第131回国会 予算委員会 第1号
平成六年十月十四日(金曜日)
   午前十時二分開会
    ―――――――――――――
   委員氏名
    委員長         井上 吉夫君
    理 事         片山虎之助君
    理 事         梶原 敬義君
    理 事         白浜 一良君
                伊江 朝雄君
                岩崎 純三君
                遠藤  要君
                大塚清次郎君
                加藤 紀文君
                木宮 和彦君
                沓掛 哲男君
                河本 三郎君
                斎藤 文夫君
                下稲葉耕吉君
                成瀬 守重君
                野間  赳君
                野村 五男君
                服部三男雄君
                宮崎 秀樹君
                山崎 正昭君
                一井 淳治君
                上山 和人君
                川橋 幸子君
               日下部禧代子君
                谷畑  孝君
                種田  誠君
                肥田美代子君
                三重野栄子君
                峰崎 直樹君
                村田 誠醇君
                山田 健一君
                藁科 滿治君
                池田  治君
                笹野 貞子君
                武田邦太郎君
                都築  譲君
                直嶋 正行君
                野末 陳平君
                荒木 清寛君
                牛嶋  正君
                刈田 貞子君
                有働 正治君
                上田耕一郎君
                島袋 宗康君
                西野 康雄君
    ―――――――――――――
   委員長の異動
 九月三十日井上吉夫君委員長辞任につき、その
 補欠として坂野重信君を議院において委員長に
 選任した。
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   委員の異動
 九月三十日
    辞任         補欠選任
     井上 吉夫君     坂野 重信君
     一井 淳治君     山本 正和君
     梶原 敬義君     穐山  篤君
     川橋 幸子君     堀  利和君
    日下部禧代子君     瀬谷 英行君
     谷畑  孝君     竹村 泰子君
     種田  誠君     渡辺 四郎君
     肥田美代子君     本岡 昭次君
     三重野栄子君     西岡瑠璃子君
     村田 誠醇君     大脇 雅子君
     山田 健一君     大渕 絹子君
     牛嶋  正君     猪熊 重二君
     刈田 貞子君     続  訓弘君
     白浜 一良君     浜四津敏子君
 十月七日
    辞任         補欠選任
     池田  治君     中村 鋭一君
     笹野 貞子君     星川 保松君
 十月十二日
    辞任         補欠選任
     加藤 紀文君     佐藤 静雄君
     宮崎 秀樹君     楢崎 泰昌君
     峰崎 直樹君     肥田美代子君
     本岡 昭次君     川橋 幸子君
 十月十四日
    辞任         補欠選任
     川橋 幸子君     糸久八重子君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         坂野 重信君
    理 事
                伊江 朝雄君
                片山虎之助君
                成瀬 守重君
                山崎 正昭君
                穐山  篤君
                山本 正和君
                藁科 滿治君
                野末 陳平君
                猪熊 重二君
    委 員
                岩崎 純三君
                遠藤  要君
                大塚清次郎君
                木宮 和彦君
                沓掛 哲男君
                河本 三郎君
                佐藤 静雄君
                斎藤 文夫君
                下稲葉耕吉君
                楢崎 泰昌君
                野間  赳君
                野村 五男君
                服部三男雄君
                糸久八重子君
                大渕 絹子君
                大脇 雅子君
                上山 和人君
                川橋 幸子君
                瀬谷 英行君
                竹村 泰子君
                西岡瑠璃子君
                肥田美代子君
                堀  利和君
                渡辺 四郎君
                武田邦太郎君
                都築  譲君
                直嶋 正行君
                中村 鋭一君
                星川 保松君
                荒木 清寛君
                続  訓弘君
                浜四津敏子君
                有働 正治君
                上田耕一郎君
                島袋 宗康君
                西野 康雄君
   国務大臣
       内閣総理大臣   村山 富市君
       外 務 大 臣  河野 洋平君
       法 務 大 臣  前田 勲男君
       大 蔵 大 臣  武村 正義君
      文 部 大 臣   与謝野 馨君
      厚 生 大 臣   井出 正一君
      農林水産大臣   大河原太一郎君
      通商産業大臣    橋本龍太郎君
      運 輸 大 臣   亀井 静香君
      郵 政 大 臣   大出  俊君
      労 働 大 臣   浜本 万三君
      建 設 大 臣   野坂 浩賢君
      自 治 大 臣
      国 務 大 臣
      (国家公安委員会
      委員長)      野中 広務君
      国 務 大 臣
      (内閣官房長官)  五十嵐広三君
      国 務 大 臣
      (総務庁長官)   山口 鶴男君
      国 務 大 臣
      (北海道開発庁
      長官)
      (沖縄開発庁長
      官)        小里 貞利君
      国 務 大 臣
      (防衛庁長官)   玉沢徳一郎君
      国 務 大 臣
      (経済企画庁長
      官)        高村 正彦君
      国 務 大 臣
      (科学技術庁長
      官)        田中眞紀子君
      国 務 大 臣
      (環境庁長官)   宮下 創平君
      国 務 大 臣
      (国土庁長官)   小澤  潔君
   政府委員
      内閣法制局長官   大出 峻郎君
      内閣法制局第一
      部長        津野  修君
      国際平和協力本
      部事務局長     鈴木 勝也君
      総務庁長官官房
      審議官
      兼内閣審議官    河野  昭君
      防衛庁長官官房
      長         三井 康有君
      防衛庁防衛局長   村田 直昭君
      科学技術庁長官
      官房長       新  欣樹君
      外務大臣官房長   池田  維君
      外務省総合外交
      政策局長      柳井 俊二君
      外務省条約局長   折田 正樹君
      大蔵省主計局長   篠沢 恭助君
      大蔵省主税局長   小川  是君
      文部大臣官房長   佐藤 禎一君
      厚生大臣官房総
      務審議官      太田 義武君
      農林水産大臣官
      房長        高橋 政行君
      通商産業大臣官
      房総務審議官    林  康夫君
      運輸大臣官房長   黒野 匡彦君
      運輸省航空局長   土坂 泰敏君
      郵政大臣官房長   木村  強君
      郵政大臣官房審
      議官        品川 萬里君
      労働大臣官房長   伊藤 庄平君
      建設大臣官房長   伴   襄君
      自治大臣官房総
      務審議官      二橋 正弘君
   事務局側
      常任委員会専門
      員         宮本 武夫君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○国政調査に関する件
○予算の執行状況に関する調査
    ―――――――――――――
○委員長(坂野重信君) ただいまから予算委員会を開会いたします。
 初めに、一言ごあいさつを申し上げます。
 私、去る九月三十日の本会議におきまして、皆様方の御推挙により予算委員長の重責を担うことになりました坂野重信でございます。
 当委員会の運営につきましては、公正中立を旨として円滑に進めてまいりたいと存じます。
 何とぞ、委員の皆様方の御指導、御協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
○委員長(坂野重信君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が八名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(坂野重信君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に伊江朝雄君、成瀬守重君、山崎正昭君、穐山篤君、山本正和君、藁科滿治君、野末陳平君及び猪熊重二君を指名いたします。
    ―――――――――――――
○委員長(坂野重信君) 次に、国政調査に関する件についてお諮りいたします。
 本委員会は、今期国会におきましても、予算の執行状況に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(坂野重信君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
○委員長(坂野重信君) 次に、予算の執行状況に関する調査についての理事会における協議の結果を御報告いたします。
 質疑を行うのは二・五日間とし、総括質疑方式とすること、質疑割り当て時間の総計は三百四十分とし、各会派への割り当て時間は、自由民主党百十二分、日本社会党・護憲民主連合八十五分、新緑風会六十一分、公明党・国民会議四十一分、日本共産党二十一分、二院クラブ十分、新党・護憲リベラル十分とすること、質疑順位についてはお手元に配付しておりますとおりとすること、以上でございます。
 ただいま御報告いたしました理事会決定のとおり取り運ぶことに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(坂野重信君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
○委員長(坂野重信君) 予算の執行状況に関する調査を議題といたします。
 これより質疑を行います。野末陳平君。
○野末陳平君 私は、新緑風会を代表いたしまして質問いたしますが、衆議院で取り上げられたテーマとなるべく重複しないようにやるつもりでおりますので、よろしくお願いします。
 まず行政改革です。特に特殊法人の縮小、整理合理化について年度内に結論を出すというお言葉で、非常に期待しておりますが、これについては新党さきがけの案がなかなか参考になると思いますので、総理としては、さきがけの案を実行するお気持ちがどれぐらいおありか、まずそれを。
○国務大臣(村山富市君) 今、委員お話がございましたように、六年度内に各省の具体的な特殊法人等に対する見直しの報告をしてほしい、こういうお願いをしてあります。それに対して先般さきがけの方から具体的な案が提示されたことは十分承知をいたしておりますが、そうした各党の持っておりまする案を出し合って与党の中でも十分御議論をいただき、そうした世論の意見も踏まえながら、与党、政府一体となってこの行政改革を推し進めていきたいというふうに考えているところであります。
○野末陳平君 消費税の法案はもう出ましたし、来月は決めなきゃなりませんね。そうなると、行政改革の方がおくれをとりますとこれは大変なことになりますので、どうしても頑張っていただきたい。
 そこで、総理にお伺いしますが、どうでしょう、今のお言葉で閣僚の皆さんとかあるいは省庁の意気込みがかなり前と違ってきたように思いますが。
○国務大臣(村山富市君) これは今回、税制改革を行うに当たりましても見直し条項を入れまして、そして国民にこれだけの負担をお願いする限りにおいては政府みずからも身を切る思いで行政改革は徹底してやる必要があるということの決意で今取り組んでおりまするし、私もたびたび閣議の中で各閣僚にそのこともお願いいたしておるところでございます。
○野末陳平君 問題は具体論でありまして、新党さきがけの案をベースに、というのは私もかなり共通する意見ですのでこれをベースに質問をしたいんですが、武村大蔵大臣、さきがけの案には開発銀行は平成八年から民営化であると、こうなっておりますね。大丈夫ですね。
○国務大臣(武村正義君) さきがけとしては、担当者を中心に真剣に勉強をしてくれまして、そのことを政策会議に提案してくれているわけでありますが、片方、開発銀行というのは大蔵省の所管でありまして、別に大蔵大臣とさきがけ代表を使い分けるつもりはありませんが、役所としては今、政府全体の方針に従って大蔵省も、特に財政の責任を負っている役所でありますだけに、真剣にみずからの行政改革について努力をしていきたいというふうに思っているところでございます。
 開発銀行そのものについて、まだ最終的な結論が出ているという状況ではありません。
○野末陳平君 私は、これはなかなか難しいと思うんですけれども、今の大臣の答弁に対して、大蔵省、補足するところがあれば。
○政府委員(篠沢恭助君) 御指名でございますので、現在の感じを申し上げさせていただきたいと思いますが、今、大臣が申し上げたとおり、これから行政改革に関して政府全体としてもまた私どもの役所としてもいろいろな検討に入るところでございます。
 開発銀行そのものについて申しますと、いろいろな論点があると思いますが、一つは御承知のとおりの政策金融の一つの中心機関でございまして、また累次の経済対策等におきましては開発銀行を通じるいろいろな低利融資の展開といったような役割を果たしているというような視点もあることは事実だと思います。
 いろいろな観点から、開発銀行というようなことだけでなくて、総合的にまたいろいろ検討していくべきものだと思っております。
○野末陳平君 これから検討するなんという、そんな時間的余裕があるかどうか。じゃ今まで何をしていたのか非常に疑問なんですが。
 農水大臣にもではお聞きします。
 このさきがけの案、私も賛成だから言っているんですからね。例えば蚕糸砂糖類価格安定事業団、これ廃止となっていますが、大丈夫ですか。
○国務大臣(大河原太一郎君) 御案内のとおり、蚕糸砂糖類価格安定事業団なりあるいは畜産振興事業団は価格安定制度の運用に当たっている機関でございます。したがいまして、価格安定制度そのものを否定したりすることがしかるべきかどうかということが一つでございます。
 それからもう一つは、ガット・ウルグアイ・ラウンドにおきましては国境措置並びに国内流通について大幅な規制緩和をする、そのバッファーとしての事業団、これの存立は何としても必要であるという点でございます。別途、行政改革の視点からの御議論、これは御自由でございますが、私どもとしては、政策の担い手としての事業団についての御理解を願わなければ相ならぬ、さように思っております。
○野末陳平君 今の二特殊法人は、価格安定と言いますが、今や価格破壊で物価値下げの方向に行っている、そういう時代の流れに逆行する。それからウルグアイ・ラウンド、これは関連の法案が成立してもこの二特殊法人が存続しなければならないという理由にはならないんですよ。いや、ウルグアイ・ラウンドのフォーラムが成立してもやはりこれは行革の対象になり続ける、それが私の考えであり、世論だと思いますが、総理。
○国務大臣(村山富市君) 先ほど来申し上げておりますように、さきがけの方から一つの案として提示をされているわけですから、その案も参考にしながら各党の意見も聞いて総合的に判断をして、行政改革は結果として必ずやらなきゃならぬものだ、こういうふうに考えておりますが、しかし今ここで具体的にどれをどうする、これをこうするというような結論はまだ出しておりません。
○野末陳平君 ですから、結論は年度内でいいんです。でも、この時期に方向性が出ていないのがおかしいということですから。
 それでは、建設大臣にお伺いしますが、やはりこのさきがけの案で、私も同感している部分が半分ありますからあえて指摘しますけれども、例の日本道路公団ですね。日本道路公団についてはこれも民営化なんですよ、平成九年から。さきがけ案は。しかし、これは世論でもいろんな考え方があります。道路公団についてはどうしますか。
○国務大臣(野坂浩賢君) お答えいたします。
 日本道路公団の廃止、民間委託というような問題でございますが、全般的に建設省としては、総理がお示しになりました行政改革の推進、これについては重要な問題であるという認識の上に立って討議を重ねております。
 具体的に示されました日本道路公団の民間移管という問題については多くの問題も抱えております。御案内のとおり、日本道路公団は現在、借入金額が十七兆円ございます。それから道路審議会でこれから論議をしていただきますけれども、採算ベースの問題がございますし、全国的に平均的に高規格道路を進めていかなきゃならぬ、こういう状況もございます。
 民間になってまいりますと、採算ベースのみに走ってやっぱり国土の均衡ある発展につながらないという点もございますので、それらを勘案しながら、料金も値上げ、この間したわけでありますから、十分に検討するために日本道路公団の中に、道路公団以外あるいは建設省の役人以外の方々、学識経験者等をその中に十人設営をいたしまして、全部総点検を始めております。
 その中で、どのような方向をたどるべきか、国土の均衡ある発展はどうなのか、自動車の高速料金についての根本的な対策としてはどうなのかという万般にわたって検討して、その上で結論を出したい、こういうふうに間違いのない、誤りのない方向というものを考えていかなければならぬ、このように考えておりますので、現在は検討中の段階でございますと言わざるを得ないと思います。
○野末陳平君 今のお答えの危惧は確かにあるんですが、しかし検討というのは、今検討というのは遅いんで、もうそろそろ結論を出さなきゃいかぬということできょうはお聞きしているわけですから。しかも、総理の所信表明の演説では、検討中だったら少し答えが、余りにも後退しているという印象を国民に与えます。
 ついでに聞きますよ。道路公団を民営化して、ここが一番問題なんですが、株は果たして売れるのかどうか。JTの問題もありますが、どうですか、建設大臣。
○国務大臣(野坂浩賢君) 株のことまでは考えておりませんけれども、日本たばこの場合も今のような状況でございますからどうなるかわかりませんが、株の売買というようなものを考えてまいりますと、やっぱり民間に変わった場合は採算ベースが最重点になってくる。いわゆる一極集中を排除して全国的にこの高速道路を配置したいというふうに考えておりますために、全体でプール制をとっておるというのが現状であります。
 したがって、民間になりますと、東京とかあるいは名古屋とか大阪とかに限られて過疎はより過疎になってくるだろう、こういうことは国土の均衡ある発展にならないというふうに私は考えておりますので、前々から検討しておりますが、年度内には結論を出さざるを得ないということでありますから、その方向性についてもあわせて内部検討をさせ、建設省でも検討しておる、こういうのが現在の実情であるということで御了承いただきたいと思います。
 以上です。
○野末陳平君 お役所の考え方は従来からそうなんですよ。そこをさきがけの案は突き破って一歩前進している、こう思っているんですね。
 住都公団については、建設大臣、どうですか。これだって民営化という案が出ている。また、それができるかどうか難しいところもあるが、検討はどこまでいっているんですか、住都整備公団。
○国務大臣(野坂浩賢君) お答えいたします。
 住宅公団の民営化の問題でございますが、先生も御案内のとおりに、例えば町営住宅とか県営住宅、市営住宅という住宅については国からも相当の補助金がございますので、なるべく低所得者層にお入りいただくという措置をとっております。住宅公団については、それぞれ利子の補助というような点について、中堅の皆様方にお入りいただく。民間もございます。
 そういう点で、これらの問題については住宅公団は、これからの方向としては都市計画に合わせて住宅公団というものの住宅は設置していかなきゃならぬ、家賃の問題についても十分に考えていかなきゃならぬということでありますので、住宅公団については民間に移管するという考え方は現在持っておりませんが、あえての要請でございますので、当然検討はしていくということは間違いありません。
 以上です。
○野末陳平君 何か気の抜けたような答えになってきてだんだん心細くなりますが、武村さん、さきがけの案はやはり公表した以上実行するという責任が公党としてあるわけですね。連立政権だからできないという話はありませんよ、これは。行革は国民の合意を得て、政治家の義務ですから。
 となると、あなたのところの案というのは、何かできもしないことをきれいな作文にまとめたような印象がだんだん強くなりますよ。具体的に各論でもっと聞いていけばそうなりますよ。それじゃだめでしょう。
○国務大臣(武村正義君) 政府全体の方針も、誤解をしないでいただきたいんですが、税制改革の論議と並行しながら行革の議論も一層高まってまいりまして、昨今、特に村山総理御自身からたびたび国会の場でも行革に対する強い決意といいますか、意欲をお示しいただいているところであります。やっとこれから検討に入るわけでありまして、内閣としましてもこの特殊法人については、一つは今年度中に結論を出すということをお決めいただきました。(「できなかったらどうする」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)そして、近々に内閣全体の方針を、どういう姿勢で各省が取り組むかをこれから決めていこうと、こういう段階ですから、野末さんはきょうこの時点で具体的内容を詰めてお聞きになっていますが、これはぜひ来年の四月ごろに聞いていただければ、きちっと各大臣は結果についてお答えができるわけであります。
 そういう中で新党さきがけは、自民党、社会党は大変大きな政党でございますが、我々身軽なものですから、早々と一つの方針を他の二党に対して呼びかけをさせていただいたわけであります。むしろ、さきがけの行革に対する意欲とか大胆さを評価していただいて、各論については一つの石を投げておりますから、両党も含めて、これから両党からもいろんな提案が出てくると思いますから、その中でお互いに真剣な議論を重ねて、政府とともども最終的な結論を出していきます。
 行革は、総理がおっしゃっているように、やるということでこの内閣全体で取り組んでいるわけですから、いろいろ不規則発言が出ておりますが、これからをじっとごらんいただきたいと思います。
○野末陳平君 となると、ちょっとおかしいのは、三党合意などは聞くところによると税制改革の前提として行政改革を断行すると、こういうことになっていて、消費税の方が先に出て来月に成立するかどうかの話ですよ。行革はこれから検討に入るって、これから検討に入られたんじゃ困るんだよ。もうとっくに検討ができてなきゃいけないというのが国民の見方ですから、ちょっとなまぬるい。
○国務大臣(武村正義君) 行革は山口長官の担当でございますが、野未さんが政権の側にあられたときも、私は細川政権のときは官房長官も務めてまいりましたが、行革についてはまだまだほんの一歩か半歩しるしたぐらいで、ほとんど具体的なところまで進んでおりませんでした。羽田内閣もそうであります。それぐらい行革というのはやっぱり大変根の深い大きな問題であることも十分御理解いただいていると思います。
 それだけ難しいけれども、やろうという決意を総理以下新内閣はしているわけでございまして、まだ内閣発足二カ月ぐらいでございます。今後の方針をきちっと見据えていただきたいし、羽田内閣では二年かかって特殊法人の改革をやろうとおっしゃっているのを、村山総理の決断のもとに今年度中にやるという新たな前向きの決断もしているわけでございますから、そこはぜひ御評価をいただきたいと思います。
○野末陳平君 行革の難しさは私が十分知っておりますから、新党さきがけが公表した案について評価をしたわけです。私はそこまで踏み切れなかったけれども、かなり大胆、しかしかなり無責任なところもあると思っておりますが、今のお言葉をそのままいただいておきます。
 さて、産みの苦しみですよ、これがね。村山内閣の課題として、今の答弁をそのまま総理に重ねてお聞きするとすれば、年度内に出す特殊法人の整理、縮小、合理化の案には具体論、具体的な特定の法人名がなければだめなんですね。その結論が出せるというお約束はここでいただけますか。
○国務大臣(山口鶴男君) 行革担当の大臣としてお答えいたします。
 お話がございましたし、また大蔵大臣からもお話がありましたが、行政改革は特殊法人等の整理合理化の問題だけではございません。規制緩和は今日まで約千事項にわたって取り上げてまいりまして、鋭意これを進めようといたしまして、特にこれも年度内にさらに五カ年間の推進計画を決定いたしまして、規制緩和をさらに内外の意向を十分聞いた上で積極的に進めたいと思っている次第であります。
 それからさらに地方分権の問題が重要であります。これも行革推進本部の地方分権部会におきまして鋭意議論をいたしておりますし、また地方制度調査会におきまして中間報告もいただいております。また、地方六団体から地方自治法に基づく意見もお出しをいただいております。これを参考にいたしまして、地方分権部会といたしまして年内に大綱方針を決定いたしまして、これもできるだけ速やかに、政府関係とそれから各党の皆さんとも御相談の上でできるだけ早い機会に地方分権推進に関する基本法を提案いたしたい、かように考えておる次第であります。
 さらに特殊法人等につきましては、特殊法人ばかりではございません、今、九十二の特殊法人がございますが、さらに八十八ばかりの認可法人もございます。さらに、金集め等でいろいろ御批判をいただいているいわゆる公益法人の問題もございます。これらの問題を全部含めまして、特に特殊法人につきましては、総理からもお答えがあり大蔵大臣からもお答えがありましたように、基準、スケジュール、これを速やかに決定をいたしまして年内に、九十二あります特殊法人どういう点を見直すべきか、全部当たりたいと思っております。そして、年度内に具体的にそれではどうするかという結論を出したいということで進めておる。したがいまして、今申し上げましたように、行政改革全般にわたって努力をしている。
 さらにつけ加えますならば、情報公開につきましては、今、衆議院で継続になっております行革委員会を成立させまして、そしてこれにつきましては二年以内に何としても情報公開の制度化のために御努力をいただきたいものと、こう考えておる次第であります。
○野末陳平君 わかりましたよ、演説は結構。
 総理、今の山口さんのお答えで出てきましたが、具体名を入れた、特殊法人に関してだけですよ、具体名を入れた結論が年度内に出るんですね。お約束できるわけですね。
○国務大臣(村山富市君) 先般決めました基本方針では、具体的に申し上げますが、規制緩和について、五年間の規制緩和推進計画を平成六年度中につくる、そしてこれを強力に推進をする。
 それから二つ目として、特殊法人について、既存のスケジュールを前倒しをし、これまで計画しておったやつを前倒しにして平成六年度内にすべての特殊法人の見直しを行う。
 それから三つ目は、これは地方分権について規定をしておるわけでありますが、今申し上げましたように、平成六年度内に各省が持っておる特殊法人のすべてを見直しをして問題点を出していただく。それを十分検討して、その中から何をすべきかということを具体的に決めて実行していく。
 こういう段取りで進めるつもりであります。
○野末陳平君 まさに頑張ってもらいたいわけですよ。しかし、具体名を入れた結論を出してもらわないとこれまた肩透かしで、国民を裏切ることになるということを重ねて強調しておかないと、具体名が出なかったら、見直し見直しと言うけれどもいつも総論だけだから、もうそういう時代ではない、こういうことですから、いいですね。
 そこで、総理の所信表明の演説で、政治家は改革の方向づけをやりその実現に強いリーダーシップを発揮すると。ここの部分で、霞が関も政官一体でかなり雰囲気が変わって真剣になってきたように思っているんですよ。
 そこで、総理にお聞きしますが、特殊法人以外にも、規制緩和、それから各省庁の問題、省減らし、大臣減らしといいますか、それから人減らしのこともありますね、万般にわたった行政改革に内閣の生命をかけて総理は取り組んでいるわけでしょう。うまくいかなかった場合、責任はどういう形でとりますか。
○国務大臣(村山富市君) 生命をかけるという言葉は私はちょっとオーバーな気がいたしますけれども、私はやっぱりこの行政改革というのは、これはもう閣内一致してお互いに了解いたしておりますけれども、この内閣に課せられた最大の課題であるという受けとめ方はきちっといたしております。
 そして、今申し上げましたような計画で必ずやりますということを申し上げておるわけでありますから、その結果について、もしできなかったらということを想定して物を言っておるわけじゃありませんし、私は必ずやりますということを申し上げておるわけでありますから、そのことを御信頼いただきたいというふうに思います。
○野末陳平君 しかし、消費税は先に仕上がるかもしれませんね。そうなると、消費税だけは成立する、行革は期待どおりには進まない、先送り先送りということになったら国民を裏切ることになります。ですから、決意だけではだめだし、方針だけではだめなんです。具体的に、できなかったら、ここまでやるつもりができなかったらどう責任をとるかまでやはり言わなければこの言葉の重みはありませんよ。
○国務大臣(村山富市君) 税制改革大綱を決める際にこれはまたいろいろ議論があったわけです。消費税率を決めずに、やっぱり行政改革も行いあるいは不公平税制の是正も行う、同時に高齢社会のビジョンも示す、そうした全体像を明らかにした上で結論を出すべきではないか、こういう議論も随分ございました。
 しかし、それでは余りにも問題を先送りし過ぎて無責任ではないか、こういう批判の声もいろいろあり、それらを総合してみて当面なさなきゃならぬことは何なのかということについての一応の結論を出した上で、その結論に基づいて、さらに見直し条項も含めて、行政改革やら不公平税制の是正やら高齢社会に対するビジョン等々も明らかにした上でさらに結論を出していこう、こういう方向を示しているわけでありますから、私はその方向については忠実に実行していって必ずやらなきゃならぬものだということを胆に銘じておりますから、そのことはひとつ御信頼をいただきたいというふうに思います。
○野末陳平君 それでは、所信表明の演説どおり、改革の方向づけは政治家がはっきり出す、そして実現に強いリーダーシップを発揮するんだということは信じますが、各論になるとうやむやになるという今までと同じことはもう許されませんから、各論をしっかりするんだと、もう総論は要らない、ここだけは強調しておきます。
 山口さん、それでいいですね。
○国務大臣(山口鶴男君) 年内に九十二特殊法人につきましては見直しを行い、年度内に具体的にそれをどうするかということについては結論を出すということで進めてまいるつもりであります。
 また、先ほど申し上げたように、特殊法人だけが行政改革ではございません。行政改革全般の問題に関して私ども鋭意進めているということも御理解をいただきたいと存じます。
○野末陳平君 それでは、具体的内容が一日も早く出ることを期待して、信じておりますからね。
 さて、次は消費税なんですが、その前に、税金絡みで最近非常に、何といいますか、政治不信を招くような税金に関する出来事が起きて続いておりまして、その一つが、毎年のように新聞でやり玉に上がるんですけれども、政治団体への架空献金で確定申告の還付を受ける、これは与野党問わず目立つんですね。はっきり言って与野党問わずですよ。となると、これは非常に納税者に対して政治不信に拍車をかけるゆゆしきことなんです。
 たまたま、これはもう社会党内閣だから勘弁してもらいますが、社会党について言うと、新聞に出ていますから。千葉の社会党国会議員ら架空献金で税逃れだ、出ましたね。そして次がどうなったかというと、議員ら税務調査へ、千葉の社会党架空献金、出ていました。さあ結論はどうなったかといいますと、これは不起訴になりました。これは去年の暮れです。新聞に出ました。
 ただし問題は、不起訴になったんだけれども、東京国税局はいろいろやった、その結果、千葉地検がどういう処分をしたかというと、ここが大事なんです、いいですか。架空献金で所得税の還付を受けた事実は認める、そのとおりだったと。しかし、脱税の額が少なく、蓄財の目的がなく、修正申告を済ませていたということを理由に起訴猶予、不起訴、こうなっているんですね。
 となると、総理、当然御存じだったと思いますが、どう思いますか。脱税したけれども、少ないからいい、蓄財目的じゃないから許そう、修正申告も終わったからこれで不起訴。ちょっとおかしいなと思う。どうですか。
○国務大臣(村山富市君) それは司法の立場でそういう結論を出されたことについて私がとやかくコメントできる立場にはないと思いますけれども、しかし不起訴になったからといってそれで党として済む問題ではないと私は思いますから、やっぱり襟を正して、そのようなことのないようにきちっとすることが大事だということは申し上げるまでもないと思います。
○野末陳平君 まさにそこなんですね。政治倫理の問題としてどうなんだと、しかもこれが納税意欲に水を差すという、こういうことになりますから、おっしゃるとおりです。党内のことは私、構いません。わかりません。しかし、これはたとえ不起訴になっても事実関係をもっと明らかにして、もちろん御本人たちの名誉を守ることでもあろうし、それからもしこのとおりだとすれば何らかのけじめもつけなければいけないということになりますね。
 そこで、このままで終わらせるのはまずいと私は思います。党内でもそうですか。
○国務大臣(村山富市君) 恐らく、そういう事例をやっぱり踏まえて党内でも厳しく各県本部等に、襟を正してこのような指弾を受けることのないようにきちっとやってほしいということは徹底した指導をされておるものだというふうに私は思います。
○野末陳平君 やはりこれは、自分に厳しくというのが総理のモットーでございますね、ですから政治家としての道義的けじめが必要であろうと思いますが、事実が十分にはわかっておりませんので、私ひとつここでお願いするんですが、委員長にもお願いしますが、この社会党国会議員の中に不幸にも副議長さんのお名前も入っているんですね。しかも、これ在職中のことですから、これが事実だとすれば辞任に値する出来事だと言わざるを得ない。となると、これは事情を説明していただかなきゃならぬ。その場としてここが一番よろしい。
 ですから委員長にお願いは、参考人として副議長さんに、この脱税問題、架空献金問題の事実を明らかにするということで参考人の出席要求をお願いしたいと思いますが、いかがですか。
○委員長(坂野重信君) 速記をとめて。
   〔速記中止〕
○委員長(坂野重信君) 速記を起こして。
 ただいまの野末陳平君の申し出につきましては、後で理事会で協議いたします。
○野末陳平君 よろしくお願いします。
 そこで、税金と無関係ではないのが閣僚の資産公開のことなんですが、消費税の前にこれをもう一点確かめておきたいんで。
 これは村山総理ですが、これはまことに申しわけないんだが、奥様がパチンコメーカーの平和の株二千株、これは衆議院で出ましたからね、確かに平成三年十一月に取得したと、証券会社からと。これはもう確かなんですね。
○国務大臣(村山富市君) 今言われましたように、証券会社の職員から勧められて購入をしたというふうに聞いております。
○野末陳平君 それでは、奥様にお確かめになって、どこの証券会社のどの支店からということをしっかりと聞いてほしい。いいですか。
 そしてその平和の株は、当時、上場だったか非上場だったか、どっちですか。
○国務大臣(村山富市君) 事前に質問の通告があれば私も調べておきましたけれども、資産公開をするに当たって調査をして初めてそういう株があったことを承知したので、今御質問になったことについては必要があればまた調べてお答えいたします。
○野末陳平君 それはもうお答えいただかなくては、御本人の問題ですから。
 そこで、総理にお願いしたいのは、証券会社で買った以上は買い付け証明書があるわけで、いわゆる売買報告の明細書ですね、これは必ずありますから、それをひとつ資料として私に見せていただきたいということをお願いしたいんですが、どうですか。
○委員長(坂野重信君) 速記をとめて。
   〔速記中止〕
○委員長(坂野重信君) 速記を起こして。
○国務大臣(村山富市君) いや、私は存じておりませんから、ここで答弁する限りではないと思います。
○野末陳平君 私は、いろいろ気になるところがあって勉強させてもらいたいのでその資料が欲しいということなんですから、ひとつこれは奥様にお願いして売買の報告の明細書を、なければ、紛失したら証券会社からとれますから、これを事実関係を示すということで総理の答弁の裏づけになるようにひとつ御協力をお願いします。
○国務大臣(村山富市君) 今の資産公開の制度というのはそういうことにはなっていないんですけれどもね。何かいかにも疑念があるような意味で問い合わせがあるとすれば、私は心外だと思いますよ。
○野末陳平君 疑念があるかどうかはそれを見せていただかなければというんで、疑念があるとは言っていないんですから、気になることがあって勉強させてほしいと言っているんで、疑念なんて言っていませんから、とにかく資料を出すということを。
○委員長(坂野重信君) 速記をとめて。
   〔速記中止〕
○委員長(坂野重信君) 速記を起こして。
 次の議題に移ってください。
○野末陳平君 それでは、この質問は保留して次回に回すことにしまして、消費税について行きますから。
 消費税は、社会党は反対する大きな理由として逆進性ということをずっと言い続けてこられた、強調したんですね。
 さてここで、今回の税制改革で減税の恩恵に浴さない人たち、そういう人たちの救済策が万全であるかどうかということなんですね。これは消費税が五%に上がるであろう平成九年からいわゆる弱者という人たちは、減税の恩恵に浴さない人たちは、片や減税になる人たちの財源のために消費税アップをかぶる、こういうようなことになりかねないんで、そういう人たちに対してどういう救済策が用意されているか、これを一人当たりどういう形でと、ここを聞きたいですね、総額でなくて。
○国務大臣(武村正義君) 今回の税制改革、特に所得税減税の基本は、私どもは働き盛り減税とも申し上げておりますように、中堅層に重点を置かせていただきました。それは前回の六年前の税制改革がどちらかといえば低所得者の方々を基本にして累進税率を緩和いたした経緯もございまして、今回は中以上と、こういう選択にならざるを得なかったわけであります。おおむね七百万、標準家庭で七百万以上の世帯に累進税率の緩和の面では力点を置き、課税最低限の引き上げという点では全所得階層に均てんじて一兆円の減税を行うということにさせていただいた次第でございます。
 なお、詳細については政府委員から説明をいたします。
○政府委員(小川是君) 今回の税制改革の中で、まず所得税、住民税関係の減税について御説明を申し上げます。
○野末陳平君 それはわかっている。質問したことに答えてください。それはさんざん衆議院で出てわかっているんだから。弱者救済対策について。
○政府委員(小川是君) ただいま大臣から申し上げましたとおりに、課税最低限の引き上げという問題につきましては、累進構造の改善のほかに低所得者についてもこうした形である程度の配慮をすべきではないかということから行っているものでございます。その結果、低所得者につきましても今回の改革によって前回と合わせでかなりの軽減額が及ぶということになっているわけでございます。
 もう一つは、納税者以外の方々に対する対応につきましては、別途平成九年度以降におきまして特定の低所得者の方に対して歳出面で配慮を行うということを考えているわけでございます。
○野末陳平君 ピント外れなんですよ。だから弱者対策は、それをやっていろんなら一人当たりどういう形でもって救済策があるのかと、テレビを見ている方にわかるように言ってもらいたいわけなんです。
○政府委員(篠沢恭助君) 今回の税制改革に当たりまして、平成九年度の段階で激変緩和の意味をもちまして臨時給付金の支給について合意がなされております。総額五百億円程度という予定でございます。
 内容といたしましては、一つは臨時福祉給付金ということでございまして、一人当たり一万円の給付を行うということでございます。対象者は福祉年金等の受給者でございます。
 それから児童扶養手当受給者、生活保護の受給者、あるいは社会福祉施設入所者、原爆被爆者手当等受給者などとなっております。これらの方々に一人当たり一万円ということでございます。
 それからもう一つは臨時介護福祉金ということでございまして、一人当たり三万円という予定になっております。これは低所得の六十五歳以上の在宅寝たきり老人に支給をいたしたいというふうに考えておるわけでございます。対象者といたしましては約三十三万人ということでございます。
○野末陳平君 総理、お聞きのとおり、今は介護とかそれから一人一万円の福祉の臨時交付金とか話が出ましたが、さあそれが社会党がずっと主張してきた逆進性の解消になっているのかどうか、弱者いじめという不公平の部分がそれで解消されたかどうか、それです。
○国務大臣(村山富市君) どの程度まですれば逆進性の緩和になったのかというのはそれぞれ見方によって評価が違うと私は思いますけれども、少なくとも例えばどなたもお買いになる飲食料等を非課税にするとか、そういう措置が講ぜられればそれはまたそれなりの逆進性の緩和になるというふうに思いますけれども、そういう意見もあり議論もしてきた結論として当面はこれはやむを得ないだろうという意味でありますから、おっしゃるように、逆進性の緩和が完全にこれで達成されたとは私は思っておりません。
○野末陳平君 率直にそのとおりなんですね。
 ただし、食料品のことが出ましたが、じゃ見直し条項の中に食料品を入れて、仮に五%でも複数税率で、食料品、非課税とは言いませんが、複数税率とか、そういう気持ちがあるんですか、平成九年までにやるおつもりが。
○国務大臣(村山富市君) それも一つの意見としてこれから検討される課題であるというふうに私は受けとめています。
○野末陳平君 大蔵大臣、これは大分問題ですよ。私は、複数税率は仮に二けたになれば当然考えるべきだと思いますよ。しかし、五%、六%になったら複数を考えるというのはおかしいんだ、世界の消費税のあり方から見ても。
 見直し条項の中にその食料品の非課税問題を入れるんですか。
○国務大臣(武村正義君) この点については衆議院でもたびたびお尋ねがございました。まとめて整理をしながら少し説明をさせていただきたいと存じます。
 消費税において非課税範囲を拡大するということは、一つは、そもそも消費一般に広く公平に負担をお願いするという消費税の基本的な性格との関係で問題が出てくるということでございます。もう一つは、前段階税額控除の仕組みが非課税関連分野で機能しなくなるため、課税の累積を生じて経済取引をゆがめることなどが起こる、いわゆる消費税の中立性、簡素性の面から問題があるという認識でございます。そういう意味で、安易に非課税対象を広げていくという考え方は適当でないと考えております。
 与党の議論もそうした点に集約をされて、今回は非課税範囲の拡大は見合わそう、こういう結論になりました。
 御指摘のように、将来どうかという議論が残っておりまして、欧米等の例を見ておりましても、かなり消費税率が高くなったときにやはり逆進性等の理論も強まってくるわけでございまして、そういう段階で軽減税率、いわゆる重複課税の道を選んだ国が多いようでございます。
 今回、五%がどういうレベルかという議論はありますけれども、三から五というこの二%アップの段階では、この議論は真剣にしていただきましたけれども、将来の課題として残していただいたという認識でございます。
 ただ、一般論としては、先ほど申し上げたように、消費税というこの税の性格からいきますと、非課税の議論というのは一つ一つ考えましてもそう安易な道ではないというふうに認識をいたしているところでございます。
○野末陳平君 さすがは大蔵大臣で、正論ですよ。だから村山さんのように、意見はあるんだけれども、今度の見直し条項の中で非課税の範囲の拡大、食料品など、これを複数税率などを議論しちゃいけないんですよ。それはもっと先の課題なんですよ。いいですか、それは。
○国務大臣(村山富市君) 私は、一つの意見としてございましたということを申し上げているのでありまして、今回結論を出しましたのは、先ほど大蔵大臣からお話がございましたような論点でもって整理をして結論を出したのであって、これは将来にわたっての一つの課題でありますと、こういうふうに申し上げたわけです。
○野末陳平君 それにしても、逆進性の解消にはなっていないというお答えがあったんですがね。
 そうなると、例えば五百億の福祉臨時交付金ですが、これは自民党の時代、消費税を導入するときは七百五十億だったんですよ。そうしたら社会党さんは、これはばらまき福祉だとか、逆進性はこれじゃ解消しないとか言って大反対なさったんですね。今回の交付金は五百億ですよ、まあ似たようなものですよ、ばらまきと言えばばらまき。あのときはあそこまで反対して、いかぬいかぬと、今、同じことをやって今度はいいと、これは矛盾しているので、どういうふうにこれ解釈するんですか。
 いやいや、総理大臣ですよ。武村さんは関係ないですよ。
○国務大臣(村山富市君) これは社会党が単独でやっているときは社会党なりの考えは述べたと思います。
 今度の場合、これは連立政権ですからね。したがって、各党がそれぞれの意見を出し合った結論として導き出された今回の税制改革大綱でございますし、そういう意味では、弱い方々のためにそういう配慮はやっぱり当然やるべきであるし、とりわけ老齢福祉年金にしても児童福祉手当にしても、スライドは物価が上がっても一年おくれになるわけですから、前段の一年間というのはその分だけ負担を強いられるわけですから、したがってその分はひとつカバーしてあげましょう、こういう配慮をするのは私はばらまきでも何でもない当然の配慮ではなかったかというふうに考えています。
○野末陳平君 一人一万円がそんなにすごい配慮だというのはおかしいけれども、それにしても今まで弱者いじめに反対してきた社会党、弱者を守るというその姿勢が連立になったからといってだんだん薄れてきているんですね。しかも公約違反。他人の公約違反は責めるんですよ。自分の方は棚に上げるんだね。こういう勝手なことで国民の理解が得られるかどうか心配なんですよ。
 だから、総理は楽観視しているけれども私は心配だということで、最後にこの問題で一つだけ聞いておきますが、ここまで来ると社会党独自の政策というものはもうほとんどなくなってきてしまった。あと社会党らしい政策というのは何と何が残っているのか、それだけ教えてください、勉強のため。
○国務大臣(村山富市君) 何と何が残っているのかという、抽象的でお答えはなかなかしにくいんですけれども、ただこれだけは私は御理解いただきたいと思うんです。
 連立政権というのは、それぞれ理念や政策の違う政党がそれぞれの持ち味とよさを生かし合いながら、十分透明度を高め、民主的な議論を経た上で、そしてお互いに国民のために何が一番いいのかという、そういう政策の選択をして合意を求めていくというところに、これだけ価値観が多様化している国民の意思が本当に国政に反映できるような仕組みというものを追求していくという意味では、私はやっぱりこれからそういう意味の連立政権のよさというものを十分に発揮していくことが我々に課せられた責任ではないか、こう思っておりますから、そういう運営でもって社会党の持っている持ち味は持ち味としてできるだけ生かしていけるように努力をしていきたい。これは自民党さんも同じだし、さきがけさんも同じだと思うんです。
 そういうよさをやっぱりお互いに出し合いながら、よりよいものをつくり上げていくという努力をしていくところに連立政権のよさがあるんではないかというふうに考えておりますから、そういう方向で私は努力をしてまいりたいというふうに思っています。
○野末陳平君 何かというと三党合意とか連立とか言って逃げちゃうんですけれども、もうさんざん消費税で苦しめられたんですよ、私は推進論者だったから。それを考えると、余りにもどぎつい豹変ぶりについていけないんです。ですから、理屈は理屈だが、それは詭弁にしか聞こえないよ、国民にはとても通じないと、私の感じだけを言っておきます。まだ次回がありますから、この税制については次の予算委員会でたっぷりやらせてもらいますからお願いします。
 さてそこで、さっきちょっと村山総理、気分を害されて、非常に申しわけなかったんですが、閣僚の資産公開ですが、あれは公表した以上は不明な点があったならば補足説明をしなきゃならぬということなんですね。ですから私も気になるところをお聞きしたので、総理の方はもうこれ保留しておきますが、閣僚の資産公開で額の大きい方からちょっと、大きい順じゃないんですが、お聞きします。
 田中長官にお聞きしますが、あなたの資産公開の資料を見ますと、ハルシヨンという会社があるんです。あなたの個人会社と思いますが、この名前の意味がちょっとわからないので、参考までにこの名前の意味と由来、だれが命名したのか、そういうことをちょっと教えてください。
 これは恐らくみんな、何だ、プライバシーの話でどうだってとおっしゃると思うんです。ところが、これは相当根の深いことにつながると私は思うので、念のためまず名前の由来その他からお聞きします。
○国務大臣(田中眞紀子君) お答え申し上げます。
 鳥の名前だと思うんですけれども、何と申しますか、済みません、ちょっと今わからないんですけれども。申しわけありません。
○野末陳平君 名前がわかってもわからなくても、参考までですから。
 さてそこで、この会社はいつごろどんな目的でつくったのか、そして資本金はどうで株主構成はどうなっているか。これならおわかりでしょう。
○国務大臣(田中眞紀子君) 済みません、わかる範囲でお答え申し上げます。
 平成三年五月設立、資本金一千万円、それから株券は不発行、株主は主人と私と子供の三人でございます。
○野末陳平君 さあそこで、この会社、株券不発行はいいんですが、本社がどこにあって、電話があるのかどうか。
 というのは、もう角栄さんの疑惑追及の時代からこういう話はいっぱいありました、私、追及の張本人ですから。だけれども、これNTT番号問い合わせに聞いてもこういう会社はないと言うんですよ。
 そこで改めて、独立した電話があるかどうか。そして、目的のことはおっしゃいませんでしたが、謄本をとりますと不動産の売買その他が目的になっているので、そこで不動産売買の免許を都の住宅局に出して取っているかどうか。宅地建物取引主任のような専門家を雇っているそういう会社かどうか。会社の実態についてお聞きします。
○国務大臣(田中眞紀子君) わかる範囲でのお答えなんですけれども、よくわからないものですから。
 実際には機能をしていないというふうに思いますけれども、必要でしたら取り寄せましてお答え申し上げたいと思います。
○野末陳平君 まさにこの会社はあなたが資本金の半分以上を持ち、しかも代表であったり取締役であったりするので、わからないというのがおかしいんですけれども、お言葉のとおり、ぺーパーカンパニーなんですね。はっきり言うと幽霊会社なんです。幽霊会社ではありますが、見方によっては、この会社は株を持っているので幽霊とも言えないんです。
 それで、記者会見によれば、このハルシヨンという個人会社は東新開発という会社の株を持っているという、これは事実ですね。ここはわかりますよね。
○国務大臣(田中眞紀子君) はい、そうです。
○野末陳平君 この東新開発という会社が、いやなかなかすごい資産内容のいい会社でありまして、ハルシヨンは一千万円の資本金ですが、東新というのは、これは有価証券、駐車場などを持っているんですが、大事なのは、越後交通という会社の株を百万株以上持っているし、長鉄工業という会社の株も三分の一以上持っております。この長鉄工業というのは、目白のお屋敷、それから隣のあの豪華マンション、軽井沢の別荘などを所有し、しかもこの国会で疑惑の追及の的となった旧信濃川の河川敷、この大部分を持っている、土地でなくて株で持っているという、長鉄工業というのはすごい会社。この長鉄工業の株を三分の一所有している東新開発、この東新開発の株を田中さんのハルシヨンという会社が五〇%持っているんです、実は。
 これは取得の経過は売買ですか。
○国務大臣(田中眞紀子君) 申しわけございませんが、率直なところ私、余りよくわかっておりませんので、企業マターでございますので、必要でしたら調べてお答えを申し上げたいと思いますが、済みません。
○野末陳平君 これはわからないという話は通じないんです、世間に。代表であり、設立からずっと役員であり、資本金は一千万円のうち六百万円持っていて、そしてこの会社が相当資産内容のいい会社の株を取得しているので、その経過がわからないということはあり得ないんですが、私の方で説明しますから、もし違っていたら訂正してください。
 そこで、この東新開発という会社、五〇%をハルシヨンが、あなたの会社が取得しているんですが、本来は、資産内容はいいんですが、一〇〇%、六十万株が田中角栄さんの名義だったんですよ。その半分をハルシヨンが取得したんです、売買で。となると、この売買した資金というのはどこから出たか。額面だけでも一億五千万ですから評価はもっと高いと思います。
 身内のファミリーからファミリーへの企業間の売買ですが、これは田中さん、知らないと言っても相当なお金が動いているとしか思えないので、幾らで売買したんだろうか、そしてその資金は、一千万円の資本金のハルシヨンにあったのかどうか、活動していない会社が持っていたのかどうか、そこだけは絶対にわかるはずなんです。わからなかったらこれは役員としての資格もない。自分の会社ではない。これが実は非常に角栄さんの疑惑ということに直結するので、これはお答え願います。
○国務大臣(田中眞紀子君) 済みません。名前はたしか私は役員に入っておりますけれども、税理士さんに任せてございましたので、調査をしてからお答えを申し上げます。
○野末陳平君 個人的なことですから、余りこれを政府委員を通して通告するというわけにはいきませんので、そこで申しわけないんですが、御自分のことですから、税理士任せとはいっても億単位の金が動く話を、私、何も知りません、税理士任せ、これが世間で通用すると思いますか。あなたは主婦でしょう。主婦感覚が売り物でしょう。
○国務大臣(田中眞紀子君) わからないものですから、再三申しわけございませんが、調べてお答え申し上げます。
○委員長(坂野重信君) ちょっと野末君に申し上げますけれども、やっぱり質問通告の場合に、できるだけ中身のこういう問題についても質問をするということを親切に言っていただいた方がいいと思いますので、今後のこともありますから。
○野末陳平君 それでは、お答えは次回に譲りますよ。それは責任を持って答えていただきますが、私の方で事実関係、そこに何の問題があるかを言いますから、きょうは国税庁やなんかは呼びませんから、田中さん、違っていたら違っていたと後で反論してくださいね。
 つまり、角栄さんの個人名義の株式、かなりの評価のものですが、これは本来、生前に売買などしないですんなりと個人から個人への相続をする、そして納税する。なぜ個人名義の株五〇%をという法人に名義変更しているのかという、ここがポイントなんですね。いいですか。
 そして、これはまさに、ハルシヨンという会社をあなたが設立した目的はいういろ定款には書いてありますが、本当は資産防衛のための相続税減らしと、それから裏資産づくりの受け皿に現実になっているんです。当初の目的は別としてですよ。今、受け皿になっているというこの事実を指摘したいので、そういうようなお気持ちはあるかないか、それだけはどうですか。答えられますね。
○国務大臣(田中眞紀子君) 済みません、雑念は別にありませんので、再度繰り返しますけれども、専門の方によく聞きましてお答え申し上げます。
○野末陳平君 これは世間ではこういうやり方はいわば節税と言われているんですけれども、私が少なくもこの角栄金脈の追及をずっとやってきたプロセスで今回のあなたのいろいろな一連の工作を見ますと、個人から法人へ、裏資産づくりの目的という、これはもう節税じゃなくて租税回避行為なんです。逃税なんです、税を逃れるという。そういうことで、ましてこれが角栄さんお得意のパターンで……(発言する者あり)いや、だって答えないから。今度、訂正、反論は結構です。
 ですから、これはお得意のパターンで、まさに国会で疑惑追及のポイントだったんです。そこで、気になるのであえてお聞きしたが、私の不用意によって明確なお答えが得られないので残念ですから、次回反論していただきます。そこでこれは皆さんに聞いていただく。
 こういう角栄疑惑というのはまだ不完全で、角栄さんは生前に、私は疑念を晴らすとおっしゃりながらできなかったんですね。そういう疑惑の資産が旧信濃川の河川敷を初めとしてあるんですよ。ところが、わずか一千万円という資本金のハルシヨンという会社をつくることによってその時価かなりの、数百億と言われているんですが、わかりませんがね、そういう財産を間接的に支配し所有するというメカニズムになっているんです。これはまさに角栄さんお得意のパターンだったんです。
 そこで、全く同じことが今行われているので私は、国税庁は一般の人がこういうえげつない節税をあるいは逃税をすることでたびたび抜け穴ふさぎの通達を出しながら防いできたんです、だから決して好ましいことじゃないんですよ、これは。田中さんは御存じないけれども、税理士さんが、恐らく頭のいい国税庁上がりだと思うんですよ、だからそういうことをやったので、すれすれなんです。合法的なんですよ。しかし、政治家としてそういう財産の持ち方がいいのかというと、それだったら角栄さんの疑惑が何だったのかと、こういうことになりますから、私はあえてあなたにお聞きしたかったんです。
 そこで、私見を言います。あの財産は個人がすんなりと相続をすることによって納税すべきなんです。それが天命なんです、あなたのお得意の。ところが、いろいろな小細工によって個人の相続財産を法人に持たせ資産の圧縮を図り、そして裏資産にしてしまうというこのやり方というのは、今や政治家としては恥ずかしいことである。まして普通の主婦にはできません。天命に逆らっていることにもなる。これは私の私見です。
 そこで、皆さんが御存じのとおりで、角栄さんの資産は長い時間をかけて幾つものファミリー企業に分散させて資産価値を圧縮した、そういう形で残されたんだが、疑惑がまだ解明くれていないのにもかかわらず、角栄流疑惑のやり方で田中さんが相続をする、財産管理、裏回し、裏へ回し疑惑隠し、こういうことをすることは非常に私は耐えがたい。
○委員長(坂野重信君) 速記をとめて。
   〔速記中止〕
○委員長(坂野重信君) 速記を起こして。
 ただいまの野末陳平君の発言につきましては、理事会において後日検討いたしまして、善処するようにいたしたいと思います。
○国務大臣(田中眞紀子君) 一言申し上げます。
 亡くなったとは申しましても、父のやっぱり人権もございますし、それからいろいろマスコミ等に流布されていることを野末先生もごらんになりながらおっしゃっていると思いますけれども……
○野末陳平君 マスコミじゃありません。事実を調べております。
○国務大臣(田中眞紀子君) ああそうですか。
 とにかく人権もそれから職分も父も私も違いますので、その辺を混同なくらないようにお願いしたいと思います。
○中村鋭一君 関連。
○委員長(坂野重信君) 中村君。
○中村鋭一君 村山総理とは、ついこの間までともに手を携えて政治改革法案を仕上げた懐かしい思い出がございます。攻守所を変えたといいますか、一種奇妙な感じがしないでもございませんが、少し二、三の質問をさせていただきたいと思います。
 国連安全保障理事会の常任国入りの問題についてお尋ねをさせていただきます。
 総理は六日の所信表明演説で、「国連の改革と機能強化に積極的に取り組み、多くの国々の賛同と国民の一層の理解を得て、安保理常任理事国として責任を果たす用意があることを申し上げたいと考えます。」、こうおっしゃいました。
 総理は、最近、情勢の変化ということで、一夜明ければコペルニクス的転回をした発言をなさらないでもない傾向があると私は理解をしております。例えば政策においてですね。
 したがいまして、ここで確認をしたいのは、こうおっしゃった所信表明演説で積極的に安保常任理事国入りをその意思を明らかにされたことは、現在もなお変わっておりませんか。
○国務大臣(村山富市君) 突然変異みたいな政策の変更を私はした覚えはございませんから、質問があればまたお答えいたします。
 それから国連常任理事国入りの問題については、積極的でも消極的でもない、終始一貫をした私の考え方で申し上げております。
○中村鋭一君 いや、少なくともこの「安保理常任理事国として責任を果たす用意があること」は今も変わっていないわけでございますね。そういうことですね。
○国務大臣(村山富市君) 国連常任理事国入り問題につきましては、外務大臣が先般の国連総会で演説をいたしましたけれども、その演説というのは、閣議で十分議論をし合って、そして閣内の一致した見解として国連で演説をしてもらっているわけですから、その演説の中身に盛られていることは私の考え方がそのまま表現されておるというふうに御理解をいただきたいと思います。
○中村鋭一君 河野外務大臣、国連で、「わが国は、先に述べた国際貢献についての基本的な考え方の下で、安保理常任理事国として責任を果たす用意があることを表明いたします。」と、こうおっしゃられた。これは国連でおっしゃった意思の表明でありますから、それは現在も変わっておりませんわ。
○国務大臣(河野洋平君) ただいま総理大臣御答弁のとおりでございます。
○中村鋭一君 武村大蔵大臣、ここにあなたの著書がございますが、「日本でも、常任理事国入りが大きな焦点になってきている。私は無理をしてなろうとしている印象は与えないほうがよいと思う。」、こう著書の中で書いていらっしゃいますね。
 それから先般の参議院本会議の新緑風会の石井一二議員の質問に対して武村さんは、最終的な決断に至るまでにはあらゆる角度から慎重に検討されるのは当然のことだ、国民の論議を深めないで先に理事国入りありきという姿勢はとらない、まだ問題提起をした段階だと、こうおっしゃっておいででございます。これは村山総理やあるいは外務大臣の発言と比べると随分消極的な印象を受けるんですが、その辺はいかがでございますか。
○国務大臣(武村正義君) 中村委員さん、先般びわ湖テレビでも議論いたしましたが、皆さんの方はこの問題についてどういうお考えなのか私はむしろ伺いたいぐらいで、(「答弁しなきゃだめだよ」と呼ぶ者あり)伺いたいぐらいと申し上げているわけであります。
 私は、それほどこの国連常任理事国入りというのは本当にこれからの日本の運命を決めることに大きくかかわる重大な問題だという認識を持っておるわけです。そういう意味で、事が重大であるから、あらゆる角度から真剣に議論もし検討もして決定をしていくべきだという考えてあります。
 しかし、先般、河野外務大臣が国連で演説をいただきました。これは閣僚としても事前に十分御相談をさせていただいて、私も了解をし賛成をした内容でございまして、何の異もございません。
 参議院等の答弁で私流の表現で申し上げておりますが、これは問題提起であることも事実だし、最終的な段階は、国連はまだ常任理事国、安保理をどうするか何の結論も出していないわけです。これから議論をして、数をふやすか、常任理事国をふやすかという結論を出し、その上で初めてどこを入れるかという締まった議論になっていくわけですから、そういう状況でありますが、今、日本としては、この時期に河野外務大臣が堂々と日本の用意があるという意思表示をなさった。これはいわゆる立候補、選挙でいう何か告示があって受付をしていて立候補の表明をしたというものではないということも事実であります。これは重要な第一歩をしるす演説をしていただいて、最終段階までにはくらに事が重大であるだけに真剣な議論を重ねて間違いのない結論を出していくべきだというふうに思っております。
○中村鋭一君 武村さん、あなたは同じ本の中で、「請われれば堂々とその役を引き受ければいい。そして、ユニークな常任理事国として大いに活躍すればよいと思う。」とあなたは書いていらっしゃるんですよ。だから一般の理解は、例えばここにきのうの産経新聞の社説がございますけれども、「対外的意思表示なり公約が、単なる与党内の足並みの乱れで後退を余儀なくされるのは、もっともあしき内閣の典型である。国連演説の後になってから慎重論のトーンを強めたさきがけ幹部に反省を求めたい。」と。この「さきがけ幹部」というのは私はやはり常識的には武村さんのことを指していると、こう思うのでございます。
 ここに、これはきのうの朝夕刊セット紙の政治漫画でございますが、これは河野さんがさっそうと手を挙げていらっしゃるんですね。その挙げた手を武村さん、これはどう見ても武村さんですよ、この漫画はあなたが、挙げた河野さんの右手を無理やり引きおろして、その前にいる村山総理が実に辟易した顔で困ったという表情をしていらっしゃる。この辺が私はおおむね国民の理解というものかと思うんです。
 だから武村さんがいろいろおっしゃいましても、国民の理解、またマスコミの皆さんは、あなたがやっぱり閣内不統一で非常に慎重で、請われればどうとか、こうおっしゃっている、そのことについて困ったもんだなというのがやっぱり常識的な理解じゃないかと思うんですね。
○国務大臣(武村正義君) そういう漫画を書く方もおられるし、先ほどのどこかの新聞のそういう主張もあるのも承知いたしておりますが、また別の見方もあるわけでありますし、私どもは、この私自身の発言も含めて三党首で逐一文言まで精査をして議論したこともあります。基本的に考え方、姿勢は変わりはないということを繰り返し申し上げておきます。
○中村鋭一君 時間がありませんので、ではここでひとつ官房長官にまとめてお伺いをいたします。総理にも、総理、ちょっとお待ちください、私、これから一言お尋ねいたしますから。
 これは政府の統一見解として、五十嵐くん、あなたは立候補をしたんじゃないと、こうおっしゃっているわけですね。しかし、例えば組合の委員長でも、立候補はするけれども選挙はしないというケースがありますね。話し合いてやるケースがあるでしょう。それを、五十嵐さん、こうなってから立候補はしておりませんよと、これはタクティクスです。単に国会内、永田町で通用することが今テレビをごらんの皆さん、これ何十万、何百万人いらっしゃいますが、その皆さんに通用する理屈じゃありませんよ。
 だから統一見解として、積極的に常任理事国に入る、そうしてそういう立候補をしていないというような発言は撤回をして統一見解を出していただきたい、こう思います。
○国務大臣(五十嵐広三君) 統一見解も統一見解でないも、見解は全然分かれておらぬのであります。これはもう総理の当初の所信表明もそうでありますし、あるいは外務大臣の国連総会における一般演説の内容もそうでありますし、それはもう一貫しているわけであって、私は統一見解なんということを言ったことがないのであります。
 ただ、この前の記者会見で申し上げましたのは、今も御指摘ございましたように、立候補立候補という言葉がひとり歩きしているわけです。しかし、これは立候補する制度でないわけでありますから。非常任の理事国の場合はそれは立候補制なわけでありますが、常任理事国というのはそうでないのでありますから、そこをよく説明をして、そしてそれは責任を果たす用意がある、こういうことを申し上げているのだということをよく説明を申し上げたのでありますが、総理からも何か一言あるようでありますから。
○国務大臣(村山富市君) この予算委員会というのはテレビで放映されていますし、国民の皆さんもごらんになっているわけですから、これは誤解があるといけませんから私は責任者として明確に申し上げておきますけれども、今、官房長官からお話がありましたように、立候補するなんという仕組みにはなっていないんですよ。
 ただ、国連が改組、改革されるに当たって、日本の考え方、日本の見解、これから果たすべき役割といったようなものを世界に明確にする必要があるというので演説をしたのでありまして、その限りにおいては、その演説の中身は十分閣内で議論をして一致したことで表明されたわけですから閣内の不統一はない、一致してやっておる。これはある意味では国際的にも日本の国の将来にとっても大変重要な問題ですから、誤解があるといけませんから、私はそのことだけは明確に申し上げておきたいと思います。
○委員長(坂野重信君) 以上で野末君の質疑は終了いたしました、(拍手)
 次回は来る十七日午前十時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
  午前十一時二十八分散会