第134回国会 予算委員会 第5号
平成七年十月二十七日(金曜日)
   午前十時開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 十月二十五日
    辞任         補欠選任
     笠井  亮君     上田耕一郎君
 十月二十六日
    辞任         補欠選任
     加藤 修一君     福本 潤一君
     直嶋 正行君     渡辺 孝男君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         井上  裕君
    理 事
                上野 公成君
                斎藤 文夫君
                西田 吉宏君
                前田 勲男君
                泉  信也君
                白浜 一良君
                田村 秀昭君
                山本 正和君
                有働 正治君
    委 員
                阿部 正俊君
                石井 道子君
                板垣  正君
                久世 公堯君
                河本 三郎君
                坂野 重信君
                武見 敬三君
                谷川 秀善君
                野沢 太三君
                野村 五男君
                真鍋 賢二君
                松谷蒼一郎君
                依田 智治君
                荒木 清寛君
                岩瀬 良三君
                海野 義孝君
                大森 礼子君
                鈴木 正孝君
                都築  譲君
                福本 潤一君
                益田 洋介君
                横尾 和伸君
                渡辺 孝男君
                大脇 雅子君
                川橋 幸子君
               日下部禧代子君
                竹村 泰子君
                峰崎 直樹君
                藁科 滿治君
                上田耕一郎君
                緒方 靖夫君
                小島 慶三君
                島袋 宗康君
   国務大臣
       内閣総理大臣   村山 富市君
       通商産業大臣   橋本龍太郎君
       法 務 大 臣  宮澤  弘君
       外 務 大 臣  河野 洋平君
       大 蔵 大 臣  武村 正義君
       文 部 大 臣  島村 宜伸君
       農林水産大臣   野呂田芳成君
       労 働 大 臣  青木 薪次君
       自 治 大 臣
       国 務 大 臣
       (国家公安委員
       委員長)     深谷 隆司君
       国 務 大 臣 
       (内閣官房長官) 野坂 浩賢君
       国 務 大 臣
       (総務庁長官)  江藤 隆美君
       国 務 大 臣
       (防衛庁長官)  衛藤征士郎君
       国 務 大 臣
       (経済企画庁長
       官)       宮崎  勇君
       国 務 大 臣
       (国土庁長官)  池端 清一君
   政府委員
       内閣法制局長官  大出 峻郎君
       国際平和協力本
       部事務局長    高野幸二郎君
       警察庁刑事局長  野田  健君
       総務庁行政管理
       局長       陶山  晧君
       防衛庁防衛局長  秋山 昌廣君
       防衛施設庁長官  諸冨 増夫君
       防衛施設庁施設
       部長       小澤  毅君
       経済企画庁物価
       局長       大来 洋一君
       経済企画庁総合
       計画局長     土志田征一君
       沖縄開発庁総務
       局長       嘉手川 勇君
       国土庁土地局長  深澤日出男君
       国土庁防災局長  村瀬 興一君
       法務省刑事局長  則定  衛君
       公安調査庁長官  杉原 弘泰君
       外務省総合外交
       政策局国際社会
       協力部長     朝海 和夫君
       外務省北米局長  折田 正樹君
       外務省条約局長  林   暘君
       大蔵大臣官房総
       務審議官     武藤 敏郎君
       大蔵省主計局長  小村  武岩
       大蔵省主税局長  薄井 信明君
       大蔵省銀行局長  西村 吉正君
       大蔵省国際金融
       局長       榊原 英資君
       国税庁次長    若林 勝三君
       文部省初等中等
       教育局長     井上 孝美君
       文部省高等教育
       局長       吉田  茂君
       文化庁次長    小野 元之君
       農林水産大臣官
       房長       高木 勇樹君
       農林水産省経済
       局長       堤  英隆君
       通商産業大臣官
       房総務審議官   白川  進君
       通商産業大臣官
       房審議官     横川  浩君
       労働大臣官房長  渡邊  信君
       建設大臣官房長  伴   襄君
       建設省住宅局長  梅野捷一郎君
       自治省行政局選
       挙部長      谷合 靖夫君
       自治省税務局長  佐野 徹治君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        宮本 武夫君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○予算の執行状況に関する調査
 (経済及び外交等に関する件)
    ―――――――――――――
○委員長(井上裕君) ただいまから予算委員会を開会いたします。
 予算の執行状況に関する調査を議題とし、経済及び外交等に関する集中審議を行います。
 質疑者等はお手元の質疑通告表のとおりでございます。
 それでは、これより質疑を行います。上野公成君。
○上野公成君 自由民主党を代表いたしまして、一番バッターで質問をさせていただきます。
 本日は、私の方は経済といいますか、特に景気対策、これは予算の方は十分、もう史上かつてないほどの補正予算を組んでいただいたわけでございますけれども、この間も清水委員が質問しましたが、土地税制、土地が動かないことには幾らいろんな予算を組んでもだめだということで、これを中心に質問をさせていただくつもりでございますけれども、その前に、宗教法人法の絡みといいますか、についてまず最初に質問させていただきます。
 史上かつてないほどの極悪非道など言っていいオウム真理教の一連の事件、これは日本国民が一刻も早く真相の解明を望んでいるわけでございますけれども、昨日の裁判、弁護士を解任するというようなとんでもないことでおくらせるというようなことがございまして、これはもう怒りというか、本当にそういうものを通り越して全国民の怒りを買っているところでございます。
 このような無差別テロ、これは無差別テロというのはだれが被害に遭うかわからないわけですから、こういうことを防止するということは一番大事なことで、日本は治安が非常にしっかりしているということで世界に冠たる国だったわけでございますけれども、最近ではそういった意味でも、日本に対して非常に危ない国だというようなこともあるわけでございます。政府関係当局の適切かつ迅速な対応が強く望まれているところでございます。
 そこで、オウム真理教というのが宗教法人という名のもとにこんな恐るべき凶悪犯罪を犯す、そういうことだったわけでございますけれども、宗教法人ということで行政当局も国民もその実態がなかなかわからなかった。そこで、昭和二十何年にできた宗教法人法というものを見直していかなきゃいけないんじゃないか、こういう議論があるわけですし、いろいろな新聞の調査を見ましても、少ないものでも六十数%は賛成、多いものについては八十数%、九〇%近い国民がこれはもうやってくれと、こういうことでございます。
 この中身を見ましても、これは本当に常識的なもので、こういうことに反対するということは私の常識ではもう考えられないことばかりなんです。(「常識がおかしい」と呼ぶ者あり)常識がおかしいということでありますけれども、これは何か悪いことをしている、やましいことがあるということであれば、今までは全く自由だったわけですから、そういった意味で九割近くもの人が……(「よろいが見えるぞ」と呼ぶ者あり)よろいが見えるという話がありましたけれども、そういう政治的な思惑じゃないんです。これはもう純粋な問題として必要最小限の法改正だと。政治的思惑だとかなんとかということじゃなくて、やっぱりきちっと国民の九〇%近くの負託にこたえて断固としてやるといいますか、確固たる信念でやっていただきたい。
 総理、まずお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(村山富市君) 今お話がございましたように、オウム真理教の一連の凶悪な犯罪行為、これは捜査を今徹底してやっていますからやがて全貌も解明されると思いますけれども、それをきっかけにして宗教団体の活動なり宗教法人のあり方というものに対する国民の関心も高まってまいりました。昭和二十六年にこの宗教法人法ができた。それ以後一切改正もされておりませんし、世の中も変わったし、宗教団体のありようも変わってきた。したがって、この際、見直しをする必要があるのではないか、見直しをすべきである、こういう国民の声も高まってまいりました。
 そういう国民の意向というものを受けて、政府は責任を持って対応する必要があるという意味で、宗教法人審議会に文部大臣の方から報告を求めた。宗教法人審議会では、それぞれ会長のもとで適正に審議をされて、文部大臣に対する報告が出された。その報告を尊重して、我々は政府の責任で国民の期待にこたえ得る法案を提出しておると。したがって、何とか御審議をいただいて、一日も早く国民の期待にこたえ得るように法案の成立に御協力をいただきたいというふうに私は思っております。
○上野公成君 よく信教の自由ということが引き合いに出されるわけです。これはもちろん憲法に書いてある基本的人権ですから尊重されなければいけませんし、宗教団体の活動だとか運営に行政が介入するということは許されない、これはもう当然のことでございます。
 しかし、宗教団体が法人格を取得して、そして宗教法人として税制面のかなりの優遇措置があるわけです。これは、優遇措置のあるものはみんな宗教団体の内容ではありません。会計だとか財政だとかそういうお金のことだけでも、せめて優遇措置を受けたそのことに対して一定の社会的責任を果たすというのはこれは当然なことなんです。信教の自由と、宗教法人の自由なんということはこれはどこにも書いてないわけですから、そのことはもう絶対に区別して考えていかなきゃいけない。
 ですから、宗教法人法の改正というのは、衆議院の方は特別委員会が設置されるわけでございますから、これはそこで整々と一刻も早く審議をされるということになると思いますので、特別委員会の方でしていただければいいと思うんで、このぐらいでやめます。
 しかし、この事件につきましては、これは宗教法人法ができるからこれでいいんだとか、あるいは破防法を適用すればこれでいいんだという、そういう少し混乱が国民の中にもあるんじゃないか。宗教法人法も、それから犯罪をきちっと糾明していく、これは両方必要なことでございますから、混同のないようにしっかりとしたPRをやっていただくということも必要ではないかと思うわけでございます。
 そこで、国民にわかりやすく説明していくことと、それから破防法の適用を含めてどのような取り組み方をしていくのか、これは文部大臣と法務大臣にお伺いいたします。
○国務大臣(島村宜伸君) お答えいたします。
 ただいま総理からも御答弁申し上げたところでございますが、宗教法人法は昭和二十六年に制定をされております。これは戦前の宗教弾圧等の反省にも立ちましたし、占領軍のいろいろ強力な指導もあったように承っております。
 そこで、性善説を前提にしてこの法が定められたところでございますが、現実の問題はといいますと、一たび認証をいたしますと、なるほど収益事業の停止命令とかあるいは認証の取り消しとかあるいは解散命令請求とか厳しい規定は設けてありますものの、その実態の把握が全くできない。現実には認証のしっ放しということでございます。そんなところからオウム真理教のあのおかしな事件が背景として成り立ってきた、こう思うところでございます。
 そこで、だれしも理解ができることは、昭和二十六年当時と今とを比べれば社会状況も大きく変化したところでございます。そして同時に、宗教法人の実態についてもまた大きな変化が生じたところでございますから、何といっても制度が実情に合わない面が生じているということから、国民から制度の見直しを図るべきだという意見は、今、委員が御指摘になったとおり大変な高率を見ている。これに早急に我々が対応するというのは内容を考えても当然と思いますので、我々はこれを進めているところであります。
 そこで、文部省といたしましては、宗教法人審議会のいろいろ御検討いただいた結果の報告を踏まえまして、あくまで信教の自由と政教の分離の原則を遵守しつつ、宗教法人制度の適正な運用を図るために宗教法人法について必要最小限の改正を早急に行う必要があると考えているところであります。
 以上でございます。
○国務大臣(宮澤弘君) オウム真理教によります組織的な犯罪につきましては、検察当局におきまして、地下鉄サリン事件等の解明のため、東京地方検察庁を初めといたしまして各検察庁におきまして十分な捜査体制を整え、警察当局との連携を保ちつつ鋭意捜査を行ってきたところでございまして、これまでに殺人、同未遂罪等で多数の者を公判請求しているところでございます。
 今後とも、オウム真理教にかかわる各般の不法事犯の捜査を通じまして、この事案の全容を解明することはもちろん、その公判活動にも全力を傾注していくものと承知をいたしております。
 一方、公共の安全を確保するという観点からは、破防法による団体活動の規制ということも考えられるところでございます。しかしながら、破防法の適用につきましては、これが国民の基本的な人権にも重大な関係を有するものでございますので、法と証拠に基づいて厳正かつ慎重に対応すべきものと考えております。
○上野公成君 そういう御答弁でしょうけれども、しかし一刻も早く国民、我々の日本のためにも、一番安全な国だという信頼を早く取り戻すために一生懸命やっていただきたいと思います。
 そこで、最初に申し上げましたように土地税制、これは清水委員が十七日にやったわけでございますけれども、このことが土地の取引がどうしても活発にならないという一番のことでございます。
 それでまた、これを最近議論しているわけでございますけれども、省によって全く意見が違うんですね。今度の税制改正に向けて、建設省や大蔵省それから国土庁からいろいろヒアリングを受けているわけでございます。特に国土庁の考え方、これは、土地は要するに地価が低けりゃいいんだ、もう終始一貫してそういうことしか考えていないんじゃないか。これはバブルのときの税制で、もう本当に四十度も熱がある患者に解熱剤をやった、そういうことです。バブルがはじけて、もう平熱以下に下がったのにまだ解熱剤をやっている、こういうことなのになかなかそのことが国土庁にはわかってもらっていない。
 土地が下がって、もうずっと下がり続けているわけですけれども、土地が下がっているんだったら下がるで、下がり切ればいいんです。下がっている土地を買う人がどこにいますか。だから、そのことをよく、土地の利用は適正な利用をするというのが土地基本法の一番の大切なところですから、それでは利用の転換も何もできないんですよ。
 そのことを大臣にぜひ、この間、参議院の本会議で岡野先生の質問に対して、首相は自分の考えを述べてください、こういうことで大変迫力のある答弁をいただいたわけでございますけれども、きょうは国土庁長官に御自分の、事務局の書かない、意欲に満ちた、本当に日本の景気をよくするんだと、国土庁のそういう考え方が大蔵省に利用されているんです、これは後で言いますけれども。我が自由民主党に関してはほとんど同じ意見なんです。恐らくこの委員の中もほとんどそうだと思いますので、ぜひそういった大臣自身の御意見を聞かせていただきたいと思います。
○国務大臣(池端清一君) 上野先生から厳しいお言葉をいただきましたけれども、上野委員御高承のとおり、現在の土地税制の基本的な枠組みというものは平成三年度の税制改正において、土地基本法の理念に沿った総合的な土地対策の一環として、将来にわたってあの地価高騰を再び許さない、いわゆる土地神話を打破する、こういう観点から長期的、構造的に導入されたもの、こういうふうに実は私は理解をしておるところでございます。
 しかし、経済の今日の状況は、先生御指摘のとおり、景気の低迷からくる先行き不透明感の浸透や、消費や投資双方のマインドの落ち込み、土地取引を初めとする経済諸活動が非常に今低迷をしておる、そういうふうになっておりまして、土地をめぐる経済状況は大変厳しいものがある、こういうふうに私どもは認識をいたしております。
 国土庁といたしましては、今鋭意内部で検討を進めておりますが、土地政策の観点から、土地の有効利用を促進するために、不良債権の担保土地等を含む低・未利用地について実需に基づく取引を喚起し、適正かつ合理的な土地利用を行う者に所有が移転するということによって土地の取引の活発化、円滑化を図っていきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
 現在、与党三党の税制の調査会、プロジェクトと申しますか、あるいは政府税調でもこの問題が真剣に議論をされておりますが、政府といたしましても、さきに決定をいたしました経済対策におきまして、こうした観点から土地税制については、最近の経済情勢にかんがみ、土地基本法の理念を踏まえつつ平成八年度の税制改正において結論を得るべく総合的、積極的に検討を進めてまいる、こういう決意で当たっておりますので、何とぞぜひ御理解を賜りたい、このように思うわけであります。
○上野公成君 私は大臣自身のお考えをと言ったんですけれども、どうも事務局の考えの域を出ておられないわけでございます。
 今、大臣の答弁の中で土地が動くという話をされたんですけれども、適正な利用をするためには今と違う利用をするわけですから、ほかに利用したい人に動く、これが大事なことなんですね。それで動かないと言っているんですよ。だって、まだ低くなる土地をだれが買いますか。
 土地基本法の本当の趣旨は、これはこの間も橋本通産大臣のお話がありましたけれども、どういう土地利用をしていくか、どういう国民生活をし、経済活動を土地でしていくかというそのことが基本なんです。その変化ができるようなことにしなきゃいけないということでございますから、これはまだ十二月の税調、いろんなときに強いリーダーシップをぜひ、これは後で総理にもお願いしますけれども、まず国土庁が、大臣が強いリーダーシップを発揮するように切にお願いを申し上げる次第でございます。
 それからもう一つ、しかし国土庁のこういう考え方は、これは大蔵省の、大臣よりむしろ事務当局に私は聞きたいんですけれども、(「大臣に聞いたらいい」と呼ぶ物あり)いや、その前に、そうじゃないんです。これは要するに、主税局は税金さえ取れればいいという、どこからでもね、取っているところは絶対放したくない。そういう考え方がちょっと間違っている。これは景気がよくなれば法人税やほかの税として入ってくるわけですから、だから経済活動を活発にするということが大事なんです。そういうことをもうちょっとトータルに考えていただかなきゃいけないんです。景気をよくするということが大事なんです。
 そこで、こんなに高い税金のところはないんですよ、諸外国に比べて。三つか四つ言いますけれども、この土地保有に関して日本は、これは国税だけじゃありませんけれども、固定資産税、都市計画税、特別土地保有税、それに地価税、こんな四つも土地の保有に関して税金を課している国ありますか、ほかに。二点目、土地の譲渡所得課税、これはこんなに高い国がありますか。三番目、土地の買いかえについては、これはもうほとんど諸外国では認められていない、そういうことです。それから四番目に、要するに保有も譲渡も両方とも厳しいって、こんな国ありますか。
 そういうことから、これは答えられる範囲で結構ですし、もし答えられなければ、いつまでもこれは景気がよくなるためにはやりますから、まずこれだけの点に答えていただきたい。
○政府委員(薄井信明君) お答え申し上げます。
 土地税制につきましてはいろいろと御質問賜っているわけでございますが、最初に御指摘のように、主税局といいますか税制当局といたしましては、財政を賄っていくために国民の皆様に御理解を得ながら税収を確保していくことが仕事だと思っております。
 その際に、土地に対する課税がどうあるべきかということは一つの現在の重要な論議の的になっているわけでございますが、御質問の点についてまずお答え申し上げて、最後にその点について触れたいと思います。
 まず、土地の保有についてこのようにたくさん税金をかけている例があるのかという御質問でございました。日本の場合は、地方税で固定資産税、都市計画税……
○上野公成君 あるかないかだけに答えて下さい。
○政府委員(薄井信明君) はい。いろいろ探せばあるのかもしれませんが、例えば韓国等では地方税に関しては日本と似た形をとっていると聞いております。それから、イギリスではむしろ国でこの種の税金を集めて、非居住用の資産の部分につきましては国が地方に税収を配賦しているという形をとっているようでございます。
 ただ、日本のように国と地方でという意味でありますと、ドイツとフランスのいわゆる一般的な経常財産税という形で国が取り、これは土地だけではありませんけれども、財産を持っていると国が税金を土地などについてもかけ、一方で固定資産税的なものを地方が取っているという例があると思います。
 なお、アメリカは、州とそれから州以下の地方が重ねてプロパティータックスを取っていると承知しておりまして、国はこの種の税金は持っておりません。
 それから、第二点の譲渡所得課税でございます。
 譲渡所得課税につきまして、日本は御承知のとおりですので申し上げませんが、国、地方合わせて一般の譲渡所得課税で、個人長期ですと三九%、また優良住宅地用の造成等に使う場合には両方足して、国、地方含わせて二〇%と、この二つの税率がかけられております。
 これに対しまして、アメリカでは現在土地につきましては一五%と二八%の二段階課税になっております。なお、アメリカでは税金の一般の税率が低くなっておりまして、日本では国と地方合わせて給与所得者の場合ですと六五%まで最高税率がかかりますが、アメリカでは五〇%以下になっているというところとのバランスはあろうかと思います。イギリス等につきましては、通常の三段階の累進税率でかけている。
 ただし、今税率だけを申し上げましたが、控除の問題を組み合わせてまた考えなければいけないと思っております。
 それから、三点目は買いかえでございました。
 買いかえにつきましては、御指摘のようになっているのかと思います。我が国の場合、昭和六十一年度の改正以降、八割までの圧縮ということで措置しているということでございます。
 以上、御指摘の点について申し上げさせていただきました。
○上野公成君 譲渡所得では居住用財産、そちらに聞くと時間がかかるんですけれども、これはかなりの広さまで、イギリスなら五千平米以下のものは売っても税金はかからないですね。それから、フランスでも二千五百平米のものほかからないので、これはこんなに重税はないんですよ。今、答弁がありましたけれども、保有税を四つかけているところはありませんよね、最大二つだったんですが、今言われたところで。
 どうも国際的にも、これは所得税の税率が五〇だからほかにかけていいということかもしれませんけれども、これは後でも言いますけれども、いい自分の住宅をつくっていく、これから百平米という目標に行くためには絶対こういうことにかけちゃいけないんですよ。居住用財産の買いかえとか、それから譲渡課税、特に居住用財産の。
 そこで、多分きょうちょっと答えられないと思うんですけれども、例えば坪五百万ぐらいの土地が一万平米あったとします。そういう商業経営者がいたとしますと、これは保有課税、日本の場合は幾らになるか。これはすぐわかりますけれども、これはどこでもいいです、イギリスでもいいから、イギリスだったら幾らかかりますか。
 それから二番目、大都市地域で坪五十万の土地を一万平米持っている。これは工場敷地で、これをリストラして地方圏に行って単価が例えば五分の一の坪十万円のものを二万平米買う、そしてその差額で何とか事業をやっていきたいと、こういうケースがあった。これ、日本の場合とイギリスでもフランスでも何でも結構です、その場合。
 それから、都心部で坪四百万の土地を三百平米持っている。それで、これはリタイアしてでもいいですし、郊外へ移って同じだけの面積を買いたい。その場合幾らかかるか。これは日本と外国、どこでも結構ですから、これ比較すぐできるんだったら答えてください。できなければ次回以降何回でもやりますから。(「資料で要求した方がいい」と呼ぶ者あり)いや、ちょっと答えてもらった方がいいから。
○政府委員(薄井信明君) 御指摘のように、税金を計算する場合には、課税対象と課税標準とそれからどの期間持っていたということで、前提がありますので、その点について詰めさせていただいて、その結果をいずれ御説明させていただきたいと思います。
○上野公成君 坪の方がわかりやすいと思ったから言っているだけで、いいですけれども。
 それから、こういうことが国民生活といいますか、そういうものにもう影響が出ているんです、これだけ長い間土地が動かないということが。特に、失業率が随分大きくなっているのもこれは景気が悪いことなんです。今回の補正の中には、生活保護が補正でやらなきゃいけないほど、これ生活保護はずっと減ってきたんですけれども、しかし思うように減らない、補正をしなきゃいけないような、こういう状況になっているんですね。
 国民生活にもそういういろんな影響が出ていますし、土地基本法の中にありますようないろんな土地の利用に対しても、新しい都市開発なんてできない。それから、資産デフレがこれだけになっちゃうと再開発できないんですよ。だから、全く新しい二十一世紀に向けた町づくりとか土地利用の変換とか、そういうことは全然できないです。
 特に、一番わかりやすいのは住宅なんです。住宅はこういう税制をやった結果、毎年毎年の床面積が小さく小さくなっているんです。日本は公共投資基本計画で二〇〇〇年に百平米と。これは順調にバブルの前までは進んできたんです。九〇年には九十平米だったんです。九三年に多分住調をやったと思うんでその結果も出ていると思うんですけれども、九三年に九十三平米になっていますか。一年に一平米だけふえ続けていく、それでウサギ小屋と言われないようになるという計画なんですけれども、これは二〇〇〇年にちゃんと百平米になるかどうかということを、まずこれは建設省の方に。
○政府委員(梅野捷一郎君) ただいま御指摘ございましたように、途中、現在の動きの中、全体としては拡大の傾向にあるわけでございますが、特に六十二年から平成五年にかけましては、いろんな地価高騰その他がございまして、ワンルームマンションというような投資に相当なものがシフトしたというようなこともございまして、平成五年では九十一・九平米という段階までしか行っていないということでございました。
 しかし、今申し上げましたように、いろいろな全体的な趨勢としては増加傾向にあるわけでございますが、平成六年度には九十四平米程度までフローで見ますと回復して、従来の伸びの線上におおむね戻ってきているというようなこともございます。
 それから、今後、公庫融資の問題でありますとか、コストダウンその他で条件を整備するとか、あるいは特定優良賃貸住宅制度とか定借とか、そういうものを活用しながら何とかこの目標を、大変な努力が要ると考えておりますけれども、必ずしも実現困難な目標ではないということで頑張りたい、努力をしたいと考えているところでございます。
○上野公成君 住宅は景気対策としてやってきたんですけれども、土地が全然供給されない中で無理してやっているんですよ。これは土地が歯磨きのチューブだとすれば、ペンチで本当に搾り出しているというそういう状態。だから、これはこういうことになるんです。
 これは考え方を変えていかないといけない。もう一つ大きい住宅をつくるというと、もとの住宅に次の人が入ってくるんですね。そういうことで、大きい住宅ほど住宅の規模も大きくなる。二〇〇〇年に百平米というのに効果があるんです。これは住宅の方で言いますとフィルタリング効果と言うんですけれども。この辺、土地税制は特にそれを本当に悪い方向に持っていっているということでございますから、ぜひこれは改めていただきたいということです。
 それで、通産大臣もこの間からちょっと土地であれですけれども、自民党総裁としてこの間の清水委員の質問にも、やはり土地基本法の地価税の最初の議論に戻って、どういう土地利用をやっていくか、どういう国民生活をやっていくかということが基本だということでございます。ほかの方と違うわけですけれども、そのことをもう少し簡単にお考えをお話しいただければと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私ども、先般来の御論議の中で、土地の問題について、流動化についての見地からの御議論が非常に多いということをひとつ感じております。
 しかし、私どもの立場からいたしますと、今景気回復の足踏み状態の中で、殊に製造業がもち切らぬという原因の一つに、やはり地価税を含めました土地保有に関する税負担というものの重みというものがだんだん深刻化してきております。
 たまたま土地基本法ができます前に、大蔵大臣としてこの参議院予算委員会でしばしば議論がありましたときにも、当時の高騰する地価に対して税を使えという御論議が非常に多かった時代でありますが、私は実は主役の立場は税ではないんですと。それは土地利用計画であり、都市計画であるべきであって、税は重要なわき役だけれども、例えば先祖伝来のお店をそのままのれんを引き続いてその場所で仕事ができるようにする方向にも働くし、その地域全体を再開発に向けていく方向にも働く。だから、その方向を決めるのはこれはむしろ土地利用計画であり、都市計画であり、土地基本法だ、そこの方向を決めていただきたいということを繰り返しお願いを申し上げた記憶がございます。そして、その上で、土地基本法を御制定いただきました段階で地価税をつくりました。
 そうしたことから考えてまいりますと、やはり私は税の論議というものは一つの方向、言いかえれば流動化だけの御議論ということではなく、有効利用もそうでありますし、あるいは産業の立場からどういう負担感が現実に起きているかとかいろんな角度からの御論議をいただきたいもの、そして私どもも今与党三党の税制協議の中において、党の立場としても、そうした思い、さまざまな角度からの議論をしてまいりたい、そのような感じでおるところであります。
○上野公成君 今言われた、それから建設省のおっしゃったようにこの弊害が出ているんですね。企業の負担も、この間お答えになったように、土地保有だけで倍になっているわけですね、二・数%が五%。ここまで来ますと、国土庁と建設省と大蔵省とこれだけ考え方が違う、もう行って帰るほど違うわけですから、これはやっぱり総理がリーダーシップを発揮するところじゃないか。特に生活者優先といいますか、国民の生活を守るということは総理の信条でもございますから、そういうところまで弊害が行っているということで、ぜひ総理の強力なリーダーシップを発揮していただきたいと思うわけでございます。
○国務大臣(村山富市君) 今、委員からもいろいろお話がございますように、土地の問題というのは、それぞれ国によって土地に対する観念というのは大分違います。
 それは、土地というのは公共性を持っているものだから、そういう公共性を持っているという立場からいかに公共的に利用価値を高めていくかという観点から土地というものを見ているところもあるし、同時に日本の場合には若干資産としての土地を持っておると。土地を持っていればもうかる、こういう土地神話なんて言われたぐらいに、やっぱり土地に対する歴史的な経過というのは大分遣うんです。
 そこで、現状から考えた場合に、今、通産大臣からもお話がありましたけれども、土地を広大に持っておって、その広大に持っておる土地を基盤にして何か商売をしているとかあるいは会社を持っているとかというふうな場合に、会社が景気の動向の中でもうかるよりも土地の負担の方がもっと大きくなるというようなことで経営が非常に苦しいというようなものもありましょうし、そうかといって、それじゃ土地の値を下げれば土地が流動化していくのかといえば必ずしもそうならない面もあると思います。それからまた、今の土地が下落している状況の中で、土地の価値が下がったために不良資産を抱えて金融機関は困っておるという面がある一方では、まだまだ土地は高い、もっと下げてしかるべきだと、こういう意見もあります。
 したがって、そういう全体の土地の動きというもの、あるいは土地の持っている意味というもので資産と消費と所得、その課税のバランスというものをどう考えたらいいのかとか、いろんな視点からこの土地という問題についての議論は私はあると思うんです。
 今、与党三党の中でもそうした問題をあらゆる角度から議論もしてもらっておりまするし、同時に内閣の中でもいろんな角度から議論をし合って、広い立場から総合的に判断をして八年度の税制改正の中でひとつ結論を出していこうじゃないかといって今議論をしているところですから、そうした議論も踏まえた上で、お互いの合意を求めていくという方向で国民全体が納得できるような結論を出す、同時に景気に対しても一定の役割を果たし得るようなものにしていく、こういう視点から何としても早期に結論を出さなきゃならぬ緊急の課題だというふうに受けとめて、今一生懸命頑張っておるところであります。
○上野公成君 ちょっと満足できるような御答弁じゃないんですけれども、なお先ほどの国土庁長官と一緒にリーダーシップを発揮していただきたいと思います。
 それから、不良債権の問題があるんですけれども、これは要するに今の資産の価値と債権の額、その差額をだれがかぶるか、そのことをやっぱりきちっとしなきゃいけないということが一つ。それから、だれかが保有しなきゃいけないんですけれども、実需が全然ないわけだから、実需のない中でだれが保有を継続していくんだと、そのことをしっかりする。それから最後に、どうして需要を本当に喚起するか。
 共国債権買取機構の話が出たんですけれども、九兆か十兆ぐらいの債権のものを引き受けて一五兆ぐらいの今あれなんですかね、二千億しか処理できないということなんで、やはりその原則をしっかりしないといつまでたっても政策ができないんじゃないかと思うんですけれども、どうせ聞いても余り満足のいく答弁がないと思うので、ここでは特に農林系の金融機関の不良債権のことだけちょっとお話しさせていただきたいんです。
 設立の経緯なんかからいっても、これは母体行が、これは住専だけじゃないんですね、普通の企業でも銀行から、天下りというのは役人だけじゃないんです。銀行の天下りで副社長や社長や専務になって、それで母体の元の銀行から土地を預けられて、無理やり抱かされて、それでみんな苦しんでいるというところが多いんです。そういうところが本当に多いわけで、今回のこの問題は銀行の責任が本当に重いと思うんですよ。この住専についても、もうみんな元の銀行から来ているわけですから。だって、本来は住宅ローンを貸していたわけですから、それだけ貸していれば別にこんなことになっていないわけです。大蔵省も相当責任があるんですね、OBは相当出ているし、もう毎月、月に何回もちゃんと報告を聞いているわけですから。
 特に、農林系のことに至っては、第二次再建計画の中でも、ここに何度も出ていますけれども、母体行が責任を持って対応し、大蔵省が責任を持って指導する、こんなことも言っているわけです。再建計画が達成されれば元本ロスが生じることもない、こう言っているわけですから、経営からいっても私は母体行が責任を持ってやるべきことだと思うわけですけれども、大蔵大臣、そしてその後で農水大臣、御答弁をお願いします。
○国務大臣(武村正義君) おっしゃるとおり、住専は母体行という言葉に表現されておりますように、そもそもこういう会社を起こしたという意味で大変大きな役割、主体的な役割を担っていることは事実であります。ローンから始まって、その後、事業の分野にまで拡大をしていったわけでありますが、そういう中で母体行のみならずさまざまな貸し手が出てきて、そして今回、我々が認識しているような大きな住専の不良債権の問題を生み出してしまったということであります。
 責任論、初めからどこというふうに単純明快に一〇〇%割り切れるかどうか、これはやっぱりどこかが一手にかぶってくれればこんな明快な話はないわけであります。
 私はむしろ、これは答弁に対して余分でありますが、かねがね思っておりますのは、不良債権というのは何か貸した金融機関に全部、一〇〇%責任があるかのごとき、あるいはそれを指導した大蔵省という言葉もありますが、貸し手、要するに金融の側に全部問題があるかのごとき認識がありますが、そもそもだれが借りたんだ。そんな付い状況の中で、ちゃんと証券に契約でサインしていつ幾日までに返します、金利もつけてと、そういうことで事業を起こして、金を借りた側にも相当な責任があるじゃないか。やはりそっちの方も本当は、責任論を言うならば、民間の中の話ですけれども、貸す側、借りる側、双方の論議がもう少しあっていいのではないかという感想を持っているんですが、これはちょっと余分なことを申し上げました。
 母体行、系統系、さまざまな立場がございますが、幸い今一生懸命テーブルに着いて関係者がそういった問題解決に対する議論を進めているところでございます。当然、その議論の前提には責任論を背後に踏まえながらやっていただきまして、その推移を見ながら私どもも最終の結論を見出してまいります。
○上野公成君 ちょっと農水大臣の前に。
 確かにそれはそうなんです。だけれども、さっきも言いましたように、銀行の方が実質押しつけているのが多いんですよ、これは。再答弁要りませんけれども、そのことをだからちょっと余りはっきり言うわけにはいかないから、これは具体的に言えというならそれは幾らでもあれしますけれども、ここは時間もありませんから。
 では、農水大臣。
○国務大臣(野呂田芳成君) もう上野委員よく御案内のとおりでありますから詳しいことは申し上げませんが、住専が設立された経緯、それから住専の性格、ただいまも御指摘ありましたように、なぜ経営破綻が起こったかという原因、あるいは母体行が責任を持って対応するといった再建計画策定時の経緯、こういうものを考えれば、私どもはどう考えても母体行がぎりぎりまで責任を負うべきである、こういうふうに思って、今処理を進めていきたいと思っているところでございます。
 また、公的資金の導入の問題も論議されておるようですけれども、一部には農協系統の経営状態を理由にダイレクトに系統に公的資金を導入すべきだという意見もあるようでございますけれども、これは私どもは全く筋違いの議論である、こういうふうに思って、そういう意見にはくみしない、こういうふうに考えております。
 いずれにしましても、今申し上げたような経緯を十分踏まえながら、いささかでも農協系統の信用事業に支障を生じないように処理をしてまいりたい、こう思っております。
○上野公成君 それでは私の質問はこれで終わらせていただきます。
○委員長(井上裕君) 以上で上野君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ―――――――――――――
○委員長(井上裕君) 次に、依田智治君の質疑を行います。依田君。
○依田智治君 私は、安全保障、外交、防衛問題につきまして、最近の、例えば二十一日の沖縄の県民総決起集会というものに結集された沖縄県民八万の怒り、これは恐らく、我々は復帰後もいろいろ政府にお願いし、やってきたけれども、一つ一つの問題をしっかりやってくれているのか、どうなんだというような怒りも出ておるんじゃないか。
 また一方、私は防衛の方もやっておったんですが、やはり日米安保体制のない日本の外交も日本の安全保障ということも私は全くあり得ないんじゃないか。これは後ほどちょっと質問しようと思いますが、そういう観点に立って、この沖縄問題の根本的解決並びに、これからAPECもあり、総理はクリントンさんとも会談するというようなこともありますので、そのあたりの日米安保の重要性、これからのあり方というような問題も踏まえた両面の問題を、これは大変困難な問題ではないかと思いますが、どう解決していくのかというような問題意識に立ちまして、以下、最近の沖縄問題から、さらにできれば、時間がありますればゴラン高原PKO等の問題もちょっと触れたいと思っておるわけでございます。
 まず第一に、外務大臣にお尋ねするんですが、最近精力的な日米合同委員会のもとでの特別専門家委員会で地位協定の運用に関して合意が成立した。これは大変なことでございまして、やはり地位協定というのは安保条約と裏腹で、送り出す国にとっては大変な士気にかかわる重大な問題を抱えている問題を国際的常識からいきますと非常に速やかに解決したということは、私は大変なことじゃないかと思うわけでございます。
 ただ、この全文仮訳をいただきまして見てみますと、殺人、強姦という凶悪な犯罪の特定の場合とか、その他の特定の場合に特別、十分な考慮をするとか、好意的配慮を払うと、こうなっているわけですが、ちょっとこれだけ読んだのではどうなのかなと口要するに、殺人とか強姦、さらにその他の特定というのは、例えば重大な強盗事件とかそういうのかなと思いますが、そういうのがあった場合に、日本側がこれは取り調べる必要上、起訴前でもぜひ身柄を引き移してもらいたいと合同委員会に提起した場合には米側が可能な限り日本の意思を尊重してくれる、こういう取り決めであるというように解していいのかどうか、この点をまず最初に伺いたいと思います。
○政府委員(折田正樹君) 今度の合同委員会合意は、一言で申し上げますれば、地位協定第十七条五項(c)の規定に関します身柄引き渡しについての日米間の実施手続を見直し、その改善を図ったものでございます。
 今回の合同委合意によりまして、我が国として重大な関心を有する殺人、強姦のような凶悪な犯罪については、起訴前の段階で米側より被疑者の身柄の引き渡しを受ける道が開かれたことになるわけでございます。
 より具体的に申し上げますと、今、依田委員御指摘のように、殺人または強姦につきましては、その凶悪性にかんがみまして、日本側が引き渡しの要請を行えば米側は好意的考慮を払うこととなったわけでございます。これは通常、日本側の要請に応じる方向で検討されるということを意味するわけでございます。
 また、それ以外の犯罪、例えば放火、強盗、誘拐、このようなケースで殺人、強姦の場合と同様に凶悪な事件につきましても、日本側が重大な関心を有する場合は、日本側が提示する特別の見解を米側は十分考慮するということになったわけでございます。その結果、そのような場合でも実際に引き渡しが行われることが十分に考えられるということになったわけでございます。
 今度の合意によりまして、凶悪犯罪についての起訴前の身柄引き渡しが当該犯罪に関する日本側の有する関心にこたえて実現できることになったということで、私どもとしては日本側にとって大きな改善になったというふうに考えている次第でございます。
○依田智治君 そうしますと、十七条五項(c)が運用上実質的に改定されたというように考えてよろしゅうございますか。
○政府委員(林暘君) お答え申し上げます。
 現在の地位協定十七条五項(c)におきましては、今御指摘のようなケースにつきましてアメリカ側が拘禁を継続できるということになっているわけでございますけれども、アメリカ側がそういう権利を行使しないという意味において好意的考慮を払うということになったわけでございますので、いわゆる協定を改定したということではなくて、協定の解釈、その手続細則をこういう形で明確にしたということでございます。
○依田智治君 協定を改定したと言っているわけでなくて、実質的に中身が実現されることになった、したがって我が日本の捜査当局の要請がこういう凶悪犯罪の場合には十分達成されることになった、こういうように理解してよろしいというように解釈させていただきます。
 ただこれは、例えば私、国連と受け入れ国との地位協定というのを勉強したことがあるんですが、裁判管轄権とか身柄引き渡しはどうなっているか、ちょっと折田さん教えていただきたいと思います。
○政府委員(折田正樹君) 国連平和維持軍を派遣した場合に国際連合と受け入れ国との間で地位協定が結ばれるわけですが、そのいわゆるモデルの地位協定というのがございます。
 そのモデルの協定によりますと、まず裁判管轄権では、国連平和維持活動の軍事部門の軍事構成員は受け入れ国において犯すことのあるすべての刑事犯罪について、本国の、派遣国の専属的な裁判権に服するということになっております。
 それから、受け入れ国の政府の官憲は、非常に限定された場合に国連平和維持活動に属している構成員の身柄を拘束することができるということで、その条件というのは、国連側の特別代表、司令官が現地の政府官憲に要請する場合と、それから国連平和維持活動の構成員が刑事犯罪またはその未遂を犯したことにより逮捕された場合ということでございますが、直ちに当該構成員は国連平和維持活動の代表であって最寄りのかつ適当な者に引き渡されるというふうになっております。
○依田智治君 このように、結局、外国へ軍隊を送るという場合には、受け入れ国は送る側の国を十分尊重して、その自主的責任において兵員等の規律を保持し、事件等を起こさないように、起こした場合にはひとつしっかりと内部の規律等の保持の問題も含めて自分らの方で処置してください、こういうのが大体建前なわけです。
 それで、韓国とか西ドイツの協定は判決が下るまではという日本よりむしろ厳しくなっているけれども、今回の日本の好意的配慮というのはありますが、やはり相手の国を信頼して好意的配慮ということを全然要請したことはないというのは、わざわざ遠方から来て厳しい条件の中で勤務してもらっているということ、それは相手の国を信頼するというか、こういう通常の安全保障関係というのはぎくしゃくした関係でなくてお互いに信頼し合う、特に遠方からPKOにしても何にしてもわざわざ来てくれる、そういう国の立場を尊重して、むしろ受け入れ国は控えているというのが実態なわけです。
 だから、そういう点で私はこの日米の地位協定の問題でも非常に心配しておりましたのは、こういう問題は背後にそういう伝統、背景というものもあり、余り日本当局が国際常識に反したような行動をごり押しすることによって、日米安保体制そのものの信頼性、こういうものは全く私は信頼のもとに維持されていることだと思うんです。そういうことでぜひ、この問題につきましては大変な合意が成立したわけですから、この合意を十分尊重しつつ運用していくということで、政府の方もこれを大事にしてやっていただく必要があるんじゃないか。
 あと、地位協定の問題では、時間がないので一言触れさせていただきますが、低空飛行問題、騒音の問題、ごみが出るとかいろいろあるんですね。私もちょっと横から見ておりまして、何か野党側で質問されるのを聞いていると、野党の質問が正しいんだというような感じがするようなこともあったわけです。
 そういうことを考えますと、やはりもっと日米合同委員会等の場において、政府も解決に向けて真剣に、早急にこういう問題、例えば地位協定自体に派生する問題で、本体の改正というよりも運用にかかるような問題が多いわけです、騒音、低空飛行にしても。そういう問題の解決が意外どこれまで長引いてきているというのが実態でございますから、日米合同委員会等の場において、本当に迅速に今回の合意に達したような形で精力的に今後も努力していただきたい。外務大臣に一言その点についての見解をお願いします。
○国務大臣(河野洋平君) 依田議員御指摘のとおり、あれだけの基地がございますればいろいろな問題が、今御指摘のようにごみの問題もあり、環境の問題、騒音の問題、その他いろいろな問題が出てまいります。そうした問題につきましては、合同委員会に提起をいたしまして日米双方で話し合いによってこれを解決する、あるいは新たな約束事をつくる、こういったことが必要だと考えております。
 できる限り地域の皆さんからの問題提起、あるいは我々独自の判断で問題を提起することもあろうかと思いますが、こうした問題の解決に全力を挙げたい、こう考えております。
○依田智治君 地位協定の問題の次に、いわゆる米軍用地の強制使用代理署名拒否の問題、大変これは重大な問題だなと、こう思っておるわけでございまして、総理も来月四日には大田知事と会談するということも予定されておるようでございますが、やはり基地を保持していくということは住民の理解と協力ということがなければ長続きしない問題でございます。
 今回期限の来るのは、来年の三月未に来るのは二百三十七平米の楚辺通信所の問題だそうでございますが、しかしこれは土地をかえてくれと言っても絶対にうんと言わない、非常に頑固というか、大変な信念を持って反対している方のようでございまして、そうなるとどうしても知事の署名がなければ土地収用ができない。そのため、それができなければ安定的な意味において通信所を合法的に使用していくということは不可能であるということになるわけでございまして、ぜひこれを円満に解決するということが大変重要だ。
 知事さんというのは、県民から選ばれた県の代表であると同時に国の機関委任事務を処理し、また国の言うなれば地方長官的な意味もあって、国家的視野に立って物を処理していただくという極めて重要な立場でございますので、どうかひとつ、総理は四日に会談、またその前には与党代表団も行っていろいろ話し合うというような報道も伝えられておりますが、この問題解決に向かっての村山総理の決意をお聞かせいただければありがたいと思うわけでございます。
○国務大臣(村山富市君) 戦前から戦中、戦後を通じて沖縄の県民の皆さんがこうむってきたいろんな重荷といいますか、いろんな事件も起こっていますし、そうしたものも含めて、我々本土の人間が味わわなかったような苦しみやら悩みやら、こもごも複雑な思いできているその心情というものはよく理解できるわけです。
 今度の少女暴行事件なんというものを契機にして、二十一日にはかってない県民集会というものが開かれて、そして決議もされておる。そういう沖縄県民の置かれておる現状というものを考えた場合に、知事のとってきている態度というものもよくまた理解できるところだと私は思うんですよ。
 四日に知事さんとお会いすることにいたしておりますが、そういう問題も含めて十分話し合いもし、同時に日米安保体制、安保条約の意味といったようなものについてもできるだけ意見交換をした中で、お互いに理解をし合った上で何とか円満に話ができるような方途を見出していきたい、こういう気持ちで精いっぱい私も取り組んでいきたいというふうに思うんです。
 この問題は下手をしますと日米関係にまで大きく影響していく重要な問題ですし、私は、申し上げてきましたけれども、ある意味では内閣の命運をかけて取り組むだけの大きな問題なんだということも踏まえておりますから、内閣一体となって取り組むことはもとより、私自身もこれはもうそういう決意で何とか話し合いができるように最大限の努力をしていきたいというふうに思っているところであります。
○依田智治君 内閣の命運をかけて取り組むというこの決意に期待するわけですが、さらに沖縄の問題では、やはり我が国の七五%もあそこに基地が集約されているということで、基地の整理統合問題というのがもう一貫して大変な問題。この前の予算委員会でも数字等指摘されましたが、その割には進展していないじゃないか。それだけに、これは極めて難しい。
 米軍のプレゼンスを維持しようとすればどうしても基地が必要だし、さらにプレゼンスのみでなくて、訓練を確保するとすれば訓練場も必要ということを考えてみますと、やはりどこかに訓練場なり基地がなきゃいかぬということになりますので、言うはやすくなかなか行うには難しいという問題でございまして、安易なスローガンというか、リップサービスを上げて後何にもできないということにならないように、この問題につきましてもまさに内閣の命運をかけるくらいのつもりで、これは沖縄だけの問題でなくて本土と一体の問題でございますので、外務大臣、整理統合についての御意見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(河野洋平君) 議員御指摘のとおり、今回、沖縄県民の強い気持ちがさきの大きな集会にあらわれているというふうに私どもは考えておりますが、この問題は日米安保体制と表裏一体をなすものでございます。したがいまして、私どもといたしましては、我が国の安全保障、そしてそれはさらに日米関係、さらには我が国周辺諸国の安定、そしてその安定からよって立つ経済的な発展、さまざまな問題をよく考えまして、五年、十年、あるいはさらにそれ以上先を見てこの問題に対処しなければならないというふうにまず思っております。
 しかしながら、その安保体制の堅持ということと同時に、そのために起こる基地周辺のさまざまな問題、とりわけ今、議員が御指摘になりましたように、日本にございます米軍基地の七五%を沖縄県一県に依存をしておる、こういう状況というものが沖縄県民に大きな影響を与えている。そしてまた、沖縄県民の気持ちは、日本全国あちこちにございます基地周辺の住民にももちろん同じような気持ちを持っておられる方が多いと思います。
 したがって、こうした住民のお気持ちというものと安保体制を堅持するという考え方、日米安全保障の目的を達成するために必要な要素といいますか、施設設備あるいは訓練、こういったものとをどこで調和させるかということを真剣に考えてきたわけでございますが、今回、この事件にかんがみまして、さらに一層真剣にこの問題に対処してその調和点を見つけるべく努力をしなければならぬと考えております。
 総理の御指導のもとに内閣一体となって、さらには与党の皆さんのお力もおかりをしてこの問題に対応したい、こう考えているところでございます。
○依田智治君 ぜひひとつ、この沖縄の問題は日本全体の問題であり、そしてまた日米関係の全体、ひいては世界の平和と安定にも響く極めて重要な問題でございますので、安易な解決を目指さず、本当に真剣な取り組みをお願いしたいと思うわけでございます。
 そこで、やはり何といいましても日米安保体制をどう効果的に維持していくかということは極めて重要で、これを日本国民に本当に理解してもらう、それで、また後ほど触れますが、米側の理解というものも向上していくという、この両面から安保体制というものを堅固なものにしていく必要があると思うんです。
 そこで、十一月のAPECでは、総理は日米首脳会談もやられますし、その前に中国とか韓国とかフィリピンの首脳とも会うというような報道もなされておるわけでございますが、そういう場合に、この日米安保体制の意義と重要性というものに対する総理の腹構え、そしてこの新しい時代にこれから日米安保関係というものをどうやっていくのかというのは極めて重要な問題じゃないかと思いますので、この問題につきましての総理の基本的認識をお伺いできればありがたいと思うわけです。
○国務大臣(村山富市君) 戦後五十年の節目に当たる今日、振り返ってみますと、国際情勢も随分変わってまいりました。冷戦構造のときからずっと考えてまいりますと、冷戦構造も崩壊をして、恐らく地球的規模の戦争なんというものはもう想定できない。むしろ、地域的ないろんな意味における紛争というのはまだ絶えずあるわけですし、それは日本の周辺を考えてまいりましても、そういう意味における危険性が全然なくなったかといえば、そうも言えない面もあるというようなことも考えた場合に、日米安保条約が持っておる役割と果たす任務というものは、そういう意味では日本の安全保障というものを考えた場合にも一定の大きな役割を果たしているものだというふうに思います。
 同時に、これはまた日米関係の信頼と協力のきずなになっておるということを考えた場合に、単に安全保障だけではなくて、経済的にも政治的にもいろんな意味でやっぱり一つの軸になってきておる、そういう役割を果たしてきておるということは否定し得ないと思うんです。
 同時に、これは単に二国間だけではなくて、私はASEANの国あたりを回ってまいりましても、日本の国は経済大国になったけれども軍事大国にはならないと、こういう意味の安心感というものがある。その背景には、日米安保条約、日米安保体制というものがある、その限りにおいてはその不安はないんだと、こういうふうに受けとめられておる国もあるんではないかというようなことを考えた場合に、これは単に二国間だけの問題ではなくて、アジア・太平洋全地域の安全保障といったような面における役割というものもあるんではないかということを考えた場合に、この日米安保条約、安保体制というものは極めて大きな意義を持っておるということを踏まえて、これが一層二十一世紀に向けてさらに強力なきずなになって信頼関係が結ばれていく。
 そういうものにしていくことが日本のアジア全体の中における立場というものも非常によくなるというようなことを考えた場合に、私は十一月に日米首脳会談をやりますけれども、これまでの経過を踏まえた上で、さらに一層信頼と協力関係というものをしっかりつくり上げていくようなものにしていく。そのためには、やっぱりお互いに率直な意見交換ができるようなものにしていきたいものだと。率直な意見の開陳をすることによって一層信頼関係が結ばれていくというふうに考えておりますから、そういう決意と気持ちで取り組んでいきたいというふうに思っております。
○依田智治君 防衛庁長官、日米安保体制のない場合の日本の安全保障、防衛ということを考えた場合に、どうでしょうか、我が国の防衛というのは成り立つでしょうか。その点をちょっと率直にお伺いしたい。
○国務大臣(衛藤征士郎君) 依田委員にお答えを申し上げますが、御案内のとおり、世界じゅうで、その一国のみで国の安全を確保できるという国はないと思います。また、一国のみで平和を達成できるという国もないと思います。そういう意味で、我が国におきましても我が国の力のみで我が国の確かな安全、防衛を確保することはできない、このように申し上げたいと思います。
○依田智治君 それで、安保体制を維持していく場合には、やはり維持するために基本的に重要なことがあるわけですね。これは、ただ条約を結んでおればいいというわけじゃなくて、安保体制堅持のために何が重要なのか、そして防衛庁としてどういう点に力点を置いてその堅持のための努力をしているのか、この点をちょっとお伺いしたいと思います。
○国務大臣(衛藤征士郎君) 依田委員にお答えを申し上げます。
 冷戦下の安保体制、これは御案内のとおり、どちらかといえば紛争を抑制するためのもの、あるいは我が国に対する侵入、侵略等を抑制する、そういうような側面から安保体制を見ておりました。ポスト冷戦にありましては、これに加うるに安保体制が新しい世界の平和の秩序を構築することについても貢献している、私はこういう側面が出てきておると、このように認識しております。この二つの面をこれから私ども政府としても、またこれが単に中央政府としての問題だけではなく地方の、ローカルな問題としても、全国民的な問題としても私はそれが取り上げられるべきだと。また、国民サイドにおきましても、マスメディアの面におきましても、こういう問題が取り上げられていくことがまず必要だと、このように思っておるわけであります。
 往々にしてこの安保体制、安保条約そのものが、国会の場であるいは政府の場でというような、どちらかというと今までセントラルな問題として取り上げられてきた、そういう感は否めないと思いますが、これからはもっと幅広い立場から、そして一方で、セントラル、ローカル、そしてグローバルな見地からもこういう問題が取り上げられて大いに議論をされてしかるべきだと、このように考えているということを申し上げたいと思います。
 そのために防衛庁といたしましては、日米安保体制の信頼性向上のためのいろいろな施策をやっております。一つは、政策協議等の充実でありますが、これは各レベルでの協議を今まで実施してまいりました。御案内のとおりであります。それから運用面における協力、これは日米共同訓練であるとか、指針に基づく研究であるとか、いわゆるインターオペラビリティーの面におけるお互いの協力。それから、私どもは今後さらに装備、技術面での相互協力をしたい、これは日米相互技術協力の面でございます。
 そして、本日の閣議で決定をいただきましたホスト・ネーション・サポート、こういう問題、在日米軍駐留を円滑にするための施策をさらに進めていく。そして、そのことは沖縄の基地を初め在日米軍施設・区域の整理統合、そういうことについても意を用い、基地の運用についても周辺地域の皆さんの御協力をいただく、そういう努力をせねばならぬ、このように考えております。
 そして、委員御指摘のとおりでありまして、ACSAの面におきましても、私どもは将来の検討課題として研究中であるということもあえて申し上げたいと思います。このように考えております。
○依田智治君 やはり安保体制を堅持していくためには、今、防衛庁長官が言われたような総合的な見地に立ってあらゆる施策を推進する、それには結局、基地周辺の住民を初め日本国民全体のこの問題に対する協力ということが極めて重要である、こう考えておりますので、今後とも我々としてもこういう問題を逃げずにもっと国民に積極的に訴えていくという努力が必要じゃないかと考えておるわけでございます。
 あと一つ、最近、沖縄問題等にも関連して米側の方が基地縮小に同意するとかなんとか、そういうような動きはまさに安保体制の重要性というものに対する米側の認識がだんだん低下しているんじゃないか、これは大変な問題じゃないかというような形で私どもにいろんな意見を言われる方が多いわけでございます。
 外務大臣、この日米安保体制の重要性という問題に関する米側の認識、十万のプレゼンスをアジアに維持するとか、いろいろ公式文書で言っていますが、本当に米国民の大多数の人がこの日米安保というものを重要性を持って見ておるのかどうか、そういう問題に関する外務大臣の御認識をお伺いしたい。
○国務大臣(河野洋平君) 今回の沖縄におきます事件に対しましてアメリカ側は極めて深刻にこれを受けとめておられまして、大統領を初め国務長官、国防長官あるいは在日米大使その他まことにこの問題に対する対応は、陳謝をされ、一日も早くこの傷をいやして再びきちんとした信頼関係が在日米軍と基地周辺住民との間に取り戻すことができるように極めて積極的な努力をしておられます。
 ペリー国防長官もみずから在日米軍に対して再発防止のための教育訓練その他について指示をされたところでございますが、今お尋ねのようにアメリカが一体これをどう見ているかということについては、ちょうど一昨日、アメリカの下院の外交委員会のアジア・太平洋小委員会公聴会におきまして、ナイ国防次官補あるいはロード国務次官補などがそれぞれ発言をしておられます。
 その発言を見ましても、日米二国間の安全保障関係はアメリカの安全にとっても極めて重要だという認識を持っておられますし、日米二国間の安全保障関係は両国の安全及び地域的安定、双方の基盤で、これは同時に日米間のグローバルな協力の基礎でもある極めて重要な問題だという認識を持っておられます。こうした基本的な認識に基づきまして、米側としては日米安保条約の本来の目的をしっかりと達成するために日本側に対しても協力を求めてきておられます。
 また、我々といたしましても、先ほど来防衛庁長官その他述べられましたように、我が国の安全という見地、さらには日米両国関係ということを考えましても、あるいは将来のアジア全体を見ましても、例えばアジアの将来というものを考えれば、中国の存在というものを我々がどう考えていくか極めて重要な問題があると思います。我々は、やはり何といっても日米中、この三つの国が十分良好な関係を保ちながら進んでいくことがアジアの安定、平和、そしてそれは繁栄につながるということを考えましても、この日米関係、極めて重要だと考えますし、アメリカもそのことを十分認識しておられるというふうに理解をいたしております。
 ペリー長官の御発言は、日本側からどうぞいろいろ問題があるなら提起をしてくださいという極めて前向きな発言をしておられることを我々は歓迎をしたいと思いますが、その発言は、沖縄にございます現在の基地その他を直ちに縮小するという発言ではございませんと受けとめております。しかし、私どもといたしましては、先ほども申し上げましたように、沖縄県民の気持ちを体してこれは真摯に日米双方で、日米安保体制の目的を達成するということを前提にしてでき得る限りぎりぎりの話し合いをする必要がある、こう考えているところでございます。
○依田智治君 外務省としても、政府としても本当に真剣にこの問題に取り組んで相互の理解の増進というか、これに努めていきますとともに、我々議員としても安全保障対話とか、これはアメリカだけでなくて、特に近隣諸国等とはできるだけ防衛安保対話というのを強力に推進して相互理解を深めていくということが大変重要じゃないかと思うわけでございます。
 安全保障体制を堅持していくためには、日米安保の社とあと一つ、やっぱり我が国の防衛力のあり方という問題が大変重要な問題でありまして、これは今、政府の方では防衛計画大綱に基づく今後の防衛力のあり方を検討し、安全保障会議等でもいろいろ検討されておるようでございますが、現在防衛庁の方で大体こういう方向でいけるとお示しいただける範囲で結構でございますので、どんな柱で我が国の防衛力整備をしようとしているのか、お伺いできればありがたいと思います。
○政府委員(秋山昌廣君) 本日たまたま開催されました安全保障会議におきまして、防衛庁から将来の自衛隊の体制について、同体制への移行要領も含めまして御説明をしたところでございます。
 この中で、防衛庁といたしましては、検討を進めております陸海空自衛隊の将来の体制について、現行の大綱の別表について定められております基幹部隊ですとかあるいは主要装備等との対比という形で実はこれまでも御説明してきたことでございますけれども、一つはコンパクト化するという方向、一つは現状を維持するといったようなこと、それから他方で改善充実を図っていくといったような三つの区分で説明をしたところでございます。
 細かい説明は省略いたしますけれども、例えば陸上自衛隊につきましては、編成定数として現在の十八万人から一割程度は縮減をする、あるいは常備定員としては二割程度は縮減をする。しかし他方で、その差を埋めるために即応度の高い予備自衛官制度を導入したいといったような説明をさせていただいたところでございます。
 海上自衛隊につきましても、基幹部隊につきましては機動運用する護衛艦部隊あるいは潜水艦部隊は現在の部隊規模を維持するという考えを示す一方で、地方隊につきましては約四分の一から三分の一縮減する、あるいは陸上哨戒機部隊を二割程度削減するといったような説明をさせていただいております。
 もう一点、航空自衛隊について申し上げますと、基幹部隊につきましては、航空警戒管制部隊の三分の二程度を警戒隊にするといったようなリストラの説明、あるいは要撃戦闘機部隊を一割程度削減する、他方その他のものについては現状を維持するといったようなことを説明いたしております。
 なお、あわせて防衛庁におきまして、現在の決定されました中期防衛力整備計画の内容に従いまして空中給油機能に関する検討を行っておりますので、その内容についても御説明をさせていただいたところでございます。
○依田智治君 この大綱の見直し、これからのあり方という問題、ただ最初に縮小、削減ありきというようなことでなく、やはり日米安保体制の重要な柱という見地に立って、効率的なあらゆる複雑な事象にも対処し得る防衛力の体制というものをぜひ確立するようにひとつよろしくお願いする次第でございます。
 官房長官に来ていただいていますが、最後に一つ。
 この間、ゴラン高原に政府の調査団が行ってきて、来年にPKO派遣ということになっておるわけですが、聞くところによりますと、このゴラン高原というのは夏は物すごく暑い、四十度以上の高温が続く、それから冬はマイナス二十度、こんなようなことでございますし、そういう面からしてもPKOに派遣される諸君は大変な困難が予想されるわけでございます。
 それから、時間がないので一問にまとめて話させていただきますが、このPKOの見直しも既に八月で期限も過ぎておる。また、PKFの凍結は三党としては当分見合わせるというようなことになっておるわけでございます。総理もこの間国連で演説し、多くの国の理解を得て我が国も安全保障理事国になる用意があるというか、そういう趣旨のことを申されたと報道されております。
 これからの我が国の安全保障というものを考えていく場合には、やはり我が国の国防の基本方針第四項目でも、国連が機能するまでは日米安保体制でいくということになっているんですね。だから、将来的には国連というものを世界の安全保障の中核になるように位置づけていくということが大変重要である。これは我が国の安全保障という見地からも大変重要なわけですが、残念ながら国連PKOはやや後退ぎみにもなったりしておるわけでございます。
 しかし私は、我が国が本当に我が国の安全保障というものを真剣に考えていくとすれば、国連の問題に対してはあらゆる角度から我が国の得意わざを発揮して努力していくということが大変重要で、そういう意味におきましては、私の持論でございますが、少なくとも現在のPKO法にあり、在来型のPKOというようなものにつきましては全面的に参加していく。もちろんPKFの凍結解除、これは当然やるべきじゃないか。また、カンボジア以来の教訓を踏まえた見直しということもやり、派遣される自衛隊を初めその他各省庁等の職員、また民間ボランティアもあると思いますが、そういう方々が本当に安んじて十分世界のために活躍できる体制をとっておくということは大変重要じゃないか、こう思うわけでございます。
 このPKOの見直し問題について、最後に官房長官の御意見をお伺いしたい、こう思うわけでございます。
○国務大臣(野坂浩賢君) 先生にお答えをいたします。
 PKOは三カ月後には見直すという法文がございますので、既に八月で三カ月経過をいたしました。(「三カ年」と呼ぶ者あり)ああ、三カ年。大変ありがとうございました、よく間違えますので。三カ年経過いたしましたので、今検討を開始しております。カンボジアとかザイールとがそれぞれに派遣をした経験もございますので、それをもとにして検討し、また依田先生を初めたくさんの権威の皆さん方がいらっしゃいますので、そのことを十分に踏まえて我々は慎重に検討して日本の行くべき道を明らかにしたい、こういうふうに考えております。
 第二番目の問題は、ゴラン高原に調査団が行ったと。暑いとか寒いとかという話がありましたが、調査団の団長が私に報告においでになりましたが、実に平和でのどかで、そういう姿であった、したがって皆さんがお考えになるような殺伐としたものではないと、こういうふうな考えをお話しになりました。
 しかし、先生が言われたことも四季折々あるわけですし、家族の御心配等もございますから、平和協力の手当の問題とか、あるいは隊員の研修の問題とか、福利厚生面等につきましても特別に考えていかなければだれも立候補してまで行く者はいないというふうなことを考えて、十分な対応をしていかなければならない、このように考えております。
○依田智治君 終わります。どうもありがとうございました。
○委員長(井上裕君) 以上で依田君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ―――――――――――――
○委員長(井上裕君) 次に、泉信也君の質疑を行います。泉君。
○泉信也君 いわゆる沖縄問題が日本の安全保障の問題あるいは日米関係に大変重要な影を落としつつあるのではないかと私は危惧をするものでございます。
 先日、この委員会で同僚の田村委員から紹介がございました大田少将の、沖縄県民はかく戦えり、沖縄県民に特段の御高配あらんことをという最後の電報があるわけでございますが、私どもは沖縄県民に対してそうした心配りを果たして戦後五十年間やってきたかどうか、このことについて総理に率直に御感想を伺いたいと思います。
○国務大臣(村山富市君) これはたびたび御質問にもお答えしておるところでありますけれども、戦前、戦中、戦後を通じて我々本土で生活しておる者が味わわなかった多くの苦労、苦痛、不安、あるいは怒り等もこもごも経験されてきておるそういう沖縄県民の置かれている状況とその気持ちというものは、これは単に沖縄県民だけのものではなくて、国民全体が共有しなきゃならぬ問題だというふうに私は今度の事件やらあるいは決起集会等の状況等を聞くにつれて思いを強くしているところなんです。
 今言われましたように、本当に沖縄の皆さんが味わわれたいろいろな経験と苦労というものを考えた場合に、我々はまだまだやっぱり思いが足りなかったなということは率直に反省をしなきゃならぬことだというふうに思っていますし、その限りにおいては、沖縄の皆さん方にもお会いもいたしたいし、これまでの御協力に対しても感謝を申し上げたい、こういう気持ちでいっぱいでございます。
○泉信也君 そうしたお考えの中で、この沖縄問題をできるだけ早く、そして日本の安全保障に支障がない形で、しかも県民の皆様方に御納得いただけるように、大変難しい扱いでございますけれども、進めてほしいという要望をまずさせていただきたいと思います。
 先日、地位協定のいわゆる十七条五項(c)の問題について、専門家会議でさらに議論を重ねられた結果、好意的配慮を払うというような文言で日米に合意ができたと、このように承知をいたしております。
 しかし、一方で先日の委員会で、専門家委員会の結論が出た時点で協定の改定へ踏み込むか否かも考えたいというのが総理の御答弁であったと思いますが、今日、当面地位協定に関することはこれで決着なのかどうか、これはいかがでしょうか。特に沖縄側は、新聞情報等によりますと、協定そのものの見直しが前提だと、こういう御要望が一つ大きく出ておるようでございますが、地位協定問題は当面これで一応決着ということになるんでしょうか。
○国務大臣(河野洋平君) 沖縄の少女暴行事件というまことに痛ましい事件にかんがみまして、一番最初にやらなければならないのはこの事件の解明ということでございました。この事件の解明に当たっては、被疑者の身柄を我が方に渡してもらって、しっかりとした全容の解明ということが当初最も望まれていたわけでございます。
 したがいまして、私といたしましては、この問題の処理に当たっては、アメリカ側に提案をして専門家委員会をつくりまして、そこでできるだけ早くこの結論を導き出してもらいたいということを言っていたわけでございます。
 私としては、残念なことに起訴されて身柄が引き渡された後この問題の結論が出たものでございますから、専門家委員会の結論によって身柄の引き渡しが行われるということにはならなかったわけでございますが、しかし考えてみれば、およそ一カ月の間に、世界各地と地位協定その他を取り結んでいるアメリカがこの問題の重要性にかんがみて極めて迅速に対応をしてくれたということもまた大いに感謝しなければならぬと思いながらこの結論を待っておりました。
 結論は、もう御案内のとおり、十七条五項の(c)では公訴に至るまで身柄の引き渡しは行われないと書いてございましたけれども、今回の合意によりまして実質的に身柄の引き渡しが可能になったということの合意ができたわけでございまして、この合意はある意味で我々の期待をいたしておりましたことを満足させるものだというふうに私は考えまして、この問題についてはもうこれで、合意でよろしいという判断をしたところでございます。
 議員も御承知のとおり、地位協定のもとでこれまでも日米双方には、先ほど依田議員のお尋ねにもお答えをいたしましたけれども、騒音の問題でございますとかあるいはごみ処理の問題でございますとかさまざまな問題がありましたときに、合同委員会にそれを提起して、合同委員会、ジョイントコミッティーでこの問題を処理して実質的に問題を解決してきたわけでございます。
 これは今後の問題でございますけれども、今回もまた実質的な解決を図ることが講ぜられたということを考えましても、引き続き問題があれば、現在でも合同委員会で議論をしている問題もあるわけでございますが、合同委員会を通じて問題解決を図っていくことが最も現実的であろうというふうに私どもは考えておりまして、むしろこれから基地問題に全力を挙げたい、こう考えているところでございます。
○泉信也君 基地問題のことにつきましては、沖縄県側の二つ目の大きな要望であるわけであります。
 先日来二十三プラス三事案というのがしばしば議論をされておりまして、先日の防衛庁長官のお答えの中に、この二十三プラス三事案の処理の後にインターオペラビリティーの分野への対応等も考えていきたい、こういうお答えがございました。
 ところで、こうした問題を処理する、いわゆる基地整理とかあるいは統合の根拠となる軍事的な話し合いの部局というのは、政府としてはどこが責任を持ってアメリカ側とやるということになるんでしょうか。
○政府委員(秋山昌廣君) 米軍の基地の関係で、施設ですとかあるいは土地の提供につきまして政府の中で所管しておりますのは、外務省と、防衛庁は具体的に言えば施設庁になるわけでございます。
 今の御指摘の例えは米軍との運用面での協力ですとか、あるいは今お触れになりましたインターオペラビリティーの問題ですとか、あるいは共同研究とか、さらに言えば政策的ないろいろな協力とか、そういった問題につきましては防衛庁の内局の防衛局が中心になってやっているところでございます。
○泉信也君 これも当委員会で議論ありましたP3Cの共同部な活用というような問題も、議論をしていけば基地の縮小整理ができるんではないかという私どもの同僚議員からの提案があるわけであります。本当に米軍と防衛庁と申しましょうか、担当部局がオペレーションも含めて責任を持った話し合いをしなければ、また信頼感を醸成しなければこうした話し合いが進まない、私はこんなふうに思っておりますので、責任を持って積極的に取り組んでいただきたい、このようにお願いをいたしておきます。
 そして、実はもう一つ、この沖縄の問題で先日来話題になりました代理署名の問題がありまして、沖縄側は代理署名を法に基づいて国が進めてほしいというような御意向があるようでございますが、これを進めるためにはいつまでに国の意思を手続上決めなければならないのか、一番最初の行動を起こす時間的な余裕というのはどれほどあるんでしょうか。
○政府委員(諸冨増夫君) お答えします。
 現在、使用認定の手続には入っておりますが、現在一名だけ来年の三月三十一日に使用の賃貸借契約の期限の切れる方がございます。したがいまして、その三月三十一日までが一番最終のぎりぎりの時点でございますが、代理署名をいただいてからいつまでということになりますと、ちょっと正確に期間を区切って申し上げるというわけにはいかないと思います。
 理由は、これは実際、代理署名をいただいた後は高等裁判所の方に審理が任される面がございまして、私どもとしてはその付近がおおむね大体数カ月ということで、先日も私御答弁いたしましたが、今大変厳しい状況にあるということで何とか御理解をいただきたい、かように考えます。
○泉信也君 厳しい状況にあるということは御答弁いただきましたのでわかりましたが、そこが明確になっていなければ政府の決断をどうするか、これが実は進められないんではないか。もう少し具体的に、最低ここからスタートさせてもらわなければ施設庁長官としては耐えられない、こうしたお考えはございませんか。
○政府委員(諸冨増夫君) 前任者からもいろいろお願いしておりましたが、私どもとしては、現段階で非常に厳しい状況にあるということで、いつまでということをここで期日を申し上げてというわけにはちょっといかない点は何とか御了承いただきたいと思うわけでございます。
○国務大臣(衛藤征士郎君) お答え申し上げます。
 この問題は、確かに国の機関委任事務でございまして、行政事務行為でございますが、しかし一方におきましては、沖縄の基地問題についてはやはり政治的な配慮とかあるいは政治的な要素が多分にございます。
 そこで、この問題の解決に向けまして、我が国の最高責任者である内閣総理大臣が、十一月四日、沖縄県の責任者であります大田知事と会談をする。そこにおきまして、当然この会談は政治的な決断を伴ったり、あるいはいろいろのお話が行われるもの、このように考えておりますので、この点については御理解をお願い申し上げたいと思います。
○泉信也君 実は今、長官の御答弁にございました政治的な配慮が伴うことは私もよくわかります。それだけに、防衛庁長官は一日も早く沖縄に行ってお話をなさるということが私は必要ではないかと思っておるわけですが、長官お出かけにならないのは、沖縄側の都合でお出かけにならない、そのように受けとめておいていいのかどうかというのが第一点。
 それから、三十日には米国のいわゆる統参本部議長がお見えになる。三十一日にはペリー国防長官がお見えになる。防衛庁長官ともお話しになるということでございますが、国防長官と統参本部議長が同時に一つの国に来るなどということは、これは前例のないような大変重要なことだと思っておるんですが、このことを長官はどういうふうに認識しておられるのか。そして、会われるときに、総理が四日に会うまでは長官としてはどんな話をなさるつもりなのかお聞かせください。
○国務大臣(衛藤征士郎君) お答え申し上げます。
 この内閣は御案内のとおり三党連立の内閣でございまして、そういう立場からいたしましても、まず三党の沖縄問題に対する考え方が一致せねばならぬ、これが一つであります。
 そこで、政府といたしましては、与党イコール政府、政府イコール与党でありますから、まず与党の代表団が沖縄に出向き、よく実態を調査いただき、あるいは沖縄県御当局といろいろ話を進める。それをお持ち帰りいただきまして、与党三党としてのこの基地問題に対する対策あるいはアクションプログラム、そういうものが取りまとめられるものと、このように考えておるわけであります。当然防衛庁としましては、この立場を踏まえ、そして政府の考え方をそこに十分加味、調整をして、ペリー国防長官あるいはシャリカシュビリ統参本部議長との会合に臨む。
 なお、与党の代表団が出向きますれば、当然沖縄県御当局からいろいろの御意見が出、かつ具体的な要望が出るものと思います。そういったものが私どもにも十分伝わってまいりまして、そういったものをすべて含め調整した上で、私はペリー会談に臨みたい、シャリカシュビリ統参本部議長との会談に臨みたい、かように考えております。
 そこで、最初の質問でありますが、沖縄県の事情によって私が行かないのではございませんでして、そういうような極めて大所高所からの政治的な判断に基づきまして訪沖の調整をしておる、こういうことであります。
 十一月四日に総理と知事が会談されますので、当然その後に、防衛庁長官の職員におきまして、沖縄県御当局から強い要請のある基地の視察等、そういったことについては私は職員上訪沖をしてつぶさにそのようなことに対応してまいりたい、かように考えております。
 以上であります。
○泉信也君 長官のお気持ちはわかりますが、国民はマスコミから伝えられる情報しかわかりませんので、与党内の足並みの乱れではないかという思いも持っておりますし、またこのことについてなぜ長官が、あるいは施設庁長官を再度派遣して、もっと積極的にやらなければアメリカとの関係もおかしくなるのではないかということを大変危惧しております。
 ですから、三十日、三十一日というアメリカの二人のいわゆるまれに見る方々が一緒に来られるようなときに、長官は現地の話を直接的に伝えられない、こういうことでは私は大変問題だと思っております。これを一つだけ申し上げて、次の問題に移らせていただきます。
 ところで、沖縄の基地を縮小しよう、整理しようということは、私どももできることであればそういう方向に進みたい、こんなふうに思っておりますが、冷戦時代とそれから今日あるいは将来に向けまして、軍事的あるいは戦略的に沖縄の位置をどういうふうに総理は認識しておられるのか。特に、日米安全保障条約の五条、六条というような観点から、沖縄の戦略的な位置が冷戦次と今日あるいは若干の将来を臨んだ場合に変化をしておるのかしておらないのか、その点について御見解を承りたいと思います。
○国務大臣(衛藤征士郎君) 我が国を取り巻く周辺の国際政治情勢あるいは軍事情勢、そういうようなものにつきまして総理から判断をいただきたいと思うのでありますが、御案内のとおり、冷戦後、確かに世界的な規模の戦争とかそういったことは考えられない、このように思っております。
 しかし、冷戦下におきまして抑制されてきた、抑え込まれてきました世界各地のいろいろな問題、例えば宗教間対立とか部族間の対立とかそういったものが逆に噴出してきた、こういう状況にあると思います。そして、そういう状況について、今までは米ソ両大国の顔を見ながら紛争に当たっておった当事国が、むしろ今や積極的に一歩踏み込んでいって紛争解決のための動きをしておる。それだけに国際政治情勢、軍事情勢は極めて不安定な面が出てきておりますし、また不確定な要素もあります。そういったことであることを御認識いただきたいということが一点であります。
 なおかつもう一点は、安保体制の役割が、貢献が新しい国際環境を整備する、つくり出すというそういう役割と、また新しい国際平和秩序を構築するという側面におきましてもこの日米安保体制が貢献しているという、この二つの面があるということだけを申し上げておきたいと思います。
○泉信也君 総理にお願いをしておきながら恐縮でございます。
 抽象的、観念的な議論は再三聞かせていただいております。この五条と六条の物の考え方が冷戦次と今日、近い将来において変わってきておるという認識をお持ちなのか、その点を具体的にお答えいただきます。
○国務大臣(河野洋平君) 議員お尋ねの五条と六条は、第五条におきまして、「各締約国は、日本国の施政の下にある領域における、いずれか一方に対する武力攻撃が、自国の平和及び安全を危うくするものであることを認め、自国の憲法上の規定及び手続に従って共通の危険に対処するように行動することを宣言する。」。つまり、アメリカが、日本が武力攻撃を受けた場合には日本を防衛する義務があるということをここで言っているわけでございます。第六条におきましては、「日本国の安全に寄与し、並びに極東における国際の平和及び安全の維持に寄与するため、アメリカ合衆国は、その陸軍、空軍及び海軍が日本国において施設及び区域を使用することを許される。」。つまりこれは、日米安保条約の目的の達成に必要な施設・区域をアメリカに提供する義務を負う、こういうことを六条で言っているわけでございます。
 議員のお尋ねの趣旨が正確に私、受けとめられているかどうかわかりませんが、いずれにせよ、この五条、六条は最も重要なくだりでございまして、我が国を防衛するためにアメリカはこういう義務を負い、その義務を果たしてもらうために我が国もまたこういう施設・区域を提供するという義務を負うている、こういうことが一つございます。
 それから、恐らく議員のお気持ちの中には、今までは日本の防衛だけだったけれども、今度は極東の方に少しウエートがかかってきているのではないか、そういうお気持ちがあるいはあるかもしれません。しかし、それは実は、この六条に規定されておりますように、「極東における国際の平和及び安全の維持」ということは、この十年、二十年振り返ってみて、極東地域の安定というものが、先ほども申し上げましたけれども、このアジア・太平洋地域の目覚ましい経済の発展というものの基盤をつくってきたということはあると思います。そして、アジアの国々もこうしたことに大きな期待を持っておられることも事実だと思います。アメリカの利益、それから日米安保条約の規定、これはそれぞれダブっているところもあればダブっていないところもあるわけでございますけれども、そうしたことを踏まえて、我々もまたアジアの安定、平和というものに関心を持つのはこれまた当然のことであろうと思っております。
 今後ともアジアの経済的発展が、もしその経済的発展によって得られるフルーツが、成果がまた防衛力に使われるとか、それぞれ軍事力に使われるということになることは我々望まないところでございまして、そうしたフルーツは民生の安定向上、さらには経済的な繁栄、発展のためにさらに使われることが我々としては望ましいと考えますならば、やはりアジアの平和、安定というもののために我々もまた関心を持つことはいいことではないかというふうに私は考えます。
○泉信也君 五条、六条が、外務大臣もお答えいただきましたように、相互補完の関係にあって大変重要なものでありますだけに、ここをきっちりと我々としてはどう理解していくか。
 沖縄に絡めて言いますと、むしろ冷戦後は六条のウエートが相対的に少し高まってくるんではないか、そういう思いを私は持っておりまして、在日米軍の力もさることながら、いわゆる基地機能の重視ということが大変重要になってくる。沖縄の方々にとっては、これは大変言いづらい言葉ではありますが、従来の北海道、三沢というところよりも、むしろ沖縄とか佐世保、岩国といった、そうした西側にウエートが出てくるのではないか、こういう思いを持っておるわけであります。
 それだけに、今回基地を縮小する、整理すると口では申しましても、戦略、戦術上本当に日本の安全、東南アジアの安全を図る上で、あるいは日米関係を強固なものにしていく上でそうしたことが言えるのかどうか。
 一番最初に総理にお尋ねしようと思いました、いわゆる沖縄の位置がどういうふうに冷戦後変わってくると総理はお考えかをもう一度お尋ねいたしたいと思います。
○国務大臣(村山富市君) 五条、六条の問題については、今、外務大臣から答弁があったとおりでありまして、五条の場合にはこれは防衛の義務を負う、その防衛の義務を果たしていくために日本が基地やら施設を提供する、こういう五条、六条の関係にあるわけです。
 私は、確かに国際情勢全体は冷戦構造が崩壊した後、軍縮と協調の時代になっておるというように思いますし、世界情勢というのはそういうような意味では大きく変わってきていると思います。
 これはASEANの国を回ってみましても、あるいは先般中東に参りましたけれども、もう世界全体が戦争や紛争というものに対して疲れている。戦争は破壊するだけだ、やっぱり平和でなければ創造はできない、新しい町づくりはできないし、人間の幸せは確保できない、こういう気持ちが大衆の中に根強く芽生えてきておるということを私は感じたわけです。そんな意味から申し上げますと、世界全体はまさに軍縮と協調の時代に入りつつあるのではないかというふうに言えると思います。
 ただ、一方ではまだ軍拡をやっている国もありますし、それからまた現にこの地球上で紛争をやっているところもあるわけです。そういう状態を考えた場合に、完全にそうした平和的条件があるかといえば、まだまだそうでない要素もあるというようなことを考えた場合に、先ほど来お話がございますように、日米安保条約の果たしている役割というものは大変大きいものがあるというふうに思います。
 そういう情勢変化の中で、日本の国がアメリカと協力し合ってこのアジア・太平洋地域でできるだけ紛争の種になるようなものを除いていく、こういう努力を一方でしていかなきゃならぬと思うんです。そういう努力もしながら、日本の軍事基地というものがそういう意味における役割と任務というものをどういう形で果たしていけるのかというようなことを率直に意見交換をして話し合う必要がある。
 そして、できればそうした全体の動向の中で、沖縄県民の気持ちなり沖縄県民の持っている今の心なり、そういうものが十分反映されていけるような話し合いというものができていかなければ、これは基地というのは円滑に活用されることも大事ですけれども、円滑に活用されるためにはやっぱりその基地のある地域の住民の理解と協力がなければできないことですから、そういう点も含めて私は率直な話し合いをして、お互いの理解と協力をし合えるような状況をつくっていくということが何よりも大事ではないかとふうに思っております。
○泉信也君 総理のお考えはそのとおりだと思いますが、私がお尋ねしたことには直接にはお答えをいただけませんでした。
 しかし、もう一つだけ、総理の今の御答弁で日米の安全保障というものの考え方もお聞かせいただきましたが、実は社会党の九五年宣言というものを読みますと、恐縮ですが、ちょっと拾い読みします。「冷戦が終わったいま、防衛政策の基本は軍縮です。」「自衛隊の計画的な縮小と改編を進めます。」「日米安保条約を堅持しつつ、その運用にあたっては、できるかぎり軍事面を小さくしてこ云々、「日米安保条約は将来、アジアのさまざまな国が参加した地域安全保障体制の中にとけ込ませていくことにします。」と、こういうことが記述をされております。
 しかし、この九五年宣言というものが、できたばかりではありますけれども、どうも社会党のこの宣言は軍事面を減らすとか縮小するとか大切だと、総理が今お答えいただいた基本的な考え方と矛盾するとは言いませんけれども、大変後ろ向きの事柄であって、総理がここで御答弁いただいていることと総理のおひざ元の社会党のいわゆる宣言との間にはギャップがあるんではないか、私はこんな思いを持っておりますが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(村山富市君) それは党の出している文書の中にはいろいろなことを書いているものがあると思います。その九五年宣言の中に書いてあることも、私は目標としてはそれほど誤ったものではないと思うんです。
 それはなぜかといいますと、さっきから申し上げておりますように、世界全体が軍縮と協調の時代になりつつある。何よりも経済的な発展と開発というものを重視しておる。これはアジア・太平洋地域のAPECもそうですけれども、どうしてお互いに協力し合って開発を進めて経済発展を遂げていくかというようなことが重要な課題となって議論をされておるわけですね。
 そういうことを考えた場合に、これは国連全体もそうですけれども、軍事面よりも経済やらあるいは地球規模の問題等に取り組む国連の機能を強化していく必要があるんではないかというようなことが盛んに議論されておりますし、私も演説でそれは強調してまいりました。そういうことから申し上げますと、これは軍事面よりも経済的な面の方にウエートがかかっていけるような協力関係というものをしっかりつくっていくことも大事ではないかというので、その方針についてはそれで間違いはないんではないかというふうに思います。
 それから、アジア全体がそうした集団的な地域的な安全保障というものがつくられるような状況にはまだございませんから、したがってその間にはやっぱり日米安全保障条約というものが、日米関係だけではなくて極東アジア地域全体の平和と安定のためには大きな役割を果たしておるという認識についてはいささかも変わりはない、私はそういうふうに思っています。
○泉信也君 日米の識者、関係者が大変この日米関係を危惧しておる背景に、今、総理にお答えをいただきましたけれども、こうした社会党の九五年宣言みたいなものがあって、本当に時代を読みながらやらなきゃならないことはわかりますけれども、日本はどう考えておるのか、社会党から出た総理は本当に日米安全保障体制をしっかり守って世界の平和に貢献するのかどうかということを危惧しておるからいろいろな意見が出てくるんだと私は思います。
 大体時間が参りましたので、安全保障の問題についてはここで終わらせていただきます。
○委員長(井上裕君) 泉君の残余の質疑は午後に譲ることといたします。
 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時四分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時一分開会
○委員長(井上裕君) ただいまから予算委員会を再開いたします。
 予算の執行状況に関する調査を議題とし、休憩前に引き続き、経済及び外交等に関する集中審議を行います。
 質疑を続けます。泉信也君。
○泉信也君 政党助成法が新しくできましてまだそう時間がたっておりませんが、三分の二条項の削除の話でありますとか、あるいは公選法四十六条の記号式、自書式の話とかが今話題として出ておるところでございます。
 その中で、実は十月二十二日の新聞に、自由連合というところの助成金の満額ねらいというようなタイトルで報道がなされております。簡単に申し上げますと、借入金をもとにして政党の公的助成の金額をふやしたのではないか、こうした疑いが持たれておるわけでありますが、このことについて自治省は事実を確認しておられるのかどうか、まずお尋ねをいたします。
○国務大臣(深谷隆司君) 今、委員御指摘の問題につきましては、私どもに山されました自由連合の収支報告書で状況は把握いたしております。
○泉信也君 形式審査権のみで法律に適合しておれば手続に沿って配分をするというお答えを担当もしておられるようでありますが、今の大臣のお答えもまさにこれと同じだと私は受けとめさせていただきました。
 しかし、これだけの新聞報道があったわけでありますし、法律の中にも借入金は除外するということが明定してあると思いますが、この事実を今後調査されるという御意向はございませんでしょうか。
○国務大臣(深谷隆司君) 私の最初の答弁は、そういう事実を承知しているかというので承知していますと申し上げたので、今後半にあなたが言われた件について、私はまだ答えておらないことでございます。
 改めて申し上げさせていただきますが、政党がどのような形で資金を集めるかというのは、これはもう全く政党の自主的な判断にゆだねられることだと私は思っています。それから、その政党がその収支報告についてどのような状態であるかのつまり適否については、これは収支報告書が公表されるということで国民の御判断にゆだねると、そういう形をとっていると判断します。
○泉信也君 大変お役所的なお答えだと私は思います。
 今公的助成についてはまさに国民も注視をしておる。一人二百五十円というようなお金が是か非かということが議論されてきた過去の経緯もありまして、そうした形式論だけで、形式が整っておれば、あるいは公表されるものであるからその政党の責任においてというようなことで、この法律を預かる大臣としてもう一歩突っ込んでお調べになるということを私はぜひお願いをしたいんですが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(深谷隆司君) はっきり申し上げますけれども、政治資金規正法上、自治大臣に与えられている権限というのは限られておるわけであります。ですから、そういう例えば形式審査権のみというその権限を越えて私どもが政治的にどうこう言うというのは本来無理な御質問だろうと私は思います。そして、当該寄附及び借り入れがどのような目的のもとに行われたかについては、そういう意味で私としてはコメントの出しようがない、そう申し上げております。
○泉信也君 この問題は総理に一言だけお尋ねをさせていただきたいと思いますが、これでは国民が税金で政党を助成してしっかり働いてほしいという気持ちに、このことがもし事実だとしますと大変大きな問題を提起することになるのではないか。ですから、権限的に自治大臣にこれがないということは確かにそうかもしれませんけれども、総理としてはこうした事実があるとすれば何か対応が必要とお考えでしょうか。
○国務大臣(村山富市君) せっかくの御質問ですけれども、私この事実関係がよくわからないものですからちょっと答弁のしょうがないんです。いずれにいたしましても、これは公的資金が付与されるわけですから、したがってそれぞれの政党はそのことに照らして、国民から疑惑を持たれたり疑念を持たれたりすることのないように、それはやっぱり公明正大にやらなきゃならぬのは私は当然だと思います。問題がもしあるとするならば、それは国会の中で各党間で十分お話をしていただければいいことではないかというふうに思います。
○泉信也君 次に、労働大臣の経歴詐称の問題についてお尋ねをさせていただきたいと思います。
 まず、文部大臣、この青木大臣の経歴書に書かれております東海科学専門学校というのは、私の調べですと旧専門学校令による専門学校であって、それは二十五年の四月に東海大学へ吸収されたというふうに伺っておりますが、間違いございませんでしょうか。
○国務大臣(島村宜伸君) お調べのとおりと私もそう承知しております。
○泉信也君 青木大臣の経歴書でございますと東海大学中退というふうに書いてあるわけでございますが、この中退という表現は、あるいは中退というものの定義についてどのように考えたらよろしいんでしょうか。
○国務大臣(島村宜伸君) 正確にお答えするために私もいろいろ調べてみたんですが、中退というのは法令上の用語ではないわけで、厳密な定義はないそうであります。ただ世間一般には、学業を志して途中で何かの事情で卒業に至らなかった、そういう場合を言うんではないか、ある意味では広くそうとらえられているんじゃないかと、そう受けとめております。
○泉信也君 さきの新間議員のときの裁判の記録を読みますと、それなりの中退というものの定義がありまして、「在学契約の効力が発生しこ「一旦入学した者が、これを将来的に解除することを意味するものである。」と、こういう表現が実は判例の中に出ておるわけでございますが、青木大臣がお使いになりました中退というのは、今彼に私が申し上げましたような定義に該当するものでございましょうか。
○国務大臣(青木薪次君) 泉先生の質問にお答えいたしたいと思います。
 私は、昭和十七年に国鉄に就職をいたしました。戦争中の大動乱期を経まして昭和二十年敗戦を迎えたわけでありますけれども、そのときに同僚相まって、戦争中にそれこそ大変な苦労をしたんだからなかなか勉強というものについてもおくれがちであった、ひとつ勉強し直そうじゃないか、そういう向学心に燃えた仲間がいろいろとあちらこちらを調べてまいりました。そのときに、私は静岡県の清水市でありますけれども、東海大学の前身であります東海科学専門学校が夜間部を開設するということをお聞きしたわけでございます。
 そこで、みんなで相談いたしまして、ここに志願して通うことになりました。これは当時、交通機関もままなりませんでしたからトラックを運転してもらって、トラックの上で、みんながそろって荷物台に乗って、そして雨の日も風の日も通った、こういう経験があるわけであります。私は、昭和二十一年の秋から昭和二十二年の夏に至る期間というものがこういう期間に入るわけでありますが、その後、組合の中心として選ばれてまいりましたので、そこで中止をいたしました。
 しかしながら、今回の報道によりましてこれは文部省の許可するいわゆる課程でないということをお聞きしたものですから、思い違いとか勘違いというものがあってはこれは非常に大変だということで、その辺については訂正すべきものは訂正しなきゃならぬと思っておったわけであります。
 どういうような形で選挙をやったかということについて、昭和四十九年の初めての当選以来四回の当選を経てきているわけでありますから、静岡県の選挙管理委員会を煩わせて当時の選挙公報を、大衆との接点でありますから、これを見させてもらいました。そうすると、四回の中で初めの二回、四十九年と五十五年は学歴の記述はありませんでした。それから、六十一年と平成四年は東海科学専門学校に学ぶというような記述が、現東海大学ですか、学ぶという記述がございました。
 したがって、これらの点についてやはり正すべきものは正さなきゃならぬし、そういう点については、中退ということは卒業しないでやめたんだから中退だというぐらいにしか考えておりませんでした。うかっといえばうかっです。その点は率直に十月二十四日の閣議後の定例記者会見で皆さんに申し上げました。
 これは訂正の手続というものをとらなきゃいけない、まことに思い違いとか勘違いであった、申しわけないというような気持ちであったわけでありますが、当時一生懸命勉強したということについては私どもの心の中の誇りとも感じているわけでございます。そういう点から、今回の問題についてはそのように考えて対応いたしてまいりたいし、訂正の手続中でございますけれども、大変残念に考えておりますが、以後はそういう点については手続に従って対応いたしてまいりたい、こう思っております。
○泉信也君 事情はよくわかりました。ただ、それで訂正をすれば済むという問題ではないだろうと私は思っております。
 官房長官にお尋ねいたしますが、新聞報道によりますと、大臣のそうした御説明に対して、苦労して夜間部に通ったということだと問題視しない意向だ、こういうふうに伝えられておりますが、この発言は事実でそして現在の御認識も変わっていないんでしょうか。
○国務大臣(野坂浩賢君) お答えします。
 先生からお話があったように、青木労働大臣から夕刊フジが出る前に連絡がありました、夜間部にお通いになったそういう事実があると。そして、夕刊フジを見ましたが、涙の苦学生というような表現で出されておりまして、まさに学んだと。したがって、新聞さんとは大分意味が違うんじゃないか。したがって、私は不問に付すという権限はありませんが、大きな問題ではないだろうというふうに判断をいたしました。
○泉信也君 学んだというその事実をどういうふうに我々が認識するかということにもあると思うんです。
 例えば、いろんな大学で今公開講座が行われております。そこに受講したから、例えば東京大学の公開講座を受けたから東京大学中退だとか東京大学で学びましたと言えるかどうか。私は恐らく一般常識としてはそんなことは言えないだろうと、こういうふうに思うんです。
 そこで、今、官房長官がお答えになりましたような認識だといたしますと、官房長官は内閣のスポークスマンで、いわゆるマスコミを通して国民との接点の第一線にいらっしゃるわけですね。そういうお立場からしましても、閣僚のいわゆるモラルというようなものについては最も厳しい判断をお願いしなきゃならない、そういうお立場だと私は思うんです。今回のようなことが許されるとすれば、具体的になかなか表現が難しいのかもしれませんけれども、どんなことまでだったら、今、官房長官がおっしゃるように苦労して大変だったな、こんなことで済まされるとお考えでございますか。
○国務大臣(野坂浩賢君) お答えします。
 東海科学専門学校にお通いになった、このことは事実だということを確認しましたね、本人に。したがって、御卒業にはなっていない……(発言する者あり)黙って聞いてください。したがって、学んだということを本人から御報告があったので大きな問題ではないだろうと、こういうふうに判断しました。
 確かに、おっしゃるとおりに私は政府のスポークスマンです。今例に出されました新聞さんの場合は裁判所で有罪の決定が出た、その前に辞表を提出された、議院運営委員会ではこれを受理しなかった、したがって自動的に議員辞職ということになったということは極めてはっきりしております。この現実というものは、青木大臣は夜間部にお通いになったという事実があるわけですから、それについては私もそのとおり受けとめました。
 以上です。
○泉信也君 夜間部にお通いになったという事実があるということは、少なくとも具体的には学籍簿がないとか、実はそういう具体的に確認するすべがなくて傍証として言われておることは私は承知をいたしております。しかし、今、官房長官がおっしゃるように、そういう事実があるということは言い切れないんじゃないか、私はこんなふうに実は思っておるわけであります。
 その問題はひとつ横に置きまして、公職選挙法の二百二十五条の一項に経歴というところがあるわけですが、これは選挙人の公正な判断に影響を及ぼす可能性のあるもの、経歴はそういうものでなければならないというふうに新聞裁判のときに言われておるわけですが、自治大臣、学ぶとか中退という言葉はいわゆる公職選挙法にかかわるものには出ておらないのかもしれませんが、学ぶというようなことでもこれは問題ないというふうにお考えでございましょうか。
○政府委員(谷合靖夫君) 公選法の二百三十五条によりますと、「当選を得又は得させる目的をもって公職の候補者若しくは公職の候補者となろうとする者の身分、職業若しくは経歴、その者の政党その他の団体への所属こ、以下いろいろございますが、そういうことにつきまして「虚偽の事項を公にした者」については罰則の対象になっておるわけでございます。
 ただ、この経歴の中に学歴も一般には含まれるというふうに考えておるわけでございますが、その具体的な記述というものがどのようなものならばそれがいわゆるここで言う経歴なのか、それはあくまでも事実関係に従って判断をされるというのが一般的な考え方になっておるわけでございます。
○泉信也君 この事実関係が今となっては大変把握しがたい。しかし、学籍簿がなかったということは事実であるわけでありまして、そういう意味では公選法の二百三十五条の一項に違反するのではないか、こういう思いを実は私は持っておるわけであります。
 そこで、こうした問題が指摘されておる中で、平成会としましては昨日声明文を出しまして、御本人の自発的判断により参議院議員を辞職されてはどうか、あるいは労働大臣の即刻辞任を要求する、こういう声明文を出したわけでありますが、総理、任命権者として、今やりとりをお聞きいただきました中でどのようにお考えでございましょうか。
○国務大臣(村山富市君) 科学専門学校に学んだ事実は、これはもう本人もちゃんと認めていますし、あるんです。ですから、学んだと書いたことについて私は学歴詐称になるとかそんなことは思っていませんし、ましてや選挙に当選をしたいばかりに学歴を詐称したなんという意味のものでは全然ないというふうに私は解釈いたしております。
○泉信也君 今、総理がお答えになった、学んだ事実があるということは青木大臣御本人のお話として私もそれは承知をいたしております。しかし確証は、確証と言うとちょっと言葉がひどいかもしれませんが、具体的な事実として確認するすべがないというのもこれまた事実なんです。
 そこで、今の総理のお答えの中に、当選を目的としてそうしたことを書いたのではないと、こういうお言葉がございました。これはどういう意味でございましょうか。
○国務大臣(村山富市君) いや、それはあなたの質問に対して本人もはっきりそう答えておりますから、したがって私は本人を信頼していますと言っただけです。
○泉信也君 確かに、青木先生の当選以来の投票総数を見ますと次点者との間にかなりの差があることは私も承知をいたしております。しかし、だからといってこれが選挙公報になり、あるいは参議院要覧というある種の公的な文書の中にこうした表示で書かれることが選挙にプラスにならなかったとか、あるいはそれを意図してなかったとか、そういうことは私は言い切れないと思うんですが、どうしてそういうふうにおっしゃれるんでしょうか。
○国務大臣(村山富市君) これは選挙公報を見ますと、「東海科学専門学校に学ぶ。」と、こうなっているんですね。だから、その学んだという事実は、これは本人が学びましたと、(「確認できない」と呼ぶ者あり)いやいや、トラックに乗って学校に通ったと、向学心に燃えて。しかも働きながら夜間部に通ったと、こう本人は言っているんでしょう。それはやっぱり本人の言ったことを私は信頼しますよ。ですから私は、そういう履歴に卒業したとかなんとか書いてあるんならそれは違うけれども、学んだと書いてあるわけですから、学んだ事実は本人がはっきりここで申し上げているわけですから私はそれを信頼していますと、こう言うだけです。(「中退者を差別扱いするようなことを言うな」と呼ぶ者あり)
○泉信也君 今おっしゃっておられる中退者を差別するとかそういうことは私は毛頭思ってもおりませんし、そういうことを言ってはおりません。中退というものが事実かどうかということを確認させていただいておるわけであります。
 そこで、もう一度総理にお尋ねをいたしますけれども、こうした事柄は、やはり従来社会党が金銭的な問題で政治の不信はただすべきだとかこういうことをずっと言ってこられました。そしてまた、政治不信払拭のために社会党の議員として随分努力をしてこられたと私は思っております。
 そうした中で、社会党御出身の大臣、社会党御出身の官房長官、そして社会党御出身の総理大臣、こういうことの中でこの問題を今、総理なり官房長官なり大臣御本人がお答えになるように、いとも軽々しくと私はあえて申し上げますけれども処理をするのは、従来の社会党の諸先生方が主張されてこられたこととはかなりニュアンスが違うと思うんですが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(村山富市君) 私はむしろあなたの言われる意味がよくわからないんですが、本人は東海科学専門学校に学んだと。学んだ事実はもうちゃんとさっきから本人が言っているわけでしょう。それで、しかも選挙公報を見たら、「東海科学専門学校に学ぶ。」と、こう書いてあるわけですから、その学んだ事実があるし、「学ぶ」と書いたことについてどこに間違いがあるんだろうか、私はそのまま信頼していますと、こう言ったわけです。
○国務大臣(青木薪次君) 私の選挙公報では、今も総理から言われましたように、「東海科学専門学校に学ぶ。」という字があるわけでございます。しかし、私の先ほどトラックに乗って一緒に通った諸君も、ぜひひとつ公の場所に出させてもらいたい、これだけ努力して勉強したということ、そういうようなことを申しておりますので、そういう点についてこの際申し上げておきます。
○泉信也君 以上で終わります。
○委員長(井上裕君) 以上で泉君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ―――――――――――――
○委員長(井上裕君) 次に、荒木清寛君の質疑を行います。荒木君。
○荒木清寛君 平成会の荒木でございます。
 私は、まず審議会の透明化の問題につきまして総理にお尋ねをいたします。
 所信表明演説の中で、行財政改革の断行の一項目として、審議会の運営の透明性の確保を総理は挙げておられますが、これはすなわち現在の審議会には不透明な部分があるということをお認めになった上でのお話でございますか。
○国務大臣(村山富市君) 行革委員会を設置して、その行革委員会の中に情報公開部会というものを設けてできるだけ行政の透明度を高めて、そして国民にわかりやすくしたいと、こういう気持ちから私は所信表明演説でも申し上げているわけです。
 今、それぞれの省の関連でたくさんの審議会や調査会等がありますけれども、その審議会、調査会等もこの際見直しをして、そしてもう役目の済んだものもあるかもしれない、そういう点もこれから行革の中で取り上げてやってほしいということが一つ、それからできるだけ審議会の透明性を高めていくというためにひとつ検討してほしい、こういうことでいろいろ検討した結果、先般の二十九日に閣議決定をしたわけです。しかし、すべての審議会なり調査会が公開できるというふうに私は思っていません。しかし、いずれにしても差しさわりのない範囲で透明性を高めていくというのは当然のことだというふうに私は考えております。
○荒木清寛君 規制が強いから緩和をする、審議会が不透明だから透明化という話だと思うんですね。
 ある学者が今の審議会行政のあり方を批判して言っております。
 一般に日本の審議会行政にあっては、特定の政治目的が先にあって、その目的を達成させるための手段として、審議会を利用することがあまりにもしばしばあった。つまり、あらかじめ枠付けや方向、結論までできていて、それを事務局が手伝うという名目で実は誘導して都合のいい答申を出させていく。こうして、いつも審議会は政治家や官僚の隠れみのになってきている。ということを言っている人がいるんです。私はこれは国民に共通した思い、批判だと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(村山富市君) そういう見方をされる方もあると思います。しかし、それぞれ審議会委員の方にお願いをして、そして専門的な立場からいろんな審議をしてもらっているわけです。したがって、すべての審議会委員の皆さんがそうであるというふうに断定することは、それは審議会委員の権威にかけても私は問題があるんではないかというふうに思っております。
 ただ問題は、審議会の中でそういう疑念を持たれるような運営を排除するために、この際、透明性もはっきりさせる必要があるし、是正すべき点は是正をして明朗にきちっとやれるようにした方がいいというので閣議決定をしたわけです。
○荒木清寛君 何も問題がないのであれば透明化する必要はないわけでありまして、全部でないにせよ不透明であるという実態、また批判はあるんだと思います。
 そこで、平成七年九月二十九日の今おっしゃった閣議決定につきましてお尋ねをいたします。
 これは官房長官にお尋ねしますが、この閣議決定の二としまして「審議会等の会長等の人選」という項目の中では、審議会を担当する役所のOBは委員として原則として起用しない、そういう決定を行っているわけであります。これは、要するに官僚が政策誘導のためにOBを使っていると、そういう疑念を排除するための決定だと思いますが、違いますか。
○国務大臣(野坂浩賢君) お答えいたします。
 先生がお話しされたとおりに、ことしの九月二十九日に審議会の透明性というものを確たるものにしたいという考え方でこれは閣議決定したものでございます。
 ただ、内容につきましては、総務庁長官の方から、二百十七ある中で二十七ですか、非公開ということはそちらの方で決めていただきました。なるべく省庁のOBというものは使わないようにということは一般的な審議会を言っております。非公開のときにはそれを準用するけれども、できるだけそういうふうにしてもらいたい。特に行政処分とか、あるいは紛争とか、あるいは不服審査というものが非公開の問題の中に入っておりますので、そういう点についてはOBというものが一番よく知っておるという立場もあっただろうと思います。
 ただ、最後に申し上げることは、すべて委員の互選であるということが一番重い、こういうふうにお答えをする以外にないと思います。
○荒木清寛君 互選であればOBを会長にしてもいいと、この決定はそういうことではないと思うのです。
 次に第四項、「審議会等の公開」という項目では、審議会そのもの、あるいは議事録を原則として公開するという、そういう趣旨でございます。この目的は、要するに役所が都合のいいように審議会を誘導している、そういう批判が生まれないようにこういう公開の原則ができたのではないですか、総務庁長官。
○国務大臣(江藤隆美君) 今の御質問で、役所のOBは会長にしない、これはもう決まったことです。ですから、これから特別の事情がない限りは役所のOBが審議会の会長になるということはもうありません。そのことは御承知おきを願いたいと思うんです。
 私は余り科学的でなくてよくわからないんですが、もう総務庁の行政改革とか規制緩和の委員会というのは原則として公開ということをしております。五年したらこういう審議会等の議事内容というのは全国どこからでもパソコンで情報がとれるようにしようということで、一方では情報公開に取り組んでおるわけです。ですから、特別のものを除いては、これは利害相反するものがありますから、そうすると夜中じゅう電話がかかって家族を含めて寝られないようなことになることもあり得るわけです。ですから、特殊なものについては非公開としておりますが、ほかはもう原則で公開をするという方針に決まっておるわけです。
○荒木清寛君 ところが、せっかく決まった閣議決定ですけれども、もう既に翌日の新聞には「審議会改革に骨抜きの兆し」なんという、そういう記事が出ているわけです。
 そこで農水大臣にお聞きしますが、この記事によりますと、農水大臣は、「国民生活に密着した価格を決める米価審議会など一部に限っては、今後も経験豊富なOBを起用しても差し支えない」、こういうことをおっしゃいましたですか。
○国務大臣(野呂田芳成君) 米価審議会についての御指摘であったと思うのでありますが、米価審議会は国民の生活に密着した米麦の価格を決定する大変大事な審議会であります。そしてまた、これは単なる学識経験者だけではなく、理論と実務に精通していなければいけない、こういう会長としては特別の事由に該当する場合も多いんじゃないか。そういう趣旨で解釈すれば、閣議決定と調整できるかもしらぬ。特別な事由というのは何かというのは、今のところ画然とした定義がありません。
 ですから、今後、米価審議会のような特殊な審議会、例えば米価審議会はそういう大事なものでありますから、米価審議会令の五条によりまして、この審議会そのものも農水大臣、食糧庁長官しか入れない、それ以外の職員が入る場合は関係職員でも会長の許可をとって入らなきゃいかぬというほどの非公開を原則とした審議会でありますから、そういう特殊なものについては閣議決定の場合と調整をしながらあり得るだろうという意味で、そういう私見を出したということであります。
 これから新たに審議会の会長を任命する場合にそういう方針を貫いていくかどうかは、関係省庁の責任者とよく相談しながら決めてまいりたい、こういうふうに思います。
○荒木清寛君 国民にとって大事な審議会であるからこそ、この原則どおりやらなきゃいけないわけでして、ちょっと私は理解できません。
 また、ほかの新聞では、十月十九日ですが、「審議会公開、省庁動かず」。せっかくその閣議決定があったんですが、「役所側の反応は鈍く、新たに会議の公開を打ち出した省庁はなく、議事録の公開はこ「通産、運輸の二省のみ」と。きょうの新聞によりますと郵政省も公開するという話がありましたが、あるいは「議事の要旨の公開は大蔵省、経済企画庁、科学技術庁の三省庁にとどまっている」、あるいは「「審議会を担当する役所OBの委員起用の原則禁止」についても、決定通りの方針を打ち出す省庁はない。」と。今の農水大臣の答弁もそうですが、ということで、せっかく閣議決定を出したんですが、総理、腰砕けになっておりませんか。
○国務大臣(村山富市君) 腰砕けになっているということは全然考えていません。
○荒木清寛君 新聞はそう言っている。
○国務大臣(村山富市君) いやいや、新聞はそう書いてあるからといって、腰砕けになっているということではないんでね。これは閣議決定したんですから、閣議決定というのは閣僚全員に責任があるんです。ですから、閣議決定はどんなことがあっても決定の基準に基づいて実行させてもらいます。実行いたします。
○荒木清寛君 農水大臣には聞いていませんよ。
○国務大臣(野呂田芳成君) 今あなたの話は、農水大臣がそう言ったとおりという発言がありましたから、それについて一言申し上げておかなければいけません。
 私は、米価審議会令で米価審議会については非公開と書いてあるからそう申し上げたのでありまして、農林水産省所管のその他の審議金について言及したわけじゃありません。
 そこで、私どもはこの閣議決定の趣旨を大いに尊重して実行しようと、こういうことで鋭意検討を進めておりまして、既にあります審議会のうち議事録の公開を決定したのは二、そして議事録公開を予定して今審議会と打ち合わせをして間もなく公開しようというのが十二、合わせて十四の審議会について公開の道を講じたい、こういうことでせっかく努力しているということを申し上げまして、いかにも農林水産省が公開に非協力だというような言い方はしないでいただきたい、こう思います。
○荒木清寛君 たまたま新聞記事にありましたので、農水大臣、お尋ねしました。
 それで、本題といいますか、やはり審議会が官僚や政治家の隠れみのになっているという実態は私はあると思うんです。その典型が今回の宗教法人審議会のあり方あるいは報告ではないかと思います。
 その前に、午前中の質問で大変私は誤解があるんではないかと思いましたので言っておきますが、与党委員の質問でこういうお話がありましたね。信教の自由というふうにあるけれども、宗教法人の自由とはどこにも書いていないというお話でございました。
 文部大臣、ちょっとお尋ねしますが、憲法二十条に言う信教の自由というのは、宗教的な結社の自由、つまり同じ信仰を持った者が集まって宗教団体をつくって自由に活動していいと、そういう自由も含んでいるんではないですか。誤解のないように、
○国務大臣(島村宜伸君) その点は間違いないと思います。
○荒木清寛君 ちょっと誤解があったんではないかと思いましたので、あえてお聞きしました。
 それで、文部大臣にお尋ねしますが、八月三十一日付の「平成八年度 概算要求主要事項 文部省」を見ますと、わざわざ米印をつけまして、「※宗教法人関連の必要措置」という区分のもとに「一、宗教法人行政の整備充実」というふうに書いてあるわけです。
 我々野党がこれをいただいたときはその金額は何も書いてありませんでしたので、これを追及しましたら、これは一千万円であると。じゃ、これは何の費用を要求したんですかというふうに聞きましたら、文部省の宗務課の公務員といいますか職員を、今は九人だけれどもそれを五人ふやしたい、そのための要求であるという説明でありましたが、間違いありませんか。
○国務大臣(島村宜伸君) 詳しいことは政府委員から説明させますが、私、少なくも事前の予算のいろいろな内容の話を聞いている段階では、例えば宗教関係に関する諸外国のいろんな実情も調査しなければなりません、そういうことごとを含めての予算と、こう受けとめております。
 また、いわば宗教関係を所管する省庁として必要な経費その他は今回の問題に限定しないで従前からいろいろ必要としていたものだと、こういうふうに受けとめております。
○荒木清寛君 それではお尋ねしますが、今のこの宗務課の九人体制というのは、昭和何年から九人体制ですか。
○政府委員(小野元之君) 正確な数字はちょっと記憶しておりませんが、私の知る限りでは、しばらくの間、今の定員のままだったというふうに記憶しております。
○荒木清寛君 私の方がよく知っているわけでして、昭和五十四年からなんですね。もう十六年間も九人体制で来たのを急に五人もふやすということなんです。これはどう考えても法改正を前提として、文部省のこの宗務課の認証事務がふえると、そういう前提で増員を要求したとしか考えられないじゃありませんか。違いますか。
○国務大臣(島村宜伸君) 今回、オウム真理教事件が起きました。大変不幸なことと受けとめておりますが、こういう問題が起きたときに国民から、所轄庁そして所管庁は一体何をやっておったのかと、こういう厳しい御批判がありました。しかし、あなたも御存じのとおり、宗教法人は今約十八万四千、これだけのものを、例えば宗務課では九名、東京都はたしか四名と記憶いたします。その他の都道府県は約二ないし三名でしかも兼務と、こう承知しております。これではやはり責任ある所轄庁という仕事ができないのではないか、常識的にそう考えております。
○荒木清寛君 いや、私の質問に答えておりません。
 私が聞いておりますのは、宗教法人法の改正を前提として、それに備えて増員の要求をしたんではないかと聞いているんです。
○国務大臣(島村宜伸君) これは従前からいろいろな反省があったわけであります。ですから、それ自身は別にまだ具体的に何も表に出ておりませんので、私たち自身は具体的に承知をいたしておりません。
○荒木清寛君 そうしましたら、もし改正案、我々は通さないつもりですけれども、通った場合には、さらにこの人員の増員を要求するんですか、大臣。
○政府委員(小野元之君) 大臣からも御答弁申し上げましたように、定員要求と申しますのは事務量がふえることが予想されるということでお願いをしているものでございます。私どもといたしましては、オウムの事件を機にかつてない規模で国民の関心も非常に高まっておる、さらにはさまざまな宗教の課題等について調査研究していく必要もあるということで、そういった事情もございますので定員増の要求をお願いしたところでございます。
 将来におきましても、もしさらに必要だということがあれば、それはその時点での判断でございますけれども、事務量の増大があるということであればお願いをすることもあり得るというふうに思っております。
○荒木清寛君 それはおかしいですよ。昭和五十四年から十六年間も九人体制ですよ。それを一気に何で五人もふやすんですかということを私は聞いているんですよ。だれが考えましても、最初から、まだ審議会の結論も出ていないのに法改正を前提として増員要求をしているじゃないですか。要するに、宗教法人審議会の審議を隠れみのにしているといいますか、そういう懸念を持つわけですよ。違うんですか。
○国務大臣(島村宜伸君) 古くは昭和二十六年にさかのぼるわけでありますが、要は社会も大きく変化いたしましたし、宗教法人の実態も大きくまた変化しているところでありまして、これらに対応するとなれば十分な人数を、それは勘定したら切りがありません。しかし、それはそれとして、今ではとてもとてもこのように膨大な事務量等に対応できないという判断があると思います。
○荒木清寛君 私は、審議会の結論が出る前に法改正を前提として要求したとしか思えない。
 先ほどの答弁で、宗教に関する実態調査もしなければいけないから人数をふやすという話でありましたけれども、今のとは別に、これは概算要求ですが、「二、宗教と社会との関わりに関する調査研究の実施等」で六千四百万円も要求しているんですよ。これは何ですか。
○政府委員(小野元之君) 平成八年度の概算要求におきまして、「宗教法人関連の必要措置」ということで私ども幾つか予算の要求をしているわけでございます。その一つに、御指摘ございました宗教と社会のかかわりに関する調査研究ということで、現在宗教団体をめぐりましてさまざまな課題があるわけでございます。社会との関連をどう考えるべきか、あるいは新しい宗教についてどう考えるべきかさまざまな課題がございますので、そういった課題を責めまして平成八年度の要求で必要な予算を計上してお願いしておるところでございます。
○荒木清寛君 先ほどの答弁では調査研究をする必要があるから人員をふやすと言ったのに、その調査研究費は別に計上しているじゃないですか。じゃ、何のための人員増ですか。
 今の調査研究ですけれども、これは宗教法人またそれを取り巻く環境の変化を、法制定以来四十何年たっておるわけですから、それを四年間かけて調査すると、そういう事業ですね、違いますか。
○政府委員(小野元之君) 宗教団体をめぐる諸状況についての調査研究でございますが、この内容につきましては、我が国の宗教団体あるいは諸外国の宗教事情等をめぐる諸状況につきまして、例えば協力者会議を設けていろんな調査をしていく、あるいはさまざまなデータを集めて調査をしていく等々で、一応私どもの予算要求をいたしました基本的な考え方としては、四年間程度計画を立てて調査を行ってまいりたいということでございます。
○荒木清寛君 じゃ、総理にお聞きしますけれども、私は総理の答弁を聞いておりますと、議事録で読みましたが、宗教法人法を改正する理由の一つとして、宗教法人及びそれを取り巻く環境が変化をしてきたと改正の理由に挙げていますね、そうですか。
○国務大臣(村山富市君) 先ほど来お話がございますように、宗教法人法というのは昭和二十六年に制定されたものです。戦争中に宗教団体が弾圧されたとかいろんなこともありまして、やっぱり信教の自由は保障されなきゃならぬという憲法の趣旨にのっとって宗教法人法がつくられたと思うんです。これはあくまでも信教の自由というものを保障する、それから政教分離は原則として保障する、こういう中身のものになっておるわけですよ。それでずっと来たわけです。
 しかし、今度のようなオウム事件をきっかけにして、これはこういう状態でいいんだろうかということを皆さんが疑惑と疑念を持ったんです。そして、宗教法人法というものが国民の前にさらされたわけですよ。それで、国民の皆さんも、世論調査の結果を見ても圧倒的に宗教法人法の見直しをすべきだと、こういう声が高いんですよ。それに対してやっぱり責任を持ってこたえるというのが政府の責任じゃないでしょうか。
 そこで、ことしの四月から審議会にお願いをして、いろんな実態調査もしていただいて、そして報告が出された。その報告を尊重して、政府が責任を持って法案をつくって国会に提出しているという状況ですから、私は素直にそのまま受け取っていただきたいと思うんです。
○荒木清寛君 いや、ちょっと答弁すれ違っていると思いますが。総理は、宗教法人法を改正する理由として、昭和二十六年以来、宗教法人自身もまたそれを取り巻く環境も変わってきたんだから改正すべきだと、そういうことをおっしゃっていませんか。
○国務大臣(村山富市君) そのとおり申し上げております。昭和二十六年に制定をされて宗教法人法がそのままになっておる、社会の情勢も変わった、それから宗教団体も今や日本国内に十八万あるというんです、そしてその宗教団体にもいろいろなものがあると私は思います。本当の意味で憲法で保障された信教の自由と政教分離を守ってまじめに一生懸命やっているところもたくさんあると思いますよ。だけれども、オウムのような宗教団体もあったわけですから、これをこのまま放置していいんだろうかと、これは行政として責任を持てないということも反省して、私及び皆さん方が宗教問題については真剣に考えておる。こういう時期にお互いに国会の中でも議論を尽くして直すべきは直すということが大事ではないか、それが政府と国会の責任ではないかと、私はそう思っています。
○荒木清寛君 オウムのようなものを放置していいのかとおっしゃいましたけれども、衆議院の江田質問に対してはオウム対策じゃないというふうにおっしゃっていますよ。(発言する者多し)
○国務大臣(村山富市君) ちょっと静かに聞いてください。委員会でやじは飛ばすまいとだれか言いよったじゃないですか。静かに聞いてください。
 オウムが宗教法人法見直しのきっかけになったことは間違いないと思いますよ、私は。きっかけになったことは間違いない。しかし、オウムだけのために宗教法人法の改正をするわけじゃありません。現行の宗教団体の活動について、もう少し本当の意味で、この信教の自由と政教分離が保障されているということを前提にした宗教活動というものがまともに展開されるような状況をつくっていくためにはやっぱり見直しは必要ではないか、こういう国民の声をそのまま反映させて、政府の責任と国会の責任でこれから法の見直しをして改正をなし遂げよう、こうしているわけですから、私が言うたとおりに御理解をいただきたいというふうに思います。
○荒木清寛君 情勢が変化したから法改正もするというのはわかりました。であれば、文部省が四年間かけて宗教団体及び環境の変化について調査をするというんですから、なぜその研究成果を見てから改正作業に取りかからないんですか。(発言する者あり)
○委員長(井上裕君) 御静粛に願います。
○国務大臣(村山富市君) 文部省は宗教法人を所管しているわけです。その所管している行政上の責任として、ああ、今まで勉強が足りなかったな、これから国内の宗教団体のことやらあるいは国際的なことやらいろいろやっぱり調査研究する必要があるなというんで、これから取りかかっていこう、こうしているわけでしょう。それと今回の宗教法人法の改正とは違いますよ、これは。宗教法人法の改正というのは、現行の宗教法人法と現状と照らしてみて、これでいいのかということから宗教法人法の改正をやろうというんでやることになったんです。
 これは、具体的に申し上げますと、例えば東京都なら東京都にその宗教団体の事務所があれば東京都が所管するわけですよ。東京都内だけでやっている団体ならいいですよ。それが例えば山梨県でやる、熊本県でやる、複数の県でもって宗教活動をやっている。山梨県で何かあった、ところが山梨県には全然管轄する責任がないというんで、東京都は今度は山梨だから手が出ないというようなことになったんでは行政の責任が持てないじゃないですか。
 ですから、やっぱり国民に対して行政の責任が持てるようにするためには、この際、そういう部面は見直しをする必要があるんではないかというんで議論になっておるわけですから、私はそういう現状に照らして、まともに受けとめて、まともな議論をただやっていただきたいというふうに私は思うんです。
○荒木清寛君 それでは、文部大臣にお聞きをいたします。
 法の見直しのための勉強じゃないんでしたら、何のために一年に六千四百万円も使って研究するんですか。全くむだじゃないですか。
○政府委員(小野元之君) 予算の中身でございますので、私の方から御答弁させていただきたいと存じます。
 平成八年度でお願いしておりますのは、宗教と社会とのかかわりに関する調査研究ということでございまして、直接法改正とかかわることではございません。国内外の宗教団体をめぐる諸状況について調査研究を行いまして、また宗教全般にわたる情報の収集あるいは提供等を行うシステムのあり方、そういったことについて調査研究をしていこうというものでございます。
○荒木清寛君 それはおかしい。この文部省が出している書類によりますと、今の六千四百万円につきまして、「現在の宗教法人制度が発足してから四十数年が経過しているが、この間、我が国の社会情勢は大きく変化し、それに伴いこ云々と。要するに、法改正を前提とした調査としか読めないじゃないですか。違いますか。
○国務大臣(島村宜伸君) 宗教法人法が制定されて以来四十四年間、社会も宗教法人の実態も大きく変わったことはあなたもお認めのはずであります。したがって、従前のままに放置しておっていいのかという反省があるわけですから、これは別に法改正にかかわりなく、行政の調査研究というのは節目節目で少し研究の必要があるとすれば、やはり当然それはやるのが義務でありますから、今回はそういうふうに受け取っていただいたらいいと思います。
○荒木清寛君 今のお話でも何のための調査かが明確にならないわけですが、時間もありませんので、次に進みたいと思います。
 審議会の報告書が有効か無効かということが先日来ずっと議論されているわけです。文部大臣は一貫して、新進党あるいは平成会の質問に対しまして、これは審議会の委員が会長に一任をしたんだから問題はないというふうに言われておりますが、そういう認識ですか。
○国務大臣(島村宜伸君) 会長が一任を取りつける間には五回の総会、八回の特別委員会が持たれて慎重審議が行われ、しかもその内容においてもう十分意見が出尽くしたので会長に一任願いたいというので、十一名の宗教法人のいわば代表の委員、そして学識経験者四名、この構成の中で一任が取りつけられたというのは意味のあることだと思います。
○荒木清寛君 十月二十五日に文部大臣に提出されました宗教法人審議会の再開を求める申し入れ、七名の審議会委員が出しております、御案内ですね。その中では、「九月二十九日の宗教法人審議会総会では、貴職が言われるような趣旨で、会長が一任を取り付けた事実はありません。」と七名の審議会委員が言っているわけです。
 大臣は立ち会ってもいないのに、どうして一任があったなんということを断定できるんですか。
○国務大臣(島村宜伸君) 先ほどのメンバー構成で、常識的にお考えいただければ御理解いただけると思いますが、十一対四の中で、会長がいわば審議の経過を全く踏みつけにしたり、あるいは全く独断、偏見で何か強引にやろうとしてもこれは現実に無理であります。それから、やたらに七人の方のお名前が出るわけでありますが、これは採決をいたしておりませんから七人云々ということは私たちには判断ができません。
 さらに申し上げるならば、この七人の方々のメンバーを見ますと、うち三名は特別委員の中にも入っておられる。ちなみに、特別委員会は宗教団体それぞれの方々の中からさらに代表者を選び、学識経験者と一緒にでき上がっているものでありますが、そのメンバー構成は五名が宗教法人の代表者の方、三名が学識経験者であります。
 そういうことからいっても、私は特別委員会の審議の経過を就任前と就任後も、後においての記者ブリーフ等も行いましたけれども、私もその程度のことはよく聞いておりましたが、まさに整々粛々と極めて常識的に、しかも誠実に真剣に審議が行われて、そしてある結論を得たというふうに考えておるわけでありますから、私は後々の七人の方が云々という話は全く理解できない。
○荒木清寛君 そうすると、大臣はこの七名の委員の申し入れ、「一任を取り付けた事実はありません。」、うそをついているということですか。
○国務大臣(島村宜伸君) 本当とかうそとかいう話は一言もいたしておりません。
 私が申し上げたのは、特別委員会八回において議論がもうめちゃくちゃに混乱してしまったとか、暗礁に乗り上げたという事実は全くなかったわけです。まさに整々粛々と議論が行われ、そしてその結論が総会に報告され、結果において会長一任のもとに報告が出されたということでありまして、その特別委員会には、例えば七人の後から異議を申し立てた方の中にも三名特別委員として御審議に加わっておられるわけです。だから、もし審議がおかしいとか内容に不備な点やあるいは間違いがあるならば、その時点で議論は紛糾したはずであるということを申し上げたわけであります。
○荒木清寛君 総理、聞いてくださいね。
 その今の七名の委員が「宗教法人審議会 九月二十九日総会の主な発言内容」ということで再現をしているわけです。その中の最後の方でありますが、「いろいろな発言が錯綜。その混乱のまま、会長一任もとられることなく、十四時過ぎに、三角会長が閉会を宣言」というふうに書いてあるんですね。
 もしもこのとおりであれば、本当にこれで整々粛々と会長一任なんという状況だと思いますか。
○国務大臣(村山富市君) 今あなたが言われたことが本当なのか、それは私は今まで聞いている経過からすればにわかに信じがたいものがありますね。
 審議会というのは委員の互選で会長が選ばれているんですよ。会長は、その審議会の審議を全部取り仕切るわけです。それはもう皆さん御案内のとおりですね。そして、先ほど来御報告がありますような経過で審議をしてきたんです。特別委員会までつくって審議をしてきたんですよ。そして、二十二日かに何かまとめるという話だったけれども、もう少し審議をさせたらどうかというふうな意見があったんでしょう、二十九日にもう一遍することになって、そして二十九日に会長が、もう大体論点整理は出た、出尽くした、したがってここでまとめたいと思うかという発言をしたら、大方の委員が会長に一任をするということになったので会長の一任を取りつけて、そして報告書が文部大臣に提出された、こういう経過を聞いていますから、その経過を聞く限りにおいては何も問題はないのではないか、正当に行われて適正に報告書は出されたというふうに私は思っております。
○荒木清寛君 それでは、文化庁に聞きます。
 今十分審議はしたというお話でありましたが、なぜ二十九日の審議会できょうまとめてくださいと、そういうお願いをしたんですか。なぜ期限を切ったんですか。
○政府委員(小野元之君) 総理、大臣からも御答弁ございましたように、審議会におきましては特別委員会八回、総会は五回ということで、時間もかなりとりまして慎重な審議が行われてきたところでございます。
 私ども事務局といたしましては、できますれば二十二日に御報告いただければ非常にありがたいと思っておったわけでございますけれども、二十二日の段階でさらにもう一回二十九日にやろうではないかということもございまして、二十九日午前から午後にかけて十分時間をとって審議をいただいたところでございます。したがいまして、私どもの気持ちといたしましても、あるいは特別委員長が夏休みを返上して委員会で十分審議なさってきたということもございますので、その日にぜひ報告をおまとめいただければありがたいという気持ちを持っておりましたので、その旨を申し上げたところでございます。
○荒木清寛君 重ねてお尋ねしますが、今回の改正点の一つが、行政の質問権を認めるということですね。この質問権の話はいつの審議会で議題になりましたか。
○政府委員(小野元之君) 審議の過程におきまして、調査権ということで、二十五条に関連いたしまして一般的な調査権を設けるべきではないかということがずっと審議の過程で意見が出ておったわけでございます。
 この一般的な調査権につきましては、委員の中からもその点はやや問題があるのではないか、あるいはさらに慎重に考えるべきではないかといったような意見等がございまして、最終的に二十九日の段階の考え方といたしましては、七十九条、八十条、八十一条に関連いたします収益事業の停止命令あるいは認証の取り消し、解散命令請求、こういったものについての具体的な事実があるかどうかの報告を徴収する、あるいは質問をするという権限を付与すべきだということで、審議の過程で出てきたものでございます。
○荒木清寛君 いま少し明確でないんですが、特別委員会はともかく、審議会にこの調査権あるいは質問権ということが議題になりましたのは九月二十二日が初めてではないんですか。
○政府委員(小野元之君) 特別委員会におきまして、例えば調査権の問題はかなり早くから議論が出ておったわけでございます。それらを踏まえまして、九月五日、九月二十二日、九月二十九日と三回総会をやったわけでございますけれども、その段階におきまして、一般的な調査権ではなくて個別的な質問権、それから報告徴収ということにまとめられてきたものでございます。
○荒木清寛君 そうじゃないんじゃないですか。審議会に初めて質問権という議題が出たのは九月二十二日ではないですか。
○政府委員(小野元之君) 私どもの記憶では、九月五日の総会の段階ではいわゆる報告徴収と検査権ということで考えておったものでございます。
○荒木清寛君 先ほど出所不明だというお話がありましたが、私が引用しましたのは、宗教法人審議会の七名の委員が再現をしました九月二十九日の総会のやりとりということです。私は今公明新聞を読んでおりますが、作成者はその七名の人であると。(発言する者あり)いや、これは日経だって載っていますよ。
 その中に杉谷委員の九月二十九日の審議会の発言として、「だいたい所轄、情報開示、活動の報告の三項目が審議されていたのに突然調査権が論じられるようになった。十分論議する必要がある。」ということを最後の審議会で言っているわけです。
 今度の四点の改正項目の中でも、政教分離原則、また信教の自由との関係で問題があるのはこの質問権ということじゃないかと思うんですね。この問題が急に出てきて、もっと審議をしようじゃないかという議論が最後の審議会のときにあったんじゃないですか、文化庁。
○政府委員(小野元之君) いわゆる調査権の問題につきましては、もともと特別委員会で議論している段階から活動状況の把握のあり方というところの関係で調査権を設定すべきではないかという議論がずっとあったわけでございます。それらを踏まえまして特別委員会が中間報告といいますか、九月五日に総会に対して報告を行ったわけでございます。この時点でもう既に調査権の問題は実はその中に入っておったわけでございまして、私どもとしては、調査権ということについては委員の方々から信教の自由との関連でいかがなものかといった御意見等もございましたので、いわゆる調査権の中から検査権を外しまして、質問権と報告徴収権とこの二つに限定をして最終的な報告の中に入れさせていただいているものでございます。
○荒木清寛君 文化庁の認識と委員の認識は違うわけです。
 もう一点お聞きしますけれども、最後の審議会総会の中で、これだけ慎重論があることを踏まえて報告書にぜひ慎重論を併記してもらいたい、こういう発言は委員からありましたか。
○政府委員(小野元之君) 慎重論があったことをきっちり踏まえてほしいという御意見は私はあったと思っております。それを踏まえまして会長としては、文部大臣に報告書を提出されました場合に、一部慎重論がございましたということを明確に触れてコメントを出しておられます。私どもとしては、そのことが委員の意見を反映して会長が行われたことだというふうに思っております。
○荒木清寛君 これは答弁をすりかえている。
 私が聞きましたのは、報告書にぜひ慎重論を併記してもらいたいと、こういう発言があっなかなかったか聞いているんです。
○政府委員(小野元之君) この委員会でも何回か御答弁申し上げておりますように、個別の事柄につきましては私どもとしては、非公開を前提に開かれてきた審議会でございますのでコメントを差し控えさせていただきたいと思いますけれども、いずれにしても慎重論があったということについては明確に文部大臣に、口頭でございますが、報告をされているところでございます。
○荒木清寛君 ですから、両論併記してほしいという発言があっなかなかったか、端的に答えてください。
○政府委員(小野元之君) 繰り返しで恐縮でございますが、委員の方々の個々の発言の詳細につきましてはコメントを控えさせていただきたいというふうに思います。
○荒木清寛君 少なくともできました報告書には慎重論、反対論は併記されていませんね。
 この報告書というのは文化庁がつくった原案とほとんど同じですか、全く同じですか。
○政府委員(小野元之君) 審議会の報告と申しますのは、例えば特別委員会でございますと特別委員長を中心に原案は作成されるというものでございます。総会でございましたら会長を中心に原案を作成するということでございますので、特に例えば文化庁の原案とかそういったものがあらかじめあるというようなものではないというふうに考えております。
○荒木清寛君 では、これは会長がみずから筆をおろして書いたんですか。
○政府委員(小野元之君) これは審議会一般にこういうことが言えると思いますけれども、会長と事務局が相談をいたしまして、両者が議論をした上で審議のたたき台といいますか原案といいますか、そういったものをつくるということはございます。
○荒木清寛君 ということはございますと、そういう一般論を聞いているのではなくて、この場合どうだということを私は聞いているんです。
 要するに、慎重論を併記してほしいと言っているのに、この報告書にはそれがないわけですよ。だから私はこの報告書ということを問題にしているわけです。
 いろいろと繰り返しにわたるようなことを指摘しましたけれども、これほど審議会の七名の委員の言い分と文化庁の言い分が違うんですから、この際、議事録を出してはっきりさせたらどうですか、総理。
○国務大臣(村山富市君) 私は、今いろいろ質問やら答弁を聞いておりまして、それは会長がみずから筆をとって、鉛筆か万年筆かをとって書く場合もありましょうし、それから審議会の審議の経過を踏まえて会長の指示で事務局がつくる場合もありましょうし、それはいろいろだと思うんです。だから、一概に決めつけて言うことはどうかというふうに私は思います。
 それから、議事録を出すとか出さぬとかいう問題は、これは衆議院の予算委員会でも問題になって理事会に一任されておったような経過もありますし、参議院も恐らくそうじゃないかと思うんですけれども、この審議会は非公開が前提になっているわけですから、非公開が前提になっているものをここで私が議事録は公開すべきだとかなんとか言うような立場にはない、これはもう審議会の意見というものを尊重すべきである、私はそう思います。
○荒木清寛君 非公開を前提ということであれば、文化庁の役人が審議会が終わるたびに記者にブリーフをした、おかしいじゃないですか、公開しているじゃないですか。
○国務大臣(村山富市君) これだけ関心を持たれている案件ですから、したがってそれは、会長の了解を得て公開できるものについてはできるだけ公開した方がいいというので、必要なものについては記者にブリーフをして、そして皆さんの理解を求めたということだと思います。ですから、議事録を公開してだれがどういう発言をしたとか、そんなことについてはこれは非公開ですから触れるべきではない。しかし、意見のまとめとしてこういう点はブリーフしてもいいというような話し合いがあって、そして会長の指示で私は事務局がブリーフしたものだというふうに確信しています。
○荒木清寛君 議事録を出すときは非公開で、ブリーフをするときは公開だというのはどういう理屈ですかね。
 九月二十九日の午前中に閣議決定をして、できるだけ審議会の議事録は公開をすると、午後の審議会の議事録は公開をしない。まさにこれこそ朝令暮改じゃないですか。
○国務大臣(村山富市君) 審議会はたくさんあるわけです。公開できる審議会と非公開にすべき審議会と、それはいろいろあると思います。その中では、審議会の委員が発言したことが外に漏れて、そして脅迫されたりいろいろしている事例もあるわけですよ。だから、もう委員になり手がなくて審議ができないというような審議金も現にあるわけですから。したがって、そういうふうなことも配慮して、これは公開すべきか公開すべきでないかというのは今精査しているわけです。これは各省でどの範囲で公開できるか公開できないかというようなことを今議論してもらっているわけですから、閣議決定に基づいてきちっとやってもらいたい、私はそう思っているわけです。
 議事録を公開するということと審議の中身について公開していいものについてはブリーフするということとは性格が違うんですから、そこのところは正しく私は御理解をいただきたいと思うんです。
○荒木清寛君 九月二十九日の閣議決定の趣旨は、法律改正あるいは制度改正を審議する審議会の議事録は原則として公開をしようという趣旨だ、そして今度の宗教法人審議会は法改正を審議した、だからこの議事録も公開すべきだ、私のこの考えはおかしいですか。
○国務大臣(村山富市君) 確かに、宗教法人に関連をして制度問題が議論された。制度問題に関する限りは私はそれは公開してもよかったんじゃないかと思いますけれども、しかし個々の宗教団体に関連するような発言があるというふうなことについては、これはやっぱり公開はできないということがありますから、したがってこの審議会で議論された全体を公開することは適当ではなかったんではないか、私はそう思っています。
 同時に、この審議会は非公開で審議をするということを前提にしてやられているんですよ。それを今度は逆に、結果がこうたがら公開するとなったんじゃこれは審議会の信義に反しますから、私はやっぱり非公開が適当ではなかったかというふうに思います。
○荒木清寛君 平行線でございますが、橋本大臣にも来ていただいておりますからお尋ねしたいと思います。
 きのうも衆議院で質問がありました。私も、二十二日の日曜日の朝の民放を見ておりまして非常に憤慨をしたことがあります。それは自民党の亀井組織広報本部長のテレビでの発言を聞いて思ったわけでございます。
 ちょっと冒頭のくだりを要約して読みますと、これは宗教法人法改正についての発言なんですけれども、
 なぜ、自民党が力を入れているかといわれますと、一つは、やはり宗教団体が(中略)、ご承知のように宗教活動に関する部分は無税、もうけをやっている宗教団体、その場合も一般が三七・五%に対して二七%と非常に低い税率ということの中で大変な保護をされている。(中略)それと、ご承知のように創価学会ですね。はつきり申し上げましてということが冒頭に出たわけです。
 聞いている人には、要するに創価学会対策として法改正をするんだという以外には受け取れませんでした。これは自民党の本音ということですか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 昨日、このテレビを見たかという御質問がありまして、私は飛行機の中ですから見ておりませんとお答えをしたところ、調べてみろというお話でした。そこで、テレビのビデオそのものは私もちょっと手に入りませんでしたので、速記を起こしていただきました。そして、そうしたお話あるいはそのほかの方々のいろんなお話をずっと読ませていただきました。
 私は、これは亀井議員が亀井議員としての所論をお述べになった、そして江田五月さん、田原総一朗さん、高坂さん、草野さん、それぞれのお考えをお述べになり合っている番組だった、そう思っております。
○荒木清寛君 亀井さんは私のようなぺいぺいの議員じゃないんですよ。前大臣で、そして自民党の組織広報本部長という方がテレビの前で発言をするわけですから、見ている人にとればそれは自民党の見解だというふうにとるんではないですか。そういうことについて全く橋本総裁は関知しないと、どういう発言があってもそれは私の責任の範囲外だということですか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は、この番組にどなたがお招きになられているかを承知しているわけではありません。
 私自身も、この番組に何回か呼ばれて出たことがございます。しかし、それは私自身が依頼を受けて出席するわけでありまして、党からこのテーマについてどなたを推薦するとか、そうした種類の番組ではないことは恐らく御承知であろうと思います。そして、それぞれの議員はテレビという公器の前でそれぞれの責任において発言をしてきたと思います。私も、そうした立場になったときにはみずからの責任でこの番組でも自分の所論を今まで述べてまいりましたことがございます。
○荒木清寛君 大臣もその速記録をお読みになったわけですが、政府は繰り返しこの宗教法人法改正には政治的な意図はないというふうにおっしゃっているわけです、委員会でも。ところが、テレビで与党の幹部の方がそれを否定するかのごとき発言をしているわけですね。そのことについて何も御感想ありませんか。けしからぬとか、そういう思いありませんか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) この番組には国会議員から二人出席をしておられます。そして、それ以外の方々が三人出席をしておられます。そして、ある方は、例えば亀井さんは監督ではないとおっしゃる。しかし、今は野放したというわけである。今度の改正によって野放してはなくなる。では、監督にならないのか。何がねらいなのか。逆のことはもう一人の御出席になった国会議員の方にも言えるわけで、改正案が監督になるのか、あれが監督になるとはちょっと言いにくいような感じがするというような感想を述べられたり、亀井さんではないもう一人の御出席者に対して他の出席者の方から、聞いていてもう一人の方の理屈が、理由が見えてこない感じがするといった御感想が漏らされていたり、それぞれに御自身の信念を持って議論をされた番組である、私はそう思います。
○荒木清寛君 あと五分になりましたが、残りは不良債権問題、特に住専問題につきましてお尋ねをしたいと思います。
 住専をどう処理するのか、この大前提はだれに責任があるのかということをはっきりさせることではないかと思います。私は、この経営悪化の一番大きな原因は、何ら業務調整もしないまま住専の本来業務である個人住宅ローンに親会社である母体行が進出をしていったという点にあると思います。
 また、この母体行と住専というのは、もう実質的な親子会社の関係にあると言っていいんじゃないかと思います。それは出資をしているということもありますし、また役員を派遣している、あるいは住専の再建過程の中で母体行が責任を持ちますという、そういう約束もしているという信義則の問題等々を考えれば、この問題につきましては母体行が負担能力の限界まで責任を負うべきである、こういう前提に立って処理すべきであると思いますが、大蔵大臣と農水大臣、それぞれのお考えを聞きます。
○国務大臣(武村正義君) 負担能力の限界にまでという意味がよくわかりませんが、それは精いっぱいという意味でしょうかね。
 まず、母体行と言われるのはあくまでも母体行であって、母体行即住専ではないわけであります。住専は住専として独立した法人格を持った会社でございます。しかし、設立から母体行が、これは一社じゃなしに大体皆複数でございますが、かかわって設立をされたわけであります。
 しかしまた、個々の融資案件に対しては、母体行のみならずその他の金融機関も参加をしたりして融資をしてきたということでございまして、今関係者が真剣な論議をなさっていただいておりますが、私どもその行方を最大限関心を持ちながら注視をしているところであります。
 まずは住専、そして母体行、それから融資先の各機関、金融機関が、利害関係者が真剣な議論をして、どういう道筋で解決を図っていくか。当然前提には、今おっしゃるようにどういう責任を負って解決に当たっていくか、そのことが明らかになってくることを期待いたしているところであります。
○国務大臣(野呂田芳成君) 今、大蔵大臣から精いっぱい母体行に責任を負ってもらうというお話がありましたが、私どもは母体行がぎりぎりの責任を負ってもらうということで一貫して主張しております。
 当事者間で精いっぱい話し合いが行われておりまして、九月二十七日、十月十三、十六と、近くまた話し合いを行いますが、当事者に徹底的にこれは究明していただきまして、我々もそういう線に沿ってひとつまとめたいと、こう思っているところであります。
○荒木清寛君 今の大蔵大臣の御答弁で、当事者間の話し合いをまずは見守りたいという話だったんですけれども、この住専問題については監督者はもちろん大蔵省ですし、この不良債権問題についても随分責任があるという指摘がされているわけですから、そうじゃなくて、もうきちんとした調停案を示して当事者の話し合いを促進する、それぐらいのリーダーシップを発揮すべきじゃないでしょうか。
○国務大臣(武村正義君) そう単純に話が進むものではありません。ということは、それだけ大きな問題でありますし、複雑な問題でもありますし、一つ一つの金融機関の存亡にかかわる問題でありますから、監督者だからといってぽんと一刀両断に上から案を示して無条件に従っていただける状況ではない。やはり、関係者がまず責任を持って真剣な話し合いをしていただく。そのことによって必ずすべてが解決すると言えるかどうか、そこは私どもも心配をいたしておりますが、まずそのことが基本であるという認識でございます。
 しかし、私どもは片方で年内に解決案をまとめたい、まとめるということも言い切っているわけでございますから、私ども自身も相当な決意でこの問題に対処をしてまいります。
○委員長(井上裕君) 以上で荒木君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ―――――――――――――
○委員長(井上裕君) 次に、竹村泰子君の質疑を行います。竹村君。
○竹村泰子君 本日は、外交、防衛、そして金融、経済ということの集中審議でございますのであれなんですが、本論に入ります前に一つ確認をさせていただきたいと思います。
 けさの閣議で、あらゆる形態の人種差別の撤廃に関する条約、人種差別撤廃条約、これは六五年、三十年前国連総会で採択され、サミットの構成国では日本だけが批准をできなかったというものでありますけれども、これを批准の方向で決定されたと伺いますが、そのとおりでよろしいでしょうか。
○国務大臣(河野洋平君) おかげさまで、与党各党の御調整もできまして、けさほどの閣議で承認をされました。
○竹村泰子君 被爆者援護法、水俣対策、エイズの各対策等、これまで大きな懸案であった問題を一つ一つ解決に向かっていっている村山内閣のお仕事、本当に御苦労さまと申し上げたいと思いますが、今後どのように、これは今国会で提出をされて審議に入れるようになるでしょうか。どう見込んでいらっしゃいますか。
○国務大臣(河野洋平君) 今国会に提出をさせていただきまして、御承認をいただきたいと思っております。
○竹村泰子君 私どもも頑張りたいと思いますが、どうぞよろしく。
 それでは、沖縄の問題に入らせていただきたいと思います。
 九月四日、沖縄で女子小学生に対する米兵による拉致暴行という極めて残酷で悪質な事件が起こったわけであります。この地位協定、もっと長い名前でございますが、地位協定によりまして航空法の規制対象外にある米軍機による危険な超低空飛行の訓練や墜落事故、横須賀の米海軍基地では日本側に通告せずに泊浦湾を埋め立てて市議会で問題となったり、また横田基地周辺では米軍の航空燃料漏れによる水質汚染が問題となったり、いろいろなことがあるわけでありますけれども、先日の抗議集会、八万五千近い人々が沖縄の怒りの声を上げて集まった。もっと前に私たちがこの問題、こういった数々のさまざまな事件に立ち上がっていれば今度の少女は救われたかもしれないと思いますと、大変に悔やまれてならないわけであります。
 二年前の事件です。十九歳の女性が基地に連れ込まれ、乱暴された。この容疑者は、堂々と旅行社からチケットを買い、本国へ逃亡を企て実行した。この事実関係はどうなのだろうかと思いつつ、なかなかその後の解明ができていない。この事件があってから新聞が伝え始めたということで事件がわかってきたわけです。もしこの犯人が逃亡を企てなければ、この被害者の女性は泣き寝入りをせざるを得なかったという事件でありました。
 このことを知った沖縄の女性団体の方たちが県警にどのぐらいこういった性犯罪があるのだというふうに問い合わせましたところ、米兵によるこういった性犯罪、女性に対する暴力、なに、月に二、三回ですよと軽く警察に言われて、本当に我が国の女性に対するそういった性暴力に対する認識、罪の甘さということにとても女性団体の方たちは驚かれたということで、何かもう日常茶飯ですよというふうな、軽くいなされたということでびっくりされたというんですが、この女性は半年を経てその訴えを取り下げてしまわれました。この半年間の女性の苦しみ、そして周辺の侮べつ的、差別的な視線など考えますと、その苦しみはいかばかりだったろうかと思って、本当に胸の痛くなる思いがいたします。
 これまでこういった米軍による被害、米兵によるこういった犯罪、復帰から今日まで全部で四千六百七十五件あるんだそうです。そして、そのうち殺人事件が十二件あるということでございます。
 私、今資料をお配りしたと思い。ますけれども、本当は総理にも外務大臣にもほかの閣僚の方々にもこの資料をじっくりと見ていただきまして、一体どんなふうにお感じになるかお聞きしたいんですけれども、時間がございません。
 これは、二枚つづりの方は裁判の結果及び刑の執行状況が書いてございます。これは法務省に調べていただきました資料であります。そして一枚の方は事件の概要、これは警察に調べていただきました資料であります。
 中身は同じでございますが、右端の「裁判結果及び刑の執行状況」というところが違うわけでございまして、これをずっと私も見ておりまして、改めて本当に何ということだと。心神喪失で無罪となっている方もあります。それから、五番目の人は、この米兵は四十八歳の男性を殺害したんですけれども、何と五年たって仮出獄ということなんです。それでずっと見まして、やはり殺人を犯したということの割には大変に軽い方々もおられます。
 私どもの常識としては、こういうことがなぜ許されるのかなという思いがしてならないわけであります。このことは引き続き私もその後どういうふうになっているのか調査をしていきたいと思いますが、今日までのところはここまでしかわかっておりません。法務省にもお願いをして引き続き追って調査をさせていただきたいというふうに思いますが、こういうふうに、庇護されていると言ったら言葉が過ぎるのでしょうか、非常に甘い刑で終わってしまっているということがおわかりいただけるというふうに思います。
 この調査について、つけ加えて報告を刑事局長の方にしていただきたいと思いますが、どうぞよろしく。
○政府委員(則定衛君) 昭和四十七年の沖縄復帰以降本年までの二十三年間におきまして米兵が人を殺害したという類型の犯罪は、先ほど御紹介いただきました法務省提出の資料に記載した十二件でございまして、あえてこれにつけ加えて御説明することはないわけでございます。
 ただ、せっかくの御質問でございましたけれども、日本におきます裁判、これは完全に日本の裁判所が行っているわけでございまして、量刑につきましては、日本人が国内で犯しております犯罪に比べてどうこうということは私どもとしては申し上げる立場にはないわけでございます。裁判所がそれぞれの案件に即しまして独立した判断で適正になされているものという点においてはひとつ御理解いただきたいと、こう思っております。
○竹村泰子君 総理、御感想をお聞きしていいでしょうか。どういうふうにお思いになりますか。これは妥当な刑罰だとか当たり前だとかそういうお返事は期待いたしませんけれども、ごらんになって、御感想をちょっと聞かせていただきたいと思います。
○国務大臣(村山富市君) これは、一つ一つの事犯について、具体的な事実関係というのがよくわかりませんから、したがって今、刑事局長からも答弁がございましたように、それぞれ日本の裁判所で審理がされて、そして判決が出されたものだというふうに私は思いますから、この判決についてとかくのコメントは差し控えた方がいいと思います。しかし、いずれにいたしましても、仮にこういう事犯が次から次に起こるというようなことがあるとするならばそれはとんでもない話なので、今度のような少女暴行事件みたいなものが再発しないように米軍にも強く要請して、米軍内の綱紀の粛正というものもきちっとやってもらわなきゃいかぬなと、私はそう思っています。
 今度の事件等については、クリントン大統領を初めみんなそれぞれ記者会見で深く謝罪をしているという事実もありますから、相当アメリカの方にもそれなりの衝撃を与えているのではないかというように私は思いますから、こういう時期にやっぱり正すものは正していくことが大事だなというふうに思っています。
○竹村泰子君 基地で飛行機が落ちたら一大ニュースになります。もしかしたら新聞のトップ記事になってしまうかもしれません。しかし、一人の日本人が乱暴されたり殺されたりしたことは、全国的には本当に小さな記事にしかならない。沖縄の方たちはそんなことはないでしょうが、私たちもともすれば見過ごしてしまうような記事にしかならないことが多いと思います。安保とか地位協定とか難しいことはこれまでわからなかったという方たちも、今回の事件で沖縄がこういうところに置かれているんだということが本当によくわかったと言っておられます。
 ことしの四月二十四日、二十一歳の女性が三人の米兵に犯されました。この人は、この日、私は人間ではなくなったと言ったといいます。この言葉の重たい意味が、総理、おわかりになりますよね。いかがでしょうか。
○国務大臣(村山富市君) 今、その女性が言われたことについて、衝撃を受けたその気持ちというものも理解できますし、同時に、何か知事が集会で、そういう女性が一番女性としての尊厳を侵されたということに対して、それに責任を感ずるというような意味のごあいさつをされたというようなことも聞いております。
 私は、こういう事態が起こってきていることについて、国民の生命と財産とを守るという立場に立っておる政治の責任というものをやっぱり政府として感じなきゃいかぬな、これはもう本当にひどいことだなと。こんなことが二度と繰り返されないように、この際きちっとしてもらうところはしてもらわなきゃいかぬというような気持ちでこれからも取り組んでいかなきゃならぬというふうに思っております。
○竹村泰子君 これまで幾度も予算委員会でお答えいただいておりますけれども、私がしつこく申し上げておりますのは、人間としての、女性としての悲しみが何とか国民みんなのものにならなければならないと思うからでございまして、これまでどれだけの女性たちが泣き寝入りをしてきたか、そして見過ごされてきたことか、小さな出来事として処理されてきたことか。一人の少女の人生がつぶされてしまうかもしれない。そうでなければいいと思いますけれども、健康な男女関係、そういった今後の人生に恐らく大きな影響を及ぼしてしまうだろうと心痛めているわけです。家庭で、地域で、社会で暴力を受け続ける女性たち、今回少女に起こったことは何を私たちに訴えているのかというふうに思いまして、今の総理のお答えに本当に期待をしつつ、しっかりと私どもも頑張っていかなきゃいけないというふうに思います。
 県民感情、沖縄県民感情というふうな言葉がこのごろよく使われるんですけれども、県民感情という言葉ではなく、私はやっぱり国民感情と、私たちの問題なのだということにならなければいけないとつくづくそう思いまして、きょうはあえて質問させていただいております。
 つきましては、思いやり予算と言われる予算なんですけれども、もうよくわかっていることですけれども、私はきょうはこういう表を持ってまいりました。(図表掲示)この黒いところが思いやり予算でございます。十七年間でこんなに大変なアップをしているわけですよね。みんなそれぞれ新聞などで見ていることでありますけれども、こうやって改めて見てみると本当にすごいなと思わざるを得ない思いやり予算であります。
 このオレンジ色のところは基地周辺対策費等なんですけれども、これ両方合わせますと大変な額になるわけでございまして、こういうすごいアップを、十七年間でどうしてこのようなアップをしなければならなかったのだろうかとお思いでしょうか。もちろん、村山政権になる前のこれまでの歴代の政権でありますけれども、その辺はどういうふうにお考えになりますでしょうか。
○国務大臣(河野洋平君) 村山政権以前からのことでございます。日米関係を考え、日米安保条約の目的をより円滑に達成するために我が国が、思いやり予算と言われるものでございますが、十七年前からこうした予算に踏み切りまして、その後、今、議員お尋ねのような上昇カーブをたどってまいりましたが、もう大体頂上と考えております。
 これからは人件費のアップ等があればあるいはそのカーブが多少上を向くということがあろうかと思いますが、このことによって日米関係によい関係ができてきたということは我々顕著に感じているわけでございます。こうした負担、しかしこの負担も、我が国の負担はその金額を米軍が持ってアメリカヘ帰ってしまっているわけではなくて、恐らくその金額のほとんどは、日本人の労働力に対してその対価として支払われる、その他日本で使われる金額がその大半であるというふうに考えております。
○竹村泰子君 地位協定、長い名前でありますけれども、平成三年四月に改めてまたアメリカ合衆国と日本国との間の特別措置が新しくされました。
 これを見ておりますと、実に細かくいろいろと書いてありまして、日本国はこの労働者に対する次の給与の経費の全部または一部を負担すると。基本給から始まりまして、調整手当、解雇手当、扶養手当、隔遠地手当、特殊作業手当、夏季手当、寒冷地手当、退職手当、もう本当に微に入り細に入り、通勤手当、転換手当、職位転換手当、年度末手当、夜間勤務手当、本当にこうやって見てみますと、改めまして大変な負担を強いられているわけだなというふうに思うんですけれども、やっぱりこの地位協定の抜本的な見直しということを考えていかないといけないのではないか。
 米軍は駐留する相手国との間で同様の地位協定をあちらこちらの国と結んでおりますけれども、ドイツの場合はより主権を尊重するというふうになっている。そして、韓国では米兵が罪を犯しても裁判が終わるまでは米国側が身柄を拘束するとされているなど、日本よりさらに主権が制限される内容になっているようであります。
 そういう少し差はありますけれども、世界じゅうに米軍の基地があるわけでありまして、そういう地位協定の中でも日本の地位協定、私たちはやはり今回のような事件をきっかけにというのは大変悲しいことでありますけれども、しかしこの地位協定の見直しをきちんと迫られているのではないか、国民の前にどういう形で出すことができるだろうかと、内閣や国会の責任を感じるわけでありますけれども、総理、いろいろお答えになっておられますが、改めましてもう一度お聞きしたいと思います。
○国務大臣(河野洋平君) 大変恐縮ですが、私から申し上げるのはどうかと思いますが、竹村議員にぜひ御理解をいただきたいと思いますことは、私は本当につらい話をしなければなりません、悲しい事件の問題でございますが、こうした事件の再発を防ぐのは、基本的には米軍が綱紀の粛正、教育とか訓練とかそういったものがきちっとできるということが重要であって、こうした何といいますか、ルールをつくることが犯罪がなくなるということでは、もちろん二次的にはそういうことはあると思いますけれども、一次的には私はやはり米軍の訓練、教育、そういったものが重要だというふうに思います。
 ただ、先ほど竹村議員は、県民感情という言い方は少し短小化しているんじゃないかという意味のお話がございました。それも私はよく理解できます。
 ただ、これも私から申し上げるのはもう当たり前のことを申し上げるようで恐縮ですが、何といっても在日米軍基地の七五%が沖縄県にあるということで、沖縄県民は他の県に比べてこの問題に深くかかわらざるを得ない。そして、そうした厳しさを味わっておられるわけで、より強くそういう感情があるということは否定のできないことだと思います。
 もちろん、そうした気持ちを全国の日本人が共有する必要があるという意味であれば私は全くそのとおりだと思いますが、議員がおっしゃったように、地位協定にそのすべてを寄せて、地位協定のためにこうしたことが起こる、こうしたことがあるというふうに決めて議論をするのは、もちろん議員のお考えもよくわかりますけれども、これは余りこのことだけですべての問題がここに凝縮されているということではないのではないかというふうに私は思います。
 この地位協定のもとでさまざまな問題が起こっていることについては、現実的にそれを一つ一つ解決する努力というものはこれまでもしてまいりましたし、これから先もしていかなければならないことは当然のことでございます。
 重ねて申し上げますが、我々は御関係の皆さんのお気持ちを全国民がともに共有してこうした問題が起こらないように全力を尽くしたい、こう考えております。
○竹村泰子君 先ほど外務大臣、私の聞き間違いじゃなければ、今思いやり予算は二千七百十四億円、十七年で四十四倍になったわけですけれども、基地対策費などを入れますと支出は四千七百五十七億円に達しているわけですね。日本の財政としても大変な額ですけれども、先ほどそろそろピークでというふうにおっしゃったとお聞きいたしましたけれども、今後これがもっとアップしていくということではなく、本当にピークでこれからは減らしていきたいという、そういう御覚悟と聞いてよろしいんですか。
○国務大臣(河野洋平君) 上昇カーブがこれまでのようなカーブではないということを申し上げたわけでございます。
○竹村泰子君 ぜひ私が聞いたようにピークにしていただいて、そしてもうこれからは少しずつ減らしていく方向に頑張ると、総理、言っていただけませんか。
○国務大臣(村山富市君) 先ほど来お話がございましたように、これは本当に、沖縄で起こった問題は沖縄だけの問題ではなくて、沖縄が戦前、戦中、戦後担ってきたこういう苦悩というものを国民全体がやっぱり共有すると、その立場で物を考えていくということが私は大事ではないかと思うし、そういう立場で政府もこれから真剣に取り組んでいく必要があるということについては、もう重ねて申し上げておきたいと思うんです。
 それから、これは基地対策費とかいろんなものもありますけれども、例えば沖縄だけを考えた場合に、七五%から基地があって沖縄の開発振興にどれくらい大きな重荷になっているかということを考えた場合に、私はやっぱりそういう意味における配慮というものは十分政府としても知る必要はあるんではないかというんで、沖縄の振興計画等についてもこれまでと違って、単に本土との格差を是正するというだけの問題ではなくて、沖縄のある地位を考えて、どういう経済圏の中で沖縄の経済開発ができるのかという、そういう面も生かし得るような計画というものを推進していく必要があるというふうに思うんです。
 それから、今問題になっておりまする予算等についても、先ほど外務大臣からお話がございましたように、減らすというのはこれはなかなかちょっと難しいかもしれません。しかし、可能な限り、日本の財政事情もあるわけですから、したがって厳しく見詰めるところは厳しく見詰めて取り扱っていくということが大事ではないかと思いますし、全体の国際情勢の変化等にも対応しながら、そういう点も踏まえた上で率直な話し合いをしながら、お互いが納得できるような結論を出していくということは大事なことではないかというふうに思います。
○竹村泰子君 駐日米軍の基地の問題ですので、外務大臣にお答えいただきましたが、防衛庁長官もぜひお考えをお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(衛藤征士郎君) 御案内のとおり、日米両国間の相互協力及び安全保障条約の中で、きょうの午前中も審議されました第五条、第六条、御案内のとおりでありますが、この第五条と第六条が担保されることによって第二条に規定された内容がより実効が上がる、こういうことだと私は思っておるわけでございまして、この第二条、第五条、第六条、こういう条約の取り決めによってホスト・ネーション・サポートが提供されておると、こういうことだと思っております。
 そこで、先般のニューヨークにおける2プラス2の会合におきましても、私どもからこの問題を先に提案いたしまして、米軍におきましても十分節約に努めてほしい、そして我が国の財政事情が極めで厳しい、そういうことも申し上げたところでありまして、今、委員御指摘のことについては重々承知をしておりまして、そういうことにつきましての米側に対する要請も行い、そして努力をしておるということも申し上げたいと思います。
○竹村泰子君 ペリー長官の発言が大分問題になっておりまして、私もここに河野大臣とモンデール大使の会談の要旨をいただいて持っております。
   〔委員長退席、理事前田勲男君着席〕
 アメリカ政府として東アジア戦略という意味で、きのうも何か発言があったようでありますけれども、縮小するつもりはないとか、ここ一両日少しアメリカがいら立ってきているのではないかなという気がしているんですけれども、そのあたり河野大臣は、モンデール大使との会談、それからその後のここ一両日のアメリカの動きについてどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(河野洋平君) ペリー長官がテレビで御発言になったお話が日本の新聞にキャリーをされて大分話題になったわけですが、あのペリー長官の発言の中で、日本側のいかなる提案にも自分は聞く用意がある、どんな提案でも自分は聞く用意があるということを言っておられるわけで、私はそれは大変いいことを言っていただいて評価をしていいと思っております。日米両国は忌憚のない話し合いをするということは当然のことでございますが、あえてペリー長官がアメリカでそういう発言をなさったということを私は評価したいと思います。
 ただ、その発言の中で、日本の新聞がキャリーしたところによりますと、何か基地をアジャストするとか、ちょっと私は正確には忘れましたが、何か言っておられるわけです。その辺は私は、これまでのボトムアップ・レビューでありますとかEASRなどでアメリカ側がこれまで綿密に積み上げて議論をしてきたことと少し考えが変わったのかな、こう思って私はモンデール大使にそこら辺を伺ったわけですけれども、大使は、自分はワシントンからの連絡を受けていると言っておっしゃったお話は、そうしたことはない、これまでの基本的な考え方に変更はないということを言っておられました。
 しかし、基本的な考え方に変更がなくても日本からの発言は十分自分はよく聞きますよと、こういうところは大事なところなので、もうじきぺリー長官が来日されますので、そこは我々としていつものように率直にペリーさんにはお話をしてみよう、こう思っております。
○竹村泰子君 日米合同委員会というのが開かれるわけで、そこで地位協定に基づいていろんなことが決められていく。そして、日本国は平和憲法を持っているわけでして、主権国家としての日本に憲法と異なる地位協定、協定ですけれどもそういうものがあって、そこで特権的な扱いを米軍に対してしなければならなくなっているというのが今日の地位協定の持っている非常に矛盾した基本的な問題だというふうに思うんです。
 済みません、ここのところは私は通告しておりませんけれども、この合同委員会というのは日米両政府の代表者各一名で構成されて、あと委員会の下に補助的な機関と事務機関とを設けておられる。国会で議論することもなく、一般的にはそれも何も義務づけられているわけではなく、非常に重要な問題、つまり沖縄などにとってはもう生死にかかわるかもしれないような重要な問題が何にも知らされないでここで議論をされて、そして決められていってしまう。国民に広くこれは知らされるべきであるのに何も知らされないまま、非常に閉鎖的な形というと変ですが、そういうことで、多くの国民はもしかしたら日米合同委員会の存在すら知らないかもしれないというような形で決められていく。ここのところはやっぱりとても矛盾を感じます。
 何とかこれをもっと広くディスクロージャーしていく、国民の皆さんとともにというか、少なくとも国会で議論をするべきだというふうに私は思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(河野洋平君) 合同委員会のことについては後ほど政府委員から詳細を申し上げたいと思いますが、私はまず最初に、どうも日本の主権が侵されている、あるいは著しく制限されていると、こういうふうにお話しになりましたが、少ししつこいようで申しわけありませんが、この日米安保条約というのは、御承知のとおり、我が国でもこの国会で大変議論をして国会が承認をして決めている条約でございます。つまり、我が国国会で承認をしている条約であって、一方的に我が国の主権がだれかによって侵されているということではございません。
 しかも、その安保条約によって我が国の安全を守るという重要な安全保障政策が確立をされているわけで、日本の国を守るという大きな政策の上に日米安保条約、そしてその日米安保条約の目的を達成するために地位協定というものが我が国の義務として、施設及び地域を提供するという義務があって提供しているわけで、これは主権が侵されていると見るのは私は適当でないというふうに思います。
 そして、合同委員会というものの存在を条約の中できちっと書きまして、そしてその条約に基づいて安保条約、地位協定というものの中で議論をし、問題点の解決をしているわけでございますから、私はこのことが主権を著しく制限されているということではないとまず基本的に申し上げまして、詳細を少し政府委員から御答弁させていただきたいと思います。
○政府委員(折田正樹君) 合同委員会というのは日米地位協定第二十五条によって設置されているわけでございますけれども、地位協定がありまして、その地位協定の実施に関して日米相互間の協議を必要とするすべての事項に関する両政府間の協議機関でございます。
 そして、その合同委員会で勝手にいろいろやっているということではございませんで、日本側は関係当局とお諮りをしながら、また必要があるときには閣議の御決定をいただいて、その御指示のもとに協議をしているということでございます。
○竹村泰子君 それはよくわかっておりますけれども、しかし余りにも不明な点が多いのではないかという気がいたします。国民の皆さんがそう思っておられるだろうということで、私どもは代表として国会に出ているわけでありますから、そういう意味で今後の課題としてぜひ御検討いただきたいと、強くそう思います。
 地位協定の改正、まあ見直しというか、その辺についてもこれまで、きのうも衆議院の予算委員会でもお答えになっていらっしゃいますから重ねて申しませんけれども、まだ十万大規模の米兵がアジア地域にいるわけでありまして、日米のパートナーシップという言葉がよく使われますけれども、片方の人権がこんなに侵される、私さっき資料をお配りいたしましたけれども、これを見て人権が侵されていないと思う方は別として、このように人権が侵されている中で、奪われている中で、パートナーシップなんという言葉が一体言えるだろうかと思わざるを得ないわけです。
 ぜひこのあたりもお考えいただき、そして確実に基地が減っていく、米兵が減っていくということでなければこういった悲惨な事件は後を絶たないわけですから、海兵隊無用論なんというのもありますけれども、きょうは時間がありませんので私もそこまでにしておきますが、どうぞ御一緒にぜひ考えていきたいし、外務大臣もアメリカとの折衝をぜひ頑張っていただきたいというふうに思います。
 それでは、金融機関の不良債権の問題についてお伺いしたいと思います。
 金融機関の不良債権は一刻も早い処理が求められていて、この九月末には金融制度調査会から報告が出されました。その中で、議論となっております公的資金の導入についてどのように述べられているんでしょうか、その概要を簡潔に御説明いただきたいと思います。
   〔理事前田勲男君退席、委員長着席〕
○政府委員(西村吉正君) 同報告におきましては、まず金融機関の破綻処理については、「金融機関の自助努力、最大限の保険料引上げを含む預金保険の発動等金融システム内での最大限の対応により、破綻処理に対処しうるかどうかの検討が求められる。」とした上で、「これらの措置が講じられた後にもなお、今後概ね五年程度の間において、金融機関は清算・消滅させるが預金者に破綻処理費用を直接分担させることを避ける必要のあるような場合には、公的資金の時限的な導入」、五年程度のという意味でございますが、「導入も検討課題となろう。」とされた点が一つでございます。
 もう一つは、「金融機関が破綻に陥る以前の段階にあっても、不良債権処理の遅れが我が国金融システム全体に著しい悪影響を及ぼすこととなる場合には、公的資金の導入も含めて早期に問題の解決を図る」ことについてはさまざまな意見がございまして、この点については引き続き検討が必要とされたところでございます。
○竹村泰子君 今回の報告でも公的資金の導入の可能性は示されているんですけれども、しかしその具体策について国民的な議論を進めていくためには公的資金の具体的な姿を示さなければならないと思うんです。
 大蔵大臣は、さきの衆議院の予算委員会で、個別の金融機関に税金のような公的資金を出す考えはないというふうに述べておられますが、それではどういう形で公的資金の導入が考えられるのか、別にその処理機関をつくってそこに使うのか、それともまた別の形があるのか、具体的なケースを教えていただきたいと思います。
○国務大臣(武村正義君) 我が国の不良債権問題につきましては、その多くは個々の金融機関がみずからの努力で対応し解決をしていくというのが基本でございます。今の状況であれば、もう既にそういう努力を刻々始めているわけでございますから、多くの金融機関はそれで不良債権そのものをなくするために成果を上げてくれるものと信じております。
 しかし、一つは銀行局長が今申し上げましたように、一般的なルールとして、今後、預金保険料率を引き上げていこうという方針を出していきたいと思っていますし、そのことも含めて預金保険機構そのものも拡充の方向で法的な整備も含めて強化をしていこうという方針を出していきたいと思っております。
 そういう中で、将来金融機関が破綻をして消滅させなきゃならないというふうな事態になったことを前提に考えますと、金融機関はもう破綻消滅である、しかし預金者は救済しなきゃならない。昨年からことしにかけての五つの金融機関がその例に該当するわけでございますが、そういう事態が起こった場合には公的資金の導入も考えなければならない、例外的なケースとしてそういうふうに思っておりますし、何かそういうものを一般的に一つの受け皿というようなものを事前に準備してはどうかというふうな議論も一部にあるということでございます。
 もう一つは、例の住専をめぐる、住専は農協系は別枠でございますから、この特異な難しい問題に対応して、公的資金の導入を含めた公的関与についても検討をしているという状況でございます。
○竹村泰子君 我が国の金融機関の不良債権問題は、国内のみならず国際的にも大きな問題になっている。例えば、邦銀が外貨の調達をしようとしても、信用度が低下していてなかなか貸してくれなかったり、債券発行ができないばかりか、借り入れをするにもいわゆるジャパン・プレミアムというような上乗せ金利の支払いを求められている。さらに、最近ではその上乗せ金利の支払いを申し出ても借り入れることができないとか、そういうことを私たちも報道で読むわけでありまして、こうした状況について政府はどの程度把握をしておられますか。
 また、邦銀の外貨調達が難しくなったとき、国際的な資金還流への影響についても政府はどうしようと思っておられるのか、あわせて御答弁いただきたいと思います。
○政府委員(榊原英資君) 私ども、大体邦銀の外国での活動については、ロンドン、ニューヨークの市場が閉まった後、日本時間の朝、毎日二十一行ベースでその状況を聞いております。また、特別な状況があったときにはまた二十一行ベースでヒアリングをするというようなことをやっておるわけでございます。
 確かに御指摘のように、このところ大和問題を受けましてジャパン・プレミアムがこの月曜、火曜、水曜とかなり大幅に広がってきておりますけれども、きのう、きょうになりまして大分レートは落ちついてまいりまして、平均のプレミアムで大体〇・三から○・三五というようなところに若干落ちついてきているという気配がございます。
 それからまた、外貨資金繰りにつきましては、確かにジャパン・プレミアムはそういうことで広がっておるのでございますけれども、邦銀が外貨資金繰りについて困難を来しているということはございません。割にこういう状況を想定いたしまして前広に外貨資金の手当てをしておるということでございますから、特定の邦銀が外貨資金繰りに困難を来しているということはございません。ただ、一部のヨーロッパの銀行で日本に対する信用供与について慎重になっているところがあると、そういうふうに聞いております。私どもとしては、今後ともこういう形で毎日ベースで邦銀の資金繰りがどうなっているかということは注意深く見守っていこうと思っております。
 それから、当然、万一の事態になりましたときにはそれなりの対応をすべく準備はしておるわけでございます。
 また、このジャパン・プレミアムの問題は、外貨資金繰りに当面の影響はございませんけれども、これが長く継続的に存在するということになりますと、日本の銀行の海外における競争力というようなことに非常に大きな影響があるわけでございます。
 ですから、私どもとしても、まず海外に対して日本の状況を十分伝えること、それからまた日本の銀行がいわゆる情報の開示、私どもディスクロージャーと呼んでおりますけれども、それを積極的にやるということ、それから政府の側としては、今までいろいろ御議論になっております住専問題を含みます不良債権問題に果断かつ積極的に取り組むということ、そういうことが今後のジャパン・プレミアム解消に極めて重要だというふうに思っております。
○竹村泰子君 それはそのとおりだと思いますが、大臣、何か私たちが聞いているところよりも非常に見込みが甘いというか対応が弱いというような気がしてならないんですけれども、その点はいかがですか。
○国務大臣(武村正義君) ジャパン・プレミアムの問題に関しては、私どもは甘いどころか、もう日々刻々これは時間ごとに変化しておりますから非常に神経を使いながらモニタリングをしているわけでございまして、そういう前提に立って局長が今答弁をしているわけであります。ぴりぴりしながらこの問題は見詰めておりますし、一たん何か起これはその対応ももう準備しているということであります。おかげさまできのう、きょう、私もほっとしているんです、○・三五とか少し下がってきたものですから。しかし、これも刻々変わっできますから余り尊んでもおれないという状況で、一瞬ほっとしているというところでございます。少なくともこの問題についてはそういう姿勢で全力、神経を張り詰めて頑張ってまいります。
 ただ、甘いとおっしゃったのは、もっと大和銀行とか信用不安全体のお話であろうかと思います。そういう点は御指摘、おしかりをしっかり受けとめて、甘くないように最善を尽くしてまいります。
○竹村泰子君 その公的資金の導入について、もちろん国会でも十分に議論していかなければならないと思いますが、政府部内ではどこで検討しておられるんでしょうか。この際、議論の場はできる限りやっぱり透明にして、どこで検討しているのかということが適宜国民にも報告できるようなそういう形が望ましいと思いますけれども、いかがでしょうか。
 それから、今後議論していく中でどうしても欠かせないのは、公的資金の導入をルール化しておくことではないかと思います。答申や覚書などをもとにケース・バイ・ケースで政府が対応する、事が起こって慌てて対応するということではなかなか国民も納得をしないのではないのか。どういう場合にはどういう形で公的資金の導入が認められるのか、きちっと法令化しておくことが必要ではないかと思いますが、次期通常国会でぜひ公的資金導入をルール化するような法案を国会に提出していただきたいと私は思うのですけれども、いかがでしょうか。
○政府委員(西村吉正君) 政府部内におきましては、現在金融制度調査会において金融システム安定化委員会という場所を設けてこの問題を取り扱っております。夏休みを返上いたしまして、七月から九月末にかけて一応の中間的な経過報告をいたしたところでございますが、年末にかけましてまた鋭意検討を進めていただいているところでございます。
 その具体的な公的資金の時限的な導入という問題について、どのような検討をし結論を出すかということは今御検討中でございますので、慎重に御議論がなされているところでございますけれども、また国会での御議論等も踏まえましてこの問題の集約に努めてまいりたいと考えております。
○竹村泰子君 ルール化する方法、私はぜひ必要だと思うんですけれども、大蔵大臣もお考えいただきたいと思います。
 さっき大和銀行のことをもう私が言う前におっしゃったんですけれども、今回の損失事件については衆議院の予算委員会でも、そしてこちらの参議院の予算委員会でも当局の対応のまずさが指摘されております。大蔵省が内々にとはいえ報告を受けたのが八月八日ですね。ところが、そのとき西村銀行局長は情報が十分ではないとしてその場は同行に実態の早期解明を求めたとだけ伝えられているわけです。そして、米国の金融当局への報告は九月十八日、この間、四十日間の差が生じております。
 確かに、不十分な情報で慌てておたおたして対応して事を誤ってはならないと思いますけれども、この四十日間というのは、こういう緊急なこと、大変なことが起こったというにしては長過ぎるのではないでしょうか。当局は十分に反省をするべきだと私は思いますけれども、大臣からもお答えを願いたいと思います。
○国務大臣(武村正義君) これはこれまでもお答えをしてまいりましたが、経緯をずっと振り返ってみますとそれなりの、我々日本人の常識で聞くならばなるほどまあ常識的な対応であるなとうなずかざるを得ない、そんな状況で運んできているわけであります。
 確かに、八月八日に初めてこの話を局長がまず知りました。しかしそれは、告白があったということで早速に報告があったわけです。しかし、報告をされている頭取自身がまだ真偽のほど、全体像、これも定かでありませんと、急いで関係者をニューヨークヘ派遣して今から調べますという、真偽のほどがまだ定かでない状況のとりあえずの報告でありますから、全体像がもうわかっていて報告しているわけじゃありません。じゃ、急いで調査をしてわかり次第報告をしてくださいと、局長はそう答えているわけですから。
 その間の四十日が長過ぎたかどうか、私もそれは事務的なことはよくわかりません。何万枚という書類があったとか、いろいろなことを聞きましたけれども、それがどういうことなのか、どの程度難しくて実際時間がかかる作業なのか実感としてよくわかりませんが、しかし一定の時間がたって、そしてほぼ金額もその前後、そう違わないということを含めて正式な報告が九月に入ってあったということであります。
 反省としては、大蔵省の体質とも言えますが、あるいは日本のほとんどの会社とか日本の組織で我々日本人が扱うような姿勢という意味では、日本人的な常識の範囲内の対応であったと思うのでありますが、しかしアメリカから見るとこれが非常に不信を買いました。アメリカの常識とかアメリカのルールと照らし合わせれば余りにも遅い、場合によってはまだ未確認の情報でもすぐ連絡せよということかもしれません。アメリカのそういう常識やルールが絶対に正しいとは思いませんけれども、少なくとも両国の違いは歴然としておりまして、そのことを私ども今回の経験で学ばせていただき、改めてこういうことに対する情報開示の姿勢について、反省すべきは反省もして貴重な教材にしなければならないという思いであります。
○竹村泰子君 大蔵省はたかをくくっていたのではないかという、新聞は金融行政水準の低さが露呈したというふうに書いているんですが、銀行局長どうですか。
○政府委員(西村吉正君) 決してたかをくくっていたわけではございませんで、むしろことしの春以来、大変に緊迫した金融情勢下にありまして、私ども緊張してこの事態に取り組んでいたところでございます。
 しかしながら、今回のいろいろな経緯を振り返ってみますと、ただいま大臣からもお話がございましたように、結果的に内外の誤解を招きまして、当局の行政に対する批判につながった面があることは私どもとしても十分認識しております。
 とりわけ、今回のような在外支店の問題、外国における問題につきましては、その業務を行っている国の、相手国の考え方、ルールというものを重視いたしまして取り組むべきものでございます。相手側の国の考え方にも十分配慮しつつ、誤解を生むことのないよう、今後より一層意思疎通の円滑化に努めてまいりたいと考えております。
○竹村泰子君 一連の金融機関の不良債権問題や経営破綻問題などを通して痛感できますのは、金融機関のチェックをすべき大蔵省の機構の問題ではないかと思います。
 大蔵省は金融機関に対して保護、指導、そして監督、すべてを行っているわけでして、私は素人考えですけれども、これが何となく不自然ではないだろうか、コーチと審判が同居をして一つのところでやっているということでは厳しい目で金融機関をチェックすることは難しいのではないかという気がしてならないのですが、大臣はどう思われますでしょうか。
 それから、もう時間がございませんので総理にお伺いして終わりたいと思いますが、証券不祥事の際には証券取引等監視委員会が設けられましたけれども、銀行など金融機関全般についても中立的なそういった独立機関を設けてチェックする、監督するということが必要ではないかと思いますが、どのようにお考えになりますでしょうか。
○国務大臣(武村正義君) 証券不祥事のときには、証券行政のみならず大蔵省の金融行政も含めてかなり真剣な議論があったようでございます。
 その結果、証券の監視機関を設けるということで最終結論が出たわけでございますが、あのときの論議もそうでございますが、証券と金融はやはり違いがある。証券は市場という、証券取引所という場所がございます。そこで不特定多数の投資家が証券にかかわっていただいているわけであります。金融は、御承知のように預金、貸し付けという事業でございまして、その証券との違いからむしろ分離しない方が望ましいということになったというふうに私も伺っております。
 基本的には、これは大蔵省に限らず、あらゆる各省庁の行政がそういう保護育成と監督と両面を持っているわけですけれども、そこはきちっと役割分担をしてやっていかなければならない。そういう意味では、大蔵省も官房に金融検査部を置きました。銀行局とは一応切り離しておりまして、形だけ切り離しているんでなしに、そういうところの特色がよく発揮できるようにこれからも努力をさせていただきたいと思います。
○国務大臣(村山富市君) 今の大蔵大臣の答弁に尽きていると思うんですが、金融機関の場合には金融機関の業務というものがおのずから決められてあるわけです。しかも、それには一般の預金者が参加している、こういう仕組みになっています。
 したがって、検査機能を強化していくということもあるいは必要だというふうに思いますけれども、それ以上にやっぱりディスクロージャーをもっと徹底させて、そしてお互いの責任というものを、自己責任というものを明確にしていくということも大事なことではないかというふうに思います。そこらの問題は、これまでの経緯も十分踏まえた上で、改善すべき点があるならば改善はした方がいいというふうに思いますけれども、証券取引と同じような扱いをするということについては、市場関係のルールも違いますから、相当無理があるんではないかというふうに私は思っています。
○竹村泰子君 終わります。
○委員長(井上裕君) 以上で竹村君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ―――――――――――――
○委員長(井上裕君) 次に、上田耕一郎君の質疑を行います。上田君。
○上田耕一郎君 十月二十一日に宜野湾市で八万五千名を結集して沖縄県民総決起集会が行われました。そこの決議は、「主権国家、独立国家として断固とした外交的処置がとれず、軟弱外交ぶりを露呈したわが国政府に対して、満腔の怒りを表明する。」とあります。この大会には、沖縄の自民党、社会党、さらに経営者協会まで参加しておりまして、ほとんど全団体が結集しているんですね。ですから、文字どおり党派を超えた要望であり、また政府に対する怒りが表明された。
 首相は、沖縄の米軍基地問題を内閣の命運をかけて取り組むと言われ、十一月二十日の日米首脳会談までにめどをつけたいと言われているんですけれども、どういうめどを内閣の命運をかけておつけになるおつもりなのでしょうか。
○国務大臣(村山富市君) 今、委員からお話がございましたように、去る二十一日のこの沖縄県民集会ということの対応というものも十分承知をいたしておりますし、同時に、その大会で決議をされた決議文についても沖縄県の代表の方々から御説明をいただきまして私も受け取りました。そういう沖縄県民のこれまで戦前、戦中、戦後を通じて受けてきた屈辱といいますか、怒りやら悲しみやら不安やら、そういう気持ちというものはよくわかるわけです。
 したがって、そういう沖縄県民の心というものを、単に沖縄だけの問題としてではなくて、国民全体が共有するという受けとめ方をして政府も取り組んでいく必要があるということを申し上げました。同時に、当面緊急を要すも問題としては、基地の土地の問題について知事が機関委任事務としての代行はやらないと、こういう申し入れを私は受けているわけですから、この問題についてはやっぱりきちっと決着をつけなきゃならぬというふうに思っておりますので、こういう問題も含めて、私はこれからのあり方についても内閣の命運をかけて取り組んでいかなければならない重要な問題だなというふうに認識をしておるわけです。そういう決意で取り組んでいこうという内閣一体となってやるような体制もつくっておるという状況であります。
○上田耕一郎君 今、首相は基地の問題で決着もつけなきゃならぬと言われたんですけれども、そうすると大田知事が代理の署名を拒否され続けた場合は法的手続もとるということも含まれているんですか。
○国務大臣(村山富市君) 四日に大田知事がお見えになりまして会談をすることにいたしております。その会談の中で、私は知事の言い分というもの、知事の置かれた立場、沖縄県民の気持ちというものを率直にお聞きしたいというふうに思っておりますし、誠心誠意話し合って、どういう方途を講ずればお互いの理解と納得がいくのかというようなことについてもこれから率直に話し合いをしたいというふうに思っておるので、話し合いがつかなかったときにはどうするのかということを前提にして話をするわけじゃありませんから、今ここでそのことを申し上げることは適切ではないんではないか。誠心誠意率直な話し合いをして、何とか理解と納得を得るような結論を見出していきたいというふうに考えております。
○上田耕一郎君 沖縄の最大の問題はやっぱり米軍基地問題です。県民は、基地が続く限り今度のような少女暴行事件のようなことは続くと思っているんです。五十年の悲惨な体験で知っているわけです。
 そこで、きょうはこの沖縄の米軍基地問題の少し根源にさかのぼって質問したいと思うんです。
 まず、防衛施設庁、沖縄の米軍基地の総面積、国有地、県有地、民有地のそれぞれの割合を答えてください。
○政府委員(諸冨増夫君) お答えいたします。
 平成七年九月三十日現在、沖縄県に所在いたします米軍の施設・区域の占用施設の面積でございますが、約二万三千七百ヘクタールでございます。そのうち国有地の占める面積は約七千八百ヘクタールで、構成比率は三三%でございます。したがいまして、民公有地の面積は約一万五千八百ヘクタール、約六七%でございます。
○上田耕一郎君 二万三千七百ヘクタールということですね、坪で言うと七千万坪を超えます。東京ドーム五千個分、膨大な面積ですよ。米軍基地面積は沖縄県の面積の二〇%を占めている。それで、先ほど河野外相が強調されたように、日本全国の基地の七五%が集中しているんです。陸海空の三軍基地がこんなにびっしり集まっているところは世界で沖縄だけです。
 五七年に、当時のアイゼンハワー米大統領の特別顧問フランク・ナッシュが在外米軍基地の全面検討をやって報告書を出しています。その中で沖縄については、三軍全部の重要基地がびっしり集中しており、極めて魅力的で脆弱な標的になっておる。もっと適切な分散配備にすることという勧告を書いている。アメリカの目から見ても集め過ぎているという勧告が出ているほど異常な集まり方なんですね。
 何でこんなことになったのか。防衛施設庁からサンフランシスコ講和条約以前と以後の米軍の取得した基地面積、それからそれぞれの取得の経過を話してください、簡潔に。
○政府委員(諸冨増夫君) ちょっと手持ちの資料で御説明いたしますと、返還協定締結時の沖縄のいわゆる施設面積でございますが、三万四千八百ヘクタールでございます。なお、復帰時、昭和四十七年五月には二万六千八百ヘクタールに減少して返還されてございます。その間の経緯については、ちょっとただいま手元に資料がございません。
○上田耕一郎君 これは非常につらい話だと思うんですよ。資料がない、わからないというんですよ。
 日本政府がね、首相、ちょっと大事なところで、村山さん、首相、総理、この沖縄基地問題を誠心誠意大田知事と話し合おうというんでしょう。ところが、こんなに膨大な米軍基地がどういう経過で取得されたか防衛施設庁はわからぬというんですよ。民間はちゃんと調べている。
 ここに日弁連が六八年一月に膨大な、何回も調査団を送って、まだ復帰前ですよ、これ法律時報の臨時増刊で四段組み二百七十五ページあるんですから。お配りした資料のCに目次だけ入っています。これだけのことを調べているんですよ。この日弁連の報告書は、敗戦後一万八千ヘクタール米軍がとったと書いてある。これは正確なんですよ。
 お配りした資料の@を見てください、一ページ。これは有名なプライス報告ですけれども、「一九四五年米国軍隊は琉球の土地約四万五千エーカーを軍施設として取った。」と書いてある。一エーカーは○・四ヘクタールですから、一万八千ヘクタールですよ。だから、プライス委員長が認めた数字は日弁連の調査と合っているんですよ。それでプライス報告は、そのうち五千エーカーは琉球人に返還され、現在領有土地は約四万エーカー、一万六千ヘクタールと。これだけ四五年にとったんですよ。
 そこで、このとったことが一体国際法上どうかという問題をきょうは質問したいんですが、ちょっと大前提として、これは法制局長官にお伺いしたいんですが、四月一日に沖縄本島に米軍上陸、六月二十三日に戦闘終了、それで八・一五で敗戦でしょう。それから、五二年四月二十八日に講和条約発効なんだけれども、この七年間の間、沖縄はカイロ宣言、ポツダム宣言、これが基準になるのかどうか。それから戦時国際法、特にヘーグ陸戦法規、これが適用されるのかどうかお伺いいたします。
○政府委員(大出峻郎君) 講和条約発効までの間、米軍が沖縄を占領し施策を実施していたけれどもこの法的根拠はどうかと。戦時国際法であるヘーグ陸戦法規に基づくものであったのかどうかという御質問であろうかと思いますが、一般論として申し上げますというと、我が国と米国はサンフランシスコ平和条約を発効するまでの間、それまでの間、国際法上のいわば戦争状態にあり、戦時国際法である陸戦ノ法規慣例ニ関スル条約が当時の両国間の関係について適用されていたというふうに考えております。
○上田耕一郎君 これが大前提ですわね。ヘーグ陸戦法規、これが五二年四月二十八日まで米軍軍政下にあった沖縄にも適用されるんです。
 そこで、この日弁連の報告書、私の資料のCのところに「軍用地接収の法律的批判」というのが書いてあります。それから、Bにはヘーグの陸戦法規、占領のところが載せてあります。これで日弁連がまず二つ、ますというか、二つ大きな問題を国際法違反として厳しく糾弾しています。
 第一は、沖縄住民をポツダム宣言受諾後も収容所に抑留したということです。沖縄県民はあの戦争中、みんな山に逃げたんですよ。米軍は山狩りをして、十二キャンプ、収容所をつくって、ほとんどの住民を鉄条網で囲った収容所に収容したんですよ。それで日弁連は、これは法的正当性を全く欠いていると。ポツダム宣言受諾、八月十五日を期して沖縄県民を収容生活から解放して各自の家庭に帰すべきで、そこの土地に居住し耕作させるべきだったと、こう書いてあります。外務省いかがですか、この点は。
○政府委員(林暘君) 当時のその状況の詳細を把握しているわけではございませんが、法的に申し上げまして、日本が降伏文書を受諾いたしまして連合国に対して降伏をいたし、一般に戦争状態を終結させるのは講和条約、平和条約でございますから、その講和条約が締結されるまでの間、いわゆる国際法上の状態でどういう状態であったかということであれば、それはまだ戦争状態が法的には続いていたということでございます。
 そういう意味で、先ほど法制局長官からも御答弁がありましたように、ハーグの陸戦法規というものが適用になるだろうということもそういうことでございまして、したがいましてそういう占領状態に沖縄があったということでございますので、それがどういうことであったかということは、そういう占領状態にかんがみて判断されるべきことだろうと思います。
 いずれにいたしましても、日本は平和条約を結びました際に、その平和条約の効力発生前に日本国の領域で起こりましたことについてすべて請求権を放棄いたしておりますので、そういった御指摘の点についての法的評価を行うということが実質的に意味を持つものではないというふうに考えております。
○上田耕一郎君 極めて官僚的答弁で、非常に残念です。
 第二の問題。日弁連はこの軍用地の接収そのものをヘーグ陸戦法違反、国際法じゅうりんとして最も厳しく非難しています。
 住民をなぜ収容所に閉じ込めて家に帰さなかったかというと、土地を取り上げるためなんですよ。これは大変なもので、ここに四七年初めの那覇市の地図がありますよ。(資料を示す)これ黒くちょっとあるでしょう。この黒く書いてあるところだけ、小禄地区、首里地区などなど住民が住んでいて、あと全部軍用地なんですよ。県庁所在地の那覇がこういう状態だったんですよ。一般民衆は一歩も中に入れなかったんだから、そういう状態だったんです。
 それで、日弁連は詳細に調べて、米軍は使用する見込みの少ない土地についてのみ住民を囲いから解き放し、みずからの欲する土地を好きなだけ無制限に占拠したと。こうして占領当初のうち約一万八千ヘクタールの米軍用地ができ上がったんです。つまり沖縄の地図、白地図の上に勝手に線を引いたみたいなものなんです。だから、ああいう恐るべき基地ができたんですよ。
 日弁連報告書は、「今日の国際法は、戦時といえども、私有財産の尊重の原則をうたっている。」「占領軍に、最小不可欠の私有地の使用を認めるという国際法の原則と、全く逆の措置をとっており、国際法の蹂躪といわなければならない。」、こう断じている。ヘーグ陸戦法規四十六条、これにはどう書いてあるか。私有財産は尊重しなきゃならぬ、はっきり書いてある。「私有財産ハ之ヲ没収スルコトヲ得ス」、そう書いてあるんです。
 外務省、もう官僚答弁はいいですから、外務大臣、私はあなたをある程度信用している面もあるんだけれども、どうです、国際法違反と思いませんか。
○政府委員(林暘君) お答え申し上げます。
 御指摘のとおり、ハーグの陸戦法規慣例に関する規定の四十六条には、「私有財産ハ之ヲ没収スルコトヲ得ス」という規定がございます。他方、五十二条に徴発及び課役の規定がございまして、そこで占領軍が需要のために徴発をすることができるという規定があるわけでございます。
 その占領下において米軍がどういうふうに行ったかということを私どもが有権的に申し上げる立場にはございませんけれども、米国が出しました布告から理解いたしますと、米側はこれの五十二条に基づいて土地を、不動産を徴発していたというふうに我々としては理解をいたしております。
○上田耕一郎君 河野さん、この問題は、私も調べてみたら沖縄国会で大いに議論されているんですよ。村山さん、おたくの川崎寛治議員が佐藤首相、井川条約局長を相手にやっている。
 井川条約局長でさえ今の答弁よりいいですよ、米軍は代金を払わなきゃならぬと。これは今読み上げられた五十二条、米軍は徴発と課役、これを根拠にしているんだけれども、後の方に「現品ノ供給ニ対シテハ成ルヘク即金ニテ支払ヒ然ラサレハ領収証ヲ以テ」しろ、「速ニ」「金額ノ支払ヲ履行」しろと。それで、当時井川局長も、これは代金を払わなきゃならぬのに決まっているということを昭和四十六年十一月十一日に答えている。
 村山さん、佐藤首相もなかなかいいですよ。(「やっと今ごろわかったの」と呼ぶ者あり)そうそう、なかなかいいところがある。佐藤首相は最初、これは法律の問題じゃなくて実力、力の問題だと答えているんです。それで、ずっと議論を聞いていて、佐藤さんはなるほどということになって、なるほどなと。それで川崎委員が、「家を焼いた、土地を取り上げた、それはヘーグの陸戦法規に違反をする、そのことはお認めになりますね。」と。佐藤内閣総理大臣、「直接の戦闘行為以外のこと、これは陸戦法規に違反する、ただいま説明したとおりであります。」と。なかなかここは、ちょっと総理、だからずっと聞いていて、なるほど法律に細かく決まっているんだなと。
 だから、戦闘行為は六月二十二日、牛島司令官が自殺して終わったんですね。あそこまでの戦闘行為というのは、これはもういろいろ力の問題だと。戦争が終わった後、それで勝手に家を焼いたり土地を取り上げたり、これはヘーグ陸戦法規違反だと、私有財産は尊重しなきゃならぬ、これははっきり佐藤首相が答弁しているんですよ。
 村山さん、どうですか、この問題。佐藤首相と同じですか。
○国務大臣(村山富市君) サンフランシスコ平和条約が発効するまでの間、これは戦争状態にあるわけですから、したがって戦争状態にある間については戦時国際法が適用されるということになると私は思いますけれども、しかし個々の具体的なケースについて違反をするかどうかということを問われてみても、私はこれは事実関係はつまびらかでありませんから、今ここで答弁がされる限りのものではないんではないかというように思います。
○上田耕一郎君 社会党の川崎議員の質問に佐藤首相がはっきり答えているのに、社会党の委員長の首相が答えられない。これはもう本当に自民党村山と同じようなことになっていてまことに残念ですね。答えられない。
 しかし、どうです、河野さんは、佐藤首相の答弁。こういう戦争行為以外の、家を焼いたり土地を取り上げたり、これはヘーグ陸戦法規違反だという首相答弁、これは重みがありますよ。はっきりしてください。
○国務大臣(村山富市君) 川崎議員が当時聞かれた聞き方と、あなたがきょう聞く聞き方とは違うかもしれませんから、だから答弁の違いもあり得ると思うんですけれどもね。
 ただ、私は今申し上げましたように、サンフランシスコ平和条約を締結する以前はこれは戦時下にあるわけですから、したがって戦時国際法というものが適用されるものだというふうに思っていますよ。しかし、個々の具体的な事実関係がどうこうと、何が違反するのかというようなことについては、これはここで答弁をする限りのものではないんではないか、こう申し上げておるわけです。
○上田耕一郎君 お配りした資料@のプライス報告を見てください。みずからこう書いてある。「これらの土地は本来戦争行為として土地所有者に対する補償がなされずこ、これは五六年の文書でしょう、「又は熟考されずに手に入れたのであった。」と。つまり、国際法やなんかは余り熟考しないでとっちゃったというんですよ。それで代金も払っていないとアメリカが認めているんだから。ですから、これはアメリカはちょっとまずいと思って、五〇年の七月一日から五二年の四月二十八日まで一年七カ月分だけ地代を払ったんです。その前の五年間は全く払っていないんだから国際法違反は明らかですよ。
 それで、委員長、首相は私の質問と川崎質問がよくわからないと言うので、この無償の土地取り上げ問題、これがヘーグ陸戦法規違反かどうか、内閣の統一見解を求めたいと思うので、要求したいと思います。
○政府委員(林暘君) 事実関係を若干御説明させていただきたいと思います。
 今御指摘のとおり、確かにアメリカ側は一九五〇年から平和条約が発効するまでの期間の地代を支払う手続をとりました。それと同時に、一九四五年から五〇年までの間の支払いがなかったということはプライス報告にも書いてあるわけでございまして、その点を含めまして一九六五年に二千百四万ドルのこの間の地代を含みます支払いを議会の了承を得まして支出を承認しているわけでございます。それから、平和条約発効後、施政権が琉球政府に移りました後は地代が支払われているというふうに承知をいたしております。
 そういう意味で、このヘーグ陸戦法規の五十二条に基づきます徴発につきましては、もちろん今御指摘のとおり対価というものを支払うことになっておるわけでございますけれども、いかなる対価を支払うかということについては、現金とかということはもちろん御指摘のとおり書いてございますけれども、詳細な規定があるわけではございませんので、米側がやったことがすべてヘーグ陸戦法規に違反してこの土地を収用したということには必ずしもならないというふうに考えております。
○上田耕一郎君 これは佐藤首相より後退です。
 それで、後でまずいと思って若干のお金を払ったにしても、やり方はひどいんですよ。沖縄はもともと耕地は多くなかったんです。土地を失った人は五万戸に及び、六万人がもとの住みかへ帰れなかったんだから。それで、平均約五・八反しかなかったのに、米軍に取り上げられて平均三・五反に減ってしまったんです。農民は食べられなくなるんですよ。
 日弁連報告書は、沖縄に基地があるんじゃなくて基地の中に沖縄があるとよく言うけれども、まさにそうだというんですよ。沖縄のすべての土地が米軍の直接支配下に置かれ、米軍はその中から基地として必要な土地を自由に選択し、残りの土地を住民に返還していった。その結果生まれたのが今日の沖縄の市町村であるというんですよ。こうして生まれたのが沖縄なんです。あの沖縄戦で九万兵隊が死んで十五万人県民が死んで、その後二十七年間、米軍の支配下で農地はとられ居住地もなくなり、ひどい目に遭ったのが沖縄なんですから。
 それで、私は第三の国際法違反として取り上げたいのは、アメリカは四八年、九年の中国革命の成功を見て国民党支配下の中国に軍事基地を置こうと思ったのがだめになったので、沖縄の軍事基地化を決めるんですよ。四九年、ローヤル陸軍長官が沖縄に行って、調査団を派遣して、五〇年度の会計年度で五千八百万ドルの予算を組んで基地建設を始める、永久基地化を。これもヘーグ陸戦条約違反は明白です。これは国有地もかなりありますからね。国有財産は処分しちゃいけないんです。管理するだけなんです。しかも、戦争目的というのは、太平洋戦争でしょう。四九年からの沖縄の米軍基地化はソ連、中国向けのそういうあれですよ。ヘーグ陸戦法規と太平洋戦争とは関係ないですよ。しかも、国有地を全く永久基地化したんだから。
 そうすると、このへーグの陸戦法規五十五条、国有不動産、「其ノ管理者及用益権者タルニ過キサルモノナリト考慮シ右財産ノ基本ヲ保護シ且用益権ノ法則ニ体リテ之ヲ管理スヘシ」と。用途を変えたり基本を毀損したら、これは五十五条違反なんですよ。こういう違反によって沖縄の大米軍基地はできているんだから。
 きのう古堅議員が衆議院予算委員会で講和後の伊江島その他の、ブルドーザーと銃剣で取り上げた話を厳しくやられた。彼はそれを見ているんだから。しかし、それだけじゃなくて、全米軍基地がこういうとんでもない国際法違反でまさに勝手につくり上げた基地だということを厳しく指摘したい。この米軍のやり方はソ連のやり方と規模、内容は違うにしても、それに匹敵する国際法じゅうりんの誤った戦後処理だと、そう私は思います。
 兵隊、住民を収容所に送り込んで、シベリアでしょう、沖縄でしょう。千島をソ連はとったでしょう、アメリカは沖縄を事実上とったでしょう。サンフランシスコ条約二条(c)項と三条ですよ。サンフランシスコ条約は五一年だけれども、その前の四六年、マッカーサー司令部が覚書で、満州、朝鮮、台湾などを日本と分離すると同時に、千島と沖縄を日本でないという分離する覚書を出しているんです。だから、私はどうもこれは米ソ合作の疑惑もあると思うんですね、フルシチョフ首相はアメリカが沖縄を返せば千島を返すと言ったことがあるんですから。
 やっぱり戦勝者が、日本も悪いですよ、日本軍国主義の侵略戦争をいまだに反省しない人たちばかりなんだけれども、戦勝者のアメリカとソ連が国際法に違反して千島をとり沖縄をとり、そこを勝手気ままに使ってきたんですよ。そういう大問題が沖縄の歴史にあるんです。
 それで村山首相、あなたはよく勉強して、首相なんだから、内閣の命運をかけているんだから、あなたがクリントン大統領に会ったら、大田知事を説得するんじゃなくてクリントン大統領を説得せにゃいかぬ。こういう国際法違反の問題点を指摘して、それから沖縄県民からこういうめちゃめちゃに土地を取り上げたこと、この謝罪を求めて。これは日本国民、沖縄県民は全面返還を要求する権利がありますよ、権利が。あなたは日本の首相なんだから、全面返還の権利があるということを断固としてクリントン大統領に言う勇気、正義はありませんか。
○国務大臣(村山富市君) ひとつ誤解を解いてもらいたいのは、沖縄県の大田知事を説得するというだけのものではないですよ、これはアメリカとの話もあるわけですから。ですから、アメリカとの話をすることによって、やっぱり沖縄県知事、沖縄県民の心に何とか報いるような話もせにゃいかぬというつもりでおるわけですから、したがって知事だけを説得するために知事に会うわけじゃないんですよ。そのことはひとつ誤解のないようにしていただきたいと思うんです。
 それから、当時の議論はいろいろあったと思いますよ。しかし、もう現に国会も承認をして安保条約は締結されておるわけです。安保条約の五条、六条もきょうは議論になりましたけれども、防衛の責任とそれから基地提供の義務というようなものが安保条約の中では取り決められておるわけですね。そういう条約に基づいてお互いの責任と義務を果たして、そしてお互いの信頼と協力関係をつくって、お互いの安全保障とアジア全体の平和のために協力し合っていこうと、こういう仕組みになっているわけですから、その仕組みを前提とした話し合いをこれからするんですよ。
 それに、今あなたがおっしゃったような、当時のことを蒸し返してやることが果たしてこれから先の問題についていいのか悪いのかというような判断も私はやっぱりあると思いますから、したがって総合的に判断をしながら、日本のために、日本国民のために、沖縄県民の心を心として話し合いをすることが大事ではないかというふうに考えています。
○上田耕一郎君 内閣の見解云々で統一見解をひとつ要求いたします、統一見解を。
○委員長(井上裕君) 以上で上田君の質疑は終了いたしました。
○上田耕一郎君 理事会で協議してください、理事会で。さっき言ったんだ、理事会で協議してくれと私は言ったんだから。(発言する者多し)もう終わって座るから、理事会で協議してよ、統一見解問題を。
 終わります。
    ―――――――――――――
○委員長(井上裕君) 次に、小島慶三君の質疑を行います。小島君。
○小島慶三君 大変緊迫した議論の後でございますが、私は今の景気対策の前提になります景気の現状という問題につきまして、企画庁長官お見えでございますので、まず企画庁長官にお尋ねをいたしたいと思います。
 政府の景気の認識というのは、月次の経済報告や何かで刻々に変わってまいったかと思われます。初めは回復という言葉があったんですけれども、今では回復という言葉はなくなって景気の先行き弱含みという表現になっております。国民としては、非常にデリケートな言葉の用い方でありますので、この景気の現状というものについてなかなか的確な判断というものが下せないというふうなうらみがあると思っております。
 それで、私は、価格の下落がさらに下落を呼び価格の崩壊、私この言葉は余り好きじゃありませんが、そういうものを呼んでいる。それから、土地とかこういったものも下がっておる。株式も非常に不振である。そういった現状で日本から脱出する企業がふえ、空洞化現象が金融面にまで及んでいるというのは、これはやはり大変なデフレ現象と言ってもいいのではないかと思っておるわけです。ところが、政府の発表されるいろんな白書その他を見ますと、デフレという言葉は一つも出てこない、デフレ現象という言葉も出ない、デフレ的な色彩が非常に強い景気であるということも出てこない。
 ただ私は、今回の景気対策におきましても、単に膨大な予算を組むということだけでなくて、土地のいろんな対策、株の対策あるいは金融対策、こういった幾つかの柱を立てて、その辺にまで射程を置いて立てているのが政府の景気対策ではないかというふうに思っておるわけです。そういう点から見ますと、これだけのいろんな対策を講ずるということは、やはりデフレ対策ではないかと私思っております。
 最近企画庁で発表された物価レポート、こういったものを拝見しますと、デフレではない、生産性の上昇である、生産性の上昇が下落を呼んでいるのであろうというふうに表現されておるようでありますが、これは実態的に見ますと、また我々の実感からいたしましても少し甘いんではないか、少し読み方が違うんではないかというふうに思っております。この点、企画庁長官、お考えをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(宮崎勇君) お答えいたします。
 景気の現状について月例報告が月々違った表現をしているということで、しかもそれが大変わかりにくいというおしかりはこの予算委員会でも先ごろいただきました。経済というのは毎月毎月変わるものですから、できるだけ丁寧に描写しようということで表現に気を使っているわけですが、さらに今後はわかりやすい表現をとりたいと思います。
 それから、経済の現状でございますが、需要の面から見ましても、個人消費、設備投資、回復はしておりますけれど保も、本格的ではございません。住宅投資はこのところずっと低下を続けている。また、輸出も全く横ばい状況ということで、このところ公共投資はふえておりますが、全体の需要というのは大変低迷をしております。したがって、生産も先月はちょっと上がりましたけれども、また弱いというふうな状況になっております。一言で言えば、景気が足踏み状況で余り強くないということだと思うんです。
 そういう中で、御指摘の物価ですけれども、これは大変安定をしておりまして、きょう発表されました消費者物価指数は、東京都の十月の区部ですけれども、前年同月に比べて〇・八%のマイナス、それから九月の卸売物価は前年に比べてマイナスの〇・二%ということで、極めて落ちついております。
 そこで、先生お尋ねのデフレではないかということと関連するんですが、デフレというのはいろいろの定義がございますので一口で申し上げにくいんですけれども、私どもは、物価が急落をして、それが名目所得あるいは雇用に影響してきて、さらにそれが物価を押し下げるというようなスパイラル的な現象が生ずるのをデフレと呼ぶべきじゃないかというふうに思っております。
 そういう意味では、御承知のように、戦前の一九二九年から三一年の経済を見ますと、物価が二けた台で低落をし、名目のGNPもマイナスの一〇%近く記録して、そして企業収益も一五%とか一七%前年に比べて下がったわけです。
 しかし、今日は物価が下がっているといいましても大体ゼロ%の近傍で、むしろこれは安定だというふうに理解しております。その中で、最近では設備投資もプラスに転じ始めておりますし、それから企業の収益も、企業のリストラが行われているせいもありますけれども、大体前年に比べて二けた台の伸びというのが多くの機関の予測でございます。したがって、物価が下がって経済が悪くなって、さらに物価が下がってという累積的な状況にはなっておらないというふうに判断しております。
 ただ、先生御指摘のように、これでじっとしていればデフレ的な懸念からあるいはデフレに陥るということもなきにしもあらずなんで、経済対策を打ち、さらに規制緩和等の構造調整を進めるという形でこれを食いとめてまいりたいと思っておるわけです。
○小島慶三君 今いろいろとお答えがあったんですけれども、確かに一九二九年から三一年までにかけての状況と現在とは大きく違う面があると思うんです。しかし、先ほども私いろいろ指摘いたしましたけれども、名目成長率が実質の成長率を下回るという現象は、やはり何としてもこれはデフレというふうに解釈せざるを得ないと私は思っております。
 しかし、いずれにしましても、政府としては三点セットといいますか、株、土地、それから金融と、いろんなものについても総括的に対策を講じられるということで、ぜひこういった、デフレと言わないけれども経済は弱いんだというようなことでなくて、やはり深刻にこれを受けとめて、もっと対策を敏速に講じられるということを希望いたします。
 それからもう一つ、もう時間が余りありませんから、これは大蔵大臣に一問御質問をしたいと思うんです。
 最近の公共事業というものの効率といいますか、そういう点でいろいろ大蔵省としてもかなり予算上絞っておられると思うんですけれども、もう少し絞れる面があるのではないか。
 きのう、松本へ参りました。最近、松本トンネルというのができました。二千四百四十七メートル、大変長いトンネルでありますが、これができましたが、交通量が一日に車三百台しか通らない。隣の並行した路線は一日一万九千台。こういうことで果たして効率が上がっているのかどうかという点が一つでございます。たくさん例示を挙げたいんですけれども、時間がありませんので省略いたしますが、そういうことがあるのではないか。
 それからもう一つは、これもこの間テレビに出まして私大変興味を持って見たんですけれども、七メートル幅のスーパー林道を二百五十キロつくる、こういう話が出ておりました。やっぱりこれあたりは、かなり環境に対する影響とかそういうものを考えていくべきではないかというふうに思うのでございますが、公共事業としてもうちょっと絞れれば、財政が非常に難しい時期でありますからもっとうまくいくと思うんですけれども、その辺いかがでございましょうか。
○国務大臣(武村正義君) ここのところ、公共事業のシェアの見直しということで、毎年の予算編成におきましてはかなり努力をしているわけでありますが、一昨年度、細川内閣のときも、見直した成果を数字で表現しますと本当に小さな数字でございました。しかし、こういう小さくても、〇・何%という、これを五年、十年続ければ大きくなるんですと、こう記者発表したことがありました。
 今年度の当初予算も、昨年末かなりの努力を与党でもいただいてそれなりの成果を上げておりますし、この第二次補正におきましてはそういう点で一層努力をさせていただき、今度やっとシェアで三%前後この補正だけで変動することになりました。こうした努力をぜひ来年度の予算編成におきましても一層意欲を持って続けていきたい、これはまず基本でございます。国民生活の質の側面を重視していこうというのが新社会資本の基本方針でもございますだけに、まず大原則としてはそういう姿勢で努力をさせていただきたい。
 個々の、今スーパー林道等の例がございましたが、これは各事業官庁においてもぜひ行政効果といいますか、効率の面も十分気をつけていただきたいし、私ども主計局もそういう気持ちで一つ一つの事業については精査をさせていただきたいというふうに思います。
○小島慶三君 ありがとうございました。終わります。
○委員長(井上裕君) 以上で小島君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ―――――――――――――
○委員長(井上裕君) 次に、島袋宗康君の質疑を行います。島袋君。
○島袋宗康君 先日、防衛庁長官は当委員会におきまして、その御答弁の中で、沖縄の米軍基地を全国に再配するというふうなことをおっしゃったわけでありますけれども、そういう考え方について私は一定の評価をしたわけであります。しかしながら、米軍基地の全体を念頭に置いた発言と受けとめたわけでありますけれども、翌日になりますと、県道一〇四号線の砲撃演習の移転を全国に検討すると、そういうふうな答弁に変わったわけであります。
 そのことについて、やはりただ一〇四号線の砲撃演習だけを本土に持ってくるというふうなことでは納得はしません。先日もやりとりがございました例の二十六事案ですね、そういったふうなものを解決しても七五%から二%減って七三%にしか減少しないというふうなことでありますので、今まで二十二事案、そして三事案、十八事案等々が言われておりますけれども、はっきりした目に見える形で沖縄の米軍基地の縮小を今後どのように具体化していくのかというふうな点についてお伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(衛藤征士郎君) 島袋委員にお答えを申し上げます。
 この基地の整理統合、縮小につきましては、かねて政府も努力してまいりましたが、努力不足の面もあったことは否めない、このような認識に立ちまして、村山総理がこの問題については内閣の命運をかける、そして内閣一体となってこの問題に取り組むということを明言されたわけですから、私ども防衛庁といたしましてもその方針にのっとりまして、この二十三プラス三事案のできるだけ速やかな返還に向けてあらゆる努力をしよう、こういうことでございます。
 なお、河野外務大臣が中心になりまして、新しい協議機関というものをつくったらどうか、それは今アメリカの方と外務省を中心にして話が進んでおるわけでありますが、もしそういった新しい協議機関というものができれば、これからの基地返還、整理統合の結果基地返還になりますが、中長期的な立場に立ってそういったものを処理すべきではなかろうか。ですから、二つのステージがありまして、日米合同委員会の中の今までのもの、それからこれからつくられるであろう新しい協議機関で処理するという、そういう二段階方式をとることがよろしいのではなかろうか、このように考えております。
○島袋宗康君 沖縄に駐留する海兵隊が使用している施設の数、そして面積を明らかにしていただきたい。また、それが県内の全基地の面積に占める割合についてもお尋ねしておきたいと思います。
○政府委員(諸冨増夫君) お答えします。
 沖縄県に所在いたします海兵隊の管理する施設の件数は全部で十七件ございます。面積は一万七千七百ヘクタールございまして、沖縄に所在します米軍全面積に占める、先ほど答弁いたしました二万三千七百ヘクタールに占める割合としては約七五%でございます。
 以上です。
○島袋宗康君 このように、海兵隊だけで約七五%の面積を占めているというふうなことでございます。
 私は、海兵隊は守備範囲の点におきましても、日米安保の想定された性格からしても、米軍の役割を相当逸脱しているのではないかというふうにさえ思っているわけです。したがって、沖縄から見ればそれを撤去してもらうということが一番ベターではないかというふうに思います。
 総理のその辺についてのお考えをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(衛藤征士郎君) 先ほどの委員の方にもお答え申し上げたんですが、この沖縄の基地というものが、本土における基地と同じように、日米安保条約の五条、六条、こういうものから私ども日米安保条約の必要性を考え、またそのしっかりとした担保を日本政府がしなければならないということで取り組みをしておるわけでございまして、その立場からのひとつお考えをお願い申し上げたいと思います。
○国務大臣(河野洋平君) 海兵隊の必要性云々というお尋ねでございますけれども、日本政府は我が国の防衛、そして日米安保条約の本来の目的を達成するという義務はアメリカが負い、我が方は我が方の義務を負っているわけで、アメリカがその義務を達成するに必要などういう機能をどうするかということは、これはアメリカ側の判断にかかっているところでございまして、私どもがその配備の態様についてあれこれ言う立場にないというふうに申し上げなきゃならぬと思います。
○島袋宗康君 それは逆じゃないですか。
 先日、ハワイ州知事の基地受け入れの用意があるというふうな発言に対して外務大臣は一顧だにしなかったわけでありますけれども、ペリー国防長官が沖縄の在日米軍の戦力調整について日本側からのいかなる提案も考慮すると伝えられているわけです。したがって、外務省が本腰になってこの問題を交渉すれば可能ではないかというふうに私は思うわけです。むしろアメリカのペリー長官が言っていることに対しては、それを否定するような今の外務省の態度ではないかと私は思います。したがって、真剣に対米交渉をするのが本来の姿だと私は思います。
 したがって、外務大臣初め外務省は、重大な国益である沖縄県民の苦難をぜひ救っていただきたい。そして、アメリカの国益とする世界戦略を優先するというふうなことじゃなしに、本当に沖縄県民の立場に立ってこの基地問題をどうするかということの政治姿勢をまず私は外務省に問わなければならない、そういう立場に立ってお尋ねします。
○国務大臣(河野洋平君) 先ほどから繰り返し申し上げておりますように、私どもは沖縄県民の皆さんのお気持ちというものを大事に受けとめなければならない、非常に重く受けとめなければならない、これは私どもも全くそのとおり感じております。
 ただ、私ども国の政治を担う人間にとりましては、日本の国全体の安全保障ということもまた極めて重要な問題であることは議員もおわかりいただけると思います。我が国の安全をいかにして維持していくかということは政治にとって大変重要な問題であろうかと思います。
 さてそこで、国の安全と沖縄県民の願い、そういうものをどこで調和させるかということに我々は大いに汗をかかなければならないわけでございまして、私どもはアメリカに対して我が国国民の願いを、心を心として交渉に臨まなければならないことは当然のことだと思っております。しかし、その場合に、やはり同じように我が国の安全を願う人の心というものもあるわけでございますから、その点も私どもは十分心しなければなりません。
 先日来、ハワイ州知事のお話が出てまいりますけれども、日米安全保障政策の中に、このハワイ州知事のお考えというものはアメリカサイドでどういう議論をしていただくかということをまず考えていただかなければならないことだろうと思います。
 アメリカにはアメリカの国論と申しますか、アメリカ国内のさまざまな議論を集約して、大統領のもとに外交政策、安全保障政策というものがあるわけでございまして、そうしたことと離れて州知事が提案をされるということを我々がそのまま受け取るというわけにはまいらないというのは御理解いただけることではないか。そうでなければ、国と国との外交とかあるいは安全保障政策というものは成り立たなくなってしまうわけでございまして、この点はぜひ御理解をいただきたいと思います。
○委員長(井上裕君) 以上で島袋君の質疑は終了いたしました。
 これにて経済及び外交等に関する集中審議は終了いたしました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時二十七分散会