有者に対してなかったということが一つございます。それから、そういった事情を背景にしまして、地域レベルでの普及啓発、支援体制というような整備について必ずしも十分な取り組みがなされていなかったというようなことがあろうかというふうに考えられます。
 しかし、先生御指摘になられましたように、平成四年十二月までの間に宅地化する農地と保全する農地の区分が行われたわけでございまして、宅地化する農地の有効利用の機運というのが大変高まってきているということが一つございます。また、こういった事情を背景にいたしまして、農住組合は、建設省、農林水産省、そして私ども国土庁と三省が協力をして共管で施行しておる法律でございますが、そういった協力体制がより強固なものになるような仕組みになってきたこと、それから地方公共団体においても、先ほどの宅地化農地と生産緑地との区分が進められたことによりまして宅地化の支援体制が整ってきたこと、あるいは農業団体の側におきましても、地方自治体と連携をしてこれを進めようという機運が高まってきたことというようなこともあるわけでございます。さらには、先ほど御説明をいたしましたが、平成三年までは三大都市圏の近郊整備地帯までであった設立対象区域というものが一挙に地方の都市まで拡大をされたというような客観的な条件というものが整ってまいってきておるわけでございます。
 さらにつけ加えて申しますれば、先生御案内のように、農住組合というのは基盤整備と住宅建設を一体的に行うという仕組みであるわけでございまして、一貫した設計とデザインの思想というものをベースにいたしまして住宅建設基盤整備をやるわけでございますので、緑豊かな美しい町並みが形成しやすいということがこの十数年間の経験で実証されてきたというようなこともあろうかと思います。
 そういうようなことで、これまで私ども把握している限りにおきましては六十カ所余りの地区で設立が検討をされているようでございます。
 三大都市圏と地方圏でどうかというお尋ねでございましたが、現在私ども把握している限りでは半々ぐらいかなというふうに考えているわけでございます。特に三大都市圏のうち東京圏におきましては、土地区程度の組合設立が検討されているところでございます。東京圏と申しますのは一都三県で申し上げましたが、それ以外でも栃木県、群馬県というようなところでも設立が検討されているというふうに把握をしておるところでございます。
○上野公成君 平成三年度に生産緑地法の改正がありまして、局長が言われたような仕分けをするということでございます。ところが、今回の改正は生産緑地も含むようにするわけですね。せっかく宅地化するものと生産緑地を分けておきながら、今度は生産緑地の方も入れるというのもちょっとこれは普通の人から見るとわかりにくいんじゃないかと思うんです。
 そこで、生産緑地法の改正で、その辺がどういうふうに改正になったかということを御説明いただけますか。
○政府委員(黒川弘君) 平成三年の生産緑地法の改正によりまして、市街化区域内におきます農地の減少の実態を踏まえまして、小規模なものも含めまして都市内にある農地の持つ緑地としての機能を積極的に評価いたしまして都市計画として明確に位置づける、こういう改正でございました。
 そのために、従来、第一種と第二種の生産緑地区域というのがございました。旧第一種生産緑地区域では原則一ヘクタール以上、旧第二種生産緑地地区では〇・二ヘクタール以上というのが指定の要件でございましたけれども、これを統合いたしまして一律五百平方メートル以上がこの生産緑地の対象になる、こういう改正をさせていただいたところでございます。
○上野公成君 五百平米でも指定をできるようになったわけでございまして、これはいろいろの今までの税制の関係でこうせざるを得なくなったんじゃないかと思うんですけれども、そういう小さいものがどんどんふえているから、そういうものがないところがなくなったのでこういう改正になったんじゃないかと思うんです。
 まず、生産緑地の面積が改正前と後でどのぐらい面積がふえたか、それを聞かせていただけますか。
○政府委員(黒川弘君) 今回の生産緑地法の改正によりまして、三大都市圏の特定市の市街化区域内農地が四万九千ヘクタールあったわけでございますけれども、その約三割に当たります一万五千ヘクタールが平成四年十二月までに生産緑地として指定されました。
 それ以前の段階では、平成三年度の段階でございますけれども、一種、二種を含めまして七百ヘクタールぐらいが対象でございます。
○上野公成君 都市計画というのは、五百平米のものをどんどん指定するというようなのは本来は余り好ましいことではないんじゃないかと思います。もう少しまとめていくといいますか、そういうようなことをして、これはいろいろな既得権といいますかそういうものが絡んでいるということもありますが、これはやむを得ないことだと思います。
 特に生産緑地の場合は、三十年間営農を継続するという条件でこういうことになっているんじゃないかと思うんですけれども、ちょっと後でまた農水省にもお聞きしたいんですが、こういった小規模なものを何とかもう少しまとめていくというような努力をする必要があるんじゃないか。
 今回、こういう地区の中にこういう要件を入れるということで、生産緑地を入れるということで、その計画の中でまとめるとかいろんな方法が考えられると思うんですけれども、そういうことについて建設省としてはどういうふうにお考えですか。
○政府委員(黒川弘君) 先ほど全体については申し上げましたけれども、規模別にちょっと申し上げてみますと、五百平方メートルから千平方メートルの地区が全体で三六%、千から二千の地区が三三%、二千から三千の地区が一二%、三千平方メートル以上のものが一九%、こういう状況でございます。
 ということは、首都圏あるいは中部県、近畿圏の中に非常に御指摘のような小さい生産緑地がいろいろまだら状態で入っているというのが現状でございます。
 今回の指定は、そういった中ではございますけれども、生産緑地法の改正の附帯決議の趣旨も踏まえまして、そういったそれぞれの都市の緑の現状等を踏まえまして、農地所有者の方の同意を得ながら適切に行ったわけでございますが、こういう生産緑地地区につきましては、農地であるあるいは生産緑地であるという現状のままでも市民農園的な活用を図ることで都市の緑としての機能、これはあるわけでございますけれども、全体として緑豊かなまちづくりを進める、こういう観点からいいますと、さらに一層効率的ないろんな施策を考えていかなければいけない、このように考えております。
○上野公成君 そこで、農水省にお伺いします。
 細かく聞いていると時間がありませんので、ちょっと私の方で認識していることを言って、もし間違っていたら答弁の途中で訂正していただいたらいいと思うんです。
 農業の就農者というのは、昭和三十五年には千百七十五万人いたわけでございますけれども、平成四年では二百七十八万人、大変減っているわけですね。その半分以上が六十歳以上、こういう状況があるわけです。現在、新しく就農するというんですか、そういう人は全国で大体四千人ぐらい、ちょっと前は三千人とか二千人台があったわけですね。これ、首都圏を初め三大都市圏でどういうふうになっているかというのは、資料がちょっとないかと思って農水省にお聞きしたんですけれどもどうもないようなんです。
 どうもそういうことでありますと、三十年営農をするということは、今六十歳の人が三十年たつと九十歳になるわけですから、なかなかそういうことは難しい状況じゃないかなと思うんです。地方の方はそれでもいいと思いますけれども、特に三大都市圏はそういう状況もあるわけですから、もう少し宅地化を推進していくという、農転や何かでもかなり厳しくてなかなか農転してもらえないというような話をよく聞くわけです。
 今回の場合は、特に農業協同組合や何かと農業のサイドと協力をしてやっていくということですから、ひとつ宅地化にもう少し積極的な姿勢といいますか、そういうのをこの三大都市圏の住宅需要の多いところでは進めていくというようなお考えはありますか。そういうことはどうでございますか。
○説明員(小畑勝裕君) 御説明をさせていただきます。
 都市農業は、先生が今御指摘になったいろんな問題を持ってはおるんですけれども、一方で、都市住民に新鮮な野菜を提供するであるとか環境の保全であるとかいろんな役割も果たしておるわけであります。
 ただ、土地利用という面から見ますと、市街化区域というところは市街化を進める地域ということでございますので、本来農地の転用は許可制でございますけれども、市街化区域内についてはこれを届け出で済むことにいたしておるわけであります。また、市街化調整区域というのがございますが、この地域につきましては都市計画法上でも市街化を抑制すべき地域だという一応位置づけになっております。したがいまして、優良農地以外のもので都市計画法に基づく開発許可を受けているもの、こういうものについて許可をするのを原則にしておるわけでございます。
 しかし、いろんな需要がございますので、平成元年及び二年にこの許可基準を一部見直しをいたしました。例えば、集落に接続して住宅を建設するような場合であるとか、あるいは国道、県道に接続して流通業務関係の施設を建設するような場合、こういう場合では、優良農地と一応されたものについても許可の対象とするというような実需に対する配慮は考えておるところでございます。
○上野公成君 ここは建設委員会ですから余りこのことを深くやってもしょうがないんですけれども、だれでも五百平米ぐらいのがいっぱいあるということは不思議に思う人の方が多いんじゃないかと思うんです。いろんな既存の絡みもあるわけでございますが、今言われたように農転も随分簡単になっているようでございますけれども、なかなか地元のといいますか現場の方まで徹底していないような感じもいたしますのでぜひ徹底もさせていただきたいし、やはりこれから二十年、三十年の間にどうしていくかということをもう少し農水省としてもぜひ検討していただきたいと思います。
 そこで次に、この農住組合の制度は、私もよく読ませていただいたんですが、これは組合をつくるということなんですけれども、組合をっくらなくても区画整理事業でできるわけですね。しかも、区画整理事業だったら一人施行というのもあるわけですから、四人の組合を三人にするなんということも余り必要がないわけです。そのメリットと言うんですか、この農住制度をつくるメリットというのは少なくとも基盤整備の段階までは余りないんじゃないかという感じがするわけでございます。
 先ほど土地局長のお話がありましたけれども、十三年間で六百何十戸しか建っていないわけですね。問題は、基盤整備だけじゃなくて、住宅を建設して住宅の経営にまでどのぐらいつながるかということがこの農住組合法の本当の目的を果たすということになるんじゃないかと思うんですけれども、残念ながら、今までの段階だとそういう意味からいいますと本来の目的を余り果たしていないんじゃないかなということを感じるわけでございます。
 そこで、住宅局長にちょっと御意見をお伺いしたいと思いますけれども、特に、この間、特定優良賃貸住宅の供給促進事業、これが通ったわけですが、こういうものとこの農住組合とがもう少し緊密に、今法律としては別々にあるわけですからそれはもう勝手にやればいいということなんですけれども、私は群馬ですけれども、群馬の農協のかなりの幹部に聞いても、農住組合法のことさえ余りよく知らない人もいるし、いわんや特定優良賃貸住宅の供給法についてはもう全然知らないという人がもっと多いわけですね。
 そこで、まず一つ、その特定優良賃貸住宅の事業はどのくらい実績があるかというのをまずお聞きして、それからもう一つは、今言いましたように、農住組合についてもう少し特定優良賃貸住宅供給促進事業と全面的にタイアップするような、強化をするといいますか、そういうことが何か考えられないかどうかお聞きしたいと思います。
○政府委員(三井康壽君) もう先生よく御承知のことだと思いますけれども、今、農住組合法によりましてつくりましたいわゆる利子補給制度を使いました戸数は、先ほど土地局長がお話ししました内数としまして二百七十二戸でございます。
 それから特優賞、これは先生も立案のときからタッチしていただいているわけでございますけれども、特優賞制度は、農家の方が単独でも使われますし、それから農住組合でもお使いになれると、二つのメニューといいますか助成を用意しておりまして、むしろ農住組合をぜひ支援したいということから、予算制度といたしましては農住組合の方を厚くしております。大きな違いの一つは、建設費の補助金を、普通の場合は共同施設だけしか対象施設としておりませんが、農住組合がおやりになるような全体工事につきましては補助金が出ます。それから二つ目は利子補給でございまして、一般の借り上げ型は五年間二%の利子補給でございますが、農住組合でおやりになる場合は十年間二%、さらにその後の十年間も一%。大きく言いまして建設費補助、利子補給の点におきまして農住組合の方を厚くしているわけでございます。
 しかし、残念ながら、いまだ特定優良賃貸、いわゆる特優賞の供給実績がゼロでございます。法律自体が昨年この国会、参議院でも御可決いただきまして通ったわけでございますので、確かに御指摘のようにまだ浸透していない部分もございます。したがって、今後、当然農業団体は東京レベル、本社レベルは非常に熱心に農住組合を使おうというふうになってきていただいておりますので、徐々に各県に浸透させていただくように我々も努力したいと思っております。
○上野公成君 三大都市圏の住宅の需要の一番多いところの土地は大体農地です。また、先ほど言いましたように、その農地で三十年営農ということになるとなかなか実際問題としては営農し続けるということは無理なような状況です。それで、だんだん高齢化していくわけですから、やはり農家の高齢者のいろんな経済的な基盤を安定させるという意味でも、この賃貸住宅の経営をするということは大変結構なことだし、社会資本ともちょっと違いますけれどもそういう賃貸住宅というのは一種の社会資本みたいな考え方をして、特に賃貸住宅の規模というのはもう本当に惨たんたるありさまですから、大きなものをどんどん供給していっていただいた方がいいんじゃないかと思います。
 制度としては、特定優良賃貸住宅の方の制度も非常に農住組合がやろうとするとかなり手厚くなっているんですね。だけれどもなかなか実績としては進まないというような状態でございますので、何かここは、法律でつくるとかということもあるけれども、やはり国土庁が中心になって農水省とそして建設省とがもう少しPRを、一番末端というとおかしいですが、一軒一軒の農家の方々まで周知できるようにすることが必要じゃないかと思うんです。
 先ほど言いましたけれども、群馬県あたりだとなかなか農住組合ということが知られていないんですね。特に、群馬あたりでも県庁所在地の周辺とかというところはかなり住宅の需要もあるわけですからそういう厳しい状況にあるし、とても息子が帰って農業をやるような状況にないところが大変多いわけですので、まちづくりとしても非常に効果があるわけですから、最後に国土庁長官に、何かこの辺を打破するためにもう少しPRを含めて二省一庁が協力してやっていく、そういう方向をぜひお示しいただきたいと思います。
○国務大臣(左藤恵君) 農住組合を活用して農地の所有者の協同によって緑豊かなまちづくりを進める、そういう見地から、今回の法律改正をお許しいただければ地域の実態に応じた農住組合の活用ということが可能になりますので、関係省庁それから地方公共団体、農業団体が幅広く連携を密にいたしまして、制度の普及促進、PRといいますかそういったものに努力をいたしたい、このように考えているところでございます。
○上野公成君 特に農業団体と地方公共団体が必ずしも余り理解があるとは言えませんので、大変方向としてはいい方向でございますけれども、この法律が通っただけではなかなか効果が得られないと思いますので、ぜひ連携をして、住宅政策に大変寄与する方向だと思いますので頑張っていただきたいと思います。
 質問を終わります。
    ―――――――――――――
○委員長(前田勲男君) 委員の異動について御報告いたします。
 本日、陣内孝雄君が委員を辞任され、その補欠として吉川博君が選任されました。
    ―――――――――――――
○永田良雄君 自由民主党の永田でございます。
 私は、都市緑地保全法の改正案について若干の質問をさせていただきたいと思います。
 今回の都市緑地保全法の改正は、私も全面的に賛成であります。しかし、全面的に賛成はするわけでありますが、要はこれが本当にうまく市町村段階までいって利用され、地域住民の要望をかなえてくれるようになるかということが私はこの法律の執行をする上において一番問題であるし、そういう観点から質問をさせていただきたいと思うわけであります。
 御承知のように本改正案は、一つは、市町村がその市町村の地域の緑化のための基本計画をつくるということ。それからもう一つは、緑地保全地区の対象地域を従来は自然的な要件だけに限っておったのを、今度は動植物の保護のために、そういうものの生息の余地を残すための地域を指定するということ。それからもう一つは、いわゆる保全地域を保全するために、従来は都道府県までそれを買い入れる際に国が補助をやっておった、それを今度は市町村にまで広げたということ。それからもう一つは、緑化協定について一人協定の発効期限を一年から三年まで延ばした、こういう四つの点だろうと思うわけであります。
 まず、その基本計画の問題でございます。
 私は富山でございますが、いろいろ富山県もやっておりましたが、やはり実際行政をやるのは地方自治体でも市町村でございます。特にこういう問題については市町村が一番熱心でありますし、かつその結果として市町村住民が一番利益を享受するわけでありますから、そういう意味では市町村が基本計画を立てるということは大変いいことだと思うわけでありますが、ただ一つ、これはいいに悪いはつくものでありまして、市町村が自分のところの持っている財産その他について工作物について施策を施すというんじゃなくて、国が持っているやつ、県が持っているやつ、それから民間が持っている施設についても計画の中に取り込んで緑化計画を立てようというものであります。大変すばらしい、計画自体としてはいいわけでありますが、一体こういうことが本当にうまくいくんだろうかということが一番気になるわけであります。
 人の持ち物について、計画の中へ取り込んでこうやるということになるわけであります。ましてや市町村が、例えば国の施設なんかについてこういうことをやっていく、こういうことを言うとまずからんとくるのが常識じゃないかと思うわけでありますが、これをどのようにしてやっていくのかということについて、基本的な考え方を大臣からお答えをいただきたいと思うわけであります。
○国務大臣(森本晃司君) 今、永田先生から今回の法改正の基本となることについてお話をいただきましたが、全くそのとおりでございまして、今回は私たちの一番身近なところの緑を、市町村が主体となって基本計画をどう進めていくかという課題でございます。先生に大変御賛同いただいておりますように、この計画がすばらしい、今度の改正はすばらしい改正と我々も思っているわけでございますが、じゃ市町村でそれがどう実行することができるのかというのがやはり今後の課題となっていくのではないかと考えております。
 したがいまして、市町村が中心になって総合的に進めていくのを国としてどう支援していくかというのがこれまた大きな課題であるかと思います。建設省としては、省を挙げて支援をしていこうと今決意を新たにしているところでございますが、同時に、緑の政策大綱、これは緑化政策を推進するための政策大綱をいま一つは準備中でございます。また、予算上も緑地保全地区の整備や土地の買い入れ、市民農園の整備、緑化活動の先導的な推進などについて本年度より新たな助成制度を設けていきたいと考えております。
 御指摘のとおり、今後とも、我が省としても身近な緑を守るために全力を挙げて支援にまた最大の努力をしていきたいと考えております。
○永田良雄君 今、大臣から、建設省としてもこれから大きな課題だと考えており、緑の政策大綱をつくるなりあるいは助成等の道も広げて対処していきたいというお話がございました。
 ただ、その前に、市町村が本当にそういう計画をつくるについては恐らくそれぞれの施設の管理者あるいはその施設を管理する省庁あるいは都道府県とよく相談をしなければ、こんなものは幾ら計画を立てても絵にかいたもちであるに過ぎないと私は思うわけであります。要は、その協議をする際にいかに市町村が自分の考えを理解してもらえるようにするかというのが一番大事なわけでありますが、その際に、建設省が地域の緑化を進めるための所管の大臣としてそれぞれの、施設を持っているのは建設省も大変多いわけでありますが、ほかにも学校は文部省とかあるいは病院等は厚生省とかでございますが、それらの省庁によく理解してもらわなやいかぬという面が一つございます。
 それから、緑化を進めるのはただで緑化いくわけではありませんから、それらの費用を一体どうするのかというのが私は一番大事だと思うわけであります。幾らお願いしますお願いしますと言っても、施設の管理者にその財源が与えられていないのではこれまたやはり絵にかいたもちになるというふうになるわけでありますが、そこら辺を建設省として市町村をバックアップしていくためにどういうやり方をやっていくのかということを教えていただきたいわけであります。
○国務大臣(森本晃司君) おっしゃるとおり、緑化を進めていく上で、やはり建設省が持っているものは非常に多いかと思います。道路とか河川とかそういった点があるかと思います。したがって、その面は今回我が省が改正をお願いしているところでございますので、より積極的に進めていきたいと考えておりますし、同時に、先生御指摘のように学校あるいは病院、そういった公共施設、他省庁の皆さんにもよくその点御理解、御協力いただけるように我が省から連携を密にさせていただきたいと考えております。
○永田良雄君 省庁の間で、建設省が例えば文部省あるいは厚生省あるいは農水省その他の省庁と一定の協議機関を設けてその趣旨を説明し、協力を求めるという方向が私は大事じゃないかと思うわけでありますが、そういう組織なり協議機関なりをお考えでありましょうかどうでありましょうか、お伺いします。
○政府委員(黒川弘君) 現在、都市緑化の推進につきましては、内閣に緑化推進連絡会議という十省庁が加わっている、もちろん建設省も中心的に加わっておりますものがございます。内政審議室が事務局を務めていただいておりますけれども、ここの場におきまして毎年各省庁がいろいろどういうことをやるかというような計画の内容についてそれぞれ協力を求めるという、これは一般的な制度がございますので、そこについてはやっております。
 しかし、具体的にはそれだけではあれでございますので、法案の折衝過程等を通じまして各省庁にもいろいろお願いをしております。さらに、具体的にそういったことについて引き続いてお願いする場を設けて進めていきたいと考えております。
○永田良雄君 一般的な協議機関、今内閣にあると言いますが、あれは余り実効は上げていないというのが過去の例であります。したがって、こういう少なくとも各省庁とも絶対反対しない、喜んで協力してくれる話でありますから、建設省が積極的に打って出て、そんな全部は要らないわけでありますが、主なる官庁の担当のところとよく協議していただいて、こういうことをやりますよ、各市町村から上がってきたら協力するように言ってください、場合によれば私のところへ市町村から上がってきてうまくいかぬやつは各省庁へ相談します、協力をお願いしますというような協議機関とか組織をつくる必要があるんではないかということを申し上げているわけでありますが、その点はどうでしょうか。
○政府委員(黒川弘君) 御指摘のとおり、やはり具体的に各市町村で計画をつくっていただく段階では、学校とか公民館とか福祉施設の方といろいろ協議されながら方向についてはこの基本計画の中で決められていくと思いますけれども、それらを具体的にやる際に関係省庁のいろんな施設という面もございますので、この辺につきましては先ほど申し上げましたように、法案の折衝過程では一般的な協力は得ることになっておりますけれども、具体的に今御指摘のような大きな施設等については各省とも連絡を密にしまして、市町村から協議があった場合にはできるだけ対応していただくようにお願いしてまいりたいと思います。
○永田良雄君 法案過程でいろいろ協議しているからいいという話でありますが、これはなかなか言って、一般論で話をするのと現実に地元へある市町村へおりていっていろいろ話をするのでは、市町村の立場は大変厳しいということを御理解いただかないといかぬと思うわけであります。我々は上の方でこうやって法案協議で協議したからもういいというような感覚ではなかなか進みませんよ。そこら辺はよく心してやっていただかなきゃいかぬと思うわけであります。
 そして、余りこれ市町村の方からやあやあ言いますとほかの方からまた圧力がかかりますから、現実には上の方にも余り意見が上がってこないという弊害も出てくるわけであります。私も地方にいろいろ勤めたことありますからそういう具体的な例はよく知っておるわけでありますが、そういうことをよく踏まえた上でやっていただきたい。
 私は、少なくともこういうのは地域の住民は何としてでもやっていただきたいと思う気持ちが強いと思うから、それを促進するためにいろいろ申し上げているわけでありまして、万全にひとつよろしくお願いを申し上げたいと思いますが、大臣。
○国務大臣(森本晃司君) 今先生から御指摘いただいたとおりかと思います。
 同時に、建設省としても第四次都市緑化のための植樹等五カ年計画、平成四年から八年で高木を二千万本植えようと、その計画を、その植樹を今推進しているところでございますが、先生から御指摘いただきました学校等々の公共施設にさらに推進できるよう、また今回の法律改正がその一つの大きな契機となっていくように私たちも全力を挙げて取り組ませていただきます。
○永田良雄君 実は、建設省も公共施設としては非常に大きな役割というか部分を持っておるわけであります。現実に、道路や河川というのは緑化のための非常にいい対象施設であります。現実に、地方でも今あちこちへ行きますと道路の沿道あるいは歩道に大変されいな花が植えてある、あるいは中央分離帯の植樹、花などと大変我々の目を楽しませてくれるわけでありますが、これは地方部も特に農村地帯が多いわけでありますが、私は、どっちかというと都市の中が緑とか花というものが少ないような気がしてならないわけであります。
 一つは、都市の中、地方都市のことを私は言っておるわけでありますが、地方都市でもいわゆる旧来の都市は土地が高いし、都市計画がうまくいっていないために道路とかそういうものが狭いわけであります。そうすると、都市緑化をやるためのスペースが非常に限られているために、古い町ほどいわゆる緑化がおくれているという感じを与えるわけでありますが、この点はどう考えておられるかお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(森本晃司君) 大都市圏の場合には、相当やはりその意識が高くなってまいりまして、進んできているように思います。我々も全国を旅しまして一番感ずるところは、地方の中心地域的なものは、そういった旧来の町の構図であるためにおくれている部分があるのではないかということは感じます。幸い、私の奈良県の場合は周りが全部緑なんで余りそういったこどをむしろ感じないかなと思いますが、まさに、先生がおっしゃる地方の中心都市がやはり一番これからの課題ではないかなということを私も認識しているところでございます。
 今後とも一生懸命そういった推進を図らなければならないと思いますが、同時に住民の主体的な参画が必要ではないか。その住民の御理解がなければなかなか一挙に進むものではないと思いますが、今回の法改正により創設された諸制度や新たな予算制度を駆使して身近な緑を守ることが大切でありますし、同時に啓蒙啓発をしっかりとこれからもやっていかなければならないと思っていますし、その点に取り組んでまいりたいと思います。
○永田良雄君 私も、地方都市の場合は、今大臣がお話しになりましたように土地が狭い、道路が狭い、緑を植えるようなスペースも少ない、したがって潤いに欠ける町であるというところが多いような感じがするわけであります。ただ、これはおっしゃるように一挙になかなかうまくいかぬわけでありますが、やはりそこに住んでいる住民をみずからの町をきれいにしなきゃいかぬなという意識にさせることと、それからみずから汗を流してそこをきれいにするために行動を起こすことが私は一番大事だと思うわけであります。
 そうなりますと、そういう住民がみずからきれいにしようという意思を出して緑化の行動を進めるための何か刺激剤となり得るようなことを建設省として考えておられるかどうか。お経だけでそれが大事それが大事と言うのは楽なんです。しかし、そういうことを言うだけではなくて、そういう自発的な盛り上がりに対してはこういう援助措置を考えていますよ、こういう施策があって初めて本当の住民運動になり、国民全体がそういう潤いのあるまちづくりをできるようになると思うんですが、そういう方策について考えておられるか。どうかお伺いいたします。
○政府委員(黒川弘君) 御指摘のとおり、市町村、まあ市町村長を含めて地元が主体的に取り組んでいただくことと、その際、まさに住民の方々がまちづくりあるいは美しい緑、花のためにいろいろアイデアを出して参画していただくというのが基本だろうと思います。
 そういったことで、従来からやっております都市緑化月間であるとかあるいは緑の愛護の集い等を通じましていろんな普及啓発は引き続いてやっていきたいと思いますけれども、さらにこれに加えまして、平成六年度から実はモデル事業といたしまして、それぞれの市町村がいろんな基本計画の中で住民の緑化活動の推進とかあるいは家庭の方でいろいろなことを官民一体となってやっていただく。従来イギリスで行われておりますようなグランドワークという官民一体となった緑化等の環境改善を進める運動がございますけれども、そういったことを具体的にモデル事業としてやっていこうということで、都市緑化推進事業というのを今度の予算にも新たに計上させていただきました。
 行政、それから市民、民間企業等地元の方々が連帯して、都市緑化の推進を具体的に例えばどういう目標の立て方をするか、あるいは具体的にどういう行動をそれぞれの住民の方々、地元の企業の方々にソフトの面を含めてやっていただくか、そういったことを具体的にやっていただく事業を本年度からモデル事業として創設いたしました。五年間ぐらいこういったモデル事業を行いまして、そういったものが定着するように推進していきたいと考えております。
○永田良雄君 今、モデル事業として緑化推進事業を指定してやっていこう、こういうお話を聞きました。その中にはいわゆるソフト面の事業というものも援助する対象に入っているのかどうかというのが一点。もう一点は、そういうモデル地区として、モデル市町村として指定するところは、いわゆる古い町並みで再開発等がおくれておってなかなか緑化するについても急にはなりにくいところをできるだけ指定していただくというふうに理解しておってよろしいかどうか、お答えをいただきたいと思います。
○政府委員(黒川弘君) モデル事業につきましては、今御指摘のありましたような地域を含めまして全国的にいろんな種類の地域を考えて具体的に指定していきたいと考えております。
 それから、具体的なモデル事業の中身でございますけれども、これは財団法人の都市緑化基金、これは中央にもございますしそれから地方にも二百四十ぐらい実は基金がございます。そういったところに対しまして中央の基金を通じまして、いろいろ具体的なモデル事業を推進する例えば緑化推進計画の策定だとかあるいは緑化施設の整備、あるいは具体的に動いていただく場合に会合をしていただいたりいろいろ打ち合わせをしますが、そういったときに具体的に仕事をやっていただくことに対して委託費というような形でいろいろやっていく。そういったことを具体的な事業として積み上げてまいりまして、それをモデルにさせていただいて、数年後にはそういったものを集約してさらに一般の市町村にもお示しして進めていきたい、こういうことでございます。
○永田良雄君 新しく始める事業であるので、それぞれ地域から上がってきたやつをよく精査してソフトも含めて推進できる体制をつくる、その上で定型的なものが集まれば全国へ普及していく、こういうことの理解でよろしゅうございますね。よろしくお願いしたいと思うわけであります。
 これは、大体幾らぐらいの金を予定しておられるかお伺いしたいと思います。
○政府委員(黒川弘君) これは、具体的にはまさに緑化推進計画をつくるとかあるいは地元でいろんな会合をしていただいていろんなアイデアを出し合うとか、そういったことが中心でございますけれども、平成六年度の事業といたしましては五地区を予定しておりまして、これに対しまして一億円のお金を用意しております。行政部費的なお金としては相当な金額でございます。
○永田良雄君 行政部費的な経費で一億円だと、五地区だと、こういうお話でありますが、これは行政部費として処理するのは私は余り適当ではないんじゃないかと思うんです。いわゆる緑化事業としてとらえて、その中にいわゆるソフト面が多少入ってくるんであって、そういう意味からいけば事業費の中で対応してもらうのが一番いいんじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○政府委員(黒川弘君) 事業につきましては、先ほど大臣が申し上げましたように、植樹等の五カ年計画、公園、道路、河川、役所の施設、具体的には建設省の所管はそういったものであります。
 それから、先ほどの調査につきましては、いろいろ事業調査費という形でやらせていただこうと思っております。したがいまして、中には事業も入ってございます。
○永田良雄君 それでは次に、緑地保全地区の買い入れは、従来は都道府県だけであったけれども、今度から市町村も緑地保全地区を地元の要望があった場合に市町村が買い入れする。その場合に補助をするということになっておるそうでありますが、どのくらいの金を平成六年度は用意しておられるのかということ。
 それから、今、現実に各市町村からどの程度の要望があるのかということ。
 それから、この都市緑地保全法が成立以来都道府県が買ってきたわけでありますが、それがどのぐらいになっておるか。
 概略でよろしゅうございますから教えていただきたいと思います。
○政府委員(黒川弘君) 土地の買い入れの事業費でございますけれども、これはこの都市緑地保全法に基づくもの、あるいはそのほか例えば首都圏近郊緑地保全法等そういった関連の法律を含めまして、来年度の予算費としましては五十六億円の事業費でございます。国費で二十八億円計上させていただいております。
 それから、緑地保全地区の買い入れ面積の推移でございますけれども、緑地保全区域の買い入れ面積につきましては、合計で申しますと、この今御審議いただいております都市緑地保全法に基づくものにつきましては、平成四年現在で八十五ヘクタール、それから首都圏と近畿圏の近郊整備地区保全区域、これに対します買い入れ面積が平成四年で百六十五ヘクタール、そういったことでございまして、合計で申しますと二百五十ヘクタールが買い入れ対象になっております。
○永田良雄君 予算もシーリングがなかなか厳しい状況であることはわかるわけでありますが、できるだけ公園の予算を拡充していただいて、こういう地域の身近な国民のニーズにこたえるようにしていただきたいと思うわけであります。
 それからもう一点、実はこれは農水省でもやっておられるわけでありますが、地方の都市なんかでも大変要望の強いのはいわゆる市民農園であります。特にこれから人口が高齢化していきますと、いわゆる農園へ行って朝晩あるいは日曜日に農作業をするというのは一つの喜びであると同時に健康のためにもいいわけでありまして、特に地方の中心都市では要望が非常に多いと思うわけでありますが、これを進める方策は考えておられるのかどうか、どういう方向でやろうとしておられるのか、お伺いしたいと思います。
○政府委員(黒川弘君) 御指摘のとおり、都市の中で家族の方が土に触れ合う場を提供する、こういう市民農園につきましては、特に都市の住民の方々あるいは子供さんの豊かな情操教育、そういった場でも非常に効率的だと考えておりまして、平成六年度の新しい予算としまして建設省予算の中で市民農園整備事業というのを創設いたしました。
 これによりまして、地方公共団体が都市公園として設置する市民農園、これは具体的には借り上げとか買い上げで基幹的な場所についてやるわけでございますけれども、それに対する補助制度を創設いたしまして、本年度の予算としましては事業費で二十億円、国費で七億円でございます。今後、五年間におおむね五百カ所程度の整備を推進したいと考えております。
○永田良雄君 こういう面でも非常に要望の強い事業でございますので、今平成六年度の予算をお聞きしたわけでありますが、できるだけふやしていっていただきたいと思います。
 いずれにいたしましても、この都市緑地保全法で規定している事業あるいは仕事は、大変地域住民にとって身近であり強い要望のものであります。これは積極的に進めていってもらわなきゃいかぬわけでありますが、先ほど私が指摘しましたように、各省庁あるいは各機関との相互連絡、協調が一番大事でありますので、絵にかいたもちにならないように、具体的に事業が着実に進むような方策をぜひひとつ考えていただきたい。そのために、必要な予算あるいはその他の施策はできるだけ勇敢に、小さいことではありますけれどもやっていただきたいというのが一つ。
 もう一点、役所というのはどうも新しい施策を考えますと、その予算が通ったときとか法律ができたときはやったやったというわけでありますが、後になると忘れてしまってフォローが全くできていないということを、私も役人をやっておったものですから自戒を含めて反省をしておるわけであります。そういう意味では、これから、予算が通ったときあるいは法律ができたときだけじゃなくて、こういうことを広く国民にあるいは市町村に積極的にPRし、その理解を求めていくことは大変大事だと思っておるわけでありまして、そういう点もできるだけそのときだけじゃなくて継続的にやっていただきたいということをお願いしまして、私の質問を終わります。
 どうもありがとうございました。
○青木薪次君 私は、まず農住組合法の関係から今関心となっている問題等についてお聞きをいたしてまいりたいと思います。
 まず、建設省にお伺いしたいと思うのでありますが、三大都市圏の大都市地域には五万六千ヘクタールの市街化区域内農地が存在しているわけでありますが、これが平成三年度に策定された大都市法の供給に関する基本方針の策定時の建設省の試算によりますと、平成十二年度までに十年間で市街化区域内農地から宅地一万三千ヘクタール、住宅百九万戸を供給するということとなっているわけでありますが、現時点で、この供給目標に対してどれくらいの進捗状況を示しているのかということについてお伺いいたしたいと思います。
○政府委員(小野邦久君) ただいま先生が御指摘になりました大都市法に基づく住宅及び住宅地の供給に関する基本方針でございますけれども、十年間で合計四万六千三百ヘクタールの宅地の供給を見込んでおりまして、そのうち市街化区域内農地からは大体一万三千ヘクタールの供給を見込んでおります。
 これを計画どおり宅地が市街化区域内農地から出ているのかどうかということにつきまして、ある意味では供給実績についての正確な統計というのは実はございませんけれども、私ども建設省が都府県を通じて住宅目的の例えは農地転用の届け出の実績がどうかとかそういったようなことを調べましたところ、三大都市圏におきましては平成三年には千七百ヘクタールの農地転用の実績がございます。また、平成四年には二千二百ヘクタールの農地転用の実績がございまして、これを十倍いたしますと当然一万三千ヘクタールの宅地供給を上回るということにもなりますので、まあまあ順調に着実に市街化区域内農地から宅地化が行われているのではないか、こういうふうに考えているところでございます。
○青木薪次君 平成三年に生産緑地法が改正されまして、三大都市圏の特定市の市街化区域内農地についての課税の適正化が図られた結果、このうちの約三割が保全する農地として生産緑地の適用を受けている。残りの七割が三万三千ヘクタールということでありまして、これが宅地化する農地として位置づけられることになったことは、これは御案内のとおりであります。
 しかしながら、農地を所有している農家の意向については、平成三年に全国農協中央会が調べました。この結果によれば、宅地化農地のうち、当面農業の継続を図ろうとするものが六割、それから都市的活用を図るものが四割ということになっているわけでありますが、さらにこの都市的活用を図るという使途については、このうち三〇ないし六〇%が駐車場でありまして、賃貸住宅として活用を図りたいというものは約二割強にすぎないんです。こういうのは実際的に計画的な宅地化を図るというものとして、いわゆる十分の一の課税の特例というものが税制上の特例措置として行われているわけでありますが、建設省はこのような現状をどう見ているのか。このような状況で大都市法の供給目標の達成は可能なのかどうなのか、その辺が非常に危惧されるところでありますが、この点いかがですか。
○政府委員(小野邦久君) 先生御指摘のとおり、平成四年五月に発表いたしました全中の調査によりますと、今後宅地化する農地として七割近くが届け出をしているわけでございますけれども、そのうち当面農業を継続する農地というのは六割ぐらいでございます。都市的な利用に転換をしていこうというのが残りの四割弱ということにもなるわけでございます。
 ただ、御案内のとおり、市街化区域内農地に関しましては、原則として三十年以内に宅地化する意思のある農地の所有者の方が宅地化すべき農地として選択をしたということでございまして、宅地化する時期、いつごろ所有者の方が宅地化していこうと考えられるかという宅地化の時期でございますけれども、これにつきましては、本人の営農期間に対しての意思というものとかあるいは周辺の基盤整備状況等、ある程度の幅を当然想定されるわけでございます。したがいまして、全中の調査で当面営農を継続する意向の農地が相当数あった、六割近いという御指摘でございますけれども、数字はそのとおりでございますが、必ずしもその数字だけをもって悲観すべきではないというふうに私どもは考えております。
 それから、御案内のとおり、後段の御質問の固定資産税の十分の一特例でございますけれども、これも平成七年中に所要の手続を完了した場合に適用されるということになるわけでございますが、その適用を受けたものが一割ということでございますけれども、これも一割という数字を見ますと必ずしも大きな数字ではないわけでございますが、逆に早期に宅地化を図ろうとする農地が現実にそれだけある、しかも手続まで完了した、こういうことでございますので、やはりそれなりの評価ができるのではないかというふうに私どもは考えております。
 いずれにいたしましても、地区計画でございますとか緑住まちづくり推進事業とかいろいろな制度を総合的に実施していくことによって、やはり市街化区域内農地からの宅地化というものが着実に進展できるように私どもとしては最大限の努力を図ってまいりたい、こういうふうに考えているところでございます。
○青木薪次君 農住組合の設立目標と実績についてお伺いしたいと思うのでありますが、農住組合法は昭和五十六年の施行以来十三年が経過しているのでありますが、実績を見てみると、ことしの三月末現在で二十四組合しか設立されていないというのは先ほどの答弁でわかりました。
 制定当時の委員会審議において、調べてまいりますと当時の土地局長は、組合数が七百、それから宅地供給量は四千ヘクタールが目標であると答弁しているのであります。さらにこの十年後の平成三年の改正の際の審議においては、十年間に少なくとも三百組合を実現したいと答弁をいたしているわけでございます。
 このように目標と実績とが大きく離れているというのは、これは国土庁として一体どういうように見ているのか。あるいはまた、今回の設立要件の緩和によりまして平成十三年の期限切れまでの間に組合数と宅地供給量の目標をどのくらいとしているのか。今申し上げましたように、目標が七百、実績は二十四、こんなことがあっていいのかどうか。実際はどういう点に問題があるのか。これを調べてまいりますると三%強にすぎないのでありますが、この点について長官からお聞きいたしたいと思います。
○政府委員(原隆之君) 先生から御指摘をいただいたとおりでございまして、まことに汗顔の至りでございます。
 ただ、二十四組合設立されたもののうち十五組合が最初の十年間でございまして、平成三年に農住組合法の改正を御審議いただきましたときは、宅地化農地と保全すべき農地との区分をするということを内容といたしました生産緑地法の改正をあわせて御審議いただいておった時期でございます。
 そのようなことで、先ほどもお話を申し上げたかと存じますが、これまで農地所有者にとって長期営農継続農地制度という制度の庇護のもとであえて計画的な土地利用転換をするインセンティブに欠けていたということがあったわけでございます。そういうことがございまして、生産緑地法の改正とあわせて農住組合法の改正を御審議いただいたときに、御指摘ございましたように三百組合を目標といたしたいというふうにお答えをしたわけでございます。
 平成三年の改正の後、平成四年中は、先ほどの生産緑地と宅地化農地との区分の関係がございまして農住組合の設立は一件もございませんでした。区分がなされました平成五年一月以降今日までの一年半ほどの間に、先ほど先生が御指摘になられましたように九組合の設立があったわけでございまして、大変な勢いで進み始めたなということがおわかりをいただけるかと存じます。したがいまして、宅地化農地と生産緑地との区分が進んだということで、土地利用転換を進めていかなければというインセンティブが農地所有者の間に広まってきたということであろうかと存じます。
 あわせまして、昨年でございましたか、全国農業協同組合中央会が一市一農住組合をつくろうではないかという決定を農と住の調和したまちづくり推進本部の設置とともにいたしております。そういった農地所有者サイドあるいは系統農協サイドにおける取り組みの強化、それから地方公共団体における推進、指導体制の強化というようなこととあわせまして、私どもといたしましては、平成三年の法改正時に目標として掲げました三百組合の設立に向かってなお一層の努力をしていきたいというふうに考えているわけでございます。
○青木薪次君 土地対策に関する調査結果によりますと、農住組合の活用が十分に行われていない理由といたしまして、今いろいろ説明をされているわけでありますが、農住組合が土地区画整理事業を行う場合に、事業計画等に組合員の全員の合意が必要であるということがまず第一点。したがって、これはやはり全員の合意ですから、相当事業計画実施までに時間がかかるということです。それから、地方公共団体の支援措置とか農業協同組合の協力体制が全く不十分であるというようなことが指摘されているのでありますが、この点についてはどんなふうな認識をしていますか。
○政府委員(原隆之君) この農住組合制度と申しますのは、農地所有者がみずから協同して基盤整備を行うあるいは住宅建設をするということでございまして、先生おっしゃられましたように、皆さんの合意ということが大前提になっているわけでございます。
 まちづくりという観点から考えますと、できるだけ広い地域について計画を立てて事業を実施することが望ましいわけではございますが、やはり皆さんの合意ということを前提としてまちづくりをしていくということがこの農住組合という組合制度の眼目であるわけでございますので、その点はできる限り農業協同組合あるいは地方公共団体等の普及啓発活動によりまして、適切な区域につきまして適切な規模でもって合意が図られるような努力をしていくということが大事なのではないかというふうに考えているわけでございます。
 なお、御指摘のように、この法律は建設省、農林水産省、そして私どもとの共管の法律でございまして、国の省庁間レベルでの協力体制を確立する、あるいは都道府県、市町村レベルで農業団体との連携体制を強化するということは大変重要なことだというふうに考えておりまして、私どもといたしましても、平成四年の宅地化農地と生産緑地との区分を踏まえましてさまざまな措置を講じているわけでございます。
 例えて申しますると、財団法人都市農地活用支援センターを建設省、農林水産省と協力をして平成三年に設立をいたしましたし、この支援センターを仲立ちにいたしまして、地方公共団体と農業団体によるまちづくり協議会というものを都道府県レベル、市町村レベルでもつくっていただくというような努力をしております。
 こういった推進連携体制を通じまして、農地所有者の方々にパンフレットをお配りしたり、ビデオをつくってこういうまちづくりがあるんだよと仕組みの御説明をしたり、あるいは市町村職員、それから農業協同組合関係職員に対して研修会を実施するというようなことをいたしましたり、あるいは相談会というようなイベントを実施するとか、非常に細々としたところまで普及啓発の努力をするような体制を仕組んで現実に進めているところであるわけでございます。
○青木薪次君 土地局長、基本的には、やっぱり共管と言われる国土庁と農林水産省という関係にまで、さっき永田委員も言われたんだけれども、農地をめぐって基本的な考え方というものを一致させなければこれはなかなか難しいんですよ。今の農協の関係とか地方公共団体はもちろんですけれども、この価値観の問題ということは非常に今重要なときに来ています、これは特に農業の問題をめぐりまして。そういう点から考えてみて、やはり基本的な価値観とかあるいはまた今後の国土づくりとか、そういった問題についてひとつ意見の一致を見る前提に立ってやらないと絵にかいたもちになる可能性というのが非常に多いわけですから、その点は大いに要望したい。
 それから、生産緑地への対応でありますけれども、今回の改正案では、生産緑地を農住組合の地区に含んでもよいことになっているのでありますが、農住組合の事業の目的は、法律にも書いてあるように、必要に応じ当面の営農の継続を図りつつ市街化区域内の農地を円滑かつ速やかに住宅地等へ転換をするということでありますから、生産緑地の面積の比率が余りに多い地区を対象とすることは農住組合法の趣旨を逸脱することになると思うんです。例えば、今生産緑地まで網をかぶせて、そしていわゆる区画整理事業を展開するというようなことで、一たん決まったところをもう一回やり直すというようなことになっているし、そういう点から考えて、この辺についての歯どめというのか何というのか、その点とう考えていますか。
○政府委員(原隆之君) 確かに先生御指摘のような御心配があろうかと存じますが、生産緑地の指定の状況を見てまいりますと、地域によりましては生産緑地と宅地化農地とが混在しているという状況が散見されるわけでございまして、生産緑地を含んだ一定のまとまりのある地域で生産緑地と宅地化農地とを整序する、組みかえるということが必要になってまいるわけでございます。そういう場合におきましても、生産緑地を除外して基盤整備をするということになりますと、決して形のいいまちづくりにつながらないというようなケースがあるわけでございます。そういった場合には、今申し上げましたように、生産緑地を取り込んで基盤整備をやる。それは決して生産緑地を宅地化しようとするものではなくて、良好なまちづくりをするために必要最小限度で取り込んでいこうとするわけでございます。
 先生がおっしやられました歯どめという点につきましては、農住組合の担当部局と都市計画の担当部局というものの間で十分な調整が行われるということによって歯どめがかかるということになるのではないかというふうに考えているわけでございます。
○青木薪次君 もっと質問したいのでありますが、時間の関係で次の都市緑地保全法の改正に移りたいと思います。
 都市緑地保全法の問題については、前に都市局長の通達で緑のマスタープランというのがありましたが、今回の法で規定する緑地の保全及び緑化の推進に関する基本計画との関係であります。この点については、都道府県知事が策定する緑のマスタープラン、緑マスと言われているみたいですが、これと、市町村が定める緑地の保全及び緑化の推進に関する基本計画、先ほどからも意見が出ておりますが、現行の緑のマスタープランをどのように配慮していくべきなのか。
 特に、緑のマスタープランは広域調整ということで知事が定めている、今回は局部的であるというような立場から考えてみますと、基本計画をつくる場合に市町村が中心となって住民の皆さんの意見を聞いてやるというようなこともあるわけでありますが、緑のマスタープランはその間にやはり整合性もだんだん薄らいでくる。したがって、安楽死というわけじゃないけれども、一応発展的解消を図るというように理解を統一しておいた方がいいんじゃないかというようにも考えるんですが、その点いかがですか。
○政府委員(黒川弘君) 今御指摘のとおり、昭和五十二年に都市局長通達で緑のマスタープランをそれぞれの都道府県でつくっていただきたいということをやっておりまして、現在、例えば線引きの都市計画区域では一〇〇%でき上がっております。
 これは、今先生御指摘のとおり、県の中全体の広域性を持ったマスタープランでございます。しかも、従来のマスタープランは、どちらかというと都市公園の整備とか緑地保全区域あるいは風致地区、こういった都市計画的な手法を中心として都市の緑の保全を計画的に進めようということでございましたけれども、今回の新しい市町村がつくる基本計画は、それらに加えまして公共公益施設の緑化とかあるいは民有地の緑化、住民の方の緑化活動の推進、こういったいろんな施策を総合的に決めていただこう、こういうものでございます。しかし、場所については今御指摘のとおりある市町村という地域でございます。
 したがいまして、計画策定に当たっては、従来から広域的に策定されておりますいわゆる緑のマスタープランといろいろ調整を図っていただくとか、あるいは緑のマスタープランをつくる際に基礎調査とかデータとかいろいろございますし、またノウハウも蓄積されております。十分整合性が図られていくべきだと考えておりますけれども、今御指摘のように、例えばそれぞれの計画が都道府県と十分な調整の上につくられていく、こういうことを想定いたしますと、全体として今の基本計画が策定されていく方向におきましては、漸次基本計画へと発展的に移行していくものだ、そのように考えております。
○青木薪次君 基本計画の策定に当たっては、今も説明があったわけでありますが、知事と協議するようになっている。協議する場合は、市町村の意向が十分反映されるようにしなければならないというように考えるわけであります。
 私は大臣にお伺いいたしたいと思うのでありますが、市町村との整合性をどういうように反映させていくのか、これはなかなか難しい点があります。住民の一番身近にあって、しかもある程度細かに市町村は事情がわかっているから、その点は私は市町村の意向というものは反映されることが正しいと思うけれども、県は県の立場というものを考えていくと、先ほどから永田議員も言っておられたけれども、その点について難しい点があると思うのでありますが、その点いかがでございますか。
○国務大臣(森本晃司君) 青木先生から御指摘いただいておりますように、この身近な緑をつくっていくということについては、今回は市町村主体で基本計画を出していただきましたが、さきの永田先生からの御指摘がありましたように、都道府県さらにまた国、国の中でも建設省管轄の場合には我々が大いに推進していくわけでございますから、むしろ主体となってやっていけるわけでございますが、公共物、学校の施設、文部省やあるいは厚生省等々との連携も図っていかなければなりません。
 先ほども御答弁させていただきましたが、この基本計画を入れた今回の法改正に伴うことを一つの契機といたしまして、さらに市町村ともよく連携をとって推進していかなければならないと思います。同時に、もう一つは、これは住民の方々の参画をも大いに呼びかけていかなければならないと思いますので、そういった面への普及啓発にも努めていきたい。むしろこれを契機に進めさせていただきたいと思っているところでございます。
○青木薪次君 おととしですか、都市計画法を改正したときのいろんな、今大臣の言ったようなことも含めて地元の意向というものをこの基本計画の中に策定するということは、この面にももっと生きてくるというように思うのであります。
 もう一つ変わった点で、自然と環境との共生という問題があります。
 今回の緑地保全地区の指定対象に、人間主体ということだけでなくて、やはり動植物がここに共生するということが生きていくわけであります。特に特筆されているわけでありますが、この当該地域の住民の健全な生活環境を確保するために必要なものを追加しているという点について、その趣旨についてはどう考えていますか。
○政府委員(黒川弘君) 今回の緑地保全地区の指定要件の中に、今御指摘のとおり、動植物の生息地または生育地として適正に保全する必要があり、かつ当該地域の住民の健全な生活環境を確保するために必要なもの、こういう書き方で加えさせていただいております。
 これは、動植物の生息あるいは生育といったものが都市の中で具体的な自然環境あるいは生活環境の中に溶け込んでおりまして、そういった自然との共生を図っていくことがまちづくりにとっても非常に重要なものである、そういう趣旨で、具体的にそれぞれの地域において生息している動物、植物、こういったものとの自然との共生がまちづくりあるいは我々の毎日の生活にとっても非常に重要だ、こういう面でそういった言葉をつけ加えさせていただいているわけでございます。
○青木薪次君 動植物の生息地または生育地を保全する必要があるということになると、かなり広いところを必要とするわけですね。広いところは三十ないし四十ヘクタールもある。中には六十九・九ヘクタールなんというのが一つあるのでありますが、あとのほとんどは数ヘクタールか一へクタール未満なんです。ここに動植物が生息するといっても、私はそういう自然との関係等について、また鳥類との関係も非常に関心を持って時々山に鳥の鳴き声を聞きにいったり、あるいはまたイタチとかの通り道とかそういうようなところに関心を持つ一人なんですけれども、これではとてもできっこない。この間も神奈川県の宮ケ瀬ダムですか、あそこへ行きましたら、廃道を利用してイタチとかモグラとかそういうものが通る道をつくったり、人の出入りを禁止したいいところをつくっていて、非常に感心したんです。
 そういうような状態で、今回追加された緑地を指定するには適正かつ十分な広さが必要だということになると思うのです。今後、指定に当たってどのように考えていらっしゃるのか。考え方はこうだけれども、実態はなかなかそういう空間がないというようなことで計画だけが前に進んでいくのじゃないかというように考えるんですが、この点はいかがですか。
○政府委員(黒川弘君) 今回指定の対象になりましたのは、生活環境との関連もございまして、例えばホタルの生息する水辺など動植物の生息地または生育地として日常住民の方々が自然観察などを通じて親しんでおられるような地域、こういうことでございまして、その範囲でそれが保存されるように必要かつ十分な区域が指定されるわけでございます。
 例えば、ある一つの生物そのものあるいは生態系そのものをつかまえましてそれを守っていくというような場合には、これはダブるかもしれませんけれども、環境庁でおやりになっておられる鳥獣保護区であるとかあるいは種の保存法に基づく生息地等保護区、そちらは強力ないろんな区域でございますが、そういったこととダブってということでございまして、今回の指定の対象は、日常、住民の方々が自然観察などを通じて自然と親しみ自然と共生じていく、そういった観点のもとに必要かつ十分な区域を指定させていただきたい、そのように考えております。
○青木薪次君 資料を見てみますと、三大都市圏でも特に兵庫県なんというのは非常に広いんです。これはもう大変なものですよ。ところが、ほかの首都圏とか名古屋圏というのは、今申し上げましたように一ヘクタール未満なんというところはこれは指定するのになかなか頭を抱えてしまうということになると思うんですね。
 そういうことを考えたときに、例えば近郊緑地特別保全地区の指定状況というものを見てみますと、これはもう今も申し上げたんですけれども、兵庫県の帝釈、丹生山というんですか、七百六十四・一ヘクタールというところがあるんです。こういうところはまことにすばらしいところだと思うのでありますが、それこそ私もかつてウィーンの森なんかについても見てまいりましたけれども、こういうところに匹敵するんじゃないかと思われるくらいのところです。
 ひとつその点について、その地域地域のいろいろ事情もありますから一概に言えないと思うのでありまするけれども、やっぱり今回の法改正の目的というものをしっかり考えて対応していただきたいと思います。
 最後に、土地の買い入れの点についてお伺いしたいと思うのでありますが、これからは快適な都市生活を送るために緑地は大事な位置を占めるのでありますが、しかも今回緑地の買い入れに当たって市町村が買い入れ主体となるということについて、これはなかなか大変だというように考えます。
 買い入れに対しては、現行で三分の一の補助が出ているけれども、財政基盤の弱い市町村の場合においては緑化の推進という趣旨からももう少し高い補助ができないのかどうか。このところ若干伸びているようです。伸びているんだけれども、法改正があるから伸びたんであって、これは私が今申し上げたことを完全に満たす状態になっていないというように考えているわけであります。緑地保全事業の国費が一年当たり二十億円台で推移しているという状態、この平成六年度の関係はあるけれども、今後もっと大幅に予算をふやす必要がある。その点について、建設省の御意見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(森本晃司君) 青木先生から御指摘ございましたように、緑の保全地区の財源というのは極めて大事な問題であるかと思います。今日までも土地の買い入れにかかる費用の一部を負担してまいりましたが、今度、先生がおっしゃいましたように市町村を事業主体に加えるということになりましたので、さらにその財源が必要かと思います。
 本年度は例年以上の事業費の増加を行わせていただきました。伸び率で申し上げますと、平成二年と三年を比べてみますと一・〇〇、四年も一・〇〇、五年が一・〇七でございましたが、平成六年度は事業費ベースで一・二〇、国費ベースで一・一九と大きく伸びをさせていただいた次第でございます。
 これで十分かというと決してそうではございませんが、緑地保全の指定の促進を図るためにも土地の買い入れ財源確保の充実にさらに努めてまいりたいと思っているところでございますので、どうぞまた先生方の御協力をよろしくお願い申し上げます。
○上田耕一郎君 農住組合法の一部改正につきましては、宅地並み課税の強行で農住組合に対する要望が強まっているわけです。そういう点で、面積要件の緩和など今度の改正の趣旨には賛成です。ただ、生産緑地を含むという改正によって、減歩などで生産緑地つぶしか起きないようにこれはひとつきっちりやっていただきたいと要望を申し上げたいと思います。
 時間の関係がありますので、私は都市緑地保全法改正について質問させていただきます。
 今度の改善は賛成なんですけれども、これまでは神社仏閣の境内、これが主だったんですね。東。京の場合は、上野の寛永寺、明治神宮の境内、この二つは大きいんですけれども、あとは調べてみますと、地図でつけてもらったんですが、地図で見ますと米粒のようなスポット的なものなんです。そういう現状から言うと、今度動植物の生息、生育地を対象に加えるということで、法文上はかなり大幅に対象地が広がると思うんですけれども、東京都の場合、対象地はどのぐらいふえるかおわかりでしょうか。
○政府委員(黒川弘君) 緑地保全地区の対象となる要件に合致する緑地という、こういった限った意味での布存量、その数についてはまだ具体的に指定対象の可能性の場所はございませんけれども、東京都におきまして、平地林とか草地等の緑地区域全体について見ますと、昭和四十七年から平成三年までの二十年間で、区部で全体面積の八・四%から五・五%に、多摩地区では七六・二%から六七・一%にということで減少しているわけでございます。
 今回は、こういったことを踏まえましてそれぞれの地域でその保全のための指定についてお願いしてまいりたい、このように考えております。
○上田耕一郎君 本気でやるんだと、僕は建設省の姿勢も問われると思うんですよ。
 私、調査にも行ったんですが、例えば八王子のリサーチパークは住都公団がやっているんです。オオタカの生息地というので今調査が始まって大変な問題になっているんだけれども、ああいうところこそ緑地保全にする必要があると思うんです。
 都計審の答申が調査室の参考資料に載っています。都計審の答申は、今までのものではなかなか指定が難しい、だから新たな緑地保全制度を創設する必要がある、そう書いてあるんです。今度対象を拡大したんだけれども、都計審の答申に言っている新たな緑地保全制度の創設、これはどういう見通しですか。
○政府委員(黒川弘君) 従来、指定しておりましたいろいろ三つの要件の地域、一つは遮断緑地あるいは緩衝緑地という系列のもの、二番目に神社仏閣等の周辺の伝統的文化的意義を有するもの、三番目に風致景観のすぐれた地域、この三つについて今まで指定したわけでございます。
 今回、御指摘のとおり都市計画中央審議会の答申等も踏まえまして、その後、いろいろ内部で検討してまいりました。この答申の中におきましては、現行の緑地保全区域を積極的に運用していくとともに、現行制度では指定が困難な地域においても積極的に保全を図っていくために新たな制度を設ける必要がある、こういう指摘でございます。
 これを受けていろいろ検討してまいりまして、今回の改正では、動植物の生息地、生育地として保全すべき緑地を新たに保全対象とした、こういうことが一つでございます。もう一つは、土地の買い入れを市町村も買い入れられることになったということで、従来に比較しまして比較的小規模な、住民の方に身近な緑地についてもこの指定が容易になっていくのではないか、こういう二つの面について我々としては期待しているわけでございます。
○上田耕一郎君 この市町村の問題、きょうも先ほどから問題になっているんですけれども、この都計審の答申にこういう大事なところがあるんですね、事務の見直しが必要だと。市町村レベルの要望に必ずしも応じることができないという指摘があって、しかも、保全地区というのは一つの市町村内におさまっているのが通常だ、だから、市町村が行うべき範囲について検討する必要があると書いてあるんです。今度基本計画を市町村がつくることになったのはこれはいいことなんだが、問題は、都市計画決定が大都市の場合は全部知事なんですよ、権限がね。これは僕は改めるべきだと思うんです。
 東京都の八つのうち、私の隣の小金井市に滄浪泉園というのがあるんで、私、先日見に行った。大岡昇平の「武蔵野夫人」に書かれているはけの典型のような、深山のような非常にすばらしい光景でした。それで、なぜあの指定ができたかというのを調べてみましたら、やっぱりマンション建設が起きて住民運動が起きたんですって。それで知事決定になったんですね。
 だから、やっぱり多くのこういう緑の保全では住民運動、それをつかめるのは市町村ですから。それで、これを改めるのには何も都市計画法の改正は必要ないので、政令の規定から大都市の緑地保全地区を削除するだけでやれるんです。この都計審の答申にもこういうことがあるので、ぜひ都市計画決定を大都市の場合にやっぱり市町村に移すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○政府委員(黒川弘君) 現在、大都市圏の都市計画決定は、今御指摘のとおり都道府県知事がやっております。これにつきましては、緑の保全につきましても従来都道府県の買い入れというふうなこと、今後も制度としてはもちろん都道府県の買い入れ制度も残りますので、相互の調整は十分図っていただかなければいけないと考えております。
 今、御指摘の大都市地域におきます十ヘクタール未満の小規模なもの、こういったものについての権限を市町村に移譲できないかという御指摘でございますが、今回の市町村がつくります基本計画の実効性を高める観点から緑地保全区域の指定の促進あるいは的確な運用を図る、こういった方向全体としては、県の仕事あるいは都道府県の仕事、市町村の仕事があって調整していただきますけれども、具体的な権限そのものについては移譲することを含めて検討しているところでございます。
○上田耕一郎君 ぜひ、実際にこれが生かせるために市町村が決定できるような方向に、この基本計画を生かすためにもそれが必要だと思いますので進めてほしいと思います。
 最後の質問なんですが、この緑地保全地区がなかなか指定されない最大の理由は、これに指定されると非常に厳しい土地利用規制がかかるために所有者にメリットがないということなんです。寺社が持っている境内なんかはこれは開発がないから構わないんだけれども、民間の人々が持っている例えば雑木林だとか屋敷林ですね。
 朝日新聞の六月八日付に練馬の例、「屋敷林バッサリ」という大きな記事が載った。これは、三千平米でうっそうとした樹林が覆っていたが、非常に貴重な木がむざむざとタウンハウス十二戸を建てるために削られた、区の条例があるのに知らなかった、届け出もなかったと書いてある。お医者さんが持っているんだそうですが、その家族は税金を払いながら土地を維持するのにお手上げの状態なんですということで、練馬の非常に貴重な緑がむざむざ切られたんです。
 こういうことを防止するためにやっぱり考えなきゃならなくなっていると思うんです。所有者に対して緑地保全になりますと若干優遇措置があると。これは調査室のあれにも税制上の優遇措置が書いてありますけれども、相続税の場合、延滞利子がちょっと下がるというようなことしか書いてないんです。こういう特別措置は、生産緑地、農地と比べると非常に薄いんですね。建設省は、相続税の猶予を大蔵省に要求したけれども大蔵省の論駁にどうも勝てなかったという話なんですけれども、やっぱりそこはひとつ頑張っていただきたいと思うんです。実際に、本当に民間の人々が持っている緑地、雑木林や屋敷林を緑として保全するためには、こういう練馬の例のようなどうしても税金を払うために売らざるを得ないという状況を何とかしなければ保全できないわけだから、この問題で、大蔵省に言われたら策なしというのでなく、ひとつ頑張っていただきたい。
 それで、買い取りの問題がこの制度にあるんですけれども、今の買い取り制度というのは、建築などが許可されないので所有者から要求があったとき買い取るという非常に受け身のものなんです。やっぱりそういうのではなかなか実績も進まない。実績を見ますと、九二年度、全国の緑地保全地区で十五地区、国費でわずか六億三千万円、八つの市町村しか対象がない古都保存の土地買い取り費の四割以下なんです。そういう点で私は、この都市計画施設としての公園緑地だけでなくて、保全すべき緑地も積極的に買い取っていくという方向にさらに踏み出す時期に今来ているんじゃないかと思いますけれども、その点お伺いして、質問を終わりたいと思います。
○政府委員(黒川弘君) 都市の緑を守りますためには、今御指摘がありましたように、土地を持っておられる方々の協力というのがまず最大の事柄でございます。そういった意味では、現在近郊緑地保全区域を含めますと約三千五百ヘクタールの緑地保全区域が指定されておりますけれども、こういったことをさらに広げていくというためには、その中の土地については御指摘のとおり現状凍結の非常に厳しい行為規制を行っておるわけでございますので、その土地につきましていろいろ、例えば所得税は売る場合に二千万円の控除があるとかそういう制度がございますし、地価税あるいは特別土地保有税については原則非課税、こういう制度もございます。それから相続税についても、ある意味では指定されますと評価等についていろいろ運用がなされておりますので、そういった意味で今後とも税制を含めましていろいろこういった制度が円滑に運用できますように我々としても研究し、努力してまいりたいと思います。
○委員長(前田勲男君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、直ちに両案の採決に入ります。
 まず、農住組合法の一部を改正する法律案の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(前田勲男君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、国土庁長官から墾言を求められておりますので、これを許します。左藤国土庁長官。
○国務大臣(左藤恵君) 本委員会におかれましては、本法案につきまして熱心な御審議をいただき、ただいま全会一致で議決されましたことを深く感謝申し上げます。
 審議中における委員各位の御高見につきましては、今後その趣旨を生かすよう努めてまいる所存でございます。
 ここに、本法案の審議を終わるに際しまして、委員長を初め委員各位の御指導、御協力に対して深く感謝の意を表し、ごあいさつといたします。
 どうもありがとうございました。
○委員長(前田勲男君) 次に、都市緑地保全法の一部を改正する法律案の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(前田勲男君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、種田君から発言を求められておりますので、これを許します。種田君。
○種田誠君 私は、ただいま可決されました都市緑地保全法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲民主連合、新緑風会、公明党・国民会議、日本共産党及び護憲リベラルの会の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    都市緑地保全法の一部を改正する法律案
    に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、次の諸点につ
 いて適切な措置を講じ、その運用に遺憾なきを
 期すべきである。
 一、国及び都道府県は、「緑地の保全及び緑化
  の推進に関する基本計画」の策定に当たって
  は、当該市町村の自主性を最大限尊重するこ
  と。
 二、国及び都道府県は、市町村の土地買入れに
  当たっては、円滑に買入れができるよう十分
  配慮すること。
 三、新設される「動植物の生息地又は生息地と
  して適正に保全される必要がある地区」の緑
  地保全地区指定に当たっては、動植物の生態
  系維持に配慮した範囲を確保すること。
 四、国及び地方公共団体は、緑化協定区域の環
  境保金のための措置について十分配慮するこ
  と。
  右決議する。
 以上であります。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
○委員長(前田勲男君) ただいま種田君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(前田勲男君) 全会一致と認めます。よって、種田君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、建設大臣から発言を求められておりますので、これを許します。森本建設大臣。
○国務大臣(森本晃司君) 都市緑地保全法の一部を改正する法律案につきましては、本委員会におかれまして熱心な御討議をいただき、ただいま全会一致をもって議決されましたことを深く感謝申し上げます。
 今後、審議中における委員各位の御高見や、ただいま議決になりました附帯決議の趣旨を十分に尊重してまいる所存でございます。
 ここに、委員長を初め委員各位の御指導、御協力に対し深く感謝の意を表し、ごあいさつといたします。
 どうもありがとうございました。
○委員長(前田勲男君) なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(前田勲男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 午後一時二十分に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時二分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時二十一分開会
○委員長(前田勲男君) ただいまから建設委員会を再開いたします。
 建設業法の一部を改正する法律案及び不動産特定共同事業法案を便宜一括して議題といたします。
 前回、両案の趣旨説明は聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○鈴木貞敏君 自由民主党の鈴木でございます。
 私は、建設業法の一部改正につきまして、与えられた時間、非常に短い時間でございますが、御質疑いたしたいと思います。
 この法律、昭和二十四年にできた建設業法という法律でございますが、第一条を見ますると、それぞれ「建設工事の請負契約の適正化等を図ることによって、建設工事の適正な施工を確保し、発注者を保護するとともに、建設業の健全な発達を促進しこ云々、こういう文言で第一条の目的に掲げておるわけでございますが、その間二十四年から十数回、十余回改正になっているようでございます。
 そのときどきに応じた、ニーズに応じての改正であったと思うわけでございますが、私は、この目的の第一条、「発注者を保護するとともにこという文言が、戦後の荒廃の中から国土建設に当時立ち向かった建設省なりの姿勢、そしてまた大変当時混乱しておった中でいろいろの問題があった、そういう時代背景をこの目的の中で何か感じるような次第でございます。
 それにしましても、今回の改正は大変いろいろの経緯がございましたけれども、私の理解では、我が国の建設業は約九十兆円の建設投資、しかも業者が約五十三万人、この就業者は全産業就業人口の約一割に、近いと、こういうふうに理解しておりますし、何といいましても建設労働者が約六百二十万人でございますか、というふうな大変な数を抱える基幹産業である。こういうことでございまして、来るべき二十一世紀に向けましていよいよ高度化、多様化する建設需要に的確にこたえるためには、より豊かな経済社会の創造に一層の貢献を果たさなくちゃならぬ。そういう意味で、活力と魅力にあふれた産業として発展を遂げるということをこいねがう者の一人でございますが、残念ながら、一連の不祥事件によりまして企業者も建設業者もどうも士気が全体的に沈滞するんじゃないかということを私は非常に心配するわけでございます。
 日本の建設業界の特色としていろいろ挙げられていることは、業者は非常に中小零細企業が圧倒的多数を占めておるというふうなこと、したがって経営基盤が弱いというふうなことが一つ。それから、三K、三Kとかねて言われておりましたように、若年労働者が非常に得にくいと。しかも、一方において三Kの中の一つの危険でございましょうか、やはり一千人近い建設労働者が労働災害によって毎年亡くなっておられる。やはり、こういう一面非常に厳しい職業といいましょうか、仕事であるというふうなこと。そしてまた、不良不適格業者が不当に建設市場に参入しようとしている動きがあると、こういういろいろ特徴として挙げられているわけでございます。そういう面をこういう時期において解決しなくちゃならぬ、こういう努力の積み重ねがこの建設業法の過去十数回にわたる改正のまた過程でもあったんだろうと理解するわけでございます。
 こういったこの建設業界の現状に対する御認識、あるいはまた、現在の一つのモラール、士気といいましょうか、そういう面でこうしなくちゃならぬ、こうしたい、こうすべきだというふうな点につきまして大臣の御所見はいかがであろうかと。前大臣もこの席で何か建設業というのは夢を形にするロマンあふれる産業であると、こういう言葉も聞いたわけでございますけれども、ひとつ大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(森本晃司君) 今、鈴木先生から建設業界の士気高揚に対するお話をいただいたのではないかと思っております。
 先生がおっしゃいましたように、国敗れて戦火の後、今日の日本経済の成長をなし遂げてきた大きな要因は、やはりその社会的基盤整備に全力を挙げてきたのは建設業の皆さんであったのではないだろうか、私もそのように認識しております。
 また、その中でも、先生がおっしゃいましたように、五十二万の建設業に携わる会社があり、六百五十万人の人々が建設業に携わっておられる。しかも、その中の九九%までが中小企業の皆さんである。そういう状況を考えましたときに、昨年一連の不祥事件が起きまして国民の信頼を失ったことは大変なことでありますし、だからといって、いつまでもそのことにこだわってはかりいても、次の日本の景気あるいは日本の新しい物をつくっていくというのばなされないのではないかと、先生と同じような思いを私は持っております。
 私も、大臣に就任いたしましたときに、おわびはおわびで、そして失った信頼をどう回復していき、どうみんな元気で頑張れるかということが大事だということで、建設業というのは夢であり、そして物を創造するという極めて大事なものである、生き生きわくわく建設行政をやろうじゃないかと。また、建設業界のいろんな団体の会合に出させていただきまして、改めるところは改めて、そして元気で頑張っていこうと、皆さんは地球創造のアーチストではないかというふうなお話もさせていただいているところでございます。
 いろいろと起きた不祥事件を反省し、今入札制度の改正等々に取り組んでおりますが、さらに、この建設業法で先生がおっしゃいました不適格者の参入等々もチェックをしながら進めていかなければならないと思っております。
 社会的信頼を回復するとともに、職場の環境条件を整えて、雇用の促進を図っていかなければならない。最近、ようやく工事現場に女性の方の進出の姿を見るようになってまいりましたけれども、まだまだこの業界にそういったところまで十分であるかというと言えない。そういった点も環境を整えていき、人材を育成していくことが必要ではないかと私も思っております。
 建設省として、本年度末をめどに新建設産業政策大綱とその行動計画に当たる新構造改善戦略プログラム、いずれも仮称でございますが、そういったものを策定いたしまして、競争的時代に向けた建設業のあり方、またそれに向けた新たな建設産業政策を明らかにしていきたいと考えております。現在、そういったことを検討のための委員会を早急に設置すべく準備を進めているところでございます。
 いずれにいたしましても、先生がおっしゃったように、建設業が元気を出して未来に夢を持って頑張れる業界にしてまいりたいと私も思っているところでございます。
○鈴木貞敏君 ありがとうございます。
 本当に、つち音高く歌声高くといいますか、そういう気持ちで全建設業者がこの国土建設創造のためにひとつ振るってこれからも御活躍願いたいということを私も心からお祈りします。
 それで、今回そういういろいろの背景のもとで、今大臣も触れられましたけれども、改正が行われました。しかし、この改正で国民の信頼が果たして回復するに十分であるかどうか、十分であるかどうか、この点についてはいかがでしょうか、ひとつお答え願います。
○政府委員(小野邦久君) 今回の建設業法の改正は、入札・契約制度の改革の一環ということで考えたわけでございますけれども、何といっても公正な競争の土俵づくりをやるところに意義があるわけでございます。
 御案内のとおり、入札・契約制度の改革は、少しでも不正の起きにくいシステムを考えたい、これをどう構築していけるかということを主眼として考えたわけでございますけれども、今回御審議をお願いいたしております建設業法の改正のいろいろな内答もその一環として位置づけられるもの、こういうふうに考えております。
 具体的には、不良不適格業者を極力排除するためにどうすべきか。特に許可要件の中で欠格要件をそれなりにやはりきちっと強化したい。あるいは公共工事を希望される場合には、現在経営事項審査というものを任意でやっていただくような制度がございますけれども、経営事項審査自体もやはりきちっと義務づけるというようなことによって、これから公共工事に参入しようとする場合にやはりそういう厳正な経営事項審査というものを客観的に受けていただいた上で、そういう方々にやっていただく、競争していただくようなことを考えられないか、こういうふうに考えているわけでございます。
 もちろん御指摘のとおり、今回の建設業法の改正の内容によってすべてが従来のような一連の不祥事を二度と起こさないというようなことはないわけでございまして、発注者、受注者ともまず襟を正して制度の改革に取り組むことは何をもっても必要でございますけれども、いろいろなそういうことを総合的に実施することによって国民の方の信頼を少しでも回復するように努めたいと思っております。
○鈴木貞敏君 質問したゆえんのものは、私も今回の改正で全部じゃないのは当然であろう、やはり改革の第一歩であろうというふうに理解するわけでございますし、何せこういった入札・契約制度というものは試行錯誤の中から新しいものが生まれるというか、創造されるというか、そういうものであろうと思うわけでございます。去年でございますか、ここで一般競争入札か指名競争入札かというようなことで参考人のそれぞれの御意見を聞く機会もございましたが、私も当時は非常に慎重論というかそういう立場から、一挙に一般競争入札に移行するのは大変問題だというふうな意識を持ちながら質疑をしたような、質問したような実は記憶がございます。
 そういうことで、やはり改革の第一歩という位置づけであろうと思いますが、いろいろ資料を見ますると、昨年十二月の中建審の「公共工事に関する入札・契約制度の改革について」でございますか、あるいはまた、ことしの三月の「新たな時代に向けた建設業法の在り方について」というような建議、こういった建議をそれぞれ見せていただきますと、将来検討課題として残されているものが数多くあるやに見受けるわけでございます。例えば、工事完成保証人制度は一年以内に廃止する、そして新しい制度をつくり上げていかなきゃいかぬというような問題とか、あるいはボンド制度でございますか、履行、入札に関するボンド制度をどうするかというふうな検討の問題であるとか、あるいは資格登録制度のあり方というものはどうなんだというふうな問題等々いろいろこれから検討しなくちゃならぬとかというふうなことでの建議の内容になっているわけでございます。
 そういう意味で、私は、将来やはり法改正につながるかどうかは別にいたしましても、引き続いていろいろな面で建設省を中心に業界と地方公共団体を含めた検討が続けられていかなくちゃならぬと思うわけでございますが、そういう段階におきまして、いろいろ公共工事の入札・契約制度の改革が進んでおるということでございますが、ひとつ現在の段階におきまする改革の全体像がどんなものであるかということを簡単に御説明を願いたいと思います。
○政府委員(小野邦久君) 今回の入札・契約制度の改革の全体の姿でございますけれども、先ほどちょっと御説明を申し上げましたが、少しでも不正の起きにくいシステムをどう構築していくのかという観点から、制度全般にわたって透明性、客観性あるいは競争性をどう向上させていくかという観点からいろいろな改革を実施することにいたしておりまして、一つは特に大規模工事につきまして一般競争方式を本格的に採用するということでございます。それから同時に、大規模工事に至らない中小規模工事につきましては指名競争契約方式を当面実施していくわけでございますが、制度の大幅な改善を加えていきたいというふうに考えております。
 また、各発注者等で行われます入札・契約制度につきましていろいろ手続の透明性を特に第三者的な視点からいわゆるレビューをしていただく意味で、例えば入札監視委員会といったようなものの設置についても取り組んでいるところでございます。
 ただ、鈴木先生御指摘のとおり、まだ幾つか今後十分検討すべき、あるいは結論を出さなければならない課題というものがございます。先ほど委員から例として御提示ございましたとおり、工事完成保証人は一年後を目途に廃止するというような建議をいただいておりまして、廃止をするということになりますと、履行保証制度をどういうように構築していくのかという問題が残るわけでございます。これは、既に私ども委員会をつくりまして年内を目途に結論を出すべくいろいろな議論をいたしております。
 それからもう一つ、建設業者選定のためのいろいろなデータベースが非常に整備が不十分でございます。御案内のとおり一般競争を導入するということになりますと、資格要件を厳正に考えていくということが大変重要になってまいるわけでございますが、その場合のデータベースの整備、あるいは公共団体に対してどういうような形で業務支援、特に技術支援を行っていくのか。全国の公共団体につきましては、いろいろ頑張って入札・契約制度の公平性維持のために非常な努力をしておられますけれども、十分な技術者の方が育っておられないとかなかなか困難な問題もございますので、国としてやはり地方公共団体に対してそういう業務支援的なことをどう考えていくのかというようなこともございます。
 幾つかの宿題と申しますか、今後の検討課題で現にやっておるものがございます。そういうようなものも一刻も早く結論を得まして、全体として入札・契約制度の改革の透明性、客観性が向上し、競争条理の中で有効な競争が行われるようにしてまいりたいと思っております。
○鈴木貞敏君 ありがとうございます。
 先ほど言いましたように、この入札・契約制度、もう完璧な入札制度というのはこれであれだというものはないんじゃないか。やはりそれぞれ長短いろいろあると。したがって、そういったものをそれぞれミックスしながら、長をとり短を捨てていろいろやらなくちゃならぬと思うわけでございますし、またこの入札・契約制度というのはその国その国の歴史的社会的な背景によってそれぞれ違う、いわば選挙制度のようなもので、そのお国柄というものをやはり背負った一つのものがあるんだろう、こう思うわけでございます。
 そういう意味で、世界各国の例を聞いたり見たりしますると、アメリカでは一般競争入札が主流である。しかし、一面において非常に質が下がるというふうな問題点を抱えているようなこと。また、ヨーロッパでは我が国の指名競争入札に準じた制度をとっておるというふうなことも聞きます。また一面、イギリスでございますが、これはバンウェル委員会の報告書に、一九六四年でございますかあるようでございますが、一般入札は価格のみに関心の重点を置いて、仕事の仕上がりのよさに関心を払わないとの決定的な欠陥を内蔵していると、こういう委員会の報告もあるということで、一般競争入札を変えまして、指名競争入札とほぼ同じ、指名競争入札的なものに逆戻りしたというふうなことがあるということも聞いております。
 一方、我が国においては、明治三十三年以来九十年間、指名競争入札というものを本流にしていろいろやってきたと、こういう歴史があるということでございますが、そういう非常に幼稚な私の知識をもとに御質問するわけでございますが、いわばアメリカとイギリスの中間的な制度をとっておると見られるヨーロッパ、これの入札・契約制度というのはどうなんだということをわかる範囲で簡単にお知らせ願いたいということと、この一般競争入札と指名競争入札との長所と短所というものはどういうふうに把握、理解しておられるのか、この二点についてお伺いしたいと思います。
○政府委員(小野邦久君) 世界各国の入札制度でございますけれども、御案内のとおり国により時代によりさまざまでございまして、ある特定の国がかつてこの制度以外使ったことがないとかといったようなことはほとんどないと言っていいと思います。
 御質問のヨーロッパでございますけれども、これはある意味では、一般競争のアメリカ型とそれから従来の指名競争の日本型の中間にあるということが言えるのではないかと思います。
 例えば、イギリスでございますけれども、いわゆる一九六〇年のバンウェルレポート以後、従来一般競争でございましたものを指名競争、セレタティブテンダリング、選択的な制限競争方式というようなあれになろうと思いますが、そういう方式でやっております。またドイツは、一般競争とともに指名競争方式を併用しているという形でございます。またフランスも、一般競争もございますし、それと同時に制限付競争、これは日本語に訳しますと恐らく指名競争ということになるわけでございますが、日本の指名競争と違う点は、単に価格だけではなくて、例えば維持費でございますとか、工期とか、そういう施行方法等も含めて総合的にいろいろな観点から落札者を決定する制限付の提案募集方式といったようなものも行われているようでございまして、国と時代により大変入札・契約制度というのはさまざまだということが言えるのではないか、こう思うわけでございます。
 御指摘の二番目の、一般競争、指名競争それぞれの長所、短所はどうか、こういうことでございますけれども、何といっても公共工事は国民の税金によって賄われるわけでございますから、良質な社会資本をなるべく安い価格で、しかも公正かつ効率的な執行方法で国民の方々に提供するということが基本になるわけでございます。
 そういう点を考えますと、一般競争の場合には、例えば一定の参加資格要件を満たす企業であればだれでも工事に入札することが可能だ、こういうことになるわけでございまして、ある意味では、発注者が恣意的に建設業者を選択する可能性と申しますかそういったようなものを排除できるということで透明性も高まりますし、だれでも参加できるということあるいはなかなか最後までだれが札を入れるのかわからないということから談合が行われることが非常に困難になるということも考えられまして、不正の防止を図る上で効果的で、あるいは競争性もそれなりに確保されるのではないか、こう思うわけでございます。
 ただ反面、だれでも参加できるということは、不良不適格業者の参入の可能性とか発注者あるいは工事監督に要する事務量が大変大きくなってしまうとか、あるいは、何といっても日本の建設業の方々は九九・四%が中小企業でございますので、そういう中小企業者に与える影響がどの程度なのか。あるいは、財源は税金でございますから、ある意味では公正に分配されるということも必要でございます。そういった手続の効率性から問題がないのかといったようなことも危倶されるわけでございます。
 一方、指名競争の場合でございますけれども、これは、明治三十三年からという先生の御指摘でございますが、長い間これを運用上の基本としてやってまいりましたけれども、適正に運用されれば信頼の置ける業者を選択できる、こういうことで効率的な面が大変ございますし、また質の高い社会資本を整備することもできる。こういう制度でございますけれども、一たんその制度が恣意的に運用されますと、談合の可能性とかあるいは公平性、透明性に問題が出てくる、あるいは何といっても手続の公正性が損なわれるおそれも多いというようなこともございまして、指名競争契約につきましてもそれなりの短所もある、こういうことではないかと思います。
 いずれにいたしましても、発注者が入札にかけようとする工事の規模、種類あるいは技術的な難易度とか、いろんなことを勘案いたしまして最適な契約方式をとるということが一番いいわけでございます。それと同時に、従来いろいろ御指摘もございました手続自体の透明性あるいは客観性というものをより以上に確保することによって少しでも不正の起きにくいシステムをつくっていければと、こう思っているところでございます。
○鈴木貞敏君 今、競争制とそれから特別指名の二つの長短の御説明を受けたわけでございますが、なるほど一般競争入札はだれでも入札に参加できるということで、おっしゃるとおり客観性ですか透明性あるいは競争性、そういったものに非常にすぐれておる制度であるということで、一般競争入札はよし、指名競争入札は悪、こういうふうな割り切りでとかく論じられる傾向があるんじゃないかということを恐れるわけでございますけれども、おっしゃるとおり、何といっても一般競争入札の問題は、だれでも参加できるということによって不良な業者が出て非常に工事が粗悪になってしまうという一つのおそれ、これを何としてもチェックせぬといかぬという問題があろうかと思います。
 一九八九年のニューヨーク市が発表しましたリポートによりますれば、不良不適格業者が確実に排除されなかったために公共工事に多数のマフィアが参入したということで大変困ったような事例が指摘されておるということを聞きます。また、昨年の十月二十三日号の「週刊ダイヤモンド」でございますが、これには、
  制限付き一般競争入札制度自体は愛知県岡崎市、日立市、盛岡市、静岡市など一部自治体が先行している。広まらないのは工事に粗さが目立ったためで、制度より発注者と地元業者に問題がある。
  まず、市町村レベルでは、工事の監査体制が十分満たされていない。問題の記事は、公的機関の発注者として業者の選定に関与したことのある技術者は、「業者の三割以上は暴力団など不良不適格業者だった」と言う。仮に全国に当てはめれば十六万社以上が不適格となる。これらを排除できないのも粗雑工事を防げない理由だ。
というふうな記事がこの「週刊ダイヤモンド」にございます。
 私は、こういう三割以上が暴力団ということをにわかに信憑性のある数字としては信用いたしませんけれども、しかしいずれにしろ、こういった要素がやはり介在しておるという一つのあれではなかろうかと思うわけでございます。
 そういう意味で、不良不適格業者を排除、これは非常に重要でございますが、具体的にどのような手法でこの排除を徹底する措置を図っておるかどうか。そしてまた、そういう面で業界の健全化ということを指導する立場としてどんな方針で臨んでおるかという点について、ひとつお伺いしたいと思います。
○政府委員(小野邦久君) どうやって不良不適格業者を排除するかという観点でございますけれども、今回の法律案でお願いをいたしましたのは、一つは許可要件を強化するということでございます。許可要件を厳正にしていただいて、それによって入り口段階で不良不適格な企業の方は許可を得られない、あるいは許可を得て公共工事に参入できないというようなきちっとした形にしたいというふうに思っております。
 具体的には、従来許可の設立に当たって一つの欠格要件というのがございましたけれども、これをきちっとより以上に今日の社会経済実態を踏まえた厳しい欠格要件に改正をしていただこうと考えております。
 それからもう一つは、例えば公共工事に参入する場合に経営事項審査というような客観的な審査をいたしまして、その結果によってランク付をして、そのランクによ一つて従来は指名競争契約をやってまいったわけでございます付れども、この経営事項審査自体が、年間十五、六万の方々が受けられるということでございまして、従来希望による制度ということになっておりましたので、十分な厳正な審査ができない。こういうこともございましたので、罰則の裏打ちを持った十分な審査ができるように、これを単なる希望的なものから、公共工事を実施したいとお考えになる企業の方は義務的に受けていただくようにしよう、こういうようなことも考えております。
 そういったような、経営事項審査制度の一つの方向としては強化ということにもなろうかと思いますけれども、そういう規制自体をきちっとしたものにしていただいた上で厳正な審査が行えるようにしよう、それによって一般競争であれ指名競争であれ的確な入札制度の確立を図るようにしょう、こういうことでございます。
 そのほかに、例えば元請・下請関係といたしましては、施工体制台帳というものの整備を通じて、元請の下請に対するいろいろな全体の施工管理のために必要な制度の整備の一環としてそういう施工台帳を設けまして、元請・下請間の近代的な関係あるいは施工の安全というようなものも確保できるように手続の整備を進められないか、こういうような点を持っております。
 以上、申し上げましたような三点が主な許可業者の不良不適格業者の排除の徹底のための措置、こういうふうに考えていただいていいのではないかと思います。
○鈴木貞敏君 今回導入された制限付一般競争入札でございますか、ある一定規模のものはそういうものを採用するということでございますが、方向としては一般競争入札を積極的に導入していく方向じゃないか、こういうふうにうかがわれるわけでございまして、そういう雰囲気の中で、特に中小建設業者が排除されるんじゃないか、そういうものにつながっていくんじゃないかというふうな懸念の声もあるわけでございます。また一面、その環境整備、いわゆる指名競争入札から一般競争入札に移行するためには、いろいろもろもろの環境整備をやってから移行すべきなのに、何か非常に急展開で方向がそういうふうにがっと向いたということに伴っての不安といいましょうか、そういう声も私も一部聞くわけでございます。
 そういう意味で、そんな業者の危惧の念から見ましてもひとつ説明していただきたいのは、今後も一般競争入札がやはり拡大する方向にあるのかどうか、その辺の方針なり見通しといいましょうか、そういう面についての御見解をお知らせ願いたいと思います。
○政府委員(小野邦久君) 鈴木先生のお話にございましたとおり、今後一般競争をどう拡大していくのか、あるいは拡大していく方向にあるのかどうか、こういうお尋ねでございますけれども、私ども今政府といたしまして考えておりますのは、施工もある程度信頼ができる、技術力もしっかりしている主として大手企業が行われるような大型工事につきましてとりあえず一般競争を採用してみる。それと同時に、それに至らないものにつきましても、指名競争契約制度のいろいろな手続の改善を通じて少しでも不正の起きにくい制度をつくり上げよう、こういうことでございます。
 今後の一般競争の方向につきましては、一般競争方式を平成六年度予算に係るものから原則として採用するわけでございますので、その結果も十分見きわめないといけないわけでございます。あるいは資格審査体制の充実でございますとか、発注あるいは工事監督にかかる事務量の軽減というようなものにつきましても十分考えないといけないわけでございます。
 さらに、特に中小建設業者に対しての影響というものもございまして、中小建設業者の方々が心配しておるぞ、そういう御指摘も今ございましたけれども、私どももいろいろお話をお伺いしておりますと、今後どうなるのだろうかと、そういう非常に心配でのお尋ねが多いわけでございまして、そういう点も含めまして、一般競争の対象範囲を今後どうするかということについては段階的に慎重に検討していかなければいけない、こういうふうに思っているところでございます。具体的に、とりあえずまだ平成六年度予算でどういうふうに一般競争の結果が出てくるのかということも不透明でございまして、今後につきましては慎重に検討を進めていきたい、こう思っているところでございます。
○鈴木貞敏君 時間も非常に足りないので、いろいろ御質問したいところはございますが、はしょってひとつ御質問したいので、簡潔に結論だけお知らせ願いたいと思うんです。
 このボンド制度でございますけれども、内容はともかくとしまして、この導入についてこれから検討をするということであるようですが、その必要性と、導入するについてはやはりいろいろ基礎的条件があろうかと思いますが、その点をどうお考えかどうかということ。
 それから、法文にょりますと、特定建設業者、すなわち一定規模の特定建設業者に対しまして、その経営事項審査制度であるとか、あるいは台帳を備えつけるとか監理技術者を現場に置けとか、いろいろの新しい規制の網がかぶっておるわけでございますが、今いろいろ二千万とか額で資格基準があるようでございますけれども、今の基準のままでこういう新しい規制がかかってくるのは負担過剰にならないかどうか、この二点について簡単に。
○政府委員(小野邦久君) ボンド制度の基礎的な条件でございますけれども、これにつきましては、アメリカのように百年来の歴史のございます一般競争のボンドというものとは基本的に我が国の社会的な条件、契約条件は違うと思います。したがいまして、慎重に検討していかなければいけないと思っておりますけれども、とりあえず工事完成保証人を廃止することといたしましたので、履行をどう確保していくのかというのが一つの課題でございまして、これにつきましては、履行ボンドも一つの選択肢という形ではあり得るのではないか。もちろん金銭保証人とか、履行保証保険という制度が現在もございますし、それを利用するということも考えられるわけでございますけれども、選択肢としては履行ボンドについても研究を十分して結論を出していく素地があるのではないかというふうに考えております。
 入札ボンドにつきましては、同じボンドではございましても、客観的なそういうバックグラウンドが大変違うということもございまして、こちらは慎重に検討していかなければいけない、こういうふうに思っているところでございます。
 それから、特定建設業者でございますけれども、現在建設業者の方々の数は五十二万とも三万とも、若干の変動はございますが、そのうちの大体三万六千から八千が特定建設業者でございます。これは、総合的な建設生産システムにおける大変重要な役割を担っておられるわけでございます。
 特定建設業者の方々は、大変責任が加重されるということもございまして、ある一定の工事を行う場合にもそもそも一般建設業とは別の許可が要るとか、あるいは監理技術者を現場にきちっと置かなければいけないとか、いろいろな要件がございまして、従来と同じような基準でそれを定めておりますと、いろいろな社会経済情勢の変化あるいは物価の変動ということもございまして必ずしも実情にそぐわない、こういうこともございますので、その点につきましては、御指摘をいただきましたけれども、今後政令等で措置をしていく場合に十分関係団体等の御意見も聞きながら措置していくようにしたい、こういうふうに思っております。
○鈴木貞敏君 自治省からもせっかく来ていただいているので、お願いしたいと思います。
 昨年の十一月の「公共工事の入札契約制度について」という知事と市長さんに対するアンケート、この結果によりますると、一般競争入札の導入に伴いどのような問題があるのかというふうな問いに対しまして、上位三つを見ますると、事務量の増大、地元中小業者の育成が阻害される、不良不適格業者が参入する、こういったのが上位三位を占めておるというふうな状況でございます。また、地元中小業者向けの工事につきましても一般競争入札を導入すべきかというような問いに対しましては、五十九の自治体中、積極派が四つしかございませんで、消極的が二十五、保留が三十というふうな回答になっておるということでございまして、こういう数字から見ますると、各自治体とも中小業者の保護なり育成につきましては大きな関心を持っておる。
 そういう意味で、やはり政府としても、これら九十何%かの中小の零細業者をいかにして育成強化していくかという問題があるわけでございますが、地方自治体にとっても大変な問題であろうと思います。
 そしてまた、地方自治体が三千三百かある中にはやはり技術者が非常に足りないとか、事務量の増大にこたえる手足がないとか、そういう隆路がいろいろあろうと思うわけでございまして、何といっても発注体制の不十分なそういった中小の自治体に対してはいろいろの支援策というか、そういうものをやらないといかぬだろうと思うわけでございます。
 建設省とそれぞれ協議しながら、各府県段階でも寄り寄り御指導願っている状況を記事等で拝見するわけでございますけれども、自治省として、これら中小業者に対する支援、あるいは受注機会の確保なりそういう面、あるいは入札制度の改革について全国的にどういうふうな流れになっておるのかということ、わかる範囲で簡単にひとつお教え願いたいと思います。
○説明員(中川浩明君) 昨年、地方公共団体におきまして不祥事件が発生いたしました。このような不祥事件は地方分権を進める上でも大変問題があるという観点から、地方公共団体の入札・契約手続の改善方策について建設省と協議の上で対策を講じたところでございます。
 その大きな柱は、先ほども御説明ございましたように、入札・契約方式を新しい方式を採用するということで、十月に、制限付一般競争入札の試行を行うようにという指導をいたしております。その結果、昨年度中に二十六都府県、九指定都市で制限付一般競争入札の試行が行われたところでございます。新年度になりましても、本年度から新たに施行するという都道府県が大半でございまして、本年度中にはかなり多くの都道府県で制限付一般競争入札の制度が採用されるものと考えております。
 そのほかにも、改善すべき事項といたしましては、ただいま御指摘のように、技術力の脆弱な地方公共団体に対する業務支援の問題であるとか、あるいは地元企業、中小企業対策をどうするかというような点が問題であろうと思っておりまして、この点につきましても昨年の年末に具体的な項目を明らかにいたしまして指導をいたしたところでございますが、今後、新年度になりましてどのような状況になっているかにつきましてはできるだけ早いうちにその状況を把握して、またさらに具体的な指導をしてまいりたいとこのように考えております。
○鈴木貞敏君 ありがとうございました。
 いろいろお伺いしたいことがございますが、時間でもございますので、最後に、いろいろのペナルティーの問題、営業停止とかあるいは指名停止処分とかその他、公取法その他の面でいろいろのペナルティーがあるわけでございますが、指名停止というようなことがそれぞれ新聞に出るわけでございますが、何かそこに客観的な基準があるのかなと。ある県でいろいろ不正が出たら他の県でもずっとそれを指名停止にする、ある期間過ぎると今度は営業停止という法律に基づく停止がかかる、その辺のバランスというのがうまくいっているのかなと非常に素人的な疑問を持つわけでございます。
 処分基準というものはいろいろ改正になったようでございますし、重くなった、グレードアップされたということでございますが、その辺の公正性あるいは全国のバランスというかそういったものはうまくいっているのかどうかという点について、簡単にちょっと一言お願いします。
○政府委員(小野邦久君) 御案内のとおり、指名停止は発注者が指名をしないという基準でございますが、営業停止処分等は建設業法に基づく行政処分、こういうことになるわけでございます。
 ある一つの事件が起こりますと、発注者は指名停止、結論を待って、例えば事件の決着がついて裁判で確定をしたということになりますと建設業法の行政処分としての営業停止処分が行われるということで、一つの事案につきまして発注者とそれから産業政策としての業法上の処分というのがダブってかかってくる、こういうことにもなるわけでございます。
 その点とうかということがございますけれども、本来、指名停止処分というのは行政処分ではございませんで、発注者は契約の担当者の立場から、不正行為で行った疑いで逮捕された場合とかいろんな場合に発注を差し控えるという、そういう一つの発注者としての措置、こういうことにもなるわけでございます。これにつきましては、いろいろな観点から統一的な基準を、例えば政府部内で各省庁の連絡協議会を持ちましてそこで統一的な方針の中でやっておるわけでございますけれども、発注者の数は大変数が多いわけでございます。全国に市町村等を含めまして恐らく四千以上の発注者の方、公的な発注者の方々がおられるわけで、そういうような方々について統一的な基準による指名停止というのはなかなか行われがたいという点もございます。
 全国のいろいろな協議会等を通じて、モデル案を示すとか中央から指導するというようなことをやっておりますけれども、その点につきましては一つの基準の横並びと申しますかそういうものがなかなかそろわない、こういうようなこともございまして、なお一層今後一つの基準というようなものをお示しして、従われるかどうかは公共団体のお考え次第でございますけれども、そういう中でおのずと一つの基準というようなものができるということが望ましいというふうに考えております。
 それから、行政処分の方は、新しい行政処分の基準というものを六月三日に発表いたしまして通達をいたしましたけれども、御案内のとおり、指名停止、行政処分というのがダブって非常にきつくかかってくるというようなことになるといけないわけでございます。私どもの処分基準では、指名停止等を含めていろいろな、一つの事案に対してのいろいろな例えば処分でございますとか指名停止措置とかそういうようなものが行われたその結果を総合的に判断して、過重にならないようにそれなりの措置を講じていくというようなことも必要だと思っておりまして、六月三圧の通達では、そういう点も含めて総合的な判断でやるようにというようなことも具体的に公共団体に指導をしたところでございます。
○鈴木貞敏君 終わらせていただきますが、建設業界がそれぞれ意気高らかにこれからひとつ国土建設に邁進されるように御指導願うことを大臣以下にお願いいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
○松谷蒼一郎君 次に、不動産特定共同事業法案につきまして質疑を行います。
 不動産小口化商品の実情について局長より御説明願います。
○政府委員(小野邦久君) 従来の不動産小口化商品の実績あるいは実情をちょっと簡単に御報告を申し上げます。
 不動産特定共同事業は、昭和六十二年に初めて販売をされたという実績がございまして、平成五年度末までの販売総額でございますけれども、これは国内不動産を対象とするものだけで五千五百億円を超えております。このうち不動産を信託銀行に信託する形態のもの、いわゆる信託型商品というものもございますけれども、これはこの法律の対象ではございませんが、これを除きました販売総額は二千四百億円、こういうふうになっております。
 また、小口化商品の対象物件数でございますけれども、これは全体で百四十五物件、信託商品を除きますと五十八物件ということになっております。
○松谷蒼一郎君 不動産小口化商品につきましてはいろいろな被害が出ているというように伺っておりますが、投資家被害の実態はいかがですか。
○政府委員(小野邦久君) 実態でございますけれども、現在までに把握した限りでございますが、これは、一つの事件が起こったりあるいは被害が出てきた場合に必ずしも私どもそこで厳密な調査というのはなかなかできないわけでございますけれども、把握している限りでは七千五百人内外の購入者にそれなりの被害が出ている、こういうことでございます。七千五百人の方々の小口化商品の購入総額でございますけれども、これは千七百億円を超えるというふうに把握をいたしております。
 それから、この七千五百人内外の方々の被害額、これはちょっと残念ながら具体的に被害の程度がどうかということについては十分把握をいたしておりません。
○松谷蒼一郎君 こういう被害が起こった原因をどうお考えになりますか。
○政府委員(小野邦久君) 原因でございますけれども、大きなもので三つあるのではないかと思っております。
 一つは、適正な情報開示がないままに事業者が小口化商品を売り出すということがございます。特に、事業者の方が投機的な勧誘をする、その投機的勧誘を受けて消費者の方が小口化商品を買うというようなことが一番多いわけでございまして、適正な情報開示が行われないというのが一つでございます。
 それから、二番目の原因といたしましては、やはり平成三年以後バブルの崩壊と同時に相当の被害が出たのは、何といっても会社が倒産をしてしまったという例が圧倒的に多いわけでございまして、財産基盤の非常に脆弱な事業者の方々がこういう不動産特定共同事業に手を出されて倒産をした、こういうような実態がございまして、それによって不動産の処分が困難になり投資した資金が回収できない、こういうことにもなるわけでございます。これが二番目の原因ではないかと思っております。
 それから、三番目でございますけれども、不動産特定共同事業は、投資家から出資を受けて全体のビルならビルを一括してテナントに貸して、その収益を分配する事業でございます。入ってくる収益、いわゆるテナント料、賃料でございますけれども、これを例えば最初のうちはきちっと組合員に配分をするということを行っておりましても、事業者の事業経営自体がうまくいかなくなるとそれを流用するような形になってしまうわけでございます。要するに、事業者が本来の自己の財産とそれから組合財産による結果の果実というものを一緒に経理をしてしまうと申しますか、一部その果実を流用するようなことにもなってしまう。これが幾つかの倒産事案が出てきた大きな原因の一つではないかと思っておりまして、そういう財産をきちっと分別して管理するということが大事ではないかと思うわけでございます。これが十分なされないということも原因の一つでございます。
 幾つかいろいろそのほかにもございますけれども、主なものという御指摘でございますとその三点ぐらいではないか、こういうふうに思っております。
○松谷蒼一郎君 今も局長から説明がありましたように、被害のかなりの部分は事業者の倒産によって起こっているというような実態があります。倒産してしまえばもうどうにもならないわけです。だから、倒産が予防できるような措置を本法によって講じているのかどうか。あるいは万一不幸にして倒産しても、その事業参加者の財産の保全についてきちっとした規定が本法の中に定められておるのかどうか。これについていかがですか。
○政府委員(小野邦久君) 倒産をした場合に財産保全上どうかということでございますけれども、事業者の倒産の場合には当然任意組合からの強制脱退ということもございます。それから、商法の五百四十条以下の匿名組合でやる場合には、匿名組合契約が終了するということもございまして一つの強制脱退理由になるわけでございますけれども、通常は倒産の前段階で、例えば収益分配の停止のおそれがあるとか、あるいは現実に収益が停止されたとか分配が停止されたとか、あるいはいろいろな他の事業への影響とかといったようなことから、おかしいなと思うような事態もあるわけでございます。
 そういったようなことをきちっと情報としてキャッチできるように、今御審議いただいております不動産特定共同事業法案では、例えば事業参加者が財産の管理状況の説明を求めるとか、あるいは関係書類の閲覧をきちっとやるとか、そういう組合の財産の管理状態を消費者、組合員の方が常時状況を把握できるように適切な規定を法案の中には置いておるわけでございます。
 それと同時に、組合財産をどう保全するかということでございますけれども、これにつきましては、小口化商品を購入された消費者の方は組合に出資をするわけでございます。組合に出資をいたしますと、通常は組合への出資を原因とする所有権移転登記が行われるわけでございます。これは、組合財産であることを対外的にきちっと第三者に対抗する要件にもなるわけでございます。組合への出資を原因とする所有権移転登記が行われているということがはっきり登記簿上明らかでございますので、これは組合財産だということになりますと善意の第三者にも対抗できる、こういうことにもなるわけでございます。
 そういう組合財産の登記の仕方、あるいは登記をした場合でもその権利証をどう保管するのかというような問題はもちろんございますけれども、そういう点につきましてもそれなりに約款によるいろいろ適切な指導というようなことが行われることが可能でございますので、そういう幾つかの措置によって、業務執行組合が倒産した場合も事業参加者の財産保全等につきましてはそれなりの担保があり得るというふうに考えております。
○松谷蒼一郎君 大臣にお伺いします。
 現在、羽田内閣は規制緩和ということを極めて重要な政策として打ち出しているわけでございますが、この法律は原則的には不動産特定共同事業の原則禁止に当たるのではないか。許可をもって初めて実施ができる、こういう考え方ではないかと思うんですが、この点、規制緩和全体の流れ、政策とこの法案の関係についてはいかがお考えでございますか。
○国務大臣(森本晃司君) お答えいたします。
 いわゆる平岩研究会と言われているもので規制についていろいろ検討されましたが、一つは経済的規制は原則自由にということ、それからもう一つは、社会的規制については自己責任原則を重視して必要最小限のものにする、こういった報告がされました。今、規制緩和を大いに図っていかなければなりませんし、殊に経済的規制については大いに緩和を推進していかなければならないと我々も思っております。
 今回の法律でございますが、実は先般も八王子で被害に遭った方々がいろいろとその被害の状況、またいろいろ裁判を行っている状況等々を私のところへ御報告にお見えになりました。大変な被害を受けていらっしゃるなと。むしろ、今回盛り込む規制は、社会問題となった被害者、被害実例に対応していくという面から、またそれを防止するという点から考えますと社会的規制ではないか、このように私は判断しているところでございます。しかし、この法律をつくるについては、やはり投資家による自己責任を原則としながら、必要最小限にとどめさせていただきたい、このように考えているところでございます。
 さらに、附則第三条において、見直し条項を置いて不必要な規制の維持とならないようにしているのは今回の法律の中で一つの特徴ではないか、このように考えております。
○松谷蒼一郎君 局長にお伺いします。
 今、大臣からお話がありましたようにいろいろな被害が広がっているわけです。こうした被害がないようにということで本法が提案されたわけですが、罰則を含めてこの程度の規制で果たして事業参加者の保護は万全にできるのかどうか。その可能性についていかがでございますか。
○政府委員(小野邦久君) 松谷先生の御指摘でございますけれども、罰則も最高のものは、例えば許可を受けないで営業した、無許可営業でございますけれども、三年以下の懲役または三百万円以下の罰金とかなり重い罰則になっております。他の営業許可の例と比べますとやはり相当重い罰則の対象ということでございますし、例えば不当勧誘の禁止とか、いろいろな行為規制につきましてもやはり罰則の裏打ちというものを持っております。
 そういう点を考えますと、この法律案を御承認賜りまして、不動産特定共同事業についての開業規制、行為規制、あるいは全体の理解の促進が進んで、消費者自体にこの制度の意義あるいは趣旨というものを十分理解していただくというような全体の制度の改善が進むことによって、やはり消費者の保護というものについては十分な制度がとれるのではないかというふうに思っております。
 もちろん、この法律案自体で万全だということではないと思いますけれども、いろいろな制度ではございますので運用によろしきを得ないと、あるいは法の間をくぐっていろいろ不当な勧誘をして投資家を集めるといったようなおそれがないわけではございません。これだけ地価が鎮静化してまいりますと、例えばまた将来値上がりが予想されるぞ、将来の利益は保証されるぞといったような観点からそういうことをやる業者の方が出ないとも限りませんが、より以上に、こういう法律が通ってお認めをいただいて、不動産特定共同事業というものがきちっと制度としていろんな要件を備えたということ自体が、やはりそういうことに対する相当大きな抑止効果ということになるのではないかというふうに思っております。
○松谷蒼一郎君 せっかく本法を提案されたわけでございますから、きちっと実施をしていただいて、事業参加者の保護についても万全を期していただきたい。
 ところで、この不動産特定共同事業につきましては、大蔵省所管であろうと思いますが、商品ファンドがもう既に先行してございますが、商品ファンドの実情あるいは規制等々について、また本商品との類似性についてお伺いします。
○説明員(松元崇君) 商品ファンドの実情等について御質問でございます。
 主として商品先物市場で運用を行います商品ファンド、これは現物商品、例えば競馬馬とかも入ってまいりますが、こんなものを投資対象といたします商品ファンドに係る事業に関しましては、その業務の適正な運営を確保し、商品投資に係る事業を公正かつ円滑にするとともに、投資者の保護を図るためということで、商品投資に係る事業の規制に関する法律、いわゆる商品ファンド法と申しておりますが、これが平成四年四月二十日に施行されております。
 この法律に関しましては、昭和六十二年から六十三年ごろ商品ファンドに係りますトラブル事例があった、そういったことを背景に創設されたわけでございます。この商品ファンド法によりまして、商品投資販売業を営もうとする者につきましては許可制がとられまして、その中で業務といたしましては、不当な勧誘等の禁止あるいは広告の規制、報告徴求、立入検査権、こういったことで投資者保護のために必要な規制がとられておるということでございます。こういった結果といたしまして、現在では投資者との間に大きなトラブルが生じていないというふうに私ども承知いたしております。
 今回の不動産特定共同事業法案で定めます不動産特定共同事業との類似性ということでございますが、この不動産特定共同事業にはさまざまの形態のものが考えられるかなというふうに考えております。その中でも、金銭で出資を募りまして金銭で出資の返還を行う、そういった形態のもの、また経済立地的に見てこれに類する形態のものにつきましては、商品ファンドとは投資の対象が不動産という違いはございますが、金融商品性という観点からいたしますと同様の商品というふうに考えております。
○松谷蒼一郎君 この法律は、建設省所管だけじゃなくて大蔵省との共管になっている、共同提案になっていますね。あなたにお伺いしていいのかどうかちょっとよくわかりませんが、行政事務を簡素化していこうじゃないかというときに余り関係のない省庁まで共管としないで、建設省専管でいいんじゃないかと思うんですが、いかがですか。
○説明員(松元崇君) 私ども、関係のある分野について共管にしていただくというのが基本的な考え方でございまして、私ども大蔵省は金融に関します行政事務を一体的に遂行するということで設置法に規定させていただいております。
 そういった観点から、今回の不動産特定共同事業法案が規制の対象としている事業のうちから、金融行為に該当するというものにつきましては、出資者保護等の観点から私どもといたしまして責任を持って当たるべきということで考えておるわけでございまして、金銭をもって出資の目的とし、かつ契約の終了の場合における残余財産の分割もしくは出資の返還が金銭により行われることを内容とするもの、またはこれに類する事項として政令で定めるものを内容とするものという形で限定をっけまして私ども大蔵省との共管としていただいておるところでございます。
 なお、先ほど商品ファンドについての御質問がございましたが、同じ考え方から、商品投資に係る事業の規制に関する法律につきましても、私ども大蔵省とそれから各商品を管轄いたしております、商品によって違いますが、通産省、農水省になりますが、共管ということにさせていただいております。
○松谷蒼一郎君 余り言ったら建設省もお困りかもしれませんので、もうこのくらいでとどめます。
 ところで、本法の第十七条に規定されております。務管理者、これは、大体こういう小口化商品についてのいろいろな被害実例というのはセールスマンが過大なPRをしたりして被害に遭うというような例が多いわけでございまして、したがいまして、このセールスマンについてきちっとした指導をする業務管理者というのは非常に重要な位置を占めていると思いますが、業務管理者の資格要件についてはいかがですか。
○政府委員(小野邦久君) 御指摘のとおり、従業者、従事者がどういうことを説明し、どういうような勧誘をするか、PRをするか、営業活動をするかという大変大事な、この不動産特定共同事業につきましても業務管理者の持つ重要性というのは大変大きなものがございます。
 その要件でございますけれども、業務管理者は法律上宅地建物取引業法の主任者登録を受けていること、これを一つの要件としている。それと同時に、省令等におきまして一定の実務経験を有すること、あるいは実務経験がない場合、全く新しく業務をやられるという場合もあるわけでございます。その場合には、これにかわる何か技能を有すると認められるものを要件とするというようなことを考えております。宅地建物取引主任者の登録を受けている方ということがまず一つの法律上の要件で、あとは法律から省令への委任において、一定の実務経験、実務経験がない場合にはこれにかわる技能を有すると認めるものを要件として定めたい、こういうふうに思っております。
○松谷蒼一郎君 本法に不動産特定共同事業協会のことが規定されておりますが、その目的、事業、それからこれは各県に一つずつ置くのか、それとも全国一本、全国一本で果たして効果があるのかどうか、そういったことについて。
○政府委員(小野邦久君) 不動産特定共同事業協会でございますけれども、これは御指摘のとおり許可業者を会員として事業の健全な発達を図るためのいろいろな取り組みをやってもらおう、こういうことでございますけれども、あわせて会員に対するいろいろな事業参加者、消費者からの苦情の処理というようなものも行うことを目的とした自主的な機関として法律案に位置づけているところでございます。
 この組織といたしましては、これは全国一本の組織ということで、どの程度の会員の方々がこれに参加されるのか。小口化商品をかって売り出された、あるいは現在売り出しておられる企業の方、大体六、七十じゃないかと思うわけでございます。今後、この法律案が法律として成立をした暁には、どういうような形で民間の企業の方々がお考えになるのか必ずしも十分予測はできませんけれども、やはり許可業者の方々はなるべくこの会員に入っていただいて、自主的な活動の中でこの不動産特定共同事業の健全な発達を図るようにしていただこう、こういうふうに思っておるわけでございます。
 もちろん、許可行政庁あるいは監督行政庁による監督の強化ということ、あるいはいろいろなそういう点についてのPRということも大事でございますけれども、何といっても新しい事業でもございますし、また複雑な権利関係というようなこともございますので、業界の方々自体がやはりこういう協会をつくっていろいろな制度のPRあるいは調査研究あるいは消費者からの苦情の処理に当たるといったようなことが大変大事ではないかと思っております。
○松谷蒼一郎君 これは被害に遭うのは事業参加者であるわけですが、事業参加者はこの協会には直接的な関係はないんですか。
○政府委員(小野邦久君) 例えば事業参加者、消費者の方がこの協会に入るといったようなそういう関係はございません。あくまでも消費者の方々は、事業者、業務執行者とのいろいろなトラブルが出てくるとか、あるいは他の消費者の方、組合員とのトラブルということも当然あり得ると思いますが、そういったような組合でございますので、そういういろいろなトラブルを場合によってはこの協会に相談をする、あるいは苦情の解決を申し出て必要なあっせんをしてもらうといったようなことをできればというふうに思っておりまして、その関係での消費者との関係ということだと思います。
○松谷蒼一郎君 大臣にお伺いいたしますが、この不動産特定共同事業法案というのは、基本的には規制法ではありますが、しかしこれから新しい分野を開拓する事業でもありますから、こういった事業を有効に活用いたしまして、そして都市開発あるいは土地の有効利用にできるだけ寄与していくというようなことが考えられてしかるべきではないか。単に後ろ向きだけではなくて、新しい政策展開をやっていくための法案として活用する考えはございませんか。
○国務大臣(森本晃司君) 今度の共同事業法というのは、先生がおっしゃっていただくように、都市開発事業を促進する上で非常に有効な事業であるかと私も認識しているところでございます。
 今日までの不動産の小口販売というのはルール化がなされていなかった。そういった面で、今度のこの法律によって市場ルールの確立を図っていくことによって大きく景気対策にも資していくのではないだろうか、このように考えております。
 したがって、本法案の制定によって大事なことは、情報公開がその開示をどこまでやれるのかということでございますが、このルールの整備が図られて投資家が安心して事業に参加できる環境、従来と比べて格段にそういうことが整備されることによって市場が活性化され、景気対策にも資していくというふうに認識しておるところでございます。
○松谷蒼一郎君 今大臣がお話しになったように、景気対策の一環にもなる、都市開発にも一つの大きな手段となるだろうというようなことであれば、適正なルールづくりをいたしましてその上で本法制定とあわせていろいろな助成措置、恐らく融資とかあるいは税制上の問題ということになるんだろうと思うんですが、そういう促進策といいますか、助成措置について、大臣どうお考えになっていらっしゃいますか。
○国務大臣(森本晃司君) おっしゃるとおりでございまして、都市開発事業の推進に活用することができると先ほど申し上げましたが、同時に土地流動化の面についても効果が大きいと思います。御指摘のように、助成措置についても十分な問題意識を持って今後対処させていただきたいと思います。
○松谷蒼一郎君 大変きちっとした法律案を私も読ませていただきましたが、当局において大臣の御指導のもと非常に立派な法律案ができてまいりました。どうか、この法律案をもとにしてこれからの新しい住宅政策なり都市開発政策なり、そういうようなものに大いにこれを使っていくという観点から、積極的な活用をぜひお考えになっていただきたいと思います。
 以上で終わります。
○種田誠君 昨年からことしにかけまして、公共事業をめぐりまして一連の大不祥事事件が連発をいたしました。国民の公共事業に対する信頼というか、公共事業に対する不透明さというか、こういうものが今まさに大きなものとして存在しているんではないか。
 そういう中で、昨年十二月二十一日に中央建設業審議会の方からの答申がなされ、ことし一月十八日にも政府は行動計画をつくられてきた。そういうことで、一日も早く国民の信頼を回復して、二十一世紀に向けてしっかりとつくり上げなければならない社会資本、こういうものに一体となって新たに頑張っていきたいと、先ほど鈴木先生の方からも御指摘がありましたけれども、私も同じ気持ちであります。
 そこで、少し細かい話になりますけれども、五十嵐建設大臣時代に、今述べました審議会の答申や閣議の行動計画を受けて入札監視委員会が設置される方向が決せられたというふうに承っております。そして、ことしの四月中にこれを設置すべきである、建設大臣官房長の通知ということで地方建設局長に出されておる。極めて適切な時期に一つの方向を示したなと思うんですが、この入札監視委員会の設置、これはどういう目的で、どういうことを見通してなされているのか、まず大臣に伺いたいと思います。
○国務大臣(森本晃司君) さきの大臣のときに、こういったいろいろ社会で起きました建設業界の問題に対して信頼を回復しようということで、第三者機関として入札監視委員会というのを設置しました。これは、入札制度の透明性また客観性を考える上から、指名業者の選定手続の運用が適切に行われているかどうか、こういったことをチェックする目的でっくられたものでございます。メンバーは、大学の先生とかあるいは弁護士あるいは公安委員、教育委員会等々学識経験者の方にお願いをしているところでございまして、本年の四月末までにすべての地方建設局に設置いたしました。第一回の委員会をそれぞれ開いておりますが、第一回目は設置の趣旨の説明会という形のものでございまして、平成六年度の当初予算に基づいて発注する工事に係るものから今後審議を行うことにしております。
 いずれにいたしましても、先生御指摘のように、この第三者機関としてスタートいたしました委員会は極めて大事で重要なものだと認識しておりまして、地方建設局をさらに指導してまいりたいと考えております。
○種田誠君 大臣の今のお答えにありましたように、私もこの入札監視委員会のこれからの活躍には期待を込めていきたいと思うんですけれども、定例会議を三カ月に一度なんというふうに決められていることでもありますので、もう六月ですから、行われているのかどうか。そしてまた、そのほかに苦情の処理なども課題になっておるようですけれども、設置後、この間何か監視委員会の動きというものがあったのかどうか、その辺ちょっとお伺いしておきます。
○政府委員(伴襄君) 先ほど大臣から御答弁申し上げましたけれども、それぞれ全地建に設置しておりますので、少なくとも一回は全部最初の顔合わせも兼ねまして開きました。よく周知徹底をしたりあるいは意見交換をさせていただいております。
 実際の入札手続の監視につきましては、本予算が成立しましたらその契約からということになっておりますので、予算が成立してその契約が行われて、だから三カ月待たなければいけないわけですが、第一回目から監視行為を続けていきたいということでございます。それから、苦情処理の方はこれはその都度開くことになっておりますが、現時点ではまだ開くに至っておりません。まだ苦情が出てきておりませんので至っておりませんが、いずれにいたしましても、必ず三カ月に一度はきちっと定期的に見ていくというのと、それからその都度の苦情処理をさせていただくというふうにさせていただきたいと思っております。
○種田誠君 本予算がまだ通っておりませんから、その意味ではこの委員会の運営などがおくれているんだろうと思いますけれども、予算成立後は、当初の目的を達しながらこの委員会が立派に機能すれば入札制度の透明性やまた公平性というのがこの分野からも国民にとって見える形になっていくだろう、そういう意味でぜひ立派な委員会にしていただきたいと私は思います。
 そこでさらに、これらの入札や契約の制度の改革に伴って本日審議をされている建設業法の改正がなされるわけでありますけれども、これについてちょっと細かい質問で恐縮でありますが、先ほど鈴木先生の質疑の中にもありましたように、全国で五十六万、かなりたくさんの方がこの業界で働いておる。そういう中には中小零細の業者がこれまた大きなウエートを占めているわけであります。
 そこで、平成六年三月二十五日の中建審の建議の中に一つ提起されていることでありますけれども、建設業法三条第一項、これは今回は改正になっていないわけですが、関連いたしまして、政令で定める軽微な工事を行う業者等についての問題提起がなされております。請負代金の金額もしくは建築一式工事の金額等の変更であります。これらを実際行っていく上においては、もちろん、昭和五十九年以来据え置きとこれは変更がなされていないというところから、この変更の必要性が高いと思うんですけれども、具体的にこれを進めるに当たっては政令事項でありますが、ぜひとも中小零細の業者の皆さん方の意見なども十分理解した上で、聴取した上で行っていくのが正しい道だろうと思うんですが、その辺についてどのようなお考えをお持ちでしょうか。
○政府委員(小野邦久君) ただいま種田先生御指摘の建設業の許可の場合に、一定の軽微な工事だけを請け負う場合には許可は要らないということになっておりまして、これは御案内のとおり昭和五十九年に三百万円ということを定めております。昭和五十九年でございますから今から十年ぐらい前になるわけでございますが、その問相当年月もたっていることあるいはその後の物価変動等もございまして、ある意味では適切な見直しの時期に来ているのではないか、こういうふうに思っております。
 御案内のとおり、三月二十五日の中建審の答申でもその旨の提言がございました。この法律の改正の直接のマターというわけではございませんが、それにつきましても慎重に提言に沿って考えていきたいと思っております。
 ただ、その場合に、一般建設業の許可要件でございます財産的な基礎というものとこの三百万円というのは連動を実はいたしております。一般建設業の場合には、当然ある程度の財産的な基礎がないと許可が行われないわけでございますけれども、軽微な工事以上のものを当然許可業者の方は一般建設業の方でやるわけでございますから、三百万円以上の例えは財産的な基礎がないと許可はできないということにもなるわけでございます。一般建設業の許可要件である財産的基礎三百万とどうしてもこの軽微な工事の範囲というのは連動するわけでございまして、そうなりますと、一般建設業の許可の更新を行う場合に、この三百万円という額が上がりますと財産的な基準額の引き上げも当然行われて、それが中小建設業者の方々にとっての営業の安定性ということを損なうのではないかというようなことのいろいろな御心配だと思うわけでございます。
 これにつきましては、私どもはその趣旨の御意見というものも既に関係団体からもお聞きをしておりまして、中小建設業の方々がそういう営業をきちっと継続してやれる、やっていくというようなことについての心配のないように、引き続き政令の改正に当たりましては関係建設業団体の意見も十分に聞いた上で対処していきたい、こういうふうに考えております。
○種田誠君 ぜひともそのような視点でお願いをしたいと思います。
 さらにもう一点、これは新規の改正事項にかかわるものでありますけれども、二十七条の二十三、いわゆる「経営事項審査」、ここの条文が変わっていくわけであります。新しく、「審査を受けなければならない。」ということで義務規定になっていくわけですね。私も、入札の参加資格の基礎となる部分ですから、ここを強化していくということは、適正な施工、透明性を高めていく極めて今日的な必要性に基づく改正だろうと思うんです。これも同じように、じゃあらゆる業者がこの法律で一律に義務づけられていくのか、それともある程度中小零細業者等の場合の負担軽減などの措置はこれはまた考えられていくのか、その辺のことについてもちょっとお聞きをしたいと思います。
○政府委員(小野邦久君) この法律案では、経営事項審査制度を従来の任意の希望制と申しますか申し出制から義務化をするわけでございます。義務化をするということになりますと、あらゆる対象工事についてすべてそうかと、こういう御疑念も出てくるわけでございますけれども、従来の審査対象の範囲というものを基本として今後検討していこう、そう思っております。とりわけ、経営事項審査を申請する負担というものはやはり中小建設業者の方々にとっては重いわけでございますので、この負担が過剰とならないように、例えば一定の軽微な金額の建設工事等につきましては除外をするというようなことが望ましいのではないか、こういうふうに思っておりまして、今後これらの点も踏まえて検討していこう、こういうふうに考えているところでございます。
○種田誠君 この点についても、先ほどと同様、中小零細業者の育成ということにもぜひとも配慮をしていきながら適正な運用をお願いしたいと思います。
 もう一つ、これも新規の条項でございますが、三条の二に「許可の条件」というのが入ったわけです。これによりますと、「許可に条件を付し、及びこれを変更することができる。」、こういうふうな条項が入ったわけですね。これについて、これはどういうことを意味するのか。どうもこれを読んだだけでは、「許可に条件を付し、及びこれを変更することができる。」ですから、極めて抽象的で中身が見えないわけです。どういうことを想定しているのか、まず御説明をいただきたいと思います。
○政府委員(小野邦久君) 許可に条件を付するということを案として法定いたしました趣旨でございますけれども、申請者負担の軽減、あるいは行政事務の合理化といったようなことを図る観点から許可の有効期間を三年から五年に延長いたすことにいたしました。そういう案になっているわけでございますけれども、三年から五年に延長する中で建設業の許可事務の簡素合理化を図ろうと、こういうわけでございます。
 ただ一方、建設工事というのはやはりどうしても長期的に行われる場合も多いわけでございます。短時間で済むのもございますし、三年、五年あるいは十年かかって完成をするというものもあるわけでございます。そういう建設工事の特性を踏まえますと、例えば建設業の許可の基準でございます誠実性の要件でございますとか、あるいは財産的な基礎といったようなもの、これも従来よりも長期にわたって継続的に具備していただくというような何らかのそういう担保措置を充実させることが必要ではないか、こういうふうにも考えているわけでございます。
 そういう点を考えまして、もとより許可を受けた建設業者は定期的に、例えば何か変わった場合には変更届を出していただくというようなこともございますけれども、これだけではやはり許可に必要な基準を満たしているかどうかを確認できない場合もあるのではないか。こういうふうにも考えまして、そういう点から新たに許可を受けようとする建設業者の方に対して許可の際に、例えば業務等について定期的な報告を求めるとか、あるいは経営管理体制の充実、適正化等に努めていただくことを求めるとか、考えられるとしたらばそういったような一種の条件でございますけれども、これをつけることができるようにして、より以上にやはりきちっとした許可条件を情報として開示できるように、あるいはその点の長期継続的な担保措置というものをこれによって図れればと、こう思っているわけでございます。
 ただ、御指摘のとおり、条件を付してこれを変更できるといっても、この条件は必要最小限のものに限らなければいけませんし、不当な義務を建設業者の方に課すことになってはいけないわけでございます。その点も条文にうたいまして、そういうことのないようにきちっと措置をしていきたいというふうに考えているところでございます。
○種田誠君 今の局長の、三条の二の「許可の条件」をつける必要性、またこれを変更する必要性というのはよくわかるんですけれども、具体的に、じゃ一体これがどういうことを条件として、ある程度事前に客観化しておかないと、また変更を求めるにしても、こういうケースの場合に変更を求めるということをある程度体系化し、例示化して見えるようにしておかなきゃいけないわけですね。その辺のことについては、今後どういうふうな形でこれを詰めていく予定なんですか。
○政府委員(小野邦久君) 法案としてお認めいただいた場合には、三条の二が具体的に動き出すわけでございます。その場合に、どういうような運用方針で私どもがこの三条の二を使っていくのかということになるわけですが、これにつきましては先ほど申し上げましたように、恐らくは許可の際に、あるいは更新の許可ということもあり得ると思いますけれども、業務等についてどうもやはり定期的な報告を求めるというふうにした方がいいということも当然あり得るわけでございます。
 従来は三年でございますので、その間に定期的な報告を求めていけば、三年たてばまた新しい変更の許可が出てきて新しい情報が消費者の方々に開示されるということになるわけでございます。これが五年に延びるということになりますと、やはり若干心配だということもございまして、定期的に報告を求めるということを許可の条件としたいというような許可行政庁の判断というのは当然あり得ると思うわけでございます。そういうものがあり得た場合に、具体的に許可をするに当たっての条件として、例えば、しばらくの間定期的にこういう形での報告を提出してもらいたいというようなことを申し上げるというようなことはあり得るのではないか。
 具体的に、こういうケースに限定をするとか、あるいはこういう場合に必ず条件をつくるとかいうようなことをまだ私ども決めたわけでございませんので、具体的なケースが出てまいらないとどうするかということははっきりしないわけでございますけれども、今のこの法案審議をしていただいている段階での私どものこの三条の二を入れた趣旨は、今申し上げましたような観点からの制度の担保ができればというふうに考えているところでございます。
○種田誠君 先ほども申し上げましたように、その必要性はよくわかる。今おっしゃられたように、これから許可を付す。者の範囲の問題とか条件の内容というのは、いろいろ新しく出てくることを想定してやっていくことだけでは解決できないので、これから一つ一つそういう問題が提起される中で解決していこうということではありますけれども、ある時期からそういうものはある程度客観化されていかなきゃいけないだろうとも思いますので、ぜひこれからそういう視点での御努力をお願いしたいと思います。
 時間の関係で、もう一つの法律の方の審議に入っていきたいと思います。
 不動産特定共同事業法案、先ほど松谷先生の方からも御質疑がありました。改めまして大臣、今日本動産特定共同事業法を制定していくその必要性、そしてこの法律が目指すもの、これを述べていただきたいと思うんです。
○国務大臣(森本晃司君) 今度の事業法というのは、事業参加者の出資等を得て、土地の有効利用、さらにまた都市開発事業を推進する社会的にも極めて意義の大きいものだと思っております。しかしながら、過去におきまして、不動産業者の経営基盤が脆弱であったりあるいは事業参加者への情報公開が不十分であったためにいろんな被害が出ております。延べ七千五百人内外の事業参加者の被害を招いた事例もございますし、先ほど松谷先生のときにもお答えさせていただきましたが、去る六月三日に私のところへ、その八王子で起きた事件で被害に遭った方々が、私たちはそういったことであったけれども、きちっと法整備をやってこれからそういったことのないようにしてもらいたいという大変な訴えがございまして、私もその必要性を感じております。
 投資する人、これから事業に参加する人も安心して参加できるようにそういった市場のルールを確立していくことが極めて必要ではないか、自己責任において安心して投資できるようにしていかなければならない、こういった点から今度の法律を出させていただいた次第でございます。
○種田誠君 大臣とは予算委員会の方で、ほんの少しの時間しかなくなって恐縮だったんですが、いわゆる土地所有権の私たちの認識、これを変えていこう、特に土地基本法が制定された以降、土地というのは資産としてこれを保有して土地は値上がりするものという神話のもとにこれを把握していく、そういう視点ではなくて、むしろ私たちにとって土地というのは、最大限利用してその利用に伴って生まれてくる果実、それが私たちにゆとりや豊かさというものをもたらすんだ、こういう哲学の転換が今重要なんだと。
 それは、日本の戦後の資本主義というのが、まさに金融資本の充実、金銭的交換価値優位、担保価値優位、こういう視点で専ら来てしまった。もちろん、これは日本の資本を充実させるためには欠かせない一つの法的な視点だったわけですけれども、それが最終的にはバブルまで生んでしまった。そういう中で、今こそ土地の持っている利用価値、その利用価値を充実させるために、所有権の中のいわゆる所有と経営の分離とか、土地の資産という形から具体的に利用するための権利を充実する方向をさらにつくるとかいうことが必要だ、こういう議論をしました。
 その議論の中の延長線上が私はこの法案だと思うんです。まさにこの法律が制定され、そしてこれが、先ほど来お話がありましたように都市の再開発とか新しい資産に対する、土地に対する、不動産に対する権利をつくっていくということになりますと、ここで端的に大きく私たちの周りに生まれる新しい権利というのが所有と経営の分離、このことがはっきりするわけですね。所有は所有でいい、経営は経営で任せよう、そしてそこから利益を得るものは利益を得よう。権利が分離するわけです、絶対的所有権というのが分割するわけですね。こういうのがまさに土地のいわゆる利用価値の充実という視点で重要だ、こういうような議論に私はなると思うんですが、この辺、大臣はどのようなお考えをお持ちでしょうか。
○国務大臣(森本晃司君) 先般の予算委員会で先生のそのお話を聞かせていただきまして、今またそういった先生の考え方を述べていただいたわけでございますが、私も全くそのとおりだと考えています。
 土地を保有していた時代から、土地を利用してどうその価値を生み出すか、その果実をどう生かしていくかということに転換をしなければならないと思います。そのことを行っていくことによって、土地も有効的に供給することができますし、住宅宅地等々にもそれが有効的に利用されていくのではないかというふうな考え方を私も持っておりまして、先生の御指摘と全く同じ考え方でございます。
○種田誠君 大臣から全く同じだと言われると、心強く思うと同時に、また不安な気持ちになります。
 先ほど申し上げましたように、まさに新しい物の見方にのっとってこの法律はこれから活用されていく必要があるだろう。その場合に、日本の場合には所有権というと、たぺさん持っている人も少ししか持っていない人も絶対的所有権意識が強いんです。おれのものはおれのもの、天の上から地の底までおれのものなんだ、そういう絶対的所有権意識が強いんです。ところが、私いろいろ欧米の文献なんかを最近読ませていただいて、絶対的所有権というのは本当に狭い狭い分野なんです。
 問題は、その周りに所有権を取り巻くたくさんの権利があるわけですね、限定的所有権。五十年とか百年とか二百年という期間が限られた所有権というのも実は絶対的所有権の周りにたくさんあるわけです。その外にはまた借地権みたいな、定期借地権みたいなものがたくさんあるわけです。そして所有権は成り立っている。一つの言葉で言えば、イギリスでは、イギリスの国土は国王のものである、多くの者は国王からそれを借りて使っている。しかし、そこにはもちろん所有権はあるわけです、限定的所有権とかさまざまな利用権が。こういう物の見方に変えていく出発にこれをしてもらいたい。
 ということは、日本に新しい不動産市場をつくっていくということなんですね。我々は、今まで所有権というと固定的なもの、所有権というと絶対的なもの、おれのものはおれのもの、こういう視点でしか物を見なかった。それをいかに日本に新しい市場をつくっていくかということなんですが、先ほど松谷先生の質問に対して、日本の国内市場がどのくらい今実績を持っていますかというのに対して若干の答えがございました。
 アメリカやドイツではどういう実態になっておって、なぜアメリカやドイツはそういう実績を持ったのか、そのことについてお答え願いたい。
○政府委員(小野邦久君) 今御指摘の、日本の不動産市場に比べてアメリカの同種の事業の実績はどうかということでございますが、アメリカのリミテッドパートナーシップ制度とかあるいはREITといった特定の不動産プロジェクトを前提として投資家から資金を集めて投資をするようなそういう制度もございまして、実際の額でございますけれども、例えばアメリカのREITでは一九九三年末現在で三百四十億ドルでございますので、およそ三兆六千億円といったようなマーケットになっておるようでございます。また、ドイツでございますが、これはオープン型とクローズド型の二つのファンドがございますけれども、いずれも、例えばオープン型では九三年九月末現在で二兆五千億円、クローズド型で四兆円といったような規模に達している。私どもで調査をいたしましたところではこういったような実情になっております。
○種田誠君 今伺っているのは、欧米がなぜそのようにもう既に大きな市場がつくられているかという、その理由についてはどうでしょうか。
○政府委員(小野邦久君) 理由でございますけれども、制度はアメリカの場合と我が国の場合と大変違うわけでございます。
 アメリカの場合には、特にREIT等につきましては二重課税を回避できるといったようなあれもございます。例えばREITという組織がございまして、この組織は例えば組合とか信託とか会社は何でもいいわけでございますけれども、そういうような一つの組織の課税所得から投資家への配当を控除できる、いわゆる二重課税の回避でございますが、こういったような税務上の優遇措置というようなことが受けられることが一般的でございます。これは、同じように例えばリミテッドパートナーシップでも同じでございますし、あるいはドイツの不動産投資信託についても同じようなことがあるわけでございます。
 そういったようなことも、欧米の場合には、これだけ多くのマーケットで不動産投資信託、あるいはREITにしろリミテッドパートナーシップにしても共同投資事業的なものが広く行われてきたということの一つの原因ではないかと思うわけでございますが、ただ、根底にはやはり先生御指摘のように土地の所有というものについての考え方というものがかなり違うという面はあるんではないかというふうに思うわけでございます。
 我が国の場合でございますと、やはり従来どちらかというと、御指摘のとおり土地の利用をどうするか、その利用の収益に着目した物の考え方というより以上に、やはり長期の資産としての有利性でございますとか値上がり期待といったようなものも、大分少なくなったとはいえまだ完全になくなったというわけではございませんし、そういったような土地についての物の考え方の違いというものと、それから不動産業あるいは不動産市場についての基本的な考え方、それと同時にやはり税制というものもそれなりの大きな影響を持っているのではないか、こういうふうに思います。
○種田誠君 日本では今五千億弱ぐらいの実績だと。過般マスコミを通じて報道がなされておったんですが、この法律が制定されていよいよ本格的に日本でも共同投資事業を行っていく、これからの見通しによる業績ですね、十年間で一兆二千億程度である、こういうふうなことが報ぜられておるわけですけれども、これちょっと投資規模としても金額的に少ないんじゃないかなと。もう少しこの法律制定後に、先ほど来お話ありましたように町の再開発や新しいまちづくり等に上手にリンクさせていけばこんなものじゃないだろうと思うんですけれども、これからの十年間で一兆二千億円という考え方についてはどう思いますか。
○政府委員(小野邦久君) 先生今御指摘の一兆二千億円でございますけれども、これは実は最近業界団体大手四十二社が行った調査の結果でございまして、今後十年間のうちに本事業手法を用いたいとするプロジェクトは七十件、一兆二千億円弱と、こういうことでどうも新聞に出ていたようでございます。
 私どもこれについては詳細にどういう調査か十分把握をしていないわけでございますけれども、ただ従来、信託型を除きました実績で五年間に二千四百億ということでございます。そうなりますと、実際それの五倍ということにもなるわけでございますが、正直なところ不動産特定共同事業が今後どう発展をしていくのか、これはなかなか見通せない部分があると思います。業界団体は業界団体で、今申し上げたような一応現段階におけるある程度見通しのできるプロジェクトといったようなことでの調査結果を回答しているのではないかと思うわけでございます。
 今後、これがどういうような展開を見ていくのか。やはり不動産についての考え方でございますので、先ほど先生御指摘の所有と実際の利用の分離みたいな、あるいはより以上に利用に重点を置いた考え方が社会的にどう受け入れていかれるのか。定期借地権の普及状況等ももちろんそれに関連をする一環でございますけれども、そういう中で市場というものはおのずと規模が決まってくるものというふうに考えております。
○種田誠君 先ほども局長のお話にありましたけれども、日本で不動産業といいますと、国民の意識の中にすとんと落ちてくる尊敬すべき立派な業務なんというよりは、何かちょっと後ろめたいものを感ずるような意識も実際あるだろうと思うんですね。
 そういう中で、不動産がまさに新しい商品として新しい市場をつくっていく。むしろ再開発のために極めて有効なかかわりを持っていくとか、それから先ほど来も大蔵省の方からもお話がありましたけれども、これが証券化されて、利益を得る権利が譲渡をされていく、こういうことになりますと、まさに所有権そのものの質が完全に変わっていくわけです。もっと別な視点から不動産というのが見られるようになってくる。
 そういうことだろうと思いますので、結局業界の新しい意識の改革、そして法の整備、さらにはそれをまちづくりみたいなトータルなプランにとう生かし切るか、こういうことをやっていく中で初めて国民の物の見方も変わってくる。そうであるならば、この市場はもっともっと私は可能性のある市場として、むしろ私たちの意識の改革を行っていく市場にもなるんじゃないかなと、こう思うわけであります。
 そういうことで、今回の法律の中ではこの譲渡性について極めて厳格にこれを抑制しておりまして、例外的に認めるような感じになっておるんですが、その辺のところ、今のような一つの流れが不動産市場にこれから生まれてくるとした場合にこの条項は障害になるんじゃないかなと思うんですが、いかがでしょうか。
○政府委員(小野邦久君) 事業参加者の持ち分について、特にその譲渡性をどうするかということでございますけれども、御案内のとおり現在は不動産小口化商品にいたしましても共同投資事業にいたしましても、投資とそれからそれによる収益の分配を受ける権利で、こちらは一体のものとしてのマーケットしか現在はないわけでございます。
 アメリカ等につきましては、その収益の分配の権限、分配を受ける権利みたいなものが証券化をして、転々と流通をするというようなマーケットがそれなりに整備をされているというふうにも考えられるわけでございますけれども、我が国では、やはり過去の共同投資事業あるいは恐らくはしばらくはこの特定共同事業につきましても、事業参加者の持ち分の中で収益の分配を受ける権利だけが独立をいたしまして転々と直ちに流通をするようになるとはなかなかちょっと考えられないんじゃないかと。
 もちろん、不動産特定共同事業の仕組みの複雑さが原因にもなっているわけでございますし、それからその内容を十分理解をしていただいて消費者の方には購入をしていただく、投資をしていただくということにもなるわけでございます。そういう点を考えますと、あくまでもやはり複雑な事業あるいは何といっても共同事業でございますので、組合員の方々が共同でやはり任意組合を設立してそこで不動産共同投資事業をやろう、こういうことでございますから、皆さんで実質共有しておられる建物あるいは不動産といったようなものの例えは修繕といったようなものをどうするかという問題もございまして、今直ちにその収益の分配を受ける権利だけが転々と流通するような仕組みを考えるというのはちょっと時期が早いのではないか、こういうふうに思っております。
 ただ、組合の事業でございますので、当然中には売りたいという方も出てくるわけでございます。こういう方々がそういう持ち分を売りたい、あるいは持ち分についての例えは相続の問題もございますし、そういった場合に、やはりそれなりにある程度の譲渡性ということを全く一蹴してしまうということではなくて、そういう部分については、例えば事業者が買い取り仲介をやるといったような形で譲渡が行われる、そういうようなことによって引き続き組合事業が継続をしていく。そういうようなことの積み重ねで、一つのマーケットの考え方として、市場が場合によっては収益を受ける権利というものを独立して流通させるような市場というものもあるいは今後出てくる可能性もないわけではない。そういうようなことも考えられるわけでございまして、その場合には、やはり今後投資家の保護とか市場整備のあり方を含めて必要に応じ私どもも十分検討していかなければいけないと思っております。
 本法案の不動産特定共同事業としては、やはり持ち分につきましては、譲渡性につきましてそれなりの歯どめをかけたものということで位置づけていきたいと思っています。
○種田誠君 言われることは私もよくわかります。そもそも、この法律が制定されるのがおくれたがために一つのルールが定められることなく、また行為規範が定められることなくきてしまったために、マルコー、ライベックス、五輪建設事件などという膨大な被害が発生してしまった。その意味では、今日制定されることによって一つのルールが我々の前にはっきりする、許可制をとっていく、そういうことからこの法律制定後新しい日本の不動産市場が生まれてくる。そういう生まれてくる中に国民の意識も変わってくる。いわゆる所有権に対する意識も変わってくる。そういうようなところに初めて流通性を持たせる証券化というものが生まれてくるのだろうと思いますので、ぜひ頑張っていただきたいと思います。
 そこで、そういう方向をつくっていく上でも、関係者の健全育成ということも必要である。先ほどもお話がありましたが、不動産特定共同事業協会というのを設立していくということでありますけれども、この段取りは十分できておりますか。
○政府委員(小野邦久君) 不動産特定共同事業は、御案内のとおり法律の中にはっきり明記をさせていただいておりまして、許可業者を会員として事業の健全な発達を図るためのいろいろな自主的な業界団体の組織、こういうことでございます。
 実は、この共同事業協会につきましては、法案がお認めをいただきまして、御承認をいただいた後、業界が自主的にいろいろ検討していくことということになるわけでございますけれども、この協会自体は、例えば事業参加者、消費者の方々からの苦情の処理とか受け付けとかあるいは相談に乗るとかいろいろ大変重要な業務を業務として持っているものでございます。また、名称の使用制限というものもあるわけでございまして、法律に基づく協会としてやはりきちっと許可業者を会員とした事業が行われることは大変望ましいわけでございまして、片一方で監督行政庁による監督の強化と同時に、自主的な組織としての一つの協会の行き方というものは大変今後の事業の発展に大きな影響が出てくるわけでございます。
 私どもとしては、この法案の成立後、業界団体からの御相談が当然出てくると思います。その場合には、きちっと対応していくというふうにしたいと思っております。
○種田誠君 まさに、共同事業協会のこれからの役割いかんによってこの法案の目指す趣旨が十分に活用できるかどうかということにもかかわりますので、その辺のところの指導監督もよろしくお願いしたいと思います。
 最後に、大臣。松谷先生の方からも御指摘がありましたけれども、また先ほど私申し上げましたが、この不動産特定共同事業法はこの法律が通っただけでは何の意味もないだろうと、私は余り効果は期待しておりません。この法案の掲げている趣旨が生きるためには、また国民に理解されるためには、これがまちづくりや都市の再開発、こういう事業と一体となる。例えば、資金的には過般の第三次経済総合対策で生まれた民間都市開発推進機構、民都機構の五千億の政府保証の金を使ってお金の方はこれを充当してみる。手法としてはこの法案のような手法をとってみる。そして、建設省が今までにたくさん持っているまちづくりのノウハウ、いろんな政策がございますので、そういうのを一体として結びつけて、局の中じゃなくて建設省全体の、もしくは建設省を離れてトータルなシステムをつくっていく中で初めて私はこの法律が生きてくるんだろうと思うんです。そういう視点で御努力を願えるかどうか、お考えは同じかどうか伺いたいと思います。
○国務大臣(森本晃司君) 関係者が不動産を、土地を持っている人は土地あるいは資金あるいは先生がおっしゃったような開発のノウハウ、そういうものをそれぞれ共同で出していって、そして事業を推進していく、このことがこれからこの事業法を成立させていただいたら極めて可能になってくると思います。それをどう活用するかということも大事なことでございますし、同時にまた、大規模化あるいは長期化、複雑化している都市の再開発にも寄与することが大事になってくるかと思います。そういった点で、今そういう手法を活用する際の課題及び税制等を含む支援策を幅広く検討するための研究会を発足させました。その検討結果を踏まえて活用方策の具体化に努めてまいりたいと思います。
 この法律ができただけで、それで目的は達成されたのではなしに、むしろこれから活用していくことが大事だというのは、これまた先生と考え方が同じでございます。
○種田誠君 ありがとうございました。終わります。
○上田耕一郎君 まず、建設業法の改正案について。
 今回の法改正とそれに伴う措置は、監督の強化など適切に運用されれば公共事業の健全化の前進につながり得るものがあると思います。同時に、善良な中小零細業者、その方々がより一層の下請価格の切り下げという苦しい状況が押しつけられないような適切な措置、それから指導をお願いしたいと思うんです。というのは、七一年に建設業に許可制が導入されて以来、その後八二年に中小零細業者を許可から締め出す三ランク制が持ち出されたことがあって、これは反対運動で阻止されました。八六年の建設産業ビジョンには、競争原理を通じて業者数の適正化を図るという考えが盛り込まれた経過などもありますので、中小零細業者は非常に不況の中で苦しんでおりますので、ぜひ積極的な政策をお願いしたいと思います。
 衆議院で中島議員は、今度の法案の罰金刑による欠格、これなぜ独禁法違反、談合葬、贈賄罪が入っていないのかということを質問しましたが、きょうはもうダブりますから聞きませんが、それに関連して大臣に、独禁法の公共入札新ガイドライン、これについてお伺いしたい。
 八四年にできたあの公取のガイドラインは、談合の免罪符だと言われたぐらい今ではもう功罪明白です。さて、今度公取が新ガイドラインの案を発表しました。日経の五月二十四日付に、これはもうとんでもない記事が載っておる。建設省が「公取に緩和要求」という記事です。「今回明らかになった建設省の意見書は六項目で構成」、「安値競争の拡大を懸念しての安値受注自粛申し合わせ、発注者への営業活動の自由などのほか、@入札に参加するため適法な情報収集A共同企業体結成のため不可欠な情報交換――などを「シロ」に分類するよう求めている。」と、そういう報道なんですよ。そうしますと、談合を何とかするとかかんとか言っているが全くポーズで、八四年の二の舞をまたやろうとしている、そうとしか思えないんだけれども、大臣、どうですか。
○国務大臣(森本晃司君) 公共入札ガイドラインの原則というのは、従来の建設ガイドラインに比べまして原則として違反になるもの、あるいはまた違反のおそれになるもの、そういったことをいろいろと実際の審決事例に即して具体的にかつ明確に記されておりますので、これによって独禁法の理解が進むものと建設省自体は全体的に評価している、まずこの点を御承知おきいただきたいと思います。
 しかしながら、幾つかの項目につきましては、事業者にとって非常にわかりにくいという点も見られたために、その表現を適正にしていただくように公正取引委員会に御意見を申し上げたところでございまして、その公共入札ガイドラインの何がしかを崩していったというふうな考え方で意見を申し上げているのではございません。
○上田耕一郎君 日経の記事の最後に、「今回の要求について建設省は「内容をわかりやすくしてくれと言っているだけ」」、そういう弁解が書いてありますけれども、しかし世論は見ていますからね。この前だって危なかったんだ。本当に不正な談合がなくなるように建設省としてのきちんとした姿勢を求めて、不動産特定共同事業法案の質問に移ります。
 これはなかなか大変な法案で、問題が多過ぎるんです。それをきょうたった二時間の審議で通そうというのは非常に問題だと思う。しかも、私は極めて時間が短いんで、重点だけ指摘したいと思います。
 ここに、国土庁計画調整局の「社会資本整備等における民間資金等の活用方策に関する調査報告書」、九一年三月発表のがあります。それに、一体今度の今動いている不動産証券化とは何かということがかなりはっきり書いてあります。
 今までのように企業が自分の信用で金融機関から金を借りて開発をやるのは、これは企業ファイナンス方式、これはプロジェクトのリスクを企業自身が負担すると書いてある。ところが、このリスクが極めて大きい。大規模プロジェクトでは多大なリスクが生まれる。しかも、今後地価が下がってくる。そうすると、地価が下がるとリスクは一層高まると書いてある。それで、こういう制約に対応するために、今後新たなファイナンス方式としてプロジェクトのリスクがオフバランス、つまり外部化されるプロジェクトファイナンス方式の推進が求められる。つまり、企業の信用じゃなくてプロジェクトの信用で金を借りようというんです。リスクは外部化、オフバランス。今までのオンバランスだったのをオフにする。こうするとどうなるか。「事業者は自らの信用によらず資金調達することになり、プロジェクトのリスクや企業財務の負担から解放された形で、プロジェクトを推進することが可能となる。」という。国土庁のこの調査報告書に、これはアメリカまで調査に行ったそうですが、非常に本質がはっきり書いてある。
 こういう方向で、まず都市局が仕事をしたんですね、八八年。この本は市川一朗都市局長が監修と書いてある。都市局がこの研究会をつくって八八年から三カ年かけた報告書で、これは不動産の証券化そのものです。不動産の証券化について三年かけて報告書を出した。
 ところが、しかしこれはいろいろ問題があり過ぎて、まだ制度化には達していない。そこヘバブル崩壊、地価下落、今度は建設経済局が登場です。建設経済局の報告書が載っています。研究会を建設経済局がつくったのが九二年の九月。まとめたのが十二月です、発表が。まことに泥縄です。たった三カ月でこういうものをまとめて、今度の法案になった。それでこういう経過を見ると、本当にこれはリスクを一般投資家が負担する。しかも、バブル崩壊で、先ほど大臣は七千五百人の被害者が出たと言われたでしょう。六、七年間にそれぐらい被害が出ているんです。
 さてそこで、ここに業者の協議会、不動産シンジケーション協議会の「不動産共同投資事業」というパンフレットがあります。理事長は一日も早い制度創設と、この法律の成立を一日も早く業者は望んでいるんです。日経の六月九日付には、長谷エコーポレーション、小口投資で有名なところですが、今度の法案を期待していると。「これが成立すれば投資家の投資意欲が高まるとみており、今年度中に合計約百億円の不動産小口化商品を販売する計画」ということになっております。そうしますと、私はずっとこの経過を見て中身も見ますと、投資家の保護が目的じゃないですよ。投資家の保護は建前。それはある程度効果はあるでしょう。しかし、一番のねらいは大手民間ディベロッパーに資金、これを集めるというための法案なんです。
 そこでお伺いしたいんだが、今度の共同投資事業というのは、都市局が考えたこれだけの報告書が出ている不動産の証券化に向かっての一歩なんでしょうね、いかがですか。
○政府委員(小野邦久君) 上田先生から不動産の証券化の一歩という御指摘でございますけれども、今、日本のマーケットで不動産を証券化してそれが転々流通をする、例えば不動産共同投資事業の収益の分配を受ける権利が転々流通をしているというような実態は全くございません。所有と所有の分配を受ける権利も今一体となって不動産共同投資事業が現実に行われているわけでございます。
 この法律自体は、あくまでも過去のいろいろな被害事例にかんがみまして最低限必要な投資家の保護のためのルールをつくるということを本来の目的にいたしておりまして、そのことにより健全な不動産投資事業の発達が図られれば、結果的に例えば土地の有効利用でございますとか流動化の促進とかあるいは景気対策とか、何といっても土地基本法にございます合理的な土地利用あるいは地価の形成というものが図られるのではないか、こういうふうに考えているわけでございます。それが本来の目的でございます。
 先生御指摘のとおり、同時に本事業は投資家の参加を募るというそういう意味も当然ございますので、一般投資家からの資金調達が容易になるのではないか、そういう側面ももちろんあると思いますけれども、それはあくまでも法律に基づくいろいろな不動産特定共同事業というものが行われる副次的な効果でございまして、あくまでも投資家の保護等のためのルールづくりによる健全な業の発達というものがこの法案の目的であるというふうに考えております。
○上田耕一郎君 局長そうおっしゃいますけれども、投資を集めるのはそういう側面もあるなんて、側面どころじゃないですよ。集めやすいようにある部分的な投資家の保護をやると。だから、一番期待しているのは業者ですよ。ここに全部書いてある。
 さて、そこで私たち感じております大きな問題点を二つ質問したいと思います。
 第一の問題点は、つまりこういう都市開発などの大きなプロジェクトを一般投資家の投機の対象にしようということ、これが非常に大きな問題が含まれていると思うんです。しかも、その所有と経営は分離されるので権利関係は非常に複雑になるんです。建設経済局の研究会の報告書、これにはこう書いてあるんです。「参加者の地位の移転については、参加者の換金の要請に対応するため、一定の譲渡性を容認する必要がある」、つまり譲渡できるんですよ、持ち分を。それから取引市場の整備、金融商品のルール整備まで提起している。そうなりますと、非常に大事な計画的な都市整備、公共の福祉のための計画的な都市整備が、こういうもうけ本位の投機的な、権利が複雑でしかも譲渡性があるとなりますと、保全管理も困難になるし、そういう状況で、計画的な都市整備が非常に重大な障害にぶつかるのではないかということ、これは国民全体の問題なんですが、どうお考えでしょうか。
○政府委員(小野邦久君) 都市的な都市地域と申しますか、都市的な地域におきましては非常に権利関係が複雑でございますので、ある程度、例えば複数の地権者をどう調整していくかとか、あるいは複雑な権利関係に基づいてそれなりにやはり事業をしていかなければいけないということはあるわけでございます。これは都市におけるマンションというものの立地の形態、あるいはマンションの利用がここまで進んできているということを見ますと、やはり区分所有というものは、それなりの意味を持って今日本の都市的な地域において十分機能しているということからも言えるのではないかと思うわけでございます。
 都市的な地域においては、複数の権利関係を調整しながら事業を進めていく手法としては、今御審議をいただいております不動産特定共同事業法案のような、そういう一つの手法というものがやはり必要だというふうに考えておりまして、先生御指摘のとおり、都市開発関係で例えば複数の地権者等都市地域内においてはいろいろ存在をする、都市開発事業等がそういうことによって利益優先になって、公益の公共の福祉というような都市基本法にいう一つの目的というものがより以上に損なわれるということはないというふうに考えております。
○上田耕一郎君 全く承服できませんが、反論はまた次に回します。
 二番目の問題は、やっぱりリスクの問題。一般の国民の投資家にとっては巨大な都市開発の投資なんて本来なじまないんですよ。建設経済局が責任を持ってつくられたこの不動産共同投資事業研究会の報告、調査室の参考資料の十五ページにこう書いてある。「事業参加者にとって、不動産共同投資事業は、執行事業者に全面的に財産運用を委ねるだけでなくこ、任せっぱなしなんですよ、「自己の財産が他者の財産と合同して運用されるため、財産運用の全体の状況が把握できずこ、わからないんですよ、「通常の不動産購入や、単純な管理委託よりもはるかに危険性が大きい。」と、危険性が大きいと書いてあるんです。
 今、京都で係争中の事件では、これはホテル投資にかかわる事件で、二十四時間、三百六十五日フル稼働、全室常時満室のホテルが投資利回りを保証されずに倒産しちゃった、多くの投資者が被害を受けた、こういう例が生まれるんです。ですから、このリスクの問題というのは、先ほど読み上げた国土庁のこれにも、非常にリスクが大きいので自分で負担できない、ますます巨大化し長期化する都市開発のための資金を、リスクを自分たちで負わないで一般の人に負わせようというものだ、これが企業ファイナンス方式からプロジェクトファイナンス方式への移行の一番の理由だと書いてあるじゃありませんか。こういうものをそのまま押しつけようとしているということは、私は非常に大変だと思う。
 ひとつ具体的に聞きます。今度の法案でもいろんな契約の方式がありますけれども、それで約款の定めがこの契約の場合大きいんです。この約款は政令にゆだねるんですからこれは問題だ。その約款について検討委員会が生まれて報告書が出ている、それもこれに出ています。この中で、三十八ページにその約款が出ておりまして、民法組合の場合、組合員が取得した不動産の共有持ち分を取得後直ちに組合に出資すると、みんな出すんです。当該共有持ち分の所有権を理事長名義に所有権移転登記することを承諾する。組合の存続期間中は登記名義を組合員名義にすることを請求しない、つまり組合存続中全部持ち分を理事長一任なんです。これにそう書いてある。
 解説があるんですけれども、解説では「理事長が勝手に登記済証を引き出して理事長の個人的な借入の担保に供する危険がないとはいえない」と書いてある。危ないでしょう。残される手段は訴訟しかないんですよ、そういう状況になる。こういうことが起きるのは、根本的問題がこの法案そのものにあるからです。不動産を維持管理するため参加組合員が共有持ち分を勝手に処分されたら困るので、こういう厳しい、理事長に全部出せと決めたんです。
 ところが、そういうことをやると組合員保護はなかなかできないわけです。こういうやり方の根本的な矛盾がここにあらわれていて、本質的な矛盾ですよ。被害者は訴訟に頼らざるを得ないと思うんですけれども、こういうケース、解説も書いてある、理事長が勝手にやっちゃうと危なくなる。今度の法案の投資者保護、どの項目でこういうことが救助できますか。また、そういう本質的な矛盾は一体どうお考えになりますか。
○政府委員(小野邦久君) 今、組合員の方々が出資した財産を例えば業務執行者、理事長が勝手に処分をして、それで組合員が不測の損害を受けるというようなことが制度としてもちろんあり得るわけでございます。そういうようなことにならないように、この共同事業法案におきましていろいろな制度の担保というものを実はお願いをしてございます。
 もともと組合員の方々が出資をして理事長に名義を集める場合にも、例えば組合への出資による所有権移転登記ということを行うことによって理事長名義の財産であってもそれは組合の財産である。あくまでも名義は組合の業務執行組合員の名義であるということが第三者にわかるわけでございまして、第三者の対抗要件として十分なものになり得ると、こういうふうにも思っているわけでございます。
 ただ、それ以外にいろいろこの法案自体につきましても、例えば出資者の権利保全土著しく危険の大きい登記方法、例えば譲渡を原因とする事業者の移転登記といったようなことが起こらないように契約約款の認可基準におきましてそういう方法を禁止するとか、出資を原因とする所有権移転登記によって理事長のところへその所有権を一体化する、集めるという場合でも、できればそういう出資を原因とする登記にするべきだというようなことを約款の認可基準において定めていくということもできるわけでございまして、もともとそれ以外にも、組合員の方々からは必要があれば組合財産についての必要に応じた説明の義務、あるいは組合財産についていつでも書類を閲覧できるとか、いろいろなそういう担保措置もあわせ講じることによって投資家の保護に欠けることのないようにしていくという制度を持っております。
○委員長(前田勲男君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより、両案のうち、建設業法の一部を改正する法律案の討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。別に御発言もないようですから、直ちに建設業法の一部を改正する法律案の採決に入ります。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(前田勲男君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、鈴木貞敏君から発言を求められておりますので、これを許します。鈴木君。
○鈴木貞敏君 私は、ただいま可決されました建設業法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲民主連合、新緑風会、公明党・国民会議、日本共産党及び護憲リベラルの会の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    建設業法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に遺憾なきを期すべきである。
 一、今回の法律改正が、不良不適格業者の排除の促進と建設工事の適正な施工の確保に資するよう的確な運用に努めるとともに、中小零細業者の排除をもたらさないよう十分配慮すること。
 二、経営事項審査の義務付けによって中小零細業者に過剰な負担がかからないよう、対象となる建設工事を政令で定めるに当たって十分配慮すること。
 三、技術者がより的確な施工管理技術を取得できるよう、監理技術者としての資格取得の促進に十分配慮すること。
 四、許可有効期間の延伸を行うについて、一般国民消費者の業者選択などに支障が生じないよう、閲覧制度を充実するため、変更届の履行につき適正な指導を行うこと。
  右決議する。
 以上であります。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
○委員長(前田勲男君) ただいま鈴木君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(前田勲男君) 全会一致と認めます。よって、鈴木君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、建設大臣から発言を求められておりますので、これを許します。森本建設大臣。
○国務大臣(森本晃司君) 建設業法の一部を改正する法律案につきましては、本委員会におかれまして熱心な御討議をいただき、ただいま全会一致をもって議決されましたことを深く感謝申し上げます。
 今後、審議中における委員各位の御高見や、ただいま議決になりました附帯決議の趣旨を十分に尊重してまいる所存でございます。
 ここに、委員長を初め委員各位の御指導、御協力に対し深く感謝の意を表し、ごあいさつといたします。
 ありがとうございました。
○委員長(前田勲男君) 次に、不動産特定共同事業法案の討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○上田耕一郎君 私は、日本共産党を代表し、不動産特定共同事業法案に反対の討論を行います。
 本法案は、不動産共同投資事業について、事業の許可制や事業者の行為規制、監督処分等を定め、投資家の保護等を図るものとされています。しかし、その真の目的は、不動産共同投資事業にお墨つきを与え、都市開発プロジェクト等に新たな資金調達の道を拡大することです。
 日本共産党は、都市開発や国民の健全な不動産投資を否定するものではありません。しかし、不動産共同投資事業への参加は、都市開発や都市の土地利用について、計画や管理は執行事業者任せで、専ら投資利益を追求するものです。こうした不動産共同投資事業の拡大は、国民の貴重な資源である都市の土地利用を単なるもうけの対象とのみ見る風潮を助長すると指摘せざるを得ません。
 しかも、本法の施行を契機に、事業参加者の地位の譲渡のための取引市場の整備や、収益を受益する権利に高度の流通性を持たせる金融商品のルール整備まで提唱されています。もしそうなると、市町村や住民の意向に基づいた計画的な都市整備に重大な障害をもたらすことになりかねません。本法はそうした方向の地ならしの役割を果たすものです。
 もう一つの重要な問題は、この法制化で不動産共同投資事業が広がった場合に、一般投資家の新たな被害の拡大が予想されることです。
 そもそも、不動産共同投資事業の動機の一つは、非常に大きな都市開発事業のリスクを分散することにあります。事業者にとってさえリスクが大き過ぎる都市開発事業について、一般投資家がリスクと収益見込みの的確な判断ができるとはとても期待できません。巨大な都市開発事業は本来一般国民の投資にはなじまないものです。本法は事業者の行為規制を定めていますが、それが悪質な投資被害事件を根絶し得るものでないことは過去の実例から明らかです。
 健全な都市整備を阻害し、多数の投資被害を招くおそれが強い不動産共同投資事業を奨励するようなことはやめ、むしろ厳しく限定すべきであることを指摘し、反対討論を終わります。
○委員長(前田勲男君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 不動産特定共同事業法案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(前田勲男君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、森本建設大臣から発言を求められておりますので、これを許します。森本建設大臣。
○国務大臣(森本晃司君) 不動産特定共同事業法案につきましては、本委員会におかれまして熱心な御討議をいただき、ただいま議決されましたことを深く感謝申し上げます。
 審議中における委員各位の御高見につきましては、今後その趣旨を生かすよう努めてまいる所存でございます。
 ここに、委員長を初め委員各位の御指導、御協力に対し深く感謝の意を表し、ごあいさつといたします。
 どうもありがとうございました。
○委員長(前田勲男君) なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(前田勲男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時四十四分散会
     ―――――・―――――