第132回国会 地方行政委員会 第4号
平成七年二月二十八日(火曜日)
   午後二時三十三分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 二月二十日
    辞任         補欠選任
     河本 三郎君     松浦  功君
 二月二十三日
    辞任         補欠選任
     西川  潔君     下村  泰君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         岩本 久人君
    理 事
                鎌田 要人君
                岩崎 昭弥君
                釘宮  磐君
                有働 正治君
    委 員
                石渡 清元君
                鈴木 貞敏君
                関根 則之君
                服部三男雄君
                真島 一男君
                松浦  功君
                上野 雄文君
                篠崎 年子君
                山口 哲夫君
                渡辺 四郎君
                小林  正君
                続  訓弘君
                浜四津敏子君
                下村  泰君
   国務大臣
       自 治 大 臣  野中 広務君
   政府委員
       自治政務次官   小林  守君
       自治大臣官房長  秋本 敏文君
       自治大臣官房総
       務審議官     二橋 正弘君
       自治省行政局長  吉田 弘正君
       自治省財政局長  遠藤 安彦君
       自治省税務局長  佐野 徹治君
       消防庁長官    滝   実君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        佐藤  勝君
   説明員
       厚生省老人保健
       福祉局企画課長  堤  修三君
       運輸省鉄道局財
       務課長      杉山 篤史君
       運輸省鉄道局施
       設課長      藤森 泰明君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○平成六年度分の地方交付税の総額の特例等に関
 する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○市町村の合併の特例に関する法律の一部を改正
 する法律案(内閣提出)
    ―――――――――――――
○委員長(岩本久人君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る二十日、河本三郎君が委員を辞任され、その補欠として松浦功君が選任されました。
 また、去る二十三日、西川潔君が委員を辞任され、その補欠として下村泰君が選任されました。
    ―――――――――――――
○委員長(岩本久人君) 平成六年度分の地方交付税の総額の特例等に関する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。野中自治大臣。
○国務大臣(野中広務君) ただいま議題となりました平成六年度分の地方交付税の総額の特例等に関する法律案の提案理由とその要旨について御説明申し上げます。
 今回の補正予算において所得税、法人税、酒税及び消費税が減額補正されることに伴い、地方交付税においても落ち込みを生ずることとなりますが、地方財政の状況等にかんがみ、第一次補正後予算に計上された地方交付税の総額を確保し、さらに、災害等に対応するための特別交付税の増額に要する額について財源措置を講ずる必要があります。このため、平成六年度分の地方交付税については、地方交付税法第六条第二項の規定による額の算定及び交付税及び譲与税配付金特別会計法第四条の規定による一般会計から交付税特別会計への繰入金の額の算定について特例を設けるとともに、総額に三百億円を加算することとしております。
 以上が平成六年度分の地方交付税の総額の特例等に関する法律案の提案理由及びその要旨であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○委員長(岩本久人君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○浜四津敏子君 平成会の浜四津でございます。
 阪神・淡路大震災、私も発生五日後に現場に行ってまいりましたが、その惨状は想像をはるかに超えるものでして、言葉で十分に言いあらわせないものでありました。今なお二十万人に近い方々が避難所に身を寄せておられます。この方々の心からの願いは、復興や再建の拠点となる生活の場を一刻も早く確保することであります。国及び関係する自治体は全力を挙げてこの願いをかなえなければいけないと思っております。
 今回の大災害を振り返ってみまして、災害に対する自治体の役割と責任がいかに大きいものかということを改めて認識させられました。この災害による被害が極めて甚大であったことから、今回の改正で特別交付税の総額に三百億円を加算することになりました。これに関連いたしまして、三点お伺いいたします。
 第一点は、三百億円の算出根拠はどこにあるのか。第二点、果たして三百億円で足りるのか。あの惨状を見ますと、到底これでは間に合わないと思いますが、いかがでしょうか。また、第三点目に、三百億円の配分についてはどのように検討されておられるのか、お伺いいたします。
○政府委員(遠藤安彦君) お答えを申し上げます。
 阪神・淡路大震災におきましては、今御質問の中にもありましたように、被災の地方公共団体において大変多くの事務事業があるわけでございまして、例えて言いますれば、消防、救急救助あるいは警察の警備といったようなことで職員に係ります経費も大変かかっております。それから、性格は若干違いますけれども、地方税等の減免による財源の減少、それから災害の弔慰金といったようなことで、今度の場合、災害の規模も大きくて地方負担も非常に大きいという特色があります。それから、被災の地方団体だけではなくて、応援に駆けつけました地方公共団体も大変経費が多額になっているというようなことでございます。
 そういうことから、災害救助費の地方負担あるいは地方税の減免などにつきましては、歳入欠陥債あるいは災害対策債という地方債がございますけれども、そういった地方債が発行できるようにしました。しかしながら、そういったものを除きましても、応援をしていただいた地方団体の財政需要も含めまして、この阪神・淡路大震災関連の特別交付税措置額、六百億円前後になるんじゃないか、こういうように見込まれておるところでございます。
 ところが一方、今年度の場合、特別交付税につきましては総額の伸びが非常に低いという特徴がございます。伸び率が〇・四%、三十八億円増というようなことでありまして、こういった枠内で今回の大震災によります多大の財政負担のすべてについて対応するということは困難である、こういったことのために今回、阪神・淡路大震災に関連しまして、平成六年度の特別交付税で措置すべき額、おおむね六百億円程度になろうと思いますが、その二分の一相当の三百億円を別途増額をしていただきたいということで法案をお願いいたしているところでございます。
 御質問の第二点は三百億円で足りるのか、こういうことであろうと思います。
 ただいま申し上げましたように、全体としては六百億円前後の特別な財政需要になろうかと思いますけれども、この平成六年度の特別交付税のうち災害関係の算定額というのは、前年度の平成五年度と比べますと、異常渇水等がありましたけれども、平成五年度が全国的に豪雨でありますとか台風でありますとか、そういったことで大変災害に関連しました財政需要が多かった年でございまして、そういったことを勘案いたしますと、この特別交付税の総額を三百億円増額していただければ何とか全体の平成六年度の地方団体の財政需要には対応することができるというように考えております。
 それから、第三点の三百億円の配り方という御質問でございますが、三百億円につきましては現行の特別交付税が約九千億円ほどございますが、それに特別交付税として三百億円上乗せになるということでございますので全体としては特別交付税の配分額の増という形になるわけでありますが、強いて言えばこの三百億円は、先ほど申し上げましたように、阪神・淡路の大震災に係ります財政需要が六百億円ほど見込まれますので、その一部に充当されると言ってよろしいかと存じます。
○浜四津敏子君 時間が限られているものですから簡潔にお願いしたいと思うんです。
 今回の改正によりまして平成六年度第一次補正予算後の地方交付税総額は確保されることになりました。また、それとともに特別交付税が三百億円増額されることについては評価できますが、しかしそれぞれ後年度に減額または精算されることとなっております。金額的にはそれほど大きくないという見方もありましょうけれども、平成七年度末には百十五兆円を超える地方債借入金残高を抱える地方財政としては重要かつ深刻であります。
 まず、特別交付税については平成八年度以降減額すると附則第二項で規定してありますが、具体的にはどのように減額されるのか。また、八年度からの一般会計から交付税特別会計への繰入額が減額されるということが大蔵省、自治省の間で合意されているのかどうか、お伺いいたします。
○政府委員(遠藤安彦君) 今回の特別交付税に係ります三百億円の増額につきましては、御質問がありましたように、平成八年度以降において精算をするということになっております。この精算の年度、具体的に何年度という年度、それから年度ごとの精算額につきましては、今後地方財政の状況等を判断いたしまして、地方財政の運営に支障が生じないよう、精算をする年度に法律をもって御審議を煩わせたいというように思っている次第でございます。
○浜四津敏子君 国税の減収に伴う地方交付税への影響額、一千七百七十二億八千万円に関連してお伺いいたします。
 今回は、地方交付税の総額確保のため減額措置をとりませんでしたが、しかし平成八年度には精算しなければなりません。精算自体は地方交付税の制度上から当然の措置とはいいましても、問題が先送りになっただけとも言えます。今年度、そして来年度の地方財政対策においては、借入金の償還を繰り延べる措置がなされるなど毎年度の地方財源確保が厳しい状況であります。今後景気が回復したとしても、その景気回復とともに自動的に地方財政が健全化するということはなかなか難しいことではないかというふうに思います。
 今、抜本的にこうしたこれまでの地方財政対策を検討すべき時期であると考えますが、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。また、その具体的内容についてお考えがございましたらお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(野中広務君) 今、委員御指摘のように、地方財政をめぐる財政事情はまことに厳しいものがございます。ただ、先般、税制改革におきまして、地方分権の推進あるいは地域福祉の充実等のために地方税源の充実を図るという観点から、平成九年度から消費税率を三%から五%に引き上げます場合に、現行の消費譲与税にかえまして地方消費税を創設いただいたところでございます。加えまして、消費税に係る交付税率の引き上げをすることといたしたわけでございます。
 もちろん、これで十分とは言えないのでございますけれども、本日閣議決定がされまして国会に提出をいたします地方分権推進法案におきましても、地方公共団体が事務事業を自主的かつ自立的に執行できるよう、国と地方との役割分担に応じた地方税財源の充実確保を図ることとされておるわけでございますので、私どもは今後も引き続き国の権限の譲与を含め、地方税財源の確保を図ることによって、分権の推進によって地方財政の安定を図ってまいりたいと考えておるところでございます。
○浜四津敏子君 先日、世界一とも言われる東京都の防災システムを視察に行ってまいりました。その折、災害があった場合はどこに連絡をとるのかというふうに問いましたところ、我々は自治省に連絡をとる、その後、政府内部機関、例えば国土庁等への連絡は政府に任せてある、こういうお答えでございました。確かに非常時の場合、現場の地方自治体にとりましてはいろいろなところに連絡することは実際には困難なことが多いわけであります。情報、連絡の一元管理、一極集中というのは当然必要なことだと考えます。しかし、現在の体制では縦割り行政のためにそのようなことは非常に難しく、これも今回の大惨事を招いた原因の一つであるというふうに言われております。
 また、新聞報道によりますと、石原前官房副長官も、首相官邸の対応のおくれの原因の大きな一つとして、県のシステムが壊れて情報がストップした、そのために末端の被災状況が国土庁に入らなかったということを挙げておられます。しかし、また同副長官は、神戸市消防本部には情報が入っており、市から直接消防庁に連絡があれば今回の事態は防げたとも述べておられます。したがって、情報の一極集中管理をし機動的な対応を可能にするためには、実動部隊を持たない国土庁から災害の際主力となる消防を管轄し、また警察、自治体との関係の深い自治省に災害の責任官庁を変えてはどうかというふうに考えますが、この点、大臣、いかがお考えでしょうか。
 またさらに、本来このような緊急事態に対処するためには各省庁を横断するような組織が当然必要だと思いますが、そのような機関を常設するようなことを検討してはいかがかと思いますが、この点についてもお考えをお聞かせいただければと思います。
○国務大臣(野中広務君) このたびの震災に際しまして、今、委員が御指摘になりましたように、それぞれ危機管理の問題について多くの御指摘があったところでございます。
 内閣といたしましては、非常災害対策本部を設置いたしますとともに、内閣総理大臣を本部長といたしまして全閣僚から成る緊急対策本部を設けるなど、政府が一丸となって全力を挙げて応急対策に今日まで取り組んできたところでございます。このような中で、国土庁は関係行政機関の災害に関する事務の調整の任に当たる公署として今日までその任に当たってきたところでございます。
 自治省は、御承知のように消防に関する事務を行うところでございます。災害に関しましては、一方において自治省としては国と地方公共団体、あるいは地方公共団体相互間の連絡調整にも当たる公署であります。一方、たまたま自治大臣が国家公安委員長を兼務しておるという立場からそのような議論がいろいろと今国会を通じて出るわけでございますけれども、今申し上げましたように、自治大臣はそのもとに消防庁として消防の事務を行っており、東京都消防庁等実動部隊はそれぞれの政令指定都市あるいは都にあるわけでございますので、直接私どもが指揮命令をする立場にはないわけでございます。国家公安委員長としても、直接警察を指揮命令する立場にないわけでございます。
 そういう原点から考えまして、今私どもは災害対策本部を、総理のもとにやっております体制をより充実して、そして、今、委員から御指摘がありました情報通信の一体化という問題につきましては、先般官邸においてこれが集中される方途を決定したところでございまして、今後はそれぞれ被災状況が的確に消防庁、警察庁あるいは海上保安庁、自衛隊、こういう組織を通じて官邸に集中するようにいたしたところでございます。
 今後も、御指摘のことを十分踏まえながら、情報管理の一体化に一層努力をしていきたいと考えておるところでございます。
○浜四津敏子君 今回の阪神・淡路大震災の被災者に対しましては、平成六年度の課税については「災害被災者に対する地方税の減免措置等について」という通達を基準といたしまして、既に条例により個人住民税あるいは個人事業税、固定資産税等について減免措置がとられました。さらに、十七日に成立いたしました地方税法一部改正法によりまして、所得税と同様に、平成六年中の所得に前倒しで雑損控除を認める特例措置が講じられました。
 新聞報道によりますと、自治省は平成七年度においても引き続き地方税の減免措置を講ずることを決定したというふうに伝えられました。具体的にどの程度の減免措置となるのか、また平成六年度の減免措置と同水準のものなのかどうか、税目として新たな減免措置が加わることになるのか、現在の検討状況をお伺いしたいと思います。
○政府委員(佐野徹治君) 災害により被災されました納税者の方々に対しましては、一時的に担税力が減少する、こういった事実にかんがみまして、地方税法、それからこれに基づきます条例の定めるところにより減免等の措置を講じてその救済を図ることができる、こういうようにされておりますけれども、その具体的な運用につきましては次官通達によりまして地方公共団体に対しまして基本的な事項を示しておるところてございます。
 先ほどお話しございましたように、平成六年度のこの阪神・淡路大震災に係ります地方税の取り扱いにつきましては、一月二十五日付で次官通達を基準として減免等の措置を適切に講じるよう各地方公共団体に対しまして通知をしたところでございますけれども、今回の災害の広域性、甚大性にかんがみまして、基本的には平成七年度におきましても平成六年度に準じて減免を実施することが適当であると考えておりまして、近く通知を発したいと考えております。
 なお、平成七年度におきます減免措置につきましては、基本的には平成六年度に準じて行うこととしたいと考えておりますが、なお今後さらなる措置が必要かどうかということにつきましては、今回の災害の実態を踏まえ、各関係の地方公共団体の考え方だとか、関係各省庁の要望だとか、国税の取り扱いだとか、そういったさまざまな動向を踏まえまして検討を進めてまいりたいと考えておる次第でございます。
○浜四津敏子君 平成七年度について減免措置が講じられた場合の減収補てんにつきましては、特例によって歳入欠陥債の対象とする措置が講じられることとされております。
 問題は、歳入欠陥債の元利償還についてどの程度後年度において交付税措置がなされるかということであります。歳入欠陥債を発行する被災自治体は今後も財政面において極めて厳しい運営を強いられることになりますので、できる限り地方交付税による財政措置を図るべきものであるというふうに考えます。現行制度では、歳入欠陥債については、特別交付税の算定においてはその元利償還の五七%を措置することにとどまっております。しかし、できる限りこの財政措置を拡充すべきであるというふうに考えますが、いかがでしょうか。
 自治省として、この数値、パーセントの引き上げなどで当該財政措置の拡充を行っていくのかどうか。また、そうであるならばその具体的な内容、数値等についてお答えいただきたいと思います。
○政府委員(遠藤安彦君) 今回の地震によります地方税等の減免につきましては、その額が非常に多額になるというように見込まれているところでございます。
 今御質問にありましたように、従来でありますと非常に少額な場合には一部当該年度の特別交付税で措置をするということもあったわけでありますが、今回の場合は歳入欠陥債に全面的に振りかえるということとさせていただいております。
 したがって、そういった特殊性も考慮いたしまして、この歳入欠陥債の元利償還金については特別交付税で措置をいたしますが、従来の御質問にありました五七%からやはり引き上げる必要があるということで、減収補てん債という起債がありますが、これは税収入が予定よりも景気等の関係で減ったという場合に発行するわけでありますが、この減収補てん債と同じ率の、府県分については八〇%、市町村分については七五%の措置率で特別交付税に算入したいというように思っているところでございます。
○浜四津敏子君 次に、東京共同銀行の問題についてお伺いいたします。
 東京都は三百億円融資に対する予算を組んでおりますが、これに対しまして多くの都民の方々から、乱脈経営で破綻した信用組合の救済になぜ多額の税金を使うのか、一体いつだれがそんなことを決めたのか、手続も非常に不透明であるといったさまざまな批判が寄せられております。
 武村大蔵大臣は、今後は金融機関の倒産もあり得る旨発言されておりますが、なぜ今回だけは、この二つの信用組合に限っては救済するのか、その点についても非常に見えてこないわけであります。
 さらに大蔵大臣は、東京都の姿勢が基本になってこの話がまとまった、都が支援を出せなくなることは全く考えていない、こういうふうにおっしゃったということが伝えられました。あるいはその支援の要請に都知事のところまで行かれたという報道もありました。
 東京都議会の審議、まさに今この三百億の融資を認めるかどうか、こういう審議がなされている最中に、その審議をあらかじめ牽制しているかのごとく述べているのは大変問題ではないかというふうに考えます。都議会がどう判断するかは都議会の自由でありまして、また都民のために十分審議を尽くした上で判断すべきことであります。
 自治大臣は、しばらく前に、この問題に関連いたしまして、税金を使ってまで救済する価値があるのか、決着は政治主導ではないか、こういう見解を述べておられます。
 公的資金をこうした不透明な使途、しかも手続も非常に不透明、こういう使われ方をするというのは大変ゆゆしきことだと考えておりますが、これについての大臣の御所見をお伺いできればと思います。
○国務大臣(野中広務君) 今回の二つの信用組合の救済のために東京共同銀行が設立をされます経過につきましては、私は一人の国務大臣として、特に一昨年の秋の予算委員会で私自身がこの一つの信用組合の理事長のあり方について質問をした経過もございますので、そういう信用組合をどのようにして救済をするに至ったかの経過については大きな疑問を持ってきた一人でございますので、閣僚懇談会におきまして私自身が問題提起をしたことは事実でございます。
 ただ、今回、金融市場の秩序を維持するためにそれぞれ大蔵省、日銀、東京都が協議をされまして、一定の支援策を見出されて合意をされましたことは、それぞれの三者が公益上必要であると認識をされてこの道を選択されたことであろうと考えておるわけでございます。
 ただし、こういう問題がこれから不良債務を抱えた多くの機関委任事務を受けておる都道府県、地方公共団体に寄せられた場合に、果たしてその財政支援について応じられるかどうかを考えたときに、都道府県の多くを預かる、一般行財政を預かる自治省の立場としても危惧を感じたものでございまして、今回の救援策は信用秩序を維持するために必要であるという、こういう御理解をぜひ東京都、都議会にもいただきたいという大蔵大臣の気持ちがその否決されることを信じていない、可決されることを信じておるといった意味に表現をされたのであろうと私は思うわけでございます。また、そういうことを含めて御依頼に行かれたことであろうと考えるわけでございます。がしかし、今後東京都が都議会で十二分に御審議をされることは委員御指摘のとおりでございます。
 私どもは自治省といたしまして具体的に今回の措置について東京都から相談にあずかっておらない立場でございますので自治省として具体的なコメントを申し上げるわけではございませんけれども、しかし地方財政全体から考えますときに、今、委員が御指摘になりましたようなそれぞれ審議をされる議会の皆さん、あるいは都民の皆さんにも戸惑いがあろうと思うわけでございますだけに、この事件の救済に至る間の透明度、あるいはこの二つの信用組合、さらには異常な融資を長期にわたって行ってきた長銀等のあり方に十分なメスが加えられ、解明をされることが私は必要であろうと思います。信用組合としての節度ある限度を超えたこのあり方については、大蔵省を含めてこれからの金融行政のあり方として十二分に見直し、そして指導監督のあり方を含めてこれから検討がされるべきであると存じておるところでございます。
○浜四津敏子君 わかりました。
 最後に、今後の消防防災体制のあり方を考える上で、今回の大震災によって得た教訓の一つは災害に係る情報の大切さでありました。
 新聞報道によりますと、一月十七日午前五時四十六分に発生いたしました地震、その死亡者が消防庁から官邸に初めて報告されたのが九時五十分、被災地の市町村から兵庫県、そして消防庁へ伝えられるのに四時間余りもかかったということでありました。
 大震災に当たりましては、自治体間の広域的応援体制も情報通信体制が機能しなければその力を発揮することはできません。また、被害状況を中央が掌握することができなければ適切な対応が難しくなるわけであります。今後、情報通信体制についてはその拡充を早急に整備することが必要であるというふうに考えます。また、今回の大震災では、兵庫県の衛星通信ネットワークは自家発電システムが故障したことにより作動いたしませんでした。防災無線も電源の故障によって機能が発揮されなかったということであります。今後の情報通信体制の運用面についても大きな教訓を残したのではないかと思います。
 そこで、災害に対する情報通信体制整備の現状についてまずお伺いし、特に地域衛星通信ネットワークの整備についてできる限り早期に全国ネットワーク化を進めるべきであるというふうに考えておりますが、今後どのような整備をされていかれるのか、お伺いいたします。
○国務大臣(野中広務君) 防災行政無線の機能の拡充、あるいは行政情報伝達の効率化等を目的といたしまして地域衛星通信ネットワーク整備構想が推進をされておるところでございまして、現在二十都府県、そして千二百五十九の市町村で既に運用が行われておるところでございます。また、十二道府県においてその整備が進められておるところでございます。
 委員が先ほど災害発生時におきます死者等にお触れになりましたが、消防の通信情報等は非常に難しゅうございまして、死者につきましては警察が検視を行って初めて死者と認定をされて発表されるわけでございます。途中で百人ほど、随分出てきていろいろ議論を呼んだことがありますけれども、これもあの大惨事のときに自分が全部遺体をお持ち帰りになりまして処理されて警察が検視をすることができませんで、こういうものが一度に出て百体からの発表があったようなこともございます。
 このことと消防無線とは別でございますけれども、消防の通信、あるいは消防だけでなく我が国全体の防災上における通信情報の確立ということは非常に重要なことでございまして、今回の事件の教訓を踏まえ、多くの犠牲をまた踏まえながら、地上系の通信手段に加えまして衛星通信システムの重要性が広く認識をされたところでございます。
 今後、それぞれ地方公共団体におきましてもこの積極的な対応が今言われておるわけでございますので、一層全国のネットワークが早期に整備されますよう、私どもも積極的に指導し、取り組んでまいりたいと考えております。
○浜四津敏子君 どうもありがとうございました。
○有働正治君 私は法案とのかかわりで、さきの大震災で被害を受けました神戸市営地下鉄など交通機関復旧費用にかかわります神戸市などの自治体の財政負担の問題についてお尋ねいたします。
 最初に運輸省、お尋ねいたします。
 今回被害を受けました神戸市営地下鉄など交通機関の補助対象事業者の復旧に要する費用につきまして、一つは神戸市営地下鉄、第三セクターの神戸高速鉄道、神戸新交通、この公営三社合計で幾らなのか、またJR貨物を含めました民営の合計で幾らなのか、それぞれお示しいただきたい。それから、総合計でどうなるか。
○説明員(藤森泰明君) 今回の兵庫県南部地震によります鉄道施設の復旧に要する額についてでございますが、その概算値は全体で三千五百三十億円となっております。このうち、神戸市の地下鉄、それから神戸高速鉄道及び神戸新交通の復旧見込み額は合計で約六百四十億円でございます。また、今回鉄道施設災害復旧費補助金の対象としております他の五社の復旧見込み額は約九百四十億円となっております。
○有働正治君 そこで、これの中で補助がどういうふうになるかということでありますが、その中で県と市との負担額がどういうふうになるのか。今年度工事分の補助対象が第二次補正で取り上げられているわけでありますが、これしかわからなければそれでお答えいただきたい。
○説明員(杉山篤史君) 今回被災いたしました鉄道につきましての災害復旧費補助でございます。
 まず、最初にお尋ねのございました地方の負担のうちの県と市の負担割合でございますが、これにつきましては現在地元におきまして調整をしていただいているところと聞いておる次第でございます。
 平成六年度の国の方の補助でございますが、国といたしましては、第二次補正予算案といたしまして総額約百九十八億円を計上しているところでございます。
 鉄軌道整備法に基づく災害復旧事業費の補助につきましては、国が復旧事業費の二五%を負担し、あわせまして地方におきましても同額の負担をしていただくということになっているところでございます。
○有働正治君 県と市の割合はこれからとしましても、大体二百億相当額の県と市、自治体の負担になるわけであります。これが第二次補正にかかわる今年度工事分の負担ということになるわけであります。しかし、被害総額からいきますと、来年度を考えますとそれはおよそその二倍が予測されるわけでありまして、そうなりますと二倍として約四百億円相当が見込まれるということになるわけです。県と市の負担としては非常に大きいことが指摘されているわけであります。
 そこで、運輸省にお尋ねしますけれども、私鉄には経営責任があるわけで、しかも今回の場合、国の基準等の甘さから被害が大きくなった等の要因もあるわけで、やはり私鉄の場合はその経営責任を基本にしながら国の補助も含めて対応すると。ところが、この負担、今年度分約二百億相当、来年度を含めますと四百億円相当が予測される、これは民鉄分を含めての自治体の負担ということになっているわけであります。そうなりますと、私は問題が残ると。もっと県と市の負担を減らす方向で検討できないかというわけでありますが、いかがですか。
○説明員(杉山篤史君) 今回補助の対象となります鉄道でございますが、いずれの路線につきましても沿線住民の大切な交通手段といたしまして、また地域産業の発展などに寄与するものといたしまして大変重要な役割を果たしてきているところでございます。これらの早急な復旧のためには、国、地方が協力をいたしまして、それぞれ応分の助成を行うこととすることが補助金の趣旨に沿ったものと考えている次第でございます。
 なお、このような考え方に沿いまして、従来より例えば雲仙・普賢岳の噴火に伴う島原鉄道でございますとか、あるいは釧路沖地震に伴うJR北海道等に対する災害復旧のための補助金につきましても、地元地方公共団体において国と同額の補助金を交付してきていただいたところでございます。
○有働正治君 そこで、自治省、自治大臣の方にお尋ねするわけでありますが、私は、今の関係被災自治体の財政負担、政府として各方面でそれなりの対応をされていることは承知しているわけでありますが、この鉄道の再建、復旧の負担の場合に、民鉄の分まで自治体が、県、市が負担して、四百億円相当にも上ると。これは非常に大きな負担だと私は考えるわけであります。私鉄には私鉄としての、民営としての経営責任というのが第一義的にはやはり考慮されるべきである、そして国としてもしかるべき対応もしていく必要があると。その分まで自治体に負担を願うと。しかも、今回のような膨大な被害の中で財政負担というのは非常に大きなもので、自治体としても障害が大きいわけであります。
 したがいまして、私鉄の分につきましては、経営責任を前提にして復旧・復興を進める方向でもう少し自治省としては自治体の意向を酌んで考慮できないか、県と市の負担を思い切ってもっと減らすような方向で御検討いただけないかというのが私の意見であるし、要望であるわけですけれども、自治大臣、いかがでございますか。
○国務大臣(野中広務君) 民間鉄道の災害復旧につきまして、今、委員から御指摘のように、みずからの経営責任の上に立って自己負担においてやるべきではないかという議論もあるところは承知をいたしております。
 しかし、民間鉄道等が地震、洪水等で、異常な天然現象によりまして今回のような大規模な災害を受けました場合は、過去にも先ほど運輸省から提示がありましたような例もあるわけでございまして、鉄道軌道整備法では、速やかに災害復旧事業を行わなければ国民生活に著しい障害を生ずる鉄道のうちで、みずからその資力のみでは災害復旧を行うことが非常に深刻な経営の悪化を招くおそれがあります場合には、国が事業の四分の一以内の補助をすることができるとされております。この場合におきまして、地方公共団体もまたみずからの判断によりまして補助することができるとされておるのでございます。
 今回の阪神・淡路大震災によります鉄道の災害復旧のうち自力復興が難しいものにつきましては、災害復旧費の四分の一の補助がなされると聞いておるわけでございます。これにあわせまして当該地方公共団体の補助は、もちろん義務的なものではありませんけれども、他の災害の場合の事例等も踏まえますと、地元地方公共団体で国と同程度の補助を並行して行われることは自治省といたしましてもやむを得ないものと考えておるところでございます。
○有働正治君 私は、今、大臣もおっしゃられたように、私鉄は私鉄としての経営責任、これをはっきりさせると。同時に、今回の大震災の原因、要因等、その被害の状況等を考えますと、政府の基準の甘さ、防災対策のおくれ等々も被害拡大の重要な要因と言えるわけで、私は、今までの枠にとらわれないで、国の四分の一負担をもう少し引き上げるなど特別の手だてをとる必要があると考えるわけであります。
 私、ここに神戸市会から私のところに寄せられています「阪神・淡路大地震の緊急災害対策に関する要望書」、二月十七日付のものを持ってまいりました。この中で、「市民生活に必要不可欠な公営地下鉄・民鉄等の公共交通機関の復旧に鉄道軌道整備法が適用されれば、地元は四分の一を負担することとなるが、これに対し交付税措置等格段の財政支援をお願いしたい。」という市会当局からの強い要望が各方面に、政府にも訴えられているところであります。
 そこで、自治大臣として地方自治体の苦労、対応、よくおわかりになっているところでありますので、枠にとらわれないで思い切った措置をとって、被災自治体に対する交付税措置の拡大など特別の財政支援を御検討いただきたいということをお願いしたいわけでありますが、いかがでありますか。
○国務大臣(野中広務君) 今回の災害に伴います被災地方公共団体の財政負担は大変深刻なものがあるわけでございます。これらの団体の財政運営というものは、私どもも十二分に配慮しながら対応していかなくてはならないと思うわけでございます。
 その上に、今御指摘のありましたような鉄道等の災害復旧事業における負担等を考えますときに、当該地方公共団体の財政運営に支障が生じることのないように地方債、地方交付税等、適切な財政支援を講じてまいる考えでございます。
○有働正治君 地方債だと結局地元の借金ということになるわけで、交付税を含めて検討するとおっしゃったその趣旨も生かして、起債によらない方向で、救援と復興に対する財政支援を地元の要望にこたえる方向でぜひ前向きに積極的に対応していただきたい、そのことを重ねて強く要望しまして、私の質問を終わります。
○下村泰君 私はボランティア活動についてちょっとお伺いしたいと思います。
 一九九〇年八月に出された警視庁の警備心理学研究会の「大震災対策のための心理学研究」というのではボランティアには期待はできないというような意見も出ていたようなんですけれども、しかし災害時のボランティア活動というのはまことに必要なことで、今回はその有効性が立証されたと言われています。
 これまでも災害ボランティアについてはいろんな検討がされてきたんですが、それが生かされていないということも立証されたわけです。実際にボランティア活動に行った方が、わけもわからなくてボランティア活動に出かけたために、ボランティアにボランティアが必要だったという笑えない話もあるようで、それじゃどうにもなりません。
 災害時におけるボランティアの活用方策に関する調査というのがございますけれども、一九九一年八月九日にまとまった「わが国における防災ボランティアの在り方」、これをちょっと読ませていただきますけれども、それによりますると、
 わが国の防災ボランティアは諸外国に比べて立ち遅れているが、今後、日本赤十字社を中心に活性化、組織化、訓練化を進めることが必要だとし、国や地方公共団体はこれを積極的に支援すべきだ、と提言している。
 報告は地方公共団体の先駆的な取り組みの事例として愛知県の「防災ボランティアグループ登録制度」(登録百五グループ、二千三十三人)を紹介。同県では活動中の事故などに備え、県の保険料補助が行われている。
 「防災ボランティア共済制度」や「コンダクター国家資格制度」の創設などを求める報告書をまとめた。
 行政の役割として、活動中の不慮の事故に備えた防災ボランティア共済制度や、活動時にリーダーとなる人の養成をめざすコンダクター国家資格制度の創設、さらに日本赤十字社を中心に組織化を図り、災害時に必要な人材をあらかしめ登録しておく「機能別登録照会システム」などの具体的な支援策を求めている。というような提言がされております。このとき、私はちょうど雲仙でのボランティアの方々の話を聞きまして、国土庁にその説明に来ていただいたことがあったんですけれども、一〇〇%賛成できないにしても、これはかなり示唆に富んだものとして評価はしております。これは国土庁と自治省消防庁との共同研究です。
 その前、一九八六年九月二日の報道ではこういうことが言われています。「国土庁は一日までに、各種の災害でふえている老人や障害者、外国人などの犠牲を少なくするため、都道府県や市町村が策定する地域防災計画に特別に「災害弱者」として位置づけ、明確な避難対策を講じさせる方針を固めた。」、こういう記事が出ております。それに対して消防庁が「自治省も災害弱者には関心を持っており、今年六月には、消防庁長官名で「風水害被災時に、災害弱者に特段の配慮を」と呼びかけている。」、こういうふうにコメントされております。
 ところが、これは見事に現在まで生かされていない、こういうことになります。今後どう生かすのか、また新たに災害時のボランティアのあり方、当然介護ボランティアも含まれますけれども、それらについて根本的にどう考えていらっしゃるのか。行政の介入というのは基本的に余りすべきではないと思いますけれども、バックアップはする必要があると思いますが、これは大臣、どういうふうにお考えでしょうか。
○国務大臣(野中広務君) 今回の阪神・淡路大震災におきまして、災害発生直後から全国からさまざまな多くの善意あるボランティアの方々の御活躍をいただいたことはまことに感謝にたえないところでございます。
 被災地の地方公共団体におきましては、社会福祉協議会でそれぞれ早くからボランティアに関する窓口を設置いたしまして、登録の受け付けや連絡等の業務に当たってその有効な活用に努めてきたところでございますけれども、災害を受けました直後におきましては全国各地からそれぞれもう何千件という大きなお申し込みを賜りまして、十分これにそれぞれ対応できなかった面もあったようでございました。その時期を過ぎまして、今日では整々として整備をされまして、あらゆる分野においてボランティアの皆さん方の厚い御支援を賜っておるということでございます。
 私ども自治省といたしましても、今後、地方公共団体におきましてそれぞれ収容施設におけるケアといった分野、あるいはボランティアの活用についても十分留意するよう指導しておるところでございます。
 また、今後の地域防災計画の見直しに当たりまして、災害時におきますボランティアの果たす役割が今回の震災にかんがみまして非常に大きいわけでございますので、その役割の大きさを踏まえまして、ボランティア活動が十分生かされるように受け入れ体制の整備、関係団体との連携等の検討を進めてまいる所存でございます。
○下村泰君 それから、今度は避難のあり方の問題なんですけれども、私ごとで恐れ入りますが、私は、今、目黒区の碑文谷というところに住んでいるんです。目黒通りという大きな通りがありまして、その目黒通りのところどころに避難場所という大きな看板が出ております。その避難場所を見ますと、駒沢公園、それから巨人軍グラウンドと書いてあるんです。巨人軍グラウンドというと、ばかに調子のいいもので、野球の選手が練習しているところへ逃げるのはいいなと思うんです。一瞬そう思うんです。ところが、この巨人軍クラウンドヘ逃げるとなるとメーターが一つ上がってくるんですね。メーターが一つ上がるというのは、メーター六百円、二キロですから。それ以上です。そんなところまで逃げていくうちにどうなるんだろうか、避難していくうちにおかしくなってしまうのではないかと、こういうような思いがしばしばすることがあるんですよね。
 そうしますと、この避難場所の設定ということも大変難しいのではないかと思うんです。殊に高齢者だとかお体の不自由な方々というのは、そう簡単には逃げ場所がないわけですよね。そういった方々にとっては現在住んでいらっしゃるところを中心とした避難場所の設定、これが大変必要ではないかと思います。
 こういう方々を含めた防災計画というのが必要だと思うんです。地域ぐるみの防災計画、もちろんそれは大きなシステムも必要でしょうし、大きな枠も必要でしょう。地域ぐるみの防災計画というのはまことに私は必要な気がするんですけれども、そういったようなことは将来的に進めていくお考えがおありでしょうか。
○国務大臣(野中広務君) 今回の大規模災害におきまして、特に、今、委員から御指摘されました高齢者や障害者や傷病者の方々が迅速かつ安全な場所に避難できることが重要な課題であるということを強く認識をしたわけでございます。
 特に、今日まで地域防災計画では屋外、公園あるいは学校の校庭等を避難場所として指定をしてきたところでございますけれども、今回の経験を踏まえますときに、屋外における避難というのはもう二日間が限度であります。
 したがいまして、私どもは地域防災計画を見直すときに、一つにはそういった反省をも踏まえながら考えなくてはならないということ、あるいは先ほど御指摘になりました高齢者や障害者等の弱者には、そんなに遠くへ行けないわけでございますので、そういう配慮を加えていかなくてはならないということ。もう一つは、御指摘ございましたように、淡路の北淡町へ参りまして私は痛感をしたわけでございますけれども、あそこは消防団長以下、分団長がそれぞれ自分の所轄する分団の家の配置図を持っておりまして、ここの家のおじいさんは二階のこの部屋に寝ている、娘さんはこの部屋に寝ていると全部消防団が掌握をしておりました。したがいまして、あの北淡町におきましては、死亡者が三十八名であったかと思いますけれども、非常に救助が円滑にいったという話を聞きまして、コミュニティーが確立をされておることの重要さというものを私は痛切に感じたわけでございます。
 今、下村委員の御指摘のような視点をも踏まえながら、これから地方公共団体と十分協議をし、指導してまいりたいと考えております。
○下村泰君 今のその分団の話はようございますね。大したものだと思います。そういうことの方がむしろ生かされるんだと思いますね。
 実は、一つ申しおくれたんですけれども、私の家の近所にまだ畑仕事をやっていらっしゃる方々がいまして、幾ばくかの農地があるんです。その横に目黒区役所の通達として書いてあるんですね。この地はこういうことをしておりますけれども、あるときには避難場所にもさせていただきますというのがちゃんと出ているんですよ。こういうところがあるところはようござんすけれども、こういうところのない人々には今のようなお話が非常に必要じゃないかと思います。
 一九九二年一月十日の新聞にこんなことが出ておったんです。「国土庁は自治省消防庁と共同で、大規模災害時の個人被害に国がどう手を差し伸べるかを検討する「初動期災害対策研究会」を十日発足させる。現行の災害対策では、個人被害に補償制度がなく、方策を練ることになった。地方自治体が掛け金を払う総合的な災害共済制度などが検討される。」ということが出ていたんですけれども、これはその後どうなったでしょう。
○政府委員(滝実君) 結論から申しますと、その後の制度化というのはなかなか難しい状況になっているわけでございます。
 ただいま御紹介いただきましたように、この研究会におきましては、とにかく大規模災害と申しますとどうしても長期の避難が必定でございますので、その間に生活の支援あるいは生業の支援、これが必要だ、こういう観点から共済保険制度、あるいは公益信託を利用した救済制度、さらにはボランティア預金制度、こういうようなものを提案、提言しているわけでございますけれども、なかなか災害制度としては根づかない。この中で広く今一般に行われているボランティア預金制度というのはそれなりに実現はしているのでございますけれども、災害の補償金制度というのはなかなか根づかない、こういうような問題もございまして、私どもはやはり今回のこういった災害を契機にして、この点についてはなお具体的にどういうふうにしていくのか、もう少しここのところは考え直していく必要があるだろうというふうに感じております。
○下村泰君 実際にこれをやられたらおもしろいなとは思いますけれどもね、私らなんかは。もしそういうふうな方向に行けるんでしたら行った方がいいなと思います。
 それじゃひとつ、厚生省、来ていらっしゃいますでしょうか、厚生省の方に伺いますけれども、災害時の介護問題が今度非常に問題になってきたと思います。これはもう皆様方の方が当事者だけに嫌というほど肌で感じていらっしゃると思います。
 二月七日の衆議院の厚生委員会でも、政府の方々がこう答えていますね。
 従来、私どもといたしましても、市町村または都道府県の地域防災計画の中にありまして、そういう災害弱者の方々に対して十分きめ細やかな配慮をするようにということを指導してきたところでございます。
 また、災害時におきまして、地域住民の一人一人の方々が連帯をいたしまして災害弱者の方々を助けていくということもまた必要なことであると考えておりまして、そういう面での全体としての防災体制というものも今後充実していかなければならないというようなことをおっしゃっている。
 それで、またこういうこともおっしゃっていますね。
 被災された高齢者や障害者で介護等の援助を必要とする方についての状況把握はなかなか容易しゃなかったわけでございますけれども、現時点で申し上げますと、例えばお年寄りなんかで居宅で生活しておられる方でホームヘルパーの派遣を受けておられたような方、これは県で約二千名、それから神戸市で二千名ぐらいおられましたけれども、これらの方々については、ほぼ安否確認といいましょうか、状況把握は終えております。こういうようなお答えになっておりますけれども、こうした災害時の介護マニュアルなり、あるいは福祉機器、介護用品の備蓄、地域の民生委員、ヘルパー、ケースワーカーの行動マニュアル、こういったようなものが現在あるのかどうか、まず厚生省に伺います。
○説明員(堤修三君) 災害時におきます避難や救助につきましては、災害対策基本法に基づきます各自治体で策定をされる防災計画で規定されているわけでございますが、今回の例えは兵庫県や神戸市の地域防災計画を見てみましても、高齢者や障害者等の避難の誘導については優先的に行うとか、あるいは災害弱者緊急通報システムの整備といったような項目はあるわけでございますけれども、それ以上に詳しいマニュアルといったようなものまでは残念ながら定められていないという状況でございます。
○下村泰君 今まで定められていなかったわけですよね。だけれども、今回は大変すばらしいあれが出てきたと私は思うんです。ですから、今回のことをひとつ教則本として、これからどういうふうになさるのか。
 例えば、こういうことを言っている方もおるんです。「ホームヘルパーなどの人数にこだわり、硬直化した行政のつけが大震災で回ってきた。避難所で市職員に在宅高齢者の救護を求めたところ、「今はそれどころじゃない」と言われたが、緊急時こそ弱者の救済を最優先にしてほしい」と、こういうふうに訴えております。厚生省の老人福祉計画課の、名前は言いませんが、「ホームヘルパーと連絡が取れず、対策が遅れたことは事実」と。これもありましょう、もちろん。こういうこともありましょうけれども、今度の災害を手本としてこれからこういった対策を整えてほしいと思いますが、それに対するお答えだけいただいて、終わりにしたいと思います。
○説明員(堤修三君) 現在、国土庁を中心といたしまして防災基本計画の見直しの検討も進められておりますけれども、その中では、地域住民を含むボランティアと行政機関との連携の問題も含めまして、そういう高齢者、障害者の方がおられる社会にふさわしい災害時の応急体制づくりという、重要な課題だと思っておりますので、そういう問題にも取り組んでまいりたいと思っております。
 また、全国の老人福祉関係の所管の部局にも、今回の震災の教訓がいろいろとございますので、近々開催をいたしますけれども徹底をしてまいりたいと思っております。
○下村泰君 ありがとうございました。
○委員長(岩本久人君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。これより討論に入ります。―別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 平成六年度分の地方交付税の総額の特例等に関する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(岩本久人君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
    ―――――――――――――
○委員長(岩本久人君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
○委員長(岩本久人君) 次に、市町村の合併の特例に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。野中自治大臣。
○国務大臣(野中広務君) ただいま議題となりました市町村の合併の特例に関する法律の一部を改正する法律案の提案理由とその要旨について御説明申し上げます。
 この法律案は、自主的な市町村の合併を推進し、あわせて合併市町村の建設に資するため、地方制度調査会の答申にのっとり、市町村の合併の特例に関する法律の有効期限を延長するとともに、新たに合併協議会設置の請求に関する制度等の特例措置を定めようとするものであります。
 以上がこの法律案を提案いたしました理由であります。
 次に、この法律案の要旨について御説明申し上げます。
 第一は、合併協議会設置の請求に関する規定の新設であります。
 有権者は、その総数の五十分の一以上の者の連署をもって、その代表者から市町村の長に対し合併協議会の設置の請求をすることができるものとしており、この請求があった場合には、合併請求市町村及び合併対象市町村の長は所要の手続を行わなければならないものといたしております。第二は、市町村建設計画の作成等に関する規定の改正であります。
 市町村建設計画に都道府県が実施する事業に関する事項を加えることとしておりますほか、市町村建設計画の作成に当たっての配慮規定について整備することといたしております。
 また、市町村建設計画の作成、変更の際にはあらかじめ都道府県知事に協議しなければならないものといたしております。
 第三は、議会の議員の定数、在任の特例に関する規定の改正であります。
 新設合併の場合において、合併関係市町村の議会の議員が引き続き在任することができる期間を延長することといたしております。
 また、編入合併の場合において、合併後最初に行われる一般選挙により選出される議会の議員の任期相当期間も、編入をする区域との人口比率により、編入される区域からも議員が選出されることができるようにいたしております。
 第四は、合併に係る財政措置に関する規定の改正であります。
 まず、地方交付税の額を算定する場合においては、合併市町村については、市町村の合併に伴い臨時に増加する経費の需要を基礎として、測定単位の数値を補正するものといたしております。
 また、地方交付税の額は、合併後一定期間、合併前の合算額を下らない額とする現在の措置に加え、さらにその後五年度について合併前の合算額の一定割合を下らない額とするものといたしております。
 次に、過疎地域活性化のための地方債の特例として、合併関係市町村に過疎地域の市町村が含まれる合併市町村については、過疎地域活性化特別措置法第十二条の規定を準用するものといたしております。
 さらに、従来の合併市町村が市町村建設計画を達成するために行う事業に加え、都道府県事業に係る地方債についても特別の配慮をするものといたしております。
 第五は、国、都道府県等の協力等に関する規定の改正であります。
 国及び都道府県は、市町村に対し、自主的な市町村の合併を推進するため、必要な助言、情報の提供等の措置を講ずるものとしておりますほか、都道府県は、市町村の求めに応じ、必要な調整を行うものといたしております。
 最後に、法律の有効期限を平成十七年三月三十一日まで延長することといたしております。
 以上が市町村の合併の特例に関する法律の一部を改正する法律案の提案理由及びその要旨であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○委員長(岩本久人君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後三時四十二分散会
     ―――――・―――――