第132回国会 建設委員会 第10号
平成七年六月八日(木曜日)
   午前十時開会
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   委員の異動
 五月二十五日
    辞任         補欠選任
     青木 薪次君     安永 英雄君
 五月二十六日
    辞任         補欠選任
     安永 英雄君     青木 薪次君
 六月一日
    辞任         補欠選任
     松谷蒼一郎君     小野 清子君
 六月二日
    辞任         補欠選任
     小野 清子君     松谷蒼一郎君
     太田 豊秋君     村上 正邦君
 六月五日
    辞任         補欠選任
     村上 正邦君     太田 豊秋君
     西野 康雄君     田  英夫君
 六月六日
    辞任         補欠選任
     山本 正和君     前畑 幸子君
 六月七日
    辞任         補欠選任
     前畑 幸子君     山本 正和君
 六月八日
    辞任         補欠選任
     太田 豊秋君     矢野 哲朗君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         合馬  敬君
    理 事
                上野 公成君
                吉川  博君
                三上 隆雄君
    委 員
                井上 章平君
                遠藤  要君
                永田 良雄君
                松谷蒼一郎君
                矢野 哲朗君
                青木 薪次君
                小川 仁一君
                佐藤 三吾君
                山本 正和君
                広中和歌子君
                磯村  修君
                上田耕一郎君
                田  英夫君
   国務大臣
       建 設 大 臣  野坂 浩賢君
       国 務 大 臣
       (国土庁長官)  小澤  潔君
   政府委員
       国土庁長官官房
       長        三井 康壽君
       国土庁長官官房
       審議官      西川 一誠君
       国土庁大都市圏
       整備局長     荒田  建君
       国土庁防災局長  村瀬 興一君
       建設大臣官房長  伴   襄君
       建設大臣官房技
       局長       尾田 栄章君
       建設省建設経済
       局長       小野 邦久君
       建設省都市局長  近藤 茂夫君
       建設省河川局長  豊田 高司君
       建設省道路局長  藤川 寛之君
       建設省住宅局長  梅野捷一郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        駒澤 一夫君
   説明員
       科学技術庁研究
       開発局企画課防
       災科学技術推進
       調整官      榊原 裕二君
       厚生省生活衛生
       局水道環境部水
       道整備課長    浜田 康敬君
       通商産業省環境
       立地局産業施設
       課長       相澤  徹君
       労働省労働基準
       局安全衛生部安
       全課長      露木  保君
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  本日の会議に付した案件
○建設事業及び建設諸計画等に関する調査
 (日本下水道事業団の談合に関する件)
 (新入札制度の運用と中小建設業の育成に関す
 る件)
 (首都機能移転に関する件)
 (建設労働災害に関する件)
 (違反建築の防止対策に関する件)
 (地震予知に関する件)
 (既存建築物に対する耐震補強に関する件)
 (小田急線における鉄道高架事業に関する件)
 (長良川河口堰に関する件)
 (東海環状自動車道建設に関する件)
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○委員長(合馬敬君) ただいまから建設委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る五日、西野康雄君が委員を辞任され、その補欠として田英夫君が選任されました。
 また、本日、太田豊秋君が委員を辞任され、その補欠として矢野哲朗君が選任されました。
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○委員長(合馬敬君) 建設事業及び建設諸計画等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○上野公成君 自由民主党を代表いたしまして質疑をさせていただきます。
 けさの朝刊に、一面ですけれども、中本理事長解任というような記事が出ているわけでございますが、事業団の発注の業務に携わっていました職員が電機メーカーの談合行為を幇助した、そういうことで昨日公取から独占禁止法違反で刑事告発されたということでございますけれども、私の記憶する限り、発注者のサイドが入札の談合の行為を幇助したというのは余り聞いたことがない、恐らく初めてのことで、本来絶対あってはならないということでございます。
 こういうことで新聞記事では解任ということでございますけれども、理事長とそれから工務担当の理事が辞任したということでございますが、この事態につきまして建設大臣のまず御見解と、それからあわせて、二度とこういうことが起こらないように再発防止への取り組みについてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(野坂浩賢君) 先生から御指摘がありましたように、下水道の問題につきまして、九社の皆さん方が告発され、十七名が告発されておりましたが、下水道事業団も一名、工務部次長が告発されるという事態になりました。
 昨年の九月に、この問題につきましては、私が中本理事長をお呼びいたしまして一つ一つ調査をするようにということを申し上げておりましたが、一貫してそういう事実はないというお話でございました。私は信頼をしておりました。
 そして、中本さんが四日前においでになったときには、結果的にこのようなことになった、幇助というのはどういう内容なのかというふうに聞きましたら、いわゆる予算の説明をしたということではなかろうかと思うということでございました。検察に呼ばれたようでありますが、そのときに会社の営業マンのメモがあって、そのメモを突きつけられてどうしようもなかった、こういうようなお話がありました。いずれにしても、刑法六十二条による幇助罪というような格好になっておった。
 したがって、私は、前々からこの種の問題については極めて厳重であって、その際に監督責任は問いますということを申し上げておりましたし、この委員会でも詰められましたので、監督責任を問いますということをはっきり申し上げておきました。告発される以前にもお呼びいたしまして、またおいでを賜りましていろいろと意見を聞いた結果、私はあなたの監督責任を問いますから、したがって、そういうつもりでおっていただきたいということでございました。
 中本理事長は、結果的に大変迷惑をかけました、私の監督不行き届きでありますので辞表を提出したいということで、きのう正午にそのようなお話がありまして、それを受理いたしましたし、あわせて担当の理事も責任があるということで、福井理事も依願退職という格好で、内容的には先生おっしゃるように解職ということになろうかと思いますけれども、その点については十分に配慮をしながらおやめいただいたということでございまして、遅くなりましたけれども、たった今木内新理事長を信任いたしまして、今後のことについてよく注意をし、監督をし対応するという格好にするようにいたしました。
 また、事務次官に命じまして、四つの条項についてこれからの改善方策を示し、そして総括監察を直ちに実施をして、一般的な問題ではなしにこの問題に絞って内容を調査し、業務の改善をするようにということを命じまして、きょうから既に入っておるというのが現状でございますので、御了承いただきたいと思います。
○上野公成君 二度とこういうことがないように、ぜひしっかりと監督をお願いしたいと思います。
 そこで、前回入札の問題について質問をさせていただきましたけれども、その続きについて少し御質問させていただきたいと思います。
 平成六年度に入札制度が新しくなったわけでございます。その前に当委員会におきましても参考人をお呼びして、どちらの制度がいいかというようなことを何人もの方から伺ったわけでございますけれども、そのときの結論からいうと、やはり指名を正しくやれば、指名の方が工事もいい工事ができるし、工期もちゃんと守られるんじゃないかというようなことだったわけでございます。
 その後、結果的にそういうことになったわけでございまして、新しい制度にいたしますと、制度が違うわけですから当然のことなわけでございますけれども、今までと違った形でいろんなひずみがこれは出てくるわけでございます。やはりそうしたひずみは、そのひずみが大変大きなものであれば、これはもう改正したばかりであってもどんどんいい方に直していただきたいと思うわけでございます。
 先日、これは官房長にも少し各県を調査してほしいというお話もあったわけでございますけれども、私も地元の建設業界がございますので、そこでいろいろの意見を聞いてみたわけでございます。大変な不満だとか不安とかが広がっておりまして、これはほかの先生方からも大変そういったお話がこの間感じられたと思うわけでございます。
 何といってもスーパーゼネコンの不祥事が発端になっているのに、結果的にそのために入札の制度を変えたのに受注量はどうもスーパーゼネコンの方に行っている。これはどうも国民感情としても納得できない、こういう声が非常に強いわけでございます。
 そこでまず、建設省の直轄工事につきましてランク別に受注高があると思うんですけれども、それを簡単で結構ですからお答えいただきたいと思います。
○政府委員(伴襄君) お尋ねの直轄工事のランク別の受注高でございますが、特に平成六年度、全体的にだんだんふえてきたところ、平成五年度が三次にわたる補正がありまして、それで平成六年度はほとんど補正がありませんでしたので、総体として落ちておりますので各ランクとも受注量は減っております。ただ、特にA、B、Cランクあたりを比較してみますと、総体的にはAも下がっています、BもCも下がっていますが、Aに比べるとB、Cが相対的に下がっているという受注量の減少が見られるところでございます。
○上野公成君 結果から見ても、B、Cの量が減っているわけですから、これは全体の量が減っているということもあって大変な不平、不満が多いということもこれは裏づけられるんじゃないかと思うんです。
 そこで、減っている中で、以前はBの業者でもAの工事には少し入れたわけです、Cの業者でもBの方に入れたわけです。建設省も中小建設業の育成というのを大きな旗印に掲げているわけですから、Aの業者がBの仕事をとるとか、Bの業者がCの仕事をとる、これはあってはいけないことだと思うわけでございますけれども、下位の業者が可能な限り上のランクに入れるというようなことは、これはむしろ建設省の中小建設業の育成というような大きなことがあるわけですから、ぜひそういう弾力性は残していただきたい。
 特に、本当に点数の何点かの違いでBになっている業者と、ほんのちょっとのことでAになっている業者というのはあるんですね、これは。例えば群馬県なら群馬県に全然関係ない奈良県なら奈良県の業者が、奈良県と具体的に言うのはまずいですけれども、Aにぎりぎりなったというので手も何もないのに入ってくるんですね。ちょっと足りないので地元の業者は全く入れないと。自分では手がないわけですから、結果的には地元の業者が協力をしないと工事もできないわけです。
 やはり中小の建設業者をきちっと育成しておかないと、これは大手も結果的には困ることになるんだと思うんです。やはり若い人、若手もおやじの後には帰ってこないというようなことがあるわけですから、やはりそういう意欲を、中小の意欲を失わせないという意味からもそういったことをやっていただきたい。
 同時に、BやCのランクが大変少なくなっているということですけれども、これは発注する側が道路の長さをちょっと長くすれば事務量が減るからというようなこともあってやっているようなことがあります。これは可能なんだと思うんですね、BやCのウエートをふやさないということは。その二点をぜひやっていただければ、この不平、不満も随分なくなるんじゃないかと思うので、この二点をあわせてお伺いしたいと思います。
○政府委員(伴襄君) 最初のお尋ねは、ランクの運用で余りにも厳格過ぎるんではないかということでございます。A、B、C、Dのランクにしておりますのは、ある意味ではそれぞれのランクの受注機会の確保という面がありますので、上から下におりてくることをなるべく防止するという姿勢はありますが、逆にすぐれた下の者は上に上るということを積極的に推進していくというのは、実はこれはもう毎年のように事業執行通達で出しておりまして、優秀な、優良な工事成績を上げた中小建設業者は上位にも食い込めるように受注機会の確保を図るようにというようなことは通達しているところでございます。
 ところで、昨年度、本格的に入札契約手続の透明性、客観性を高めるということで初めてやっているわけでございますけれども、ややその発注標準の運用につきまして御指摘のとおり厳格に運用し過ぎているという面がございます。
 そこで、私どもとしましては、今御指摘のような地理的条件等を勘案いたしまして、施工能力のある優秀な中小中堅建設業者が上位等級の方に参加できるように、具体的に申しますと例えば公募型指名競争入札になっておりますが、その公募の要件の中で、今までですと例えばBの工事はBの業者に限ると書いてありますけれども、Cの業者であっても優秀な地理的条件の満たされた業者はこの工事はできるといったような運用をしていきたい。特に、A・B、B・Cの境目の工事ですね、境目の金額がたまたま上か下かによってボーダーにあるような工事についてはそういう運用をしていきたいというふうに思っております。
 それから、もう一つは工事のロットの話でございますが、これはなかなか私ども悩ましい話でございまして、公共工事施行でなるべく効率的にやりたいという一面の要請がございます。それからもう一つは、建設工事のコストを下げるという建設費縮減のためにはやっぱりロットが大きいほど安くつくわけでございまして、そういう要請を考えると、工事規模の大型化というのは一方で強い要請があるわけでございますけれども、しかし他方では中小企業の受注確保というのも大変大事な国策でもございますので、その中小中堅の受注機会の確保、工事量の確保ということは大事なことかというふうに思っております。
 この辺もむしろ制度改正というよりも運用の姿勢の問題だと思うんです。したがいまして、これからも特にBランクあるいはCランク業者が以前に受注の可能性のあった、機会のあった工事、それにつきましてはなるべくそのチャンスを与えるように、そういう運用をしていきたいというふうに思っております。
○上野公成君 Bだと二億円ぐらいということですか、BとCの境が。それを長さが違うんで、二億円を超えるともうCが入れないと、こういうことなんですよ。その発注標準もこれは決めるともうずっと同じでなかなか変えないんですね。ですから、これも見直していただきたいし、それから道路の長さが長くなったからといって技術的に下の業者ができないなんていうことはないわけですからね。少なくとも地元の業者は多少ランクを超えて考えるとか、あるいは発注の方の量からいって、短ければCだけれども、ちょっと長くなったからBだというようなそういうものがいっぱいあれば、それについては特に弾力的にしていただきたい。特に、これは制度が変わると現場はもう絶対厳格にやるわけですよ。だから、官房長の方でかなり弾力的にやっていいこと、それは無方針でやっちゃいけないと思いますけれども、そのことをきちっと書いて周知徹底をぜひお願いしたいと思うわけでございます。
 それから、同じようなことがいっぱいありまして、例えばその技術者要件だとかいろんな要件がありまして、主任技術者というのを置かなきゃいけないということになっているわけでございますけれども、その主任技術者が前の工事の契約が例えば三月なら三月だとしますと、業者が一生懸命努力をして、例えば一月の半ばぐらいにもう工事が終了しているのに、その主任技術者というのは次にとる工事の場合にエントリーができないというようなことがあるんです。これはもう企業の努力ですから、三月でもいいのに一月の半ばでもうできているぐらいきちっとやっている業者なんだから。しかも、優秀な主任技術者ですよ、工期を守ってそんなに早くするんだから。
 だから、そういう人は次の工事の方にもちゃんとできるようにするとか、それから意向確認型の発注のときに何か五年以内の工事の実績しか認めないということがあって、これも非常に厳格にやっているらしいんですけれども、業者によってはそんなに毎年毎年とれるとかそういうわけじゃないんで、これはちょっとほかの問題でもあるんですけれども、やはりその辺はもう少し弾力的にやっていただかないと、こういう期間はなるべく長く持っていかないと非常に変なことが起きるんです。
 ですから、その辺も先ほど言いましたように、現場ではもう本当に厳格にならざるを得ないんで非常に不平の種なんですね。これはぜひもう少し弾力的な運用ができるようにやっていただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○政府委員(尾田栄章君) ただいま委員御指摘の主任技術者の問題あるいは経験の期間の問題、五年では余りにも短過ぎるのではないか、こういう御指摘でございますが、こういう問題、先ほど官房長の方からもお答え申しましたとおり、新しい制度に昨年度から切りかわったところでございます。どうしても厳し目の運用になったというふうに考えておるところでございます。
 その結果、業界の方からも昨年の経験を踏まえて意見をお聞きしておるところでございます。そういう御意見の中でも柔軟な対応を求める、そういう御意見もいただいておるところでございます。
 また一方、一般競争入札あるいは公募型指名競争入札等の実施に当たりましては、所要の品質を確保する、適正な履行を確保するということも非常に大事でございまして、そういう観点から個別工事ごとに施工実績あるいは配置予定技術者の経験等について資格条件を設定しておるところでございます。
 ただ、余りにも厳し過ぎることは必ずしも制度改革の意に沿うわけではございませんので、現在そういう問題点の見直しをしておるところでございます。
 具体的には、施工実績として認めます工事については発注者や施工地域による制限を設けない、あるいは同種工事というものの範囲につきましては余り狭くしないというような観点、あるいはジョイントベンチャー工事の実績の出資比率を従前三〇%以上でないと実績として認めないということにしておりましたが、これを二〇%以上へ緩和するというような、そういう問題点につきましては既に措置を講じたところでございます。
 また、今御指摘の配置予定技術者の経験の対象期間につきましては五年から十年への延長、あるいは御指摘がございました主任技術者が主要な工事が終わった段階で次の工事の方に移れるような、実質的に所要の品質を確保できる、そういうことが確認できる場合にはそういう形に移行していく、そういうふうなことにつきまして現在措置を講じる、あるいは改善を図るべく検討をしておるところでございます。
○上野公成君 建設省の方がそういう方針なんで、これも現場の方にきちっとできるように、要は目的があっていろいろなことをやっているわけですから、もう主任技術者も仕事もないし、その実績がもうちゃんとあるわけなんだから、そういうことはやっぱりきちっとやっていただきたい。
 特に、今のいろんな言われたことは、これは経営事項の審査にも関係があるわけでございますけれども、これへの不安が非常に多いので驚いたわけでございますが、今回その配点について大きな変更が行われて、それがこの入札制度が新しくなったので非常に混乱を起こしているというか、不平、不安が多いんです。これについても、新しい制度にしますと、入札制度についてこういうことがあったということもあると思うんですけれども、非常に不安があるんです。
 それから、念のためボンドの導入についても非常に心配、懸念があるので、このことはやはり不安や不満が出ないようによく理解していただくように、これは今以上に努力していかないといけないんじゃないかと思うわけです。
 特に、経営審査につきましては、客観的な点数と主観的な点数、客観的な点数の中にも細かく見るといろんな、何年をとるかということについては非常に問題があるんですね、今技術審議官からお話があったように。それで、それに加えまして主観点数というのは、これはブラックボックスでよくわからないんですけれども、何であそこがBで自分のところがCなんだと、これは常識からだれが見ても、恐らく百人に聞けば百人が反対だと思うようなことがいっぱいあるんですね。客観の点数というのはだれでも大体わかるわけですから、どうもそれは主観の点数が相当違うんです。
 その主観の点数の取り方というのは、非常にこれ長くなるので今回やりませんけれども、やはり発注者ごとに主観の点数でやるということをなるべくなくした方がいいんじゃないか。これは悪く運用しますと、先ほど下水道事業団の九社の例がありますけれども、そういう温床を育てる原因にもなるんじゃないかと思う。そこで、やはりできるだけ評価というのは客観的にやってもらいたい。
 そういうことで、主観の点数がどうも相当多いような印象を受けていますので、客観化をこれ以上に努めていただきたい。細かいことは言いませんけれども、その大きな方針についてお伺いしたいと思います。
○政府委員(小野邦久君) お答えをいたします。
 昨年六月に経営事項審査の制度を変えたわけでございますが、趣旨は、建設業者のとにかく技術力重視と、完工高というよりは技術力重視ということで変えたい、こう思っていたわけでございまして、なるべく評価自体も客観化をできるようにということで改正をしたわけでございます。特に、従来主観的な事項として取り扱っておりました労働福祉の状況でございますとかあるいは工事の安全成績、こういうものにつきましても客観的な審査項目ということで取り組みまして、なるべく先生御指摘のとおりの客観化が図れるようにしていきたい、こういうふうに考えたわけでございます。
 ただ一つ、例えば工事成績ということになりますと、現在はこれを直ちに全国統一の審査項目として処理していくということは大変難しいわけでございます。発注者は大変数も多いということもございますし、工事成績についてどういう評価項目によってどう基準をつくるのかということについて直ちにつくるということは難しいということもございまして、これは現在でも主観的な項目ということになっているわけでございますけれども、これにつきましても評価基準を全国的に、例えばきちっと各発注者向けにスタンダードを示しましてなるべく客観的な審査ができるようなことにならないかということで、現在委員会をつくりまして検討を進めているわけでございます。
 制度といたしましては、御指摘のとおり、なるべく客観化が図られるような、それによって技術力重視の厳正な経営事項審査ができるように努めていきたい、こういうふうに思っております。
○上野公成君 具体的には今この場では申し上げませんけれども、非常に主観の点数が多いというのが、これは特に小さい事業主体になりますと、やっているところは主観の点数が入るけれども、大した発注の星もないのに、やっていないのには全然入らないということになりまして、むしろその主観の点数が全体を支配しているというような例も実際あると思うんですね。ですから、先ほど冒頭に質問しましたように、下水道事業団のこういう問題の温床になるもとだと思うので、ぜひ客観化を進めていただきたい。
 最後に、中小の建設業者の受注機会をふやすということで、これは大臣も地元の方からそういう声を受けておられるんじゃないかと思うんで、最後に大臣の決意をお聞かせいただきまして質問を終わりたいというふうに思うわけでございます。
○国務大臣(野坂浩賢君) お答えします。
 この下水道事業団の談合問題を機にさらに厳しくなるんではなかろうか、現場の人たちはそういうふうに思うだろうか、そういうことの心配を上野先生の御質問を聞きながら考えておりました。
 一つは、我々は経済効率を上げなきゃならぬ、道路を一キロやるより十キロやった方が安価でそして良質なものができるかもしらぬ、我々は行動委員会をつくっていわゆる事業費の縮減を図っていかなきゃならぬという任務を持っております。ところが、各県を歩きますけれども、今おっしゃったとおりのことをどの県も言います。中小企業は九五%あって皆さんよろしく頼みますと大臣は言うけれども、結局ゼネコンが談合をやっておるのに被害は我々だけが負っている、この矛盾をどう解決するかという責めの一手であります。私たちも生存権、生活権というものを考えていかなきゃならぬと同時に、皆さん方の経済効率ということも考えてこなきゃならぬ、そういう両々相まってどういうふうにこれからすべきか。
 私は、今答弁をいたしましたが、この際に、私は頭が余りよくないのでわかるように聞きたいと。したがって、ランクはA、B、C、Dとあると。国の直轄事業等で七億三千万あるいは関連事業で二十四億三千万となっておると。この七億三千万に入札の資格があるものは県内にどれだけあるか。奈良県でも鳥取県でもそうない、全然ない。今までは二億円程度に切ってもらったからそれぞれ事業はできたけれども、七億三千万ぽんと出されると一つも入れない、こういう不満が具体的に出ておる。それなれば、どういうふうに弾力運用するか。生存権のことも考えていかなきゃならない。
 そういう意味で、CはBのランクまで上げて一緒にやったらどうか、そして公正な激烈な競争をさせたらどうかということでやってみました。やってみました結果を聞きますと、やっぱりBの方が有利に展開しておる。Cはなかなか入れないということもありますから、Cの技術力向上ということをおっしゃっておりますけれども、その点を十分配慮して全く同一に取り扱っていくようにしなきゃならぬ。いわゆる工事事務所の発注というのは二億円が限度でありますから、二億円程度のところである程度割って、生存権というものを考えてそれらの地域にも落ちていく、こういうことを考えなければならぬなというような作業を進めるように指示をいたしておるところでございます。
 そうして、全般の業者の皆さん方も生活権というものが確保できるようにしたい、こういうことを念願しておりますが、一方では五十三万件あった業者が今回一年間で一万件ふえております。これは不景気だ不景気だというのに一体なぜだろうと。こういうふうに考えてみますと、三つ合同すればより仕事がもらえるということになれば合併もするけれども、三つ合併してもやっぱり一つだということになれば合併せぬ方がいいじゃないかというような議論が生まれておるように思いますので、今後どのようにしたらいいのか。だけれども、それに配慮するということがなかなか建設省ではできない。
 だから、そういう矛盾点を一つ一つ解明しながら問題点を引き出して、やはり地域の活性化と地場産業というものの育成ということを考えて、生活権、生存権もあわせ考えながら、お話があったような点について十分配慮をしながらこれからの建設行政を十分に進めていきたい、こういうふうに考えます。
○上野公成君 終わります。
○三上隆雄君 私は、日本社会党・護憲民主連合の立場で、四点の質問を申し上げたいと思います。
 まず第一点は、首都機能移転問題についてお尋ねをしたいと思います。
 経済的に、社会的に、そしてまたさきの地震の体験を見ましても、安全性の面から見ても、首都機能の移転問題がにわかに注目を浴びて重要性を帯びてきております。去る六日に国会等移転調査会の第二次中間報告が出されました。さらに、来年春には移転先の選定基準や移転の時期等も盛り込んだ最終報告へ向けての作業が進められていると聞くわけであります。昨年の六月の中間報告にもあるように、首都東京の地震災害に対する弱さ、災害時の影響等がしばしば述べられているわけでありますが、今回の阪神・淡路大震災の例を見ても大都市震災の恐ろしさは明らかであります。
 それを踏まえた国土庁長官の首都機能移転に対する問題意識というか、現状を踏まえた考え方を伺いたいと思います。
○国務大臣(小澤潔君) 先生御指摘のとおり、首都機能は大規模災害発生時における災害対策の中枢という重要な任務を有しております。
 首都機能自身が被災すると、応急対策の指揮、統括が十分に機能しなくなることも必定であり、長期間内外の社会情勢に大きな混乱を来すおそれもございます。このため、首都機能の移転につきましては、緊急性に配慮しながら進めるべきものと認識をいたしております。現在、国会等移転調査会におきまして移転の具体化に向けた調査審議が精力的に進められておるところであり、今後移転先の選定基準、移転の時期の目標等についても論議をされることとなっております。
 国土庁といたしましては、今回の阪神・淡路大震災の教訓をも踏まえまして、この調査会の調査審議の円滑な推進に努めるとともに、その具体化に向けて積極的に検討を進めてまいりたい、かように考えておるところであります。
○三上隆雄君 そこで、若干具体的な面にも触れさせていただきますけれども、新首都候補地については、我が東北地方に関して言えば福島県、宮城県、岩手県、あるいは青森県から福島県にわたる東北地方とさまざまに言われているわけであります。水と緑の自然に恵まれ、豊かな開発可能性を有し、さらに災害対策上の点からも極めて有利性を備えている東北地方が候補地として挙げられているのは当然であると思います。私としても、やはり国土の均衡ある発展、多極分散化、地方振興と活性化などを踏まえると、東北産業活性化センターが提唱している東北輪都構想がいいのではないかな、こう思っているわけであります。
 この提案に対する国土庁長官の認識はいかがなものか。いろいろ今、遷都あるいは分都、展都、輪都というように、全国各地域からいわば希望している状況があるわけでありますけれども、その点も踏まえて長官の御意見をお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(小澤潔君) 首都機能の移転先につきましては、東北を初めとする各地域でさまざまな取り組みがなされていることも承知しておるところであり、国民的論議を深める意味でも意義のあることと考えております。
 国会等移転調査会におきましては、移転先の選定基準について今後鋭意審議されていくことと相なっておりますが、御提案のような具体的な移転先の決定につきましては、調査会の調査審議を踏まえまして今後検討されるべき課題であると考えております。
○三上隆雄君 先ほど来言われておりますけれども、東京に災害があった場合の人的、物的な被害ははかり知れないものがある、私はこう思っております。なお、それ以上に、東京にこれだけすべてのものが集中しているわけでありますから、その首都機能の崩壊によって経済全体、すべての社会機能が停滞するわけであります。
 私は、遷都をする場合、あるいはいろいろな表現がございますけれども、その機能を分散することがこれからの成熟した社会に最も重要なことだ、こう思っております。どうぞひとつ先ほど主張したその点も十分配慮して、今ある地域をこれ以上便利にするということは安全性の面からいっても私は限界があるとこう思っているわけでありますから、過疎と過密のこの状態を改善する意味においても、このことを十分踏まえてこれから対処していただきたいということを要望申し上げておきます。
 なお、首都機能というのは必ずしも人口の多いところでなくてもいいわけでありまして、世界にいろいろな例がございます。ドイツにあってはボンという小さな約三十万前後の都市に国会を含め政治の機能を集中しておりますし、オーストラリアではキャンベラという新しい都市もまたそんなに多くない、日本のあちこちに見られるようなそういう都市に国の行政の機能を集中しているという、そういう実態もあるわけでありますから、その点も十分踏まえて対処していただきたいと思います。それに対して両大臣から一言ずつお願い申し上げたいと思います。
○国務大臣(小澤潔君) 先生御指摘のことにつきましてはよく肝に銘じておるところであり、東北輪都構想につきましてもよく承知をいたしておるところであります。先生の御趣旨を踏まえて、鋭意検討をしてまいりたいと考えております。
○国務大臣(野坂浩賢君) 三上さんがおっしゃったボンにこの間行ってまいりました。今度ベルリンに首都が移るわけですけれども、ボンにも住民の運動がありまして、ある程度残すという状況であります。キャンベラにも行ってみました。豪州にも参っておるわけでありますが、人工でつくられた都市というような格好で非常にきれいでした。
 私の方針というのは、国土の均衡ある発展、これが第一の命題でありますから、お話はわかりますが、青森に行くかどうかはわからぬと思いますけれども、全体の国土の均衡ある発展を頭の中に入れてそれは推進していかなきゃならぬと。関西のあの大地震の災害につきましても、東西の経済の交流が断絶をしたという事態、広島等では仕事ができなかったという事態を踏まえて、あなたがおっしゃるように日本海国土軸、あるいは九州からの新太平洋国土軸というようなこともこれから本気で考えて、どこの都市も均衡しておると、こういう住民の皆さん方の理解と納得が得られるような方針をとっていかなきゃならぬ、こういうふうに思っております。
○三上隆雄君 ただいまの両大臣の御意見を御期待して、次の質問に入らせていただきます。
 次は建設労働災害についての質問をいたしたいと思いますが、我が国の建設投資は国民総生産の約二割近くを占めているわけであります。これを担う建設産業はまさに主要産業と言えるわけであります。豊かな国民生活を目指した社会資本整備の重要な任務を負っているということは、建設大臣も十分御承知のとおりだと思います。
 しかし、社会資本整備が華々しく進められている裏には毎年多くのとうとい人命が失われていることがこれまた事実であります。
 ここ数年の労働災害における死亡者数を見ると、確かに安全対策の充実により死亡者数は減ってきているわけでありますが、全体の死亡者数に占める建設業の労働災害死亡者の割合は逆に上昇しているという実態があるわけであります。例えば、平成元年では四二%、平成二年では四二・二%、三年ではこれは四二・一%ですけれども、平成四年は四四・六%、平成五年では四五・四%とその割合が多くなっているというところに私はまだ問題がある、こう思っております。
 もちろん建設業という一つの特性からいって、死亡事故の割合が多いのは当然ですけれども、国の今までの指導によって相当改善はされているけれども、何としても建設業界の死亡率が高いということ、これに対して労働災害防止対策をどのようにしているのか。場合によっては急を要する場合もあるので、多くの労働者の特に出稼ぎ老に対する指導面はどうされているのかをお尋ねしたいと思います。
○説明員(露木保君) お答えいたします。
 建設業におきます死亡災害でございますが、全産業に占める割合が、平成六年でいいますと、最近の数字でございますが約四一%になっておりまして、先生御指摘のとおり業種別では最も多く発生をいたしております。
 この理由としまして、工事現場の作業環境が毎日変わる、こういった多種多様な条件下での作業になっております。また、一般に作業が重層した請負形態で行われておりまして、幾つかの業種が同一の場所で混在して作業を行う、こういうことで安全管理面の役割分担あるいは指揮系統などが不明確になりやすいというような要因が複雑に作用していると考えているところでございます。
 従来から労働省におきましては、建設業における労働災害の防止を労働基準行政の最重点の課題としまして取り組んでおります。特に作業基準や安全管理基準の制定などによりまして、設備の改善、それから管理の徹底などを図りまして不安全な状態を建設現場から排除する、こういう観点から事業者を指導してまいりました。
 この徹底のために、元方事業者と関係請負人との関係でございますが、それぞれの役割、責任に応じた労働災害防止対策を図る必要があると考えているところでございまして、特に元方事業者対策としましては、過度の重層請負の改善でありますとか、あるいは安全確保対策の実施者あるいは経費の負担者の明確化、こういったことにつきまして元方事業者の建設現場安全管理指針を本年四月に策定いたしました。現在、これを広く周知させるために現場管理責任者に対する研修事業等を実施しているところでございます。
 また、工事の施工を直接担当しております関係請負人の対策でございますが、平成六年度から請負人の安全管理能力を高めまして自主的な安全管理活動を促進する、こういう目的のもとに専門工事業者の安全管理活動の促進事業を昨年度からやっておりまして、特に専門工事業者トップの意識改革、こういったことを図るためにセミナーの開催でありますとか、作業員の安全に対する知識とか技能を付与するための教育でありますとか、そういったきめ細かい援助事業を現在実施しているところでございます。
 今後とも、これらの事業を中心に総合的に施策を進めてまいりまして、建設業における労働災害の防止に万全を期してまいりたいと考えているところでございます。
○政府委員(小野邦久君) 御指摘のとおり、建設業につきましては他産業に比べて死亡者あるいは死傷者というものの率も高いこと、御指摘のとおりでございます。特に建設業につきましては、大変少なくなったとはいえ、直接、農家から建設産業へ出稼ぎとして来られるという方々も多いわけでございます。平成五年には二万六千人ぐらいの方々が建設業で働いていただいていると、こういうことでございます。
 これについて建設省としてどういうような対応をしているのかという御指摘でございますが、建設工事の安全対策全般につきましては先ほど労働省の方からお答えがございましたけれども、私どもも工事の安全を図るという観点から、例えば新たに現場に入られた方々が、一つの現場の中でいろいろな方々がたくさん集まられてそれぞれ建設工事自体を施工されていかれるということが大変大きな課題でございます。
 そういう点も考えまして、特に労働者の、新しく現場に入られた方々の労働者の安全教育というようなものとかあるいは安全研修をとにかく実施励行するといったようなこと、あるいはそういうような費用も特に公共工事の場合にはきちっと積算で見るというようなことも大変大事なことではないか。あるいは工期につきましても、やはり工期がおくれてまいりますとどうしても急いで事故が起こりやすいというようなこともございますので、そういったようなこと。あるいは安全な施工方法をとにかく工事ごとに考えていこうというようなことで、例えば土木工事、建築工事あるいは機械施工ごとに指針をつくりまして、全国の主要団体あるいは都道府県等にもそれを見習ってやってほしいというような指導もしておるわけでございまして、いろんな角度からより以上にやはり建設工事の安全対策のために努力をしてきております。
 なお、今後も引き続きいろいろな観点から努力をしてまいりたい、こういうふうに思っております。
○三上隆雄君 労働省、建設省からいろいろ対策を講じているという御説明がありましたけれども、やっぱり建設現場へ行って事故が発生した、特に死亡事故が発生したということになると、臨時で雇われているいわゆる出稼ぎ労働者がそれに巻き込まれているというケースが多いわけでありますから、どうぞその安全対策には万全を期していただきたいということを特にお願いを申し上げておきたいと思います。
 この機会ですから、労働省からお見えですので、私も一昨年に質問をいたして、出稼ぎ労働者に対する有給休暇制度というものができた。できたけれども、それは六カ月以上の者でないと適用されないとすれば、もともと出稼ぎ者というのは少なくとも五カ月か精いっぱい六カ月でまた帰って農業に従事し、あるいは漁業に従事するという性格の労働なんです。ですから、その六カ月以上というものを何か、私のあの段階での要望は、次の年にも同じ企業に同一人が就労したときには前の年をカウントして、次年度からは七カ月、八カ月というそういう計算で該当させるようにお願いをしておいたわけでありますけれども、その点、今お答えできますか。
○説明員(露木保君) 先生の御要望につきましては、私、安全課長でちょっと所管が違うわけでございまして、戻りまして、よく関係部局に御要望の趣旨を申し伝えたいと考えております。よろしくお願いします。
○三上隆雄君 よろしく改善方とその適用方を強く要望しておきます。
 それでは次に三点目に入らさせていただきます。先ほど上野委員からも質問されました下水道事業団をめぐる談合問題で質問したいと思います。
 私は、去る三月十日の当委員会の質問においても質問したわけでありますけれども、日本下水道事業団をめぐる入札談合事件についてはそのときに質問したわけであります。大臣は、下水道事業団の関与については理事長を呼んで確認をしたが、そのようなことはないという回答だった、しかし、関与していることがわかれば厳正に服務規程に照らして処断をしなければならないという答弁をいただいているわけであります。
 しかし最近の報道によりますと、公取委員会は事業団の中堅幹部が談合に関与していたとして検察当局に独禁法違反の幇助で追加告発をしたと。しかも、きょうの報道によりますと、昨日、建設省でも中本理事長を更迭したという報道が出ておりますけれども、大臣として、これでいいのか、その実態はどうなのか、事実なのか、その点について御報告とお考えをいただきたいと思います。
○国務大臣(野坂浩賢君) お答えします。
 先生が読み上げられました前の議事録はそのとおりに答えたと思っております。十七回にわたって調査をした結果、そのような事実はないという報告を受けておりました。私も信頼をしておりました。
 しかし、ここに至りまして、公正取引委員会が業者の皆さん方の中で担当者十七名を告発してまいりました。そして、六十二条の措置によりまして幇助罪という格好で私どもの工務部次長が告発されたということは御案内のとおりであります。
 その様子が私の耳に入りましたのは大体三日前、そういう状況でしたので、中本理事長に、過去の経緯と監督責任は問いますということを委員会で申し上げておりますので、そのような措置を断を下さざるを得ないというふうに私は思っておりますと。彼も私もそういうことを信頼しておりましたが、結果的に迷惑をかけたということになれば責任を問いますということの話し合いをして、きのうの正午、私のところにおいでになりましたので、私は、この間の約束どおりやめていただくと。これは、新聞記者等もなぜ法律に基づいてやったのかということでございますが、法律に基づいては工務部次長だけでございますので、それは行政的な立場で解職とか停職とか減給とかということはございますが、私は依願退職であっても内容的には解職である、重いと、そういうふうに受けとめております。
 したがって、理事長だけを処断するわけにまいりませんから、担当の理事の福井さんも恐縮ですけれどもやめていただくということにいたしまして、両名、担当理事及び理事長は監督不行き届きという立場をとりまして、結果的な解職をいたしました。
 したがって、今後の方向は一体どうかということでありますが、それらについては、都市局長がここにおりますが、この人と下水道部長、これについては就任は去年の七月にしております、それから下水道部長は十一月にしておりますけれども、組織の形態として厳重に注意し、これからの改善は進めていくようにということを申し上げました。
 それから、次官をお呼びいたしまして、これからの方向というものについては十分改善をしていく必要があるということを四点にわたって申し添えました。さらに、総括監察官を呼びまして、今までは定時的な監査を行っておるけれども、今後はこの問題に絞って徹底的に調査をするようにということを命じて、上野委員にお話をいたしましたように、きょうから既にその作業に入っておるというのが現状でございます。
 今後このようなことがないように、整々と国民の信頼を回復するように最大の努力をして皆さんの御期待に沿わなければならぬ、こういうふうな決意をしておるところでございますので、御了承いただきたいと思います。きょう九時四十五分に木内さんを新理事長に任命をいたしまして、道路公団の副総裁でございますが、直ちに業務に入るように、そして今後の改善命令については十分に対応せよということを指示いたしまして、お別れをしてここに参ったところでございます。
 そういう状況が今日までの現況でございます。
○三上隆雄君 ただいま建設大臣から厳正、適正な処分方について実施していると。これからも、それを単なる下水道事業団だけでなく一般的な官製談合そのものも含めて厳正に対処していただいて、国民から政治も行政も信頼されるような、そういう改善方を強く要望しておきたいと思います。
 それでは次に四点目の問題に入りたいと思います。それは建築行政についての問題でございますけれども、最近いろいろな面で建築物の違反が多く見られ問題になっております。そこで、今回は建築の確認業務についてお尋ねしたい、こう思っております。
 たまたま今回社会的に大きな問題になっておりますオウム真理教の問題が私は一番不審でなりません。今になっていろいろな建築に対する構造そのもの、あのような構造がどうしてつくられておったのかという疑問さえ持つわけであります。オウム事件の行政違反は二十件にも及ぶと言われております。建築確認申請どおり建築されていないもの、建築確認申請が行われず建築されたもの、いわゆる無届け建築であります。建築確認はされているのだから当然申請どおりなされているものと考えるのが普通でありますけれども、これがこのようになされていないというのはやはり建築行政に問題があるのではないか、こう思うわけであります。あの問題については、山梨県の建築住宅課は合法的な書類を出されていれば受理せざるを得ないとし、また知事も法令に沿って書類が提出されると受理せざるを得ないと言っているわけであります。
 問題は、その後建築確認申請どおり建築されているかの現場確認がなされているかどうかということだと思います。確かに建築基準法には、建築物に関する検査がなされ違反建築物に対しては必要な措置をとることができるとされているわけでありますけれども、これは何もオウムに限らないわけであって、全国的な建築行政にも言えることであると思う次第であります。もう少し実効性のあるものにしていく努力が強く望まれるわけでありますけれども、この点についての大臣及び建設当局の見解をお伺いいたします。
○政府委員(梅野捷一郎君) ただいま御質問ございました、建築物につきましてのさまざまな手続なりチェックなりそういうものを通じて不適切な建物を防止することに実効を上げていくということが求められるわけでございまして、私どもも日ごろからそういう点については大変腐心をしているところでございます。
 事例、あるいは大変関心を呼んでおりますオウム真理教の施設につきましても、例えば部分的にはきちんとした、手続上でいいますと確認もとり工事が終わった段階での完了検査をしてというような建物もございますし、途中で、工事中のままで、確認はとったけれども最後の完了検査にまでは至らないままどうも実際には使われているケースがあるとか、いろんなケースがございます。
 また、指導につきましても、従前からそういう手続をきちっと踏むようにというような指導あるいは立入検査というようなことも実施している部分もあるわけでございますけれども、全体として見た場合に十分な実効性を上げていないのではないかという、そういう御指摘については、そういう結果になっているということについては大変残念に思っているところでございます。
 全体的には、このいわゆる違反建築の防止につきましては、計画段階での確認、それから工事中には役所の側では必要に応じまして現地の、現場の中間段階におきます検査に入れる、あるいは一方では建築士制度によりましてきちんとした工事監理を義務づけている、それからでき上がった段階では工事完了検査というものを受けて、その結果として御使用いただくというような仕組みになっているわけでございます。
 特定行政庁といいます建築行政をやっております役所が今申し上げたような手続に沿って鋭意努力をいたしておるところでございますが、一方では大変、年間大体百万件ぐらいのオーダーでございますが、そういうものに対して今の与えられている仕組みを隅々まできちんと行き渡らせるほどの体制には必ずしも十分ではないということについても私どもは大変苦慮しているところでございます。
 一つの方法としては、県でやっておりますそれらの仕事を、できるだけ身近な部分でございます市というようなところにもそういう特定行政庁の仕事をやっていただくというようなことをお願いいたしておりまして、順次ふえております。
 そんなことも通じまして執行体制を十分片っ方では整えながら、今後ともしっかりやっていかなければいかぬというふうに思っているところでございます。
○国務大臣(野坂浩賢君) 三上委員の御指摘のとおりでございまして、一〇〇%確認をし完了検査を終わっておるということはないと思っております。しかし、このような違反建築がないように最善の努力をするというのが建設省の任務でありますから、私どもはそれに向けて懸命に努力いたします。
 二番目に具体的な例としてオウム真理教の建物、サティァンはどのようになっておるかというようなお尋ねもございましたが、あれは建築確認は全部出ております。全部出ておりますが、完工検査をしていないという点があります。六つか七つは確かに完工検査をやったわけでありますが、なかなか届け出が出てこないということで、山梨県の建築住宅課の方から早く出せと言うのに、まだできていないというようなことが言われたと。押し問答の最中に捜査の手が入りましたので、そのとき、テレビ等でごらんになったと思いますが、行っておって違法建築もあるというようなことについてはわかったわけでありますけれども、建築完了報告が出てきて完了確認をするわけですから、その間にそのような若干の手落ちがあったといいますか、オウム教の方から申請といいますか、完了しましたという届け出はなかったということで、三つぐらいはたしかしていないんじゃないか、こういうふうに思っております。
○三上隆雄君 年間百万件に及ぶそういう建築の検査、許認可、いろいろあると思いますけれども、それを全部検査を完璧にするといったら今の体制ではできないということになるんですか、それとも怠慢ということになるんですか。
○政府委員(梅野捷一郎君) 私どもは、年間百万件出てまいります建築計画につきまして、計画段階におきますチェックとそれからでき上がった段階におきます工事完了検査というものについては、現在の体制でも最小限度きちんとやるということでやっているところでございます。
 なお、そういう実をさらに上げていくということになりますと、工事の途中でもそういう実態を調べるとか検査をするとか、そういうことを通じでできるだけ実を上げていくということが考えられるわけでございますが、そういう内容の密度といいましょうか、そういうことまで含めますと、現在の執行体制の中では必ずしもすべてのものについて十分やってきている、そういう状況には残念ながらないというふうに考えているところでございまして、その点につきましては、今申し上げましたように最小限度の、最初の計画のチェックとでき上がったところのチェックというものについては何とかしっかりやっているという状況でございます。
○三上隆雄君 どうぞひとつ、現体制でも厳正な検査業務を実施して国民から信頼される、しかも安全な国家、都市、社会をつくるために鋭意努力されますことを心からお願いし、また要望を申し上げて、私の質問を終わります。
○広中和歌子君 三つのテーマについて御質問させていただきます。
 最初に防災対策についてお伺いいたします。
 このたびの阪神大震災は、犠牲者五千五百余名、焼失家屋七千四百余戸、倒壊家屋十七万千四百余戸、避難住民は三十万人以上という想像を超える大災害となったわけであります。日本列島は活断層の上にあると言われておりまして、今後このような起こり得る地震に対しまして災害を最小限度にするために防災対策の充実というのが急務だろうと思います。
 まず、地震予知についてでございますけれども、国の地震予知推進本部は科学技術庁にあり、観測は文部省、そして建設省などがそれぞれ予知に携わっておりますけれども、予知はどのくらい正確なのか、まずその点についてお伺いいたします。
○説明員(榊原裕二君) お答えさせていただきます。
 現在の技術レベルで地震の予知がどの程度可能なものかという御質問でございますが、現在まだ地震の予知というのは正直申し上げまして研究段階のレベルでございまして、現在いろいろな地震の想定をされてございますけれども、東海地震であれば何とか予知はできるのではないかというのが実態がと思います。
○広中和歌子君 仮に東海地震を予知できるといたしますと、その予知の結果どういう事前対策があり得るのか、どういう事前対策をすることができるのか、その体制は今のままで十分なのか、その点についてお伺いいたします。
○政府委員(村瀬興一君) 東海地震のような大規模地震につきまして対処するために大規模地震対策特別措置法という法律がございまして、それに基づきまして警報を出すという場合には、しかるべく事前に避難をいたしますとか、地震が起こるということに備えましてもろもろの準備をするという体制ができております。
 したがいまして、今お話が出ましたように、ともかく東海地震につきましては予知が可能であるということでございますので、それを前提にして、先ほど申し上げました大規模地震対策特別措置法に基づきまして所要の体制をとるということになっております。
○広中和歌子君 仮に予知が可能だといたしましても、その正確さですね、いつ、どこで、どういう形で起こるか。それが仮にわかったとしても、もしかしたらそれが起こらないかもしれない。要するにオオカミが来るよといったような感じで、ただやたらにいたずらに住民にパニックを起こさせる、あるいはさまざまな予防行動というんでしょうか、そういうことでいろいろ問題があるんじゃないかと思うんですが、この点についてはどのようなお考えをお持ちでしょうか。
 つまり、予知しても、それを一般住民に知らせるのか、それともそれはいわゆるプロフェッショナルなレベル、実務レベルでさまざまな対応をとっていくのか、その点についてお伺いいたします。
○政府委員(村瀬興一君) 東海地震のケースにつきましては専門家の学者によります判定会というのをつくっておりまして、それに対しましていろいろな前兆現象、通常と違うようなあるいは地震の前兆ではないかという現象を気象庁でキャッチいたしますと、その先生方にお集まりいただきまして、気象庁長官からまずその判断を聞くということになっております。
 ただ、これは法律上のものではございませんで、気象庁長官の私的な諮問機関というような位置づけでございますけれども、そこで先生方が一致してこれは東海地震の前兆であるというふうな御判断がもし出れば、それをもちまして気象庁長官が総理大臣のところへ参りまして警報を出すべきであるということを申し上げて、あとは閣議の手続を経て総理大臣が警戒宣言を出すというふうな段取りでございます。
 ただ、そこが学者の先生が今申し上げましたように非常にすっきりと一致するというケースばかりではないと思われます。先生方の意見は仮に一致しなくても、そこはあとは行政といいますか、気象庁長官が最終的な行政としての判断をした上で総理大臣に警戒宣言を出すべきであるという具申をするかどうかということにつきましては、気象庁長官が行政としての最終的な判断をせざるを得ないというふうに考えております。
○広中和歌子君 お答えを伺って、予知とそれに対する対策というのは非常に難しいんだなというふうに感じるわけでございます。
 東海地震じゃなくてほかの部分ですと、もう予知さえも不可能であると。そうすると、要するに起こった後の対策をいかに充実させるか、そういうことによって最小限に食いとめることしかできないんじゃないかなということなんだろうと思いますけれども、阪神大災害からそういう点で何を学ばれたかということで、学ばれたことは非常に多いと思いますけれども、特に総合的な対策など必要なんじゃないかと思いますが、これについてどなたかお答えいただければと思います。
○政府委員(村瀬興一君) 今の御質問にお答えする前に、予知ということでございますけれども、予知自体は先ほどから申し上げております東海地震以外は現時点ではできないということになっておりますが、それに向けて努力はすべきだろうということで、今政府も一丸となって努力をしているところでございます。
 それから、今の御質問でございますが、阪神・淡路大震災からどういうことを学んだかということでございます。
 まず、初動期の情報連絡体制につきまして、災害即応体制検討プロジェクトチームというものをつくりまして、そこで検討を行いまして、大規模災害発生時の被害規模の早期把握のため、第一次情報収集体制の強化、それから関係省庁から内閣情報調査室を窓口とする内閣総理大臣等への情報連絡体制の整備といったようなことについて二月二十一日に閣議決定をしております。
 それから、我が国の防災対策の基本となります防災基本計画につきましては、総理を会長とする中央防災会議におきまして、地震に強い国づくり、町づくりのための施策、災害の発生に対処するための事前対策、災害発生時の応急対策、復旧・復興対策等について具体的な検討をしているところでございます。
 それからさらに、各界の有識者の方々から成る防災問題懇談会、これは総理の私的諮問機関でございますが開催いたしまして、災害情報の収集及び伝達体制のあり方、避難者の生活確保に関する支援体制及び広域連携のあり方、ボランティア、物資援助等、民間協力の活用と行政の支援、あるいは防災基盤施設整備等について御検討いただいているところでございまして、これにつきましては十月を目途に結論をいただくというようなことになっております。
 そういったことを含めまして、今後とも関係省庁と密接な連絡をとりつつ震災対策の一層の推進を図ってまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○広中和歌子君 私ども新進党といたしましても、新進党新災害対策基本政策中間報告というものを出しておりまして、それもぜひ御参考にしていただければと思います。
 それから、これからの建物に関しましては耐震基準というものをより高めるとかいろいろな対策を建設省としてもなされるんじゃないかと思いますけれども、既に建っている住宅に関しましてどのような方向で臨んでいかれるのか。すべて建てかえるというわけにいきません。
 そうすると補強ということが非常に大切になると思うのでございますけれども、今後起こり得る地震に関しまして、補強の視点から今対策を講じていらっしゃるかどうかお伺いいたします。これは質問通告しておりませんでしたけれどもお答えいただければ、住宅あるいは橋、道路、そういうことについて。
○政府委員(梅野捷一郎君) 今先生御指摘のように、新しく建てられるものにつきましては現在考えられるいろいろな安全対策に沿ってお建ていただくわけでございますけれども、御指摘のとおり古いものについては必ずしも現状では基準というような面から見ても十分ではないというものがたくさんあるわけでございます。
 そういうものにつきましては、私どもとしてはまずはそういう建物がどういう安全性のものなのか、つまり結果としては建てかえた方がいいというほど非常に危険なものから若干の補強をすれば十分に安全性が向上できるというものまでいろいろあるわけでございますので、そういうものを体制を整えまして極力広く診断というステップを踏みたいということで計画を進めているところでございます。これは住宅だけではございませんが、すべての用途の建物につきまして広くできるだけそういうプロセスを早期に入れたいということで進めております。
 その診断した結果を受けまして、今申し上げましたように、多くの場合はそうだと思っておりますけれども、何らかの補強、改造をしていくということによって安全性を向上できるというものが多いと考えておりますので、その点についてもどういう補強の仕方をすればいいのか、それから何かの手を入れる場合には当然財政的な支援と技術的な支援と両方要るわけでございますので、そういう点を積極的に取り上げていこうということで準備を進めているという状況でございます。
○広中和歌子君 日本では住宅なり建物なりの強度の診断というんでしょうか、寿命とか安全性とかそういうものを診断するような職業というんでしょうか、プロフェッションというのは存在しているんですか。
○政府委員(梅野捷一郎君) 建物の建った後のいろんな、例えば維持管理状態がどうであるかとか、それぞれ分かれた部分的な資格者のようなものは若干ございます。しかし、今の安全性といいましょうか耐震性を正確に診断していくということについては、私ども一部持っておりますけれども、全国的に、しかも先ほど申し上げましたような需要に対応するほどのそういうものは用意がされてございません。
 したがいまして、先ほど申し上げた中で並行してやっておりますのは、少なくともそういうことが技術的にできる方を、ベースを持っておられる方はたくさんいらっしゃいますので、そういう方々をそういう目的として活動いただけるように、研修会等を通じまたリストをつくりというような作業を今やっている最中でございます。
○広中和歌子君 私の限られた体験でございますけれども、海外なんかに百年ぐらいの古い家なんかが結構中古市場として住宅市場にあるわけですけれども、そういうとき、買う前にそういうアセッサーというんでしょうか、それを診断する人たち、職業というものが存在しているんですね。そういうふうにして診断士がいて、また住宅の維持管理というものがそれに基づいていろいろなされていることによって、非常にメンテナンスというんでしょうか維持管理がいい、したがって長く住宅が使える。そういう状況があるわけで、日本も二十年、三十年で建てかえていくというんじゃなくて、もっと補強、そして維持管理、そういうものに重点を置くような住宅政策というのもこれから必要なんではないかと思うわけでございまして、この点につきましてはぜひ御検討いただければと思うわけでございます。
 そのついでに、老朽住宅、老朽化集合住宅と言うとちょっと言葉が悪いですけれども、その建てかえについて伺います。
 集合住宅の建設が始まって二十余年、三十年近くになるわけで、もう既に建てかえ問題が起こっている。大変恐縮でございますけれども、これはもう私はあってはならないことだろうと思います。集合住宅、特にコンクリート、公共事業としてなさっているものであれば六十年とか七十年とかもっと長期的な建物を最初からお建てになるべきだった。あるいは、建てた後、維持管理をきっちりなさって、そしてすぐに建てかえが必要であるようなものを建ててはいけなかったと思うわけでございますけれども、そんなことは言ったって仕方がないわけで、戦後のあの焼け野原の中から大量に住宅を供給しなくちゃならなかった中で安かろう悪かろうのものができてしまったんではないかなと思います。
 それだけではなくて、データによりますと、容積率が平均六〇%、しかも三十八平米という非常に狭い住宅で、今の豊かな日本の住宅の実情に合わなくなっているということもありますし、またそうした初期の集合住宅が比較的良好な住宅地に建っているということもあり、建てかえというのが必要なんだろうと、そういうことはよくわかります。
 しかし、それ以外に、今後の問題も含めまして、その建てかえ、寿命が短いということには今申し上げたこと以外にも問題があるんではないか。つまり、建築費そのものの問題。もうちょっと建築費をかければ、もうちょっと注意していいものを建てればといった建築費の問題もあります。それから技術の問題もある。それから維持管理の問題、こういうものがあるんではないかと思います。こういうことを見直すことによってもっと良質なものを、そしてそれが長く使え、しかも気持ちよく住める、居住環境が向上する、そういうものをこれからつくっていただきたいと思うわけでございますけれども、この点につきまして御意見をお伺いしたいと思います。
○政府委員(梅野捷一郎君) ただいまの御指摘は、これまでに蓄積をしてまいりました公的な住宅が今後どういうふうに活用できるのかということでございまして、御指摘のとおり、かつてやはり量という問題に相当にウエートをかけたということもございまして、残念ながら今日のストックとして見た場合にはいろんな、例えば狭いとか単に老朽化しているというだけではなくて機能的にも大変十分でないもの、あるいは土地利用がもう少し合理的に使えるんではないかというのがそうでないというようなもの、たくさんそういう問題を抱えているわけでございます。
 したがいまして、一つは、そういう個々の条件を十分精査した上で思い切って積極的に建てかえをしていこうという政策もとっております。これにつきましては、私ども内部的なことではございますが、平成四年から十年間の建てかえの全体長期計画を持って公営住宅も公団住宅も取り組んでいるところでございます。
 それからもう一つは、すべてを建てかえようという考えではなくて、今ある中できちんと手を入れれば十分将来的にも機能を発揮するものについては、これまだかなり積極的に改良、住戸改善と言っておりますけれども、リフォームをしていくということで、例えば高齢化社会に対するバリアフリー化というようなこともあわせまして、かなり一種の追加投資をいたしまして再生をしていくということにも同じぐらいのウエートで取り組んでいるところでございます。今後は、できれば民間のマンションの問題についてもそういう我々の公的住宅に対する取り組み方をさらに敷衍もしていきたいなということで考えているところでございます。
○広中和歌子君 住宅にしろ建物にしろ、維持管理が非常に大切なんだろうと思いますけれども、公共住宅あるいは政府の建物、そういうものに対して維持管理費というものは予算の中に計上されているんでしょうか。
 例えば、私、驚いたことがあるんです。大学の建物、非常に汚くて古く見えたんですけれども、建ってたった十年だというんですね。ちょっと考えられないような、これは今から二十年ぐらい前のことでございますから現在は行政もお変わりになったかもしれませんけれども、やはりペンキを塗りかえるとか水漏れを事前に防ぐとかあるいは外壁のチェックをするとか、さまざまな形での維持管理費というものがかかるわけですね、住宅にしろ建物というのは。それが予算の中に組み込まれているのかどうか、それについてお伺いいたします。
 それから、日本ではどちらかというと建てかえ、壊して新しく建てるというんであると非常に予算がつきやすいけれども、古いものを内部改装して、表側は古いままでしかし中はモダンで使いやすくなる、そういうようなことに対しては予算がつかない。そういうようなことも問題ではないかと思います。
 例えば、パリとかニューヨークとか古い建物がそのまま、二百年も三百年もだったものが非常に便利な形で使われているわけですけれども、それはやはり維持管理のシステム、そして古い建物でもメーンテインしよう、維持しようというそういう意欲のあらわれだろうと思うんですね。日本でももうそろそろいわゆる社会資本を充実させようという時期に入っているわけですから、予算のつけ方、そういうものも変わっていかなければならないんじゃないかと思うんですが、御意見いかがでしょうか。
○政府委員(梅野捷一郎君) 今、先生御指摘のいわゆる維持管理費という問題については、当然予算もついておりますし、それぞれの仕組みの中には組み込まれているということは事実でございます。
 しかし、先生御指摘のように、例えば我々の公営住宅とか公団住宅という場合に、それは例えば家賃の中にもそういうものを当然組み込んで家賃をお支払いいただいているということでございますけれども、経済状況が変動してくるとかいろんなことに必ずしも追随できないような点もございます。かなり長期に使うというものに対して、そういう家賃体系のようなものが必ずしも追随できにくいというような問題もございます。
 それから基本的には、先生御指摘のように、我々としても十分反省をしていかなくちゃいけないのは、やはりそういうストックをより有効に長く使っていく。これは環境問題その他のこともみんな関係をするわけでございますので、私どもも先ほど申し上げましたように単に建てかえていくというだけではなくて、そういうきちんと使えるものは使っていくという考え方にできるだけウエートをかけていくという方向で検討しているところでございます。
○広中和歌子君 法務省の建物ですが、中が多分されいに改装されたんだろうと思いますけれども、外側はれんがづくりで非常に美しい。そういう歴史的な建造物などもこれからどんどん残しておいていただきたい、そういうような配慮をした予算の組み方であってほしいと要望いたします。
 次に、既に三上委員から御質問がございました首都機能移転についてでございます。
 規模のメリットというのはございますね。例えば、東京の一極集中が戦後の日本の発展に効率よく機能したという考え方が一方ありますけれども、しかし、そのマイナス面というのも非常に多かった。
 そういうことで、首都移転問題というものは議員を中心として議員連盟などができ結構話されてきたわけでございますけれども、いまだに実行できなかった。官庁にお任せし、いわゆる行政機能の一部移転という動きもあったわけですけれども、それもうまくいかなかったということで、最終的には国会議員が国会移転を考える、まず国会議員のイニシアチブによって国会移転を考えるという国会決議をした。
 そういうことで国会等移転調査会が生まれたわけでございますけれども、今回、六月六日に第二次中間報告を発表、注目されている点として、危機管理の強化と十万人程度の政治都市を建設するということがあります。阪神大震災を教訓に、大災害に備え、首都機能の早期移転の必要性を強くうたっているわけでございます。
 私はこの調査会に非常に期待しているわけで、先ほど国土庁長官から三上委員に対して御決意を表明なさいましたけれども、建設大臣、この首都機能移転についてどのようなお考えをお持ちなのかお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(野坂浩賢君) 首都機能の移転問題については、従来から一極集中排除ということになっております。したがいまして、東京というものの機能をどのようにして地方に分散をしていくか、多極分散型というのはそういう意味であろうと思っております。
 そういう意味で、私も先ほど三上委員にお答えしましたように、国土の均衡ある発展が建設省としては第一義的だと。だから、そういう意味では首都機能の移転というものはある程度考えて、国土のバランスがとれた発展策というものになっていくような方向というものを考えていかなければならないし、国会で十分論議されておるさなかでありますから、それに注目をして、よりよい結論を出された方向に向かって努力をしていかなきゃいかぬ、こう思っております。
○広中和歌子君 ただいま日本経済は急激な円高、経済の低迷の中にございます。大震災、オウムの事件、また景気の悪化で雇用不安もある。この際、国民に夢と希望を与えるような大きなプロジェクトというんでしょうか、そういうものを提案する必要があるんではないか、そんなふうに思います。
 この首都建設問題、投資効果は非常に大きいんではないかと期待されるわけですけれども、しかし中間報告を読みますと、移転の対象範囲とか、移転先の設定基準ですか、場所などの具体的な表現というものはないわけです。具体的にしないから、どちらかというとまだ今のところ盛り上がらないんだろうと思います。
 ただ、具体的にしない理由はどういうことなのか。具体的にするとお互いに誘致合戦というんでしょうか、計画そのものがつぶれてしまう、そういうようなことが今まであったんじゃないかと思いますけれども、堺屋太一さんなどは、公募方式というんでしょうか、いい条件のところにしようというような形でもっと世論に働きかける、そういうようなことを言っていらしゃるわけですけれども、この点につきまして国土庁長官あるいはどなたかお答えいただきたいと思います。
○政府委員(荒田建君) 国会等移転調査会の第二次報告が過日出されたわけですけれども、その中で移転の範囲あるいは移転のプログラム、それから新首都のビジョンというものがございまして、要するに意義と効果は昨年出ているわけですけれども、一体どういう首都をつくるのか、どういう機能を移転するのかという議論がございます。それからもう一つ、私ども大変ありがたいといいますか大事な点だと思っておりますのは、新首都づくりに当たっての制度、手法について基本的な考え方を御提言いただいています。
 幾つかあるわけですけれども、特に土地対策の面ですとかあるいは環境保全の関係での制度の提言、土地対策でいいますと例えば先買い制度をきっちりしなさい、それから環境保全ですといろいろなやり方がありますけれどもリースホールド方式という形で、キャンベラがやっているような方式を導入しなさいとか、いろいろな方式を御提言いただいております。
 こういうプロジェクトでございますから、新首都の建設というのは、国家的にこれから特別な公共性を持って国民的な合意のもとにやっていかなければならないというプロジェクトでございますから、どういう制度でやるのか、これがやはりある程度国民的に合意が得ておられないとなかなか進められない。特に土地投機の問題はかなり大きいと思います。そういった対策なしに場所の議論をするということになれば、いたずらに混乱だけが起きるのではないかという心配もございます。そういったことも踏まえ、あるいは国民に開かれた手続はこういうことでやりなさいというような形で御提言いただいております。
 私どもとしては、そういう形で国会等移転調査会の審議がある程度制度の御提案までいただいたという段階になりましたので、これから移転先の選定基準、それからいつ移るんだという移転時期の目標、それから東京との関係、東京をどうするんだというような議論、これが残っておりますので、来年春ごろまでを目途にそういった点について議論を深めていただくという予定をしておりますけれども、過日の調査会でも、これは報告は報告として大変結構だけれども、こういうような日本の一極集中の現状、国政の現状をかんがみれば、とにかく一日も早く場所の議論をして一日も早く移転するようにするべきだという議論が多く出されました。
 私どもも、そういった御議論も踏まえまして、これからとりあえずは調査会の審議を預かる立場でございますけれども、ぜひ調査会の先生方にお願いいたしまして、いつどこにというのがやはり一番の関心事でございますが、先ほど申しましたような制度の考え方がある程度見えてまいりましたから、これからいよいよそういう段階に入っていくのかなというふうに考えております。
○広中和歌子君 この国会移転によりまして新首都建設ですか、それによりまして投資もかなりしなくちゃならないわけですけれども、同時に経済の波及効果というものも非常に大きいんではないかと思います。その内需振興効果ですけれども、いろいろな計算、考え方があるわけですが、大体どのくらいを予想されていらっしゃいますでしょうか。
○政府委員(荒田建君) こういう大きなプロジェクトでございますから相当の公共投資も行われるでしょうし、民間投資も当然波及して出てまいります。この投資規模といいますか、新首都移転による経済効果、いろんな切り口とかいろんな見方があります。例えば、私ども国土庁の長官の懇談会でございましたその御提言、三年前に出ておりますけれども、これでは新首都の直接投資経費として十四兆円ほど要るのではないかと。これは三年前に出されている数字であります、もう御承知のとおりだと思います。そういったことですとか、あるいは民間のいろんな方々からの御提言によれば百兆とか二百兆とか、これは関連する新幹線、高速道路、こういったものも含めての御意見もございます。
 私どもとしては、おっしゃるように現在の経済情勢あるいはこれからの日本の経済運営というものも考えますれば、当然そういったことも重要な要素として考えなければいけませんが、とりあえず私どもが今考えておりますのは、やはりこれは場所の議論が伴いませんと、いたずらに数字だけつくりましてやっても無用な誤解を生むのではないかということで、その辺は少し慎重に今事務局は考えております。しかし、一般的には相当な投資規模になるだろうということは想定されますので、場所の議論と密接に関連してまいるということだけ申し上げておきます。
○広中和歌子君 よその国のことを言ってもしょうがないんですけれども、この前マレーシアに参りましたらばビジョン二〇二〇というような、西暦二〇二〇年ですか、今空港を建設中なんですけれども、さらに今のクアラルンプールと空港の中間に首都機能を移転しようというすごい計画を立てております。空港そのものも非常に大きなハブ空港。そういうようなことで、私としては非常にうらやましく感じてしまいました。豊かであるはずの日本にもっともっと国民に夢を与えるようなプロジェクトが欲しい、そういう意味でぜひこの国会移転というのを積極的に進めていただきたいと思うわけです。
 東京都は従来から首都移転には反対の立場にありますけれども、新しい知事も生まれたことですし、ぜひ知事とも連携をとりながら、東京というのは私の生まれ育ったところで私は非常に大好きなところですけれども、東京は経済、文化、情報の中心として立派に適正規模、少なくとももうこれ以上膨張することなく適正規模を保ちつつ、いい都市として残ると思います。そこは自信を持っていいのではないかと思います。
 そういうことで、推進していただくためにも国土庁はさらに組織を充実して本格的準備に入る体制をしていただけないかということで、国土庁長官に最後に御所見を伺いまして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
○政府委員(荒田建君) 大変ありがたい御意見なんですが、実は調査会の今回の第二次報告書の最後にも、「国会、政府等におかれては、本報告を受けて、移転の実現に向けての検討体制の強化など所要の措置」を講ずべきである、こういうような報告をいただいているわけです。
 国土庁としては、庁内体制、いろいろ整えておりますけれども、これからいよいよいっどこにという議論を展開していただくということになりますと、やはり現有勢力で十分かどうか十分検討しなければいけませんし、実はこれは国会等移転なものですから、報告書にもありますがまず国会を率先移転しようというのが報告書の内容になっております。それは危機管理の点からも大変重要なことですので、国会の方でも幸い衆議院には特別委員会、参議院でも一応小委員会がございますけれども、来週にもまた報告書に関する質疑が行われるやに伺っておりますが、ぜひひとつそちらの方の議論を活発化していただいて、この問題が一日も早く進むように私としてもお願いしたいと思っております。
○国務大臣(小澤潔君) ただいま局長が申し上げたとおりでありますが、国会等移転調査会において先生も御指摘のように先般第二次の会合が開かれました。それらを踏まえて、来年の春、そしてその後二年ぐらいにひとつということになっておりますが、また、この問題は非常に大事な問題でありますから、先生方の御意見、国会等移転調査会の御意見をしかと受けとめて、そして検討、善処してまいりたいと思います。
 先ほど新知事さん云々のお話もありましたが、新知事さんの首都機能の移転にはという発言はきのうあたりテレビでは拝見をさせていただきました。まだその内容についてはここで私から発言することは差し控えさせていただきたいと思いますが、東京都におきましても真剣に考え、都議会超党派で、私が国土庁長官に相なったときに陳情に参ったところであります。
 その内容はやはり言葉を差し控えさせていただきますが、地震等を踏まえて、今もう本当に急を要する問題にも相なってまいりましたので、何度も申し上げますが、調査会の意向を踏まえて、来年、そしてその後二年、とにかく早い時期に先生方の御意見を承りながら各関係省庁とともに検討をしてまいりたい、かように考えております。
○磯村修君 違法建築物のことにつきましてお伺いしたいんですけれども、先ほど御質問もございました。大臣は、こうした違法建築について一掃していくというふうな、最善の努力をしていくことが建設省の任務である、こういうお答えもあったわけでございます。
 実態は、今の体制ではなかなか隅々まで手が行き届かない、こういうふうなようでもございます。これは人的な問題もあるでしょうから大変難しい問題でもあり、できるだけ合理的にやらなければならないこともあろうかと思うんです。一般論はそうであっても、なかなかこれは、社会的な問題に発展している違反建築物についてはやはり特別な目で対応していかなければいけないんじゃないかというふうに私は思います。
 私も実は山梨でありまして、今世の中を大変騒がせている地元でもございます。
 そこで、ひとつお伺いしておきたいんですけれども、実は私も現地の認識を持つ必要があって上九一色村へ参りまして実態を見てまいりました。三千ヘクタールに及ぶ牧草地帯にサティアンと呼ばれる建物が散在しているわけです。あの様子を見まして、こんな非常に大きな規模のものがいつどのようにしてつくられたのかという実は印象を持ったわけなんです。建物と同時に一体下水はどうなっているんだろうか、牧草地に下水道は一体どうなっているんだろうかというところまで私は疑問を持ったわけなんです。
 この建物がつくられる歴史というのは、五、六年前から実はオウム真理教があの村に入ってまいりましていろんな施設をつくり始めた。そうしますと、もうその当時からいろいろとトラブルがあったんです。そういう状況を聞いたり見たりしておりますと、やはり行政の措置のおくれと申しましょうか、そう言わざるを得ないというふうな印象を持ったわけです。
 最近、捜査が進んでまいりますと大変嫌な問題があの建物の中に続々と明らかにされてきているという状況なわけなんです。それだけに、未然に防ぐためにも行政措置ができなかったのか。
 多くの問題を抱えているその中で、建設省関係の問題一つ取り上げてみましても、違反建築に対する措置がおくれたんじゃないか、あるいは下水道の問題も全くこれ無関心で通ってしまったんじゃないか、そういうふうな非常に問題があるというふうに私は認識したわけなんですけれども、そもそもこの問題は地域の地方自治体ではなかなか処理できない問題もあると思うんです。
 実は、地元の村長さんのお話を聞きますと、建築の確認申請が出されて、その安全確認というものが実際に現地で行われたのかという話を聞きましたら、ほとんどされていない、こういう話だったんです。何でされないんでしょうかねと、そういうやりとりをしましたら、村長さんいわく、怖くて来なかったんじゃないか、こういうふうなお話が出てきたわけなんです。それだけ特別な場所でもあり、施設でもあったわけです。そういう意味から考えても、私先ほど申し上げましたように、やはり特別な目を持って対応すべきではなかったかということを言ったわけなんです。
 自治体は、その後、四月に入ってからいろんな違反建築の問題に取り組んでいるようでございますけれども、実際に建設省は現地を見ましたでしょうか、これはちょっとひとつお伺いしておきたいんです。
○政府委員(梅野捷一郎君) 私は現地を今日まで見ておりません。
○磯村修君 こういう世間を大きく騒がせている建物等につきまして、自治体任せではなくて、やはり国としても担当省が現地を見て、そしてどうあるべきか、これからの問題解決にどう対処すべきかという確認をやはりとるべきではなかったかということを私申し上げたいと思います。そういうことが大変早い時期に行われていれば、この問題をこんなにまで大きくしなくても済まされたんじゃないかというふうな一つの問題提起をここでしておきます。
 先ほど建設省のお話ですと、違反建築物については中間検査と申しましょうか、そういうものもあるわけです。だから、ああいうものこそ必要だったわけですよ。
 だから、地元の人たちもよく言うんです。細かいところにはよく中間検査に来ると言うんです、細かい建物については。矛盾しているということを指摘しているんです。小さな建物にはよく係官が来て、よく見て、ああしろこうしろというふうな話をしていくけれども、問題のあるものにはなかなか手が入らなかったというふうな実際地元の批判もあるわけなんです。ぜひそういうことも頭のどこかに置いてこれからの問題に対応してほしい、こういうふうに思います。
 それから、ここで確認しておきたいことは、図面だけでもって、あるいは書類だけでもってこういうものはよろしいんでしょうか、大方そういうことになっているんでしょうか。
○政府委員(梅野捷一郎君) いわゆる役所のチェックといいましょうか、そのことについては幾つかの段階があるわけでございまして、こういう建物を建てたいという最初の計画段階、これが通常言われておりますいわゆる確認でございます。計画が法令に適合しているかどうかという事前の確認をする。その確認をとった上で現実の仕事が動いていくということでございまして、それは当然計画でございますので図面の問題でございます。
 それから、先生御指摘の中間検査と一般的に言われておりますのは、途中の段階で建物が具体的に問題がないかどうかということを役所のサイドでもチェックができるという仕組みになっておりまして、それをできるだけ活用して、いわゆる中間検査と言われるくらいに従来から極力そういう形に持っていきたいということで努めている部分、これは当然現場を見る。図面との照合をしながら見る、あるいは図面にあらわれていなくても問題が見つかればそこで指示をするというためにやるわけでございます。
 それから、最終的には工事をやっている側から工事が終わりましたという届けが出てくるわけでございまして、その届けを受けまして工事完了の検査をする。これは原則としては、現地で確かに確認申請で出された計画どおりできているかということをチェックするというのが原則でございます。七日以内に例えばそういう手続、現地を見るというような役所のいわば都合でございますが、日時限で及ばない場合には使い出してもいいよという、いつまでも役所が行けないから使っちゃいかぬということにはなっていないわけでございますが、基本的な考え方は届けが出たらそれを受けて直ちに現地で内容をチェックするというのが原則でございます。
○磯村修君 わかりました。
 いずれにしても、この問題についてはやはり原則を実行していくということに努力してほしいと思うんです。それと、機会がありましたらぜひ国も現地の建物の状況というものを確認しておくことがいいのではないか、こういうふうに私は思っております。
 いずれにいたしましても、とにかくこういう特殊な問題ですから、自治体任せではなくて、やはり国は国としての立場でもって現地を確認し、対応を考えるべきである。こういうふうに将来何が起きるかわからないわけですから、将来への教訓としてやるべきではなかろうかと思います。
○政府委員(梅野捷一郎君) 私ども、今日まで特定行政庁、つまり山梨県でございますが、連絡をとりながらこの問題に対応してきたところでございますけれども、ただいま先生から御指摘のようなことを十分踏まえまして、より地元と力を合わせてやっていきたいというふうに思っております。
○磯村修君 それでは、次の事項に移りたいと思いますけれども、地すべり地域の宅地造成の問題についてやはり一言だけ伺っておきたいんですけれども、先日もここで専門家の先生方のお話も承りまして、そのお話もしたわけです。
 やはり大変危険地域、山が迫っていて、一見してもそういう地すべりの状況があるような感じのするそういうところに宅地造成していくということは将来的にも大変危険なわけでございますから、これからのシステムの中でもって地質の状況等も買い手側の方に、消費者に対して公開すべきです。そういうことを考えていく必要があるんじゃないか、こういうふうに思うんです。安全性の問題、やはり消費者は安全なところに住みたいわけですから、そういう地質的な問題についても消費者にきちっと明確に説明ができ、情報を公開していくということも必要ではなかろうかと思うんですけれども、その辺のお考え。
 それから、PL法も七月から適用されますけれども、やはりそういう製造物の責任ということも問われる時代になっているわけですから、住宅の問題につきましてもそういう真剣なシステムというものを考えていく必要があるんじゃないかと思うんですけれども、建設省の見解を一言承っておきたいと思います。
○政府委員(小野邦久君) 宅地開発における宅地の安全性というお話でございますけれども、これにつきましては、例えば宅地造成等規制法とかあるいは都市計画法という法律に基づきまして宅地開発自体をきちっと都道府県知事の認可に係らしめております。
 この場合に、当該知事さんは地質状況を十分踏まえて、切り土でございますとか盛り土とか、あるいは擁壁の基準あるいは排水施設、さまざまな宅地開発に関連するいろいろな施設等につきましての防災上の技術基準というものに基づいて審査を行っているわけでございます。
 今回、阪神・淡路大震災につきまして非常に多くの宅地の被害が出たわけでございますが、六甲山周辺の宅地開発につきましても、従来から宅地造成等規制法、あるいは古くは住宅地造成事業に関する法律というものも旧都市計画法の時代にございましたけれども、そういうような法律に基づきまして厳正に基準を審査した上で許可をしてきている。ただ、今回の被害は大変大きな被害がございました。それにつきましては今原因の究明と、新しい技術基準のあり方につきましても今私どもでは宅地防災技術委員会をつくりまして、そこで審査をしていただいております。
 ただ、個々の宅地開発について、特に地質の状況をユーザーの方、消費者の方に直接どう開示をし説明をしていくかということでございます。これにつきましては、例えば不動産業者の場合でございますと、ある一定の事項を重要事項として売り買いの場合に消費者に御説明するという制度がございます。その場合も、例えば当該地域が宅地造成等規制法による規制区域である、いついつどういうような状況で認可を受けてやっているといったようなことは御説明をするわけでございます。
 御指摘の地質状況そのものを個々の企業が消費者に売買等の前に御説明をするということは、これはなかなか難しい問題もございます。特に、小規模の業者の方々の場合にはある程度集める資料というのも限界もございますでしょうし、この辺はなかなか難しい問題もあるわけでございますけれども、一般的にはやはり宅地造成等規制法の中で行われているものである、そういう知事の許可、認可に係らしめた事業で造成された宅地であるということを説明することによって消費者に事前にやはり十分注意をしていただくというようなことによって従来処理をしてきている、こういうことでございます。この方向をきちっと守ることによって対応していきたい、こういうふうに思っております。
○磯村修君 最後に一つお伺いしておきます。
 これは危機管理の問題なんですけれども、今回の阪神・淡路大震災でいろんな教訓を残したわけなんです。特に、危機管理の問題が大きな問題として我々に課題を与えたわけなんですけれども、実は東海地震あるいは南関東直下型地震というふうなことも言われているこの地震の問題につきまして、山梨県が応用地質調査委員会というところに委託しまして専門家に調査をさせて、その結果、内容がこのほどまとまったわけなんです。それを見ますと、これは震度七ということを想定していろいろな被害状況を想定しているんですけれども、東海地震の場合は一九八〇年に調査したときよりかも倍以上になるだろうというふうな想定も出されておりますし、いずれの二つの地震についても非常に大きな被害を想定したことが発表されているわけなんです。
 こうしたことを見ますと、早く今の危機管理というものを整備して、こうした将来起きても不思議ではないというふうなそういう震災に対する構えというものを整備しておく必要があると思うんです。国の機関がいろいろ幾つかに分かれているという状況にもあるわけなんですが、そうした機構というものを早く何とか整備して、一つのものにまとめながら危機管理というものを充実強化させていくということが緊急の課題ではなかろうかというふうに私どもは考えるわけであります。
 これは建設省あるいは国土庁にお伺いをする筋のものではないかもわかりませんけれども、国土庁の場合、そうした問題にも取り組んでいる一つの役所でもございますのでお伺いしておきたいと思うんですが、できるだけこういう問題に対応できるようなシステムづくり、体制づくりということについて国土庁としてはどういうふうなお考えを持っているか、お考えをここでひとつ伺っておきたいと思います。
○政府委員(村瀬興一君) 先生御承知のように、政府におきましては、人命救助を消防庁、警察庁等が担当しておりますし、災害復旧、復興対策につきましては建設省、農林水産省等が担当するなど、各省庁がその組織の特性や機能を生かしつつ災害対策に取り組んできたところでございます。
 一方、私ども国土庁といたしましては、これらの災害対策が効果的に実施されますように、災害対策基本法に基づき、中央防災会議や非常災害対策本部などを通じまして各省庁の災害対策に関する事務の調整を行ってきたところでございます。
 そういったところから、例えば今回の地震の反省といたしまして、災害対策基本法自体につきましても見直しが必要ではないかということで、今国会ではその中で交通規制に関する部分をお願いいたしましたけれども、残余のもう少し基本的な部分につきましても、先ほども申し上げました防災問題懇談会等の議論を踏まえまして早急に整理をしたいというふうに考えておるわけでございます。
 その中で一つ重要な検討事項になるのではないかと今私ども考えておりますのは、緊急対策本部というのがございます。これは総理大臣が本部長になるということになってございますが、現行制度では政令によって経済統制等を行う必要があるような事態の場合に設置をするんだというふうなことになってございます。そういった事態でなくても、総理が本部長になるような緊急対策本部というものも設置するというのは立法論としてはあり得るのではないかというようなこと。それから、現行の法では緊急災害対策本部の本部長の権限は国務大臣が長になります非常災害対策本部長の権限と基本的に同じでございまして、そこら辺をもう少し拡充強化するようなことも検討対象になるんではないかというようなことを考えております。
 ただ、先生おっしゃいますように、先ほどちょっと申し上げましたように、例えば災害対策の場合に自衛隊なども非常に重要な役割を果たすわけでございますけれども、災害対策だけをやっておるわけではございませんで、国防といったようなこと、それから警察につきましても災害時には非常に重要な活動をいたしますけれども、これもふだんは治安の維持とか交通問題とか、いろんなことに取り組んでおりまして、そういった機関をすべて災害という見地から一つに統合するというようなことはなかなか困難な面があるんではないかというふうに考えておるところでございます。
○磯村修君 時間が来ましたので要望しておきますけれども、ともかく防災というのは大変重要なことでございまして、両大臣も政治家として、行政改革あるいは効率的な立場から、防災にかかわる機関の機能を一つの一本化した活動ができるような体制づくりというものをぜひ努力してほしい、このように要望しておきます。
 終わります。
○上田耕一郎君 私は、公共事業の問題点、特に長良川河口堰と東京の小田急の高架化問題をお伺いしたいと思います。
 まず大臣、五月三十一日の青島都知事の世界都市博中止の決断についてどう受けとめておられますか。
○国務大臣(野坂浩賢君) この決断の問題についての前提として、建設省といたしましては、昨年の九月、当時の知事から出展の要請がございまして準備は進めてまいりました。
 知事の選挙がございまして青島知事が実現をしたわけですけれども、将来の展望、今後の東京都というものを考えられて決断をされたことでありますから、それは東京都の世界博でありますから、それを尊重しなければならない、こういうふうに思っております。
 そして青島知事もおいでになりまして、今後、どのように使ったか、どのようなことになるのかというような話でしたから、私としては、できるだけ費消した金額については返還請求はしないつもりです、したがって他の点について十分それを活用していきたい、こういうふうに考えておりますので御心配のないようにということに御答弁を申し上げたわけでありまして、決断に対しては、そのとおり結構なことだと、こういうふうに思っております。
○上田耕一郎君 青島都知事は既に決定していた公共工事について決断をされた。朝日の調査では七三%支持というんですね。ところが野坂大臣は、その前の二十二日、長良川河口堰について運用開始、とんでもない決断をされたんです。
 それで建設省に、一体大臣はどういう記者会見をやったのかというので要望したら、新聞の切り抜きのコピーをくれました。それに大臣はこう言っている、国家が国民の血税を使って行う公共事業に間違いはないと。これはちょっと野坂さんとしては驚くべき暴言ですよ。もう既に、例えば例の中海・宍道湖の淡水化事業、あれは二十五年間に七百二十億円つぎ込んでやめたんですよ。凍結ですよ。それで現地では、建設大臣は官僚の説明のオウム返したと怒りの声まで上がっているんです。
 それで翌日、閣議では長期にわたる大型公共事業について社会情勢の変化に伴い計画を見直す必要がないかどうかチェックする機関の設置を申し合わせた。五十嵐官房長官は閣議後の記者会見で、第三者機関が望ましいと個人的には思うとまで述べられた。間違いかなければこういうことを閣議で検討を決めませんよ。
 それで大臣も、建設省に公共事業の検討の委員会を設けて、二日に初会合を開かれたという報道があるんですね。これはどうですか、この第三者機関、それからあるいは建設省のこの委員会は、既にあなたが運用を決めた長良川河口堰についても検討するんですか、お答えいただきたい。
○国務大臣(野坂浩賢君) まず第一問でありますが、二十二日の日に、二十三日から長良川の河口堰については本格運用をいたしますということを申し上げました。
 それから、先生からお話がありましたように、公共事業にはそういう事態はないということを申し上げたと思いますが、今お話がありましたように舌足らずの面もあったと思います。本来、私は国民の血税を使用して事業を行う場合には間違いがあってはならないし、これは当然国民のためになるという立場に立って無用なことはしてはならない。したがって、そういう意味を含めて私の真意というものは、国民の血税を使ってよりよい効果のあるものを、国民のためになるものを実施したい、こういう願いを込めておるということを御了承いただきたいと思っておるわけであります。
 だから、しかしそういうことをチェックする機関がなければならぬ。もちろん会計検査院とかあるいは総務庁とか、そういうところでチェックはいたしますが、建設省といたしましてもそういうことを検討する機関が必要であろう、こういうふうに考えましたから、万全の対策を立てるために検討委員会をつくって、三カ月間でそのシステム化を図ろうということでチェック機能をさらに十分にしていきたい、こういうふうに考えております。
 四番目の、あなたは中海・宍道湖の干拓について今は凍結をしておるんじゃないかというお話であります。これは私の地元でございますし、よく承知をしておりますが、経済は動いておる、あなたがおっしゃったとおりです。したがって、当時、昭和三十年あるいは三十一年、三十五年からかかったわけでありますが、その当時は増反をしなきゃならぬという格好で干拓をして増反をする。ところが、最終段階でありますと、四十二年ごろからは御案内のように減反政策というものが出てきた。大きく経済の転換が行われてきた、変貌があった。したがって、干拓をしても使用する者がいない、入植する者がいない。現在、我が県でも彦名地区とかあるいは安来の方は……
○上田耕一郎君 時間がないから。
○国務大臣(野坂浩賢君) いや、時間がなくても話はしなきゃならないんだから。
 安来の方は、干拓をして農業ができないために用途変更をして公園をつくる、立地もできない、こういう状態でございましたので……
○上田耕一郎君 長良川の質問をしているんだから。
○国務大臣(野坂浩賢君) はい。長良川の問題について、一つ一つやりますけれども、長良川の問題については、これからの反対の皆さん方の意見というものを十分に留意をして、環境の調査や公開調査をして結果は公表するという立場に立ってまいりたい、このように考えております。だから、すべて要望については万全の対策をして、皆さんに見ていただきながら結果も公表して順次進めていきたい、こういうふうに考えております。現在はまだ門を閉めておりません。
○上田耕一郎君 大臣は、千五百億使ったものをむだにできないと思われたようだけれども、これからもっと金がかかるわけですよ。例えば、工業用水で売れると思ってあれは計画したんでしょう。情勢が変わって買う企業はないわけだ。しかし、つくった費用の償還は県民、名古屋の市民に負担がこれからかかるんですよ。二十三年間払い続けるのがことしから三県とも始まるんです。元利償還を含めますと、三つの県と市で何と千六百億円を超えるんですよ。それだけじゃ済まない。
 厚生省と通産省、呼んであるんですけれども、導水事業をこれから始めなきゃいかぬですね。一体、導水事業の事業費が上水並びに工業用水について幾らかかる予定なのか、お答えいただきたいと思います。
○説明員(浜田康敬君) お答えいたします。
 長良川河口堰におきまして開発された水を水道用水として導水する事業といたしましては、現在三つの事業が実施中でございます。
 一つは、水資源開発公団によります長良導水事業、それから愛知県によります長良川導水路建設事業、それから三番目には、三重県が中勢水道用水供給事業に係るものとして実施しております取水・導水施設建設事業でございまして、これら事業費の総額は現時点では約七百十五億円ということで算定しております。
 また、お尋ねのこの事業の実施後に発生します償還費用でございますけれども、その総額はまだこれが事業の実施中でございまして確定できる状況にはございません。今後の金利の変動等を見ながら確定していくわけでございます。ただ、現時点で大まかに推定いたしますと、この総事業費七百十五億円の約八割ぐらいが償還金になるのであろうかというふうに推定しているところでございます。
○説明員(相澤徹君) お答え申し上げます。
 長良川河口堰によります工業用水につきましては、愛知県及び三重県が使用することになっておるわけでございますが、両県におきます導水事業計画でございますが、これはそれぞれの県の計画でございますとか水利用に関します計画でございますとかあるいは実際の用水需要動向を勘案いたしまして今後策定されることになっているわけでございますが、現段階におきましては長良川河口堰からの導水事業計画はまだ具体化されていないというふうに承知をしております。これらの導水事業計画につきましては、今後の水需要の増大に対応して順次具体化されていくものというふうに承知をしております。
○上田耕一郎君 かつての三重県の担当部長は、まるっきり要らないんだ、毎年高校が一校建てられるだけの県民の税金を二十年以上むだに伊勢湾に流すことになると嘆いているんですよ。これは中日新聞に書かれている。ですから、運用すると全くむだな水を伊勢湾に流しながら県民の負担は膨大なものになるんですよ。二十二・五トンのうちわずか一七%、三・八トンしか決まっていないんですからね。
 そういう意味では、きょうこの問題はそれこそ一時間も二時間もやりたいぐらいだけれども、もう時間もございませんので、大臣、この問題についてのこれだけの批判のあるときなので、第三者機関、検討機関で、既に運用開始を決めたといっても、そのことを含めてぜひ先ほど言われたこと以上に検討していただきたい、そう思います。いかがですか。
○国務大臣(野坂浩賢君) はしょって短くやらせていただきたいと思うんですが、去年一年間、四つの項目に分けて検討していただくということになりました。十二月に現地に参りましていろいろと意見を聞きました。その際に、円卓会議はどうかという話がありまして、賛成も反対も、地方自治体も建設省側も全部出てやってほしいということで、三月三十一日に結論を出しますのでそれまでに円卓会議で結論を出してほしい、こういうことをお願いして、それぞれ調査員の皆さん方を交えてやりました。
 三月三十一日になりましていよいよ発表しなきゃならぬ。しかし一致点もできたが一致できない点もある、こういうような見解が多数から出てまいりましたので、四月いっぱい全部検討していただきたいということで四回やりまして、計八回やりました。
 しかし、議事録を私は丹念に読んでまいりましたけれども、もう平行線で動かない。こういうふうな事態になれば人間的な感情も出てくる。それを取り上げまして私は、五月二十日前後、去年は五月十九日からアユの遡上等で調査をしておりませんので、五月十八日までは調査をしてその上で結論を出すというようなことを言いまして、その点については明快に五月二十三日から本格運用をする。したがって、中の水質の調査については、これは閉め切りをしなければ生態系等は変わってくるわけでありますから調査ができない。六月から九月までやるということでありますが、残念ながら水が出てまいりませんのでまだあれを閉めるということができない、こういうのが状況でございます。
○上田耕一郎君 この問題、また別の機会に本格的にやります。
 次は、大臣も二回、小田急線の地下化を実現する会の方にお会いになって、話し合いの労をとろうとお約束された小田急の高架化問題。
 私も五月二十五日に実現する会の方々の案内で現地に行きました。それで権ヶ丘から成城学園前駅まで見ました。驚いたことはやっぱりこれは暴挙だということですよ。住宅街のど真ん中に、これまで地表で二線だった小田急を幅二十メートル、四線通るんですから、高さ十二メートル、三階から四階建てのところにそういう構造物を五・六キロにわたって建てて十両編成で通るんですから、やっぱり暴挙だとつくづく思いましたね。
 それで、資料をいただいて一番驚いたのは、これは説明会に配った東京都、小田急側の資料です。これを見ますと、地形的条件、計画的条件、駅や踏切はどうか、事業的条件、お金が幾らかかるか、この三つの条件で高架化を決めたというんですよ。住民への環境だとか騒音だとか轟音だとか一切入っていないです。僕は石垣島の飛行場、サンゴ礁問題、あれを思い出した。僕はあれも調査に行ったんですが、あれを決めたときはサンゴ礁については百点だと、そういうあれだったんですよ。あとでわかった、それでやめた。こういうひどい環境や住民についての影響を一切考えないで決めた計画に住民から反対運動が起きた。それで、五十嵐建設大臣は申請は凍結する、認可しないと言われた。その一カ月後に、森本建設大臣は就任十五日目にいきなり事業を認可しちゃったんですよ。それで、野坂建設大臣になってからはこの問題は不当だというので東京都と話し合いの労をとろうとした。ところが、事業は始まっているんです。
 建設省は一体どういうつもりで認可したのか。私は地下と高架の比較検討が非常に不十分だっただろうというふうに思うんですよ。まず、だから第一に今の住民に対する影響、環境の問題、これを一体検討すべきだが、検討した形跡がないじゃないかということが一点。
 二点目は、梅ヶ丘駅から東の方、これは恐らく地下になるんでしょう。東京都議会の議事録を見ますと高架化は非常に厳しいと言っているんです。大体、梅ヶ丘駅から東の新宿方向については小田急は全然土地を買っていないんですからもう地下化は明確なんです。ところが、最初に出した計画案には地下から地表に出るんだ、だから駅を動かさなきゃいかぬとか、踏切がだめなんて書いてあるんだが、地下化するんだったらこれ条件はまるっきり変わるわけですよ。
 それから、三つ目に地震災害の問題がある。震度六になっているけれども、しかし阪神大震災の経験からいくと高架の場合に震度七で大丈夫かという問題があるでしょう。
 そういうさまざまな問題があるので、一体、建設省はこの認可のときにそれらの問題について本当に考えたのかどうか、これをお伺いしたい。
○国務大臣(野坂浩賢君) この問題は、ここにおいでになっておる方々とも何回かお会いしました。地下の方がいいではないかと。阪神大震災も起きましたが、余りなかったんじゃないかという。
 私は、今あなたからお話がありましたように、この問題については住民が非常に危惧を持っておるし、話し合いをしてほしいということで東京都に話し合いの要望をいたしました。東京都もこれに応じました。したがって、話し合いはしておるけれども、話し合いになかなか応じてもらえないというような話もありました。それは一方的か知りません。そういう話がありましたので、青島さんがおいでになったときに、私も気になっておりましたので、この問題は非常に重大な問題でありますから、青島さんによく御検討いただくようにということを直接私の口から申し上げておきましたが、それらに至る経過につきましては就任以前の問題でございますので、都市局長の方から話させていただきます。
○政府委員(近藤茂夫君) まず、先生御指摘の都市計画決定におけるアセスメント等の手続の問題でございますが、昭和三十九年に基本的な都市計画決定がされておりまして、その後一部掘り割り式について採用するということで一部計画変更がされているわけでございますが、その段階では全体を含めていろいろアセスメントの手続、そして公聴会等も手続は一応されております。
 それから、計画的条件とか地形的条件あるいは事業費、そういったことが重立った勘案要素ということで、最終的に知事から事業計画の認可申請があったわけでございますが、その点につきましては全体的な状況の中での総合的な判断だということでございまして、それは五十嵐大臣のときにも、あるいは野坂建設大臣のときにも知事の意向を直接確認しているわけでございます。
 そして、私どもは最終的に総合勘案して、知事として直接大臣にも勧めたいということになりますれば、やはり法律に基づいて事業計画が出てきた以上、都市計画が適合しているかとか都市計画適合の点に関しましては、先生御指摘の一部下北沢の方向になればそこは地下化が避けられないではないかという御指摘があるわけでございますが、その部分についてはまだ事業計画の認可区間に入っていない、あくまでも構造について都市計画決定で高架化という部分について事業計画の認可申請が来ているということ。
 したがって、まず都市計画に適合しているということ、そしてまた、事業施行期間についても一応五年間をめどということで法律上規定されている都市計画に適合していること、そして事業施行期間が適当であること、こういう判断のもとで事務的にも認可したわけでございますが、ともかくその前提として知事の直接の意向を確認するということについては、反対運動があるということを私どもも承知しておりましたので、そういう最終的な確認のもとに進めているわけでございます。
○委員長(合馬敬君) 上田委員、時間が過ぎておりますので、これでまとめてください。
○上田耕一郎君 近藤局長、今言われたことで大事なのは、梅ケ丘から下北沢方面がまだ発表されていないと言ったでしょう。発表すると地下になるので、それを発表すると地下化運動が強まるのでわざわざ発表していないんです。しかし、地下になるのは明白なんです、都議会での答弁を聞いても。ところが、この出したものには地下でやると地下から地上への移行区間にある踏切が悪くなるのでと言って、まるで地表で梅ヶ丘から東はやるかのように書いてありますが、そうじゃないんですよ。だから、そういう点で今局長が言われた説明というのは、事実について重大な問題点があるということを一つ指摘しておきたい。
 また、大臣が新しい青島知事にこの問題は重要だということをおっしゃっている点については、近藤局長は知事の意向ということで言われたけれども、知事がかわったわけだし、本当に住民参加の方向を進めていかなければならない重要な問題だと思いますので、ぜひ大臣、新しい青島知事と大臣とで住民の意向を酌んで、この問題について本格的な深い検討をするような話し合いの労をぜひ重ねておとりいただくようお願いしたいと思います。
○田英夫君 国土庁長官、本会議がおありのようですからどうぞお引き取りいただいて結構です。
 私は、建設省の幹部の皆さんに、建設省が今の大きな時代の変化の中で従来の哲学を転換しなければならないのではないかという気持ちを込めて二つの問題についてお伺いしたいと思います。
 最初に、上田さんも触れられましたが、青島東京都知事が都市博中止という決断をされたことに対して、野坂建設大臣、どういうお気持ちで受けとめられたかをまず伺いたいと思います。
○国務大臣(野坂浩賢君) 青島知事が決断されたことは東京都の問題でございますので、東京都ではそのように青島知事としては決断されるのは、私はそれについては決断があればそれに従って協力をいたしますと、そしてそれについての決断はそれなりに評価はできるというふうに思っております。
 田先生のねらいは、長良川と東京都の世界都市博とを比較検討してどうかということのねらいがあるというふうに思っておりますが、これはこれ、それはそれ、こういうふうに分けて考えておるということを申し上げておきます。
○田英夫君 私は長良川と結びつけようと思っているのではなくて、もっともっと大きな基本的な哲学の問題に触れていきたいと思っているところです。
 具体的な問題で、まず東海環状自動車道の問題で御質問をしたいと思います。このことはもう建設省の担当の方は御存じと思いますから、時間がありませんから詳しいことは申しませんが、現在その計画の中にかかわる地権者七十八人が計画に反対をして、土地の不売と調査、測量の拒否ということを建設大臣に通告をしておられる。ここにその通告書があります。もちろん、これは法的に拘束力があるわけではないようでありますけれども、地元ではこのままいけば第二の成田になるんじゃないか、こういうことを心配されている。これが私のいただいた、この赤いところがその関係地権者の所有地ということで、ほとんど完全にその計画のところが埋まってしまう、かかわってしまう、これ見るととても道路はできない、こういうことであります。
 こういう状況の中で、建設省はどういうふうにこれを考えておられるのか伺いたいと思います。
○政府委員(近藤茂夫君) 東海環状自動車道につきましては、現在都市計画決定権者である岐阜県知事が都市計画決定のための手続に入っているということで、現在説明会等が開催されているというふうに聞いております。
 最終的には、もし案が決まってくれば、都市計画法上の法定手続として縦覧、都市計画中央審議会、そういったものを経て最終的に案が決められるわけでございますが、基本的に、こういう地域住民に密接に関係ある都市計画の案件につきましては、私ども一般的にも日ごろから、地元長そして地元市町村、それから関係の地域住民の十分な理解のもとに進めるようにということを強く指導しているところでございます。この問題について、まだ私ども具体的に案をいただいているわけではございませんが、案を詰める過程において、基本的には知事の都市計画決定案件においても地元市町村の意向を十分踏まえるということを指導しているところでございますし、それからまた関係地域住民の理解を得るよう、実効ある住民参加の手続をとるよう指導しているところでございますので、この問題についてもそういった方向で的確に指導してまいりたい、このように考えているところでございます。
○田英夫君 もう一つ、その沿道といいますか、計画のところに岐阜市の御望山トンネルというのをつくると。御望山という山のところヘトンネルをつくる。この山が非常に地盤が緩い。長雨が降るとすその方の住民は避難しなければならないというようなそういう状況にあるところで、このトンネルはやめてもらいたいと。このすぐ近くに五百人ほどの第二千成団地という団地があるわけで、そこの住民の方から直接私は伺ったんですが、これはとてもあそこにトンネルを掘るというようなことになれば我々は安心して住めないと。特に、この地域は岐阜県から急傾斜地崩壊危険地域と指定をされている、こういうことでありまして、これもまた建設省としては、まだ県の段階だということは私も承知しておりますが、どういうふうにお考えがお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(近藤茂夫君) 都市計画決定の内容といたしましては、ルートだけではなくて構造も当然その内容に入るわけでございます。したがいまして、都市計画決定案をつくる過程においていろいろ住民等の御意見、地元市町村との調整というのはされるわけでございますので、現段階においてそのトンネルがいいかどうか国として発言することは控えたいと思いますが、先ほど言いましたように、都市計画の内容の一環としての構造ということになりますので、十分地元市町村、そして地域住民との理解を得る形で案がつくられるよう的確に指導してまいりたい、このように考えております。
○田英夫君 これはもう野坂建設大臣には釈迦に説法のようなことですけれども、私は最近の青島さんのあの圧勝というようなことを東京ですから見ておりまして特に強く感ずることは、政治の主人公というのは一体だれなのかということが問われているんじゃないか。今、局長の御答弁にもありましたけれども、地域住民のという言葉になっている、まさにその皆さんが主人公なんですね。その主人公が困るというところに道路をつくって一体どういうことになるんだ。もちろん、そこを通過する自動車の利用者というのは一つの国民ですから、これも主人公ですけれども、その地域に住んでいる人こそ一番かかわりが多い。その主人公の立場、心配、不安、こういうことを極めて重視するということが非常にこれからの政治の中で重要なことではないかということです。
 したがって、そこの地域の住民の皆さんともお会いしましたけれども、この東海環状自動車道をつくることに反対しているんじゃないんだと。ルートを変えてもらうとか、あるいは環境の影響評価を十二分にやってほしいとか、そういうことを要望しておられるんであって、ぜひともこういうことを大事にお考えいただきたい。
 その関係自治会の会長さんは、この問題が巨大な権力を持っている建設省が相手ですから容易なことではありませんと私におっしゃるんですね。こういう気持ちを国民の皆さんに持たせているということは私は重大なことじゃないかなと、こう思います。この東海環状自動車道の問題は今簡単にしか触れられませんけれども、どうぞひとつそういう基本的な姿勢を貫きながら、十分に岐阜県など関係の自治体とも調整をされて、地域の住民、まさに主人公の皆さんの気持ちを大切にして進めていただきたいということをお願いしておきます。
 次は、大臣が心配されている長良川の問題でありますけれども、この問題は私など率直に申し上げて、野坂建設大臣、なぜ結論をあんなに急がれたのかなというのが率直な感想であります。
 今、実は国会議員の有志の間で「長良川河口堰の本格運用の決定に対する抗議と要請」という題で建設大臣にこれを提出しようというので、署名運動と言っていいことを始めております。これはそろいましたらいずれ大臣のところへお届けいたしますけれども、この中にも「本格運用を中止して、もう一度円卓会議を再開、続行」していっていただきたいということを書いておきましたけれども、これが今の率直な私を含めたこのことに心配をしている者の気持ちであります。
 これは上田さんも触れられましたけれども、もう一回私は確認をしておかなければなりませんのは、建設大臣が国の予算を使う公共事業に間違いがあるはずがないと言われた、先ほど釈明をされましたけれども、もう一度確認をして、できれば新聞で伝えられたのは舌足らずならば舌が足りるような御答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(野坂浩賢君) 私は、国民の血税を大事にして使わなければならない、これは与野党とも一致した見解であります。したがって、その血税をむだにしてはならないというための公共工事でありますから、皆さん方に御賛同いただけるものと、こういうふうに考えております。
 ただ、全部がそうであったかということになれば、そういうことのないように会計検査院あるいは総務庁、そういうところでチェックをしておるわけです。それ以上にさらに建設省でも、あるいは第三者機関でも大規模なプロジェクトの事業については一つ一つチェックして、国民のためになるような、いわゆる血税をむだに使わないように、そういうことにしなければならぬ、こういうふうに私も考えております。基本的に税金を今むだ遣いしてはならぬ、だからむだ遣いにしないという前提で公共事業というものは立派に使われるというのが本来の筋であるというふうに考えておるという意味であります。
○田英夫君 今まで長良川の問題についてはさまざまな視点から取り上げられてまいりましたけれども、最近阪神大震災の影響で地震の問題が新しく浮上をしてきたといいましょうか、円卓会議の中でも京都大学の専門家の尾池教授などもこの問題に触れておられるわけであります。建設省は長良川、揖斐川、あの地域の活断層については十分に把握をしておられると思いますか、いかがですか。
○政府委員(豊田高司君) お答え申し上げます。
 今、先生お尋ねの活断層についてよく調べているかということでございますが、日本の活断層についてその専門の科学者が集まって集大成されましたのが「日本の活断層」という本でございます。これは御存じだと思いますが、一九九一年に新版として発行されておりますが、これによりますと、堰付近に存在する可能性のある断層といたしまして、木曽岬線、弥富線、桑名断層系、養老断層の四断層があるということになっております。実は、これ以外にあるかないかというのは、今申し上げましたように「日本の活断層」という本が一応現在のところ最高の資料ということになっておるわけでございますので、私どもはそれに基づきましていろんな調査をしておるわけでございます。
 このうち、木曽川の東側にあります木曽岬線及び河口堰の上流部に位置しております弥富線というものは、「日本の活断層」という本によりますと、注意を要する第四期断層としての可能性は薄いというふうにされております。残りますのが揖斐川の西側にあります桑名断層系と養老断層系でございますが、これは第四期の断層としての可能性が残されてございます。しかも、堰に比較的近い約一・五キロのところを通っておるということが去年の尾池先生の御指導によりまして、調査によってわかっておるところでございます。
 それからもう一つ、はっきりその本に書いてありますのに伊勢湾内に伊勢湾断層というのがありまして、これと桑名断層がつながっているんではないかという御意見がありました。これも昨年調査いたしました結果、つながっていないということも尾池先生の御指導でわかったところでございます。
 それからもう一つ、名古屋港付近に天白断層というのがございます。これは堰から約十キロ程度離れておるわけでありますが、この天白断層と伊勢湾の先ほど申し上げました伊勢湾断層とがつながっておるかどうか、あるいは何らかの関係があるかどうかということについて調査はまだ十分されていないわけでございます。これは、伊勢湾の出入り口が大型の船舶だとか小型の船舶が非常にたくさん出入りしておりまして、その調査が非常に困難であるというような状況でございまして、まだ調査がされていないという状況でございます。
○田英夫君 私の認識も大体一致します。
 一番危険なのは桑名断層ですが、今河口堰との間が一・五キロと言われましたが、一番近いところは揖斐川の堤防から四百メートルというところを走っている、こういう調査の結果があります。
 尾池教授は円卓会議の中でも言われたようでありますけれども、今挙げられたようなたくさんの断層を十分調査して、周辺数十キロの範囲の活断層に大地震が発生した場合を想定して考えなければならない、専門家は言っておられるんです。そうすると、一・五キロ、四百メートル、こういうことになりますと、それで水をためるわけですから、ちょうど四百メートルというところは水をためればその堤防が決壊したらどうなるか、まさに桑名は水浸しになるという、これは桑名の方から直接聞きました不安であります。
 三月三十一日付の大臣のコメント第六項目めに、地震に対する調査は堰事業と関係なくもっと広く全体の問題として調べなければならないというふうに言われた、この気持ちはわからないじゃないんですよ。しかし、今のあの河口堰があそこにつくられているという状態からすれば、これは地震の問題は河口堰を中心としてその付近の活断層の問題を調査しというような、そういう気持ちになっていただかないとあの地域周辺の住民の皆さんの不安は消えない。これはなかなか消えないと思います。いずれにしても、この問題は、時間がなくなってしまったので、もっと改めて詳しく時間がありましたら取り上げたい問題です。
 冒頭に申し上げた建設省の基本的な哲学に触れる問題として最後に申し上げたいのは、先ほど申し上げたように、政治の主人公というか、それは国民なんだ、住民なんだということからすると、さっきも建設省という強大な権力というような気持ち、あるいは建設省の側にはお上という姿勢がもしあるとすれば、これは根本的に変えなければいけない。
 それから、実際のやり方として箇所づけということ。これは話すと長くなりますけれども、私は外務委員会が長かったのでODA基本法というのをつくるのに五、六年ずっと取り組んでおりますが、大蔵省の主計官にどうやって十八省庁のODA予算を査定するんだといったら、建設省の箇所づけと一緒ですと、こういう答えが返ってきた。つまり、建設省のこの大きな予算の中で前年度から引き継いでいる部分はそのまま施行されていくわけですが、新しいプロジェクトを箇所づけで決めていくというこのやり方、これはだれもわからないんです、関係者以外。ODAもまさにそれで、ガラス張りにならないというところに逢着をしているという意味で主計官は言われたと思います。
 こういうやり方も、主人公である国民の皆さんにはわからないところでプロジェクトが決められ予算がついていく、こういうところに問題があるんじゃないか。こういうこともひとつ、ぜひこの際お考えをいただきたい。
 私は青島現象と言っているんですが、やはり東京都民の皆さんなどは最もそういう時代の変化に敏感でありますから……
○委員長(合馬敬君) 委員、時間が過ぎておりますので簡単にまとめてください。
○田英夫君 ひとつ主人公が心配をするとか主人公が困るとかいうこと、それから主人公に対してガラス張りでなければならない、こういうことをぜひ建設省は重要な課題としてお考えいただきたいということを申し上げて、終わりたいと思います。ありがとうございました。
○国務大臣(野坂浩賢君) 時間がございませんが、ごく簡単に私の方から御答弁を申し上げておきます。
 主人公は国民である、国民の皆さんの意見を聞いて進めなければならぬ、このことは田さんと私とは全く意見が一致をしております。そして、たくさんの皆さんがおいでになりましたが、常識的な結論を出すべきだということも随分言われました。
 私は、長良川の沿川の市長さんあるいは知事さん、町村長さん、議員さん、これも国民の声を代表する、地域住民の声を代表する重要な機関で尊重しなければならぬ。一般の方々の意見も聞かなきゃならぬ。しかし、我々は当面地方の議会や首長さんの意見を聞かなければならぬ、常識的に判断をしなければならぬ、こういうふうに考えておりますし、国政を預かっておられる沿川の国会議員の先生方にも全部話を聞きました。そして学者先生にも話を聞きました。そして、一つの結論を三月三十一日に出すということでしたけれども、まだ余裕があるし、何とかしなければならぬという格好でやりましたけれども、意見は平行線。こういうことで断を下した。
 そして、地震の問題については、お話があったように尾池先生から公式の場でも話を聞きました。それから私の宿舎にも来ていただきました。そのときに、長良川も必要であるけれども濃尾平野全体が地震の発生の余地がある、こういうことでございましたから、私は三月三十一日にそれらも含んで濃尾平野ということでやりますと。確かに、ほかの先生方から聞いて、百メーターも百五十メーターも、ダムが停止をしてダムの中で水が静止したまま押さえつけるという場合はそういう場合があろうと。しかし、長良川をごらんいただきますというと、あれはつくっておりますけれども水は流れております、停止はしていない。
 そういうことを含めて、全体の地震の問題については、阪神・淡路大震災であのような大災害が起きましたので、私としましては二十二日に記者会見を行って、直ちにその地震対策は入りますと。こういう意味で、東海三県の皆さん方は県を中心にしてあるいは建設省を中心にして、学者や経済人らで会議を開かせまして、もう一回現在開いております。
 そういう意味で、その水の圧力の関係についてはほかの学者からも聞いておりまして、当面それらを含めて現在の姿で運用をしておりますが、まだ真水が出てきませんので残念ながら門は閉めておりませんで、従来どおりあいておりますということをつけ加えて御報告しておきます。
 以上でございます。
○委員長(合馬敬君) 本日の調査はこの程度にとどめます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後一時一分散会