第132回国会 予算委員会 第8号
平成七年三月六日(月曜日)
   午前十時開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 三月三日
    辞任         補欠選任
     野沢 太三君     木宮 和彦君
     野間  赳君     楢崎 泰昌君
     前島英三郎君     吉村剛太郎君
     吉川 春子君     西山登紀子君
     西野 康雄君     翫  正敏君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         坂野 重信君
    理 事
                伊江 朝雄君
                片山虎之助君
                成瀬 守重君
                山崎 正昭君
                穐山  篤君
                山本 正和君
                藁科 滿治君
                猪熊 重二君
                井上 哲夫君
    委 員
                石井 道子君
                遠藤  要君
                加藤 紀文君
                木宮 和彦君
                沓掛 哲男君
                河本 三郎君
                斎藤 文夫君
                下稲葉耕吉君
                楢崎 泰昌君
                野村 五男君
                服部三男雄君
                宮崎 秀樹君
                大渕 絹子君
                大脇 雅子君
                北村 哲男君
               日下部禧代子君
                瀬谷 英行君
                竹村 泰子君
                堀  利和君
                峰崎 直樹君
                本岡 昭次君
                渡辺 四郎君
                荒木 清寛君
                北澤 俊美君
                都築  譲君
                寺澤 芳男君
                中村 鋭一君
                和田 教美君
                磯村  修君
                武田邦太郎君
                有働 正治君
                西山登紀子君
                翫  正敏君
                下村  泰君
   国務大臣
       内閣総理大臣   村山 富市君
       外 務 大 臣  河野 洋平君
       法 務 大 臣  前田 勲男君
       大 蔵 大 臣  武村 正義君
       文 部 大 臣  与謝野 馨君
       厚 生 大 臣  井出 正一君
       農林水産大臣  大河原太一郎君
       通商産業大臣   橋本龍太郎君
       運 輸 大 臣  亀井 静香君
       郵 政 大 距  大出  俊君
       労 働 大 臣  浜本 万三君
       建 設 大 臣  野坂 浩賢君
       自 治 大 臣
       国 務 大 臣
       (国家公安委員
       会委員長)    野中 広務君
       国 務 大 臣
       (内閣官房長官) 五十嵐広三君
       国 務 大 臣
       (総務庁長官)  山口 鶴男君
       国 務 大 臣
       (北海道開発庁
       長官)
       (沖縄開発庁長
       官)
       (国土庁長官)  小澤  潔君
       国 務 大 臣
       (防衛庁長官)  玉沢徳一郎君
       国 務 大 臣
       (経済企画庁長
       官)       高村 正彦君
       国 務 大 臣
       (科学技術庁長
       官)       田中眞紀子君
       国 務 大 臣
       (環境庁長官)  宮下 創平君
       国 務 大 臣  小里 貞利君
   政府委員
       内閣法制局長官  大出 峻郎君
       内閣法制局第一
       部長       津野  修君
       人事院総裁    弥富啓之助君
       人事院事務総局
       管理局長     山崎宏一郎君
       人事院事務総局
       職員局長     武政 和夫君
       公正取引委員会
       委員長      小粥 正巳君
       公正取引委員会
       事務局経済部長  塩田 薫範君
       警察庁刑事局長  垣見  隆君
       警察庁交通局長  田中 節夫君
       総務庁長官官房
       審議官
       兼内閣審議官   土屋  勲君
       総務庁人事局長  杉浦  力君
       総務庁行政管理
       局長       陶山  晧君
       北海道開発庁総
       務管理官     加藤  昭君
       防衛庁参事官   江間 清二君
       防衛庁人事局長  萩  次郎君
       防衛施設庁総務
       部長       粟  威之君
       経済企画庁調整
       局長       吉川  淳君
       経済企画庁物価
       局長       谷  弘一君
       経済企画庁調査
       局長       大来 洋一君
       科学技術庁長官
       官房長      石井 敏弘君
       科学技術庁科学
       技術振興局長   工藤 尚武君
       科学技術庁研究
       開発局長     沖村 憲樹君
       環境庁企画調整
       局長       石坂 匡身君
       環境庁大気保全
       局長       大澤  進君
       沖縄開発庁総務
       局長       嘉手川 勇君
       国土庁土地局長  山田 榮司君
       国土庁防災局長  村瀬 興一番
       法務大臣官房長  原田 明夫君
       法務大臣官房司
       法法制調査部長  永井 紀明君
       法務省民事局長  濱崎 恭生君
       法務省刑事局長  則定  衛君
       法務省人権擁護
       局長       筧  康生君
       外務大臣官房領
       事移住部長    畠中  篤君
       外務省総合外交
       政策局長     柳井 俊二君
       外務省総合外交
       政策局国際社会
       協力部長     高野幸二郎君
       外務省アジア局
       長        川島  裕君
       外務省経済局長  原口 幸市君
       外務省経済協力
       局長       平林  博君
       外務省条約局長  折田 正樹君
       大蔵大臣官房総
       務審議官     竹島 一彦君
       大蔵省主計局長  篠沢 恭助君
       大蔵省主税局長  小川  是君
       大蔵省理財局長  田波 耕治君
       大蔵省証券局長  日高 壮平君
       大蔵省銀行局長  西村 吉正君
       大蔵省銀行局保
       険部長      山口 公生君
       大蔵省国際金融
       局長       加藤 隆俊君
       文部大臣官房長  佐藤 禎一君
       文部省生涯学習
       局長       泊  龍雄君
       文部省初等中等
       教育局長     井上 孝美君
       文部省教育助成
       局長       遠山 耕平君
       文部省高等教育
       局長       吉田  茂君
       文部省学術国際
       局長       岡村  豊君
       厚生大臣官房総
       務審議官     太田 義武君
       厚生省保健医療
       局長       松村 明仁君
       厚生省年金局長  近藤純五郎君
       農林水産大臣官
       房長       高橋 政行君
       農林水産省経済
       局長       東  久雄君
       農林水産省畜産
       局長       高木 勇樹君
       通商産業大臣官
       房長       中川 勝弘君
       通商産業大臣官
       房審議官     河野 博文君
       通商産業省貿易
       局長       広瀬 勝貞君
       通商産業省機械
       情報産業局長   渡辺  修君
       資源エネルギー
       庁長官      川田 洋輝君
       運輸省海上技術
       安全局長     小川 健兒君
       運輸省航空局長  土坂 泰敏君
       郵政大臣官房審
       議官       品川 萬里君
       郵政省郵務局長  加藤豊太郎君
       郵政省貯金局長  谷  公士君
       郵政省簡易保険
       局長       高木 繁俊君
       労働大臣官房長  伊藤 庄平君
       労働省職業安定
       局長       征矢 紀臣君
       建設大臣官房長  伴   襄君
       自治大臣官房長  秋本 敏文君
       自治大臣官房総
       務審議官     二橋 正弘君
       自治省行政局長  吉田 弘正君
       自治省行政局公
       務員部長     鈴木 正明君
       自治省行政局選
       挙部長      谷合 靖夫君
       自治省財政局長  遠藤 安彦君
       自治省税務局長  佐野 徹治君
       消防庁長官    滝   実君
   最高裁判所長官代理者
       最高裁判所事務
       総局民事局長
       兼最高裁判所事
       務総局行政局長  石垣 君雄君
   事務局側
       責任委員会専門
       員        宮本 武夫君
   参考人
       日本銀行総裁   松下 康雄君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○平成七年度一般会計予算(内閣提出、衆議院送
 付)
○平成七年度特別会計予算(内閣提出、衆議院送
 付)
○平成七年度政府関係機関予算(内閣提出、衆議
 院送付)
    ―――――――――――――
○委員長(坂野重信君) ただいまから予算委員会を開会いたします。
 まず、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 平成七年度総予算三案の審査のため、本日の委員会に日本銀行総裁松下康雄君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(坂野重信君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
○委員長(坂野重信君) 平成七年度一般会計予算、平成七年度特別会計予算、平成七年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。
 前回に引き続き、総括質疑を行います。和田教美君。
○和田教美君 東京都議会は、二日の衛生労働経済委員会など二つの委員会で、乱脈経営で破綻した東京協和、安全の二つの信用組合を処理するための三百億円融資を平成六年度最終補正予算案から削除して、三百億円を財政調整基金に積み立てる修正案を可決しました。九日の本会議でも引き続きこの修正が通ることは確実であります。
 我々は、この都議会の決定は、東京共同銀行方式という二つの信用組合救済のための新スキームの根幹を揺るがす重要問題と受けとめております。そこで、本日はこの問題に集中して質問をしたいと思います。
 まず大蔵大臣にお尋ねいたします。
 大蔵当局は、この補正予算案修正を三百億円融資の先送りあるいは凍結と解釈をして、近いうちに丸ごと復活するかのごとき幻想を振りまいております。しかし我々は、予算の仕組みから見て、この三百億円支援の削除は事実上の否決を意味すると考えております。三百億円支援の削除というのは、一般会計歳出に組み込まれた信用組合経営特別対策費を削除して、これを財政調整基金に積み立てるというものです。しかし、財政調整基金は、歳入が減った場合などに弾力的に使える予備費的な費用ではありますけれども、この基金への繰り入れは何ら融資、支援を復活することを前提として行われるものではありません。したがって、三百億円の財政調整基金への繰り入れをもって支援の先送りなどという議論も全く的外れの議論であります。
 財政調整基金に繰り入れられた三百億円を再び使用する場合は、使用目的を明確にした上で一般会計に予算計上して、再び議会の過半数の議決を経なければ使用されないわけであります。今回、三百億円支援が全額削除された、この厳然たる事実から見ますと、再び同じ提案がなされる状況にないことは明白です。
 このような観点から、我々は今回の都議会の措置は三百億円支援の事実上の否決であるという見解ですけれども、大蔵大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(武村正義君) 私どもが今回の都議会の御判断を、先送りであって、間もなく原案どおり成立するなんという楽観論を振りまいているつもりはありません。しかし、これは否決でないことも事実でありますから、否決否決とおっしゃって悲観論を振りまくのもどうぞひとつ慎重にしていただきたいと思います。
 私どもは、都議会の五党会派の声明文をしっかり読んで、その後の記者会見もございますが、申し上げたのは、都は採否の判断を下し得る状況でない、慎重に見守りたい、こういう表現でありましたし、同時にまたその背景には告発、告訴があり、あるいは証人喚問があり等々であります。しかし、明確に五党会派の声明文で言い切っておられるのは、機関委任事務としての都の監理、監督の責任は重いということをはっきり言い切っておられますし、今後も都としては金融不安あるいは預金者保護のためには十分な責任を果たしていかなければならないと。ここも公明党も含めて五会派、明確に表現されているところであります。
 ですから、いたずらに楽観論もとりませんが、いたずらに否決否決という悲観論もとりません。まさに新知事によって判断を仰ぐと記者会見で表明されておりますように、そのように私どもは認識をいたしたいと思っております。
○和田教美君 今、新しい知事に判断を仰ぐとおっしゃいましたけれども、新しい知事の態度決定はいずれにしても五月以降になることは確実であります。しかも、知事選挙候補者の一人とされる石原前内閣官房副長官は、四日、藤井公明代表との会談で、融資削除の都議会決定は正しいと思うので今後も堅持すると表明をしております。また、他の候補と見られる人たちの多くもテレビ対談などで、二つの信用組合問題の処理は、二つの信用組合をはっきり倒産させる、そしてペイオフでやるべきだという見解でございまして、三百億円融資復活には否定的な見解を表明しております。したがって、実際問題として復活は到底不可能と思います。あなたは盛んに私の指摘を悲観論と言いますけれども、現実はそう認識するのが正しいというふうに思います。
 三百億円の融資削除という都議会の意思は、二つの信用組合の乱脈経営のツケを都民の血税で払うことは許されないという広範な都民の世論がついに与党の自民党、社会党の各議員まで巻き込んで事実上の否決に持ち込んだものであると私は思います。その意味で、複雑な新しいスキームを決めた大蔵大臣の責任は免れません。大蔵大臣はこの政治責任をどう受けとめておられるか、お答えを願いたいと思います。
○国務大臣(武村正義君) 御承知いただいていると思いますが、このスキームは大蔵、日銀、東京都、三者の共同で決定をしたものであります。当然、大蔵大臣も責任を負っている立場にあります。
 問題は東京都の候補者の発言にまで及んでおりますが、私どもは石原候補が決まったのかどうか知りませんし、石原候補と藤井代表がどういう話をされたのか詳細は存じておりません。しかし、今おっしゃったように、紹介されたように、石原候補は都議会の判断を堅持するとおっしゃったとしても、私たちの認識とそう変わらないと。都議会五会派のあの決定を了解し堅持する、こうおっしゃったんでしょうから、当然新しい知事に判断がゆだねられているというふうに理解をして間違いがないと思うんです。そのことをもって否決というふうにどうして判断できるのでありましょうか。
○和田教美君 新しい知事に判断をゆだねるということは、正式な予算案の修正の中にはどこも出てきておりません。それは五党派の声明の中に出てきている問題であって、解釈でございます。
 予算案に関する限りは少なくとも削除でありまして、そして基金に繰り入れるというのが予算案の内容でございます。
○国務大臣(武村正義君) 都議会の御判断を憶測してお互い余り議論をしても不正確になる嫌いがありますが、確かに当初原案の三百億は削除になりましたが、削除ならそれでいいわけです、削除のままで。しかし三百億、その金額そのままがなぜ一体財政調整基金に積み立てをされたのか、そして採否を判断する状況にないという表現でございますから判断されていないわけです。否というふうに判断されていないし、採というふうにも判断されていない。
 それで、慎重に見守るという表現を素直に理解すれば、これは近い将来必ず原案どおり通していただけるというふうに思うのも間違いでありますが、何らかの責任も感じながら、都議会も新都知事もこの問題に対して対処をされるものと。どういう対処をされるかは定かではありませんからわかりかねますけれども、そういう姿勢だと素直に宣言文どおり解釈をさせていただきたいと思っております。
○和田教美君 大蔵大臣は、一日の当委員会で平成会の石井議員の質問に対して、いやしくも都知事が判断をして議会に諮っている、最終的に認めていただけると私たちは信じている、もし可決されなかったらという質問には答える必要がないとまで言い切られました。ところがその翌日、都議会では大蔵大臣の確信と全く違う結論が出たわけであります。単なる判断ミスと笑って済ませるような問題ではございません。
 大蔵大臣は、このような認識の甘さを率直に反省して救済スキームを根本的に練り直す、そういうお気持ちにならないのでしょうか、それともあくまで自分で決めた救済スキームに固執をしてこの先無理を重ねようというのでしょうか、お答え願いたい。
○国務大臣(武村正義君) いやしくも都議会が知事の提案された補正予算案を真剣に議論をなさっている、採決の時期が刻々近づいている状況での質問でございます。しかも、東京都と大蔵省、日銀三者が一体になって真剣にこのスキームに取り組んでいる、しかもこれだけ国民的な関心の深いテーマに対して、私はあれ以外に表現の方法はないと今でも思っております。
 否決されることを前提にしてどうこう質問を受けましたけれども、いやしくも真剣に議論されている地方自治体の議論に対し、しかも我々が大きくかかわっている、真剣に見詰めているテーマに対して、否決されたらこうしますああしますと言うこと自身これは不見識でありますし、否決は想定いたしておりません、否決を前提にしてお答えはできませんと言うのが私は当然であったと思っております。
 おっしゃるとおり、否決否決とおっしゃった立場でもお考えいただきたいんですが、否決にならなかったということも事実でありますから、ああいう採否の判断を少し猶予する、今は下し得る状況でないという認識でございますから、そういう意味で私たちは今後にまだ期待をつないでいきたいというふうに思っております。
○和田教美君 総理は一日の総括質問で、日本の経済の発展は金融に対する信頼が基礎になっている、金融の信用秩序はあくまでも守る必要があると答えられております。一般論としては私もそのとおりだと思います。しかし、皮肉なことに、政府が信用秩序の維持を強調すればするほど、二つの信用組合と無関係な信用組合からも預金の引き出しが行われる動きが出てきておるわけでございます。なぜそうなっているのかを真剣にお考えになったことがあるかということです。
 幾つかの理由があろうと思いますが、破綻信用組合の放漫経営のツケを国民の税金を使って穴埋めをして、そして高利を求める大口預金者の利益を守ろうという今回の新しいスキームの矛盾が国民の強い反発を呼んで、それが預金者の不安につながっていることは私は明らかだと思います。もはや大蔵大臣任せではいけない問題になってきているわけでございますが、総理の考え方をひとつお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(村山富市君) 今、委員から御指摘がございましたように、日本の経済の基盤というのは、動脈でもあると言われております金融に対する国民の信頼秩序というものが基礎にあって日本の経済の基盤というものはやっぱり守られておるということは、もう一般論としてはどなたもお認めになることだと私は思います。
 今回の問題について、東京都議会の委員会で五党の共同修正案が提案されて議決されたことは承知をいたしております。ただ、修正案においても、「信用組合の破綻による金融不安、預金者の保護に対しては、都の立場から責任を十分に果たしていかなければならない。」、こういうことがその五党修正案でも確認をされているわけです。
 したがって、私は、今議論もございましたように、これは否決をされたというのではなくて、ある意味では問題を先送りされて、そして新しい知事でもってもう一遍判断をしようではないか、こういうことを配慮された修正案ではないかというふうに受けとめておりますが、ただこれは想定される問題でありますから、お互いに思惑でもって議論してみてもこれは意味のない話だと私は思いますけれども、しかし今、私が申し上げましたような修正案の内容の骨子というものが五党で確認をされていることを前提にするならば、私は一縷のやっぱり期待を持って、東京都と日銀と大蔵省で合意したこのスキームというものはまだまだ崩されておらない、これはこれからも守られていくものだというふうに思っております。
 同時に、今お話もございましたように、一部の信用組合に対して預金の引き出しが行われるとかいったようなことも現象としてあらわれておると。そういうものがやっぱり拡大されていくことで、ある意味では金融秩序の維持が困難になっていくような状況がつくられていくのでありまして、私はやっぱり適切に処理をされていくことが大事ではないかというふうに思いますから、それなりのこれからも努力をしていく必要があるというふうに思っております。
 この問題の処理に当たっては私は何よりも大事なことは、ここまでに至ったその責任といいますかは徹底的に追及していかなきゃならぬと思いまするし、その事実関係というものはやっぱり明らかにされることが本当の意味における国民の信頼をつなぐ一つの道でもあると。これは衆参両院でこの証人喚問も行われることになっておりますから、そうした委員会の審議についても私どもも十分御協力を申し上げたいと思いまするし、同時に政府としてもそうした事実関係の解明と責任の所在というものはやっぱり明確にさせていただいて、そして国民の信頼はしっかりとつなぎとめるということが我々に課せられた当面の責任ではないかというふうに考えておりますから、そういう認識でもってこれからも対応していきたいというふうに思っております。
○和田教美君 総理にお伺いしますけれども、否決ではないということを大蔵大臣も盛んに強調される、今も総理はそれを強調された。しかし、私は事実上の否決だと言っているわけでございまして、少なくとも可決でないことはもう明らかでございます。しかも、今度の都知事選挙に出ると言われる候補のすべてがテレビ討論などでこれを復活する意思はないという趣旨のことを言っておるわけですから、丸ごと復活することはこれまた絶対にあり得ないというふうに考えるわけであって、そういう意味では私は事実上の否決だと言っているわけですが、どうもその辺のところは言葉のごまかしてはないかというふうに思われますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(村山富市君) 言葉のごまかしとかなんとか当面を糊塗するというような意味で私は決して申し上げているんではなくて、もし否決ならば、これは修正なんかせずにもうはっきり否決をするということに私はなったと思いますね。しかし、否決ではなくて、五党がそれぞれあらゆる角度から検討を加えていただいて、そして五党の共同修正案として出されているわけですよ。その共同修正案の中身には、もう申し上げませんけれども、先ほど申し上げましたようなものも含めてこれは修正をされているわけでありますし、したがって問題は先送りにされた、私はそういうふうに思っております。
 しかし、これから衆議院でもこの事実関係の解明についてはいろいろ議論をされまするし、こうした経緯も踏まえた上でどういうふうに選択をされていくか、結論づけられていくかということはまさにこれからの問題でありまして、知事候補者と擬せられている方々がどのような話をされたのか、どういう決断でもって今後臨んでいくのかということについては、これは推測の域を出ないわけでありますから、そのことを想定し推測をしてここで議論をすることは余り意味がないのではないか、私はそう思っております。したがって、内閣としてはあくまでもこの合意された事項をしっかり守っていっていただくということを前提にして、あくまでも金融の秩序維持と日本の経済の基盤というものを守るという立場からこれからも全力を挙げて取り組んでいく必要があるのではないかということを申し上げておるわけでございます。
○和田教美君 昨年十二月五日、都内の料亭、多分、藍亭ですが、武村大蔵大臣が、竹下元総理や三重野前日銀総裁、さらに平岩前経団連会長、あるいは政界の黒幕と言われる四元義隆氏と会談したという幾つかの週刊誌や一部のテレビでも報道された説について、一日の本委員会で平成会の石井委員が事実関係の確認を求めた質問に対して、大蔵大臣は事実無根だと全面的に否定をされました。しかし、名前の挙がった四元氏は、最近の週刊朝日のインタビューで、十二月五日の会合は否定したものの、これらの顔ぶれで二カ月に一回程度飯を食うということで会っていたことを認めております。その世話役は武村さん、あなたがやっているということを言っておるわけです、ここにございますけれども。
 また、私が確認したところでは、竹下元総理も、有名月刊誌の三月号に近く載る対談に出席した際に、このような顔ぶれで会合を持っていることは認めているというふうに聞いております。
 そこでお伺いするんですけれども、あなたはこれらの顔ぶれの会合、時に多少のメンバーの異動はあるかもしれませんけれども、そういう会合が持たれていたということ自体を全面的に否定するのか、それとも会ったことは会ったけれども十二月五日という日付や場所の特定は違うというのか、あるいは十二月に会ったけれどもその席で二つの信用組合の救済問題を話し合ったことはないとその点を否定されるのか。これだけ広く広まったうわさですから、ひとつ責任を持って政治家としてこの点を明確にしていただきたいと思います。
○国務大臣(武村正義君) 責任を持ってそういう事実はありませんと、繰り返し申し上げます。
 週刊朝日を私も読みましたが、四元氏が語っておられることはおおむね事実だと思います。二カ月に一回というのはちょっと回数が、年に二回か三回ぐらい、私がまだ平代議士のころが主で、官房長官になってからは一度だけあったけれども、私は終わりごろもうぎりぎり十分か十五分顔を出したことがあったわけでありますが、大蔵大臣になってからは一度もこの会合は開かれておりません。
 したがって、少なくとも言われているようなこの東京の二つの信用組合の問題をめぐってこの会合で、それはそれ以前でございますから当然ですが、話題になったこともありませんし、十二月五日に限らずその前後、私が大蔵大臣にならせていただいたのが六月三十日でございますから、それ以降今日までそうした会合は一切ありませんし、会合どころか、電話で何かその中の一名でもこの問題で質問なり話があったこともありません。きっぱり否定をさせていただきます。
○和田教美君 そうすると、官房長官のときは定期的に出ておった、しかし大蔵大臣になってからは出ていないと、こういうことなんですね。しかし、どうもうわさによると、大蔵大臣になった直後に会っているというかなり確度の高い情報もあるわけですが、その点もう一回確認をしたいと思います。
○国務大臣(武村正義君) ぜひ確度の高い情報があれば克明におっしゃっていただきたいと思いますが、大蔵大臣になってからは一度もこの会合もありません。出ていないんじゃなしに会合もありません。官房長官のときには一回あったようですが、終わりがけに十五分ほど顔を出したことがありました。それ以前の、私が自民党代議士の時代に四、五回ぐらいあったでしょうかね、そのことは率直に認めさせていただきます、宮澤内閣のときでした。
○和田教美君 それはさらにこちらもいろいろ調査をしまして、さらに確かめたいと思います。
 ところで、この四元氏ですけれども、週刊朝日のインタビューで、去年の十月九日、十日に鹿児島の静養先まであなたが訪ねてきたということを言っておりますが、これは事実でしょうか。また、安全信用組合の非常勤理事である四元氏とあなたとの関係はどういう関係なのか、お答えを願いたいと思います。
○国務大臣(武村正義君) 四元義隆氏は、私が滋賀県知事をしておりましたときにお目にかかりまして以来のおつき合いであります。もう十年以上になりますか、私が大変尊敬している人生の大先輩の一人であります。これは多くの政治家、鈴木貫太郎首相以来の吉田さんとか佐藤さんとか池田さんから、最近は中曽根さん、竹下さん、安倍さん等々、おつき合いされている方は大変多いと思います。
 私のお目にかかった限りでは、禅をきめわておられる方でありまして、政界の黒幕などと書かれたりしますけれども、専ら私ども会えば政治家に説教をしてくださる方というか、私心を捨てよとか、そういう形で、恐らく総理大臣に対してそういう心構えを説く人というのは今はとんと日本にいない中で大変珍しい存在で、そういう意味でいろんな政治家の心を引きつけてきたお一人ではないかというふうに思っております。私もそういう意味で今日までおつき合いをしてまいりました。しかし、仕事のことで何か要請ないしは依頼されるということは一度もありませんでした。
 それから去年、新党ききがけのパーティーその他の用事があって九州へ行ったときに、その時期かよく正確には日時は覚えていませんが、四元さんと、病欠静養中でありましたが見舞いをかねてお日にかかったことは事実であります。
○和田教美君 東京共同銀行の運営の先行きを不安定なものにしている要因に、全国の百五十二の金融機関、団体から受ける資金贈与の支援契約が果たして完全に実行されるのかという問題がございます。大蔵省は必死になって、東京都の支援が取りやめになっても民間金融機関の支援は予定どおり実行してほしいと説得に努めているようであります。
 しかし、百五十二の金融機関は、東京共同銀行と支援契約を結ぶに当たって異例の支援契約書を取り交わしております。ここにあるのが支援契約書でございますけれども、これの特に第五条「契約の解除等」という条項の中で、東京共同銀行に対する東京協和及び安全の二つの信用組合の事業の全部譲渡の実現に重大な支障が生じたときは、支援民間金融機関は直ちに契約を解除できるという一項目が盛り込まれております。
 従来、東京都議会が支援を否決した場合などは、民間支援の前提が崩れたとして、この解除条件に該当するという解釈が金融界では一般的でございました。確かに主要銀行などの間には大蔵省の要請を受け入れるところが出ていることも事実でありますが、しかし何しろ百五十二というオールジャパンの金融機関が相手ですから、中にはこの条項を盾に支援を中止したり都の最終決定が出るまで支援を延期するところが続出するのではないかというふうに思います。民間金融機関が心配するのは、政府、日銀の要請を無条件にのんだ場合に、それが株主代表訴訟の標的にされないかというもっともな懸念であります。
 大蔵省にお尋ねしますが、現在、百五十二行のうちどれくらいが支援を確約しているのか、その点をお答え願いたいと思います。
○政府委員(西村吉正君) まず両信用組合の民間金融機関による収益支援等の今後予定されている手順につきましては、今回の事態に対する東京都のお考えも伺いまして、まだ東京都議会では委員会の採決が行われたところと伺っておりますが、手続が完了いたしましたところで東京都のお考えも伺いまして、早急に関係者の間で検討してまいりたいと思います。
 いずれにいたしましても、両信用組合の処理方策の基本的な枠組みは今回の事態になっても影響を受けるものではなく、今後とも信用秩序の維持、預金者保護の観点からその円滑な実現を期してまいりたいと存じておりますが、今お尋ねの個々の支援契約そのものにつきましては東京共同銀行と各支援金融機関との間で締結されるものでございますので、当局として契約条項そのものに関してコメントすることは差し控えさせていただきたいと存じます。
 なお、両信用組合の民間金融機関による収益支援は、順次支援契約締結に至っていると伺っております。
○和田教美君 伺っておるなんて、そういう寝ぼけた答弁では満足できません。どのくらいとにかくできているんですか。
○政府委員(西村吉正君) 民間の当事者間の契約でございますので、私どもの立場からこのような公の席でその点について明らかにする性格のものではないと考えております。
○和田教美君 その数字をはっきりしてもらうまでは質問を続けることは困難だと思いますが。
○委員長(坂野重信君) 和田教美君、質問を続けてください。
○和田教美君 百五十二の中でどれだけ支援契約をしているかということ、全く簡単なことじゃないですか。
○国務大臣(武村正義君) 出資金と支援と、民間金融機関の東京共同銀行に対するかかわりは二つあるわけですが、出資金は日銀同額の二百億でございます。これはもうすべて支払いが終わっております。
 今、お尋ねは支援金の方でありますが、局長がお答えしたように、順次進んでいるというふうに伺っているということでございます。これは民間と民間の契約の進行状況でございますから、今ここにそういう資料を用意できていないということもありましょうし、たとえ用意できていても、それはここで公にすべきことではないということで銀行局長がお答えをいたしているところであります。
○和田教美君 なぜそういうことを聞いているかというと、この東京共同銀行の開業は三月二十日なんですね。もうすぐなんですよ。ところが支援契約というのは、地方の銀行などにはヘジテートする、つまり今申し上げたような理由でこれをしばらく先延ばししようという銀行がかなりあるというふうに私は聞いているわけです。
 したがいまして、新聞によっても、大蔵省、日銀ではこの三月二十日の東京共同銀行の開業そのものを延期しようというふうな動きがあるということが出ておるんですが、果たして東京共同銀行、満足に三月二十日に開業できるんですか。その辺の確信をお聞きしたいと思います。
○政府委員(西村吉正君) 私どもは、今回の東京都議会での意思決定の事情等につきまして、私どもも含めまして、日本銀行、東京都、大蔵省から民間の方々にも御説明をする必要を感じておりますけれども、ただ先ほども申し上げましたように、東京都議会における意思決定のプロセスがまだ完了しておるわけではございませんので、そういう手続が完了し次第、民間の方々にもよく事情を御説明申し上げたいと考えております。
 なお、現在のところ私どもは、民間の方々が今回の支援、処理方策に関しまして特段の疑義を感じておられるということは伺っておりませんし、先ほど、この手続、意思決定をどのように民間金融機関がしておるかということに関しましては、取締役会での意思決定を了したとか、あるいは支援契約の締結を既に終わったとか、いろいろな段階があると思いますけれども、私どもの仄聞するところによれば、取締役会での意思決定を下した金融機関の数は半ばをはるかに超えていると伺っております。
○和田教美君 今、重大な答弁をされましたけれども、半ばをはるかに超えておるということですが、今の支援契約書の内容を見ますと、契約の解除の条件として、平成七年の株主名簿に掲載された日本銀行を除く株主、これは既にもう全部出資を終わっているというお答えがございましたが、その一人でも支援契約を締結しなかったときはこれを解除できるということが書いてあるわけですね。
 ですから、私は非常に重大だから聞いているわけで、どうしてもやっぱり開業を延ばさざるを得なくなるんではないかということを恐れるものですからそれを確かめておるわけです。どうですか、自信があるんですか。
○政府委員(西村吉正君) 私どもは、この新しい処理方策が当初の予定どおり進捗することを期待し、またそのように引き続きお願いをしてまいりたいと存じますが、今御指摘の二十日にそのような手順が実際に行われるかどうかということにつきましては、最終的にはそれは出資者である日本銀行、民間金融機関の方々の御意思にかかることではございますが、私どもはその点に関しては御理解が得られるものと信じておりますし、またそのようなことで御説明を申し上げて御理解を得る努力をしてまいりたいと考えております。
○和田教美君 参考人の松下日銀総裁にお尋ねをしたいと思います。お忙しいところ御苦労さまでございます。
 解散した二つの信用組合の不良債権を処理する新しいスキームの中核となるのは、両信組から事業を譲り受ける東京共同銀行であります。その資本金は、先ほども話がございましたように、日銀二百億、これで賄うことで各民間銀行も含めて出資は既に完了しております。したがって、東京都の融資がだめになっても、無理すれば営業開始はできるかもしれません。しかし、東京共同銀行とは別に債権回収機関をつくって、それぞれに預金保険機構からの四百億円の資金援助を初め、東京都、長銀、一般金融機関、全信組連などが収益支援するというこの複雑なスキームは、すべての資金が血液のようによどみなく流れてこそ初めて機能すると私は思います。
 ところが、まず東京都の支援がさっき申しましたように事実上否定された。その影響で一部の一般金融機関の支援にも疑問符が持たれておる。こういう状態となったわけですから、システムがいずれ血行不良を起こす危険性は極めて大きいというふうに私は思うわけです。
 その対策として、大蔵省と日銀は既に債権回収機関への両信組の不良債権売却を当面見送るとか、あるいは東京都の支援が決まるまで必要資金を全信組連が肩がわり融資する。この肩がわり融資は既に始まっておるようでございますけれども、その際、日銀が全信組連に融資資金を融通するなど、さまざまな案が検討されていると報道されております。
 東京都分の穴埋めにどんな手段を考えているのか、今回の支援スキームの骨格はあくまで堅持するつもりかどうかを含めて御意見をお聞かせ願いたいと思います。
○参考人(松下康雄君) 今回の東京都の御措置によりまして、当面の不良債権の回収機関に対します部分につきましては、その最終の姿は現在決めかねている状態でございますけれども、私どもといたしましては、先ほど来お話もございますような都の五党共同修正に伴います御方針の発表、すなわち東京都の機関委任事務の監理・指導責任が重いこと、また信用組合破綻による金融不安あるいは預金者保護に対しましては都の立場から責任を十分に果たしていかなければならないというお考えにつきましては、今後私どもは、この考え方を踏まえられましてできるだけ早期に適切な措置がとられるということを期待いたしている次第でございます。
 そこで、その部分につきまして若干の修正があるいは必要になるかもしれませんけれども、この措置によりまして現在私どもの持っております処理方策の全体が壊れたわけではございませんので、私どもとしましては、全体の金融システム安定維持を行っていこうという観点から、当面のスケジュールに即しまして準備を進めてまいりたいという考えで、東京都、大蔵省また関係民間金融機関等とも緊密な連絡をとりながら適切に対処をしてまいりたい、現在そのように思っている段階でございます。
○和田教美君 日銀総裁にはまだ聞きたいこともあるんですけれども、時間の関係で次に移らせていただきます。ありがとうございました。
 西村銀行局長にひとつ確認をしておきたいと思います。
 三月一日の予算総括質問で片山委員が、平成五年七月に長銀が支援を打ち切って以来両信組の経営内容がどんどん悪くなっていくが、事務当局はその当時の藤井大蔵大臣に報告して指示を仰いだかという質問をしておりますけれども、それに対して銀行局長は次のように答えております。「私、そのとき直接の担当者ではございませんでしたが、本件につきまして当時大蔵大臣に御指示を仰いだことがあるとは伺っておりません。」と答えておるわけです。確認ですが、このとおりですか。
○政府委員(西村吉正君) 両信用組合につきましては、一昨年の検査の実施後、東京都は経営内容の改善指導を強化することによってその経営問題の解決に努めてきたところでございます。当局もその時点において、そのような方針によって解決を目指すという判断を尊重したところでございまして、当時大蔵大臣の指示を仰いだといったことはないと聞いております。
○和田教美君 この当時は、まだ大蔵省の認識はせいぜい銀行局中小金融課どまり、あるいはせいぜい銀行局長に報告する程度のマターだというふうに考えておったということがこれで明らかになったんではないかと思います。
 次に、通産大臣にお尋ねしたいんですけれども、通産大臣は一月の閣僚懇談会などでこの問題、共同銀行方式について、大口預金者が保護されてそしてモラルハザードが起こるというふうなこと、それから都民の税金も使われるが都民の納得が得られるのかなとの点を批判されたという報道がございますけれども、東京都議会における今度の決定というのはまさにこの指摘が正しかったことを意味しておると思いますが、通産大臣のお考えはどうでしょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 現在進行中の問題でありますし、かつ所管外のことでもありますのでコメントは差し控えたいと思います。ただ、本件が金融市場の信用を保持できる終息を迎えることを心から願っております。
○和田教美君 さっきから大蔵大臣は、信用秩序の維持のため東京共同銀行方式による全体のスキームは変えないというふうな趣旨のことを繰り返されておりますけれども、そこで念を押しておきたいんですけれども、もしこのスキームがパンクをして新しい対応を迫られる場合、また東京都が最終的に債権回収機関への三百億円融資という案にノーという態度を決めた場合、あなたは政治責任をとっておやめになる決意ですか。
○国務大臣(武村正義君) 何か質問を聞いておりますと、大蔵大臣の責任のところへすべて論理を持っていこうとされているようでありますが、これは第一義的には東京都が監督責任を負っている話であります。
 今の一昨年の検査に対しても、局長がお答えしたように、当時、東京都はいわゆる東京都の経営改善指導を徹底していきたいということをおっしゃって、大蔵省もそれを了としたと。恐らくこれまでもそうであったように、既存の金融機関の中で合併等によって対処をしていこうという判断があったのかもしれない、あるいはもちろん信組の経営改善そのものもあったんでしょうが、そういう判断でやられた結果が逆に裏目に出たと。当然、第一義的責任というのは東京都が大変重いわけであります。そして、一年たってこういう事態になって、東京都はもはや東京都だけの責任で処理できませんということで大蔵省、日銀に報告があり、そこから三者が共同でこの事態を見詰めてどうするかという今回のスキームになってきたわけてあります。そこのところはきちっと踏まえていただきたいと思います。
 そして、今のお尋ねでございますが、私どもはこのスキームは依然として正しい、基本的にはこれを堅持していきたいという考え方であります。またしても、もし東京都が再度否決したらどうするかというお尋ねでございますが、そういう質問にはお答えはいたしませんが、東京都は三百億の出資、これは低利融資でございましたが、五%との差が年間十二億でございますから、要するに東京都は今後十二億、十五年間支援をしていただくということが実質においては基本的な内容になっているわけであります。
 片方、この千数百億の不良債権、千百億の回収不能額を前提にしたスキームは、既に出資額が日銀と金融機関で四百億、預金保険機構ももういつでも出せる状況に決定がなされておりますから、二十日にスタートすれば四百億預金保険機構から共同銀行に出されます。これは贈与です。したがって、八百億の資金で最低スタートはできるわけです。そして、スキーム全体はもう少し大きいんですけれども、東京都の十二億の年間の支援も含めてでございますが、数年かけて共同銀行がこの債権債務の後始末をするわけでございまして、出発当初から全体の資金量がどんと確保されていないと仕事が始まらないわけではありません。個々の債務を必死で処理していくわけでありまして、ある時期、東京都の十二億、三百億が入ってこなければショートすることはあるかもしれませんが、それに対しては今、全信連等の緊急融資等の対応もしていこうという状況でございます。
 そういう意味では、三月二十日スタート、開業の問題は、これも東京都の判断にかかっておりますが、いずれにしましても、スタートして既定方針どおりこの譲渡を受け、債権債務関係を一つ一つきちっと処理をしていく作業は進めていくことができるという状況であると判断をいたします。
○和田教美君 私の質問はこれで終わりますけれども、関連質問を余った時間でお許し願いたいと思います。
○委員長(坂野重信君) 関連質疑を許します。猪熊重二君。
○猪熊重二君 現在、大蔵省が想定している信用組合支援策を実施した場合、二つの訴訟が提起されることが予想されます。一つは、ただいま和田委員が質問の中で述べられたように、株式会社に関する株主代表訴訟の問題、もう一点は地方自治体に関する住民訴訟の問題です。
 まず株主代表訴訟の問題についてお伺いします。
 法務大臣、株式会社法にはいわゆる株主代表訴訟制度が規定されていますが、その制度趣旨、要件、効果などにつき簡単に御説明ください。
○国務大臣(前田勲男君) お答え申し上げます。
 商法二百六十七条でございますが、株主代表訴訟とは、株主が会社にかわって取締役の責任を追及する商法の規定による訴えでございます。
 その内容は、取締役が法令または定款に違反したことにより会社に損害を及ぼした場合等、取締役が会社に対して損害賠償等の責任を負う場合に、株主が会社にかわって、会社のために、取締役に対し訴訟を提起することができるとする制度でございます。
○猪熊重二君 大蔵大臣、大蔵省は今回の支援策を決定するに際し、株式会社である都市銀行、地方銀行が今回の両組合の支援策に関し、出資、融資、贈与等の出捐をすることが右の株主代表訴訟の対象となるかどうかについて検討したんでしょうか。どう検討したのか否か、もし検討したとすれば、どのような理論的根拠のもとにどのような結論を導き出したんでしょう。お伺いしたい。
○政府委員(西村吉正君) 今回の処理スキームは、預金者保護、信用不安回避等の観点から取りまとめられたものでございまして、全国の金融機関の預金者の動揺を抑えまして、金融機関及び預金に対する国民の信頼を維持することを目的としたものでございます。
 各金融機関におきましては、信用秩序維持の観点から、自主的な経営判断に基づき協力をしていただけるということと承知しておりまして、その株主の御理解も得られるものと考えております。
○猪熊重二君 だめだ、それじゃ何言っているかわからぬ。
 検討したのかしないのか、したとしたらどういう結論が出たのかと私は聞いているんですよ。
○政府委員(西村吉正君) 株主の御理解を得られるかどうかということを判断するのは、それぞれ御協力いただきました経営者の御判断ということになろうかと存じます。
 私どもがその点についてコメントすることは差し控えるべきことと存じますけれども、全銀協の会長の記者会見等におきましてその点についても御理解を得ておるという趣旨の会見の内容等も仄聞しておるところでございます。
○猪熊重二君 大蔵省がどういう検討をしたのか、しないのか。しかし、この支援策が実施された場合に、各地方銀行、都市銀行の株主から代表訴訟が起こる可能性は十分にある。にもかかわらずそれを検討しないとしたら、非常におかしな話だ。
 内閣法制局、この点についての法制局の見解を伺いたい。
○政府委員(大出峻郎君) 株主代表訴訟の問題についてのことでありますが、大蔵省から相談を受けたことはございません。
 株主代表訴訟という制度は、一般に会社に対する取締役の責任は本来は会社自身が追及すべきものでありますけれども、会社が取締役との特殊な関係などからその追及を怠っている場合には、個々の株主がみずから会社のために訴えを提起して会社に対する取締役の責任を追及することができるようにする、そういう制度であるというふうに私ども理解をいたしておるところであります。
 ただいまの御質問は、今回のスキームにおける都銀だとか地銀の支援がこのような株主代表訴訟の対象となり得るかどうかという点にあるものと考えますが、その点につきましては具体的な事実関係にかかわる問題であり、私ども事実関係の詳細も承知をいたしておりませんし、また司法部においてこれは判断されるべき訴訟手続にかかわる問題でありますので、私どもの方からその可否について申し述べるということは差し控えるべきものというふうに考えておるところであります。
○猪熊重二君 次に、住民訴訟の問題についてお伺いします。
 自治大臣、地方自治法には住民訴訟制度が規定されているが、その制度趣旨、要件、効果などについて簡単に御説明願いたい。
○国務大臣(野中広務君) 趣旨の内容につきましては、政府委員から答弁させます。
○政府委員(吉田弘正君) 住民訴訟制度でございますが、これは住民監査請求を前提としてなされるものでございます。地方自治法に規定がございますが、地方自治法の二百四十二条第一項の規定によって住民監査請求をした普通地方公共団体の住民に対し、当該普通地方公共団体の機関または職員の違法な行為あるいは怠る事実を予防または是正するための訴訟を提起することを認めるものでございます。
 この住民監査請求は、普通地方公共団体の住民が当該普通地方公共団体の機関または職員の違法または不当な公金の支出等、四種類の財務会計上の行為及び一定の怠る事実があると認めるときに、監査委員に対して当該行為を防止、是正等をするための必要な措置を講ずべきことを請求できるものでございます。
 住民訴訟制度は、この監査請求をした場合におきまして監査委員の監査結果もしくは勧告に不服があるとき、あるいは監査委員の勧告を受けた機関もしくは職員の措置に不服があるとき等一定の場合に、監査請求にかかわる違法な行為または怠る事実について訴訟を提起できるものでございまして、訴訟をもって請求することができます事項は次の四種類でございます。
 当該行為の全部または一部の差しとめの請求、二番目が行政処分たる当該行為の取り消しまたは無効確認の請求、三番目が当該怠る事実の違法確認の請求、四番目が普通地方公共団体に代位して行う当該職員に対する損害の賠償の請求もしくは不当利得返還の請求等の四種類でございます。
○猪熊重二君 大蔵大臣、直接は大蔵省の問題じゃないけれども、大蔵省は今回のこの支援策、救済策を考えるに際して、東京都と一緒にやろうということになった場合に、東京都に対してこのような住民訴訟上の問題について検討されたんですか、されないんですか。された結果結論が出たとすれば、どういう理論的根拠に基づいてどういう結論が出たんですか。お伺いします。
○政府委員(西村吉正君) 直接には東京都が御判断されるべき問題だと存じます。東京都は監督当局として預金者保護、地域の信用秩序維持の観点から低利融資による支援を行うことが不可欠であり、したがってその支援について東京都民の御理解が得られると判断されたものと私どもとしては承知をしておるところでございます。
○猪熊重二君 法制局に聞こうと思いましたけれども、また同じ結論になるからもうやめておきます。
 いずれにせよ、私は何も株主代表訴訟が起こったらいいとか住民訴訟が提起された方がいいとか言っているんじゃないんです。私自身も今、住民訴訟のいろんな事件をやっているけれども、なかなかこのごろ住民は非常によく勉強しておられるから、非常に難しいことが起きる可能性がありますよということを申し上げているんです。株主代表訴訟も今回、去年でしたか法律改正になって、非常に安い手数料ではんばん起こせるようになった。
 結局、私が申し上げたいのは、まず最初の株主代表訴訟の問題とすれば、地方銀行やあるいは都市銀行にとっては全く関係ないことについて出資させられ、援助金を出させられる。地方銀行の役員は、大蔵省から言われたからしょうがない出そうやと、こう出すかもしれぬけれども、株主にとっては、とんでもない話だ、何でおれたちが出さなきゃならぬのだということになったら、株主代表訴訟が起きてくる可能性はあるでしょう。
 あるいは東京都にしたって、何で年間十二億損しなきゃならぬのだ、しかも出した三百億も必ず日本銀行が保証して戻ってくるかどうかそれすらわかりゃせぬ。利息を損するだけならいいけれども、元金がどこかへ行っちゃったらどうなるんだということを住民が考えたら、この都知事なり都議会の、まあ都知事ですね、執行機関の決定に対して住民訴訟が起きてくる可能性はいっぱいあるじゃないですか。
 その辺もよく検討した上で結論を出されたのかどうかということを私は心配もし、もしそういうことになったときには、やっぱり大蔵大臣、責任だよ。東京都も迷惑する、地方、都市銀行も迷惑したら政府の責任でしょう。その辺のことをよく検討を。
 終わります。
○国務大臣(武村正義君) お答えをしておりますように、決してこれは強制をしているものではありません。一つ一つの金融機関が取締役会等に諮られて、最終的には自発的な判断で出資なり支援をお決めいただくということであります。
 当然、何の関係もないとおっしゃいましたが、直接は関係ないんですけれども、たびたび申し上げるように、金融機関はひとしお金融の世界全体の秩序に大きなマイナスの影響が出ることを心配されているわけですから、そういう意味でその一点が出資なり支援の根拠だと思います。
 住民訴訟のケースも、今お答えしましたように、やはり預金者保護と東京都という地域の信用秩序の維持ということが基本であります。五会派の文章にすら、その責任は十分果たすべしと明確に言い切っておられるわけですから、そういう責任からまさに今回の提案をされたということでございますので、訴訟の行方まで云々はいたしませんが、各府県、もうたくさんの府県がこういう形で今日までも大なり小なり支援をされていることも含めて東京都もそういう判断をされたものと思います。
○委員長(坂野重信君) 以上で和田教美君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ―――――――――――――
○委員長(坂野重信君) 次に、北村哲男君の質疑を行います。北村哲男君。
○北村哲男君 社会党の北村でございます。
 総理、連日御苦労さまでございますし、また昨日は現地に行かれたそうでございますが、私は本日の質疑をやはり阪神大震災の問題に限ってお伺いいたしたいと思っております。
 と申しますのは、第四次災害という耳なれない言葉を私は使わせていただきますけれども、四次災害といいますと、一次災害というのは直接震害によって被害を受けた、二次災害はそれによって火事が起こったりあるいは倒壊したことによって災害を受けた、三次はまたそれによって直接避難をした避難民の人たちがそこで病気をしたりして生命、身体の侵害を受けているというのが三次災害。
 ところで今、四次災害が広がりつつあるというのは、生命、身体なんかの安全、あるいは住居もそれなりに仮の避難所であっても一応保障されているということはありますけれども、その次に起こったこれからの生活不安がどんどん広がりつつあるということを、私も現地に一昨日参りまして多くの人たちから聞いてまいりました。
 一次、二次、三次については今、政府がその対策に全力を挙げて取り組まれて着々と成果が上がっているということについては敬意を表したいと思いますけれども、一応の生命、身体の安全は確保されたものの、これからの生活の不安、例えば焼けた家を再建するための手だてが何らなされていないことによる市民の不安と、そして戻るべき財産が戻ってこないという、そういうものに対する対策が急がれていると思います。
 そこで、総理にお伺いしたいんですけれども、被災地においては数十カ所に法律相談所を設けて、関西の弁護士会なんかを中心にして多くの被災地の人たちの生活不安に対する対応を行っておりますが、その相談の大半は借地借家問題に集中しております。例えばこの一カ月の統計を見まして、小中学校の先生だけでも千件を超える相談に見えているという報告を受けているわけです。
 倒壊した家屋が九万五千とか十万とか言っておりますけれども、それだけ見ましても、一家三人にしましても約三十万人ぐらいの人たちが住みかについての不安を抱えておるという現状でありますけれども、こういう人たちの不安に対して、法律家だけではなくて建築士の人たちとか金融関係の人たちを含めて有機的に対応できるように、政府として関係者やあるいは関係機関に対して協力を要請することはできないものでしょうか。その辺についての御意見を伺いたいと思います。
○国務大臣(村山富市君) 今、委員から御指摘がございましたように、私も昨日現地へ行ってまいりましたけれども、こういう困難な状況を乗り越えて、何となくやっぱり復旧から復興にかかっていく活気と町の明るさを地震が起きた当時から見ますと幾らか感じられるようになってまいりました。そういう意味ではやや生活に落ちつきもだんだん見出し得てきているのではないかというふうに思われるんですが、それだけにまた、今お話がございましたように、四次災害と申しますか、地権の問題やら借家等々の個人の権利関係の相談問題というのが大変ふえておると。
 先般、私は近畿地方の弁護士連合会の皆さんにもお会いしましたけれども、その際にも二月中に約六千件の面談やら電話の相談があったというふうに聞いておりますけれども、それは大変やっぱり重要な問題になってくると思うんです。
 これから例えば区画整理をやったりあるいは都市の再開発を手がけたりする場合に、これはもうやっぱりそういう地権者の協力がなければ都市の改造もできないということでございますから、これからは大変大きな問題になってくると思います。
 今、委員からお話がございましたように、可能な限り窓口を、一カ所に行けばいろんな相談ができるというような意味における窓口の設定も必要ではないか。そういうことから考えてまいりますと、単に弁護士の皆さんだけではなくて、建築士やらあるいは税の関係の方やらいろんな専門家の協力が必要だというように思いますから、これからも可能な限りそういう方々の御協力もいただきながら、国も市町村も県も一体となってそうした住民の要請におこたえできるような対応というものをやっていく必要があるということは痛切に認識をいたしております。
○北村哲男君 ところで、今回この借地借家問題につきましては、罹災都市借地借家臨時処理法という法律が二月六日、約二十日おくれで適用されました。しかし、この法律が全く予想していない事態があるわけです。この法律によって問題の解決のめどが立ったかというと、そうではない。
 というのは、そもそもこの臨時処理法というのは、昭和二十一年の九月三十日というから終戦直後ですけれども、このとき戦時中の戦時罹災土地物件令の善後措置を図るものとして制定された応急的なものでありまして、それがその後も生き残って火災とか震災とか風水害によって滅失した建物に適用されるもので、大都市におけるしかも今般のような大災害にはその適用が非常に弱いと言われております。典型的なものは、この法律は現在の集合住宅とかマンションの滅失を予定しておりませんで、ここでの借地借家権の保護には無力とすら言われておるわけです。したがって、その運用上において相当の政策的な裏づけが必要であるとともに、その枠を超える問題についての特別立法を含めた整備が検討されなければならないと思っております。
 詳しくはこの関係については関係省庁に聞きますけれども、典型的なものとしまして非常に多い例として、罹災地においては家屋が倒壊して住宅ローンだけが残るという悲劇が多発しておると言われております。その残された住宅ローンについては、金利の減免とか利息の補給あるいは支払い猶予、そして新たな貸し出しについての最大限の配慮をするという措置が講ぜられないものだろうかという点について、総理あるいは大蔵大臣はどのようにお考えなのか。
 例えば住宅建築資金の無利息無担保の優遇措置などの公的な融資制度のようなものはできないものだろうかという点について、それぞれ、どちらでも結構でございますが、お願いいたします。
○国務大臣(武村正義君) さまざまな今回の大震災の犠牲者の中で、御指摘のように、マイホームをつくられてその借金がまだ大きく残っているのにもかかわらず倒壊したり焼失した、そして再起をするためにはもう一度新たな借金をして住宅をつくり放さなきゃならないという方々だと思います。本当に、自分がその立場であったらというふうに思いますと、一番お気の毒な方々であると認識をいたします。
 ダブルローンという言い方もされておりますが、政府としましては、既往債務については従来も返済条件の緩和あるいは延滞損害金の免除等々弾力的な措置を講じてきたところでございますが、今回、特に元利金の返済猶予期間、いわゆる据置期間を罹災割合の大きい方については最長五年に延長をさせていただく。しかも、その期間中の利率は借り入れ利率からマイナス一五%または三%のいずれか低い方とさせていただくというふうな新たな例外的な措置を講じさせていただこうとしているところでございます。
 全部免除という御提案でございますが、やはりこの辺が政府のとり得るぎりぎりの限界だと思っておりまして、もっと、いやもう少しでも何とかという気持ちは私どももないわけではありませんが、しかしいろいろ議論をいたしまして、ほかの救済対応とのバランス等々考えながら、今回の措置としてはこれが精いっぱいかなというふうに思っております。
 なお、きのうも現地へ行きましたら、いわゆる現地で創設をされる数千億円の基金による何らかの対応を考えなければいけないようなことを副知事がちらっとおっしゃっておりましたが、そうした側面はまた政府としても真剣に見詰めていきたいと思っております。
○北村哲男君 住宅政策は最もこれから大きな問題になると思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 次に、現地が混乱をしている問題としまして罹災証明という問題がございます。恐らく担当大臣の方にお伺いをすることになると思いますけれども、現在、神戸市とか西宮あるいは芦屋市の各自治体において罹災証明書の発行手続が実施されて、罹災者がこれを求めて、あるいは出された結論への不服が殺到するという事態が起こっておるようです。連日、千五百人もが罹災証明書を求めて役所に行列をつくるという報告もあります。しかし、今、一体この罹災証明書を緊急に発行する必要が実際あったんだろうかという疑問が呈されておるわけですけれども、結局義援金をもらうための証明書のようなごとき感じもしておるということがあります。現状は、この証明書が得られないと権利行使の機会を奪われ、あるいは証明された内容に基づいて権利行使が許されないかのごとき混乱を呈しているということがあります。
 しかしながら、この罹災証明書は法的根拠があいまいで、かつ自治体間でも判断基準に不統一があって、また証明が建物全壊、半壊あるいは一部損壊という外観からの目だけで見た不十分な確認によってなされているにすぎないわけです。このような罹災証明書が、義援金の配分とか建物撤去、取り壊しの申請とかあるいは特例融資の申請あるいは損害保険等の請求等の種々の手続に提出を求められて、この罹災証明書の提出があたかも必要要件とされているということで混乱を生じているんじゃないかと思うわけです。
 この罹災証明書に関しては、兵庫県の生活文化部長から県下の各市町長に対して「被害認定について」という通知が二月八日に発せられておりまして、そこでは昭和四十三年六月十四日付の内閣総理大臣官房審議室長通知において示された統一基準により被害の状況の報告と被災者証明事務を行ってほしい旨の通知がなされておるわけです。
 そこで、この当時の「災害の被害認定基準の統一について」という通知を見ますと、それまでは災害について警察、厚生省、建設省、消防庁においてばらばらの基準の報告であったものを統一して、貴省庁におかれては災害の被害状況の報告の重要性にかんがみこの方向で統一せよという旨が書かれているわけです。
 なぜつくられたかという予想は大体つくんですけれども、そもそもこの通知は一体何の目的でつくられたのか。そして、この基準と分類によって災害内容の実態が証明される性格のものであるかどうかという点についてお答えを願いたいと思います。
○国務大臣(小里貞利君) ただいま先生のお話をお伺いいたしておりますと、もうすべてのその背景にある法令根拠、あるいはまた今次の現地におきまする公共団体が処理いたしました経過等御承知のようでございますから細やかなことを申し上げませんが、まず昭和四十二年六月の内閣総理大臣官房審議室から出しましたいわゆる一連の災害に対する被害認定の基準の統一文書が出ております。これはもう先生お話しのとおりでございます。
 なぜその当時そういう統一見解が示されたか、その背景をただいまお尋ねのようでございますが、若干お触れいただきましたように、それまでは各省庁ばらばらの形態があった、そういう傾向があった。この際、きちんと統一見解を出すべきではないかと当時の行政管理庁等から注意があり、それを受けましてさような措置に至ったと、私はそのように承っております。
 今次の災害におきましても、ただいま若干お触れございましたように、その統一見解を一応基準にしてきちんと秩序ある執行をするべきじゃないか、そういう判断のもとに県知事が各市町長に対しましてその統一見解を説明いたしました経緯も御承知いただいておると思う次第でございます。
 なおまた、その統一見解によりまして、例えば先生先ほどからお尋ねの全壊、半壊あるいは一部損壊等の取扱事務において、罹災証明書の中身において明確であるか、あるいは明確でない点があるのではないかということを気遣っていらっしゃるのではないかと思うのでございますが、私どもの方でもそれを調査いたしました。その結果、御指摘のように、全壊、半壊、一部損壊が明示してない罹災証明書の内容も若干見当たりましたので、でき得ればこれを統一していただきたいと、その方向へただいま移行中でございます。
 なおまた、もしそのような具体的内容が明示してなくて義援金等々いわゆる一切の支援措置というものが乱れちゃいかぬ、そういう判断に立っておりまして、それが明示してなかった分もぜひこの際公平に処理されるように指示を御相談を申し上げたところでございます。
○北村哲男君 今の問題ですが、統一をするように指示をしておられるようなんですけれども、現実には例えばこういう矛盾が出ているわけです。「死者」という一つの基準があります。これは「当該災害が原因で死亡」というふうに書いてあるだけですね。しかし、第一次、第二次災害についてはよろしいでしょうけれども、避難所で生活している人たちが肺炎で亡くなったということについて、これは結局利害関係に関係すると。すなわち、義援金とか弔慰金が五百万円とかという話になってくると大変重大な問題になるわけで、それでその死亡診断書に震害により死亡と書いてあればそれでいいんだというふうなことも報道されておりますし、あるいは長田区と兵庫区では避難所で風邪をこじらせて亡くなった者は、片や災客死亡ではない、片や災害死亡であるというふうな判断をされているというふうなこともあるようなんですね。
 あるいは建物についてもこういう話がありますね。半壊という判断をもらったけれども、実は赤紙が張られて家へ入っちゃいけない、入ったら危険だからとてもだめだというのに半壊とは何事だというふうなことも現実に問題として起こっているようですよね。
 私は、被害者のこうむった経済的損害というのは、単に建物の外形的な損害的状態だけではかれるものではなくて、家財等の動産の被害とか事業損害も含めた実質的な被害に対して救済が図られるべきであって、これについての被害の基準等新たな救済手続が行われるべきであろうと思いますけれども、そういうことを含めてもう一回御答弁をお願いします。
○国務大臣(小里貞利君) 確かに、罹災者にとってみますと具体的に相当影響のある問題点をただいま、ただしておいでになると思うんです。
 お話しのように、例えば全壊、半壊、一部損壊。義援金の支給経過を見てみますと、全壊、全焼、半壊、半焼、これらはきちんと対象になっておりますが、ただいまお話しの一部損壊となりますと、これが結局その対象になり得ないと。あるいはまた死亡者の場合におきましても、お話しのように、その死亡が被災と直接相当な因果関係があるのかないのか、この辺の判断におきまして、市、県、特に市町でございますが、大変その辺の判断を苦慮しておいでになる窮状もよく私どもも存じ上げております。
 したがいまして、きちんとその辺の一つの判断基準というものを明確にし、かつ各市町が共通の基準に立つべきである。おっしゃるとおりでございまして、私どももそのような判断のもとにいろいろと指導肋言を申し上げておるところでございます。
 特に死亡者の場合、被災との因果関係を県の監察医等によりまして判断し、それによってその因果関係というものを判断せられるというような形をとっておられるようでございますが、さらにこれが秩序ある正碓を期してまいりたい、かように思っております、
○北村哲男君 次に、国家公安委員長に対して交通規制の問題についてお伺いしたいと思います、今さらという感じもあるんですけれども。
 ある雑誌に梶原誠一という読売の論説委員の方が小論文を載せられまして、災害発生時において救助活動とか救援車両の通行の妨げとなる一般車両の通行は即刻全面規制をするのが鉄則である、それをやらなかった兵庫県あるいは神戸市や警察の初歩的ミスは驚くべきものであると。そしてイギリスのBBC放送のキャスターが、神戸市はなぜこれほどまでに無防備都市であったのか、日本政府はそれをきちんと説明する義務があるということまで言っておるということが載っております。
 私はこの論文を読むとともに、防衛庁防衛研究所のある職員の方が震災の翌日、単身休みをとって現地入りをして、着のみ着のままで一週間現地調査をされた報告を聞きましたが、その人もあの数日間の交通渋滞はどうしても理解できない、何とかなったのではないか、あるいはその辺の解明を求めたいということ、あるいはそれを今後の教訓と対策の意味でしかるべきところで確かめてほしいということを言われました。
 今までもいろいろとこの点については質問もあり御説明もされておりましたが、先日の参議院のここの予算委員会の中でも大臣が御説明をされまして、当日、初動捜査をしようにも近所の人たちが建物に挟まれて救出を求められてどうしてもできなかったというふうな御報告もされましたけれども、もちろん人の命が一番大事ですからその初期の段階はともかくとして、再度確認したいのは、その当日、土木学会なんかの報告によりましても、震災直後、主要道路に交通規制が行われた形跡がないという報告があります。しかも、一月二十日になってやっと国道二号線が緊急自動車の専用道路として指定されたとありますけれども、初日の初めのころはともかくとしても、なぜ三日間も交通規制が行われなかったのかという点についてお伺いをしたいと思います、
○国務大臣(野中広務君) 委員ただいま御指摘を賜りましたように、震災の早朝の当初は、先般も私、申し上げましたように、兵庫県警の警察官のほとんどが被災者であり、かつその被災の深刻な中から出動をしてくれたわけでございますけれども、先般申し上げ、今、委員から御指摘をいただきましたように、瓦れきの中から救援を求める、そういう被災者の皆さん方の声を聞きながらやはり人命救助を最優先にしたということで、初動において大変交通規制にかかる人員を集中して行うことができなかった。
 したがいまして、御指摘のような状況が当初にあったことは私はゆがめることもできませんし、残念ながらそういう事実を認めざるを得なかったと思うのでございますけれども、先般申し上げましたように、こちらを助けて、そして行こうとしたらまたこの下におるという悲痛な叫びを聞きながらやっぱりそれにかからなければならなかったという、そういう悲壮な警察官の声を私も聞いて、当初の状況はそのような残念な結果であったであろうなと思っておるわけでございます。
 ただ、当日のその後の交通対策につきましてそれぞれ具体的に御質問がございましたので御説明を申し上げたいと思うわけでございますが、発生の直後から警察官は、そういう劣悪な条件のもとにおきましてもまず被害状況を、道路がどのようになっておるかということの把握に第一に努めまして、道路交通法に基づきまして、通行が不可能な道路、危険な道路の通行制限を行うことを第一としたわけでございます。可能な状況を見出しながらそういう手段をとったわけでございます。また、隣接の各府県警察に対しまして被災地域への立ち入りの禁止をお願いいたしまして、交通情報提供板を設けまして、そして被災地域の車両の乗り入れの抑制のための広報を行ったところでございます。
 緊急車両の確保につきましては、緊急車両の通行可能路線が確認できました十八日の午前六時には、道路交通法に基づき緊急輸送車両以外の通行をすべて禁止いたしました。また、全国警察にも通知をいたしまして、関係団体を通じて広報を行ったところでございます。
 さらに被災地の近隣府県警察の協力を得まして緊急輸送ルートの入り口では緊急輸送車両の通行証を交付いたしまして、パトカーの先導によりまして警察官の誘導でこの道路に入っていただくことをしたわけでございます。
 十九日の午前八時には、パトカー、自バイ約六十台を含む交通規制部隊約六百名を配置いたしまして緊急輸送ルートの確保に努めたところでございます。十九日の午後八時に至りまして、全国から救援物資の輸送が行われるようになりましたために、交通規制を災害対策基本法によるものに切りかえまして、全国の警察署等からも緊急輸送車両票の交付を開始いたしました。
 このような地震発生時によります交通規制を私どもといたしましては可能な限り適正に行ったつもりでございますけれども、残念ながら、被災家族を気遣われまして全国各地から車で押し寄せられた皆さん、それを中国自動車道を初めとして通行をとめました。道路のほとんどが通行不可能な中におきます通行どめをいたしましたために、あの周辺近県全体の道路において大変な渋滞を起こしたことは事実でございます。
 逐次その後改善をされまして、緊急輸送ルートの確保につきましては、輸送車両の通行可能路線が確認できました十八日の午前六時には、道路交通法に基づきまして、先ほど申し上げましたように、緊急輸送車両以外の通行をすべて禁止いたしまして、通行証の交付を行って適正に配慮してきたところでございます。
 それぞれ先ほど申し上げましたような手順を踏みまして、例えば緊急輸送ルートにあります国道二号の大阪府の方から入ってまいります車両、すなわち神戸−三宮までの渋滞状況も、十七日の午後には七時間から八時間かかりましたけれども、十八日には四時間から五時間となりました。また、規制部隊の増強がなされまして十九日には二時間三十分から四時間に緩和されまして、漸次改善をされてきたところでございます。
○北村哲男君 私がなぜ三日間も交通規制が行われなかったかというふうに言ったのは、社団法人土木学会が阪神大震災調査報告という報告書を出しまして、その中にちょっと若干間違いもあるようなんで、これは今の御説明の方が正確であろうと思います。
 それにしてもこれだけの、十八日六時から十九日、二十日と、今、万全の、万全と申しますか、できる限りのことをされたとおっしゃいますが、しかし二十日になって、この調査が五日から七日ぐらいかかって、その後においてもほとんど現実の交通規制、その効果があらわれてこなかったという報告もあります。
 それだけの措置をとられたのにもかかわらず、なぜ現実にほとんど動かない状態があったのかということについて、今後の対策も含めてあるいはどうすれば、それこそ東京サミットがあったときにはアリの入るすき間もないぐらい完全に交通規制がされて一般車両はほとんど入れないという状態もありました。外国要人が来られても、ほとんど近県から多くの警察官を動員されて完璧な交通規制がされるにもかかわらず、あそこにおいてはほとんど交通規制の用をなさなかったということについて、今後の対策も含めてどうすればああいう事態について、緊急車両だけ、一般車両は一切入れないというぐらいの強硬措置をとることができるのかということについて大臣のお考えを聞きたいと思います。
○国務大臣(野中広務君) 第一に、委員が御理解をいただきますように、私どもの想像を絶する地震災害でありましたこと、したがいまして道路の機能が失われたこと、あるいは倒壊家屋等によりまして道路が全く瓦れきによって封圧をされてしまって通行が不可能になったと。それは先般も申し上げましたように、平常の犯罪件数が減っておるにもかかわりませずオートバイ等の事件だけが、いわゆるオートバイの窃盗に係る事件だけが急激にふえた事実を見ましても、オートバイで何とかしようとあるいは大阪方面からも隊を組んで、応援、救援物資のために団体がそれぞれオートバイで来ていただいたような状況を考えますときに、大変道路が渋滞をしたことは事実でございます。 
 けれども、道路としての通行可能な条件が欠落しておるときにどれだけの規制ができるかというのは非常に問題がありまして、やはり漸次道路の復旧とともに規制が行えるようになりまして、緊急輸送物資の輸送を第一と考えまして、二月ニ十五日から道路交通法に基づきまして復興物資輸送ルートあるいは生活復興関連物資輸送ルートを設定いたしまして一般車両の通行を制限いたしました。その実効性を確保しますために千数万名の警察官を現に配置いたしまして今日やっておるわけでございます、震災前に比べまして五分の一に車は減少をしておる状況でございますので、今後なおいましばらく渋滞の状態は続くであろうと思うわけでございますが、今後、交通規制を当分の間継続していかなくてはならないと考えておるところでございます。
 ただ、今後の震災に対してどのような手段がとり得るかという問題でございます。この問題は、今回の震災にかんがみまして、私ども、警察官が現地において被災者である、そして救援、救護活動を優先したということ、そういう中において今後、震災時においてどのように震災を受けておらない他府県警察を緊急的に配置いたしまして道路の破壊状況あるいは通行可能かどうかの状況把握を早急に判断しそういう中から的確な交通規制を行うかという、そういう問題につきましては現在既に検討に入っておるところでございまして、また消防そして警察、自衛隊、こういうものの的確な区分をして、そしてそれぞれ災害救助、規制等に当たる、そういう職務権限のあり方等につきましても今後それぞれの分野において検討をしなければならないということでただいまやっておるところでございます。
○北村哲男君 いろいろと御説明をいただきまして、どうもありがとうございました。
 最初の質問のように、BBCのキャスターが言ったように、神戸市はなぜこれほどに無防備都市であったのか、日本政府はこれをきちんと説明する義務があるということは、今後も日本だけではなくて世界に対してもわかりやすくきちんと今後はこうする、こうであるということの御検討と御説明をお願いしたいと思っております。
 さて、次に法務大臣にお伺いします。
 いろいろと現地にも何度も足を運ばれて御苦労さまでございますけれども、たしか法務大臣は二月の初めのころに、いわゆる法曹三者をお連れになって現地を訪れられたと聞いております。法務大臣あるいは日弁連会長あるいは最高裁の責任者、この三者で現地を訪れられたのはもう非常に画期的なことということで大変評価をされておるんですけれども、果たしてそこでどういうことが語られ、どういう対策が練られ、どういう施策になってあらわれておるのかということについて御説明をお願いしたいと思います。
○国務大臣(前田勲男君) お答えを申し上げます。
 最初に、法曹三者で現地に伺ったという御質問でございますが、実は現地に伺ったのは私一人でございます。
 実はその前段がございまして、二月六日に、特に被災地の皆様方の借地借家の権利関係の不安感というのが非常に高まっておりまして、そんな観点から政府といたしまして、御承知の罹災都市借地借家臨時処理法を政令施行したわけでございます。
 そこで、この法律は特に先生初め司法関係の皆様にとりましても余りなじみのない法律であるということもございまして、現地の不安を一日も早く解決するためにもひとつこの法案の説明会を大阪あるいは神戸で開催して、まず周知徹底を図って、パンフレット等を用意し、現地の皆さんの不安を解消しようということで企画いたしました。
 それで、その前段としてまず二月十日に、現地に伺います前に法曹三者、最高裁長官、日弁連の会長さん、私も直接じかにお訪ねをしまして、まず法曹三者で連絡協議会をつくって、法曹三者がまずこの対応に的確迅速に対応できるようにしようと、こう申し上げてから大阪へ伺い、神戸へ伺ったというような次第でございます。
 そこで、大阪では約七百名強の弁護士さん初め土地家屋調査士、司法書士の皆さん、それから裁判所からもおいでいただきましたし、神戸におきましても、皆さん防災スタイルで約三百人弱の方がおいでいただいた。そこで御説明をしたのでございますが、そこで御要望が幾つか出た中で、端的に申し上げますと、法律相談体制の整備ということを日弁連初め皆さんに特にお願いをして今日も続けていただいておるわけでございます。
 また、ほかに幾つか申し上げれば、建物の滅失登記、これがこれからかなりの数を予想されますので、この滅失登記に係る被災者の負担をいかに軽減するか、この検討をいたしておるところでございます。
 それから今後被災者の民事調停が多くなってまいりますが、申し立て手数料の免除をする特別立法を現在検討いたしておるところでございます。
 なおまた、破産宣告について、二年間程度破産室皆の猶予をする特別立法、それから御承知のとおり、株式会社、有限会社の最低資本金制度の猶予期間の延長の特別立法、それからよく言われておりますが、マンション等の区分所有建物についての特別立法等、現在検討しておるところでございます。
○北村哲男君 ただいま法務大臣が御説明になりました点に関連するんですけれども、罹災都市借地借家臨時処理法について、この法律が非常に古い、もう戦後のバラックのようなものを対象とした法律だったもので、現在の集合住宅とかマンションの滅失ということを全く予想しておらなくて、ここでも借地権とか借家権の保護には全く無力である。運用上の解釈指針がこれについて速やかに検討されなきゃならないとともに、その枠を超える問題についての特別立法の整備が必要だと、まさにそれを御指摘されて今、区分所有権の改正問題に立ち向かっておられると思うんです。
 例えば集合住宅においては多数の利害関係者の建てかえや補修についての意見の対立が生じて、これを克服する手段がこの臨時処理法では全く不備でありますね。それからマンションの倒壊とか、あるいはマンションの一つの階だけが全壊によってだめになって、あとは全部いいんだけれども、建物全体の効用が失われたような場合とか、そういう場合はもう区分所有権自体がなくなってしまう。ですから、ただの更地と同じ扱いになってしまうという。これに対する法律的な手だても全くないわけなんです。
 こういう事態について、例えば建てかえの決議の要件の緩和とか、あるいは区分所有者全員の同意なしに全半壊の建物解体が可能になる特例とか、あるいは建てかえに反対する人たちの所有権の買い取りの制度をつくり、それの支援措置をするというふうなこと、こういうことを含んだ区分所有法の改正ということの準備は進んでいると思うんですけれども、その準備はどういうふうに進んでいるか、あるいはどういうふうに落ちつきそうなのか、あるいはいつごろどうなるのかということについてお伺いしたいんです。
 先日、新聞に発表されましたですね、その法律案が。直ちに法務省では否定されて、こういうものはない、事実じゃないというのを、とても詳しい法律案だったもので現地ではそうなるんだというふうに法律相談がどんどん飛んでいるんですね。そうでないという話は行ってないような状態でもあるわけなんで、その改正手続あるいは特別立法の手続はどうなっているかについての御説明と、どうなりそうなのかということをお願いしたいと思います。
○国務大臣(前田勲男君) 現地でも確かに報道が一部ございまして、これはまだ現実に基づいておらない報道であろうと理解をいたしております。
 現在、先生御指摘のとおり、区分所有法の前の罹災都市の法律でございますけれども、これも関東大震災のときにできて以来の法律でございまして、いささか今日、特にマンション等の状態を想定してできた法律でないということは事実でございまして、幾つか問題点があろうと思っております。
 その中で特に、御指摘のように、マンションが全壊した場合はこの区分所有法の適用がございません。そこで民法の二百五十一条ということになりまして、このマンションの敷地の共有者全員が所有者となるわけでございまして、建てかえその他すべて全員の同意が必要であるという現行法、民法の二百五十一条になるわけでございます。そこで、少なくとも区分所有法に準ずるような、一人でも再建に反対する場合があったらできないということでは困ると、こういうことで五分の四条項等の適用を考えた法改正の準備をいたしておるというところでございます。
 なお、報道等との関係につきましては、民事局長から少し細かく御説明を申し上げたいと存じます。
○政府委員(濱崎恭生君) 御指摘の報道は、地元の新聞に相当前にこういう改正をするということを政府として決定したという趣旨の報道がされたことの御指摘であろうと思いますが、私ども当時内部的に、いろいろ建設省等とも相談しながら、こういう考え方もあるだろうということをいろいろ検討しておった段階でございまして、そういう段階でああいう報道が私ども全く関与しませんでしたけれども出てしまいまして、これはやはり今、法務省としてどういう方法があるかということも含めて検討中の段階でああいう報道が出たことは事実と相違するということで、それは事実と違うということをいろいろな場面で申し上げたわけでございます。
 そういうことで、現地の皆さんに誤解を与えたとすればまことに申しわけないと思いますが、私どもその報道には全く関与をしておらなかったということだけ申し上げさせていただきたいと思います。
○北村哲男君 今の問題で、ちょっと聞きそびれたかもしれませんが、いつごろそれはできそうな、意見が固まりそうなんですか。今の区分所有法の問題です。
○政府委員(濱崎恭生君) 先ほど大臣が御説明申し上げました法律案の準備、現在鋭意進めているところでございまして、私どもとしては、現在、今月中旬中にも成案を得て国会に提出させていただきたい、こう考えて準備を進めているところでございます。
○北村哲男君 もう現地では待っている状態でありまして、もういろんな法律問題あるいは仮処分、例えば一階だけ残ってあとの上の九階が全部だめになっている場合で、何とかしようと思っても一階のお店がそのまま営業を続けておりまして、それでその上を取り壊すのに賛成しないと。そうすると、上の人たちはこぞって一緒になって何とかしないと住めないという状態が起こっていて、それで裁判所に対して、とにかく妨害をしないでくれ、瓦れきを崩すのを妨害しないでくれ、あるいは出ていってくれという裁判を起こしても、結局もとの法律がはっきりしないものですから裁判所も判断のしょうがないという状態がずっと続いているということで、現地ではまだこれからそういうものがいっぱい起こりそうな感じなので、なるべく早くその問題についての結論を出していただきたいと存じております。
 それでは、時間になりましたので、私は終わりたいと思います。
○委員長(坂野重信君) 以上で北村哲男君の質疑は終了いたしました。(拍手)
 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時四十九分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時二分開会
○委員長(坂野重信君) ただいまから予算委員会を再開いたします。
 平成七年度一般会計予算、平成七年度特別会計予算、平成七年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、休憩前に引き続き、質疑を行います。楢崎泰昌君。
○楢崎泰昌君 先週半ばに東京都議会が、委員会がということですが、五者共同の見解を発表いたしまして、それ以来、東京共同銀行に対する議論が大変深まってきているというぐあいに思っております。
 この前の土曜、日曜の議論を聞いていましても、「報道2001」ですか、それからNHKの討論会等々この問題で持ち切りになっております。実は先週の金曜日、私もラジオに二時間ぐらい出演する機会をちょうだいしてこの問題を議論してまいりましたけれども、この問題に対するファクス、電話は大変な量になっております。一つ一つ紹介はし切れないほどでありました。
 いずれにしても、これらの声は賛否両論があったわけでございますけれども、一つの局としては、金融信用関係の保持がなければ中小企業の我々は商売ができなくなるんだ、私たちの生活に非常に大きな影響を及ぼしているんだ、ぜひ信用保持に努めてもらいたいという意見。他の局としては、我々の生活には全然関係ない話だ、一千万円を預金保険機構が保障してくれればそれで十分なんだというような意見。いや、実は信組なんかつぶしても信用不安は起こらないんじゃないかというような意見。それから金持ちの預金者に対して保護する必要はないんじゃないか、高橋というのは大変けしからぬ男だな、結局はバブルの後始末じゃないかと。政治家が関与しているんじゃないか等々、いろんな国民の不満の声も片っ方においてございました。
 きょうは改めて、東京共同銀行を設立し、そして二信用組合の債権債務を継承されることに決したことについてお伺いしたいと思います。
 先般来、本問題についてのさまざまの意見がございましたけれども、まず最初に大蔵大臣の現在の考え方、決意のほどをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(武村正義君) 昨年の秋にこの事実を認識いたす中で、直接監督に当たってこられた東京都、そして相談を受けた大蔵省、日本銀行、三者が共同してこの事態の深刻さを認識する中で、今回の東京共同銀行という我が国としては初めての対処策の柱になる考え方を採用することに決めたわけでございます。
 せっかく合意をして三者それぞれの立場で努力をしているさなかでございますが、東京都の理事者が御苦労いただいている中で都議会で承認が得られないと。しばらく、知事選挙が終わるまでという意味もあるんでしょうか、留保するような議会の態度が明らかになりまして、私どもそのことはいささか三者で協議をしてきた方針からいたしますと残念に思っておりますが、かといってこの基本的なスキームを今ここで改めたりあるいは断念することは許されないと思っております。
 また、事実この骨格からいたしますと、午前中お答えいたしましたように、既に出資が行われ、預金保険機構の贈与も開業と同時に行われるところまで運んでおりますから、この基本に立って今後もきちっと処理をしていきたい、そしていやしくも、この国の経済のいわば心臓部に当たる金融システムに不安を起こすようなことだけは断固回避をしていかなければいけないというふうに思っている次第でございます。
○楢崎泰昌君 今のお覚悟のほどをお伺いして大変結構であると思いますが、私はこの議論は、今、大蔵大臣が言われた信用を保持すべきであるという議論と、それからさっきちょっと申し上げましたけれども、さまざまの反対意見の中で、責任問題であるとかあるいは政治家のかかわりであるとかそういう議論とやはり峻別して物を考えなければならない、そういう時期に来ておるし、政治討論なんかの議論を聞いていましても、その議論が今、熟してき始めているというぐあいに考えております。
 そこで、その中でいろいろ言われているんですけれども、実は自由主義は競争社会じゃないか、企業が倒産するのはやむを得ないんだよ、それが自由主義なんだよ、銀行も例外でないというようなことが盛んに行われております。そして、その論証の一つとしてアメリカの貯蓄貸付組合の例が引用されている場合が多いんです。アメリカは自由主義の国だよ、銀行といえどもつぶすんだ、それがアメリカなんだ、自由主義なんだということを言われております。
 本件について、大蔵大臣、細かいことは別として、アメリカの貯蓄組合の問題、そしてそれが例証に引かれていることについてどのように思っておられるか、お話しいただけますでしょうか。
○国務大臣(武村正義君) 四、五年前でございましたか、時々新聞にも出ておりましたが、私も、アメリカではばたばた小さな銀行が倒れている、あるいは政府がそのことを容認しているというふうなことを聞いておりまして、ああ、すさまじいなというふうな印象を持っていたわけであります。
 余り中身は深く認識をしないでそう思っておりましたが、この事態になりまして、アメリカの貯蓄貸付組合、SアンドLアソシエーションというんだそうですが、当時四千ぐらいあったそうでございますが、ざっと十年ぐらい前でしょうか、それがこの数年間で千七百ぐらいになっているという話を聞いております。ということは、約二千二百ぐらいのいわば貯蓄貸付組合がつぶれたということはほぼ事実のようでございまして、すさまじい状況を認識いたしました。
 一体どうしたのかということをさらに突っ込んで調べてみまして、大変概略な話でございますが、日本で言う預金保険機構、アメリカは連邦預金保険公社と言うんだそうですが、最初はここが動いてそのいわば穴埋め、債権不能額をどんどん埋める形で対応したそうですが、もうすぐにパンクしちゃってそれではできないと。
 その後どうしたかというと、結局ほとんどの組合の不良債権というか貸付不能額を、たしかRTCという特殊法人を連邦政府がみずからつくりましてそこが全部吸収していくという形をとったようであります。あるときはもう二十兆円ぐらい連邦の財政がそれをカバーしていて、今は十二兆円ぐらいという報告を受けておりますが、アメリカにしましてもすさまじい公金というか、連邦の公金を使ってたくさんの貯蓄貸付組合の倒産に対する、それもアメリカのやはり信用秩序の維持だと思うんですが、対応したというのを知りました。
 そんな事態に日本がなってはいけないという思いを込めて、金融不安を起こしてはならないとか信用秩序の維持ということをこうしてたびたび申し上げている次第であります。
○楢崎泰昌君 これはちょっと細かいことをお伺いしますので、大臣直接じゃなくて局長にお願いをしていいと思いますけれども、今、大臣がおっしゃったように、アメリカの貯蓄組合というのが大変な倒産ぶりを示したことは間違いないんです。それに対して政府がどのような手を打ったかということをさらに詳細に銀行局長から説明してください。
○政府委員(西村吉正君) アメリカにおきましては、一九八〇年代後半の貯蓄貸付組合いわゆるSアンドLの大量破綻の結果、その預金保険制度が破綻いたしまして、このため貯蓄貸付組合のための預金保険は財政資金を用いて清算をされることになりました。その結果、約四兆四千億円相当分の財政支出が行われております。
 さらにその後に、破綻した貯蓄貸付組合を整理するために新たな政府機関として、先ほどお話がございましたRTC、整理信託公社を八九年八月に設立いたしまして、そこに財政資金をつぎ込んでこの破綻した貯蓄貸付組合の処理を図ることになっております。これまでにそのため約七兆三千八百億円の財政支出が行われ、それ以前と合わせますと合計約十二兆円の財政支出が行われたということで、これはアメリカにおいても大変大きな問題になりました。
 なお、SアンドLの破綻処理の方式でございますが、一般にアメリカではすべていわゆるペイオフが行われているというふうに思っておられる方が多いように見受けられますが、実のところ、貯蓄貸付組合、小さな金融機関の処理の場合でもおおむね一割程度がペイオフ、そのほかのケースについてはいろいろな方法でその組織の承継を図るというような手法がとられております。これが商業銀行の場合にはペイオフの比率が五%ぐらいのものでございまして、必ずしもアメリカにおいてもいわゆるペイオフというのが処理の主流というわけではないことを申し添えておきます。
○楢崎泰昌君 今、銀行局長が言われましたけれども、アメリカが自由主義の牙城であるといっても必ずしもペイオフで全部やっているわけではないんです。
 局長にお伺いしますけれども、先ほど商業銀行の場合には五・六というぐあいに言われましたけれども、貯蓄貸付組合の場合にはどれくらいペイオフがあるんですか。
○政府委員(西村吉正君) 先ほど申し上げましたRTCによる破綻、SアンドLの処理実績としましては、現在までのところ一二・五%程度のものがペイオフの対象となっております。
○楢崎泰昌君 今お伺いしましたけれども、いずれにしても、一二・六%ぐらいはペイオフをしている、それをもって、いやアメリカの金融機関は全部ペイオフしているんだというような言論が当たらないということが今の答弁を聞いても明らかであるはずでございます。
 さらに言えば、財政資金を十二兆円ぐらい突っ込んでいるんですね。このことについてはどのように説明がされているんですか、アメリカでは。
○政府委員(西村吉正君) これはアメリカにおきましてもいろいろな議論があり、人によってこの問題に対する見方はさまざまだと存じますが、要はやはり金融機関の破綻によってすべてのその負担を預金者に負担させるという形、すなわち一定額までペイオフをしてあとは預金者に負担させるというだけではなかなか金融秩序の維持というものが守り得ないであろう、そういう考え方のもとにこのような措置がとられているのではないかと理解しております。
○楢崎泰昌君 アメリカの場合においても金融秩序の維持ということのために財政資金が使われ、そしてこの十二兆というのは実はアメリカにとっても非常に大きいんですね。財政問題として大変国会で議論されたところなんです。その場でも賛否両論あったように思います。しかし、断固として金融秩序は守らねばならぬということでこの決定がなされ、そのように処理されてきたというぐあいに理解をしております。
 さらに、こういう金融秩序の維持ということで、昭和の初年、昭和二年ごろですね、昭和金融恐慌というものが起こりました。どうも国会ではこの話が十分議論されていないように思いますが、我々はやっぱり先人の跡を学び、その故知を参考にして今回の処理をやっていかなきゃいかぬのじゃないかというぐあいに思いますが、事務当局で結構ですから昭和金融恐慌についてどういう事件であったか、御説明ください。
○政府委員(西村吉正君) いわゆる昭和金融恐慌が起こりましたのは昭和二年でございますが、当時、第一次大戦後の国際収支の赤字の継続を背景といたしました反動不況が続く中、戦時中に膨張いたしました企業の整理が十分に進まず、いわば一種のバブルの後始末であったわけでございますが、産業界、金融界の経営体質は悪化しつつございました。
 このような状況のもとで、関東大震災の際の震災手形の処理のための法案についての議論等を背景にいたしまして預金者の不安が高まっておりましたが、昭和二年の三月、京浜地方の銀行に取りつけが発生し、いわゆる金融恐慌が始まりました。震災手形の処理法案の成立によりまして一たん動揺はおさまりかけたものの、四月に入りまして再び台湾銀行の休業等を契機に取りつけが全国に広がりまして、三月から四月にかけて休業した銀行は三十二行に及んでおります。
 こうした中、四月二十二日の支払い延期令の公布や台湾銀行等の救済のための法律案の可決によりまして、高橋大蔵大臣によって昭和金融恐慌が終息したという経緯がございます。
○楢崎泰昌君 昭和金融恐慌についてはみんな思い出したくもないし、余りしゃべり過ぎると、特に大蔵大臣がこれしゃべっちゃうと、いやそんなことをおまえ考えているのかというようなことになりますので随分遠慮しいしい従来もしゃべっておられるように思いますが、これは我が国における金融問題の先例として十分議論をし尽くさねばならぬところであるというぐあいに思います。
 私は、阪神大震災がありましたけれども、昭和金融恐慌のときと今とは大変類似性があって恐ろしい感じがいたします。これは先ほど御説明になったように、関東大震災が発端となって震災手形が出された。震災手形に対する割引がなされた。それが当初は二年間だったんだけれども、実は二回引き延ばされてとうとう昭和二年まで行っちゃったんですね。昭和二年のときにその金融状態を救おうということで手形二法案というのを政府が提出したんです。その手形二法案というのは、約二億七千万円の公債を発行してその整理財源としようというぐあいにしたんです。
 そのときに、実のことを言うとやっぱり政治の世界が与野党激突の時代であったんです。そして本法案は、実は震災手形の美名をかりて震災がなくても既に整理すべきであった銀行を救済しようとするものではないか、さらに国民の膏血から成るところの国家の金をもってして放漫経営をなせる一部の政商を救済しようとするものではないか等々激しい批判が行われた。さらに、財政資金を投入する以上は手形の振出人、割り引いた銀行すべてをディスクローズすべきではないかと、とうとうディスクローズの問題にこれが発展をしていった。
 そのことの結果として、いやどうもディスクローズはできないねと、それでは秘密会でやろうやというので、当時の貴族院、現在では我が参議院に継承されていますが、秘密懇談会が三月十一日に開かれたんです。その中で鈴木商店の問題点について触れられました。ところが、秘密会は秘密会とならずにそれが直ちに流布されてしまった。大変だということで世情が騒然となってまいりました。
 有名な話ですから申し上げますけれども、時の片岡蔵相が、野党の自制自重を求める意味を込めて三月十四日の予算委員会において、現に「今日、正午ごろ渡辺銀行がとうとう破綻いたしました」という発言を大蔵大臣がした。したがって、大蔵大臣に余りこの話を聞いていないわけです。うっかり言って、大蔵大臣が余計なことをしゃべると困りますから、局長にしゃべらせているわけですけれども。
 そのために、折から銀行の体質がちょっと悪化していたということもあるでしょう、そのために金融不安が起こって、渡辺銀行、あかぢ貯蓄銀行、あかぢ貯蓄銀行というおもしろい銀行があったんですね、そして中井銀行、左右田銀行等々と休業が行われて大変な大問題になる。そこで国会は慌てて、同じ内容の手形二法案を急いで可決をして事態を収拾したんです。時期がおくれているんです。金融に対する危機管理が十分できてなかった。どうなるかよくわからないのにいたずらに議論をして延ばしたというのが第一次恐慌なんです。
 それでおさまったかと思うと実はそれでおさまってなくて、次に三月二十三日ですから十日もたってないころですね、そのころにさっき申し上げた鈴木商店がどうも怪しいらしいよ、震災手形をいっぱいくわえているねと。したがって、それは危ないんじゃないかということで、実はその取引先が台湾銀行である、危ないぞ台湾銀行はというので台湾銀行の取りつけ騒ぎが起こったのが第二次昭和金融恐慌の始まりなんです。
 それで、このときに、さきの経験がありますからこれもそれじゃ危ないねということで、台湾銀行に対して二億円を限度として救済を図ろう、特別融通をやろうということで、そのときはもう国会が終わっていたんですね。そこで枢密院に、その当時でございますから勅令を出してもらおうということで枢密院に諮ったんですね。ところが枢密院は、台湾銀行の責任を十分問うことなくして財政資金を導入するのは問題であると、結果的にこれ否決しちゃったんです、枢密院が。そのことの結果として第二次金融恐慌はがたがたがたっと起こって、これは第一次よりももっと大きな恐慌になっていました。さらにそのために当時の若槻内閣は辞任をいたしました。
 次の田中内閣になりまして、先ほどちょっと話が出ましたけれども、高橋是清氏が大蔵大臣をなさった。これではならじということで、もう一遍枢密院にお諮り申し上げた。そのときには若干のおまけがついて、台湾銀行だけじゃもうとても救済は足らないね、ほかの銀行もやらなきゃいけないねということで、台湾銀行に二億円、他の一般銀行に五億円の特別融通を行ってこれを終息に向かわしめた。これが金融大恐慌の主たる粗筋であるわけです。
 私が勝手に述べましたのは、これが大蔵大臣がお述べになって大変だ大変だということをお引きになるとそれ自体が問題になりますから、私があえて全容を申し上げたわけでございます。
 私は、ここで学ぶべきことは幾つかあると思います。一つは、先ほど申し上げた金融の危機管理が十分できていないということであります。一生懸命当事者はやったんだと思いますけれども、それが実らなかったということであります。それからもう一つは、金融問題を政争の具にするなということであります。金融問題を政争の具にするなど。(「それは名言だ」と呼ぶ者あり)ありがとうございます。
 私は、金融問題は今、同僚諸君がいろいろこの問題について議論されておりますけれども、枝葉の問題を議論しているのではこれはいかぬ。要するに現在の金融情勢、信用不安に向かうべき一つの原因があるわけですから、それをいかに取り除くかということを国会として議論すべきであるし、そして政府は断固たる決意を持ってこの問題に立ち向かわなければならないんじゃないかということを強く感ずるものであります。
 そういう意味では、昭和金融恐慌の教訓をどのように感じておられるか、ちょっと総理大臣から。
○国務大臣(村山富市君) 今回のこの二つの信用組合の扱いに関して国民の皆さんかどういう関心を持っておられるか、どういうお気持ちでおられるかということを十分配慮された上でのいろんな貴重な御意見がございました。
 今、昭和金融恐慌のお話もございましたけれども、これはまさに信用秩序を維持したいということで出した法案が政争の具に供せられて、そしていろんな思惑やらあるいは不信やら不安を醸し出していって、そしてその後大きな恐慌の原因になったということは学ばなきゃならぬ教訓だと思うんです。
 これはその当時と今日とはもう経済的な力関係も違いますし、信用秩序のあり方も違いますし、それから経済の仕組み、金融のあり方等々も違っておりますから、必ずしも比較することは難しいと思いますけれども、しかし金融というものが産業を支えておる大きな動脈の役割を果たしている、何よりもやっぱり信用秩序の保持というものが大事なことだということについては、それは当時も今も私は変わりはないと思うんです。
 そういう意味で、私は委員から今お話がございましたそういう配慮と意見というものは本当に貴重な意見だというふうに存じますから、そういう点を踏まえて、少なくともこの問題をめぐって国民の間に不信や不安や思惑が起こって、そして信用秩序が乱れるようなことがあってはならない、そこに私どもは最大の力点を置いてこの問題の決着をつけなきゃならぬという気持ちをお話を開きながら一層強めさせていただきました。
○楢崎泰昌君 総理大臣の的確な御認識をいただいておりまして、感服申し上げます。
 昭和金融大恐慌の結果としては、実は当時の経済事象も重なったんだと思いますけれども、国際収支の逆ざやが起こり、きょうまた為替が大変な変動を示しているようでございますけれども、これは逆の話になりますが、実は為替レートの低下が起こりまして産業界が疲弊に陥り、ついに昭和大恐慌にまで突っ込んだという歴史的事実があるわけでございます。
 それらをにらんでこの問題を十分我々としては討論をし処理していかなきゃならないんだというぐあいに思っておりますが、同時に、この問題を惹起した二信用組合の責任も十分に追及さるべきである。責任を追及することと金融秩序を維持することをごっちゃに議論して、坊主憎けりゃけさまで憎いというような議論は我々としてはとるべきでないというぐあいに考えるわけでございます。
 ところで、そういうことを考えますと、実は二信用組合はいかなる乱脈経理をしていたのか、いかなる点が金融マンとして金融秩序を乱してきたのかというところが問題になると思います。大蔵省の方に、監査を十分なさって千百億円の不良債権を確認したということでございますが、詳細についてお話し願いたい。
○政府委員(西村吉正君) 両信用組合の経営状況については、大きく分けますと二つの面から、関連はございますが、問題があろうかと存じます。
 一つは、経営そのものが破綻をいたしまして、ただいま御指摘のように、約千百億円に上る穴があいて他の人たちにも迷惑をかけるに至っているという経営の破綻ぶりが一つであろうかと存じます。
 もう一つは、そういうことが起こることと関連があろうかと存じますけれども、幾つかの法令違反というものが存在する。例えば大口融資限度を超過して貸し出しを行っていること、法定限度を超えた員外預金の受け入れを行っていること、理事会の承認を得ないで理事が自己契約をしたことなどが認められているところでございます。
○楢崎泰昌君 今、乱脈経理の一例として若干のことを言われましたけれども、大口融資は一定の金額以上の大口融資をやってはいかぬという問題でありますし、大きな金額を動かすときは理事会に諮ってやれ、当たり前の話ですよね、それに違反だと、こう言うんですね。
 それからさらに、ちょっと言及されませんでしたけれども、自己貨し、要するに自分に貸すということですね。しかも、その多くは担保がない。それで信用組合に対する責任を全うしているんであろうか。さらに言えば、高利の金を導入している。五%、一番多いのは五・九%というぐあいに報道されていますが、そのような金利を導入されている。それは一体どういうことであるか。今、お金を貸し付けるには五%の金利を得るのはなかなか大変だと思いますね。そういうことは一体どういうことなのか。世間では、預金者はハイリスク・ハイリターンでやっているんだからそんなのはたたけばいいんだというようなことを言っていますけれども、金融秩序という上からいうとなかなかそうもいかぬというような問題も散在をしているわけです。
 さらに導入預金のうわさがされています。要するに導入預金というのは、こっちから借りて預金をさせてそれを担保にお金を貸すんですけれども、それを担保にしないで貸しちゃうわけですね。そうすると、貸したお金は取れない、しかし、預金は今度の制度では預金者保護ですから全部返ってきちゃうというような問題があって、導入預金の話はなかなか面倒だと思いますね。
 導入預金について、いかがですか。銀行局は事実をつかんでいますか。
○政府委員(西村吉正君) ただいま御指摘のようないわゆる導入預金というものがございます場合には、預金等に係る不当契約の取締に関する法律により禁止されているところでございますので、もしそういうものがございましたら、この法律に照らしまして厳正に対処すべきものと考えております。
○楢崎泰昌君 それなら銀行局、役所ですからあるないはなかなか答えられないかもしれませんけれども、二月十九日の毎日新聞には導入預金の疑いがあるといって具体例を出していますよ。さらに、ついこの間テレビで見たんだが、それも事実かどうかわかりません、伝承でございますのでここでとやかくは申しませんけれども、ある企業、ゴルフ会社でございますけれども、三十八億お金を貸しましたと、ゴルフ場にね。そうしたら、その三十八億がそのまま某社にお金がずっと貸借で参りましたと。その某社はそれに五億円を足して四十三億で預金をいたしましたと。その三十八億、要するにゴルフ場に貸した三十八億は担保なしなんです。これ導入預金と言えるかどうかちょっとわかりませんけれども、そのようなでたらめな事実が報道されています。事実かどうかは行政当局あるいは司法当局で確かめにゃいかぬだろうと思います。そういうような事実は徹底的に追及されなきゃいけないことですよ。政府としてはそれを放置しておいてはまかりならぬことなんです。
 ところで、信用組合の現在の理事長の野口さんが告訴状を出しておられます。法務省は受け取っていますか。
○国務大臣(前田勲男君) 先般、二月二十七日、東京地方検察庁におきまして、高橋治則前理事長及び鈴木紳介前理事長に対する背任罪の告訴を受理いたしております。
○楢崎泰昌君 その告訴状はどのような内容のものでしたか、具体的にお知らせください。
○国務大臣(前田勲男君) 告訴状の内容でございますが、高橋治則前理事長及び鈴木紳介前理事長がそれぞれ任務に背いて東京協和信用組合及び安全信用組合において貸し付けを行い、各信用組合に損害を与えたという背任の事実であると承知をいたしております。
○楢崎泰昌君 具体的に事案をお尋ねするのはちょっと無理かと思いますけれども、それは個別の事案が当然告訴状の中にあるんでしょうね。
 それからさらに、それはどれぐらいの項目にわたっているんですか、お答えください。
○政府委員(則定衛君) お答えいたします。
 東京地検特捜部が受理いたしました告訴、これは幾つかの事実について具体的に特定して刑事処罰を求めているということでございます。
○楢崎泰昌君 具体的な事実は何項目ぐらいあるんですか。単数ですか複数ですか。
○政府委員(則定衛君) 複数であるというふうに承知しております。
○楢崎泰昌君 先週、安全信用組合の鈴木前理事長が記者会見をして、テレビで、いや私は損害を与えるつもりは全然なかったんだよというようなことを述べておられました。いろいろ人権の問題もございますし、それぞれの方にはそれぞれの主張があると思いますけれども、これだけの大事件を起こしたんですから、検察当局はこれを極めて厳格にそして迅速に行うべきだというぐあいに思いますが、既に調査に着手されておられますか。
○政府委員(則定衛君) 告訴も出ておるわけでございますので、明確に捜査を実行しておるというふうに申し上げてよかろうかと思います。
○楢崎泰昌君 ぜひ厳正に調査をなさると同時に、本件は早く捜査をなさる必要があるというぐあいに思っております。
 さて、政府当局は、本件を何らかの形で解決をしたいということでスキームをおつくりになってやっておられますけれども、先ほどちょっと議論が出ましたけれども、東京都が別のことといいますか、それを言われました。それについてどのようにお考えになっておられますか、大蔵大臣。
○国務大臣(武村正義君) 東京都は信用組合監督のお立場から三百億の融資を行う、低利融資を行うということであります。より正確には一%の低利融資でございますが、その基本に立って都議会に補正予算の提案をなされたところでございます。
○楢崎泰昌君 今、残念ながら直ちにそれが東京都議会において承認されるということにはどうもなりそうもない話でございますが、私は五派の共同修正案を今手元に持っておりますけれども、この五派の修正案の説明として、東京地検特捜部と警視庁に告発されているじゃないか、その責任の所在について厳正に捜査が行われるというぐあいになっていると。「我々もその推移を慎重に見守り、今、直ちに三百億円の信用組合経営特別対策費の採否の判断を下し得る状況ではない。」。今直ちには判断が下せないと。「しかしながら、都の信用組合に対する機関委任事務の監理・指導責任は重く、」、東京都の責任は重く、「信用組合の破綻による金融不安、預金者の保護に対しては、都の立場から責任を十分に果たしていかなければならない。」と。
 東京都としてもその問題についての責任は十分認識をされており、きょう午前中お話がございましたけれども、私は東京都がその責任を十分果たすということを期待したいと思いますが、大蔵大臣、いかがですか。
○国務大臣(武村正義君) 東京都は、知事さん初め理事者は当然そのことを十分認識されております。都議会もいろんな議論の中で、今、五会派の声明文でしょうか御紹介いただきましたが、議会の五会派においても都の責任は重いと、しかも金融不安、預金者保護のためには今後十分な責任を果たしていかなければならないという認識をそろって表明いただいたものというふうに認識をいたします。
○楢崎泰昌君 重ねて申し上げますけれども、金融の信用についての確保ということは非常に重要な、国民経済そして国民の一人一人にかかわる問題であるということ、したがってこれは速やかに解消せねばならぬこと、そしてこれを政争の具に供してはならぬということ、そして議論としては責任問題、要するに高橋さんたちの責任問題、まあほかにも責任問題があるかもしれませんけれども、金融不安を解消するために何をなすべきかということに議論を純化して、その議論を中心にしてこの議論を今後進めていっていただきたいと思いますけれども、総理大臣、御感想いかがでしょうか。
○国務大臣(村山富市君) 先ほど来、委員が大変金融の信用秩序の大事さということを強調しながらいろんな配慮をされた御質問をされていると思いますけれども、私はやっぱりこれは二つ区別しないと、国民の皆さんにも誤解があるんじゃないかと思うのです。
 この安全信用組合あるいは協和信用組合という、乱脈をきわめたこの二つの信用組合を救済するためにするんではないんだと。これは今お話がございましたように、その実態を解明して責任の所在も明らかにする必要がある。これは私は、国会でもやって、今、証人喚問なんかも予定されているようでありますから、可能な限りのやっぱり御協力もせにゃいかぬと思いますし、政府みずからもこの事実関係の解明はしっかりやらにゃいかぬと、こういうふうに思っておりまするけれども、それはそれでちゃんと決着をつけてけじめをつけると。
 同時に、預金者やらあるいは信用秩序というものをどのように保持していくかという、金融の動脈をどうして守っていくか。このことについてはやっぱり真剣に取り組んでいかなきゃならぬというふうに思っておりますから、私は、先ほどお話がございましたように、東京都の審議の経過を見ましても、これは否決でなくて、五党がそういう配慮もし心配をした上で修正をしている案件ですから、必ずその話は決着をつけてもらえるものだというふうに思っておりますから、そういう方向で政府も一層努力をしていきたいというふうに思います。
○楢崎泰昌君 ちょっと局面を変えて、大震災の話に移らせていただきたいと思います。
 それは私がテレビ等々で見ていろいろ現下における被災者の方々のお苦しみ等々を伺っておりますけれども、その中で一番これは何ともならないなと思っているのが、家が壊れました、実はローンがあるんですと。品物がないのにローンだけ残っている。しかし、今度新しく家を建てるときにはまたローンを組まにゃいかぬ、どうしてくれるんですかという話が一番経済的にはどうも解決のしょうがないということで心を痛めているんですけれども、地震保険は今度の大災害ではどのような働きをしたか、御説明をまず最初にいただきたい。
○政府委員(山口公生君) お答え申し上げます。
 損害保険会社では、被災地に入りまして約三千名を超える人員を投入しまして査定等に今、鋭意努力をしておるところでございます。支払い状況につきましてはまだ具体的な数字を把握している段階ではございませんが、事故の受け付けの数で見てまいりますと、現在までに兵庫、大阪、京都などで地震保険で約六万九千件、それから火災保険だけの方の場合は地震火災費用保険というのが出ますが、その方々で約九千件の受け付けがございました。また数がふえる可能性もありますが、これらにつきまして今、鋭意努力し、可能な限り早く支払いを行うというように努力しておるわけでございます。
○楢崎泰昌君 地震保険の普及率が非常に低いと言われていますけれども、いかがでしょうか。
○政府委員(山口公生君) 地震保険の普及率は、御指摘のとおり、全国ベースで世帯で言いますと七・二%にとどまっております。兵庫県等につきましてはそれより低い三%という水準でございました。
○楢崎泰昌君 今、それらのために今回の地震に有効な保険が働いていないということであります。
 さらに申し上げると、農協共済の地震保険と一般の損保会社の地震保険との間に差があるということが言われていますが、いかがですか。
○政府委員(山口公生君) 御指摘のように、損保の扱います地震保険と農協が扱っております建物更生共済というものとで限度額において違いがあります。前者は建物一千万、家財五百万、後者は五千万円限度というふうに違いがございます。ただこれは、農協の場合、引受物件が農業地帯に存在するものが中心であるという一方、損害保険会社の場合は都市部の契約が多いということから、そのリスクの集積度の違いということで付保限度額に差が出ているわけでございます。
 ただ、現実の平均の付保額、現実の付保額自体はそれほど両者で差があるわけではないと聞いておりますし、また商品性で見ましても、建物更生共済は積立型でございまして、同じく積立型の地震保険を組み込んだ火災保険という損保の商品と見ますと実質的に保険料等において差は余りない、こういうことでございます。
○楢崎泰昌君 いろいろ御説明がありますけれども、いずれにしても、最終的に地震保険が十分役に立っていなかったということは事実であると思います。これは普及の問題もあるでしょう。それから今言われた損保は一千万円、農協は五千万円というように表示されているように、若干の救済措置がおくれているということもあるわけですから、地震保険について、今、地震対策を一生懸命我々やっているわけですから、これについてどうするか、改正を必要とするならば改正をすべきだと思いますが、大蔵大臣の御所見を承りたいと思います。
○国務大臣(武村正義君) おっしゃるとおり、地震が起こった割合早い時期に、保険部長に対して私の方から、今回の地震の反省の上に立ってぜひ新しい商品の検討を始めてくれという指示をいたしました。保険料あるいは給付額も含めた全体の議論をしながら、ぜひ少しでも前進を図るような方向で新しい知恵を編み出していくことができたらというふうに思っております。
○楢崎泰昌君 ぜひ地震保険については大々的な検討をなさって、さっき申し上げたように、ローンを払い切れないんだと。損害保険というのは、損害が出たらそれを全部確保するというのが保険なんですよ。それができていないというところに問題があるということを十分御認識願いたいと思います。
 さらに、問題をちょっと変えまして、第二次の平成六年補正をいたしました。しかし、それでは十分でなくて、本予算を通過をさせて、しかる後に平成七年において補正を組みたいというお考えのようですけれども、どのようなお見込みでしょうか。
○国務大臣(武村正義君) 間もなく四月が参ります。そうしますと新しい年度の予算ということになるわけでありますが、前々から申し上げておりますように、この当初予算に対する補正対応という形で、できるだけ震災の実態に合うように、早期に財政的な第二の対応努力をしなければいけないというふうに思って、目下そのためのさまざまな準備がもう始まっているというふうに思っております。
 ただ、よくお尋ねになりますが、時期を明確に今まだ申し上げるところまで来ておりません。もうしばらく御猶予をいただきたいと思いますが、これはなるたけ早い方がいいという姿勢で対応していきたいと思っている次第でございます。
○楢崎泰昌君 どれくらいの額になるか、どのような内容になるかはなかなかおわかりにならぬでしょう。私が今お伺いしたいのはその財源問題でございますが、財源問題についてのお考えはいかがでしょうか。
○国務大臣(武村正義君) 財源が一番大事なポイントでございます。既に六年度の第二次補正も公債でこれは年度末ぎりぎりという事態の中で対応をさせていただいたわけでございますが、これも含めて震災財源全体をどう考えていくのか、やはり真剣に議論を集約しなければいけないというふうに思っております。
 いつも申し上げておりますのは、まずは既存の予算の中でのやりくりの努力をさせていただきたい。当初予算は今御審議のさなかでございますが、当初を前提にして余り具体的な言葉は避けたいと思っていますし、そこはお許しをいただきたいと思いますが、それでもより優先順位の高いという意味で震災にどこまでやりくり算段ができるか、精いっぱい知恵をまず尽くさせていただきます。
 それで全部震災財源が貯えれば一番ありがたいわけですが、しかし私どもの概観する限りではそれだけでは足りないだろうと思います。そうなりますと結局、国民の皆さんのお支えをお願いするしかすべがない。それは税ということになるわけでありますが、今の御負担でお願いするか、将来を含めてお願いするかという選択になってこようかと思います。
○楢崎泰昌君 財源問題で、小さな財源であると思いますけれども、私は国民がそれに対して大変な協力をする必要があるというぐあいに思っておりますが、例えばモーターボート、競輪、オートレース、競馬等々、税金ではない幾つかの財源があるわけですね。それらについてどういうぐあいにお考えになっておられるか、政府としてどういうぐあいに対処するのか。
 各所管大臣からお伺いいたしたいと思いますが、最初に通産大臣にお願いできますでしょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 阪神・淡路大震災につきまして、まず競輪関係から御報告を申し上げますが、自転車振興会から日本赤十字社に対して既に三億円、また全国競輪施行者協議会から被災自治体について一億一千万円、既に四億六千万円を支援いたしております。また、オートレースの方におきましても、日本小型自動車振興会から日本赤十字社に対して一億五千万円など総計一億六千万円を支援してまいりました。
 そして、今後の支援につきましても、自転車振興会、また小型自動車振興会の平成七年度の助成の中で震災対策に最大限の支援を行うことと同時に、復興支援競輪、オートレースの実施などという可能な限りの支援措置を講ずべく検討を進めております。そのうち復興支援競輪については、第一弾の措置として五月十二日、名古屋競輪場において実施を予定しておりまして、その後の支援策についても今後ともに相談をしてまいりたいと考えております。
 ただ、委員よく御承知のように、競輪、オートレースの収益はその主催自治体のものとなるという性格でありますから、国の財政への繰り入れというわけにはまいりません。
○楢崎泰昌君 運輸大臣、お願いします。
○国務大臣(亀井静香君) 日本船舶振興会から一月十八日に三億円の拠出をいたしておりますけれども、モーターボートの特別レースで五十億円、七年度で実施をすることにいたしております。
○楢崎泰昌君 農水大臣、お願いします。
○国務大臣(大河原太一郎君) お答え申し上げます。
 公営競技としての競馬は中央競馬と地方競馬があるわけでございますが、中央競馬につきましては、一月末の京都競馬を中止して、そのかわり六月の初旬に復興競馬を行いまして、約十億円のその取得金を支援に向けるということが一つでございます。なお、中央競馬につきましては、今後の効率的な運営その他で、さらに国庫納付金の増加その他について努力をいたしたいというわけでございます。
 なお、地方競馬につきましては、二十五施行者のうちの九施行者が特別競馬を開催いたしまして、これによる収益を支援金に充てたいと、さように思っております。
○楢崎泰昌君 自治大臣に宝くじについて。
○国務大臣(野中広務君) このたび関係者間の協議が調いまして、兵庫県及び神戸市が発行いたします復興宝くじを四月中旬に全国において発売することになりました。発売額は約二百億円でございまして、収益は九十億になろうかと存じます。この九十億は被災地の災害復旧に充てられることになります。
○楢崎泰昌君 各所管省において十分よく御検討願っているというぐあいに思います。しかし、冒頭に申し上げたように、また通産大臣もちょっと触れられましたが、国に入る歳入とそうでないのとがあるわけですね。そういう意味では、さてそれをどう考えるのかという問題はあるかと思いますけれども、いずれにしても、それ自体が大きな財源になっちゃうということはないんですね。しかし、それぞれの場面で、私どもがそれぞれ一生懸命これについて御協力を申し上げるというのが大事なことであろうというぐあいに思っております。
 さてそこで、最後の質問でございますけれども、大震災に伴って、先般、所得税について改正をしていただきました。続いて法人税等々についていろいろ問題があるというので御検討なすっているように仄聞をしております。法人税の繰り戻しであるとか地価税であるとかいろんな問題があると思いますが、現在どのような検討中か、御説明を願いたいと思います。
○政府委員(小川是君) ただいまお話がございました法人税、例えば欠損金の繰り戻し制度、一般的には一年間繰り戻しというのを停止いたしておりますが、これをどういった形で解除することができるか、妥当か、あるいは地価税の扱い、その他各税の問題につきまして現在、鋭意検討中でございまして、できるだけ早い機会に全体として取りまとめを行い、法律改正を要するものは法律を準備して御審議をお願いしたいと、鋭意作業中のところでございます。
○楢崎泰昌君 質問を終わります。ありがとうございました。
○委員長(坂野重信君) 以上で楢崎泰昌君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ―――――――――――――
○委員長(坂野重信君) 次に、峰崎直樹君の質疑を行います。峰崎直樹君。
○峰崎直樹君 連日、総理初め閣僚の皆さん、大変御苦労さまでございます。
 阪神・淡路大震災という大変未曾有の震災があったわけでございますが、実は北海道でも、我々にしてみれば本当に直下型地震に匹敵するんじゃないかと思えるような大アクシデントといいますか、起きているわけであります。
 それは、日本で一番小さな市であります歌志内という市がございます、人口わずか七千人という。この歌志内市の基幹産業は石炭産業であります。石炭といっても皆さん方の中には、まだ石炭を国内で掘っておったのか、こういう声があるかもしれませんが、今でも北海道で掘っておったわけであります。まさに日本の経済の発展を支えてきた石炭産業、とりわけ空知地域というのは、石狩炭田といって明治で最初に石炭が北海道で開発をされ、日本の経済の発展を支えてきたわけであります。
 この閉山問題が起きたわけでありますが、この間、解雇される労働者の退職条件の確保について、総理はもとより、通産大臣、労働大臣を初め本当に御尽力をいただいたことをまずもって感謝を申し上げたいと思います。
 ただ、まだ問題は継続しておりまして、ウナギの寝床と言ったら変な言い方でございますが、大変立地条件がよろしくない。そういうところで実は雇用の問題あるいは地域振興の問題というものが起きているわけでありまして、この点について、今後どのような対応をとられようとしているのか、通産大臣、まずよろしくお願いしたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 委員を初め、北海道あるいは炭鉱地域にかかわりの各党の国会議員団に大変御心配をかけた事態でありましたが、この空知炭鉱につきましては、閉山交付金による労務債対策方針を決定しましたことによりまして、保全管理人、会社経営者と組合との間で、直近でありました赤平炭鑛並みの退職諸条件、また三月十八日の閉山日など、閉山問題に関する基本的な枠組みは相互理解に達したというふうに私も承知をいたしております。
 しかしその閉山後は、今、委員からもお話がありましたように、空知炭鉱に対する依存度が非常に高く、人口が最も少ない市であります歌志内の厳しい状況にかんがみまして、地域の振興及び雇用の場の確保に持続的に取り組む必要性は十分認識しておるつもりであります。
 そうした考え方から、先行的な雇用対策、地域振興対策として、これまで北炭グループ関係各社の新分野開拓事業に関する支援でありますとか、地域振興整備公団による工場団地の造成などを推進してまいりました。
 先般、地域振興整備公団総裁、わざわざ通産大臣室をお訪ねをいただきましたが、公団自身としても積極的に北海道内だけではなく企業誘致に真剣に乗り出していただいております。
 今後とも労働省を初め関係の各省庁とも密接な連携をとりながら、地元の実態に即した地域振興対策というものに最善を尽くしてまいりたいと考えております。
 なお、来週十五、十六の両日、国会の中でも例えば衆議院の石炭対策特別委員会が委員派遣をされるといったお話も伺っております。我々といたしましては、こうした委員の調査結果というものも伺いながら、また引き続いて地元の御希望も十分把握をした上で、より効果的な対策を立ててまいりたいと、そのように考えております。
○峰崎直樹君 労働大臣もひとつよろしくお願いしたいと思います。
○国務大臣(浜本万三君) 空知炭鉱のことにつきましては、一月の二十六日に会社が組合の方に閉山の提案を行ったということは御承知のとおりであろうと思います。私のところにも北炭の本社社長及び空知炭鉱社長より閉山問題についての報告を伺いました。
 その際、私が申し上げましたのは、会社側と組合とでよく話し合いをしていただきまして、円満に解決をしていただくようにお願いをいたしたところでございます。その間、峰崎議員にも大変お世話になったことを感謝いたしております。
 いずれにいたしましても、現在、閉山問題につきましては労使で話し合いがなされておるということになっておりますので、その推移を見守っておる次第でございます。最悪の場合、もし仮に閉山の事態になった場合にはどうするかということなのでございますが、その場合には八百五十名前後の多数の離職者が発生する状況でございますので、地元北海道庁や先ほど状況をお話しいただきました通産省ともよく連携を図りながら、地域対策や雇用対策について最大限努力をしてまいりたいと思っております。
○峰崎直樹君 総理、人にやさしい村山政権ということで、私ども、この閉山問題があったときに、総理のこれまでの努力あるいは通産大臣の努力に本当に心から感謝をしているわけでございますが、実は歌志内市七千人で、これで閉山になったときには人口が半分になるんじゃないか、こう言われています。そうなりますと、これは市として存続できるかどうか、三千、五千人あるいはそんなもので。その意味で、地元でもこれは自分たちの市がもうなくなっても仕方ない、合併といったようなことすら実は論議をされています。それぐらい決意をしながら進めております。
 この問題についての最後に、総理からの見解をひとつよろしくお願いしたいと思います。
○国務大臣(村山富市君) 今、通産大臣、労働大臣からそれぞれ答弁がございましたけれども、峰崎議員御指摘のように、空知炭鉱の閉山による歌志内市に与える影響というのはもう極めて大きいと。これは私もちょっと今資料を見せていただきましたけれども、市税に占める炭鉱の関連税比率というのは四九・二%ある。それから炭鉱関係の人口の比率が三八%もある。これは炭鉱が閉山することによる市に与える影響というものはもう極めて大きいものがあるということだと思うんですね。
 それだけに、閉山された後の市をどのように維持していくか、どのような産業をつくっていくか、あるいは雇用を確保していくかというのはもう大変重要な問題だというふうに私も認識をいたします。
 したがいまして、これからまた関係省庁とも十分連携をとり合いながら、地元の意向も十分聞いた上で、適切な対応ができるように最大限の努力を払っていきたいというふうに思います。
○峰崎直樹君 ぜひとも温かい配慮をよろしくお願いしたいと思います。
 実はもう一つ、これは空知問題じゃないのでありますが、今回、実は特殊法人の統廃合問題、行革で大変な努力をされているわけでありますが、二月二十四日に政府は今回の特殊法人の整理合理化について閣議決定を行った。これによりますと、特殊法人の整理合理化に伴って生じる雇用問題に責任を持って対処するために、内閣に特殊法人の職員の雇用問題に関する対策本部を設置する。
 二十三日の衆議院予算委員会でこの問題に村山総理は、政府は責任を持って対処するという答弁をされているんですが、どうも抽象的というか、もちろん責任を持ってと総理が言われたことは重いのでありますけれども、対策本部について次の点を明らかにしていただきたいと思うわけであります。
 一点目は、これは同一省庁内の問題の雇用保障じゃなくて、他の省庁間あるいは地方自治体、民間を含めた横断的雇用保障を実現するための権限と機能を持った対策本部でなければならないと考えるわけですが、その場合に、具体的にいつ設置され、だれが責任者となり、どこの省庁が担当するのかをまず明らかにしていただきたい。
 二点目でありますが、率直に申し上げて、この法人の中に先ほど言った石炭の関連で石炭鉱害事業団と他法人との統廃合の問題や雇用問題、これは実は平成十三年まで続くかなり長期にわたる対策が必要なんですが、常時こういったことに対応できるんだろうか。それよりも、平成十三年までといえばまだ相当ございますが、特殊法人職員の雇用保障に関する法制化といったものを図るべきしゃないか。
 それから三点目なんですが、今回の閣議決定では、天下り役員については、昭和五十四年十二月十八日の閣議了解を踏まえつつ、その人事管理の適正化に努めるとあるんですが、現在、天下り役員が一〇〇%を占めている十三法人は三年以内になくすといったようなことなんですね。そういう三年がいいかどうかは別にいたしましても、早急になくすといった閣議決定を実効あるものにするための方策というのは考えられないものだろうか。
 この三点について関係大臣からお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(山口鶴男君) 峰崎委員にお答えいたします。
 二月二十四日の閣議決定は、委員が御指摘のとおりでございます。対策本部の責任者をどうするか、担当省庁、設置時期をどうするかということにつきましては、閣議決定の取りまとめに当たりました総務庁が中心となって今、関係省庁と相談をいたしているところでございますが、私といたしましては、本部長はぜひ総理大臣にお願いをいたしたい、そういうつもりで今、関係省庁と取りまとめに当たっているということで御理解をいただきたいと存じます。
 それから次に、法制化の問題でございますが、総理大臣が本部長となってこの対策に当たるという政府の決意を御承知いただければ、今直ちに法制化ということでなくても御理解をいただけるんではないか。政府といたしましては閣議決定を忠実に守って対応するということで御理解をいただきたいと存じます。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 石炭鉱害事業団と新エネルギー・産業技術総合開発機構の統合について御懸念をいただきました。
 実は、私自身がこの石炭鉱害事業団の扱いは一番悩んだ点であります。すなわち、委員御指摘のとおり、平成十二年度末に事業完了という目標が定まっておりますだけに、この時期まで単独の法人として存置し、その時点で廃止をするという方針を選ぶべきなのか、それとも石炭鉱害の復旧という共通テーマを持つ二つの事業体を統合すべきなのか、最後まで悩みました。そして、石炭鉱害事業団を統合いたしました場合には逆に平成十三年度末という目標があいまいにならないかという御指摘もいただきました。
 しかし、最終的にこの二つの法人を統合する決断をいたしましたのは、あくまでも石炭鉱害というこの事業については平成十三年度末までに完了させる、その上で、残る職員に雇用の不安を与えないという視点からいくならば、この機会に統合しておくことの方が将来において望ましい、そう考えて統合という道を選んだことでありまして、どうぞ御理解をいただきたいと思います。
○国務大臣(五十嵐広三君) 今、委員御指摘の、いわゆる特殊法人のうち天下りが役員を独占しているという法人が今年の一月一日現在で十四法人ございまして、これは一月上旬、各省庁の人事担当課長会議でこれの解消について指示をいたしているところでありまして、既に森林開発公団はこれが解消になりまして、今、十三法人ということになっております。
 これにつきましては、今後、役員の改選期がある都度解消していくということに考えておりまして、恐らく平成七年度中には五法人が解消になる。それで、全体の十四法人が解消になるのにはおよそ三年ぐらいをめどにして解消に当たりたい、こういうぐあいに思っている次第であります。
○峰崎直樹君 どうも質問の要点といいますか、十分伝わってなかったような気がするんですが、まず総務庁長官に申し上げたいんですが、だれがというのはわかりました。どこの省庁、これは総務庁ということでよろしいんですね。いつから。
○国務大臣(山口鶴男君) 御案内のように、二十四日の閣議決定では、それぞれの統合、民営化等は三年以内に原則として行うということになっておるわけでございまして、具体的にどうなるかということは、法律改正を提案し、そしてまた明年の予算編成の際におおむね具体的な姿が明らかになるわけでございますから、それにはきちっと間に合うように対策本部を発足させ対応いたしてまいりたい、かように考えております。
○峰崎直樹君 担当は総務庁ですか。
○国務大臣(山口鶴男君) 総務庁を中心にして今取りまとめを行っております。
○峰崎直樹君 今、通産大臣に答えていただいたのは、この統合の問題について言っているのではなくて、そういう長くかかるものについては法制化をしなければだめなんではないですかということを言っているので、これは別に通産大臣からではなくて、総務庁ですか、大臣、お願いしたい。その趣旨で聞いているわけです。
○国務大臣(山口鶴男君) そうです。
○峰崎直樹君 実はもう一点ちょっとお伺いしておきたいんですが、社会保障研究所というのが今回廃止されるんですね。「社会保障研究」という大変程度の高いというか、なかなか読みごたえのある雑誌を季刊で出しておりまして、私も大変惜しいなという気がしているんですが、これはなくなるわけではないでしょう。厚生省の研究機関に引き継ぐと、こうあるわけです。
 これは実は職員は一括国家公務員になるんでしょうか、どうなんでしょうか。その点、一九八〇年に特殊法人であったオリンピック記念青少年総合センターを文部省に直轄化したときにはたしかそうなっておるんですが、どうでしょうか。これは担当大臣がよろしいんでしょうか。
○政府委員(太田義武君) 今回の特殊法人の見直しで、社会保障研究所につきましてはこれを廃止しますが、その研究機能は、厚生省の試験研究機関を抜本的に再編成いたしまして、これに引き継ぐこととしております。
 具体的にその職員をどういうふうに引き継ぐかということについてはこれから検討してまいりますけれども、まだ最終的に全員を引き継ぐあるいはどうするということが決まっておるわけではございません。ただ、できる限り本人の希望を聞いて適切に対応しなければいけない、こういうふうに考えております。
○峰崎直樹君 天下り問題で私、ちょっと人事院にお聞きするんですが、かねてから天下りの問題についての弊害が指摘をされるんですが、それに対する対案ということを我々持っておかないと、キャリア組の役人の方とよく話をするんですが、その人たちもこういう特殊法人とかそういうところへ天下ってそして渡り鳥とか称せられて、それを決して快しと思っていないんです。一番行きたいところはどこですかと言ったら、大学とか研究所とか言っている。
 そこで、人事院にお聞きしますが、私もちょっとこれ正確に押さえてないんですが、ドイツでいわゆる公務員を政党の書記局に、書記局というか事務局にいわゆる公務員というものを派遣する制度があるというふうに聞いているんですが、その点どうでしょうか。
○政府委員(弥富啓之助君) ただいまの御質問にお答えを申し上げます。
 ドイツにおきましては連邦官吏法という法律がございまして、特別休暇の一つとして、官吏が身分を保有しながら許可を得まして国際機関等における業務その他さまざまな活動に従事することが認められているようでございます。その一環といたしまして、ただいま委員が申されました政党の職員として業務に従事することも許容されているというふうに聞いておりますけれども、実際の運用の詳細につきましてはまだ少し検討をさせていただきたい。ただ、そんなにまれな例ではないというふうに聞いております。
○峰崎直樹君 私はその話を聞いたとき、今、政党助成法で三百九億出されようとしている。各政党がそれをどう使うかは自由なんですが、今、私たちが法案やこういうものを審議するとき一番困るのは、実は官庁の優秀な、与党ですから私たちと一緒になって法案をつくったりいろいろ努力をするんですが、肝心の我々自身が情報というものをしっかり持っているのか、あるいはその情報を加工したりそれを分析したりする力があるのか、非常に私はその点で、大変優秀な方々が並んでおられるわけでありますが、こういう方々の情報や知識は優秀でも、どうして私たちがそういうものを使えないのかなと。
 そういう意味で、これからそういった点も含めて、つまり天下りの人事は絞っていけば確かに絞れないことはないかもしれないけれども、その弊害というのはまたあらわれてくるんじゃないのか。その意味では、そういう優秀な人材をどう活用するかという観点で私はこの問題をもう一面で考えるべきではないかと思うんですが、この点、ちょっと事前に言っておりませんが、総理、そういったようなことについていかがでございましょうか。官房長官、いかがでございますか。
○国務大臣(五十嵐広三君) 御指摘のような点もやっぱり大いにあるのではないかというふうに思います。
 特にお話しのように、退職公務員を人材として有用に活用していくということについて政府としてもいろいろかねて議論はしているところでございまして、特にこれからの高齢化社会に入っていって、そういう中で公務員の皆さんの場合でも、今までの豊かな知識や経験というのを生かしていくということのための方策を考えていこうということもありまして、昨年の三月に閣議において、「民間における高齢者雇用施策を視野に入れ、雇用と年金との連携及び行財政改革の要請に十分配慮しつつ、国家公務員の六十歳台前半における雇用に積極的に取り組む」、こういう基本方針を閣議決定いたしている次第でございます。
 この閣議決定に基づきまして、公務員に関する制度などを所管する行政機関の局長クラスを構成員として、公務部門における高齢者雇用問題検討委員会、これを昨年六月に設置いたしておりまして、公務部門における高齢者雇用の推進方策について検討を進めている次第でございますが、今、委員御発言の趣旨も踏まえてなお鋭意検討したい、こういうぐあいに思います。
○峰崎直樹君 ある意味では、我々政党の側がしっかりしなきゃいけないんじゃないかなと思っているところでございます。
 それでは、きょう今からいわゆる円高問題、さらに景気の問題、そして大変欲張っていましていろんな質問を用意いたしましたが、残された時間二十分しかございませんので全部対応できるかどうかわかりませんが、そういった順序でお話をしていきたいと思うわけでございます。まず最初に、円高問題、為替相場から。
 急速な円高が進んでいるわけです。これを円高と言っていいのかドル安と言っていいのか、これは後で大臣に答えていただきたいんですが、その背景というのは一体これ大蔵大臣、どういう背景なんでしょうか。
○国務大臣(武村正義君) 最近の為替相場の動きは、一言で申し上げるほど背景は単純ではございません。
 一月の末ぐらいからマルクとドルの関係でいいますとマルク高ドル安の動きが出てまいりまして、昨今、特に先週末、ヨーロッパにおける通貨不安といいますか、各国の通貨の状況の中でマルク高という現象が起こりました。具体的な例としては、スペインの経済省の高官がスペイン政府はERMから離脱するかもしれないというふうな発言をしたことがきっかけだと言われておりますが、それで一挙にスペイン・ペセタは下がりますしマルクが上がるというふうな状況がヨーロッパの中でも起こりました。
 一方、アメリカはアメリカでメキシコの通貨問題と深くかかわりがございます。メキシコ、国際的な支援をやっておりますが、政治、経済を含めていろんな不安な状況もございまして、これがアメリカに対してかなり影響を与えておりますし、あるいは先般、財政再建にかかわるような憲法修正案が議会で否決されるというふうな事態も起こりました。あるいはアメリカ経済そのものに対する見方もさまざまございまして、そんな状況からドル安の動きが、背景があって動きが出ているというふうにも言えるわけでございます。結果として、マルクと円が高くなり、ドルを初めその他の国の通貨が安くなるというふうな状況が起こってきているわけであります。
 まず背景の認識でございます。
○峰崎直樹君 今、円高が先ほどの昼間のニュースで九十二円まで行きましたですね。こういうふうに円高基調が進み始めたのをずっと見てみると、昨年二月に細川総理とクリントン大統領がお会いをしてノーと言った、それ以降すっと為替相場を見ると百円を割って、この六月に百円を割りましたけれども、そしてとうとうここでは九十二円まで下がったわけですね。そうすると、どうもブッシュ政権からクリントン政権へかわって為替に対する、あるいは国際通商と申し上げていいんでしょうか、そういう政策がやっぱり大きく変わったんじゃないかというふうに私ども見えるんですが、その点、大蔵大臣、まずいかがでございましょうか。
○国務大臣(武村正義君) アメリカ政府の公然たる意図でドル安円高が起こっているというふうには理解をしていないわけでありますが、御指摘のように、昨年来こうした状況が進んできていることは事実でありまして、基本的には円米間の貿易の問題が一つはあると思います。
 経常収支、最近ようやく減る状況にはなってきましたが、しかしそれでも依然として日米間の経常収支は日本の大きな黒字、アメリカの大きな赤字であることは間違いがございません。それが一つ基本に日米間の問題ではあるということでありますが、しかしそうは言っても、通貨は本来各国の経済的な諸要素を反映すべきものであります。それが具体的な貨幣価値で表現されるべきだというのは世界の共通の認識であります。私どもはファンダメンタルズという表現を使っておりますが、ここ一、二年の動きはアメリカの経済が非常に活況であります。日本はやっと最近緩やかに回復の兆しが見えてきておりますが、成長率その他を比較しましてもアメリカの経済の方がはるかに今いいわけですから、本来ならば、単純に言えばドル高で円安であります。
 ところがそうはならないと。世界のさまざまな経済や通貨をめぐる動きが連関をしていることも事実でございますが、私どもの認識ではやや思惑的な動きがふえている、投機的な要素が少なくないということを大変心配しているわけでありまして、経済のベースを反映すべきものであるはずの通貨がそういう取引によって高下を繰り返すということを非常に重視いたしているところであります。
 G7としましても、一層緊密な連携をとりながら為替の安定に立ち向かっていかなければならないわけでありますし、先週末もこの委員会に出席しながら、昼夜、アメリカのルービン長官とも二度電話会談をしましたし、夜またフランスの蔵相とも話し合いをしまして、幸い私どもの呼びかけに対して共通の認識を日米欧が持つことができて、これはよくないという認識ですね、そして協調介入もかなり大がかりな介入を日米欧でしたわけでありますが、しかし大きなドル安の流れの中で成果は上がりませんでした。
 そういう状況でありますが、一層注視をしながら、今週も含めて適宜適切な協調による行動をとっていかなければいけないというふうに思っております。
○峰崎直樹君 ちょっと経済企画庁の方にお聞きしたいんですが、昨年までの円高でも、今のあの円レートでは日本の経済というのはもう大変だ、むしろ赤字輸出しているんだと。ひょっとしたらダンピングで提訴されても仕方ないというふうな、そういった調査をされたような経過はございませんでしょうか。長官、もしおわかりになれば。
○国務大臣(高村正彦君) 調査の内容については、政府委員の方から答弁させます。
○政府委員(大来洋一君) 例年、経済企画庁におきまして企業の行動のアンケート調査というのをやっておりますが、そこでは企業の採算レートということについてアンケートはしておりますけれども、今、委員御指摘のような、ダンピングをしているかどうかというような、そういう調査に関してはやっていないはずというふうに承知いたしております。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 大変余計なところから口を出して恐縮でありますが、私の立場から申し上げますと、一年間仮に一円為替が円高に動きました場合、自動車において約三百十億円の影響が出ます。そして、電気器具におきましては、やはり同様に一円一年間円高になりました場合、二百三十億円の影響が出るわけであります。
   〔委員長退席、理事伊江朝雄君着席〕
 当然のことながら、これは各企業が資金手当てをいたしておりますレートとの関係もありますので、一概にそれがダンピングにつながるかどうかということは言えません。しかし、一円の円高がそれだけの各分野に影響があるという事実は認識しておかなければならないことだと思います。
○峰崎直樹君 経企庁の調査を聞いて、その後で通産大臣からお答えをと思ったんですが、ありがとうございました。
 それで、先ほどのお答えを聞いていると、私も二年半ずっと経済の状況を見ていまして、どうもいつも答弁が同じなんですよ、株価というのはいつもファンダメンタルズを反映しているとか。そういう意味で、円が高くなったり乱高下はしていますが、昨年の九四年の二月からずっと傾向的には上がってきているんですね。ただでさえもう百円を割ったら大変だというときに、九十二円まで上がってきている。こういう現実に対しては、いや各国で協調してやるということでこれは本当にうまくいくものなんだろうか。
 この点、実は私もちょっといろいろな資料、本を持ってきているんですが、最近「良い円高悪い円高」という本を書いた方がどういうことを言っているかというと、この円高が生じているというのは、ファンダメンタルズ、まさに経常収支、貿易収支の黒字があるから一千億ドル以上のものがある、そうすると貿易でお金を持って帰った人や企業はそれを円にかえようとする、ところがそのドルを買ってくれる人がおらぬ、最終的にそのドルをだれが買ってくれるかが問題だということを言っているわけです。
 今までは日本のいわゆる資本市場が自由になっていますから、ファンドマネジャーがその生保や機関投資家を通じてアメリカの財務省証券を買った、時にはアメリカの土地やあるいはいろんなものを買っていた。ところが、それは大損したわけですね、あの八五年のプラザ合意以降。もうあつものに懲りてなますも吹かないような状況になっているわけです。
 そうすると、このまま放置しておくと、各国協調すればいいというふうに言っているけれども、だれが最終的なそのドルを買うのかということについての対策を出さない限り、私はこれは十分な円高対策にならないんじゃないだろうかと思うんですが、この点、大蔵大臣、いかがでございますか。大蔵大臣がいいのか、日銀がいいのか。もしあれでしたら政府委員でも構いません。
○国務大臣(武村正義君) では政府委員から。
○政府委員(加藤隆俊君) 為替の場合、為替市場における需給ということで値段が決まってくるわけでございます。そういう意味におきましては、経常収支の黒字がふえる方向に動いているのか、あるいは減少する方向に動いているのか、それが為替の需給となって反映されるわけでございます。
 それから経常収支の黒字の一方のこれをファイナンスする資本取引がどうなっているかということでございますが、昨今、日本の長期資本収支は、昨年は比較的大規模に流出しているところでございます。
○峰崎直樹君 その収支のやりとりを聞いているのではないんです。問題は、今進んでいるこの急速な円高、通産大臣のお話でいえば一円上がれば三百十億円、恐らくもう巨大な赤字になっているんじゃないだろうかというふうに思うわけです、このまま進めば。
 そのことに対して、どうしたらいいんだろうかというときの対策として各国との間で協調していますと。協調しながらも、実は今のお昼のニュースで見たら、もうその協調に十分対応して下がっておらぬわけですよ。これに対してどうしたらいいのかということについて、私は何か知恵がないものだろうか。そこは政治の方で答えていただきたいと思うんですが、大蔵大臣、ありますか。
○国務大臣(武村正義君) その前に、何となくいつも答弁は同じ表現だというおしかりもいただきましたが、確かに通貨当局というか、各国もこれ共通した表現を大変慎重に使っておりまして、直接介入したりする権限を持っている役所でありますだけにストレートな表現は避けるということが建前になっておりますために、ファンダメンタルズの反映とか緊密な連携とか適宜適切な対処とか、こういう表現を繰り返しているのは事実でございます。相場に対してこれは安いとか高いとかいうそういう価値判断をしないということ、内心はもうじりじり思っていながら大蔵大臣としてはそれはできないという状況はぜひ御理解をいただきたいと思います。その分、通産大臣やその他、経済企画庁の長官等で率直な表現もしていただいているところでございます。
 すべはないのかという御指摘でございます。この通貨当局の連携とか協調介入は、もう日本は二月からやっているわけでありますが、それが非常に有効に働くときと、今回のようにとうとうたる流れの中で働かないときと確かにあります。それはそういう意味じゃオールマイティーではないというか、決定的じゃないということがまず言えます。
 もう一つは、やっぱり各国の通貨の背景になるマクロの経済政策をどう見るか、あるいはそういう立場でどういう政策手段、金利を含めてとっていくかという選択も確かにあります。日本でいえば経常収支の黒字を大きく減らすような、こんな方法はありませんけれども、そういう政策が発表されればそれはかなり影響を与えるかもしれませんし、あるいは公定歩合とかあるいは財政政策とか景気対策とか、そういうものが直接的ではないにしろ、直接間接さまざまな状況がありますが、通貨に影響を与える、そういう判断ないしは選択があることも事実でございます。
○峰崎直樹君 ほかの大臣にもお聞きしたいところなんですが、余り時間もありませんので先へ進みたいと思うんですが、実はこの問題を考えるときによく批判を受ける、我々もアメリカの関係者の方とよく話をするとき、日本の市場というものが十分開かれていない、だから国内市場を開放すること、さらに規制緩和を進めること、行政改革を進めること、あるいは情報公開を進めるといったそういう分野における改革というものを日本はやっぱりもっとやらきゃいけない、こういう指摘を受けている。
 通産大臣、どうでしょう、このいわゆる市場開放という問題で、今も日米でやっておられるんだろうと思うんですが、この点についてそういう指摘を受けることに対してどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今、委員の指摘されました市場開放というその言葉を、私は規制緩和に置きかえてお答えを申し上げたいと存じます。
 昨年秋に内外に呼びかけまして、規制緩和についての意見をちょうだいしたいと。政府全体にも大量に当然のことながら御意見はいただけたわけでありますが、通産省に参りましたものだけでも二千五百件を超える規制緩和についての要望がありました。
   〔理事伊江朝雄君退席、委員長着席〕
それを各省に配分すべきものはお分けをし、通産省自身の権限で検討すべきものは三百五十二項目であります。そしてその中、私どもは先般正式にこれを公表いたしましたが、どうしても緩和のできないものというものは八十九しかありませんでした。その八十九というのは、例えば原子力に係るもの、ある種の化学物質に係るもの、さらに旧の言い方をいたしますならココムに関連するような特殊な分野であります。その八十九を除きました中の百四十余りは既に配置済みあるいは措置を現に行いつつあります。
 こうやって見てみますと、我々は規制緩和というもので確かに市場を開ける余地は非常にたくさんあります。そして、例えば製造物責任法が成立し七月から施行されるのに伴いまして家電製品の大半は全く政府の関与を必要としない自己認証に移るわけでありますし、電力の発電設備等につきましても従来は保安規制を非常に厳しくやっておりましたが、原子力等を除きその範囲を大幅に軽減をいたします。従来、年間千件ぐらいありましたこれについての届け出というもの、認可というものは、新たな対応にいたしますと四十件ぐらいになります。これはヨーロッパ等でも非常に好評を受けました。こういう努力をすることによって、我々は市場開放を積極的に行う必要は今まで以上に強くなっておる、そう考えております。
○峰崎直樹君 後ろにたくさん問題を抱えているのでそろそろ円高問題については終わりにしたいと思っているんですが、肝心なことは私は、このリチャード・クーさんが言っているように、日本のファンドマネジャーを中心とした資金運用を任されている人間というのは、一体どうしたらドルが買えるのかという、その条件というものはどうしたらできるかという、それは実はきょうも朝の日本経済新聞のマンデーニッケイの「緊急為替・金利予測」というところにいろいろ書いてありますが、今おっしゃられた規制緩和の問題も載っているんですよ。
 フェルドマンさんというソロモン・ブラザーズのアジア証券東京支店経済調査部長さんが、当面のドル買い材料は探しにくいと、ファンダメンタルズの問題はさっきおっしゃったとおりですが、日本の政府には規制緩和を真剣に進める気はないとの印象を強く受けると、こう彼は思っちゃっているんですよ。冗談じゃない、一生懸命やっているよと僕らが言っても、いわゆる市場関係者はそういうふうに見ているんですね。ここが、市場関係者が、おっ、日本の政府は、村山内閣はこれは本気になったなというふうに思わないと、実はこの協調介入やドルの問題というのは有効性がないんだというふうに言われているんです。
 その意味で私は、今これだけ九十二円まで下がっているときに、これを差しとめる緊急的な対策というのは早急に打たないといけないんじゃないのかなと。早急に打たなきゃいけないといっても今打てるというのはそんなにないのかもしれませんが、私が思いつきで例えば規制緩和に本気になったなというときには、きょう公取委員長お見えになっています、今、公取の陣容は五百名そこそこです、これを何年間でもいいから二千名に持っていこうじゃないかという話をすれば、おっ、日本の政府はいよいよ今の日本のさまざまな日本は異質だとかいろんなことを言われている市場に対するメスを本格的に入れ始めたなというふうに思うかもしれない。これは今、行革というのがありますから、そこをふやせばどこかを減らさにゃいかぬとかいろいろあるんですが、そういう重要なところ。
 もう一つ緊急の問題を申し上げたいと思うんですが、非常に緊急的な問題といえば、今、予算を審議しているわけです。そうすると、この予算で政府側から見て高い物を買えとは言わない。外国の資材でなるほどこれは日本よりは安いなと思われる物が建設関係で随分多いと言われているんです、セメントとかガラスとか。だから日本でつくる建物よりも外国でつくった方が安いと言われている。建物まで輸入しようと言っている。そういうときに、実は政府の調達し得る分野でセメントの規格が悪いとか、いやガラスの規格がどうだとか、いろいろあるのかもしれない。
 しかし、もう緊急避難的に政府としてはこれは輸入しなきゃいけない、こういう目標を立てて、本当にファンドマネジャーやお金を預かっている人間が、どうやら日本の今度の村山内閣は本気だな、よし、それならばこれはやらなきゃいけないというふうに、私はそういう改革を打たなきゃいけない時期に来ているんじゃないかと思うんですが、この点、総理、いかがでございましょうか。
○国務大臣(村山富市君) これはG7の会合あるいはまた日米の首脳会談等々でも規制の緩和の問題、貿易自由化の問題等々は強く議論をされてずっと来ております。これは再三再四、今の内閣として規制緩和と特殊法人の整理とかあるいは情報公開の問題とか等々については計画的に必ずやりますということは申し上げておりますし、これまた現にこの内閣が一体となって今取り組んで進めているわけですよ。
 特殊法人の問題につきましては、これは二月十日に大体各省が所管している問題についてのけじめを一応つけましたけれども、しかし各省にまたがる問題についてもこの際全体として見直しをしてやれるところはやろうじゃないかというんで年度内にもう一遍踏み込んでやってもらおう、こういうことも申し合わせいたしております。
 規制緩和につきましては、これは今まで決められた規制緩和の措置について具体的にどのように実行されておるのかということも点検をしたいと思いますし、これからさらに規制緩和をする必要があるという項目についても各省でそれぞれ検討していただきまして、そして年度内に五カ年計画をつくって確実に毎年毎年見直しをしながら実行していくということも決めておりますので、私はこの問題に関する限りは、そんなことを言っちゃ大変恐縮ですけれども、本当にそれぞれの大臣が責任を持って思い切ってやっていただいているというふうに確信をいたしておりますから、これをさらに推し進めていきたいというように思います。
○峰崎直樹君 今、本当に一ドル九十円まで行こうかという大変なトレンドを示していますので、できる限り前倒しをしたり、それに対する緊急策をとっていただきたいと思います。
 それでは景気の問題、もうまさに景気の話をしておるわけでありますが、経済企画庁長官と日銀の総裁もお見えになっておられます。景気見通しについて伺いたいと思うわけでありますが、特に震災によってどう影響を受けるのか、あるいは今もお話があった円高によってそれはどう影響を受けるのかについてお伺いしたいというふうに思います。まず企画庁長官。
○国務大臣(高村正彦君) 今の景気の状況でありますが、企業設備等が調整を続けているものの回復基調をたどっている、こういうふうに考えております。
 この震災の影響でありますが、当面はもちろんマイナスがあるわけでありますが、もう復旧努力が始まっておりますし、これから本格的復興努力が開始されるであろう、そういうことに十分こたえていくだけの余力がありますので、直ちに今の回復過程を阻害するようなマイナス要因には平成七年度全体をとらえてみればならないだろう、こういうふうに考えております。
 やっぱり震災そして為替の動向というのは大きな懸念要素であることはあるわけでありますが、特に為替の動向、私たちはファンダメンタルズを反映していない、これだけ各国が協調して当たっていただいているから一過性のもので終わっていただけるのではないかと期待を含めてそう考えているわけでありますが、これから特に輸出企業等に甚大な影響を与えるおそれがあるということで警戒感を持って注視していきたい、こういうふうに考えております。
○参考人(松下康雄君) 景気の現状につきまして、日本銀行といたしましては、基本的にただいま長官のお述べになったことと同意見でございますが、引き続いて景気は緩やかな回復が続いているという判断でございまして、これは先般公表いたしました日本銀行の二月短観の結果を見ましてもそのように判断をされるところでございます。
 需要面で見ますというと、公共投資あるいは住宅投資は景気を下支えしておりますし、個人消費も震災直後の買い控えの動きがおさまりつつございます。設備投資につきましては、短観で申し上げましたように、全体として下げどまりの傾向というふうに考えておりますし、また輸出につきましては、神戸港の機能の低下によりまして一時的に相当減少いたしましたけれども、二月入り後は増加基調に戻っているところでございます。
 次に、生産につきましては、昨年来、四四半期連続増加いたしました後、震災によりまして被災地は非常に大きなダメージを受けましたが、他の地域での代替生産等が進んでおりますので、現状、全体といたしましてはほぼ震災前のレベルに戻りつつあると考えております。
 三番目に、このような動向を反映いたしまして企業収益は全体として回復をいたしておりますし、また短観によりますと来年度の計画も製造業は二年連続の増益、非製造業も五年ぶりの増益ということでございます。
 そのような景気の先行きにつきまして、今回の地震の影響につきましては引き続いてよく見きわめてまいる必要がございますけれども、日本経済は現在では相当懐が広うございますし、また供給余力も十分残しておりますので、被災地復興のための対応力、底力と申しますものは十分備わっていると考えております。
 したがいまして、今回の地震によりましても現在の景気回復の力が途切れるということはないと考えておりますが、今後の金融政策運営におきましては地震の影響も見きわめつつ、引き続いて経済金融情勢の展開を見守りつつ対処したいと考えております。
○峰崎直樹君 昨年度、実は特別減税を行いました。六兆二千億円。消費税、所得税、住民税を合わせますと五兆五千億ですが、これは景気にはどのような役割を果たしたんでしょうか。経済企画庁。
○国務大臣(高村正彦君) 消費に対していい影響を与えておりますから、消費が回復方向に向かう大きな一つの要素になったと考えております。
○峰崎直樹君 私は、先ほどの経済企画庁の答弁で、実は前回同じ方の答弁で、震災がどういう影響をするかというときに、これは恐らく今年度ぐらいではよくわからないかもしれない、つまり一年か一年半ぐらいたってみないとこの震災の与える影響というのはわからないというような話を聞きました。そういう答弁があるのかなと思っていたんです。
 そのこととの関連で、実は景気が今非常にV字型の回復を示していない、これは恐らく共通の認識ができるんだろうと思うんですね。今、円高や株安、さらには金融不安、そして震災、こういう問題を考えたときに、これは実は復興財源でこれから議論しなきゃいけないのでありますが、ちまたにいわゆる三兆五千億円の制度減税に上積みした特別減税二兆円について、これをやめたらどうだというような意見が私の耳に入ってきているんです。これは十分まだ議論しておりませんが、私は今のお話をずっと聞いていると、景気を刺激しようとしてやったこの減税政策が、景気がまだ不確かなときにこういうやり方をとるということについてはいかがなものかなと思うんですが、これは経済企画庁長官、どうでしょうか。
○国務大臣(高村正彦君) 税のことは私の所管でないわけでありますが、極めて私の個人的な意見を言わせていただきますと、やはり復興財源については景気の状況をはっきり見きわめられるような状況のもとであらゆる可能性を見ながら検討することが必要なのではないかなという個人的な感じを持っております。
○峰崎直樹君 今の同じ質問を、大蔵大臣、いかがでございましょうか。
○国務大臣(武村正義君) 当然景気の昨今の動向も大きな考慮に入れなければならないと思っております。
 財源論そのものは、お答えしてまいりましたように、予断を持たないで、ひとつあらゆる可能性を真剣に論議をいただきながら政府としても集約をさせていただきたいというふうに思っております。
○峰崎直樹君 この問題はまだ別途論議をする場があるだろうと思いますが、ところで政府の経済見通しと予算の関係についてお伺いしたいと思います。
 政府の経済見通し、二・八%と言われているわけであります。これは一体どういう意義を持っているのかという、ちょっと解説しないとなかなかわかりにくいんだろうと思うんですが、それは私どものこの国会の場で予算を審議するときに、経済見通しをやると大抵それがうまく合っていかない。一九八六年当時、円高不況のときに、随分深刻な不況だ不況だと言っているときに、八七年度予算でようやく財源をつけたけれども、そのときは非常に景気は上昇しておった。
 私が国会議員になって、宮澤総理は大変経済に明るい人ですが、あの九二年、九三年のあたり、いや今も議論しておるけれども、あの不況は私たちが後から振り返ってみると、あのとき、不況だ不況だと言っているけれどもそれは底だ、もう回復しつつあるんじゃないかということを何度もおっしゃった。そういう見通しの上に立って実は予算が組まれているわけであります。
 そういう意味で、私は、これから復興財源の問題もあるんですけれども、この経済見通しと言われているものは一体どういう意味を持っているんだろうか。非常に抽象的な言い方をしているんですが、企画庁長官、どうでしょう、経済見通しをいつも出されるわけですが、その点。
○国務大臣(高村正彦君) 経済見通しは、翌年の実現可能な望ましい経済の姿を描かせていただく、こういうことでその経済見通し及び経済運営の基本的態度にのっとって予算編成方針が定められて、それに基づいて予算が決まっていく、こういうことでございます。
 昨年の経済見通しをつくるときに、私は自然体で描かせていただく、こういうことを申したわけでありますが、その実現可能な望ましい姿という場合、どうも望ましい姿ということに引っ張られ過ぎて実現可能ということが薄くなってしまうのではないかというような御批判が一部にあったということで、両方をきっちり見据えて実現可能で望ましい姿を描かせていただいた、平成七年度については描かせていただいたつもりでございます。
○峰崎直樹君 実は、後で恐らく質問されるんだろうと思うんですが、前の経済企画庁長官の寺澤芳男さんが、これは七月十二日でしょうか軽井沢のセミナーで、政府の見通しについて、こんなものはとても信じられない、幽霊のような数字だと、こう内部で批判されたわけですね。もちろん経済企画庁長官がですよ。
 そこで、この予算委員会というのは余り経済論議というのがされなくなってきているというふうによく聞くんです。特に予算との関係で議論されることが少ない。なぜ少ないのかというと、経済企画庁のつくる経済見通しというのはどうも予算のつじつま合わせとの関係で使われていっているんじゃないのか、その意味でどうも十分論議をして本当にそれに対して責任を持つ、こういう仕掛けになっていないんじゃないのかと思うんですが、この点いかがでございましょうか。経済企画庁長官、お聞きしましょうか。
○国務大臣(高村正彦君) 先ほど申し上げたように、平成七年度については自然体で、そういった政策スタンスがあらかじめ定められていてそれに引っ張られて無理やりに数字を合わせるようなことはしないで決めさせていただいたと断言できます。
○峰崎直樹君 その断言はぜひしっかりと受けておこうと思います。そして、やはり真剣にその問題についての議論をする中で、何がまずかったのか、どこに問題があったのかという議論が真摯にできるようにしたいものだと、こういうふうに思うわけであります。
 さて、時間も本当にどんどん少なくなりました。皆さんのお手元に一覧表を渡しております。今度の不況と言われておるものを見たとき、私は本当になるほどなと思って、これ皆さんに実は見せてこの論議に供したいと思ったわけでありますが、高尾義一さんという人の書いた「平成金融不況」の中から引っ張り出してきたことであります。
 一番左の上から七四石油危機のとき、八五年の円高不況のとき、今回の不況、ずっと四年たっても、これはいわゆる売上高の推移ですが、下がったままでございます。その売上高の推移が、ずっと下に円高不況と今回の不況で見ると、コストを見ると、コストが何と円高のときは下がっているんだけれども、卸売物価は下がりながらも今回は総コストは上がっておる。しかも、この右端の表を見ていただいたらわかるんですが、非常に総コストが、コストだけを見ると、賃金コストが今回の不況期では断トツにやはり高くなってきているということですね、物価は下がりながら。こういう実は数字を見て、やはりデフレ不況になってきている、その底から回復しつつあるとはいいながらも。
 そこで、ちょっと物価について、何度も経済企画庁申しわけないんでありますが、経済企画庁、CPI統計というのはどうも最近の価格破壊と言われている物価を余り反映していないんじゃないかという意見があるんですが、これは物価局でもよろしいんですが。
○政府委員(谷弘一君) お答えいたします。
 CPIにつきましては、五年に一度消費者家計の調査をいたしまして、どういうものを買っているかという物を決めましてその値段を追っておりますので、五年の間に買っているものが安い物を買っていくというような形で、実際に消費者の家計で買っております物の値段とCPIの値段の中には差が出てくることは確かでございます。
○峰崎直樹君 CPIの統計をとるとき、大体定点でとっていきますけれども、最近の郊外のディスカウントショップみたいなものはそういう調査の対象に入っていきますか。
○政府委員(谷弘一君) 価格破壊等の値段の安いものを出しております郊外のスーパーあるいはディスカウントハウス等では、ただいまの私どもの承知しております統計では家計の大体二割ないし三割の方がそういうところを使っている、あとの七割ぐらいの方は普通の小売店で買っておるというふうに承知しておりまして、二割ぐらいの消費者が使っておりますこのディスカウント等では、おっしゃるように、三割ぐらいメーカーの希望小売価格から割り引いた値段で売っておるというようなことが見られます。
○峰崎直樹君 消費者物価指数でとっている例えば具体的に背広と、いわゆる全国家計調査でとっている消費単位になっている背広の値段を対比したもの、あるいは衣料品なんかを対比した資料があるんですが、それで見るとどうもCPIのとっている背広の方が、全国家計消費支出で見ているところの同じ総理府でやっている統計でありながら、どうして違うのだろうかなと思うくらい政府でやっているのに違う。
 私はこの問題、価格のいわゆる公正性というか水準というのは、これは実は来年の例えば公的な支出にはね返っていくわけですから、それに正確に反映されないというのはうまくないなと思う。その点ぜひとも引き続きよろしくお願いしたいなと思うわけであります。
 さて、そこで時間も、きょうは実はもっと産業をどう起こしていくかという観点で質問しなきゃいけない課題があったんですが、そっちの方はどうも入れそうにありません。そこで、今度はいわゆるデフレの問題と財政の問題についてお聞きしてみたい。
 昨年四半期の統計で、経済企画庁、名目の成長率よりも実質の成長率の方が高かったことはありませんか。
○政府委員(大来洋一君) 昨年度といいますか、今年度におきましては名目の成長率の方が実質の成長率よりも低くなるという四半期がある形になっております。ちょっと数字をすぐに、今手元に持っておりませんので申しわけありませんが。
○峰崎直樹君 これはまだ仮定の話でありますが、瞬間的にはもう生じたことがあるんだというふうに聞いております。そうすると、価格が下がって実質成長率よりも名目成長率の方が下がってしまうというようなことが生じた場合に、これは予算編成をするときにどう影響してまいりますでしょうかね。大蔵省主計局。
○政府委員(篠沢恭助君) いろいろな積算に当たりまして考慮するべきものが出てくると思いますが、一つは恐らく税収面でどうするかということがございましょう。ただ税収は、御承知のとおり、一つ一つの税目ごとの見積もりを徴収したその累計になるわけでございますが、全体としてのバックグラウンドとして名目成長率が実質成長率以下になるというようなことをどう考えるかということを一つ検証材料として使う必要が出てくると思います。
 それから物価によっていろいろ積算を考えておかなければならない、例えば社会保障関係のいろいろな給付でございますとかいうものが出てまいると思いますが、どちらかと申しますと予算のそういう積算は名目の方に引きずられるわけでございますので、名目が実質をかなり下回るというような場合には、そのことはかなり積算上新しい経験としてこれから考えていかなきゃならぬと思います。
○峰崎直樹君 これは実は私も再度質問しようと思ったんですが、要するに税収の問題、確かにこれは落ち込んでくると思うんですが、支出の方を見たとき、マイナスの消費者物価が生じた場合、年金を初めとする公的なスライドは一体どうなるんでしょうか。そこが今のはちょっとよくわからなかったんですが。
○政府委員(近藤純五郎君) お答えいたします。
 今の年金の関係では自動物価スライドになっておりますので、法案を出さない限りは年金額が下がるということになっております。
○峰崎直樹君 これはやはり下がるんですか。
○政府委員(近藤純五郎君) 法律上は物価にスライドいたしまして年金額が動くということになっておりますので、特別の手当てをしない限りは法律上はそうなるということでございます。
○峰崎直樹君 まだ架空の話というよりも、しかし最近の物価の下がり方を見ていると、これまた円高になってまいりましたからそういうことがあり得るんじゃないかと思うんですね。
 税収の方は、主税局長、落ち込み、特に消費税とか所得税、法人税はもうけですから、もうけに対してかかりますね。所得税や消費税については、これは一体将来はやっぱりマイナスというふうに見られるんでしょうか。
○政府委員(小川是君) 所得税、法人税は、簡単に言えば売り上げから各種の経費を引きます。それが名目成長率と実質成長率のどっちにより影響されているかといいますと、過去の傾向から見ましてもこれは名目成長率に大きく左右される。いわんや消費税になりますと、一般的に申し上げれば名目消費に対して消費税がかかっているわけでございますから名目の成長率に影響される。
 問題は、実質成長率が仮に上回るような経済というのはどういう水準かというところでありまして、税収はおおむねこのデフレ下の名目で決まってくる、大体そのように見ておいていただいてよろしいかと存じます。
○峰崎直樹君 まだ十分経験したことがないことを何かお話ししているようですから私たちもよくわからないところがありますが、大蔵大臣、どうでしょう、こういうデフレ下における予算編成といったものに対する、もし何か。
○国務大臣(武村正義君) 私もよくわかりません。
 物価が下がるのはいいことだという認識がありますし、最近のような価格破壊によって今お話しのような名目よりも実質が下回ることは多いわけでありますが、その逆になるという事態でありますね。これは名目で計算するような今の税のような場合はいいんですけれども、実際に政府の経済見通しにも響いてまいりますし、私どもの財政運営各般にも歳出を含めて影響を与える問題でありますから、改めて関心を持って勉強させていただきたいというふうに思います。
○峰崎直樹君 時間があと少なくなりましたが、新しい産業、すなわち今不況のお話をしましたけれども、今一番私たちにとってこれから考えなきゃいかぬのは、どうも新規産業というか、未来、二十一世紀を引っ張っていく産業が出てきていないというところじゃないかと思うんです。
 そこで、最近のアメリカの経済が非常に活発になってきたと言われているんです。その背景は一体どうなっているんでしょうか、通産大臣、もしこの点。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私もアメリカの経済をそういう意味で意識して見たことはございませんけれども、非常に一時期過熱が心配をされましたものが必ずしも過熱の危険性はない、そして金利の引き上げの必要もないといった判断が流れ、それが昨今の為替の問題にも反映しているようであります。
 しかし、ひところ非常に深刻にとらえられておりました双子の赤字についての懸念がアメリカ経済の中で何となく薄れている印象は、先ほど委員が共和党政権と民主党政権の為替に対する考え方の差ということで指摘をされた部分にもあるいは連動するのかもしれません。しかし、少なくとも自動車等非常に好調を誇っておるというのが今の状況であると認識しております。
○峰崎直樹君 きょうはこの問題はもうほとんど時間がなくなってまいりましたから十分できませんが、恐らくアメリカでレーガンの行ったレーガン改革といいますか、あるいはイギリスではサッチャーが行った改革については、これはやはりそれの効果が出始めているというふうに見ている人がおられるんですが、そのことについては何か、通産大臣、ございますか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) これはむしろ経済企画庁長官か大蔵大臣にお尋ねをいただいた方がよいのかもしれませんが、確かにレーガノミックスと言われたもので非常に過熱をしましたものがいろいろな問題は生みましたけれども、一つ大きく間違いなく言えるものとして、ベンチャービジネスを非常に積極的に育ててきたこと、そしてそのベンチャービジネスが育つ基盤になったNASDAQが非常にしっかりと根づいたこと、これが私はアメリカの場合一つ蓄えようかと思います。
 また、イギリスの場合には、一時期非常に過重になっておりました社会保障負担の切り込みを行ったり、あるいは失業保険等に対する切り込みを一方で行いながら、積極的な産業育成策、既存産業の活性化をとられた。
 言いかえれば、私は、もしこういう言い方が許されるとするなら、イギリスは既存産業の活性化に努力をされた、アメリカは新たなベンチャービジネスというものを育てる方向に向いた、いずれもそれなりの成果を上げられたのではなかろうかそのように思います。
○峰崎直樹君 文部大臣にちょっとお伺いしたいんですが、アメリカでよくMBA、経営学修士を取るんですね。その取った人は大体どういうところに就職される傾向があると思いますか。大企業か中小企業かで結構でございます。
○国務大臣(与謝野馨君) 余り新しい統計はございませんけれども、日本とアメリカとの違いということを先生御質問であるとすれば、日本は大学の数が大層多いわけでございますが、修士課程、博士課程というのは大変量的に厚みがないということでございます。
 例えば学生数で勘定いたしますと、修士課程、博士課程におります学生は日本全体で十万人しかおりませんが、アメリカの社会では九十万人いるわけでございます。人口が倍ということを考えましても、大体日本一、アメリカ五というくらいで数が違うわけでございます。
 それから大学を出ます方で例えば博士課程を出て企業に就職された方の数を見ますと、博士課程を終えて企業に就職される方は日本では昨年ぐらいで大体年間六百人、アメリカはそれの二度倍の十二万人とか十三万人ということでございまして、そういう意味では今後先生が懸念されている新しい産業の地平線をどこに求めるかということにもかかってくる重大な問題であると思っております。
○峰崎直樹君 人材の流れというのがどういうふうに流れていくのかという点で、本当に私は非常に重要な局面に来ていると。日本の場合は、東大を出た、京都大を出た、皆、大蔵省に入るとか通産省に入るとか大企業に入っている。ところがあちらへ行くと、先ほどベンチャービジネスとおっしゃったんですが、本当に小さなところにどんどん入っていって一旗上げようとされるんですね。起業家精神が非常に旺盛なんです。
 私はなぜこの質問をしたかというと、今、私は産業が活性化する条件というのは人材と技術とマーケット感覚、この三つだと思っているんです。そのうちの人材の面で、日本の大企業や官庁も含めて起業家精神というか、失敗やリスクを恐れないような精神というものが本当に充満しているんだろうかどうなのか。それに対して企業はどういう対応をしようとしているのか、通産大臣、もしその点について何かありましたら。
○国務大臣(橋本龍太郎君) むしろ今、私どもは、産業の成熟化の中で新たに業を起こす意欲、起業意欲が減退してきているのではないかと恐れております。そして、それが今国会、例えば円滑化法でありましたり中小企業創造法といった、新たな分野に大企業の場合でありましてもあるいは中小零細企業の場合でありましても積極的に業を起こそうとする方々に対してできるだけの支援をしたいと私どもが考えたゆえんであります。そして、そのためには我々は全力を挙げて支援の体制をとりますけれども、それだけでは足りません。
 そして、一つは人材でありますが、もう一つ大事なものとして、いかにして民間における資金供給をその立ち上がりの時点において円滑に行うかという問題がございます。ハイリスク・ハイリターンという言葉は必ずしも好まれる言葉ではありません。しかし、アメリカのNASDAQにおけるような、積極的にベンチャーの人々がそこで資金調達が可能な市場をぜひ育てていただきたいものであると関係当局にお願いを申し上げる次第であります。
○峰崎直樹君 資金の問題も私も重要な問題だと思います。
 そこで、通産大臣、産業界の中からいわゆる独禁法九条、持ち株会社を解禁してもらいたいと、こういう要請が来ていることについてどう思われますか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) この問題、大変、公取委員長のおられる前ですと答えにくい話でありまして、実は本年の二月二十二日に、産業政策局長の私的な研究会である企業法制研究会から、純粋持ち株会社の規制について廃止に向けた検討に着手すべきだという提言をいただきました。また、行政改革推進本部の規制緩和検討委員会の意見報告におかれても、純粋持ち株会社を解禁すべきだという意見をちょうだいしているところであります。
 確かに、主要先進国において純粋持ち株会社に対して規制を加えているところは多分ないと私どもは思います。すなわち、第二次世界大戦後、敗戦後の日本において財閥解体ということから始まったこの規制が今日もなお生き残っているということでありまして、その意味では私はやはり検討を必要とするテーマの一つであると思います。
 また、ヨーロッパからも対日直接投資の阻害要因になるから解禁してほしいという規制緩和に関連しての御要望があるわけであります。しかし、やはり従来からありました御議論としては、純粋持ち株会社を認めることは財閥の復活につながるのではないかというような御意見がございました。
 ただ、私は、今まで検討をタブー視していたというのは少なくとも間違いだと思っております。そして、やはり規制緩和検討委員会の御議論というものをむだにしないためにも、少なくとも政府として検討を行うことが必要だと、そのように考えておりまして、公正取引委員会からも系列とかさまざまな御意見に基づいての御批判がありますけれども、私は積極的な検討はさせていただきたいものと思っております。
○峰崎直樹君 公取委員長もひとつ見解をお願いしたいと思います。
○政府委員(小粥正巳君) お答え申し上げます。
 独占禁止法第九条は、御案内のように、事業支配力の過度の集中を防止する見地から持ち株会社の設立等を禁止しております。
 事業支配力の過度の集中が生じた場合には、公正かつ自由な競争が行われるための前提の一つであります取引先の選択あるいは取引条件の設定について、事業者の自由かつ自主的な判断が制約され、市場メカニズムの機能がゆがめられるおそれがあると考えております。
 持ち株会社は、その機能が他の会社の事業活動の支配そのものであるということでありまして、それ自体が経済力集中の手段であることから、事業支配力の過度の集中をもたらし、いわゆる市場メカニズムを阻害するおそれのある性格を有することから、独占禁止法でそのような手段自体を禁止している、こういうふうに考えております。
 ただいま通産大臣からも御答弁がございましたけれども、私どもも独禁法九条に関する、つまりいわゆる純粋持ち株会社に関する議論自体を拒むというつもりはございません。議論は大いにお願いをしたいと思っておりますけれども。
 私どものこの点についての現実的な考え方を申し上げますが、現在我が国におきましては、御存じのように、株式の所有分布が著しく法人に偏っております。それから内外から、この法人による株式所有との関係でいわゆる相互持ち合いあるいは系列、企業集団の存在が海外からの我が国市場への参入あるいは投資の障壁になる、こういう指摘がいろいろなされている、こういう状況が認められるわけでございまして、このような株式所有の現実の状況等を見ますと、今日においても株式所有による事業支配力の過度の集中を防止する必要があると考えております。
 また、我が国の市場開放と公正かつ自由な競争の一層の促進が我が国の経済政策の非常に重要な課題になっているわけでありますが、申し上げましたように、経済力集中の手段であり、企業の系列化、集団の形成強化の核となるおそれのある持ち株会社を解禁することはそうした流れに逆行するものでありますので、私どもといたしましては持ち株会社の禁止規定は堅持すべきものである、そういうふうに考えております。
○峰崎直樹君 最後になりました。もう時間がないのはよく存じておりますが、今お聞きして、両方、もう本当に大変重要な問題が起きているような気がします。
 ただ、私自身は、私の同世代の、今、大企業やそういうところへ入っている人間から、もう先が見えてくる、将来社長になれる人間は一人だ、そうすると実は起業家精神を養うというのは、自分が何を買い、どうつくり、そしてどう売るかということの決定をし、リスクを負っていくわけですから、そういうことが、自分がその企業を責任を持ってやるというそういう仕組みでないとこれは起業家精神は発展しないと言われております。アメリカで発展したのはそこだと思うんです。日本の場合にはそういうベンチャービジネスから入っていくことはなかなかない。それよりも、大企業の中の分割をしてそれぞれ子会社をつくって、そしてそこには社長がいて総務がいて経理がいて営業マンがいて、そういう会社をたくさんつくっていかないと実は日本の企業というのは発展しないんじゃないのかという声をよく聞くわけであります。
 その意味で、それだけがこの問題の焦点ではないかもしれませんけれども、大変重要な問題を秘めていると思いますが、今後ともこういった点について議論を進めていきたいということを申し上げて、ちょっと長くなりましたけれども、私の質問を終わらせていただきます。
○委員長(坂野重信君) 以上で峰崎直樹君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ―――――――――――――
○委員長(坂野重信君) この際、河野外務大臣から発言を求められておりますので、これを許します。河野外務大臣。
○国務大臣(河野洋平君) 委員長のお許しをいただきまして、朝鮮半島エネルギー開発機構の設立に関する協定案につきまして御報告、御説明をさせていただきたいと存じます。
 北朝鮮の核兵器開発問題は、国際的な核不拡散体制や国際社会の安全保障にかかわる重大な問題であるとともに、我が国自身が直面する安全保障上の重大な懸念でもあります。この問題に関する昨年十月の米朝合意の着実な実施は、まさに我が国の平和と安全に直結しているものと考えられます。
 このような観点から、我が国としては、米朝合意の定める軽水炉プロジェクトの実施などのために組織される国際コンソーシアムの設立に関する協定を作成するため米韓両国と協議を重ねてまいりましたが、先週、三月二日及び三日にワシントンにて行われた大使級の日米韓三者協議におきまして協定案文について代表団の間で実質的合意がなされ、その後、日米韓三カ国それぞれの本国において最終的な確認作業を行っておりましたが、本日、右作業を終了いたしましたので、本件に関する国民の皆様の御関心にもかんがみ、ここに同協定案の骨子につき御説明をさせていただきたいと存じます。
 本件国際コンソーシアムの名称は、朝鮮半島エネルギー開発機構、略称はKEDOとなります。お手元にあります資料のとおり、本件機構の設立に関する協定案には、機構の目的、機構の任務、機構がよって立つべき原則、加盟国の地位、理事会、総会、事務局などの機構の組織、機構の財政、機構の地位などにつき規定されております。
 資料からもおわかりになるように、本件協定案上加盟国が負うことのある法的義務はできる限り軽減されたものとなっておりますが、これはKEDOに国際社会のできる限り幅広い参加を得ることが極めて重要であるとの日米韓三カ国の認識の一致に基づき、各国の早期参加が容易となるよう配慮したためであります。このような本件協定案については、従来の憲法解釈及び慣行に照らし、行政権の範囲内で締結し得るいわゆる行政取り決めに当たると判断される次第であります。
 今後の段取りについて申し上げますれば、まず八日及び九日にはニューヨークにおきましてKEDO設立準備のための国際会議が開催され、アジア・太平洋地域、ヨーロッパ、北米及び中近東地域より約二十カ国が参加する予定であります。さらに九日には、日米韓の三カ国が所要の国内手続を経た上でKEDOの原加盟国として本件協定に署名することとなっております。同協定は原加盟国の署名により発効することとされておりますので、この署名をもってKEDOが正式に発足することとなるわけであります。
 北朝鮮の核兵器開発問題はKEDOの設立により解決されるわけではなく、むしろようやく米朝合意の実施のための体制が一応整うにすぎません。北朝鮮側の対応にはいろいろな意味で予断を許さない面があり、今後も紆余曲折が予想されます。我が国としては、今後、KEDOへの参加を通じて北朝鮮の核兵器開発問題の解決に向け、米韓両国を初めとする関係諸国と協調しつつ最善の努力を行っていく考えであります。
 今後とも本件について適時に御説明申し上げ、国民の皆様の一層の御理解を得てまいりたいと存じます。
 ありがとうございました。
    ―――――――――――――
○委員長(坂野重信君) 次に、木宮和彦君の質疑を行います。木宮和彦君。
○木宮和彦君 私は自由民主党の木宮和彦でございます。予算委員会での質問はきょうが初めてでございます。いろいろと長い間各大臣お疲れだと思います。特に総理大臣はお疲れだと思いますが、もうわずかでございますので最後までひとつ頑張っていただきたいと思います。
 私は、参議院でございますので、衆議院と違いまして視点を変えます。特に地震の問題あるいは信用組合の問題は毎回出ますので、もう私も食傷していますが、皆さんも食傷していらっしゃると思いますので、少し違った方向でひとつこれから質問をさせていただきたいと思います。
 御存じのように、参議院には解散がございませんので、できれば五年あるいは十年あるいは二十年、三十年、そういう長期にわたっての政策といいますか、そういうものについてぜひとも考えていきたい、こういう視点からきょうはお話をさせていただきます。それには例えば今もお話がありました外交の問題、教育の問題、環境の問題、あるいは防衛の問題、こういうものは私は本来参議院でよく考えて議論をすべきではないかなということを常々考えております。
 さて、きょう質問するについて、古い新聞でございますが、一月二十日、古くもないですけれども、今回の総理大臣の施政方針演説、新聞を取り出しまして実は私は夕べ眠い目をこすりながら三回これを読みましたけれども、大変いいことが書いてある。こんないいことを言ったかなと今さらのように実は感心をしております。しかも、総理大臣の人柄がこの文章の中にたくさん出ております、特にタブーになることを本当に勇気を持ってこの施政方針演説に。
 特に行政改革の断行について、総理はそのときにこう述べられていますね。「戦後の我が国の発展を支えてきた行政システムも今やいろいろなひずみを生じ、従来どおりのあり方をそのまま踏襲したのでは社会のニーズにこたえることができなくなりました。」と、こう途中で言っていらっしゃいます。まさに私もそのとおりだと思います。
 続いて、「改革の方向を一言で言えば「官から民へ、国から地方へ」であります。すなわち、官と民との関係は規制緩和、国と地方との関係では地方分権、国民の信頼確保の観点からは行政情報の公開を求め、また、行政組織やそれを補う特殊法人等を改革して、簡素で効率的な、国民の信頼にこたえる行政を実現しなければならない」と、こうおっしゃっています。
 そして、最後の方に、「行政改革は本内閣の最大重要課題であります。私は、言葉だけ」、言葉だけですよ、いいですか、「言葉だけの改革に終わることのないよう、不退転の決意と勇気を持って実のある改革を断行する所存であります。」と、こういうぐあいにおっしゃって演説をされたと思いますが、御記憶だとは思いますけれども、今もその決意にはお変わりございませんか、総理。
○国務大臣(村山富市君) 今、私が本会議で申し上げました所信表明演説の内容の紹介がございました。行政改革の推進がこの内閣の最重要課題の一つとして取り組んでおることについては変わりはございません。むしろ内閣一体となって腹を決めてひとつやろうではないか、こういう確認もし合っておるところでございます。
 具体的に申し上げますと、特殊法人につきましては、これはもうこれまでも申し上げてまいりましたけれども、各省が所管をする問題については、二月十日までに各大臣の責任において特殊法人の整理について結論を出してほしい、こういうことをお願い申し上げました。これはもう各省、各大臣が、これは大変難しい問題もあったかと思うんですけれども、いまだかつてない私は実績を上げてくれたんではないか、こういうふうに評価をいたしております。現に、合理化と効率化を実施して十四の法人等を七法人に統合し、五つの法人については廃止、民営化等を行うことを内容としたものを二月二十四日に決めているわけです。
 しかも、残っている法人についても、これはできるだけ簡素にしてそして効率化を図っていく、すべて明らかにできるところは公開していく、こういうことまで申し合わせをして、そして推進をしていこうということも確認をいたしておりまするし、まだ年度内には日程もあるわけですから、やれる範囲のものは残された問題についても精力的に取り組んで、年度内に決着がつけられるものについてはぜひひとつ決着をつけてほしいということを私からも各閣僚にお願いして、まだ作業が進められておる、こういう段階にあることについても御理解を賜りたいと思うんです。
 それから規制緩和につきましては、先ほども申し上げましたけれども、これは年度内に五カ年計画をつくってそして規制緩和を推進していく。これはやっぱり時代の変化あるいは経済の動向、諸外国の動き等とも見合いながら、規制緩和というのは絶えず点検をしていく必要があるということの内容のものだと思いますから、毎年毎年見直しをして、そしてさらに是正を加えながら規制緩和を計画的に推進をしていこう、こういうことも閣議で決定をいたしておるところでございます。
 それから国の行政の仕組み全体を官から民へという意味で地方分権を推進していこうというのが時代の流れでもありますし、地方六団体からも強い要請もございますし、国会でも御決議をいただいている、こういう状況にもございますから、地方分権推進大綱というものをまず決めて、その大綱に基づいて審議を進めた上で、そうした皆さん方の意見も十分反映をさせる形で法案を作成して、地方分権推進に関する法律案をこの国会にも提出をしてこれから御審議をいただくという段階になっておりまするけれども、ぜひ地方分権もそういう意味で進めていきたい。そして、国が受け持つ分野と、地方自治体が独特で地方に合った形でもって行政が責任を持って推進できるような、そういう国と地方との仕事の分野の仕組みというものも変えていこう、こういう意味で地方分権推進をさらに進めていこうということにしておるわけでございます。
 なおまた、行政改革委員会というものも設置をされまして、その行政改革委員会が今申し上げましたような行政改革の進捗状況を絶えず監視をしながら勧告もしていただく、そして二年後には情報公開法も制定できるような段取りもつけていこうという仕事も進めていただくことになっておりますから、そうした意味における諸般の分野を推し進めていって、そして全体としてなるほど行政改革はやった、こういう結果が生まれるようにこれからも精力的に努力をしていきたいというふうに考えておるところでございます。
○木宮和彦君 ひとつぜひ総理大臣が先頭になって、先ほど私が読みましたように、言葉だけではなくて実行できるように御努力を今後も一層お願いいたしたいと思います。
 ところで、国家予算でございますが、現在大体七十兆、この総理大臣のあれに出ておりますが、そのうちの二割を国債費の償還に充てておりますね、大体十四兆ぐらいですか。これは言ってみれば、国家はまさにサラリーマン化しまして、大きなサラリーマンでございまして、もう月給は上がらない、先ほど来お話がありました景気の動向もございますけれども。人間でいえば、日本人が大体六百万ぐらいの年収があると思いますが、ちょうどその二割の百二十万くらいはローンを払っているようなものでして、六百万とすると月給にならせば大体五十万ですね、ボーナスがゼロというか、それの中に入れちゃいますと。
 そうすると、その五十万の中でともかく毎月毎月その二割ですから十万円はローンで私わにゃいかぬ。あとの十万は、年寄りがあれば、年金といったって老夫婦二人でせいぜい十万か十二万ぐらいですから、十二万円じゃちょっと夫婦は暮らせないから子供がやっぱり十万円くらいは仕送りせにゃいかぬので、これがいわゆる国家でいえば年金の原資になると思います。これでもって大体二割はなくなっちゃうわけですね。あと子供の教育費その他になりますと、五十万でともかく二十万取られちゃう、あと残った三十万で子供の教育から生活費から何からかにから全部やらにゃならないということになりますと、赤字が出れば借金をする、借金をすればその利子がつくというようなことで、大変問題が起こってくるわけです。
 そうなると、どうしたってやっぱり奥さんがもう少し高いアルバイトをやるなりして稼ぐなり、あるいは支出を減らすなりしないとその家はパンクしちゃうと同じように、国も同じようなことが言えると私は思います、それについては大蔵省は大変頭を痛めて、毎年毎年シーリング、シーリングということで、言ってみれば経費を詰めて、食事あるいはレジャーに行くのも詰めるお母さんみたいなもので、まさに現在の日本の状態をあらわしているのではないかなと、私はそう思います。
 だから、今までと同じような発想でもって予算を組んでいきますと、いずれどこかでパンクしてしまうことは目に見えている。パンクしないためにはお札を増刷してインフレにする以外に方法はないわけです。だからここでそうならぬように行政改革をして、特殊法人も整理合理化をして、ただこの間発表がありまして、大変私は政府の努力はよくわかります。わかりますが、しかし果たしてあの特殊法人の統廃合がいわゆる国家財政を少しでも減らすようなそういう実効がありや否やということは私は非常に疑問に思っているんです。
 私は各省のことは全部知っているわけじゃございません。例えば文部省管轄だけでいきますと、私学振興財団と私学共済組合を一つにして一つ減らした、これがこの間の発表でございます。共済組合をなくすわけにいきませんから。ただ一点、私学というところだけで共通だから一緒にしちゃったというだけの話で、言ってみれば数合わせ。昔、兵隊のときに員数合わせというのをやりましたけれども、自分の物が盗まれるとよそへ行って持ってきてやっちゃうという、そういう員数合わせをやりましたね。自分のがなくなると殴られるから、殴られちゃかなわないから夜中に起きていって人の物を持ってきてやるようなもので、言ってみれば特殊法人のこの間の発表はそれに近いと私はそう思うんですが、どうですか、総務庁、所管大臣。
○国務大臣(山口鶴男君) お答えいたします。
 九十二あります特殊法人すべてにわたって組織機構の見直しをいたしまして、スリム化できるものはスリム化するということをまずやりまして、その上で、先ほど総理からお答えがありましたように、十四の法人を七つに統合する、さらに五つの法人に対しては廃止、民営化あるいは組織形態の変更という形をとったわけでございまして、全体的にスリム化する努力をやっているという点をぜひとも御検討いただきたいと思うんです。
 そして、具体的にそれではいっその成果が上がるかということでございますが、これも先ほどお答えいたしましたが、具体的には法律を提案いたします際に役員等の数がどうなるかということは明らかになりますし、また明年度予算、さらにその次の予算編成の際に、具体的に財政的なメリットが幾ら出てくるかというのはその際明らかになるというふうに考えておる次第でございます。
○木宮和彦君 ぜひひとつその数字を出してもらわないと、せっかくやったことが徒労に帰して、今度は減らしたら余計支出が多くなったんじゃこれは困りますので、ぜひその辺は十分配慮してやっていただきたいと、私はそう思います。
 先ほども申し上げましたが、今、日本では国債の赤字累積が二百十五兆ですね、大蔵大臣。それを国民一人当たりに割りますと、大体百七十五万円ぐらいになります。ですから、夫婦二人のおうちではその倍ですから大体三百五十万の借金を国民一軒ずつが、四人家族ですと七百万。私は夫婦だけですが、そんなに国に貸したつもりはないですけれども、しかし勘定していくとそういうことになるんです。それをやはり国民によく知らしめる。それは口じゃ言いますけれども、なかなかそこまで国民は、政治家もそうですが、それを考えないで使うことだけ考えるとこれはえらいことになる。
 しかも、その二百十五兆が、先ほど外務大臣の話もありましたが、これは恐らく北朝鮮に、ODAか何か知りませんが十億ドルくらいは持っていかれちゃうでしょうし、それからこれからますます年金もふえるであろうし、医者のあれもふえるだろうし、あらゆるものがふえていくので、減るというものは一つもないんですよね。
 ですから、ひとつこの際ぜひとも私がお願いしたいのは、政府がやっていることで民営化できるものは、ともかく民営化できるものは全部してもらいたい。個々にわたったことを言いますと大変御機嫌が悪くなると思いますけれども、これはしょうがないですね、私も議員でございますから。
 例えば文部省は、今の国立大学と私立大学はどこが違うと私は言いたいんです。それは一部は違う、それから設置者が違うのは知っていますよ、私もそのくらいは。私学には建学の精神がある。国立大学にはそういうものは薄いですから、そのくらいはどなたもわかると思うんです。やっていることがそれじゃどこが違うか。もしお答えできれば文部大臣もお話ししていただきたいんです。
 それから厚生大臣にもそうなんですね。国立病院と民間病院ですね、民間医療機関。この間も宮崎議員からお話がありましたが、やっていることは同じじゃないかと。この間の震災もそうだったが、高度の例えばがんセンターだとかあるいは何か特別の奇病を特別に勉強するというような病院はこれは別でしょう、これは国がやらなくちゃいかぬ。でも一般病院の場合でしたらもうやっていることは違わないですから、国立病院もできるだけ民営化する、あるいはほかに地方に渡す。国立大学もそうだし、病院もそうだと思います。
 郵政の方もそうだと思う。郵政も言うと、これは鬼門でしてね、すぐあしたから特定郵便局長にやられますけれども、でもやっぱり言うときに言わないといかぬものでね、ある程度は。余り言いませんけれども。私の知っているのは、誤解があれば間違いと言ってください。去年ですか、切手、郵便代は値上げしたけれども、郵便小包は上げなかった。それはその前の年に上げたからとおっしゃっていましたけれども、しかし私はそうじゃないと思うんです。やっぱり小包を上げたかったんだけれども、宅配便があるから、上げちゃうとみんなそっちへ行っちゃうから、競争相手がいるからある程度これはもう抑えざるを得ない現実があったんじゃないかなと、これは私の勘ぐりでございますけれども。 
 どうですか、そういう点で民営化できるものはひとつ各大臣とも、役人さんの抵抗はたくさんあるし、いろんな意味で組合も抵抗があると思いますよ。あるけれども、しかし七十兆の中でこれから新しい政策をやっていく以上は、特に文部省なんというのは八〇%が人件費ですから、何とかここら辺を考えていただかないと私は予算が将来組めないんじゃないかと思いますので、ひとつよろしく。
○国務大臣(与謝野馨君) 先生の御質問は、多分国立大学と私立大学の果たす役割の相違は何かということだろうと思います。
 国立大学は、医師、教員などの計画的な人材養成や大学教育の地域的偏りのない全国的な展開に寄与するとともに、理工系分野、特に基礎的分野や宇宙科学、核融合、生命科学などの先端的分野において重要な役割を果たしております。また、大学院については、学生の約六割強が国立大学に在学しており、我が国の大学院教育の主力を担っております。
 一方、我が国においては、学部学生の約八割が私立大学に在学しており、私立大学は独自の建学の精神に基づく特色ある教育研究を行うことにより我が国の高等教育に多大な貢献をしてきていると考えております。
 したがいまして、今後とも国立、私立大学がそれぞれの役割に応じた特性を発揮して我が国の高等教育や学術研究の維持、充実をともに図ることが必要であると考えております。
 なお、文部省予算の中に人件費が非常に大きな部分を占めているということは、義務教育費国庫負担ということがございますから当然のことであると考えております。
○国務大臣(井出正一君) 近年の高齢化の進展、あるいは疾病構造の変化、さらには医学医術の進歩、また医療機関の量的確保の達成等医療を取り巻く環境の変化を踏まえまして、地域における基本的あるいは一般的医療の提供は、先生おっしゃるように、私的医療機関ないしは公的医療機関にゆだねて、国立病院あるいは国立療養所は国立の名にふさわしい広域を対象とした高度医療あるいは専門医療等の役割を担っていく必要があると考えております。
 したがいまして、国立病院・療養所におきましては、民間の医療機関とは異なって、国の医療政策として特に推進すべき高度先駆的な医療や専門医療などのいわゆる政策医療、さらには政策医療と直結した臨床の研究、さらには地域の開業医の皆さん等の教育研修等を今推進しているところでございます。
 国民医療の向上を図る上で、今後とも国がこのような役割を果たしていくことは必要不可欠でございますし、またこれらの部門は民間では通常行いがたい不採算な事業でもございますから、このような役割、事業を担っている国立病院・療養所を民営化することはなかなか難しいと思います。
 ただ、厚生省といたしましては、もう十年来、国立病院・療養所がより今申し上げましたような役割を積極的に果たしていくために再編成を進めております。この七年度で十年目を迎えるわけでございますが、地元の自治体等の御理解も正直のところ最初に考えたほどはまだいただいておりませんものですからなかなか計画どおりには進んでおりません。そんなことで、この一月からスタートさせたのでございますが、有識者による懇談会を設けまして、今後の政策医療のあり方、再編成等について御議論をいただいておるところであります。
 この懇談会の御提言を踏まえて、二十一世紀において国立病院が果たすべき役割を明確にするとともに、再編成を一層推進するための方策や検討を現行の再編成計画の見直しなどを含めて進めていきたいと考えております。
 そして、決してこの見直しをギブアップしたわけじゃございませんで、より積極的にやっていきますし、例えばこの計画に基づいて統合等を行った結果、国立病院・療養所として使用しなくなった病院等の土地や建物は地方公共団体やあるいは公的な医療機関の開設者の皆さん方に譲渡することにもなっておりますので、そういった施設が引き続き、今申し上げましたような医師会立の病院とかあるいは私立大学の病院とか〔日赤さんとか、そんな皆さんに経営される場合ももちろんこれからふえていくと思います。
○国務大臣(大出俊君) 簡単にお答えをいたしますが、今、郵便料金を上げるときに小包を上げたかったんだけれども上げなかったんだろうというお話がございましたけれども、実は小包の方は平成四年の十一月に一七・七%上げておるわけでございます。これはその前に民間が相当大幅に値上げしておりましたが、上げずに来たわけでございまして、したがって後を追って上げたということでございます。その後、郵便料金は十三年間上げておりませんので、十三年間のCPI、つまり消費者物価の上昇率を計算しますとほぼ二四%なんですけれども、したがって二四%の値上げを平均してその後行ったという経緯がございます。
 そこで、民営化という今お話がございますけれども、郵便局は御存じのように二万四千の局、全国あまねくネットワークがございまして、そういう意味で、山間僻地であれ離島であれ、非営利の国営ということで今日までやってきておりまして、しかもこれは郵便と一体でございますから四年に上げまして、その後、小包は黒字になっております。したがって、全国一律、均一料金の郵便とセットにいたしますとトータルでコストが下がるということになっておりまして、そういう点等も考えまして国営という今の形を変更する理由はないのではないか。
 特に非常に大きな問題は、今度の阪神の大災害でございますけれども、私も参りましていろいろ手配もしたりいたしましたが、宅配便をやっておられる方々、このときあの地域に対して送るのはしばらくの間、大体一月いっぱいぐらいだったと思いますけれども全部とめて発送しておりませんが、私どもの方は、十七日に地震がございまして、十八日の日に中心の神戸中央郵便局、約七百名おりますけれども、二十名前後が自分のところもつぶれているんだが出てきてそれでも配達をすると。職場の諸君と、私も配達の経験者ですから話してみましたけれども、行くとつぶれていて何も書いてない、ところが、つぶれているんだけれどもどこにと書いているのもある、だから行ってそれを見つけて何とか配達していますと。しかも、そのわからないのを一生懸命手分けで探して配達をしていますと。
 ですから、十八日の日に全国二万四千の郵便局に、毛布がないというわけですからまず毛布、それから保存にたえる食料品、加工を要しないものというふうに切って、神戸というふうに中心を絞ってお願いをしたら、私が四日目に参りましたらもう二万数千個集まっておりまして、そういう点ではやっぱり国営で非営利でやってきた大きなメリット、効果がある、こう思っているわけでございます。
○木宮和彦君 それは別にいいかげんなことをやっているとは私は決して思っておりませんし、郵便局の方々、本当に感謝申し上げております。これは国立大学も同様でございます。決してそれをなくせとか、私はけちをつけているわけではございません。ただ、民でできることは、もう明治時代と違うんだから、例えば今度の震災だって、民間だってボランティアを出したり、あるいはあるチェーン店では一生懸命いろんな食料品を持っていってそして助けたという話は、郵便局だけがやったわけでもないし、それから国立大学もそうでございますが、私は国立大学を決して悪いなんて言っていないんですよ。
 ただ、私立大学と比べれば、第一に学生数からいうと八対二なんです。二〇%しかいないんです、国立大学は。ところが、国家予算を使っているのは国立大学特会でいきますと大体一兆五千億くらい使っているんですよ、税金を。私学には二千五百億か二千八百億、どちらでも大した金額じゃない。言ってみればこれも大体二対八なんですよ、二対八。少ないところに八やって、多いところに二しかやらないから、二、八、十六倍違うんですからね、その価値ありますかということを私は言っているんですよ。
 それよりも、それをある程度父兄にも負担させ、もし父兄が負担ができなければ、これは育英会か何かでもって無利子か何かでもってたくさん用意して、選択肢をたくさんつくって、それで余った金をよそへやれとは言いませんが、それを大学院の方へやって、先ほどの峰崎先生の話じゃないが、日本の将来の計画といいますか、技術の振興のために私はそれをぜひやってもらいたい。そのくらいの発想をしないで今までと同じ発想でやると、これは税金のむだ遣いだと、私はそう思う。皆さんはそう思わないけれども、私はそう思う。現に大学の中にも不祥事があって、長年の間に架空の伝票を切って、何千万円か知りませんけれども、それを食ったり飲んだり、あるいはほかの方に使ったと。つい最近の話ですよ。あんまり名誉な話じゃないから言いませんけれども。
 ですから、やはりそういう意味で文部省も、あらゆる省庁がやはりこれだけ日本の国家財政が危機のときには、総理大臣がこれだけ寄ってくれるなら、言わなければ私こんなことは言いませんよ、総理大臣が自分でやると、こうおっしゃっているんだから閣僚の皆さんも、それからまた各省庁の役人さんもやっぱり同じ気持ちでぜひ強力に進めてもらうということが私は大変いいことだと思うんで、どうぞよろしくお願いいたします。
 さて、次、余りばあっとしゃべっちゃうといけませんので、まあやめましょう。
 次は、民営化できるものは民営化が今終わりました。今度は公務員の一部にぜひパートを雇ってもらいたい。
 きょうは労働大臣もいらっしゃるかもしれませんが、労働省はなかなかしゃれたことをやっているんです、さすがに。パートサテライトとかパートバンクとか中高年職業相談室、女性職業サービスルームというのをわざわざ安定所の出先としてデパートの中にコーナーをつくって、そこで女性の相談をしたり、あるいはパートの世話をしたり、なかなか、ちょうどどこかの市長さんみたいなことをやっているわけですよ。これはやはりその点は労働省は大したことあるね、さすがに労働をやるだけのことはあると思います。
 それから文部省の方も、教育委員会ですか、直接は。最近は先生方にも育児休暇とか出産休暇とかいうのが法的に、そのたびに正規の先生を雇うわけにはいかないですから、ですからやっぱりパートの先生を頼んでその期間十カ月なり一年なりを雇用せざるを得ない。これパートでしょう、給料はどうか知りませんが。この人は身分を保障されているわけじゃありません。代替教員ですから、本当の人が来ればその人はやめざるを得ません。これは当たり前の話ですよ。だけれども、私の聞いた範囲では、パートの先生の方がいいって子供が言うんですよ。本当の先生が帰ってきてくれちゃ困るというふうに父兄もそう言う。
 だから、私はパートというものをせひたくさん使ってもらって、みんな一生懸命やるんですよ。中には、いいのはそれはまた将来採用するように考えればいいじゃないですか。これは私はそういう柔軟性がなくちゃいかぬ。
 亀井大臣、きょういらっしゃいますけれども、例のスチュワーデスの問題、あれはいかぬ、けしからぬ、責任を持てぬやつをやってはと、ああいうことを言っちゃいかぬ。それは確かに安全性のことはわかりますよ。だけれども、それは機長をパートでやれと言っているんじゃないんですよ、スチュワーデスの範囲で。それは確かにそんな格差があってやっちゃいかぬというのは道徳的には私はわかりますが、そういう矛盾はこの世の中には何ぼでもあります。
 私は、そういう意味で、何とかパートというものをもうちょっと皆さんに認識していただいて公務員の中にもぜひともそれはお願いしたいと、こう思うんですが、亀井先生、お願、いします。
○国務大臣(亀井静香君) 私は、パート労働はやはり社会的な現在の状況から見ましても価値のある仕事であると思います。ただ、安く使ってやろうというようなそういう観点から、同一労働同一賃金という精神を踏まえないでそういう制度を導入していくことを推奨するわけには私はまいらない。
 委員からスチュワーデスの問題が出されましたので申し上げますと、やはりこれも同じ仕事をしておる者にはやはり同じ待遇をするということでなければならないと私は思います、一つは。それと、やはり同じ仕事をしておりながら、殿様とこじきとは言いませんけれども、べらぼうな格差のもとで同じ仕事を同しキャビンの中でさせて、緊急事態に一体となって対応するということが義務づけられておるわけですから、例えばどんなに訓練をいたしましてもガードマンと機動隊員を混成部隊にしてこれは緊急事態に仕事はできないわけでありますから、安全性に影響のあることについては私はその観点からもそうしたことをやるべきでない。
 ただ、おかげさまで私どもの大体指導どおりに今、航空三社はやってくれておりまして、三年たてば無条件で本採用に切りかえる、それまで試用期間。また、給料も大体毎月ならしますと十万円以上割ることはない。また、事故が起きましてもスチュワーデス並みの事故補償をするという形になっておるわけでございます。御理解を賜りたいと思います。
○木宮和彦君 理解していますよ、私は。ただ、日本航空の航空運賃が世界じゅうに比べて安いとかあるいはサービスが悪いとかいうのなら話は別だけれども、現に日本航空は決してダンピングしないから、結構ね。だから、私はそういう意味で、そこがそうやらざるを得ないというのはどこかおかしいんじゃないか、もっとほかに理由があるんじゃないかなということをつくづく思うんです。
 それからもう一つ、警察の亀井先生ですから、私は警察ももう少し、例えば交通指導員だとかあるいはガードマン、今もガードマンという話ありましたけれども、これだけ世の中が物騒になってくるとやはりある意味においては準公務員ですな、民間がやれる範囲、無論やれないものはありますよ、やれないのは当たり前なんですが、やれる範囲内のものはやはりそういうものを活用していく、民の力を、パートを。私はそういうことに反対の人は余りいないと思うんですが、いかがですか。もし御反論ありましたら、どなたでも結構ですからひとつどうぞ。
○国務大臣(野中広務君) 現に警察におきましては、大変刑事能力を持った退職いたしました警察職員、あるいは交番業務等について体力的になお能力のある人たち、こういう人たちを退職後も雇用いたしておるシステムを構築しておるわけでございます。今後も、そういうノウハウを持った人たちは十分活用をしていくように努力をしてまいりたいと存じております。
○木宮和彦君 公務員だからといって何でもかんでも真っすぐでなくてもいいと思います。少し柔軟性を持っても私はいいと思うので、各省、私は金がなければ知恵を出せ、ひとつ知恵を出してもらって、そしてぜひ(発言する者あり)知恵のない者に金を出しちゃいけないのでね。やじが飛ぶものですから、つい。そういうことでございますので、ぜひよろしくお願いいたしたいと思います。
 また文部大臣、いきますか。申しわけございません。
 政治改革も小選挙区になったでしょう、経済改革もあるし、それから行政改革も今やっているし、ですから私は教育改革もやるべきだと思う。それは六三三制で枠だけやれぬことはないですけれども、しかし教育という問題はなかなか反響も大きいし不安も大きくなりますからそう簡単にはやれません。しかし、やはり教育はこの際もう一回大々的に見直していただいて未来を見据えてやってもらいたいなということを、私は自民党としてもこれは大いに張り切ってこれから教育改革の検討委員会をつくってやろうと思っておりますけれども、特に義務教育、今のような義務教育だけでいいのか。
 この間、いじめの問題がありました。大分国会でも問題になりましたけれども、もう日がたつとまた忘れちゃう。忘れたころにまた茨城県で自殺があった、また月日がたつとまた忘れちゃう、またどこかでいじめによる自殺者が出る。親が悲しむのがわかっていて自殺するのはよくない。それは一番よくないですよ。そこを間違えないでください。それからその親も悪い、そんなことに気がつかない親が。その次にやっぱり社会が悪いし、学校の先生が悪いし、教育委員会が悪いし、もっと悪いのは、やっぱり今の義務教育のシステムそのものを多少変えていかないと私はだめだと思う。
 それは子供たちにとって選択肢がない。あるとは言うでしょう。それは法律上はあることになっているけれども、実際そんなことを申し出たって教育委員会が伏せちゃいますから。だから、親はやっぱりそこの学校へ通いなさいと。学校を休めばやっぱり親は一生懸命行かせるようにするし、子供は行けばぶん殴られるし、家へ帰れば行けと言うし、行けばぶん殴られるし、行くところがない。気の小さい子供がこのごろ多くなっちゃいました、少子化ですから。そうなると、勢い自分で自分の命を絶って清算した方が楽だという安易なことをとっちゃう。これは言ってみれば逃げですよね。でも、やっぱり選択肢をね。
 これから小学校の生徒がどんどん減っていくんですから、十万くらいの都市だったら少し統合して一つあけて、そこへ学校法人、どこかにただで貸して少し謝礼を取ればいいんだから、そうすれば国の費用も半分で済むだろう。そうすれば親の方だって避難所みたいなもので、そこが一生懸命やれば、車の両輪みたいに公立と私学とが両方ともうまくいくと思うんです。
 幼稚園を見てください。幼稚園は、八割は私立てすよ。公立の方は二割ぐらいだと思います。私の調べたところでは、なかなか調べにくいんですけれども、幼稚園の場合を言いますと、現在、大体三歳児が全国でもって保育所と幼稚園と両方を入れますと何と八一・五%通っています。それから四歳児以上になりますと九一・五%。静岡県をとりますと、静岡県の場合にはちょっと全国レベルより高くて三歳児が八七・五%、それから四歳児以上が九六・六%。もう幼稚園、保育園というのは義務教育ですよ。親はそう思っているんですよ。幼稚園へ通わせないでいきなり小学校へ行けば落ちこぼれちゃうんです、正直言って。
 しかも、その八割がどのぐらいかというと、例えばこれは全国の場合でいきますと、父兄の金と公費と両方入れますと、大体公立の幼稚園は年間一人当たりで八十万、それから私立幼稚園は五十一万、それから保育園は五十八万、これは全国平均です。静岡県は違いますけれども。小学校はどのぐらいかというと、保護者の負担全部入れますと大体九十九万くらいかかっている。
 ですから、幼稚園というのは非常にコストが高くつくんです。なぜかというと、子供の数が少ないんです。一つの幼稚園で二百人なんていうのは少ないぐらいで、大体百人台くらいが多いんです。小学校も最近減りましたが、それでもまだまだ。クラスの数によってやはり先生一人の給料を払う。これは経営努力もあると思います。先生の給料が安いということもありますが、特に幼稚園の場合には理事長先生がみずからスクールバスを運転して子供を送ったり迎えたりして、それが現状でございます。本当ですよ、これは。うそだと思ったら聞いてください。中には悪いのもいて、自分だけ給料を取ってほかの人にはやらないという人もいるかもしれませんけれども。これはまあいろいろ例はたくさんあると思いますが、もうこの数字を見ればわかるんです。ですからそういう意味で、やはり幼稚園の教育、それから小学校もある程度コストを下げることも考えなくちゃいかぬと思います。
 だから明治の人は頭がよかったですね。あのころは金がないんですから、そのかわり全部義務教育にしようということで何をやったかといえば、まず第一に規格でもって部屋は四間、五間の二十坪、廊下が一間、半分が土間。先生は、師範学校を一年やれば小学校の先生の免許状をくれた。しかも、師範学校は授業料はただ。だから優秀な人が集まってくる。同時にまた、もっといいことには、兵役を短縮して六カ月、二年のところを六カ月行けばおまえはもう来ぬでもいいよと。召集も余りしなかった、最後まで。そのくらい特典を与えていますね。教科書も一種類。これはもう昔はロットが大きいから、親に買わせたんですから、昔は教科書を、今はただですけれども。
 そういうことを考えていきますと、ともかく優秀な人を育てるためにはそういう工夫をして、金のかからなくてしかも能率の上がる教育をしょうというのでやって、今日の日本の経済を保っているのは、まさに明治からずっと終戦のときまでのそういう教育がやっぱり私は大きな影響をもたらしていると思いますよ。そういう点ではもうそれは文部省を褒めます。ありがとうございます。
 しかし、これからはそれではいけないんで、どうぞひとつこの辺で、総理大臣、特に私立大学の問題、私は調べたんです。どうしてこんな私立大学が悲劇をこうむらにゃならぬかと思ったら、びっくりしましたが、大蔵省、文部省、通産省、局長以上次官まで調べたところが、国立大学オール一〇〇%。科学技術庁、これは去年が八七・五%、ことしは七五%、国立が。ですからそういう意味で、だんだん変わっていくかもしれないけれども、ともかく今のところは国立にあらずんば学校にあらず、そういう感がしますが、この辺もやっぱり、私はこれは試験が不正だとかなんとか言っているんじゃないんですよ、ともかくその辺がやはり一つの国としての姿勢が私は大事だなと、そう思います。
 総理大臣は明治でした。橋本先生は今ちょっとお休みですが、慶応です。それから外務大臣は今いらっしゃらないけれども、これは早稲田だ。だからいろんな意味で、ぜひひとついろんな面で、私は別に強制的にやるのは嫌いなんですが、やはりみんなの意識が何とか私立大学も認知してもらいたい、ぜひひとつその辺をよろしくお願いいたします。
○国務大臣(与謝野馨君) 先生がいみじくも御指摘になられましたように、政界ではもう私立優勢でございますから、どうぞ御安心をいただきたいと思います。
 そこで、教育行政の基本というのは一体どういうことかと。これはやはり小学生の数にしますと九百万人おられます。中学生が五百万人、高校生が約五百万人おられるわけですから、約二千万人近い小学校、中学校、高等学校の児童生徒、またその方々の御両親、保護者、こういう方にすべて御満足をいただけるような文教行政、教育行政というものを心がけていかなければならないというところになかなかのつらさもあるわけでございます。
 しかしながら、いよいよ二十一世紀まであと五年足らずでございまして、私どもとしては、二十一世紀を狙う人材をどう今後育成していくのかということは、先生のいろいろな各論もございましたが、そういうものを全体まとめて識者の御意見をお伺いしようということで、しばらく休んでおりました中教審、中央教育審議会、この再開を今計画しているところでございまして、近々中教審が再開され、先生が御提示になられましたようなテーマも十分その場で議論されるものと思っております。ぜひ御期待をしていただきたいと考えております。
○木宮和彦君 あと四分になりましたから、やっぱり地震のことと信用組合のことを言わないと政治家じゃないような気がしますので一つずつお伺いしますけれども、(「さっき言わないと言っていたよ」と呼ぶ者あり)いや、最後に言わないとやっぱりぐあいが悪い。
 私は、思いつきでございますが、大蔵大臣、一番大事なのは、大蔵大臣の言う金融秩序というものを守ることは最重点的な要件だと思います。
 ともかく我々は、国民の生命、財産を守るということが大事なんですよ。しかし問題は、今回の場合には余りにも悪いと。これはもういいです、もう首になっちゃったから構わないけれども、しかし問題は、その預金者、一千万まではともかく一〇〇%、金利はくれないまでも一千万までは返してくれる、いわゆる預金の保険があるわけですね。だから一千万を超えた部分については、保険機構外のものは、この隣どうですか、九〇%返してやるとか、一〇%はおまえらの責任だというような、これは非常に政治的解決かもしれませんが、そうしてでもいいからともかく今回のことは早くクリアしてもらわないと今言ったようないろんな危機管理が起こると。
 そして、この次はそういうことのないように、一人一人の国民に、銀行といえどもいいかげんなことをやっているとつぶれちゃうぞ、だからしっかりしたところへ自分でもって、私はリベラルという言葉は、まさに自分の意思で自分で実行してそして自分で責任をとるというのが本当の意味のリベラルだと思います。言うだけ言ったじゃいかぬ。
 だから、ぜひそういうことを、私は政治家が論議の中へ入ってもいいんじゃないか、これは法律を遵守しなきゃならない役人の立場からしてそんなことはできるはずはないんですけれども、私はこれは一つの自分の意見でございますので、別にそれをするしないというそんな返事は要りませんが、どうぞひとつお考えをいただきたいというのが今回の問題の一つでございます。
 それから地震の方は、地震の予知ということを静岡県、私は静岡県なものですから非常に熱心にやっていますが、果たして地震の予知というのはできるのかできないのか。私はどうもできないような気がして、そのお金があるんならその七十億をほかの防災に使った方がいいんじゃないかなという気がするんですが、これは暴言でしょうかね。ひとつどなたか、国土庁かな、あれは。地震予知連絡会というのはどこですか、所管は。科学技術庁ですか。
○国務大臣(与謝野馨君) 地震予知が可能かどうかという問題ですが、予知という言葉は事前にあらかじめ次に起きることを知るということでございます。地震を予知する場合には地震の前兆となるいろいろなデータを集めなければならないわけです。しかしながら、そういうデータが集まったからといって必ずしも地震が起きるわけではないと、そういう関係にあります。
 そこで、そういうデータを集めているところが一体どのぐらいのところで集めているかといいますと、もちろん一つは気象庁が広範囲に集めております。それから大学、国立大学が中心でございますけれども、北は北大、東北大、東大、名古屋大学、京都大学等が地震関係のデータを集めております。海上保安庁も海を中心にデータを集めておりますし、そのほか国土地理院、地質調査所、こういうところも地震に関するいろんなデータを持っております。
 そこで、一体どれほどのデータが地震に関係あるのかということはそう簡単にはわかっておりません。微動地震を観測するとか、地下水の水位を観測するとか、ひずみを観測するとか、二地点間の距離を観測するとか、いろんな説があります。しかし、そういうものに異常が起きたときに果たしてそれが地震につながるかということであれば、そう簡単にいかないわけです。天気予報ですらそうは当たらない、外れることもある世の中でございますから、地震の予知というものがそう簡単にできるはずもないわけでございます。
 しかしながら、やはりこの地震の予知というのは国民にとっては大変関心のあることでございますし、仮にそういうことができるということであれば多大の利益を得ることができるわけでございまして、文部省の予算では年間約二十三億円の予算がこういうものにつき込まれておりますし、地震予知に関しましては科学技術庁がそういうものの長をやっておられまして、文部省、あらゆる役所が参加して地震予知連絡会というのをつくっております。できるかできないかは別にいたしまして、できるかもしれないという前提でこういう仕事をやっておくということは大変大事なことだと思っております。
○木宮和彦君 本当に皆さん一生懸命やっていらっしゃるその姿はよくわかりましたので、私も一安心いたしました。ひとつ地震もうまくやっていただきたいし、郵政省も大臣が一生懸命やってつぶさないようにひとつ、これは世論が一番大事ですからね。民主主義というのはそういうものだと私は思います。学校制度もそうだと思います。これもやはりお母さん方の信頼を得るためにそれを実行するのが、文部省の役人のためにあるいは学校の先生のためにじゃないんです。もとはやっぱり国民が何を望むか、これが本当に国民にやさしい政治だと私はそう思います。
 私はたまたま今、国会議員で給料をもらっています。ついに給料をもらうようになっちゃった。それまでは人から給料をもらったことは一回もありませんものですから、よそから見ていますと、ともかく国のやっていることに対しては、不満があるわけじゃないですが、甘いなという私は感想を述べまして、終わりたいと思います。
 どうもありがとうございました。
○委員長(坂野重信君) 以上で木宮和彦君の質疑は終了いたしました。(拍手)
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○委員長(坂野重信君) 次に、寺澤芳男君の質疑を行います。寺澤芳男君。
○寺澤芳男君 皆さん大変お疲れのことと思いますが、私は最初に申し上げたかったのは大震災、その大震災の中で日本国民があるいは外国人で日本に住んでおられた方が大変な災害に遭った。それについて、やはり日本国の政府の本当に適切な対応があったから日本人としてあるいは日本に住んでいてよかったといういわゆる誇りが持てるような対策を、我々としても行政そして国会全体としてもやっていかなきゃならないと思っておりますことをまず申し上げておきます。
 まず総理にお伺いしたいのですが、きょうお話しするのが初めてなので、ひとつよろしくお願いします。
 十、十一日とサミットでコペンハーゲンに参られますか、このコペンハーゲンにおきまして、貧困、雇用、社会的統合をテーマとする国連の社会開発サミットが開催されます。この社会開発サミットは、貧困あるいは失業、人権侵害をなくして、地球上のすべての人が尊厳を持って生きられる道を探ろうとするものであります。
 冷戦構造の崩壊後、国連ではガリ事務総長の報告「平和への課題」に基づき、平和執行部隊などPKOを強化する予防外交が重視され、安全保障理事会が脚光を浴びてまいりました。しかし、現実的にはこの路線は失敗したと言っても過言ではありません。そのガリ事務総長自身が、去年「開発への課題」という報告を提出し、従来のPKO拡充路線から開発を重視する路線への転換を打ち出しました。
 このように今日、国連のもう一つの大きな柱である経済社会理事会が注目を浴びております。流れは大きく変わろうとしております。非軍事をもって世界に貢献しようとする我が国にとりましては、まさに出番が回ってきたのだろうと思います。
 そこで、総理に伺います。総理はこの流れの変化をどのように認識されておられるか、そして実際、社会開発サミットでどのような主張をなされようとされておられるのか、お伺いをいたします。
○国務大臣(村山富市君) 今お話がございましたコペンハーゲンで開催されます社会開発サミットには、国会の御了解をいただいた上でできれば参加をしたいというふうに考えておるところであります。
 今、委員からもお話がございましたように、国連の改革が今、俎上に上っておりますけれども、それはやはり単に加盟して国がふえたからというだけではなくて、国連の果たす機能、役割というものは安全保障理事会だけがクローズアップされた形になっておりますけれども、そうでなくて、今お話もございましたような経済社会理事会等々がもっと活用されて、そしてこの地球上から貧困や飢餓やあるいはエイズやあるいは環境問題等々が解決をされて、そしてどこに住んでおる民族もどこに住んでおる人たちも公正に共生できるような、そういう社会をつくっていくことの方が大事ではないか。
 こういう問題というのはこれからますますクローズアップされて大事になってくる課題ではないかというふうに考えておりまするし、とりわけ平和憲法を持っております日本の国の果たす役割というものはそういう面では大変大きいものがあるし、まさに日本が果たす時代が来たと言ってもいいぐらいに私はやっぱり自覚をして取り組んでいく必要があるんではないかなというふうに考えております。
 そういう立場を踏まえた上で、七分以内ぐらいの演説ということになっておりまして、今、演説の草稿もつくっておりますけれども、委員から御指摘のございましたような内容を盛り込んでできれば主張してまいりたいというふうに考えております。
 とりわけ、先般、私はアメリカに行ってクリントン大統領とお会いしたときも、開発と女性という問題、例えば先般も外務大臣からお話がございましたように、水の問題一つにしても、女性が水をくみにいって重いものを担いで運んでくるというようなことから解放されるためには、井戸を掘ってポンプで水をくみ上げるというようなことができることになれば、女性がもっともっとそういう意味での労働から解放されていく。そして、男女がともにこの社会を構成しているという人間としての役割が果たせるような、そういう社会というものをつくっていくことも必要ではないかという意味で、開発と女性という問題をこれから大いに取り上げて日米で協力してやってまいりましょうというお話も申し上げたわけでありますけれども、今まさに委員から指摘のされましたような課題について、この開発サミットで主張してまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○寺澤芳男君 国連開発計画、UNDPでは、社会開発サミットに向けて世界レベルでの人間開発に向けての二〇−二〇協定の締結を提唱しております。
 この二〇−二〇協定といいますのは、初等教育、基本的な公衆衛生、飲料水の大規模な供給体制、家族計画、栄養の確保という人間関連優先分野に途上国の国家予算の少なくとも二〇%を割り当てる、そして援助供与国が人間優先の目標に向ける配分率を二〇%にまで引き上げるというものであります。
 UNDPの九四年版人間開発報告書によりますと、我が国の八九年から九一年までのODAに占める人間開発の優先項目への二国間援助の配分率は三・四%、十五カ国中第十二位であります。ちなみに第一位はデンマークの二五%、第二位はノルウェーの一七・九%、第三位はスイスの一四・九%であります。
 我が国にとりましてこれを二〇%まで引き上げるには、ODAの内容を大きく組みかえなければならなくなってまいります。人間関連優先分野への援助が重視されつつある今日、我が国はこの二〇−二〇協定をどのように評価し、またどのように対応していかれるか、外務大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(河野洋平君) 二〇−二〇という一つのめどを援助国それから援助を受ける国双方に対して提示しているわけでございますが、議員お尋ねのように、我が国がこれまでどういうことになっているかということをちょっと申し上げたいと思います。
 今や我が国は世界最大の援助国でございます。その我が国といたしましては、保健、衛生、教育などの社会開発分野に対する援助を積極的に行わなければならぬ、こういう自覚を持ちまして援助を積極的にふやしてきているところでございます。また、経済インフラへの援助につきましても、社会全体の経済水準の底上げを通じて社会開発に寄与するものであることから、社会開発分野と経済インフラ分野の両方のバランスを図りながら援助を実施してきております。
 ちなみに日本の二国間ODAに占める社会開発分野のシェアは九二年には一七・五%でございましたが、九三年には二二%と、いわゆる二〇−二〇のめどをクリアいたしております。
○寺澤芳男君 次に、経済問題について御質問をいたします。
 今、二つの空洞化ということが盛んに言われております。一つは先般来から言われております産業の空洞化であり、もう一つは証券、金融市場、資本市場の空洞化であります。
 今、円が何と九十二円という非常に恐るべき高値をつけてまいりまして、日本の中でも特に国際競争力のある優良産業、輸出産業が今大変な痛手に遭遇をしております。これは大変な痛手であります。そうなってくると、日本で今後工場をつくるあるいは設備投資をするというよりも、どうしても、例えばアジアの各国へ移っていく、そこに日本における雇用関係、これが大変な打撃を受ける、言うなればこれが産業の空洞化でありましょう。
 そういう反面、証券あるいは資本市場、金融市場の空洞化は、例えばアメリカが一九八〇年代に空洞化に悩まされたときに、多くの失業者をアメリカの金融サービス部門あるいはベンンチャーキャピタルを中心とした新しい産業が吸収してまいったように、日本ではどこかで失業を解決する具体的な手段を考えなければなりません。そこにおける今度は金融とか資本市場の空洞化、金融関係のサービス業全般に対する空洞化というのが行われると一大事であります。
 この金融市場の空洞化について、一般的に大蔵大臣の御認識をお伺いしたいのであります。
○国務大臣(武村正義君) 産業の空洞化の場合は比較的具体的な事実で理解がしやすいわけでありますが、金融分野の場合は、一つは金の動きを基本にしておることもありますが、大変要因が複雑に絡み合っているということも含めて考えると実態をつかむことがまず第一だ、そのことが大変難しいということも言えるわけであります。
 この側面もいろいろございますから、いわゆる外国株を日本のマーケットに上場する、取引の対象にするという次元でのこの件数が減ってきているというとらえ方もありますし、あるいは日本株が日本の市場で売買されないでロンドン等外国の市場で行われるというふうなとらえ方もございます。
 というふうにいろんな事例があり、またその要因もさまざまな理由が考えられるところでございまして、大蔵省としましては、目下その状況をきちっと把握しながらさまざまな対策を進めているところであります。
○寺澤芳男君 日本の証券市場におきます行政の過度の介入と申しましょうか、非常に厳しい制約、規制、これはっとに外国の証券会社あるいは関係者から指摘されているところであります。
 先ほど橋本通産大臣がちょっとお触れになっておりましたが、アメリカのNASDAQ、これはニューヨーク証券取引所よりもその取り扱い高が大きい大変大きなコンピューターによる値づけをやっているマーケットでありますが、このNASDAQの市場に日本の新しい会社が日本の東京証券取引所の中にある店頭二部を顧みず真っすぐ向こうへ行ってしまうとか、あるいは中国の会社が日本に来ないでニューヨークへ行ってしまうだとか、そういうことで日本を避ける傾向にあることも事実であります。
 例えば二、三日前に東京にあります。アメリカの商工会議所で規制緩和というものを要求してまいりました。その中に、日本の大蔵省が証券業の免許制というのをやっているけれども、これをなるべく早く登録制にしてほしいという具体的な一項目もありました。そういう一般的に日本の行政の証券業あるいはその他の金融関係業種に対する規制について、この規制のままでいいのか、それともアメリカとかヨーロッパが言っているように、少しきつ過ぎるからこれを緩和の方に向けようとしておられるのか、大蔵大臣の御所見をお願いいたします。
○国務大臣(武村正義君) もちろん規制緩和の方向であります。
 NASDAQとの比較でも、日本の店頭市場、今までも外形だけ見てみますと日本が特に厳しくはないという説明もできました。しかし、現実にどうなのかというと実態はかなり違うと。では、どこに原因があるのかというところまで見詰めていきますと、いわゆる役所にかかわるような規制だけでなしに、その店頭市場なら店頭市場の運営にかかわるさまざまなルールとかあるいは慣行とか、そういうところまでやはり目を向けていくことも必要だというふうにも思われるわけであります。
 いずれにしましても、規制緩和が基本だというふうに思っております。
○寺澤芳男君 先週の土曜日、日経にユージン・ダテルという外国の方が寄稿をしておられました。日本の余りにも規制の強い金融業界、これは銀行、証券も含むと思いますが、それを非常に強く指摘しておられました。
 このダテルさんのみならず、どうしても海外から日本の証券業あるいは証券市場、あるいは銀行業、こういうものを見てまいりますと、一見、国立銀行かあるいは国立証券会社かと見まごうほどに見事に国の規制が余りにもきつく行われております。これは真剣に一つ一つ解決をしていかないと、日本は世界に冠たる、ニューヨークとロンドンとそして東京という三つの証券市場の、そして金融市場、産業資本調達の市場の一角としての座が崩れると私は非常に憂慮しております。
 とりあえず証券界の免許制免許制で大蔵省の言いなりになるような行政をしているやり方を世界各国がやっているように登録制にする、その方向についてのお考えを大蔵大臣からお伺いしたいと思います
○政府委員(日高壮平君) ただいま御指摘がございました証券業についての免許制というものは、御承知のように、昭和四十年のいわゆる証券不況時の後、いわゆる証券会社が非常に乱立して過当競争をした、そういうようなことから、資力の薄弱な証券会社が業務を行い、それが投資家に非常に迷惑をかけたというふうなことから導入されたことは事実でございます。ただ、その後、免許制そのもの自体が相当長い間、時間がかかってきておりますし、その免許制のもとにおいて新しい競争が制限されているといったようなことはございません。
 つまり免許の基準というのは明確にされておりますし、その免許の基準を達成したものについては、外国証券会社であれあるいは銀行系の証券子会社であれ、その後自由に参入が進められているわけでございますので、私自身は、この免許制というものと登録制によるものとの比較、それによって競争が制限されているという性格のものではないと。したがって、投資家保護といったようなことも考えますと、免許制の問題については、その運用についてはいろいろ勉強しなければならない点はあると思いますが、制度そのものの問題ではないというふうに考えているところでございます。
○寺澤芳男君 行政がやるべきこと、これは私は投資家保護であろうかと思います。投資家保護というのは、今、日本に二千七百万人の株主がおります。これは各事業会社の株主名簿に載っている人を全部足した数でありますので、本当の株主は多分その三分の一、約一千万人ぐらいだろうと言われております。この一千万人の株主をあるいは今後株主になろうとする人を保護する、これが一番大事なことであろう。そのためにはやはりディスクロージャー、情報の開示、これは行政が責任を持って義務づけ、やらなければならないことだろうと思います。
 しかしながら、どういう商品を売るか、どういう値段で売るか、どういうタイミングで売るかということにつきましては、これはすべて投資家の自己責任、投資家と引受業者との間の普通のビジネスでありまして、この内容については行政は一切タッチすべきではないと思っております。もちろん、今、行政がそれにタッチしていると申しているわけではありませんが、ともすると日本の場合は投資家保護ということと業界の保護ということ、これがどうしても一緒になってしまう、あるいはどこかで行政の価値判断が入ってくるということが全くないことはないような気がいたします。
 この投資家保護の精神にのっとった、そして自由な取引を認める、規制はなし、一切なし、原則自由ということにしないと、日本の資本市場というのはニューヨークやロンドンと肩を並べて自由にこれからもどんどん大きくなっていくというわけにはいかないような気がいたします。
 先週、英国のベアリングスという投資銀行が倒産をいたしました。これはいわゆる先物市場で相場を張って千百億円に及ぶと言われる大損をしまして、それで英国王室の御用達の大変由緒ある二百年以上のしにせでありましたが、ついに倒産をいたしました。
 今、このように普通の株式あるいは債券ではない、一般にデリバティブというものを取引して、ほとんどどういうふうになっているのかわからない、こういうように取引が非常に複雑になっております。
 まずこのデリバティブにつきまして、大蔵省の方からどなたかかわかりやすく、普通の一般国民にわかりやすく解説をしていただきたいと思います。
○政府委員(日高壮平君) 専門家である寺澤委員の前で極めて簡単にということでありますけれども、簡単に御説明できるようなものであれば実はこれほど悩まなくて済むのではないかなというふうに思っているところでございます。
 デリバティブというのは、その文字どおり、いわゆる金融派生商品というふうに言われておりますけれども、債券なり株式等のいわゆる金融資産、もとになる金融資産と違いまして、これらのもとになる金融商品の価格なり利回り等の動きをもとに価値が決まってくる、つまり金融商品から派生した商品のことをいわゆるデリバティブと総称しているわけでございます。
 いろいろなものとしては、先物をベースにしたものもございますし、オプション取引をベースにしたものもございますし、いわゆるスワップ取引をベースにしたものもございますけれども、そうしたいわゆるデリバティブというものは、基本的には取引のリスクをヘッジするために出てきたものでございますが、最近の事例に見られますように、極めてわかりにくい、あるいはリスクの管理がしづらいというようなことから、大きな損を場合によってはもたらし得るというそういうものというふうに認識をいたしております。
○寺澤芳男君 このデリバティブというような本当に素人にはわかりにくいものが横行してまいりますと、これから大変な、第二のベアリングスがいつどこでまた生まれてくるかもわからないということになるわけです。
 さてそこで、このデリバティブというような新しい商品というものをまた一概に規制しようということになりますと、これはまたアメリカやあるいはヨーロッパで行われている普通の金融取引あるいは証券取引の常道を逸することになってまいります。そうなるとまたまた日本も国際化からおくれをとるわけでありまして、言うなればこのデリバティブに対する規制をどうするかということは、もろ刃の剣と申しましょうか、非常に難しいことに相なろうかと思います。ただ一点だけ、やはり行政の基本は投資家保護、投資家保護の基本はディスクロージャー、開示であるという、これがやはり非常に大事なことであろうと思います。
 このように証券市場が低迷してまいりますと、公的年金の自主運用にも非常に深刻な影響を与えてまいります。簡易保険の自主運用の赤字がどれくらいなのか、郵政大臣、今教えていただければありがたいんですが。
○国務大臣(大出俊君) 今、保険というお話でございますけれども、両方ございまして、つまり貯金、保険でございますが、平成七年一月末現在で金融自由化対策資金の金額が約三十兆円、簡保資金の総額は八十兆円でございます。
 今、赤字というお話がございましたけれども、これもいろいろ御説明すれば時間が長くなりますけれども、今日まで運用してまいりましてそれなりの既定の利回りを払ってきておりますし、そういう意味では利子も含めた運用収益として一定の利回りを確保しているという意味で赤字ではない、こういうふうに申し上げておきます。
○寺澤芳男君 この株式市場の低迷、そして急速に進んでくる円高、非常に日本経済がまたまた先が見えない状態になって、やはり今、国民の最大の関心事というのは、はたまた一体景気はどうなるのか、本当に産業の空洞化がひたひたと迫ってきて失業者が出るのではないかという、そういうところにあるんだろうと思います。
 日本のこの円高と、そして先ほどから私申し上げているように、国際競争力のある日本の輸出産業、これの打撃のつぶさな御報告というか生々しいところを通産大臣からもう一度お聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) この数日間、私は実は為替で非常に神経を悩ましております。先ほども日銀総裁から、景気が緩やかながら回復基調にある、阪神・淡路大震災の影響というものは日本経済としては吸収し得る、そして復興にかかる投資というものを期待できると、非常に簡単に申し上げればそのようなお話がございました。しかし、中小零細企業までを含めてお預かりをする私の立場から、到底そのような見通しは出てまいりません。
 昨年、私がこの仕事につきましたころ、中小企業庁を通じて実態を調査いたしましたときの数字が私の頭から抜けません。なぜなら、当時は百円前後の水準で為替は動いておりました。しかし、九十円台に入ってなおかつ利益が出ると言い切っておられた中小企業は数%でありました。そして、九〇%のはるか上を行く数字の方々は、百円以下でなければ利益は出ないという答えが返ってきておりましたし、たしか百十円まで行かないと自分のところの製品では輸出市場においてあるいは輸出関連において利益は出ないというお答えが六〇%を超えておったと記憶いたしております。
 そして、そういう状況の中で、本当に世界有数の大企業でありましても、百円を超える為替のラインということになりますとなかなか容易ではないということから、先刻来お話が出ておりますように、海外への生産拠点の移転が相次ぎました。そして、ついていき得る中小企業はそれについて、中小企業もまた海外に拠点を移されました。企業としてこれは当然の選択であり、これを責めることはできません。しかし同時に、ついていき切れない中小零細企業はそのまま国内に残ったわけであります。
 そして昨年の秋、同様に中小企業庁に調査をしてもらいますと、受注の減あるいは取引が既になくなったといったようなものまでを含めてその影響は如実に出ております。しかし、そのときに私が非常に救いだとこれをとらえましたのは、そういう状況の中で、輸出のすそ野を担う中小企業の方々が新たな分野への進出に意欲を持ち、現在の業態の耐えていられる間に新分野への展開、新たな技術開発、さらには自社製品のより付加価値の高い商品開発へといった意欲を失っておられなかったことでありました。
 そして、そうした点を私どもは見ながら、既存産業の成熱した産業の転換の円滑化を図るための、あるいは創造的な分野に中小企業が動いていかれようとする分野のサポートをしていくことによってこの空洞化に対する懸念を消したいということで今日まで臨んでまいりました。そして、今国会、関連の法律案の御審議をいただこうといたしております。
 ところが、そこに再びこの円高が直撃をいたしております。この状況というのはどう見ても、私の気持ちからいたしますならば、緩やかながら回復基調と一言で済ませられるようなものではございません。
 さらに、長くなって恐縮でありますけれども、今まで実は我が国の不況のときには、それぞれ特定の業種が非常に大きなダメージを受けましても、他の分野で労働力を吸収する分野がありました。今回、そうしたものが見当たらないままにずるずるとこの不況が続いている状況であります。そして、新たに大きく人材を吸収し得る分野として、例えば人材派遣のようなものまでを含めましても、短期にはなかなか思い切ったものが出てまいりません。
 二十一世紀に向かいましては、産構審の十二分野を初めとして、当然のことながら今後我々が育成していく分野でそれだけの労働力を吸収していくべきものを育てていく責任が我々にあるわけでありますが、それにしてもこの為替の状況というものは、何としても通貨当局に短期的にも中長期においても御努力を願わなければならないものであります。
 先ほどたまたま大蔵大臣から、通産大臣思い切ったことを言ってもいいと言っていただきましたけれども、本当に思い切ったことといって何を申し上げるということでもありませんけれども、これはもう委員がよく御承知のように、アメリカはアメリカの事情がありますが、日本にとりましてやはりそのファンダメンタルズが決して正確なものを反映していないと言いながらも、経常収支の黒字というものが為替の問題を議論するとき常に我々にはのしかかっているわけであります。
 そうしたことを含めて考えるならば、思い切ったマクロ政策の展開を今必要とするのではないか。そして、それは当面、不謹慎というおしかりを受けるかもしれませんが、この大震災の後の復興を思い切って前倒ししながら復興のための大規模な補正予算を計上し、その中において公共投資を拡大して内需中心の成長を図るといった施策を真剣に考えなければならないときが参っている、そのような思いがいたしております。
○寺澤芳男君 ありがとうございました。
 九十二円という円高は本当に恐ろしいもので、大げさな話じゃなくて、時々九十二円ということを考えますともう眠れなくなるようなときがあります。大変な円高です。これはどうしても、大変残念なんだけれども、また外圧がやってきたというとらえ方をする以外にない。
 要するに日本の国内で早く景気を回復させ、規制を緩和し、そしてこの円高を避けようとしているんだけれども、なかなかそれができない。日本の国内での改革、特に規制撤廃とか行政改革とか、これは非常に難しい。本当はインターナルコンセンサス、日本人の手で日本の中でやりたいんだけれども、どうしても今までの改革がそうであったように外圧が拍車をかけてくれないとできないという、そういうことであってほしくないんですが、九十二円からもっと円高が進んでまいりますと、これは背に腹はかえられないということで、規制緩和や何かが促進するかもしれないという非常に皮肉な結果をもたらしてくるのかもしれません。
 今後、日本の経済が、これだけ日本人が、日本の国民が一生懸命に働いて、この大震災も乗り越えてやっていこうというにもかかわらず、非常に難しくさせているのがこの円高であります。この円高については、徐々に非常に悪い結果が国の経済に必ず出てきます。そのためには、今からでも遅くないので、どうしても規制緩和というものはやり遂げなければならないと思います。これは本当にもう待ったなしの大事なことでありますが、総理大臣、ぜひ力強い御意見をお願いいたします。やるということであります。お願いします。
○国務大臣(村山富市君) 大蔵大臣、通産大臣、それぞれ所管の大臣から、この急激な円高が、それでなくとも長い不況の中からようやく抜け出そうとするような経済状況の中に大きなダメージを与えたと、こういう受けとめ方をしながら、重大な関心を寄せて今、対応に苦慮いたしているところでございますが、しかしその一つに貿易収支の黒字というものがありますし、その貿易収支の黒字の背景には規制緩和というものがやっぱりあるのではないか、こういう厳しい内外からの今、声が寄せられています。
 私は、そういう意味で正常な関係を国際間にもつくっていくということは、ある意味では外国のためにするのではなくて日本の国自体のためにもやっぱり規制緩和は必要なんだと、こういう受けとめ方をして、この規制緩和については、年度内に五カ年計画をつくって確実に見直しをしながら実行していきますということも約束をしているわけでありますから、これはもう全力を挙げて取り組んで規制緩和を推進して、何とかもう少し国際的にも正常な状況にこの為替レートも落ちつくような方向でさらに努力をしていく必要がある、そのために規制緩和については非常な決意で取り組むということを申し上げたいと思います。
○寺澤芳男君 この異常な円高につきまして、最後に大蔵大臣にもう一度お伺いいたします。
 この異常な円高対策について、電話等々で諸外国の大蔵大臣とやり合っているだけで間に合うんですか。どこかにそういう人たちが集まって緊急に対策をとるような必要はないんでしょうか。
○国務大臣(武村正義君) 電話だけで十分とは思っておりません。こういう場でございますから、G7の会合、定例のものは予定されておりますが、臨時にどう対応するか、これはきょうもいろいろと検討をいたしたいというふうに思っております。
○寺澤芳男君 この円高、あるいはさらなる、こういうことは本当にあってほしくないんですが、もしさらなる円高があったら大変なことになるということを最後に閣僚の皆さんにもう一度肝に銘じていただいて、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
○委員長(坂野重信君) 以上で寺澤芳男君の質疑は終了いたしました。(拍手)
 明日は午前十時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後五時六分散会