第136回国会 大蔵委員会 第6号
平成八年三月二十八日(木曜日)
   午後一時三十分開会
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   委員の異動
 三月二十七日
    辞任         補欠選任
     志苫  裕君     伊藤 基隆君
     栗原 君子君     山口 哲夫君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         片山虎之助君
    理 事
                石川  弘君
                楢崎 泰昌君
                牛嶋  正君
                直嶋 正行君
                梶原 敬義君
    委 員
                上杉 光弘君
               大河原太一郎君
                金田 勝年君
                佐藤 泰三君
                清水 達雄君
                須藤良太郎君
                西田 吉宏君
                猪熊 重二君
                海野 義孝君
                白浜 一良君
                益田 洋介君
                渡辺 孝男君
                伊藤 基隆君
                峰崎 直樹君
                吉岡 吉典君
                山口 哲夫君
   国務大臣
       大 蔵 大 臣  久保  亘君
   政府委員
       大蔵政務次官   山崎 正昭君
       大蔵大臣官房参
       事官
       兼内閣審議官   河上 信彦君
       大蔵省主計局次
       長        伏屋 和彦君
       大蔵省主税局長  薄井 信明君
       大蔵省関税局長  久保田勇夫君
       大蔵省銀行局長  西村 吉正君
       国税庁課税部長  内野 正昭君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小林 正二君
   説明員
       国土庁土地局地
       価調査課長    関川紳一郎君
       厚生省保健医療
       局健康増進栄養
       課長       笹本  健君
       厚生省薬務局監
       視指導課長    松原  了君
       厚生省保険局医
       療課長      下田 智久君
       農林水産省畜産
       局衛生課長    青沼 明徳君
       労働省労政局労
       政課長      菅原 英夫君
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  本日の会議に付した案件
○平成八年分所得税の特別減税のための臨時措置
 法案(内閣提出、衆議院送付)
○租税特別措置法の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
○関税定率法等の一部を改正する法律案(内閣提
  出、衆議院送付)
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○委員長(片山虎之助君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 昨日、栗原君子君及び志苫裕君が委員を辞任され、その補欠として山口哲夫君及び伊藤基隆君が選任されました。
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○委員長(片山虎之助君) 平成八年分所得税の特別減税のための臨時措置法案、租税特別措置法の一部を改正する法律案及び関税定率法等の一部を改正する法律案の三案を一括して議題とし、前回に引き続き質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○直嶋正行君 平成会の直嶋でございます。きょうは税制中心に大蔵大臣にお伺いをしたいと思います。
 まず最初に、大蔵大臣にお伺いしたいのでありますが、来年四月以降の消費税の税率について、一昨日の当委員会の答弁の中でもこの税率の五%を動かすことは難しいというような趣旨の御答弁がございました。確かに考えてみますと、この税率を五%以外の数字にするためには、見直し期日であります本年九月三十日までに法改正をしなければいけない。拝見しますと、大蔵当局の方でもその法律改正の準備をされている様子もございませんし、今の状況から考えると五%はほぼ確定と判断せざるを得ないといいますか、そういうふうに判断するのが妥当なような気がするわけでありますけれども、大蔵大臣にこの点もう一度お伺いをしたいと思います。
○国務大臣(久保亘君) 御質問ございましたように、本年の九月三十日までに法律の改正ができませんと、現在法律に定めております九年四月一日からの消費税率五%、地方消費税一%を含む五%となるわけでございます。
 平成七年、平成八年の予算編成等を通じての検討も大蔵省としては進めてきたところでございますが、平成六年の十一月にこの消費税率の五%への変更が税制改正の中で決められたわけでございますから、その後これらの検討を進めておりますが、なお税制調査会や与党の税調、また国会における御論議等も十分に承る中で、この問題に関して検討条項が定められておりますから、どのようにいたすかについての結論を申し上げるときが来ると思っております。
 今、このことについて結論を申し上げる段階ではございませんけれども、私が再三申し上げましたように、法定の五%をさらに変更するということは大変難しい状況ではないかと思っております。国民世論も注意深く見守ってまいりたいと考えております。
○直嶋正行君 それで、仮に五%が動かしがたいということになった場合に、今大臣もお触れになりましたが、いわゆる附則第二十五条の検討条項というのがございます。ここでは、社会保障の財源の確保あるいは行財政改革等四項目の観点を総合的に検討を加えと、こういう表現で記載をされているわけであります。今大臣も、いろいろ検討を当局もしてきたということでありますが、この四項目の検討の実施内容あるいはその経過、結論等について、いつどういう形でこれを明らかにされることになるのかお伺いをしたいと思います。
○政府委員(薄井信明君) 委員御指摘のように、平成六年の十一月に成立いたしましたいわゆる税制改革法の附則の第二十五条には、四項目につきまして「総合的に勘案して検討を加え、必要があると認めるときは、平成八年九月三十日までに所要の措置を講ずるものとする。」と書かれております。
 平成六年から今日に至るまで、機会あるごとにこの観点からの検討を積み重ねてきております。具体的にいえば、例えば私ども税の世界の問題について取り上げてみますれば、例えば租税特別措置につきましては、平成七年度改正、平成八年度改正におきまして、この附則があるということを十分踏まえての議論を積み重ねてまいりました。また、消費税の課税の適正化に関しましても、平成六年の税制改革で大きく前進しておりますが、八年におきましても可能な限りの手当てをしてきているということでございます。
 したがいまして、税制に関しましてはある意味で、きょうの御論議をいただき四月一日から実施に移せるということとなれば、一つの山を越えてきていると考えられます。
 ただ、四項目のうち一番大きな問題と考えられますのが社会保障等に要する費用の財源を確保する観点でございます。この点につきましては、厚生省を中心にいたしまして、平成六年十二月に新ゴールドプランの策定、また同じく平成六年十二月に緊急保育対策等五カ年事業の策定等が決められ、八年度予算におきましても引き続き推進されている。それから、介護保険の関係が平成七年、八年と議論されてきておりまして、その結論を今待っているというような状況でございます。
 四項目のうち二項目だけ申し上げましたが、平成七年、八年、そして今日に至るまで検討の積み重ねをしてきております。
 ただ、大臣が先ほど御答弁いたしましたように、それらを総合的に集約して、全体としてどうするかを決定しなければいけない時期が来ている、近づいているということでございます。この点につきましては、平成八年の九月三十日までにというこの期限を頭に置きまして、適切な時期に、政府として与党とも十分議論の上、国民に対して結論を発表する時期が来るというふうに考えております。具体的にまだそれを申し上げられる時期には来ていないということでございます。
○直嶋正行君 今の御答弁をお伺いしますとちょっとあいまいなんですけれども、その御答弁の中にもありましたように、そもそも税制改正論議がなぜ始まったかということを考えますと、これは今もちょっと触れられましたが、今後の少子・高齢社会に対応した福祉財源が必要になるはずだと。だから、それをどう確保していくか、あるいは対応していくかということでこの税制改革論議がスタートをしたと思うんですね。
 今、これから議論をして何らかの形で結論を出すということなんですが、そもそも論からいうと、税制改革を議論したときも私どもも申し上げたんですが、そういういきさつでスタートした税制改革だったんだけれども、この附則二十五条を置いてとりあえず五%という税率を決めたと。ですから、たしか私あのとき委員会審議でも申し上げたと思うんですが、これは要するに結論を先送りした改革じゃないかということが大分議論になったと思うんですね。
 そういう経過からいうと、少なくとも福祉ビジョンとかあるいは福祉財源をこれからどうしていくか。今新ゴールドプランとか介護保険のお話もありましたが、こういうことを総合的に勘案してきちっと整理をして、その上で将来の財源、これでいけますという数字をそもそも決めようというのが今回の趣旨ではなかったかと思うわけであります。
 そうしますと、今のようなことで果たしてそういう本来の趣旨に沿った結論が導き出されてくるのか、非常にこれは心配でありますが、この点どうでありましょうか。
○政府委員(薄井信明君) 平成六年の税制改革の御論議をいただきましたときに、税率をどうするか、このときには税制の構造的な改革ということで、所得課税につきましてフラット化をしていく、これに要する費用を消費課税の方で賄っていく、こういう税制の構造改革がこれからの我が国の国民生活あるいは経済にとってプラスであるということで決断させていただいたわけで、金額的には減税分見合いということで、五%までは国民の皆様に御理解いただけるということでセットとして御論議いただいたわけでございます。
 ただ、当時、さらに福祉の問題について、実施するまでの、この実施というのが、景気の観点から減税を先にしまして消費税の税率アップはおくらせましたので、その間に十分議論する暇があるではないかということから、附則によりまして、その間に福祉の点を中心に四項目について議論をして、必要があるならば間に合うように法律改正をと、こういうシステムであったかと思います。
 そういう意味で、この二年間、各項目について議論をしてきました。福祉につきましても議論は積み重ねられてきておりまして、最終的には、介護保険の話等がどうまとまってくるかということが、新たな財源を必要とすることについて国民の理解をいただけるほどのイメージで出てこなければ、税率アップということにはなかなか国民の理解は得られないだろうという状況にあろうかと思います。いずれにしましても、今厚生省を中心にこの問題やっておりますので、その点を踏まえて考えていきたいと思っております。
 そういう意味で、消費税率を上げることについて国民の理解を得るには、極めてイメージがはっきりした形で国民の理解を得られなければならないと思っておりますので、そういう点について今状況を見守っているということでございます。
○直嶋正行君 ですから、ちょっとこれおかしいんですよね。要するに、今ちょっとお触れになりましたが、あのときに、当時の武村大蔵大臣も答弁の中で、本来は福祉ビジョンとか行財政改革の数字を詰めて税率を決めなきゃいけないんだけれども、今回は時間がなくて詰め切れなかった、だからこの検討条項を入れたと、こういう答弁をされているんですよ。
 ですから、これは要するに、九月三十日までに本来詰めなきゃいかぬかったこと、これをやってきちっと国民に御報告を申し上げて、必要なものは必要であると、こういうふうに言わなきゃいけないわけですね。これは税務当局だけの責任ではなくて、私は政権全体としてのやっぱり責任だと思うんですよ。ですから、私が申し上げているのは、そういう形できちっと結論を出してお示しをいただきたい。したがって、その結果として将来のある程度の福祉財源も今の税で賄えるんだ、したがって消費税の税率は五%なんですと、こういうことであれば、そういう結論を示していただければいいと思うのであります。
 ただ、今確かに介護保険の議論もされていますが、それを見守っていくので来年四月は今法律に書いている五でいきますというのは、これは当時の議論の経過からいうとおかしいんではないかと、国民はやっぱりそれなりの結論を出してもらうということで受けとめているはずでありますから。この点についていかがでしょうか、大臣、ちょっと確認をしたいと思うのであります。
○国務大臣(久保亘君) この問題は、今お話がございましたように、急速に進展してまいります少子・高齢化の中で、社会保障をどのようにやっていくかという問題が政策の上では基本にあることはそのとおりでございます。
 また、この平成六年十一月の税制改革の際には、主税局長も申し上げましたように、景気回復のための減税措置に見合う財源をどのように担保しておくかという問題もございました。これからこの問題をどのように考えていくかという検討条項に沿って、来年の四月にどうするかという問題だけではなくて、私どもとしては、社会保障関係の費用をどのように見ていくかという問題、それから税制そのものの中での消費税のあり方の問題、そして、特に今、日本の場合には財政再建が緊急の課題として迫られております。この財政再建を進める中でどのように考えたらいいのか。
 非常に多くの重要な要素が絡み合っておりますから、来年の四月一日、法定されております消費税五%を実施いたしました場合でも、税制は、その後税制全般にわたってやはり絶えず見直し、検討が続けられていくことになろうと考えております。
○直嶋正行君 いや、ですから大蔵大臣、そこの最後のくだりのところがやっぱりおかしいと私は思うんですよ。要するに、税制は税制として見直しを続けていく、こういう話ではなかったはずなんです、税制改革をやったときの議論は。
 要するに、もうちょっと申し上げますと、少なくともこれからの高齢化社会に向けて、やはり福祉にお金が要る。財政的にもいろんな問題がある。しかし、その中でどうやって財源を生み出していくのかという議論がなされて、二十一世紀になる前のこの九〇年代の間にやはりそれなりの準備をしておかなきゃいけない。そういうことでスタートしたはずなんですよね。そして、本来ですと平成六年のあの段階で、先の見通しも含めて、これはもちろん何かあれば変化はあるかもしれません、一応先の見通しもつけて、福祉財源としてこれだけ必要でありますから、あるいは政府はそのためにこれだけ行政経費をカットして対応しますと、ですから税率として例えば何%の消費税ということでお願いをしたいということでなければいけなかったはずなんです。
 ところが、今お話しになったように、景気の問題もいろいろあったかもしれませんが、それをことしの九月まで先延ばししたわけですよ。ですから、これは政権としての総合的な政策の問題としてきちっと国民に九月三十日までに示していかなければいけない。その責任があると思うんですよ。当時は久保大蔵大臣じゃなくて武村大蔵大臣でありましたが、少なくとも私は政府にはその責任はあると思うんですよね。ですから、結局五%でいって肝心の部分が、今、介護保険の議論をされたりいろんな状況がありますからもうちょっと見守っていきますということでは、これはそうではないはずだと。
 ましてや、後ほど財政の問題についてはまた御質問させていただきたいと思いますが、財政も今こういう状況でありますから、なおさら私はきちっとお示しをいただく、結論を出していただく、こうすべきだと思うのであります。そして、でき得ればそういう結論を出してきちっと国会に御報告をしていただく、このことが必要ではないかというふうに思っております。
○政府委員(薄井信明君) 御指摘のとおり、附則に書いてありますことですから、私ども四項目につきまして一定の時期に、これまでの二年余の検討状況を集約いたしまして国民の皆様にわかるような形でお示しすることは当然だと思っております。
 そのとき、どこまでの内容がそれぞれの分野について言えるか、これは今重ねてきているところでございまして、現時点では申し上げられない状況にあるということです。福祉についても、今後の福祉にどれだけお金がかかるのかということにつきましては厚生省を中心に議論をしてきているわけでございます。また、具体的に国民の理解を得るためには、それぞれの制度についてイメージのわかるものが出てこない限り、少なくとも消費税率をさらに上げることについて御理解を求めるのは難しいかと思っております。
 したがって、どういうものがまとめられるかということにもかかわってくるということを申し上げたところでございまして、いずれにしましても、四項目について御報告を国民の皆様にしていかなければならないと思っております。
○直嶋正行君 この点は、ちょっとくどいようですがもう一つ申し上げておきます。さっき薄井局長の御答弁の中にもありましたが、この前の税制改革、結局は、基本的には所得税のフラット化をやって、その部分を消費税のアップで対応したと。多少の財源は残ったかもしれませんが、基本的にはそういう内容であったわけです。ですから、そもそもの議論からいうとほど遠い内容の改革であったと思うんです。確かに税の問題としては一歩前進かもしれませんが、それもやはり不十分な改革だったと思うのであります。
 そうすると、当然残ってくるのは、大蔵省のこういう将来の「財政の展望」の中なんかにも一部ちょっと表現が入っていますが、これからの高齢社会を考えたときに、恐らく多くの国民の皆さんはいろんな意味で負担はふえるんだろうなという感覚的なものはあると思うんです。しかし、その場合にどういう政策を政府がやってくれるのかなと、こういう部分もあると思うんです。
 今、日本の社会を見ましても、不況が続いているということもありまして、非常に先行きに対する不安感というのが強いわけです。ですから、私は政治の責任として、むしろこれは主税局長じゃなくて大蔵大臣に申し上げたいのでありますが、政治の責任として、この議論の経過をきちっと大切にしていただいて、しかるべく結論を出して国民の皆さんに明らかにしていただきたい。
 確かに大臣がおっしゃったように、法定で書かれている数字ですから、それを動かすというのはなかなか大変だし、まして、これはそうなるのかどうかわかりませんが、国民にさらに負担を求める話というのは十分な理解を得なければいけないわけですから、それだけになおさら私はここできちっとしたものを出していただくということが非常に大事だと、この点くどいようでありますが、重ねて御要望を申し上げておきたいと思います。
○国務大臣(久保亘君) 今、御意見のありましたことにおこたえできるようにいたしたいと思います。
○直嶋正行君 それでは、続きまして、財政の方に少し質問を移してまいりたいと思います。
 昨年の十一月十四日でありましたか、いわゆる財政危機宣言というのが出されました。これについてちょっとお伺いをしたいわけであります。
 今のいわゆる検討条項の中にも財政状況だとかあるいは行政改革、財政改革という文言も入っているわけでありますが、今のような議論の中でぜひ大事にしていただきたいなと思うのは、私は今福祉の問題を強調しましたが、同時に、やはりこれからの財政という問題も議論をする非常にいい機会だと思うのであります。したがいまして、十分な議論をしていただきたい、こう思うわけであります。
 まず、この間の財政危機宣言についてお伺いしたいのでありますが、これは率直に申し上げます。気を悪くなさらずに聞いていただきたいと思うんですが、十一月十四日に財政危機宣言を出されて、後にできた政府の予算では、赤字国債といいますか、赤字国債を含めた国債の発行が過去最高の二十一兆円という、これは私なんかの感覚からするとちょっと信じられないやり方なんですね。というのは、普通は、危機宣言をするということは、大変だから当然もう借金しないよということだと思うんですよ。ところが、危機宣言が出た後、過去最高の国債を発行する。もちろんこれはいろんな理由があることでしょう。
 それで、もうちょっと申し上げれば、あえて二十一兆円という国債の発行が必要だったとしても、少なくともその発行を踏まえた危機の打開策というのが当然セットで出てこなければいけない、こう思うんです。ですから、私は非常に奇異な印象を受けたのでありますが、この点についてどういう認識でいらっしゃるのか、お伺いをしたいと思います。
○政府委員(伏屋和彦君) お答えを申し上げます。
 今委員が言われましたように、昨年十一月の時点で、ちょうど九月末税収の判明を受けまして、財政事情の一層の開示を図るべく、平成八年度の財政状況の見通しについて当時試算を示しまして、その際、八年度の財政事情は容易ならざる事態に立ち至っている、八年度予算において特例公債の発行を回避することは困難である、そのような状況であればこそ、歳出削減に一層強力に取り組む必要があるということを発表させていただいたところでございます。
 その後の平成八年度予算編成におきまして、八年度予算におきましては、このような容易ならざる財政事情のもとで、景気とか国民生活の質の向上にも十分配慮しつつ、歳出削減などに一層強力に取り組んだところでございます。
 具体的には、一般歳出につきまして従来にも増して洗い直しを行いまして、特に経常部門経費は厳しく抑制し、対前年一・五%増と、昭和六十三年度以降では最も低い伸びとなったところでございます。その結果、一般歳出全体では対前年度一兆円を下回る増、二・四%増となりまして、最近では平成六年度に次いで低い伸びとなったところでございます。しかしながら、このような歳出の抑制を図ったところではございますが、先ほど委員が言われましたように、なお特例公債を含めまして二十一兆円に上る公債発行に依存せざるを得なかったわけでございます。
 二十一世紀に向けまして、このような事態を放置することはできないわけでございます。財政改革に取り組むことが喫緊の課題となってきているわけで、八年度予算を地ならしといたしまして、新たな財政改革への歩をさらに進める必要があると考えております。また、年が明けまして、「財政改革を進めるに当たっての基本的考え方」、「財政の展望と財政改革の課題」という副題をつけさせていただいて、国会にも考え方を提出させていただいた次第でございます。
○直嶋正行君 今お答えがあったんですけれども、もう一つこの財政危機宣言についてお伺いしたいんですけれども、改めてきのうもう一度これを読ませていただきましたが、率直に言ってこれの目的というのがよくわからないんです。
 ここで財政危機宣言というふうに言われていますが、今ちょっとお話の中にもありましたが、平成八年度の予算を作成するに当たってのいわゆる歳出項目に対して臨む姿勢なのか、非常に構造的に財政は問題を持っているから、これからその部分の改革をやるよということなのか、何かちょっと読む限りは、どっちかというと前者の方のウエートが大きいのかなという私は受けとめ方をしたんですよ。
 ですから、そういう意味でいうと、確かに厳しいということは書かれてございますけれども、逆に言うと、さっきおっしゃった「基本的考え方」の中にも書かれていますが、これから本当に進めていく上では非常にこれは大変な問題だと思うわけであります。そのための具体的な方策とか、こういったものがまだ出されていないわけですね。したがって、確かに危機感をお持ちのことはわかるんですけれども、なかなかこういうことではその危機が危機としてきちっと本当に伝わるのかなという心配がございます。
 ですから、今の点について、例えば八年度に重点を置いて考えたことであれば、やっぱりこれからその構造的な問題をどうしていくかということをもっときちっと掘り下げていかなきゃいけないと思うのでありますけれども、この点いかがでございましょうか。
○政府委員(伏屋和彦君) 今の点でお答えしたいわけでございますが、昨年の十一月、財政事情の説明ということで大蔵大臣の方から発言していただいたわけでございます。
 それは、一つにはやはり八年度を取り巻く財政状況、そして八年度予算編成に取り組むいわば姿勢といいますか、課題ということをこの文章で指摘しつつ、と同時にいま一方で、今後「中長期的観点から行財政が果たすべき役割や守備範囲を見直していくことが避けることの出来ない課題であると考えられます。」という点も述べているわけでございます。
 それを、年が明けまして、「財政改革を進めるに当たっての基本的考え方」ということで、さらに詳しく、また今後の財政改革の課題、中長期的な置かれた状況を詳しく述べて、考え方を示しているところでございます。
 したがって、昨年度のこの財政事情の説明は八年度とともに今後のことも述べておりますが、年が明けましての「基本的考え方」で、今後のことをさらに詳しく私ども考え方を示させていただいたところでございます。
 ただ、先ほど先生が言われましたように、これからの目標とか具体的な方策はどうかということになりますと、先般来大臣から御答弁申し上げておりますように、これから財政制度審議会とか国会の場での御議論を私ども踏まえまして検討していかなければならない、取り組んでいかなければならないと考えているわけでございます。
○直嶋正行君 今のお話で、これからの議論というふうにおっしゃられたんですけれども、例えばおとといの委員会でも、伏屋さんは答弁でクリントンのアメリカの財政計画を御説明されましたね。ああいうものの中に、例えば二〇〇二年を一応目標にして進めるということについては、あれは与野党含めてターゲットは合意をしていると。やり方はまだ詰まっていませんが、そういう例のお話があったんです。
 私は、この「基本的考え方」でいろいろ言われていますけれども、特に実務当局としてはそういうものをつくって示していくということでなければ、本当の意味での財政改革というのは進んでいかないんじゃないかと思うんです。さっきの話にこだわるわけじゃありませんが、この中でも、例えば税制の話なんかも、検討条項に沿ってこれから進めていきます、検討を加えていきますという表現にまだとどまっているわけなんですよね。本当に危機を感じているなら、こういうところは一歩も二歩も踏み込んで、少なくとも財政当局としての考え方を織り込んだ具体的なものを示していかなければいけないと思うのであります。
 ですから、例えばさっきちょっと例に挙げましたような、そういう目標をつくるようなことも含めてお考えの中にあるのかどうか、この点はいかがでございましょうか。
○政府委員(伏屋和彦君) お答え申し上げます。
 先ほど言いました、先般国会に御提出申し上げました「基本的考え方」におきましても、これから財政改革を進めるに当たりましては、一つ内容的に言いますと、歳出全般について支出が効率的に行われているだろうかどうか、本当に真に国民生活の向上に役立っているかどうかとか、そういう徹底した見直しを行いましてその節減合理化に努めることが不可欠であるということと同時に、さらには、将来にわたりまして構造的に厳しくなっております財政状況、またそれが見込まれるわけでございます。これまでは財政支出が適当とされていた施策につきましても、今日の情勢のもとでなお財政が関与すべき分野か否かという行財政の守備範囲の見直しの観点にも立ちまして、特定の分野を聖域とすることなく制度の根本にさかのぼって洗い直しを行うことが極めて重要な差し迫った課題であるわけでございます。
 そういう考え方に立ちまして、財政制度審議会とか国会の場での御議論を含めまして、一体どういう目標を立てたらいいだろうかとか、それから、先ほど先生も言われましたが、どのくらいの期間の長さでこの努力をするのかとか、それから、先ほどの「考え方」に基づいて具体的にどういう制度改革なり、どういう歳出削減、歳出の合理化をしていくかということを幅広く議論を求めながら検討を進めて、財政改革に強力に取り組んでいかなければならないと考えているわけでございます。
○直嶋正行君 今お話があったんですが、ぜひこれは大蔵省は今後十年か二十年ぐらいもう鬼だと言われるぐらいに頑張っていただかないと、本当に財政を構造的に立て直すということは難しいと思います。
 それから、今、審議会等にもその目標のつくり方なんかを含めて諮っていきたいというお話がございました。ぜひそれはやっていただきたいと思うんですが、そのときに大臣、私は、やっぱり一つどうしても必要なことがある、こう思うんですね。
 それは何かといいますと、これは大蔵省というよりも今の政権として、よく議論されていますが、例えば、小さな政府をどんどん追求していくのか、あるいは福祉に軸足を置いた形で多少費用はかかるけれどもその分はきちっと給付で面倒を見ていきますよという政策をとるのか。今はそういう面で、日本の国民負担率というんですか、税金と社会保険料を合わせたものを見ますと、まだ欧米諸国に比べるとかなり低い水準であります。この負担率をどうするかというようなことにつながってくるかと思うのでありますが、そういう一つの政権としての物の考え方といいますか、私たちはこういう社会をつくるんですよと、それに財政とかあるいは福祉だとか、当然税制というものが一体のようになって実際には政策というのはつくっていかなきゃいけないと思うわけであります。
 ですから、実務当局は実務当局なりに努力をしていただくとしても、そういう意味での基本的な思想みたいなものは政治家がきちっと打ち出していく、こういうことが必要だと思うのでありますが、この点ぜひお願いしたいと思うんですけれども、大臣、いかがでございましょうか。
○国務大臣(久保亘君) やはり財政の果たす役割と守備範囲をどのように決めていくかということが非常に重要なんだと考えております。
 そういう意味では、今後、税制それから歳出を伴います新たないろいろな政策、施策、こういうものの基本に座ります財政の役割と守備範囲というものを明確にして、それを政治的に判断をし、国民の皆さんの御同意を得ることによって進めていくということは非常に大事なことだと考えております。とりわけ、これらの問題について政治のリーダーシップが求められているのではないだろうかと思っております。
○直嶋正行君 ぜひお願いをしたいと思います。
 それからもう一点、財政の問題でちょっと申し上げたいのでありますが、結局なぜ今、日本の財政がこんなに急に悪化したかといいますと、バブル崩壊以降いろいろな経済対策を打ってまいりました。そのことによって、もちろん不況で税収が落ちたということもありますが、そういう構造の中で急速に悪化したと思うのであります。
 そういう経過を見てみますと、私はこれは財政当局にお伺いしたいのでありますが、財政当局の頭の中にも、歳出削減とかあるいは財政を立て直すということと、いわゆる景気対策で積極的にいろいろ手を打っていくということ、この両者の関係というのはトレードオフの関係にあるんだと、だからこの数年間はやっぱり景気対策が優先されたからしょうがない、こういうお考えとか気持ちがあるんじゃないかと思うんです。その面はあると思うんですが、しかしバブルが崩壊した後、やっぱり世の中は変わったと私は思うんです。今までのように例えば景気が回復したらどっと税収がふえるということではないと思うんです、名目と実質の差も随分小さくなってきているわけでありますから。
 そうすると、本当に財政を立て直そうとすれば、財政と景気対策のような、こういうことをトレードオフでこちらを立てればあちらが立たないという発想ではなくて、やっぱりこれはパッケージで考えて手を打っていかなきゃいけないと思うんですけれども、この点どうでしょうか、私は思想の転換が必要じゃないかと思うんです。
○政府委員(伏屋和彦君) お答え申し上げます。
 財政の悪化がどういう要因でもたらされてきたかということをいろいろ考えてみますと、現在、財政悪化というのは我が国だけではなくて、いわゆる積極的に財政健全化に取り組んでおります欧米の主要先進国も共通して直面している問題でございます。
 これらの国々におきまして一体どうして財政が悪化してきただろうかという要因として考えられておりますのは、一つは、全体として低下傾向にございます成長率。それからいま一つは、各国とも共通しまして人口の高齢化等の財政を取り巻く状況が変化してきた。それから三番目には、社会保障分野に見られますような、政府の役割の増大に伴います歳出の拡大等がいわば各国共通の要因として挙げられているわけでございます。
 我が国の財政状況、これらも共通するわけでございますが、今のような事情に加えまして、先ほど委員が言われましたバブル崩壊後の累次にわたる経済の下支えを行ってきたことによるものもあります。また、過去五年間で七十兆円も国債残高が累増しまして、今や欧米諸国に比べて最悪の状態になっているわけでございます。
 いずれにいたしましても、これは先般もこの委員会でお答え申し上げましたのですが、最近の先進国の認識といたしましても、結局は、経済を活性化させまして中長期的な経済成長をもたらすためには、各国ともできるだけ速やかに健全な財政体質を回復していくことが極めて重要であるという考え方になってきているわけでございます。
 そういう意味で、私どもといたしましても、やはり今後長い目で見ての経済の活性化、成長という意味で財政体質を改善していく、財政改革に全力を挙げて取り組んでいく必要があると考えるわけでございます。
○直嶋正行君 私の持ち時間が来ましたのでこれで終わりますが、いろいろと財政の問題についても、きのう御連絡をした質問のまだ半分ぐらいしかやっておりませんので、また次の機会に改めて議論をさせていただきたいと思います。
 これで終わります。
○渡辺孝男君 平成会の渡辺でございます。
 まず、租税特別措置法の一部改正に関連して久保大蔵大臣にお尋ねいたします。
 最初は消費税改正についてですが、平成六年度に本制度の抜本的改革がなされました。この中で、消費税導入時に指摘されていたいわゆる益税の問題が適正化の方向で改正されたと理解しております。また、今回の限界控除制度の前倒し改正案も同様の趣旨からと理解しておりますが、一連の改正の理由について、改めて久保大蔵大臣より御説明いただければと思います。
○政府委員(薄井信明君) 平成六年の税制改革におきまして、消費税につきまして税率の引き上げとは別に中小特例の是正をいたしております。この点についての御指摘でございますが、累次の税制調査会の答申におきましては、消費税といったような間接税の仕組みの中に、これを事務として行う事業者の事務負担のことを考えなければならない、これは否定できないんですけれども、したがってそれ自体には合理性はありますが、そのあり方につきましては制度の公平性、簡素性との間でバランスをとっていかなければいけないという考え方が示されております。つまり、消費税の納税事務というものについて事業者が習熟していくに従って中小特例につきましては縮小していくのが方向であるという考え方をいただいているわけでございます。
 この考え方に基づきまして、御指摘のように平成六年の税制改革におきましても前進させておりまして、例えば簡易課税制度の適用上限を四億円から二億円に下げました。また、限界控除制度というものはいわゆる益税の典型としてこれを廃止するといったようなことをやらせていただいているわけですし、また本日御論議いただいておりますように、平成八年度の税制改正におきましては簡易課税制度のみなし仕入れ率について実情に合った見直しということを行います。また、限界控除制度の経過措置につきましても適正化をさらに図るということをさせていただいているということでございます。
○渡辺孝男君 改正の目的が益税あるいはそういう今までのなれてきたことを考慮してということでありますけれども、そういう意味であれば私も基本的には賛成する方向にあります。
 問題は、消費税の適正化を図るための益税の是正とともに、損税と言われているものの是正もなされなければならないんではないか、そのように考えております。その中の一つとして、医療機関では消費税導入当初よりいわゆる損税が問題になっており、ますますその是正を求める声が大きくなっているわけでございます。
 御存じのとおり、社会保険医療に対する消費税は非課税となっております。そのために、医療費用、病院の建てかえ、あるいは高額な医療機器の取得にかかわる消費税については、最終消費者と考えられる患者にそれを直接転嫁することができないシステムになっているわけでございます。そのために、医療機関に係るこの消費税に関しては、社会保険診療の中に一律点数加算という特殊な方法がとられておるわけでございます。しかし、その加算額が十分でなくて、実際は消費者である患者にかわって病院が負担をしている、いわゆる損税が生じているというようなことになっております。
 日本病院会が昨年、平成七年度に行った調査結果では、一病院当たり大体消費税の負担額というものが三千五百万円にも上っているという報告があります。このように、現行制度では、患者のニーズにこたえ質の高い医療を提供しょうと努力している医療機関ほど消費税を多く肩がわりしているというような矛盾が起こっております。
 そこで、大蔵省と厚生省にお尋ねします。そもそも税の問題をこのような診療報酬で補完するというシステムが無理なのではないかというように考えますけれども、この点に関して、今までも言われていたと思うんですが、もう一度お答えいただければと思います。
○政府委員(薄井信明君) 我が国の消費税は、ヨーロッパにおけるいわゆる付加価値税と同じ仕組みを持つものでございまして、今や世界的な潮流となっている間接税でございます。
 この付加価値税方式の消費税の基本的な仕組みは、委員御承知のとおり多段階で、前段階の税額を控除していくという仕組みをとることによって経済活動に対して中立的な負担を求め得るという制度でございます。そういう基本的仕組みを持つこの消費税、付加価値税制度におきましては、売り上げについて非課税にした場合には、仕入れにかかる税金を控除するということは仕組みようがないと、仕組むことがこの制度、消費税を否定することにつながってくるというような面がございます。
 したがいまして、非課税の分野をなるべく少なくすることがこの制度の本来の方向かと思います。ただ、事柄によりましては累進性とかいろいろな問題がありますので非課税にした方がいい分野もあるということで、医療関係のサービス、社会保険医療サービスにつきましては政策的配慮として消費税が非課税になっております。非課税になりますと、先ほど申し上げましたように仕入れにかかる税金は控除できないという仕組みがついてくるということになります。
 そこで、これは医療にかかわりなく、じゃ非課税対象となっている商品についてはどういう値段で売るかということがそこで問題になります。その売り方は、仕入れにかかっている税金を上乗せした価格で売るということが、消費税あるいは付加価値税方式の制度のもとでの物の値段のつけ方になります。
 ここで医療の話に戻りますと、我が国では自由診療と社会保険診療報酬の二つの世界があります。自由診療の世界でありますと話は別なんですが、この社会保険診療報酬の世界ではそれぞれのお医者さんあるいは病院が医療サービスの値段を自分で決められない。これは社会保険診療報酬制度で決まってくるということですので、消費税が仕入れにはかかってくる、しかし売り上げにはかからないという中で、医療サービスの値段である社会保険診療報酬を適正に定めていただくことでこの問題はクリアできるという仕組みになっておる。ということで、平成元年に消費税が導入された際には、社会保険診療報酬につきましてこの点を加味した診療報酬が定められ、その後の改定においてもその点が反映されているというように私ども承知しております。
 御指摘ございましたが、税制で措置できないから社会保険診療報酬というのはおかしいのではないかという御指摘ではございますが、この種の税制をお認めいただくことになれば、値段のつけ方ということで対応していかざるを得ない世界であって、そういう意味では厚生省さんともきちっと議論しつつ、その点が加味されて無理な負担にならないようにしていくことは大切だと思いますが、そこは社会保険診療報酬の定め方の問題になってくるという整理になるということでございます。
○説明員(下田智久君) ただいまの医療の診療報酬につきましての消費税との考え方は大蔵省から御説明があったとおりでございますが、もう少し具体的にどのような形で手当てをしたのかについて御説明をさせていただきたいと思っております。
 消費税の導入に合わせまして診療報酬の改定を平成元年四月に行ったところでございますが、その際には、消費税導入当時の治療材料あるいは医薬品等の価格の動向、あるいは消費税を導入しましたときには消費税がかかっていない一定の在庫がございますので、そういったことを勘案いたしまして、薬価につきましては医療費ベースで〇・六五%、医療材料等にかかわります診療報酬につきましては〇・一一%、合わせまして医療費ベースで〇・七六%の引き上げを行ったところでございます。
 また、その後四回診療報酬の改定を行っておりますけれども、薬につきましては、医療機関に納入されます価格を消費税抜きの実勢価格で調査をいたしまして、それに消費税分を上乗せしたものを新薬価とするというルールをつくっておるところでございます。また、材料等の診療報酬につきましては、医療経営実態調査を二年に一回やっておりますけれども、その中では消費税込みの形で収支を見ておるところでございまして、その収支状況に沿って改定幅が決まっておるということでございます。
 したがいまして、全体としましてはこの四回にわたる診療報酬改定で適正に消費税分は手当てをしているというふうに考えておるところでございます。
○渡辺孝男君 今御説明があったわけですけれども、四月からまた改定になるわけです。今までの経過から見ますと、そのような実際の調査をしてみますと、十分な消費税が診療報酬にちゃんと反映されていないという実態があるわけで、今回改正になりましてさらに今度消費税が五%に上がるということになりますと、今までの調査からいけば損税が生じているということですので、さらに損税が広がってくる可能性があるわけで、きちんとした実態調査をして適正に診療報酬というものに含めていただきたいというふうに考えるわけです。
 時間がありませんので次の話題にいきますけれども、発泡酒にかかわる課税の適正化の方に移らせていただきます。
 今回の発泡酒の課税強化は、今まで低税率をメリットとして生かしてきた商品、発泡酒の消費量が急激に増大したということで、これに対してにわかに課税強化というような形になったように批判されているわけですけれども、急にあるいはにわかにと言われるような課税がされることになった理由についてお伺いしたいと思います。
○政府委員(薄井信明君) お答えいたします。
 麦芽を原料の一部といたします発泡酒につきましては、近年、ビールに果汁を加えて香りなどをつける、あるいは味をつけた商品、フルーツビールといったようなものがありましたし、これまでとは質の違う多様な商品が提供されるようになってきているわけですが、今御指摘のように一昨年ごろから、品質的には非常にビールに近似していて、ビールと同様に、あるいはその代替品として飲まれるようなものが急激に増加してまいりました。
 そこで、ビールとそうしたビールとまがうような発泡酒との税負担の問題が新たな問題として顕在化してきたという実態がございます。今回の改正は、このような最近における発泡酒の生産とか消費の状況が急激に変わってきたことを踏まえまして、税負担の公平確保という観点から発泡酒全体の課税制度について見直しを行ったものでございます。
○渡辺孝男君 それにつきまして、新商品を開発してきた産業界からは、企業の努力を無にするものだ、あるいはこれからベンチャービジネスが盛んになってくると思うんですが、そういうベンチャービジネスに対して芽を摘むようなものだというような批判があるわけですけれども、この点に関しましてはどうでしょうか。
○政府委員(薄井信明君) 新たな技術開発とか市場開拓の企業努力というもの、あるいは新製品を開発していく努力というものに対しましては敬意を表すべきものであると私どもも思っております。
 ただ、一方におきまして、税制、特に個別の物品に対する消費課税におきましては、その消費者に負担を求めるものでございますから、そういう観点から、同種、同様の品質のものに対しては同じ負担を求めることが税としての基本理念である中立性とか公平性に合うものであると考えております。
 そういったことから、これまでも技術革新等による新商品とか代替品が出てきたときには税負担の公平確保のために対応をしてきたわけでございまして、今回もその一環であるというふうに御理解いただきたいと思います。税制としまして、国民全体の理解を得るためにもこうした努力は怠ってはいけないものと考えております。
 なお、今次の改正と申しますのは、税負担の公平確保の観点からビールといわゆる発泡酒との税負担の格差を縮小するものではございますが、現行の発泡酒の税率体系を全体としては維持しつつ、その範囲内で最小限の負担調整を行わせていただいたと認識しております。
 また、その税率アップの実施時期につきましては、特段の配慮が必要であるということから本年十月一日といたしまして、夏の時期を避けております。商品の開発努力や小規模事業者の新規参入の面にも十分配慮しているつもりでございます。
○渡辺孝男君 関連しまして、今回の改正で具体的にはどれくらいの税収増が見込まれるのか。また、それと反対の形になるわけですけれども、実際この発泡酒のメーカーがこうむる経済的な影響というものに対しても見解をお伺いしたいと思います。
○政府委員(薄井信明君) 具体的に細かく分析することが難しい面ではございますが、私どもなりに計算をいたしてみますと、十月から実施する初年度につきましては二十億円程度、平年度で五十億円程度の増収になろうかなと思っております。
 ただ、今回の改正というのは、発泡酒の生産とか消費の態様ということに顧みまして、税負担の公平確保の観点から行うものでございまして、歳入確保の観点からの増収が目的ではないということは御理解賜りたいと思っております。
 また、関係企業に影響がないとは申せませんけれども、このことにつきましては去年、おととし、この商品が出回り始めてから私どもは税制調査会なりいろいろな場でこの点については、予告と言うのも変ですけれども、私どもの考え方をあらわしてきておりまして、その影響は最小限にとどめていただけているのではないかなと思っております。
○渡辺孝男君 次いで、久保大蔵大臣にお尋ねします。
 今後の酒税率の変更の基本理念としまして、しょうちゅうのWTO提訴問題との関連で、アルコール度数による課税への移行の方針をとるのか、それともこれまでどおりの分類差等課税方針でいくのか、もし現時点で政府の方針が決まっておりましたらば、そのお考えをお聞きしたいと思います。
○政府委員(薄井信明君) 現在の酒税制度は、各酒類の消費の態様等を考慮いたしまして、消費者に公平な負担を求めるということから、原料だとか製造方法等によりましてお酒を分けております。分類いたしております。
 この分類した各酒類の品質とか価格水準に応じまして異なる、いわゆる量に従うという字を書きますが、従量税率を適用しております。かつては従価税制度も持っておったんですが、世界の潮流との調整ということが必要になりまして、現在では従量税制度になっております。ただし、今申し上げたように、その従量税率は各酒類の品質とか価格水準に応じて定めてあります。
 今御指摘いただきましたように、純アルコールの含有量を基準とした課税方式というのが欧米諸国の蒸留酒の課税に見受けられます。この課税方式をとりますとどういうことが生じるかといいますと、含有アルコール量が同じであれば同額の税負担をいただくということになります。そうしますと、価格が高いものの税負担は低くなる、逆に価格が低いものほど税負担は高くなるということで、消費者に対して公平な税負担を求めるということからすると問題があると私どもは考えております。従量税制度をとりつつも、この点については今後とも配慮していくべきだと考えております。
 なお、日本の現行制度のもとにおいて、同一の酒類の中ではアルコールの度数が高くなれば税率が加算されるというシステムになっておりまして、そういう意味では、一部にアルコール分に応じた課税という考え方が入っているということは否定できないところでございます。
 なお、EUのお話もちょっと出ましたが、EU諸国におきましては、特に蒸留酒についての酒税について純アルコールの含有量に応じた課税が行われていますけれども、蒸留酒以外のお酒だとか幅広く見てみますと、必ずしもアルコール度数課税で統一されているとは言えないと私どもも見ております。
○渡辺孝男君 先進諸国ではアルコールによる健康被害あるいは経済的損失が大きな社会問題となっております。
 米国での一九八三年、ちょっと古いんですが一九八三年の分析では、アルコールによる健康被害に伴う医療費は約一・二兆円ですけれども、労働損失、交通事故、犯罪などを含めたいわゆるアルコール関連問題によって生じる経済的損失は約十倍の十二兆円にも上っておるというふうに言われております。
 本邦においても、昭和六十二年度の医療費についての分析では、トータル七兆八千億円の一八%に当たる一・四兆円がアルコールの不適切な摂取に関係しているというふうに推測されております。米国と同様に労働損失とか社会的損失を計算に入れますと、全体で約六・六兆円の損失というふうにも試算されております。
 欧米諸国では、社会的損失が大きいということから積極的に飲酒抑制政策を実施して、アルコールの消費量は年々減少しています。ところが、日本では業界が自動販売機による販売の自粛などを打ち出してはおりますけれども、酒のコマーシャルも多く、若者や女性の飲酒者が増加しているということです。これが将来のアルコール問題飲酒群の増大につながって、ひいては社会的・経済的損失を増大させて、高齢・少子社会の活力をなお一層失わせる要因になるのではないかと危惧しているわけでございます。
 そういう意味で、お酒を財政物資として考えるのではなくて、やはり健康被害、社会的損失をもたらすものとしての認識を持ちながら酒税体系を組み直す時期に来ているんじゃないかというふうに考えております。このことに対しまして、特にアルコール関連問題対策に関しまして厚生省あるいは大蔵省の考え方というものをお伺いできればと思います。
○政府委員(内野正昭君) 最初に国税庁からお答えを申し上げます。
 国税庁といたしましては、今、先生御指摘がございましたような未成年者の飲酒問題等のアルコールに関連をいたしました社会問題に深い関心を有しておりまして、酒類業者は未成年者の飲酒防止等に十分配慮をいたしました販売活動を行い、社会的な責務を果たしていく必要があるとの考えのもと、従来から、自動販売機による販売ですとか酒類の広告宣伝につきましては、未成年者の飲酒防止等に配慮をして行うよう酒類業界に対し強く要請をいたしますとともに、所要の措置を講じてきているところでございます。
 さらに、平成六年十月十七日に提出をされました中央酒類審議会報告、「アルコール飲料としての酒類の販売等の在り方について」におきまして、未成年者の飲酒防止や適正飲酒等の観点から、社会教育や販売方法、広告宣伝のあり方など、酒類の社会的な管理のあり方につきましての基本的な考え方が示されておるところでございまして、国税庁といたしましては、同報告の趣旨を踏まえまして酒類業界を適切に指導してまいる所存でございます。
○説明員(笹本健君) 先生御承知のとおり、近年の厳しい現代社会においてさまざまなストレスにさらされておりまして、アルコールの消費量も増加傾向となっており、それに伴いアルコール依存症等のアルコールに起因する健康障害も増加しておるところでございます。
 現在、アルコール関連の対策といたしましては、一般国民に対するアルコール飲料及び飲酒に起因する疾患等の正しい知識、アルコールを飲む場合の適正な飲酒、未成年者に対する酒害に対する知識の啓発普及、大量飲酒者等のアルコール関連問題に悩んでいる方及び家族等を対象としました精神保健福祉センターでの相談、指導、それと医師、看護婦等のアルコール関連従事者に対する予防及び診断、治療に関する研修、そして断酒会等、民間団体の育成、指導等を実施しているところでございます。
 今後とも、飲酒に起因する健康被害の予防、適正飲酒の推進、アルコール依存症者に対する適正な医療等、アルコール関連問題対策のより一層の充実を図るよう努めてまいりたいと考えております。
○渡辺孝男君 大事な税収源でありますから、今後とも健康被害とのかかわり合いで検討していただきたい。特に、酒類に関しても規制緩和がかかってくると思うんですけれども、そういう面でも健康被害に対しての配慮を行ってほしい、そのように思います。
 次に、関税割り当て制度の改正に関して御質問いたします。
 今回の改正で、平成八年度の牛馬からの皮革、革靴の関税割り当て数量が前年度比で一五%から二〇%拡大するというふうになっております。最近話題になっております狂牛病というものが英国で多数発生しまして、感染した牛肉より人への感染の危険が指摘されて問題になっております。
 そこで、念のためにお聞きしたいんですけれども、英国本島よりの皮革、革靴の輸入というようなものはあるのでしょうか。また、もしあるとすれば、その安全性に関して当局の認識をお伺いしたいと思います。
○政府委員(久保田勇夫君) 英国からの革あるいは皮革等の輸入についての御質問でございます。
 今のところ最近の資料が一九九五年ということでございまして、御質問の趣旨は、恐らく中身としては、一つは牛の原皮の輸入というのがございます。この原皮と申しますのは、生鮮のもの、いわば生のもの及び乾燥等の保存処理をしたものでなめし等の加工処理をしていないものと、こういうことでございまして、これの英国からの輸入が約七千万円、具体的にもう少し詳細に申し上げますと七千三十四万五千円でございまして、これは全体が四百六億ちょっとでございますので、全世界の輸入から見ますと〇・二%ということでございます。
 さらに、それよりもう少し加工いたしました皮革、これはなめしたもの等でございますけれども、この牛の皮のなめしたもの等の輸入は約五億円、具体的には四億九千七百四十万円でございまして、これは全体の輸入が八十四億程度でございますので、全世界からの輸入の五・九%が英国から来ている、こういう状況でございます。
 安全性につきましては関係省庁から答弁があると思います。
○説明員(青沼明徳君) 原皮の安全性についてでございますが、牛海綿状脳症、いわゆる狂牛病は一九八六年に英国で初めて確認されました。神経症状を呈しまして、発病後二週間から六カ月で死に至る牛の疾病であります。
 いわゆる狂牛病の病原体として考えられておりますプリオンは、通常、感染牛の脳及び脊髄において確認されておりますが、皮での存在はこれまでのところ確認されておりません。
 我が国は、海外から輸入されます動物、畜産物、皮につきましても、家畜伝染病予防法の規定に基づきまして、輸出国政府機関の発行します検査証明書の確認及び輸入検査を実施いたしまして、家畜伝染病に汚染されていないもののみ輸入を認めているところでございます。
 なお、なめし工程等、家畜の伝染性疾病の病原体を殺滅する加工処理がなされました革製品につきましては、動物検疫の対象とはいたしておりません。
○渡辺孝男君 この狂牛病はプリオンという一種のたんぱく質が感染因子と推測されております。人ではクロイツフェルト・ヤコブ病など急激な痴呆症状を呈して死亡する重篤な脳疾患を引き起こしております。まだ詳しい感染経路や治療法はわかっておりませんので、特に注意を払う必要があるというふうに考えます。
 日本では、近年、輸入した血液製剤に本疾患患者の血液が混入していたということで自主回収がなされたという事実があります。今後、HIV感染症蔓延の二の舞にならないように、これを契機に早急に予算措置を講じていただいて、例えばプリオン病予防対策班などを形成していただいて万全の体制をとるよう大蔵省、厚生省、農水省など関係する部門に強く要望するものであります。
 つきましては、関連省庁の現在考えておられる予防対策につきまして簡単にお教えいただければ幸いです。厚生省と農水省が関係ありますかね。
○説明員(青沼明徳君) 英国の牛海綿状脳症が話題になっておりますが、農林水産省におきましては、英国からの牛肉関係の輸入品につきましては昨日よりすべて禁止いたしたところでございます。
○説明員(松原了君) お答えいたします。
 初めに、狂牛病と、人間で発生いたしますクロイツフェルト・ヤコブ病につきましては、必ずしも同一のものとは断定されておらないことを御説明いたしたいと思います。
 また、クロイツフェルト・ヤコブ病につきましては、遅発性のウイルス感染症説ですとか、プリオンと呼ばれますたんぱく質が病原体ではないかという説がございますけれども、まだ明らかになっておりません。
 この疾病につきましては、輸血による感染は証明されておりませんが、その感染の危険性につきましては未知の部分が残されているところでございます。しかしながら、血液製剤につきましては、これまで供血者が供血後にクロイツフェルトヤコブ病を発症したとの情報が得られた場合に、安全性確保の観点から、念のためにその血液から製造されました血液製剤についてメーカーによります自主回収を指導しておりますとともに、自主回収を公表するよう指導してきたところでございます。今後とも適切に対応してまいりたいと思っております。
 また、我が国におきます献血血液につきましては、問診によりますスクリーニングによって、クロイツフェルト・ヤコブ病の発症の危険性が一般人に比較して高いとされますものを排除しているところでございます。
 以上です。
○渡辺孝男君 最後ですけれども、新しい感染症ということで、家畜から人への感染も非常に疑わしいということでありますので、日本に蔓延しないようになるべく適切な措置がなされるよう切に望むものであります。
 以上で質問を終わりたいと思います。
○益田洋介君 平成会の益田でございます。
 まず、きょうは第一に、租税特別措置法の一部改正のうちの土地税制について御質問をさせていただきます。
 バブルが崩壊いたしまして、我が国の不動産、特に土地に関する流動性というのが停滞をし続けているわけでございますが、不動産の流動化というのは、一般論といたしまして景気浮揚を企てる上で非常に重要なファンダメンタルであるというふうにされております。
 けさも参議院の予算委員会で橋本総理大臣がおっしゃっておりましたが、総理の現在の政策の主眼の一つとして景気浮揚策、好景気を一日も早く招きたい、このようなお話でございましたが、総理ならずとも、私ども国民だれしもこのことにつきましては長い間待ち望んで今日に至っているところでございます。
 またさらに、土地の流通の活性化ということにつきましては、このことがさらに前進いたしますれば、現在、今国会の最大のポイントになっております不良債権問題の処理、不良債権問題の解決に大きな拍車をかける、そういった不良債権の今後の拡大あるいは解決という問題に対して非常に大きな関連性を持ってくるということでございますので、大事な問題であるというふうに考えております。
 アメリカにおきましては、十年前に顕著化しましたSアンドLを初めとする不良債権問題、アメリカ版の住専とでも申しましょうか、この問題の解決及び処理に当たって、まず第一に金融面での景気回復策に力を入れて講じました。さらに第二番目といたしましては、不動産市場の活性化を図るという努力が多方面からなされたというふうに理解をいたしております。
 こうした考え方に沿いまして今回の租税特別措置法を見てみますと、まず第一に譲渡益課税につきましてですが、私は今回のこの改正において、売り手側に十分な処分の意欲を与えるようなバランス感覚を背景にこの改正案を考えられたものとはどうしても思えないわけでございます。もう少し説得力のある、あるいは売り手側に積極的な取引を誘導するような、そうした改正が本来望まれる、そういった現況ではないかというふうに考えております。
 さらに、土地保有にかかわる改正でございますが、これはいわゆる地価税の税率を現行の〇・三%から〇・一五%に引き下げるという改正案でございまして、実にこれは税率を半分に下げるということでございまして、果たしてこのようなことが税収減という観点からして可能なことでございましょうか。
 あるいはさらに、もしこういうことが簡単にできるというふうな背景を現在政府の中でお考えであるならば、我が党の政策審議会でも議論がなされておりますが、地価税そのものというのは、これはバブル期の産物でございまして、現在のように公示価格が五年間連続して下がり続けていると、さらに将来的な展望も、これは後でお伺いしたいポイントでございますが、そういった現況において果たして適切性のある法律であるかどうか。法律そのものを解消してしまうという議論はいたしておりませんが、当面このような経済、特に不動産に関する環境下におきましては、この地価税については凍結をされたらいかがかと。
 今回、税率を半分に下げて、税収減のその分については当然補てんすべき原資をお考えだと思いますが、なぜ〇・一五%に下げたかということについては、当然のこととして税の減収額を考慮に入れた、それを一つのターゲットにしたお考えだと思いますが、それならば、さらに進んで〇・一五%から〇%にする、実質的に地価税を凍結してしまう、そしてまた将来的に必要になれば、これは凍結を解除するという方法によって再開をすればよいのではないか、そのように考えております。
 さらに、不動産取得税と登録免許税、これは相変わらず高過ぎるのではないか、やはり現在のこの不動産の取引の停滞という状況を考えるならば、私はもう少し軽減措置を大きく思い切った額まで進めるべきではないかというふうに考えるわけでございます。
 また、一般論としまして、土地の価格が低落する、安くなっていけば取引そのものは活性化するというふうに考えるのが自然な発想だと思いますが、現実には、東京都心の三区内におきましては、特に商業地におきましては取引は停滞状況を通り越して、むしろ取引量、それから取引件数、双方とも減少しているという結果があらわれております。したがいまして、地価の下落そのものは必ずしも土地、不動産の活性化とは連結していない、直結していない、そういうことが現状から明らかでございます。
 そうした現況から、それでは一体どのようにしてその不動産の活性化を図っていくべきか。方策として私としては、まず第一に税制の抜本的な見方、つまり、毎年毎年税率の微調整を図ることによって活性化を図ろうという努力が行われてきて、実際には成果を上げていないわけでございますが、こういう段階においてはもう少し大まかな、システムそのものとしての土地税制について見直す必要があるのではなかろうかと考えるわけでございます。
 さらに、その方策の二番目といたしましては、近代国家における都市計画の基本の一つでもございます公有地をふやしていくということ。これは余り大蔵省の方とは関係ないかもしれませんが、やはり国全体として当然考えていかなければいけないことだと思います。例えば、都市環境の整備のために自治体がまず土地を先行取得しまして、それが周辺土地の民間による土地取得を促進していく、こういうふうな都市計画の基本方針をもう一回見直していく必要があるのではあるまいか。
 特にきょうは、土地税制に関する抜本的な見直し、これをどのようにお考えになるか、大蔵省の御意見を伺いたいと思います。
○政府委員(薄井信明君) 土地税制につきましては、委員御指摘のように、平成二年秋の議論を踏まえまして現在の制度が成り立っているわけでございます。土地の保有、譲渡、取得の三つの局面につきまして適正な負担を求める、また、あのバブルのときになぜこういった事態が生じたかということの反省に立って、税制面で何をすべきかということから組み立てられたものでございます。その一つの考え方に、平成元年の土地基本法の制定ということが背景にあるということも御承知のとおりでございます。
 ただ、今日、地価は非常に下がってきております。土地をめぐる状況が大きく変わった中で、平成三年に打ち立てた土地税制をどのように調整していくかということを今回考え、御指摘では抜本的ではないということではございますが、私どもとすれば、極めて思い切って譲渡所得課税あるいは地価税あるいは登録免許税について手当てをさせていただいたと考えております。譲渡所得課税につきましては、譲渡益八千万円以下については平成二年までの状況に戻っておりますし、また、優良な譲渡につきましてはむしろ二〇%というものを四千万円まで残したということで、御指摘ありましたような公有地の増大等にも資する制度になっているのかと思います。
 私ども土地税制についてこれまでいろいろと対応してまいりましたが、今回御審議いただいている改正によって御指摘の面はかなり対応できているというふうに思っております。
○益田洋介君 先ほど申し上げましたとおり、税制の改革だけですべての問題が解決するものとは思っておりませんが、今の御決意のとおり、さらに努力を重ねていただくよう望む次第でございます。
 それでは次に、今御指摘のありました地価の下落と、それからそれに関連しての住専の処理問題について御質問いたします。
 まず、国土庁が二十一日に発表した公示地価によりますと、大変な下落が現状の問題として私たちの眼前に突きつけられたわけでございますが、当然、公示地価が下落するということになれば路線価格も下落するシステムになっているものと思います。そこでまず懸念されることは、住専の不良資産額が大蔵省が想定したものよりも確実に増大するということでございます。
 そして、このことは必至でありますが、大蔵省は住専の不良債権処理スキーム作成に当たって、住専の所有資産の担保価値をどのようにして算定したかにつきまして、けさほど参議院の予算委員会で私どもの同僚議員が質問をいたしました。それに対して西村局長は、昨年、平成七年八月中旬に発表された路線価格に基づいて算定をしたものであるということでございまして、この路線価格の算定基準というのは、昨年一月一日の公示地価に基づいた路線価格であるというふうに理解をしております。
 さらに、局長はけさほど、路線価格というのは公示地価の約八〇%を見当にしている、その残りの差額の二〇%はセーフティーファクターである、このような説明であったと私は理解いたしました。しかし、今回の国土庁の発表によりますと、特に三大都市圏の商業地におきましては実に一六%という下落率を示しているわけでございます。そうしますと、数学の苦手な私でも単純計算いたしまして、セーフティーファクターの二〇%から一六%が食い込まれたらば、もう四%しか残っていない。四%というのはセーフティーファクターではなくなっている。あとの二八%はやはり食い込まなきゃいけない。そのような算定をし直してこそ、住専の処理問題の規模の実態というのが国民の前に明らかにされるわけでございますので、これはどうしても住専の損失の増大額というのをきっちり今の段階で新しい公示地価をもとにして算定をし直していただかなきゃいけない。そうしないと、現実味を帯びた議論が全く根底から覆されることになるわけでございます。
 ある民間シンクタンク、これは二つございますが、の試算をした結果によりますと、住専の今回の地価の下落による損失の増大額というのは実に三千八百億あるいは三千九百億、このように言われているわけでございます。これについて、大蔵省も当然のことながら既に試算は終わっていると思いますが、けさの段階では西村局長は明らかにされておりませんでした。しかし、現実にこうした数値が挙がっているわけでございます。
 この増大分の処理方法として、具体的に大蔵省はこれからどういうふうに検討をし、発表されていくかはわからないわけでございますが、巷間言われているように、大蔵省はこの増大分の処理を二次処理案の中に算入することによって吸収させようという意図である、一次処理案ではもう間に合わない、それについてはもう手をつけることができないから、したがって再び先送りをして二次処理案の中に算入しようと。
 そうすると、十二月十九日に発表された一次案から四次案までの中の二次案というのは、想定損失額が一兆二千億でありましたから、それにこのシンクタンクが計算した数値を用いて四千億円を追加いたしますと、二次処理額というのは約一兆六千億円になる。そのうちの半分は財政資金を投入するというのが政府のお考えで、私どもはこれは反対なわけでございますが、仮に政府のスキームが行われた場合には、一・六兆円の半分、つまり八千億円は財政資金を投入せざるを得なくなる。そうしますと、国民一人当たりの負担は実に六千七百円になるわけです。もちろんこれは成人だけではございません。赤ん坊も小学生も中学生も含めた、あるいは年金生活者も含めた国民一人当たりの負担が第二次処理案で六千七百円に膨れ上がる。
 第一次処理案が仮に、私どもは反対しておりますが、六千八百五十億円という国民の血税を投入するのであれば、これは国民一人当たり五千五百円。そうしますと、一次案と二次案合わせて国民一人当たりの負担額が一万二千二百円に増大しようと。これが二十一日発表された国土庁の公示地価による試算だけで今計算した増加額でございます。
 こういうことになるわけでございますが、まず銀行局長、今までちょっと質問が長過ぎましたが、答弁は短くお願いいたします。
○政府委員(西村吉正君) 金融機関の不良資産問題に与える地価の動向の影響というのは、御指摘のようにまことに大きいものでございまして、今日の不良資産問題の原因がどこにあるか、確かに金融機関の行動とか金融行政というものに問題がなかったというわけではございません。しかし、地価の動向というものによって、五年にわたる地価の下落によって非常に大きな影響を受けているということもまた否定できないところでございます。したがいまして、私どもといたしましては、今後の地価動向についても重大な関心を持って金融行政に当たらなければならないと考えております。
 ところで、先般発表をされました国土庁の調査の結果でございますが、ただいま御指摘のように、大幅に下落したところでは、例えば東京圏の商業地というものをとりますと一七%の下落ということになっております。全用途の全国平均で見ますと四%でございますが、土地の取引、担保になっております対象が大都市圏中心ということを考えますと、こういうことも考えておかなければならないと存じます。
 私どもは、路線価と公示価格の違い、約八割程度に設定されているということの中で、今回の問題は努力の範囲内というふうに考えておりますが、しかしながら、全体として安全性が低くなっているということは否定できません。
 したがいまして、我々はより一層の努力をしなければならないと考えておりますが、ただいま御指摘の計算によるリスクが大きくなった算定方式というものにつきましては、いろいろなもう少し違った算定の仕方があるのではないかと考えておるところでございます。
○益田洋介君 今、算定方法にまた違った考え方があるという局長のお話でございました。
 それであるならば、一日も早く国民の前に、議会にその算定基準と算定結果、今回一体幾ら損失額が増大するのか、これを早く示していただきたいと思いますが、いつまでにできますか。
○政府委員(西村吉正君) 私の申し上げましたのは、我々といたしましては、路線価の水準というものが公示価格の八割程度に設定されているということから見まして、処理方策の見直しに直結するというわけではないものの、これを真摯に受けとめまして、今後、回収努力に万全を期していくということを申し上げたわけでございます。
 先ほど委員の方から御指摘がございましたような試算の仕方というものにつきましては、例えばその担保価格が下落したことの影響というものの算定の仕方といたしまして、一兆二千億と言われていたようなものが一兆六千億になるというような計算の仕方については、またいろいろな試算の仕方もあろうかと申し上げたわけで、私は今のスキームを変える必要があるというふうに申し上げたわけではございません。
○益田洋介君 堂々めぐりになりますが、スキームを変えるというような話を私は伺った覚えはなくて、スキームの中の損失額が増大するんだ、それに対してどのように対応するか、これが私の質問の趣旨だったわけでございますが、何回聞いてもお答えは得られませんし、次の質問がございますので移らせていただきます。
 次に、国土庁ですが、二十一日に公示地価を発表していただき、さまざまな書類をいただいておりますが、国土庁としては、今後この公示地価というのはどのような動向を示すのか、過去五年間の実績を踏まえてそうした展望をお聞かせ願いたいと思います。
 また、端的に言って、この土地の下落の状況はいつ底値を打つというふうにお考えなのか。これは都市部の商業ビル用地、それから二番目に中流以下の住宅地、この二つに分けてお考えをお聞かせ願いたいと思います。
○説明員(関川紳一郎君) ただいまお尋ねの今回の地価公示に当たりまして、ことし夏ごろまでの数カ月の見通しでございますけれども、不動産関係団体等にヒアリングを行っております。その結果によりますと、大都市圏の住宅地につきましては、立地条件のよい地域を中心に下げどまりないしは下落幅は縮小していくという傾向が続くのではないか、全体的にはほぼ横ばいで推移するのではないかというのが大方の見方でございました。また、大都市圏の商業地につきましては、事務所の貸しビルなどの賃料が下げどまる兆しも最近出ております。
 そのような幾つかの指標の変化も出ておりますので、当面は、地価の見通しを立てます上では、このような動向をもう少し見定めないとなかなか見通しが立てられないのではないかという見方が大方でございました。
 一応、地価公示に当たりましてはそのような見通しを立てております。
○益田洋介君 そうすると、まだ底をつくには時間がかかると。今のような状況で推移するということは、また来年一月一日にお調べになって三月の中旬かあるいは末ごろに国土庁が発表するであろう公示地価についてもことしと同じようなことが想定される。ということは、そうしたことも中長期的な展望として十分に加味した上でスキームそのものを見直さなきゃいけないのじゃないかということになりますね。
 それから、スキームそのものをいじるのは嫌だというふうにどうしても局長が頑張るのであれば、スキームの中の数値は当然見直していかなきゃいけないし、最新のデータに基づいて、直近のデータに基づいて計算をして数値をはじき出さなければ、六千八百五十億とか八千億とか膨大なお金が毎年毎年国民の財布から、ポケットから抜かれていくわけでありますから、そういった意味で、先ほど真摯という言葉を使われましたが、真摯な気持ちで紳士らしくひとつ直近のデータで見直す、しかも早急に数値の見直しをして国民の前に、議会に発表していただくのが私は筋ではないかと思います。
 ですから、今回発表されたデータに基づいて数値をまず見直していただくことが一つと、二つ目のお願いは、今、国土庁がお答えになった展望をもとにしてさらに中長期的に、第二次、第三次、第四次までの処理スキームに拘泥されるのであればどのように反映していくのか。当然、損失額はふえるわけですね、毎年。そういうことですね。その二つをお願いしたいと思いますが、いかがでございましょうか。
○政府委員(西村吉正君) まず、算定の基礎でございますが、私どもは昨年八月に発表されました相続税の評価額、すなわち路線価で評定しておるわけでございます。これの新しいデータというものは恐らくことしも八月の中旬ごろに発表されることになろうかと存じます。
 もとより、その水準が今回発表されました地価公示価格の動向を反映したものであることは想像にかたくないわけでございますけれども、地点数といたしましても、例えば公示価格が三万地点、それに対しまして路線価が約四十万地点弱というような差もございますので、そういうものの結果をもよく踏まえまして考えていくべきことかと存じております。
 さはさりながら、御指摘のように、この住専問題に限らず不良債権問題というものに地価の動向が与える影響というものは非常に大きなものがございます。今後の地価の動向、特にそれが下落を続けるというようなことがあるとすれば、不良資産問題にも非常に大きな影響を与えるということは私どもも十分注意しなければいけないことだと思っております。
 しかしながら、そうであればこそ、一日も早くこの不良債権対策に着手をしてその実を上げるということがまた大切なことではなかろうか。そういう意味でも、一日も早く私どもにその対応策に着手をさせていただくようお願いを申し上げるところでございます。
○益田洋介君 おっしゃるとおりでございまして、最後の局長の指摘には大賛成でございますが、この住専の不良債権処理につきましては、現在の政府案というのは十五年かかる。ところが、私どもが考えている方法で法的措置をとって、そして会社更生法を適用してやれば五年で終わるわけです。だから、どんどん土地が下がっていって不良債権の額が増大する前に早く法的処理をして解決すべき問題だと私は申し上げておきたいと思います。
 それから次に、今度は国税庁にお伺いしたいんですが、貸し手側である住専、それから借り手、これはノンバンクを含めましてさまざまな業者があると思いますが、こうしたところに対して税務調査をされているというふうに心得ております。最近伝え聞くところによりますと、大阪の末野興産が住専やほかのノンバンクから調達した一千億円にも上るお金を分散預金していた、差し押さえを逃れるための目的以外の何物とも考えられないわけでございますが、こういうふうな事態がリークしてきている。
 恐らくこれは大阪の国税局と大阪府警が調べていることだと思いますし、現在捜査中あるいは調査中のことについては御回答はいただけないと思いますが、こうしたことで一千億円なんという金が隠されて、そして差し押さえ逃れをしているもとで国民の税金が、その算出根拠も示されないし、また、この六千八百五十億円という損失を補てんするためになぜ国民の税金が投入されなきゃいけないのかという正当性も説明されないうちに投入されようとしておる。
 こういう現状を考えますと、アメリカのSアンドLの問題のときに、RTCがまず最初に着手したのは責任問題の追及と事件の全容の解明でございました。それらのものをまず第一に国民の皆さんの前に明らかにした上で、そして必要であれば、財政資金の投入がどうしても必要なのか、あるいはほかの方法で乗り切ることができるのかという検討を始めるのが私は筋道であると思うわけでございます。
 そういったわけで、恐らく国税庁の方もいろいろ努力はされていると思いますが、非常に遅きに失している。順番としては逆なんです。順番としては、国税庁がまずこうした問題を、一千億円なんという分散預金をして差し押さえ逃れをしようなんということは、今になってわかってきているというのはおかしな話ですよ。少なくとも六千八百五十億円からこの一千億を引けば五千八百五十億というふうに簡単に減額できるわけじゃないですか。こういう件があと五件も六件もあるのであれば、国民は何にも税金を負担しなくていいんです、資金回収できるんだから。預金隠ししているんだから。
 そういった意味で、私は、国税庁の調査をできるだけ速やかに、そして効果的に進めていただく必要があろうかと、このように思うわけでございますが、現在及び今後の調査の指針について、あるいは腹構えについて国税庁に伺いたいと思います。
○政府委員(内野正昭君) お答えいたします。
 一般論として申し上げますと、国税当局といたしましては、あらゆる機会を通じまして課税上有効な資料情報の収集に努めまして、これらの資料と納税者から提出をいただきました申告書等を総合検討いたしまして、課税上問題があると認められる場合には実地調査を行うなどによりまして適正な課税に努めているところでございます。
 先生の御指摘にもございました今回の住専問題につきましても、その関係者の課税処理が適切に行われているかどうかにつきまして国税当局といたしまして強い関心を持っておりまして、今後とも適正かつ厳正に対処してまいりたいと思います。
○益田洋介君 ありがとうございました。
 適正かつ厳正に、しかも迅速にお願いしたい、これが私の希望でございますので、ぜひよろしくお願いいたします。
 最後に、公益法人の収支計算書の提出義務について、今回の改正案で提出義務が課せられるということで、幾多の労働組合や宗教法人からかなり強い反発が聞こえてきております。そして、彼らの言い分というのは、納税義務のない公益法人がなぜ収支計算書を義務づけられなきゃいけないのか。言い方によりますと、ある労働組合の顧問弁護士は、これは憲法二十一条に抵触するんじゃないか、結社の自由に抵触するんじゃないかと。これは大変な議論になるわけでございますが、それほどの危険性のある、これは御答弁願わなくても、もともとこの改正の趣旨というのは課税の適正化を図りたいということであったというふうに思っておりますが、適正化を図る余りに、また逆に本当に国家の不当な介入につながるという危惧がないのかどうか。
 ここら辺につきまして、私は、日教組御出身でございます大蔵大臣から、どのようなお考えか、本当に課税の適正化が進められるのか、そして国家の不当な介入がない、憲法違反にならないというふうな確信をお持ちなのかどうか、その辺を伺いたいと思います。
○政府委員(薄井信明君) 趣旨について私から最初に御説明して、大臣から説明いたします。一言だけ申し上げます。
 公益法人課税につきましては、宗教法人の話ばかりでなく、ここ数年課税の適正化ということが私ども求められてきております。この点について各方面の議論を踏まえまして、今回収益事業を行っていない公益法人等につきましても収支報告書を提出していただくことによって一層の適正化が図られると思っております。
 なお、御存じのように、公益法人等につきましては他の法人と違って税が優遇されているというか、その公益法人の性格に応じてといいますか、それを踏まえていろいろな特典があるわけでございまして、その特典を持っている公益法人等につきまして、今申し上げたような趣旨から収支報告書を出していただくことは憲法に違反するとは考えておりません。
○国務大臣(久保亘君) 出身とは関係ございませんが、大蔵大臣としてお答え申し上げます。
 ただいま主税局長から答弁を申し上げましたけれども、今回の改正は、過度な事務負担を強いることがないように小規模の法人に配慮をしつつ、課税の適正化という観点から労働組合を含むすべての公益法人等に対して収支計算書の提出を求めるものであり、与党の合意も得て、このことは適切なものであると考えております。
 つまり、公益法人としての権益を受けるその法人の場合には、小規模のところは別にしましても、収支計算書を提出していただくということは必要なのではないか、そのことは適法に行われるものと、こういうことでございます。
○吉岡吉典君 私は、今問題になった公益法人の収支計算書の提出義務の問題についてお伺いします。
 今、若干の論議がありました。この新しい租税特別措置法の一部改正案では、今説明がありましたように、収益事業を営まない公益法人等についても、一定の小規模な法人を除き、収支計算書を所轄税務署長に提出しなければならないこととする、こういうふうに決められております。
   〔委員長退席、理事石川弘君着席〕
 今も大蔵大臣は、課税の適正化のために適当な措置だと、こういう答弁ですが、まず考えていただきたいのは、これまで税務署とかあるいは税金と関係のなかった公益法人、とりわけ労働組合からは、法人格を取っている限り税務署長に対して収支計算書の提出を義務づけられるということ、こういうことが今度の法案で提起されているということがわかって大変衝撃が広がっているところです。そして今、労働組合から国会にも各議員のところへいろいろな要請が行われております。私のところへも、きのうも衆参両院議長あての要請書を取り次いでくれといって労働組合の代表がお見えになり、早速約百ぐらいの労働組合の要請書を私は参議院議長の方にお届けいたしました。
 その一部をちょっと紹介してみますと、こういうふうに書かれております。全文は略します。
 本来、公益法人としての届け出の有無にかかわらず労働組合は、収益事業を営む場合を除き課税の対象にはなっていません。およそ課税対象でないものが、税務署に「収支計算書」を提出する義務がないことは当然です。
 ところが今回の改正案では、課税対象でない労働組合に対しても「収支計算書」の提出を義務づける内容となっています。このことは、憲法の保障する結社の自由と団結活動を侵害する危険性を含むとともに、国家による労働組合活動の自治への介入につながる重大な問題といわねばなりません。
 つきましては、法案審議にあたり、左記の内容の実現のために御尽力下さいますよう強く要請します。
 一、収益事業を営まない公益法人等に対する収支計算書の所轄税務署長への提出義務づけをやめること。
 一、「大蔵省令で定めるところにより」の中で、少なくとも労働組合についてはその対象から除外すること。
これは大阪の労働組合ですが、そのほかいろいろな労働組合からいろいろな文面の要請書が来ております。恐らくここにおいでの議員の皆さんのところにもこういう要請が行われたと思います。
   〔理事石川弘君退席、委員長着席〕
 いずれにせよ労働組合は驚いている。どうして突然こういう労働組合に税務署長への収支計算書の提出を収益事業をやっているいないにかかわらず義務づけるというふうなことを考えつかれるのか、私も理解に苦しむところであります。この文面は労働組合について書いてありましたけれども、私は、労働組合だけでなく、収益事業を行っていない公益法人にこういうことを義務づけるというのは問題だと思います。大臣にもう一度御見解を述べていただきます。
○政府委員(薄井信明君) 現行の法人税法上は、労働組合のみならず公益法人等その内訳は、民法三十四条に基づきます財団法人、社団法人、社会福祉法人、宗教法人、それから今御指摘の労働組合等も含まれますが、こうした公益法人等につきましては、収益事業を営む場合にのみ御指摘のように法人税の納税義務を付しております。
 公益法人等が収益事業を開始した場合には、収益事業の開始届け出書を税務署に出していただいております。また、その後収益事業を営んでいる場合には、毎年確定申告書を出していただいている。その確定申告書には、収益事業に関係します貸借対照表あるいは損益計算書を出していただいているほか、非収益事業につきましても貸借対照表とか損益計算書を添付していただくという制度になっております。
 ところが、収益事業を営んでいない公益法人等につきましては、現在の制度では収益事業の開始届け出書も確定申告書も提出不要となっております。今回の改正は、公益法人等の収益事業について課税が適正であるかどうかということに非常に国民的な関心が高まっていることを背景にいたしまして、収益事業に該当する事業を行っていながら無申告となっている方を把握するといったようなことに役立つならば、適正な課税を実現できるわけでございます。収益事業を営んでいない公益法人等についても法律上収支報告書をお求めするということによってその求めにこたえていきたいということでございます。
 なお、税務署と労働組合との関係ですが、私ども公益法人等全体の問題として考えておりまして、労働組合を意識しながらこの制度をつくっているわけではございません。また、現在の所得税の世界にも、所得がなくても総収入金額が三千万円を超える方の場合には、確定申告義務がないんですけれども、総収入金額報告書を提出していただくという仕組みを持っておりまして、これとある意味では横並びの制度でございますし、また、支払い調書とか各種の調書を納税義務とは無関係にいただいているケースもございます。これは、全体として適正・公平な課税、税金を納めている人と納めていない人、脱税している人としていない人の間をいかに適正にするかということから許されている制度だと思います。そういう意味で今回の制度も課税の適正化上許される制度であるというふうに考えておる次第でございます。
○吉岡吉典君 今たくさんのことをおっしゃいました。一つ一つこれからやっていきますが、まず最初に、労働組合が今一番頭にきていることの一つは、全く不意打ちにこんなことがちょっと普通の素人には気がつかない形で織り込まれているということについてなんですよね。問い合わせも随分来ます、本当にそういうことになっているのかという。この数年論議になったなんていっておっしゃるけれども、労働組合、法人格を持っている限り収益事業を行っていてもいなくてもこういう収支計算書を提出させるなんということが労働組合にわかるような形での論議なんてありませんよ、そういうものは。
 そこで大蔵省にお伺いします。労働組合はいずれにせよ不意打ちだと思っています。事前に労働組合にこういうことになりますということの説明など行われたことがありますか。
○政府委員(薄井信明君) 先ほどお答えいたしましたように、公益法人等というものに対する今の税制の仕組みと、それから課税の実態から公益法人等課税が緩過ぎるんではないかということがむしろ議論になってきておりまして、この点については去年、おととしと政府税調でも論議しました。
 その際に、収支報告書のようなものが必要であるという議論も税調ではされておるわけでございます。そういう意味で私ども直接的に労働組合にお伺いを立てたということはございませんけれども、政府税調の場なり与党の議論の中でこれは二年ほどかけて議論してきていることでございます。
 なお、今回改正するにつきましては、税制改正要綱という形で閣議決定を踏んでいるということでございます。
○吉岡吉典君 当たり前のことですよ、今声がありましたようにね。
 労働省にお伺いします。
 労働者の団結権、労働組合の結成というのは憲法で保障された基本権です。これに対する侵害だというのが労働組合の今広がっている主張なんですね。法人格を取得するか否かを含めて、労働組合の運営というのはすべて労働組合の自主性に任されており、主務官庁である労働省も干渉、介入は許されていない。したがって、主務官庁である労働省も、労働組合から収支報告はもちろん、どんな種類の報告書も提出させていないと私は聞いております。労働省はどうですか、この点の実態をお伺いします。
 また、本法案の、法人格を取っている限り労働組合へは収支報告が義務づけられることになるというこの問題に関して、大蔵省から主務官庁として事前に何らかの連絡あるいは相談は受けられましたか、報告してください。
○説明員(菅原英夫君) お答えいたします。
 まず第一点目でございますが、労働組合一般に関して規定している法律は労働組合法でございますが、同法律におきましては、労働組合に対しまして、その運営に関して定期的に何らかの報告書を提出させるといった義務は課してございません。そういう意味で、報告書の提出というのは労働省としては受けておりません。
 次に二点目でございますが、本法案についての協議ということでございますが、今般の税制改正に当たりましては、特に一定の要件に該当する労働組合を含む公益法人などの収支計算書の提出ということに限定いたしまして、事前に協議を受けたということはございません。しかし、税制改正の内容全般については事前に協議を受けているところでございます。したがいまして、公益法人等に対しまして収支報告制が導入されるということについては承知しているところでございます。
 また、当該措置につきましては、公益法人等に対しましての課税の適正化の観点から措置されるものというふうに承知しております。
○吉岡吉典君 労働省、主務官庁もいかなる報告書もとっていない。その労働組合に突然、法人格を取っている限りは収支計算書の提出が義務づけられる。ですから、労働組合がびっくりして今運動を急速に広めている。これは私は当然のことだと思います。
 先ほどから税調で論議された、税調で論議されたとおっしゃるから、私はどういう論議があったか公表されている資料で読んでみましたよ。そうしますと、収益事業を行っていない公益法人の収支計算書の報告というのは、確かに去年の暮れ出た平成八年度の予算に伴う答申では言葉としては出ていますよ。しかし、私はここに持っておりますが、例えば平成五年の答申を見てもそんなことはありませんよ。
 大事なことは、公益法人の問題でいろんなことが論議はされていますけれども、例えば平成五年では「一義的には主務官庁による適正な指導、監督」ということが強調されていて、主務官庁に相談もしないままいきなり法案化されて出てくるというようなのは、税調の答申からいってもあり得ないことだと私は思いますよ。
 それから、去年の暮れ出た「平成八年度の税制改正に関する答申」、私が見る限りではここで初めて今の収支計算書という言葉が出てきますけれども、そういうことを含めて、公益法人の税制のあり方の問題については、結論として、「国民的かつ十分な議論が行われる必要がある」ということを今の収支報告書の問題に関連しても述べた後で書いているんです。「国民的かつ十分な議論が行われる必要がある」と。
 国民的論議どころか、労働組合が全然知らないんだから、これでびっくりして、だから衆議院段階では全然労働組合知らなかったから全然問題にならなかったんです。どうもそういうことがある模様だということが広がって、この法案の参議院論議の段階でやっと問題になる。これは労働組合だけでなく、他の公益法人も同じ感じでいると思います。
 「国民的かつ十分な議論が行われる必要がある」という税調答申があるのに、片方で、もう何年もやってきてそういうことは論議になったなんというのは、これはだめです。これは大臣、国民的論議が十分行われたというふうに言えませんよ、こういうのがたくさん来ているんだから。
○国務大臣(久保亘君) 税調の論議などの問題でございますから、主税局長の方から答弁させます。
○政府委員(薄井信明君) 委員御指摘のように、年末の税調答申でこの件が触れられております。
 これを整理して申し上げますと、従来から議論されてきている現在の公益法人課税制度のもと、つまりどういうことかというと、収益事業だけに課税します。それから、収益事業には二七%しか課税しません。それから、みなし寄附金制度を設けます。そういった現行の制度に関して、軽減税率だとか、収益事業の範囲だとか、金融資産の収益に対する課税のあり方、寄附金の損金算入限度額の特例のことについて、あるいは収支報告書といった点について、「その活動実態等を踏まえて検討を加え、できる限り、適正化を図る必要がある。」というふうに答申をいただいております。
 委員のおっしゃった部分は、それを超えて、今一部に議論がありますけれども、日本のように、原則非課税で収益事業だけ課税するというのはおかしいではないか、むしろ原則課税にしてはどうかとか、あるいは国税庁が免税のものを決めていくようなアメリカ方式にしてはどうかとか、そういった今の基本スキームをもっと厳しくするべきだという議論については、「国民的かつ十分な議論が行われる必要がある」というような答申をいただいているのが答申の内容でございます。
○吉岡吉典君 あなたは都合のいいように言うけれども、全体を貫くのは、主務官庁が基本になってやれと言っているんですよ。労働省も知らなかったんだよ。そういうやり方をやっておいて、自分の都合のいいようなところだけ使って、そういうのがだめなんですよ。主務官庁も知らないようなやり方で――あんた手を挙げるなよ、質問の最中に。まだ答弁も求めていない。
 それで、いろいろおっしゃった中に一つ重大なことがあるんです。それは、この報告を求めて脱税をやっているところがないかをこれで確かめるというわけです。これは公益法人全部を脱税容疑者とみなす考え方です。そういうことですよ、これは。大体、こういう収益事業をやっていないところにまでみんな報告書を求めるなんというのは、日本の税制民主主義の重要な柱である申告納税制度そのものを私は否定するものだと思います。こんなことは許せない。
 それから、労働組合を意識していないとおっしゃった。私は労働組合だけを言っているわけじゃない。たまたまこのことを発見した労働組合が申し入れに来、議長に対する要請書もぜひ渡してもらいたいと言ってきたから、現にある文書をもとにして言いましたけれども、私は、宗教法人であれ学校法人であれ、収益事業を行っていない公益法人に対するこういう収支報告書を求めるのは、今言ったように、もう脱税容疑者とみなす根本的な問題がはらんでいるということを申し上げたい。
 それから、税制上のいろいろな特典を受けているとおっしゃった。収益事業を行っていない公益法人は何の特典を受けていますか。収益事業を行っているところは特典を受けていますよ。そこは全部申告もし、納税もしているわけです。収益事業をやっていないところがどんな特典を受けているか。これもあんたら何とかへ理屈つけて無理を通そうとしている、そういうことですよ。そんなむちゃくちゃな話ありませんよ。僕は、これは大蔵大臣、考えてもらわなくちゃならないことだと思います。
 そして、結局、去年一部の宗教法人の、税制上の優遇措置を受けながらいろいろな活動上問題があるということが論議になった。論議になったこの際、かねてからねらっている公益法人への課税を一挙にやっちゃえということだとしか私には思えない。
 ですから私は、これはまずやり方から国民的な十分な審議を経、主務官庁の立場を十分尊重して、答申でも言っているようにやり直してもらいたい。大臣、これだめですよ。
○政府委員(薄井信明君) 御指摘のように、私どもも、主務官庁が公益法人の管理監督について十分やっていただきたいということは日ごろ言っておりまして、税調答申もそのことについて我々に対して指摘しているというふうに受けとめております。
○吉岡吉典君 あんたね、今私が言ったことについてのそれじゃ答弁になりませんよ。
 私は、それじゃもう一つ聞きます。収支計算書が出なかったらどうしますか。
○政府委員(薄井信明君) 法律上出していただきたいということですので、税務当局から出していただくべくお願いに伺うことがあろうかと思います。
○吉岡吉典君 そうすると、それは出されても出されなくてもしょうがないと、そういうことですか、お願いはするけれども。
○政府委員(薄井信明君) 税法の全体の中でこの収支報告書の報告は義務づけて適切であると私ども考えておりますが、これに罰則をつけてまで強制するのは適切でないということですので、私どもは各公益法人等が収支報告書を御提出いただけることを期待しております。
○吉岡吉典君 これは自由意思の模様ですね。
 もう一つ聞きます。労働組合を意識していないということを非常に強くアクセントを置いて言われた。ということは、私は、収益事業をやっていない公益法人はどこであれこういうことをやるべきでないという意見ですけれども、しかし、あなた方の頭の中にはどこかやりたいところがある、しかし、そこだけをやるわけにいかないから公益法人はこの際全部ということに聞こえるし、そういう説明をなさった人も私は事前レクを聞いたときにはありましたけれども、宗教法人だけを引っ張り出して収支報告を義務づけるわけにはいかない、労働組合を除外するわけにはいかないのですべてにこうしましたと、こういうふうにおっしゃったところもあります。
 宗教法人については、去年の改正で主務官庁に収支報告書の提出が義務づけられました。それに加えて今度は税務署、税務署は課税の適正化のためにと。さっきの答弁でも、脱税しているところがないかをこれで明らかにするというわけですから、課税を目的とした収支報告書を出させるわけですから、これは私はもう日本の税制のさまざまな原則からいっても、また団結権等々、憲法上の権利からいってもこういうことはやるべきでない、そういうふうに思います。
 大蔵大臣、これは考え直してもらいたいと思いますが、どうですか、最後に。
○国務大臣(久保亘君) 今、吉岡さんの御見解はよく承りました。
 私どもとしては、今回このようなことをお願いいたしておりますので、当委員会においてお決めいただきたいと存じます。
○山口哲夫君 二月二十二日の当委員会で質問をいたしました財政再建について、引き続き質問をいたしたいと思います。
 当日私は、これほどまでに赤字を抱えている我が国の財政を立て直すためには、審議会の答申を待っていたんではもうこれはできないと。むしろ、総体的にどうしたら財政再建ができるのか、具体的な方針を大蔵省みずから立てて、そういう方針で諮問をしていくべきではないんだろうかと、こういう提案をしたわけです。
 アメリカのように、ここまで来たらやはり財政再建のための立法化をもう考えるべきときではないんだろうかと、そういうような提言もいたしましたけれども、大蔵大臣からは、今審議会の方にお願いをしているところなんでと、こういうお答えでございました。
 ただ問題は、それじゃ審議会で答申が出されたら、それをそのまま実行できるんだろうかと。過去の例を見ますと全然実行されていないわけですね。平成二年に出された答申の中で、この中心になっているのは、建設国債を五年間で公債依存度五%にしなさいという、そういう答申が出されているわけです。
 ところが、それじゃそれを大蔵省が実行したかといえば、毎年やりますやりますという答えはするんですけれども、実際には公債依存度を五%にするどころか、逆に赤字国債まで発行するようになってしまう。審議会の答申さえあれば何か財政再建ができるようなこの間の答弁でしたけれども、そんな甘いものではないだろうと思うんです。
 そこで、今まで出された答申が、それじゃ大蔵省としてどうしてできなかったのか、やっぱりきちんと一つ一つについて総括をしてみる必要があるんではないだろうか。どこに問題があったんだろうか、できなかった問題があったのか。そういう総括を踏まえた上で、それじゃ具体的に財政再建をするためにはどういう対策が必要なのか、そういうことをやっぱり大蔵省自体が方針を出して、その上で諮問をしていかない限り我が国の財政再建というのはまず不可能だろうと私は思うんです。
 その点についてどうお考えでしょうか。
○国務大臣(久保亘君) 私がもし先般、今、山口さんがおっしゃったようにお答えを申し上げたとすれば、大変私としては不本意でございます。
 私は、財政制度審議会の特別部会等でも御論議を願っておりますし、国会でも財政再建の問題を重要な論点として皆様方に御審議をいただいております。大蔵省自身としても、再建の目標と具体的な財政再建の方法について、できれば来年度の予算編成が財政再建の初年度となり得るよう検討するよう、省内にも今お願いをしてあるということを申し上げてきたと思っております。そういう立場で今進めつつございます。
 私の方にも、省内の会議からも、今G7各国においても日本が一番ひどい状況にありますが、いずれも財政赤字の克服のために懸命な取り組みをやっておりまして、これらの各国の状況についても、検討の結果を省内においても整理をいたしております。
 こういうものに基づいて、この各国の財政再建の方途についても参考にしつつ、今私が省内に要請をいたしておりますのは、具体的に財政再建のために歳入、歳出両面にわたってどのようなことをやるべきか、どういう目標に向かって進めるべきか、こういうことについて検討し、その結果をできるだけ早く提出してもらいたい。そういうものに基づいてぜひ、昨年は財政危機宣言的なものを国民の皆様方に我が国の財政事情として御報告を申し上げたわけでありますが、財政再建への道として、国民の皆様方の御論議、御同意も得られるような努力もしなければならないということも申しているところでございます。
○山口哲夫君 この間の論議は、まず、今財政審議会にお願いをしておりますということが一つ、それから与党三党としてもどう財政再建をするべきかということを今検討しているというお話でございました。
 そうしますと、今の大臣のお答えを聞いておりますと、そういうような意見というものを踏まえて具体的にそれでは、今抱えている建設国債二百四十兆ですか、それから赤字国債七十兆を超えておりますね。特にその赤字国債を早急にやっぱり償還していかなきゃならないだろうと思うんですけれども、そういう具体的な健全財政を確立するための方針というものを大蔵省として来年は出すというふうに理解していいんですね。
○国務大臣(久保亘君) 大蔵省の考え方というものもまとめなければならないと思っております。しかしこの問題は、私は、国会が政府に対して要求するということだけではなく、国会御自身においても、立法府の権限において財政再建の道についてぜひ御論議をいただきたいと思っているのでございます。
 そのような立場から、与党三党も財政再建を協議する場をつくるということでお決めいただいているのでありまして、各面の努力が集約されて財政再建の方向が出てくることを期待いたしておりまして、それは余り長い時間をかけてはいけないことだと思っております。
○山口哲夫君 国会で議論するのはそれは当然のことで、結構ですよ。私たちだって、アメリカのように財政再建法、そういったことも考えてみたい、そんなように考えていることでしてね。
 だから議論するのは結構なんだけれども、問題はやっぱり予算の編成権を持っている、財政に責任を持たなきゃならない大蔵省自体がどうするのか。政府全体として、これだけの赤字を克服するためには一体どうしたらいいのか、そういうことを真剣にやっぱり考える必要があると思うんです。
 先ほどの答弁を聞いておりますと、来年にはもう提案するようなふうに聞こえるんですけれども、今のお答えではどうもそういうことでもないようなんで、その辺をやっぱりはっきりさせていただきたいと思うんです。やっぱり政府としてこの赤字克服をどうするかという方針を、それじゃ来年きちっと出しますか。我々は十分論議する意思ありますよ。
○国務大臣(久保亘君) 各面の御意見も徴した上で、私が先ほど申し上げましたように、平成九年度の予算編成がぜひ財政再建初年度となるようにやりたいということを繰り返し申し上げているのであります。
○山口哲夫君 それは当然のことだと思うんですよ。だから、平成九年度の予算が財政再建の初年度になるようにと言うんであれば、当然十カ年なら十カ年で、あるいは十カ年で克服できないんであれば、十五年かかってもこれだけの赤字だけは完全に解消するんだというような方針を立てる気持ちがあるんですかということなんです。
○国務大臣(久保亘君) 財政再建といいます以上は、特例公債の発行をどの時点においてなくするかという目標を立ててやることは、これはもう当然過ぎるほど当然のことではないでしょうか。
○山口哲夫君 今まではそういうような考え方でやってきているんだけれども、結局は、特例公債の発行はやめようと思ってやめたけれども、また何年もしないうちに発行せざるを得ないような状況というのが続いてきているわけなんですよ。なぜかといえば、やっぱり長期的な財政再建のそういった計画がないからだと思うんですよ。
 例えば、大蔵省の方で出している財政中期展望、平成七年度から平成十一年度の試算がありますね、一、二、三という。これを見ますと、三が一番堅実なものなんでしょう。それを見ましても、特例公債を平成八年度では十一兆九千九百八十億だ、それを九年度には約三兆円くらい下げて八兆円だ、十年度にはさらに一兆三千億くらい下げて六兆七千四百億だ、十一年度では五兆三千九百億だというふうに、確かに特例公債は下げるという方針は出している。
 それじゃ、下げるに当たって一体どういうふうに財源を求めているのかなと思ったら、それが一つも出てこないんです。最後に出てきているのは、要調整額として赤字は逆にふえていっているわけですよね。こんなのだったら小学生でもできますよ。特例公債は下げます、赤字国債はなるべくなくしましょう、そのかわりに逆に赤字はふえていくんですという数字しか出ていないわけです。
 だから、やっぱり大臣がおっしゃるようなことであれば、具体的にそれじゃ歳出は一体どこを切るのか、新たに歳入はどこに求めるのかという、そういう計算を長期的な展望に立って示してもらわなければ、これは無理ではないですか。
○国務大臣(久保亘君) 今お示しになりましたのは、財政中期展望として国会にお示ししましたものは、これはこのような条件で推移をすればこうなるという試算を示しているのでありまして、だからそれが再建の目標を示しているということではございません。
 そのような厳しい状況の中で、どのようにして再建の道を歩むか。これは歳入、歳出両面をどのようにするかという以外に方法はないわけであります。もちろん大きくは経済の景気回復によって税収増を図るということも重要なことでございますが、しかし、歳出、歳入の両面からどのような再建の方策を立てていったらいいかというようなことについて、ぜひ私は、今までの歳出面等に関する見直し等についても大胆なことが今求められていると思っております。そういう中で、国会の御協力を最大限にいただきながら、大蔵省としてなすべきことを進めてまいりたい、このように思っております。
○山口哲夫君 どうも方針がはっきりしないんで心配なんですがね。
 これ以上赤字がふえますとインフレの心配さえあるということが随分言われていますね。そういうことを考えたときに、やっぱりもうこの辺で具体的に財政再建の対策を講じていかなければ、これは国際的にも及ぼす影響は大きいと思うんですよ。今もう一国の財政赤字というのはその国だけの問題ではないというふうに書かれているわけですね、国際的に影響するんだと。そういうことを考えたときに、やっぱり我が国の責任というのは大きいと思うんです。
 だから、双子の赤字と言われていたアメリカが、今クリントン内閣においてこれほど真剣に財政再建のための立法を考えて、そして何としても赤字を克服しようとして努力をしているわけですよ。それを批判してきた、双子の赤字を批判してきた我が国が逆にアメリカよりももっとひどい赤字になってきている。だから、世界の各国の金融に及ぼす影響も大きいし、我が国のインフレの心配も出てきているわけですよ。
 ですから、もうこの辺で真剣に具体的な計画を立てるという腹を決めたって私はいいと思うんですよ。せっかく大臣がそのようなお考えを何かちょっと示しているわけですからね。平成九年度が再建の初年度になるようにしていかなければならないというのであれば、平成九年度を初年度とした十カ年計画で、あるいは十五年計画で完全に赤字国債だけはなくするというようなくらいの具体的な計画を立てるということをここでお示しになってもいいんではないですか、本当にそのお気持ちがあるのであれば。
○政府委員(伏屋和彦君) お答え申し上げます。
 先ほど山口委員が言われました財政の中期展望といいますのは、これは特例公債発行下におきます過去の諸試算の例に倣いまして、大臣から御答弁申し上げましたように機械的な姿を示したわけでございます。したがってあれは機械的な試算でございまして、そこの中で示されているところは、私ども国会に御提出申し上げましたんですが、先ほど委員がまさに言われたように、第三のケースにおいてすらも三年後の十一年度には約十兆円という巨額の要調整額が発生する。どのケースをとってみましても、今後の財政事情は特例公債のみを減額するだけでも大変な努力が必要であるということが示されておりますし、また、読んでいただきますと、「基本的考え方」に示されている内容といたしまして、今後の財政改革の道筋を展望いたしますと、かつて特例公債依存からの脱却を目指して財政改革を強力に推進していた時代と比べましても極めて深刻な事態である。
 そういうことで、では具体的にどういう内容、どういう歳出削減という考え方に立っていくべきかということにつきまして、やはりこの「考え方」でも歳出全般について、これは何度もお答え申し上げておりますが、今日の情勢のもとでなお財政が関与すべき分野か否かという行財政の守備範囲の見直しの観点に立って、特定の分野を聖域とすることなく制度の根本にまでさかのぼって洗い直しを行うことが重要な課題であると考えておるわけでございます。このような中期展望と、それから国会にもお出ししております「基本的な考え方」を財政制度審議会特別部会にもお示ししながら御審議いただいているわけです。
 加えまして、大臣が答弁されましたんですが、与党の場においても検討の場がございますし、国会でもいろいろ御議論いただいて、そしてそれらの御議論を踏まえまして、今回の八年度予算で再び当初予算から特例公債の発行を余儀なくされたわけでございますが、今いろんな議論の場がございますが、その議論の場における、具体的な目標をどういうぐあいに設定していくのかとか、どのぐらいの期間を視野に入れていくのかとか、それから具体的な方策をどう考えていくかということを、そういう御議論を含めまして、そして幅広い議論を求めながら、大蔵省としてその上で検討を進めて具体的に財政改革に取り組んでいきたいという考え方を繰り返し申し上げておるわけでございますので、御理解いただきたいと思います。
○委員長(片山虎之助君) 答弁はもっと端的に、簡潔に。
○山口哲夫君 失礼ですよ、あなた。大臣に、そこまでおっしゃるんであれば、具体的に財政再建を十年間でやるんですか、十五年間でやるんですか、そういう方針をお示しくださいと言って頼んでいるのに、何であなたはさっきから資料を一生懸命説明するんですか。私はさっきの資料については、こういう単なる単純計算をやるんなら私でもできますよと。
 問題は、これだけの赤字をどうやったら克服できるのか、やることが大蔵省のまず責任ではないんですか、政府全体としてどうしたらいいんですか、それをやらなければ大変なことが起きるんではないんですか、我が国のインフレの心配もあるじゃないですかということで、大臣に、せっかく前向きになっているんだから、それじゃ平成九年度を初年度とするという考え方でやろうとしているんだから、じゃ長期計画をお立てになりますねという、そこを答弁してくださいと言っているんですよ。大臣に聞いているんだ。答弁できないんですか、大臣。
○政府委員(伏屋和彦君) 今の中期展望は、まさに今先生が言われたような姿を示しまして議論の土台としていただくわけでございます。その上に立ちまして、そして具体的な、今先生が言われるような、一体どのような期間を視野に入れていくのが適当かという御議論があると思います。その御議論を踏まえた上で私ども真剣に取り組んでまいりたいと申し上げているわけでございますので、その点は、順序としてそう御説明申し上げておりますから、御理解いただきたいと思います。
○山口哲夫君 だから、何回も言うように、審議会の答申もあることでしょうし、与党三党の検討もあるでしょうし、そうおっしゃるんですから、そういうものを踏まえてちゃんと長期的な計画というものを立てて真剣に我が国の財政再建に取り組むという、そういう長期的な計画を立てるということについてよろしいんですねと、そこをはっきりさせてくださいと聞いているんですよ。
○国務大臣(久保亘君) 非常にはっきり何回も申し上げてきたつもりでありますが、財政再建計画というのはかなりな期間を要する計画になることは当然であります。今日の我が国の財政事情を考えれば当然のことでありまして、来年度をスタートとする再建計画を立てることは今我々が課せられている最も重要な任務だということを最初から申し上げているつもりでございます。
○山口哲夫君 今までの答弁は、とにかく平成九年度を初年度にして何とかしていかなければならないということであって、長期的なきちっとした計画を立てるというところまでははっきりお答えになってないから聞いているんであって、それではわかりました。じゃ、平成九年度を初年度にしてきちっと長期計画を立てて、歳入歳出のバランスも考えて、大蔵省としては歳入だけの問題じゃない、歳出のことについてもよく考えて、そういった赤字を十年なり十五年で完全に解消するというような計画を出すというふうに私どもの方としては受けとめておきます。
 それでもう一つ、赤字国債というのは財政法で禁じられているんですよね、もともとは。しかし、禁じられているんだけれどもそれを出さないわけにはいかないということで、特例的な立法で今までやってきたんですけれども、建設国債では、これは資産として残るわけですから、橋でも港でも資産として残って、将来の子供たち、孫たちの時代までそれは使われるんですから、償還期限を六十年にするというのはわかるんですけれども、赤字国債というのはこれは資産が一つも残るものじゃないわけですね。それをなぜ償還期限を六十年にしなければならないんですか。
○政府委員(伏屋和彦君) お答え申し上げます。
 特例公債は建設公債と異なりまして、山口委員言われましたその見合いとなる資産が存在しないということから、これはやはり基本的に歳出は経常的な収入で賄うという財政の基本原則に著しく反するという性格のものであるわけでございます。しかしながら、厳しい財政事情のもとで、より短期の一定年限で償還するようなルールを特例公債についても設定するとすれば、結局それは財政事情を、そのまた償還の負担というものがございますから、ますますさらに財政事情を厳しくすることになるわけでございます。したがいまして、私どもやむを得ない選択として建設公債と同様の六十年償還ルールによってきているところでございます。
 そういうことでございますので、やはり本来なら特例公債残高をできるだけ早く減少させなければならないわけでございます。そういう意味でやむを得ず六十年ルールに従っているわけでございますが、毎回法案をお出しするときには、今回の特例公債の法案もそうでございますが、減債規定を設けておりまして、速やかに特例公債の残高を減少させるよう努力するということでございます。
 今後とも、そういう意味ではこの減債規定の趣旨とか、それからいろいろ審議会の答申等もございまして、特例公債の残高を速やかに減少させていくよう、できる限り早期償還に努めていく必要があると考えております。
○山口哲夫君 時間が来ましたので、後でまたやります。
○委員長(片山虎之助君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより三案について討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○吉岡吉典君 私は、日本共産党を代表して、提案されている三案のうち、租税特別措置法一部改正案、関税定率法等の一部改正案に対して反対、平成八年特別減税法案に賛成の討論を行います。
 まず、租特改正案について述べます。第一に、今回の改正は、地価税の税率の半減など、土地税制と証券税制の大幅緩和を図っています。これは、景気対策を名目にして、バブルの教訓からつくられた現行の土地税制の枠組みを掘り崩そうとするものであり、問題であります。
 また改正案は、大企業優遇の不公平税制について、引当金、準備金は言うに及ばず、租税特別措置についても十分な見直しを行わず、そればかりか、新たな措置の拡大すら行われています。消費税の税率引き上げの前に検討しなければならないこととされている見直しすら、真剣に取り組まれた形跡が見えません。
 改正案はまた、公益法人課税強化の一環として、収益事業を営んでいない法人にも収支計算書の提出を義務づけていますが、これは、労働組合など民主的団体の憲法に基づいた自由な活動に対する国家による干渉につながりかねないものとして、危惧されるところであります。
 次に、関税定率法等の改正案について述べます。改正案は、昨年末のAPEC大阪会議での公約に基づいて、ウルグアイ・ラウンドで我が国が合意した関税率引き下げのうち、六百九十七品目の鉱工業品について二年前倒しで実施しようというものであります。この中には繊維製品など国内の関連産業に一定の影響を与えるものもあり、我が国の一方的な関税引き下げは、望ましいものとは言えません。
 さらに改正案は、革、革靴の関税割り当て数量の増加を図っていますが、一昨年のウルグアイ・ラウンド合意による毎年の税率引き下げに加えて、今回の措置は零細な国内の関連産業をますます苦境に陥らせるものであります。
 最後に、特別減税法案については不十分ながら賛成であります。
 以上で三案に対する討論とします。
○委員長(片山虎之助君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより順次三案の採決に入ります。
 まず、平成八年分所得税の特別減税のための臨時措置法案について採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(片山虎之助君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、租税特別措置法の一部を改正する法律案について採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(片山虎之助君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 直嶋君から発言を求められておりますので、これを許します。直嶋君。
○直嶋正行君 私は、ただいま可決されました租税特別措置法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・自由国民会議、平成会、社会民主党・護憲連合及び新社会党・平和連合の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    租税特別措置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、次の事項について、十分配慮すべきである。
 一 国民の理解と信頼に基づく税制の確立のため、公平・公正の見地から税制全般にわたる不断の見直しを行うとともに、特に租税特別措置については、その政策課題の緊急性、効果の有無、手段としての妥当性、利用の実態等を十分吟味し、今後とも徹底した整理合理化を推進すること。
 一 変動する納税環境、業務の一層の複雑化・国際化、制度改正等に伴う事務量の増大及び税務執行面における負担の公平確保の見地から、国税職員については、その職員の年齢構成の特殊性等従来の経緯等に配慮し、今後とも処遇の改善、職場環境の充実及び定員の一層の確保に特段の努力を行うこと。
  右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(片山虎之助君) ただいま直嶋君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(片山虎之助君) 全会一致と認めます。よって、直嶋君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、久保大蔵大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。久保大蔵大臣。
○国務大臣(久保亘君) ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても御趣旨に沿って配慮いたしてまいりたいと存じます。
○委員長(片山虎之助君) 次に、関税定率法等の一部を改正する法律案について採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(片山虎之助君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 梶原敬義君から発言を求められておりますので、これを許します。梶原君。
○梶原敬義君 私は、ただいま可決されました関税定率法等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・自由国民会議、平成会、社会民主党・護憲連合及び新社会党・平和連合の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読します。
    関税定率法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、次の事項について、十分配慮すべきである。
 一 関税率の改正に当たっては、貿易自由化の流れに基礎を置きながら、国民経済的な視点から、国内産業、特に農林水産業及び中小企業に及ぼす影響を十分に配慮しつつ、調和ある対外経済関係の強化及び国民生活の安定・向上に寄与するよう努めること。
 一 著しい国際化の進展等による貿易量及び出入国者数の伸長等に伴い税関業務が増大、複雑化する中で、その適正かつ迅速な処理に加え、銃砲を始め、麻薬・覚せい剤、知的財産権侵害物品、ワシントン条約物品等の水際における取締りの強化に対する国際的・社会的要請が高まっていることにかんがみ、税関業務の一層の効率的・重点的な運用に努めるとともに、税関業務の特殊性を考慮して、今後とも、中長期的展望に基づく税関職員の定員の確保はもとより、その処遇改善、職場環境の充実等に特段の努力を行うこと。
  右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(片山虎之助君) ただいま梶原君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(片山虎之助君) 全会一致と認めます。よって、梶原君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、久保大蔵大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。久保大蔵大臣。
○国務大臣(久保亘君) ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても御趣旨に沿って配慮してまいりたいと存じます。
○委員長(片山虎之助君) なお、三案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(片山虎之助君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時二十五分散会