第136回国会 海洋法条約等に関する特別委員会 第5号
平成八年六月六日(木曜日)
   午後六時十分開会
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   委員の異動
 六月五日
    辞任         補欠選任
     大渕 絹子君     谷本  巍君
 六月六日
    辞任         補欠選任
     吉川 芳男君     石川  弘君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         寺澤 芳男君
    理 事
                青木 幹雄君
                鴻池 祥肇君
                野沢 太三君
                風間  昶君
                田村 秀昭君
                川橋 幸子君
    委 員
                井上 吉夫君
                石川  弘君
                太田 豊秋君
                鹿熊 安正君
                亀谷 博昭君
                久世 公堯君
                河本 三郎君
                武見 敬三君
                成瀬 守重君
                林  芳正君
                石田 美栄君
                高野 博師君
                常田 享詳君
                戸田 邦司君
                横尾 和伸君
                菅野 久光君
                瀬谷 英行君
                谷本  巍君
                須藤美也子君
                立木  洋君
                小島 慶三君
                西川  潔君
                中尾 則幸君
   国務大臣
       外 務 大 臣  池田 行彦君
       農林水産大臣   大原 一三君
       運 輸 大 臣  亀井 善之君
       国 務 大 臣
       (科学技術庁長
       官)       中川 秀直君
   政府委員
       科学技術庁研究
       開発局長     加藤 康宏君
       科学技術庁原子
       力局長      岡崎 俊雄君
       科学技術庁原子
       力安全局長    宮林 正恭君
       外務大臣官房長  原口 幸市君
       外務大臣官房審
       議官       谷内正太郎君
       外務大臣官房審
       議官
       兼内閣審議官   西田 芳弘君
       外務省総合外交
       政策局長     川島  裕君
       外務省総合外交
       政策局軍備管
       理・科学審議官  河村 武和君
       外務省総合外交
       政策局国際社会
       協力部長     朝海 和夫君
       外務省アジア局  加藤 良三君
       外務省経済局長  野上 義二君
       外務省条約局長  林   暘君
       農林水産大臣官  高木 勇樹君
       水産庁長官    東  久雄君
       資源エネルギー
       庁石油部長    河野 博文君
       海上保安庁長官  秦野  裕君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        大島 弘輔君
       常任委員会専門
       員        秋本 達徳君
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  本日の会議に付した案件
○海洋法に関する国際連合条約及び千九百八十二
 年十二月十日の海洋法に関する国際連合条約第
 十一部の実施に関する協定の締結について承認
 を求めるの件(内閣提出、衆議院送付)
○領海法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆
 議院送付)
○排他的経済水域及び大陸棚に関する法律案(内
 閣提出、衆議院送付)
○海上保安庁法の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
○排他的経済水域における漁業等に関する主権的
 権利の行使等に関する法律案(内閣提出、衆議
 院送付)
○海洋生物資源の保存及び管理に関する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
○水産資源保護法の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
○海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律の一
 部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関
 する法律及び放射性同位元素等による放射線障
 害の防止に関する法律の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
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○委員長(寺澤芳男君) ただいまから海洋法条約等に関する特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、大渕絹子君が委員を辞任され、その補欠として谷本巍君が選任されました。
 また、本日、吉川芳男君が委員を辞任され、その補欠として石川弘君が選任されました。
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○委員長(寺澤芳男君) 海洋法に関する国際連合条約及び千九百八十二年十二月十日の海洋法に関する国際連合条約第十一部の実施に関する協定の締結について承認を求めるの件、領海法の一部を改正する法律案、排他的経済水域及び大陸棚に関する法律案、海上保安庁法の一部を改正する法律案、排他的経済水域における漁業等に関する主権的権利の行使等に関する法律案、海洋生物資源の保存及び管理に関する法律案、水産資源保護法の一部を改正する法律案、海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律の一部を改正する法律案、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律及び放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律の一部を改正する法律案、以上九案件を一括して議題とし、前回に引き続き質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○風間昶君 平成会の風間でございます。
 まず、今回のこの海洋法条約は、海洋全体の法的秩序の確立に資するだけではなくて、海洋国家としての我が国の国益に沿うものであるという評価の中から政府は提出されました。そういう中にあって、参議院でわざわざ特別委員会をつくって審議をしている中にありまして、総理大臣もしくは内閣の代表者である官房長官の出席を得られない形で審議に入っていくことに、まずは私どもは遺憾に思うわけでございます。
 ぜひとも、御都合をつけた中で四大臣が出席されておりますので、本特別委員会での審議の内容、そして結果を確実に総理大臣に伝えて、日本が二十一世紀に向けて海洋国家たるそのイニシアチブをとっていくべく総理にお伝えしていただきたいことをお願いして、質疑に入らせていただきます。
 まず、総理に伺うつもりでありましたことでございますが、橋本総理大臣は、五月十日の衆議院本会議におきまして、排他的経済水域について設定の一部除外を行わないというような答弁をされていらっしゃいます。今後の交渉事であります実際の排他的経済水域の適用についてはどのように考えていらっしゃるのか、外務大臣にお伺いしたいわけでございます。
○国務大臣(池田行彦君) ただいま、委員から総理の本会議における御答弁に関連しての御質問でございました。
 総理から御答弁がございましたように、今回、排他的経済水域の設定につきまして一部の水域を除外するということは行っておりません。そして、それじゃ適用はどうなのかと、こういうお話でございましたけれども、特に中国並びに韓国との漁業関係につきまして、御承知のとおり、これまでも我が国とそれぞれ漁業協定を締結してやってきております。
 今回、国連海洋法条約が締結される、こういうことを踏まえまして、沿岸国は生物資源の維持に係る適切な措置をとる、そういった条約の趣旨を十分に踏まえた新たな漁業協定が早期に締結されることになるよう、両国と鋭意協議を進めてまいりたいと考えておりまして、それぞれ既に実務者間あるいは予備的な協議というものを行っているところでございます、
○風間昶君 そこで、今、外務大臣もおっしゃいましたが、特に韓国、中国との新たな漁業協定、この新漁業協定締結の際の指針はいかなるものかまずお伺いしたいと思いますし、現状の追認であれば漁業者は納得できないと思うんです。特に韓国の違法操業については、TACの管理が沿岸国の義務であることから、我が国が国際的な責務を果たせなくなるおそれもあり、そういう意味で中身の上で明確に二国間ルールをつくる必要があるというふうに思いますが、外務大臣の決意を伺いたいと思います。
○国務大臣(池田行彦君) 先ほどの御答弁の中でも申し上げましたように、今回の条約は、生物資源の維持ということにつきまして沿岸国が適切な措置をとる、こういうことをその目的といいますか、いわゆる趣旨にしておるわけでございます。このことを十分踏まえまして両国とのこれからの協議に当たってまいりたいと考えておる次第でございます。
 また、違法操業の点につきましては、これは当然のことながらそういうことが起こらないように厳正に我が国として対応するのは当然でございますし、新しい協定ができる前におきましても、今日の協定に基づいて厳正な取り締まりといいましょうか、操業が行われるように求めてまいりたい、こう考えております。
○風間昶君 外務大臣、今私はさらにもうちょっと中身の上で明確な二国間ルールをつくる必要があるというふうに主張させていただいたわけです。ですから、一般論とか総論の形ではなくて、もう少し具体的に御答弁いただきたいと思います。
○国務大臣(池田行彦君) これからそれぞれ協議を進めていくわけでございますので、まだどういうふうな内容のものになるかわかりません。
 しかしながら、先ほども申しましたように、条約の趣旨が生物資源の維持について沿岸国として適切な措置をとっていく、こういうことであるわけでございますから、それを十分に踏まえながら両国と交渉してまいりたい、こう考えている次第でございます。
○風間昶君 交渉事でございますから、つまびらかにできない部分は多々あるかと思います。
 それでは、同じく総理に伺いたいことなんですけれども、五月十日の衆議院本会議のやりとりによりますと、自民党の鈴木議員の質問の中で主張されていらっしゃることでございますけれども、日韓間には領土問題があるためこれを切り離して協議入りするということであります。答弁で、総理は、日中間には領土問題はなく、尖閣諸島については日本の領土であると、こういうふうにおっしゃって、そういう前提で排他的経済水域の線引きを決めるという方針のようでございます。だとすれば日中間の協議がまだなお私どもの目から見るとおくれているような感が否めないわけですけれども、おくれているのは一体なぜなのかということが一点。
 特に、日中、日韓というふうに、こちら側のサイドで言うとそうでありますけれども、むしろ韓国と中国の二国間の協定は、把握している限りどんなような状況なのか。それを知って初めて日中、日韓との協定締結交渉に向けて、ある程度探り合いになるかもしれないけれども、こちらも動きがとれるのではないかというふうに思われますので、この点。
 日中間の協議がおくれているのは一体なぜなのか、どういうふうにとらえていらっしゃるのか。それからもう一点は、韓国と中国の間の協議が、把握している限りどのような状況になっているのかお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(池田行彦君) まず、日中間の協議でございますけれども、これは実は四月九日並びに十日に非公式ではございますけれども両者で協議を行いました。そして、現在、次回の協議について日にちを決めるように外交ルートでいろいろ連絡をとっているところでございます。ただ、中国の方は五月十五日に全人代の常務委員会で海洋法条約を批准することを決定しまして、現在国内の関連法の整備というようなことをやっておる、こういうふうに承知しています、そういったことも踏まえながら、これから次なる交渉の日程を詰めていきたい、こう考えているところでございます。これが日中間でございます。
 それからまた、お話がございました中国と韓国の間はどうかという点でございますが、御承知のとおり、これは一九九二年に中国と韓国の間で国交の正常化ということがあったわけでございます。従来、重要問題につきまして両国間で協議が行われておりますけれども、いまだ領有協定を締結するに至っていない、こういうふうに承知しております。そしてまた、今回、両国とも国連海洋法条約を批准、締結ということになるわけでございますので、そういった新たな事態も踏まえながら中韓間の協議が引き続き行われるものと承知しております。
 我々としても、そういったことで、おっしゃるとおり、中国と我が方あるいは我が方と韓国との交渉に際しても、どういうふうに中韓間がいっているか当然大きな関心を持っているところでございますので、今後とも注視してまいりたい、こう考える次第でございます。
○風間昶君 失礼ですが、その程度の状況把握なんでございましょうか。
○国務大臣(池田行彦君) いろいろ先ほど申しましたように、例えば中国における全人代でのいろんな動きあるいは韓国における条約の締結に関連しての動き、そのあたりについては承知しておりますけれども、中国と韓国の間の交渉の中身につきましては、これは他国の間の交渉事でもあり、私どもも関心は有し、そして注視はいたしておりますが、どこまで我が国としてそういった問題に言及するのが適切かということはいろいろ考えさせていただきたいという点を御理解ちょうだいできればと思います。
○風間昶君 わかりました。引き続き精力的な協議を進めていただくことを祈念するわけでございます。
 二国間協定が成立したことを前提での質問ですから、ちょっとそういう意味では推測の段階なんですけれども、もし成立した場合に、我が国がTACの管理について負う国際的責務というのは大変重要で、まさに所管は農水大臣でありましょうが、現実に今までも行われているあるいは今後も起こり得るであろう違法操業について、それを取り締まっていらっしゃるのは実際には海上保安庁さんでありますね。
 したがって、所管は農水大臣であろうが、現実的には海保の皆さん方がやっているということを考えますと、まさにこの両省庁間の連携をどうやって緊密につけていくのかということが大変決定的な重要な因子になるんではないかと思うわけです。
 一つは、どんな体制で臨むのかということを海上保安庁の方にお伺いしたいのと、今まであったかどうかは定かではございませんが、今後農水と海保の間で、例えば連絡会議などの設置は考えていらっしゃると思いますけれども、具体的にどういうふうに進められようとしているのか、この二点について伺いたいと思うんです。
○政府委員(秦野裕君) 従来から違法操業の取り締まりにつきましては、私どもと農林水産省との間におきまして、中央レベルあるいは地方レベルにおいてそれぞれ密接に連絡をとっております。また、現場におきましても、私どもの巡視船艇と監視取締艇との間で連絡をとりつつやっておるというのがこれまでの実績でございます。−今後、排他的経済水域が設定されまして、新たな漁業規制の展開ということが当然想定されるわけでございますので、これに合わせまして従来以上に緊密な連携を保っていく必要があるというふうに考えております。その際、事実上これまでも連絡会議のようなことになっておるわけでございますけれども、そうした連絡会議の設定につきましても、農水省の方と十分協議をして進めてまいりたいというふうに考えております。
○風間昶君 具体的に、もう少し連絡会議等の設置の中身を農水の水産庁の方からお答えいただきたいと思います。
○政府委員(東久雄君) ただいま海上保安庁の方からお話しのとおりでございますが、それこそ最前線で取り締まり管理をやっておりますので、船同士の間での連絡も非常に緊密にやっております。しかし、船同士というのは最先端でそういう形をとっておるだけに、中央といいますか東京の方でも、また地方の海上保安庁のそれぞれの部署とも連絡を本当に密接にやっております。そういう非常に突発的な形での連絡というものも必要でございますが、先ほど海上保安庁長官の方からお話のございましたとおり、連絡協議の場というものをきちっとした形でやっていくということについて相談をさせていただきたいと思います。
○風間昶君 わかりました。
 次に、大陸棚に関することでお聞きしたいと思いますけれども、本法案の大陸棚の定義によりますと、排他的経済水域の直下の範囲を超えて大陸棚が認められる場合もあるというふうになっていますが、我が国において日本海はあれでしょうけれども、殊に太平洋側は具体的にどんな箇所があるのか、まず一つ教えていただきたいと思います。
○政府委員(西田芳弘君) 国連海洋法条約のもとでの大陸棚につきましては、その定義が条約の七十六条にございます。今御指摘がありましたとおり、基線から二百海里までは海底の地形のいかんにかかわりなく沿岸国の大陸棚であるとされるとともに、二百海里を超えて大陸縁辺部が延びている場合には大陸棚の範囲は条約に定める一定限度まで主張できるということになっております。
 我が国の大陸棚についてのお尋ねでございますけれども、国連海洋法条約の規定に照らしまして、我が国の大陸棚が二百海里を超えて延びている可能性につきましては、現在入念な海底調査が行われているというふうに承知しております。
○風間昶君 具体的にそのような箇所はあるのかと伺っているんですが、全然把握されていないということですか。
○政府委員(西田芳弘君) 太平洋側にこのような二百海里を超えて延びている大陸棚がある可能性がございます。ただ、これは十分な調査をする必要がある事柄でございますので、現在そのための作業が鋭意行われているところでございます。
○風間昶君 それでは、それは調査結果を待たなきゃならないということでございましょうから、じゃ日本海側でのことになりますが、日韓、日中、もう一つはロシアとの間でも日本海側での大陸棚の線引きが必要になるというふうに考えられるわけでありますけれども、その際、法案上大陸棚については排他的経済水域の線とは無関係に二国間協定により決定すべきものなのかどうか、一つ伺いたいと思います。
 もう一つは、実際に韓国、中国、ロシアはそれぞれ我が方に対して、日本海、東海、黄海の大陸棚の境界線についてどういう主張をしているのか、これもつかんでいる限りで結構でございます。そして、それを踏まえて日本はどういうふうに対応しようとしているのか、三つお答えいただければありがたいと思いますが。
○政府委員(加藤良三君) 日中間の大陸棚に関しましては中国側はいわゆる自然延長論を展開しておりまして、日中間の大陸棚については、沖縄の舟状海盆まで中国が主権的権利を有するということを述べながら、衡平原則と呼ばれるものによって友好的な話し合いで解決する用意があるというふうに述べておる次第でございます。
 日韓両国に隣接する大陸棚の北部に関しましては、一九七八年に発効いたしました日韓大陸棚北部境界画定協定によりまして、原則として日韓中間線により境界画定を行った経緯がございます。他方、南部につきましては、同年に発効いたしました日韓大陸棚南部共同開発協定が作成される過程において、韓国側は、いわゆる自然延長論に基づく主張、すなわち沖縄諸島の北側の海溝の韓国側寄りの区域は朝鮮半島の自然の延長として韓国に帰属する大陸棚であるという趣旨の主張でございますが、これを行った経緯がございます。
 ロシアは、他国との大陸棚の境界画定については国際法に基づいて行うこととしているというふうに承知いたしておる次第でございます。
 これらの主張に対して我が国は、中韓ロ三国にどのように対応していくのかということでございますけれども、国連海洋法条約締結に伴う諸問題について交渉を行います場合には、一般論として、今後話し合いによって双方が受け入れ可能な解決策を模索していくという考え方でございます。
 国連海洋法条約は、大陸棚の境界画定について、衡平な解決を達成するために国際法に基づいて相手国との合意によって行うというふうに定めております。このような国連海洋法条約の規定を踏まえながら、必要に応じて交渉を行ってまいりたいと我々としては考えております。
 具体的な対処方針については、相手のあることでもございまして、今の段階でこれ以上の詳細について申し上げることは差し控えさせていただきたいと思います。
 中国との間では、我が国としては、日中間の大陸棚のように相対する国の間における大陸棚の境界画定は中間線原則によるべきであると考えております。現在御審議いただいている排他的経済水域及び大陸棚に関する法律案においても、このような我が国の主張を反映して、相対国との距離が四百海里未満である海域においては、相対国との間で合意した中間線にかわる特段の線というものがない限り、中間線までが我が国が沿岸国の権利を行使する大陸棚であるということが明記されておるところでございます。
 日中間の大陸棚の境界画定につきましては、中国が既に国連海洋法条約締結の国内手続を了しつつあるわけでございまして、また我が国も国会の御承認が得られれば同条約を締結するという状況を踏まえまして、日中関係などを総合的に判断しながら適切に対処していくということにいたしたいと考えておりますが、いずれにいたしましても、中間線原則を基本としながら日中間の話し合いによって行っていくべきものと考えております。
○風間昶君 今、日中間の部分については相当詳しくあれしましたが、韓国については差し控えたいということでございますが、どのぐらいになったらある程度のものが見えてくるんですか。
○政府委員(加藤良三君) 韓国との間では、先ほど大臣の御答弁にもございましたように、五月の九日、十日に実務者の協議が行われておりますが、これは漁業に関するものでございます。
 私どもは、韓国との間でこれから経済水域に関する協議等も鋭意進めたいと思っているわけでございますけれども、今まさに韓国との間の海洋法条約締結に伴う諸般の協議というものはまだ入り口に立ったところでございまして、私どもはなるべく早くこの協議を進捗させたいと念願しておるところでございますし、またその努力もいたしたいと考えておりますが、明確な見通しは現在立てにくい状況にございます。
○風間昶君 アプローチされていらっしゃるんですか。その用意があるということですか。
○政府委員(加藤良三君) 日韓間の排他的経済水域の境界画定に関しましては、四月三十日に行われた日韓の外相会談で、早期に排他的経済水域の境界画定交渉を開始すべきであって、その取り進め方について実務者間で意見交換を行うことでまず意見が一致したという経緯がございまして、この意見交換を踏まえて早期に交渉を開始したいというふうに考えておる次第でございます。
 この交渉が開始された場合における対処方針については、現時点でそれを申し上げることができない状況にあるわけでございますけれども、できるだけ円滑にこの協議を進めたいというふうに考えているところでございます。
 そういうわけで、何と申しますか、アプローチと委員がおっしゃられたものについては、今申し上げましたような形で既になされておるわけでございます。
○風間昶君 それではロシアとの関係で、この法案成立は、今、日ロ間の日ソ地先沖合漁業協定がございますね、これに影響を与えるものではないというふうに考えられますけれども、その場合、その地先沖合漁業協定とTACとの関係はどうなるのか、一つは伺いたい。
 要するに、ロシア船に対してはTACとは関係なく別枠で漁獲量を割り当てることになるのかどうかが一番知りたいところであります。明快な答えをお願いしたいんです。
○政府委員(東久雄君) 先生御承知のとおり、日ソ、現在はロシアに引き継がれておりますが、日ソ地先沖合漁業協定でお互いの漁業水域内での漁獲量を交渉で決めております。
 現在の日本の法的な根拠としては漁業の水域法でやっておりまして、今度のいわゆる漁業主権法第六条の中にはぼ同じ条項を持っておりますが、その第三項のところにTACがあるものについてはそれを基礎としてやるということになっておりまして、TACというものの中にロシアヘの割り当てが当然入ります。
 ただ、ロシアとの交渉で一番大きなところは、外国周辺水域における我が国の漁業の状況を勘案しているというところでございます。要するに、日本側から向こうへ入っている漁船の漁獲というものを頭に置いて交渉している。
 いずれにしましても交渉事項でございますが、TACの中の数字になるということでございます。
○風間昶君 すべてがTACの中にということですか。
○政府委員(東久雄君) TACの対象魚種についてそうなります。したがいまして、それを推定して入れ込むということになります。
○風間昶君 次に、海洋生物資源の保存管理法案について、今TACの話になりましたので、TACを定める前提として海洋生物資源の科学的調査方法が当然確立されていなければならないというふうに思うわけです。特に、都道府県計画をつくる際に、調査方法の基準がばらばらだと当然のことながらTAC管理に支障を来すことになりますね。
 そういう意味では、きのうお聞きした感じでは、国が一元的に研究機関に委託して調査方法を決めているということだから、調査方法の基準はばらばらにならないという農水省の方の御返事でございましたけれども、今現在最もいいと言われている調査方法にしたって、当然、生物資源は自律的に再生産が行われるわけですから、そういう意味では生物資源は変動するわけですね。そうしますと、今考えられている調査方法がいいと思っていたって、二年たったらこれはそうでなくなる可能性もあると私は予測できるんです。そうすると、その科学的調査方法について一定の基準を設けるのもこれは非常に無理な話なのではないかと思うんです。
 いずれにしても、現時点で本当に一定の科学的調査方法の基準というのがいいかどうかを評価するのはだれが評価しているのかということもあると思いますので、この点についてどうですか。
○政府委員(東久雄君) まず一つは、TACそのものがもちろん資源の科学的データを基礎として、それが一つの基礎になるわけでございます。さらに現在の漁業との関係で、社会的、経済的な要因というものも勘案して決めざるを得ないということでございますが、まずその科学的基礎データの問題でございます。
 従来、水産に関する資源論というのは相当長い研究の成果がございまして、我が国においてもある程度その方法論というのは確立されております。
 例えば、いろんな調査がございまして、漁場別の漁獲調査でございますとか年齢別の漁獲状況調査でございますとか、それから卵だとか稚仔、要するに稚魚の調査でございますとか生物測定調査というようなもの、それから魚群の分布調査、これはいわゆる魚群探知機でずっと調査をするようなもの、それから新規の加入、要するに新しい資源が加入する状況、こういう調査を基礎にして一つの分析方法というのが確立されております。問題は、それだけの調査を長年積み重ねていなければなかなかそこは難しいわけでございまして、その調査をどれだけ積み重ねているかというところがポイントでございます。
 それで、ちょっと余分になりますが、幾つかの漁業種類についてTACを設けるというのは資源調査のデータが十分そろっているものということで選んでおる次第でございまして、資源論的にそういうものが大体ここまでは利用できるというデータが出てくるわけでございます。
○風間昶君 今度はTACの数量決定のやり方について、農水大臣が国全体の数量を都道府県に割り当てるというやり方は、ある意味では牛乳の生産枠を割り当てるやり方に似ていると思いますけれども、その枠について都道府県間で任意に融通し合ったり、あるいは船舶間で融通し合ったりという事態がもしあった場合には、特に県間で対立したような状況が起こり得る話ですから、そのときの調整のルールを含めてどういう方針で臨むのかが一つ。特に、割り当ての枠そのものが価値を帯びて、いわば商取引されるような事態も想定されるわけでありますけれども、ここのところはどうですか。
○政府委員(東久雄君) まず、TACの数量でございますが、これは上限という形で定まります。したがいまして、全部それをとり切らないといけないというものではございませんし、上限に達したときにストップするという形で運営していくわけで、またその上限に達しないように漁獲努力量を調整していく、ないしはその過程でいろいろな調整をやっていくという形になります。したがいまして、その数量が一つの権利となるようなものではないと思っております。それを決定する過程で、十分都道府県との意見調整をやり、現在の漁獲というようなものを一つの大きなポイントとしながらやっていかざるを得ないんだろうと思いますが、都道府県とよく話し合う。それからまた、国の段階でもよくその状況を見ておりまして、余りにも上限との間に幅が出ておるような県があって、方や上限に非常に近づいている、これはやはり調整をした方がいいというような考え方に立った場合には国の段階で計画変更という形で調整をしていくつもりでございます。これは権利化するというような性格のものでもなく、売買ないしは直接取引で移動させるということを認めるものでもないということで御理解をいただきたいと思います。
 また、漁業者間の問題でございますが、これは漁船ごとの割り当てができるという制度はとっておりますが、当面は現実問題として漁船間のそういう割り当てができる雰囲気というのは少し時間がかかるだろう。協定制度のもとである程度の雰囲気が出てきたところでそれがやれるようになるだろうというふうに考えておるわけでございますが、それにつきましても同じ性格でございますので、今のところ私どもはそれを取引の対象にするというようなことはやらせない。むしろ、それを割り当て変更という形で国の段階で調整していくというふうな形でやっていきたいと思っております。
○風間昶君 水産庁長官にお伺いしますけれども、いわゆる選挙と同じく全国区の魚と地方区の魚がいるわけですよ。県を越えてまたがっていく魚については国である程度基準をつくって管理できるわけです。例えば北海道で言いますと太平洋岸の日高周辺にいるシシャモあるいはハタハタよりも、むしろムツゴロウとか固有種に近いものは一府県の管理になると思うわけであります。それでも北海道以外のことを考えますと数県にまたがって、ハタハタとかムツゴロウなんかの場合、関係する府県間の連携が大事だと思うんです。ブロック型のこういう県間にまたがる回遊資源といいましょうか、その管理で県間対立した場合の調整の国の対応というのは物すごく大事になると思うんです。端的に言って、そうなった場合どうしますか。
○政府委員(東久雄君) まず、今回の制度の中で、ちょっと法的な名前で申しわけないんですが、特定海洋生物資源というのが先生が今おっしゃった全国区のような形で、要するに国が管理するものでございますが、そのほかに、この法律の五条のところで指定海洋生物資源という、これは今の地方区に属する魚の管理の方法というのを別途都道府県ができるような形をとっております。北海道のシシャモなどはその一つの典型だと思います。
 ただ、それが隣県と重なるとき、そのときの問題がございますので、これは承認にかけておりまして、もし必要があれば国はその調整といいますか、両県間で同じような管理をするのか、片っ方の県だけでいいのか。これは、例えば分布は両県にまたがっていても余り移動がないという資源もございます。そういうものについては、ある程度片っ方の県がやって片っ方がやらないということもあり得るわけでございまして、承認という形をとって、それを調整するという形をとっていきたいというふうに思っております。
○風間昶君 ですから、対立した場合に、端的に言って国はどういう調整をするんですかと聞いているんですよ。
○政府委員(東久雄君) この資源というものは、漁業調整という形で時々過去においても対立の問題がございました。その調整の問題として、やはりこれは話し合いを基礎にして両者間の円満な解決ということを我々は求めざるを得ないというふうに思います。
 対立を裁定するというのは、それは最後の手段としてはあり得ますけれども、これは大変両者間で危険な状態になる可能性がございますので、そこは地道な話し合いで片をつけていくという方向をとらざるを得ないと思っています。
○風間昶君 わかりました。
 今度は漁業団体から沖合底びきの許可権限を大臣から都道府県に移譲してくれという要望が相当来ているわけですけれども、これはもし都道府県の計画がきちんと整備されたらすぐやるべきだと思うんですが、どうですか。
○政府委員(東久雄君) 沖合底びき網漁業につきましては、やはり複数の都道府県にまたがって設定されている漁場と操業区域になっておるのが現状でございまして、なかなかそれは一部の都道府県で、北海道というのは相当広い地域がございますが、北海道といえども東北地方と操業区域はまたがっておるわけでございます。そういう意味で、やはり大臣が直接許可をしてやっていく必要がある漁業種類だというふうに私どもは考えております。
○風間昶君 沖合底びき網の漁というのは、平成四年にモデル事業がスタートしましたね。それでことしの三月で終わりました。恐らくその結果が、解析が出ると思うんですけれども、北海道四海域での操業パターンモデルが示されることになっているというふうに聞いていますが、来年沖合底びき許可の一斉更新をやりますね。
 これも団体からの要望なんですけれども、沖底の禁止ラインについても沿岸と沖合のエリア間の対立があって、ラインの移動についても要望が寄せられているわけです。これも個々に判断するかとは思いますが、しかし基本的に水産庁の方針がきちっとないからこそいろんなことが起こっているんじゃないかというふうに思いますので、改めて水産庁の方針を伺いたいんです。
○政府委員(東久雄君) 非常に古い昔からの対立関係というのは、沿岸とそれから沖合の底びき漁業との間、これは機船で底を引くものですから、沿岸との間というのはもうずっと漁業調整の大きな問題として各地に発生しておりました。これは沿岸の方もいろんな漁獲技術の進歩で沖へ出てくるというようなものがございまして、大変難しい調整でございますが、我々地道な調整を今まで積み重ねてきていると思うわけでございます。
 そういう意味で、やはりこれは本当に不満を残した調整というのは大変、危険という言葉がいいのかどうかわかりませんが、適切ではないものでございますから、十分な関係者の話し合いの上で調整をしていかざるを得ないというふうに私どもは思っております。
 個々の具体的な地域地域につきましては、それはまたその地域地域の実情によってやっていかざるを得ないというふうなものであると考えております。
○風間昶君 全体の、今度は沖合、沿岸含めての漁家の話ですけれども、日本の漁家の持っている潜在漁獲能力というのはまさにTACを大きく上回っていることはもう明らかだと私は認識しているわけです。やはりこのTAC法案をきちっと成立させていくということの観点でいうと、漁獲能力についてはやや縮小均衡を目標にして、百人の漁家が困ったとしても日本の漁業を守り、維持していくためには、徐々に整理していくのはやむを得ないというふうに私は考えるんですけれども、そのことについてはどうなのか。
 もう一点。一方では必要以上にいろんな補助金で網を改良したり機械を改良したりということで、補助金行政の中で必要以上に捕獲能力が整備されちゃった。経営としては漁家は非常に苦しい。一方で今回のようにTAC法案をつくって漁獲能力を縮小する、他方で補助金行政をやっていく、まさにこれは整合性がないんではないかと思うんです。後半の部分についての答弁をきちっとしていただきたいと思いますけれども、一言伺いたいと思います。
○政府委員(東久雄君) 先生御承知のとおり、漁獲能力は恐らぐ、これは漁獲可能量と言っていいのかどうか、TACそのものは社会的、経済的な要因を含めて決めますから、そういう意味では要するに資源との関係で最大資源利用量と言った方がいいかもしれません。それとの間には多少のギャップがあるだろうと。多少というか、先生も大きいとおっしゃいました。ただいま現在、その最大漁獲可能量を超えて我が国は漁獲している状態でございまして、現在の能力の中でやっておるために相当むだな部分があるということは事実でございます。それが経営を圧迫しているというのは現状だと思います。
 したがいまして、我々は、そこを調整していくということが大事なことだ、いわゆる漁業の構造改善という方向をとっていかなければならぬというふうに思うわけでございますが、これは今現在、そういう形で漁業が行われているだけに無理なくこれをやっていかなければならない。やはりTACの決め方そのものにもそういう意味での社会的、経済的要因を入れながら徐々に、特に協定制度というようなものを活用しながら無理なくやっていくということが必要だというふうに考えております。
 それから第二点の問題でございますが、漁獲努力量をふやす、そういう結果になっている部分がございますが、基本的には省エネルギーでございますとか省力化というような方向での漁獲能力の研究開発というものを補助の対象としてきておることが中心でございまして、やはり経営問題に着目した場合に、そういうふうな方向をとっていくという経営の観点からの要請もあることを御理解いただいておきたいと思います。
○風間昶君 だから、理解するんだけれども、整合性がないんじゃないですかと、大きく見た場合に。一方ではどんどんお金をやって、そして支えておきながら、一方では今度はきちっと資源を守るという観点から漁獲量を少なくさせるということなんですから。
○政府委員(東久雄君) 構造政策という形で進めていくときに、やはり生産性向上の方向と軌を一にして経営改善をしていく。その場合に、先生御指摘のとおり、一部の漁業者の引退というような形もあり得るわけでございますが、そのときに世界に伍して漁業をやっていくためには、ある意味では漁獲能力は、漁獲の技術の点では日本は最先端を行っていると思いますが、そういう技術をできるだけ高めていきながら、やはり難しいことではありますがその両者をやっていかざるを得ないという点があるのではないかと考えております。
○風間昶君 次に、TACで規制される魚種について伺ったので、特定魚種について伺いたいと思います。
 これは外務省管轄になるのかもしれませんが、いわゆるカツオやマグロ、カジキなどの高度回遊性魚種、沿岸国と漁業実績国が直接または適切な国際機関を通じて協力、特にマグロはそうですね、協力することになっており、なおかつそのための国際機関もあるわけであります。おのおのの魚種について、特に我が国周辺の部分とマグロと分けて考えたいと思いますけれども、日本と協議をするべき国がどんな基本的スタンスをとっているのかということが一つ。
 それからもう一つは、その関係国が多数にわたったときには、適切な国際機関はマグロではあるにしても北太平洋ではどうなのか。これはつくるべきだと思うんですけれども、この二点。外務省も関連していると思うんですが、どうなんですか。
○政府委員(野上義二君) 今、先生御指摘の高度回遊性の種、マグロを御指摘でございますけれども、一般に広く海洋を回遊しているということから、回遊域全体にわたって統一的かつ科学的な保存及び管理のための措置をとることが最も妥当だということで、こういった点につきましては、国連海洋法条約はかかる観点から、関係国が排他的経済水域の内外を問わず高度回遊性の「種の保存を確保しかつ最適利用の目的を促進するため、直接に又は適当な国際機関を通じて協力する。」、六十四条でございますけれども定めており、これは既に沿岸国及び漁業国に受け入れられた考え方であると考えております。
 それから北太平洋でございますけれども、今御指摘のように、いわゆる国際的な管理機構は存在しておりません。現在、大西洋ないしはみなみまぐろないしは全米熱帯まぐろ、それから今国会にお諮りしておりましたインド洋、こういったところについては機関をつくっておりますけれども、太平洋についてはいまだにそういったものができる状況にはございません。
○風間昶君 だからつくるべきだと思うんだけれども、その中で日本としてどういうふうなスタンスでいるのかということですよ。
○政府委員(東久雄君) 北太平洋の特に我々はマグロの資源について非常に心配をしております。心配というか、資源的にはまだ十分だと思うのでございますけれども、韓国はそうでもないですが、最近では中国それから台湾船の今の操業の状況を見ておりますと、大変その辺の問題があるということで、太平洋並びに中西部太平洋、これはちょうどフィリピンの東海域から南のところあたりでございますが、この両方の地域にぜひそういう国際的なマグロの管理機構というものを設けていきたいというふうな感じを持っております。
 主要国は割合にそこのところは必要性を認めてきてくれておりまして、私の方で五月にアメリカとも相談をいたしまして北太平洋の科学者の会議をやりました。さらに六月に中西部の科学者の会議をやりました。まず資源の状況から話し合うというところから入りましたけれども、我々がやはりリーダーシップをとって何らかの国際的な管理機構へ持っていきたいというふうに考えております。
 まだちょっとそういう意味で機構というところに成熟し切っておりませんので、ちょっと外務省の方とは十分話し合っておりませんということでございます。
○風間昶君 今度の六月二十四日からイギリスで開かれる予定の一WC総会について伺いたいと思いますけれども、アメリカ側がマカインディアンのためのコククジラ五頭の捕獲を要求するらしいですけれども、だとすれば、旧来から日本が要求している沿岸のミンク五十頭についても私は認めるべきだと思うんですね。
 そこで、お聞きしましたところ今度のイギリスのIWC総会には大臣はおいでにならないということを伺っています。経済局の漁業室長さんがトップで行かれるということでありますけれども、これは昨年賛成に回ったドイツ、スウェーデン、スイス、デンマークヘのアプローチが物すごい大事なことになるだろうと、総会に出席していく上で。もう一つは、反捕鯨国に対する我が国の捕鯨の理解をどうやって求めていくのかということが大事になると思うんですけれども、そういう意味で、IWC総会での日本の出席する方針、これを一つ伺いたい。
 もう一つは、これは一WC総会だけじゃなくて、今後もこのサンクチュアリーに見られるように科学的な調査すら受け入れられないという国があって、したがって捕獲頭数すらも算出できないと。極めて感情的な対立が続いているわけですね。この状況を打開するための方策ありやなしやということを伺いたいと思います。
○政府委員(野上義二君) 捕鯨に関します国際情勢は依然として厳しいものがあると認識しております。特に、反捕鯨国が多数を占める国際捕鯨委員会においては、我が国の主張が認められることは必ずしも容易ではございませんけれども……
○風間昶君 現状認識はわかっているんだから。
○政府委員(野上義二君) 鯨も海洋生物資源の一つとして適切な保存を図りつつ合理的に利用されてしかるべきだという基本方針を粘り強く説明していくということでございます。
○政府委員(東久雄君) 先生御指摘のとおり、IWCの加盟国に理解を求めることが大変重要だという観点から、四月、五月にかけまして、六月の総会へ向けて私の方から、各大使館の大使にも御支援をいただきながら、島IWCコミッショナーを中心に二十数カ国にわたって行脚といいますか、説明をいたしました。やはり向こうの一WCへ出てくるコミッショナーというよりも、さらに上の政治的レベルにアプローチしなければならぬという理解のもとから、既にそういうふうな活動をして一WCの総会へ向かっております。
 今の情勢分析は、これは必ずしもここで申し上げるのはどうかと思いますが、そういい状況ではないと。ただ、一部の国において理解が深まりつつあるという情報も得ておりますが、いい状況で迎えられるとは思いません。私ども、やはりサンクチュアリーの問題でございますとかそれから調査捕鯨の問題でございますとか、こういうところは、先ほど野上経済局長からお答えしましたとおり、粘り強くやはりここで我が国の主張をやっていかなければならないというふうに考えておる次第でございます。
○風間昶君 昨日の参考人質疑の中でも参考人がまさにおっしゃっていました、日本の科学委員会での評価は大変なものだ、しかし一WC総会での日本の立場はさんざんだるものがある、科学委員会での評価をどう一WC総会につなげていくのかがキーになるだろう、政府に要望したいということがあればまさにそこだというふうにきのうおっしゃっていた参考人がいらっしゃいます。
 実は、鯨を食べたいんですよ、私も個人的には。大臣も恐らくそうだと思うんです。そうかどうかはわからないような農水大臣は顔をしていますけれども。食べたいという要求に大臣もプッシュしていかなきゃだめだというふうに私は思いますのでぜひよろしくお願いしまして、私の質問を終わらせていただきます。
○高野博師君 平成会の高野でございます。
 海洋法関係の質問の前に、二、三お伺いいたします。
 奥野元文部大臣が、従軍慰安婦は募集されて参加した商行為で、強制ではなかったという発言をされました。きのうの五日、韓国のマスコミ等で一斉に提言と批判されている。また、ソウルの日本大使館前でデモがあって、従軍慰安婦たちの人権を踏みにじる反人類的発言だとの声明を発表し、それから、ワールドカップの共催を成功させるには国際法に基づぐ謝罪と補償が行われなければならないという批判もありました。奥野氏自身も、こんなことで騒いでいるうちはワールドカップの共催は必要ないとまで発言されております。
 そこで、総理にお伺いするということで準備をしてきたんですが、総理がいらっしゃいません。
 総理はきのうの新聞記者の要求に対しまして、話が大きくなるということでコメントを拒否されたそうでありますが、重大な問題でありますので、せっかく四大臣がいらっしゃっていますので一言ずつコメントをお願いいたします。
○国務大臣(池田行彦君) 奥野議員の発言については、報道では承知しておりますがそれ以上のことは承知しておりません。
 いずれにいたしましても、いわゆる従軍慰安婦問題につきましては、政府といたしましては、誠実に調査を行いまして、平成五年の官房長官談話におきましていろんなことを明らかにしております。すなわち、「慰安婦の募集については、軍の要請を受けた業者が主としてこれに当たったが、その場合も、甘言、強圧による等、本人たちの意思に反して集められた事例が数多くあり、更に、官憲等が直接これに加担したこともあった」、こういうふうに官房長官談話で明らかにしておりまして、政府として、従軍慰安婦としてあまたの苦痛を経験された方々に心からのおわびと反省の気持ちを表明してきているところでございます。
○国務大臣(亀井善之君) 今、外務大臣からお答えをされたような気持ちでおるような次第でございます。
○国務大臣(大原一三君) 奥野先生がどういう発言をされたか、私つまびらかにしておりません。今、外務大臣がおっしゃったとおりだと思うんです。
○国務大臣(中川秀直君) 政府の一員として、官房長官談話で明らかにした政府見解、今、外務大臣からお話がございましたが、その見解を支持しております。
○高野博師君 それでは、日韓関係の中で竹島問題について、これまで何度も取り上げられていますので簡単に触れたいと思うんですが、日韓双方とも固有の領土であるという主張をしている。我が国の韓国に対して行っている抗議は、韓国による領有を中断させる上で決して十分ではないと私は思っております。また、この竹島問題を棚上げすべきではない、棚上げすれば韓国側が埠頭建設等によって行っている実効支配を追認しかねない、そしてまた北方領土とか尖閣諸島問題にも影響を与えるというふうに思っております。
 何回も政府の答弁を聞いておりますが、念のためお伺いいたします。どのようにとらえておられるか。
○国務大臣(池田行彦君) 委員御指摘のとおり、韓国との関係におきましては、三月二日に日韓の首脳会談が行われまして、そこで橋本総理の方から竹島問題につきましての日本の立場は一貫しているということを明確にした上で、国連海洋法条約の批准に伴い生じ得るいろいろな問題につきましては、竹島の領有権に係る問題とは切り離しながら協議していく、こういうことで合意したところでございます。
 切り離すと申しますのは、一方において竹島問題については今後とも平和的解決を図るために外交的努力を重ねていく、そして他方において、排他的経済水域の境界画定につきましては、韓国との協議によりまして海洋法条約の趣旨を踏まえながら双方にとって受け入れ可能な合意を達成したい、そのために鋭意努力していくということでございまして、決して棚上げ、放置しつ放しにする、そういうことではございません。
○高野博師君 それでは、尖閣諸島問題についてお伺いいたします。
 この諸島の領有権に関しては、政府は我が国の固有の領土だと、いかなる国とも話し合うつもりはないとの立場をとっておられます。実効的支配を行っている。一方、中国は一九九二年に尖閣諸島は中国領であると明記した領海接続水域法を制定した。
 それで、まず尖閣諸島の我が方の実効的支配の中身は具体的にはいかなる形で支配を行っているのか、お伺いいたします。
○政府委員(加藤良三君) 我が国政府は尖閣諸島において領域の表示、それから地籍表示、標柱を建柱したほかに、学術調査とか測量とかを実施してまいっております。こういうことから、我が国が実効支配をしていることは明らかであるというふうに考えております。
 なお、領域表示板ということにつきましては、昭和四十五年、琉球政府が魚釣島にニカ所、北小島ニカ所、南小島、久場島、大正島に建立しております用地籍表示の標柱は昭和四十四年に石垣市が今私が申し上げました五つの島に建立しております。
○高野博師君 実効的支配という観点から、それで十分だとお考えでしょうか。
○政府委員(加藤良三君) 実効的支配というものが確立するためには、国家活動が平穏かつ継続的に行われることが必要であるという要件がございますが、歴史的に見ましても、国際法的に見ましても尖閣諸島が我が国固有の領土であることは間違いないわけでございます。それに加えて、今申し上げましたような意味での措置を通じて、現に我が国が実効的にこれを支配していることは明らかだと思っております。
○高野博師君 我が方の実効的支配を確実にするという点で、もっと目に見える形で、例えば韓国が竹島に対して行っているように、港湾等の建設とかそういう措置を講ずることは考えていないんでしょうか。このままだと将来の日中交渉で我が国が不利にならないのかどうか、いかがでしょうか。
○政府委員(加藤良三君) 繰り返しになって恐縮でございますが、私どもといたしましては、まず歴史的にも国際法的にも尖閣諸島が我が国固有の領土であるということは非常に明らかである。それに加えて、我が国は今申し上げましたような措置を通じてこれを実効的に支配している。そういうことから、そもそも領有権についていずれかの国と話し合いを行うべき筋合いのものではない、また政府としてそうした話し合いを行う必要は考えないという立場をとっておるわけでございます。そういう実効的支配が明らかな状況でございますので、尖閣の実効支配の根拠としてさらに施設を建設する必要があるとは必ずしも考えておりません。
○高野博師君 ことしの二月に中国がこの尖閣諸島北東海域で石油採掘らしい活動を行った、あるいは四月には中国とフランスの海洋調査船が日中の中間線を越えて日本側の沖縄西方海域で海洋調査を行った、これに対して政府が調査目的等を問い合わせた、中国側からは回答はないという、これは報道なんですが、その後回答があったでしょうか。
○政府委員(加藤良三君) その後、特に中国側から回答はないと承知いたしております。
 ただ、いずれにいたしましても、我が方といたしましては、中国船もそうでありますが、その他の外国船も含めて、我が国の同意を得ることなく我が国の大陸棚に関する調査を行っている可能性があると認められるような場合には、外交ルートを通じた申し入れということを行うなどして適時対処してまいってきております。
○高野博師君 中国の考え方というのは、海を押さえたものが資源をとる、先に開発したものが優位を占める、そういう考え方を持っているということが言われております。
 そこで、中国側は、この海洋法条約を五月十五日に批准した。これをてこにして海洋権益の確保の姿勢を一段と鮮明にするんではないかと言われております。そのために海軍力の増強に力を入れていると、これは国家戦略だとも言われております。こういう中国の考え方あるいは動きに対して政府はどういうふうにとらえているんでしょうか。
○政府委員(加藤良三君) 御指摘のございましたような最近の中国船の活動と五月十五日の中国による国連海洋法条約批准の決定、これがいかなる関係にあるかということについて憶測を申し述べることは差し控えたいと存じます。
 しかし、我が国としては、先ほども申し上げましたように、中国船を含む外国船舶が我が国の同意を得ることなく日本の大陸棚に関する調査を行っているといったような可能性があると認められるケースには、外交ルートを通じた申し入れを行うなど対処してまいってきているところでございます。
 今後とも、我が国の大陸棚に関する権利が侵害されることのないように適切な措置を講じてまいりたいというふうに思っているわけでございます。
○高野博師君 三月二十六日付の日経新聞の論評記事で、中国が尖閣諸島あるいは南沙諸島等の掌握に熱心なのは、この地域に眠っている石油だけが目的ではない、経済的に自信をつけ始めた中国が悲願の祖国統一に動き始めたと見るべきである、すなわちかつて西欧や日本によって分断された島々等を一つ一つ拾い上げていく、そういう長期戦略を描き始めたと、こういう論評を行っております。
 中国が改革・開放路線の中で石油の消費量がふえている。九三年からは石油の輸入国になっている。あるいは人口が十二億、十三億という中で食糧増産が必要である。そういう中で、海洋食糧の確保ということが必要になってくることは自然なことだと思うんです。
 我が国は、領土問題あるいはエネルギー、食糧、環境問題等も含めて総合的な長期戦略というか国家戦略というものがないのではないか。そういう中で、果たして二十一世紀に日本は生き残れるのかというか、どうなるんだろうという、私は個人的にはそういう考えを持っておりますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(池田行彦君) 中国は非常に大きな人口を持っている。そしてまた、現在、改革・開放路線に基づきまして経済発展に努めておる、こういうことは事実でございまして、またこれからもそういう勢いが続くならば、二十一世紀のかなり早い段階において全体としての経済規模では世界一になるんじゃないかと、こういう見方も行われているところでございます。
 それに伴いまして、食糧の問題、エネルギーの問題、あるいは御指摘ございました環境の問題も含めて、いろいろ解決しなくちゃいけない課題があるというのは事実でございまして、そういった問題に対応する場合に、他の国との間でいろいろな関係が、関連する事柄が出てくるんじゃないかという論評もたくさんあるのは承知しております。
 しかし、いずれにいたしましても、我が国としましては、そのように経済発展を続けている中国との間で安定した友好的な関係を維持していく、そしてともにアジア太平洋地域の主要な国家としてこの地域、さらには世界全体の安定と発展のために協力していくという関係をいかに構築していくか、これがやはり日本外交の最重要課題の一つであろうと考えております。
 委員御指摘のような論評がたくさんあるのは承知しておりますが、それを懸念としてとらえるのではなくて、とにかくそういった懸念が現実のものにならないように、むしろ相互依存の関係、そしてお互いの協力によってその地域の発展を実現していくという好ましいサイクルをつくり上げてまいりたい、こう考える次第でございます。
○高野博師君 それでは、もう一度日韓関係に戻りまして、先般、サッカーのワールドカップの共同開催が決定されました。この決定に対して政府はどういうお考えを持っておるでしょうか、評価についてお伺いいたします。
○国務大臣(池田行彦君) このほど、アジアで初めてのワールドカップの大会が二〇〇二年に日韓共同で開催されると、こういった方針が国際サッカー連盟の理事会で決定されたところでございます。
 これから具体的な詳細の部分についてはFIFA自身において年末にかけて協議されるようでございますが、いずれにいたしましてもアジアで初めて開かれる大会でございます。この大会が成功裏に開催されて、世界のサッカーの発展あるいはスポーツを通ずる国際的な親善友好の関係が進展するということを強く期待するわけでございますし、またそのことがひいては日韓関係全般、日韓友好の推進にもつながることを期待したいと思っております。
 そして、基本はサッカーの世界が主体となって進められるところではございますけれども、やはり政府サイドで協力しなくちゃいかぬ事柄も随分ございましょうから、そういった点につきましては韓国とも協力しながら適切に進めてまいりたい、こう考えております。
○高野博師君 共同開催が決まった以上は、これを成功させるべく全力で取り組むというのは当然でありまして、難しい日韓関係の現状からして共同開催というのは一つの見識ではないかなと、前向きに歓迎するということは私も同感であります。
 ただ、先ほど私が述べました奥野氏の発言のように、こんなことで騒いでいるうちはワールドカップの共催は必要ないと、こういう発言自身はやはり日韓関係にとって好ましくない、私はそう思います。こういう発言が日韓関係に悪い影響を与える、あるいはアジア諸国から信頼を得られないということであって、私は極めて遺憾だと思います。
 これまでのワールドカップに関する経緯について、殊さらとりたてるつもりはありませんけれども、二、三ちょっと気になることがありますのでお伺いしたいと思います。
 去る五月二十八日のワールドカップ招致議員連盟の会合で、政府関係者は単独開催について、日本招致に手ごたえを感じているということを何度も繰り返して述べられまして、私も安心しておりました。結果はこういうことなんですが、その手ごたえというのは一体いかなる根拠に基づいているのか、どの程度正確な情報を持っていたのか、お伺いいたします。
○政府委員(原口幸市君) ワールドカップの日本招致活動につきましては、御承知のとおり、いろんな方々が活動、活躍されたわけでございまして、外務省も在外公館を通じまして情報収集に努める等、鋭意その支援活動を行ってきたところでございます。また、招致議員連盟の役員の方々にも、FIFA理事在住国の主要な国々を訪問の上、政府要人や理事に対して積極的な招致支援活動を展開していただいた次第でございます。
 こうした招致委員会、招致議連、政府の諸般の働きかけを通じまして、二〇〇二年ワールドカップ大会が我が国で開催されることの意義等について関係国や理事の間に相当の理解が得られたというふうに我々感じた次第でございまして、今、先生が言及された発言も、それを指して手ごたえを感じたと述べたものと考えます。
 ただ、御承知のとおり韓国も大変一生懸命な努力を行っていたことも事実でございます。先生が言及された発言者も含めまして関係者の間では、いずれもこの招致合戦というものは大変な接戦であるという認識はございまして、最後の最後まで最善の努力を尽くすべきであるという認識ではみんなが一致していた、そのように考えております。
○高野博師君 私もそういう認識をしていたんですが、この共同開催が決定した後、テレビのインタビューを見ていましたら、あるFIFAの理事が、日本の在外公館の大使からは一回電話があっただけだと、韓国からは十五回もあったと。インタビューを見まして私も驚きまして、一体これはどういうことなんだと。その理事は多少オーバーな表現をしたのかもしれません。いずれにしても、この働きかけあるいは運動について韓国と相当の差があったんではないかなという私は印象を持ちました。
 私も実際にワールドカップについては関心を持っておりまして、あえてこれまで外務委員会で三回ほど取り上げて、ぜひとも政府の側面的な協力をお願いしたいと大臣にもお願いした経緯がございます。そういう中で、このFIFAの理事のインタビューの発言を見まして、ほかの国の理事に対しても同様のアプローチしかしなかったとすれば、これだけ日本国民が大きな関心を持っている、日本招致に対する願望を持っているということに対して政府当局は真剣に受けとめていなかったんじゃないかということになるわけで、これは問題ではないか。
 というのは、これから二〇〇五年の愛知県の瀬戸市の万博あるいは二〇〇八年の大阪のオリンピック招致というような招致合戦も始まると思うわけですが、これらを踏まえて政府の見解を伺います。
○政府委員(原口幸市君) 二〇〇二年のワールドカップの日本招致活動につきましては、いろんな対応というものがあり得たと思いますが、外務省におきましても、平成七年二月二十一日の閣議了解を踏まえまして、首脳会談あるいは外務大臣の会談等における支持要請、総理親書の発出あるいは総理特使の派遣、それからFIFA理事の在住国地域において世論形成に影響力を持つ有力記者を我が国に招待するなど、積極的に支援活動を展開してきたところでございます。
 海外におきましても、FIFA理事の在住国地域を中心に、大使、総領事等から理事本人、それからサッカーの関係者、政府要人、マスコミ等に対して働きかけを行うとともに、百を超える在外公館におきまして広報及び情報収集活動を実施した次第でございます。
○高野博師君 共同開催についてはさまざま難しい点があるということはもう御承知のとおりであります。一々言及しませんが、開催まであと六年あるわけで、真剣にじっくり取り組んでもらいたいと思います。
 この開催に当たって、韓国との関係で事あるごとに竹島問題とかあるいは歴史認識とか従軍慰安婦とか、こういう問題を突きつけられて日本側が譲歩させられるというか押し切られる、こういうことがあっては、スポーツの世界に政治を持ち込むという点で好ましくないんではないか。このワールドカップをめぐって戦争になったとかあるいは国交断絶になったという例は過去にもあるわけで、政府としても十分な配慮が必要ではないかなと私は思っております。
 それで、さまざまな困難を克服してワールドカップの共同開催を盛大にかつ成功裏に実施することができれば、日韓両国の相互理解が深まって信頼友好の協力関係が強化されて日韓の新しい時代を築くことになるんではないか。これは極東そしてアジアの平和と安定にも大きく貢献することになるんではないか、ワールドカップをそのための大きなきっかけにしていただきたいなと、そう思っております。
 この共同開催は、サッカーの歴史あるいは世界のスポーツの歴史に残る重要な意味を持つことにもなるんではないかと思うんですが、最後に大臣の御見解をお伺いいたします。
○国務大臣(池田行彦君) 委員御指摘のとおり、これはスポーツの世界の出来事としても大変大きなことでございますし、またワールドカップとしては初めてアジアで開かれる、またこれまでに例のない二国の共同開催ということでございますので、何としても成功に導きたいというのが両国民の共通の願いであると思いますし、我が国政府としてもそういった心組みで取り組んでまいりたい、このように考えております。
 そうしてまた、先ほども申しました、また委員も御指摘なさいましたように、これを成功に導くことを通じて、日韓関係全般につきましても友好親善の関係がさらにさらに高まっていく、そういったことに結びついてくれればと期待しておるし、我々としてはそういったことを念頭に置きながら取り組んでまいりたい、こう思います。
○高野博師君 最後に、海洋法裁判所の裁判官についてですが、山本教授が立候補される予定ということです。きのう参考人として同教授の意見を伺いまして、人格、見識、知識、全く申し分のない立派な学者だと私は思いまして、海洋法の第一人者という印象も受けました。
 それで、この条約の批准を急ぐ一つの理由が、六月中に批准をしないと立候補の資格がなくなるということだと聞いていますので、この立候補についての見通しはどんなものか、お伺いしたいと思います。
 ちなみに、アジアでは韓国、中国とも立候補しているということでありますので、この裁判所が紛争の処理機関として重要な役割を果たすだろうということも考えて、当選の見通しというか、選挙の見通しについてお伺いいたします。
○国務大臣(池田行彦君) 委員御指摘のとおり、我が国が指名しております山本教授は海洋法関係の権威者でございまして、識見あるいは人格、あらゆる面から見て、私どもは新しく設立されます国際海洋法裁判所の裁判官として最も適当な方であると考えている次第でございます。自信を持って推薦しておるわけでございます。
 しかしながら、現状の見通しはどうかと言われますと、今も御指摘ございましたが、アジアからは我が国も含めまして八カ国から候補を立てております。そして、全体としましては三十カ国以上が既に候補を指名しているということでございます。したがいまして、まだどういうふうなことになるか、全体として見通しがつけがたい状況でございます。
 しかしながら、我が国といたしましては、この海洋法条約を御承認賜りましたら、それをきっかけとしてさらに一段と各国に働きかけ、山本教授がいかに適任であるかということに理解を得て当選を期してまいりたい、こう考えている次第でございます。
○高野博師君 質問を終わります。
○須藤美也子君 私は、日本共産党の須藤美也子と申します。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 海洋法条約が批准されることによって、今後同条約に基づいた新たな海洋秩序がますます世界的に強化されていくと思います。海洋国家である我が国の何よりも最大の課題となるのが排他的経済水域における漁業等に関する規定であります。
 そこで、農水大臣にお尋ねをいたします。
 まず、排他的経済水域における漁業等に関する主権的権利に関する法律案の附則第二条には、政令で適用除外の期限を定められる、こうあります。この政令は、いつ、また期限をどのくらいにして定めるのか、これをまずお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(大原一三君) 韓国、中国との間に漁業協定が現存をしているわけでありまして、新しい海洋法における二百海里の漁業主権を主張するためには早急にこの日韓、日中漁業協定の改定が必要であることは御指摘のとおりであります。
 したがって、我々としては与党の申し入れもありますように一年以内を目途に交渉を進めるという基本的考え方に立って、特に外務省と連携を密にしながら、早急に両国との協議を進めてまいりたいと思います。
○政府委員(東久雄君) ちょっと補足させていただきます。ただいま先生御指摘の法律の附則第二条の関係でございます。
 今、大臣がお答えしましたとおり、日中、日韓の漁業関係において新しい協定が合意に至るという状況を待って特例の適用期限を明確にすることが可能になるというふうに考えておりまして、その段階でこの附則の政令を定めることになるというふうに考えております。
○須藤美也子君 ただいま農水大臣は、まず一年をめどに、こういうふうにおっしゃいました。
 そこで、外務大臣にお尋ねします。
 韓国は、実務者協議の中でも、二百海里制度の中心とも言える沿岸国主義については意思表明をしていないと聞いています。また、中国も明確な態度を表明していない、こういうもとでずるずる適用除外期間が延びるおそれはありませんか。
○政府委員(加藤良三君) 私どもといたしましても、中国でもそうですし韓国でもそうですし、漁業関係についてはいたずらに長い期間妥結の見通しもないまま交渉を続けていくべきではないと考えております。しかし、基本的には両国との間で十分に話し合って、円満な形で解決を図っていくことが重要であるというふうに考えておるわけでございます。
○須藤美也子君 それでは、外務省も一年をめどに、こういうふうに考えてもよろしいわけですね。
○政府委員(加藤良三君) 今申し上げましたとおり、基本的には韓国、中国との間で十分に話し合って円満な形で解決を図っていくということが両国との関係総体の上において非常に重要だと思いますので、交渉を鋭意進めてまいりますが、交渉が緒についた段階において、具体的にいつどれぐらいでどうという見通しをここで申し上げることは差し控えさせていただきたいと思います。
 いずれにいたしましても、交渉の進捗状況も十分に勘案した上で政府としては対応していくつもりでございまして、いたずらに長い期間、妥結の見通しもなく交渉を続けていくべきではないと考えます点は先ほど申し上げましたとおりでございます。
○須藤美也子君 二月二十日の閣議了解で「合理的期間内に結論を得る」ということは、一定の期間内に二百海里制度を実現させることである、こういうふうに私は理解しております。
 三国とも海洋法条約を批准する、交渉がスムーズにいけば問題はありませんが、二百海里の枠組みと違う現行の漁業協定の終了を通告し新協定をつくろうという姿勢をお持ちになっているとは思いますけれども、この新協定を何としてもつくるという強い姿勢を、決意を持った上でないと合理的期間内に新協定をつくる交渉にはならないと思いますが、外務大臣どうでしょうか、この点については。
○国務大臣(池田行彦君) 政府といたしましては、二月二十日に閣議で了解いたしました基本方針の中におきまして、合理的期間内に合意を得るようにという方針を決めております。
 そうしてまた、与党三党の方から、先ほどもお話ございましたが、一年内とかあるいは年内合意を目指してというような申し入れをちょうだいしておりまして、私どもがそういったことも体しながら交渉に当たっていく、こういうことでございます。
 ただ、先ほども政府委員から御答弁申し上げましたように、文字どおり今から交渉を始めるわけでございまして、交渉に今取りかかったところでございまして、当然のことながらこれは話し合いによって円満な合意を早期に得よう、こういうことで取り組んでいるところでございます。
○須藤美也子君 そうしますと、外務大臣としては相手国に対しても閣議了解に基づいて強い姿勢で臨むと、こう理解していいんでしょうか、適切な時期には終了通告を相手側に出すと。
○国務大臣(池田行彦君) ただいま協議が始まったばかりでございます。不調に終わったときにどうする、こういうことを言いながら、いわばだんびらを振りかざしながら交渉するというのが果たしていい結果に結びつくのかどうか、そこも考えなくちゃいけないと存じます。
 しかし、私どもといたしましては、先ほども御答弁いたしましたように、閣議了解、そうしてもとより関係方面にもいろいろな御意見、お考え、御要望がございます。それを踏まえて、与党からも先ほど申しましたような申し入れをちょうだいしておりまして、それを十分に体して交渉に当たろうとしているところでございます。
○須藤美也子君 くどいようですけれども、待ちに待った二百海里の批准ですから、それを多くの国民が待っているわけです。ですから、その日本国民の立場に立って相手国と強い立場で私は閣議了解も含めてそういう姿勢で臨んでいただきたい、こう強く要望する次第であります。
○国務大臣(池田行彦君) 日本国の外務大臣でございます。そして日本国の外務省でございますから、当然日本国の国民のお気持ち、立場、利益というものを踏まえて交渉に臨みます。それと同時に、関係国との間の友好関係も大切にしなくてはならないのも当然の要請であると考えております。
○須藤美也子君 それで安心いたしました。よその外務大臣でないということがよくわかりました。
 次に、今回海洋法が批准されますと、来年は二百海里を目指すいわば二百海里元年と言える年になると思います。記念になる年だと思うんです。そのためにも特別な財政措置と体制整備が必要だ、こういうふうに思います。
 例えば、これまでいろいろ問題点が明らかになったように、外国船の違反、乱獲などを取り締まる体制、監視の船や航空機をふやすこと、そのためにはどうしても監視員、職員の増員が必要である。さらにTAC設定による減船などに対する補償の問題、また試験研究体制の強化、そして県や漁協の実務体制へ援助の必要があると思いますが、農水大臣、予算をふやすという問題があります。体制を強化するという問題が出てまいります。どうお考えでしょうか。
○政府委員(東久雄君) 先生御指摘の問題点、特に資源動向の把握に関する試験研究の充実という点を挙げられました。それから取り締まりでございますが、これは先ほど海上保安庁からお話がございました。海上保安庁とも連携をとってやらなきゃいけないと思っております。そういうような条件整備ということは努めていかなければならない点だと思います。
 それから、ちょっと減船に言及がございました。これはたびたびお答えしておるとおり、漁獲努力量の調整ということにつきましては現実的な対応をしていかなければならないという状況もございます。その辺をよく踏まえて、今のところ直ちに大幅な減船ということにならないんじゃないかと私たちは思っておりますが、十分その辺は様子を見ながら必要な措置というものも考えていかなきゃならぬということは重々私たちは考えておるところでございます。
○須藤美也子君 ぜひ予算についても体制についても強化していただくようにお願いいたします。次に、本会議で私は質問いたしましたが、乱獲、違反操業による漁具などに対する補償の問題であります。二百海里が適用されない間はこれまでと同じように乱獲、違反操業が続くと思われます。その間、国の責任で万全の補償が行われるべきであると私は思います。
 ところが、本会議での答弁では、低利の融資制度で援助をしている、このように農水大臣は答弁いたしました。このような融資制度による援助では、漁具の手当てが足りず漁業継続ができず、経営は一層深刻なものになっている。被害が出るのは、二百海里をやる権利があるのにやれない国の外交関係によるものであります。漁業者が悪いのではないんです。ですから、二百海里が実施されるまでの間はこれまでの延長線ではなく、政府が責任を持って対策を講ずるべきだと思うんですが、いかがですか、農水大臣。
○政府委員(東久雄君) 先日、大臣から本会議でお答えいたしましたが、先生にもう少し細かくちょっと私の方から御説明させていただきたいと思います。
 二百海里になったからといって外国船を締め出すということではございません。したがいまして、外国船による被害というものがなくなるということを意味するものではございません。
 今の体制からいきますと、やはり加害者というものがある被害につきましては、これは加害者の民事案件であるというのが基本的な国の姿勢でございます。したがいまして、国が補償金というようなものを支払うことは極めて困難でございます。
 しかし、そうは言いながら、やはり漁業の経営の実態にかんがみて低利融資という形でまず漁具などを復活されるのが通常でございます。その後に大体、韓国漁船、中国漁船による漁具被害の場合は民間取り決めがございまして、その民間取り決めの協議で処理する形になっております。民間協議につきましても、協議がスムーズにいくようにという事務的な経費を含めて支援をしております。また、日中、日韓の漁業の会議におきましても、このスムーズな解決ということを常に我々は要求しているというのが現在の状況でございます。
 そういう意味で、ある程度の限界がある中で基金を設けてそういう措置をとっているということを御理解いただきたいと思います。
○須藤美也子君 漁業者がどんどん減っているんですね。さらに、高齢者になって後継者もいない。そういう深刻な状況のもとで、この二百海里問題も深刻な状況として受けとめている漁業者がたくさんいらっしゃいます。しかも、トロール船で違反操業をやったり乱獲をやったり、そういう中で大変な被害を受けている日本漁民のために、ぜひその被害を受けた漁民のための補償を具体的に検討すべきではないか、このように私は強く要求したいと思います。
 次に、時間もありませんので、これも本会議で申し上げたところなんですが、輸入制度についてなんです、輸入規制についてなんです。
 セーフガードの発動なんですが、五月三十一日の本会議で、セーフガードの発動に対する私の質問に対して、その輸入の増加率はセーフガードを適用する水準には達していない、こう答弁されました。しかし、現状はどうでしょうか、現場はどうでしょうか。
 私は、五月十四日、ホタテの輸入規制等に関する質問主意書を出しました。そのセーフガードの発動を検討するように要求したわけですが、三十一日の答弁書の中では、ホタテの輸入量が、九一年が五十八トンから九五年には七百九十四トン、約十四倍にも増加しているんです。五十八トンから七百九十四トンですから十四倍です。さらに、ホタテ調製品は一万トン以上にもなっています。ところが、橋本総理は私の本会議での質問に、セーフガードの発動が困難な理由として「輸入急増の事実がない」、こう答弁しています。約十四倍に増加しているのに輸入急増とは言われないのでしょうか。総理の答弁は事実に反しているのではないだろうか、このように私は思わざるを得ない。
 そういう点では、WTOではセーフガードの発動の権利をそれぞれの国々に認めているわけです。ですから、外務大臣どうなんでしょう、そのセーフガードが発動できるのは、一体輸入量がどのような水準に達した場合セーフガードが発動できるのか、そこを納得できるように答弁していただきたいと思うんです。
○政府委員(野上義二君) 御指摘のように、セーフガード措置は輸入急増による国内産業への重大な損害の防止のためにWTO協定上認められる緊急措置でございます。
 WTO協定のセーフガードに関する協定によれば、ある産品の輸入が急増して輸入国の国内産業に重大な損害を与え、またはそのおそれがあるような場合であって、かつ当該輸入の増加と重大な損害との間に因果関係が存在することが客観的に立証される場合にとることができるとされております。逆に言えば、客観的にその因果関係が証明されない場合には発動することはできないというふうに規定されております。
○須藤美也子君 ということは、重大な損害が客観的にはそういう因果関係も含めて与えられていないという見方なんですか。
○政府委員(東久雄君) まず最初に、本会議での須藤先生の御質問はホタテに限った御質問ではなかったと思います。
 魚の輸入全体ということでございましたので、それの増加率は、御存じのように、えさ用の魚粉のことは除きますと、対前年、平成七年で一〇三%という増加になっている事実をつかまえて申し上げたはずであろうというふうに理解しております。
 それで、ホタテでございますが、今十倍云々ということがございました。これは先生の質問主意書の中でもはっきり申されておるように、輸入が増加していることと、その結果、国内産業に重大な被害を生じているか生じるおそれがある、その二つが一般セーフガードの発動の基本要件であるというふうに明確に書いてございますように、この二つの問題がございます。
 そこで、ホタテについて申し上げますと、一つは、生産量はむしろ増加をしてきておるわけでございます。日本のホタテの生産量は、私の資料では五十万トンぐらいございます。それで、輸入が、これはちょっと殻をつけたりつけなかったりという問題がございますので必ずしもそのまま対比はできませんが、先ほど先生お話しの七百九十トンぐらいだと思います。
 なお、ちょっとこれは申しにくいんでございますが、輸出が同じ年に二千トンぐらいあるという事実もございます。そういうような全般的な情勢から見まして、セーフガードを云々ということはちっと無理ではないかと考えます。
○須藤美也子君 時間が参りましたのでこれでやめますけれども、大臣の皆さんにお願いしたいことは、今の日本国民の立場、農民の立場、漁民の立場、商工業者の立場、そういう人たちの暮らし、ぜひ現場の立場に立って政治を進めていただきたい、政策的な問題提起をしていただきたい、こういうことを強く申し上げて、終わります。
 ありがとうございました。
○小島慶三君 きょうは、大臣、本当に御苦労さまでございます。
 私は、今回の一連の海洋法規、これはまさしく画期的なものであると思いますが、この中で、海洋生物資源の保存及び管理に関する法律案というのは、私は大変敬意を表するもので、非常に立派なアクセスであるというふうに思っております。
 ただ、この中で非常に問題になりますのは、この法律のコアとして可能な漁獲量という規定がございます。このシステムについては先ほど御質問がございました。私は、この可能な漁獲量というのは、海洋法規の研究会の説明を読んでみますと、これは非常に科学的知見に基づくとかいろんなことが書いてあったんですけれども、実はよくわからなかった。きょう説明を聞いて初めてよくわかりましたので、これは質問を省略いたします。
 それで、もう一問お願いしたいと思いますのは、これもちょっと先ほどお話がございましたのでできるだけダブらないようにいたしますが、尖閣列島の問題でございます。
 私、かつて会社におりましたときに石油開発をやっておりまして、尖閣列島の鉱区を取得しておるわけでございます。ところが、この鉱区の設定については、最初は台湾が鉱区を設定しております。それからアメリカが設定をしております。それから韓国もアプローチをしております。私どもはアメリカから鉱区を譲ってもらったんですけれども、そういう非常に難しいところでございますので、私もそれ以来ずっと関心を持っておるわけであります。
 問題は三つの局面に分かれると思いますが、一つは領有権、それから一つは漁業権、もう一つは鉱業権であろう、こういうふうに思っております。三つ関連しておりますけれども。
 初めの領有権についても、先ほど、実効支配それから歴史的な理由でこれはもう間違いないんだ、あえて寝た子を起こさなくてもいいんだと、こういうふうな御説明があったんですけれども、これはそんな簡単なものではないと思います。京都大学の井上先生が尖閣列島は中国の領土であるという本を書いています。それのみならず、彼を利するようないろんな記事なんかも出ておるわけでありますから、これは日本のもので大丈夫なんだということでなくて、日本はもっといろいろな面で自己主張をされた方がいいというふうに思っておるわけであります。
 それから、漁業権の問題については、これも難しい話が残っておりますけれども、日中間、日韓間、あるいは韓中間、そういったいろんな交渉の中で具体的に積み上げられてある結果が出てくるんだと思いますが、これもやはり、例えばさっきのTACの日本のすばらしい制度といったような同じスタンダードで議論ができるのかどうか、その辺について私は大変疑惑の念を持っております。この辺がうまくいくかどうか。
 それから、三番目の鉱業権の問題については、今申しましたように四カ国もアプローチしている。中国は大陸棚の延長線である。それから台湾もそう言っております。韓国もそう言っております。日本はその中でどういうふうな主張ができるのか。これについて、現在の外務省のお考え方なりあるいは通産省のお考え方なりをお伺いしたいというふうに思っております。
 漁業権の問題は、先ほど来いろいろ御説明がございましたから結構でございます。
 お願いします。
○国務大臣(池田行彦君) 尖閣列島の問題については、先ほども政府委員から答弁しておりましたけれども、我が国固有の領土であることは歴史的にも国際法上も疑いがないということで、しかも
 現に我が国が有効支配しているわけでございます。そういったことで、私どもは尖閣諸島の領有権をめぐって解決すべき問題はそもそも存在しない、こう考えております。これは海洋法条約締結後も変わりない、同様であると考えております。
 しかし、今、委員御指摘のところは、そんなにのんきに構えていて済むのか、もっと自己主張すべきではないかということでございます。我々はそもそも領有権の問題はないとは考えておりますけれども、適当な機会があればその根拠も明らかにするということも考えてみたいと思います。
 時間の関係もございます。簡単に申しますと、我が国はたしか明治十八年からですか、当時の沖縄県当局等を通じまして政府が調査いたしまして、それに基づいて、明治二十八年に正式に閣議決定を行って我が国の領土といたしました。その調査によって科学的にあるいは歴史的に我が国が領有するということが疑いがない、確信を持ってそういうことにしたわけでございます。
 自来、何ら問題なく推移してまいりまして、それがその後サンフランシスコ条約だとかあるいは沖縄の施政権が返ったことがありましたけれども、そういうときでも我が国のそういった主張については何の疑念も差し挟まれなかったわけでございます。
 それが、昭和四十三年にエカフェの調査であの海域に、海底に石油資源がある可能性がある、こういったことが明らかになりまして、それからにわかにと申しましょうか、たしか二年後、昭和四十五年ぐらいからいろいろなことを言う国が出てきた、こういうことでございますけれども、そういったことをもって我が国の実効支配が揺るぐとか、そういうことはございません。それは先ほども政府委員が答弁していたとおりでございます。
 しかしながら、しかるべきときにはきちんと主張しろ、そういった事情を明らかにしろという御提言はしかと受けとめさせていただきます。
○政府委員(河野博文君) お答えいたします。
 鉱業権についてのお尋ねでございますけれども、ただいま外務省からも御答弁がございましたように、尖閣列島の領有権について疑いがなく、またこの周辺海域につきまして我が国の主権を主張するべき立場にあるという考えでございますから、その一部であります鉱業権につきましてもその設定をいたすべき権利は我が国に存するものというふうに考えております。
 こうした考え方に基づきまして、これまで幾つかの企業から鉱業権の設定についての出願を受理いたしておりますけれども、さまざまな事情を勘案の上、現在のところ処分を保留しているという状況にあるのでございます。
○政府委員(東久雄君) 簡単に、漁業資源の評価の日韓中の関係でございますが、ほとんどの韓国、中国の科学者というのは日本側との交流がございまして、評価のやり方は割合よく統一されております。これが学術的な世界の最高水準という形での評価のやり方だと。ただし、過去におけるデータの積み重ねが違っております。したがいまして、正確な数字は差が出ます。ただし、一つの方向、いわゆる資源が悪化しているかどうかというところは、この間の日本海での韓国との共同調査でも大体意見が一致してまいりました。ただし、数字をきちっと一致できないために共同管理というところへ一挙に持っていくのは無理があるという状態でございます。
○小島慶三君 今、三省の大臣以下からお答えがございました。私は、大臣にお言葉を返すようですが、最近の中国の姿勢というものから見ていると非常に権威主義的になっている、海軍も大拡張しているということで、西沙諸島、南沙諸島、次いで尖閣列島ということで逐次出てきているという、それは間違いないと思うんです。
 私どもが前にミッションで中国に行きましたときにケ小平は、これは孫子の代の話だということだった。しかし、今は孫子の代の話じゃなくて現実にアクションを起こしつつある。尖閣の近くで試掘、探掘をやっているなんというのは明らかにその証拠だと私は思いますので、これはやはり日本の権益が侵されそうな危険性のあるときにはどしどしクレームを発するなり警告を発するなりということをおやりになっていただきたい。そうしないと、いつの間にか逆に実効支配されてしまうというふうに私は思いますので、これは老婆心でございますけれども、ぜひ大臣にお願いをしたい、こういうふうに思っております。
 それから、開発の問題については留保中であるということでありますが、そんなことはないんで、私どももちゃんと鉱区を取得しております。石油資源で私どもはちゃんと鉱区を取得しております。だから、これはお答えが違うんだと思うんですけれども、これも中国なんかのそういうアクションをただ見ているだけでなくて、やっぱり通産省からも警告を発せられる必要があるというふうに私思います。
 時間がたちましたので、私の質問はこれで終わります。
○委員長(寺澤芳男君) 他に御発言もないようですから、九案件に対する質疑は終局したものと認めます。
 これより九案件に対する討論に入ります。――別に御意見もないようですから、これより直ちに九案件の採決に入ります。
 まず、海洋法に関する国際連合条約及び千九百八十二年十二月十日の海洋法に関する国際連合条約第十一部の実施に関する協定の締結について承認を求めるの件について採決を行います。
 本件に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(寺澤芳男君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。
 次に、領海法の一部を改正する法律案について採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(寺澤芳男君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、排他的経済水域及び大陸棚に関する法律案について採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(寺澤芳男君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、海上保安庁法の一部を改正する法律案について採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(寺澤芳男君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、排他的経済水域における漁業等に関する主権的権利の行使等に関する法律案について採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(寺澤芳男君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、海洋生物資源の保存及び管理に関する法律案について採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(寺澤芳男君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、水産資源保護法の一部を改正する法律案について採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(寺澤芳男君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、風間昶君から発言を求められておりますので、これを許します。風間君。
○風間昶君 私は、ただいま可決されました排他的経済水域及び大陸棚に関する法律案、排他的経済水域における漁業等に関する主権的権利の行使等に関する法律案、海洋生物資源の保存及び管理に関する法律案及び水産資源保護法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、平成会、社会民主党・護憲連合、日本共産党、新緑風会、二院クラブ及び新党さきがけの各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 以下、案文を朗読いたします。
    排他的経済水域及び大陸棚に関する法律案、排他的経済水域における漁業等に関する主権的権利の行使等に関する法律案、海洋生物資源の保存及び管理に関する法律案及び水産資源保護法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  我が国漁業は、国民の食生活に不可欠な魚介類を供給する食料産業として、また、漁村社会の維持・発展を担う地域産業として、重要な役割を果たしている。しかるに、我が国漁業を取り巻く情勢は、資源状況の悪化、外国漁船の無秩序操業、魚価の低迷、担い手の高齢化、後継者不足等極めて厳しいものがあり、漁業経営の体質強化が急務となっている。
  このような状況下で、今国会に提出された国連海洋法条約及びその実施のための関連法は、排他的経済水域の設定、大陸棚の範囲の明確化、海洋生物資源の保存・管理の義務付け等海洋秩序の構築のための画期的な内容を含み、今後の我が国漁業に大きな転換をもたらすものである。
  よって政府は、これら漁業関係法の施行に当たり、次の事項の実現に努め、我が国漁業が、二十一世紀において魅力ある産業として確立されるよう万全を期すべきである。
 一 排他的経済水域については、国連海洋法条約に基づく沿岸国の権利として、新たな法制度に基づき、我が国周辺水域すべてに設定するとともに、すべての国の国民に同制度を適用すること。また、国連海洋法条約の趣旨を十分に踏まえて、日韓・日中漁業協定の改定交渉を強力に進め、速やかな締結を期するとともに、交渉経過等に対応して必要な措置を講ずること。
 二 排他的経済水域の設定等海洋における新たな法制度が整備されることに伴い、漁業秩序の維持を図るため、海上における取締りの強化に努めること。
 三 漁獲可能量制度の実施に当たっては、我が国漁業の安定的発展及び漁村社会の活性化を図る観点から、関係漁業者の意向を十分に反映させつつ、漁業実態を配慮した円滑な運用が行われるよう万全の措置を講ずること。また、漁獲可能量制度の的確な実施、資源管理型漁業の一層の促進等に資するため、資源調査の充実、漁業者による自主的な減船・資源管理への支援等に努めること。
 四 漁獲可能量の大臣管理量、都道府県別数量等への配分に当たっては、漁業者等関係者の意見を反映する体制を整備するなど公平性・透明性の確保に努めること。また、外国人に対する漁獲量の割当に当たっては、我が国漁業者への影響に十分配慮して行うこと。
 五 漁獲可能量の遵守に資するよう、採捕の数量等についての公表、助言、指導、勧告、採捕の停止等に係る各種措置が機動的に発動される体制の整備を図るとともに、正確な漁獲量を把握するための仕組みを整備すること。また、これに関連して重要な役割を果たすこととなる漁協系統の経営基盤及び機能の強化に努めること。
 六 漁獲可能量制度の公正かつ円滑な運用に資するため、漁業経営への影響等を見極めつつ、許可漁業、漁業権漁業、自由漁業及び遊漁の在り方など現行漁業制度について、適宜、必要な見直しを行うこと。
 七 水産動物種苗の防疫制度については、種苗の疾病が養殖業の経営に深刻な打撃を与えることにかんがみ、今後とも魚類の疾病に関する内外の情報収集及び調査研究の充実に努め、制度の的確な運用を図ること。
 八 外国の水域又は公海で操業する遠洋・沖合漁業については、我が国の漁業及び関係地域において重要な位置にあること等を考慮し、国際協調の下、漁場及び操業条件の安定確保並びに国際競争力の強化等に努め、その経営の維持・発展を図ること。
 九 最近における水産物輸入の状況にかんがみ、漁業者、消費者等の立場に十分配慮しつつ、秩序ある輸入の実現に努めること。
 十 来たるべき二十一世紀において活力にあふれた魅力ある漁業を確立するため、漁業の食料産業としての位置付けを明確にするとともに、漁業・漁村の将来について制度の在り方も含め早急に検討し、その実現に向けて必要な諸施策を強力に展開すること。
  右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ、委員各位の御賛同をお願いいたします。
○委員長(寺澤芳男君) ただいま風間君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(寺澤芳男君) 全会一致と認めます。よって、風間君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。ただいまの決議に対し、大原農林水産大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。大原農林水産大臣。
○国務大臣(大原一三君) ただいま御決議いただきました附帯決議の趣旨を尊重し、今後最善の努力をいたしてまいります。
○委員長(寺澤芳男君) 次に、海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律の一部を改正する法律案について採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(寺澤芳男君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、田村秀昭君から発言を求められておりますので、これを許します。田村君。
○田村秀昭君 私は、ただいま可決されました領海法の一部を改正する法律案、海上保安庁法の一部を改正する法律案及び海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、平成会、社会民主党・護憲連合、新緑風会、二院クラブ及び新党さきがけの各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 以下、案文を朗読いたします。
    領海法の一部を改正する法律案、海上保安庁法の一部を改正する法律案及び海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  国連海洋法条約の締結及びその関連法の施行により、新たに接続水域や排他的経済水域が設定され、密航・密輸等の犯罪の防止、海洋環境の保護・保全、漁業秩序の維持等様々な分野で管轄権を行使することが可能となる。
  よって政府は、海上における取締りを的確に実施し、海洋国としての国益の確保に資するため、次の事項について万全の措置を講ずべきである。
 一 接続水域や排他的経済水域の設定等、海洋をめぐる新たな制度が導入されることを踏まえ、海上保安庁の人員・巡視船艇・航空機等の体制について、今後一層の整備充実を図り、関係省庁との連携を密にして、海上における取締りを的確に実施できるようにすること。
  右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ、委員各位の御賛同をお願いいたします。
○委員長(寺澤芳男君) ただいま田村君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(寺澤芳男君) 全会一致と認めます。よって、田村君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、亀井運輸大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。亀井運輸大臣。
○国務大臣(亀井善之君) ただいま御決議いただきました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重し、運輸省として十分努力をしてまいる所存でございます。
○委員長(寺澤芳男君) 次に、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律及び放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律の一部を改正する法律案について採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。〔賛成者挙手〕
○委員長(寺澤芳男君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。なお、九案件の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(寺澤芳男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後八時十八分散会