第132回国会 地方行政委員会 第7号
平成七年三月十七日(金曜日)
   午前十時開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         岩本 久人君
    理 事
                鎌田 要人君
                岩崎 昭弥君
                釘宮  磐君
                有働 正治君
    委 員
                石渡 清元君
                鈴木 貞敏君
                関根 則之君
                服部三男雄君
                真島 一男君
                松浦  功君
                上野 雄文君
                篠崎 年子君
                山口 哲夫君
                渡辺 四郎君
                小林  正君
                続  訓弘君
                浜四津敏子君
                西川  潔君
   国務大臣
       自 治 大 臣
       国 務 大 臣
       (国家公安委員
       会委員長)    野中 広務君
   政府委員
       警察庁長官官房
       総務審議官    山本 博一君
       自治大臣官房長  秋本 敏文君
       自治大臣官房総
       務審議官     二橋 正弘君
       自治省行政局長  吉田 弘正君
       自治省行政局公
       務員部長     鈴木 正明君
       自治省財政局長  遠藤 安彦君
       自治省税務局長  佐野 徹治君
       消防庁長官    滝   実君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        佐藤  勝君
   説明員
       総務庁行政監察
       局企画調整課長  松田 隆利君
       大蔵省銀行局中
       小金融課長    田村 義雄君
       厚生省保健医療
       局精神保健課長  吉田 哲彦君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○平成七年度一般会計予算(内閣提出、衆議院送
 付)、平成七年度特別会計予算(内閣提出、衆
 議院送付)、平成七年度政府関係機関予算(内
 閣提出、衆議院送付)について
 (総理府所管(警察庁)、自治省所管及び公営
 企業金融公庫)
○地方税法の一部を改正する法律案(内閣提出、
 衆議院送付)(閣法一六号)
○地方交付税法等の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)(閣法三九号)
○地方行政の改革に関する調査
 (地方財政の拡充強化に関する決議の件)
○地方公務員等共済組合法の一部を改正する法律
 案(内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
○委員長(岩本久人君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 昨十六日、高崎裕子君が委員を辞任され、その補欠として有働正治君が選任されました。
    ―――――――――――――
○委員長(岩本久人君) 次に、理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岩本久人君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に有働正治君を指名いたします。
    ―――――――――――――
○委員長(岩本久人君) 去る三月十四日、予算委員会から、三月十七日の一日間、平成七年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、総理府所管のうち警察庁、自治省所管及び公営企業金融公庫について審査の委嘱がありました。
 この際、本件を議題といたします。
 本件に関する説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○続訓弘君 本委員会は大変雰囲気のいい委員会でありまして、本音の議論ができる委員会であります。したがいまして、私はきょうは本音の議論をさせていただきたい。
 それは、ただいまの東京協和、安全信用組合の関連の質問を私は十五日の本会議で私見を交えながらお話を申し上げました。しかし、村山総理はその私の私見に対してどうも問題意識がないような感じを受けました。そこで、この委員会でさらにその辺のことを含めながら御質問を、あるいは私見を述べながら申し上げたいと思います。
 まず、大蔵省に伺いますけれども、東京協和、安全信用組合の乱脈経営に伴う破綻の救済策を企画立案した目的と具体的な企画立案者はだれか、お尋ねいたします。
○説明員(田村義雄君) お答え申し上げます。
 今回の二信用組合の処理策のお尋ねでございますが、この二信用組合の預金者のみならず一般金融機関の預金者への影響、これを回避しながら破綻金融機関を整理、処理するということでございまして、個別信用組合の、ただいま先生救済策とおっしゃいましたが、救済ということを目的としたものではございません。
 また、両信用組合の破綻処理に関しましては、いわゆるペイオフといいますか預金保険金の支払い、これも検討対象となったわけでございますけれども、仮に両信用組合が倒産して預金保険金という事態になりますれば、預金保険金の支払い限度額は一人当たり一千万円以内でございますし、その支払いについても相当時間もかかります。また、利子は一切支払われないというふうなことでございますので、他の金融機関及びその預金者に信用不安が波及するおそれがあるといった問題があると思います。
 こうした事態を何としても避ける必要がございますので、全国の他の金融機関の預金者の動揺も抑え、金融機関及び預金に対する信頼ということを維持するために、両組合の監督官庁である東京都、それから私ども大蔵省、日本銀行と連携して検討、調整を進めて関係者が合意したものでございます。
○続訓弘君 この両信用組合の破綻の原因あるいは責任の所在、そういうものを厳しく追及することは当然であります。しかしながら、今お話がございましたように、全国の金融不安等々を解消するための最善の策を三者の合意の上でつくり上げたんだと、こういう答弁がございました。
 だとすれば、今回のスキームが都議会において実質否決をされたと私は事例を挙げながら十五日の本会議で述べたわけでありますけれども、実質否決の事態を大蔵省はどう受けとめ、そしてこれからどう対応しようとされるのか、その辺のことを簡潔に伺います。
○説明員(田村義雄君) ただいま先生からお話がございましたように、先般、都議会において五会派の共同修正案が議決されたわけでございますが、この五会派共同修正案の中におきましても、信用組合の破綻による金融不安あるいは預金者の保護に対しては、都の立場から責任を十分に果たしていかなければならないとされておるところでございまして、また都知事も同様のお考えであると伺っております。したがいまして、私どもとしては実質否決されたとは受けとめておりません。
 したがって、そういう考え方から両組合の処理方策の基本的枠組み、この基本的枠組みは今回の都議会において修正案が議決された事態になりましても直ちに影響を受けるというものではなく、今後とも信用秩序維持、預金者保護の観点からその円滑な実現を期してまいりたいわけでございます。
 今後どう対応されるのかという御質問でございます。私どもとしても、ただいま申し上げたように、東京都が信用組合の破綻による金融不安や預金者の保護に対して責任を果たしていかれることと信じておりますので、できるだけ早期に適切な措置がとられることを強く期待したいと思っております。
○続訓弘君 今、金融政策に責任を持たれる大蔵当局からは、都議会の実質否決は自分たちは実質否決と受けとめていない、何としても理解、協力を得てこのスキームどおりにこれからの対応を見守りたいと願望を込めた御答弁がございました。
 しからば、その大蔵当局の願望と都議会あるいは都民の世論とは正反対である。したがって、そうだとすれば、私は大蔵当局が具体的に都民あるいは都議会に対してどういう方策を検討しているのか、あるいは検討すべきなのか、その辺のことは篤と御承知のことと存じますので、その辺のことも含めて御答弁願えればと思います。
○説明員(田村義雄君) 都民と都議会の理解を得るための具体的な打開策という御質問でございますが、繰り返しになって恐縮でございますけれども、私どもとしては、今後とも東京都が、ただいま申し上げた五会派の共同修正案あるいは都知事のお考え等におきましても、二信用組合の破綻による金融不安、あるいは預金者の保護に対してその責任を果たしていかれるということを信じておりますので、必ずしも直接的なお答えになりませんで恐縮でございますが、できるだけ早期に都において適切な処置がとられることを強く期待いたしたいということでございます。
○続訓弘君 今まで大蔵当局の衆議院なりあるいは参議院なりの御答弁では、この三者のスキームが崩れた場合、他の金融機関の協力は得られないかもしれない。あるいは報道等によりますと、もし仮に東京都が否決のままでフォローしないということになれば将来は株主代表訴訟等々が起こり得る可能性がある、こういうことまで報じられております。
 そうだとすれば、私はこの際、真剣に打開策を講じて都民あるいは都議会の理解を得られるような方策を講ずる必要があるのじゃないかと。私もずっと行政の責任者でおりました。そんなことから、十五日の本会議で私見を交えながら実は援言をしたわけであります。
 それは、もう大臣もお読みになっておられると思いますので、あるいはその席におられたのであえて申し上げませんけれども、三点にわたって私は提言を申し上げました。これがぎりぎりの最良策じゃないのかなと、こう思い浮かべながら、それが実際に都民の理解あるいは都議会の理解が得られるかどうかわかりませんけれども、そのくらいの気持ちを持ってこの問題に対応されればあるいは理解、協力が得られるのかな、こんな思いもございまして私は御質問申し上げたわけですけれども、先ほど申し上げたように、村山総理は問題意識すら持っておられないような答弁でございました。
 ついては、内閣の責任者の一員でもございます自治大臣からその辺のことを御答弁いただければと思います。お願い申し上げます。
○国務大臣(野中広務君) 今回の二つの信用組合の扱いにつきましては、委員が参議院本会議におきまして、都が政府に対して要望し続けておった財源拡充対策についてお話があったと思うわけでございます。一つは地方債の許可制度の問題であったと考えております。もう一つは地方道路譲与税の財源調整の廃止であったと考えておるところでございます。
 地方債の許可制度の問題につきましては、この委員会でそれぞれ御議論をいただいてまいったところでございますけれども、あのとき、私は委員の御質問をお伺いしながら、都がずっと地方債の許可制度の廃止をし続けてきたというようにお聞きをしたわけでございますけれども、地方六団体を初め東京都からは、地方債の許可制度の廃止について、昨年の九月の要望を含めてお申し出をいただいた経過はないわけでございます。
 ただ、再三答弁を申し上げておりますとおりに、地方債の許可のあり方につきましては、臨時行政改革推進審議会の答申あるいは地方制度調査会の答申等を踏まえ、また去る十二月に閣議決定されました地方分権の大綱方針等を踏まえまして、さらに発行手続の弾力化、簡素化に努めてまいりたいと考えておるわけでございます。究極には、先般山口委員にそれぞれ財政局長を含めてお答え申し上げましたように、地方分権が真に確立した場合には、私どももこういう問題を含めてその実効が上がるように努力をしてまいりたいと思っておるところでございます。
 もう一つは地方道路譲与税の財源調整の廃止だったと思うわけでございます。
 地方道路譲与税につきましては、地方交付税交付団体については、他の地方団体と比較いたしまして道路費に充て得る一般財源に余裕があるわけでございますので、そのことを考慮いたしまして、不交付団体である都道府県及び指定都市に対しましてはこれまで譲与制限を行ってきたところでございます。
 仮に不交付団体に対する譲与制限を今直ちに廃止または緩和をするといたしますと、財政力の乏しい他の交付団体の譲与税額を減少させ、ひいては地方交付税の配分にも影響を与えることとなりますので、地方道路譲与税の譲与制限の廃止または緩和につきましては慎重に検討を行っていく必要があると考えておるところでございます。
○続訓弘君 金融不安の解消その他、内閣がこの二信用組合の問題をめぐって大変難しい局面に立たされておる。しかも、都議会あるいは都民世論はそれに対してノーという答えを出した。そういう事態を踏まえて、しからばこの問題をどう解決するのか。その解決の方法としてこういう方法があるんじゃなかろうか、こう私はあえて提言をしたわけです。もう一点提言をしております。それは機関委任事務。信用組合は確かに機関委任事務ではあるけれども、信用組合の原点に立って、むしろこの際都道府県知事に全面移譲するという方法も考えられるんじゃなかろうか。この三点にわたって申し上げました。
 したがって、私は、内閣の責任者の一員である自治大臣の答弁は、ただいま貴重な提言をいただいたと、ただ現状では確かに難しい課題だと思うけれども検討してみる、このくらいのことがなぜ言えないのか。そうすることによって私はこの問題解決の曙光が見えるんじゃなかろうかなと。
 こんなことをあえて申し上げておりますのにかかわらず、単なる事務的な官僚の答弁を棒読みではこの問題の解決にならないなと大変経験豊かな自治大臣に期待をして御質問を申し上げたけれども、これでは都民なり都議会の協力は最後まで得られない、こう思います。
 重ねて御答弁を要求します。
○国務大臣(野中広務君) 今日のこの両信用組合の問題につきましては、委員御承知のとおり、国会におきましても証人喚問あるいは参考人招致も昨日行われたところでございます。さらに、二名の前理事長はそれぞれ東京地検、警視庁に告訴をされておるところでございます。
 こういう現状を踏まえまして、都議会におかれましても直ちにこの三百億を採択を下す、判断を下し得る状況にないということを示されまして、その上で、都の信用組合に対する機関委任事務の管理指導責任は非常に重く、信用組合の破綻による金融不安、預金者の保護に対しては、都の立場から責任を十分に果たしていかなければならない、こういうことを五会派共通の認識とされまして、補正予算案から信用組合経営対策費三百億を削除し、財調基金にお積みになったと私は経過を承知しておるわけでございます。
 したがいまして、都議会が結論として出されましてとられました措置は、機関委任事務としての都の立場を明確に示されながら下された判断であると思うわけでございます。第一義的にこれは公益上の必要を都議会そして知事もお認めの上の対処であったと考えておるわけでございまして、地方自治の本旨からいいましても、当該東京都及び東京都議会のあり方について尊重をしなければならないと考えるわけでございます。
 機関委任事務の問題につきましては、地方分権推進法を今お願いしておるところでございまして、この法案が成立をしていただきました暁は、分権推進のための委員会におきまして、それぞれ機関委任事務の合理化あるいは効率化、統廃合を含めてそれぞれ真剣な御論議をいただくわけでございますので、私どもはその成果を待って、機関委任事務がより地方の固有の事務として、そして特に信用組合は地域に根づいた中小企業の皆さんが出資をされ、そしてこれが金融を行ってきておるところでございますので、そういう点から考えますときに、今回信用組合のあるべき形を逸脱して行った金融機関があったからといって、地方で受けておる中小企業者、地域に密着した信用組合のあり方を我々は安易に国に返上するなどといった手段をとるべきでないと考えておる次第でございます。
 いずれにいたしましても、今日これだけの不安そして不信を呼んだ問題でございますので、国会及び都議会はもちろんのこと、私は、閣僚懇の発言として、都議会が参考人を招致しておるのに日程の調整がっかないなどといって真相究明に出ないことは遺憾であるという発言さえあえてしたわけでございますので、捜査当局を含めて真相解明が行われ、そしてさらに信用組合のあり方について都議会の意向が反映されることを期待しておる次第であります。
○続訓弘君 私は冒頭に本音の議論をお願いしたいと申し上げました。それは、今るる御説明申し上げましたように、国としては何としてもこのスキームを崩したくない、崩されては困る。そしてまた崩した場合には、せっかく全国の銀行団その他が協力をしているその協力に対して今度は代表訴訟等が起こり得る可能性もある、そういう意味ではこの東京都のスキームの参加拒否は困る、こういうのが私は実態ではないかと思うがゆえにるる申し上げております。
 もちろん、真相解明あるいは責任追及というのはこれはもう当然であります。その前提の上で行政としてどう解決をするのか。その解決策の一つとして私が提言申し上げましたけれども、なお貴重な御意見だとかあるいは貴重な提言だとか、そういうことが大臣の口から伺えないのが残念であります。
 今、大臣も申されました。きのうも小林委員からの指摘がございました。都議会が委員会として参考人の招致をお願いした。三人とも都合によって出席ができない、こう言われた。実は、都議会の勢力を見ますと六十九対五十八、当然賛成が多数であったはずであります。しかし、せっかく真相解明しようとしている都議会の要請に真摯にこたえてくれないということもあって、私は結果として実質否決という状況になったのではなかろうか。そういう意味で、今、大臣がお話しされましたように、真相解明への取り組みの姿勢が私は関係者に欠けていた、このことを残念に思います。
 しかしながら、先ほども申し上げましたように、この問題は何としても解決しなければならないテーマだと存じますので、都民と都議会が理解をし得る打開策をどこかで真剣に検討する必要があるんじゃなかろうかと。引き続きそういう打開策について真剣な御検討をお願い申し上げます。
 続いて、昨日も地方債の許可制度の問題について山口、小林両委員から御質問がございました。今、大臣からも私の質問に関連して御答弁がございました。この起債許可制度の問題は随分前から議論をされております。特に東京都にとっては、五十二年の美濃部知事時代、憲法に保障された地方自治にもとるということで起債訴訟して以来、ずっと一貫してこの主張をし続けております。
 確かに、地方六団体の中にはその要請がない、東京都からはそういう要請がないというようなことを大臣は今おっしゃいましたけれども、そうではない。常に都議会の委員会あるいは本会議で、せんだっても社会党の委員がこう質問をしておりますよという質問の趣旨を私は御披露申し上げたことがございます。事ほどさようにこの問題は都政の関心事でもございます。特に地方分権のうねりが高まっている昨今であります。何としても地方分権を進める上では私はこの問題は避けて通れないというふうに理解をしております。
 自治省が常に言われることは、なぜ起債許可制度を存続すべきなのかという理由の第一に、受け皿論の問題を常に言われます。しかし、当委員会あるいは地方分権及び規制緩和に関する特別委員会で参考人聴取したときも、参考人の皆様方は、受け皿は十分ございます、二百五十条の廃止は当然ですよ、ただしその過程で幾らかの工夫は必要かもしれません、総じてそういう議論がございました。ぜひこの問題についてはひとつ前向きで対応をしていただきたい、このことをこの際重ねて強く要望申し上げます。
 そこで、私は鈴木知事にこんな話を申し上げたことがございます。それは、知事、あなたが四期十六年の都政を全うされるに当たって、一つだけあなたに御注文したいことがありますと。それは、あなた自身がおつくりになった地方自治法をあなた自身が壊していけばあなたは不世出の地方自治の神様になりますよと、こんな話を申し上げました。君、そのことは何だと、こうおっしゃるから、起債の自由化の問題ですと。どうすればいいのかとおっしゃるから、それは都議会が議決をしたら予算どおりに実行すればいいんだと。きのう小林委員からも質問がございました。我が団体ではシンジケート団がしっかりしている、したがって金融機関の協力は得られると、こんな話がございました。東京都もまさにそのとおりであります。したがって、知事にお話を申し上げたときにも、シンジケート団はしっかりしている、この衆参両院の一致の議決もこれあり、また地方自治は昔と違って大変意識が高まっている、三千三百余団体もこれを願っていると思いますよ、ついてはぜひあなたの手でこの際それを実現するようにしたらどうですか、こういうお話を申し上げましたけれども、これに対しては具体的には答弁をされませんでした。
 しかし、都議会は、今申し上げましたように、全会派この問題に対して大変関心を持っております。したがって、先ほどの三百億円の処理と同じように、仮に都議会が二百五十条を事実上ないがしろにして事を進めよと、こう迫られ、執行機関もそのような決断をして地方債の自主発行をした場合に、自治省としてどんな制裁措置をとられるのか、この辺のことを伺いたいと存じます。
○政府委員(遠藤安彦君) 仮定のお話でございますので直截的な答えはなかなか難しかろうと存じますが、私どもは、法治国家の中で地方公共団体が法治国家の一員としてみずから法規を犯すような行為を行うということは少なくとも法律上予定をしていないというように思っております。
 また、事が東京都ということになれば、東京都の知事さんは全国の知事会の会長さんでもございますし、そういった意味からいえば三千三百の地方団体の代表者であるわけでありますので、そのような団体が法律上定められたことを破る、議会もそれに賛同するというようなことはなかなか考えられないというように思っておる次第であります。
 一般的に申し上げますと、地方債についての許可は現在法律で定められております。自治大臣または都道府県知事の許可を得て発行するということになっておるわけでありまして、法律上必要な許可を受けずに地方債を発行するということになれば、その行為は無効な行為であり、通常私どもが財政的に言っている言葉ではいわゆるやみ起債に該当する行為になるというように思っております。
○続訓弘君 実は都議会は、十五日の本会議のときにも私申し上げました、法律を守らなかったということはたくさんあるんです。例えば消費税の転嫁のときに八十二条例を改正しない限り六百一億円の消費税の転嫁はできなかった。にもかかわらず、ここに佐野さんがおられますけれども、それをやらなかった。そして、一般会計が全部負担をしてしまった。事実上法律を守らなかった、そういうことはたくさんございます。
 特に、地方自治の先導者は我々だ、そういう意識が都議会にあるわけです。したがって、都議会の場合は、政府・与党の言うことに対してつむじも曲げられるのが都議会自民党であります。今、地方自治の先ほど申し上げた大きなうねりの中で東京都が先導的な役割を果たそうといって決起をされたときに、私はこういうことは起こり得るんじゃなかろうかと。それだとするならば、例えば不交付団体に対してはどういう手だてをするのか。ただ二百五十条を盾にとって、全国一律にこの許可制度を発動しておられるのがいかがなものかなと。質問をすれば常に、この問題はだめなんですと、こう言い続けておられます。
 それに対して都議会が決然と立って、全国三千三百余の団体のためにという決意をされたときに、今、法律違反だと、なるがゆえに起債はできないんだと、こういう感じのことをおっしゃいましたけれども、シンジケート団は二十一のシンジケート団がちゃんとできております。私は可能性があると。また、今のような力を持ってすれば当然その事態が起こり得る。
 かつて五十二年のときに、私はちゃんとした条例を提案いたしました。その条例はどんな条例か生言えば、やはり地方財政法第五条に該当するような事案の場合には地方債は起こし得るんだと。ただし、その歯どめのこともちゃんと条例案に提言しております用地方自治体がどんな事業に起債ができ、そしてどの辺までの歯どめをかけ、都議会がどういうふうに関与し、都民がどういうふうに関与するかということまで条例をちゃんとつくって実は起債訴訟に臨んだわけでありますけれども、そういうことを私は自主的にし得るのは都議会ではなかろうか、こんなふうに思います。
 そこで、そういう事態にならないように、やはりこの際、起債許可制度の問題について私は一定の前向きの姿勢をとっていただきたい、こんなふうに思います。
 重ねて御答弁を願います。
○国務大臣(野中広務君) 先ほど続委員と鈴木東京都知事のお話を承りながら、さすが全国知事会長をおやりになり長い地方自治の道を赤まれた鈴木知事であったなと私は感銘を深くした次第であります。
 おっしゃるように、全国三千数百に上る地方公共団体があります。東京都のような財政力のあるところはまれに見るところでありまして、私ども、財政力の弱いあるいはシンジケートを十分発揮することができない、そういう地方公共団体を考えますときに、今直ちに委員がおっしゃるような方向へ行くことは不可能であるし、恐らく法治国家において、先ほど局長が申し上げましたように、国家権力の一端を担う地方公共団体あるいはその議会がみずから法を犯すようなことは、私は特に全国のトップにある東京都あるいは東京都議会がやられることはないと思うのであります。
 先ほど例に出されました消費税の転嫁の問題は、あれは東京都が恐らく東京都の予算の中でそれを負担されたということであって、消費税の転嫁を行われなかったということであると私自身理解をしておりますので、今回のこの法を犯してまで起債を行うということとは別であると思うのでございまして、一般論としては法はあくまで遵守されるべきであり、犯した場合は法律違反であるというこの限界を超えることは私はできないと思います。
 ただ、私どもはできるだけ地方分権が推進をされて、そしてそれぞれ、今、続委員が言われるような能力のある地方公共団体がつくられるようなそういう分権の姿を見出し、また地方債の許可のあり方が見直されるような時期が一日も早く来ることを願っておる次第であります。
○続訓弘君 この問題は常にかみ合いません。
 しかし、いずれにしても私は、衆参両院一致の地方分権の流れ、それは国民世論として定着して、そして何としてもそういう地方自治の本当の姿を実現しなければならない。そのためには、起債許可制度の問題を含めて一連の財政問題あるいは権限の問題等々が問題になってくる、そういう意味では自治省当局が先頭に立ってこの問題の解決に本腰を入れて取り組まれることを重ねて要望申し上げます。
 そこで、固定資産税の問題について御質問申し上げます。
 平成六年度の固定資産税の土地評価がえは、公的土地評価の均衡化、適正化を図る一環として平成五年一月一日の地価公示価格の七割を目標に行われました結果、固定資産税の評価額は全国平均で三倍強に上昇いたしました。翌年の平成六年の一月一日の地価公示価格では、いわゆる大都市の都心部、商業地を中心として、今度は逆に三割を超える地価の下落がございました。そこで固定資産税評価額が地価公示価格を上回るという、いわゆる逆転現象が発生したわけであり、これに対して大都市を中心に全国から何と一万九千四百余件の苦情が寄せられたと、こういうことを伺っております。
 そこで、東京、大阪を中心とする大都市からは、自治省に対して臨時特例措置を講じてほしい、こんな要請をしたというふうに聞いておりますけれども、その働きかけの内容、それに対して自治省当局がどんな検討をされたのか、その検討経緯について伺います。
○政府委員(佐野徹治君) 平成六年度の固定資産税におきます土地の評価がえに関連をいたしまして、今お話がございましたように、東京都だとかそれから大阪府だとか、そういった大都市部の団体、議会、そういった方面から評価がえ前後の急激な地価の下落に対応した何らかの臨時的な特例措置、これが必要であるという要望をいただいております。
 私ども自治省といたしましても、こうした各団体からの要望等も踏まえましていろいろ検討いたしました結果、現下の地価の下落の大きさにかんがみまして、やはり税負担につきまして何らかの配慮を行うことが適当である、こういう考え方のもとに今回臨時的な課税標準の特例措置を導入することといたしたものでございます。
○続訓弘君 今回この臨時的な調整措置が講じられることになった背景には、固定資産税評価額が地価公示価格を上回るといういわゆる逆転現象に対応することがその主な理由だと思いますけれども、納税者にわかりやすくするのであるならば、固定資産税の評価額を見直す、こういうことを私はやるべきではなかったのかなと。すなわち、臨時的な評価がえを行って、それでちゃんとした納税者に理解が得られるような方途を考えみ必要があったんじゃなかろうかなと。ただ、時間的な制約もあってそれはなかなか難しい、このことは理解できますけれども、そういうことも考えられてしかるべきではなかったのかと。
 しからば、平成九年度に行う評価がえにはこういう状況を踏まえてちゃんとした評価をされるのかどうなのか、その点をお伺いいたします。
○政府委員(佐野徹治君) まず、現行の固定資産税におきます評価制度につきまして若干御説明をいたしたいと思いますけれども、現行の評価制度は課税関係の安定だとか課税事務の簡素化だとか、こういった観点から評価額は三年間据え置くというようにされております。
 御指摘のように、こういった状況に対応いたしまして臨時的に評価を見直すかどうか、こういった問題につきましては私どももいろいろ検討はさせていただいたわけでございますけれども、やはり固定資産税の評価というのは、これはやはり全国的な均衡を図りながら行っております。したがいまして、地価の下落を理由にその一部の地域のみにつきまして評価の見直しを行うというのは、やはり評価の全体の均衡を崩して適当ではないというような考え方でございました。
 また、土地は全国で約一億七千万筆余りございます。これを全国的にやはり見直しということになりますと、時間的にもまた費用的にも非常に膨大なものとなるわけでございます。一方で、既に平成九年度の評価がえに向けましての事務にそれぞれの各市町村におかれましては着手をしておる現状である。こういった点から臨時的な評価がえの見直しというのは困難であるという判断に達したわけでございます。
 ただ、今御指摘ございましたように、大都市圏を中心に地価の下落がやはり相当ございますので、そういった点につきましては、やはり何らかの負担の軽減という点につきまして配慮をする必要があるというように考えまして、先ほど申し上げましたように、臨時的な課税標準の特例措置を導入することといたしたところでございます。
 具体的に申し上げますと、一般的に評価の上昇の大きい土地ほど地価の下落も大きい、こういった傾向がうかがえましたので、課税標準につきまして評価上昇の程度に応じて段階的に引き下げ、税負担の増加をさらに緩和する、こういうことでこのたびの国会に地方税法の改正案を提案させていただいておるところでございます。
 なお、平成九年度の評価がえのお話が出ましたが、それぞれ各市町村におきましてはこの平成九年度の評価がえに向けまして準備作業に入っておるところでございます。平成九年度の評価がえにおきましても平成六年度と同様に、土地基本法等の趣旨も踏まえまして、引き続き地価公示価格の七割程度を目標に土地評価の均衡化、適正化を図ってまいりたいと考えておるところでございます。
○続訓弘君 それでは、今回の臨時的な調整措置を講ずることによりまして、税負担はどれほど軽減されるのか、大都市と地方における具体的な事例を示していただきたい。
○政府委員(佐野徹治君) 先ほど申し上げましたように、評価の上昇の程度に応じまして段階的に課税標準額の引き下げを行うというのが今回の臨時的な特例措置の考え方でございます。
 例えば、年率一五%増加する予定でございました土地はその増加率が半分の七・五%に低下をいたします。また、年率一〇%、七・五%で増加する予定でありました土地はそれぞれ七・五%、五%の増加率に低下することとなるわけでございます。その結果、住宅用地、非住宅用地、それぞれにつきまして負担調整率七・五%までのところにほぼ一〇〇%と申し上げてもいいんじゃないかと思います。非住宅の方は九九%でございますけれども、ほぼ一〇〇%の土地が負担調整率が七・五%以下のところに入るわけでございます。
 なお、具体的に大都市と地方におきまして、それぞれ税負担がどの程度下がるのかというお話でございますけれども、これにつきましてはそれぞれその土地の位置だとか利用状況だとか従前の評価水準だとか、それぞれ個々の違い、事情がございますので一概に論ずることは困難でございますけれども、概して申し上げますと、地価の下落傾向の大きい大都市部におきましては評価上昇割合が高いという傾向が見受けられますので、こういうところでは負担調整率が半減する土地が多いと見込まれるわけでございます。したがいまして、今回の臨時的な特例措置の効果は地方部よりも大都市部において顕著であるというように認識をいたしております。
○続訓弘君 平成七年度と平成八年度に限って講じられる臨時的な調整措置により全国の市町村ではどれほどの減収となるのか、平成七年度と平成八年度のそれぞれについて数字を示してもらいたい。また、このうちいわゆる大都市における減収額はどれくらいなのか、これもあわせてお伺いいたします。
○政府委員(佐野徹治君) 今回の臨時的な課税標準の特例措置によりまして、平成七年度におきましては固定資産税と都市計画税を合わせまして約一千百二十億円の負担の軽減を見込んでおります。なお、平成八年度につきましては、具体的な試算はいたしておりませんけれども、今回の措置を講じない場合に比べますと、大ざっぱに平成七年度の倍程度、すなわち二千億円を上回る負担の軽減が見込まれるところでございます。
 減収額のうち多くは、今回の特例の性質上、評価上昇が大きく、かつ地価下落の著しい大都市部に集中するというように見込んでおるところでございますが、そのうち東京都と大阪府下の市町村てほぼ四割を占めると試算をいたしております。
○続訓弘君 乱高下のある地価公示価格を固定資産税の評価の指標等に用いることは、本来安定的であるべき市町村の財政基準をなす固定資産税そのものが不安定になるのではないか、こういうふうに私は思います。
 そこで、地価公示価格を指標とすることを改めて、収益還元法を取り入れるなど評価方法の見直しをする必要があるのではなかろうか、この辺のことをどう考えておられるのか伺います。
○政府委員(佐野徹治君) 先ほど来お答え申し上げておりますように、平成六年度の土地の評価がえからは、土地基本法に定めます公的な土地評価相互の均衡と適正化、こういった趣旨に即しまして地価公示価格の一定割合をめどに固定資産税の土地の評価を行うことといたしたところでございます。
 現行の固定資産税におきます土地の評価につきましては、昭和三十年代に調査会の答申がございまして、この答申によりまして売買実例価額から求められる正常売買価格に基づいて適正な時価を評定する、こういう方法によっておるところでございまして、この考え方は平成六年度の土地の評価がえにおきましても採用しておるところでございます。
 逆に申し上げますと、平成六年度になりまして新たな土地の評価がえの方式を採用したのではなくて、昭和三十年代から調査会の答申に基づきまして一貫して同じ考え方の土地の評価方法を取り入れているということでございます。
 ただ、御案内のとおり、固定資産税というのは固定資産を持っておるということを前提といたしまして毎年経常的に課される税でございます。そういった点から申し上げますと、やはり負担の面につきましてはいろんな角度から考えていかないといけないという立場に立っておりまして、従前からもそういう措置をとらせていただいておりますけれども、特に平成六年度の土地の評価がえに際しましてはいろんな観点から負担の調整措置、負担面の配慮をさせていただいておるところでございます。
 こういう措置を従前からとってきておりますことと相まちまして、固定資産税の収入につきましては従来から非常に安定的に推移をしてきております。その年によりまして固定資産税が著しくふえたり減ったりというような形ではなくて、大体少しずつふえてきておる、こういう安定的な税収入を見る税の性格でございまして、こういった措置を従前から講じておるということも踏まえまして、平成九年度の評価がえにおきましても平成六年度の考え方を踏襲してまいるのが適当ではなかろうかというように考えております。
○続訓弘君 それでは最後になりますけれども、課税自主権の問題についてお尋ね申し上げます。
 地方分権に関連をして財政自主権、これは重要な課題であります。特に、税の問題についてもそうでありますけれども、法定外普通税の新設、変更に際して自治大臣の許可が必要であると、こう明示されてございますけれども、この際それを廃止する考え方はないのかそしてまた制限税率も同様の観点から私は廃止すべきじゃないかと。さらに、普通税の税率が標準税率未満である団体には地方債の許可が得られません。制限をされる。
 そこで、これも私は廃止すべきじゃないか、こんなふうに思いますけれども、大臣の前向きの所見をお伺いして、私の質問を終わります。
○政府委員(佐野徹治君) まず、法定外普通税の関係でございますけれども、この制度は地方団体の課税自主権を尊重する、こういった立場から、それぞれの地方団体におきまして必要とされる財政事情がございます場合には、住民の方々の理解と協力を得て通常以上の税負担を求めることができると、こういう制度でございます。
 御案内のとおり、この制度につきましては国の許可制になっておりますけれども、これを許可制といたしております理由は、やはり法定外普通税と申しますと通常以上の税負担を求めることになるわけでございますから、国、地方を通ずる税源配分、それから国民全体の税負担の均衡、それから国だとか他の地方団体に対する影響、それから国の経済政策への配慮、こういった国全体の立場からのいろんな要請の問題と、一方では地方団体の課税自主権、この調整を図るために設けられている制度でございまして、私どもはやはりこの制度はそれなりの意義を持っておるものというように考えておる次第でございます。
 ただ、許可制にはなっておりますけれども、法定要件を満たす場合には自治大臣は許可しなければならない、こういうように法律でも定められておりまして、地方団体の自主性を配慮した制度となっております。
 私ども自治省といたしましては、この問題につきましては、それぞれの地方団体がこの法定外普通税制度を積極的に活用したいと、こういうお考えでございますれば、十分にその考え方を尊重してまいりまして、運用に当たりましても適切に対応してまいりたいと考えております。
 それから次に、制限税率にかかわる問題でございます。
 地方税法では、税目の性格だとか役割に応じまして標準税率、一定税率とをそれぞれ定めておるところでございます。超過課税につきましては、制限税率の範囲内でございますれば、標準税率によらず地方団体が自主的にその税率を定めることができるというようにされておるわけでございます。
 この制限税率の定めにつきましては、法定外普通税と同様に通常以上の税負担を求めるというものでございますから、先ほど法定外普通税のところで御説明を申し上げましたように、やはり国全体からのいろんな要請の問題がございます。一方では、地方団体の課税自主権の問題がございますので、その調整を図るために設けられておるものであるというように理解をいたしておりまして、やはりそれ相当の制度の意義というのがあるように考えておるところでございます。
 したがいまして、法定外普通税、制限税率それぞれの制度につきましては、やはり今後ともこの制度は維持させていただきたいと思いますけれども、運用に当たりましては適切に対応してまいりたいと考えております。
○政府委員(遠藤安彦君) 標準税率未満である団体の地方債の発行制限について考え直したらどうかという御質問でございます。
 地方団体の歳出は、地方債以外の歳入をもってその財源とするという原則が一つあるわけでありますが、標準的な税負担を確保するということを前提としまして、公共施設等の整備のための経費についてその財源を地方債に求めることができるということとなっておるわけであります。
 この趣旨でありますけれども、地方債というのは後年度に税収入の中からその元利を償還していくといういわゆる借金という性格を持っているわけでありますから、地方債に財源を求める場合はその前提として通常当然確保すべき財源を確保している、そのことが財政の健全性の確保、それから世代間の負担の公平の確保の見地から必要だという考え方に基づいているものであります。現在の首長さんが税負担の著しい軽減を独自におやりになって、その足りない部分を地方債で埋め、後年度の住民がその元利償還のための税負担をするというのは、やはり世代間の負担の著しい不均衡ということになるわけでありますので、こういった原則ができていることを御理解いただきたいと思います。
○有働正治君 資料配付をお願いいたします。
   〔資料配付〕
○有働正治君 私は、防災体制の中で消防力設備の整備などをめぐって質問したいと思います。
 一つは、消防ポンプ車やはしご車など消防設備の補助基準額等をめぐっての問題であります。
 まず、大臣の基本姿勢をちょっとお尋ねしたいのでありますが、今回の大震災の教訓から見まして、この消防ポンプ車、はしご革等々の設備の充実、補助基準額の引き上げなどを含めて積極的に対応していただきたいということは、被災地はもとよりのこと、全国の自治体の共通した大きな要望となっているわけであります。そういう点で、大臣としてこういう要請に対してどう対応されるか、基本姿勢をまずお伺いしたいのであります。
○国務大臣(野中広務君) 委員お尋ねの趣旨は、補助基準額が実際の購入価格よりも低いというお考えの上で、消防施設あるいは設備の補助基準額について契約実績やら物価の情勢、実情等を考慮して決定するようにという御意見だと思うわけでございます。
 平成七年度の予算におきましても、基本的な消防施設や設備につきまして、あるいは設備のある防火水槽につきましては、平成六年度の一七%に対しまして一四・八%の単価アップを行ったのでございます。これは十年間据え置かれたものを今回単価アップをすることにしたものでございます。消防ポンプ自動車につきましても、平成六年度の八・二%に引き続き七年度七・四%の単価アップを行いまして、補助基準額が実勢価格に見合ったものになるように努めてきておるところでありまして、今回の阪神・淡路大震災の経験をも踏まえまして、全国的な消防施設整備あるいは防火水槽等を含めてさらに改善努力をしてまいりたいと考えております。
○有働正治君 今、資料をお配りいたしましたけれども、それは実際に各自治体で購入された額が幾らであるのか、関係自治体からいただいた資料です。それぞれの機種の該当購入年度の国の補助基準額が幾らであるのか、それぞれについて補助率が決まっているわけでありますから、その補助率に基づいて国から支給される補助額というのは実際問題としてどうなのかというのを資料として作成したものであります。
 例えば九三年度、浦和の場合に、CDI型ポンプ車、浦和市が購入した金額は九百六十三万円でありますが、国のこの年度の補助基準額は七百六十九万円。補助率が十分の四でありますが、実際は三百八万円で、実際の購入額から見た補助額の比率を見ますと三二%ということであると。つまり、十分の四という補助率ではありますけれども、実態はこういう状況だというものであります。
 同じように東大阪を見ますと、一千八百五十二万の購入額、これはIB型水槽ポンプ車でありますが、それが基準額が千百六十九万で、実際上支給されるのは三百八十九万円で二一%に当たるというものであります。
 以下、浦安、富田林、川崎、福岡、名古屋、新潟等からいただいた資料で見てみたものであります。
 この資料を見られまして、大臣、今確かに、私も当委員会で何回かごの問題を質問し、政府も改善を図るとおっしゃられ、一定の改善をされてきたことは当然のことながら承知しています。承知していますが、また今年度も一定引き上げられた、前年度も一定引き上げられたことも承知しています。けれども、このグラフ、資料をごらんになられればはっきりいたしますように、購入額と国の基準額の間にはかなりの格差があるという実態。(「低いな」と呼ぶ者あり)
 今、非常に額が低いという委員の声も聞こえているわけでありますが、大臣、これをごらんになって、相当努力しなくちゃいかぬと思うのかどうか、あるいは感想、いかがでありましょうか。
○国務大臣(野中広務君) 私自身具体的に個別にそれぞれの自治体に当たったわけでございませんので、委員がお示しになった表のような状態であるとするならば、まだまだ私どもは努力をしていかなくてはならないと考えるわけでございます。ただ、委員御承知のように、それぞれ積雪寒冷地域における特殊の艤装とかあるいは四輪操舵等につきましても補助基準額を加算する等の努力を特に施してきておるわけでございます。
 ただ、実際に購入する際には、私どもそれぞれ市町村の実情も若干知っておりますけれども、それぞれ消防本部、消防団等によりまして特殊の艤装をやるところもあるわけでございまして、業者の方もまたそれを推進、推奨される向きもなしとしませんので、そこまではこの補助が満たされることではないと考えておるわけでございますが、しかしより改善に努力をするべきだと存じております。
○有働正治君 首都圏のある自治体消防本部の責任ある担当者に、なぜこういうふうに乖離しているかということを私も直接聞いてみました。結論から言いまして、やはり基準額が低過ぎて実態に合っていないということを申しておられたわけであります。その責任ある担当者は、次のように言っていたわけであります。
 つまり、自治体が発注、購入する場合は、専門の業者がメーカー、例えばいすゞならいすゞ自動車からシャーシー、車の台車を仕入れて消防車両に部品を取りつけて改造して仕上げていく、今、大臣も言われたように、専門的に言えば艤装するということになるわけであります。ところが、この国の基準額では個々の装備について算定したものとは言えなくて、単にメーカーの車体にポンプ車をつけて配管し、パイプから水をホースで放水できる程度しか考えられていないので実用性に合わない、実態に合わないと。それでは本当に有効な消防ポンプ自動車等々が実際上はできないと。ここのところを地方自治体、我々当事者として、国民の生命、財産を守る者として、私どもは私どもとして自治体として努力すると。しかし、そこのところはもう少し考えていただけないだろうか、余りにも実態に合わないということを訴えられるわけであります。
 艤装には必要な指揮台の設置や消防職員の安全、これはもう命にかかわるわけであります、それを考慮した装備の配置などとともに、消火や救助に最低限の装置をつけ実用的なものを、実際生かされるものを発注する必要があるわけであります。決して自分たちは余分なものを装備してはいないと、必要最小限、自治体財政も大変です、だから私どももそういう点では最低のものとしてそういうことで装備しているんですということをこもごも訴えて、具体的に私は説明を受けたわけであります。したがって、艤装の場合も特別に何か余分なものをやっていると、それは自治体によって若干のアンバランスはあるでしょう、あるでしょうけれども、自治体の方々は地方財政の状況にかんがみましてそういう状況にはないということもおっしゃっていたわけであります。
 したがいまして、国の基準額は実用的な装備、装置の個々の算定を現実的な価格で積み上げて実際の購入額にするよう、その点で改善を求めたいというのが共通した要望でありますので、大臣、重ねて御見解を求めます。
○政府委員(滝実君) おっしゃるように、個人がマイカーを買う場合とは異にするだろうと思うのでございます。やはりこういう近代技術を駆使したものがどんどん出てまいりますので、どうしてもそういうような照会を受けますと当事者としてはできるだけ近代的な装備にしたいと、こういうような意欲をお持ちになりまして、当然のことながらそういうものは長年やってきております基準単価には合わない、こういうようなことは私どもも認識をいたしております。
 ただ、合おっしゃいますように、やはりそれは個人のマイカーと違いまして、それなりの近代化あるいは省力化、迅速化、こういうようなことを現場でもってそれなりに御判断をされて新しい艤装を取り入れていく、こういうようなことだろうと思いますので、私どももそういうような観点からさらにこの問題については実際の経費について十分に検討してまいりたいと存じます。
○有働正治君 大臣、実態に合うように、今、消防庁長官もおっしゃられたから、そういう点でぜひ先ほどの答弁を踏まえて対応していただきたい。
 この補助基準額が低いという問題との関連で、飲料水兼用の百トン貯水槽の補助基準額の問題をちょっとお尋ねいたしますけれども、補助基準額は今幾らでありますか。
○政府委員(滝実君) 耐震性貯水槽の基準額は千二百九十万円、それから飲料水兼用型としたものが三千百八十二万四千円、こういうように私どもは基準にいたしております。
○有働正治君 約三千二百万円弱が飲料水兼用の場合だということです。
 私、危惧されています東海地震とのかかわりで静岡市当局の御案内で現場も見てきました。この百トン貯水槽、飲料水兼用というのは文字どおり飲料水兼用でありますから、普通の水道水から引いた生きた水であるわけであります。水道管から引いて直径二・六メートル、管の長さ二十メートルの大きな貯水槽として使われています。地震で水道管が破損しますと水圧の関係で安全弁が自動的に閉まって、百トンの水というのはばっとその時点で確保される仕組みになっているわけであります。
 したがいまして、これを飲み水として使う場合には、一日一人三リットルとして一万一千人の三日分に相当するという説明でありました。消火用としても使え、すぐわきの倉庫にポンプ車等も置かれ、訓練等もそこでは行われているという状況でありました。これが今回の震災との関係で、大都市はもとより全国的に拡充が求められるという状況になっているわけであります。
 補助基準額が三千二百万円弱であります。これも一定この間引き上げられてきたと、そのことは私も承知しています。しかし、私が現場で見たこの百トン水槽というのは、実際上幾らかかったかと聞きますと、六千六百万円かかったという説明でありました。仮に六千万円といたしますと、政府の補助基準額三千二百万円弱というのはほぼ半分にしかならないわけです。そして、実際に自治体に出される補助というのは補助基準額の二分の一でありますから、六千万円という実際に要した費用から見ますと約千六百万円ということになるわけであります。
 したがって、今回の兵庫の教訓にかんがみましても、この百トン貯水槽整備というのは、自治大臣もこれまで非常に重要だということを述べられたことを私も承知していますけれども、補助基準額を含めまして、大臣、ひとつこの点でも改善を図るという決意、積極的な対応を求めるわけであります。
○政府委員(滝実君) この問題は、先ほどの自動車関係の艤装費の問題と異なりまして、大変私どもとしてもこれは説明しにくい要素もあるのでございますけれども、基本は、どうしても地盤とかそういうような個別の問題が入ってまいりますものですから、この問題はどうしてもそういうようなものが結果的には出てくる、こういう要素が出てまいります。
 私どもは、そうは申しましても、そういうような特殊的な特殊事情を除いて本当のところどうだろうかということにつきましては十分検討をしてまいりたいと存じております。
○有働正治君 大臣、この問題は非常に大臣も積極的に答弁された経緯もあるやに衆議院段階で聞いていますけれども、いかがでありますか。一言だけ。
○国務大臣(野中広務君) 組織のトップの長官が申し上げておりますので、組織として私は充実強化されるものと信じております。
○有働正治君 大臣として対応していただきたい。
 次に、補助率の問題でありますが、この表でもありますように、それぞれについて三分の一、十分の四等が補助率として決まっているわけであります。
 設備に対する補助率が一般分は三分の一、人口急増分は十分の四、地震強化分は二分の一、科学分は三分の一等々になっているわけでありますが、公共事業の中で道路に関する直轄事業負担金というのは三分の二なんです。港湾建設事業(重要港湾の防波堤、係留施設等)は十分の六なわけです。というふうに少なくとも二分の一というふうに道路はありますし、道路に関する直轄事業は三分の二、河川、海岸も二分の一というように補助率が非常に高いというのが実情であります。
 もちろん、消防の場合も過疎、離島あるいは地域改善分、沖縄分など、一定の特別の措置がとられていることを私も承知していますが、公共事業費に比べ大半のところで補助率が低いというのもやはり事実であるわけでありまして、この設備の拡充を図る上で補助率の引き上げについても検討していただきたいということを要望するわけであります。いかがでありますか。
○政府委員(滝実君) 確かに、消防関係の国庫補助率につきましては、港湾とかそういうような公共事業の補助率との違いがございます。これはむしろ財政局長の方から御答弁申し上げる方がいいのかもしれませんけれども、基本的にはやはり消防施設というのは当該団体の基本的な事業でございますので、そういう意味において私は国庫補助率はそれなりに設定されていると。例えば学校とか保育所とかそういうようなものと大体横並び、こういうように私どもとしては理解をいたしております。
 ただ、その裏につきましては、当然のことながらこれらにつきましては交付税等でもってきちんとしたものがあるわけでございますので、国としてその地域固有の問題についてはやはりそれなりの横並びの配慮があるのだろう、こういうようなことを私どもとしては基本的に思っているわけでございます。
 ただ、そうは申しましても、やはりその地域だけでは過大になる、こういうものについては、お述べになりましたように、過疎とか離島とかあるいはその他特定地域については他の補助事業との関係で補助率の引き上げがなされている、こういうようなことが基本にございまして、そういうような長い間の補助制度の経緯というようなことを踏まえますと、なかなかそういう意味では補助率の引き上げそのものは簡単にいかない問題ではないのかな、こういうようなことを申し上げざるを得ないのかな、こういうふうに思っているわけでございます。
○有働正治君 消防庁長官がそういう状況じゃ困るんです。今回の震災の教訓にかんがみて改善を図るという方向でやるべきだと。道路その他から見ても低いんですよ。そのことを私は問題にしているわけで、そういう姿勢では先が思いやられる点もあるということをはっきり指摘しておきます。
 次の点について、防災無線も補助率との関係でお尋ねします。
 整備状況ですが、衛星系で設置したのは何県で残りは何県が。市町村防災行政無線で同報無線、移動系無線は全国三千二百五十八のうち幾つ設置しているか、結論だけ簡潔にお述べいただきたいと思います。
○政府委員(滝実君) 衛星系の防災無線設置都道府県は二十二部県でございます。それから、市町村の同報系無線、これにつきましては設置市町村が千七百四十五、それから移動系無線が二千五百四十七、こういう団体が整備済みでございます。
○有働正治君 同報系の設置はパーセントで言いますと五四%にとどまっている。移動系は七八%です。衛星系は二十二県ですから、残りの方が多いという状況であります。
 次に、政令市の中で同報系無線の未整備の都市の名前を挙げていただきたい。
○政府委員(滝実君) 政令市の中で同報無線を設置していない市でございますけれども、仙台、横浜、名古屋、京都、神戸、福岡、北九州、合計七都市でございます。
○有働正治君 やはり政令市の中でも未整備の都市が随分あるというのが実態であります。今おっしゃられたように、神戸も入っていたわけであります。避難所となっているところなどに設置していれば、行政側の情報等を含めましてもっと対応できることになるわけであります。
 いま一つ尋ねますが、市町村防災行政無線の補助金について、政令指定分と市町村分、補助率というのは幾らなのか。結論だけ。
○政府委員(滝実君) 補助率、基本的には三分の一、こういうことでございます。そういうものも限度額がございますけれども三分の一、こういうふうに申し上げたいと存じます。
○有働正治君 つまり、県で行う衛星系防災無線も全県にこれが整備されていくにはこのままでは恐らく十年以上はかかるんじゃないかということであります。着手している県もあるやに聞いていますけれども、このままではそういう状況が危惧されるわけであります。市町村の同報無線の場合は五四%でやっと半分で、これまたこのままの推移でいきますと十年から二十年はかかるんじゃないかということが指摘されているわけであります。これでは世界からも地震に弱い日本という形で汚名を着せ続けられかねないということであります。
 こういう整備、もちろん自治体の問題でありますけれども、同時に国としても補助率の引き上げなどを含めまして必要な援助、対応を改善して積極的に対応していただきたいと思うわけでありますが、いかがでありましょうか。
○政府委員(滝実君) 無線に関しましては、基本的には国庫補助金の分と、それから防災まちづくり事業ということで起債で、地域総合整備事業債を導入いたしまして財政力に応じて交付税でその償還財源を措置する、こういうものとがございます。
 私どももこの問題については、特にこれは国庫補助事業もございますから、それはそれなりにやってまいっているわけでございますけれども、もともと防災まちづくり事業にふさわしい事業ということもございまして、今後の問題としてはやはりこちらの方に力を入れてやっていくべきだろうというふうに思っております。現在、平成六年度で比較いたしますと、防災まちつくり事業での事業費は百二十六億、それに対して国庫補助事業の方は七十二億でございまして、基本的に私どもは防災まちづくり事業の方に力を入れる、こういう格好で整備を推進する、こういうことがいいんだろうと思っております。
 交付税の償還財源も、財政力に応じておりますけれども三〇%ないし五五%でございますから、団体によってそれほど国庫補助事業との問題で差があるというよりはむしろ有利な面が多い、こういうこともございまして、私どもはそういう格好で速やかな整備を促進してまいりたいと存じております。
○有働正治君 やはり十年、二十年かかるだろうという点を考慮した対応を求めておきます。
 最後に大臣に、やはり消防防災、これに関連します国の全体の予算額の問題です。その拡充が求められているわけでありまして、そういう点で積極的な対応を求めるわけであります。大臣の答弁を求めたいと思います。
○国務大臣(野中広務君) 住民の生命、身体、財産を守る消防防災施設等の整備に関する経費につきましては、それぞれ御指摘のように今後とも十分配慮してまいらなくてはならないと存じております。
 平成七年の御審議をいただいております予算におきましても、その補助金につきましては政府の一般歳出を上回る伸びを示しておるところでございます。また、六年度の第二次補正におきましても、被災地域の要望を踏まえまして高率補助で予算を計上したところでございます。
 今後、先ほど消防庁長官が申しましたように、防災まちづくり事業等を含めまして、さらに今回の震災の数々の教訓を生かしながら消防防災施設の整備拡充のために努力をしてまいりたいと存じます。
○有働正治君 終わります。
○西川潔君 本日は最初に救急用のオートバイについてお伺いしたいと思います。
 このたびの阪神・淡路大震災では、道路の機能が失われまして消防自動車の到着が大変おくれた、あるいは救急革が渋滞に巻き込まれ思うように傷病者の搬送ができなかった、そういうことを反省点といたしまして交通規制のあり方等々に対する議論が予算委員会などでも行われたわけですけれども、おさらいの意味も込めまして、このたびの震災を教訓といたしましてどのような課題が現時点で明らかになっているのかを自治大臣にまずお伺いしたいと思います。
○国務大臣(野中広務君) 震災の初動において、それぞれ神戸市あるいは兵庫県関係市職員が被災者でありましたこと、あるいは警察、消防におきましても、道路が崩壊し、みずからの家屋が崩壊し犠牲者を出したということ、こういういろんな問題が重なりまして、また被災者の救援、救護、救出に多くの手をとられましたために交通の規制等に直ちに対応できなかったことは、私どもも結果的に多くの教訓として残っておる次第でございます。当初、道路交通が大変渋滞をした結果、また応援体制に影響を与えることにもなったわけでございます。
 そういう点でオートバイの活用ということを御指摘になったわけでございます。オートバイは、御承知のように、人が交通状況の悪条件の中を目的地にはせ参じるには一番結果としてスピーディーに行動できるものでございます。その点では非常にいいわけでございますけれども、ほかに器具を積んだりあるいは人を乗せたりというわけにはなかなかできないものでございますので、消防等におきましては若干の消防本部等で医薬品の搬送とかあるいは情報の収集とか、こういうところで活用をしておるところでございます。人員とか資材の搬送にはなかなかオートバイを活用することは困難であるわけでございます。
 ただ、今回のオートバイの活用につきましては、警察といたしましては交通規制やパトカーによる緊急輸送の車両の先導等、非常に大きな機能を果たすことができたと存じておるわけでございます。今次災害に対しまして、白バイが入りまして、そして交通制限の問題やらあるいは広域交通の管理やらあるいは支援体制等に十分な機能を果たしたと考えるわけでございます。白バイは全国から約五十台、そしてその乗員を現地に特別派遣をいたしまして、兵庫県警の白バイとともに被災地におきます警戒活動あるいは交通対策に十分な機能を果たしたわけでございます。
 今後とも、白バイの持つ機動性やら高速性を十分に発揮するように、迅速、的確な警察活動に努めてまいりたいと考えておるところでございます。
○西川潔君 詳しく御丁寧に御答弁いただきましてありがとうございます。先日の予算委員会でも大臣の御答弁をお伺いいたしまして、そしてまた議事録も改めて読ませていただきました。
 私も何度となく被災地にも参りましたが、当初すぐにお知り合いの方にもオートバイを持って上がりました。大変喜ばれたわけですけれども、機能性、走破性というものを改めて強く認識させていただいたわけです。
 次に、震災直後に発生いたしました火災の消火作業につきましては、消火用ヘリコプターをめぐって議論が多くございました。
 私は、今回のこのオートバイの活躍を目の当たりにいたしまして、実は私は大阪の箕面市というところに住んでおりますが、「ビー ナイス キャンペーンクラブ」という箕面市登録のバイクボランティアの団体がございます。私は存じ上げなかったんですけれども御連絡をいただきまして、代表の釜崎さんという方ですが、せんだっても資料をいただいて、お電話でございますがお話をさせていただいて、ここへ資料も持ってきておりますが、たくさんの方々で被災地に参っております。
 学用品を失ってしまった子供たちにバイク輸送を使いまして避難所まで届ける、あるいは情報の収集、提供等、崩壊した市街地道路を走り抜けられる走破性、また停滞した道路の車の間をすり抜けていくコンパクト性を生かしまして、懸命なボランティア活動をたくさんの方が行っているわけですけれども、こういったお話をお伺いいたしますと、今回の救急業務におきまして救急のオートバイがもっといろんな意味で整備されればいいなというふうに思いました。そしてまた、相当な効果も発揮しておられるわけです。素人なりに、これをもう少しふやしていただきたいなと。
 そこで、早速消防庁に資料をいただきました。救急用オートバイが運用されているのは、現在、埼玉県に二台、東京都東久留米市に二台、全国で計四台ということをお伺いしたわけです。四台ではちょっと少ないのではないかなということを感じたわけですけれども、今の実情をお伺いしたいと思います。
○政府委員(滝実君) 現在、救急用のオートバイということで運用しておりますのは、御指摘のございましたように四台でございます。これにつきましては、警察庁におきまして政令を改正していただいて、要するに緊急車両ということでもって特別扱いをしていただくと、こういうことになっているわけでございます。その分が四台でございます。
 ただ、この四台では心細いということもございますけれども、このほかに震災対策ということもございまして、緊急車両ではございませんけれども、その他のオートバイはそれぞれの消防本部がそれなりに最近は整備をし出しておりまして、これは現有でございますけれども、例えば東京消防庁は七十七台、それから横浜市の消防局が九十六台。
 こういうふうに、要するに震災の際には多少瓦れきの山があっても何とかオートバイであれば情報収集に動ける、こういうようなこともございますものですから、特に瓦れきの山を克服できるようないわばモトクロス的なオートバイをそれぞれ配備しているというような傾向にございまして、私どもも今回の現場を考えますと、やはりそういった点でのオートバイというのは情報収集としては相当な威力を発揮できるというふうに考えております。したがって、単なる救急士を乗せたいわば救命救急用のオートバイ、いわゆる赤バイ、こういうふうに呼んでおりますけれども、赤バイ以外に震災用としてやはりこういうものを増強していくということの意味は大きいというふうに考えております。
○西川潔君 そうでございますか。東京に七十七台、横浜市に九十六台。こんなにたくさんあるとは本当に全然知りませんでした。存じ上げなくて申しわけないんですけれども、いただいた資料はそういうふうになっておりましたものですから。
 これは一台につきかなり高くつくものなんでしょうか。
○政府委員(滝実君) やはり普通の小さなオートバイよりも、今申しましたように、タイヤにモトクロス用のタイヤをつけるとかそういう瓦れきの山あるいはガラスの山も克服できるようなものは機材として整備する必要がございますから、普通のオートバイよりはそれなりに値段も高いというふうに私どもは理解しております。
○西川潔君 ぜひ全国的によろしくお願いしたいと思います。今回のこのオートバイの有効性かも見ましても、早急に救急用オートバイを全国的にふやしていただくとこれは本当にかなり安心をするのではないかなと。テレビの中継なども見ておりまして、自衛隊の方にもたくさんの、あれは何バイと呼んでいいんでしょうか、黒に近いオートバイが無線機を積んでかなり活動しておられたというのも報道でお見受けしたわけです。
 このオートバイの普及に関して大臣から言いただけたらと思いますが、いかがなものでしょう。
○国務大臣(野中広務君) 今、それぞれ消防庁長官から御説明を申し上げましたように、機動性のある救急オートバイ、あるいはその他震災時におきますオートバイが果たす役割は大きゅうございますので、今後とも消防本部において積極的に導入が行われるように十分配慮してまいりたいと考えております。
○西川潔君 ぜひよろしくお願いいたします。
 次に、救急自動車によります傷病者の搬送についてお伺いしたいと思いますが、これは昨年の十二月二十日の朝日新聞の読者の投書欄に載っておったわけですけれども、少し読ませていただきたいと思います。これは九州佐賀県の鳥栖市の精神病院の院長さん、五十三歳の方が投書しておられたんですけれども、
 ある日、私の病院に入院したことのある方の家族から電話があった。「情緒不安定で眠れないという。今、富山に来ているが、すぐ飛行機で戻り、空港から直接病院へ行き、必要があれば入院させたい」との内容であった。
 私は、患者さんの容体を尋ね、家族同伴での飛行機による搬送は問題ないと判断し、了承の返事をした。
 夕方、到着時刻になっても来院しない。その後しばらくして空港から電話があった。「飛行機から降りる時、少し不安状態となってタクシーに乗ろうとしない。救急車を頼んだが断られた。どうしたらいいか」
 私は消防署へ連絡した。
 「なぜ、受け入れ態勢も整えているのに搬送してくれないのか」「精神科の病気に救急車は使用しない規則になっている」「それは全国共通が」「そうだ」「それでは、頭が痛い、胸が苦しいといえば利用できるのか」「そうだ」
 精神科の病気であり、受け入れる病院まで確保していることを正直に伝えたため、救急車の利用ができなかったことになる。
 その後、長時間かけてやっとタクシーで来院したが、その間の本人、家族の苦しみは大変なものであった。
 精神科の病気は救急医療の対象ではないとする消防署の対応は、これこそ偏見差別そのものではないか。という新聞を読ませていただいたわけです。
 まず、この内容、事実関係についてお伺いしたいと思います。
○政府委員(滝実君) 私どももこの問題は新聞で報道されているところしか事実関係を把握できませんので何とも申しょうがないわけでございます。
 現地の消防機関に問い合わせをいたしましたけれども、どこの消防機関がそこのところが判然といたしませんものですから、新聞から私どもなりに判断をいたしますと、まず精神疾患だから救急車の利用ができないというようなことは私どもとしては考えておりません。やはり救急車というのはあくまでも救急、こういうことでございますから、恐らくそのときの消防本部の一一九番の担当が救急性があるかどうか、こういう判断の際にその症状がよくわかってなかったんじゃないだろうかというふうに考えております。
 要するに、ただ単に精神疾患に限らず、すべての疾病でありましても、救急ということでございませんと救急車は出動しにくい、これが原則でございまして、恐らくそういうような原則に照らして出動はできませんよと、こういうふうに申し上げたと思います。
 そういう意味では、この病院長さんがどこか頭が痛いとか苦しいとかと言えば、それは救急性ありということでもって利用できるのかということになるのでございますけれども、やはり救急車の基本はそういうところにあるという判断で、こういうようなことになったんだろうというふうに私どもは判断をさせていただいております。
○西川潔君 細やかに御答弁をいただいてありがとうございます。
 私なんかも新聞をいつも読ませていただいて、一二〇%それをうのみにするわけではございませんけれども、家族にそういう方がおられるという、毎日の生活の中ではそれは大変だと思います。そして、こういう新聞が目にとまったときにはいつも委員会でこうしてお願いをいたしているわけですけれども、今の御答弁をいただいて安心をいたしました。これからもよろしくお願いしたいと思います。現実には、このような新聞を見ますと、やはりそういった場合にはどうしようかということで、本当に全国の方が目を通すわけですから、不安になられる、家族の方は特にそうだと思うんですけれども、ぜひ周知の徹底をお願いしたいと思います。
 それから、今回のことに限らず、精神科の救急医療についてはなかなか一般の救急では対応してくれない、不十分であるというような声も、近くにも病院があるんですけれども、いろんなところでもお伺いいたします。講演に参りました講演先でももう何度もお伺いをしたわけですけれども、何か重箱の隅をつっつくというようなことばかりではなしに自分はいつも誠心誠意、真心でこの委員会でもお願いをしているわけですから、ひとつよろしく細やかなところを徹底していただきたいと思います。
 そして、厚生省では、平成七年度から精神科救急医療システム整備事業というのを新たに創設されたと伺っております。この事業では、搬送体制についてどのようなお考えをお持ちでしょうか。また、消防庁においても精神科に対応した救急業務の体制整備についてより一層の充実強化をお願いしたいと思います。この点については、大臣の御見解も言いただきたいと思います。そして、前段については消防庁と厚生省の御説明をいただいて、質問を終わりたいと思います。
○説明員(吉田哲彦君) お答え申し上げます。
 精神障害者の処遇が入院医療から地域ケアヘと大きく推移しております今日、緊急に入院または外来での対応をしなければならない事態など、緊急時におきます適切な精神科対応を行う体制整備が必要でございますが、委員も御指摘のとおり、一般救急医療とは異なりまして、精神科救急医療体制は全国的に見ても必ずしも十分に整備された状態であるとは言いがたい状況でございます。
 したがいまして、平成七年度の予算案に計上しております精神科救急医療システム整備事業につきましては、精神科の救急医療の相談、情報センターの設置、また精神科救急医療システムの連絡調整委員会の開催、常時受け入れ可能な当番病院の確保などを行うことを目的とした事業を創設したところでございます。
 この事業におきましては、精神科救急医療システムの連絡調整を行うために、事業を行います都道府県におきまして精神保健センター、保健所、精神病院の協会、医師会、警察、消防などの関係者によります精神科救急医療システム連絡調整委員会というものを設けていただきまして、この委員会の中におきまして精神科救急患者の搬送につきましても地域の実情を踏まえて御検討いただくこととしております。
 精神科救急医療システムの整備のためには搬送体制の確保が極めて重要でありまして、救急革によります精神科救急患者の搬送につきましては委員御指摘のような事例があるやにも伺っておりますので、今後救急車によります精神科救急患者の搬送が適切に行われますよう、厚生省といたしましても消防庁とも十分相談してまいりたいと思っております。
○国務大臣(野中広務君) 消防機関が行います救急業務が、その疾病が精神疾患であるということによって搬送を拒むということは間違いであるし、今後とも消防機関が消防機関として救急業務を行う上で、精神疾患の患者に対して適切に対処できますように指導してまいりたいと存じます。
○西川潔君 ありがとうございました。
○委員長(岩本久人君) 以上をもちまして、平成七年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、総理府所管のうち警察庁、自治省所管及び公営企業金融公庫についての委嘱審査は終了いたしました。
 なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岩本久人君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 午前の質疑はこの程度とし、午後一時まで休憩といたします。
   午前十一時五十分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時開会
○委員長(岩本久人君) ただいまから地方行政委員会を再開いたします。
 地方税法の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案を一括して議題とし、前回に引き続き質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○有働正治君 議題となりました法案とのかかわりで、最初に自治体リストラ問題から私はお尋ねしたいと思います。
 今、自治体リストラ問題につきまして、各地方自治体でその策定が進められ、それどころか自治体によっては既に先取り的な行政が行われているのが実態であります。しかも、この十年間の地方行革、この上に立ってそれが推進されるということになりますと極めて重大な影響が、住民の教育問題、福祉問題、医療、保健、そういう地方自治体の重要な仕事の上で住民に大きな障害が生まれるという危惧が指摘されているわけであります。
 そこで、私は具体的な問題からお尋ねいたしますけれども、一つは自治体労働者に対する人権侵害の問題であります。これは、この十年間、地方行革によってもたらされた問題の大きな柱の一つと私は考えるわけであります。つまり、県職員あるいは市町村の職員、自治体労働者の過労死の問題、労働条件の問題等々、極めて重大な事態が起きているということを感じるわけであります。
 具体的に例を挙げますと、例えばこれは私の郷里の熊本の話でありますが、昨年五月、地元の新聞であります熊本日日新聞に県職員の御夫人から投書が寄せられました。それはこういうものであります。県職員の夫は四月から本庁勤めになったとたん、連日午後十一時すぎまで残業です。しかも手当は残業時間の二割くらいしかつかないんですよ。疲れて帰ってきた夫に夕食をとらせ、朝食の準備をして寝ると午前様で、こっちもたまりません。ゴールデンウイーク中も出勤で家族サービスも一日だけ。結婚三年目ですが、夫婦の会話はなし、娘も夫になつきません。社会では労働時間短縮といわれ、労働行政に通じた知事なのにお膝元がこうでは、夫が病気でもしたら心配です。という投書が載ったわけであります。
 こうした問題を我が党の中島県議が県議会で取り上げました。そうしますと、五日後に共通の声が一斉に寄せられました。実はうちの主人もそうなんです、ほとんど毎日夜十時半ごろまで残業で、周りの人もそうだという声であったわけであります。
 熊本県では臨調行革によりまして、条例定数より実際の職員配置数は四百五十四人も少ないのが現状であります。そのため、県庁は何と市民から呼ばれているかといったら、不夜城と言われているんです。夜中まで電気が消えたことがないという状況です。
 私どもの県議の調査等によりますと、十時、十一時までの残業は朝飯前、中には十二時を過ぎて二時、三時、夜明けまで仕事をする人もいると。女性も例外ではありません。さらに、週休二日制とは名ばかりで、ある土曜日も本庁にある百三十五の課のうちの三分の二の課で二百人が出勤。出勤者はドリンク剤で精力をつけながら仕事を続ける、こういう悲惨な状況であります。職員の在職中の死亡者は平成三年、二十人でありました。平成元年から五年間で五十四人にも達しているわけであります。
 徹底した行革が行われています東大阪市では、一九八八年から九四年までの七年間で七百三十六人の職員が削減されました。その結果、三年以上もの間、ほぼ毎月在職者の死亡というのが続きまして、九三年は一年間で十八人もの在職者の死亡が発生しているわけであります。仕事中に倒れても人手不足のため救急車すら間に合わなかった、こういう痛ましい事例も生じているわけであります。
 大臣、実情を私申し述べました。こういう地方自治体の職員の方々の一、二の例を挙げましたけれども、こうした事態はいいと考えるのか。自治体の問題と言えない、やっぱり国としてもしかるべくこういう問題については、過労死の問題、近年大きな問題になって行政上もいろいろ対応していることは知っているわけでありますが、大臣として地方自治体のこういう問題をどう思われるか、まずお尋ねいたします。
○政府委員(鈴木正明君) 勤務時間の短縮につきましては、お話の出ましたように、週休二日制というものが逐次導入されてきております。その実態にかんがみまして、やはり超過勤務の縮減あるいは年次有給休暇の計画的使用というのが現実の課題となってきておりまして、かねてより私どもは超過勤務の縮減に地方団体においても取り組んでいただくということで御連絡を申しておりますし、また専門家のお知恵もおかりして具体的に超過勤務の縮減を進めるための方策といったことについても御提言をいただきまして、お示しをいたしております。
 他方、お話の出ました在職中死亡ということでございますが、今、個別の団体についてのお話がございましたが、全体として見ますと、近年の地方公務員の死亡退職者の推移は年々、わずかですが、減少する傾向にございます。その要因はさまざまな要因があるもので、一概に何かと言うことが難しいと思います。また、職員の健康管理対策の面につきましては、もちろん職員本人が取り組むということが基本でございますけれども、地方団体においても労働安全衛生法などに規定されております健康診断、あるいはその結果に基づきまして健康相談あるいは生活指導といった事後措置を適切に行うということで健康確保に努めております。
 自治省としても、各地方団体での安全衛生スタッフがより充実した活動が行えるように、必要な調査研究を行ったりしてその成果を地方団体に示す、こういう取り組みをいたしております。
○有働正治君 そんなきれいごとじゃ済まぬのですよ。現場の労働者がどういう状況でどういう苦労をしながら、しかも死に至る状況を深刻に考えるべきだと。そんな一片の通達で、連絡で。しかし、実態というのは極めて悲惨な状況がその後も続いているということであります。
 ほかの県の最近五年間の在職死の数を調べました。福岡県は平成二年から六年まで七十五人です。広島市は元年から五年度、百十人です。名古屋市は元年から五年、百五十五人なんです。
 能率化、効率化という名目、あるいは行革ということで自治体労働者に巨大なしわ寄せ、死に至る状況まであるというこういう事態、やはり重大に対応すべきだと思いますが、大臣、お聞きになっていかがでございましょうか。
○国務大臣(野中広務君) それぞれ公務員が職場に勤務する上で適正な勤務体制を整え、さらにそういう中において上司がそれぞれ職員の日々の体調等についてきめ細やかな配慮を行い、かつ先ほど部長から答弁をいたしましたように健康のチェック、すなわち診断等を十分行うことによりまして職場の死亡事故に対する減少をより防いでまいらなくてはならないと存じておるところでございます。
 私ども最近の国家公務員の勤務態様を見ておりましても、集約された国会審議に対応するためにほとんど連日徹夜のような状況を続けておる周辺におる諸君の苦労を思うときに、地方・国家公務員を問わず、公務員の勤務態様のあり方については私どもも意を配ってまいらなくてはならないと存じておるところでございます。
○有働正治君 自治省の資料によりましても、これは全国の状況でありますが、昭和六十年度の四千百五十九人を初め、直近の平成五年度でも三千六百九十八人、いずれも一般職職員が対象でありますが、こういう方々が在職中に亡くなっておられるんです。
 だから、大臣、今の答弁に加えまして、確かに原因はいろいろあるでしょう、しかし在職中に死亡するというのはやっぱり異常な事態なんです。私に言わせれば、今までの地方行革と自治体職員の人権侵害、熊本の場合には職員配置数からいったら五百人近くも少ないという状況。各自治体そういう状況があるんですよ。
 したがいまして、こういう過労死を生まないような、そういう点で改めて改善のためのしかるべき措置が求められているということを感ずるわけでありますが、大臣、決意を述べていただきたい。
○国務大臣(野中広務君) 私どもは、一方で地方分権を言い、一方でそれを受け皿としての地方の行政改革を言い、かつそういう中において効率的な事務の執行を言わなくてはなりません。そういう中におきましても、このごろは地方のいわゆる単独事業がふえてまいりますし、あるいは病院、消防、警察等多様な住民のニーズにこたえるために職員の増加が見られるところで、ある意味において国家公務員と比べて地方公務員の増加が一方において御批判をいただく面なしとしないわけでございます。
 そういうことを考えますときに、今、委員御指摘のような不幸な事故が起こらないような体制を十分私どもも踏まえながら、なお効率的な事務事業の見直しを行って、地方分権の期待にこたえられるようにはやってまいらなくてはならないと考えておる次第であります。
○有働正治君 ところが、こうした事態の上に立って今後自治体リストラが事実上政府の指導のもとに強行されるということになったら、私は事態がより深刻化すると。前の総理大臣、前の内閣の時代でこういう事態が起こっていると。今の内閣のもとで今後リストラが強行されていくということになると私は一層深刻にならざるを得ないということを憂慮して質問するわけであります。幾つかの自治体では自治省が進めているリストラを先取りするような内容で事態が進行しているわけであります。
 例えば具体例を挙げますと、大阪の東大阪市がその典型の一つだと考えるわけであります。私も現地に行って関係職員を初め少なくない市民の方々からその実情もじかにお尋ねしました。一口に言って何と関係者は言っているか。市役所丸ごと民間委託、これはマスコミでもこういう指摘がありました。また職員や市民は、行革の実験室、市民いじめのデパート、こういうことまで言っているんです。ひどい状況です。そういう中であそこは汚職まで起きて重大問題化している。腐敗政治とこういう住民不在の政治というのは無関係でないということが言えるわけでありますが、具体的にどういうことが起きているか。
 一つは、退職者の方々を補充しないということを含めまして、職員八百人削減です。職員定数の相次ぐ削減です。必然的に職員に過酷な労働を押しつける。超勤禁止、そういう措置のもとでサービス残業。そして、職場でできないということでフロッピー持ち帰り残業なんです。表向きは残業がないような格好にして、フロッピーを持って帰って自宅で深夜までワープロの作業をやっている。その結果、ここで在職死亡は三年連続二けた台、全国平均の三倍という状況であります。
 二つ目は、保育料、市立高校入学科、国民健康保険料、下水道使用料など、文字どおり揺りかごから墓場までの公共料金値上げという驚くべきほど相次ぐ公共料金の値上げです。
 三つ目は、市立の保育所の民営化を初め、今後、学校給食や清掃の民間委託、幼稚園の統廃合の検討、ホームヘルプサービス事業の社会福祉協議会への全面委託の提案等々が行われ、本来住民の暮らしと福祉を守るべき組織である地方自治体の役割を全面的に放棄するということを言っても過言でない、こういう事態が進行しているわけであります。
 東大阪市だけじゃないんです。東京大田区。私も関係の自治体の職員の方々からお話もお伺いしました。ここでどういうことが行われているか。
 当初計画では定数の各課一律削減、二百二十九人です。民間委託八百五十人。この五割が学校給食関係、ほか老人いこいの家、文化センター。そしてお年寄りの対策、ゴールドプランにかかわるような職員まで対象にされているんです。政府は片やゴールドプランでこれから老人福祉対策を進めますと。しかし、現場はそうじゃないんですよ。そういう自治体職員までメスを入れて、全く逆行するようなことがやられているのが現実なんですよ。そして職員配置基準の見直しによる保母などの削減。業務内容の見直しとして、いわゆる緑のおばさんたち、学童擁護を廃止すると。
 子供たちの交通事故の問題等々、御父兄、地域住民から本当にひどい、住民不在、市民不在だと怒りが次々に寄せられているわけであります。中心は保育や児童、学校関係、女性、子供、お年寄り、こういう弱いところに切り捨て、これが集中しているというのが特徴なんです。
 今二つの自治体の例を私なりに紹介いたしましたけれども、自治省が今進めようとしている地方行革、自治体リストラというもののこれは先取り的な内容だ、その一端がここにあらわれていると。こういう状況を知りながら自治体リストラをやろうとするのか。自治体リストラというのはこういうものだという点についてどういうふうにお考えになりますか。
○国務大臣(野中広務君) いささか地方公共団体の業務にかかわった一人として、私は、委員が今例に引かれました東大阪市とは辛さないわけでございますけれども、大阪の衛星都市に数多く見られたのは、非常に景気の好調期におきまして、職員給与のあり方あるいは職員の勤務態様のあり方、こういうものにつきまして国家公務員の水準を大きく上回る状況が見られましたことは、同じ自治体経営に参画する者として私はむしろ残念に思ってきた経過があります。
 現下の地方財政は、たびたび言われておりますように、まことに厳しい環境にあるわけでございまして、このような状況のもとで社会状況の変化に敏速に対応をしながら地方分権を確立していきますためには、私は効率的な簡素な行政システムを確立することは地方公共団体に与えられた大きなみずからの責任でもあろうと存じます。それだけに自主的・主体的に地方団体が抜本的な改革を進めていくことが急務であろうと考えておるわけでございます。
 職員定数の管理のあり方につきましても、今後住民ニーズの高度化、多様化、こういう変革に伴って行政需要はますます増大をするわけでございますので、地方公共団体がより弾力的かつ的確に対応をしていくためにはある程度のスクラップ・アンド・ビルドの徹底した見直しが必要であり、適正な定員管理を行っていくことが一層推進されなくてはならないと考えるわけでございます。けれども、先ほど委員がおっしゃいましたように、そういう問題が過度にわたることによって個人の職員に大きな負担がかかることは、きめ細やかなまた一方の配慮が必要であることは言をまたないわけでございます。
 地方公共団体においては、今後多様な住民のニーズに即応いたしました行政サービスを的確に展開していきますためには、事務事業の見直しはもちろん、組織・機構の簡素合理化、あるいは民間委託、OA化等を積極的に進めていく必要があるのは現下地方公共団体に与えられたまた大きな課題であると私は存じておるところでございます。
○有働正治君 過度にわたることはやるべきでない、これは当然のことであります。私に言わせれば、省くべきむだはほかにあると。例えば大型プロジェクト、この問題は後で取り上げますけれども、これが各自治体で膨大な予算をとって、それが地方自治の財政破綻と無関係でないという、そういう事態が全国あちらこちらで進行しているんです。そういう問題にメスを入れるところはメスを入れることとしてあるんです。
 地方自治体の本来の仕事というのは何なのか、大臣当然御承知のとおりの福祉や医療、教育、住民のそういう生命と暮らしを守るというのが大前提にあるわけです。そこにメスが入れられているんですよ。そこが集中攻撃されているんですよ。省くべきむだはもっとほかのところで省いて、本来地方自治法に基づく自治体の仕事として最もやらなければいけないそういう問題にちゃんと手だてをとるというのが本来の自治体の仕事だと思うんです。
 地方自治法の精神からいって福祉や教育、医療の充実というものが本来の仕事だと思いますが、自治大臣、その点は間違いありませんね。
○国務大臣(野中広務君) お説のとおりでございます。
○有働正治君 そこが今問題になっていると、地方自治法の精神が踏みにじられているとはっきり申し上げておきます。
 大臣はこれは地方自治体の問題だということをしきりに強調されますけれども、私はそれだけじゃないと。十年前の行革大綱策定の指導の中で重点項目として挙げられました事務事業の見直し、組織・機構の簡素合理化、定員管理の適正化、こういう中で医療、福祉、教育などにかかわる部門、これが結局見直しを迫られて、こういう方々が次々に削減されて住民のまた負担増となった、サービスが低下する、そして自治体労働者の労働条件悪化ということにつながったわけで、国の指導のもとでこれが推進されているところに問題があるわけであります。自治体だけの問題でないと。
 では具体的に聞きます。
 第一次地方行革の前の年の八四年度からの十年間、九三年度までで、小中学校の教職員、保育所保母、清掃職員、それぞれ人員はどう変化していますか。
○政府委員(鈴木正明君) 地方団体の教職員につきましては、小学校、中学校の合計で昭和五十九年が八十四万四千二百八十四人、平成五年が七十八万九千六百三十四人となっておりまして、その間で五万四千六百五十人の減少でございます。保育所保母につきましては、昭和五十九年が十万七千七百八十七人、平成五年が十万五千三百五十五人となっておりまして、その間で二千四百三十二人の減少となっております。清掃職員につきましては、昭和五十九年が九万二千八百九人、平成五年が八万七千五百九十九人となっておりまして、その間で五千二百十人の減少となっております。
○有働正治君 まさに大幅減でありますが、これが国、自治省の地方行革方針等のもとで行われてきたんです。
 さきに私学げました東京大田区の場合は、大田区が発表いたしました「事務事業等の適正化の推進計画」、昨年五月二十日でありますが、この中ではこういうふうに言っているんです。「特に、職員数については、自治省の定員管理調査でも他の特別区と比較し、かなり多いことが指摘されており」と、わざわざ自治省の調査に基づく計画であるということまで、これは自治体側の資料として方針書の中に明記されているわけであります。
 その結果、出されてきた当初の計画では、保育園の職員が全体で二百二十五人の削減予定、保母百五十一人、用務員六十人、調理師十四人。これは平均いたしますと、一つの園当たり保母は二、三人の削減、男性用務職員は全廃となるわけであります。そうするとどういう問題が生じるかと申しますと、現在でも人手不足のために年休取得が年平均三日間程度なんです、三日間ですよ、事実上どれないんですよ、その上に削減されますと、子供の大好きな散歩にも出られない、アレルギー食などのきめ細かい食事その他にも支障が出る、こうした保育内容の低下というのはもう目に見えていると。現場の保母さんたち、職員の方々、労働者は本当に一生懸命頑張っておられる。これからの社会を担う子供たちのために、食事の問題から保育の内容、お散歩その他を含めまして必死なんです。
 ところが、こういう自治省の指導のもとにという形での定員削減計画、これはもちろん自治体が決めたものではありますけれども、無関係でなくそういうことが推進されていくと、こういうことになるわけであります。用務員の方々の削減によりまして、今まで遊具の破損、あるいは園舎の小さな破損の修理など事細かく気配りしておられた方々なんですが、そういうこともできなくなる。そうしますと、子供たちは一々そういうことまで気づかないで遊ぶ。そうすれば子供たちのけが、それが本当に心配だということを訴えておられます。安全の上でも重大問題だと。だから区立の園長会としても反対という意見書を上げておられるんです。
 改めて自治省にお尋ねしますが、地方公共団体のこうした行革、自治省の指針と無関係とはっきり断言できるのかどうか。
○政府委員(鈴木正明君) ただいま地方団体の例をお引きになりましてお話があったわけでございます。
 それぞれの地方団体では住民ニーズの動向、あるいは置かれた状況ということの中で真剣に取り組まれていると思います。
 地方自治を進める場合に、やっぱり住民福祉の増進ということを図ることは大きな役割であると思いますが、他方、住民の責任とその負担によって地方自治というものが運営されている以上、やはり最小の経費で最大の効果を上げるということも要請されているということでございまして、そういった意味におきましては、新しい行政課題に対応する、あるいは住民の多様なニーズに対応していくというためには事務事業や組織・機構について絶えず見直しを行って、定員管理の適正化に努めるなどしながら行政改革に取り組んでいくということが必要であるというふうに考えております。
○有働正治君 私、具体的な自治体の事例を挙げました。大臣も先ほど過度なことが行われてはいけないということを認められたわけで、私は、公的な立場の人々を含めて本当にひどいという声が起こっている、こういう事態を自治省としては直視して必要な是正措置もとっていただきたいということを要望しておきます。
 こういう定員とのかかわりの問題でお尋ねしますけれども、昨年六月十三日に出されましたリストラにかかわる素案の段階では「新しい地方行革の推進について 地方行革のリストラ素案」というふうになっていました。ここにそのねらいと本質が私は示されていると思うんです。つまり、民間企業のリストラ、入減らし、賃金抑制、工場の海外移転等々に呼応して、自治体にもこの企業主義的な運営を進めようという意図があるということを考えるわけであります。
 各地方自治体の方々の、しかも県知事さんその他の各自治体での所信表明、議会での議事録等を私も拝見することがありますけれども、今や自治体は民間企業の立場でやらなくちゃいけないと、このことを正面から掲げて堂々と言って、効率化第一主義で福祉や医療問題についてもメスを入れるということが現実問題としてあちらこちらで起きているんです。自治省のこの素案の中にもそうしたことが私は反映しているというふうにも考えるわけであります。さすがに十月七日発表のその後の指針からはこの「リストラ」という言葉は消えましたが、定員管理その他も重点に置いているということは明白であります。
 この指針とは別に自治省行政局長名で定員適正化計画の策定が通知されています。行革大綱と同じように、地方公共団体みずからが自主的・主体的に計画をつくり適正化を図ると。最近は自主的・主体的にということを強調されますが、言葉だけになる嫌いもなきにしもあらずと私は考えるわけでありますが、こういう適正化を図るものとしているわけでありますが、これはいつまでにどのような形で計画作成を求めておられるものでございましょうか。
○政府委員(鈴木正明君) ただいまお話ございましたように、定員適正化計画につきましては、昨年の行政改革推進指針におきまして、それぞれの地方団体におきましてその置かれている状況を十分認識されて、これまでの実績あるいは今後の行政需要の動向などを勘案して定員計画を策定していただいて推進されるということで要請をいたしております。
 各自治体におきましては、この趣旨を踏まえまして、新たな行政改革大綱の策定とあわせまして、自主的に、積極的に計画に取り組んでおります。
 中身は、定員適正化……
○有働正治君 いや、中身はいいから、いつまでかということを。
○政府委員(鈴木正明君) いつまでかということは、特に現時点でお示しはしておりません。
 内容は、目標と計画期間を定める、こういう内容でございます。
○有働正治君 一年をめどにということが一つの目安なり要請になっているんじゃないですか。どうですか、その点。
○政府委員(鈴木正明君) 定員管理を含めました行政改革全体、それにつきましては一年をめどに策定ということでございます。
○有働正治君 指針では「計画の策定に当たっては、定員モデル、類似団体別職員数の状況を活用するとともに、国の定員管理計画も参考にすること。」と明記されているわけであります。
 自治省は重点ヒアリングと称しまして特に定員をふやしてきた地方団体を対象に個別のヒアリングを実施し、適正化を図っているようでありますが、その際、重点ヒアリングの対象としている基準というのは何なのか、簡潔にお示しいただきたい。
○政府委員(鈴木正明君) 自治省におきましては、毎年度四月一日現在で、定員管理調査というんですか、職員数の実態を調査しまして、その研修のためにヒアリングを行ってきております。そうした中で、都道府県、指定都市はもちろんですが、市町村につきましてもその団体の職員数の増加率、あるいは定員モデルとの比較、あるいは定員管理の適正化努力の状況などを見まして、必要があるとされる団体に重点を置いて都道府県からその状況を伺っている、こういうことでございます。
○有働正治君 あくまで自主的に、主体的に計画を作成することが望ましいということを一応建前としている自治省でありますが、八五年の地方行革のとき、例えば東京都の場合、五市二村が行革大綱を策定しないまま今日に至っています。そうした自治体が命後も大綱を策定しない場合に重点指導対象団体と、自治省の方ではそう呼ばないで重点ヒアリングとていよく呼んでいるようでありますけれども、そういう重点ヒアリングに指定して内容をいわばチェックするというお考えのようでありますが、この点、いかがでありますか。
○政府委員(吉田弘正君) 昨年十月にお示ししました指針は、いわば最近におきます地方分権が推進していく中で地方公共団体の役割が非常に大きくなってきた、そういう状況を踏まえて地方団体も自主的・主体的に行政改革を進めていただきた、いという趣旨でこの指針を出したものでございます。
 したがいまして、地方団体は現在置かれております状況を十分に認識して、今回の指針を踏まえまして行政の組織・運営、全般にわたる総点検を行って、ぜひとも行政改革大綱を策定していただきたい、住民の理解と御協力のもとに行政改革を計画的に推進していただきたいと考えているところでございまして、自治省としてはそのための必要な指導、助言や情報の提供を行ってまいりたいと考えております。
○有働正治君 そうしますと、半ば強制的に策定を義務づけて、策定に応じない場合に事実上それを強要するということは絶対しないということですね。
○政府委員(吉田弘正君) 地方公共団体として当然、みずからの問題として行政改革は重要課題でございますので、取り組んでいただけるものと考えております。
○有働正治君 私は、実際上行革、リストラというような格好で今事実上各自治体にその策定を義務づけているという問題は地方自治権の侵害だと、そういう点からいってこういうのはやめるべきだということをはっきり主張しておきます。そうしないと、先ほど私がいろいろ挙げましたような、本来地方自治体で行うべき、しかも最大の仕事である福祉や教育や医療、そういう問題、ここに重大な被害を及ぼす、しかもこの十年間の行革の上に立って政府一体となってこれが推進されたら巨大な影響になる、過労死その他はもっと深刻化するし、地域住民の方々の影響は大きい、そういう点からいって自治体リストラを強制すべきでないということを厳しく要求しておきます。
 時間との関係で、地方財政問題も若干お尋ねしたいと思います。
 リストラ問題ともこれはかかわるわけであります。つまり、地方財政が極めて今深刻あるいは重大な事態である、だからリストラをやれ、こういう両者不可分の関係で自治体として今進められようとしているわけであります。
 まず、大臣、今の地方財政がどういう状況にあると、大臣の所信の中でも極めて重大だという趣旨のことを述べられていると思いますけれども、まず基本認識だけお尋ね申し上げます。
○国務大臣(野中広務君) たびたびこの席でも申し上げておりますとおりに、最近の地方税や地方交付税が伸び悩んでおりますこと等に加えまして、所得税、住民税の制度減税及び特別減税が実施をされておることからいたしまして、明年度の地方財政は大幅な財源不足の状況に置かれておりますことは何回か申し上げてきたところでございます。したがいまして、平成七年度末見込みで百十六兆円を超える多額の借入金残高を抱える見込みとなっておると存じておる次第であります。
 一方で、委員御承知のように、公共投資基本計画等の考え方に沿った住民に身近な社会資本の整備、委員がよく申されますように少子・高齢化等に対応した福祉充実の施策、あるいはその地方の活力ある地域づくり等を考えますと、今日地方公共団体が抱えておる課題はまことに大きいわけでございます。これを積極的に推進していくためには、地方団体はみずからの役割を十分認識しながら、財政需要に対応できる行政改革もまた自分たちの努力としてやっていかなくてはならない大きな課題だと認識をしております。
○有働正治君 だから、行革をやれと言わんばかりでリストラを押しつけようとしているんですよ。そこが私は問題だということも言っているわけであります。
 自治省に聞きます。
 地方債、公営企業、特別会計を含む自治体の借入金残高につきまして、一九八〇年度、九〇年度、九五年度見込みの状況についてお尋ねいたします。
○政府委員(遠藤安彦君) 地方の借入金残高でございますが、ただいま申されました三つ合わせまして、昭和五十五年度、一九八〇年度末で約三十九兆一千億円、それから平成二年度、九〇年度末でございますが、約六十七兆円、また平成七年度、九五年度末におきましては百十六兆九千億円になるものと見込んでおります。
○有働正治君 今、借入金残高、急増しているということがはっきりわかります。九五年度、百十六兆九千億円というわけでありますが、わずか五年間で約五十兆円近くもふえているわけであります。九〇年度対比で七四%増と驚くべき急増ぶりであります。
 これは、九二年度時点におきまして既に自治体の借入金残高は歳入決算額の八六・五%に相当するという異常さであるわけでありますが、これほどまでに借入金が急増している、これはやっぱり異常だということだろうと思いますけれども、大臣、この点とう考えられるか、また原因はどういう点にあるのか、簡潔にお述べいただければ。
○国務大臣(野中広務君) 先ほど数字を財政局長からも申し上げましたように、ここ数年地域経済が非常に低迷を続けております。これを浮揚させるための施策として多額の公共事業及び地方単独事業を追加したことに伴いまして地方債を増発してまいったわけでございます。一方において、先ほど申し上げましたように、住民税、所得税の減税に伴いまして減収額及び財源不足額を補てんするための地方債の発行をいたしてまいりました。あるいはまた交付税特別会計からの借り入れを行ったところでございます。
 このような状況から、先ほど申し上げましたように、平成七年度末見込みで百十六兆円を超える多額の借入金残高を抱えるという深刻な状況にあるわけでございます。この厳しい地方財政の状況のもとで、地方団体が地域の総合行政の主体者として地域経済の振興やら、かつ住民の生活の安定と福祉の向上のためにさらに十分な役割を果たしていかなくてはならないと思うわけでございます。
 そういう状況の中を考えますときに、地方が担う責任の重さと、そして現在の財政が抱える厳しさ、こういうことを私どもは十分認識をして、公債費の増大傾向が増しておる中におきましてより地方財政の健全化のための努力に努めてまいらなくてはならないと認識をしておるところでございます。
○有働正治君 自治省に聞きます。
 地方の普通建設事業費、補助、単独合わせてでありますが、その中で土木費について、平成元年度と四年度の数字、三年間の伸びをお示しいただきたい。
○政府委員(遠藤安彦君) 地方公共団体の土木費の決算額に対するお尋ねでございます。
 平成元年度が十一兆五千六百億円でございまして、平成五年度の決算見込み額は十六兆九千六百億円ということでございます。この平成五年度の決算見込み額を平成元年度と比べますと、一・四七倍の規模になっております。
○有働正治君 五兆数千億円もふえているわけでありまして、土木費の急増も目に余るわけであります。
 そこで聞きますけれども、平成四年八月二十八日の経済対策閣僚会議の総合経済対策以降、平成六年二月八日の経済対策閣僚会議の総合経済対策まで、過去四回政府の景気対策がとられたわけでありますが、その中で地方単独事業の追加、これはどういうふうに要請されて、その金額がそれぞれ幾らで、総トータル幾らになるのか、簡潔にお述べいただきたい。
○政府委員(遠藤安彦君) 平成四年八月から平成六年二月までに四回にわたる政府の経済対策において自治省といたしましても、それぞれの経済対策の趣旨に従いまして地方公共団体に周知徹底を図り、景気対策のために必要な公共事業及び地方単独事業の積極的な推進が図られるよう地方団体に要請したところでございまして、この間の四回にわたる政府の経済対策において追加されました地方単独事業費の額は、平成四年度においては一兆八千億円、平成五年度は三兆一千億円、合計いたしますと四兆九千億円と相なっております。
○有働正治君 合計いたしますと四兆九千億円。わずか一年六カ月の中で景気対策で政府から地方自治体へ単独事業の追加要請を行った、そういう手だてがとられてきたということであります。
 次に、自治省に聞きます。
 九四年度の地方単独事業の伸び率につきまして、茨城県の場合、前年比何%の伸びとなっているのか、また前年比一〇%以上の伸びとなったのは幾つの都道府県になっているか、こういうことであります。
○政府委員(遠藤安彦君) 茨城県の普通会計における地方単独事業の平成六年度当初予算における伸び率は二四・一%でございます。
 また、御質問の地方単独事業の伸び率が一〇%以上の団体は都道府県で三十四団体となっております。
○有働正治君 三十四団体にも及んでいるという状況、非常な状況であります。
 私は、やはり国の経済政策の失敗を繕うために、こういう地方にも単独事業を、私流に言わせれば事実上強要するようなやり方、それが地方財政の問題に拍車をかけて、そして財政危機、破綻を深刻化させているということを非常に重視するわけであります。
 大臣、今述べられました茨城県が二四・一%、一〇%以上が三十四団体に及ぶ、これは正常と考えるかどうか。そしてまた、景気対策のために自治体の実情を無視するような格好で地方自治体まで動員するというのは私はやめるべきだというふうに考えるわけでありますが、この点いかがでしょうか。
○国務大臣(野中広務君) ここ数年景気が低迷をしておる中におきまして、国及び地方それぞれ公共投資の充実によって内需拡大を図っていくというのは共通の私は使命であると考えるわけでございます。
 したがいまして、今、例示をいたしましたようなそれぞれ地方公共団体が高い伸び率を持って、その地域の特色を生かしながら地域の活性化のために、さらに住民生活の質の向上のために一層努力をいただいておるということは積極的な施策として評価をしておる次第であります。
○有働正治君 この点は私は受け入れるわけにはいきません。
 最後ですけれども、例えば東京都の財政状況を見ますと、ゼネコン奉仕の大型プロジェクトの問題、民活大規模プロジェクト、これが極めて地方財政に深刻な状況を与えていると思います。
 東京都の財政状況は、九四年度の起債依存度、一般会計と特別会計合わせまして、美濃部都政の最悪時は七五年度の一七・四%でありましたが、今日それを上回る一九・四%になっているわけであります。一般財政総額に占める公債費の比率を示す公債費負担比率は、九四年度の七・七%から九五年度の一〇・八%、九八年度で一六・七%、二〇〇二年には二〇・六%に達すると見込まれて、これは都議会の議事録によるものでありますが、首都改造が借金の山を築く、こういうことが指摘されているわけであります。
 臨海部開発は基盤整備のほとんどを都の借金で進め、返済しなければならない額は一兆六百億円が見込まれ、バブル崩壊で三十年間で見込んでいた七兆円の収入が二兆円以下にダウンすると。この穴埋めに一般会計からの繰り入れを次々に拡大して、しかも値上げその他都民犠牲の方向が強まっているという状況。こうした東京の例は象徴でありまして、大規模プロジェクトを抱えている多くの自治体でバブル崩壊のもとで共通した事態が生まれているわけであります。
 大臣、そこでお尋ねします。
 地方財政を預かる立場としまして、こういう大型プロジェクトの問題、これは国の問題もそうでありますが、これまでの政策をやっぱり見直す時期に、そして地方財政負担、こことの兼ね合いも十分考えるべきだと、見直すべきだと思うわけでありますが、いかがでありますか。
○国務大臣(野中広務君) それぞれの地域にプロジェクトが進められておる中におきまして、その状況に応じてそれぞれ柔軟に対応をしていくべきであるということは私もそのように考えるわけでございます。
 東京都の臨海副都心開発につきましても、鈴木東京都知事はさきの議会におきまして、社会経済状況の変化などに柔軟に対応しつつ、必要な見直しを行いながら着実に推進していくことが望ましいと考えておると答弁をされております。このことにつきましては、東京都の問題として都において適切な対応がされると確信をしておるわけでございます。また、それぞれ個別に御相談があれば自治省としても必要な対応をしてまいらなければならないと考えております。
 ただ、一時的に問題があるといたしましても、それぞれ全国の自治体が抱える多くのプロジェクトにつきましては、社会経済の情勢の変化に対応しながら長期的な展望に立って取り組んでいく重要な課題であると考えております。
○有働正治君 時間ですから終わります。
○西川潔君 よろしくお願いいたします。
 本日は、全国市町村におきます窓口の行政サービスについて、その手続の簡素化に関する質問をさせていただきたいと思います。
 村山内閣が掲げます重要政策課題の中で規制緩和という問題が大きな柱になっておるわけですけれども、この規制緩和という言葉は最近では一般生活の中にも随分と本当に浸透してまいりましたが、しかし規制緩和というのは一体何だろうと改めて聞かれますと、説明がなかなか難しゅうございます。私なども聞かれますと、まあ流通のことだとか自動車のことだとか、身近なことでなるべくお答えをさせていただくようにしておるわけですけれども、野中自治大臣といたしましては規制緩和という問題についてはどのようにお感じになっておられるのか、まずお伺いしたいと思います。
○国務大臣(野中広務君) 自治大臣として私の規制緩和に対する考え方を聞かれました場合は、閣僚の一人として今日村山内閣の重要な行政改革の一つとして規制緩和推進計画を進めておるところでございます。なかなか困難な多くの問題もありますけれども、積極的に経済の活性化や国際的な調和の観点、あるいは内外価格差の縮小を図り、国民生活を質的に向上をさせていくという観点から極めて重要なものと認識をいたしまして、今私ども自治省の中にも規制緩和推進計画の策定に当たって、昨年十月から自治省内に規制緩和推進委員会を設置いたしまして、内外からの規制緩和要望を積極的に把握、検討をいたして、その中間報告を三月九日に公表させていただいたところであります。
○西川潔君 この規制緩和につきましてはさまざまな角度から推進をしていかなくてはならないわけですけれども、その中で住民に身近な、そしてまた密接しているという点では、窓口の行政手続の簡素化につきましても一つの大きな規制緩和ではないかなと私は感じておるわけです。
 この窓口の行政サービスのあり方について各自治体、そしてまた自治省におかれましても、住民の負担を軽減するために、そしてまた高齢化が進む中でできる限り手続の簡素化を図るためにいろいろな角度から調査や研究を進められていることも高く評価をさせていただきます。
 我々は、もういつもいつも本当に口うるさくお願いをするばかりでございますけれども、最近では今週の月曜日でございましたが、東京都台東区、豊島区におきまして戸籍、証明書のコンピュータ化が導入された様子をテレビのニュースで拝見をさせていただきました。早速に手続に来られました住民の方々が大変好感を持って、そしてまた今までの三分の一ぐらいの時間で、スピーディーで皆さん方本当に便利だということをテレビの画面のインタビューからもお伺いしたわけですけれども、これも今後も引き続き推進を行っていただきたいと思うわけです。
 そこで、昨年の四月にまとめられました新たな窓口行政サービスシステム等に関する研究会の報告書の内容についてお伺いをしたいと思います。
○政府委員(吉田弘正君) 今、委員御指摘のございました新たな窓口行政サービスシステム等に関する研究会、これは近年における住民ニーズの多様化やOA化の進展を踏まえまして、窓口行政サービスの広域化の問題、自動化の問題、それから簡素化等の問題について、これをどうやって図るかという見地から新たな窓口行政サービスシステムの構築に向けまして研究をするということで、平成四年から二カ年にわたりまして調査研究が行われたものでございます。
 この研究会の報告書でございますが、今言ったような目的がございますので、窓口行政サービスの広域化の問題、自動化の問題、簡素化の問題について提言がなされているわけでございます。
 まず、窓口行政サービスの広域化の問題につきましては、住民の日常生活圏域の拡大に対応するために複数の市町村が協議会や一部事務組合を設立いたしまして、そこで広域的な窓口行政サービスを提供する方式が適当であるということでございます。
 また、窓口行政サービスの自動化の問題につきましては、住民票の写し以外にも例えば税関係の証明書の交付など、自動交付機の利用分野の拡大を図るということとともに、自動交付機の設置場所を拡大してその機能を最大限に活用し、市町村の事務処理の合理化と住民の利便の一層の向上を図ることが適当であるというふうにしております。
 さらに、窓口行政サービスの簡素化の問題につきましては、住民の負担を軽減する方策といたしまして、窓口における申請手続に際しましては、磁気カード等の個人を識別するカードによりまして申請者の本人確認を行うということにして、申請書への記載、押印等のいわば手続の簡素化を図ることが適当であるというふうにいたしておりまして、これらの提言がなされたところでございます。
○西川潔君 一昨年の四月八日の当委員会におきましても手続の簡素化、私質問させていただきました。その際はまだこの研究会が始まる少し前だったと思うわけですけれども、今後の窓口行政サービスのあり方といたしまして、高齢者あるいは障害により体の御不自由な方々、役所の窓口になかなか出向くことのできない困難な状態にある方々のために、宅配サービス等も含めましてこの研究会のテーマとして取り入れていただきたい旨の要望をいたしました。その際にも具体例といたしまして、年金受給者の方が毎年一回必ず提出をしなければいけない現況届についてでございますが、生きている証明というのをやらなければいけないわけですけれども、これを取り上げさせていただきました。
 この現況届は社会保険業務センターから誕生日月の初旬にはがきが送られてまいります。そして、そのはがきに住所と氏名などを記入いたしまして、市町村長に生存確認の証明を受けて月末までに返送するわけですけれども、これが提出できないと支給が一時差しとめられるというふうな仕組みになっているわけです。けれども、お体の御不自由な方、お年寄りの方、障害者の方々にとってみれば、この生存確認の証明をとりに役所へ行かなければいけないんですが、これが大きな負担になっておるわけでして、この現況届の場合は代理人でもいいということでございますけれども、その代理人さえも身近にいないという方々も実はたくさんいらっしゃいます。
 私の身近なお年寄りの方々でもたくさんいらっしゃるわけですけれども、現況届の証明を市役所にとりに行きたくても体が不自由で、西川さん、行くことができない。せんだっても、そのときですけれども、代理人といっても身近に頼める人もいないのでこの方は仕方なく、今大変すばらしいお商売になっている便利屋さんという方がいらっしゃるわけですけれども、この便利屋さんにお願いをしました。わずかな年金のために高額な代金を請求されてなかなか困ったというお話もお伺いをいたしました。今、ひとり暮らしで六十五歳以上のお年寄りの方々が全国で二百万人を超えだというような状況でございますので大変心配をいたします。
 そこで、当時の村田大臣にお伺いをしたわけですけれども、御答弁では「今回の研究会においては、窓口行政サービスの提供方法について、広域化など新たに制度的な道を開くことを目的としておりますが、高齢者等に配慮した対策も重要な問題であると認識をしておりますので、御指摘の点にも十分留意して研究を推し進めてまいりたいと思います。」という御答弁をいただいたわけですけれども、具体的な検討をいただけましたかどうか、お伺いをしたいと思います。
○政府委員(吉田弘正君) 今お話のございました、特に高齢者等に配慮した行政サービスのあり方でございますが、例えば住民票とかあるいは住民票記載事項の証明書等につきましては、御本人がみずから行くという場合もありましょうが、そうでなくて郵送でこれをやるという方式もございまして、現在でも幾つかの団体でこれが活用されているということかと思います。
 一般的に高齢者の方々に対して窓口サービスについて十分配慮するということは大変重要な点でございます。現行の窓口における手続は通常書面により行われているわけでございます。この場合、申請書等への記載事項や、それから署名あるいは押印という手続が必要となるわけでございますが、高齢者の方々にとってはこういうような手続が大きな負担になるということもあると考えられます。
 そこで、今後の地域における高齢化の進展がさらに発展していくということを考えました場合、窓口における手続等の簡素化を図りまして高齢者の方々の負担を軽減していくということが大変重要な問題であると考えております。今回のこの研究会におきましては、このような点にも配慮をいたしまして手続の簡素化について検討が行われたところでございます。
 この報告書では、磁気カード等の個人を識別、確認できるカードを活用するということによりまして本人であるという確認を行うということにし、そして必要とする証明書の種類とか部数等については口頭で窓口の職員に告げていただくということによりまして手続の簡素化を図る方策について検討が行われまして、高齢者の方々を含めた住民の利便の向上を図るよう援言がなされたところでございます。
○西川潔君 ありがとうございました。
 我が家にも八十六と八十一、七十六と三人親がいるわけですけれども、よそのおうちでは一体どうしていらっしゃるのかなと、おひとり住まいの方は。公のところでお世話になっておる方々はまとめて事務所の方でやってもらえるわけですけれども、そのあたりをひとつよろしくお願いしたいと思います。
 行政窓口が行う手続が複雑で面倒でかなわんなというお年寄りの方々もたくさん、僕なんかはお便りもいただくわけです。例えば、公的サービスについていろんなアンケートの調査結果を見ておりますと、公的な福祉サービスを利用したことがないという理由には必ずと言っていいほど利用手続がわからない、あるいは複雑であるという回答が圧倒的に多いわけです。
 一つ例を挙げさせていただきますと、ある日突然家族のだれかが病気で倒れました。重い後遺症が残りまして常時車いすで生活をしなければいけないという、こういった場合、そういう方々に対しては車いすやベッドを貸し出しできる制度があるわけですが、しかしこの制度を利用するに当たりましてはかなり気が遠くなるような手続が必要でございます。
 まず第一に、身体障害者としての認定を受けなければいけません。この認定を受ける手続が実に煩雑でございまして、まず役所で書類をもらいます。そして、知事指定の病院で診断を受けます。身体障害者診断書を作成してもらいまして、そして写真と印鑑を用意して再び役所で申請手続を行います。その書類が市町村から今度は知事さんのところへ提出されるわけですけれども、そこでまた審査が行われます。障害が法に定められる程度に該当して、そこで初めて身体障害者手帳が交付されるわけですけれども、ここまでで約一カ月、長いケースでしたら三カ月程度かかるということで、そこでやっと補助金の申請ができるわけです。書類が回って補助金は自宅に届けられるまで長い場合では何と四カ月もかかっているという資料もございます。そして、結局車いすが届いたときには既に寝たきりになっていた。みんながみんなそうではないわけですけれども、そういったケースもございます。そういう方も現にいらっしゃるわけですから、こういった身近な問題について手続の簡素化、そして積極的な規制緩和が必要であると思います。
 実は、この問題につきましては昨年六月の規制緩和特別委員会で質問をさせていただきました。当時は石田総務庁長官でございました。その際、答弁は「行政監察の問題がそれを調べて改善をする方向へ導いていく、そういうことができるかもしれませんので、大至急これは行政監察局と相談をしてみたい」という御答弁をいただきました。
 昨年八月に関東行政監察局より東京都に対しましてこの問題についての調査、さらには改善意見を申し入れたと伺っておりますが、この点につきまして総務庁から調査結果、改善意見についての御説明をいただきたいと思います。
○説明員(松田隆利君) お答え申し上げます。
 この身体障害者手帳の交付事務並びに補装具の交付事務処理の迅速化につきましては、昨年六月、私どもの総務庁長官に対しまして委員から御指摘をいただいたところでございます。
 私ども総務庁の方におきましては、公的規制に関する各種の意見や要望を国民各界の皆様方からちょうだいをいろいろしております。また、行政相談事業としまして、国民の皆様の苦情を受け付けまして関係機関にあっせんする等の業務を行っているわけでございますが、そのような中におきましても身体障害者手帳及び補装具の交付事務処理の迅速化等につきまして意見や苦情がこれまでも寄せられておりました。
 そこで、先ほど御指摘の地方監察でございますが、当庁の出先機関でございます関東管区行政監察局におきまして、平成六年四月から六月でございますので先生御指摘いただいた時点のことでございますが、地方監察を実施いたしまして、八月十日に東京都に改善意見をお出ししているところでございます。
 その内容でございますが、まず身体障害者手帳の交付事務処理の迅速化につきましては、東京都の調査対象福祉事務所におきましては、手帳交付申請から受理までの標準的な処理期間を三十日と定められておりますが、私どもの調査では一件当たりの平均処理期間が四十四日ということで遅延している、そういう状況が見られまして、したがいまして事務処理方法を各般見直していただきまして手帳交付事務処理の迅速化を図っていただきたいという点が一点でございます。もう一点は、補装具の給付事務処理の迅速化でございまして、これにつきましては同じく調査対象福祉事務所におきまして補装具の交付申請から受理までの標準処理期間がおおむね六十日程度となっているわけでございますが、実情は平均処理期間おおむね三カ月から四カ月とかなりおくれておりました。これには非常に膨大な件数にわたっているということもあるわけでございますが、交付判定業務の見直しなど行っていただきまして、また判定を要しない補装具の種目を拡大するというようなことも御検討いただいて給付事務処理の迅速化を図っていただいたらどうかということで御指摘を申し上げているところでございます。
○西川潔君 ありがとうございました。
 この改善意見につきましての東京都からの回答でございますけれども、東京都からどのような回答が寄せられたか、お伺いしたいと思います。
○説明員(松田隆利君) 東京都からは平成六年十月二十日に御回答がございまして、その第一の身体障害者手帳の交付事務処理の迅速化につきましては、都におきましてちょうど行政手続法の施行がございまして標準処理期間の見直しが行われました。そこで、都におきます交付申請審査事務及び手帳の作成事務の処理期間を二十日、それから区市町村におきます申請書の都への進達、申請者への手帳の交付等の期間を十日ということで明確にされました。また、昨年九月三十日の段階の都におけるこの標準処理期間は二十日に改善済みとなっていると、その他各般の改善措置をとっているという御報告でございました。
 それから、補装具の給付事務処理の迅速化につきましては、先ほど申し上げましたように、非常に膨大な件数にわたるものでございますが、東京都心身障害者福祉センターの組織体制の見直しを行いますとともに、判定期間の短縮を図るため判定日の増設等の改善策を講じられるということで報告を受けております。
 また、判定を要しない補装具の種目の拡大につきましては、厚生省において検討されるべき問題でございますので都から平成六年九月三十日に厚生省の方に要請がなされております。
 以上でございます。
○西川潔君 僕らにお願いをされてこられる方はお一人ずつ個々にそれぞれの御意見があるわけです。我々もこうしていつもいつもお願いをする。本当に現場は大変だと思いますが、いい答弁をいただきましてありがとうございました。
 政府におかれましては、超高齢化社会を目前に控えまして、福祉サービスの推進に全力を挙げていただいていることは我々もいろいろなところを回らせていただきまして感じるわけですけれども、しかしその中で感じることは、この福祉サービスという制度が本当に利用者本位に立っているんだろうか、制度が利用者に合わせるべきであるのか、必ずしも現状ではそうなっていない、むしろ利用者が制度に合わせているという部分もあると思います。そして、制度に合わない人は利用したくても利用できないという先ほどのお年寄りの話なんかもあるわけです。この点につきましては政府として強くまた御認識のことと思うわけですけれども、ぜひともそのあたりの改善を図っていただきたいと思います。
 ただいま総務庁から御説明をいただきましたけれども、この身体障害者手帳に関する件についてのお考えと、そしてまた利用者本位に立った窓口行政サービス、福祉サービスは今後どのようにあるべきかの御見解を自治大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(野中広務君) 地方公共団体の窓口サービスに関しましてはただいまそれぞれ答弁がございましたし、高齢者の方々や体の不自由な方々に対しての処理につきましても答弁があったところでございます。
 事務手続の簡素化あるいは機械化、こういう問題より以上に、私事で経験を通してで失礼でございますけれども、ちょうど三十六年ほど前、私は小さな町の町長をやりました。そのとき私が感じましたのは、出生届を持ってこられた方がそれぞれ戸籍、住民登録、国民健康保険、税務、その他一応の手続をずっとやられるのに、主権者である届け出にこられた住民が窓口を全部歩かれて、そして公僕であるべき公務員が机に座っておって、これが終わりましたらあの窓口へ行ってください、この窓口へ行ってくださいと指示をしております。一度はかってやろうと思ってはかりましたら、出生届を持ってこられた方が私の狭い庁舎を二十七メーター歩いて、そして六つの窓口へ、最後に金を払うまで歩いていらっしゃいます。みんなを集めて、非常に主客転倒しているんじゃないかと。
 やはり私は、今述べられました手続の簡素化とか機械化とかいう以上に、それぞれ心の問題だと思うわけでございます。窓口サービスというのはそれぞれ来られた方々にどのようにして御不便を与えないように、そしてこの人たちが気持ちよくやっていただけるように心をどのように配っていくかという公務員のあり方だと考えて窓口の統合を行って、一カ所に来ていただいたら、中で事務の処理はして、その場で座っていただいておって持って帰っていただく、こういう窓口統合をやった経験を持つわけでございます。
 最近、それぞれの窓口で市民課とか住民課とかいって内部手続によって行われて生かされてきておることを思い、感慨深く思い起こしておるわけでございますが、高齢者やあるいは障害を持った方々にはより以上にそういうきめ細やかな心配りが一番大切ではなかろうか、そういう上に立って先ほど来御指摘のさまざまな施策を私は行っていくべきであると考えておる次第でございます。
○西川潔君 ありがとうございました。二十七メートル、六つの窓口、実例に基づいた御答弁をいただきましてありがとうございました。ぜひ今後ともひとつ簡素化の方をよろしくお願いいたします。
 次に移りたいと思います。
 先月十七日のこの委員会で阪神・淡路大震災の被災者の方々に対するPRの必要性について質問をさせていただきました。もっとあらゆる生活情報が被災者の方々に行き渡るようにお願いをいたしました。
 まず、その後どのようなお取り組みをいただいたか、御説明をお願いいたします。
○政府委員(佐野徹治君) 今回の大震災におきましては、被災者も多く、住民税等の申告が多数行われることが予想されましたので、これは先ほどお話ございましたが、十七日の委員会におきます御指摘も踏まえまして、二月二十日には税務系広報の推進につきましてパンフレット、チラシを初め各種広報媒体の積極的な活用により制度の内容等について十分に周知徹底するように関係地方公共団体に対して通知を行ったところでございます。
 これを受けまして、例えば兵庫県におきましては、県税の期間延長のチラシを七万枚、県税の軽減措置等に係るリーフレットを二十万部作成いたしまして避難所等に配布をいたしましたほか、テレビだとかラジオを活用して震災情報とともに減免措置のPRを行っていると聞いております。また、神戸市におきましては約六十四万部の広報紙を避難所だとか商店、それから新聞折り込み等を通じまして配布をいたしておりますほか、ポスターなども三千枚つくりまして、市バスだとか地下鉄などでも掲示をいたしておりますし、またテレビ、ラジオの活用などにより多くの被災者の方々に対しまして地方税の特例措置等について周知するように努力していると聞いております。
 さらに、政府におきましても、政府広報の「今週の日本」の特別号だとか、いろんな被害者対策等を取りまとめました「復興への道標」だとか、また阪神・淡路大震災非常災害対策本部の広報等を作成いたしまして、税制上の措置等につきまして周知を図っているところでございます。
 このようなPRにつきましては、関係地方公共団体と連携を図りながら、知恵も絞りましてさまざまな措置を講じているところでございますけれども、今後とも関係地方公共団体とともに、また国土庁だとか国税庁だとか、こういった関係機関とも十分に連絡をとりまして、被災者の方々が十分こうした措置を活用できますように広報に努めてまいりたいと考えておるところでございます。
○西川潔君 早速に御対処いただきまして、本当にありがとうございます。我々にお便りをいただくのは、情報が少ない少ないというお便りを随分いただいたものですからせんだって御質問をさせていただいたわけですけれども、ありがとうございました。
 そこで、今回のお取り組みいただいたPRについてですが、さらにもう一言お願いをさせていただきたいと思います。
 ただいま出ました「今週の日本」に雑損控除についての説明が掲載されておりました。説明によりますと、個人住民税について雑損控除が受けられますという内容のものでございますが、今回震災の被害に遭われた方々にとりましては、この雑損控除という言葉を耳にしたり手続をするのが初めてだという声を随分たくさん聞きました。私も微力ではございますが、週に一回ラジオの方で福祉のコーナーを設けていただいてやらせていただいておりますが、早速にその番組でPRをさせていただきまして、雑損控除についての説明、そして今回の措置についての説明をさせていただきました。ですが、今回被害に遭われた方々の中にはサラリーマンの方々やひとり暮らしのお年寄りなどいろんな方々がいらっしゃるわけですけれども、できる限り細かく、かゆいところに手が届くようなPRを今後ともお願いしたいと思います。大臣の御答弁をお伺いいたしまして、少し時間が早いのですが、終わらせていただきたいと思います。
○国務大臣(野中広務君) 最初に、被災者の中のさまざまな問題について、高齢者、障害者等を含めて、先般西川委員から御熱心な現地の状況等につきまして御意見を賜ったところでございます。
 私も先週また現地に入りまして、統一地方選挙を延期いたします中における状況等を見てまいったわけでございますけれども、今、税務局長から御説明を申し上げましたように、それぞれあらゆる手段を使って避難所あるいは地域の皆さん方にPRに努めておるところを現実に見てまいったところでございます。
 けさも閣議後の閣僚懇におきまして、あるいはその前の災害対策本部の第十回の会議におきまして、私は、先般も西川委員からも御指摘いただきましたけれども、避難地におきましては、避難所にいらっしゃる約八万足らずの方々は二カ月というもう限界に達した状況でございまして、特に高齢者の皆さんが多いわけでございます。それだけに高齢者の皆さん方にどこかへ出てください、温泉地でも何でも結構です、特別交付税で見ますということを言ってきましたけれども、なかなか自分たちが愛してきた神戸や西宮や芦屋を離れようとされないわけでございます。
 一つは仮設住宅がなかなかああいう地域では用地を確保することが困難であるから、今瓦れきを処理して、個人の土地がもう随分出てまいりました。そこに同じように国の仮設住宅を建てるようなことを考るべきではないのか、あるいは限界に達した方々をもう長期と言わずに一泊二日ぐらいで温泉へ連れていくというようなことをして心のケアをするべきじゃないかといった問題をけさ提起してきたところでございます。
 今、委員が御指摘になりました個人住民税の雑損控除等につきましても、お説のように高齢者の方々等には雑損控除そのものについて申告もされたことがない方が多いと考えられるわけでございますので簡便な方法によって損害を計算できるよう取り扱うことといたしまして、自治省といたしましても今回の雑損控除の前倒し措置の特例などにつきまして二月二十日に関係地方公共団体にパンフレット、チラシを初めとする広報媒体の積極的な活用によりまして納税者に対して十分周知徹底するよう連絡通知をしたところであります。また、三月十三日に開催をいたしました全国の市町村税務担当者会議におきましても、改めてこれらの制度等についてその周知徹底を図るよう指導したところであります。
 これからもまた関係地方公共団体においてもテレビ、ラジオ、新聞、ポスター、チラシ等を活用して、被災された納税者にこのような広報が届くようにできるだけ多くの機会を利用してやっていただきたいと考えておるところでございます。
 今後とも、自治省といたしましても国税庁ともども密接な連携をとる一方、関係地方公共団体に対しまして、所轄税務署との連携をこれまで以上に密にして、高齢者や障害をお受けになった方々の納税のあり方につきまして必要以上に不便をかけることのないように適切な指導をしてまいりたいと存じております。
○西川潔君 済みません、まだちょっと時間がありましたので。通告はしておりませんが、一つだけ大臣にお伺いしたいんですけれども。
 せんだって大阪でテレビを見ておりましたら、仮設住宅にお入りにならない方がたくさんいらっしゃると、もう百六十戸以上と。これは他の地域の方で、西川さん、入りたいんだけれどもそういうこともお伺いしてみてくれぬかというようなお便りもいただいたんですけれども、こういうことももしお調べいただいてお答えをいただけるようでしたら、またよろしくお願いいたします。
○国務大臣(野中広務君) 関係地方公共団体からは、近隣はもちろん、全国から公営住宅、公団住宅あるいは保養所、こういうところを提供したいというお申し出をいただいておるわけでございます。近くの大阪、京都はほぼこの公営住宅は兵庫県下の被災された方でいっぱいになりました。ところが、その他のところは、和歌山を含めて、まだ離れて行きたくないと。これはもちろん、勤務場所の問題等もあろうと思います。
○西川潔君 西宮市なんです。
○国務大臣(野中広務君) 西宮市は、私もこの間行きました。あそこはもう仮設住宅を建てる土地が限界に達しております。
○西川潔君 いや、建っているんですけれども、かぎをお渡しする日にそこに来ないんです。そして空室になっているわけです。そして、ほかの地域の例えは芦屋市の方とか長田の方とかが、ちょっと西川さん、入りたいんだけれどもそういうことはできないものかなということを聞いていただいたら助かるけれどもと。入らない人があればあそこへ入りたいという方がいらっしゃるんですけれども。
○国務大臣(野中広務君) 西宮市は、市長を初め皆さんとも協議をいたしましたけれども、まだ西宮市民で仮設住宅に入りたい人の希望を満たすに足る仮設住宅並びに仮設住宅を建てる用地が不足をしておるわけです。
 したがいまして、私先ほど申し上げましたように、瓦れき処分が済んだ自分の土地に仮設住宅を建てる方法を検討するべきだ、こう申し上げてきょうも提案をしておった次第でございますので、なかなか神戸市の方を入れるところまでの余裕はないのではなかろうかと、こう思うわけでございますけれども、せっかくの御意見でございますので、一度よく災害対策本部に連絡をしてみたいと考えております。
○西川潔君 ありがとうございました。
○委員長(岩本久人君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 それでは、これより両案について討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○有働正治君 私は、日本共産党を代表して、地方税法及び地方交付税法等の一部を改正する法律案に関しての反対討論を行います。
 まず、地方交付税法等の一部改正案についての反対理由です。
 第一は、地方財政の財源不足にかかわる国の責任を放棄している点であります。
 交付税法は、地方財政に財源不足が生じる場合には、国の一般会計から繰り入れるという特例措置で補てんする旨を明記しています。ところが、来年度地方財政は約七兆円という過去最高の財源不足を生じる事態にもかかわらず、国が特例措置として繰り入れる額は一千八百十億円、不足額のわずか二・六%にすぎません。これではとても国が特例措置をしたなどと言えるものではなく、財源不足のほとんどが地方の借金によるものという性格が変わるものではありません。
 第二は、借り入れはしないという政府の方針に反していることです。
 法案は、財源不足の穴埋めのために交付税特別会計の借入金を約三兆四千億円増額することとしていますが、本来、財源不足を補てんするための交付税特別会計の借入金は行わないというのが政府の方針のはずであります。ところが、年度当初としては二年連続、補正を含めれば三年連続して借り入れによる補てんが行われており、今や借り入れをしないという原則は事実上無視され、借り入れが恒常化さえしているのが実態です。特に今回の借り入れによって年度末の借入金残高は十兆七千七百億円余と見込まれ、財政体質の悪化を招くとの理由から借り入れを廃止した当時の地方負担分五兆六千九百億円余を大きく上回る事態となっています。この点からもこうした多額の借り入れを行う責任が問われなければなりません。
 第三は、交付税特別会計に繰り入れる金額の八割以上を先送りしている問題です。
 九五年度に国の一般会計から交付税特別会計に繰り入れられる予定額は一兆一千三百九十二億円でした。ところが、実際に繰り入れられる額は一千八百十億円と全体の一六%弱にすぎません。ほとんどが二十一世紀に先送りされ、その額は今回の九千五百八十二億円を含めて実に五兆円を超える巨額なものとなります。こうした財源はもともと交付税として地方に配分されるべき地方の財源であり、財源不足が生じる事態ではなおさらきちんと配分しなければなりません。一方で新たな借り入れをしながら、地方への繰入予定額のほとんどを先送りすることは全く筋が通りません。このことを強く強調するものです。
 次に、地方税法の一部を改正する法律案に対する反対理由です。
 第一に、リゾート開発を初め関西文化学術研究都市開発、多極分散型国土形成促進法に基づく振興拠点地域整備に係る特例など、大企業優遇の民活路線、大型プロジェクト推進のための特例制度を温存・延長し、新たな拡大さえしていることです。
 八年前、リゾート法に反対したのは我が党だけでした。しかし、今やリゾート計画のうち六割が一部中止や規模の縮小に追い込まれるなど、それは自然と環境を破壊し、莫大な借金を自治体に押しつけただけです。また、事業費十兆円という東京都の臨界副都心開発計画を初め、一兆円規模と言われる大阪府のりんくうタウン、京都の学術文化研究都市構想など、国が自治体と一体となって大企業本位の開発を進めたことも地方財政破綻の大きな原因ともなっています。こうした点を省みず、引き続きその推進のための特例措置を設けることに同意するわけにはいきません。
 第二は、自動車税、自動車取得税の特例措置の廃止、懸賞金つき預貯金への一律課税など、住民への新たな税負担や環境保全対策での後退を含む内容となっていることです。
 電気自動車、天然ガス自動車、メタノール自動車などに対する特例措置の廃止は、これらの車が公害対策、石油代替エネルギー促進の面から見れば、本来国がもっと力を入れて普及促進すべき性格のものです。環境庁も特に低公害車の普及促進に努めると強調しており、今回の措置はこの方針にも逆行するものです。
 第三は、個人の土地についての長期譲渡所得に係る住民税の税率が緩和されている問題です。
 法案では、特別控除後の譲渡益が四千万円以下の部分についての税率が緩和されており、それにより住民にとって一定の負担軽減となる一方、今回の税率緩和を皮切りに土地流動化の名のもとに土地税制の大幅緩和への突破口となることが懸念されるなど問題を含んだものです。
 なお、今回地方税法の改正項目は多岐にわたり、大幅引き上げの不当な基本政策を維持しつつも、住民の怒りを反映した固定資産税の住民負担の一定の軽減や心身障害者雇用事業所の課税標準の特例の延長なども含まれています。しかし、大企業優遇の措置、国民への新たな負担増など法案には原則的に譲れない内容が多々含まれており、全体としては反対であることを表明して、討論を終わります。
○委員長(岩本久人君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 まず、地方税法の一部を改正する法律案の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(岩本久人君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 釘宮君から発言を求められておりますので、これを許します。釘宮磐君。
○釘宮磐君 私は、ただいま可決されました地方税法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲民主連合、平成会及び二院クラブの各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    地方税法の一部を改正する法律案に対す
    る附帯決議(案)
 政府は、地方団体の行政需要の増大、引き続く厳しい地方財政の状況等にかんがみ、左記の事項についてその実現に努めるべきである。一、今回の平成七年度分及び平成八年度分の固
 定資産税及び都市計画税に係る臨時的な課税標準の特例措置について、納税者に十分周知徹底を図ること。二、固定資産税は、我が国の土地保有課税の根幹であり、自主財源としての市町村税の基幹税目であることを踏まえて制度の整備充実を図ることを基本とすること。
 また、平成九年度の土地の評価替えに当たっては、引き続き評価の均衡化・適正化を推進するとともに、最近における地価の変動をより的確に評価額に反映させるよう努めること。あわせて、土地の評価替えに伴う納税者の負担にも配慮しつつ適切な税負担の調整措置を講ずること。三、地方分権の推進等を図るため、国と地方の役割分担に応じた税源配分の見直しを行うとともに、地方団体がその役割の増大に的確に対処し、地域の実情に即した自主的・主体的な行財政運営が行えるよう、地方税源の拡充強化に引き続き格段の努力を行うこと。四、税負担の公平を確保するため、非課税等時別措置については引き続き見直しを行い、一層の整理・合理化等を推進すること。五、阪神・淡路大震災の被害の甚大性・広域性にかんがみ、住民生活の安定、災害復旧・復興への機動的な対応等を図るため、地方税制上の配慮についても早急に検討すること。
 右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ御賛同いただけますようお願いいたします。
○委員長(岩本久人君) ただいま釘宮君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(岩本久人君) 多数と認めます。よって、釘宮君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、野中自治大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。野中自治大臣。
○国務大臣(野中広務君) ただいまの附帯決議につきましては、その御趣旨を尊重し、善処してまいりたいと存じます。
○委員長(岩本久人君) 次に、地方交付税法等の一部を改正する法律案の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(岩本久人君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたい存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岩本久人君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
○委員長(岩本久人君) 次に、地方行政の改革に関する調査を議題といたします。
 岩崎君から発言を求められておりますので、これを許します。岩崎昭弥君。
○岩崎昭弥君 私は、自由民主党、日本社会党・護憲民主連合、平成会及び二院クラブの各派共同提案による地方財政の拡充強化に関する決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    地方財政の拡充強化に関する決議(案)
 政府は、地方分権を推進するとともに、現下の厳しい地方財政の状況等に対処する観点から、地方財政の中長期的な安定と発展を図り、地方団体の諸施策を着実に推進するため、左記の事項について措置すべきである。一、累増する巨額の借入金が将来の地方財政を圧迫するおそれがあることにかんがみ、地方税、地方交付税等の地方一般財源の充実強化により、その健全化を図ること。二、地方分権の推進に伴い、地方団体が行う事務事業を自主的かつ自立的に執行しうるよう、国と地方の役割分担に応じた地方税財源の充実確保を図ること。なお、国庫補助負担金等については、その廃止を含め一層の整理合理化を推進するとともに、地方団体における行財政改革の一層の推進を図ること。三、地方団体が個性豊かな活力ある地域づくりを自主的かつ主体的に推進し、地域の実情に応じた生活環境及び住民生活に密着した社会資本の整備を推進するため、引き続き地方単独事業の充実を図ること。四、少子・高齢化の進展に伴う地域福祉の充実等の要請に適切に対応するため、地方団体が単独で行う社会福祉経費の一層の充実を図ること。なお、国民健康保険事業における住民負担及び地方団体の財政負担の現状にかんがみ、国民健康保険財政の在り方についての抜本的な検討を進めるとともに、その改善を図ること。五、地方団体が積極的かつ主体的に取り組むことが求められている環境問題、農山漁村対策、森林・山村対策、国際交流、地域文化、地域スポーツ、消防等の諸施策について、引き続き財政措置の充実を図ること。六、阪神・淡路大震災等の非常災害に際しては、当該被災地域の復旧・復興等のために必要とされる財政需要を的確に把握するとともに、関係地方団体の財政運営に支障が生じないよう、万全の措置を講ずること。
 右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
○委員長(岩本久人君) ただいまの岩崎君提出の決議案の採決を行います。
 本決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(岩本久人君) 多数と認めます。よって、本決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、野中自治大臣から発言を求められておりますので、これを許します。野中自治大臣。
○国務大臣(野中広務君) ただいま御決議のありました事項につきましては、その御趣旨を尊重し、善処してまいりたいと存じます。
    ―――――――――――――
○委員長(岩本久人君) 次に、地方公務員等共済組合法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。野中自治大臣。
○国務大臣(野中広務君) ただいま議題となりました地方公務員等共済組合法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。
 民間被用者に対して雇用保険法により育児休業給付が実施されることに見合う措置として、地方公務員等に係る育児休業手当金の制度を創設し、育児休業中の経済的援助措置を講ずるとともに、地方議会議員の年金制度につきまして、国会議員の互助年金制度に準じ、必要な見直しを行おうとするものであります。
 以上がこの法律案を提案いたしました理由であります。
 次に、この法律案の概要について御説明申し上げます。
 第一に、育児休業手当金につきましては、地方公務員共済組合が行う短期給付の事業として創設することとし、育児休業手当金の額は、組合員の給与の百分の二十五に相当する額とするものとしております。また、育児休業手当金に要する費用の一部は、公的負担として地方公共団体が負担するものとしております。
 さらに、育児休業手当金の創設に伴い、育児休業期間中の女子教育職員等に支給することとされている育児休業給を廃止することとしております。
 第二に、地方議会議員の年金制度につきましては、平成七年四片一日以後に新たに地方議会議員となった者の退職年金の支給開始年齢を六十歳から六十五歳に段階的に引き上げるとともに、新たに期末手当を算定基礎として特別掛金を徴収することとしております。
 このほか、所要の措置を講じることとしております。
 なお、この法律案は、民間被用者と同様に育児休業手当金を支給する必要があることから、本年四月一日から施行することとしております。
 以上がこの法律案の提案の理由及びその内容であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
○委員長(岩本久人君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後二時四十九分散会
     ―――――・―――――