第136回国会 建設委員会 第14号
平成八年五月二十三日(木曜日)
   午前十時開会
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   委員の異動
 五月十六日
    辞任         補欠選任
     谷川 秀善君     倉田 寛之君
 五月十七日
    辞任         補欠選任
     亀谷 博昭君     岩井 國臣君
     中尾 則幸君     奥村 展三君
 五月二十日
    辞任         補欠選任
     岩井 國臣君     浦田  勝君
 五月二十一日
    辞任         補欠選任
     浦田  勝君     岩井 國臣君
 五月二十二日
    辞任         補欠選任
     井上  孝君     中原  爽君
     倉田 寛之君     海老原義彦君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         永田 良雄君
    理 事
                石渡 清元君
                太田 豊秋君
                片上 公人君
                緒方 靖夫君
    委 員
                岩井 國臣君
                上野 公成君
                海老原義彦君
                中原  爽君
                橋本 聖子君
                山崎 正昭君
                市川 一朗君
                長谷川道郎君
                福本 潤一君
                山崎  力君
                赤桐  操君
                大渕 絹子君
                山本 正和君
                奥村 展三君
   国務大臣
       建 設 大 臣  中尾 栄一君
   政府委員
       建設大臣官房長  伴   襄君
       建設省建設経済
       局長       小鷲  茂君
       建設省都市局長  近藤 茂夫君
       建設省住宅局長  梅野捷一郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        八島 秀雄君
   説明員
       厚生省社会・援
       護局保護課長   西沢 英雄君
       厚生省老人保健
       福祉局老人福祉
       計画課長     吉冨 宣夫君
       労働省労働基準
       局賃金時間部労
       働時間課企画室
       長        福島 康志君
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  本日の会議に付した案件
○公営住宅法の一部を改正する法律案(内閣提出
 、衆議院送付)
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○委員長(永田良雄君) ただいまから建設委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る十七日、中尾則幸君が委員を辞任され、その補欠として奥村展三君が選任されました。
 また、昨二十二日、井上孝君及び倉田寛之君が委員を辞任され、その補欠として中原爽君及び海老原義彦君が選任されました。
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○委員長(永田良雄君) 公営住宅法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明の聴取は既に終了しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○上野公成君 自由民主党を代表いたしまして、公営住宅法の改正について御質問させていただきます。
 私は、建設省で長い間住宅行政に携わっておりました。勘定しましたら十一年間公営住宅関係の仕事をしてまいりました。私自身も担当の課長もしたことがありまして、政策の企画とか立案というものに携わってきたわけでございまして、そういう点からしますと公営住宅の問題点というのはもう十分に知り尽くしているつもりでございます。
 本来、もともと公営住宅法というのはたしか昭和二十六年に制定されて、これは議員立法で田中角栄先生が中心になってまとめられたものでございまして、それ以来五十年近くこういう法律に基づいて住宅政策の根幹をなしてきた。しかし、法律というのも一たんつくられますとどうしても法律に基づいていろんなことが行われるということでありまして、その昭和二十六年といいますと大変な住宅不足で、とにかく建てろ建てろと。世帯数に比べて住宅が足りないという時代でありましたけれども、もう既にそういう時代は、今住宅の戸数というのは十何%か世帯数をオーバーしているような状況になっています。
 広さをもう少し広げる、これ百平米という当面の目標に向かってやっていると、そういうふうに住宅政策の方向というのは変わるわけですけれども、公営住宅法そのものは一度つくってしまうとなかなか変えられないという点もございまして、そういう点からいっても大変な問題を抱えているわけでございます。
 つくられた当初はほとんどの人が住宅難でありましたから、収入基準からいうと八五%ぐらいまでたしか入れたんじゃないかと思います。大多数の人が入れたんです。現在は制度上は三三%ですから三分の一ということでありますけれども、これは毎年毎年収入基準の改定をしませんで、大蔵省がなかなかうんと言わないものですから、多分改定をする前には二五%ぐらいになる、非常にそういう意味でいろんな問題点があるわけでございます。
 今回の改正に先立ちまして特定優良賃貸住宅の制度ができまして、これは非常に画期的な改正であったんじゃないかと思いますが、実は私自身がその前身の制度の地域特別賃貸住宅制度というそういう名前でございましたけれども、昭和六十一年ですか、直接担当をしていたということもございます。
 そういう意味で今回の改正は、大変問題点は多いけれども、まず家賃制度に応能といいますか、収入に見合った、支払い能力に見合った応能・応益システム、そういうものを大幅に導入する、それから今まで第一種、第二種という区分があったわけでございますけれども、それを廃止する、それから福祉との連携を強める、こういうことでございまして、創設以来の大きな見直しであると思いまして、そういう点では皆さん方の御苦労に対しまして敬意を表したいと思うわけでございます。
 ただ、今言いましたようにこれで完全かというと、まだまだこれから取り組まなければいけない点があるのではないかということでございますので、この法案の評価は評価といたしまして評価はいたしますけれども、今後いろんな長期的な課題が残されているのではないかと思いますので、そういう点を中心にしまして今後ぜひそういう方向でもっと努力していただきたい、そういう要望を込めまして質問をさせていただきたいと思います。
 そこで、まず公的賃貸住宅の制度でございますけれども、今申し上げました公営住宅のほかに、特定優良賃貸住宅という制度があるわけでございます。これは収入の階層が違うということが一つであります。ただ、これも片方は三三%までで、片方は二五から上にいくわけですから、オーバーラップをしているという部分があるわけですね。それから、両方とも公共賃貸住宅は地方公共団体が供給する、そういうことで特に借り上げとかそれから買い上げというのが導入されるということになりますと、かなり似通ってきている部分があるのでもう少し統一的にやったらどうか。応能の負担の考え方も大体連続性ができるということもあります。それから高齢者とか障害者への配慮、これは片方はしているけれども、片方は余りしていないんですね。それから入居後の変化といいますか、公営住宅の方はもう入ったら入ったきりで、というところがあります。
 その辺どうも各制度が、二つの制度がばらばらになっている。しかし、これは住宅政策としては一つの制度に統合できるんじゃないかということが考えられるわけでございまして、まず当面第一段階としてこの公営住宅と特優賃、これについてだけは統一をした方がいいんじゃないか。建設の仕方はいろんなやり方がありますから、公共団体がやるのもいいし、公社がやるのもいいし、ちょっと後で話しますけれども、公団でもいいと思うんです。それから民間でもいいと思うんです。いいものであればいいと思うんですけれども、しかし、その制度の基本的な考え方は統一できるんじゃないか。
 そして、統一をしていった方が、今までの賃貸住宅の一番悪いところは不連続点があって、そして大都市の中堅の所得者というのは一番持ち家も持てない、それから賃貸にも入れない、そういうことがありますので、そういった点からも統一をしていった方がいいんじゃないか。これからの課題としてそのことをまずお伺いしたいと思います。
○政府委員(梅野捷一郎君) ただいま先生の方からお話がございましたように、公営住宅の仕組みが長年の間に現在の状況に必ずしも対応できない部分が出てまいりまして、まさに上野先生が御担当で、特定優良賃貸住宅の前身になりました、当時は地域特賃という略称で言っておったわけでございますが、そういう制度が事業としてスタートいたしまして、それが国会の先生方のいろいろな御指導、御理解もいただきながら、先般特定優良賃貸住宅というきちんとした制度として法律的に整備をされた、こういう経緯でございます。
 もう既に御案内のことでございますけれども、今回さまざまな点で改正をするわけでございますが、公営住宅の最も基本となっておりますのは、やはり成立の背景といいましょうか根拠といいましょうか、最低の生活の確保というところをさかのぼれば憲法二十五条というようなことにもなるわけでございますが、そういうところに根拠を置いてやってきているという制度の成り立ちと、それから中堅に近い方も含んだ方々に対する居住水準の向上ということにいわば力点を置いてあるという特定優良賃貸住宅と、若干法制度としての成り立ちに違いがあるという点は御理解のとおりでございます。
 しかし実際問題としては、今回の改正もそうでございますように、二つの制度が出そろってきちんと整備されるということを通じて、二つの制度が連続して政策効果が一体となって出るようなということで今回の改正もお願いしている点が強いわけでございますので、それぞれの制度に組み立てております幾つかの仕組み、助成の仕組みであるとか事業の進め方の仕組みというようなところについては、当然その政策効果が一体として発揮できるような方向で運用もすべきですし、場合によってはおっしゃるような観点も考慮に入れながら、制度のより一体化、連続性というものについての研究は引き続き進めなければいけないというふうに思っているところでございます。
○上野公成君 そこで、先ほどもそのお話をしましたけれども、賃貸住宅は大都市で一番足りないわけですね。それも中堅の勤労者というのが、持ち家も持てないそれから低家賃の公共住宅にも入れないということですから、その一番の大きなところを受け持っています住宅・都市整備公団、これは分譲につきましてはいろいろ民間のディベロッパーと競合するとかということがあります。しかし、良質な賃貸住宅を大都市に供給していく点ということに関しましてはまだまだ足りないわけですから、できるだけ賃貸住宅を供給していくという意味で大変な大きな役割があるんじゃないかと思います。
 ところが、土地を買ってそして賃貸住宅を経営するということも、なかなかこれは家賃が本当に高くなりまして、地価は大分下がってきましたけれどもそれでも相当高くなるということで非常に難しいわけです。それで、公団住宅の場合は家賃を払えるのが入居基準ですね、この家賃を払えるかどうか。二十万円以上の家賃もありますけれども、二十万円を払える人しか入れない。それは、厳密な意味でいうと一番困っている大都市の中堅勤労者じゃないわけですから、多少地価が安くなったとはいえ、ここまで来てしまいますとなかなか賃貸住宅を経営するということはほとんど不可能じゃないか。今、補給金を公団に入れているとかいろんなやりくりをして、公団の方も四苦八苦をして努力されているわけですけれども、そういうやり方では戸数に限界があるんじゃないか。本当に必要な階層に必要な住宅を供給するということからいいますと、なかなか今のやり方では難しいんじゃないか。
 そこで、せっかく公営住宅それから特優賃の制度ができて家賃を応能でやるという考え方になってきたわけですから、公団についても応能で、これは大都市の中堅の所得者ですからもうちょっと高くてもいいと思うんですけれども、やはり応能を基本として、公団はっくるだけとにかくなるべくいっぱいつくってもらう、そして家賃補助といいますか、こういう応能の体系に切りかえていくということが一番いい道なんじゃないか。
 本当は全部家賃補助ができればいいんですね。これは社民党さんが社会党の時代に主唱をされたわけですけれども、しかしそんなことをしていたら幾ら金があっても足りないわけです。やはり応能をやるかわりに、長い間ちゃんと社会資本として残るような立派な賃貸住宅をつくるという点から、供給をいっぱいしていくということでありますので、公団住宅についてもそういう考え方に変えていった方がいいんじゃないかなと思います。いいものでちゃんとしたものについて、今まで旧社会党さんの言われていたような応能の考え方を取り入れていくということが一番いいんじゃないか。
 そういう点から、公団住宅もその同じ体系にやっていったらいいじゃないか。これは将来の問題ですけれども、お尋ねいたします。
○政府委員(梅野捷一郎君) 大変難しい議論であろうかと考えておりますが、公団の場合においても当然どういう方々に供給すべきかといえば、今御指摘ございましたように、一般の世帯、特に今大都市におきます中堅勤労者と言われるような方々の家計の力とバランスのとれた居住条件の確保ということで進めていることは全くそのとおりでございますので、我々としてもそういう結果が得られる状況に当然進めなければいけない。
 そのときに、御指摘のようにどういう形でそういうものを実現するか。現在実態が、今例示もいただきましたように、かなり高額の結果としての家賃になっているということから、先ほどの入居者の資格といいますか基準も、本来はそういう意味での基準ではなかったわけですが、実際上はいわば収入が上の方の基準を対象にするというふうな結果になっているという、そういう観点からの厳しい御指摘だというふうに受けとめるわけでございます。
 そういうものを是正する際に、家賃補助という体系でその問題に当たっていくべきなのかどうか。我々、現在のところはそういう全体としての供給が、基盤に対するさまざまな手段を講ずるとか、資金のコストをどうするとか、そういう公団が供給する全体の住宅が結果としてバランスのとれた賃貸料に近づいていくという考えに成り立つているわけでございまして、直ちに家賃補助という仕組みで現在の険路を埋めていくかどうかということについては、今後よく研究をしないと直ちには結論を出せないテーマではなかろうかというふうに思っているところでございます。
○上野公成君 私が最初に、公営住宅法が四十数年でもう世の中の動きに対応できなくなっているという、まさに今回じことで、公団は三十年ごろできたんですね。そのころはこういうやり方でよかったんです、地価も安かったわけですから。だけれども、これだけ地価が、四十年たっている間に住宅政策の体系の中から不連続点が出てきたということでありますから、そういう意味でも前向きに考えていただきたい。
 仮に、そのことがうまくいきますと、公営と特優賃、公団住宅とかこういうもので三百十五万戸のストックがあるわけですね。だから、一千万人以上の人が住めるわけです。だから、これを総合的に管理していくということは、これは後で質問しますけれども、高齢化社会に非常にすばらしいストックを日本は持っているということになるんです。
 そういう点からも、難しい点もわかるんです、一度国費を出していますから、それをどういうふうに扱うかということも大変です。それは特別会計を設けて、昔安かった土地も売れば高くなるわけですから、そういうものはまた住宅に還元していくということをやれば相当なプラスになるんじゃないかと思うので、そういうこれからの高齢化社会の大変な資産を日本は持っているわけですから、それに向かって総合的な活用を図っていくということが十年、二十年たったら必ずいい結果になるんじゃないかと思うわけでございますので、ひとつ前向きに検討していただきたいと思います。
 もう一つは、家賃制度のあり方であります。
 先ほど冒頭申し上げましたが、家賃の補助を入れて、公的な助成、建設費の補助もあるわけですけれども、可能な限りに応能的にするという考え方は、これは大変いい考え方だ。できれば全部応能的にすればいいんだけれども、それは先ほど言いましたように切りがないわけですから、良質な賃貸住宅が供給される、そういうものに合わせてインセンティブとして家賃補助をやっていくというのが現在の財政状況に合わせた考え方で、非常に妥当な範囲じゃないかなと思うわけでございます。ですから、そういうことをやった場合にはできるだけ公的賃貸住宅の中でも公平だということが望まれるわけです。
 一番大事なことは、本当に所得が低くて困っている人、これは全く収入がなければ、極端なことを言えばゼロでもいいんですね、そういうことをする。しかし、所得の高い人についてはやはり周辺の家賃と余りにもかけ離れたような家賃は、これは入れない人もいるわけですから、入った人、入れない人。一度入ったらそのときの家賃が絶対にずっと続くなんということを既得権的に考えている方が大変多いわけですけれども、これは道路や何かと同じ社会的な一つの社会資本なんですから、そういう意味でも公平にやるということが大事なんじゃないかなと思うわけでございます。
 特に、去年の一月に阪神・淡路大震災がありました。それで、テレビでもいろんな国会の論議でも、家賃が高くて新しくつくると入れない。そのために、次の家賃の負担ができないので建てかえもできないじゃないかと、そういう話が随分聞かれるわけですね。総理も何かこの間行かれたようでございますけれども、その辺はきちんとすべきだと、こういうことをおっしゃったというような報道を聞いておりますし、私自身もこの間、総理と何人かでお話しする機会がありましたけれども、そのことを直接お聞きしたわけでございますが、やはりこれも応能の原則というのをきちっと貫いていけばいいんじゃないか。
 ですから、たとえ被災者であってもちゃんと仕事を確保しておられる方はその収入に合った、自分が生活できて家賃を払えるという範囲で払えばいい。しかし、収入がなくてもう何のあれもないというのは、極端なことを言えばさっき言いましたように無料にしてもいいんじゃないか。特に震災という大変な事態でありますから、そういう思い切った対応を建設省としてもやっていただきたいと思うんですけれども、お答えいただきたいと思います。
○政府委員(梅野捷一郎君) ただいま先生からお話がございましたように、この問題につきましては、特に家賃という点に集約をされてさまざまな方々から御心配もいただいているわけでございますし、総理からも大臣を通じまして私どもも指示を受けておるところでございます。現在、この問題に関係すると思われる各省が局長クラス以上でも集まりまして、何度も話をしているところでございます。
 現在、御案内のとおりでございますけれども、実態は三万円まで家賃が設定できるという事業の条件の中で、一生懸命供給のための事業、仕事を進めているわけでございますが、公営住宅という性格においての家賃の設定というものを相当の法律改正等もお願いした上でそこまで対応することをしているわけでございます。さらに、現在の仕組みの中では、それを今御指摘ございましたような個々の世帯あるいは個人の生活の状況等も十分配慮して、それにふさわしい最終的な御負担を決定するというためには事業主体が減免をするという仕組みが連動して設けられているわけでございますが、今回のようなケースについてもそういう仕組みを十分活用すれば、原理的にはさらに三万円から相当に低い家賃というようなものの設定も仕組みとしては可能なわけでございます。
 しかし、その減免の仕組みの適用については、やはりこれだけの大量のケースがあるというようなこともあって、具体的にどう適用していくのかというときに、我々の方つまり国としての、一緒になって考えるという領域を、何とか一緒になつて解決の道を探ろうということで現在作業をしているという状況でございます。
○上野公成君 厚生省、来ていますか、生活保護。
 私も、この家賃の減免のことについては、必要な人はゼロでもいいじゃないかということを従来話をしてきたこともあるんですけれども、そこでひっかかるのが生活保護のことなんです。生活保護で住宅扶助という制度があるわけですけれども、それが結構高額なんです。三万五千円ぐらいまでいけるんじゃないかと思うんですね。それで、それを受ければいいじゃないかということで、なかなか本当に低所得者の減免というのが一つの、ほかにも理由はあると思うんですけれども、隘路になっているんじゃないか。
 それで、ちょっとお聞きしたいんですが、まとめて簡単にお答えいただきたいんですけれども、生活保護というのはどのぐらいの収入以下の人が受けられるかどうかということ。その場合の住宅扶助は幾ら出すのか。それから、建設省からお聞きしたところによりますと、高齢者向けで四十平米ぐらいの住宅だったら、いろんなことをやりますと家賃が三万円ぐらいでいいというんですね、三万円ぐらいまではしてあげる。そうすると、これ多分お聞きすればわかると思うんですけれども、その範囲内に入っているんじゃないかと思うんです。
 ところが、何が問題かというと、実際に生活保護を受けようと思うと、資産があるんじゃないかとかいろんなことがあるんですね。ところが、資産があるといっても、阪神のああいうところで資産を売ってそれを生活費に回せるなんということはできないわけですから、やっぱりいろんな生活保護の仕組みといいますか、どういう人には出せるかということに問題があるんじゃないかと思うので、それも簡単に話をしていただきたいと思います。
 それで、建設省としてもやるべきだと思うんですけれども、やはり実情を踏まえて、現金にかえられないような資産まで入れてやるということは、特にこの被災地に限ってでもいいですから何か考えられないか、その点をちょっとまずお聞きしたいと思います、簡単に答えてください。
○説明員(西沢英雄君) 三点ほど御質問をいただきました。
 生活保護は、憲法二十五条に保障されております健康で文化的な最低限度の生活を保障するという制度でございまして……
○上野公成君 聞いたことだけでいいですから。
○説明員(西沢英雄君) はい。それで扶助が七つございまして、一部基本的な衣食の生活費としての部分で申し上げますと、標準三人世帯で神戸、東京等の一級地の一番高いところでございますが、月額十五万八千三百七十五円。それから、仮設住宅などは高齢者が多いということでございますけれども、高齢の単身世帯ですと九万二千四百七十八円が保障されるべき水準でございまして、これには家賃は入っておりません。このほかに、家賃が必要であればその分加算をしていくというふうな仕組みになっております。
○上野公成君 限度は幾ら。
○説明員(西沢英雄君) 神戸市におきます家賃の限度でございますが、二人世帯でございますと四万八千八百円、単身世帯の場合は三万七千五百円が限度になっております。
 それから、運用上の問題でございますけれども、生活保護の保障すべき水準というのは全国統一の基準でございますので、これは変更することはできませんけれども、災害の特例といいますかその辺の事情を考慮した運用というふうな面で申しますと、例えば遊休資産としての土地をお持ちですと、これは処分していただいて生活費に充てていただくということを求めるわけでございますけれども、今度の災害でうちが倒壊いたしまして、底地を持っておっても再びそこにうちを建てるのかどうか。その辺が、今仮設住宅に入っておりまして今後の方針も定まらないというふうな状況もございまして、そういったケースにつきましては、今すぐ決めるということではなくて若干の時間的猶予を置くとか、そういった対応の面での配慮ということは十分するように心がけているところでございます。
○上野公成君 聞いたことを簡単に、質問の流れがあるわけだから、そんなそもそも憲法がどうだなんということを言う必要はないんです。
 四万八千円出るわけですね、住宅扶助だけであれば。三万七千円というのもわかった。だから、建設省の方で四十平米ぐらいの、高齢者だったら三万円までしてあげられると言っているわけです。ですから、今遊休土地があれば売ればいいじゃないかという話もあるけれども、売れるまでそれじゃほっておけばいいか、こういうことになるわけです。ほかのところは住宅対策だってもうみんな特例でやっているんです、できるだけのことを。阪神・淡路地域だけでもあれだけ困っている人がいるわけですから、何かもう少し、生活保護の基準は全国で同じだからなんということを言わないで、ほかはみんな基準が違うのにちゃんとやっているんだから。これはだから、建設省だけにあれがいくけれども、やっぱり相当厚生省の生活保護できちんとやれば受け持てる部分もあると思うのでやっていただきたいし、これは厚生委員会じゃないからそれだけにいたします。
 そこで、余りこちらの方でやるのは見込みがないんですよ、今お聞きになっていただいたように。しかし、大変多くの高齢者が阪神・淡路の地域におられるわけです。この方々は、今まで日本がここまで発展するために一生懸命もう働いてこられた方なんです。それでこういうときになって本当に不幸なことになったわけでございますから、高齢化して年金生活に入って、それでもう所得が本当にこれから低下していくという方は、本当にその負担能力があるかどうかわかりませんけれども、なければ全部負担をするというぐらいのそういう応能的な家賃を、せっかく公営住宅法を変えるわけですから、思い切った施策をとっていただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○政府委員(梅野捷一郎君) 高齢者、ただいまの御質問にありました具体的なテーマでの阪神・淡路については先ほど申し上げたようなことで、結果としてそういう方々も当然最終的に恒久的な住宅に、彼らの生活条件に合ったあるいは家計の条件に合った形で落ちついていただけるということを得られるような結論に努力したいと思っております。
○上野公成君 その一方で、公営住宅でも公的賃貸住宅でも、これは国ももう相当な財政赤字を抱えているわけです。地方も同じなんです。だから、無限に公営住宅をつくるというわけにはいかないわけでございまして、そういった点からいいますと、応能家賃の応能という考え方からすると、今までのように一度入居してしまうと、収入超過者になっても高額所得者になっても既得権を当然のように主張し、そして安い家賃のままで居座り続けるということは、入居できた人と入居できなかった人、これはくじで当たったか当たらないかだけですから、そういったまたま当たった人が入居したままの状態でそういうことになるということは非常に社会的に見ても不公正になるんじゃないか。
 特にそういった意味から、収入超過しないまでも収入が上がってきた人にはそれなりの家賃をやっていく。特に、収入を超過したり、もう高額所得者だと言われるような人に対しては、今までとは違ってもっと本当に厳しい対処をしていただいて、そして本当に困っている人に明け渡すとかそういう対応をしないと非常に社会的に不公平じゃないかと思うので、厳しい対応をしていただきたいんですけれども、どのような対応をするか伺いたいと思います。
○政府委員(梅野捷一郎君) 今回御審議をお願いしております公営住宅法の改正の重要な一部を構成していると考えているわけでございますが、全体の公営住宅が的確に目的に沿って行われるということにするためには、一方では今先生御指摘のとおりに、公営住宅の対象という姿からかなりずれた方というものについては、当然それのずれに応じたことが制度上もきちんとできるように明確にしていこうという趣旨でございます。
 今回の改正では、収入超過者については近傍同種の、いわゆる市場家賃と一般的に言われたりしておりますが、近傍同種の住宅の家賃を上回るということはございませんが、その範囲の中で収入の度合いに応じて家賃を決めさせていただく。また、明け渡しをぜひともお願いしなければいかぬような高額の収入がおありの方につきましては、そういう状況になられた方については、いろんなあっせんをするとか、いろんな実態としての住みかえの条件についての努力と並行いたしまして、なおそれでも明け渡しに応じていただけないという場合には、家賃を近傍同種の家賃の二倍以下の範囲で金額を徴収することができるというようなことを盛り込んで、全体としての適正な運営が一層図られるように、また取り組みについてもそういう方向でしっかりやってまいりたいと思っておるところでございます。
○上野公成君 公営住宅法ではこの借地借家法の適用は外されているわけですから、それは公的なそういうみんなの財産だということでありますが、せっかくこういう応能の考え方がこれだけはっきりしてきたわけですから、その点はしっかりしていただいて公平を期していただきたいと思います。
 そこで、低所得者向けといいますか、そういう特定の政策目的を持った住宅につきましては、これは全員が入れるというわけじゃありません。量が不足しているとか、入れる人がいるとか入れない人がいるとか、そういう問題はありますけれども、一応制度の上ではかなり完備をしていると思いますし、それからいろんな配慮も加えられていると思うんです。
 問題は、最初から二、三回もう繰り返して言っておりますように、本当に一生懸命働いてちゃんときちんとした税金も納めて、それで我が国の一番重要なこういう基盤であります中堅所得者層が賃貸住宅にも入れない、それから持ち家も、これだけ地価が下がったとはいえこれだけ高いところでは待てない。やっぱりこれが四十年間近く、住宅政策の上では非常に一番厳しい環境に置かれてきたんじゃないか。民間の住宅はもちろん高くて入れない、公団でさえ入れないというわけでございますから、ここに一番力を注ぐべきだと思うんです。
 それで、特定優良賃貸の方は、そういった意味でかなり市町村長といいますか知事さんの判断によっては収入階層の八〇%ぐらいまでいけるわけですから、だからほとんどの中堅所得者が入れるということです。ただ、まだ始まったばかりですから戸数が非常に不足をしている。そういった意味で、一元化をしたらいいんじゃないかなということも申し上げたわけでございます。それはそれとして、もっと大幅に供給していくべきではないか。これは公営住宅に比べたらお金も、国費も随分かからないんです。だから、それを今のようなペースじゃなくて、もっと大幅なペースでやっていくということがこれは中堅の所得者に住宅の夢を持たせる政策になるのではないかと思うわけでございますので、その点についてお伺いしたいと思います。
○政府委員(梅野捷一郎君) 御指摘のとおり、所得の低い方に対する住宅政策と並んで、大都市を中心とした中堅勤労者に対する住宅対策は最も重要な点でございますので、そのこともあつく先ほど来御指摘ございますような新しい仕組みとして特定優良賃貸住宅制度というものを確立していただいたわけでございます。
 今回、ことしから始まります五カ年計画でもそういうことを受けまして、従前に比べますと四倍と、倍率というよりも絶対数が問題かと思いますが、四倍に当たる二十万五千戸というような計画を立てております。やはり新しい制度として考えておるこの制度についても、質の問題をあわせてやっていこうということで、従来の一般の賃貸住宅の供給に比べますと事業者にとってもいろいろとリスクもあるというような環境の中で御協力いただくということでございますので、先ほどの公団住宅の場合と同様ではございますけれども、民間を含めてこの事業に参画できる基盤の条件をより強めていくというようなこともあわせてやりながら、できるだけこの制度については積極的な取り組みをさせていただきたいというふうに思っているところでございます。
○上野公成君 公営住宅の大きな根幹の制度そのものについては以上で終わりにさせていただきますけれども、もう一つは高齢者の問題、高齢化社会に対する取り組みといいますか、このことについて御質問させていただきたいと思います。
 今、介護保険が非常に問題になっております。いろんな議論が、市町村に任せるのはちょっと大変じゃないかとか、反対の大合唱みたいなものも市町村長さんの間にあるようでございます。しかし、介護保険というのは負担の問題だけでも、負担をしてもドイツなんかはいろんな意味でもうパンクしているわけですから、この負担の問題以上に、あるいは同じぐらいと言ってもいいと思いますけれども、きちっとしておかなければいけないいろんな問題があるんです。
 私は、デンマークヘよく行くんです。在職中にも三回ぐらい行ったんですけれども、やめましてからは、官僚の皆さんとは違って、行きたいとき、国会閉会中ならいつでも行けるものですから年に二回ぐらい行っているんです。それで、なかなか役所の出張では余り深いことまでわからないんです、ざっとあれしてね。言葉の問題もありますしね。しかし、毎年行っていると、向こうにいろんな知り合いもできるし、どんどん、だれだったらデンマーク語をちゃんとうまくつないでくれるかということもわかるので、役所にいたときにはわからなかったこともいろいろわかってきたんですよ。
 それで、デンマークは先進国でありますけれども、一番最初に養老院の起源ができたのは一七一〇年。一七一〇年にもう、これ江戸時代ですから、江戸時代でも相当前の方ですね。それで、一八九一年、ですから明治二十四年には救貧法という法律ができまして、年金をもらえるか老人ホームにはいれるかどっちかを選択できるというようなことが明治二十四年にもうあったんです。その後ずっと進んできているわけですけれども、しかしデンマークへ行ってみますと、だれでもが住宅に入りたいが、老人ホームに入れないんです。もう本当にみんな待っているんですよ。だから、もう非常に天国みたいなことを書いている人がいますけれども、そうでもないんですね。何年も待っておって、九十何歳の人がまだ待っているというのもある。
 それで、今までのそういう一七一〇年の養老院、これ領主が領民のためにつくったんです。そういうお慈悲の制度でやってきたわけですね、慈悲の心。それで、慈悲でずっとやってきたのがずっと続いてきたんです。老人ホームをどんどんつくってきたんです。しかし、老人ホームへ老人をいっぱい入れていると、これ金もかかるんだけれども、みんな元気がなくなるんですね。それで、何か老人ホームに行くと何となくみんな元気がない顔をしているので、やっぱりこれじゃいけない、これは金もうんとかかるということもあるんですけれども、それで一九八八年、八年ほど前になりますが、高齢者住宅身体障害者住宅法というのができたんです。
 それで、これからは養老院はもうつくらない、老人ホームはつくらない。困っている人は本当に高齢者住宅に入れる、住宅のない人はですね。そうじゃない人は在宅でやる。それがお金もかからないということの方が大きいような気がするんですが、表面的には向こうの政府の人はそう言いませんけれども、しかしその方が生き生きとした、老人が本当にそういう生活をできるということであります。
 それで一九八八年に、それまでは社会省が全部やっていたんですが、その高齢者住宅、住宅の施設は日本でいう建設省が全部やる、そしてソフト面は全部社会省がやる、そういうふうに分けたんです。
 それで、高齢者の問題をあれするためには、これは簡単に言いますけれども、それをやるために向こうでは地方分権というのをやっているんですね。一九七〇年に、高齢者対策を進めるのは、それを担当するのは市だ、市町村だと。それまで千三百八十八市があったんです。だけれども、その市には大きな市もあるし、小さいような市もあるし、それぞれの能力が全然違うから、だからそれを二百七十五に編成がえしたんです。ほとんど同じ能力を持つようにしたんです。その上で税金の半分は市にやって、そしてそのかわり責任を持って高齢者対策をやれ、こういうことになったんで、今の日本の状態で市町村に全部責任を持たせて、既に半分以上が六十五歳以上のところもあるんだから、そんなところに保険だなんというようなことはおかしいんですよ。これはここで言うことじゃないからいいけれども。
 それと、施設が圧倒的に必要なんです、施設が。日本は高齢者がこの倍ぐらいになるわけだから、この倍の施設が要るんですよ。それから物すごく人が要るんです。これは人が少ないのはデンマークでさえ悩みの種なんです。だから、このことをきちっとやらないと、幾ら保険をやったりゴールドプランだとかといっても、あれは二〇〇五年ですから、二〇二五年にピークに来るわけです。
 そこで、その施設についても本当に大きな問題なんで、これは建設省がやったらいいんじゃないか。それは厚生省は自分で抱えていて何もできないというのじゃこれはうまくないんですね。せっかくさっき言いましたように三百万戸のストックがあるわけですから、それをこれからは、なぜ高額所得者は出ていけ、出ていかなきゃいけないと言ったのか、これは本当に困っている高齢者のために大事な施設だからそういうことを申し上げたのでありまして、そういう意味で住宅はやっていけばいいと思うんです。
 もう一つ、施設の大きなものにデイセンターというのがある。デイセンターというのはお年寄りだけが来れるわけですけれども、そこでいろんなことをやっているんですよ。九十何歳のおじいさんが毎日来て絵つけをしているんです。来た人は本当に生き生きとしているんです。これは五万ぐらいの都市に私は行ったんですけれども、きのう東京都千代田区の生き生き何とかというところに行ってきましたけれども、ちょっと圧倒的に違うんですね。やっぱりああいうものをつくって生き生きとするということが、介護老人の数も減るとか生き生きとした生活ができるということになるんで、これは厚生省に頼るんじゃなくて、特にまた公営住宅や公団住宅は集会室というものがあるわけですから、それをそういうセンターにどんどん衣がえしていく、何もないところにも施設は建設省の方でやっていくというようなことをやれば、高齢者対策、三つか四つの柱の一つだと思うんですよ、施設を整備するということは。
 厚生省で本当に、局長やなんか余りいないんでまた厚生省後であれしますけれども、そのことをちょっとまずお聞きします。
○政府委員(梅野捷一郎君) ただいまの上野先生のデンマークのお話につきましても、私も御調査されました結果についても一部聞かせていただいたり、コンパクトにビデオにまとめられていらっしゃいますので、それなども見させていただいたり、勉強させていただいております。
 その中で特に、いろんな点で啓発されたわけでございますが、最も啓発されたものの一つに、そのビデオを見ながら今のお話でございますけれどもデイセンターという考え方が大変はっきりしておりまして、そのデイケアセンターというケアという、どちらかというとそういうものの性格づけをケアセンターという形で私ども理解をしていたような点は、もう一歩進めて、やはりまさにデイセンターと言っているのは高齢者の生活そのもののセンターなんだなというふうに非常に啓発されたわけでございます。
 御指摘のように、私どものやっておりますさまざまな公的な住宅団地には、そういう生活を支えるいわばデイセンターとして、それがたまたま子供のためのデイセンターであったり、普通の若年の方に対するデイセンターであったりという性格ではやっているわけでございますけれども、今までのものがややそういう新しい、しかも重要な高齢者にとってのデイセンターというとらえ方をしていなかったんではないかという点を大変強く感じたわけでございます。
 そんなことから、せっかくやっている我々のいろんな団地の中につくっております施設を今の御指摘のような点でやることは、制度上も大きな問題はないというふうな気もいたすわけでございますので、十分研究させていただいて積極的に取り組みたいと思います。
○上野公成君 まさに、私のおやじが医者でして、そういう医療のことはよくわかるんです。これ病気になった後はいろんなことができるんですね。だけれども、病気にさせない予防医学というのが大事なんです。それと同じことなんです。そういうところで生き生きと生活をさせて、介護させない、さっき言いましたけれどもそのことが大事なんです。でもなっちゃった後どうしようというのが今までのそういう考え方なんです。
 そこで、厚生省に来ていただいているんですけれども、施設整備についてはもちろんデイケアセンターというので、後の分のリハビリをするとかおふろに入れてあげるとかそういうものもあるんですよ。あるけれども、それ以上に健全な生活をやる場をつくるということの方が大事なんです。
 そこで、やっぱり今までシルバーハウジングプランとかいろんなことで両省共管しているわけですから、施設の方はいろんなことがあっても、厚生省がやっても大してこれから三十年間に大きな施設の整備ができるとは思えない。それから、私は同和対策の窓口を三年間やっていたんですけれども、これは厚生省でやった施設、道路なんかはただ舗装すりゃいいというようなことで、小集落事業でやったものを建設省で全部やり直したようなことがある。きちっとした施設の整備水準をあわせてやっていけば本当にいいストックができると思うので、できれば建設省と協力してそういう施設の整備をやるということについて、きょう課長さんしか出てきていないのでお答えできないと思うけれども、答えられたら答えていただけますか。
○説明員(吉冨宣夫君) ただいま先生から御指摘のございましたデイサービスセンター、これは在宅の要介護高齢者の方あるいは虚弱の高齢者の方、こういった方の生活を支えていくといった面で大変重要な機能、役割を果たしているものだとこのように考えております。そしてまた、特に先生御指摘のございました予防といいますか、寝たきりにならないようにするために日常から活動的な生活をできるだけ維持していく、そういった面で果たしている役割というのも大変大きいのではないかとこのように考えておるわけであります。
 そういった中で、デイサービスセンターにつきましては、新ゴールドプランにおきましても大変重要な施策として位置づけをしまして、平成十一年度末までに全国で約一万三千カ所整備を進めていく、このように目標を設定しておるわけであります。そういった中で、そういった基盤整備を進めるに際しまして、ほかの保健福祉施設あるいは地域の公共施設との複合的な整備、こういったものを進めましてできるだけきめ細かく地域に密着した形での基盤整備を進めていこう、このように考えております。
 そういった中で、公営住宅、特に建設省さんとの住宅政策との連携でございますけれども、平成五年度に建設省さんとの……
○上野公成君 簡単に答えてください、自分のところだけ答えればいいから。
○説明員(吉冨宣夫君) はい。平成五年度に建設省との連携のもとに公営住宅の建てかえ時期に合わせまして在宅福祉機能を持ちました都市型複合デイサービスセンター、こういったものを整備することとしております。
 こういったように、できるだけそういった地域の高齢者の方あるいは特に公営住宅に住んでいらっしゃる高齢者の方、公営住宅のみならず地域の高齢者の方に対します必要な介護サービスの提供基盤の整備、こういったような観点で今後ともできるだけ建設省さんとの連携を進めてまいりたい、このように考えております。
○上野公成君 大臣、ずっと議論を聞いていただいたと思うんですけれども、先ほども申し上げましたように一九八八年に、デンマークは長い歴史があるわけですが、施設の方は住宅省に、そしてソフトウエアといいますか人だとかいろんなものは社会省にと、こういうふうに分けまして、それがかなりうまくいっている部分もあるんじゃないかと思うんです。さっき局長からビデオの話が出ましたけれども、後でお届けしますのでぜひ見ていただきたい。
 そして、これは二十一世紀に向けて内政の最大の課題だと思うんです。このまま何か五年先、十年先なんということじゃなくて、やっぱり三十年、先の最後の形を見ながら、三十年後にちゃんとした生活ができるということにするためには、何だかんだいってもちゃんとした施設をつくって、施設が大事だと思うんですね。それはとんかち勘定だなんて建設省は言われたけれども、とんかちでもいいと思うんですよ。だけれども、本当にみんながいい生活をできるためにはそのことが本当に重要だと思いますので、建設省こそ正面から取り組んでいただきたい。大臣の方から厚生大臣ともお話をしていただいて、本当に三十年後に悔いのないような方針を決めていただきたいと思うわけでございますけれども、大臣のお考えを聞かせていただきたいと思います。
○国務大臣(中尾栄一君) 上野委員にお答えさせていただきます。
 大変貴重な、特に委員の御自分の体験からくる御勉強などを通しておやりになっておられるわけですから、特に一七一〇年に始まったデンマークとはいえ、一九八八年度にこれまた大きな改革的な考え方に立ってやっておると、非常に参考にさせていただきました。
 本格的な高齢社会に対応いたしまして、在宅福祉の充実というものが重要な政策であるということから、建設省としても公的住宅及び民間住宅のバリアフリー化、あるいはまたシルバーハウジングを初めとする高齢者向け住宅の供給などの方策に積極的に今から取り組んでいきたい、こう考えておる次第でございます。先ほどの御指摘のとおり、確かにこれは建設省、さらにはまたこれに大きく協力し合っていただかなければならない厚生省ともども十分に話し合うことが必要かなと、私もそのように認知いたします。幸いすぐれた各位の方々がおそろいの厚生省でございますから、十分にまたその意を体していくように努力いたします。
 最後に、公的住宅団地において集会室を地域の福祉拠点として有効活用するほか、福祉施設を併設するような形をとって、在宅の福祉の基盤づくりに配慮した事業展開というものに積極的にこれまた取り組んでいくことも必要か。特に、また委員の問題点なども、送っていただくそうでございますビデオなども十分に考慮をさせていただきたいと思います。
○上野公成君 だんだん時間があれなものですから、一つだけちょっと飛び離れた質問なんですけれども、建設基準についてお伺いしたいんです。
 建築基準法も性能規定化していく、とりあえずツーバイフォー住宅については近々やられるというふうに聞いておりまして、このことは大変いいことだと思うんです。公営住宅も画一化されていて、ある時期ではマッチ箱を並べたとか、いろいろようかんを並べたとかと言われたことがあるわけですけれども、最近は見てみますと大変すばらしいのも出てきているわけでございます。しかし、ヨーロッパへ行ってみますと、例えばドアだとか、これは向こうは物すごく安くていいのがあるんです。こっちに来ると、物申すと十倍ぐらいするんですよ。それも余りにも建設基準がうるさ過ぎるんじゃないか。建具なんかもすごくいいものが入ってくるんですね。ですから、基準法の弾力化も必要ですけれども、公営だけじゃなくて公的な住宅の性能というものも、きちっとした性能は持たせなきゃいけませんが、仕様まで全部決めてがんじがらめにするということをもう少し改めてやるという方向、やっぱり外国の安くていいものはどんどん、それはまた国内の刺激にもなるわけですから、そういった意味で建設基準というものを考え直していただきたいと思うわけですけれども、そのことについてお伺いしたいと思います。
○政府委員(梅野捷一郎君) 量から質へということでいろんなことを変えてきた政策の問題もございますけれども、現実にこの建設基準を従来つくっていた時代に、大変窮屈な中で何とかぎりぎりの性能なりなんなりを確保しようという背景の中でつくられたものが、現在の状況に必ずしも合わなくなってきているということは御指摘のとおりでございますし、それぞれの段階でつくる公的住宅は、地域なりなんなりそれぞれの事情に応じた内容のある住宅をつくっていくということを十分生かせるような基準に、今御指摘のような方向で十分見直しをさせていただきたいと思います。
○上野公成君 そこで、これは公営住宅法と直接の関係じゃありませんけれども、公営住宅の発注というのは、実際は県営住宅なり市町村営住宅ということでありますから入札の問題と関係がありますので、そういう関連で少しお伺いさせていただきたいと思います。
 特に中小建設業の、これは大臣も地元を抱えておられて陳情なんかも受けられていると思うんですけれども、平成六年度に入札制度が新しくなりました。これは私たちとしては大変不本意なんです。実はこの建設委員会でも、一般競争入札がいいか、それから今までの指名競争がいいかという議論が行われました。参考人もちゃんと呼びまして、そのとき一般競争入札のサイドで出てきた方々も、工事の質が悪くなるとか、ボンドというものに頼り過ぎるので悪くなるとかいろんな問題点があって、我々の印象からいうとやっぱり指名の方がいいのかなと。むしろ、今まで一般でやっていたところは指名に切りかえている、切りかえようという国もあるというお話だった、そういう雰囲気だったんです。
 ところが、いつの間にか入札制度が新しくなったわけですけれども、なってみたらいろいろ問題があるということで昨年私はここで質問させていただいたんです。そして、幾つかのことにつきまして官房長からも大臣からも前向きの答弁がありまして、多分それはそのとおり行われているんじゃないかと思うんですけれども、一応確認の意味で一つはランクについて。
 Aランクの工事には今まではAしか入れなかったんですね。そうすると、例えば群馬県で工事が行われても地元のところも全然入れないというようなことがあったので、やっぱりそういう地域性だとかいろいろなものを考慮して、優良なものについてはAの工事であっても下のランクから、Bのランクから入れてくれるようにしてもらえないかということを要望したんです。ただし、逆は困りますよというお話をしたわけです。そういうことにも前向きの御答弁がありました。通達を出されたということも知っているわけでございます。
 それから工事のロットが、職員が少ないからどうしても道路なんか今までこのぐらいで切っていたものをこう長く切っちゃうので、その結果入れない。これでもいいけれども、ひとつ下のランクまで入れてくれるか小さくするかどっちかにしてくれというようなことがありました。通達も出されたと思いますけれども、一応具体的にどういうことをやっていただいて、もしわかれば、実績みたいなものがもう既にできていればその実績、できればランク別の発注がどう変わったかということについてお答えいただきたいと思います。
○政府委員(伴襄君) 上野委員から昨年六月にこういう御質問がございました。もともと中小・中堅建設業の受注確保対策、目標を決めて努めているところでございますけれども、特に平成六年度の結果等を見ますと大変芳しくない結果が出ておりましたので、昨年の七月、十月の二回にわたりまして中小・中堅建設業者の受注機会の確保対策というものを取りまとめまして、直轄の場合は各地建に通達を出して精力的に取り組んでいるところでございまして、その一環として、今お話しのように、例えば公募型の指名競争入札では優良な建設業者は上位ランクに入れるようにということを措置したわけでございます。
 まだ昨年度全体の数字は出ておりませんけれども、本年二月の段階で、一般土木工事、建築工事の公募型指名競争入札で、件数でいいますと四割の工事につきまして、我々は通称食い上がりと言っておりますが、下位の業者が上位のランクに入ってくる。例えば、B工事にC業者が入ってくるというふうに認めておりまして、実際の落札状況を見ましても、そのうちの例えば一般土木工事では一割が下位の方がとっているとか、あるいは建築の場合ですと三割のものが下位ランクの業者がとっているというような実績も上がっているところでございます。
 それから、ロットの問題もございましたけれども、確かにこのロットの話は、効率化とかコストの低減という点からいいますとロットの大きいという点も大事なところでございますが、あわせて地元中小対策がございます。
 そこで、一番根本的には、ロットを小さくすることができない場合にはできる限り発注標準を変えるということが大事だと思いますので、根本的な対策として発注標準のいわゆるランクの区分額の引き上げが有効だというふうに考えまして、平成八年度からすべての地建において発注標準の引き上げをやりました。例えば、A工事につきましては、土木ですと今までは五億でございましたけれども六億まで引き上げるといったようなことをやったわけでございます。こういうことによりまして、平成六年は非常に悪かったんですけれども、少なくともそれ以前の年の受注実績を上回るように達成できると見込んでおります。
○上野公成君 いろいろな方に聞いてみても、大分そういう方向になったということで、大変対応していただいたのでありますけれども、これは全部制度を変えたわけですから、何でもかんでも前へ戻せということじゃなくて、やはり中小の建設業者の方にしわ寄せがいっている部分がまだこのほかにも幾つかあると思いますので、そういう点だけでも変えていただきたい。
 そういう意味で、今発注標準の問題が出たので、これは昨年の質問のときにも申し上げたんですけれども、こういうことがあるんです。
 例えば、五億円の建築工事があるとします。それを建設省が発注する場合と県が発注する場合と市が発注する場合と、今の発注標準が違うものですから、建設省が発注する場合は相当上の人しか入ってこれない。Bとかそういうところしか入ってこれない。Bといいますと、地元でいうともうこれは相当大きいところなんです。上場しているような企業ですよ。一部上場の下の方とか、あと二部上場しているところです。一部上場でもBのところは随分多いですから。ところが、県が発注したり市が発注すると当然入れるんですね。それが補助金が出ている工事だったりすると、一体発注標準というのは何のために決めているのかなというようなことが疑問なんです。適正な工事が図られるために、やっぱりこれ以上の業者じゃないとちゃんとした施工が確保できないのじゃないかということが大きいんじゃないかと私も思うんです。
 そういう点からいうと、余りに発注標準が皆違うというのは、ちょっとおかしいんじゃないかなという感じがするわけです。国の工事は高い水準である程度以上の施工のいいものが必要で、県が発注したり市が発注したものはそれほどではないというようなことにもなってしまうので、やっぱり同じようなものについては同じようにしていくのが筋じゃないかなと思うんです。
 ただ、道路公団がやるようなものはこれは国の工事ですから、それは高速道路だとかそれから建設省のそういう大きな直接のものはまだいいと思うんですけれども、特に補助事業については少し整合性が必要なんじゃないかなということを一点、お伺いしたいんです。
 それからもう一つ、下水道事業団とかそれから住都公団の公園の方の事業です。例えば下水道の事業は、全部一たん市に補助金を出して市で本来やるべきものなんだけれども、下水道の事業者がいないとか、あるいはもう少し広域的にやるということで事業団に委託をしているんです。本来は市がやるべきものなんです。公園の事業もそうなんです。だから、そういう委託工事については受託者の発注標準でやるのが筋じゃないかなと思うんですよ。それが不可能であっても、やっぱり地元のそういう業者が全然入れないようなことになるというのは大きな問題があるんじゃないかなという気がするんです。
 今、地方分権、地方分権と言っていますね。私も地方分権は、さっきの高齢者のこともそうなんですけれども、もうちょっと市町村の権限というか規模だとか、それから能力というとちょっと言い方があれかと思いますけれども、それをきちっと整備をして、その整備をした上で税金の方の手当て、税金といいますか収入の方もきちっと手当てをして、そして分権すべきなんですよ。そういうことなしでわっとやっているから問題なんで、建設省に関するいろんな地方分権も何でもかんでも地方にやれというようなことで、私は本当は反対のものが多いんですよ。反対のものが多いんだけれども、しかし、こういうことは理屈で考えてもやっぱりもう少し別のやり方があるんじゃないか。
 そういうことをよく考えておりますので、二つに分けて考えていく。一つは一般論で、それはある程度理解はしておりますけれども、それから後の二つの委託についてはもうちょっと考え直していかなきゃいけないんじゃないかなということでありますので、ひとつお伺いいたしたいと思います。
○政府委員(伴襄君) 私の方から一般論の方でございますが、今先生、発注標準のランクの区分額、Aランク工事なら幾ら以上とかというその区分額の方のお話がありましたけれども、実はそれに対して建設業者をランクづけしているわけです。A工事にふさわしいのはA業者、どういう人と。ですから、この両方相まってこの制度は動いているということでございますので、各発注機関ごとに、まずは業者の施工能力に応じた発注を行って適切な工事の施工を確保するという観点もまず大事でありますけれども、同時に工事の適正な配分をするということも大事でございます。それぞれ発注者ごとに、その発注する工事の規模とか件数とかをざっと見まして、今度は、一方では受注を希望する建設業者の数とか分布とか経営規模とか能力とかそういったのをバランスしまして、それでバランスがとれるように、Aランクの工事はここまで、業者はこうというふうにやっているわけでございまして、したがって両方見ながら説明する必要があるんだろうというふうに思いますし、また発注者それぞれがばらばらになるのはある意味ではやむを得ないところがあるのかもわかりません。
 ただ、今回も発注標準を我々は変えまして、それを国の他の各発注機関にもお話をしましたし各公団にも言いまして、それに倣ってきております。例えば、厚生省さんやら郵政省さんは建設省と全く同じにするといったようにも改定されておりますし、それから各関係公団も改定してきております。それから、今補助工事の話がありましたので、公共団体に対しましても自治省と共同で、建設省の直轄工事はこういうふうに発注標準を見直したということを共同で通達しているところでございます。
 いずれにいたしましても、その業者の分布等、それから工事の発注状況等、それがきちっと説明できるような対応が必要かなというふうに思っておりますので、今後ともこのランク間の工事の適正な配分というものには十分配意してまいりたいというふうに思っております。
○政府委員(近藤茂夫君) 先生御質問の二番目の委託関係の発注の問題でございますが、先生御案内のとおり基本的に委託というのはその当事者間の契約でございますので、受託者側が受け取るということになれば基本的にはその受託者側の発注標準によるということが一つの原則だろうかと思います。ただその場合でも、今官房長の答弁ございましたように、それぞれ公団、事業団においても中小企業の発注の比率を高めるために今見直しがされているところであり、下水道事業団においては既に見直しされました。公団においても五月中には見直されるというふうに聞いております。
 ただ、下水道事業団の場合には多少特殊でございます。と申しますのは、一般論として、その受委託というのは契約でございますので必ずしも義務づけされているわけではございませんが、下水道の場合については下水道法で、公共団体が下水道工事をする場合には一定の技術者を有さなければいけない、下水道工事は一般土木と違って特殊なということでそういう義務規定があるわけでございますが、それは学歴だけではなくて実務経験を必要とする。こういうことになりますと、どうしても中小の公共団体において公共下水道をするという場合には委託せざるを得ない、委託が事実上義務づけられている面があるということから、先回の一連の改正におきまして、公共団体が下水道工事を委託する場合、発注部分だけは公共団体が保留するというそういう選択の措置もとれるような協定の様式を決めております。
 したがって、そういう事例も活用するということが一つの今後の方向だろうというふうに考えているところでございます。
○上野公成君 官房長の説明は大体そういう点もあろうかというふうにわかっているんですけれども、ただジョイントベンチャーは、定常的なものは今のでもいいわけですが定常的でないものはだめだということになったんですけれども、そういうことになるとどうしても大きなところへ集中するというようなことも入札制度を変える前にはあったことですから、だからその辺もちょっと一度検討していただきたいと思うんです。
 それから、下水道事業団につきましてはそんなに小さい市のことを言っているわけじゃないんですよ。もうちゃんとした能力を持っているところのことなんですが、やっぱり受託したから受託した方が全然委託先の事情を考えないで受託先で考えるのは当然だと言ったけれども、そんなに当然じゃないと思うんですね。だから、地方分権でいろんなことをそれなら何で議論をしているかということになります。これは公営住宅の質問に限ってやっておりますのできょうはそれでいいと思いますけれども、要は中小建設業の方にもう少しきちっとやっていくという意味からぜひまた引き続き勉強をしていただきたいと思うんです。
 次に、赤字企業の入札参加について何か通達が出されたというふうに聞いているわけでございますけれども、これだけバブルがはじけて建設業者も相当いろんなとばっちりを受けて、そういう不良債権だとか不良資産を一時的に処理をして、それを健全にするのにぐずぐず後まで引っ張っていないでやっていくというようなことはいいことだと思うんですが、どういうことであの通達を出されて、公共団体に対してもどういうような指導をしたかということをまずお聞きしたいと思います。
○政府委員(小鷲茂君) 御指摘のように、昨今の景気の低迷、なかんずくバブルの影響によりまして建設業界におきましてもリストラの必要性が叫ばれておるわけでございますが、その際に、赤字決算になると公共工事がとれなくなるんではないかと、そういう心配が一部にあると聞き及んでおりましたところでございます。したがいまして、これに対して、単に赤字であるからということだけで工事がとれないというのはまことに不合理なことでございますので、そういうことがあってはならないと考えておるわけでございます。
 ちなみに、私どもの建設省の直轄工事の取り扱いがどうなっているかということを申し上げますと、一応経営状況については留意をいたしますけれども、例えば不渡り手形を出すといったような事実が発生をいたしました場合には明らかに取引がなかなかうまくいかないということが予想されるわけでございまして、そういうときに限って指名をしないということを指名基準あるいは運用基準によりまして明確にいたしておりまして、これを既に公表いたしております。したがいまして、そういった心配はないわけでございますが、一般の場合、特に公共団体、なかんずく市町村あたりでそういう心配があるのではないか。
 こういうことで、昨年の二月に市町村も含めまして実態の調査をいたしてみました。その結果、大多数が単に赤字だからといって指名をしないといったような運用はしておらないのでございますが、わずかな数でございますがそういうことをやっているところも散見される。
 こういう事態を受けまして、建設省の運用の実態を参考例としてお示ししながら、基準をはっきりとおつくりいただきたいということ、それから、単に赤字だからといって指名をしないといったようなことではなくて、経営の実態をよく見て、先ほど言いましたように不渡りを出すとかそういった明確な事態があれば別でございますが、そうでない場合には十分選考の対象にするようにといったような趣旨の通達を出させていただいた次第でございます。
○上野公成君 不渡りを出せばというようなことですが、それにもう少し突っ込んで、本当に倒産したら、ちゃんとした発注して今施工中のものも後でだれかがやるとかということもありますが、完成保証人がやるとかいろんなことはあると思いますけれども、しかし、これはもう少し一年とか二年で本当に再建のめどが立つとか、やっぱりこれやむを得ない場合が多いと思うんですね。これからどんどん出てくるんじゃないかと思います。
 今、最初の住専のところをやっているわけだけれども、それにかかわったところは随分あるわけですからこれは次から次へと出てきているということもあるので、やること自体はきちっとやってもらわないといけないと思うんです。赤字が一回出たからもうだめだというようなことは、これはちゃんときちっとした姿勢で処理をして、そのために赤字になったものについてはきちっとやらなきゃいけないと思うんだけれども、もうちょっと厳格な姿勢でやられた方がいいんじゃないかなということを感じます。
 本当に問題のある赤字企業と、一時的な赤字であるけれども、バブルやなんかの影響があるがきちっとした処理をすれば、赤字を出していくということで、一年とか二年とか三年とか何年か出すけれどもその問題はないんだということをきちっと分けてやらないと、今まで何のためにやってきたかという、本当に極めて限定的、特例的にこれやらないと非常に悪い結果も出かねないと危惧するものですから、その点、もう少ししっかりとした方針を持ってやられたらいかがかと思うんですが、いかがでございましょうか。
○政府委員(小鷲茂君) 考え方としてはおっしゃるとおりであると思うのでございますが、実務上、問題のある赤字と問題のない赤字を判定するというのはなかなか困難でございまして、一義的にそれを判定する仕組みが現在のところ必ずしもあるわけでございません。
 したがいまして、一件一件、ケース・バイ・ケースで判断をせざるを得ないわけでございますけれども、公共工事の場合には契約の履行を担保するそのほかの実は手段、方法もございます。
 過去、工事完成保証人という制度、最近では履行保証という、金銭保証でございますが、そういった保証制度によりまして万一の場合の備えをしておる、こういう実態でございますので、幾つかのそういった手段、方法を重ねながら契約の履行の保全を考えていく、こういうことにならざるを得ないのではないかというふうに考えております。
 先生の御質問にきちっとお答えしていないんじゃないかという気もしまして、まことに恐縮でございますが、実務上、大変苦心の要るところでございますので何とぞ御理解いただきたいと思います。
○上野公成君 実際は大変な苦心があるということはよくわかりますけれども、そういう精神でやっていただきたいということを要望だけしておきます。
 そこで最後でありますが、昨年、この同じ席で中小建設業の育成の質問をさせていただきましたが、この委員席から、そうだ、そうだという意見が実はかなり出まして、官房長も覚えておられると思うんですけれども、それだけ非常に昨年は中小建設業が、悪いことしたのは大手なんですね、何で我々がとばっちりを受けなきゃいけないかとこういう大合唱であったと思うんです。大臣自身も恐らくそういう声を聞かれたんじゃないかと思うんです。
 さっきの下水道事業団も昨年の今ごろいろんなことがあったんですけれども、これは機械だとか設備だとかそういうものは一つ一つ製品が違うんですよ。だから、違うものを競争するわけだから非常にいろんな難しい面があるんです。いろんな問題も起こりやすいんです。だけれども、土木の発注だとか建築の発注というのはだれがつくったって同じものになるんです。それがいいかどうかは別なんですよ。性能発注の仕様にした方がいいということを私は申し上げているんだけれども、しかし、それは現段階はだれがつくったって同じものができる。発注、設計が同じでそのとおりにやらなきゃいけないわけですから。それが過ぎるぐらいなんで、余りそういう意味の問題は起こりにくいんですよ。
 だから、そういうものに合わせてなますを吹いちゃって、本来、中小建設業をちゃんと振興しなきゃいけないものまで何か余りにも消極的になるということもいかがかなという気もいたしますので、やはり前回行われました入札制度の改正というのは、中小の建設業にとっては結果的にかなり厳しい面が大変多くあったんだと思うんです。
 建設省は、一つ一つ納得していただいたものについてはお聞きになったように改善をされているようでございますから、まだたくさんとは言えませんけれども、まだまだ以前に比べると中小建設業の方にしわ寄せのいっている部分があるかと思います。
 今幾つかお聞きいただいたことは、以前だったらある程度できたことも多いんじゃないかと思いますので、そういう意味で、最後になりますけれども、建設大臣に、中小建設業の育成に向けてやはり精力的に取り組んでいただくという御決意をお聞きしたいと思うわけでございます。
○国務大臣(中尾栄一君) 委員が昨年、ちょうど今ごろかどうか知りませんが、御質問なさったということで、伴官房長も同席しておったようでございますから、その後における結果がそういう通達でなされておる。そういう点においては、うちの体系でいうならば、次官以下みんなその心構えでやっていることだけは申すまでもないことであろうと思います。
 これは、先ほど来聞いておりますると、全く私の持論と少しも変わっておりませんので、これは私の哲学であり持論でありますから、汗をかいた人は汗をかいた分だけ少なくとも恵まれていく、その方針というものは私の方針としても貫いていこうと思っている次第でございます。
 また、今回の改革に当たりましては、我が国の建設業者の九九%が中小企業というものに当たるわけでございますし、地域の雇用と経済を支える重要な役割を担っていることに配慮してきたところでございますが、さらに、中小企業者を取り巻く厳しい環境、状況というものにかんがみまして、昨年七月、十月には、先ほど御指摘のような中小・中堅建設業者の受注機会の確保対策というものを取りまとめまして実施しているところでございます。
 今後とも、入札・契約制度を着実に実施いたしましてその定着を図るということに全力を挙げたいと思いますし、中小建設業者の育成を図る観点から、昨年六月に策定した構造改善戦略プログラムに基づきまして積極的に支援することによりまして、技術と経営にすぐれた企業が発展できるように努力してまいりたいと思っておる次第でございます。
 ありがとうございました。
○石渡清元君 上野議員に引き続きまして質問をいたします。
 最近の土地事情でございますが、バブルの全盛の時期には全国どこへ行っても商業業務関係の土地開発ばかりが目についたわけでございますけれども、現在のような経済情勢になったときに、やはり土地の有効利用等々を考えたときに住宅建設が一番適していると、何かそういうふうにシフトしてきているような気がいたします。
 そういう面では、今回の公営住宅法の改正というのは非常に時宜を得た改正ではないか。特に、公営住宅の多様化の施策がいろいろあるわけでございまして、そうはいうものの地方公共団体等々が行う公営事業はやはり土地取得が非常にネックになってきておりますので、それをどうカバーしていくかということに相なろうかと思いますけれども、その中で今回の公営住宅の買い取り、借り上げの方式が有効だと思われますが、この点についてまず建設省の考え方を聞かせてください。
○政府委員(梅野捷一郎君) 御指摘のとおり、今回御審議いただいております改正案につきましては、公営住宅の従来の用地を取得し直接建設をするという方式に加えまして、買い取りあるいは借り上げという方式で供給の多様化をお願いしているという点がございます。
 今御指摘のように、一つの供給手法ということになりますと、そのときのあるいは地域の実情を見まして、どうしても用地の取得あるいは結果としての家賃その他にもいろんな影響が出るわけでございますが、手段をなるべく多様化して、最終的にはお入りになる方々ができるだけ選択の幅の広い、場所であるとか環境であるとかいろんな中からお入りいただけるような状況をつくっていくということからやっているわけでございますけれども、全体のこれが買い取りあるいは借り上げというようなことが現実に進みますと、その他の周辺の土地利用というものについても好ましい影響を与えるというふうに考えているところでございまして、私どもこの改正が進みました際には、こういう手段を使って積極的に公営住宅の供給に有効に使わせていただきたいものだというふうに考えているところでございます。
○石渡清元君 先ほどの上野議員の質疑の中にも、この問題について、民間を含めてこの事業に参画できる条件、基盤づくりをしたい、こういう答弁がありました。
 それでは、具体的に買い取りとか借り上げ方式の、どういう基準でその施策に取り組もうとするのか、特に住宅の質的な面をどのように確保していくかという面も含めて御説明を願いたいと思います。
○政府委員(梅野捷一郎君) 買い取りあるいは借り上げ方式というものを入れる際に、当然民間でお建てになったものを公営住宅として活用するということでございますので、その対象となる住宅の内容が何でもいいということではもちろん決してないわけでございまして、通常従来やっております新築において規定をしております基本的な性能については十分同じものでなければいけないし、今回は高齢者等に配慮した設備、仕様なども公営住宅としての整備基準をきちんとそういう面からも満たすものということで考えていこうということで、内容のあるものをそれぞれの適地において借り上げていく、民間の住宅を活用していくと、そういうことでやってまいりたいというふうに思っているところでございます。
○石渡清元君 私が聞いているのは、もうそういう買い取りあるいは借り上げ制度、制度はいいんですよ、非常に期待ができる。ところが、今度は住宅を供給する側から見たときに、どういう条件なら買い取ってくれるのか、あるいはどういうケースが借り上げできるのかということがわからないと、住宅そのものの供給が出てこないんじゃないか。
○政府委員(梅野捷一郎君) この買い取り、借り上げの対象となる範囲といいましょうか、今御指摘の点で申し上げますと、先ほど申し上げたように一つ一つの住宅あるいは全体の住宅の質の問題が一つはもちろんございます。
 それから、そういう点に耐えるものであれば、新築でも既存の住宅でも適格なものであれば買い取りあるいは借り上げをして活用させていただきたい。あるいはいろいろな条件の中で、公営住宅だけのための建物をつくって買い取っていただくというケースももちろんあると思いますけれども、全体の住宅開発の中で、その一部を事業主体側が求める場合に、話がまとまるものであれば一部を借り上げたり、買い取ったりすることができるという考え方でございます。
 また期間につきましても、原則としては借りてすぐ返しちゃうというなようことでございませんで、借りる際にも二十年というような安定した期間で活用させていただくという考え方でございます。
○石渡清元君 ですから、老朽とか新築に近いという答弁がありましたけれども、どのぐらい経過している建物かとか、あるいは規模とかそういったようなことはきちっと示して周知させておかないと、制度自体は理解できても、そういうふうに供給したいといったような場合は一体どうなるのか。
 これは、なぜ私がそれをお伺いしているかといいますと、それがはっきりしないと、今度は入居者側に立った場合に一体家賃負担はどういうふうに算定をされるのか、こういう問題につながってきますので、その辺をきちっと、どういつだような規模だとか額まで示されて買い取りなり、借り上げを進めようとするのか、もう一度。
○政府委員(梅野捷一郎君) 一つは、物そのものについて、先ほどの性能でありますとか、戸数でありますとか、新築であるか、既に建っているものであるかというようないろんな点についてもわかりやすい、その借り上げあるいは買い取りの基準としては、この改正案をお認めいただいた場合には基準として明確にさせていただくつもりでございます。
 それから、費用についても当然新築の場合の国の考え方としての標準的な価格は従来もあるわけでございますが、それに見合った、並んだ範囲での経済的な範囲も明示をして、それを一般の住宅を供給されると思われる方々に対してもあらかじめ明確にできるようにしていきたいというふうに思っております。
○石渡清元君 それじゃ具体的にはこれからそういったようなことを明確にしたいと、こういうことであります。
 そしてもう一つは、先ほど答弁の中で二十年安定的に、その気持ちは建物保全も含めてよくわかるわけでありますけれども、それじゃ二十年たったときにどうか。これはいろいろ神奈川でもその手のあれがあり、大体もう二十年来ている、そういう公共建物が多いんです。それがちょっとそのあと処理が必ずしもスムーズじゃないようなケースが結構ありまして、それをみんな見ているものですから、二十年たったときに、満期になったときには一体どういうような形の手当てがあるのかという疑問が非常に多いわけであります。それについてはいかがでしょうか。
○政府委員(梅野捷一郎君) ただいまの先生の御質問は、入居された人から見たその段階での御心配と、借り上げた、お貸しされた側と両方あろうかというふうに思うわけでございますが、まず通常の賃貸住宅の場合に大変トラブルといいましょうかそういうものが起こる際には、入居者が生活の継続ということでなかなか期限というような問題での動きがそう自由ではないという状況から発生する場合が多いわけでございますが、今回も法律の中で、借り上げた場合にはそういう期間に基づいたこれは住宅であるということは法律上もまず明示をしながら募集をすることになっております。
 それから、当然期間が来る、近づいたときに、もう一度そのことを確認させていただくということになっております。さらに、ただそういうことを通知するあるいは知っていただくというだけではなくて、その期間が来たときには他の公営住宅に、条件が合えばでございますが、高額所得になったというようなことを除きまして、移っていただくという条件の中で、二十年の契約の中の公営住宅でございますということを十分明示をしながらやらなければいけないという仕組みになっておりますし、そのことが実態面でもお入りになった方々に十分御理解いただくような運用をしなければいけないというふうに思っております。十分運用されるという実態の裏づけがあれば、お貸しになっている方々も文字どおり契約の二十年でお貸ししたということで、従来とは違ってきちんとした形で契約関係が成立していくという信頼を得られていくことにつながるだろうというふうに考えているところでございます。
○石渡清元君 そして、この買い取り、借り上げ方式でございますけれども、この法案が成立したときに非常に即効的なのは、阪神・淡路大震災の被災地にすぐそれが適用できるわけでございまして、そういう面での阪神・淡路関連でどのぐらいの規模とか対象を想定され、すぐ便宜供与を図ろうとされているか。私はこの法案のそういう面での阪神・淡路被災者の期待というのは非常に大きいんじゃないかと思いますけれども、建設省はどの辺をメルクマールというか、期待をしているのか。
○政府委員(梅野捷一郎君) 現在、阪神のケースについては、先ほどもお話がございましたけれども家賃の問題、いろんなことがございますが、その一つに、例えば仮設住宅から移っていける相手の住宅を本当に確保してくれるのかどうかということで大変御心配いただいております。
 私ども、最近の個別の聞き取り調査の集計から見ますと、従来持っておりました計画では、特に所得の低い方々を対象にした住宅についてはふやすという方向で見直しをしなければいかぬのではないかということで今検討いたしております。そのことの中で、今回のようなことが可能になってまいります中で、買い取りあるいは借り上げということもその有力な武器と考えておりますが、全体の地域も実は被害を受けておるわけでございますので、実際の供給が民間サイドからどれぐらい出てくるかということは、今のところ、大変大きな数であればぜひ活用したいわけでございますけれども、実態を申し上げますとまだはっきり見えていないという状況でございます。
 したがって、できるだけそういうものを活用して、特に立地の問題もございますので、いろんなところの住宅を活用していただければ被災者の方々にも適切な供給ができるだろうということで期待はいたしておりますが、現状でどれぐらいということについての大きな数というところまでは見通しはございません。
○石渡清元君 先ほども質問がありまして、家賃とかはやはりやや緊急避難的に考えるべきじゃないか。公営住宅でさえまとまったものはできないんですから、今回の改正案では一棟でなくても数戸でも借り上げる、そういったようなことを示していますので、したがって、できるだけ立地のいいものでそういうものがあったらどんどん積極的にこちらから踏み込んで借り上げなり買い取りなりそういう方策をすべきじゃないか。
 過般も、永田委員長を先頭に阪神・淡路を視察に行きました。やっぱり一刻も早く仮設住宅から本住宅の方へという願いは強いものがございます。それは遠くならたくさんあるんですね。いかに周辺の地域でそういったような住宅を確保するか、この努力が一番大切ではないかと思うんです。
○政府委員(梅野捷一郎君) 御指摘のとおりでございまして、どうしても阪神の場合も先ほど御指摘がありましたように、一般のところでもそうでございますが、ああいう環境の中での供給でございますので、土地を取得する、みずから取得していくということにはいろんな制約の中で苦戦をいたしております。
 したがって、特に居住の場所の問題あるいは地域環境の問題というようなことからいえば、当然それに相応する供給が民間からあれば私どもとしても積極的に活用したい。その中には、御指摘のように全体であるということを全く考えているわけではございませんので、そういう面でもほかの住宅の供給にも貢献するわけでございますので積極的に取り組ませていただきたいと思いますし、地元では、ディベロッパーといいましょうか地主さんといいましょうか、そういうあたりに対してもそういうことをやるということについては積極的なPRに努めておられるところでございます。
○石渡清元君 私は、自民党の労働部会長を仰せつかっておりますけれども、住宅の中でも移転就職者用宿舎、いわゆる勤労者住宅とよく言っているんですが、これは雇用保険の被保険者を対象とした住宅でございまして雇用促進事業団がやっておりますけれども、それが今全国で十四万戸、入居率八七%というふうに聞いております。こういったような住宅とか、あるいは社宅をもっと活用するような、社宅を奨励するようなインセンティブを、建設省の住宅局あたりがもう少しインセンティブを与えるような政策をとったらいかがかなとも思います。
 ただ、社宅というのはピンからキリまでありまして、もう上の方になりますと豪邸のような社宅もあるようでございますけれども、これらを活用するのは、特に勤労者に対してゆとりと豊かさを実感できるそういう住生活につながっていくんじゃないかと思います。その辺についてはいかがでしょうか。
○政府委員(梅野捷一郎君) 社宅そのものをおつくりになることについての支援の部分と、それから何らかの意味で公的な住宅を供給して公的住宅を社宅として御活用いただくという、両面あろうかと思うわけでございます。
 社宅の建設供給という事業者に対する支援ということは、例えば公庫制度その他そういう意味でもいろんな活用できる部分もあるわけでございますけれども、やはり我々は賃貸住宅を、直接公的セクターが供給したものを、特定入居という形になるわけでございますので、そういう入居者をどういう条件の中で特定していくかということとの整理をつけていくことが要るのではないかということでございます。
 特に、今先生御指摘のものは、雇用促進事業団のお話がございましたように、大きな企業の場合には一社で社宅というものを取り上げることができても、中小企業を中心としたところはそれぞれの会社では社宅というものがなかなかできないということで、全体をまとめていくような政策をということだろうと思うわけでございますけれども、そういう点についても今後いろんな事業の中でそういうこともぜひ研究をさせていただきたいと思います。
○石渡清元君 それから今回の改正で、公営住宅の供給、管理の一元化、こういうことで従来の第一種、第二種が廃止されました。そして、今までですと例えば地方公共団体がやる場合には第一種は二分の一の補助、第二種は三分の二の補助がありましたけれども、今度は一律二分の一というふうになるわけでございまして、非常に今の地方財政を考えたときにこの廃止がかえって住宅供給のネックとなっていくんじゃないか、あるいは地方団体に対して財政面ではどんなようなことを考えているか。
○政府委員(梅野捷一郎君) ただいま御指摘のような改正の御審議をお願いしているわけでございますけれども、今回の改正は建設費補助の補助率の問題と、一方で先ほど来御議論ございますような家賃対策補助というものを一層充実した体系としてやろうということでございまして、建設費補助と家賃対策補助というもの全体を見ますと、公営住宅に対する国の財政的支援、国費というようなものでは制度上特に減少するということはない、そういうふうに考えているところでございます。
 また、この制度改正によりまして地方負担分が当然、従来からもございますが、この制度改正に伴う地方負担につきまして地方公共団体の財政運営に支障が生じないような適切な地方財政措置が講じられるということがこれもあわせて措置されているところでございまして、今回の改正によって、むしろ公共団体の財政面からの事業のやりやすさといいましょうか、実態に即した事業の進捗にとっては前進ではないかというふうに私どもは理解しているところでございます。
○石渡清元君 次に進ませていただきます。
 今までの公営住宅の中で非常に老朽化しているところが目立ってまいりました。また、老朽化しておる住宅というのは非常に立地に恵まれているところが多いわけでございまして、その建てかえについて、今回の法改正でどうその建てかえが促進をされるのか御説明願いたいと思います。
○政府委員(梅野捷一郎君) 御指摘のように、現在公営住宅全体で二百十万戸弱のストックを抱えているわけですが、その中には老朽化が進んでいるという面からも問題なもの、あるいは御指摘のように立地条件あるいは敷地の条件から見て必ずしも適正な利用のされ方をしていない住宅というようなものもございまして、建てかえを進めて、今申し上げた両面からということで大変力を入れてきております。
 実際にも、過半の事業が建てかえを通じて新しく建てられる、供給されるという形で進んでいるわけでございますけれども、今回の改正によりまして改善が図られた部分は、従来の建てかえ事業というのはやはり戸数が極めて不足していることにこたえていくという側に非常に重点が置かれた仕組みであったわけでございまして、建てかえの戸数がふえていくというところを非常に大きくとらえていたわけでございますが、今回はむしろそういうことももちろん重要でございますが、質の問題ということも並んで重要だという観点から、建てかえ後と建てかえ前との戸数の比較も原則的に同数であってもいい、同数というようなレベルでいい、そういう枠の中で内容を充実する。
 あるいはまた、ほかの先ほど来出ておりますようないろんな福祉施設その他のものと、特定優良賃貸と併設をするというようなときには、従前の住んでおられる戸数までが戸数としての制約であるというような点を改善させていただいているわけでございますので、実態に即した建てかえ事業が進みやすくなったものと考えているところでございます。
○石渡清元君 建てかえと同時にリフォームも並行して行う。建てかえといっても大変な財政需要が必要になってきますけれども、リフォームで特に耐震改修をぜひ計画的に速やかにやっていただきたい。そのときに、建てかえもリフォームもそうなんですけれども、結局家賃にみんなはね返ってきますので、その辺の配慮を、特に激変、高騰することがないようにその緩和措置、応能減額の方式を考えて、ちょっと時間がありませんので家賃制度については議論ができませんけれども、それも含めてリフォームの方もひとつお願いをしたいと思います。どんなふうに考えているでしょうか。
○政府委員(梅野捷一郎君) 建てかえ事業は積極的に一方で進めているわけでございますけれども、いたずらにすべてを建てかえるということではもちろんないわけでございまして、老朽度が進んでいずれにしても建てかえなければいかぬケース、あるいは建てかえることを通じてもっと内容が飛躍的に拡充してくるというケースについて対象にするわけでございますから、それ以外のものにつきましては、リフォームについても私どもも大きな柱として取り組んでおります。
 例えば、今御指摘の耐震改修につきましても、耐震診断を既存の建物について、公営住宅について全国的に実施をしたところでございますけれども、その結果を受けまして精力的に取り組んでいこう、できればそう時間をかけないでやっていきたいということで今計画をそれぞれ立てているところでございますが、平成八年度の、今年度の予算の面で見ましても耐震改修約一万一千七百戸を計画しているところでございます。
 また、これと並行するといいましょうかあわせまして、もう一つの大きな問題でございます高齢者が利用しやすいような形につくり変えていく、その面でのリフォーム、改善につきましても一万三千八百戸を計画している。そういうことで、これらについては当然国としての助成も図りながら進めていくということで、積極的に取り組ませていただきたいと思っているところでございます。
○石渡清元君 この建てかえに当たりまして、やはり規模とか高齢者に対する配慮とか、いろいろそれも確かに大事だと思いますけれども、やはり生活の機能とか生活ニーズが変わってきていますので、住宅の機能的なものとかあるいは環境に配意したもっとクリーンエネルギーを取り入れるような、あるいはごみ処理についても新しい方式とか、いろいろなことを考えた建てかえ、あるいは強いて言えば再開発、町づくりまで進むようなそういったようなリードをぜひ住宅局が行うべきではないかと思っておりますけれども、その辺についてはいかがでしょうか。
○政府委員(梅野捷一郎君) ただいま御指摘のような点については、近年では、私どもだけではなくて皆様からのいろいろな御指摘もちょうだいした結果、公共団体サイドでもこういう住宅の事業や管理の中で、単に公営住宅という狭い意味での性格だけでなくて、関連するものもあわせてやっていくという考え方の取り組みが大変普及してきているものというふうに私どもは理解しているところでございます。
 また、この公営住宅が当然低額所得者に対する住宅を供給するという目的ではございますけれども、それは地域社会の中に存在しての公営住宅でございますので、また先ほど来建てかえのところで先生からも御指摘いただきましたように、公営住宅の建てかえに当たるような住宅はかなり場所もいいところにあったり、まとまった団地が多いというような現実もございますので、そういう点からも建てかえに当たりましては周辺の町づくりの一部という観念もとらえながらやっていくということも積極的に進めているところでございます。そういう事業手法も、例えば住宅市街地総合整備事業というような面的に全体をくくってやっていくというような事業もかなり積極的に取り組んでいるところでございまして、今後もそういうやり方をできるだけ使いながら、建てかえを効果のあるものとしてやってまいりたいと思っているところでございます。
○石渡清元君 ぜひその方向で、特に環境面で緑化率というもの、都心で緑化というわけにもいかぬ、緑化率までいかないまでも、緑被率ぐらい少し上げるように、花や緑が少しは従来以上に身近にあるようにしていただきたいと思います。
 最後に、建設省は社会資本整備に向けていろいろな事業を行っておるわけでありますが、やはり私は景気浮揚には一番この住宅建設、住宅投資というのが波及効果が多いと思います。大臣は経済企画庁長官もおやりになってもうその道の専門家でありますので、今までいろいろ公共投資をやっても必ずしも景気の回復は思うようでなかったわけでありますけれども、これからそういったようなことを踏まえて景気刺激のためにも建設事業の投資をぜひお願いしたいと思い、またその点につきましての大臣の見解やら、あるいは建設投資の今後の見通しまでお触れいただければありがたいと思います。
○国務大臣(中尾栄一君) 石渡委員にお答えさせていただきます。
 確かにもう御指摘のとおりでございまして、現時点で私は今数字は持っておりませんけれども、住宅投資というものは極めてすそ野が広い分野であることはだれしもが認知しておるところでございます。例えば、電気設備あるいは上水道、下水道の設備、あるいはまたさらに家具あるいは電気製品等の耐久消費財の購入にまでつながっていくことも、これまた俗に言う台風が吹けばおけ屋がもうかるというようなもので非常にすそ野が広いことだけは事実でございましょう。
 そこで、したがって住宅投資を拡大するということは、日本経済を本格的な景気回復というものの軌道に乗せていく上で極めて重要な課題であるというふうにとらえておるわけでございます。
 なお、国民の住宅に対するニーズというものは極めて強いものがありますので、今後とも住宅投資そのものは堅調に伸びていくという見通しに立っておるものでございます。
○石渡清元君 終わります。
○委員長(永田良雄君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   正午休憩
     ―――――・―――――
   午後一時一分開会
○委員長(永田良雄君) ただいまから建設委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、公営住宅法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○市川一朗君 平成会の市川一朗でございます。
 本法案につきましては、五月十五日の参議院本会議におきまして平成会の片上議員が質問しておるわけでございますが、その際にも橋本総理に対しまして住宅政策の基本的認識をお伺いしておるのでございますが、担当大臣としての建設大臣の基本的認識を私からもまずもってお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(中尾栄一君) 市川委員にお答え申し上げます。
 国民一人一人が充実した住生活を営むことができるようにするためには、大都市圏における居住水準の立ちおくれや、あるいはまた高齢化の急速な進展などの現下の住宅事情に即した政策を実施することが必要であるど考えておる次第でございます。
 こうした観点から、例えば今国会におきましては、住宅局関係では住宅金融公庫法の改正と公営住宅法の改正をお願いいたしまして、さらに平成八年度予算においても、良質な賃貸住宅の供給の促進や高齢者に優しい住まいづくりの推進などのさまざまな施策を盛り込んでおるところでございます。
 今後とも、時代の要請に沿いまして住宅政策の拡充に努めてまいる所存でございます。
○市川一朗君 本会議における橋本総理のお答えの中でも、「住宅政策の基本は、国民一人一人がその状況に応じ豊かさを実感できる住生活を営むことができるようにすることだと思います。」という答弁でございまして、ただいまの中尾建設大臣の御答弁も、より具体的に内容も踏まえました御答弁でございましたけれども、基本的な線はその線に沿っておると私は理解する次第でございます。
 しかし、住宅政策は基本的にはなかなか難しい問題も含んでおると私どもは思っておるわけでございまして、五十年前、衣食住すべてに乏しい状況にありました我が国が、この五十年間の国民を挙げての必死の努力によりまして何とかここまでたどり着いたわけでございますが、そうした中で、どうも衣と食は一定の水準に達したんですが、住だけは国民の要求にこたえていないのではないか。
 少なくとも、国民はこの住の問題に関しては非常に大きな不満を持っている、満たされていないものを持っている。それが、これだけ高度成長によりまして経済的に豊かな日本の国になりながら、どうもいま一つ本当の意味で豊かさが実感できていないその最大の理由の一つではないかということでございまして、この点につきましては、当院だけではなく衆議院での本法案の御議論の中でも再三再四各委員から指摘が出ておるところでございまして、私もほぼ同じような見解を持っているわけではございますけれども、しかし住という問題は翻って極めて私的な部分もございますので、考え方としてどうも大きく分けて政策という観点で二つの考え方があるのではないか。
 一つの考え方は、住宅というのは、やはり個人の住まいの問題であり、基本的には個人の財産とかそういった私の部分でありますから個人の個々の努力で解決するのが基本であるべきで、いわゆる今盛んに言われている言葉で言いますと自己責任の問題が大きいのではないか、そして公的な支援は必要最小限でいいのではないかという考え方が一つあると思うのでございますが、そういう主張もされておるように思います。
 しかし、先ほど来状況としてお話し申し上げました国民のコンセンサスの問題、それから橋本総理や中尾大臣の御答弁の中にもにじみ出ていると私は思った次第でございますが、この豊かな日本の中で一番おくれている一つである住宅の問題、この問題を解決しないことには国民の本当の真の意味での生活の満足感が出てこない。財政上の限界はあると思いますけれども、そういった中でできるだけの努力をして、そして国民一人一人がそれぞれの状況に応じて豊かさを実感できる住生活を営むことができるように、そういうことが生活の基本でなきゃならないという考え方と、二つあるわけでございます。
 その辺につきまして、先ほど大臣の御答弁は後者の方に立っておるという感じで受けとめたわけでございますけれども、担当局長の見解もお聞きしておきたいと思います。
○政府委員(梅野捷一郎君) 私どもも、今御指摘のようにさまざまな住宅政策が五十年前の基本的には社会条件、経済条件の中で組み立てられてきたものだということで、さまざまな時代に合った修正なり追加なりを進めてきたわけでございますけれども、そのベースになっておりますのは、あくまでも基本は今御指摘のように、個人が生活をどう組み立てるかということはまことに個人のお考えがベースになるわけでございますから、そこはしっかりと考えるべき中心であるというふうに考えているところでございます。
 今日の特に、例えば都市の問題のようなさまざまに社会的な複雑な問題の中で、個人がみずからの選択や行動によって生活を充実していくということがいろいろな点で困難な面が多い、そこについては公共あるいは政府、そういう部門がさまざまな仕組みなり助成なりを通じて個人の住生活の充実がより一層的確に実現できる条件をつくっていくということについては、やはり我々が最も中心に据えるべき住宅政策を組み立てる際の考え方であろうというふうに思っているところでございます。
○市川一朗君 現在の住宅問題の内容につきましてもう少し突っ込んで検討してみたいと思いますが、大都市地域と地方とでは住宅問題の様相がかなり異なるのでございますが、やはり何といっても大きな問題を抱えているのは大都市地域だと思います。
 主として大都市地域をイメージいたしまして、特にこの東京周辺の住宅問題をイメージいたしまして考えてみますと、前の住宅金融公庫法の改正のときも私御質問の中で申し上げたわけでございますが、昭和五十年代初期のころに、昭和五十二、三年ごろでございましたでしょうか、もう少し前だったかもしれませんが、住宅公団の空き家がたくさん発生したときに、いわゆる遠高狭、遠いということ、それから高いということ、それから狭いということ、この三つが取り上げられました。それが日本の住宅問題の一つの象徴的な、政府、行政当局にとっては厳しい指摘ですが、ある意味でわかりやすい遠高狭という言葉で集約された指摘があったんです。
 この時点で、いろいろな資料を調べてみますと、やはり遠高狭の問題は基本的には解決していないんです。やっぱりその辺の問題、特に遠ですね、遠いという問題はむしろ悪くなっているという数字等が出ておりまして、きょうはその辺の問題をもう一つ掘り下げてみたいと思うんです。
 その前に、住宅の値段が高いとか狭いとかという問題について、きょうは公営住宅の問題でございますから、その狭さの問題についてちょっと具体的なお話もお聞きしておりますので、住宅局長に考え方を聞いてみたいと思うんです。
 実は、今回の公営住宅法の改正が審議されるということで、私どものところへたくさんの方々からいろんな御要望、お問い合わせ等が来ているんです。その中で荒川区の大きな団地、三百七十一戸の団地でございますけれども、昭和二十九年からつくり始めて大体十年ぐらいかかってできた。今三百七十一戸のようですが、具体的なのは結構ですから考え方をお聞きします。昭和二十九年ごろにできた部分はもう当時の状況からいって非常に狭い。ちょうどあのころ昭和三十年、住宅公団ができました。あのときは鳩山内閣が出した方針は一戸十坪という政策だったですね。そして住宅公団をつくったんです。そういう考え方のときできたもので、結局ベランダもないそうです、非常に狭いところ。もう昭和二十九年ですから四十年たっていますから、相当老朽化も進んでいると思います。当然建てかえの対象になると思います。
 ただ、これもう昭和二十九年代ですと中層なんです、四階建てから五階建て。それで団地の方は心配しておられるんですよ。どう建てかえても今どきに合うように建てかえたら絶対戸数は減ると言うんですね。今度の法律では、前の一・二倍だったですか、それを解除して同数の戸数が確保されればいいということで、午前中の議論でもそれは進歩だ、かなり現実的だという御指摘もありましたが、大体はそういうことでかなりの改善だと思います。局長も大体わかると思いますが、こういう公営住宅や団地がありますよ。そういったような問題も含めて基本的にどう考えておられるか。
 特にこういう狭い公営住宅、公営住宅だけだったら本当は話は簡単なんですが、民営の賃貸住宅の問題まで入れますと、この辺がまさに住宅政策の基本なんです。とりあえず、公営住宅のこういう狭くて老朽化した問題を、例えば今度の法案の改正の基準でもってどういうふうに対応できるのかなということについて、入居者の方々が非常に不安を持って見詰めておられますので、しっかりとした御答弁をお願いしたいと思います。
○政府委員(梅野捷一郎君) 戦後の私どもが長年やってまいりました住宅の供給の中で、今御指摘のように、当初、終戦後直ちに始まりましたのは六坪住宅というのが一瞬ございまして、現在のいわゆる仮設住宅でも八坪でございますが、六坪住宅というのに一瞬取りかかりました。それが九坪住宅という水準に、積極的な量の供給をしようというときにそういう段階がかなり続いたわけでございますし、今御指摘のような時代の中では、何とか十三坪住宅というものをその次の段階としては進めてきた。
 現在、先ほど来申し上げました公営住宅二百十万戸弱、あるいは公的住宅全体、賃貸加えますと三百万戸ぐらいの住宅を公的セクターでも持っているわけでございますが、その中のかなりの部分がそういう状況の中でストックを積み上げてきたという歴史があるわけでございます。その意味で、今日のさまざまな住宅事情にこたえていくためには何らかの建てかえ、一番積極的なケースでは建てかえでありますし、先ほども御質問ございましたが再投資、現在の利用にたえる形につくり変えていくという両面から考えていく必要がある。
 ましてや、計画的に必ずしもつくったとは言いがたい個々におつくりになっている民間の住宅については一段と条件は厳しいわけでございますから、その点については大変深刻な条件の中での取り組みであるということは、私どももそれなりに理解をしているつもりでございます。
 公営住宅につきましては、その中では今先生も御指摘のように、いわゆる団地というような考え方をとりながらやってきたこともあって、相対的にはその中でもまだ条件が恵まれていることだろうというふうには理解しておりますが、それでもその個々の条件を見ますと建てかえるということが現実に大変厳しい団地も多数抱えているわけでございます。
 これらについては、いわゆる単純な建てかえ事業という政策手段だけでは当然対応できないわけでございますので、大きくは、可能であればそういうケースについては、より広い意味の住宅の再開発というようなことを市街地全体を整備するという中にできるだけ取り組む方向で問題を解決する道も探らなければいけないというふうに思っておるところでございます。そういう条件の中で、しかも大変条件の悪い住宅が現にでき上がっている市街地も地元との十分な協議の中で、新しい土地柄としての住宅市街地に切りかえることができるかどうかということも地域と会話をしていかなければいけない。
 そういう会話の結果としては、都市局長もおりますけれども、例えば都市計画その他の、あるいは基盤整備の進め方自体も大きく変えていく。個々の問題だけで解決できるものは極めて限られているという認識で取り組むべきだというふうに思っているところでございます。
○市川一朗君 建てかえの問題につきましては、建てかえた後の家賃の問題とかいろいろ入居者の方々にとりましては非常に難しい問題、心配な問題がいっぱいあります。しかも、実際にそれをおやりになるのは事業主体でございますから、あるときは都府県であり、あるときは市町村ですからやはりいろんなことがあるわけですが、責任ある建設省の立場で、その辺、一人一人の入居者の方々にとって、満足をするようにというところまではなかなかいかないにしても、納得できるようなそういう展開になるようにきちっとした対応をしていただく。責任あるところがしっかりしているとそれは現実の事業主体にも反映されていくというのは、必ずしも通達とかそういったことだけじゃなくてあるのが一つの行政の流れだと思いますので、入居者の方々に対して温かい形での政策展開というものを強く要望しておきたいと思います。
 それで、遠高狭の中でなかなか難しい問題の最大のものはやはり遠の問題だと思うんです、これは地価との絡みが基本にあるわけでございますから。それで、この間も申し上げたのでございますが、東京都の実例を見てみますと、昭和五十年には都心三区への通勤通学六十分以上というのが五七・六%だったのが、平成二年には六五%にふえている。
 平成二年はバブルの時期ですから、別な資料はないかなと思いましたら、東京都の平成七年度の住宅白書というのがありまして、これを見ますと、中央線沿線で普通のサラリーマンが取得可能な一戸建ての住宅というある条件を設定して調べたら、昭和五十年ごろは四十キロのあたり、これは立川のちょっと先、日野の手前ぐらいの感じが四十キロです、大体そんなところです。それが平成二年ですと六十キロまでいってしまっているんです。六十キロというのを調べますと高尾の先なんです。地図で見ると相模湖に近づくぐらい。そこでないと買えないという状況があのころは出たんです。
 それで、平成六年の資料がありまして、それはかなり改善されて四十五キロまできて、これが西八王子なんです。平成七年は、地価はもう少し下がったんですが、所得水準も下がりましたので、やっぱり同じくらいの四十五キロで西八王子。
 住宅金融公庫の入居者の調査を見ても、通勤時間は一時間以内のが欲しいというのが八割を超えているわけです。それから、都内の単身者を対象とした単身世帯住宅需要動向調査を見ますと、四十五分以内でなければ困るという方が大部分なんです。ところが、実際は一時間をはるかに超えるというのが五割以上であるということです。
 私の地元の仙台は、そういった点では非常に住宅事情はよかったんですが、今も東京に比べたら悪くはないんですが、新しく団地ができてその団地に移ったころはバスで三十分か四十分で都心に通えたわけです。ところが、交通事情がどんどん悪くなりまして交通渋滞が始まって、地下鉄も通るようになったんですが、地下鉄は一本しかありませんから地下鉄を使えない団地がいっぱいありまして、そこで入ったころと同じようにバスに乗りますと渋滞で一時間を超えるというのが大分出てきております。仙台でもこうですから、全国で大分たくさん出てきておると思います。
 こういった問題はなかなか住宅行政だけで解決できる問題ではなくて、本当に都市計画とか交通体系とか総合的に多岐にわたって検討しなければいけないわけでございますが、こういう問題に行政として一番責任を持って対応すべきところはどこかといえば建設省じゃないかと思うんですけれども、もしきょう建設省でないということであればほかに聞かなきゃいけないと思うんですが、こういった問題について具体的な取り組みというのを建設省はなされておるんでしょうか。
○政府委員(梅野捷一郎君) ただいまの御指摘、結果の現象としてもあらわれている条件の厳しい東京の都市圏ということで考えますと、御指摘のとおり、職場や学校と住まいとの間に毎日片道一時間半というような大変な時間を介さないと仕事も生活も成り立たないという状況になっているわけでございますので、そのことは大変深刻な問題だということで、私どもも例えば中心部との関係での住宅をどう考えるか。一般に都心居住というような言い方でもされるわけでございますが、そういう問題については、省全体が一つのテーブルに着いて、私ども住宅局だけではなくあるいは都市局だけではなく、全体で取り組んだりもしてきている経緯がございます。
 東京大都市圏の遠の問題について、いわゆる東京を中心として三千万という都市圏が基本的に構成されているという中で、一時間通勤問題、二時間通勤問題というものを解決することは極めて物理的に難しいことだというふうに理解をしておりますけれども、この三千万の大都市圏の中にあっても、それぞれ通勤というようなこととの指標で考えれば幾つかのグルーピングというようなこと、これまた国土庁や我々も大都市地域におけるさまざまな都市構造の変革ということを、お互いに共通の認識をできるだけ持ちながら運営していこうという取り組みはしているわけでございます。
 いずれにしても、東京の都心部を中心とした都市圏というものがどういう適正な範囲というものを住宅問題について受けとめるべきなのか、三千万都市圏が引き続き東京の都心を中心に住宅と業務地との関係を構成するというための手法を探るべきなのか、そこは大変難しいことだというふうに実は思っております。
 しかし私どもは、その組み立て方はいろいろな考え方はあるにしても、やはり一千万というようなオーダーでの東京都心を中心とした通勤問題ということはいずれにしてもあるんではないか、受けとめるべきではないかという前提で、先ほど申し上げましたような東京等につきます都心居住というような問題を通じてそういう問題に取り組みたいというような考え方を持っているわけでございます。
○市川一朗君 ある意味で古くて新しい問題でもありますので、ちょっと角度を変えて御質問したいと思います。
 ここにあるのは新聞の折り込み広告の一つですが、これは大蔵省の関東財務局のチラシなんです。裏に物件がありまして、「見つけてください。お気に入りの国有宅地。百三十一物件」。東京二十三区内、二十三区外、神奈川県、埼玉県、千葉県、百三十一件。これは新聞にも出ました。いわゆる大新聞にも出ていまして、内容は同じです。ここまで来ているんです。
 きょうは都市局長がおられますけれども、今遠高狭の遠の話について住宅局長の御答弁をお聞きしていたんですが、こういう状況はある意味であの戦後にありましたね、五十年前。都市政策としては戦後に次ぐ絶好のチャンス到来じゃないでしょうか。どういうふうに受けとめますか。
○政府委員(近藤茂夫君) 基本的に先生の御指摘のとおりだろうというふうに私ども考えているところでございます。
 今住宅局長から答弁がございましたように、住宅政策の中でも都心居住というのが一つの大きな政策課題として私どもこの数年間取り組んできたわけでございますが、去年の阪神・淡路大地震をきっかけに安全性という観点からもやはり都心部においてはコミュニティー、地域生活がなければならない。こういう安全、安心という観点からも政策的課題としての重要性、都心居住の重要性というのを認識したわけでございます。
 そういった観点から、私ども今までこの二年間におきましても、公共団体あるいは民間がそういう遊休地、低利用地、未利用地を活用するような仕組み、枠組みをつくってきたわけでございますが、その最たる例が、法律で言うならば去年の改正の、いわゆる前面道路容積率、斜線制限の特例を認める町並み誘導型地区計画制度の創設、さらには、従来、市街地再開発事業といいますと木造の密集地域でなければできなかったのを、空地があっても再開発ができるように施行要件を改正いたしました。
 こういった法的事業ということになりますとやや汎用性がないわけでございますが、汎用性のある再開発地区計画とかあるいは特定街区につきましても、容積の割り増しあるいは目安化ということで使いやすいような枠組みをつくってまいりました。
 同時に、また財政面でもそれを支援するように、街区高度利用事業とかあるいは安全市街地形成土地区画整理事業という、今まででは阪神・淡路の復興だけに認められていたような木造密集地域について、道路特別会計の補助対象とならないような小さな街路あるいは小さなオープンスペースについても面整備として助成金が出るような仕組み、こういうことを実施するということになりますとますますその中では必要な住宅を確保できなくなりますので、都心の遊休地を住宅政策でも活用する、そういう連携の策が必要になってくるわけでございます。
 そういったいろんな制度面、法的な枠組みあるいは財政的な支援の枠組み、こういうものを用意することによって、先生御指摘のとおりいわば絶好のチャンスという面があるわけでございますので、そういった制度的な枠組みをさらに充実する工夫をすることによっていい町づくり、いい住宅政策を推進していきたい、こういうふうに考えているところでございます。
○市川一朗君 私は、関東財務局が売る国有地なんというのは普通の市民に買えるものじゃないとずっと思っていたんですが、「君が大人になる街で。国有宅地。」というんですから、要するにだれでも買ってくださいという意味ですね。それで国有財産当局を責めるつもりは私は全くありませんけれども、議論としてはあり得ると思います、いいのか悪いのかという点。
 これは、今決意を聞きましたけれども、例えば昭和四十七年の六月に成立した公有地の拡大の推進に関する法律、公有地拡大法というのがあります。もう早いもので今から二十五年ぐらいたつわけですが、あのころの法律として公有地をどんどん買っていこうということでございます。こういう精神というのは何か絶えて久しいような感じもしますが、それは私の単なる誤解でございましょうか。
○政府委員(近藤茂夫君) 今先生御指摘になりました公拡法の考え方は、当然これは現在でも生きているわけでございます。
 実は今回のバブルの崩壊に伴って、公拡法関係で最大の改正点といいますのは、今までの公有地拡大法というのは、地価が常に上昇するという局面で、したがって公拡法でまず買い取って、最終的に事業主体が土地を買い取るときの補助対象となる額というのはその当時の地価の範囲内ということで、その事業主体が買い取る時点の価格の範囲内でしか補助対象としなかった。ところが、バブルが崩壊いたしまして地価が下がる局面になりまして、公拡法で先行取得した土地を事業主体が買い取る段階では地価が下がっております。そうすると今までの制度ですと、公拡法の先行主体が買い取っていた価格以下でしか事業主体は補助金でもって買えないという事態になってしまったので、これを抜本的に変えまして、コストすべてを補助対象とするという仕組みをまずとりました。
 それから、去年の補正につきましても、先生御案内のとおり、今までは補正段階での用地の先行取得というのは経済波及効果が少ないということでいつも補正の公共事業の中では用地の取得は除かれるんですけれども、それを認めるだけではなくて、特別枠として用地の先行取得枠、これを認めていただきました。こうすることによって、実は街路予定地をかなり先行取得することができました。その結果、荒廃地の再開発の動き、民間も活性化するということで、まさに土地の流動化という点でも大きな動きがあったわけでございまして、私ども基本的に買えるものについてはどんどん買っていく。
 そういう意味合いで申しますと、予算の拡充措置といたしましても、例えば公園について見ますと、今までは大型の公園しか補助対象にしないということだったんですが、先回の補正予算の措置で防災公園との関係で、千平米以下のものであっても一避難地として活用できるものについてはそれを補助対象とするという形で、公園予定地として小規模な土地でも公共団体が先行買収できやすいような仕組みも講じたわけでございますので、基本的に公有地拡大という考え方は今も現実に生きているものと認識しているところでございます。
○市川一朗君 実際、値段は相当高いですから、例えば杉並区で一宅地八十坪で一億六千万なんというのがあるんですよ。買える人は買えると思いますけれども、どうもこういうときにこのままでいいのかなという感じがしているわけです。
 多分これは大蔵省が持っている国有財産ですね。そのほかに旧国鉄ヤード跡地がいっぱいあります、なかなか売れないでいるのがある。それから、なかなか難しいテーマではありますが、例の不良資産がありますね、抵当権がいっぱいついて。そういったものをいろいろ入れますと、二十三区内は空き地が大分ありますよ。駐車場になっているので利用していることは利用しているのが多いんですが、基本的には空き地です。
 そういったことについてはどうするかという意味で、公有地拡大法という法律の世界というよりは、政治といいますか行政の哲学として、こんなめったにない時期に何をもたもたしているんだろうとちょっと感じたものですから質問したんです。
 実は、あの第二次世界大戦が終わりましてから、イギリスでもフランスでも、それぞれ自分の国の過去の歴史を踏まえて住宅政策、都市政策をやった。その中で、特に旧西ドイツは大変その辺がうまくいったと自慢しておりまして、私も実際日本よりはうまくいったんじゃないかなと思っている一人です。
 先般、西ドイツ議会の建設委員長一行が来日したことがあるんです。きのうぎょうじゃありません、数年前でございますが、永田委員長みたいな立派な委員長でございました。通訳つきのドイツ語ですから十分聞き取ったわけじゃありませんけれども、我々の方が日本よりも一回戦多いだけよかったんだと。一回戦多いというのはどういう意味かというと、要するにドイツはワイマール共和国時代に地価高騰があり、インフレがあって、その結果としてナチスドイツが台頭し国が崩壊するまでいった。
 したがって、あの第二次世界大戦が終わったときには、この過ちを二度と繰り返すなというのが国民全員の合い言葉だった。だから、地価高騰とかインフレというものに対しては、単なる頭の体操ではなく、国民が皮膚感覚で心の底からああいうことはだめだということでやってきたから、例えば住宅なんかももうすぐよこせという声もあったけれども、待て待てと言いながらじっくり都市政策と連動させた住宅対策をやって、少し時間はかかったけれどもうまくいった。今度来日して日本の一連の政策の説明を聞いたら、どうもそういう哲学はなかったようだと。やっぱりこれは一回戦ボーイと二回戦ボーイの違いだといって大分自慢されました。
 こういった問題がありますので、今までのつらい経験といいますか大変な経験はきちっと生かして、それで骨太い政策展開をしなきゃいけないと思うんですが、これは都市局長一人に闘いちゃいけないんですけれども、横に大臣もおられますからひとつ自信を持って決意のほどをお示しください。
○国務大臣(中尾栄一君) 私、先ほどから市川委員の話を聞いておりまして、大変に賛同するというよりは、私の持っているそのままの哲学をそのまま言っていただいているんじゃないかとさえ思っておる次第でございます。
 といいますのは、私はこの建設関係の仕事というのは、全く何のベテランでもありませんし、むしろ白紙に近いくらいのものでございます。
 しかし、先ほどお述べになられました遠高狭というのでございましょうか、そういう意味において、この間、私の大臣室に若い官吏諸君が四、五名でしょうか、たまさか私のサインをとるために来たんですが、そのときにふっと思ったので、君たちはどのくらいのところから通っているんだと私は尋ねたことがございます。一人は一時間半でございますと。一時間半というのは行って帰って一時間半かと言ったらば、いやいや行くだけで一時間半ですと。これじゃ行き帰りということになると三時間だということになります。私の故郷の甲府は一時間半で行けますから、そうすると、私のところから、甲府から通っているのと同じような形でございます。
 これは、これだけの若い立派なエネルギッシュな、しかも活躍的な働きバチの青年が電車の中で三時間も揺られながら何を読んでいるのか。全くエネルギーがそれに消費されてしまうというようなことをつとに強く感じた点においては全く委員と同感でございまして、私は、これは日本の拙劣なる長い間の悪弊であったなと、全く政策がなかったんではないのかとさえ思った次第であります。この高いという点においては、これはもうべらぼうとしか言いようがありません。
 私も昨日、秘書官ともどもずっとうちの方に行きました。高輪の宿舎の方でございますが、その高輪の宿舎のそばに私のうちもマンションでありまして、そんなにべらぼうに当時高いと思った額ではないんですが、この間の平成二年の時期にはもう三倍か四倍にはね上がっておる。ちょうどそれが今、ポイントからしましても非常に下がってきておるときでございますから、委員が先ほど来主張なさっておる今が絶好のときではないのかと。ある意味における都市政策の見直しあるいは土地政策の見直し、あるいは住宅政策の見直しというものには一番有利な条件であるとも思えるわけでございます。
 それには何も建設省だけでなく各官庁にも御協力を賜って、そして先ほど申されましたように、一画は農水省の持っておる土地でもある、一画は大蔵省が持っておる土地でもある、一画のところは建設省が持っておる土地でもある。ばらばらにいろいろ公的な土地が並んでいるんです。
 実は、私の甲府のうちのすぐそばは練兵場でございました。私の県でございますと山猿と言われますが、山猿四十九連隊と言われたものでございます力四十九連隊、六三部隊と名を変えましたが、遠大な公地をだれがどう配分したのか知りませんが、いまだにその中に大蔵省の土地もあり、農水省の土地もあり、それから何か厚生省までそこに土地を持っている。どういう配分なのかさっぱりわからないので、あるとき調べさせましたら、調べている方もわからなかったんでしょうか、私に回答がまるっきりないというような状況でございまして、私は今もって摩訶不思議な面がたくさんあるんです。
 そこで、各省連動し合ってこういうものを安いときにできるならば買い上げて、そして公営住宅でも何でもいい、そういうものによって大きく補える面があるんではなかろうか。例えば、この東京都内の二十三区の中だってそういう土地を探せば幾つかあるんじゃないのか。特にJRに頼んでみれば、駅前のところなんかぼうぼうと草が生えたままで寝ておる。こういうようなところをもっと活用できないのか。これが私は政治ではないかと思いますよ。
 そういう点において、そういうものを全部結集させていくところに、むしろ活力ある若きサラリーマンたちが従来持っておるその活力を生かしていただくためにも、後々の日本国の後世を考えるためにも、こういう人たちに安く提供できるのを国家政策でやったらいいんじゃないか。それは社会主義政策でもなければ修正資本主義的な体制でもない。私は、それこそ社会政策であると思っておるのでありまして、そういう社会政策をもっとある意味において実現化していくのが今の我々の使命であるとしか言いようがないと思っておるのであります。
 そういう点においては、私の感想の一端だけ述べさせていただきました。
○市川一朗君 実力大臣であります中尾大臣から大変力強い御答弁をいただきまして、常日ごろ私ども、本会議場、左右対称でございますが、橋本総理とちょうど同じ反対側にお座りになっております中尾大臣でございますから、この橋本内閣における総合調整のお力も十分おありの大臣からただいまのような力強い御答弁をいただきまして、私もきょうはこの問題を御指摘してよかったな、取り上げさせていただいてよかったなといういささかの満足感に浸っておる次第でございます。
 問題が実現の方向に至りませんと、満足しただけではだめでございますので、その辺ひとつ今の大臣のお気持ちを十分体していただきまして、後ろの方には官房長も控えておられるようでございますが、関係局長を含め、また若い課長さん方、課長補佐の皆さんもこの気持ちで、やっぱり二十一世紀はこの問題を解決していくんだと。解決しようじゃないですか。そういう意気込みでよろしくお願いしたいと思います。
○国務大臣(中尾栄一君) 一言だけ、私も市川委員に大変に賛同するものでございまして、次の機会に省議メンバーが集まったときにこの問題を私から持ち出し、なおかつ討議もし、そしていいと思う点においては下令をするつもりでございます。
○市川一朗君 大変恐縮でございました。
 法案の中身の方に入らせていただきます。
 今回の公営住宅法、かなりの大改正なんですね。この前審議して可決させていただきました住宅金融公庫法も法案の条文はそれほど長くはないかもしれませんが、考え方としては相当思い切った考え方の変更を図っているんですが、私どもそういう法案審議を受けとめる形では住宅政策のかなりの転換みたいな印象も受けとめておったんです。
 一月二十二日でございましたか、大蔵大臣の施政方針を伺っていましたら、極めてあっさりした方針を述べておられるんです。
 「次に、主要な経費について申し述べます。」という中で、「特に、住宅対策につきましては、住宅金融公庫融資の着実な推進、公共賃貸住宅の供給の促進など施策の拡充を図っております。」というところでさらっと終えておられまして、後の方で住宅問題全般については触れておられますが、この法律の考え方みたいなことは余り述べておられないので、どういうことかなとちょっと疑問に感じたのでございます。
 これは、私一人の疑問であればよろしいのでございますが、先般の本会議で片上議員が御質問もしたのでございます。
 要するに、我が国におきましては基本的には持ち家取得ということに今まで重点が置かれている。それで、公営・公団等の公的賃貸住宅につきましては、倍率が高くて、抽せんに当たった一部の幸運な人しか入居できません。多くの人は公的支援の恩恵を受けられず、条件の悪い民間の賃貸住宅で高い家賃を強いられているのであります。このような住宅政策の不公平をなくすためには、民間賃貸住宅の入居者一般に対する家賃補助あるいは税制上の家賃控除制度を設けるべきではないかというような指摘をしたわけでございますが、それに対する総理の答弁も余り前向きに取り上げようという感じを受け取れませんでした。
 こういった一連のやりとりで、どうも公営住宅法の改正だけでは、それはそれなりに前進なんですけれども、日本の住宅問題を考えるときにやはり何か一つ物足りないものがある。公営住宅の戸数も、四千万戸という日本の今居住している住宅全体から見れば、二百万戸ですから五%ですね。それに比べますと、いわゆる民間賃貸住宅というのは一千万戸を超えているんですよ。だから、公営住宅の政策はやらなくていいという意味じゃ全然ないんですが、やっぱり今住宅問題を考えると民間賃貸住宅の問題を解決しないといけないのではないか。
 もっと別な言い方をしますと、今の我が国の住宅問題、これは先ほど来、遠高狭ということでじっくり取り上げさせていただいたし、大臣からも大変前向きな御答弁をいただいておりますが、そういう背景の中で、日本の住宅問題は民間賃貸住宅に集約されていると言っても過言ではないのではないかというふうな感じがしておるわけでございます。
 それで、戸数の点でもう少し丁寧に追ってみますと、住宅全体は四千五百万戸を超えていますが、その中で居住世帯のある住宅といいますから、これは住んでいる住宅という意味でしょうね、これが約四千万戸。そのうち、大ざっぱに言うと持ち家と借家の割合が六対四、持ち家が六、借家が四。その借家約四割、正確に言うと三八・五%ですが、約四割の借家のうち、公営住宅が約五%。それから給与住宅が約五%、この五%というのは全体の割合です。残りが民営借家いわゆる民営賃貸住宅で、戸数にいたしますと、わかりやすく言うと、公営二百万戸、給与住宅二百万戸、公団・公社が約百万戸近くありますからこれで全体で五百万戸ぐらいになりますが、残りの一千万戸は民営借家なんですね。ですから、借家の相当部分が民営借家であり、我が国の住宅の全体から見ても四分の一以上が民営借家なんです。
 最低居住水準未満の住宅がどれぐらいあるかというふうに見ましても、持ち家は二・四%、それに対して借家は一七・八%。借家に住んでおられる約二割の方が今なお最低居住水準未満にある。その中には先ほどちょっと議論しました公営住宅なんかも入るのかもしれませんが、そういったものがやっぱり民間賃貸住宅と言われるそれに集約されているという感じがするわけです。
 今回、公営住宅法の改正ですから、公営住宅法の改正を出しているんだからそれを認めてください、ほかはほかでやりますということかもしれませんが、公営住宅法の改正に取り組むに当たって、こういう民間賃貸住宅の実情に対してはどういうふうにやっていこうという考え方であったのか、現在いるのか、その辺をお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(梅野捷一郎君) ただいま先生から詳細に御指摘いただきましたとおりの実情でございます。したがいまして、特に住宅における問題の多くが民間賃貸住宅部分にあるということは全く御指摘のとおりでございます。
 今日までの民間賃貸住宅、ただいま御指摘いただきましたように、民間賃貸住宅が特に大都市地域においてはないのかというと現実にあるわけでございますが、その供給される賃貸住宅が今御指摘のように大変内容の伴わない賃貸住宅として供給をされている。これについては、私どものさまざまな施策も十分そこまで及んでいなかった結果であるということで、そういうしっかりとした認識に立ってこれからやるべきであるということをまず感ずるわけでございます。
 その民間賃貸住宅が市場において供給されるにもかかわらず内容を伴わないという、例えばそこにはいろんな理由があろうかと思っておりますが、一つの中には、事業者として見たときに、いわば事業リスクというものがのみ込めるレベルまでしか出てこないという状況、それぞれその御事情が、そこをどけていく、リスクを緩めていくというそういう政策効果のある仕組みを我々としては今後用意していかなくてはいけないというふうに思うわけでございます。
 それは一つは、それぞれの敷地をベースにした事業をおやりになるわけでございますが、その環境条件まではそれぞれの個々の事業者としては手が及ばないし、仮にそこまで手を伸ばすということになれば当然当事者の事業としては大変高いリスクを負った事業になってくる。そういうことで、私どもは民間の賃貸住宅としてとらえる以上、その事業を供給者としておやりいただく人の立場を強化することによって内容を伴っていくという、そういう物差しにかなう政策をやらなければいかぬというふうに思うわけでございます。
 最近の先生方の御支援もいただきながらできた特定優良賃貸住宅というのはさまざまな目的があるわけでございますが、先ほど来も議論のありました例えば家賃に対する助成についても、入居者がアクセスできやすい条件で市場に出ていけるということもあって、その当初の負担軽減というような措置の効果を大変期待しながら内容のある住宅として市場に進出していただくことを期待してやっている面もあるわけでございます。
 いずれにしましても、そういう現実には多数の賃貸住宅を供給していただいているわけでございますので、今のような家賃に絡んで出てくる部分、環境に絡んで出てくる部分、それぞれについて今後さらに的確な効果につながるような施策をやっていかなければいけないというふうに思うわけでございます。
○市川一朗君 橋本総理の答弁でも、良質な賃貸住宅が不足している現状からというそういうトーンでお話があるんですが、私はちょっと違うと思うんです。
 規制緩和の問題も今議論されておりますが、とにかく住宅というものの本質からいって民間賃貸住宅、言葉はいいかどうかよくわかりませんが、つまり公共側が直接供給するものではない賃貸住宅というそういうものはほぼ永遠に続くんじゃないでしょうか、持ち家か賃貸かという意味で、続いてもらわないと困るわけですよ、公共側の賃貸住宅だというとやっぱり条件が非常に厳しいですから。例えば、私なんかの秘書たちも入ろうと思っても入れないですから、とりあえずやろうとすればアパートを探さなきゃいかぬのですよ。こういう問題は永遠に続くわけです。
 ですから、言葉で追及してもいけないのかもしれません、言葉の問題で取り上げるテーマではないと思いますけれども、やはり特定優良賃貸住宅の供給の拡大とか住宅金融公庫融資の活用などによってやるという程度ではとてもうまくいかないと思うんです。
 まして、この家賃控除制度について、結論として消極的な答弁はとりあえずはやむを得ないかなとは思って聞きましたけれども、しかしこれだって、「税制面のあり方として、家賃が食費や被服費と同様、典型的な生活費であることから、家賃だけを取り出して特別の控除を設けることは適当でない」と、これは大蔵省答弁ですよ、住宅局つくっていないでしょう。これだと、さっき言った衣食住で、衣も食も住も一緒という考え方ですね。ところが、冒頭で申し上げたように、またコンセンサスもいただいたように住だけがおくれているんですよ。だから、食費や衣料費と一緒だから家賃控除をするのは適当でないと、結論も結論ですが、むしろ考え方ですね。こういうのをほっておいていいんですか、これは本会議答弁ですよ。
○政府委員(梅野捷一郎君) 家賃というところに焦点が当たった、いずれにしても先ほど来出ていますように民間賃貸住宅が結果として大変内容の悪い賃貸住宅であって、そこに繰り広げられる生活も当然内容が伴わないということでございますけれども、私どもが政策を選択するときにどういう選択をするかという中で、さまざまな政策が十分でないことの結果として家賃が高いあるいは物が低いという、その結果の現象のところで政策を直接やるのが正しい政策の選択になるのか、その家賃なり内容なりが妥当な、適正なものになる、そちらができるような政策の方にもっと力を入れていくという選択をすべきなのかという、そこの判断の中で家賃補助とか家賃控除という狭い意味の、とりあえずの判断としてはそういうお答えになったということだということで御理解いただきたいと思うわけでございます。
○市川一朗君 きょうはそれで結構でございますけれども、やはり住宅問題で本会議で質問が出て、大蔵省の税当局が答えるような内容の総理答弁を黙って見過ごしていったんじゃだめだいうふうに、議場で聞いていて思いました。
 今回の改正は大変意欲的だと思うんですよ。一種、二種の区別をなくしていこうということで、これは一つの局面として考えますと、補助率三分の二の第二種をなくすわけですから、そういう意味では補助率が引き下がるという面がありますが、午前中も出ていましたように、一方で収入に応じた家賃ということで、それで必要な部分は家賃補助ということで持っていくということですっきりさせようという意味、単にすっきりさせるだけじゃなくて、その仕組みの中で収入に応じた家賃、いわゆる応能家賃という考え方を、公営住宅だけではありますが導入しようと。これは去年ですか、東京都が導入したようですが、もう大分前から旧社会党の先生から強く主張されたテーマで、やっと建設省もそれに取り組んだのかなという印象を受けるのでございます。
 ただ、やっぱりみんな心配していますのは、どうもよくわからない。結果として国の補助はふえるのか減るのか、減るんじゃないのという感じがあって、中尾大臣、衆議院でお答えされていますね、いや減りません、ふえますということなんです。本当かなと、よくわからない。予算を見ますと確かに全体としての公営住宅の予算はふえています。ですから、それ以上はなかなか我々追求はできないわけです、勉強はできない。
 それから、地方公共団体の負担については別途の措置もありますからかなり改善されているんだなという感じもしますが、しかし、公営住宅の仕組みは国の補助金の分だけ家賃を下げるという考え方ですね、今までの考え方は。ですから、補助金が減るとなると、裏負担としての地方公共団体に対する助成措置が拡充されたからいいというだけではなくて、やっぱり家賃に連動するという部分があって、結局、入居者からすれば家賃は上がるのかな、上がるんじゃないかという不安につながってくるわけです。
 大体制度の仕組みはきょう委員の皆さんも頭の中に入っていると思うんですが、私も、それなりに見てみても、結果はわかりません、補助は減るのか減らないのか、家賃は安くなるのか高くなるのか。その辺、もう一回わかりやすく教えてください。
○政府委員(梅野捷一郎君) まず、応能家賃の政策の問題でございますが、午前も歴史的な事実関係のお話が出ておりましたけれども、やはり対象が極めて幅広に当初は八割前後を対象にしていたわけでございますが、そういう方々を対象にした仕組みとしてでき上がっている状況においては、個々の方々の家計の実情というものに細かく対応するという枠組みというのはなじみにくいということだろうと思うわけでございます。
 今日、さまざまな、例えばすぐ周辺に特定優良賃貸住宅制度というようなものができてきたというような並びの中で、政策の対象を的確な内容というもので整理がつけられてきたという状況の中で、その整理をつけた中での公営住宅の入居者の方々に対しては、より個別の家計の状況というものに対応した助成の体系が組み立てられるという中から、むしろ家賃補助という仕組みをしっかり置いた、いわゆる応能家賃どいう枠組みに変えることの方が正しいんではないか、的確なんではないかということで出てきているわけでございまして、それはあくまで応能家賃という考え方、一般的な考え方と、制度の対象とする、カバーする領域の双方の中から出てきているということで出てきていると私どもは理解しているわけでございます。
 そこで、そういう形になっているわけでございますから、基本的には家賃に対する助成のところは、全体として百戸なら百戸の中にどういう入居者の方々がお入りになるかということによって多少の差が出てくるわけでございます。しかし、それはまさに応能家賃制度で家賃対策補助をいたすわけでございますから、それに対する必要な経費の二分の一は国が持つという原則でございますので、結果として金額の総額がふえたかふえないかということよりも、必要なものについては必要な国の立場としての責任をきちんととりますという形にできておるというふうに理解するわけでございます。
 ただ一般的に、それでは国の支出する金額、総額がどう動くのかということについては、私どもはいろんなケースについても計算はいたしておりますけれども、決して国の負担が減っていくという方向でこの制度が変更されるということはないということについては御理解いただきたいと思います。
○市川一朗君 担当局長がそういうふうに言うわけですから信ずるよりないわけですが、まさかこういう仕組みによって国の政策として一歩も二歩も後退していくというものではないと私も思います。
   〔委員長退席、理事石渡清元君着席〕
 ただ、運用に絡む問題ですから、ここから先は、特に家賃については事業主体の世界に入りますし、今回の改正でも事業主体の選択の幅というのを相当今まで以上に認めるような仕組みになっていますから、先ほども建てかえ等の問題でも触れましたように、やはり事業主体移管という問題が出てまいりますので、この地方分権を進めなければならない情勢の中では、それぞれ自由にやっていいのではないかなというふうに考える面もないわけじゃないんです。といいますのは、住宅事情というのは地域によって大分違いますからね。
 しかし、そうはいいながらも、やはり入居者の方々、恵まれて当たった人で数少ないとはいっても住んでおられる方々一人一人の毎日の生活がかかっている問題ですから、その辺のところは、この制度改正によっていろいろな意味で、考え方の整理も含めてよりよい制度になったというような方向にぜひ運用の実態面でもやってほしいな、そういうふうに希望しておきたいと思います。
 それで、この一種、二種の区別をなくしたもう一つの局面として入居資格の問題があると思うんです。ちょっと私の理解が不十分だったら後で訂正していただきたいんですが、今までは公営住宅の入居資格というのは、一応一種までだと見れば収入分位で三分の一までという、三三%でしたね。それで、二種は一六%ぐらいだったんじゃないでしょうか、収入基準の決定は。いただいている資料でも何かそんなふうな感じ、はっきり書いていませんが、一六%ぐらいのところで、あれは動くんですか、収入基準というのは、ちょっとよくわかりません。
 そういう考え方のところへ、今回は補助率を変えるというか、一種、二種の区別をやめるということとして二五%で切る、そういう考え方を導入されましたですね。この二五%というのは、私、不勉強かもしれませんが、何かそういう流れからすると唐突なような、しかし二五とか四分の一とかいうと区切りもいいような感じもしないでもない。どういう根拠でございますか。
○政府委員(梅野捷一郎君) 一つの経過として申し上げるならば、特定優良賃貸住宅制度を設けました際に、二五%というところを下限とするめどとして構成をしたということでございますが、その結果における特定優良賃貸住宅制度の供給の動き自体がかなり定着して、今後においてもかなり着実な役割分担を果たしていけるであろうという前提が一つございます。そういう点もありまして、それ以下のものについては、先ほど申し上げたような家賃対策補助を中心としたようなそういう枠組みとして受けるものとして、制度としてはこの機会に整理をつけようじゃないかということでございます。
 それからもう一つは、収入分位のことをいろいろと低額所得者について問題にするわけでございますが、やはり家計の実力が、つまり収入の度合いが低ければ低いほどその中に占める住居費に振り向けられる一種の力というものが相対的にきつくなるという状況。ほかにも、生活必需経費というものがどういう所得であろうとも要るというような要素がたくさんあるわけでございますので、そういうようなことをあわせ考えながら二五というものを決めたということでございます。
 根拠としてはそういうことであるということでございます。
○市川一朗君 二五といいますと、ちょっとよくわからないんですが、やはり収入が低いわけですから、高齢者の方もかなり多いのかもしれませんが、若い単身の世帯もかなり多いんじゃないかなと思います、これはあくまで推測ですけれども。その辺、二五%というのはどうなんでしょう、普通の世帯という意味でいくとかなり特化された内容でとどまってしまうんじゃないでしょうか。その点いかがですか。
○政府委員(梅野捷一郎君) そこは、例えば高齢者の方々が一般的にフローの所得というものが相対的に少ないという状況が長い期間にわたって、あるいはそういう状況におなりになった方が常時出てくるというようなことで、この二五%という分位の中にはそういうものが顕著にシェアとして固定的に出てくるのではないかとか、そういう点は確かにそうだろうというふうに理解はいたしております。
 若い方の話も出てまいりましたですけれども、これから給与体系がどうなるかとかいろんな問題とも絡んでくるかと思いますが、そういう点が、内訳の構成が非常に偏る、したがって政策が全体として考えていることとずれてくるというようなことになるかどうかについては、慎重に内容を分析しなければいかぬと思っております。
○市川一朗君 今までは、これは主として税制の世界でよく議論されますが、所得把握の問題でトーゴーサンとかあるいはクロヨンとかいうことで、結果として勤労者といいますか都市サラリーマンが一番割を食うという表現が正しいかどうかわかりませんが、完全に把握される。
 したがって、実質の収入というんでしょうか豊かさというんでしょうか、そういったような意味でいえば比較的力はないのに相対的に高いところへランクされてしまうというのはよく言われますが、そういったようなことまで念頭に置いて先ほど指摘したような問題意識を持ちますと、大都会、あるいはもう少し小さな都市も含めたいわゆる都市のサラリーマンが、学校を卒業して就職して結婚して子供を持つ、こういうライフサイクルの中で二五%の範囲内、つまりイコール公営住宅入居資格がある時期というのは非常に短い時期なんじゃないかなということを懸念するんですよ。
 ちょっと私も余り勉強していませんので、そうだと断定できません。そうだと断定できないうちだから、答えやすいんじゃないかと思いますが、どうですか。
○政府委員(梅野捷一郎君) 今おっしゃいました都市の若年サラリーマンのケースは、所得がどう伸びていくか、過去の例でいくと比較的順調に年功序列賃金体系の中で伸びているわけでございますが、ただいま御指摘のような子供が生まれる、教育をするというようなことになりますと、経費もかかってくるわけでございます。現在の所得を把握する際の所得控除の計算上控除していく、粗収入から実質収入として把握するとか、そこのとらえ方が正しいかどうかは別といたしまして、そういう面もあるわけでございますので、一概に所得が伸びていくから潜在的に公営住宅の可能性が非常に短くなるかどうかということについては問題かと思います。
 それからもう一つは、やはり民間の住宅市場ではなかなか解決できない、むしろ問題はそちらの方にあるかと私ども思っているわけでございます。家族がふえていくけれども、子供を育てる機会にそういうものがないというようなこともありますから、当然、今回の公営住宅にしろ特定優良賃貸住宅にしろ、そういうことも常にターゲットといいますか対象としては十分頭に入れておかなければいかぬというふうには思っているわけでございます。
○市川一朗君 これは、大体頭を大都市に置いていろいろ議論してきたわけですが、過疎地の方からいろいろ御要望を聞きますと、今の問題が心配になってくる部分があるんですよ。
 ちょっとその前に確認しておきたいんですが、今度の改正法の中で附則十五項を改めましたですね。過疎地で単身者が公営住宅に入れないというのは大きな問題だったんですよ、もちろん都市でもあるんですが。今回は、高齢者の方々は全国的に単身でも入れるようにという改正をしておられます。そういう中で、高齢者でなくとも単身で入れるようにしてほしいというのが強くありまして、その辺いろいろ期待していたんですが、この条文で附則十五項の改正は、その辺を解決した一つの提案というふうに受けとめてよろしゅうございますか。
○政府委員(梅野捷一郎君) 一つは、住宅の供給が必ずしも公営住宅だけではないわけでございますけれども、過疎地あるいはいわゆる地方部における住宅の供給の全体の姿、それが地方部における、あるいは過疎地における場合と東京のようなところとではかなり違うということがあるわけでございます。
 特に過疎地のようなところへ行きますと、そもそも賃貸住宅の供給というようなことがほとんどないという環境の中で存在しているわけでございますので、そういうところで単身者といえども賃貸住宅を志向される、特にUターンであるとかJターンと言われているような方々は、いきなり持ち家を持って過疎地に行かれるということでなくて、生活の場としてはできれば賃貸住宅という形で生活の場を確保する。
 ところが、東京のようなところは、先ほど来大変問題を御指摘いただいているように、中身のことはいろいろあるわけでございますけれども、少なくとも比較的単身の方々に対応できるようなものとしての住宅がそういうところに比べると一般的な市場の中に供給されている実態がある。したがって、優先順位をつけますと、やはり高齢者の単身であるとか、先ほど来出ているようなところにまず絞ってあるところをあえて広げるほどの状況ではないんではないかと、そういう判断でございます。
○市川一朗君 しかし、附則十五項は、過疎地に限っては単身者でも入れるというふうに改正したでしょう。そうですね。
○政府委員(梅野捷一郎君) はい、そのとおりです。
○市川一朗君 それで、ここに新潟県の北魚沼郡のある村長さんからの御要望の資料がありますが、北魚沼郡というと最近コシヒカリで一番おいしいということで、値段も高いですね。私は選挙区は宮城県ですが、ササニシキが負けているところであります。ところがこういうところでも、やっぱり過疎問題は同じように過疎問題なんです。過疎問題があり、住宅問題というのが深刻なんです。
 それで、この村では平成七年の人口は二千四百九人。前年より二十一人減ったそうです。したがって、やっぱり過疎化現象はなお続いているわけです。そういう中で公営住宅を募集したら、入居申請者の中で所得オーバーの人が十四名いましたと。そのうち八人が、これが何と公営住宅に入れないのでほかの町村へ行ったというんですよ。村長から言わせると、二十一人のうち八人が公営住宅に入れないために行ったというんじゃ、もう本当に何とかならないかと。実は、空き家は九戸あるんです。八人とかなんとかというのは、東京の人にはわからないでしょうが、過疎地では非常に深刻なんですよと。これは全員所得オーバーが原因なんですよ。
 あわせて、村長さんは、単身者の人たちはもともと入れないから申し込まない、だから実はその問題もあるんですと。したがって、単身入居が可能になるように、それから所得制限についてはできるだけ地方の実情に合うように改正していただきたい、そういうふうにしていただきたいと。こういうのが私どもに対する要望なんです。
 これは三三%までは入れるという時代の話なんですよ。だから私は、そういう意味では、二五%一律にやるというのは、全体の流れからすると住宅政策としてはかなり改善されていますから、根こそぎだめだと言うつもりはないんですが、何かもう少し地域の実情に合うように、運用面なのか、あるいは制度をいじらないと、あの附則十五項などを入れているところを見るとやっぱりああいうふうにがちがち条文で入れないと動かないのか、収入の問題だから何とかなるのか、その辺どうでしょうか。
○政府委員(梅野捷一郎君) 御指摘のように、それぞれの地域社会の住宅の事情によってさまざまな状況がある、それぞれの地域の実情にできるだけ対応の幅があるという仕組みにすべきであるという御指摘は、私どももいろんなところから従前からもいただいているわけでございます。
 ただいまの具体的な事例について御指摘ございました点でいいますと、いわゆる公営住宅として供給していたものが、そういう意味の住宅需要がない、つまり逼迫をしていない状況があって結果として何戸かあいておるというものにつきまして、しかし一方ではやや所得の上位の方々にとつての住宅の需要はあるというケースだろうと思われるわけです。そういう点が重なっているものにつきましては、空き家となっておる公営住宅を、先ほど来申し上げております特定優良賃貸住宅としてそのまま移行して使えるという仕組みを今回入れておりますので、それだけですべてがいくというつもりでの答えではございませんけれども、そういう面では、今お示しいただいたような事例については、今回の制度の整備の中で受けとめられるような手は加えさせていただいているということは御理解いただきたいと思います。
○市川一朗君 先ほどの中尾建設大臣の御答弁にありましたし、橋本総理の答弁にもありますように、住宅政策の基本は国民一人一人にとってその豊かさが実感できるようにしてやることだということでございますので、それは大都市は大都市なりの問題がある、同じように過疎地には過疎地なりの問題がある。
 今局長の御答弁にもありましたが、確かにこの村は公営住宅以外は賃貸住宅がないんです。アパート経営なんて成り立たないですからね。したがって、自分で自分の持ち家を建てない限りは、それは運よく親戚か何かいて住めるとかいう場合もあるでしょうけれども、基本的には公営住宅しかないんです。しかも、公営住宅は幸いなことにあいていたんですよ。しかし、UターンしてきたりJターンしてきた若者ですから、そんなに収入は高くないけれども、ちょっとしたところで収入オーバーだから入れない。
 こういった問題は今回の改正でますます入れなくなるんだということでは、やはり政策として、言っていることと実際は違うじゃないかということになります。今局長の御答弁を聞いていますと、特定優良賃貸住宅制度の活用等で何とかなる部分もあるということでしたが、やっぱりこういう問題はあるんです。これは決してこの新潟県の特定の村だけの問題じゃないですよ。全国にあります。東北地区でもあるんです。そういったところは住宅問題が解決したというわけじゃないんです。大都市の目で見れば解決していますけれども、住むための家がないという意味の住宅問題としては同じなんですよ。
 ですから、そういう意味で、見る視点をぜひ三百六十度の視点にしていただいて、こういう問題にも一つ一つ対応できるように弾力的な政策展開をお願いしたいと心から御要望申し上げておきたいと思う次第でございます。
 それから最後でございますが、阪神・淡路大震災の被災者のための住宅問題につきまして、午前中も自民党の委員の方から、大体私が主張したいこととほぼ同じような御主張がございました。五月十五日の参議院本会議でも、片上議員から、御本人を目の前にして気をつけて言わなきゃいけませんが、切々たる訴えがあったと思うのでございますが、住宅局としてはどう考えておられますか。
○政府委員(梅野捷一郎君) 私どもの基本的なスタンスは、被害を受けて、特に中心的には仮設住宅でございますが、それ以外にも今仮の住まい、仮の生活を多数送っていらっしゃるわけでございまして、そういう方々がきちんとした恒久的な生活の状況、つまり恒久的な住宅に一日も早く落ちついていただくためのそういう考え方を実現しなければいけないというのが基本的なスタンスでございます。
○市川一朗君 中尾大臣、この話はもうずっといろいろお聞きになっておられると思います。それから午前中の上野委員も、応能家賃でも考えたらどうだという話がありましたが、実は私も全く同感でございまして、公営住宅制度で応能家賃制度をついに導入したわけですね。これは長い間時間がかかったんですよ。しかし、こういう考え方こそまさに公営住宅だけじゃなくて、どこかで必要なときは適用した方がいいんじゃないかなという意味では、あの阪神・淡路大震災で被災している方々に対する住宅対策として極めて適切なんじゃないかと思うんです。もう与野党を通じて一致みたいな主張であるわけです。
 どうも皆さんの答弁を聞いていますと、極めて慎重な答弁なんですよ。前の委員会でも、国土庁長官も非常に慎重な答弁をされておるわけです。しかし、仮設住宅に住んでおられる方々はもう本当に大変だと思うんです。
 今度、政府の方で仮設住宅の入居期限を二年のものを延ばすというようなことで政策展開をするそうですが、私はこれはセカンドベストとしてはしようがないと思います。反対するつもりはありませんが、政策としては必ずしもいい政策だとは思えないんですよ。委員長も行かれました、私も行ってまいりましたが、あの仮設住宅は、幾らいいといってもあの状況は年齢も含めますと身体的にも心の問題でも本当は二年が限度ですよ。
 あの二年というのは、単に二年間しかだめといって法律で規制しているだけじゃないんですよ。二年間ぐらいですよ、その間に恒久住宅対策をしっかりやりなさいと。ただ、あんな大規模な大震災ですから今回はやむを得ないと思いますが、しかし、あの仮設住宅二年というのはそういういろんな意味を含んだ二年だと思うんです。だから、それを延ばせばいい、延ばしたから何とかなるだろうというものではない。やはり早急に、恒久とはあえて言いませんが、仮設住宅ではない住まい方に持っていってやる必要があるだろう。
 しかし、今すぐ物理的にできないといっても、少なくとも皆さんの希望に合うようにやるんですということを政府はもっと言っていいんではないでしょうか。余りにも慎重過ぎますよ。何か、余り下手なことを言っちゃいけないと思っておられるのか、あるいは出すときはちゃんと全部決めてから出そうとかいろいろ配慮があるんでしょう。しかし、入居者の人々は、片上議員も本会議で言っていましたように、橋本総理が来てもう三カ月以上たつ、今か今かという気持ちでいるときに、こんなふうにしますあんなふうにしますということを言ってやらなくちゃ、それは地方公共団体の話でございますというわけにはいかないでしょう。まさに、それこそ政治のぬくもりのある御発言が必要なんじゃないかと私は思います。
 今ここですぐ答えていただきますという気持ちはないのでございますが、ぜひ、実力大臣でもございますので、やっぱり入居者一人一人の方の気持ちに思いをいたしますと、どうなるかわかりませんよ、努力はしてみますがまあちょっと待ってくださいという答弁の繰り返しを何カ月も続けていくというのには、本当に心の問題まで考えますと限界があると思えてしょうがないのでございます。
 最後に、大臣、恐縮でございますけれども御感想などを、できれば前向きの御答弁もいただければと願いを込めて御質問させていただきます。
○国務大臣(中尾栄一君) 住宅復興につきましては、兵庫県が作成をいたしましたひょうご住宅復興三カ年計画というものを国としても強力に支援することといたしまして、現在、被災者向け公営住宅などの積極的な建設に取り組んでいるところでございます。
 閣議でも、もう既に最重要事項という形でこの復興問題を位置づけまして徹底的に取り組んでいくという姿勢を示しているわけでございますが、昨日も兵庫県の知事が私どものところにおいでを賜りまして、そしてるる、私どもも教わるものもさらにあったわけでございます。また、公営住宅の家賃の軽減などの恒久住宅への円滑な移行に関する、これはもう総理そのものが視察をした後指示をしておるわけでございますし、現在、関係省庁と協力して検討を急いでおるところでございます。
 何せ時間がかかることがまことに心苦しいのでございますが、幾つかの省庁というのは驚くばかり、やはり関与する省庁が六つくらいあるのでございますね。そういうところともお互いのレベル同士でも話し合い、また大局観としても話し合い、また閣議でも再確認をすると、こういう方途を何回かとっておるところでございまして、きのうもそのようなことで報告は私なりにさせていただきましたけれども、今委員の言われましたことを十分に肝に銘じておきまして、今後できるだけ早く具体的な結論を出して、被災者の方々に一刻も早く御安心をいただくということに鋭意努力を重ねることを申し上げたいと思います。
○市川一朗君 終わります。
○大渕絹子君 今、大臣は、阪神大震災の被災者に対して努力をなさるという御決意を述べていただきましたけれども、先日、被災をされた神戸の会の皆さんたちが国会陳情に参りまして非常に悲痛な叫び声を上げておりまして、一日も早く安心して住める住宅の供給をというふうに訴えておりました。私からも冒頭にそのことを心からお願い申し上げ、公営住宅の建設費という予算の枠が組まれるわけでございますけれども、そのほとんどを阪神に向けてもというぐらいの思いを込めて、一日も早く安心して住める住環境をつくっていただきたいことをお願い申し上げておきたいというふうに思います。
 それで、今回の法改正でございますけれども、第一条の目的が変えられるという本当に抜本的な大改正というふうに私は思っているわけでございます。従来は、公営住宅を建設省が自治体と協力をして建設をし、そして供給をしていくという法律になっていたわけでございますけれども、この現行法の建設する戸数について、もう既に充足をしたということの中で「整備し」というふうに改正をなさるのかどうか、そこからまずお聞きをいたします。
○政府委員(梅野捷一郎君) 特に戸数を中心としての評価としてのお尋ねでございますが、公営住宅の供給が従来は建設を通じて供給してきたわけでございますけれども、私どもは目的がほぼ達成されたという認識に立っているわけではございません。あくまでも、より需要に即して今後とも供給を積極的に進めていく状況にあるという認識でございます。
 ただいま法律の方の表現がそのように変わりましたのは、そういう意味での考え方を変えたということではございませんで、供給の手法の中に直接建設という以外の方法、手段を、むしろ手を広げてより積極的な的確な対応ができるようにしようという内容にしたということに伴う表現の「建設」から「整備」にしたということで御理解をいただきたいわけでございまして、私どもは、そこが「建設」が「整備」になったということによって供給を積極的に引き続き取り組むという姿勢を後退させたというようなことは全くないというふうに御理解いただきたいと思います。
○大渕絹子君 昭和四十一年の第一期五カ年計画でスタートをして平成七年度の第六期五カ年計画まで約三十年間、二百九万四千百五戸というふうに資料では出ているわけですけれども建設をされた。しかし、三大都市圏においては応募の倍率は、これは平成六年度の数字ですけれども、新築一種で十四・五三倍、それから二種で十八・八九倍と非常に高い数値を示していることは、建設戸数がまだまだ不足をしているということの数字的なあらわれだろうというふうに思うわけでございます。これからも積極的にその建設を含めて公営住宅の確保をしていかなければならないということは、この数字を見ても明らかだというふうに思うわけでございます。
 それで、この改正案を現実のものとしたときに、入居希望者がほぼ満足できる入居ができるというか、満たすことができる目標の年数を大体どのぐらいととらえて今回の改正に踏み切ったんですか。
○政府委員(梅野捷一郎君) ただいま御指摘のように、大都市圏は量的にも特に顕著でございますが、低額所得者などの住宅にお困りの世帯がまだその状況を改善するということが大変急がれているというふうに思っておるところでございます。
 そのために、今回の改正については、特定優良賃貸住宅との役割分担をより明確にして、そういう真にお困りの皆様方に供給が重点的に行われるような枠組みに直したい。あるいは、先ほどもちょっと申し上げましたように、より供給が円滑に行えるように、直接建設という手段のほかに買い取りあるいは借り上げ制度というようなものを入れてやっていこう、こういうことでやっているわけでございます。私どもは、そういう制度のより的確な枠組みに改正をお願いした上で、その改正された枠組みの中でより積極的に公営住宅の供給に努めていこうという考えでございまして、今日の改正が何年にどういう状況になるかということを明確に目標を置きながら改正したというほど具体的な目標を持っているものではございません。
○大渕絹子君 人口の動向とか、収入の動向とかということはある程度数値的にもつかめる時代だというふうに思うわけでございます。
 過去三十年間こういう政策をやってきて、まだまだ不十分ということの中で、あとどのくらいしたらどういう状況になるかという絵が描けないで改正していくというのは私わからないんです。それぐらいのことをきちんと見通した法改正でなければならないというふうに思うんです。じゃ、何年たったら三大都市圏で応募倍率が二・〇ぐらいにまで緩和できるんですか、それぐらいはわかるでしょう。
○政府委員(梅野捷一郎君) 中期的なあるいは長期的な見通しにつきましては、私ども五年ごとに五カ年計画という計画を持ちながら供給を進めているわけでございますが、ことしから始まります今回の五カ年計画におきましても二十万戸を超える公営住宅を供給する、あるいはそれと並行して特定賃貸住宅を供給する。今日の状況は、五年間でそれぐらいのオーダーでの供給をなお引き続きやっていかなければいけないという状況にあって、我々はそういう状況の改善に今は鋭意取り組む状況であるというふうに考えているところでございます。
○大渕絹子君 どこの地域にどのぐらいの需要があって、それでどういうふうな供給をしなきゃならないかというきちっとした計画がなければ、需要のないところに公営住宅が建ってみたり、そうするとそういうのは空き家になっちゃうわけでしょう。そういうことがこれから先もますます行われてくると思うんですよ。
 だから、そういうところはきちっと見通しをした中で、今求められている的確な数というものをつかんで、そして各自治体と相談をしながら東京都心にはどのぐらい必要だ、あるいは神戸にはどのぐらい必要だということをきちっとはじき出す中でこういう計画が進められていかないと、先ほど市川委員が質問されたように、民間住宅は、さらに供給の枠というのはうんとふえているわけです。そうすると、つくったけれども使われないというような税金のむだ遣いということもまたいずれ出てくる可能性もあるわけですから、そういうことも十分に踏まえてこの計画を推進していただきたいということをお願いしておきます。そのことについて何かありますか。
○政府委員(梅野捷一郎君) 私どもは当然、例えば五カ年計画を策定する際、あるいは今後取り組むときにどういう枠組みで取り組むかというときに、これから供給すべき、あるいは改善すべき状況がどこにどの程度あるかということについては我々なりにそれなりの分析はもちろんやっているわけではございますけれども、ただいまここで何年になると倍率がどういう状況になるかという形での、そこまでの詰めとしてはお示しができないということでございます。私どもは、居住水準がどういう状況にある方々が今現状ではこれだけの数がいる、あるいは地域別にもそうなっている、いろいろなことを十分分析はして、その中から五カ年のいわば目標としてはこういう数字であるというようなことをはじき出して努力を続けたいということでございます。
 したがって、ただいま先生御指摘のように、当然そういう具体的な目標をできるだけ描きながら、結果が、先生のおっしゃるような倍率が非常に高い状況が見られないような状況に極力近づけていくように努力をすべきだというふうに考えているところでございます。
○大渕絹子君 今回の法改正によって民間の住宅の買い取りとか借り上げなどが行われることになるわけでございますけれども、民間市場に依存をするメリットはどういうことだとお考えですか。
○政府委員(梅野捷一郎君) 当然、今回の制度は公営住宅をより的確に供給するという上で効果を期待しているわけでございますけれども、その最も重要な点は、従来の直接用地を確保して、そこで直接供給をするというのはどうしても用地を確保するという条件に左右をされるということが実情でございまして、大都市地域のようなどころでは価格の問題もございますし、適地の存在の問題もございまして、用地を取得する、用地を手当てするというところで大変な制約を受けているという実情にございます。
 したがいまして、住宅の供給がされる他のいろいろな方法の中で、公営住宅として的確に採用し供給する内容のものであるとすれば、民間の住宅を積極的に借り上げあるいは買い上げるという方法を加えまして、適地分布のこともございます、そういうことも含めまして、できるだけ需要に沿った的確な供給の可能性の幅を非常に広げられるという期待を持った改正でございます。
○大渕絹子君 その反対に、それでは民間市場に依存するデメリットというようなものはございませんか。
○政府委員(梅野捷一郎君) 民間に依存することの直接的なデメリットというのは、一般的に存在するとは考えておりません。
 私どもは、今申し上げましたように、民間の住宅を何の基準や考え方もなく借り上げあるいは買い取ろうということではございませんので、その借り上げについての場所の分布の問題であれ、価格の問題であれ、あるいは周辺の状況の問題、あるいは性能の問題というようなことをそれぞれきちんとした吟味の中で借り上げあるいは買い上げるとすれば、適正な公営住宅として活用できるものと考えております。
○大渕絹子君 先ほど同僚委員の質疑の中で、借り上げの住宅あるいは買い上げの住宅の基準についてはまだ決まっておらないが、いずれガイドラインみたいなものを決めるんでしょうか。決まっておらないようにさっきお答えになっておったと思いますけれども、政令とか省令とかで決めていくんですか。
○政府委員(梅野捷一郎君) 基準として省令でしっかりと決めさせていただきます。
○大渕絹子君 私、この法案の改正を見たときに一番先にぴんと頭にきたのは、ああ、これは住専の処理にかかわりがあるのではないかなということだったんですよ。いわゆる住専処理機構に移されていきます住専七社の優良債権、不良債権の中には恐らく優良な住宅というようなものもあるんではなかろうかと、そういうふうに思うわけですけれども、住専処理機構から供給をされるかもしれないマンションであるとかあるいは不動産物について公営住宅に適するものがあるならば積極的に買い上げる、あるいは借り上げるというようなことが行われるのでしょうか。
○政府委員(梅野捷一郎君) ただいま御指摘いただいたようなつながりでそういう物件を今回私どもが頭に入れていることは全くございません。
○大渕絹子君 全くございませんということではなくて、先ほどの基準の中に該当するものがあれば積極的に受け入れていくのかという質問ですけれども。
○政府委員(梅野捷一郎君) 具体的な事例がどうなるか今の段階で全くわからないわけでございますが、制度の考え方としては、どういうものあるいはどういう経緯のものであるかどうかということではなくて、借り上げあるいは買い上げたときに公営住宅として適正に供給、提供できるものであるかどうかということが主眼でございまして、今例示なされましたようなものとの関係は現状で全く考えられないというふうな、まあそういうものがあればというお話でございますが、そういうものがあればというのはどういう状況であるのかちょっとわからないのでございますけれども、今申し上げましたように、公営住宅として適正に供給できるような物件であるということがあくまで基本的な条件でございますので、そういう評価になろうかと思います。
○大渕絹子君 ですから、そういうものに該当するものであれば、そういう処理機構で扱うものであっても問題がないのですねと私は聞いているんです。そうならばそうだと言っていただきたい。回りくどく言わないでください。
○政府委員(梅野捷一郎君) 今申し上げたことで、結果としてそういう経緯のある物件であるということも可能性としては当然あり得るんだろうと、考え方としては。それはそうだと思います。
○大渕絹子君 住専処理機構に移されていくそういう不動産物件というのは、これから国が管理をするということの中で、また負債が出れば国が二分の一補てんをしていかなければならないようなことになっていくわけですので、そういう物件で本当に良質なもので公営住宅として使えるものがあるならば、それはもう安く手に入れることもできるかもしれませんですし、そこらは柔軟に考えていってもいいのではないかなというふうに思うわけです。
 その反面、そういうことで何か建設省が裏づけをする中で住専の問題が処理をされていくのかなというような国民の疑問が起こってもこれまた困るわけでございますので、そこら辺を十分に注意しながら、良質なものについてはもうできるだけ早く、庶民が求める公営住宅の数の確保ということが一番求められる法律でございますから、そこらを踏まえてしっかりとやっていただきたいなというふうに思っているところでございます。
 それから、これは先ほど来同僚委員の方からも指摘がされているわけですけれども、民間から借り上げた家賃については家賃補助という形で自治体に国がその差額の二分の一を補助するということになっていますけれども、そうしますと、一般民間住宅を借りていらっしゃる方との間に不公平感というのは物すごく発生をしてくるというふうに思うわけです。
 先ほど来、同じ一棟の中に繰り入れられているものの中のごく一部を公営住宅として借りることもあり得るという答弁があったわけですけれども、そうしますと、そこのマンションの中に入っている普通一般の民間の人たちは正規の不動産会社との契約で家賃を払っている。例えばそれが十万とすれば十万払っている。ところが、公営住宅として認定されたところですと、そこは民間家賃の約半分ということですから大体五万円ぐらいになるということだろうと思うんですけれども、それしか払っておらない。同じ条件で同じ住環境に住みながら、しかも所得が同じとする場合に、そうすると一般民間住宅で賃貸契約をして借りている人たちにとっては、同じなのに何でこんなに差があるのということになるわけで、そこに私たちが今まで主張してきた二五%分位層ならその二五%分位層の人たちに対してひとしく国の恩恵が当たるような方法はできないのかということがあったわけでございます。
 だから、そういう人たちにもひとしく家賃補助みたいな形がつくれないだろうかという主張をこの間やってきているわけですけれども、先ほど来もお話があったわけですが、もう一度御返事をいただきたいと思います。
○政府委員(梅野捷一郎君) 一つは、例えば借り上げをするケースの場合に、百戸の住宅の中で数戸を公営住宅で借り上げるということが今回の制度の改正案の中では可能になるわけでございます。
   〔理事石渡清元君退席、委員長着席〕
 その場合に、私どもは全体の公営住宅をできるだけ円滑に供給する手段として当然お願いをいたしておるわけでございますけれども、そのことに付随して、地域社会あるいはそこのコミュニティーといいましょうか、そういうものに無用の混乱あるいは摩擦ということを伴ってそういうことが行われるということであれば、一方の目的だけを追求するということになるわけでございますので、そういう点については私どもも事業主体の側もそういう状況も恐らく考慮しながら具体的には借り上げたり買い上げたりということになるんだろうというふうに思うわけでございます。
 それから、家賃対策補助というものは、先ほど来いろんな御意見がございますけれども、私どもとしてはしっかり供給される住宅でかつ対象者を限定的にやった、そういう組み合わせの中で対応する。ただ、それ以外のものについてはなぜ適用しないのかということでございますけれども、それはそういうものと家賃との関係というものが全体一般としての担保をつけることができない、あるいはつけようとすれば膨大な費用がかかるということについての裏づけが現状においてはできないということでございますので、私どもは、他の一般民間賃貸住宅については結果として家賃水準が適正になる、あるいは居住内容がよくなるという政策もこれとあわせてやっていかなければいけないということで組み立てているということでございます。
○大渕絹子君 私がさっきデメリットはと聞いたのは、そういうことも含まれているわけなんです。
 それで、直接家賃補助は今は考えておらないということで先ほどから言われているわけですけれども、くじに当たるか当たらないかによって同じ日本の国民でありながらあるいは同じ所得でありながらこれだけの差ができてくるということを緩和するために、一日も早く同じ条件で住めるような住環境をつくっていかなきゃならないというのがこの法律の趣旨だろうと思いますので、ぜひここは頑張っていただきたいなというふうに思っているわけです。
 それとちょっと同じような関係になるんですけれども、今度、五十歳以上の高齢者に対して、五十歳が高齢者というかどうか私はわからないんですけれども、男女とも五十歳以上になった方たちには四〇%の分位内で公営住宅に入れるということで法改正がなされます。私は、五十歳代の夫婦お二人の家計がもし年収四百五十万とか五百万ぐらいであったならば、子供二人を育てなければならない、だんなさんが一人で働いているような四人世帯の家計の方が、同じとすれば苦しいと思うんですよ。
 私も二人子供を育てましたし、公営住宅で暮らしたこともありますが、そういう中で、お年寄りは年収はなかなか入ってこない状況になってきまずから大変なことはわかりますけれども、しかし出ていく分は少なく済むんです。私も今もう五十歳になりまして、暮らしてみてわかるんですけれども、出る部分はかなりセーブすることができるようになります。しかし、子育ての時代は幾ら詰めても必ず出ていくものというのは決まってあるわけでございます。
 そうしますと、同じ所得で五十歳以上の家庭と若い世代と比べた場合に、ただ単に所得の比較だけで二五%で切ってしまう、いやこちらは四〇%までいいということの線引きというのはなかなか難しいのではないか、若い人たちにとってはこれは非常に冷たいのではないかというふうに思うんです。まして今は子供たちが少ない少子化の時代と言われておりまして、もう少し住生活が手厚くできるならば子供ももう一人ぐらい欲しいという方もあるかもしれないけれども、そういう現状にないときにこういう法改正というのは若い方たちにちょっと厳しいのではないかなと思いますが、そんな声は建設省には届かないのでしょうか。
○政府委員(梅野捷一郎君) ただいまの先生の具体的な御指摘は、私も、それぞれの世代による生活の実感というものがそういうことであろうということについては全く同感でございます。
 私どももそういう点はそれなりには理解しているつもりではございますが、残念ながら私どもの努力が足りない点もございまして、十分な住宅の供給が必ずしも現在いっていないという、限られた住宅の中でより的確な供給をどう進めていくのかという中での判断でございますけれども、それは一つは所得の構造自体も今先生のおっしゃるとおりでございますし、家計の状況についての特色はそのとおりでございます。
 もう一つ、私どもがどうしても違いとして受けとめざるを得ないと考えておりますのは、民間の借家に実際頼っているわけでございますが、民間の借家における高齢者に対する受けとめ方と、一般のファミリー層あるいは若年層に対する受けとめ方には残念ながら現状においては非常に差があるということで、今後どうしても高齢化社会に移っていく中で、その中ではやはりこういう形でより高齢者を民間の実態も考慮して受けとめるということになるのかなということで考えているところでございます。
 子育て世代の住宅問題がそれ自体としては大変厳しい状況にあるということは、私どもも十分理解しておるつもりではございますが、今回はこういう内容での拡充にさせていただいているということでございます。
○大渕絹子君 そういう世帯を少しでも救済したいということで特定優良賃貸住宅という制度が設けられていると思うんですけれども、この制度で私が非常に脇に落ちないのは、毎年何で五%もの家賃が上がっていくんですか。毎年毎年必ず五%上がるわけでしょう。収入が上がるとか上がらないとかということに関係なく、家賃だけは間違いなく五%ずつ毎年上がっていくということですが、これどうしてこんなことになるんですか。
○政府委員(梅野捷一郎君) 御利用になるといいますか、特定優良賃貸住宅をお借りになるお立場に立っての評価としてそういう感じを持たれるのはまことにそのとおりだと思うわけでございますが、この五%は、民間を中心とした住宅を、二十年間市場から内容のあるものを調達して、それを二十年間にわたっていわゆる市場家賃を下げるということでございますので、五%ずつ、最終的には二十年後に市場家賃に合うというところからいわば逆算をしているわけでございます。
 その傾斜をつけておりますのは、やはり当初の段階では当初の負担感というものがどうしても大きいということから、当初を多く減額し、順次二十年かけて五%ずつのカーブで市場家賃に結びつけていくということから決めたところでございまして、市場家賃から減額しているという側に立った論理と、上がっていくという論理の受けとめ方の差なので、おっしゃることは、お感じになることはまことにそうでございますが、法の仕組みとしてはそういう構成をさせていただいているということでございます。
○大渕絹子君 だんだん行政側が手を放して、自立しなさいということになっていくわけで、ここはなかなかこれでいいのかなという思いはします。
 二五%で切ったり高齢者の四〇%の収入のところで切ったりすると地域コミュニティーの分断などということも懸念をされるわけですけれども、その地域コミュニティーの分断とかあるいは福祉行政との連携などはどう構築をしていかれるんでしょうか。
○政府委員(梅野捷一郎君) 当然、住宅は家賃が安いとか大きい小さいということだけが重要なわけでなくて、御指摘のように、地域社会の中におけるコミュニティーその他の問題、内容のある充実した環境条件、地域条件が維持されるということは当然重要なわけでございます。
 今回の改正の中でもそういう観点を取り上げているわけでございますが、一点は先ほど先生から御指摘いただきましたように、一方では使い方によってはデメリットにつながるかもしれないわけでございますが、地域全体のコミュニティーの中の一部の構成員として公営住宅の住まい手も参加をするというような目から見ると、部分的な買い取りであるとか借り上げというものも、うまく使えばその点では使えるのではないかということも頭にあるわけでございます。
 それから、先ほど来御指摘がございましたが、過去蓄積してまいりました有効活用の観点から建てかえ等も積極的に進めようということで現実に今進めているわけでございますが、さまざまなものと合わせた一体的な事業が進められるように建てかえ要件等についても今回の改正の中で手入れをさせていただいているということでございまして、この中には当然福祉部門との連携がより円滑にいくような改正も盛り込まさせていただいているということでございます。
○大渕絹子君 ありがとうございました。
 公営住宅の法改正についてはこのぐらいにして、少しの時間を建設業現場で働く人たちの時短の問題について質疑をさせていただきたいというふうに思っております。
 来年の四月から週四十時間、完全週休二日制の実施が迫っておるわけでございますけれども、建設業界の現場では非常にそのことに対する切迫感というのが乏しいというふうに指摘をされております。体制づくりがおくれているというふうに言われているわけでございますけれども、そのことをとらえて、労働省では全国の労働基準局長会議を招集されたというふうに聞いておるわけですが、その局長会議の内容について労働省にお聞きをいたします。
○説明員(福島康志君) 先生御指摘のとおり、来年四月から週四十時間労働制が全面的に適用になるということでございます。それで先日、五月二十日でしたけれども、緊急全国労働基準局長会議というものを開催したところでございます。
 この会議におきましては、労働大臣の方から、事業主に対してどういうふうに指導をしていくかということについて指示があったということでございます。具体的には、労働時間短縮の必要性を十分説明して理解を得なさいということ、それから具体的な方法を事業主に十分説明しなさいということ、それから拡充された時短奨励金というものを支給しているわけですけれども、そういったものを積極的に活用して週四十時間労働制に移行するようにきめ細かな指導、援助を行うというようなこと、そういったことについて労働大臣から指示があったということでございます。
○大渕絹子君 労働大臣からの指示で、現場では極力その指示に従った行動をなさっていただくというふうに思うわけです。
 一九九四年の十月十九日に労働省は、生コンクリート製造業の労働時間短縮指針、あるいは翌年の九五年の十月には建設業の労働時間短縮指針というものを策定されているわけです。連帯労組という労働組合があるんですけれども、全国の二百カ所のいわゆる公共事業の受注者に調査をしたところ、この労働省の指針については知らなかったという答えが返ってきております。それから、主要大手ゼネコンや地方建設業協会もこの生コンの時短指針については知らなかったという調査結果が、ほとんどのところで知らなかったという調査結果が出ているわけです。
 そうしますと、労働省で幾らいいパンフレットをつくって時短を奨励したにしても、建設業やあるいは生コンの現場ではそういう時短の取り組みというのがおくれているということを認識せざるを得ないわけです。そういうことを受けて、さらに労働省としてはきちんと周知徹底を図るべく取り組んでいただかなければならないだろうと思うわけでございます。
 また、なお同じ連帯労組の現場調査によれば、時短は一日、一週、完全週休二日制、連続休暇などがセットのはずなのに、四週平均で一週の労働時間が現行法をクリアしていればよいというような指導をしている労働基準監督署もあったということがあるわけです。その指導に基づいて、週休二日制実施は実質免除されるような業者カレンダー、いわゆる一週間の中で二日休めばいいわけですから、日曜日と間の水曜日ぐらいが休日になっているカレンダーがあるわけです、従業員に渡される。ところが従業員側は、休んでも休まないでもいいという感覚があるわけですよ、水曜日は必ず仕事をしているわけですから。そうしますと、休みを返上して現場に出て働くということが実情行われてくるわけです。
 そういうことの中で、なかなか建設業の現場では時短が進まないんじゃないかということになっているわけです。こういう業者カレンダーを労働省側は勧めておられるんですか。
○説明員(福島康志君) 先ほど御指摘になりましたように、労働省では業界団体に自主的に労働時間短縮に取り組んでいただく業種別労働時間短縮推進事業というのを実施しておりまして、それに基づきまして各団体にお願いをしているということでございます。
 その中で、生コンの事業主団体それから建設業の事業主団体、こういったところにもお願いをしまして、それぞれ短縮指針というものをつくっていただきました。これにつきましては、先ほど先生御指摘のようにそれほど知られていないのではないかというようなこともございましたので、各監督署の職員、監督官すべてに行き渡るように印刷をしまして、この前の局長会議でそれぞれの局に渡したということでございます。
 それで、御指摘は変形労働時間制のことであろうというふうに思っておりますけれども、労働時間を短縮する一つの手法として変形労働時間制といったものが、そういった手段があるということを各監督署でも説明をしているのだろうというふうに思います。そのことを先生はおっしゃっているのだろうと思います。
 我々、完全週休二日制が将来の姿として望ましいということは、当然そういうことで行政を進めておりますけれども、来年の四月からは四十時間労働制になるということでございますので、その四十時間労働制になるための一つの手段としてそういった方法があるということも、またこれを事業主に説明をしているということも事実でございまして、そういうことをよろしく御理解をしていただきたいというふうに思うところでございます。
○大渕絹子君 来年四月までの移行くの準備期間としての補助的な制度というふうにとらえれば容認できなくはないわけですけれども、それが逆手にとられて、基準局でこう指導しているんだからこれでもう週休二日制なんだということでやられてしまっては、幾ら頑張ってみても時短というのは進まないんじゃないかなというふうに思うんです。
 あと三六協定といって残業時間などを規制する労使の協定があるわけですけれども、それもできるだけ短い期間で三六協定を協定すべきだということで決められているわけです。トラック業界や建設業界では有効期間を一年間としてもいいという指導指針が労働省の方でもマニュアル化されているわけですが、これを改定していただきたいのですけれども、いかがでしょうか。
○説明員(福島康志君) 労働基準法上、三六協定の有効期間というものにつきましてはこれを定めなければいけないということになっておりますけれども、その期間については制限は設けられていないわけでございます。それで、その期間は労使間で自主的に定めるということになっておるところでございます。
 しかしながら、所定外の労働というのは本来臨時的な場合に行われるということでございますので、三六協定を締結するに当たって業務区分を細分化してその区分に応じて必要最小限のものとするというようなことを、所定外労働削減要綱というものを定めまして指導しているところでございます。今後とも、時間外労働というのは本来臨時的な場合に行われるという趣旨を徹底してまいりたいというふうに考えているところでございます。
○大渕絹子君 建設委員会においでいただいて質疑をさせていただきました。どうぞよろしく頑張っていただきたいと思います。お願いします。
 最後に、大臣にお尋ねをいたします。
 先ほど来の連帯労組の調査では、建設省の直轄工事の工期積算は四週八休でもう既に行われているんです。これは九二年から四週八休に直轄で発注される工期の積算はされているわけですけれども、現場では相変わらず土曜日も働かざるを得ないような状況にあります。
 これは中小下請業者が、少ない労働者の中で、自分の抱えている従業員だけの中で何とか指定をされた工期までに間に合わせようということの中でやるとすると、指定された工期に間に合わせるためには土曜日も稼働しなければならないという、いわゆる休めないような状況ができてきています。もちろん建設省の積算の係に言いますと、建設省では四週八休できちっと積算をしているんで土曜日は完全に休めるようになっているんだということを言うわけですけれども、下請あるいはその孫請の現場の人たちは休めるような状況になっていないということにあるわけでございます。
 もちろん中小零細の企業が従業員をふやせば、それなりに社会保険であるとかあるいは従業員を確保するための経費が大変かかってやっていけないということも現実にはあるわけですけれども、建設業界やあるいは生コンクリートの現場で時短が進まない原因はここにあるというふうに思うんです。大手ゼネコンは四週八休できちっとやっているにもかかわらず、下請、孫請のところにいくと、その工期を守るためには自分の手持ちの従業員だけでやろうとするときに必ずそこは無理が生じてくるということになるわけです。だから、そういうことで時短がなかなか進まない現状があるわけでございます。
 もちろん、来年の四月からはこうした現場においても四週八休ということできちんと位置づけられてくるわけですので、建設省としてそうした中小零細の建設業者やあるいは生コンクリートの業者にこのことをきちんと伝えて指導していく立場にあると思いますので、その決意をお聞かせいただいて、きょうの質問は私も時短をさせていただきたいと思います。
○国務大臣(中尾栄一君) 大渕委員にお答えいたします。
 建設業そのものは工事が天候そのものに左右されやすいことなど困難な問題を非常に抱えておりまして、この中にありましても労働時間の短縮を初めとする建設業の雇用労働条件の改善を図るということは極めて重要な課題である、このように認識しておる次第でございます。建設省におきましても、従来より、業界への啓発を行うとともに週休二日モデル事業を実施する等、労働時間の短縮を促進しているところでございます。.労働基準法の規定によります労働時間の短縮の問題につきましては、労働行政とも十分な連携をとりつつ、建設業界に対し十分な指導を行うこと等を通じてその円滑な実施を図ってまいりたい、こう考えておるわけでございまして、御指摘の直轄工事などはこれに沿って実行されるように配慮していきたい、このように考えておる次第でございます。
○大渕絹子君 終わります。
○緒方靖夫君 日本共産党の緒方靖夫です。
 一九五一年に公営住宅法が制定されて以来、今回の法改正は、公営住宅の役割の縮小、家賃の引き上げを迫った住宅宅地審議会の答申に沿った大きな改悪であると考えます。
 その第一の理由は、家賃の大幅値上げを全国的に強制することになるからです。応能・応益制度を導入するというわけですけれども、実はそのモデルというのは昨年一月一日から実施している東京都の制度なんです。実際かなりの世帯が値上げになり、例えば、上目黒で三万二千円、多摩市鶴牧では二万円上がった。そういう例がたくさんあります。今回の改正でそれを全国に広げ、全国的にも相当大幅に値上げになる、そういうものだと思います。
 まず、数字でお尋ねいたしますけれども、九四年度管理開始の第一種公営住宅の平均決定家賃は五万四十六円です。九四年の収入区分で新制度の家賃で計算してみますと、基準値は一五から二〇%階層で約千百円上がる。二〇から二五%階層で九千三百円、二五から三三%階層では何と一万七千九百円も高くなるじゃありませんか。
○政府委員(梅野捷一郎君) ただいまの計算値についての御指摘でございますけれども、家賃の計算の一つのケースについての御指摘でございますが、ただいま御指摘いただいたのはいわば応能と言われる、所得によっての負担率といいましょうか、そういうものから割り出された部分の金額を御指摘だろうというふうに思うわけでございます。
 実際の家賃の決定は、それに対しまして住宅の規模でありますとか、立地の状況でありますとか、建ってからの年数の問題でありますとか、そういうものによって評価され、まあ一般的には応益というような部分でございましょうけれども、そういう応能、応益というような観点を考慮した上での決定の家賃になるわけでございますので、今のはそういう意味での数字で比較をされたものではないかというふうに思うところでございます。
○緒方靖夫君 今挙げた数字がこれ全国平均なんですね。大都市ではさらに立地係数が上乗せになります。家賃基準額の負担率が一七%でも、立地係数の最大の一・五を掛ければ負担率が二五・五%になります。こういったことが低所得者向けの公営住宅の適切な家賃と言えるんですか。
○政府委員(梅野捷一郎君) 今回の改正によりまして、公営住宅の家賃につきましては、先ほど申し上げたような入居者の応能といいましょうか、入居者の収入という面からの考慮と、住宅の便益という考慮から割り出すという体系に切りかえたいということで御審議をお願いしているわけでございます。
 今のお話の、例えば立地係数が一・五という、こういう数字については、これから具体的に政省令で決めていくことになるときにもまた地域の実情を聞きながら考えていくわけでございますが、仮に御指摘のような数字といたしましても、ほかにも立地係数が一・五というような、一を超えるようなものというのは特別な立地の状況、例えば東京の本当の都心のようなところとか、そういう特異な便益上の地域というものもあり得るわけでございます。そういう点はございますが、一般的にはそれぞれ、例えば経年による係数についてはすべてが一以下になるというようなことでございまして、それぞれの条件の中で編み出される、先ほども申し上げたようなことでございまして、二五・五%というような数字になるとは一般的には言えないというふうに思うところでございます。
○緒方靖夫君 立地係数が一を割るというのは、建設省の説明によると、東京でいうと奥多摩の方ぐらいで割るという話なんです。東京は一以上になる、もうそれが前提で、都心は一・五と大変な負担になるんです。だから、こういうことだともう低所得者は都心に住むなということに等しいと、私そんなふうに感じるんです。
 昨年一月値上がりしたばかりの東京都でさらに値上がりする、このことも重大です。例として、調査室が配付しているこの資料を例にとって、これの六十八ページから七十一ページにある第一種の団地十についてすべて計算してみました。新制度が適用される平成十年度ベースで算定してみると、国の家賃補助ベースになる入居者負担基準額は一つの例を除いて全部値上げ、おおむね一割から二割値上げになるんです。どういうことでしょうか、これは。
○政府委員(梅野捷一郎君) 家賃の具体的な決定の方法については先ほど来申し上げているようなことでございますが、これのさらに原則としての具体的な方法については政省令事項として地方公共団体の意見を伺いながら決定する予定でございます。
 入居基準で収入基準の以下の方、従来からもそうでございますが、そういう今回の改正に基づく公営住宅の対象として考えておる方々については、仮に一部家賃が結果として上昇するような算定がされるということがございましても大きな負担増にならないような配慮をするということでもございますし、もともとがそういう所得に応じた能力との関係で定められるものでございまして、仮に家賃が上昇する場合にも三年間の負担調整を設けるというようなことで決めていくということになると考えているところでございます。
○緒方靖夫君 調整するとか言うんだけれども、建設省が示している計算をそのとおりやって一、二割上がるわけです。それが上がらないようにするというのは、唯一方法としてあるのは地域係数、これは自治体にそういうことを依存するということしかないんです。
 やはりこれは政策論として、建設省が建設政策として真正面から提示するものとしてはちょっとおかしいんじゃないかと思います。ついでに言いますと、多くの自治体でこれまで高過ぎる限度額の適用は控えて、自主的に家賃を低く抑えてきたという経過があるんです。今回の改正案というのはこうした裁量の余地を大幅に縮めてしまう、制限してしまう、そういうものだということもあわせて指摘しておきたいと思います。
 改悪だという第二の理由、それは収入基準を引き下げて多数の低所得者世帯を公営住宅の対象外として、また住んでいる収入超過者の家賃を引き上げて追い出すということです。法改正で、収入階層二五から三三%の一般世帯が公営住宅の対象から排除されるわけです。
 九五年の総務庁の貯蓄動向調査によると、年収四百五十万円から五百二十万円に相当する、それがこの線ですね。公営住宅の入居者も六十一万世帯が収入超過者として上乗せ家賃を課せられて、退去努力が迫られているわけです。共稼ぎならなおさら簡単に超えちゃう水準なんですよ、これは心平均年収の七割以下で収入超過者とされているわけです。これを出ていけと言わんばかりに、近傍同種の市場家賃を超えない線まで家賃を引き上げるというのが今回の法改正のねらいです。こちらの方は大変な大幅な値上げになります。居住者にとって過重な負担にならないへそう言えますか。
○政府委員(梅野捷一郎君) 今回の改正によりまして、収入基準の考え方を、特定優良賃貸住宅の制度との関係等も先ほど来御指摘ございますようなことで、二五%というところをめどにしているわけでございますが、このために、入居後に収入が増加いたしまして、もはやこの法律で言う低額所得者とは言えなくなった収入超過者というものが従来のままの低廉な家賃のままで公営住宅にずっと住んでいらっしゃるということは、全体としても著しく公平を欠くというふうに考えられるわけでございますし、また本来の公営住宅制度の趣旨にも沿わないものではないかというふうに思うわけでございます。
 しかしながら、収入超過者となったことに伴って、御指摘のように直ちに居住の安定が損なわれるということでは妥当な措置ではないわけでございますので、改正案においては、収入超過者の家賃については、先ほど御指摘がございましたが、近傍同種の住宅の家賃ということを上限として、超過した方々についてもその所得に応じまして段階的に設定をしようということでございます。新制度への移行に伴い家賃が上昇する場合には、先ほども申し上げましたように当然負担調整措置というものを行つく適切な受けとめをできるようにしていきたいというふうに考えているところでございます。
○緒方靖夫君 九四年度の建設の都営住宅一種中層の場合ですけれども、二十三区の住宅用地の平均的な固定資産税評価額を使って試算してみましたら、七十平米の住宅に換算して近傍同種の家賃は十三万二千三百円、三二・五%から四〇%でも十万一千六百円であります。これは二十三区の平均ですから、都心近くになれば大幅に負担率は高くなります。もちろんこの近くで、五〇%の収入に当たる六百五十万円程度の年収で良質な民間賃貸住宅に入れるはずもありません。
 収入超過者は住みなれた地域から出ていけというのが政府の政策なんですか。
○政府委員(梅野捷一郎君) 公営住宅に入居をされた後で収入が上昇したというケースのことになるわけでございますけれども、入居後収入が上昇いたしまして、その上昇した結果として低額所得者とは言えなくなったという方のことでございますから、公営住宅の性格上、明け渡すように努力をしていただくということは本来の目的に沿った適切な運用の上では当然ではないか。また、そういう状況、収入が上昇した、ふえられたという状況の中で適切な御負担をいただくということは妥当ではないのかというふうに考えているところでございます。
 収入超過者のうち特に高額な収入を有するということになられた方、これについても近傍同種のいわゆる市場家賃になるということでございまして、その間に挟まっておられる基準の所得の方と特に高い方との間にいらっしゃる超過者については、市場家賃の上限の中でそれぞれの所得に応じたという考え方でございます。
 また、新制度への移行に伴いまして、そのような考え方から家賃が上昇する場合には、先ほど来申し上げているような調整措置をとりながら、あるいは明け渡しを最終的にお願いする方については新たな住宅の取得についてのあっせんを行うなどのそういう配慮を行いながら、新しい制度というものを適切に受けとめていただくという考え方でございます。
○緒方靖夫君 適切な家賃と言われるんだけれども、これが重過ぎるから問題なわけです。
 それから、この問題でいうと、すぐに特優賃、特定優良賃貸住宅で対処するということを先ほどから言われるんだけれども、二五から三三%の階層がこれまでどおり公営住宅の対象とした場合に適用される家賃の基準値、それと特優賃に入った場合の家賃、どちらも応能部分でいいわけですけれども、それぞれの場合について幾らになるか、数字だけ述べてください。
○政府委員(梅野捷一郎君) 改正後の公営住宅制度において、収入分位二五から三三%に対応する家賃は、専有の床面積七十平米の基準値で試算をいたしますと六万八千円程度ということになります。
 また、特定優良賃貸住宅のいわゆる原則階層、収入分位でいいますと二五から五〇%ということになるわけでございますが、この原則階層の方々に対する当初の入居者負担基準額は、専有の床面積が七十五平米の基準値では八万二千五百円となっておりますし、これを七十平米に換算いたしますと七万七千円というような数字になろうかと思います。
○緒方靖夫君 特優賃はいずれの数字をとりましても一万四千円から五千円高いということになります。
 この階層の家賃負担率は、公営住宅では一七%ですけれども、特優賃では初めから二一%。しかも特優賃の家賃は年々五%上げられる仕組みですから、三年で一・一六倍、五年で一・二八倍、十年で一・六三倍、十五年で二・〇八倍になります。年収が仮に三%ずつ上がったとしても、特優賃の家賃負担率は五年後には二三%、十年後には二五%になります。
 公営住宅と特優賃の適正な役割分担といつも言われるわけですけれども、居住者の負担という点から見ても、特優賞ではこれは代替できないのじゃないでしょうか。
○政府委員(梅野捷一郎君) 二五%を超える公営住宅の基準の数字と特定優良賃貸住宅との家賃との関係での御質問でございますけれども、公営住宅でありましても、収入超過者という所得の状況によりましては六万八千円という値段よりも高い家賃となることもあるわけでございます。
 それからまた一方、特定優良賃貸住宅につきましては応能基準額を規模、立地などで補整をした後の額が初年度の入居者負担額ということになるわけでございますし、例えば東京近郊で六十五平米程度の三DKの場合では七万円台というようなことでもございます。
 また、これが一般の民間賃貸住宅であれば十五万円以上であるということなどと比較いたしますと、この制度も相当な軽減をされているという仕組みであるというふうに考えるところでございます。
○緒方靖夫君 いろいろ言われたけれども、結局特優賃でさえ実際には数も足りない、それから近くにもない。特優賃があるからといって居住者を追い出すということは、やはり政府の説明にリアリティーがない、率直に言うと架空なものだということを述べておきたいと思うんです。
 それから、改悪という第三の理由ですけれども、町づくりをゆがめるという問題です。
 一般世帯は入居基準を引き下げ、高齢者、障害者などだけ自治体の裁量階層として、収入区分四〇%までの世帯の入居を認めるということですけれども、結果として住宅局長が、衆議院で中島議員の質問に対して、公営住宅自体は高齢者等が大部分になり問題があると認めざるを得ませんでした。そして、大きな団地を計画的に建設する場合には特優賃等と適切に組み合わせる、今後の借り上げ公営住宅で一般的な市街地の中に公営住宅を供給していくという二つの対策を述べられたと思うんです。
 現在でも公営住宅は高齢者世帯が非常に多い。自治会の役員等が緊急の対応をしていたり、同じ棟に住む若い世代が日常さまざまな援助をしている、そういう場合があります。しかし、そういう人たちは多くが収入超過者で、高齢者ばかりでは自治会の役員の仕事もできなくなります。大規模団地で公営、公団、特優賃等組み合わせても、実態は団地の中の一部の区画に高齢者ばかりの住宅棟が集中することになるだけなんです。管理主体が違うから自治会ももちろん別。同じ団地でも、別の区画、別の棟の公団や特優賃に住んでいる見ず知らずの人が公営住宅の高齢者世帯の日常の手助けをするということは考えにくいんです。問題はこれでは全く解決しないと思います。対策といっても、統計上は確かに団地内に年齢構成のバランスがある程度とれるかもしれないけれども、これでは机上の空論ではありませんか。
○政府委員(梅野捷一郎君) ただいまの高齢者を中心とした御指摘でございますけれども、きょうも各先生方からも御指摘いただきましたように、私ども今後全体の、特に民間の賃貸住宅というものを中心に条件の改善のために取り組む必要が一方であるわけでございます。
 今日の実情の中で申し上げるならば、高齢者、障害者等のそういう方々が民間賃貸住宅の中でどうしても受けとめにくい環境、条件にあるという観点からしますと、やはり公営住宅というものがそういう方々を受けとめる領域として重視をしていくということは今日の状況の中では正しい選択ではないかというふうに思うわけでございまして、積極的にそういう考え方を持っているわけでございますから、比率その他の数字の面で見れば、当然ながら結果においても高齢者や障害者の方々が他の地域コミュニティーの中でより高い状況になるということも当然考えられるわけでございますが、そのことを全体の中で何とか、今御指摘のような問題を吸収していく対応を可能な限りやっていくという、そういうことも重要だと考えているわけでございます。
 先ほど来も他の先生からも御指摘ございましたが、供給の手段をより幅を広げていく、買い取りあるいは借り上げというような方式も、使い方によっては今のような御指摘にも大変有効なケースが考えられるわけでございますし、また他の住宅、公営住宅が公営住宅だけでコミュニティーを考えるということではなくて、その中での高齢者というのではなくて、他の手段、制度、そういうものも一緒に考えていくという中でないと、高齢者のあるいはコミュニティーの問題というものは全体としては解決できないというふうに考えるところでございまして、そういう観点で私どもは今後の仕事を進めさせていただきたいと思うわけでございます。
○緒方靖夫君 局長は問題点は認められた。しかし、具体的な対策についてははっきりとは述べられなかったと思います。
 既存の大規模公営住宅団地はどうなるか。東京都では大規模な公営住宅団地が非常に多くあります。中には一つの町名のほとんどがその団地で占められているという場合もあります。こういうところが結局高齢者ばかりになったら一体どうなるのか。それでも結構だということにならざるを得ないんじゃないですか、今のままでは。
○政府委員(梅野捷一郎君) 先ほど申し上げましたように、大きな団地をその従来の姿のままで取り組んでいくということではなくて、例えば建てかえの機会あるいは周辺との町づくりの変更の中で、さまざまな種類の住宅を、公的な住宅の場合であればそれぞれを併設するというような積極的な手段も使いながら、そういうコミュニティーのより内容のある地域づくりというものを進めていくということで、ただいま御指摘のようなテーマについては取り組んでいくということになる、私どもはそういう考えで取り組みたいというふうに思うわけでございます。
○緒方靖夫君 特定の年齢階層とか特定の所得階層ばかり集めた町をつくるということは、やはり住宅、都市政策にとって非常に大きな問題だと思います。やはり健全なコミュニティーの発展、町づくりを大きくゆがめる、そういう大きな危険性があるということを指摘しておきたいと思います。
 以上、三つの問題に加えて、根本問題は公営住宅の建設を後退させているというところにある、そう思います。公営住宅の収入超過者等が低所得者の公営住宅への入居難の原因であるかのような議論がありますけれども、これは本末転倒も甚だしいと思うんです。
 九四年度の東京都の公営住宅の募集は四千七百四十九戸応募数は六万九千八百十三人で平均一四・七倍です。総務庁の九三年の住宅統計調査では、京浜葉大都市圏で民間借家住まいの最低居住水準未満の世帯は九十万世帯、その四、五割は公営住宅入居階層です。
 ところが、東京、神奈川、千葉、埼玉の公営住宅は四十万八千五百八十二戸、収入超過者は十六万世帯、それを全部追い出しても到底足りないんです。四都県の九四年度の募集は一万八千九百三十二戸、これは焼け石に水だと思います。必要な数の公営住宅の建設を怠ってきたことが極めてこうした高倍率をつくる最大の原因ではありませんか。
○政府委員(梅野捷一郎君) 私どもも、それぞれの地域におきます住宅事情により適切に対応するためには、必要な戸数を供給していくという姿勢で努力を積み重ねるべきだというふうに思っております。
 さまざまな財政上の問題その他いろいろなことを考慮しながらも最大限の努力をするという姿勢においては、私どももそういう観点で取り組んでいるところでございます。
 供給戸数をさらに、数の問題だけではなくてより的確な形で供給できるかどうかということが今回の公営住宅制度の改正についても御議論をいただいて御審議をいただいているところでございまして、例えば特定優良賃貸住宅の話をすぐ持ち出すというお話もございますけれども、やはり二百十万戸弱の住宅を適切な対応としての管理をしていくという関係でも、例えば一部についての建てかえを進める、そういうようなことについても他の周辺の仕組みとしての特定優良賃貸住宅が十分でなければそういうことも円滑には進まない、そういうことの中での組み合わせでやっていくということでございます。
 供給戸数とそれから供給している住宅の目的、効果をきちんと適切に発揮させていくということの両面から取り組んでいくべき課題であるというふうに思います。
○緒方靖夫君 公営住宅法第三条は次のように述べております。「地方公共団体は、常にその区域内の住宅事情に留意し、低額所得者の住宅不足を緩和するため必要があると認めるときは、公営住宅の供給を行わなければならない。」、こう義務づけているわけです。
 この責任を果たさずに、収入超過といっても平均収入をはるかに下回るような世帯に対して行く当てのない退去を迫る、そういうことはとんでもないことだと思います。
 公営住宅が圧倒的に足りないのに、第六期住宅建設五カ年計画では公営住宅建設の実績は計画を二万一千戸も下回っています。しかも、第七期計画では公営住宅建設の計画戸数を前期計画よりもさらに四万五千戸も減らしています。これでは公営住宅の天文学的な高倍率、入居難は解決しない。入居者を責めるよりまず責任を果たせ、このことを要求したいと思うんです。これは本当は聞きたいことなんだけれども、時間がないので次に進みます。要望しておきます。
 さらに問題なのは、政府の住宅政策の直接的な担い手であります住都公団が強制的な建てかえで低所得者が負担し切れない高家賃を押しつけて、事実上公団住宅からの追い出しを進めているという問題です。
 平均よりはるかに低い収入しかない世帯にまで非情な退去を求めなければならないほど公営住宅が足りないなら、そういうならば、国が責任を持つ公団住宅から高家賃で公営住宅階層を追い出すようなことはやめるべきじゃありませんか。
○政府委員(梅野捷一郎君) 公団住宅の建てかえに関連する従前入居者等の対応のことでございますが、公団住宅も居住水準を全体として充実すべきである、あるいは土地のより合理的な有効利用を図って、それぞれの地域において公団の受けとめるべき役割を拡充すべきであるというような観点から建てかえを進めさせていただいているわけでございます。
 建てかえ後の住宅の家賃につきましては、従前居住者の居住の継続性というようなものを公団の仕組みの中でも減額措置等を極力講じながら進めているところでございますが、公団住宅としての制度の制約を超える部分というものにつきましては、さらに公営住宅との併設でありますとか公営住宅への優先入居というようなそういう相互の幾つかの制度の協力関係の中で、これは公営住宅側から見た公団住宅相互の関係にもなるわけでございますけれども、そういう幾つか持っておる政策手段、事業手段を組み合わせながら、問題を解決しながら、さきに申し上げましたような政策も実現していかなければならないというふうに考えているところでございます。
○緒方靖夫君 中尾建設大臣にお伺いいたします。
 公共住宅から居住者を追い出す二つの問題、公営住宅の収入超過者の問題、そして公団住宅建てかえの高家賃問題、いずれも根っこは同じだと思います。階層別の公共賃貸住宅政策とその建設戸数の削減にあります。そもそも階層別公共住宅政策は、収入によって住む場所を住み分けるという極めて非人間的な政策です。しかも、家計状況の変化で追い出しを前提としたものであって、居住の継続安定を初めから否定した制度です。大臣が言われる豊かさが実感できる住宅政策に反するものだと思います。
 公営住宅の収入超過者の問題と公団建てかえの高家賃問題、この問題は今の住宅政策の破綻を示すものと言わざるを得ません。こうした住宅政策の抜本的な再検討を求めて、私の最後の質問といたします。
○国務大臣(中尾栄一君) 公的住宅制度は、それぞれの制度に応じまして施策の対象そのものを考慮したものとなっておりますが、その範囲は相当の幅を持ったものでございます。また、適切に分割、分担されましたそれぞれの制度が運用面では相互に連携を図りながら連続性を持たせて運用されることによって、住宅政策全体としては、所得に応じた適切な負担と安定しました居住の二つが両立できるということになっておるものと考えておる次第でございます。
○緒方靖夫君 終わります。
○委員長(永田良雄君) 他に御発言もないようですから、本案に対する質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○緒方靖夫君 私は、日本共産党を代表し、公営住宅法の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。
 住まいは人権、住宅は福祉であり、公営住宅は、不十分ながらも人間生活の重要な基盤の一つである住まいを保障するための最も根幹的な制度となってきました。このことは、阪神大震災の被災者の最も切実な要求が安定した住居、とりわけ大量の公営住宅建設の声に集中的にあらわれています。
 昨年の住宅宅地審議会答申は、住宅政策に市場原理を貫徹し、公共住宅の役割の縮小と市場家賃に準拠した家賃引き上げを目指しています。今回の法改正は、それを具体化し、国民の住宅を保障すべき公営住宅制度をごく限られた救貧制度に変質させる重大な一歩を踏み出したものと言わざるを得ません。
 第一の問題は、地域の実情に即した地方公共団体の家賃抑制の努力を否定し、大幅な家賃引き上げとなる家賃方式を強制していることです。本改正に先行して実施された東京都営住宅の応能・応益家賃制度は、事前の説明に反して多数の世帯に大幅な家賃値上げとなっています。その東京都営住宅でさえも、国の家賃補助の基準になる入居者負担基準額はさらに高くなります。値上げを防ぐためには相当の東京都独自の負担を余儀なくされるのです。本法改正によって、こうした家賃の引き上げが全国に拡大することになります。
 第二の問題は、一般世帯の入居収入基準を引き下げ、公営住宅の役割をさらに狭めていることです。多数の低所得世帯を公営住宅の対象から排除した上、平均年収にも満たない入居者に高額の家賃を課して、移転先の保証もないまま退去を迫るなどということは、公共住宅として絶対に認めることはできません。政府が代替として示している特定優良賃貸住宅は、年々五%もの家賃引き上げを前提としたものであり、とても低所得者の負担に耐え得ないものであり、それさえ公営住宅制度改正の受け皿としては圧倒的に足りません。特定優良賃貸住宅で対処するなどというのは、架空の物語にすぎないのが実態です。
 第三の問題は、公営住宅を高齢者等ばかりの住まいにしてしまい、町づくりをゆがめてしまうということです。高齢者福祉は、バランスのとれた地域コミュニティーの確立、住民相互の日常的な連帯なくしては成り立たないものです。多種類の公共住宅を団地内に建設すれば解決するなどというのは、机上の空論にすぎません。
 以上のような問題点の根本には、収入別に住宅を区分けし、家計状況が変わったら出ていけという階層別の公共住宅政策があります。これは、国民を差別し、住みなれた町に安心して住み続けることを初めから否定した非人間的政策と言わざるを得ません。
 今、すべての国民が健全な生活を送ることができる住居の保障を切実に求めているとき、また公共住宅がますます重要になっている折、このことが一層強く指摘される必要があります。借り上げ制度等の導入により、公営住宅の直接供給から撤退することは絶対に許されません。破綻した持ち家優先政策、階層別住宅政策を抜本的に見直し、公営住宅を含む公共住宅の大量建設を進めるよう強く求めて、反対討論といたします。
○委員長(永田良雄君) お静かに、御静粛に願います、傍聴席は。
 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 公営住宅法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(永田良雄君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、建設大臣から発言を求められておりますので、これを許します。中尾建設大臣。
○国務大臣(中尾栄一君) 公営住宅法の一部を改正する法律案につきましては、本委員会におかれまして熱心な御討議をいただき、ただいま可決されましたことを深く感謝申し上げます。
 審議中における委員各位の御高見につきましては、今後、その趣旨を生かすよう努めてまいる所存でございます。
 ここに、委員長初め委員各位の御指導、御協力に対し深く感謝の意を表し、ごあいさつtいたします。どうもありがとうございました。
○委員長(永田良雄君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(永田良雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時五十八分散会