第132回国会 外務委員会 第1号
平成七年二月二十一日(火曜日)
   午後二時四十分開会
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  委員氏名
    委員長         田村 秀昭君
    理 事         大木  浩君
    理 事         野間  赳君
    理 事         大脇 雅子君
    理 事         猪木 寛至君
                笠原 潤一君
                成瀬 守重君
                野沢 太三君
                宮澤  弘君
                矢野 哲朗君
                大渕 絹子君
                清水 澄子君
                松前 達郎君
                矢田部 理石
                黒柳  明君
                山下 栄一君
                武田邦太郎君
                立木  洋君
                椎名 素夫君
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   委員の異動
 一月二十七日
    辞任         補欠選任
     山下 栄一君     石井 一二君
 二月六日
    辞任         補欠選任
     武田邦太郎君     小島 慶三君
 二月七日
    辞任         補欠選任
     小島 慶三君     武田邦太郎君
 二月八日
    辞任         補欠選任
     大渕 絹子君     村沢  牧君
 二月九日
    辞任         補欠選任
      村沢  牧君    大渕 絹子君
 二月十三日
    辞任         補欠選任
     大脇 雅子君     角田 義一君
 二月十四日
    辞任         補欠選任
     角田義一君      大脇 雅子君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         田村 秀昭君
    理 事
                野間  赳君
                矢田部 理君
                猪木 寛至君
    委 員
                笠原 潤一君
                成瀬 守重君
                野沢 太三君
                宮澤  弘君
                矢野 哲朗君
                大渕 絹子君
                大脇 雅子君
                清水 澄子君
                松前 達郎君
                石井 一二君
                武田邦太郎君
                立木  洋君
   国務大臣
       外 務 大 臣  河野 洋平君
   政府委員
       外務大臣官房長  池田  維君
       外務大臣官房外
       務参事官     谷内正太郎君
       外務大臣官房領
       事移住部長    畠中  篤君
       外務省総合外交
       政策局長     柳井 俊二君
       外務省総合外交
       政策局国際社会
       協力部長     高野幸二郎君
       外務省アジア局
       長        川島  裕君
       外務省北米局長  時野谷 敦君
       外務省欧亜局長  野村 一成君
       外務省中近東ア
       フリカ局長    法眼 健作君
       外務省経済局長  原口 幸市君
       外務省経済協力
       局長       平林  博君
       外務省条約局長  折田 正樹君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        大島 弘輔君
   説明員
       警察庁刑事局捜
       査第一課長    中島 勝利君
       厚生省社会・援
       護局企画課長   中山 和之君
       厚生省社会・援
       護局保護課長   松尾 武昌君
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  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○国政調査に関する件
○国際情勢等に関する調査
 (阪神・淡路大震災における国際的支援及び外
 国人救援に関する件)
 (ODAに関する件)
 (国連安保理事会非常任理事国への立候補に関
 する件)
 (北朝鮮軽水炉支援に関する件)
 (北朝鮮とのスポーツ交流に関する件)
 (日朝国交正常化交渉に関する件)
 (ゴラン高原へのPKO派遣に関する件)
 (日米安保条約及び安保対話に関する件)
 (冷戦後のアジア地域安保に関する件)
○千九百九十四年の国際コーヒー協定の締結につ
 いて承認を求めるの件(内閣提出)
○千九百八十八年五月三十一日に総会において採
 択された千九百二十八年十一月二十二日の国際
 博覧会に関する条約一千九百四十八年五月十日
 、千九百六十六年十一月十六日及び千九百七十
 二年十一月三十日の議定書並びに千九百八十二
 年六月二十四日の改正によって改正され及び補
 足されたもの一の改正の受諾について承認を求
 めるの件(内閣提出)
○旅券法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆
 議院送付)
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○委員長(田村秀昭君) ただいまから外務委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る一月二十七日、山下栄一君が委員を辞任され、その補欠として石井一二君が選任されました。
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○委員長(田村秀昭君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(田村秀昭君) 御御異議ないと認めます。それでは、理事に矢田部理君を指名いたします。
○委員長(田村秀昭君) 国政調査に関する件についてお諮りいたします。
 本委員会は、今期国会におきましても、国際情勢等に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(田村秀昭君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
○委員長(田村秀昭君) 国際情勢等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○笠原潤一君 まずもちまして、去る一月十七日、我々も予想だにしなかった阪神・淡路大震災が起きまして五千四百名になんなんとする皆様方が残念ながらああいう形になりました。心から哀悼の意を表します。かつまた、多数の負傷者の皆さん、また二十万もの被災者の皆さんに対しまして心からお見舞いの意を表するとともに、一刻も早く立ち上がられることを心から希望いたす次第であります。
 このたびの阪神・淡路大震災につきましては本当に驚天動地の思いでありますし、何人も夢想だにしなかったことであります。日本は明治維新以来、私の方の濃尾大震災も想像を絶する空前の大震災でありまして、有名な根尾谷断層に象徴される大震災がありました。その後、今から七十二年前にまた関東大震災が起きました。日本は地震国でありますが、今回の特に神戸を中心とした大震災については恐らくどなたも1神戸は日本を代表する本当にすばらしい町並みでありますし、外国から見える方々も神戸のあの夜景を見てほっとするというすばらしい神戸の町が瞬時にして灰じんに帰したということであります。余りにも強大な地震の被害に驚くとともに、人間が今まで英知を傾けたといっても、しょせん自然の前には何らいたすべくもないということです。
 そういう点で、今後、政府においても危機管理の問題とかいろいろなことを言われています。我々はこれから再建といいますか、そういうものを真剣に考えていかなきゃなりません。政府においてもマニュアルとかいろいろなことをおっしゃっておりますが、それ以前に私ども、自然の猛威というものに対してもう一度自身を見詰め直さなければならないのではないか、こう思っています。
 と同時に、今回のこの大震災に関して本当に各国からたくさんの援助の手を差し伸べてこられております。そういう点について、国際国家である、今こそ本当にお互いに戦争とかそういうことを抜きにして、純粋な気持ちで援助された国々に対しまして心から感謝を申し上げておりますが、外務大臣、河野副総理におかれましては今後この問題について各国に感謝するとともに、一刻も早く立ち直りについて一大決意をされると思いますが、その点につきましてお尋ねを申し上げる次第であります。
○国務大臣(河野洋平君) 今回の地震によります災害に対しまして各国からいち早くお見舞いのお言葉、さらには具体的に人間の派遣あるいは救援物資、さらには義援金などなどお申し出がございましたことに心から感謝をいたしておるわけでございます。
 政府といたしましても、こうした国々に対しまして、でき得る限りそのありがたいお申し出等について感謝の気持ちを累次お伝えしてきたところでございますが、また先般は参議院におかれましても感謝の意を決議であらわしていただいたわけで、このことも各国が大変この決議に対しまして注目をしておられたということを申し上げたいと思います。
 今回、外国から寄せられましたお見舞いのメッセージは、世界のほとんどの国からのメッセージが届きましたし、また具体的な支援の申し出については七十二の国あるいは地域、さらには国連、国際機関などからの具体的な申し出が寄せられました。さらには民間、NGO、こういった人たちからもあったわけでございます。これらに対しまして、現地のニーズ等を照会いたしまして、お願いできるものについてはできるだけお願いをしてきたところでございます。
○笠原潤一君 今度の大震災の災害の現場を見るにつけ、本当に空前絶後の大震災であります。実は、私どもは終戦直後、御承知のようにB29の爆撃があって、日本の都市の大部分が灰じんに帰したわけです。あの当時のことを振り返ってみますと、本当にもう何といいますか、言葉では言い尽くせないものがあります。私どもは旧制中学校へ入ったときでありましたが、焼け跡に建物をつくったんです。今は仮設住宅ですが、当時はバラックと言ったんです、バラック建て。今でも五十年前を振り返って中学のバラック会というものを結成しておりますが、あれを思うにつけ、本当に一刻も早く仮設住宅ができて、そして皆さんが安心して住めるようになることを一番希望しております。
 同時にまた、今御承知のように戦禍の灰じんで、チェチェンもそうですし、あるいはボスニア・ヘルツェゴビナもそうですが、かってのユーゴスラビアのベオグラードを初め、またオリンピックのサラエボにしても、あの廃墟の跡を見ますと本当に胸が痛む思いがするんです。
 幸い、今回の神戸の大震災については、もちろん自衛隊の皆さんも、それから消防も、あるいはボランティアの皆さんも各地から青年男女が随分駆けつけて、かつての関東大震災、あのときに、例えば水平社の皆さんが殺されたり、あるいは韓国の皆さんが虐殺に遭ったんですけれども、ああいうことは今度は全然起きていない。実はロサンゼルスの大地震が起きたときに、いろんなことは別として、韓国人街に随分暴動が起きて、略奪されたりいろんなことがありました。しかし、我が日本の国は、神戸においては整然と。
 実は非常に皆さんが不思議がっているのは、スーパーマーケットに行って何らいろんなことが起きていないと言うんですね。普通ああいう大震災が起きますとどこでも大変な騒ぎが起きて略奪、暴動、そういうものが起きてくるんですけれども、どういうものか日本だけは本当に整然として、あれが外国人から見ると非常に不思議だと言うんですね。
 「倉庫みちて礼節を知る」という言葉があるんですが、日本というのは、戦後五十年たってみんな衣食住も足りて、本当に立派だったわけです。日本人の礼節とか道義とかいろんなことを言いますけれども、それが蓄積されてきたし、そういう長い間、また何十年か何百年か何千年かの日本人の伝統というものがこういうときに発揮されたんだなと思って、私は非常に日本人としての誇りを今さらこういうときにかいま見る思いもするわけであります。
 実はODAの問題ですが、確かに日本人としてはそういう気持ちの方もあろうかと思うんです。こういう時期ですからODAの予算をこの復興に回してはどうかと言う人もあるかもわかりませんが、私は今回のことで非常に、先ほど申し上げたように各国から援助の手が差し伸べられてきた。特にその中でもモンゴルであるとかフィリピンであるとか低開発国の皆さんが、このODAを供与されてきたにもかかわらず、今回も大変温まる支援がこの国からも来ています。
 したがって、我々はやはりODAが、そして我々が海外援助のもとにこういう低開発国あるいはそういう国々に果たしてきた役割がいかに重要であったかと思うときに、私はやはり我が国の復興は我が国民でやるべきであって、そして今度のODAの予算については、あくまでこれはやっぱり海外援助でありますし、そういう世界的な普遍的な国際協力でありますから、国内復興に、神戸の復興については我々は我々日本人同士でやっぱり一刻も早く復興の適を歩くべきであるし、そのような所要の関係の予算その他については我々は当然我々独自でやるべきであると、こう思っています。
 国際貢献であるこのODAの問題についてはやはりきちっとして、せっかく四%もことしふやしていただいたわけですから、その点について、外務大臣としてはこのODAの供与に対してどうお考えになっておりますか。その点ひとつお伺いしたいと思います。
○国務大臣(河野洋平君) 現在、衆議院で来年度の予算の審議をお願いいたしておるところでございますが、この予算案を作成いたしますに当たりましても、笠原議員初め多くの方々に御指導をいただき、この予算案を最終的に煮詰めて政府案とさせていただいたわけでございます。
 そういう状況の中にございますが、今回の地震ということもあって、一部にはこれを組み替えてはどうかというようなお話がございます。しかしながら、私どもといたしましては、今回の地震は国全体にかかわる大災害であって、政府全体としてその対策を検討しなければならないところであって、外務省としても国際的な支援の申し入れ、あるいはJICA保有の緊急物資の活用などに関し最大限の協力を行ってきております。
 今般の災害復旧にかかわる財政不足に対しましても、政府として適宜適切に対応していくというのが方針でございまして、その一部分だけを取り上げて云々するということではないのではないかというふうに思っているわけでございます。つまり財政需要を満たすための財源について財政全体の中で調整をするということが必要だというふうに思っておりまして、ODAという個別の政策経費を取り上げて組み替え云々ということでは全体のバランスを失したものになるというふうに考えておりまして、平成七年度予算案は現在国会に提出をさせていただいているわけで、むしろその早期の成立をお願いいたしたい次第でございます。
 なお、つけ加えますれば、現下の国際情勢におきまして世界の安定と繁栄を確保していくためにODAの果たす役割の重要性には何ら変化はございません。今次災害におきまして各国からのお見舞い、支援の申し入れなど、ODAなどを通じ我が国が培ってきた友好協力関係があってのことと考えるわけでございまして、このため我が国としては国際貢献の重要な柱として引き続きODAの効率的な実施に努めていくことが必要ではないかこういう認識を持っております。
○笠原潤一君 大臣からの御決断を聞きまして、私も当然そうだと思っていますし、ODAは必ず持続、継続すべきであって、財源については我々もそれは考えていくべきだと、こういうふうに思っています。
 それから、おかげさまでODAで特にJICAとか、先ほど大臣いみじくもおっしゃいましたが、この技術、いろんなノウハウについては非常に大きな貢献を果たしておりますし、そういうものが一部、今度例えば神戸のいろんな問題についてそれが活用されたということですから、私はODA技術のそれがいかにすばらしかったかということと、そういうものが活用されたことに対して非常に誇りを持っています。
 ODAのいろんな援助のことにつきましてはいろいろと御批判もあろうかと思いますけれども、しかし今まで私も各国回ってまいりまして、ODAが果たしてきた役割というのは非常に大きいし、さらにODAそのものについては、その大網が示しておるようにこの大綱に基づいて立派にやっていらっしゃる、ODAのいろんな援助その他の方法につきましてはいろいろと国会でも論議がありましたけれども。
 日本という国は非常に安全な国でありまして、私の友人が、外交官ですけれども、たまたま日本へ帰ってきたら、実は非常に不思議なことがあると言うんですよ。なぜかといったら、日本が異常であると、こう言うんですね。なぜ異常かといったら、こんな静かで、そしていろんな犯罪が起きていない国というのは本当に異常である。子供が日本へ帰ってきて、これは外国人ですけれども、日本の大使館に勤めていらっしゃる方でありますが、海外を歩けば必ずもう、海外というのはいろんな風俗、習慣、特に絶えず犯罪とまともに向き合っていますから、そういうことがひとりでに小さな子供、幼児までにしみ込んでいるわけですよ。しかし、日本へ来るとそういうことはありませんから、一種の違和感でちょっと精神状態がおかしくなる。おかしくなるといってもいい方へおかしくなるんですけれども。
 そういうことを思えば、車ほどさようによその国へ行けば、ある意味では東南アジアの中でもいろんな国々で風俗、習慣、宗教、信条、全部違うわけですから、そういう中でODAを実施していこうと思われますと、それはその都度その国の状況に合ったことをしないとなかなか大変だなと思うんですよ。中には法律をつくってやれと言う人もありますけれども、私はそうではなくて、中南米は中南米の考え方がありますし、東南アジア、アフリカ、もういろんな国々それぞれ違いますから、やっぱりスペシャリストがその国に対応できるようにやっていくのが私は一番正しい方法だと思いますが、そういう点ではODA大綱をそのまま遵守してやるお気持ちであるのかどうか。その点を外務大臣に二応お尋ねしたいと思います。
○国務大臣(河野洋平君) 開発援助の額が相当大きなものになってきたということから、外務省としてもいろいろ考えなければならない点があるように思います。
 その一つは、原理原則というものを定めてODA大綱に沿って実施をする。これは一つの道しるべのようなものをお決めいただいて、これに沿ってやっていこうというのもその一つでございますし、あるいはまたODA白書をつくって皆様方に見ていただいて、きちんとODA関連のものはすべて白日のもとにさらして御検討をいただくということも一つでございます。さらには、実績を評価するためにさまざまな方々にお願いをして実績評価をしていただく。こういうこともやっているわけでございまして、それら一つ一つ見ていただけば、いかに今のODAが十分に透明度を保って行われているかということはおわかりいただけるものであろうと思うわけでございます。
 関係省庁及び援助実施機関との連携というものも非常に重要なことでございます。これらについても改善に改善を加えているわけでございまして、現在の実施体制は、今、議員お話しのように、全体として順調に機能しているというふうに我々考えているわけでございます。
 したがって、私どもといたしましては、援助に関する基本法制定というお話も一部にございますが、これは我が国の国際貢献及び外交の上で必要不可欠な援助の機動性とか柔軟性というものを考えたときにどういうものであろうかと、こんなふうに考えているところでございます。
 ODA基本法ということにつきましては、今後とも大綱及び現行の関係法令などの枠内で改善すべき点は改善しながら、効果的、効率的な援助の実施を図っていくことがより適当なのではないかというのが現在の私どもの考え方でございます。
○笠原潤一君 よくわかりました。その国その国、その地方その地方によってやり方、方法はいろいろあろうかと思いますので、大臣の今のお気持ちで私もよかろうかと思います。
 昔、よく私も海外へ行きまして、同じ援助物資でも、例えば農機具でも実はトラクターは扱わなくてもいい、小さなティラーでもいいのじゃないかというところもあったんです。今から何十年か前にはそういう多少のコミュニケーションの違いといいますか、いろんな実態と違った点もあったと思うんですが、最近はどこで聞いても大体その国の援助は皆さんが要請される方法にうまくのっとってやっておられますから、そういう点で私は疎漏のないようにこのまま進めていただきたいと、こう思います。
 続きまして国連の非常任理事国の立候補の問題でありますが、実はもう数年前からいわゆる常任理事国入りがかまびすしかったといいますか私どもは当然常任理事国入りを希望されておったと思ったんです。しかし、考えてみますと、これは国連の機構改革が一つは大きな問題であります。
 今まで常任理事国というのは五大国でありましたから、米国、英国、フランス、それに旧ソ連、今ではロシアですか、そして中国、五カ国が常任理事国といって、いろんな問題でも一国が拒否権を使えば、仮に重要な問題であってもほとんどそれができないということもあったし、国連の機構そのものも肥大化してまいりまして随分いろいろと問題も出てきたわけですから、そういう点で国連の機構改革に伴って常任理事国もまた時宜に合った形にしていかなきゃならぬじゃないかもう五十年間も同じでありますから。
 そういう点の中で、常任理事国ということについて国民世論もそういうふうに傾きつつあったし、我々もそういう形になっていくのではないかと思いましたが、今回、一応非常任理事国に立候補を決意されたわけでありますが、考えてみましたらまだ国連の機構が改革されたわけじゃありません、常任理事国がふえたわけじゃありませんから、非常任理事国で立候補されるのが私も当然のしからしむるところだと思っております。
 その辺について、多少何か考え方の食い違いといいますか意見の相違といいますかそんなものがあるやに聞こえておりますが、その辺のことについてちょっとお伺いしたいと思うんです。
○政府委員(柳井俊二君) ただいま先生御指摘の国連の改組、なかんずく安保理事会の改組につきましては、御案内のとおり、現在、作業部会を中心にいろいろと議論が行われているところでございます。我が国といたしましては、国連創設五十周年という本年に改革の大枠につきまして合意が成立することを期待し、またそのように努力すべきだということを言っているわけでございます。そういう立場で引き続き国連における改革の議論に積極的に参加しているところでございます。
 ただ、国連ではいろいろまだ解決すべき問題がございまして、さらに議論を続ける必要がございますし、仮にこの改革の大枠というものについて本年何らかの合意が成立したという場合におきましても、この国連憲章の改正が決議されまして、加盟国の三分の二、これには五大国が入るわけでございますが、三分の二の批准を得て、実際に改革が実現されるまでには合意後さらに二年程度を要するというふうに見られるわけでございます。そういう現実に照らしまして、この際、来年の選挙に非常任理事国の立候補をしようというふうに決めたわけでございます。
○笠原潤一君 今、柳井局長さんからお答えをいただきましたが、それに尽きると思います。今のところ非常任理事国に立候補するのが一番正当な道であろうと、こう思っておりますし、大臣もそういうふうにお考えになっておろうかと思いますが、その点、大臣はいかがですか。
○国務大臣(河野洋平君) ただいま政府委員から答弁申し上げたとおりでございます。
○笠原潤一君 それから続きましてKEDOの問題ですが、いよいよ軽水炉の支援の問題が大きな問題になってきたんです。大体十カ国がこれを支援したいというようなことになりかけておるということでありますが、これもなかなかまたいろんな問題があります。
 この軽水炉は、今、伝え聞くところによりますと、韓国は自分のところの軽水炉を北朝鮮へ送りたい、北朝鮮で使用させると、こういうような考えを持っていらっしゃるし、北朝鮮はそうではないような考えを持っているということでもあります。この問題についてはこれからいろんな紆余曲折があろうかと思うんです。
 この支援については、先般、一月十一日でしたか村山内閣総理大臣、河野外務大臣も御同行いただいたと思いますが、アメリカでクリントン大統領とお会いになって、軽水炉支援については我が国はこれを積極的に推進したいと、こういうお話でありました。それはいいわけですけれども、北朝鮮の核疑惑の問題が依然としてまだ巷間ささやかれてもおりますし、北朝鮮をめぐるいろんな問題もあります。
 そういう中で、実はつい先日でありましたか二、三日前、金正日さんの誕生日ですね、誕生祝賀会が行われたわけです。私どもが非常に不思議に思っておったのは、当然金正日さんは出てくると思っておったんですけれども、あのすばらしいマスゲームやいろんなことがあって、そこへ金正日さんの姿すら出てこない。これは一体どういうことなのかということを私ども非常に実は奇異の感を持っているわけです。もう世界のどの国へ行っても、その元首の誕生日とかいろいろなことがあると、それは独裁国家であれ何であれ必ず出てくるんですが、いまだに御本人があらわれていらっしゃらぬし、一体どういう国なのか私にはそこら辺が非常にわかりにくいんです。したがって、軽水炉の支援をするとなれば、これはもう恐らく最高実力者である金正日さんがやっぱり当事者でなきゃならぬというわけでありましょうが、まだ北朝鮮の主席にもなっていらっしゃらぬという状況であります。
 この辺の観測といいますか外務省の考え方というのはどうなんでありましょうか。そこら辺のところを一応お聞かせいただきたいと思うんです。
○政府委員(川島裕君) お答え申し上げます。
 誕生日につきましては、確かに金正日書記が出てこなかったわけでございます。それで、いつごろ主席・党総書記に就任するのだろうかという具体的時期が非常に不明なものですから、そこが何となく見通しがつかないという感じを持つ向きがどうしても多いわけでございます。ただ、いずれはやはり指導者に就任するだろうというのが依然として大方の見方でございます。
 それから、実態的には、金日成主席が亡くなられた後も私ども見ておりまして、北朝鮮の政策決定と申しますかそういうものはきちんと動いておりますし、まさに昨年の秋に米朝合意ができて、それ以降も米朝合意を受けた一連の北朝鮮の対応というものはきちんと意思決定が次々になされているという印象を受けておりますので、いつ就任かということは別にして、金正日書記後継体制の確立に向けて事態が動いている中で北朝鮮として粛々といろんな対外関係の処理等もやっているということではないかと考えております。
○笠原潤一君 よくわかりました。
 それでは、まだはっきりはしていないんですけれども、軽水炉ですが、韓国炉であると言われてもおるし、あるいはアメリカはブランドのOEMですか。ここら辺の調整は、例えばそのことについては日本もかかわり合っていくんですか、型とかそういうものは。お金を出すだけで、そういうものについては全然タッチをしていない、関与をしていないと、こういうことでありますか。
○政府委員(川島裕君) 軽水炉のプロジェクトをどういうふうに動かすかという段取りは、まさに近々設立に持ち込まれると思われますKEDO、俗称KEDOと言いますが、コンソーシアムが中心になって動くわけでございます。その国際的コンソーシアムにおきましては、韓国、日本、米国が主導的な役割を果たして、北朝鮮と軽水炉プロジェクトをどう動かすかについていろいろ具体的にこれから詰めていくという状況でございます。
 それで、お尋ねの韓国炉か否かということにつきましては、これは合意をつくる段階で米朝交渉が進みまして、それと並行して日米及び韓国、三カ国で緊密な連絡をいたしましたけれども、大前提としてこれは韓国の炉である、そしてそれを前提として韓国が一連のプロジェクトにおいて中心的な役割を果たすということを前提としてきた次第でございますし、そこのところは今後の北朝鮮とのやりとりにおきましても前面に出していくことだろうと思っております。
○笠原潤一君 それから、御承知のように昨年の中間選挙で共和党が圧勝したわけです、圧勝したというか上院下院を制したわけでありますが、いろいろとクリントン政権と議会との間が、初めは順調にいくかと思いましたが、最近は随分ぎくしゃくしてまいりました。
 御承知のように、今回米国の安全保障活性化法案というのが一応下院で通ったわけですが、これは米国のPKOの削減であるとか非常にいろんなことをやっているわけです。その反面、アメリカは御承知のようにそういう予算を削減しながら、一方、日本に対してその支援策を要請してくると思いますが、クリントン政権が最近非常にさま変わりしてまいりまして、日本に対してはいろいろと、日米安保条約の再構築といいますか、日本とアメリカの緊密化をクリントン政権は最近非常に強く打ち出してきているという話でありますが、その辺の問題。
 それからもう一つ。私も昨年九月にちょっとアメリカヘ行ってきて、また一月にも行ってまいりましたが、最近、アメリカの対日観に大きな何か変化が生まれつつあると思うんです。かつてアメリカは日本に期待といいますかかっては日本に対する非常に恐怖感ともう一つの反面入りまじったいろんな複雑なものがありましたが、最近、日本に対する態度がやや変わりつつあると思うんです。それがいい意味というのか悪い意味であるのか。期待感が薄らいでいるというのか。反面また、クリントン政権だけは期待感があるけれども、一般的にアメリカの知識階級、いろんな階級の皆さんの日本に対する期待感というのが何か薄らいでいくような気が最近ややなきにしもあらずですが、その辺の考え方をどういうふうに外務大臣なり外交当局は持っていらっしゃるか、そこら辺ちょっとお聞きしたいと思うんです。
○国務大臣(河野洋平君) いろいろお尋ねをいただきましたが、順番が逆で申しわけありませんが、申し上げたいと思います。
 アメリカにおります知日家の話などを聞きましても、今、議員がお尋ねのように、日本に対する見方といいますか感じ方といいますか、そういうものに少し変化が出てきている点もあるようでございます。これはアメリカといっても大変広い国、さまざまな意見、議論のある国でございますから、どれを指してアメリカというのかということはいろいろあろうかと思います。
 私が聞いた話の一つとしては、知日家の話として、今、アメリカにはジャパンバッシングということとは違ってジャパンバッシングという言い方があるんだと。それはもう日本を越えてもっと先へ行っちゃう。アメリカがアジアに関心があるというときには、もう日本を通り越してもっと先のシンガポールとかインドネシアとかフィリピンとかあるいはベトナムとかそういう日本を通り越してしまっているんだと。それは日本バッシングよりもさらに日本をパスして先に行ってしまっているということなのじゃないかと思いますけれども、そういう気持ちが多少ある。これは相当気をつけなければならぬことであって、我が国の企業家がややもすれば日本を空洞化してでもアジアに出ていって仕事をするというのとやや似たものであるかもしれませんが、そのためにはもう少し日本に、例えば規模の大きいハブ空港をつくった方がいいぞとか規制緩和をやって国際的に同じルールで仕事ができるという状況をつくった方がいいぞというような忠告をしてくれる友人も少なくないということが一つございます。
 それから、日米安保条約についてお話がございました。この日米安保条約につきましては、アメリカも、ここ数年、どうも日米関係というのは経済的な側面だけが取り上げられて、ともすれば日米はいがみ合っている、あるいは対立しているというふうにとられがちであるけれども、そうではない。やっぱり落ちついて考えてみれば、日米安保条約というものがあって、日米関係というものはもっともっとしっかりとした関係ではないかそういう点に着目をしてもう一回日米関係というものをより強い二国間関係というふうに位置づけていくべきではないか、そういう意味で安保条約についての御意見があるように伺いました。
 アメリカにおけるPKO予算の削減云々というのは、政府委員から少し説明をさせたいと思います。
○政府委員(柳井俊二君) 先ほど御指摘のPKOの分担金の削減問題というのは、まさに現在国連において議論をされているところでございます。
 御承知のとおり、PKOの経費につきましては国連総会で決められました分担率に従って払うことになっておるわけでございますが、米国は現行のPKO分担率の軽減を求めているわけでございます。また最近、米国議会の下院におきまして、米国が行いました自発的な拠出でございますとか、あるいは多国籍軍に対して部隊を派遣したという場合の経費等を自国のPKO分担金から差し引くというような条項を含んだ法案が可決されたわけでございますが、こういう考え方はまさにPKO財政の破綻にもつながりかねないものでございまして、我が国としてはこのような動きに注意を払っておるところでございます。
 PKOの経費負担のあり方の見直しにつきましては加盟国の間の合意が必要でございまして、特定国が一方的な形でこれを変えるということはすべきではないと思っております。また、我が国といたしましても、合理的な理由なしに我が国の負担が増大するということは受け入れられないところでございまして、そのような意見を言っております。
○笠原潤一君 実はAPECの問題もちょっとお聞きしたかったんですが、もう余り時間もありません。やっぱり日米間というのはタイトな関係を持っていかなきゃならぬと思っておりますし、それからアジアを重視しながらやっぱりやっていかなきゃならぬ。ややもすると世界的にはブロック経済化しつつありますから、NAFTAもしかり、EUもそうですが、我が国は一応アジアとそれから太平洋を挟んでのこの経済圏というものをやっぱり重視しなきゃならぬので、その点マハティール首相のおっしゃっていることはわからぬわけじゃないですけれども、やはり私は、今度の大阪で行われるAPECの会議については、この太平洋とアジアの経済圏を確立して、お互いに総合的に連携しながら域内の経済その他を活性化しながら拡大していくのが一番正しい、こう思っております。
 その点大臣にお伺いしながら、実は南沙列島の問題も少しあって、これはシーレーンの問題で大変なので、日本はイニシアチブを発揮しながらこのフィリピンと中国の問題、それからベトナム、マレーシア、そういうところを含めたこの問題をやはり早く解決するというか、その調整役に日本は乗り出すべきではないかと思っておりますが、その点を一つお聞きいたします。
○国務大臣(河野洋平君) ミスチーフの話は、きょう午前中、衆議院でも大分議論がございました。私どもとしては、第二次世界大戦の後、我々がギブアップした地域でもあるということもありまして、我々の発言はできるだけ控えることが適当ではないかというふうに思っているわけでございます。私どもとしては、あの問題についてはできるだけ関係者が平和的に話し合って早期に解決をしてほしいというふうに思っておりますが、我々としては今そういう立場、態度をとりたいというふうに思っております。
 APECについては、今、議員お尋ねのように、やはり何といってもアジア・太平洋地域の経済というものはもう大変なエネルギーを持っているわけで、このエネルギーをやはりよりよくさらに進めていくということが重要だと考えます。議長国として、昨年のインドネシアのボゴール宣言というものを踏まえまして、各国の意見というものもよく聞きながら円滑な運営をしてまいりたいというふうに思っております。
○笠原潤一君 ありがとうございました。以上で終わります。
○大脇雅子君 笠原議員の質問に続きましてお尋ねをしたいと思います。
 九五年二月十八日の毎日新聞の記事によりますと、日米安保を再構築するということで、米国政府は日本に対してPKOでの協力のあり方とか戦域ミサイルの開発問題等で協議を始めたいというような申し入れをして、そしてそのニュービジョンという形で日米協力の新しいフロンティアの検討を始めたというふうに記載されておりますが、これはいっどのような項目について申し入れがあり、現在日本政府でどのようなレベルで対応をしているのか、お伺いしたいと思います。
○政府委員(時野谷敦君) ただいま先生がおっしゃいました安全保障の問題に関します日米間の対話と申しますのは、先ほど外務大臣からもお話がありましたけれども、やはり日米関係というのは幅広い関係であって、そういう視点からとらえていく必要がある。そういう意味でこの日米安保体制、日米安全保障関係の重要性というものを認識して話をしようじゃないか。こういうことがアメリカから昨年の暮れあたり以降そういう意見が表明されてまいりまして、私どももそれは基本的に歓迎すべき物の考え方だというふうに思っておりまして、そういう認識に基づいていろいろな話をしていこう、こういうことでございます。
 したがいまして、具体的に項目について申し入れがあったとかそういう種類のことでは別段ございませんで、日米間には、安全保障の問題についてはもちろん地域の情勢分析とか情勢の認識だとかそういうことから始まりまして、個別の問題では例えば駐留米軍経費の問題とかあるいは接受国支援の問題でありますとかそれから日本にあります基地の問題とか、そういう個別の問題はいろいろあるわけでございますが、何といいますか大きな認識に基づいてそういう話をしていこう、こういうのがアメリカ側から出てきている考え方で、私どももそれに何ら異存があるわけじゃございませんし、そういうことで対話を深めていこうと、こういうことで対話を深めていこうということについてはこの前の一月の日米首脳会談でもそういう趣旨のお話があった、こういうことでございます。
○大脇雅子君 そうしますと、今後ほどのようなレベルでどのような形で協議を続けていかれるのでしょうか。
○政府委員(時野谷敦君) 別段かっちりした枠組みみたいなものが想定されているわけではございませんで、日米間では御承知のとおり日常的にいろいろなレベルでの話し合いがございます。例えば、私どもSSCとか俗にミニSSCなんて呼んだりしていますが、そういう事務レベルの協議の場がございますのでそういう場、あるいは個別の問題についてそれぞれ別の場がありチャネルがある、こういう状況でございますが、そういうものを通じて、そういうものを活用して話をしていこう、こういうことでございます。
○大脇雅子君 冷戦が終結いたしまして、いわゆる軍事同盟としての日米安保の機能とか役割というものはやはり見直すべきだと考えられると思います。そして、いわば地域的な信頼醸成というようなものを基軸にした、いわば人権、環境安保というようなところへ軸足を置いて地域的な安全保障システムを創設していくというのがやはり我々の将来見通すべき方向だと思うわけです。
 ただ、新聞記事などによりますと、アメリカはNATOのような強力な軍事同盟への、言ってみればアジア安保のようなものに期待しているというような記事もあるわけですが、日本のスタンスはどのように考えられてこれに臨まれるのでしょうか。
○政府委員(時野谷敦君) 先生がただいま引用になりました新聞の報道は私も読みましたが、別にNATOのようなというのは具体的に何を思ってそういう表現を使ったのかというのは私には必ずしもよくわかりませんが、日米というのはこの二国間の安全保障の体制でございますし、NATOというものとはもともと全く性格を異にするものでございますが、アメリカ側が言わんとしていることは要するに、まさに安保体制の堅持といいますか、そういう安保体制の運用というものをきちんとやっていく、そういうことに心がけよう、こういうことを言わんとしたものだと思います。
 そういうこととは別に、この地域での対話という話がもう一つ別にあるんですが、これは日米安保体制の問題とは別の話でございまして、その二つのことがお互い代替し得る関係にあるとか、そういうことではないんだというふうに思っております。日米安保体制というものの円滑な運用ということはやっていかなきゃいけないと思いますし、他方においてこの地域での信頼醸成といいますか安心感の醸成といいますか、そういうことのためにも御承知のARFとかいろいろなそういう政府あるいは民間レベルの対話の仕組みというものを考えていく、そういうこともまた他方において必要なことだというふうに思っております。
○大脇雅子君 外務大臣にお伺いしたいんですが、この協議の方向その他についてはどのようなお考えでしょうか。
○国務大臣(河野洋平君) 今、政府委員が申し上げましたように、日米という二国間の関係でございます日米安保条約とは別にASEAN諸国が集まりましてASEAN拡大外相会議というのがございますが、このASEAN拡大外相会議でARF,ASEAN地域フォーラムというものが昨年からスタートをいたしました。このARFにおきましては、関係諸国がお互いにテーブルに着いて腹蔵なき話し合いをすることによって信頼関係を醸成する、そういうことでございます。
 私は、そうした機会にでき得る限り、例えば参加国の軍備の透明性というようなものをそこで確認するとか、あるいは考え方をお互いに言い合うとか、人間の交流、知識の交流をするとか我が国からも幾つかの提案をいたしておりますが、そうしたことがなされてさらに信頼関係が進むということが何より大事ではないかと。テーブルを囲み、そういうことを重ねることによって敵意を、仮に敵意があっても、敵意を減じ信頼がふえていくということが非常に重要なものではないかというふうに思っているわけです。
 ただ、このASEANの会議にいたしましてもその他の会議にいたしましても、一つは現在アジア・太平洋地域が経済的に非常に成長期にある、その成長期を支えているのほかなり安定した秩序のようなものがそれを支えていると。その秩序を、非常に間接的ではありますけれども、支えているものはアメリカのプレゼンスでもあったということなどを考えますと、全体的にARFの議論というものが比較的現在安定した状況の中でその議論がなされていると。私はそういう時期にそうした議論が積み重ねられてこの安定した状況、秩序というものがよりよく整っていくということはいいことではないかというふうに思っております。
○大脇雅子君 ぜひ、アジアの中に生き、アジアの平和のために貢献をできるような形での日本の大きな役割をお願いしたいというふうに思います。
 阪神・淡路大震災に関連してお尋ねをいたしたいと思います。
 阪神・淡路大震災の犠牲になられた方々につきましては、心から御冥福とお見舞いを申し上げます。
 とりわけこの大震災のもとにおきまして外国人の救済がどういう状況にあるのかという点について、兵庫県警は一月十九日から外国人ホットラインを創設して、千四百五十件余の相談があったと。そして、神戸市や県は外国人のホットラインを一月二十四日、おくれて創設をしたんですが、連日相談件数はウナギ登りに上がっていると。NGOの方は外国人地震情報センターというところに集結いたしまして、母国語によるホットラインで約二十カ国の言語によって一月二十四日から二月十七日までホットラインを創設いたしまして、その間四百二十三件、ボランティア百四十名というところの体制で外国人の救済に当たっているということでございます。
 その中でとりわけ問題となっていますことについてお尋ねをいたしたいんですが、外国人の死者、行方不明者の人数がはっきり確定できないということでございますが、警察庁としてはどのような数字を把握しておられるんでしょうか。
○説明員(中島勝利君) 今回の震災でお亡くなりになられた方のうち、外国人につきましては私どもは次のような方法で今作業を進めております。
 まず一つは、御遺族により直接確認に至った方、あるいは遺体発見場所の付近等からの聞き取りによりまして氏名等を把握をいたしまして関係機関に照会の結果確認に至った者、それから関係者からの聞き取り及び領事機関への問い合わせ等によりまして確認をいたしておる作業、最後に遺体現場から発見をされました外国人登録証あるいはパスポート、所持品等から確認に至った者。
 それで、現在警察で確認をいたしておりますのは百六十六名の方々を国籍別に把握をしている状況でございます。
○大脇雅子君 国籍別にはどのような数でしょうか。
○説明員(中島勝利君) 国籍別で現在把握している状況を申し上げますと、韓国・朝鮮が百五名でございます。中国が四十二名、ブラジル八名、ミャンマーが三名、アメリカニ名、フィリピン二名、その他各一名でございますが、これはペルー、スイス、オーストラリア、アルジェリアとなっている状況でございます。
○大脇雅子君 二月十七日現在で、兵庫県国際交流課協力係の非公式発表によりますと、外国人の死者は二百四十九名で不明が四十一遺体あるという数字が出ているんですが、これをどのように見られるでしょうか。
○説明員(中島勝利君) 他機関の御調査でございます。私どもは一応外国人の方ということで認定をする作業を、先ほど申し上げたとおりで、これは誤りがあってはいけませんので確実に処理をしているという状況でございます。
○大脇雅子君 外務省の方にお尋ねしたいのですが、関係の在日大使館、領事館と震災における外国人救済についてどのような連絡、連携をとっておられるでしょうか。
○政府委員(畠中篤君) 外務省といたしましても、今次災害の規模が極めて大きかったこともありまして、震災の直後から在日各国公館と連絡をしてまいりました。
 具体的には、まず震災三日後及び二月初旬でございますけれども、二回にわたりまして当省職員を現地に派遣いたしまして、神戸の各国総領事館の実情把握と、そこでいろいろ要望事項につきまして調査いたしまして、関係方面に伝えてその対応を要請いたしました。特に、私ども外務省では外国人遺族等関係者の迅速な入国ということにつきまして法務省と協議して最大限の便宜を計らいました。
 そのほかに、各国公館は、今、先生のお尋ねの自国民の被災の状況につきまして、それぞれ自国民のネットワークを活用いたしましたり、あるいは直接警察庁、消防庁その他関係当局と自治体その他に接触しながら状況把握に全力を挙げておるわけでございますが、外務省といたしましても関係省庁からその都度得ました情報を関係外国公館に連絡をいたしております。
○大脇雅子君 この兵庫県の国際交流課協力係の出した数字と警察庁の出されました厳密な数字の誤差というのは、やはりどこか責任を持って各省庁が在日の大使館、領事館とも御連絡をおとりになってできるだけ早くはっきり解明をしていただきたいと思うんです。そのことがたくさん各国からお見舞いをいただいた心の返し方ではないかというふうに思いますので、やはり外務省などがイニシアチブをとられまして漏れのないように対応していただきたいと心からお願いする次第です。
 それから、その中に出てまいりました問題で、不法滞在の外国人で実際に死者も出ておりますが、要するに外国人に対する弔慰金とか見舞金はどのように出るのかという点についてお尋ねをしたいんです。
○説明員(松尾武昌君) 災害弔慰金の支給等に関する法律に基づきまして災害弔慰金、災害障害見舞金及び災害援護資金というのがございます。これは自然災害により死亡した住民の遺族、あるいは重度の障害を受けた住民及び住居の全壊などの被害を受けた世帯の世帯主に対しまして市町村が支給または貸し付けをすることとなっております。
 住民とはその市町村の区域内に住所を有する者であり、国籍は要件とされていないところでございます。このため、永定住の外国人はもちろん、企業の駐在員や留学生も一般的には日本国内に住所を有していると見られるためその対象といたします。しかしながら、外国から来た旅行者や不法滞在外国人につきましては、一般に日本国内に住所を有しているとは認めがたいことや、特に不法滞在外国人につきましては入国管理政策との整合性もございますので災害弔慰金などを支給することは困難と考えております。
○大脇雅子君 しかし、被災の事実が証明されれば、死者にまで差別をするということは非常に日本の国として問題ではないかという気がいたします。少なくとも弔慰金についてはそういう事実があって亡くなられた方にはお出ししなきゃいけないんではないかというふうに考えるわけです。そんな交渉をNGOの人たちもしていると思うんですが、ぜひ御検討をいただきたいというふうに思います。
 そうしますと、今、日赤あるいは市町村のところにたくさんの義援金が集まっているわけですけれども、日本赤十字社は滞在資格を問わず現金を給付すると言っているわけですが、作業は始まっているでしょうか。
○説明員(中山和之君) 義援金の配分につきましては関係府県、それから市、日赤、中央共募などの関係団体の十五機関で構成されます義援金の募集委員会の自主的な決定に基づいて行われることになっておりまして、この委員会におきましては義援金の人道というような趣旨を踏まえ、国籍とか滞在理由等を問わないこととしておりますので、したがって外国人あるいは違法滞在の外国人の方につきましても支給の対象となるというふうに聞いております。
○大脇雅子君 非常に喜ばしいことだと思うんですが、ただ一点、いわゆる入管法によりますと、オーバーステイの場合は発見すると通報義務があるわけですよね。義援金をもらいに行こうと思っても、通報されるのではないかというおそれで結局行けないという人もあると思うのですが、日赤または市や区などが義援金の受け取りに関しては通報義務を免除するとか、あるいはそういう通報をしないという取り扱いをしていただきたいと思うのですが、どうでしょうか。これはやはり人道的な立場からぜひお願いしたいと思います。
 お答えができなければ、日本赤十字の方でぜひその点は御検討いただくようにお伝えいただきたいと思いますし、厚生省の方として、それはどのように所轄の官庁としてお取り計らいになるのかお答えいただきたいと思うんです。
○説明員(中山和之君) 厚生省の所管外かと思いますけれども、通報義務というのは法律上の恐らく義務規定でございますので、通報義務を免除するというのはなかなか難しかろうと思いますが、先生のそういった御趣旨を踏まえて日赤の方には伝達させていただきます。
○大脇雅子君 もう一つ重要な問題は医療費の問題です。食費に関しましては激甚災害法によって一人八百五十円の食料が支給されますが、いわば医療費の一部負担金、とりわけ緊急医療を除いて治療になった場合に医療費の負担というのはどうなるのでしょうか。
○説明員(松尾武昌君) 災害救助法におきまして医療という分野がございまして、救護センター等で行います医療につきましては国籍を問わずすべての方々を対象として行われるところでございます。その範囲は第一次的な応急医療に限られております。先生の御指摘のとおりでございます。
 我が国に適法に滞在する外国人につきましては、内外人平等の原則に立ちまして医療保険制度など我が国の制度が適用されておりますが、一方、不法滞在外国人につきましては、不法滞在を助長するとの理由により医療保険制度などが適用されていないところでございます。
 不法滞在外国人にかかわる医療費の問題につきましては、入国管理政策との整合性、また日本人や適法滞在外国人との公平性などさまざまな観点から多面的に検討することが必要でございますので、昨年十一月から外国人に係る医療に関する懇談会を開催し、現在検討を進めているところでございます。
○大脇雅子君  「災害救助法による救助の程度、方法及び期間並びに実費弁償について」という厚生省の昭和四十年五月十一日の通知があるんですが、これなんか読みますと、手術その他の治療及び施術、病院または診療所への収容、看護といったものが対象になっているといって、かなり緊急医療よりは広いものとして運用すべきであると思うんですけれども、この点について厚生省は実際この通知に基づいて今もやっておられるんでしょうか。
○説明員(松尾武昌君) 現在、皆保険制度等保険制度が充実しておりますので、災害救助法で適用しておりますのは救護センターあるいは救護所で実施いたします応急救助、この分について災害救助法で運用しているところでございます。
○大脇雅子君 できるだけやはりその範囲を運用上広くとられて、人道的にぜひ対処していただきたいとお願いをいたします。
 時間もございませんので簡単にゴラン高原の調査団派遣について一点お尋ねをいたしたいと思います。
 これは与党間の協議になっておりまして現在与党間で協議中であるということはわかりますが、カナダが、今、実際上やっている任務を日本がPKOを派遣した場合にするということで調査団を出すかどうかということですが、現在カナダに調査をなされたわけですし、PKO局から打診があった業務内容というものは一体どのようなものとして事実認識をしておられるのかお願いします。
○政府委員(柳井俊二君) UNDOFの業務につきましてはこれまでいろいろ情報収集等を行ってきたわけでございます。昨年の五月に国連の事務局から非公式な打診があったのが発端でございますが、その後カナダ側とも意見交換等を行っております。その過程でカナダ側から、カナダが行っておりますいわゆる後方支援でございますが、その業務のうち輸送の業務を分担してもらってはどうかというような考え方が示されたことがございます。
 現在、UNDOFは約千名の要員で成り立っているわけでございますが、歩兵部隊をオーストリアとポーランドが出しております。そして、カナダが輸送、通信、補給、整備といったようないわゆる後方支援部隊を出しているわけでございますが、その一部でございます輸送の部門を分担してみてはどうかというような考え方が示されたということでございます。
○大脇雅子君 そうしますと、ポーランドとオーストリアが歩兵部隊を出しているわけですが、この本部隊というのは日本の国際連合平和維持活動等に対する協力に関する法律、いわゆるPKO法に言いますと、国際平和協力業務のいわゆるPKFとして凍結されている業務ですよね、本部隊は。
○政府委員(柳井俊二君) ただいまの御指摘のように、いわゆる国際平和協力法の附則におきましては、一部の業務を別に法律で定めるまでの間は実施しないといういわゆる凍結を行っているわけでございます。この凍結の対象でございますが、国際平和協力法の附則の第二条におきましては「自衛隊の部隊等が行う国際平和協力業務であって第三条第三号イからへまでに掲げるもの」等と書いてございます。
 オーストリア、ポーランドが出しております歩兵部隊の業務は、これはまだ詳細を全部把握しているわけではございませんけれども、国際平和協力法の第三条三号イからへに掲げてある業務のうち、例えば「武力紛争の停止の遵守状況の監視」というようなことに当たると思います。
○大脇雅子君 そうしますと、カナダの部隊が現在やっている後方支援というのは本部隊のいわゆる後方支援なわけですから、日本がPKOでこれをカナダと業務を引き継いだ場合は、本部隊がPKFに相当する業務、それの後方支援ということになりますと、やはり日本の法律には違反することになるのではないかというふうに思うのですが、そういう点について御検討を外務省としてはなさったことはございますか。
○政府委員(柳井俊二君) まだ派遣をもとより決めたわけではございませんし、またこの国際平和協力法の解釈、運用は総理府にございます国際平和協力本部の方で主管しておりますので有権的なことは申し上げにくいわけでございますが、あえて私の考え方ということでお許しいただければ次のようなことになろうかと思います。
 この輸送の業務そのものは国際平和協力法の附則で凍結された業務に当たらないわけでございます。先ほど読み上げましたように、凍結されております業務は第三条第三号イからへまでに掲げるもの、またはそれに類するものということでございますが、この輸送の業務というのはそのイからへには入っておりませんで、御案内と思いますけれども、この第三条第三号のタというところに輸送その他の業務が掲げられているわけでございます。したがいまして、この輸送の業務そのものはもちろん凍結された業務には当たらないわけでございます。
 それから、そういうことを踏まえて、さらにそれではそういうことをやっている歩兵部隊の後方支援をしたらそれは凍結業務に当たるのではないかというお尋ねだろうと思いますが、実態といたしまして、いわばその輸送そのものが凍結された業務でないとして、この輸送という業務でほかの国の歩兵部隊を支援したらそれが凍結された業務になるというような実態、すなわち歩兵部隊の業務と密接不可分のものになるというような実態というのはちょっと実際問題としては考えにくいところでございます。
 それから、御案内のように、PKOというものはいろいろな業務て成り立っており、またいろいろな業務を各国が分担してやるわけでございますが、この後方支援、輸送もその一部ですけれども、後方支援というものはほかの部隊に対する支援ということが行われるわけでございまして、それがすべて一体になるというようなことにもしなれば、この後方支援というものは我が国としては一切できないことになってしまうわけでございます。今までもカンボジア、モザンビークで後方支援の分野に我が国の部隊が出ておりましたけれども、そういうところでやってまいりました業務というものは、仮に歩兵部隊に対する支援ということでございましても、それは凍結された業務ではないというふうに解釈されてきたものと考えております。
○大脇雅子君 そのカナダの部隊のやっている業務というのは輸送、通信、補給、整備とおっしゃいましたね。まずその前提として、日本はこの輸送だけをやるということではないんでしょう。全部ですよね。
○政府委員(柳井俊二君) 繰り返しになりますけれども、我が国としてまだ何らの決定もしていないわけでございますので、現在議論をしていただいておりますのは現地調査団を出すかどうかという段階でございますから、それ以上のことは何ら決定していないわけでございます。
 他方、先ほども申し上げましたように、カナダが示してきたことのある考え方というのは、このカナダがやっております後方支援の業務のすべてということではなくて、そのうち輸送をかわってもらったらどうだろうかということでございます。
○大脇雅子君 そうしますと、何を輸送するかということで、いわゆるPKO法の第三のイからヘというもののPKF業務に密接不可分になるかどうか、あるいは輸送だけではなくてまたそれに附属する、例えば歩兵を輸送するとか武器を輸送するとかということになれば、これはやっぱり日本としては難しいですよね、出すのは。日本の法律上からはやっぱり密接不可分で、ほとんどPKFの業務と一緒になるのじゃないでしょうかね。
○政府委員(柳井俊二君) 繰り返しになって恐縮でございますけれども、具体的にどのような対応でどういう業務をするかということを決めたわけではございませんのでちょっとお答えしにくい面がございますけれども、この輸送の業務というようなものが一般的に凍結された業務と一体になるということはむしろ言えないだろうと思います。ただ、それでは絶対そういうことはないかということになりますれば、それはケース・バイ・ケースで判断する必要があろうかと思います。ただ、一般論として申し上げれば、この輸送の業務というものが凍結された業務と一体になるというような実態というものは非常に考えにくいところだろうということは言えると思います。
○大脇雅子君 そうすると、それはすべて調査をしなきゃわからないということになるわけですか何を我々が出す場合にやらなければいけないかというようなことを考えた場合に。
○政府委員(柳井俊二君) 大体のことはわかりますけれども、具体的な詳細につきましてはやはり現地の調査をしませんとわからない部分もあろうかと思います。
○大脇雅子君 そうすると、ケース・バイ・ケースで現地の調査をして、その上に立ってしかやはり日本の場合は、このPKO法に反する業務を含むかどうかというようなことはもう一度議論するというふうに伺ってよろしいですか。
○政府委員(柳井俊二君) 今までこの国際平和協力法のもとで何回かPKOに参加をしているわけでございますが、その参加をするかどうかを決定するに先立ちまして調査団を大体の場合には数回出しておるわけでございます。そして、業務の実態を十分に調査いたしました上で、法律に照らしてこれが法律に合致するものであるかどうか、あるいは出した部隊や要員に対しまして十分な支援ができるかどうか等々、いろいろなことを検討いたしまして、その上で最終的には閣議決定をもって、そのレベルで御判断をいただく、そして決定するという段取りになっております。
○大脇雅子君 もう時間がありません。
 やはりPKF的なところに出すということについては慎重でなければならないということと、今、和平に向けて日本はただPKOを派遣するというだけではなくて、全面的な経済支援その他でバックアップをしていくということが平和外交の基本だというふうに考えることを申し上げまして、質問を終わります。外務大臣のお考えを最後にお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(河野洋平君) 大脇議員からPKO参加についていろいろ御意見をいただいたことを感謝いたします。
 ただ、私の考えを少し述べさせていただければ、中東和平というものの重要性というものはだれしもが認めているところだと思います。東西冷戦が終わった後、取り残されたように中東のあの地域で大変難しい状況が残っている、この中東地域の和平を、とにかく今、世界じゅうが注目をして、何とかこれを、長い歴史の上にあるこの問題、この糸を解きほぐそうということで大変多くの国々がこれにかかわり合っているわけです。その中東和平プロセスに我が国もまたさまざまな側面で支援を送っているわけです。これは大脇委員もよく御承知のとおり、環境問題あるいは観光問題、こういった側面で我が国は相当な貢献をしておりますし、多国間の話し合いにも我が国としては大いに関心を持ち支援を送るということもいたしております。あるいはそれぞれの地域に対する我が国からの支援もあることは御承知のとおりでございます。
 そこで、PKOでございますけれども、いわゆるUNDOFという国連兵力引き離し監視隊、このUNDOFの活動について我が国がどういう対応をするかということについて、今、政府委員からお答えを申し上げましたように、私どもはまだ最終決定を、つまり調査団の派遣についてもまだ最終決定をしたわけではございませんが、関心を持って与党の方々にも御説明を申し上げ、御意見を伺い、御理解がいただければ監視団を出すという御議論をいただいているわけです。これはもう議員よく御承知のとおりです。
 我々としてはUNDOFへの参加は我が国の中東和平プロセスヘの関与を補完するものだという考えを持っておりまして、現在イスラエル、シリア間でゴラン高原からの撤退などをめぐって交渉が行われておりますけれども、UNDOFはこの交渉を支える重要な役割を果たしているものだというふうに考えております。さらに、UNDOFが伝統的なPKOであるということもまた私どもは考えております。
 今、議員からいわゆるPKFと言われる凍結部分についてどうかという御指摘がございました。私どもはその凍結している作業を行うということは、これはもう法律上明らかにできないわけでございます。これは法律を院において変えない限りはイからへまでの項目にあることはできません。しかし、それ以外の分野でできる部分があるかということについて議論をしていただいているわけでございます。
 私どもとしては、十分御議論をいただいた後、現場にも行っていただいて、さらに確認をして最終結論を得たいというのが今日の状況でございます。その間、今、大脇議員からいただきましたような御議論もきっと議論の中であると思いますけれども、政府委員から御答弁申し上げましたように、私どもはこのイからへまでの項目にあることをやろうとしているのではなくて、その他の、つまり国会で御承認をいただいた部分についての行動に参加をしようとしているわけでございます。
 誤解のないようにお願いをしたいと思いますが、UNDOFというPKO活動というものはあくまでもPKO活動でございまして、そのPKO活動の中で我が国がやり得る部分とやり得ない部分とが我が国の法律で区別をしておって、そのやり得る部分に参加をするかどうかということについて議論をしているということをぜひ御理解いただきたいと思います。
○猪木寛至君 冒頭に、このたびの阪神大震災におきまして亡くなられた方、また被災に遭われた方に心よりお見舞いを申し上げたいと思います。
 現在、復興に向けて、連日テレビで報道されております。国民の目はどちらかというと内向きになりがちという中で、今、戦後五十年を迎えてまさに外に向けても大事な節目の年、あるいは戦後に積み残した多くの問題があるんではないかと思います。外務大臣におかれましては内外において大変御苦労されていると思いますが、頑張っていただきたいと思います。
 きょうは時間が余りありませんので特に北朝鮮問題。先日行ってまいりましたが、核疑惑問題が起きてから日朝の正常化交渉の問題あるいは南北の対話が滞ってしまってきょうに至っているというわけです。
 私は非常に海外に出る機会が多くて、そこの国の市民あるいはスポーツ関係者、文化人などと話をする機会もあります。湾岸戦争のときもそうだったんですが、往々にして日本の国内のニュースだけでとらえていくとどうも世界の状況とちぐはぐなことになってしまう。そういう意味で、場所を変えて見ると、世界で起きている物事が違って見えてくるということを非常に私は強く感じています。
 一昨年、朝鮮半島が大変緊張が高まったときに、私も何かお役に立てないだろうかということを考えました。私の師匠であります力造山先生が北朝鮮の出身である、また向こうでも大変な英雄である、そういうことから、恩返しを兼ねて故郷を訪問するということが一つの目的であったんですが、そのときに大変温かい歓迎を受けました。非常にざっくばらんな話をさせてもらって、当時はミサイルが日本に全部向いているという話もあったのでそんな話もしましたところ、大変笑い話になったんです。
 そういう雰囲気の中で、当時大変緊張している中で大事なことは非常に国民の皆さんが冷静に物事をとらえる、そういう意味で私が幾つか世界でやってきたイベントがありまして、湾岸戦争のときもそうなんですが、そのイベント、平和のための平壌スポーツ・文化の祭典をやったらいががですかという提案をしたときに、大変先方さんはそれに対して興味を示していただきまして、その都度金正日さんより指示が出ていますということから、じゃ話を進めますかということで、その後、話を進めてまいりました。
 前回の委員会でもちょっとその辺については触れたものですから省略させてもらいますが、私はこの二月六日から十四日の予定で再度招待状が出ましたので行ってまいりました。今回の一番の目的は、そのイベントをやるに当たっての正式な合意書を交わしましょうということで、金容淳委員長と合意書を交わしてまいりました。
 今回は割と時間もあったせいか、我が国の名所旧跡も見てくださいよということで金容淳委員長がみずから時間を割いてくれまして、いろいろな名所旧跡を回らせてもらいまして、温泉にもつからせてもらって、大変いい時間を過ごさせてもらったんです。それだけ私どもに気を使っていただくということから、今回のイベントが持っている意義というのは大変大きいのではないかなという気がするわけです。
 それで、このイベントに対する金正日さんからのじきじきの指示ということで、金容淳さんは金正日指導者からという表現をしておりましたが、指示がありまして、これは何としても成功させるようにということで、これもテレビを通じて放送されましたので大変な盛り上がりというか熱の入れようということで、その準備について私もちょっと見てまいりました。とにかくよくこんなことができるなというくらい、六歳の子供たちが宙返りをし、一糸乱れず競技をやっているという姿。今回のイベントに関しては四月二十八、二十九、三十ということで設定したわけなんです。
 その折に、今まで受け入れがなかった観光地に約二万大規模で観光団を受け入れたいということで全面開放しますということで、多分新聞あるいはテレビでももう報道されているんですが、そういう肝の入れようというか、私自身、そういう中で非常に大きな今変化が起きつつあるなという気がいたしました。
 それから、週刊誌等でいろいろな情報が伝わってくるわけですが、百聞は一見にしかずというか、やはりひざを突き合わせて会談をしていく中でその中の真実ということが読み取れる。そういう意味で、今回、私は大変実りが多かったなという自分なりの評価をしているわけです。
 私は世界を歩くたびに、どこへ行っても朝は早く起きましたらジョギングシューズでその町を走ったりするんですが、今回もピョンヤンの町を二日ほどジョギングをさせてもらいました。朝七時だというのにまだ暗いんですが、アパートから人の波が出てくる中を通り過ぎていきますと、テレビで三回ほど報道をされたらしいんですが、とにかく通り過ぎる人全部が手を振ってくれる。大変長いあごが印象づいたというかそういうことで皆さんから歓迎をしていただきました。
 それで、帰国するときに金今哲さんという南北問題の専門家の方が一言。猪木さん、大変なことをやられましたねと。何でしょうかと言ったら、今まで反日感情というのが我々の国には強くて大変御迷惑をかけたこともあると思いますが、今回の猪木さんの訪問で我が国民はみんなファンになってしまいましたという言葉をいただきました。我々は、スポーツ交流を通じて世界平和というテーマで政治の場で頑張らせてもらっているわけですが、訪朝をさせてもらって、そして今、日朝の関係で滞っている問題について何らかのお役に立てればと思っております。
 そこで、現在の日本と北朝鮮の国交正常化についての交渉というか今の状況というか、ちょっとお聞かせ願えればと思います。
○国務大臣(河野洋平君) 日朝の国交正常化は、御承知のとおり、戦後五十年、我が国を取り巻くさまざまな国と国交が正常化している中で、残念ながら北朝鮮と我が国との関係は不正常な状況でございます。ロシアとの間にも領土問題を抱えて完全な正常化はできておりませんけれども、日朝関係というものは我々にとって最も不正常な状況と言っていいと思います。この不正常な状況を正常化するために日朝で正常化交渉というものもなされておりましたけれども、今はその正常化交渉も中断をしたままになっているという状況でございます。
 他方、先ほど猪木委員からも冒頭お話がございましたように、過ぐる地震災害に際しまして、北朝鮮の姜成山総理からお見舞いの電報を村山総理あてにいただきました。このお見舞いの電報について、村山総理もまた姜成山総理にありがとうと感謝の電報を打ったところでございます。全く中断をしている両国の関係でございますけれども、地震というまことに不幸な状況ではありましたけれども、その状況の中で両国総理が電報のやりとりをした。もちろんこのことは、村山総理が電報を打っだということは、我が国が北朝鮮を正式に認めたとか承認したとかということではございませんけれども、いずれにしても人間としてお見舞いをし、そのお見舞いにありがとうという感謝の気持ちをまた電報に乗せて返したという事実はあるのでございまして、このことについて私はやっぱり一つのやりとりがあったなという気持ちはございます。
 一方、御案内のとおり、米朝合意ができましたあの核開発の疑惑問題というものは、米朝が話し合ってこれからこういう段取りでこの問題を解決をしようという道筋がてきたわけで、この道筋はただ単に核開発の疑惑が解明されるというだけではなくて、恐らくこの段取りが誠実に進んでいけば、北朝鮮は、アメリカとの間に事務所の相互の交換をする、あるいは南北の対話も行う、そして軽水炉をつくるということになれば、つまり北は外から技術者その他を相当大量に入れて軽水炉をつくるということになるわけで、これはまさに北が国際社会の中に相互依存関係を持つということになるわけです。それはただ単に、単にと言うには余りに大き過ぎる問題ですけれども、核の問題が解決するだけではなくて、北朝鮮そのものが国際社会の中に窓をあけるといいますか、門をあけるといいますか、そして依存関係の中に身を置くということになるのではないかと私は考えております。
 そういう状況下にあって、日朝もまた正常化のための話し合いは行われていくのではないか、あるいは行われていくべきではないかというふうに思っているわけでございます。
○猪木寛至君 お聞きするまでもなく北朝鮮情報というのは、今、外務省としても多分大変手薄な部分ではなかろうかとお察しするわけです。そういう意味で、私どもは、政治の壁が高ければ高いほどそういう意味でのスポーツの外交というのは出番があるのではないか。今回のイベントというのは大変意義あるイベントというか、いろんな見方があるかもしれませんが、とにかく皆さんが交流すること、そこからまずいろんな問題に触れていく。私どもこの間北京に寄ったときに、北京の北朝鮮専門家の外務省の方にもどうぞ参加してください、これは私が向こうの政府にも交渉しますと。先ほど言ったように、やっぱりその側から立ったときの価値観というか、そういうものも見てもらいたい。
 そういう意味でぜひこのイベントに、きょうは時間がなくてあれなんですが、外務大臣としてどういうとらえ方をされているか、お聞かせください。
○国務大臣(河野洋平君) 国交が不正常な関係の中で、やはりスポーツの交流とか文化の交流というものが一つの意味を持っているというふうに私は思います。かつて日中が国交不正常なときに、ピンポン外交などと言われたこともあります。あるいはその他スポーツの分野での交流が行われる、それによって人間の交流が行われる。やはり何といっても国と国とのつき合いというものは人と人とのつき合いに始まるわけでございます。
 今回猪木議員がスポーツ交流という形で訪朝されることは私は非常に大きな意味がある。それは、ただ単にスポーツマン猪木というだけでなく、やはり参議院議員猪木という側面も議員はお持ちでございますから、議員としての目でも見ていただきたいし、議員という気持ちでも先方といろいろと話し合いもなさるに違いない、こう思っておりまして、ぜひ猪木議員の訪朝が成功されますように期待をいたしております。
○猪木寛至君 もう一つだけ。
 先ほどの義援金のことですが、北朝鮮として国交のない中で日本に対して義援金を送る、台湾も含めてなんですが、そういうことについて、先ほど電報でのやりとりはお聞きしたんですが、百万ドルというのはこれは何か総連を通じて在日朝鮮人にということで聞いております。二千万について、朝鮮赤十字からそして日本赤十字というこれについて、北朝鮮の人たちの気質というか大変義理人情を重んじる民族というかそういう意味で、できましたら北朝鮮の政府にお礼をしていただくと今後の日朝関係にいい関係が生まれてくるのではないか。それはそういう計算抜きにして、本当に気持ちと気持ちということでお願いしたいと思うんです。
○国務大臣(河野洋平君) 私は、今回の災害に対して外国から大変な支援が寄せられたと。それはただ単に国ばかりではなくて、NGOもそうでございますし、赤十字もまたそういうことだと思いますが、こうした海外からの支援に心から感謝を申し上げております。
 先ほども申し上げましたが、参議院においても院議をもって感謝の決議をなさったということは大変異例なことでございまして、私は、猪木議員訪朝の折にも、自分がおる参議院は院議をもって感謝の決議をしたぞということをおっしゃっていただいたらよろしいかと思います。
 私は外務省の人間として、先ほど申し上げたような電報のやりとりがあったということを申し上げましたが、赤十字を通じて外国からいただいた義援金、その中には今お話しのものも入っているわけでございますが、このことについてどれだけ感謝をしているかわかりません。被災者の方々がこの義援金によって支えられていることはあるわけでございまして、私はこのことを私の気持ちも含めて議員の口からお礼を言っていただけたらと思います。どうぞよろしくお願いをいたします。
○猪木寛至君 ありがとうございました。
○立木洋君 大臣、先ほど問題になりました安保の問題なんですが、日米安保の問題で、余り好まないようなお顔をされているんですけれども、最近ずっと見ていますと日米安保の再定義だとか再構築だとか見直したとかいろいろなことが言われております。この問題というのは非常に大きな問題ですから、私は非常に短い時間でこの問題を議論し尽くせるなどというようなことは思っておりません。その中の一点だけちょっときょう大臣にお考えをお聞きしておきたいと思うんです。
 これに特別論文を寄稿なさっておって、私はこれの愛読者なんですよ、非常によく読ませていただいているんですが、この中で「国連の平和維持活動についての日米協力を推進していきたい」と大臣お書きになっている。これはPKOについてですよ、PKOについて日本とアメリカの間で協力していきたいと。では、PKOの問題で日本とアメリカの間でどういう協力を具体的にしていこうというふうに大臣は念頭にあってこれをお書きになったのか、それをお聞きしたいと思います。局長は先ほど一般論をお述べになったのは聞いておりましたから。
○国務大臣(河野洋平君) PKOについては、ザイールに自衛隊を派遣すると、このことは全く日本が独自の判断で決めたわけでございますが、その自衛隊派遣に対して米軍は支援の申し出をしてくれました。こういうことがありますし、その他そういう具体的なケースがこれから出てくるだろうと思うんです。
 私は、立木議員は余りこだわって御議論をなさらぬと思いますけれども、日米関係というものは、日米の二国間関係というものは非常に重要な二国間関係だと言われておりますが、それはただ単に日米が見合って、例えば貿易がどっちが赤字だ、どっちが黒字だと二国間で見合っているのではなくて、二国間が協力して国際社会に貢献をする、一緒になって貢献していくということもあるのじゃないかと。つまり、そのことがコモンアジェンダと言われるものになって、サンゴ礁をどうやって保護するかという話であるとか難民の話であるとか人口問題であるとかいうことに広がっているわけです。
 私は、日米が協力をしてそういう仕事をするということもあるだろう、そしてそういうこともあっていいのではないかというふうに思っているわけです。それがPKOの部分についてもそういうことがあり得るなと。しかし、それはPKOについて言えば、日本が参加するかしないかはあくまで自主的に決める、しかしその参加について協力を得られる分野があれば協力を得る、そういうことだと思います。
○立木洋君 もう少しその具体的な内容をお聞きしたかったんですがね。
 それなら私の方から出しますけれども、昨年の十一月にスローコム国防次官が来日されました。そのときにPKOで日米協力を進めるために米軍の輸送機利用などを事前にルール化したいと提案をされています。米軍機ですよ。米軍機による輸送、これをルール化したいと提案されていますが、この提案についてはお受けになる考えでしょうか。あるいはこの協力をどういうふうに判断されるでしょうか。
○政府委員(時野谷敦君) スローコム次官が参りましたときに、今、大臣から答弁がありましたように、広い意味での日米安全保障関係の中で今後どういうことが協力できるだろうかということの中に……
○立木洋君 局長、時間が短いので一般論でなくて。
○政府委員(時野谷敦君) 済みません。
 ルール化という話はないと思うんですね。ですから、ルール化というのじゃなくて、この前のザイールのときも、アメリカとしてはできれば輸送の面でお手伝いしましょうと、そういう話があったんですが、技術的にも難しいということがありましたし、一体だれとだれが話したらいいのかとかそういうまずコミュニケーションの話からあったんです。そういうこともあるものですから、そういうことを将来円滑にするにはどうしようかという話をしようという話はあります。
○立木洋君 法律や協定に基づいてこういうことは処理していかなければならない。ですから、日本の場合には日米安保、もちろん我々は反対ですけれども、日米安保あるいはこの間決めたPKO協力法、これに基づいてやらなければいけないと。
 この問題を検討したときに、これの二十六条に物品の譲渡、貸し付け、役務の提供など国以外の者に協力を求めることができるということが書いてありますけれども、これは民間なんですね。相手の軍から受けるという協力は一切ないんです。そして、国会でこれを議論しましたときに、平成三年の十月一日、これに対してアメリカのギャラクシーなどの大型の輸送機を輸送委託に使うことがありますかと言ったら、そういうことはできませんというのが政府が述べている答弁なんです。十月の一日です。これは軍の協力は一切受けることができないことになっているんですよ、一体化できないんですから。
 ですから、当然こういうふうなスローコム氏から輸送について米軍の輸送機を使うことについてルール化したいというふうな提案があれば、それは日本の協力法によってはできませんということを明確に述べることが必要ではないかと思いますけれども、いかがでしょうか大臣。
○国務大臣(河野洋平君) 議員の御指摘、もう一度研究をいたします。
○立木洋君 国会で正確にそういうふうに答弁していただいているわけですから、厳格に守っていただきたいということを申し述べておきたいと思います。
 それからもう一点、今、日本とアメリカの間での共同訓練・演習というのが相当頻繁に行われています。昨年行われた回数を見てみますと、結局二十一回、二百二十一日間、日米間の共同演習が行われています。この共同演習について、何でこんなに共同演習を頻繁に行うのかということについて、御承知の太平洋軍準機関紙の「星条旗」というのがあります。これの九四年、去年の十一月十七日付を見てみますと、こういう訓練をやるのはアメリカ軍がPKOを指揮するようになったときに必要なんだと言っているんですよ。
 これは大臣、今頭を振られたように、外国の軍隊と一体化して行動ができないということはこれは明確なんですよね。一体化することになったらこれは憲法違反になるじゃないかということはPKOの協力法の中でもう大議論されました。ところが、現実に米軍、米側が今、共同訓練を頻繁に行っているのは、米軍がPKOを指揮するようになったときに必要だからやっているんだというふうに言われているんですね。これは私は大変な問題だと思うんですけれども、その点についての大臣の御認識はいかがでしょうか。
○国務大臣(河野洋平君) 少なくとも私どもはそういう認識を持っておりません。
○立木洋君 そういう問題については明確にそれを否定されるような見解をやっぱり政府としてはお出しになっておく方が私は賢明だと思うんです、ずんずん引きずられていきますから。いかがでしょう。
○国務大臣(河野洋平君) 議員は「スターズ・アンド・ストライプス」を引用されたと思いますが、それは権威のあるものであるということは承知をしておりますが、しかしそれにしてもそれが米軍の公式見解であるというふうには私ども認識しておりませんので、公式な見解でないものに対して我が国が一々言うことはいたさないものでございます。
○立木洋君 今述べられた点、私は不満ですけれども、少なくともそういう問題があるということについては、大臣、頭の中に置いておいていただきたいと思います。
 それから、去年の十一月にジョセフ・ナイ、アメリカの国防次官補さんが来られたわけですが、そのとき外務関係や防衛関係の人々と安保条約の見直しについて話し合いをされています。そのときに彼、ナイ国防次官補が述べられたのは、極東及びその周辺というのが日米安保条約で決められている内容です。日本の安全があるいは極東とその周辺です。ところが、彼が要求してきたのは、最近ずっと文章化されていますけれども、この現在の日米安保を日本の防衛と極東周辺だけに限らないでアジア・太平洋地域に広げ、さらには新しい時代になった地球規模にまでこの日米安保関係を広げるべきではないかという提案をされてきている。
 これはつまり、御承知のようにPKOで今度国連の要請があれば自衛隊は世界じゅうどこへでも出ていくことができるようになったんですね。そうしますと、今度地球的な規模で、形はPKOという形をとりながら、実質的には日米安保を地球的な規模で運用するなんというようなことになると、これは大変な問題になると私は指摘せざるを得ないんですよ。そのおそれがあるというのは、先ほどの輸送の問題もそうですし、それから物品、役務の相互融通協定を結ぶというふうな問題についてもそういうことになって、いわゆる地球的な規模でどんどん広げていくというふうなことになるならば、これは大変なことにならざるを得ないというふうに私は大変危惧しているわけです。
 そういう問題については、日米安保はあくまで日本の安全、そして極東の周辺に限定するというふうに、私たちは日米安保は反対ですけれども、だけど、そういうふうに大臣は言明されることができるのかどうか。それをアジア・太平洋地域だとか、地球的な規模にまで広げるということについてはやむを得ないというふうに考えられるのかというのは非常に大切な問題ですから、大臣の明確な答弁をいただいておきたいと思うんです。
○政府委員(時野谷敦君) 事実関係ですから申し上げますが、事実の問題としまして、ナイ国防次官補が来ましたときに安保条約を修正しようという提案はありませんでしたし、きのうの新聞の彼のインタビューでも条約の修正は必要ない、こう言っていますし、そういう提案はございません。我々もそういうことは考えておりません。
○国務大臣(河野洋平君) 政府委員が答弁申し上げたとおり、日米安保条約を見直すという言い方をしておりません。したがって、私どもは日米安保条約の修正についてアメリカ側から提案があるというふうには現在のところ考えておりません。
 もう一点、議員がお話しになられましたPKO活動が日米安保と一緒になって膨れ上がっていくのではないかという御指摘につきましては、PKO法という法律は非常に厳格にできている法律でございまして、五条件その他、これらを満たして初めて我々はその実施に踏み切るわけでございまして、このことはきちっと我々はしていきたいと考えておりますので、今、議員がお尋ねのような状況になるというふうに私は思っておりません。
○立木洋君 この言葉をちょっと頭に入れておいていただきたいと思うんですけれども、アメリカの下院軍事建設歳出小委員会でかつてのラーソン米太平洋軍総司令官、彼が述べたのは、今後の平和維持活動の中で、米軍と一体になった自衛隊の役割の向上を日本に働きかけていると。これは国会で証言しているんです、アメリカの太平洋軍総司令官が。これは一体になってやるというようなことを日本側に働きかけているというんですよ。働きかけようと思っているのじゃないんです。もう働きかけているんです。これが一つ。
 それからもう一つは、アメリカの当局者、これは名前はあえて言いませんが、日米安保条約を書き直す計画はないが一連の声明が発表される予定で新しい共同政策の作成が進んでいる、主要点は接触の頻度を高めることだとアメリカのある高官は述べている。
 そうすると、この日米安保条約を書きかえないけれども新しい共同政策の作成が進んでいるということは事実なんでしょうか。それから、それについてのどういうふうなお考えがあるのか。最後にお聞きしておきたいと思います。
○政府委員(時野谷敦君) 今御引用になったものの中の共同政策というのがどういうものであるかというのはよくわかりませんが、先ほど申し上げましたように、今の時代にあっても日米安保体制というものは重要であって、妥当性のあるものであって、よってもって日米両国は協力してこれの維持強化に努める、そのために対話を深めていこう、そのために接触がふえるということは、私どももそのとおり必要なことだなというふうに考えております。
○立木洋君 共同作成の仕事は進んでいないですね。やっていませんね。共同政策の作成です。安保条約は変えないけれども、今言ったようなPKOなんかの問題で日米間の協力をやるというふうな共同政策をつくるという仕事は進んでいないですね。やっていないですね。やっていますか、やっていませんか、それだけちょっと明確にしておいていただきたい。
○政府委員(時野谷敦君) ちょっとお尋ねの意味が必ずしもよく私にはわかりませんが……
○立木洋君 作業部会はつくっているんですから。
○政府委員(時野谷敦君) ですけれども、私ども日米両国はいろいろ認識を同じくすることがございますし、いろいろな問題について政策調整ということもやっておりますし、したがって一つの問題について共同してアプローチするということは大いにあり得ることですし、まさに現にそういうことは私どもやっております。
○立木洋君 やっている……。
 終わります。時間がないので次の機会にまたやります。
○委員長(田村秀昭君) 本日の調査はこの程度にとどめます。二十四日の改正によって改正され及び補足されたものの改正の受諾について承認を求めるの件及び旅券法の一部を改正する法律案、以上三件を一括して議題といたします。
 政府から順次趣旨説明を聴取いたします。河野外務大臣。
○国務大臣(河野洋平君) ただいま議題となりました千九百九十四年の国際コーヒー協定の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。
 この協定は、千九百八十三年の国際コーヒー協定にかわるものとして、平成六年三月三十日にロンドンで開催された国際コーヒー理事会において採択されたものであります。
 この協定は、コーヒーに関する問題について国際協力を強めることを確保すること、コーヒーに関する問題について及びコーヒーの供給と需要との間の妥当な均衡を達成する方法について政府間で協議する場を提供すること、コーヒーの国際貿易の拡大を促進すること等を目的とするものであります。
 我が国は、千九百六十二年の国際コーヒー協定を締結して以来継続して国際コーヒー協定に参加してきており、我が国がこの協定を締結することは、コーヒーの安定的な輸入の確保に資するとともに、開発途上にあるコーヒー生産国の経済発展に引き続き協力する等の見地から有意義であると認められます。
 よって、ここに、この協定の締結について御承認を求める次第であります。
 次に、千九百八十八年五月三十一日に総会において採択された千九百二十八年十一月二十二日の国際博覧会に関する条約(千九百四十八年五月十日、千九百六十六年十一月十六日及び千九百七十二年十一月三十日の議定書並びに千九百八十二年六月二十四日の改正によって改正され及び補足されたもの)の改正の受諾について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。
 この改正は、昭和六十三年五月三十一日にパリで開催された国際博覧会事務局の総会において採択されたものであります。
 この改正は、国際博覧会の区分及び開催の条件を改めることを目的とするものであります。
 我が国がこの改正を受諾してその早期発効に寄与することは、国際博覧会を通ずる国際協力の推進に資するとの見地から有意義であると認められます。
 よって、ここに、この改正の受諾について御承認を求める次第であります。
 以上二件につき、何とぞ、御審議の上、速やかに御承認いただきますようお願いいたします。
 次に、旅券法の一部を改正する法律案について御説明いたします。
 我が国国民の海外渡航者数は、平成二年に一千万人を突破し、平成六年には一千三百万人に達したと見られております。これに伴い旅券の発給件数も、平成元年に四百万件台に達してわずか五年で、昨年は五百万件を起そうとしております。
 このように、海外渡航が国民の間で一般化するにつれ、旅券の有効期間の長期化を望む声が高まってきたことから、平成四年六月十九日の第三次臨時行政改革推進審議会による国際化対応・国民生活重視の行政改革に関する第三次答申で、「一般旅券の有効期間については、現行の五年を十年に延長する」との御意見をいただきました。
 これを受けまして、外務省では、耐女性の高い旅券冊子の開発を含む諸般の準備を進めてまいりましたが、このほどそのめどがつきましたので、旅券法の一部を改正することにより、数次往復用の一般旅券の有効期間を十年として、海外に渡航する国民の一層の便宜を図るとともに、旅券に関する国際的な動向等を勘案して所要の規定の見直しを図ろうとするものであります。
 以下、この法律案の主な内容について御説明申し上げます。
 第一は、一般旅券の有効期間の延長であります。
 現在五年となっている一般旅券の有効期間を十年とするとともに、国民の便宜も考慮して、申請者の希望に応じて有効期間が五年の一般旅券も発給できるようにいたしました。ただし、年少者は容貌の変化が著しいこと等もあり、二十歳未満の者には有効期間が五年の一般旅券を発給することといたしました。
 第二は、有効期間が十年の一般旅券の手数料の設定であります。
 有効期間が五年の一般旅券の手数料は現行と同じく一万円とし、有効期間が十年の一般旅券の手数料は一万五千円とすることといたしました。
 第三は、親の旅券に子を併記することの廃止と一定年齢以下の者に対する旅券手数料の減額措置の設定であります。
 旅券への子の併記については、国際民間航空機関の勧告を受けて国際的に廃止される傾向にあること等を勘案して、これを廃止することとし、十二歳未満の者に対しては、その旅券発給手数料を通常の五年有効旅券の手数料の半額とすることといたしました。
 次に、施行期日であります。
 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において、十年有効旅券の冊子等の準備状況を見きわめつつ、政令で定める日から施行することといたしております。
 以上がこの法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。
○委員長(田村秀昭君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 三件の質疑は後日に譲ります。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時四十九分散会
     ―――――・―――――